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2013/05/22 第183回国会 参議院 参議院会議録情報 第183回国会 政府開発援助等に関する特別委員会 第4号
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2013/05/22 第183回国会 参議院

参議院会議録情報 第183回国会 政府開発援助等に関する特別委員会 第4号

#1
第183回国会 政府開発援助等に関する特別委員会 第4号
平成二十五年五月二十二日(水曜日)
   午後一時開会
    ─────────────
   委員の異動
 五月二十一日
    辞任         補欠選任
     大塚 耕平君     広田  一君
     大江 康弘君     脇  雅史君
     中原 八一君     二之湯 智君
     山本 香苗君     石川 博崇君
 五月二十二日
    辞任         補欠選任
     松田 公太君     寺田 典城君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         山谷えり子君
    理 事
                石橋 通宏君
                大久保 勉君
                柳澤 光美君
                中村 博彦君
                水落 敏栄君
                竹谷とし子君
    委 員
                江崎  孝君
                小川 敏夫君
                津田弥太郎君
                広田  一君
                藤谷 光信君
                松野 信夫君
                安井美沙子君
                赤石 清美君
                大家 敏志君
               北川イッセイ君
                小泉 昭男君
                二之湯 智君
                長谷川 岳君
                山本 順三君
                脇  雅史君
                石川 博崇君
                寺田 典城君
                中西 健治君
                山田 太郎君
                森 ゆうこ君
                亀井亜紀子君
                吉田 忠智君
                舛添 要一君
   国務大臣
       外務大臣     岸田 文雄君
   副大臣
       外務副大臣    松山 政司君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        矢嶋 定則君
       常任委員会専門
       員        工藤 政行君
   政府参考人
       外務大臣官房参
       事官       南   博君
       外務省国際協力
       局長       梅田 邦夫君
   参考人
       独立行政法人国
       際協力機構理事
       長        田中 明彦君
       独立行政法人国
       際協力機構理事  渡邉 正人君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○理事補欠選任の件
○政府開発援助等に関する調査
 (第五回アフリカ開発会議(TICADX)の
 開催に当たり政府開発援助の効果的な実施と推
 進を求める決議の件)
 (参議院政府開発援助調査に関する件)
○政府参考人の出席要求に関する件
○参考人の出席要求に関する件
    ─────────────
#2
○委員長(山谷えり子君) ただいまから政府開発援助等に関する特別委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日、大江康弘君、大塚耕平君、山本香苗君及び中原八一君が委員を辞任され、その補欠として脇雅史君、広田一君、石川博崇君及び二之湯智君が選任されました。
 また、本日、松田公太君が委員を辞任され、その補欠として寺田典城君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(山谷えり子君) 理事の補欠選任についてお諮りいたします。
 委員の異動に伴い現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。
 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(山谷えり子君) 御異議ないと認めます。
 それでは、理事に竹谷とし子君を指名いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(山谷えり子君) 政府開発援助等に関する調査を議題といたします。
 この際、便宜私から、民主党・新緑風会、自由民主党、公明党、みんなの党、生活の党、みどりの風、社会民主党・護憲連合及び新党改革の各派共同提案による第五回アフリカ開発会議(TICADX)の開催に当たり政府開発援助の効果的な実施と推進を求める決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    第五回アフリカ開発会議(TICADX)の開催に当たり政府開発援助の効果的な実施と推進を求める決議(案)
  我が国は厳しい経済・財政状況、東日本大震災からの復興途上にある中、ミレニアム開発目標(MDGs)の達成や持続的成長の実現に向けて政府開発援助(ODA)の推進に努めている。
  本特別委員会は、国際協力機構(JICA)の二本松青年海外協力隊訓練所や東日本大震災の被災地等での調査、有識者からの意見聴取等を通じて、我が国外交の重要な基盤であるODAの効果的な推進が必要であるとの認識を深めた。
  二〇一三年は、東南アジア諸国連合(ASEAN)と我が国との交流四十周年に当たるとともに、六月には第五回アフリカ開発会議(TICADX)が横浜で開催される。TICADXは、TICADプロセスの開始から二十周年を記念する節目の会合であり、これまでの対アフリカ支援をしっかりと総括し、積み残された課題や新たに生じている問題等を確認した上で、国民生活の向上に向けたアフリカ諸国の自主・自立的な取組を今後更に効果的に支援していくことを目標に、国際社会としてより実効性ある支援戦略と方針を決定することが期待される。
  政府は、TICADXの開催を機に、国際的な動向等を踏まえた予算等の確保にも努めつつ、戦略的かつ効果的・効率的なODAの推進に向けて、特に次に掲げる事項について適切な措置を講ずるべきである。
 一、人的交流や技術移転を伴う日本らしさを活かした質の高い援助を更に展開し、外交戦略や成長戦略と連携し我が国の国益や成長に資するとともに、国民の理解と支持に基づく我が国の顔が見えるODAの持続的な推進を図ること。
 一、二〇一五年より先の国際開発目標(ポストMDGs)策定の論議において、主導的役割を果たすよう努めること。
 一、NGO・民間企業・地方自治体等の援助の多様な担い手との連携を強化するとともに、円借款・公的金融と無償資金協力・技術協力との連携、官民連携の取組を推進すること。併せて、情報通信技術、政策立案・制度整備、文化復興・振興を始めソフト分野の支援事業の拡充を図ること。
 一、他の援助国や国際機関との援助協調への積極的な参加・参画を通じて、被援助国が自ら設定する経済・社会開発目標や支援ニーズへの貢献を一体的に行うこと。その際、資金的な貢献だけでなく、人的かつ技術的貢献の拡充を図り、被援助国の自立的発展を促す我が国ODAの基本方針の国際的浸透を図ること。
 一、人間の安全保障の理念に基づき、平和と国民生活の安定を最優先の課題と位置付け、貧困の削減や飢餓の撲滅、経済・社会の持続的発展、公正・公平な分配による社会不安と格差の解消、多様な分野で国づくりを担う人材の育成、防災・減災対策の強化、社会インフラの整備などに取り組むこと。その際、事業の選択と集中を図りつつ、援助の質的な強化を図っていくこと。
 一、インフラ・システム輸出の推進や中小企業を含む民間企業の開発途上国への進出の支援等を通じて、アフリカ諸国を始め開発途上国の持続的成長を支え、併せて我が国の成長にも寄与し得るようODAの活用を図ること。
 一、ODA事業の透明性を国内外で一層確保するとともに、事業の目的、内容、効果や、環境、現地社会に及ぼす影響等についての説明責任をより高い次元で果たしていくこと。併せて、ODAの実施においてNGOなどの市民社会が果たしてきた重要な役割に鑑み、今後のTICADXのフォローアップメカニズムなどにおいて、各国政府や国際機関に加えて、市民社会との連携・協働の取組を更に強化すること。
 一、青年海外協力隊事業、シニア海外ボランティア事業における民間連携ボランティア制度の充実、ボランティア事業への応募者増加に向けた取組の強化、青年海外協力隊員の帰国後におけるキャリア形成、就職支援に係る施策の充実等を推進し、開発援助に携わるグローバル人材の育成とその活躍の場の拡大を更に図ること。併せて、国連開発計画(UNDP)、世界銀行等の国際機関における邦人役職員の更なる増強を含め我が国の人的貢献のより一層の拡充を図ること。
