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2013/05/21 第183回国会 参議院 参議院会議録情報 第183回国会 厚生労働委員会 第7号
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2013/05/21 第183回国会 参議院

参議院会議録情報 第183回国会 厚生労働委員会 第7号

#1
第183回国会 厚生労働委員会 第7号
平成二十五年五月二十一日(火曜日)
   午前十時二分開会
    ─────────────
   委員の異動
 五月十六日
    辞任         補欠選任
     石橋 通宏君     吉川 沙織君
     那谷屋正義君     牧山ひろえ君
     藤原 正司君     梅村  聡君
     岩井 茂樹君     石井みどり君
     関口 昌一君     高階恵美子君
     渡辺 猛之君    三原じゅん子君
 五月十七日
    辞任         補欠選任
     吉川 沙織君     石橋 通宏君
 五月二十日
    辞任         補欠選任
     石橋 通宏君     岡崎トミ子君
 五月二十一日
    辞任         補欠選任
     大久保潔重君     小川 敏夫君
     岡崎トミ子君     石橋 通宏君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         武内 則男君
    理 事
                足立 信也君
                津田弥太郎君
                赤石 清美君
                中村 博彦君
                渡辺 孝男君
    委 員
                石橋 通宏君
                小川 敏夫君
                小西 洋之君
                小林 正夫君
                櫻井  充君
                牧山ひろえ君
                石井みどり君
                大家 敏志君
                高階恵美子君
                武見 敬三君
                藤井 基之君
                丸川 珠代君
               三原じゅん子君
                川田 龍平君
                行田 邦子君
                田村 智子君
                福島みずほ君
   国務大臣
       厚生労働大臣   田村 憲久君
   副大臣
       厚生労働副大臣  桝屋 敬悟君
       厚生労働副大臣  秋葉 賢也君
   大臣政務官
       厚生労働大臣政
       務官    とかしき なおみ君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        松田 茂敬君
   政府参考人
       総務省自治行政
       局公務員部長   三輪 和夫君
       財務省主計局次
       長        岡本 薫明君
       文部科学大臣官
       房審議官     菱山  豊君
       厚生労働大臣官
       房年金管理審議
       官        高倉 信行君
       厚生労働省医政
       局長       原  徳壽君
       厚生労働省健康
       局長       矢島 鉄也君
       厚生労働省労働
       基準局労災補償
       部長       中沖  剛君
       厚生労働省雇用
       均等・児童家庭
       局長       石井 淳子君
       厚生労働省保険
       局長       木倉 敬之君
       厚生労働省政策
       統括官      唐澤  剛君
       環境省総合環境
       政策局環境保健
       部長       佐藤 敏信君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○健康保険法等の一部を改正する法律案(内閣提
 出、衆議院送付)
    ─────────────
#2
○委員長(武内則男君) ただいまから厚生労働委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日までに、藤原正司君、那谷屋正義君、岩井茂樹君、関口昌一君、渡辺猛之君及び石橋通宏君が委員を辞任され、その補欠として梅村聡君、牧山ひろえ君、石井みどり君、高階恵美子君、三原じゅん子君及び岡崎トミ子君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(武内則男君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 健康保険法等の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、厚生労働省保険局長木倉敬之君外十名の政府参考人の出席を求め、その説明を聴取したいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(武内則男君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(武内則男君) 健康保険法等の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#6
○津田弥太郎君 民主党の津田弥太郎です。
 最初に、田村大臣を始め厚労省の皆さん、本日の案件がなぜ戦妻ではなく健康保険になっているのかという意味を十分に理解をしていただきたいと思います。
 その上で質問に入らせていただきますが、この健康保険、これ守るべき究極は命であるということ、これはもう間違いないわけであります。その関連で、ちょっと冒頭、自殺対策について、特に自殺未遂者の支援の問題であります。
 新しい自殺総合対策大綱において、自殺未遂者への支援の強化をしっかりと明記をすることができたわけでございます。しかし、残念ながら、閣議決定九か月経過後の現在においても、全国的な取組はまだまだ不十分な状況でございます。自殺を試みた人が一命を取り留めて救急車で病院に運ばれた場合、けがの治療とか胃の洗浄、こういうのはやるわけでございます、いわゆる外科的な治療。その後、退院させられてしまうわけでございます。つまり、心のケアとかその人が抱えていた、例えば借金だとか、そういう根本的な自殺未遂に至った原因、これらを解決しようという取組はされておりません。
 ところが、この自殺を試みた人からすると、未遂というのは失敗なんですね、未遂というのは失敗。したがって、今度こそ成功させようということで、より確実な方法で自殺を試み、亡くなってしまうということが起きているわけでございます。内閣府と警察庁が発表している資料で、調べが付いた範囲において、何と自殺者の四人に一人が過去に自殺未遂歴があることが分かっております。
 この自殺対策というとあらゆる省庁にまたがる問題であるわけでございますが、この自殺未遂者への対応をしっかりと行うならば、更に確実に目に見える形で減らすことができる、恐らく年間でいえば数千人単位で減少するんではないかと私は思うわけでございます。実際に、東京都の荒川区では、二年前から行政と病院とNPOが連携をして自殺未遂者支援に取り組むようになり、大きな成果を上げているというふうに聞いているわけでございます。
 田村大臣、この荒川区の場合、支援につながった自殺未遂者の中で不幸にして再度自殺を試みて亡くなった方というのはどのぐらいいらっしゃるんでしょうか。
#7
○国務大臣(田村憲久君) 今委員おっしゃられました荒川区での取組、平成二十二年度から、救命救急センター等々で自殺未遂等々担ぎ込まれた場合に関しまして、一つは、精神科医の先生方それからケースワーカーの方々、協力しながらいろいろな対応をしていくわけでありまして、地域の保健師の方々としっかりと連携を取りながら対応していくと。これは、その後退院された後も、しっかりとその後のフォローもやっておられるということでございまして、大変なこれは取組だというふうに思っております。
 今お聞きになられた点でありますけれども、平成二十四年三月時点でございますが、荒川区自殺未遂者調査研究事業報告書、これによりますと、区が自殺未遂を把握した人数三十二人のうち継続的な支援ができた対象者は二十三人であり、うち十九人は自殺を再企図していないと報告されております。その後、何人がされたかというのはちょっとこの中には書かれておられませんが、今申し上げましたとおり、二十三人中十九人は自殺に対して再びそのような行動を行っていないということでございます。残りの方は不明でございます。
#8
○津田弥太郎君 不明の方も含めて、再度自殺に至った方はいないという認識でございます。つまり、この取組は大変成功しているということでございます。この関係者が連携して包括的な生きる支援を継続的に行えば、一度自殺を試みた人でも、今度は自殺ではなく生きる道を選ぼうとする、そうした事実に私は大変この取組の意義を感じるわけでございます。この荒川区を始め、石川県、秋田市、大阪の堺市など、少数の自治体で行われている取組を全国に広げていくことが極めて重要であるというふうに思うわけでございます。
 つまり、自殺未遂者がどの自治体から何人どの病院に救急搬送されているのか、まあ個人情報の保護の問題はあるわけでございますけれども、その情報を関係者が共有することがこれ大変重要であります。この取組を行う上で、病院側からのデータ提供が必要になりますし、そもそも、自殺未遂者からの支援のための情報共有についての了解を取ってもらうのも搬送先の病院の役割になるということでございます。救急搬送された医療機関が自殺未遂者の居住する地域とは限らない、これ、もう当然そういうこともあり得るわけで、行政区分を超えた支援体制が求められることになるわけで、そうなると、やはり厚生労働省の役割というのは大変私は大きい。
 で、恐らく救急搬送に関するデータというのは総務省の所管ではないかと思いますので、総務省にも協力を要請し、国民の命を守る観点から自殺未遂者への支援の全国展開を行っていただきたいと思いますが、いかがでしょう。
#9
○国務大臣(田村憲久君) 今委員おっしゃられましたとおり、この方法というのは一定の効果といいますか大きな効果があるわけでありまして、やはり医療機関と行政とそれから地域の保健師さん等々がしっかりと連携をしながら、自殺、再度試みないような、そういう取組をやっていくということは大変大きな意味があるというふうに思います。
 一方で、やはりマンパワーをしっかりと確保していかなければならないわけでありまして、この荒川区のように地域挙げて対応されるところはそういう準備をなされて対応してきたわけでありますけれども、こういういい事例がありますよと言っても、それぞれ地域においてそれだけの人材がそろわないとなかなかここまできめ細かくは対応ができないわけであります。
 そういう問題も把握しながら、一方で、例えば救命救急センター、精神科医の配置等々には補助金を出したりでありますとか、さらには診療報酬でもしっかり見ていくような取組はいたしておりますけれども、他の部分も含めて、現在、救急医療体制のあり方に関する検討会というものを立ち上げました。この中には緊急性の高い身体合併症がある精神疾患を持つ患者の方々の受入れ構築等々も入っておりますが、あわせて、もちろん精神科医の先生方、専門家にも入っていただきながら、この自殺等々も含めていろんな議論をしていただくものというふうに思っております。
 全国展開、どのような形で課題があるか、しっかり議論をする中において、自殺防止という観点から体制が組めるように我々もしっかり努力してまいりたいと、このように思っております。
#10
○津田弥太郎君 自殺対策の中で厚労省が所管をする、関係する部分として、この就職活動の結果として自殺をされる学生さんが、数的にはえらい多いわけじゃありませんが、年々増えております。
 警察庁、内閣府の調査によりますと、就職失敗が原因、動機となっていた学生、生徒等の自殺者数が平成十九年の十六名から平成二十四年には五十四名、あるいは、学生だけではなくて、就職失敗が原因、動機となって自殺をされた二十代の数が平成十九年の六十名から平成二十四年の百四十九名というふうに、昨年は自殺者数が三万人を切ったわけですが、二十代の方は逆に増えている。特に、この中で、就職活動の失敗による自殺という問題をどういうふうに見るかという課題でございます。
 御案内のように、採用活動の解禁時期を繰り上げるという取組がされております。私はそのことについては否定するものではないわけですが、しかし、実際に学生の期待するような形ではなくて、セミナーというような名前で実際には面接をやったり、あるいはリクルーター制ということで、先輩が後輩のところに来て、おまえ、俺のところに来いという形で、実質そういう引き抜きみたいなことをやって、もう既に実際は決まっていると。しかし、学生はそのことを知らないから応募をすると、間に合っているという形で、何でそうなのというのが実際は分からない。何で私は否定されたんだろうというような形でこうなってくる。
 やはりこの就活というのは学生にとっては社会人の登竜門のところでございますので、その辺については、やっぱり大臣におかれては、閣僚懇などの場も含めて文科大臣や経産大臣あるいは各業界の所管大臣などにもしっかり話をしていただきたいなと思うんですが、いかがでしょう。
#11
○国務大臣(田村憲久君) 今、若年層の自殺は増えてきておる。特に、委員おっしゃられましたとおり、この就職というものに失敗をして自殺をされる学生さん、これ警察庁の自殺統計でありますけれども、二〇〇七年十六人から二〇一二年五十四人に増えておると、こういう現状があるわけでございまして、特に我々が就職したころと比べるとこの就職の方法が大きく変わって、エントリーシートなるものを提出する中において、どこでどのようにこの基準が決まっておるのかなかなか分からないというようなお声。実は岐阜県にこの週末行ってきまして、実は車座ふるさとトークというような、安倍内閣の中で各地域、現場に行っていろんな声を聞いてこいということで行ってきたわけでありますが、ここで今就職をされている学生さんからもいろんなお声をお聞きしました。
 やはり幾つもこの就職に失敗してくると、だんだんだんだん自信を失ってくると。その中において、何が基準で自分が認められなかったのか、就職につながらなかったのか、基準がよく分からない、理由がよく分からないと、このようなお声もあったわけでございまして、そのような意味からいたしますと、今委員がおっしゃられましたように、どういう基準で採用をするのかというようなこと、ある程度の条件というものが明確に分かってくれば、学生も、なぜ自分が落ちたか、それが分かるわけでありまして、何が何だか分からない中で自分が人格否定をされたような、そのような中においてどんどんどんどん自分をふさぎ込んでしまうというような中において、最終的には自殺に至ってしまうなんというような不幸なことが起こらないように、しっかりとこの点は我々も各企業に情報提供というものを周知徹底を図ってまいりたいというふうに思っております。
 そのときに、いろいろと今回の就職活動の後への、後倒しといいますか、これに関しましても、こういうところにも問題があるねというようなお声もいただいてまいりました。そういう声も含めまして、文科大臣にもしっかりとお伝えをさせていただきたい、このように思っております。
#12
○津田弥太郎君 しっかりお願いします。
 本題の健保法の改正に入らせていただきます。
 はっきり言って、私どもが政権に就いたときも含めて、結果としてこの暫定措置を続けているわけでございます。抜本的な状況改善ができなかったということは、私自身も含めてじくじたる思いでございます。
 最初の質問でございますが、この三年間、協会けんぽ、それから組合健保、それを取り巻く状況変化としてどのようなものがあったか、財政状況を中心に、簡潔に大臣から概要を御説明ください。
#13
○国務大臣(田村憲久君) 平成二十二年度から二十四年度までの協会けんぽの財政状況でありますけれども、約三千億円のこれ累積赤字、これを解消するために、保険料率でありますが、八・二%から一〇%まで大幅に引き上げられるという状況になってまいってきております。リーマン・ショック等々の影響もかなり出てきたというふうに思っておるわけでございますけれども、この中におきまして、この一〇%を何とか維持をという形の中で今般この法律案を提出をさせていただいたわけでありますけれども、依然として財政状況厳しい状況であります。
 一方、健保組合の方でありますけれども、こちらも二十二年度から二十四年度、保険料率が平均で上がってきておりまして、七・七%から八・三%という状況であります。ちなみに、二十四年度は五千八百三十六億円の全体での赤が付いておりまして、約八割からの組合が赤字になっておると、こういうような状況でございます。
#14
○津田弥太郎君 三年前の本委員会で、附帯決議が三項目付されたわけでございます。私自身も非常に思い入れが深いわけでございます。大臣の答弁も踏まえますと、この附帯決議の内容というのは現在もなお重要性を有しているというふうに考えております。
 まず一つ目の項目、平成二十四年度までの高齢者医療の拠出金負担の財政支援の充実でございます。この項目はこの三年間非常に大きな意味を持ったのではないかと私は考えているわけですが、政府の取組の概要及び現時点における同様の内容の措置の必要性についてお答えをください。
#15
○国務大臣(田村憲久君) 今委員おっしゃられましたのは、高齢者医療運営円滑化等の補助金であろうというふうに思うわけでありますけれども、これ、三分の一総報酬割を導入したときに、財政状況非常に厳しいところに勘案してこのような形での補助制度というものをつくったわけでありまして、平成二十二年は以前の金額倍増いたしまして三百二十二億円、これを確保したところであります。その後、二十三年、二十四年と、いろんな事情もあったわけでありますが、何とか三百億円を超えるそのような状況を維持してきたわけでありますが、二十五年度予算に関しましては、これも委員も御承知のとおりであろうと思いますけれども、一割のカットということが全体でありまして、そのような意味からいたしまして、あの一割予算カットの中で二百七十三億円というふうな形で、若干なりとも財源が少なくなった、財源といいますか、補助が少なくなったというわけであります。
 なお、その代わりにと言ってはなんなんですけれども、二十四年度補正予算におきまして、ITのネットワーク基盤システム機器等の更新ということでございまして、機器の更改ということでございまして、八十億円、これは別途、この金額ではありませんけれども、この補助ではありませんけれども、そのようなものに関しましてはお手伝いをさせていただいたということではございますが、いずれにいたしましても、若干なりともスタート時よりかは補助金額というものが削られてきておるというような状況でございます。
#16
○津田弥太郎君 続きまして、二つ目の項目、すなわち国保の広域化、財政支援についてであります。
 今回の法案に国保法の改正は盛り込まれていないわけですが、平成二十七年度からの都道府県単位の共同事業の拡大の円滑な実施など重要な論点がありますので、同様の質問をいたします。秋葉副大臣、いかがですか。
#17
○副大臣(秋葉賢也君) 平成二十四年の国保法の一部改正案におきましては、低所得者数に応じました財政支援等を恒久化するとともに、都道府県内の全市町村が医療費を共同して負担する共同事業も拡大をしてきたところでございます。国保の財政運営の都道府県単位化を推進してきているところでございまして、平成二十七年度に向けて、改正法の円滑な施行に向けて積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
 また、社会保障・税の一体改革におきましても、市町村国保に公費を追加投入し、低所得者に対する財政支援を強化することとしておりまして、早期の実施に努めてまいりたいと考えております。
 市町村国保の構造的な問題への対応や国保の広域化につきましても、今後、全国知事会を始め地方団体の意見も十分聞きながら、また今、社会保障制度国民会議の論点整理の中でもそうした方向性もいろいろと論じられているところでございまして、こうした御意見を種々十分承りながら検討してまいりたいと考えております。
#18
○津田弥太郎君 検討というのはいい言葉ですけれども、本当にしっかり進めていただきたいと思います。
 最後に、三つ目の項目、高齢者医療の保険者間調整の再構築と公費負担の充実が三つ目の附帯決議でございました。これ大変重要でありますが、秋葉副大臣、いかがですか。
#19
○副大臣(秋葉賢也君) 我が国の医療保険制度におきましては、比較的所得が高くて医療費の低い現役世代は被用者保険に多く加入する一方で、退職して所得が下がり医療費が高くなる高齢期になりますと国保に加入するといった構造的な問題が御案内のとおりございます。このため、高齢者の医療を社会全体で支える観点から、七十五歳以上の高齢者につきましては現役世代からの支援金と公費で約九割を賄ってきているところでございまして、六十五歳から七十四歳の高齢者につきましても被用者保険と国保の間で保険者間の財政調整を行うといった仕組みを今日まで取ってきているところでございます。
 高齢者医療制度の費用負担の在り方につきましては、これまでも医療保険部会等で関係者に御議論をいただいてきたところでございますけれども、高齢化に伴い医療費が増加する中で、被用者保険側からこれ以上の負担増は限界に来ているといった意見も出されているところでございまして、現在、国民会議におきましては医療保険制度の財政基盤の安定化や保険料に係る負担の公平の確保等を御議論いただいておるところでございまして、高齢者医療を支える仕組みの在り方についてもこうした議論をしっかりと踏まえて前向きに検討してまいりたいと考えております。
#20
○津田弥太郎君 今回の法改正の柱は、協会けんぽに対する平成二十二年度から平成二十四年度までの財政支援措置を特例的に二年間延長する、これが肝でございます。
 短期的にはこの法律における対応になるわけですが、はっきり言って、協会けんぽが二年たったらじゃえらい変わるかといったら、まあまずそういう想定はしにくいわけで、劇的にその財政状況が改善するとはとても思えないわけでございます。
 この特例措置が終了した後、協会けんぽに対する国庫補助についてどう考えていくか、これ大変重要な点でございます。田村大臣、いかがですか。
#21
○国務大臣(田村憲久君) 今般提出させていただいている法律案でございますけれども、もう委員御承知のとおり、一三%の国庫負担を一六・四%、それから総報酬割三分の一、これを導入ということでありますが、一三%から一六・四%に国庫負担を引き上げるといいますか、これ元々本則が一六・四から二〇でありますから、そういう意味では最低限のところにもう戻すと言っていいのかも分かりませんが、これで約二千億掛かるわけであります。一方で、総報酬割三分の一導入で一千百億円、これは国庫負担部分が浮いてくるといいますか助かるわけでありますが、九百億円足りませんから、これを何とか財源を捻出いたしまして、全体として協会けんぽの支援という形になったわけでございますが、このまま続けましても、今のところ予想は二十七年度からは一〇・六%、二十八年度一〇・九%と予測されるわけであります。
 もちろん、経済政策うまくいって所得が増えてくれば標準報酬月額が上がってくるわけでありまして、そうなれば若干なりとも保険料収入が増えてくるということで財政的な健全化というものが一定程度は見込まれるのかも分かりませんが、なかなかそうはいっても劇的な改善ができないわけでありまして、そう考えますと、これからの国庫補助どうするんだという議論はしっかりと考えていかなければならないというふうに思っております。
 いずれにいたしましても、これは三党協議、それから国民会議、こういうところの御議論をしっかりといただかないことにはなかなか結論出てこないわけでございますし、消費税の使い道という議論にもなってこようというふうに思います。それぞれ各般の御議論をいただく中において、これから検討を進めてまいりたいというふうに思っております。
#22
○津田弥太郎君 その三党協議とか国民会議が余りしっかり行われていないという情報を得ておるわけでございまして、厚生労働省としても、しっかり与党に対して、しっかり議論してくれということで進めていただきたいと思います。
 さて、とかしき政務官にお聞きしたいと思います。
 恐らく政務官室には被用者保険の代表者の方々がいろいろ陳情に見えているんではないかというふうに思うわけでございます。つまり、被保険者、被用者保険の保険者、この全国健康保険協会あるいは健保連、これらの皆さんが今回の法改正に対してどのような評価をされているのか、理解を得て賛成しているのか、理解を得られずに反対しているのか、端的にお答えください。
#23
○大臣政務官(とかしきなおみ君) お答えさせていただきます。
 こちらの方にもいろんな御意見の方、ちょうだいしております。まず、協会けんぽの方でございますけれども、国庫補助率の割合を二〇%に引き上げるべきであると、そして少なくとも協会けんぽの保険料率は平成二十四年度に据え置くべきであるということで、今回の法律案をなるべく早期に成立させてほしいというスタンスであると、このように承知しております。
 これに対しまして健保連の方はどうかということでございますけれども、後期高齢者支援金の総報酬割の延長は健保組合に国の財政負担を肩代わりさせるにすぎないということで反対のスタンスであるというふうに伺っております。
 このほかにいただいている御意見といたしましては、健保連の方、積立金を活用して、当面は、来年度の二年から三年ぐらいは協会けんぽの料率を一〇%で抑えるような形を考えていってはどうかとか、国民会議における高齢者医療制度の議論の中で前期の負担構造にメスを入れるべきとか、こういった御意見もちょうだいしております。
 以上です。
#24
○津田弥太郎君 現政権としていろいろ努力をされているとは思うんですが、しかし健保連が法案に対して賛成をしていただけない、いただけていないということ、そのことは非常に重く受け止めるべきであります。
 この健保連が公表した資料を見ますと、平成二十三年度において協会けんぽの平均保険料率である九・五〇%を超える保険料率の組合が百五組合ございます。これは当該健保組合の被保険者である労働者の立場でいうと、果たして組合健保の意味があるのかということになりかねないわけであります。先ほど田村大臣がおっしゃったように、全組合の約八割が赤字、赤字総額が四千三百六十三億。この赤字額は、先月に健保連がまとめた二〇一三年度の予算ベースですと、更に四千五百七十三億円に拡大する見込みだということでございます。
 しかし、だからといって、じゃ解散するという手があるのか、あるいはすればいいのかという話もあるわけでございます。この一年間で解散した組合が七つ、合併消滅した組合も十二組合あるようでございます。しかし、厚生労働行政の立場において、これ以上健保組合の窮状を放置をするということは私は許されないと思います。
 歴史的な経過でいうと、何とまあ生まれるはるか前の話ですが、大正十一年に現行の健康保険法が制定をされた際、健康保険組合の強制設立の規定が盛り込まれたということでございます。なぜそうなったかというと、健康保険事業の経営は政府で行うよりも自治的組合で行った方が理想的であることは欧州諸国の先例に照らして明らかであるから、被保険者五百人以上を使用するような大規模な工場や鉱山には主務大臣がその設立を事業主に強制し得ることになっているということであります。
 この法案要綱に関する当時の政府委員の説明では、健康保険は、仮病、仮の病、仮病取締りの目的を達し、その他の運用の実績を上げるため、自治組合に担当させるのが一番良いことは先進国の立法例でもほとんど一致しているし、西欧の学者の意見も同様であるという説明をいたしているわけでございます。
 実際にこの強制設立の事例というのは何か非常に少ないということでございますし、この被保険者の人数基準を定める政令は現在作られていないということでございます。そういう事情があったとしても、現行の健康保険法でもこの強制設立の規定そのものは依然として存続をしているわけでございます。
 厚生労働大臣は、事業主に対して健康保険組合の設立を命じることができる、これは第十四条。そして、事業主が正当な理由なしに従わない場合には、負担すべき保険料額の二倍に相当する金額以下の過料に処せられる、これは第二百十八条。これ、重い規定なんですね。すごい重い規定だと思います。余りそういうところを見ている人いないんですよね。
 それほどまでして健康保険組合を増やしていこうとした過去の経緯があるわけです。さらには、健康保険の原点が自治的組合である健康保険組合にあったなどという歴史的事実、これを踏まえると、健保組合についての今後の対応はしっかり考えていっていただきたいと思いますが、いかがでしょう。
#25
○国務大臣(田村憲久君) この被用者保険、いろんな御意見がそれぞれあります。政党の中でもいろんな御意見があります。自民党もそうであります。これ、保険者をもうそれこそ統合していった方がいいんじゃないかというような話もあれば、保険料率をもう協会けんぽと一緒にした方がいいんじゃないか、それはそれぞれ所得に応じてかなりの差がある、こういう中において不公平じゃないか、こういう御議論もあります。
 しかし一方で、今委員がおっしゃられましたとおり、そもそもじゃ健保組合って何なんだという議論もあるわけでございまして、これは労使協調の下に自主自立で運営をしていただくと。その中において、例えば保険料率も自ら決め、保険料もしっかりと徴収をしていただきながら、一方で保健事業、健康を保つ事業、これも頑張ってやっていただく、それによって医療費の適正化等々にも資していただいて全体としての医療費を抑えていただく、こういうような役割もあるわけであります。
 そういう意味からいたしますと、私は、健保組合の役割というものは大変大きなものがあるというふうに認識をいたしておりますし、事実、特定健診、特定保健指導の実施率を見ておりますと、特定健診が、健保組合は六九・七%実施しておるのに対して協会けんぽは三七・四%、特定保健指導は、一七・一%に対して協会けんぽの方でございますが一一・三%と、やはりそれなりの効果も上げていただいております。もちろん、これは保険者と企業とが近しいということもあるんだと思いますけれども、しかし、そうやって実際問題いろんな意味で効果が上がっているというところは我々も評価をさせていただきますし、健保組合の中同士での財政調整といいますか助け合いもやっておられるわけでございますから、そこに関しても一定の評価をさせていただくわけでございまして、そのような意味からいたしまして、これからもこの健保組合に対して大きな期待を我々はさせていただいておるということでございます。
#26
○津田弥太郎君 よく分かりました。
 この健保組合の果たしている役割の中で最も重要だと思っているのはこの保険者機能であることは誰も疑う人はいないだろうというふうに思います。これにより医療費の適正化にも大変貢献をしているわけでございます。
 健保組合の場合も協会けんぽの場合も、従業員やその家族が健康でいる、心身ともベストで仕事をしやすくなる、当然企業の業績も上がるし、更に直接的な医療費の窓口負担も減る、これはいいことずくめであります。ここの先が違ってくるんです。健保組合の場合はそうしたことが保険料率に影響してくるわけでございます。事業主にも大きなインセンティブが働くわけであります。
 したがって、協会けんぽの方はどうかというと、適用事業所数が百六十万事業所でございますから、とてもとてもこれを一々チェックをしていくということは大変なことであります。これ、一支部当たり三万四千事業所ということでございます。これ、私、前の改正のときに、当時の長妻大臣に、支部長にもっとインセンティブを与えろと、保険者機能をより発揮させる取組をした支部長にはいい評価をする、そうじゃないのは悪い評価をすると聞いたら、ボーナスでやるって当時長妻さんは言っていたんですが、とかしき政務官、私は給料もやった方がいいと思うんですが、いかがですか。
#27
○大臣政務官(とかしきなおみ君) お答えさせていただきます。
 津田委員の方から平成二十二年の四月の二十七日に、当時の厚生労働大臣の長妻大臣の方に質問していただきました。
 今現状どうなっているかと申しますと、協会けんぽでは、平成二十年の十月の設立当時から、実績重視とそして能力本位の人事評価制度を導入しております。そして、支部長につきましては、レセプト点検の効果の額や、そして特定健診の受診率、そして保険者の機能の向上に対する支部の成績を考慮して実績評価を実施しております。そして、その結果を年に一回の昇給と二回のボーナスに反映させていただいております。ちょっと参考までに、支部長はこれ実績評価をさせていただいておりまして、一般職員はどうなっているかといいますと、一般職員は能力評価と実績評価と両方をさせていただいております。
 そして、その四十七名おります支部長の実績評価、これの状況はどうかということですが、平成二十二年の七月の昇給時から人事評価の結果を反映させており、例えば近々の平成二十四年度におきましては、これS、A、B、C、Dと五つの評価させていただいておりますが、Aが九人、Bが三十五人、Cが三人、一番上と一番下はゼロということになっているというふうに伺っております。
 ということで、こういった民間の効率的な運用方法を生かしながら保険者の機能を発揮していきたいと、このように考えております。
#28
○津田弥太郎君 よく分かりました。更に進めていただきたいと思います。
 さらに、インセンティブの問題では、事業主に対するインセンティブの問題を提起をしたいというふうに思います。
 事務方に健保組合に類似したインセンティブが協会けんぽでも考えられないかという話をしたんですが、何か難しいというような言い方をしているんですね。ただ、事業所ごとの平均医療費の算出というのは現在でも可能であるというふうに思います。企業の行った予防事業あるいは保健事業などと加入者の実際の医療費との因果関係に着目をして、直接間接にメリットを与える仕組みは検討できるんではないのかなというふうに考えるわけでございます。
 余りこれやり過ぎると労災隠しのような問題があり得るかもしれませんので丁寧な検討が必要だと思うんですが、将来的な課題として、大臣、いかがでしょう。
#29
○国務大臣(田村憲久君) その事業所数が大変多いものでありますから、なかなかインセンティブというのは難しいところがございます。今委員おっしゃられましたとおり、レセプトデータを使って医療費の分析、これをやったらどうだということでございますが、今、現状はまだそこまで至っておりません。ただ、これは大変重要な部分だというふうに認識はいたしております。
 現状は、安衛法等々で事業所内における健康診断等々をやったデータ自体が保険者に対して特定健診等々のデータとしてなかなか使われていないと。これはなぜかといいますと、これは事業主の方々も個人情報だというふうな認識をお持ちでございまして、本人に確認しないことにはなかなか出せないと思っておられるんです。そんなことは本来ないわけでございまして、出せるわけでございますが、そういうことも我々徹底をしていかなきゃならぬなというふうに思っておりますし、また、なかなか事業所内でやられておる健診等々のデータとそれぞれの保険者が持っておるデータの、何といいますか、連携というものが、そもそも違うような様式を使っておるものでありますからそのまま使えないというような問題もございまして、こういう点も解決をしていかなきゃならぬなというふうに思っておりますが、いずれにしても、事業所内でやっておる検査等々をやはり活用できるというふうにしますと特定健診の受診率も上がってくるわけでございますので、そのような試みはしてまいりたいなというふうに思っております。
 一方で、協会けんぽでは、各支部、今もお話ありましたけれども、支部の方ではパイロット事業をやっておりまして、これは特定健診のデータでありますとか、またレセプトのデータ、こういうものをうまく活用しながら重症化の予防をされるような事業、これをやっておるわけでございまして、そのような意味からいたしますと、これから事業所単位での医療費分析などを推進することについて、いろんなこれからの課題という意味では、そういうものを参考にさせていただきながら、今委員がおっしゃられておられたようなことがなるべく進んでいくような努力はさせていただきたいな、このように思っております。
#30
○津田弥太郎君 次に、今回の法案では、傷病手当金等の不正受給対策として、健保組合に比べ事業所との結び付きが弱い協会けんぽに対して、事業主への調査権限を付与することが盛り込まれたわけでございます。これ、少し遅過ぎたんじゃないかというふうに思うんですけれども、一方で、保険者が標準報酬月額の計算基礎を事案に応じて過去の一定期間の平均とすることができるような仕組みの創設については引き続いての検討課題となったというふうに承知をしております。
 秋葉副大臣にお聞きしたいんですが、この仕組み、私は大変重要だと、いい方法だと思うんです。ちょっとこれが何で盛り込まれなかったのかなという点が一点。それから二点目が、全国健康保険協会としてもこの仕組みの創設は求めているんですね。急激に給与が上がったりあるいは下がったりした直後の休業といった問題への対応として、私は、先ほど申し上げました過去の一定期間の平均というものを取るというのは非常にいいんではないかというふうに思うわけであります。次回の法改正論議において、勤労者を含む様々な立場でのメリット、デメリットを丁寧に検証して、仮に制度改正の合意が得られた場合も得られなかった場合も、その検討結果を詳細に公表していただきたいと思います。
