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2013/05/16 第183回国会 参議院 参議院会議録情報 第183回国会 環境委員会 第5号
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2013/05/16 第183回国会 参議院

参議院会議録情報 第183回国会 環境委員会 第5号

#1
第183回国会 環境委員会 第5号
平成二十五年五月十六日(木曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員長の異動
 五月十五日北川イッセイ君を議院において委員
 長に選任した。
    ─────────────
   委員の異動
 五月十四日
    辞任         補欠選任
     有田 芳生君     長浜 博行君
     大河原雅子君     谷  博之君
     田城  郁君     徳永 久志君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長        北川イッセイ君
    理 事
                西村まさみ君
                松井 孝治君
                中川 雅治君
                中原 八一君
    委 員
                小見山幸治君
                谷  博之君
            ツルネン マルテイ君
                徳永 久志君
                長浜 博行君
                青木 一彦君
                川口 順子君
                鈴木 政二君
                谷川 秀善君
                森 まさこ君
                加藤 修一君
                水野 賢一君
                市田 忠義君
                平山  誠君
   衆議院議員
       修正案提出者   北川 知克君
       修正案提出者   篠原  孝君
       修正案提出者   河野 正美君
   国務大臣
       環境大臣     石原 伸晃君
   副大臣
       環境副大臣    田中 和徳君
   大臣政務官
       経済産業大臣政
       務官       佐藤ゆかり君
       環境大臣政務官  齋藤  健君
       環境大臣政務官  秋野 公造君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        山下 孝久君
   政府参考人
       内閣府大臣官房
       審議官      中野  節君
       資源エネルギー
       庁省エネルギー
       ・新エネルギー
       部長       新原 浩朗君
       資源エネルギー
       庁資源・燃料部
       長        安藤 久佳君
       資源エネルギー
       庁電力・ガス事
       業部長      糟谷 敏秀君
       環境大臣官房審
       議官       平岡 英治君
       環境省総合環境
       政策局長     白石 順一君
       環境省地球環境
       局長       関 荘一郎君
       環境省水・大気
       環境局長     小林 正明君
       環境省自然環境
       局長       伊藤 哲夫君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○地球温暖化対策の推進に関する法律の一部を改
 正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
    ─────────────
#2
○委員長(北川イッセイ君) ただいまから環境委員会を開会いたします。
 議事に先立ちまして、一言御挨拶を申し上げます。
 昨日の本会議におきまして環境委員長に選任されました北川イッセイでございます。
 公正かつ円満な委員会運営に努めてまいりたいと存じますので、委員の皆様方には御指導、御協力のほどを賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。(拍手)
    ─────────────
#3
○委員長(北川イッセイ君) 委員の異動について御報告いたします。
 去る十四日、田城郁君、有田芳生君及び大河原雅子君が委員を辞任され、その補欠として徳永久志君、長浜博行君及び谷博之君が選任されました。
    ─────────────
#4
○委員長(北川イッセイ君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 地球温暖化対策の推進に関する法律の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、内閣府大臣官房審議官中野節君外八名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#5
○委員長(北川イッセイ君) 異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#6
○委員長(北川イッセイ君) 地球温暖化対策の推進に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#7
○長浜博行君 質問の機会を与えていただきました同僚議員に感謝を申し上げます。
 今朝ちょうどテレビを見ておりましたら、北極海の光景が出ておりました。別に温対法の質疑と直結するわけではないんですが、例のあの氷が解けてしまって海洋面積が広がったという状況の中で船舶の航行が可能になって、日本も北極の様々な資源開発の中に参加するということでありますけれども、韓国もそういう状況になってきた、そういう番組だったんですが、ニュースだったんですが、なるほどなと。北極海の中においてもこういう影響ができて、今日は温対法の質疑の中においても、これは環境問題だけではなくて、経済産業あるいは外交とも十分関係をしてくる分野だなというふうに思ったり、出がけに今度は天気予報を見ておりましたら、気象病というような話が出ていて、これは何か気圧が変わると、女性の方三人ぐらい出ておりましたけれども、頭痛がするとかいらいらするとか夫婦げんかが増えるとか、何かそういう話を天気予報のコーナーでもされていましたので、異常気象が人間の健康等に及ぼす影響というのも非常に大きいんだなということを、この地球温暖化問題を考えるときにかなり大きなテーマだなということを感じたのが実感でございます。
 この改正案、二〇一二年末で京都議定書の第一約束期間が終了したという状況の中で、二〇一三年以降、じゃどうするんだということで、後ほど申し上げますけれども、気候変動枠組条約に基づいてのCOP等で議論が続けられているわけでありますけれども、この一三年以降の問題に関しても、気候変動枠組条約の下での、二〇一〇年だったでしょうか、COP16ですね、このカンクン合意に基づいて引き続き温暖化対策に取り組むために法的根拠がなくなってしまうだろうということに基づいての、今回改正をしなければいけないという状況になっているんだというふうに思います。もちろん、NF3が寄与ガスとして追加されるとか、こういうことも入っておりますが、基本的には、この京都議定書に絡むところの国内的な法的整備ということでとらえてよろしいのかどうか、環境省に伺いたいというふうに思います。
#8
○政府参考人(関荘一郎君) 先生御指摘のとおり、今回御提案させていただきました改正は、二〇一三年度以降におきましても我が国が法に基づいて温暖化対策計画を策定し、対策を進めるために必要なものを御提案させていただいたものでございます。
#9
○長浜博行君 そして、ちょうどゴールデンウイーク明けだったでしょうか、これもアメリカの海洋大気局でハワイにマウナロア観測所があるわけでありますけれども、これはもう標高三千四百メートルぐらいにある観測所で、人為的影響を受けないということで大体世界の中でも認知をされている観測所でありますし、私と同い年というか、私の生まれたときから観測を続けておるところでありますので、しかし驚いたことが、そのニュースは、初めて四〇〇ppmを、二酸化炭素の平均濃度ですね、これを超えたということで、最高値の記録の発表があったわけでございます。
 御承知のように、恒常的にこの四〇〇ppmを超えるという状況になりますと、地球規模の温暖化が起きた五百万年から三百万年前という、当然これはもうはるか昔のことでありますけれども、その以来ということになってくるような、この問題に関心がある人にとっては大変ビッグニュースだったわけであります。
 こういった、大気中の二酸化炭素の濃度が上昇していると、なかなかふだん生活している中においてはぴんとこないんですが、五百万年とか三百万年のスパンで物事を考えたときに今どういう位置付けにあるかということも含めて、このニュースに関しては環境省はどう認識されておられるでしょうか。
#10
○政府参考人(関荘一郎君) 五月の九日に、先生御指摘のとおり、米国の海洋大気局が、ハワイのマウナロア山の山中にございます、三千四百メートルほどの標高でございますけれども、その観測所で初めて四〇〇ppm、CO2の濃度が超過したということを発表してございます。これも先生御指摘のとおり、ここは世界で最も古くから、一九五八年から観測を始めておりまして、周辺に大規模な二酸化炭素の排出源がないということで、地球全体の平均的な濃度を観測するのに適しているというものでございます。
 この中で、この海洋大気局の発表の中でございますけれども、工業化以降、極めてハイスピードでCO2の濃度が上昇しており、これはかつて濃度が高くなったときのスピードに比べて百倍以上であるというふうなことも発表の中に書かれております。
 翻って、我が国の観測の状況を見ますと、我が国は全国の幾つかのところで気象庁、環境省で観測を行っておりますけれども、一昨年末より複数の日で既に四〇〇ppmを超えておりまして、これは周辺に発生源がある等々の違いがございますけれども、いずれにしましても、二酸化炭素の濃度というのは年々上昇して、確実に上昇しているのが事実でございます。
 今後とも、地球温暖化対策として、これを受けまして、温暖化を可能な限り防ぐために温室効果ガスの排出を抑制いたしますいわゆる緩和策と、既にいろんな影響が出ておる懸念がありますので、この温暖化した社会に対応するための適応策、この両者を着実に進めていくことが必要であると、このように考えております。
#11
○長浜博行君 そこで、気候変動に関する政府間パネルで、直近のは二〇〇七年ですが、二〇〇七年に第四次の評価報告書が公表されて、地球温暖化が人為起源の温室効果ガスの増加によってもたらされた可能性が非常に高いと、基本的にはこういう認識に立っているわけですね。一部の学者の皆様方においても、まだやはりCO2の排出と地球温暖化との関連性について疑問を呈される方もおられますが、基本的には科学者の集団であるところのこのIPCCのパネル、IPCCによってなされた議論によって、世界各国はCO2と地球温暖化との関係を自分の国の責任の中において果たせるものは果たしていくと。多分この大きな転換点が第四次評価報告書にもあったんだというふうに思っています。
 このCO2の大気中の濃度を見てみますと、先ほどハワイの観測所の話をしましたけれども、産業革命以前には二八〇ppm程度だったものが、現在という、さっき申し上げた二〇〇七年の時点での三八〇ppm程度にまで増加をして、このCO2の大きな問題というのは、人為的排出量が自然の吸収量の倍になっちゃっているという、この時点ででもですね、というところだというふうに思うんです。
 自然の吸収量というのがパー・イヤーで三十一億炭素トン、これは二〇〇〇年から二〇〇五年の平均でありますけれども、それに対して人為的排出量が二〇〇〇年から二〇〇五年でパー・イヤー七十二億炭素トンという状況でありまして、工業化以前二八〇ppmから現在の三八〇、現在というのは、もう繰り返しませんが、二〇〇七年時点での、報告を出された時点における一九九五年から二〇〇五年の平均で年一・九ppmという増加がずっと続いているわけであります。
 このAR4においても、僅かな気温上昇でも地球温暖化の悪影響が生ずる国とか地域、これはよくテレビ等で報じられる太平洋の国々なんかもそうでありますが、気温の上昇が約二から三度以上である場合には、全ての地域は正味の便益の減少か正味のコストの増加のいずれかを被る可能性が非常に高いということがこの第二作業部会の報告で出されているわけであります。
 そのために、地球温暖化によるところの影響を最小にするために早急に地球全体の温室効果ガス排出量を大幅に削減するということが、もうこの時点からその濃度の安定化が叫ばれていたわけでありますが、現状は、先ほど御報告をしたとおりに四四〇という数字が出てきているような状況です。
 このAR4の気温上昇を仮に二から二・四度程度に抑えていくとすると、大気中の温室効果ガス濃度を四四五から四九〇程度で安定化させる必要もありますので、そのために二〇五〇年に世界全体の温室ガス排出量を少なくとも五〇%削減させることが必要と、こういうことになってきたわけであります。これは私が過日の本会議のときに代表質問で安倍総理に御質問をした部分とかぶるわけでありますが、二〇〇七年というこの年は、安倍総理が美しい星へのいざないというのを出されたときでもあります。
 二〇五〇年に世界全体の温室効果ガス排出量を少なくとも五〇%削減、こういうことで、各国の施政者と言ったらいいんでしょうか、政治的リーダーにも影響を与えているこのIPCCの作業部会の報告になっているわけでありますけれども、それでは、先ほど二〇〇七年と申し上げましたとおり、じゃ、AR5はいつ出てくるのかということが当面の大きな関心事でもありますし、それに対して我が国が、この国際的な議論をリードしていく立場にある我が国としてはどういう貢献ができるのか、寄与ができるのか。これ、二〇一四年の十月、デンマークでの第四十回総会で承認される予定となっているはずでございますが、AR5の見通しについてもお聞かせをいただきたいというふうに思います。
#12
○政府参考人(関荘一郎君) 現在、IPCCは第五次報告書、AR5の取りまとめを行っているところでございまして、この評価報告書というのは三つのパートに分かれておりまして、第一作業部会というものがその科学的知見、今後の温室効果ガスと地球の気温等々、こういう科学的知見を取りまとめるものでございまして、これにつきましては今年の九月にストックホルムで総会を開催して取りまとめる予定になっております。また、第二作業部会につきまして、これは影響や適応についての分野を取りまとめるものでございますけど、来年の三月に横浜で総会を開催いたしまして取りまとめると。さらに、第三作業部会、これは緩和対策についてでございますけど、これは来年の四月にドイツ、都市は決まっておりませんけれど、ドイツにおいて総会を開催し、取りまとめると。全ての三つの分野を統合いたしました報告書を今先生御指摘のとおり来年の十月にデンマークにおいて取りまとめると、このような予定になっております。
 我が国といたしましては、第五次報告書の作成の活動に参加する日本の科学者を支援するとともに、先ほど申し上げましたように、第二作業部会の総会開催、横浜でございますので、これを支援することを通じまして、世界の温暖化対策のこの分野における科学的知見の取りまとめに貢献してまいりたいと、このように考えております。
#13
○長浜博行君 そこのAR5の横浜に行く過程の中における、環境省あるいは日本政府全体としての知見とか、技術的にも貢献できる分野というのが様々あると思いますので、そこの部分に関してはしっかりお願いをしたいと思います。
 先ほどの二〇〇七年の数字とそれからこの連休明けの数字との問題を認識をしながら、現状、仮に我が国に限定をして、といっても我が国自体が海に囲まれている国でありますから必ずしも国土に対する影響だけとは限りませんけれども、現状、これだけの高濃度のCO2の状況の中において、我が国への気候変動の影響はどのように認識をされておられますか。
#14
○政府参考人(関荘一郎君) 我が国の気候変動の影響につきましては、今年の四月に、文部科学省、気象庁、環境省におきまして気候変動の観測・予測及び影響評価統合レポートというものを取りまとめ、公表させていただきました。
 この報告書によりますと、既に生物の分布の変化なども観測されております。また、今後の予測といたしまして、世界平均を上回る気温の上昇、大雨や洪水の発生確率の増加、サンゴ礁の消滅等の危険性が予測されているところでございます。
#15
○長浜博行君 そのサンゴ礁の消滅、確かに、私もサンゴ礁、日本のサンゴ礁ですね、拝見をしたことがあるんですが、何というんでしょうね、白色化しちゃっているというか、もうサンゴ礁としての生命を維持できない。こういう状況に関して、特にサンゴ礁という問題に関して言うならば、環境省としては、その保全あるいは回復に何か具体的なことをされておられますでしょうか。局長の担当のところではないと思いますが。
#16
○政府参考人(関荘一郎君) 主にサンゴ礁が白化するというのは、海水の水温が温暖化の影響で徐々に増加してきておりまして、生息環境が違ってきているということで、一方で、そのサンゴ礁が北上するということと、既に沖縄等で、サンゴ礁が豊富な地域におきましては水温上昇にサンゴが適応できないということで白化して死滅すると、こういう現象でございます。
 環境省は、自然保護の観点から、サンゴの保全というのも極めて重要であるという考えを持っておりまして、必要な調査等を行っているところでございます。
#17
○長浜博行君 地球温暖化問題、これに対処するために、一九九二年に御承知のようにリオデジャネイロにおいて地球サミット、環境と開発に関する国連会議が開かれて、国際的な取組のスタートを切られたわけであります。生物多様性もそうでありますし、それから地球の砂漠化防止もそうでありますので、この一九九二年というのは大変重要な年でもありまして、すなわち昨年がリオ・プラス20ということで、この環境問題に携わっている人間にとってはこれも一つのエポックの年であったというふうにも思っております。
 気候変動に関する国際連合の枠組条約、この採択によってその後の展開になっていくわけであります。この肝は、気候系に対して危険な人為的干渉、人為的干渉は危険というふうにとらえているわけでありますが、を及ぼすことがならない水準において大気中の温室効果ガスの濃度を安定化させるということを究極の目的としたわけでございます。
 そして、その後の国際交渉の中において度々登場してくる、共通だが差異のある責任ということがベースとなって、先進国、途上国がそれぞれのレベルの異なる地球温暖化対策を講ずることとしていたわけであります。この共通だが差異のある責任というのを日本政府はどのように認識をしておられるでしょうか。
#18
○政府参考人(関荘一郎君) 気候変動枠組条約の原則に明記されております共通だが差異のある責任というものは、まず、全ての国が温室効果ガスを排出しているという意味で共通の責任があると。ただ、開発途上国の温室効果ガスの排出量、これは当時でございますけれども、少ないこと、産業革命以降、条約制定時までの温室効果ガスの排出の大部分は先進国によるものであったこと、こういうことなどから、各国は地球温暖化に対応する責任を共通に有しておりますけれども、その責任の程度においては国によって、先進国と途上国でございますけれども、差異があるというふうな考えであると、このように認識しております。
#19
○長浜博行君 そして、この時点においてですが、温室効果ガスの削減については努力目標ということで、数値化された約束を持つ議定書の策定が課題となっていたわけであります。それで、この条約を具体化して、先進国の温室効果ガス排出量について法的拘束力のある各国ごとの数値目標を設定した、これが気候変動に関する国際連合枠組条約の京都議定書につながっていって、九七年採択ということになっていくわけであります。
 先ほど来申し上げているとおり、この法案、今日議論しておりますこの法案というのが京都議定書の第一約束期間終了という状況の中においての議論でありますので、この議定書が二〇〇八年から一二年までのこの第一約束期間において、先進国全体で基準年、これは原則一九九〇年を設定しておりますけれども、少なくても五%の温室効果ガス排出削減、日本の国では削減目標六%と、こういうふうになっているわけでございます。
 この過程の中においても、大変、私も拝見をしましたが、「不都合な真実」、アル・ゴア副大統領、アメリカの副大統領も熱心に取り組まれていたわけでありますが、結果、米国は議定書から離脱をし、果たして実効性があるのだろうかと言われつつ、五年間の約束期間が早いものであっという間に過ぎ去ったわけでございます。
 御承知のように、二〇一一年、日本は大きな震災に見舞われ、原子力発電所の稼働停止と火力発電所の稼働が増しているという状況が入りました。そして一一年、一二年という形になったわけでございます。
 この京都議定書、大変名誉で、日本の名前が京都プロトコルという形の中において世界中で反映をされ、そして私たち自身もこの問題、つまり六%削減に積極的に取り組んできたわけでありますが、環境省としてはこの京都議定書をどのように評価をされておられるでしょうか。
#20
○政府参考人(関荘一郎君) 京都議定書は、歴史上初めて、温室効果ガスの排出に関する法的拘束力のある数値目標を各国ごとに設定し、国際的に協調して目標を達成するための仕組みを導入するなど、気候変動への対処の具体的な第一歩であり、大きな意義があったものと考えております。
 しかしながら、委員御指摘のように、議定書策定当時に世界最大の排出国でありました米国が結果的に参加しなかったこと、また、近年排出が急増しております中国、インド等を含む途上国に排出削減義務がないことなどから、現在、京都議定書による削減義務国の排出量が世界全体に占める割合は約全体の四分の一となっておりまして、現在そして将来の世界全体の排出削減につながる効果的な制度とは残念ながら現時点ではなっていないと、このように考えております。
#21
○長浜博行君 今おっしゃられたように、削減義務国の排出量が世界全体の四分の一ということでありますけれども、二〇一〇年時点、つまり第一約束期間の半ばごろの世界のエネルギー起源CO2の排出量でいえば、EU十五か国とその他合わせても一五%と、二五%ではなくて一五%という状況でもありますし、日本は御承知のように世界全体の中で四%という地位を占めておりますが、ロシアは五%、アメリカは一八%、カナダは二%と。この附属書T国においても四四%という状況であります。逆を言えば非附属書T国で五六%という状況でありまして、インドが五%、もちろん日本の四%よりは上ですね、それから中国が二四%、その他の途上国で二三%と、こういう状況になっているわけであります。
 全体的にはそういうような位置付けの中においての日本でありますが、ところで、最終集計がいつ発表されるのか分かりませんが、タイムラグがあるんでしょうが、この六%という、日本は、肝心の日本国の達成可能性、達成したか、こういう問題についていかがお考えでしょうか。
#22
○政府参考人(関荘一郎君) 第一約束期間二〇〇八年から二〇一二年、日本は年度で運用させていただいておりますけれども、現在、排出量が確定いたしましたのは二〇一一年度までの四年間でございます。
 これを各年の平均で戻しますと、吸収源対策、クレジット等も加味いたしまして、基準年比で九・二%のマイナスになってございます。二〇一二年度は電源事情等の変更で化石燃料の使用量が増えておりますので、前年度よりも更に増えるとは予想されておりますけれども、過去四年間のマイナス九・二%というものがございますので、五年間全体としては、京都議定書の我が国の目標でございますマイナス六%というのは達成できるんではないかなと、こういうふうに推測しております。
#23
○長浜博行君 それは達成しないと大変なことになっちゃいますから。
 今申し上げましたように、日本国の中における責任を、しかし、もう既に数字は集計の段階でありますから、いつごろ発表されるのか分かりませんけれども、世界に対する大きなメッセージになるというふうに思っております。
 昨年の十二月、御縁があって環境省で仕事をさせていただきましたけれども、カタールのドーハでCOP18に参加をしたわけであります。地球温暖化を進めていこうという、各国、熱意は非常に持っておるんですけれども、様々な立場、日本においても様々な政策を議論するときに国益を考えてという話になりますが、途上国の皆様方も大変国益を考えて発言をされるわけであります。そのベースが、共通だが差異ある責任ということになってくるわけでございます。
 先進国の更なる削減、先ほど数字を申し上げましたけれども、低くなっているこの状況の中で、日本的に言えば乾き切った雑巾を絞るという表現の中において、いや、乾き切っていないんだという議論もありますが、先進国はそういった責任を果たしていこうとしますし、発展途上国の中においては、優れた先進国の技術を導入をすることによって地球温暖化に寄与するという高邁な一つの理想と同時に、自国の中における、一番最初に申し上げましたように、地球温暖化というのは環境問題のみならず、産業構造とか健康問題とか様々影響するわけでありますので、削減をする努力というものは発展途上国の間においても熱心にされているわけでありますけれども、今後どうしていくかという問題が昨年の会議の中においても大きな議題になりました。
 確かに、ドーハの気候ゲートウェイ採択までは持っていくことができましたので、二〇一五年までに交渉を妥結、どのような交渉テキストを準備されていく状況になるのか。いずれにしろ、二〇二〇年以降の枠組みを一五年までに決めていかなければなりませんものですから、各国で公平かつ実効性のある枠組みをどのように構築していくかということが、ある意味では京都議定書を作った、作ったといいますか、リードした日本であるがゆえにプレッシャーが日本に掛かってくるということも体感をしました。
 大変難しい交渉が続いていくんだというふうに思いますが、現状の時点における交渉テキストの準備等々含めて、どのようなお考えでこの難しい国際交渉に臨んでいく方針であるのか、環境省の答弁を求めます。
#24
○政府参考人(関荘一郎君) 二〇一五年までに二〇二〇年以降の新たな国際ルールを作るということは既に国際的に合意がされておりまして、昨年のドーハで開催されましたCOP18におきまして、二〇一五年までのロードマップと、いつまでにどういう審議を行うかということについても合意されたところでございます。現在、そのロードマップに従いまして国際的な準備会合が行われておりまして、この連休中にもADPと言われます準備会合がドイツのボンで開催されたところでございます。
 大きな論点といたしまして、先ほど、共通だが差異のある責任、先進国と途上国は歴史的にも責任が違うということは踏まえつつも、現状で見ますと、先進国からの温室効果ガスの排出量というのは地球全体の比較的一部分になっておるということでありまして、そういう意味で、この問題に解決するためには、全ての国が参加する、それぞれの排出に応じた責任ある対応を取ることが必要であると。
 これをいかに具体的な制度とするか等につきまして先進国と途上国の間で意見の隔たりはかなり大きいものがございますけれども、問題解決に有効な方策を見出すべく国際的に議論が進められているところでございまして、我が国は京都議定書を作成した開催地であったということも含めて、この新たなルール作りに積極的に貢献してまいりたいと、このように考えております。
#25
○長浜博行君 それと併せて、国際的な市場メカニズムの問題も大分議論になりました。
 閣僚級対話の中においても出ていた議論で、いわゆる第二約束期間に入る、入らないによってCDMを使えるか、その権利をどう確保していくか、こういうことの技術的な話も出ていたわけでありますが、それもある種、実際排出量の売買の市場が存在をするような状況の中においては、確かに今壊滅的な価格になっている状況の中においても市場メカニズムを働かせていくというのが、この京都議定書の中でも取り上げられた部分でありますから、今後この市場メカニズムの役割というのをどう考えていくかというのも大きなテーマではないかなというふうにも思っているわけであります。
 また、総理自身も、COP19までに地球温暖化外交戦略を策定をするということをおっしゃっておられますし、新たな地球温暖化対策の計画を策定する予定ということも聞いているわけでございます。
 この地球温暖化対策におけるところの国際的な市場メカニズムの活用、これは環境省はどう認識をされておられるでしょうか。
#26
○政府参考人(関荘一郎君) 温室効果ガスの態様を鑑みますと、京都議定書で導入されました柔軟措置、市場メカニズムでございますけれども、これは世界全体で温室効果ガスを削減していく上で極めて重要であり、その取組に貢献するものであると、このように考えております。
