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2013/02/25 第183回国会 参議院 参議院会議録情報 第183回国会 文教科学委員会 第1号
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2013/02/25 第183回国会 参議院

参議院会議録情報 第183回国会 文教科学委員会 第1号

#1
第183回国会 文教科学委員会 第1号
平成二十五年二月二十五日(月曜日)
   午後零時三十分開会
    ─────────────
   委員氏名
    委員長         丸山 和也君
    理 事         鈴木  寛君
    理 事         藤谷 光信君
    理 事         上野 通子君
    理 事         水落 敏栄君
                斎藤 嘉隆君
                那谷屋正義君
                白  眞勲君
                水岡 俊一君
                蓮   舫君
                石井 浩郎君
                熊谷  大君
                橋本 聖子君
                石川 博崇君
                山本 博司君
                柴田  巧君
                谷  亮子君
                自見庄三郎君
                横峯 良郎君
    ─────────────
   委員の異動
 一月二十八日
    辞任         補欠選任
     白  眞勲君     大島九州男君
     水岡 俊一君     林 久美子君
     蓮   舫君     谷岡 郁子君
 二月二十二日
    辞任         補欠選任
     大島九州男君     小西 洋之君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         丸山 和也君
    理 事
                林 久美子君
                藤谷 光信君
                上野 通子君
                水落 敏栄君
    委 員
                小西 洋之君
                斎藤 嘉隆君
                鈴木  寛君
                那谷屋正義君
                石井 浩郎君
                熊谷  大君
                橋本 聖子君
                石川 博崇君
                山本 博司君
                柴田  巧君
                谷  亮子君
                谷岡 郁子君
                自見庄三郎君
                横峯 良郎君
   国務大臣
       文部科学大臣   下村 博文君
   副大臣
       文部科学副大臣  谷川 弥一君
       文部科学副大臣  福井  照君
   大臣政務官
       文部科学大臣政
       務官       丹羽 秀樹君
       文部科学大臣政
       務官       義家 弘介君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        古賀 保之君
   政府参考人
       文部科学省初等
       中等教育局長   布村 幸彦君
       文部科学省スポ
       ーツ・青少年局
       長        久保 公人君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○理事の辞任及び補欠選任の件
○国政調査に関する件
○政府参考人の出席要求に関する件
○教育、文化、スポーツ、学術及び科学技術に関
 する調査
 (学校におけるいじめ、体罰等の諸問題及びス
 ポーツ指導における暴力行為等に関する件)
    ─────────────
#2
○委員長(丸山和也君) ただいまから文教科学委員会を開会いたします。
 議事に先立ち、一言御挨拶を申し上げます。
 昨年十二月二十八日の本会議におきまして文教科学委員長に選任されました丸山和也でございます。
 政治の一つの目的は、すばらしい文化国家を建設することでもあると思っておりますから、各委員の御支援、御協力を賜りまして、この委員会を公正かつ円滑に運営してまいりたいと考えております。何とぞ、皆さんの熱い、そして気持ちのこもった、形骸化しない、迫力のある委員会運営になりますように、心より御協力をお願いいたします。
 ありがとうございます。(拍手)
    ─────────────
#3
○委員長(丸山和也君) 委員の異動について御報告いたします。
 去る二十二日までに、礒崎陽輔君、水岡俊一君、白眞勲君及び蓮舫君が委員を辞任され、その補欠として林久美子君、谷岡郁子君、小西洋之君及び私、丸山和也が選任されました。
    ─────────────
#4
○委員長(丸山和也君) 理事の辞任についてお諮りいたします。
 鈴木寛君から、文書をもって、都合により理事を辞任したい旨の申出がございました。これを許可することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#5
○委員長(丸山和也君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 この際、理事の補欠選任を行いたいと存じます。
 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○委員長(丸山和也君) 御異議ないと認めます。
 それでは、理事に林久美子君を指名いたします。
    ─────────────
#7
○委員長(丸山和也君) 国政調査に関する件についてお諮りいたします。
 本委員会は、今期国会におきましても、教育、文化、スポーツ、学術及び科学技術に関する調査を行いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#8
○委員長(丸山和也君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#9
○委員長(丸山和也君) この際、下村文部科学大臣、福井文部科学副大臣、谷川文部科学副大臣、丹羽文部科学大臣政務官及び義家文部科学大臣政務官から発言を求められておりますので、順次これを許します。下村文部科学大臣。
#10
○国務大臣(下村博文君) この度、文部科学大臣兼教育再生担当大臣を拝命いたしました下村博文でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 東日本大震災からの復旧復興のほか、世界トップレベルの学力、規範意識、そして歴史や文化を尊重する態度を育むための教育再生に取り組むとともに、我が国の経済成長の鍵となる科学技術、イノベーションを推進し、また国家戦略としてスポーツ、文化、芸術の振興に全力を尽くしてまいります。
 今後とも、丸山委員長始め委員の皆様方の御指導、御鞭撻を賜りますよう、よろしくお願いを申し上げます。
#11
○委員長(丸山和也君) 谷川文部科学副大臣。
#12
○副大臣(谷川弥一君) この度、文部科学副大臣を拝命いたしました谷川弥一でございます。
 主に教育と文化を担当することになりました。
 丸山委員長始め委員の皆様方の御指導、御鞭撻を賜りますよう、よろしくお願いします。
#13
○委員長(丸山和也君) 福井文部科学副大臣。
#14
○副大臣(福井照君) この度、文部科学副大臣を拝命いたしました福井照でございます。
 主に科学技術とスポーツを担当することになりました。
 今後とも、丸山委員長始め委員の皆様方の御指導、御鞭撻を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。
 ありがとうございました。
#15
○委員長(丸山和也君) 丹羽文部科学大臣政務官。
#16
○大臣政務官(丹羽秀樹君) この度、文部科学大臣政務官を拝命いたしました丹羽秀樹でございます。
 主に科学技術と文化を担当することとなりました。
 今後とも、委員長を始め委員各位の皆様方の御指導、何とぞよろしくお願い申し上げます。
#17
○委員長(丸山和也君) 義家文部科学大臣政務官。
#18
○大臣政務官(義家弘介君) この度、文部科学大臣政務官を拝命いたしました義家弘介です。
 主に教育とスポーツを担当することとなりました。
 今後とも、丸山委員長を始め委員の皆様の御指導、御鞭撻賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。
    ─────────────
#19
○委員長(丸山和也君) 次に、政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 教育、文化、スポーツ、学術及び科学技術に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、文部科学省初等中等教育局長布村幸彦君外一名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#20
○委員長(丸山和也君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#21
○委員長(丸山和也君) 教育、文化、スポーツ、学術及び科学技術に関する調査のうち、学校におけるいじめ、体罰等の諸問題及びスポーツ指導における暴力行為等に関する件を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#22
○斎藤嘉隆君 民主党の斎藤嘉隆でございます。
 今日は、今委員長の方からもございましたように、いじめあるいは体罰の問題について、大臣始め政務三役の皆さんと初めてこの委員会の場で議論をさせていただく、大変貴重な機会をいただきました。大変有り難いと思います。ただ、もう少し早くこういった議論を当委員会としても是非行っていただきたかったなというのは、もう率直に委員の一人として思うところであります。是非今日は、そんな思いも含めて、先ほど委員長からもありました、気持ちのこもった議論を是非させていただきたいと思います。
 まず、政務三役の皆さん、大臣を始め政務三役の皆さんにおかれましては御就任本当におめでとうございます。この委員会、子供たちの教育を中心に、あるいは科学技術も含めて、本当に現場の様々な状況を踏まえて実のある是非議論をしたい、そのように思っています。
 さて、大津市の皇子山中学校でのいじめの事件、大変大きな報道がなされましたし、一人の子供が命をこのことによってなくすという非常に痛ましいことになりました。心から御冥福をお祈りをしたいというふうに思います。
 私たち民主党としましても、プロジェクトチームをこれ立ち上げまして、市長や教育長さんとも、ここにおります小西議員も含めて私も大津の方に出向かせていただいて議論を様々させていただきました。また、第三者委員会の委員の方もお招きをしてヒアリングを行う等々してきたわけでございます。この第三者委員会の御報告については大臣もお読みになられただろうというふうに思いますけれども、内容については後ほど議論をさせていただきたいと思います。
 まず冒頭、下村大臣にお伺いをしたいと思いますけれども、いじめを減らしていく、なくしていくために最も教育の現場においてあるいは地域社会において必要だと思われること、大臣はどのようにお考えでいらっしゃいますか。
#23
○国務大臣(下村博文君) いじめは決して許されないことでありますが、どの学校においても、子供たちにも起こり得ることでもあるというふうに思います。いじめの問題については、まず、いじめは絶対に許されないとの意識を日本全体で共有し、子供を加害者にも被害者にも傍観者にもしない、こういう教育を実践することが必要であるというふうに思います。
 文部科学省では、これまで、いじめの問題への取組の徹底を求める通知の発出、平成十八年以降でございますが発出、そして教育委員会の生徒指導担当者や校長などの管理職に対する地域別の研修会、いじめの実態把握のための統計調査の実施、全ての学校へのアンケート調査の実施の要請、また電話相談体制の整備、これは二十四時間いじめ相談ダイヤルでございますけれども、さらにスクールカウンセラー等の配置による教育相談体制の充実など取り組んで今までもまいりました。
 文科省としては、引き続き道徳教育の充実などによる今すぐできる対策を断行するとともに、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーの配置拡充により教育相談体制の充実を含む総合的ないじめ対策を行ってまいりたいと思います。
 また、体罰については、学校教育法で禁止されており、いかなる場合も許されるものではありません。文部科学省としては、これまで、平成十九年に通知を発出し、体罰や体罰に当たらない懲戒など児童生徒の懲戒・体罰に関する考え方の整理を示してきたところでございます。また、全国的な体罰の状況を把握するため、私が大臣になってから更に、今年の一月でございますが、各教育委員会などに対して主体的に体罰の調査を行い文部科学省へ報告するよう求めるとともに、体罰禁止の徹底等を求める通知を発出したところでもございます。
 文部科学省としては、今後、懲戒と体罰の区別を事例等も用いて理解しやすく通知を発出するなど、引き続き体罰、いじめ等禁止の徹底を図ってまいりたいと思います。
#24
○斎藤嘉隆君 今大臣からもいろいろ、るるお話があったとおりだと思います。
 一つ、今の御答弁の中にもありました道徳教育の充実、私もこれは一定必要だというふうに思いますけれども、これ、大津のこの皇子山中学校というのは道徳教育に関してどのような形で対応してきた学校であったんでしょうか。もしお分かりになれば。
#25
○国務大臣(下村博文君) 御指摘のあった大津の中学校は、平成二十一年、二十二年度の二年間、文部科学省の道徳教育実践研究事業の推進校の指定を受け、道徳教育の実践研究に取り組んでいたということでございます。それにもかかわらず痛ましい状況に至ったことは大変残念であり、そういう意味では、必ずしも十二分に道徳教育の実践が行われていなかったのではないかと、結果として、これは第三者委員会の調査報告書にも記述がございましたが、そのように認識しているところでございます。
#26
○斎藤嘉隆君 今お話にありましたように、大津の中学校というのは文科省の全国研究指定校でありますし、いわゆる道徳教育の先進校でもあるわけですね。
 私、道徳そのものを否定する気はもう全くございません。教育活動全般を通じてこういう道徳心を養っていくということは極めて大切なことだと思っています。
 ただ、子供たちが、何というか、自尊心を持って生活できるようにとか、あるいはもう子供たちの生活そのものも大変ストレスが多い、ストレスフルな生活状況にありますので、こういうのをどうしていくのかということ、あるいはいじめを生み出す背景となっている様々なこういう課題、原因をあぶり出して、やっぱり正しい対策をしていかないと根本的な解決にはつながらないと。今回の事案が如実にそういったことを物語っているのではないかと思っています。
 この大津の皇子山中学校でのいじめ事件、その後の報告書、第三者委員会の報告などを基にもう少し議論をさせていただきたいと思いますけれども、確かに学校としての対応は大変お粗末であったなと言わざるを得ません。また、後々も含めて隠蔽と言われても仕方がない教育委員会の態度、あるいは教員そのもののいじめを見抜くような力量ですとか、やっぱり教員に必要な、子供と面と向かったときに子供の状況が今どうであるのかというのを感じ取るような感性のようなものですとか、そもそも子供と本当に先生方が向き合う、そういう姿勢があったのかどうか、こういったことも含めて子供たちの効果的な指導ができなかった、これはもう事実だろうというように思います。
 学校それから市教委は大いにこの点については反省をすべきだと思っていますし、必要な一定の法的な整備も、後ほど我が党からも御提起をさせていただきますけれども、必要だと思っています。
 もう一個、この報告書の中で教員間の連携不足というのがかなり強く指摘をされています。いじめの問題ですから、教師個人が一人で対応していくという、そして解決をしていくというのはかなり難しい状況であることはもう容易に分かるわけでありますけれども、チームとして解決を図っていく、こういう当たり前のことが今はややもすると現場ではできづらい、そんな状況があるんじゃないかと、そのようにも私自身も思っています。
 私もよく地元の教育現場、訪問させていただきますけれども、小学校なんか、職員室に行っても教頭先生と事務職員さんぐらいしか今見えないんですね。本当にこれで事が起きたときに対応できるんだろうかというのを心配をするわけですけれども、子供と向き合う、そして先ほど申し上げた子供のいじめにかかわるような状況を見落とさない、そのためにも、私は現場に更なるマンパワーがやっぱり必要ではないか、そのように思います。
 大津では、報告を踏まえて、この四月からいじめ担当の教員を新たに市としても配置をしていくというようなことがこの間報道でありましたけれども、国としてこのいじめの問題に関して、先ほどスクールカウンセラーのお話はありましたけれども、人的配置といった点でどのような対策を考えていらっしゃるのか、計画をお聞かせをいただきたいと思います。
#27
○国務大臣(下村博文君) お答えいたします。
 先ほどの道徳教育の実践研究校にこの学校がなっていたということでございますが、「自ら光り輝く生徒を求めて 心に響く道徳教育の実践」という研究主題の下に、しかし、実際に行われていたことは、道徳の公開授業や校内研修会、外部講師の招聘、保護者アンケート等々、十二分な教育が行われていなかったところがあるのではないかと。同時に、今委員御指摘のように、教職員の連携が必ずしも対応ができていなかった、あるいは今回の事件について担当教諭やあるいは校長先生の対応が明らかにされていなかったというようなことを含めて、十二分な学校を挙げての対応ができていなかったのではないかというふうに思います。
 そのことを受けて、この大津市においても第三者委員会、これは文部科学省も職員を派遣をして事実解明について支援をしてまいりました。その報告書が、先月三十一日に調査報告書として出たと。これは、市としての一つの結論が出たというふうに受け止めております。文部科学省としては、今後、大津市及び大津市の教育委員会において、調査報告書等を踏まえ、いじめの未然防止、解決に関する取組が進展することを期待をしております。
 いじめを背景に子供が自ら命を落とすというようなことはあってはならないことでありまして、文科省として、昨年七月以降、いじめの問題等に関する総合的な取組方針の策定、またいじめの緊急調査の実施、そしてさらに、学校と警察の連携強化のための通知の発出、これは昨年十一月とそして今年の一月にも行いました。また、調査報告書で御提言のあった第三者的立場から調整、解決する取組、オンブズマン制度等でありますが、そして弁護士や精神科医などの外部専門家を活用して学校を支援する取組など、各地域のこれからの取組に対し、文科省としても、いじめ問題等の解決に向けた外部専門家活動事業、これを平成二十五年度から新たに予算計上して支援をしてまいりたいと思います。
 また、教育再生実行会議でも、最初のテーマとしていじめに関する議論を行い、明日、会議においてこの提言を取りまとめていただくことになっておりまして、その内容を、是非これから今国会で、議員立法で、いじめ防止のための法制化検討にも生かしていただきたいと思っております。
 来年度の予算においても、いじめ対策等を中心として新たに八百人の教職員の加配も行う等などすることによって、しっかりといじめ対策について取り組んでまいりたいと思います。
#28
○斎藤嘉隆君 ありがとうございます。
 今、八百人の加配をというお話もありましたけれども、本当にそれで十分であるのか、今の教育現場、是非、足を運んでいただいて、どんな状況の下で今教育が行われているかというのを十分御認識いただいた上で、私はやっぱり人的配置というのは今もう喫緊の課題だと思っていますし、我が党が政権にあったときはそんな思いで計画的にこの定数の改善というのをしてきたところでありますので、恐らく大臣もお考えは同じだろうと思いますので、その点是非また当初予算の折にも議論をさせていただきたい、そのように思っています。
 ちょっと視点を変えます。
 この大津の皇子山中学校、もし分かれば局長でも結構なんですけれども、どれぐらいの学校の生徒数、規模があって、校区はどのようなところであるのでしょうか、お知らせをいただきたいと思います。
#29
○政府参考人(布村幸彦君) 申し訳ございませんけれども、正確な生徒数、学級数は今手元に数字ございませんけれども、相当大規模な中学校というふうに伺っております。
#30
○斎藤嘉隆君 校区はどうですか、学校区は。
#31
○政府参考人(布村幸彦君) 失礼いたしました。
 生徒数は九百人を超えるという学校規模のようでございますし、また、校区につきましても大津市の市街地を対象とするものというふうに聞いております。
#32
○斎藤嘉隆君 いや、局長、何か余り御認識をされていないみたいですけれども、これどなたか、政務官も御存じないですか。これは、皇子山中学校というのは一定の通学区域を持った学校なんですかね。これはどうですか、いかがですか。
#33
○政府参考人(布村幸彦君) 失礼いたしました。
 市街区域とまた新しい新興住宅街ということを校区に含んだ中学校というふうに伺っております。
#34
○斎藤嘉隆君 私も詳しく存じ上げているわけではありません。第三者委員会の報告を読む限りなんですけれども、この中で一つ、今回のいじめ事件の背景として、この極めて大きな校区、いわゆる学校選択制の対象であるという、そのような状況が指摘をされているんではないかと思っています。
 これは多分読んでいただければ分かると思うんですけれども、第三者委員会でも指摘されているこの学校選択制の弊害ですね、これ、様々な形で指摘をされています。元々、公立の学校というのは市町村教委がいわゆる就学先を指定しなければならないわけですね。通常は、その指定に当たって通学区域というのを設定をした上で指定をすると。ただし、この通学区域の設定に当たって保護者なんかの意見を聞きながら柔軟に扱っていくというのがこの学校選択制だと思いますし、都市部なんかでは比較的小規模な学校も多いものですから、かなり広まっているのではないかなと思っています。
 保護者の意見を聞いてこの通学区域を、就学先を決定をしていくということなんですけれども、これ、公立の小中学校は全国で全て同じ条件の下でナショナルミニマムで同じ教育が行われているわけですよね。これ、何を根拠にこういう就学先というのは一体選択を今されているのでしょうか、どなたでも結構ですので。
#35
○政府参考人(布村幸彦君) 一般論といたしましては、一定の人口規模を前提に、子供たちが徒歩で通える範囲といったことを前提に各市町村教育委員会で通学区、学校区を設定しておられるものと思います。
#36
○斎藤嘉隆君 余りその本当に御認識、文科省として、それで今の教育現場の実態に合っているかどうかって、僕は甚だ疑問に思います。
 これ、やっぱり保護者や子供たちが進学先、自由に選べると、公立の例えば中学校で。その場合に、どこの学校を選ぶかというと、やはり、公立の場合はですよ、明確な基準、基準というか根拠になるものがないわけですから、うわさであったり、例えば高校への進学実績であったり、あるいはもう地域の評判であったり、あるいはそこの部活動がどんな成績を収めているかとか、そういったことを基にこの進学先というのをやっぱり親御さんあるいは子供たちが選定をしていくということになるかと思います。言ってみれば、学校ごとの、何というかな、そういう評判の取り合いの行き着く果てがある意味で学校選択制に近いというようなことだと思いますけれども、私、大津でやっぱり今回のいじめの事件がなかなか表に出てこなかったその背景にこのことが一つあるんではないかと、第三者委員会の報告を読んで改めてこういった思いを強くしました。
 学校と地域ってやっぱり結び付きが強くあって、地域ぐるみでの教育というのはもう今すごく大切なことだと思うんですね。おらが村の学校があって、そのおらが村の村民の皆さんが地域の学校を愛して、そしてそこの子供たちを地域ぐるみで見守っていくと。やっぱりそんな、かつてこの日本にあったような教育現場の状況を私は是非早期に取り戻していくことが必要だと。
 地域ぐるみでの学校、このことについて大臣、どのような御感想をお持ちになられますか。
#37
○国務大臣(下村博文君) 御指摘のように、都市部においては学校選択制を導入しているところが結構あるかと思います。東京では二十三区において半々ぐらい学校選択制を導入している区があるというふうに聞いております。どんな制度でも光と影の部分があって、この制度になることによって完全に全ての問題をクリアするということにはならないというふうに思います。
 学校選択制を導入している中では、今委員御指摘のように、各学校の情報が地域の方々、父母の方々へ正しく伝わっていないために、風評といいますか、今御指摘のようなイメージで学校選択がされることによって、必ずしも本来の学校選択制の趣旨が生かされていない、あるいはそういう意味での正しい学校選択制の在り方になっていないという部分があると思いますから、今後更に学校選択制を広めていくためには、各学校がいろんな形で情報公開をして、そしてその情報公開の下に正しく客観的に判断する中で、我が子がどこが一番合っている学校かということが選べるような条件がないと風評的な形での選択になってしまうということがありますので、そういう経緯の中で、今御指摘のように、やはり地域の学校は地域の中できちっと完結をして通うべきではないかという議論が一方で出ていることも事実でありますし、また、コミュニティーの今後の在り方を考えると、学校単位がコミュニティーになっている部分もありますから、これをさらに、子供の見守り隊等を考えると学校選択制ということを見直すという動きも出ていることも事実でありますし、この辺は総合的な判断の中でそれぞれの自治体で決めていくべきことだと思いますが、よりあるべき形について、文部科学省の方でも十二分にデータ等を出すことによって、より自治体に対して資するような教育環境について提言をしていきたいと思います。
#38
○斎藤嘉隆君 選択制については、もちろん光もあれば影もあるということだと思いますけれども、今回のような事件を見ると、やっぱり子供たちがいわゆる学校外での生活も含めて、例えば先生方あるいは地域の皆さんが十分知り得ることができる状況にない、校区が広過ぎて、そんな状況もあるわけですから、是非これは引き続いて省内でも議論をしていっていただきたいと思います。
 もう一点、このいじめ、あるいはそれに伴う自殺の問題、このことに関して一点だけお伺いをしたい。これちょっと通告していませんので、もしお分かりであればで結構です。
 WHOの自殺を予防する自殺事例報道の在り方、この勧告について、大臣あるいは政務三役の方、御存じの方いらっしゃいますか。
#39
○大臣政務官(義家弘介君) お答えいたします。
 WHO、世界保健機関による自殺報道への提言、十一の見出しで分けられておりますが、自殺に関する正しい知識を一般の人々に報道する、自殺をセンセーショナルに表現したり、正常な行為であるといった表現をしたり、あるいは問題解決のために避けられない手段として伝えたりしない等々の提言が出されていると承知しております。
 一方で、この自殺事案等が出てきたときにマスコミ等で問題になるのは、その自殺の悲劇というものと同時に、その自殺に至ったまでの教育界の無責任体制あるいは隠蔽体質、この部分がどうだったのかということが非常にセンセーショナルに報道されていると承知しております。この責任体制の確立、これは何としても成し遂げていかなければならない問題だと認識しております。
#40
○斎藤嘉隆君 このWHOの自殺事例報道の在り方、これは、今、本当に義家政務官おっしゃったとおりの中身が含まれていまして、それから特に、これは十五歳から十九歳という中学生から高校生、こういう年代の子供たち、世界的に死因に占める自殺の割合が極めて高いと。このことから世界の国々にこういった勧告が出されているものであります。要するに、子供たちの自殺というのは、類似の、同様の事案を誘発をしやすい、そのことを危惧をした勧告だというように思っています。
 私は、日本のメディアの皆さんが、こうした勧告の意味をよく理解をして、この意義を尊重しているとはもう到底思えないんです。
 今、いじめというのはよく第一のピーク、第二のピーク、第三のピークと言われて、今ひょっとしたら第四のピークなのかもしれませんけれども、例えば第三のピークと言われた二〇〇五年、六年の辺り、例えば二〇〇六年一年だけを見ても、いじめを理由にした自殺や自殺未遂事件というのは実に十二件もこの一年だけで報道をされているんです。
 全てがいじめを原因にしたものかどうかというのはまだ定かではないというところだと思いますけれども、私、この自殺の連鎖というのを本当に今大変恐れているんです。もうひょっとしたら既に起きているのではないか、そんなことを危惧をしていますが、こんなWHOの勧告を踏まえて、何らか文科省として、あるいは大臣としてメディアへの働きかけをするつもりは何かございませんでしょうか。
#41
○政府参考人(布村幸彦君) いじめの自殺事案等が発生した場合には、きちっと、まず保護者の方、児童生徒にきちっとお伝えするということとともに、学校あるいは教育委員会がマスコミ対応についても責任者をきちっと定めて対応するということがよく重要な課題でございますし、またマスコミの対応についても、できるだけその窓口を明確にし、そこから情報を提供するというルールを徹底していただくように、その事案の都度、地元の教育委員会ではマスコミにもお願いはしているところでございますので、文部科学省の段階で、今後、マスコミ、文部科学省の記者クラブの方々ともそういう議論は重ねていければというふうに考えてございます。
#42
○斎藤嘉隆君 この報道の在り方というのは、もう一度きちんとした場で報道機関の皆さんも含めて協議、議論をしていくべき課題だと思っています。このことによって仮に連鎖による自殺で一人でも子供の命が失われるなんてことは絶対あってはならないと、そのように思っていますので、是非このことについても御検討をいただきたいと思います。
 少し体罰に関して議論をしたいというふうに思っていますけれども、大阪の市立高校での体罰事案はもうとんでもない、指導を超え、体罰を超え、もう暴力に近い、暴力だと、そのようなことで、これは許されない事案だと思っています。その後、スポーツ界でも同様の事案が様々に明らかとなってきました。一日も早くこの件についても解決をしなければならない課題だというように思っていますけれども。
 谷川副大臣、よく言われていると思います、十二月の二十七日に副大臣が記者会見の中で、僕はこれ、報道を見たときにうそだろうと思ったんですけれども、いじめをなくすために何が必要かということで、いじめをなくすためには怖い先生が学校にいないと駄目だと、武道家、一番いいのはボクシング、空手、剣道、プロレスも入るかなというように、いわゆるオフィシャルな場で発言をされたと報道をされていますが、これは事実であって、また、今もこの考えに変わりはありませんか。
#43
○副大臣(谷川弥一君) そこだけ取って考えると奇異に感じると思いますが、私には私の持論がありまして、結論から言うと、取り消すつもりもありませんし、非常に今の時点ではこれしかないのかなと思っております。
 説明します。
 私は、私の持論ですが、人類の歴史というのは、貧乏からの脱出と自由の獲得の歴史であると思っています。その上にできれば文化を乗せたいと、知性も教養も哲学もきちっと身に付けたいと、そう思っているんです。
 ですから、体罰といじめとごっちゃにしないでいただきたい。体罰は言語道断です。だって、人間が持っている尊厳を、力の強い人が弱い人を抑え付けるんですから、こんなことはあってはならないし、私は絶対に容認できません。
 ところが、いじめは、これは二月二日の朝日の社説ですが、男子生徒が同級生から受けたいじめはすさまじかった、教室や廊下で殴られ、教科書や成績表も破られる、自殺の練習を迫られ、死ねと罵声を浴びせられる。こんなことがあっていいとは絶対に思いません。私は許せないと思います、こういう事態は。
 私は、実は長崎の県議会議長をしているときに、いじめで死んだら坊主になると、俺が責任取ると言ってきました。幸いにして、そのときにはなかったので、私が議長のときはなかったので坊主にならなくて済んだんですが、誰かが必ず責任取るべきだと思っております。誰もいなかったら私が取ると私は言っております、今省内で。
 何を言いたいかというと、要するに私が言わんとすることは、いじめを何か、要するに、自分の心の中に何かのいら立ちというのか、それから、面白くないことがあるんだろうと思うんです、いじめる人は。想像ですよ、いじめたことがないので分かりませんけれども。それを何かにぶつけたい、そのために、皆、分からない、分かっても何も言われない、そういうことが暴走していってこういう事件になるんじゃないかなと思っているんです。
 ですから、私が、いじめに対して私の考え方は、まず徹底的に予防、予防措置を図ってほしい。私は省内で言っているのは、NHKに相談してくれと言っているんです。そういうことで……(発言する者あり)まあもうちょっと聞いてくださいよ。言わないと分かりませんから、意味が。次は、徹底調査をしていただきたい。日本全国、どんないじめが、どんな種類が何の原因であっているのか。
 次ですよ、問題は、対策。対策は、学校の先生が、担任が駄目だよと言って終わるケース。駄目だよと言っても聞かない、何回も何回も繰り返す、そういう場合には、校長に上がっていく、学校に上がっていく。そのときに、この例もあっているんですが、いや、あっちこっちであっているんですが、校長の権限でぱしっと止まればいいんです。止まらなかったら、やっぱりそこに、あの先生から怒られたら怖いよとか、あの先生が出てきたら大変だという先生がおった方が、いないより抑止力が働くと僕は言っているんで、抑止力が働く、そういうことを言っているんです。
#44
○委員長(丸山和也君) 副大臣、副大臣、副大臣、熱弁は分かりますので、少しまとめていただけますか。
#45
○副大臣(谷川弥一君) いや、まとめているつもりですけどね。済みません。
 それで、それでも収まらなかったら警察に行くしかないじゃないかと。そういう意味で、抑止力という意味で言ったので、赤信号を渡ったら警察に怒られる、罰金取られる、そういう意味で言ったので、決して体罰とごちゃごちゃにしないでいただきたいと思います。
#46
○斎藤嘉隆君 いや、副大臣のおっしゃっていることは、まさに教育の現場で強者至上主義を更に助長すべきだと言っているようなものだと思いますよ。おっしゃっていることと、今おっしゃったことと、それから、学校には怖い先生がいないと駄目だと、もう力で抑え付ける、あるいは恐怖心で子供を抑え付けるような立場の先生が重要なんだという、それは、もう全く相矛盾する中身だと、私は今お考えを聞いていてそう思いました。
 下村大臣、どうですか。大臣も同じお考えですか、この件について。
#47
○国務大臣(下村博文君) 今、谷川副大臣が冒頭おっしゃったように、個人的な見解だということで、前提としてお話しされたと思いますが、ただ、一つの対症療法としての方法論として、一つの方法としてあるのかもしれませんが、本質的な解決にはやっぱりならないと思いますし、御指摘のように、威圧感でいじめをなくすということは、本質的な解決方法でないというふうに思います。
#48
○斎藤嘉隆君 私もそう思います。
 是非、副大臣、取り消すつもりはないと、持論を述べられたわけですけれども、もう副大臣という要職にあるお立場でありますから、発言の大きさを是非御認識をいただいて、是非自制をしていただきたいと思います。御自身がいろいろな思いを持つことは構いません、それは。ただ、それを副大臣というお立場にあって、公の記者会見のような場でやっぱり口にされることは、私はいかがかと思います。
 是非、そのようなことを御認識をいただきたいと思いますし、ややもすると、これぐらいのことは言ってもいいんじゃないかと、そんな甘えにも似たような、そんな感じがあるんじゃないかなと思っています。
 もう一言で結構です。発言を撤回するべきだと思いますが、いかがですか。
#49
○委員長(丸山和也君) 谷川副大臣、簡潔に願います。
#50
○副大臣(谷川弥一君) お釈迦様の遺言に、ヴァヤダンマー サンカーラ アッパマーデーナ サムバァデトゥワというのがあるんです。生きとし生けるもの、いずれ消えてなくなるんだと、だから、生きているその瞬間瞬間を完全燃焼しなさいというのがあります。
 もう一つ、仏教の本を読んでいるときに、こういう言葉がありました。あなたは、目、耳、鼻、口、それから触れば感じるという五官を持っているじゃないのと。こんなすばらしい機械を持っておって、あと何が欲しいの、頑張りなさいよと、こういうのがありました。私は非常に心の支えになりました。
 そういうことを教えてくれれば体罰なんかはしなくていいと僕は思っているんです。そういう指導方針として言っているんで。
 ただ、何か質問の趣旨に物すごく誤解がありますけれどもね、皆さんに。悪いことをする人の気持ちを考えてくださいって。分からない、何ともならないというから、ばんばんばんばんやるんでしょう。私は、皆さん方が言う理想とするものより、死ぬということが大変なことだと思いますよ。死ぬことだけは絶対に防ぎたい、誰が何と言っても。そう思っておるんです。
 だから、死ぬことを防ぐためなら、ある程度のことは容認できると僕は思っています。
#51
○斎藤嘉隆君 死ぬことを防ぐためだったら体罰も含めて容認できるという今御発言だったと思いますけれども、私はそれは反対でありますね、それは。
 是非、もう繰り返しになりますけれども、お立場の重さを十分お考えになって御発言にお気を付けをいただきたいと思いますし、僕は発言を撤回をすべきだと思っています。
 じゃ、副大臣ではなくて、じゃ、大臣、今の話にもかかわるんですけれどもね。(発言する者あり)副大臣、分かりました。
 副大臣、じゃ、一個質問をさせてください。(発言する者あり)簡潔にお答えください。
 副大臣は、国連の子どもの権利条約、今これ我が国はどのような立場を取っているか、御存じですか。
#52
○副大臣(谷川弥一君) 何か物すごく誤解がありそうで悲しいんですけれども。
 悲しいんですけれども、私が言いたい……(発言する者あり)
#53
○委員長(丸山和也君) 副大臣、質問にまず答えて、それを補足するような形で、まず質問については答えるようにしてください。
#54
○副大臣(谷川弥一君) 分かりました。
 その件については承知しておりません。
#55
○斎藤嘉隆君 やっぱりちょっと、子どもの権利条約について我が国がどういう立場かというのは、副大臣というお立場でいらっしゃいますので、是非御認識をいただいた方がいいと思います。
 この子どもの権利条約、一九九四年に発効、批准をしておりますけれども、これまで三回、我が国はこれ子どもの権利委員会に報告書を提出をしています。そうすると、そのたびに向こうからその件についての、まあ何というか、評価が返ってくるわけですね。
 この中で日本という国は何て言われているかというと、子どもを権利を有する人間として尊重しない伝統的な価値観により子どもの意見尊重が著しく制限されていることを引き続き懸念をすると、このようなことを国連から勧告をされている、そういう状況があるんです。
 そんな中で、今おっしゃられたような、個人の御認識は結構ですけれども、やはり私は今後の教育行政が本当に心配であると。是非、役所の中でも、政務三役さんの中でも御議論いただいて、本当にそれでいいのか、自民党の皆さんもそれでいいと思っていらっしゃる方なんかいないと思いますよ、この中に。是非、そのことを御認識を強くいただきたいと思っています。
 本当はちょっとほかにも多くお聞きをしたかったことがあるんですが、時間が参りました。いじめや体罰や虐待なんかの問題、いろいろなことが起きるたびに対症療法的に措置をしていくということではやっぱり僕は解決をしない。
 今の話もそうですけれども、子供を一人の人間として、本当に権利を持った存在としてやっぱり尊重していくと、そんな雰囲気をどうやって醸成していくか、学校の現場で、このことが、あるいは地域でですね。根本的な解決のためにはこれしかないと思いますよ。そんな力の強い人間を現場に入れたって何も解決をしない、私自身はそう思っていますので、そんな立場で、決してこのことでけんかをし合ってもしようがないものですから、是非そんな立場で今後も御議論を共にさせていただきたい、そのお願いを心からさせていただきまして、私の質問を終わります。
 ありがとうございます。
#56
○小西洋之君 民主党・新緑風会の小西洋之でございます。
 文教委員会で質問をさせていただくのは初めての機会でございます。どうぞ皆様、御指導をよろしくお願い申し上げます。
 私の方からは、今、自民党を始め、また政府も明日出される提言の中でいじめについての対策の法制化を行うべきという答申をするというふうに伺っておりますけれども、そうした各党、実は我が民主党が昨年の夏の終わりからどの政党よりも早くそうした法案の立案を行っているわけでございますけれども、そうした民主党法案の骨格につきまして皆様に御説明を申し上げさせていただきまして、今後の政府の取組、そして何よりも国会で議員立法に向けた各党各会派の皆様の御議論のための御参考とさせていただきたく存じます。
 その前に、ちょっと一言、今の谷川副大臣の御発言でございますけれども、副大臣の就任後の記者会見のその御発言を議事録を正式に読み上げますと、いじめをなくすには怖い先生が学校にいないと駄目、武道家、一番いいのはボクシング、空手、剣道、プロレスも入るかな、そして、そういう武道家がいなければ警察のOBを次の、次善の策というふうにおっしゃっております。つまり、警察OBよりも格闘家の方がいじめ対策には役に立つ、子供から見て、武道家とあるいは警察OB、どっちが、谷川副大臣のおっしゃる抑止力ですね、あるかというのは一概には言えないと思います。にもかかわらず、副大臣は明確に格闘技の技を持っている武道家が一番役に立っているとおっしゃっています。これは、文理的に考えれば、少なくともこの着任当時において副大臣のその考え方に体罰容認という考えがあると、そういうふうに断ぜざるを得ないと思います。これについては質問は申し上げませんので、下村大臣、しっかり文科省の中で御議論をいただいて、記者会見などで必要な訂正を行うこと、そのことをお願い申し上げます。
 では、私の質問の方に参らせていただきます。
 先ほど申し上げましたように、民主党、昨年の夏の終わりに、私がその実務の責任を担わせていただいておりましたけれども、あの大津の事件を始め、社会でまた大きな悲惨な社会問題となっているこのいじめ問題、長年にわたって悲惨な事件が起きて、そして風化して、また悲惨な事件が起きて、騒いで、社会的に問題になって、風化する、こうした、もう本当にあってはならないこの悪循環を断つ、そのために、法律が作れて、かつそれが役に立つはずだと、そういう確信の下に取組を進めておりました。
 実は、昨年末の総選挙がなければさきの臨時国会で法案を通すつもりで、実は、下村大臣が座長を務められる自民党の部会の取りまとめが十一月の二十一日だったと存じますけれども、我々は十一月の十五日の段階で条文案をほぼ完成をさせておりました。総選挙の後に改めて民主党の部門会議の中でいじめ・体罰防止対策ワーキングチームを立ち上げまして、林筆頭理事が座長でございますけれども、ここにいらっしゃる全ての先生方、みんなでしっかりと議論を重ねながら、二月の十二日の民主党の次の内閣、そこで条文案を確定し、今、国会提出の準備を整えているところでございます。そして今は、やはりこの法案、大臣がおっしゃっているように、超党派で、議員立法で我々も実現したいという思いから、野党の皆様に共同提案の呼びかけを、御指導を賜ることをお願い申し上げさせていただいている、そういう段階でございます。
 我々、この立案に当たりまして、いじめの被害者の方が役員を務めるジェントルハートという団体があるわけでございます、大臣も御存じでいらっしゃる、あるいはテレビ等でも有名な、あるいは大津の第三者委員会の委員もなさっていました尾木先生、そういう方々にヒアリングを重ねまして、そういう方々、前回の民主党の部会の方にも、部門会議にもお越しいただきましたけれども、この民主党の法案、子供の命と尊厳を救える、すぐに実行可能な役に立つ法律であると、非常に高い評価をいただいております。
 さらに、立法に当たりましては、アメリカで今、実はほとんどの州においていじめの法律が制定されているんですけれども、そのアメリカの州法を一言一句分析する、あるいは、日本の自治体で私や国会図書館が確認できた限りで五つの自治体がいじめの条例を制定しております。そうしたものも一言一句分析をいたしまして、アメリカの取組よりもよりいいものを、あるいは各自治体で取り組んでいる取組と調和し、しっかりと子供たちを守っていける、そういう法律を立案させていただいたつもりでございます。
 その内容でございますけれども、資料を多く配らせていただいておりますけれども、まず一番初めに、この冒頭のカラーの絵で少し民主党の法案の概要について御説明を申し上げさせていただきまして、その後に大臣から、こうした政策あるいはこうした法制度が子供たちの命を守るために必要ではないかと、そういう観点で御質問をさせていただきたいと思います。
 この民主党の法案でございますけれども、多くのいじめの専門家あるいは被害者の方々等からヒアリングを重ねる中で、いじめ問題を真に解決するためには、最大限の予防、まずは起こさない、最大限の予防、そして残念ながら起き始めてしまったときの早期発見、そして次は、本当に不幸なこと、あってはならないことですけれども、起きてしまったときの適切な解決、すなわち予防と早期発見と適切な解決、この三つを総合的に対処しなければ真のいじめ対策にはならない、そうした認識の下で、この三つを総合的に対処する、そうした制度を立案させていただいております。
 その立案に当たりましては、先ほど申し上げました、長年にわたって、何十年にもわたって文科省が、先ほど大臣御説明されました、度重なる通知を出す、度重なる政策を投入する、にもかかわらず、いじめというのは、残念ながら我が国に現在、文科省の統計も二つ大きく出ておりますけれども、十万あるいは二十万、今日の委員会の中では数十万という言い方をさせていただきますけれども、数十万の学校のいじめが我が国の社会の中に蔓延し、そしてその中には、絶対あってはならないことですけれども、かけがえのない子供の命を奪う、そうしたものが今なお存在しているということでございます。つまり、そうした繰り返されるこのいじめ、なぜ学校現場でいじめ問題が克服できないのか、そのボトルネックを的確に構造的に解決する、その取組を講じたのがこの民主党の法案でございます。
 図に従って御説明をさせていただきます。
 まず、右側に学校という図がございますけれども、この学校の中の黄色い箱でございます、学校いじめ対策委員会。これは、複数の先生と、またいじめに関する第三者から成る学校のいじめ対策委員会を全ての小学校、中学校、高校の中に設置する。この委員会は、保護者やあるいは地域住民なども参画ができます、むしろ参加していただきたいと思っております。
 このいじめ対策委員会でございますけれども、先ほど申し上げました三つのいじめ対策の役割を取り組みます。一つは予防、一つは早期発見、もう一つは解決でございます。
 まず、予防でございますけれども、この学校の箱の上にございます、学校いじめ対策計画。全ての小学校、中学校、高校において、この学校いじめ対策委員会の下で、その学校の中のいじめの予防のプログラム、計画を作っていきます。その中には、大臣がおっしゃっております、いじめに関する道徳、あるいは情操を養うような教育、あるいは児童生徒が参加するようなロールプレイングゲーム、あるいは、その地域の住民あるいは地域のいじめの専門家などと連携するような体験活動、そうした体系立ったいじめの予防対策をしっかり講じていくということでございます。
 今お配りしておりますこの資料、太い大きな資料がございますけれども、この資料一と、一枚めくっていただきまして、資料二を御覧いただけますでしょうか。今私が申し上げましたような、全ての学校の中でいじめ対策の計画を実行していく、実はこれ、我が国の先進自治体で行われております。これは群馬県の高崎市の例でございます。資料一は読売新聞の記事でございまして、資料二はその実物の計画でございます。
 御覧いただきますと分かりますように、先ほど私が申し上げました、いじめを予防するために必要な、児童生徒、そして教員あるいは保護者、そしていじめに関する第三者、専門家、地域住民、そうしたものがみんな参加するいじめの予防プログラムというものを年がら年中しっかりと計画的に回していく、こうしたことによって最大限のいじめの予防を図るという取組でございます。
 しかし、こうした取組をしても、残念ながらいじめ、先ほど大臣もおっしゃいました、人間社会である限り、どういうコミュニティーであれ、いじめというものは起きるものでございます。私もそういう認識でございます。であるならば、いじめが起き始めたとき、その早期発見の取組でございます。申し上げました、この学校いじめ対策委員会、複数の教員そして外部の専門家が参画するこの委員会が常に学校の中で目に見える形で子供たちと一緒にいじめ対策を展開していく、そして同時に、このいじめ対策委員会は、子供たちから見て安心と信頼のできる通報の窓口になっていく、そうした早期発見の仕組みでございます。
 そうした予防、早期発見を講じながら、しかし、どうしても、本当に不幸なことに、あってはならないことに、いじめが起きてしまった場合、比較的、生活指導のような形で、まだいじめが固定化していないようなその初期のような段階、これは黄色のいじめ対策委員会の方で対応いたします。しかし、いじめが固定化して、そして複数の生徒あるいは複数のクラス、学校の中で、もうこのいじめというのは非常に大きな問題であると認知されたような場合には、この黄色い箱などを中心に専任チームをつくって、このオレンジのいじめ対策の委員会をつくって被害者の救出、ケア、そして加害者の指導、更生あるいは保護者への対応、そうした取組をやっていく、そうした仕組みでございます。
 今申し上げましたような、学校での予防と早期発見とその解決、その土台になる仕組みをつくるのが左の箱の、教育委員会の箱でございます。教育委員会においても、その地域の教育の専門家あるいはいじめに関する様々な専門家。先ほどからいじめに関する専門家と申し上げておりますけれども、皆様も御案内のとおり、私も勉強して分かったんですけれども、例えばいじめの加害者の子供に精神的な不安定な問題があれば、それは臨床心理士や精神科医が登場しなければ根源的な解決にならない。あるいは、いじめをやっているその加害者の子供が実は家庭に経済的な問題があって、そのことで心身が不安定になりいじめに走っていれば、それは児童相談所といったようなところが登場しなければいじめの根源的な解決にはならない。そもそも、実はいじめ問題というのは学校や教育委員会だけで根源的な対応ができない複合問題であると。そうした認識に基づいて、この教育委員会の下の地域いじめ対策委員会でしっかりとした地域の専門家を集めて、その下で、上の箱、上の文字でございますけれども、地域のいじめ対策の計画、その教育委員会の中のいじめ対策の計画を作って、これを基にその地域の各学校がより現場の創意工夫を生かした取組をどんどん頑張ってもらうということでございます。
 先ほどのお示ししました高崎市のその資料は、それは地域のいじめ対策の計画と、一部学校の計画が両方入っている資料でございます。
 こうした取組を進め、地域と学校で展開しながら、じゃ国は何をするかということでございますけれども、これは文科大臣の下で我が国のいじめ対策の基本計画を作ると。これは、同じく我々国会議員が議員立法で実現したがん対策基本計画を参考にさせていただきましたけれども、いじめの基本計画を作るときには、そのいじめの被害者が参画したいじめ対策協議会の意見を踏まえて、やはり被害者サイドのしっかりとした、子供の命と尊厳を守る、そうした我が国のいじめのマスタープランを作る、そうしたプロセスを措置させていただいております。
 一つ、地域の協力関係でございますけれども、いじめ対策基本計画の下の緑の箱、地域いじめ対策協議会でございます。これは、県単位で義務的にそういう協議会を設けていただきます。先ほど申し上げました様々な専門家、弁護士会、法務局、警察、児童相談所、民生委員等々いじめに関するいろんな専門機関がここでその地域、その県内における連携の在り方を議論して、それをその下の地域や学校の中の連携に生かしていくという、そうした基盤の取組でございます。
 以上申し上げまして、民主党のいじめ対策の法案でございますけれども、大きく二つの考え方がございます。
 一つは、いじめは残念ながらどこの誰にでも起こり得るもの、しかも、残念ながら、我が国では確認できるだけで数十万の、しかも子供の命が失われる、そうしたいじめが起きております。であるならば、徹底的に子供の一番近いところで、子供を巻き込む形で、いじめがなぜいけないんだということを教えつつ、またいじめが起きにくい学級あるいはいじめが起きにくい学校づくり、そうしたものを展開していく、そのためにこうした学校のいじめ対策計画あるいは学校のいじめ対策委員会が必要であるということでございます。
 こうした委員会や計画でございますけれども、先ほど自治体の例を申し上げましたけれども、冒頭申し上げましたアメリカの法律、アメリカのいじめ対策の法律、またイギリスのいじめ対策では一般的に取り入れられているやり方でございます。であるならば、我が国でもきちんと取り上げたいと、そういう思いでございます。
 もう一つ、民主党のこの法案の考え方でございますけれども、いじめというのは子供たちがいる学校現場で起きて、そして、学校現場でやはり解決されなければ真に子供たちのための解決とならないということでございます。つまり、いじめを受けてストレスなど、後遺症などを持っている子供が、自分が教育を受けて学ぶその権利を実現するために学校、あるいは学校が無理であればまた別の場所で教育を受ける。やはり、子供がいじめを受けてしまった学校現場ではあるんだけれども、その子供のことを考えるとやはり学校で解決をしなきゃいけない。これは加害者も同じでございます。いじめをしてしまった子供も適切な指導や更生を受けて、やはり自分がしっかりと育っていくために学校の中で教育を受けていかなければいけない。
 何を申し上げたいかといいますと、いろんなところで、最近のいじめに対する議論でございますけれども、学校や教育委員会の外から強力な圧力を、力を掛ける、そうすることがいじめ対策であるというふうなことがよく言われているように思われます。しかし、そうした取組だけでは、残念ながら、子供たちがいる学校現場の中、そのボトルネックを解決することはできません。そうした意味で、学校の中に対策計画や対策委員会をつくっていくということでございます。
 しかし、我々民主党法案も、今まで度重なる学校や教育委員会の隠蔽問題という社会的事実を踏まえて、この図の一番下の緑の箱でございますけれども、これは大津市型の第三者委員会でございます。被害者から見て、被害者の申出により、学校や教育委員会の対応あるいは信用ができないということがあれば、その被害者の申出により自治体の首長部局にこうした第三者委員会を設けることができる。これ教育委員会の図をかいておりますけれども、教育委員会制度の下にない私立の学校やあるいは国立の学校についても、それぞれの法制度に基づいて、例えば都道府県知事に、その報告徴収を受けて都道府県知事がその判断に基づいて必要な措置を要請するですとか、そうした恐らく我が国の教育法制の基本構造上最も強力な仕組みというものを、議会法制局とも検討の上、措置させていただいているところでございます。
 少し長くなってしまいましたけれども、最後に一番下の小さな箱の中を御説明させていただきます。
 民主党のこの法案、こうした予防に重点を置いた仕組みになっておりますけれども、不幸にしていじめが起きたときの対策についても非常に詳細な制度設計をして子供を徹底して守ると、そうした法律になっております。
 まずは、その赤い文字のいじめの禁止規定でございますけれども、国民の意識、これは児童生徒、また、かつて葬式ごっこをしていたというあり得ない話もございましたけれども、教師も含め何人もいじめをしてはいけないと、いじめの禁止規定を書きます。また同時に、教師にあってはいじめの放置と助長も禁止すると、そうした条文とさせていただいております。
 今お手元に、小さな文字で恐縮でございますけれども、この骨子がございまして、これを御覧いただければこの法律の全体像が分かるようになっております。
 また、次のこの赤い文字の下でございますけれども、加害児童生徒への指導処分基準の定めと周知公表というものでございます。これも、最近のいろんなところである議論で、加害者を厳しく罰することがいじめの解決だというような話がございます。しかし、今でも、これは大臣も御案内のとおり、加害者は、出席停止を含め加害者に対する指導や処分の在り方というものはもうルールが定まっております。であれば、それを子供たちに事前に、いじめは絶対してはいけない、万が一いじめをすれば、あなたはこういう指導や懲戒を受けることになるということを子供や保護者共々、そしてもっと更に言えば、社会の我々みんなでそういうことを共有する、そうした既に作っている指導、処分の基準というものをいま一度明らかにして、子供や保護者と社会で共有すると、そうしたことを法律の条文で書かせていただいております。
 また、いじめが起きたときの対応でございますけれども、刑事犯罪があれば警察への通報義務化を課す。また、先ほど申し上げました学校や教育委員会の中に強制的にいじめに関する第三者を入れて、複数の教員でいじめを対応させますので、自動的に隠蔽はできない仕組みになっております。しかし、学校や教育委員会、いざ訴訟となったときにはその管理責任等々を問われる立場でございますので、念には念をということで、全ての学校の中で起きたいじめを法務局に事後報告をすると。これは法務省と協議の結果、法務省がこういう条文を書いていいということでございましたので、書かさせていただきました。全てのいじめを法務局に事後報告すると。ただ、そうすると全国で何十万件といういじめが報告されてしまいますので、その条件として被害者やその保護者の同意があればその報告の義務を解除すると、そうした仕組みとさせていただいております。
 また、最後、インターネットを利用して行われるいじめが横行しておりますけれども、ネットで書き込みをされてしまったその情報、被害者から見てプロバイダー責任法の手続なんかなかなか分かりにくいことでございますので……(発言する者あり)失礼しました。後で嵐のような質問を申し上げます。嵐というのは失礼ですけれども、真剣な真剣勝負を後でたくさん挑まさせていただきますので、もう少ししばらくお時間下さい。その書き込みの手続を全国の法務局が被害者からの要請があればやるということを言ってくれましたので、そうしたことも条文に書き込んでいるところでございます。
 また、このいじめ対策について、学校の教員あるいは第三者専門家を含め人材の育成が必要でございます。教職課程でいじめ問題のコースをつくる、そうしたようなことも書かせていただいております。
 最後に、この民主党法案の大切な特色なんですけれども、被害者の立場に立って被害者を徹底的に守る法律でございます。今いじめが起きたときに被害者の保護者が学校に対して説明を求めても、学校がブラックボックスになっているというようなことがございます。民主党の法案、この黄色とオレンジの箱でいじめの調査をするわけでございますけれども、その調査結果について被害者やその保護者に対して説明責任を課すということを条文に書かさせていただきました。
 また、大津の事件で実際に起きたことでございますけれども、真相解明するためのアンケート調査、それを学校と被害者が第三者のプライバシーの侵害等々の問題が懸念されるということで共有できないという問題がございます。であるならば、そうしたいじめに関する調査情報を被害者と学校が共有できるようなそうしたガイドライン、それを文科省に作っていただきたい、そうしたことを措置させていただいております。
 以上、るる御説明を申し上げましたけれども、いじめの予防と早期発見とその解決の全てに対応する、そして、長年にわたり我が国でいじめ問題が解決できなかったそのボトルネックを構造的に断つという法律でございます。
 ここで、ようやく大臣に御質問をさせていただきたいと思います。
 大臣は、昨年から自民党の部会の中でいじめ対策について責任者として検討をされ、そしてまた、明日、そのいじめ対策の提言を政府として発表される立場におります。余り下品なことは申し上げませんけれども、私が知り得ている情報の中では、こうしたいじめ問題のボトルネックを断つ構造的な政策は、残念ながらあしたの提言の中には入っていないと承知しております。
 先ほど申し上げました我が国の自治体の先進例、あるいはそのアメリカの法律、そして何よりも、私が何とか頑張って申し上げさせていただきましたこうした政策の必要性、そうしたものを踏まえていただいて、この学校計画、あるいは委員会の必要性について、大臣、どのように思われますでしょうか。
#57
○国務大臣(下村博文君) このいじめ対策推進基本法案、民主党さんで作られた法案について、大変に詳細に、また懇切丁寧に御説明いただきましてありがとうございます。
 自民党の方でも、今御指摘ありましたが、昨年、教育再生実行本部、五つの分科会の一つとしていじめ対策分科会でこの基本法に向けた取りまとめをいたしました。ですから、法案としてはできてはいるんですが、御指摘のように、民主党さんの方でも自民党より前に作られたということでございます。また、ほかの党でも、このいじめ対策については選挙公約等で取り組んでいる中で、これは、閣法で出すというよりは、やはりそれぞれ、対立法案ではありませんし、各党でそれぞれのいいところを、修正するなりして一つの法律として議員立法で是非出すことが、より早く成立をできるし、また望ましいのではないかということで、私としては議員立法で是非お願いをしたいということを申し上げさせていただいております。
 そして、その議員立法に資するために、教育再生実行会議の方でも、このいじめ、体罰については最初に議論をしていただきまして、そして明日、このいじめ対策についての提言書を出していただくことになっております。これを受けて与党でも、水落自民党部会長、水落部会長の下で、この自民党の部会と、そして教育再生実行本部合同部会でこのことについて更に御議論いただくということでございます。
 今後、是非、各党全てが参加していただいて、議員立法に向けて実務者協議等をしていただく中で、それぞれの党の法案等をよりいいものにまとめていただく努力をしていただきたいというふうに思いますので、私の方から今この時点でどの点が評価できるとかできないとかいうようなコメントは差し控えをさせていただく中で、是非、今、毎日いじめで悩んだり苦しんでいる子供もたくさんいますから、この法案化することによって人の担保やあるいは予算の担保を明確に国がして、この法律案を作ることによって根絶に向けて立法府が全力で各党が一緒になって力を入れるんだということを是非示していただければというふうに思いますし、あわせて、国が立法化になった中で、それぞれの自治体の中で、今委員から御指摘がございました、まだ五つの自治体が条例化をしているにすぎないということでもございますから、国の立法に合わせてそれぞれの自治体においても条例等を作っていただいて、それぞれの自治体でも努力をしていただけるようにお願いをしたいと思いますし、また、それに資するようなお手伝いを文部科学省として全力でさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
 最後に、今初めて見たんですが、高崎市の倉渕中学校というのは私の生まれ育ったところでございますが、今日資料を初めて見させていただきました。しっかり読ませていただきたいと思います。ありがとうございます。
#58
○小西洋之君 大臣、ありがとうございました。
 私も、文教、今日が初めてなんですけれども、元々私も、大臣と同じように、父親が小学生のときに、うちは脳卒中でございまして、父親が倒れて二十年余り寝たきりでございました。国会議員になったとき、まだ育英会の十五年ローンが残っておりまして、当選してすぐ後輩奨学生のために一括返済をさせていただきましたけれども、教育は思いがあったんですけれども、今回、どうぞこれからも御指導、お願いを申し上げます。
 その上で、少し、大臣、私心配がございまして、今、自民党の中で検討されている骨子案というもの、いろんな方がきっと御覧になっていると思いますけれども、その骨子案、そしてまた、大臣があした総理とともに提言をなさろうとしているいじめについての教育再生実行会議の提言、残念ながら、この資料の三と四に付けさせていただいておりますけれども、これまで文科省が度重なって地域の教育委員会や学校に対して提出をしてきた、お手元の資料集の三、四でございますけれども、そうした通知文、そして四は、民主党が昨年の九月に、大津の事件を受けて、いじめの総合対策、これは様々な予算政策を盛り込んだ政策パッケージでございます。つまり、申し上げたいことは、自民党の骨子案のほとんど、そして、あしたのその提言のほとんどが、残念ながら、こうした今まで書いてきた通知文、それを再び同じ行政文書に載せて、国の中やあるいは地域の教育委員会、あるいは学校の中に示すと、そうしたようなものになっているのではないかという危惧でございます。
 それで、御質問でございますけれども、先ほど大臣、各党でいいところをしっかりと入れ込んで早期に成立とおっしゃってくださいました。私、ほかの委員会で理事を二回務めまして、様々な法案の修正協議、与野党協議を担当させていただいていたんですけれども、残念ながら、やっぱり我々政治でございますので、各政党の見え、立場というもので本当は必要な政策が実は入らなかったというようなことが残念ながらこれは我が国の国会の社会的な事実として存在すると思います。しかし、このいじめ法案にあっては、その政策の必要性とそして実現性、実現性については我々、私、与党のときに五つの省庁としっかりと協議をさせて、実行可能であるという確証を文書で取っております。
 必要性とその実現性がしっかりと確認された子供の命と尊厳を救うための政策であれば、全てその超党派の法案の中に入れるべきであると、あるいは否か、そうしたことを明確にお答えいただきたいと思います。そして、それに当たって、文科省が与野党区別なくしっかりと事務的に支える、その二つについて明確にお答えいただきたく存じます。
#59
○国務大臣(下村博文君) 御質問ですが、これはなかなか私がお答えする立場ではやっぱりないと思うんですね。議員立法でございます。ただ、自民党の責任者になるであろう部会長もここにいらっしゃって聞いておられますから、それぞれ各党の実務責任者で、それぞれ各党何人かずつ、党の議席によって数は決まってくるかと思いますが、自民党でも何人か実務者として出られるでしょうし、民主党さんの方でもそうだと思いますし、その中で今の話を踏まえて恐らく反映をされるのではないかと期待をさせていただきたいと思います。
 それからもう一点ですが、これ、委員は野党の経験がないのかもしれませんが、野党と与党の違いは、野党のときは、私も相当苦労しましたが、議員立法を作るときには行政側の協力はなかなか得られません。法制局やそれから委員部、あるいは国会図書館、そういうところの協力で立法化をして、たたき台を作り、そして、与野党協議の中で行政側にもかかわってもらって対応したというのが今までの事例でございますので、議員立法というのはそういうものだということを是非御理解いただきたいと思います。
#60
○小西洋之君 では、こういう質問の仕方はいかがでしょうか。
 我々国会がこのいじめ対策の法律を立法した後に、大臣は行政としてその執行の責任を負います。つまり、法律の下で子供の命と尊厳を守る制度を最大限に実現するのが大臣の使命となります。であるならば、国会の法律で最大限に子供の命と尊厳を守るものが作れなければ、最大限に執行しようがないわけでございます。そうした観点で、必要かつ実行可能な政策は全て盛り込まれるべきであると、執行の立場で御答弁ください。
#61
○国務大臣(下村博文君) おっしゃるとおり、議員立法で最大限このいじめの撲滅に向けた法律案ができるようにお願いしたいと思いますし、それについて文部科学省として全力でその法律が執行できるように頑張りたいと思います。
#62
○小西洋之君 ありがとうございました。筆頭理事を始め与野党協議の各先生方に今の大臣の答弁を伝えさせていただきたく存じます。
 なお、私、十二年間、霞が関で官僚をやっておりまして、議員立法の補佐もたくさん経験をしております。大臣が先ほど申し上げた、野党であるから役所は補佐をしない、それは我が国の三権分立の原則に反します。我々、立法府として、野党であっても立法府として、ちゃんと執行して国民を守りそして国民の幸せを実現する法律を作る責務が三権分立上、憲法上ありますから、やはり行政は誠心誠意それを補佐をしていく、もうこれ答弁は求めませんけれども、そうしたことが正しい理解であるというふうに考えるところでございます。
 続けて、今のこの民主党の法案と、あと政府や自民党の検討でございますけれども、大臣、この道徳の教科化ということを、大臣、記者会見で、是非自民党がやってほしい、また、いろいろ漏れ伝えているその報道等によれば、道徳の教科化をこのいじめ対策で打ち出すというようなことをおっしゃられているようでございます。
 それで、道徳の教科化なんでございますけれども、資料の七という資料を御覧いただけますでしょうか。済みません、たくさん資料が組んであって見にくうございますけれども、資料の七。本日、民主党のいじめの法案の条文をお出しすることはちょっと控えさせていただきましたけれども、党のホームページで全条文が載っております。ここ一部、道徳の箇所だけを抜粋をさせていただいたんでございますけれども、この蛇腹の資料の一枚前でございますけれども、いじめの民主党の法案の中にも、そのいじめの対策の根本的な対策として、子供に情操や道徳をしっかりと身に付けてもらう、そうしたことを条文で措置をしております。しかし、この条文は、大臣がおっしゃられているような、あるいは自民党あるいは政権がおっしゃられているような道徳の教科化というところまでは意図しておりません。
 次の資料、この蛇腹の資料八を御覧いただけますでしょうか。これちょっと、大臣に事務方、ちゃんと資料を渡していただけますでしょうか。
 この蛇腹の資料八は、これは二月の十五日の第二回教育再生実行会議、これ安倍総理も大臣も、大臣はもちろん中心の方でございますので出席をされて、そこで出された資料でございます。これは何かといいますと、これは文科省の資料でございまして、学習指導要領上、道徳の内容として小学生や中学生にどういうものを教えるべきかということを具体的に書いたものでございます。
 繰り返します。私もいじめの対策で道徳教育をやるのは絶対必要だと思います。子供の気持ちとして感情に迫るような、相手の尊厳を傷つけてはいけない、そうした道徳教育を絶対やることは私は必要だと思います。先ほどの民主党の条文でもそうしたことをトップにしっかりと書かせていただいております。しかし、道徳全てを教科化にするということと、いじめ問題について道徳教育をしっかりやらなければいけないということは、必ずしもイコールではないんですね。
 この図を御覧ください。例えば小学校一年生、二年生、三年生のところの一番上の欄を御覧いただけますでしょうか。「自分でできることは自分でやり、よく考えて行動し、節度のある生活をする。」。その右に参りましょうか、小学校五、六年生。「生活習慣の大切さを知り、自分の生活を見直し、節度を守り節制に心掛ける。」。あるいはその小学校の一番下のところですね、「郷土の文化や生活に親しみ、愛着をもつ。」。あるいは小学校の五、六年生の中には、「自然の偉大さを知り、自然環境を大切にする。」。
 どうでしょうか。私は、道徳というのは全人格的なものでございますので、様々な道徳の徳目を身に付けて総合的に人間の人格というのは実現され、発揮されるんだと思います。しかし、いじめ問題の対応のために道徳を強化するといったときに、いじめの問題の解決等、本当に役に立つ徳目ばかりなのと。役に立つと思います、何らかの形で。何らかの形では役に立つのかもしれない。しかし、それが直接関係ない、あるいはその関連性としてもなかなかにわかに納得し難い、そうしたものがたくさんあるわけでございます。
 大臣、どうでしょうか。こうしたいじめと関係のない道徳の徳目についてまで全てを教科化して、教科化というのは、道徳の教科書を作り、生徒を道徳がちゃんと身に付いているかどうか五段階評価をし、それで道徳の専門教員というものを我が国で養う、それが道徳の教科化だというふうに言われているようでございますけれども、そんなことをすることが果たしてそのいじめ問題を解決する目的に合理的なやり方なんでしょうか。
 我が国全体の道徳を上げていく、あるいはいじめ問題についての道徳をしっかり頑張る、それは分かります。しかし、ここはあえて言葉を申し上げますと、私も、このいじめ法案、昨年の夏気付いてから昨年の年末までに、私は五回朝から晩まで完全徹夜をしました。年明けてからも何回も、完全徹夜はございませんけれども、二時間、三時間睡眠を繰り返しております。そうした思いで申し上げると、本当にいじめ問題を信念を持ってやるんでしたら、こういう打ち出し方にはならないと思うんですよ。これはまるでいじめ問題にかこつけた道徳の肥大化ではないかと、焼け太りではないかと、そのように思うんですが、大臣、いかがですか。
#63
○国務大臣(下村博文君) 最後の言葉じりを取るわけではありませんが、道徳の肥大化という話がございましたが、この資料八でお示しされているように、これは必ずしも別に道徳だけで行うことではないと思うんですね。ある意味では、学校教育全てにおいて、それぞれの時間時間の中で、例えば、授業でない給食の中においてもこのようなものを入れてきちっと指導するということは大切なことだというふうに思います。
 ですから、このいじめ問題をきっかけに何か道徳教育をこの際入れようとか、そういう趣旨で考えているわけではございません。この道徳というのは、基本的に子供たちに規範意識や自己肯定感、社会性、思いやりの心など、豊かな人間性を育むと。そのために、それぞれの学校全体における教育もそうですが、しかし、知育、徳育、体育と言われるように、やはり我が国の学校教育の中で、徳育、つまり道徳教育について十分な指導が一方で行われていないということもやっぱり事実であろうというふうに思います。
 こういう中で、教育再生実行会議において、いじめ問題の本質的な解決に向け、いじめ問題だけではありませんけれども、しかし、いじめ問題の本質的な解決に向け、心と体の調和の取れた人間の育成に取り組む観点から、道徳教育の抜本的な充実や教科化についても議論をしていただいているところでございます。
 正式にはあしたこの提言書が出てまいりますが、この中で、今委員御指摘のように、この教科化になることによって、学校の通知表のような評価をしようとか、そういうふうな議論がされているわけではありませんし、また、数値評価というのはやはり難しいことであるというふうに思いますから、既存の教科と同じような評価基準を考えているというわけではなくて、ただ、徳育的な部分についてもうちょっと充実したものにしていく必要があるのではないかと。
 その中で、これは教育再生実行会議の中では提言の中に入っておりませんが、教科化という中では、今実際に道徳における教材がないわけですね。心のノートをダウンロードすれば使えるということでありますが、今回の補正予算で心のノートを是非早く配付するような予算計上をさせていただいておりますけれども、心のノートだけでなく、もうちょっと子供たちに、道徳という点で、教科書ということを言っているわけじゃありませんが、教材的なことを含めて検討すべきであるという議論がこの再生会議の中でもあったことは事実でございます。
#64
○小西洋之君 今の大臣の答弁に対して、二点のことを申し上げたいと思います。
 あした出される提言書のいじめ対策の要になる政策が道徳の教科化、それだけでいいのであろうかという、そうした政権の取組でいいのだろうかということでございます。
 私は、いじめ対策の要になるのは、なぜいじめ問題が起き続けるのか、そのボトルネックを解決する仕組み、かつての文科省が何回も出している通知文をそのまま引き写すような提言書を出すんじゃなくて、本当の政策構想というものをしっかり示す。その中で道徳の教科化が必要なのであれば、それは一つの御判断かと思います、私は違うと思いますけれども、一つの御判断かと思います。
 今、心のノートのことをおっしゃいましたけれども、道徳の副教材、心のノートもその副教材の一つでございまして、私が学んだ、私、徳島の出身なんですけれども、豊かな道徳の教材がたくさんございました。そうしたものをしっかりとこれからも、大臣がおっしゃったように、全教育の場で、全教育の課程でやっていく、必ずしもそれがイコール教科化ではないのではないかというふうに思うわけでございます。
 もう一つ、ちょっとこういうことを申し上げるのは非常に残念なんですけれども、果たして皆様、大臣のその実行会議が道徳の教科化を打ち出す資格があるのか、そうした問題について提起をさせていただきます。
 資料九を御覧ください。この資料九は、第一回の教育再生実行会議に、その委員であります鈴木さんとおっしゃる方、鈴木先生ですか、専修高校の校長先生でいらっしゃいますが、鈴木先生が出された資料でございます。
 この内容でございますけれども、田中角栄さんが昭和四十七年に、総理大臣だった当時に鈴木委員の関係の学校に来て、そこでの訓示、これを資料として出しております。もう言いたいことはお分かりだと思います。
 私は、田中角栄さんが、日中国交回復化を含め、あるいはその一人の人間として、思いやりもあり、温かい方であり、立派な方であった、一人の人間としてどういう方であった、あるいは政治家としてどういう功績があったか、そのことを私は言いません。また、その田中角栄さんをこの鈴木先生がどのように信奉しようか、それも問いません。
 しかし、我が国の教育の在り方の根底を議論しようという場で、田中角栄さんは残念ながらロッキード事件で東京高裁で有罪判決を受け、そしてお亡くなりになって最高裁は棄却されましたけれども、その田中角栄さんの関係の榎本さん、榎本さんの最高裁判決の中で田中角栄さんは刑事犯罪があったと事実認定がされているところでございます、残念なことですけれども。そうした方を褒めたたえる、信奉するというようなものを我が国の教育の在り方の会議の中で出して、それで果たして児童生徒、保護者、国民が納得するんでしょうか。
 大臣、ロッキード事件は高校や中学の政経の教科書には田中元総理の名前と一緒に載っております。ロッキード事件が載った政経の教科書や歴史の教科書を読む児童生徒が、この提言によって道徳の教科化をされた場合、納得して道徳を受けられると思いますか。明確に答弁ください。
#65
○国務大臣(下村博文君) お答えいたします。
 この資料九を、委員が出していただいた中に、今の御指摘の点をこの先生が言われているわけではないわけです。人物については、いろんな功罪については、最終的には歴史の判断だというふうに思います。一〇〇%全てが悪人ということではなくて、この資料の中でも、御指摘のように、一方で田中角栄元総理が人確法、教職員の給与等アップをすると、教育について力を入れてきたことも事実でございますし、また、ここで入学式訓示というのを読ませていただくと、これについて批判をされるような内容ではないというふうに思いますし、いいところはいいところとして、評価するところは評価するという姿勢を持つということについて、私がこれがけしからぬというふうな思いを持つという立場ではございません。
#66
○委員長(丸山和也君) 小西君、時間が来ておりますので。
#67
○小西洋之君 はい、じゃ、簡潔にいたします。
 大臣の答弁のとおりでございまして、私もこの内容と、田中角栄さんが一人の人間、政治家として全てを否定される必要はないと思います。ただ、我が国の教育の在り方を決める会議の場、しかも道徳の教科化を打ち出そうとするような場でこうした資料を使われるというのは、残念ながら底が抜けているということでございます。
 以上申し上げました民主党法案を策定させていただいております。自民党の法案、あるいは政府の検討、あるいは何よりほかの野党の方々の皆様の提案、そうしたものをしっかり我々で国会で議論をしながら、そして三月中に、来年の秋学期、九月には私は法案を施行して、二学期からいじめは深刻化すると聞いております、九月から法案を施行するように、これから大臣も是非自民党の中に働きかけをお願いしたいと思います。
 そして最後に、あしたの提言書は、体罰の問題については、部活の指導についてのガイドラインを作るといったような政策しか書いていないようでございますけれども、我々民主党は、体罰についても、あるいは体罰をより広く含む不適切な指導あるいは行き過ぎた指導、そうしたものについても、子供を救うため、そして教員や教育委員会に立ち直ってもらうため、我々は一つの法制度が必要であるというふうに考えております。
#68
○委員長(丸山和也君) 小西君、発言をまとめてください。
#69
○小西洋之君 そうした議員立法を出すことをここに皆様に申し上げさせていただきまして、私の質疑とさせていただきます。
 どうもありがとうございました。
#70
○上野通子君 自由民主党の上野通子でございます。
 本日から、政務三役新しくなった中で、初めて質問させていただきます。よろしくお願いいたします。
 ただいま民主党さんの方から、民主党でも子供をいじめから守るためにいじめ防止基本法を制作中だというお話がありましたが、もちろん自民党としても今検討中でございます。しかしながら、何よりも文科大臣がこれに対して本当に強いお気持ちを持っているということで、本当に有り難いなと思っております。そして、私は、今現在国としてこのいじめ問題に様々な取組をなされていると思いますが、その中の一つをちょっと具体的に見ていきたいという思いがありまして、今日は質問させていただきます。
   〔委員長退席、理事水落敏栄君着席〕
 まずその一つですが、いじめの実態調査方法についてです。
 毎年、全国の児童生徒の問題行動等生徒指導上の諸問題に関する調査が行われ、御存じのように、小中高そして特別支援学校のいじめの認知、発生ですね、発生件数が県ごとに明らかになっているところです。ここ数年、例えば平成二十一年、二十二年、二十三年と、大体七万件から八万件の間ということが分かっているようですが、特に二十三年は約七万件です。
 では、ここで、先ほどのお話にもちょっと出ましたが、大津市のいじめ事件を受けて文科省が昨年急遽行ったいじめに関する緊急調査における認知件数は一体どのくらいあったんでしょうか。局長、お答えいただけますか。
#71
○政府参考人(布村幸彦君) ただいまのいじめの緊急調査の結果についてでございますが、平成二十四年四月からおよそ半年間での認知件数は、小中高校全体として十四万四千件という数字になっております。
#72
○上野通子君 ありがとうございます。
 二十四年度の四月から約半年間ですよね。半年の間に十四万件。二十三年は一年間で七万件。これは約二倍になっているということで、調査した期間は短いにもかかわらず、件数としては倍の件数が出てきてしまった。
 これは、この調査の結果を一体皆さんどうお考えでいらっしゃるのか、その調査自体に今まで問題があったかどうかも含めて、もう一度、局長、お願いいたします。
#73
○政府参考人(布村幸彦君) 今、上野先生が御指摘のとおり、文部科学省で毎年実施しております児童生徒の問題行動等生徒指導上の諸問題に関する調査につきまして、特にいじめの認知件数については近年下降の傾向をたどっておりましたけれども、昨年十一月に実施した緊急調査の結果を踏まえれば、通年の数字より極めて多い数字が上がってきたという実態がはっきりしたところでございます。
 それからまた、都道府県ごとのいじめの認知件数に格差があるという御指摘もございますけれども、その理由としては、都道府県、市区町村あるいは学校におけるいじめの未然防止等の取組の違い、あるいは地域や学校の実情に応じて行われているアンケート調査の頻度や個別面談の頻度という形で、それぞれの学校におけるいじめの把握の取組状況が一様でないということがこの緊急調査を分析して上がってきておりますので、このいじめの把握の取組状況が一様ではないというところがこの件数あるいは都道府県ごとの認知件数の大きな差異につながっているのではないかと受け止めてございます。
#74
○上野通子君 確かにそういう面もあると思いますが、しかしながら、二倍の件数が出てきてしまうというのは、明らかに今までの調査のやり方が間違っている点もあったのではないでしょうか。これに対して、大臣、どうお考えですか。
#75
○国務大臣(下村博文君) 御指摘のように、こういうことが起きると急に増えるという、今までのデータもそのような傾向がございます。また、都道府県によっても差があるようでございますし、今回、改めて都道府県に、このいじめ対策防止法、基本法ができた後、またアンケートの在り方等も含めて、より正確なアンケート結果が出るようなことについて文部科学省としてもきちっと検討してまいりたいと思います。
#76
○上野通子君 さらには、その緊急調査の中で重大事案が出ました。
 これは、いじめの認知件数のうち、学校として児童生徒の生命又は身体の安全が脅かされるような重大事態に至るおそれがあると考えられる事件が初めて明らかになったわけですが、小学校で六十二件、中学校で百七十件、高等学校で四十一件、特別支援学校で五件、計二百七十八件。この中には、明らかにいじめではなく犯罪と思われるものも入っているんでしょうか、局長。
#77
○政府参考人(布村幸彦君) 今回の緊急調査の中で重大事案という形で、子供たちの命あるいは身体の安全が脅かされるような重大な事態に至るおそれがあるという案件については個別に報告をいただいたところでございます。それぞれの案件につきまして、都道府県の教育委員会を通じてしっかりフォローアップをしていただくということを求めております。
 その中では、当然、必要があれば警察との連携を図りながら、警察とよく相談した上で解決に向けた取組を行うという、必要な事案についても存在しているという状況でございます。
#78
○上野通子君 再び先ほどの緊急に行われた調査の結果のデータですが、この中のアンケートの中に、やはり、ひどくぶたれたりたたかれたり、殴られたりけられたりというのとか、金品をたかられとか、金品を取られたり盗まれたり捨てられたりするとか、いろんなものをですね、このような状況というのは明らかにいじめの範囲を超えているにもかかわらず、まだまだ文科省としてはいじめの中として、これ調査に当たったわけだと思うんですが、ここで私たち、実際私も学校の教員をしておりますが、いじめと犯罪をきちんと学校の中でも明確化していかないと混乱していく、そういう状況がこれからも続いていくと思いますが、学校の中だけはいじめととらえている今の実態をこれから変えていく必要があると思うんですが、大臣、いかがでしょうか。
#79
○国務大臣(下村博文君) 御指摘のように、このいじめと犯罪の区別を明確にする必要があるというふうに思います。
 このいじめの定義について、改めて文部科学省の方でもできるだけ早くこの定義を明確化することによって犯罪との区別を明確にして、現場で対応できるようにしてまいりたいと思います。
#80
○上野通子君 文科省は、昨年、いち早く、犯罪行為として取り扱われるべきと認められるいじめ事案に関する警察への相談・通報についての通知を十一月の二日、なされていますね。その中で、犯罪行為として取り扱うべきと認められる行為については、警察との連携を深めていくと、対処するということですが、具体的にはどういうことをしようという、具体案などはもうできているんでしょうか。
#81
○政府参考人(布村幸彦君) いじめの定義につきましては、何度か見直しをしながら、できるだけそのいじめをより認知しやすくするようにという観点での見直しを行ってきましたので、当然先生方ができるだけ速やかに子供たちのいじめに気が付くようにと、相当幅広い今定義になっているところでございます。
 そして、その中で明らかに犯罪行為と疑われるものにつきましては、各学校が市町村の教育委員会とも相談しながら地域の警察署と相談をすると。その前提としても、日ごろから学校と警察との連携をし、常にその連絡が取れるように、また信頼関係が醸成されるようにと、そういう積み上げの下に個別の案件ではしっかりと相談をして進めていくと。そういう体制が取れるようにということを全国の学校にも求めているところでございます。
#82
○上野通子君 では、まだ具体的な、どういうことをしていくという施策は全く考えていらっしゃらないようですが、例えば、警察官の配置をするとか、OBの警察官を配置するとか、あとは交番の警察官の見回りを強化するとか、などなどがあると思うんですが、できるだけ具体的な案を作って地方にちゃんとお示ししてもらわないと、やはりなかなかいじめの現場からその犯罪が、犯罪的なものがなくならないと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 次に、大津市のいじめ事件に関して、平成二十五年一月三十一日に同市の第三者調査委員会が報告書を提出したことは先ほど民主党さんの方からもお話がありまして、既に文科省にも二月の六日に提出されているとお聞きしております。この同報告書に対する文科大臣の率直な見解をお願いします。
#83
○国務大臣(下村博文君) 文部科学省としても、職員を派遣するなど、大津市における第三者調査委員会による事実関係の解明等を支援してまいりました。先月三十一日に調査報告書が取りまとめられ、市としての一つの結論が出たと受け止めております。文部科学省としては、今後、大津市及び大津市教育委員会において、調査報告書を踏まえ、いじめの未然防止、解決に関する取組が進展することを期待をしていきたいというふうに思います。
 また、先日は大津市長が私のところにも参りまして、この第三者調査委員会で示された報告書に対して国に対する要望もございました。これも踏まえて、是非、今後議員立法でこのいじめ対策防止法等を制定することによって対応していただきたいと思いますし、文科省もバックアップをさせていただきたいと思います。
#84
○上野通子君 その報告書の中で、これからの第三者委員会の在り方についての報告もあったと思うんですが、その委員の人選については学校などと無関係な人を選ぶことや、調査権限の明確化や、そしていじめ行為が発生の後速やかに委員会を立ち上げることの必要性などが明記されていたと思います。特に、命にかかわる重大な案件が出たときにはすぐに対応できるような委員会にするための法整備がこれから必要だと思いますが、大臣、そこのところはどうお考えですか。
#85
○国務大臣(下村博文君) 子供たちの生命、身体や教育を受ける権利を守るために真に必要な場合に、国がその責任を果たせるようにしていくことが必要であるというふうに考えます。
 教育における国の責任の果たし方については、教育委員会の改革を含めた地方教育行政の在り方全体の見直しの中で議論すべきであると考えますが、今後、立法府の皆様方と一緒に、国のかかわりの在り方を含めて議論を積極的にしてまいりたいと思います。
   〔理事水落敏栄君退席、委員長着席〕
#86
○上野通子君 特に人選ですが、名前が売れている方とか、元様々な行政の方だったりとか、市町村長だったりとか、そういう肩書で選ぶのではなくて、行動力と正義感があってきちんとした判断力のある委員を選んでいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
 次に、これも先ほどの犯罪といじめの明確化につながるんですが、出席停止措置の強化についてお伺いします。
 いじめの加害者の中には、かなり犯罪的なことを行う加害者もいます。そういう児童生徒については、出席停止の厳しい扱いも必要です。この出席停止については、平成十八年のいじめの問題への取組の徹底についての通知において、これ平成十八年の十月の十九日ですが、その活用が求められているにもかかわらず、教育現場では活用が進まないのが現状だということが分かりました。
 いじめを受けた児童生徒が安心して教育が受けられる、そういう学校の環境を守るためにも、速やかに出席停止処分が活用できる対策、それを実施すべきではないかと思いますが、義家政務官にお願いします。
#87
○大臣政務官(義家弘介君) 委員の問題提起、私としても共有していることであります。
 この出席停止については、学校教育法の第三十五条の規定なわけですが、先ほどからるるいじめ対策についての議論も出てきていますが、そもそもの構造上の問題、これを議論しなければならないと思っています。
 例えば、アメリカのいじめ防止法などのようなものを小西委員が例示されましたけれども、お話しされましたけれども、そもそもアメリカのいじめ防止法における子供たちへの措置というのは懲戒なんですね。一方で、この学校教育法に規定されている出席停止というのは懲戒ではないんです。具体的にはどのように定義されているかというと、ほかの生徒児童の教育を受ける権利を保障するという観点で発動されるものであります。
 そして、更に申し上げると、この出席停止をした場合、教育委員会はどのようなプロセスでそれを認定して出席停止をした児童にどのように向き合っていくかのプログラムをしっかりと教育委員会施行規則で作っているところ、これ実は非常に少数なんですね。更に申し上げると、これは平成十八年の五月に国立教育政策研究所生徒指導研究センターから発表された生徒指導体制の在り方についての調査研究というもので明らかになっているデータですが、この出席停止の措置について、周知していないと答えている現場が八割以上に上ると、これが実態なわけです。
 結果として、いじめがあったときにいじめを理由にした出席停止はほとんどない、一方で、いじめを理由にした不登校、転校は膨大な数が存在している、まさにこれは本末転倒の結果であろうというふうに思っています。
 この学校教育法における出席停止の議論、そして、それを踏まえた各教育委員会の対応を積極的に具体的に促してまいりたいと思っております。
#88
○上野通子君 ありがとうございます。
 政務官からほかの国のこともお話出ましたが、アメリカの一部などでは、この加害児童を別の枠で集めて、日本でいうと情緒障害児短期治療施設のようなものですが、そこで徹底的に心のリハビリ等をしていくというお話もありましたが、こういう施設的なものも必要ではないですか。そこでは、教育的なこともして子供たちの権利も守れるというようなことなんですが、どうでしょうか。
#89
○大臣政務官(義家弘介君) 問題提起については私も共有するものでありますけれども、一方で、まず大前提として、この出席停止措置のことを考えると、果たして親はどのような責任を全うするのかということに関しては議論が全く欠けていると私は思っています。
 改正教育基本法においては、教育の第一義的責任は家庭、保護者が負うというふうに明記されているわけですから、まず、いじめの加害者の親が全く他人事のように全ての解決にかかわってこない、この前提をひっくり返さない限り、どのような議論をしても本質は同じことになっていくんだろうなというふうに思います。
 やはり、この加害者の親がどのようにこの問題と向き合うのか、この当然のことを文部科学省としてもしっかりと発信してまいりたいと思っています。
#90
○上野通子君 ありがとうございます。
 親も含めて責任をきちんと持つのが大人の責任だと思いますので、よろしくお願いいたします。
 次に、体罰の問題にちょっと入らせていただきたいんですが、体罰の前に、大臣はもちろん御存じだと思うんですが、学校における運動部活動はスポーツ活動として見られているか、それとも教育活動として見られているのでしょうか、どちらですか。
#91
○国務大臣(下村博文君) 教育活動だと思います。
#92
○上野通子君 ありがとうございます。もちろん部活も教育活動だと思います。
 つまり、部活動の指導に当たっては、いわゆる勝利至上主義に偏って、体罰を厳しい指導として正当化することは全くの誤りであるという認識を持つということでよろしいんですね、大臣。
#93
○国務大臣(下村博文君) はい、そのとおりだと思います。
#94
○上野通子君 そのことは、平成十九年二月五日の「問題行動を起こす児童生徒に対する指導について」の中でもしっかりと明記され通知されているわけですが、しかしながら、県とか市町村の教育委員会や学校現場ではまだまだ体罰に対する認識は甘いような気がします。特に、各県における文科省の調査によりますと、例年、体罰で処分を受ける教員は三百五十人から四百人もいて、そして、授業中に体罰をする教員が多いのですが、次に多いのがクラブや部活動での体罰だという調査の結果があるようです。
 では、なぜ体罰が野放しにされたり、体罰があっても今までこのように大騒ぎがされなかったのか不思議なところでもありますので、一体体罰と思われる指導とはどのようなものなのか、そしてどこまでが体罰行為になるのか、具体的に大臣にお伺いしたいと思います。
#95
○国務大臣(下村博文君) なかなか難しいことでありまして、御指摘のように、懲戒と体罰の違いというのがやっぱり学校現場でも明確にされていなかった、あるいは、体罰は、これは法律によって違反行為であっても、それをやっぱり許してきた土壌があったというふうに思います。
 今回の大阪の桜宮高校の中で、体罰によって結果的に子供が自殺するということはあってはならないことであって、これを契機に学校現場における体罰を一掃すると、体罰によらない指導を指導者は、教員は身に付けてもらうと。これはスポーツ界もそうですが、我が国はこれを奇貨として、新しくこのことによって体罰やあるいはスポーツにおける暴力等から根絶をするという姿勢を明確にしていく必要があるというふうに思います。
 そのために、文部科学省は、懲戒とそれから体罰の違いを具体的な線引きをもって学校現場に提供し、一方で、体罰一掃は当然のことなんですが、これによって逆に学校の先生が萎縮して指導ができなくなるというような声も聞きますので、懲戒は懲戒でやはり必要な部分があるというふうに思うんですね。例えば、ペナルティーとしてそこに立っていなさいというのは、これは体罰じゃなくて懲戒に当たると思います。その辺、具体的な線引きについても是非できるだけ早く文部科学省で具体事例含めて学校現場に提示して、先生方に、一方で萎縮しないように、一方で体罰についての根絶を図る、こういう問題提起と指導をしてまいりたいと思います。
#96
○上野通子君 大臣のお答えにありましたように、大変に分かりづらい、どこが線引きかというのが教育現場でも今悩ましいところですが、体罰の禁止については学校教育法の第十一条で示されていますが、その中で、先ほど大臣がおっしゃられたように、懲戒と体罰の分け方が載っていますが、懲戒の内容が身体的性質のもの、すなわち、身体に対する侵害を内容とする懲戒、殴る、けるですね、等、それから被罰者に肉体的苦痛を与えるような懲戒、正座とか直立等の特定の姿勢を長時間にわたって保たせるということですね、これらのことは体罰に該当すると。
 しかしながら、有形力の行使以外の方法により行われた懲戒については、例えば、以下のような行為は、児童生徒に肉体的苦痛を与えるものではない限り、通常、体罰には当たらない。読みますと、放課後等に教室に残留させる、これは体罰には当たらない、授業中、教室内に起立させる、これも体罰には当たらない、学習課題や清掃活動を課す、これも体罰ではない、学校当番を多く割り当てる、これも違う、立ち歩きの多い児童生徒を叱って席に着かせる、これも違うというようなことがここに書かれているんですが。
 では、ちょっとお聞きしたいのは、例えば暴言、ばかやろうとか下手くそとかやめろというのは体罰に入るのですか。義家政務官、お答えください。
#97
○大臣政務官(義家弘介君) これは非常に難しくて、個々の人間関係や信頼関係によるところが多く、一つ一つの事案について個別に検証していかなければならないテーマであると思います。
 しかし、継続的、日常的に相手が追い詰められている中、反論もできない中、見せしめのようにそういう言葉が躍っているというところは、私は教育現場としてまさにふさわしくないというふうに思っております。ですから、そういう背後の関係においてもしっかりと分別した上で対応がなされるものと承知しております。
#98
○上野通子君 有形力でなければ、例えば今の暴言は恐らく体罰には入らないのかもしれませんが、相手を著しく罵倒するような言葉や、常識的に考えても教師がこのような教育現場で生徒に対して言ってはいけないことを言ったようなときには、やはり私は体罰に近いのではないかと実感しております。
 なぜなら、今、教育現場では大変混乱しております。先ほど大臣がおっしゃられましたように、先生方が萎縮してしまって、生徒にどのような言葉を掛ければいいのか、またどう指導すればいいのか、また特別支援的な指導が必要な子供たちに対して絶対に手を添えなきゃならないのにここで手を出してもいいのかとか、様々な問題が起きていまして、大変不安を抱えている先生方が多くなっています。
 そこで、問題行動を起こす児童生徒に対しては先生が毅然とした指導をすべきであるということ、教師が自信を持って指導できるように、許される懲戒に関するガイドラインを是非とも明確化して早急に作っていただきたいと思うんですが、大臣はこれをどうお考えでしょう。
#99
○国務大臣(下村博文君) 御指摘のように、できるだけ早めに線引き、明快にしてまいりたいと思います。
 体罰についても、身体に対する侵害を内容とする体罰、それから被罰者に肉体的苦痛を与えるような懲戒、それは懲戒といっても実際はやっぱり体罰に入ると思いますし、それからあとは、一方で認められる懲戒ですね。これは、先ほどちょっと御指摘をいたしましたが、授業中、教室内に起立させるとか、それから委員からも御指摘がありましたが、学習課題や清掃活動を課すとか、そういうふうに認められる懲戒もあるというふうに思います。しかし、それは体罰とは言わないと。その体罰と懲戒の線引き。
 それからもう一つは、正当な行為、これは正当防衛とか正当行為と言われるもので、例えば児童生徒から教員等に対する暴力行為に対して教員等が防衛のためにやむを得ずした有形力の行使、これは体罰とは言わないだろうというふうに、体罰とそれから懲戒、許される懲戒とそれから正当防衛的な正当な行為、これを具体的な事例を作ることによってガイドラインを明確化する、そのことによってきちっと線引きをし、一方で先生方には萎縮をさせない、そういう姿勢を持つことも必要だと思います。
#100
○上野通子君 今、ガイドラインを作ってくださるというお話ですが、それではいつごろまでに作っていただけますか。先生方は一日も早く作っていただきたいという思いがあるんですが。
#101
○大臣政務官(義家弘介君) 現在、私の方で担当しまして、教育現場の多くの先生方とのヒアリングを行っております。その先生方との思いをしっかりと吸い上げた上で、年度が始まるまでのもう一番早い時期にしっかりとまとめて、そしてまとめて終わりではなくて、まとめた上でまた教育現場の皆さんとしっかりと情報共有をしながら運用の方をしてまいりたいというふうに思っております。
#102
○上野通子君 ありがとうございます。
 早めにということで、三月いっぱいと見てよろしいんですね。
#103
○大臣政務官(義家弘介君) 三月いっぱいも掛けないで、なるべく早い時期に行いたいと思います。なぜなら、新年度が始まりますとすぐ中体連、高体連の予選が始まっていきます。この春休みの練習も非常に大きな時間になってくると認識しておりますので、なるべく早くこのラインを出していきたいと思っております。
#104
○上野通子君 ありがとうございます。よろしくお願いいたします。
 最後になりますが、体罰や自殺を防止するために、一日も早い発見や適切な指導が必要であります。そのためにも、地方教育行政法の第四十八、四十九、五十条において、文部科学大臣が必要な指導、助言をすることもできるとありますが、これを最大限に有効活用していただきたいと思いますが、特にこの五十条にははっきりと、児童生徒の生命又は身体の保護のため、緊急の必要性があるときは、文科大臣は教育委員会に対し、事務の管理及び執行を改めるべきことを指示することができるとしてあります。こうした規定がありながら、残念ながら今回の事件では適用されることはなかったんですが、法律は作るだけでは駄目で、やはりそれを正しく利活用してもらって初めて生かされるので、是非ともこの法律をより機動的に使えるような仕組みを考えていただきたいと思うんですが、大臣の所見ありましたら、お願いします。
#105
○国務大臣(下村博文君) 御指摘のように、五十条は抜かずの宝刀のような法律でやっぱり実際はあるわけでございます。これは地方教育行政法、地方自治法にも関係する、基本的に教育は地方分権ということの中で国が直接介入することはなかなかできない部分がありますが、しかし今の御指摘の法律含めて、これから、特に児童生徒の生命に危機がある場合については国が対処できるということについて、改正案も含めて検討すべき項目であるというふうに認識しております。
#106
○上野通子君 以上で終わります。ありがとうございました。
#107
○熊谷大君 自民党の熊谷大です。
 今日は、与党にさせていただいて初めての質問をさせていただきます。
 下村大臣始め政務三役の皆様、御就任おめでとうございます。まだ与党になって日が浅いものですから、野党的な質問になったら大変恐縮で失礼しますが、お許しいただければと思います。
 本日は、三つの質問、大阪市立の桜宮高校の体罰問題の現状と、体罰などの現状の把握、そして最後に教員養成課程における体罰禁止教育についてお尋ねをさせていただきたいというふうに思っております。
 それでは、まず初めに、大臣、副大臣そして政務官にそれぞれお尋ねしたいことがあります。
 それは、これだけ体罰そしていじめ問題、これは毎年のように指摘され、又は報道され、発覚して、そして処分される先生もいるであるだろうし、いじめのそういった自殺の犠牲者も出てしまったケースもある。しかし、毎年これが、こういうふうなことがあるにもかかわらず、なぜ続いて、そしてなぜこれが解決されないまま、いろいろな対処はする、対処というか、通知等々はするんですけれども、なぜ解決されないまま毎年のように繰り返されてしまうのかということを、是非、皆様の御所見をお伺いしたいなというふうに思います。
#108
○国務大臣(下村博文君) 非常に本質的な御質問をいただきましたが、人間社会ですから、どんなところにでもいじめというのは存在をやっぱりしているのではないかというふうに思います。ただ、子供にとっては、それを看過するような状況をやっぱり許してはならないというふうに思いますし、その中で、学校現場において必ずしも子供に寄り添った教育が行われていない部分が非常にあるのではないかというふうに思います。
 一つは、学校の先生が忙し過ぎるという問題もあります。一方で、学校の先生がもっと責任感を持って一人一人の子供に対して対処してほしいという問題もありますし、また校長先生も、校長先生としての権限と責任がいじめ防止対策をすることによって例えば評価されるというような評価システムがより明確になっていない部分もあって、事なかれ主義で学校現場が終わっているというところも、なかなかいじめがなくならない、逆に言えば増えているというような状況があるのではないかと思います。
#109
○副大臣(福井照君) 福井でございます。
 毎週のようにミニ集会を地元でさせていただいておりまして、先生にも大変お世話になりました。公共事業、防災、減災、国土強靱化でずっとやってきたんですけど、全く盛り上がらないまま選挙終わってしまいまして、副大臣にならせていただきましてから、いじめ、体罰、暴力、レスリングで、そうしたらむちゃくちゃ盛り上がりまして、私自身も子供がいじめられた経験も持っている父親のうちの一人なんですけれども、もう全員が、いじめた経験、そしていじめられた経験、体罰を受けた経験、あるいは体罰をした経験、全員持っておりまして、もう本当に議論百出の毎週末を送らせていただいております。
 これはもう根治すると、全員がもう心を定めて絶対に成し遂げるという国民運動でなければ、もうこれは解けないなということでございます。明治以来の行政の範囲内ではとても到達できるものではないと思いますので、むしろ五箇条の御誓文とか十七条の憲法とかというところに立ち戻って、思想、哲学の原点からでなければ、そして運動論としては国民運動というものでなければ決して解決できないということで、今、下村大臣の御指導で省全体が、下村イニシアティブといいましょうか、下村大臣の思想、哲学を国民全員に徹底するようなメッセージを今まさに出そうとしている、そんな今時代認識でございますので、今後ともよろしく御指導いただきたいと思います。
#110
○大臣政務官(義家弘介君) 私からはちょっと別の角度から事例を基にお話ししたいと思いますけれども、私も横浜市の教育委員をしてきた折にこの問題に付いている根深さを感じました。
 と申し上げますのは、学校教育法上で禁止されているわけですから、当然その事例が起こったときには処分案件として教育委員会に上がってまいります。しかし、ほかの処分案件と明らかに違うところは、部活の部員、保護者、OBから大量の署名がその処分に関しては届くという特徴を持っております。つまり、部活動指導の中には、今も一貫して消極的体罰容認論が、これは蔓延しております。おかしなものはおかしいという一方で、いやいや、そういう指導ってありなんだという、我々もそうされてきたし、そしてこれからも一定は必要なんだという消極的体罰容認論、これが背景としてあることは事実だと私は思っています。
 それにプラスしまして、実はこの体罰案件に対しての処分の基準というのも各教育委員会においてばらばらなんですね。例えば懲戒処分、これ地方公務員法の第二十九条を規定とすると免職、停職、減給、戒告なわけですが、その下に今度は服務上の措置、訓戒等と呼ばれるもの、文書だったり口頭だったり、さらにはその下に厳重注意。つまり、教育委員会においてこの基準がばらばらなわけですね。だから、なかなかこういうものはいけないという線を引きづらい。同じ行為を行ったとしても、ある教育委員会では口頭注意で終わっていて、一方で、隣のあるところでは懲戒処分として行われるというような事例も散見いたします。
 だからこそ、この際ですから、この十一条の問題についてはしっかりと線を引いた上で、部活動指導における体罰というものは到底容認されるものではないというしっかりとした方針を出すべきであろうと思っております。
#111
○熊谷大君 ありがとうございます。
 それぞれ、大臣、副大臣、政務官の思いと、そして姿勢を改めて、認識も含めて、お伺いできたというふうに思っております。
 私がこの議論をしていて一つ気になるのは、人の社会なんだからいじめが発生するとか起こるのは当たり前だと、でも、当たり前の後なんですね。当たり前だから、まあちょっとぐらいあってもいいんじゃないかというようなことと、先ほど大臣も言及されていたように、いや、それは駄目なんだと、やはりしっかりと対応していかなければ駄目なんだと、それは絶対駄目なことなんだということのその態度が非常に大きな分かれ目になってくるんではないかなというふうに思っております。
 さらに、もう一点付け加えさせていただくと、近代以降、学制が制定されてから、又は戦後という時代区分になってから、体罰とかいじめというのは、まあいじめはもっと前からあったかもしれませんが、体罰ということがクローズアップされてきたんではないかなと思います。江戸時代の教育なんかを本で読んでみますと、子供が非常に生き生きとしている、大事に育てられているということを外国人宣教師の方々なんかが本国に報告しているのを見ると、非常に近代以降の時代背景というものが大きくいじめとか又は体罰にかかわってきているんではないか。
 ちょっと大局的になりますけれども、その中で、戦後、もう大臣も御存じのように、冷戦というものがあって、スプートニク・ショックがありました。それ以来、西側の自由主義国は旧ソ連に負けまいということで理数科教育を強化して、どんどん競争というか詰め込み教育をして、競争をさせるように私はなったんではないかなと。そして、そうした詰め込みとか競争、一昔前はよく受験地獄なんという言葉で表されていたと思いますが、そうしたところが構造的に醸成されて、非常に子供たちが競争一辺倒、先ほどの上野先生の部活動の勝利至上主義ではないんですけれども、そういうふうに詰め込んで、成績至上主義又は競争至上主義のようになってしまったということが、非常に子供たちの心の生成又は人格の形成に大きく、何というか、傷ということではないと思うんですけれども、非常に大きな影響を与えていたんではないかと。
 その大きな構造的問題、そして大局観、国際政治かもしれません、又は国際的な流れかもしれません。その大きな枠の中で、我が国がこれから歩まなければいけない教育行政というものを決めていかなければならないというふうに思うんですけれども、これから、東西冷戦が終わってグローバル化という大きな、もっとより大きな視点で物事を見なければいけません。
 その中にあって、下村大臣のこの教育に懸ける思い又は教育行政の差配が非常に重要になってくるというふうに思いますが、グローバル化した世界の中で日本は、我が国はどのような教育を行っていけばいいのか。これはちょっと後からいじめ問題にもすごくかかわってくるので、ちょっと御所見を、グローバル化社会と教育ですね、教育行政について御所見をお伺いしたいなと思います。
#112
○国務大臣(下村博文君) その前に、最初に御指摘があった競争主義と体罰は私は必ずしも関係するものではないというふうに思います。
 競争をするということと、それはそれで一つのプレッシャーですけれども、体罰というのは、ある意味ではやっぱり軍隊主義的な教育がそのまま戦後も教育の中に手法として入り込んだという部分の負の部分としてとらえるべきことであって、競争において体罰が必然ということはこれはないというふうに私は思っておりまして、それはそれで分ける必要があるというふうに思うんですね。
 ですから、体罰を伴わない競争というのは、ある意味でやっぱり競争を切磋琢磨することによってよりたくましく、実際、今の現実社会というのは、地球社会というのは競争社会ですから、それを否定して伸び行く人も、それから国もないというふうに思いますし、ある意味では、健全な競争原理の中で切磋琢磨、競うということは教育においても私は必要なことだというふうに思います。
 その中で、グローバル教育というのは、日本国内だけでなく世界の中で通用する、世界の中で有為な人材を育成するということを考えると、最近は非常に更にグローバルな時代になってきた中、日本の教育というのは、ある意味では一国達成主義といいますか、日本国内の中ではうまくいくかもしれないけれども世界に行ったら通用しないと、そういう前時代的な教育がいまだになされている部分がやっぱりあるというふうに思います。
 どんな地域や国に行っても、日本人の持っているすばらしい能力や才能、そして志が生かせると、フィールドは日本国内だけでなく世界中にあって、そして日本の子供たちが世界どこへ行ってもその地域や社会や国の中で貢献できる、そういう教育をすることがグローバル教育だというふうに思いますし、これから日本が目指すべき一つの方向性としてこのグローバル人材教育をどうしていくかと、特に大学教育においてどうしていくかということが大きな課題であるというふうに思いますし、これは教育再生実行会議のテーマの一つとして今後検討していただき、グローバル人材を育成するような教育を是非進めてまいりたいと思います。
#113
○熊谷大君 そのグローバル化した世界で有為な人材を輩出しなければいけない我が国、特に天然資源のない我が国は、人材又は人的資源こそ全てなわけでございます。
 その中で、このいじめ問題、つまり幼少期又は初等中等教育、高等教育の中でいじめを受けたことによって、非常にもしかしたら物すごい才能又は有能な、又は有為な人材であったはずの子供たち、児童生徒が、そのいじめを受けたことによって非常にマイナスの要素が多くその育成過程でいわゆるトラウマとして残ってしまって、有為な人材として本当は働けるはずの子供たちがその可能性をふさがれてしまうということは非常にゆゆしき、将来を考えた場合はゆゆしき問題だというふうに思いますので、そういう観点からもいじめ問題というのを真剣に我々は取り組んでいかなければならないというふうに考えております。
 そこで、早速第一番目の質問なんですけれども、大阪市立桜宮高校の体罰問題なんですけれども、ここで、義家政務官が、対応を早く、すぐにそこのいじめ問題が起こったときに現状を把握するために派遣をされました。又は自ら主体的に行かれたのかもしれません。その背景、またどのような思いがあっていち早くそこの現場に行かれたのか、ちょっと紹介をしていただければと思います。
#114
○大臣政務官(義家弘介君) まず、生徒が自ら命を絶つという痛ましい事件が発生しまして、その背景に部活動の顧問教諭による体罰があったことについて大変遺憾に思っております。亡くなられた生徒の御冥福をまずお祈りしたいと思います。
 本事案は、昨年の十二月二十三日に発生した事案でございました。御遺族の意向も踏まえまして、本年一月八日に大阪市教育委員会が報道発表を行ったところでありますが、その後、大阪市は、本事案に係る実態調査を行うとともに、全市立学校の体罰、暴力行為の実態調査を行っているところであります。
 実は、文部科学省がこの事案について知ったのはこの報道発表後であります。非常に重大な事案でもあるにもかかわらず、具体的な報告がなされなかった。その後、今の現状を何度も問い合わせましたが、具体的な情報は当時まだ抑えられているという状況でありました。一方で、我々の問題意識として、子供たちは日々学校に通うものでありますから、このまま実態把握さえ行われずに、隠蔽問題、騒ぎだけが大きくなることは全く望んでいないというか、何とかこれをしなければならない。
 そんな中で、下村文部科学大臣の指示によって一月に私自身が派遣されまして、現状における教育委員会の認識、そして遺族の方とも、これは政務官としてではなく私的に会ってきましたが、様々な問題を聞き取ってまいりました。その当時の時点においては、あえて言わせてもらえば、全くもって不十分な事実認識と今後の見通しでありました。そして、ほかの生徒への聞き取り等のタイムスケジュールさえできていなかった事態でありましたが、その部分について今後も指導、助言をしていくと、助力できる部分は幾らでも助力していくということを後押しした次第でございます。
 その後、受験の中止等々、教育委員会の中で判断がなされ、バスケ部顧問の懲戒免職も二月十三日に発令されたということでありますが、事態が起こったときに、そのまま今までの常識で抱え込んでいくのではなくて、まず全体として明らかにすべきものを明らかにしなければならない一つの大きな教訓であったと思っております。
#115
○熊谷大君 ありがとうございます。
 そこで、大阪市教育委員会の対応なんでありますが、先ほど、今ほど政務官もちょっと報道後にいろいろ理解をするところがあったというふうに話されておったんですけれども、私ちょっと調べたら、大阪市の方ですか、これは。公益通報制度というものがあったり、又は大阪市の公正職務審査委員会というものがあって、その公益通報制度には事前にそのバスケ部の問題が通報されておったり、又は大阪市の公正職務審査委員会の方でも案件が掲げられて、事実が確認できないため勧告は行わないというような判断が下されたというふうに、調べた結果、分かりました。
 それは、先ほどもあったように、大阪市の問題だから、市の教育委員会の問題だからということもあるんでしょうけれども、ちょっと余りにも、内部からそのような良識ある人又は良心の呵責を受けてこれはおかしいんじゃないかと言った方々がちゃんとした適切な方法でそれを通報したにもかかわらず、それが全然届かなくて未然に防げるものを防げなかったということ、これは非常に文科省としても考えなければいけない。先ほど地教行法の五十条の改正案も含めてという話もありましたけれども、これはしっかりと対応していかなければいけないと思うんですけれども、いかがでしょうか。
#116
○大臣政務官(義家弘介君) 熊谷委員の御指摘のとおり、公益通報制度でこのバスケ部の顧問の体罰の疑いに対して通報がございました。それを受けた教育委員会は、学校長に指示をし、この顧問の教諭から聞き取りを行っています。しかし、学校長の聞き取りは、この顧問のみからの聞き取りで終わりました。生徒たちへの聞き取りあるいはアンケート等々を行わず、この顧問が校長と話した結果、いやいや、そういうことはございませんと、保護者の理解をしっかりと含めながら行っていきますという報告を基に教育委員会に体罰の実態はなかったというふうに報告されたわけです。それを受けて体罰はなかったと判断されたと。委員の御指摘のとおり、もしこのときにきちっと問題を把握していたら、守れる、守られた、消えずに済んだ命であったろうと、その思いで、非常に胸が詰まる思いで大阪市で話を聞いてまいりました。
 この事案が起きたときに学校長がどのような対応をしなければならないのか。実は、ここまでマニュアル化しなければならないというのは非常に悲しいことであります。問題が起こったとき本来果たすべき責任というのは、マニュアル化しなくても実行されるべきなんですね。しかし、今実行されていないと、一部で。全てとは言いません、一部の問題となっているところで実行されていない。ここをやっぱり我々は受け止めねばならないだろうなというふうに思っております。
#117
○熊谷大君 義家政務官が先ほど、非常に根深い問題であると、親御さん、保護者の方々に、そういう問題があると署名が出てきて、なかなか対応するにも対応し切れないというような御自身の市教委の方に入られていたときの御経験をお話しされておったのが非常に印象的なんですけれども、私も親の目というのをより積極的に入れなければならないんではないかなというふうに思っております。
 先ほど政務官が紹介したように、教育基本法の第十条では家庭教育、そしてより私は重要だと思うのは十三条の方ですね。「学校、家庭及び地域住民その他の関係者は、教育におけるそれぞれの役割と責任を自覚するとともに、相互の連携及び協力に努めるものとする。」というふうに書いております。それが何やら、体罰を犯してしまった先生方を守るんではなくて、しっかりとした正しい道に導けるような方法を取らないといけないというふうに考えますが、政務官、いかがお考えでしょうか。
#118
○大臣政務官(義家弘介君) 互いに責任を押し付け合っているのが今であろうと思います。その体制を互いに責任を全うするという関係に新たに構築しなければならないだろうなと思います。自己保身のために教育は行われているのではないという前提に立った上で、おかしなものはおかしいと。連携すべきはどのように連携すべきか、今こそ、その核心的議論を行って教育現場に落としていかなければならないと強く思っています。
#119
○熊谷大君 ありがとうございます。
 それでは、ちょっと体罰などの現状把握についてお尋ねしたいと思います。
 現在の体罰について、現状の把握を御紹介ください。ちょっと、時間も来ていますので、手短にお伺いしたいと思います。
 それと、その実態把握した数値、データの実証、実例を集めておられると思いますが、そうした数値、科学的に集めた数値とかデータをどのように政策に反映させようというふうにお考えか、ちょっとお聞かせください。
#120
○政府参考人(布村幸彦君) 今回は、その一月の体罰の事案を踏まえて全国に実態調査をさせていただいております。今年の一月末までの案件は今月いっぱい、二月末までに、また、今回新たに調査をしたものについては四月末までに報告を求めているところでございます。
 かつてはいじめの調査を毎年実施していた時期もございましたけれども、しばらく実施しておりませんでしたので、改めて体罰の実態を踏まえまして、その対応ですとか今後の体罰の根絶のため、それから、先ほども申し上げましたけれども、体罰と懲戒との関係を整理した上で、それが現場にきちっと下りているのかどうかといったところに、確認などにつなげていきたいというふうに考えてございます。
#121
○熊谷大君 そういった調べたものが政策に反映されるべきだというふうに思うんですけれども、平成二十五年度当初予算における体罰防止に関する取組についてという資料をいただきました。
 これをちょっとひもといてみると、教師の力を付けるのかなと、又は教員養成の課程でそういった指導法を学ぶのかなと思うと、これ、運動部活動地域連携再構築事業というふうなことで資料をいただいておりました。ということは、スポーツとか部活動の指導の際、外部、アウトソーシングして、外部コーチを雇いながらそういった体罰を防止しよう、又は予防しようというような考えなのか、ちょっとそこら辺を確認させていただきたいのですが、いかがでしょうか。
#122
○政府参考人(布村幸彦君) 部活動につきましては、学校の中で職務分担で実施いただくというのが基本的な姿ではございますけれども、どうしても学校の規模あるいは教員の指導できる範囲という意味から外部の人の力をお借りして指導の充実につなげるという取組も求めているところでございます。
#123
○熊谷大君 その外部指導者と連携させるというのも非常に重要ではあると思うんですけれども、やはり現場の教職員をしっかりと育てるという方向に向いた方がいいんではないかなというふうに考えます。なので、教職課程での指導法の充実というのと部活動のやっぱり位置付けを明確化していくということが非常に重要になってくるんではないかなというふうに思うんですけれども、教育職員免許法施行規則の中で、教職に関する科目の単位の中の生徒指導法や教育課程とか教育相談又は進路相談等いろいろあるんですけれども、やっぱり部活動指導がないというのが非常にちょっと抜けている、又は欠けているところなんではないか。
