くにさくロゴ
2013/03/26 第183回国会 参議院 参議院会議録情報 第183回国会 財政金融委員会 第3号
姉妹サイト
 
2013/03/26 第183回国会 参議院

参議院会議録情報 第183回国会 財政金融委員会 第3号

#1
第183回国会 財政金融委員会 第3号
平成二十五年三月二十六日(火曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 三月二十二日
    辞任         補欠選任
     広田  一君     大塚 耕平君
 三月二十六日
    辞任         補欠選任
     川上 義博君     石橋 通宏君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         藤田 幸久君
    理 事
                金子 洋一君
                西田 昌司君
                野上浩太郎君
                竹谷とし子君
    委 員
                石橋 通宏君
                大塚 耕平君
                川合 孝典君
                川崎  稔君
                玉置 一弥君
                辻  泰弘君
                平野 達男君
                愛知 治郎君
                鴻池 祥肇君
                古川 俊治君
                松村 龍二君
                溝手 顕正君
                脇  雅史君
                山口那津男君
                中西 健治君
                広野ただし君
                大門実紀史君
                中山 恭子君
   国務大臣
       財務大臣
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(金融)
       )        麻生 太郎君
   副大臣
       内閣府副大臣   寺田  稔君
       財務副大臣    小渕 優子君
       厚生労働副大臣  桝屋 敬悟君
   大臣政務官
       文部科学大臣政
       務官       義家 弘介君
       経済産業大臣政
       務官       佐藤ゆかり君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        小野 伸一君
   政府参考人
       金融庁監督局長  細溝 清史君
       総務大臣官房審
       議官       平嶋 彰英君
       総務省行政評価
       局長       宮島 守男君
       法務大臣官房審
       議官       萩本  修君
       財務省主税局長  田中 一穂君
       財務省関税局長  稲垣 光隆君
       厚生労働大臣官
       房審議官     鈴木 俊彦君
       厚生労働大臣官
       房審議官     西藤 公司君
       厚生労働大臣官
       房審議官     神田 裕二君
       厚生労働大臣官
       房審議官     蒲原 基道君
       経済産業大臣官
       房商務流通保安
       審議官      豊永 厚志君
       国土交通大臣官
       房審議官     毛利 信二君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○所得税法等の一部を改正する法律案(内閣提出
 、衆議院送付)
○関税定率法等の一部を改正する法律案(内閣提
 出、衆議院送付)
    ─────────────
#2
○委員長(藤田幸久君) ただいまから財政金融委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 本日までに、広田一君及び川上義博君が委員を辞任され、その補欠として大塚耕平君及び石橋通宏君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(藤田幸久君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 所得税法等の一部を改正する法律案及び関税定率法等の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、政府参考人として金融庁監督局長細溝清史君外十一名の出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(藤田幸久君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(藤田幸久君) 所得税法等の一部を改正する法律案及び関税定率法等の一部を改正する法律案の両案を一括して議題といたします。
 政府から趣旨説明を聴取いたします。麻生財務大臣。
#6
○国務大臣(麻生太郎君) ただいま議題となりました所得税法等の一部を改正する法律案及び関税定率法等の一部を改正する法律案につきまして、提案の理由及びその内容を御説明いたします。
 まず、所得税法等の一部を改正する法律案について御説明申し上げます。
 政府は、現下の経済情勢等を踏まえ、成長と富の創出の好循環を実現するとともに、社会保障・税一体改革を着実に実施するなどの観点から、国税に関し、個人所得課税、法人課税、資産課税、納税環境整備等について所要の措置を講ずるため、本法案を提出した次第であります。
 以下、この法律案の内容につきまして、御説明をいたします。
 第一に、個人所得課税について、所得税の最高税率の引上げを行うほか、公社債等に関する課税方式の変更及び損益通算の範囲の拡大、住宅借入金等に係る所得税額控除制度の適用期限の延長及び最大控除可能額の引上げ等を行うことといたしております。
 第二に、法人課税につきましては、試験研究を行った場合の税額控除制度の控除上限額の引上げ、生産等設備投資促進税制及び所得拡大促進税制の創設、避難解除区域等に係る税額控除制度の拡充等を行うことといたしております。
 第三に、資産課税について、相続税の基礎控除の引下げ及び最高税率の引上げ等の税率構造の見直し並びに贈与税の税率構造の見直し及び相続時精算課税制度の拡充を行うとともに、非上場株式等について相続税及び贈与税の納税猶予制度の見直し及び教育資金の一括贈与に係る贈与税の非課税制度の創設等を行うことといたしております。
 第四に、納税環境整備について、延滞税等の見直し等を行うことといたしております。
 第五に、土地の売買等に係る登録免許税の特例等既存の特例について、その適用期限の延長や整理合理化等を行うことといたしております。
 このほか、附則において、寄附金税制、特定支出控除、交際費課税及び贈与税に関する検討規定を設けることといたしております。
 次に、関税定率法等の一部を改正する法律案について御説明申し上げます。
 政府は、最近における内外の経済情勢等に対応するため、関税率等について所要の措置を講ずるほか、適正な課税のための規定の整備を図ることとし、本法律案を提出した次第であります。
 以下、この法律案の内容について御説明を申し上げます。
 第一に、暫定関税率等の適用期限の延長であります。
 平成二十五年三月三十一日に適用期限が到来する暫定関税率等について、その適用期限の延長を行うことといたしております。
 第二に、適正な課税のための規定の整備であります。
 輸入貨物の課税標準となる価格の決定に係る規定について明確化を図るほか、延滞税及び還付加算金の割合の特例を見直すとともに、更正等に関する期限に係る規定の整備を行うことといたしております。
 その他、所要の規定の整備を行うことといたしております。
 以上が、所得税法等の一部を改正する法律案及び関税定率法等の一部を改正する法律案の提案の理由及びその内容であります。
 何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同いただきますようお願いを申し上げます。
 以上です。
#7
○委員長(藤田幸久君) 以上で両案の趣旨説明の聴取は終わりました。
 これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#8
○金子洋一君 おはようございます。民主党の金子洋一でございます。
 大臣、副大臣、そして局長さん方には、御出席を早朝からありがとうございます。
 まず、私からは、関税定率法の一部を改正する法律案についてまずお尋ねをさせていただきます。
 今回の改正は、適正な課税のために規定の整備として行われたものだと承っております。そして、その提案理由が、最近における内外の経済情勢等に対応するため、課税標準となる価格の決定に係る規定の整備を行うほか、暫定関税率の適用期限の延長等の措置を講ずる必要があるということであると承っております。
 この中で、具体的には、特許権の使用の対価、いわゆるロイヤルティーを課税価格に算入をしてということを明確化をしたということ、さらに、課税価格の決定に係る複数の規定について明確化をしたということであります。
 こうしたことが明確化をされたということは、これまで長い間の関税業務の中でいろいろな試行錯誤あるいは訴訟といったようなものがあったと承っておりますけれども、そういった現場の努力を含めて、そういった経緯、法改正に至った背景などについてまず御説明をいただけないかと思います。
#9
○政府参考人(稲垣光隆君) 法改正の背景についてのお尋ねでございますが、貨物を輸入する際に課される関税の課税価格の決定にかかわります法令の規定につきましては、一九八〇年、昭和五十五年でございますが、このときに整備されて以来、実に三十二年間改正がなされておりませんでした。
 他方、昨今の経済情勢等の変化に伴い、グループ企業間の取引が増加するといった輸入貨物にかかわります取引形態が複雑化している状況にあり、現行の課税価格の決定にかかわる規定では、その適用に関し必ずしも明確ではないといった場合が生じてきていたのも事実でございます。
 そのような中、誤った解釈によりまして課税価格を計算し関税の納税申告を行う事例、あるいはそのような納税申告に対し税関が行った更正処分等につきまして不服申立てや訴訟に発展する事例が増加している傾向にあり、私ども関税局、税関といたしましても、対応を余儀なくされてきたところでございます。
 このような状況を踏まえ、適正な課税をより確保する観点から、課税価格の決定にかかわります規定の一層の明確化を図ることとし、本法案をお願いした次第でございます。
#10
○金子洋一君 ただいまのお答えを聞いておりますと、適正公平に関税を徴収をするという観点からも非常に意義のある改正ではないかなと認識をいたしました。
 また、同じく税関の使命であります貿易の円滑化という点についても、過去の法改正によって認定事業者という制度を導入をされて、言わば、これまでの実績があってコンプライアンスの高い輸入業者についてはそのリードタイムを短くするといったような取組がなされているということで、これも進歩されている点であるかなと思っております。
 続きまして、特に一般からの関心が高い社会悪物品、覚醒剤ですとか拳銃の類いですとか麻薬ですとか、そういったものの輸入について、そういったものとのかかわりについて、国民の生活と安全を守るという観点からお尋ねをさせていただきたいと思います。
 こういったものを水際でとどめるというのが税関の大きな役割であろうと思いますが、こうした物品のうち、覚醒剤を例に取りますと、これは統計データなんですが、税関における二十四年の覚醒剤摘発件数は百四十一件と、前年が百八十五件でしたから、それよりちょっと減少はしておりますけれども、摘発量ベースですと四百八十二キログラム、覚醒剤ですね、過去十年で最高だということであります。
 しかし、これ一旦国内に目を転じますと、覚醒剤事犯というのは非常に多くなっているということでありまして、二十三年度の検挙人員は一万二千人を超えているということであります。非常に高い水準にあると。そして、ほとんどが海外から輸入をされているということであります。
 しかも、従来のような成田とか羽田とかそういったところだけではなくて、LCCが就航して旅客が増えている、そして安価ですから、そういったところに乗ってこられる方々の人数ですとかあるいは所得階層なんというのも変わってきているというふうに聞いておりますし、また、地方空港経由で入国をされるというケースも増えていると聞いております。
 こういったことを考えますと、密輸取締りの体制を強化をするということが国内のそういった事犯を防ぐ上でも大変必要になってくるんだろうと思います。
 また、模倣品ですとかいわゆる知財を侵害する物品といったようなものも百万点を超えているということであります。
 こうした状況を考えますと、まず、その前提となる出入国の人数なんですけれども、日本人も外国人も急増していると思いますけれども、例えば十年前、二十年前と比較をしてそれぞれどのくらい増えているのか、簡単に言うと何倍ぐらいになっているのか、そして同時に、同じ期間で税関の業務を担当をされる人員の増減はどういうふうになっているのかということについてお答えをお願いします。
#11
○政府参考人(稲垣光隆君) 出入国者数と税関職員数についてのお尋ねでございますが、平成二十四年の我が国におけます出入国者数は約五千五百万人となっており、十年前の平成十四年の四千四百万人に比べまして約一・二四倍、二十年前の平成四年の約三千百万人に比べまして一・七六倍になっております。
 他方、私ども税関職員の定員でございますが、平成二十四年度は八千七百七十八人となっておりまして、これを十年前の平成十四年度の八千三百十五人に比べますと一・〇六倍、二十年前の平成四年度の定員、七千八百九十六人と比べますと一・一一倍となっております。
#12
○金子洋一君 結構増えているなという印象がございます。
 ただ、最終的に、この税関の業務というのはやはり人手に頼るところが大きいと思います。大きなコンテナを開けてチェックをするにしましても、全てを一般の方にやっていただくわけにはいかないと。税関の職員が常に付いていて、物理的にそのコンテナの中から物を出してくるところまでは職員じゃなくてもできます。けれども、開けてチェックをするということになると、結局職員がやらなきゃいけないということになりますので、これはかなり仕事量としては随分と増えているんじゃないかなと私は思います。
 また、現在、定期運航をしていない、定期運航をしている外国貿易船などがない地方港とか空港とかについては税関の職員が非常に少ないというふうに聞いております。その都度、近隣から、定期じゃありませんので、入ってくるというタイミングに合わせて近隣から応援を集めると。で、応援を集めてチェックをするということになっているそうでありますけれども、やはりどうしても非常に手薄になるということであります。
 当然、密輸をしようとする人々は、そういう手薄なところあるいはそういう手順がこなれていないところを狙って入ってくるんだろうと思いますが、そうなりますと、こういったことは昔に比べると随分多くなっていると思いますので、それらに対する対応は今の定員では不十分なんじゃないかと思いますが、どうお考えでしょうか。
#13
○政府参考人(稲垣光隆君) 今御指摘がございました地方空港官署における平成二十四年度の麻薬等の社会悪物品の摘発件数でございますけれども、二十三年に比べまして五七%増と増えているところでございます。
 これは、極めて厳しい行財政事情ではございますが、税関におきましては、業務運営の効率化を図りつつ、国民の安全、安心の確保という税関に課せられた使命の遂行に支障を来すことのないように、所要の人員を配置するとともに、関係機関と連携して取締りの強化に努めた結果であるというふうに考えております。
#14
○金子洋一君 ありがとうございます。
 もちろん現状の人員で最大限できることをするというのはやはり当然の判断でありましょうし、そういう対応になるというのは仕方ないんだろうとは思いますけれども、やはりそういったところを何とか人員増で対応できないのかなということを私は問題意識として持っております。
 また、単純な人員増ということではなくて、様々な専門知識も必要になるということでありまして、関税法の第七十条というところを見ますと、ちょっと読みますが、輸出又は輸入について他の法令の規定により許可、承認等が必要とされているものについては、その輸出入の際に、これら他の法令の規定に基づいて許可、承認等を受けて、輸出入申告又は当該申告に係る審査又は検査の際にその旨を税関に証明し、確認を受けなければ輸出入の許可がされないということになっております。一言で他の法令というふうに申しましても、山のように我が国の中には法令があるわけでありまして、その法令一つ一つについて、一々六法全書を引いているわけにはまいりませんから、頭の中になければいけないということになります。そうなりますと、税、税と申しますか、輸出入に関するプロフェッショナルな知識がどうしても必要になってくるんだろうというふうに思いますが、そういったプロフェッショナルの育成というのもやはり必要になってくるんだろうと思います。
 そういったことを問題意識として持たせていただいて、やはり国民の安全と安心を守るという観点から、そしてプロフェッショナルを育成をするという視点を踏まえて、税関の要員確保、機構、定員の確保ですね、そしてまた、職場環境、労働環境の整備とか、働いておられる皆さんがきちんと能力を発揮できるような、そういった配慮というのが必要になってくるんじゃないでしょうか。特に機構や定員ですね、人員を増やしていく必要があるんではないかというふうに思うんですが、政府の所見はいかがでしょうか。
#15
○国務大臣(麻生太郎君) 今、金子先生おっしゃられるとおり、過去二十年間ぐらいになりますけれども、税関の業務量というのは物すごい増えてきておりまして、いわゆる御心配になっております国民の安全、安心の確保という観点からいきますと、税関にとりましてはこれは大きな責務、責任であって、お話がありました不正薬物、麻薬とか銃砲等とか、そういった社会悪に関する物品、またテロ等々も考えねばいけませんので、そういった対応も要る。
 加えて、今、知的財産という問題も、これもう一つ、知的財産の侵害物品というものも今増えてきておりますので、水際で取り締まるということはこれは一番大事なところで、国内に広まってからではとても遅いということだと思いますので、税関におきましては、人数ももちろん少々問題なんだと私どもも理解しておりますが、検査機器というものを充実させたり、IT化などによって業務の効率を努めるとともに、定員の確保、また御指摘になりました専門性の習得のための研修というものを充実させねばならぬ。
 また、先ほど、地方空港とか地方港におけます移動というのはかなりな距離で、対馬なんてことになるとえらいことになりますので、フェリーで渡したりなんかしておりますから、そういった意味で、職員などはそれに対しての処遇の改善又は機構等々の職場の環境などの整備を行ってきたところで、人数は確かに減らさねばならぬところはあるんですけれども、間違いなく減ってはおりますけれども、他の役人の数に比べて減り方は少なく抑えなければとても間に合わないということになっていると、私どもはそう理解しております。
 いずれにしても、極めて厳しい財政事情にはありますけれども、我々としては、今後とも、業務運営というものをより一層効率化を図るというのは不断の努力が要るんだと思いますけれども、今御指摘の点を踏まえて対応してまいりたいと考えております。
#16
○金子洋一君 大臣、ありがとうございます。非常に前向きなお答えをいただけたんじゃないかなと思っております。
 財務省と申しますと、私どもが公務員試験を受けたときには大蔵省でしたけれども、本省と国税庁とそして税関と財務局といったように試験が分かれておって、ともすると本省の方にばかりスポットライトが当たってしまうというようなことが、まあ今日は本省の方が多いかと思いますけれども、そういうような感じが私も隣の建物で働いておりましたからいたしました。やはり、現場で働いておられる皆さんですので、大変な御苦労があるんじゃないかなと思っております。そういったところに御配慮を是非ともお願いをしたいというところでございます。
 また同様に、国税の職員の機構、定員につきましてもお尋ねをしたいと思います。
 今度、消費税が増税になることが予定をされております。ところが、消費税の滞納の割合が非常に高くなっているのは、これはもう大臣もよく御案内のことだろうと思います。例を取りますと、平成二十三年度ですけれども、新たに発生した滞納税額が六千七十三億円あるということでありまして、そのうち消費税は三千二百二十億円ということで、五三%という非常に高い比率になっているということであります。こういう高い滞納の率がある中で、消費税をこれから五から八へ、八から一〇へと引き上げるということになりますと、やはりどうしても国民の納得が得られないところがあるんではないかと思います。
 それから、国税の業務につきまして申しますと、まだ私ども民主党の政権の下の二十三年度の税制改正で国税通則法が改正をされまして、今年の一月からは全ての処分に理由を付記をすることになったと。さらに、更正の請求の対象期間がこれまでは一年だったものが五年になったということで、要するにかなり昔のものも出てくる可能性がある。そして、昔のものですから、そういったチェックの作業にも手間が掛かるということが出てくるんだろうと思います。こうしたことで、国税の職員の皆さんの作業というのも大いに増えてくるんだろうなと思います。
 こうした中で、国税の適正公正な課税と、そして徴税をする、徴収をするということを実現をするために、また国税の職員の皆さんの機構や定員、定員の確保や機構の充実といった点についても、これは是非とも努力をしていただく必要がこの消費増税をする機会であるからこそあるんではないかと思いますが、大臣の御所見を伺いたいと思います。
#17
○国務大臣(麻生太郎君) 今、金子先生御指摘のありましたとおり、税務行政を取り巻く環境は、先ほどの滞納の話もございましたけれども、申告件数が増加をしておりますし、滞納残高というのは今言われたように高水準で推移しておりますというような事情に加えて、経済取引が国際化してきておりますので、取引実態の把握というのは極めて昔に比べて困難になってきているなどなど、いわゆる質、量共に更に仕事量が増える、難しいという状況にあろうと存じます。
 また、先ほど御指摘のありましたように、国税通則法改正など、これ的確に対応していくという必要が税務職員の場合どうしても要りますので、そういった点も踏まえますと、税務行政の困難性と適正な課税等々を確保する重要性というのを考えた場合には、これは国税庁につきましてはこれまでも、先ほど申し上げました事務の効率化はもちろんのことですけれども、所要の定員の確保並びに機構の改革、確保ということに努めてきたところではありますけれども、今言われたように急激に増えてきておるという状況というのを考えたときには、今後とも円滑な税務行政というのを行っていくためには所要の人員の確保、また機構の改革、確保等に引き続き努めていかねばならぬところだと理解をいたしております。
#18
○金子洋一君 ありがとうございます。是非そういった方向で取り組んでいただければと思います。
 私、麻生大臣が昔の経済企画庁長官でおられたときに、同じ時期に経済企画庁におりまして、経済企画庁は中央合同庁舎四号館にあって、大蔵省の建物が南の方にあると。そうすると、あの踊り場から身を投げた若い職員がいるというような話をよく聞きました。やはりそういった自殺、職務上の大きな負担に耐えかねた方が多かったんだろうと思うんですね。そういうことをよく、特に大蔵省、現財務省ではよく聞きましたので、是非ともその人員の確保という点には特段の御配慮をお願いをしたいと思います。
 続きまして、話題が変わりまして、平成二十五年度予算の後年度歳出・歳入への影響試算について、平成二十五年三月、財務省という、この試算についてお尋ねをさせていただきます。これ、前回にもお尋ねをさせていただきたいということで十分にお尋ねができなかったんですが、この内容についてかなり疑問な点があると私は思っております。
 まず、この試算なんですが、機械的な試算で非常にテンタティブなものであると。計数は試算の前提等に応じて変化するものであるというふうにまずページの最初に書いてはあります。書いてはあるんですが、やはり何と申しましても天下の財務省が影響試算というふうに銘打って出しますと、これはやはりかなり権威のあるもの、重要性のあるものだというふうに受け取る方が自然だろうと思います。
 例を取りますと、昨日の新聞ですね、朝刊に、「国の借金 新たな安全神話に陥るな」ということで、これは社説ですね。その社説の中に、金利上昇のリスクということで、ここからはその記事を読みますが、財務省の試算では、安倍政権の思惑どおり物価が二%上昇し、同じ幅だけ一四年度から長期金利が上がり、その水準が続くと、初年度二兆円、二年目四・九兆円、三年目八・二兆円と、国債の元利払い費は増えていくというふうに書いてあります。この数字自体は正しいんですけれども、やはり思ったとおり、非常に重たい試算だというふうに受け取られているというのが実情だろうと思います。
 やはりこういった重たい試算だと一般が受け取る、この場合には大きな新聞社ですけれども、こういった大きな新聞社、恐らくレクも受けているんだろうと思うんですね。それでもこういう受け取り方をしてしまうということになりますと、これは、現在財務省がしている以上の注意を払って計算をしなければならないでしょうし、公表もしなければならないんだろうと思います。
 そこで、お尋ねを申し上げます。まず、国債金利ということで、予算積算金利一・八%ですね、現在は、これを使うのでは国債費が過大に算出をされるのではないかと思っております。この一・八という数字は、私のお尋ねをしたところによりますと、過去一年間の平均が〇・八で、その上に一%を乗っけたと。なぜ一%を乗っけたかというと、国債利払いのためにきちんと余裕がなきゃいけないと。金利が急上昇をしたときに、一%というふうに乗っけておかないと、もう準備をしているお金が尽きましたなんということになりますと、まさに国債の信認にもかかわるということから、一・八という大きな金利を設定しているのが予算積算金利だということであります。
 となりますと、その予算積算金利そのものを国債費の計算に使ってしまうと、これは当然過大に算出をされるんだろうと思います。一・八が予算積算金利です。昨日の十年物の長期国債の金利、〇・五五五です。しかも、これから日本銀行が量的緩和を行うのではないかと言われている。量的緩和の手段として何をやるのかということになりますと、これは長期国債の買い切りオペしか、数十兆円買えるものというのはございません。
 今、日本銀行のバランスシートが大体百三十兆円ぐらいで、じゃ五割増やしますとしたときに、じゃ五十兆円、六十兆円買うということになれば、国の公債の発行残高は九百六十兆円ですから、既に一二%を日本銀行が持っている。そこに五十兆円乗っけるということになれば、昨日、〇・五五%だった十年物の長期金利は更に下がる可能性があるというふうに考えるのが普通だろうと思います。財政ファイナンスだと勘違いをされて、いや、もっと高くなる可能性もあるんだとおっしゃるような方もおいでですけれども、現政権は、いや、そんなことはないと、大量に国債を発行をして財政ファイナンスのようなことに陥らないように、まさにその目的のために後年度歳出・歳入への影響試算というのを出しているんだとおっしゃるわけですから、普通に考えれば、〇・五五五という数字よりももっと下がるというふうに考えるのが当たり前だろうと思うんです。
 また、これ名目金利の話なんですけれども、実質金利ということで考えますと、また後で物価上昇率についてお尋ねをいたしますけれども、我が国で言う大胆な金融政策と同じ内容の政策を取っている先進諸国では、ほとんどの国が実質金利がゼロ以下になっております。我が国も、物価連動国債とそして普通の国債の差、金利の差を取ったBEIという指標を見ますと、一・二%ぐらいの物価上昇率が予想されると。一方で金利が〇・五五五ですから、まさに実質金利がマイナス〇・六とか七とか、そういう世界になっているわけであります。
 となると、最初の問題意識に戻るんですが、やはり今の国債金利、ここの影響試算で使っている国債金利というのは高過ぎるんではないかというふうに思いますが、いかがお考えでしょうか。
#19
○副大臣(小渕優子君) 委員が御指摘になりましたこの国債費の積算に当たって用いられている予算積算金利でありますけれども、御指摘のように、将来の市場金利の予測、予想ではなくて、例えば年度途中において国債費が不足するようなことにはならないように、ある程度余裕を持った水準に設定をしているところであります。
 この二十五年度の予算金利、これ先ほど一・八%ということでありますが、足下の金利がおおむね一%で推移をしています。直近のこの三年間を見ますと、一・〇七、一・〇一、〇・八八ということでありますので、これでおおむね一%。そして平成十年以降、予算編成直前の金利に対し、翌年度の平均金利が最大で〇・八%上昇したというこの事例があることなどを総合的に勘案して、一・八%と設定をしたところであります。
 予算編成においては実質金利により国債費を積算しているということではなく、この予算積算金利により国債費を積算しているために、一般会計の将来の姿を推計する後年度影響試算においても、この予算積算金利、これを用いるのが適当ではないかと考えているところであります。
 また、このように予算積算金利、ある程度の余裕を持っている金利を前提としているために、この値と実質金利の水準というものを一緒に並べて論じるということも適当ではないのではないかと考えるところであります。
#20
○金子洋一君 もしそういうふうにお考えでしたら、その辺りをかなり過大に見積もっておりますぐらい太字のゴシックでどんと書いていただかないと、またこの新聞の社説のような受け取り方が出てきてしまうんじゃないかなというふうに私は心配をしております。
 また、さらに、もう一点疑問点がございますけれども、税収弾性値を一・一で計算をしているというふうに書いてあるんですね。これ確かに、私も以前にその税収弾性値を自分で計算をしたことがありますけれども、一・一というのは、バブルの景気のいいころが大体一・一とか一・一一とか一・二三とか、そのくらいの数字になっております。言わば、経済が軌道に乗っている状況での数字だろうと私は受け取っております。
 じゃ、最近のいわゆるデフレに陥ってからどんな数字になっているかということになりますと、これ、二〇〇九年から以前の数字で計算をしていますので、もう一年ぐらいデータが本来はあるんですが、済みません、自分でやっていますので、そこのところはお許しをいただきたいんですが、過去十五年の平均で見ますと、税収弾性値って四なんですね。過去十年で見ますと四・五、過去五年で見ますと三・八、過去三年で見ますと三・七なんです。
 やはり安定成長期と、そして需給ギャップがあって、稼働設備が例えば一〇〇の能力のところを九七とか九六しか設備が動いていない状況では、これは当然税収の入り方というのも違ってくるんではないでしょうか。つまり、一・一というのは過小評価ではないかと私は思うんですが、いかがお考えでしょうか。
#21
○副大臣(小渕優子君) 今後経済が成長していきますと、一般的には税収が増加すると考えられますが、具体的にどのように税収が推移していくかについては、今後の企業の収益の動向や多額の繰越欠損金がどのように解消されていくかなど、様々な要因に左右されるものと考えられています。
 後年度影響試算におきましては、中期的な将来の財政の姿を示すという性格上、税収の算出に当たっては、従来から、過去の安定的な経済成長期の平均的な税収弾性値である一・一、これを用いているわけでありますが、この一・一、バブル期以前の値として一・一ということであります。
 二〇〇〇年代の税収弾性値の平均は四ではないかという御指摘もあったわけでありますけれども、この二〇〇〇年代の税収弾性値については、経済成長率が大変ゼロに近く、また、税収の動向についても、経済成長以外の様々な要因、例えば税制改正ですとか、郵貯の満期が重なった、そうしたような要因が重なったために大変こうプラスマイナスが大きく出てしまったわけでありまして、ちょっと特殊な時期であったのではないかということを思うわけであります。そうした観点から、一番安定的なバブル前の一・一を用いているところであります。
#22
○金子洋一君 ありがとうございます。
 過去十五年の数字で見ますと、マイナスになっている時期というのは一年だけ、二〇〇三年なんですね。これがマイナス一・五九なんです。それ以外は全部プラスです。平均値では信頼ができないということでしたら、中央値、メジアンで取っても、大体やっぱり四ぐらいになるんですね。そのことを考えますと、今、今後の経済の動きを考えるのに、バブル期以前の平均の数字を取るのと、それともこの十年、十五年の数字を取るのと、どちらが今後の動向が読めるのかということになりますと、私にはどう考えてもこの十年、十五年の方が正しいんだろうなというふうに思います。
 ここはもっと詳しくやりたいところですが、また別のことに移らせていただきますが、さらに、物価上昇率ですね、これも随分後になってから二%に、消費者物価上昇率が二%になるんだというふうな計算の仕方になっておりますが、これは、日銀の二%の物価目標、これは二年以内に達成できるんだというふうに黒田総裁が言っておられます。
 やはり、黒田総裁、もちろんそれは日銀の独立性があると言われましても、これ御自分から二年ぐらいでできますとおっしゃっていますし、そもそも論として、今の政権がお選びになった総裁がそのまますんなりと総裁になられたわけであります。その総裁がおっしゃっている数字の動きとこの影響試算で動きの、物価上昇率の置き方が違うというのは、これは非常に大きな食い違いじゃないかと思いますが、その辺りはいかがお考えでしょうか。
#23
○副大臣(小渕優子君) 物価上昇率におきまして、この試算時点において、政府、日銀との間で取りまとめました共同声明におきまして、日銀によるこの物価安定目標が二%と設定されていたことを踏まえて、本試算の推計期間中に消費者物価上昇率が二%に達するものとして、その道筋というものを機械的に設定しているということであります。
 今回のこの黒田総裁の発言につきましては、我々がこの試算を始めて公開をする直前にこの二年で二%という御発言をされたものですから、黒田総裁の時期についての情報というものが十分にこちらの方では反映されていないということも御理解いただければと思います。
#24
○金子洋一君 ということは、次回以降、二年以内に達成できるんだと、しかも、黒田総裁就任が三月二十日ですから、そこから二年だということで考えていただいて、もっと早い時期に達成できるというような計算が出てくると解釈してよろしいんでしょうか。これは大臣にお尋ねをさせていただきます。
#25
○国務大臣(麻生太郎君) 日本銀行との共同声明の中で、この二%というインフレターゲットという言葉を使われました。もう金子先生よく御存じのように、インフレターゲットという言葉は、普通、高いのを低く抑えるのがインフレターゲットであって、デフレーションをインフレーションにするインフレターゲットなんて過去一回もありませんから、こういう言葉は。したがって、そういう意味では、日本銀行に二%ということを目標として定められましたことは、これは共同声明の中で最も大きな部分だったんだと、私どもはそう理解をいたしております。
 その上で、二%というものがもっと早めになるためには、少なくとも今回の安倍内閣で出されております三本の矢のうちの残り二本、いわゆる財政の機動的出動、また民間というか企業の経済成長というこの二つが出ませんと、日銀の金融だけが緩んでも物価が上がらないということは、もうこれは二〇〇〇年代の初めに何回か経験済みでもありますんで、そういった意味では、日銀と政府と両方でやって初めて二%ということが目の中に入ってくるところなんだと思いますんで、日銀にしてみれば、政府はちゃんとやってくれるんでしょうねというのが多分御疑問でおありだったろうと、私どもはそう想像しております。
