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2013/05/10 第183回国会 参議院 参議院会議録情報 第183回国会 政府開発援助等に関する特別委員会 第3号
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2013/05/10 第183回国会 参議院

参議院会議録情報 第183回国会 政府開発援助等に関する特別委員会 第3号

#1
第183回国会 政府開発援助等に関する特別委員会 第3号
平成二十五年五月十日(金曜日)
   午前十一時三十一分開会
    ─────────────
   委員の異動
 二月二十八日
    辞任         補欠選任
     田城  郁君     松野 信夫君
     難波 奨二君     大塚 耕平君
 三月二十七日
    辞任          浜田 和幸君
 三月二十八日
    補欠選任        中西 健治君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         山谷えり子君
    理 事
                石橋 通宏君
                大久保 勉君
                柳澤 光美君
                中村 博彦君
                水落 敏栄君
                山本 香苗君
    委 員
                江崎  孝君
                小川 敏夫君
                大塚 耕平君
                津田弥太郎君
                藤谷 光信君
                松野 信夫君
                安井美沙子君
                赤石 清美君
                大家 敏志君
               北川イッセイ君
                小泉 昭男君
                中原 八一君
                長谷川 岳君
                山本 順三君
                竹谷とし子君
                中西 健治君
                松田 公太君
                山田 太郎君
                森 ゆうこ君
                吉田 忠智君
                舛添 要一君
   国務大臣
       外務大臣     岸田 文雄君
   大臣政務官
       外務大臣政務官  若林 健太君
       財務大臣政務官  伊東 良孝君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        矢嶋 定則君
       常任委員会専門
       員        工藤 政行君
   政府参考人
       外務省国際協力
       局長       梅田 邦夫君
       財務大臣官房審
       議官       仲  浩史君
       国土交通省国際
       統括官      稲葉 一雄君
   参考人
       独立行政法人国
       際交流基金理事
       長        安藤 裕康君
       独立行政法人国
       際協力機構副理
       事長       堂道 秀明君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○参考人の出席要求に関する件
○平成二十五年度一般会計予算(内閣提出、衆議
 院送付)、平成二十五年度特別会計予算(内閣
 提出、衆議院送付)、平成二十五年度政府関係
 機関予算(内閣提出、衆議院送付)について
 (政府開発援助関係経費)
    ─────────────
#2
○委員長(山谷えり子君) ただいまから政府開発援助等に関する特別委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日までに、田城郁君、難波奨二君及び浜田和幸君が委員を辞任され、その補欠として松野信夫君、大塚耕平君及び中西健治君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(山谷えり子君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 委嘱審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、政府参考人として外務省国際協力局長梅田邦夫君外二名の出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(山谷えり子君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(山谷えり子君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 委嘱審査のため、本日の委員会に参考人として独立行政法人国際交流基金理事長安藤裕康君及び独立行政法人国際協力機構副理事長堂道秀明君の出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○委員長(山谷えり子君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#7
○委員長(山谷えり子君) 去る七日、予算委員会から、本日一日間、平成二十五年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、政府開発援助関係経費について審査の委嘱がありました。
 この際、本件を議題といたします。
 政府開発援助関係経費について岸田外務大臣から説明を聴取いたします。岸田外務大臣。
#8
○国務大臣(岸田文雄君) 平成二十五年度政府開発援助に係る予算案について概要を説明いたします。
 平成二十五年度一般会計予算案のうち政府開発援助に係る予算は、政府全体で対前年度比〇・七%減の五千五百七十二億八千四百万円となっております。
 このうち、外務省予算分については、前年度比〇・七%増の四千二百十一億五千七百万円となりました。日本を取り巻く情勢が変化する中、我が国の最も重要な外交手段の一つであるODAの有効性が更に増大しており、本委員会の御支援もあり、一般会計予算案における外務省所管ODA予算は、三年連続の増額となる予算を計上しております。
 今回の予算案計上に当たっては、第一に、普遍的価値をベースとした自由で豊かで安定した国際社会を実現するためのODA、第二に、経済成長と日本ビジネスの国際展開に貢献するODA、第三に、人間の安全保障を推進し、日本の信頼・プレゼンスを強化するODAの三分野を基本的な重点分野として予算の確保に努めました。
 次に、協力の形態ごとに概略を御説明申し上げます。
 まず、無償資金協力については、さきに述べた重点分野を中心に、前年度比一・六%増の千六百四十一億九千六百万円を計上しております。
 技術協力については、政府全体で前年度比〇・四%増の二千五百六十億八千三百万円となっております。このうち独立行政法人国際協力機構の運営費交付金は平成二十一年度予算以来四年ぶりに増額となり、前年度比一・一%増の千四百六十九億千九百万円を計上しております。
 国際機関への分担金、拠出金については、国連分担率の見直し等も踏まえ、政府全体で前年度比一・五%の減額となりました。このうち外務省予算分については、全ての国際機関について見直し作業を実施し、対前年度二・五%の減額となっております。
 最後に、有償資金協力(円借款)については、インフラ・システム輸出などに積極的に活用していく方針であることを踏まえ、出融資の計画額は対前年度四・〇%増の九千百五十億円となっております。
 以上が平成二十五年度政府開発援助に係る予算案の概要であります。
 なお、平成二十四年度補正予算については、政府開発援助に係る予算は政府全体で千九百四十二億八千六百万円となっております。このうち、外務省予算分については千四百二十四億千九百万円となっております。日本経済再生に向けた緊急経済対策に基づいた日本企業の国際展開支援につながる即効性の高い事業や、平成二十四年度予算要求時に想定されなかった緊急性、義務性のある追加的経費に限定した予算を計上しております。
 今後とも、NGO、中小企業を含む民間企業、地方自治体、大学などと連携して国際協力を行うことで、ODAに対する幅広い理解と支持を得ながら、経協インフラ戦略会議における議論も踏まえ、より戦略的かつ質の高い援助を実施していく考えです。引き続き、本委員会委員の先生方からの御指導、御鞭撻のほど、心からお願い申し上げます。
 以上です。
#9
○委員長(山谷えり子君) 以上で説明の聴取は終わりました。
 これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#10
○大久保勉君 民主党の大久保勉です。
 まず、岸田外務大臣に対しまして、ODA予算に関して質問したいと思います。
 いただいた資料の中で、外務省予算、ODAに関して最重要項目ということで、その中にTICADXを念頭に置いたアフリカ支援六百三十億というのがございます。こちらに関して質問したいんですが、TICADの外交の意義としましては、日本外交の基盤強化、そして資源確保と市場開拓、さらには国際社会への貢献、そして日本の発言力強化、こういったことが挙げられると思いますが、今年行われますTICADXにおきまして、とりわけどういった分野に力を入れているのか、またどういった予算を具体的に計上されているのか、この点に関して質問します。
#11
○国務大臣(岸田文雄君) まず、TICADは、日本とアフリカの互恵的な関係を発展させ、国際社会における日本のプレゼンスを向上させる重要な機会だと認識をしております。
 そして、その中でTICADXですが、保健、教育、農業分野、こうした分野での支援を推進する、これはまず大事な点だと存じますが、こうした支援と併せて、我が国経済界の要望にこたえつつ民間主導のアフリカによる成長を実現するため、官民連携を通じた対アフリカ貿易投資の促進、この部分を重視していきたいと考えております。
 この支援とともに、対アフリカ貿易投資の促進を重視するという観点から、インフラ整備そして人材育成、この二つが重要だと認識をしております。このインフラ整備と人材育成と併せてビジネス環境の整備に資するアフリカ支援策を検討していきたいと考えております。また、TICADX、本会合ではアフリカ首脳と日本企業との対話の機会を設けるなど、日本製品のブース展示等を実施する予定にしております。
 こういった考え方から、予算についてですが、平成二十五年度ODA当初予算におきましては、日本企業の要望の強いインフラ整備そして人材育成、こうしたものの支援のための六百三十億円を含め、アフリカ全体に対し、昨年度の計画約九百六十億円でしたが、この九百六十億円を上回る支援を行うことを想定しております。
#12