 これは位置付けの問題だと思うんですけれども、そうしたことをしっかりと位置付けて、スポーツ指導法とかそういったもので、やっぱり養成課程で学ばせるのが最も適切ではないかなというふうに考えますが、いかがお考えでしょうか。
#124
○政府参考人(布村幸彦君) 御指摘のとおり、学習指導要領上は、部活動につきましては、国語、算数等の教育課程と関連して指導するという位置付けになってございます。それも今回の指導要領の改訂に伴って明確な位置付けになったということで、一つ前の学習指導要領では学習指導要領上、部活動は位置付けがなかったと、そういう実態になります。そういった面も反映して、教員養成課程においての指導すべき内容につきましても、部活動については、先生御指摘のような形で、明文化できていないという状況にございますので、今後、部活動につきましての学習指導要領での位置付け、あるいは教員養成課程での位置付けというのは、一つの検討課題かと認識しております。
#125
○熊谷大君 済みません、ちょっと時間も来てしまったので、これで最後になりますが、今、体罰とかいじめ、まあ、いじめは生徒間かもしれません、体罰は教師、生徒、上下間かもしれません。もっとちょっと身近な、皆さんもう本当に御経験があるかと思いますが、日本特有の先輩、後輩の間で行われる部活動の中のしごきとか指導とかかわいがりというのも、非常にこれ、やっぱり是正しなければいけないところが多いというふうに思っております。
 部活動というのは、御存じのとおり、小学校と中学校を分ける大きな違いの一つでございます。そこに児童生徒が、児童から生徒になって大人になる一歩を感じる、実感できる大きな通過儀礼の一つだというふうにとらえることもできると思うんですね。そこに体罰があったり、ほかのそういったしごきとかいろいろないじめ的なものがあったりするとちょっと心が折れてしまいかねませんので、そういったことを包括的に指導できるようなことが教育課程、養成課程でも必要なんではないかなというふうに思っております。
 あくまでも教育でございますので、児童生徒の発達段階によってエデュケートをする、つまり引き出すことが教育の大きな目的の一つだと思いますので、児童生徒の力を引き出すことが体罰であっては、又はいじめであったりしごきであってはいけないということを申し上げさせていただきまして、私からの質問を終わらせていただきます。
 誠にありがとうございました。
#126
○石川博崇君 公明党の石川博崇でございます。
 私は、この文教科学委員会で初めて質問に立たせていただきます。何とぞ御指導のほど、よろしくお願いを申し上げます。
 本日は、この文教科学委員会としては定例日外の開催ということに相なったわけでございますが、これだけいじめ、体罰等、国民的関心の高い中、良識の府であるこの参議院で是非とも議論をしていくべきだと私自身も思っておりましたところ、与野党の理事の先生方のお計らい、そして委員長の御差配によりまして、本日このように委員会が開催できましたこと、大変心から感謝を申し上げる次第でございます。
 また、下村大臣始め政務三役の皆様、この度は御就任、大変におめでとうございます。
 これだけ国民の関心の高い、いじめ、体罰、こうした議論、本日こうしてこの参議院の文教科学委員会でさせていただいているわけでございます。与党、野党関係なく、様々な議論、いいものはしっかりと取り入れていくという姿勢、慎重かつ誠実な議論、そして答弁を是非ともお願いをしたいというふうに思っております。
 先ほど、民主党の先生の議論の中で、少し副大臣、非常にこだわりのある御意見を述べられておられましたが、個人の思想、信条、そういったものは当然あろうかと思いますが、やはりお立場、副大臣という立場でしっかりと誠実に御答弁いただくべきではなかったかなというふうに思っておりますので、是非、今後御留意いただきたいというふうに思っておるところでございます。
 それでは、具体的に、今日、いじめの問題について、私からも何点か質問をさせていただきたいというふうに思います。
 大津の大変痛ましい、悲しい事件が発生をしましてから、私ども公明党におきましても、いじめ問題に対する、検討するプロジェクトチームを立ち上げまして、様々な有識者の方々との積極的な意見交換、例えばジェントルハートの小森理事や、あるいはジャーナリストとしても著名であられる荻上チキさん、その他その他様々な有識者との意見交換を重ねてまいりました。どうすれば子供たちが安心して、そして学べる環境づくりができるのか。いじめというのは子供の社会における一つの社会構造でもあろうかと思いますので、なかなか根絶、全てをなくすということは難しい問題ではありますが、それでも根絶に向けた不断の努力、改革というものが不可欠であろうというふうに感じているところでございます。
 また、様々な学校教育現場にも視察に行かせていただいているところでございます。実は、たまたまでございますが、先週の金曜日、私ども、この公明党のいじめ問題対策プロジェクトチームといたしまして、東京の足立区にあります辰沼小学校を視察をさせていただきました。この辰沼小学校、大変このいじめ問題に対してユニークな取組をしておりますので、是非今日、委員の先生方に御紹介をさせていただきたいというふうに思っております。
 この辰沼小学校におきましては、昨年の十月二十二日に辰沼キッズ・レスキュー隊というものを発足をさせまして、これは学校の児童会の役員のメンバーが主体となりまして、子供たちが中心になって、子供たちが主体的に、この学校からいじめを撲滅させるためには何ができるのかという、子供たち中心の取組でございます。
 いじめ対策となりますと、どうしても教育委員会がどうであるとか学校の体制がどうであるとか、あるいは地域の取組がどうであるとか、大人主体の取組ということがよく取りざたされ、またそこに対する議論が多いわけでございますが、子供たちが実は自分たちの周りの環境、社会をどう取り組んでいくのか、そういう主体的な意識を子供たち自身が持つということは非常に重要な取組ではないかというふうに思いました。
 ちょうど私たちが行かせていただいたときにも、今このキッズ・レスキュー隊、隊員が、二月十五日の時点で二百名を超える隊員がいるんですが、そのメンバーの中からグループ分けをいたしまして、毎日中休みに校庭に集まって、今日はパトロールをしようということで校内を回って、いじめをしない、させない、許さないというデモ行進を、かわいいデモ行進をしている姿、見させていただきましたし、またそれ以外にも、今後いじめの相談を子供たち自身がやっていこうとか、啓発ポスターを作っていこうとか、あるいはいじめを防止させるための子供会議を開いていこうとか、いじめに対する決別宣言を採択していこうとか、いろんなことを子供たちが考えているようでございます。
 こうした、いじめといっても、いじめる側、いじめられる側だけではなく、子供たちの中にそれを実は見ている子供たち、そして残念ではありますが傍観している子供たちがいるのも、これがやっぱりいじめの四層構造というふうに言われますが、この周りの子供たちも含めていじめをなくそうという意識を持っていくことが非常に大事だなと。
 ほかにも様々なこうした子供たちを主体的に取り組んでいる学校の事例があるというふうに聞いておりますが、下村大臣、このような足立区での取組について、まだ御覧にはなられていないかもしれませんけれども、どのような御評価をされるか、御所見をお伺いいただけますでしょうか。
#127
○国務大臣(下村博文君) この足立区立の辰沼小学校ですか、辰沼キッズ・レスキュー隊、本当すばらしい取組だというふうに今お聞きして感じました。
 ここの全校生徒は五百人に満たない中で、今のお話ですと二百人を超えるキッズ・レスキュー隊加盟がいるということで、これはいじめの未然防止やいじめを解消する取組をする上で、児童会や生徒会など、児童生徒の自主性、主体性を育む活動を通じて集団生活における良好な人間関係を育て連帯感を培うということで大変重要なことであると思いますし、教育再生実行会議でもある委員が、学校の生徒会や児童会にいじめ解消のための宣言等、自主的にしてもらうようなことをお願いしたらどうかということを発言されていた委員がおられましたが、この同校の取組は他校にとっても模範になるというふうに思いますし、この事例について是非我々も推奨させていただきたいと思います。
 ありがとうございます。
#128
○石川博崇君 ありがとうございます。
 こうした子供たちが主体となった取組がいかに大事かという点を、今日お手元に資料を配らせていただいておりますが、ちょっと統計に基づいてお話をさせていただきたいというふうに思います。
 資料一とさせていただきました森田洋司先生の統計でございますが、いじめを止めてほしいという人はどういう人かというアンケートを取ったところ、断トツ的に友達にやはり止めてほしいという人が多いわけでございます。
 こういった意味でも周りの友達の関与というものが非常に大事なわけでございますが、残念ながら、この下の資料二を見ていただきますと、やめようと言って止めようとする生徒は、小学校五、六年生では二四・一%なんですが、中学生、高校生となるに従ってその割合が減ってきているのが現状でございます。
 また、先生に知らせるというふうな対応をする子供たちがどれぐらいいるかといいますと、小学校五、六年生では三九・七%であったのが、またこれも中学、高校と進むにつれて減ってきている、こういう現状がございます。
 そして、大変これ残念な話と思いますが、別に何もしないという、見て見ぬふりをするという生徒が小学校五、六年生では一四・一%であった中で、中学生、高校生と上がるに従ってこれが増えていってしまっているという状況がございます。
 次のページを御覧いただければというふうに思います。資料の三でございますが、これは他国との例で評価された統計でございます。
 イギリス、オランダと比べて、こうした傍観者というものがどういうふうに推移をしていくかというのを見たときに、青の線が日本でございますが、学年が上がるに従って傍観者の出現率が上がってきている。イギリス、オランダについては、中学一年生ぐらいをピークにして、一年生をピークにして傍観者が減ってきている。
 そして、その下、仲裁者、これ、止めに入る子供たちの出現率というものがイギリス、オランダでは中学一年生を境にして増えていくのに対して、日本では、先ほどのデータにもありましたとおり、自分自ら止めよう、あるいは先生に知らせようとする生徒は減る一方というデータが、これは国立教育政策研究所あるいは文部科学省の方で平成十七年度にシンポジウムに出された報告書で出ております。
 こうしたデータを御覧になられて、なかなか一概に評価できるものではないかとは思いますけれども、大臣、欧米と比べて日本で子供たち自身が仲裁や通報をするような割合が少ないと言われている状況をどのように思われ、また、改善すべき処方等あるようでしたら所見をお聞かせいただけますでしょうか。
#129
○国務大臣(下村博文君) これは両方とも中学一年生からほかの国は数字が変化をしているということを考えると、日本でいうと、中学校の教育の成果、効果がこういう数字に表れているのではないかということを、ちょっとこのデータを見たときに直感的に感じました。
 あるいは、そもそも、このいじめについては各国ともそれぞれ対応していて、そういう対応の成果も現れているのかもしれませんし、我が国としても、しっかりと今後、いじめ対策防止基本法等国会で成立をしていただいて、そして国としてもその手だてをすることによって他国と同じような成果、効果が現れるような教育体制をつくっていく必要があるというふうに感じました。
#130
○石川博崇君 是非、先ほど御紹介をいたしました足立区の辰沼小学校での取組、またほかにも、例えば神奈川県の藤沢におきましても、スクールバディという取組、これは自分たちが、子供たちが子供たち同士の間で自分たちはバディなんだという意識を啓発していこうという取組でございます。
 また、最後、資料に付けさせていただいておりますが、これは先ほど申し上げました荻上チキさん、これはいじめ対策についてのポータルホームページを立ち上げ、様々な取組、いじめを撲滅するために有益だろうと思われる取組を集めているポータルサイトでございますが、その中で推奨している一つでございます、いのちの生徒手帳プロジェクトというのを進めておられます。
 これは、政府といたしましても様々な、例えばいじめ相談ダイヤルについてカードを全校生徒に配付をしたりとか、あるいは地域地域におきましても、グッズを配ったり、あるいは啓発のチラシを配ったり、様々な取組があろうかと思いますが、子供たちが常時携帯をしている生徒手帳にこうしたいじめを防止する宣言を書き込む、あるいはシールとして張り付けるということで、常日ごろから子供たちがこのいじめというものに対して取り組んでいかなければいけないという自発的な意識を高める、そういう意味でも非常に有益な取組ではないかというふうに思います。
 ほかにも様々な良いと思われる事例、あるいは成功事例あろうかと思います。是非、こういう各地で行われているようなグッドプラクティスなどのようなものを集めていただいて、そして参考になる形で各地域地域の市教あるいは学校が参考にできるような、そういうグッドプラクティス集を作って共有できるようなシステムづくりを御検討いただいてはと思いますが、いかがでございましょうか。
#131
○政府参考人(布村幸彦君) ただいま先生の方から二つの市、区またNPO法人の良き取組を御紹介いただきましたけれども、各自治体あるいは団体の方々が実施していただいておりますいじめの解決に向けた子供たちの先行的な取組を支援していきたいというふうに考えており、これまでの予算でも取組事例集を作ったり、あるいは指導担当者の連絡協議会でお伝えをしたりしてきております。
 二十五年度予算におきましても必要な経費を計上いたしておりますので、今まで以上に優れた取組の情報収集をきちっと行い、その周知が図られるという方向で努力してまいりたいと考えます。
#132
○石川博崇君 今御紹介ありましたとおり、政府としても一応そのグッドプラクティスを集める取組はされておられるんですけれども、それは報告会に集まられた先生方に紹介されて終わっておりまして、やはり各現場現場でそれを把握することができる、参照することができる、そういうシステムづくり、例えばホームページにこれを掲載するとか、そういうことをしているということを各現場に伝えるということを是非お願いできればというふうに思います。
 また、こういういじめ問題がそれぞれ学校現場で発生をしたときに、それにまず直面する先生方の対応というものが非常に重要になってくるわけでございますが、残念ながら、現場の様々な先生方のお話、もう本当に大変な業務も多い中で苦労されている先生方、そのいじめに対する対応はその先生によってまちまちであろうというふうに評価せざるを得ないと思います。
 ジェントルハートの小森理事もおっしゃっておられましたが、対応できる先生そして対応できない先生、それによって差が生じて、それによって、あってはならない痛ましい事件に進展するようなことがあってはならない。やはり、学校全体としてこうしたいじめ問題が発生したときに組織的に対応できるシステムづくり、そして教員全体のこうしたいじめ問題に対応できる能力、スキルのアップというものをやっていくべきだということがございました。
 今、現状、政府としてどのように取り組んでいらっしゃるのか、まず御説明をいただけますでしょうか。
#133
○政府参考人(布村幸彦君) 先生御指摘の点につきまして文部科学省におきましては、まず平成十八年の通知におきまして、一つは、いじめが生じた際には、学級担任等の特定の教員が抱え込むことなく学校全体で組織的に対応することが重要であること、また二点目として、学校においていじめを把握した場合には、速やかに保護者、教育委員会に報告をし、適切な連携を図ることなどについて指導をしているところでございます。
 これらの取組につきましては、教員として法定的に義務付けております初任者あるいは十年目の研修等でいじめの問題を始めとする生徒指導、教育相談の研修が行われておりますので、その中でしっかり位置付けていくという方向で努めてまいりたいと思っております。
#134
○石川博崇君 特に、その先生方によってやはりいじめに対する対応がまちまちという点を克服するためにも、やはり大学で教職課程を取る際にしっかりこうしたいじめ問題が発生したときにどう対応すればいいのかということを必修化も含めて検討していただくことが非常に重要なんではないかというふうに思います。全くそのいじめに対する対応の仕方ということを学ばないまま学校現場に来て、そして目の前でそうしたいじめの問題が発生してしまった、あるいはそういう相談が保護者の方からあった、そうしたときに、もし誤って例えばもう少し様子を見ておきましょうというような対応をしてしまった場合、そのいじめを容認、先生がしてしまうという、そしてそれがこのいじめをエスカレートさせてしまうという誤ったシグナルにもなりかねないわけでございます。
 今、教職課程におきましては、生徒指導、進路指導等という項目の中で四単位あるいは二単位というものを取ることを義務付けているわけでございますが、その中で具体的にどういう指導を行うか、あるいは先生がそういった教職課程の大学生に対して指導を行うかということは大学の教員の方の裁量に委ねられているわけでございます。やはりこうしたところで、しっかりといじめに対応するための基本的なスキル、そうしたものを身に付けていただくということが重要ではないかと思いますが、大臣、いかがでございましょうか。
#135
○国務大臣(下村博文君) 御指摘のように、教員養成課程においては、教科の専門的知識のみならず、教育制度、生徒指導、心理学など、学校の教員として共通に必要な知識、技能を学ぶこととされております。具体的には、生徒指導の理論及び方法や教育相談などの授業において、いじめへの対応、保護者や地域との連携等について取り扱われております。
 文部科学省として、今御指摘がありましたように、この教育課程を置く全ての大学において、具体的にいじめ問題に関する知識を深め、早期発見や適切に対応できる能力を高めるような実践的な授業が行われないと、机上の空論だけではやはり現場対応力が身に付かないというふうに思いますし、今後とも各大学に対して強く要請してまいりたいと思います。
#136
○石川博崇君 是非ともよろしくお願いを申し上げたいと思います。
 それから、このいじめ問題への対応ということで今政府として力を入れておられるスクールカウンセラーの増員配置でございますが、これ自体は非常に評価できる取組だというふうに思いますが、現場のお声を伺ってみますと、残念ながら、やはりスクールカウンセラー、まだまだ各校常駐というところまでは行っておりません。スクールカウンセラー一人で数校の学校を担当し、訪問を含めてやっておられるわけですが、やはり常駐しないと、今相談をしたい、あるいは今この悩みを聞いてもらいたい、そういう今の子供たちの気持ちにこたえることができない。予約をしなければいけない状況でございますが、なかなかその予約もいっぱいであったりですとか、あるいは、予約すること自体が、子供たちからすると、周りからどういうふうに見られるだろうか、あるいはいじめをエスカレートさせないだろうか、そういう不安も感じたりするわけでございます。
 そういう意味で、常駐まだまだされていないこのスクールカウンセラーの対応というものはまだまだ一定の限界があろうかというふうに思っておりまして、そういう意味では、常駐している方でこういう問題、いじめの問題も含めて対応可能な方として、やはり養護教諭の方々がもう少しこうしたいじめ問題に、子供たちに寄り添って、その子供たちの今の悩みに対して対応できる体制を取れるのではないかというふうに思っております。
 養護教諭の増員、加配等も御配慮いただいているところでございますが、こうしたいじめ問題への対応能力も含めて、是非更に御検討いただいてはいかがかと思いますが、いかがでございましょうか。
#137
○国務大臣(下村博文君) いじめ問題の取組については、スクールカウンセラーを活用しつつ、養護教諭を含め学校全体として相談体制を整備することが重要であるというふうに思います。今御指摘がございました。特に、保健室は心の居場所であります。養護教諭は専門的知識を持って児童生徒の心身の健康に関する指導や相談に当たっており、その果たすべき役割は極めて重要であるというふうに思います。
 文部科学省としても養護教諭の定数増と研修体制の充実に努めてきたところでありますが、今後とも更に、養護教諭の積極的活用を含め、児童生徒が悩みなどを速やかに相談できるよう教育相談体制の整備の充実に努めてまいりたいと思います。
#138
○石川博崇君 また、スクールカウンセラーにつきましては、当然、いじめられた生徒さんあるいは保護者の方々の相談を受けて、心のケア、そうしたいじめられた方々の、生徒に寄り添った対応というものがどうしても中心になりがちなのではないかというふうに思いますが、やはり、どこまで行ってもいじめというのは加害者問題、いじめる側の問題をどう解決していくのか、いじめる生徒さんに寄り添い、それぞれ抱えている御家庭あるいは地域、あるいはその学校の子供たちの中での問題、そうしたいじめる側にしっかり寄り添っていくこと、これを対処していくこと、これを、やはりスクールカウンセラーにもしっかり取り組んでもらうように、採用に当たって、あるいは研修に当たっては重視をしていただきたいというふうに思いますが、この点いかがでございましょうか。
#139
○国務大臣(下村博文君) いじめなどの問題に対応するため、スクールカウンセラーなどの配置による教育相談体制の充実を図ることは非常に重要であるというふうに考えております。
 いじめる生徒児童に対しては、そのほとんどのケースにおいて学級担任や養護教諭等の教職員が状況を聞いたり指導したりして対応しているほか、状況に応じてスクールカウンセラーなどの相談員が状況を聞いたりカウンセリングを行っていると承知はしております。
 文部科学省においては、平成二十五年度予算案においてこのスクールカウンセラーの配置の充実に係る経費を更に計上しておりまして、引き続き教育相談体制の整備の充実に努めてまいります。
#140
○石川博崇君 時間もありませんので余り申しませんが、やはりいじめられる生徒の心のケアだけでは問題の抜本的解決にはならない。いじめる側にしっかりどれだけかかわっていくのか、更生をさせていくのか、そこにやはり全力を傾注していく。これはもう、もちろんスクールカウンセラーだけではございません、教員も、また地域も、また学校の体制、教育委員会も含めて、そうした意識でやはり取り組んでいく。いじめられている生徒さんたちの心のケアだけでは抜本的な解決にならないということを是非、そういう現場の声もあるということを御認識をいただいて、今後とも全力を挙げていただきたいということをお願いしまして、私の質問とさせていただきます。
 どうもありがとうございました。
#141
○柴田巧君 みんなの党の柴田巧です。
 政権交代後初めての委員会ということで、下村大臣始め三役の皆さんには本当に御就任おめでとうございます。
 特に大臣におかれましては、私の大学のサークルの先輩であり、かつ、二十八年前だったと思いますが、初めて都議選挙にお出になったときに仲間と一緒にポスター張りにお手伝いに行った経緯がございまして、そういう意味では個人的には大変御就任されたことをうれしく思うと同時に、その先輩が大臣になられましたので質問はちょっとしづらいなという感じがしないではないですが、御活躍を御期待を申し上げますとともに、私どもとしてもいろんなまた御提言やらあるいは注文も付けさせていただくことになろうかと思いますが、よろしくお願いを申し上げたいと思います。
 まず最初に、今日の本来のテーマであるいじめなどについてお聞きをする前に、これまたいじめ同様に、子供たちの尊い命が場合によれば犠牲になり、また学習の機会を奪うような結果にもなりかねない、いわゆる消えた子供たちの問題について御見解をお聞きをしたいと思っております。
 御案内のように、先週でしたか、大阪の六歳の女の子が行方不明になっており、親がその児童手当を不正受給していて逮捕されるという事件がございました。この事件も大変残念なというか、怒りを感じる事件ではありますが、それ以上に驚きを禁じ得ないのは、そういう言わば住民基本台帳で就学年齢に達しているにもかかわらず、保護者と連絡が付かない等の理由で住民票を残したまま行方不明になっている子供たち、一年以上居場所が分からない、通常、居所不明と言っておりますが、この子供たちが二十四年度でいうと九百七十六人いるというのは大変驚きであります。私も今度中学生になる男の子を持つ一人の親でもございますが、本当にどこの国のことかと思うほどのことが今この国では起きているというのは極めて残念なことでございます。
 子供たちは自発的にどこかに行くということは考えられないわけでありまして、その子供たちが何らかの事情で行方不明になっている、学校に来ていないと。一体どこでどうしているんだろうと心配せざるを得ないわけです。いろんなケースがあって、今回の事件のようなものもあれば、家庭内暴力から逃れるために住民票を移さずに転居するケースもあったり、あるいは外国籍の親と学校に連絡しないで海外へ出てしまうというようなこともあって、全てが事件につながっていくわけではないとは思いますが、しかし、こういう現状を国や地方自治体がほったらかしにしておく、あるいは関心を寄せないというのはどうなんだろうかと思っております。
