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2013/05/28 第183回国会 参議院 参議院会議録情報 第183回国会 経済産業委員会 第8号
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2013/05/28 第183回国会 参議院

参議院会議録情報 第183回国会 経済産業委員会 第8号

#1
第183回国会 経済産業委員会 第8号
平成二十五年五月二十八日(火曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 五月二十四日
    辞任         補欠選任
     難波 奨二君     高橋 千秋君
     江島  潔君     牧野たかお君
     主濱  了君    はた ともこ君
 五月二十七日
    辞任         補欠選任
     高橋 千秋君     江崎  孝君
 五月二十八日
    辞任         補欠選任
     江崎  孝君     高橋 千秋君
     塚田 一郎君     中原 八一君
     牧野たかお君     上野 通子君
    はた ともこ君     主濱  了君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         増子 輝彦君
    理 事
                大久保 勉君
                安井美沙子君
                柳澤 光美君
                岩井 茂樹君
                松村 祥史君
    委 員
                江崎  孝君
                轟木 利治君
                直嶋 正行君
                岩城 光英君
                上野 通子君
                佐藤ゆかり君
                関口 昌一君
                中原 八一君
                宮沢 洋一君
                長沢 広明君
                松田 公太君
                主濱  了君
                荒井 広幸君
                浜田 和幸君
   衆議院議員
       修正案提出者   宮下 一郎君
       修正案提出者   近藤 洋介君
       修正案提出者   江田 康幸君
   国務大臣
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣)     稲田 朋美君
   副大臣
       経済産業副大臣  菅原 一秀君
       経済産業副大臣  赤羽 一嘉君
   大臣政務官
       内閣府大臣政務
       官        山際大志郎君
       内閣府大臣政務
       官        亀岡 偉民君
       財務大臣政務官  伊東 良孝君
       経済産業大臣政
       務官       佐藤ゆかり君
   政府特別補佐人
       公正取引委員会
       委員長      杉本 和行君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        奥井 俊二君
   政府参考人
       内閣官房消費税
       価格転嫁等対策
       準備室長     齋藤 哲夫君
       消費者庁審議官  草桶 左信君
       消費者庁審議官  菅久 修一君
       総務省自治税務
       局長       株丹 達也君
       財務大臣官房審
       議官       太田  充君
       国税庁課税部長  藤田 利彦君
       経済産業大臣官
       房商務流通保安
       審議官      豊永 厚志君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○消費税の円滑かつ適正な転嫁の確保のための消
 費税の転嫁を阻害する行為の是正等に関する特
 別措置法案(内閣提出、衆議院送付)
○参考人の出席要求に関する件
    ─────────────
#2
○委員長(増子輝彦君) ただいまから経済産業委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日までに、主濱了君、難波奨二君及び江島潔君が委員を辞任され、その補欠としてはたともこさん、江崎孝君及び牧野たかお君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(増子輝彦君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 消費税の円滑かつ適正な転嫁の確保のための消費税の転嫁を阻害する行為の是正等に関する特別措置法案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、内閣官房消費税価格転嫁等対策準備室長齋藤哲夫君外六名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(増子輝彦君) 異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(増子輝彦君) 消費税の円滑かつ適正な転嫁の確保のための消費税の転嫁を阻害する行為の是正等に関する特別措置法案を議題といたします。
 まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。稲田内閣府特命担当大臣。
#6
○国務大臣(稲田朋美君) ただいま議題となりました消費税の円滑かつ適正な転嫁の確保のための消費税の転嫁を阻害する行為の是正等に関する特別措置法案について、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
 昨年八月に成立した社会保障の安定財源の確保等を図る税制の抜本的な改革を行うための消費税法の一部を改正する等の法律などによる今次の消費税率の引上げは、二段階にわたるものであることもあり、中小零細事業者を中心に消費税の価格への転嫁について懸念が示されています。
 このため、今次の消費税率の引上げに際しては、これらの中小零細事業者等が消費税を価格へ転嫁しやすい環境を整備していくことが極めて重要な課題となっております。そこで、消費税率の引上げに際し、消費税の円滑かつ適正な転嫁を確保する観点から、消費税の転嫁を阻害する行為の是正、価格の表示並びに消費税の転嫁及び表示の方法の決定に係る共同行為に関する特別の措置を講ずるため、ここにこの法律案を提出した次第であります。
 次に、この法律案について、その主な内容を御説明申し上げます。
 第一に、今次の消費税率の引上げに際し、消費税の円滑かつ適正な転嫁を確保するため、特定の事業者による消費税の転嫁の拒否等の行為を迅速かつ効果的に是正するための制度を創設することとしております。
 第二に、消費税の転嫁を阻害する表示を迅速かつ効果的に是正するための制度を創設することとしております。
 第三に、事業者が、今次の消費税率の引上げに際し必要があるときは、一定の誤認防止措置を講じているときに限り、消費税法の総額表示義務を解除することとしております。
 第四に、事業者又は事業者団体が公正取引委員会に届出をして行う一定の要件を満たす消費税の転嫁及び表示の方法の決定に係る共同行為について、私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律の適用を除外することとしております。
 このほか、関係法律について必要な規定の整備を行うこととしております。
 なお、この法律案は、平成二十九年三月三十一日限り、その効力を失うこととしております。
 以上が、この法律案の提案理由及びその内容の概要であります。
 何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御賛同くださいますようお願いいたします。
 以上です。
#7
○委員長(増子輝彦君) この際、本案の衆議院における修正部分について、修正案提出者衆議院議員近藤洋介君から説明を聴取いたします。近藤洋介君。
#8
○衆議院議員(近藤洋介君) ただいま議題となりました消費税の円滑かつ適正な転嫁の確保のための消費税の転嫁を阻害する行為の是正等に関する特別措置法案に対する衆議院における修正部分につきまして、修正案提出者を代表いたしまして、その趣旨を御説明申し上げます。
 本修正は、衆議院経済産業委員会における議論を踏まえ、自由民主党、民主党・無所属クラブ及び公明党の三会派共同提案により行われたものであります。
 本修正の内容は、平成二十六年四月一日以後における自己の供給する商品又は役務の取引について事業者が禁止されることとなる表示に関し、これらの表示のうち取引の相手方が負担すべき消費税に相当する額の全部又は一部を対価の額から減ずる旨の表示にあっては消費税との関連を明示しているものに限られること等その範囲の明確化を図るものでございます。
 何とぞ、委員各位の御賛同をよろしくお願い申し上げます。
#9
○委員長(増子輝彦君) 以上で趣旨説明及び衆議院における修正部分の説明の聴取は終わりました。
 これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#10
○安井美沙子君 民主党・新緑風会の安井美沙子でございます。
 本日は、昨日の代表質問に続きまして、消費税転嫁対策特別措置法案について関係閣僚の皆様に質問をさせていただきます。
 昨日の本会議におきましては、私の真摯なる質問に対し、ほとんど意味のある答弁をいただけなかったこと、大変遺憾に思っております。本日はほぼ昨日と同じ趣旨の質問をさせていただきますけれども、納得のいく御答弁をいただくまで何度でもお伺いしますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 一問目は、昨日御確認させていただかなかった内容でございます。
 まず、本法律案の前提となる消費税率引上げについてお伺いいたします。
 消費税率引上げは、昨年八月十日に成立した社会保障・税一体改革関連法によって決まったものですが、附則十八条のいわゆる景気条項には、「経済状況等を総合的に勘案した上で、その施行の停止を含め所要の措置を講ずる。」とあります。現在、私たちはまさに消費税引上げが決定する前に転嫁対策の法案について審議しているわけですが、これをもって消費税率引上げが決まったというわけではありませんね。このことについて、財務政務官、よろしくお願いいたします。
#11
○大臣政務官(伊東良孝君) おはようございます。
 ただいまの安井委員の御質問でありますが、消費税率の引上げが前提となっているのか、あるいはまた判断はいつかというようなお話でございますが、ただいま委員お話しのように、今般の一体改革によります消費税率の引上げにつきましては、増大する社会保障の持続性と安心の確保、国の信認維持のために行うこととされておりまして、昨年八月に成立いたしました、ただいま御指摘ありました税制抜本改革法におきまして、来年四月に税率を八%に引き上げることが決まっているところであります。
 お話のように、これは民間企業の契約の都合など国民生活等への影響を考えまして、引上げの半年前に、本年の秋ごろでございますけれども、附則第十八条にのっとって名目及び実質の経済成長率、物価動向等、種々の経済指標を確認し、経済状況等を総合的に勘案して判断することといたしているところでございます。
 今回の転嫁対策法案は、こうした枠組みを変えるものではもちろんないわけでございますが、いずれにいたしましても、三本の矢で長引くデフレ不況から脱却し、日本経済の再生に向けて全力を挙げてまいりたいと考えているところでございます。
#12
○安井美沙子君 ありがとうございます。
 国民の皆様がこの審議を御覧になりますと、まるでもう消費税増税が決まったかのような印象を受けてしまわれる可能性があるので、あえて確認させていただきました。
 本法律案を審議している現在、アベノミクス一本目の矢の金融政策により急上昇していたかにも見えた株価も東京市場では乱高下が続いており、東京外国為替市場のドルの対円相場も一ドル百一円前後でもみ合いが続いております。また、物価二%上昇目標が二〇一五年に達成できるかという点についても、四月二十六日に開かれた日銀の金融政策決定会合では異論が出たと伺っております。このような状況の中で、自民党の高市政調会長がNHKの日曜討論で、十月の景気を材料として消費税引上げを判断する旨を御発言されましたので、今御答弁にありましたけれども、いま一度確認させていただきます。
 消費税法附則十八条には、経済状況の好転について、名目及び実質の経済成長率、物価動向など種々の経済指標を確認し、経済状況を総合判断するとありますが、その判断は十月ということでよろしいでしょうか。また、それらの指標がいつと比べてどの程度好転したら消費税引上げが決定されるのでしょうか、お答え願います。
#13
○大臣政務官(伊東良孝君) 先ほども御答弁申し上げましたように、この消費税を引き上げるとすれば来年の四月ということが一つのめどになります。ですから、住宅その他大型物件の契約等々もございますので、おおむね九月ないし十月くらい、その実施半年前までにはこの税率というものを決める、あるいはまたその実施時期の判断ということを決めることと、こうされているところでございまして、その要因、要素につきましては、ただいま委員お話しのとおり、この附則十八条で、名目及び実質の経済成長率あるいはまた物価動向等、様々な経済指標を確認をした上でという総合的な判断ということに相なるので、御理解いただきたいと思います。
#14
○安井美沙子君 時間が限られているので、質問にストレートにお答えいただきたいと思います。
 そうしますと、ただいまの御答弁によりますと、九月ないし十月というふうに確認させていただきました。高市政調会長は十月とおっしゃっていましたけれども、九月から十月ということで確認をさせていただいたと思います。
 そして、私のただいまの質問は、それらの附則に書いてある指標がいつと比べてどの程度好転したら消費税が引上げが決定されるかとお伺いしました。
#15
○大臣政務官(伊東良孝君) そのときに総合的に判断をしてということに相なろうかと思います。
#16
○安井美沙子君 これ以上聞いてもお答えいただけないと思いますので、次に行きます。
 昨日これは質問させていただいたことなんですけれども、引き続き財務大臣政務官にお伺いします。
 消費税の引上げに当たっては懸念材料が幾つかあるんですけれども、特に逆進性対策について何も決まっていないんではないかと非常に心配しております。軽減税率については絶対にやめてほしいといろいろなところからお声をいただいています。実務上の煩雑さからくる中小企業の事務負担増、そして標準税率と軽減税率の適用判断の際の線引きの難しさ、さらに富裕層にも恩恵が及び逆進性対策になってないじゃないかと、こういうことを考えれば導入が望ましくないことは明らかと思っています。
 そもそも軽減税率の導入による税収減をどうやって補填するのか、財政健全化スケジュールに影響がないのか、慎重に考える必要があります。政府はこの期に及んでもまだ軽減税率の導入の可能性を残しているのでしょうか、お答えください。
#17
○大臣政務官(伊東良孝君) この消費税の軽減税率につきましては、昨年六月の三党合意を踏まえましたこの税制抜本改革法におきまして、給付付き税額控除あるいは軽減税率、またそれらが決まるまでの間の簡素な給付措置と並んで、低所得者に配慮する観点から、これ検討課題とされているところであります。
 与党におきましては、二十五年度税制改正大綱、本年一月作りましたけれども、これにおきまして、消費税率の一〇%引上げ時に軽減税率制度を導入することを目指すとされた一方で、財源の問題、あるいはまた、ただいま委員から御指摘の中小企業者の事務負担、あるいは対象品目となる品目をどう線引きするかなどの課題があると、このように認識しているところであります。
 引き続き協議を行うということで三党合意が本年二月になされているところでございまして、今後、与党及び三党間での議論を踏まえまして、関係者の意見にも十分耳を傾けて検討を行っていく必要があると、このように思っているところでございます。
#18
○安井美沙子君 まだ軽減税率の可能性は残っているというふうに理解をいたしました。
 一方で、民主党は一貫して給付付き税額控除の導入を主張しております。先週、いわゆるマイナンバー法が成立しましたので、この給付付き税額控除を導入するためのシステムインフラが整う見込みとなりました。政府として給付付き税額控除の導入を一層真剣に検討する御意向があるのかどうか、御答弁をお願いいたします。
#19
○大臣政務官(伊東良孝君) 給付付き税額控除につきましては、消費税率の引上げに当たっての低所得者対策として、先ほども言いましたけれども、複数税率とともに検討課題とされているところでございます。
 今般、番号法の整備法が成立をいたしました。これは、納税者の名寄せあるいは申告書、さらに法定調書等に番号の記載を求めているものでありまして、番号制度がない現状と比べまして、所得把握の適正化、効率化が図られるものと、こう思っているところでありますけれども、しかし一方、この番号制度が導入されたといたしましても、それだけで全ての所得が把握できるということではない状況にございます。海外資産あるいは所得等々も、必ずしも税務署及び企業からの法定の調書がそろわないという場合もたくさんあるわけでございまして、併せて関連する社会保障制度の見直し等につきましても検討していく必要があると、このように思っているところであります。
 いずれにいたしましても、給付付き税額控除及び複数税率の導入を含む低所得者対策につきましては、本年二月の三党合意に基づいて引き続き協議を行う、こうされておりますので、御党を含む三党協議の議論の経緯、経過、あるいは与党における検討状況を踏まえながら、法律の規定に沿って検討してまいりたいと思うところであります。
#20
○安井美沙子君 その二月の三党合意、あるいは昨年さんざんいろんな予算委員会等で行われた議論から一歩も前に進んでいないという印象を受けます。当時から、その両方の、給付付き税額控除と軽減税率のメリット、デメリットを列挙するだけで、どっちがどういいのかという話が一歩も進んでいないのは非常に残念でございます。国民にとって非常に重要な論点でございますので、みんなに分かりやすく御説明いただけるように議論が進むことを願っております。
 それでは、いよいよ法律案の中身に関して伺います。
 まずは、総額表示義務の特例措置について伺います。
 これは昨日も伺ったんですけれども、この特例措置については、消費者の皆様に増税分を理解していただくために有効な方法だと思います。しかし、本法律案は平成二十九年三月までの時限立法であり、それ以降は総額表示に戻さなければなりません。一時的に外税表示が一部で行われ、しばらくしたら再び全てを総額表示に戻すことは、消費者に対して無用な混乱を招くのではないかと懸念されます。本法律案のように、弾力的な運用を認める代わり、その場しのぎの対応を行うのではなく、より深い議論が求められます。
 政府は、価格表示の在り方について、現在の総額表示義務を維持するのか、あるいは本法律案をきっかけに再び外税方式に戻すのか、明確な方針を示すべきだと考えますが、まず財務大臣政務官にお伺いします。
#21
○大臣政務官(伊東良孝君) ただいまお話ございましたように、価格表示の在り方につきましては様々な御意見をいただいているところでございます。
 この総額表示の義務付けにつきましては、消費者の利便性の観点から導入されたものでございまして、平成十六年四月から実施され、おおむね定着をしていると、こう思っております。
 今後の価格表示の在り方につきましては、事業者の方々からは、価格転嫁のしやすさや値札の張り替え等の事務負担の観点から外税表示が望ましいと、こういう御意見をいただいている一方で、価格表示は価格転嫁と直接関係はないという日本商工会議所の皆さんの御意見、あるいは消費者とのトラブルや混乱を懸念し、現行の総額表示を維持すべきという、これは百貨店協会でございますけれども、御意見も様々あるところでございます。また、消費者の皆様からは、これは新聞のアンケート等々によりますと、現行の総額表示方式が定着していることが分かり、支払総額が一目で分かるといった利便性を評価する声が多く寄せられているところでもございます。
 これらの点を踏まえますと、基本的には現行の総額表示方式を将来は維持していくことが望ましいと、このように考えているところでございます。
#22
○安井美沙子君 昨日の麻生大臣の御見解から更に一歩踏み込んだ御答弁、ありがとうございます。
 同じ質問を、消費者保護の観点から消費者担当政務官に御見解を伺います。
#23
○大臣政務官(亀岡偉民君) 今、財務省の方からの答弁とちょっとダブるかもしれませんけれども、平成十五年度税制改正によって総額表示の義務付けが行われたわけですけれども、やはり主流であった税抜き価格ではレジで請求されるまで最終的に幾ら支払えばいいのか分かりにくいとか、税抜き表示のお店と税込み表示のお店で価格の比較がしづらいといった指摘を踏まえて、こうした消費税の利便性の観点から導入され、四月から実施されているものであります。
 他方、税率の引上げ時において総額表示義務を厳格に適用することは、事業者にとって、先ほど指摘のあったように値札の張り替え等に多大なコストが掛かり、ひいては円滑な転嫁の確保も困難になることが考えられるというため、政府としては、本法案について、消費者に誤認されないための対策を講じていれば税込み価格を表示しなくてもよいとするとともに、消費者に配慮する観点から、できるだけ速やかに税込み価格を表示するよう努めなければならないとする税額表示の特例を、先ほどから指摘されているように、二十九年三月三十一日までの時限措置として設けることとしております。