 この二点、いかがでしょう。
#31
○副大臣(秋葉賢也君) この傷病手当金の不正対策につきましては、やはり以前から医療保険部会において議論されてまいりました。協会けんぽからの要望に対しまして、医療保険部会での議論を踏まえて事務局が整理した案として、御指摘の、支給請求前の一定期間における報酬の平均額を基準に支給額を算定するという案について提示しているところでございます。
 この提案に対しまして、一方では、不正請求防止の観点等から導入すべきとの意見がある一方で、過去の標準報酬のデータを用いて算出するための実務のコスト面や必要性が乏しいといった費用対効果に関する意見等もありまして、賛否が分かれているところでございます。本年一月の医療保険部会の議論の整理におきましては、そういった賛否両論あるということもございまして、引き続き検討すべき課題というふうに位置付けられてきたところでございます。
 また一方で、このメリット、デメリットについての御質問でございますけれども、今回の法案では、傷病手当金の不正受給対策といたしまして、現に詐欺事犯なども起きているわけでございますので、しっかり取り組んでいかなければいけないわけでございます。
 まずは、協会けんぽに事業主への立入調査権の付与を行うこととしたところでございますけれども、傷病手当金の不正受給対策につきましては更なる不正受給対策の検討を行うべきとの意見がございましたことから、メリット、デメリットございますけれども、御指摘の案も含めまして、引き続き医療保険部会におきまして前向きに検討してまいりたいと考えております。
#32
○津田弥太郎君 さて、今回の審議会で大きな検討項目になったのが高額療養費の見直しの問題でございます。医療の高度化により、がん患者など長期にわたって高額な医療を受ける方が増えている、これらの方の負担を軽減し、医療保険のセーフティーネット機能を強化するというのは、これはまさに喫緊の課題であります。昨年の総選挙においても、自民党、公明党のマニフェストにおいても、それぞれ高額療養費に関する患者負担の軽減策が盛り込まれているわけでございます。
 端的に秋葉副大臣にお聞きしたいんですが、この年間の負担上限額の設定など、高額療養費の改善の必要性そのものは審議会で共通認識となっていたのかどうか、仮になっていたとするならば、なぜ今回の法案に具体策が盛り込められなかったのか、理由は何なのでしょう。
#33
○副大臣(秋葉賢也君) この高額療養費の見直しにつきましては、年間で医療費の負担額に上限を設ける仕組みの導入ということで、昨年も医療保険部会を開催をいたしまして、関係者の中で議論をいただいたところでございます。
 改善の必要性についてはまさに異論がなかったわけでございますけれども、一方で、厳しい医療保険財政の中、必要となる保険料財源をどう確保するのか、また、必要となる保険料財源と比較してシステム改修費等が多額に上るために費用対効果が薄いのではないかといった意見がございまして、問題意識は共通しているんですけれども、実際、実行ということになったときには慎重な意見が多く出てまいるという状況がございまして、結果として導入を見送ることになったわけでございます。
 しかしながら、この高額療養費の見直しは大変重要な課題であると認識しておりまして、社会保障制度改革国民会議での議論も踏まえながら、財源の確保と併せまして前向きに検討してまいりたいと考えております。
#34
○津田弥太郎君 さて、実は、この高額療養費の問題に関して、安倍総理が議長を務める産業競争力会議において、三月二十九日に、テーマ別会合主査の名前でペーパーが出されているわけでございます。このペーパーの位置付けは、主査の責任の下、全民間議員の意見を極力取り入れ取りまとめたものであるというふうになっているわけです。
 ここで何が書いてあるかというと、一月当たりの窓口負担の上限額の比例増部分、現在一%でございます、これを引き上げることなどを検討するというふうに書いてあるわけであります。つまり、高額療養費の限度額の引上げを実は言っているわけであります。
 これちょっと、田村大臣も厚労省の皆さんも、当然そんなことは考えておられないというふうに思うわけでございますけれども、万が一、本委員会の議題となった場合も、与野党で一致結束してこれは反対していかなきゃいかぬというふうに私は信じているわけでございますけれども、やや衆議院の委員会議論を見ますと不安な点があります。
 日本維新の会に所属する議員が、この健保法改正に関してこのような質問をしました。私は、高額療養費制度はとても大事な制度であり、これを維持するためにも、風邪を引いたり節々が痛い、あるいは身体がだるい、こういう場合については自己負担、患者負担を引き上げていくべきではないかという、そういう意見を言われているわけでございます。これ、四月十九日の質疑、田村大臣、覚えていらっしゃると思うんですが、もう信じられないような質問なんですが、これに対してどういう答弁をされましたか。
#35
○国務大臣(田村憲久君) いろんな御意見があると思います。高額療養費と自己負担とまた若干違う部分もあるんだとは思いますけれども、高額療養費があるから自己負担を増やしても高額療養の範囲にはまるんではないかというような思いでおっしゃられたのかも分かりません。
 ただ一方で、例えば風邪でありますとか、風邪の症状は様々あるわけでありますが、そういうものに対して自己負担を引き上げるということになりますと、当然受診抑制が掛かるおそれがあるわけであります。本人風邪だと思っておったら例えばインフルエンザである、こういうこともあるわけでありまして、そういうことを考えたときに、なるべく早く、もちろん医者にかかる必要がないのに行く必要はないわけでありますけれども、昔言われておったようなサロン化みたいな、病院のサロン化みたいなことは今はもうそれほどないわけでございますので、そう考えたときに、早く病院に行って重症化する前に治療するということが、実は医療費から見てもそれが掛からないということになってくるわけでありますし、御本人は悪くなる前に健康に戻るということでございますから、決して、軽いものだから負担を増やすというような考え方というものはいかがなものかと、このような答弁をさせていただきました。
#36
○津田弥太郎君 日本維新の会の代表の方もいろいろ発言をされておりますが、メンバーの方も私は大変ひどい発言をするなと、日本維新の会は一体どうなっているんだろうというふうに非常に疑問に思うわけでございます。
 まさに田村大臣がおっしゃいましたように、医者にかかって結果的に軽い症状だったら患者負担を高めるなどとしてしまったら、金持ちしかこれ医者に行けなくなるわけであります。本当に、大臣を始め政務三役、ここにいらっしゃる与野党の委員のメンバー含めて、そういう非常に極めて不見識な意見が出ていることに対して、我々は緊張感を持ってしっかり対処していかなければならないんではないかということを明言をしておきたいなというふうに思っております。
 最後に、最も重要な問題について質問をしたいと思います。
 私は金属産業の中堅中小の仲間が集まっている組織から国会に来させていただいておりますが、私の出身組織の中には、協会けんぽの被保険者もいれば、組合健保の被保険者、両方おるわけでございます。しかし、今、健康保険に関しては、残念ながら協会けんぽグループと組合健保グループの間でかなり根深い対立があると言わざるを得ません。製造業という非常に、安倍総理から言わせれば成熟産業で、何か早く首にする人をつくれと言われているような気配もあるわけでございますけれども、物づくりというのは日本の言ってみれば産業の根幹をずっと支えてまいりました。そういう意味で、不幸な状況ではないかなというふうに思うんです。
 例えば、総報酬割の問題、今回も三分の一についてこれが取り入れられておるわけでございますが、私は前回の質疑の際にも申し上げましたけれども、政策的には私は間違っていないというふうに思っております。財政力に着目した応能負担という意味合い、これは評価できると思います。もちろん健保連も総報酬割そのものに反対しているわけではありません。あくまでも、被用者保険間の付け回しとか肩代わりだとか財源のつじつま合わせ、こういった観点で反対をしているわけであります。ですから、協会けんぽと健保連との対立は私はなくせると思います。どちらも高齢者医療での公費負担の拡充を求めているわけでございます。ちなみに、自民党のJ―ファイルでも、高齢者医療については公費負担の増加をはっきり明記をされているわけでございます。先ほど、秋葉副大臣もお答えのように、問題は財源の問題になるだろうというふうに思います。
 この七十歳から七十四歳の患者自己負担の問題、今日資料でお配りを申し上げて、もう何回も皆さん見ていただいている資料でございます。これは補正予算審議の予算委員会でも、私、田村大臣に、早期にこの二割負担を実現すべきというふうに申し上げました。なかなかこういうことをはっきり言う議員が少ない中で、私は常にはっきり申し上げているわけでございます。
 これ見ていただければ分かるように、一般的に高齢になるに従って収入は減っていく、一方で病気になりやすくなるわけですから、収入に対する患者負担割合というのは上昇していくはずなんですね。ところが、これ見ていただいて分かるように、負担緩和のために、医療費に対する患者負担割合、これ高齢になるに従って下げていかなければならないんですが、実際はどうかというと、七十歳から七十四歳については、自己負担を一割に凍結しているために、収入に対する患者負担割合が六十五歳から六十九歳よりも低いという逆転現象が起きているわけでございます。そして、医療費に対する患者負担割合も七十五歳以上よりも低いという、これも逆転現象でございます。
 これ、理屈の上で整合性が取れない異常な状況だと私は思うんです。安倍総理も本則の二割実現をやるという答弁を行っているんですが、これ、もういつやるかという話なんですね。最近のはやり言葉であります、いつやるんですか。田村大臣、いかがですか。
#37
○国務大臣(田村憲久君) それは今でしょとお答えいただきたいんだというふうに思うんですけれども、これ、やるのは、これは本則がそうなっておりますので、本則に戻すというのは以前から申し上げております。そういう意味からしますと、それをなるべく早く戻すというのが、財政的な規律を考えても、今委員がおっしゃられました公平感、これは世代間の公平感もありますけれども、そういうものも含めて間違った方向じゃないんだというふうに思いますが、一方で、やはり低所得者に対する対策というものが以前から言われておるわけでございまして、特に高額療養費における低所得者対策、これに関しましては民主党も以前からおっしゃっておられたというふうに思います。
 当然、それをやるとなれば財源というものを確保しなければならないわけでございまして、こういうもの、種々の今問題点等々を解決をするための議論をさせていただいておるわけでございまして、なるべく早くやると以前から言っておりますから、必ず、必ず二割に戻すということを申し上げるということでどうか御理解をいただきたいというふうに思います。
#38
○津田弥太郎君 そちらの方から、なぜ民主党が政権のときにやらなかったのかという話がちらっと聞こえてまいりました。じくじたるものを感じておりながら、しかしこの問題はやっぱり与野党が一致して進めていかなければならないことだと思います。これを政局的に扱ってはいけない今の現状を考えればこの二千億というのは大変大きい財源でございまして、これを様々な形で他に活用できるならば様々な難病の問題であるとかいろんなところに活用できるわけでありまして、何としてもこれは実現、今でしょという話でございます。
 これ、あくまでも三割負担の人を二割負担に引き下げるという話でございまして、負担が増えるんじゃなくて負担の下がり具合がちょっと変わるということでございます。当然のことながら、本則の二割負担ということでございますから、当然これは、しかし特例的な扱いをする期間をとにかくもう短くしなきゃいかぬ。これ、余り長くやるとそれが当たり前になってしまうわけであります。
 これはもう、それはいろいろ政党ですから思惑はあると思いますけれども、もうそんなことを言っていられないと思うんです。ですから、もうまさに今御答弁されたように、今やっていただくように更にお願いを申し上げておきたいと思います。
 公費の増大に関して大事な質問でございますけれども、消費税引上げのタイミングで公費を投入できるかどうかという問題がございます。消費税の増税分の使い道として、社会保障の充実に二・七兆円、このうち医療、介護の枠組みで一・六兆円程度ということが民主党政権時代には決まっておりますが、その後、具体的な詳細は煮詰まりつつあるのかどうか、その辺。
 それから、来年の四月から消費税の税率が八%に引き上げられるわけですが、まずはこれに合わせて厚生労働省として仕掛けをしていって、与野党や国民各層の応援団も固めておかないと、財務省は好き勝手なことをやるんではないかという危惧があるわけでございます。
 大臣、しっかり決意を述べていただきたいと思います。
#39
○国務大臣(田村憲久君) 民主党政権当時に、この消費税引上げ分の使い道というものをいろいろと御提示をいただきました。もちろん、その中において三党で合意できたもの、まだできていないもの、いろいろあると思います。そのような中においての三党協議であろうと思いますし、社会保障制度改革国民会議という中においても議論をいただいておるわけでございます。
 ちなみに、八%、今のこれ経済状況を勘案しながらということでございますから、それを見ながらということになりますが、来年四月からという話になったときに、しっかりと医療の方にもこの財源を使わさせていただかなければならないというふうに私は思っておるわけでございまして、そのような意味で、いろんな場面場面で、社会保障制度国民会議の中でも、この医療に対する消費税の使い道も含めて、やはり公費負担の在り方、こういうことを私は議論をお願いをいたしておるわけでございまして、そのような私の思いをしっかりと受け止めていただきながら御議論をいただければ有り難いなというふうに思っております。
#40
○津田弥太郎君 思いではなくて実行をしていただきたいというふうに思います。
 最後の最後ですけれども、これ通告をいたしておりません。質問というよりも、大臣の感想というか、お聞きしたいんですが。
 実は、先週の木曜日に我が党の厚生労働部門会議を開催しまして、規制改革会議の事務局である内閣府の参事官から聞き捨てならない発言がございました。五月十四日の規制改革会議、雇用ワーキング・グループの議論の場に、これまでは最低でも厚生労働省の傍聴は認められていた、厚生労働省の職員ですよ、この傍聴を禁止されたというんですね。何でだと理由を尋ねたところ、情報管理の観点であるというふうに内閣府の参事官が答えたんです。もう頭に血が上りました。内閣府の職員も厚生労働省の職員も、守秘義務という観点ではこれは全く同じです。この発言は厚生労働省を極めて侮辱をしているとしか私には思えない。もし私がそちらの政務官席にいたら、内閣府にどなり込みますよ、間違いなく。ふざけるなと。
 これ、ちょっと、大臣としてお聞きになっていらっしゃらないかもしれませんが、事実を確認をしていただいて、雇用の規制緩和の議論をしているときに厚生労働省が傍聴に入るなんて当たり前のことだと思うんですね。それが、情報管理の観点から傍聴を認めないというようなことを同じ政府の中でやっているというのは私は信じられないんです。いかがですか。
#41
○国務大臣(田村憲久君) 民主党の中の会議でそういう話が出たということでございますが、私、まだちょっと確認をいたしておりません。確認をさせていただいた上で、どのような経緯であったのか、それをしっかりと認識をして、もし不適切な対応等々があるのであれば、それに対してはしっかりとした対応をさせていただきたいというふうに思います。
#42
○津田弥太郎君 終わります。
#43
○小西洋之君 民主党の小西洋之でございます。
 健康保険法等の一部を改正する法律案について質疑に入らせていただきますけれども、冒頭、田村大臣、日本国憲法について少し御質問させていただきたいと思います。
 田村大臣が率いられる厚労省が一体何のためにあって、その仕事の在り方がどうあるかというのは、もう法治国家の我が国においてはそれは全て憲法に行き着くわけでございますので、特に憲法十三条及びその二十五条といったところが厚労省にとって非常に重要な条文であるというふうに私の方では承知しておりますけれども、まず田村大臣、昨年の四月に自民党が発表されました自民党の憲法改正草案がございますけれども、そこの起草委員の中に田村大臣はメンバーとして加わられております。
 先般、三月二十九日の予算委員会で、私、安倍総理に対してこの点質問させていただいたんですけれども、私が特に問題視しましたのは、我が国の憲法の、これは厚労省の政策に深く、もう中核、全ての根底を成す憲法十三条という条文ですね。個人の尊厳の尊重、幸福追求権、またそれを実現するための公共の福祉という原理、それを定めた、まさに憲法が一体何のためにあるのか、予算委員会の席に座っている内閣総理大臣が一体何のためにそこに座っているのか、その全てを書き記した、全て行き着くその究極の条文を自民党の憲法草案は「公共の福祉」を「公益及び公の秩序」ということに書き換えることによって、一言で言えば、人権よりも、誰がつくったのか分からないより大きな全体的な価値で社会をコントロールできてしまうようなものを、新しい世界をつくってしまう。一言で言えば、あの大日本帝国憲法と同じような世界になってしまうわけでございますけれども。
 冒頭の御質問でございますけれども、田村大臣、そんな憲法草案を作ってしまった起草委員に名を連ねられていらっしゃっておりますので、田村大臣に伺いたいんですけれども、もし私がここで田村大臣に、生存権を規定した条文は何条ですか、あるいは個人の尊厳の尊重を規定した条文は何条ですかと尋ねると、それはクイズを尋ねたということになってしまうでしょうか、お答えください。
#44
○国務大臣(田村憲久君) いや、起草委員ではあったんですが、私、国対の充て職で入っておりまして、憲法審査会のメンバーも国対の方から派遣をされておりました。
 ちなみに、憲法審査会の方も、社会保障と税の一体改革の特別委員会の方が忙しくてもうほとんど出れていないという状況でございますし、申し訳ないんですけれども、取りまとめをした実務者ではないものでありますから、自民党の憲法起草案も、これ私が責任持ってお答えできるかどうか。責任を持った中での立場で取りまとめたような、そういう役割ではございませんので、十分なお答えをもしお求めになられるのであるならば、責任者の方々からお聞きをいただいた方が確かなのではないのかなというふうに思います。
#45
○小西洋之君 今日は、田村大臣、私もまだ当選三年目の議員ですけれども、党務の中でいろんなポストに就かなければいけない、形を整えないといけませんので、そうしたことはあろうかと思います。そこは分かると思います。
 ただ、一点だけ申し上げさせていただきますけど、国民の幸せと尊厳の全てを握る新しい憲法改正案を作る委員会ですので、やっぱりそこにいるかいないかというのは政治家としての存念が、あるいは政治家としての信念が問われると思うんですね。
 私、今、九十六条についての改正案が政治で議論されていますけれども、仮に民主党は九十六条を二分の一で改正することを党としてまとめると、発議要件をですね、であれば、私は民主党を離党することをもう真剣に真剣に検討します、多分離党すると思いますけれども。それぐらいの信念を持ってやっぱり臨まなければいけないとあえて申し上げさせていただきます。
 今、私が伺ったのは、自民党の憲法草案というのは、これは厚労省の所管している行政分野も同じです。国民の尊厳や、国民の皆さんが少しでも今置かれている自分の医療や福祉、あるいは様々な社会的な補助、そうしたものを少しでも自分は、この一度きりの人生で少しでも幸せになりたいと思うそのかけがえのない気持ちを、誰がつくったか分からないその公益又は公の秩序という概念で、簡単に言うと政府が国民の思いや尊厳を超えた政策を打てると、そうした憲法を作ろうとしているんです。
 なので、私は予算委員会で安倍総理にクイズみたいなことを聞くなと言われたんですけれども、そういう憲法を作ろうとしていて、それを先頭に立って引っ張っている党の総裁である安倍総理、かつ、その安倍総理は、実は二月の二十六日の予算委員会で自民党の憲法改正草案の第十三条について答弁をされていて、「公共の福祉」をなぜ「公益及び公の秩序」と変えるんですかという民主党の同僚議員の質問に対して、より分かりやすくするために文言を改めたと、つまり意味は変わらないという、一言で言うと恐ろしい、ばかげた答弁をされているわけですね。なので、安倍総理は本当に憲法十三条のことを分かっているのかということで質問をさせていただいたわけです。結果、何も、個人の尊厳の尊重も幸福追求権も分かっていないし、あと、自分の言葉で憲法のことを説明していただくこともできませんでした。
 じゃ、田村大臣に、別に今日はそんな深い自民党憲法草案の中身については問いませんので、田村大臣にとって憲法十三条あるいは憲法二十五条、御自分の言葉で、様々な今まで本当にすばらしい政策を実現され取り組まれてこられた、あるいは、私も含めですけれども、地元活動でまさに憲法十三条や二十五条に直面されている方々に触れられてきたんだと思うんですけれども、厚労大臣として、どちらでも結構です、十三条でも二十五条でも、自分はこのように受け止めているというようなことを御自分の言葉で披瀝していただけますでしょうか。
#46
○国務大臣(田村憲久君) 委員のように憲法をしっかりと学問的に研究をしておるわけではございませんが、正直言って幸福追求権十三条、包括的基本権みたいなもの、みたいというかそういうことですよね。ですから、本来は、十三、十四条、十五条以下のそれぞれの権利、自由権や社会権というものを規定をしておる。しかし、昨今、世の中の事情の変化の中において、例えば環境権であるだとか肖像権であるだとか、それに規定されていないような権利も含めて、今は包括的に基本的な権利ということで規定をされておるというふうな解釈を持っております。
 この二十五条に関しては、どちらかというと国家による自由みたいな感じですね。自由権には国家に対する自由みたいな、そういう権利だというふうに思いますけれども、二十五条というのは国家によって認められたある意味生存権という意味でありますので、そのような観点で私は認識はいたしておりますが、それ以上のことについては委員ほど詳しくはございませんので、申し訳ございません。
#47
○小西洋之君 立派な憲法の解釈の御説明、ありがとうございました。
 今伺いましたのは、何か具体的な例を持って自分は憲法十三条をこういうふうに受け止めているというようなことをちょっと披瀝いただきたいというようなお願いだったんですけど。
 例えば、私、委員会は違いますけど、文教委員会になるんだと思います、今いじめの議員立法やっていて、私、民主党の中でそれを立案を行いまして、今、生活の党とあと社民党の皆さんと一緒に共同提案をさせていただいて、自民党も法案を出してこられたので、今その議論を始めているところでございます。
 私、いじめとは何か、またいじめはなぜ駄目なのかという、その一番大切な第一条のところに、いじめは児童生徒等の尊厳を害する、だからやっぱり社会として取り組まなきゃいけないんだというような、尊厳を害するという言葉を書きました。これは別に悪口じゃないですけれども、自民党案にはございませんけれども。で、その尊厳を守るために、今度は厚労省もかかわってまいりますけれども、児童相談所の方々ですとか、あるいは社会福祉士の方々、あるいは民生委員の方々、そうした方々が地域や学校でチームとなって、いじめというのは複合問題ですから、解決するような仕組みを今法律の中でつくらせていただいているところでございます。
 そんな答弁をちょっとお願いしたかったんですが、私も父親が脳卒中で倒れて寝たきりでございましたので、十三条や二十五条、そういう、日本国民の皆さん、私と同じような経験をした方はたくさんいらっしゃると思いますけれども、やはり政治家というのは、予算委員会で安倍総理に私、同じ質問をさせていただいたんですけれども、御自分の言葉で十三条を語ってくださいと、何も語っていただけませんでしたけれども。やはりそれぞれの政治家がそれぞれの信念でそれぞれの十三条や二十五条の世界を語っていただかなければ、これは田村大臣に申し上げているのではなくて安倍総理に申し上げているんですけれども、なければいけないと思います。
 じゃ、もうあと二点ほどだけ。
 田村大臣、天賦人権説を、天賦人権説というのは、人間である限り、我々はこの地上に生まれた以上はかけがえのない、誰からも侵されない自由や権利を持った存在なんだということなんですけれども、まさに近代立憲主義の根底にある考え方なんですけれども、その考え方には賛成されるということでよろしいでしょうか。
#48
○国務大臣(田村憲久君) 天賦人権主義といいますか、自然権的なものなのかなという私は感覚を持っていますが、確かに自民党のこの憲法草案のガイドライン、QアンドA見ますと、「人権規定も、我が国の歴史、文化、伝統を踏まえたものであることも必要だと考えます。現行憲法の規定の中には、西欧の天賦人権説に基づいて規定されていると思われるものが散見されることから、こうした規定は改める必要があると考えました。」と、こう書かれておりますので、これを見る限り、この自民党の日本国憲法改正草案というのは、天賦人権説によらないというふうになっておるのかなと。ただ、西欧のと書いてあるのがなかなか難しいところで、一方で我が国の歴史、文化、伝統を踏まえとありますから、そのような我が国の成り立ちの中における自然権というものは認めておるのかなと。まあ、私も十分に勉強しておりませんから何とも言えませんけれども、そんな私なりの解釈はさせていただいております。
#49
○小西洋之君 すばらしい解説をありがとうございます。
 私もまさにこの自民党の憲法草案はそのように読まざるを得ないんだと思うんですけれども、おっしゃられたとおり、天賦人権説を基本的に否定をして、国民の人権、自由や権利を認めるのであれば、それは日本の成り立ちの中、つまり今おっしゃられた歴史や文化、伝統の中で認められるものであるというふうに書いてあるんですけれども。
 要は、伺いたいことは、田村大臣はこうしたお考えに賛成なんでしょうか。別に、いろんな党務がある中でいらっしゃって、私も正直言うと民主党の中でいろんな仕事をしていていろんなポストをいただいております。ほとんど実質的な議論に参加できないようなときもありますので。ただ、それとは別として、この自民党草案の天賦人権説の考え方は今、田村大臣がおっしゃられたとおりこれ否定しているんだと思うんですけれども、田村大臣は、天賦人権説、つまり自然権思想ですけれども、否定されますでしょうか。
#50
○国務大臣(田村憲久君) 元から持っている人の権利、自然権のようなものは、これはもう否定は一切いたしません、当たり前でありまして。
 ただ、ここで読む限り、その天賦人権説を自然権と読むかどうかは別にして、西洋のいろんな成り立ちの中で生まれてきたものと本来人間が持っておるものとというのがどういうかかわり合いなのかというのはちょっと私はよく分かりません。つまり、西洋で生まれてきた、これたしかルソーか何かの思想の中にあった話だと思うんですけれども、アメリカの独立宣言の中にもこういう理念があったというふうに思いますが、そういうものと、そういうものの中に、言うなれば本来人間が持っておる自然権的なものというものがここに書いてある自民党の中とどういう違いがあるのかというのはちょっと私もよく理解できていませんが、そもそも人間たるものが人間として生まれてきた限りには、それは動物ではないわけでございますから、自然と持っている権利、侵されない権利というものは絶対的にあるはずでありまして、それは我々は否定するつもりもありませんし、もちろん私も否定はいたしておりません。
#51
○小西洋之君 ありがとうございました。
 自然権思想、すなわち天賦人権説から説き起こされて、その人間の尊厳と幸せを一番あずかる十三条や二十五条、それを体現する役所を率いる大臣がそうした見解に立っていらっしゃるということはとても安心いたしました。
 念のため申し上げますと、人権の価値というのは、これ世界人権宣言等々もありますけれども、これ普遍的なものでありまして、西洋で生まれて、歴史的にはそれは西洋から生まれたものという言い方ができるかもしれませんけれども、そうであっても、我が国においてもまたあるいはどこの国においてもその人権の価値というのは普遍的であると。そのことを書いたのが憲法九十七条という条文でございまして、「この憲法が日本国民に保障する基本的人権は、人類の多年にわたる自由獲得の努力の成果であつて、これらの権利は、過去幾多の試練に堪へ、現在及び将来の国民に対し、侵すことのできない永久の権利として信託されたものである。」と。まあ、美しい条文だと思いますけれども、自民党草案はこれを軽やかに恐ろしく削除しているので、やはり天賦人権説を否定なさっているという大臣の見解は私も正しいものと存じます。
 じゃ、最後に一つだけ、自民党草案、これ厚労省に非常に深くかかわる条文なんですけれども、居住、移転及び職業選択の自由等を規定した憲法二十二条、憲法二十二条は、現行の条文はお手元にお配りした紙の二ページ目ですけれども、「何人も、公共の福祉に反しない限り、居住、移転及び職業選択の自由を有する。」というふうになっております。ここからこの公共の福祉に反しない限りという言葉を取ってしまうんですけれども、取っているわけですね、自民党の草案は。いろんなことをされているんですけれども、この公共の福祉という言葉を取ると一体どういうことが起きるかというんですけれども、一言で言うと、厚労省がやられている政策というのは、例えば労働者の方の政策でしたら、やはり企業の自由やあるいは企業の経営の自由だけに任せていると、労働者の方の労働する権利ですとか、あるいは労働者の方に限らずほかのライバル企業ですね、一定の市場の中でちゃんとその企業が健全な競争をやっていて、ひいてはそれは消費者や国民の利益に資する、そういう正しい公共政策の調整ができなくなってしまうんですけれども。
 厚労省を所管する大臣として、この職業選択の自由等々にある公共の福祉を取ってしまうということは、内容についてはちょっと私も伺うのはあれかと、まあ一応通告はちゃんと二十二条とさせてはいただいておりますけれども、ちょっと感想だけお聞きさせていただけますでしょうか。
#52
○国務大臣(田村憲久君) 二十二条は多分私は自由権であるというふうに思います。
   〔委員長退席、理事津田弥太郎君着席〕
 国家からの自由というような意味合いの権利であるというふうに思いますので、公共の福祉という言葉がいいのか他の言葉がいいのかは分かりませんけれども、精神としては今委員がおっしゃられたような精神の中において定められている、そういうような憲法であろうというふうに思います。
#53
○小西洋之君 ありがとうございました。
 この二十二条の自民党草案の解釈なんですけれども、人権の調整の原理である「公共の福祉」という言葉を外して、十三条で「公益及び公の秩序」というふうにしていますので、およそ国民の職業やあるいは営業の自由というものを公益又は公の秩序でコントロールできると、そういうような世界が登場することになります。
 あるいは、もういっそコントロールもしないと。一言で言いますと、超自由主義、超自由主義の経済をつくることもできるし、あるいは、今医師不足の問題がありますけれども、医師の強制配置というような、私は大反対ですけれども、議論がございますけれども、あるいは公益という名の下に、医師の職業選択の自由あるいは営業の自由、これは医師の診療科を選ぶ自由あるいは開業の自由になりますけれども、そういうものを制限できると、どっちにもやいばを向けるという、とんでもない条文だと思いますので、大臣、かつてはそういう起草委員会に、これはもう批判ではございませんけれども、いらっしゃいましたけれども、この自民党草案の問題点をこれは閣僚の一員としてもしっかり御認識いただいて、今後の、安倍総理がいらっしゃいますので、日本のきちんとした、地に足の付いた憲法議論について大臣の方からも御提言をいただければと思います。
 では、ちょっと前半お時間をいただきましたけれども、今日の法案の質疑の方に移らせていただきます。
 健康保険法の改正でございますけれども、その改正内容については、協会けんぽで取り組まれていたその措置を再び延長するということでございますけれども、この協会けんぽの財政状況なんですけれども、今なかなか国民の賃金が上がらないような状況にあったり、様々な構造的な問題というのがあろうかと思いますけれども、今回、あるいは二十二年も取組はあります、改正がありますけれども、その協会けんぽの財政の構造的な問題について、ちょっと厚労省の事務方としてどういう認識でありましたのか、全て網羅的に答えていただかなくても結構ですのでお願いいたします。
#54
○政府参考人(木倉敬之君) お答え申し上げます。
 協会けんぽでございますが、これは先ほどの質疑でも御指摘いただきましたように、組合健保を構成できるところ以外のそうでない中小零細のやはり被用者という方々につきまして、元々は政府管掌で、全体で一つの保険の集団を組んでおったものでございます。これを平成二十年の秋から法人の形としまして協会けんぽという形で運用をしているわけでございますけれども、元々中小零細、すなわち九人未満のところが全体の百六十万事業所、八割以上になるようなところでございますので、賃金のレベルが非常に低い、そういう中で、協会けんぽの中で格差があるという中で何とか安定を図ろうということで来ております。それがボーナスにも保険料を入れるという改正をしましてからは、その健保組合との格差の方もより大きくなっておるというのが実情でございます。
   〔理事津田弥太郎君退席、委員長着席〕
 協会けんぽを構成しました二十年の秋でございますが、その直後にリーマン・ショックということで製造業に大変大きな打撃が生じまして、賃金が低下をする、事業所はなかなかやっていけないというような状況にもありました。そういう中で、今でも賃金は横ばいないしはまだ低下を見ているような状況もございます。
 そういう中で、保険料の方は、二十一年度、発足直後に生じました大きな赤字というものを解消するために、当時の八・二%から毎年大幅に引上げをして今一〇%でやっておる、これ以上の引上げは無理だという悲痛な指摘があるわけでございまして、これに対しまして今三年間の特例措置を講じていただいておると。この間もその特例措置の拡大あるいは延長ということで議論をいただきましたが、全面的な総報酬割、国庫負担の引上げ等についてまだ合意が得られておりません。そういう中で、更にぎりぎりの調整をさせていただくという中で、今の措置を二年間継続をしながら合意を得ていく努力をしたいというふうに思っておる次第でございます。
#55
○小西洋之君 ありがとうございました。
 今回のその法案でございますけれども、協会けんぽを財政的に救うといいますか支える代わりに、健保組合等について一定の負担がまた生じるわけでございますけれども、今度はその健保組合の今置かれている構造的な状況についてまた答弁をお願いできますでしょうか。
#56
○政府参考人(木倉敬之君) お答え申し上げます。
 健康保険組合の方でございますけれども、これも、高齢化の進展の中で、自らの医療費の問題に併せまして、前期、後期のこの高齢者の医療費に対する納付金や支援金ということで大きな負担が生じておるということを指摘を受けております。
 直近で申し上げますと、この二十五年度、今年度の予算の各健保組合の集計が発表されておりますけれども、健保組合、約千四百余りございますけれども、この八割が経常赤字であろうと、今年度におきましても、ということでございまして、全体では四千五百七十三億円の赤字が生じるであろうという見込みになっております。
 それから、保険料の方も、昨年度平均しますと八・三一%だったところを更に引き上げて八・六四%程度まで全体平均で上げる必要があるんではないかということでございます。その保険料率を引き上げた、この二十五年度に引き上げた組合というのは全体の四割に達しておるというようなことでございます。
 その保険料収入に占めます高齢者医療への支援金、後期への支援金あるいは前期での納付金でございますけれども、こういうものの割合が全体の保険料の四六%を占めるような状況にあるというふうなことでございまして、これに対する今回の改正に際しましても、健保組合の方も、財政の窮迫組合に対する支援措置の拡充、あるいは前期高齢者等に対する公費での手当ての創設というようなことを強く求められておるような状況にございます。
#57
○小西洋之君 ありがとうございました。
 今、協会けんぽと、あと健保組合、それぞれの状況について御説明いただきましたけれども、個別のことをちょっと先に一点だけ。
 協会けんぽで今、二十四年度末で四千四百億円の準備金の残高があるということでございますけれども、片や健保組合全体としては四千億ぐらいの赤字という状況でございますけれども、もう少しちょっと数字を使って、今回の措置というのはもうやむを得ないものだということをお願いいたします。
#58
○政府参考人(木倉敬之君) お答え申し上げます。
 協会けんぽの今状況でございますけれども、この三年間、特例措置を講じていただきまして、その一方で、やはり二十一年度、発足当初の年度に生じました約五千億円の単年度収支、それで、それまで若干準備金を持っておりましたものが累積赤字の方に転じまして、三千億強の累積赤字を二十一年度に生じておりました。これを、二十二年度から三年間、保険料を八・二%から一〇%まで上げてきた、そういう中で少しずつその累積の赤字の方を解消していきまして、ぎりぎりこの二十四年度末で四千四百余りの準備金ということが生じておりますが、本来はこの協会けんぽも一月分の給付費に相当する、約五千億に相当するような準備金を持っておくことがルールでございますが、それをまだ持てていない、特例でそれを持たなくていいということにしておるというような状況にございます。
