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2013/11/01 第185回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第185回国会 外務委員会 第2号
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2013/11/01 第185回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第185回国会 外務委員会 第2号

#1
第185回国会 外務委員会 第2号
平成二十五年十一月一日(金曜日)
    午後三時四十三分開議
 出席委員
   委員長 鈴木 俊一君
   理事 城内  実君 理事 左藤  章君
   理事 鈴木 馨祐君 理事 薗浦健太郎君
   理事 原田 義昭君 理事 松本 剛明君
   理事 小熊 慎司君 理事 上田  勇君
      石原 宏高君    黄川田仁志君
      小林 鷹之君    小林 史明君
      河野 太郎君    島田 佳和君
      渡海紀三朗君    東郷 哲也君
      福山  守君    星野 剛士君
      武藤 貴也君    村井 英樹君
      小川 淳也君    玄葉光一郎君
      長島 昭久君    阪口 直人君
      村上 政俊君    岡本 三成君
      杉本かずみ君    笠井  亮君
      玉城デニー君
    …………………………………
   外務大臣         岸田 文雄君
   外務副大臣        岸  信夫君
   外務大臣政務官      石原 宏高君
   政府参考人
   (法務省大臣官房審議官) 萩本  修君
   政府参考人
   (外務省大臣官房参事官) 相川 一俊君
   政府参考人
   (林野庁長官)      沼田 正俊君
   外務委員会専門員     辻本 頼昭君
    ―――――――――――――
委員の異動
十一月一日
 辞任         補欠選任
  あべ 俊子君     福山  守君
  河井 克行君     小林 史明君
  木原 誠二君     村井 英樹君
同日
 辞任         補欠選任
  小林 史明君     河井 克行君
  福山  守君     あべ 俊子君
  村井 英樹君     木原 誠二君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 政府参考人出頭要求に関する件
 国際情勢に関する件
     ――――◇―――――
#2
○鈴木委員長 これより会議を開きます。
 この際、岸外務副大臣から発言を求められておりますので、これを許します。外務副大臣岸信夫君。
#3
○岸副大臣 このたび外務副大臣を拝命いたしました岸信夫でございます。
 先日の委員会を公務出張により欠席させていただきましたため、本日、御挨拶を申し上げる次第でございます。皆様に御理解をいただきまして、まことに心より感謝申し上げます。
 課題山積の日本外交推進に当たり、岸田大臣のもと、日本の国益を見据え、各国と協調しつつ、我が国としてのリーダーシップを発揮する力強い外交の実現を目指します。
 特に、北米、中南米、中央アジア、ロシアを含む欧州、中東諸国との関係強化に努め、安全保障、軍縮・不拡散、科学技術分野の課題に取り組んでまいります。
 海外への情報発信や文化外交を推進し、また、邦人保護にも万全を尽くすほか、総合的な外交力の強化にも努めてまいります。
 鈴木委員長を初め理事、委員各位の御支援と御協力を心からお願い申し上げます。よろしくお願いいたします。(拍手)
     ――――◇―――――
#4
○鈴木委員長 国際情勢に関する件について調査を進めます。
 この際、お諮りいたします。
 本件調査のため、本日、政府参考人として外務省大臣官房参事官相川一俊君、法務省大臣官房審議官萩本修君、林野庁長官沼田正俊君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#5
○鈴木委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
#6
○鈴木委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。小林鷹之君。
#7
○小林(鷹)委員 自由民主党の小林鷹之でございます。
 この外務委員会では初めて質問に立たせていただきますが、高校の先輩でもある岸田大臣に対しまして質問させていただけることを光栄に思います。よろしくお願いいたします。
 まずは、先日の委員会におきまして、岸田大臣から、経済外交の強化のため、WTOやTPPを含め国際的な貿易や投資のルール形成において主導的な役割を果たすとの御挨拶がございました。この投資について、幾つか伺わせていただきたいと思います。
 ことし八月の経常収支を見ると、約一千六百億円の黒字、その内訳は、貿易収支が約九千億円の赤字、一方で所得収支が約一兆三千億円の黒字となっていることからもわかるとおり、もはや我が国は、貿易だけではなくて、投資もその両輪として走っていかなければならない、このことは明らかだと思います。
 したがいまして、マルチ、バイを問わず、投資環境の整備という意味では、ぜひ大臣に引き続き御尽力いただきたいと思うんですけれども、その際、周辺諸国の動きについてもしっかりと考慮しながら進めていただきたいと思っております。
 例えば、きょう触れさせていただくのは中国でございます。中国のバイの投資協定の締結数は既に約百三十本というふうになっておりまして、片や我が国は二十五本という形で、かなり中国の方が先行しております。
 また、特に中国の先進国との関係なんですけれども、近々EUとの間で交渉を始める雰囲気が今出てきておりまして、また、ことしの夏の米中戦略・経済対話において、恐らく中国のバイの投資協定では初めてだと思うんですけれども、エネルギーや金融セクターを含む全セクターを対象にした、自由型の、かつネガティブリスト方式の交渉を進めていくことに中国、アメリカで合意をしました。これは、ある意味、非常に画期的な動きだと思っております。
 日本の企業への影響も大いに予想される中で、また、我が国を含むTPP交渉が今同時に進んでいる中で、中国がアメリカやEUという世界経済の二極と投資協定を進めていく背景、その意図、そしてその影響について、大臣がどのようにお考えになられているのか、見解をお聞かせいただければと思います。