 一、アフリカ諸国、特にサブサハラ以南の国々では、大多数の国民が農業によって生計を立てている実情に鑑み、農業技術と生産性の向上、灌漑農業の普及と利活用促進、農業専門家や指導者の養成、農産品の物流・流通インフラや市場の整備など、農業従事者の収入の安定と増大、更には域内食糧自給の向上を目指した取組を重点的に支援すること。その際、コメ増産技術支援、理数科教育、保健システム構築等の取組との連携を強化すること。
 一、対アフリカ支援を更に効果的に実施するため、現地での援助体制の強化と多層化を図ること。その際、現地大使館及びJICA事務所の人員体制の拡充を図りつつ、国内NGOの育成とアフリカへの事業展開支援を併せて行うこと。
  右決議する。
 以上でございます。
 本決議案を本委員会の決議とすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○委員長(山谷えり子君) 御異議ないと認めます。よって、さよう決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、岸田外務大臣から発言を求められておりますので、これを許します。岸田外務大臣。
#7
○国務大臣(岸田文雄君) 第五回アフリカ開発会議の開催に当たり、政府開発援助の効果的な実施と推進を求める決議を可決いただきまして、誠にありがとうございました。
 外務省としては、ただいまの決議の御趣旨と本委員会での御議論を踏まえつつ、ODAの戦略的かつ効果的、効率的な推進に努めたいと考えます。
#8
○委員長(山谷えり子君) 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
#9
○委員長(山谷えり子君) 速記を起こしてください。
    ─────────────
#10
○委員長(山谷えり子君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 政府開発援助等に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、政府参考人として外務大臣官房参事官南博君外一名の出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#11
○委員長(山谷えり子君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#12
○委員長(山谷えり子君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 政府開発援助等に関する調査のため、本日の委員会に参考人として独立行政法人国際協力機構理事長田中明彦君及び同理事渡邉正人君の出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#13
○委員長(山谷えり子君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#14
○委員長(山谷えり子君) 政府開発援助等に関する調査のうち、参議院政府開発援助調査に関する件を議題といたします。
 本日は、平成二十四年度参議院政府開発援助調査派遣団参加議員の方々から各十分程度御意見を伺った後、六十分程度委員間の意見交換を行いたいと存じます。
 御意見を表明していただくのは、タンザニア連合共和国・モザンビーク共和国班津田弥太郎君、ベトナム社会主義共和国班二之湯智君、インド班北川イッセイ君です。
 なお、御意見を表明される際は御着席のままで結構です。
 それでは、まず、タンザニア連合共和国・モザンビーク共和国班の津田弥太郎君からお願いいたします。津田弥太郎君。
#15
○津田弥太郎君 タンザニア連合共和国・モザンビーク共和国班についての御報告をいたします。
 派遣議員は、今日ここにいらっしゃいます石橋通宏議員、それから自民党の山本順三議員、そして団長を務めさせていただきました私、津田弥太郎の三名でございます。
 当班は、本年三月八日から十四日までの七日間の日程でタンザニア連合共和国及びモザンビーク共和国を訪問してまいりましたが、その詳細につきましては後日配付される報告書を御覧いただくこととし、本日は主として調査を通じてまとめた所見につきまして、御報告を申し上げたいと存じます。
 第一に、農業分野への重点的な支援強化の必要性についてであります。
 タンザニアのアルーシャにおいて、レキタツとマハンデという二つのかんがい地区を視察し、かんがいの施設整備及び農業研修により稲作の生産量が飛躍的に増加をし、農民の生活が大変向上した状況を見てまいりました。また、かんがい技術者育成の学科を持つアルーシャ工科大学では、卒業生が各地で活躍していますが、技術者の数がなお不足しているということが確認されました。このアルーシャ工科大学におきましてはJICAから専門家が派遣されて教えているわけでございます。
 かんがい農業の普及や技術者育成等による生産性向上といった農業分野の中長期的な支援を対アフリカ支援の大きな柱として更に強化することは、アフリカ諸国の農民や国民に利益をもたらし、アフリカ地域の飢餓撲滅と貧困削減につながるものであって、最も優先度の高い課題として位置付けるべきと考えます。
 第二に、人づくりのための総合的な支援の展開についてです。
 モザンビークの太陽海岸小学校は、教室はすし詰め状態で、子供の半数にしか机や椅子がないところがございました。同国では子供の数に比べて学校の数及び教員の数が全く不足をしておりまして、多くの地域で三部制、これ小学校でやっているんですね、三部制を。取らざるを得ない。あるいは机や椅子、教材も不足している、初等教育レベルでも大変深刻な問題があるとのことでございました。
 アフリカの中長期的な展開を考えたとき、人づくりのための教育は極めて重要であり、初等中等教育の徹底に向けた支援を強化するとともに、今後の国内産業の発展を促進するための高等教育あるいは職業訓練や能力開発を含めた総合的な人材育成の拡充にも必要な支援を展開すべきであることが感じられました。
 第三に、天然資源を産出するタンザニア及びモザンビークに対する今後の支援の在り方についてであります。
 両国政府からは、石炭や天然ガスといった天然資源の収入を自国の国力が増すように有効活用したいという気持ちとともに、引き続き国際支援の力を借りながら、自分たちの手で産業育成や技術力向上を図り、新しい国づくりをしていく気構えを感じ取ることができました。
 それゆえに、両国に対する今後の我が国の支援の在り方が問われております。ODAによって資源開発に資するインフラ整備等の支援を行うだけではなく、タンザニア、モザンビークが自国の経済を発展させ、国力を更に高めていくための支援を我が国の官民が連携して、ソフト面も含めて積極的に対応していかなければならないことが強く感じられたわけでございます。
 第四に、自立的な経済・社会成長の実現に向けた国内産業の育成支援についてであります。
 タンザニア及びモザンビークの政府は、日本からの大企業による大規模投資を歓迎すると同時に、現地の人への技術移転が可能で起業にも結び付くよう中小企業にも積極的に進出してもらいたいという意向を大変強く示しておったわけでございます。
 アフリカ諸国の自立的発展に向け、相手国の求める現地の産業育成のため、日系企業なかんずく中小企業のアフリカ進出を促進することは、相手国との間にウイン・ウインの関係を構築することにつながると考えられるわけであります。
 アフリカ諸国の国情や手続等の様々な実務上のノウハウを持たない中小企業のために、全ての在外公館に設置されております日本企業支援窓口のような組織や制度を日本国内にもつくることによって、アフリカ諸国との橋渡しを行う上で非常に重要な役割を果たせるのではないかというふうに認識をしているわけでございます。
 第五に、国際的な援助協調の枠組みへの積極的貢献と日本の参加・参画の強化についてであります。
 タンザニアにおける国際的な援助協調は好事例とされておりますが、その枠組みと実態について国連機関の責任者と意見交換を行った結果、アフリカの今後の発展のためには、国際的に協力、連携して効果的に行う援助協調の枠組みが大変有効であり、必要と感じられました。
 我が国としては、国際的な連携や協調をより強化しながら、資金的貢献に加えて人づくりや農業開発など日本の強みをより具現化するような参画の方法を強め、援助協調の枠組みづくり自体も日本がリードしていくことが肝要であり、そのためにも日本側の人材育成を強化し展開していく必要があると考えます。
 第六に、日本のODA事業に係る相手国国民・利害関係者の関与と参画の強化についてです。
 モザンビークにおける日本、ブラジル、モザンビークの三角協力によるプロサバンナ事業、熱帯サバンナ農業開発プログラムですが、これについて、モザンビークの全国農民組合UNACから、現地農民や農民組織への説明等がなかったとの懸念が示されましたが、今回の調査を通じ、同国の農業省やJICAによりこれら当事者に対する説明会が開催されるとともに、当事者が継続的に事業の計画や実行に参加、参画できる体制を設けていくこと等が確認をされました。
 日本のODA事業やJICA事業は様々な国で行われておりますが、その透明性及び説明責任の確保は従前より求められてきており、計画段階から当事者、利害関係者の参加、参画を図っていくことが大切であります。そこで、今後の参議院ODA調査派遣団における調査項目とすることを提案したいと存じます。
 第七に、日本のODA事業の現地実施体制の強化と人材確保・育成の在り方についてですが、このうち、まず現地実施体制の強化について申し述べます。