 ただ、CDMに代表されます既存の市場メカニズム措置というのは、運用してまいりましたところ、様々な課題があるということも明らかになってきているところでございます。我が国としましては、このCDMの改善を促すとともに、二国間オフセット・クレジット、これは我が国が提唱しているものでございますけれども、これによりましてCDMの課題を克服し、日本が得意とします省エネ分野における技術の活用や相手国のニーズに応じた柔軟な対応をしていく考えでございます。
 今後とも、国際的な市場メカニズムを活用いたしまして、我が国の高い技術力を生かしまして世界全体での温室効果ガスの削減に積極的に貢献してまいりたいと、このように考えております。
#27
○長浜博行君 今二国間オフセット・クレジットが出ましたけれども、たしか去年のあの会議の時点でも、モンゴルとバングラは実質的に合意ができていたというふうに思いますけれども、数か月たつわけでありますが、この二国間オフセット・クレジットは、その後どこかの国と展開、進んだでしょうか。
#28
○政府参考人(関荘一郎君) モンゴルにつきましては、その後、今年の一月でございますけれども、正式に二国間の合意文書ということで署名に至っております。また、バングラデシュにつきましても同様に今年の三月に両国間で署名をいたしたところでございます。
#29
○長浜博行君 このように、国際社会の中においては条約の枠組みがあるものですから、相手のある交渉をやり続けなきゃならないということで、外務省もあるいは環境省も交渉担当者は大変御苦労をされているというふうにも思っております。
 それと同時に、国内対策の中において、様々この地球温暖化の問題というのは、今日もネクタイを外させていただいている期間に入っておりますので、それで質問させていただいておりますけれども、どう言ったらいいんでしょう、この持続可能、サステーナブルな社会を築いていくということのためには、従来型のライフスタイルと言ったらいいんでしょうか、生活様式と言ったらいいんでしょうか、これの転換を図っていくというのをいつも環境省は行われるわけですね。
 ただ、なかなか、打ち水をしたりとか、あるいはクールビズですか、こういう状況を単発的にはやっておるんですが、環境省として、この新たなライフスタイルの転換というようなことに関して何かトータルの意味での具体的なイメージを持っておられますでしょうか。
#30
○政府参考人(関荘一郎君) 温暖化対策を考える上におきまして、ライフスタイルの転換というのは極めて重要であるというふうに長年環境省として認識させていただいておりまして、委員御指摘のように、今月からクールビズ月間、五月から十月でございますけれども、これはすっかり定着いたしまして、政府の職員のみならず、民間の企業の方におきましても、五月になりまして町中ではネクタイをされていない方が大宗であると、このように考えております。
 環境省としましては、省エネや低炭素な暮らしが国民の中に定着することが環境と経済の調和した今後の社会の在り方だと考えておりまして、そういう国民の皆様方の努力を御支援させていただくために、例えば家庭のエコ診断、それぞれのお住まいの中でどういうふうな温室効果ガスの排出になっているかということを分かりやすくすると、お一人お一人が御認識していただくような、こういう施策も進めておりまして、こういう一人一人のそれぞれに適した環境に優しいような生活スタイルに変革されていくことを様々な施策を通して推進させていただきたいと、このように考えております。
#31
○長浜博行君 是非、環境省がリーダーシップを取って、この問題はなかなか難しいんですね、政策とか法律とは違いますので、ライフスタイルの転換、これをリーダーシップを発揮していただければというふうに思います。
 そうしないと、さっき、二〇五〇年までに世界全体で半減の話をしましたけれども、二〇五〇年までに八〇%の温室効果ガスの排出削減を目指す、これは第四次の環境基本計画、平成二十四年の四月二十七日ですが、これは責任を感じるわけでありますけれども、閣議決定をしているのが、この八〇%の排出削減を目指すという方向にこの国はなっているわけであります。
 そして、二〇二〇年までに二五%の削減というのは、これは国際公約としてIPCCの事務局に登録されている分野でありますが、これを今の政権ではゼロベースで見直すという状況になっているわけでありますから、なかなか、今日はるる国際情勢の中での交渉の問題、それから国内におけるライフスタイルの転換の具体的なイメージのとらえ方の難しさ、申し上げましたけれども、簡単な作業ではないというふうにも思います。
 環境省におかれましては、福島環境再生事務所等々、放射能汚染、除染の問題等々、既にある職務と同時に兼職をされて、大分職員の皆様方が御苦労されていることはよく存じ上げておりますが、どうぞ更なる御活躍、職員の皆様の御活躍を期待をしたいというふうに思っております。
 ここで小見山さんに質問を替わらせていただきます。どうもありがとうございました。
#32
○小見山幸治君 民主党・新緑風会の小見山幸治でございます。会派を代表して、引き続き、残された時間質問させていただきたいと思います。
 まず最初に、国内での温室効果ガスの排出削減をどのように進めていくのか、その方針を伺ってまいりたいと思います。
 温室効果ガスを削減していくためには、温室効果ガスを排出しないエネルギーを確保していくことが重要であり、再生可能エネルギーに対する期待が高まっているわけでありますけれども、民主党政権において、二〇一一年七月に再生可能エネルギーの固定買取り価格制度を導入しました。まず、この制度の概要を確認したいのですが、この制度が対象にしている再生可能エネルギーとは具体的にどういうものであるか、お答えいただけますでしょうか。
#33
○政府参考人(新原浩朗君) お答え申し上げます。
 再生可能エネルギー特別措置法においては、再生可能エネルギー源として、太陽光、風力、小水力、地熱、バイオマスを規定しまして、固定価格買取り制度の対象といたしております。
#34
○小見山幸治君 この制度の導入の結果、再生可能エネルギーの普及が増えてきていることが報じられています。具体的に運転を開始している再生可能エネルギー発電設備の状況や制度上認定された整備の状況はどうなっているのか、それによって、例えば原発何基分に相当する発電電力量が期待できているのか、具体的にお話をいただければと思います。
#35
○政府参考人(新原浩朗君) お答え申し上げます。
 まず、稼働ベース、運転ベースでございますが、昨年七月の制度施行以降、本年一月末までに新たに運転を開始した発電設備の出力の合計が百八・三万キロワットとなっております。具体的には、太陽光が百二・七万キロワット、風力が三・七万キロワット、水力が〇・一万キロワット、地熱はございません、バイオマスが一・八万キロワットとなっております。
 今度は認定ベースでございますが、このほか、今後運転を開始することが見込まれる設備も含めた経産大臣の認定を受けた発電設備の出力の合計でございますが、一月末時点で七百三十六・八万キロワットとなっております。具体的には、太陽光が六百七十・七万キロワット、風力が五十七万キロワット、水力が〇・五万キロワット、地熱が〇・二万キロワット、バイオマスが八・四万キロワットとなっております。
 最後に、原発何基分に相当するかという御質問でございます。これ、あくまで試算値となりますが、まず、年間発電電力量を計算、推計するに当たって、太陽光の設備稼働率、これは年間押しなべて、三百六十五日二十四時間押しなべてということでございますが、太陽光の稼働率を一二%、風力を二〇%、水力を六〇%、地熱を八〇%、バイオマスを六〇%と仮定をいたしまして計算をいたしました。そうしますと、運転開始済みの設備で九・二億キロワットアワー、それから今度は認定ベースのもので八十億キロワットアワーとなります。一方、原発一基の容量を百二十万キロワットとしまして、その設備稼働率を七〇%と仮定をして計算をいたしました。そうしますと、年間発電電力量が七十四億キロワットアワーとなります。
 このため、固定価格買取り制度の開始後、新たに運転を開始した再生可能エネルギー発電設備の年間発電量は、これはもう運転開始ベースでございますが、原発約〇・一二基分、それから今度は認定を受けた設備の年間発電量、これが原発約一・一基分に相当いたします。
#36
○小見山幸治君 今御説明がありましたように、従来に比べて大幅に増えてきているということでありますけれども、一方で、原子力発電所が果たしてきた役割と比べると、まだまだ規模がとても小さいということも確認できると思います。
 さらに、地球温暖化対策を進めていくためには、この再生可能エネルギーの拡大を進めていかなければならないと思いますが、具体的に今後どう取り組んでいかれるのか、経済産業省、環境省、それぞれお尋ねをしたいと思います。
#37
○政府参考人(新原浩朗君) 経産省の考え方を御説明申し上げます。
 再生可能エネルギーの普及は、国内エネルギー資源の拡大というエネルギー安全保障の強化あるいは低炭素社会の創出ということに加えまして、成長戦略の観点からも重要でありまして、政府として今後三年間で最大限その普及を加速させるというのが政府方針でございます。
 そのための私どもの考え方でございますが、まずは、この再生可能エネルギーの発電に通常要するコストをきちんとカバーするということで、カバーする価格で買い取って投資回収にしっかりとした見通しを与える固定価格買取り制度、これを着実かつ安定的に運用していくことが不可欠であるというふうにまず考えております。
 これに加えまして、環境アセス迅速化などの規制改革を着実に進めるとともに、予算措置の面からも、今年度予算においては、第一に、北海道北部のように最適地が限られる風力発電について実証を伴った送電網整備を行うための予算二百五十億円でありますとか、あるいは福島県において本格的な事業化を目指した世界初となる浮体式洋上風力発電所を建設するということで、開発、実証を進めるための予算九十五億円、さらには、二〇二〇年に二十兆円規模と見込まれます世界の蓄電池市場のうち我が国がその半分を獲得することを目標として、太陽光や風力の出力変動を吸収する電力系統用の大型蓄電池のコスト半減を目指した研究開発予算二十七億円など、再生可能エネルギー関係で昨年度予算の倍以上となるおよそ一千億円を今年度予算に計上をいたしております。
 そういうことで、予算面、税制面からも再生可能エネルギーの普及に取り組んでまいりたいと考えております。
#38
○副大臣(田中和徳君) 環境省では、低炭素社会の創出を目的とする低炭素社会創出ファイナンス・イニシアティブを、また再生可能エネルギー導入加速プログラムを一月に発表したところでございます。
 低炭素社会創出ファイナンス・イニシアティブとは、金融メカニズムを活用して民間資金を呼び込むことで、官民連携で事業展開を図りつつ、再生可能エネルギーへの投資を促進するものでございます。また、再エネ導入プログラムは、蓄電池を活用した実証や浮体式洋上風力の実証などの施策を体系的、戦略的に展開していくものでございます。これまでのように単に量を増やすのではなく、長期的な視点から自立分散型エネルギーシステムをつくり上げていきたいと思っております。この二つの戦略に基づき低炭素社会の構築を目指してまいります。
#39
○小見山幸治君 今、経済産業省、環境省の方からそれぞれ今後の更なる取組についてお話をいただきました。
 さらに、私は、この地球温暖化対策に対してはそれぞれの地域の役割が非常に大きいと考えています。地域によって自然環境が大きく異なるわけでありますから、風況の良い地域や日照時間の長い地域、また地熱資源の賦存する地域など、それぞれ地域によっていろいろな特性があると思います。こうした地域の特性を把握しているのは自治体であったり、地域の事業者であったり、住民であったりするわけでありますけれども、今後こういった地域に対して具体的にどういった支援政策を考えておられるのか、それについて御説明をお願いいたします。
#40
○副大臣(田中和徳君) 小見山先生の御指摘のとおりだと思っております。
 地域特性に応じた地方自治体による積極的な取組が不可欠でございまして、そのため、今年一月に策定した再生可能エネルギー導入加速化プログラムの一環として、グリーンニューディール基金事業の拡充などによる地域の防災拠点等への自立分散型のエネルギー設備の導入支援などハード面の支援、さらに再生可能エネルギーの導入事業化に向けた導入調査や人材育成などのソフト面への支援などを通じ地域主導の取組を支援をしておるところでございます。こうした支援を通じて、地域活性化に資する、災害に強く低炭素な地域づくりを進めてまいる所存でございます。グリーンニューディール基金事業についての二十五年度の予算は二百四十五億円となっております。
#41
○小見山幸治君 ありがとうございます。
 今回審議されている地球温暖化対策推進法の改正法案が成立した暁には、政府は新たな地球温暖化対策計画の策定を進めていくということになるんだと思います。石原大臣は総理からゼロベースで見直すとの指示を受けているというお話も聞いておりまして、何もかもありとあらゆるものがそのゼロベースで見直されるということについては、私としては少し違和感を感じるわけであります。
 民主党政権では、昨年の秋の革新的エネルギー・環境戦略の策定に当たって、単に原発をどうするかという議論だけではなくて、省エネルギーや再生エネルギーをどこまで進められるかといった定量的な議論も行ってまいりました。例えば、再生可能エネルギーについて二〇三〇年に三千億キロワットアワー以上とすること、節電については二〇三〇年の発電電力量を一兆キロワットアワーに抑えることなどの数値目標を明らかにしたわけであります。これは関係業界や専門家の意見を聞きながら数値をまとめたものであり、客観的なものと考えているわけでありまして、是非こうした議論の成果も生かしていただきたいというふうに思うわけであります。
 自民党は、再エネ、省エネを最大限進めると言っておられますが、新たな地球温暖化対策計画ではこれまでの議論の積み重ねを生かして再エネや省エネの数字を決めるべきだと思いますが、大臣の御意見を伺いたいと思います。
#42
○国務大臣(石原伸晃君) ただいま小見山委員が御指摘されたとおり、ゼロベースから見直しはいたしますけれども、いい施策というものはやはり取り入れていかなければなりませんし、今御議論があった地球温暖化対策計画における再生可能エネルギーや省エネルギーの導入目標に関しては、昨年の九月でございますか、今御説明をいただいた、私もそれは大変関心を持って実は見させていただいた記憶がございます。
 そこで、考えていかなければならないのは、野心的な目標は必ず必要であります。しかし、実現可能性が一体今の段階で何%ぐらいまであるのか、また一方で、できる限り導入していかなければならないという命題があるわけですから、その二つの観点からよく精査をしながら検討を進めてまいりたいと思っております。
 再生可能エネルギー、省エネルギーの最大限の推進など低炭素社会の創出に向けた取組を一層推進するという考え方においては、これまでの政権も今の政権も私は変わらない、こんなふうに認識しているところでございます。
#43
○小見山幸治君 ありがとうございます。
 今大臣がおっしゃったように、引き続きそういう立場で、ゼロベースで見直しということになると、今まで取り組んでこられた業者さんや事業展開をさせておられる方々がちゅうちょをするということになると、民間の前向きな取組が阻害をされるということにもなりますので、是非そこのメッセージの出し方につきましては十分工夫をしていただければと思っています。
 それでは、次の質問に入らさせていただきます。
 国内削減にしっかりこうやって取り組んでいくことはもちろんでありますけれども、我が国が持つ高い環境技術を生かして、海外での削減についても我が国が果たす役割は非常に大きいのではないかと思っています。
 先般、この五日、六日に、北九州で日中韓の環境大臣会合が開催されたわけでありますけれども、東アジアでは様々な課題があり、この難しい環境の中で今回こういう会合が開催されました。この環境大臣会合での、気候変動に関し、どのようなことが議題になり、どのような成果があったのか、大臣にお尋ねしたいと思います。
#44
○国務大臣(石原伸晃君) ただいま委員が御指摘されました第十五回の日中韓環境大臣会合、政治状況等々で開会が危ぶまれていたんですが、蓋を開けてみましたら、今お話がございました気候変動についてもかなり踏み込んだ意見の開陳等々もあり、また中国側からも今話題になっているPM二・五の問題、このスモッグ、こういうものをどうやって払拭していくのか、そしてグリーン化なくして中国の未来はないといったような、そのような趣旨でのかなり突っ込んだ意見の開陳もあり、大変私は有意義であったと考えております。
 ゼロベースで見直すというと全部なくなっちゃうみたいなイメージがあるんですけれども、もう一度考え直すというふうに御理解をいただければいいと思うんですけれども、この二五%取り下げるって、一体どんなことを、どの程度のことを考えているんですかというようなことは、韓国の大臣の方からも非常に関心を持って質問を寄せられたところでございます。
 これに対して私からは、目標を含む計画を十一月のワルシャワのCOP19までに作っていくけれども、七月の中旬に原子力規制委員会が原子力発電所の新稼働についての安全基準を示し、それに対して事業会社がどのような申請をしてくるのか、それによってまた審査があって原発が動く、動かないというものが決まってくるというような中で、そのエネルギーのどういうような形でのこれからパーセンテージになるのかということを見通すことがなかなか難しい中でこれを作っていくという、道筋について説明をさせていただいたところでもございます。
 そして、先ほど来御議論になっておりますけれども、二〇二〇年度以降の将来的枠組みについては、私の方からやはり、前回は中国もインドも削減義務がありませんでしたねと。アメリカも、先ほど議論に長浜委員の中でなったように、六%ということをしっかりやれやれと言っておきながら自分たちの国は結局条約を批准しなかった。カナダも途中で離脱をしてしまった。やはり、全ての国が参加する実効ある枠組みを構築することが絶対条件ではないでしょうか、不可欠ではないでしょうか、この旨の発言をさせていただいたわけでございます。
 会合の成果文書についてはもう既に配付されているものでございますので多くは語りませんけれども、韓国側が大変関心を持っておりましたのが、緑の気候基金を早期に運営開始するために是非協力をしてもらいたい、これについては私の方からも十分協力をさせていただくという話をさせていただきました。
 また、これも今日の議論になっております二国間のオフセット・クレジット制度を含む市場メカニズムを活用することによって、温暖化、世界規模でこれ取り組んでいこう、こんなようなことが成果として三か国で合意をさせていただいたことでございます。
#45
○小見山幸治君 ありがとうございます。
 今は、地球温暖化問題について、温暖化を可能な限り防ぐための温室効果ガスの排出を抑制する緩和策に加えて、もう起きてしまった温暖化に対する人間社会への影響をできるだけ小さくする適応策についてもいろいろと政策を打っていかなければいけないと思いますが、それについて環境省としてはどう考えておられるのか、御説明をお願いします。
#46
○政府参考人(関荘一郎君) 先ほども御説明させていただきましたけれども、今年の四月に、環境省、文科省、気象庁とともに、日本の国内における温暖化の影響というレポートを発表させていただきました。これによりますと、国内的にも温暖化の影響が既に現れつつあることが示されております。また、将来においてもより深刻な影響が予測されているところでございます。
 このため、今後避けることのできない温暖化の影響に適応するため、政府全体の総合的、計画的な取組が必要と考えております。平成二十六年度末をめどといたしまして、政府全体の適応計画を策定すべく、現在関係府省と連携して検討を進めているところでございます。
#47
○小見山幸治君 また、地球温暖化の影響は、我が国だけでなく世界各地で現れているわけであります。特に、アジア太平洋地域は気候変動に脆弱だと聞いていますので、当該地域における気候変動への適応策を検討する際には国際的な連携が重要と考えますけれども、環境省の具体的なその点についての取組を伺いたいと思います。
#48
○政府参考人(関荘一郎君) 御指摘のとおり、アジアの諸国は極めて温暖化の影響に対して脆弱な地域がございます。日本といたしましては、国連環境計画によりますアジア太平洋適応ネットワーク、APANと呼んでおりますけれども、これを通じまして地域での適応策推進の活動を支援しておりまして、適応に関する知見、経験の共有を進めているところでございます。
 また、IPCCの総会が来年三月横浜で開催されますことから、本総会におきましては、この第二作業部会でありまして、影響や適応に関する報告書も承認する予定となっております。この総会の成功にも貢献してまいりたいと、このように考えております。
#49
○小見山幸治君 時間が参りましたので、これで終了します。
 ありがとうございました。
#50
○中原八一君 おはようございます。自由民主党の中原八一でございます。
 この度、初めて環境委員会に所属させていただきました。率直に言って、目下環境問題を勉強し始めたばかりでございますので、委員長を始め委員の皆様、また大臣を始め政務三役、環境省の皆様の御指導をよろしくお願いしたいと思います。
 さて、本日でありますけれども、地球温暖化推進法改正案に対する審議でありますけれども、その前に一言、石原大臣にお礼を申し上げさせていただきたいと思います。
 私の地元でございます新潟県の佐渡市では御承知のようにトキの繁殖に取り組んでおりますが、環境省から大変な御支援と御協力をいただいてきております。日本では既に絶滅したと考えられていたトキが佐渡に生息していることが確認されて以降、保護活動が行われてまいりました。昨年四月には佐渡市で三十六年ぶりに自然下でトキのひなが誕生し、八羽のひなが全て巣立つことができました。このことは佐渡市民並びに新潟県民の大きな喜びであり、勇気と希望を与えるものでありました。今年もこれまで五つのペアから計十四羽のひなが誕生しており、佐渡における野生復帰の取組が着実に前進してきております。
 さて、去る三月三十日でありますけれども、佐渡市新穂にありますトキの森公園内に、トキを間近に観察することのできる施設、トキふれあいプラザがオープンしたところでありますけれども、石原大臣におかれましては、公務大変御多忙のところ、開所式に遠路はるばる佐渡まで足を運んでいただき、改めて心より感謝を申し上げます。ありがとうございました。
 その際には、車座ふるさとトークと題して佐渡市内の女性との意見交換や、トキ保護関係者との懇談会におきまして、これまでトキの保護増殖に取り組んだ市民に対し、大臣から直接お礼と励ましの言葉をいただきましたことは、佐渡市民にとって大きな感激であるとともに、今後、佐渡市のトキ繁殖の取組への大きな励みとなると私も確信をいたしております。
 また、環境省からは、トキふれあいプラザのほかに、これまでトキの保護増殖や野生復帰への取組はもとより、トキの貸与、トキと共生する社会づくりに向けて多くの御指導と御助言をいただいておりますことに心から感謝を申し上げます。今後とも、国、県、市、市民、NPO、学校など官民が共同して、野生絶滅種であるトキの保護増殖はもとより、佐渡市民の大きな願いであるトキの野生復帰への取組に対しまして、引き続き環境省より大きなお力添えを賜りますようお願い申し上げます。
 大臣の佐渡御訪問の際の感想を一言お願いできればと思います。
#51
○国務大臣(石原伸晃君) 中原委員が佐渡御出身だということは存じませんで、知っておりましたら行くという話をしたんでございますが、失礼いたしました。
 今委員が御指摘になりましたように、ちょうど地元の商工会の女性の方、あるいはNPOで町おこしをやっていらっしゃる方、あるいは社会福祉事務所にお勤めになって、介護施設で働いているような若い女性の方々、いろんな方集まっていただいて、どうやってこれから佐渡を良くしていこうか、もちろんトキの野生復帰ということも中心にどういうふうにやっていこうかという話をしておりましたら、ちょうど今、中原委員が御説明をいただいた、昨年巣立った八羽のうちの一羽がひゅうっと飛んできまして、私は何だか分からないからずっと熱心に話をしておったんですけれども、そうしましたら、うちのレンジャーの人が、ずっと見ておりましたら、あっ、あれは足に輪が付いていませんから去年の八羽のうちの一羽ですと言ったら、私の話聞かないでみんなばあっと見に行っちゃいまして、そういうことに邂逅することは佐渡に住んでいらっしゃる方でもなかなかないと。ボランティアでトキの生態についてお話しになっている方々も、観光客の方を連れていろんなところに行くけれども、会える確率は二割から三割ぐらいであると。
 そんなとき、トキふれあいプラザですか、これができまして、私、キャッチフレーズがよくできているなと思いました。トキまで二センチって書いてあるんですよ。何のことかなと思ったら、ちょっと深く掘ってあったところにトキが餌をついばみに来る、水が窓越しに見えるようになっていて、本当にこう鼻をくっつけますとトキと対面するぐらいな、これはすばらしい施設ができたな、ひとつこれもまた目玉に佐渡の振興に役立てていただければ。
 そして、トキという生物、鳥が何で絶滅していったのか。これは地球温暖化の議論に非常に関係あると思いますけれども、人間生活の利便性、すなわち農薬をたくさんまいて収穫を上げると、それによってトキが食べるドジョウとかそういう野生生物が死滅していったと。これは、トキだけのことではないなというようなことを強く思いましたし、非常に印象に残った言葉は、佐藤春雄先生、初代のトキの保護をやっていらっしゃる方ですけれども、自分は佐渡に生まれて野山を歩いていって、あるとき夕方山を登っていったら、あのトキが、ばっと羽を広げて飛び立つところを目の前で見たと。この鳥を見たとき、この鳥は守っていかなきゃいけないということを強く感じたというような、かなりスピリチュアルな話もしていただきまして、もう九十近かった方だと思いますけれども、熱心にこれからもこの野生のトキを自分たちでしっかり守っていかなければならない。もちろん佐渡の皆様も協力してくださって、農薬を使わない畑とか、認証米なんか、それによってできたら作るとか、町全体を挙げて、島全体を挙げて、やはり絶滅危惧種に対しての心尽くしというものに非常に感銘を受けたところでございます。
#52
○中原八一君 ありがとうございました。
 石原大臣は男前でございますので、佐渡の市民ばかりでなくトキも心から御歓迎をしたんだというふうに思います。大変ありがとうございました。
 トキが野生復帰を果たし、かつてのように多くのトキが佐渡の大空を舞う日が来るよう、私も地元選出の国会議員の一人として取り組んでまいりますので、今後とも御指導をよろしくお願いしたいと思います。
 それでは、本題であります地球温暖化について質問に入らせていただきたいと思います。
 今週十三日には大分県日田市で全国最高の三十二・九度を観測するなど全国五十八地点で、また、一昨日でありますけれども、十四日には兵庫県朝来市の三十二・八度など全国六十四地点において三十度を超える真夏日となり、七月下旬から八月並みの気温を記録しました。また、日本の平均気温はこの百年間で一・一五度C上昇しており、世界の平均気温の上昇の〇・六八度Cよりも大きくなっております。さらに、大雨の日数や短時間の強い雨の頻度も増加傾向になっております。こうしたことからも、やはり日本でも世界においても地球温暖化は進んでいるのだなと実感しておるところでございます。
 地球温暖化の影響は、熱波、大雨、干ばつ、海面上昇、水資源、食料、生態系への悪影響はもとよりでありますけれども、温暖化対策による経済的コストの増大など、数多くあることは言うまでもありません。地球温暖化の問題は地球に住む我々人類共通の課題であり、次世代にも影響してくる問題でありますから、国を挙げて国民や企業に対する意識啓発を積極的に進め、持続的に粘り強く取り組んでいかなければならないテーマであると考えます。
 さて、一九九七年に京都市でCOP3が開催され、京都議定書が採択されました。その内容は、言うまでもなく、二〇〇八年から二〇一二年までの第一約束期間に、先進国は先進国全体で温室効果ガス六種類の合計排出量を一九九〇年比で少なくとも五%を削減する、そして我が国は六%の目標を削減するということでありました。そして、昨年末にカタールのドーハで開催されたCOP18の結果、今年、二〇一三年から二〇二〇年までの京都議定書第二約束期間が設定されましたけれども、我が国はこれに参加しないということになりました。
 京都議定書につきましては、不平等条約であった、企業に過重な負担を課したといったネガティブな意見がある一方で、これによって省エネなどの具体的な対策や技術開発が進んだというプラス面の評価もあるのではないかと私は思います。環境省として、京都議定書についてどのように評価をしているのか、そのプラス面、マイナス面についてどのように考えているのか、お尋ねしたいと思います。
#53
○政府参考人(関荘一郎君) 京都議定書は、歴史上初めて、温室効果ガスの排出に関する法的拘束力のある数値目標を各国ごとに設定しまして、国際的に協調して目標を達成するための仕組みを導入するなど、気候変動への対処の具体的な第一歩であり、大きな意義があったと、このように考えております。
 その一方で、議定書策定当時に世界最大の排出国でありました米国が議定書には参加しなかったこと、また、近年排出が急増しております中国、インド等を含む途上国に排出削減義務がないことから、現在、京都議定書による削減義務国の排出量が世界全体に占める割合は約四分の一となっておりまして、現在、そして将来の世界全体の排出削減につながる効果的な制度となっていないと、このように考えているところでございます。
#54
○中原八一君 要するに、京都議定書そのものには意味はありましたけれども、制定から十五年が経過した今、時代の変化にそぐわなくなってきているのだと思います。
 こうした中、日本政府は京都議定書の第二約束期間に入らないという決断をしたわけでありますけれども、その是非につきましては、これまでしっかりとした議論がされていないように私は思います。今の御答弁を何度も聞かせていただいているんですけれども、なるほどとは思うんですけれども、しかしというような感が拭えません。
 そこで、改めて、日本が京都議定書第二約束期間に入らないことの理由について、また、こうした日本の判断は世界からどのように受け止めているのかについて、お尋ねしたいと思います。
#55
○政府参考人(関荘一郎君) その前に、一点数値を訂正させていただきたいと思っています。
 長浜委員の御質問のときにも、現在、二〇一〇年時点でございますけれども、京都議定書に加盟している国からの排出量、四分の一と申し上げましたけれども、正確には二一%でございますので、五分の一というふうに答弁させていただくのが正確だと思います。
 それから、第二約束期間に入らなかったことにつきましてでありますけれども、京都議定書第一約束期間の終了後の国際的な取組の交渉が進められておりましたCOP16の当時でありますけれども、我が国は、全ての主要国による公平かつ実効性のある国際的枠組みの構築の合意を追求していたところでございます。京都議定書では、排出量が大きい中国、米国、インド等の主要排出国に削減義務が課されていないということがございます。こういう中で第二約束期間を設定いたしますことは、こうした枠組みの固定化につながり、我が国が主張いたします国際枠組みの形成を阻害されることが懸念されておりました。こうしたことから、我が国といたしましては、COP16におきまして、第二約束期間に参加しないとの立場を明確にしたものでございます。
 我が国としましては、COP17で決定しました二〇二〇年以降の全ての国に適用される将来枠組みの構築に向けまして、主要排出国全てが参加しておりますカンクン合意を出発点とし、これを発展させることが現実的かつ有効なアプローチであると、このように考えております。このため、我が国は第二約束期間ではなくカンクン合意に参加し、その着実な実施を進めているところでございます。
 なお、COP18におきましては、我が国を含みます幾つかの先進国が第二約束期間に参加しないことなどが盛り込まれた京都議定書改正が合意されておりまして、我が国の立場は国際的に孤立しているものではないと考えております。
#56
○中原八一君 京都議定書に参加することによって、多くの国民は地球温暖化に取り組まなければ将来地球は大変なんだということに気付かされ、クールビズや節電に積極的にこれまで取り組んできたものと思います。ようやく国民にも節電や省エネがすっかり定着した現在、第一約束期間が終了したわけでございますけれども、その後、日本が第二約束期間に参加しないもののカンクン合意の下で引き続き温暖化対策に取り組んでいくという決意を国民の皆様にもしっかりやはり説明していただきたい、このように思っております。
 次に、第一約束期間の削減目標の達成について伺いたいと思います。
 第一約束期間の削減目標の達成については、先ごろ行われた参議院環境委員会の一般質疑におきましても、政府は、二〇〇八年度から二〇一一年度の四年間の実績から、東日本大震災以降の火力発電によるCO2の排出増はあるものの、現段階で第一約束期間の六%の削減目標は達成可能であると、このように答弁されております。
 そこで、第一約束期間中の温室効果ガスの排出量について、ガスの種類別、部門別の内訳はどのようになっているのか、また、どのように第一約束期間中の温室効果ガスの排出量について評価をされているのか、伺いたいと思います。
#57
○政府参考人(関荘一郎君) まず、直近の二〇一一年度の日本全体におけます温室効果ガスの排出量につきましては、これは十三億八百万トンとなっております。
 この内訳について見ますと、このうち、エネルギー起源のCO2につきましては、産業部門では、生産活動の低下や省エネ、節電の取組等によりまして、基準年であります一九九〇年比から一三・一%の減少の四億一千九百万トンとなっております。
 運輸部門につきましては、二〇〇一年度以降、乗用車の燃費向上や貨物車の輸送効率の向上などによりまして減少傾向にございますけれども、基準年比で五・九%の増という状況にございまして、二億三千万トンが排出されております。
 また、業務その他部門、家庭部門は、省エネ努力は進んでおります一方、オフィス等の業務用床面積の増加や世帯数の増加、電力の排出係数の悪化等によりまして、それぞれ基準年比五〇・九%増、四一・八%増となっておるところでございます。
 最後に、エネルギー転換部門につきましては、電力等のエネルギー需要の増加等によりまして、基準年比二八・八%増、このようになっております。
 このほか、ハイドロフルオロカーボン、HFCでございますけれども、これにつきましては、冷凍機器等への冷媒利用により増加傾向にございます。それ以外の非エネルギー起源CO2、メタン、一酸化二窒素、パーフルオロカーボン類、PFCでございます、それと六弗化硫黄につきましては減少傾向にございます。
 第一約束期間全体で見てまいりますと、現時点では二〇一二年度の数値は明らかになっておりませんけれども、二〇〇八年から二〇一一年までの排出量は、森林吸収量や京都メカニズムクレジットを加味しますと平均でマイナス九・二%でありまして、六%削減目標については達成可能であると、このように考えております。
 一方、二〇一〇年、一一年度と二年連続で排出量は増加しておりますが、火力発電所が震災以降増加していることや、火力発電が増加していることや、民生部門の排出量が増加傾向にあることを考えますと、改めて実効性のある温暖化対策が必要だと考えております。
 なお、先ほど、家庭部門につきましては四一・八%と申し上げましたけれども、四八・一%の誤りでございます。失礼いたしました。
#58
○委員長(北川イッセイ君) 関さん、今の訂正ですか。
#59
○政府参考人(関荘一郎君) 私、家庭部門の増加が基準年比で最初四一・八%の増と申し上げましたけれども、読み間違っておりまして、数値、四八・一%でございました。
 失礼いたしました。
#60
○委員長(北川イッセイ君) はい、よろしいですね。
#61
○中原八一君 今ほどの御答弁で、第一約束期間の六%削減目標に対して一九九〇年比で九・二%の削減を達成できたと、こういうことであります。これは、我が国政府や国民の皆様、民間企業の温暖化防止のための技術革新や省エネ、節電などの懸命な対策や施策といった努力のたまものだと思います。九・二%の削減というものは立派な成果で、私は評価できることだと思います。
 特に、企業の温暖化対策の取組を見てみますと、例えば業種別に自主目標を設定し、取り組んでおります。また、CO2排出の少ない技術開発やエコ製品を行ったりして、企業独自で地球温暖化に貢献していることをアピールしているように思われます。企業の取組の現状は、自主目標の設定や自己アピールが中心であります。
 一方、ヨーロッパにおいては、EU二十七か国と周辺四か国は排出量取引制度を設けて温暖化対策に取り組んでおりますけれども、各国が国別割当て計画を設け、発電所や工場に排出量の上限を割り当てて、達成できなかった企業に罰金を科しているということだそうでございます。
 このように、EU排出量取引制度と日本企業の自主的な取組について、どちらが成果があるのか、またそれぞれどのような課題があるのか、御見解を伺いたいと思います。
#62
○政府参考人(関荘一郎君) EUにおきましては、先生御指摘のように、排出量取引制度というのを設けておりまして、産業部門を含みます域内の気候変動対策の中心的施策としてこれを位置付けております。企業はその削減義務に基づき着実に排出削減を達成してきていると承知しているところでございます。この課題といたしましては、適切な排出枠の設定が求められることなどが考えられているところでございます。
 一方、我が国におきましては、削減義務というのは個別の企業にはないものの、産業界は自ら設定しました目標の達成に向けて自主行動計画を中心に温暖化対策を推進し、一定の成果を上げてきたと認識しているところでございます。この課題といたしましては、例えば計画を策定していない業種が存在すること、設定した目標値の適切性などが指摘されているところでございます。
 排出量取引制度と自主的取組につきましては、どちらが成果があるのか一概にお答えすることは困難でございますけれども、我が国といたしましては、引き続き個々の業界の削減努力を適切に促していくことが重要ではないかと、このように考えております。
 政府といたしましては、引き続き、こうした自主的取組の評価、検証を進め、その進捗状況等を踏まえつつ、地球温暖化対策、施策について必要な検討を進めてまいりたいと、このように考えております。
#63
○中原八一君 ありがとうございました。
 各国それぞれに国の事情や歴史があり、それぞれの制度や仕組みに今ほど御説明があった課題もあると思うわけでありますけれども、企業が地球温暖化対策を進めていくことと企業の競争力とを両立することのできる制度の構築が求められているというふうに感じております。
 国民には、省エネ製品とか節電といったすぐに目に映るものと違い、企業の温暖化対策の取組や目標を達成するまでのプロセスというものはなかなか見えてこないと思います。国民の皆様がこうした企業の取組を果たして知っているかどうか、私はなかなか知る機会が少ないのではないかと思います。国民からの理解と評価があって、企業も使命感と熱意を持ち、そして温室効果ガス削減の取組を一層進めていくのではないかと思います。
 現在、地球温暖化防止に顕著な功績のあった個人や団体に対して贈られております環境大臣賞や環境保全の取組を進める企業にエコ・ファースト制度を認定しているそうでありますが、まだまだ国民にはなじみが薄いのではないでしょうか。国は、地球温暖化に向けた熱心な企業の取組を正当に評価して、国民に対してより積極的にアピールしていく必要があると思いますけれども、御所見をお伺いしたいと思います。
#64
○副大臣(田中和徳君) 中原先生の御指摘のとおりだと思います。
 地球温暖化対策に向けて、国民の皆様方に一人一人正しく御理解をいただくこと、特に経済活動を続ける企業の皆様方に私は理解を深めていくことが非常に重要だと思います。
 御指摘があったように、環境省では、地球温暖化防止活動環境大臣表彰、また環境コミュニケーション大賞を通じて、模範となる優良な取組を行っている企業の積極的な評価に努めておるところでございます。こうした制度の認知度向上に努めることなどによって、地球温暖化防止、地球保全に熱心な、取り組んでいる企業を更により一層応援をしてまいりたいと思います。また、ほかにも、今後、企業のことについてももっと評価ができるような方法も大臣を中心に取組をしてまいりたいと思います。
#65
○中原八一君 ありがとうございました。
 企業にとりましても大きな励みになるに違いないと思いますので、今後、一層の取組にも是非応援をしていただきたいと思います。
 次に、クレジットの購入について伺いたいと思います。
 今回、地球温暖化について勉強し、私がその中で最もユニークな仕組みの一つだと感じたのが、実はこのクレジット制度でございます。我が国では一九九七年に京都議定書が採択されて、この仕組みが広く知られることになりました。この制度の狙いは、排出量に金銭的価値を持たせることによって、温室効果ガスを削減をすればもうかり、削減できなければコスト増になるという仕組みを構築し、企業の省エネ努力を促すことにあります。我が国もクレジットを活用し、温室効果ガス削減のために省エネ技術の向上、節電、省エネ、森林吸収源、CDMのほか、最終的な目標不足を外国からのクレジットを購入して削減目標を達成しております。
 四月に二〇一一年度の我が国の温室効果ガス排出量の確定値が発表されました。その確定値によれば、実際の排出量は、一九九〇年の十二億六千百万トンで比較しますと、二〇〇八年度は十二億八千百万トンでプラス一・六%、二〇〇九年度は十二億六百万トンでマイナス四・三%、二〇一〇年度は十二億五千八百万トンでマイナス〇・三%、二〇一一年度は十三億八百万トンでプラス三・七%となっております。平均をしても六%には達成しておりません。六%削減に達成しない部分は、最終的にその達成のために、政府も民間においてもクレジットを購入しております。
 このように、クレジットの購入は世界全体の温暖化対策にとって欠くことのできないシステムになっているものと考えますけれども、これまで官民で購入されてきたクレジットの実績はどれほどなのか、伺いたいと思います。
#66
○政府参考人(関荘一郎君) 我が国におきましては、京都議定書目標達成計画に基づきまして、基準年総排出量比一・六%、五か年間の合計で約一億トンにつきまして京都メカニズムを活用して調達することとしております。このため、現在、政府によるクレジットの取得総契約量は約九千八百万トンに達してございます。
 一方、民間につきましては、経団連自主行動計画のフォローアップの報告によりますと、自主行動計画の達成のために現在までに約二億トンのクレジットを活用しているところでございます。
#67
○中原八一君 しかし、一方、クレジットを購入するということは、言わば国や民間企業が富を拠出している、だから、国富を流出していることになりマイナスだと考える考え方もございます。海外からのクレジットのこうした購入に対する政府の見解について、いま一度お伺いしたいと思います。
#68
○政府参考人(関荘一郎君) 地球規模での温室効果ガスの排出削減のためには、市場メカニズムを活用いたしまして、世界全体で費用対効果の高い対策を進めていることは非常に重要なことだと考えてございます。海外で実施されます排出削減プロジェクトから生じますクレジットを購入することも市場メカニズムの活用方策の一つでありまして、その意味で世界全体での削減に貢献するものと考えております。
 ただし、単に海外からクレジットを購入するだけであれば、我が国にとって国富の流出であるという批判があることは承知しているところでございます。こうした課題は、我が国が得意といたします低炭素技術の普及に資するプロジェクト等からのクレジットを購入するなどの工夫をすることで我が国企業も裨益をするものにしていけると、このように考えているところでございます。
#69
○中原八一君 クレジットを多く購入しているというのが電力業界ということでございます。電力業界は、原発の再稼働ができなければ、代替として火力発電に当然頼らざるを得なくなると思われます。そうなると、なお一層クレジットを購入し、温暖化対策を実施しなければならなくなるのではないでしょうか。ただでさえ電力業界は燃料費の高騰により経営が厳しい上、クレジットの購入により経営が圧迫されることにならないのか。
 例えば、電事連の場合は、二〇〇八年から二〇一〇年の三年間で一億七千万トン、二〇一一年は三千万トンを購入しているそうであります。これを一トン十ユーロとすると、一ユーロ百円として計算すると、実に二千億円という多額な金額になります。
 そこで、こうした電力業界のクレジットの購入の現状と今後の在り方についてお尋ねしたいと思います。
#70
○政府参考人(関荘一郎君) 電気事業連合会におきましては、政府の京都議定書目標達成計画にも記載されております自主行動計画に基づきまして、二〇〇八年度から一二年度までの目標達成に向けて取り組んできているところでございまして、二〇一一年度までに約二億三百万トンのクレジットを償却、購入したと伺っているところでございます。
 電気事業連合会といたしましては、政府の審議会における自主行動計画のフォローアップにおきまして、目標の達成は非常に厳しい状況であるとしながらも、電気事業者として地球温暖化対策の重要性を認識し、できる限り努力していくとしているところでございます。
 政府といたしましては、引き続き、電気事業連合会が自ら掲げた目標の達成に向けたクレジットの取得等の取組の状況について注視いたしますとともに、今後、二〇一二年度及び二〇〇八年度からの五か年の自主行動計画の評価、検証を行ってまいりたいと、このように考えております。
#71
○中原八一君 次に、京都議定書の第二約束期間に参加しないことによるクレジットの問題について伺いたいと思います。
 先ほどの質問でもお聞きしましたけれども、我が国は第一約束期間にクレジットを購入して一・六%分の削減に充て、温室効果ガスの削減目標を達成しております。ところが、昨年のCOP18では、第二約束期間に参加しない国に対してクレジットの国際的売買を制限することが決定されました。今までクレジットを外国から購入して削減目標を達成してきたのに、この決定により日本のクレジットを購入できなくなれば、果たして削減目標を達成できないのではないかという懸念が出てまいります。
 昨年のCOP18での決定に関する政府の見解を伺いたいと思います。
#72
○政府参考人(関荘一郎君) 京都議定書の下でのクレジットを取引するための仕組みといたしましては、CDM、共同実施、国際排出量取引の三つがございます。COP18におきましては、第二約束期間に参加しない国は、共同実施や国際排出量取引を活用してクレジットの国際的な獲得、移転を行うことは認められなくなったところでございます。
 ただ、CDMにつきましては、第二約束期間に参加しない国もCDMプロジェクトに参加してクレジットを取得すること、原始取得と呼んでおりますけれども、これは引き続き可能であることが確認されたところでございます。
 COP18の決定によりまして、第二約束期間におけるクレジットの取得に関するルールが確認されたことについては一定の評価をしているところでございます。
#73
○中原八一君 さて、今後、日本が第二約束期間に参加しないことから、日本が海外においてプロジェクトに参加をしてクレジットを入手することは可能である、しかし、これまでのようにクレジットを取引によって購入することはできなくなる、また、二〇二〇年以降の長期的枠組みにおいて、クレジットをどう活用するかは現状は全く決まっておらず、今後の国際的な議論次第だということでもあります。一方、昨今のEUのクレジット価格が暴落しており、設備投資にお金を掛けてCO2を削減するよりも、市場から安い排出枠を買ってきた方が安く付くという可能性も出てきております。
 今後、我が国が削減目標を立て達成計画を策定していく上においても、クレジットをどこまで活用できるのかが非常に重要になってくると思いますけれども、今後のクレジットの活用について、政府の御所見をお尋ねしたいと思います。
#74
○政府参考人(関荘一郎君) 我が国は第二約束期間には参加しないということになっておりまして、CDMの取得につきましても原始取得に限定されると、こういうふうな制限は付いているところでございます。
 その中で、取得しましたクレジットをどのように活用していくかにつきましては、国際的な状況を踏まえつつ、今後の新たな地球温暖化対策計画の策定の過程で検討してまいりたいと、このように考えております。
#75
○中原八一君 これからの我が国の地球温暖化対策には、攻めの地球温暖化外交戦略として、既存のクレジットを購入するばかりではなく、途上国における温暖化対策を更に加速させるような新しいクレジット制度を求めることが重要だと思いますが、政府の見解を伺います。
#76
○大臣政務官(齋藤健君) 御指摘のとおりだと思います。
 我が国としては、新しいクレジット制度といたしまして二国間オフセット・クレジット制度を提案しております。
 この制度は、日本の優れた低炭素技術などを途上国で普及することによりまして、それによって実現した排出削減量を定量的に評価をした上で我が国の削減目標の達成に活用していこうというものでございます。二国間で行いますので、きめ細かく踏み込んだ削減が可能になろうかと考えております。本年一月にモンゴルと、三月にバングラデシュと制度開始に関する文書に署名をいたしております。そのほか、アジア、アフリカを中心とした数か国とも現在協議を進めているところでございます。
 これによりまして、我が国の高い技術力を生かして世界全体での温室効果ガスの削減に積極的に貢献すると同時に、我が国の経済にもプラスがあるのではないかと考えているところでございます。
#77
○中原八一君 先日の報道でも、日本はアジアの十都市に民間企業や地方自治体と連携して温暖化ガスの排出削減につながる省エネ技術や廃棄物処理のノウハウを現地で提供する、その見返りに温暖化ガスの排出権を得るとの方針が示されていました。
 日本の環境技術には優れたものが多くあります。例えば、横浜市水道局は、水道管の埋設を全てコンピューターで管理し、図面と聞き取った音等を手掛かりに水漏れ箇所を絞っているそうであります。横浜市の水漏れ率は五%と、世界トップクラスを誇ります。これに対し、途上国の水道はどこも水漏れ率に悩み、五〇%を超えているところも珍しくないということであります。
 また、エネルギーサービス管理会社がビルの個別機器の診断やエネルギー管理システムを通じてエネルギー消費の削減を実施するESCO事業というものがあるそうであります。事業実施後、エネルギー消費削減による光熱費支出の削減分をビルオーナーとエネルギーサービス管理会社がウイン・ウインの関係で分け合う仕組みで温室効果ガスの排出減にも有効であります。このESCOの市場規模は、日本においては約四百億円規模でありますけれども、例えばタイでは七十億円と、アジアの途上国ではほとんど普及はなされておりません。
 二国間クレジットは、排出枠を得られるとともに、途上国へ我が国のこのような優れた温室効果ガスの削減や製品、システム、サービス、インフラ等を普及させ、途上国の持続可能な開発に貢献することのできる制度だと私も考えております。我が国が二国間クレジットを一層強力に進めていくために今後どのような手続や課題があるのか、伺いたいと思います。
#78
○政府参考人(関荘一郎君) 二国間オフセット・クレジット制度を進めるための手続といたしましては、まずはこの制度を開始するための二国間の文書にホスト国との間で署名をすることが必要でございます。二国間文書への署名後は、速やかに両国の代表から成る合同委員会を開催いたしまして、この二国間オフセット・クレジット制度運用のためのルールを採択していくこととなります。モンゴルとの間では、四月にこの合同委員会、第一回でございますけど、開催したところでございます。
 この制度の運用に当たりましては、環境十全性や透明性を確保することが重要であるため、国際的に認定された第三者機関によるチェックやパブリックコメントなどを行いながらクレジットを発行していくこととなります。
 本制度はまだ立ち上げの段階にありまして、相手国と様々な観点から協議を重ね、詳細なルールを作り上げていくことが必要であり、こうした課題を可及的速やかに解決していくことで本格運用に向けた道筋を付けてまいりたいと考えております。
#79
○中原八一君 先ほどお話がありましたように、我が国は二国間クレジットについては今年一月と三月にモンゴルとバングラデシュと合意し、プロジェクトの実行段階に入っております。今後、より多くの国との合意づくりを進め、多くのプロジェクトを展開していくことが重要だと考えますが、それを実現するためには、日本人なりのきめ細やかなサポートや支援というものを必要とするのではないでしょうか。他国のように技術や製品をただ単に譲渡することのないよう、粘り強い対応で取り組んでいただきたいと思いますが、政府の御見解を伺いたいと思います。
#80
○大臣政務官(齋藤健君) これも委員御指摘のとおりでありまして、技術や製品をただ譲渡するということでとどまっていてはいけないと考えておりまして、我が国の優れた低炭素技術が普及しやすいような環境の整備も含めて取り組んでいくことが肝要であろうと考えております。
 具体的には、環境規制の強化や途上国の低炭素計画作りの支援ですとかそういった法制度面からの御支援や、ESCO、先生おっしゃるように、など、我が国の優れている保守管理を含むビジネスモデルの普及促進の支援ですとか、そういったものも含めて総合的に展開をしていくことが肝要であろうと考えております。
#81
○中原八一君 ありがとうございました。
 次に、地球温暖化対策計画の中期目標について伺いたいと思います。
 この地球温暖化推進法案が成立すれば、政府は今後、COP19が開催される十一月までには新たな地球温暖化対策計画を策定をするとしておりますけれども、そうなると、あと六か月しか時間がございません。
 所信の質疑に対する答弁では、中期目標については、原子力発電所の再稼働はどのようになるのか、七月中旬までに原子力規制委員会が新たな規制基準を作り、電力の供給体制の見通しが立たないとその数値設定は難しいというように述べられております。
 しかしながら、仮に七月に新しい規制基準ができたとしましても、電力会社が再稼働を申請し、原子力規制委員会が新規制基準に照らして審査を行い、その上で地元自治体や住民の合意を得なければならず、各原発の再稼働の可否の見通しが立つまでには相当の時間が掛かることが予想されます。
 中期目標について、政府は、二〇五〇年までに八割削減という長期目標に対し、環境先進国としてそれに見合った野心的な目標を立てていかなくてはというお考えもあると思いますし、もし世界に誇るべき技術を持つリーダーである日本が低い目標を掲げれば、他国の取組にも力が入らなくなります。しかし、一方、余りにも現実離れした高い目標を設定して到達できなければ、これもまた日本の立場もなくなってしまうと思います。
 このように、原子力発電所の稼働の方向性が定まらない中での削減目標の数値設定については難しい状況であると思いますけれども、そのような状況の中、中期目標をどのようなものにしようと考えておられるのか、石原大臣のお考えをお尋ねしたいと思います。
#82
○国務大臣(石原伸晃君) ずばり申しまして、今御指摘されたところが一番頭を痛めている問題点でもあります。
 しかし、今日の午前中の議論の中で、委員のほぼ全員が、地球温暖化というものは地球全体の環境に深刻な影響を及ぼしているね、これは何とかしなきゃいけないな、こういう意思を皆さんが持たれていることも確認されましたし、もう少し視野を広げますと、全人類共通の政策課題であると私は思っております。
 今と、そしてこれから将来、国民の皆様方の財産あるいは生命、身体、こういうものをしっかりと守っていく、そしてそのためにも、世界第三位の経済大国、先進国として国際的な責務を果たすためにも、しっかりとした具体的な目標を掲げて、国が一丸となってこの課題に取り組む姿を世界に示していく必要があるんだと思っております。
 もう御指摘いただきました原発の稼働の問題あるいはエネルギー基本計画の議論の進展、こういうものあるわけですけれども、何とか知恵を出して、しっかりとした具体的目標というものを十一月までに示すべく知恵を絞ってまいりたいと考えております。
#83
○中原八一君 次に、地球温暖化対策と今後のエネルギー政策との関連性について伺います。
 さきの質問でも述べましたけれども、我が国の地球温暖化対策には震災以降様々な要素がございます。七月に予定されている原子力規制委員会による新たな規制基準を待たないと、原子力発電所の再稼働はどうなるのか、見通しを立てることが困難です。それまでは、新たなエネルギー基本計画の策定に向けた議論も深まっていかないものと思われます。
 二〇二〇年の温室効果ガス削減の中期目標と、一方、二〇三〇年のエネルギー基本政策の目標はどういう形で反映をされていくのか。中期削減目標は二〇二〇年なので、エネルギー基本政策の目標ではある意味中間点ということになると思います。今後、地球温暖化対策計画は関係審議会で策定に向けて検討していくことになろうかと思いますけれども、エネルギー基本計画の策定に向けた議論と関連してどのような対応をして策定されるのか、お尋ねしたいと思います。
#84
○政府参考人(関荘一郎君) 御指摘いただきましたように、新たな地球温暖化対策計画の策定に当たりましては、エネルギー基本計画の議論の進展や、あるいは本年七月に予定されております原子力発電所の規制基準の策定等の状況なども考慮しながら、中央環境審議会及び産業構造審議会の合同会合を中心に専門家の御意見も伺いながら検討を進めていく予定でございます。
 温暖化対策法の改正法が成立いたしました暁には、速やかに検討に着手をいたしまして、政府内の関係省庁とよく連携しながら、COP19までには削減目標を見直し、新たな計画を策定したいと、このように考えております。
#85
○中原八一君 次に、石炭火力発電のアセス問題について伺いたいと思います。
 震災の影響から、エネルギー調達の厳しい現状を踏まえ、電力供給と温暖化対策のはざまで、東京電力の石炭火力発電所の新設を契機に環境省と経産省がアセスにおけるCO2の取扱いの明確化や電気事業分野における実効性ある地球温暖化対策の在り方などを協議しておりました。連休前に環境省と経産省の東京電力の火力電源入札に関する関係局長会議を開催し、電力の安定供給の確保と燃料コストの削減、環境保全に取り組むための対応について取りまとめられたと聞いております。また、その内容を盛り込んだ燃料調達コスト引下げに向けた当面のアクションプランが関係者の間で決定されました。
 この中には、従来三年程度掛かる火力発電のリプレースを一年強程度にアセス手続期間を短縮するといった取組や、電気事業分野における実効性ある地球温暖化対策の在り方、環境アセスにおけるCO2の取扱い等が内容として盛り込まれております。
 石炭火力はLNG火力の二倍ものCO2を長期にわたって排出し続けるにもかかわらず、環境省は石炭火力の新増設に慎重であった姿勢を転換し、燃料費軽減のため石炭火力の新増設を認めてしまったという、経産省に押し切られた形では困ると、環境省は環境省らしいスタンスで取り組んでほしいと自民党の中川理事も三月の委員会で述べられております。
 石炭火力発電所のアセスの問題について、今回、環境省と経産省でまとめた整理、そしてアクションプランについて、その内容と、また今後定める中期目標と新たな温暖化対策計画との整合性についてお尋ねしたいと思います。
#86
○政府参考人(関荘一郎君) 環境省と経済産業省の間で局長レベルの会議を設けましてこの問題について議論をさせていただきまして、四月二十五日に東京電力の火力電源入札に関する関係局長会議取りまとめというものを公表させていただきました。
 そのポイントを一言で申し上げますと、温暖化対策の観点から、電気事業全体のCO2の排出量を抑制するという新たな枠組みをつくっていただくと、こういうものでございます。
 これによりまして、発電コストを引き下げる必要があるということで発電コストの引下げ、また燃料選択肢を多様化する、さらには電気事業全体でのCO2の排出量抑制に向けて管理するということで、いわゆる三つのE、環境、経済、エネルギーを同時達成し、技術革新や事業間の競争も促進されるものと、このように考えております。
 また、環境アセスメントの手続につきましては、利用可能な最良の技術、いわゆるBATと呼んでいるものでございますけれども、これについて検討がなされているか否かを確認しておりますけれども、常に技術進歩を促すという観点から、竣工に至るスケジュールも勘案しながら最先端の技術を検討すると、このようにしたところでございます。
 同じく、四月二十六日に取りまとめられました燃料調達コスト引下げに向けた当面のアクションプランにおきましても、これらの内容が盛り込まれているところでございます。
 新たな温暖化対策の枠組みにおけます電気事業全体の目標につきましては、今回の取りまとめを踏まえ、今後、COP19までに策定されます国の地球温暖化対策の計画目標と整合的な目標が定められることになると考えております。
#87
○中原八一君 次に、再生可能エネルギーの導入促進について伺いたいと思います。
 昨年七月から開始された固定価格買取り制度によって、太陽光発電の導入が進んできております。私の地元新潟は豪雪地域という条件不利なところでございますけれども、太陽光発電を県主導で、雪が積もらない雪国型メガソーラー発電所を建設をして、雪国においても太陽光発電が可能なことを実証しております。また、家庭向け太陽光パネルや関連するものを普及させようということで、補助金などの支援事業を展開して太陽光発電を推進しております。
 地熱発電につきましては、地元や温泉業者との協議などがなかなか進んでおらず、地元の合意やアセスの問題、それから発電所から送電線を引くための電力会社との課題と、こういうものもあります。
 風力につきましては、先般、三月か四月でしょうか、低気圧の影響で京都と三重の風力の支柱が折れてしまうと、こういう事故もございました。外国の風車が日本の瞬発的な風速に耐えられるかどうかという、こういう課題もあるわけでございますけれども、我が国は三年間集中期間として再生可能エネルギーを普及することになっておりますけれども、二〇二〇年までの導入量について今後の見通しはどのようになっているのか、再エネの普及について様々な解決をするためにどのような支援や対応をしていくのか、お尋ねしたいと思います。
#88
○副大臣(田中和徳君) 三月に地球温暖化対策推進本部で決定いたしました当面の地球温暖化対策に関する方針では、中原先生も御承知のとおり、十一月のCOP19までに新たな二〇二〇年の削減目標とそれを実現するための計画を策定することになっております。再生可能なエネルギーの導入量についてはこの計画に位置付けられることとなりますけれども、東日本大震災以降、事業者及び国民による取組が拡大してきたことを踏まえまして、導入を更に加速させ、低炭素社会の創出に資するよう、最大限の推進を図ってまいる所存であります。
 また、環境省としましても、今年一月に再生可能エネルギー導入加速プログラムを策定をいたしたところでございまして、蓄電池を活用した実証だとか、浮体式洋上風力の実証、地熱開発の取組支援などの施策を体系的、戦略的に展開することとしておるところでございます。
 これらのプログラムに基づきまして、長期的かつ総合的な観点から再生可能エネルギーの更なる導入拡大を図るとともに、自立分散型エネルギーシステムを構築して低炭素社会を実現してまいりたいと思います。
 私自身も、先般、札幌市で開催された地熱発電のシンポジウムが規模大きく開催をされまして、僅かな時間でありましたが講師として考え方を述べさせていただいたところでございまして、地域にそういう動きも広がってまいりましたし、積極的な対応をしてまいりたいと思っております。
#89
○中原八一君 ありがとうございました。
 最後に、今後の地球温暖化対策について伺いたいと思います。
 繰り返しになりますが、我が国は京都議定書第二約束期間には参加しないけれども、カンクン合意に基づいて、二〇二〇年までの削減目標の登録と、その達成に向けて、国際的な報告、検証を通じて、引き続き地球温暖化対策に積極的に取り組んでいくこととしております。
 一方、国際的には、全ての国が参加する二〇二〇年以降の温暖化対策の新しい枠組みを二〇一五年末までに策定すべく、交渉を進めていきます。この国際的な交渉の動向について、連休中にドイツ・ボンで開催された交渉会合の結果と概要についてお伺いしたいと思います。
#90
○政府参考人(関荘一郎君) この会合におきましては、二〇一一年末のCOP17での合意を受けまして設置されたダーバン・プラットフォーム特別作業部会、ADPと呼んでおりますけれども、の今年最初のセッションが開催されました。四月二十九日から五月三日までドイツのボンで開催されたものでございます。ここでは、全ての国が参加する二〇二〇年以降の新しい法的枠組みの二〇一五年合意に向けた検討、また二〇二〇年までの排出削減の取組の向上の、この二つの課題につきまして各国の事務レベルで活発な意見交換が行われたところでございます。
 二〇二〇年以降の枠組みにつきましては、全ての国の参加を確保するために各国の事情に応じた各国の努力を基本とすべきである、また、共通のルールの下で各国の行動の透明性と実効性を確保する必要があるなどの意見が出され、今後、更に論点を絞りまして意見交換を進めていくことが確認されたところでございます。
 また、二〇二〇年までの排出削減の向上につきましては、低炭素成長に向けました各国の取組の紹介や、様々な国際協力イニシアティブを促進させるための方策につきまして意見交換が行われております。
 来月、六月三日から十四日でございますけれども、にも引き続き会合が予定されているなど、十一月のCOP19に向けまして更に議論を深めていく予定となっております。
 我が国といたしましても、今後、新たな枠組みの在り方や具体的な内容に関する提案を行い、議論に積極的に貢献していきたいと考えているところでございます。
#91
○中原八一君 最後でありますけれども、我が国を取り巻く状況は、東日本大震災の影響による火力発電のCO2排出量が増加をせざるを得ない状況、また、第二約束期間に参加しないことから排出枠の購入もできなくなってしまい、温暖化対策という意味では大変マイナスの要素が際立っているように思います。
 こういう厳しい状況でございますけれども、地球温暖化対策については、政府は、今後とも先頭に立って一層取り組み、我が国の排出削減はもちろんでありますけれども、世界のリーダーとして世界全体の排出削減にも積極的に貢献していかなければならないと思いますけれども、これからの温暖化の取組について石原大臣の決意をお伺いして、私の質問を終わらせていただきます。よろしくお願いします。
#92
○国務大臣(石原伸晃君) 中原委員が踏み込んで、この地球温暖化をどのように阻止をする、そしてまた、そんな中で、人類共通の課題と私申させていただきましたけれども、この問題に対して、震災以降、厳しい環境ではありますけれども、どのように対処していけばいいのか、輪郭が見えてきたような気がいたします。
 日本国内では、もう申すまでもありませんけれども、企業も個人も努力をしていく、そして我が国自らが持つ高い技術力で世界全体の大幅な排出削減に貢献していく、その仕組みはあるわけでございます。こうした考えを基本として、攻めの地球温暖化外交戦略を組み立てることによりまして世界の要請にこたえてまいりたい、こんなふうに考えております。
 ありがとうございました。
#93
○委員長(北川イッセイ君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時まで休憩いたします。
   午前十一時五十九分休憩
     ─────・─────
   午後一時開会
#94
○委員長(北川イッセイ君) ただいまから環境委員会を再開します。
 休憩前に引き続き、地球温暖化対策の推進に関する法律の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次発言願います。
#95
○加藤修一君 公明党の加藤修一でございます。午前中、審議聞いておりまして、ますます重要な法案だなと改めて確認を深くしたところでございます。
 午前中にも話がありましたが、国連気候変動枠組条約のフィゲレス事務局長が、四〇〇ppmを超えたということで危機的な状況であると、そういう声明を発したわけであります。それで、IEAの四五〇ppm、それと比べると五〇ppmの間隔が開いているわけでありますけれども、カンクンの合意を踏まえて、あるいはカンクンの中でIEAは主張したところがこの四五〇シナリオでありますが、各国が今すぐ四五〇シナリオの実現に必要な国内措置をとるべきであると、そういうボトムアップ戦略でありました。これは、中身を検討してまいりますと、やはり日本にとってまたとないチャンスであると、これは得意とする低炭素技術の開発普及を通じて、やはり世界の排出削減に貢献できると、そういうビジネスチャンスにもなると思っております。
 この四五〇シナリオを更に二〇五〇年まで延ばしてまいりますと、この達成のためには四十六兆ドルの追加的な投資が必要だと、こういうふうに言われている話でありまして、実は先日、修正の趣旨説明がありました。修正をされたということについては敬意を表したいと思っておりまして、その中で、「技術に関する研究開発の推進及びその成果の普及に努める」、このようにあります。技術の導入、技術の発展については規制システムの役割も見逃すことができないと思います。
 かつてアメリカのマスキー法、これは有害排気ガスを十分の一に早期に削減するという法律でありましたが、規制効果の一つとして、環境対応型自動車の開発普及が進んだとも言われております。CO2規制が全くなくて対応しないで済むのであるならば、新技術の導入や技術開発の大きなインセンティブは生まれてこないと、このように私は考えておりますが。
 したがって、今回の改正温対法においては、長期的であったとしても定量的に一定の規制があることが望ましいと考えております。こういう意味から、見直し条項付きの二〇五〇年八〇%削減、これが改正温対法に条文化されるべきであったと考えております。このことがやはり企業行動の予見性を担保することにもなると。まあバックキャスティングアプローチという観点からも大事だと思いますが、同時に新技術の導入や技術開発の大きなインセンティブが生まれてくると、そのように思っているわけでありまして、以上二点について、それぞれ修正提案者の方からお二人、この二点について答弁をいただければと思っています。
#96
○衆議院議員(北川知克君) ただいま加藤議員の方からお話がありました今回の法改正の中で、二〇五〇年の八〇%削減、この改正温対法、条文化されるべきであるという御意見もあります。そして、従来から、環境と経済の中で、規制をすることによって環境政策がより一歩前に進むというような御意見だろうと思います。
 アメリカのマスキー法のお話がありましたが、たしか一九七〇年であったと思いますが、それを受けて、我が国においても昭和五十三年、日本版のマスキー法ということで、車の技術開発が先進的に行われて、車メーカーの技術開発と同時に、このマスキー法に対応して触媒等関連の技術も進展をしたと思っております。
 その中で、今回の改正で条文化すべきであるというお話でありますが、この点につきましては、平成二十一年、当時の麻生首相が出席をいたしましたラクイラ・サミットのG8首脳宣言では、先進国全体で、一九九〇年又はより最近の複数の年と比して二〇五〇年までに八〇%又はそれ以上削減するとの目標を支持をするとされたところであります。
 このため我々は、三月二十九日の衆議院の環境委員会におきましても、温対法改正法の施行に当たっては二〇五〇年八〇%削減という長期的展望に立って地球温暖化対策を実施するよう政府に求める附帯決議をなされておりまして、これには我が党も賛成をしたところであります。
 提案者といたしましては、議員御指摘のように、条文化という方向もあったのでありましょうが、我々は今回政府に附帯決議をということで対応をしたわけでありまして、今後の社会経済情勢、地球温暖化のための国際的な枠組みの展開等を踏まえつつ、政府において御指摘のような長期的な目標の設定について積極的に検討をなされることを期待をしたいと思っておりますので、よろしくお願いをいたします。
#97
○衆議院議員(篠原孝君) 地球温暖化対策の長期的な目標が必要だという点は、加藤委員の御指摘のとおりだと思います。特に、二〇五〇年八〇%の削減目標というのはあちこちで言われてきております。
 我が党、民主党の関係で申し上げますと、第百七十六国会に提出した地球温暖化対策基本法案において、この長期的な目標に関する規定を設けておりました。それから、またその後ですけれども、平成二十四年四月二十七日に閣議決定いたしました第四次環境基本計画においても、この温室効果ガスの排出を二〇五〇年までに八〇%削減するということを明記しております。
 そういった関係で、何らかの形でこの法案の中にも織り込むべきだという御指摘、そのとおりだと思っておりまして、我々もそういった議論も質疑においてもしてまいりました。ですけど、これは北川提案者が既に答えていただいておりますけれども、附帯決議にきちんと収めております。
 具体的な目標のことで、マスキー法の話をされましたけど、私が深くかかわってまいりました食料・農業分野におきましても、アメリカでダイエタリーゴールという、食生活の目標というので、日本でも一時盛んに言われましたPFCバランスと。炭水化物と脂肪とたんぱく質のバランスが、日本の食生活が非常にバランスが取れていると。アメリカは脂肪やたんぱく質が過多だということを言われまして、それでそういった単なる目標だったんですけど、アメリカでは、まだまだ不十分であろうと思いますけど、相当肥満が解消されてきていると。逆に、日本では余り問題にされないので、よく分かりませんが、小学生などはアメリカと同じような肥満体質が増えているというふうになっております。
 どの分野でも目標をきちんと定めてそこに向かって進むということは大事なことではないかと思っておりまして、そういった観点からも附帯決議に付けさせていただきましたし、我々は、それをゴールに向かって推進して、進んでいくべきではないかと思っております。
#98
○加藤修一君 ありがとうございます。
 自民党が出された低炭素社会づくり推進基本法案、これ第十八条には二〇五〇年八〇%削減が入っております。それから、閣法の中でも第十条で同じ数字が入っております。それで、公明党が出しました気候変動対策基本法、これ第十四条に二〇五〇年八〇%を削減というのが入っておるわけでありまして、それで、事務方にお聞きしますけれども、前回、委嘱の関係でこの辺の話をして、私は、アメリカもイギリスもこれは二〇五〇年八〇%を削減というのは明確に言っているわけですし、それから国際的な合意、サミットの関係の合意でも進めてきていたという話もさせていただきました。
 それで、これ、英国もアメリカも定めているというふうに、私は法律上の話はしませんでしたけれども、法律ではそういうふうになっていないということですけれども、確認しますけど、本当にそうですか。
#99
○政府参考人(関荘一郎君) 網羅的に調査したわけではございませんけど、私どもの知り得ている範囲では、アメリカ、イギリスにおきまして法文上二〇五〇年八〇%と位置付けられていることは承知しておりません。
#100
○加藤修一君 局長はある意味では非常に、こういった分野、これからCOP19の関係について責任が非常に重いと思うんですね。また、改正温対法を出すに当たってもその役割を果たしてきているわけで、それ、今の答弁は私は事実と違うんではないかと思いますよ。
 なぜそう言うかといいますと、イギリスは二〇〇八年に気候変動法という法律を成立させました。これは、二〇五〇年までにイギリスにおける温暖化効果ガス排出量を一九九〇年比で八〇%削減することを最終目標とした法律であります。法律の中に明確に書かれているわけですよ。だから、本来、こういうところは当然知っていなければいけない立場であるにもかかわらず、事実と違うことを言うのはおかしいんではないか。
#101
○政府参考人(関荘一郎君) もう一度改めてイギリスの法律について確認をさせていただきたいと思います。失礼いたしました。
#102
○加藤修一君 それは恥ずかしい話ですよ、あなた。
 二〇五〇年の目標として、連合王国の純炭素換算を一九九〇年基準で八〇%低くすることを主務大臣の義務とする。主務大臣は、命令によって削減対象とされるGHGの種類を拡大することができる。大臣自らがやることができるということですよ。今回の法律のように、法律に書いているものしかできないという話じゃないですよ。大臣自らが削減対象とされるGHGの種類を拡大することができる。主務大臣は、命令によって八〇%という削減目標及び基準年を変更することが可能である。しかし、変更に当たっては、気候変動に関する知識の発展、国際的な法又は政策の変更、さらに削減対象とされるGHGの種類の拡大、国際航空及び国際海運によって生じるGHGの削減対象化といった条件が必要となるというふうに書いてあって、明確に法律に書かれているんですよ、二〇五〇年八〇%削減ということは。
 前回、私はアメリカ等と言いました。ただ、その中には、元環境大臣の斉藤さんがビジョンを発表したその中には英国と米国というふうに書いてあった。じゃ、米国はどうなんですか。
#103
○政府参考人(関荘一郎君) 手元に資料も持っておりませんで、先ほど申し上げましたのは、私が知っているかどうかという意味では私は存じていなかったということであります。後ほど確認させていただきたいと思います。
#104
○加藤修一君 それは米国に対する答弁ですか。
#105
○政府参考人(関荘一郎君) 米国の国内法で二〇五〇年八〇%というのが記載されているかどうかにつきましては、私は記載されている事実を知らないということでございます。
#106
○加藤修一君 それじゃ困るということですよ。一番のこの関係の担当者じゃないですか。
 なぜ私がこういうふうに言うかというと、我々国会にいる立場としては、二〇五〇年八〇%削減、そういうことを何とかやらなければいけないと。これは環境省の役割をしっかりと位置付けさせるということもありますけれども、午前中に大臣がおっしゃったように大変な大きな課題であると。COP19を目指して知恵を出さなければいけない、経済国第三位としてその責務を果たさなければいけない。果たすためにはそれだけの道具が必要ですよ。エネルギー基本計画だって、できるかどうか分からないですよ、行くまでに。ですから、せめて二〇五〇年、先の話かもしれませんけれども、バックキャスティングの関係を含めて考えれば二〇四〇年とか二〇三〇年とか、企業の経営にとったって、それはビジョンがそういうことになっているならば、自分たちの会社のビジョンの関係についてもこういうふうに考えるべきだという、そういう行動につながってくるわけでありまして、だから強く言っているんですよ、この二〇五〇年八〇%削減ということは。
 しかも、ほかの米国、イギリス、そういった点については法律で規制していないということですけれども、法律に規定してくれと我々は言っているわけですよね。規制するのが大事だと。ないからやらないという。ほかの国はないからやらないんですかと、私、前回言いましたよ。あればやるという話ですか。
 アメリカはあるんですよ、ちゃんと法律が。アメリカのEPA、温室効果ガスを有害認定、御存じでしょう。CO2やメタン、温室効果ガス等、これは人の健康に有害な物質だとする認定結果を既に発表したと。クリーン・エア・アクト、これは大気浄化法という法律でありますけれども、そこで明確にしたわけですよ。ですから、二酸化炭素、メタン、亜酸化窒素、ハイドロフルオロカーボン類、パーフルオロカーボン類、六弗化硫黄の六種類と。それから、気候変動に関する膨大な科学的証拠によって温室効果ガスの脅威が現実のものであることが証明されたと。これに伴い温室効果ガスの削減に向けた取組に対する権限がEPAに付与されたと。だから、この大気浄化法の中で大気汚染物質としてのCO2等などのGHG、それを規制、削減することが可能となったというふうにあるわけですよ。法律があるということですよ、規制に関して。
 しかも、これは若干ベースラインが違いますけれども、二〇〇五年比で二〇一二年三%減、二〇二〇年一七%減、二〇三〇年四二%減、二〇五〇年八〇%減と、そういうふうに設定されているわけですよ。削減手段として、キャップ・アンド・トレード方式が採用され、争点となっていた排出枠の無償配分については、総排出枠の最大八五%が様々な部門に異なる期間配分されると、そういうことまで実は言及しているわけですよ。
 それから、連邦の再生可能エネルギー利用基準の目標値については、二〇二〇年に総配電量の二〇%と設定されているということなんですね。是非、これは確認してほしいと思うんですよ。
 法律に数字を入れるのが嫌だ嫌だとよく官庁は言いますけれども、人類の、大臣がおっしゃるように人類の大きな課題で、先ほどの事務局長の紹介した話じゃありませんが、大変な状況になっているということですよ。だから明確に効き目のある法律にしなければいけないということなんですよ。どうお考えですか。
#107
○政府参考人(関荘一郎君) 米国の大気浄化法の最近の動向につきましては承知しております。私の理解では、温室効果ガスが大気汚染物資であるかどうかについて最高裁まで争われて、アメリカの連邦最高裁判所で大気汚染物質であるというふうな判断がなされ、それに伴いまして既存の大気浄化法の規制対象物質になったと。最近の動きでは、この法律に基づきまして、新設の石炭火力発電所の排出基準を設定すべく、昨年の春に数値を提案してパブリックコメントを終了し、近々にも法に基づいた措置がされると、このようになっているというふうに承知しております。
 他国のそれぞれの国内、様々な事情で様々な取組が行われていると思っておりますけれども、我が国といたしましては、地球温暖化対策計画を法定計画として作ることによって、今年度以降も是非温暖化対策を積極的に進めてまいりたいと、このように考えております。
#108
○加藤修一君 前回、英国、アメリカもそういう対応をしているわけですよと、この二〇五〇年八〇%削減。なぜ環境省だけがそういう形にしないのかと。そのときに答弁は、ほかの先進国、アメリカ等におきましても、それぞれの国内法におきまして明確に二〇五〇年八〇%削減ということを位置付けているわけではございませんと明確に言っているわけですよ。だから、事実と違うわけですよね。
 私は、揚げ足を取ってとか、そういうことじゃないんですよ。全権的な責任を持っているあなたがこういう程度じゃ、国際交渉のところでどういうことになるのかと危惧しますよ。しかも、この改正温対法は、皆さん、大変な重要な法案だと思っている。その中に明確に入れるべき数字は入れて、それが規制的なシステムとして働くようにしなければいけないと、先ほど修正提案者にもそういう関係の話をしました。まさに我々と同じ考え方じゃないですか。
 何でかたくなにそう思うんですか、やらないんですか。なぜ数字は入れたくないんですか。
#109
○政府参考人(関荘一郎君) 二〇五〇年八〇%削減というのは、昨年の環境基本計画の改定の中でも政府として閣議決定しているものでございまして、日本政府としては、将来の、法律ではございませんけれども、環境基本法に基づく環境基本計画の中で明確に位置付けているものでございます。
 今回の温対法の改正を提案させていただきましたのは、今年度以降も引き続き法律に基づく温暖化対策が円滑に進められるように御提案をさせていただいたものでございます。
#110
○加藤修一君 質問にまともに答えてほしいんですよ。
#111
○政府参考人(関荘一郎君) 政府として今回の温暖化対策法を提案させていただきましたけれども、今回の改定においては、私ども事務方といたしましては、取りあえず必要な部分についてのみ御提案をさせていただいて、その余の長期的なものについては引き続き検討させていただきたいと、こういう気持ちで御提案をさせていただきました。
#112
○加藤修一君 午前中の答弁の中でエネルギー基本計画の話がありました、それを策定するという話がありました。これは明確にそういった点を、そのことを考えると二〇二〇年、二〇三〇年をどうするかという、そういった面における数字が出てくると、そういうふうに私は理解しましたが、それは確実にそうなるという判断でよろしいですか。なぜこういう質問をするかというと、二〇五〇年八〇%削減は、何回も言っているように意義があるということなんですよ。
#113
○政府参考人(関荘一郎君) エネルギー基本計画につきましては経済産業省で御担当されて検討されているというふうに承知しておりまして、最終的な姿がどのようになるかというのは、私どもは見守っている立場でございます。
#114
○加藤修一君 いや、ですから担保を取らなければいけないということなんですよ。言っている意味分かりませんか、二〇五〇年八〇%削減の意味が。
#115
○政府参考人(関荘一郎君) エネルギー基本計画の計画期間がどのようになるかということも私どもが判断する立場ではございませんけれども、恐らく、前回の計画でありますと二〇三〇年の姿を示しておりますので、そういうことを参考に決定されるのではないかなと、このように考えております。
#116
○加藤修一君 そういう答弁でいいと思いますか。
#117
○委員長(北川イッセイ君) どなたに御質問ですか。
#118
○加藤修一君 同じです。
#119
○政府参考人(関荘一郎君) 今回御提案させていただきました温対法が成立いたしましたら、それに基づきまして温暖化対策計画を策定させていただくわけでありますけれども、その際には、エネルギー基本計画の策定の動向等も勘案しながら策定をしていきたいと、このように考えております。
#120
○加藤修一君 英国でもアメリカでも、具体的に法律に数字は書かれている、それに対応して規制措置も進んでいくということなんですね。それを考えていくと、日本の、具体的な数字が入っていない段階でどこまでやれるかということは非常に不確実性が高いわけですよね。
 これ、相当そういう意味では日本は遅れていますよ。アメリカ云々ということをよく聞きますけれども、この法律の中身を考えていくと非常に遅れているというふうに言わざるを得ないわけですけれども、どうとらえていますか。
#121
○政府参考人(関荘一郎君) 今回御提案させていただいております改正温対法の温暖化対策計画の計画項目の一つが目標でございまして、国際的には二〇二〇年目標、現在二五%削減となっておりますけれども、これは政府としてゼロベースで見直しておりますけれども、新たな目標というのがないわけではなくて、法に基づく温暖化対策計画の中にまず目標を法に基づいて位置付けまして、それを実現、達成するための施策もこの計画の中に書き込むと、このようになっているところでございます。
#122
○加藤修一君 いや、数字がなくて規制をより十分にやることはできないと私は思いますね。この問題だけをやっているわけにはいかないですけれども。前回も言いましたけれども、なぜここに私がこだわっているかというと、それは二〇五〇年八〇%削減をしなければいけないという、そのことがそうなんですけれども、ただ、これをやろうとしたときに、特に与党の公明党を混乱させるようなことを行政がやっていいわけじゃないんですよ、あえて言いますけれども。とんでもない話なんですよ。
 それでは次に、温暖化対策の三点セットと言われておりますけれども、国内の排出量取引制度、それから地球温暖化対策の税、それから再生可能エネルギー買取り制度。
 そこで、せんだって第十五回の日中韓の環境大臣会合があったわけでありますけれども、その中でも、排出量取引制度の関係について今後議論をしていくというふうに書かれておりますけれども、これは中国及び韓国、この排出量取引制度の関係についてはどのような進捗状況でしょうか。
#123
○政府参考人(関荘一郎君) まず、中国におきましては、二〇一三年から主要七地方政府におきまして国内排出量取引制度のモデル事業を実施しておりまして、モデル事業から得られた知見を活用し、二〇一六年から全国レベルでの制度の導入を予定していると承知しております。
 また、韓国につきましては、二〇一二年五月に国内排出量取引制度に関する法律が成立しております。これによりまして、二〇一五年から制度を開始することが決定しており、導入に向けた準備を進めているものと承知しているところでございます。
#124
○加藤修一君 これは後ほど質問しますけれども、これ、東京都では国内で初めて排出量取引制度を導入していますけれども、環境省としてはどのようにこれを評価しているでしょうか。
#125
○政府参考人(関荘一郎君) 御指摘のように、東京都におきましても、二〇一〇年度から総量削減義務と排出量取引制度という名前でこの制度を開始したものと承知しております。
 環境省におきましても、温暖化対策を進める上で排出量の取引というのは大変検討に値するものだというふうに考えておりまして、引き続き検討を進めてまいりたいと、このように考えております。
#126
○加藤修一君 日中韓の会合の関係で、ある意味で、日本は環境の対応の仕方については先進的な部分が相当数あると思うんですよね。韓国においても、答弁がありましたように、二〇一二年五月、法律を作ったと。あるいは、中国は二〇一三年から二〇一六年に向けてそういう様式を導入するという話でありますけれども、これから、発展途上国の方あるいは中進国の方でそういう形になっているわけですけれども、また、今、東京都の関係についても評価するという話でありましたが、大臣、これ、排出量取引制度については環境省としては今後どのように取り組んでいく予定でしょう。
#127
○国務大臣(石原伸晃君) ただいま国内の排出権取引の制度について、韓国並びに中国の取組、私もその場におりましたのでそういう報告を受けました。日本では東京都が実施したものが、二〇一〇年だったと思いますけれども、あるわけでございますが、その成果は、今局長の方から御答弁させていただきましたけれども、平成二十三年度は発災がございましたので、経済の全体的な落ち込み、これをどういうふうに勘案するかということを除いたとしても一〇%を超える削減効果がある。東京でいいますと、多分工場というよりもオフィスとか、そういうものが多くなっているんだと思いますけれども。効果のあるものであるという答弁を局長がしているとおり、これはどこまで広げることができるのか、今は自治体の取組でございますけれども、国として取り組むことができるのか、検討しているところでございます。
#128
○加藤修一君 それでは次に、地球温暖化対策のための税の関係について入ってまいりたいと思いますけれども、これ、特別会計、エネルギー特会の関係でありますけれども、平年ベースになった場合は二千数百億円、初年度では三百数十億円というふうに言われておりますけれども、かなりの増収が今後あるというふうに考えられます。
 第一次安倍内閣のときに、美しい星の政策、あるいはクールアース50ということもありました。それから、二十一世紀の環境立国戦略というのも発表して、それで地球温暖化対策の関係、資源の制約がどんどんきつくなってくるからそれに対してどう対処するか、あるいは、生態系の崩壊等々含めて、それにそれぞれ対応する形で低炭素社会、あるいは循環型社会、それから自然と共生の社会と、そういうふうに三本柱があって、最終的にそれが持続可能な社会をつくっていくというふうになっているわけでありますけれども。
 今後、こういった面も含めて、やはり三・一一以降の考え方も大きく変わってきているようでありますし、コミュニティーをどう、豊かな資源を含めながらしっかりときずななんかについても改めて再考されたぐらいの話でありますから、やはりそういう点を含めて考えていくと、今後、環境省としても今の三本プラス一、最終的に持続可能な社会という姿をどうするかということも当然あるわけでありまして、国民の皆さんが必死に納めている地球温暖化対策税の関係についても十分効果的に使わなければいけないなと、そういう思いでおりますけれども、この辺について、今後どういう展開を考えているのかということについてお願いいたします。
#129
○大臣政務官(秋野公造君) 御質問いただきました地球温暖化対策のための税につきましては、段階的な施行の途上にありまして、まずは、その定着を図るとともにその税収を有効的に活用していくことが重要と認識をしてございます。
 本年一月に石原大臣より、低炭素社会創出ファイナンス・イニシアティブ及び再生可能エネルギー導入加速化プログラムを発表させていただきました。税収の使途については、この二つに基づきまして、二十五年度再生可能エネルギー等の導入促進に向けて、金融メカニズムを活用して民間投資を促進するとともに、例えば浮体式洋上風力の実証などの施策を体系的に、戦略的に展開をさせていただくこととしています。
 さらに、三・一一以降のお話もしていただきましたが、震災後に人々の価値観が変化し、持続的な経済成長の中身についての問い直しも始まっております。二十世紀型の物質文明社会を乗り越え、低炭素社会、循環型社会、自然共生社会を同時実現する新たな文明社会を構築していく必要があると私どもも考えておりまして、このため、二十六年度以降、そのような社会の創造につながる施策を推進するため、地球温暖化対策のための税の税収を一層効果的に活用させていただきたいと考えてございます。
#130
○加藤修一君 新しい文明社会をつくっていくという、そういう極めて大きい話、大きい言葉が出てきたわけでありますけれども、石原大臣はどのようにこの辺についてお考えでしょうか。
#131
○国務大臣(石原伸晃君) ただいま秋野政務官が、低炭素社会、循環型社会、自然共生型社会、同時実現するための新たな文明社会を構築していくと、かなり大所高所からの説明をいただきました。私もまさにそのとおりだと思います。
 そして、加藤委員が冒頭御指摘になりましたとおり、幾ら環境のためとはいえ、国民の皆様方が貴重な財産の中からお納めいただいている税でございますので、この税をいかに有効に使っていくのか、今政務官が説明していただいたような社会をつくっていくために、これからもその税の有効活用を明らかに国民の皆様方に示し、ああ、こういうことに使うんだ、そのためにはと納税をしていただける環境の整備に努めてまいりたいと考えております。
#132
○加藤修一君 それじゃ次に、再生可能エネルギーの関係に入りたいと思います。
 IPCCのレポートによりますと、二〇〇〇年には、開発ポテンシャルというんでしょうか、世界全体のうち八五%を供給できるという、そういう意味だと思いますけれども、そのぐらい再生可能エネルギーについてのポテンシャルがあるということと同時に、期待できるということにも当然なってまいるわけでありますけれども、これは質問ということではなかったですね。そういう状況でありますので、しっかりとこの再生可能エネルギー、普及拡大していくようにしていかなければいけないなというのは共通の考え方だと思います。
 それで、ちょっと飛躍しますけれども、原発関連で、これ国費投入、累積の国費投入の関係でありますけれども、これはどのぐらいになるかということをちょっと教えてほしいと思っておりますが、最近五年間でもう二兆円は超しているという話もあったりしますけれども。
 一九五四年に原子力予算が、国会に提出して成立したという経緯があります。最初は二億五千万円。これは濃縮ウランが235だから二億五千万と、こじつけたような、そんな言い方をする方がいますけれども、正確には二億三千五百万円だということで、235というふうにこじつけて作ったんだという言い方をする方もいますけれども、この辺、総額、どうなるでしょうか。
#133
○政府参考人(中野節君) 御指摘のように、原子力委員会で、昭和二十九年度以降、毎年度関係府省の原子力の研究開発及び利用に関する経費について予算額を取りまとめて公表しております。これまでの公表値を基に集計いたしますと、昭和二十九年度から平成二十二年度まで五十七年間の予算額の総額が十三兆九千八百億円、約十四兆円となります。
#134
○加藤修一君 国策といっても、再生可能エネルギーも当然国策でありますけれども、いずれにしても約十四兆円ということが使われてきたということになります。
 それで、私は、前々から再生可能エネルギー、自然エネルギーについてはしっかりとやっていかなければいけないということで、同志を募ってやってきておりますが、再生可能エネルギーに対する予算措置というのは昔は非常にみすぼらしかった。ある意味では、表現は別でありますけれども、冷たい対応だなと、そういうふうに実は思ってまいりました。
 そこで、この再生可能エネルギーが普及拡大できるように、そういう措置をしっかりとやっていかなければいけないなと、そういうふうに思っておりまして、若干前に戻りますけれども、その今の原発の関連の投資の関係についても、もう少し細かい分析をすべきだと思うんですね。バックエンドとかフロントエンドの関係とか原子力中心の関係とか、地域振興策等を含めて、そういう面での分析も是非すべきだと思っておりますけれども、ちょっと前の方に質問戻ってしまいますけれども、よろしくお願いします。
#135
○政府参考人(中野節君) 御説明いたしましたように、関係府省の経費について公表しておるところでございまして、これまで総額の集計だけを公表しているところでございます。様々な種類の予算がございまして、五十年前からの精緻な分析というのは、正直申しまして難しい部分があると思っております。
 目的によりまして必要な作業を行うということについては可能と思いますけれども、そのやり方、何ができるのかということについては検討させていただいているところでございます。
#136
○加藤修一君 是非検討のほどよろしくお願いしたいと思います。
 それで、再生可能エネルギーの関係ですけれども、普及拡大の関係で、阻害要因ということで、前々回だったでしょうか、取り上げてまいりました。それで、メリットオーダーで大体電力は進んでいる話でありますから、メリットオーダーで考えていきますと、安い価格からエネルギーを購入していく、電気を購入していくという話に当然なってくるわけで、それで考えていくと、回避可能原価、再生可能エネルギーは非常に小さい数字であると、五円とか六円という話にもなってくるわけでありますけれども。ですから、そういう意味では、優先的に再生可能エネルギーが入れるようになっていることは、これは事実だと私も理解しております。
 ただ、待ち行列が多いということですよね、待ち行列が。実際その中に入っていけないように待っているやつ、つまり、まだ発電に至っていないやつが非常に多いと。発電することができるようになったやつも含めて、一月末現在では七百三十七万キロワットという認定設備の関係があるわけでありまして、それがなかなか入っていかないという現実がある。
 発電の方向になかなか向かっていかないという現実があって、それはもう皆さん御承知のように、送電線がなかなか入り切らない等々含めて、それは買取り義務が当然あるんでしょうけれども、そういう物理的な面も当然あると。しかし、物理的な条件ばかりじゃなくて、入るんだけれども、なかなかそれは、はいというわけにいかないという部分もあることは事実でありまして、そういう面についての検証可能性というのは、前回も申し上げましたようになかなかうまくはいかない。情報を持っているのはお互い偏っているわけでありますので、うまくいかない。
 しかし、これは送電線を含めて、連系の系統を含めてしっかりと、あるいはその大型の蓄電池の関係も含めてしっかりと対応しなければいけないということは言うまでもないと思いますし、今後それは積極的に進めていくべきだと私は思っている、これが一つ。進めていくべきだと思いますのでどうですかというのが一つ。
 それから二つ目は、もう時間がありませんので、二つ目は、連系でも北本連系の話ですよね。今六十万キロワットということで、将来的には九十万に変えていくという話でありますけれども、これではまだまだ少ない。海底ケーブルだとこれは引っかかったりなんかするわけですから、船の関係を含めて難しい部分もある。青函トンネルは本坑と作業坑と先進導坑って三本走っているわけで、本坑はお客さんも乗った列車が通るということもあって、高圧の電気を通すというのはなかなか厳しい部分があるかもしれませんが、青函トンネルを使うということも全くなくはないと、是非検討すべきだと。
 だから、九十万に終わらないで、もっと中長期的に考えていくならば三百万キロワットにするということもありかなというふうに考えておりますので、この二点について、是非答弁をお願いいたします。
#137
○政府参考人(新原浩朗君) まず、前半の再生可能エネルギーのところの導入拡大についてお答えをさせていただきます。
 委員とも大分議論させていただいておりますが、幾つかの条件整備が必要だと思っていまして、一つは市場の創造だというふうに考えております。
 そのためには、まず再生可能エネルギーの発電に通常要するコストをカバーする価格で買い取ることによって民間の投資回収にしっかりとした見通しを与えることだと思っております。そういう意味で、固定価格買取り制度を着実かつ安定的に今後も運用していくということは、これは多様な民間の投資をこの市場に呼び込んでいく上でどうしても不可欠なことであると考えております。それとともに、環境省と御相談させていただいていますが、この環境アセス迅速化などの規制改革などを通じて環境整備を図っていく、これが第一点だと思っております。
 二番目はインフラ整備でございます。先ほど委員御指摘のところでございます。最適地が限られる風力発電については、特に地域内送電網が弱いということが問題になっております。これで、平成二十五年度予算で初年度二百五十億円を計上しまして、この地域内送電網整備のためのインフラ整備に着手してまいりたいと、こういうふうに思っております。
 三つ目は、不安定性の除去という問題がございます。これも委員御指摘の蓄電池の問題でございますが、世界で初めて電力会社の変電所の側に巨大な蓄電池を設置しまして、再生可能エネルギーの接続量を一気に拡大する実証実験を今年実施させていただきたいと思っております。これも予備費で二百九十六億円確保しております。これ、世界最大の蓄電池になると思いますが、これで蓄電池自体の世界市場獲得にもつなげていきたいと思っております。
 ちなみに、蓄電池はコストの高さが課題でございますので、コスト低減にコミットしていただいた企業に対しては開発費の四分の三を国が補助しまして、目標が達成できなければ、しかしながら補助金を返還いただくという国の予算で初めての新機軸を打ち出しております。
 最後に、これも委員と議論させていただいておりますが、ITの活用の問題がございます。HEMS、BEMS、MEMS、CEMSといったエネルギーマネジメントシステム、さらには供給側の状況に応じて電力需要を変化させるデマンドレスポンスだとか、この辺については全国四地域の実証実験結果が出ておりますので、この成果を踏まえて、全国に普及させて新しい需給構造をつくっていきたいと思っております。
 以上でございます。
#138
○加藤修一君 再エネが普及拡大して一つの産業として成立できるように、より一層、今後ともそういった面についての支援をよろしくお願いいたします。
 以上で終わります。
#139
○水野賢一君 みんなの党の水野賢一でございます。
 温暖化対策推進法という法律は十五年前に制定されたわけなんですけれども、制定された当初は、つまり十五年前の時点というのは、要は法律の内容というのは、国とか地方自治体が自分の事務事業をやるときに、つまり役所の電気を使ったりとか若しくは公用車を使うとか、そういうときにどうしても温室効果ガスが発生するわけですから、それに対して、そういうときの排出抑制計画を作りなさいという、それだけの法律だったんですよね。
 ですから、野方図に排出するんじゃなくて計画はちゃんと作りなさいよというぐらいのことで、ですから、タイトルの温暖化対策推進法という大きい名前にしては随分中身が羊頭狗肉だなというような感も当時はあったわけですし、しかも当時のことを言うと、排出削減という言葉も使っていなかったんですよね。削減じゃなくて、当時は抑制という言葉をずうっと使っていたわけなんですけれども、それが度重なる改正の中で、まだ不十分という声は当然ありますけれども、だんだんだんだん充実をしてきたというふうに僕は思っているんですが。
 まず最初にちょっと伺いたいのは、その一番最初の十五年前に制定されたときからあった項目、これが地方公共団体の実行計画、これは事務事業というか、要するに自分たちのさっき言った公用車とか役所の中の電気をとかという、そういうところの排出に対してちゃんときちっと計画的に削減していきなさいという部分は法律を作った当初からあったんですが、その策定率、これは、事務方で結構ですけど、どうなっていますでしょうか。
#140
○政府参考人(白石順一君) お尋ねのもの、二つございました。自治体自身の温暖化対策の計画、事務事業編と称しておりますけれども、これは全自治体に今作成が義務付けられておりますけれども、二十四年十月の時点で七九%、それから、その自治体の区域の中の温暖化対策に関する計画、区域施策編と称しておりますけれども、これは特例市以上のもの、対象でございますけれども、同じ数字でございますけど、八二%でございます。
#141
○水野賢一君 今お答えになったうちの区域施策編は、これは法律の最初からあったわけじゃないわけですから、事務事業編の方を聞いたんですが、事務事業編、つまり七九%ということは、逆に言うと二一%の自治体はまだ策定していないわけですよね。これは、こういうところには何か働きかけとかはしていらっしゃるんですか。
#142
○政府参考人(白石順一君) 少し細かい数字になりますけれども、さすがに、都道府県、指定都市、中核市、特例市、こういったところは一〇〇%でございます。そのほかの市町村の策定率が四分の三ぐらいにとどまっているということで今のような数字になっております。
 ここに言う自治体に対しましては、いろいろ計画を策定するマニュアルの提供あるいは研修、こういったことを実施しております。そういったことを引き続き粘り強く働きかけをしてまいりたいと考えております。
#143
○水野賢一君 まあ、さすがに小さい村とかまでに作れというのはなかなか現実問題として難しさもあるのかなという気もするんですが、いろんな努力はしていただきたいというふうに思いますが。
 白石さんの方から、区域施策編の方の策定率はというのが次の質問だったんですけど、先走って答えていただいたんで、それはいいんですが、その区域施策編というのは、いわゆる役所の使っている電気とかの話じゃなくて、この自治体全域の中の計画ですよね。これは八十何%の策定率ということですが、これ、優良な計画とかとして、例えば環境省が見てもここはしっかりしているなとか、そういう計画としては何かありますか。
#144
○政府参考人(白石順一君) 今から例示挙げるもの以外にも立派なものございますけれども、例えば北海道ですと、二〇二〇年度まで、何もしないケースに比べて七百三十八万トン削減するという目標を作りまして、道民、事業者、あるいは運輸などの取組に分けた詳細な削減見込み量を計画に付けるというやり方をしているところ、あるいは京都市では、九十四万トンのCO2削減するという目標を掲げまして、歩いて暮らせる町づくり、あるいは環境に優しい経済活動、こういった分野ごとの削減効果の積み上げ、こういうふうなものがございますので、こういう優良な事例につきましては、先ほど申し上げましたマニュアルで紹介したりということで広げさせていただこうと考えております。
#145
○水野賢一君 自治体のやることだから、国が余り強制的にこういうものにしなきゃいけないとはなかなか言いにくいと思うんですけど、そういう野心的ないい計画が、作っていくんであれば大いにいいことだと思うんですが。
 副大臣、こういう計画というのは、もちろん作ることも大切なわけですし、計画が何にもないと野方図になっちゃうかもしれませんから、そこら辺は、計画を作ることは大切ですけど、これ、達成しているかどうかということも大切になってくるわけですが、これ、達成されているかどうかとかというのは環境省としてもチェックしたりとかというのはあるんでしょうか。
#146
○副大臣(田中和徳君) 今、水野先生の御指摘のとおり、地方自治体を十分機能させていくということは大変重要なことでありまして、環境省としても、自治体への調査を行って、自治体の計画の点検、評価状況を把握しております。
 達成状況については、前倒しで目的達成の見通しが、あるいは順調に進捗をしておる、こういう回答が事務事業編で四、五割程度、区域施策編では三、四割程度になっておる状況にございます。
#147
○水野賢一君 今のが地方自治体のいわゆる実行計画というものについて伺ったんですが、これ、先ほど申し上げたように、法律ができた十五年前から、特に事務事業編についてはこの規定はあったんですが、その後、二〇〇五年の改正でかなり大きい変化がこの法律に加わったんですよね。それがいわゆる温室効果ガスの排出量の算定・報告・公表制度というものであって、これは私は非常にこの部分は多少思い入れがあるんですが、これ、要はどの事業所がどれだけのCO2などを排出しているかということをちゃんと公表しなさいという、こういう制度が導入されたわけですよね。
 それ以前というのは、要は、私もこの二〇〇五年の改正の前の時点で随分いろいろ調べたんですよ。環境報告書というのを企業なんかが出していますよね。環境報告書を見ると、本当は一番いいのは、我が社は今百万トン出していますと、百万トン出しているから例えば十年後にはそれを九十万トンに削減しますと、つまり一〇%削減しますと。これだったら話は分かるんだけれども、結構当時の環境報告書とか見ると、我が社は五年間で八%削減しますとかと書いてあるんだけど、逆に、じゃ今何トン出しているのとか、じゃ八%減って何トンになっているのということは全然書いていないとか、若しくは原単位で何%削減とか。まあ別に、そんな目標を立てるのはいいんですが、いいんだけれども、要は、今何トン出しているのという基本的なデータがないままに、突然一〇%削減する努力をするんですとかというのが結構あったんですね、当時。そういうのだと、基礎データがないとやっぱり分からないわけですから。
 それで、二〇〇五年のこの法改正されたときというのは、私自身は当時自民党の、自民党に所属していましたから、環境部会長で私そのときは担当していたんですけれども。それで、結構反対も強かったんですよ。反対というか、特に経団連とか鉄鋼連盟なんというのは、これCO2の排出量は企業秘密だとかといって、何でこれが企業秘密なんだと、作り方のノウハウでも何でもないのにという、随分やり取りしたんですが。
 最終的にできた制度では、当時の国際標準から見ると結構厳しめの、つまり、これはCO2などの排出量を報告、公表しろといっても、さすがに世の中のありとあらゆる企業というわけにはいかないですから、一定のところで裾切りがあるわけですよね、どれだけ以上温室効果ガスを出しているかという。裾切りは、基本的には三千トン以上出しているところということに、基本的にというちょっと曖昧な言い方したのは、これ使っているエネルギーによって微妙に変わってくるんですが、基本的には三千トン以上CO2出しているところがその報告の対象になっているわけですね、現行法では。
 これ、局長でいいんですけど、国際的に見ればかなり厳しい基準なのか、それとも諸外国にもっと厳しいところが出てきているのか、どうですかね。
#148
○政府参考人(関荘一郎君) 諸外国の類似の算定・報告・公表制度というものと比べますと、例えばEUにおきましては裾切りは一〇万トン、年間でございます。米国は二万五千トン、カナダは五万トンとなっておりまして、我が国は事業者単位で約三千トンとなっておりますので、我が国の裾切り基準というのはこれらの国に比して厳しいものになっているというふうに考えることができると思います。
#149
○水野賢一君 そういう意味では、どちらかというと日本のこの制度の導入というのは、CO2などの排出量をきちっと公表しなさいという制度は導入は遅れたけれども、日本よりも例えばイギリスとかEUなんかは先行していましたからね、後からできたけど、より厳しい制度になっているという、現状でもそうだという、そういう理解でいいですね。
#150
○政府参考人(関荘一郎君) 御指摘のとおりだと理解しております。
#151
○水野賢一君 この制度での二酸化炭素排出のカバー率、つまり全国のCO2って大体十二、三億トン出しているわけですから、そのうちどのぐらいが捕捉されているというふうに理解してよろしいでしょうか。
#152
○政府参考人(関荘一郎君) 平成二十一年度に算定・報告・公表制度により報告されましたエネルギー起源のCO2の排出量は約五億三千五百万トンでありまして、同じ年の日本国全体のエネルギー起源CO2の排出量、約十億七千五百万トンの約五〇%をこの報告算定制度で報告されているということになっております。
#153
○水野賢一君 それで、部門ごとに分かりますか。つまり、部門ごとというのは、これは当然産業部門の方が割合が高く捕捉をしているはずなんですけど、例えば業務とか運輸の方が捕捉率低いでしょうけど、それは分かりますか。
#154
○政府参考人(関荘一郎君) 算定・報告・公表制度と日本全体の排出量の推計をするインベントリーでは算定対象範囲が異なる点に留意する必要がございますが、そのため、必ずしも精緻な比較はできないところでありますけれども、平成二十一年度の実績を用いた比較におきまして、算定・報告・公表制度の対象となりますエネルギー起源CO2の排出量は、工場、発電所等の産業、エネルギー転換部門では約九割、自動車、船舶等の運輸部門では約二割、商業、サービス、事務所等業務部門では約四割を占めているところでございます。
#155
○水野賢一君 この制度の中で、都道府県ごとのCO2の排出量というのも、これも出していますよね。四十七都道府県で一番CO2をその区域から出している都道府県って分かりますか。
#156
○政府参考人(関荘一郎君) 同じく平成二十一年度の実績でございますけれども、千葉県が約四千三百八十九万トンと全国一位でありまして、これは全国の九・七%を占めているところでございます。
#157
○水野賢一君 確かに千葉県なんですよね。要するに、これは、排出量というのは、排出先というのは、要するに製鉄所だとか石炭火力とかそういうところが、ちょっと電力をどうカウントするかはいろいろ議論があるんですけど、そういうようなところが大排出源だから、そういうものが多い千葉県が四十七都道府県で一位になるんですが、今申し上げたように、製鉄所だとか若しくは火力発電所なんかが大排出源ですよね。
 そうすると、企業ごとに見ると、例えば東京電力だとか新日鉄だとかが非常に排出量が多いと思いますけれども、こうしたところはどのぐらいですか。
#158
○政府参考人(関荘一郎君) 平成二十一年度の実績でございますけれども、東京電力の排出量は約七千五百万トン、新日本製鉄の排出量は約五千六百万トンでございまして、企業別ではそれぞれ東京電力が全国一位、新日鉄が二位となっております。
#159
○水野賢一君 そうすると、その年のCO2の全国の排出量というのは約十二億トンですから、十二億九百万トンだったと思いますので、東京電力一社で全国のCO2の排出の六%、新日鉄で五%、一社で出しているわけですよね。結局、これはちょっと、電力は直接配分で見るのか間接配分で見る、細かい議論はいろいろあるんだけれども、単純に言って、この二社ぐらいで全国の一割ぐらいのCO2出しているわけですよ。
 だから、そう考えると、はっきり言って、この温暖化対策というのは、個人が努力して小まめに電気を消しましょうとか、それは別に僕は否定しないし、悪いことじゃないし、大いにやるべきだと思いますけど、結局こういう大企業のところのCO2排出にメスを入れるしかないと思うんですが、その中の一つの切り札的なものが排出量取引の考え方になるわけですが、これはさっき加藤委員の質問にもありましたけど、これは最近の検討状況というのは、大臣、どうですか。
#160
○国務大臣(石原伸晃君) 先ほども答弁させていただきましたけど、国内の排出量取引制度というものは任意の参加型ですけれども、それなりの効果があると。ですから、これを広げていく上でどういう問題があるのか、またどういうことを乗り越えていけばいいのかというようなことを今検討しております。
 そして、委員の今のディスカッションを聞かせていただいておりますと、限られた分野のやはり製鉄、重機を扱うようなところ、あるいは発電を扱うところに極めて排出量が多いということですから、それは扱っている企業というのは名立たる企業ですから、ある意味では、こういうことをやればこういうふうになりますよということを、企業の逆にイメージアップにもつながるというようないろんな方法があるんじゃないか。お話を聞かせていただいておりまして、検討の参考になったということをお話しさせていただきたいと思います。
#161
○水野賢一君 さっきちょっと私も触れましたけど、この排出量の算定・報告・公表制度が導入されるとき、すごい反対があったんですよね。すごい反対があった。実はこれが、そのときの反対の理屈のかなり大きい理屈は、これは企業秘密だとかと言っていたんですけど、これは企業秘密のわけはないんであって、実は本音で言うと、これがアリの一穴になるというふうなことに危惧していたと思うんです。
 つまり、何トン出しているかなんということは企業秘密じゃないんだけど、そうすると、必ずそれは、今何トン、三百万トン出しているとかということが分かると、次は二百八十万トンに減らせとかって、それはキャップを掛けられるということにつながるということで、企業秘密とかなんとかという本質的な話じゃなくて、キャップ・アンド・トレードにつながっちゃうかもしれないということで、だから先に封じ込めておきたいということで反対していたと思うんですが。
 さて、ちょっと今のその企業秘密の話とかに続いて、関連して聞きたいんですけど、一応、そうはいっても、私は、そのCO2に関して、企業秘密じゃないんじゃないのとは当時も思っていたし、今も思っていますが、だからこの制度も導入されたんだけれども。実は、この制度の対象ガスというのは、CO2のみならず、六ガスなんですよね。いわゆる京都議定書の六ガスなんですが、六ガスの中で、当時、私の記憶でも、例えば半導体メーカーとか液晶の関係のとかというところはこういうことを言っていたんですね。SF6の、つまり六弗化硫黄とかの出している量が分かるともう大変な打撃を受けちゃうんですと。
 それはこっちもそのSF6のことまでよく分からないんで、そういえばそうなのかもしれないし、そうじゃないのかもしれないって、よく分からないけど、結局、制度上はどうなっているかというと、SF6とかという細かいガスのことまで一々出さなくても、原則は出すんだけど、場合によっては二酸化炭素換算で全部丸めた数字にしちゃってもいいという、俗に権利利益条項と言われている条項があるんですが。つまり、原則的には、どの事業所がメタンはどれだけ、CO2はどれだけ、SF6はどれだけとかって出すのが大原則ですけれども、特殊例外で本当に企業秘密だというときは丸めた数字を出していいとなっているんですが、これ発動されている例、これは政務官で結構なんですけど、どのぐらいありますか。
#162
○大臣政務官(齋藤健君) 法律第二十一条の三に、先生御案内のように、対象事業者が権利利益の保護に係る請求というものを行うことができることになっておりまして、これを、この請求を事業所管大臣が認めて一部の報告情報を非開示としていると、できることになっておりまして、その件数ですけれども、平成十八年度の排出量実績についてこれが発動されたのは、九事業者、合計二十九事業所となっておりまして、平成二十九年度以降につきましては、公表済みの実績値において非開示とされている例はございません。平成十九年度以降についてはございません。
#163
○水野賢一君 ごめんなさい、ちょっと、十九年度以降はないということですよね。ないということですよね。要するにないんですよね、最近は。
 つまり、私から言わせると、あのときSF6の排出量が分かると大変だとかって言って大騒ぎしていたんですから、だから要するに、そういう事業者がこれは企業秘密で大変なことなんですとかと言っても、実はそんなにバイタルなものじゃなくて、予防線を相当張って大変なことになっちゃうとかって言っているけど、実は、制度が導入されると、それ適用申請しないわけで、要するに大したことがないから。要は、これは一事が万事、大体この関係の話はそういう話で、だから、私のそこから得ている教訓は、経済界がこれは大変だとかと言うのは余り聞く必要がないという私なりの教訓だと思っているんですけど。
 政務官に続いて伺いたいんですが、今度の法改正で、今出ているこの法改正案で、六ガスに加えて七ガス目として三弗化窒素もこの法律の対象にしますよね。これは当然、この算定・報告・公表制度の対象にもなるという理解でよろしいですか。
#164
○大臣政務官(齋藤健君) 委員おっしゃるとおりでありまして、この制度においても、必要な政省令改正を法律が通った後行わさせていただいて、対象に追加する予定でございます。
#165
○水野賢一君 そうすると、だからこれは、法律が施行された後には、多分そういう報告のとき、我が社は三弗化窒素は何トン出しているんですという報告が普通来るんでしょうけど、でも制度導入しようというときには、大体、その細かい数字は別としてですよ、どのぐらいの会社が出していそうだとか、大体の予想というのは、それはきちっとしたものは施行された後の報告で出てくるんでしょうけど、今何社ぐらい国内で出しているとか、排出総量ってどのぐらいありそうだと推定されていますか。
#166
○大臣政務官(齋藤健君) 当然、今後調査が必要なわけでありますけれども、業界団体の調べなどによりますと、二〇一〇年におきましては、三弗化窒素の排出量として、CO2換算にしまして、半導体を製造するときには二十万トンぐらい、液晶製造時には十五万トンぐらいというふうな報告がございます。
 また、企業の数でいきますと、精査できていないんですけど、主な製造メーカーでいいますと十五社程度、多く見積もっても数十社程度かなというふうに推測しております。
#167
○水野賢一君 分かりました。
 それで、こういう何か排出量の報告だとか公表だとかという話の、ほかにも環境関係でも、若しくは世の中ほかの分野のことでもいろいろありますけど、結構、虚偽報告だとか、そういうようなことが話題になったりすることがありますよね。政治家も政治資金の収支報告書の虚偽記載とかが問題になったりすることがあるから余り偉そうなことは言えないんでしょうけど、この法律に基づく報告で虚偽報告とか、そういうことが問題になった事例というのはありますか。
#168
○政府参考人(関荘一郎君) 虚偽報告が問題となった事例についてはないものと承知しております。
#169
○水野賢一君 それは大いに結構なことなんですが、仮にそうしたことがあったときというのは、温対法上では、例えばそこに対して、事業所に対して立入検査をできるだとか、そういうようなことというのは法律上は、局長、できますかね。どうなんですかね。
#170
○政府参考人(関荘一郎君) 地球温暖化防止対策の法律上、算定・報告・公表制度におきまして、虚偽の報告をした者には二十万円以下の過料に処するというふうな規定がございます。
 一方、虚偽の報告をした者への立入検査についての規定はございません。
#171
○水野賢一君 この法律、まあ細かい話はしませんけど、基本的には、エネルギー起源CO2の場合だと、これ報告になるデータというのは、経済産業省が所管している省エネ法に基づいてそのデータを得ているんですよね。
 省エネ法は、別にこの報告に限ってということじゃないでしょうけど、事業所に対して立入検査とか、そういうようなことを法律上認めているわけですね、省エネ法の方は。これ、事例というのはどのぐらいありますでしょうか、政務官。
#172
○大臣政務官(佐藤ゆかり君) お答え申し上げます。
 まず、省エネ法でございますけれども、同法第五条第一項に基づきまして、事業者が工場等において取り組むべき省エネルギーのガイドラインを定めております。各地の経済産業局で、その遵守状況に問題のある事業者等に対しまして、同法第六条及び第六十条に基づく指導、そして同法第八十七条第三項及び第九項に基づく報告徴収及び立入検査を実施してきたところでございます。具体的には、規制対象を拡大する法改正を行いました平成十七年度から平成二十三年度までの累積の実績で申し上げますと、指導が二千三百二件、報告徴収が二百五十七件、立入検査が百三十三件実施をしてきたところでございます。
 ただ、実はこのほかにも、任意調査といたしまして、省エネ法に規定されているものではございませんが、省エネルギーの外部専門家を活用しまして、エネルギー管理指定工場において工場等判断基準の遵守状況を確認する現地調査、いわゆる工場総点検でございますが、これを平成十三年度から実施いたしております。これにつきましては、これまでに約七千百件の調査を実施しておりまして、この調査結果につきましても、先ほど述べました省エネ法での指導、立入検査に結び付けているという現状でございます。
#173
○水野賢一君 ありがとうございます。
 要は、省エネ法って一九七〇年代の後半ぐらいにできたと思うんですけど、それで、長らくこういう今のような指導とか立入検査とか、法律上はあるんだけれども、空文とまでは言わないけど、どちらかというとそういうところには抑制的に使っていたようなことがあった傾向がかつてはあるんで、それは、せっかくある機能ですし、省エネを推進していくためには、今は空文化しているとは言いませんけど、そこら辺、活用する必要のあるときにはちゅうちょせずにやっていただきたいなということを申し上げたいと思います。
 この今回の法改正に関して、あれですよね、今までの京都議定書目標達成計画を今度の地球温暖化対策計画に変えるというような規定がありますが、これは、従来の目達計画というのは、あれですよね、大臣、温暖化対策推進本部の議論を経た上で閣議決定という、そういうようなプロセスを経ていましたけど、これは新計画になってもここは変わらないという理解でよろしいですか。
#174
○国務大臣(石原伸晃君) ただいま水野委員が御指摘されたとおりでございます。変わりません。
#175
○水野賢一君 ちょっと通告していた流れと違っちゃって申し訳ないんですけど、この温暖化対策推進本部の話が出たんで、大臣に、これ感想だけでいいんですけど、この温暖化対策推進本部というのは温暖化対策推進法に規定されているわけですね。規定されているんだけど、別にあれこれ言うつもりはないんだけど、民主党政権の間、この何年間の間で、これ実は開催されたのって一回だけなんですよね。一回で、それもしかも持ち回りだったんで、事実上だから会議としては開催していないわけなんですけど。別に私も、会議を開催した回数で熱心だったか不熱心だったかを測るつもりはないですが、でもちょっと異様かなという気もしないでもないんですけど、何か、大臣、感想か何かその部分についてあれば。
#176
○国務大臣(石原伸晃君) どういう経緯があったかということは私存じませんが、これ一応閣僚級の会議でありまして、私どもの内閣では、総理の指示を得て、三月十五日に本部を開催して当面の地球温暖化対策に関する方針を決定し、四月五日に京都議定書目達計画の進捗点検というのを行ったというのがこれまでの経緯でございます。
 これも、何だ二回しか開いていないのかと言われてしまえば二回しか開いていないわけですけれども、これからも、先ほどの御質問にありますとおり、様々な計画や目標の策定をしていく中で本部を中心に検討していきたいと考えております。
#177
○水野賢一君 別に私も、そのときの、例えばこういう計画の改定時期とかになると開いたりする回数が増えたりとかそういうこともあるから、ただ単に回数だけで熱心さを測るつもりはないですけど、事実としてちょっと奇妙かなというふうには思ったので聞いたんですが。
 先ほどの議論にもありましたけど、京都議定書上六%の削減義務がありますよね、局長。それで、最新のデータ、二〇一一年度では温室効果ガスの排出量、基準年比で何%になっていますか。
#178
○政府参考人(関荘一郎君) 実排出量は、二〇一一年度は十三億八百万トン、CO2換算でございますけれども、これは基準年比で三・七%の増でございます。
#179
○水野賢一君 その三%余り増ということで、もうこれは当然、森林吸収源とか若しくはいろんな、クレジットとかいろんなことを勘案しているでしょうから、エネルギー起源CO2だけで見るとどのぐらいの増減になっていますか。
#180
○政府参考人(関荘一郎君) 十一億七千三百万トンでございまして、基準年比で一〇・八%の増でございます。
#181
○水野賢一君 ですから、要は、六%削減の京都議定書自体は日本は達成できるんでしょう。できるんでしょうけれども、それは余り褒められたことじゃなくて、CO2ということに関して言うと一〇%も増えているわけですから。もちろんそれは二〇一一年度の話だけで、なおかつ原発のこととかあるのは分かりますよ。それは、ただ、逆に言うと、達成できるというのも、この五年間のうちの前半はかなり経済が冷え込んだりしていたとかというようなことも勘案する必要があるわけでしょうから、達成できるからといって余り胸を張れる状況でもないんですが。
 ちょっと個別の施策について、じゃ、この京都議定書目標達成計画に書いてあったことがどこまで達成できたのかという、ちょっと個別のことを聞きたいんですけど。
 これは経済産業省になりますが、例えば新エネルギーの導入量というのは、目達計画では千九百十万キロリッター、原油換算ですね、これを目標としていましたが、これは二〇一〇年の達成状況というのはどうだった、達成できたんですか。
#182
○大臣政務官(佐藤ゆかり君) 二〇〇八年に改正されました京都議定書目標達成計画でございますけれども、太陽光発電、風力発電、バイオマス・廃棄物発電、バイオマス熱利用等の推進によりまして、委員御指摘の二〇一〇年時点でございますが、原油換算で千五百六十万から千九百十万キロリットルの新エネルギーの導入を見込んでおりました。他方、二〇一〇年の実績でございますが、原油換算では、古い定義の下で千三百六十七万キロリットルとなっております。
 二〇一〇年時点で固定価格買取り制度も導入されておりませんでしたことから、火力等に比べましてコストの高い太陽光発電ですとか風力発電、バイオマス発電等が十分に普及拡大できなかったことが要因であると考えております。
 この背景としましては、当時、バイオ燃料によりますバイオディーゼルですとかバイオガソリン車等の普及が予想以上に伸び悩んだと。その背景として、ハイブリッド車の方が普及拡大が進んだというような要因がございます。
#183
○水野賢一君 要は、新エネルギーの導入も目標達成計画で掲げていたようには思うようには進まなかったということですよね。
 例えば、あと話題として、民生部門では、エコキュートとかエコジョーズとか、そういうようなものもこれだけ導入するんだというようなことを掲げていましたけれども、こっちの方は達成できていたんですか。
#184
○大臣政務官(佐藤ゆかり君) お尋ねのエコキュート及びエコジョーズの導入台数については、二〇〇五年度に導入見通しを策定しております。
 まず、エコキュートについてでございますが、二〇一〇年度の対策で、上位のケース、進んだケースと余り進まないケースの下位ケースの幅で目標を設定しておりますけれども、上位ケースで五百二十万台、下位ケースで四百四十六万台を策定しておりましたが、実際、二〇一〇年度の実績は二百八十二万台となっております。また、エコジョーズにつきましては、二〇一〇年度の対策上位ケースが三百二十六万台、対策下位ケースが二百九十一万台となっておりましたが、二〇一〇年度の実績は二百十五万台となっております。
 経済産業省といたしましては、給湯器自体の高効率化を促すために、今年三月に省エネ法に基づきましてトップランナー制度の対象機器にヒートポンプ給湯器を追加しております。また、住宅にエコキュートやエコジョーズなど高効率な給湯器を合わせまして、高効率な空調ですとか照明を導入した、いわゆる全体としてのネット・ゼロ・エネルギー・ハウス、こういうものを実現した場合には設備導入費二分の一の補助を行っている状況でございまして、そういう意味で、家庭用燃料電池のシステムのエネファーム等も含めますと、二〇〇九年の市場投入時よりは、導入費用の一部を補助しながら高効率な給湯率の導入の方に今省エネルギー対策として推進を進めてまいりたいと考えております。
#185
○水野賢一君 要は、エコキュートもエコジョーズも、下位目標のところも、上位目標はもちろんのこと、下位目標も達成できなかったということで、別に僕は、ここが駄目だった、あそこが駄目だったということだけをあげつらうつもりは全然ないんですけれども、要は、京都議定書の六%が達成できたといっても、それは経済状況とかいろんなことの、これは幸運と言っていいのかどうか、景気が悪かったというのを幸運と言うのも変ですが、いろんな状況によるんで、目標が全部達成したから六%も達成できたというのとは違う面があるので、しっかりとした努力は今後もしていく必要が、気を引き締めていく必要があるなというふうには思うところです。
 温暖化対策推進法の最近の改正、二〇〇八年の改正というのがありましたけれども、ここでは、国は排出抑制等指針というのをいろんな分野において作ることになっていたんですね、法律上なっているんですけれども、これの策定状況というのは、副大臣、どうなっていますか。
#186
○副大臣(田中和徳君) 温室効果ガス排出抑制等の指針は、地球温暖化対策推進法に基づいて事業者が取り組むべき努力義務に関して政府が示すものでありますが、平成二十年、法改正による導入以来、これまでに平成二十年の十二月が業務部門と日常生活部門、平成二十四年二月が廃棄物部門、平成二十五年四月が製造業などの産業部門の指針を作成しておるところでございます。
#187
○水野賢一君 どこが作っていませんか、どの部門は。作っていない部門がありませんか。
#188
○委員長(北川イッセイ君) ちょっと聞こえにくいから、もう一回質問してください。
#189
○水野賢一君 作っていない部門があるんじゃないんですか。
#190
○副大臣(田中和徳君) エネルギー部門など、まだこれからやっていかなければならないということで、作っていない部門がございます。
#191
○水野賢一君 これは、まあ、それは作りやすいところから作っていったというのは分からなくはないんですけれども。要するに、エネルギー転換部門が極めて一番、これはまあ鍵というかみそというか肝というか、そういうところなんですけれども、これ実は法律作ってから、法律で策定することになっているんですから、法律で。それも、しかも五年前に成立した法律で、もう五年たっている中で、これはもう私も、前も、民主党政権のときにもこれは質問しているんですが、ここで、大臣、このエネルギー転換部門こそ重要であって、これは法律で作ることになっているんですから、これは策定急ぐべきじゃないかと思いますが、いかがですか。
#192
○国務大臣(石原伸晃君) まさに委員がここの前の御議論の中で、一九九〇年比でエネルギー起源CO2はちっとも減ってないじゃないかという御指摘があったことに代表されるように、やはりここの部門をしっかりやっていかなければ、排出量が一番多いわけですから、元のもくあみになってしまうんじゃないか、大変重要だと認識をさせていただいているところでございます。
 私どもとしても策定準備を速やかに進めてまいりたい、こんなふうに考えております。
#193
○水野賢一君 この排出抑制等指針、まあいろんな定め方がありますけれども、ベンチマークなんかが定められているものは、これを守っているかどうかというのはどうやって、これはフォローアップも大切になるんですけれども、というか、これをしっかりやっていくことが大切だと思うんですが、この辺はどうでしょうか。
#194
○政府参考人(関荘一郎君) この指針は必ずしも全てベンチマークを定めているものではございませんけれども、いずれにいたしましても、これまで策定しました指針でお示しした対策につきましては、各部門においてフォローアップ調査を実施し、対策の取組状況を確認しているところでございます。
#195
○水野賢一君 あと、ちょっと話戻っちゃうかもしれませんが、さっき、大臣、私も企業のどの会社がどれだけのCO2の排出量というのの算定・報告・公表制度の話、しましたよね。その議論の中で、私も自民党に所属しているとき、この温暖化対策何とか調査会とかがあるじゃないですか、ああいうのの中で、その中でも結構、自民党の報告書か何かにも一回盛り込まれたと思うんですが、要するに投資をするときに、温暖化問題とかそういうこと、つまり企業の環境努力をしっかりと、投資家にもそこを判断基準にしてもらうために、排出量とかそういうようなものを有価証券報告書なんかに記載義務付けるべきだという声も何かあったんですよね。
 実は私は、それはもう温対法でその制度あるんだから、あえて、もっと厳しいものを義務付けるならともかく、同じようなものをやってもまあしようがないんじゃないのという意見でもありましたけれども、でも、意見としてはそういう意見は分からないではないんですが、大臣としては感想として何かありますか。
#196
○国務大臣(石原伸晃君) これも多分反対の理由はよく分かるんですよね。それによって企業イメージが落ちたらどうしてくれるんだとか、いや、我々は本当にやっているのにそれだけで見られてしまうみたいな反対があるんだと思いますけれども、国際的な動向というものも見極めながら、やはりこれからこの問題は全人類的な課題であるということもありますので、これはもう金融庁、金融界とも十分に相談をして決めていくような、そんな課題ではないかと思っております。
#197
○水野賢一君 この法案、衆議院から参議院に送られてくるに当たって衆議院での議員修正があったわけですよね。議員立法の修正の中で、要するに国際協力、日本の技術とかそういうようなものを他国でのいろんな削減とか、CO2などの削減なんかのときも、我が国に蓄積された知識、技術、経験なんかを生かす必要があるというのは、そういうようなフレーズが三条六項の修正にあるんですが。
 まずちょっと局長の方に事実関係として聞きたいんですが、京都議定書の場合、これちょっと通告していなくて、まあよく御存じだから大丈夫だと思いますけれども、京都議定書なんかだと、例えば日本が中国で、若しくは途上国のどこかで、フロンの中のCFCとかHCFCの破壊をしたときというのは、これはCDMにはカウントされませんよね。HFCならばカウントされるけれども、CFCやHCFCだったらカウントされないと、そういう理解でよろしいですよね。
#198
○政府参考人(関荘一郎君) 御指摘のとおり、いわゆるフロン、CFC、HFCの破壊につきましてはCDM等にはカウントされないということになっております。
#199
○水野賢一君 そういうものについても、これはもう修正者の誰が答弁してもいいんですけど、カウントされるようにしてもらった方がいいのかどうか、ちょっとその辺どうお考えか、お願いします。
#200
○衆議院議員(河野正美君) 日本維新の会の河野正美でございます。
 地球温暖化対策の推進に関する法律では、第二条第三項において温室効果ガスの定義規定が設けられており、今話がありましたように、その温室効果ガスにはCFCやHCFCが含まれていないことから、修正で追加した我が国に蓄積された技術についても、CFCやHCFCの回収・破壊技術を直接念頭に置いているわけではございません。
 また、京都議定書では、排出削減の対象となる温室効果ガスについてCFCやHCFCは含まれておらず、今、水野委員御指摘のとおり、その回収、破壊を海外で実施しても、京都議定書上のCDMにはカウントされません。
 この点について、CFCやHCFCはオゾン層の破壊を通じて人の健康にも影響を及ぼす物質であることから、国際的にはオゾン層を破壊する物質に関するモントリオール議定書において規律されているということは委員も御承知のことであろうと思いますが、同時に、高い地球温暖化係数を有していることもまた確かであります。このため、CFCやHCFCの回収・破壊技術がまさに国際協力の場で生かすべき我が国に蓄積された知識、技術、経験等であることは委員御指摘のとおりと考えております。
#201
○水野賢一君 さて、大臣にちょっと温暖化のそもそも論的なことをお伺いしたいと思うんですが。
 これ、二酸化炭素の排出削減ということも重要なわけですけど、これ、根底のところには、気温上昇を抑えなきゃいけないとか、若しくは大気中の温室効果ガス、二酸化炭素などの濃度を一定のところで安定化させなきゃいけないということが根底のところにあるわけですよね。その手段として何%削減という話になるわけですから。これ何か、日本政府としてというか、大臣の意見として、気温上昇は何度以内に抑えなきゃいけないとか、大気中の何ppmまでCO2の濃度を安定、何ppmレベルまでで安定させなきゃいけない、何かそういう意見はございますか。
#202
○国務大臣(石原伸晃君) 残念ながら科学的な知見は持ち合わせておりませんが、もうこれ委員御承知のことだと思いますけれども、IPCCを始めとする科学的知見の集積の中で気温上昇に対する目標というのは経緯としては議論されてきた。そんな中で、今委員が御指摘になられましたように、産業革命から考えて二度プラスCと。そして、CO2濃度については、今日、午前中議論がありましたけれども、産業革命前は二百七、八十であったものが、今、あのマウナロアみたいな隔絶された地域でも四〇〇ppmを超えるような事態になった。
 じゃ、アローワンスがあとどのぐらいあるのかということだと思うんですけれども、この一九九〇年、二〇〇〇年、二〇一〇年、十年間ごとのマウナロアのその増加率を見ますと、二〇から二五ppmぐらいずつ増えていると。そうすると、単純に考えて、二〇一〇年、二〇一三年ですから二〇一〇年として、あと二十年ぐらいで限界と言われるところに達してしまうと。そういうことのないようにやっていかなきゃならないというふうに考えております。
#203
○水野賢一君 時間ですので最後の質問にしますけれども、一部には、これが学会とかの主流の意見とは思いませんけど、一部には、例えば温暖化は起きていないんだとか、若しくは地球は寒冷に向かっているとか、若しくは温暖化起きていることは認めても、それは二酸化炭素が原因じゃないんだとかというような、そういう意見も中にはありますよね。
 私は、私の基本的な考え方は、それは、そういういろんな異説を全部封殺する必要はないと思うけれども、水俣病のときだって、あれ、チッソの原因じゃなくて、何か海軍の爆薬が原因だとかいろんな、風土病だとかいろんな説あったんですから。大体、一〇〇%、完璧に一〇〇%立証しなかったら対応しないなんていったら手遅れになっちゃいますから、それは早め早めに、病気と同じで早め早めに対応を取るということこそ環境問題においては極めて大切なことだという、水俣の教訓はまさにそれだと思っていますけれども。
 大臣、世の中のそういう意見を封殺する必要はないと思いますけど、大臣としてはどうお考えでいらっしゃいますか。
#204
○国務大臣(石原伸晃君) ただいまの点、私が環境大臣に就任して、まず、もう一回頭を整理しようと思って両方の学者さん等々からもお話を聞かせていただきましたし、これまで集積のある科学的知見の結果みたいなものも見させていただきました。
 そんな中で一つ参考にさせていただいたのは、これも今日午前中の議論に出ていたIPCCの四次報告ですか、この中で、その言葉を読ませていただきますと、人為起源の温室効果ガスの増加によってもたらされた可能性が非常に高いと。ですから、要するにこれは非常に微妙な言葉になっていて、であるとも言っていませんし、そうじゃないという、太陽の黒点の活動によって起こっているんだという学者の方、私もお会いしましたけれども、それなりに科学的な根拠にのっとっていますけれども、やはり私は、このIPCCの四次報告に記されているようなことが本当に起こっているんじゃないかなということは、生活していて、普通に地球上に生活している人間としてそんな気持ちを持っているところでございますし、この科学的知見というものを大切にしていきたい。そんな中で、地球温暖化対策というものを着実に進めていかなければならないんじゃないか、こんな基本姿勢を持っているところでございます。
#205
○水野賢一君 時間ですので終わります。
#206
○市田忠義君 日本共産党の市田です。
 今日は温対法の改正案に対する質疑ですが、まず幾つか事実確認をしておきたいと思います。
 昨年末のCOP18で京都議定書の第二約束期間の延長に関する合意が採択をされました。その改正は、京都議定書の第三条に二〇一三年から二〇年の八年間に九〇年比で一八%削減すると、こういう規定が追加されていると承知していますが、間違いありませんか。
#207
○政府参考人(関荘一郎君) 御指摘のとおり、改正京都議定書三条一項におきまして、附属書Tの国全体の温室効果ガスの排出量を二〇一三年から二〇二〇年までの第二約束期間中に一九九〇年比で少なくとも一八%削減することを目的として、削減目標を持つ国が削減に取り組むことが明記されております。
#208
○市田忠義君 こちらが読み上げるので、間違いないか、あるかだけで結構です。
 次に、もう一つ確認したいんですが、現行の地球温暖化対策推進法では、第八条で京都議定書第三条の規定に基づく約束を履行するために必要な目標の達成に関する計画、いわゆる京都議定書目標達成計画を定めるということになっていますが、これも間違いありませんね。
   〔委員長退席、理事中川雅治君着席〕
#209
○政府参考人(関荘一郎君) はい。御指摘のとおりでございます。
#210
○市田忠義君 法第八条の京都議定書目標達成計画が終了するのは、京都議定書第三条の第二約束期間に参加しないからであります。
 もう一つ確認したいんですが、カンクン合意に基づく地球温暖化対策ということが言われていますが、そもそもカンクン合意に基づく自主削減は現在何か国中何か国が提出していますか。
#211
○政府参考人(関荘一郎君) 現在、百九十四か国と一地域のうち九十か国と一地域が提出しているところでございます。
#212
○市田忠義君 国連環境計画の最新報告では、世界の平均気温の上昇を二度以内に抑えるためには、CO2換算で全世界の温室効果ガスの排出量を年何億トンに抑えなければならないとしているか、また、各国の自主削減を考慮しても、世界の排出量の総計はどのくらい多くなると報告しているか、お答えください。
#213
○政府参考人(関荘一郎君) UNEPは累次にわたっていわゆるギャップレポートという名前でレポートを発出しておりますけれども、いずれのレポートにおきましても、二度C以内に気温上昇を抑えるための二〇二〇年の排出量の目安は、御指摘のとおり、CO2換算で四百四十億トンということになってございます。
#214
○市田忠義君 もう一つの質問。その各国の自主削減を考慮しても、世界の排出量の総計はどのぐらい多くなると報告しているか。
#215
○政府参考人(関荘一郎君) 二〇一一年の報告では六十億トンから百十億トン程度とされておりまして、また一方、昨年末に公表されました最新版の報告では、八十億トンから百三十億トンと差が広がってきております。
#216
○市田忠義君 もう他の委員からも指摘がありましたけれども、アメリカの海洋大気局が十日、ハワイのマウナロア観測所で測定したCO2の平均濃度が四〇〇ppmを超える最高値を記録したと発表されました。気候変動に関する政府間パネルは、気温上昇を二度以内に抑えるには四五〇ppmまでに抑制する必要があるということを指摘していますが、今回の観測結果は、CO2が確実に増加をして温暖化が進行しているということを示していると思います。
 安倍政権になって条約事務局に提出された意見書を読みますと、そこには、先進国、途上国の二元構造は二十一世紀の世界にはなじまない、概念論に固執するのではなく各国の実情を踏まえつつ現実的にとらえて適用すべき、一部の国のみが削減義務を負う京都議定書のような枠組みでは実効的な気候変動対策につながらないため、ほぼ全ての国が参加するカンクン合意のようなアプローチが効果的かつ現実的と述べているはずですが、これも間違いありませんか。
#217
○政府参考人(関荘一郎君) 本年三月十二日に条約事務局に我が国としての意見書を提出しておりますけれども、委員御指摘のような内容でございます。
#218
○市田忠義君 そこで大臣にお聞きしますが、今の事実確認で明らかなように、現行の京都議定書目標達成計画を終了せざるを得なくなったのは、日本政府が京都議定書を中国や米国が参加しない枠組みは不公平だとして京都議定書第二約束期間から離脱したこと、新たな地球温暖化対策計画が二度以内に抑えるのには不十分なカンクン合意に基づく自主削減の温暖化対策に取り組むことになったと、それが今回法改正をすることになった主な理由だというふうに理解していいですね。これは大臣。
#219
○国務大臣(石原伸晃君) ここの理解は若干違いまして、私はやっぱり、一九九二年にリオ・サミットがあって、地球全体でこの温暖化というものに対処していかなければ、今日一日御答弁させていただいているように人類共通の課題に対して回答策が出ない。そのときはそれで収まっていましたけれども、それから十年たって、やはり新興国等々が経済発展を遂げてきて、やはり主張すべきこととして、産業革命以降、このCO2をこれまで一番多く出してきたのは先進国じゃないかと、その先進国と我々には発展する機会を平等に与えろと、そういう意見が強くなって、利害が非常に錯綜してきたということが一つ理由としてあるのではないか。
 それともう一つ言えることは、やはりカナダが途中で、これはシェールガスの関係だと思いますけれども、シェールガスを採掘することによって多くのCO2を出すようなことをやらざるを得なくなって、目標値よりも五倍、六倍マイナスを言っていたのに、プラス二〇%程度のものを排出してしまった。またアメリカも、日本に対してCOP3のときは非常に強く六%削減ということをやるべきだやるべきだと言っていましたけれども、この副大統領、アル・ゴア副大統領は熱心であったけれども議会の方はネガティブであって、そして政権交代が起こって、どちらかというと産業政策に重点を置くという考えがアメリカの中で強くなった。こういう国際状況の中で、日本はこれまでも抑制的に行ってきましたけれども、これだけのことをやっても、何というんでしょうか、地球全体で見たときには、先ほど来答弁がありますように五分の一程度の全体的なパーセントしか占めることができなくなった。
 こういういろいろなことを考え合わせた中で、カンクン合意でいこうということができ上がって、そのカンクン合意にのっとって新しい目標を設定していく上でもこの温対法を一部改正させていただく、そんな経緯で今日に至っているのではないか、これは私のかなり個人的な見解も入っておりますけれども、そんなふうにとらえているところでございます。
#220
○市田忠義君 そこはかなり認識が違うわけですが。
 やっぱり条約上の共通だが差異ある責任という原則を踏まえずに、公平かつ現実性のない枠組みだからと、そういうことで離脱したというのは、私、先進国の歴史的責任が問われる問題だというふうに思います。日本がEUなどとともに第二約束期間に参加することを表明しておれば、現行の目達計画を福島原発事故の教訓も踏まえて抜本的に見直して、計画期間を第二約束期間に合わせて二〇二〇年まで延長すれば済んだものだというふうに思います。産業界が強く要請する自主的な削減では、二度以内に抑えることは私、不可能に近いと思います。
 人類共通の課題として緊急に取り組むべき地球温暖化対策では、やっぱり先進国日本が法的拘束力のある京都議定書第二約束期間への参加に復帰をして、国際公約の九〇年比二五%削減目標を堅持してEUとともに世界をリードしていくと、これが求められているということを指摘しておきたいと思います。
 そこで、法改正の必要性として、今後の地球温暖化対策の総合的かつ計画的な推進を図るため、国による地球温暖化対策計画の策定を規定する等の所要の措置を規定する必要があると、こうされています。しかし、安倍政権は、安全が確認された原発は再稼働すると、二五%削減目標をゼロベースで見直すということを明言されました。今回の改正案提出の三月十五日の地球温暖化対策推進本部決定の方針では、削減目標について二五%削減目標をゼロベースで見直すこと、エネルギー起源対策について低炭素社会計画に基づく事業者による自主的な取組ということを明記しています。
 これは、結局、原子力発電の活用を前提としていることが私は明らかだと思うんですが、大臣、そういうことでしょうか。
#221
○国務大臣(石原伸晃君) 安倍内閣の基本的な姿勢は、原子力発電に依存する社会から少しでも早く離脱をしていこう、しかし、その前の段階で、このCO2の排出等々を考え合わせたときに、化石燃料を燃やすことによって地球環境に対する負荷を著しく高めるというようなことも、これはやはり抑えていかなければならない。
 そんな中で、原発の再稼働については、新しく三条機関であります原子力規制委員会が世界で一番という安全基準を作っていただいて、その安全基準にのっとって事業会社が自分の抱えているサイトの安全性を考えて、これならば充足していると考えられたらば申請をしてきて、それを規制委員会で判断をする、それによって動かすことができるかできないかということが決まり、ですから、原子力発電所がこれからどれだけの期間にどれだけ動くかということは、実はまだ誰も分からない。事業会社の側も、基準ができてきたけれども、自分たちの持っているサイトというものがどれがクリアするかということを今多分精査しているんだと思います。
   〔理事中川雅治君退席、委員長着席〕
 その様子を見て、三年以内に私たちは再稼働をするかしないかということが明らかになり、そして十年以内にこの再生可能エネルギーの割合を私もずっと増やしていかなければならない、FITの買取り価格もスタートした。しかし、一挙にこれが、今一〇%のものが三%、四%、五%、六%、一〇%と伸びていかない段階では、やはり十年掛かってエネルギーのベストミックスを考える。
 そんな中で、このエネルギーの供給、また産業構造も変わってまいりますし、人口構造も変わってきていますので、これからの電力需要というものもどうなってくるのかということもまだはっきりしない、そういうものを見た上で決めていくというのが安倍内閣の基本的な指針でございます。
#222
○市田忠義君 推進本部の方針では、エネルギー起源対策について、日本経団連の低炭素社会実行計画に基づく事業者による自主的な取組ということが明記されています。
 そこで環境省にお聞きしたいんですが、その事業者である電気事業連合会の低炭素社会実行計画には、目標設定の根拠として原子力についてどのように書かれているか、お答えください。
#223
○政府参考人(関荘一郎君) 電気事業連合会の低炭素社会実行計画の、これ今年の一月十七日に公表したものでございますけど、目標達成の根拠の一つとして、原子力について以下のような記述がございます。
 それは、安全性確保を大前提とした原子力発電の活用を図る。福島第一原子力発電所事故から得られた教訓と知見を踏まえ、原子力発電所の徹底的な安全対策を実施する。安全が確認され、稼働したプラントについて、安全・安定運転に努めると記述されております。
#224
○市田忠義君 今言われたように、原子力発電の活用、再稼働を前提にしていることは明らかであります。
 今回の温対法の改正では、衆議院段階での、国の責務の条文が修正をされました。その中で、我が国に蓄積された知識、技術、経験等を生かして国際協力を推進すると規定しています。
 そこで、我が国に蓄積された技術を生かした世界最高水準と言われるエネルギー効率についてお聞きしますが、直近でも先進十二か国中で最高水準維持しているんでしょうか。これは事務方で結構です。
#225
○政府参考人(関荘一郎君) 調査機関あるいは用いる指標によりまして具体的な順位というのは異なっておりますけれども、我が国のエネルギー効率は先進国の中では上位に位置していると考えております。
 例えば、IEAによりますと、実質GDP当たりの一次エネルギー総供給量、これ二〇〇九年のものでありますけれども、これでは主要国で最も効率が良い国となっております。
 また、米国のNPOの調査によりますと、政策の有無や住宅床面積当たりのエネルギー消費量などを用いての総合指標評価では、日本は英国、ドイツ、イタリアに次いで四位と評価されているところでございます。
#226
○市田忠義君 今、アメリカの民間団体の発表した国別エネルギー効率比較ですね。これは、日本は十二の大国中、英国、ドイツ、イタリアに次いで四位と。必ずしも今や世界最高の水準とは言えないと。
 今日、提案者に来てもらっていますが、この条文で修正された知識、技術、経験等を生かした国際協力という件ですが、具体的に日本のどんな経験で温暖化対策での国際協力を想定しているのか、お答えください。
#227
○衆議院議員(北川知克君) 市田委員御指摘の点につきまして、我が国は他国に率先して地球温暖化対策をこれまで進めてまいりました。京都議定書の目標を達成するために温室効果ガスの排出の抑制に係る取組を進めてきたところでもあります。
 具体的には、国内のエネルギー資源が乏しいことを背景にエネルギー使用の合理化や、先ほどもお話がありましたエネルギーの効率化、また再生可能エネルギーの利用の促進のために、関連する法制度を整えてまいりましたし、省エネ住宅やエコカーの普及に資するグリーン税制など、低炭素都市づくりなどの温暖化対策に関連する施策も推進をしてきたところであると認識をいたしております。
 また、アジアの途上国においては、公害問題と同時に地球温暖化の問題を解決することが課題となっており、いわゆるコベネフィットアプローチ、共通便益のアプローチとしてそれらの問題に関する我が国の経験を踏まえた二国間協力などを実施をするとともに、先ほど来からお話もあります産業界において、例えば太陽光パネル、またハイブリッドカーなどの研究、普及を進め、高度な環境技術を開発してきたと認識をいたしておりまして、我々修正案の提案者といたしましては、国の責務として、これらの我が国に蓄積された経験等を生かして地球温暖化対策に関する国際協力に取り組むことを強く望んでいるところであります。
#228
○市田忠義君 改めて確認しておきたいんですが、二国間オフセット・クレジットも含まれるわけですね。
#229
○衆議院議員(北川知克君) そのとおりであります。
#230
○市田忠義君 提案者は、もうそれだけしかお聞きしませんから、御退席願って結構です。
 環境省にお聞きしますけれども、京都議定書のクリーン開発メカニズムの規定でクレジット対象に原子力発電は入っていますか。
#231
○政府参考人(関荘一郎君) COP7のマラケシュ合意という場におきまして、この原子力発電所による二酸化炭素削減分を先進国の目標達成に活用することを控えることと規定されているところでございます。
#232
○市田忠義君 控えること、要するに対象になっていないと。
 じゃ、二国間オフセット・クレジット制度では原子力発電は対象から完全に排除されていますか、環境省。
#233
○政府参考人(関荘一郎君) 二国間オフセット・クレジットの制度のルールにつきましては、今後、二国間での協議や国際的な議論を踏まえながら作っていくものであり、現時点では決まっていないところであります。今後、CDMにおける取扱いを踏まえながら検討してまいりたいと、このように考えております。
#234
○市田忠義君 要するに、原子力発電は京都議定書のCDMには対象にはならないと、二国間オフセット・クレジットでは今後検討ということは、対象に含まれることもあり得るという答弁だと思うんですけれども、法案修正で加えられた国際協力には原発の輸出も含まれることは私は明らかだと思うんです。しかも、原発輸出も否定しない、これからの検討だと言われましたが、二国間オフセット・クレジットを活用するために私は公平かつ実効性のある国際枠組みということを大義名分にして京都議定書を離脱したと言われても仕方がないということを指摘しておきたいと思うんです。
 現に、なぜそういうことを言うかというと、さきの連休中に安倍首相は、アラブ首長国連邦やトルコと原発輸出の前提となる原子力協定を結びました。中でも、トルコとの間では日本の三菱重工業とフランスのアレバ社が共同で原発建設を受注することで事実上合意をして政府主導の原発輸出に道を開いた。私はここに、京都議定書のCDMではなくて、二国間オフセット・クレジットを活用した安倍政権の露骨な原発推進の姿勢が現れているというふうに思うんです。
 福島原発事故はいまだに収束していません。原因すら究明されていないと。そのときに、日本の政府が有数の地震国であるトルコに率先して原発輸出を推進すると、到底許されないことだと思うんですが、これは石原大臣、見解をお聞きしたいと思います。
#235
○国務大臣(石原伸晃君) 今のちょっと議論を聞かせていただいておりまして、率直な感想は、少しCDMのところは深読みじゃないのかなというような印象を受けました。
#236
○市田忠義君 それは印象でしょう。
#237
○国務大臣(石原伸晃君) 印象です。
 それと、御質問の原子力の部分、原子力発電所のトルコへの輸出云々の部分は、利用の在り方にかかわるものでありまして、私が、原子力をどうトルコの政府が利用し、また日本がどういうことを、安倍総理が実際にどういう形で言われたか、私も新聞報道程度しか存じておりませんので、予断を持つようなことの発言はちょっと差し控えさせていただきたいというふうに考えております。
#238
○市田忠義君 私も同行したわけではありませんから、新聞報道ですけれども、最高水準の技術だとか安全性などを売り込んでいるけれども、福島原発のやっぱり事故の現実を私直視すべきだと思うんです。日本だけではなくて大気や海洋の汚染など、世界的にも被害が及んでいるわけです。
 日本の原発の技術水準、高いどころか、原発自体が技術的に未完成で、冷却能力を失ったらコントロールできない、制御できない、そういう致命的な欠陥を持っていると。ネズミ一匹で冷却機能を失うわけですから、大山鳴動ネズミ一匹どころか、ネズミ一匹大山鳴動という事態が起こっているわけで、やっぱり事故の収束や被災者支援に全力を挙げるとともに、原発の危険性をやっぱり率直に認めて、直ちに原発からの撤退こそ私決断すべきだということを指摘しておきたいと思います。
 また、安倍政権は今後のエネルギー基本政策について、経済産業省の総合資源エネルギー調査会で議論するというふうにしています。その総合部会では、新たなエネルギー基本計画を年内中に策定するとしています。三月十五日の同部会の初会合では、茂木経済産業大臣が、安定供給、そしてコスト低減に重点を置いて政策の軸、方向性を明確に示す必要があると、こう発言をされました。主な論点の一つに原子力発電の安全確保を挙げ、原発再稼働に主眼を置いていると。
 そこで、環境大臣にお聞きしたいんですが、新たなエネルギー基本計画に原子力発電の再稼働が明記されれば地球温暖化対策計画にも原発再稼働が盛り込まれることになるんではないかと、この点についてはいかがですか。
#239
○国務大臣(石原伸晃君) これも先ほど御答弁させていただいたと思うんですけれども、原発が再稼働するかしないのか、また事業会社が自分の抱えているサイトのどこを申請するのかしないのかというのは今の段階では誰も知ることができませんし、再稼働に関しては言うまでもなく安全性の確認ということが大前提であり、そのためにも三条機関として原子力規制委員会というものを外につくりまして、専門的な知見、そして独立した立場で原子力発電所の安全性を判断する、その申請あるいは申請を受けて原子力規制委員会が判断した後、その議論が深まってくるのではないか、こんな印象を持ったところでございます。
#240
○市田忠義君 参議院選挙の公約にも原発の再稼働を堂々と掲げるということをおっしゃっているわけですし、政府の経済財政諮問会議の佐々木東芝社長など四人の民間議員が取りまとめた提言を読みますと、「経済財政政策から見たエネルギー戦略について」という表題で、現状では不可能に近いと、国際公約の二五%削減をゼロベースで見直す、原発停止によるエネルギー供給不安は日本の経済活力をそぐ深刻な問題だ、原発の再稼働を求めて削減目標を新たな電源構成の目標とセットで再検討すべきだという提案をされています。茂木経済産業大臣は、安全性を確認したものについては稼働させなくてはならないと述べておられます。エネルギー基本計画がその中に原発再稼働を示されれば、私は対策計画にも原発稼働が盛り込まれることは明らかだと思うんです。
 今回の法改正案は、温室効果ガス削減目標の大幅後退、原発の再稼働、新増設、原発輸出政策の推進などが盛り込まれることになる可能性の強い、言わば地球温暖化対策計画の策定、そういう計画を白紙委任するようなことにつながるんじゃないかと、そういう危惧の念を持つわけですが、この点は、大臣、再度の質問ですが、いかがでしょう。
#241
○国務大臣(石原伸晃君) その点も少し、三手ぐらい先の何か手を読まれているような気がいたします。
 私ども、何度も申しますように、安倍内閣の方針というのは変わっておりませんで、あれだけの大惨事を受けて、原子力発電所に依存するような電力の需給体制からは脱却を目指していこうと。
 しかし、そんな中で、安定的なエネルギー、廉価なエネルギー、そして環境に配慮したエネルギー、こういうもののベストミックス、もちろん再生可能エネルギーの割合というものを高めていこう、これは今日の午前中の議論の中でありましたように、幾らゼロベースで見直すとはいえ、良いものは良いわけでございますので、そういうものをどれだけ組み入れ、現実的な、そして野心的な計画という数値目標をこれから作っていかなければならない、こんなふうに考えているところでございます。
#242
○市田忠義君 私は別に二手、三手先を読んでいるんじゃなくて、そもそも福島原発事故以降に作成された自民党の二〇一二年のマニフェスト、その中に、原子力発電所の再稼働の可否については順次判断し、全ての原発について三年以内の結論を目指しますと。これは、福島原発事故が今なお収束しておらずに、原因の究明は程遠い状況にもかかわらず、事実上の早急な原発再稼働を主張しておられました。
 さらに、それだけではなくて、四月二十三日のテレビ番組で茂木経済産業大臣は、原発再稼働の時期を今年の秋になると、そういう見通しを示して、五月十三日の予算委員会でも秋以降になると答弁したと。さらに、先ほど言いましたように、自民党の参議院選挙公約の総合政策集を読ませていただくと、国が責任を持って再稼働させると明記する方針を固めたと、こう報じられています。私は、削減目標の大幅後退、原発再稼働を前提とするような対策計画の策定はすべきではないということを指摘しておきたいと思います。
 それで、若干角度を変えて別の問題にしますが、エネルギー基本政策の策定が年内にずれ込んだために新たな温暖化対策の削減目標が決められてはいません。たとえ今、法改正をしたとしても、具体的な内容が盛り込まれた対策計画が策定されるまで、大体半年程度の空白期間ができることになります。
 政府は地球温暖化対策推進本部の方針を出しましたが、京都議定書の第二約束期間にも参加しない、具体的な計画もないということから、国内の温暖化対策が停滞するということになることは明らかだと思うんですが、その点は、大臣、どういうふうにお考えでしょう。
#243
○国務大臣(石原伸晃君) 時間的にこの原子力発電所の稼働、これ、私ども自民党が再稼働しろということは言っておりませんですし、原子力規制委員会の一番世界で厳しいと言われる安全基準にのっとって事業会社が判断をして申請をし、そしてそれが通った場合にのみ稼働できる。それに対して地元の皆様方の意見あるいは政治判断を加えて稼働という形になるということは是非御理解いただきたいと思いますし、これまでと同等に、今委員の御指摘になりました点についても取り組んでまいるということは、ここでお話をさせていただきたいと思っております。
#244
○市田忠義君 規制委員会が安全と認めたものとおっしゃるけれども、現状で最高の安全基準なんて策定しようがないというのは、今の福島原発事故の現状が私は示していると。だから、国会でも、世界最高の安全基準という言葉を規制基準というふうに言い換えられるように変わっているということも指摘しておきたいと思うんです。
 もう時間の関係で次に行きますが、事実上の計画のこういう空白の下では、温対法に基づく実行計画の策定が義務付けられている地方自治体、全部で百四十八ありますが、そのうち一六%、十一県十三市でまだ計画ができていないと、こういう状況が生じています。このうち多くは地域推進計画を作っている先進自治体ですが、国の二五%削減目標の見直しや原発ゼロの白紙撤回によるエネルギー基本計画の改定をにらんで、実行計画策定作業は中断していると。
 これ、環境省、事務方でいいんですが、こういう実態、把握しておられるでしょうか。地方自治体で一六%、十一県十三市でまだ計画ができていないと、それがこういう事情によるものだという点、把握しているかどうかだけお答えください。
#245
○政府参考人(白石順一君) 先ほども関連の質問でお答えいたしましたように、新聞報道では今の御指摘のような数字でございますけど、私ども承知しておりますのは、全体のうち八二%が策定している、裏を返せば一八%がまだ未策定の状況というふうに認識をしております。
 それで、その報道によりますれば、その作成していない理由の中に、国の計画が策定されていないことに関連した説明をしておられる自治体があるということもその新聞の報道で承知はしておりますが、温対法上はこの実行計画は政府の計画を基に作れという形にはなっておりません。なっておりませんけれども、そういうのを見て作ろうというお気持ちも分からないわけではございませんので、この国の計画、十一月のCOPまでに策定することになっておりますけど、その中間でもいろんな状況については自治体に御説明をし、速やかな実行計画の策定の環境整備に努めてまいりたいと思っております。
#246
○市田忠義君 要するに、国の対策が遅れているからが原因じゃなくて、自治体の自主的な判断で遅れているという答弁のように聞こえたんですが、そういう認識ですか。
#247
○政府参考人(白石順一君) そうではございませんで、国の計画を見て作ろうというふうに御判断されているところがあるということは報道で承知しております。
#248
○市田忠義君 ということは、言葉を換えると、国の方針が遅れているということが自治体のこういう計画の作成が遅れている要因になっていると、その一つの要因ではあるということは明白だということは確認しておきたいというふうに思うんです。
 環境省、三月末に気候変動による水質等への影響解明調査というのを公表されましたが、その中で、モデル湖沼として選定された琵琶湖、私は滋賀県の出身なんですけれども、どのような将来影響予測が出されているか、環境省、分かったらお答えください。
#249
○政府参考人(平岡英治君) 御指摘の調査でございますが、この三月に調査結果を公表いたしました気候変動による水質等への影響解明調査というものでございます。
 その中で、今御指摘のありました琵琶湖につきましては、モデルを用いました近未来のシミュレーションというのが行われてございます。一九九四年から二〇〇三年までの十年間と、それから二〇三〇年から二〇三九年の十年間の比較ということでございますが、表層の年間の平均水温が一・二ないし一・三度程度上昇する、また、湖内の全循環につきましては、七十メートルより低い最深層までの循環については、そういったものがない年が発生し得るということ、それから、湖内の水質につきましては、循環が不全になるという影響で下層の溶存酸素量が徐々に低下をしたり、それに代わりまして全燐濃度等が増加するといった傾向が出るのではないかという、一つの試算でございますが、そういう結果が得られてございます。
#250
○市田忠義君 その琵琶湖がある滋賀県では、二〇一二年の三月に低炭素社会づくり推進計画を策定しましたが、その中で、琵琶湖の水温が下がらなかったことから琵琶湖の全循環の大幅な遅れと湖底の溶存酸素濃度の低下が見られ、湖底に生息する生物への影響が懸念される現象が生じたとしています。
 こういう滋賀県内の温暖化による影響を共有して、滋賀県では、二〇三〇年までに九〇年比で五〇%削減と大変高い積極的な目標を掲げています。同県の二〇一〇年のCO2排出量の四二%を占める製造業に着目をして、条例で一定規模以上の事業者に対して具体的な取組を記した行動計画書の提出を義務付けました。自動車や太陽光パネルなどを造った、製品が使われたときに、結果としてCO2の排出が減ったと考えられる場合も計画上の取組にカウントするということができると。
 だから、製品の製造だけではなくて、ホテルが行うレンタサイクルサービスなど地域全体の排出削減につながるものは全部対象に含めるという方針。今年度は、同県内の二百七十一事業者から行動計画書が提出をされて、うち約百二十の事業者が様々な取組を行っていると。
 大臣にお聞きしたいんですが、こういう地方自治体での取組も取り入れて、野心的な削減目標、対策を掲げる必要があるというふうに思うんですが、いかがでしょうか。
#251
○国務大臣(石原伸晃君) ただいまの点は同感の至りでございます。地方のそういう取組というものが日本全体の、まして地球全体のCO2の排出削減につながると、こういうものはしっかりと、いいものはいいと言っていかなければならないというふうに、お話を聞かせていただいておりまして感じたところでございます。
#252
○市田忠義君 滋賀県のお隣の京都府も、地球温暖化対策推進計画を二〇一一年七月に策定をしましたが、この中では、大震災に伴う原子力発電所の事故はいまだ解決に至っておらず、削減目標を達成していく道程はより厳しいものにならざるを得ない、京都府は、京都議定書誕生の地として先導的な取組を更に積極的に進めると、こうしています。こういう認識の下で、二〇二〇年に九〇年比で二五%削減、三〇年で四〇%削減の高い目標を掲げていると。私は、日本政府もやっぱり、厳しい状況の下でも、京都議定書を誕生させた先進国の政府として野心的な目標を堅持すべきだということを指摘しておきたいと思います。
 次に、再生可能エネルギーの普及問題についてお聞きします。
 再生可能エネルギーを電力会社から買い取るために電気料金に上乗せされる賦課金について、電気を大量に使う大企業は大幅に減免される制度があります。これを利用した二〇一二年度の減免見込額が六十三億円に上ると。しかも、上位十一社のうち七社までが鉄鋼会社が占めて、特定業界に恩恵が集中しています。一般の消費者は、自分が使った電気に応じた賦課金と鉄鋼会社の減免分とを二重に負担していることになります。
 これは私、是正すべきだと思うんですが、大臣、認識いかがでしょう。分からなかったら事務方でも結構です。──じゃ、感想だけでもいいですから、経産省の管轄だから言いにくかったら。今、このような事態はやっぱりちょっと異常だと思われないかと、感想で結構ですから。
#253
○国務大臣(石原伸晃君) 所管外でありますし、どうコメントしていいか分からないんですけれども、委員のおっしゃるとおりであるならば少し考えなきゃいけないなというような印象は持たせていただきました。
#254
○市田忠義君 私が言うとおりならと、私はうそをついているわけじゃないので、ちゃんと調査して言っておりますので。
 率直に言いますと、再生可能エネルギー特別措置法が制定されたときに、日本鉄鋼連盟が、二〇一二年の七月に、電力を多く消費する産業への直接的な負担軽減を審議してほしいという要望が出されて、修正されたんです。そういう制度になったからに起因しているわけで、やっぱり一般消費者の二重負担を軽減するように、是非、経済産業省と連携して、よく相談して是正の方向に向かっていただきたいということをお願いしておきたいと思います。
 それから、日本風力発電協会というところの推計によりますと、国内の風力発電能力が二〇一二年度末までに大型の原発二基分に相当する二百六十五万キロワットに達する見通しになったと。東日本大震災後二年間の新規導入量は、震災前を下回る年十万キロワット未満と低迷しています。〇一年度以降、風力発電の新規導入量はほぼ大体十五万キロワットから三十五万キロワットの間で推移をしてきたんですが、一一年度に建設費に対する政府の補助制度がなくなった影響で八万五千キロワットと低迷して、二〇一二年度は再生可能エネルギーの固定価格買取り制度が始まったということもあって九万二千キロワットにとどまっています。
 それで、これを普及していく上での拡大の壁になっているのが送電網の不足と蓄電池の普及の遅れだと思うんですけれども、震災前までやっぱり原発を推進してきたために、電力会社や政府が積極的にこういう問題で整備してこなかったということが要因の大きな一つだと思うんですけれども、大臣の認識はいかがでしょうか。
#255
○国務大臣(石原伸晃君) これもエネ庁の話なんで、感想でよろしいですか。
#256
○市田忠義君 感想で結構です。
#257
○国務大臣(石原伸晃君) 委員が前段おっしゃられたとおり、やはり早期の導入量の増加には至っていないというのは事実だと思います。その理由として委員が挙げられました設置までの期間の長さあるいはコスト、そして送電網への接続等々の課題があると。つくっても、太陽光発電の話でも出ましたように、流れていかないというような問題があるということもあるんだと思います。
 ですから、やはりこの再生可能エネルギーのボリュームを増やしていくべきであるということは多くの委員の共通する思いでありますので、この問題についてもやはりしっかりと取り組んでいかなければならない、政府を挙げて取り組んでいかなければならない、そんな印象を持たせていただいたところでございます。
#258
○市田忠義君 環境省も試算しておられて、風力の潜在発電能力が、国内の陸上で計二億八千万キロワット、洋上で十六億キロワットと見積もられています。やっぱり送電網や蓄電池の整備を急速に進める必要があるということを指摘しておきたいと思います。
 財団法人自然エネルギー財団のアンケート調査を見ますと、太陽光発電事業者が送配電網など電力系統への接続を電力会社に拒否をされて、発電した電気を全く買い取ってもらえなかった事例が二〇%にも上っています。また、電力系統への接続に制限があるとの理由で一部しか買い取ってもらえなかった事例が三七%にも上っています。これは再生可能エネルギー特別措置法に、電気の円滑な供給の確保に支障が生ずるおそれがあるときなどに接続を拒否できるという例外規定があるためで、これを盾にして買取りを拒否しているということが大きな原因であります。
 やっぱり再生可能エネルギーを電力系統に優先的に接続することを電力会社に義務化することが私大事だと思うんですが、これについての大臣の所見、いかがでしょうか。
#259
○大臣政務官(齋藤健君) 市田委員おっしゃいますように、再生可能エネルギーの普及には様々な課題がございます。
 御指摘の点については、電力の供給体制の在り方ということでございますので、我が省の所管ではありませんが、再生可能エネルギーの普及が一層進むように経済産業省とは連携を深めていきたいと思っております。
#260
○市田忠義君 所管が経産省だからとかエネルギー何とか庁だからというのももちろんありますが、やっぱり環境問題と密接不可分の問題であるわけですから、これはほかの省が考えることということにしないで、前向きに積極的にやっぱり自然エネルギー、再生可能エネルギーの普及のための障害になっている問題を除去するために各省庁が協力して奮闘するということを指摘して、時間になりましたので、終わります。
#261
○平山誠君 こんにちは。みどりの風、平山誠です。
 この度、地球温暖化対策基本法から温暖化対策推進法に変わったということで、私のポリシーは未来に負の遺産を残さない、今、私たちが安易に便利だからといって、未来に負の遺産を残さないというのがポリシーで、私は原発もずっと反対してまいりました。
 そのことで、今、私たちが少し我慢をしよう、地球温暖化のために少し我慢をしようと思いますけれども、私もちょっとよく分かんないんですが、何を我慢したら地球温暖化にならないのか。原点に返ってお聞きしたいのですが、地球温暖化の主な原因は、大臣、どのような生活のことから生まれるんでしょうか。
#262
○国務大臣(石原伸晃君) これは、今委員が御指摘になりましたように、人間がいい生活、便利な生活をしようと、また科学のテクノロジーの発達によってそれに依存をしていく、すなわち産業革命が起こり、蒸気機関を使い、化石燃料を使い、地球を暖かくする温室効果ガスを多く発したと、ここに起因するというふうに認識をしております。
#263
○平山誠君 まさに十九世紀後半から二十世紀、そして二十一世紀の私たちが原因で地球温暖化が生まれているんではないかということですが、このことで、他の委員と質問はかなり重なると思いますが、この改正案の根本でもありますので、なぜ今回の改正案に手段的な数値ですか、目標数値が入らなかったのかということを衆議院の方の修正案提出の方にお聞きしたいのですが。
#264
○衆議院議員(篠原孝君) いろいろ議論いたしまして、我々は議論の段階で明確な目標、二〇五〇年に八〇%の削減というのを、加藤委員から御指摘がありました数字でございますけれども、あってもいいんじゃないかということは議論の段階では相当強く主張した委員がたくさんおられました。私などもその一人でございます。ですけれども、諸般の事情により、なぜか知りませんけれども、こちら側の人たちが余り聞いていただけなかったということが実情でございます。こちらにお聞きいただきたいと思います。
#265
○平山誠君 二〇五〇年八〇%削減なんていうのは、自由民主党さんもおっしゃっていたようなことですし、今、篠原議員の方から言うと、仏像は作ったのに魂入れないのは俺じゃないよというようなことだと思うんですけれども。
 私も、やはり目標というか、さっきも言いましたとおり、未来に負の遺産を残さないということでこのぐらいみんなで我慢しようやというときに、行動する、また目標にする数値が入らないことで法案を作っていくというのは、その法案を従おうという人たちにもよく分からないと思うんですが、大臣、数値を入れなかった理由というのは、本音は何なのでしょうか。
#266
○国務大臣(石原伸晃君) 長期目標に、二〇五〇年でありますけれども、先進国として八〇%の削減を目指す、この方針、附帯決議に入っておりますので、政府としては最大限尊重させていただきたいと思います。
 これもいろいろ議論のあったところですけれども、二〇二〇年以降の目標についても、実は三月十五日の会議で総理の方からゼロベースから見直せと。そしてまた、この数値を作る、ここも議論のあったところでございますけれども、エネルギーを一体何によって賄うのかによってこの数値が大きく変わってくる、ですから、今具体的に何%、中期目標についてもお示しするに至っていない。そういう中で、長期の目標を法律の中に書き込むことがどうか、こういう議論があったんだと思います。
 そんな中で、衆議院の議論もしっかりと拝聴させていただきましたし、附帯決議に書いていただきましたので、政府としては、長期目標としては二〇五〇年、先進国として八〇%削減と。それはやっぱり地球全体のことを考えて、責務であるという思いを多くの委員の方々が持たれたからこそ、このような数字を附帯決議の中に盛り込んでいただいたと理解をしているところでございます。
#267
○平山誠君 よく分からないんですが、附帯決議には数字はちゃんと入っているんでしょうか。それと、附帯決議に入っているということは担保されるということでしょうか。今後それが論議されるという担保があるんでしょうか。
#268
○衆議院議員(篠原孝君) 附帯決議は一般的には、法案には織り込めなかったけれども、この次の段階ではきちんと考慮してくださいよということではないかと思います。ですから、何年か後にまた見直すときが必ず来るわけでございますけれども、そのときにはきちんとしていただきたいということで、一歩前進ということにはなっているのではないかと思います。
#269
○平山誠君 何か衆議院の先生の方に責任を回すようですけれども。
 私は、大臣、エネルギーの方法とかエネルギーの数値が決まらなければ削減目標の数値も決まらないというのはおかしいと思うんですよ。やはり、環境大臣である石原大臣がこのくらいやっていこうという目標を示してからこそ民間企業も付いていくんじゃないかと思いますが、その辺はいかがでしょうか。
#270
○大臣政務官(齋藤健君) 原発の事故がありまして、五十基全部原発が停止をしておりまして、これによる影響だけで、試算にもよりますけれども、CO2年間二億トン排出の影響が出ると言われるぐらいのマグニチュードがあるものでありますから、これがどうなるかということが分からない段階で目標を立てるということは現実的にはかなり困難な情勢になっていると思います。
 ですから、そういうものを踏まえて、それでも高いものを目指して今後計画を策定していきたいと考えているところでございます。
#271
○平山誠君 私は、原発ありきというようなことも含めていろいろと考えていますけれども、要するに、CO2の増加で温暖化そして環境破壊、それよりも原発イコール環境破壊という方を私は提唱していますので、先ほども市田議員の方からありましたけれども、原発を稼働する、稼働するから温暖化対策の数値が決まらないというような言い方は私はちょっと理解できないということでございます。
 そして、先ほど、また市田議員の方から質問がありましたが、トルコの方に、これはちょっと大臣には通告していなくて申し訳ないんですが、トルコの方に安倍総理がトップセールスしたと。この辺は、日本でまだ稼働が決まっていないのに、なぜ原発をトップセールスできるのかと。先ほども言いました、安心だと。世界一安心だという部分の保証は、大臣のお言葉の何をどう世界一安心と言える言葉なんでしょうか。
#272
○国務大臣(石原伸晃君) 先ほども総理のビヘイビアについて御言及がございましたが、私も新聞の資料しか見ておりませんので、どういうやり取りがあったか、またどういうことが真実かということは今ここでお話しすることができませんが、私は、先ほど来、世界一の安全基準と申しておりますのは、これまでの原子力行政の反省に立ちまして、規制側、すなわち、どの規制に合致したものが安全であるかというメルクマールとなる新しい安全基準を規制委員会の方で今作成中でございます。
 その安全基準というものは、これは、私が言うのも変な話ですけれども、田中委員長の言葉を借りるならば、世界一のものであるというふうにおっしゃっておりますので、その基準ができ、その基準に合致している、また合致できると思われるサイトをお持ちの事業会社の方々が申請をしてくる。そして、申請をしてきたら、それを審査をすると。そして、審査の結果がどうなるかということも私には分かりませんけれども、それによって一つの結果が見出される。それには物理的な時間が掛かりますし、今どうであるということを私が言えるほどの材料を持ち合わせておりませんのでこういうような御答弁になっているということは、是非御理解をいただきたいと思います。
#273
○平山誠君 トルコでいえば、これは二〇一一年のデータですけれども、五千三百万キロワット、ガスの発電が三七・三%、水力が三二・二%、石炭が二三・二%、風力が三・二%、石油が二・六%。そして、トルコは、日本からの技術提供の原発で五%のエネルギーを原発から入れるということが報道されています。
 この五%というのは、私たちが、今これから出される目標であるとか、このままの法案で進んでいく努力目標で数字が出されなくても出せると思うんですが、大臣、この原発による五%、これは大臣の直接の営業ではないと思いますが、感覚として、この五%を原発で賄うという部分は要らない部分でもあると私は思うんですが、大臣はどうお思いですか。
#274
○国務大臣(石原伸晃君) 私、トルコの電力事業に疎いもので、今の委員の意見の御開陳をそのまま信じさせていただきますと、水力が意外に大きいなと、風力も頑張っているなと。そんな中で、トルコの政府がなぜ原子力発電、多分ガスの部分の代替を考えられているのかな、これはあくまで推測でありますけれども、そのように感じたところでございます。
#275
○平山誠君 そういうことでもないんですけど。
 私は、だから、たった五%のことであれば、私たちがいろいろと努力すれば要らない、要らない危険な原発は売らないという日本の姿勢を見せていきたいと私は言いたいのでありまして、原発が、福島やチェルノブイリのことを経験とすれば、もう今人間が止めることのできないというか、操作することもできない、そんなようなものを、日本はまだ安全管理がはっきりしていないから稼働しないかもしれない、それはよくよく考えながら。しかしながら外国には売っていいという、私はその辺の考え方を、やはり地球共同体、このような地球規模で考える法律を作っていく以上、また国と国とで決めていく以上、原発も新たなくくりで、この地球温暖化の法律の中に原発は使わないということを入れた方がいいと思うんですが、大臣、どうでしょうか。
#276
○大臣政務官(齋藤健君) トルコの五%がいいか悪いかは、私コメントするのは適当ではないと思いますけれども、いずれにしても、日本とトルコの信頼関係の中で進めさせていただいている話だろうと思いますし、仮に日本が出さなくてもほかの国が出すということになる可能性が極めて高い話でございますので、二国間の中で、信頼関係の中で進んでいく話であろうというふうに認識をいたしております。
 それから、原発を全てもうやめた方がいいんじゃないかという御意見につきましては、私どもも比率を下げていくということで前進をさせていきたいと思っておりますけれども、現在、規制委員会の方で、今ある五十基についてどうするか、一件一件審査をこれからしていくということでございますので、その結果を踏まえて行動していきたいということに尽きると思います。
#277
○平山誠君 私たちみどりの風は原発ゼロの世界を目指しておりますので、是非ともこの地球温暖化対策に原発のことは入れないということを考えていただきたいと思います。
 また、先ほども、温暖化の原因としてCO2の増加という部分がありますが、CO2の吸収に役立ってくれている森林、今世界では猛烈な勢いで森林が破壊されていると。一分間に東京ドームのグラウンド十面分、約十四ヘクタールが失われていると言われています。
 この国のCO2吸収に当たり、所管は林野庁ですが、環境省として、最も守るべきCO2吸収の森林対策について、どのようなことをお考えでしょうか。
#278
○政府参考人(関荘一郎君) 幸い、私の承知している範囲におきまして、我が国の国土の三分の二は森林で覆われておりまして、世界有数の森林国であるということでございます。
 また、京都議定書の第一約束期間におきましても森林の吸収源ということで、新たに森林、木が大きくなることによって固定化される量として三・八%というのを見込んで、それをほぼ達成できたということでございまして、今後とも森林による大気中のCO2の吸収というのは極めて重要なことであると考えておりますので、引き続きこの点で林野庁とも協力してまいりたいと、このように考えております。
#279
○平山誠君 やはり、日本の自然を守り、そして育んで、なるべく科学に頼らない力でCO2を抑えていくということが重要なんではないかと思います。
 もう一つお聞きしたいんでございますが、企業、特に民間企業は排出量とか多くなりますけれども、我々一般の生活している者もどこか気を付ければ温暖化に寄与できる、若しくは、我々生活をしている者の方が逆にCO2を排出をしているというようなことがあると思うんですが、これ、一般の人たちにこの法案を理解していただくためにはどのようなことをお考えでしょうか。
#280
○政府参考人(関荘一郎君) 民生分野と私どもは呼ばさせていただいておりますけれども、個々の方の生活から出るCO2というのも相当な量になっておりまして、京都議定書が定まり、温暖化対策の目標達成計画ができまして、その中で様々な民生分野の対策というのを進めてまいりました。
 例えば、住宅の断熱性を向上することによって冷暖房の効率も良くなりますし、御家庭の中で使っていただいております機器に目覚ましいエネルギー効率の進歩もございますので、こういうのを買い換えるということで、家電エコポイント制度ということで政府が推進して買換えというのも行ってまいりました。また、お一人お一人におきましては、冷房、暖房の適正化をやっていただく等々もお願いをして、随分定着してきたと思っております。
 ただ残念ながら、住宅の床面積の全体的な増加や、御家庭ではその家庭数の増加等々がありまして、なかなか思うようにこの分野からのCO2の削減というのは進んでいないのも事実でございます。
#281
○平山誠君 私は、今日は最初からこの法案に賛成という立場で質問させていただいておりますが、世界の諸外国に比べ、日本はかなりの技術、そして企業も多くの投資をして少ない排出というのを考えておりますが、これから日本がリーダーシップを取って世界に訴えていく点はどのような点、ありますでしょうか。最後にお聞きします。
#282
○大臣政務官(齋藤健君) まず、一番大事なことは、世界の中でまさに人類共通の重要課題であるということの認識をきちんと共有していくということが一番大事だろうと思っておりますし、これからCOPでの議論も進んでまいります。そのときに、日本がいろいろやってきたこと、この二国間のクレジットの取引もそうでありますけれども、そういうことを、知恵、技術を皆さんと共有をしながら進めていくということが非常に肝要かなと思っております。
 そのためには、やはり日本自身が自分も最大限努力をしているということを示すということも大事だと思っていますので、国内で万全の努力をすると同時に、国際的な議論の場で日本の持っているものを、技術、経験をどうシェアしていくか、そして、みんなで一緒に世界的に取り組んでいく雰囲気をどうつくり上げていくかということに尽きるんだろうと思っております。
#283
○平山誠君 なぜこのことを聞いたかといいますと、前政権で、世界の国々若しくは世界に向けて、日本は、二〇二〇年二五%温室効果ガス排出削減目標を立てました。まあ外国から見たら、前政権なんというのはなかなか分からないと思うんです。やはり国の代表が行って、二五%、二〇年までに目標を、排出しますと言ったことにおいて、ちょっと提出者には申し訳ないんですけれども、前政権のそのような考えというのは、今回のことには盛り込みは入れなかった、思いはなかったんでしょうか。まあ前政権におられた方ということで、最後に。
#284
○委員長(北川イッセイ君) どなたですか、どなたに対して。
#285
○平山誠君 一人しかいないでしょう。
#286
○衆議院議員(篠原孝君) 政権交代というのはそんな簡単には起こらないわけですけれども、また政権に戻られた成熟した政党の皆さんは、未熟な政権政党のいろいろやったことも勘案してきちんと継承していただけるのではないかと考えております。
#287
○平山誠君 私は、参議院議員になりまして二〇一一年十二月に、参議院からアメリカに経済調査に派遣されました。そのときに私は、原発というのは非常に興味がありまして、アメリカのエネルギー関係のスーパーバイザーに日本は原発やめさせてほしいということを相談しました。その方がおっしゃったのは、原発は安全なんだと、原発が一番安全な発電装置なんだと、また最も日本の管理は、日本の保守機能は物すごいとおっしゃっておりました。私はそのときにたくさん反発の言葉をしたんですが、けんもほろろに論破されました。
 今日の題材とは違いますが、私は、あの三・一一前の三月十日に、「もんじゅ」の無駄遣いにおいて主意書が受理されました。
 やはり、先ほども言いましたけれども、法律を作って魂が入っていないという部分が往々にしてありますので、この法案を私も賛成し、通す以上は、次の策定目標には必ず明らかな目標数を入れていただいて、みんながその目標に向かい、そしてこの地球を住みやすく、そして優しく生活させていただくというのを願って、今日は短いですが、これで終わりにさせていただきます。
#288
○委員長(北川イッセイ君) 他に発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 これより討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べください。
#289
○市田忠義君 私は、日本共産党を代表して、ただいま議題となっています地球温暖化対策の推進に関する法律の一部を改正する法律案に対する反対討論を行います。
 人類共通の課題として緊急に取り組むべき地球温暖化対策では、先進国日本が法的拘束力のある京都議定書第二約束期間に復帰し、京都議定書目標達成計画に、福島原発事故の教訓を踏まえた原発ゼロと両立できる九〇年比二五%削減目標を高く掲げ、エネルギー政策を原発依存から自然エネルギーに大転換する抜本的な見直しをすべきであります。
 しかし、今回の改正案は、福島原発事故の教訓を踏まえ、先進国日本の歴史的な責任を果たしていく道からは程遠いものとなっています。
 以下、その反対の理由を述べます。
 第一の理由は、二〇〇八年の前回の法改正では、京都議定書第一約束期間の始まりにもかかわらず、確実な目標達成にふさわしいものになっていませんでしたが、今回は、日本政府自らが法的拘束力のある京都議定書から事実上離脱し、産業界が強く要請する自主的な削減に大幅後退した温暖化対策のための計画作りとなっていることであります。
 第二の理由は、京都議定書を事実上離脱したのは前民主党政権ですが、現安倍自民党政権も、全ての主要排出国の参加による公平で実効的なポスト京都の国際枠組みづくりを主導するとして、京都議定書からの離脱という点では同じ立場に立ち、科学的見解となっている二度以内に抑えることができない取組を進めようとしていることです。
 第三の理由は、安倍政権が、安全が確認された原発は再稼働する、二五%削減目標をゼロベースで見直すと明言し、地球温暖化対策本部の方針でも同様な立場を示すなど、温室効果ガス削減目標の大幅後退、原発の再稼働、新増設政策の推進などが盛り込まれることになる地球温暖化対策計画の策定を事実上白紙委任するような改正となっていることです。
 以上で、地球温暖化対策の推進に関する法律の一部を改正する法律案に対する反対討論を終わります。
#290
○委員長(北川イッセイ君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。
 これより採決に入ります。
 地球温暖化対策の推進に関する法律の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#291
○委員長(北川イッセイ君) 賛成多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 この際、西村まさみ君から発言を求められておりますので、これを許します。西村まさみ君。
#292
○西村まさみ君 私は、ただいま可決されました地球温暖化対策の推進に関する法律の一部を改正する法律案に対し、民主党・新緑風会、自由民主党・無所属の会及び公明党の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 以下、案文を朗読をいたします。
    地球温暖化対策の推進に関する法律の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、本法の施行に当たり、次の事項について適切な措置を講ずべきである。
 一、国連気候変動枠組条約第十六回締約国会議の決定を踏まえ、産業革命以前と比べた世界の平均気温の上昇幅を二度未満に抑えるには世界における温室効果ガス排出の大幅な削減が必要であることを認識し、二〇五〇年までに世界全体の温室効果ガスの排出量を少なくとも半減するとの目標を全ての国と共有するよう努めるとともに、二〇五〇年までに八〇パーセントの温室効果ガスの排出削減を目指すという長期的な目標を前提とした地球温暖化対策計画を策定し、長期的展望に立って積極的に地球温暖化対策を実施すること。
 二、地球温暖化対策の推進に当たっては、以下の各点に配慮すること。
  1 地球温暖化対策は、社会経済活動その他の活動による温室効果ガスの排出をできる限り抑制することその他の温室効果ガスの排出の抑制等に関する行動が新たな生活様式の確立等を通じて積極的に行われることによって、豊かな国民生活及び産業の国際競争力が確保された経済の持続的な成長を実現しつつ、温室効果ガスの排出量を削減し、並びに温室効果ガスの吸収作用を保全し、及び強化することができる社会が構築されることを旨として、行われなければならないこと。
  2 地球温暖化対策は、地球温暖化を防止することが人類共通の課題であること及び我が国の経済社会が国際的な密接な相互依存関係の中で営まれていることに鑑み、我が国に蓄積された知識、技術、経験等を生かして、及び国際社会において我が国の占める地位に応じて、国際的協調の下に積極的に推進されなければならないこと。
  3 地球温暖化対策は、地球温暖化の防止に資する技術の開発その他の研究開発及びその成果の普及が重要であることに鑑み、これらの研究開発及びその成果の普及が図られるよう、行われなければならないこと。
  4 地球温暖化対策の推進に当たっては、地球温暖化の防止に資する産業の発展及びこれによる就業の機会の増大を図ること。
  5 地球温暖化対策の推進に当たっては、エネルギーに関する施策との連携を図ること。
  6 地球温暖化対策の推進に当たっては、経済活動及び国民生活に及ぼす効果及び影響について事業者及び国民の理解を得つつ、適切な財政運営に配慮すること。
 三、東日本大震災の教訓を踏まえ、電力供給の安定確保の視点から、省エネルギー基準の強化、省エネルギー機器の普及など、あらゆる政策手段を活用し、省エネルギー対策を一層加速して進めるとともに、再生可能エネルギーの飛躍的な普及拡大を図ること。
 四、地球温暖化対策に関する国際的動向及び最新の科学的知見に照らし、国内の地球温暖化対策に関する政府の方針及び地球温暖化対策計画を不断に見直すこと。
 五、地球温暖化対策の推進を図るためには国民の理解及び協力を得ることが不可欠であることに鑑み、地球温暖化の防止に関する教育及び学習の振興並びに広報活動の充実のために必要な施策を講ずること。また、地球温暖化対策に関する政策形成に国民の意見を反映し、並びに政策形成過程の公正性及び透明性を確保するため、国民への情報の速やかな公開を徹底するとともに、政策形成に係る議論への国民の参加の機会を十分に確保すること。
 六、地球温暖化対策に関する基本原則、長期的な目標及びその達成のための基本的施策等を規定する基本法制について早急に検討を行うこと。
 七、温室効果ガス排出量の削減に関する中期的な目標については、再生可能エネルギーの最大限の導入及び省エネルギーの最大限の推進を図ることを前提に、我が国の社会経済情勢を踏まえつつ、二〇二〇年の野心的な目標を早急に設定すること。
   右決議する。
 以上でございます。
 何とぞ各委員の御賛同をお願い申し上げます。
#293
○委員長(北川イッセイ君) ただいま西村まさみ君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#294
○委員長(北川イッセイ君) 賛成多数と認めます。よって、西村まさみ君の提出の附帯決議案は多数をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対しまして、石原環境大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。石原環境大臣。
#295
○国務大臣(石原伸晃君) ただいまの附帯決議につきましては、環境省としてその趣旨を十分に尊重いたしまして努力してまいる所存でございます。
#296
○委員長(北川イッセイ君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#297
○委員長(北川イッセイ君) 異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後三時五十五分散会
ソース: 国立国会図書館
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