 先ほど財務省からもお話がありましたけれども、価格表示の在り方については、消費者保護の観点からも基本的には現行の総額表示方式を維持していくことが望ましいと考えておりますので、このようにしていきたいと思います。
#24
○安井美沙子君 よく理解できました。ありがとうございます。
 総額表示に戻すという方針があるのであれば、今回の特別措置について、移行がスムーズにいくように是非お取り計らいをお願いしたいと思います。
 それでは次に、いわゆる第八条問題に移りたいと思います。
 法案第八条は、消費税還元セールのように消費税を転嫁していない旨の表示などを禁止することにより、消費者の誤認を防ぎ、消費税の適正な転嫁を促すものです。
 歴史を振り返れば、平成九年に消費税が三%から五%に引き上げられた際に、大手流通チェーン各社が消費税五%還元セール等の名称で一斉に一週間前後のセールを行いました。今回も増税による消費の冷え込みを少しでも軽減するために同様の対応がなされることが予想されますが、消費税の円滑かつ適正な転嫁に悪影響が及ばないようにするためには、どんな表示ならばセーフで、どんな場合がアウトなのかを明確にする必要があります。第八条原案ではその判断がしづらいということで、衆議院の経済産業委員会で大きな議論になったと聞いております。
 その議論の過程で政府側の答弁が二転三転しました。最初の答弁は、三%還元セールや全商品三%値下げ、価格据置きセールといった宣伝でも、消費税という文言は用いていないが、表示全体から見て禁止される場合があるとの内容でした。しかし、五月八日には一転し、消費者庁、公正取引委員会、総務省、財務省、経済産業省が出した統一見解では、消費税といった文言を含まない表現については、宣伝や広告の表示全体から消費税を意味することが客観的に明らかな場合でなければ禁止される表示には該当しないと解釈を変更しました。
 このように、政府の見解が二転三転したのは、政府や与党の中で現場の実態を把握した上での議論が事前にしっかりできていなかったことに起因するのではないかと思っております。
 そこで、本法案所管の主担当である消費者庁に、この間の経緯と政府の見解がぶれた理由について御説明をお願いいたします。
#25
○大臣政務官(亀岡偉民君) ただいま委員から指摘のあったように、説明の仕方にちょっと誤解が生じたということは大変申し訳なく思っております。最初から、全体三%とかの表示の中に、その文章の全体の中に消費税をという、含まれるような内容があればということで、それを後ほど細かく説明をしたときにそういう誤解を招いてしまったというのは非常に残念に思っておりますけれども、きちんとそれは最初から一貫して同じ答弁をしてきたという経緯がありますので、その辺は誤解のないようにお願いを申し上げたいと思います。
 それから、この法案も、きちんと最初から納入業者に対する買いたたきが行われることを、これをしっかりと、そういうことがないようにという観点からこの法案がしっかり出されたものであり、この辺はきちんと、消費者を守るとともに小売業者もしっかり守っていこうという観点、納入業者も守ろうということでしっかりやってきたものでありますので、円滑な転嫁ができるために、これは景品表示法でもできないものをしっかりここでやるといって規制をしたものでありますので、法案化する必要がしっかりあったと考えております。
#26
○安井美沙子君 先ほど私、政府の見解を、事細かにというか、ほぼ正確に引用してお話しさせていただきましたので、答弁、見解がぶれたのは確かでございます。必要であればもう一回読みますけど、時間がもったいないのでそれはいたしません。確かに、五月八日の前と後ではあの見解がずれております。つまり、消費税といった文言を含まない表現については禁止される表示には該当しないと後から解釈を変更したのですから、今の答弁は当たらないと思います。
 私自身も、自由な商行為をゆがめるような規制は良くないと考える反面、政府の統一見解と衆議院のその後の修正によって第八条は骨抜きになってしまったと考えております。消費税と明示したらアウト、明示しさえしなければ何でもよいということになりました。小売業界は、これで、消費税と明示しないで値下げをする方法をめぐって大いに知恵を絞ることになります。
 例えば、消費税が八%に引き上がる二〇一四年四月一日の新聞折り込み広告で全商品三%値下げセールというチラシを見たら、百人が百人、消費税増税分の還元だと連想することは明らかです。これをもって表示全体から消費税を意味することが客観的に明らかでないと政府が判断するとしたら、詭弁以外の何物でもありません。
 こんなチラシが出回ったとしても、消費者に消費税の意味、意義を正しく理解してもらうという目的が果たせるのですか。御見解をお願いします。
#27
○大臣政務官(亀岡偉民君) これは、きちんとそういうことが、消費税を位置付けるという意識がされるような、もしこれが起こるようなことになれば、これからパブリックコメントも含めてしっかりと踏まえながらそういうものを規制していくということになろうと思いますけれども、現段階において、悪意的に、意図的にそういうことが行われるということでは思っておりませんので、もし消費税を還元するという、これ消費税が、負担するものでありますので、誤解をされるような、うちは消費税は取っていませんよということがきちんと明確に行われない場合においては、パーセンテージでどれぐらい値引きするかは企業努力になってまいりますので、その辺は誤解のないようにしっかりと指導していきたいというふうに考えております。
#28
○安井美沙子君 御答弁の意味がよく分かりません。
 第八条の修正案によって、消費税と明示しなければ規制の取締り対象にならないことになりました。そうなりましたら、もし私が大手流通チェーンの経営者、担当者でありましたならば、消費税とか還元とかいう言葉は絶対に使いません。その代わり、三%値下げセールとか、同じ目的を持って、しかし違う表現を使うことになろうかと思います。
 私が先ほど例を示したように、そのチラシを見た消費者は、おお、今日から消費税が上がるんだと、その分をちゃんと負担をさせないでくれているんだなと消費者としては理解をしてしまう。そして、なお悪いことには、その消費税を還元してしまった分が大手流通チェーンがのみ込むとは限らず、それを下請業者や納入業者にしわ寄せをさせる可能性があるということなんです。
 元々、消費税の転嫁を適正に行うことを目的としたはずのこの法律案がこういう骨抜きの状況になっていては何の意味もないんじゃないかというのが私の問題提起ですが、もう一度御答弁をお願いいたします。
#29
○大臣政務官(亀岡偉民君) 今委員の御指摘にあったように、まさに納入業者の買いたたきを防ぐためにこれはしっかりと作られたものでありまして、ただ、企業努力によって、値段を決めるのは企業の努力ですから、それが同じパーセンテージであったからといって直ちにこれが規制の対象になるということではないということで議論をさせていただきましたので、この辺は企業努力で、消費税とか全く文言を使わないで、企業努力で価格を決めるということに関しては規制するものではないということであります。
#30
○安井美沙子君 もう一度だけ伺います。
 消費税あるいは還元というような言葉を明示しなければ取締りの対象にならない。この場合に、わざとその言葉を使うチェーンはありません。ただし、この言葉を使わないで同じことをした場合にこれを取り締まれないということで、消費税の転嫁を適正に行うというその目的が果たせるのでしょうか。
#31
○大臣政務官(亀岡偉民君) 万が一、悪意を持ってそういうことが行われたり、又は買いたたきなどを納入業者に強制した場合においては、これからしっかりと取締りの対象になっていくということは間違いありませんので。
 ただ、価格を決める段階において、全く消費税というもの関係なくして、企業努力で値下げをするというものに対してのパーセンテージが同じであったということに対しての規制をするものではないということは間違いありません。
#32
○安井美沙子君 私は、今問題になっているこの八条ですけれども、この表示規制をあえて法案化したこと、そして結果的にそれが骨抜きになってしまったことは最悪の結果だと考えておりますし、むしろ法案化しないで現実に即した対処の仕方を考える方法はなかったのかと残念に思っています。
 民主党が昨年十月に出した消費税の円滑かつ適正な転嫁・価格表示に関する対策の基本的な方針では、第八条に相当するものはなかったと承知しておりますが、あえて法案化した理由をもう一度お答えください。原案及び修正案において、第八条で誰をどう守り、どんな事態を防ごうとしているのか、まず消費者庁にお願いいたします。
#33
○大臣政務官(亀岡偉民君) 先ほどから申し上げているとおりでありますけれども、小売業者が本法案第八条で禁止される表示をすることによって納入業者に対する買いたたきが行われることを懸念する声や、消費税の引上げを見越して中小企業者が小売業者から消費税分の値引きを求められているとの声、また、地域の商店街の方々が追従を余儀なくされ、消費税相当額分を値引きせざるを得なくなり、円滑な転嫁が行えなくなることを懸念する声が聞かれておりますので、本法案の第八条の規定は、消費税の負担について消費者の誤認を防ぎ、納入業者の買いたたきや周辺の小売業者の転嫁が困難になることを防止するため、消費税分を値引く等の表示を禁止するものであり、景品表示法では規制できない表示について規制するものであります。
 このように、本法案第八条の規定は、本法案の目的である消費税の円滑かつ適正な転嫁を確保するために必要な措置であり、法案化する必要があったものと考えております。
#34
○安井美沙子君 公正取引委員会担当大臣にもお伺いします。
 第八条原案及び修正案で本当に公正な競争を促し、確保することができるのでしょうか。実質的に消費税還元セールはやりたい放題となりました、実質的にです。下請企業や特定供給事業者、このほとんどは中小企業ですけれども、なぜこういった企業があえて苦境に立たされるような緩い規制にしたのですか。
#35
○国務大臣(稲田朋美君) 公正取引委員会を担当し、本法案全体を取りまとめる立場として、消費税還元セール等の表示を規制する本法案八条は、今消費者担当大臣政務官からもお話がございましたように、一般消費者の誤認を防ぎ、買いたたき等の未然防止に資することから、消費税の円滑かつ適正な転嫁を確保するという法の目的にかなうものであると同時に、公正かつ自由な競争という独占禁止法一条の目的にも沿うものと考えております。
 消費税は国民一人一人が広く負担すべきものであるところ、消費税還元セール等の表示が広がり、これにより立場の弱い中小零細事業者への転嫁拒否行為が惹起されることになれば、公正かつ自由な競争が行われるとは言えず、本法案によって是正されるべきものと考えております。
 なお、言うまでもなく、価格設定は企業にとっての重要な競争手段であり、基本的には企業の判断で行うべきところ、本規制については事業者の企業努力による価格設定自体を制限するものではなく、公正かつ自由な競争を妨げるものではないと思います。
 いずれにせよ、公正かつ自由な競争を促進する観点からは、事業者に対しどのような表示が禁止されるかについて具体的に示していくことが重要であると考えております。
#36
○安井美沙子君 それでは、今度は修正案提出者にお伺いをいたします。
 衆議院の経産委員会で閣法で法案を示されたときに、このままでは受け入れ難い、許される表示と許されない表示の判断が難しいということで議論が行われたと聞いております。最終的に法案修正に至った経緯と理由について、修正案提出者であられる近藤衆議院議員に御説明をお願いいたします。
#37
○衆議院議員(近藤洋介君) 安井先生にお答えいたします。
 先生御指摘のとおり、衆議院の審議におきましては、同僚議員の質疑に対して、本法第八条で禁止されている表示についての答弁が非常に分かりにくいというよりも、私どもから見れば見解がずれてきたと受け取られたことから、政府において、同条の規定で禁止されている表示についての考え方を整理し直していただくことになったわけであります。
 今回の修正案は、このような経緯の下、五月八日に関係省庁、消費者庁、公取、総務省、財務省及び経産省によって消費税の転嫁を阻害する表示に関する考え方が示されましたことを踏まえて、同八条の規定の文言上も、禁止される表示についてその範囲の明確化を図ったものであります。大事なことは、範囲を明確化したわけであって、範囲を狭めたものではないという趣旨であります。
 いずれにいたしましても、過去の転嫁セールのときの際に、残念ながらその際の調査資料も現在、消費者庁に残っていないということも審議の過程で明らかになってまいりました。したがいまして、どのような条文になったとしても、大事なことは、不当な値引き等が行われないように公取や中小企業庁など関係省庁の調査、取締り機能を強化することが極めて肝要だと、このように考えておるところでございます。
#38
○安井美沙子君 衆議院ではさらに、附帯決議においても重ねてガイドラインについて書いてありまして、禁止するという表示の限定を念押ししているように思うんですけれども、「関係者に無用な混乱を招くことのないよう、具体的かつ分かりやすいガイドラインを可及的速やかに策定・公表すること。」と、こういうふうにあります。私はむしろ、この第八条の修正案をそのままにするならば、ガイドラインには、中小事業者が消費税を価格に転嫁しやすい環境を整え、適正な転嫁対策を促すことを本来の趣旨としてしっかり明記することが大事ではないかと思っています。
 つまり、規制の対象、先ほど近藤議員は狭めたのではなくて明確化したとおっしゃったんですけれども、どうも私には狭めたというふうにしか思えないんですね。要は消費税とか還元とか書いていなければ何でもいいわけですから、要はそこさえ避ければいいという発想になるのは当然のことでして、これを限定したということで私は思っていますけれども、限定したけれども、それはあくまで無用の混乱を防ぐためのものであって、適正な転嫁を促すという第八条の趣旨は変わらないのだから、そこを理解した上で適正に対応すべしと、この趣旨をしっかりと明記する必要があると思うんですけれども、近藤議員にお伺いします。
#39
○衆議院議員(近藤洋介君) まさに中小・小規模事業者の立場に立って、安井先生の御指摘、御懸念もそのとおりかと思います。
 この八条の条文自体、ですから設けたこと自体も含めて非常に、ある意味で、それぞれの党の立場はあろうかと思いますけれども、私ども民主党の立場からすると分かりにくかった。そのとおり、やはり審議の過程でも答弁が非常に分かりにくかった。ということから、各党合意をして範囲を明確化したわけであります。
 しかしながら、その運用に当たっては、先生御指摘のとおり、ガイドラインの策定に当たっては、それぞれの立場から、消費者の立場からも混乱を来さないように、また中小事業者にとって不当な値引きが行われないような法の運用が行われるガイドラインが必要でありましょうし、是非本参議院においてもそうした観点から議論を深めていただきたいと修正案提出者としては思うわけでございます。
#40
○安井美沙子君 ありがとうございます。衆議院での議論の経過がよく理解できました。ありがとうございました。
 同じ質問を公正取引委員会担当大臣にもお伺いしたいんですけれども、この八条修正案をこのままにするのであれば、やはりこの規制の範囲を限定化したことによる悪影響を何とか防ぐような手だてが必要だと思うんですけれども、このことに対する御見解をお願いいたします。
#41
○国務大臣(稲田朋美君) 先ほど、この八条の導入した目的、趣旨についてはお話をいたしました。また、委員が御指摘のとおり、今回衆議院で修正された文言によってその規制の範囲が狭まるということではなくて、明確をしたという趣旨に従いまして、事業者に対して何が規制されるかということをきちんと明確にするガイドラインを策定するとともに、買いたたき等の転嫁拒否行為については強力に取締りを実行してまいり、この法案の実効性を担保していきたいと思います。
#42
○安井美沙子君 もちろん取締りとかそういったことは別の条文の方できちんと明記されているわけですけれども、私が今申し上げているのは、八条は緩くしたけれども、取り締まれるからいいんだと、これは余り現実的ではないんですね。専門家をたくさん雇うと、そういうようなことも昨日おっしゃっていましたけれども、そんなに目配りを全国巡ってできることはないわけでして、いかにそのガイドラインなどをきちんとすることによって、誤認を防ぐ、解釈を明確化するとともに、救済方法もそこに併せ持っていないと、取締りで全て対処できるということは本当に現実的ではないわけです。そこで、この八条及びガイドラインにおいて、いかに取締りの範囲を狭めてしまったことに対する救済措置を設けるかということに尽きると思っているんです。
 ですから、もう繰り返しになりますけれども、消費税あるいは還元という言葉を使わなければ何でもいいわけですから、実質的に消費税の還元をし、中小企業にしわ寄せを寄せるような行為は横行することが目に見えているわけです。このことを横行させてしまう責任を取るためにどういった処置をするか、取締り以外の、八条自体での救済方法についてお伺いしております。
#43
○国務大臣(稲田朋美君) 消費税は最終的には消費者が負担するものであると、そういう意味からの誤認を招くような表示は避けるべきだし、それを契機として買いたたき等の転嫁拒否はないようにするというのがこの八条の趣旨でございますが、今、先ほど近藤委員も答弁なさいましたように、今回の修正によって狭めたということではなくて明確化したということでございますので、その点はしっかりと消費者庁においてガイドラインを作成しているものと承知をいたしております。
#44
○安井美沙子君 皆さん、口をそろえてこの八条の規制対象を狭めたのではなく明確化したとおっしゃるんですけれども、私はこれはやはり納得できません。確実に、実態を考えれば、消費税あるいは還元という言葉を使わなければ何でもいいということになったわけですから、買いたたきあるいは転嫁をさせないということはより可能になったわけです。このことの影響の重大性をよくお考えいただきまして、今後、消費税を実際に上げる際に中小企業にしわ寄せが行かないようにきちんと対処をしていただきたいという、そのことをお願い申し上げて、私の質問を終わります。
#45
○柳澤光美君 おはようございます。民主党の柳澤光美でございます。
 私は安井議員とまたちょっとニュアンスが違う質問になるかもしれませんが、今回の消費税の転嫁対策というのは本当に対症療法にすぎないというふうに感じています。本来、転嫁対策などしなくても、国民の皆様の理解と納得の上で消費税の転嫁が当然のように行われる環境整備が今最も重要だろうというふうに考えています。世界に類を見ない超高齢化社会における社会保障を維持し、一千兆円を超えようとする膨大な借金のツケを孫子の代に残さないために、社会保障と税の一体改革が民主党、自民党、公明党の三党合意で決まりました。
 この消費税の引上げの目的は、社会保障の安定財源確保と財政の健全化の同時に達成することにあることを国民の皆様に正しく理解し納得していただくことが最も大切だろうというふうに私は考えています。そんな思いで質問させていただきますのと、私は大手の流通の出身でございますから、少し最後に日本における流通政策についても御質問させてもらいたいというふうに思っておりますので、よろしくお願いしたいと思います。
 最初に、本法案の目的について再度確認をしたいと思います。
 本法律案の目的は、消費税率の引上げに際してで始まり、消費税の円滑かつ適正な転嫁を確保することを目的とするというふうにあります。しかし、私は、単に適正な転嫁の確保では目的が少し足りないと。ですから、非常に議論が偏ってしまっているというふうに感じています。
 お手元に独占禁止法、下請法との比較をちょっと出させていただきました。独占禁止法でいえば、もって、一般消費者の利益を確保するとともに、国民経済の民主的で健全な発展を促進することを目的とすると定めています。下請法でも、もって国民経済の健全な発達に寄与することを目的とするとされています。つまり、これらの法律は、もろもろの措置を講ずることにより、最終的には国民経済の健全な発展ということを目的にしているわけです。
 独占禁止法や下請法等の特例を定める本法律案も、本来、国民経済の健全な発展という目的を掲げるべきではなかったかというふうに私は強く思っています。法律の目的に国民経済の健全な発展というのを入れるのか、単なる適正な転嫁の確保とするのでは大きく意味合いが異なってくるというふうに感じています。国民経済の健全な発展とすれば、売手と買手、すなわち事業者と消費者の双方の利益の保護、双方の保護という考え方にきちんとつながってきます。
 しかし、本法案は、このように適正な転嫁の確保を目的とすると余りにも限定をしているために、消費者利益の保護という視点が後退をして、単なる事業者を規制することが、特に八条が中心の議論になり過ぎている。この典型が今言った消費税の転嫁を阻害する表示の是正に関する特別措置の八条です。
 この八条は、先ほどありましたように、衆議院で行き過ぎだということで私は修正をされたというふうに思っていますが、私は、目的に国民経済の健全な発展を入れることで、単に事業者を規制するためのものではなくて、事業者も消費者も双方の利益を保護するという目的が明確になるというふうに思っておりますが、御所見をお伺いしたいと思います。
#46
○国務大臣(稲田朋美君) 今委員が冒頭御指摘になりましたように、消費税、伸び行く社会保障を賄うために消費税を上げなくてはならない、そしてそれを国民全体が広く負担すべきであるという今回の消費税の趣旨については、この法案の大前提として広く知ってもらわなければならないと思っております。その意味からも、この法案の十四条では、消費税の趣旨ですとか消費税の性格ですとかその取組について徹底した広報を行うものとしております。