 アフリカにおけるODAの在り方については、これからの様々な変革に呼応して我が国の果たすべき役割も大きくなり、現地で開発援助実施の任に当たる大使館やJICAの職責が一層重くなることが予想されます。
 このため、本派遣団は、将来に向けては、アフリカに展開する大使館やJICA事務所の体制を定員増や外部専門家の任用などにより更に強化し、ODAの機能向上を図る必要があるという点で認識が完全に一致しました。また、外務省本省においても、アフリカを重視した人材育成や評価制度の検討を行うことも提起をしたいと存じます。
 次に、NGOとの連携強化の必要について申し述べます。
 日本の対アフリカODA事業の効果の拡大と深化を深めるためには、NGOとの連携強化が不可欠であり、アフリカ全域に拡大していくことが望まれますが、まずは、今後の対アフリカODA支援の重点となる可能性が高いと思われる東アフリカにおいて、農業開発、教育訓練などの分野を重点に取組を展開することを提案したいと存じます。
 日本国内においても、ODA計画の中にNGO活動を包含した形で総合的な支援体制を組み込むことが大事であり、そのためにもふだんからNGO側の意見や提案を積極的にODA計画・事業の企画立案に取り入れていくことも含め、高いレベルでの対話、連携を行っていく必要があります。さらに、とりわけ国内NGOは、財政的に脆弱な団体が多く、資金調達がネックになっております。この点に関し、外務省はNGOの行う事業に対し支援を行っておりますが、更なる増額を図るなど、財政面、人材育成面などで後押しをして育てることが大切であると考えます。
 そして、人材確保、育成の在り方、任務終了後の就職支援などについて申し述べます。
 アフリカの多くの国で活動していただいている青年海外協力隊員やJICA専門家、シニア海外ボランティアなどの方々が、我が国とアフリカ諸国との間の太いパイプとなっていることは間違いありません。それゆえ、現地における活動に対する積極的な支援はもとより、任務終了後も、大使館やJICA等において貴重な経験の活用の場を提供することによって、我が国にとって大変貴重な人材が継続的に活用されるための方策を立てることは極めて重要であると考えます。
 また、帰国した後、就職先に困ることが実際に生じないよう、国を挙げてのバックアップをすべく、外務省を始め関係省庁が連携しながら、更にしっかりとした対策を取る必要があると考えます。
 最後になりますが、本派遣団は、プロサバンナ事業やナカラ回廊に関連するODA事業がTICADXとの関連で重要であるとの観点から、二〇一一年度に続きモザンビークを訪問することとしました。しかし、国会の事情で派遣日程が短縮をされました。これらODA事業の視察を行うには至らなかったわけでございます。我が国の対アフリカODAにおけるモザンビークやこれらODA事業の重要性を踏まえ、次年度以降のODA調査派遣において、同国の訪問やこれらODA事業の視察が考慮されるようお願いしたいと存じます。
 今回の調査に御協力いただきましたタンザニア連合共和国及びモザンビーク共和国における訪問先あるいは訪問予定であったところの方々並びに内外の関係機関の方々に対し、心から感謝を申し上げまして御報告を終わります。
 ありがとうございました。
#16
○委員長(山谷えり子君) ありがとうございました。
 次に、ベトナム社会主義共和国班の二之湯智君にお願いいたします。二之湯智君。
#17
○二之湯智君 ODA調査派遣ベトナム班について御報告いたします。
 当班は、本年三月八日から十三日までの六日間、ベトナム社会主義共和国に派遣されました。
 派遣議員は、安井美沙子議員、大江康弘議員及び私、団長を務めさせていただきました二之湯智の三名でございます。
 視察案件の概要や政府要人との意見交換の詳細につきましては、後日配付される報告書に譲ることとし、本日は調査を通じて得るに至った所見の概要を申し上げたいと存じます。
 初めに、対ベトナムODAについての基本的な認識について申し上げます。
 本年は日越外交樹立四十周年を記念する日越友好年であり、一月には安倍総理が訪問されるなど、両国関係は急速に発展しています。こうした中、我が国はベトナムにとってODAのトップドナーの地位を占め、様々な分野で成果を上げてきました。このことについて、計画投資省のシン副大臣からは、高い評価と今後の支援継続への期待が述べられました。また、外務省のガー多国間経済協力局長からは、日本との経済上の連携を一層強化することへの期待が述べられ、さらにまた、コイ北東アジア局長からは、日本のODAは東南アジアの平和と安定に貢献するものであるとの認識が表明されました。
 このような状況に鑑み、我が国は引き続きベトナムの発展を支援するとともに、ベトナムの成長を我が国の成長に結び付ける取組を行うことで、日越間の経済面での好循環を促し、さらに東南アジア地域の平和と安定に寄与するよう、戦略的に対ベトナムODAを展開していく必要があります。
 次に、運輸交通インフラ整備を支援する必要性について申し上げます。
 ベトナムでは、道路、橋梁、鉄道、空港等の運輸交通インフラの整備の立ち遅れが経済発展の制約要因となっており、また都市部の交通渋滞や大気汚染は深刻化しています。
 私たちはこの分野のインフラ整備の一環として、ハノイにおいてニャッタン橋建設現場を視察しました。また、ニャッタン橋―ノイバイ国際空港間の連絡道路及び同空港第二ターミナルビルも円借款で建設中であり、これら事業の完成はシン副大臣からも強い期待が表明されました。
 我が国としては、この分野のインフラ整備を引き続き支援していくことが妥当であり、併せて運輸交通インフラを適切に維持管理、運営する人材の育成、組織の強化を促していく必要があると考えます。
 次に、人間の安全保障の観点からの援助の必要性について申し上げます。
 ベトナムでは、医療、福祉等の基礎的な社会サービスはいまだ不十分な状態にあり、我が国としては、この分野での協力を通じて人間の安全保障の確立に貢献することが求められています。
 この点に関し、私たちはハノイのバックマイ病院への技術協力、ホーチミン市盲人協会への点字機材供与、またトゥアンアン障害児教育センターの聴覚障害児訓練施設を視察し、我が国の協力が着実に効果をもたらしており、日本の援助に対する認知度も高いことを把握しました。今後もこうした取組を継続し、特に障害者などの社会的弱者に裨益する支援を進めていくことが必要です。
 また、バックマイ病院など都市部の病院に患者が集中する実態があり、これを防ぐため、地方の医療機関のレベルアップに向けた支援を行い、国全体の医療水準の底上げに貢献していくことが妥当であります。
 次に、再生可能エネルギーの利用に向けた取組への支援について申し上げます。
 途上国においては、今後急速にエネルギー需要が拡大していく中、地球温暖化防止やエネルギーの持続的確保等の観点から、再生可能エネルギーの利用を組み込んでいくことが重要であり、その有力な柱の一つがバイオマスです。
 ホーチミン工科大学関連バイオマスプラントは、稲わらや家畜排せつ物などから生成されるバイオエタノールやバイオガスを村落規模で活用する、すなわち地産地消型のバイオマス利用を目指すものです。我が国では高度成長期にバイオマス利用が廃れ、化石燃料依存社会になった経緯を省みたとき、この取組に我が国が協力することは有意義なものと考えます。
 次に、住民生活の向上と文化遺産保全の両立への支援について申し上げます。
 急速な近代化が進むベトナムでは、文化遺産の保全と地域住民の生活向上の両立が課題となっています。この点に関し、ハノイ郊外のドゥンラム村では、青年海外協力隊員が、伝統家屋の保存活動に加え、住民の生活向上を図るため、農家レストラン経営、伝統菓子の品質改善等の観光開発を懇切に支援していました。
 これらの活動は、現地の人々に自ら地域振興に取り組む機運をもたらしており、私たちは、多くの観光客が来訪している様子を見て、取組が実を結びつつあることを実感しました。こうした支援は農村地域の活性化にも資するものであり、地域の人々の自発性の涵養に配意しながら進めていくことが妥当であります。
 次に、途上国支援における地方自治体との連携や官民連携の推進について申し上げます。
 ホーチミン市のビンフン下水処理場では、大阪市の職員がJICA専門家として派遣され、技術指導を行っていました。また、ロンアン省環境配慮型工業団地は、日越の企業が出資して水インフラ会社を設立し、工業排水等による環境問題を防止する取組であり、これに神戸市が参画するとのことです。私たちはこれらの事例を通じて、外務省、JICAと地方自治体の連携の意義について認識しました。さらにまた、ロンアン省環境配慮型工業団地は、再開したJICA海外投融資を利用した初のインフラ案件であり、企業関係者から、こうしたスキームの存在が進出を後押ししたとの説明がありました。
 これらの視察を通じて、ODAにおいて、自治体が有するノウハウや技術を活用する取組を進めるとともに、海外投融資を活用し、途上国の課題の解決に向けて民間資金を呼び込んでいくことの重要性が高まっていると感じました。
 なお、上下水道事業に関しては、日本では設備の新設から維持管理の時代へ移る中で自治体の技術者の育成が課題となっており、海外での同種事業への参画が技術の継承に資することが期待されます。
 こうしたことから、途上国支援においては、自治体、民間企業等の多様な担い手の力が結集されるような取組が引き続き重要です。また、JICA海外投融資は、適切な案件選択とリスク管理を図りつつ、その拡充に努めるべきであると考えます。
 最後に、JICAボランティア事業の広報及び青年海外協力隊員の帰国後の支援について申し上げます。
 私たちは、JICAボランティアの方々と意見を交換し、その士気の高さに感銘を受けました。JICAボランティアは、途上国への貢献、対日信頼感の醸成、さらに国際的視野を有する人材の輩出という観点から重要な意義があります。