 その中で、まだこれを、今の支援措置のままでもまだ更にこの一〇%を超えて引き上げていく必要があるということで、この二年間の特例措置をお願いをしておりますのは、この四千四百億円余りに何とか積み上がっています準備金というものを、この間は一〇%の保険料以上取らないということで、単年度足りないところはこれを取り崩してもいいという前提の仕組みにしておりまして、これを一年目、二年目取り崩すことによって二年間はぎりぎり一〇%の保険料収入で何とか運営をしていけると。
 しかし、二十七年度以降においてはまた、今の支援措置が続いておりましても一〇・六%、あるいは二十八年度におきましては一〇・九%というふうに保険料をまた上げなきゃいけないような状況にあるということでありまして、何とかこの二年間、それらの支援措置を継続していただける間に、健保連の皆様、あるいは共済組合、あるいは公費の在り方等々につきましてしっかり国民会議等でも御議論をいただきながら、恒常的な協会けんぽの財政基盤の確立ということを図ってまいりたいというふうにお願いしておる次第でございます。
#59
○小西洋之君 ありがとうございました。
 協会けんぽの財政の構造的な問題というのを今回の措置で一旦受け止めつつも、またそれを、全体の大きな構造というものを何とかしていかなければいけないということなんですけれども、では、そうしたときに、協会けんぽの財政基盤を強化する手段として一体どういうものがあるかということなんですけれども、今までの閣議決定等々では総報酬割ということが提言をされているところでございますけれども、それ以外の何か取組の措置あるいは政策手段というのは、事務的な御報告で結構ですけど、ございますでしょうか。
#60
○政府参考人(木倉敬之君) 協会けんぽにつきましても、今の支出構造の中での問題といいますのは、先ほど申し上げましたように、まず賃金が上がっていない、保険料収入が上がらないということで、八・二%を一〇%に上げましても保険料収入はなかなか上がってこないということ、まず基本的な問題がございます。
 それに加えまして、これは健保組合と同じでございますけれども、後期高齢者の支援金というもの、全体の後期高齢者の支援のうちの四割を各保険制度から支援をいただいておる。これが加入者割、頭割りであるということで、そうしますと、賃金の低い集団の方がより重い負担になってしまうということで、ここのところを、協会としては、全面的に総報酬で応能負担、先ほども御指摘いただきましたが、負担能力に応じた負担として各保険制度が持つようにしてほしいということが大きなその要望でございます。
 また、前期につきましても、前期の方も、六十五から七十四歳でございますけれども、これは公費での支援はしておりませんが、各保険制度が同じように高齢者が入っておれば負担するであろう医療費を出し合うというふうな仕組みになっておりますので、協会につきましても、その負担、健保組合と同じ問題がありますが、負担が重いようでございます。
 このような後期への支援金の在り方、これは、その今の総報酬割か加入者割かというような話、前期は加入者割でございますけれども、加入者割というか、同じ加入率であればという前提を置いておりますけれども、こういうふうな支援の在り方そのものについて、よりその能力に応じた負担ということを考えられないか、あるいは協会けんぽも健保組合も公費ということの更なる拡充等は考えられないのかというふうな指摘をいただいています。
 そもそも、前提としては、しっかりと保険料収入を上げられるような状況になるということが前提ではございますが、その上にもそういうような仕組みとしての要望が強くあることは事実でございます。
#61
○小西洋之君 大臣、ちょっと、通告していませんけど、総括的な形で答弁をいただきたいんですけれども、大臣、国民会議の生みの親のお一人として、国民会議の中で医療保険制度の在り方について議論をされていて、その中でこの問題を解決していこうということでございますけれども、その国民会議について、どういう運び、これ八月ですね、寿命があるわけでございますけれども、今日でちょうどあと三か月なんだと思うんですけれども、ちょっと国民会議の資料をいろいろ私も見ておりましたら、まだそういう突っ込んだ深い議論もされていないような状況でございますので、大臣として、まさに制度を所管されている大臣として国民会議の今の状況をどう思っていらっしゃるのか、あと、また、それについて今後どうあってほしいと思っていらっしゃるかということと、あと、個別のことでございますけど、賃金が上がらない状態がずっとあって、それが協会けんぽの構造問題になっているんですけれども、アベノミクスでこの状況というのは改善をされるんでしょうか、協会けんぽの財政構造の状況というのは。よろしくお願いいたします。
#62
○国務大臣(田村憲久君) 国民会議でございますが、もう数度重ねてまいりまして、ヒアリング等々も行いまして、医療、介護におきましては、一定の議論の中において、中間的な議論の中身の一応、取りまとめまではいかないんですけれども、論点整理みたいなものが出てまいりました。中には、この協会けんぽ、それから健保組合の問題、総報酬制どうするんだという議論もしていただいておるわけでございますし、それから国保に関しましても、都道府県単位でどのような形で収れんをしていくのか、保険者を県にするのか、それとも財政調整をもう少し進めるのか、さらには今の状況、今財政調整してきておりますので、それをもう少し見守りながらどう対応するのかを考えるのか、いろんな御意見をいただいております。そんな中において、最終の取りまとめに向かって御議論をいただいていけるものだというふうに思います。
 年金の方が議論が始まりまして、次回ももう一度年金をやるという話でございますので、年金、それから一定の、子育ての方もやるんですかね、全体としていろんな御議論をしていただきながら、八月二十一日、これ、法制化といいますか、一定の法律まで行くか、それはちょっと国会との兼ね合いですから難しいかも分かりませんけど、法的な対応をしなければならないということでございますから何らか法律に向かっての準備というものをされるんであろう、そういうような法律の内容になっておるということでございますからそのような運びで進んでいくんであろうというふうに思っております。
 それから、今おっしゃられました協会けんぽ等々の言うなれば標準報酬月額との絡みですね。これに関しまして、なぜデフレを脱却をしようという議論を、実は私も、安倍さんとともに山本幸三さんとともに勉強会をつくった中で、安倍さんが会長、山本幸三先生が幹事長、私が事務局長という形でこれを進めてまいりましたので、なぜこういうデフレ脱却をしようということに至ったかといいますと、これはやはり働く方々の所得、賃金が上がらないという社会というものは健全ではないと。社会保障を考えた場合に、これはもう持続可能ではないということでございまして、もちろん物価が上がれば医療の物価も上がっていくわけではございますけれども、とはいいながら、賃金が上がっていかなければ、そもそも絶対必要な医療の伸びというものはあるわけでございまして、物価以上に賃金が上がる、経済が成長するということにおいて、つまり実質経済成長率と物価上昇率を合わせたものが名目経済成長率でございますから、賃金もこれに合わせて上がっていけば当然物価以上に賃金は上がる、つまり実質賃金上昇率もプラスになるという中において、言うなればこのような医療保険料というものの総額もそこである程度カバーをしていくことは必要であろうという発想の下にアベノミクス、まあ我々はアベノミクスと当時呼んでいなかったんですけれども、今の経済政策なるもの、金融・財政政策なるものを勉強してきたわけでございます。
 ただ、そうはいいましても、高齢化の波の中で、また医療の高度化、医療の高度化は結構医療費の伸びの中において一定の割合があるわけでございますから、そういうことを考えますと、これは賃金の伸びだけで全て解決するとは思っておりませんので、そういう観点から多分当時の民主党政権も消費税というもののいよいよ必要性というものに鑑みて三党合意に至られたというふうに思うわけでございまして、そのような部分相まつ中におきまして社会保障、医療というものの持続可能性というものを実現をしてまいりたいと、このように思っておるような次第であります。
#63
○小西洋之君 失礼しました、大臣がアベノミクスのまさに生みの親の要だったということを存じ上げませんで。
 その点について一言だけ、アベノミクスなんですけれども、今おっしゃいましたようなプロセスを期待はされているということなんでしょうけれども、この異次元の金融緩和のリスクを受け止めるだけの実体経済の成長というものが、第三の矢ですね、第三の矢で果たしてカバーできるのがあるのかということをちょっと詰めた議論が必要だと思っております。
 私、民主党の政調の中で規制改革と特区制度の委員会の事務局長を二年間務めていて、今、日本にある一番強力な総合特区という経済特区、私は立法のときから携わった者なんですけど。あと、規制改革も、先ほど津田先生がおっしゃられた内閣府の規制改革委員会の官僚の皆さんをある意味陣頭指揮しながらやっていた。私自身、またかつて霞が関の官僚として働いておりましたので、その経験を踏まえて、なぜ我が国では規制改革というのがなかなか、正しいあるべき規制改革が進められないかという反省を踏まえて、その規制改革を進めるための構造的な課題を、横断的な解決の仕組みをつくって進めてはいたんですけれども。
 それをやってきた私の感覚でも、規制改革や特区というのは一定の経済効果はあろうかと思います。ただ、今の我が国の置かれている社会経済の状況の中、あとグローバル経済の様々な環境、そういうのを踏まえると、この異次元の社会的実験、冒険のものを果たして受け止めるだけのものがあるのかというと、私は非常に懐疑的に思っております。これは予算委員会で先日、参考人の方に申し上げた、審議でも申し上げたことなんですけれども、そうしたことも是非、大臣、生みの親の一人として御認識をいただきたいと思います。
 では、ちょっと質疑を続けさせていただきまして、今日、保険者についての法律ですので、少し保険者の役割について、今後の新たなあるべき役割についての御議論させていただきたいと思います。
 一言で申し上げて保険者機能という役割でございますけれども、各保険者おりますけれども、その保険者の役割というのは、我々被保険者から毎月保険料を預かって、それを医療提供側に払うと。あと、特定健診等々の一部の仕事をやっていると。ただ、本当にそれだけの役割が保険者の役割なんだろうかと。
 保険者の役割というのは、我々被保険者の言わば代理人として、我々の代理人として、我々が法律に基づいて保険料を支払っているのは、いざ病気になったときに、適切な医療提供体制の下に適切な命や尊厳を守られるような医療が受けられるという、その理念を憲法二十五条、あるいはその権利を憲法の十三条というのは我々国会議員やまた大臣にそうした医療の提供体制等々をつくりなさいというふうに命令をしているわけですから、その下の法律で国民は法律上の義務を背負って保険料を支払っているわけでございます。
 そうすると、その保険料を集めている保険者というのは、我々国民の代理人として、彼らは何よりレセプトデータという科学的な根拠も持っておりますから、そうしたものもしっかり使いながら、我々国民、被保険者の代理人として、医療提供サイド、あるいは医療計画を作る都道府県ですとか、あるいは厚労大臣も含まれるでしょう、そうしたところにしっかりと政策提言をやっていく、あるいは政策議論をやっていく、そうしたものが本来の保険者の役割じゃないかというふうに私は考えているんですけれども。
 実は、そうした役割が既にもう厚生労働省の大臣の下の法制度の中でしっかりと書き込まれております。昨年の医療法の医療計画の体系、あと、がんの基本計画の体系、あと、医療費適正化の体系でございますけれども、それぞれ担当の厚労省の方から、簡潔で結構ですので、御説明いただけますでしょうか。
#64
○政府参考人(原徳壽君) お答え申し上げます。
 医療計画の関係でございますけれども、地域の医療提供体制の構築に当たりましては、受診者であります医療を受ける患者、住民や、あるいは御指摘のありました保険料を納めておられる被保険者等の代理人である医療保険者の意見に十分に配慮することが重要だと考えております。
 このため、平成二十五年度から新しい医療計画を各都道府県で作っていただいたわけですけれども、その中の具体的な五疾病五事業やあるいは在宅医療の医療連携体制を議論する場としての作業部会、その構成員として、患者、住民に加えまして医療保険者を加えることを今般、医政局長通知において示したところでございます。現実的には、集計いたしましたところ、少なくとも三十八都道府県においてこの医療保険者が医療計画の策定に参画したと把握しております。
 今後とも、患者の視点に立った医療提供体制が構築されるように、また医療計画のPDCAサイクルを進めていく際に医療を受ける立場の方々の意見を反映するなど、積極的に取り組んでいきたいと考えております。
#65
○政府参考人(矢島鉄也君) がん対策の関係でございますが、都道府県がん対策推進基本計画につきましては、国のがん対策推進基本計画を基本とするとともに、当該都道府県におけますがん医療の提供の状況等を踏まえて策定するものとされております。総合的かつ計画的ながん対策の推進を図るためには、幅広く関係者から意見を聞くことが重要でございます。
 また、医療保険者につきましては、がんの予防やがん検診に関する普及啓発等の役割も期待をされているところから、昨年九月に策定をいたしました指針において、医療保険者が都道府県計画の見直しの議論に参加することを示したものでございます。
 以上でございます。
#66
○政府参考人(木倉敬之君) 医療費適正化計画の関係について御説明申し上げます。
 医療費適正化計画、これは、高齢者の医療の確保の法律に基づきまして各都道府県に策定をいただくものでございますけれども、二十年から二十四年までの第一期医療費適正化計画に続きまして、二十五年からの第二期の医療費適正化計画を策定をいただくということに際しまして、国としての策定の基本方針を改めて示しております。この第二期の都道府県の医療費適正化計画におきましては、この基本方針の中で、保険者機能の発揮に関しまして一期にない新しい観点を盛り込んでおります。
 一つには、先ほどありました医療計画、各県の医療法に基づきます医療計画に関する在り方の中で、医療計画の協議を行う場におきましても医療保険者が参画をすることということを求められたということを踏まえまして、医療費適正化計画におきましても、医療保険者も参画をして、その保険者が有しておりますレセプトデータ、患者のデータ、被保険者のデータ、こういう分析を踏まえて地域での効率的な医療提供体制の構築に向けた協議を進めていく、それに参画をするということを求めております。
 また第二に、各保険者、今も一生懸命取り組んでいただいておりますけれども、後発医薬品の適正使用、使用促進ということを図っていただくということで、国全体の計画も必要でございますが、各都道府県、各地域における後発医薬品の目標、数量のシェアや普及啓発の目標、それから、実際に切り替えた場合の医療費の差額の通知等で被保険者により理解を得ていくという使用促進策を盛り込んでいっていただきたいということを盛り込んでおります。
 また、三番目には、医療費の適正化を進めていく上では、やはり、被保険者の方々の健康上今の課題は何か、その地域における課題は何か、ニーズは何かということを一番把握しているのは保険者でございますので、この保険者が都道府県と十分協力をして医療費適正化の推進を図っていただきたいということで、この保険者機能の在り方は、更に我々今検討会等させていただき、これからまた改めてガイドライン等も示して、より活発に活動していただきたいというふうにお願いをしていきたいというふうに思っております。
 現に、今回お願いしておりますこの協会けんぽにつきましても、協会けんぽの中では改めて第二期の保険者機能の強化のアクションプランというものを定めておりまして、その中では、生活習慣病予防やデータを突合しての受診勧奨、あるいはジェネリック医薬品の使用促進、こういうものを都道府県の場でもしっかりと保険者としても協会の支部としても発信していこうということで取組を進めておるところでございます。
 以上でございます。
#67
○小西洋之君 ありがとうございました。
 大臣、今、各局長から御説明がありましたように、それぞれの社会保障、医療と、あるいはがんですけれども、その提供体制の仕組みの中で保険者が使命を持って参加する、その使命というのは、国民や被保険者の代理人として、彼らの命や尊厳を守れるような医療の提供体制を、医療提供者あるいは行政と一緒に議論しながら、連携をしながら働いていくと、そういう役割を入れさせていただいているところでございます。
 医政局長の方から三十八の都道府県で入っていると言いましたけれども、作業部会は五疾病五事業ありますので、どこか一個に入っていればいいというわけではありませんので、あと、がんの方は通知で保険者が参画するというふうに義務規定になっておりますので、しっかりその実行を果たしていただきたいと思います。
 保険局で策定されるんでしょうか、その新しいガイドラインですね、是非今私が伺いましたような趣旨がちゃんと盛り込まれるように。今御紹介いただきました協会けんぽのこのアクションプラン、私、今手元にありますけれども、国や都道府県など医療政策にかかわる行政機関等に対して積極的に政策提言を行う、その際には、加入者、事業者の立場に立った保険者としての意見を積極的に伝え、あるいは科学的なデータを基に政策提言を行っていくというようなことを書かれております。非常にこれ、内容のいいものでございますので、当事者がこれぐらい立派なものを作っているわけですから、国が作るガイドラインというのは当然、これを最低レベル、これを超えるものをちゃんと作っていただくということ、深くうなずいていただいていますので、お約束いただいたものというふうに理解させていただきますけれども、やっていただきたいと思います。
 最後に、大臣に、医療の基本法という話、大臣、自由に御答弁いただいて結構でございます、いただければと思います。
 医療分野に基本法を作るという構想がございまして、私、政治家として是非頑張りたいというふうに思っているんでございますけれども、先ほどの憲法の話もまさにそれそのものでございますけれども、つまり、十三条や二十五条が我々国会議員やあるいは大臣に対して実現しなさいと言っている我が国の医療、医療というのは一体何のためにあって、どうあるべきなのかというその理念をしっかり書き記して、それを実現するための様々な政策の基本方針。あるいは、今保険者の話が出ました。国民のための医療を実現する様々なプレーヤーの責務ですとか、そうしたものをしっかり規定した医療分野の基本法というものを、社会保障の一体改革の議論、それを進めている今、今ですね、これを是非国民的な議論、何よりも政治の議論の中に私は位置付けるべきではないかというふうに考えているんでございますけれども。
 この医療基本法でございますけれども、元々、患者団体、患者サイドから起きて、歴史的には起きてきたというふうに承知しておりますけれども、近年、日本医師会や歯科医師会も次々と提言を出しまして、日本医師会も歯科医師会も、とても憲法十三条や二十五条の理念を踏まえた格調高い条文案ですとかあるいは提言を出されております。
 是非、厚労省としてこの医療基本法をめぐる動きについて積極的に関心を持っていただき、あるいは応援をいただいてというようなことをお願いしたいと思うんですけれども、大臣、その医療基本法の必要性について答弁をお願いできますでしょうか。
#68
○国務大臣(田村憲久君) まず、保険者の機能というのは、もう委員おっしゃられましたとおり、保険を運営するだけではなくて、そもそもデータをお持ちでございますので、レセプトデータや健診データ、いろんなものの中でしっかりとした役割を担っていただくという意味では、それぞれの計画の中に参画をいただいて役割を果たしていただきたいというふうに我々も思っております。
 何よりも、健康づくりという意味、それから重症化予防という意味からいたしましても、データがあるというのは大変大きなこれは意味があるわけでございまして、それぞれの計画の中で本当に大きな役割を果たしていただけると期待もいたしておりますので、また委員からいろんな御提言をいただければ有り難いなというふうに思います。
 それから、今言われました医療基本法ですけれども、患者の権利という考え方、それから一方で、そもそも医療の基本的な理念という考え方、それぞれのこれに対して興味をお示しをなされておられる団体によって若干なりとも考え方が違うところもあります。この中に保険者のスタンスも入れるべきだというお話がございました。どういうものがこれからそれぞれの団体で御議論をいただいて、またどういう形でそれが統合されてくるのかということも含めて、私どもも、慎重にではありますけれども、見守らさせていただきたいなというふうに思っております。やがては議員の中でこういう議論が更に盛り上がってくるということもあるのかも分かりません。
 いずれにいたしましても、日本の医療がいい方向に向かっていただくということは、我々にとっても大変有り難いことでございますので、しっかりと見守らさせていただく中においてお手伝いができる部分があればお手伝いをさせていただくということになろうというふうに思います。
 ありがとうございます。
#69
○委員長(武内則男君) 午後一時に再開することとし、休憩いたします。
   午前十一時五十一分休憩
     ─────・─────
   午後一時開会
#70
○委員長(武内則男君) ただいまから厚生労働委員会を再開いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 本日、岡崎トミ子君及び大久保潔重君が委員を辞任され、その補欠として石橋通宏君及び小川敏夫君が選任されました。
    ─────────────
#71
○委員長(武内則男君) 休憩前に引き続き、健康保険法等の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#72
○櫻井充君 民主党・新緑風会の櫻井でございます。
 本題に入る前に、昨日ちょっとしたことがあって福井の東尋坊に行ってまいりまして、自殺対策に取り組んでいらっしゃるNPOの方々とお会いしました。そこで、驚いたことに、何か厚生省の自殺対策予算が三割削減されたそうなんですが、まずそれが事実なのかどうか、そうだとすると、一体どういう理由で三割削減したんでしょうか。
#73
○国務大臣(田村憲久君) 前政権の取組もございまして、自殺者が三万人を切ってくるというような、そういう状況が続いておる、改善されておるわけでありますが、今般のこの予算、自殺防止対策事業でありますけれども、実は今回、見直しといいますか、全国的に自殺予防に取り組む団体、それから先駆的な取組によってそれを全国的に広げていく、そういうような団体に対しては今までどおり自殺防止対策事業ということで対応させていただくわけでありますけれども、一方で、内閣府の方に地域自殺対策緊急強化基金というのがございまして、地域でやられるものに関してはこちらの方でやっていただこうと。そもそも目的が違うものでありますから、そういう切り分けをさせていただきまして、三十億円の内数で対応いただいておるようであります。
 そんな中において、実は今までのこの自殺防止対策事業も、本来全国的な展開なんですけれども、地域でやられておられるものに対しても出ておったということでございますので、その分は、言うなれば予算全体が一億三千五百万円だったんですけれども、一億四百万円に、二三%予算が削減をされております。
 ただ、それですと、そもそも今まで採択されていた事業が内閣府の事業の方に移る話でありますから何ら問題がないわけでありますが、今回の場合、何が起こったかといいますと、一定の基準、絶対基準を設けて、その基準にクリアしたところ、点数制でありますけれども、評価する会議の中において、その基準を超えたところは要は採択をされるわけでありますが、今までは十五事業が採択をされておりました。ところが、今回十七事業と二事業増えたということでございまして、そういう意味からいたしますと、今までよりも予算が必要な部分で移動して、予算全体が減った中で採択数が増えたということでございますので、結果的に、今おっしゃられましたように、NPO法人の心に響くというような文集・編集局ですかね、これに対する補助事業ということでは二百七十二万から百九十一万、これ内示、あっ、まだ未内示ですね、でありますけれども、済みません、このような形で削減になったということでございまして、全体の採択数が増えた中において薄まってしまったというふうに御理解をいただければというふうに思います。
#74
○櫻井充君 いや、それは違いますよ。
 まず、だって全体予算が減ったんでしょう。これは、じゃ国としての自殺対策費は減っていないんですか。まずそこは明確にしてください。
 それから、大臣、今の答弁の中で、目的が違いますという答弁ありましたよ。どうして地方でやることと全国的にやることと目的が違うんですか。自殺対策という目的は一緒じゃないですか。それは目的が違うっていうその答弁はおかしいと思いますけどね。
#75
○国務大臣(田村憲久君) いや、それは大きな目的の、自殺を減らす、なくすというのは、それは大きな目的で一緒でありますが、その手法たるものの目的が違うということでありまして、全国に向かっての事業とそれから各地方で頑張っていただく事業とという意味で、両方とも自殺を減らす、なくすという意味ではそうなんですけれども、その手法たる目的で違うということでございます。
 それから、全体がどうかというのは、ちょっと私も今すぐに把握できませんので、また調べて、内閣府の事業でございますから、これはお伝えをさせていただきたいと思いますが、内数の中の話でございますので、詳しく内閣府の方にお聞きをして、またお伝えさせていただきたいと思います。
#76
○櫻井充君 済みません、これは数字についての質問通告をちゃんとしております。要するに、全体像として、要するに、だって、厚生省の予算として三割削減されましたと。それで、まあいいです、時間がないので。じゃ、しようがないですね、後で全体像をいただきたいと思いますが。
 それから、今の点で明確な答弁がありませんよ。これは全体像が、全体として減っているのか減っていないのかのところも大きな点だと思いますよ。
 じゃ、今の大臣の答弁はこういう理解でいいんですか。内閣府に移管したので全体としては恐らく減っていないけれども、厚生労働省としてやる分の予算だけは減額したと、そういう意味合いの答弁ですか。
#77
○国務大臣(田村憲久君) それぞれ適切に予算というものが執行をされていくという話でございまして、我が省の事業には我が省の事業の手法としての目的があるわけですよね、それは自殺を全体なくすという大きな目的の中でどういうアプローチをしていくかという意味での。それにそぐった事業に要するに焦点を絞ったわけでありますが、そもそも、今まで採択されていた事業者が、これが今までよりも増えたと、先ほども申し上げましたけれども増えたということでございまして、確かにこの団体に対する予算が減ったということは大変申し訳なく思いますけれども、一方で、全国で、全国展開をしながら自殺をなくしていこう、減らしていこうと頑張っておられる団体がたくさんあるものでありますから、そういうところもしっかりと評価をさせていただく中で基準の点数を超えられたということでございますので、そこにも採択をさせていただいて、より広範に、いろんな団体がこの自殺というものに対する対策を講じようということで頑張っていただいているところを応援をしていこうと、こういうことでございます。
#78
○櫻井充君 いや、大臣、ちょっと違うんですよ。全国的なものについての自殺対策の防止はこれ厚労省の予算ですね。この厚労省の予算そのものは減っているわけじゃないですか。全国対策について、全国的な取組をしているところについてはまず予算は三割削減されたんでしょう。違うんですか。まずここを明確にしてくださいね。ですから、三割削減した理由は一体何なんですか。これをまず明確に答弁してくださいよ、大事な問題なんですから。
#79
○国務大臣(田村憲久君) 先ほど言われましたとおり、目的は自殺を減らすということです。自殺を減らす、これが目的で、自殺関連予算というものが全体であるわけですね。その中で、全国のものとそれぞれ地域のものと、これは厚生労働省と内閣府の予算の中でそれぞれあると。厚生労働省の中に、今まで、本来全国的な展開であったけれども、地方を中心にやられているような活動のものが入っていたということでございますから、その分はそのまま削られたということになるんであろうと思います。
 ですから、そういう意味からしますと、自殺を減らすという全体の予算の中の話においてはそのような形ではないにしても、厚生労働省が所管しておった全国的な展開に関しては、そうじゃないものが入っていたということでその分だけ減ったということであって、ただ、それだけではなくて、それプラス事業者が採択が増えたということで、増えたということ自体は広範に活動をしていただくわけであります、いろんな団体に。それ自体は委員も否定はされないというふうに思うわけでありますが、その結果、この団体におきましての予算付けが減ったということは大変申し訳ないわけでありますけれども、結果的にそのような形になったということであります。
#80
○櫻井充君 じゃ、改めてですが、この三割分は本来厚生労働省がやるべきものでないと。つまり、全国展開しているものじゃないものだからこれは三割削減したんだという、そういう理解でいいんですね、まず。
 そこの、別に私は東尋坊のところのNPOのことをお伺いしているんじゃないんです。済みませんが、やはりこれは与野党関係ない私は問題だと思いますよ。それでやっと三万人を切ったということは、結果が出たわけでしょう。結果が出たものに対してどうして削減するんですか、どうして変更するんですかということが分からないんですよ。ずっとみんなで苦労してやってきたわけじゃないですか。
 繰り返しですが、そうすると、今の説明ですと、厚生労働省の所管のうちの今までの予算の中で、三割は地域で頑張ってこられた分に充てていたので、その分だけ削減しましたと、全国の分で本来厚生労働省がやるべきものについての予算に限定したんだと、そういう理解でいいんですね。
#81
○国務大臣(田村憲久君) 内閣府の予算がどういう状況かはまたちゃんと調べなけりゃならぬと思っております。もうそれ自体がどういう状況かによって委員からの質問に対する私の答えは変わってくるわけでありますから、そこはちゃんと調べなきゃいけないということが前提でありますが、しかし、自殺対策という意味では一定の予算が用意されている中において、それぞれ適切に使われていくという状況の中で予算配分がなされるわけであります。
 もちろん、これは予算がふんだんにあれば、財政的にふんだんにあれば、それはもう何もかも増やしたいという思いは厚生労働省には当然あるわけでありますが、しかし一方で、厳しい予算の制約の中で、御党も政権を担っておられる中でいろんな御苦労をされながら予算のいろんな配分をされてこられたと思います。そんな中において、地方の活動と全国展開する活動と、全体的なバランスを考える中でこのような今回は結果になったということでございまして、これをもってして胸を張ってどうだと我々も言うつもりはございません。それは、本当はもっともっと予算を付けていきたいというのが思いではありますけれども、厳しい予算の制約の中でこのような状況になったということは御理解を賜りたいというふうに思うわけであります。
#82
○委員長(武内則男君) 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
#83
○委員長(武内則男君) 速記を起こしてください。
#84
○櫻井充君 別に三割削減したのが内閣府に移ったとか移らないのかは私は関係ないんです。
 ですから、厚生労働省としてまずとにかく三割削減したわけですね。これは認めていただけているわけです。だから、その三割の内訳はこれ全て地方のものだったので、それは厚生労働省の仕事じゃないからやめたという理解でいいのかということをお伺いしているわけですよ。
#85
○国務大臣(田村憲久君) 基本的にはその方向で、今までの事業の中で地域の自殺対策という事業が入っておりましたので、その部分は内閣府の事業の方に移らさせていただいたということでございます。
#86
○櫻井充君 そうすると、その三割が移ったか移らないかは分かりません。これ、また後で内閣の担当者を呼んで聞きたいと思いますが、そうすると、地方でやられていた方々が単純に減額されたのは、十五事業者が十七事業者に増えたからそういう形になったということでよろしいわけですね。
#87
○国務大臣(田村憲久君) 全体まず予算が減ったということがあります。その中で、その部分の三割は内閣府の方に行きましたから、今まで受けているところのパイは一緒だという中において、事業者が十五事業者から十七事業者に採択をされた数が増えたと。ただし、もちろんその配分というのが均等配分になっておるかということは精査をしなければ個々のNPOに関しては言えませんが、基本的にはそれによって薄まるというのは、申し訳ないんですけれども、そのような結果になってきたということであります。
#88
○櫻井充君 まあ理解はいたしました。
 じゃ、とにかく、繰り返しですけれども、今までの整理で、全国的な事業は厚生労働省、それ以外の地域については内閣府、それは基金化しますから、そういうことで割り振りましたと、そのために三〇%カットになっていると。地方の皆さんはそういう理解していませんからね、ただし、現場の方々は。ですから、そういう説明をきちんとやっていただきたいと思っていますし、本当に地道な活動をされているんですよ。どういうことかというと、自殺される方ってまず一回下見に来られるんだそうでして、その日の昼間のうちに。一人でぽつんとしている方に声を掛けて思いとどまらせるような努力をされてきていて、やっぱり人海戦術なんですよ。人手が必要になってきていて、そういう意味で、この方々にとって予算が削減されるというのはとても大変なことです。
 それから、そのペイ・アズ・ユー・ゴーというのは、これ大事な原則かもしれません、予算として。だけど、我々の政権の中では、各々の省の中でペイ・アズ・ユー・ゴーの原則ではなくて、どこかが大事な分野があればそこに対して予算は増額します、どこかは減額します、そういう意味で特別枠のようなものをつくって使ってまいりました。ですから、限られた財源の中でというお話がありました。これは今の安倍政権でどういう考え方に立たれているのかは分かりませんが、少なくとも例えば防衛省の予算は増やされているわけですよ。これ最後、いいです、この次にもう一度調べ直しますが、例えば自殺対策費は減額されるとかいうことになれば、人の命に対する考え方って一体どういうことなのかというのは今後問わせていただきたいと、そう思っています。
 それで、あともう一つは、改めて自殺のことについて申し上げると、自殺をされる方々の一番の原因は健康苦を原因として自殺されてきています。私が厚労省にいたときに予算確保のために財務省と折衝してまいりました。この予算はどういうふうにあと最後は取扱いになったのか分かりませんが、我々の政権のときには、がん対策の中の三つの柱のうちの一つとして心のケア対策という予算を盛り込もうとしておりました。これはなぜかというと、がんと診断されて一週間以内の自殺率が十二・六倍に増えるんです。これは厚生労働省の方でちゃんと、後で私の方で指示出したら調べてくれて、非常に大事なデータなんですよ。そうすると、がんだというふうに宣告された際に、ここでそのケアをやるかどうかということによって相当自殺が減らせるであろうということが推測されるわけです。
 済みませんが、この予算は我々の時代にちょっと幾ら予算要求していたのか忘れてしまったので、数字、これは事務方で結構です、一体幾らの予算要求して、最終的にはどの程度予算が確保されたのか、若しくはこの今の政権になって予算要求されているのかどうかも含めて御答弁いただけますか。
#89
○政府参考人(矢島鉄也君) ただいま御指摘をいただきました緩和ケアの予算でございます。
 先生から御指摘ありましたように、ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディスンという雑誌、これは海外の雑誌でございますが、スウェーデン人の方を対象としたコホート調査がございまして、先生が御指摘されたように、がんの診断の後一週間後に十二・六倍のリスクが高くなるというふうなものがございまして、我々は、そういう意味ではがんと診断されたときからもうすぐに緩和ケアをするというような、そういうふうな事業を是非二十五年度からやるということで、そういうふうなことを進めさせていただきました。
 最終的に二十五年度の前政権時代、前政権時代の概算要求の時点では八・二億円でございましたが、二十五年度最終的な予算は四・四億円でございます。ただし、これ二十四年度予算が五億円でございましたので、我々なりにかなり努力をさせていただきながら、この緩和ケアセンター、その緩和ケア対策経費の総額が四・四億円ですが、その中に新たなものとして緩和ケアセンターの推進にかかわる、設置、運営にかかわる経費一億円をその中に新たに計上をさせていただいております。がんと診断されたときから、相談支援を含め、切れ目のない緩和ケアが提供されるように取り組んでいきたいというふうに考えております。
#90
○櫻井充君 これだけ大事なんだという説明をしたとしても、財務省を説得できなかったんでしょうかね。非常に残念です。結局、結果的にはこれも減額されているんですよ。今日はこれが本題じゃありませんので、数字が分かりましたから、改めて別の機会にこれは質問させていただきたいと思います。