 その上で、御指摘の一条の目的についてでございますが、本法案は、消費税率の引上げに際し、消費税の転嫁を阻害する行為の是正などの特別措置を講ずることにより、消費税の円滑かつ適正な転嫁を確保することを目的といたしております。この消費税の円滑かつ適正な転嫁を確保することは、すなわち委員が今御指摘になりました、国民経済の健全な発展に資するものであるというふうに考えておりますので、本法案の目的は委員御指摘の趣旨を含んでいるものと考えております。
#47
○柳澤光美君 私は本当に、この社会保障の安定財源確保と財政の健全化の同時達成を目的とした社会保障と税の一体改革の最初の議論がこの事業者の規制に偏っていることに非常にじくじたる思いがありまして、私はこの文言を入れるだけでまたこの後の議論も意味合いが違ってくると。
 ちょっと委員長にお願いしたいんですが、一度理事会でそんな議論もさせていただければというふうに思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
#48
○委員長(増子輝彦君) 後刻協議をさせていただきます。
#49
○柳澤光美君 今大臣からありましたように、本法案の第六章「国等の講ずる措置」の第十四条には、「国は、今次の消費税率引上げに際し、事業者が行う消費税の円滑かつ適正な転嫁に資するよう、国民に対し、今次の消費税率引上げの趣旨、転嫁を通じて消費者に負担を求めるという消費税の性格及び政府の消費税の円滑かつ適正な転嫁に関する取組について、徹底した広報を行うものとする。」という表現があります。
 私は、これこそもっと前面に出てこなければいけないだろうと。予算を組んで、各省庁が連携をして、しかも人も増やして、単なる転嫁のことだけをやる。むしろ、このことをあらゆるところにきちんと説明をしていくという意味で、先ほどの文言を入れるべきだということも入れさせていただきました。
 答弁は求めませんが、この消費税率の引上げに伴って、立場の弱い下請中小零細企業から、消費税を転嫁できないのではないかとの懸念の声が大きく出ているのは私も十分理解をしております。しかし、そもそも消費税は最終的に消費者の方々に御負担いただくべきものであって、事業者に過度のしわ寄せを行うこととは筋が違うというふうに思います。特別措置が納入業者に対する買いたたきの防止や競合する小売店の円滑な転嫁の確保のためのものであるならば、表示を規制するのではなくて、買いたたきそのものの規制をすれば済むことだろうというふうに私は率直に感じています。
 小売業者の懸念は、消費税の増税分を価格に転嫁すると売上げが減ってしまう、そして、安売りはその対抗手段なんですよね。問題にすべきは、安売りを契機とした買いたたきなどの行為であって、規制したい内容と規制手段に私はずれが今回の法案には出ているというふうに考えています。ですから、是非、この表示規制、この後、政府がガイドラインを出されるということですが、もちろん何が違法なのかを明確にすると同時に、大原則は、消費者が負担すべき消費税について免除されているあるいは軽減されているというような誤解が生じないということが大原則であるということを基準に明確にしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
#50
○国務大臣(稲田朋美君) 今委員が御指摘になったことは非常に重要なことだと思います。
 国民全体が、消費税の増税が必要であると、社会保障を賄うために消費税の増税が必要であるということを広くきちんと理解していただくということが私は大変重要なことであり、その意味において、この十四条の国の講ずる措置の中に、消費税の理念ですとかその性格についてきちんと国が広報するということが入っているところであります。そして、その上で、中小零細事業者の方々が消費税を価格に転嫁しやすい環境を整備していくことが不可欠であると思っております。
#51
○柳澤光美君 いつも話題になる、平成九年の消費税率引上げ時に小売業界が消費税還元セールを行った。これは、増税によって冷え切った消費をどう喚起するか、これは知恵を絞った結果なわけですね。例えば、セールといえば二〇%引き、三〇%引きが当然なわけです。むしろ、この方がよほど仕入れ業者へも大きな影響が行くわけで、ところが、五%という、消費税という訴え方をすることでお客様の支持が得られたというのが現実で、小売業というのは、ですからある意味では心理学というか、お客様を、どう消費を喚起するか、ここに最大の知恵を絞っているわけです。
 このような事業者の価格決定に係る自助努力を私は妨げてはならないというふうに考えています。先ほどの資料の一番最後にあります行政手続法でも、あくまでも相手方の任意の協力にあるとあります。余りにもこういう問題を行政が上から規制を掛けるということは、できるだけ私は控えるべきだろうというふうに思っています。
 消費税率引上げに伴って消費が減速するというのは、私は目に見えているというふうに思っています。そうでなくても、今一番苦しんでいるのは、円安によって原材料費が上がる、燃料費が上がる、さらに電気料金も上がる、これも価格に転嫁しなければとてもできないという状況に追い込まれているのが現状です。そうすると、事業者が広告を含めて工夫するということ、これは、売上げを上げなければ小売業者も困りますけれども、納入業者も全部困るんです。
 そういう意味でいきますと、この内需を刺激することによって経済を活性化させることが何よりも重要であって、結果として消費税税収も確保できるというふうになる。とすれば、政府としてこの個人消費の喚起も含めてどう景気対策をこの後取っていくのか、ちょっと明確な御答弁をいただければと思います。
#52
○国務大臣(稲田朋美君) 景気対策については私の所管ではありませんが、今委員が御指摘になったように、やはり国民経済の健全な発展というのは非常に重要だと思います。その中で、どうしたら消費が増えるかということで工夫をされる、それは規制すべきではないし、どんどん工夫をして消費を喚起すべきだと思います。
 しかしながら、消費税というのは、委員も御指摘になったように、これはやっぱり国民が広く負担をしなければならないものであるという正しい理解を広めて、そして、消費税に関連付けるようなそういうセールをするということは、私は規制をすることにも理由があるのではないかと思っています。
#53
○柳澤光美君 ちょっと論点がずれているというふうに思うんですけれども。
 私も、ですから八条が今回是正をされて緩和された。だけど、基本は、もっと大切なことは、本当にこの秋から円安からのコストアップが来ている、これが非常に転嫁しにくい。それぞれがみんな苦しむ。で、更に消費税が来る。少なくとも消費税だけは当たり前に転嫁できるという仕組みを一方でつくっておかないと、価格が上がると売れないというのはもう現実にありますからね。ということも含めて、私は、政府として特にこの円安によるコストアップも含めて少し対策を、景気対策というのを具体的に、GDPの六割は個人消費なわけですから、そこがもっと伸びていくように是非手を打っていただきたいというふうにお願いをしておきたいというふうに思います。これ以上言ってもあれだと思いますので。
 もう一つ、この消費税の問題で一番大切なのが、価格の中に内税であれ外税であれ消費税がきちんと明確にしていくということを検討すべきときに私は来ているというふうに感じています。
 今回、総額表示の弾力化ということで、消費税そのものが既に定着しているので、価格表示については暫定措置で外税が認められていますが、この辺ももう少し検討をして、暫定ではなくて恒久的な措置ということも政府として真剣に検討すべきときに来ているのではないかというふうに思いますが、いかがでしょう。
#54
○大臣政務官(亀岡偉民君) 先ほどから柳澤委員の御意見を聞いていて、まさにそのとおりだと思います。
 ただ、納入業者が納入するときにどうしても明確にきちんとガイドラインを作っていないと徹底した意識付けをしても苦しい場面が出てきてしまう可能性があるということで、今回の八条ということで禁止をさせていただいたということがあります。
 まさに一番大事な、内税であろうと外税であろうときちんと明確にしていくということが大事だと思いますし、特に外税ということできちっと明示することによって消費税を払っているという消費者の認識はしっかりと植え付けられるということでありますので、これからしっかりと、どのような表示が禁止になるかというのは別にしまして、明確に分かりやすいガイドラインをしっかり作りながら、現在、事業者や事業者団体に対して具体的な表示例に関するヒアリングも行って、事例を今収集しているところでありますので、引き続き、事業者の意見を十分聞いた上で、具体的な事例を含めたガイドラインをしっかりと策定をして、そして、できれば恒久的にしっかりと消費者の皆さんに、私たちは消費税をしっかりと払っているんだよという意識付けをしていきたいと思いますし、また、買いたたき、又は小売業者の皆さんが消費税を引いているんだみたいな価格競争みたいなやり方のないように徹底していきたいと思います。
#55
○柳澤光美君 私は、今回、二段階で行われるだけでなくて、一〇%になったとしても、本当に国民皆保険あるいは国民皆年金といった日本の福祉制度を守る、あるいは一千兆円に膨らんでいく膨大な借金、財源を何とかしていこうというときには、やはり消費税を上げていく議論は避けて通れない課題になってくるだろうというふうに思っています。
 そんな中で、消費税を入れたときに、日本の場合にはインボイス制度が議論にはなりましたけど入りませんでした。そろそろこのインボイスについて真剣に考えるときに来ているだろうというふうに思っています。私は、税金というのは透明でかつ公平であるべきだと、この辺がきちんとされていくことが大事だと。事業者間の取引においても、本体価格と税額を明確に区分することが税の透明化につながり、ひいては転嫁も容易になるということだと思います。
 一方で、消費税の仕組み上、自分が仕入れた段階で支払った消費税額を控除した上で納税すべき消費税額を算出します。この計算ももっと透明化をされてこなければいけない。かかる観点も踏まえると、インボイス制度の導入について、海外の事例、実績の分析や、我が国における導入の課題というものがどういうもの、どうあって今この議論がもっと前面に出てきていないのか、よかったら説明をいただければというふうに思います。
#56
○政府参考人(太田充君) お答えを申し上げます。
 先生御指摘のように、EU諸国を始めとした諸外国におきまして、インボイスに記載をされた税額のみ仕入れ控除ができると、認められるというインボイス制度が広く導入されているというふうに承知をしております。
 インボイス制度の導入につきましては、通常インボイスには本体価格と税額が別記をされるため、今ほど御指摘いただきましたように、事業者にとって転嫁が容易になるのではないかといった意見がございます一方で、税額が記載されたインボイスを発行できない免税事業者が取引の中間段階から排除される可能性が生じるといった問題もございます。
 インボイス方式の導入につきまして、中小関係団体等からは、取引先の事業者から取引に係る書類、インボイス等ということになるわけですが、それを受け取った都度、逐一課税事業者からの仕入れと免税事業者からの仕入れに仕分ける作業、また、インボイスに記載をされた税額を本体価格から区分して整理をして積み上げる作業等々に係る事務負担の増加、あるいは、請求書等からインボイスへの様式変更に伴うシステム変更費用等のコスト増ということに加えまして、先ほど申し上げましたように、免税事業者が取引の中間段階から排除されかねないといった指摘もなされているものというふうに承知をしてございます。
#57
○柳澤光美君 私の方も、いわゆるコストの問題、手続の問題、その辺が大変だという声がある。しかし、将来を見越したときに、この辺を整理をしておかないと、例えばさっき三%セールが四月一日から行われたらという議論がありました。実は、四月一日から消費税は上がらないんですよ。契約がもっと前で、消費税が入る前に契約している商品は四月一日から三%上げられないわけですよね。この辺も非常に不明確なんです。インボイスがあれば、契約の中でいつ消費税分が、インボイスでこの商品が入ってきたということが全て明確に分かるようになる。
 この辺を、日本はどうしても商習慣で古い取引の部分を、この辺からきちんと、特に消費税がこれから大きなウエートを持ってくる中でしておかなければ私はいけないというふうに思っています。
 特に、小売業者の皆さんあるいは中小の皆さんから大きな声が出ているのは分かりますが、今回一番問題になっているのは、消費税率を引き上げた際に消費税を次の段階に転嫁していくということなんですよね。この辺が非常に不明確になるからごまかしも起きる。取引の中間段階で商品を供給する中小企業者にとって購入者が大企業である場合に特にこの傾向が強くなるということで、今回の大きな声になっているというふうに思います。逆に今度言えば、インボイスを導入すれば納入価格を税額だけ引き上げるのが容易になって、そういう意味では、インボイスの導入こそ価格形成力が弱い中小企業者にこそメリットがあると、当たり前に転嫁が次につながっていくというふうに考えます。
 そういう意味では、この中小企業者に対しての啓蒙活動も含めて、もう一度、このインボイスについてどのように取り組まれるか、少し御決意を私はお伺いしたいと思います。
#58
○大臣政務官(伊東良孝君) インボイスにつきましては、委員御指摘の点が本当によく分かるところであります。ただ、現行の請求書保存方式におきましても、取引先の発行した請求書等の保存がこれ義務付けられておりまして、事業者間における取引を把握する上で一定の効果を今日まで上げてきているところであります。
 このインボイスにつきましては、事業者間取引で発行されるものでありまして、スーパーマーケットあるいは町の小売店による消費者への販売等ではこれが発行されません。こういった点に留意する必要があるものと、こう思っているところであります。
 なお、消費税の透明性、公平性を高めるため、これまでも仕入れの税額控除の要件を厳格にする改正、あるいはまた中小特例を縮小するなどの改正を行ってきたところでもございます。
 インボイスにおきましては、通常、本体価格と税額が別記されているため、インボイス制度を導入すれば消費税の転嫁が容易になるのではないかという御指摘をいただいているところでもありますが、一方、中小団体からは、我が国の事業者間取引で用いられております請求書等におきましても本体価格と税額が別記される方式が一般的でありまして、価格表示の方法と転嫁のしやすさは関係が余りないのではないかという意見もあるところであります。
 インボイスの導入を検討するに当たりましては、中小事業者の事務負担の増加や、あるいはインボイスが仕入れ税額控除の要件となれば、免税事業者は、先ほどもお答えしましたように、インボイスを発行できないため取引の中間段階から排除されかねないとの指摘もありまして、これらも含めて幅広い観点から検討を行っていく必要があると、このように認識しているところでございます。
#59
○柳澤光美君 最初に言いましたように、私は、消費税は今回二段階で行われて、さらに避けて通れない課題だというふうに思っています。ですから、今回議論になっている根本の問題である一つは、表示が、価格表示の中で内税であれ外税であれ消費税分がきちんと明確になって、買物をする消費者がきちんと消費税を認知できるような仕組みをどう入れていくのか。
 それからもう一つは、その消費税が納入業者からきちんと動いてくる中で明確に分かっていて、当たり前に転嫁がされて次の段階に動いていくということをそろそろきちんと整理をしておかなければ、毎回毎回同じような議論が起きてくるというふうに心配をしています。私のところにも、小売業者が多いものですから、消費税反対の声が強く届きました。ただ、私はこんな説明をしています。
 私たちサラリーマンというのは、源泉徴収といって給与から天引きで一円もごまかしなく納めている。しかし、日本の所得税は、トーゴーサンあるいはクロヨンと言われるように非常に不公平な部分がある。だから、私たちは国民背番号制、いわゆるマイナンバーを入れて、全員が収入と税金、社会保険料がどう納めたかが分かるような方法にしようと。あるいは、年金を社会保険庁が取りに行っても徴収権がないから、むしろ税務署と一緒にして歳入庁として、納めるものは全員からきちんと納めてもらおうという仕組みに取り組んできたと。しかし、それをやったとしても、所得税というのは所得のある人しか取れない。とすれば、超高齢化社会になって高齢者が増えて年金生活者が増えていく中で、所得税を幾ら平等にしてもいわゆる税収の確保が取れない。だから、お年寄りも若者も子供も、全ての人に負担していただくには間接税、いわゆる付加価値税とか消費税という仕組みを検討せざるを得ないんだと。だから、EUを含めて二〇パーを超える、あるいは北欧を含めた福祉国家では二五パーになる、ある意味では非常に公平な税制であると。ただ、問題は、お金持ちの方もそうでない方も一律になるので、その辺をどうするかというのは研究課題になるとしても、みんなでもう消費税という制度を真剣にとらえて考えていかなければいけないんだと。なぜかといえば、私たちの国民皆保険、国民皆年金を守った日本の福祉制度を守る、これは若い皆さんにとっても大事なことなんだという説明をさせていただいています。
 冒頭から今日質問してきたテーマはそこにありまして、目的規定に国民経済の健全な発展というのはむしろ本当に入れてほしいなというふうに思います。そうすれば、適正な転嫁の確保とするのとはまた大きく違ってきて、インボイスの導入や中小への啓蒙活動、あるいは国民の皆様に向かって消費税に対する理解と納得をきちんと求めていくことに私はつながってくるだろうというふうに感じます。
 ですから、本法案の成立した以降、その執行段階においては是非そのことを大きな目的として取り組んでいただきたいというふうに思いますが、御決意をいただければと思います。
#60
○大臣政務官(山際大志郎君) 内閣全体といたしまして、官房としても、今委員が御指摘いただいたような認識を強く持ってこれから進めてまいりたいと思いますし、また、このような形で委員会でどのような課題があるかということをつまびらかにしていただくということも、これまた一つ国民に対し理解を求める非常に大きな役割だと思ってございます。
 全てのことを認識しながら、政府全体として取り組んでいくことを申し上げます。
#61
○柳澤光美君 ちょっと時間がある中で、少し日本の流通政策についても言及をしたいと思います。
 この本法案では、大規模小売店事業者が狙い撃ちではないかという、私の方には逆に今度は声が上がってきています。例えば、本法案の取締り対象は、原則としては資本金三億円以下の事業者に対して転嫁拒否行為を行った場合に限られます。しかし、転嫁拒否行為を行った者が大規模小売業者である場合は、被害者の資本金の多寡にかかわらず本法の取締り対象になる。このように、非常に大規模小売店舗業者に対して取り締まる理由というのは、こういう場で一度、皆さんはどうとらえているのか、少しお聞かせいただければと思います。
#62
○政府特別補佐人(杉本和行君) お答えさせていただきたいと思います。
 本法案におきましては、委員御指摘のように、特定事業者は、大規模小売事業者と特定供給事業者から継続して商品又は役務の供給を受ける法人である事業者としておりますし、特定供給事業者については、大規模小売事業者に継続して商品又は役務を供給する事業者を、資本金等の額が三億円以下である事業者に加えて定義しているところでございます。
 今般の消費税の引上げに関しましては、各種の懸念がありますことから、消費税が価格に転嫁しやすい環境を整備することが極めて重要であるという認識の下で、転嫁拒否行為について効果的な取締りが可能な制度を設ける必要があると考えているところでございます。
 大規模小売事業者に関しましては、概して申しますと、やはり納入業者との関係からいいますと納入業者の方が相対的に弱い立場にあることが多いかと思いますので、そういった関係から考えますと、消費税の転嫁拒否が起こり得る環境にあるということも事実だと思いますので、そうしたことも勘案いたしまして、特定事業者、特定供給事業者の定義をしているところでございます。
#63
○柳澤光美君 今まで公正取引委員会で、別に消費税がなくてもその議論があったと思うんですが、どの程度の件数出て、どんな内容になっていますか。ちょっと簡単にお話しいただけますか。
#64
○政府特別補佐人(杉本和行君) 公正取引委員会では独占禁止法上の対応もしておりますが、独占禁止法上で優越的地位の濫用ということで法的措置をとったものに関して申し上げますと、平成十五年から二十四年の十年間で、独占禁止法の法的措置をとった優越的地位の濫用事件二十一件中十九件がスーパーや家電量販店等の大規模事業者によるものであったということもございます。
 また、下請法におきましても勧告、指導等を行っておりますが、そうした中で、下請法の勧告の中でも近時、卸、小売を対象とするものがかなりございますということでございます。
#65
○柳澤光美君 済みません、十年間でですね、今の件数は。もし可能であれば、どういう理由で十年間で二十数件あったのかというのを後で私の方に少しお示しいただければなというふうに思っています。そのことが多いのか少ないのか。
 ただ、私は、やはり火のないところには煙が立たないわけですから、そういうことがあるというのも事実だろうというふうに思っています。ただ、かなり大きな改善が進んできていますし、何かというと大きいところが悪くて小さいところが全てというのではなくて、その辺はもっと公平に見ていく必要もあるだろうと。