 したがいまして、今回は一応両方でこの意見を、こちらも財政、また経済成長等と両方やらせていただきますと、確実に我々も一生懸命やりますということを申し上げて双方で共同声明ということになっておりますんで、私どもとしても二%の目標というものは、それはもう、かつて入省されたころは年率三〇%だ、三三%だ、上がった時代が昭和五十一年、五十二年ありましたんで、そういったようなことを考えりゃ、二%と言われても、今までデフレーションやっていたところがいきなり上げるに関しては、なかなか簡単に一%、二%、確実に行きますというのを申し上げるほどちょっと自信もあるわけではありませんので、これは最大限の努力をさせていただきたいと思いますが、うまくいけば、おっしゃるとおりに前倒しでできる可能性がゼロなんと言うつもりはございません。
#26
○金子洋一君 ありがとうございます。
 ただ、この点につきましては、内閣参与の浜田先生も本田先生も大臣とはかなり違う御意見をお持ちであります。私も浜田先生や本田先生の意見に賛成をいたしますが、これはちょっと大きい話ですのでまた別の機会にさせていただくといたしまして、この影響試算については非常に外部に与える影響というのは大きいと、財務省の試算ではという形で出てしまいますので、今私が申し上げましたような設定を仮に置いたということで、また財務省の中で計算をしていただく、そういうようなお願いをお受けいただけますでしょうか。
#27
○国務大臣(麻生太郎君) 資料をもう一回、先生が出された資料、勉強された資料というのをちょうだいいたせば、それを基にして計算させます。
#28
○金子洋一君 どうもありがとうございます。作業を楽しみにさせていただきますので、どうもありがとうございます。
 続きまして、租税特別措置法などに係る部分についてお尋ねをさせていただきたいと思います。
 租税特別措置法に係る施策の中で三十年以上適用が続いているという項目も多数ありますし、こういったものについては、租特という形ではなくて、もちろん恒久化されているものもたくさんありますけれども、本則化させるべきじゃないかと思いますが、いかがお考えでしょうか。
#29
○国務大臣(麻生太郎君) 租税特別措置法、おっしゃいますとおり、三十年以上の長きにわたって継続しているものも、適用期限が到来した、そういうときなんかには、その時々の事情を踏まえて見直しを行ってきたところであります。
 例えば、極端な例って、最も長い例の一つかと思いますけれども、五十年以上続いている船舶の特別償却につきましては、これは昭和二十六年にできておりますので、その当時は、これは老朽化した船というものを更新を促進するのを目的としてこれ行っておりますけれども、現在では、環境負荷の低減につながる、そういった船舶の取得を促進する制度としているところでもありまして、今般の二十五年度税制改正におきましても環境要件というものを変更するなどということにいたしております。
 こうしたことを考えますと、やっぱり特定の政策目的を持って定められております租税特別措置ではありますけれども、少なくとも、長期間継続していることだけをもって駄目ということではなくて、一律的に原則的な取扱いを定めることをこの法律の中でやるのは適切ではないので、今のままで適時変更させていただくという方が現実的ではないかなというように考えてはおります。
#30
○金子洋一君 ありがとうございます。
 ただ、船舶の特別償却のようなものでしたら、もう基本的に本則化をして、その要件としてこういう形で、今大臣のおっしゃったような形で乗っけていかれる方がいいと私は思います。
 続きまして、円安とか消費税の引上げに関連をしてお尋ねをいたします。
 円安による悪影響、産業に、あえて悪影響と申しますけれども、悪影響や、要するに輸入物品が高くなるという意味での悪影響です、あるいは消費税増税による悪影響にしても、これは政策を変更したことによって生ずるものであります。当然、放置をせずにきちんとした手当てをする必要があると私は思います。
 そこで、円安が去年の十一月の半ばから進んでおりますけれども、この円安が与える悪影響をどうやって打ち消すのかという対策としての意図が入っている税制改正とかそういったものは、今回の提出法案の中のどれが当てはまるんでしょうか。
#31
○国務大臣(麻生太郎君) 基本的に為替相場につきましてはちょっとコメントができる立場にありませんので、その点をちょっと考慮していただいた上で、昨今の為替相場の動向というのは、全体として見れば、多分景気にプラスの影響を与えている面の方が多いと、私どもはそう思っております。
 しかし、いずれにいたしましても、輸入財の価格というのが、石油、これ石油は為替だけではない、別の要素もございますのでいろいろありますけれども、これは十分考えておかねばならぬところであって、三本の矢によって企業の収益機会というものを増やしていくというのと同時に、雇用とか、それから賃金とか、そういったものの拡大を実現をさせていくということで国民の生活に経済成長の恩恵が幅広く渡るようにしていくというのが一番肝心なので、企業の収益力向上の成果というものが適正に、労働分配率みたいな形で見ますと、昔に比べて分配率は下がっておりますから、そういったのを考えて取り組んでいくようにしてもらうことが重要なので、我々としても、企業の経営者側に対して賃金上げろと言うのはちょっと自民党の仕事としてはいかがかなと正直思っておりますよ、真面目な話。
 だけど、そう思っていますけれども、ちょっと、そういうことにならぬと、何となくみんなじっとして、企業の内部留保だけがずっと積み上がって二百何十兆、上場企業の四三%が実質無借金というようなことで自己資本比率は物すごい高くなってきておりますというのは、もうかつてでは考えられないような状況になってきておりますので、そういったことを考えますと、やっぱり良くなった分だけはきちんと配当に回るか労働分配率を上げるかというような形のものが出てくる、また、設備投資に回ることによって企業の景気とか全体の景気が上がっていくというようなことにお金が回らず、ただただじっと、金利もほぼ付かない内部留保でずっと持っているというのは、ちょっと正直、私どもとしてはいかがなものかと思いますので、是非、こういった円安だった分に関しましては、それはきちんとした形で広く薄く、広く厚くでもいいですけど、広く行き渡るようにしていくようなことを考えるのが私どもの考え方であります。
#32
○金子洋一君 ありがとうございます。
 まさに、大臣のおっしゃる方向性は正しいんだと思います。ただ、今回のこの提出された法案の中で見ますと、そういった配慮というのは余り読み取れないというのが事実ではないかと私は思っております。
 例えば、その円安と消費税増税の悪影響と、あえて悪影響と何回も申しますが、について考えますと、我が国の非常に大きな産業、裾野が大きな産業で申しますと、自動車産業と住宅産業があると思います。その自動車産業について見ますと、これは円安によって輸入エネルギーが上がる、そうするとガソリンの価格なんかが上がってしまう。自動車のユーザーは当然ガソリン価格の上昇の悪影響を受けるわけであります。
 特に、自動車のユーザーというのは、世帯当たりの自動車保有率で見ますと地方が非常に高くなっております。東京都内ですと、世帯当たり〇・五台とか四台とか、そのくらいですけれども、済みません、ちょっと適当な数字になるかもしれませんけれども、愛知県のある村、村といっても、これ実は地元に発電所があったと思うんですが、その村では二・五台とか、そのくらいの保有台数になっているということで、地方の方が保有台数が多いと。
 となりますと、ガソリン代の上昇というのは、地方により利いてしまうというか、地方の車ユーザーに利いてしまうということになると、そういったものを前回代表質問でお尋ねをしましたら、ガソリン代については結構厳しいことを大臣おっしゃっていましたけれども、そこを捨象させていただくとしても、そういった自動車関係の、自動車重量税などの自動車関係諸税については、地方の負担の方が実質的に世帯当たりで見ると大きいわけですから、二十六年度の税制改正を待つということを言わずに、是非とも直ちに引下げの方向で検討を始めていただきたいと思うわけですが、いかがお考えでしょうか。
#33
○国務大臣(麻生太郎君) 確かに、地方の方がそれは公共機関の絶対量が大変不足しておりますし、比率も圧倒的に、東京の場合、通勤している方の七十何%は公共機関というものを使っておられるのに比べて、地方に行きましたら、その比率は、もうパーセントは全く違いますので、そういった意味では、地方の方が軽自動車を含めまして一家に二台、別に驚く数字ではないというふうに、私のような筑豊でもその比率は二倍、二・何台というのはもう間違いないところだと、私もそう思っております。
 いずれにしても、自動車重量税等々を含みます、車体課税とかいろいろあるんですけれども、今般の与党税制改正においては、少なくとも財源が大きなもの、非常に大きな財源になりますものですから、財源を確保した上で一層グリーン化などの観点から見直しを行うということで、方向性は示されたということなんだと理解しておりますが、この見直しにつきましては、昨年六月のあの民主党と自民党、公明党の三党合意でも、これ消費税率八%の引上げ時までに結論を得ることとされていた課題であります。今般の与党の税制大綱とかまた税制抜本改革法第七条の規定を踏まえて、今言われましたように、平成二十六年度の税制改正に向けて今検討が進みつつあるところだと理解をしておりますけれども、直ちにと言われると、ちょっと今この年度中にというのはなかなか現実問題としては難しいというように理解しております。
#34
○金子洋一君 昨年の三党合意の時期は、円レートは七十八円とか九円でした。今は九十五円です。単純計算で申しましても二割近く変わっているわけですから状況は全く違うので、そこは是非とも御対応をお願いしたいと思います。
 続いて、先ほども申しました住宅についてです。
 これは国交省さんにお尋ねしますけれども、消費税の引上げ対策で住宅ローン減税をなさるということであります。これ自体は非常にいいことだと私は思います。ただ、どうしても新築中心になってしまう、もちろん中古が排除されるものではないことは分かっておりますけれども、新築中心になってしまうと。でも、新築住宅というのは、資材の面でも労働力の面でも、やはり駆け込み需要になりますと非常に価格も上がってしまうと、ボトルネックがそこに生じるということになります。でしたら、既にある住宅を活用する、あるいは魅力を持ってもらうと。中古住宅などの既存住宅ストックの流通の活性化といった方策を取ることがこの駆け込み需要対策としても非常に有用だと思いますけれども、この点、いかがでしょうか。
#35
○政府参考人(毛利信二君) 中古住宅についてのお尋ねでございますけれども、御承知のとおり、近年、住宅の一次取得者となります三十代の平均年収が継続的に減少傾向にありますなど厳しい環境の中にある中で、住宅取得は一時の大きな負担をもたらしますので、消費増税前の駆け込みや反動減を防ぐという意味でローン減税の拡充とか適切な給付措置を講ずる必要があるというふうにされたところでございますが、加えまして、国民の多様なニーズにこたえる住宅を提供する意味からも、御指摘のとおり、良質な中古住宅の流通やリフォームの促進を図る必要があると認識しております。
 一方で、御承知のとおり、我が国の中古住宅流通あるいはリフォーム市場は欧米に比べましていまだ規模が小さく、その拡大のためには、住宅の質に対する不安の解消ですとか適切な評価、リフォーム等による質の維持向上などが大きな課題になっております。このため、この度の税制改正と平成二十五年度予算案におきまして、耐震、省エネ、バリアフリー改修のリフォーム減税の延長、拡充や適用要件の合理化をお願いいたしておりますし、あわせて省エネ改修等への予算措置の拡充などを図りますとともに、あわせて住宅瑕疵保険制度の普及促進などにも努めております。
 国民が中古住宅を選択いたしますのは、価格が大きな要素。個人間取引は消費税非課税でございます。加えまして、質の不安の解消を図りまして、無理のない負担で良質な住宅を取得できますように、中古住宅の流通とリフォームの促進など、多様な選択肢の提供に積極的に努めてまいりたいと考えております。
#36
○金子洋一君 ありがとうございます。そういった方向で是非とも進めていただきたいと思います。
 私の持ち時間があと五分強になりましたので、ちょっとスピードアップをさせていただきますけれども、円安の影響をダイレクトに受けますのが輸入エネルギーの価格であります。そこで、揮発油税とか石油石炭税を始めとするエネルギー関係諸税を引き下げる必要があるのではないかと私は考えます。もちろん、先ほど大臣が財政的余裕がとおっしゃったことは承知の上でお尋ねをさせていただきます。特に、地方空港の整備はもうほぼ終了しているというふうに私は思いますので、航空機燃料税の更なる引下げが必要ではないかと思います。この点について、いかがでしょうか。
#37
○国務大臣(麻生太郎君) これは、今おっしゃいますように、確かに石油関係諸税の税率水準というのが一番、言っておられるんだと思いますが、これはいわゆる地球温暖化対策等々の話があってみたり、もちろん財政事情もございますけれども、また、税制抜本改革法第七条等々に書かれているところでもありますので、これは慎重に考えていかなきゃならぬところなんですが、航空機燃料税につきましては、この平成二十三年度の税制改正において、国際競争力の確保の観点から軽減すべきだという御意見等がある一方で、空港整備勘定等々に一般会計からの繰入れが今行われておりますので、そういった意味で、地球温暖化対策との関係を考えますと、これは大幅な引下げというのはなかなか難しいんだとは思いますが、いずれにしても、平成二十六年の三月末までの間にリッター二十六円を十八円までに下げるということはやらせていただこうと思っております。
 航空機燃料税の税率の更なる引下げということなんだと思いますけれども、空港の機能強化に向けた財政需要とか、また、空港整備勘定に一般会計から繰り入れられているのは平成二十五年度だけで見ましても約二百六十億ぐらいありますので、そういったことを踏まえておりますと、ちょっと今これ検討せなきゃならぬとは思いますけれども、そういった意味では、今の財政事情等々、必要な一般会計から繰り入れているという事情もございますので、これ以上また更に引き下げるというのを今考えているわけではございません。
#38
○金子洋一君 ありがとうございます。
 私は、円安による輸入価格上昇というのは何とかして対応しなきゃいけないと思っております。
 次の質問でございますが、リーマン・ショック直後の円高が随分続きまして、その結果、造船業界ですとか海運業界というのは非常に大きな打撃を受けました。しかも、彼らはもう数年先のスケジュールを作ってやっておりますので、非常にその点、痛みが深いものになっております。
 そこで、もう現在でも進められているわけですけれども、トン数標準税制を更に拡充をしていくべきではないかと思います。そういうことによって海運日本というのを何とかして取り戻すことはできないかというふうに思うんですが、大臣のお考えをお聞かせください。
#39
○国務大臣(麻生太郎君) おっしゃるとおりに、リーマン・ショックの起きる前、たしか一ドル百八円だったと記憶していますので、今とは、円安になったとはいえ全然状況が違った時代だったと思っておりますので。
 今言われましたように、このトン数の標準税制とよく言われる部分なんだと思いますけれども、これは、日本の船舶の増加に取り組んでおります外航関係をやっております海運業者への支援というのを目的として、平成二十年度に創設されております税制であろうと存じます。
 稼働日数やトン数に掛けてということで、みなし利益で課税するというものなんですが、平成二十五年度の今回の税制改正におきまして、これ、経済安全保障の観点というのを考えて、この税制の適用対象というものを拡大させていただいて船舶の増加を加速させるということで、外航海運業界において、日本の船舶だけじゃなくて一定の外国船舶による収入もその対象とするということに拡大をさせていただいたりして、いろいろやらせていただいておる途中であります。
#40
○金子洋一君 更なる拡充を是非とも御検討をお願いしたいと思います。
 最後の質問になります。これは金融担当大臣としての麻生大臣にお尋ねをさせていただきますが、少額上場株式等に係る配当所得等の非課税措置、いわゆる日本版ISAですけれども、これを更に強化することが必要ではないかと私は考えるんですが、その点いかがでしょうか。
#41
○国務大臣(麻生太郎君) インディビジュアル・セービング・アカウント、通称ISA、少額投資を促進する非課税制度の話なんですけれども、これはもう先生よく御存じのように、日本の場合は個人金融資産が一千五百兆を超える、加えて、その中で現預金が八百五十兆ぐらいあるとかいう、ほかにたんす預金も何十兆もありますよなんというんで、極端に現預金に偏っておるのが日本の個人の方々の金融資産の内容でございますので、いわゆるリスクを取って投資するというような気はほとんどおありにならぬ。まあ、昔損したとかだまされたとか、いろいろこれまでの経験もおありなんでそういうことになっているんだと思いますが。いずれにしても、極端に外国に比べても少ないので、この家計というものを考えたときに、安定的な資産の形成の支援というものと、また、経済成長に必要な成長資金というものを供給拡大をしていただくという意味におきましても、この両立というものを目指して、今一月からの導入を目指しておりますところです。
 いずれにいたしましても、この趣旨をどれくらい理解していただけるかというところが我々今後考えねばならぬところなので、証券会社は言うに及ばず、こういったものに関係する投資信託等々、是非これに関して御理解をということで、広く広めていただく、広報、広報というのか、広報等々につきまして是非やってもらいたいということと、この利用実績が上がっていくのを見ましても、目先十年とかいう形にしておりますし、一人一口とかいう形で、いろいろインセンティブをきちんと出すような形にはしておりますけれども、それらが効果が上がれば、今おっしゃられるような方向で更に拡大させていっていただけるような方向にできればと、私どももそう思っております。
#42
○金子洋一君 ありがとうございました。
 成長戦略という意味でも意義があることだと思いますので、是非とも推進をよろしくお願いいたします。
 以上で終わります。どうもありがとうございました。
#43
○辻泰弘君 民主党・新緑風会、辻泰弘でございます。
 麻生大臣には、九年前の総務大臣のとき、また七年前の外務大臣のときに御質問をして以来でございまして、総理のときには、私は参議院の厚生労働委員長をしておりました関係上、残念ながら御質問できなかったということで、久しぶりに御質問をさせていただきまして、昔からはらはらどきどきするような御答弁が多かったので、今日もそのような御答弁がいただけるんじゃないかと期待をいたしております。
 昨年の十二月まで与党の立場でございましたので、与党と野党の立場でちょっと何か立ち位置が不確かなような状況の中での質問にもなろうかと思いますが、与党の残滓が残っているようなところも御質問の中であろうかと思いますが、御理解をいただきたいと思います。
 さて、最初に、二つの法案になっておるわけでございますけれども、所得税法と関税定率法、それぞれにつきまして先ほど金子理事の方から御質問もあったわけでございまして、重複することもありますけれども、その二つの法案について二点、私の方からも確認をし、御質問をさせていただきたいと思っております。
 まず一つは、金子理事からも御質問ありましたけれども、自動車関係についての税制のことでございます。
 先ほど大臣から御答弁もございましたように、昨年の三党合意の中で、自動車取得税及び自動車重量税については消費税率八%への引上げ時までに結論を得るということが合意をされ、それに即して与党内でも御検討がなされ、方向性が出されたということは理解をしているわけでございますけれども、私どもといたしましては、先ほど金子理事からるる御説明がございましたけれども、やはり、廃止、引下げに向けて抜本改革、速やかにすべしと、このような主張をこれまで展開してきたところでございまして、衆議院の方でも法案を提出させていただきまして、自動車対策については、取引価額が高額であり、消費税率の引上げに伴う税負担が重いこと、経済への影響が大きいこと等に鑑み、平成二十六年三月末に自動車取得税を廃止する、平成二十六年三月末に自動車重量税の当分の間税率を廃止するとともに、自動車重量税を更にグリーン化する、都道府県及び市町村の財政に影響を与えないよう措置を講ずることとしていますということが提案理由説明で書かれているとおりでございますけれども、そのようなことで法案を提出させていただいたところでございます。
 そういった中で、先ほど御説明あったわけでありますけれども、今後この自動車関係諸税について大臣としてどのように取り組んでいかれるのか、そのことについて御方針をお伺いしたいと思います。
#44
○国務大臣(麻生太郎君) 御存じのように、税制抜本改革法の第七条で、安定的な財源を確保した上で車体課税の見直しを行うとされておりますのはもう御存じのとおりです。
 民主党提出の法案につきましては、安定的な財源確保につきましては盛り込まれているところがなかったというところもありまして、自動車取得税、これは地方税ですけれども、の廃止、約これで一千九百億円、二千億弱だと思います。また、自動車重量税の当分の間の税率廃止というので、これで約二千四百億円という大幅な減税を行うということにしておられるんですが、これ、税制抜本改革法の第七条の考え方とはなかなか整合性が合っていないと、私どもはそう考えております。
#45
○辻泰弘君 まあ実業に通じられた大臣でいらっしゃいますから釈迦に説法になりますけれども、やはり日本のリーディングインダストリーだった自動車産業というものが大変厳しい状況の中で、産業、雇用の海外流出、空洞化というふうな状況が現実に進行しているわけでございまして、そういった意味からも、この問題につきまして与党の中でも抜本改革、廃止、引下げに向けてお取り組みいただくように重ねてお願いを申し上げておきたいと思います。
 それからもう一点、これも先ほど金子理事の方から御質問がありました関税定率法の方にかかわることでございます。
 関税定率法の改正につきましては、内容的には了とするところでございますけれども、要はそれに向けて執行体制をいかが取るかということについてでございますけれども、私の地元、おられます鴻池先生と共通の兵庫県でございますけれども、この兵庫県には神戸税関があるわけでございますけれども、その管轄は山口県を除く中国地方と四国四県という非常な広大な地域でございまして、多くの地方の港とか地方空港を抱えておって、税関の職員の皆さん方が限られた人員の中で全力で頑張っていただいているのをつぶさに見ておるところでございます。
 そしてまた、最近、税関において、不正といいますか、薬物の蔓延という状況の中で非常に困難な状況があるということがあるわけでございまして、そんな中で、地方のその対応に向けて全国からいろんな方々にたくさん集まっていただいて何とかしのいでいるという状況を聞いているわけでございます。
 こういった状況、やはりこれだけの国際化の状況の中ではやむを得ないことでありますけれども、やはり財政状況厳しき折柄、また公務員の定数ということもあることは承知しておりますけれども、やはりこの部分は国民の安心、安定、生活の安定、公正、適正な行政の遂行、また薬物等の危険性の除去と、こういった面から人員確保については特段の配慮あってしかるべきだと、このように思っておりますが、その点についての大臣の御見解をお伺いしたいと思います。
#46
○国務大臣(麻生太郎君) 今、辻先生御指摘ありましたように、平成二十四年の税関におけます地方港とか地方空港の覚醒剤だけの摘発件数を見ましても、前年に比べまして倍、約二・二倍ぐらいになっております。倍というと結構な数になりますので。また、そういった点は、今言われましたように、国民にとりまして安心とか安全とかいうんで、こういうのは一回中に入った後の方がよほど取締りの方が大変ということになりますので、税関の重要な役割であろうと、私どももそう思っております。
 したがいまして、これ、人数がなかなか難しいし、加えて専門性もかなり高いものを要求されることもあるんですが、少なくとも税関としては、これは検査機器をきちんと対応させるとか、またIT化などによっていわゆる業務の効率化というものを努めるとともに、これは所要の人員の確保、しかもかなり専門色の高い人員の確保等々に努めていかねばならぬところだと思っております。
 人材の確保というのは、むしろ減らしておる全体の中にあってここだけ増やすというのもなかなか難しいところでもありますので、財政事情も行政事情も両方とも厳しいところではあろうと存じますけれども、この所要の人員の確保というのは、これは多分、絶対的な条件だと、日本の治安の良さを維持する意味でも絶対的な条件の一つだと思いますので、人員の確保に努めてまいりたいと思っております。
#47
○辻泰弘君 先ほど御答弁ございましたように、定員確保に御努力いただいてきた経緯というお話もございましたし、効率化ということももちろん必要でございますけれども、今大臣から御説明いただきましたように、やはりこれだけのいろいろな多様化した困難な状況が次々と起こっている中でございますので、元々の定員確保についても御努力をいただきますように御要請を申し上げておきたいと思います。
 ここ以降、税制改正全般について、ある面、大きな話についてお伺いをしたいと、このように思う次第でございます。
 それで、消費税率の引上げということを民主党政権の野田政権のときに、昨年の八月十日に一体改革ということでやらせていただいたわけでございます。それで、振り返りますと、麻生大臣が総理でいらしたころどのようなことをおっしゃっていらしたかということを振り返りますと、毎年一兆円ずつ増えてまいります社会保障関係の中で、我々はそれに対する財源の手当てもしなければならない、消費税というものは我々としては避けて通れないと思っている、財源というものをきちんと提示してこそ初めて政策は実現し得ると、こういうふうなことをおっしゃっておられました。
 私も民主党の政権の中で、まあ反対意見も多うございましたけれども、やはり今、大臣が昔おっしゃっていた言葉とほぼ同じような考え方の下に増税やむなしという立場で議論をしていた人間でございますけれども、改めまして、このようなことを総理のときにおっしゃっていた、今は財務大臣としての麻生大臣として、民主党政権において三党合意ということで、自民党の皆さん方、公明党の皆さん方にも良識を持って御協力をいただいた中で成立をさせたわけでありますけれども、その民主党政権において消費税の引上げが決まったことについてどのように評価をされているか、お伺いしたいと思います。
#48
○国務大臣(麻生太郎君) これは、辻先生、評価は高いです、正直申し上げて。この話をしたら、まず選挙は負けますから。それが歴代みんな避けている大きな理由でしたから。私も、三年後やらせていただきますと申し上げて、ぼろ負けしました。今回も似たように、やりますと言われてめちゃ負けておられますんで、そういった意味では、これ税金の話はもう二度と触れなくなるぐらい、今回の話、前回の選挙の話の結果は非常に大きなものだったんだと思いますが、それが少なくとも三党合意という形でああいうことができたということは、私どもは、これは多分ほかの国から見ても、与野党対立でほとんどの法案が否決されるとかいうことが続いているアメリカでも、ほかの国においても、何で日本だけは与野党で三党合意ができてというのは、これは民主主義とか議院内閣制の成熟度はこっちの方が優れているんじゃないのって私は何回もいろんな人に言ったことがあるんですけれども、そういったぐらい、これは八月十日の分は大きかったと、私はそう思っております。
 いずれにしても、今回、今言われましたように、これは少子高齢化やら含めまして、私どもにとりましては社会保障というものが年率一兆円とかいろんな形で進んでおります中で、この消費税というものは避けて通れないと私どももそう思っておりますんで、あの三党間の協議でこれが進められたことは私は極めて大きな意義があったと、私どももそう思っております。
 いずれにしても、これが成立いたしておりますけれども、景気をきちんと良くした上でやらないとえらいことになって、税法は確かに上げられたけれども税収は減ったなんて形になったら意味が全くないことになりますんで、きちんとした景気対策ができておかぬといかぬことなんだと思いますんで、例の附則等々、いろいろ書かれておりますとおりなんで、ああいった形を踏まえてきちんと景気対策を含めて、これが実際に実行、施行してもそういったことが、不測の事態が起きないような形に我々としても今後とも努力をし続けなければならぬところだと思っております。
#49
○辻泰弘君 大臣から御評価もいただいたところでありますけれども、言葉は適切かどうか分かりませんが、私は日本の政治は捨てたもんじゃないと、やはり三党で答えが出せたと。しんどいことでございますし、不人気なことでございますし、民主党、泥をかぶったといいますか、ばか正直に対応したような御指摘もいただいたところではありますけれども、やはり国のため、国民のためにやらざるを得ないことをやったという意味においては良かったというふうに思っておりますが。
 振り返りますと、小泉政権のような人気の高いときにこそ自民党がやっていてよかったんじゃないかと思うんですけれども、その点は思われませんでしょうか。
#50
○国務大臣(麻生太郎君) 小泉内閣の前半でやられるべきだったというのは多くの識者の言われるところであろうと存じますが、その段階で私のときには上げないと言われたのが、非常にこの話を難しくした大きな遠因になった大きな理由の一つだろうと、私もそう思います。
#51
○辻泰弘君 そこで、今回消費税を来年から八%、再来年の十月から一〇%ということの引上げになるわけでありますけれども、もちろん、将来的に見ますと、それだけで社会保障の需要を賄うことができるかどうかということはまだ疑問といいますか、恐らくそれでもカバーし切れないんだろうと思うわけでありますけれども、しかし当面の対応として、社会保障の財源というものを四経費ということで決めさせていただいたわけでございます。
 そういった限りにおいて、やはりかつてのような、まさに小泉改革のときに行っていた機械的な歳出削減、一兆円ぐらい伸びる社会保障の経費というものを毎年二千二百億カットすると、一兆一千億割る五ということでやっていらしたわけですけれども、そのような機械的な歳出削減によって医療難民、介護難民というふうな状況もあったわけで、そのようなことも麻生大臣も国会でも御答弁されているところがございますけれども、そういった反省も込めつつ、また今次、消費税というものが完全に十全とは言えないかもしれないけれども、しかし、これほど国民の負担をお願いして社会保障の経費に充てようというふうに御提示をし、そのことをさせていただこうとしている限りにおいて、機械的な歳出削減ということはもうなしにすべきだと、このように思うんですけれども、その点についてはいかがでしょうか。
#52
○国務大臣(麻生太郎君) 社会保障費の増加と公の費用ということになろうと存じますけれども、これ、対応、反対側に国民の税負担という形の、これ、こっちが上がったらこっちも上げる、こっちも上がったという、そういうイタチごっこみたいな形というのを避けねばならぬというのは大変重要な観点なんだと、私どももそう思っております。
 したがいまして、社会保障費の伸びを抑制するためには、これはやっぱり社会保障費を重点化したり効率化したりするようなことを考えないと、やっぱり持続可能な社会保障制度というものの構築はなかなか難しいんだと思っております。したがいまして、そういった観点を踏まえまして、私どもは、自立又は自助というものを第一にして、共助と公助とを組み合わせてというようなことを申し上げておりますけど、弱い立場の人に対してはこれはしっかりと援助の手を差し伸べるというのは、これは基本的な考え方を踏まえて対応していかなければならぬのは当然のことだと思っております。
 現段階で特定の方向性が決まっているわけではありませんけれども、いずれにいたしましても、社会保障制度改革国民会議というのを開かれることになっておりますので、その議論を踏まえて、私どもとしてはしっかり対応していきたいと考えております。
#53
○辻泰弘君 大事なことなので、もちろんそういう議論を踏まえて御対応もあっていいと思うんですけれども。
 実は、かつて総理のときに麻生大臣は、二千二百億円というものに関しましては、旗はきちんと立てておかなければならないものだと思っているということで、旗は立てておく、しかし補正で裏打ちするとかいろんな形で補填するということもおっしゃっておりまして、どういう意味があるのかというのはよく分からないところもあるんですけれども。
 いずれにいたしましても、財務大臣であり副総理であるお方でいらっしゃるわけでありますから、自民党の政権における、安倍政権における一番の中心のお方であるわけで、その方がそのことについてやはり一つの大きな御見識をお持ちいただきたいと思うので、やはり自民党の中でも御批判のあった二千二百億の削減と、二千二百億というふうに限りませんけれども、単純に機械的に削減するという、それぞれの経費の見直しというものはそれはあると思うんですが、単純に機械的にやるということで非常にいびつなことをしていた経緯がございますので、その点については、やはりない、そういう機械的な歳出削減はしないという方針をお持ちいただきたいと思うんですけど、いかがですか。
#54
○国務大臣(麻生太郎君) 極めて機微に触れる部分もございますので、そういった意味では、こういったものを機械的にということは、作業としては一番単純な作業なのかもしれませんけれども、避けなければならぬところだと思っております。
#55
○辻泰弘君 同時に、小泉改革時代のことをお聞きすることになるんですけれども、今次税制改正におきましても固定資産税の特別措置的な対応もあったことにかかわることでありますけれども、郵政民営化のことでございます。
 郵政民営化は、思い出しますと、郵政民営化で奇跡を起こすという時期もあって、非常に、今から思うと何だったのかというふうにも思うところがあるわけですけれども。今から四年前の、総理でいらしたころの麻生大臣が、郵政民営化、賛成じゃありませんでしたと、サインしないとかいってえらい騒ぎになったと、私は総務大臣だったけれども、反対だと分かっていたので、郵政民営化担当から外されたというふうなこともおっしゃっていたわけでございます。
 そういう経緯がある中で、昨年、これも自民、公明、民主の三党によりまして、あと国民新党も入られて民営化の見直しということが行われたわけでありますけれども、振り返りまして、あの小泉改革時代の郵政民営化というものについての評価、また、昨年成立いたしました改正についての大臣としての評価をお伺いしたいと思います。
#56
○国務大臣(麻生太郎君) 郵政民営化というものに関してのお話でしたけど、評価ですけれども、これは郵政事業の経営の自由度を高めたという点においては、私は、国民の資産でもあります郵便のネットワークというようなもの、また郵政資金というものを最大限に有効に活用する等々を考えますと、これは経済の活性化に資するという点に関しましては積極的な意義も考えないかぬと、私どもはそう思っております。
 他方、御存じのように、便利性とか利便の向上とか、地方におりましたときの場合、やっぱり経済の効率化の目的とはまた別の次元で、グローバルサービスとかいろんな意味で、私どもとしては法律の基本的な理念というものをきちんと踏まえた上でやらないと、これは、サービスの提供を確保するというようなところを考えたときには、やはり昨年の三事業、郵便業務と銀行業務と保険業務、この三つを一体的なものにするというような形でやらせていただいたのは、元々あれは総務省で考えた原案に近いものでもありますので、私どもとしてはあの案の方がよりきちんとしたサービスを確保した上でかつ収益性も確保できる案なんだと思いますので、あの改革というか改正というのは、私どもとしては郵政民営化を本来目指したのはあの形の方が正しかったんではないか、今度改正された方が正しかったのではないかと、私の個人的な意見を言わせればそういうことになります。