#8
○岸田国務大臣 まず、委員の投資に関する問題意識につきましては、大変重要な問題意識だと認識をしております。
 そして、中国の投資協定締結の背景、そして影響について御質問いただいたわけですが、まず、他国の経済政策の背景について何か申し上げる立場にはないわけですが、一般論として申し上げるならば、中国政府も、みずからの持続的な経済発展を続けるためにさまざまな努力を行っており、そしてその一環として、国内外の企業の投資環境の整備に努力していかなければならない、そういった思いで努力をしているんだというふうに考えます。
 そして、影響につきましては、まさに今中国が結んでいる投資協定の中身ですとか、そして実際にそれが実行される際の経済環境、国際環境によって異なるものですから、今の段階で影響についても具体的に申し上げることは難しいとは思いますが、一般論として申し上げるならば、こうした各国がそれぞれ投資環境整備において努力をする、そして貿易・投資が促進される、こういったことであるならば、こういったことが積み重なることによって世界経済全体の活性に資する、このように考えていくべきものだとは思います。
 ただし、委員の問題意識のように、中国を初め各国のこうした動きについては、しっかりと動向を注視していかなければならないと思っています。
 そして、何よりも、我が国自身が、世界の経済成長の活力をみずからの経済の成長に取り込むために、対外、対内投資の拡大を図るべく、環境整備に取り組んでいかなければならない、このように強く感じます。ぜひ、投資協定の締結に向けて、我が国自身がしっかりと戦略的に取り組んでいかなければならないと考えています。
#9
○小林(鷹)委員 ありがとうございます。
 これから、我が国としても、バイの協定締結の加速化、迅速化はもとより、マルチのルールの整備、特に今、TPP交渉は走っていますから、中国を初めとする国が今後こうした枠組みに入ってくるのかどうか、仮に入ってくるとした場合にどう備えておくか、そうしたところまでを御配慮いただいて、引き続き戦略的に交渉を進めていただければと思います。
 一方で、先進国ではなくて、中国が積極的に投資を行っているアフリカなんですけれども、ここについても、投資の額も協定数も大きく日本が出おくれている。そうした中で、日本が今後アフリカ諸国に対してどう関与していくかは、重要な外交課題の一つだと思います。
 TICAD5で、総理が、今後五年間で最大約三・二兆円程度の官民の取り組みによる産業や人材の育成、そして雇用創出支援、こうした日本らしい支援策を表明されましたけれども、今後、資源の獲得、インフラ整備の受注、ひいては、最終的には、その先には国連の安保理改革、こうしたところで日本への支援獲得までも視野に入れて、具体的にどのような形で今後アフリカへの投資を促進させていくのか、見解をお聞かせいただければと思います。
#10
○岸田国務大臣 御指摘のアフリカ諸国への日本の投資ですが、日本の投資は、やはり他の国の投資とは内容において違う特色を持っているという評価を得ていると承知をしています。日本からの投資は、やはり現地に雇用を創出する、そして現地に技術移転をもたらす、こういった意味でアフリカの成長に貢献する、こうした点で高く評価されている、このように認識をしております。
 我が国は、こうしたアフリカの期待に応えなければなりません。そして、あわせて、このアフリカの活力を日本の経済に取り込むためにも、委員御指摘のように、TICAD5におきまして、今後五年間でODA約一・四兆円を含む最大約三・二兆円の官民の取り組み、これを打ち出した次第です。
 政府としましては、今後、日本の企業の関心の高い資源開発ですとか、さらにはインフラ整備、そして人材育成、こういった分野を重点的に支援することで、資源獲得、インフラ整備受注、こういったものも視野に入れながら、日本企業をしっかりと後押ししていきたいと考えています。日本とアフリカ諸国との間で、ぜひウイン・ウインの関係を構築していくことが重要だと考えております。
 こういった観点から、これまでアフリカ諸国に官民合同ミッションを派遣してきましたが、近く、事情が許せば、ガボン、コンゴ共和国あるいはコートジボワール、こういった地域に官民合同ミッションを派遣していきたいと考えております。
 そして、御指摘のように、こうした取り組みを通じて、アフリカ諸国と相互に信頼関係を醸成し、そしてさまざまな国際場裏においても協力をしていく、国連の安保理改革においても、ともに協力し、実現を果たしていく、こういった成果にもつなげていきたい、このように考えています。
#11
○小林(鷹)委員 岸田大臣には、アフリカとの戦略的な関係の強化、構築に向けて引き続きリーダーシップを発揮していただきたいと思います。
 次に、外国人による土地の取得に関する規制について伺わせていただきたいと思います。
 今申し上げました投資協定などを通じて、金、物、サービス、こうしたものが取引される際の障壁を下げていくという流れは、我が国にとっては基本的には望ましいと思っております。しかし、多くのこうした投資協定の中にも投資財産の対象として含まれております土地、この取引については、安全保障の観点からしっかりと検討していかなければならないと考えております。
 先般の予算委員会におきまして、防衛施設周辺の土地について、外国人などによる土地の購入について問題が既に提起されております。私自身、現在、自民党内の一年生の水の勉強会という場で、水資源の確保といった観点から、外国人による森林買収問題について議論をさせていただいているところでございます。
 この水については、二〇五〇年ころには四十億人が水不足に陥るとの国連報告もある中で、我が国の水資源が今、他国によって脅かされております。一例として資料の一に示しておりますけれども、水源となる森林が、外資、特に北海道においては中国に買収されている実態がございます。
 その中で、まず確認させていただきたいんですけれども、我が国における土地取引を規制した法律の中に、資料の二につけさせていただいております、大正十五年に施行されました外国人土地法がありますけれども、過去の政府見解としては、法律は法的には有効であるけれども、現在のところ政令が存在せず、事実上、有名無実化しているとのことですけれども、その見解は引き継がれているでしょうか。
#12