 ですから、納入業者を全ての大型店舗の事業者がいじめているというような印象が本当に強まってしまう、あるいは最近は大型店ができると中心市街地がシャッター通りになるのも全てそこに責任があると。私は、副大臣時代に中心市街地、山形とか鶴岡とかいろいろ歩かせていただきましたけど、これはもう今日の議論ではないのでまた改めた機会にしたいと思いますが、もっと本当にやるんであれば、それぞれの人たちが自助努力をして共助をしてみんなで頑張るという体制、特にそれぞれ大型店で働いている皆さんというのは現場ではかなり努力をしているわけですから、その辺のところも、余りにも誤解が受けるというのは私はじくじたる思いがあります。
 ただ、実は私、福島の原子力災害の現地対策本部長も兼務をしながら、三月十一日の大震災、東日本大震災が起きた後、三月の末に、車を手配をして宮城の石巻から仙台、それから福島のいわき地区を全部、店舗も含めて回らせてもらいました。私は、そこで働く皆さんが、店をできるだけ開ける、電気もつかない中である商品をきちんと販売をする、で、億単位のお金が現金で確保ができるというところまで販売をする、そこにさらに全国から水や食料を、スーパーとかあるいはコンビニエンスも含めて、被災地に向けて膨大なライフラインを送り込むという努力をしてくれました。
 それからもう一つは、実は、福島の風評被害をなくすために小売団体、業界の団体の皆さんにもお願いをして、福島の米を含めた福島復興セールあるいは被災地支援セールを打ってほしいというお願いをして、全国でいろんな形で支援セールを打っていただきました。これは、昨年二月に経済産業大臣名で各業界団体に感謝状も出させていただきましたが、今流通産業というのがいよいよ物づくりだけではなくて国内でも大きな力を発揮し始めている、そのことを私は業界団体の皆さんにも強く訴えさせていただいてきました。
 私の持論は、近江商人の原点である、売ってよし、買ってよし、世間よし。やはり、売った方がもうかる、これはもうからなきゃ潰れてしまう。しかし、買っていただいたお客様が何よりも喜んでくださる。ただ、今流通業は、もう一つ大事にしなければいけないのが世間よし、世間の皆様が認めてくださる。これは、むしろ国内だけではなくて世界に向かって流通産業を、世間よしと言われるような取組をどこまでできるかが大事だということを強く訴えてきました。
 そのこともあって、昨年の四月の二十七日に産業構造審議会に流通部会を立ち上げました。その資料がお手元にちょっと行っているというふうに思いますが、六回の議論を踏まえて報告書をまとめさせていただきました。ポイントは、災害時や買物難民などライフラインを守るというところに大きな力をどう発揮していこうかということが一点。国内での無駄な消耗戦に終始するのではなくて、ITを駆使し、より効率的なサプライチェーンの構築をどう図っていこうか。そして、日本を代表する産業として、その強みを生かし、アジアを始め世界に打って出るべきだという三点であります。
 次にお話しする製・配・販連携協議会とも連携して議論を進めてきました。私が説明するよりも、今日は担当者が、政府参考人来られていますから、是非その辺の経緯も含めて御報告いただければと思います。
#66
○政府参考人(豊永厚志君) お答えさせていただきます。
 産業構造審議会の流通部会につきましては、ただいま委員の御指摘のとおり、去年の四月から七月にかけて六回の審議がなされました。当時の柳澤副大臣はこの六回に全て御参加いただいたと承知しております。この部会では、流通業者、地域の自治体、学識経験者、幅広く御参加いただきまして、御指摘のありました三点について御審議いただきました。一点は、東日本大震災を踏まえて、災害に強い流通の在り方を探る。二つ目は、少子高齢化時代の消費者や社会のニーズにこたえる流通業の在り方。三つ目が、お話のありました旺盛な海外需要を取り込むための流通業の海外展開でございました。
 私どもは、この報告書をまとめることが目的ではなく、まとめていただいたことを実行することが責務だと思っております。必ずしも全ての課題について答えが出せたわけではありませんけれども、その一端を御紹介させていただきたいと思っております。
 例えば、災害時の対応につきましては、そもそもBCP、いわゆる事業継続計画の策定率が流通業界は低いという統計がございました。早速アンケート調査を取りまして、流通業界にBCPの策定を促したわけでありますけれども、今年の二月には百貨店業界でBCPの統一ガイドラインが策定されました。
 また、大規模災害時の流通における在庫の賦存状況については、専門の委託調査を行いまして、物資や情報項目、その情報の送信方法などについての目安を付けて、一回試行も行ったところでございます。
 少し長くなります、御容赦ください。
 それから、社会的要請への対応につきましては、流通の効率化、このほかにも流通業の社会的貢献が御指摘いただいております。この点につきましては、二十四年度補正予算で買物弱者対策ということで八十事業ほど支援をしておりますし、中心市街地における流通業が地域の商業、経済により貢献するという観点からその協力を促すという議論を今させていただいているところでございます。
 最後に、流通業の国際展開につきましては、この報告書を受けまして、アジアの国々との政府間対話を進めるということで、中国に続きまして、昨年十二月にベトナムとの政府間対話を始めておりますし、今年中にはインドネシアとの対話も始めるべく準備をしております。
 経済産業省といたしましては、今後とも、流通部会におきまして提起されました課題を含めまして、流通業の健全な発展のための施策の具体化、実施に努めてまいりたいと存じます。
#67
○柳澤光美君 そういう意味では、ようやく本格的な議論がスタートしてきています。
 日本の流通システムというのは、安全、安心、新鮮、いわゆる鮮度、快適など、あらゆる面で世界に冠たるものであって、世界でトップクラスの実力を擁していると私は考えています。昨年秋、中国を視察させていただきましたが、中国の消費者にも大変支持をされ、トップクラスの売上高や顧客評価を達成している日系流通企業が数多く生まれています。昨年秋には当時の玄葉外務大臣とベトナムを訪問して流通進出の売り込みを行いまして、イオングループさんが出店することにつながっています。
 このような取組を強め、我が国の流通システムやノウハウの海外展開をクール・ジャパン、この後議論がありますが、クール・ジャパン戦略とも連携して大いに推進すべきだというふうに私は考えております。この取組を更に深掘りをして実行に移していただきたいというふうに思いますが、もしよろしければ御決意を。
#68
○副大臣(赤羽一嘉君) まず、先生御指摘のように、流通業の経済における位置付け、ちょっと簡単に申し上げさせていただきたいと思いますが、付加価値ベースでGDPの約一三%を占めておりますし、雇用者に至っては全産業の約一七%を支える大変重要な産業である、これはもう私もそのように理解をしております。
 また、先ほどるるお話がございましたように、二年前の東日本大震災のときにも、また、かつての十八年前の阪神・淡路大震災のときも一緒でしたが、地域の避難所と機能するほか、いち早く店舗を再開していただきましたり、また移動販売車による商品供給を通じて被災地の生活を支えていただいたと、大変ライフラインの産業としてもその役割の重要性が改めて広く認識をされたと考えております。
 一方、業界内部の特有の問題、返品の率が大変大きいとか発注の非効率性とか配送の問題とか、私も以前三井物産に勤務をしておりましたので、そういったなかなか長年の懸案というのが解決できないということも問題意識を抱えております。平成二十三年には、先ほど少しありましたが、柳澤副大臣の働きかけもありまして、メーカー、卸、小売の四十三社がサプライチェーンの課題について検討する製・配・販連携協議会が設立をされまして、今申し上げましたような返品の削減ですとか配送の最適化に向けた検討を進め、またパイロットのプロジェクトに取り組んでいると、大変重要なことだと、こう考えております。
 こうした取組を行うことによって、流通業界の強靱化というのは、今るるありましたが、国内の地域経済の活性化はもとより、これが海外に展開するということも大変重要なことだと、こう考えております。政府を挙げて、今、クール・ジャパンの法案も審議をしていただいておりますし、クール・ジャパン戦略ということも進めようと、こう考えている中で、先生御指摘のように、安全、安心、新鮮な日本の流通業界、まさにメード・イン・ジャパンだというふうに認識をしておりますし、政府を挙げて推進をしていき、売ってよし、買ってよし、世間よしの流通業にしていけるように頑張っていきたいと、こう決意をしておるところでございますので、今後とも御指導のほどよろしくお願い申し上げます。
#69
○柳澤光美君 製・販・配の連携協議会の方までお答えいただいたので質問がしにくいんですが、お手元に今お話のあった製・配・販の連携協議会のビジョンとメンバー表を出させていただきました。
 日本の商習慣ってやはりどうしても古いところがありまして、力関係やこれまでの商習慣から非常に返品といった非効率な配送が行われる、流通全体の効率が全体としては上がっていない、ある意味では日本の中でガラパゴスみたいな消耗戦が行われてしまう。
 この会にも参加をさせていただいて私が強く訴えてきたのは、我が国の流通業は、安全と安心を保障する優れた品質管理、それから最適配送や温度管理を徹底した物流システム、おもてなしの心を大切にする行き届いた接客手法など様々な強みを持っている。ところが、それがばらばらに動いて無駄な競争に走っている。この無駄、無理、むらをどう取っていくのか。一つは、メーカー、卸、小売が同じ土俵で議論をしてほしい。そして、それがお互いにウイン・ウインの関係になるような日本の流通システムをつくるべきだと。
 ですから、ここにあるように、多くのメーカーと卸業、小売業の会社が参加をして、この一番のポイントは、こんな大きな報告書出ているんですが、その下にワーキンググループがつくられて担当者レベルで議論が詰められたということです、本音の部分で。ですから、例えば、配送最適化ワーキンググループでは、配送頻度、配送ロットの見直しによる配送の効率をどう取ればできるだろうかという議論ですし、返品削減ワーキングチームでは、加工食品、日用雑貨における返品実績と返品削減の方法をどうしたらいいだろうというような建設的な意見が出ています。
 しかし、正直言いますと、いざとなるとなかなかもう一歩進めるということが非常に難しい部分があります。この取組は、先ほどの流通部会も含めて経産省の中で、是非、赤羽副大臣が私の後をつないでくださるというふうにもお伺いしていますので、私は、野党の立場であっても流通出身としてまたいろんな協力体制はしかせていただきたいというふうに思っておりますが、特にこの製・配・販に本来物流業者の皆さんにも入っていただいてもう一歩議論を進めるということも必要になってくるのではないかというふうにも私もとらえておりまして、是非、先ほどもう答弁いただきましたけれども、本来私は茂木大臣に出てきていただいて大臣に分かったというふうに言っていただきたかったんですが、少なくとも副大臣に出てきていただいていますし、大臣にも是非その辺を伝えていただきたいと。
 日本はもちろん物づくり中心で来ましたけれども、この流通インフラは世界に発信できる。私は、本当にシンガポールにオールジャパンででっかいショッピングセンターかモールを造ろうと。そこに商品が、商社とも連携して日本の商品、レストランだけではなくて地域の皆さんにも入っていただく。三月にはインドにも行ってきましたが、あのアジアのライン。ただ実は、枝野前大臣がロシア行って、柳澤さん、やっぱりロシア、シェールガスじゃなくて、LNGもあるんだけれども、本当にカルフールとかヨーロッパの百貨店だけ来ているけど、本当はロシアにも日本の百貨店とかスーパーが進出していく、世界に流通がきちんと出ていくことによって日本の認知といわゆるクール・ジャパンの根幹の部分につながるんじゃないかと。情報ももちろんそうなんですが、物品の中に大きな力を発揮するんではないかというような議論もしてきました。
 そんなことも含めて、是非、茂木大臣にも伝えていただいて、流通産業について経産省の中でも大きな位置付けで取り組んでいただきたいということをお願いをして、時間ちょっと残りましたけど、私の質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。
    ─────────────
#70
○委員長(増子輝彦君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、塚田一郎君が委員を辞任され、その補欠として中原八一君が選任されました。
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#71
○宮沢洋一君 自民党の宮沢洋一でございます。
 経産委員会で初めて、そして与党として久しぶりに質問をさせていただきます。
 私は、昨年の六月の三党協議以来、この問題かなり深くかかわってまいりましたので、少しこの経緯だけお話をさせていただきますが、昨年の六月に三党協議がございました。私は町村先生と一緒に自民党のメンバーとして参加をしておりましたけれども、私どもは、消費税を引き上げるに当たってやはり大事な点、転嫁が必ずできるということ、これ大変大事な点だと思っております。そして、それと同時に、その裏腹ということになりますけれども、低所得者対策というものをきっちりやっていかなければいけない。そういう立場で臨んでおりまして、残念ながら、当時の政府からの提案には転嫁についての実は文言がございませんでした。私どもの方から、転嫁について、法的、法制上の措置を講ずるという提案をいたしまして、公明党さん、また民主党さんにも御賛同いただいて、昨年の夏に成立した税法に書かれたというところが今回の話の出発点であります。それで、その後、当時の民主党政権において、岡田副総理の下でこの転嫁についての検討が随分進められておりました。ただ、民主党内ではほとんど何か議論をされていなかったようでございますけれども、政府主導で行われたという……(発言する者あり)まあ違えばあれですけれども。
 で、中身について言いますと、私どもは正直言ってかなり不満があったものを引き取った形になっております。そして、基本的な枠組みというものは残させていただきました。基本的な枠組みというのは、独禁法、下請法というものではなかなか措置等々というところまで行かないということで、違反行為というものを列挙して、その違反行為に対するペナルティーというのは、名前を公表するというかなり軽微なペナルティーを掛けるというのがこれ基本的な構造でありまして、恥を恥と思わない人にはこれは効き目がないわけでありますけれども、その辺はそれでいいのかなということで、その基本的構造は残させていただいた上で何点か修正を加えました。
 そして、例えば納入業者について言えば、今回の法律では、納入業者についての条件は、どういう人が納入業者になるということは書いてありますけれども、私ども引き継いだ案では、要するに納入業者の意に反してという条件が付いておりまして、納入業者、まあ渋々とか、納得しないんだけれども契約してしまったらセーフになってしまうような、そういうものがあったんで、そういう条件をなくすとかですね。また、資本金基準についても、三億円以下であって、納入業者の方が資本金が低くなければ、小さくなければいけないというような問題があったのを、これは大小なしでいいだろうというようなこと。
 そして、更に申し上げますと、先ほどから問題になっておりますけれども、大規模小売店につきましていろいろ議論はありましたけれども、やはり国内で物を作る、物を売るという世界において、食物連鎖に例えれば、これは、大型小売店というのは頂点に立っております言わば肉食恐竜のようなものでございまして、こういう方についてはやはり相当しっかりと監視といいますか規制を付けていかなければ、例えば大きな食品メーカーであっても大きな電機メーカーであってもいろんな状況が生じているということは新聞等々載っておりますので、その辺をしっかり対象にしていかなければいけないということで、対象に加えるといったような提言を自民党としてまとめさせていただきまして、それに基づいて今回政府が法律を出してきたと、こういうことであります。
 いろいろ議論を承っておりますと、今日も幾つか議論がございましたけれども、消費税還元セールというものがマスコミ的にも非常に取り上げられ、国会においても議論があり、そして衆議院においても修正がされたということでありますけれども、提言した方からしますと、議論の中身というものが若干奇異に感じている部分が実はございます。
 と申しますのも、何でこのような条文を入れたかといいますと、これ、十五年前の消費税五%に上げて、またしばらくたったときに消費税還元セール等々というものが幅広く行われました。そして、当時からいろいろうわさもありましたけれども、十五年近くたってきますと、あのときどうだったかという話はいろいろ実際の体験談として耳に入ってまいります。中小企業、零細企業の納入業者も当然でありますけれども、大手の食品メーカーも相当きついことを実は大規模小売店から言われ、渋々と従ったというようなことがやっと話してもらえる、十五年たって出てきたという、まさに十五年前のことを考えますと、それを再現させてはならないだろうというのがまずこの条文として整備した一方の理由であります。
 ただし一方で、実はこれ、先ほど申し上げましたように、ペナルティーは名前を公表するということでありますから、消費税還元セールと銘打って確信犯でやった大規模小売店がいたとしますと、じゃ、政府が更に、そいつは問題だといって確信犯を、宣伝の後押しをするような、名前を公表してということが実はこの法律のペナルティーであります。
 ぎりぎりの線がどこだという議論よりは、実はこれを入れたというのは、やはりその大規模小売店に対する警鐘という意味合いが一番強いわけですけれども、それに加えまして、先ほどの柳澤先生の話を聞いていて、この十五年間で少し流通大手のビヘイビアが変わってくださっていればいいんですけれども、もしも変わっていないとすれば、やはり相当なことが起こる蓋然性は高いんだろうと思います。その蓋然性が高い中で、やはりしかるべきタイミングに相当大きなセールを打つということは、そこで相当な価格転嫁拒否行為等々といったものが行われている可能性はかなりあるんだろうというふうに思います。
 したがって、政府におきましてはいろんな情報を積極的に調査をする、取り入れるという中で、ある意味では、しかるべきタイミングの大きなセールというのはもしかしたらそういう行為がある可能性が高いという、飛んで火に入る夏の虫ではありませんけれども、そういう情報であろうという意識で実はこの辺の仕立てをさせていただいておりまして、大事なことは、悪質な、また広範な等々といった行為が行われたときには、公正取引委員会に徹底した特別調査を行うようにということを自民党として申し入れております。
 そして、恐らくそれに従って公正取引委員会としては、セールを行っただけではなかなか動けないにしても、ちらほらと情報が入ってくるような状況になったときには徹底した特別調査といったものを行っていただかなければなりませんが、その辺どういうふうなことを考えているか、特に特別調査の中身について、杉本公取委員長、お答えいただけますか。
#72
○政府特別補佐人(杉本和行君) お答えさせていただきます。
 消費税の引上げに当たりましては、大規模小売事業者の納入業者などの取引上の立場の弱い事業者が消費税を円滑かつ適正に転嫁できるようにすることが大変重要であると考えておりますので、本法案におきましても、今委員御指摘のように、大規模小売事業者と取引関係のある事業者は全て保護の対象とすることとしております。
 公正取引委員会といたしましても、そういった大規模小売業者とその取引関係のある事業者の間で納入業者の方が比較的弱い立場にあるというのが概して言えることではないかと思っておりますので、こうしたことを念頭に置きまして、大規模小売業者については悉皆的に調査を行うことを考えております。
 さらに、そうした調査の上でこうした転嫁の拒否行動の疑いがある場合には、これは更に含めた徹底した調査、実態がどうなっているかということをしっかりと解明いたしまして、違反行為に対しましては、本法案さらには独占禁止法に基づき適切に対処していきたいと考えているところでございます。
#73
○宮沢洋一君 その悉皆的というところが大変大事でありまして、もちろん全ての納入業者、取引業者、大変数多くありますから、全員ということは無理だと思いますけれども、悉皆的な調査をしっかりやる体制を整えていただきたいし、そのために人員が足りないということであれば、来年度以降も我々としてはいろいろ協力をしていかなければいけないことだと思っております。
 それでは次に、菅原副大臣に質問いたしますけれども、この法律では、いろいろな問題のある事案が見受けられたときには、最終的には主務官庁から公取に連絡が行って、公取が勧告をするとともに名前の公表をするというのが基本的な構成でありますけれども、残念ながら繰り返しやる人等々がどんどん出てくる可能性がある中で、もう早め早めの公表というものが大変大事だと私ども考えておりまして、主務官庁段階で悪質なもの、広範なものといったものが発見された場合には速やかに公表するようにというふうに自民党のPTとしては求めておりますが、その辺につきまして、主務官庁の代表、中小企業庁を抱えておられる経産省の副大臣としてどのように対応していくか、御答弁願いたいと思います。
#74
○副大臣(菅原一秀君) 宮沢委員におかれましては、自民党の転嫁対策のPTの座長代理として汗を流していらしたこと承知をいたしております。るる御指摘ございましたように、そのPTの取りまとめ、この法案において、様々な御指摘を踏まえた中で法案整備をしてきたところでございます。
 したがって、転嫁拒否行為、これが繰り返し、あるいは悪質であったり、あるいは広範にあった場合においては、この蓋然性が高い場合にはきちっと措置請求を行っていくということが極めて重要だと考えておりまして、その措置請求時の違反事例の公表というお話でございますが、本法案に違反した特定事業者の違反行為を、おっしゃるように早期に是正をしていくという目的もあろうかと思います。そういうことをしっかりきちっと真面目にやっている特定の供給事業者の損害を回復をするということもございますので、この転嫁拒否を行わないように牽制をするということもその背景には当然含まれていると思っております。