#57
○辻泰弘君 この問題は本日の本題ではございませんので、これぐらいにしておきたいと思いますけれども、いずれにいたしましても、今御評価をいただいたような形で当面着手しているわけでございますけれども、やはり政治が経営だとか雇用の問題についてかなり翻弄したという経緯があろうかと思います。
 そういった意味で、公共性だとか地域への貢献だとか、経営の自由度あるいはユニバーサルサービス、そういった形で法律が固まったわけでございますし、その中で新たなスタートが始まったわけでございますので、これ以上政治が翻弄しないようにそれぞれ心していきたいと、このことを申し上げておきたいし、また、与党におきましてもそのようなお立場でお取り組みいただくように申し上げておきたいと思います。
 それと、同じころに大臣がおっしゃっていることで、実は、答弁を調べていて、同じ日の答弁なんですけれども、麻生総理が、「いろいろなところで市場経済原理主義ではなかなか問題があるとはっきりしたところについては、いろいろな形で改善がなされていくのは当然なのであって、」と、こういうフレーズがございまして、これは質問に対しての御答弁ということなんでございますけれども。
 そこで、私、最近、安倍政権に替わられて、経済財政諮問会議、規制改革会議、産業競争力会議と、竹中さんという麻生大臣の非常に親しいお友達も入っていらっしゃるわけでありますけれども、こういった中で、かつてのように、解雇規制の緩和だとか、裁量労働、派遣労働の規制緩和だとか、あるいは時間外労働、残業時間を払わなくていいような法改正だとか、こういったことが再び頭をもたげていると。小泉改革のときも、そういったことがあって、結局さたやみになったところもあるわけですけれども、派遣労働などはかなり進んで、それが反省になって、また私ども政権のときに派遣労働、改正をして一か月未満はできないという日雇派遣是正を行ったわけでありますけれども。
 いずれにいたしましても、ここでかつて、三年前になりましょうか、麻生総理がおっしゃっておられた、四年前でございますけれども、市場原理主義では問題があるというふうな言い方にもなっていたんですが、このことが再びまた頭をもたげようとしているんじゃないかという気がするんでございますが、そのことについて、いかがお考えでしょうか。
#58
○国務大臣(麻生太郎君) 何をもって市場原理主義という方向性を示しつつあるのかという指摘されるのか、ちょっとそこのところは定かじゃありませんけれども、少なくとも、第二次安倍政権の中において、何でも民間に任せればいいとか、競争や効率化だけを推進して弱者のことは顧みないというような方向性でないことだけは確かです。
 また、三本の矢によります経済の再生につきましても、これは、単にパイを拡大するだけではなくて、少なくとも、経済成長や雇用とか所得の拡大とか、そういったものにつながる好循環を目指したものであるということは確かなんだと思ってもおります。
 また、民間の活力というものを最大限に引き出して、その恩恵というものが、各地域とか雇用されている従業員とか、そういった方々を含めまして国民の生活に広く行き渡るようにならないと、これは成長戦略というものが、実効というか、実を取れない、実を上げられないことになるんだと思っております。
 同時に、社会保障政策につきましても、これは自助自立というのを第一にしなければならぬと私ども基本的にそう思っておりますが、共助と公助というのは、これは必ずうまく組み合わせていかないと、事実、できる人と全くできない方というのは、これは努力だけで解決できないところもある弱い立場の方々にはこれはしっかりした援助の手を差し伸べるという基本的な考え方を持っていないと、これはなかなか世の中というのはうまくいかないんであって、国民皆保険とか、また皆年金とかいった社会保障の根幹というものはきちんと維持するという前提で国として果たすべきことをきちんとやっていかねばならぬところなんだと、私はそういうように理解をいたしております。
#59
○辻泰弘君 必ずしも明確じゃないとおっしゃいましたけど、申し上げましたように、ある面、人を物としか扱わないような法制を進める、規制緩和を行う、そういったことなどが小泉改革であったわけでありますけれども、そういったいわゆる競争や効率や自己責任、規制緩和万能、こういった風潮に基づくいわゆる新自由主義的な政策運営に小泉政権の特質があったといいますか、その本質があったと。そういった中で、それが破綻をし、国民生活が後退をし、格差が拡大した。そういった中で民主党政権につながったというふうに私は思っておりまして、そういったことがまた再び繰り返されるのは愚かなことでありまして、麻生大臣はその点は十分御理解をいただいているお方だと思いますけれども、小泉改革を担われた方々が非常に中に入っておられるような側面もございますので、是非、大臣のパワーでそれらをしっかりと国のあるべき方向に導いていただきますように御要請を申し上げておきたいと、このように思う次第でございます。
 さて、時間も限られておりますけれども、消費税の使い道についてお伺いをしておきたいと思います。
 実は、消費税も五%から一〇%ということになりますと、国の方に入ります歳入は、現行が七・六兆円でございますけれども、これが十七兆円になるということで、大体十兆円ぐらい国の増収になるだろうという見通しがあるわけでございます。残りは地方ということになるわけでありますけれども、そういった中で、それをどういうふうに配分するかということが大きな課題で、これから具体的になるわけでございますし、民主党政権が考えていたといっても、政権交代したわけでありますから、当然それと変わってくるということはあり得るわけでございます。
 私自身は、これはある面、反省、自戒を込めてのことなんですけれども、消費税を十四兆円なり引き上げる、私は、それを今の社会保障を守り、財政を健全化するために必要だという立場で民主党の中で言ってきた人間でありますけれども、しからば、それほど国民に負担を求めるのであれば、日ごろできないものについて充当すべきである、国民が是非やってほしいと思っているようなことにこそ使うべきであると、このようなことを思い、そのような主張をしてまいりましたけれども、残念ながら必ずしもそれが通らなかった経緯がございます。
 その一つが医療保険財政に国費を充当する、公費投入のものでございまして、御存じかと思いますけれども、後期高齢者、七十五歳以上の部分につきましては原則五割公費投入という仕組みができているわけでありますけれども、いわゆる六十五から七十四歳の前期高齢者については全くそういった公費投入がないということの中で、被用者保険、協会けんぽは一〇%、料率一〇%になりましたし、組合健保もかなりそれに近い、あるいはそれを部分的には超えているところも出ているようなことがあるわけでありますけれども、いずれにいたしましても、もちろん若い世代がいずれかの形において、税か保険料か窓口負担しかないわけですから、何らかの形で実質税か社会保険料で負担しなきゃいかぬわけでありますけれども、拠出金ということで保険料の過半がすぐ右から左に行ってしまうと、こういった状況もある中でございまして、そういった意味で、前期高齢者についても公費の投入をすべきではないか、その財源として、制度的に確立された医療という対象に組み入れた形で前期高齢者の部分にも公費投入すべしという議論を私はさせていただいてまいりましたけれども、今日までそれは実っているわけではございませんし、具体化しているわけでもございません。ただ、新たに田村大臣がそのことに思いを持たれたような御答弁を拝見したようなこともございますけれども。
 いずれにいたしましても、この消費税の大きな増税をお願いするに当たりまして、私は、これは、医療保険に充当するのは、実は、民主党政権の中で、国保の二千二百億だけが医療保険財政に充当する部分でございまして、それ以外は協会けんぽも全くないわけでございます。厚労省は協会けんぽには充当すべしという主張をいたしましたけど、それは受け入れられなかった経緯がございますが、いずれにいたしましても、前期高齢者についての公費投入、現実は三百億なり二百七十億なりの予算措置で対応している部分があるわけですけれども、抜本的にこの部分についての手当てを消費税を充当することによって対応すべきだと私は考えておりますけれども、その点についての大臣の御見解をお伺いしたいと思います。
#60
○国務大臣(麻生太郎君) これは辻先生よく御存じのとおり、消費税の使途につきましては、先ほど言われました昨年の八月の十日に、税制抜本改革法におきまして、制度として確立された年金、医療及び介護の社会保障給付並びに少子化に対処するための施策に要する経費に充てるということにこれ決められておりますのはもう御存じのとおりです。一方、前期の高齢者の医療制度ということにつきましては、制度上、これは保険者間の助け合いの仕組みとして設計をされているという設計上の元々の関係もありまして、公費は投入されないという仕組みになっているために消費税の使途にはなっていないというのがこれまでの背景、もうよく御存じのとおりであります。
 多分、御質問の趣旨は、この前期高齢者医療制度を見直して、消費税を財源にして公費の投入を図れということを言っておられるんだと存じますけれども、これが御主張なんだと思いますが、現行の前期高齢者の仕組みというのを考えますと、この公費の投入ということになりますと、これはなかなか現行法上との関係があって、よほどの慎重な検討が必要なんだと存じます。
#61
○辻泰弘君 それは現在はそうなっていないわけですから、制度化された医療、年金、介護、少子化対策の経費に充てるということになっているわけですから、制度化されていないわけですから、それは今の段階では充当できないわけです。逆に言えば、法律で仕組めばできるというか、することになると。そこはそれでよろしいですね。
#62
○国務大臣(麻生太郎君) これは法律上の話、規則上の話でありまして、そういった形で、これは法律がそういうことになった場合はきちんとその対応ができますけれども、それは更なる消費税というものの、上げるという、上昇ということをしない限りは、今言われたようなものでは、現実、ただですら今二千何年度までにというもののプライマリーバランス等々いろいろさせていただいているものですら今問題があると言われておりますので、この部分が入っていきますとその分だけ更に負担が大きなことになりますので、法律を改正すればできることはっきりしていますけれども、それに至るまでの経緯はなかなか慎重に対応されてしかるべきと存じます。
#63
○辻泰弘君 同じトーン、趣旨で難病対策についてもお伺いしておきたいと思います。
 難病対策、私厚生労働副大臣のときに精力的に取組を進めていただいて、法改正をすべしという閣議決定もいただいて、今年の秋ごろに法律が出るんじゃないかというふうに流れができているんですけれども、これにつきましても、実は、当初は必ずしも不分明でありました位置付けを閣議決定で一項目起こしていただいて対策、このことが今消費税も充当するということにつながると思っているんですけれども、同じ意味において、難病対策も法制化されますと制度化された医療、年金、介護、少子化対策の経費というふうに充当する消費税の対象になると、こういう理解でよろしいですね。
#64
○副大臣(小渕優子君) 消費税の使途につきましては、先ほど大臣からお示しさせていただいたとおりであります。
 委員も十分に御承知のことでありますが、医療費助成事業を始めとするこの難病対策については、今法律に基づく事業ではありませんので消費税の使途とはなっていませんが、現在、難病対策については、公平、安定的な支援の仕組みの構築に向けて厚生労働省におきまして検討を進めているところであると承知をしております。その結果を踏まえて適切に対応してまいりたいと考えております。
#65
○辻泰弘君 これは、昭和四十八年から出発しました予算事業でやってまいりました関係で常にマイナスシーリングのあおりを受けて、医療費助成の対象が五十六疾患から増やせないという状況がある、かつまた国と地方で半分ずつ持つという出発で来たんですけれども、最近の国の財政不如意の折柄、地方に結局負担を押し付けていると。いわゆる超過負担ということで、トータル千二百億ある、国、地方六百、六百であるところが地方が九百、国が三百ということで、それだけ超過負担になっているという状況がございまして、これを解消するためにはやはり法律的な、要は義務的経費にしなきゃならぬということで法律化をしようということで私中心でやらせていただいたことでございますけれども。
 今おっしゃった現状からすれば、先ほどの前期高齢者の部分も難病対策も同じですけれども、現在は制度化されていないわけですから消費税の対象にはなりませんというのは、それはそういう意味では理の当然なんですが、逆に言えば、法制化された暁には医療の部分の、制度化された医療の経費であるということで、消費税の対象たり得るということだと整理できると思いますが、その点について、麻生大臣、確認しておきたいと思います。
#66
○国務大臣(麻生太郎君) これは財源の話とも関係してまいりますんで、この種の話、私、ハンセン氏病というのをやらせていただいたことがありますけれども、こういったものを含めまして、これは難しい問題いっぱいあろうかと存じますが、いずれにいたしましても、法制化された段階で財源の問題と併せてどうするかということを考えねばいかぬ、財源と法律と両方を考えなければ難しいところだと思っております。
#67
○辻泰弘君 これ以上要りませんけれども、その制度化された医療の経費に充てるということですから、それは消費税が自動的に当たるというふうに理解すべきだと思うんですが、逆に言うと、要は後から決まったものは入れないのかということなんですね。それはどうなんですか。
#68
○国務大臣(麻生太郎君) これはそのときの法律の作り方次第なんだと思いますんで、これまでのものしか認めないとするか、新しく難病等々として入ってきたものは更に加えるとするか、それはそのときの法律で決められた形でできるんだと思いますけれども、法制化されるかどうか現段階で決まっていないので、なかなかちょっとお答えしにくいところではあります。
#69
○辻泰弘君 これはまた議論させていただきたいと思いますけれども、最後になりますけれども、消費税の非課税となっている医療における損税解消、いわゆる損税の解消ということに向けた対応の現状、今後の方針についてお伺いしたいと思います。
#70
○国務大臣(麻生太郎君) 社会保険診療等々、いろいろ幾つもあるんですけれども、可能な限り国民の負担を抑えながらサービスを提供するという政策的配慮から、これは御存じのように非課税ということになっておるんですが、医療機関が医薬品や医療機器を購入する際に支払う消費税分には、診療報酬によって手当てされてきたというのがこれまでの経緯です。このような診療報酬による対応につきましては、これは医療の関係者団体からは、特に高額な投資を行っている多分MRIとかいろいろ機械がありますんで、そういったものの消費税負担が大きいということで、とてもではないけど現行の診療報酬ではカバーできていないという御指摘はあっておりますのは確かであります。
 医療につきましては、これは先ほど言われました税制抜本改革法及び昨年の六月の三党合意において、八%に引き上げる時までに、医療保険制度において適切な手当てを行う具体的な手法について検討し結論を得るということにされておるのと同時に、医療に係る課税の在り方について引き続き検討を行うということにされております。その後、今年の二月の三党合意におきましても、引き続き協議を行うとされたところでありますんで、これは与党の間並びに三党間での合意で、今後の状況を踏まえつつ、税制抜本改革法の規定に沿ってこれは検討していかねばならぬというのが私どもの立場であります。
#71
○辻泰弘君 厚生労働省、来てもらっていると思うんですけれども、八%時までは診療報酬体系の中で今までと別建てで対応するということで取り組んでいるという理解でいいですか。
#72
○政府参考人(神田裕二君) 今、先生御指摘のとおり、今回の税制改革に当たりましては、社会保険診療に係ります消費税については引き続き非課税とした上で、税制抜本改革法におきまして医療機関等の仕入れに係る消費税については、高額の投資に係る負担に関して区分して措置を講ずることを検討し、全体として診療報酬と医療保険制度において手当てをするというふうにされております。
 現在、中医協の下に分科会を設けまして、具体的な対応方法を検討しているところでございます。
#73
○辻泰弘君 それ、詰めて言うと、八%時までは一応それだけど、一〇%のときはまた考えると、複数のときは考えると、こういう理解でいいんですか。
#74
○政府参考人(神田裕二君) この点につきましては、先ほど財務大臣からも御答弁ございましたように、課税の在り方については引き続き検討すると、引き続き協議を行うというふうに三党合意でもされているところでございますので、与党間、三党間の今後の議論の状況を踏まえて検討していく必要があるというふうに考えております。
#75
○辻泰弘君 いわゆる損税というものについての解消は何としても図らねばならないという立場で私も厚生労働副大臣を担当してまいりましたけれども、私の理解では八%時は診療報酬の第二診療報酬的な対応でいって、一〇%、複数税率になったときはまた考えようと、こういうことだと思っておりますけれども、そういったことでお取り組みをいただきますように御要請を申し上げまして、時間が参りましたので、質問を終わらせていただきます。
#76
○大塚耕平君 民主党の大塚耕平でございます。
 今、皆さんのお手元に一枚ずつグラフをお配りをさせていただいておりますが、見ていただいてお分かりのとおりですし、委員会に長く所属しておられる先生方は何度も私これ配らせていただいておりますので御理解をいただいていると思いますが、麻生大臣には一言解説申し上げますと、今お配りした資料のうちの「日本の財政赤字の実情」というのが、これ長期債務と対GDP比で、グラフが高くなっていればなっているほど余りよろしくないわけですね。真ん中は一九四五年ですから、どういう状況になっているかというのは一目瞭然で、最近は財務省もこのグラフを使うようになっていますので、結構なことかと思いますけれども。
 自民党さんであれ公明党さんであれ、あるいは民主党であれ共産党さんであれ、日本を悪くしたいと思っている人は一人もいないわけでありまして、みんな日本を良くしたいということで政治にかかわらさせていただいているわけであります。そういう中で、このグラフの形状を作る大半の期間において自民党さんが政権にあって、私たちも三年三か月の間に改善努力をしようとしたものの、それは一朝一夕にはいかないと。さて、政権復帰された自民党さんは今度はいかに対処されるかということが問われているわけであります。
 先ほど辻さんが自動車税制のことを触れられたので、ちょっと私も通告にはないんですけれども大臣の決意をお伺いしたいんですけれどもね。自動車取得税、三党合意で自動車税制も抜本的に見直そうというような方向感は共有されていますので、取得税もなくす方向で来年、御対応いただけませんでしょうかね。
 それは何を申し上げたいかというと、やっぱり取得税というのが自動車から得られる財源なので、じゃ道路を造ろうということになりがちなんですね。現にそういう歴史があったわけですよ。来年、取得税廃止されませんか。
#77
○国務大臣(麻生太郎君) 今、民主党案の中で、たしか前に、何でしたっけ、自動車取得税につきましてはたしか財源について全然そういったことを盛り込むことなく廃止という案が出されていたと記憶をするんですが、自動車取得税、これは地方税でもありますが、これ、先ほど申し上げました、約一千九百億ありますし、また自動車重量税の方でいきますと約二千四百億ということになりますので、こういったものというのは額も絶対量も大きいこともありますし、そういういろんなことを考えますと、税制抜本改革法第七条の考え方とやや整合性がないだろうと、基本的にはそう思っておりますが、いずれにしても、こういったようなものというのは、ちょっとただいまの、今の状況で聞かれれば、なかなか難しいだろうと思っております。
#78
○大塚耕平君 そういう三年三か月前までと同様の御答弁をしておられると、結局この傾向は変わらないと思いますね。
 ちなみに、公的資本形成という、まあいわゆる広義の公共事業ですけどね、公的資本形成の対GDP比というのは、戦後の日本の平均は五%ですけれども、これ一応、大臣の印象で結構ですので、日本の五%に対して欧米は何%ぐらいだと思われますか。印象で結構ですから。
#79
○国務大臣(麻生太郎君) それより少ないかなという感じが正直なところでいたしますけれども、日本のように、失礼ですが欧米のように全然台風もなければ地震もほとんどなければ津波もないというのと、こちらは天災ほぼ一手引受けみたいに、最近竜巻まで含めて全部起きている国はそうざらにないんでありまして、私どもとしては、国民の安心、安全とかいうことを考えたときには、公共事業というような社会的インフラの整備というものは、この間の東北大震災見るまでもなく、笹子のトンネル見るまでもなく、こういったものに、きちんとした社会資本に資金は投入されてしかるべきだと、私どもはそう思っております。
#80
○大塚耕平君 そこで西田さんが拍手しておられるようだと、日本を良くしたいというこの方向感は、方向感は一緒でもやっぱり手法は大分異なるなという気がしますね。
 欧米は大体三%なんですよ。戦後の実額を大体ざっと計算すると、日本は七百五十兆円の公的資本形成投資をしているんですね。これが欧米並みの三%だと四百五十兆円で済むんですよ。その差額は三百兆円。しかも、昭和三十年代とかは何百億円とかという金額でしたから、数字にお強い大臣ですから、現在価値にそれを引き直すとどのぐらいの規模になるかというのはイメージが湧かれると思うんですけれども。
 決して欧米並みでいいとは思いませんよ。もちろん、国土の性質とかいろんな自然災害の程度に合わせて、まあ五パーが三パーにならずとも、四パーぐらいなのかもしれませんけれども、やっぱり過剰投資をする体質をこの国の中につくってしまったのではないかなという自戒の念がなくまた政権運営をされるんだとすれば、私は日本は決していい方向に行かないということだけ申し上げて、やっぱり取得税は、そういう意味では、この際自動車に重課税をしておけば道路に使いやすい財源が容易に確保できる的、そういう仕組みはどこかで見切りを付けられるべきだというふうに一応申し上げておきたいと思います。
 もし感想があれば、お伺いしたいですが。
#81
○国務大臣(麻生太郎君) 先ほど辻先生からも麻生の答弁は期待できるところがあるというお話でしたけれども、御期待にこたえられなくて恐縮ですが。
 今のこの話に関して言わせていただければ、今の話に重ねて申し上げるようで恐縮ですが、少なくとも日本の場合、アメリカとかそれからヨーロッパと比べて、例えばよく例に引かれますけれども、洪水出たら翌日はぱっと水が引くところと、ずうっと水が残っているヨーロッパの国々なんかとは全く状況が違っておりますので、私どもとしては、国土の置かれている状況、地震等々いろいろなものを考えております、ことによって引き起こされる津波、またいろいろなものを考えたときに、日本の場合は、これは公共事業が必要であることははっきりしていますし、メンテナンスが要ることもはっきりしていますし、加えて、戦後と言われますけれども、あのころは敗戦国で焼け野原だったんですから、それは公共工事が要ったのは当たり前の話なんであって、それは戦勝国とは全く違ったものだったと、私はそう思っております。
 したがいまして、今言われましたように、これを従来と同じようって、何を定義にそう言っているのか分かりませんけれども、少なくとも自動車等々のあれは一般になっておりますので、特定の会計、勘定科目から外されておりますのは御存じのとおりで、私の内閣のときにあれ外したんですから、そういった意味では、今どういうあれを目的で言っておられるのかよく分かりませんけれども、私どもは基本的にこういったものを安心できるものにするというのには、私は金を惜しむべきではないと思っております。
#82
○大塚耕平君 いや、どういう目的で言っておられるか分からないと言われると残念なんですけれども、それは日本を良くしたいという目的で申し上げているわけでありますので、多少主義主張は違うところはあるかもしれませんが、こうであるという指摘に対してそうでないという事例、例えば、今おっしゃったように、台風があるからそういうところの防災には必要でしょう的事例で答弁をされれば、これはかみ合わないわけですよ。
 現に必ずしも必要でないことが行われてきたことは、これはこちらも事例を挙げれば幾らでもあるわけですから、やっぱりそういうところについて、この厳しい財政状況下、ちゃんと精査をしていくんだという姿勢をお見せいただかなければ、やはり結局従前と変わらないかなという印象を我々としては持ってしまうという、こういう構図なんだというふうに思います。
 それでは、通告をさせていただいている内容をちょっと確認をさせていただきたいんですが、租税特別措置法の第六十九条の四の内容を確認をさせていただきたいんですが、せっかく主税局長来ていただいているんで、六十九条の四、これはいかなるものなのか、お手元に資料のない先生方もいらっしゃるので、ちょっと簡単に解説してください。
#83
○政府参考人(田中一穂君) 御指摘の条文は、相続税におきまして小規模宅地等についての特例がございます。これは、居住用の土地あるいは事業用の土地につきまして相続が発生した段階で、一定の面積まではその価格について八割減額して計算をするという内容のものでございます。
#84
○大塚耕平君 私の手元にも資料があるんですが、今回の見直しで大きくは四点、間違いがあれば後で指摘してほしいんですが、特定居住用宅地等の対象面積を拡大すると。それから、特定事業用等宅地と特定居住用宅地等の双方の合算まで認めると。それから三番目が、特定居住用宅地、これが被相続人が事前に居住の用に供されていた部分も対象に加えるというのが三番目。もう一つは、被相続人が居住の用に供されていたものの、一定の事由により相続開始の直前において被相続人の居住の用に供されていなかったものも加えると、この四点で、局長、よろしいですか。
#85
○政府参考人(田中一穂君) 前二者はそのとおりでございます。
 後者をもうちょっと具体的に御説明しますと、一つは、居住の用に供しているという状態をどういう状態を指すかということで、二世帯住宅につきまして、建物の内部でスペースがつながっている場合でないと以前はこれは居住の用に供しているというふうに取り扱っていなかったわけでございますけれども、今回はこういう構造上の要件を撤廃しまして、同じ建物であればオーケーにするという内容でございます。
 それからもう一つは、被相続人が老人ホームに入居した場合に、老人ホームの終身利用権を取得しても、空き家となった家屋の敷地につきましては、この特例の適用を認めるという対応をしております。
#86
○大塚耕平君 そうすると、四番目に申し上げた、一定の事由により相続開始の直前において被相続人の居住の用に供されていなかったというのは、今局長がおっしゃった事例のことを指すんですか。
#87
○政府参考人(田中一穂君) もう一回御説明いたしますと、従来、被相続人が老人ホームに入居しましてそのまま相続が発生した場合にこの特例の適用をどうするかということでございますけれども、一定の要件が満たされている場合に、被相続人が居住をしていた空き家ですね、元々住んでいたところについて、その開始の直前に居住していたものというふうに特例の適用が受けることができることとしたということでございます。
#88
○大塚耕平君 大変細かいところにも目配りの利いた見直しだとは思うんですが、例えば冒頭申し上げた特定居住用宅地の特例適用対象面積を、従来二百四十平米までだったものを三百三十平米に引き上げるとか、あるいは今おっしゃったような見直しをなぜ今回しようというふうに思われたんですか。
#89
○政府参考人(田中一穂君) 先生から御指摘のあった四点のうちの前二点、一つは居住用の宅地の適用面積を二百四十平米から三百三十平米に広げた点と、それから居住用と事業用の併用が限定的であったものについて完全の併用を認めると、この二点につきましては、今回の相続税の基礎控除の引下げ等、改正がかなり大きな改正であって、都市部に土地をお持ちの方、例えば都市の営農の農業者の方あるいは店舗を持った上で横に住んでいるような方等々、都市の土地の高いところにお住みの方について一定の対応をしたということでございます。
 後者の二点は、これはマスコミ等で幾つか指摘がございまして、先ほどの二世帯住宅をどこまで二世帯と考えるかという点と、老人ホームに入られたときに、今は終身利用権というのを取得して入られる方がいて、終身利用権を取得しちゃいますと完全に住みかが変わったというふうに考えたのが今までの制度だったわけでありますが、これについても、マスコミ等で現実に即した内容になっていないんではないかという指摘があって対応したということでございます。
#90
○大塚耕平君 今回の見直しは、これは私も是としているんですよ。いいことだと思うんですが、(発言する者あり)西田さんもそうだとやじ飛ばしていただいているんで、もっと早く、もっと早くこういうことに気が付かなきゃいけないし、あるいは二百四十平米を三百三十平米と言っていますけど、三百三十平米って百坪ですよ。田舎に行ったら別に、決してそんなに広いというわけでもないですよね。もうこの個人事業主とかいわゆる自営でいろんなことをしておられる方々、どんどんどんどん衰退していっているし、地域経済の疲弊の一因にもなっているんですけれども、なぜそういうことが起きているのかということについて、相続税の基礎控除が引き上げられることに伴わなくても今までやるべきだった。この三年三か月に関して言えば我々も同罪なので、それは決して人ごとではありませんけれども、やっぱりこの三百三十平米をもっと私は、地域によってはいいと思いますし、つまり、この法律を東京で、霞が関で考えられたものを一律全国にこれ適用しているわけですけれども、地域差もあるわけですよ。
 大臣、これ、もう少し地域差あるいは特殊事情に応じた対応ができるように、個人事業を営んでおられる方々が事業を継続できるようなことも念頭に置いた弾力性を持たせる方向で来年度は臨まれるということについてはどうお考えですか。
#91
○国務大臣(麻生太郎君) 地域差があるのは、先ほど金子先生の、車、地方じゃ二台が当たり前で東京じゃ〇・五台だというお話もありましたのと、例に引くまでもなく地域に格差があるのははっきりしています。そういった意味で、この種のことは霞が関にいたらと、やっぱり東京を基本に考えたんじゃないかという御推測というのはあながち頭から否定するつもりもありませんが、少なくとも今地方において別にすべきではないかという御意見は拝聴に値すると思いますが、一番難しいのは線引きです。どこでどう線引くかって、これは多分複数税率のときも同じような問題が起きるんだと思いますが、どこで線を引くのか、なかなか難しいところなんだと思いますので、まあ百坪ということになったんですけれども、どこからだったらこれは二百坪にするんだとかいうようなことはちょっと別の線で考えなきゃいかぬところだと思いますが、いずれにしても、これを弾力的に運用するというのが地方におきまして非常に有効な、地域の活力を維持させる上でも必要な配慮かと、私どももそう思います。
#92
○大塚耕平君 私自身に何か妙案があるわけでもないので、取りあえず今日は問題の指摘だけにとどめておきますけれども、やっぱりこういう問題に遭遇すると、どうしても、我々は地域主権という言い方をしておりましたけれども、自民党さん、公明党さんは地方分権という言われ方をされますが、課税権においてももう少し地域のあるいは地方の自主性があってもいいんじゃないかと。それは当然財務省は嫌がるでしょうけれども、しかし、やっぱりそういうことを言っていると、どうしても、財務省の皆さんも決して悪気ではないんだけれども、木で鼻をくくったようないろんな仕組み、あるいは地域差を考えると首をひねってしまうような対応が出てくるということでありますので、やはり地方分権、地域主権は更に進めるべきだということを申し上げて、もう一回、今度はまた大きな話に少し戻らせていただきたいと思いますけれども。
 金融政策、財政政策のマクロ経済政策は、例えてみればお風呂のお湯みたいなものでありまして、中に入る人間が経済あるいは国民だとすると、経済や国民が風邪を引いて困っている、まあ私も今日ちょっと風邪を引いているんですが、寒けがするというならばそのお湯の温度を温かくすると、これがマクロ経済政策であり、金融政策や財政政策だということになると思うんですけれども、今日は日銀もお招きしたかったんですが、衆議院の方で半期報をやっておられるということで、おいでになっておられないんですけれども、一番大事なのは、お風呂に入っている人間そのものを健康に、そして正常な状態にしていくということでありますが、しばらくは寒けがするからお湯を温かくしようという、そのことはよく分かります。我々も金融緩和の方向でありましたので、その点もそう差はないんですが、さて、黒田新総裁は、できることは何でもやるという趣旨のことを言っておられます。
 そこで、麻生大臣にお伺いしたいのは、自民党さんの政権公約には日銀の外債購入についても触れられておりましたけれども、日銀がデフレ対策のために外債を購入することについてどのようにお考えになりますか。
#93
○国務大臣(麻生太郎君) これ、デフレの外債購入の件につきましては、今の状況ではそのような国際情勢にはないというのははっきりしていると思っております。今、外債購入イコール介入、為替の介入というふうに極端に受け取られかねないという状況にもありますので、この点に関しては極めて慎重に対応せねばならぬものだと思っております。
#94
○大塚耕平君 日銀が外債を金融政策の手段として購入してはいけないという法的根拠は何ですか。
#95
○国務大臣(麻生太郎君) 日銀のやられることに関しまして、私どもとしては、その日銀のやられることに関して、その自主性に鑑みて、そのことに関していろいろ申し上げているわけではありません。
 ただ、私どもの申し上げているのは、今の時期にそれをなさるとえらいことになるというんで、外債購入という話は、今のように、日本が円安を仕掛けているのではないかとかいうような感じの話を私どもはモスクワのG20で、これが一番難しいところだったんですが、これがやっと今、そういったいわゆる不満、疑問、そういったものをきちんと解消した段階で、いきなり外債購入というのを、法律違反ではありませんよ、しかし、それをやられるのは今の時期においてはいかがなものかというような感じはいたしますと申し上げました。
#96
○大塚耕平君 さすが麻生大臣で、これ、一歩、今の御答弁で前進したと思いますけれども。
 日銀の外債購入に法的制約はないんですよ。これは、財務省の皆さんにお伺いすると、今日、戻ってから聞かれると、いや、大臣、あれは日銀法四十条に抵触するんですとかって言われるかもしれませんけど、後ろで首を縦に振っておられる財務省の方もいらっしゃいますけれども、四十条に抵触するというのは、それは財務省の主張なんですよ。日銀法四十条に何て書いてあるかというと、為替介入を目的とした外債購入はやってはいけないと書いてあって、日銀はデフレ脱却のためにあらゆる手段を駆使すると言っているわけですから、デフレ脱却のための手段であれば別に外債購入もいいというふうに読むのが普通の条文の読み方で、だから、今、麻生大臣は財務大臣として日銀の外債購入に法的制約はないとおっしゃったのは大変な前進だというふうに思います。その上で、その上でなおかつ何を選択するかというのは、それはもちろん日銀の自主性でありますので。
 しかし、私は、今回の黒田新総裁、いい人選だと思うんですよ、大変な有能な方ですし。我々も、五年前の総裁人事のときに、財務省からもし総裁になっていただくなら財務官出身者がよろしいだろうという議論はあったんですね。あったんです。それは、何とすれば、まさしく国際通貨マフィアという言い方もありますけれども、国際金融の関係者との人的信頼関係もかなり構築されていますので、だからこそ、だからこそ外債購入についても、黒田さんであれば、それぞれの国のキーパーソンに、いや、日銀が外債を購入することについては決して為替介入なんか目的にしているわけではありませんということを説得するに足る人材であるからこそ適任だというふうに私も思うわけなんですけれども。