○萩本政府参考人 外国人土地法につきましては、これを適用するための政令が現在定められていないというだけではなく、現行の憲法のもとで一度も定められたことがないものでございまして、そもそも、これを適用して外国人による土地取得を制限することは、さまざまな問題があって、極めて難しいと考えております。このような政府の見解は変わっておりません。
#13
○小林(鷹)委員 そうすると、現在我が国においては、外国人であっても原則自由に土地を取引できると考えられるわけですけれども、外国人や外国資本を対象に日本国内における土地取引を新たに制限することには何か問題があるでしょうか。
#14
○相川政府参考人 外国人の土地の取得や利用に関しましては、サービスの提供に関連するものと投資に関するものがあると考えております。
 サービスの提供に関する国際規律としては、GATS、WTOサービス貿易に関する一般協定がございまして、そこにおきましては、外国人によるサービス提供にかかわる土地の利用それから取得について、最恵国待遇及び内国民待遇という義務を負っております。したがって、外国人がサービス提供をするに際して、我が国の土地を取得したり利用したりすることについては、原則、国籍を理由とした差別的制限を課すことは認められておりません。
 その一方で、外国人のみを対象にした措置でない場合、つまり内外無差別の場合には、合理的目的及び手段で土地の取得等を規制することに関しまして、GATSによる制約があるわけではないと考えております。
 それから、投資に関しましては、マルチの規定がないものでございまして、これはバイの規定で規律が行われております。我が国が最近締結しました投資協定それから経済連携協定の投資章におきましては、多くの場合、土地取得に関して内国民待遇義務に留保を付しておりまして、その限りにおいて、相手国投資家が土地を取得することについて国籍を理由とした差別的制限を課しても、国際的な約束にはならない。
 ただし、韓国とメキシコとの二国間の国際約束に関しましては、投資の自由を包括的に推進するという総合的な立場がございまして、相手国の投資家による我が国の土地取得に関して内国民待遇義務を留保しておりませんので、これら国の投資家による土地の取得に関して国籍を理由とした差別的制限を課すことは認められないということになると考えています。
#15
○小林(鷹)委員 ありがとうございます。
 確かに、GATSの規定を含め、さまざまな制約があるとは思います。
 しかし、例えばGATS上は、今おっしゃったように、何らかのサービス提供を目的とした土地取引が対象となっているようですけれども、そもそも目的すら不明の土地取引という例も存在しておりますし、諸外国の例を見ても、外国人による取引について一部制限を加えている国は存在しております。中国はもちろんのこと、韓国もそうですし、G8諸国の中にも一部制限を加えている国はございますので、我が国も、主権を守り抜くためには、新たに立法する等の何らかの措置を速やかに講ずるべきだと私は思っております。
 そうした中で、そもそも論としてなんですけれども、外国人による土地取引については、政府が全体像を能動的に把握する体制や法体系にはなっていないと承知しておりますが、そうだとすると、個々の分野でしっかりと管理していかなければならないと思います。
 土地取引については、森林法ですとか、あるいは農地法、国土利用計画法、不動産登記法などの法律がありますけれども、例えば、今取り上げさせていただいた森林についてなんですけれども、外国人による所有権取得の動向をどのように把握し、また、その取得目的や利用実態まで把握されているのかどうか、お聞かせいただきたいと思います。
#16
○沼田政府参考人 お答え申し上げます。
 外国資本によります森林買収の状況につきましては、平成二十二年以降でございますが、毎年、都道府県を通じて調査を行っております。平成十八年から二十四年の七年間でございますが、その七年間の森林の取得事例は、累計で六十八件、八百一ヘクタールとなっております。また、この調査により取得目的も把握しておりますが、主な取得目的は、資産保有、住宅用となっているところでございます。
#17
○小林(鷹)委員 確かに、森林法については一昨年改正が行われまして、新たに森林を取得した個人、法人については、その面積の条件を撤廃して、市町村長へ事後的に届け出することが義務づけられました。これは前進だと思うんですけれども、一方で、都道府県レベルでは、国の動きが遅いと、国の動きに先立って、事前届け出の条例創設というのが今相次いでおります。
 こうした外資による森林売買につきましては、国としても事前届け出を義務づけるべきだと思うんですけれども、政府の見解をお聞かせください。
#18
○沼田政府参考人 お答え申し上げます。
 ただいま委員御指摘の件でございますが、平成二十五年の九月現在でございますが、北海道など十一道県で、水源地域における土地の売買等について、事前届け出の義務を課す条例制定の取り組みがございます。これは、土地の所有者等に水資源の保全の重要性などを説明するという趣旨でございまして、地域の特性に応じた水源地保全に取り組んでいただいているものと認識をしているところでございます。
 私どもといたしましては、森林の有する多面的機能の発揮を適切に確保するために、森林法においてさまざまな規制措置が設けられております、また、こういった規制措置の確実な運用を図る上で森林所有者情報の異動を確実に把握することが重要だということで、平成二十三年の森林法改正により、新たに森林の土地所有者になった者に事後の届け出を義務づける制度が創設されたところでございます。
 私どもとしては、今後とも、新たに創設された制度といったものを通じて、外国資本による森林買収の動向等を把握するとともに、規制措置等を適切に運用してまいりまして、森林の有する多面的機能の発揮を確保してまいりたいと考えているところでございます。
#19
○小林(鷹)委員 ありがとうございます。
 今お伺いすると、いろいろ事情はあるとは思うんですけれども、これは、安全保障の観点から、もっと前向きに考えていただくべき問題だと私は思います。森林法とかあるいは農地法とか、こうした個別分野での規制にもし限界があるとすれば、そうした安全保障の観点からは、横串を通す形での包括的な規制も考えていくべきではないかと思うんです。
 いずれにしても、土地の戸籍でもある地籍調査、これも、現在の進捗率は、まだ五〇%しか進んでおりません。これをすれば解決するというものではないですけれども、こうした現象にも見られるように、国土を管理して守り抜くという国家としての意識を今の時点から相当程度高めていく必要があると私は感じております。