 しかし、青年海外協力隊の応募者数は近年大きく減少しており、その背景には帰国後の再就職への不安があるものと考えられます。帰国後の協力隊員の再就職等への支援は従来から対策が取られておりますが、引き続き、官民における帰国隊員の採用促進など、一層の取組を図る必要があります。
 また、シニア海外ボランティアについては、この制度が途上国に貢献するのみならず、我が国の中高年層の能力活用の点でも大きな意義を持ち、更に多くのシニア層の活躍が望まれるものと実感しました。
 こうしたJICAボランティア事業は厳しい財政事情を背景に効率化が図られてきましたが、さきに述べたような意義に鑑み、積極的な広報戦略の展開と資源の投入を図ることが必要であると感じました。
 以上、当班の所見の概要を申し上げました。
 最後になりましたが、調査に御協力いただいたベトナムの訪問先の方々並びに内外の関係機関の方々に対し、心からの感謝を申し上げ、報告を終わります。
#18
○委員長(山谷えり子君) ありがとうございました。
 次に、インド班の北川イッセイ君にお願いいたします。北川イッセイ君。
#19
○北川イッセイ君 私からはインド班について報告いたします。
 当班は、去る三月七日から十二日までの六日間、インドに派遣されました。派遣議員は、柳澤光美議員、石川博崇議員、寺田典城議員、大門実紀史議員、そして私、団長を務めさせていただきました北川イッセイの五名でございます。
 当班は、南西アジア地域班ということで、当初はインドのほか、隣国のバングラデシュ人民共和国への訪問も予定していましたが、治安情勢の緊迫化に伴い訪問を取りやめざるを得ない事態となり、インドのみの調査となりました。
 インドは、急速な経済成長を背景にBRICS諸国の一角を占め、新興国としての台頭が注目される一方、膨大な貧困層の削減や、また二〇一二年度から二〇一六年度までで約一兆ドルの投資が必要とされるインフラ整備などの課題を抱えています。インドは援助国を米国、英国、我が国などG7諸国に限定しており、援助要請に係るインド側の方針もあり、我が国の対インドODAの約九割が円借款となっています。
 インドには本院から平成十七年十二月と平成二十年二月にODA調査団が訪問しており、インフラ整備ばかりでなくソフト面の援助の重視、顔の見える援助としての草の根無償資金協力の活用、援助実施評価の重要性などについて指摘や提言がなされてまいりました。
 インド班は、以上の経緯を踏まえ、現場重視の姿勢で我が国ODA案件の現状と課題について調査しました。また、訪問先において、東日本大震災に対する温かい御支援に対し、心から感謝の気持ちを申し上げてまいりました。
 ODA担当のミーナ財務担当国務大臣からは、インド経済の成長には日本の支援の役割が大きい、JICAなど日本の協力は一般の人々にも大変よく知られており、感謝している、インフラ整備には円借款が適切だが、教育、医療分野では無償資金協力がなじむ場合も多い、インドでは義務教育の無償化、母子保健の充実が二大プロジェクトである、NGOの中で日本の援助の対象として適切と考えられるものがあれば、それに対する援助も検討していけるだろうとの発言がありました。
 円借款事業として、まず、デリーの交通混雑の緩和や環境汚染の改善に寄与しているデリー交通公社を訪問し、公社総裁との意見交換を行い、地下鉄に試乗しました。デリーメトロの運営は順調であり、利益を国庫に納付し、円借款の返済に充当されているとのことでした。駅構内には我が国のODAであることを示す説明標示板が掲げられており、マナー教育の成果もあり、乗客は整然と整列してセキュリティーゲートを通過し、乗車していました。また、建設工事の安全管理などに携わっている日本企業の技術者の阿部玲子さんのお話を伺い、我が国が培ってきた勤労態度などをODA事業を通じて伝えることにより、途上国の人々が自ら経済発展に取り組む原動力の一助となっていることについて認識を新たにしました。
 円借款案件としては、さらに、オクラ下水処理場の整備状況と、アグラ浄水場の建設状況を視察しました。インドでは、安全な飲料水の安定供給、住民の衛生、生活環境の改善に資する上下水道の整備が喫緊の課題となっています。オクラ下水処理場では、我が国のODAであることの広報について、教科書への記載やポスターなどで伝えているとの説明でありました。一般の人々の理解を更に深める観点から、水といえば日本と言われるくらいのODA広報強化の必要性も感じました。また、アグラ浄水場では、工事の進捗が予定より一年程度遅れているものの、全体的にはさほど支障はない旨の説明がありましたが、インド側の事情に配慮しつつも、我が国として工期の監理に関心を寄せていく姿勢を示すべきものと思いました。
 無償資金協力案件としては、デリーで医療や教育分野で活動しているNGOのアシャを訪問し、我が国の草の根・人間の安全保障無償資金協力により提供された医療サービス車での巡回診療の様子を伺うとともに、スラム地区の活動施設を訪れ住民の皆さんと意見交換を行いましたが、貧困層の生活改善が重要な課題となっている現実を実感し、無償資金協力の充実の必要性を深く認識しました。
 技術協力案件については、我が国製造業の経営手法を教授するプロジェクトである製造業経営幹部育成支援プロジェクトに関して、インド工業連盟グルガオン事務所を訪問し、チーフアドバイザーの司馬正次筑波大学名誉教授から説明を受けました。さらに、このプロジェクトに参加した自動車部品関連企業のSona Koyoを視察し、研修の成果である経営改善の実際を伺い、人づくり援助が国づくりの基本であること、また、人材交流を通じて日印両国の信頼関係の発展、企業関係の強化が図られていることについて認識を深めました。
 さらに、ジャワハルラール・ネルー大学を訪問して、日本語教育に携わっている青年海外協力隊員の指導による討論の授業を参観し、学生と意見交換を行いました。当日は東日本大震災の発生から二周年に当たりましたので、日本時間の午後二時四十六分の地震発生時刻に合わせ、日本語学科の教授や学生と一緒に犠牲者の御冥福を祈り、一分間の黙祷をささげました。また、日本語学科の教授陣と日本研究者に対する我が国のマルチビザの発給や文化交流の推進について意見交換を行いました。
 ODA案件の視察のほか、低所得層の人々の生活向上や社会問題の解決に資するビジネスモデルであるいわゆるBOPビジネスに関連して、インドヤクルト・ダノン社を訪問し、BOPビジネスの位置付けや課題などについて認識を新たにするとともに、ヤクルトレディの皆さんと懇談を行いました。また、インドにおける自動車販売台数の約四割を占めるマルチ・スズキのグルガオン工場を視察しました。さらに、インドで活動するJICA専門家、青年海外協力隊員や日本企業関係者との意見交換を行いました。
 続いて、今回の調査を通じて気付いた点を申し上げます。
 インドでは、インフラ整備や貧困対策など開発課題が山積しており、インドの持続的な成長を支援し、成長を通じた貧困削減に資するため、伝統的な親日国であるインドに対するODAは引き続き更なる充実を図るべきです。インド側の方針により、デリー・ムンバイ産業大回廊への支援や、我が国の新幹線のような高速鉄道、メトロ、モノレールや高速道路の建設など円借款によるインフラ整備がODA事業の大部分を占めています。円借款案件の着実な実施と併せて、無償資金協力や技術協力に係る援助案件の形成に当たり、NGOとの連携を深めるなどにより、ODAの事業量として無償資金協力、技術協力のより一層の拡充を図るべきものと考えます。その場合、製造業経営幹部育成支援プロジェクトなどの実績を踏まえた人材育成支援や、教育、医療分野などにおけるNGOへの支援を強化し、顔の見える援助としての取組を充実すべきです。
 また、上下水道を始めとする都市整備事業などを手掛かりとして、我が国の経験を生かす形で、政府、JICA、地方公共団体、企業などオールジャパンの取組の機会を増やす努力や、官民連携の更なる強化、円借款案件と技術協力や人的交流との連携の強化が大切であると思います。
 厳しい経済財政状況の下、東日本大震災からの復興途上にある我が国国民にとって、ODAを一層理解し支援できるものとしていくためにも、平成十七年に訪問した調査団が指摘した援助実施評価について、現地や東京における評価の取組、評価のフィードバックなど、引き続きその充実に努めるべきです。あわせて、円借款案件について我が国企業の受注率が低下している傾向を踏まえ、国際入札の枠組みを遵守しつつ、援助国である我が国の存在感を示す意味からも、円借款案件と技術移転との連携を深めるなど我が国企業が参画する機会増大に向けていかに環境を整えるべきか、具体的な取組を進めるべきものと考えます。
 グローバル化の進む今日、グローバル人材、国際開発協力人材の育成が急務です。インド側の事情により、青年海外協力隊員については現在日本語教師の受入れにとどまっていますが、技術協力の専門家派遣、研修員の受入れ、青年海外協力隊の派遣機会の増大について更なる工夫が求められます。また、途上国に限らず世界各国を対象に、経費面での工夫を図るなど、留学生交流や人的交流の拡大に向けた施策をより一層強化すべきものと思います。
 最後になりますが、今回の調査に御協力いただいた視察先の皆様、また在外公館、JICAなど内外の関係機関の皆様に心から感謝申し上げて、報告を終わります。
 以上でございます。
#20
○委員長(山谷えり子君) ありがとうございました。
 以上で意見の聴取は終わりました。
 これより意見交換に入ります。
 本日は、外務省から松山外務副大臣、梅田国際協力局長及び南外務大臣官房参事官に、独立行政法人国際協力機構から田中理事長及び渡邉理事に、それぞれ御同席をいただいております。発言に対して回答をお求めになる場合には、派遣に参加された委員に対してだけでなく、御同席をいただいている方々に対してお求めいただいても結構でございます。