○大久保勉君 是非、今回、TICADX大成功になりますように、大臣のリーダーシップを期待したいと思います。特に、今回は全世界から約三千名ですか、アフリカ五十一か国の首脳が参加、総参加者は三千名ということでありますから、しっかりと日本を売り込んでもらいたいと思います。
 実は、昨年の十月にも、世界各国から金融関係者が来るというIMF・世界銀行東京総会がありました。そのときにアフリカ開発銀行の東京駐在事務所が開設しました。非常に、日本とアフリカ開発銀行、一緒にODA及びアフリカ諸国の開発のために取り組んでいくと、このことが必要であると思います。
 それで、ここに関して申し上げたいのは、ODA分野においてアフリカ開発銀行や世界銀行とどのような協力関係を日本国政府が築いているか、この点に関して大臣に質問したいと思います。
#13
○国務大臣(岸田文雄君) アフリカにおける膨大なインフラ等の需要にこたえるということを考えますときに、アフリカ開発銀行、我が国にとりましてこれ重要なパートナーだと認識をしております。我が国は、二〇〇五年に同行との間でアフリカの民間セクター開発のためのイニシアティブを立ち上げ、同行と協調融資による電力、道路等の整備、及び民間セクターの支援としてこれまで総額約十三億ドルの円借款供与実施をしております。
 御指摘のアフリカ開発銀行が昨年開設した東京事務所は、同行として唯一アフリカ域外の事務所という位置付けにあります。このアフリカ開発銀行と一層緊密に連携し、日本らしい支援が示せる優良案件の発掘あるいは日本企業のアフリカ支援にも資する案件の形成にも努め、効果的なアフリカ支援、実現していきたいと考えております。
#14
○大久保勉君 このアフリカ開発銀行に関しましては、所管としましては財務省、あと外務省も非常に関係しておりますので、是非、外務省、財務省、一緒にしっかりと日本をアピールしてもらいたいと思っております。今日は伊東政務官もいらしておりますから、この点よろしくお願いします。
 続きまして、TICADに関しましては六月一日から六月三日ということなんですが、このODA特別委員会におきましても非常にうれしい知らせがあると思います。これは、委員長のお力で、恐らくは六月三日に世銀のキム総裁がこちらに参考人としていらっしゃるということであります。正式には決まっていないかと思いますが、もしそれが実現したら非常に大きなイベントであると思います。
 そこで、これに関連して申し上げたいんですが、ODA分野で世界銀行グループとどのような協力関係を現在構築しているのか。また、日本の出資比率というのは非常に高いと思います。恐らくアメリカに次いで二番目と。ところが、日本の職員の比率は極めて少ないと、こういった問題点があります。こういった観点から、世銀とどういう形でODAを構築していくのか、さらに、日本人の存在感を高めていくために、どうやったら日本人の職員の比率を高めていくか、この点に関して、こちら、岸田大臣の方に質問したいと思います。
#15
○国務大臣(岸田文雄君) 御指摘の世界銀行グループですが、昨年十月には東京におきまして年次総会を開催し、本年六月にTICADX、共催をさせていただくということになります。また、保健、教育を始めとするミレニアム開発目標の達成、その後継枠組みの策定、あるいは防災などの重要な開発課題について密接な協力関係にあると認識をしております。
 その世界銀行グループにおける出資と、そして人材的な貢献の関係ですが、世銀における日本職員、この職員数百二名、全体の二・一%であります。出資比率の方は、世銀グループの中のIBRDが七・二%、IDAが一〇・八七%ですから、出資比率に比べましてこうした職員数のこの少なさは御指摘のとおりだと認識をしております。是非、世銀グループにおける日本人職員については更なる増加が必要だと認識をしております。
 そして、世銀自身も同様の問題意識を有しておりまして、日本人を対象としたリクルートミッションを派遣するなど、採用に尽力をしているところであります。これに対して、日本政府としましても、世銀で職務経験を積ませて、正規職員として採用を促進するための事業等を今実施させていただいております。また、世銀幹部と面会する際には、この日本人職員の採用、特に幹部への登用を毎回要請しているところでございます。
 是非、引き続きまして様々な手段を通じて日本職員の増加に向けて、主管省庁であります財務省とともに取り組んでいきたいと考えております。
#16
○大久保勉君 世銀に関しましては、私も財務副大臣時代に世銀としっかりと議論したり、また世銀の議連がありまして、そちらでも議論するということで、ある程度方向性が見えてきたのかなと思っております。
 しかし、ほかの国際機関に関してはどうかということで議論したいと思います。
 資料を三枚配付いたしました。御覧ください。資料の、例えば二ページ目に、世銀及び主要国連機関への日本の分担金の額と全体に占める率というのがございます。例えば二〇一一年を見ますと、先ほど大臣が答弁されましたように、七・二%の出資です。国際連合に対しましては一二・五%です。世界的にも非常に高い水準かと思います。例えば、右から二つ目の国際連合開発計画、UNDPに対しましては八・四%となっております。
 ここに対して、次のページ、三ページ目を御覧ください。こちらは、日本はどの程度職員を派遣しているのかということで申し上げますと、世界銀行に対しまして、一番左側になっています。アメリカが職員数としましては全体の二四・一%、続いてフランス四・九、イギリス四・四、イタリア三・〇、カナダ三・三、ドイツ三・七、そして日本が二・一%。出資比率に対して大きく劣後するという状況であります。
 やはり、日本もGDPに対する借金比率が世界一という状況で、もうどんどん出資できるという状況にありませんから、これからは優秀な日本人をどんどん国際機関に出し、そして日本の国益を守ってもらう、もちろん国際協力の中で守ってもらう、こういった戦略が必要だと思います。こういった戦略に関しましては、韓国であったり、若しくは欧州の中規模の国は非常にたけています。こういった戦略が必要だと思っています。
 そこで、世銀に関してはある程度方向性が見えたんですが、実は、例えばUNDP、国際連合開発計画に関して、外務省所管ですが、残念ながら大したことはやっていないと思っています。
 どうしてかといいましたら、こちらODA特別委員会の理事会に提出をいただきました外務省の資料が一ページ目にございます。外務省と国連開発計画の定期的な協議についてということで、今年の二月二十日の資料でありますが、年一回、平成二十三年より実施しています。具体的にどういうことをやっているかということが書いてありますが、意見交換をすると。邦人職員増強に関して意見交換をするとか、その程度でありまして、具体的な人員増強計画がなされていません。相当各国とも競争して、何とか自分たちの職員を押し込みたいと、若しくは日本人を押し込みたい。さらに、国際機関に入った場合には、それからしっかりと、いわゆる上級職に行くために様々な支援をしております。残念ながら、日本はそういったことがなされていないと思います。
 この点に関して、外務省はどういうことを考えているのか。少なくとも、このODA特別委員会に提出された一枚紙の資料では何も熱意が見えませんから、是非、大臣のリーダーシップを確認したいと思います。
#17
○国務大臣(岸田文雄君) 御指摘のように、国際機関への邦人職員の増強、大変重要な課題だと認識をしております。
 具体的にどういった取組をしているのかという御質問ですが、国際機関の邦人職員の増強のために、これまで三つほど大きく分けて事業に取り組んでおります。一つは若手邦人の国際機関への送り込み、そして二つ目として広報活動、応募支援、そして三つ目として潜在的候補者の発掘、育成、こうした事業ですが、最初の若手邦人の国際機関への送り込みとしましては、ジュニア・プロフェッショナル・オフィサーの派遣制度という制度を設けまして、日本国政府が経費を負担して国際機関での勤務を希望する若手邦人を送り込む、こうした取組を行っています。
 そして、二つ目の広報活動、応募支援としましては、国際機関での勤務を希望する邦人に対して、新たな空席情報や国際機関への就職に有意義な情報提供など、広報活動や応募支援を行っています。現在一万五千人ほど登録していただきまして、登録した人間に対してこうした広報活動、応募支援を行っている、こうした取組を行っています。
 そして、三つ目として、潜在的候補者の発掘、育成ですが、社会人の修士課程習得者等の邦人を対象として試験対策講座の実施等を行っています。具体的には、財団法人に対して予算一千五百万円ほどを用意いたしましてこのセミナーを実施してもらうと、こういったことを通じて、この人材の発掘、育成を行う、こういった取組を行っているところです。
 こうした取組を行いながら、要人往来の機会においては、国際機関の長、幹部への働きかけを行う。二月にも、私もグテーレス国際難民高等弁務官にこうした働きかけを行わさせていただきましたが、こうした働きかけ、あるいは在外公館を通じた働きかけ、こういったものを通じて邦人職員の採用、昇進に向けた支援を行っている、こうしたことであります。現在、こういった取組を行っておりますが、御指摘のように、この職員増強、大変重要だと認識しております。引き続き努力をしたいと考えております。
#18
○大久保勉君 非常に長い答弁の割には実は実績は少ないと思っています。
 具体的には、世界銀行は世界銀行自らが日本に来て、各大学にリクルートに来ています。UNDPはそういうことをしていますか。大臣。
#19
○国務大臣(岸田文雄君) 今のところ、そういった取組はないと承知しております。
#20
○大久保勉君 この一言が象徴されますが、外務省はいろいろパッケージがありますが、実質的に相手が採るんですから、相手が日本に来て、しっかりと日本のリクルートマーケットを見ていく。若しくは、日本の外務省職員も含めて各省庁の職員を売り込んでいくことが必要です。もう一歩努力をお願いしたいと思っています。
 付言しますと、外務省は熱意が少ないという言われ方もされています。といいますのは、外務省のOBはまだ全世界の大使館に行き先があります。ほかの役所の方は何とか国際機関に自分たちのOBたちを押し込みたいと、こういった熱意もありますから、この辺りはしっかりと、その違いがあるんです。是非この辺りは、外務省は、日本国のためにしっかりと、優秀な、職員もそうですが、ベテランの官僚を押し込んで、その人を通じて日本国の国益を実現していく、こういった戦略も考えてほしいと思います。
 これは恐らく行政府だけの問題ではなくて、立法府、この国会におきましても、しっかりと日本国を挙げて国際機関に対して訴えていくと。この試みの第一巻としまして、世界銀行キム総裁をお呼びします。これは委員長のリーダーシップと思いますから、今後、こういった試み、例えば決議を出すとか、こういったことを当委員会の方で検討してもらいたいと委員長に申し上げたいと思います。御検討をお願いします。
#21
○委員長(山谷えり子君) はい。
#22
○大久保勉君 では続きまして、次のテーマに行きます。ちょっと時間が押しておりますので一つ飛ばしまして、国際交流基金に関して質問したいと思います。
 本日は安藤理事長がいらしておりまして、是非、国際交流基金というのはどういうことをやっているかということで、一言で説明してもらってよろしいですか、JICAとどう違うのか。