 じゃ、本題に入りますが、本題に入るところでまず一つ、協会けんぽの問題として取り上げられてきていますが、協会けんぽと組合健保と共済健保というのが果たして公平なのかどうか。つまり、個々の保険料率ばらばらですね。賃金はどうなっているかというと、協会けんぽの加入者の方々の平均賃金が一番低いにもかかわらず、保険料率は一番高いんですよね。私は非常に不公平じゃないのかなと思っているんですが、その点については、大臣、いかがお考えでしょう。
#91
○国務大臣(田村憲久君) これは先ほど来いろんな御意見をいただきました。党によってもいろんな考え方があるでありましょうし、党の中でもいろんな考え方がある。
 一緒にするのならばもう保険者一本にしちゃえばいいじゃないかという、そういう御議論もあると思います。ただ、保険者というものの機能というのは、もう委員も御承知のとおり、ただ単に保険を運営するだけではなくて、そこで健康づくり事業でありますとか、いろんなデータ分析しながらそういうものを医療に生かしていく、こういう役割があるわけでありますね。
 ですから、そういうことを考えたときに、保険者の成り立ちというものは昔から歴史的な成り立ちがあるわけでございまして、その中において、例えば協会けんぽ、つまり政府管掌健康保険でありますけれども、中小企業等々でなかなか組合健保がつくれない、そういうところに対してそのような受皿ができ上がってきたわけでございまして、言われるとおり、それぞれ所得、それから保険料率、違うわけでありますけれども、その点に関しましては、例えば今回の法律におきます、言うなれば国庫補助の負担の、これも、引上げと言ったら怒られるのでありましょうけれども、暫定で引き下げておるものを更に暫定で一六・四に戻すという話でありますが、こういう方策でありますとか、今言われた健保組合等々の全体的に所得が高いところに対しては総報酬割を三分の一導入をさせていただく中においてなるべく保険料の上昇を抑えていこうというふうな努力をさせていただくお願いをしておる次第であります。
#92
○櫻井充君 保険者機能という言葉がいつも出てくるんですが、保険者機能というのはどういうことをもって保険者機能が発揮されたと考えるんでしょうか。
 もう時間がないので、私の方の考えとして申し上げておきたいのは、一人当たりの医療費が違ってくれば、これは保険者機能が発揮されているというふうにこれは理解してもいいと思うんです。つまり、どういうことかというと、健康の教育、予防医療を行ってくるとかですね、そういうことによって医療費そのものが減額されているんだったら、それはそのとおりだと思いますね。しかし、健康保険組合とそれから協会けんぽの一人当たりの医療費は、実は年代ごとに調べて、入院も外来の費用も全く変わっておりませんね、これは厚生労働省のデータですから。
 つまり、何によって保険料率が決まるかというと、実は保険者機能じゃないんです。単純に年収なんですよ。平均年収なんです。一人当たりの医療費の使っている割合は変わりませんから、年収によって違うんです。これは問題だということがよく分かっているからこそ、財政調整を行っているわけですね。その財政調整のところが十分に機能していないから、協会けんぽだけ保険料率を引き上げざるを得なくなっているという、これが現状だと思うんですよ。
 改めてですが、そういうことから考えてくると、先ほど、平成四年に特例措置として附則のところで一三%に引き下げて、今回、特例というか暫定というお話されましたが、本則に戻しただけですからね。本則は一六・四から二〇なのであって、本則に戻したのも、私が役所にいたときも、何か暫定的に暫定的にと言うからそれは違うと、上げた上げたと言うけどそうじゃないんだと。本則に戻しただけなんですよ、これは。
 そこで、改めてもう一度、大臣、お伺いしたいんですが、こういう格好で結果的には保険者機能がほとんど発揮されてない中でいってくると、保険料率がこうやって違ってくることそのものが不公平ではないんですか。
#93
○国務大臣(田村憲久君) 組合健保に関しましては、所得のみならず年齢層もあると思います。若い方々が多いそういう健保組合に関しましては当然保険料率が安くなるという傾向はあるのでありましょうけれども、いずれにいたしましても、今のお話でいきますと、じゃ保険者とは一体何者ぞと、保険者が要るのか要らないのか、保険者機能を無視するのかどうなのかというのは、これは今も、実は午前中御質問をいただきました民主党の両先生方は、これは絶対必要だと、この機能というものをしっかりと発揮できるように大臣頑張れと、こういうような御指摘をいただきました。
 ちなみに、確かに医療費という部分ではそれほど差がないというお話はあるかも分かりませんが、特定健診等々の受診率に関しては、倍とは言いませんけれども、倍近く違うわけでございまして、そういうものをうまく活用して、これから健康づくりなるもの、また重症化を防止するということができてくれば、当然のごとく差は付いてくるのでありましょうし、差が付くという言い方は良くないのかも分かりません。協会けんぽも同じように、これから特定健診、保健指導をする中において、医療費全体の適正化というものをしていかなければならないと思うわけでありますが、いずれにいたしましても、保険者機能というものは我々はあるという前提に立って、それを生かしていく政策をこれから進めてまいりたいと思っておりますし、各種いろんな医療計画、がん対策基本計画等々に含めましても、このような保険者が参画していただく中でそのお力を発揮いただきたいというふうに思っておるような次第であります。
#94
○櫻井充君 保険者機能がなくていいとは一言も申し上げておりません。残念ながら保険者機能は発揮されていないんじゃないかということを申し上げているんです。ですから、そういったことがちゃんと発揮できるようなシステムならシステムをつくるべきだと思っています。
 これは、済みません、個人的な意見ですが、例えば予防医学というのは全体でどこがやるかというと、県が主導してやっているわけですよね。医療提供体制もみんな県がやっているんですよ。であったとすると、例えば社会保険なら社会保険は一元化してしまって、ある部分県単位に、例えばですよ、例えば、将来的な話を申し上げているんですが、県単位で全部やっていくようなシステムを構築するとか、その方が多分よほど効率的になっていくんだと思うんです。
 そうすると、県ごとは、実はかなり保険者といいますか県ごとの対策費というのは効いておりまして、これは厚生省から出ているデータにもありますけれども、長野県のように予防医学をずっと頑張ってこられているところは、やはり一人当たりの医療費が非常に少ないわけですよ。
 ですから、やはり取組としては、一番よくやれているのは私は県単位ではないのかなと、そう思っています。済みません、これは時間がないので結構です。
 今日はせっかく財務省と総務省に来ていただいているので、せめて各保険間の不公平感について、何とか大臣から不公平ですよと言っていただきたかったんですが、それがなかなか難しいようなので、公務員の共済について、これについて改めてお伺いしておきたいと思うんですが、財務省にまずお伺いしておきましょう。
 国家財政は、これ、厳しいんですか、厳しくないんですか。
#95
○政府参考人(岡本薫明君) 国際的に見ても大変厳しい状況にあると考えております。
#96
○櫻井充君 国家財政は非常に厳しいわけですよ。その国家財政が非常に厳しい中で、国家公務員も地方公務員も付加給付制度、還付制度でも結構ですが、この制度がありますね。そして、これのために、まず国は税金を幾ら使っていますか、それから地方は税金をこれ幾ら使っていますか。
#97
○政府参考人(岡本薫明君) 国家公務員共済組合の付加給付を含みます医療保険の費用ということで、先生御案内のとおり、これは社会保険の折半という形で入っているわけでございますが、そのうち、平成二十五年度予算でいきますと、付加給付の総額というのを七十五億円ということで見積もっております。
#98
○政府参考人(三輪和夫君) お答え申し上げます。
 地方公務員共済組合の関係でございますけれども、この付加給付についてのお尋ねでございます。地方公務員共済組合の付加給付、平成二十三年度で申しますと、付加給付の総額が三百四十四億円ということでございます。これにつきまして、社会保険の労使折半ルールに基づきまして、公務員本人と地方公共団体で折半をしているということでございます。
 したがいまして、地方公共団体、これは民間企業と同様使用者としての立場で負担をしているものでございますけれども、その二分の一ということでございます。
#99
○櫻井充君 済みません、改めて、国税の投入額と地方税の投入額を教えてください。
#100
○政府参考人(岡本薫明君) 共済組合におきます平成二十五年度予算でいきますと、保険料全体を五千四百十四億円と……
#101
○櫻井充君 付加給付。
#102
○政府参考人(岡本薫明君) あっ、付加給付でございますか、そういった意味でいきますと、付加給付、先ほど七十五億円と申しましたが、これを含めまして、全体、公務員本人と国との折半ということになっておりますので、この半分、約三十二億円が言わば使用者としての国負担分に相当するということでございます。
#103
○政府参考人(三輪和夫君) お答え申し上げます。
 地方公務員共済組合の付加給付についての地方負担の額でございます。使用者としての立場で負担をしている額、先ほど申しました三百四十四億円の半分ということでございますので、事業主負担分約百七十二億円程度という数字でございます。
#104
○櫻井充君 財務省、計算間違っていませんか。七十五億と言って、半分で三十二億と言っていますが、大丈夫ですか。大丈夫。もう少し多くない。
#105
○政府参考人(岡本薫明君) 大変失礼いたしました。
 御指摘のとおり、全体が七十五億でございますので、その半分ということで、済みません、大変失礼いたしました。
#106
○櫻井充君 これは、協会けんぽにも付加給付制度がありますよね。通告していませんが、大臣、もし御答弁いただければですが、協会けんぽにも付加給付制度がありますが、実は付加給付制度が使われておりません。どうしてでしょうか。
#107
○委員長(武内則男君) 保険局長、答えられますか。
#108
○政府参考人(木倉敬之君) 手元にデータを持っておりませんが、今の我々の認識としましては、財源の問題として、付加給付を合意を得るまでに至っていないということだというふうに認識しております。
#109
○櫻井充君 付加給付というのは事業主とそれから保険料との折半になっています。ですから、事業主負担ができないんです。それから、今でも保険料がもう一〇%で高くて、これ以上保険料の負担ができないから、付加給付制度を活用したいと思っても実は使えないんですね。つまり、企業の財務状況が悪いから、だから、付加給付制度はあるから、使えないんです。
 先ほど国家は財政非常に厳しいと言いました。国家財政が厳しい中で、なぜ国に付加給付制度があるんでしょうか。なぜ地方公務員には付加給付制度があるんでしょうか。
#110
○政府参考人(岡本薫明君) 公務員共済組合は職域単位で医療保険を実施しているということで、民間の健康保険組合に相当するものというふうに考えております。この民間の健康保険組合の多くで医療保険の付加給付が実施されておるわけでございますが、各共済組合におきましても、それぞれの収支状況を勘案しながら労使の自主的な判断に基づき付加給付を実施しているところでございまして、一部、大変収支が厳しい共済組合ではそれを実施していないところもあるということでございます。
#111
○政府参考人(三輪和夫君) 地方公務員共済組合の問題でございますけれども、こちらにつきましても職域単位で医療保険を実施をいたしておりまして、民間の健康保険組合に相当するものでございます。民間の健康保険組合の多くで医療保険の付加給付が実施をされていると、そのような状況を踏まえますと、各共済組合が自らの収支状況を勘案しながら労使の自主的な判断に基づいて付加給付を実施をしていると、そのように理解をしております。
#112
○櫻井充君 労使が勝手に判断されるのは結構ですが、これ税金ですよ、全部。そして、これは中小企業者の方々も納めている。そこで働いているサラリーマンの皆さんが納めてくださった税金でこれは運用されているわけですよ。
 中小企業の皆さんは苦しくて付加給付制度を使えない。国家公務員や地方公務員が付加給付制度を使える。しかも、元々の保険料率は幾らですか、国家公務員共済、地方公務員共済。八%を超えていますか。私の記憶が正しければ八%を超えていないはずです。
 これだけ保険料率で恵まれ、なおかつ付加給付制度まで用意されているというのは私は官民格差だと思いますけど、この点について、大臣、いかがお考えでしょう。
#113
○国務大臣(田村憲久君) 民主党からそういう提案を今いただいたものというふうに御理解をさせていただきます。
 自民党のJ―ファイルでしたか、ちょっと記憶がありませんが、公約かJ―ファイル、どちらかに、これ協会けんぽとそれから共済組合の統合に向かってという文言がございます。そういうこともございますので、民主党の御提案ということもございますから、いろいろと研究をさせていただきたいというふうに思います。
#114
○櫻井充君 私、外来の高額療養費制度の負担がありました。あのときに、党内ではもういろんな意見があるので、済みません、これ個人的な意見として申し上げれば、要するに、弱者から弱者に対する所得移転はおかしいんじゃないかと。つまり、百円負担するしないというのがありました。外来の高額療養費のところの財源をどうするかということだったんです。
 まず、これを患者さんに求めるぐらいであれば、こういう公務員で恵まれている部分について、そこを財源にして確保すべきじゃないのかというのは、これは財務省と相当やり合ったんですよ。残念ながら、自分たちの身を切るということについてはイエスと言ってくれなかった。ですから、今年もこのまんまそういう形で計上されているんです。
 ですから、中小企業が今いかに厳しいかということは、これは大臣よく御案内のことだと思うんですね。ましてや、アベノミクスで急激な円安になって、輸入物価が上がって、コストプッシュ型のインフレになって、中小企業は物すごく苦労しているわけですよ。これ、だって、価格転嫁できませんからね。価格転嫁できない中で、社会保険料の負担だけは、年金も上がりますよね、今度また協会けんぽが上がっていくとなれば、これは大変なことなんです。この保険料が払えなくて破綻する企業も出てくること、これは確実でしてね。そういう意味合いでいうと、だからこそ私は、保険料率、これで本当にいいんですかということを申し上げているんです。
 共済だって、まだ八%超えていないんですよ。超えていましたっけ、まだ超えていなかったと思いますが。組合健保も、これはばらつきがあります。相当ばらつきがあります。しかし、こういったところの財政調整を行ってくると、協会けんぽの保険料率をいたずらに上げる必要性はなくなるわけですよ。少なくとも、国保を除けば、これからの医療保険制度を持続可能にできるかどうかというのは、協会けんぽがきちんと維持できるかどうかということに懸かっていると思っているんですよ。
 まず、この点についての認識をお伺いしておきたいんですが、協会けんぽそのものがきちんと維持運営できるようにしていくと、これが極めて大切なことだと思いますが、まず、大臣、その点についていかがですか。
#115
○国務大臣(田村憲久君) 協会けんぽがこれは被用者保険の中においては受皿になっていただくわけでありまして、ここに中小零細企業の保険という形で公的保険をお守りをいただいているところでございますから、これからもここが維持できていかなければ国民皆保険というものが成り立たない。ましてや、全て国民健康保険というわけにはいきませんから、そういう意味からいたしますと、持続可能であるために、保険料率の上昇というものに対して我々はやはり一定の注意を払いながら政策を運営していかなきゃならないと、このような認識を持っております。
#116
○櫻井充君 ありがとうございます。
 その上で、やはりそれを実現していくためには、いかにその不公平感を取っていくのかということだと思うんです。これは、まだまだ高齢社会、ずっとこれから進展していきます。現役世代が減っていくわけです。そうすると、保険料の負担をもう少しお願いしなきゃいけなくなってくるということになると思うんですが、そうすると、やはり基本的にはほかの制度と公平性を担保されなければなかなか理解していただけないんじゃないのかなと思うんですよ。
 そういう意味において、改めてこれだけ格差のある保険料率についてどうお考えでしょうか。各々の、各々ですよ、今の三つの中で保険料率が違うということについていかがお考えでしょう。
#117
○国務大臣(田村憲久君) これは、先ほども言いましたとおり、それぞれ保険者としての成り立ちが違うわけでありますから、全く今の時点で一緒という、それは理想かも分かりませんけれども、現実は違っているということを認識に置いた上で、とはいいつつも、総報酬割を三分の一、これは導入をしてきたわけであります。
 いろいろと議論の中で、これを全て総報酬割を導入すればどうだというような御意見もいただいています。ただ、一方で、健保連の御意見といたしましては、そうなった場合に、それは全部国の国庫補助の肩代わりのような形はかなわないよねと。だからこそ、例えば前期高齢者でありますとか、制度の中に国費等々を導入して、持続可能な医療保険制度全体を考えてもらいたいという御意見もある。今、そういう御意見をいただきながら、次の改正、これは、今回、法律を提出させていただいて、首尾よくこれが成立いたしましても、二年度で終わる話でございます。その後に向かっての医療全体の体制どう持っていくべきかと、こういう議論をさせていただいておる最中であります。
#118
○櫻井充君 社会保険制度というのはあくまで所得の再配分ですから、それは、所得の高い人たちから低い人たちに配分させていただくというのは、これは私はある種当然のことだと思っているんです。
 法人税率を引き下げてくれというのが、大企業からの要求があって、法人税率どんどん引き下げていますよね。でも、内部留保だけたまる一方ですよね。還元していただけていないんですよ。特にこの十年間ですけど、百五十兆円ぐらい内部留保が積み増しされてきていて、これ再投資してもらえるんだったらそれはいいと思うんですよ。ところが、残念ながら再投資してもらっていないと。ですから、安倍政権でも、もう少しちゃんと賃金上げてくれとか、いろんな要求されているかと思います。そういう意味では、ある部分の社会保険システムというんですかね、ここのところについてある程度ちゃんと担っていただかなきゃいけないと思っているんです。
 経団連の会長とお話しすると、中小企業は大事だと言っているんですよ。中小企業がなかったら大企業なんてあり得ないんですから。だけど、余りに中小企業に対して冷たいわけですよ。価格転嫁もさせてもらえない。じゃ、今度の保険のところについてだって、一部は、それだけあなた方もうかっているんだから、少しぐらい出したらどうですかと言ったって、もう烈火のごとく怒って話合いになりませんよ、はっきり言えば。もう小宮山大臣のことを相当怒っていましたけどね、私行ったときには。だけど、その手の認識で果たして社会全体を支えていけるのかどうか、そういう意識がないところが私は絶対的な問題だと思っているんです。
 やはり、個人個人の制度よりも、最終的には、協会けんぽだって重くなっているのは何かというと、高齢者医療の拠出金ですから。拠出金のところについては、別に国の肩代わりでも何でもなくて、じゃなかったら税で、ちゃんとこちら側として税としてお支払いいただいた上で、それを高齢者医療費に充てればいいだけの話だと、私は個人的にはそう思っていますよ。
 そういう意味で、繰り返しで恐縮ですけど、もう少しその制度間の公平性というのを考えていただきたいと、そう思います。今、答弁の中にありましたけれど、やはり総報酬割にしていくということの方が私は所得の再配分からすると大切なことではないのかと思っているんです。
 まあ組合健保のことはこれでやめておきますが、最後に一点お伺いしておきたいのは、消費税がまた上がった際に一体どういうことが起こってくるかというと、中小企業の利益率がまた落ちることになります、価格転嫁できなければですね。そういう意味で非常に大変で、現在、本則では財政調整のため一六・四%から二〇%で税金投入できるということになっていますが、やはり消費税が上がった際には二〇%まで引き上げないとなかなか運営が難しくなるんじゃないかと思いますが、この点についていかがでしょう。
#119
○国務大臣(田村憲久君) それも含めて、消費税含めてどういう使い道かという議論を今いただいておるわけでありますし、一方で、ちゃんとそこは物価に反映していただいて、売値に反映していただけるような環境をつくっていかなきゃならぬというふうに思います、企業が利益を出していただくためにですね。
 委員、コストプッシュ型のインフレというお話がありましたが、これ、所得が変わらないとなると、相対物価は確かに円安になって上がりますが、絶対物価からいうと、これはもう御承知だと思いますけれども、経済学的には、中で所得が増えてなければ、その分だけ買うものが、他のものが減るわけでありまして、買うものが減るということは他の部分がデフレになるわけでありますから、国全体の絶対物価という意味では中立だというのが学問的な考え方でございます。
 でありますから、それでは困るわけでありまして、全体として景気を良くして物価が上がる、つまり、いろんなものが利益を乗せられて物が売れるようになるという中において賃金も上がっていくという社会を実現するということが我々の目的でございますので、しっかりと頑張ってまいりたいというふうに思います。
#120
○櫻井充君 ここで経済の議論になるとは思っていませんでした。
 もう時間がないのでやめますけど、是非お考えいただきたいのは、そういう中で中小企業は本当に苦しんでいます。結局、税金も払えないという企業があって、その中で固定経費として社会保障負担があって、これが重荷になっているところが随分あるんだということを、これもう釈迦に説法かもしれませんが、その点重々理解していただいて、その上で制度間の調整を再度御検討いただきたいということをお願い申し上げまして、質問を終わります。
 ありがとうございました。
#121
○武見敬三君 今日は健康保険法の一部改正の法律案ということで、久しぶりにこの厚生労働委員会で質問に立たせていただきます。
 今大臣がおっしゃったとおり、この法案は二年間というまさに限定された特例措置であります。これによって何が確保できるかといえば、当面の中小企業の事業主の保険料増加による負担を軽減できるという点がまず第一点。第二点は、これはもう同じ雇用者保険の中での協会けんぽの保険料の上昇率、これ二二%ほどと言われていますけれども、これと組合健保の上昇率、こちらは一一%ですね、組合健保や共済組合、この格差が更に拡大をしていく、同じその雇用者保険の中で保険料率というのがこのような形で拡大していくことは公平性に欠けると。こういう観点がやはり二点大きな原因としてあってこうした特例措置を講ずるということになっているんだと、こう私は理解しておるんですが、これでよろしゅうございますか。
#122
○国務大臣(田村憲久君) 今委員おっしゃられましたけれども、このままで行ったら、保険料率、もちろん組合健康保険の方も保険料率は上がっているわけでありますけれども、それよりも協会けんぽの保険料率の上がり方というものが大変厳しい状況になってきております。政管健保のときはまだ比較的安定しておった保険料率であったわけでありますけれども、ちょうどリーマン・ショック等々と重なりまして、その後、所得の伸びが鈍化しておる、いや、若しくは下がっておるというような現状もあり、そんな中において急激な保険料率の引上げが起こってきておる中において一〇%を続けてきておったわけでありますが、このままで行けば一〇%をオーバーしていくという中においてあと二年間現行の措置を存続をすることによりまして、何とか一〇%ということで収めながらそれぞれの保険料率の格差というものをなるべく縮めるというような、そんな一つの目的の中において今国会に提出をさせていただいたということであります。
#123
○武見敬三君 この点については共通認識だと思います。
 ただ、その上で、本則の中では積立金というのは一か月分おおよそ確保されるべきことという形になっているはずなんですよ。その積立金を崩してこの二年間の当面の財源を確保するということになるわけですから、まさにぎりぎりのところまでこの措置を講ずるために財源にかかわる対応をしたと、こういう話になってきているんだと思います。
 そのことは何を意味しているかというと、じゃ、この平成二十七年度以降はどうするのかという大きな問題にかかわります。この今までの医療保険制度の改革の仕方というのは、やはり極めてインクリメンタルな、段階的な、対症療法的な改革を組み合わせながら何とか持続可能性を確保してきたというのが現状ですが、私はもうそろそろこのやり方には限界が来ていると。
 したがって、今回の特例措置がその効力を失う平成二十七年度からはかなり抜本的なこうした医療保険制度の改革についての方針を打ち出さなければならない時期に入っているというふうに考えるわけでありますが、この点についての大臣の御認識を伺いたいと思います。
#124
○国務大臣(田村憲久君) おっしゃられますとおり、二年間のこれは暫定措置でございまして、二年間後には、この措置を講じていたとしても、仮に、一〇%を超えていくわけであります。
 今、櫻井委員からもお話があったわけでありますけれども、そもそも一三%という暫定措置を一六・四に引き上げたと、とんでもないと、元々は一六が下限で二〇が上限の中で政令で決めるべきであったという話でございますから、その下限に戻したんだというようなお話でございまして、そのとおりであるわけでありますが、それだけの措置ではなかなか対応できていかない中で、じゃどういうような形を取っていくか、当然財源が要る話でございます。
 一方で、総報酬割を三分の一導入はいたしておりますけれども、これを全面的に導入しろというお声もある反面、実際問題、まあ政府の肩代わりは勘弁してくれと、それよりも抜本的に、例えば前期高齢者医療制度の方に公費を入れる中において安定的な高齢者医療保険制度を構築をしてほしい、まさに団塊の世代がそこに入ってきておるわけでございますから、そういうようなお声もいただいておるわけでございまして、各般の御議論を今国民会議等々でいただきながら、もちろん三党協議の御議論もあろうと思いますけれども、二年後、しっかりとこの協会けんぽが持続可能であるがためのいろんな政策をこれから構築をしてまいりたい、このように思っております。
#125
○武見敬三君 そこで、保険料率に係る公平性という議論をする場合に、いわゆる雇用者保険の中での公平性の議論というのは現実の具体的な政策の対象としてはなってくるわけであります。しかしながら、じゃ国民健康保険といった地域保険における保険料との公平性という問題はどのように考えたらいいのか。実は、この問題は全然今まできちんと議論されたことがないんですよ。でも、我々がもし本気でこうした抜本改革の議論をしなければならないという局面にあるということの共通認識がそれこそ与野党を含めてあるとすれば、この問題に立ち入らないと我々は本気でこの改革ができないと思いますが、いわゆる地域保険と雇用者保険との間の保険料率をめぐる公平性については、大臣はどのようなお考えをお持ちでしょうか。
#126
○国務大臣(田村憲久君) 国保の重要性、市町村国保の重要性はもう委員も十二分に御承知のことだというふうに思います。これがあるから国民皆保険制度が成り立っておる、これがなければ国民皆保険制度というのは成り立たないわけでありまして、そもそもは自営業者を中心にスタートをしていったわけでありますが、今や自営業者以外の方々も、ここでしっかりとセーフティーネットの役割をしていただいておると。アメリカがなかなか国民皆保険制度ができないというのも、この国保のような組織がないということでございますから、自治体を中心にそのようなものをお守りをいただいてきておるというのは、歴史的ないろんな経過があるにしろ、日本の国の財産であるというふうに思います。
 それと、どう考えるのか、被用者保険をというお話でございました。被用者保険全体にも、今もお話がありましたとおり、協会けんぽ、それから組合健保、それから共済というふうに、それぞれ保険料率も違えばいろんな運営の仕方が違うところもございます。国保はどうかといえば、国保もまたこれ違っておりまして、財政基盤の大きさ、小ささ、財政状況、いろんなものによって保険料も違うわけでありまして、そもそも保険料の算定も違うわけですよね、これは。所得割や資産割や世帯割や均等割、これ全部、全て使っていないところもあります。
 ですから、そういう意味からすると、まず国民健康保険自体もそれぞればらばらだという中において、これをこれからどう考えていくか、財政基盤の弱いところをどう考えていくか、こういう御議論も実は今国民会議の中でいろいろと行っていただいておる状況でございまして、全て一緒になればいいんですが、一番の問題は、なぜこんな所得割、均等割、資産割になっているかというと、所得の捕捉がやはりサラリーマンとは違うというところでございまして、これが実は年金も同じで、国民年金とそれから被用者年金がなぜ違うかと。同じような公平性の下での所得捕捉がなかなかできないということで、一定額というような国民年金ができてきておるわけでございますから、保険料の。それと同じような状況の中で、この保険料の算出というものに関しての手法というものが生まれてきたというふうに理解いたしております。
 究極の意味では、委員がおっしゃられたことは分かるんですけれども、なかなかそこが難しいという問題点もあるというふうに理解をいたしております。
#127
○武見敬三君 こういう問題を議論するときは、やっぱり、その政策は一体何のためにやるのかという原理原則をきちんと確認をしておくということが必要だと思います。
 私は、やはりこの医療保険制度を改革するときの原理原則というのは、やはり持続可能性と公平性だと思います。この二つの考え方に基づいて組み立てようとするときに、大臣おっしゃるような形での意見が大きく分かれてくるわけです。言うなれば、保険料をめぐる公平性に重点を置いて考えようとする人たちの場合には、例えば、総報酬制を全てに適用せよといって、その保険料負担を、組合健保とか共済組合とか豊かな保険者についてはそれを増大させて、そして結果として、保険料率が上がって負担が増えることによって国民健康保険の保険料負担との整合性を調整していこうという考え方になるわけですよ。
 実際にそういうやり方を徐々に徐々に今我々はやり始めているわけです。ただ、こうした対症療法的なやり方というものについての限界というものを私は認識することが必要であろうというふうに思うわけです。
 例えばの話、今もお話に上がりましたけれども、こうした協会けんぽの保険料率上昇の主な原因というのは、当然に現行の高齢者医療制度における、これ前期高齢者に対して、七十五歳未満の加入者数に応じて保険者が負担をするという形になっていますよね。そして、後期高齢者医療制度については四割負担になっています。これに対する支援金額が年々増えてくる。年々増えてくると、その結果、組合健保等も赤字、協会けんぽも赤字になってくるから、その保険料率を上げて、そしてその赤字分を補填しようとすると。しかし、また年々この支援金の負担額が増えるから、また保険料を上げると。要は、今ずっとイタチごっこを繰り返しているわけですよ。このイタチごっこというものに、そう遠くない将来、これ決着付いちゃいますよ。
 そうなったときに慌てて物事を改革するというのではなくて、やはり、まさにこれから二年、三年のうちにこうした基本的な抜本的な改革を共通の理念に基づいて実現していくことが私は最も求められる政治的リーダーシップだと思っていますよ。
 そういう考え方の中で、この前期高齢者納付金に対して公費を投入するべきかどうかという、そういう意見にかかわる判断が下されてくると思うんですけれども、この点については大臣の御所見はいかがですか。
#128
○国務大臣(田村憲久君) 前期高齢者に対してどう拠出をしていくかという問題、今おっしゃられたのはその中での公費負担の話でございますか。
 これは一つの考え方であろうと思います。後期高齢者の保険制度に対して、今、公費負担五〇%と言われておりますけど、これを引き上げていくという考え方もあるかも分かりません。それはいろんな議論があります。五〇%が保険の原理だという考え方はあります。それがそれ以上になれば保険とは言わないではないかという考え方もありますが、一方で、加齢というものに対しての医療的リスクというもの、これは言うなれば保険という制度だけでは対応できないのではないかという考え方も成り立つんであろうと思います。介護も同じことが言えるかも分かりません。
 その場合に、五〇%という枠を超えて、つまり保険という枠を超えた中で税全体で、消費税という考え方があれば、それは最終的に全ての消費者という話になると思いますけれども、ほかにも税というのはいろんなものがありますから、税全体で考えれば、他の税も含めてそういうものを入れていくというのは、保険機能といいますか、共助を超えて公助に近い考え方だと思いますから、そのような考え方は決して成り立たないわけではないとは思いますけれども、一方で、保険ですから、五〇%という御議論もあるのも承知をいたしております。
 更に申し上げれば、前期という、今まではこの六十五から七十四までの方々というのは支え手側だというような考え方だったんですが、事実上はもう団塊の世代の方々がここに入ってこられて、医療費も一人当たり医療費がやはり五十五万ぐらいあるわけでありますから、若い方々と比べれば圧倒的に医療費が掛かるわけでございますので、こういう方々に対しての国の負担という、公助という意味での負担というものも考えていかなければならないということになれば、おっしゃられるとおり、前期に公費を負担をしていくということも一つの考え方であろうと思いますが。
 いずれにしても、最後は財源の問題をどう考えるか。消費税が八%に上がり、やがて一〇%に上がる中において、その使い道というものをまだ精緻には議論をしていない部分もございますので、国民会議等々いろんな場でそのようなことに対して今御議論をいただく中において、私も、何か事あるごとに公費負担の在り方もお考えをくださいというようなお願いもさせていただいておる次第でございまして、そのような議論の中で一定の御結論をいただいた上で、我々も制度改正への検討を始めたいというふうに思っております。
#129
○武見敬三君 これは非常に基本的な話ですよね。国民医療費の財源というのは、まさにこれは保険料とそれから税金の財源とそれから患者負担ですよ。この三つから構成されている。この中で、おおよそ立法府の中では、保険料を財源として主たる国民医療費の財源は確保するという共通認識がおおよそできていますよ。
 であるとするならば、まずはこの保険料を財源とする医療保険制度というものをどれだけ持続可能性高いものにし、かつまた公平性の高いものにするのかという観点をまず優先的に考えて、その上で公費、すなわち税金というものをどのように投入するかという、そのまさに優先順位で私は物事を考えていくべきだというふうに考えるわけでありますが、この考え方についてはどうでしょうか。
#130
○国務大臣(田村憲久君) 自助、共助、公助というのが自民党の基本的な考え方の下に我々はいろんな保険制度を考えてきたわけでございますので、そのような意味からすれば、まさに保険というのは共助でありますが、一方で公費も一定程度入っておりますから、共助と公助の間と言った方が正確なのかも分かりません。ただ、やはり保険料というものを前提で、自己負担と保険料というものを前提で考えていくのが保険制度であることは間違いがないわけであります。
 先ほど、誤解を招くとあれでございますので、後期高齢者医療制度のことを申し上げたのは、その中において、元々保険制度とはいいながら少しばかり違う保険制度、これは言うなれば、外に出してはいるわけでありますけれども、かなりの部分がやはり後期高齢者支援金ですね、支援金とそれから公助、税金の部分ですね、この部分が入っておりますから、そもそもが、これは本来医療を受ける方々の保険料と自己負担というものが極端に少ない、そういう保険制度になっておるわけでありまして、これはなぜかというと、先ほど申し上げましたとおり、加齢に伴う健康上のリスクというもの、これはもういかんともし難い部分でございますから、このようなものに対しての制度というものをあのときつくったという、そのような記憶があるわけでございまして、そういう保険もありますが、基本は、今委員がおっしゃられましたとおり、自己負担と保険料というものを中心にやっていくというのがまずは第一義的であろうというふうに認識をいたしております。
#131
○武見敬三君 私もおよそそういうふうに考えます。したがって、後期高齢者医療制度というものを創設をして、そして、その中の五割は公的資金というふうに決めて、四割を支援金にしていたわけであります。
 しかし、実際に、そうすると、今後この公的財源の取り方というのは、すなわちその他の税財源から幅広く取ってくる財源になるわけであって、いわゆる賦課方式になるわけですよ、実質的には。そうすると、これからも確実に高齢化で、確実に医療費が増大する年齢層の中でその財源を安定的に確保するということになると、これは相当に税財源を入れざるを得なくなる。したがって、この後期高齢者医療制度と前期高齢者医療制度というものをもう一回、こういった持続可能性の高い、ある意味でこちらの方については税財源というものを確保した形での安定的な高齢者医療保険制度に組み替えていくということが私は必要だというふうに思っております。
 その意味で、前期高齢者の納付金に対する公費の投入も、そういうきちんとした戦略的なビジョンを持って考えるならば考えていただきたい。したがって、対症療法的にこういうことはやらない方がいいわけで、その点は是非中長期的なきちんとした戦略的な枠組みの中でお考えをいただきたいというのが私の基本的な考え方です。