 先日の予算委員会、そして前回の通常国会におきましても、総理からは、土地取引の規制のあり方についてしっかりと検討していきたい、そうした前向きな御答弁がございました。事情は刻一刻と変化しておりますので、この外国人による土地取引に関する規制のあり方につきましては、政府内部における責任や権限の所在の明確化、そして省庁間の連携強化とあわせて、私は法制化が必要だと思っております。
 この点につきまして、政治家としての岸田大臣の御見解をお聞かせいただければと思います。
#20
○岸田国務大臣 まず、私としましても、安全保障の観点から、我が国の土地の取得あるいは利用のあり方について検討すること、これは大変重要なことだと認識をしています。
 政府全体として関係省庁が連携して、土地取得の規制の必要性ですとか、個人の財産権の保護ですとか、国際約束の整合性とか、諸事情を総合的に考慮していかなければならないと思いますが、やはり問題は、今委員まさに御指摘になられたように、こうした問題に対してどこが全体を把握するのか、どこが対策をリードするのか、これがはっきり見えていないという点であると思います。
 そして、今、与党におきましても、委員を初め多くの関係者が熱心にこの問題を議論され、取り組んでおられると承知しています。ぜひ、与党、そしてさらには野党のこうした問題に関心のある方々の議論もしっかり参考にさせていただきながら、政府・与党一体として、どういった体制をつくるのか、これをしっかりと考えていかなければいけない、このように思います。そしてその中で、外務省ももちろんしっかり協力をさせていただきたいと考えます。
#21
○小林(鷹)委員 大臣から御答弁をいただきましたが、外国人土地法を改正するのか、あるいは新たな法律をつくるのか、これは、立法府であれ行政府であれ、まさに今、政府・与党一体となってとおっしゃっていただきましたけれども、国家として危機感を持ち、早急に対応していかなければならない課題だと思っております。
 自民党の中でも、安全保障と土地法制に関する特命委員会、こうした場でも議論が進められておりますけれども、国民的な関心も今高まってきておりますので、この機会を捉えて、行政府としても前向きに御対応いただければと思いますので、よろしくお願いいたします。
 最後に、水資源に関連いたしまして、ビジネスの観点から幾つか質問させていただきます。
 先ほど世界の水不足について言及させていただきましたが、裏を返せば、それだけ潜在的なニーズがあるということでございます。この水ビジネスについては、二〇二五年までに約百兆円近い規模のビジネスになると言われております。日本再興戦略におきましても、水については、海水淡水化に必要な膜技術などの我が国の技術や製品が、世界トップ水準の力を持つ、可能性あるインフラ分野の一つとして位置づけられているところでございます。
 この日本の水ビジネス関連のODAにつきましては、これまで主に浄水場ですとか下水処理場などの設備の建設がメーンで、その後の維持運営については、場合によっては他国の企業が担当してしまう事例もあるやに聞いております。国内でさえも、愛媛県松山市など、水道業務を外資の水メジャーに委託している自治体も出てきております。
 他方で、世界全体でいまだ八億人近い方が安全な飲料水にアクセスできない状況にある中で、資料の三なんですけれども、日本が得意とする海水淡水化事業は、そうはいっても全体の約五%にすぎない。
 一方で、市場規模の大きい上水道や下水道の設備建設、管理運営までを官民一体となって進めていけば、途上国の経済発展、あるいは安全な飲み水へのアクセスを通じて感染症の減少にも寄与できると思いますし、我が国にとっては、莫大な市場規模の一部を担うことになって、国家戦略上大きな意義があると思っております。
 足元の財政的な制約もある中で、戦略的、効率的に用いられることが求められておりますODAの資金についても、日本の水に関する技術、ノウハウを、建設から維持管理、運営に至るまで、そして人材育成までをもパッケージにして海外展開していけるような、そうした国の政策対応が必要だと思いますが、いかがでしょうか。
#22
○岸田国務大臣 世界の膨大なインフラ需要を積極的に取り込んで、そしてそれを我が国の力強い経済成長につなげていく、このことは、成長戦略を考える際に大変重要な考え方だと存じます。
 そして、水分野を含めたインフラの海外展開につきましては、我が国企業による機器の輸出のみならず、インフラの設計、建設、運営、管理を含むシステムとしての受注、さらには現地での事業投資の拡大、こうした我が国企業の多様なビジネス展開を考えていく、こうした考え方が重要であると認識しております。このことは、今の政府がインフラシステム輸出戦略というものを取りまとめていますが、その第一章に、まさに今申し上げたような考え方を明記させていただいております。
 こういった考え方に立ちまして、今、パッケージによる海外展開という御指摘をいただきましたが、これは基本的には同じ考え方だと存じます。こういった考え方に基づいて、政府としましても、積極的に、こうしたインフラの海外展開、支援をしていきたいと考えています。
#23
○小林(鷹)委員 成長戦略の一つとしての水のインフラ輸出、ぜひよろしくお願いいたします。
 一方で、こうしたODAについて一つ気になるのは、我が国のアンタイド率でございます。ほかの先進国と比べるとかなり高い。これまでさまざまな批判を受けてこうなっているということは私も承知しておりますけれども、納税者への説明責任の観点から、また、日本企業の海外展開を国を挙げて後押ししていく観点からも、こうしたアンタイド率を引き下げる、こうしたことも含めて、国際貢献と直接的な国益のバランスというのをもう少しシビアに考えてもいいのではないかと思いますが、見解をよろしくお願いいたします。
#24
○石原大臣政務官 小林委員にお答えいたします。
 ODAは、我が国の最も重要な外交手段の一つであります。アンタイドの率が高いというのは、円借款がほかの国に比べてかなり比率が高いということがありますけれども、一方で、六月に取りまとめられました日本再興戦略で経済分野での国際展開の支援を掲げ、国益に資する戦略的なODAを展開していくということを行っております。
 具体的には、本邦技術を活用したタイド借款については、我が国のすぐれた技術やノウハウを活用した事業の促進を目指して、医療機器や防災システム、防災機器を適用分野として加えたほか、適用条件を緩和し、金利も引き下げたほか、中堅中小企業等に対する重点的支援を行い、これを推進しようとしております。
 我が国として、今後とも、ODAをより戦略的、効果的に活用することにより、国際社会の平和と安定に貢献しつつ、我が国の国益の増進に努めていく所存でございます。
#25
○小林(鷹)委員 ありがとうございます。
 ODAについてはいろいろ考え方があると思うんですけれども、今の財政状況に照らせば、限られたODA資金を用いて獲得しようとする国益は何なのか、そしてそれを最大化するためには何が必要なのかというのをいま一度私は整理すべきだと思っております。
 時間が来たので最後になりますけれども、私自身が数年前に外交官として勤務をしていた際に、ほかの国に比べて、とりわけ隣の韓国などが、国を挙げて、官民一体となって企業を国際競争の舞台へと押し上げてくる。そうした動きを見ていて、一方で、我が国がそうした官民一体となったセールスがやはりまだまだ弱いというのを現場で感じておりました。そうした中で、安倍総理や岸田外務大臣がみずからトップセールスマンとして世界を飛び回られていることは、心強く思いますし、敬意を表しております。
 最後に、こうした日本の強みやよさをこれから世界にアピールしていくことにつきまして、大臣の意気込みをお伺いし、質問を終わらせていただきたいと思います。
#26
○岸田国務大臣 御指摘のように、現内閣におきましては、総理、外務大臣を初め閣僚が、それぞれトップセールスという形で世界を飛び回っております。
 そして、その中で改めて感じますのは、こうした国際的なビジネス環境の厳しさであります。こうした厳しい環境の中にあって、やはり官民がしっかり連携した形で、オール・ジャパンで取り組んでいかなければいけない、こうしたことの必要性を痛感しているところです。ぜひ、今後とも、こうした官民連携、しっかりとした体制で厳しいビジネス環境に臨んでいきたいと考えております。
#27
○小林(鷹)委員 終わります。ありがとうございました。
#28
○鈴木委員長 次に、岡本三成君。
#29
○岡本委員 公明党の岡本三成でございます。
 本日は、質問の機会を頂戴いたしまして、委員長以下理事の皆様、本当にありがとうございます。また、岸田外務大臣におかれましては、日々の激務、本当にお疲れさまです。
 きょうは、大きく二点質問をさせていただきますので、ぜひ、型にはまらない、率直な、前向きな御答弁をいただければと思います。
 まず一つ目の質問は、国連外交について質問をさせていただきます。
 先月、十月二十一日に、国連総会第一委員会、軍縮を議論する委員会ですけれども、核不使用を訴える共同声明が採択をされまして、我が国も賛同をいたしました。私自身、これを高く評価しております。
 我が国は世界で唯一の戦争の被爆国でありまして、また、外務大臣御自身も被爆地である広島の選出でいらっしゃいますので、今回の賛同に関しましては、大臣の大きなイニシアチブがあったというような報道もなされております。
 ただ一方で、過去三回におきましては我が国はこれに賛同しなかったわけで、今回賛同された大きな理由は何だったのかということを改めて御説明いただきたいと思います。
 特に、事前に、同盟国であるアメリカには、こういう内容に修正をされるので賛同するつもりだというふうな打ち合わせがなされたような報道もされており、それについてある程度の同意もいただいたという報道も耳にしましたけれども、一方で、賛同した後の声明の後、アメリカの政府高官からは、このような採択自体を否定するかのような発言もされておりますので、今後のアメリカとの関係も含めた大臣の所感を一言いただければと思います。
#30
○岸田国務大臣 御指摘の核兵器の人道的影響に関する共同ステートメントですが、過去三回、同種のステートメントは発出されておりました。我が国は、その三回は賛同をいたしませんでした。
 このステートメントですが、このステートメントにおける核兵器の人道的影響に関する認識、すなわち、核兵器が使用された際に、使用された世代のみならず、将来の世代にまで影響が及ぶ、さらには、健康のみならず、経済的、社会的にも深刻な影響をもたらす、こうした人道的影響に関する認識、こういった点につきましては、従来から我が国は一致しておりました。
 ただ、我が国の厳しい安全保障環境の中で、我が国の現在の安全保障政策との整合性について、従来から関係国と議論を続けてきたということでありました。
 今回、私も、この共同ステートメントを中心になってまとめた国々の外務大臣、ニュージーランドですとかあるいはマレーシアですとか、こういった国々の外務大臣と直接会いまして、我が国の考え方、共同ステートメントに対する立場、こういったものを説明し、協力を要請してきました。事務的にも、関係各国に働きかけ、調整をしてきました。
 結果としまして、拡大抑止を含む我が国の安全保障政策、さらには核軍縮アプローチ、こうしたものと整合的な内容に修正することができたということで、今回、我が国として賛同させていただく、こういったことに至った次第でございます。
 これによって我が国の安全保障政策が何ら変わるものではありませんが、しかし、共同ステートメントに賛同するということは、核兵器のない世界を目指すというこの大きな目標に向けて国際世論をリードする際に、これは大変大きな意義があったと思っています。
 途中、百二十四まで賛同国がふえたと聞いております。その後もさらにふえたかもしれませんが、こうした多くの国々が賛同する共同ステートメントに我が国も賛同したということは、軍縮、核不拡散の国際世論をリードする上で大変大きな意義があったと認識をしております。
 そして、アメリカとの関係ですが、アメリカからさまざまな意見があるということは承知していますが、現状、米国政府から直接、批判的な見解は示されていないと認識をしております。そして、このステートメントの対応に当たりましては、事前に米国ともしっかり意見交換を行い、そして、我が国の考え方、こういったものは説明をしてきております。
 以上です。
#31
○岡本委員 ありがとうございます。
 続きまして、現在、やはりシリア問題が安全保障上の世界の大きな問題、焦点になっていますけれども、シリアの化学兵器使用疑惑に対しましては、軍事を用いた解決がなされるような動きがあった一方で、結果的に、国連を舞台にした世界各国の世論形成がなされまして、国連の査察をシリアが受け入れるという形で、非常に理想的な形で私は進んでいるのではないかなというふうに思います。
 ただ一方で、このような過程の中で、日本政府が国連においてどのような役割を果たしてきたかということは、残念ながら、ほとんど報道がされておりません。昨今の世界の状況を考えますときに、いま一度国連の役割を大きく見直しまして、日本としての役割の大きさを増強していくということが私は必要ではないかなというふうに思っております。
 特に、今国会の所信演説で、総理はこういうふうにおっしゃっています。
  戦後六十八年にわたる平和国家としての歩みに、私たちは胸を張るべきです。しかし、その平和を将来も守り抜いていくために、私たちは、今、行動を起こさねばなりません。
  単に国際協調という言葉を唱えるだけでなく、国際協調主義に基づき、積極的に世界の平和と安定に貢献する国にならねばなりません。積極的平和主義こそが、我が国が背負うべき二十一世紀の看板であると信じます。
 私もこの意見に基本的に大賛成です。しかしながら、総理がおっしゃる積極的平和主義というと、どちらかというと、イメージ的には、例えば、集団的自衛権の行使であったり、自衛隊の海外への派遣の拡大であったりというふうに受けとめられている感がありますけれども、実は、私はこの国際協調主義というのはまさに国連外交そのものだというふうに思うんですね。
 国連を舞台に、日本がやるべき役割を積極的に担っていくことこそが総理の御趣旨だと信じたいというふうに思っておりますけれども、いかがでしょうか。
#32
○岸田国務大臣 まず、我が国は、平和国家として、国際協調主義に基づいて、国連を通じた外交を重視しております。
 そして、安倍総理の積極的平和主義という言葉ですが、これは、近年、我が国をめぐる安全保障環境、アジア太平洋の戦略環境は大変厳しいものがあります。そして、サイバーですとかあるいは宇宙ですとか、国境を越えた新しい脅威、こういったものも発生をしています。
 こうした状況の中で、我が国一国だけで我が国の平和と安定を守ることは難しくなっている、こういった認識がまずあります。我が国の平和を守るためには、地域ですとか国際社会、この全体の平和と安定を守ることによって平和と安定を実現しなければいけない、こういった考え方に立つべきではないかという考えがあります。
 そして、そういった考え方のもとに、国際協調主義に基づいて、世界の平和と安定にこれまで以上に積極的に寄与する国家になるべきである、こういった思いを積極的平和主義という言葉に込めていると理解をしています。
 こうした積極的平和主義の考え方は、従来も、既に、シリアやこの周辺国に対する人道支援、あるいはイランの核問題への平和的解決に向けた働きかけ、さらには人間の安全保障実現に向けた取り組み、こういったさまざまな取り組みにおいて実行されています。
 今後ともこうした取り組み、今後、我が国も国家安全保障戦略を取りまとめることになると思いますが、この戦略の中に、より具体的なものをしっかりとまとめていくことになると思っております。そして、こうした立場から、国連PKOへの積極的な参加ですとか、国連の活動の重視、こういったものを大切にしていきたいと考えています。
#33
○岡本委員 ありがとうございます。
 続きまして、日本の国連外交がどのように行われているかというのは、残念ながら、メディアでも余り報道がされないように思いますし、国会にもそれほど報告がなされていないように私は感じております。
 外務省は、毎年外交青書を出していらっしゃいまして、ブルーブック、大変すばらしいもので、私も熟読させていただきましたけれども、中に書いてあることは、日本の外交を、例えば分野別であったり地域別であったり、バイの関係でどういうことをやっているかということは書いてあるんですが、例えば本年度のものを読みますと、国連の中での活動におきましては、多分数ページもページが割かれていない状況であります。
 したがいまして、ぜひ、提案があるんですけれども、外務省として、国連における日本の活動をレポートにして、国会に毎年報告をしていくというようなことをお願いできないかというふうに思いますが、いかがでしょうか。
#34
○岸田国務大臣 まず、我が国として、国連外交あるいは我が国の国連での活動、こうしたものを対外発信していくこと、このことは、おっしゃるように、大変重要だと認識をしています。
 従来も国連外交については、先般も安倍総理が国連総会一般討論演説を行いました。また、国連事務総長などの国連側要人との会談を行う、こうした際には、しっかりと発信を行う、記者会見を行う、あるいは寄稿を行う、こうした広報に努めてまいりました。
 また、国連は、我が国に国連広報センター、UNIC東京を設置しております。国連広報センターを通じても、さまざまな活動、広報を行っております。
 従来、国連に対する国民の理解、あるいは対外発信ということで、我が国自身の発信と国連広報センターを通じた発信、こうした発信を行ってきているわけですが、今大変貴重な御提案をいただきました。
 国会への報告ということになりますと、これはまさに衆議院の外務委員会の先生方や国会の関係の皆さん方と調整をしなければいけない、御判断いただかなければいけないことだとは思いますが、ぜひ、外務省としても、どんなことができるのか一度検討してみたいと思います。
#35
○岡本委員 ありがとうございます。
 続きまして、国連職員における邦人の職員数が少な過ぎるというのは長年話題になってきておりましたけれども、この点について質問させていただきたいと思います。
 現状、拠出金におきましては、我が国は米国に次ぐ第二位でございまして、約一三%拠出金を出していますけれども、その拠出金の割合と比べましたときの職員の数というのが他国に比べて大変少ないというのはさまざま議論をされてきたところなんです。
 国連自身が適切な水準のスタッフ数というのを発表しておりまして、それによりますと、現状の邦人の職員数は適切な水準の約四分の一だそうです。これは、トップテンの国を見ますと、ほとんど五〇%から一〇〇%に近いところ、つまり適正な水準に近いところの職員数がおりまして、近隣諸国を見ましても、中国、韓国ともに、拠出金から見ますと、ほぼ適正な水準のスタッフを輩出しております。
 それで、七月三十一日に政府決定の日本再生戦略、実はこの中で、国際機関の日本人職員数を増強することをこの戦略の一つに位置づけていらっしゃいまして、二〇二〇年までに二〇%以上職員数をふやしていきたいというふうにおっしゃっていますけれども、実は適切な水準から見ますと、現状が四分の一ということであれば、これは二〇%どころか二〇〇%ぐらいを目指していただいてもまだ足らないんですね。
 そして、この再生戦略を考えますときに、邦人が国際社会の中で活躍をしていきますと、それ自体が日本の国際化にもつながりますし、若い世代の希望にもつながっていきますので、ぜひ力を入れて、行動を起こしていただきたいと思うんです。
 現状、このような職員数の状況が起こっている原因を何だと思っていらっしゃるかということと、加えまして、邦人のスタッフ数を上げていくための具体的な戦略、何を持っていらっしゃるかということを教えていただければと思います。
#36
○岸田国務大臣 現状の理由につきましては、人材の存在ですとかあるいは情報提供ですとか、さまざまな理由が存在するとは存じます。
 その中で、我が国としましては、三つほど大きな事業に取り組んでおります。若手日本人の国際機関への送り込み、そして二つ目として広報活動、応募支援、そして潜在的候補者の発掘、育成、こうした三つの取り組みを行っているわけです。
 一つ目の若手日本人の送り込みにつきましては、国際機関で勤務を希望する若手日本人を日本国政府が経費を負担して国際機関に派遣する、ジュニア・プロフェッショナル・オフィサー、JPO、こういった派遣を行っています。現在、日本人職員全体の四三%がJPO経験者ということであります。こうした取り組みは引き続き続けていきたいと思っています。
 また、二つ目の取り組みとして、国際機関での勤務を希望する日本人に対して、新たな空席情報あるいは国際機関への就職に有意義な情報提供、こうした広報活動、応募活動を行っております。この点でいきますと、先週も六つの国連機関とともに、国連機関への採用制度について説明会を開催いたしました。当日は八百名を超える方々が集まったと聞いております。こうした取り組み。
 さらには、潜在的候補者の発掘、育成のため、社会人の修士課程取得者等を対象とした国連職員採用の試験対策講座、こういったものも実施をしているところです。
 なかなか、画期的な手だてというのはそう簡単に見つかるものではないとは存じますが、今言った対策、それぞれ効果があるものと認識しておりますし、ぜひ引き続き積み重ねをしていきたいと思っています。
 数はまだまだ少ないですが、二〇〇一年の段階で、国連関係機関の日本人職員数は四百八十五であります。二〇一三年は七百六十四です。数は少ないですが、こうした取り組みによって増加傾向は見せているのではないか、こうした傾向はしっかり大事にしていきたい、このように思います。
#37
○岡本委員 ありがとうございます。
 大臣、実は、数はふえておりますけれども、全体的な国連職員の数もふえていますので、日本人の比率は変わっておりません。したがいまして、ぜひ、今おっしゃったことを確実に実行いただければと思うんです。
 私、今週、国連機関の長官と面談させていただいて、先月はOECDの幹部と面談させていただきましたが、いろいろな理由はあるんですけれども、最大の理由の一つは、最低の学位が修士以上という要求が多い中で、なかなか日本人で修士まで取る方が少ないということと、語学力の問題というふうにおっしゃっていたんですが、そうすると、例えば、海外で修士を取った後に国際機関で働きたいという方に対して特別な奨学金を出すですとか、ぜひ、具体的に直結するような施策も今後お考えいただければというふうに思います。よろしくお願いいたします。
 では、二つ目の大きな質問に関しまして、ぜひ、日中外交、大切なので、いま一度質問させてください。
 岸田大臣が就任された後、大臣御自身も安倍総理も、事あるごとに、この件に関しましては、対話のドアは常にオープンですというふうにおっしゃるんですけれども、先方も対話のドアはオープンで、お互いずっとにらめっこをしていて、全然会話が進まないというふうな状況に見受けられてしまうんです。
 まず初めに、現状をどう認識していらっしゃるかということと、大臣に御就任されて、大臣御自身、具体的にどういう外交努力、活動をされたかということをお話しいただければと思います。
#38
○岸田国務大臣 御指摘のように、日中関係は大変厳しい状況にあります。しかし、こうした厳しい状況にあるからこそ、さまざまなレベルで意思疎通を図っていくことが重要であるという認識に立って努力をしてまいりました。
 これまで、日中韓FTA交渉ですとか、日中韓の枠組みでの環境大臣、文科大臣あるいは防災担当大臣の会合、また、中国民政部副部長の訪日、日中防衛当局間の局長級協議など、具体的な分野、さまざまな協力できる分野での協議、交流は積み重ねてきました。
 ぜひ、今後とも、こうした交流、対話を着実に積み上げていきたいと存じます。
 そして、こうした具体的なさまざまなレベルでの対話は重要ですが、やはり高い政治レベルでの対話、これが重要だと認識をしております。この積み重ねによって、やはり高い政治レベルでの対話を実現したいということで、対話のドアは常にオープンである、こういったことを申し上げてきました。私としても、いつでも王毅外交部長とは会う用意がある、こうしたことは申し上げているところであります。
 ぜひ、こうした思いで引き続き努力をしていきたいと考えています。
#39
○岡本委員 ありがとうございます。
 その上で、やはり、この関係を悪化させた最大の問題の一つは、尖閣の国有化だというふうに私は思っております。特に、先方が何に怒っているかということをいま一度確認するようなことが重要だと思っているんです。
 昨年十月三十日、当時の野田総理は、尖閣諸島を国有化した理由について次のようにおっしゃっています。石原東京都前知事が尖閣を買うことを発言したため、余計なハレーションが起こる可能性が高くなった、安定的に平穏に維持管理するには国が買った方がいいと判断したというふうにおっしゃっております。
 確かに、さまざま議論はあった中で、よりこの問題を平穏におさめようということで、法的に問題ない形で所有権はかわったわけですけれども、外交的には若干配慮が足らなかったところがあるのではないかなというふうに私は思っていますけれども、この問題の根源が、つまり、先方が最も気分を害していらっしゃるその理由を、どこにあるというふうに大臣はお考えかということを教えていただければと思います。
#40
○岸田国務大臣 まず、尖閣諸島は、国際法上も、そして歴史的にも我が国固有の領土であります。ですから、前政権における国有化の判断については、この判断の当否にかかわらず、日本国内での所有権の移転は、本来、他国の間で何ら問題を惹起すべきものではないとまず考えております。
 ですから、中国の公船によるたび重なる領海侵入は極めて遺憾だと思っていますし、中国の力を背景とした現状変更の試み、我が国は、領海、領空、領土を断固として守り抜くという決意で、毅然かつ冷静に対処していかなければならないと思っています。
 要は、こういった現状があり、これに対して、これから未来に向けてどう対応していくのか、これが重要だと考えております。
 我々は、決して我々から事態をエスカレートさせるつもりはありません。粘り強い対話によって事態を緩和させていきたい、このように思っています。これをぜひ国際社会にもしっかり理解してもらいながら対話の環境をつくっていきたいと考えています。
#41
○岡本委員 ありがとうございます。そのとおりだと思います。
 したがいまして、私は何を申し上げたかったかというと、中国に対しても、国際社会に対しても、尖閣国有化の目的は日中関係をより安定的に維持改善するためのものだったということを常に丁寧に御説明いただきたいというふうに思いまして、この質問を取り上げさせていただきました。
 最後に、この関係に当たりまして、本年が日中平和友好条約締結三十五周年に当たったわけですけれども、八月十二日に外務省が出されました談話がありますので、一部読ませていただきます。
 この友好条約を含む「日中間の四つの基本文書の諸原則と精神に基づき、両国関係を引き続き推進していくことは、日中両国、地域及び国際社会の利益に資するものです。」「日中関係は双方にとり最も重要な二国間関係の一つです。隣国であるからこそ、様々な問題が生じますが、我が国政府としては、個別の問題があっても両国関係全体に影響を及ぼさないように努力し、発展させていくとの「戦略的互恵関係」にのっとり、日中関係を進めていくとの立場です。」というのが談話です。
 私はこれを拝見いたしまして、評論家のコメントじゃないかなというふうに思ったんですね。残念ながら、どのように積極的に日中関係を改善させていくかというような意思ですとか熱意は、この文章から私自身は感じることができませんでした。
 そして最後に、日中関係をここまで築いてくださったさまざまな先人の方の御尽力があったわけですので、そのことも若干紹介させていただきながら、最後に大臣の御決意をお伺いしたいと思うんです。
 三十五年前、この条約締結の当事者だった当時の外務大臣、園田外務大臣、この方の奥様が雑誌のインタビューに答えて、こうおっしゃっています。中国との交渉に出発する日の朝、まず水風呂に入り身を清め、記者に話をした後、私と別れの水杯を交わしました、そのとき、命がけで中国と条約を結ぼうとする夫の強い決意を感じましたとおっしゃっています。
 さらに、御主人が他界された後、奥様が中国に招聘されまして、トウショウヘイ氏に会われたとき、トウショウヘイ氏がおっしゃったエピソードが紹介されています。
 そこで、トウショウヘイ氏は、当時、園田先生と私は一枚の紙も持たないで条約締結の部屋に入っていったのです、それは、外交交渉をするのではなく、同じ政治家として、いかに中日両国の人民をより幸福にするかという話し合いをするためです、そしてこの条約は結ばれたのですというふうにトウショウヘイさんはおっしゃっています。
 まさに、私は、今必要なのもこういう気持ちなんだと思うんですね。日中のそれぞれの国民にとって何がよりよいかという一点に絞って、さまざまな外交の立場もあると思いますけれども、政治家として、大臣そして総理御自身が、対話を積極的にこちら側から仕掛けていくということが非常に重要ではないかなというふうに感じております。
 十一月七日には、韓国にて日中韓の三カ国の事務方高官の会議が開かれるというような報道もされていますけれども、その後にバイの外務大臣会合、そして、いずれは首脳会合というようなところに対する大臣の意気込み、最後に一言お聞かせいただければと思います。
#42
○岸田国務大臣 まず、今御紹介いただきました園田外務大臣を初め先人の方々の日中友好にかける覚悟や御努力に対しては心から敬意を表し申し上げ、そして、我々は、こうした先輩方の努力に恥じないように未来をしっかりつくっていく責任があるということを痛感いたします。
 日中関係、今もお話にありましたように、我が国にとりまして最も大切な二国間関係のうちの一つであります。そして、あわせて、世界第二と世界第三の経済大国の関係が安定するというのは、二つの国の国民の利益であるばかりではなくして、地域や国際社会の平和と繁栄にも大きく影響してくる。日中両国は、地域や国際社会にも大きな責任を担っているということを感じます。
 こうした思いで、日中両国関係者は、戦略的互恵関係の原点に戻って、しっかりと大局的な見地から両国関係を進めていかなければならない、このように強く思っています。
 大変難しい局面の中にあります。そして、難しい課題も存在いたします。しかし、課題が存在するから話し合いをしないというのは、あるべき姿ではないと思っています。隣国同士、難しい課題は存在します。課題が存在するからこそ、両国のトップが会い、そして忌憚のない意見交換を行い、そして、話し合いの中からそういった課題をどう解決するのか努力する、汗をかく、それこそ前向きな態度ではないかと私たちは思っています。
 ぜひ、中国の関係者の方々にもこういった思いを理解していただき、まずは、しっかりとした対話を始めるところから日中関係の未来を考えていきたいと存じます。
 あわせて、こうした我が国の考え方は、米国を初めさまざまな関係国に対してもずっと説明をし続けています。国際社会にも我が国のこうした立場、姿勢、しっかり理解していただき、そして、日中間の対話の環境づくりに御協力をいただけるようにお願いしていきたいと考えています。
#43
○岡本委員 ありがとうございます。
 政府以外にも、民間の方も、文化や教育交流を通じまして日中国交の改善、今進めていらっしゃいますので、ぜひ、外務大臣のリーダーシップをお願いしたいと思います。
 きょうは御質問の機会をいただきまして、ありがとうございました。終わります。
#44
○鈴木委員長 次回は、来る六日水曜日午前八時五十分理事会、午前九時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後四時四十九分散会
ソース: 国立国会図書館
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