 もし日銀が外債購入を彼らの自主的な手段として選択されるというときには、法的制約はないと今おっしゃったわけですから、財務省として特段それ以上のクレームを付けることはないというふうに理解しておいてよろしいでしょうか。
#97
○国務大臣(麻生太郎君) 重ねて申し上げますけれども、先ほども申し上げましたように、一義的にはこれは間違いなく、これは日銀が判断すべきことであります。はっきりしています、こんなもの。だって、そう書いてあるから。はっきりしています。ただ、介入と受け取られかねないということは、これは国益を著しく損ねることになりかねませんから、そういったのは慎重に対応すべきなんだということを申し上げているんであって、法律違反でないことははっきりしておると、私どももそう思っております。
 ただ、今言われましたように、黒田新総裁の顔でそれができるかと。分かりません。
#98
○大塚耕平君 いや、できると思いますよ。財務省がゴーサイン出せば、できると思います。ちなみに、財務大臣の所管である外国為替特別会計ではもうふんだんに外債を買っているわけですよ、現実に。
 日本は、ちょっと特定の機関の名前を出して関係者には申し訳ないんですけれども、JBICとDBJが例えば海外に出ていって、海外の仕事をまあ言わば邪魔するな的なそこでフリクションが起きて、日本の組織というのは一体どうなっているんだというクレームが私のところに持ち込まれることも去年、おととしあったんですね。
 それと同様に、それと同様にというのは、つまり、相手国から見たら、JBICとDBJは同じ日本の重要な公的金融機関で、同じように頑張ってくれればいいんだけど、何だか分からないけどそこで勢力争いをやっていると。同様に、日銀も財務省も、それは自民党さんも公明党さんも民主党も日本を良くしたいと思っていることは同じだと申し上げたとおり、日銀も財務省も目的は究極的には一緒のはずでありますので、外国為替特別会計で従前からふんだんに外債を買っている、しかし、その外債を買うという行為そのものを日銀にさせたくないというのは、何かそこに特別な思いがあるのではないかなと思いますけれども、もう大臣は政治歴も長くいらっしゃって首相も経験しておられるんですが、何かその辺について感じられる部分はございませんですか。
#99
○国務大臣(麻生太郎君) ありません。
#100
○大塚耕平君 それは、じゃ、いずれ徐々にひもといていきたいと思いますけれども。
 結局、今大臣がおっしゃった、実質的に為替介入と受け取られかねないようなこと云々というくだりももうさんざん今まで言われていると思うんですけれども、実質的に介入と受け止められることはやってはいけないとか、あるいは受け止められるとはどういうことなのかとか、法律にはどこにも書いていませんからね、そんなこと。
 もしこの先、黒田さんができることは何でもやると言って期待値を相当高めておきながら、過度の円高是正にも結果的につながるかもしれませんが、それを目的とはしないデフレ対策として外債購入を市場が期待したときに、本籍財務省の人としてそのロジックで対応されると、マーケットははしごをばあんと外すと思いますね。だから、そういうことにならないように申し上げているわけで、財務大臣として大変重要な判断の局面が来ると思いますよ、私は。これ以上申し上げても水掛け論になるのでやめますけれども、この点についてはあさって黒田さんに私も若干聞かせていただきたいなというふうに思います。
 最後になりますけれども、今日は金融庁にもおいでいただいていますけれども、金融円滑化法についてお伺いしたいと思います。
 金融円滑化法は、亀井大臣の下で不肖私もかかわって作らせていただいた法律で、亀井大臣が徳政令だとおっしゃったんで、いや、大臣、さすがに徳政令というわけにはいかぬでしょうということで、金融庁の今の畑中長官とも苦労して、また今日おいでいただいている細溝局長にも御苦労いただいてでき上がった法律なんですけれども、正直言ってここまで利用されるとは思いませんでした。予想を超える利用状況であります。
 結果的に、振り返ってみれば、この法律を利用された方々が、かつての自民党政権時代に、我々が貸し渋り、貸し剥がしが横行していると申し上げていた、貸し渋り、貸し剥がし批判をおっしゃっていた方々のその母集団なんですね。何となれば、この法律が施行されてから余りそういう話が出なくなったんですね、取りあえずは返済期限延長とかがされていますので。だから、この委員会でももう何年間にもわたって、大門さんなんかもよく言っておられましたけども、中小零細企業にとっての一番ベースになる貸出しは根雪のようなもので、これを何かずっとロールオーバーしてきていたのを、何かそろそろあそことは縁を切りたいからといって、いきなり根雪の部分を返済しろと言って、もう延長しませんと言ったら、それは倒産するのは必定なわけでありまして、そういうことがなくなったのは非常に現状はいいことなんですが、いよいよ、いよいよ四月一日からは違う状況になりますので、違う状況というのは、法律がなくなりますので、出口戦略についてお伺いしておきたいと思います。
 出口戦略についてどのように考えているかということと、それから特定調停というものを利用されるおつもりがあるか、ないか。ちょっと特定調停の話は急だったかもしれませんが、分からなければ分からないとおっしゃっていただければ結構ですので、よろしくお願いします。
#101
○国務大臣(麻生太郎君) 最初の円滑化法、徳政令ね、手形のジャンプという言葉知らなかったんですな、きっと、そう思いますよ。私はそういうふうに聞こえたんですけれども、いずれにしても、金融機関がこの貸付条件の変更とかいうことをやったときには、これは一番問題になるのは金融。貸している側の方は返ってくる金が返ってこなくなるわけで、それがジャンプするわけですから。そういったことを考えますと、これは、私どもとしては、いろいろな意味で、極めてデフレ不況が厳しくなっている中にあって、その種の判断というのは一つの判断だったんだろうと、私はそう思っております。
 しかし、私どもとして、これずっと、再延長、再々延長なんとかということにずっとなかなかするのはいかがなものかと思っておりますので、この貸付条件の変更とか資金の供給に努めなければならぬということで、これは、期限が来た後、切れた後もこの状況をきちんとやってもらいますよということで、地域経済活性化支援機構法第六十四条においてもこの点に関してはきちんと明記をさせていただいていると存じます。
 金融庁といたしましては、よく金融検査マニュアルとか監督方針というものをきちんともう一回改正をして、金融機関が円滑化法が切れた後も、少なくとも貸付条件の変更とか、また円滑な資金供給を努めるべき趣旨をきちんと明記した上で、四月以降の検査監督で徹底していかないと、金融庁はその種の、そのことに関しましては金融庁として金融を支援するよりはむしろ金融処分庁なんて言われていたぐらいですから、そういった意味では、その方針を変更してもらわなきゃ困りますよという話は就任早々にやらせていただいております。
 いずれにいたしましても、傍ら、今度は借りておられる方々の方も、また再々延長されるさなんて思っておられて一向経営努力をしないというのは、私、経営者をやっていましたのでよくそっちの方が気持ちは分かるので、あの法律このまま行くさと判断をするのと、切れるかもしれないと思う判断では全く対応が違いますので、石炭も似たような形、再延長、再々延長というのをやらせていただいた側にいたことがありますので。
 こういったものは借り手の側の状況に沿ったきめ細かな対応がされないと、これなかなか難しいんで、状況によって各企業、みんな置かれている状況が違うと思いますので、そういったところをある程度政府全体として、中小企業全体に与える影響をといいながらも、その中の状況によってはかなり違うということを知っておかないといかぬと、私どもはそう思っておりますので、全国の財務局とか財務事務所等々に中小企業金融円滑化相談窓口を設置しようと、必ず設置するんだということで、二月の二十五日から個別の相談等々をきめ細かく対応を開始させていただいております。
 加えて、この三月の二十二日に、官房副長官を議長として、中小企業金融等のモニタリングに係る副大臣会議というのが設置されて、今後、中小企業などの実態把握というものを財務省、金融庁だけがやるんじゃなくて、少なくとも各省庁、皆それぞれ抱えておられるところいろいろありますので、そういったところの実態把握等を関係省庁でよく連絡し合うようにやれということで、きちんとされると伺っております。
 いずれにいたしましても、こういったものを官民挙げて取り組みますということを申し上げてきておりますので、今申し上げたような形で事を進めさせていただきたいと思っております。
#102
○委員長(藤田幸久君) 質疑時間が参っておりますので、手短にお願いをいたします。
#103
○政府参考人(細溝清史君) 今大臣が御答弁申し上げましたとおり、債務者が置かれている状況は様々でございます。金融機関はこれからその様々な債務者に対していろんな手だてで経営改善支援をしていくと。その中で、例えば中小企業再生支援協議会を使ったり、企業再生支援機構を地域経済活性化支援機構に改めておりますので、そういったものを使いながらやると、また、資本性借入金を導入していくといった様々な局面で議員御指摘の特定調停というものも使われていくものと考えております。
#104
○大塚耕平君 終わります。
#105
○委員長(藤田幸久君) 午後一時十五分に再開することといたしまして、休憩いたします。
   午後零時十八分休憩
     ─────・─────
   午後一時十五分開会
#106
○委員長(藤田幸久君) それでは、ただいまから財政金融委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、所得税法等の一部を改正する法律案及び関税定率法等の一部を改正する法律案の両案を一括して議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#107
○古川俊治君 続きまして、自由民主党古川俊治から質問をさせていただきます。
 今回の所得税の改正では、長年の懸案となっておりました金融所得課税の一体化、これが進んできたわけですね。上場株式等に公社債を含める、こういう一体化が決定されたわけなんですけれども、これは一つの前進だとは思うんですね。
 我々としましては、是非これからデリバティブも損益通算を一緒にやっていただきたい。これが国際化、標準となっておりますので、今はデリバティブの取引というのは国際間の競争が激しい。そして、日本におけるこの取引というものをこれから活性化していくために、是非このデリバティブも通じた総合的な損益通算をやっていただきたいというふうに考えているわけであります。
 昨年七月に、実は当委員会で金商法の改正に関する議論を行いました。このときは金商法下において総合取引市場の管轄にできるというような法制度でございまして、総合取引所を日本で実現するために、まずこの法的枠組みを金商法の下でつくったということになります。
 ただ、法的な枠組みをつくってあっても内容が伴わなければ全く意味がないわけですよね。その際にも、是非この総合取引所をつくる、その実現のインセンティブになるように、総合取引所を実現することを条件としてデリバティブと上場株式等の損益通算を行うと、このような税制改正を行うべきであるということを私は提言をそこでさせていただきました。今回、平成二十五年度の与党の税制改正大綱においても、このこと、すなわち、デリバティブを含む金融所得の更なる一体化については総合取引所の実現にも資する観点から検討すると、このように盛り込んでいただいたわけであります。
 皆さんもう先生方おっしゃっておりますけれども、アベノミクスの最も重要な矢というのはやはり成長戦略なわけですよね。だから、金融分野における一番期待されるプロジェクトというのがこの総合取引所の実現のことであります。これは二〇〇七年の安倍内閣の骨太で取り上げられまして、二〇一〇年、政権交代後の新成長戦略でも国家戦略プロジェクトですか、それに取り上げられてきたと、こういう政策でございまして、本年一月十一日の安倍政権下における日本経済再生に向けた緊急経済対策、この中におきましても日本総合取引所の創設に向けた取組の促進と、こう挙げられているわけですね。
 本年二月の十二日に東京工業品取引所は東京穀物商品取引所の農産物を引き継いで上場しまして、名称を東京商品取引所に変更いたしました。これによりまして、東京商品取引所の取引高は国内の商品デリバティブの約九九%、これを占めるようになったわけであります。一方、もう既に東証と大証の統合によって一月に日本取引所グループができておりまして、こちらでは株などの金融商品の国内デリバティブの約七八%を占めているわけであります。
 そうすると、要するに日本における総合取引所の実現というのは、この日本取引所グループとそして東京商品取引所、ここが合併することということが実質的にそういうことになるわけですけれども、旧政権の下ではありましたけれども、昨年の七月、この委員会におきまして、三省庁が、是非この総合取引所を二〇一三年中に実現すると、こういう三省庁の合意をつくったんですけれども、その際に、金融担当大臣、それから経済産業の大臣政務官から、とにかく二〇一三年に日本の総合取引所ができるように全力で最大限に頑張ると、このような御答弁をそれぞれいただいたわけであります。
 是非、麻生金融担当大臣に伺いたいんですけれども、この総合取引所の実現に関する麻生大臣の基本的な姿勢をお聞きしたい。特に、二〇一三年中に閣議決定にもあります総合取引所についての具体的な合意をつくっていく、こういうことに関するお考えをしっかりお聞かせいただきたいと思います。
#108
○国務大臣(麻生太郎君) これは古川先生の御指摘にもありましたように、これは第一次安倍内閣で正式にスタートしたのが第一歩だったと記憶しておりますが、いろいろなことが、経緯があって、昨年の九月にその実現のための改正金商法というのが成立したということなんだと理解をいたしております。したがいまして、これは日本の金融とか資本市場の統合とかいろんなものを含めまして、将来にとりましてこれはうまくいくかいかないかというのは結構大事なところだと思いますので、そういった意味ではこれは積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
#109
○古川俊治君 是非、時期についてもお考えをしっかりお話ししていただきたいんですが、前政権のときには二〇一三年中に具体的な合意をするというような三省庁の合意があったわけですね。いざ政権交代して、まず閣議決定も行っておるわけですから、もうそこで促進するというような合意もできているわけですね、文言も盛り込まれております。是非、今年中に何らかのしかるべき合意を持っていくというようなお考えを是非述べていただきたいんですけれども。
#110
○国務大臣(麻生太郎君) これは総合取引所、総合取引所の早期実現ということなんだと存じますけれども、これはいわゆる大阪とかそこそこみんな行ったんですけれども、最後に残っておりますのがこの商品取引のところなんですが、そういった意味でこれは御本人たちの働きかけやら何やらいろいろ要るんだと思うんですね。これ、こちらが幾ら言ったって、もう向こうがやる気なかったら話になりませんから。そこのところだけはっきりしてもらわないかぬところなので、是非そういった意味では、整備には積極的に取り組んでまいりますけれども、是非御本人たちも、何か天から降ったらちゃんと誰かがやってくれるだろうというような感じの話をされる方もいらっしゃいます。それは全然違いますと。皆さん方がやる気になって、皆さん方出すべきものを出していろいろしなきゃ、とてもこんなものできませんよという話はもう、個別にお目にかかったことがありましたので、その話は既にしております。
#111
○古川俊治君 私的なそれぞれが会社でございますから、それは強制はできないわけでありますけれども、あらゆるインセンティブを付けていく、これが必要だと思うんですよね。これは日本の、国家の政策でもありますから、是非御努力いただきたいと思っているんですけれども。
 佐藤政務官、今日出席いただいたんですけれども、前回は経済産業省、これが基本的には今商品取引の管轄をやっているということでございますので、是非この閣議決定にもあります総合取引所をつくる、これに対する御決意をお述べいただきたいと思います。
#112
○大臣政務官(佐藤ゆかり君) 古川委員にお答え申し上げます。
 経済産業省といたしましても、商品先物市場を所管いたしておりまして、総合的な取引所の狙いといたしまして、やはり証券、金融、それに加えまして商品が一体的に扱われる、そして、証券会社等が新たに参入することによりまして、低下傾向にありますこの商品先物市場が活性化させるということが狙いでございます。
 ただ、今大臣御答弁されましたように、他方で、民間事業者であります取引所同士で個別具体的な交渉は行うということが大前提でございますので、そういったことも考えながら、経済産業省といたしましてこれからできるだけ早期の実現に向けた環境整備を努めてまいりたい所存でございます。
 委員御指摘のとおりでございまして、具体的には、例えば金融庁と連携いたしまして、まずこの上場株式と先物取引の損益通算、これが二十五年度税制改正案ではデリバティブ取引につきましては検討事項というふうになっておりますけれども、この実現に向けた検討を進めることですとか、あるいは商品先物取引がリスクヘッジ取引として適正に認められますように、会計基準、すなわちリスクヘッジ会計の整備など、こちらの方も併せて進めるということで、顧客の利便性向上に向けてトータルに取り組んでまいりたいというふうに考えております。
#113
○古川俊治君 ありがとうございます。
 とにかく、商品取引の活性化ということもあるんですけれども、いずれにしても、日本における総合取引所をつくっていく、これが政府の方針でもございますし、今の東京商品取引所における取引高というのは物すごく落ち込んでいるんですよね。この会社はずっともう四年連続で、二〇〇四年からずっと減少してきていて、二〇〇八年度から二〇一二年度も営業赤字を出すんですけれども、五期連続の赤字なんですよ、ずっと。このままずっと取引高が減少していく。これはこのままここに置いておいたら、国際的な競争ではすごい取引競争が掛かりますから、無理なわけですね。ですから、総合取引所をつくらない限りはこの商品取引の活性化ということはあり得ないというのが現実なんですね。あらゆる手だてを使って商品取引の活性化を図っていくんですけれども、いずれにしても、それは総合取引所をつくってやっていくと。これは政府の方針でもありますし、そこが重要なんですね。その辺は、是非、経産省の方もその前提として進めていただくと、これはお願いしたいと思っています。
 それで、二十六年度の税制改正について、この損益通算について、総合取引所を条件として、総合取引所の実現を条件としてデリバティブへの拡大を行っていくということを、仮にこの実現に、仮にその総合取引所の実現に時間を要するようであれば金商法のデリバティブへだけ損益通算を拡大していくと、こういうような税制改正をしてしまうと、先に金商法の下で総合取引所にすればもう既に損益通算ができるような税制改正を行うというような報道にちょっと触れたんですけれども、ちょっと寺田金融担当副大臣にお伺いしますけれども、今後、その総合取引所実現のために金融所得課税についてどのような二十六年度の税制改正を行おうとお考えになるか、ちょっと先の話ですけど、お答えお願いしたいと思います。
#114
○副大臣(寺田稔君) まだ二十六年度の税改要望ですから、具体の方針はこれから策定をさせていただくわけでありますが、委員も御指摘のとおり、七八%と、日本取引所グループの七八%が今デリバティブ、金融派生商品の取引ウエートと、大変高いウエートとなっております。
 前回の税改要望、そしてまたそれを踏まえた税制改正の検討の過程で、委員御指摘のとおり、総合取引所の実現を条件とすべきであるということでありますが、総合取引所の実現に向けてはまだまだ検討すべき課題もあろうかと思います。我々といたしましては、当然、このデリバティブも含めたこの一体課税、これを推進をすることによって、金融所得の一体把握、そしてまた様々な金融関連の取引の活性化も図れるものと確信をいたしておりまして、そうした点なども踏まえてこれから検討いたしたい、そのように考えております。
#115
○古川俊治君 様々な問題があると今おっしゃいましたけれども、いずれにせよ、閣議決定の方針ですから、それは問題をしかるべく対応していってつくらなきゃいけない、これが我々のやるべきことだと思うんですよね、与党としても。
 では、ちょっと財務担当の副大臣にお聞きしたいんですけれども、小渕先生ですね、この金融所得課税の一体化を進めるに当たって、是非、金商法下で先に、金商法の下での損益通算、こちらを先行させてやっていただくと、こういう方法も考えられる。そうすれば、金商法の下ではもう損益通算ができるということになりますから、金商法の下に入ってくる、すなわち商品取引所が今の日本取引所グループに統合すれば既にもう枠組みはでき上がっていると、損益通算のですね、こういうようなインセンティブを付けることも重要だと思うんですけれども、このことについてはいかがでしょうか。
#116
○副大臣(小渕優子君) デリバティブを含む金融所得課税の更なる一体化については、対象に公社債等を含める今回の改正を踏まえつつ、総合的な取引所の実現にもつながる観点から、意図的な租税回避の防止にも十分に留意しつつ検討していく必要があると考えています。
 いずれにしても、証券、金融、商品の垣根を取り払った総合的な取引所を早期に実現をし、利用者利便の向上、取引の活性化等を図るため、口座、税制の一元化等の課題に取り組んでいくことが重要であると考えておりまして、引き続き金融所得課税の一体化に向けた取組を検討してまいりたいと考えております。
#117
○古川俊治君 是非、この一体化を進めていく、特に総合取引所の実現、そういう観点から損益通算をこれから考えていくと、これ是非お願いしたいんですよね。これは強いインセンティブになりますので、是非その政府の方針、もう閣議決定が決まっておりますから、そこを目指したこの損益通算、これをもう是非、時期もまた早めにつくっていくということでございますので、お願いをしたいというふうに思っております。
 先ほど、今の商品取引の日本における落ち込みというのをちょっとお話しさせていただきました。ずっと現在も、今年も一四%減ぐらいの取引の減少で来ておりまして、このままではずっと世界的に後れを取っていくと、これが今の日本の商品取引の現状なんですね。
 この会社、実は、東京商品取引所ですね、今名前は変わりましたけれども、ずっと経済産業省の方々が天下っていると、こういうところでございまして、現在の社長も経済産業省の天下りの方でございます。
 ところで、この会社、本年二月の報道によりますと、経済産業省、今日御出席いただいております豊永審議官は、東京商品取引所の早期の業績回復は困難と見ており、生き残りには海外の取引所との連携強化が必要との見方を示しており、また同社の江崎社長も、取引システムの共同利用の可能性をめぐり米国の取引所と接触していることを明らかにしていると、こう報道されているんですね。
 東京商品取引所がもし単独で海外と連携することになるならば、これは日本における総合取引所の実現に非常に大きい障害になるんですよ。単独でずっと海外とやり取りして、こっちにはもう日本取引所グループがあるわけですから、海外と個別に東京商品取引所が連携するなんということはこれは考えられないわけですね。これは閣議決定の方針にも反しますし、勝手にこういったことで審議官発言されていると、私はちょっと驚いたんですけれども、どういうことなのか、後でちょっと御説明いただきたいと思うんですけれども。
 私は既にこの七月の本委員会で、その当時の、去年の三月の朝日新聞の報道で、今の東京商品取引所、すなわち当時の東京工業品取引所がシカゴの取引所グループと資本業務提携を打診していると、こういう方針を述べたというそういう報道があったと、これについて質問をさせていただきました。そのとき豊永参考人は、このシカゴと連携するケースについては東工取からこういったことは事実無根であるという発表がなされており、そういった状態の下での具体的な折衝がなされているとは承知しておりませんと、こう答えているんですね。
 ところが、今回、二月、先ほど報道のお話もしましたけれども、現在ではこのシステムの共同利用等について接触していると、海外とやっているという話が今出ているわけですね。私がその七月のときにお聞きしたらそんなことは事実無根だと否定されたんですけれども、今明らかになっているじゃないですか。それは当時から接触があったと考える方がよっぽど合理的だと思うんですけれども、その答弁について御説明してください。
#118
○政府参考人(豊永厚志君) お答え申し上げます。
 先生御指摘のとおり、昨年七月の本委員会におきまして、三月の記事、すなわち東京工業品取引所の社長が渡米してシカゴ商業取引所に東工取への出資を要請したという記事につきまして答弁させていただきました。そのときに、確かに、東京工業品取引所からは事実無根であるという発表がなされていますと、また、私どもとして具体的な折衝がなされているとは承知していないとお答えいたしたのは事実でございます。また、この事実関係については今でもそうであると確信いたしております。
 今日、東京商品取引所が海外の取引所に具体的な資本提携、七月の御質問のときもそうなんですけれども、資本関係についての御質問だったと承知しておりますけれども、具体的な資本提携をオファーしている事実はないと承知してございます。ただし、その商品先物市場における取引量のうち海外事業者による取引が三割に今到達してございます。こうした状況下では、海外の取引所との連携、例えば商品の相互上場等々の連携を視野に入れて海外事業者による取引を更に拡大していくということが重要な課題であると認識してございます。これが私が、二月のブルームバーグの記事、先生の御指摘の記事でありますけれども、海外の投資家なり取引所を取り込む国際戦略が必要だと述べた理由でございます。
 なお、昨年の八月の産構審の答申にもございますが、こうした取引所における国際連携が行われる場合に、我が国における総合的な取引所の足かせにならないよう留意すべきであると私どもは考えてございます。
#119
○古川俊治君 何でそういう海外との連携をしたら足かせにならないんですか。なるじゃないですか、明らかに。
#120
○政府参考人(豊永厚志君) 今日、商品取引所の国際連携は多々行われております、実際に。それから、今日の話題の一つにもなっておりますJPXの大証も、海外と日経二二五の相互上場をしております。その手の資本関係以外の国際連携は結構間々あるんでございます。そのことを御理解いただければ幸いでございます。
#121
○古川俊治君 まず、日本において総合取引所をつくる。ですから、日本取引所グループとそして東京商品取引所が統合されると。その後で幾らでも海外と連携すればいいでしょう。単独でやってしまったら、ほかと矛盾が出た場合に統合が物すごく大変になるじゃないですか。私はそのことを申し上げているんですよ。どうですか。
#122
○政府参考人(豊永厚志君) 私どもも、JPXの統合の動き、またそれをにらんでの商品先物関係者の議論の推移は見てございますけれども、今、私が申し上げたような取引所間の国際連携がそうした動きに水を差すと、すなわち足かせになるとは承知しておりません。
#123
○古川俊治君 去年の七月のときの質疑をもう一回繰り返しますよ、それじゃ。そこを参考に見てください、そのとき、そうしたら。
 もし、海外との連携をすると、システムを改修しなきゃいけないでしょう。システムを作り変えなきゃいけないでしょう。そのための一取引業者当たりの費用って幾らぐらい掛かりますか。そのことを試算されていますか、今。
#124
○政府参考人(豊永厚志君) 記憶が定かでございませんが、私は、一度間違って取引所を含む全体のシステム変更額の金額をお答えして、先生から、その答えは違うという御指摘いただいたのを覚えておりますけれども、先生の御質問が個々の企業のシステムの改変費用であれば、数百万から一番多いところでは一千万を超える規模だったんではないかと、今の御質問、当時もそういうお答えしたのではないかと思うんですけれども。
#125
○古川俊治君 これはいろんな試算があるんですけれども、一当事者当たり五千万から一億と、こういう試算もあるんですよね。これは、私、試算に触れていますので、それで、あと、それは根拠はいろいろあるでしょうけれども、いずれにしても、今、日本取引所グループと統合する場合はどうなりますか、システムの改修費用は。それは御存じでしょう。
#126
○政府参考人(豊永厚志君) その試算については現時点では持ち合わせておりません。
 確かに、商品取引所は、今ナスダックOMXというシステムを使ってございます。そのために相当高額なロイヤリティーを払っております。これは、JPXの大証が今使っているシステムと同じであります。
 それから、海外の取引所にもいろんなシステムを持っている取引所があって、それを適用した場合にどうなるかということも検討しているんだと思います。それが先ほどの記事にあったところのその活動の一環だと承知しております。
#127
○古川俊治君 いずれにしても、今おっしゃるとおり、同じシステム使っているんですよ。大証、東証グループとですね。ですから、一緒になれば一緒にすぐできるわけです、大証と同じシステムですから。ですから、そうすると、全然これお金が掛からない。明らかに参加業者にとったって日本における総合取引所を金商法下でつくっていった方がこれずっといいわけでしょう、こちらに入った方が。それが普通考えることですよ、皆さんが。そして、政府の方針でも総合取引所をつくるということになって、去年、実際に金商法下でそれができるように法的枠組みまでつくっているんですよ。
 豊永さんは少なくとも経済産業省の方ですよね。そうしたら、政府の方針に従ってやっていくのがそれは当然でしょう。何でそこで海外の連携という話になるわけですか、それ、今、話を聞いて。
 それで、佐藤政務官、ちょっとお願いしたいんですけれども、そのときにも、質疑の後にもかかわらず、この産業構造審議会の分科会では、私が絶対に海外とのこういう提携はあり得ないということをとにかく政務官にお願いをして答弁してもらったんですけど、そのときの当時の政務官は、海外との連携というふうに報道されていたり、産構審で話し合われているのは、あくまでも一般論として話し合っているんであって、我々としては、総合取引所の実現に向けて最大限やりますので、それに邪魔になるようなことは絶対にやらないと、こう約束されたんですね。
 もう一回、佐藤政務官、お聞きしたいんですけれども、海外との連携、これ私、非常に大きな足かせになると思うんですが、これを含めて、この日本総合取引所の実現にはこれもやったら致命的な足かせになると思うんですよ。そのことも含めて絶対に支障になることはやらないということを断言していただきたいんですけれども、いかがでしょうか。
#128
○大臣政務官(佐藤ゆかり君) お答え申し上げます。
 海外取引所との連携という、連携という言葉の意味が若干曖昧のような気がいたすわけでございますが、今、審議官も答弁申し上げましたとおり、実際に取引量という意味と資本関係とは別だと私も認識をいたしております。
 実際に、資本関係はさておきまして、取引量で申しますと、実際のところ、国内取引所同士の連携、統合と両立し得る部分も確かに市場の活性化という意味ではあろうかと考えておりまして、例えば日本取引所の傘下になっております大阪証券取引所におけます証券先物でありますけれども、シカゴ商業取引所と、それからシンガポール取引所との間で相互上場をいたしておりまして、結果として、大阪証券取引所におけます海外事業者による証券先物取引が実際の取引量の七割になっているという実態もございます。
 これ、結果として市場の活性化にもつながっているという側面がございますので、この資本関係の取引所の統合はまた別の議論でございますから、是非そこを切り分けて、まずは、この産業構造審議会で商品先物取引分科会の答申にございましたように、アジアのメーンマーケットを目指す、そのために市場を活性化することが目的でございますから、そのことも踏まえて、しっかりと総合的な取引所の足かせにならないように、この連携というものを資本統合と切り分けながら議論を進めていくべきではないかと思っております。
 いずれにいたしましても、市場統合でございますから、コスト、システムを導入する、若しくは変更することによる障害ですとか、そういったことは起きないように、やはりそこは円滑な統合を目指していくべきだと私も考えております。
#129
○古川俊治君 これは、もちろん取引量でコストなんか全然変わってくるわけですから、今、ずっと東京商品取引所で取引高が落ち込んでいく中で、日本取引所グループに統合した方がよっぽど伸びていくのは明らかですよ。どっちがいいかといえば、日本取引所グループにまず入って、そして、日本の総合取引所をつくった後、商品取引で海外と連携すればいいでしょう。それが一番有利じゃないですか、どう考えたって。その筋道をまさに政府方針どおり考えていくのが我々の仕事だと思うんですよ。いかがですか。
#130
○大臣政務官(佐藤ゆかり君) 今、古川委員、御指摘のございましたとおり、二十三年末、若しくはできるだけ早期をめどに総合取引所の設置を目指すということで、これは政府の方針として決定いたしておりますので、そのことを踏まえ、御指摘を踏まえまして、しっかりとした円滑な総合取引所の設置に向けて努力をしてまいりたいと存じます。
#131
○古川俊治君 ありがとうございます。
 この会社、何回も聞きますけれども、天下りの会社で、どうやっても経済産業省、昔から抵抗しているんですよ、これをなくすことにはですね。
 私は、人事交流という意味で、有能な方、知識や経験を持った方が民間で働いて日本の成長に頑張るというのは決して悪いことじゃないと思う。だから、天下りが全部悪いなんて全然思わないんですよ。ただ、こういう国益に真っ向から反するのは絶対に許されるべきじゃないと思うんですよね。こうやってずっと抵抗していくと。だから、やっぱりそこは考え方を変えていただいて、総合取引所をつくった後だって、彼らより能力のある人はいっぱい働いてもらえますから、そこで。是非、そういう頭を切り替えていただきたいというふうに思うんですよね。
 是非、民間の株式会社である取引所の再編を実現するためには、やっぱりインセンティブを付けていくこと、これがどうしても必要になってくるわけであります。現在、実は経済産業省において、電力システム改革の議論をしていくということを今やっておりまして、これに合わせて、電気料金の、電気の小売の価格の自由化、これを行うとともに、実は卸電力取引、これの活性化をにらんでこの電力先物のニーズが生じてまいりますので、これについて電力先物の市場をつくっていくと、商品取引の中で、こういう案が実は出ているんですね。
 それで、もしこの電力先物、これをやっていくんであれば、これは、今の商品取引法の中ではなくて、是非、この金商法において総合取引所をつくるという、日本の総合取引所をつくるというインセンティブになりますから、これは是非やってもらいたいと思うんですよ。これは私、既に去年の七月の当委員会で提案をさせていただいております。それにもかかわらず、今、電力システム改革の方で出てきた案には、これはどうやら、商品取引法を改正して、その中で電力先物を扱おうと、経産省の管轄からどうしてもそれをやるんだということになっているんですね。それでは本当に中途半端で、それ、総合取引所に対するインセンティブに全くならないんですよ。
 是非、この電力先物の取扱いは金商法の下でやっていただきたいと思うんですけれども、金商法の下では実は法律改正をせずに政令指定でもう既に電力先物を取り扱うことができる。一方、商品取引に関しましては、商品取引法を改正しなきゃいけないんですね。その違いもございます。
 佐藤政務官、この電力先物について、これからどのようにしてこれを行っていくつもりなのか、この方針についてまずお考えをお述べください。
#132
○政府参考人(豊永厚志君) お答えいたします。