 そこで、まず、この千人近く、まあ若干昨年度からすれば減ったとはいえ千人近くいる、こういう居所不明の子供たちがこれだけあるという現状について、大臣はどのように受け止めておられるか、まずお聞きをしたいと思います。
#142
○国務大臣(下村博文君) お答えいたします。
 柴田委員におかれましては、学生のときから私の応援をしていただきましてありがとうございます。おかげでその後都議会に当選をさせていただき、衆議院に当選をさせていただき、この度大臣になれたのもおかげさまであるというふうに感謝を申し上げたいと思います。
 さて、御質問でございますけれども、御指摘のように、平成二十四年度学校基本調査の一年以上居所不明者数は九百七十六人となっており、昨年度調査から減少はしたものの、依然として大きな数字であると思っております。
 学校教育を受けるべき子供たちが就学していないということは、教育を受ける権利の保障の観点から重大な問題であると考えておりまして、今後これを減らすために努力をしてまいりたいと存じます。
#143
○柴田巧君 本当に、先ほども申し上げましたように、異常な状況になっていると言わざるを得ないと思います。
 今回は、その女の子が本来入るべき小学校が就学時健診の説明会に案内したけれども来なかったということが発端となってこの事件が明るみになったわけですけれども、恐らく今の、先ほど公開されている、文部省が明らかにしている数字以上に、要するに就学前だと調査の対象じゃないし、中学校を卒業してしまえばこれまた今の調査の対象ではないということになると思われますので、居所不明の児童や生徒、子供たちというのは実際的にはもっと多いのだろうと推察をせざるを得ないと思いますし、これまでも、じゃこういう状況にあるにもかかわらず、文科省を始め我が国の行政がどう熱心に取り組んできたかといえば、正直なところ、十分な手だてを講じてこなかったと言わざるを得ないと正直思っております。
 されども、今大臣もおっしゃったように、こういう状況をやっぱり手をこまねいているわけにはいかないと思います。文科省として、まずはもっと主体的にこの問題にやっぱりかかわる姿勢が求められると思いますし、同時に、これは文科省のみならず、関係の機関と情報を共有する、あるいは連携を深めるということが大事だと思いますけれども、具体的にこの問題にどう取り組んでいかれるか、大臣にお聞きをしたいと思います。
#144
○国務大臣(下村博文君) 文部科学省としてはこれまで、学校や教育委員会が民生委員や児童相談所と連携して情報共有することなどにより適切に対応するよう、平成二十三年四月の通知等により教育委員会等を指導してまいりました。また、総務省、法務省、厚生労働省、警察庁等の関係省庁と連携を図ってきたところでございます。
 しかし、今のような事例があり、私もたまたま昨日ある報道番組見ていましたら、このことについて、関西の方で地元の民生委員の方が再三再四、この該当する子供が学校に行っていないということでその事実関係確認に、あるいはそれ以前にそれぞれ健康診断等に来ていないということで再三再四訪ねていって子供がいるかどうかということを調査しているという番組を見まして、これはそれぞれの自治体が、まず地域住民と接点のあるところが対応していただくことが必要かというふうにこの番組見ても感じましたが、文部科学省としても、引き続き今まで以上に関係省庁との連携を図り、また、教育委員会などに対して、関係機関と着実な連携を図っていくように努力をしてまいりたいと思います。
#145
○柴田巧君 いずれにしても、先ほども申し上げましたように、子供たちの命や、あるいは学習を受ける、それを奪いかねないことでもありますので、これまで以上に文科省としても強い関心を寄せて、また、効果的な他の省庁とも連携をしてこの問題に取り組んでいただきたいということを改めて強く求めておきたいと思います。
 それでは次に、いじめの問題についてお聞きをしたいと思いますが、先ほどからもお話がありますように、このいじめの問題については、それこそ社会を挙げて取り組んでいかなければならない問題であることは言うまでもありませんが、まずは、この学校現場で起きているということですから、学校現場の、先ほども石川委員もおっしゃいましたが、教員の現場力といいますか、いじめ問題への実践力を高めるということが何よりも大事だろうと思います。何よりもそのいじめの兆候を早期に発見をする、また初期対応がこのいじめ問題を深刻化させていかない鉄則だろうと思いますし、また未然にどう防止をしていくかということも併せて大事なことだと思いますが、そこにしっかり対応するためにも、現場の教員の能力、資質というのをやっぱり高めていく必要があると思います。
 いじめもだんだん見えにくいものになってきていますので、いかにその兆候をつかむかということが大変これからは重要になるでありましょうし、例えば、その子だけ席がほかの子よりも離れている、離されている、あるいはその子が給食に、給仕をあるいはしようとすると受け取らないとか、その子が発言しようとすると奇声が上がるというのはもう明らかにいじめの兆候だろうと思いますが、そういう細かな人間関係を、生徒間の人間関係をしっかり察知できるようなやっぱり鋭敏な観察眼を教員は持たなきゃならぬと思いますし、先ほどから、いろんな外部との連携等々もこれからは極めて重要になります。
 そういう意味で、いろんな段階を通して教員のそういった能力を磨いていく、高めていくということが大事だと思います。教員養成段階についてはもう既に大臣お答えになりましたので、これはあえてお聞きをしませんが、初任者あるいは十年目研修でそういったことをやっていくと先ほどお答えがありましたが、具体的には、じゃ、こういったこれまでの事件等を踏まえて今後はどういうところに力点を置いた教員の研修をしていくか、お尋ねをしたいと思います。養成段階は結構です。
#146
○大臣政務官(義家弘介君) 委員御指摘のように、いじめ問題に対しては、その兆候をいち早く把握し、迅速に対応する必要があります。一方で、研修をすることによっていじめがなくなる、なかなかそういう問題ではないと私は思っております。つまり、どのように対応するのかということを徹底していく以外にないだろうと。
 更に言えば、対応する教員の生徒との人間関係においても全く違うわけです。例えば初等教育において、小学校においては学級担任制で、なかなかほかの大人、先生の目が教室の中に入らないという弱点があります。この辺については、しっかりと複数の教員の目が入るような体制を整えていく手だてを打たなければならないだろう。更に言えば、中学は、最低でも一日五時間ないし六時間あるわけで、複数の大人の目が常に実は入っているんですね。しかしながら、担任一人にその全てが担わされていると、生徒指導においては。教科指導においては複数の大人の目が入っているわけですが、生徒指導においては担任一人がそれを抱えている、その中で深刻な状況を生み出してしまっているという実態も私はあるような気がします。その意味で、加配措置も含めてどのようにこういう問題に対してサポートしていく体制をつくっていくのか、これは文部科学省の責務であろうというふうに考えております。
 一方で、この研修について全く、じゃしなくてもいいかといったら、そうではなくて、このような事案が発生したらどのような手続でしっかりと解決に向かって導いていかなければならないのかのガイドラインを各教育委員会で示すべきであると思います。
 そして、このような委員会で是非議論していただきたいことですが、例えば欧米は、先ほども申し上げましたが、このいじめ等々に関する子供への措置は懲戒処分として行います。小学校でも退学処分ございます。退学した後、後は親が責任取ってくださいという状況であります。一方、日本では、そういう法律の体系ではなくて、ほかの者の教育を受ける権利を守るために出席停止措置等が用意されている。つまり、果たしてこのいじめの対応について懲戒としての指導が必要なのかそうでないのか、これはタブーなき本質的な議論を今しなければならないというふうに思っています。
#147
○柴田巧君 今ほどの答弁も含め、現場での対応力をいろんな形でやっぱり高めていく方策をこれからいろいろとまた検討もし、また実践に移していっていただきたいものだと思います。
 その中で、具体的な指導方法、いじめ予防という観点から、いじめ防止教育という観点から一つお聞きをしたいと思いますのは、我が国では継続的ないじめ予防教育というのは実は余り具体的なものはないんじゃないかという感がして仕方がありません。先ほどから出ている道徳教育も否定するものではありませんが、今大事なのは、そういう精神論的なものももちろんですが、より具体的な、やっぱり効果的な具体策を教育現場でもいじめ防止の観点から展開をしていくことだと思います。
 よく知られているように、海外などではいわゆるロールプレー、役割演技をして、いじめられる側になったらどういう気持ちになるかということを教えて、それが言わばいじめ防止策の一つにもなっていると言われておりますが、こういったロールプレーなど効果的ないじめ予防教育というのをこれから充実させていく必要があるんじゃないかと思いますが、この点はどのようにお考えになっておられるでしょうか、お聞きをします。
#148
○大臣政務官(義家弘介君) 委員の御指摘に全く同感でございます。
 一方で、ならば、いつ誰がどのような形でするのか、教師たちのゆとりのない今のこま数の中でそれはどのように工夫していくのか、今後しっかりと検討した上で、意義のあることはしっかりと認めつつ、それが現場で本当に実効性を担保して行われるよう中身について議論してまいりたいと思います。道徳の授業のように、行うことが決められているのに、一方で教科ではないので全然行われていない、学校間によっての格差も当然ありますけれども、そのような状況にならないように、前向きに受け止めて検討してまいりたいと思っております。
#149
○柴田巧君 是非よろしくお願いします。
 それで、今も答弁あったように、また先ほどから議論ありますように、まずは、先生は子供たちに向き合いたいと思っていると推察をします。私の姉も実は中学の教師でした。向き合っていると思っているんですが、しかし現実、なかなかそうはできないと。授業があり、部活があり、いろんな校務があり、教育委員会からの調査依頼があり、それこそ生徒の前に、児童の前に先生自身が、今、心の病で倒れるようなことになっているわけで、したがって、その先生の事務負担を含め、いろんなそういった軽減策をやっぱり考えていく必要があると思っています。
 そのためにも、この文科省や教育委員会がやる定期的な調査の縮減とか廃止とか、あるいは校務の情報化とか事務の共同化ということなど含め、事務負担などの軽減策をもっとやっぱりしっかりやっていく必要があるかと思いますが、そこら辺はどうお考えでしょうか、お聞きをします。
#150
○大臣政務官(義家弘介君) ありがとうございます。
 まず、教師の仕事は軽減することはできません。果たさなければならない責任、これは軽くすることはできません。一方で、様々な業務においてしっかりそのセクションは援助していく、しっかりと予算を付けて人員を付けていくという体制は絶対に取らねばならないと私自身思っております。
 今の現状は、頑張っている先生ほど潰れていくというような現状が教育現場で散見されておりますけれども、そのようなひずんだことは絶対にないように、しっかりとした具体的な支援、これを委員のお知恵も借りながら断行してまいりたいと思っております。
#151
○柴田巧君 是非その方向で検討していただきたいと思います。
 次に、先ほどもスクールカウンセラーのお話が出ました。来年度、増員され、訪問回数も時間も増える、結構なことだと思います。と同時に、やっぱりスクールカウンセラーの力量アップといいますか、そういったものもこれから必要になるんだろうと思いますね。
 先ほども指摘がありましたように、相談に来る生徒児童だけではなくて、やっぱりいじめる生徒を呼んでどう説得させていくかとか、あるいは、対話を待つだけではなくて、対話に興味ない者をどう対話に持ち込んでいくかというようなスキルもこれからは求められるのではないかと思いますが、そういったところを含め、このスクールカウンセラー、増やすのはもちろん結構なことですが、やはり個々のスクールカウンセラーの力量を高めていくということも必要だと思います。
 先ほどもちょっと一部答弁あったような感じがしますが、具体的にどういうところをやっていかれるか、お聞きをします。
#152
○大臣政務官(義家弘介君) 委員の御指摘に私も全く同感であります。
 これまで多くのスクールカウンセラー及び学校長そして学校現場の教員と話をしてまいりましたが、この肝となるのは、いかにしてカウンセラーと学校教育が連携していくか。つまり、力量強化というよりは連携強化、これをマネジメントする校長の能力やあるいは管理職の能力というのは非常に大きいという言葉もお聞きしました。この連携がしっかりとできているところは、例えば養護教諭とカウンセラーの連携、カウンセラーと担任教諭の連携、そして学校との連携という形で、できているところは非常に大きな教育効果を生み出している。一方で、カウンセラーに丸投げしている教育現場は、実は問題をキャッチしても深刻な事態になるまでそれが表面化してこないというような実例も報告されております。この連携について、しっかりと進めてまいりたいと思っております。
#153
○柴田巧君 大津事件のあの報告書でもスクールカウンセラーへの提言というのがありました。今ほどの問題あるいは運用そのものの問題を含めて、スクールカウンセラーに本来の役割を果たしてもらうためにも、いろいろな見直しや、あるいはよりこのレベルを上げていくということが大切だろうと思いますので、文科省としても真剣にまた検討をしていただきたいと思います。
 最後になりますが、大臣に、このいじめなどによる自殺を防ぐためにも、今までもいろんな取組がなされてきました。教員に対していろんな意識の啓発や、もしそうなった場合にどう対応するかなどやってきたのですけれども、一つ足りないのは、子供たちへのやっぱり自殺予防の教育ではないかなと。つまり、子供たちが追い詰められて相談するのはやっぱり同世代の仲間です。その際に、やはりもしそういう相談を持ちかけられたらどうするかという教育があって本来しかるべきではないのかと。アメリカなどではそういった教育がなされているところであります。
 時間がないので細かいことは申し上げませんが、一部には、そういう教育をするとそういうことを考えていない子供たちもそういう気になるんじゃないかという指摘をする向きもないわけではありませんが、もう既にいろんなネットでいろんな情報があふれている中で、やはり……
#154
○委員長(丸山和也君) 柴田委員、簡潔にお願いします。
#155
○柴田巧君 はい、分かりました。済みません。
 生涯にわたって自分や他人の命を守れる子供を育てるためにも、そういう効果的な自殺予防教育というのが大切だと思いますが、大臣の御見解をお聞きして、最後にしたいと思います。
#156
○国務大臣(下村博文君) 委員御指摘のように、平成二十三年九月に児童生徒を直接対象とする自殺予防教育の在り方について有識者会議において検討し始めました。いじめなどに起因して児童生徒が自ら命を落とすことがあっては決してならないわけでございまして、是非これについては、有識者会議における検討を踏まえて、文部科学省として児童生徒の自殺予防にしっかり取り組んでまいりたいと存じます。
#157
○柴田巧君 どうもありがとうございました。
#158
○谷亮子君 生活の党、谷亮子でございます。
 下村文部科学大臣、そして政務三役の皆様、また文部科学省の皆様、引き続きましてよろしくお願いいたします。
 本日の議題となっております学校におけるいじめ、体罰等の諸問題及びスポーツ指導における暴力行為等に関する件につきまして質問をいたします。
 今、社会的深刻な問題となっております学校、教育現場でのいじめ、体罰等の問題、そしてスポーツ指導、またスポーツ現場におきましての暴力、暴言等の問題を、これをいかに根絶をしていくのかという問題に直面をいたしております。
 文部科学省は、一月二十三日の日に、これは国を挙げて全国的にこの体罰等の調査をし、その状況を把握する必要があると考えまして、各教育委員会の方に、体罰等の調査を行い、文部科学省の方に報告するよう求めたとの報告も私のところにもいただいておりますが、そういった中で、私といたしまして本日伺いたいのは、そういった調査結果また検証結果が行われて、それが文部科学省に報告がなされた後の対応につきまして、これはどのような対応がなされていくのかということが非常に重要になってくると感じております。
 そういった中で、文部科学省としてどのような対応がなされるのか。いろいろなことが考えられると思いますが、文部科学省としてはその調査報告をただ把握をしておくだけなのか、それとも、その調査報告によっては文部科学省がこれは検証が十分でないと判断をする際には文部科学省としてしっかりとした対応がなされるのか、それとも、またこれは地方教育行政法上、国は介入できないとおっしゃられるのか、その点につきまして文部科学大臣に伺いたいと思います。
#159
○国務大臣(下村博文君) 御指摘のように、いじめ、体罰の問題がたくさん出てまいりまして、改めて文部科学省として各教育委員会に対して自主的にそれぞれの実態調査をして提出をしてほしいという要請をいたしました。今月末ということでございますのでまだ文科省には届いておりませんので、詳細な結果については見てから検討していく必要があるかというふうに思いますが、これは、教育委員会のそれぞれのデータについて、できるだけ今後国会において議員立法でいじめ対策防止基本法を制定していただくに当たって資料としても資するように準備をしていきたいというふうに思いますし、このいじめ対策防止基本法で解決できる部分も大分出てくるかというふうに思いますし、あわせて、国が法制化に向けて対応することによって各自治体においても条例等を作るところも出てくるのではないかというふうに思います。
 今後の取組の中で更にいじめを極力根絶する方向で対応するために、文部科学省として、それぞれの教育委員会等に何ができるか、しっかり対応を見極めながら、しかし最大限努力をしてまいりたいと思います。
#160
○谷亮子君 今、本当に実効性のある御答弁をいただいたと思います。やはりここは下村文部科学大臣そして文部科学省がしっかりと方向性を定めて、そして先頭に立って一丸となってこのいじめ、体罰等の問題、また暴力、暴言等の問題をしっかりと根絶をしていくということをお願い申し上げたいと思います。
 それから、我が国には教育の法律、教育基本法、改正法がございます。そして、スポーツにも法律があります。スポーツ基本法も成立をいたしております。これからいじめ対策基本法というのもしっかりと法律を成立させていかなければなりませんが、そういった中で、私といたしましても、この両法律の理念の下に実効性ある法律として機能することを望んでおりますし、そのためにはやはりしっかりと国が責務を果たしていく、文部科学大臣そして文部科学省がその責任を果たしていくという、その責任の所在をしっかりとこれは国民の皆様にお示しをしていく、国の責務をしっかりと果たしていっていただきたいというふうにお願いを申し上げたいと思います。
 そして次に、学校教育現場やスポーツ現場におきまして、いじめ、体罰等、そして暴力、暴言等が今後行われないためにも、その未然の対策といいますか、そういったものを文部科学省として何か講じておられますでしょうか、伺います。
#161
○国務大臣(下村博文君) いじめ、体罰、暴力、暴言等が行われない安心で安全な教育現場やスポーツ現場に向けた取組を進めることが重要であるというふうに認識しております。
 そのため文部科学省としては、道徳教育の充実やスクールカウンセラーなどの配置拡充などによる教育相談体制の充実を含む総合的ないじめ対策の実施、体罰禁止の徹底や全国的な体罰の実態調査、児童生徒や保護者が体罰の訴えなどを相談することができる体制の整備、教員などの部活動の指導に当たって体罰を厳しい指導として正当化することは誤りであるという認識の徹底、そしてスポーツ指導者に対する暴力根絶の指導の徹底、これらの取組が行われることが重要であると考えておりまして、これらの取組について一つ一つ着実に進めてまいりたいと思います。
 特に、谷委員は柔道で大変すばらしい実績を上げ、また国民的な英雄でもいらっしゃるわけでありまして、今回のスポーツにおける暴力問題等は女子柔道から発してきたわけでございますが、私もJOCの竹田会長に文部科学省に来ていただいて、この際、全てのスポーツにおける暴力の根絶についてもJOCが主体的に対応していただきたい、そのために全ての競技における実態調査もしていただきたいということも改めてお願いをしました。
 このことをきっかけに、我が国においては、教育それからスポーツにおいて暴力や体罰を根絶した指導者を育成する、教師を育成するということも必要であると思いますし、これは文部科学省が率先してやらなければいけないことであるというふうに思いますし、しっかりと取り組んでまいりたいと存じます。
#162
○谷亮子君 ありがとうございます。
 やはり未然の対策といたしまして、今、下村文部科学大臣から具体的なお話がございましたように、これは必要なことはその都度しっかりと取り入れてそして取り組んでいくということを私も求めてまいりたいというふうに思っております。
 そして、今回のいじめ、体罰等の問題、これは学校教育現場での私は意思の疎通という意味では、ある意味、児童生徒、そして先生、また学校、そして保護者と、また教育委員会とそして文部科学省が全てがリンクする形で、リンクイコールすなわちつながりですね、こういったことをしっかりとつくる、ある意味、教育リンクのシステム化を構築することによりましてその意思の疎通を十分に図っていけるということがやはり今求められていることではないかなというふうに感じております。
 そして、これはスポーツの世界でも同じことが言えるでしょう。やはりスポーツの世界におきましても、その意思の疎通という意味では、私もこれは長年競技を通じまして社会参加してまいりましたが、常々申し上げてきていることでございました。これは、主に選手は学校や企業に所属をいたしております。そういった中で、その所属で育ててもらった選手をスポーツ団体、ある意味競技団体ですね、がお預かりをして国際大会やオリンピックや世界選手権に出場していくというような、今、日本のシステムなんですけれども、その中で、その所属先とスポーツ団体との意思の疎通が十分に図られていないという現状もございまして、私はこれは何とか改革をしていかなければいけないと現役中から思っていたことなんですけれども、それはどういったことが言えるかというと、やはり所属先といたしましては選手のこういったところをもっと強化、全日本の合宿中に伸ばしてほしい、こういったところが長所、短所あるんだというような、その意見交換や意思の疎通というものが図られないままにやはりそういった全日本の合宿等が開催をされているというような現状もあるわけなんですね。
 ですから、そういったことをしっかりと疎通を図っていくためにも、やはり選手、そして所属先がありまして、またスポーツ団体があって監督、コーチがいる、そしてその先にJOCがあって文部科学省がある、こういったことをやはりしっかりとリンクをさせる、これもやはりスポーツリンクのシステム化、これをやはり実現することによりまして、私は、こういった今回の体罰、また暴力、暴言等の指導はもうもちろんあってはいけませんので、今後にしっかりと、こういったことが根絶していくことにつながるようにしっかりと構築していかなければならないというふうに感じている一人でございます。
 また、この意思の疎通という意味では、文部科学省が先頭に立って実現をいたしました昨年のロンドン・オリンピックでのマルチサポート事業の実施というものは、非常に私は意思の疎通を図るという意味で成功だったと感じております。
 それはどういったことかといいますと、このマルチサポート事業は三つの大きな柱に分かれておりまして、そのうちの一つ、これは現地にマルチサポートハウスを設置をして、そこでオリンピック期間中に選手がいろいろな家族そして応援に来てくれている人、また所属先の監督、コーチと、そのハウスの中でしっかりとコミュニケーションが取れるという場を設置していただいたんですね。それは私たちの今までのオリンピックの中ではないことでございましたし、なかなかオリンピック期間中というのは外部の方との接触というのは限られてしまうわけですね。そういった意味で、今回のそういったマルチサポートハウスの設置というものは、非常に選手の精神の安定そして強化そして向上に大きく寄与したものと思われますので、非常にやはりこういった理想的な形がそこにあったということは非常に文部科学省としてすばらしい成果であったというふうに思います。
 ですから、こういったことをしっかりとリンク化させていく、教育リンクのシステム化、そしてスポーツリンクのシステム化というものをしっかりと今後構築していかなければならないとお願いを申し上げたいというふうに思っております。
 それからもう一つ付け加えさせていただくならば、是非マルチサポートハウス、マルチサポート事業をパラリンピックの選手たちも使用できるように、引き続き、これは下村文部科学大臣が先頭に立って御尽力をいただきたいなというふうにお願いを申し上げたいと思っております。