 その上で、現行の医療保険制度、先ほど津田委員の方からもお話がありましたとおり、一九二二年、健康保険法というものが制定をされて始まったわけです。最初の時点では三%しかカバーされていなかった。ただ、この制度、私、最初から優れていたなと思いますのは、いわゆる大企業の労働者だけを対象としていないで、最初から中小企業を含めた労働者全体を対象とした雇用保険制度をつくろうとしていたという点について、私は極めて賢明な判断を当時の人たちはしてくれたというふうに思います。
 ただ、その後、今度は各市町村の方から自然発生的に地域保険が生まれてきて、そして、その後追いする形で一九三八年に国民健康保険法という法律が制定されたこと。したがって、この国民健康保険法が制定された時点から極めて地方主権の強い、自主努力の中での保険者の在り方というものがある意味で位置付けられてきたものですから、非常に独立性が強い。まさに雇用者保険と地域保険というものが組み合わさって我が国の皆保険制度の原型が既に戦前においてでき上がっていた。しかし、戦後改めてこの現行の憲法の下で、国民福祉国家としての新しい理念の中で、この雇用者保険とそれから地域保険というものがもう一度法律上調整されて、現在のこの皆保険制度を維持するその保険構造になっているわけです。
 この中で、私は、非常にやっぱり重視しなければならないなと思いますのは、一九五八年だったと思いますが、国民健康保険法の改正。この中で、第五条と六条で、第五条は、その地域に住んでいる住民は全てその市町村の国民健康保険に加入しなければならないという、これ義務規定ができているわけですね。そして、第六条の中で適用除外規定というのがあって、その基本的な国民としての義務規定というものについて、こうした健康保険法に基づく組合健保であるとか共済組合の被保険者であるならばこの第五条の適用対象から除外するという考え方で、組合健保だとか協会けんぽ、共済組合といったような雇用者保険というものの存在を認めるという、そういう法律構造に戦後明確に設定されたわけですよ。
 このことは、やっぱり地域保険を主体として我が国の皆保険制度というものがその当時想定されて組み立てられてきたというふうに私は認識すべきだと思いますけれども、この点についての大臣の御所見を伺いたいと思う。
#132
○国務大臣(田村憲久君) 武見教授から、公的保険、皆保険の歴史を今学ばさせていただくとともに、理念というものを教えていただいたわけでありますが、もうおっしゃるとおりでございまして、やはり、先ほど申し上げましたけれども、国民健康保険、国保がなければこれはもう皆保険というのは成り立たないわけでございますので、そういう意味からすれば、やはり国保というものをしっかり我々は守っていかなければならないと。
 そのために、今までもいろんなことをやってきておるわけでございますけれども、ただ、一方で、特に景気の悪いとき、当然被用者保険の方も、所得階層の低い協会けんぽの財政が厳しくなるのと同様に、さらに、会社を辞められた方まで参加をされて、所得が低くなった、またほとんどなくなった方々まで入ってこられる国保というものの財政というものは大変厳しくなりますし、当然、高齢化という意味からしますと、国保は相対的に年齢の高い方々が多いわけでございますから、そのような意味からいたしましても、医療というものに対しての給付というものは多くなるわけでございますので、財政としては非常に逼迫をしてくるわけでございますから、国保を維持していくためにも、我々はあらゆる方法でこれを維持するための制度をつくっていかなきゃならぬというふうに思うわけであります。
#133
○武見敬三君 そこで、もう一度、保険料をめぐる公平性に触れてみたいと思うんですけれども。
 今は、大臣御指摘のように、国民健康保険というのは、ある意味で、やはり皆保険制度を構成する法律構造上、明確に基本法になっているわけですよ、適用除外としてその他の雇用者保険というものが認められているわけですから。この観点から組み立てられているそういう医療保険制度である。その上で、残念なことに、要は、保険料に係る公平性の議論だけは放置されてきてしまったわけです。
 一九五八年の健康保険法とそれから国民健康保険法の改正で、実は大事な改正項目があって、このときは、今度は国民健康保険じゃなくて組合健保、雇用者保険の方の診療報酬制度に国民健康保険法の方の診療報酬制度を統一するということをやって、これによって、全ての被保険者はどの保険者に属していても同じ給付、医療サービスが受けられるという給付の平等というのを達成しているんですよ。だから、一九六一年に最後の町でこの国民健康保険ができて、それによって皆保険制度が達成されたときに、このアクセスの平等と給付の平等というのがその時点で確立されたという点で私は優れていたんだろうと思います。
 これを考えてみたときに、更にほかの重要な公平性の対象というのは患者負担それから保険料なわけですよ。患者負担については、二〇〇三年でしたかね、患者負担三割で統一するという格好がおおよそできてきました。他方で、保険料に係る公平性、これは平等とまで言い切っていいのかどうか分かりませんのであえて公平性と言いたいと思いますけれども、この問題というのはなかなかきちんと真正面から議論されてこなかった、そしてその格差はむしろ広がるばかりというのが残念な現状でありますが、なぜこういうことが起きているんでしょうか。
#134
○国務大臣(田村憲久君) いや、お分かりの中でお聞きをいただいているんだと思いますが、要は、給付が統一をされる、そして自己負担も統一をされる、すると、残った所与の収入ですよね、保険料、これが動くしかないわけでありまして、一つの保険者であるならば、それが全て均等化されて当然一つになるわけでありますが、それぞれ保険者が別々であって、そこで使われる医療費、給付が違うわけでありますから、当然のごとく、どこかが変数がないとこれは成り立たないわけでございますから、それがまさに保険料であり料率になってくるということなんだと思います。
 ですから、一つにすりゃいいじゃないかというお話なのかも分かりませんが、余り先に話を進めますと後の質問にかかわってくると思いますので、これぐらいにさせていただきたいと思います。
#135
○武見敬三君 いや、これは、いわゆる政策論としての議論だけじゃなくて政治論でもあるんですよ。要は、自民党でこういう保険者の保険料率の公平性の議論をして、それを理想的に解決しようとすれば、それは保険者の整理統合があるんだと、こういう議論になるわけですね。そうすると、そういう議論に対しては大企業の経営者、経団連は猛反対してくるわけですよ。だから、自民党政権のときはなかなかできなかった。しかし、民主党政権になられて、この整理統合を考えられた方々もいらっしゃったですよね。だけど、実際になかなかそれも実現できなかった。これはやっぱり、大きな企業の組合や公的な機関の組合の皆さん方はやっぱり嫌がるわけですよ。そうすると、こういう政治的な力学が働いていると、単に政権交代繰り返しただけではこういう問題は解決できないですよ。これは深刻ですよ。
 私は、やっぱり本当にやらなきゃならない持続可能で公平なそういう医療保険制度をつくるという本当にぎりぎりの局面に我が国は入ってきていて、この点に関しては、しっかりと超党派できちんとした共通認識を持って、こうした改革をするんだという政治的なやっぱり基盤づくりは本当に必要だと思います。そういうことをやらないと、この我が国の中で国民が納得していただけるような医療保険制度の改革、できないですよ。
 そういう中で、私、一つのいい前兆が現れてきているなというのは、社会保障国民会議で国民健康保険について広域化を目指せという意見がかなり大勢を占めてきたことなんですよ。これは非常に尊重すべき意見で、それをじゃどう具体的に育てていくかという、そういう観点から御質問をさせていただきたいんだけれども、現在は、高額療養費共同事業、これは保険者の拠出金とそれから公的資金、これは都道府県と国の財源、これによって、八十万を超える場合にお互いに保険者同士で国保を助け合う仕組みをつくっておられますよね。それから、一件三十万円を超える場合には、保険財政共同安定化事業ということで、保険者の拠出金のみで、それは国保連合会が所轄をしているようでありますけれども、こうした事業も行っている。
 こういう事業を具体的に積み重ねていくというやり方は、言うなれば、国保の保険者同士の財政調整の仕組みを対症療法的につくっていっているわけですよ。これを、やっぱり僕は、国民に対してもうそろそろどういう方向に向かってこういう対症療法をやっているのかという説明をきちんとすることによって、それが対症療法ではなくて、よりきちんとしたビジョンの中で一つのステップとしてやっているんだということを国民に御理解いただいて、そして、そのきちんとした理解に基づいて大きな改革を実行していくという、こういう政策的な手法、これが求められてきているというふうに私は考えます。
 この点についての大臣の御所見、いかがですか。
#136
○国務大臣(田村憲久君) 国民会議で県単位で保険者を統合すればいいではないかという御議論もいただいております。一方で、今の財政調整、これを見守りながら、その後どうしていくかを考えようという御意見もある。さらには、この保険者機能、保険者機能というよりは財政調整ですね、これを、県単位の財政調整を更に強化して進めていった方がいいんではないかという御意見もございます。
 だから、それぞれいろんな御意見はあるんですが、そもそもどれも保険財政を県単位に調整をしていこうという意味では同じ方向性だと思います。ただ、それを、対症療法じゃなくて、もう一遍にばあんと都道府県が一つの保険者になって対応すればいいではないかと、どうだ、大臣、どう思うというような御意見に関しましては、今の私の立場で、私はどれだと言いますと、国民会議の方々のいろんな御意見もございますので、言うことは差し控えさせていただきますが、しかし財政的には、やはりこれは合わせていくというのが今の趨勢であるということは、これは確かであろうというふうに思います。
#137
○武見敬三君 これは非常に大きなジレンマも実はこういう統合論の中にあるんですよ。すなわち、市町村が財政的責任者から解放されて、そしてその保険料徴収事業を熱心にやらなくなったら今まで以上に保険料の徴収率が下がってしまって、結果的にむしろ財政悪化の原因になりはしないかという意見だってあるわけですよ。
 したがって、こういう保険者としての整理統合を進めていくという大きな議論の中で、当然に保険料徴収率をどう具体的に各地方事務の中でこれを強化していくのかという議論を実は一緒に進めていかなきゃいけないんですよね。したがって、そういう総合的な視点というものをいかにつくるかというところに今最も政治的リーダーシップが求められているんだということを私は言いたかったわけであります。
 そこで、実は先ほど櫻井委員の方からも話がありました予防接種の件についてお話を伺いたいと思います。
 これから、我々予防接種の一部改正の法律を通しまして、これによって予防接種については七種、そのうちの三種を実際に定期接種として実行していく、そういう状況をつくり上げてきたわけでありますけれども、しかしながら、これはあくまでも財政措置としては交付金というやり方で組み立てられている、そういう流れになります。しかも、基本的に、これ地方自治事務という整理がされているおかげで、結果として価格まで各地域によって異なってきたり、実際にそれぞれの予防接種を受ける側の負担金についてもそれぞれにばらつきが出てくるという、そういう状況が現実に今あるわけですよ。僕、これ決していいことじゃないと思いますよ。
 言うなれば、これから確実に医学、医療が進歩して、ワクチンによって予防できる、そういう疾患は物すごく広がってくるわけです。したがって、我々は国会ではルールとしてどんどんそれを広げていきましょうという法律を、予防接種法改正をし続けながらやっていくわけですよ。しかし、今のこの財政措置の仕組みの中でやっていく限りにおいては、そういう地方自治事務の中で、その実行の仕組み、負担、その中に必ず今のようなばらつきが生まれてきてしまうわけですね。
 これをどうやってそういうばらつきのない形にしていくか、それからそのための安定した財源をどうやって確保していくかということを考えると、これはもう私なんかは、やっぱり予防給付として保険料を財源としてこれを実施するという考え方で私はやるべきだろうというふうに思いますよ。それはもう、ある意味で国がその分、財政的な責任を負わなきゃなりません。
 しかし、この点については、一九九三年までに、こういうワクチンにかかわる訴訟が副反応の問題でどんどんどんどん起きて、国が片っ端から負けましたよね。だから、九四年から、これが努力規定で任意接種に変わって、それによって今、今日の状況にまで立ち至った。しかし、他の先進国ではどんどん医学、医療の進歩によって様々なワクチンが開発されてきているものだから、我が国でもちゃんとやろうというそういう流れにようやく戻ってきたわけですよ。
 しかし、この流れをもう一回きちんと安定的に、きちんと地方の中で格差がないような形で、人の健康や命にかかわる問題でありますから、きちんと公平に対応できるような仕組みに私はしていかなければならないというふうに考えているわけでありますけれども、この点についてのお考えはいかがでしょうか。
#138
○副大臣(秋葉賢也君) ただいまの武見委員の質問のお披瀝の中にもございましたとおり、まさに今回の予防接種法の改正等におきまして、いわゆるワクチンギャップの解消に一歩前進という形にはなったわけでございますが、その費用負担をどうするのか、事業実施主体者をどうするのか、ばらつきの格差をどうするのかというのはやはり変わらぬ課題であるわけでございます。
 そういう中で、現在の公的医療保険制度といいますか、健康保険法におきましては、基本的には疾病や負傷を保険の対象としているところでございまして、この疾病予防については法律上その対象には位置付けられていないという現況がまずございます。
 予防接種を保険給付の対象とすることにつきましては、本来、疾病や負傷等を保険給付の対象としている我が国の医療保険制度の目的にかかわる重要な変更になるという点もございます。また、がん検診や乳幼児健診など、ほかの地域保健の事業との関係をどのように整理するのか、また、医療保険財政が極めて厳しい中で協会けんぽや市町村国保等の保険者の理解が得られるのか、そうした慎重に検討すべき課題、論点もございますことから、国民的な議論が必要だと考えております。
 今回の社会保障制度改革国民会議あるいは三党での協議を踏まえて、私たちも大変重要な問題、テーマだと考えてはおりますので、前向きに検討していかなければならないというふうに認識しております。
#139
○武見敬三君 是非前向きに検討していただきたいと思います。
 この予防接種にかかわる課題、これ非常に副反応の問題が常に出てくることはもう必至です。どんなワクチンだって必ず副反応が出るんですよ。しかし、ワクチンの副反応というのは、疫学的な調査を通じて、科学的なエビデンスに基づいてその因果関係を証明するのに時間が掛かるんですよ。したがって、その間にその副反応で深刻な事態に陥ったと思われるそういう患者さんや家族の方々というのは、極めて大きく問題を提起されて、それがまた大きな声にもなってきます。
 こういう中で、改めて、こうしたグレーゾーンであったとしても副反応に対するしっかりとした対応措置ができるような施策も私は必要だと思いますし、開発メーカーもそれに積極的に参加できるような仕組みも私はつくらなきゃいけないだろうと思っております。
 この点に関しては、他の先進国の事例で、私いいのがあるなと思うのは、官民共通の大きな基金、ファンドをつくって、そのファンドによって、そうした副反応と思われるそうした病態の方も含めて、かなり早い時期から救済措置としてその治療を受けたときの経済コストを負担しないで済むようにするとか、それから、実際にその補償ということになるとその基金から拠出をするとか、そういう仕組みで副反応にかかわる体制をかなり早い時期からできるような財源措置を講ずるんですよ。
 それと同時に、こうした基金にかなりの額拠出する開発企業に対しては、そのワクチンを開発したときの訴訟対象から除外すると。したがって、結果としてこれらのメーカーは積極的にこういう因果関係を証明しようとするときに協力するんですよ。要は、今の我が国の法律だと、一生懸命因果関係証明しようとすると、各企業は結果として訴訟されて賠償される自分たちの立場を自ら開拓するような話になっちゃう。
 だから、こういう問題をやはりきちんと政治の力で解決する基金をつくって、そしてこういう我が国の予防接種にかかわる行政というものを医学、医療の進歩に合わせて発展させていくという仕組みを是非私はつくっていただきたいと思いますよ。
 今、我が国の中で実質ワクチンを開発してきている事業というのは、中小企業四社だけですよ。しかも、いまだ有精卵使って開発しているんですからね。今、他のところは、細胞工学でバイオテクノロジーで開発するという大きな時代に入っているときに、一世代遅れちゃっている。だから、こういう流れを何とかして解決していっていただきたいということをお願いしたいと思います。
 そして、もう一つ申し上げておきたいのは、市町村ごとにこうした保険者を整理統合していくということがあるとすれば、その持つ意味というのは保険者機能という観点だけじゃないんですよ。実は、その都道府県ごとの首長が現状においても地域医療計画を策定するその責任者になっているんですよね。したがって、要は、医療の提供体制と、それからそれをファイナンスする保険者機能というものを両方組み合わせた形で管理運営できるガバナンス強化になるんですよ。これによって、より効率的で質の高い医療保険制度に各都道府県ごとに組み替えていく政治的努力、動機付けというものが働きます。
 私は、そういう意味では、診療報酬制度そのものも決してその例外ではないと思いますよ。今は、我が国の診療報酬制度というのは統一されて給付の平等性、公平性は確保されています。しかし、場合によっては、こうした都道府県にそれぞれ保険者機能を持ってもらって、そしてその医療提供体制を整備する地域医療計画策定の責任者になってもらって、同時に、その中で一定程度の範囲で、こうした診療報酬制度についても一定の裁量権を持ち得るような形に整えていくことも将来的には考えなきゃいけないことになるだろうと思いますよ。
 こういうふうなことはかなり抜本的な改革になるものですから、是非そういう大きな政治的リーダーシップを大臣には発揮していただきたいというエールを送っておきたいと思いますので、よろしくどうぞお願いを申し上げます。
 その上で、最後の質問になりますけれども、これは安倍総理にもお尋ねしたことがございます。これは昨日、決算委員会でも質問させていただいた課題なんですけれども、やはりアベノミクスという形で経済を成長せしめ、そしてまた、更に所得の増加を図り、そして消費性向の強化を図って好循環の新しい経済の発展を組み立てていくというのは、私は基本的に極めて正しいと思う。
 しかし、その成果の果実というものをどのように社会保障制度を通じて健康保障につなげるか、あるいは年金を通じて所得保障制度につなげるか、あるいは介護その他様々な社会保障制度につなげて、そして、安心できる、そうした社会に再構築していくかという大きな全体像というものがこの高齢化社会の中で求められているんですよ。
 そういうときに、経済政策もそれから社会保障政策もパッケージで、一体どんな社会を我が国は今求めているのかということを考えたときに、私はもう明らかに活力ある健康長寿社会だと思いますよ。
 かつて我が国は、いわゆる健康で教育レベルの高い中産階級社会をつくるんだというので、かなり各省庁共に連携して制度設計してきましたよ。その制度が今の我が国の制度ですよ。しかし、もう耐用年数過ぎている。確実に今後は、そういう大きな視点から活力ある健康長寿社会をつくらなければならない。その場合には、いわゆる保健医療、この分野というものは重要な役割を果たすことはもう明確なんですけれども、同時に、WHOが指摘しているように、健康の社会的要因というのはこういう場合非常に重要になります。なぜならば、健康寿命に大きく影響するからなんですよ。
 我が国の場合には、この平均寿命と健康寿命の延び率をこの十年間比較してみると、明らかに平均寿命の方がより高く延びてきちゃっていて、健康寿命の延びは一歳弱、平均寿命は一・五と、こんな感じになっていますよね。そのギャップが今残念なことに広がろうとしている。これでは活力ある健康長寿社会にならないんですよ。
 したがって、どうやってこの健康寿命を押し上げてギャップを縮小するかという大きな考え方を健康の社会的要因というものと含めて考えたときに、実は厚生労働省というのは雇用政策であるとか全て社会的要因と関係の深い部分の政策も所轄しておられますので、是非厚生労働省で、こういう活力ある健康長寿社会をつくる大きな目標の中で、各局が連携して同じ方向に向かった政策を組み立てられるような仕組みを是非厚生労働省の中につくっていただいて、それを大きな意味でのアベノミクスと連携した形での社会保障政策として位置付けてそして実行していっていただきたいと思うんでありますけれども、大臣の御所見を伺っておきたいと思います。
#140
○国務大臣(田村憲久君) 活力ある健康長寿社会の実現ということで健康寿命というお話が出ましたけれども、安倍内閣でも健康寿命の延伸というものを一つ大きな命題に挙げておるわけでありまして、そのために、一つは医療ですね、これは再生医療も含めていろんな医療技術、こういうものを新しく生み出していく中において健康というものをしっかりと守ろう、また病等々に関してもしっかりと治せるような、そんな環境をつくっていこうと、それがまた新たな成長戦略の一環にもなるであろうという一つの考え方がございます。
 それと併せて、これは予防ですね、予防それから重症化予防、いろいろとあると思いますけれども、今ほど来、国保の県への統合という話がございました。問題点は、一つは保険料の徴収、これ一生懸命やらないだろうというお話を今いただいたわけでありますが、それ以外にも心配な話が健康づくり、保健事業、これを真剣にやるだろうかと。なぜならば、保険料が全部統一されちゃいますと、そもそもその地域で頑張って保険料を上げないなんというようなインセンティブがなかなか働かなくなってくる可能性があるということで、今自治体単位でやっておるものが県単位で果たしてどこまで働くか。
 そういう意味からしますと、特定健診それから特定保健指導、こういうような話をどうしていくかという意味で、これはまさに武見副大臣が厚生労働省のホームページで御自身のメタボ対策日記なるものを発信をいただいておられたわけでございまして、こういう健康づくりというものをしっかりとやって生活習慣病予防をやる、それから重症化を防いでいく、こういうことをやっていくことによって健康な社会をつくろう、こういうことを我々もしっかり進めてまいりたい、このように思っております。
 更に申し上げれば、ハローワーク等々でも高齢者等々の雇用に対する窓口をしっかりつくりながら、生涯現役社会という形でしっかりと働いていただける、また、働くだけではなくて地域のボランティアもあるかも分かりません、社会の中で貢献をいただけるような、そういう環境をつくっていかなければならないと思っておりますし、先般、六十歳定年制でありますけれども、六十五歳まで、これは厚生年金の支給開始年齢の引上げとともに延ばしていくわけでありますけれども、継続雇用というようなものを進める新しい雇用制度というものが法律成立したわけでございまして、四月からスタートということでございますから、このような形で、元気でとにかく社会の中でしっかりと中心になって頑張っていただけるような、そんな高齢者社会といいますか、それを我々は実現していくことが大変重要であるというふうに思っておりまして、我が省だけではなくて、各省とも連携しながらしっかりと頑張って進めてまいりたいというふうに思っております。
#141
○武見敬三君 ありがとうございました。
#142
○渡辺孝男君 公明党の渡辺孝男でございます。
 健康保険法等の一部を改正する法律案に関連いたしまして質問をさせていただきたいと思います。
 まず、法案の内容について質問をさせていただきたいと思います。
   〔委員長退席、理事津田弥太郎君着席〕
 協会けんぽは被用者保険のセーフティーネットとして重要な役割を果たしており、その財政基盤の強化、安定化のために、平成二十二年度から二十四年度まで行ってきました国庫補助率引上げと後期高齢者支援金の負担方法について、平成二十五年度から二十六年まで更に二年間延長し、また協会けんぽの準備金についても取り崩すことができることとするなどの法案の内容につきましては、やむを得ない措置として賛成をしたいと思います。
 その上で、次の点について確認をさせていただきたいと思います。
 まず、協会けんぽに関する平成二十七年度以降の国庫補助率の検討に当たって、どのような対策を検討すべきか、またどのようなスケジュールでいつごろまでに結論を出していくべきか、厚生労働省の見解をとかしき厚生労働副大臣によりお伺いをしたいと思います。(発言する者あり)これは失礼しました。政務官。
#143
○大臣政務官(とかしきなおみ君) それでは、お答えさせていただきます。
 今回の協会けんぽに対する財政支援措置は、平成二十六年度までの当面の措置ということで講じさせていただいております。今回の改正案の中におきましても、前回の法案と同様、検討規定を設けておりまして、二十六年度までの間に検討を行うというふうに書かせていただいております。
 御質問の二十七年度以降の措置については、協会けんぽの財政状況のほか、高齢者医療の在り方と併せて議論する必要がありまして、今後、三党協議や社会保障制度改革の国民会議での議論を踏まえて検討していきたいと、このように考えております。
 以上でございます。
#144
○渡辺孝男君 国民会議のこれからのまた議論、いろいろ大変重要でありまして、三党協議も実務者の方でさせていただいておるわけでありますけれども、しっかりやっていかなければいけないと、そのように思っているわけでございます。
 次に、後期高齢者支援金の負担の在り方については、全額を被用者保険等の保険者の標準報酬総額に応じたものとすべきと、そのような意見もまだあるわけでございますけれども、三分の一の現状を維持することになった理由について田村厚生労働大臣に確認をしたいと思います。
#145
○国務大臣(田村憲久君) 後期高齢者医療保険制度に対しまする各保険者からの支援金、これに関しまして、それぞれ大体医療給付費のもう約四割ぐらいを占めてきておるという現状になってきております。
 こんな中におきまして、やはり所得が低いといいますか、非常に財政的に厳しい保険者、協会けんぽがそれに当たるわけでありますけれども、そこの負担というものを考えたときに、やはりある程度の負担感の公平性みたいなものを進めていかなければならないというような御議論があったわけでありまして、その中には、今委員がおっしゃられましたとおり、総報酬割を全て入れるというような考え方を申し述べられる方々もおられたわけでございます。社会保障審議会の医療保険部会でもそういう議論がなされてきたわけでありますが、ただ一方で、やはりそういうものに対して、全て導入というふうになれば、健保連の立場からしてみれば、言うなれば国が本来やらなければいけない協会けんぽに対する支援の肩代わりではないかというような、そのような厳しい御意見もいただいておるわけでありまして、全体の中での制度設計を見直す中でそういう議論はすべきではないかというような御意見をいただいておるわけであります。
 そこで、とはいいつつも、今までやってきたことをやめてしまえば、それは協会けんぽの保険料率が更なる上昇をしていくわけでございまして、現行の一〇%というところで何とか維持するために二年間、これは暫定的に今までどおりこの総報酬割を三分の一導入すること、それから、国庫負担を一三%、暫定措置、これを一六・四%、本来はこれは本則の方へ入っておるわけでありますけれども、ここまで引き上げること、さらには積立金等々の取崩しができること等々を盛り込まさせていただく中におきまして、今般の法律改正案を提出をさせていただいて、何とか御理解をいただきたいということでございます。
#146
○渡辺孝男君 次に、健康保険の被保険者又は被扶養者の業務上の負傷等について、労災補償保険の給付対象とならない場合の対応につきまして質問をさせていただきたいと思います。
 まず、このようなどちらでも対応ができないような事案がどの程度発生しているものなのか、また労災の給付対象外となった理由について、とかしき厚生労働大臣政務官にお伺いをしたいと思います。
#147
○大臣政務官(とかしきなおみ君) お答えさせていただきます。
 今回の改正のきっかけとなりました健康保険の被扶養者でありましたシルバー人材センターの会員のケースでございますけれども、これは労働者ではなく請負で働く会員の活動中の負傷であったことから、労災保険と健康保険のいずれの給付も受けられなかったという事例でありました。これは健康保険の被保険者又は被扶養者の災害のうち健康保険が不支給となった事例でありますけれども、労災保険の対象とならなかった事案は残念ながら具体的には把握しておりません。
#148
○渡辺孝男君 今回、健康保険と労災保険の谷間の問題を解決するため、同種の事案を健康保険の対象給付とするというような内容の改正が含まれておるわけでございますけれども、この点、どういう理由でこういう形にすることにしたのか、田村厚生労働大臣にお伺いをしたいと思います。
#149
○国務大臣(田村憲久君) 今、とかしき政務官と委員とのやり取りの中で議論が出ておりましたけれども、シルバー人材センターでありますとか、あとインターンシップ中の負傷もそれに当たるんだというふうに思うわけでありますけれども、要するに労災保険の対象にならないという範疇に入る方々でございまして、これが結果的に健康保険の加入者それから扶養者ですね、被保険者のそのまた扶養者等々に関しましては、今までそういう方々に対する適用が健康保険の方でもなされていなかったと。だから、両方とも入っておりませんので、宙ぶらりんになると。これは国民健康保険には規定があって、そういう場合には対象になり得たということでございますので、こういう場合にどうしても、公的皆保険といいながら、医療が受けられない、保険で医療が受けられないというようなすき間ができておったというような御指摘をいただいてきたわけでございまして、ここを何とかやっぱり埋めなければならないという中におきまして、今回この健康保険の対象という形にさせていただくということになったわけであります。
   〔理事津田弥太郎君退席、委員長着席〕
 ちなみに、今回の改正により新たに保険給付の対象となるケースについて協会けんぽに改めて詳細を聞きましたら、よく分からないけど年間十件程度こういう方々がおられる可能性があるなというようなお話でございました。
#150
○渡辺孝男君 十件程度でも、当事者にとりましては本来保険で給付されると思っておられたのができないということは大変なことでございますので、今回こういう形で谷間を埋めていくということは大変重要であると思っておりまして、この内容についても賛成の立場でございます。
 次に、協会けんぽの保険者機能の強化に関連して質問をさせていただきたいと思います。
 まず、今回の改正案に盛り込まれた保険給付に関する事業主への立入調査等に係る事務を協会けんぽに委任することにした理由と経緯について、田村大臣にお伺いをしたいと思います。
#151
○国務大臣(田村憲久君) 近年、協会けんぽで、事業主と被保険者が結託をいたしまして、どうも不正に傷病手当金、これを請求しているという事案が見られるわけでありまして、ちょうど標準報酬月額を上げておいて、それで急に傷病を装ってこの手当を取ろうというような事案でございます。
 ちなみに、協会けんぽでは、これ疑われる事案ということで日本年金機構に調査を依頼いたしまして、平成二十三年度の調査で、もうこれ実施件数二百四十二件ぐらいそういうようなことが疑われる案件があるということでございまして、そういうものに対応するためには、なかなかこれ何も権限がなければできないわけでございまして、立入りの調査権なるものをしっかりと持っていただこうということでこのような形にしたわけであります。
 ちなみに、組合健保は、どちらかというと事業主と保険者が同じような類いでございますから、なかなかこういうことは起こりづらいんですけれども、協会けんぽの場合、どうしても保険者と事業主が違うということでこのようなことが起こり得るわけでございまして、今般このような制度改正にさせていただいたわけであります。
#152
○渡辺孝男君 次に、保険給付の適正化には、やはり疾病予防のための保健指導やいまだ発病しておらない未病の段階での健診によるチェックなど早期診断、早期治療が重要と、そのように考えているわけであります。そういう意味では、メタボ対策である特定健診、特定保健指導も大変重要でございます。
 協会けんぽでの実施状況について厚生労働省にお伺いをしたいと思います。
#153
○政府参考人(木倉敬之君) お答えいたします。
 協会けんぽにおきます特定健診、特定保健指導でございますが、二十三年度で見てみますと、特定健診の方が三七・四%、特定保健指導の方が一一・三%。二十年にスタートから伸びてきておるのではありますが、まだまだ目標に対しては低いレベルだというふうに認識しております。
#154
○渡辺孝男君 この協会けんぽのデータは、他の保険者、例えば健保組合、共済組合や国民健康保険等と比較した場合どのような評価となるのか、また課題について厚労省にお伺いをしたいと思います。
#155
○政府参考人(木倉敬之君) お答えをいたします。
 今の数字の二十三年度の数字でございますけれども、まず特定健診の方、実施率、協会けんぽは三七・四%でございますが、市町村国保三二・七%よりはやや高い、しかしながら、組合健保六九・七%、共済組合七三%と比べますとやはり大きく低いということでございます。
 これはやはり、百六十万事業所という大変中小零細の事業所をたくさん所管をしておるということで、拠点になりますのがやはり四十七県の支部が拠点で、事業所はまた別でございますので、それぞれの事業所に対してのこの呼びかけ等もやはりなかなか届かない面があろうかというふうに思います。これに対しまして、組合や共済は、自分たちの事業所、それは一体でございますので徹底が図りやすいという面はあろうかと思いますが、なお努力をしていかなきゃいけない点だろうというふうに思っております。
 それから、この事業者の方から事業者健診の方のデータをいただきまして、提供を受けまして、それを今度は活用し、さらに指導にもつなげていくというこういう努力、これもやっていかなきゃいけないということで努力をしておると。大臣も御説明をこの前も申し上げましたように、個人情報保護の問題はないんですが、その誤解がある点を解いていくとか、それから、提供いただくデータの様式が違うところを統一をしていくような努力をするとかいうことをやっております。
 それから、保健指導の方でございますが、一一・三%の方は、市町村国保の方がこれは高くて二一・七%、倍ぐらいやっておりますが、逆に組合健保は一七・一%、低い、共済組合一二・六で低い、協会けんぽはそれよりもやや低くて一一・三%でございますが、この点の方は、国保の方は市町村で、従来から老人保健法の時代から市町村の取組として保健事業を進めてきた実績ある上に積み重ねて努力をされているということがあろうかと思います。
 それに対しまして、この特定保健指導は、やはり該当者に六か月間指導を受けていただきましてその結果をきちんと出していこうということでございますので、なかなかこの継続という面でまだまだいずれにしましても努力が必要ということであろうかと思いますが、これはその保健師の方々の指導に対しましての初回の面談であるとかその後の継続であるとかのやり方をもっと柔軟にするとかというふうなこと、それから、そもそもちゃんと保健指導を達成していただくと、メタボの該当者と該当者じゃない方というのは年間の医療費がお一人大体九万円ぐらい違ってくるという実績のデータも出ておりますので、こういう本当に健康のためになるんですと、それからひいてはその保険者の方々の医療費の適正化にも資するんですということをきちんと分かっていただくようなデータもきちんと提供する、出していきながら、理解を広げていかなきゃいけないなというふうに思っておるところでございます。
#156
○渡辺孝男君 平成二十五年度から平成二十九年度までの健康日本21の特定健診、特定保健指導の全国目標が立てられて、協会けんぽとしてもその取組をするということになっておるわけでございますが、各保険者によってその目標数値も違うと。協会けんぽとしての取組については今もお話を聞きましたけれども、これからこの目標に向けてどのような対応をしていくのか、この点をお伺いをしたいと思います。
#157
○政府参考人(木倉敬之君) お答えをいたします。
 まず、協会けんぽの特定健診でございますが、全国で百六十万事業所、中小零細も多いということで、受診をしていただく機関、場所を増やしていくという努力が必要だろうと思います。それで、この第二期の実施計画も協会けんぽ自ら立てて、細かく分析し、評価をしながら計画を立てておりますが、その中ではやはり健診の受診機関を、受診を委託していただける、受託していただける機関を増やして、より身近なところで受けていただくようなことを進めていきたい。それから、先ほど申し上げましたが、事業主の方の労働安全衛生法に基づきます事業主健診と大きく重なっておるわけでございますから、このデータをきちんと提供を受けながら役立てていくということも同時に進めていかなきゃいけないところでございます。
 それから、被扶養者の方、御家族の方がなかなか受けていただけないという面がございます。これは、事業所に勤めていらっしゃる方以上に距離が遠いということもありますので、この大事さということをよく分かっていただくということで、受診の受診券というものをお配りをして受けていただくようなケースが多いわけでございますが、その事業所経由でというよりも、直接協会けんぽの方から御自宅の被扶養者の方にきちんと届けて、これを受けてくださいと呼びかけをするようなことでより認識を持っていただくと。