 委員御指摘のとおり、本年二月の電力システム改革専門委員会の報告書におきまして、「電力先物市場を創設するためには、商品先物取引法の対象に電気を追加し、取引所に上場することを可能とすることが必要である。」と指摘しております。
 電力は、相場操縦などにより不当な価格形成が行われた場合には国民生活や企業活動に与える影響が特に大きいと考えられます。このため、商品の生産や流通に配慮した相場操縦に係る規定が既に整備されている商品先物取引法に基づいて、他のエネルギー商品と同様に商品取引所において上場することが現時点においては適切であると考えられた次第でございます。
 なお、制度上は商品先物取引法の改正が行われておりまして、商品取引所における上場が可能となっても、他の商品と同様ではありますけれども、その後、改正金融商品取引法に基づいて総合取引所に上場することが可能となっていると認識してございます。
#133
○古川俊治君 何といっても、日本総合取引所をつくるためのインセンティブを付けることが大事だと言っているでしょう。それはそっちの方がいいと言ったって、インセンティブにならないじゃないですか、それじゃ。結局、電気先物をずうっと商品取引市場でやっていたら、いつまでたったって日本の総合取引所はできませんよ。それを考える政策といったら、それでパッケージでやっていかなきゃいけないわけですよね。
 いいですよ、じゃ、お答えください。短く。
#134
○政府参考人(豊永厚志君) お答えさしていただきます。
 金融商品取引法の第二条の第二十四項に第四号と、一つ手前に三号の二がございます。委員御指摘の政令というのは四号だと承知しておりますけれども、この政令指定については商先法の、商品先物法に定める相場操縦に関する規定はございません。したがって、今回、改正金商法では三号の二を起こしまして、こういった商品については相場操縦に対する対応ができるように新たな三号の二という号を起こして政令で定めるようにした次第でございます。
 この政令で定められるものというのは、商品先物法の二条の第一項に一回定めることになってございまして、したがって、手順からいっても、この手順を追うのが適切なのではないかと考えてございます。
#135
○古川俊治君 寺田金融副大臣にお聞きしたいんですけれども、政令指定であればこれ臨機応変に対応できると思うんですけれども、電気先物、これがこれから多分需要が出てくると思うんですが、是非この金商法下で取り扱っていく、これをお願いしたいんですが、いかがでしょうか。
#136
○副大臣(寺田稔君) 委員おっしゃるとおり、今の金商法の枠組みの金商法の政令指定で行うことは当然可能でありまして、金商法の中の規定の同一の種類のものが多数存在をする、価格の変動がある等一定の要件を満たす資産に該当するというふうなことになろうかと思います。
 いずれにしても、この総合取引所の実現、そしてまた取引の活性化、特に電力先物についてもそうしたことの実現を目指してまいりたいと思います。
#137
○古川俊治君 ありがとうございます。
 麻生大臣、先ほどできるだけ早期に総合取引所を実現していただくというお話でしたけれども、こうやってかなり強い抵抗が様々あるわけですよね。その中で、これずうっと掲げられていて、二〇〇七年から掲げられていて、そして新成長戦略、政権交代をした後もずうっとやってきて、できない。もう六年たったんですね。で、我々に来て、これだけ掲げていてやっぱりできないということになってくると、これはもうずうっとお題目だけあって、決して官僚がやろうとしないと、こういう状況になっていると、これちょっと認識していただきたいんですね。
 この日本の総合取引所ができた後に本当につくる、総合取引所につくるためには、日本金融取引所、これが今財務省の方々がみんなやっているところですけれども、そこまで一体的にやって本当の取引所が、総合取引所が実現するわけですよ。是非それに向けて、麻生大臣、財務大臣、そして金融担当大臣、副総理、是非頑張っていただきたいと思います。
 以上で私の質問を終わります。
#138
○竹谷とし子君 公明党の竹谷とし子でございます。よろしくお願いいたします。
 この度の改正で、延滞税等の見直しについて重要な改正がなされることになっております。
 まずは、この改正の趣旨について、財務大臣にお伺いいたしたいと思います。
#139
○国務大臣(麻生太郎君) 延滞税などのこの利率というのは、御存じのように、一四・六%、最高で。ということにつきましては、国会において、現在の低金利状態、国債等は一%を割っておりますので、そういった状態に鑑みて、高過ぎるのではないかというような御指摘を公明党を始めいろいろなところからいただいておりました。
 これを受けまして、今回の税制改正で延滞税、利子税、還付加算金につきましては、税率の決定方式を見直して引下げを図ることとしたもので、今、一四・六から九・数%になる予定で考えております。
#140
○竹谷とし子君 ありがとうございます。
 現在の低金利の状況を踏まえて、事業者等の負担を軽減する観点から延滞税等について引下げを行うということで、現行の特例、平成十二年一月から適用されていますけれども、それも改正し、さらに今回は本則の一四・六%、ここに踏み込んで引下げの改正を行うということにつきましては、これも公明党が主張してきたことでもあり、私も野党時代に財務官僚の方々と協議をしてきたことでもありますけれども、この改正についてこの度決断をいただいたことを評価いたしたいというふうに思います。
 資料の@の方にございます今回の改正内容でございますが、この延滞税が一四・六%が九・三%になります。この計算式のところに、特例基準割合というものの計算式があります。これは、貸出約定平均金利プラス一%、現在はこれがトータルで二%というふうに設定をされるようでありますけれども、これについてお伺いしたいと思います。
 次のページ、資料のAにありますが、現行の年一四・六%というのは、昭和三十七年の四月に決められたものが実質的に引き継がれていますが、このときの公定歩合というのが七・三%です。そして、平成十二年一月には〇・五%と。このような公定歩合の引下げが行われている現況において、この貸出約定平均金利プラス一%というふうに設定していることについて、この理由を伺いたいというふうに思います。
#141
○副大臣(小渕優子君) これまで延滞税等の特例の基準としてはいわゆる公定歩合が採用されているところでありますが、公定歩合は政策金利としての意味合いもなくなっていること等から、これを基準とすることは適当でないと考えたところであります。
 そこで、今回、延滞税などの利率について、日本銀行において毎月公表されている国内銀行の貸出約定平均金利を基準としたところであります。この国内銀行の貸出約定平均金利は足下で一%となっていますが、これは銀行の貸出金利であり、ある程度の規模の事業者等に限った金利であることなどから、多様な納税者を対象としている国税の基準の金利としては、貸出約定平均金利であっても、例えば地方銀行の場合は一・七%、信用金庫の場合は二・四%となっていること、また住宅ローンの変動金利も二・四%となっていることを勘案して、国内銀行の貸出約定平均金利に一%の上乗せをした水準を特例基準割合としたものであります。
#142
○竹谷とし子君 ありがとうございます。
 この貸出約定平均金利というのが大規模の企業向けの低利であることから、プラス一%をしたものが妥当であろうという、そういう御判断であろうかというふうに思います。
 これは、延滞税というのは、払えない方とわざと払わない方がいらっしゃるものであると思います。払わない人に対しては、早期納付を促すために延滞税を付けるということについては合理性があると思います。期日内にきちっと払った人との公平性という観点から必要であると思いますが、現況の厳しい経済環境では、払いたくても払えないという事業者の方、私も中小・小規模の事業者の方の資金繰りの御相談を受けることがありますけれども、例外なくこの税金の滞納について一緒にお悩みをお持ちであります。
 そこで、この「延滞税等の見直しについて(案)」という資料の中で、「納税の猶予等」ということで改正後は二・〇%ということで設定をされています。この「納税の猶予等」というのは、「事業廃止等による納税の猶予等の場合には、納税者の納付能力の減退といった状態に配慮し、軽減」ということで、二・〇%になっています。さらに、「災害・病気等の場合には、全額免除」というふうになっています。
 事業者の方の御相談の中で、取引先の倒産によって債権が回収できなかった、そこで納税をしようと思っていたお金がなくなってしまった、そして延滞をするうちに本則の一四・六%が付いて、小さな建設事業者さんですけれども、延滞税と元本と合わせて八百万円ぐらいになってしまって、決算の数字ちょっと見せていただいたんですけれども、それがなければ何とか回るという状況でありました。しかしながら、税金を滞納していますと新規の借入れが非常に難しくなります。
 そういうことから、「災害・病気等の場合には、全額免除」というふうになっていますが、この「等」のところの範囲をもっと拡大をしていただいて、取引先の倒産とか、事業を続けていてもどうしても払えないようなそういった場合に、この全額免除ということを適用できるように御配慮を御検討いただきたいというふうに思いますが、いかがでしょうか。
#143
○副大臣(小渕優子君) 御指摘のように、災害や事業の休止等によって納付が困難であるような場合には納税の猶予といった各種納税緩和措置があり、その適用期間は延滞税が免除されるわけであります。
 具体的には、災害、病気等による納税の猶予の場合には延滞税が全額免除され、事業の休廃止等による納税の猶予の場合には延滞税が半分免除されるということになっています。また、滞納者に財産がないとき、また滞納者の生活を著しく窮迫されるおそれがあるときなどは滞納処分の停止といった措置もあり、この場合には延滞税は全額免除されることとなっています。
 これら納税の猶予等の納税緩和措置については、滞納者の実情に配慮をしながら適切な活用を図る必要があると考えているところであります。また、その在り方についても、今後、制度の適用の実態等を見ながら引き続き検討してまいりたいと思っております。
#144
○竹谷とし子君 ありがとうございます。
 この件につきましては、この猶予の期間も長くということも是非検討の中に入れていただきたいというふうに思います。
 今、円滑化法の期限切れを心配される中小事業者さんが多くいらっしゃいますが、政府としては、今後は延命から再生へということで、出口戦略、このパッケージを金融庁また中小企業庁で様々、認定支援機関等の活用で再生計画をしっかり立てていくことの支援とか、ニューマネーの投入など、補正予算の中でも組んでいただいていますけれども、納税が滞っている場合に信用保証協会の保証が受けられないといったような、そういうことが起きてくる場合があると思います。
 中小企業庁と金融庁で様々な再生のための出口戦略をやっているところで、是非財務省も、午前中の麻生大臣の御答弁の中にありましたけれども、円滑化法期限切れの出口戦略として借り手の状況に合ったきめ細やかな対応が必要という趣旨のお話をされました。財務省におかれましても、税金の滞納者の方、払えるのに払わない人とか、また遊興費とかギャンブルとか別なものにお金を使ってしまったとか、そういったケースにまで対応する必要はないと思いますけれども、取引先の倒産とか売上げの急激な減少とか、そういった経済環境下でどうしても払えない、そういう事業者への対応を出口戦略の一環のパッケージの中の一つとして是非一緒に考えていっていただきたいというふうに思います。
 そこで、資料のBを次に御覧いただきたいというふうに思いますけれども、この税金の滞納の延滞税だけではなくて、様々な延滞税を課している法律がございます。こちらは財務省が出していただいた約七十法令でありますが、これ以外にもあると思います。その一覧というのがなかなか入手できないというか存在していないんですけれども、こうした政府の法律、政令、省令で金利を設定する際の考え方があるのかどうか、法務省に伺いたいというふうに思います。
#145
○政府参考人(萩本修君) 広く金利全般について設定のルールがあるとは承知しておりません。
 法務省からは、民法を所管する立場から、私人間における金利のルールについて御説明をしたいと思いますが、私人間の取引において延滞税に当たるものは、金銭債務の履行遅滞に伴って支払うべき遅延損害金ということになりますけれども、その利率につきまして、民法は、当事者の合意がない場合には法定利率によるけれども、当事者の合意がある場合には、その合意で定められた利率、すなわち約定利率によるとしております。これは、私人間の取引の場合にはいわゆる契約自由の原則が働きますので、基本的には当事者の合意によって自由に定めることができるとしたものでございます。
 ただし、金銭消費貸借契約に基づく遅延損害金の利率につきましては、利息制限法により上限が定められております。例えば、貸金業者などが業として行う金銭消費貸借契約の遅延損害金につきましては年二〇%が上限とされておりまして、当事者の定めた利率が利息制限法所定の上限を超えた場合には、その超過部分は無効とされております。
 また、利息制限法以外にも遅延損害金の利率の上限を定めた法律がありまして、例えば今委員御指摘の資料Bにもあります消費者契約法、これは消費者契約に基づいて消費者が支払うべき遅延損害金の上限を年一四・六%と定めております。
#146
○竹谷とし子君 ありがとうございます。
 今法務省から説明があったように、利息制限法で上限を定めているという以外は、政府にあっても、各省の独自で金利設定をされているという状況であるというふうに認識をしております。
 そこで、この資料の中で厚生労働省所管の延滞にかかわる金利設定について個々に伺っていきたいというふうに思います。
 今回、税金の延滞税が見直しを行われたということで、これはかなり横並びで、この資料を見ても分かりますように、一四・五%、また一四・六%と、それぞれの法律で横を見ながら設定しているという、そういう背景がうかがえます。
 そこで、災害援護貸付金、そして母子福祉資金貸付け、そして社会保険料、この厚生労働省が所管する三つの延滞税につきまして、延滞の金利と金利設定の考え方を伺いたいというふうに思います。
#147
○政府参考人(西藤公司君) お答えいたします。
 まず、災害援護資金貸付金でございますが、これは災害により住家、家財に被害を受けた場合や世帯主が重傷となった場合に、一定の所得以下の世帯に対しまして生活再建を図るために貸付けを行う制度でございますが、この貸付けの償還に係る延滞利率につきましては、制度を創設いたしました昭和四十八年当時における他の福祉的な貸付制度を参考にいたしまして、政令におきまして年一〇・七五%と規定し、現在に至っているところでございます。
 ただし、災害その他やむを得ない理由があると認められる場合には徴収しないことができることとされております。
#148
○政府参考人(鈴木俊彦君) お答え申し上げます。
 母子福祉資金の貸付金でございますけれども、貸付金を受けた方が支払期日までに償還をしなかった場合、都道府県等が違約金を徴収するということになってございます。この違約金の金利でございますが、母子及び寡婦福祉法施行令で年一〇・七五%とされております。この利率につきましては、国税など他制度の延滞金の率を参考に設定されているものでございます。また、災害その他やむを得ない理由がある場合の徴収しない取扱いにつきましては、災害援護資金と同様でございます。
#149
○政府参考人(蒲原基道君) 社会保険料についてお答え申し上げます。
 社会保険料に係る延滞金の金利につきましては、納期限の翌日から三か月を経過する日までの期間につきましては年率四・三%とされております。他方で、三か月を経過した後の期間につきましては年率一四・六%とされております。こうした社会保険料に係る延滞金の金利につきましては、保険料納付に誠意のない事業主等に強く納付を促すというとともに、期限内に保険料を納付した事業主等との負担の公平を図る、こういうことのために国税など他制度の延滞金の利率を参考に設けていると、こういう状況にございます。
#150
○竹谷とし子君 ありがとうございます。
 今のお話の中で、国税などの利率を参考にという御説明がありました。今回、国税の方の延滞税の引下げという、本則の引下げという思い切った御決定をしたこと、本当に評価しておりますけれども、これらの厚生労働省所管の延滞にかかわる金利設定についても今後改正をしていっていただきたいというふうに思います。
 まずは、この災害援護貸付金、母子福祉資金、また種々の社会保険料の延滞の利率の国税の見直し設定後の見直しについて、厚生労働副大臣に今後の御検討の御方針を伺いたいというふうに思います。
#151
○副大臣(桝屋敬悟君) 先ほどから議論が行われておりますが、私ども厚生労働省所管の各種貸付制度あるいは社会保険の保険料等を滞納した場合の取扱いにつきましては、滞納した保険料等に滞納金を上乗せした額を納付することとしておりまして、現在の延滞金の利率は延滞税の利率等を踏まえて設定をしているわけでございます。
 今御指摘のございました今後の見直し等でございますが、今回の延滞税の利率の軽減措置を踏まえて、各種貸付制度や社会保険などにつきましても同様の軽減措置を講じるかにつきましては、今後、各制度ごとに、延滞税に係る利率の改正の趣旨を十分踏まえまして検討してまいりたいというふうに考えております。
#152
○竹谷とし子君 是非お願いをいたします。
 今申し上げた災害援護貸付金また母子福祉資金貸付金というのは厚生労働省の省令、政令で定められているものだというふうに理解をしております。一方で、この社会保険料につきましては法改正が必要なものであるというふうに認識をしております。
 この社会保険料の滞納につきましても、先ほど税金の延滞税の話をさせていただきましたけれども、中小また小規模の事業者の御負担というのはもう大変なものがあります。大企業の下請等でどんどん受注が減っていく中で、もうこれを払ってしまうと本当に資金が回らないということで、払いたいんだけれども、分かっているんだけれども、もう払うことができないという、利益が出ていなくてもこれは必ず発生をするものでありますので、この御負担というのは今大変なものになっているというふうに思います。
 平成二十年の、以前の、過去の政権でありますが、平成二十年九月二十三日に、自由民主党・公明党連立政権合意の中でも、厚生年金保険料の延滞に関する取扱いについて検討を行うということが盛り込まれていたと思います。その後、平成二十年の秋以降の景気というのが世界的な同時不況の影響を受けて更に悪化することになり、この後、社会保険の保険料等に係る延滞金を軽減するための厚生年金保険法等の一部を改正する法律というものが、国税と同様に一定期間延滞の利子率を軽減することと迅速性を考慮しまして、議員立法で変更されています。
 今回、この本則を変えていただきたいというふうに是非お願いしたいと思いますが、この際は、議員立法というよりも閣法として行っていっていただきたいというふうに思いますが、いかがでしょうか。
#153
○副大臣(桝屋敬悟君) 今委員が御指摘になりました二十一年度のあの議員立法、私もあのときはまだバッジがございましたのでかかわった経緯がございます。あの当時の経済状況等も思い出すわけでありますが、今、そういう御要請もいただきました。
 ただ、制度によっては、今委員がおっしゃった社会保険料等と全く同じ要素だけでないものが我が省所管の貸付制度にもあるわけでありまして、是非とも、今回の国税の対応について、これを十分趣旨を踏まえて検討してまいりたいと思っております。
#154
○竹谷とし子君 是非よろしくお願いいたします。
 これも同様に、円滑化法の期限切れで、中小事業者、また小規模事業者の方々の延命から再生へという政府のパッケージの中で、これについても同じように、これだけ別よということではなくて、十分な配慮をお願いしたいというふうに思います。
 続きまして、次に文科省所管の日本学生支援機構の奨学金の延滞にかかわる金利設定について、この延滞税の引下げということでお伺いをしたいと思います。
 この日本学生支援機構の奨学金の延滞に係る金利、そして金利設定の考え方について、文部科学省に、副大臣にお伺いしたいというふうに思います。
#155
○大臣政務官(義家弘介君) お答えいたします。
 独立行政法人日本学生支援機構における奨学金の延滞金については、省令に基づきまして、延滞している割賦金の額に対して年率、年当たり一〇%の割合で返還期日の翌日から延滞日数に応じて課しておるところであります。これは、返還者に対して返還期日に返還するよう促す側面、さらに、延滞となった場合、期日どおりに返還している者との公平性の観点から課しているものであります。
 また、この一〇%という割合についてですが、奨学金事業における延滞金の金利については、国税、そのほかの機関における延滞金の率等を考慮して設定しております。具体的には、独立行政法人学生支援機構に関する省令の第二十九条でこの年一〇%が定められているところであります。
#156
○竹谷とし子君 これにつきましても、以前テレビなどの報道でも取り上げられまして、この一〇%というのはやはり高過ぎると。金利が付いていくということについて、まだ大学を出たての若者がその重みというものをどれだけ理解しているか分からない状況でいつの間にか付いていたとか、また、ずっと、一時的に良くなったときはありますけれども、バブル経済の崩壊後、新卒者の就職が氷河期に掛かっていて、就職ができる人とできない人と、また、就職をしても長く続けられずに、その後不安定な職に就くとか仕事をずっとできないとか、そういった方が決して少なくない、多い状況の中で、返せない人というのが出てきているというふうに思います。
 そのことについての対応については遡求して対応いただくなど御配慮をいただいているかと思いますが、そこについて御説明をお願いいたします。
#157
○大臣政務官(義家弘介君) 非常に大切な御指摘であろうかと思っております。
 この二十九条、先ほど申し上げました日本学生支援機構に関する省令の中でも明記しておりますが、「要返還者が割賦金の返還を延滞したことにつき災害、傷病その他やむを得ない事由があると認められるときは、これを減免することができる。」ということも明記されておりますので、まずしっかりと実態の正確な把握の上で、そういった措置というのをどんどん保障してまいりたいというふうに思っております。
#158
○竹谷とし子君 是非その御対応をよろしくお願いしたいというふうに思います。
 文科省からいただいた資料では、未返還額の資料の中で、八百七十六億円が未返還額であるということで、三十三万一千人の方がその対象となっています。また、三か月以上延滞しているという方がそのうち十九万七千人いらっしゃるということで、様々な御事情があろうかと思います。払うことができるのに払わない方も中には残念ながらいるかもしれません。そうした方に対して延滞税を付けていくということは、払える方の中でしっかり期日どおり払ってきた方との公平性という観点から必要な措置でもあると思いますけれども、中にはやはり大変に厳しい状況があって、また、そうした措置を知らないという方もいらっしゃるのではないかと思いますので、今後の調査と御対応の方をよろしくお願いしたいというふうに思います。
 また一方で、やはりこの一〇%はいずれにしても高過ぎるのではないか、現下の低金利の状況の中で、今回、国税の本則が見直されたということで、今後、今回の国税の改正に併せての法改正、また政省令の改正について検討をなされているか、また、していないのであればするべきではないかというふうに思うのですが、副大臣、いかがでしょうか。
#159
○大臣政務官(義家弘介君) お答えいたします。
 この延滞金の率についての御質問ですが、ほかの制度とのバランス等、これをしっかりと考慮することがまず前提として必要であると考えております。
 今回の国税の延滞税の改正も参考にしつつ、財政当局とも相談した上で、延滞金の趣旨、この趣旨をしっかりと損なわない範囲でその在り方について検討してまいることをお約束いたします。
#160
○竹谷とし子君 ありがとうございます。
 是非、希望ある若者がこれからの人生を豊かに、また充実させていけるように、御検討を進めていただけますようお願いをいたします。是非、やり直しが利く社会に、この奨学金の金利負担、これによって将来への希望が失われてしまうというようなことがないようにお願いを申し上げたいというふうに思います。
 続きまして、総務省に伺いたいと思います。
 今、国税の延滞税の見直し、そして厚生労働省所管の延滞にかかわる金利設定、そして文科省の奨学金の金利設定について伺ってまいりましたけれども、これ、それぞれの法律で検討をしていくということになろうかとは思いますけれども、これは何か、大体同じように設定しているのであるから、一つが下がったら自動的に連動的に下がるのが普通じゃないかというふうに国民の普通の感覚からすると思います。
 そこで、総務省の政策評価の機能の一つとして、統一性、総合性の確保の評価というのがあると思います。この毎年改定される行政評価等のプログラムで計画的に行われていますが、このような、今申し上げたような金利設定、各省庁で様々な金利設定がありますが、これは非常に実務的なものでもありますので、行政サイドで省庁横断的にチェックするような必要性があるのではないかというふうに私は感じました。
 これについて、総務省の政策評価の一つとしてチェックができるものかどうか、お考えを伺いたいというふうに思います。
#161
○政府参考人(宮島守男君) 行政評価局が行います政策評価は、政府全体としての統一性を確保するため、又は政府として総合的な推進を図るため、複数省庁にまたがる政策を対象として、必要性、有効性、効率性等の観点から行うものであります。
 また、政策評価とは別に、各府省の業務の実施状況について調査する評価・監視というものも実施しておりますが、これにつきましては、合規性、適正性、効率性等の観点から行うものであります。これらに係る具体的なテーマにつきましては、御指摘のありました毎年度の行政評価等プログラムにおいて定め、これに沿って計画的に実施しているところであります。
 延滞にかかわる金利設定につきましては、個々の必要性に応じて所要の法令措置が講じられ、所管の各省庁において適切に運用されていると理解しておりましたが、本日の御指摘、御議論を踏まえ、行政評価局としてどのような取組ができるのか、今後よく勉強させていただきたいと思います。
#162
○竹谷とし子君 ありがとうございます。
 現在の政策評価の枠組みの中でできるかどうかということも含めて御検討をいただけるという御答弁だったかと思います。是非ともよろしくお願いしたいというふうに思います。
 また、共通的にこうあるべきという物差し、基準がなければ、また横串の政策評価でもこういった金利設定という視点で見るのが難しいのかなというふうに、私もいろいろ考えてみたんですけれども、実際のところはそのように感じました。そうした所与のものを国会でつくる必要があるのか、そういったことも含めて私自身も研究してまいりたいと思いますので、総務省の御担当課も是非相談に乗っていただきたいというふうに思います。
 続きまして、この金利の話とは別のテーマになります、土地、建物等の譲渡所得の損益通算及び繰越控除の復活について質問をさせていただきたいと思います。これは小渕副大臣にお伺いしたいというふうに思います。
 現在は、この土地、建物等の譲渡所得については、平成十六年度の税制改正において、十六年の一月一日以後の土地等又は建物等の譲渡について、分離課税の対象となる土地等又は建物等の譲渡による譲渡所得の金額の計算上は、赤字の金額が生じた場合には他の分離課税の対象となる土地等又は建物等の譲渡による譲渡所得の黒字の金額から控除することができます。控除し切れない赤字の金額が残る場合には、その赤字はないものとみなされて、分離課税の土地等又は建物等の譲渡による所得以外の他の所得の黒字の金額から控除ができなくなりました。
 これにつきまして、今、安倍政権の三本の矢、大きく遠くに飛ばしていくためには、私はこれ、損益通算と繰越控除を復活をさせて、そして土地や建物、不動産の流動化を図る動機付けにするべきではないかというふうに思っております。
 例えば、塩漬けになっている土地、建物、今、市況が良くないからということで動かさずにいるような場合に、ほかの所得が黒字であったと、そして、今売ってしまえばその黒字と相殺できるからということであれば、売る、売却をしようというモチベーションが働いてくると思います。また、何かの所得の赤字があった場合に、利益が出そうな土地、建物等を売ろうとか、そういうふうに不動産を流動化させるという、そういう方向性に後押しをすることができると思います。
 この損益通算については、金持ち優遇じゃないかというような、そういう御指摘ももしかしたらあるかもしれませんけれども、経済を活性化させることが今最大重要なところであると思います。
 また、東京を特に回っていますと、老朽化した建物等、空き家が非常に多くなっております。これは防災とか防犯面でも懸念をされていて、別途、空き家対策を自治体の方と御相談、お話を伺いながらも、別途公明党としてもこれを推進をしていかなければいけないということで様々提案をしておりますが、この老朽化した空き家対策を促す面もこれはあるのではないかというふうに考えております。
 そこで、この土地、建物等の譲渡所得の損益通算及び繰越控除の復活について財務副大臣に御答弁お願いしたいというふうに思います。
#163
○副大臣(小渕優子君) 土地、建物の譲渡損失に係る損益通算又は繰越控除について、譲渡益は二六%比例税率による分離課税とされる一方で、譲渡損失については最高税率五〇%で総合課税される他の所得から制限なく差し引くことができるという主要国では例のない不均衡な制度であったということから、平成十六年度改正において廃止をしたものであります。
 こうした経緯を踏まえますと、これを単純に元に戻すということであると不均衡な制度を復活させるということになりますので、適当であるとは思っておりません。
 なお、居住用財産である建物や土地を売却し新たに買い換える場合、あるいは借家に住み替える場合には、一定の要件を満たせば、売却時点の譲渡損について、総所得との損益通算及び三年間の繰越控除を可能としております。このように、居住用財産については政策的見地から例外的に一定の配慮を行っているところであります。
#164
○竹谷とし子君 政府の、当局としてはそのような御答弁になろうかとは思うんですけれども、ずっとということではなくて、景気の動向を見ながら特例的に行うということも一つの考え方としてはあるのではないかと思います。
 とにかく今景気を良くしなければいけない、資産から生まれるキャッシュフローが今度は労働による賃金上昇、また法人の利益の上昇等につながっていくようにしなければいけないと思いますので、やはり塩漬けになって動いていない土地、家屋というのは、本当に日本全体の国富として考えると、これ、動かしていかなければお金が見合いで動いていきませんので、それを何とかする、バブル経済はいけませんけれども、程々に何らかの動かしていく措置というものが税制面からも必要なのではないか、そして、平成十六年以前行われていたこの損益通算と繰越控除の復活というのは一つの案ではないかというふうに私は思っております。
 もう一つ、これは、これとセットでよく言われるものがあるんですけれども、土地、建物等を買ったときの金利分について、その事業が赤字であった場合に、ほかの所得と通算できなくなっているというものもあります。これは、行き過ぎたバブル経済でのあの不動産投資を、これを抑制するという目的があって廃止されたものでありますが、これについても議論はあるところでありますが、それの前に、まずはこの損益通算、不動産の譲渡所得の損益通算と繰越しができるようにするということをちょっと御検討をいただきたいというふうに要望申し上げたいと思います。
 続きまして、また違うテーマとなりますけれども、所得税法の中で、所得控除の順序というものが第八十七条にあります。これは、所得控除をする場合に、「雑損控除と医療費控除、社会保険料控除、小規模企業共済等掛金控除、生命保険料控除、地震保険料控除、寄附金控除、障害者控除、寡婦(寡夫)控除、勤労学生控除、配偶者控除、配偶者特別控除、扶養控除又は基礎控除とを行う場合には、まず雑損控除を行うものとする。」というふうに法律に定めがあります。
 これ、三・一一の東日本大震災のときに、建物や、また土地も津波にのまれて、また、家財また車、そういったものが失われてしまって雑損として所得税から控除をしてもらうという、そういうことでこれは使われたものであります。
 震災直後、東北の被災地で被災された方の税務相談を受けておられた税理士の方から、このやはり順番がおかしいんじゃないかということで御意見をその際いただきました。
 その際に、財務省の御担当課の方とこれについて議論をいたしました。そのときに御説明いただいたというのは、まず、ストックの喪失というものを先に控除をする、そして、その後にフローの所得から生まれるものを控除するというお話でありました。
 そうしますと、この雑損控除を最初に行ってしまうと、今回の場合は、家も土地も建物も、まあ土地はちょっと一応残ってはいますけれども、土地や車、そういったものがかなり、何千万という損失額になって、とても今年の所得からは引き切れないということでこれは繰越しをされるわけでありますけれども、そうしますと、平年ですと控除されていた医療費とか社会保険料の控除、こうしたものが引けない。これは、もう数十万、人によっては百万以上、二百万とかという人も所得によってはあるかもしれませんけれども、ということで、すごく損をした気持ちになると、被災者の方が。
 ということで、これを、雑損控除を最後に持ってきて、その分繰越しをして、なるべくこの繰越しで、震災特例で延長された面もあると思いますけれども、この雑損について、ちゃんとフローを控除した上で雑損も全てなるべく全額後から控除できるようにという、そういう御要望がありましたけれども、財務省の御見解としては、これは非常に難しいと、本則の変更なのでというお話でありました。
 そこでまた、最近、被災地の方に行きましたときに、私と同じ世代の方でお子さんが二人いらっしゃって、まだ中学生、高校生とかそういう御家庭でありましたけれども、やはり家を全部のまれてしまって、ローンが、ローンだけが残っているという、そういう状況の方で、その方は少し会計の、税務の知識がおありの方だったので、話しているうちに、やはりこのことを許せないと、これを対応してくれないのは、国が対応してくれないのは怠慢ではないかという怒りのお声をいただきました。
 阪神・淡路大震災のときにもこれ改正するべきであるという声が出たというふうにも伺っております。これについて私も考えましたけれども、ストックの喪失を先に、控除の先に持ってこなければいけないという合理的な理由がどうしても納得ができません。フローの所得があって、そしてフローの控除があって、このストックの喪失というのは、何年間にもわたって築いてきたものを喪失するわけです。そして、これから何年にもわたって使おうと思っていたものでありますから、これは一番最後に引くのが妥当なのではないかというふうに思いました。
 これについて小渕副大臣の御答弁をいただきたいと思います。
#165
○副大臣(小渕優子君) 雑損控除につきましては、災害などの異常かつ不可避な事由によって住宅や生活必需品など生活の基盤に損害が生じた場合に直接的な担税力の減殺を調整するというものであります。したがって、世帯構成等による担税力への配慮としての人的控除よりも先に、収入から必要経費を差し引くのと同じように、まず雑損控除を差し引くのが自然であると考えております。
 雑損控除は繰越しが可能であるということでありますので、人的控除よりも後に引くべきという御指摘につきましては、基本的なこの雑損控除の性質というものを踏まえますと慎重に考える必要があるかと考えております。
#166
○委員長(藤田幸久君) 竹谷とし子さん、もう時間が参りましたので、おまとめください。
#167
○竹谷とし子君 時間ですので、終わります。
 ありがとうございました。
#168
○中西健治君 みんなの党の中西健治です。
 まず、先週の委員会で議論させていただいた財政運営方針についての質疑を引き続き行わせていただきたいと思います。