 したがいまして、経済産業省といたしましては、重大な違反を行った特定事業者については速やかに公正取引委員会に措置請求を行うとともに、あわせて、違反事業者の名称等を公表をしていきたいと考えております。このように、転嫁拒否等の行為に関しまして厳正に対処することを通じて消費税の円滑かつ適正な転嫁が行われますように、しっかり役所として監視をしていきたいと思っております。
 以上でございます。
#75
○宮沢洋一君 また、悪質、広範、繰り返しといったようなことが条件になるわけでありますけれども、これは全部アンドではなくてオアで法律は書いてありますし、余りハードルが高いところでこういう勧告、公表等々ということではなくて、やはりちょっとひどいな、ちょっと繰り返しているな、ちょっと広範だなといったところではしっかりと対応していただくことを事務的にお願いしておきたいと思います。
 それともう一つ大事なことは、公取また中小企業庁等々、増員、定員の増といったことをいたしますけれども、いかんせんまだまだ人手が足りないという中で、一般的にその納入業者からいいますと、本当にちょっとでも抵抗すると契約を切られる、ちょっとでも言い付けようとするといろいろ証拠を見付けてまた取引が停止になる等々ということで、大変おびえているという表現が正しい業者の方、大変いるわけであります。やはり特に初期段階、当初の段階では、ちょっと問題がある行為を経験した人が気軽にやはりそれを相談できるという窓口が大変大事になってくると思います。
 例えば、中小企業庁であれば各地に経産局といった組織はありますけれども、商工会議所とか商工会にしっかりとした窓口をつくって、そしてその情報が速やかに経産局に入って、そしてその情報は速やかに本省に入るといった整備がどうしても必要だと思っておりますけれども、それについて今後どういうふうに対応されるのか、お聞きいたします。
#76
○副大臣(菅原一秀君) 転嫁拒否の監視と是正については、お話しのとおり、政府あるいは役所としても、余りにも広範にわたりますゆえに、一〇〇%ということではないと思っております。
 したがいまして、今お話ございましたように、例えば商工会議所、商工会、あるいは中小企業団体中央会、さらには商店街振興組合連合会、こうした中小企業あるいは商店街とふだん身近に接していらっしゃるこうした団体の窓口に、この四月末現在でございますが、全国で二千三百三十六か所相談窓口を開設をいたしまして、そこにおきまして中小企業・小規模事業者からの価格の転嫁に関する相談に応じていくということといたしております。
 また、こうした窓口に寄せられました情報につきまして、その情報の取扱いに関する相談者の意向を確認した上で、全国に新たに四百七十四名の転嫁対策調査官という調査官を配置をすることとなりまして、その調査官とともに情報を共有いたしまして、この転嫁状況の把握や効果的な監視、取締りにつなげていきたいと、このように考えております。
#77
○宮沢洋一君 今の体制にプラスですね、やはり、例えば大規模小売ということになりますと、全国各地で取引先がある。そして、その情報が、例えば広島県、私の地元でもあるし、東京都、菅原副大臣の地元でもある。点々とぽつぽつと出てくるというようなことが、速やかに本省でまとめるという作業は大変大事だと思っておりまして、経産局通じて本省できっちりと把握できる体制を必ずつくっていただきたいと、これは御要望でございますので、お願いをいたします。
 それと同時に、経産局関係プラスアルファ、これは地方公共団体にも相当協力をしていただかなければなりません。あの地方消費税も増税になるわけでありますので、地方公共団体にもやはりしっかりと転嫁の相談窓口をつくる、また、情報があればそれがしっかりと、恐らく県段階でとどまっていてもなかなか使い勝手の悪い情報だと思いますので、中央政府にしっかりと入る、そういうルートを構築していただく、その辺について総務省としてどう考えられているのか、伺います。
#78
○政府参考人(株丹達也君) 御答弁申し上げます。
 ただいま御指摘をちょうだいしましたとおり、消費税率の引上げの中には地方消費税も入ってございます。国のみならず地方における社会保障の安定財源の確保等にも寄与するものというふうに承知してございます。
 地方団体の中で都道府県は地方消費税の課税団体そのものでございますし、地方消費税収の二分の一は市町村に交付をされるということでございます。したがいまして、地方団体は転嫁対策につきましても当事者そのものとして、それから国民に身近な行政機関として主体的かつ積極的な取組が求められるものだというふうに承知をしてございます。
 今回の法案そのものの中におきましても、事業者が転嫁拒否事案等について相談しやすい環境を整備するため、地方団体に一定の役割を果たしていただくための規定が設けられてございます。現時点では、内閣官房に御案内のように消費税の価格転嫁等の対策準備室設けられてございまして、そこで、政府全体でこの転嫁拒否事案等の処理スキームを検討されております。そのスキームの中で、地方団体におきます相談窓口の設置の要請等についても併せて検討がなされるものというふうに承知してございます。
 総務省は、もちろん政府の一員でございます。政府全体は私の答弁にはちょっと余りますけれども、総務省といたしましては、関係省庁と連絡を図りながら、国と地方が一体となって転嫁対策を推進することが大変大事だと、そのための環境づくりをきちんとやっていこうというふうに思ってございます。よろしくお願いします。
#79
○宮沢洋一君 ともかく、納入業者というのは一般的にはかなり弱い立場にあります。また、サービス提供業者というのも弱い立場にあります。これまでのように、言いたいんだけど言えないんだよねというようなことがないように、しっかりと、特に当初の段階、幅広く、耳を大きくして、そして適切に対応できる体制を政府として取っていただくことを要望いたします。
 最後の質問になりますけれども、この転嫁法案、今後パブリックコメント等々ということを考えますと、恐らく施行されるのはこの秋口になるのだろうと思います。
 ただ、一方で、例えば繊維の関係でいえば、もう来年の春夏物の商戦というのはとっくのとうに始まっているというようなことで、来年四月以降の商戦がどんどん動くというような状況がございます。そういう中で、事前、施行前にもそれなりにいろいろ手を打っていかなければいけないことがあると思いますけれども、公取委員長、どのようなお考えか、教えてください。
#80
○政府特別補佐人(杉本和行君) 委員おっしゃるように、来年の消費税の税率引上げを念頭にいろんな価格交渉、それから準備行動が始まっているということもあると認識しております。
 したがいまして、公正取引委員会におきましては、既に事業者からの専用相談窓口を設置するとともに、大規模な小売業者及びこれらに納入していると見られる納入業者を対象に調査票を発行するなどいたしまして、本法案の施行前の買いたたき行為の早期発見、是正を図るための取組を開始しているところでございます。
 したがいまして、公正取引委員会といたしましては、本法案施行前におきましても、買いたたき等の行為につきましては独占禁止法、下請法に基づき厳正に対処してまいりたいと考えているところでございます。
#81
○宮沢洋一君 杉本委員長は私の大蔵省の同期でございますので四十年近いお付き合いでありますが、公取委員長として恐らく初仕事の一つだと思いますので、しっかりと転嫁が行われるように監視していただくことをお願い申し上げまして、時間少し残しましたけれども、質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。
#82
○委員長(増子輝彦君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後三時十分まで休憩いたします。
   午前十一時五十七分休憩
     ─────・─────
   午後三時十一分開会
#83
○委員長(増子輝彦君) ただいまから経済産業委員会を再開いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 本日、江崎孝君、牧野たかお君及びはたともこさんが委員を辞任され、その補欠として高橋千秋君、上野通子さん及び主濱了君が選任されました。
    ─────────────
#84
○委員長(増子輝彦君) 休憩前に引き続き、消費税の円滑かつ適正な転嫁の確保のための消費税の転嫁を阻害する行為の是正等に関する特別措置法案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#85
○長沢広明君 公明党の長沢広明でございます。
 本法律案のまず大前提、意義についてちょっと確認をさせていただきたいと思います。
 来年四月に八%、二十七年十月に一〇%という二回にわたる消費税の引上げということが決まった直後から、事業者の皆様方から、増税分を価格に上乗せできないのではないかという懸念、心配の声が寄せられました。特に景気が非常に厳しい中であったものですから、様々な業界でいろんな声が上がりましたけれども、大手スーパーとか大規模小売事業者に商品を納める事業者あるいは中小零細企業、こういうところの不安の声が一気に出てきたのは事実でございます。
 そもそも消費税は消費者から預かった税金を事業者が代わりに納税するということになりますので、消費税率が引き上げられたことによって、地域経済、雇用を支える中小零細事業者に負担が掛かるということになりますと、地域の活力そのものが失われてしまう、経済的に地域経済にマイナス要素を逆に根付かせてしまうということは避けなければならないということでございました。
 我が党も、消費税の転嫁対策は非常に重要であるというふうに認識をし、下請法やあるいは独禁法の見直し等の様々な手段を使って、消費税の転嫁が円滑に進み、中小事業者に圧力が加わらないようにということをしっかり検討しますというふうに国民の皆様にもお約束をさせていただきました。現場の声をしっかり聞くということで十五以上の業界団体からいろんな声も伺いまして、現地を調査したり現場の様々な生の声も伺ってきたところでございます。
 そうした事業者の要望を具体化するために、今年の三月でしたけれども、消費税転嫁対策の強力な実施に向けた提言というのを我が党としても取りまとめさせていただきまして、政府に対して、この法案にこういうことは盛り込めと、あるいはこういう部分は削除すべきであるというような様々な事項について申入れをさせていただきました。
 具体的には、法律に規定される保護対象、これを拡大するということで、資本金三億円以下の全ての事業者とすること、あるいは大手スーパーなど大規模小売店に納入する業者に関しては弱い立場に置かれて非常に苦しくなるということ、その可能性が高いということで、資本金規模によらずに一律に保護対象にすべきであると、こういうふうに求めさせていただきました。また、中小・小規模の事業者の側が税抜きの価格で価格交渉をしたいと、こういうふうに言った場合は大企業側はこれを拒んではならないという、これを拒むことを禁止するように求めさせていただきましたし、値札の張り替え作業等の事務負担軽減のためには、税率引上げ局面においては特例として税抜き価格の表示を許容する、つまり外税方式を特例的に認めるということもすべきであるとお願いしましたし、円滑な転嫁を阻害する広告の取締りということについても要請をさせていただきました。
 この法案は、こうした私どもの提言が十分に盛り込まれ、反映されたというふうに思っておりまして、その点では大変高く評価をさせていただいております。
 衆議院でも長時間、十八時間十分の審議が行われまして、一部修正が合意されて参議院に送付されているという段階でございますが、この法案は一日も早く成立をさせて、消費税の円滑かつ適正な転嫁に向けて様々な準備作業がございます。あるいは、周知徹底、広報ということも必要になってまいります。その意味では、政府一丸となって準備作業に一刻も早く取り組むべきであるというふうに考えております。
 まず、大臣にお伺いします。この法案を立案するに当たって、中小、特に小規模零細事業者、中小企業、こういうところに特に配慮した点及びどういう狙い、趣旨で配慮したかということについて、改めて伺いたいと思います。
#86
○国務大臣(稲田朋美君) 御党におかれまして、現場の声や事業者等の要望を受けて、平成二十五年三月十三日付けで消費税転嫁対策の強力な実施に向けた提言をいただいております。本法案は、今の御懸念の点などに対して、消費税の引上げに際し消費税の円滑かつ適正な転嫁を確保することを目的として提出したものでございます。
 特に、取引上立場の弱い中小零細事業者は、消費税の価格への転嫁が行いにくい状況にあります。このため、本法案では、転嫁拒否等の行為の取締りについてできるだけ保護の対象を広くするために、まず、資本金の額が三億円以下の事業者等が売手として継続的に取引を行う場合は全て保護の対象とし、大規模小売事業者を買手として継続的に取引を行う納入事業者等についても全て保護の対象といたしております。さらに、法律上の要件を形式的なものとしているため、迅速な執行ができるようにいたしております。
 こういった措置を通じて、中小零細事業者の方々が消費税を価格に転嫁しやすい環境を整備していく所存でございます。
#87
○長沢広明君 特に中小零細事業者に様々な配慮をしたという点について、更にやはり私どもも大変評価をしたいというふうに思っております。
 第八条のことについて触れたいと思いますが、第八条の特別措置についてですけれども、衆議院の審議の中で、いわゆる消費税還元セールなどの表示を禁止した第八条で、三%値下げというような消費税との関連性が必ずしもはっきりしない表示の扱いについて活発な議論が行われておりました。
 そうした中、政府は、五月八日、この考え方に対する統一見解を明らかにされまして、消費税の文言を含まなければ三%値下げとか春の生活応援セールとか、そういう表示ができるということも明らかにされました。法律上禁止される表示の範囲を明確化するという趣旨から、消費税との関連を明示しているものというふうにはっきりするという法案修正がなされたというふうに理解をしております。
 この議論を踏まえたとしても、大規模の小売店が何とかセール、こう銘打った広告をやった場合、納入事業者に対しても価格の引下げを要求する可能性というのはまだあるのではないかという不安がございます。また、周辺の中小の小売店も値下げを余儀なくされるというような周辺への影響ということもあると思いますので、この点について政府は丁寧な説明をしっかりしていただきたいというふうに思いますし、しかし、とはいえ、事業者も商売をする上でいろんな創意工夫をされますので、それを過度に妨げるということもあってはならないというふうに思います。
 そこで、この修正のされた後についても、この第八条の狙いですけれども、第八条で規制しようとしていることは、あくまでも消費税を転嫁していないということを表示してはならないと、価格決定そのものを制限するものではないというこの趣旨、それは中小企業、小規模事業者にも配慮したものだという、この点をちょっと確認をさせていただきたいと思います。
#88
○政府参考人(菅久修一君) お答えいたします。
 第八条の規定でございますけれども、消費税の負担についての消費者の誤認を防ぐということ、それに中小の納入業者等に対する買いたたき、また周辺の中小の小売業者等の転嫁が困難になることを防止する、そうしたことのため、消費税分を値引く等の表示を禁止するものでございまして、このような広告宣伝を禁止することにより、消費税の円滑かつ適正な転嫁に資することを目的としております。
 また、この第八条の規定でございますが、今お話ありましたとおり、あくまで消費税分を値引きする等の宣伝や広告を禁止するものでございまして、事業者の企業努力によります価格設定自体を制限するものではございません。
#89
○長沢広明君 この法律案では、消費税を転嫁していないという内容を表示した場合、その行為を取り締まるということが柱の一つになっております。その場合、事業者に報告をさせる、あるいは事務所に立ち入って書類等を検査することができると、こういうことになっておりますが、こうした価格表示に関する違反行為、これに対する報告、検査は、誰がどのようにどの程度行うものなのか、また、そうした措置をとってもなお違反行為をやめないという場合、そういう事業者があった場合はどういう対応をするかについて確認をさせていただきたいと思います。
#90
○政府参考人(菅久修一君) お答え申し上げます。
 本法案では、消費税の転嫁を阻害する表示に対しまして、消費者庁だけではなく、公正取引委員会、主務官庁、また中小企業庁長官においても報告、検査や指導を行う権限を付与することとしておりまして、関係省庁と連携して、政府一丸となって対処をしていくこととしております。
 また、消費者庁、公正取引委員会、主務大臣及び中小企業庁長官が相互に情報や資料を提供できるとの規定を設けまして、関係省庁間で情報共有を行うこととしております。
 さらに、消費者庁は、公正取引委員会、主務大臣及び中小企業庁長官が調査を行った事案につきまして、これらからの措置要求を受けます。又は、消費者庁自身が直接調査を行った事案についてもでございますが、本法案第八条の規定に違反する行為があると認めるときには、その事業者に対しまして、速やかにその行為を取りやめることその他必要な措置をとるべきことを勧告することとしております。そして、勧告したときには、違反行為を行った事業者の名前及び違反行為の内容等を公表することとなります。
 本法案八条に違反する表示につきましては、迅速に判断しまして対応することにより、違反行為の防止や是正に万全を期してまいります。
#91
○長沢広明君 この点非常に大事だと思いますので、法律作ったとしても、やり得みたいなことが蔓延をしてしまうと意味がないものですから、万全の体制を取ってもらいたいと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
 それから総額表示義務の例外措置について確認をさせていただきます。
 二段階の税率引上げ、それも一年半という非常に短い間で行われますが、この増税前の値札の張り替え作業とかそういう負担が非常に大変であるということで、こういうことも含めまして、いわゆる外税方式を認めるように求めてまいりました。
 これ、この消費税率引上げが決まった段階から、いろんなところから、やはり事業者の皆さんからも、外税というふうにしてくれればかなりいろんな意味で負担が軽くなる、やりやすくなると、そういうお声を随分いただいておりました。
 税込み価格であると誤認、間違えないようにするための工夫をするということが前提であります。特例的に外税方式を認める場合の表示ですね。この税込み価格であると誤認されないための措置というのは、具体的にどういうものを指すのか。具体的な表示例というのは、例えばちょっと具体的なものを示したりして事業者に理解を求めなきゃいけないと思うんですが、そういう周知をされるお考えか、伺いたいと思います。
#92
○大臣政務官(伊東良孝君) 今般の法案は、平成二十九年三月三十一日までの間におきまして、消費税の円滑な転嫁の確保、あるいは事業者による御案内の値札の張り替えなどの事務負担への配慮、そういった観点から、表示価格が税込み価格であると誤認されないための措置を講じていれば税込み価格を表示しなくてもよいということになっております。
 消費者への配慮の観点から、事業者はできるだけ速やかに税込み価格を表示するよう努めているところでありますが、具体例といたしまして、誤認されないための表示の例でございますけれども、例えば、値札やチラシ等におきまして、百円(税抜き)としたり、あるいはまた百円(本体価格)、又は百円プラス税といった表示を行う方法や、値札には本体価格の百円とだけ表示をいたしまして、商品の陳列棚やあるいは店内の目に付きやすい場所等に明瞭に、表示価格は税抜きです、消費税八%は別途いただきますといった掲示を行う方法などなどが考えられるところであります。
 今申し上げました値札表記の具体例などにつきましては、今後作成をいたしますガイドラインで分かりやすくお示しすることなど、事業者への周知広報にしっかり取り組んでいくとともに、事業者からの相談等に対しましては、政府共通の相談窓口として内閣府に設置する総合相談センターやあるいは各地域の税務署等において適切にPRし、対応してまいりたいと、こう考えております。
#93
○長沢広明君 やっぱり値札を結局付け替えるということで、大変な作業がどうしても結果的には生じるわけでございますし、それは中小の事業者にとっては、その対応に係る必要な費用というものも無視できないものにもやっぱりなってくると思います。
 レジスター等を導入するということについては税控除等の減免措置がなされているという点はございますが、中小企業・小規模零細事業者がこの税率引上げの対応を行うに当たって設備更新経費、様々な負担が生じるわけですけれども、そうした経費の補助とか何らかの支援を今後更に政府として行う用意があるのかどうか、お伺いしたいと思います。
#94
○大臣政務官(佐藤ゆかり君) お答え申し上げます。
 平成二十五年度税制改正におきまして、商業・サービス業・農林水産業活性化税制を創設いたしております。これら業種を営みます中小企業・小規模事業者がパソコンですとかレジスターなどの器具、備品や建物附属設備を取得した場合には、取得価格の三〇%の特別償却又は七%の税額控除を認めることといたしております。また、平成二十四年度の税制改正におきましても、中小企業投資促進税制の適用期間というものを平成二十五年度まで二年間延長をいたしております。中小企業・小規模事業者が会計ソフトですとかPOSシステムなどのソフトウエアを取得した場合でも、取得価格の三〇%の特別償却又は七%の税額控除というものを認めております。