#23
○参考人(安藤裕康君) お答え申し上げます。
 国際交流基金は文化交流に携わる機関でございますが、具体的には文化芸術交流、日本語教育、日本研究・知的交流、この三つの事業を三本柱として外国との相互理解の増進に努めております。
#24
○大久保勉君 大まかな言い方をしましたら、JICAがいろんなことをやっております、無償とか、例えばインフラ等の支援とかやっておりますが、それに対して国際交流基金は文化、日本語、こういったソフトの分野だと私は承知しております。
 そこで、JICAと国際交流基金を比べましたら、先ほど大臣が説明されましたように、JICAに対する支援金は毎年最近は伸びております。例えば、JICAの運営交付金に関しましては前年に比べて一・一%の増加が見込まれております。一方で、国際交流基金の運営費交付金に関しましては前年比マイナス二・五ということです。ですから、若干ソフトに対する支援が弱いなと。そろそろしっかりと日本の文化若しくは日本語を世界に売り込んでいく、こういった戦略が必要だと思っています。
 実際、経産省であったり、若しくは政府を挙げてクールジャパンという取組を行っておりますから、是非、外務省におかれましても、経産省であったりほかの役所と同じような動きをしてほしいなと思います。この点に対する大臣の御所見を聞きたいと思います。
#25
○国務大臣(岸田文雄君) 御指摘のとおり、国際交流基金の運営費交付金については、ここ十年、おおむね減少傾向にあります。このため、外務省では、この予算をできる限り戦略的、効果的に活用をする、また、各国・地域の現地事情や日本への理解度等を十分に検討した上で、有識者に意見を求めつつ、関係省庁、関連団体、民間企業、様々なアクターと連携しながら戦略的に取り組んでいく、こうした工夫をしなければならないと考えております。
 国際交流基金、今御指摘ありましたように、文化交流、人物交流、日本語教育等において大変重要な役割を果たしております。是非、緊密に連携しながら、しっかりと成果を上げるように取り組んでいきたいと考えております。
#26
○大久保勉君 安藤理事長もいらしておりますから、是非、交流基金のトップとしまして、何か決意がありましたら一言いただきたいと思います。
#27
○参考人(安藤裕康君) まず、大久保委員の温かい励ましの言葉に感謝申し上げたいと思います。
 その上で申し上げますと、私も最近まで外交官として海外に勤務しておりました。そして、海外におりましてつくづく感じましたのは、日本文化に対する関心が非常に高いと。なおかつ、関心だけではなくて評価も高いということでございます。日本は、事実、非常に質の高い世界に冠たる文化をたくさん持っております。こういう文化を世界に紹介していく、そして文化国家日本を大いに売り込んでいくということは、私は外交上も非常に重要なことであるというふうに思っております。
 今後とも、皆様方の御支援を得ながら頑張っていきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
#28
○大久保勉君 この分野のことをパブリックディプロマシーと言うみたいなんですが、広報や文化交流を通じた外交、その先兵として活躍を期待したいと思います。
 続きまして、こちらはJBICに関する質問をしたいと思います。今日は財務省の伊東大臣政務官がいらしておりますので、質問したいと思います。
 先日、五月四日に行われましたアジア開発銀行年次総会で麻生財務大臣は、アジアのインフラ整備に関して、円借款の積極的な活用に加え、民間資金の更なる動員、さらに、投資拡大を図るため、JBICの積極的な活用を表明されております。
 具体的にJBICの活用方針はどのようなものでしょうか。さらに、具体的な予算措置は平成二十五年の予算の中にどういうふうに織り込まれているのか、この点に関して質問したいと思います。
#29
○大臣政務官(伊東良孝君) アジアにおけるインフラ整備等につきましては、円借款の積極的な活用とともにJBICによる支援を行うことは、アジア経済の底上げにつながるだけでなく、成長戦略としての日本企業による投資喚起策という観点からも非常に重要であると考えております。このため、政府といたしましては、JBICの出資機能を積極的に活用しているところでもございます。
 一昨年、二〇一一年の八月に開始をいたしました外貨準備を活用したJBICの円高対応緊急ファシリティ、これ融資でありますけれども、これでは本年三月末で三百九十二億ドルの支援実績が上がっているところでありまして、民間による対外投資の促進に大きく貢献しているものと、このように思っているところであります。
 また、本年一月の緊急経済対策では、海外展開に必要なリスクマネーを供給するために、海外展開支援出資ファシリティ、出資のファシリティーを創設をいたしました。JBICの財務基盤強化のため、この平成二十四年度補正予算におきまして六百九十億円の予算手当てを行ったところであります。さらに、この四月から、円高対応緊急ファシリティを海外展開支援、今度は融資ファシリティーであります、先ほどは出資ファシリティーの創設でありましたが、融資ファシリティーに発展的に改編をいたしまして、対象分野を拡大するなど、民間による海外向け投資を喚起するための方策を一層強化しているところであります。
 この出資と融資のファシリティーを車の両輪といたしまして、インフラ分野を含め日本企業の海外展開を更に支援していくと、このようになっているところでございます。
#30
○大久保勉君 これらのことに関連しまして、例えばアジアの共通の債券市場を育成すると、こういった試みは必要だと考えております。そのためには、例えば、日本国政府、つまり日本国債を、例えばタイ・バーツ、さらにはインドネシア・ルピーとか、若しくは中国の人民元、現地通貨建てで発行すると。日本国政府の国債は難しいんでしたら、例えばJBICの政府保証債をそういった通貨で発行し、JBICでしたら、インドネシア・ルピーを発行したらその資金を現地に出ています日本企業に貸し付ける、直接貸し付けることができなかったらメガバンク経由で貸し付ける、こういったことを是非してほしいと思います。
 是非、こういったことに関して今後検討の余地があるかどうかに関して、伊東政務官に質問します。
#31
○大臣政務官(伊東良孝君) 大久保委員御案内のとおり、ただいまのアジアの債券市場の育成というのが、これ我が国で取り組んでまいったところでございます。ASEAN諸国や中国、韓国とともに様々なこれまでも取組を行ってまいりました。この十年で債券市場発行額が約六倍に増えております。二〇〇二年に一兆九百九十億ドル、これが二〇一二年には六兆三千六百五十億ドルということで着実な成果が上がっていると、このように認識をいたしているところでございます。今後とも、イニシアチブに積極的に関与してまいりたいと思う次第であります。
 また、過日、五月三日でありますけれども、インドのデリーで、インドネシア、マレーシア、フィリピン、シンガポール、タイ、この五か国との間で、現地で事業展開する企業への現地通貨建て資金供給支援を含む二国間金融協力を進めていくことで合意したところであります。
 今後、各国との間で設置をいたします合同作業部会等におきまして、邦銀あるいは日系企業の現地通貨建て資金ニーズに対応する具体的方策について積極的に議論をしてまいるところでございます。
 また、日系企業の資金ニーズに対応するため、JBICは現地通貨建て融資を通じた支援を実施しているところでございまして、産業界からの期待も高く、JBICとしても前向きな取組をしているところでございます。JBICが現地通貨建て融資を行うための資金調達手段としての現地通貨建て債券の発行、ただいま委員御指摘いただきましたが、有力な方法の一つと認識しておりまして、引き続き具体的なニーズあるいは市場の動向等を踏まえて検討を行ってまいりたいと思います。
 また、日本国債を現地建て通貨で発行することを検討すべきではないかと、こういうお話でございます。現在、日本の国債は全て円建てで発行されておりますが、世界的に見ましても、自国独自の通貨のみで国債を発行できている国は日本とアメリカ、イギリス、スイスなど極めて限られております。御指摘の外貨建て国債の発行につきましては、日本が円建てでの資金調達に困難を来しているという印象を市場に与えるおそれがあることから慎重な検討が必要であると、このように考えているところでございます。
 以上でございます。
#32
○大久保勉君 一歩踏み込み不足ですね。私もずっと財務省の中でそういったことを検討しております。もちろん、これはアジア通貨市場、アジア債券市場を開拓するためにやる話ですから、日本の調達が困難であるのとは別の話だと思います。
 最後、これはもう最後ですが、岸田大臣に対しまして、地元、私、福岡ですが、その関連もありまして紹介だけしたいと思いますが、地方自治体の海外展開支援ということで予算が付いております。例えば、北九州市及びその地元企業がカンボジアの上下水道整備を実施したケースなどが紹介されております。一言質問したいのは、こういった非常にすばらしい試みだと思いますが、一回限りに終わらせない、今後も継続するという決意を聞きたいと思います。
#33
○国務大臣(岸田文雄君) この日本の自治体企業が有する上下水道技術、環境技術等をこのアジアを含む途上国の発展に生かしていくことは大変重要だと認識をしております。
 御指摘のように、こうした取組、これ単発に終わらせることなく、是非戦略的に継続して行うことは大変重要だと考えております。是非、そうした思いで今後も努力をしていきたいと考えています。
#34
○大久保勉君 終わります。
#35
○水落敏栄君 自由民主党の水落敏栄でございます。
 岸田大臣、そして今日はJICAの堂道副理事長さんにもおいでをいただきました。どうぞよろしくお願い申し上げます。
 最初の質問でございますけれども、まず、JICA地球ひろば敷地内の慰霊碑の取扱いについてお伺いをしたいと思います。
 まず、慰霊碑の現在の管理状況について確認をしたいと思いますけれども、本委員会は昨年の二月に、広尾のJICA地球ひろばを視察をいたしました。そして、敷地内の慰霊碑に献花もいたしました。青年海外協力隊発祥の地に設けられたこの慰霊碑は、多くの方々の思いの詰まったものであり、私も視察に際し、地球ひろばが閉鎖された後の管理や国民への周知、慰霊碑に祭られた方々に対する尊厳の維持といった観点から意見を述べさせていただきました。しかしながら、JICA地球ひろばの施設は広尾から市ケ谷に移転されました。昨年の九月、外務省は慰霊碑を元の場所に面積を縮小した上で残し、JICAが引き続き保有することとしたと聞いております。施設もなくなり、誰もいなくなったところに慰霊碑だけがぽつんと残ってあるわけであります。
 したがいまして、現在、慰霊碑はどのように管理をされているのか、お伺いいたします。また、現在の慰霊碑の扱いは、協力隊OBを始めとする関係者の方々に明確に周知されているのか、関係者の方々からはどのような声が寄せられているのか、お尋ねをしたいと思います。
#36
○参考人(堂道秀明君) まず先生方には、日ごろからJICA並びに青年協力隊につきまして御理解と御支援をいただきまして、大変有り難く思っております。感謝いたします。