 先日議論した税収弾性値以外にも、政府の試算を見ていて気になることがほかにもあります。今日の午前中の議論でもありましたけれども、三月六日発表の財務省の後年度影響試算では、提示されたシナリオのうち三%成長のシナリオでも、消費者物価指数の上昇率はやっと二〇一六年度、この試算の最後の年度で二%に届くというシナリオになっております。そして、そのときの長期金利、十年物の国債の金利が二・五というシナリオになっているわけでありますけれども、二〇一六年度にやっと二%に物価が到達するというのは、やはり日銀が二年間で二%と、日銀総裁、副総裁が言っているわけですし、私は、麻生財務大臣がそんな簡単なものじゃないという御意見を持っていらっしゃるというのは理解しておりますけれども、ただ、財務省が出すシナリオとして、シナリオの一つですから、二年後に二%消費者物価指数で到達するという、そうしたシナリオをやはり追加するべきなんじゃないかというふうに思うんですが、麻生財務大臣、いかがお考えでしょうか。
#169
○国務大臣(麻生太郎君) これは、この前のときも中西先生のお話がありましたように、これは昭和五十一年、四十九年、その辺ですと大体年率三〇%ぐらい物価が上昇したことを考えましたらね、それは一年で二%って、一年で一〇%も二〇%も行ったやないかというのは、事実過去にそういった例があったのは間違いございません。
 それはもうそういう時代だったんだと思いますが、ただ今回、インフレターゲットとして日本銀行が二%という目標を設定をしておられます。これは、大体インフレターゲットというのは、高い、一〇%、三〇%行っているものを二%に抑えるというインフレターゲットというのはございますけれども、マイナスのものをプラスにするインフレターゲットというのは過去に、多分私の知っている範囲では今回が初めてだと思いますので、これはなかなか現実問題として、いざやってみるとこれは大変だろうなという感じはいたしますので、私も安易にこれは、すぐ来年度行くと言う方、言われる方もいらっしゃいますけれども、なかなかそんな簡単にはいくかなという感じがいたしております。
 また、気持ちが、人がこう気持ちが変わってデフレマインドからインフレマインドに変わっていかせるところが一番僕は大変だろうなという感じがしておりますので、そういった意味では、今御指摘のありましたように、これはいろんなものを考えないかぬとは思いますけれども、私どもとして、今妥当なところかなという感じは率直な実感であります。
#170
○中西健治君 財務大臣のお考えを理解した上で、しかしシナリオの一つとして、政府と日銀で共同声明も出しているわけですから、日銀が言っていることに沿うようなシナリオも一つ走らせる、それはどうかということをお伺いしているんですが、いかがでしょうか。
#171
○国務大臣(麻生太郎君) これは、一つの考え方としてそういった考え方を持っておくというのは大事なことだと存じますが。
#172
○中西健治君 国民にも分かるようにしなければいけないというふうに思いますので、来年度の予算の前の、後年度影響試算というのだと随分先のことになってしまいますから、年央にも中期財政計画を策定するというのであれば、その中、そのシナリオの一つとしてそうしたものも是非公表していただきたいなということを私は要望としてお伝えさせていただきます。
 あわせて、今お聞きしたいのが、この二%物価上昇率を達成したときの金利、先ほど申し上げましたけれども、長期金利の仮定という、前提というのが二・五%ということに財務省の試算ではなっています。十年物の国債金利が二・五。二パーと、物価上昇率二%と長期国債、十年物の国債二・五というのは、なかなかちょっと整合性が取れていないのではないか。
 というのは、二%の物価上昇率が達成されるときには、その先の期待インフレ率というものを考えたら、それはもう二%で収まっていないでしょうと。一旦はオーバーラン、オーバーシュート、それはするだろうというふうに見るのが常識的なんじゃないかと思います。となりますと、名目金利はそれよりも上になきゃならない。例えば三パーにならなきゃいけない。そんなようなことを考えるのが常識的なんじゃないかと思います。
 ですので、この二・五というこの長期金利の置きについてどのようにお考えか、お聞かせください。
#173
○国務大臣(麻生太郎君) これも、基本的には経済成長の三%ではということで、日銀と決めさせていただきました共同声明において物価安定目標二%を設定をされましたので、それでこの試算の推計の期間中に消費者物価上昇率が二%ぐらいに到達するものと考えないと、すぐ来年行くという話でちょっと推計するわけにも、いかがなものかと思いましたので、そういった形にさせていただいております。
 それで、金利につきましても、物価上昇とは独立して、平成二十五年度の予算積算金利、十年金利が一・八というのは一・〇に〇・八を足したものでありますけれども、それを土台に二十六年度以降の市場に織り込まれた金利の将来予測をしておりまして、御存じのように、二・〇、二・二と行って、ある程度、二年間でこれ二・〇なら次は二・二、その次は二・五ぐらいのものではないかという、これも例えば急に民間の企業が活気付いてえらい市中銀から金の引き出しが多くなってくれば金利は上がりますので、そういった意味においてはちょっと推計が入っているところはもう間違いないところではありますけれども、基本的にはこの考え方でやらせていただいたということであります。
#174
○中西健治君 その考え方、先週、税収の弾性値については堅いところを取って一・一だということをおっしゃられました。四だとか四・五だとかそういう実証もあるんだけれども、一・一という堅いところを取られたというふうにおっしゃっているにもかかわらず、あと来年度の長期金利の想定が一・八、今の現状のレベルからすると相当上のところを、やはりこれは堅いところを取られているということだと思うんですが、この二・五というのは余りに甘いなという気がいたしまして、これまで堅いところを取られているのと整合性が余りないんじゃないかなと思いますが、そこはどうお考えになりますか。そこはしっかり整合性を取られた方がいいんじゃないかと私は思います。
#175
○国務大臣(麻生太郎君) 国債金利の水準には、継続的な金融緩和の期待とか、先ほど言われましたインフレ期待とか、国債市場の需給も影響するとは考えられておりますので、これは様々な要素を踏まえておりますけれども、実際に市場が織り込んでいる金利というものの将来予想を加味しておかないといかぬので、ちょっと正直それくらい高くということを期待しているかといえば、それは余り高くなってほしくないなと思うのが普通なんだというふうには思いますけれども、それなりに将来予想を加味しておくというのも一定の合理性はあるのではないかと、我々としてはそう考えております。
#176
○中西健治君 確かに、将来のことだから分からないということだろうと思いますけれども、やはり二%の物価上昇率が達成できる、達成できたときというのは、金利は、日銀が買い支えるというのもあるでしょうけれども、ある程度は上がっている、それもかなり上がっているということは財政運営上考えておかなきゃいけない、堅めに考えておくべきだろうということを申し上げておきます。
 続きまして、この中期財政計画にも絡むところでありますけれども、来年度の本予算の取りまとめに当たって麻生財務大臣は、国債の発行額、発行枠四十四兆円などはとらわれるなということを指示されて、でも結果として四十四兆円以下に収まったし、税収よりも国債発行額の方が久々に少なくなったと、こうおっしゃられているわけでありますけれども、本当にそうなのかなということをちょっと時々疑問に思います。
 といいますのは、閣議決定、先日の予算の閣議決定では、平成二十五年度予算について、「公債発行額をできる限り抑制し、中長期的に持続可能な財政構造を目指す。」と明記されているわけでありますから、麻生財務大臣が指示をされたことと、閣議決定で言わば目標のように掲げ、今回の予算を策定するに当たってのガイドラインのように掲げられているものというのにはちょっとニュアンスの違いがあるなと思いますが、これは後から内閣の方針が変わったということでしょうか。
#177
○国務大臣(麻生太郎君) 基本的には、中西先生、私としては、今回の安倍内閣におきましてやっぱり一番、一丁目一番地というかプライオリティーの一番というのは、これは何といったって景気回復だったと思っております。今でもそう思っていますけれども、今、何となく雰囲気だけ良くなっていますけれども、実質まだ実物経済として発注が出たわけでも受注が出たわけでもありませんので、何となく踊っている、あおっている部分があろうと思いますんで、その意味では私はこの点は今でもいま一つ確信があるわけではないんですが、いずれにしても、こういった状況になってくると、少なくとも我々が妙にあおるとか財政を更に突っ込むとかいうことをしなくても、ある程度雰囲気として上昇とか、何というか、アップライズ、上がっていくような傾向になってきておりますんで、その意味では、私どもが予算を編成し始めました十二月とか一月の初めごろとは随分雰囲気が変わったことは確かで、これは世の中自体が変わったんだと思いますんで、私どもが補正をやらせていただいたころにはとにかく何としてもと思っておりましたけれども、本予算を組むころは、それから一月ぐらい後になるんですが、そのころとは少し気分的なものが変わってきたことは確かで、結果としてあれは四十四兆以下に収まったというのが正確なところでございます。
#178
○中西健治君 結果として抑えることができたというには、最後の何か微調整に苦しいというか苦心した跡が見れるなという気もいたします。国債の利払い費、これまで五年間二%を想定していたのが一・八になって、やっとこれは税収が国債の金額を上回るという形になっていますので、そればかりではないだろうというふうに思いますが、これ以上これについては深追いはしないということで、次の質問に移らせていただきます。
 外為特会についてお伺いをしたいと思います。
 外為特会の為替評価損、これは昨年、平成二十四年三月末時点では四十一・三兆円もありました。四十一・三兆円、七十七円のドル・円で評価されていたというものが公表されているわけでありますが、これだけ円安に進んできたので随分と評価損は減ったんじゃないかと思いますが、評価損は幾らになってどれぐらい減った、これについて教えてください。
#179
○国務大臣(麻生太郎君) 御指摘のとおり、平成二十三年度決算、正確には二十四年の三月末で約四十一兆円の為替評価損が発生をしておりますが、御指摘のとおり一ドル七十七円であります。
 今回の為替評価損につきましては、仮に平成二十五年の三月二十五日、昨日ですけれども、二十五日の為替相場は九十五円ということになろうと思いますんで、これを単純に試算をさせていただければ約二十一兆ということになろうと存じます。
#180
○中西健治君 ということは、四十一兆から二十一兆ですから、二十兆円為替の評価損が減ったということだと思います。
 大変いいことだというふうに思うわけでありますけれども、この為替の評価損二十一兆円ということですが、これに見合うものとして、見合わなければいけないものとして、外為特会では積立金というものをずっと積んできております。そして、昨年末の時点ではこの積立金は二十・五兆ということでありましたので、昨年の時点ではその積立金の倍ぐらい評価損が出てしまっていたと、これは望まない姿になっていたわけですが、今はちょうど見合うぐらいまでの金額に来たなということだと思います。二十一兆円と二十・五兆円ですから、ほとんど釣り合ったということになるかと思います。これはこれで今の状況は望ましいと思います。
 じゃ、この後、円安に進んでいったら、この積立金は取り崩すことができるのではないかというふうにも思いますが、そこら辺、お考えになっていらっしゃらないでしょうか。
#181
○国務大臣(麻生太郎君) 重ねて申し上げますが、更に円安になりますとか円高になりますとかいうのは申し上げることはできませんので、その点を御理解いただいた上で、外為の特会では、これ、いわゆる外為特会の為替の変動とか金利の変動リスクというものはある程度アブソーブ、吸収して通貨当局の確認というものをきちんと確保するために、今御指摘のありましたように積立金というものをそのために持っております。
 この積立金は、具体的には、今言われましたように、ドル安に伴い発生する保有外貨資産の為替評価損に備えるために役割を果たしておりますほかにも、将来、国内の金利が海外の金利より高くなるというようなことを考えますと、内外金利差が逆転をすることによりまして外為特会が受ける利子収入よりも支出する支払利子の方が増えるということになりますんで、そういったために外為特会が歳入不足ということになるおそれがある等々など、幾つもの理由があってそれを備えているわけですが、この積立金につきましては、基本的には、保有外貨資産の三〇%程度をめどにして積み立てていくことが中長期的には望ましいと従来考えられてきているところです。しかしながら、平成二十三年度決算時点での積立金比率は一五・八%、先ほど言われましたとおり、あれをパーセントで書きますと一五・八%にとどまって、とても積立金を取り崩せる状態にはなってなかったんですが。
 なお、この国の、国家の信用によって集められた資金を統合管理するという立場から、外為特会の積立金というものは財政融資資金に預託することとされております。外為特会におきましては、預託金の満期償還分の一部を政府の短期証券、FBの償還に充てることになっておりまして、これ、繰替え使用等々によりまして、外為特会が保有をいたしておりますFB、政府短期証券の縮減に努めるということが基本といたしております。
#182
○中西健治君 今後、さらに積立金が多過ぎるなと思われるようなことが起こったら、そのときには考えていただきたいというふうに申し上げておきます。
 二月二十日の予算委員会で私は為替介入に関する質問をさせていただきました。そのときに、麻生大臣は為替介入は効果がない、民主党内閣のときも何回かやったけど効果がなかった、こうおっしゃられました。私自身も為替介入の効果についてはそんなもんだろうというふうに思っておるわけでありますけれども、為替レートに影響を与える要因としては、今支配的な考え方としては、金融政策の差、マネタリーアプローチだというのが支配的な考え方であるというふうに思います。それについてのコメントは立場上は差し控えるということだと思いますが、少なくともこの為替介入に関しては限定的な場合でしか行い得ないし、やったとしてもその効果は中長期的なものではないという認識で共有できているかどうか、お聞かせください。
#183
○国務大臣(麻生太郎君) 今、中西先生がおっしゃられるとおり、為替の介入につきましては、これは投機的なものとか、いわゆるスペキュレーションみたいな投機的なものとか、また無秩序な動きに対して、当局として国家としてシグナルを、それはいかがなものですかなんてシグナルを送るという意味におきましては、一方的な売りとか買いとかいうものの動きを止める一定の効果があるというものは、もう私どももそう思っております。
 ただ、先般私が申し上げましたのは、ちょうどあのときは私が、リーマン・ショックの直後だったんですけれども、あのときに行われた一連の介入というのがあるんですが、あのころは百八円だったのが一気にどんと七十八円まで円が、円が買われてドルが売られたんですけれども、それを行った直後におきましては、現在市場で見られるような大きな変化というものはあのときはやっても出ませんでしたというのが私の正直な実感でございましたので、それを踏まえて申し上げさせていただいて、基本的には今言われたとおりだと存じます。
#184
○中西健治君 限定的な場合にしかできないというようなものであれば、今のちょっとこの外為特会の大きさ、外貨準備高の大きさ、これは結果として積み上がったものではあるんですけれども、やはり私自身としては問題意識を持っているということであります。
 外貨資産と評価損を合わせて百三十兆円ということになっております。これは積み上がってきた持ち値などを足し上げると百三十兆円ということになっておりますけれども、これは先進国の中では突出していると、中国はそれより大きな金額を持っていますけれども、G7などではやはり突出した金額になっております。アメリカやイギリスなどは十分の一以下というような金額になっておりますので、やはり問題意識を持たざるを得ないんじゃないかなと私自身は思っております。
 百三十兆円という金額は、日本の人口一億三千万近くということで割ってやりますと、一人当たり百万円ということになります。国民が知らない間に外国為替のリスクを取って外債に投資をしているという結果になってしまっている。四人家族であれば一家で四百万円外債を買っているのと同じような結果になってしまっているので、このまま手を付けないというのはおかしいんじゃないかなというふうに思いますが、ここら辺、外貨準備高の大きさについて、適切な金額はどうなのか、そうしたことについてお考えがおありであれば教えてください。
#185
○国務大臣(麻生太郎君) 御指摘のありましたように、平成二十五年の二月末の時点でドル換算一兆二千五百八十八億ドル、当時のドル換算でそういうことになっております。これは基本的に、今言われましたように、過去に行ってきた為替の介入等々をしてきた結果でありまして、特定の規模をあてがってみて、念頭に置いてこういった保有額を決定しているものではございません。
 その上で、外貨準備として最低限持っておかねばならぬというのは、普通、輸入額の三か月から四か月、そういったもの以上とか、短期の対外債務残高に比べればその同額以上、短期の分に関しましては、などの議論もありますが、適正な規模というものにつきましては、これは国際的な統一した見方があるわけではないと承知しておりますが、今の時点でこれをどういった形で、仮に減らすとした場合に、売ればいきなりまたという話になりますので、ドル買い円売りということにもなりますので、これは時期としても難しいものもありましょうけれども、どれくらいの規模にしておくべきかということに関しては、今のは少々大き過ぎるなという、何とはなくそういう感じがしないわけではございませんが、少なくともGDPの四分の一ぐらい持っている計算になりますので、そういった意味では結構な額になっておることは事実だということは私どももそう思っております。
#186
○中西健治君 問題意識の一端は共有できているということなんじゃないかと思うんですが、私も売却しろという無理なことを言うつもりはありません。
 財務省の公表資料からしますと、この外国の債券、満期の平均が多分四年ぐらい、若しくは四年弱くらいになっているんじゃないかと思います。百三十兆円を四年で割ってあげると一年当たり三十兆円とかそれぐらいの償還が平均して来ると。この償還が来たものをまた再投資をして米国債やほかの債券に投資をしてしまっているわけでありますけれども、この再投資を幾らかやめていく、そうしたことをまずはやっていくべきなんじゃないかと思います。再投資もその三十兆円いきなり全部やめてしまうとそれは国際関係上難しいということになると思いますので、十年なり二十年なり、そうした長期の考えを持ってやっていくと。これも表立って言わなくてもいいことだと思います。統計を見てみたら、ああ減っていた、こんなようなことが後から確かめられる、そうしたことをお考えになったらいかがかと思いますけれども、そうしたことについていかがでしょうか。
#187
○国務大臣(麻生太郎君) 今御指摘のありました点は、これは元本の償還分に限るとしても、外為特会の保有する外貨資産でありますことには変わりがないということだと存じますので、したがって、これは簡単にそうですねと申し上げる筋の簡単な話じゃなくて、これは結構慎重に検討させていただかねばならぬところだろうという感じがいたします。
#188
○中西健治君 こちらについては慎重に検討ということだろうとも、まあ予期しておりましたけれども、もう少し慎重じゃなく検討できるものとして御提案申し上げたいのが、これも大臣よく御存じだと思いますけれども、外為特会は、その外貨建ての運用収入について、これと見合った金額を円貨の歳入とするために同額の政府短期証券というものを発行して円貨を借り入れることとしておりまして、為替介入をしなくても毎年度規模が資産、負債共に両建てでどんどん大きくなってしまう、このようなものになっております。言わばこの利子の部分がもう自動的にどんどんどんどん増えていく、再投資されていくという形になっていますが、その部分ぐらいは見直していくとして拡大の抑制を図る、そうしたことについてはお考えいかがでしょうか。
#189
○国務大臣(麻生太郎君) これは、今申し上げたと同じように、これは元本償還分ではなくて、たとえ、今言っておられるのは金利収入分の話をしておられるんだと存じますけれども、これも同じく外貨資産であることには変わりはございませんので、その意味でも、今言われた点については、元本の償還とは少し違う、金利だけじゃないかと言われるところだと思いますけれども、同様に、ちょっとこれ今すぐ、うんというようにお答え、簡単にその線で考えますということを申し上げる、ちょっとこれは慎重な検討が必要だろうと存じます。
#190
○中西健治君 慎重な検討を、慎重かつ、けれども前向きな検討をしていただきたいな、長期的な検討をしていただきたいなというふうに思います。
 それでは、ちょっと質問を変えまして、税制改正関連で質問をさせていただきます。
 世界で一番企業が活動しやすい国、これを安倍内閣は目指すということを経済対策でも言っているわけでありますけれども、今回の税制改正、そして来年度以降、次回以降の税制改正の検討事項などを見てみても、法人本税、これを更に引き下げるということが置き去りにされているというふうに思いますけれども、この法人本税、法人税、アメリカも引き下げる、そしてアジアの諸国と比べれば、今三五%まで下がっている、これは復興のために少し上がっていますけれども、それでもやはり高過ぎるという意見が多い中で、世界で一番企業が活動しやすいのであれば、法人本税、下げる方向にかじを切っていくべきではないかと思いますが、財務大臣、どのようにお考えでしょうか。
#191
○国務大臣(麻生太郎君) おっしゃるように、これは一番活動しやすい国というのは、もう確かに、我々の、せめてアジアの中で一番とかというところなんだと思いますが、これは語学の問題もあるじゃないかと、これはあの言われた直後から御本人も、なかなかいろいろこれは語学の問題もあるしなとかいう話は、言われる前のときに検討したことがありますんで、結構記憶に新しいところなんですけれども。
 この法人課税につきましては、当時は法人本体、まだ法人税払っている企業の方が圧倒的に少ないという状況の中におきまして、税制の抜本改革法において、二十七年度以降においてその在り方を検討するということにしておりまして、この方針に沿って二十三年度改正による実効税率の引下げや今般の経済政策の効果とか、また、インフラの整備状況が進展をしますと、いろんなもので、港から高速に行くまでが全く道路がつながっていないのがぱっとつながっていくようなことになると仕事がしやすいとか、いろいろ規制が多いとか、社会保険料等々、いろいろ他の主要国との間で競争していく上での諸条件等々も考えた上で私どもとしては検討していかねばならぬと思いますけれども、その上で、景気が良くなってきたときの法人税とかいったような、もう少し考えるのはその時期でないと、ただいま下がりに下がっております段階で、今ちょっと考えるという状況にはないということだと存じます。
#192
○中西健治君 是非考えていただきたいというふうに思います。
 個別の税制改正のポイントについてお伺いしたいと思います。これは副大臣にお答えいただくということになるかと思いますけれども、まず給与、雇用拡大税制についてお伺いしたいと思います。
 所得拡大促進税制、これを創設するに当たって、なぜ雇用促進税制を存続させて選択適用することとしたのかということについてお聞きしたいと思います。税制の簡素化という観点からすれば、人件費という一くくりにしてまとめる方が分かりやすいということなんではないかと思いますが、なぜそうしなかったのか、お聞かせください。
#193
○副大臣(小渕優子君) 平成二十五年度の税制改正におきましては、雇用と所得の拡大に向けて、企業にそれぞれの事情に応じて、雇用か給与か、いずれの形で取り組んでいただけるように、雇用促進税制を拡充するとともに、所得拡大促進税制を設立することとしております。
 仮にこの併用を認めることとした場合に、例えば給与水準の相対的に高いシニア職員を雇用する企業が二つの税制の重複適用を受けやすくなり、より優遇されることとなりますが、こうしたことを促進することを意図していることではありません。
 いずれにしましても、これらの税制はそれぞれ効果があるものであり、各企業が自らに有利な制度を選択して適用することを想定しておりまして、制度導入前の現時点で直ちに併用を可能とすることは考えておりません。まずは、今後、適用実態等を見ながら効果の検証を行ってまいりたいと考えております。
#194
○中西健治君 併用するか、できるかどうかということよりも、一つの税制にまとめた方がよかったんじゃないかなというのが私の視点ではありましたけれども、その方が分かりやすいということなんじゃないかと思いますが、それぞれに意義があるということでしたので、これからの適用実績、これを見てみようと思います。
 この雇用促進税制については、事業年度開始直後にハローワークに雇用促進計画を届け出るということが手続上求められております。
 中小企業の中には、多くはと言った方がいいかもしれませんが、事業年度開始時には雇用を拡大するつもりは全くなかったけれども、途中で景気が良くなってきたので雇用をするようになった、こうしたところがこれからは、この税制からは漏れてしまうんですね。アベノミクスで景気が良くなるのであれば、そうした企業はまた続出するかもしれません。
 ですので、年度途中からでもこれをアプライすることが認められるような救済手段というのは取るべきなんではないか、こうした声、よく私は中小企業の経営者などから聞くんですが、そうしたことについてはお考えにならないでしょうか。
#195
○副大臣(小渕優子君) 雇用促進計画の提出は、ハローワークによって地域の労働力需要を把握し、雇用の拡大を図ろうとする事業主に対する助言等を行うために設けられている仕組みであります。
 雇用促進税制は、こうしたハローワークによる助言等と相まって、税制上のインセンティブを付与することで着実かつ計画的に雇用を拡大しようとする事業主を支援する税制であり、こうした観点から事前届出を求めているものであります。
 なお、今般の改正では、一層の雇用拡大のインセンティブとするため、税額控除額を増加雇用者数一人当たりに二十万円から四十万円に引き上げることとしております。
 まずは、こうした取組の効果を見極めるべきものと考えております。
#196
○中西健治君 今の時点では難しいということかもしれませんけれども、ただ、年度途中でこうした声がまた強くなってくる可能性は非常に大きくあるんじゃないかというふうに思っておりますので、そこら辺には是非そのときには柔軟に対応していただきたいというふうに思います。
 そして、この税制についてあともう一つお聞きしたいんですが、これは三年の期間限定ということになっております。三年の期間限定ということになると、よく言われることですけれども、給料を上げるよりもボーナス、一時金を上げておこうということによって、済みません、所得拡大促進税制の方ですけれども、対応する企業が多いのではないかというふうに言われています。
 となると、この三年後、この税制がもう期間を終了したというときに賞与については下方圧力が掛かってくるということになりかねないということになりますが、そこら辺についても政府はあらかじめ考えを巡らしているのか、それとも、現時点ではお考えになっていらっしゃらない、どういうことなのか、お聞かせください。
#197
○国務大臣(麻生太郎君) これは、もう御指摘のとおり、三年後というのに、本当にそれぐらい景気が良くなったら言うことはないなという気がしないわけでもありませんけれども、いずれにしても、こういった意味で、業績が好調な企業、好調になった企業から利益を従業員に還元していってもらう。そのときには、確かにおっしゃるように、ベア、ベースアップをするよりは一時金で払った方が経営者側から見ればこれはすぐまた変更が利きますので、そういった意味では、一時金でやるとか、ボーナス、賞与でやるという方が経営者の感じとしては分からぬわけではありませんが。
 今般の税制改正におきましては、三年間という時限を限って、企業が今少なくとも内部留保だけ厚くしているという状態から労働分配率を上げてくださいという部分まで行かないと、いわゆる三本の矢の三番目の消費が伸びませんと、GDP約六〇%を占めておりますので、ここに影響が出ますので、そういった意味では、我々としては、これは給与等の支給額を増加させた企業に対しては税額控除しますという、これは今までにこんなことをやったことは、多分、いまだ日本のあれでは私の記憶ではないんですけれども、こういったものをやらしていただいたんですが、確かにおっしゃるように、ベアが、ベースが上がるためには、これはもう恒久的な企業の収益力が回復するということにならないと、これは経営者としてはとてもじゃないという感じがしておりますので、利益を経常的に得ることができるような周りの情勢ができ上がるということが極めて重要な観点だと、私どももそう思っています。
 そのために、今般の企業の競争力強化という意味の観点から、少なくとも、この十数年間ずっと設備投資もしていないようなところが多くありますので、設備投資とか、それから国際競争力を向上させるために研究投資とか、そういったものを促進していただくために税制を盛り込んでおりますので、これらを加えた成長戦略というものを実施していくのが大変大事なところだと考えております。
 御質問のこの本税制の適用期限到来時についての考え方はどうかと言われれば、これは時限にするべきか永久にするべきかということが最初に話題になったんですが、絶対、時限にした方がいいと。これはもうどうなるか分からぬからということを申し上げた記憶もありますんで、そういった意味では、三年後、まだまだということになりましたときは、もっとそうするか、もうとてもじゃないと、もうここまでで十分じゃないかというときは、十分じゃないかというような状況になることを期待しておりますけれども、今の段階では、三年後に、その時期に近づいたときに適切に対応していかせていただきたいと思っております。
#198
○中西健治君 質問を終わります。どうもありがとうございました。
   〔委員長退席、理事金子洋一君着席〕
#199
○広野ただし君 生活の党の広野ただしでございます。午後も大分長くなりましたので、本来であればコーヒーブレークのときではあろうとは思いますが、よろしくお願いをしたいと思います。
 先日の大臣所信についての質疑の後、今日は税制についての質疑ということですので、その延長線上でまたお話もさせていただきたいと思います。
 アベノミクスは、やっぱり懸念されるのは、パイが大きくなれば法人の所得が上がってまた一般の国民の所得も上がるんだと、好循環がうまく回るんだという非常に楽観論に立っているわけですが、意外と格差も拡大したり、いろんなことが懸念されるわけであります。
 この間も申し上げましたが、オバマ大統領は、中間層の底上げが経済成長のエンジン役になるというような考え方を持って実行しようとしているわけです。この中間層の底上げというものを税制からやっぱりやっていくということが非常に大事じゃないかと思っております。
 雇用の拡大あるいは所得の拡大ということで、それなりの、雇用の拡大だと二十万を四十万にするとか、所得の拡大についても対策を打っておられますが、私に言わせますとツーリトルだと、もっと大々的にやらないと中間層の底上げというのはなかなかできないんじゃないかと、こういうふうに思いますが、まず大臣の答弁を伺います。
#200
○国務大臣(麻生太郎君) 御指摘のありましたように、この経済対策の中で、オバマ大統領の言葉を借りれば中間層の底上げ、我々で言わせていただければ三本の矢の三本目の経済成長ということになるんだと存じますが、問題は、その収益を見た場合に、過去、リーマン・ブラザーズのあの事件等々、二〇〇八年ですから五年ぐらい前になりますが、あのとき、自己資本比率が企業はどうだとかいって随分世界から言われたのとは今は全く違って、自己資本比率は多分、無借金の会社が四〇%を超えるほどになってきておりますんで、上場企業で、そういった意味におきましては、自己資本比率は多分日本は物すごい高い企業に様変わりした割には、いわゆる中間所得層たる勤労者に対して労働分配率は全然上げていないというか、むしろ下がった形になっておりますんで、その意味では、なかなかそちらの方に金が行かないということを考えましたので、我々は、給与などの支給を増加させた企業には税額控除制度を創設するとか、また、雇用を拡大された場合の税額控除制度を拡充するとか、そういったようなこととしておりまして、厳しい財政事情の中ではありますけど、雇用とか所得とかいうものの拡大のために集中的に取り組ませていただくことにさせていただいた次第です。
 なかなか難しいだろうなとは思っておりましたけれども、最近の中では、一時金を含めて給与の支給額を増やしますと言われる企業が、そういった気持ちを表明される企業が出てきたところでありますんで、この税制と併せて成長戦略を実施することを通じまして、更に民間の設備投資とかそういったものが出てきて、更に雇用とか所得の拡大につながっていくようにして我々としては経済の再生につなげていきたいんだと、つなげてまいりたいと、私どもとしては基本的にそう思っております。
#201
○広野ただし君 雇用の拡大も、この間本会議で御答弁になっていたのは、今までは二十数億円の減税ですということですよね。千何百件の案件だと。所得の拡大についても、これ余りはっきり言われなかったですが、数千億円なのかどうなのか分かりませんが、いずれにしても、やっぱり雇用の拡大にもっとどんと減税をする。そんな数十億円の話じゃないんですよね。それと、所得の底上げについても税制上措置をする。これをやっぱり一兆円、二兆円の大台でやっていきますと、中間層が非常に豊かになって、それがまた成長のエンジンになると。
 だから、まず法人の留保を出させるんだというこの従来の考え方だけでは私はやっぱり本当に豊かな日本、そういう経済にはならないんじゃないかと、もっとやるべきと、こう思いますが、いかがですか。
#202
○国務大臣(麻生太郎君) これはいろいろ意見が出るところで、もっとということは更に財政の出動とかいうことにもなってまいりますので、どの程度かというのは、広野先生、これはなかなか一概に、そういえばそういう効果があるということはもう間違いないとは思いますけれども、更にということになりますと我々としてはちょっといま一つ二の足を踏むところがありますので、それこそばらまきじゃないかとかいろいろ意見が出てくるところなんだとは思いますので私どもとしては今回はこの程度をやらせていただいておりますけれども、これが効果がないとかいうことになった場合には更に別のことを考えねばならぬとかもっと出さねばいかぬとか、いろんなまた御意見はそのときに拝聴させていただければと存じます。
#203
○広野ただし君 三本の矢の機動的な財政という、財政の中に一番また効きますのは税制なんですね、所得税減税というのもあるわけですから。中間層の懐を豊かにするという面では、私は今の政策は余りにもツーリトルだというふうに思います。
 それと、日本の経済の大事な中小企業、九九%は中小企業ですが、それと地域経済、地方経済ですね、これがやはり非常に今苦しんでいるということだと思います。この地域経済活性化、中小企業についても、商業、サービスについて今それなりの税制を投資減税的に盛り込まれておりますけれども、これもまたツーリトルなんですね。もっと中小企業が元気が出るようにやらなきゃいけないし、地域経済を、大都市はそれなりに頑張っています、東京なんかも。しかし、地域経済を活性化するために、例えばそこの思い切った所得税減税とか、地域に限ってですよ、例えば過疎地域についてはそれをやるとか、そういうことですとか、企業がそこに定着をして、あるいは来たりするために法人税をそこは下げるとか、地方について、線引きについてはまたおっしゃるとは思いますけれども、そういう中小企業と地域経済のための税制というのはいかがでしょうか。
   〔理事金子洋一君退席、委員長着席〕
#204