 本法案につきましては、御党、公明党の方から、「円滑な転嫁対策を進めるため、税制上の支援措置等についても検討し、事務負担の軽減を図ること。」という御提言を既にいただいておるところでございます。今後、中小企業・小規模企業の事務負担軽減に更にどのような対応が可能か、しっかりと検討してまいりたいと存じます。
#95
○長沢広明君 是非お願いしたいと思います。
 一年半の間に二度の税率の引上げがあるということについては大変、もう今から戸惑いの声がありますので、万全の体制をしいていただきたいと思いますが、この消費税転嫁対策を確実に実施するためにこの法律を作っているわけですが、それを進めるために政府側としては万全な体制を取るべきだというふうに思っております。
 こうして今日も午前中からの審議を見ても、いろんな省庁にまたがった対応をどうしてもせざるを得ないと思いますし、大きな企業から地域の小さな中小零細企業へ向けてまで様々な課題が生じてまいります。それに対する体制、政府の体制はどのようになっているか、これを確認させていただいて質問を終わりたいと思います。
#96
○政府参考人(齋藤哲夫君) お答えいたします。
 本法案におきましては、消費税の転嫁拒否等の行為をより効果的かつ迅速に取り締まる観点から、公正取引委員会だけでなく、中小企業庁や事業を所管する大臣にも調査や指導を行う権限を付与しております。これによりまして、政府全体として転嫁拒否等の調査、指導等に取り組んでいくこととしております。このため、例えば転嫁拒否等の行為の取締り、監視強化等のため、公正取引委員会、中小企業庁、合わせて六百名程度を臨時的に増員する等の体制整備を行うものと承知しております。
 こうした取組も含めまして、関係省庁間でよく連携を取りつつ、政府一丸となって実効性のある強力な転嫁対策を実施してまいりたいと考えております。
#97
○長沢広明君 終わります。ありがとうございました。
#98
○松田公太君 みんなの党の松田公太でございます。午前、午後とお疲れさまでございます。
 早速、質問に移らせていただきたいと思いますが、まず特定事業者の定義について稲田大臣にお聞きしたいと思います。
 特定事業者の定義は、大規模小売事業者そして特定供給事業者から継続して商品又は役務の供給を受ける法人事業者と書かれております。そこで、お聞きしたいのですが、日本におけるその一と二ですね、大規模小売事業者と今の二番目の特定供給事業者から継続して商品又は役務の供給を受ける法人事業者というものは果たして何社ぐらいあるものなのでしょうか。
#99
○国務大臣(稲田朋美君) まず、私からは定義についてお答えをいたします。
 本法案は、今般の消費税率の引上げに際し、消費税の転嫁を阻害する行為の是正、価格の表示並びに消費税の転嫁及び表示の方法の決定に係る共同行為に関する特別の措置を講ずることにより、消費税の円滑かつ適正な転嫁を確保することを目的といたしております。
 特定事業者とは、一、大規模小売事業者、及び二、法人である事業者であって資本金三億円以下の事業者や個人事業者等から継続して商品又は役務の供給を受けるものでございます。
#100
○松田公太君 今、御質問の中に何社ぐらいあるのかという質問があったかと思いますが。
#101
○政府特別補佐人(杉本和行君) お答えさせていただきます。
 公正取引委員会は、告示によりまして大規模小売業者による納入業者との取引における特定の不公正な取引方法を定め、大規模小売事業者による一定の類型の行為を独占禁止法上規制の対象としてきております。
 本法案におきましては、公正取引委員会規則で定めることとしております大規模小売事業者もこの告示における大規模小売業者の定義を念頭に置いているところでございます。
 この大規模小売業者の数は、大規模小売業による納入業者との取引における特定の不公正な取引方法が定められた平成十七年当時、公正取引委員会が把握した限りにおいては約八百五十社でございました。
#102
○松田公太君 ありがとうございます。
 それでは、その八百五十社、できれば、今回この法案というのは非常に細かいところも話し合っている法案だなというふうに私感じているんですね。ですから、具体的なちょっと社名をやはり考えながら、ちょっとイメージしながら審議をするべきじゃないかなと私個人的に思っておりまして、その八百五十社、その社名を公表していただくことはできませんでしょうか。
#103
○政府特別補佐人(杉本和行君) ちょっとここで社名というわけにもまいらないかと思いますので、業種別にちょっと申し上げたいと思いますが、十七年当時でございますが、百貨店が六十八、スーパーが三百九十七、ホームセンター五十四、コンビニ十九、ドラッグストア七十二、ディスカウントストア十六、通販十七、家電四十二、衣料五十二、百円ショップ五、その他の専門店百十一というのが業態別の事業者数でございます。それで何らかのイメージをいただければと思います。
#104
○松田公太君 ありがとうございます。
 その八百五十社に関してはどこかで公表をもうされているということでよろしいんですね。もう既にリストがアップされていると、例えばホームページ等にですね、ということでよろしいんでしょうか。
#105
○政府特別補佐人(杉本和行君) 個別名については公表してございません。
#106
○松田公太君 先ほどもちょっと申し上げましたが、できれば具体的なちょっと社名をイメージしながら是非考えたいと、深く考えたいというふうに思っている部分がありますので、是非委員長、委員会としてこれ正式に要求したいんですが、いかがでしょうか。
#107
○委員長(増子輝彦君) 後刻協議をさせていただきます。
#108
○松田公太君 ありがとうございます。
 その大規模小売事業者の中には、ハウスメーカーや自動車のディーラーなど、そういった業態も含まれるんでしょうか。
#109
○政府特別補佐人(杉本和行君) 大規模小売事業者、一応、売上高百億円以上、その他面積要件もございますけれども、で把握しておりますので、今手元にある資料におきまして具体的にどういったものが入っているか、先ほど申し上げた業種別の統計がございますが、それ以上のものは手元にございません。
#110
○松田公太君 具体的にハウスメーカーとか自動車ディーラーというお話をしたわけですけれども、それは分かりますよね、入っているのかどうかというのは、ハウスメーカーかディーラーが。
 というのは、やはりハウスメーカーも例えば表面上は、いや、例えば消費税還元セールなんてやらないというふうに思われるかもしれませんが、私はこれはやる可能性が十分あるんじゃないかなというふうに思っておりまして、ハウスメーカーがそのようなセールをしたら、元々例えば下請法でも規制されております建築材メーカー、それがまた資材メーカーまで及んでいく可能性十分あるんじゃないかなというふうに思うんですが。
#111
○政府特別補佐人(杉本和行君) 本法案において定義しておりますような大規模小売事業者、先ほど申し上げましたように、売上高が百億円以上、それから面積要件も、要件になる場合もあると思いますが、そういったものに該当しますともちろん本法案の対象になりますので、もし転嫁拒否行動等があればこうした法案の拒否行動に対する措置の対象になると考えております。
#112
○松田公太君 済みません、ちょっと細かい業種の話ばかり聞いてしまって恐縮なんですが、飲食のチェーン店はいかがでしょうか。含まれますか、飲食店。
#113
○政府特別補佐人(杉本和行君) 飲食店は小売じゃないと考えておりますが、大規模小売業者以外のところで、この法案も納入業者が資本金三億円以下のところで対象としておりますので、そちらの方で入れば対象になると考えております。
#114
○松田公太君 御存じだと思いますが、飲食店もかなり多岐にわたるところから食材を仕入れているわけですよね。例えば飲食店という名前の下に物販をしているところもたくさんあるわけですよ。ですから、実際は飲食の売上げよりも物販の売上げの方が高いというところもあるわけですよね。ですから、あらかじめこれは大規模小売というふうに該当して組み入れるべきじゃないかなというふうに私は思っております。
 飲食事業が今のお話ですと最終的には組み込まれる可能性があるということですよね。これは、国民の皆さん、把握されていますかね。飲食事業者等はそういう認識でいるのでしょうか。
#115
○政府特別補佐人(杉本和行君) この法案におきましては、大規模小売事業者というものと、それからその他の特別供給事業者で資本金三億円以下の者が取引をしている事業者というものが特定事業者になりますので、そういった形で売買、納入、買入れという形が行われている限りはこの法案の対象になりますので、大規模小売事業者に該当しなくてもこの法案のいろんな措置の対象になるものと考えております。
#116
○松田公太君 次に、本法案の目的についてももう一度確認させていただきたいと思うんですが、四月の十九日、衆議院の経済産業委員会の本法案の審議で、稲田大臣は、自民党白石委員の本法案を提出した背景は何かという質問に対して、「今般の消費税率の引き上げに際し、中小事業者を中心に、消費税の価格への転嫁について懸念が示されております。消費税が上がったときに、その分をきちんと転嫁できなければ、中小企業、そして中小店舗、零細事業者いじめになってしまう、それを防がなければならないという観点でございます。」と答弁されておりますが、本法案の主な目的は、消費税の円滑な転嫁と中小零細企業のいじめ防止や保護ということでよろしいのでしょうか。
#117
○国務大臣(稲田朋美君) 本法案の目的は、第一条に規定をされていますように、消費税の円滑かつ適正な転嫁を確保することを目的といたしております。
#118
○松田公太君 ありがとうございます。
 しかし、実際は、中小企業などと同じように、例えば家電系の大規模小売事業者に対して商品を卸している大手製造業なんかもこれにやっぱり含まれるわけですよね。この法案によって、これが成立すればそのメリットを享受するんではないかなというふうに私は感じているんですが、それは間違いございませんね。
#119
○政府特別補佐人(杉本和行君) 大規模小売業者のところに関しましては納入業者の資本金を問いませんので、そこは納入業者、売手がいわゆる大企業であっても対象にしているところでございます。
 その趣旨は、大規模小売業におきましては、相手方が大企業、中小企業、それから零細企業にかかわらず、やはり納入業者の方に立場が弱いという点が見られることがあるという観点から、そういうふうに対象にしているところでございます。
#120
○松田公太君 そのようなことはあるかもしれませんが、実際は大手製造業などのメーカーというのは、自分たちでしっかりもうやっていける交渉能力も付いているんじゃないかなというふうに私は思いますけれども、非常に私、今回の審議を聞いていて違和感を感じるのが、やはり中小企業、中小企業ということを頻繁に持ち出されるんですね。でも、実際はそうじゃなくて、大手の製造業なんかもやはりこれによってメリットを享受することができるわけですから、国民にとって何となく耳触りがいい、ああ、中小企業を守るためにこういうことをやろうとしているんだなという説明の仕方というのはちょっと間違いなんじゃないかなというふうに感じております。
 そういう意味では、是非今後、中小企業のためと、そういった部分を前面に押し出すのはちょっと少し控えていただけないかなというふうに感じておりますが、いかがでしょうか。
#121
○国務大臣(稲田朋美君) 先ほども答弁いたしましたように、第一条の目的によれば、消費税の円滑かつ適正な転嫁を確保することを目的といたしております。
 また、先ほど委員長が答弁いたしましたように、売手が中小企業でない場合も、買手が大規模小売事業者である場合には含まれます。ただ、典型的な転嫁拒否を行われる事例というのはやはり中小零細事業者が多いのではないかとも思います。
#122
○松田公太君 おっしゃることはよく分かります。
 ただ、これによって本当に転嫁が中小企業は防げるかというと、私はそうでもないというふうに思っているわけですよね。例えば、もう販売先が一社か二社しかないようなところに関して言うと、例えばどれだけそれをこっそり告発したとしても、間違いなくそれが納入業者の方からいうと分かってしまうわけですよ、どこがこれを告発したかというのは。そういう形で、報復措置というのは、私はこれは免れない、いずれにせよというふうに思っていますので、実質的な効力というものは、これ非常に薄い法律なんだなというふうに感じております。
 ちょっと時間がないので、次の質問に移らせていただければと思いますが、既にこの表示の言葉についてもいろんな議論が出ていて、いろんな細かい話、言葉が、言葉遊びみたいなところが出てきちゃって、私は聞いていて面白いなと、こんなにあやふやな状況なんだというふうに感じざるを得ないんですけれども、私も、ちょっとそういう意味では、こういうことはどうなんだろうというふうに思い付きましたので、ちょっと聞かせていただければと思いますが、一つは、例えば増税記念セール若しくは四月以降もお値段据置きという表現、これをしたら、これは適法になるんでしょうか。
#123
○政府参考人(菅久修一君) お答えいたします。
 本法案の第八条の規定でございますけれども、消費税分を値引きする等の宣伝広告を禁止するものということで、具体的に一号から三号まで規定されております。
 御指摘の表示でございますけれども、それだけでは第八条で規定されております消費税分を値引きする等の広告宣伝であるとするのはなかなか難しいかなと思われますので、ただいま御指摘いただきました表示のみで第八条により禁止されることにはならないものというふうに考えております。
#124
○松田公太君 例えば、もう一つ、それでは三%還元セール、これはいかがですか。
#125
○政府参考人(菅久修一君) 基本的な考え方はもう政府見解が出しているとおりでございまして、それに基づいての考えでございますが、今かなり微妙な表現だとは考えておりますが、消費税という言葉が入っておりませんので、基本的には、その表示全体から明らかな場合でなければ当たらないということになろうかと考えております。
#126
○松田公太君 非常に難しいですよね。還元と言ったら、こちら側からいったら利益の還元をしているんだという意味合いでも発することができると思いますし、非常にやっぱり分かりづらい。
 そういうことでお聞きしたいんですが、法令適用事前確認手続、いわゆるノーアクションレターですね、これをこの消費税転嫁法にも適用していただくことはできないのでしょうか。これは全ての関係省庁に関係していることだと思いますので、どうお考えかということを、稲田大臣を含め、本日お越しの消費者庁審議官と、そして国税庁の課税部長にもお答えいただければと思います。
#127
○政府特別補佐人(杉本和行君) 本法案における転嫁拒否行為等でございますが、これに関して公正取引委員会の立場から申し上げますと、これらの行為に対しては、いわゆる法令適用事前確認手続、ノーアクションレターの対象として考えております。
#128
○政府参考人(菅久修一君) 消費者庁も同じでございまして、同じようにこの法令適用事前確認手続の対象として考えております。
#129
○政府参考人(藤田利彦君) 総額表示の特例の部分でございます。本法案第十条に規定されておりますけれども、これは消費税法第六十三条の特例を定めるものでございます。
 国税庁におきましては、税法の解釈、適用に関する問合せにつきましては、法令適用事前確認手続によらず、平成十三年六月に設けました文書回答制度によりまして、納税者の方から文書による回答を求める事前照会がありました場合には、一定の要件の下、文書による回答を行っているところでございます。
 消費税法六十三条に定められております総額表示義務に関する問合せに対しましては、この文書回答制度により対応することとしております。その特例である本法案第十条に関する問合せにつきましても、当該文書回答制度によりまして適切に対応してまいりたいというふうに考えておりますし、また、事業者の方からの御相談等につきましては、税務署等においても適切にかつ丁寧に対応してまいりたいと考えております。
#130
○松田公太君 ありがとうございます。適用していただけるということで各省庁動いていただいているということですが。
 これはちょっと要望なんですけれども、窓口を一本にしていただくこと、できませんでしょうか。各それぞれの省庁にお願いするということではなくて、今回もこの転嫁法の中でいろんな質問が出てくると、それに関しては窓口を一本化する動きがあるというふうに私は聞いておりますけれども、このノーアクションレター制度についても一本化していただくことはできませんでしょうか。稲田大臣、お願いします。
#131
○国務大臣(稲田朋美君) 検討すべき課題だと思います。
#132
○松田公太君 ありがとうございます。是非ともよろしくお願い申し上げます。
 それでは、最後にもう一点質問させていただければと思いますが、本法案は二〇一七年三月三十一日に失効すると附則二条に書かれております。しかし、来年二〇一四年の四月と再来年二〇一五年の十月に消費増税が実現するかどうかは、もう今日も議論に出ておりましたが、消費税増税法の附則十八条三項にあるように、その半年前、今日出たお話ですと、午前中、たしか十月ごろ、九月から十月というお話出ましたが、そのときの総合的な景気判断によるものだと思います。
 増税がこれ延期された場合はどのようになるのか教えていただければと思います。稲田大臣、よろしくお願いいたします。
#133
○国務大臣(稲田朋美君) 本法案の成立後、仮に御指摘のように延期のための法制上の措置がとられる場合には、これに併せて本法案に盛り込まれた規定、例えば附則の第二条一項の失効日のほか、所要の法制上の措置を講ずる必要があると思います。
#134
○松田公太君 ありがとうございます。
 それでは、ちょっとお聞きしたいんですが、なぜ最初から増税後一年半後という定め方にしなかったんですか。
#135
○委員長(増子輝彦君) どなた、お答えになりますか。
#136
○松田公太君 稲田大臣、お願いします。
#137
○国務大臣(稲田朋美君) 法律上、確定的な日付で書くのが適当だと思ったからだと思います。(発言する者あり)
#138
○委員長(増子輝彦君) 不規則発言は慎んでください。
#139
○松田公太君 いや、法律上も何々後、一年後とか二年後という書き方は、これはもうほかの法律でもかなり使われている手法だと思いますが、もう一度御答弁いただければと思います。
#140
○国務大臣(稲田朋美君) 消費税の引上げ時期を延期しようとする場合にも法制上の措置が必要になることから、このような表現をしたものと考えます。
#141
○松田公太君 終わりますが、時間ですので、何となく、ごめんなさい、外堀からやはりちょっと埋めようとしているんじゃないかなと、この消費増税というものを達成するためにという印象をやっぱりどうしても受けてしまうんですね、このようなやり方をされてしまいますと。
 是非、こういった部分が私は非常に大きな問題じゃないかなと。強引に何となく国民的にも、こういった審議を重ねて、いや、これがベースに重ねているんだということによって、それをもう既成事実化しようとしている、こういうやり方が私は非常にまずいんじゃないかなというふうに思っておりますので、その点だけ最後に申し上げて、以上とさせていただきます。
 どうもありがとうございました。
#142
○主濱了君 生活の党の主濱了でございます。
 まず、消費税の増税について伺いたいと思います。
 消費税の転嫁確保特別措置法案、まあ今の法案ですけれども、これはいわゆる消費税増税法によって消費税増税が現実に実施されることを前提にしているわけであります。ついては、その前段として、今現在、経済状況が消費税を増税する環境にあるか否か、こういう点につきまして経産省の御意見を伺いたいと、このように思います。
 十年デフレあるいは十年経済成長なしと、こう言われておりますけれども、最近の経済状況をどのように感じているか。で、具体的にもうちょっと申し上げさせていただきたいんですが、具体的には、より国民の生活感に近いと言われている名目GDP、この名目GDPは消費税が五%に引き上げられた平成九年ですね、その平成九年、これをピークとして、そのときは五百二十一兆という額なんですけれども、それをピークに平成二十三年度は四百七十三兆まで下がっている。平成二十四年はやや持ち直して四百七十四兆ということでありますけれども、かなり、四十七、八兆円ダウンしている状況にある、九%も減少している状況にある。これについて、まず、いかがお考えになっているか、伺いたいと思います。
#143
○大臣政務官(佐藤ゆかり君) 主濱議員にお答え申し上げます。
 議員御指摘のとおりでございまして、十年経済成長なしということで、十年間振り返りますと、GDPの規模というのは減少を示しているところでございます。
 ただ、実際にこれは、より正確に申し上げさせていただきますと、実は自公政権時代の二〇〇一年度、これは当時、小泉政権でございましたが、二〇〇一年度から二〇〇七年度まではこれは戦後最長の景気回復局面と言われておりまして、このときの期間では実質GDP六年間で一〇・七%拡大、そして名目GDPでも二・三%拡大をいたしております。デフレの環境下にもかかわらず、この名目GDPがこの間にプラスの域で拡大をしたということは、それだけ取引数量がいかに伸びていたかということを示すものだというふうに認識をいたしております。
 実際、むしろ統計上はここ二年間歴史的な円高で、こちらの過去二年間リーマン・ショックからの回復の遅れで、ここの期間でGDPの下落が激しかったというところを認識いたしております。
#144
○主濱了君 それでは、ちょっと見方を変えまして、今度は家計における可処分所得、この可処分所得について伺いたいわけなんですが、この可処分所得もGDPと同様に、消費税が五%に引き上げられた平成九年、ここでは実は四十九万七千円、もうすぐ五十万に近づこうかと、ここまで上がったわけなんですが、現在は、これ平成二十三年ですけれども、四十二万円まで大体七万六千円も下がっているんですよ。