 御指摘の慰霊碑は、青年海外協力隊OB会が全国の帰国隊員に呼びかけて募った浄財によりJICA広尾センター敷地内に建立されたものであります。慰霊碑を除く同センターの施設は、平成二十二年十二月の閣議決定に基づき国庫納付することとしておりまして、平成二十四年九月に閉鎖をいたしました。現在、今年度中の現物納付に向けて引き続きJICAが所有し、警備員を常駐させて慰霊碑を含む敷地内管理を継続しております。
 また、慰霊碑部分を現物納付対象から除外いたしましたのは、建立経緯や青年海外協力隊OBなど関係者の声として慰霊碑を広尾に残してほしいとの要望が寄せられたことを受けまして、政府として決定いたしたものであります。このような取扱いにつきましては、青年海外協力隊OB会を前身といたします公益社団法人青年海外協力協会、JOCAと申しますけれども、と逐次情報を共有してきているところであります。
#37
○水落敏栄君 関係者がそこにそのまま置いてくださいと、こういうことだと思います。
 しかしながら、私が思いますのは、慰霊碑が管理されている広尾は、確かに青年海外協力隊の発祥の地ではありますけれども、もはや国際協力の拠点ではないわけであります。協力隊OBの方々だけでなくて、現在国際協力にかかわり関心を持つ方々が顔の見える援助や人材育成、保健システムづくりのような我が国らしい質の高い援助を担う協力隊について理解を深め、支持を集めていくためには、慰霊碑は国際協力の拠点が存在する市ケ谷に置く方がよいのではないかと私は思っておりまして、その方が慰霊碑に祭られている方々に尊崇と感謝の念を表すことができる、こうした観点から、私は市ケ谷がいいんじゃないかと思っておりますが、外務大臣のお考えをお聞きしたいと思います。
#38
○国務大臣(岸田文雄君) 御指摘につきましては、是非関係者の御意向等も確認した上でこれ考えていくものだと存じます。是非ちょっと私自身もその辺をいま一度確認をさせていただきたいと存じます。
#39
○水落敏栄君 先ほど堂道副理事長さんが、関係者の方々、遺族の方々がそこに置いてほしいということをおっしゃいましたけれども、私申し上げたように、そこはもう拠点ではありませんし、発祥の地ではあるけれども拠点ではないわけで、人がいないわけですね。そうすると、何として、管理もおろそかになるし、また協力隊員が帰ってくるときには市ケ谷に行くわけですから、市ケ谷の方に置いていただいた方がいいんじゃないかなと私は思っておりますが、どうかひとつ、もう答弁は要りませんので、御検討をひとつお願いしたいなと思います。
 次に、第五回アフリカ開発会議、TICADX、先ほど大久保委員もお話がございましたけれども、これについて三点お伺いしたいと思っております。
 第五回アフリカ開発会議、TICADXの開催が六月に迫っております。TICADは国際社会にアフリカ問題の重要性を訴えることで始まりました。豊富な資源や近年の目覚ましい経済成長によってアフリカは世界の経済パートナーや投資先としての重要性を増しておりますけれども、一方で、今なお様々な課題を抱えておりまして、こうしたアフリカの現状や将来を踏まえたTICADは、第一回から二十年を経てもなおアフリカ支援にとって大変重要であると考えます。
 そこで、第一問目ですけれども、二〇〇八年に開かれた第四回アフリカ開発会議、TICADWでは、我が国は二〇一二年までの対アフリカODA倍増や、対アフリカ民間投資の倍増支援を約束をいたしました。我が国の公約の履行状況についてお伺いするとともに、アフリカ諸国による評価や受け止めについてお伺いしたいと思います。
#40
○国務大臣(岸田文雄君) まず、我が国はTICADWで公約しました目標を着実に履行していると考えております。対アフリカODAの倍増、また対アフリカ民間投資の倍増、二十五億ドル規模のJBICによる金融支援、これらは全て達成されております。また、インフラ、教育、保健等の各分野別取組の公約についても着実に達成をしております。
 そして、あわせて、評価はどうかという御質問ですが、こうした我が国の姿勢、アフリカ側から高い評価を得ていると認識をしております。例えば、昨年五月に開催しました第四回閣僚級フォローアップ会合では、我が国が震災を乗り越え、公約を誠実に実施していることがアフリカ各国から高く称賛されたと聞いております。
#41
○水落敏栄君 ありがとうございます。
 TICADXの開催を控えまして、平成二十五年度のODA予算においてはどの程度の規模のアフリカ支援を行おうとしているんでしょうか。どのような内容に重点が置かれているのか、お伺いをしたいと思います。
#42
○国務大臣(岸田文雄君) TICADXに向けて平成二十五年度ODA当初予算においては、アフリカ全体に対し、昨年度の計画約九百六十億円を上回る支援を行うことを想定しております。具体的には、日本企業の要望の強いインフラ整備あるいは人材育成、こうした重点分野として六百三十億円を計上しているほか、国連ミレニアム開発目標の達成、NGOとの連携、テロや海賊対策等の支援、こうしたことを予算によって実施していくことを考えております。
#43
○水落敏栄君 それでは次に、TICADXではAU、アフリカ連合も共催者と位置付けられております。今後の我が国のアフリカ支援では、アフリカ諸国の主体性や、あるいは意向をより重視することが求められると思います。TICADXでは、今後のアフリカ支援に関する我が国の考え方とともに新たな国際開発目標、ポストMDGsでありますけれども、国際開発目標に関する我が国の考え方も示されるとのことでございますけれども、これらの考え方にアフリカ諸国の主体性や意向はどのように反映されているのでしょうか、大臣にお伺いします。
#44
○国務大臣(岸田文雄君) 御指摘のように、ポストMDGsの策定、今後の国際協力の在り方を考えたときに大きな影響を与える大切な議論だと認識をしております。そして、国際場裏においても存在感を増しているアフリカ諸国の意見を聞くこと、これが日本がポストMDGsの議論を主導していく上で極めて重要だと考えております。
 こうした考え方から、TICADXにおきましてはポストMDGsに関するテーマ別会合も開催する予定であります。アフリカ諸国は、ポストMDGsにおいて経済の変革と包摂的な成長を通じた貧困撲滅及び持続可能な開発を重視しています。これらはこのTICADXに掲げるテーマとも一致しております。是非我が国がポストMDGsで重視する要素として大切にしていきたいと思いますし、これはアフリカ諸国の意向にも一致するものだと思っています。
 TICADプロセスでは、従来から言われておりますようにオーナーシップとパートナーシップ、こうした原則を大事にしてまいりました。オーナーシップとパートナーシップ、要は自主性と、そして共に前進する、こうした姿勢を大事にしながら、これからも取り組んでいきたいと考えております。
#45
○水落敏栄君 ありがとうございました。
 六月の一日、二日、三日、横浜で行われるTICADXですけれども、どうぞ政府、真剣に取り組んでいただいて、アフリカ、世界の経済パートナー、投資先としても大変重要なアフリカ諸国でございますので、このTICADXが成功裏に終わるように、格別の、格段の御努力をいただきたいなと、このように思います。
 次に、東日本大震災に際して国際社会から得た支援と日台関係についてお伺いしたいと思います。
 東日本大震災では、先進国や国際機関のみならず、我が国の援助の対象であります途上国からも支援の実施や申出があり、ODAにより長年培ってきた信頼や国際社会とのつながりを再認識することとなりました。
 そこでお伺いをいたしますけれども、あの大震災に際し、台湾は世界に先駆けいち早く支援を表明して、馬英九総統がテレビで日本を支援しようと国民に呼びかけて、子供たちの小遣いを、拠出を始め、各界からは約二百億円の義援金が提供されて、緊急支援物資の提供や緊急援助隊の派遣などの心温まる支援が寄せられましたが、台湾からのこのような支援に対する政府の認識をお伺いしたいと思います。
 まず、これを伺います。
#46
○国務大臣(岸田文雄君) 東日本大震災に際しましては、台湾各界から約二百億円の義援金の提供がなされたほか、緊急支援物資の提供、また緊急援助隊の派遣など、心温まる破格の御支援をいただいたと認識をしております。我が国として、もう台湾各界からいただいた支援に深く感謝しておりますし、また、その旨はこれまでも様々な形で台湾側に伝達させていただいております。
 こうした日台間の深い友情ときずなを基礎として、日台間の協力関係が更に強化されることを期待しております。
#47
○水落敏栄君 今、大臣がおっしゃったように、日台間の関係の強化、これ大事だと思います。
 そこでお伺いいたしますけれども、この日中国交正常化に伴って、日台関係は非政府間の実務関係として維持されているわけであります。日本は交流協会が窓口、そして台湾は亜東関係協会でありますけれども、そして経済関係や人的交流の活発化に加えて、東日本大震災に際しての支援は多くの日本人を支えるものとなりました。
 本年四月には、我が国と台湾との間で民間ベースの漁業協定が締結をされて、台湾は尖閣諸島をめぐる主張の相違を超えて中国と一線を画した姿勢を示しました。現在の東アジアにおける厳しい安全保障環境や今後の日本の外交上の利益を考えれば、日本は台湾との関係を改めて考えるべきときに来ているのではないだろうかと思っております。
 私は思いますけれども、近い将来、日本と台湾の関係をきちんと定めることが必要と思っておりますけれども、これに対して大臣の御認識を伺いたいと思います。
#48
○国務大臣(岸田文雄君) まず、台湾は我が国との間で緊密な経済関係と人的往来を有し、民主、自由、また法の支配、こうした基本的な価値観を共有する重要なパートナーだと認識をしております。
 先ほど答弁させていただきましたように、東日本大震災に際しましても、心温まる破格の御支援をいただき、深く感謝しているところですが、この御指摘の日台民間漁業取決めにつきましても、これは一九九六年から合計十七回の協議が行われ、今般署名に至ったこと、これは歴史的な意義を有するものと認識をしております。このことは、日台間の実務的協力関係の充実を示すものとして大いに歓迎したいと考えております。
 こうした近隣諸国や地域との関係を発展強化させていくことは、我が国の外交政策の重要な柱であります。かかる観点からも、政府としては、この日台間の協力関係、引き続き着実に発展していくことを強く期待したいと考えています。
#49
○水落敏栄君 是非、もう日中国交正常化以来ですから四十年、したがって、台湾とのこうした関係も四十年になっているわけです。本当に私は、近い将来、しっかりとこれを検討して日本と台湾の関係をきちんと定めるということが必要と思っておりますので、是非政府としても前向きにこうした日台間の関係強化について推進していただきたい、考えていただきたいと、このように思います。
 次に、ODAの国際協力人材の育成について伺いたいと思います。
 参議院のODA海外調査派遣や本委員会の視察等の機会に、私たちは多くの青年海外協力隊員の真摯で誠実な姿や熱い思いに接することができました。
 そこでお伺いしますけれども、平成二十四年度から、青年海外協力隊員やシニア海外ボランティアを活用して中小企業等の人材を途上国に派遣する民間連携ボランティア制度が始まりました。この制度は実際にどのように生かされているのでしょうか。青年海外協力隊の応募者数が減少傾向にある中で、民間企業と連携して我が国のグローバル人材を育成する制度を定着させていくため、平成二十五年度以降どのように取り組んでいくおつもりでしょうか。大臣のお考え、お聞かせください。
#50
○国務大臣(岸田文雄君) 御指摘の民間連携ボランティア制度ですが、主に中小企業を中心とした我が国企業の海外展開支援の一環として、企業側のニーズに応じて社員をJICAボランティアとして派遣する制度ですが、今御指摘になられたように平成二十四年度に開始をいたしました。
 現時点においては、十七社と派遣に係る合意書を締結し、四名が海外に派遣されているとともに、五名が派遣に向けて訓練中ということでございます。また、十数社と将来の派遣を念頭に具体的な調整を行っております。企業側の本制度に対する関心、大変高いと感じております。これまで全国各地で開催した四十回に及ぶ説明会には、中小企業を中心とした千五百社以上が参加をしております。
 この事業は、我が国の顔の見える援助としての開発途上国の国づくりへの貢献、そして我が国企業の人材育成、この双方に資する取組として意義深いものと認識をしております。今後、更に派遣の実績が増えるよう、引き続き積極的に進めてまいりたいと考えています。
#51
○水落敏栄君 どうぞ、大変重要な案件でございますし、民間連携ボランティアについてはしっかりとこれ取り組んで推進していただきたいと、このように思います。
 終わります。
#52
○竹谷とし子君 公明党の竹谷とし子でございます。
 本日はまず、今、水落議員からもありましたが、青年海外協力隊、またシニアボランティアのことについて取り上げさせていただきたいというふうに思います。
 私は地元は東京でございますけれども、東日本大震災からの復旧復興を加速させるために現地に通い続けさせていただいております。今まで四十回近く伺いました。
 その中で、東松島市に伺いましたときに、宮城県です、そこで青年海外協力隊のOB、OGが復興支援員として活躍をされていることを直接お話も伺い、現地での活動状況を見せていただくという機会がございました。人間関係もない、また御自分とは余り縁がない土地で、そこで非常時、震災後の非常時というところで自分の仕事を、自らどうすれば役に立つかということを考えて、そして行動されている、果敢に取り組んでいるお姿に感銘を受けて帰ってまいりました。
 また、先日は岩沼市にも伺いまして、首長さん、井口市長にいろいろお話を伺う中でたまたま出たお話ですけれども、岩沼市でも災害救援専門ボランティアということで、やはりJICAのOB、OGが震災直後来て、海外での過酷な経験、そうしたものを生かして非常に災害の支援に役に立ってくれたというお話も出てまいりました。
 そこで、非常にこの非常時に、今国内の被災地にあっても人数はまだ少ないというふうに思うんですが、JICAのこの青年海外協力隊のOB、OGが活躍されているということを私も実際に見聞きしてきたところでございますので、今どのようにOB、OGが被災地で活躍されているのかということを改めてお伺いしたいというふうに思います。
#53
○参考人(堂道秀明君) 帰国隊員を復興庁職員として採用するために、平成二十五年二月でありますけれども、復興庁、JICA、公益社団法人青年海外協力協会との間で連携協定を結んでおります。その結果でございますけれども、復興庁職員として現在までに三十二名の帰国隊員が採用されまして、東北三県の復興局などに配置されております。これに加えまして、JICAは、宮城県の東松島市でありますけれども、帰国隊員二名を復興まちづくり推進員としまして配置いたしました。また、岩手県の三陸海岸地域では、被災地教育現場における教員不足を補うため九名の帰国隊員を派遣し、授業、学校行事の支援を行ってまいりました。
 なお、震災後の三月十四日から七月三十一日までは避難施設として運営しておりましたJICAの二本松訓練所でありますが、この訓練所では看護師、保育士などの帰国隊員が被災民のケアに当たったという実績がございます。
#54
○竹谷とし子君 ありがとうございます。
 JICAで研修を受け、訓練を受け、そして海外で国際貢献をして顔の見える援助をした後は、また国内に戻ってきて様々な分野でOB、OGが活躍しているというふうに認識をしております。
 非常に特殊なスキルを、優れたスキルをお持ちのJICAの青年海外協力隊OB、OGであるというふうに、私は今までこのODA特別委員会の派遣などで研修所も見せていただき、また実際にいろいろお話も伺う中で感じてきていることでございますけれども、残念なことに、先ほど水落議員からもお話がありましたけれども、この青年海外協力隊、またシニアボランティアへの関心が全国的に薄れてきているのではないかというふうに感じますし、実際に説明会への参加者、また応募者数も減少してきているというふうに認識をしております。
 この青年海外協力隊、またシニア海外ボランティアの最近の応募者数の推移について教えていただきたいというふうに思います。
#55
○参考人(堂道秀明君) 先生御指摘のとおり、過去最高時の応募者数は、平成六年の春でありますけれども、六千三百一人でありました。それが平成二十年春では二千人を下回り、平成二十四年の秋は千百二十四人となっております。
 近年、この応募説明会参加者及び応募者共に減少傾向にあるのはそういう状況でありますけれども、説明会参加者については説明会の回数を増やすなどの工夫を行っております。その結果、一定の回復を示しておりまして、これが応募者数の増加につながることを期待しております。民間企業、大学、地方自治体等の連携を進めて参加者の裾野を広げてまいりたいと思っております。
#56
○竹谷とし子君 ありがとうございます。
 この民間連携ボランティアですとか、また自治体、教員、公務員などの派遣についてもこれは最近取り組まれていることだと思いますが、これも非常に有用だと思います。是非とも、その企業や自治体が派遣をしたときに、その派遣元が国際貢献をしているということで社会的な評価が高まるような取組もお願いしたいというふうに思います。また、帰ってきたときにきちっとこの経験をしたことが評価を社会的にされていく、OB、OGがやってきたことが評価をされていくということが、やりがいにつながり、また、これから新たに参加をしようという方々の気持ちも喚起していくということになると思いますので、是非その取組もお願いしたいというふうに思います。
 この顔の見える援助を現地で行っていただく、私は外交官とも言えるというふうに、この青年海外協力隊、シニア海外ボランティアの方々はそういう働きを海外でしてくださっているというふうに思います。また、国内に帰ってきたときには様々な分野で活躍をされている、この事業が人材育成にも資することになっているということで、今後もこの青年海外協力隊、シニア海外ボランティアへの国民の関心、また評価を高めていくための施策につきまして、是非外務大臣から御答弁をお願いしたいというふうに思います。
#57
○国務大臣(岸田文雄君) 青年海外協力隊、この日本の顔の見える援助として途上国の国づくりに協力するという極めて重要な役割を担っていると認識をしています。また、ただいま委員も御指摘になられましたように、同時にこうした経験が隊員自身の成長につながり、我が国の有為な人材育成に貢献する意義も大きいと考えております。
 外務省としましても、このJICAボランティア事業に関する情報発信を強化することとし、JICAとともに本事業への関心向上に努めているところですが、具体的には、説明会、シンポジウム等によりまして企業や自治体などへの発信を強化し、また、ボランティア自らがつづった体験談のJICAウエブサイトへの掲載等、メディアを活用した広報を通じて広く一般の関心を喚起することに努めております。
 そして、この応募者を増やすということを考えますと、帰国隊員の進路開拓支援についても、再就職に向けた様々な支援、あるいは自治体の採用、大学院入学における優遇措置の拡充など、安心して協力隊に参加できる環境を図っていくことも重要だと、取組を行っているところであります。
 また、今御指摘になられましたように、派遣元の評価、帰国後の評価、これも重要でありますし、民間連携ボランティアを通じての中小企業との連携、さらには大学との共同事業等、様々な取組を今後とも続けていきたい、このように考えております。
#58
○竹谷とし子君 ありがとうございます。是非ともよろしくお願いいたします。
 続きまして、我が国の優れた防災技術やノウハウの国際展開について伺いたいと思います。
 五月七日の予算委員会で、我が党の山本香苗議員からもこれについて総理また国土交通大臣に質疑をされました。我が国には、地震また台風などの自然災害、この経験から培われてきたハード、ソフト面合わせた耐震を始めとする防災技術があります。これは強みとも今は言えるというふうに思います。
 これを海外展開、ODAも含めて海外展開していくに当たって、これまで日本の耐震基準などを始めとする防災技術、ノウハウが実際に海外で生きた事例というものをしっかりと集めて、そして様々な官民の対話の中ですぐにぱっとプレゼンできるようなものを集めておく必要があると思います。そうした事例について御紹介をお願いしたいというふうに思います。
#59
○政府参考人(稲葉一雄君) 御説明申し上げます。
 委員の御指摘のとおり、我が国は地震、水害等頻繁に起きる自然災害の経験を通じまして、ハード、ソフト両面にわたる防災・減災技術を蓄積してきております。また、それらの技術は政府開発援助等においても活用されております。
 その実例を御紹介させていただきますけれども、例えば地震国でありますルーマニアに対しまして専門家を派遣いたしまして、建物の耐震基準の改善、それから耐震補強技術の開発に向けた技術移転を行っております。このように、各国において地震時の建物崩壊による被害軽減につながる取組を実施しております。
 また、平成二十一年にホンジュラス北部沖地震が発生いたしましたけれども、その際、主要な橋が落橋、落ちたりあるいは損傷したりする中で、我が国の無償資金協力によって我が国企業が設計、施工を行った橋、デモクラシア新橋という橋がございましたけれども、この橋は落橋を免れまして、その結果、地震による物流、経済への影響軽減につながってございます。
 また、地震以外の例になりますけれども、一昨年、タイのバンコク周辺で洪水が生じましたが、その際、国際緊急援助の枠組みで排水ポンプ車十台、五十名以上の官民の専門家を派遣して、排水活動に従事いたしました。その結果、迅速な排水に寄与し、工業団地等の復旧復興の早期着工につながったと、こういう事例がございます。
#60
○竹谷とし子君 ありがとうございます。
 今御紹介いただいたような事例、いざ地震などが起きて、起きない方がいいんですけれども起きてしまったときに、日本の高い技術が再評価されることになったということで、私もODAに若干携わらせていただいたときに、日本は高いというふうによく言われていました、他国に比べて。しかし、日本には、ただ人件費が高いというだけではなくて、高い理由にはその質が高いのであるという、そういう裏付けをしっかり説明していく必要があるというふうに思っております。
 そのためには、やはり今まで様々、官民通じて海外で耐震を始めとする防災技術が評価された事例というものがあると思いますので、国土交通省だけではなく、例えば病院であれば厚労省なのかもしれません、学校であれば文科省であるかもしれません。様々、日本が技術を提供してきたことによって生かされてきたそうした強みを、外務省も協力をしていただいて、こうした点で日本は優れているというものをしっかりと蓄積をして、すぐにでも紹介できるように準備をしていただきたいというふうに思います。
 時間となりましたので、以上で終わらせていただきます。ありがとうございました。
#61
○山田太郎君 みんなの党の山田太郎でございます。
 本日は、平成二十五年度政府予算のODA部分の委嘱審査ということで質疑を行わせていただきたいと思っております。
 私は国会議員になる前、中国とか東南アジアの方に行きまして、日本の技術をいろいろ輸出したりとか、それから進出のための資金調達の支援をやっておりまして、そういう意味で、ODAの現場というのはどちらかというと民間の立場から見ておったんですけれども、そういった意味で、外務省さんとはちょっと違った視点からODAという形での税金の使い方のお話ができるんではないかなと、こういうふうに考えています。
 まず、最初に中小企業関係のODA予算に関して少し質疑をしたいと思っていますが、大企業はいいんですが、中小企業は御存じのとおり海外に進出しようと思いますと非常に人がいないということで、社長さん自ら四苦八苦されています。そんな中小企業の海外進出を私自身も応援している中で度々思っていたことがございまして、もうちょっと国が中小企業にこの進出支援をしたらどうなのかなと、こんなふうに考えてきたわけであります。
 そこで、ODAに対しても期待が高まるわけでありますが、平成二十五年のODA予算の中で中小企業向けのものがどれぐらいあるのか、近年の傾向を含めてどうなっているか、簡素にお答えいただければと思います。
#62
○大臣政務官(若林健太君) 山田太郎議員の御質問にお答えをしたいと思います。
 平成二十五年度ODA予算、政府案においては、我が国中小企業の海外展開を支援するための予算、六十七億を計上させていただいています。内訳は、ODAを活用した中小企業による途上国での調査支援、それに二十億、それから中小企業が自社の技術やノウハウを活用して行う技術協力に二十億、それから企業の製品を無償資金協力によって途上国へ供与する事業、それが二十五億などになってございます。
 このODAを活用した中小企業支援は、平成二十四年度より新たに開始した事業でございまして、前年度、平成二十四年度の予算は四十・五億でございました。本年度二十六・五億を増額して六十七億にしてございます。
#63
○山田太郎君 全体が六千億というODAの予算の中で、中小企業向けが僅か六十七億ということであります。
 実は、この中小企業の国際展開支援事業、私の方も一部支援させていただいておりまして、今日は梅田局長以下いらっしゃっているんですけれども、何社かにこの説明会の方、来るようにということでいろいろと宣伝もさせていただいております。こういう、外務省には中小企業に対する海外進出のODAの予算というのがありますので、これをもうちょっと増やせないものだろうかと。六千億から見たら、僅か五%でも三百億なんですね。決してこの額は、中小企業の大切さ、日本の九割以上が中小企業で、その多くが今海外に出なきゃいけないということを悩んでいるわけですから、決して大げさな額ではないと思っております。
 そういった意味で、倍々ということよりも、もういっそのこと三百億ぐらい増やしてみるというのはいかがでしょうか。
#64
○国務大臣(岸田文雄君) 経済のグローバル化と、また日本国内の厳しい経済状況から中小企業が生き残っていくために、新興国や途上国の成長、取り組むことを考えますときに、中小企業の国際展開、大変重要だと考えております。
 昨年度より始めたODAを活用した中小企業支援ですが、中小企業の優れた技術や製品を途上国の開発に活用することで、途上国の開発とそして日本経済の活性化と、この二つが両立することが可能になるという意味でも意義ある政策だと考えております。
 御指摘のように、こうした中小企業の国際展開の支援は一層充実を図るため努力をしていきたいと思っています。関係省庁としっかり連携しながら、一層の充実に向けて検討していきたいと考えます。
#65
○山田太郎君 是非、今年度はともかく来年度以降は三桁億というのは目指していただければなというふうにお願いしておきたいと思います。
 さて、次なんですが、ODAのタイド、アンタイドに関する質疑を少しさせていただきたいと思います。
 ODA、予算の中でタイド支援とアンタイド支援というのがございます。諸外国の動向と併せて、このタイド、アンタイドがどういう率になっているかということで、ちょっと時間がないのでもう私の方が説明しちゃいたいんですが、外務省さんに作っていただいた資料、お手元の方に配付させていただいております。これ見ていただくと分かると思うんですけれども、英国のように非常にアンタイド一〇〇%をOECD勧告によって守っているところから、イタリアのように五〇%台と、こういうところがあるかと思っております。それぞれの国で考え方は違うというふうに思いますが、このOECDのルールが必ずしも徹底されているわけではないと、こういうふうにも考えています。
 先ほどの中小企業対策と同じように、ODAというのは日本の企業のメリットが生きやすいという工夫も重要だ、こんなふうにも考えておりますし、決して現地にただお金を渡すということだけではなくて、技術に変えた形でもって現地の産業の付加価値の向上につなげていくと、こういうことを考えた場合に、少しタイド、アンタイドの比率というか、そういうことも国益の観点から見直してもいいんではないかなと。結局、ODAの原資もやっぱり我々国家の、国民の血税だというふうに思っております。
 そういった意味で、今後の援助の方針等をどう考えていらっしゃるのか、是非お答えいただければと思います。
#66
○国務大臣(岸田文雄君) 我が国は、優れた技術やノウハウを移転し、我が国の顔が見えやすい援助を推進するという観点から、途上国の要望及びニーズがある場合には、国際的なルールの範囲内で積極的にタイド援助、実施をしてきております。
 様々な工夫をしておるわけですが、引き続き、我が国の優れた技術やノウハウを活用し、効果的、そして効率的なODAの実施に積極的に取り組んでいかなければならないと思っています。是非タイド援助を進めて、そして日本の企業の受注率を高める、こうした方向に向けて努力をしなければいけないと考えています。
#67
○山田太郎君 ありがとうございます。
 タイドのことを考えていくという力強いお言葉をいただいたので、大変期待しておりますので、よろしくお願いします。
 さて次は、援助の中身について少しお話をしていきたいなと思います。
 先ほど日本文化の評価が高いという話もありまして、私自身も、ソフト面におけるODAの支援ということがやっぱりこれからは重要だろうと、こういうふうに考えております。
 これまで私自身も実は世界五十か国ぐらい回りまして、橋だとか道路だとか、やたら日本が実は造った構造物が世界中にあると。ただ、残念ながら、それが日本が造ったものかどうなのか全く分からなかったりとか、感謝こそされても実際になかなか日本の利益につながらなかった、こんなこともあったかと思います。
 一方で、やはり最近、海外進出ということにおいては、目をみはるのは韓国等の動きでございます。韓国は、御存じのとおり、ビデオとか、それから映像、特にテレビ番組のソフトの輸出に力を入れておりまして、それぞれの国々で極めて身近な存在になっているということがあります。
 実は、前回のODAのところでも私自身お話しさせていただいたんですが、ミャンマーに対する支援を私自身もさせていただいておりまして、実はミャンマーには四局テレビがあるんですけれども、全てのテレビで韓流ドラマをやっています。そして、今ミャンマーの若者たち、いろいろ一緒に仕事をした仲間がいるので、その仲間に聞いたところ、将来は実は韓国人みたいになりたいと、こんなことも言っているわけですね。結局、韓国からのテレビだったりとか化粧品、その他家電製品が飛ぶように売れていると、こういうことなわけであります。
 是非、こういうことを考えると、巨額のODAを投資しなくても、ソフトを中心にしてもうちょっとODAの質的な転換ということを図ることによって、トータルで国益にかなった、あるいは世界も幸せにするODAの支援、援助というのができるんではないかというふうに思っていますが、であれば、日本はこれまで何をやってきたのかということで、是非ソフト面における対策を、どんな対策を取られているか、これ簡素で構わないので、お答えいただけると幸いです。
#68
○大臣政務官(若林健太君) 今、山田太郎議員の御指摘をいただいたソフト事業ですが、クールジャパン戦略等で推進をしていくという政府の方針があります。
 今、この二十五年度予算案の中で予定されている事業としては、無償資金協力事業として、例えば、お話のありましたミャンマーにおいて、金融セクターの近代化に対する中央銀行に対するICTシステム整備支援事業というものを予定をしております。
 昨年においては、ベトナムにおいて、高速道路における、これも同じようなICT技術の活用をした交通管制システムの導入というのを行った実績がございます。
 御報告申し上げます。
#69
○山田太郎君 何となく堅い答弁なんで、これが日本の何となくODAの色なのかなということなので、是非、これは与野党を問わず一緒にやらせていただければ、我々も、実は今日来ているみんなの党のメンバーはみんな海外育ちというか、メンバーなんで、是非一緒に盛り上げていければと思っております。
 さて、もう一つ、ソフト支援という観点でいった場合に、お金だけの問題ではないということがございます。実は、今韓国のテレビ番組が相当海外に出ているということで、じゃ、日本のテレビ番組は出せないのかということなんですけれども、私もそれを努力した実は経緯がございまして、基本的にもう難しいんですね。これは何で難しいかというと、版権の問題が日本は極めて複雑でございまして、お金がありゃいいというものでもないんですね。一方で、日本の知財を海外で守ってきちっとお金が回収できるかという議論もあって、結局、戦略が立てど現実的には実現しないと、こういうことがあるかと思っております。
 そういった意味で、ソフトの観点を考えた場合に、単にこれからのODAはお金を出すだけではなくて、実はそういった知財に関すること、それから国内における、例えば政府が大きくそういった番組を、複雑な版権を買い取っていくというんですかね、そういったことを振興していくこと、政府が動けばそれぞれの版権が散っている民間会社も一つ方向性同じに向けるかと、こういうこともあると思っていますが、そういう観点から、少し質的な転換を国内の中でも図っていけるんではないかと、こういうふうに思っておりますが、大臣の所見をいただきたいと思います。
#70
○国務大臣(岸田文雄君) まず、先ほど来、委員の方から韓国ですとかミャンマーの例を挙げていただきました。開発途上国の発展のためにODAを使っていくに当たりまして、改めて、このハードのみならずソフトの面、ハード、ソフト両面でバランスよく支援していくことの重要性を感じます。