 そして次に、もう一つ伺いたいのは、指導者の育成、教育について伺いたいと思っております。
 学校教育現場のクラブ活動等を含む、またスポーツ現場のスポーツ活動におきまして、指導者の育成に当たりまして、文部科学省としてどのような対応、対策を講じておられますでしょうか、伺います。
#163
○大臣政務官(義家弘介君) お答えいたします。
 まずスポーツ指導者の養成研修については、各スポーツ団体や都道府県教育委員会など、様々な団体で行われておりますが、文部科学省では公益財団法人日本体育協会が行う指導者養成事業に対して支援を行っております。平成二十四年度で約一億七千万円。続きまして、運動部顧問の研修については、日本中学校体育連盟や全国高等学校体育連盟において顧問研修会を実施しています。また、都道府県教育委員会等においても教員や外部指導者を対象とした研修会の実施等を行っておりまして、文部科学省においても支援を行っています。二十四年度で約二億円の内数です。
 続いて、今回のスポーツ指導における暴力等の問題を受けて、指導者の資質向上が求められておりまして、公益財団法人日本体育協会などでは講習内容の見直し等に取り組むことを今伺っております。
 文部科学省としましては、今後とも、各スポーツ団体等との連携を十分に図り、スポーツ指導者の育成の充実に努めてまいりたいと思っておりますが、一方で、ここまでは単なる支援であります。
 戦後、教育界は指導ではなく支援、確かに文部科学省は今まで支援してきました。しかし、本来おかしなものがあるときはきちっとした指導を行っていかなければならない。現在、下村大臣の下でその指導方針について検討しておりますけれども、きちっと選手たちが安心した状況になるまでに責任を持って指導してまいりたいと思っております。
#164
○谷亮子君 非常に、本当に、その指導者の育成というものは今後、ゴールがないわけですから、そういった意味で、指導者、もちろん生徒、選手も含めまして、しっかりとその在り方というものを、育成、指導の在り方というものを強化していかなければならないというふうに思っています。
 また、今お話がございましたように、スポーツ団体からの協力も得ながらそういった研修、また講義等が行われているということは、今後また率先してやっていただきたいというふうに思っております。
 それで、もう一つ、私はこの指導者の育成に当たりまして、スポーツの強豪国フランスなどで行われている指導育成の在り方というものを一つ御紹介させていただきたいと思っておりますが、フランス柔道指導者教育資格制というものがございまして、これはブルベデタと呼ばれているものなんですが、これは、柔道の指導者は指導する際には国家資格が必要だということであります。この国家試験を受験をして、ディプロム、資格認定証明書を取得しなければ柔道の指導をすることは法的に禁止をされているというような法律でございまして、一九五二年に柔道の指導をする際には国家資格が必要だというようなことが法案として定められて、一九七二年に定められた国家資格というものがあります。これは、三階層のレベルに分類をされておりまして、上級、中級、そして初級とあるんですが、ナショナルチーム、オリンピックの選手たちを強化して指導したり研究をしていくにはやはり上級レベルの国家資格が必要だというようなことも行われておりまして、しっかりとグローバル的な視点からいいことは是非取り入れていくというような、日本にもすばらしい指導の方法もありますし、指導者もたくさんいらっしゃいます。そういった中で、より良いものを求めていくためにはそういったことも検討案として考えていただきたいというふうに思っております。
 それから、最後の、もう時間がなくなってきてしまっておりますけれども、質問に入らせていただきます。
 低学年からの教育現場におきまして、その教育におきまして、いじめ等の学習について文部科学省としてどのようなことをお考えでいらっしゃいますでしょうか。
 私といたしましては、低学年のころからのいじめの対策ということでどういったことが考えられるかというようなことを常々考えてまいりました。そういった中で、先日、議事録等を拝見させていただいておりましたら、下村文部科学大臣が五月二十五日の衆議院の文部科学委員会のときに、東日本大震災後に、命の救済、また命を救うために消防、そして警察、また自衛隊員の皆様が、またボランティアの皆様もそうですが、自衛隊員の皆様が災害地域に入って、その尊い命を救うために毎日十万人の方たちがその支援に当たっているというお話をされていました。そして、そこでやはりこうしたすばらしいことは中学校の教科書にしっかりと伝えていくべきだというようなことをおっしゃっていらっしゃいまして、私もこれは、同様に今回のいじめの問題につきまして、低学年のころから、やはり今、低学年といいましたら、「新しい生活」という上下の教科書がございますけれども、その中をこう見てみますと、すごく豊富にいろいろなすばらしいこと盛り込んであります。その中には、草木の成長を見たり、あとは花を大事に育てていったり、そして友達を思いやる心、いろいろなことが盛り込まれております。
 しかし、その中に、やはり今回、児童から生徒になるその時期にしっかりと私はこのいじめの対策、自分がされて嫌なことは相手にはしていけないというようなことを伝えていくためにも、しっかりとこういった教材においての対策というものを講じていただきたいというふうに希望を持っているわけなんですけれども、最後にその質問をお伺いいたしまして、私の質問を終わらせていただきます。
#165
○国務大臣(下村博文君) お答えいたします。
 その前に、先ほどのマルチサポートハウスの件ですが、選手の皆さんから大変喜ばれて、ロンドンにおいてですね、これは文科省としても是非パラリンピックで使っていただきたいということで、この所管は厚生労働省でございますのでお願いしたんですが、残念ながら厚労省は予算がないということでカットされたということですが、今後とも、我々も厚労省に働きかけてまいりたいと思いますので、是非、谷委員においても厚労省に対してよろしくお願いを申し上げたいと思います。
 今の御指摘ですが、各学校において、児童生徒の発達の段階や特性等を踏まえ、特に低学年では、善悪を判断し、人間としてしてはならないこと、これを明確に指導の重点に置いて道徳性の涵養を図る、これが大変重要であるというふうに思います。
 このため、学校教育において、発達の段階に応じた心のノートを配付しており、低学年向けの心のノートにおいても、「してはならないことがあるよ」という項目で、意地悪や悪口など、してはならないことを分かりやすく説明しているという事例がございます。
 文部科学省としては、引き続き、道徳教育の充実や教育相談体制の充実など、総合的ないじめ対策に取り組んでまいります。
#166
○谷亮子君 終わります。ありがとうございました。
#167
○谷岡郁子君 みどりの風の谷岡郁子でございます。
 最後になりましたので、もうしばらく我慢をいただきたいと思います。
 先ほど入ってまいりましたときに、下村大臣の方から読みましたよと言っていただきました。今日は資料にお付けさせていただいて、傍聴席の皆さんにはないと思うんですけれども、「日本スポーツ界の常識とそのおかしさ」というのをこの柔道連盟の問題が起きたときに私は書かせていただきまして、ホームページにアップをさせていただきました。ホームページにございますので、後で参照いただきたいんですけれども。
 先ほど来の皆様のお話を聞いていて、道徳教育、今の谷さんの話もそうなんですけれども、言って分からせる部分と体にたたき込む部分があって、私は、実はスポーツというのはむしろファウルプレーをやることに気持ち悪さを感じさせる、ルールを守って、相手のルールは自分のルールでもあるということでフェアプレーの精神を学ばせるということにおいて大変有効だというふうに思ってきたのであります。
 そういう意味におきまして、やはり学校において、ファウルは五回になったら退場だけど三回とか四回はいいんだよみたいな、こういうことがずっとまかり通ってきてしまうと。特に児童期においては、道徳教育を座学でやる一方で、やはりそのフェアプレー精神というものをしっかりとスポーツあるいは体育の現場でたたき込むことが必要なのではないかと思っているんですが、大臣の御所見をお聞かせいただきたいと思います。
#168
○国務大臣(下村博文君) おっしゃるとおりだと思います。
 まず、委員が書かれました「日本スポーツ界の常識とそのおかしさ」というのは、特に専門の、必ずしも専門ということではないかもしれません、大学の学長をされていて、教育者の立場から我々がうかがい知れない御苦労も、このペーパーを読ませていただきまして共感する部分がたくさんございました。
 是非この際、今までスポーツ界においても暴力が容認されてきた部分がやっぱりあったと思いますが、これはもう前時代的な指導方法である、これからの時代は暴力によらない指導をスポーツにおいてもしていかなければならないという、是非きっかけにすべきことであるというふうに思いますし、谷岡委員におかれましても、是非率先してリーダーシップを取っていただきながら、また文部科学省に対するバックアップをしていただきたいと思います。
 その上で、スポーツにおけるそういうマナーとかルールを身に付けるということは大変重要なことでありまして、私も人に言うほどのレベルではありませんがゴルフをやりますが、ゴルフというのは、人がいてもいなくてもきちっと自己申告をしなくちゃいけないというところでマナーやルールを身に付けると、これは大変すばらしいことであるというふうに思いますし、そういうスポーツを通じて人としての生きる道というのを教える、そういうものがスポーツにあると思います。
#169
○谷岡郁子君 そのフェアプレー精神の根源的なものというのは互いを尊重するということだと思います。
 今回の柔道連盟の問題あるいは桜宮高校のバスケット部の問題も、双方に共通するのは実は指導者が選手を尊重していなかったという問題ではなかろうかというふうに思います。
 また、男性と女性ということにおいて、お互いの、じゃフェアであることが尊重されていたかどうか。これは私はレスリング連盟にも申し上げていることなんですけど、グレコローマンと七階級ずつある男子に対して、女子が四階級しかないと。この男女の格差というものはこれまでも指摘されてまいりました。これだけが要因ではないと思いますけれども、それを是正してこなかったのが今回レスリングがオリンピック種目から外された一つの原因ではないかなというふうに私は思っております。また、柔道連盟におきましては、女性の理事いなかった、指導者も非常に男性的な目線で限られてきていたと。このようなある種のお互いを尊重できる構造をつくっていくというようなことがやはりされてこなかった。
 そして、女性の特有の問題、実は減量をしておりまして、男子はすうって減量できるんです。女子はそれができません。例えば、生理に掛かっているときは、生理が終わるとすとんと落ちるんですけれども、それまでは水分を体が保ってしまうことで、おまえ、サボっているんだろうとか、それから、陰で何か食べていやしないかというようなことまで言われてしまう。
 これは何かといえば、そういうお互いに対するフェア精神の欠如であると同時に、実は科学的なマインドの欠如でもあるんですね。だから、俺に付いてこい、とにかく言ったことをやれというふうになってしまっていて、科学的な説得力のあるスポーツというものを本当に生み出そうとすればけがをさせることもない。例えば、これは暴言、暴力の類いだけではなくて、けがをするような無理な指導をする、あるいは、そういう形で無理な減量をさせて貧血にさせてしまう、こういうことも実はパワーハラスメントの一種だというふうに私は思っていまして、こういうものが実はスポーツ現場に物すごくたくさんあるのではないかと。その意味で、やはりこれからのスポーツ指導においては、もっと科学性とそして合理性といったものを強調することが大事だと思いますし、指導者をそういう形で養成することが大事だと思っておりますが、大臣の御所見はいかがでございましょうか。
#170
○国務大臣(下村博文君) 今の御発言もこの中に、先生の中に書かれてありましたが、私も読ませていただき初めて分かった部分もございました。そういう意味で、やはり今までのスポーツ指導者というのは自分の体験の中で後継者あるいは選手を育成することをよしとしてきた部分がやっぱりあったというふうに思います。
 そういう意味では、前近代的な指導がそのまま日本においては踏襲されてよしとしてきたということであったと思いますが、これからは、スポーツ科学、医学的な観点から、より選手の能力を引き出すための暴力によらない在り方というのを我が国も大きくスポーツ界において方向転換すべきときであるというふうに思いますし、また、文部科学省も、そのような観点からあるべき指導者像の教育においてバックアップをしてまいりたいと思います。
#171
○谷岡郁子君 大変力強い言葉をいただきましてありがとうございました。是非そのようにするために私も頑張ってまいりたいと思います。
 それで、先ほど、石川委員から大変いい御提言があったと思うんですね。グッドプラクティス集というものをいかに集めていってそれを多くの現場で使えるようにするかということを言われました。まさにそのとおりだと思います。
 例えば、環境教育なども、国連の環境教育十年というような形で各国でたくさんの非常にすばらしいグッドプラクティスがなされております。この多くが英語だったりするんです。もしそれを日本の先生たちが読めるようにして、例えば自分たちの手元にあるパソコンで見ることができたら、それは本当に応用可能なものがたくさんあるだろうし、日本から向こうへまた出すこともできるんだろうなと思います。
 これは、いじめだとか、あるいはスポーツの指導の在り方ということにおいても、やはりそのグッドプラクティス集というものがあって、これを手近で見ることができるというようなことがあると、様々なところで報告会をやりました云々と、例えば、先ほどの道徳の研究指定校に選ばれていましたなんというのもありますけれども、過去にたくさんの研究指定校があって、たくさんの報告がなされている。そこにはグッドプラクティスになるようなきっかけもたくさんあります。ただ、問題は、報告書を出しましたで終わっていて、これをたくさんの現場の教師たちが使えるようにはなっていないということなんだろうというふうに思うんです。
 これは英語でツールボックスというんですけれども、つまり道具箱ですね。先生たちの道具箱をいかにちゃんと作っていくのかと。何かあったら、わあっと仕事をさせて、アンケート調査をして、調査報告書を書かせてと、そんなところばかりで先生を忙しくさせるのではなくて、本当に必要になったときに、先生たちが自分の机の上のパソコンを開けると、そこに今抱えている問題に関しても様々な道具箱が用意されているというような形で支援をしていくような構造をつくることが必要だというふうに私は感じておるのですが、こういうことを今後やっていただけないでしょうか。
#172
○国務大臣(下村博文君) 非常に御指摘のとおりだと思います。
 何でどうやるかということについては具体的にまた提言をしていただきたいと思いますが、今例えばやろうとしている中で、心のノートだけでは不十分だと例えば思っていることがあるんですが、これについて、各自治体がそれぞれ副教材やいろんな教材等を使って独自の地域の中でいい教育をしているという事例を今文部科学省が収集しているんですけれども、それをそれぞれの自治体もそれぞれの自治体で発信をされているでしょうけど、国として特にこれは最もほかのところに紹介したい事例だとかいうようなことについては積極的にこれからやっていきたいと思っていますが、ほかの分野においても同じような発想、手法で、是非先頭に立って文部科学省が教育分野において、あるいはスポーツのいろんな事例において対応していく必要があると思います。
#173
○谷岡郁子君 さっき民主党さんからいじめ基本法の話が出て、私は現場をつかさどっている者として、またどうしようかと思ったんです。この間、もう本当に私、三十年ぐらい大学や高校の経営をしておりますと、セクハラの委員会をつくらなきゃいけないと言われ、情報教育の委員会をつくらなきゃいけないと言われ、環境教育の委員会をつくらなければいけないと言い、そしてインクルーシブ教育をつくらなければいけないと言われ、もろもろもろもろと。常に委員会をいっぱいつくると。委員会はいっぱいつくるんだけれども、先生たちが暇がないからほとんど委員会自身をやっている暇がないというようなことがたくさん起きてきました。
 ですから、委員会とかそういう装置を幾ら付けても、実際に先生たちが集まってそれをしっかり議論できるような、特に外部の人を入れるんだったらスケジュールの調整も大変です。そういうことをやれるような実際の資源というか余裕とかというものをやっぱり確保しなければならないということがあるわけです。
 よく言われるのは、すぐに先生の加配なんだ、カウンセラーの加配なんだということなんですけれども、実はもっと有効なのは、事務局のスタッフを増やすということなんです。
 日本の教師たちは余りにも本来事務局がやるべき仕事をやり過ぎていると。そして、この事務仕事、例えば子供たちの給食費まで全部自分たちが集計してそれで取りに行くとか、本来なら事務局でやれるような仕事の多くを教師たちにやらせているがために本来の教育ができない。いろんな委員会だとかいろんな会議があり過ぎるために子供たちを見ていられなくて、実はいじめの芽を探し出せないでいるとか。
 何とかやはり、いわゆる教師たちが教育そのものをしっかりとやれるような周りの状況というものをつくっていかないと、根本的な、そして長期的な解決はできないと思うんですけれども、それについては大臣、いかがお考えでしょうか。
#174
○国務大臣(下村博文君) 全く御指摘のとおりだというふうに思います。やはり、教師というのは第一義的に生徒と向かう時間、これを一番取るような対応を我々が考えていく必要があるというふうに思います。事務方から上がってきた資料では、教員の例えばアンケート等の調査、事務的な仕事は大分減ってきたというデータが私のところに来ておりますが、しかし現場の教師からすると、多忙感というのはやっぱり相変わらずの部分があるのではないかというふうに思います。これは、是非先生方にも御協力をいただきながら、今後財務省に対しても、学校の教育現場の教師がより生徒に向かうことができるような時間が確保できる人員配置等、我々も一生懸命に対応してまいりたいと思います。
#175
○谷岡郁子君 そういうときに、実は女性の子供を持っている先生たちが今一番困っている問題というのは何かといいますと、いわゆる個人情報保護法に係るものというのを学校から持ち出してはいけないというふうに指定している学校が多いのです。そのために、例えばテストでありますとか宿題でありますとか採点を、昔の先生だと当たり前に持って帰って、そして自分の子供に御飯を食べさせてお風呂に入れて寝かし付けてからこたつに座って例えば採点をしたり、それからいわゆるいろんなことを書き入れたりした。ところが、今は個人名が入ってるような情報保護法に係るものは全部持って帰っちゃいけないよと言われている。
 そうすると、その女性教師たちは自分の子供の面倒は見ることができないんだと。実は教師の子供たちがいろいろと問題を起こすというようなことも近ごろ聞いておりまして、普通に先生が採点だとかそういう形で家に持って帰るぐらいのことが許されていないというようなことを緩和すると大分その現状は良くなるんですけれども、この辺の問題もちょっと調査をいただいて、今後先生たちが少しでも生活者として言わば持続可能であるような形をつくっていただけないかということをお願いいたします。
 これ、もし回答できるようであれば今御答弁いただきたいと思います。
#176
○国務大臣(下村博文君) 昔は学校の先生が自宅に持って帰って子供の作文やテストの採点をするというのは当たり前のように聞いておりました。個人情報保護法が壁となってできないということであれば、これは文科省の所管ではありませんが、やはり学校の先生方、特に今女性という御指摘がありましたが、より働きやすい環境づくりという視点から考えてみる必要があると思います。調査をさせていただきたいと思います。
#177
○谷岡郁子君 ありがとうございます。それによって本当に救われる、少しいわゆるゆとりを持つことができる教師というのが増えると思いますし、それが現場に反映されると思います。
 先ほど申し上げたところへ少し戻らせていただいて、スポーツで、柔道で、谷さんの方から、今フランスではどうなっているんだということがありました。フランスでは、もちろん柔道を子供たちに最初に教える場合はヘッドギア付けますよね。今、私も調べてみますと、日本における事故、そして柔道での死傷って物すごく多いんです。そして、同じ期間フランスでは全く死者というものは出ておりません。それはなぜなのかというと、先ほどの科学性ということもここで関連をするわけですけれども、どうやってけがをさせずに、いじめないだけではなく、暴力振るわないだけではなく、そのスポーツ自身が危害を及ぼすような構造にしないためにちゃんとした指導ができるのかということで、そういう意味での指導上のルールも確立している。だから、ヘッドギアも着けております。
 今、日本でも武術というものが必須科目になっている、しかしその現場ではヘッドギア一つ準備されていないということがあります。これは、無駄な死傷を避けるためにも、是非日本でもそういう意味において現場に導入すべきことではないかというふうに考えておりますが、大臣いかがお考えになりますでしょうか。
#178
○国務大臣(下村博文君) 学校教育、特に中学校で武道が必修化になりました。その中で、生徒の安全確保は最重要課題であるというふうに思います。
 ヘッドギアのお話を初めて伺いましたが、生徒の安全確保という観点から、ヘッドギアの装着だけでなく、マウスガードの使用、武道場のマットの整備など様々な取組が行われているところもあり、今後有効な取組については広く情報提供してまいりたいというふうに思います。
 また、柔道の指導者の資質、能力の向上については、平成二十五年度予算案において、柔道指導に携わる公立中学校及び高等学校の全ての教員を対象として講習会を開催できるよう、必要な経費を計上してございます。
 今後とも、安全かつ円滑な武道の授業ができるよう、万全を尽くしてまいります。
#179
○谷岡郁子君 ありがとうございます。
 私たちは、本当に子供たちが元気で朗らかで過ごすことができるということをこれから大事にしていきたいと思います。
 先ほど来、何人かの同僚たちからありました。いじめられる者はもちろんつらいです。でも、いじめる者もつらいということがあります。
 私の娘も軽いいじめを小学校のころ、大体四年生ぐらいでしょうか、されたことがあります。そのきっかけになりましたのは、参観日の日に娘が私のところへ走り寄ってきて、そして私が彼女を抱き締めたというのを、そのクラスメートたちに見られたことがきっかけでした。母親に素直に甘えることができるということに対して、いつも叱られている、そして親に過剰な期待をされている子たちが仕掛ける形で娘のいじめが始まったというふうに理解をしております。
 親に受け入れられていないんではないのか、そして親自身が非常に強いストレスを子供に与えている、場合によっては虐待まがいのことをしている、実は、そしてコンクリートの箱の中で息苦しい生活をしている、また貧困の中に置かれている。様々な、子供にとってなぜいじめるのかということが、やはりその根っこにはあるんだと思います。
 こういうものを我々は丁寧に一つ一つ見て、そして、その子たちに寄り添ってやることなしに日本からいじめを根絶することはないというふうに思います。また、それは学校現場だけにかかわらないことだと思いますし、文科省だけではできないことだと思いますけれども、子供たちを守っていくために国を挙げてそれをやっていかなければならないということを申し上げ、それに対する大臣の御所感を聞かせていただきまして、私の今日の質問を終わりたいと思います。
#180
○国務大臣(下村博文君) 私も小学校の三年生、四年生のころ、いじめに遭ったことがあります。それは、私の父が亡くなって母子家庭になったと、おまえのうちは親が一人しかいないということでいじめられました。そのとき、家に帰って泣いて母親に話をしたら、母親が私を強く叱って、そんなことで泣いたりいじめられるような弱い人間になっては駄目だということで、克服をしました。
 ですから、これは親が、いじめる側もいじめられる側も、しっかりと親が自分の子供に寄り添って対応していくということを含め、社会総掛かり的に対応することによって、小さな子供たちが生き生きと生きていけるような、子供たちが生き生きと頑張れるような環境づくりのために、文部科学省としても頑張りたいと思います。
 ありがとうございます。
#181
○谷岡郁子君 ありがとうございます。終わります。
#182
○委員長(丸山和也君) 本日は、心のこもった大変熱い質疑ができたと思っております。
 本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
   午後四時二十四分散会
ソース: 国立国会図書館
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