 更に付け加えて申し上げますと、現在の可処分所得は、平成元年、二十五年前の可処分所得、これも下回る状況まで来ていると、こういうことなんですね。まさに、購買力に直結するような可処分所得、ここまで下がっている。これについてはどのようにお感じになりますか。
#145
○大臣政務官(佐藤ゆかり君) こちらも大局といたしましては委員御指摘のとおりでございまして、家計調査ですと、二人以上の勤労世帯の可処分所得で申し上げますと、平成九年、四十九万七千三十六円をピークに減少傾向にございます。平成二十四年度ですと、四十二万五千五円となっているわけでございます。
 その要因といたしましては、長年のこのデフレの中で名目賃金が伸びていないということに加えまして、特にリーマン・ショックの後でございますが、こちらの方もリーマン・ショックの後に急激な所得の減少がありまして、そこからの回復が遅れているという特殊な要因がございます。
 また同時に、統計上もなんですが、この間、国勢調査によりますと、平均世帯の人員が平成七年の場合には二・八二人おりましたけれども、平成二十二年になりますと二・四二人まで減少するといった社会現象がございまして、一家計における所得が分散してしまっているという、その影響も出ているかと見られます。
 また同時に、家計調査におきまして、可処分所得の統計そのものが二〇〇〇年以降は農林漁家世帯が統計上含まれておりまして、それ以前は含まれておりませんでした。そういったことも重なりまして、統計上の特性が影響しているという部分もございますので、その辺は数字を見るに当たっての留意が必要ではないかと存じます。
 ただ、いずれにしましても減少傾向ございますので、足下の、アベノミクスでしっかりと今後成長戦略をきちっと実施に移しまして、国内需要の拡大、雇用の拡大、そして所得の拡大にきちっとつながっていくように鋭意努力をしてまいりたいと思っております。
#146
○主濱了君 確かに、詳細に見るとそういうふうなことは言えるわけですが、やはり大局を見ますと、この名目GDPにしろ、あるいは可処分所得にしろ、ここ二十年間で最低の水準だと、こう言って差し支えないと思っております。
 一方におきまして、消費税どうなるかというと、これ間違いなく来年の四月には八%に、そして再来年の十月には一〇%に引き上げられるわけであります。法上どうなっているかというと、この消費税増税法案の附則第十八条の三項によりますと、施行前に、経済状況の好転について、種々の経済指標を確認し、施行の停止を含め所要の措置を講ずると、こういうふうな規定の仕方をされております。
 この経済状況の好転につきまして、これはGDPの対前年比とか、ちょこっとした上がり方ですね、今も〇・三%去年より上がっているわけですけれども、そういったような上がり方とか、対前年比とか対前期比とか、そういうふうな一時的な上昇とか回復ではなくて、やはり私は、平成九年という、ピークであった平成九年をベースにして物を考えるべきじゃないかと、やっとそこに戻って初めて景気は回復した、元に戻った、こういうふうに判断するべきでないかというふうに思いますが、御所見を伺います。
#147
○大臣政務官(佐藤ゆかり君) お答え申し上げます。
 今般の一体改革におけます消費税率の引上げは、まずは、やはり増大します社会保障の持続性と信頼性獲得のために、国の信頼維持のために行うものでございますので、そういう意味では、税制抜本改革法で定められたとおり、経済状況の好転を前提に来年四月に引き上げるというふうに決まっているとおりでございます。
 委員御指摘のこの税制抜本改革法の附則第十八条でございますけれども、こちらでは名目及び実質の成長率、それから物価動向等、様々な経済指標を確認しまして、総合的に勘案して引上げについて判断をするということになっているわけでございます。
 いずれにしましても、平成九年と比べて、その水準で上回れば消費税が上げられるのではないだろうかという水準を見た基準というのは、正直なところ今の日本の現状に余りそぐう御指摘とは受け止められないのでございますが、当時とは人口動態も変わっておりまして人口減少時代でございますし、そういう中で国力の経済規模が変わってきている。むしろ重要なことは、好転という言葉の意味として、やはり成長率がプラスに出ること、成長率が好転していくこと、そういうことが必須の条件ではないかと思います。
 ちなみに、今年の一―三月期、GDPは実質三・五%、年率換算でございましたが、名目GDPでも一・五%、年率で上昇しているところでございます。
#148
○主濱了君 GDPの見方として、前年対比とか前期比とかあるんですけれども、やはり私は実額をもって、あるいは一定の年度をポイントとした指数をもって見るべきじゃないか。前期より〇・三%上がった、だから、そういうふうな非常によく分からない表現をされているんですけれども、私はそういう見方をするべきじゃないかなというふうに思っております。
 それから、もう一点だけお話をさせていただきたいと、これは答弁は要らないんですけれども。
 この消費税の増税については、私は二つの面があると思っております。それはもう安定財源の確保と、こういう面が一方にはあるわけですけれども、もう一つには、やはり景気を極端に冷え込ませ、そして国民生活に大打撃を与えると、こういう両面を持っているというふうに思っております。
 この安定財源の関係は、実は社会保障と税の一体改革が前提になっているはずであります。しかしながら、その前提になっている一方の社会保障の改革、これは私は全く手が着けられていない、税の改革だけが動いている、こういう状況ではないだろうか、こういうふうなことだけを指摘をさせて、次の質問に移らせていただきます。
 ここからが本論なわけですけれども、ここからは中小企業における消費税の価格転嫁について質問させていただきます。ここでは、仮に経済状況が劇的に好転をして、消費税の増税が消費の減退など経済状況に悪影響を及ぼさなくなることを前提にした質問であると、こういうことでございます。
 中小企業は、やはり持続的に経営の安定を図るためにもちろん消費税増税分をそのまま一〇〇%転嫁をしたいというふうに考えているわけでありますが、しかしながら、様々な事情から、消費税率が五%の現在ですら一〇〇%転嫁できないのが実情であると、こういうふうに思っております。
 政府が今真にやるべきことは、その特別事業者が、特定供給事業者の価格転嫁へのいわゆる妨害行為を排除することも大事なわけですが、法案の内容になっていますけれども、そういうことも大事なわけではありますけれども、何よりも国民にその消費税の増税を十分納得してもらって快く負担してもらうことが第一番であると、こういうふうに私は思うんですよ。ということで、とにかく質問に入らせていただきます。
 例えば、中小商店が顧客から消費税をいただく、これは本法律案、当然のことであります。中小企業、本法律案で言う中小事業者も望んでいることであろうというふうに思っております。現実に、中小商店などが顧客から、国民から八%、一〇%の消費税を間違いなくいただける方途、これをどう確保しようとしているのか、きちっとその条文あるいはコンセンサスを得た構想、これを示して御答弁をいただきたいと思います。
#149
○大臣政務官(山際大志郎君) 今の委員の御指摘の確実にその消費税を消費者に最終的に御負担いただくということについては、おっしゃるように、消費者、すなわち私たち国民がそのことをいかに深く正しく理解をしているかということにこれは懸かっていると、その認識は私たちも一緒でございます。
   〔委員長退席、理事大久保勉君着席〕
 その認識に基づきまして、今回の条文の第十四条にその広報をしっかりしなくてはいけないということが書かれておりますが、その十四条に基づきましてこれから広報を鋭意行っていくことになります。
 内閣官房といたしましては、これは広報の総合司令塔として働いてまいりますので、具体的には公正取引委員会であったりあるいは経済産業省であったりというところがいろんなパンフレットを使ったり、様々な広報、もちろん全体としてその広報というものもやらせていただきますが、その方途といたしましては、もうあらゆる機会を使って、本当に消費税というものが、今回に関しては社会保障に全額これを充てるということであったり、消費税という名前のとおり、最終的には消費者がきちんとこれを負担するのがこの消費税の本質であるというようなことであったりということを説明し続けると、これしかないんだろうと思っております。
#150
○主濱了君 政府が国民の納得を得るということの一番の方法が十四条に定める広報と、こういうふうに今承ったわけですが、これしかないのであれば、もうしっかりと、しっかりとこの消費税について国民に理解をいただくようお願いをしたいなというふうに思います。
 次に、特別事業者、大規模小売業者などは、特定供給事業者、納入業者ですよね、に値下げをさせてはならないというふうなことが第三条に記載をされているということでございます。いわゆる買いたたき等の禁止ですね。
 政府は、この条項をこの特別事業者などに守ってもらうために、現実にどう対処し、あるいは要請しようとしているのか、これについて御答弁をいただきたいと思います。
#151
○国務大臣(稲田朋美君) 三条において特定事業者の遵守事項が定められております。また、消費税率の引上げに当たっては、仮に立場の弱い中小事業者が消費税の転嫁を拒否されるなどによって被害を受けたとしても、自らその事実を申し出いただくことが期待しにくいという実態があります。このため、今回の法案では、公正取引委員会だけでなく中小企業庁や事業を所管する省庁にも指導を行う権限や調査権限を付与するとともに、転嫁拒否等の被害者からの情報提供を受け身的に待つだけではなくて、書面調査を実施するなど積極的な情報収集に努めております。
 違反行為が認められる場合には、本法四条に基づき、転嫁拒否をした消費税分を支払うなど、是正するために必要な指導又は助言を行うこととなっております。また、被害者が多数の場合、また被害が大きい場合、違反を繰り返す蓋然性が高い場合など、消費税の円滑かつ適正な転嫁を阻害する重大な事実がある場合には、公正取引委員会において本法案の六条に基づき勧告また公表をすることとなっております。
#152
○主濱了君 それでは、次は公正取引委員長にお伺いをいたしたいと思います。
 一般的に商取引におきましては、まけろよ、まけた、では買ったと、こういったような流れが一般的かなというふうに思うわけであります。こういったような、まけろとかなんとかという、このような流れと、この法律で違反になる例、これを条文を示してお示しをいただきたいと思います。
#153
○政府特別補佐人(杉本和行君) 本法案におきましては、第三条第一号におきまして、商品又は役務の対価の額を同種又は類似の商品又は役務に対して通常支払われる対価に比し低く定めることにより消費税の転嫁を拒むこと、これを買いたたきとして禁止しているわけでございます。
 ここで言います通常支払われる対価ということでございますが、これは特段の事情がない限り消費税率引上げ前の税込み価格に税率引上げ分を上乗せした価格ということだと考えておりまして、税率引上げ後の税込み価格をこれより低く定めることが買いたたきに該当すると考えております。
 もちろん、本法案は取引当事者間における自由な価格交渉自体を禁止するものではございません。消費税率引上げ前の税込み価格に税率引上げ分を上乗せした価格より低く定めたことについて、当事者間の自由な価格交渉の結果と見られる特段の事情がない限りは買いたたきに該当すると考えるということが基本的な考え方でございます。
#154
○主濱了君 もう一つ、今度は企業の方なんですが、企業にとってコスト削減というのはもう永遠の課題なわけですよ。これやらないと株主から鋭い追及を受けますから、これはもう永遠の課題であると言って差し支えないというふうに思っております。
   〔理事大久保勉君退席、委員長着席〕
 この一般的な、本来的なコスト削減の要請とこの法律違反、この本法違反、これどこで線引きをされるのかと、こういうことを端的に、時間余りないので、お話をしていただきたいと思います。この質問というのは、あくまで中小企業の価格転嫁を容易にするという観点からの質問であって、決して特定事業者の逃げ道を伺うと、こういうものじゃないので、その辺、念のために申し上げます。よろしくお願いいたします。
#155
○政府特別補佐人(杉本和行君) コスト削減の要請を受けまして、取引当事者間の自由な価格交渉の結果、従前よりも低い対価が定められること自体は問題になるものではございませんが、取引上の地位を利用することによりまして納入業者に客観的にコスト削減の事情がなくても対価の引下げを余儀なくされることということも少なくないと考えております。
 本法案は、このような取引の実態を踏まえまして、消費税率引上げ前の税込み価格に税率引上げ分を上乗せした価格より低く対価を定めることにつきまして、取引当事者間の自由な価格交渉の結果と認められる特段の事情があるという説明のない限り、消費税の転嫁を拒む買いたたきに該当するのではないかとして運用したいと考えておるところでございます。
#156
○主濱了君 終わります。ありがとうございました。
#157
○荒井広幸君 荒井でございます。
 国民的映画にフーテンの寅さんというのがありましたけれども、フーテンの寅さんは今やめてしまいましたけれども、WOWOWで連続で今やっているようで、また大人気だそうですけれども、フーテンの寅さんがこの話聞いていたらどう思ったかなと。まあ連載が終わってちょうどよかったのかなという気はいたします。
 私は、消費税上げる上げないでは各党それぞれ立場があります。しかし、もし消費税が上がれば財務省が喜ぶというような式の話なんだろうなというふうに思いますが、しかし、それだけでは物足りなくて、やっぱり消費税というものの仕組みといいますか、消費税の構造の改革というところまで行く必要があるんじゃないかという観点で、若干論争的提案をさせていただきたいと思います。それはインボイス導入でございます。
 今度の法律は、消費税を円滑、適正に転嫁できるようにするためということで先ほど来からお話があり、買いたたきなどの転嫁拒否等の行為の是正を始めとして、特別の措置を定めたものです。そのため、事業者から報告を聴取したり、事業所への立入検査をするなどなどとしておりますけれども、果たしてこれで十分かなと、こういうふうに思います。
 基本は、消費税を負担するのは消費者だけれども納税するのは事業者であると、こういう一つの流れですね。したがって、事業者が幾らで商品を仕入れて幾らで販売したのかと、その際の消費税額は幾らだったのかが見えるようにならなければ正確な納税額は判明しないということだろうと思います。その額が分からなければ、メーカー、卸、小売、消費者という商品の流れの中で、どの段階で消費税が転嫁できなかったかということもまた不明になるのではないかというふうに思います。言ってみれば、この中間的な段階の流れに不公平が生じることがあるということを言っているわけですね。ですから、この転嫁の問題を解決するためには、いわゆるインボイス、仕送り状といいますか、これが必要になってくるだろうというふうに私は思うんです。
 麻生大臣は、今年の三月十四日の衆議院の本会議で、複数税率の下で事業者が適正に仕入れ税額の計算を行うためには適用税率と税額が記載されたいわゆるインボイスが必要になってくると承知をいたしております云々かんぬんと、こう言われておるわけです。つまり、複数税率、当然話題になりますのは、軽減税率と言った方がいいんでしょうか、こういうものを入れた場合にはこのインボイスというものがなければならない。じゃ、それがないということになりますと、給付付き税額控除というような一つの工夫もあるわけですが、こういうものになってくるわけですね。
 そうすると、私は、インボイスの導入というものが必要じゃないかという観点で言えば、複数税率でなくても、まあ複数税率を念頭に置いてもいいですが、消費税の円滑な転嫁をさせるということについてはインボイスというのは有効だと思うんですが、この見解を財務省審議官、どうでしょう。
#158
○政府参考人(太田充君) 今ほど副総理兼財務大臣である麻生大臣の答弁を引かれて御質問をいただきました。
 インボイスにつきましては、議員御指摘いただきましたように、また本日午前中の当委員会の御質疑でもございましたが、通常、本体価格と税額が別記されておりますので、インボイス制度を導入すれば消費税の転嫁が円滑になるという意見があるということは十分承知をしております。ただ、他方、中小団体等からは、我が国の事業者間取引で用いられる請求書等につきましても本体価格と税額が別記される方式が一般的だということもあり、価格表示の方法と転嫁のしやすさには関係がないという意見をおっしゃっている方もいらっしゃいます。
 いずれにいたしましても、インボイス導入を検討するということに当たりましては、先生御指摘のようなメリットと同時に、中小事業者の事務負担の増加、あるいはシステム等々のコストの増、あるいは免税事業者がインボイスを発行できないので取引の中間段階から排除されかねないという指摘もあること等々も含めまして、幅広い観点から検討していく必要があるというふうに考えてございます。
#159
○荒井広幸君 検討するばかりじゃなくて、検討が煮詰まっていかないといけないですね。これを消費税を上げる前提にされちゃたまったものじゃないと、こういう御意見もありますが、想定としてはいろいろできるわけですね。
 私は、今回の状況で、やはりアベノミクスが非常に新しいファクターに入ってきていると思うんですね。つまり円安という状況があるわけです。例えば、原料の輸入価格を一つ取ってみても、これは上昇しています。ということになると、商品の値上げがどのように動いてくるかと。これはもう市場で決まるものでもありますけれども、そこにまた消費税が上がってくるというふうになると、一体便乗値上げじゃないのかしらから含まって、非常に消費税というものに対する信頼もまた厳しいものになってくるというふうに私は理解するんです。
 そういうところだからこそ、国民の皆さん、今のお話の中にも一部、触れてはいませんが、免税業者さんの皆さんの課題もありますよ。ありますけれども、皆さんの了解をいただきながら、やはり本体価格と消費税額を明確にして、お互いが納得していくというやり方、もちろんそれに対する負担が大変であるとかなんとかいろいろありますね。財務省もこの間世論調査したんじゃないですか。皆さんの調査、大体、手書きで帳簿を付けている方って四割ぐらいいらっしゃるとかいろいろ出ていますね、数字的にも。
 果たして、二回上げる、そのときに何遍も、何といいますか、コストが掛かる。それらを含めていろいろな、煩雑でコストも掛かるということもあるんですから、私はやっぱりもう少し正面から、本当に損得で、どういうところの損得、個別の、そしてトータルでどうなのかということはやっぱり見せるように、もうそろそろ出してもらいたいんですよね。業界、業態によっても違うと思いますが、そういうものをやっぱり見られるようにしていただきたいと思います。
 そこで、便乗値上げの防止にもインボイスは私は有効と思っているんですが、消費者庁の審議官はどのように考えられますか。
#160
○政府参考人(草桶左信君) インボイスの導入の是非については、ただいま財務省の方から答弁があったところでございます。
 インボイスにつきましては、基本的には事業者対事業者の間のものと認識をしておりまして、消費者との関係で問題となります便乗値上げの防止の観点からは直接の関係はないのではないかというふうに考えております。
 ただ、いずれにしましても、便乗値上げについては、個々の商品の価格の変動が税負担の変化による上昇幅を超えているかどうか、そして個々の商品の特性、需給の動向でありますとかコストの変動といった要因を総合的に勘案をしていくことになります。
 消費者庁としては、個々の商品を所管し、その市場等の実情に詳しい所管省庁と情報を共有しつつ、今後設置を予定しておりますけれども、いわゆる物価モニター制度を用いまして、便乗値上げの調査、監視に取り組んでいきたいというふうに考えております。
#161
○荒井広幸君 続きまして、国会に対する報告という観点で見てみたいと思います。
 今度の特別措置法を制定する理由としては、転嫁拒否等の行為が集中的かつ多数生じるという懸念が挙げられているんですね。集中的、多数生じると。これ、また二回ということにもなりかねませんし、その二回が一緒になってどうなっていくかは、これ分からないわけですね。
 一方で、本法律の一つの柱である表示規制というものがありますが、平成九年当時の経緯を尋ねられて、森大臣は、景品表示法に係る事件記録の保存期間を既に満了しているため記録がございませんと言っているんですね。記録がないというのは、集中かつ多数生じたかどうかというのをどこで言っているのかなと。過去の実績が分からないのに集中かつ多数生じる懸念を持っている、それで法律を立法したということなんですね。
 改めてそこで聞きますが、価格転嫁拒否等の行為の是正について平成九年当時の状況を伺いたいんですが、本法律案で定める買いたたきなどの行為について、独禁法や下請法に基づく措置はとられたのかどうか。法的措置に至らず注意や指導を行ったとするなら、その数はどれぐらいであったか、杉本委員長にお尋ねします。
#162
○政府特別補佐人(杉本和行君) お答えさせていただきます。
 平成九年度におきまして、独占禁止法に基づき、買いたたきなどの優越的地位の濫用として法的措置をとった案件はございません。ただ、警告ということで二件、それから注意ということで十一件を行っております。
 また、下請法に関連いたしますと、平成九年度におきまして、下請法に基づきまして本法案で規制しております転嫁拒否等の行為の類型でございます減額、買いたたき、強制購入といたしまして二百四十三件の勧告、指導を行っているところでございます。
#163
○荒井広幸君 そういう数字がありました。
 それにしても、少し根拠が乏しいんじゃないかなという、私は数字的な根拠が乏しいんじゃないかなという印象を受けますので、提案する一つの措置として考えていただきたいんですが、国会報告にしてみたらどうかと。独禁法四十四条では、公正取引委員会は、内閣総理大臣を経由して、国会に対し、毎年法律の施行状況を報告しなければならないと定めております。施行状況、定めておるんですね。
 そこで、稲田大臣にお尋ねしますが、独占禁止法の匿名通報に当たる今回の法律も施行状況を報告するようにすべきではありませんかと。国会に報告することによって、今回は八、そして一〇ということが、もしそうなれば八、一〇に上がっていくわけですから、そのときの参考になっていくし、記録も残る、記録も残るから参考になる、こういうふうに思いますが、いかがでしょうか。
#164
○国務大臣(稲田朋美君) 政府としては、本法案の執行状況を明らかにすることは大変重要だと認識をいたしております。本法案の施行後は、関係省庁の執行状況を取りまとめて、適宜、国民に対して公表することにいたしたいと思っております。
#165
○荒井広幸君 国民でも結構ですけれども、しっかり累計してどういう中身であったかみたいなのもやれば、またこれは予防措置にもなるんですね。防止措置にもなりますから、しっかり公表していただきたいと思います。
 それから、続いて表示の是正措置関係について移りたいと思います。
 価格転嫁対策の法案十九条には、本法律案で定める主務大臣の権限の一部を政令で定めるところにより都道府県知事等が行えるというふうに定めております。
 そこで、杉本委員長にお尋ねしますが、この政令はどのようなことを制定しているんでしょうか。二つ目には、消費者庁の調査権限の一部を都道府県知事が行えるように政令で定める予定があるんでしょうか。いかがでしょう。
#166
○政府特別補佐人(杉本和行君) 委員御指摘の規定は、主務大臣等の権限に属する事務の一部につきまして、政令で定めるところにより、都道府県知事その他の都道府県の執行機関が行うことができるとするものでございます。一定の業種につきましては、主務大臣の権限を都道府県において行うことができるようにするということを検討するということで考えておるところでございます。
 本法案は、基本的に公正取引委員会、中小企業庁、主務大臣等が主体となって転嫁拒否等の行為や転嫁を阻害する表示について調査、指導するものでございますが、より実効的な転嫁対策を行うために必要な場合は、先ほど申し上げましたように、政令で定めるところによりまして、都道府県において主務大臣の権限に属する事務の一部を行うことができるようにしているものでございまして、一定の業種については主務大臣の権限を都道府県において行使できるように検討したいと考えておるところでございます。
#167
○荒井広幸君 済みません、もう一つ。
#168
○政府参考人(菅久修一君) お答えいたします。
 十九条の趣旨は今公取委員長から御説明あったとおりでございまして、したがいまして、消費者庁の調査・指導権限の一部について、これについてまで都道府県知事が行うことができるようにするということは、今のところ予定はしておりません。
#169
○荒井広幸君 予定していないということですが。
 そこで、消費者庁の審議官に更に尋ねてまいりたいんですが、確認してまいりたいんですが、消費者庁が所管する景品表示法ですね、景品表示法では表示違反の行為があると認めるときに改善、防止の指示を都道府県知事ができるとなっていると。一方、価格対策法案の表示規則で都道府県知事が違反行為を監視できないということになりかねないかなと、なるのかなと、奇妙なことかなと思うんですね。
 違反行為が集中かつ多数生じるおそれがあるため措置法を制定するのに、特措法の監視体制は景品表示法の監視体制より弱くなる、見劣りするんじゃないかと思うんですが、この点、いかがでしょうか。
#170
○政府参考人(菅久修一君) お答えいたします。
 本法案での措置、基本的には主務大臣等が主体となって行うということでございまして、そのため、この法案では、表示についての規制、消費税の転嫁を阻害する表示を禁止という規定も入っておりますが、そもそもこの禁止の規定そのものが景品表示法では規制できない表示についてまで規制の範囲を広げているということでございます。
 また、執行におきましては、勧告権限を持っております消費者庁だけではなく、公正取引委員会、中小企業庁のほか、事業を所管する省庁におかれましても調査や指導を行う権限を付与するということにいたしておりまして、また消費者庁、公正取引委員会、主務大臣及び中小企業庁長官が相互に情報や資料を提供できるという規定を設けまして、関係省庁間で情報共有を行うこととしております。
 このように、関係省庁と連携して政府一丸となって対処をしていくということによりまして、迅速かつ実効性のある表示規制を確保することができるというふうに考えているところでございます。
#171
○荒井広幸君 また後日の質問にいたします。
 終わります。
#172
○浜田和幸君 ありがとうございます。
 最後の質問バッターということで、稲田大臣と伊東政務官に若干基本的な質問をさせていただきたいと思います。
 まず、稲田大臣にお伺いしたいんですけれども、この消費税、これは社会保障・税一体改革の中で、一番公平かつあまねく財源として確保できる、そういう税なんだと、そういう手段なんだということを御説明されてきているんですけれども、本当に消費税というものが一番公平な税だとお考えですか。
#173
○国務大臣(稲田朋美君) 消費税を増税することの必要性は、やはり伸び行く社会保障、毎年毎年同じ社会保障をやっても税金ベースで一兆円ずつ伸びていくというその社会保障の財源を賄うために、非常に安定性があり、そして公平な税だと思っております。
#174
○浜田和幸君 ただ、いろいろと今回も議論がありましたように、日本の経済、まだまだ回復途上であるし、様々な格差、要するに、輸出産業で大変潤っているところもあれば、まだまだ地方のこういう中小企業で厳しい状況、また個人の家計状況を見ても大変な格差が広がっていますよね。
 ですから、輸出でこれからたくさんもうかるであろうという企業と、あるいはその恩恵を被っている一種バブル的な状況にある人たちと、明日の生活も厳しいというような、そういう状況に置かれる方々が同じ税率の消費税を払うということは、これは公平という観点では著しく不公平になるんではないでしょうか。
#175
○国務大臣(稲田朋美君) そういう観点もあろうかと思いますが、私は、やはり今回、消費税の値上げに当たっては景気状況を判断するという判断の下に、私は、消費税を増税することの意義、そして安定的な財源を確保し、そしてそれをあまねく多くの一般の国民全員が負担するという意味において私は公平だと思っております。
#176
○浜田和幸君 今、アベノミクス、三本の矢ということで、大変景気回復、新しい流れが出てきている、その兆しが見える、それは大変結構なことだと思うんですけれども、このアベノミクスが日本経済を本当に、先ほど話があったような、実施される半年ぐらい前、名目三%、実質二%の経済成長に本当に寄与しているということがはっきりした段階で消費税の増税ということを最終的に決めるということの方が多くの方々にとっては納得しやすいんではないかと思うんですね。
 例えば、内閣官房参与の浜田宏一さんなんかも、今の状況で増税するよりかは、一年ぐらい状況を見て、アベノミクスの効果をしっかり確認してから増税ということに踏み切る方が納得が得やすいんではないかという、個人の見解ですけれども、おっしゃっています。そういう点については、どうお考えですか。
#177
○国務大臣(稲田朋美君) 消費税の意義については、先ほど私が述べたとおりで、国民広く負担をしていただくべきものだと考えております。
 その上で、私の所管は、公正取引委員会所管として、この法案でもって転嫁を図っていくというのが私の所管であろうかと思います。
#178
○浜田和幸君 そのお立場は分かるんですけれども、内閣を構成する閣僚の一人として、そういう、安倍総理も大変近い浜田宏一先生が、まだまだちょっと消費税増税に踏み込むのが早いんじゃないかと、アベノミクスの効果を確認してからということをおっしゃっているということは、かなり私は重い発言でないかと思うんですけれども、そのことについて、一閣僚としてはどういうお考えでしょうか。
#179
○国務大臣(稲田朋美君) 様々な経済状況を確認をした上で、消費税の増税を判断されることになろうかと思いますが、私の立場といたしましては、この法案をもって、消費税の円滑かつ適正な転嫁を確保することを目的とした法案の成立を急ぎたいと思っております。
#180
○浜田和幸君 法案を急がれるのはよく分かるんですけれども、やはり経済の実態ということを踏み外すと、こんなはずではなかった、想定外ということもあり得ると思うんですね。
 それと、ちょっと話題が変わりますけれども、稲田大臣、今身に付けておられるものをいろいろと拝見すると、とてもショッピング、お買物がお好きじゃないかと思うんですけれども、買物をされる際に例えばネット通販というものを利用されていることもあると思うんですが、その中で、例えば海外からネットを通じて買物をされるというようなことは経験されたことがありますか。
#181
○国務大臣(稲田朋美君) ありません。
#182
○浜田和幸君 日本の国内でいろんな買物をする、消費税が掛かるというのはこれはよく分かるんですけれども、今世界はどんどんグローバル化していますよね。ネットを通じて様々な、ハードもソフトも簡単に買える、そういう今状況にあるわけです。大臣はまだそういうネットを通じた海外からの、例えばeBayとかアマゾンを使って買物されてないかも分かりませんが、そういうことを使っている日本の消費者もたくさんいるんですね。
 そういう人たちが例えばネットを使って海外から物を買ったとき、それは消費税が発生するんですか、発生しないんですか。
#183
○国務大臣(稲田朋美君) ネットで買物したことがなくて申し訳ないんですが、消費税が掛かるかどうかは承知をいたしておりません。税制担当部局で適切に対応されているものと思います。
#184
○浜田和幸君 いや、これは実は海外で、そういうネットを通じて日本で買物をするときには消費税が掛かりません。ということは、同じものを日本で買えば消費税が掛かるのに、海外のサーバー、海外のネットのサイトから買う場合には消費税は掛からない。
 これは、消費税という観点でいくと、同じ日本人が買物をするときにちょっと公平さを欠くという意味で、言葉は悪いですけれども、この消費税、今の増税の抜け道ということとしてとらえる必要があるんではないでしょうか。
#185
○国務大臣(稲田朋美君) 繰り返しになりますけれども、所管外でございますので、答弁は差し控えたいと思います。
#186
○浜田和幸君 所管外とおっしゃいましたけれども、これから大きな課題というか問題になる可能性が私はあると思います。
 例えば、今TPPの交渉が盛んに進みつつあります。要するに税金というか関税をゼロにするということですよね。そういう観点からいっても、もう日本の市場がどんどん開放していく、そういう流れにあるわけですから、そういったときに、消費税一つを取っても日本の国内で物を売ったり買ったりするときの税金が掛かるのに、海外のネット上で売ったり買ったりするときにはそれは掛からないというのは、私は何らかの対策を講じておく必要があると思うので、是非今後の検討の課題として念頭に入れていただきたいと思います。
#187
○国務大臣(稲田朋美君) 今委員が御指摘になったことは大変参考になりますが、私の所管はこの転嫁法案についての審議をお願いしているところでございます。
#188
○浜田和幸君 それで、国内のいろいろな表示の方法について議論がありましたよね、値下げセールについての表記の方法。それでこれは、いろいろと今日の議論を聞いていますと、この基準をどこに設けるか、消費税という言葉が入っていなければオーケーだけれどもそれが入っていると駄目だとか、かなり個別の日本の企業、特に中小企業の経営者の言ってみれば経済行動を統制するような、コントロールするような面もありますよね。
 今度の参考人として呼ばれているチェーンストア協会の清水会長は、御自分の発言の中で、やはりもう少し企業の側の良識に任せるべきであって、こういう表現はパス、こういう表現は監視の対象になってそれは取り締まるべきだというのは統制経済に近いんじゃないかという、そういう危険性について言及されているんですが、そのことについてはいかがでしょうか。
#189
○国務大臣(稲田朋美君) そういう意味からも、この法案の十四条に書かれております消費税の意義、そして転嫁の必要性については広く広報をなすべきだと思います。その上で、消費税の引上げに際し、取引上の立場の弱い中小事業者は転嫁拒否等の行為を受けやすく、消費税を価格に転嫁しにくいという状況にあり、このような状況を放置することが公正かつ自由な取引を阻害するということになるのではないかと思います。
#190
○浜田和幸君 今のお話も分かるんですけれども、やっぱり企業も輸出によって大きな利益を上げている、例えばトヨタ自動車ですとかパナソニックですとか、もう史上空前の利益を上げています。そういう輸出に依存している大企業が、じゃ、どれだけ消費税を海外に対する輸出に対して払っているのか払っていないのか。その辺り、トヨタ自動車の場合ですけれども、例えばどれくらいの、海外で上げた利益に対して国庫に対して消費税を払っているかどうか、御存じですか。
#191
○国務大臣(稲田朋美君) 承知いたしておりません。
#192
○浜田和幸君 トヨタ自動車の場合、例えば輸出で何千億と利益を上げていますが、この輸出で上げた利益に関しては消費税が発生していない、それどころか還付を得ているんですよね。そういう意味でも、先ほど消費税が極めてあまねく公平な税で、それで今の日本の社会保障を支えるという意味で一番公平な手段だということをおっしゃいましたけれども、一つ一つ実態を見てみると、必ずしも大企業にとっては有利だけれども中小企業にとっては有利でないという現状もあるので、その辺りの問題もしっかり受け止めていただければと思いますが、いかがでしょうか。
#193
○国務大臣(稲田朋美君) ただ、私は、やはり社会保障を支える意味において消費税は重要な税であって、意義があるというふうに思っております。
#194
○浜田和幸君 いや、私もそこには異論はないんですけれども、その消費税をきちんと公平に負担するということが国民全体が納得しないと、何で大企業は消費税払わないどころか年間数千億円も還付金をもらっている、おかしいんじゃないかという議論につながりかねない、そういう点を私は危惧しているわけでありまして、また、海外にやっぱり進出した方が有利だということになると、日本の中小企業だってどんどん途上国に出ていってしまって、日本の国内で消費税なんかはもう関係ないという状況に行きかねない。もしTPP等が実際に実現すれば、そういう海外から日本に進出しようと思っている企業も、何だ、そういう不公平な税制があるようなところにはもう行かないで、もっと違う国々の方に行こうじゃないかとなって日本を素通りしてしまう。そういうことも私なんかは危惧をするんですけれども。
 そういうTPPとの関連で、今回の消費税の増税、これについて稲田大臣、TPPについてもいろいろとこれまで発言されてきていると思うんですけれども、消費税の増税の関連で、TPPの交渉が進んだときに、それが日本の国益にとってどのような影響を及ぼすのか。本当に日本は世界と同じような公平な競争のルールにのっとっているのかどうか。そういう批判が出てきた場合にどういうような対応で臨まれるのか、お考えをお聞かせいただければと思います。
#195
○国務大臣(稲田朋美君) TPPについても私の所管外でありますので、今の質問についてはお答えを差し控えさせていただきます。
#196
○浜田和幸君 それでは、消費税の増税ということが日本の社会保障、これのために必要だということは私もよく理解しています。しっかりとその消費税が実現できるような、そういう観点から申しますと、やっぱり日本で事業営んでいるのは別に日本の企業だけでないわけであって、海外の企業や海外の人たちも日本で様々な事業に従事しています。そういう人たちが日本できちんとした商業活動を行って税金を払う、それが公平に使われるということであれば問題ないと思うんですが、今私が申しましたように、一部の特定の企業にとっては大変優遇措置があるのに、そうじゃない中小の企業にとっては大変厳しいというような、消費税の取られ方について、払われ方について格差、不公平があるときには、そういう問題が一種日本に対する批判という面で跳ね返ってくる。国際社会の一員として、日本の国内の税というものに対してやはり批判的な目が注がれることになれば、日本自体の評判、日本の評価というものが変わってくると思うんですね。また、実際にこの消費税が導入されるかどうかということは、アベノミクスとの関連で、海外の投資家や海外の企業も注目している。とても日本だけの課題ではないと思うんですよね。
 そういった意味で、海外の投資家や企業に対して、今ここで行われている議論、これは消費税の増税が日本経済にどういうような影響を及ぼすのか、そのことのやはり対外的な広報も必要だと思うんですね。国内で一般の消費者に対して、あるいは企業に対して丁寧な説明をすると同時に、この今の消費税の増税がどのような影響を海外に及ぼすのかということに関してもきっちりとした広報が必要だと思うんですが、その必要性についてはどうお考えなのか、またその必要性をお考えになっているとすると、どのような広報活動をこれから考えようとしているのか、その点についてお考えをお聞かせください。
#197
○国務大臣(稲田朋美君) 私が所管をいたしております本法案は、消費税が増税されたときに消費税の円滑かつ適正な転嫁を確保することを目的としている法案を担当といたしております。その意味においての答弁以外のことについては差し控えさせていただきます。
#198
○浜田和幸君 伊東政務官にも、財務省としてのお考えがあろうかと思います。御所見を聞かせていただけますか。
#199
○大臣政務官(伊東良孝君) 先ほど浜田先生から、ネットで海外から物を買えば消費税が掛からないというお話ございました。これは、海外からお土産を買ってきたり、あるいは少し並行輸入というか、個人の私物を輸入したりする場合などがありますけれども、これおおむね三十万円までは極めて低い関税率、消費税は掛かりません。しかし、三十万円以上になりますと、バッグでもワインでも何でも、必ず消費税、国内消費税は、これは申告しなければなりませんので、きちっと掛かるということになっておりますので、まずその点、ひとつ御理解いただきたいと思います。
 それから、消費税につきまして、先生の持論、よく分かるところでありますけれども、稲田大臣お答えのように、私は直間比率の見直しというのは昔からこれは大事なことだと、こう思っておりました。一億二千六百万の国民のうち所得税を払われている方は恐らく五千万人切るぐらいではないかと、こう思っております。そうしますと、その納税者たる所得税を払っている年代層がどんどんどんどんこれから減り続けるという観点の中でこの国の経済あるいは財政を維持するためには、あまねく広く、使った分に応じて納税するという消費税というのは、私はやっぱり一面、公平性という観点からは妥当ではないかと、このように思っているところでもございまして、ヨーロッパの二五%などというのが随分よく喧伝されるところでありますけれども、日本はそれから比べるとはるかに低い税率であるというところから、是非、消費税の一定程度の増税によりまして、環境が整った段階での増税につきましては御理解を是非いただきたいというふうに思うところでございます。
#200
○委員長(増子輝彦君) 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
#201
○委員長(増子輝彦君) 速記を起こしてください。
#202
○浜田和幸君 ありがとうございました。
 伊東政務官おっしゃる、例えば海外からハンドバッグだとか、そういうものを買って並行輸入をしたときに税金が掛かる、それは私も承知しています。
 私が問題にしているのは、例えばゲームのソフトですとか、例えば電子書籍、e―ブックですとか、そういうものを海外から購入するときには全く消費税なんか掛からない、存在しない世界があって、それはもうどんどん広がりつつあるという現実がありますから、そういう状況もやはりある程度踏まえておかないと本当に消費税の公平な取扱いにはならないんじゃないかという点を大変危惧している。ですから、そういう点でもやはり日本のこれからの商取引の在り方にネットのもたらす影響というのはとても大きいものがあると思いますので、そういう観点でいくと日本の企業はどんどん日本から出ていってしまう。結局、消費税なんかも税収増につながらないということにもなって、結局本来の目的の社会保障に必要な財源が十分確保できないという可能性もあるので、その辺りに対するちゃんとした歯止めというか対策も是非考えていただきたいという趣旨であります。
 以上です。ありがとうございました。
#203
○委員長(増子輝彦君) 本日の質疑はこの程度にとどめます。
    ─────────────
#204
○委員長(増子輝彦君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 消費税の円滑かつ適正な転嫁の確保のための消費税の転嫁を阻害する行為の是正等に関する特別措置法案の審査のため、来る三十日午前十時に参考人の出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#205
○委員長(増子輝彦君) 異議ないと認めます。
 なお、その人選等につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#206
○委員長(増子輝彦君) 異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後四時四十九分散会
ソース: 国立国会図書館
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