 それから、協会けんぽからの、全体の費用負担もやっぱり高いということがありますので、協会けんぽの方からの支援額というものも、単価を増額をするというようなことを二十五年度からやるというようなことをやっております。
 さらに、指導の方につきましては、健診を受けた機関と、それからその後継続をして指導を受けていただく機関を同じようなところで継続してやっていただければより信頼感も増すということで、そういうことの受託の拡大もしておりますし、それから、やはりこれからの時代、インターネットで画面を通じての指導を受けていただくような、距離を克服できる、より利便性を高めるような工夫もしていきたいと。
 協会けんぽは、第一期のときにも作っておりましたが、第二期におきましても、去年からはアクションプランということで、やはり協会としても、レセプトや健診データを分析をして重症化予防等に非常に効果の上がる取組をしておる支部もございます。こういう支部の取組というようなものを各支部で共有をしようということで、本部も支部もそういうような応援をし、その評価を各支部にも届けていく、そういうことでより積極的に健診を受けていただく、その健診結果を重症化予防に役立てるというふうな取組を、これをアクションプランということで本部と支部全体で取り組もうというような計画も立てて今取り組んでおるところでございます。
#158
○渡辺孝男君 第二期の健康日本21の目標をいろいろ定めながら、生活習慣病予防等にしっかり国民全体が取り組んでいくことは大変重要だと、そのように思っております。
 次に、特定健診、特定保健指導の目標達成状況等による各保険者の後期高齢者支援金の加算、減算のことが実施されていくわけでありますけれども、その実施方針につきまして田村厚生労働大臣にお伺いをしたいと思います。
#159
○国務大臣(田村憲久君) この加算・減算制度でありますけれども、平成二十四年度の特定健診等の実施に基づいて平成二十五年度、限定的でありますけれども、これを実施していくわけであります。
 加算対象としましては、特定健診や特定保健指導を実施していない、そういうような保険者に限定をいたします。それから、加算率なんですけれども、〇・二三%、〇・二三%ですから僅かでございますので、いろんな御議論はあるわけでありますけれども、これはなかなか保険者間での合意という中において、いきなり高い率ではというような御意見がある中においてこの率に収まったわけでございます。
 そして、減算対象に関しては、これはそれぞれ健診、保健指導を、これ目標を両方とも達成した、こういうところに対して減算を掛けていくということでございますが、難しいのは、やはり先ほど〇・二三、なぜこんなに低いんだという話なんですが、これ評価の公平性というものが本当に担保できるのかと。
 といいますのは、先ほど来お話出ておりますけれども、健保組合、組合健保に関しては事業主と保険者がほぼ一体となっておりますので、事業所での健診、検査というものを、これを特定健診の方に使えるわけですね。ところが、協会けんぽの場合は、先ほど来局長からお話がありましたとおり、事業主と違うものでありますから、保険者が、なかなか個人情報、本来は出しても問題ないんですけれども、個人情報を出すのをためらったりでありますとか、そもそもデータの様式が違うなどの問題があると。さらに、国保に限れば、まだ事業所に勤めておられる方々に対してはアプローチできますけれども、国保となりますと、市の広報でありますとか、いろんなものを通じてしかアプローチがしていけないわけでございまして、やはりそこには前提とした健診率の違いというものがあるであろうということでございまして、そういう意味からしますと、この特定健診、保健指導をそもそも受ける率というものに対しての、まあハンディとは言いませんけれども、前提が違う中において同じ土俵で評価という話になるとなかなか難しいので、そこら辺の評価手法をこれからどう考えていくか、これは大きな課題であるというふうに認識をいたしております。
#160
○渡辺孝男君 加算・減算制度、とにかく努力して保健の分野で頑張っていただいたところを評価をし、またそれが、努力が足りないところはまたしっかりやってもらうという制度でありますので、これを更に充実して効果が現れるような形にしていただければと思います。
 次に、がらっと質問の内容変わりますけれども、安倍総理は四月十九日の成長戦略に関するスピーチで、私が目指すものは、同じ長寿でも、病気の予防などに力を入れることで健康な体の維持を重視する社会ですと。また、健康長寿社会が構築できれば必ずや日本から世界にも広がると信じていますと述べ、関連する成長戦略についての考えの一端を示されたわけでございますが、これら総理のスピーチを受けて厚生労働省としてどのような対応をしていく方針か、田村厚生労働大臣にお伺いをしたいと思います。
#161
○国務大臣(田村憲久君) 先ほど武見委員の御質問にもございましたけれども、我が省といたしましても、健康長寿社会の実現ということを大きく掲げておるわけでございまして、健康寿命の延伸、こういうものをしっかりと進めてまいりたいというふうに思っておりますが、そこで一つは医療関連イノベーションということで、これ果たすために、いろんな医療の技術等々、イノベーションを起こしていかなきゃならぬわけであります。そしてもう一方は、予防の推進による健康長寿社会をどうつくっていくかということでございますので、この二本の柱で取り組んでまいりたいというふうに思っております。
 一つは、先ほど申し上げました医療関連のイノベーションでありますけれども、なかなか、医療機器でありますとか再生医療でありますとか、承認するスピード感がないというようなお叱りもいただいております。安全性というものは絶対に守らなきゃなりません。ですから、しっかりと安全性を確保した上でこの承認というものをどのように進めていくかということで、今般、法律を国会に提出をさせていただくという準備を進めておるところでございます。
 それから、社員の健康づくり等々、取り組む企業に対して一定のインセンティブ、支援をしていく中において、先ほど来の健康づくりという意味で企業にも一肌脱いでいただこうというような取組、こういうことも進めておるわけでございます。さらには、高齢者の自助、互助という形で介護予防、これをしっかりと促進をしていく。このようないろんな手だて、これを講じながら、とにかく健康で長生きして、長寿の社会、こういう社会を実現する。
 もちろん、そのためには高齢者の方々の働き場といいますか、活躍する場もしっかりとつくっていく必要があるわけでございまして、高齢化、高齢化と我が国言われておりますけれども、その方々が社会の担い手として今も頑張っておられるわけでございますが、更なる頑張るその場面といいますか、そういう機会を我々つくっていく中において、生涯現役社会というものをしっかりと実現をしてまいりたい、このように思っております。
#162
○渡辺孝男君 総理は、健康長寿社会の構築に資するものの一つとして、iPS細胞の利用による再生医療や創薬を挙げておられるわけでございますが、健康長寿には、私が考えるにはやはり認知症対策も大変重要だと、そのように考えております。
 そこで、認知症の予防や早期診断、早期治療に関するiPS細胞技術を用いた研究やヒト幹細胞を用いた研究の現状につきまして、秋葉厚生労働副大臣並びに文部科学省にお伺いをしたいと思います。
#163
○副大臣(秋葉賢也君) 渡辺委員御指摘の再生医療、認知症等の、これまで有効な治療法のなかった疾患の治療ができるようになるなど国民の期待が高い一方で、また新しい医療でありますことから、その安全面、倫理面の課題に十分留意をしながら迅速な実用化を進めていくことが重要だと考えております。
 厚生労働省といたしましては、この認知症の治療も含めました再生医療に関する臨床研究などにつきまして、予算面と税制度の両面にわたって取組を推進してきているところでございます。
 具体的には、平成二十四年度の予備費や補正予算におきましては、iPS細胞を利用した創薬研究体制の整備、これに大体十九・九億円、あるいは移植した細胞の安全性を事後的に検証できるよう、細胞を保管する体制の整備、こういったものにも九・八億円、人材育成のための細胞培養加工等トレーニングセンターの設置などにも二十二・二億円を措置するなどを行ったところでございまして、また二十五年度の予算におきましても、基礎研究で成果が得られてそして臨床研究に移行するものにつきましては、再生医療実用化研究事業等において継続して支援をすることといたしております。
 さらに、制度面の取組といたしましては、再生医療の迅速かつ安全な実用化を一層促進してまいりますために、今国会に、薬事法の改正案あるいは再生医療新法等、今最終調整を行っているところでございまして、調整が整い次第、今国会に提出をさせていただきたいと考えているところでございます。
 引き続き、再生医療の実用化へ向けた取組をしっかりと進展させてまいりたいと考えております。
#164
○政府参考人(菱山豊君) お答え申し上げます。
 iPS細胞等を用いました再生医療、創薬に関する研究は、健康長寿社会の実現に貢献するとともに、新たな産業の創出につながるものでありまして、重点的に推進すべきものと認識しております。補正予算やあるいは二十五年度の予算、補正予算では約二百億円、本年度予算では約九十億円の措置をしているところでございます。
 また、iPS細胞等を用いた認知症の治療に関する基礎研究につきましては、例えば京都大学の井上先生らによりまして、アルツハイマー病の患者さん由来のiPS細胞を活用いたしまして、アルツハイマー病の病態解明あるいは治療の候補薬のスクリーニング等に関する研究が既に実施されておりますし、また慶應大学の岡野先生や京都大学の高橋先生たちによりまして、iPS細胞を用いまして、認知症の原因となり得る脳梗塞の再生医療に関する研究も実施する計画となっております。なお、これらにつきまして、文部科学省としてもしっかりと支援していきたいというふうに考えております。
 文部科学省といたしまして、iPS細胞に関する研究を推進して、再生医療、創薬がいち早く患者さんの元に届けられますよう、関係省庁ともしっかり連携して進めていきたいというふうに考えております。
#165
○渡辺孝男君 健康寿命の延伸に関しましては、いろいろ田村厚生労働大臣も、例えば「健康寿命をのばそう!アワード」ですかね、そういう表彰もされているということでございますので、最後にこのアワードにつきまして、どういう趣旨でどういうふうに推進をしているのかお伺いをして、質問を終わらせていただきたいと思います。
#166
○副大臣(秋葉賢也君) 厚生労働省といたしましては、やはり元気で長生きということが目指すべき、元気に長生きするということが大事だと思っております。健康寿命の延伸に向けまして、運動や食生活、禁煙の三分野を中心に、企業や団体等と協力、連携をしながら健康づくりを推進するプロジェクトといたしまして、二十三年の二月よりいわゆるスマートライフプロジェクトと銘打って実施をしてきているところでございます。
 このプロジェクトを更に促進するために、積極的に健康づくりを行う企業や団体等に対する大臣表彰制度として、「健康寿命をのばそう!アワード」、渡辺委員御指摘の制度を創設をいたしまして、今年の三月に第一回目の表彰式を行ったところでございます。田村大臣、残念ながら予算委員会の関係で出席できずに、私が代わりに出席をさせていただきまして、団体や企業、自治体を表彰させていただいたところでございますが、名誉ある第一回目の大臣最優秀賞に輝いたのは静岡県でございまして、大変県民総参加型のきめの細かい対応を評価して表彰させていただいたところでございます。
 今後とも、この健康寿命の延伸のためには企業や民間団体などの幅広い主体との連携した取組が重要であると認識しておりますので、渡辺委員御指摘のとおり、今後、更に官民を挙げて国民の健康づくりに取り組んでまいりたいと思います。
#167
○渡辺孝男君 ありがとうございました。
#168
○川田龍平君 みんなの党の川田龍平です。
 この度の健康保険法改正案は、健康保険と労災保険の谷間の問題を解消するというのが一つの特徴となっています。つまり、健康保険法と労災補償保険法の業務上の定義の違いによる医療難民を何とかしようという法案であり、そのこと自体は評価はできます。しかし、労災で救済できない者は全て健康保険で面倒を見るというような整理は、本来は労災が適用されるべきものが適用されないという整理になってしまいます。医療費増大で医療保険の財政が厳しい中で疑問点も残ります。同じ厚生労働省でありながら、縦割りで業務上の定義が異なるというのはどういうことなのでしょうか。実際に今回の改正法案で、どういう場合に労災で、どういう場合に健康保険なのか、どのように整理したかを御説明ください。
#169
○政府参考人(木倉敬之君) お答えをいたします。
 現行の健康保険法と労災保険法の関係ですが、そもそもが健康保険法が戦前からありまして、戦後、その中で労災保険法ができましたときにこれが分かれていったという形でございます。それで、結果といたしまして、例えばシルバー人材センターで働かれている方、あるいはインターンシップで働いている方、業務上の仕事であるんですが、使用関係にないということで労災保険の適用というものがないということになりますと、健康保険の方は業務上のものには給付をしないと書いてあって、一方で労災も受けられないという、この谷間の問題が生じてしまいます。そういう問題が、これも明確にならなかったときには健康保険の給付がなされていたかと思いますが、先ほどありましたように、やはり保険者の方がきちんとチェックをし始めたという中では、そういうものがチェックされてしまって給付がなされないという事例がございました。そういう中で、きちんとそれを谷間がないようにしていこうということで、今回の改正は、健康保険におきまして、労災保険からの給付を受けられない場合には原則健康保険からの給付がありますよと、受けられるようにするという仕組みを取ろうというものでございます。
 労災保険制度の方は、労働者に対しましての事業主の労働基準法上の災害補償責任を担保する、そういう制度でございます。ですので、労働者であること、すなわち請負で仕事をされるような使用関係にないという方は対象になってこないということでございます。それで、労働保険の対象になることが困難と。
 しかしながら、実態といたしまして、厚生労働省全体の中では、労働局の方からも、これ我々とも連携を取りまして、形式的には労働者でない方から労災請求が出ました場合でも、その作業の実態というものを調査をして、労働者性というものが認められる場合には給付を行うという適切な措置をとろうということで、改めて昨年十一月には各県の労働局にもこの旨を指示をしたところでもございます。
#170
○川田龍平君 労働者であったのかどうかという根本的な部分については整理が付いたということですが、例えばシルバー人材センターの事例では、これがまさに労働者かどうかということで争点になっています。これを健康保険適用とすることですが、これは、シルバー人材センターに限らず、派遣や日雇などでうやむやになってしまう事例や偽装請負なども多くて、ほかにも弱い立場に置かれている労働者はたくさんおられます。
 安倍政権による雇用の、労働力の流動化によってそうした方々がますます増えていくはずですが、労働者性があるのに労災保険に入っていない、労災適用されない、そうした労働者が増えていく中で、そうした方々に労災が適用されるようにするのが政府の責任ではないかと思うんですが、大臣、いかがでしょうか。
#171
○国務大臣(田村憲久君) 今回は、労働者性がない方々に関して、ちょうど御本人は一定の労働行為をしているわけですけれども、請負でありますとかインターンシップもそうなんだと思います。雇われているという形態のない方々に対して、医療保険のすき間に落ちてしまってはこれは大変でございますから、そのような対応をさせていただいたということでございます。
 一方で、現在進めております安倍政権の経済政策において、雇用の流動性というようなお話がございましたけれども、そうではございませんでして、要は失業ない中においてどうやって労働移動というものを進めていくかということを中心に議論をされておると私は認識をいたしております。
 いずれにいたしましても、このような問題にかかわるような働き方が増えたんではそれは困るわけでございまして、ちゃんとした雇用関係の下にしっかりと働けるような環境をつくっていただくということが我々が目指しているところでございまして、そのような形の中で、御心配のないようにしっかりと施策を進めてまいりたいというふうに思っております。
#172
○川田龍平君 次に、労働災害保険かどうかの整理の次の問題として、本来は労働災害適用されるべきなのに医療保険で治療をしているような例について確認させていただきます。
 労災適用の範囲を明確にして、またきちんと労災で見るようにしなければ、医療保険財政を圧迫してしまい、世界に誇る日本の医療保険制度を維持できなくなってしまいます。
 例えば、美容師さんはパーマ液をいつも使っていまして、それによって手が荒れてしまってひび割れや湿疹の状態が続いている、業務に差し支えるので病院に行きます、こういった場合には労災は適用されるんでしょうか、医療保険適用になるのでしょうか。
#173
○政府参考人(中沖剛君) お答え申し上げます。
 美容師の方から、業務に従事している労働者の方からパーマ液によって皮膚炎等が生じたとして労災請求がされたような場合には、そのパーマ液の使用状況あるいは発症の経過等を見て、業務の起因性が認められる場合には当然のことながら労災保険が適用されて救済されるということでございます。
#174
○川田龍平君 この労災保険が適用されるということが周知徹底されていないんではないかと思いますので、こうしたグレーゾーンによる医療保険適用の事例が実際にはたくさんあるんではないでしょうか。労働によるものなのに医療保険で見ていては、医療保険財政の健全性はもちろんですが、医療保険では三割の自己負担もあるのです。本来は負担しなくてもよい費用負担を強いるのはおかしいと思いますが、周知徹底をしていただけるかどうか、大臣、お願いいたします。
#175
○国務大臣(田村憲久君) どういう形で周知徹底をしていくのかというのはあると思いますけれども、労災の適用範囲というものはこれは十分に皆様方に周知をしていかなければならないわけでございますから、その一環として御理解いただけるような形で周知してまいりたいというふうに思います。
#176
○川田龍平君 次に、先月の復興特別委員会でも質問させていただきましたが、東京電力福島第一原発の収束に携わっている労働者の方々の労災適用は、大半が復旧工事で負傷された方で、被曝による労災認定はないと聞いております。その際も指摘させていただきましたが、四次下請、五次下請が当たり前の世界で、ホームレスの方や外国人を収束作業員として投入しているという話も聞きます。それら全ての人についてきちんとした労働者の健康管理ができているんでしょうか。そして、それらの記録が数十年後に起こる被曝による疾病の場合でも使えるような形で管理されているのでしょうか。
#177
○政府参考人(中沖剛君) 東京電力の福島第一原発の作業に従事している労働者、被曝状況をちゃんと管理しているかどうかでございますが、まず数字から申し上げますと、事故以来、本年三月末まで作業に従事している方は全部で二万六千九百四十二人の方でございます。このうち、緊急被曝限度であった二百五十ミリシーベルト、これを超えた方が六人、百ミリシーベルトを超えた方が百六十七人となっているわけでございまして、こういう方々については、私どもの方でデータベースを作成してきちっと線量の結果をチェックするようにいたしております。また、二十三年十月に大臣指針を作りまして、その中で、申請に基づき手帳を交付して、今後ともきちっとした検査をしていくということにいたしております。
 なお、これは当然のことでございますが、健康管理の問題につきましては、東京電力あるいは元方事業者に対して、法令に基づく特殊健康診断あるいは一般健康診断を半年に一回必ず実施するよう強く指導しているところでございまして、こうしたことも通じてきちっとしてまいりたいというふうに考えております。
#178
○川田龍平君 それでは、実際に原発収束の労働者が被曝による労災申請をされた場合に、その認定基準というのはどのようになるんでしょうか。因果関係が放射性物質によるものなのか、どのように証明することになるのかを教えてください。
#179
○政府参考人(中沖剛君) 放射線に被曝したことによりまして疾病を発症したとして原発収束労働者の方から労災請求がなされた場合については、これは被曝線量等をきちっと調査する必要がございまして、その上で労災認定の判断をいたしております。
 この疾病が放射線被曝によるものと認定された場合には労災保険が適用されることになるわけでございまして、この福島原発の例ではございませんが、従来から放射線被曝によって認定した例は幾つかございますので、そうしたものにのっとってやっていくということになると思います。
#180
○川田龍平君 是非、この福島の例でも、やっぱり今からきちんと準備をしておいていただいて、労働者の命を守っていただきたいと思います。
 原発の収束に携わる労働者だけでなく、除染作業や低線量被曝を受け続ける地域で労働している方々が将来被曝によると思われる疾病にかかった場合、一体健康保険が適用されるのか、労災保険が適用されるのかといった問題もあります。特に除染作業は、公務員がやっている例からボランティア的に住民が駆り出されている例まで、多種多様の雇用形態、労働形態があります。それらをきちんと管理して労災適用できるように国の責任でするべきではないでしょうか。大臣に答弁を求めます。
#181
○国務大臣(田村憲久君) 除染電離則では、この除染特別地域等に関しまして、ここで除染作業等々を行っている事業主、事業者ですね、それからまた空間線量が毎時二・五マイクロシーベルト、これを超える場所において除染作業ではない一般作業等々を行っている事業者、こういう者に対して、その労働者に対して、しっかりと被曝線量の測定と記録、こういうものを持つように義務付けております。保管をしっかりやるようにも義務付けております。
 こういうような中において、これらの業務に従事した労働者の方々が将来放射線に暴露したことによって疾病を発症した場合に関しましては、労災請求がなされた場合には、被曝線量等を調査した上で、その上で労災認定の判断を行うものとしておるわけでございまして、認定においてしっかりと認定をされた場合に関しましては労災適用になるということでございます。
#182
○川田龍平君 次に、環境省に伺います。
 子ども・被災者支援法の十三条三項の医療費減免の対象となる疾病について、放射線による被曝に起因しない負傷又は疾病に係る医療を除いたものとしておりますが、具体的にどのようなものを想定しているのでしょうか。
#183
○政府参考人(佐藤敏信君) お答えをいたします。
 子ども・被災者支援法につきましては、法に基づく基本方針の策定を含めまして、法施行に向けた取組を政府全体として進めているところでございます。御指摘の個別の内容につきましても、法の趣旨を踏まえて、こうした政府全体の検討作業の中で具体化していくことになると考えております。
 なお、付言いたしますと、被曝と健康との関係となりますと、長崎、広島の原爆の事例、さらにはチェルノブイリの事故ということがありますので、こうした事例や知見を参考にしながらその検討を進めていくことになると承知しております。
#184
○川田龍平君 これは、いつまでに取りまとめやその検討を行っているつもりなのでしょうか。昨年の六月に成立したこの子ども・被災者支援法ですが、昨年の五月二十三日に十三条の最終検討をする当時与党の民主党のPTがありまして、佐藤部長は、この対象者並びに対象となる疾病のガイドラインを作成する、このガイドラインの範囲であれば個人での立証責任はないとおっしゃっているんですけれども、それは一年たっているのにまだ検討中ということでよろしいんでしょうか。
#185
○政府参考人(佐藤敏信君) ただいまもお話をいたしましたように、子ども・被災者支援法につきましては、法に基づく基本方針の策定など法施行に向けた取組を進めているということでございまして、期限についても、復興大臣等からは年内にというような話がありまして、政府全体のそういう取組の中で具体的な内容を明らかにしていくことになると考えております。
#186
○川田龍平君 それでは大臣に伺いますが、さきにお答えいただいた、除染作業や低線量被曝地域の労働者が何らかの疾病にかかり、それが被曝による疾病かどうかを認定する場合、どのような、先ほどの基準の認定をするときの基準ですけれども、子ども・被災者支援法における認定と同じようになるのかどうか。当分、その間にそごがあってはなりませんし、原子力政策を進めた国の責任に鑑みてきちんとこれは認定していく必要があります。
 大臣も、衆議院の健康保険法の審議の際に予防にも力を入れるとおっしゃっておりますが、まさに放射性物質による被害はこの予防と未然防止の原則が重要で、後々になればなるほど被害は甚大になり、結果的に莫大な医療費が掛かることも想定されます。そうした想定を今からきちんとして、この認定基準も早期に決める必要があると思いますが、いかがでしょうか。
#187
○国務大臣(田村憲久君) 今、子ども・被災者生活支援法に関しましては御説明があったとおりでありまして、まだどうするか検討中というお話でございました。でありますから、それを踏まえたこの労災適用の対応についてはなかなかお答えができないわけでありますけれども、そもそも労災保険制度というのは、労働者に対して事業主が労働基準法上の補償責任に対する担保制度であるというふうになっておるわけでございまして、そのような意味からいたしますと、業務上の災害に対して、やはり科学的、また医学的な検証、知見からその因果性というものがあるということが認められないことには、この原資も事業主等々が拠出をいただいておるものでございますから、そこの因果関係が証明されないことにはなかなか難しいというところがあるということは御理解をいただきたいというふうに思います。
#188
○川田龍平君 それでは次の質問に移らせていただきますが、協会けんぽの財政強化のために国費を投入するということが今回の改正法案の趣旨ですが、そうであるならばこの協会けんぽの財政健全化のための努力をしなければなりません。
 まず、医薬品の適正使用についての確認をさせていただきたいのですが、被保険者のレセプトチェックは十分に行われているのでしょうか。例えば、必ずしも必要でない医薬品を処方されていたり、複数の医療機関から同じような医薬品が処方されていたりといった事例を、保険者レベルでレセプトチェックをすることでしっかりと精査ができているでしょうか。保険者区分ごとに、具体的な額も含めてお示しいただければ幸いです。お願いします。
#189
○政府参考人(木倉敬之君) 御指摘のように、協会けんぽ、この三年間も御支援をいただきましたし、今も、更に二年間の御支援をいただく中でより経済的基盤を安定化させようとしているわけでございまして、自らが安定のための努力をすることは当然であるというふうに思っております。そのためにも、保険料率の方もぎりぎりの限度まで上げてはきておりますが、一方で医療費の適正化ということの努力も必要であると。
 その一つとして、今先生御指摘のレセプトのチェック、そのレセプトデータを使いまして、単純に不正、不当のようなものが出ていないかということを支払基金以上に保険者としてのチェックをすることも当然でございますが、さらに、今はアクションプランというようなものの中では、レセプトのデータを分析をし、この疾病に対してこういう医薬品が投与されていることについて妥当かどうかということを分析するような専門の分析をできる事業者もおりますし、そういうノウハウも開発されております。そういうところを支部単位で委託関係を結びましてそういうレセプトデータをきちんとひも付けをしてチェックをし、より適正な受診を御本人及び医療機関にも協力を求めるというふうなこともやっております。また、重複受診等も当然そういうチェックができるような仕組みが入ってきておりますし、それを広げていこうという努力でパイロットプラント的にまで広げておるところでございますが、それを広げていこうということもやっております。このような努力を更に進めていかなきゃいけない。
 また、後発品をしっかり使うような努力も同時にやっておりますが、申し訳ございません、それを金額に置き換えたようなまだデータというもの、後発品はもう出ておるんですが、レセプトデータの方はまだこれから、パイロットプラント的なものでありますのでまだ出していないところでございます。努力していかなきゃいけないというふうに思っております。
#190
○川田龍平君 ちょっと質問が終わりそうなんですけれども、最後に大臣に伺います。
 今回の法案は、根本的な問題をまた二年先送りするだけのものでしょうか。一体、この抜本的な改革についてどのようなビジョンをお持ちなのでしょうか。社会保障制度改革国民会議において議論ということで言い続けているだけでは国民の不安はなかなか解消されません。大臣自身のビジョンを、時間を使っていただいて結構ですので、お示しください。
 また、被用者保険の一元化など、徐々に分かりやすい公平な保険制度に移していく必要はないのでしょうか。確かに、この制度にはそれぞれの歴史があり、民間でやっているものもあるわけですが、それを言い訳に抜本改革をしないままで本当にいいのでしょうか。徴収についても、歳入庁による一元管理など、具体的な提案もさせていただいておりますので、大臣御自身のお言葉での答弁を求めて、是非、時間使っていただいて結構ですので、お答えいただければと思います。
#191
○国務大臣(田村憲久君) 抜本改革をどうするかという問題、これは今ほど来も各委員といろんな議論をさせてきていただいたわけでありますが、一義的に私が今ここで私個人の思いを言うこと自体も、実際問題、社会保障制度国民会議でありますとかでいろんな御議論をいただいておるものでありますから、お願いしておる身からしますと、余り私が具体的なことを言うとその議論にも影響を及ぼすのかなというふうに思いますので、それは避けさせていただきたいというふうに思いますが、とにかく議論の中でこの医療保険制度を始めいろんな社会保障制度の持続可能性というものをどのように担保するかというところには大変大きな焦点が当たっているわけであります。
 一つは、医療提供体制等々自体もそろそろ見直さなきゃならない。これは持続可能性だけではなくて、その持続可能性、いろんな意味がありまして、財政的な問題だけではなくて、日本の医療資源をどのように効率的に使っていくかというような問題もあるわけでありますから、すると、例えば今の病院や病床の機能というものを今のような状況で使い続けるとなると、本来、その医療を受ける必要のない方々が医療を受けているということも散見はされるわけでございますから。例えば急性期におきましても、高度な急性期、それから一般急性期、亜急性期、そのようなやはり分化をしなきゃならぬであろう。さらには、回復期リハビリテーションみたいな回復期ですね、このような部分、そして療養期、慢性期といいますか、このような部分も必要であろう。さらには、在宅医療というものにこれから移っていかれるような方々もおられるであろう。一方で、地方においてはこのような細かい分け方ができませんから、地方での特有の医療の供給体制ということで、病院、病床の機能というのもあるんであろうと思います。
 そういう議論を今いただいておる最中でありまして、在宅という話になると、かなりこれから在宅医というものに対しての期待をさせていただかなきゃならぬわけでありまして、その方々の数を確保していかなければならない問題でもありますが、一方で、介護保険も、これ地域包括ケアシステムという流れの中において、医療と介護でこういうものをしっかりと見ていこうという部分もあるわけでございまして、そこは二十四時間の定期巡回・随時対応型のサービスというものも含めながら、しっかりとそのような形での対応を考えていかなきゃならぬであろうという部分があります。
 それから、医師等々に関しましても、今医師不足等々が言われておるわけでありますから、臨床研修制度の都道府県での受皿、上限設定等々も含めて、臨床研修生の全国的な配分といいますか、これも適正化をしていく必要があろうというふうに思いますし、あわせて、専門医という考え方が出てまいりましたから、これ、専門医を養成するところの方々又は認証していただく方々に対してお任せをする部分もあると思いますけれども、適正な専門医の養成というようなものも、適正数を養成していただくということも、これは医師不足という意味からしたらしっかりと御議論をいただく必要があろうというふうに思います。
 るる、いろんな問題があるわけでございますが、それと併せて財源問題ということになりますと、先ほど来出ておりますとおり、公費負担をどうするんだと。一方で、医療費を適正にするということは大事でありますけれども、それでも医療費というのは伸びてまいるわけでございますから、その部分というものをどうやって保険料と自己負担と公費というものでバランスよくベストミックスを考えていくかということを考えれば、一方で消費税という、余り賛成ではないのかも分かりませんけれども、委員は、そういう考え方もお願いをさせていただきたいということで、三党合意という形で昨年議論をさせていただいて法律を通させていただいたということでございます。
 いずれにいたしましても、そんな中におきまして、今回この法案を提出をさせていただく。これは協会けんぽの保険料を何とか一〇%でとどめておきたいということで、二年、暫定でございますけれども、そういう形でございますので。これから先、今議論にございました総報酬割を三分の一からどうするんだと。それに対しては、実際問題、健保連の皆様方はどのような条件が整わなければそれに対して容認はされないのかとか、いろんな御議論あると思います。そういうものをしっかりと御議論をさせていただく中で、国民会議でも御議論をいただいて、あるべき医療の姿というものをつくってまいりたいということでございます。
 以上でございます。
#192
○川田龍平君 この一元化のことについてはどうお考えでしょうか。
#193
○国務大臣(田村憲久君) そういう御議論があることも承知いたしておりますけれども、やはり保険者の機能というものもしっかりあるわけでございまして、保険者がそれぞれ御努力いただく中において、医療費の適正化、またそれぞれの健康づくりというものも実際やられておられるわけでありますので、そこはしっかりと我々としては守っていく必要があるのではないかというふうに思っております。
 御議論としてあるということは認識をいたしております。
#194
○川田龍平君 それと、先ほど話した歳入庁による一元管理の問題については、大臣、どうお考えでしょうか。
#195
○国務大臣(田村憲久君) これは、私どもといいますか、今議論をしておる最中でございますので、そちらの方の御議論をしっかり見守らさせていただきたいというふうに思います。
#196
○川田龍平君 是非大臣のやっぱり考えというものをもっと出していただいて、薬害の問題でも田村大臣にはいろいろと頑張っていただいていて、本当に田村大臣に、もっと田村大臣の色を出してこの厚生労働行政やっていただきたいと正直思います。もっと、是非、田村大臣に本当にエールを送るつもりで、やっぱり本当に頑張っていただきたいというふうに思っていますので、もっと自分のやっぱり主張をされてはどうかというふうに思うんですけれども。
 本当いろいろとあると思いますが、ただ、やっぱり本当に今回、薬害の問題については僕も非常に残念な思いをしているところがあります。本当に一生懸命やっぱりやっていらっしゃるところを患者の人たちも被害者の人たちも理解している中で、本当にこれ是非、薬害の問題なんかも僕もやっぱりずっと取り組んできて、やっぱり本当にこれは是非やりたかったところもありますので、そういう意味では、やっぱり是非田村大臣には本当に自分の意見も出していただいてもっと頑張っていただけるように、どうかよろしくお願いいたします。
 ありがとうございました。
#197
○行田邦子君 みんなの党、行田邦子です。よろしくお願いします。
 午前中から法案の審議が熱心に行われていますので、質問が重複することもあろうかと思いますが、御了承いただきたいと思います。
 まず初めに、協会けんぽへの財政支援措置について伺います。
 今回の法改正案で、協会けんぽの財政基盤の強化、安定化のためということで、これまで三年間講じてきた国庫補助の一六・四%への引上げといいますか、本則に戻すということを更に二年間延長するということであります。
 質問ですけれども、ただ、この二年間の延長の後にどのような医療制度改革をしていくのか、新たな医療制度をつくっていくのか、その後の扱いについては定まっていないと承知をしておりますけれども、社会保障制度改革国民会議の議論なども踏まえて、今後どのようなスケジュールで医療制度改革、そしてまたその中の協会けんぽの制度の在り方について決めていくのでしょうか、お教えください。
#198
○政府参考人(木倉敬之君) お答えをいたします。
 医療制度、それぞれの制度が安定した基盤を持ちまして、より負担を公平に、給付を適正にやっていかなきゃいけないものだというふうに思っておりますが、今回お願いしておりますのは協会けんぽ、御指摘のように、三年前のときの協会が立ち上がった直後のリーマン・ショックということで、賃金も大きく低下をし、財政基盤が大きく崩れたということで、その後、自らの努力としても保険料を上げて、大きく上げてきたわけですが、三年間で一〇%の対処、これ以上は無理だという中で、この間も特例で応援をしていただく、三分の一の総報酬で支援をしていただく、国庫補助を一六・四%支援をしていただく、支援をするということとともに、私どもも、社会保障審議会の医療保険部会の方で、考え方として、総報酬を全面的に適用する考え方がないかというふうなこと、あるいは国庫負担ということをどこに重点的に充てるべきかというふうなことを議論をしてまいりましたが、今までのところ、なかなかまだ両論ある中で合意に至っていないという事情にございます。
 それで、二年間の継続をお願いをしながら、更にこの議論を尽くさせていただきたい、合意を得たいというふうに思っておりますが、同時に今は、昨年の一体改革の中で、国民会議という中でも、それぞれの制度の財政基盤の安定、負担の公平ということが議論されますので、それらの議論もいただきながら、より保険者やそれぞれの間での合意を得るような努力を更に続けていきたい、それをこの二年間の間で間に合うようなスケジュール感で努力を続けていきたいというふうに思っておるところでございます。
#199
○行田邦子君 新たな医療保険制度を築き上げていくとすると、これは国民の皆様への周知の期間も相当必要でありますし、また保険者の事務手続や加入者への周知も必要かというふうに思っております。二年間で本当にこれらが全て整うかどうかということ、多少疑問を感じておりますけれども、政府としては、この二年間の延長措置の間に新たな医療保険制度の議論が煮詰まらない、定まらない場合、どのようにするのか考えていらっしゃるのでしょうか、お答えいただければと思います。
#200
○政府参考人(木倉敬之君) これは、やはりぎりぎりのところでの反対がある中であっても、今三分の一総報酬の支援をいただいております組合健保側の方々も、高齢者医療全体の在り方、あるいは前期高齢者医療への支援の在り方等々、全体の中で議論を尽くしていくべきときに来ておるということの認識を持っていただいておりますので、この合意に向けての努力というのは、我々、この短期間であってもしっかりいただけるもの、それで、その次のステップとしての安定を図っていけるものというふうな前提を置いて、もう最大限努力をしていかなきゃいけないものというふうに認識しております。
#201
○行田邦子君 是非しっかりとやっていただきたいと思います。
 次の質問です。
 協会けんぽの加入者は中小企業の従業員ということでありますけれども、ほとんどがそういう方ですけれども、ほかの被用者保険に比べて平均所得が低くなっています。一方で、今現在、被用者保険の中では一番保険料率が高くなってしまっていると。そして、さらに、協会けんぽの運営上、なかなか財政的にも厳しい状況にあって、国庫補助の投入を行われ続けているということであります。
 今回もこのようなことを二年間延長するということでありますけれども、そもそもこういったことを続けていっても、協会けんぽの財政の、中長期的な財政基盤の強化ということにはつながらないというふうに私は考えております。やはり抜本的な、中長期的な、不安を根本的に解消するための制度改革が必要だというふうに思っておりますけれども、副大臣はどのようにお考えでしょうか。
#202
○副大臣(秋葉賢也君) ただいま局長からも答弁させていただいたとおりなんですけれども、今回の措置というのはあくまでも平成二十六年度までの当面の措置ということでございまして、二年後以降を見据えてしっかりと結論を出していかなきゃいけないという認識を持っております。協会けんぽは被用者保険のセーフティーネットでございまして、平成二十七年度以降の措置については、協会けんぽの財政状況のほか、高齢者医療の在り方等についてしっかりと議論をしていく必要がございます。
 今後、三党の実務者協議でございますとか、社会保障制度国民会議での、今まさに論点整理も終わって答申に向けた御議論を今最終盤で行っていただいているところでございます。こういった御意見をしっかりと踏まえて方向性を出してまいりたいと考えております。
#203
○行田邦子君 中身の濃い議論をしながらも、スピードアップをしていただきたいと思います。
 大臣に伺います。
 厚生労働省の医療保険部会の取りまとめでは、高齢者医療制度に対する支援金について将来的には全面総報酬割に移行すべきという意見が多かったというふうに聞いています。また、社会保障制度改革国民会議においても全面総報酬割の導入が前提となっているように見受けられますけれども、この総報酬割について、この是非について大臣のお考えをまずお聞かせいただきたいと思います。
#204
○国務大臣(田村憲久君) 医療保険部会の方でも総報酬割を全面的に導入したらどうかという御議論はいただいております。ただ一方で、それを導入した場合の浮いてきた財源を何に使うんだという御議論があるわけで、そこのところをやっぱり一定程度納得をいただかなければなかなかこれは、出す方はやはり自分のところの財政、ただでさえ例えば健保連の皆様方も保険料率がずっと上がってきているわけでありまして、それはいきなり全て総報酬割にしようと言われれば、それなりに何らかの御自身らの考え方に合うそういう政策を全体として導入してもらわないと、何か自分らばかりが国の肩代わりしているんじゃ、何か要するに国だけが得しているんじゃないのというような、そういうお気持ちになられるわけでございますので、その点も踏まえて、御納得いただけるようなそういう制度設計というものができるかどうか、こういうことも今から考えていかなければならぬことであろうというふうに思います。
 ただ、いずれにいたしましても、将来的に総報酬割という考え方が一つ大きな方向性であることは、これはいろんな方々の御意見の中にあるわけでございますし、健保連も総報酬割に対してよしとは、全ての導入よしとは言われませんけれども、やはり一定の条件というものは、しっかりと環境整備をしてもらいたいという思いが伝わってくる中においては、そのような方向性に関しては、一定のではありますけれども、御理解というか御興味というか、それはお示しになられているんだというふうには推測はさせていただいております。
#205
○行田邦子君 総報酬割の導入については、健保連などからは国庫負担の肩代わりではないかといった意見も出ていることでありますけれども、様々な意見がある中ではありますけれども、この総報酬割の導入について、またそれから、それぞれの被用者保険制度の持続可能性ということ、そしてまた、最も大切だと思うのは公平性ということを担保する、このようなことを考えるときに、やはり対症療法的な財源の捻出の仕方ではなくて、被用者保険であれば全国同一の保険料率にするといったような抜本的な改革というのも考えるべきではないかと思いますけれども、大臣はいかがでしょうか。
#206
○国務大臣(田村憲久君) 保険料率が一緒という話は、要は保険者を統合するという話に多分イコールになるんだと思います。
 そこは先ほど来、いろんな議員からいろんな御指摘がございまして、保険者機能をやはりしっかりと果たしていただくような形で生かせるような制度、これを求められるという御意見もございました。
 今のところ、やはりこの健保連の方々の方は、比較的、保健事業等に関しましてはその実施率が高いということを考えれば、一本化した場合にここがどうなるのかなというような、そういう我々不安感もあるわけでございまして、なかなか、保険者を全て統合という部分に関しましては、早急にそういう形の方向で進めさせていただきますという答弁ができないということでございまして、御理解いただきたいと思います。
#207
○行田邦子君 次の質問に移ります。
 医療、介護を始めとする社会保障の改革に当たっては、やはり財政面での持続可能性といったことが非常に論点として重要な側面があると思います。
 そこでですけれども、社会保障に係る費用の将来推計といったものを厚生労働省で出されていますが、この数値の改定が昨年、平成二十四年三月に出されています。その資料を見させていただきますと、この推計の改定は人口前提と経済前提を新たにしたという改定でありますけれども、この中の資料を見ますと、保険料と公費と両方なんですけれども、現状投影の場合とそれから社会保障制度の改革のシナリオに沿ったものと比べると、保険料、そして公費共々に改革後のシナリオの方が増えているというような推計になっています。
 もちろん、医療、介護、社会保障制度の充実ということは必要だと思います。一方で、ただ、抜本的な改革をするときにやはり見逃してならない視点というのは重点化と効率化という視点でありますけれども、この重点化、効率化といった視点において、大臣はどのようにお考えでしょうか。
#208
○政府参考人(木倉敬之君) 先にそのときの推計の考え方について御説明を申し上げます。
 今御指摘のように、昨年の三月の段階でございますが、一体改革の決定のときに将来の推計について新しい数字を示しております。それで、これで保険料、公費、自己負担しました医療と介護で申し上げますと、二〇二〇年時点の費用が四十九・八兆円というところが、現状投影のシナリオで、二〇二五年、平成三十七年ですが、七十八・七兆円、改革シナリオ八十三・一兆円ということでございます。
 この推計の前提といたしました考え方につきましては、同時にそのときに示しておりますが、改革シナリオと申しますのは、当然今御指摘のように、重点化、効率化を図る、急性期医療というのは本当に急性期としての必要なところということを位置付けて、さらに回復期等々の方も充実を図り、さらに在宅での医療、介護ということを充実をして、急性期での医療もきちんと受けていただくのですが、また在宅に戻って頑張れる、生活を大事にできるというふうな形で構造を変えていこうということでございます。
 そのためには、充実の方の方策といたしましても、急性期に本当に必要な部分につきましては、そのマンパワーの充実を図る、あるいは単価のアップを図るということも必要でありますし、その回復期やそれから在宅の医療、介護の部分につきまして、よりしっかりとしたマンパワーを配置をし、その経費についても充実を図るということが大事であると。
 その結果として全体を推計し直しますと、やはり全体の給付費も保険料、公費も現状投影よりもきちんと回復をした姿の方がややマンパワー等の経費は大きくなっておる、こういう結果が出たということで、重点・効率化も図った上でのものというふうに出しておるところでございます。
#209
○国務大臣(田村憲久君) これ、多分委員が民主党におられたころに発表された話だと思うんですけれども、そもそもその前の福田内閣のころから同じようなシナリオがあったものでありますから、その当時このような試算の下で数字が出てきたと、何か改革シナリオの方がお金が余計掛かるじゃないかと、何のための改革シナリオだと、多分そういうおつもりだろうというふうに思います。
 もちろん、何もかも切ればいいという問題ではありませんが、ただ一定の条件を置いておるわけでございまして、現状、今この医療提供体制、これをどうしていくかということを議論もいただいておるわけでありまして、結果として、もちろん必要なものは必要なものでしっかりと充実をしていかなきゃなりませんが、一方で適正化を図れるものはあるわけでございまして、そこのめり張りをしっかりする中において、医療費に無駄がないような形でこれから医療提供体制の改革が進められるように、また地域包括ケアシステムが動いていくように、我々としては努力してまいりたいというふうに思っております。
#210
○行田邦子君 確かに、社会保障制度改革を考えるときに、充実ということだけじゃなくて、重点化、そしてやはり重要なのは効率化ということが大切だと思っています。この視点を忘れずに改革を進めることが、逆に将来の国民の安心、安全、そして財政面での社会保障制度の持続可能性を維持することになるというふうに考えておりますので、よろしくお願いいたします。
 それでは、健康保険と労災保険の適用関係について伺いたいと思います。
 今回のこの問題ですけれども、労働者が雇われて事業主の支配下にあるときの業務が原因となっての負傷や疾病について、これは労災の適用対象ということです。そして、健康保険の方はどうかというと、その業務外については健康保険の給付を行うと。これまでの整理はこういったことでありました。このことによって谷間が生じてしまうと。この谷間を埋めようということで今回の法改正に至ったわけでありますけれども。
 そこで、とかしき政務官に伺いたいと思います。
 実は、この谷間問題というのは労災保険制度ができたころから認識はされていたというふうに承知をしております。例えば、これは過去の資料ですけれども、昭和三十年のこれは労働省労働基準局長と厚生省保険局長との連名通知が都道府県知事あてに出されているんですけれども、これを見ますと、当時からこういった谷間問題が認識されていたということが分かります。
 どういうことかといいますと、健康保険、労働者災害補償保険双方から給付を拒否される事態も考えられ、労働者又は被保険者に多大の不安と困惑とを与えることになるのでということで、請求人の申立てと異なる決定を行う場合は、他方の機関の審査官又は第一線機関に通報して意見の調整を図り、かかることのないよう取り計らわれたいというような通知がなされています。昭和三十年のころから谷間問題というのは認識されていたということであります。
 にもかかわらず、なぜ、五十年以上ですよね、今回のこのいわゆる法律の谷間を埋める改正をするのに五十年以上も掛かってしまったのか。その経緯というか理由をお聞かせいただけたらと思います。
#211
○大臣政務官(とかしきなおみ君) ちょっと難しい御質問でございますけれども。
 まず、現状の把握が非常に難しかったということでございます。被扶養者が業務上で負傷したケースの場合は、保険者が業務上であることをレセプトなどから把握は一切できませんので、結果としてほとんどの場合は健康保険を給付していると、このように聞いております。ですから、労災保険も、そして健康保険も給付を受けられない事例は、これまで厚生労働省としては具体的な事例を余り認識しておりませんでした。ただ、今回、制度で、協会けんぽの方に問い合わせたところ、年間十件程度こういう事例があったということを聞いております。
 なぜ今回これ明らかになったかといいますと、シルバー人材センターで今回被扶養者の方が業務中に負傷したという、こういうケースでありまして、高額医療費を請求なさいましたので、そのために、その請求書に理由を書かなくてはいけない。この理由に業務上とお書きになりましたので、これは業務上の負傷であるということが明確になったということで、またさらにシルバー人材センターからも同様の報告がありましたので、これが谷間がはっきりあるということがここで分かったわけであります。
 これから働き方がどんどん多様化していくということで、このような谷間に落ちる方が増えていく可能性があるということで、とにかく国民に広く医療を保障するという観点に立ちますと、今回のようなことがないようにしなくてはいけないということで、労災保険から給付を受けられない場合には原則として健康保険から給付を受けられるようにしようというふうに考えたわけであります。
 以上です。
#212
○行田邦子君 五十年以上前から認識されていたけれども、なかなか改正がなされなかったと。とはいえ、今回こうして法改正の審議をしているわけですので、それは評価をしたいというふうに思います。
 そこで、これは確認ですけれども、一点、政府参考人に伺いたいと思います。
 今回の法改正によりまして谷間が埋まるということでありますけれども、それでもまだその谷間の中に入ってしまうケースというのが幾つかあるかと思います。その確認をしたいと思います。
 業務上の負傷、また疾病において、労災保険が適用されないし、また健康保険も両方とも適用されない、給付されない場合というのはどういうケースなんでしょうか。
#213
○政府参考人(木倉敬之君) お答えいたします。
 今御指摘のような健康保険、労災保険共に給付されないようなケースといたしましては、これまでもあった問題でございますけれども、会社の役員の方が業務上で負傷をされるような場合でございます。
 ただし、役員の方につきましては、これまでもこういう取扱いをしておると。今回も法律に入れておるんですが、具体的には企業の役員の方で労働者性が本当にない、社長さんが自らの判断だけで行動をしてけがをされたような場合には、これは労災保険の方は労働者の使用者責任に基づいての補償でございますので、その使用者責任に基づいたものではないということでそちらの給付もない、役員はそういう対象にならない。それから、健康保険の方は労使が保険料を出し合っての給付でございますので、元々健康保険の給付対象になっていないというふうなケースはこれまでもございましたし、今回の法律の中にもこういうものは従来どおりであるという、除くという規定を置かせていただいております。
 ただ、そういう方であっても、役員をやっておるけれども、その会社のある事業本部の仕事としての指揮命令を受けて仕事をしているときにけがをしたという場合には、当然これは指揮命令下にあるということで労災の対象にもなって労災の補償もあるというふうに、それはケース・バイ・ケースでの判断になろうかというふうに思っております。
 それから、中小企業の役員の場合には、その役員として労災保険に、これ特別加入という仕組みがございまして、労災保険の、任意ではございますが、特別加入をすることができまして、役員でも労災保険の給付を受けられる、これは従来からそういう仕組みもございますのでカバーはされておると、こういうふうな仕組みとなっております。
#214
○行田邦子君 今御説明のありました労災保険の特別加入制度なんですけれども、これは中小企業の役員等の任意の加入制度というふうになっているわけでありますが、この特別加入制度についてちょっと一点伺いたいと思います。
 建設業における第一種特別加入者なんですけれども、この方たちの場合、労働者の出勤が予定されていない休日での単独作業は労災保険の対象となっていないという声を聞いております。つまり、中小企業等の社長さんが、休みの日に、従業員は働いていないけれども、自分が、従業員を休ませて代わりに自分が従業員に成り代わって労働を行った場合、そこで負傷等が起きた場合、これは労災保険の対象とならないということなんですけれども、特に建設業界では従業員が一名とか二名といった大変小さい事業所が多くて、今言ったようなケースも多いというふうに聞いております。
 この特別加入制度というのは第一種と第二種がありまして、第二種の方はいわゆる一人親方なんですけれども、一人親方に対しては休日の事業主の疾病、負傷等については適用がされます。ところが、第一種の方は適用されないんですけれども、これはおかしいんではないでしょうか。いかがでしょうか。
#215
○副大臣(桝屋敬悟君) 労災の今中小事業主等の特別加入制度、任意でございますけれども、この取扱いについてお尋ねをいただきました。物すごく悩む質問でございます。
 この特別加入制度につきましては、その雇用している労働者に準じて保護すべき者に対して特例として労災保険を、任意ではありますが、適用すると、こういう制度でございます。この場合難しいと申し上げたのは、事業主としての作業か労働者と同様の作業なのかの範囲、これを確定するのが非常に難しいということがございます。
 そのために、中小事業主等の特別加入につきましては、その雇用する労働者と共に業務を行っている場合についてのみ補償の対象とすると、こういう取扱いをしているわけでありまして、お尋ねの休日の単独作業を労災保険の補償の対象とするということにつきましては、これは、行田委員、なかなか難しい問題、種々の課題があると。
 恐らく委員も御承知ではないかと思いますが、想定される課題として、先ほど申し上げた事業主としての作業か労働者としての作業なのか、ここの判断、例えば時間外、休日に作業を行う必要性をどう考えるのか、あるいは事業主が単独で作業を行っている、労働者がやろうと思えばできたではないかというようなことが具体的な事例としてはあるんだろうと。
 今、行田委員からも御指摘がありましたが、二種は救っているではないかと、こういうお話がありましたが、二種の場合は、これは一人親方等の特別加入でありまして、そもそも労働者を使用しないで一定の事業を行うということを常態とする者を対象としているわけでありまして、全く保険としては別のロジックで組み立てているわけでありまして、保険料等の考え方も違うわけであります。そういう意味で、この二種、いわゆる中小事業主等とは対象が異なるというふうに考えておりまして、なかなか同列には扱えないのではないかというふうに考えている次第でございます。
#216
○行田邦子君 一人でも従業員がいると第一種になって救われない、一人親方だと労災の対象になるというのは、やはりこれは制度的に矛盾があるかなと思っていまして、また、保険料計算のときの給付基礎日額についても三百六十五日になっているんです。こういったことから考えても今の制度は矛盾があるのかなというふうに思っておりますので、是非、副大臣中心となって御検討をお願いいたします。
 終わります。
#217
○田村智子君 日本共産党の田村智子です。
 法案の質問の前に、感染の拡大が止まらない風疹の問題について一問だけお聞きをいたします。
 国立感染症研究所は、今年の全国の風疹患者数がゴールデンウイーク前の四月二十八日までに累計五千人を超えたと発表しました。これは過去五年間で最多だった二〇一二年一年間の患者数の二倍を既に上回る、こういう感染の拡大です。この下で、妊娠中の方が感染したことによって先天性風疹症候群の子供さん、これ昨年十月からでもう十人以上確認をされるなど、本当に過去最悪と、過去五年間ぐらいで見ても最悪の事態になっています。
 これ、一九七三年からの流行時には、先天性風疹症候群で生まれた子供さんの実は数十倍の規模で人工流産が行われていたとお聞きをしています。生まれてくる赤ちゃんに影響があるんではないかと、こう考えた上での苦渋の決断での中絶が多数あったということで、このようなつらい事態を繰り返すわけにはいかないと思っています。
 国立感染研も政府も、ワクチン接種を本当にいろいろテレビのニュースでも一生懸命流して、これ推奨しているということはよく分かるんですけれども、より踏み込んだ対策を是非検討していただきたいんです。東京、神奈川、千葉、大阪など大都市部中心にワクチン接種費用の助成を行っていますけれども、これはもう国としても補助を行って、全国的に一気に接種を進めるということが必要ではないかというふうに考えます。
 かつて、麻疹の感染が問題となって、海外からも日本は麻疹の輸出国だと、こういう批判を浴びたときには、MRワクチン定期接種の臨時的な拡大という五年間の時限的措置とっています。是非これも参考にして国の助成ということも検討していただきたいんですけど、いかがでしょうか。
#218
○国務大臣(田村憲久君) 風疹、今年、特に成人に対して広がっておるということで、その点は大変我々も危惧をいたしております。
 そこで、いろんな情報発信等々をして注意喚起をさせていただいておるわけでございまして、これからお子さんを出産、出産予定といいますか、お子さんをつくられる予定のあるそういう方々には特に予防接種を、これはリスクも一定程度ありますから、そこは御理解をいただいた上で自主判断をしていただいて予防接種をしていただきたいなというふうにお願いをいたしておるわけでございますけれども、これに対して補助をというお話でございました。
 我々、今までいろんなお話をお聞きする中において、なかなか昼間お仕事をされておられる方々、予防接種する機会がないということでございますので、夜間にも、また休日等々にも予防接種ができるようにということで、それぞれ医師会等の皆様方等々にお願いをさせていただきながらそういう機会はつくってきておるわけでありますが、財政的な支援というのがなかなか実はつろうございまして、一つは財源という問題もあるんですけれども、そもそも、この風疹、今年、今六千人規模になってきておりますが、風疹だけではございませんでして、もっと年間の推定患者、特にお子さんに対して多いのがおたふく風邪、それから水ぼうそう、おたふく風邪は四十万人から百三十万人、水ぼうそう百万人という形で感染症にかかられるわけでありまして、結果、推定入院数、重症例というのは、年におたふく風邪五千人、水ぼうそう四千人、そして脳炎や髄膜炎になる確率がおたふく風邪が百分の一、水ぼうそう千分の一未満ですね、こういう状況。風疹はこれに対して六千分の一なんですね。そう考えると、あと報告死亡者数を見ましても、水ぼうそうにおきましては年間四名から十名、おたふく風邪も一、二名、風疹はゼロから一名ぐらいなんですけれども。ただ、これ脳炎や髄膜炎経由でお亡くなりになられる、そういうお子さん方もおられるものでありますから、多分実態はもう少し増えてくるのではないのかなと、こういうふうに思うわけでありまして、そう思いますと、難聴の発生人数やいろんなものを見ましても、おたふく風邪や水ぼうそう、これ罹患している方々も含めて非常に危険な感染症になっておるわけでございまして、こちらの方もまだ予算措置等々で対応できていないということでございます。
 そういうことを考えますと、どちらをどう優先するかという話ではないんですけれども、実際問題、風疹のみならず、ほかの感染症に関しても大変重篤な被害があるわけでございまして、こちらの方の対応も急がせていただきたい。そんな中において、財政的に非常に厳しい中でやっと三つの分野を定期接種にさせていただいたばかりでございまして、なかなか手が回らないというのが今の現状でございます。
#219
○田村智子君 これやっぱり国立感染研がこれだけ風疹の問題を報道しているということは意味があると思うんですね。先天性の風疹症候群を、かつてたくさん子供さん生まれてしまったという、この反省をやっぱり教訓にしてでのことだと思うんです。
 今日も予防医療の議論されていましたけれども、おたふく風邪や水ぼうそうも非常に深刻だというのならば、それも含めてやっぱり必要なときに思い切っていかにして実践するかということは、風疹含めてこれ検討していただきたいということを重ねて要望しておきたいというふうに思います。
 では、法案の質問をいたします。
 本法案は、これまで議論あったとおり、協会けんぽの保険料率が一〇%を超えて上昇することのないようにと、国庫補助率の特例措置を二年間延長するという中身が含まれています。協会けんぽは中小企業が多く加入していて、労働者の社会保険料の負担の軽減策必要ですから、私たちもこれは最低限必要な措置だと考えます。
 しかし、この間、やはり労働者の標準報酬月額が下がり続けて協会けんぽの財政は大変厳しくなっていて、活用可能となった準備金が三年後に枯渇をいたしますと保険料が大幅に上がるということが今からもう既に危惧がされているわけです。そうすると、二年間の取りあえずの措置だけでなく、より根本的な対策がもう今から必要だというふうに思うんですけれども、どのように検討されているんでしょうか。
#220
○国務大臣(田村憲久君) もうおっしゃられますとおりでございまして、標準報酬月額が上がらない、下がるという状況の中で、保険料収入自体がしっかり増えてこない、そこで料率を上げざるを得ないという悪循環にはまってきたわけであります。
 一つは、景気を良くしてやはり給与、所得をしっかり増やす中において保険料収入も増えていくという形、これを何としてもつくらなきゃいけないというふうに思っております。しかし、そうであったとしても、やはりこの高齢化社会の中において、それぞれ後期高齢者に対する支援金等々の負担も増えてきておるわけでございますから、構造的にどう考えるかということを考えれば、これは今委員がおっしゃられましたとおり、もう二年後、この後どうするんだということはこれ待ったなしの状況でございますから、これ今国民会議等々でも御議論いただいておりますが、早急に結論を得る中において、二年後に対しての制度設計というものをつくってまいりたい、このように考えております。
#221
○田村智子君 私も、やっぱり一番の原因になっているのは労働者の賃金が下がり続けていることだというふうに私も思います。今国会、我が党、経済政策として賃上げと、大分議論やってきました。非正規雇用の拡大に歯止め掛けることも求めてきました。特に中小企業での賃金引上げは、もう省庁の垣根を取り払った支援策が必要だということを予算委員会で提案もいたしまして、これは安倍総理も検討するというふうに答弁をされているわけですから、是非、社会保障制度健全化のためにこうした施策は待ったなしで緊急に行っていただくよう、中小企業に直接届くように行っていただくようこの場で求めておきたいというふうに思います。
 加えて、本来、この法律に基づいても、協会けんぽへの国庫補助率は、まあ一六%は元々本則だという議論が先ほどもありましたけれども、本則は一六から二〇%としているわけで、この二〇%はどこへ行ってしまったんだろうかと。やはりその協会けんぽの現状を考えますと、本則の二〇%、これだけで根本的な解決にはならないですが、せめて二〇%への引上げということがやっぱり検討されてしかるべきだと思うんですが、いかがでしょうか。
#222
○国務大臣(田村憲久君) 二〇%、本則は一六・四%から二〇%の範囲でありますけれども、上限という意味からすれば二〇%ということになろうと思います。もちろん、二〇%、本則の上限まで上げられれば、それはかなり協会けんぽの財政の方は一服はつけるわけでありますけれども、一方で、そうなると、二千億円からの財源をどうするんだという、かなり巨額な財政の問題、財源の問題になってくるわけでありまして、そこのところも含めて、今国民会議等々でも御議論もいただきながら、三党協議も含めて、一つの一定の方向性というものをお出しをいただくべく御努力をいただいておるわけでございます。
 いずれにいたしましても、このような形で国庫補助率の上限までこれを引き上げるのか、若しくはほかの方法を考えるのかも含めて、この協会けんぽというもの、これは被用者保険の中においてはセーフティーネットであるわけでございますので、この協会けんぽが持続可能であるということは大変重要なことでございますので、そのような制度設計に向かって頑張ってまいる所存でございます。
#223
○田村智子君 社会保障制度改革国民会議の議論にはなかなか任せられないなという思いがありまして、また、消費税一〇%の財源と。でも、その中には全然協会けんぽへの支援なんて元々制度設計の中にもないわけですから、本当にそういう路線ではないことを考えなければいけないということを私たちもどんどん提案をしていきたいと思います、今後。
 今日は、協会けんぽ等医療保険にかかわるちょっと解決しなければならない具体の問題を幾つかお聞きしたいと思います。
 一つは、この医療保険の資格喪失にかかわることです。協会けんぽの資格喪失の事務処理の際には保険証の回収が必要なんですけれども、その保険証が回収されたのか未回収かということを記録をする、あるいは回収されていない場合にはその回収日を記録すると、こういう処理が行われることになっています。これ、たとえ未回収の場合であっても、この保険証回収日、資格喪失の日を過ぎてこの保険証を用いての受診はできないし、もしもそういう未回収の保険証が使われた場合には、医療機関が保険者にレセプトを出していてもこれは戻されてしまうということになります。それだけに、この保険証回収情報というのは健康保険の審査、支払実務にとって非常に大切な情報となります。
 二〇一一年十月からはより正確にということで、資格確認システムによるチェックも始まっています。この資格確認システムですけれども、実はそれ、開始される直前の二〇一一年七月に、全国健康保険協会は、被用者保険の資格得喪失の事務を行う日本年金機構に対して、保険証回収情報、この記録に不備があるんだということを指摘をして改善を求めています。これに対して日本年金機構はどのような対応をしたのか、簡潔にお答えください。
#224
○政府参考人(高倉信行君) お答え申し上げます。
 ただいま委員御指摘いただきましたとおり、平成二十三年七月に全国健康保険協会からこの被保険者証回収情報の事務処理を適正化すべきだという御指摘を日本年金機構が受けております。これを踏まえまして、日本年金機構におきましては、同月中にでございますけれども、この本件に関する指示依頼を行う文書を発出いたしまして、資格喪失届などの被保険者証回収区分を入力いたします際に誤りがないようにということで、年金事務所等への周知を図るということ、そしてまた、これに関係する業務処理要領、マニュアルの改正を行ったという状況でございます。
#225
○田村智子君 それでちゃんと現状として正されたのかということなんですけれども、実は私の事務所に今年の四月に入ってこういう相談がありました。ある医療機関が、保険証を確認したにもかかわらずレセプトが戻されたと、おかしいなと思って健康保険協会に調査の依頼をしたら、今年四月、協会から回答があって、ある年金事務所では職権で、資格喪失をした場合、資格喪失、つまり処理日の翌日を便宜的に保険証回収日として処理を行っていると、いるという現在形だったんですね、こういう回答が返ってきたんです。
 私の事務所で厚生労働省に、実はこういう事案があったことは伏せて、そんなことをやっているのかというふうに問合せをやったら、現在は行っていないという回答だったんです。過去にはあったのかなということを思わせる回答だったんですけれども、四月の時点でこういう事例が現にあったということで、実は医療機関から同様の事例が幾つか指摘がされてきています。
 となれば、再度、これちゃんとミスのないようにという、あるいは、やり方がそもそも一日ずらしていたという話ですから、そういう処理が行われていないようにということを事実確認も含めてやるべきだと思うんですけれども、いかがでしょうか。
#226
○政府参考人(高倉信行君) 御指摘の被保険者証の回収区分の入力誤りなど、これは様々な悪い影響を及ぼしますことから、これの記載内容や処理結果の確認につきましては、ただいまの御指摘を踏まえまして、日本年金機構において改めて徹底をしてまいりたいと存じます。
 また、今後、日本年金機構において、これ全国健康保険協会側との連携も必要でございますが、事案の把握と原因の調査に努めまして、誤りの多い事例が見出された場合などには、同じようなことを決して起こさないようにという観点から、必要な業務処理要領、マニュアルの見直しなどを行うといったことも含めて、事実関係の把握と原因調査を踏まえた適正な業務処理の実施に努めてまいりたいと、このように考えております。
#227
○田村智子君 そういう御答弁を受けてのことなんですけれども、そうしますと、現在、資格喪失日以降受診していると、これはもう医療機関が幾ら保険証を確認したということを主張しても、機械的にレセプトを戻されているようなんです。しかし、これ医療機関の方に瑕疵があるかというと、ないと思われるケースがあるわけで、実際その回収情報、正しく情報がなっていない問題が、今も正すというふうに言っているわけですからね、そうすると、医療機関が保険証確認したんだと、こういうふうに主張している場合は柔軟な対応が必要じゃないかと、保険機関の方の業務マニュアルもそれを念頭に置いたものに改めるべきだと思いますけれども、いかがでしょうか。
#228
○政府参考人(木倉敬之君) お答えいたします。
 協会けんぽに加入されておられた被保険者、これが協会けんぽの方の資格を喪失したその後に医療機関を受診されたという場合でございますけれども、まずその保険証の回収日よりも前に受診されておったということであれば、その保険証を医療機関に提示をされまして受診されておったということが考えられますので、原則としては医療機関には診療報酬をお支払いするということで、被保険者の方が資格喪失されたことを分かりながら被保険者証を返納せずに持っておられて使われたということですから、被保険者の方に給付費の請求を行う取扱いをしておると。
 それから、被保険者証を回収されたときよりも後に受診されたということになりますと、医療機関が、保険証を持たずに、いつも来ている方だからということで確認せずに診療してしまってレセプトを出されたということも考えられますので、医療機関の方にこれは診療報酬は払われないということに原則なりますよというふうな取扱い、こういう二つに分かれるわけでございますけれども。
 ただし、今御指摘のように、医療機関が審査支払機関から返戻されたと、保険証の確認をしたのにもかかわらず返戻されてしまったという場合には、今の御指摘のように、日本年金機構の方の回収日の入力の誤りということも考えられますので、協会けんぽから機構の方に、今現在でも、その保険証の回収の事実確認をきちんとしてほしいということ、医療機関からのクレームに対してはそういう対応をさせていただいて柔軟に対応するようなことをしておるわけでございますが、機構の方でもそれをきちんとされるということであれば、ここのところについて、機械的にやるのではなくて、きちんと徹底をしてもらうことと同時に、我々の方でも医療機関からの御指摘に対してはきちんと対応していくべきものだろうというふうに考えております。
#229
○田村智子君 それでは次に、無保険の問題について質問いたします。
 これまで我が党は国保料や国保税の滞納を理由に正規の保険証が取り上げられて無保険となってしまっていると、こういう問題を国会で何度も取り上げてまいりました。しかし、無保険はこうした保険証の取上げだけではありません。労働者が事業所を離職、退職などして医療保険の資格を喪失をした後、国民健康保険への加入手続をしないまま無保険になっていると、こういう問題があるということを厚生労働省は認識をしておられるでしょうか。
#230
○大臣政務官(とかしきなおみ君) そのような事例があるということは認識させていただいております。
 被保険者の保険の加入については、脱退した日から、こちらは住所地の市区町村の国保の被保険者の資格を取得するということになります。しかし、市区町村におきましては全ての住民の医療保険の加入状況を把握しておりませんので、ですから、脱退日から十四日以内に世帯主が市区町村に対して被保険者の加入の手続をすることを義務付けさせていただいております。
 このため、加入手続が行われるまでの間は市区町村において事実上国民保険に加入していないものとして取り扱わざるを得ないような状況になりますけれども、加入手続が行われれば遡って国民保険の資格を取得したものとして取り扱うと、こういうふうにさせていただいております。
#231
○田村智子君 これ、いろんな実態が今広がっていると思うんですね。若い人たちの中からも、定職に就かないまま国保の加入手続もしていないというような事例も私たちも聞いているんです。
 実は、高知市の潮江診療所、無料低額診療事業を行っているところですけれども、ここが、二〇〇九年十月からの三年間、受診者二百二十五人、これ調べてみますと、実に百四十一人、三分の二が無保険で、そのうち三十八人が以前は雇用先で社会保険に入っていたという方々だったということが分かりました。例えば、三十七歳の男性、不動産業の会社を離職後、国保料が高いからと未加入となって、糖尿病が大変重症化をしてから受診をした、もう既に右目を失明するような状態だったと。六十歳男性、造船会社が倒産をして失業、やはり国保に加入しないまま無保険になってしまった、栄養失調になって受診をしたけれども、実は肺気腫、慢性呼吸不全、慢性膵炎なども併発をしていたと。
 全日本民主医療機関連合会では、毎年、経済的事由による死亡事例調査を発表していますけれども、二〇一二年の調査では、死亡事例五十八人のうち三十九人が正規の保険証を持っていない無保険の状態だったと。死因の六七%は悪性腫瘍で、もう余りにも病状が進んでいて、有効な治療ができないまま死に至ってしまうという事例が幾つもあるということなんです。
 国民健康保険料や保険税の滞納を理由にした正規の保険証の取上げ、資格証明書を発行された世帯、これについては厚生労働省、数値を集計していて、私たちはこういう集計も力に、実態をつかむ努力とか、取上げをさせないようにということで各自治体への働きかけやっています。しかし、国保に加入しないまま無保険となっていると、実はこれは実態調査というものを行われていないんですね。まず何らかの形でこの実態をつかむことが必要ではないかと思うんですけれども、いかがでしょうか。
#232
○大臣政務官(とかしきなおみ君) お答えさせていただきます。
 住民の医療保険の加入の状況、これは実は市区町村の方が把握しておりませんので、国保に未加入の方々の人数等を厚生労働省が把握するのが今非常に困難な状況であります。
 国保の未加入者をなくすために周知徹底していくことが何しろ大切でありまして、まずは企業を離職するときに必要性をまず周知徹底してもらうこと、あと、市区町村の国保の加入届が必要であるということを住民にしっかり知っていただくこと、これが重要であると思っております。
 また、先ほど委員御指摘のとおり、保険料の負担が重いのを理由にして保険の未加入とならないように、こちらの方は減免制度や適切な運用を行っているほか、失業者の国保保険を軽減する制度、これをハローワークとか市区町村を通じてお話ししていただければ対応できるように、こういったことを周知を図っているところであります。例えば、非自発的な失業者の場合は所得を百分の三十というふうにみなすことによって保険料の軽減を図らせていただくと、こういった柔軟性を持った対応を取らせていただいております。
 このように、国保の加入手続が適正に行われるようにこれからも積極的に取り組んでいきたいと、このように考えております。
#233
○田村智子君 現行の制度はよく分かるんですけれども、やっぱりそういう実態をまずつかんでほしいんですよ。無料低額診療を実施している病院や診療所というのは窓口負担がないわけですから、無保険の方は十割負担なんかできないわけですからやっぱりそういうところへかかる可能性あるわけで、その診療所や病院がどこにあるかは厚生労働省はみんな分かっているわけですから、例えばそういうところからの情報をつかむことから始めるとか、できると思うんです。
 先ほど、潮江診療所、高知市の例、紹介しましたけれども、その中には、例えば一歳の子供が四十度の熱を出して受診したことから、父親が失業後、国保に加入していなくて、子供二人を含む家族四人全員が無保険だと、こういうことが分かった事例もあるわけです。私、とりわけ子供の無保険なんというのはこれ絶対放置できない問題だというふうに思うんですね。
 この高知市では、二〇一〇年の教育委員会の調査で、修学旅行の事前調査や日常把握をした範囲で、小中学校の児童百二十三名が無保険若しくは何の保険に入っているかが不明だと。これつかんでいるんです、高知市は、教育委員会を通じて。これ、学校が保険証のコピーを集めるというときありますから、そのときに集計ができるわけですよ。中学生までの子供については保険証取上げが禁じられているわけですから、これ、保険証が示せないということはマックスで百二十三人が無保険という可能性があるわけなんです。
 これ、学校を通じると、遠足とか宿泊を伴う学校行事の際には必ず保険証のコピーをというふうに求めるわけです。となれば、学校を通じて子供の無保険というのはつかめます、義務教育の家庭はつかめます。大臣、こういうことを含めて、これ、すぐにやっぱり実態つかむべきだと思いますけれども、いかがでしょうか。
#234
○国務大臣(田村憲久君) 文科省といろいろと相談をさせていただきたいと思いますが、今いろんな事例をおっしゃられました。これも含めて、今国会に提出をさせていただきたいと思っております生活困窮者対策、この法律がありますが、法律は法律といたしまして、生活困窮者の方々のやはり支援策という中において、当然そういう方々においては医療保険無保険という方々もおられるんであろうと思います。
 いろんな制度、施策を使いながらこういう方々を把握しながら、しっかりとそういう方々に対して一定の支援策、何ができるのかということも含めまして、いろいろな対応は考えてまいりたいというふうに思います。
#235
○田村智子君 対策立てるときにはまず実態をつかむことが本当に必要だと思うので、是非文部省と相談をして取り組んでいただきたいということを強く要望いたします。
 次に、国民健康保険に加入しようとしても窓口で認められなかったというケースについてお聞きをいたします。
 これは東京都中野区で起きたことなんですけれども、建設会社を離職後、実はやっぱり国保料が払えないということで二十年近く無保険になっちゃったという方がいらっしゃいました。この方は四十代の男性なんですけれども、体調不良でもう病院にかからなければ駄目だと、こう思って区役所に国保加入の手続に行きました。ところが、時効になっていない保険料五年分を支払わなければ加入できないと窓口で言われて、諦めて帰宅をしてしまったと、その三日後に心筋梗塞を起こしてしまったと、こういう事例なんです。
 これで確認したいのは、加入していなかった期間の保険料を遡って払わなければ国民健康保険には加入できないのかと。こうした窓口の対応は問題だと思うんですけれども、いかがでしょうか。
#236
○政府参考人(木倉敬之君) お答えをいたします。
 先ほども御説明があったかと思いますけれども、国保の場合には、他の医療保険制度から脱退した場合には、届出はしていただくわけですが、この国保の方の被保険者資格を取得した者として扱われるということでございます。今の御指摘のような、保険料を支払っていらっしゃらなかったということでこの法律上認められております国保の被保険者資格の取得ということが妨げられるということは法律上ありません。
 今のような場合についてでございますけれども、保険料をなかなか納付ができない、納付すべきだが納付ができないということにつきましては、それで加入を認めないということではなくて、納付相談を丁寧に行っていただきまして、例えば分割、可能な限りで分割納付をしていただくというようなことによって、まずもって無保険状態でない、保険証を使える状態になっていただくと、これを前提にやはり丁寧な対応をしていくものと思いますし、これからも全国の会議等でも指導をしてまいりたいというふうに思っております。
#237
○田村智子君 この方は、幸い我が党区議団と出会えて相談した日に遡って加入ができましたので、手術して自己負担百五十万と言われたんですけれども、これ何とか問題解決に至ったんですが、このようなことがないように是非窓口への周知を行っていただきたいというふうに思います。
 やっぱり、長く入っていないとそれだけ保険料を払えということになってしまってますます保険に入る敷居が高くなってしまうわけで、やっぱり退職したとき、失業しちゃったとき、すぐに国保にとつなぐことが必要だというふうに思うんですね。
 その対策の一つとして、国民健康保険中央会など八団体が被用者保険から市町村国保への被保険者資格喪失情報の届出、これを義務化すべきではないかというふうに要請もしているんですけれども、この検討はいかがでしょうか。
 短くお願いします。済みません。
#238
○大臣政務官(とかしきなおみ君) 済みません、この資格喪失情報については、これはなかなかちょっと難しいところがありまして、転居してしまう場合がありますので、それを把握していくということがなかなか難しいという実務上の課題が残っております。
 ということで、これは基本的には国保の適用は最終的には世帯主による加入手続が必要になることから、なかなかそういう状況は難しいというふうに今考えております。
#239
○田村智子君 でも、この問題をクリアする一つの手法として、二〇一一年二月から日本年金機構と市町村との間で覚書を締結すれば市町村も退職被保険者の資格喪失情報を把握できるようになったと。年金機構がお知らせすることができるようになったんですね。
 ちょっと時間がないので。しかし、この覚書を締結した市町村は七百ぐらいだというふうにお聞きをしていまして、非常にまだ不十分で、これ、是非全市町村で、やっぱり情報把握ということがまず第一歩ですから、覚書が締結できるようにこれは働きかけをしていただきたいと思うんですけど、いかがでしょうか。
#240
○国務大臣(田村憲久君) 今委員おっしゃられましたとおり、市町村国保の被保険者資格の適用の適正化を図るために、日本年金機構と市町村国保の間で覚書を締結することによりまして、二十三年二月から市町村国保において国民年金二号、三号被保険者が資格喪失したこと等を確認できることとなったと同時に、さらに、平成二十三年十二月には、ねんきんネットを活用することによって、国民年金の被保険者が現在何号被保険者であるか、これについて市町村国保が確認することができる、つまり、情報を交換することによって、今、市町村国保がどういう状況、その被保険者がどういう状況かということが分かるということになってきたわけでございまして、これは国保の加入という意味では大変重要な情報であるということでございますので、これは是非とも推奨してまいりたいというふうに思います。
#241
○田村智子君 終わります。
#242
○福島みずほ君 社民党の福島みずほです。
 大臣、今日何度も聞かれて、私もやはり聞くんですが、この協会けんぽは中小企業のサラリーマンとその家族でやると。財政状況が悪くなって、保険料率も高くなっている。これから二年間は協会けんぽに対する国庫補助率を千分の百六十四として一応支援していくと。でも、それ以降は本当にどうしていくんですか。
#243
○国務大臣(田村憲久君) 協会けんぽは非常に財政状況厳しい。といいますのは、やはり他の被用者保険に比べて全体的に所得が低い方々が多いということがございます。そんな中におきまして、どうしても他の被用者保険と比べて保険料率が上がると。リーマン・ショックの影響も非常に受けた。
 それまでの政管健保のころはそれほど急激に保険料率上がらなかったわけでありますけれども、リーマン・ショック後、特に協会けんぽになった後保険料率の上がり方が大変ひどいといいますか大きいものでありますから、このままでほうっておきますと、今でも一〇%という保険料率が更に上がる可能性があるということで、今般、今までの制度を継続、暫定的に継続することによって何とか一〇%で維持をいただく、二年間でありますけれども、こういう制度のお願いをさせていただいておるわけであります。
 さて、じゃ、一六・四%、その後どうなるんだという話でございますが、これの国庫補助率を上げろという議論も今いろいろとありました。それから、他の方法もいろいろあるだろうと。いろんな御議論あるわけでありますが、いずれにいたしましても、財政、お金が掛かることでありますし、総報酬割を三分の一から全面的に導入するということになれば、余計に負担の掛かる、保険者から見ればですね、それは負担の付け回しではないかという御議論もあるわけでありまして、そこは十分に御議論をして、納得をいただきながらどういう方策を進めるかということをしていかなければならぬわけでありまして、一つは社会保障制度国民会議というところでも御議論をいただくわけでありますが、一方で、当事者同士でいろんな御議論をいただく中において、協会けんぽはやはり被用者保険制度の中のセーフティーネットであることは間違いございませんから、この協会けんぽというものを持続可能な状況にしていくための制度改革というものをしっかりと進めてまいりたいというふうに思っております。
#244
○福島みずほ君 健康保険組合が約三千万人、協会けんぽが三千五百万人、私の周りも協会けんぽに入っている人たちも結構いますので、中小企業支援と併せて、恐らくそれは中小企業庁と厚生労働省とまた横断的な施策になると思うのですが、是非よろしくお願いします。
 国民健康保険も非常に問題があり、約三千九百万人ですが、この点についてもお聞きをいたします。
 一九七五年度における国保加入世帯の職業構成は、農林水産業四二・一%、自営業二五・四%、全体の七割近くが第一次産業従事者と自営業者でした。国保の基本は非サラリーマンのセーフティーネットでした。しかし、二〇一一年度には四二・六%が無職、三五・八%が被用者、被雇用者となっています。国保の基本的在り方が変わってしまったと言わざるを得ません。
 無職者、失業者のうちかなりの部分が、本来は生活保護によって救済されるべきであるにもかかわらず、辛うじて国保保険料を絞り出すようにして払っているというのが実情ではないか。いかがでしょうか。
#245
○国務大臣(田村憲久君) 実態は我々もそこまで細かく、それぞれの家庭の家計にまで踏み込むことはなかなかいけないわけでございまして、実態はよく分かりませんが、確かに景気が悪い中においてそれぞれ御苦労をいただきながら国保の保険料を納めていただいておるという現状あろうと思います。
 ただ、まだ収入に応じて国保等々に関しましてもそれは保険料は違ってくるわけでございまして、そういう意味からいたしますと、国保等々に対しまする低所得者対策、これは保険者に対しての支援もございますけれども、こういうことを消費税の導入に伴って我々もしっかりと対応をしていきたいという思いはあるわけでございまして、そういうことを含めて、国保の財政基盤というものをしっかりと守りながら、今も共同化事業等々を進めておる中において、県の中で財政調整というものを進めていただいておるわけでありますけれども、国保というものがしっかり守られるように、そして低所得者の方々が国保の保険料を払ってちゃんと医療サービスが受けられるようにというような環境整備に尽くしてまいりたいというふうに思っております。
#246
○福島みずほ君 協会けんぽの財源も極めて問題なんですが、国保はもっと、無職の人が半数近く、国保加入世帯の半分近くが無職というのはやはりこれはいびつではないかと、日本のセーフティーネットが崩壊してしまっているんじゃないかというふうに思います。
 もう一つ、被用者が三分の一以上いるというのも問題ではないか。本来だったら協会けんぽか健康保険組合に入るべきであるが、サラリーマンが入っていると。このうちかなりの部分が本来は協会けんぽに加入すべき労働者ではないかという疑念も抱かざるを得ません。
 厚生労働省によると、二〇一一年末現在、社会保険適用していない、社会保険適用事業者は、未適用ですね、二十五万事業、未適用人数百十一万人という推計をお聞きいたしました。社会保険は強制加入であるにもかかわらず入っていない事業者がいると。ハローワークにおいて、求人事業者リストから除外させることもなく、堂々と求人活動を行っている。被用者保険要件を周知徹底して、未加入事業者を職業紹介からしっかりと例えば排除するぐらいのことをやるべきではないか。職業紹介するからちゃんとこれやりなさいよというふうに例えばアドバイスをするなどすべきではないか。いかがでしょうか。
 国保の側からも、被用者の中に、本来は被用者保険に加入すべき人ではないかと、被用者保険側と国保側の両サイドから厳しくチェックすべきと考えますが、いかがですか。
#247
○国務大臣(田村憲久君) 適用事業者に対しては四年に一度実際問題調査をして、いろいろと調査を実施して、対象であるかどうかを確認しながら、これは不適正であればそれに対してしっかりと指導をしていくわけでありますが、今委員おっしゃられたのはそもそも未適用。未適用事業者に関しましては、これは本来国保に加入していただいては困るわけですね、そういう従業員の方々が。そこはちゃんと協会けんぽ等々に加入をいただかなければならぬわけでありまして、そういう意味では、そこをちゃんとしないことにはこの保険の信頼性というものがこれは失われるわけであります。
 そこで、例えば、雇用保険の適用事業者データでありますとか法務省の法人登記簿情報、こういうものを利用しまして、突き合わせることによりまして本来入らなければいけない保険に入っていないということが分かってくるわけでありますから、それによって把握した未適用事業所に対しましては、これまず文書や電話等々で加入勧奨をいたします。それでもなかなか入っていただけない場合には年金事務所等へこれは呼出しを掛けるわけでございまして、それで加入指導をしても応じないという場合におきましては戸別訪問をさせていただいた上で加入指導をし、それでも駄目な場合においてはもう立入検査を実施しまして職権による適用を行うということでございまして、今言いましたとおり、雇用保険や法人登記簿情報等々を含めて、未適用事業者、事業所に対しての徹底的な洗い出しを今行っておる最中でございます。
#248
○福島みずほ君 そのように手続をしていらっしゃるということで、それはそれで応援したいですし、人員なども増やすべきだというふうに思います。
 ただ、今日の質問は、未適用事業者が二十五万、未適用人数が百十万という推計を厚労省自身からいただいておりますので、これをゼロに近づけるべく是非頑張っていただきたいというふうに思います。
 国保の基準所得が二〇〇二年度から二〇一一年度までの九年間で一人当たり七十七万千円から六十六万三千円へ、一世帯当たり百四十八万八千円から百十三万八千円へと大きく下がっています。九年間で世帯所得が四分の三になっている。
 一方、一世帯当たりの年間の国保保険料は、同じくこの九年間に年間所得二百五十万円以上三百万円未満の世帯で二一・一%も上がり、二十八万七千八百二十四円となっております。この所得モデルですと、年間所得が二百五十万円で国保が二十八万七千八百二十四円となれば、本当に一割以上が国保で取られる、取られると言うといけないんですが、収入の一割以上が国保料金だけで飛んでいくというわけで、やはりかなりの高負担。皆さん、自分が病気になるかもしれないし、やっぱり国保は払おうと思いながら、やっぱり年収の一割以上というのは物すごく大きいと思うんですね。
 こうした所得激減と保険料負担の急増によって国保加入者の生活が苦しくなったにもかかわらず、全世帯に占める滞納世帯の割合は九年間で一八・〇%から二〇・〇%へ二ポイント上がったのみであると。つまりは、歯食いしばってみんな国民保険料を払っているという実態が浮き上がってきます。
 二百五十万で二十八万七千八百二十四円って、やっぱり一割以上ってすごい負担だなと思うんですが、国保加入者の負担をもっと軽減するということはできないんでしょうか。
#249
○国務大臣(田村憲久君) 一つは、先ほども御質問にお答えしたんですが、所得が下がり続けておるという現状を解消しないと何をやったってこれは悪循環にはまっていくものでありますから、とにかく景気を回復する中において所得を増やしていくという、そういう政策を今進めておる最中でございますから、働く方々の収入が増える、そのような環境をつくっていくことが何よりも大事だというふうに思います。
 一方で、国保に関しましては、収入等々によりまして減額措置掛けておるわけでございまして、そういう意味からいたしますと、この軽減措置で一定収入より少ない方々に対してはそれなりの保険料という話になっておるわけでありますが、それでも負担が重いではないかという委員の御議論であったというふうに思います。
 今、国保に対しては公費の投入策等々、いろいろと議論をしておるわけでございまして、先ほども若干低所得者に対する対策、それから保険者等々、低所得者が多い保険者に対する対策等々で何とか公費負担の増額をというようなことも我々議論をさせていただいておるわけでございまして、一方で消費税という余り賛成をされない政策との一連の流れの中でのバランスもあるわけでございますけれども、国保は、先ほどは被用者保険の中でのセーフティーネットというのは協会けんぽだというふうに申し上げました。しかし、国保は公的皆保険制度、医療保険制度全体のセーフティーネットであることは間違いがないわけでございまして、ここが持続可能性がなければそもそも国民皆保険制度が成り立たないわけでございますので、委員からいただいた御意見も参考にさせていただきながらいろいろと検討させていただきたいというふうに思います。
#250
○福島みずほ君 私が言うまでもなく、ヨーロッパ、フランスなどでは、例えば法人税が高い低いという議論ももちろんありますが、もう他方で、企業が社会保険料の負担ってヨーロッパは高いですよね。だから法人税が低いか高いかだけの議論ではやっていけない。ですから、大企業の内部留保はよく言われますが、本来はサラリーマンというか自分が雇っている労働者に関しては社会保険料を払っていかなければならないというのが、半分は国保になってしまっていて、その分本人が物すごく苦労して払っているという現状があるので、是非、厚労省は、規制改革会議と産業競争力会議に負けず、いろんなものに負けず、しっかり、世界で一番企業が活動しやすい国に日本をするのではなく、閣議決定の、世界で一番安心して暮らすことができる国にするべく、厚生労働省はそこの社会保険料をきちっと払えということをもっとやっていただきたいというふうに思っています。
 大臣、一言どうですか。世界で一番企業が活動しやすい国より、世界で一番国民が安心して暮らせる国の方がいいじゃないですか。
#251
○国務大臣(田村憲久君) 世界で一番国民が安心して働ける国、働ける国というか、暮らせる国というのは当然職場がなければならないわけでございまして、企業が世界で一番活躍できる、営業しやすいといいますか、運営しやすいといいますか、そういう国であるということが、また生活しやすい、国民の皆様方が生活しやすい国であるというような方向性を持って頑張ってまいりたいというふうに思います。
#252
○福島みずほ君 企業と働く人は絶対に対立するものではありません。しかし、世界で一番企業が活動しやすい国は往々にして労働者がひどい目に遭う国になるかもしれないので、そこはしっかり厚生労働省として、とりわけ社会保障制度について、雇用についてよろしくお願いします。
 国民健康保険被保険者の負担増、生活困窮にもかかわらず、国は全都道府県に対して滞納者からの徴収体制の強化を指示しております。もちろん債権回収というのは重要なことですが、二〇〇八年十月三十日付けの厚労省雇用均等・児童家庭局総務課長発信文書では、徴収強化期間の設定と夜間の訪問や電話催促まで例示をしています。
 二〇一一年には全国で二十一万二千二百七十七世帯に対して七百九十九億三千九百万円分の国民保険料、差押え、滞納処分を行っています。これは、二〇〇二年比で世帯数、金額共に四倍以上の規模です。熱心にやっていただいているとも言えますが、過酷な差押えというのもあるのではないか。いかがですか。
#253
○国務大臣(田村憲久君) 滞納処分は、本来お支払をいただかなければいけないものでございますから、個別の案件によって違うと思いますけれども、基本的には、やはりしっかりとした財産調査をいたしまして、お支払をいただけるだけの資力のある方々にはこれはしっかりとお支払をいただくというのは当たり前のことであろうと思います。
 一方で、払えない方々、生活が非常に窮迫されておられてなかなか保険料を納められない、滞納した保険料を納めるとそもそもの生活自体が成り立たないというような方々に対しましては、これは執行停止というような、そのような対応もさせていただくわけでございまして、これは地方税法等にのっとり適正に実施をさせていただきたいというふうに思っておる次第でございまして、決して払えない方々のところへ無理やり行って無理やりに取り上げるというようなことはやっておりませんので、そこは御理解をいただきたいというふうに思います。
#254
○福島みずほ君 また、この金額が七百九十九億三千九百万円というので、実際こちらもちょっと具体例を調べてみたいと思います。過酷にならないように、債権回収しなくちゃいけないが、その点は、今貧困率が高くなっていますので、配慮をお願いいたします。
 二〇〇九年、新型インフルエンザが流行し、国は感染拡大を防ぐため、国保の特例措置として、資格証明書世帯十割負担に対しても保険を適用するとして受診を促しました。しかし、全国各地、例えば、これは山田厚甲府市議会議員の調査では、甲府市が個別の郵便通知をしたにもかかわらず、受診者は皆無でした。また、二〇〇九年から二〇一二年中途までの四年間に死亡した国保資格証明書を持つ市民十人中八人が、直前一年間に全く医療機関の診察を受けていないことも報告されています。これが二〇一一年までの三年間だと、八名全員が直前一年間に医療機関の診察を受けていないようなんですね。すなわち、国民皆保険の最後のとりでであるはずの国民保険から見放された人々が、受診を控えざるを得なかったり医療サービスから排除されて、結局十割負担なんて払えないので、病気で亡くなる一年前に病院へ行ってないということなんですよね、構図がかいま見えます。
 国はこうした事例をしっかり調査して抜本的改善策を講ずるべきだと考えますが、大臣、いかがですか。
#255
○政府参考人(木倉敬之君) 資格証明書をお受けになっている方々が受診をあえて控えられるというようなこと、それで健康を害されること、そういうことのないように、やはり国保の窓口におきましては、その方々に対する相談ということを、資格証明書を出しているからこそきちんとした相談を丁寧にやるべきだというふうに思っておりますし、そういうふうに指導してまいりたいというふうに思っております。
#256
○福島みずほ君 ただ、十割負担せよと言われたら、お金がなかったらやっぱり病院に行かない。ですから、亡くなった人の中で資格証明書を持っている人を調べたら、あるときは全員、あるときは十名中八人が直前一年間に全く医療機関の診察を受けていない。多分、具合が悪くても病院に行かないで亡くなったということだと思うんですね。
 田村大臣、首をかしげていらっしゃいますが、でも、やっぱりお金ないと十割負担だと病院行けないですよ、具合が悪くても。うんうんと言ってくださっていますが。ですから、こういう実態、お金が十割払えと言われたら病院に一切行かないで病気で死ぬという、こういう事例あるんですよね。あるというか、実際あるので、こういうことがないように。というのは、具合は悪いけれども病院行かずに死ぬという、亡くなるという方はやっぱりいらっしゃるわけで、資格証明書幾らあっても行かないというこの現状を、大臣、何かぽかんとされていらっしゃいますが、これ現実の一つなので、是非対応してくださるようよろしくお願いします。大臣、いかがですか。
#257
○国務大臣(田村憲久君) まさに、これ生活困窮者の方々の対策の中で、そういう形で本当に医療保険、医療サービスですね、受けられないのであるならば何らかの対応は考えなきゃいけないんだと思いますが、そもそもそのケースワーカーの方々も含めて十分に対応できていない事例なんだろうと思うんです。ですから、ケースワーカーだけじゃなくて、民生委員やいろんな方々がおられるわけでありまして、そういう中でのアクセスの中でしっかりとそういう方々が医療サービスが受けられるような、そういう環境をつくらなきゃいけないというふうに思いますので、生活困窮者対策全般も含めて、そういう方々にしっかりと手が差し伸べられるような、そんな対応を検討してまいりたいというふうに思います。
#258
○福島みずほ君 生活保護の不正受給〇・何%、〇三ぐらい、あっ、ごめん、ちょっと不正確ですね、生活保護の不正支給ばかりすごく言われるけれども、本来保護が必要なところに手が行き届いていないというのもまた日本の現実だと思います。今大臣がそう言っていただいたので、また是非善処をよろしくお願いします。
 ちょっと違うテーマを質問させていただきたいんですが、昨日、横浜市が待機児童解消を宣言しました。これは本当に私はやっぱり熱心にやられたと思っていますし、少子化担当大臣のときに林市長と一緒に横浜市内の保育園をいろいろ回りました。ただ、横浜市自身も希望どおりの保育所に入所できていない市民がいまだに千七百四十六人いることは認めております。にもかかわらず待機児童ゼロになるのは、自治体によって待機児童の定義がばらばらで、厚生労働省も曖昧な基準しか示していないからです。
 例えば、横浜市の場合、子供の預け先が見付からず、育児休業を延長せざるを得なくても待機児童にはカウントしないと報道機関のアンケートに回答をしています。このアンケートによれば、待機児童を消極的に例えば数えている目黒区の場合、子供を職場に連れていくこと以外は全て待機児童に該当せず、預け先が見付からずに育児休業を延長せざるを得なかった場合や認可外の一時保育に預ける場合も待機児童にはみなされません。
 そこで、厚生労働省に質問をいたします。
 厚労省の保育所入所待機児童の定義によれば、地方公共団体における単独保育事業において保育されている児童は待機児童には含めない旨規定していますが、各地方自治体において単独保育事業がどのような法令、条例などの基準の下に定められているのか、その内容を具体的に把握されているでしょうか。
#259
○政府参考人(石井淳子君) お答え申し上げます。
 まず、待機児童でございますが、御案内のとおり、保育所の入所待機児童というのは、入所の申込みがなされて、入所要件に該当しているけれども保育所に入所していない児童、これをいうということでまずはっきりいたしております。
 具体的な入所に当たって、保護者はその市町村に対して入所申込みをする必要があるわけでございますが、そのときにその市区町村は、入所申込みからそれぞれの条例などで定めるこの入所要件とか選考基準などによって実際の選考を行っているということでございます。その際に、認可保育所に入所できなかった児童について、今先生おっしゃったように、市区町村が実施する地方単独保育施策を利用している児童、ただ、これも地方単独保育施策と裸で言っているわけではございませんで、これやはり具体的に地方自治体がその設備やあるいは職員の基準を定めて、なおかつその運営費などを補助することで利用者負担の軽減を図っているという、そういうちゃんと括弧書きといいましょうか条件が付されておりますし、非常に僅かのお金を出して済みというものではないということも重ねて示しているところでございますが、そういう場合とか、あるいは、この保育所じゃなきゃいけないんだと、特定の認可保育所を希望している方などを除いて算出するという意味では、その定義としては国としては明確にお示しをしているところでございますが、ただ、議員おっしゃったように、また報道でも一部なされておりますように、少し私どもが示しているものとは違う運用もなされているのではないかという指摘もありますので、ここは的確にその待機児童を把握するために、私ども調査をする際に、この定義の周知徹底を改めてこれを図ってまいりたいというふうに考えております。
#260
○福島みずほ君 おっしゃるとおりで、東京都下、二十三区においてもそうですし、ほかもそうですが、待機児童のカウントの仕方が区によって違うと。つまり、杉並何人とか目黒区何人、何人何人となっても、実は基準が違うので物差しが違うと。そうすると、違う物差しを使って公表しているので、何区はいいかなと思うと実は全然違うという事態があって、物差しが違うというのはめちゃくちゃで、身長測ったり体重量ったりするのに物差しが違うということはあり得ないわけですから。
 大臣、どうですか、これはやっぱり物差しはちゃんと一つにして、でないと、待機児童の解消、人数何人かというのを、上がってきたものの集計を厚生労働省しているわけで、違う物差しで測ってきているもので対策打てない、これはやっぱり基準は一元化する、物差しは一本にすべきだと思いますが、いかがですか。
#261
○国務大臣(田村憲久君) 新制度において、この待機児童というものの解消に向かって、今それを二年間前倒しをする事業をスタートをさせていただいておるわけでありますが、いずれにしましても、待機児童解消に向かって、待機児童がどれぐらいいるか、潜在的な待機児童も含めてこれを測ろうということをしておるわけでございまして、子ども・子育て会議等々で御議論いただく中でそういうような基準というものが明確になってくれば、それぞれの自治体でどれぐらい待機児童がいるかということも明確に分かってくると思いますので、いろいろな御議論をいただきたいというふうに思っております。
#262
○福島みずほ君 違う基準、物差しでやるというのはやはり問題だと思うので、基準の新たなちゃんとした作成を考えてほしい。いかがですか。
#263
○政府参考人(石井淳子君) 重ねて申し上げますが、私ども、定義としては示しておる、ただ、自治体の中で、条例で許される範囲内といいましょうか、若干そこのばらつきがあるようでありまして、ただ、その中でも誤解であって運用が違っているところについては正していきたいというふうに思っております。
 その上で、今私ども必要だと思っておりますのは、やはりどういう形で必要なニーズを把握をして整備をしていくか。待機児童も、必要な整備のために把握をしているわけでございまして、そこに向けては、新しい制度の下でまた少しカウントの仕方も変わってくる部分がございます。
 ただ、いずれにしましても、考えていかなきゃいけないのは、どういう形でその潜在ニーズを把握をして必要な保育サービスをつくっていくか、提供していくか、そこに力点を置いて今後検討していくべきなのではないかな、かように考えております。
#264
○福島みずほ君 何か大臣の方が前向き答弁してくれそうですね。どうですか。
#265
○国務大臣(田村憲久君) 今、四十万人、我々はこれから五年間で保育の受皿をつくろうとしているわけですね。これ、四十万人は、これはやはり待機児童、必要だと、五年後に向かって、こう思っているわけでありまして、本来四十万人が出てこないと、待機児童というのは正確な数字が出てこないわけでありますから、そういうような意味では、しっかりとそのニーズを把握できるような物差しというものを各自治体の方にお示しをさせていただきたいというふうに思っております。
#266
○福島みずほ君 認可保育所に対する株式会社の参入というのは、言下の下に否定するものではもちろんないんですが、不安の声も上がっています。
 二〇〇八年十月には、保育園ハッピースマイルを首都圏において展開していたエムケイグループが突如倒産し、二十九施設の子供と職員が行き場を失いました。倒産する一か月前には、給食を仕出し弁当に差し替えるという児童福祉法違反も行っていたが、行政の監視は全く行き届きませんでした。
 二〇一五年四月には、子ども・子育て支援関連法が本格施行され、株式会社の参入が更に加速をしますが、こうした過去の失敗例を防止する有効な手だてが果たして担保されているんでしょうか。また、民間会社はその人事権の行使に当たり、例えば就労場所を曜日ごとに変更する場合もあり得ますが、保育の現場でそのような人事政策が行われた場合、保育の質の低下のみならず、子供の健康や安全に対するきめ細かな手当てがおろそかになる可能性もあります。
 厚労省は、このような不安の声にどうこたえるのでしょうか。
#267
○国務大臣(田村憲久君) 昨年の法案の議論の中でも、実はこの部分というのはかなりいろんな議論をさせていただきました。
 株式会社が入ってまいりますと、勝手に退出されちゃうと困るんですよね。退出されちゃったときに、後をどこかに任せなきゃいけないといったって、そもそも倒産だって言われちゃえば、それで次の日から子供たち行き場を失うわけでありまして、そこは一定の責任を持った株式会社に入っていただきたいということで、法律の中で明確に、例えば経済的な基盤、これがしっかりしていること、それから、そもそも経営者が社会的信望があること、さらには社会福祉法人等々経験がある、こういうようなことというような、そういう基準を作って、それで、その中においてしっかりと保育所を運営していただきたいという思いであの法律を明文化して法律を作ったわけであります。
 その中において、ただ、それでは、認可した後はそれでいいかといいますと、認可した後も認可の基準ちゃんと守っているであるかとか、それからそもそも保育指針にのっとってちゃんと保育所を運営しているかであるとか、そういういろんな種々の問題等々をしっかりと見る中において、もしちゃんとしたことをやっていなければ、経理状況が悪いなんという話になれば、これはしっかり指導していかなきゃならぬわけでありまして、一番我々も恐れている部分でございますので、そのような危惧が生じないようにチェックしてまいりたいというふうに思っています。
 あわせて、労働者の方々、労働者って保育士の方々でありますけれども、この方々が変なふうに扱われるという問題が起こったらこれはもう大変な問題でありまして、そもそも働く方々にとって権利を侵害されることがあれば、それはもう労働基準法等々に対する違反でもありますから、厳正なる対応をしてまいりたいというふうに思っておりますし、とにかく今こういう状況でありますから、保育の質を落とさずに保育の量を拡大していくということが我々の目的でございますので、しっかりと頑張ってまいりたいというふうに思っております。
#268
○福島みずほ君 厚労相が保育の質を落とさずに量も増やしたいというふうにやっていただいていることは、やっていきますという答弁は心強いので、質と量と両方頑張ってください。
 以上で終わります。
#269
○委員長(武内則男君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後四時五十七分散会
ソース: 国立国会図書館
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