 発言を希望される方は、挙手の上、委員長の指名を待って御発言ください。
 また、回答をされる方も挙手をお願いいたします。
 なお、発言は全て起立してお願いいたします。
 それでは、発言を希望される方は挙手をお願いいたします。
 山本順三君。
#21
○山本順三君 自由民主党、山本順三でございます。
 皆さん方の御理解いただいて、タンザニア、それからモザンビークに行かせていただきまして、心から感謝を申し上げます。
 報告についてはもう津田団長の報告で全て整っておるというふうに思いますけれども、ちょっと気付いたことについて申し上げながら、もしコメントがあったらお願いしたいと思うのでありますけれども、いよいよTICADX、間近に迫ってまいりました。外務省側も格段の配慮をされながら万全の準備を整えていらっしゃる、このように思いますけれども、それに少しでも参考になればということでお話を申し上げたいと思います。
 私もアフリカに行くのはこれで三度目でありまして、大体サブサハラを中心に過去回ってまいりました。七年前には六か国をずっと回りましたけれども、その前はODAでケニア方面にも行かせていただきまして、今回三度目でありますが、変わったなというふうに思うことがたくさんありました。あれもこれも言いましたら、それこそ時間が足りませんので、二点申し上げたいと思います。
 まず、アフリカの経済状況がこれから、サブサハラの場合には資源等々もございまして、劇的に変わっていくだろうなという予感を感じるような場面に本当はもっと遭遇したかったのでありますが、たった二十二時間しかモザンビークに置いてもらえなかったわけで、その点は非常に残念に思っておりますけれども、各大臣、副大臣のお話を聞いたり、現地の皆さん方のお話を聞く中で、これは本当に劇的に変わるなということを感じました。
 例えば、モザンビークにしても、あるいはタンザニアにしても、近いうちに海底の天然ガス等々が本格的な稼働を始めて他国に輸出が始まる。そうなってくると、すさまじいお金が当然のごとくアフリカ諸国に入ってくるわけですね。それは何を意味するかというと、今までアフリカ諸国の皆さん方、資源のあるアフリカ諸国の皆さん方が、我々日本や、あるいは中国も含めた諸外国に求める、その求める先が大分変わってきたなと。
 今までは、例えば様々なインフラ整備のために何としてもODAを活用してもらいたいというような、そういう要望がたくさんありました。あれもつくってもらいたい、これもつくってもらいたいと。ところが、今回、両国の大臣とか、あるいはもろもろの行政の立場に立つ人たちからお話を聞いたら、それよりももっと大事なのは、近々、天然ガス等々による、あるいは石炭とか鉱物資源による収入が入ってくるんだけれども、是非それを生かしたような形で、今、津田団長からもありましたが、雇用促進ということも含めて各自国の産業を振興していきたい、そのための手助けとして、特に企業に投資をしてもらいたいというような、そういう要望に変わりつつあることを実感をいたしました。今回の恐らくTICADXにおいてもそういう要望がたくさん来るんだろうと思うんです。
 したがって、是非、外務省におかれましては、企業の投資促進であったり、あるいはまた人材育成、技術協力、こういったことに対しての各国の意見というものにしっかりと耳を傾けていただきたいし、昔は中国との関係の中で、日本もODA限界があるよなんていう時期があったんですけれども、いよいよ日本の出番だと、そういう強い意欲を持ってTICADXを迎えていただきたいし、それに対しての対応をしっかりやってもらいたいというのが一点です。
 それからもう一点、七年前にアフリカに行ったときには、そちらに進出した各企業家から、もう外務省あるいは大使館は全く協力してくれないと。寄り付いてもくれない、これ極論ですよ、そういうふうな話を夜、懇親会の中で聞くことが多かったんですね。様々な事情があったというふうに思います。
 ただ、今は外務省自身もやっぱり官民連携で対応していかなければならないという、そういうふうな動きになったと、このように思いますけれども、今ほど申し上げた各国がいわゆる企業の投資を望む、そして一緒に対応していきたいし、今中小企業の話も団長からありましたけれども、そういった大企業が投資をして、それに連動した形で国内の中小企業を育成していくためには、日本の中小企業も是非とも参加をしてもらいたい、こういう要望すら今出るようになってきました。
 となってくると、インフラ整備等々においても、官民連携ということがベースになければ、本当の意味での今後の日本のODAの深化というものが十分に担保できないことにもなってしまうかも分からないという観点から、是非、そういった官民連携の促進というものを恐れず前向きにどんどん進めていってもらいたい、それについての外務省の覚悟というものを是非ともお伺いしたい。この二点でありました。
 ついでに申し上げますが、今ほど申し上げたとおり、大手の企業は自分たちがアフリカに進出するノウハウはしっかり持っているんですね。ですから、彼らが中心でいろいろやっていくでしょうけれども、現地で求められているのは、それと同時に、今ほど申し上げた中小企業あるいは小企業のおっちゃんの技術が欲しいというような状況がございました。
 それならば、現地の皆さん方も、しっかり自分なりの技術としてそれを受け入れることができるし、それを転化していくことができるというそういうところでありますから、その中小企業のおっちゃんたちが出ていこうとしますけれども、はてさてどうやったらいいんだろうかと。外国の言葉もしゃべれないし、その国がどんな国かも分からない。でも、水をきれいにするということになったら、これはアフリカでもあるいは東南アジアでも一緒でありますけれども、そういう技術持ったらそのおっちゃんと一緒にやりたい、プラントができるんならその前の何かいろんな細かい技術を持ってそういう下請的な企業をつくりたい。
 そういう方々に、是非、団長の報告にありましたけれども、現地もそうですが、日本側の受入先、まずは日本の外務省の、あるいはJICAのここに相談したら、そうしたらこういうふうなアドバイスがもらえる、それをベースにして現地とどう接触したらいいかと、そんなことを懇切丁寧に指導できるような受皿、これをしっかりつくってもらいたいということもつくづくと思いましたので、最初にこういうことで、アフリカ大好き人間として、TICADXも近づいておりますので一言申し上げて、できればコメントをいただければ大変有り難い、このように思うわけでございます。
#22
○副大臣(松山政司君) ありがとうございます。山本委員にお答えしたいと存じます。
 TICADXでありますが、まさに官民の連携を模索をしながら、今年は特にこのTICADXにおいてはそのような方向で考えさせていただいておりまして、先般、経団連の企業の方々と官民連携協議会というものを計四回会合をやってきまして、提言を取りまとめました。
 その中で、まさに我々政府の方で道路や鉄道などを整備しながら、併せて資源の採掘権等々を取得していただいて、官民が連携してその国の繁栄とともにまた日本企業の成長に生かしていくというようなことで、どのようなマッチングができるか、またどのようなことが必要なのかということを企業側からも意見を聞くように、今度のTICADXではきめ細かな企画をさせていただいているところでございます。
 平成二十五年度のODA予算におきましては、日本企業の要望の強いインフラ整備、人材育成等の支援六百三十億円を含めて、アフリカ全体に対して九百六十億円という大きな金額を支援を行うことを想定をいたしておりますので、先生の御意見踏まえて、また実施をしていきたいと思います。
 それから、中小企業の方もきめ細かくいろいろな形で想定をいたしておりますが、梅田局長の方からちょっと細かく御説明をさせていただきたいと思います。
#23
○政府参考人(梅田邦夫君) 中小企業に関連をしましては、昨年から外務省はJICAと連携をしまして海外展開を全面的にお手伝いさせていただくということでやらせていただいております。
 例えばということで申し上げれば、アフリカでは、ポリグルという大阪の水の小さな会社がございますが、小田社長がおられますけれども、非常に熱心に事業の展開をしようということで度々アフリカに行っていただいていますけれども、大使館ももう全面的に協力させていただいて、その事業展開をお手伝いをさせていただいております。こういう取組を今世界中でやらせていただいておりますので。
 以上でございます。
#24
○参考人(田中明彦君) JICAとしても、今先生おっしゃっていただいたことを肝に銘じてこれから事業を進めてまいりますが、まさに先生おっしゃったとおり、今アフリカにとって必要なのは日本に求められているというふうに思っております。
 中小企業のことについては、今、梅田局長からもおっしゃられましたけれども、JICAでずっとその中小企業支援、昨年度から本格的にやっておりまして、この四月にJICAで中小企業支援室というものを立ち上げまして、四月一か月だけで国内三十数か所で説明会を開催させていただきました。これは外務省、経産省、ジェトロなどと一緒に連携させてやらせていただいております。これまでのところ千三百か所の中小企業が説明会に参加しております。
 JICAの国内拠点、十五か所国内拠点ありますけれども、今、中小企業の皆様方には、この拠点が中小企業の皆様方の海外進出の窓口であるということで、是非御利用いただきたいという形でやっていきたいと思っております。
#25
○委員長(山谷えり子君) ほかに御意見。
 寺田典城君。
#26
○寺田典城君 ODA関係でもJICAでも機能しているなということは理解してきました。私は三十数年前からインドに特別興味あってというわけじゃないけれども訪れていますが、いろいろなまた、JICAにも訪問したり、いろいろな企業なんかも行ったりしていますけれども、今回特に感銘を受けましたのは、インド工業連盟のグルガオンに行ってまいりました折、チーフアドバイザーの司馬先生、筑波大学の名誉教授の話の中で、こんな話をしておりました。
 グローバル社会の中で生き抜いていくためには、まず世界に出ることが重要であると。それは単に英語ができるようになることではないと。異文化の中でデータ集めや観察、生きていくために知恵を付けるといった訓練こそが必要であり、そうした意味でクロスカルチュラルな教育コース、学校は大切であると。自分は常々金魚鉢の中に飛び込めと言っているが、全く違った文化の中に飛び込ませても、トレーニング次第で少しずつその文化のことが分かり出すことが多いと。こうしたことを日本でも行っていくことが重要ではないかということを言っているんです。
 その後、マルチ・スズキの社長、CEO、現地社長とも二回目なんですが話ししたんですが、要するに、現地生産は何割ですかと聞いたら、今は八〇%を超えていると。私、三年ぐらい前、二年ぐらい前に行ったときは七割ぐらいだったんですけれども、現地の日本人系統の工場もあると。将来はどうなんですかと、日本からもっと輸入はできないですかというような話もしたんですが、そうしたら、全く後は現地生産に進めていきたいと、ほとんど一〇〇%現地生産に持っていって、グローバルな戦いで生き抜いていこうという考え方のようでした。それがほとんどの海外に進出している企業がそのような状況にあるんじゃないか、考え方としては、現地生産を主体にするという。
 私思いますには、日本が製造業が一千五百万人から一千万人になったと。今一番緊急にやる必要あるのは、中小企業の方々を海外にインターンとしてでもいいから出すことが一番大事だ、それによって異文化も分かってつながりもできるという。これが、JICAの人方は、例えば誰かを頼りにすればJICAというバックヤードがあって全て物が進んでいくという。中小企業とかそういうのはないんです。自分たちでどうやって発掘していくかということになるんですね。そうすると、やっぱりあちらに半年でも一年でも住むと、それとのつながりも文化も理解できるし、インドウエーはインドウエーの方法だと。ASEANなんかはこれからますます必要になってくるので。
 それで、私、提言したいのは、今の安倍内閣で第三の矢というのの中で、それこそ海外に、例えば一人二百万円金掛けても、十万人出しても二千億ですから、そのぐらいやっぱり、五十万人の人間、あれですか、二百万円掛けても海外に十年間出せば日本の国は十年間でグローバルな社会に対応できるようになりますよと私は知事時代からよくそういう話しておった男なんで、とにかくそれも含めて、JICA関係もそういう点で少し新しい目で頑張っていただきたいなと、そう思います。
 そういう支援のあれは、ある程度の援助策はあるようなんですが、余りにも規模小さいんじゃないのかなと、そう思います。そんな話をさせていただきました。
 以上でございます。
#27
○参考人(田中明彦君) 今お話、ありがとうございました。
 インドの司馬先生とお話しいただいたということですけど、この司馬先生、大変インドでは有名な方でございまして、誠に、何というんでしょうか、日本の侍魂がここに表れているということを、インド人に常々感銘を与えている先生でいらっしゃいます。
 先生おっしゃったように、中小企業その他が是非外へ出ていっていただきたい、グローバル人材をつくりたいというのは、私も前職が大学の国際担当をやっていた者なんでまさにそのとおりだと思いますが、規模はまだ十分ありませんけど、JICAボランティア、青年海外協力隊で民間連携ボランティアというので中小企業の今お勤めの方にボランティアで行ってもらって、その後また帰ってきて中小企業の中でこれを生かしていただくという制度は今動き出しております。まだ、今のところですと、十八社と派遣合意書というのを締結させていただいて、今十六社と交渉中の企業がございます。ですから、先生の規模からするとまだまだということだと思うんですけれども、努力しておりますということを報告いたします。
#28
○寺田典城君 これから中小企業それから物づくりが生き残るためには、国家のこれは基本政策にすべきだと思うんです。ASEANにはASEANのいろいろな、これから成長するでしょうし、ジャパンウエーだけではやっていけないということがあるわけですから、ひとつそこを補正予算でもいいから付けて、強力に推し進めていただきたいと、そう申し添えさせていただきたいと思います。それが日本の私ははっきり言って発展に、日本の再生にもつながると思います。
 以上でございます。
#29
○委員長(山谷えり子君) 石橋通宏君。
#30
○石橋通宏君 民主党の石橋でございます。
 私も今回、津田委員、そしてまた山本先生と一緒にアフリカ班、参加をさせていただきましたし、昨年はアジア班でアジア、ミャンマー、ラオス、タイにも行かせていただきました。今日、ベトナム班二之湯先生、インド班北川先生からも報告をいただきまして、かなり共通する部分、問題意識というのも感じさせていただきました。
 そこで、いろいろ質問あるんですが、まず第一弾ということで幾つか、後ほどもし時間があればまた機会をいただければと思いますが、最初にベトナム班の二之湯先生に是非伺いたいんですけれども、ベトナムはやはりアジアの中でも今非常に成長を遂げている国だという理解をしております。これまでベトナムにもODA支援をしてきているわけだと思いますけれども、そういう中で、恐らくベトナムに対するODAの支援、ニーズ、そういうものが変わってきつつあるのではないかなと。かつては、やはり非常に貧困対策や、そういう農業をやっておられる皆さんへの支援が中心であった。それが、だんだんだんだんと都市部への移動とか、一次産業から二次産業、三次産業への移動とか、そういう変化がまさに起こっている中で、ODAに対するニーズというのも変わってきているのではないかなというふうなことを思ったりするんですが。
 今日も話がありましたアフリカの今後の発展等々を考える上でも、このアジアの国々のそういう変化の中でどうODAのニーズが変わってくるのかということも非常に参考になるのではないかと思うんですが、その辺、今回の調査でもしお感じになった点があれば是非お伺いをしたいと思います。それが一点目です。
 二点目は、インド班で北川先生から御報告をいただきました。報告の中に大変重要な御指摘がありまして、最初に、過去のODA調査の中で、インフラ整備ばかりでなくソフト面の援助の重視が必要であるということで、今回、調査の中でその点意識をされたということで、ただ、結論部分を読ませていただきますと、インフラ整備がODA事業の大部分を占めているという結論が書かれております。
 ということから考えますと、どうなんでしょう、これまでの参議院のODA視察団の中で、やはりインドに対してもよりソフト面での支援というのを強化すべきであるという提言があったのだけれども、現状ではやはり大部分がインフラ整備、インフラ支援というところに集中があるということだとすると、なかなかこれまでの過去のODA調査団の提言というものが実際はなかなかまだ反映できていないのかなという印象も持ったりするんですが、その点について補足的に何かお感じになったところがあれば是非お聞かせをいただきたいというのが二点目であります。
 三点目は、これは私どもアフリカ班の報告の中でとりわけ加えさせていただきましたけれども、ODA事業、そしてまたJICAの事業のより透明性、そしてまた説明責任を是非確保していただきたいと。これは、直接的にはモザンビークのプロサバンナ事業で、今回たまたま我々が現地へ行く前に我々もこの案件について知ることができまして、たまたま現地からUNACの関係者が我々が行く前に日本においでになって、山本先生も含めてお会いをさせていただいたこともありまして、現地でもお話を聞く機会をいただきました。
 そういう意味ではちょうどタイミングが良かったわけですけれども、改めて今回、関係者に聞かせていただいて、残念ながら、もう既に三年ぐらい前から始まっている事業について、当事者たる現地の裨益者の方々が説明を受けていなかったり、何が目的なのか分からなかったり、一体自分たちがどうなるのか分からなかったりと、そういう状況を私たちも切々と聞かせていただきました。
 この意味で、これはあくまでモザンビークの一例ということではなくて、広くODA事業、JICA事業全般にかかわってくる話なのではないかなと。ということは、この間随分と御努力もいただいているとは思いますが、まだまだこの部分で足らない部分があるのではないかなということも私たちも実感をしてきたわけですが、この点について、是非外務省なりJICAから取組について御説明をいただければと思います。
 最後、もう一点だけ、援助協調についてです。
 これも、私ども、タンザニア、モザンビークそれぞれで援助協調の実際、見せていただいたわけですが、タンザニア、モザンビークだけ取っても援助協調のレベルが違いますし、日本のコミットも違います。しかし、タンザニアは援助協調では模範国として言われているようですが、残念ながら、日本からの援助協調に対する資金援助のところが一部止まっている状況にあるというお話も伺ったりもしました。そういうことから考えて、この援助協調に対する外務省の取組、姿勢というか、これもっとやはり強力に進めていくべきだと。
 ほかの国際機関、そしてドナー国、やはり一致団結して協力してより効果的なODAを実施していくべきだというふうに我々はあの報告書の中には加えさせていただきましたが、そういう思いが外務省としてもあっているのかどうか、今後協力してやっていただくことができるのかどうか、その点について是非御説明をいただければというふうに思います。
 以上です。
#31
○二之湯智君 私の感想を申し上げたいと思います。
 ベトナムは、日本は今最大の投資国でありますし、さらにまた、貿易国で、貿易の額では中国に次いで第二位ということですね。そして、ODAは最大のドナー国と、こういうことでございます。
 しかし、このベトナムも、発展途上国からいわゆる中所得国への転換を図っていくということにおいては、世界各国からの投資を導入しなきゃならぬ。そのためには、やはり投資国が安心できるような法の整備、あるいは人材の育成、さらには、これはODAと関係するわけでございますけれども、インフラの整備に特に力を入れていきたいと、こういうことでございますから、いわゆるベトナムのこれからの経済発展に応じた日本の援助というものを考えていくべきだと、このように思うわけでございます。
 しかし、私も、僅かな短い期間でございましたけれども、このベトナムのODAの事業は非常に現地からも感謝されておりますし、そして対日感情もいいと。こういうことで、これから日本とベトナムの関係は更にもっと緊密なものにしていく必要があるんじゃないかという印象を持ちました。
#32
○北川イッセイ君 インドのODAを調査した感想なんですが、報告申し上げましたとおり、インドが今現在一番求めているもの、これは交通網の整備ですとか、やっぱりインフラ関係が多いんですね。円借款をして、そしてそれで、特にデリーですとかムンバイですとか、非常に人口集中しておる、そういうようなことの混乱を何とかこれ解消せないかぬということで、円借款によるインフラ整備ということがやはり第一義的に求めておると、こういうようには思います。
 しかし、そんな中にあって、我々非常に感動したのは、先ほどもお話ありましたが、製造業の経営幹部育成支援プロジェクト、これは司馬正次先生が指導されて、インドにおける事業経営の在り方、それから仕事の進め方、そういうようなことを一つの学校みたいな形でつくって、そこで一生懸命教えておられるわけです。そして、そこを卒業した人が、私行ったところはSona Koyoという、日本の光洋の子会社みたいなものですけど、そこへ行ったんですが、それで非常に実績を上げておられるというので、司馬先生のこの実績というのは非常に地に着いて広がっていっておるという実感を受けました。
 まあそういうインフラ整備とか、そういうことも大事ですけれども、やはりこの日本の企業の経営の在り方、あるいはその仕事の進め方、そういうようなことを徐々に浸透させていくということも日本を理解してもらう上で非常に大事かなというような思いがしました。
 それから、地下鉄工事の中で阿部玲子さんという方がおられて、これはまあ日本でもそうですけど、女性が地下鉄の工事に入るというのはこれは昔は全く考えられなかったということなんですが、この方がそこへ入って男性の作業員を指導して、時間の大切さ、工事の納期の重要性、そういうようなものをぴしっと教えて、朝何時から始めて、どういうように仕事を進めてというような、そういうようなことを指導しておられるというようなこともありました。
 それから、ネルー大学で青年海外協力隊の方が日本語を教えておられるわけですね。その中で、日本語の教え方も非常に感動的でして、言葉を教えるというだけではなしに、そこでいろんなことのディスカッションをされるわけですね。そのときに、我々行ったときの授業のテーマというのが非常に面白くて、賄賂について皆さんどう思いますかというようなディスカッションをされているんですね。あなたは大きくなって仕事をしたら、あなたは賄賂を取りますかとか、こういうような、なぜそういうような賄賂が横行するんですかとか、そういうディスカッションをずっと進める中で日本語を教えていくというようなことをしておられました。
 これは本当にすばらしいなというような思いがしまして、やっぱり、もちろん、ああいう未開の国で人口の大変多い、また混乱した国ですから、そういうインフラ整備というのは第一義的に求められるかもしれませんけれども、しかし、それと同時に、やっぱり我々の日本の心をちゃんと教えていくという、そういうことも非常に大事なんだなというような思いがしました。
 もう一つちょっと追加しますと、ネルー大学のときに、日本の文化を研究している方が、先生方が随分おられまして、その方々の要望なんですが、これは外務省にちょっと聞いておいてほしいんですが、日本へしょっちゅう行きはるわけですよ、日本の研究されているわけですから。そのときにビザをいつも取り直さないかぬという、そういうことを非常に困っておられました。私、この文書の報告の中で、マルチビザについての話合いをしたと書いておりますけれども、これは実はそういうことで、少し長期間のビザを一回取ったら、それで何回でも日本へ渡航できるというような形にしてもらえないだろうかという要望がありました。それも一つ付け加えさせていただきます。
 以上です。
#33
○政府参考人(梅田邦夫君) まず、石橋先生の御質問にお答えさせていただきます。
 プロサバンナでございますが、先生御指摘のとおり、恐らく現地の大使館、それからJICAの方で、これはモザンビーク政府もそうだと思いますが、足らなかった部分があるというのは、これは反省せざるを得ないと思います。この件につきましては、私自身モザンビークの農業大臣が、あれ三月の末か四月の初めのころだったと思いますが、来られたときにお会いして、その地域は小農の方が本当にたくさんおられるので、その方々の生活をどうするのかということをきちっとやはり我々プロジェクトを進める立場のある者としては説明する必要があるんだと。だから、それはモザンビーク政府もよろしくお願いしますよというようなことは申し上げました。現地にも改めて橋本大使を始め、そこの点については従来以上に配慮するようにということも伝えてございます。五月の末にまたUNACの代表の方が来られると聞いておりますので、東京においても担当の課長の方からきちっと御説明をさせたいと思います。
 それから、援助協調についてでございますが、これは援助のリソースが非常にやっぱり限定されている中で援助の効果を最大化するためには、やはり各国が得意な分野をそれぞれ分担し合うというのは非常に大切なことだと思っております。
 そういう観点から、今外務省の方では、たしか、ちょっと私の記憶が正しければ、十人ですね、十か国について援助調整の担当という者を特に任命をして、その国における、各国、それから各国際機関との援助調整を強力に進めるようにということを指示を出しております。
 これは、国によりまして相当やっぱりその援助国間の連携というものは濃いところもあればそれほど濃くないところもありますので、その国の国に応じてやらせていただきたいと思います。やらにゃいかぬところにつきましては、きちっとやらせていただきます。
 それから、今の最後のインドのマルチビザの件でございますが、御指摘は我々いただいたことを確認をさせていただきました。それで、一定の条件を満たす文化人、それから知識人、ビジネスマンの方にはマルチのビザを出させていただいておるということで、特に学者の方につきましては、相当業績がもう既に上げられている方であるとか、それから大学の講師以上の職にあられる方であるとか、それからあと国立、公立の研究所等のしかるべきポジションにある方にはマルチビザが出ておりますので、当該の方につきましてもちょっと我々改めてきちっと確認をいたします。
 以上でございます。
#34
○参考人(田中明彦君) 今、梅田局長からモザンビークについてお話ありましたけれども、JICAといたしましても是非透明性を高めてまいりたいと思います。私、理事長になってから、この件、個人的にも非常に関心を持ってずっと見てまいりまして、やはりもっともっと小農の方を配慮した形の取組が必要だというふうに思ってまいりまして、先生方がお出かけになるちょっと前に私もモザンビーク参りまして、それで農業大臣、それから首相その他お目に掛かった際にも、JICA、日本として見てもプロサバンナ事業は非常に大事なので、政府関係者としても、国内の農民団体の皆さんと是非よく協調していただく、相談していただくということが大事だということを申し上げました。それと同時に、モザンビークのJICA事務所の職員に対しても、強く市民社会の皆さんとの連絡を密接に取るようにというふうに指示しておるところでございます。
 それから、援助協調に関して一点だけ。モザンビークの件でいいますと、農業開発に関連しましてG8の昨年から始めましたニューアライアンスというのがございまして、この中で橋本大使がモザンビークについての農業開発をG8としてどうするかということの共同議長をされておるということでございます。
 それから最後に、円借款のケースで、一般的にでございますけれども、JICAとしましてはインフラで円借款をどんどんやるというのはもう当然なんですが、これにできる限り、新しいJICAとなって技術協力ができるということになっていますから、円借款としてインフラをやる場合でも、そこに日本らしい技術の精神が伝わるという形でやっていくというのが大事だと思っておりますので、そのような方針でやっているということを申し述べたいというふうに思います。
#35
○委員長(山谷えり子君) ほかに。
 石川博崇君。
#36
○石川博崇君 公明党の石川博崇でございます。
 この度はインド班として一員として派遣させていただいたことに感謝を申し上げたいというふうに思います。初めて参議院のODA調査派遣に参加させていただいた観点から、質問ではなく御提言として、委員の先生方そして理事の方々に、今後の派遣で、もし検討が可能であればしていただければという観点から幾つかお話をさせていただきたいと思います。
 先ほども少し話が出ましたが、今回インド派遣させていただいたのは、参議院のODA調査派遣としては三回目になります。私どもとしては、たまたまでございますが、今回の派遣委員の中に共産党の大門先生が前回もインドに派遣されていたということもありまして、前回の派遣の状況がどうであったのか、そのときの提案がどうであったのか、そのことを踏まえた調査ができたというふうに思っておりますが、これを是非今後も様々な、毎年行われるのであれば、過去にどういう調査を行ったか、それを踏まえた調査にしていくことが継続性という考え方から重要なのではないかというふうに思っております。
 そして、もう一点は、この調査派遣を行い、こういう形で報告をしているわけでございますが、報告、言いっ放しであっては意味がないというふうに思っております。是非これは理事の先生方及び委員長で御検討いただければと思うんですが、この出した報告を政府としてどのように受け止め、そして今後のODA政策にどのように反映をしていく、いったのか、そういうことをODA特別委員会として報告を、書面でも結構かと思いますが、求めてはどうかというふうに思っております。
 そしてもう一点でございますが、今回、実はインドに派遣させていただいた中である浄水場施設に行かせていただいたときに、実は現地の政治事情によりましてODAの案件が一年以上遅れているという案件がございました。その現場に行かせていただいて、私どもが、そうしたODAの案件が遅れているということは非常に遺憾であるというメッセージを発出させていただいたことは、やっぱり国民の代表である参議院のODA調査派遣団が現地に行き、そして現地の政治事情がある中で遅れていることに対するメッセージを発するということは非常に重要であろうかというふうに思っております。
 世界中、私も外務省で働かせていただいておりましたが、やっぱりODAの案件執行は様々、相手があることですから、問題が発生している場合も多々ございます。そういう意味で、やはりこのODA調査派遣というものをより戦略的に使う意味でも、ODAの案件をそれぞれ効率的に執行していく上でも、この調査派遣というものを有効に活用する必要があるんではないかというふうに思います。そういう意味で、今後、案件の選定、視察先の選定に当たっては、そうした意味も加味した選定を行っていっていただいてはいかがかと思っております。
 以上、三点御提案を申し上げます。ありがとうございました。
#37
○中村博彦君 ちょっと関連して。
#38
○委員長(山谷えり子君) 中村博彦君。
#39
○中村博彦君 今お話がございましたように、私も与党としての理事を務めさせていただいておりました関係上、三班の皆さんには大変な御足労を掛けたなと。といいますのは、やはり時期的な問題で、当初一週間とかそれから八日だとか、これだけ有意義なこの調査が、当初の計画からいえば国も縮小されたでしょうし日時も縮小しておるわけですから、これは本当に時期的な、二月、三月のこの時期的な問題は各政党、是非考え直して、もう少し時間を持った形で、それからなお、当たっておった、失礼な言い方ですけれども、当たっておった政党の方も、この時期は行けないということで御辞退せざるを得ないような事態にもなってございますので、これはまた柳澤さん、これ時期的な問題で、本当にちゃんと、もう一度、これだけの大切なものですから、もう少しじっくりとしなくちゃいけないなと。
 時期の問題、期間の問題ですね、これは……(発言する者あり)そのとおりでしょう。そういうことでございますので、それをちょっと提案させてもらいたいと。
#40
○委員長(山谷えり子君) 後刻理事会において協議をしっかりとしてまいりたいというふうに思います。
 ほかには。もしあれでしたら、四十分までを予定しておりますが、石橋委員、山本委員、もし短めにあるならば。
 はい、じゃ、山本順三君。
#41
○山本順三君 一分でいきましょう。三つだけ申し上げます。
 一つは、津田団長は非常に優しかったんでありますが、大使館の位置付け、先進国の大使館とそれからアフリカ諸国、後進国と言ったらいいんでしょうか、その位置付けが余りにも格差があり過ぎるんではないだろうか。仕事量はこういうアフリカとかそういう大使館が一番多いのであります。そのことをしっかりと理解していただいて、大使館のステータスの向上、このことをしっかり考えてもらいたい。
 もう一つは、昔は日の丸が見えているかどうかというのをよく議題にされたんですね、ODAの場合には。ところが、最近はそうじゃなくなってきた。それは、現地にとってプラスになったら我が日本もプラスじゃないかという例のウイン・ウインの関係、これが具体化していったら、別に日の丸が見えようが見えまいがそんなことばっかりに意識を用いる必要はないんだろうと、このように思いますから、そういう観点で頑張っていきましょう。
 最後に、もう一点だけ。
 アフリカは、先ほど申し上げたとおり劇的に変わってくる。資源がお金に変わる、お金が変わったら、その次にはちょっとした内乱が起こるかも分からないなという、実はそんな不安すら感じました。したがって、これから、政治の在り方であったり行政手続であったり、そういうレベルでの意見交換もしっかりしてあげることが、非常に国を興していくという意味では大事だなと思いましたので、一言付け加えさせていただきます。
 以上です。
#42
○委員長(山谷えり子君) 石橋通宏君。
#43
○石橋通宏君 済みません、じゃ、一分三十秒で。
 一点だけ、NGOとの連携強化の点で、これ私、アフリカ班にも加えさせていただきましたが、第三班、インド班にもそのことが文言として入っております。
 この三年間でNGO連携かなり進んで、財政的な支援、そして連携の在り方、質的にも量的にも拡大をしてきたというのは、これは認められるところだと思いますが、それでも、元々が結構低かったところから来ているので、随分進んできたんだけれども、やっぱり欧米諸国から比べると、まだまだ連携の質的、量的な在り方というのは今後もっともっと拡大をしていくべきだと、そういうふうに私たち強く思っております。是非この点について、今後の更なる拡大、質的、量的拡大について御決意を伺えたらと思いますので、よろしくお願いいたします。
#44
○副大臣(松山政司君) 山本委員の、まず在外公館の体制の在り方でありますけれども、私も二度ほどアフリカを訪問して、数か国、大使館の方もお邪魔をしました。エチオピアを始め数か国回りましたが、確かに、非常に大使館、仕事場も古いし狭いし、人員も非常に厳しいという状況を目の当たりにしてきました。
 現在、平成二十二年度から三年から五年をかけて百名をめどに、アフリカを含む体制強化が必要な新興国、資源国、新設公館に再配置を行うこととしていまして、平成二十四年度までには計四十八ポスト、再配置を実施済みということでございます。平成二十六年度までに約百名再配置を実現しつつ、効果的かつ効率的な人員配置を目指していきたいと思っております。
 それから、NGOに対する支援強化でございますけれども、顔の見えるまさに援助ということで、不可欠なパートナーとして重視をいたしております。これまで、NGOと定期的な協議を重ねて連携を強化はいたしております。外務省として、現在は、まず資金協力、また能力向上に関する支援、そしてNGOとの十分な対話というこの三つの柱を基軸として連携支援をしておりますが、更なる強化に向けて積極的に頑張っていきたいと思いますので、またよろしく引き続き御指導をお願いしたいと思います。
#45
○参考人(田中明彦君) アフリカにおける体制支援は、大使館に加えてJICAもちゃんとしっかりさせなければいけないというふうに承りました。
 平成二十年と比べますと、事務所の数が十八から二十六にするとか、職員の数、百十八から百四十三にするとか努力はしてまいりましたけれども、私も、アフリカは昨年、この一年間で十一か国回って各事務所を見てまいりまして、やっぱりこれはなかなか足りないというふうに思っております。
 ですから、何とかやりくりしてもっと増やしたいというふうに思っておりますけれども、それに加えて、日本人職員だけでなくてナショナルスタッフにも頑張ってもらうというようなことで効果を上げていきたいというふうに思っております。
 それから、NGOとの連携はJICAとしても非常に大事なことだと思っておりまして、JICAとNGOとの連携協議会、今、年に四回ほど開催して、そのうち一回は地方のNGOの方の便宜を図って地方でやって、テレビ会議でやるとかやっておりますが、私もできる限りこれに出て、自分でそのNGOの皆さんと具体的な話をしたいというふうに思って心掛けておるつもりであります。
#46
○委員長(山谷えり子君) それでは、予定の時間が参りましたので、これをもちまして意見交換を終了いたします。
 本日は、限られた時間でありましたが、派遣団に参加された方々から貴重な御意見をいただくとともに、本委員会として大変有意義な意見交換を行っていただきまして、誠にありがとうございました。
 本日の調査はこの程度にとどめます。
    ─────────────
#47
○委員長(山谷えり子君) 次に、参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 政府開発援助等に関する調査のため、来る六月三日に、参考人として世界銀行グループ総裁ジム・ヨン・キム君の出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#48
○委員長(山谷えり子君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後二時四十一分散会
ソース: 国立国会図書館
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