○国務大臣(麻生太郎君) これは、日本経済を活性化させていきますためには、これはもう地域、地方、地方経済、そしてそこに多くあります中小企業の活性化がない限りはこれは日本経済の再生というのは極めて難しいので、最も重要な課題なんだと、私どももそう思っております。
 したがいまして、今回の二十五年度の税制改正におきましては、企業の立地条件が不利な地域に関して、例えば離島とか半島振興対策地域においては、投資促進税制について各市町村の産業振興計画に基づいて機械装置などを設置したとか取得した場合には税制上の優遇というものを行うこととしておりまして、対象事業とか償却率の拡充などを行うことといたしております。また、中小企業支援の点から交際費課税の特例というのを認めさせていただきましたし、商業、サービス業とか農林水産業というのは、地方の中小というのは大体製造業よりはそっちの方が多い部分がありますので、その部分の経営改善のための設備投資、例えば冷蔵庫を買うとか何かいろいろございますけれども、そういったものを支援する税制を新たに講ずるということといたしております。
 こういった中で、地域の中小企業とかまた、何というんでしょうかね、地域にあります零細企業等々に関しましては、我々としてはそれなりにここが問題だという意識はございましたので、大都市はそこそこ回っていくにしても、中核都市以下の地方の都市というのはなかなか商店街含めて発展しないという、活気が出てこないというような実態、私もそういうところに住んでおりますので、そういったところで感じがありましたので、こういったものにやらしていただきましたので、まだという御意見もあろうかと思いますけれども、少なくともそういった方向を十分に配慮してやらしていただいたつもりでございます。
#205
○広野ただし君 この日本列島の中で今非常に深刻なのはやっぱり過疎、先ほどおっしゃった離島、半島等も含めて、本当に過疎に苦しみ、また高齢化に苦しんでいるということだと思うんですね。ですから、従来の対策だけではやっぱり駄目なんですね。
 ですから、そういう地域においては、そこに定着するように、所得税減税をする。そして、法人税減税もする。そしてまた、高齢者対策としては、現役世代を大切にするために現役世代へ傾斜を付けて減税をするということをやらないと、これは本当に、まさに安倍総理がおっしゃっていますが、日本の田園風景、本当に息をのむようなすばらしいものである、その田園がまさに荒れんとしているわけですね。ですから、抜本的な地域対策、経済対策、そしてそこに定着をする、そしてまた高齢者対策にもなるということを税制上やっぱり考えないといけないんじゃないかと、こう思いますが、いかがでしょうか。
#206
○国務大臣(麻生太郎君) 今おっしゃいましたように、地方の場合、今田園風景を例に取られましたけれども、フランスの南の方へ行きますと、真っただ中にぽんと農家が建っておりますが、あれ全部国が外形を必ず保存するのを条件に一定の補助金を出しておる。中は触ってもいい、外は触っちゃいかぬ、なぜなら風景が乱れるからという理由で中以外は触らせないというようなことをやっておる等々、幾つもございますし、離島に非常に不便であっても人が住んでもらっているおかげで、そこに不法占拠を外国人にされることもない。そういった意味ではこれはかなり、国境辺にあります離島等々におきましては非常に大きな要素になっている等々、防衛上も関係あるんじゃないかとか、いろいろ御意見が昔からあるところなんです。
 なので、私ども、今そこまで手が回っていないと言われればそうなんだと思いますけれども、少なくとも高速道路はそこまで絶対通りませんし、そういった意味では船舶のあれを補助したりいろいろなことをさせていただいてはおりますけれども、今後とも、そういったところに住んでもらっているおかげで国が、国土が保全されているという部分というのは間違いなくあろうと思いますので、そういった点も今後配慮をしていかねばならぬ大事な観点だと存じます。
#207
○広野ただし君 それで、私はやっぱり内需を振興しなきゃいけないと。グローバルな経済を中に取り込むというのもそれは、そういうことも必要だとは思いますが、やっぱり日本の中小企業ですとか地域経済のことを考えますと内需振興こそ本当に大切だと、こう思うんですね。
 インフラも非常に古くなって更新投資が必要だと。しかし、日本の民間企業の設備も非常に古くなってきていて、もう大事に使うのは大切なんですけれど、それによって非常に競争力も落ちてきているんですね。だから、更新投資を大々的にやれるように耐用年数等をもっと短くするという、全般的に耐用年数を見直すということですとか、やっぱり研究開発投資、今回もそれなりにやられますけれど、日本はもう資源も、まあ釈迦に説法ですが、資源もエネルギーも本当に輸入に頼らざるを得ない。そうしますと、人材とやっぱりそういう研究開発投資なんですね。これは三〇%だとか何か言っているんじゃなくて、もっと減税していいんだと思うんですね。そこを傾斜しないと、本当に日本は世界の中で生きていけないと。
 この間も言いましたが、世界ナンバーワンというよりもオンリーワンの企業を育てていくという、そして高くても売れるという、それはブランドなんかのことを例に出しましたけれども、高級ブランドはそういうのでヨーロッパのは売れているわけですね。ですから、やっぱりそういう開発投資というものにもっと傾斜を付ける、そして内需を振興していくということでないといけないんじゃないか。また、中小企業の先ほど言いました投資減税も、中小企業に外に出ていけ、それはそういうのもある程度は必要でしょう。だけれども、やっぱり国内にいてオンリーワンの企業として頑張っていけるというふうにすることが税制上も大切じゃないかと思いますが、いかがでしょうか。
#208
○国務大臣(麻生太郎君) おっしゃるように、日本のGDP、約五兆ドルぐらい、五百兆円ぐらいございますけれども、その中で輸出、輸出ということをよく我々としても言うところではありますけれども、現実問題として国内の需要が約八八%、九%、輸出に頼っている部分は一〇%ぐらいしかございませんで、貿易立国なんというのは全く昔の話で、今は実態は全く違ったものになっておりますのはもう広野先生御存じのとおりです。そういった意味で、内需を喚起するためには、今言われましたように、国内の需要を、やっぱり日本の中にいて戦うという形にできないといかぬというのは、私も全く同じ意見でございます。
 今、例を引かれましたけれども、オンリーワン企業と言われた中で、御存じかと思いますけれども、墨田区に岡野工業という会社がございます。この会社は、例の痛くない注射針というのを開発して、従業員たしか四人しかいないんだと思いますが、この会社は間違いなく、これまで十億本ぐらい針を作って、いまだかつて不良品ゼロというのが世界での最も売りなんだと思いますけれども、この人なんか見ていますと、間違いなく国内でやっている、墨田区の一地域で堂々とやって立派な利益を出しておられる。技術はそれしかないから、これは絶対まねができないからというようなものになっているんだと思いますけれども。
 そういったようなものが全てとは申しませんけれども、いろんな意味で、そういった思考方法としては、やっぱり唯一のものというのが大事なんであって、私ども、大量に売られて、何となくメード・イン・チャイナとか韓国製がいっぱい入ってきていますけれども、いまだ貿易収支は日本は黒であって、対韓・対中貿易は今でもたしか日本が黒字が続いていると思いますけれども、逆に、オンリーワンがありますフランスとかイタリアとかスイスとかいう方は、日本は対フランス貿易は全部赤字がずっとしておりますんで、そういった意味で、ブランドとかオンリーワンとか、そういった意味はやっぱり非常に大きなものなんであって、私どもも、今後、日本の国内の技術を考えたり、人材を考えたり、資源というものを考えたりした場合は、今言われたように、オンリーワンと言われたようなものが確立できる方向というのは、思考方法としては正しいんだと存じます。
#209
○広野ただし君 まさに正しいんで、実体経済に特にお詳しい麻生大臣、それをバックアップするのに、もちろん財政も、財政というか補助金的なことも必要だとは思いますが、税制ですよね。やっぱりそれによって民間の古くなっている設備も変わっていくということもしなきゃいけないし、特に東日本の大震災の被災地、ここに企業に行ってもらうということでいろんな補助金がありますけれども、これはやっぱりそういう地域に税制でもって法人税減税もその地域においてやるとか、そうすると本社までそこへ移動することだってあるわけですから、これはやっぱり税制上の措置というのは必要なんじゃないかと思いますが、いかがでしょうか。
#210
○国務大臣(麻生太郎君) 確かに、おっしゃるように、例えば被災地で、もうとてもではないということで、もう、ここに帰ってきてもう一回うちを建てるほどの年でもないしとか、いろんなことを言われる方というのは、現地に行きますといろいろ話を伺う機会もありますんで、広大な土地が空いているんなら、そこを今やってくれるんだったら、事業税、当分の間ただにしますと石巻市が言うとか、いろいろ言い方ありましょうけれども、その種のは事業税ですから地方税になりますけれども、するとか、今そこで工場を建ててくれて設備投資してくれたら一括償却認めますとか、いろんな方法は私どもとして考えられないわけじゃないですが、これはちょっと今まだ二年ぐらいでなかなか気持ち的にはそこまで行っておられないのかなと思わないでもありませんけれども、何人かの方には直接伺うと、そういったことがあればやりたいということを言われる方もいらっしゃいますし、現地にためになるなら、俺は元々おふくろの里があそこだったからそこでやってみたいとか言われる方もいらっしゃいますので、実に個々にはいろいろあるんだと思いますけれども、今言われました点は一つの新しい方法として検討に値すると存じます。
#211
○副大臣(小渕優子君) 東日本大震災からの復興を促進するための復興特区に係る税制について少しお話しさせていただきたいと思います。
 事業用の設備を取得した等の場合の特別償却又は税額控除制度、また新規立地した新設企業を五年間無税にする制度、また被災者を雇用する場合の税額控除制度など、大胆な税制を講じているところであります。また、今般の改正におきましても、避難解除区域等に係る課税の特例について、新たに避難解除区域等に進出する企業に同様の措置を講ずる等の拡充を行うこととしております。
 復興特区税制については、既に千百四十三事業者が適用を受けるための指定を受けておりまして、復興を推進するために一定の役割を果たしているものと考えております。しかし、先生御指摘のように、東日本大震災からの復興については中長期的な視野を持って取り組む必要があります。
 今後とも、東日本大震災からの復旧復興の状況を踏まえつつ、各省庁と調整をしながら、税制上の支援についてしっかり検討を進めてまいりたいと考えております。
#212
○広野ただし君 それなりにメニューはやっておられるんですよ。だけれども、先ほど言いましたように、ツーリトルなんですよ。だから、なかなか進まないという世界になっているんじゃないのかなと思うわけです。
 今度の税制で教育資金の贈与、千五百万。これの中でちょっと心配をいたしますのは、これはいいんですが、じゃ、本当にそういう贈与を受けられない、どっちかというと貧しい方々の方ですね、そうしますと、教育格差がどんどん付いてくるんじゃないのかという心配をするんですが、これは、大臣、いかがですか。財務大臣より本当を言えば文科省を呼べばよかったんですが。
#213
○国務大臣(麻生太郎君) 今言われました教育資金の一括贈与に係ります贈与税、贈与税のいわゆる非課税制度なんですけれども、これは基本的には高齢者が持っておられます一千五百兆のうち半分以上が六十五歳以上とかよく言われます例ですけれども、この高齢者の資産を若年層に早期に移転させるということで、お金をまず使いたい世代にお金が行くということで経済の活性化を図るとともに、教育とか人材の育成とかいうものを私どもとしては支援したいという観点からこれを考えたんですが。
 この教育格差につきましては、別途、格差の固定化防止という観点から、今回の税制改正において最高税率の引上げや基礎控除の引下げ等々いろいろ相続税の課税強化などを行っているところでもありまして、こうした税制改正全体として評価をしていかなければならぬと思っております。
 いずれにしても、格差の固定化防止とか教育の機会均等の確保というものはこれは誠に重要な課題でありまして、税制改正のみならず、今言われましたように、教育行政全般を含めて政府全体として取り組まなければならない大事な問題だと考えております。
#214
○広野ただし君 この教育、人材育成は非常に大切で、ファミリーで考えるのは私はいいと思うんです。
 だけれども、もう一つ大事なのは、社会的に、社会的にそれをまたちゃんと人材育成、教育等をやることが非常に大切で、そこに仮に、寄附税制がございますよね、寄附税制。教育ですとか研究ですとか、そういうことについての、あるいは文化という、寄附税制。これは法人、個人を問わず、そういうことによって人材育成がなされる、ある意味で社会的にそういうことができるというバックアップの、別のバックアップ体制だと思うんですが、この寄附税制ももっと、今はいろんな意味で、指定寄附金でだとかいろんなことをやっているんですよ。だけれども、これをどおんと、それこそまたもっと大々的にやることによって社会的に教育、研究あるいは文化というものを振興できるというふうに思うんですが、大臣、いかがですか。
#215
○副大臣(小渕優子君) 寄附金税制につきましては、少額の寄附の促進等の観点から、平成二十二年度改正で適用下限額の五千円から二千円に引き下げ、また、平成二十三年度改正で草の根の寄附を促進するために税額控除を導入するなど、順次制度の拡充を行ってきているところであります。
 二十五年度の税制改正法附則の第百八条においては、「大学に対する寄附金その他の寄附金に係る税制上の措置の在り方について、これまで講じられた措置の効果等を踏まえつつ、対象範囲を含め、検討する」ということとなっております。今後、こうした規定にのっとり、望ましい寄附金税制の在り方につきまして再度整理を行い、総合的に検討していくこととしていきたいと考えております。
#216
○広野ただし君 これもそれなりにやっているんですよ。ですけれども、結局、損金算入したりなんかという話で、思い切って、法人が寄附しましたらその分どおんと税額控除ぐらいするぐらいの、ということによって教育あるいは研究、文化の方へ、今は、先ほどおっしゃったように民間はいっぱい留保を持っているんですよね、ですから、そういうものも寄附をする。日本の場合、本当に寄附については一つ一つチェックし過ぎて、何か脱税するんじゃないかというような考え方ばっかりでやっていますから、そうではなくて、やっぱり大きく、大きくというかちゃんともうけられて、そして、それなりに社会貢献をしたいという方々はおられるわけで、あるいはそういう法人はあるわけで、それをもっと自由にやってあげるということが大切じゃないかと、こう思っております。
 それともう一つは、この間も、二十五年度は景気は良くなるかもしれない、だけれども、二十六年度は消費税が上がりますから、八兆、九兆円の負担、控除等の問題もありますから、控除等の圧縮等もあったりして八、九兆の国民負担が増えると。で、次の二十七年度はまた二%上がるわけですから、ということで、その後の二年間は十三、四兆の国民負担が増えてくると、こういうことになります。
 それで、全体的な国民負担率ですね、租税と社会保険料というものを入れた国民負担率、現在、大体四〇%だと思います。それが、五%消費税を上げることによって大体三・七ポイント上がるという、四三前後に行くということになりますよね。私はやはり、昔からありますように、四公六民、民のかまどには六つ残ると、四は取っていくけれども、取っていくという言葉は悪いかもしれないですが、これは人類の江戸時代以来のやっぱり大変な知恵で、まあ懐から五割以上取っていくというのはこれはやっぱりあるいは苛斂誅求の治政というようなことになるのではないかと、日本ではね、そういうふうに思うんです。
 私はそういう意味で、四〇パーを超して四三%以降にこう行っていくということについてちょっと懸念をやっぱり持っておりまして、その点、大臣はいかがでしょうか、国民負担率ですね。
#217
○国務大臣(麻生太郎君) 言われましたように、四公六民はなかなか江戸時代よく言われた話で、四公六民がいわゆる平均だったと言われております、私はそんなに詳しいわけではございませんが。悪代官で大体五公五民とか六公五民になってきたりするのが大体その半分を超えたところなんですが、それでいきますと、日本の大蔵省なんというのは悪代官の方に入ってくるのかなという感じがしないではないんですが。
 いずれにいたしましても、そういった意味では、国民の負担率が平成二十四年度から〇・二%減少して四〇・〇%ということになるんですが、これは、しかし潜在的な国民負担率というのでいきますと、これは五三・二%ぐらい、ほかのがありますので、そういうことになっております。ですが、日本の国民負担率というのは、これはOECDの直近の実績値で、二〇一〇年のものですけれども、これと比較しますと、OECD加盟国三十三か国の中では下から七番目ということで、引き続き主要先進国の比較では低いという水準にはなってはおります。
 しかし、国民負担率と潜在的な国民負担率の乖離が一三%ぐらいに示されておりますように、給付に見合う負担というものは確保できずに、簡単に言えば、将来世代にツケ回しているじゃないかという非難というのは間違いなく拝聴せねばいかぬところなんだとは存じますけれども、今後とも社会保障費の自然増が毎年一兆円ずつぐらい見込まれるということを考えれば、大変留意しておかなければならぬところだと思っております。
 租税負担率だけでいけばこれは下から二番目ぐらいということになるんですけれども、我々としてはいろいろなことを考えてこういったものを検討せねばいかぬのであって、今後とも、給付と負担の適正なバランスというのは、四公六民というのは確かに誠に常識的な水準で、これにとどまるように我々としては努力をせねばいかぬところなのであって、今後とも経済が大きく成長していきますとその分だけGDPが増える、増えればその分だけGDPに対する国債の比率が下がるということになりますので、そういった意味では、中長期的に持続可能な形でこういったものをやっていくということをきちんとおなかに収めてやっていかねばならぬと御指摘なんだと思いますが、私どももそう思っております。
#218
○広野ただし君 江戸時代にヨーロッパ等からも見えた外国人が、いかに日本の、東洋の果てにすばらしい国があるか。それは、先ほどおっしゃった、根っこに私は、四公六民にとどまって、それ以上やるのは悪代官で、これは水戸光圀公が出てきたりしてというような、もう拍手喝采を受けるという世界だと思うんですね。
 ですから、今、国民負担率が四三ぐらいに行っていくというのはやっぱり非常に危機的な状況であって、先ほど潜在のあれでは五十何パーということは借金の部分を入れておられるんだと思いますけれども、それを全部税で取ろうとすると、それはとんでもない世界だと思うんですね。ですから、いろんな資産も売却したり、いろんな無駄を省くという形で押しとどめないと、とんでもないことになるんだろうというふうに思うわけなんです。
 もう一つ、ちょっと時間がなくなりましたからやめますが、特別会計ですね。税を直納で一般会計に入れて、そこから特別会計に戻すものと、特別会計に直接入れてしまう分とあるんですね。特別会計に積立金等があっても、これは目的税だからといって借金返しにはできないというような点がありますが、やっぱり特別会計を整理して大いに分かりやすいものにし、そしてまず借金返しに持っていくということがやっぱり財政立て直しに非常に大切だと思っておりますが、もしコメントがありましたら、これでおしまいにしたいと思います。
#219
○国務大臣(麻生太郎君) 御指摘のありました特別会計の見直しにつきましては、これは平成十九年の第一次の安倍内閣におきまして特別会計法を制定されて、公共事業関係の五つの特別会計を統合するとか、いろいろ特別会計数を減少させるように取り組んできておられて、十八年度は三十一あったものが、二十三年度は十七までというような形で特別会計というものがそれなりに減ってきておるんだと思います。
 その上で、第二次安倍内閣においても特別会計の見直しについて引き続き検討し改革に取り組むということにされておりますので、先般に立ち上げられました行政改革推進会議において、三点、民営化、独法化すべきものはないか、特別会計や勘定を一般会計化にすべきか、また剰余金の一般会計への活用や積立金の規模、水準等々は適切かといった観点から改めて総括しろ、点検しろという話が来ております。
 特別会計をどの程度整理統合するかにつきましては、これはどう見ても、国民から見て透明性とか分かりやすさというものが確保されるかというのは大事なところだと思っておりますので、行政改革推進会議の議論も踏まえまして、現時点でちょっと予断を持ってなかなか申し上げることではありませんけれども、こういったものの議論に参加して、我々としても適切に対応してまいりたいと考えております。
#220
○広野ただし君 終わります。どうもありがとうございました。
#221
○大門実紀史君 大門でございます。お疲れさまです。
 午前中、エール大学の浜田先生と麻生大臣とは考え方が大分違うという指摘がありましたけれども、違って当然だと思いますし、私は、余り学者先生の話を聞くのも程々にしておいた方がいいと。本当にこの十年来、何かそういう、誰かが言ったことばかりのめり込んで、かなり政治を混乱させてきたんじゃないかと思います。やはり国会議員は、もちろん学者、研究者の意見を参考にしながらですけれども、生活感覚とか現場感覚で国会議員独自の、自分の頭でちゃんと判断すべきだというふうに思います。
 その点で、まず物価の話をしたいと思うんですけれども、現場で主婦の方と話していると、デフレ、デフレと言われても、そんな物価が安くなった気が全然しないのよというのをずうっと聞いておりまして、この前の予算委員会でちょっと資料を出して取り上げさせてもらいましたけれども、日本銀行に協力を得て、じゃ、今物価全体は確かに下がっているけれども、何が下がって何が下がっていないんだという資料を予算委員会のときに少し御紹介いたしました。
 結論から申し上げますと、パソコンとか電気製品とかテレビとか、こういうものががばっと下がって、生活物価はむしろこの間輸入物価が上がっておりますので上がってきていると。ですから、普通の方は毎月テレビ買い換えるわけではありませんから、そんなに物価が下がったという気がしないのは当たり前のことだったわけですね。ここでアベノミクスで急激な円安になっておりますので、輸入の物価が上がってきて、更に小麦なんか今度また上がりますけれども、生活物価が上がってきているということでございます。
 政府は二%の物価上昇目標を掲げておられますけれども、二%上昇するということは、この生活物価がどれぐらい上昇することになるんだろうと、今のCPIの構成でいきますとですね。これはやっぱりよく見ておく必要があると思います。
 この二十年ぐらい、二十年たってない、十何年で、物価が二%を超えたのは二回だけでございまして、九七年の消費税増税のときと、あとは二〇〇八年の七月、八月だけですね。消費税のときはちょっとおいておいて、二〇〇八年の七月、八月のときに二・四%上がっているんですけれども、このときは大変話題になりましたけれども、麻生大臣、なぜあのとき上がったか御存じですかね、覚えていらっしゃいますか。
#222
○国務大臣(麻生太郎君) あのときはリーマン・ブラザーズが二〇〇八年のちょっと前に倒産というか、倒れておりますので、それで一挙に影響が、あおられた部分が大きかったかな、ちょっと正確な記憶じゃございませんけれども、そんな感じがいたします。
#223
○大門実紀史君 リーマン・ショックの前でございますけれども、要するに、投機マネーが世界中のマネーゲームで穀物市場とか原油市場に、暴落の前ですけれども、大量に入って二〇〇八年に上がったわけです。
 ちなみに、若干ちょっとせっかくですから御紹介しますと、あのとき物価全体は二・四%ですけれども、食料品全体は三・五%で、エネルギー関係が一七・四%。食料も、これ全体ですので、例えば食パンは二割上がっているんですね、前年比ですね。小麦粉も一九%で、灯油が五四%上がって、ガソリンが二六%上がっていると。それで全体で二・四やっと上がったということなんですね。
 今、どうしても日本のいろいろな構成からいきますと、物価というのはそういう構成をしているわけですね。これで二年後に二%上げるとなると、結果的に言えば、相当生活物価が上がることにならざるを得ないというか、その部分上がらないと上がらないという、現実的に言えばそういうことになるわけでございます。これは、そういうことをよく認識されて、あさって黒田さん来られるというんで聞こうと思っていますけれど、非常に怖いことでありまして、庶民感覚としては大変なことなわけですね。
 若干言いましたが、あしたと日銀のときに議論はしたいと思いますけれど、今このアベノミクスで円安、株高になっておりますけれど、まだアナウンスメントですよね。そんなに何か動いたわけじゃありませんよね。みんな、期待値といいますか、特に海外のヘッジファンドが先に買って、それに投資家がくっついていって、円安になって株が上がっているという形ですよね。これはいずれ、そういう海外のヘッジファンドは大量なマネーを動かしておりますけれど、いずれ利ざやを稼ぐために逆のことをやりますよね、必ずですね。そのときに、一般投資家が付いていったのが、売り抜け遅れて大損をするというようなこと。いずれにしても、この反動が来るのは間違いないわけですね。実体経済が良くならないと、このままでいくと要するにバブルに入りかねないと。長期化すれば長期化するほどバブルが膨らむという関係になりますので、怖いことになるわけですね。
 ですから、言ってしまえば、一部の株主が大もうけをして更に豊かになるけれど、庶民の方はひょっとしたら賃金も上がらない中で生活物価だけ上がるという、経済格差が広がるだけという結果になりかねない、そういう危険性を、まだ今のところちょっと見えませんけれど、アベノミクスははらんでいるということは認識しておくべきだと思いますが、麻生さんのお考え、いかがでしょうか。
#224
○国務大臣(麻生太郎君) 御指摘、全くそのとおりでして、これは期待値で上がっておりますので、特殊用語かもしれませんけど、期待値だけでヘッジファンド等々が日本の株等々にかなりな買いが入っておりますので、上がっております部分のかなりな部分は短期で買って、しかも外資が多いというのが実態という点に関しては、私も全くそうだと思っております。
 したがいまして、この三本目の矢が一番大切なところであって、そこがきちっとした経済成長をして実物経済、実体経済が上がってこないと大門先生言われたことになりかねぬというのは確かなところであります。
 加えて、先ほど言われましたように、デフレ不況といってもこれは通じない言葉で、霞が関とか永田町周辺とか、一部の人たちは通じるのかもしれませんけど、一般的には不況ですよ、僕はそう思っています。だから、不況対策というのが一番なんであって、デフレ不況とかいうところまできちっと分析している人はいないんですけど、ただ、我々としては、今までの不況と違って、インフレ不況とは全然違う不況だということをつかまえてやるということが、残念ながらデフレ不況というのをやったことがないものですから、過去六十八年間、そういった意味では、その対応策を間違えてきたというのは、これは全部、全員が全員、世界中でデフレ不況やったとかデフレーションによる不況というのをやったことがある人は戦後おりません、戦後って六十七年間おりませんものですから、その点なんで、我々としては、対策が遅れた、若しくはやり間違えたという点は後世歴史家が多分非難するところだと思っております。
 したがいまして、我々としてはもう今回はという形で三本の矢をやらせていただいておりますけど、これを現実問題として、成功する、しないは、一番、二番より三本目が一番大事でございますので、その点は、言われましたように、そこのところが確実に実物経済が上がってくるという形にしないと、変な形でまた、またぞろ余った金は株と土地だけに動いてみたりしかねないんで、実物経済をいかにするかというので、税制としても今、国内でということを促進していただくために減税等々をやらせていただいているというのが背景でございます。
#225
○大門実紀史君 本当、おっしゃるとおりだと思います。
 その成長戦略も、実はいわゆる小泉、竹中さんがやったときに、二〇〇五年から二〇〇七年ぐらいまでですかね、成長率としては伸びて、一部の大企業の社員のボーナスも上げる、給料も上げるという事態はあのときもあったんですよね。ところが、総賃金は上がらなかったわけですね、報酬は下がったわけですね。結局、不況が回復できなかった後、内需は良くなりませんので、だから今回の重要なことはやっぱりちゃんと本当に賃金まで波及させるということで、今やもう自民党も共産党も一緒になって賃金上げろと言う珍しい時代になって、今までないことですよね。それは、やっぱりそこは前進だと思うんです、前に比べたら。前はそういう答弁なかったですからね。
 そこで、今日は法案のあれなんで、この雇用促進税制が、私はこういう税制の趣旨、意図は何も否定いたしませんけど、本当に役に立つ政策を出してほしいという意味でちょっと取り上げたいんですけれど、まずこの雇用促進税制ですね。二〇一一年度分の実績がもう出てきておりますけれど、どういう結果になったのか、簡潔にちょっと説明してください。
#226
○政府参考人(田中一穂君) 雇用促進税制につきましては、平成二十三年度におきまして約二十一億円の税額控除の適用があったというふうに把握をしております。
#227
○大門実紀史君 見込みは百三十九億円だったんですよね。それでよろしいですね。けち付けたいわけじゃないんです。百三十九億円見込んでおいて二十一億円というのは、僅か一五%ですかね。これは、なぜこの見込みよりも大幅に実績が下回る結果になったのか、把握されておりますか。
#228
○国務大臣(麻生太郎君) この平成二十三年度の税制改正のときにおいて、これは厚生労働省に押し付けるわけじゃありませんけど、厚生労働省によります平成二十一年度の雇用動向調査の特別集計というのがございまして、それに基づいて措置の適用対象となる増加雇用者数を財務省としては見込んだということでございますけれども、これが過大であったということは今になってみればはっきりしてきたんだと、あのときの推計を数字を調べてみればそういうことになるんだと存じます。
 他方、適用額は確かに見込み件数を大幅に下回ったことは確かですが、適用を受けた企業の数は一千三百十三企業に上っておりますので、そういった意味におきましては一定の効果はあったんだと考えております。
 また、今回の改正において、雇用拡大の一層の刺激を与えるというためにおいて、緊急経済対策の一環として、税額控除額を増加雇用者一人当たり二十万円から四十万円ということに引き上げることにさせていただいております。
 また、別途創設いたします所得拡大促進税制と併せて、これは雇用の一層の確保と個人所得の拡大を図って、先ほどおっしゃっておられましたように、消費需要の回復というものにつなげていかないと経済成長にはつながっていかぬというように考えております。
#229
○大門実紀史君 ありがとうございます。
 この制度をどうのこうのというよりも、よくよく分析しなきゃいけないと思っているんです。厚生労働省の何とか調整助成金とかいろんな制度がこの雇用促進とかであるんですけれど、本当に現場の感覚からいって、こういうものが、使ってもらって促進してもらいたいんですけれど、なぜ今まで、どうしても大きな政策にならないというか、ヒットしないかということなんですけれど、私は、まずやっぱりまだまだ知られていないというのはもちろんあるんですよ。ただ、知られても、この制度があるから雇用を増やそうと、中小企業のおやじさんが本当にそういう気になるのかと。雇用、人を増やすというのは非常にシビアな経営判断でございまして、この制度あるから、じゃやろうというふうになるのかということは、よくよく分析して考えておかないと、かえって国のお金の無駄遣いになりかねないんですね。
 具体的に言いますと、今どうなっているかというと、たまたまハローワークに人が欲しいと求人に申込みに来た中小企業なり企業の社長さんなり人事担当者が、ハローワークの人に、こういう制度がありますよ、計画出したらどうですかと勧められて、ああそうなんですか、じゃ出しておきましょうといって計画を出して、実際やってみて、達成したところが何割かですね。さらに、達成しても、赤字になったら税額控除ですから受けられないと。こうなって、結局あの二十一億というか、なっているわけですよね。
 つまり、これは、何かこの制度があるからやろうというよりも、頑張って人を増やそうと思ってくれた人たちの、そういう企業に対する、何といいますか、事後的な奨励金といいますか激励金みたいな、これが悪いという意味じゃないですよ、それはそれでそういう効果はあると思うんですけど、そこに収まっているというか、そういう収まりがちな性格を持った制度ではないかなと。ずっと、この雇用調整何とか金もこういう減税措置も、見ていて思うのは、そういうところなんですね。やっぱり、もうちょっと経営者が本当に雇用を増やそうとするには、先ほど広野さんからありましたけれども、もっとマクロ的なものがやっぱり必要なのかなというふうに思っております。
 もう話が出ましたので、次の所得拡大促進税制も似たようなところがありますのでちょっと聞きたいんですけれど、これは減税効果一千五十億円と見込んでいるんですかね。この一千五十億円の根拠は一体どういうことなんでしょうか。
#230
○政府参考人(田中一穂君) 今回の税制は、今先生御指摘のように、少しマクロ的な観点から金額だけに着目した制度ですので、そういう前提での推計を行っております。
 基本的には、まず、従業員の給与の支払見込額の、これは日本全体の従業員の給与の支払見込額を前提にいたしまして、これ百六十兆円ぐらいあるんですけれども、今回この制度の適用要件というのがございます。例えば、五%以上伸ばすとか、あるいは一人当たりの給料が落ちないとか、幾つかの要件がありますが、これに該当するものがどのくらいあるだろうかという調査を、有価証券報告書の調査から抽出しまして、その中から取ってきまして、そこで大体分母幾らぐらいに対してどのくらいの企業がこの要件を満たすだろうかという計算をしまして、これを使って絞り込みを行っております。
 それから、その中でさらに、税額控除の割合と、税額控除をするものですから税額控除の割合がそこに掛かるわけですけれども、その場合に、法人が赤字法人ですと、今お話ございましたように、効果がございません。それから、税額控除には限度枠があって、この制度の場合は法人税額の一〇%、中小企業は二〇%という限度枠を設けています。
 そういう意味で、赤字法人だったり限度枠にぶつかったりするような割合というものもこのサンプルの中から引っ張り出しまして全体の調査を行って計算を行っているところでございます。
#231
○大門実紀史君 田中さんね、ちょっといかにも何か科学的にやっていらっしゃるように言われたけれど、そんなものじゃないでしょう、大ざっぱな話でしょう、これ。
 そもそも上場企業二千五百社のうち、人件費を一〇%上げた企業が二割ちょっとだと。それが基にあって、それで企業全体が今おっしゃったように百六十兆円だから、掛け合わせたら三・五兆と。あとはもうその制度をくぐり抜けたらということで、一千五十億ほどになるということなんですよね。
 言いたいことは、この頭の話なんですけれど、上場企業二千五百社が一〇%上げた企業、確かにありましたですね。これが二割ぐらいあったというのは事実ですよね。ところが、今度は、中小企業を含めて全部の企業の二割が一〇%上げると、こういう前提を置くのは余りにも楽天的過ぎるんじゃないかと思いますけれど、どうなんですか。
#232
○政府参考人(田中一穂君) 本当は、先生おっしゃるように、中小企業のデータまで全部私どもが入手できていれば、それを使って計算するのが一番いいと思うんですが、御案内のように、上場していない企業は一定の公開しかしていないものですから、それが使えないということで、上場企業のデータを使っていると。この問題点といいますか、御指摘はそのとおりだと思います。
