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2013/03/13 第183回国会 参議院 参議院会議録情報 第183回国会 国際・地球環境・食糧問題に関する調査会 第4号
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2013/03/13 第183回国会 参議院

参議院会議録情報 第183回国会 国際・地球環境・食糧問題に関する調査会 第4号

#1
第183回国会 国際・地球環境・食糧問題に関する調査会 第4号
平成二十五年三月十三日(水曜日)
   午後一時開会
    ─────────────
   委員の異動
 三月七日
    辞任         補欠選任
     徳永 エリ君     白  眞勲君
     竹谷とし子君     石川 博崇君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    会 長         藤原 正司君
    理 事
                江崎  孝君
                青木 一彦君
                石川 博崇君
                松田 公太君
    委 員
                尾立 源幸君
                加賀谷 健君
                加藤 敏幸君
                白  眞勲君
                藤末 健三君
                安井美沙子君
                熊谷  大君
                島尻安伊子君
                野村 哲郎君
                橋本 聖子君
                加藤 修一君
                藤原 良信君
                紙  智子君
                舟山 康江君
                浜田 和幸君
   事務局側
       第一特別調査室
       長        宇佐美正行君
   政府参考人
       総務大臣官房審
       議官       村中 健一君
       外務大臣官房参
       事官       南   博君
       厚生労働大臣官
       房審議官     高島  泉君
       農林水産大臣官
       房審議官     角田  豊君
       経済産業大臣官
       房審議官     宮本  聡君
       国土交通省水管
       理・国土保全局
       次長       山崎 篤男君
       国土交通省水管
       理・国土保全局
       下水道部長    岡久 宏史君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○理事補欠選任の件
○政府参考人の出席要求に関する件
○国際問題、地球環境問題及び食糧問題に関する
 調査
 (「世界の水問題と日本の対外戦略」のうち、
 世界の水問題と日本の国際的役割及び取組の在
 り方について)
    ─────────────
#2
○会長(藤原正司君) ただいまより国際・地球環境・食糧問題に関する調査会を開会いたします。
 皆さん、御苦労さまです。
 委員の異動について御報告申し上げます。
 去る七日、徳永エリ君及び竹谷とし子君が委員を辞任され、その補欠として白眞勲君及び石川博崇君が選任されました。
    ─────────────
#3
○会長(藤原正司君) 理事の補欠選任についてお諮りいたします。
 委員の異動に伴い現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。
 理事の選任につきましては、先例により、会長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○会長(藤原正司君) 御異議ないと認めます。
 それでは、理事に石川博崇君を指名いたします。
    ─────────────
#5
○会長(藤原正司君) 政府参考人の出席要求に関する件につきましてお諮りいたします。
 国際問題、地球環境問題及び食糧問題に関する調査のため、本日の調査会に総務大臣官房審議官村中健一君、外務大臣官房参事官南博君、厚生労働大臣官房審議官高島泉君、農林水産大臣官房審議官角田豊君、経済産業大臣官房審議官宮本聡君、国土交通省水管理・国土保全局次長山崎篤男君及び国土交通省水管理・国土保全局下水道部長岡久宏史を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○会長(藤原正司君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#7
○会長(藤原正司君) 国際問題、地球環境問題及び食糧問題に関する調査を議題といたします。
 本日は、「世界の水問題と日本の対外戦略」のうち、世界の水問題と日本の国際的役割及び取組の在り方について政府から説明を聴取した後、質疑を行います。
 本日の議事の進め方でございますが、まず国土交通省及び経済産業省から十四分程度、外務省、厚生労働省、農林水産省、総務省の順でそれぞれ八分程度説明を聴取した後、午後四時ごろまでをめどに質疑を行いますので、御協力をよろしくお願いいたします。
 なお、御発言は着席のままで結構でございます。
 それでは、初めに国土交通省から説明を聴取いたします。岡久水管理・国土保全局下水道部長。
#8
○政府参考人(岡久宏史君) それでは、国土交通省より、下水道整備等の水分野における国際協力について御説明をさせていただきます。
 お手元の資料で、下水道分野の国際展開についてという資料を御覧いただきたいと思います。
 まず一ページ目でございますが、現在、下水道におきましても国際展開を進めておりますけれども、その社会的な背景としまして大きく二つございます。
 一ページを御覧いただきますと、まず一つは、この水と衛生分野での国際貢献ということでございまして、国連のミレニアム開発目標というのがございます。これは劣悪な水と衛生状況の改善を国際的に行うと、こういうものでございますが、この中に、安全な飲料水を継続的に利用できない人口が、これ一九九〇年でありますが、世界で二二%ある、それから、トイレなどの衛生施設を継続的に利用できない人口の割合が五一%あるということでございまして、これを二〇一五年までに半減をするという目標を立てておりまして、これが今国際的に取り組まれているということであります。
 それからもう一つは、右の方でありますが、巨大な世界水ビジネス市場がございます。表の中の赤い点線で囲っているところがございますが、これは下水道に関連したところでございまして、この数字、これ二〇二五年までにどれぐらいの市場があるかということでありますが、合計のところを御覧いただきますと、約三十七兆円の市場があるというふうに言われております。
 このような社会的背景がございまして、我が国といたしましては、高度経済成長期に公害問題に直面をしておりましたが、その公害問題を短期間で解決した技術、ノウハウというのを有しておりますので、この技術、ノウハウを活用して世界の衛生問題の解決、あるいは水ビジネス市場の成長の取り込み、こういうのを目指しているところであります。
 二ページ目を御覧いただきたいと思いますが、下水道として我が国が世界に貢献できる分野はどういうものがあるかということをまとめてございます。
 下水道はほかのインフラとは異なっておりまして、施設建設とか、あと資源利用、そういう様々な分野での貢献が可能でございます。
 まず一つ目は建設ということでありますが、これはまさしく汚水処理施設の整備でありますとか都市浸水対策などに貢献ができるものであります。それから、下水道が持つ資源の利用ということで、新たな水資源の提供でありますとか、省エネあるいは創エネ、そういうものに貢献ができます。それからもう一つ、老朽化対策であります。つまり、既に下水道施設を建設しておられる国において、その後、持続可能な下水道サービス、それの維持をしていかなきゃいけませんが、それに貢献ができるということで、このような分野での貢献が可能というふうに考えているところでございます。
 次の三ページ御覧いただきますと、では、どのような戦略を持って下水道分野の海外展開を図っているかということでありますが、大きく六つの戦略を持って今対応しているところであります。
 一つ目は、行政間の協力関係の強化ということでありまして、相手国の中央の政府間、あるいは地方政府間での協力体制の構築を進めております。また、トップセールス等を通じてプロジェクトのセールスも行っているということであります。そこにベトナムの例を挙げておりますが、ベトナムでは、まずやはり国と国とで協定を結んで、具体的には地方公共団体が相手国の公共団体とプロジェクト形成を図っていく、こういうことを進めております。
 それから、二つ目でありますが、下水道事業全体をパッケージとして事業展開をしようということでございまして、施設の建設だけではなくて計画から始めて、設計、運営管理、そういうものを全部含めたパッケージとして事業を展開をしたいという戦略を持っております。
 それから、四ページでありますが、三つ目としまして、官民が連携した取組ということであります。これは、官民がそれぞれのノウハウを生かして互いに連携をした上でプロジェクトを実施しようというものでありまして、官民それぞれ得意分野がございます。官の方では、法制度だとか財政制度、あるいは下水道事業の運営管理のノウハウというものがございますし、民の方は、相手国における政策的課題を解決するために幅広いビジネスノウハウを持っておりますし、有用な技術とかあるいは資金調達の面でいろいろ協力ができる、こういうことでありますので、お互いの得意分野を互いに連結をして取り組もうというふうな形で進めております。
 それから、四つ目が、国際標準化を活用した海外展開戦略ということでございまして、これも非常に重要な戦略だと思っております。
 我が国の優位な技術がいろいろあるんですが、それを確固たるものとして海外に展開するために、戦略的に国際標準化活動を実施をしております。
 一つは、国際標準化機構、ISOの規格。例えば、そこに例を挙げてございますが、下水再生水のかんがい利用だとか上下水道のサービス、そういう規格策定の活動に今積極的に参画をしております。それから、アジア諸国と連携して規格を策定しようということをやっておりますし、また、二国間、インドネシアと今、再生水の水質基準の検討をしているんですが、こういう二国間で標準規格を決めていこう、こういうことも実施をしている次第であります。
 それから、五ページでございます。
 五つ目としまして、優れた技術の提供とそういう技術の強化を図っていこうということであります。我が国の誇る下水道技術の例を挙げてございますが、一つは膜処理技術に代表される高度処理技術とか、それからあと、資源・エネルギーを再生する技術、それから、こういう管渠の非開削、いわゆる開削をしないで管渠を造る技術、それから、こういう簡単なユニット型の水処理技術、こういうのを持っておりまして、こういう優れた技術を今後提供できるということでありますし、そこの下に下水道革新的技術実証事業の実施と書いてありますが、これは最新の技術を実規模レベルで活用できるようにしようということで、これは実は国の方が中心になってこういう実証事業というのもやっております。
 それから、最後の六つ目が人材育成でありまして、こちらは、セミナーを開催をしたり、それから我が国の技術の施工を相手国に行ってデモ施工を実施をしたり、あるいは国内に研修に来ていただいた方にいろいろショーケース的な施設を視察していただいて我が国の技術を見ていただく、そんな対応も実施をしているところであります。
 六ページが主な取組状況を取りまとめてございます。
 ここにありますように、いろいろな国々で様々な協力を実施しております。例えばベトナムを御覧いただきますと、ベトナム国とは技術の覚書を政府間で結んでおりまして、北九州市でありますとか大阪市、あるいは神戸市と協力をしながら定期的な政府間協議を開催をしたり、先ほど言いました管渠の推進工法の研修を行ったり、それからホーチミン市で浸水対策、あるいはフーコック島、これ観光の名所なんですが、上下水道整備、そういうのに取り組んでおりまして、そのほか、インド、インドネシア、サウジアラビア、南アフリカ、マレーシア、ブルガリアと、こういうところでいろんな取組を実施をしているところであります。
 次の七ページでありますが、今御説明しましたいろいろなプロジェクトを世界地図に落としておきました。御参照いただければと思います。
 それからあと、参考までに、八ページにはアジアでの下水処理場整備の実績の例をお付けしてございます。
 それから、次の九ページには、MBR、下水の膜処理技術の海外展開の実績例であります。
 それから、十ページが下水道管渠の推進工法の海外展開の実施例。
 それから最後に、管渠の更生工法といいまして、老朽管渠をリハビリをする工法の実績例を挙げておきました。御参照にしていただければと思います。
 説明は以上でございます。
#9
○会長(藤原正司君) ありがとうございました。
 引き続き、国土交通省から山崎水管理・国土保全局次長にお願いいたします。
#10
○政府参考人(山崎篤男君) お手元の水災害防止に関する国際協力というペーパーを御覧いただきたいと思います。
 まず一ページ目、防災パッケージというものでございます。おめくりいただきまして、二ページ目から御説明いたしたいと思います。
 これから私ども、防災パッケージという形で国際貢献をしていこうと思っておるんですが、その契機になりましたのは、一昨年、この会で御説明、御紹介いたしましたタイの洪水でございます。こちらについては、若干一昨年と重複いたしますが、平成二十三年九月の豪雨というふうなことで、チャオプラヤ川がはんらんして二か月以上浸水が発生しました。タイ国内では死者八百名を超える人的被害ということで、特にこのときに問題になりましたのは、下の右の写真にありますように、ロジャナ工業団地、こういったタイの工業団地が非常に浸水被害を受けまして、その中にも日系企業がかなりあったと。そこが浸水することによって世界中のサプライチェーンにも影響するというふうな状況でございました。下のホンダの例ですけど、五か月間生産が止まったというふうな状況でございました。
 これを受けまして、次の三ページでございますが、国土交通省では地方整備局を中心に、国際緊急援助隊というふうなことで、排水ポンプ車と人といいますか、人、物、ノウハウ、これをセットで派遣したというふうなことでございます。初めて日本のポンプ車が海を渡ったというふうなことで、タイ各地で排水チームがポンプ排水等を行いまして災害からの復興を助けたというふうな状況でございます。現地の人たちから大変感謝いただきまして、その後、タイのインラック首相が日本に来日されたときに、当時の野田総理に感謝の言葉をいただいたというふうなことを伺っております。
 このようにアジアというのは非常に水災害が多いわけですが、こちら三ページの右側に、世界中の水災害に占めるアジアの割合というのは非常に大きいというふうなことで、この水災害を中心に防災の貢献をしていこうということで、次の四ページ、防災パッケージという概念で世界展開していこうというふうに考えております。
 一番下の段にありますように、パッケージというのは、防災情報、警戒避難体制、インフラ、それから土地利用規制、制度、体制も含めまして、そういった組合せで提供していこうというふうなことで今取り組み始めたところでございます。
 既に、タイにつきましては、このうちの警戒避難体制を先行的に支援を始めておりまして、この一月からJICAの支援で日本の河川情報システムと同じものがタイでも使えるというふうになったようでございます。こういったことを、またほかの国も含めていろいろ進めていきたいというふうに思っております。
 次の五ページ目でございますが、他の貢献の仕方といたしましては、河川関係の技術者がJICAの専門家としていろんな国に派遣されております。こういったそれぞれ赤い色で塗っているような国に長期専門家として派遣されて、それぞれの国のアドバイザーとして支援をしているというふうな状況もございます。
 次に六ページ、国際機関と連携した水防災の取組でございます。
 七ページを御覧ください。
 二〇一二年には世界水フォーラムがございました。フランス・マルセイユでございます。この世界水フォーラムは、一九九七年に第一回が始まって、三年に一回、各地で行われております。日本は毎年参加しておりまして、一二年には国交副大臣が出席したというふうな状況でございます。
 それから、八ページ、世界防災閣僚会議ですが、これが東北の方で行われて、世界の国々の方々が集まって自然災害に対する教訓の共有というふうなことをやったということです。
 それから、九ページ目、IMFと世界銀行の年次総会が昨年ございました。この中で一言触れておきたいのは、こういった世界の潮流として、下の青いところに書いていますが、防災の主流化というふうなことがいろいろ言われておりまして、こういう各国政府の施策を、こういう防災を政策の優先課題にするというふうなことで統一していこうというふうな形の提案がなされております。
 次の十ページですが、去年の十月には、東日本大震災からの教訓セミナー、これが世界銀行などと共催で行われております。
 最後、十一ページですが、先日、三月六日ですけど、国連の水と災害に関する特別会合がニューヨークで行われました。ニュースで御覧になられた先生方もいらっしゃると思いますが、この特別会合には初めて日本から皇太子殿下が御出席されまして、基調講演をいただいたというふうなことです。
 国連で水と災害をテーマとした特別会合は初めてというふうなことでございまして、皇太子殿下は、御案内のように、水問題には大変深い御関心と御造詣をいただいているというふうなことで、先ほど御紹介しましたが、水フォーラムにも何度か皇太子殿下、御出席いただいております。今回の特別会合にも御出席いただきまして、基調講演をいただいたということでございます。
 題名は、ここにありますように、「人と水災害の歴史を辿る」というふうなことで、貞観地震の話ですとか方丈記の話ですとかいろんなことを御紹介いただいて、世界の水災害にも触れて、災害に強い社会をつくるということについての決意といったものを述べていただいたというふうな状況でございます。
 それから、最後、十二ページですが、水災害軽減に向けた国際組織というふうなことで、ICHARMについて御紹介させていただきます。これについては、昨年二月に委員の方々にお越しいただきまして、ありがとうございました。
 若干の御紹介しますと、このICHARMというのは、ユネスコのカテゴリー2ということで、ユネスコの世界活動の強化に資する機関ということで認定された機関ということで、十四ページにありますように、世界の方々と連携して研究や情報ネットワーク、研修というふうなことをやっているというふうな状況でございます。
 説明は以上で終わらせていただきます。
#11
○会長(藤原正司君) ありがとうございました。
 次に、経済産業省から説明を聴取いたします。宮本大臣官房審議官。
#12
○政府参考人(宮本聡君) ありがとうございます。
 経済産業省からは、お手元にございます水ビジネス国際展開への取組及び水ビジネス国際展開における官民連携という資料に基づきまして御説明させていただきたいと思います。
 まず一ページ目でございますが、世界の水ビジネス市場を概観しております。
 右下のグラフを御覧いただきたいんですが、二〇二五年の地域別の市場予測でございます。南アジア、中東などの地域の市場が高成長を遂げるとともに、国別で見ますと、中国、サウジ、インドなどの国々が高い成長率とともに規模におきましても有望な市場となっております。
 続きまして、左下のグラフでございますが、これは先ほど国土交通省様の方からも御提示がありましたが、二〇二五年の事業別分野の市場予測でございます。市場の大宗は伝統的な水処理技術の領域、いわゆるボリュームゾーンとなっておりますが、成長率で見ますと、海水淡水化、再利用水など、日本の技術上の優位が高い部分で、いわゆる成長ゾーンと言われる部分で上回っている状況でございます。
 続きまして、二ページでございます。日本の水ビジネスの構造を概観しております。
 下の図表を御覧いただければと思いますが、各国の水ビジネスのプレーヤーを部材、部品、機器製造という分野、それから装置設計、組立て、建設という分野、それから運営、保守、管理という分野に分けて表示してございます。
 海外企業、いわゆる水メジャーと言われる企業につきましては、例えばフランスのヴェオリア、スエズなどはこうした全部の分野に対応しておりますし、他の欧米諸国等も複数の分野に横断的に対応しているところでございます。そして、彼らはプライムコントラクターとして事業権全体を獲得するというケースが多くなっているようであります。
 一方、日本企業でございますが、水処理膜などの水処理技術を有している機器メーカー、それから設計、組立てなどを請け負うエンジニアリング会社、それから国内で水道事業運営を行っていただいている地方自治団体など、分野ごとに異なるプレーヤーが多数存在するという状況でございます。そして、日本企業は、事業権を獲得するというよりも、むしろ出資のみ、あるいは機器の納入のみというサブコントラクターの立場で参加することが多いようでございます。
 一ページめくっていただきまして、三ページでございます。
 では、日本の水ビジネスが国際展開する上で抱える問題点は何か、課題は何かという点でございます。
 まず、第一でございますが、日本の企業は、これまで国内の水事業で事業経験を積む機会が少なかったことから、国際入札案件で必要となる、事前資格審査で求められることが多い事業実績というものが不足しております。
 それから第二に、海外での水ビジネスは、やはり先方の国や地方自治体の事業に参画するという場合が多うございます。また、現地の通貨建て、あるいは長期にわたる契約である場合が多うございます。したがいまして、これはどうしても企業のみでは対応できない多大なリスクを伴うということでございます。
 第三に、国際競争力の関係でございますが、日本の企業の技術は極めて高い評価を海外で受けていることは確かでございますが、その反面、どうしても高コストになっているということは否めない点でございます。もちろん、コスト削減の努力は必要なわけでございますが、やはり各企業あるいは政府としましては、長期的なライフサイクルで考えた場合、コストベネフィットという点では、日本の技術、日本の機械含めて、先方にもメリットがあるという点を理解してもらう、そういう努力が必要かと思っております。
 続きまして、四ページでございます。
 これらの課題を克服するためには、当然ながら官民連携による取組というものが不可欠なわけでございますが、それに当たりまして具体的には以下の四つの視点が重要ではないかと考えております。
 まず第一に、先ほど申し上げました、不足している事業経験を補うために事業経験を持つプレーヤーをつくり出すということかと思います。
 第二に、政府主導で案件形成の段階から関与することで、事業経験の不足する日本企業でも事業に参画できる、こういう可能性を高めていくことではないかと思います。
 第三に、政府の支援等によりまして実証事業を実施いたしまして、日本企業の優れた水技術への評価を高めて、その導入、普及の促進を図っていくということが考えられると思います。
 第四は、若干違う視点ではございますが、資源獲得など他の事業との連動を図ることなども考えられると思います。
 以下、この四つの視点についてそれぞれ政府の役割と支援について簡単に御説明していきたいと思います。
 五ページ、お願いいたします。
 まず第一の視点であります事業経験を積むということでございます。
 右下の図を御覧いただきたいのですが、その方法としては、既に事業経験のある海外の水事業者と共同事業を実施する、あるいはその事業者を買収する、又は国内で水事業を行う実績のございます地方自治体との協力事業を実施する、このようなパターンが考えられるわけでございます。このような事業実績を積むために、政府としましては、例えば共同事業や買収に当たって産業革新機構等の出融資による支援、それから必要に応じて政府による働きかけなどを実施していくことも必要かと考えております。
 六ページ以降、より具体的な例を幾つか挙げさせていただいております。
 まず六ページですが、事業経験のある海外水事業者を産業革新機構を活用して実際に買収した事例でございます。これはオーストラリアで横浜市相当の約三百万人に水処理事業を展開している企業、ユナイテッド・ユーティリティーズ・オーストラリアという企業を三菱商事、日揮などが買収した事例でございまして、その際に産業革新機構も出資するとともに、東京都さんの方でも技術協力の面で御支援いただいた案件でございます。結果として、国際入札に必要な事業実績というのを獲得ができたという事例でございます。
 続きまして、七ページでございます。
 これも、事業経験のある海外水事業者にこれは資本参加をした例でございます。フィリピンのマニラの西地区というところで東京都二十三区相当の給水人口を抱える水事業者、マニラッドというところに日本企業が出資した例でございます。これに対する政府の支援としましては、これに先立ちまして経済省でFS調査を支援いたしまして、そこでの信頼関係をベースにこうした事業が成り立っているわけでございます。
 続きまして、八ページ目、お願いいたします。
 これは、第二の視点であります事業形成段階からの関与ということでございます。これにつきましては、特に政府の関与というのが当然ながら有効なわけでございます。具体的な政府の役割と支援につきましては、真ん中の赤字で囲んだ部分でございますが、簡単に申し上げますと、水道事業のマスタープランの段階からの関与、それから政府間の対話やトップセールスなどを通じた働きかけ、あるいはプレFS、モデル事業、ODA事業、こうしたものを活用した受注環境の整備、それから研修等の人材育成協力を通じた相手国の技術力の向上、あるいは相手国の雇用創出への貢献、こうした形で政府として事業形成段階からできるだけ相手国との対話を重ねていくということも必要かと思います。
 下に幾つか具体的な事例がありますが、次のページ以降で幾つかの例をもう少し説明させていただきたいと思います。
 九ページをお願いいたします。
 これは、政府間の政策対話という形で政府が関与した事例でございます。二〇一〇年に経産省とサウジの水電力省間で日・サウジの水政策対話という会議体を立ち上げ、さらに、二〇一一年には国交省さんにも参加いただきまして、経産省とサウジ・水電力省との間で覚書、MOUを締結し、その結果としてブライダ・ウナイザ市というところで、横浜市も含みます横浜コンソーシアムというところが事前調査事業を実施しているところでございます。今後、サウジの人材育成にも貢献しながら、数年後に民営化される市場での案件の獲得を目指しているところでございます。
 続きまして、十ページでございます。
 これは、今度は、官民が連携して国際会議への参加を通じて案件形成に関与した例でございます。これは、まさに今年の一月、アブダビで水資源、水処理をテーマにいたしました国際会議、国際見本市、第一回国際水サミットというのが開催されたわけでございますが、政府としましては、日本の水関連企業によるジャパン・パビリオンへの出展の支援、それから財団法人の中東協力センターによるビジネスミッションの派遣、それから国際会議の場におきまして政府の立場から日本の水ビジネスの優位性を御紹介するなど、全面的な支援をさせていただいたものでございます。中東地域を中心にしまして、こうした活動を通じて世界的に日本のビジネスの良さが強くアピールできたものではないかと考えております。
 続きまして、十一ページでございます。
 これは、今度は、官民一体となったミッションの派遣の例でございます。
 これも最近の例でございまして、今年の二月に水分野に特化した水ミッションを初めてイラクに派遣いたしました。御高承のとおり、イラクは戦後の復興が大分進みまして、水を始めとしましたインフラの需要というのが急速に高まっております。また、元々、日本への信頼あるいは日本企業への期待というのは非常に大きい国でございます。
 ただ、一方で、欧米あるいは中国等の企業が進出する中で、どうしても治安上の理由などがありまして日本企業の進出が遅れているという状況にあります。このため、政府として官民ミッションということを組むことで企業を後押しするとともに、実際、現地で日・イラクの合同水セミナーを開催したり、二国間の協力の共同声明を採択することなどで今後の案件形成を強く支援していきたいと思っている次第であります。
 それから、十二ページでございます。
 例としては最後でございますが、これは同じく官民一体となったセミナーでございます。ミャンマーの例でございますが、国土交通省さん、厚労省さん、それからJICAさんと共催でこうしたセミナーも開催してございます。
 十三ページをお願いいたします。
 第三の視点ということで、日本の高効率・省水技術の実証ということでございます。
 現在も、新興国中心に導入される上下水道は基本的に伝統的な技術をベースにしたものでございます。もちろん、これらの技術も引き続き重要ではありますが、将来的な水需要の増大にこたえるには、膜処理技術、再生利用など、日本が優位を持っております高効率・省水技術の導入、普及、これも大変重要なことかと考えております。このため、政府として、例えばNEDOによります海外での実証事業、こうしたものを通じまして、諸外国において水処理に関するモデル事業を支援しているところでございます。
 具体的な例が下に幾つか挙がっていますが、一つだけ、次のページで具体例を御説明いたします。十四ページでございます。
 これは、生活排水や工業水などによる富栄養化ということで、水の汚染が問題になっております中国の湖沼、湖、沼での実証実験の例でございます。雲南省のテン池というところで、NEDOの委託事業として、日揮という会社の高効率オゾン処理技術を用いた水の浄化、水質浄化の実証プロジェクトを実施したものでございます。水質の浄化はもとよりでございますが、この過程で有機物質も回収し、これを肥料として活用するということも図られております。また、この実証の結果については、中国におきまして湖沼浄化の先進事例として高い評価を得るとともに、その評価を活用いたしまして、日揮という会社におきましても実際の事業展開を図っているところでございます。
 続きまして、十五ページ、十六ページ、これは若干御参考ということかもしれませんが、水ビジネスが資源獲得と連動した事例の紹介でございます。
 済みません、十六ページに飛んでいただきまして、これは豊田通商というところがアルゼンチンのオラロス塩湖、塩の湖でございますが、ここでリチウムの資源開発の権益を獲得した事例でございますが、その際に、その開発に伴って必要な水、あるいは周辺の住民の皆様への生活用水の提供、こういうことを可能にするため、水資源の確保、水処理システムの管理運営の調査をまず実施したところでございまして、それについて高い評価を現地から受けたという事例でございます。
 資源供給国の中にはやはり水問題を抱えた国も多くございますので、日本からの水関係技術の提供ということを通じまして、両国、両地域にとってウイン・ウインの状態につなげられればと思っているところでございます。
 最後になりますが、十七ページでございます。
 今まで、具体的な事例で、政府の役割と支援、あるいは官民連携の視点について述べてきましたが、最後に、水ビジネスの国際展開に当たりまして、言わば横断的に必要となってくる政策対応の方向について、ごく簡単に二点だけ触れさせていただきたいと思います。
 第一は、政策金融支援の更なる充実、活用促進ということでございます。日本の政府機関によるファイナンスの機能というのは、国際的に見て非常に有効なツールとなっています。最近も、そこの参考にございますように、逐次、機能の拡充が進められてきているわけでございますが、今後とも、国際ルールの中でニーズに即した機能強化を図り、日本の水ビジネスを後押ししていくことが必要かと考えております。
 第二点は、政府、自治体、企業が一体となった市場開拓でございます。これまでも逐次申し述べてきましたように、水ビジネスの国際展開に当たっては、政府全体、そして国内で水事業の豊富な運営管理経験をお持ちの地方自治体、ここが企業と一体となって事業を推進していくことが何よりも重要かと考えております。
 特に、近年、政府の関与の仕方としては、そこの参考にございますけれども、単に個々のプロジェクトに対するトップセールスや金融支援だけではなくて、相手国の言わば面的な開発、ミャンマー、インドネシア、インドなどに見られます面的な開発から関与していくこと、これが強く求められているという状況にあると思います。
 いずれにしましても、経産省としては、関係各省、水関係機器等の製造メーカー等の企業、そして地方自治体の皆様と連携しながら、引き続き水ビジネスの国際展開を強く後押しできればと思っております。
 ありがとうございました。
#13
○会長(藤原正司君) ありがとうございました。
 次に、外務省から説明を聴取いたします。南大臣官房参事官。
#14
○政府参考人(南博君) 外務省からは、お手元にお配りしてございます水分野におけるODAという資料に基づきまして説明させていただきます。
 一枚おめくりいただきまして、二ページでございます。先ほど、国土交通省さんからも御説明があったとおり、国連におきましては、二〇〇一年にミレニアム開発目標というものが作られております。その中で、国際的な水分野の開発目標ということで、水と衛生は非常に開発において重要な分野というふうに認識されております。
 我が国といたしましては、このような認識、水は生命の根幹であって、極めて開発のために重要な要素であるという認識を持っております。なおかつ、途上国におきましては安全な飲料水や衛生施設に十分なアクセスができないという状況にございます。
 我が国のODAにおきましては、水と衛生は非常に重要な分野になっております。比較的優位が高く、過去五年間、二〇〇六年から二〇一〇年までの間に百十二億ドルのODAを実施してきております。
 我が国は、その三に書いてございますが、水と衛生に関する拡大パートナーシップというものを平成十八年に発表しております。これに基づきまして、基本的に水と衛生をODAにおいて重視するのだという態度を取ってきております。その結果、我が国の経験、知見、技術を活用して質の高い援助を追求してきているということが申し上げられるかと思います。
 もう一枚おめくりいただきまして、三ページでございます。
 先ほど、冒頭申し上げましたとおり、二〇〇一年に作られましたミレニアム開発目標というものが国連にございます。これが二〇一五年が一応達成年、期限達成年となっております。今現在、国連におきましては、二〇一五年から先の開発目標をどうするのかということで議論が進んでおります。その中でも水と衛生はやはり重要であるという議論になっております。
 次のページをおめくりいただきまして、四ページでございます。
 これが我が国のODAの水・衛生分野の実績でございます。御覧いただければお分かりのとおり、若干凸凹はございますけれども、毎年二十億ドル前後を途上国に対して供与をしてきているという状況にございます。
 続きまして、五ページ以降がその我が国の水分野のODA事業の具体例でございます。有償資金協力、すなわち円借款、それから無償資金協力、技術協力、それぞれいろいろございます。
 まず、アジア地域でございますが、インドネシアの下水・衛生設備の整備、これは有償資金協力によるものです。それからカンボジア、無償資金協力と技術協力を連携して上水道設備の整備を行ってきております。この結果、カンボジアに対しては非常に水においては協力を多く実施してきているということがございます。フィリピンは、技術協力で治水行政機能強化ということを行っております。
 続きまして、六ページをおめくりいただきますと、南西アジアの方に参りまして、バングラデシュで浄水施設の整備、これは円借款、有償資金協力によるものでございます。それから、パキスタンにおいては上水道施設の整備、これは無償資金協力によって行っております。
 続きまして、七ページでございますが、アフリカ地域に対しても行っております。セネガルにおいては、地方給水設備の整備というのを、これは無償資金協力と技術協力の連携によって行ってきております。また、モロッコでは有償資金協力による水道整備事業。それから、エチオピアにおきましては技術協力による地下水開発・水供給訓練計画などなどを行ってきております。
 これらは、いずれにいたしましても一部の事例でございますので、ほかにももっと多くの事例があるということでございます。
 そこで、八ページに移らせていただきたいのですけれども、先ほど経済産業省さんからの御指摘もありましたとおり、水分野におきましては官民連携ということが非常に重要であると認識しております。そのような観点から、幾つか外務省といたしましてはODAの分野で新たな取組を行ってきております。
 まず一つ目が、そこに書いてございます成長加速化のための官民パートナーシップというものでございます。これは平成二十年から導入してきております。民間企業からの提案案件を優先的にODAとして採択していくというのがこのポイントでございます。要するに、民間からのアイデアを活用していこうということでまず考えております。
 続きまして、九ページでございます。
 JICAの海外投融資というものがございます。これは、民間セクターを通じた途上国の開発促進のため、途上国において民間企業が実施する開発事業をJICAが出資あるいは融資することによって支援するというものです。
 実は、これはちょっと経緯がございまして、長らく検討中の状態が続いておりましたが、昨年十月に全面再開するということができました。今後、民間企業と連携した形で、JICAがこのような形で協力するということが期待されるところでございます。そこに書いてございますベトナムの工業団地の関連事業の中でも、水の分野でのものが期待されているということでございます。
 それから三点目といたしまして、これはODAの大きな本体の方ではございませんが、その前段階の調査の部分でございます。調査の拡充ということで、また二つございます。
 一つが、PPPインフラ事業協力準備調査と呼んでおりますけれども、円借款の活用の見込みがあって、将来的に、かつ、建設、運営を含むPPPインフラ事業で企業が投資家として参画する意図がある事業を対象として調査を行うというものでございます。
 それからもう一つが、BOP、貧困層対象ビジネスとの連携促進調査というものでございます。先生方御承知のとおり、この水の分野というのはBOPビジネス、貧困層対象ビジネスと非常に深い関係にございますので、そういうことを行うことによって水の分野での調査案件を発掘していけるのではないかと考えているところでございます。
 引き続きまして、十ページでございます。
 昨年から外務省、JICAとして重視してきておりますのがこの中小企業の海外展開支援ということでございます。これは途上国の成長を取り込み、なおかつ日本の中小企業の技術を海外に展開していこうということで、そこに支援内容幾つかございますが、いろいろなメニューを取りそろえているところでございます。具体的に下の方で写真がございますが、これ、タンザニアにおける地方村落を対象として、日本の中小企業の方による簡易浄水器、これを導入するという調査業務が既に行われているところでございます。
 十一ページは、地方公共団体を活用した形でのODAの事業ということで、参考に付けてございます。
 十二ページ、十三ページは先ほど国土交通省さんから御説明のあった国際会議でございますので、割愛させていただきます。
 以上でございます。
#15
○会長(藤原正司君) ありがとうございました。
 次に、厚生労働省から説明を聴取いたします。高島大臣官房審議官。
#16
○政府参考人(高島泉君) 厚生労働省の資料を一枚繰っていただきたいと思います。
 まず最初に、開発途上国におけます水道事業の課題と解決方策ということでございます。
 一番上のところに開発途上国の水道事業の課題ということが書いてあります。
 この中に四つありまして、まず一番目に、水質管理レベルが低いと、それから塩素消毒が不徹底であるということで、衛生面からの大きな課題がございます。それから二番目として、水圧、水量の不足、漏水等配水管網の脆弱性ということで、必要な量の確保ができないとか、効率性の観点からの問題がございます。それから三番目として、盗水、料金の不払等の事業管理能力の低さということで、事業管理面からの問題、こういったことがございます。四番目は、ちょっと観点は違うんですけれども、途上国の今の状況として、人口が増加、それから都市化による水需要がこれから拡大していくという状況が見込まれております。こうした中で、この@、A、Bの課題を抱えて水需要の拡大に対応していくことが大きな課題となっております。
 翻って、日本の今の水道事業を見ますと、安全な水を安定して供給する技術、それから事業運営などは、そういった水準については国際的にもトップレベルの水準にございます。
 こうした観点から、水管理、それから送配水の管理、事業管理など、きめ細かい日本の水道技術の供給をして途上国のレベルアップに貢献していきたいと、こういう考えでございます。
 次のページ、二ページでございます。
 国際協力等の視点ということでございますが、ここでAとBということで二つに分けて書いてございます。Aというのは国際協力の視点ということで、いわゆるODA等を中心とする国際協力。それから、Bとして国際展開の視点と書いてございますが、これはODAからちょっと離れて、事業者として、それからビジネスとしてどういった展開ができるかという観点でございます。
 上のAのところで水道分野の国際協力における開発効果を高めるということで、JICA専門家の派遣と研修員の受入れ、それから二番目として水道プロジェクト計画の作成指導、三番目として水道分野の国際協力に関する検討というふうに掲げております。それぞれについて、この後、また御説明させていただきます。
 それから、Bのところに書いてあります、これは民間ベースでございますが、民間といっても厚労省が関与しますのは、やはり水道事業者は地方公共団体が中心になってやっているということと、それから、そういった公共事業体が集まりまして水道協会という協会をつくっておりますが、そうした地方公共団体、水道協会が関与するようなものについて民間分野と一緒になってビジネス展開を図るようなことを後押しをしております。
 その中に三つございまして、相手国政府の協力を得て日本企業が海外市場に参入する機会を提供するということで、水道セミナーとか説明会。それから、水道事業体や企業による自律的な水ビジネスの展開のための基盤づくりということで、水道協会のパートナーシップをつくっていこうと、こういう土台づくりでございます。それから、ノウハウを有する水道事業体とそれから企業との連携によって国際展開を推進していくための事前の調査事業、こういったものを後押ししていこうという事業を展開しております。
 三ページでございますが、これが今、全体を申し上げました個別の案件でございます。
 JICAの専門家につきましては、専門家の派遣ということで、東南アジア、アジア、それから南米を中心に各事業体の関係者の方々をJICAの専門家として派遣して現地で協力をしております。
 それから、右のところは、これは逆に日本に途上国の方に来ていただいて日本において研修をするということで、その研修の受入先として各自治体の水道関係の部局に来ていただきまして、毎年百人程度、百数十人ですね、各事業体で研修を行っているという状況でございます。
 四ページでございますが、国際協力の中で水道プロジェクトの計画作成と水道分野の国際協力でございますが、上の部分でプロジェクト作成、これは最終的にはJICAの技術協力なり無償協力につながるような形でFS的な調査としてやっているものでございます。毎年二件から三件について行っておりまして、この中の幾つかはJICAの案件に結び付いております。
 それから、下のところは、もうちょっと幅広く、優先的、積極的に支援すべき課題という、課題ごとに検討しております。二十一年から二十三年につきましては、各分野で研修の在り方についてどうやったらいいかと、効率的な研修等のやり方について検討等を行っております。
 五ページでございます。
 いわゆるビジネス関係での展開ということで、厚労省としてその一部を支援しているものを掲げております。左側が水道セミナーということで、これは現地におきまして水道協会との連携をベースに各事業の水道セミナー、水道協会の会議の中でセミナーを開いて案件を説明しているということでございます。カンボジア、インド等で行われておりまして、カンボジアについてはもう五年目ということでやっております。それから、右側は水道案件の説明会ということで、これは個別のプロジェクトごとに現地説明会なり現地の調査をやっている事業でございます。
 それから、六ページ目でございますが、これは今申し上げました、こういった個別の案件につながるように水道協会レベルのまずパートナーシップを構築していこうという事業でございます。日本の水道協会、いろいろ機能を果たしておりまして、世界的にも非常に力の強い協会でございますので、そういった体制を各国にも支援するとともに連携の土台として交流をしていこうという事業でございます。それを踏まえて情報交換等を進めていこうということでございます。
 それから、一番下のところが、これは個々の事業体レベルにおける取組ということで、これは地方公共団体と企業が一体となりまして新しいプロジェクト、案件形成のためのFSの調査をやっていくと、これを支援していこうという事業でございまして、アジアを中心に個別の案件ごとに民間の公募をしてこういった調査をしながら案件形成について厚労省としても支援をしているところでございます。
 以上でございます。
#17
○会長(藤原正司君) ありがとうございました。
 次に、農林水産省から説明を聴取いたします。角田大臣官房審議官。
#18
○政府参考人(角田豊君) それでは、農林水産省の方から農林水産分野における国際協力について、お配りしている資料に基づいて説明させていただきます。テーマが水問題でございますので、特に食料生産に不可欠なかんがい農業に重点を置いて説明させていただきたいと思います。
 まず、一ページでございますけれども、世界の食料をめぐる情勢でございます。
 世界の栄養不足人口でございますけれども、徐々に改善はされておりますけれども、まだ八・七億人、世界人口の一五%が栄養不足に苦しんでいるということでございまして、ミレニアム目標におきましてもこれを一一・六%まで下げていくということで、今の状態ですとなかなか厳しいということが言えようかと思います。また、途上国の人口の六五%は農業人口ということでございますので、そういう意味でも農業分野の支援ということが非常に重要というふうに考えております。
 二ページでございます。
 世界人口の増大の状況でございますけれども、二〇五〇年には九十三億人に増えるという見通しでございます。しかも、そのほとんどは途上国で増加ということでございます。また一方で、世界の経済成長に伴いまして穀物需要が大幅に増大しております。そういった観点から、FAOの予測によりますと、二〇五〇年には現在より食料生産を六〇%増加させる必要があるというふうな予測も出ております。
 三ページお願いいたします。
 世界の農業生産でございますけれども、これまでは人口の増に対応いたしまして生産は増えてきております。
 この図を御覧いただきますと、六〇年代からの収穫面積と生産量、それから単位面積当たりの収量の変化のグラフでございますが、収穫面積は余り増えていません。一割ぐらいの増加にとどまっています。一方、単収は二・六倍に増えているということで、これはまさに水、つまりかんがい、それから品種改良、それから肥料といった面の改善、緑の革命によってこうした生産量の増が図られているということでございます。
 今後も人口増に対応して単収を伸ばしていく必要がありますけれども、御覧いただいた表によりますと、単収の伸びというものは今落ちてきておりまして、しかも、今後、気候変動の影響あるいは新しい水資源の開発というのが非常に困難化してきておりますので、水の面の制約というのは非常に大きくなってきていると言えようかと思います。
 その観点で、四ページ、地球温暖化による農業への影響予測はこのようになっているということ。
 それから、五ページを御覧いただきますと、実際、毎年のように水に関する災害が起きていると。先ほどからもお話ありましたけれども、タイにおける大洪水、それから昨年はアメリカの中西部で大干ばつがあってトウモロコシ価格が高騰したというような事例がございます。
 そして、六ページをお願いいたします。
 こうした状況の中で、世界的な食料需要の増大と災害による生産の不安定化によりまして、二〇〇八年以降、主要な穀物価格は非常に高止まりしているという状況でございます。二〇〇六年の比率でいうと一・九倍から三・二倍という状況でございますし、FAOの食料価格指数でいえば二・一倍ということで、非常に逼迫してきているという状況でございます。
 このような状況を踏まえて、七ページでございますけれども、食料安全保障問題というのが世界的な課題になってきております。G8、G20、それからAPECといった場で、農業生産を増やしていかなければいけない、あるいは途上国に対する総合的な支援をしていかなければならないということが度重なるように指摘されております。日本におきましても、新潟でAPECの食料安全保障担当大臣会合というものを開催して、そういった問題点を国際的に発信しているところでございます。
 八ページでございますけれども、農業分野のODA増やしていく必要があるわけですけれども、世界的に見ますと、なかなかその比率というのは下がってきていると、厳しい状況であるという現状でございます。
 次に、九ページでございますが、こうした状況を踏まえて、農水省の国際協力の取組を御説明いたしたいと思います。ODAの大綱あるいは農水省の基本計画に基づきまして、途上国の農業生産の向上を通じた貧困削減、それから気候変動等地球的規模課題への対応を柱に展開しているところでございます。
 十ページを御覧いただきますと、農水省のODAにつきましては、特に基礎的な調査、技術開発、人材育成といったところを中心に実施しておりまして、FAO等との国際機関との連携でありますとか、それから外務省、JICAと連携して二国間協力の推進に努めているところでございます。
 十一ページから幾つか事例を紹介させていただきたいと思います。
 まず、アフリカ支援というものは、農水省としても最重要課題の一つというふうに認識しております。十一ページでございますが、TICADですね、アフリカ開発会議、これに積極的に対応してまいっております。アフリカの米需要の増大を踏まえて、二〇〇七年から十年間で米生産倍増のプロジェクトに取り組んでいるという状況で、日本のかんがい、品種改良、普及などの技術がアフリカの米増産に大きく貢献しているという状況でございます。
 十二ページは、これは、WFP、世界食糧計画と連携いたしまして、西アフリカの内戦で荒廃した水田の復旧に取り組むと。女性を始め地域住民の参画を得て、労力を提供してもらって水田を復旧していくと、その対価として食料を供給するというようなプロジェクトを実施しておりまして、これもWFPの方から高い評価を得ているという状況でございます。
 十三ページは、効率的な水利用を目指す持続的なかんがい農業というのがもう一つの大きなテーマでございます。既存のかんがい施設のリハビリ、これはハードの事業になりますが、それに加えて、農民自身による水管理手法の普及、ソフト対策、これを一体で行うという農民参加型のかんがい事業を行っているところでございます。これは日本の土地改良区制度をモデルにしておりまして、農民による自主的な水管理組織の世界的な成功例ということで、非常に今、その評価が高まっているという状況でございます。
 次の十四ページを御覧いただきますと、こうした農民参加型水管理のネットワークが広がってきておりまして、アフリカ、アジアそれから中南米といったところで展開しているところでございます。今、農水省の方からJICAを通じまして四十七名のかんがい専門家を派遣して、こういった農民参加型の水管理の普及に努めているところでございます。
 次の十五ページに参りまして、このかんがいを基軸といたしまして、それに併せて農地の整備それから農道といったような生産基盤全般ですね、これをODAで対応する。それに加えて、農業の機械化、倉庫の建設あるいは加工施設といった民間企業による投資なども連携しまして、総合的なインフラ整備のニーズが現在高まってきております。日本の農業技術、ノウハウを生かすという観点で、こうしたODAの民間投資との連携にも取り組んでまいりたいと思っております。
 最後に、林業と水産業についても若干御紹介させていただきます。
 十六ページでございますけれども、焼き畑、違法伐採など、途上国の森林減少、劣化に由来します排出を削減する仕組みが重要でございます。森林資源の効率的な把握の技術でありますとか、あるいは人材育成といったところに協力をいたしております。
 また、最後、十七ページでございますけれども、国際的な水産資源管理を推進していくということで、我が国の漁船の操業確保の観点から、途上国の資源管理等の漁業協力を実施しているという状況でございます。
 以上、農水省からの説明でございます。ありがとうございました。
#19
○会長(藤原正司君) ありがとうございました。
 次に、総務省から説明を聴取いたします。村中大臣官房審議官。
#20
○政府参考人(村中健一君) 総務省でございます。
 当省からは、地方自治体水道事業の海外展開についてということで御説明をさせていただきます。
 資料一ページをおめくりいただきたいと思います。
 その資料の真ん中ほど辺り、二重括弧囲みにありますように、従来、地方自治体の水道事業に関します国際協力につきましては、豊富な経験あるいは知見や技術を生かして、専門家を派遣したり、研修生を受け入れたりといった技術援助を中心としたODAを実施してまいったところでございます。一方で、先ほど来、話が出ておりますけれども、世界的にも高水準にあります我が国の官民それぞれの水道技術であるとか、あるいはノウハウを活用して、官民が連携して国際展開を図っていくということにつきましては、国際貢献であるとか、あるいは日本経済成長の観点からも重要だということでございます。
 こうしたことから、総務省といたしましては、関係省と連携をさせていただきまして、地方自治体水道事業の海外展開検討チームというものを平成二十二年の三月に設置いたしまして、海外展開に意欲のある自治体の一助となるように、地方自治体が有します水道の管理運営に関しますノウハウを活用して海外展開を行う場合の課題を整理し、基本的な考え方を取りまとめて、各水道事業体へその結果を平成二十二年の六月に提供させていただいたところでございます。若干、もう古く、古いといいますか、旧聞に属することではございますけれども、以下、その内容を簡単にまとめさせていただいておりますので御紹介させていただきます。
 第一点目は、海外展開に当たりましては、その趣旨、目的を明確にする必要があるということでございます。考えられます趣旨、目的といたしましては、資料に記載しておりますように、一つには、水道事業のビジネスとしての海外展開と国際貢献といった視点があろうかと思います。すなわち、高水準の日本の自治体水道技術を生かして、ビジネスの形態により海外展開を図るということによりまして海外の水道技術の普及、発展に寄与するということは、現在の生活水準の向上を通じまして開発効果をもたらすという観点から国際貢献というふうに言えるというふうに考えます。
 二点目は、水道事業の持続性確保という観点でございます。海外展開の実施によりまして知識あるいはその技能が有効活用されまして、また、厳しい経営環境にあります水道事業体の新たな収入源になる、なり得る可能性もありますことから水道事業の持続性の確保にもつながるというような観点でございます。
 三つ目が、技術の継承と人材育成という観点でございまして、日本の自治体の水道技術を海外に普及いたしますことは、水道職員の技術継承やその経験のフィードバックによりまして人材育成にもつながるという観点でございます。
 四点目は、地域産業振興という観点でございまして、海外展開を官民連携して行うことにより、また、例えば地場の中小企業等と一緒に連携して出ていくということになりますと、地域の産業振興にも資するという面もあろうかと思います。
 二点目といたしまして、事業資金については、そこにございますように、JBICであるとかJICAであるとか日本貿易保険だとかいったところの各政府関係機関の資金を活用して出ていくということが考えられるというふうにまとめております。
 三点目といたしまして、海外展開に関します際には様々なリスクというものが考えられますことから、これまで広く海外展開を行ってきた民間企業によって蓄積されましたリスクに対応するノウハウを活用することによりまして、あるいはその対応マニュアルを作成することなどによりまして、リスクに対応できる体制をつくるということが肝要であるというふうに考えているところでございます。
 四点目といたしまして、海外展開に当たりましては、地方自治体が単独で事業展開する場合にはリスク管理にどうしても困難が伴いますことから、それからまた、地方自治体、民間企業、それぞれが有します技術、資源を生かして官民連携して事業を展開することがより有効な方策であるというふうに考えられますことから、事業の実施主体としましては、第三セクターであるとか、そういった形で自治体が民間と連携するということが現実的であろうというふうに考えているところでございます。
 また、五点目といたしましては、地方自治体の水道事業が海外において収益を伴う事業活動を行うことが地方公営企業法上可能なのかという、関係法律等の解釈についての明確化を図ったということでございます。
 最後は、特に留意すべき事項というふうにしておりますけれども、そもそも地方自治体が地方公営企業として実施しております水道事業につきましては、地域住民に水道水を供給することにより公共の福祉の増進を図るということを本来の目的としております。したがいまして、地方自治体による海外展開は、その性格上、地方公営企業の本来事業ではなくて、あくまで附帯事業として実施することになりますことから、事業を始める場合も、あるいは撤退する場合も地方公営企業の経営原則を踏まえて、本来の事業以上に住民の理解を得るということが必要であるというふうに考えているところでございます。
 特に、多くの水道事業体は、現在、水道施設の大量更新であるとか、あるいは耐震化の推進といった課題を抱えておりますので、海外展開がその本来の事業運営に支障を生じさせることがないように、十分な採算性を有しているかを慎重に検討するという必要があることはもちろんのことでございますし、また経営状況が悪化している場合、あるいは本来の国内の水道事業に支障が生じる場合には直ちに撤退するなど、適切な措置を講じる必要があるというふうに考えているところでございます。
 私どもとしては、このような形で海外展開に関します基本的な考え方を取りまとめた上で各事業体にお知らせをしたところでございまして、意欲のある事業体におかれましては、こうした内容を踏まえた上で海外展開について御検討をいただいているというふうに考えております。
 次の二ページ目は、これは私どもの方で把握している限りの、現在進行中の自治体の水道事業の海外展開の主な取組の事例でございますが、既に他省庁からも御紹介もあったところとも重なりますので、説明の方は割愛させていただきます。
 以上でございます。
#21
○会長(藤原正司君) ありがとうございました。
 これより質疑をお受けいたします。
 本日の質疑はあらかじめ質疑者を定めずに行いますので、質疑を希望される方は、挙手の上、会長の指名を待って御発言くださいますようお願い申し上げます。
 なお、質疑の際には、まず、各会派一名ずつ指名させていただきます。その後は、会派にかかわらず御発言いただけるよう整理してまいりたいと存じます。
 また、質疑の時間が限られておりますので、委員の一回の発言は三分程度となるよう、かつ、その都度答弁者を明示していただきますよう、御協力をお願いいたしたいと存じます。
 それでは、質疑のある方は挙手をお願いいたします。
 尾立さん。
#22
○尾立源幸君 民主党の尾立でございます。
 プレゼンテーション、ありがとうございました。
 まず、外務省の国際協力局にお聞きしたいんですが、九ページでJICAの海外投融資をいろんな事情があって再開をしたという意味深なお言葉がありましたが、まさにいろんなことがあって再開をしたわけなんですけれども、今回の投融資の例が書いてありますが、これは今どういうステージに来ているのかということと、最後の丸四つ目に、我が国の地方自治体による支援も検討されているということなんですが、これは先ほど総務省さんのおっしゃった二ページ目のこの各自治体の海外展開ということとリンクしているのかということ。それと、もしリンクしていないのならば、こういうところにJICAの海外投融資をしっかり組み込んだ形でやると、また以前のような失敗もないんじゃないかなと思うんですけれども、その辺の連携について、省庁間の、少しお話を聞かせていただきたいと思います。
#23
○政府参考人(南博君) ありがとうございます。
 JICAの海外投融資、先生御指摘のとおり、いろいろな事情がございまして関係各省でずっと検討してきておりました。
 それで、先ほど申し上げたのは、その全面再開、去年十月ということでございますが、ここに書いてありますロンアン省のケースは、これはパイロットプロジェクトということで、全面再開の前に三件ほどパイロットプロジェクトということで関係省庁で合意をいたしまして始めたものでございます。始めて、それで一年ぐらい様子を見ていた結果として、これだったらうまくいくであろうという判断の下にこの全面再開を決めたということでございます。したがいまして、パイロットプロジェクトであるこのロンアン省のケースは、これはこれで進んでいるという認識でございます。
 また、地方自治体による支援ということでございますが、これは神戸市傘下の公社が出資しているものでございます。
 先ほどの総務省さんがプレゼンでおっしゃられたものとどういう関係にあるのかというのは、申し訳ございません、ちょっと今すぐには分かりかねます。
#24
○尾立源幸君 総務省さんも分からないですか。
#25
○政府参考人(村中健一君) 済みません、私どもは直接こういう話は、自治体さんとお話をされておられて、私どもの方、通じておりませんので、把握しておりません。
#26
○尾立源幸君 また調べて教えてください。
#27
○会長(藤原正司君) では、次、お受けします。
 野村さん。
#28
○野村哲郎君 自由民主党の野村でございます。
 経産省の宮本審議官にお伺いしたいんですけれど、我々ずっとこの調査会でいろんなプレーヤーの皆さん方のお話も伺ってきました。その中で、先ほどの資料にもありましたように、二十五年には八十七兆円にもこの水ビジネスというのが拡大していくと、大変戦略的に成長分野であるという意識は持っておられました。
 そこで、何を聞きたいかといいますと、皆さん方がおっしゃったのが、ここにも官民で連携してというのがありますけど、民の方はやっているんだけれども、官の後押しが非常に弱いという話を実は伺ったんです。
 今日、今審議官の話を聞いておりましたら、この官民連携した国際プロジェクトの推進で非常にやっておられるというふうに認識をしました。しましたが、何でそのプレーヤーの皆さん方が、私は多分、先進国といいますか、今ビジネスチャンスをつくってどんどん入っている欧米と比べて日本の官は弱いということじゃなかったのかなと。自分なりでそういうふうに理解しているんですが、いずれにしても、そういう比較において弱かったのか、何が弱いのか、ちょっとそこまで聞かなかったんですが、要は、とにかく官が弱いという話を聞いたんです。
 でも、今日、審議官から聞きましたら、非常に経産省としてはいろんな分野でやっておられるというふうに見えたんですが、どこなんだろうかと。民から見たときの官の弱さといいますか、これだけのビジネスチャンスがあるにもかかわらず、どうして日本が、技術力は世界高水準にあるにもかかわらず、ビジネスとして、まあいろいろ課題も掲げておられましたけれども、どこに問題がある、あるいは官の弱さを民がそういうふうに見ているというのはどういう点なんだろうかというのがもしお分かりいただけたら教えていただきたいと思います。
#29
○政府参考人(宮本聡君) ありがとうございます。
 まさに委員が今言っていただきましたように、私どもの認識としては、ここに書いてございますように、民間の企業の方々のニーズを踏まえて、民間の企業の方々ができない部分について補完する形で、政府間の交渉とか、私自らも行きましたが、例えばイラクへの官民のミッションの派遣とかをやっているところでございます。
 ただ、民間の方々が実際にどのようなことで官が弱いとおっしゃったのか、正直、私どもに具体的に来ていないので分からないところでございますが、ただやはり、これだけ水の市場というのが委員言っていただきましたように拡大する中で、多くのビジネスチャンスがあります。これを全て取っていこうと思いますと、確かに全てについて完全に国として対応できているかどうかというのはまだ検討の余地がある部分だと思います。
 したがいまして、引き続きもう少し民間の方々の御要望をお聞きしながら、我々で不足している部分があれば、それは今後補っていきたいと思います。今の時点で具体的にここと分かっていれば対応していますので、今の時点では、済みません、ちょっとはっきり分からないところでございます。済みません。
#30
○野村哲郎君 関連してもう一回いいですか。済みません。
#31
○会長(藤原正司君) はい、いいです。
#32
○野村哲郎君 いや、私が聞きたいのは、なかなか、民の皆さん方の官の弱さというところは、まあ直接お聞きになっておられませんので分かりにくいと思うんですけど、ただ、先ほど言いましたように、非常に先進的な欧米の官と比べて、あるいは欧米の場合は民が中心的なんですか、それとも官の相当のバックアップがあってやっているのか、ちょっとそこを教えてもらいたいと思うんですが。
#33
○政府参考人(宮本聡君) 欧米の事情をつぶさには存じ上げませんが、ただ、確かに、我々が今回、水に限らないですが、国としていわゆるトップセールスを組むとか官民のミッションを派遣すると、こういうことをやるに当たっては、欧米の例というのを参考にしたことは確かでございます。そういう意味でいうと、少なくとも、過去におきましては、そういう取組についての政府の対応が欧米に比べて弱かった部分があることは確かだとは思います。
 したがいまして、今、そういう反省も踏まえて、多分、近年急速にだと思いますが、官民でできること、官として民間の事業を補完できることを今取り急ぎ、我々が気付く範囲あるいは御要望のある範囲で対応しているというところでございます。
#34
○会長(藤原正司君) 次、受けます。
 松田さん。
#35
○松田公太君 みんなの党の松田公太でございます。皆さん、ありがとうございます。
 今の野村さんの質問に関連してになるかもしれませんが、これは経産省さんだけではなくて、経産省さんと外務省さんと総務省さんにお答えいただければと思うんですが、今回の各省庁から配付された資料を見ても、やはり日本の水に関連する省庁が本当に多岐にわたるんですよね。
 ところが、海外を見てみますと、例えばシンガポールのパブリック・ユーティリティーズ・ボードのように、一貫して水関連政策、上下水の政策全般の企画立案、水処理施設の建設、管理、また、水ビジネスの関連事業のサポート、海外進出のサポートも全部一元管理しているようなところもあるんですね。
 日本は、今、現状がこのような形でありますけれども、私は、少なくとも海外水展開という件においては一つの省庁に権限を移譲してしまって強力に推進する、これが必要なんじゃないかなというふうに思うんですね。
 その件について、今お願いしました経産省さん、外務省さん、総務省さんでどのような見解をお持ちかということをお聞かせいただければと思います。
#36
○会長(藤原正司君) では、まず今日は外務省。
#37
○政府参考人(南博君) ありがとうございます。
 おっしゃるとおり、水につきましては、非常に多くの省庁にまたがっているというふうに認識しております。一方におきまして、今、日本において必要とされているのがパッケージ型の水ビジネスの展開、すなわち、開発調査の部分から運営管理までという、上流から下流までということを海外に展開していくことが必要であろうかと思っております。
 私どもの理解しておりますところでは、内閣官房が事務局となりまして、パッケージ型インフラに関しまして海外展開のための大臣会合というものが開かれていると承知しております。たしか今日、第一回会合があったというふうにも承知しておりますので、そのような形で政府全体の取組ということを進めさせていただくのがよいのではないかというふうに考えております。
 それから、先ほどの尾立先生の御質問で、済みません、簡単に答えさせていただきます。
 総務省さんの資料の二ページ目に表がございますが、地方自治体水道事業の海外展開と。そこで神戸市の事業が、これがまさに先ほどのJICAの海外投融資のロンアン省のあの団地のプロジェクトでございます。というわけで、同じものということでございます。
#38
○政府参考人(村中健一君) 私どもは、御承知のとおり、水道事業あるいは下水道事業の多くが地方公共団体が運営主体となって行われているということからこれを所管させていただいているわけでございますが、海外展開ということにつきましては、先ほど私どもの説明でも御説明しましたように、今回、検討チームというのを設けさせていただいておりますけれども、そこには経産省さんも外務省さんも入っていただいて一緒になって検討させていただいて、その環境整備を図らせていただいているということでございまして、私ども幾らでも協力はさせていただくつもりでございまして、組織を一つにした方がいいかどうかということについては、ちょっと私の答える権限を越えておりますので。
#39
○政府参考人(宮本聡君) ただいま委員から御指摘がありました水事業の海外展開の推進について、例えば各省横断的な、統一的な組織を一つつくるということも、あるいは、現在のように各省がそれぞれの持分におきまして必要な事業をやり、その間で連携を取るということも、論理的には恐らくどちらもあり得る、どちらの切り口から見るかということではないかと思います。
 ただ、これは私の個人的な感じにはなりますが、実際に経済省で水の海外展開事業をやるということを取ってみますと、水事業関係の機器を製造しているメーカーさんとか、あるいはプラントメーカーさん、それから商社さん、こういう方々の海外展開を中心にして支援させていただいているわけですが、当然ながらそれぞれ、メーカーといっても水だけをやっているわけじゃないですし、プラントも水以外のインフラもやっています。そういうときに、水だけということで切り出すのがいいのかどうかというと、個人的には若干そこは違和感を、これは正しい、間違っているという意味じゃなくて、個人的な感覚として少し違和感を覚えるところはあります。
 それで、もちろん、今の状態、各省が連携している状態、あるいは政府としても一つの司令塔がある中で連携している状態で、水ビジネスの海外展開に何らかの支障がある、連携がうまくいっていないというようなことであればまた別の話かと思いますが、これも個人的な感じでございますが、私どもが各省さんにいろいろなことでお願いをし、あるいは逆にいろんな情報をいただくという中では、特段その支障を感じているわけではなく、現に先ほどお話しした幾つかの事案の中でも、例えばサウジアラビアの水分野の覚書、国交省さんと一緒にやらせていただいたり、ミャンマーのセミナーも各省さん一緒に行っていただいたり、それから、まさに先ほど外務省さんのお話にあったJICAの関係、ODAの関係とかでも、いろいろな形で御支援いただいているということで、個人的な見解ですが、あえて今そういう形で変える必要があるかどうかは慎重な検討が必要かなというふうに思っております。
#40
○会長(藤原正司君) ありがとうございます。
 藤原さん。
#41
○藤原良信君 今の答えが出ているんだと思いますが、パッケージ型の進め方ということにどうしてもなっていくんだと思うんですが、そうしますと、ここの皆様方にお答えをいただくというんじゃなくて、内閣府ということになるんだと思います。
 その中で、私から事例で申し上げますけれども、これは、水の技術的な対応については今いろいろお聞きをしまして、前から思っていましたけど、日本というのは格段にそういう分野が能力を持っておるということは把握しているんですけれども、結局、例えば上水道でいきますと、上水道を民間企業が、官と民の今話ございましたが、上水道を例えば応援をするという形でやっていくとしても、ODAでやるにしても何にしろ、全体的な運営ということまで行きますと、例えば料金徴収という、そういうノウハウがないんですね。ですから、他国でいいますと、フランスの会社、持っていますよね、トータルで料金収入までやると。
 そこで総務省が出てくるんだと思うんですが、地方自治体が全部水道事業では運営をしているわけですよ、料金徴収もやっていると。その分野と組み合わせていかないと応援体制が完備をしないという形になってくると思うんですね。完結型にならないと。ですからパッケージ型という言い方になるんだと思うんですが。
 そうしますと、それの取りまとめ方がどこかがやるとなれば内閣府という形になるんだと思いますが、現状で、よって東京都とか等々が、横浜もそうだったかな、料金徴収の応援で事業展開で行くということをちょっと耳に挟んだことがありましたけれども、今実態はどうなっていらっしゃるんでしょうか、そういう。単なる技術を提供して上水道の整備をするだけじゃなくて、運営となると、今言った料金徴収もする、しかしそれは民間企業ができないと。これはどういうふうな総務省が指導をするのか。地方自治体でないとできないと思うんで。日本の場合の実績は地方自治体です、水道事業は。いかがでしょうか。
#42
○会長(藤原正司君) 藤原さん、総務省でいいですか。
#43
○藤原良信君 総務省。恐縮だけど、総務省、お答えできる範囲かどうか分かりませんが。
#44
○政府参考人(村中健一君) 済みません。総務省でございますけれども。
 私どもも、現時点で把握しているのは、技術的指導という、あるいは協力の面で行くという話は聞いておりますけれども、料金徴収も含めて、あるいはそれを単独で出ていくという話はまだ聞いたことがないので、ちょっと把握していないんですけど。
#45
○藤原良信君 いや、これはやり始めていると思いますが。これは地方自治体、東京都はやり始めているんだと思います。ですから、これは総務省が把握をしておくことが必要だと……
#46
○会長(藤原正司君) 藤原さん、了解を得てから発言してください。
#47
○藤原良信君 はい。
 ということでございまして、地方自治体の中で東京都がもう入っているとは思いますが、それは総務省、把握は。
#48
○政府参考人(村中健一君) 把握しておりません。ちょっと聞いてみたいと思います。
#49
○藤原良信君 以上です。
#50
○会長(藤原正司君) 石川さん。
#51
○石川博崇君 公明党の石川でございます。本日は、大変ありがとうございます。
 外務省さんに、二点、お伺いをしたいと思います。
 一点目は、水分野におけるODAのODA広報の在り方について御意見をいただきたいというふうに思っております。
 各種ODA、いろんな、例えば学校とか病院とかそういうものであれば、そこに来る人々に対する広報というのは、ODAマークとかを張っていればそれを利用される方々に対するODA広報というのは大体カバーされる、あるいは当然積極的にやっていかなければいけないわけですけれども、浄水施設あるいは下水施設というのは、その施設自体に来る方というのはなかなかいらっしゃらないわけで、そこから出てくる水、水道、蛇口をひねって出てきた水にODAマークを付けるわけにもいきませんし。
 実は昨日まで私、参議院のODA調査派遣でインドに行かせていただいて、デリーの近郊の浄水場にも視察をさせていただきました。なかなかODA広報の在り方は難しいですねという議論にそのときなったのと、あともう一つは、特に円借でやる場合、融資は日本政府としてやったとしても、それを請け負う施工業者あるいはマネージする会社が国際競争入札の中で日本企業でない場合が間々あろうかと思います。そうなると、ますますODA広報がやりにくいというか、なかなかできていないという現状がございましたので、特にこの水ビジネス、非常に重要な分野であるにもかかわらず、日本政府がしっかりやっていることが、なかなかそれを利用されている方々に日本の貢献という姿が見えないのではないかという問題意識を抱きましたが、ODA広報については予算が年々減らされているというような話もございましたので、この辺、是非力を入れていただきたいということも含めて御意見をいただきたい。
 もう一点目は、この水分野におけるODA、特に円借をした場合、国際競争入札というものが前提となるのではないかというふうに思いますが、そうすると、どうしてもコスト面で日本の企業がなかなか優越性を保てない、せっかく日本のODA、円借款でやったとしても、先ほどのデリーの郊外の浄水場の話でもあったとおり、実際の施工業者、コントラクターあるいは運営管理は海外の企業になってしまっているという現状があろうと思います。
 そういう中で、先ほどおっしゃっていた官民パートナーシップは、企業からの提案を優先的に採択するというお話でしたけれども、これと国際競争入札の関係はどうなっているのかという、この二点を教えていただけますでしょうか。
#52
○政府参考人(南博君) ありがとうございます。
 まず、第一点の委員御指摘のODA広報との関係は、まさに委員御指摘のとおりでございます。
 日本が仮に浄水場を造ったとしても、出てくる水に日本のロゴマークが付いているわけでないというのはおっしゃるとおりだと思いますし、また仮に浄水場にこれは日本のODAによって造られましたというプレートをはめたところで、そういう浄水場に訪れる現地の方がどれほどいるのかということがあるかと思います。
 そう申し上げた上で、じゃ何ができるのかということにつきましては、現在の段階では私はいい知恵を持ち合わせておりません。そこは是非委員の御指摘を踏まえてきちんと検討していきたいと思います。
 それから、もう一点は、円借款で水道施設などを供与する場合、一般競争入札というのはおっしゃるとおりでございます。国際的な一般競争入札に掛けなくて済むSTEP円借款というのがございますが、これは極めて例外的に供与しているものというふうに認識しておりますので、そこはなかなか非常に難しいというふうに考えております。
 それで、先ほど申し上げた官民パートナーシップの形でいろいろODAで新しいことをやろうとしているということを申し上げた点は、これらはおおむね、JICAの海外投融資は別でございますけれども、技術協力、すなわち開発調査の段階のものでございます。ですから、これらがうまくいって将来的に日本の企業が落ちる形で円借款につながっていけばいいというふうにはもちろん考えてはおりますけれども、具体的にこれをやったからといって即座に円借款で日本の企業が落札するというふうにはなっていないというふうに考えております。
#53
○会長(藤原正司君) ありがとうございました。
 次、お受けします。
 紙さん。
#54
○紙智子君 日本共産党の紙智子でございます。
 東日本大震災からちょうど二年がたちました。大震災を踏まえて、あえて水道事業の大規模災害に対する対応についてお聞きしたいと思います。厚生労働省と総務省にお聞きします。
 二月六日の調査会のときにも命の水ということでお話をさせていただきました。そのときに、阪神・淡路大震災を経てつくられた災害の応急体制が東日本大震災においてどう生かされたのかというふうに聞いたわけです。お答えが、広域化と官民連携で対応するという答弁だったんですけれども、これからどうするかということを聞いたんじゃなくて、災害応急体制が作成されたときから職員は、当時十万人だったのが今は五万人に減っているわけです。元々の災害応急体制というのは、五万人は想定していなかったと、前提にしていなかったわけです。十万人でできたことが五万人でどこまでできたのかと。
 そこのところを検証すべきだと思うんですけれども、厚生労働省も総務省もレクチャー聞きますと、まとめていないということで、これはちょっと驚くべきことなんですけれども、やっぱり安心、安全な水を確保する、安定的に供給するということでいうと、改めてそこのところは検証していただきたいということを求めておきたいと、これがまず一つです。
 加えて、現在、東海地震、それから東南海・南海地震、それから首都圏直下地震などの発生が懸念されているわけです。こういう大地震が発生したときに、通常の事業を行いながら、被災地の対策が迅速に適切に行うことができる人員体制になっているのか、人員が減っている中で技術が継承できるのかと、ここら辺についてお聞きしたいと思います。
#55
○政府参考人(高島泉君) ありがとうございます。
 前回にも御質問ありましたけれども、一つ、阪神・淡路大震災の教訓がどう生かされているのかということでございます。
 阪神・淡路大震災のときには、それまで未曽有の大災害ということで、各事業体として応急復旧なりそういったものに協力しようと思っても、その連絡体制だとか、どういう装備で行くべきなのか、どこへ行っていいのか、行った後どうなるかといったものについて全く事前の準備がありませんでした。ですから、当時は、現地で協力したくても、行ってみたもののどうしていいか分からないとか、非常に混乱がございました。
 その経験を踏まえて、日本の水道協会と厚労省が一緒になりまして、地震等緊急対応の手引という手引を作りました。この手引の中で、応援する側それから応援される側、それぞれがどういう一般的な知識を持つべきか、どういう準備をすべきかということを事前にまとめまして、そういった体制を整備したところでございます。
 今回の東日本大震災でどうだったかということでございますが、先生がおっしゃるように、消防全体の人員というのは人員削減の関係で減っておりますけれども、基本的に、災害対応という面では、混乱しました阪神・淡路よりは円滑に対応ができたんではないかと考えております。
 一つは、被災した事業体というのが九十三事業体、水道事業体として被災地域にあった事業体としては九十三の事業体があるんですけれども、この水道事業体に対しまして全国から五百五十二の事業体が応援に出かけております。そのとき、前回の反省を踏まえまして、水道協会が中心になって、応援を申し出る事業体はどこへ行ったらいいかということを事前に調整をして派遣をしているということでございます。
 そうした中で、給水車については一万四千百台とか、給水事業とか応急復旧に、応急体制の供給のために人員的としても全国に六千三百人、三万九千七百人という延べ人数ですけれども、そういった方々が給水等々のために派遣をされております。
 それから、その後の復旧について、要するに災害査定だとか復興計画を作るというところにつきましても、これ人材が不足しておりましたので応援を入れまして、延べ、これは三月三十一日までですが、一万一千四百人ということで、全国の自治体が協力をしながら復興に力を貸したということでございます。
 このとき、特に多いのは関西からの応援が今回大変多かったと聞いております。やはり、この阪神・淡路で大変全国から世話になったということで、関西の自治体も今回東日本の復興に積極的に対応して、先ほど申しましたような手引の効果もあって、現地では混乱もございましたが、それなりに復旧活動に迅速に対応できたんではないかと、こういうふうに考えています。
 そういった中で、今回やはり非常に広かったということで、通信情報、情報体制がうまくいっていないとか、それから大都市部が被災したとか、それから津波等でそもそも設計図等が流れちゃったとか、こういった問題も新たに出ていますので、そういった面を踏まえて、またこの手引を見直して、今後の大震災、南海等の震災の際により的確に対応できるような取組をこれからもしていきたいと、こういうふうに思っております。
#56
○政府参考人(村中健一君) ありがとうございます。
 災害が起こった場合の地方公共団体相互の応援体制ということ全体について見ますと、これは総務省が中心となってやっている話でございますけれども、事水道事業について言えば、この事業を所管されている厚生労働省さんが中心となっておまとめていただいて、我々もそれにサポートさせていただいているという立場になります。今厚生労働省さんからお話のあったとおりでございまして、今後どうするかについては、私どもとしても厚生労働省さんとよく相談をさせていただいて今後の体制をつくってまいりたいというふうに考えております。
 以上でございます。
#57
○会長(藤原正司君) 浜田さん。
#58
○浜田和幸君 ありがとうございました。
 経産省と外務省にお聞きしたいと思います。
 まず、経産省の資料の四枚目に、官民連携した国際プロジェクトということで、資源獲得と連動したプロジェクトを実施するとありまして、これは大変日本にとっては重要な視点だと思います。
 それで、具体的な例として、十五、十六ページに、アルゼンチンのリチウム資源開発、それとこの水処理、これを一体化させるということで事例が出ていますが、この十六ページの事例を見ますと、豊田通商が豪州の企業とアルゼンチンで合弁会社を設立して、初めてリチウム資源開発の権益を日本企業が獲得できたと、こうなっていますが、その次の段で、取引が可能になるということなんですけれども、実際にこの炭酸リチウム、これが日本に入ってくるような結果に結び付いているのかどうか、その辺りの、提案をされたと書いてあるんだけれども、結果がどうなっているのかということを聞きたいのが一つです。
 それと、サウジアラビアの例なんかいろいろと出てきましたけれども、ああいう国は油より水の方が高いという状況がありますから、そういう意味で、日本の持っている水技術というものでまさに日本が必要としている天然ガスとか石油をきっちり確保していく、そういうような具体的なプロジェクトがあるのかどうか。資源獲得との連動ということで、アルゼンチン以外の例があれば是非お聞かせいただきたいと思います。
 それと、外務省にはこれと関連して、今の中国の環境汚染、水質の悪化ということが大変健康被害をもたらしています。北京周辺だけでも既に百万人を超える奇形児が生まれている。これは結局、水の汚染が原因だと言われています。そういう意味で、中国との関係を改善する上において、日本の持っている水の浄化技術、それを中国の消費者にきっちりとアピールしていく、そういうアプローチも必要だと思うんですけれども、外務省として、中国は既にODAは卒業したということになっていますが、事環境問題に関しては、何かと、日本の技術をただで提供してくれと、日本の技術がなくて環境が悪化して困るのは日本でしょうというようなことを言ってきておりますので、そういう意味で、中国に対する水技術を使った関係改善の可能性、そういうことについて今どういうような取組を考えておられるのか、お聞かせいただきたいと思います。
 以上です。
#59
○政府参考人(宮本聡君) 御指摘ありがとうございます。
 まず、十六ページのアルゼンチン、オラロス塩湖の例でございますが、これは権益を確かに獲得しているので、そういう意味で輸入できるものでございますが、まだ実際には入ってきていない。別にそれが支障があるというよりも、実際にまだそこまで行っていないというだけでございます。
 それから、これと同じように水ビジネスと資源開発とをリンクさせた例があるかという御質問でございますが、これほど、その場所でまさに資源が獲得されて、そこでまさに水というような明確なつながりになっているものというのは今具体的にはちょっと思い浮かばないんですが、ただ、おっしゃられたように、サウジアラビア、カタール、それからイラク含めてですけれども、こういう産油国との関係でいろいろなプロジェクトをやっていくわけでございます。その中の一つとして、彼らの要望が非常に強い水についても我々もいろいろ提案をするということでございます。
 したがって、これをやるからこれをという形にはならないわけですが、ただ、我々の持っている技術で先方が最も必要としている水について貢献できるわけですから、結果的には、逆に我々が欲しいと思っているものについても向こうは配慮いただけることを期待しながらやっているということでございます。
#60
○政府参考人(南博君) ありがとうございます。
 中国の環境問題でございますが、委員御指摘のとおり、非常に水にせよ大気にせよ深刻であるというふうに認識しております。大気につきましては特に日本に対する影響があるということで、先般も環境省を中心として役人レベルで北京に赴き、協議を行ったところでございます。
 ODAにつきましては、これは既に御承知のことかと存じますけれども、円借款は既に止めておりますし、無償資金協力、技術協力につきましては、両国が直面する共通の課題への取組、すなわち環境問題はこれに入ると考えておりますけれども、かつ、我が国のためにもなる分野に絞って実施していくこととなっております。
 したがいまして、環境分野についてはまだODAを出せる可能性はあるとは思っておりますけれども、とにかく今後とも日中間で環境分野できちんとした話合いをしつつ、双方がウイン・ウインということで関係を築き、また協力をしていくべきであるというふうに考えております。
#61
○会長(藤原正司君) ありがとうございました。
 それでは、会派は関係なくお受けいたします。
 島尻さん。
#62
○島尻安伊子君 ありがとうございます。
 水ビジネスの展開ということで、各省頑張っていらっしゃるお話を伺いました。
 たくさんあるんですが、短くで結構ですのでちょっと教えていただきたいんですけど、ITの事業の関連というか、ここのパッケージについてはどんなふうにお考えなのかというのを聞きたいんですけれども、先ほど藤原先生からもありました管理のところですね。例えば料金とかの管理も含めて今後そういったところが大事なんじゃないかという、そういう御指摘があったんですけれども、いろいろもう全部、省庁の資料を見させていただくと、やはりそこの管理をどうするかというところが今後問題になっていくんだろうというふうに推察されるんですけれども、その中で、じゃ管理をどうするのかといったら、やはりITなのかなと。
 それは、その事業の内容によってはアフリカの奥の奥でITなんてそんなアイデアも出ないところもあるんだというふうに思うんですが、しかしながら、可能性のある地域に関してはこのITのインフラの整備もあるいは一緒にした方が感謝されるのかな、あるいは日本がそういったインフラを整備することでそこから派生するいろんなほかのビジネスの可能性も大変に出てくるのではないかと思っておりまして、ITに関してのいろいろなパッケージのありよう、今までそれはもうやっているんですよといえば、その例を教えていただきたいし、あるいはなければその推進の仕方というのを、その可能性についてのお考えを各省、短くて結構ですので、いただければと思います。
#63
○会長(藤原正司君) じゃ、国土交通省から。短くて結構ですから。
#64
○政府参考人(山崎篤男君) 防災パッケージに関しまして、先ほどタイで既に警戒避難体制始めたというふうに御紹介させていただきましたけど、あの河川情報システムというのはまさにITを使ったシステムでございまして、タイのインフラを使いながら河川情報、洪水とかそういう情報を流していく。そして、最終的には各個人がタブレット端末で洪水の情報、河川、雨量の情報とかそういったものをリアルタイムで見れるというふうなことができるように今協力をしているという状況でございます。
#65
○政府参考人(宮本聡君) 例えば、海水の淡水化など一定のレベル以上のプラント事業に関しては必ず何らかのIT技術が使われています。
 ただ、委員御指摘のような、より大規模なITにウエートを置いたシステムということで申し上げますと、日本のそういう電子メーカーとかが今ヨーロッパを中心に少しパッケージとして売り込みを掛けるなどの活動があるように聞いております。
#66
○政府参考人(南博君) ありがとうございます。
 パッケージ型インフラでやはり一番重要なのは長期にわたる、二十年、三十年にわたる維持管理ができる業者があることであるというふうに認識しております。
 そこで、ITを使うというのは必然的な考えであろうとは思いますけれども、問題はそういう業者が経験があり、なおかつ適切な価格でできるかどうかというところが問題かと思います。
#67
○政府参考人(高島泉君) 水道事業でもITを利用していくとなると、先ほどの水の管理という意味で、センサーを設置するなり、そういった取組と、それからあと料金の徴収等でどこまで使えるかという話があると思います。
 一つは、水の管理のときにモニタリングしながらセンサーを設置していくというのは、今の途上国への支援を考えると、そこまでの取組はやはりまだコストが合わないのかなというふうに考えます。一方、料金の方は、まさにまだ手計算みたいなところもありますので、それはごくごく初期の通常のパソコンなりもまだなかなか入ってないような地域もございますので、そういった地域においては、料金の徴収なり計算のときに、かなり一般レベルの情報機器というのを導入していくことは、現にそういった対応、取組がされていると思います。
#68
○政府参考人(角田豊君) 農業の関係ですが、やはりかんがいシステムがございます。
 ダムなどの貯水池から水路を通して末端の農地までいかに効率的に水を配分するかということで、基本的には人の面での組織づくりというのが特に途上国では大事だということで先ほど御説明申し上げましたけれども、もうある程度そういう組織ができているところにおきましては水管理システムというものを導入いたしまして、より効率的に水を配分する、そういった面につきましても農水省としては進めていきたいというふうに考えております。
#69
○政府参考人(村中健一君) 総務省の中でも、ITを中心とした国際展開あるいは国際協力ということにつきましては情報通信部局の方がこれ中心となってやらさせていただいております。私ども、水の方の担当ではございますけれども、そこに限ってのITということであれば、先ほど厚生労働省さんからお話のあったようなことでございますけれども、全体としてのパッケージとしてのITの話であれば、申し訳ございません、私の担当でないものですから余り詳しくはございませんけれども、総務省としても一生懸命やっているということだけは申し上げたいと思います。
#70
○会長(藤原正司君) それじゃ、次、お受けします。
 藤末さん。
#71
○藤末健三君 参議院議員の藤末でございますが、私も、先ほど松田さんから話があった省庁の統一という、統合的な運用ということについてお話ししたいんですけれども。
 私、実際六年前にシンガポールに行ったときに、国際会議に出たんですが、そのときにもう当時一番イシューだったのが地球温暖化で、二酸化炭素排出どうするのという議論が日本ではフィーバーしていたんですけれども、実際に国際会議行って何が起きたかというと、これからは水がもうなくなるから戦略物資だよねと、もう二酸化炭素じゃないよねという話がもうあってびっくりした。そして帰ってきて、まあシンガポールという特性があったとは思うんですけど、帰ってきていろいろ勉強していると、日本って結局、水を所管する役所がもうばらばらだなというのをそのとき初めて知ったというのがございます。
 それから少しずつ進歩はしているとは思うんですけれど、今のそのインフラ輸出室が、官房のインフラ輸出室が本当に水という観点で見て十分かどうかというのは僕は疑問でございます。
 宮本審議官からは何かもうこれでいいんじゃないかということをおっしゃっていたんですけど、二つ質問がございまして、一つありますのは、例えば水道の蛇口の次にある、今、整水器というのがございますけれど、あれも日本が完全にテクノロジーはもう取っているという状況でございます。ただ、これが国際展開できていないと。今、韓国と中国がまたイミテーション作り始めていますね、正直言って。そういう中で、水って見た場合に、多分その整水器という日本独特のものをほかの国に展開することは僕は考え得ると思っていますが、誰も見ていないような状況。
 そしてもう一つあるのは、そのシンガポールの会議で誰がしゃべったかというと、コカ・コーラのヘッドクオーターの社長さん、CEOがしゃべっていたんですよ。で、今日の話で抜けているのは、ボトリングが抜けているんですよね。結局、皆さん何かいろいろおっしゃっていますけど、インドであれフィリピンであれ、最後、水はボトリングで行きますよ。水道じゃないですよ。どこかでボトリングされて、それが売り出されて末端まで行くという仕組みがある中で、なぜボトリングが抜けているのかなと。農水省さんの担当ですからね、これはっきり申し上げて、ボトリングは。それが抜けていますと。じゃ、何で抜けるかという話。
 そこはちょっと、僕は今の状況でやるなら経産省さんが見るべきだと思います、はっきり言って、産業として。それは、農水省が飲料水見ているからしようがないですよということはおっしゃるかもしれないけれど、どこかが一連の水を中心とする産業を見ておかないと駄目なんじゃないかなというのがまず一つ。
 そしてもう一つ、さっき島尻先生のお話でITの話をおっしゃっていましたけど、ITの要諦というのは恐らくスマートコミュニティー、スマートグリッドの議論が出ている中で、ウオーターマネジメントの消費電力って消費電力の数%行くんですよね。それをどれだけ減らすかというのが今世界の大きな課題である中、先進国のインフラ輸出というのは、恐らく電力網であり通信網でありウオーターサプライ、水の供給網も全て一括して管理できるような仕組みつくりましょうねという議論がある中で、誰も所管していないんですかという話が二点目。
 ですから、途上国に対しては本当に水道しか見ていなくて、末端のところを見ていないんじゃないかと思うし、先進国に対してウオータービジネスということを考えたときに、そこもカバーしていないんじゃないかというふうに思うんですけれども、これはもう宮本審議官だけで結構ですから、答えてください。いや、もう本当に頼みますよ、経産省で。
#72
○会長(藤原正司君) 済みません。今の、藤末さん、いろいろおしゃべりになったけど、宮本さんだけでいいんですか。
#73
○藤末健三君 はい、結構です。
#74
○政府参考人(宮本聡君) ありがとうございます。
 一点目の部分ですが、確かに今言われた整水器なりボトリングの部分自体、私個人として今具体的に国際戦略としてやるべきだというビジョンを持つほどの知識を持っていないのは確かでございます。したがいまして、これが組織として一つでないことの問題なのか、あるいは我々の勉強不足なのか分かりませんけれども、確かにより我々が思っている以上に水ビジネスのカバレッジは広いわけでございますので、更にそれをいろんな形で拾っていく必要はあると思います。
 それが、済みませんけど、内閣官房、内閣府でしたっけ、でやるのかどうかを含めて、ちょっとそこはまた別の話であります。
 それからもう一個、ITの部分でございます。おっしゃるように、スマートコミュニティーという議論がありまして、まさにインド、デリー・ムンバイ構想の中で幾つかの日印共同の事業というのが展開しているわけでございますが、その一番初めに具体的に採択された案件というのがグジャラート州のダヘジにおけるスマートコミュニティー構想で、その中で更に一番最初に具体的な案件となったのが、そこにおける水の事業でございます。
 そういう意味でいうと、IT含めて、あるいは逆に水の事業を含めてスマコミの中で一体として考えるという、そういう発想は持ち合わせてやっているところでございます。
#75
○藤末健三君 一つだけ。
#76
○会長(藤原正司君) 手短にお願いします。
#77
○藤末健三君 済みません、ありがとうございました。
 官房の人数って、もう多分御存じのとおりでありまして、鉄道やっています、通信やっています、空港やっています、何たらかんたらやっていますということで、水の細かいところまで見るのは僕は不可能だと思うんですよ。それを多分、投げないでください、はっきり申し上げて。それがまず一。
 そして、もう一つあるのは、恐らく今、御省の体制も私も存じ上げていますけれども、多分体制がもたないと思うんですよ、御省も。ですから、もう少し、途上国の水道だけじゃなくて、水を中心とするボトリングも含めたビジネスであるし、あと通信網も含めたスマートコミュニティーまでを見るぐらいのことをしていただかないと、恐らくほかの国に僕、勝てないと思います。それだけ申し上げて終わります。
 以上です。
#78
○会長(藤原正司君) 答弁いいんですか。
#79
○藤末健三君 いいです。
#80
○会長(藤原正司君) 橋本さん。
#81
○橋本聖子君 自民党の橋本です。
 いろいろ御説明ありがとうございました。また、済みません、経産省にお聞きしたいんですけれども。
 クールジャパン戦略についてなんですが、今国会でクールジャパン、法案審議される予定であるというふうに思いますけれども、水ビジネスにおいて、経産省としてはこれをどのようにクールジャパン戦略の中で考えられているのかということを何かあったら教えていただきたいのと、もう一つは、ここにも書かれていますけれども、日本が優位な技術を必要とする分野は成長が著しいということを書いているんですが、なかなかそれが今できていないなと思うんですが、水に関してクールジャパン戦略と位置付けたときに、各省庁でこれに関して連携を取って戦略をするという考えがあるのか、またされようとしているのか、お聞かせいただければと思います。
#82
○会長(藤原正司君) 橋本さん、どういうところにお答え……
#83
○橋本聖子君 まずは経産省で、二つ目はそういう考えがありますという省庁にお答えいただければと思います。
#84
○政府参考人(宮本聡君) 御指摘ありがとうございます。
 クールジャパン戦略は、済みません、私は直接担当していないところもありまして、逆にそういうことの裏返しとして、大変恐縮なんですが、水ビジネスの中で、今の段階でクールジャパン戦略の中の中核と位置付けるという形での対応は、申し訳ないんですが、取っておりません。
 今後、そういう可能性があるのかどうか、水に限らずいろんな物資、サービスがありますので、全部一遍に手を付けるわけにはいかないので、そういう可能性があるか、あるいはそれが本当に水にとっていい戦略なのかどうかというのはまた考えさせていただきたいと思います。
 ただ、クールジャパンと言わなくても、私が実際に幾つかの国で水ビジネスの言わばPR役をやっているときに感じますのは、日本そのものに対する信頼、先ほどイラクと申し上げましたが、ほかの国々でも、というのがかなりいまだ残っている国が多うございますので、こうした意味で、日本のブランドということを使いながら水ビジネス、技術面以外のことも含めて水ビジネスというのを進めていくというのは非常に有効な手段かなと個人的には痛感しているところでございます。
#85
○会長(藤原正司君) お受けいたします。
 熊谷さん。
#86
○熊谷大君 自民党の熊谷です。
 本日は大変参考になる、また戦略的なお話をありがとうございました。
 外務省さんに二点と、あともう一点は、ちょっとどちらの方になるのか分からないんですけれども、ちょっと質問を聞いていただいて、それで答えていただければなというふうに思います。
 まず一点目は、国際的に水ビジネス始めインフラで勝負しようという、グローバルに勝負しようということでありますが、ちょっと言葉だけが空回りするかのように、なかなか、この事前にいただいた勉強用の資料なんかも拝見させていただいたんですけれども、その中で「青年海外協力隊 減る応募」なんというふうな形で、見出しには「若者は内向き?」なんというふうに書かれておりました。グローバルという言葉が、またグローバル化社会に対応した人材を育成しなければいけないんですけれども、それと逆行するかのように内向きになっている日本国内の事情があるというような中身だったんですけれども。
 外務省さん、大きな大局的なものとしてとらえていただいて、その内向きになっている原因は教育なのか少子化なのか。いわゆる、以前は兄弟がたくさんいたから、一人、二人海外に出したって大丈夫だろうと思っていたけれども、今は少子化で一人っ子が多くなったから大事な娘、息子を海外に出すなんてとんでもないというふうに言われる少子化の問題なのか、又は政府の支援不足なのか、又は現地の治安とかが関係してくるのか、それとも青年海外協力隊に行って帰ってきた後のキャリアパスの問題であるのか、ちょっとそれを一点教えていただきたいというのが一つです。
 それで、もう一つは、先ほど、世界規模で自然災害が多くなっている、しかも大規模化している、気候変動のためか何かでそういうふうになっていると。東日本大震災も同列にとらえることが可能かというふうに思いますが、今回、津波と原発事故の対応は大変まずいものがあったなというふうに思っておりますが、事地震対策、耐震とか免震という意味では、三月十一日から四月七日の最大余震まで四百回以上のマグニチュード五以上の地震があって、倒壊した建物はほとんどなくて、それにまつわる死者も出なかったということで、非常に我々は地震に対しては大変強固な、強靱な都市に住んでいるんではないかなというふうにとらえてもいいと思うし、世界的にもそういう評価があってもいいんじゃないかなというふうに思っております。
 そういった面で、耐震とか免震、インフラをビジネス展開していくときに、もっと日本が前に出てほしいという要望とか又は期待というものがないのかということを教えていただきたいなというふうに思います。
 最後なんですけれども、水ビジネスにおいて、パッケージ型ということをずっと我々も勉強をしているんですが、官民併せて投資する際に、これ、何年掛けてどのようにリターンを取っていくのかということを、ちょっとごめんなさい、私が聞き漏らしているだけなのかもしれませんが、どのように計画を取られているのかというのを教えていただきたいんですね。
 BOPビジネスという、いわゆる貧困層向けのビジネスということで展開を何かしているというふうなニュアンスで勉強をさせていただいているんですけれども、例えばそのBOPというのは果たしてリターンをしっかりと取れるような仕組みになっているのか、又は任国、現地の政府が一括して請け負って、あとは水道料金に加えて、掛かったインフラ代を水道料金代に掛けて広く浅く長く徴収していくのか。
 しかし、我々は先進国の技術を供与するわけでありますから、いろいろとやはり莫大なお金が掛かると思います。結局は、きれいでおいしい水道水を布設したんですけれども、受益者たる貧困層の方になかなかそれが届かない。貧困層は、先ほど藤末先生からもあったかもしれませんが、ペットボトルを相変わらず買わなきゃ水は手に入らない、逆に水道水の方が高く付いてしまっているという現状もあるやに聞いておりますが、そこの、リターンをどう取るかということの仕組み、ちょっと教えていただければなというふうに思います。
#87
○会長(藤原正司君) 熊谷さん、外務省さんだけで……
#88
○熊谷大君 外務省さんと、あと、最後は経産省さん。
#89
○政府参考人(南博君) ありがとうございます。
 まず、第一点目の御質問の、グローバル化と言われているのになぜ若人は内向きになっているかということと、それからJICAの海外青年協力隊の話でございました。
 まず、海外青年協力隊の話ですが、志願者が減っているのは事実でございますが、これは我々は震災の影響があったというふうに考えております。ですので、将来的にまた志願者が増えることを期待しております。
 先生御指摘のキャリアパスの問題、これはもう昔から指摘されているところでございまして、我々としてもその点は十分認識をして、キャリアの支援をしていきたいというふうに考えております。
 それから、グローバル化と逆行する若人の話でございますが、これはもう役所の見解と申しますよりは私個人の見解で申し上げさせていただきますけれども、見ておりますと、海外にどんどん出ていっている若人はやはりおります。正直に申し上げて、そこは若い人は二極化になっているのではないかと。海外に出ていくと非常に面倒で、文化も違うし言葉も違うし治安も悪いしということで内向きになる若者もいれば、非常に英語もうまく、また意欲にあふれ、外にどんどん出ていって国際機関などで働く若い人たちも多いというふうに認識しております。ですので、外務省といたしましては、そういう外に出ていっている若い人たちをどんどん支援することが当省の役目だというふうに認識しております。
 それから二点目の御質問の自然災害が世界的にいろいろ起きているということでございますが、地震に関しましては、これは世界中で地震が起きる国というのは非常に限られているというふうに認識しております。特に多いのが、やはりインドネシアでありますとかイランでありますとか、ああいうところでございまして、そういうところに日本の非常に地震に対して強靱な家屋を持っていって売ろうとしても、ビジネスとしてはなかなか難しいのかなというふうに考えております。
 以上でございます。
#90
○政府参考人(宮本聡君) 御指摘ありがとうございます。
 海外の水ビジネスに参加する場合の形態というのは、委員御存じのようにいろんな形がありまして、日本が一番多い、サブコントラクターとして機器を納めるとか、あるいはプラントを建設するという場合は、まさにその納めた結果の代金、あるいは、もちろんそれに加えて保守管理とかの費用を受けるというのはあります。
 ただ、もし、欧米によくありますように、完全に運営、料金徴収含めて運営のところまでやるとなると、これは二十五年とか三十年という長期契約になります。したがいまして、それなりの体力がないとこれはできない分野になってございます。
 そういう意味でいうと、なかなか現時点で日本がいきなりそこにというのは難しいところでございますが、現地の事業体に一部出資するような形とかで、少しそういう形の事業も含めて対応が進みつつあるというような状況だと思います。
#91
○会長(藤原正司君) 次の質問を受けます。
 安井さん。
#92
○安井美沙子君 民主党の安井美沙子でございます。質問の機会をありがとうございます。
 主に総務省に質問をさせていただきます。
 私、今日はODA特別委員会の派遣、ベトナムから今朝帰ってまいりまして、たまたま昨日、おとといと、ロンアンとそれからホーチミンの下水道事業及び工業団地の視察をしてまいりましたので、非常に何というか、肌実感でちょっと感じていることがございます。
 先ほど来、いろいろ、縦割りといいますか、水ビジネスというふうにくくったときに、皆さんのその立ち位置の違いなど指摘があって、組織的にどういったものがいいのかというのが委員の間でも話されていますけれども、私はちょっと総務省さんの御説明の中で一番気になったのが、プロジェクトを進めている上で、一ページの一番最後のところに撤退の検討という言葉がございまして、御説明もあったんですけれども、実際、現地を見ていますと、この撤退というのは恐らく考えにくいというふうに思いました。
 といいますのは、多分、総務省さんはやはり日本の自治体のことを第一に考えていらっしゃいますから、自治体の何か回りが滞るようなことがあってはこれは本末転倒だという視点でおっしゃっているのはよく分かるんですけれども、このODAのプロジェクトという観点から言いますと、私が拝見したホーチミンもまさに、それからロンアンに至っては現地にとって物すごく先進的なプロジェクトです。ですから、このプロジェクトの意義は日本が入って説明しなければもう現地ではなかったようなことを仕掛けているわけでございまして、ロンアンはもうまさにそうなんですけれども、ホーチミンの普通の下水道の布設ということにおいても、現地ではそれがなければ垂れ流しで平気だったというところに日本がある意味啓蒙活動をした結果、お金を供与してこういうことをやっているわけですよね。
 このホーチミンにおいては、大阪市の職員の方が三年、四年単位で来て新規のところからお世話をしているわけですよね、技術供与。自治体にとっても大変なこれは負担だと思いました。しかしながら、その辺をお聞きしたところ、もう政令指定都市なんかにおいては新規の下水道の布設なんという経験が最近はできないので、人材育成の意味でも非常に自治体にとっても意義があるんだということを理解した上でこういうのに参加していただいている。また、その自治体が参加することによって、その自治体にある民間企業がこういう事業に参加する機会を得る、チャンスが拡大するのでということも納得済みで参加している、自治体のために参加しているということを踏まえますと、やはり何か途中であったからといって撤退するというのは、ODA事業として見たときに非常に無責任になりまして、国と国との関係としても、やはり人間としてもちょっと許されない発想ではないかなというふうに私は思います。
 そこで、これは御意見を伺いたいということが私の主眼なんですけれども、一つ組織についての私の考えを申させていただきますと、やはり先ほどから指摘が何度かありますように、内閣官房にぼんと投げるというのは余り現実的でないんだろうと思います。かといって、全省庁が同じレベルの意識を持って、もちろん目的意識も違うわけですから、というのもまたこれも難しいんだろうと思いますが、一つ参考となりますのが、昨年、民主党政権下で非常に強力に進めておりましたライフイノベーション、ライフイノベ室というのがありましたけれども、あそこではかなり省庁の縦割りを廃して、薬事法改正なんかも随分推進をしてまいりました。
 そこで私もそれを受けたPTに参加して現実に見ていましたのが、厚労省さんと経産省さんが本当にもうどなり合って、もう胸ぐらをつかみ合ってというような勢いでやっていたと、こういう両方が非常に強い主張をしながらも折り合っていくというような、非常に当事者意識を、何というか、闘わし合いながら一つの事業を進めていく、あるいは法改正に向けて進めていくというような、こういう特別のプロジェクトを組んで、皆さんがそれぞれの主張をするんだけれども、国の国益はどこにあるのかというところを真剣に議論していくというような、臨時でもいい、テンタティブでもいいから……
#93
○会長(藤原正司君) 安井さん、意見をまとめてください。
#94
○安井美沙子君 はい。
 そういった取組方というのもあるのではないかと思いました。
 そんなことは私の私見ですけれども、先ほどの撤退の可能性というところについて、もう一度御意見をよろしくお願いいたします。
#95
○会長(藤原正司君) 安井さん、総務省とどこに。
#96
○安井美沙子君 総務省だけです。
#97
○政府参考人(村中健一君) ありがとうございます。
 委員御指摘のとおりでございまして、ODAという国際協力でやっているものについて、一旦始めたものを撤退するとそれは国際関係を悪化させることにもつながるわけでございます。なかなか撤退できるはずがないわけですね。
 ですからこそ、私どもとしては、そういうものについてはあらかじめよくリスクを判定して、リスクをコントロールできるような形で行くことが重要である、あるいはちゃんと住民に説明して納得してもらった上で行くことが必要であるということであって、撤退することを何か前提として議論を組み立てているわけでは実はないんです。むしろ、行くのであれば、そういうことにならないようにちゃんとリスクを事前に判定して行ってくれよという話であります。
#98
○会長(藤原正司君) 松田さん。
#99
○松田公太君 ありがとうございます。
 みんなの党の松田公太です。
 皆さんに様々な海外での好事例を御紹介いただきましたが、ただ残念なことに、この資料にある多くの事例が去年若しくはおととし御紹介いただいたものとちょっと重複しているんじゃないかなというふうに私は思ったんですね。ですから、実態は余りちょっと増えていないのかなというふうに感じております。
 片や、この経産省さんの資料の中にありますように、世界の水ビジネスというのはもうこれからどんどん成長していくと、八十七兆円になるんだというお話があります。
 日本が今後インフラ輸出できる本当に数少ない可能性の一つなんじゃないかなと、再生可能エネルギー、通信、またこの水というものが非常に今重要なファクターじゃないかなというふうに私は感じている次第ですけれども、これは先ほどの橋本聖子さん方式で、もし皆さんの中で、明確にこの八十七兆円のうち幾らビジネスとして確保しようと思っているのか、こういう目標を、本来だったら私、あるべきだと思うんですよ。それがないというのは逆におかしいんじゃないかなというふうに私は感じるんですが、そのような目標値を持って取り組んでいる省庁があるのかどうか。若しくは、先ほど総務省のお話でありましたが、内閣官房で実はそういう目標値があるんだということであれば御説明いただければなというふうに思います。
#100
○会長(藤原正司君) 答弁をお受けします。各省庁、手を挙げてください。
#101
○政府参考人(宮本聡君) 御質問及び応援ありがとうございます。
 実は、経産省としてこの八十六・五兆円があるんですが、まず当然ながら共通の数字ってあるんですが、実はこれ全部が、いわゆる民間といいますか、日本の企業含めましてサービスとして参入できる市場ではないわけです、国が全部ああいうところでやっていると。私どもの資料にも書いてございますが、このうち実際に民間企業が参入できる、いわゆる民営化された市場と言われるのは一〇%から二〇%、そういう意味でいうと、八兆から十五兆ぐらいの意味でございます。
 それを前提にしてなんですが、必ずしも数値目標ではないんですが、もしその日本の技術等が正しく評価された場合にどの程度取れるかという大変僣越かつ大胆な試算をした弊省の研究会の報告がありまして、それによると、二〇二五年で一・八兆円の市場と。二〇〇七年で数千億円なので、何倍といいますか、何倍とも言えないぐらいなんですが、一応かなり伸びることは想定しております。
#102
○会長(藤原正司君) 紙さん、どうぞ。
#103
○紙智子君 先ほどの私の質問に対しての答えなんですけど、ちゃんとお答えになっていただいていないなと。
 災害の応急体制がつくられたときから、要するに、職員の体制が半減した中でどこまでできたのかと、あるいはできなかったのかということについてはやっぱり検証が必要じゃないのかということを申し上げたんですけれども、検証する必要があるんじゃないのかと言ったのに対しては答えておらなかったと思うんですね。それはきちっとやっぱりやっていただきたいということが一つと、それからもう一つ、やっぱり私たち、災害の後というか、現地に行って痛感したのは、やっぱりいろんなことがもうどんどん遅れていってしまうと。そこにはやっぱり、いざとなったときの体制が非常に減っていて大変だと、回っていないと。
 いろいろなところからのもちろん応援は入りましたよ。たくさんの応援が入りましたよ、北海道からも入っていましたしね。それはそうなんだけれども、やっぱりそこが不足している自治体というのが時間が掛かっているということにもつながっているんじゃないかと思いますし、水道事業なんかの場合は、やっぱりどこで漏れているかというのは、それを探し出すというのはそれなりの、何というんですか、熟練されたことが必要ですし、経験も必要だと。
 そういうことを考えたときに、これをちゃんとやっぱり検証していくという、伝えていくという、技術も伝えていくということからいっても、そういう熟練された人も含めて、ちょっとその体制がどうなのかなというところをちょっともう一回お聞きしたいと思います。
#104
○会長(藤原正司君) 紙さん、厚生労働省だけでいいですか。
#105
○紙智子君 総務省と。
#106
○会長(藤原正司君) 総務省、後から受けます。
#107
○政府参考人(高島泉君) 水道関係の職員が減っていて、神戸のときからもう随分減っているんですが、もし減っていなければどこまで対応できたのかという検証はなかなか難しいなと思っております。
 いろんな仮定を置いてできるのか、また考えてみますけれども、人が今回いなかったからここまでしかできなかったということだけではなくて、やはり体制の整備、それから人の話で、あるいは事業体として人が減っているんですが、これ、ただ単純に減らしたということではなくて、やはり民間に委託するなりして、必要な事業は確保しながら官民連携の下で事業を進めているということでございます。
 そうしますと、今回、いろんな災害対応につきましても、事業体から行くだけではなくて、その際には民間の方も、技術を持った、担っている部分の民間があれば民間とともにその災害応援に行っているわけでございまして、官民併せて対応を今回もしっかりやったというふうな認識をしております。
 人が前の体制でやったらどこまでできたのかというのを比べるのはなかなかちょっと難しいなというふうに考えております。
 それから、技術につきましては、要するに民間に任せた分については官民併せて技術を維持していこうということでございますが、それにあわせまして、前回も申しましたけれども、研修事業なりそういったものを進めながら職員としての資質、技術というのも維持していきたいと、こういうふうに思っています。
#108
○政府参考人(村中健一君) 先ほども答弁させていただきましたけれども、上水道事業ということにつきましては、厚生労働省さんが中心になって対応というものをまとめておられますので、私どもはそれに補助的に参加させていただくという立場でございます。なので、今後ともよく厚生労働省さんと話し合っていきたいとは思っております。
#109
○会長(藤原正司君) 加藤さん。
#110
○加藤敏幸君 ありがとうございます。
 農林水産省の方にお伺いをいたしますけれども、食料問題で、気候変動が厳しい局面になると干ばつとか冷害だとかいろんな被害が発生しますけれども、これよく言われるんですけれども、単作化を進めれば進めるほど飢饉に対する対抗力、抵抗力が落ちるというのは、江戸時代もそうだったんですけれども、つまり、飢饉に対する対応力というのは、いろんな作物、多様性を持った食料を用意されている状況の中で保たれるという部分もあって、だから、レベルによっていろんな議論がありますけれども、一つは、食料問題のベースとして飢饉への対抗力というのをやっぱりどうやって国際的に担保するかという視点で、農林水産省の中でそういう対応策があるのかないのかということ。
 それから、穀物の国際価格というのは、需要と供給だけじゃなくて非常に投機的な動きの中で世界的にやっぱり相当上昇してきたという流れの中で、食料問題の中でも特に開発途上国にとって極めて大きな負荷になっているという観点から、これは国際的にそれも少し対応していくということは随分議論されてきたんですけれども、その問題についての御意見。
 それから最後にカロリーダウンの問題ですけれども、カロリーダウン。牛肉一キロ作るのには穀物、餌として十一キログラム、豚が七キロ、それから鳥肉で四キロ、卵は三キロと。だからこれ、食物のシフトダウンしていくと、餌としての穀物が余ってくるという状況も実はあって、食料不足の中にはそういう食事のいわゆるレベルがアップしているという側面も実はありますよね。だから、食料問題を見たときに、単にたくさん物を作る、生産性を上げるという視点と同時に、価格の問題、それからカロリーダウンの問題だとか食生活の内容を変えるとか、非常に方法論としては多岐にわたるということがあると思うんですけれども、御意見をお伺いしたいと思います。
#111
○政府参考人(角田豊君) ありがとうございます。
 三点、御質問いただきました。
 まず、いろんな自然災害とか災害が多発する、飢饉が増えていくということへの対応ということでございますけれども、やはりいわゆるモノカルチャーといいますか、単作化でもって一つの作物が全部駄目になるという危険性があるのではないかと。
 そこはもう私どももそう思っておりまして、したがいまして、いわゆる食料安全保障のいろんな国際会議開かれておりますけれども、やはり各国、各地域でそれぞれの地域に合った多様な農作物の生産をやっていく必要があるというところは今大きな合意になっております。これはまさに日本も多様な農業の生産ということを国際的な場でも主張しておりますし、途上国に対するいろんな農業支援の中におきましても、そういう地域独自の条件なり自然環境なり、そういったことを踏まえた生産の多様性、農作物の多様性ということは十分気を配ってやっていきたいと思っております。
 それから二つ目に投機的な問題ということでございまして、まさにこれも御指摘のとおりでございまして、これはやはり食料の情報ですね、食料価格でありますとか食料の供給量だとか生産量、こういったものに対する適切な情報がやはり欠如していたのではないかという反省がございまして、これに対応するためにG20の枠組みの中で、AMISというふうに言っておりますけれども、世界の食料情報提供システムというものを立ち上げておりまして、できるだけ広い範囲で、今はG20がベースになっておりますけれども、これを広げつつ、国際的な食料情報の整備というものにも取り組んでいるところでございます。
 それから、いわゆる穀物の問題でございますけれども、やはり経済が成長いたしますとどうしても肉食の方に移行していくということで、これなんか中国なんかが非常にいい例だと思いますけれども、非常に穀物の需要が増えていると。大豆、トウモロコシももう自給できなくて輸入を始めているというような状況でございまして、こういうような状況でやはり六〇%食料を増産をしなきゃいけないというような位置付けがなされております。
 なかなかこれは、食物というのは嗜好性もあるので、これを食べるのをやめて別のものを食べなさいと言ってもなかなかそうはいかない面もあるわけですけれども、いわゆる栄養の問題とか食料供給の多様性ということも考えながら、一方でその需要にできるだけこたえていくような生産面での強化ということもやっていかなきゃいけないと思いますし、その面での農業用水、水の重要性というものはあるんではないかなと、こんなふうに思っております。
#112
○会長(藤原正司君) どうもありがとうございました。
 質問を受けます。
 それでは、江崎さん。
#113
○江崎孝君 今日は、各省庁の皆さん、ありがとうございました。
 取組がやはり相当進展をして広がりがあるということも改めて分からせていただきました。水を造る、あるいは利用する、あるいは流す、あるいは抑え込む、それぞれのところでそれぞれの省庁の皆さんの課題や目的や問題というのは相当重なり合っていると思うんですね。
 この間、三回目なんですけれども、あるいはポリグルという小さな錠剤のことで水をきれいにするというところ、あるいは雨水、東レだったり、大きなプロジェクトをやらせるところも含めてですけれども、異口同音に言われたのは、ODAのやり方だったり、やはり国としてのバックアップ、あるいは官民連携等々の言葉を言われました。今日の資料も見ていると、官官、官民連携というのは大体出ていますし、パッケージという言い方も出ていますね。
 前回の東レの栗原さんだったかなと思うんですけれども、技術で勝ってビジネスで負けるというふうに日本の場合はおっしゃったんですよ。だから、やっぱりオールジャパンでやらなきゃいけないし、さらには海外の企業や人材も活用したジャパンのイニシアチブということをやらなきゃいけないと言われました。そうすると、今日、経産省の宮本さんがおっしゃったように、現在の在り方で支障がないという意見はなかったわけですよ、正直なところ。やはり、もっと違った形で国のバックアップ、官民連携をやらなきゃいけないというお話をされていました。
 そこで、松田委員の意見と重複するんですけれども、元々、水循環基本法というのを提案をしようとしてこれ駄目になって、その中には、水循環政策本部というのをつくって、これは総理大臣も何か入るような話でつくっていたと思うんですね。そういう非常に新しい担当大臣もつくってやっていかなきゃいけないんじゃないかというふうに私は思っているわけですけれども。
 そこで、質問なんですが、今みたいに非常に多岐にわたって、地域性もあって、そして国が大きくバックアップしなければならないという、こういう局面において、今の段階で省庁間の連携あるいは取組のお互いのサポートというか、それが本当に取れているのか、取れているとしたらどういうところが取れているのかということをお聞きしたい。
 これは全員にお聞きする時間がありませんから、あえて国交省さんと経産省さんと、まあ経産省さん、同じ答えになるかどうか分かりませんけれども、経産省さんと外務省さんにお答えいただきたいと思います。もしほかの省庁さんで意見がありましたら、後でお聞かせいただければと思います。
#114
○政府参考人(岡久宏史君) 下水道の担当なんですけれども、下水道事業については本当にここ二、三年、海外展開を国としても積極的に進めようかということで、今動き始めています。
 各省との連携ということなんですが、当然、国土交通省の下水道部だけでは海外展開できませんので、もう当然のことながら、一つは、外交ということでは外務省さんからいろいろと逆に御教示を受けて、どうやったら対外的に協力をしながらうまくいくかということを教えていただきながらやっておりますし、当然、最終的に仕事をしていただくのは民間の方ですので、そういう意味では今、経産省さんと一緒に組んでやらせていただきます。
 先ほど経産省さんからもお話がありましたが、今サウジアラビアにいろんな技術を売り込みに行っておりますけれども、これは国交省だけでサウジアラビアと技術協定を結んでもうまくいきませんので、それは経産省さんと組んで技術協定を結んだりして連携してやっておりまして、そういう方向性でこれからもしっかりやっていきたいと、そういうふうに思っています。
#115
○政府参考人(宮本聡君) 御指摘ありがとうございます。
 先ほど私の方から発言させていただきましたが、現在の体制が全て完全ということを言っているつもりはなくて、いろんなやり方が多分あると思います。それで、水に限らないんですけれども、幾つかの業種にまたがる、あるいは幾つかの地域なり、あるいはフェーズが変わっている中で横串を刺すという際に、なかなか、それも一つのやり方ですし連携するのも両方あるので、そこら辺はどちらが一概にというわけではないのかなという趣旨で申し上げさせていただいたところであります。
 今、国交省さんからお話もありましたように、私たちが今実際に事業をやっている中では、幾つかの事業、必要があれば各省さんの御知見あるいは参加も得られますし、あるいは地方自治体さんあるいはJICAさんなど、関係の団体、組織も含めて御支援はいただいているとは思っています。
 ただ、委員御指摘のように、もし民間の企業の方々なりで具体的にこういう点が今の役所の体制の中で問題があるという御指摘がある場合には、それは真摯にお聞きして、どういう形での対応があり得るのか、更に考えていきたいと思います。
#116
○政府参考人(南博君) ありがとうございます。
 まず、うまく各省間の連携がいっている例といたしましては、私どもの立場からすれば、それぞれの個々のODAの事業については外務省、それから、それぞれ例えば専門家を出していただく、あるいは事業を直接担当していただくような関係省庁との関係というのはうまくいっていると認識しております。
 一方、うまくいっていないというわけではありませんが、今後やはりよくよく考えていかなければいけないのが、パッケージ型インフラのように非常に幅広い分野で関係する省庁及び地方公共団体、民間などが複合的に入ってくるようなものについては、その在り方というのはまだ考える必要があるのかなと。先ほど申し上げました内閣官房におけますパッケージ型インフラの事務局というのは、これはたしかできたのが三年前、平成二十二年と認識しておりますから、まだその在り方についてはひょっとしたら考慮の余地があるかもしれません。
#117
○江崎孝君 やはり、これだけ呼ばないといけないという自体そのものが非常に遅れているという状況があると思いますから、是非、今後とも一緒に努力していきたいと思いますから、どうぞ御協力お願いします。
#118
○会長(藤原正司君) 何かありますか。質問ある方は。
#119
○野村哲郎君 一つだけ。
#120
○会長(藤原正司君) 短い方が有り難いですが。
#121
○野村哲郎君 一問だけ。
 外務省の資料の十ページなんですけれども、これは見た写真だなと思ったら、実は先週見たんですよ。これを作っておられる会社の方だったんですが、外国では、まあ確かに日本の、日本というか、外務省と経産省のあれでは政策的にも違うんでしょうけど、外務省の場合は国際貢献的な立場からこの水というのをやはり取り扱っているんじゃないかなと、ですからODAでこういうことをやっておりますよということだったんですが。何を言いたいかというと、この会社の社長は日本では全く評価を受けていないと。いや、皆さん聞いておられましたからね、海外ではこれだけ私は喜ばれているのに全く日本では評価されていない。先ほどの連携取れているのという意味なんですよ。だから、これだけのことをやって、ODAの事業でやって、そして海外では評価が高い、魔法の粉だとおっしゃったんです。
 それが、例えば日本でいけば、これは農水省が見えていますけれども、赤潮にもいいんだとか、いろんなのにこれはいいですよって、実験もしてここで我々見せていただいたんです、どこかで見た写真だなと思っていたら。
 ですから、海外で評価されているものが何で私は日本で評価されないんでしょうかというお話をされていて、だから、連携が全く取れてないんで、こういうすばらしい魔法の粉があるよと、一番右は粉を溶いておられるところでしたから。ですから、何かそこの連携というのが、外務省は外務省でこういうことをやっておられるんだけど、経産省は全く御存じなかったり、農水省の水産庁も全く、こういうのが赤潮に効くというのを聞いて僕もびっくりしたんですけれども、そういう連携の取り方というのがやっぱりないんじゃないかと思うんですね。
 以上であります。
#122
○政府参考人(南博君) 御指摘ありがとうございます。
 この会社の件でございますけれども、もちろん外務省といたしましては国際貢献ということを考えておりますが、一方におきまして、この会社も含め中小企業支援ということでやっております。
 正直申し上げて、この会社が国内でどのような評価を受けているのかということにつきましては、外務省は国内事情に疎いものでございますから存じませんが、ただ、少なくとも我々は、この会社からの申出を受け、なおかつ、いろいろな周りの評価を聞いて、この会社に調査を委託したということでございます。
#123
○野村哲郎君 済みません、いいですか。
 同じ質問を宮本さんにちょっとしたいんです、この会社を知っておりますかということで。
#124
○政府参考人(宮本聡君) この会社、国内事情に疎くないはずなんですが、直接は存じ上げておりません。
 ただ、先ほど外務省さんのお話にありましたように、まさに、海外で評価されるかもしれない、日本の中では必ずしも逆にその技術なり事業として評価されていないものでも、海外においてはむしろこうした評価を受けるようなもの、こうしたものも拾い上げて海外市場展開できるような形にすべきだというふうに我々経済省としても考え、そのためにもこのODAというツールなどを使って外務省さんと協力したいと思ってやっているのがまさにここの部分でございますので、そういう意味でいうと一つの中小企業支援という形でやらせていただいています。
 国内でそれがどうなるかというところについては、済みません、この企業自体の評価を私の方でも個別の話としては承知しておりません。
#125
○会長(藤原正司君) じゃ、一応、委員からの質問は終わりましたので、政府に対する質疑はこの程度といたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後三時三十八分散会
ソース: 国立国会図書館
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