 そして、今御指摘になられましたように、ソフト面の展開におきましては、日本企業がこのビジネス展開を具体的にどう進めていくのか、そうしたところまできめ細かく工夫をする必要があるのかなと感じながら話を聞いておりました。是非、各我が国企業からの要望等もしっかり聴取しながら適切なニーズを発掘して、ソフトインフラ分野における支援、政府としても考えていきたいと思っております。
#71
○山田太郎君 ありがとうございます。
 是非やりたいというふうに思っていますので、よろしくお願いします。
 さて、時間がなくなってきましたんで、ちょっと円借款の問題に関して少し話に移りたいと思います。特にODAの債権等の免除についてです。
 平成十五年以降債務免除されたODA及び非ODAの債務の総額は、これは質問しようと思ったんですけれども、事前に外務省さんから資料を作っていただいているんで、時間がないので私から実はしゃべっちゃいますと、約二兆円弱ですね、一兆九千五百八十五億円、平成十五年以降、平成二十四年まで実は債務免除しているということなんですね。これは八十八か国に対してやっています。かなり巨額なお金を免除しているということであります。この無償資金として使われている金額が約千六百億円ですから、実は有償資金で借りたお金のうち無償資金に協力すれば何と約十二年分のお金がいつの間にか贈与に変わってしまっていると、こういうことにも取れるわけですね。
 こうした公的債権の免除につきましては、これは外務省の方にまた詳しくお伺いをしましたらば、JICAの会計の中等で貸倒引当金として充てるなどとして処理されていると。実にうまいというか、国会に引っかからないようにつくられているんだなということを初めて知ったんですけれども。確かに、これはもちろん引当金のやり方なので、直ちに国民負担を生じるものではないと思うんですが、元々の原資は財政投融資であったりとか一般会計からの出資金ですので、回り回って元々は国民の財産なんですね。
 そういった意味で、途上国に対するODAの債権を、債権免除というのを、こう軽々、軽々しくと言うと怒られちゃうかもしれませんが、非常に頻発していくということはどういうことなのかなということも少し考えなければいけないと、こういうふうに実は思っています。
 ただ、もう一点、であれば、ODA債権の免除に当たっては、これ具体的にどういう形で処理されているかといいますと、交換公文というのが相手国との間で交わされておりまして、実はこの交換公文そのものが国会の承認条約と扱われていないと、そのために巨額の債権免除とか放棄があったとしても、国会には全く何ら報告されないままに進められてきまして、私も調べてみたら、平成十五年以降、約二兆円弱の巨額のお金が実は債権免除されていたんだと、こういうことが分かってきたわけであります。
 そういった意味で、この辺りを是非、外務大臣、これ結局は、もしですよ、日本がこれだけ債権免除をして、これをポジティブにとらえれば世界のために貢献してきたとも言えると思います。個別経過はいろいろあるにしても、ただ、これがこういう形で処理されていると、どうもODAはうさんくさいという話になってしまいますし、また、これは政治決断だと思いますが、国会にこのことを逐次報告していくような仕組みというんですかね、こういうことを是非仕組みとして考えていただけないかなと。これだけ二兆円のお金をこれまで使っているわけですから、これも世界に開かれた我が国としてはきちっと訴えていってもいいと、逆にポジティブにも思うところがあるわけですね。
 そういった意味で、今後、この取扱いというんですかね、方向性、是非大臣の方にポジティブな御意見をいただきたいと思っておりますので、よろしくお願いします。
#72
○国務大臣(岸田文雄君) ただいま委員御指摘になられましたように、この債権免除に際して締結する交換公文ですが、債権免除に関する我が国の法的義務を創設するものではないということで、国会承認条約ではないというふうに位置付けられております。
 しかし、御指摘のように、こうした事柄に関してしっかり説明責任を果たすということ、これは重要な視点だと存じます。現状、政府としては、債権免除の実績について、この債務国政府との間で締結した交換公文の官報での告示、あるいは外務省ホームページ及びJICA年次報告における公表等により国民に説明をしております。
 今後とも説明を行っていかなければいけないと思っておりますし、また、国会に対しましては、放棄される債権について決算報告書を国会に提出するなどの対応を今行っているところです。これに併せて、債権免除が実施された場合には外務省ホームページ、JICA年次報告における情報提供を行う、こうした対応を取っておるところですが、こうした現状を振り返りながら、また、より説明責任を果たすすべがないものかどうか、いま一度検討してみたいと思っております。
#73
○山田太郎君 ありがとうございます。これもう非常に前向きな答弁いただいたというふうに信じております。
 これ、きちっと決算委員会の中でやるのか、実はこれODA委員会の中でも大きなポイントだとも思っておりますし、ここでやるのか。又は、今は多分JICAの中の決算になるんでしょうかね、そういう形になっていますから、もうちょっと分かりやすい形。多分幾ら官報で言われても分からないわけですし、決算の大量の資料の中にぽつんと項目が出ても分かりにくいです。これ、ポジティブに取れば日本の貢献なので、これを何か後ろめたいものからもっと表に出しながら、もちろん債権免除なんという事態にならないようにするということは大前提なんですけれども、少なくともこういうことを繰り返さないためにこのことを明らかにしていくという積極的な姿勢を外務省に求めていきたいと思います。
 時間になりましたので、私の質疑これぐらいにさせていただきたいと思います。ありがとうございました。
#74
○森ゆうこ君 生活の党の森ゆうこでございます。
 みんなの党は何か海外育ちということでスマートな質問でしたけれども、私の方は生まれも育ちも雪国新潟ということで土着でございますけれども、質問させていただきたいと思います。
 為替変動の与える影響について、大臣に確認をさせていただきたいと思います。
 四年一か月ぶりに一ドル百円台ということで、先ほどのニュースでは一ドル百一円ということで急激に円安が進んでおります。円安は国際機関の分担金、拠出金、援助活動費、ODA予算にどの程度影響を及ぼしているのか、その金額を教えていただきたいと思います。
#75
○国務大臣(岸田文雄君) 現在の実勢レートで試算した場合に、この平成二十五年度当初予算の分担金、拠出金については約二百億円余りの追加的手当てが必要になると考えております。
 ただし、分担金、拠出金を含め、この外貨建て予算の執行に当たっては、外国送金に際する為替差損、これ、送金時に調整するということになっております。ですから、現状で、先ほど現在の実勢レートで試算した場合はと申し上げましたが、実際どういった数字になるかは送金時のレートによって決まる、こうした仕組みになっております。
#76
○森ゆうこ君 それは、じゃ、今おっしゃった二百億円という金額は、どのレートで計算されたということなんですか。
#77
○国務大臣(岸田文雄君) 失礼しました。
 昨日の為替レートを参考に出した数字でございます。
#78
○森ゆうこ君 昨日、九十九円ですか、九十四円、幾らなんだろう。まあ、一円でも額が大きいですから相当影響があるかというふうに思います。
 その場合は、財務省の方にそのためのお金があるということでそういうふうに対応をされるというふうなことなんですが、しかし、このまま、政府としてはアベノミクスで円安ということになっているわけですから、円安は進んでいくというか円安傾向のままであるということを考えますと、これはやはり予算としては同じ分担金でも予算の額は増額しなければいけないということになるのではないかと思うんですけれども、その辺の対応どうされるのか、簡単に説明していただけますか。
#79
○国務大臣(岸田文雄君) まず、分担金、拠出金につきましては、送金する際に調整を行うということで、財務省に計上しております為替交換差減補填金五百一億円を使うということであります。
 そして、現下のこの円安傾向がこうしたODAの執行に与える影響、これはもう十分留意をしなければならない、御指摘、当然のことであります。しっかりとODAを執行する際に効果的な実施が確保できるかどうか、これをしっかりと確認し、それに向けて様々な努力を行っていきたいと考えております。
#80
○森ゆうこ君 為替はできるだけ安定していた方がいいわけですけれども、今政策的に円安という方向なわけですから、対応をしっかりしておかないと、今五百億で、取りあえず今のところは、この予算を作ったときに比べて、この二百億円を、ですからまだ三百億円あると。その送金のときのレートによっても変わるわけですので、今のところは大丈夫ということですけれども、私も注視をしていきたいと思っておりますが。
 次の質問なんですけれども、成長と経済基盤の強化に資するODA、言葉は分かるんですけれども、具体的にはどういうことなんでしょうか。その金額とともに、どのように成長と経済基盤の強化に資すると考えているのか、教えていただきたいと思います。
 なぜこういう質問をするかといいますと、やはり来年から消費税増税するという方向なんですよね、私たちは反対ですけど。増税控えていますから、国民により納得のいく具体的な説明がないと、地方へ視察に行ったりしますと、こっちにもODA回してくれと、具体的にODAということで言われるんですね。ですから、やはり具体的な分かりやすい説明が求められていると思いますので、その辺について御答弁いただきたいと思います。
#81
○国務大臣(岸田文雄君) 御指摘の成長と経済基盤の強化に資するODAですが、このアジアを始めとする途上国の持続的な経済成長を後押しし、そして、その旺盛な活力を我が国が取り込み、日本経済の成長につなげるような、途上国と我が国と共にウイン・ウインの関係ができ上がるような援助、これを成長と経済基盤の強化に資するODAというふうに考えております。
 具体的な例としては、日本企業進出ブームが起こっているミャンマーにおきまして、ビジネス環境整備を行う、最低限必要なインフラ整備を行うとか、あるいは、地方自治体が有する優れた技術の海外展開を支援するということで、北九州におけるカンボジアでの上水道整備事業を後押しする、こういった例もあります。また、中小企業の海外展開を後押しする、こうした事例がこの中に含まれるというふうに考えております。
 是非、こうした中身と併せて、この成果につきましても国民の皆様方にしっかり説明をしていかなければいけないと考えております。
#82
○森ゆうこ君 余り具体的ではないんですけれども、もう少しきちんとした説明を準備をしていただきたいと思います。
 私も、先ほどの大臣の説明にございましたように、このODAというのが我が国の最も重要な外交手段の一つであるというふうに思っております。重要だと思っております。
 今、中国、この間の予算委員会中央公聴会で公述人から御発言がございましたのは、例えば習近平の発言として、日本が反ファシズム戦争を否定しということで、ネガティブキャンペーンが始まっていると。それから、昨日、米国の議会調査局の報告もございました。安倍総理は極端な国粋主義者である等々の、そういう指摘がなされ始めているということに私はもっと気を付けなければいけないと思いますし、日本はそうではなくて、平和を希求し、そして発展途上国の貧困を撲滅し、飢餓を撲滅し、平和を構築するために経済大国としてきちんと責任を果たしているんだということを国際社会にアピールしなきゃいけないと思うんです。
 そういう意味で、ODA、きちんと使ってアピールしていくことが何よりも重要だというふうに考えておりますが、最後の質問にさせていただきたいと思います。
 アフガニスタンへの支援は、今後もこの規模で続けるんでしょうか。
#83
○国務大臣(岸田文雄君) アフガニスタンにつきましては、最貧国の一つであり、依然テロとの戦いの最前線であると認識をしております。再びテロの温床にしないという考え方からも、このアフガニスタンの持続的発展を支援するということ、これは重要なことだと考えております。
#84
○森ゆうこ君 自民党が野党のときに、民主党政権が決めたこのアフガニスタン支援の増額ということを、小切手外交であるとか、中身が分からないとか、これは無駄遣いじゃないか等々、御批判があったかというふうに思います。
 今後、この規模のまま続行するのか、どういうふうに考えられているのか。それから、自立支援にきちんとつながるようにしていく必要があると思いますけれども、その辺についてもう少し御答弁をいただいて、私の質問を終わりたいと思います。
#85
○国務大臣(岸田文雄君) 今も答弁させていただきましたように、このアフガニスタンへの支援、テロとの戦い等も含めて、引き続き重要であると考えております。我が国もその一環として、二〇一二年からおおむね五年間で開発分野及び治安維持能力の向上に対して、最大約三十億ドル規模の支援を行うことを表明しております。
 こうした支援は引き続き重要だと思っていますが、あわせて、今年一月、アルジェリアでテロ事案が発生をいたしました。邦人を含めて痛ましい犠牲が発生したわけですが、この事案を受けて、外務省としても、こうしたテロとの戦いに向けて三つの柱を掲げさせていただきました。
 一つは、国際テロ対策の強化であり、二つ目として、こうした地域への、この地域の安定化支援ということですが、三つ目としまして、イスラム・アラブ社会との対話というのを掲げさせていただきました。やはりこういった地域に対して、まず我が国としてしっかり対応する、そして、こうした地域の安定のために支援をすることと併せて、やはり、こうしたイスラム、アラブ、こういった地域に対する理解を深めるために様々な意思疎通を図る、対話を図る、こういったことは改めて重要だということを一月のアルジェリア事案を受けて強く感じたところであります。
 こういった辺りも、更に今までのアフガニスタン支援に加える形で工夫をしていく必要もあるのではないか、こんな認識も持っております。
#86
○森ゆうこ君 終わります。
#87
○吉田忠智君 個別事案になりますが、ミャンマーのティラワ経済特別区開発事業について質問をします。時間が短いので、お手元に関係資料も配付させていただいております。社民党・護憲連合の吉田忠智であります。
 ミャンマーのヤンゴン近郊ティラワ地区の約二千四百ヘクタールにティラワ経済特区を開発する事業は、周辺インフラ整備、ティラワ地区インフラ開発計画フェーズ1は円借款、経済特区内は海外投融資制度を活用して行われる予定となっております。このフェーズ1は日本の援助再開後初の円借款でありまして、今後の対ミャンマーODAのモデルとなるものであり、慎重かつ適正に進めていかなければなりません。
 日本政府はテイン・セイン大統領の下で民主化が進展しているといいますが、同経済特区開発においてミャンマー政府は、本年一月三十一日、約四千人にも上る住民に二週間以内の立ち退きを求め、これは日本政府の要請で中断したそうでありますが、その後も適切な補償内容等を何ら示さないなど、環境社会配慮の面で深刻な問題があると言わざるを得ません。
 まず、何点かJICAにお尋ねをしますが、このフェーズ1については、協力準備調査、環境レビューが終了していないにもかかわらず、本年三月二十八日、二百億円を限度とする円借款を供与する旨をミャンマー政府に事前通報しております。
 これは極めて異常な事態で、環境レビューの結果を合意文書締結の意思決定に反映すると定めたJICA環境社会配慮ガイドラインに抵触するのではないでしょうか。事前準備、環境レビューの公開と事業への反映はどのように図るのか、まずお尋ねします。
#88
○参考人(堂道秀明君) 委員御指摘のティラワインフラ開発計画フェーズ1でございますけれども、これはこの地区の電力整備及びティラワ港の改修を行うものでありまして、本年三月二十八日、この事業のため円借款二百億円を供与する旨の事前通報が他の案件とともに日本政府からなされております。
 この事前通報に先立ちまして、JICAは昨年七月より協力準備調査を行っております。このティラワ地区インフラ開発計画案件の環境社会配慮ガイドラインもそれに沿って審査をしておりまして、それはカテゴリBと申しまして、すなわち環境や社会への重大で望ましくない影響のある可能性を持つような案件とは認定していないということであります。そのために、本年三月に円借款供与の事前通報を行いました。この協力準備調査の詳細については、調査終了を待って公開する予定にしております。
 なお、委員御指摘の大規模非自発的住民移転は、先生が御指摘のティラワ経済特区開発について起こり得る話だとJICAとしても考えております。この経済特区の開発につきましては、その一部、四百二十ヘクタール分のエリアについて、我が国民間企業においてミャンマー側と合弁事業体をつくる方向で作業が進められておりまして、民間ベースでの環境影響評価が進められております。
 JICAといたしましては、この事業を進めていくためには、環境社会影響面での配慮が国際的なスタンダードであることが重要だと認識しておりまして、我が国民間企業及びミャンマー政府に対しましてその旨を助言するとともに、今月より専門家を派遣しているところであります。
#89
○吉田忠智君 JICAガイドラインでは、大規模非自発的住民移転を伴うプロジェクトについてはカテゴリAとしまして、非自発的移転を可能な限り回避すること、移転計画の策定及び公開を行うこととなっております。また、調査、検討すべき影響は不可分一体の事業の影響を含むとしております。
 インフラがなければ経済特区が成り立たない、あるいは特区がなければインフラの意味がないというアジア開発銀行の判断基準に照らしても、フェーズ1と経済特区開発は不可分一体であります。フェーズ1については、カテゴリAとした上で、必要な環境社会配慮を実施すべきと考えますが、いかがですか。
#90
○参考人(堂道秀明君) 先生が御指摘になりましたけれども、ミャンマー側におきましては、一月三十一日にヤンゴン管区が一部村落及び農地に対しまして、このティラワ経済特区開発プロジェクトの実施に向けて十四日以内に立ち退くべきだ等の告知を行ったことを承知しております。
 これを受けまして、日本政府より、住民への説明会を含めて、国際的な水準での適切な対応を取ることが重要であるということをミャンマー側に申入れを行っております。その結果、この法的措置の実施は延期されました。また、住民説明会がなされたと承知しております。
 さきに述べましたとおり、私どもといたしましては、専門家派遣を通じて、適正な補償費用の計算方法の助言など、国際基準に沿った実施となるように今後とも支援していく、こういうつもりでおります。
#91
○吉田忠智君 二月に日本政府がミャンマー政府に対して、住民への説明会の実施を含め国際的な環境基準に沿った開発を要請した結果、強制立ち退きが延期されていることは歓迎したいと思っています。
 しかし、二月十四日に実施された住民説明会は、移転先や補償内容などの提示はなく、一方的なものであったと聞いておりますし、今日に至るも、住民に対し情報公開、説明が適切に行われておりません。国際的な環境基準に沿った開発を確保するため、移転計画の策定、住民協議の開催、住民への適切な情報提供等について、JICAがより踏み込んで積極的に支援すべきだと考えますが、いかがですか。
#92
○参考人(堂道秀明君) 二月十四日の説明会でございます。
 これはヤンゴン地域政府から私どもも事情聴取しておりますが、その際に、ヤンゴン地域政府の方は、この案件につきまして、過去に一度住民移転を実施しており、その際に補償を実施しました、ただし、当該地域に貧困層が多かったことから、プロジェクト開始までは耕作許可を与え、プロジェクト開始時に移転することを文書で確認、しかしながら、補償済みの住民であっても、現在の生活で困っていることがあるのであればその対策について検討する用意があるので言ってほしい、まだ補償がされていない地域が六百から七百エーカー残っておりますので、この点については農地法に基づき適切に補償を行うと、こういうふうに説明をしたというふうに理解をしております。
 いずれにしましても、ミャンマー政府は国際基準の環境社会配慮に必ずしも精通していないと考えております。したがいまして、先ほどの専門家の派遣も通じ、ミャンマー政府に適切なアドバイスをしたいと、こういうふうに考えております。
#93
○吉田忠智君 最後に外務大臣にお尋ねをしますが、ティラワ経済特区開発の深刻な問題を置き去りにしてフェーズ1だけが淡々と進んでいくということでよいのでしょうか。本事業に関する大臣のお考えをお聞かせいただきたいと思います。
#94
○国務大臣(岸田文雄君) まず、ティラワ経済特区開発ですが、この海外からの直接投資を通じてミャンマーの持続的経済成長と、そして雇用創出による貧困削減をつなげようとするという意味において意義のある案件であるとは考えています。そして、両国政府は合意しておりますし、このティラワ地区のインフラ開発計画フェーズ1については三月に円借款による支援を決定しております。
 ただ、民間ベースでの開発部分も含めて、この住民移転が生じる場合には環境社会に十分な配慮を行った適切な措置が確保されることは重要だと認識をしております。
 これからも国際基準に沿った対応をしっかり申し入れていきたいと思っています。そして、是非、そうした働きかけを通じて、本件の円滑な実施について我が国としても努めてまいりたいと考えております。
#95
○吉田忠智君 外務省は、二〇一〇年、ODAのあり方に関する検討を取りまとめ、ODAの透明化を強く打ち出しています。また、ODAは相手国の国民の生活向上が大前提でありますから、そのことをしっかり踏まえて外務省としてもしっかり指導していただきたい、そのように思います。
 大臣、いいです。お願いします。もう結構です。
 これで質問を終わります。ありがとうございました。
#96
○委員長(山谷えり子君) 以上をもちまして、平成二十五年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、政府開発援助関係経費についての委嘱審査は終了いたしました。
 なお、委嘱審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#97
○委員長(山谷えり子君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後一時二十六分散会
ソース: 国立国会図書館
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