 ただ、そこの中から取った企業のうち、先ほど言いましたように、本当に五%以上給料を伸ばして、それから前年よりも支給総額が下回っていないとか、あるいは一人一人の給料が下回っていないとかいう、この制度の要件に合致するやつを引っ張り出してきて、その引っ張り出した企業がどのくらい伸ばしているかというのを計算しておりますので、与えられたデータの中では最大限詳しく計算をさせていただいているというふうに思っております。
#233
○大門実紀史君 恐らく、そんな一千億ということにならない。また来年になれば議論したいと思いますけれど、何もけちを付けているわけではなくて、やっぱりきちっと現場のニーズに合った制度を考え抜いてほしいなということに尽きるんです。
 これもやっぱり雇用促進税制、促進税制と一緒のように、雇用を増やすのも賃金を上げるのも、中小企業のおやじさんにとっては、経営者にとってはやっぱり相当のシビアな判断なんですよね。それを、この制度があるから進むだろうというふうに余り過度、過大に思うと違うし、一千五十億というのを予算組みましたという、何か見せ金的に、そういう悪意はないと思いますけれども、何かそういうふうになってもいけないし、やっぱりもっとシビアに、リアルに見るべきだと思いますし、私は、これはやっぱり企業の頑張って上げた、賃金を上げた、頑張って雇用を増やした企業に対する奨励金と言ってはなんですけれども、そういう意味合いなら何も否定はしないし分かるんですけれども、これで増やせると思って待っていると、そういう結果にはならないのではないかと思います。
 政治がやれる、賃金とか雇用問題というのは難しくて、民間の問題ですから、政治がやれるのはやっぱりマクロ政策ですよね、一つは。二つ目は、やっぱり賃金、雇用の制度をどうするかと。例えば、非正規雇用をこれ以上増やさないような形を取るとかですね。三つ目に、私、この前予算委員会で申し上げましたけれども、比較的政府が関与しやすい賃金制度というと、やっぱり最低賃金制度しかないんですよね、割と関与しやすいというのはですね。
 これ、ですから、アメリカとかフランスは、消費拡大のために賃金を上げなきゃというときに最低賃金制度に働きかけるという政策を取って、この前御紹介いたしましたけれども、アメリカは八千八百億円、中小企業支援をやって一気に最低賃金を二百円上げて、日本より超しちゃったわけですね。フランスも、フランスは二兆円以上使って上げましたけれども、そうなっているわけでございます。
 お金をばらまけという意味ではないんですけれども、やっぱり経済対策としてどうしても賃金上げないと、せっかく一生懸命やっていらっしゃることが全部水の泡みたいになって、後で、もう今でこそマスコミはみんな持ち上げていますけれども、これで格差広がっただけとなったら、また自民党、政権失うんじゃないかと、私は思いますよ、本当に。今度は本当に賃金上げなきゃいけないと思うんですね。そういう点では、もうちょっと、これでいいということにしないで、もっともっと研究していただいてやる必要があるかと思います。
 それで、厚生労働省は、言うとそのとおりだと思うんですよね。ところが、厚生労働省は、中小企業支援という予算を持っていないんですよ。ですから、いつもちまちまちまちました助成金制度で何十億しか組まないんですよね。むしろ、伝統的に持っているのは中小企業庁なんですよね、中小企業に使える枠というのを。だから、もう内閣主導で、何々省に任せないで、縦割りに任せないで一気に省庁関係なくわっとやるような、そういう発想を持った賃金引上げ策をやらないと、このままいくと大変なことになるんじゃないかと思いますが、麻生大臣、いかがお考えでしょうか。
#234
○国務大臣(麻生太郎君) ちょっと他省庁にちまちまとはなかなか言いにくいところなので、私ども言葉選ばぬと、また先ほどの辻先生の餌食になりかねぬと思って、言葉を選ばないかぬなと思いながら今お答えしておりますけれども。
 確かに、こういったようなものはまとめてやらないと効果が、また広報的な意味を考えると、えっという感じで、政府というのであれば厚生省で中小企業庁で財務省で皆同じ認識ですから、そういった意味では、今言われたようにまとめてやった方が効果がでかい。したがって、内閣として政府として一体的にやれという御指摘は、私は正しいと思っております。
 それから、先ほど言われましたように、こういうのがあるから人を雇うかといったら、それはなかなかそうじゃないんであって、雇おうかな雇うまいかなと思ったときにこれがあったら、おっ、これならもう一人やれるかなという程度の意識が多分普通の経営者の方々の感性なんだと、私はそう思っておりますので、これがあるから一人増やそうとかいうのは最後の判断であって、最初からこれというのを期待するのは間違いと、私もそう思います。
#235
○大門実紀史君 是非、ちょっと抜本的な、大規模なものを考えて研究してもらいたいと思います。
 もう一つ、今回の税制改正で変だなと思うのは、この日本版ISAですね。この目的が、個人の、これは大体ISAというのは個人貯蓄口座というのが直訳らしいんですけれどもね。毎年百万まで、最大五年間五百万までということで非課税にするということですけれども、その目的が私ちょっと気に食わないんですよ。巨額の家計金融資産を成長マネーに供給すると。よくまあこんなことを政府がはっきりと言うなと。家計の資産を形成を支援する、これもちょっと眉唾じゃないかと、私、この目的そのものは、こんなこと掲げるの不誠実じゃないかと、私思うんです。
 要するに、これ財務省の大変正直な若手の役人さんと議論するとはっきり言うんですけれど、やっぱり家計資産千五百兆、あるいは高齢者の預金、これをもっとリスクマネーに回してほしいと、株や証券にですね。誘導したいというようなことをもうはっきり言うならば、これは、しかも、資産形成といいますけれど、素人のそういう投資家という名前も付けられないような人たちが株でどれだけもうけられるのかと。大抵、さっき言ったけど、後で売り逃げ、売り抜け遅れて損させられる方なんですよね、巻き込まれて。それを、これやれば資産形成になるとか、ちょっとひどいんじゃないかと思うんですよね。
 例えば、この委員会で私ずっと取り上げたことがあるんですけれど、日本郵政が投資信託をお年寄りに過度の営業戦略でばんばん売ったんですよ。それがもう大下落して、大損が広がってかなり問題になったことがあるんですよね。そういうことだってあったわけですよね。それ忘れちゃって、それはほとんどお年寄りだったんですよ。お年寄りに対して長い目で見てくれと。どうやってお年寄りに長い目で見ろというんだと当時思いましたけれど、そんなことを平気で答弁していたんですよね。そういう話なんですよ。それを今度、堂々とこういうことを目的に書くというのはどうなっちゃっているのかと、ちょっと本当に思います。
 もちろん、自分の責任で、自己責任で自分の意思で自由に投資するのはこれはもう勝手でございますけど、政府が証券会社の何か客引きみたいにこんな言葉で制度をつくると。しかも、これ、今恐らくこれだけ株が上がると思っていなかったときに考えたんじゃないかと思うんですよね。株が上がると言ったら、ほっておいてもみんな買いますよね、損するかも分かりませんけどね。
 そういうものでございまして、こういう何か、自分でリスク取ってもらって判断してもらえばいいものを、政府がこうやってわざわざ誘導するようなものはいかがなものかと思うんですけれど、常識的に考えてですよ。大臣、いかがでしょうか。
#236
○国務大臣(麻生太郎君) 私どもは、少なくともリスクの、先ほど言われましたように個人金融資産約一千五百兆、現預金八百何十兆、そのうちの半分以上が約六十五歳以上の方が持っておられるという実態を、少なくともほとんど今金利が付かないものに現金で持っておられる、若しくはたんす預金でも何十兆あるだろうかと言われているものがあるわけなので、そういったようなものがそこにじっと寝ていることは確かだと思うんです。これが、お金というのは置いておくものじゃなくて、これは回すものであって、これはそこにじっと置いておいても余り意味がないんだと思ってはおりますけれども。
 少なくとも、こういった今度の日本版ISAというのをつくらせていただく背景というのは、少なくともリスクの高い金融商品へ投資を誘導するということを目的としているわけではありませんので、少なくとも日本の場合は個人が貯蓄しておられる部分の現預金の比率が世界の先進国の中では最も高い比率になっているというのは実態であります。そういった意味では、少なくとも安定的な資産形成というのを行うことを考えていかないといかぬのではないかと。余りにも現預金に偏り過ぎているのではないかということでありまして、それがこれを考えられた一番の背景なんだと思っておりますが。
 少なくとも、制度の目的というものが効果的に果たされていくかどうかというのはこれは極めて大事なところなのであって、したがって、私どもとしては、これを一口に限ってみたり百万円と申し上げてみたり、いろいろ、ちょっと少なくともそういった点に関しては、もうあおってどんどんどんどんという感じではないというように御理解いただければと存じます。
#237
○大門実紀史君 ですから、本筋は、景気が良くなって、じっと寝ているのではなくて、そのお金が銀行にあるわけですから、銀行が投資をして、景気が良くなって投資すれば、金利も上がれば、利息も上がれば寝ているわけじゃないんですよね。全てデフレ、この不況に原因があるわけで、それを無理やり、リスク取らない連中がおかしいんだみたいな、これは話がもうあべこべだというふうに思いますので、ここは本当に、政府ですからやっぱり節度を持ってほしいなと思います。
 今申し上げたとおり、これは、ISAというのは、イギリスのやつの日本版といいますけれど、イギリスと違うんですよね。何が違うか、田中局長、ちょっと一言で。
#238
○政府参考人(田中一穂君) 御指摘のとおり、今回お願いをしております日本版のISAにおきましては、非課税口座の中の上場株式等を一回売却いたしますと、その売却部分の枠は再利用できないということにしてございます。こうした制度設計については、比較的短期な売買ではなくて長期な投資を促すという意味で日本版のISAの目的を踏まえて決定をしたというものでございます。
#239
○大門実紀史君 違うんですよ。そんな難しい話じゃないんですよ。イギリスは、個人貯蓄口座なんですね。これに対する非課税制度なんですよ。つまり、イギリスの場合は預貯金も非課税にしているんですよ、預貯金の利子も。日本の場合はこの投資関係だけなんですよね。これが大きな違いなんで、さっき言った利息が付かない、今大体もう貯金ができない人が増えて、なおかつ低額しか貯金できない人がいて、その方々の僅かな利子ですよ、これには二割掛けっ放しなんですよね。今度は、ちょっと余裕があって、投資をする余裕のある人には非課税にしてあげようと。普通に考えたらやっぱり変な話なんですよ。
 それは、やっぱりさっき言った、置いておかないで誘導したいからではないかなと思うわけですね。本来ならば、この僅かな貯金に二割も掛けっ放しじゃなくて、ISAという名前を付けるならば、イギリスと同じように個人の利息にももう非課税にするということが本来あるべきなのに、やっぱり誘導策であるというのはここにも表れるわけでございます。
 ちなみに、この二十年でこのゼロ金利政策、最初低金利、ゼロ金利政策で、この二十年で受取利子から支払利子を引いた純受取利子というのは三百二十兆円マイナスなんですね。それだけ国民が利子所得奪われているわけでございます。やっぱり、この問題をきちっと考えないでこういう変な制度を打ち出されるのはおかしいなというふうに申し上げておきたいと思います。
 もう一つ、ちょっとまやかしだなと思うので指摘したいのは、資料もお配りいたしましたけれど、この国際比較なんですよ。時間がないんで、ちょっと申し上げておきますけれど、ちょっとお願いだけしておきますけれど、要するに、日本は今回の措置で諸外国に比べてかなりの優遇策になるんではないかという疑問が、私どもだけではなくて、いろんなところから意見が出ております。
 それに対して証券業界がどう反論しているかというと、一番下のところなんですけど、通算する内容はそれぞれほかの国が厳しくて日本はちょっと緩めましたけれど、三年間しか通算が繰り越せない、ほかの国は無期限が多いと、だから日本はまだ厳しいんだということを証券業界も言ったりするわけなんですけれど、これがほんまかいなと、本当かいなと私は思うわけでございます。
 本当だと言うならば、といいますのは、一般的にぱっとイメージ、印象で考えますと、三年間しか繰越しができないと、通算できないのに比べて無期限にやれるわけだから最後まで引けるねと、だからそれは絶対無期限の方が優遇でしょうと思いがちですけれど、配当と相殺をやるようなことになってきますと、本当に三年を超えて繰り越す例がそんなにあるのかということと、それを理由に、中身を優遇するということの理由に三年というのが使われるとしたら、もうちょっと三年について、三年本当に繰越ししても引き切れないようなことなのかと、配当まで含めてですよ。
 これはちょっと議論を実は財務省としているんですけど、サンプルがないので、結局はこれ分からない話なんですね。これは今後これ更に、ここは緩和するという話もあるわけですから、その三年で繰越しが引き切らないというふうな、何といいますかね、サンプル調査でも結構ですから、ちょっと調べていただけませんか。そうしないと次の議論に入れないと思うんですよね、この三年があるからということばっかり言っていると。ちょっと幾つかサンプル調査をお願いしたいんですけど、どうですか。
#240
○政府参考人(田中一穂君) できる範囲で対応したいと思います。
#241
○大門実紀史君 もう時間が参りましたので、こういう税制一つ一つが何かいいことのように宣伝されておりますけれど、様々な問題点があるということも是非御承知をしていただきながら、まず賃金を上げるために全力を尽くしてもらいたいということを重ねて申し上げて、質問を終わります。
 ありがとうございました。
#242
○中山恭子君 日本維新の会、中山恭子でございます。
 長時間、お疲れさまでございます。最後の質問者でございますので、よろしくお願いいたします。
 今日は、主に所得税法に関連して質問いたします。
 振り返りますと、民主党政権では、税制の基本原則をそれまで取られていた公平、中立、簡素から公正、透明、納得を税制の三原則とすることとしていました。私は、透明や納得といった単語は税の決定過程に使われる単語であって、税制の原則として成り立たないということをこれまでも指摘してまいりました。
 税の制度はその国の社会、経済の在り方を規定すると言っても過言ではありません。自民党政権では、税制の基本原則をどのように位置付け、今後どのように税制を再構築していこうと考えていらっしゃるのか、財務大臣の御所見をお伺いいたします。
#243
○国務大臣(麻生太郎君) 民主党の政権下で、平成二十二年、二十三年、二十四年と、多分三年間の税制改正大綱におきましては、今言った公正、透明、納得という原則が掲げられていたことは承知いたしております。ただ、それに対してどうかというのは、前政権の話でちょっと小生の方からコメントすることは差し控えさせていただきますが、日本では、消費税の導入のときの昭和六十三年に成立いたしました税制改革法第三条におきまして、当時の税制改革の理念として公平、中立、簡素というのは掲げられて、基本的にはこの原則に沿って税制というのはその後もずっと検討されてきたものだと認識をいたしております。
 一方で、例えば昭和六十年、これは中曽根内閣当時の政府税調に対する諮問などでは公平、公正、簡素、選択、活力という言葉が使われておりました。それで、この当時は、平成九年の橋本総理の政府税調に対する諮問文では公平、中立、簡素、国際的整合性とかいう言葉も使われたということになっております。
 このように、これ、いろいろな原則が提唱されてきておりますが、いずれの時代の経済情勢に合わせて力点の置き方が異なっていたんだとは思っておりますけれども、結局は税負担の公平性とか、それから経済の中立性とか、簡素は多分制度が簡素ということなんだと思いますが、そういった三原則が税制を考える上での基本ではないかという点に関しましては、私どもも同様に考えておるのが現状でございます。
#244
○中山恭子君 私も、この公平、中立、簡素というのは非常に分かりやすいですし、税の在り方を考えていくときにこの基本の原則というのが非常に適しているのではないかと思っております。この後、税制全般を社会のありようといった観点から見詰め直して税の在り方を再構築していく必要があると考えますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。
 もう一点、民主党政権下では納税者権利憲章を制定しようという動きがありました。私自身はこの考え方には違和感を覚えたという記憶がございます。納税者の権利といった概念について、どのようにお考えでしょうか。その基本認識をお知らせください。
#245
○国務大臣(麻生太郎君) 納税者の権利憲章の策定につきましては、これは民主党政権下において国会に提出をされたのが平成二十三年度税制改正案というのに盛り込まれていたところであります。これにつきましては、その後の審議の過程で行われた三党協議におきまして、権利という言葉が哲学として相入れないという、当時、自民党の感触を踏まえられて、当時の民主党が見送りとの判断をされて法案から削除する修正を行われたものだと承知をいたしております。
 なお、このときの改正では、納税者が税の減額を求める更正の請求の期間の延長など、言わば納税者の利益につながる具体的な改正事項につきましても三党間では成案を得ておりまして、納税環境の整備につきましては進展をしておるように理解をしております。
 このように、重要なのは、納税者権利憲章の制定が、それがどうとかいうより、納税者の利益の保護につながるというところが一番肝心なところなのであって、これは税務行政の適正かつ円滑な運営ということを考えていく上で大事な観点だと、私どもはそのように考えております。
#246
○中山恭子君 納税者のための納税環境整備ということはもう十分行っていかなければいけないと考えておりますので、その辺りは十分意を用いて対応していただきたいと思っております。
 ただ、納税はあくまでも国民としての義務であって、このことを国民の一人一人が自覚すると、より良い社会、国家が構築されるものであろうと考えておりますので、その辺りの考え方の整理もしっかりと持っていていただきたいと考えております。
 もう一点、これは新聞情報によるものでありますけれども、東京電力福島第一原子力発電所の事故の賠償金についてお伺いしたいと思っております。
 政府は、東日本大震災の復旧復興に向けて、震災発生の平成二十三年に第一弾、第二弾の震災税制特例法で被災者の税負担軽減措置を講じています。また、平成二十四年度税制改正においても、原子力災害からの復興支援のための税制措置等を講じています。こうした措置が極めて大事であるということは申し上げるまでもないことですが、被災地に対するこの制度の周知というものがやはり徹底されていないように見受けられます。これまでにも、この制度の周知徹底を図ってほしいと国会の場でもお願いしてまいりました。
 その関連ですけれども、東京電力福島第一原子力発電所事故の賠償金について、農業や漁業に携わる人々が避難によって仕事ができなかったり、風評被害で収入が減ったりした場合の賠償金に所得税が課税されているというように聞いております。被災者から戸惑いや反発が広がっているという新聞報道がありますが、その状況をどのように把握していらっしゃるでしょうか。
#247
○副大臣(小渕優子君) 御指摘がありました東京電力福島第一原子力発電所事故の賠償金については、一部課税が行われているということについては承知をしております。しかし、東京電力が支払う賠償金については、避難生活等による精神的損害に係る賠償金など、大半のものが非課税となっております。
 一部課税となっているものについては、今先生から御指摘がありました、風評被害や出荷制限による減収に対する賠償金は、適正に賠償がなされていれば事故前の同等の所得となるよう算定されているものであり、課税の対象となるわけでありますが、事故前に赤字であれば新たに税負担が生じることはなく、黒字であっても退職金等の発生や震災税特法による各種の特例の利用等により通常年と比べて税負担は軽減されているものと考えております。
 それでもなお課税が発生する場合もあると考えられますが、こうした場合まで例えば非課税とする等の措置を講じるということになりますと、これは被災者であっても転業や転職をした場合には課税が生じていますので、そういうこと等とのバランスを勘案すれば適当でないのではないかと考えているわけでありますが、いずれにいたしましても、先生御指摘のように、被災者の皆様に対して様々な税制上の措置がなされているということについてしっかりと周知徹底していかなければならないと考えております。
#248
○中山恭子君 確かにいろいろ措置がとられているということはあろうと思いますけれども、また、考えようによっては賠償金イコール所得であるから課税するという非常に単純な原則的な考え方で対応されているというケースが間々あるのではないかと思われますので、是非、その特例についての周知、いろんな形で知ってもらうということを更に努力していただけたらと思っております。
 未曽有な、未曽有と言っていい被害を受けた方々に通常の課税理論を押し付けても、これはなかなか理解を得ることができないという状況だと考えておりますので、また、場合によっては、今後、政府として何らかの特例措置を、もっと明確な特例措置を検討するということは考えられないものでしょうか。
#249
○副大臣(小渕優子君) 委員が御指摘になりましたことも踏まえて、しっかり検討していきたいと考えております。
#250
○中山恭子君 全く同じと言えないかもしれないんですけれども、宮崎県での口蹄疫の被害が出ましたとき、このときには議員立法で対応したというように聞いております。非常に、十分検討した上でのことかと思いますが、委員会の先生方にもこの点ちょっと御検討いただけたら有り難いと、そのように考えております。
 税のフラット化というものについてお伺いしたいと思っております。
 日本維新の会は、今回の税、所得税のこの法案に対して、所得税の最高税率引上げについては、目指す税のフラット化とは真逆であることを理由として反対する、相続税の課税ベースの拡大と最高税率の引上げについては、社会保障制度における世代間格差の是正の観点も含め、より幅広い議論が必要であることから反対するということとなっております。このため、今回の所得税法等の一部を改正する法律案では、新たに四千万円以上の所得に対して最高税率四五%の所得税を課すということになっておりますので、日本維新の会として反対するということが決定されており、党議拘束も掛かっております。
 こういった中で、税率構造のフラット化ということについて、また、今この日本の経済の状況の中で、経済格差が拡大する可能性もあるかと考えられる中で所得税のフラット化を進めることについて、その意義についてどのようにお考えか、お知らせいただけたらと思います。
#251
○国務大臣(麻生太郎君) このフラット化というのが一番顕著に出たのは、多分、レーガン大統領のときと、ロンドンの、イギリスのサッチャーのときにこれは猛烈な勢いでこのフラット化を進めたのが我々にも非常に新しいところなんだと思いますが、少なくとも、昭和六十年代以降の中堅所得者層の負担の累増感というものを解消するという観点からこれは税率構造の見直しというのを行ってきたのが日本の場合でして、累進の緩和とかいうものがかなり実施してきたところだと思っております。
 他方で、近年の給与所得者の所得構造の実態というのを見てみますと、特に高い所得者層の割合が増えてきておるということもありまして、格差が拡大する傾向が見られるということになったところです。そうした中で、税率構造の累進性が低下してきたということもありますものですから、所得税による所得の再分配機能というのは必然的に低下をするということになります。
 したがいまして、今後、消費税の引上げなどによって税制全体としてフラット化が更に進んでいくことを踏まえまして、我々としては、平成二十五年度税制改正では特に高い所得層に絞って一定の負担増を求めることとさせていただいております。平成二十七年度から、現行の所得税の税率構造に加えて課税所得四千万円超につきましては四五%の税率を設けることといたしておりますので、先ほど広野先生から言われた、四公五民でいけば間違いなく四五対五五になりますので、その点からいけば悪代官やないかという話に多分なるのかもしれませんけど、形としてはここは四五に上がるということにいたしております。
 この日本の所得税につきましては、これまでフラット化してきた税率構造を見直して、累進課税によってある程度、いわゆる所得の再分配機能の回復というものを図ることがある程度必要なんではないかと思っておりますけれども、更にフラット化するという方向は、現在の日本の状況を考えれば、ただいま現在では適当ではないと、我々としてはそのように考えております。
#252
○中山恭子君 税の在り方を考えるとき、そのとき、その国の経済情勢、インフレが生じているのかデフレ状態か、いろいろなことをもちろん勘案しないといけないと考えております。
 今大臣のお話の中でありました、アメリカにおけるフラット化というのが非常に私どもにとっては一つの例として考えられるのではないか、考え方を整理していく上で役に立つのではないかと考えております。
 アメリカの場合、レーガン政権のとき、一九八八年に、それまで十四段階、最低が一一%から五〇%の十四段階のものを、二つの段階、一五%と二八%の二段階税率を導入したという経緯がございます。このことについて財務省はどのように評価をしているのでしょうか。また、よかったら、その後のアメリカの税の制度の動きについてもお知らせいただきたいと思います。
#253
○副大臣(小渕優子君) 先生御指摘のように、一九八一年の税制改正におきまして最高税率の七〇%から五〇%への引下げ、一九八六年の税制改正において税率構造の簡素化、十四段階から二段階及び課税ベースの拡大といった改正が実施、レーガン政権下で実施されたものと承知をしています。
 この税財政改革は、他の税目や歳出改革を含むため、所得税改正のみを取り出して一概に評価をするということはなかなか困難であるわけでありますが、しかし、減税が投資を促進し経済成長をもたらしたとする見解がある一方で、勤労意欲や貯蓄の促進は確認されていないとする見解もあり、様々な見方がされているものと承知をしています。
 また、財政赤字については、一九八一年の減税策、これは、五年間で七千五百億ドルの減収に係る歳入実績額は見込額を大幅に下回っており、一九八〇年代における財政赤字拡大の主要因の一つとなったものと考えられます。
 いずれにしましても、引き続き、こうした税制全般にわたる改革の検討の中で、諸外国の税制改正の動向もしっかり参考にしていかなければならないと考えておりますが、アメリカではその後の所得税の構造はどのように変化をしたかという御指摘でありましたけれども、財政赤字の解消や高所得者に対してより負担を求めるという観点から、所得税の最高税率の引上げや最低税率の引下げが行われた結果、所得税の税率構造はレーガン政権下の二段階から現在では七段階へと複雑化し、累進性が強化をされたものと承知をしています。
 具体的には、所得税について、一九八九年からのブッシュ政権では三段階になりました。一九九三年からのクリントン政権では五段階、二〇〇一年からのブッシュ政権では六段階、現在のオバマ政権では七段階へと税率構造が変遷し、最高税率は、レーガン政権下の二八%から、現在では三九・六%へと引き上げられているものと承知をしています。
#254
○中山恭子君 税がその社会を規制するということもありますし、またアメリカの社会ではやはり強い者イコール正義という考え方がございます。そういった意味で、努力した者が報われるという言葉の中にも、日本でいう、努力をした者が報われる、努力しない人がただただ何らかの補助、何というか、保護を受けてのうのうとしているというよりは、みんなで努力して収益を上げていきましょうという考え方と、アメリカの場合の、努力をして得たものについてはそれは当然の収益である、少ない者も多額の収益を得ている者もほぼ同じ扱いでいいんだという、その強さイコール正義の考え方の中での税制の在り方と日本の税制の在り方というのはやはり違っていていいのだろうというように私個人は考えております。
 今回は、日本維新の会では、この税のフラット化に逆行するものであるとの考え方から、今回の所得税法には反対するという立場を取る形になっております。更に党内でも議論を重ねて、このフラット化ですとか、努力をした者が報われる社会について更に議論を深めていく必要があると考えております。
 もう一つ、余り時間はありませんけれども、先日、財務大臣というか副総理から復興に関して、また日本の中の公共事業、必要な公共事業を進めるという点について、共同溝の敷設を進めてはいかがかと申し上げたことに対して非常に積極的な前向きのお答えをいただけたと思って、是非、日本の国、美しい国づくり、町づくりを進めていただきたいと思っておりますが、それと同時に、東日本の大震災で多くの方々が亡くなりました。その鎮魂の意味も含めてでございますが、強く安全で美しい東日本の地域づくりというものを早急に推進していくことが重要であると考えています。
 その東日本の被災地の復興の在り方なんですが、例えば水没して地面が使えなくなっている又はそこに住むことが非常に危険である、安心感を得られないということで高台に移るというようなお話が進められているかと思いますが、その場合の一つのアイデアとして、使えなくなった又は住むのが恐ろしいと思われているような土地に国が地面を、高層ビルを使って地面を造っていくというアイデアを、これは野田財務大臣、安住財務大臣のときにも何度も申し上げていることでございまして、事務方の皆様はよく御承知のことかと思いますけれども、国が土地を買い取るのではなくて、その地面を国が造って高層のビルを建てて地面を造るということを考えてはいかがでしょうかと思っております。もちろん、その地域の方々の御意見、十分反映する必要がありますので、全てということにはならないかと思いますが。
 例えば、今住むのが危険だと思われている地域に例えばみちのく通りというような区画があったとします。そうであれば、そのみちのく通りという区画を一つの高層ビルに造り上げる。ですから、そこに例えば診療所があったり集会所があれば、その住民の方々と一緒にそのビルの中に入る。今の建築技術であればそれができることと思っております。その中の区画についてはその地域の方々が決めていけばいいことでありますが、その地面に当たるものを高層ビルのいろんな階層として国がそこまで造る。一階、二階はもちろん津波の通り道として抜けていくような、そういうイメージでいただけたらと思うんです。
 また、本町通りという区画がその隣にあったのであれば、本町通りという区画のビルをまた造ると。もちろんそこはつながっていくわけですけれども、そういう形の高層の建造物によって平たい地面を高層という形で造り上げていくと。このアイデア、こういった考え方も国として積極的にその地域の方々と相談するということもあってはいいのではなかろうかと思っております。
 耐震構造であり、安全であり、津波が来ても大丈夫。しかも、漁業などに携わっている方々はもちろん職住接近のままで生活できますし、またこれまで海と一緒に生活してきた方々、お年寄りも多いかと思いますが、多分、安全で快適な住居を海の近くに、これまでどおり海と一緒に生活するという、そういった住居も造っていけることと思っております。何というんですか、これまでと全く違う形の地域づくりになりますのでいろいろな考えなければいけない事柄というのはたくさんあると思うんですが、国が積極的にそういった企画立案というものを地域の方々に向けて出していってはどうかと考えております。
 突然の質問でしょうか。それとも、もしこういったことでお答えいただけるのであれば、お願いいたします。
#255
○国務大臣(麻生太郎君) 初めて伺ったんですが、ちょっと商売柄で、建築屋と話すとそれが答えになりますので申し上げてもよろしいんだと思いますが、あのときあれだけの津波が来た中で、残った建物というのは全部鉄筋コンクリートなんですよ。鉄骨のものはほとんど流れておりますしね。やっぱりセメント屋、良かったじゃないかという話になるんですよ、私の場合は。
 そうすると、みんな建築屋がそういうことを言いますので、残っているのは全部鉄筋コンクリートが残った、鉄骨コンクリートは残っていないというのが実態なので、あのときの例でいきますと。例外はあるのかもしれませんけれども。私は現地に行っても同様のことを申し上げられると思いますので、その意味では、鉄筋コンクリートの物を造るというのは、方法、手段としては決して間違っていないと思いますのが一点。
 もう一点は、地上につきましては、地上権は所有者が持っていて、空中権だけを国が買うということかしら、そういうことになるんですかね、今のお話でいきますと。地上権を国が買いますと、それはいろんなことができるとは思いますけれども。その人たちの持っております、所有権は中山さんが持たれたままで、その上に物を建てる空中権だけを国とか県とかが買うという形になるのかなと、これ一つの考え方としてないわけではありません。そういった意味では、商店街などは、一階の商店は商店のおやじが持っていて、二階以上は今住んでいる人がほとんどおられませんので、二階から上まで全部空中権を県が買って、そこに高齢者用のマンションを建て増すなんという方法は一つの方法としてあろうと存じますけれども。
 いろんなことが考えられると存じますけれども、そこのところはよほど住民との折り合いがきちんとできていないと、こっちの人はいいけれども隣が駄目とかいうことになりますと企画としてはでき上がりませんので、そこのところがちょっと、今アイデアとして伺いましたけれども、初めて伺った話ですが、いろんな形で、地上権が全くないオランダのアムステルダムなんというところは、全部あれは市の土地であって私有地は一つもございませんから、あそこは九十九年間の貸地、全ては市のものであって、あとは、全部あれは埋立地なものですから、アムステルダムはそうなっていると思いますけれども。
 そういったいろんな形が世界中、形態があろうと存じますけれども、今のお話を伺いながら、ちょっと先ほど言われた広野先生の話じゃありませんけど、眺望は全く、具合の悪いことに、見た目は、そこに海岸線にいきなりビルがばんと建つわけですから見た目はかなり具合の悪いことになるかなとかいろんなことを考えて地元の方との話合いをさせていただかないと、この話はこっちの都合だけでいいというわけにはなかなかいかぬかなという感じがいたしました。
#256
○中山恭子君 空中権を買うのか、地面そのものを国が、何というんでしょう、フロアとして提供するのか、その辺りももちろん検討していかなければいけないテーマですが、私自身は、ある意味では非常に美しい地域ができるだろうと。高い堤防を造るというよりは、それぞれのところにしっかりした安心、安全な建造物によってその地域の人々がそこに、元のところに住めるということが可能になると考えておりますので、こういった問題というのは、その地域の人に、考えて持ってくればお金出すよという、そういうやり方とは違って、国もその地域の人々と一緒になってどういう地域づくりをしていくかということでもあり、そこに美しい、もちろん社会インフラは最新のものを備えた美しい町ができてくれば、ある意味では国際社会、海外の人々も多く訪ねてくる、そういう地域になるであろうと考えております。
 もう一歩言えば、そこで、いろんな世界の文化の交流などのイベントなどもそこで開かれてくれば、ある意味では日本の復興というものに対する世界の信頼感というのも得られてくるだろうと、そんな思いもありまして、是非そういうことが可能であるかどうかも含めて御検討いただけたら有り難いことでございます。財源の問題などもあろうかと思いますが、財源の問題の話になりますと数分では終わりませんので、是非御検討いただきたいと思っております。
 以上でございます。
#257
○委員長(藤田幸久君) 両案に対する本日の質疑はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
   午後四時五十三分散会
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト