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2013/06/04 第183回国会 参議院 参議院会議録情報 第183回国会 財政金融委員会 第9号
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2013/06/04 第183回国会 参議院

参議院会議録情報 第183回国会 財政金融委員会 第9号

#1
第183回国会 財政金融委員会 第9号
平成二十五年六月四日(火曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 五月三十日
    辞任         補欠選任
     長谷川 岳君     溝手 顕正君
 五月三十一日
    辞任         補欠選任
     川合 孝典君     石橋 通宏君
 六月三日
    辞任         補欠選任
     石橋 通宏君     川合 孝典君
     鴻池 祥肇君     熊谷  大君
     林  芳正君     石井 浩郎君
 六月四日
    辞任         補欠選任
     川上 義博君     一川 保夫君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         藤田 幸久君
    理 事
                尾立 源幸君
                金子 洋一君
                西田 昌司君
                野上浩太郎君
                竹谷とし子君
    委 員
                一川 保夫君
                大塚 耕平君
                川合 孝典君
                玉置 一弥君
                愛知 治郎君
                石井 浩郎君
                熊谷  大君
                古川 俊治君
                松村 龍二君
                溝手 顕正君
                脇  雅史君
                山口那津男君
                中西 健治君
                広野ただし君
                大門実紀史君
                中山 恭子君
                川崎  稔君
   国務大臣
       財務大臣
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(金融)
       )        麻生 太郎君
   副大臣
       内閣府副大臣   寺田  稔君
       財務副大臣    小渕 優子君
   大臣政務官
       内閣府大臣政務
       官        島尻安伊子君
       厚生労働大臣政
       務官    とかしき なおみ君
       経済産業大臣政
       務官       平  将明君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        小野 伸一君
   政府参考人
       金融庁総務企画
       局長       森本  学君
       金融庁監督局長  細溝 清史君
       金融庁証券取引
       等監視委員会事
       務局長      岳野万里夫君
       経済産業大臣官
       房商務流通保安
       審議官      豊永 厚志君
       中小企業庁次長  富田 健介君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○金融商品取引法等の一部を改正する法律案(内
 閣提出、衆議院送付)
    ─────────────
#2
○委員長(藤田幸久君) ただいまから財政金融委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 本日までに、長谷川岳君、鴻池祥肇君、林芳正君及び川上義博君が委員を辞任され、その補欠として溝手顕正君、熊谷大君、石井浩郎君及び一川保夫君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(藤田幸久君) この際、麻生財務大臣から発言を求められておりますので、これを許します。麻生財務大臣。
#4
○国務大臣(麻生太郎君) 平成二十五年度税制改正法につきましては、委員の皆様に精力的に御審議をいただき、本年三月二十九日に可決、成立をいたしております。
 この税制改正法、すなわち所得税法等の一部を改正する法律の一部の規定が、法律案の要綱や平成二十五年度税制改正の大綱等で御説明をしてきた内容とそごを来していることが判明をいたしております。具体的には、租税特別措置法第四十一条の十九の三、すなわち自己資金で住宅のバリアフリー改修工事を行う場合の投資減税についてであります。
 バリアフリー改修工事に係る投資減税は、平成二十六年四月一日以降に入居する工事について、法律案の要綱等では、改修工事限度額を引き上げ、減税規模を大きくすることといたしておりました。しかしながら、法律の規定漏れにより、この減税措置が一年余り前倒しをされ、平成二十五年一月一日からの入居から適用されてしまっているというものであります。法案策定の事務作業においては、誤りが生じないよう幾重にもチェックするプロセスがありますが、今回、この規定に関しては、その過程においてミスがあり、結果として規定漏れが生じてしまったものであります。
 このような事態に対し、当初意図したとおりの条文とするために法改正をお願いすることも考えられましたが、一方で、法律が既に公布をされております以上、現行の条文を前提に既に経済取引の判断がなされておるという可能性もあります。また、内容を見ましても、現行の条文により、納税者が当初想定していた政策より不利になるものではないといったことも勘案をいたしまして、政府といたしましては、改めて改正法案を提出することはせず、成立させていただいた現行の条文のとおり実施をしたいと考えております。
 このバリアフリー投資減税について、国民の皆様に混乱が生じることのないよう周知をさせてまいります。
 今回、このような法律案の要綱と法律の条文との間にそごを生じさせてしまったことについては、委員の皆さんに謹んでおわびを申し上げる次第です。
 財務省といたしましては、今回の事態を重く受け止め、一層のチェック体制の強化を行うなど、再発防止に向けて今後一層努力してまいりたいと考えております。
#5
○委員長(藤田幸久君) 是非、今回の教訓を生かして精励していただくように期待をしております。
    ─────────────
#6
○委員長(藤田幸久君) それでは、政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りをいたします。
 金融商品取引法等の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、政府参考人として金融庁総務企画局長森本学君外四名の出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#7
○委員長(藤田幸久君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#8
○委員長(藤田幸久君) 金融商品取引法等の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#9
○尾立源幸君 おはようございます。民主党・新緑風会の尾立でございます。
 今日は、金商法の一部を改正する法律案ということで、大きく五つの分野がオールインワンといいますか一つのパッケージになった大きな法案でございます。本来ならば個別に審査をしたいところでございますけれども、諸般の事情でこのような形になったことはやむを得ないと思っておりますが、いずれにいたしましても、これらの問題、去年から今年にかけて様々な事件、事故が起こっておりますし、また資本市場の整備ということで、やらなきゃいけないことだと私も思っておりますので、そういう面から少し質問をさせていただきたいと思います。
 まず、去年非常に世間をにぎわしましたインサイダーやAIJの問題に関連する話でございますが、このような経済犯罪というのは制度に対する信頼にもかかわる、決してまず許されてはならない、許してはならない犯罪だということを強く申し上げたいと思います。そして、このような犯罪に対しては得た利益を吐き出させるだけでは不十分であり、やり得とならないように懲罰的罰金を重課することが必要であると私は常々これまで主張してまいりました。
 なかなか、これ金融庁の方も固くて、他の刑罰との並び等々を言うもので重くなってこなかったんですけれども、今回少し改善はされているものの、海外を見てみますと、お配りしておる資料一でございますが、例えばアメリカの場合、インサイダー規制では、他人の計算の場合の課徴金額は取引自体の利得の最大三倍であり、刑事罰も二十年以下ということで、非常に厳しいものになっております。やはり自由な取引をする一方、責任もあるということだと思いますし、私も経済の分野に身を置いておりましたので、とりわけこの分野の方々は計算高いといいますか、非常に利にさとい方々ですので、自分のやったことが割に合うか合わないかということで判断をする傾向に私はあるんだと思います。そういう意味で、まあこのぐらいやっても大したことないというようなことを少しでも思うとやはりこのような犯罪は防げないわけで、このようなことをやればこんな大変なことになるんだということを身にしみて感じることは、私は犯罪を予防するためにも大事だと思っております。
 そういう意味で、法体系が少しアメリカとは異なるんですけれども、我が国でも経済犯罪、金商法違反についてはやり得を許さず、収益を全て吐き出させ、かつ懲罰的罰金が必要と私は考えておりますが、金融担当大臣のお考えをお聞かせください。
#10
○国務大臣(麻生太郎君) 御指摘のありましたように、不正行為がやり得ということにならないように適切に違反抑止を図っていくことは、これはもう当然のことで、極めて重要なところだと思っております。
 一方で、罰則の水準につきましては、今、尾立先生のお話がありましたように、他の規定とのバランスとか、また違反行為に対する抑止力とか違反行為の悪質性等々を考えて考慮する必要があろうと存じます。この金商法の課徴金制度については、憲法が禁止をいたしております二重処罰になることにならないよう、違反行為にかかわる利得相当額を基準として定められているということも考えておく必要があろうと思っております。
 その上で、今般の改正法案は、以上のような点を踏まえながら罰則や課徴金の引上げを行うものであります。すなわち資産運用に係る規定につきましては、投資一任契約の締結の偽計、偽りの計に係る罰則は今回の引上げにより金商法の業規制の罰則の中で最も重いものといたしております。ちなみに、五年以下の懲役又は五百万円以下の罰金ということにいたしております。
 また、資産運用業者がインサイダー取引を行った場合の課徴金につきましては、一連の公募増資インサイダー取引事案に当てはめて試算をいたしますと、課徴金額は欧米と比べても相応の水準へ引き上げたことになろうかと思っております。例えば、最近でありますとエルピーダ、現行法ですと十二万円でありますけれども、今回の規定を当てはめますと二億八千五百六十万円になろうと思います。また、みずほフィナンシャルについてやりました例でいきますと、八万円が現行法でありますけれども、今回では八千八百六十八万円になるというので、約一千百倍ぐらいになろうと思っておりますので、そういった意味ではかなり、相当な抑止効果が期待されるものとなっておりまして、これを今直ちにまた更に引き上げるというようなことではなくて、現行、まずはこれでやらせていただきたいと考えております。
#11
○尾立源幸君 随分改正がなされているとは認識いたしますけれども、私もこの財政金融委員会九年間おりまして、ずっとこのことを言っておりました。事件が起こってからこういう後手後手の対応をするということは最も行政のやっちゃいけないことで、やはり未然に防ぐという観点から、例えばアメリカ的な発想もあれば、私は、ああこれならやめておこうかと、恐ろしいなという考えが私は湧くんだと思います。
 そういう意味で、まだ、引き上げられたとはいえ不十分だということをまず指摘をしておきたいと思います。これからしばらくやるということでございますが、一刻も早く本格的な罰則の引上げについて改めて検討していただきたいと思います。
 それでは次の点でございますが、AIJ問題を受けて、法改正以外にも昨年十二月公布の内閣府令、監督指針などで対応したが、投資運用業者等に対する監督、検査強化について伺いたいと思います。
 資料の二ページ目に用意をさせていただいております。これは金融庁がまとめてくれたものでございますが、AIJ再発防止策ということで、今回の法律で改正をする部分、そして内閣府令、監督指針などで対応するものということで分けてございますが、とりわけこの下線の付いていないところが私の申し上げました府令等での監督、検査強化と認識しておりますが、この府令施行後、金融庁及び証券取引等監視委員会としての対応及び成果について金融庁から説明をお聞きしたいと思います。
#12
○国務大臣(麻生太郎君) 今御指摘のありましたAIJの再発防止策に関しましては、昨年の四月に年金運用に関する有用性の高いいわゆる情報を収集する専門の窓口、いわゆる年金運用のホットラインを開設をさせていただいております。年金運用の専門家による分析を加えておりますほか、昨年の十二月に内閣府令を改正し、投資運用業者が当局に提出する事業報告書の記載事項を拡充するということなどをいたしております。
 また、昨年の二月、これは全ての投資一任業者に対し二次にわたる一斉調査を実施しております。また、証券取引等監視委員会では、一斉調査の内容も踏まえまして、投資一任業者に対する集中検査等も同じく実行させていただいております。
 また、その対象取引先につきましては、風評被害につながりかねないということから言及は差し控えたいと思いますが、これまで二社に対し集中検査を踏まえた上で行政処分を行っております。
 今後とも、金融庁、証券取引等監視委員会におきましては、こういう問題に関して一体となって対応策を適切に実施、運営をいたすとともに、これは人材を育成しないといかぬところでもありますので、人材の育成、登用、検査、監督の手法等々、いろいろ開発に努めて、今後ともこの種の事件というか問題の再発防止に努めてまいりたいと考えております。
#13
○尾立源幸君 ありがとうございます。
 今、御発言の中で、二社に対して行政処分があったということでございますが、実務のことなので森本さんにお聞きした方がいいかも分からないんですけれども、二次調査の結果ということなんでしょうか。
#14
○政府参考人(細溝清史君) 私ども、一次、二次と調査をしておりますが、その調査の内容につきましては証券取引等監視委員会と情報を共有しております。
 それで、今御指摘の行政処分二件でございますが、それらにつきましては、証券取引等監視委員会が実施していた検査の結果、法令違反が認められたとして行政処分の勧告があったと、それに基づきまして行政処分を行っておるというものでございます。
#15
○尾立源幸君 それでは、二次調査というのはもうこれで終了したということなんでしょうか、それとも引き続きまだ継続するということなのか。細溝さん、お願いします。
#16
○政府参考人(細溝清史君) 非常に数が多い、業者数が多いものですから調査は続行しておりまして、その調査の過程で問題が分かったもの、ないしは情報を共有した方がいいものにつきましては監視委員会と情報を共有しておるということでございます。
#17
○尾立源幸君 分かりました。引き続きよろしくお願いします。
 それでは、別の問題でございます。今年の三月に新たなまた事件といいますか、事故が出ております。それは新聞を用意させていただいています。三枚目でございますが。決算情報の公表前閲覧が大きな問題となりました。
 これは、決算発表をすると、どんとホームページで一瞬に公開するということで、あらかじめ何か各金融機関、会社等のサーバー上にファイルを置いておくらしいんですけれども、そのファイル名が非常に推測しやすいようなファイル名になっているので、適当に検索すればそのファイルに当たってしまうというような話らしいんですけれども。
 こういうことで探り当てて、事前に未公開情報にアクセスした上で行う株取引について、金融庁としての見解はいかがでしょうか。また、この問題の発覚を受けて金融庁が取った対策について、また企業はどの程度これを受けて対策を講じているのか、大臣にお伺いしたいと思います。
#18
○国務大臣(麻生太郎君) まず、見解でありますけれども、いわゆる正式に公表される前の会社情報というものが閲覧をされて株式の売買が行われるということは、これは市場の公平性を著しく損なうということになります。これは当然のことであります。したがって、上場会社におきましては情報管理というものの体制が徹底されてしかるべき、徹底されておかなければならない、これは当然のことであろうと存じます。
 現実問題、それがなされていないということでもありますので、金融庁の対応といたしましては、今回のこの問題の発生を受けまして、各証券取引所は四月五日付けで、上場会社等に対して会社情報を自社ウエブサイト等に掲載する際の留意事項を出しております。また、各証券取引所において取引所規定を改正して、重要な会社情報を自社のウエブサイトに掲載する際にはいわゆる遵守事項をきちんと定めるということを六月中に施行をするという予定にいたしております。
 企業の対応状況ですけれども、各証券取引所が全上場企業を対象に調査を行っておりますけれども、一部の社の情報管理に問題はありましたものの、既に全社が必要な改善策を実施済みとの回答があったと承知をいたしております。
#19
○尾立源幸君 よろしくお願いいたします。
 それでは、AIJ事件を受けて、厚生年金基金の問題も御案内のとおり非常にクローズアップされ、今回法案が提出され、制度の見直しが行われました。当時我々は与党でございましたが、そのときは厚生年金基金制度そのものを廃止すべきと、こういう踏み込んだ提案をいたしましたが、今回の政府提出の法案ではそういうふうになっていなかったんですが、衆議院で附則の修正を行い、十年以内の見直し規定ですか、そういうものも作った上で成立を、もうこれしたんですかね、と思いますけれども。
 まず、今回の法案で制度の廃止まで踏み込まなかった理由について、厚生労働省にお聞きしたいと思います。
#20
○大臣政務官(とかしきなおみ君) お答えさせていただきます。
 厚生年金基金は、これは国がつくった制度でありまして、十分な積立金を持って適正に運用している基金まで強制的にこれを廃止をしろというのはちょっと問題があると、このように考えております。このため、基金につきましては、自主的な移行を促しつつ、存続という選択肢を残させていただいております。
 現状を報告させていただきますと、平成二十四年の三月末の状況でありますが、全体の基金が五百六十二基金、その中で代行割れを起こしておりますのが二百十基金、さらに、これ大体四割ぐらいなんですけれども、予備軍が五割ということで、健全に運営されていると見られますのが約一割ということになります。ですから、今回の法律案でこれは事実上の廃止に近い状況になるということになります。
 法律案の内容におきましては、基金の新設は停止させていただくということと、施行日より五年以降は十分な積立金を持たない基金には解散命令を出す、十分な積立金といいますのは代行資産の約一・五倍以上ということにさせていただいております。ということで、ほかの、厚生年金基金制度は全体として縮小させて、さらに企業年金への移行を促していって、財政状態に応じた適切な対応を促していきたいと、このように考えております。
#21
○尾立源幸君 予備軍も含めて九割ぐらいが解散を選択する方向だということで、一割についても企業年金等に移行をこの間にしていくべしというお話かと思いますけれども、是非しっかりウオッチをしていただきたいと思いますし、また、今株式市場がそこそこ以前に比べると好調だということで、運用環境も以前より良くなっていると思います。
 それで、現在における厚生年金基金の現状は先ほどの報告とはどう変わっておりますでしょうか、同じでしょうか。
#22
○大臣政務官(とかしきなおみ君) 平成二十四年度末の推計ですけれども、代行割れの基金数は全体の四分の一程度に減少しております。そして、今株高でありますので、保有資産の額が上昇しているという状況でありますので、ある意味今の経営の状態を考えれば解散の好機であるというのは間違いないかと思います。今回は、特に代行割れの基金のなるべく早く解散を促すために、まずは事業所間の連帯債務を外すということと、分割納付の金利を固定金利にさせていただく、さらに、最長納付期間を十五年から三十年に延長するという、こういった見直しを行うこととさせていただいております。
 こうした見直しを踏まえて、委員御指摘のとおり、早期の解散が進むように法案の早期成立をお願いさせていただいているところであります。
#23
○尾立源幸君 改めて聞きますが、まだ法案は成立していないんでしたっけ。
#24
○大臣政務官(とかしきなおみ君) していないです。
#25
○尾立源幸君 そういう前提で仮にこの法案が成立した場合、この法律の実施、いつからこの解散が実際にできるんでしょうか。
#26
○大臣政務官(とかしきなおみ君) 来年の四月施行となります。
#27
○尾立源幸君 今、運用環境がそこそこいいですよという話を政務官も御認識を共有されたと思うんですけれども、なぜ来年の四月一日からということでこんなに時間掛かるんですか。もう、すぐ解散できるようにしてあげた方がいいんじゃないですか。来年の四月になったらまた下がるかもしれませんよ、株は。
#28
○大臣政務官(とかしきなおみ君) 済みません、記録整理とかそういったことを事前に受け付けたりということで、ちょっと調整の時間が掛かるということで、時間を取らせていただいている次第であります。
#29
○尾立源幸君 これは他委員会の法案ですのでなかなか難しいんですけれども、すぐに解散の手続が取れるように私はすべきだと思います。改めて。
#30
○大臣政務官(とかしきなおみ君) 御意見として承っておきたいと思います。ありがとうございます。
#31
○尾立源幸君 それでは、別の視点で少しまた質問させていただきたいと思います。
 今、御案内のとおり、量的緩和ということで、日銀の方から非常にじゃぶじゃぶお金がマーケットに、まあマーケットまでまだ出ていないんでしょうけれども、各金融機関に流れているような状況かと思いますが、その中でもなかなか投資、融資が伸びていないのが現状であると思います。設備投資も幅は縮小したとはいえまだマイナスだということですので、そういう中で一つ銀行の融資姿勢にも私は問題があるのじゃないかと思っております。
 例えば、収益性のビルを買う場合、キャッシュフローでは非常にきちっとした採算が取れている、問題がないのに、例えば建築された経過年数が長いために、もう耐用年数が過ぎている、少ないからということでもう融資ができないというようなことを事例として多く聞くわけなんですけれども、私は単なるその残存価値だけではなくて、このキャッシュフロー重視の融資というものをもっと積極的にやるべきだと思っておりますが、金融担当大臣の御意見をお聞かせください。
#32
○国務大臣(麻生太郎君) 長く土地本位制をやってきていますので、御存じのような背景というのはもう先生よく御存じのとおりなんだと思いますが、基本的な考え方としては、金融機関は、いわゆる土地等の担保に過度に依存ということではなくて、事業の収支とか経営者の能力とかいろんなものを、目利きというんでしょうか、そういったものを重視した融資を努めていくことが重要というものはもうはっきりしておると、私もそう思っております。
 したがいまして、金融庁といたしましても、金融機関向けの監督指針などに、事業からのキャッシュフローを重視し、担保、保証に過度に依存しない融資の促進を図るという旨を、これは平成十五年に明記を既にしておるところでありまして、検査監督をその線に沿って行っております。
 何となくこのところ、長くデフレ続いた、銀行は倒れた、九七年以降いろいろ厳しい条件があった状況にもありましたので、少なくとも、金融庁と分かれた後も金融処分庁と言われてみたり、いろいろ御意見多くあったのは私どももよく承知をしているところでありますが、とにかくこれは、こういったデフレの時代に日銀の態度等々、いろんなものが大きく変化をしておる中にあって、少なくとも銀行を育成する、それによって中小企業金融等々に応援をする、育成をする、そういったようなことを着実にやっていくためには融資の姿勢というものが極めて大きなものだと思っておりますので、いわゆる法律的には耐用年数だけでそういったものを判断をするというのは、もう極めてこれは、判断としては、いわゆるキャッシュフローという点を考えれば、ストックだけで物を考えるのはいかがなものかという御指摘なんだと思いますけれども、こういった問題は当然の御指摘なんであって、御指摘の線で今金融庁としては対応しようといたしつつあると。
 少々、これまあ大分長いことこういったもので固まってきておりますので、これ変えるのにちょっと六か月というわけになかなかいきませんので、もうちょっと時間をいただければその方向で動き始めたなというのが見える形にさせてみたいと思っております。
#33
○尾立源幸君 私は銀行等の業務で監査の仕事等々もやっておりましたけれども、銀行マンのマインドというのは、やっぱりリスクを取らない、減点主義が基本ですのでなるべくリスクを取らない、問題がないようにということなんですね。そういう意味では、目に見える形で担保があれば、これは客観的に誰が見てももう文句付けようないわけなんですけれども、なかなかやっぱりキャッシュフローまでいくと、事業性、収益性ということになって判断が入ってきますので、万が一何か焦げ付きがあったときには責任が問われるということで非常に萎縮をしてしまうという部分があると思いますので、是非その辺りは金融庁も一体となって指導をしていただきたいと思います。
 もう一点、住宅ローンの話をさせていただきたいと思います。これも、これから消費税が上がるかもしれないという中で非常な需要が出てくる部分だと思います。持家の部分でございます。
 今回、住宅ローンの借入時に関する話なんですけれども、この貸し手である銀行がローンを組むときは普通抵当権を設定いたします。さらに、連帯保証人も要求をいたします。さらには、万が一のことがあってはいけないということで、団体信用生命保険へ加入なども、これもパッケージで求められるわけでございますが、さらに、さらに銀行は、これでもかというぐらいなんですけれども、自分の実質的子会社である保証会社に借り手が保証料を払って保証を依頼するというケースがこれまでずっとでした。
 ただ、この商習慣もやっぱり一方的に借り手に全てを押し付けるのはおかしいじゃないかということで、一部保証料なしの融資というものが数行やり始めておりますけれども、この点について、まず金融担当大臣の御見解をお聞かせいただきたいと思います。
 もう一つ続きで質問をしておきますが、抵当権設定費用についても、これまた借り手全額持ちなんですよね。やっぱりこれ、折半じゃないですかね、普通は。貸し手、借り手が対等の立場であるという我々認識なんですけれども、そういう意味では折半が常識的だと思うんですけれども、これまた一方的に借り手に負担させているというのが現状です。この点について、麻生担当大臣の御見解をお聞かせください。
#34
○国務大臣(麻生太郎君) 最初の御質問に関しましては、これは、いろいろな金融商品というか、そういったものが出てきたというのは、借り手の方としては選択肢が増えるということを意味しますので、それが信用あるものであれば、極めて選択肢の幅が広がった点は歓迎されてしかるべきところだと思っております。
 また、住宅ローンに係る抵当権の設定の費用に関しましての取扱いが、借りている方が全部払うというのはおかしいじゃないかという御指摘なんだと思いますが、これは基本的に銀行と債務者間の契約の話ですので、当事者で決めていただく以外にないんですが、これを当局としてこれにしろと一律的に決めるということは、これはなかなか難しいと思っておりますが。
 いずれにいたしましても、個々の契約は費用の負担、いわゆる先ほどの登録料の負担を含めまして、貸付条件の全体について顧客と銀行との間で理解と納得というものが得られた上で締結されるということが重要なんですが、これは金融が強いとどうしてもそちら側に寄らざるを得なくなるということなんで、これまた金融も、その銀行が駄目ならこの銀行という、こちらの選択肢が広くなればそれはその分だけこちらの立場も強いということになってまいりますので。
 そういった意味では、私どもとしてはいろんな意味で一方的なことにならないように、それはそのときの銀行の立場は今と違って、昔はまた違ったものでしたし、時々で違うものですが、総じて、先ほどの御質問ですけれども、土地の値段がずっと上がっていったときには、もう土地さえ持っておきさえすれば少々おかしくても必ず土地の値上がりの分だけで回収できるというような土地本位制みたいな形の部分が長く続いていた時代から土地がずっと下がっていった時代になって、融資の態度も大分変わった、加えてそこにデフレが掛かりましたので、いろんな意味で銀行の対応も随分変わらざるを得ないとは思っておりますけれども。
 まだまだ今言われたような点も多々あろうと思いますので、この点には、基本的には一対一の間の契約状況ではあろうと思いますけれども、私どもとしては、こういった顧客というか、借り手に対する対応等々につきましては説明等々がきちんとされないと、情報不足によって不利を被るということのないように、丁寧な説明というものを求めていかなければならない、説明をさせるように求めていかなければならないと思っております。
#35
○尾立源幸君 民民のことなのでということだと思いますけれども、私はちょっとここで立ち止まって考えますと、これはずっと歴史的な経緯のある商習慣、商慣習というんですか、なんだと思いますけれども、先ほどの保証料の例でも少し違った動きが最近出てきているように、私はこれも銀行にとって新たなビジネスチャンスなんじゃないかなと実は思っております。
 今、銀行が全部談合しているのかどうか分かりませんけれども、例えば抵当権設定費用を半分銀行が持ちますよといえば、どっと私はお客さんが来るんじゃないかなと思いますし、まあ半分とは言わず何割でも、いろいろそれはマーケットシェアとの関係でお客が増える分の利益の中から負担ができる部分というのは出てくると思うんです。
 そういう意味で、これは今日の質疑が一つのきっかけで新たなそういうチャレンジする銀行が出てきて、より消費者また利用者にいい立場に立った銀行が出てくれればな、金融機関が出てくれればなと、そんなふうに思っているんですけれども、麻生大臣、いかがですか。
#36
○国務大臣(麻生太郎君) 最もリスクを取るということをしない業種が多分金融業だと思っておりますので、半分ね、なかなかそんな度胸のある頭取いますかね。ちょっと正直、私の知っている範囲でなかなかそういう方を最近見かけませんけれども。
 いずれにいたしましても、それは一つの、ビジネスチャンスとしては考えておかしくない一つの御提案だと存じます。
#37
○尾立源幸君 ありがとうございます。また、銀行トップの方ともお会いされる機会は多いでしょうから、少し大臣からも機会があればこういう話もしておいていただければと思います。
 それでは次に、今回の法案とは直接関係ないんですけれども、昨年成立いたしました金商法改正のフォローをさせていただければと思います。
 当時、私もこの委員会で委員長をさせていただいておりました通常国会で、総合取引所実現のための制度整備として大きな改革がなされました。総合取引所については規制監督を金融庁に一元化する、こういった法律ができ上がったわけでございます。持ち株会社方式だとこういうことにならないわけなんですけれども、一つ大きな改革が進んだと思っております。
 そして、この改正金商法の成立に際しては附帯決議も採択をされております。それはどういうものかというと、「総合的な取引所を早期に実現し、」途中、略をいたしますが、「口座・税制の一元化等の課題に取り組むこと。」という附帯決議が付いております。そういう意味で、この附帯決議に書かれているように、この課題に早期に取り組むことが私も必要であると思っております。
 このうち、この税制の一元化については平成二十五年度の税制改正大綱において、デリバティブを含む金融所得課税の一体化については総合取引所の実現にも資する観点から検討するということで、検討規定が付されております。また、報道によりますと、金融庁は、総合取引所実現を条件として損益通算についてデリバティブへの拡大を行う、仮に実現に時間を要する場合には、デリバティブ全般ではなく、金商デリバティブへの拡大を二〇一六年一月の公社債への損益通算の拡大と併せてまず実施するということを平成二十六年度税制改正要求に盛り込むことを検討しているとのことでございます。これは報道でございますので真偽は分かりませんので、まずそこを確かめさせていただきたいと思います。
 金融庁として、総合取引所実現を条件として、損益通算のデリバティブへの拡大について平成二十六年度税制改正要求においてどう取り扱うことになるのか、お考えを、副大臣、お聞かせください。
#38
○副大臣(寺田稔君) お答えをさせていただきます。
 その点については、実は本年の三月二十六日の当委員会での質疑、古川委員からの質問、全く同じ質問がございました。私の方からは、これからの話、二十六年度の税制改正要望でありますから、具体の方針はこれから策定をさせていただくというふうに答弁をいたしております。
 委員御指摘のとおり、この附帯決議あるいはまた税制改正大綱等におきまして、金融税制の一元化、これはずっと金制調時代から現在の金融審議会も含め議論をいただいております。損益通算の拡大についても、過去、我々金融庁の方から税改要望として財務省の方に提出をいたしております。
 御承知のとおり、金融派生商品の取引の七八%は日本取引所の取引であります。損益通算を株式、そして公社債投信等、さらに派生商品まで拡大すると金融取引全体の活性化にもつながる、そして、先ほど委員御指摘のとおり、総合取引所の実現に向けた一つの大きなインペトスになるものと確信をいたしております。
 そうした意味で、この金融商品間の損益通算の拡大、とりわけデリバティブ全体を含めるということにつきましては、今後、二十六年度税制改正要望の具体的な内容を固める際、十分に念頭に置きながら検討を深めてまいりたい、そのように考えております。
#39
○尾立源幸君 それでは、是非、税制改正要求でしっかり実現をしていただきたいと思っております。
 というのは、皆様方の内閣でこの成長戦略として、総合取引所については創設に向けた取組の促進を閣議決定されておりますよね。いかがですか、大臣。
#40
○副大臣(寺田稔君) 総合取引所の推進につきましては、六年前、まず我々は閣議決定をいたしております。そして、この安倍内閣成立後も、規制改革会議あるいは経済財政諮問会議等の場で、この総合取引所の推進については、大変積極的かつ前向きな議論をいただいております。既に法改正も成立をし、残余の環境整備また法整備等も図りながら、その早期の実現を目指してまいりたいと思います。
#41
○尾立源幸君 分かりました。
 それでは次に、不招請勧誘についてお聞きをしたいと思います。
 この有価証券先物や為替先物等の金融商品については、個人を相手とする店頭取引は不招請勧誘禁止の対象となっておりますが、取引所取引は不招請勧誘禁止の対象外となっております。一方、商品先物については、これはもう大門委員がずっと御指摘をされた結果もあって、当委員会で、取引所以外の取引については全ての取引が禁止をされ、また、取引所取引でも初期の投資額以上の損失が発生する可能性のある取引について不招請勧誘が禁止となっております。
 ただ、これで非常に被害も減ってきたわけなんですけれども、一方で、二十四年の十二月施行の省令により商品先物の不招請勧誘禁止の一部見直しがなされ、自社と契約関係にある顧客に対して不招請勧誘の適用除外となっております。既に取引をしているお客さんにはやっていいという、簡単に言えばそういうことだと思うんですけれども。
 このように、商品先物については、規制を強化してきた部分と一部緩和するという、こういう二つの流れがあるわけなんですけれども、今回、総合取引所というようなことを実現する上でどのようなこの不招請勧誘については取扱いを考えているのか、検討しているのか、お考えをお聞かせください。
#42
○副大臣(寺田稔君) 委員御指摘のとおり、この不招請勧誘規制については両面の考え方が存在をいたしております。そして、その行為規制の在り方についても、おっしゃるとおり、金融取引の世界、あと商品先物取引の世界ではやや非対称な面が見られるわけでありますが、この総合取引所における行為規制などにつきましては、現在の金融商品取引法の規制、これを原則として適用していくということであります。
 ただ、その際、幾つか考慮しなければならない考慮事項もあるわけであります。すなわち、この商品先物取引法におきます現状の規制及びその実施状況、現状の規制、これはまあ今省令改正についても言及されましたが、そして、その実施状況と適用状況、また、その垣根を取り払って横断的な総合取引所を創設をするんだという基本的な考え方の下では当然統一的な規制ということも念頭に置かなければならない、そのように考えております。
 したがって、この両面ある中で、御指摘の不招請勧誘取引規制につきましても、関係各方面の御意見も伺いながら、そしてまた、その実施状況、実態もよく見ながら今後検討してまいりたい、そのように考えております。
#43
○尾立源幸君 せっかく被害が減ってきているわけですから、ここがゆめゆめまた逆戻りすることがないように、その点だけはしっかり検討した上で制度を仕組んで、つくっていただきたいなと思っております。
 次に、将来の総合取引所の形についてお伺いを若干したいと思いますが、総合取引所の望ましい姿というのは、私、個人的には、今の日本取引所グループ、JPXとこの東京商品取引所が合併をするのが私は望ましいのではないかなと、このように思っております。
 しかし、今、やっぱり様々な役所の縦割りの中で、そう単純にいかないよというような声もちらほら聞こえております。その一つの理由として、あってはならないことだと思うんですけれども、東京商品取引所が今、歴代経済産業省幹部の天下り先となっているという事実がございます。
 資料の四ページ目、御覧いただけますでしょうか。これは、過去十年間の、国家公務員の方で、東京商品取引所と、また清算を担うその子会社の日本商品清算機構にどれほど退職者の方が再就職しているかを一覧にしたものでございます。
 これを見ていただきますと、誠にきれいな形で天下りが続いているということがお分かりかと思います。平成二十年には福井日銀総裁も社外取締役に名を連ねていらっしゃるという、非常に格式の高いところなのか分からないんですが、こういう状態です。現在のちなみに江崎社長で五代連続で経済産業省出身者なんですけれども、産業政策局長を務めた後、野村総研顧問、商工中金の理事長の後、この当法人の顧問を経て社長ということで、いわゆるわたりをされてきています。そして、子会社の日本商品清算機構の取締役にもなっています。また、この社長だけでなく代表執行役専務も経産省出身で、併せて子会社の日本商品清算機構の取締役も兼ねているということで、常務の方も同じでございます。
 このようにして見てみると、東京商品取引所は、まさに経済産業省の天下り指定席となっております。このようなものは私は許すべきではないと考えますが、御所見をお聞かせいただきたいと思います。寺田副大臣並びに経済産業省、よろしくお願いします。
#44
○副大臣(寺田稔君) 当然、総合取引所の一日も早い実現に向けて我々金融庁といたしましては、金融と証券と、そして商品を一元化し、利用者利便の向上を図るべきであるというふうに考えております。
 今委員御指摘の東京商品取引所及びその子会社である日本商品清算機構、確かに、委員の資料にありますとおり、過去十年間の状況を見ると非常に偏った状況にある、経済産業省のOBあるいは農林水産省のOBが多数行かれているというのが実態であろうかと思います。
 一日も早くこの総合取引所を実現をし、利用者利便の向上に沿うように、そしてまた、ちゃんとした総合取引所としての合併の形でもってJPXと商品取引所が同一の金融のガバナンスで運営できるように、我々としては努めてまいりたいと思います。
#45
○大臣政務官(平将明君) 尾立委員、また民主党という政党が天下りに対して大変厳しい立場でずっと臨んできたということはよく承知をしております。その際に、民主党政権が天下りについて見解を整理をしたときに、府省庁によるあっせんは駄目ですと、政務三役又はOBによるあっせんは法律では禁じられていませんと。結果として、JPなんかに財務省の事務次官が天下りをしました。そのときは、大臣だからこれは大丈夫なんだと。その後、政務三役についてもこれはやめようということになったわけであります。
 その枠組みを今の政権も引き継いでおります。すなわち、府省庁によるあっせんは法律上禁止をされている、政務三役によるあっせんは、これは禁止をされていないけど、安倍政権としてはこのあっせんをすることはしないということになっております。
 そういった枠組みからすると、違法ではないと。しかしながら、どう見てもやっぱり異様な形なんだと正直思います。もっと多様な人材を登用すべきではないかとも思いますし、また指定席というのは時代にそぐわないんだというふうに思っております。
#46
○尾立源幸君 これは、今まで経産省、農水省それぞれの役所の担当だったということでこういうことになっていると思うんですけれども、私が危惧しておりますのは、こういう天下りポストを確保せんがために総合取引所の実現が遅れる又は障害になるということは私はあってはならないと思っております。
 だから、いろんな理由を付けて、いろんなことをおっしゃってこの組織を存続させようという抵抗勢力が私は出てくると思うんですけれども、これにはきっぱりと立ち向かっていただきたいと思いますが、金融副大臣、いかがですか。
#47
○副大臣(寺田稔君) もちろん経済産業省も一生懸命、そうした天下りあるいはわたりということでなく一生懸命頑張られているんだとは思いますが、やはり総合的な取引所の実現の観点からも、そしてまた人材の適正配置の観点、さらにやはり証券と金融と商品を一体管理するガバナンスの観点からも、また国際競争力の強化の観点からも、是非一日も早い総合取引所の実現が不可欠ではないかというふうに思っております。
 この点は、実は私も担当させていただいております規制改革会議の創業ワーキングの場でも議論をしてまいりました。現実、商品取引がどんどん細っております。諸外国、どんどん取引量が伸びる中、我が国のみが先細りの商品取引になってしまっている。これはまさにそうした総合的な取引のらち外にあるというふうなことが一つの大きな要因ではないかというふうに考えております。一日も早い実現を目指してまいりたいと思います。
#48
○尾立源幸君 ただ、私もその総合的な取引所を考えていくべきだと思うんですけれども、一つ心配事もないことはないわけでございます。それは、韓国やシンガポールなど先にこの総合取引所というものを実現した国で、この商品の部分が結果的に非常に先細りをしてしまったというような結果を招いているという部分があって、そこを非常に例えば経産省なども心配をしている。皆さん方もそこは心配されているんでしょうけれども、この辺りについてはどのようにお考えですか。
#49
○副大臣(寺田稔君) おっしゃるような韓国の例も私も知っております。ただ、やはりこれからの取引の総合化の流れの中で、これは様々な要因によって取引量あるいは市況なども決まってくるわけでありまして、総合取引所になったからという理由では私はないものというふうに考えております。韓国の場合は、御承知のとおり、いろいろな商品取引におけるちょっと諸外国と異なるレギュレーションが存在をいたしております。
 例えば、シカゴのCMEを始めとする諸外国の代表的な例を見ましても、これはかなりそうした穀物取引あるいは商品取引も金融の世界に引き込むことによってより活性化をし、ヘッジングの機能も含めて取引全体の活性化が期待できるものと思っております。
#50
○尾立源幸君 それでは次に、このような合併に至らない残念な結果が仮に起こった場合、JPX、日本取引所グループが独自の商品先物市場を東京商品取引所とは別に自分のグループの中につくるといった場合に、金融庁はこの業務について認可をする必要があります。また物資所管省の同意を得る必要がありますが、平政務官、経産省を代表して、そういう場合は同意はされますか。
#51
○大臣政務官(平将明君) お答え申し上げます。
 日本取引所などの金融商品取引所が商品先物を上場する場合には、昨年九月に改正をされた金融商品取引法に基づいて商品所管大臣、農林水産省、経済産業省の同意の下で金融担当大臣が認可を行うこととなっています。今後、日本取引所が商品先物を上場する場合には、商品所管大臣がどのような判断を行うかは、上場する商品の商品特性や産業構造などによる事情が異なるため、あらかじめ画一的な基準を示すことは適切ではないと考えております。
 しかしながら、例えば、商品先物市場が特定の資源や穀物の価格変動リスクをヘッジする場として機能するために、先物取引が公正かつ円滑に行われるだけの十分な取引量が見込まれることが重要な判断要素であると考えられます。また、商品の上場が現物市場に混乱を生じさせるおそれがないかについても検討されることになります。
 こうした観点から、同種の商品が複数の取引所に同時に上場されることは市場の混乱をもたらすおそれがある点については留意が必要であると考えられます。さらに、例えばエネルギー分野における相互に関連を有する商品群については同一の取引所で扱われることが望ましいと考えています。
#52
○尾立源幸君 十分な取引量が必要だという答弁もございました。その他もろもろがありますが。
 まず、取引量に絞って一つお聞きしたいと思いますが、この同意の基準として一日当たりどれだけの取引量が必要なのかと。この委員会でも何度か質問があったかと思いますが。例えば、東京商品取引所で過去に上場した軽油を見てみますと、二〇一一年度では一日当たり四十二枚、二〇一二年度では三十七枚ということになっております。これが十分かどうかということは、御見解をお聞きしたいんですけれども、仮にこのようなことであれば上場が可能だということでしょうか。
#53
○政府参考人(豊永厚志君) お答えさせていただきます。
 商品の上場のときには、今、平大臣政務官から説明がありましたように、十分な取引量が見込まれるということを確認いたします。しかも、当業者と言われる、実際、二十人以上の取引に参加するプレーヤーがちゃんといるということを確認し、その過半数が商社とか石油の元売といったようなその商品にかかわる人たちだということも確認するようにしております。
 そういった観点から取引がある程度確実に将来にわたって行われることを確認しているわけでございますけれども、委員御指摘のように、当初のもくろみに反して取引が停滞する例は実際はございます。
 以上であります。
#54
○尾立源幸君 ちょっとよく分からないんですけれども、これは当初、十分な取引量というのは、この今の枚数を想定していなかったということなんですか。でも、今上場させていますよという意味なんでしょうか。ちょっとお聞きしたい。
#55
○政府参考人(豊永厚志君) 委員の今おっしゃられたとおりだと存じます。当初は更に大きな取引量を期待していたということでございますけれども、商品の中には、その時代の産業構造の変化等々からそれを下回る状態に行っておるものが生じているのは事実でございます。
 ただ、実際に今、今日、その商品を扱っている事業者がいて、それをリスクヘッジする、またその価格に基づいて実際の値決めをしているという方々がいらっしゃるのは事実なので、少ないからといって取引がなされている間に上場を一方的に廃止するということについては、そうなっていないのが現実でございます。
#56
○尾立源幸君 時代の私は流れに付いていけていない部分があると思うんですよ。その一つとして、先ほど申し上げましたこのガバナンスの体制も一つだと思っています。そういう意味で、やはりこのままいけば先細りなんですよ、先細り、増えることはない。だからこそ、新しい仕組みを我々国会でも同意をして、承認をして、つくったわけなんですよ。
 そういう意味で、新たな仕組み、また新たなチャレンジに向かってしっかり踏み出すことを、決意を聞かせていただきたいと思うんですが、金融庁とそれと経産省両方から政務でお願いいたします。
#57
○副大臣(寺田稔君) 委員の御指摘のとおり、我々としては、一日も早く新たなこのガバナンス、すなわち合併、事業譲渡の形態によります総合取引所の実現、これを早期に目指してまいりたい、そのように考えております。
#58
○大臣政務官(平将明君) 今、先物商品については、その独自性というか、特性をお話をさせていただきましたが、一方でシステムを始めとする営業コストを小さくしたり投資家の選択肢を広げたりする観点から、一括して取り扱う総合的な取引所が有力な方策であるということは我々も全く同じ認識でございます。政府としても、これまでの金融商品取引法の改正を通じて取引所の連携、統合を容易にしたり、金融所得課税の一元化を努めてきたところでございます。
 先ほど指摘があった、総合的な取引所実現にこのような役所のOBのポストが阻害をするようなことが懸念を示されましたが、そんなことは絶対ないようにしっかり監視をしていきたいと思います。
#59
○尾立源幸君 是非、新たな枠組みで我が国に新たな資金の流れや、また商品が取引されることを私は切に希望し、またそのことを実現していただくことをお願いをして、質問を終わらせていただきたいと思います。
 ありがとうございます。
#60
○野上浩太郎君 自由民主党の野上浩太郎でございます。よろしくお願いをいたします。
 まず最初に、議決権保有規制、いわゆる五%ルールについて質問させていただきたいと思います。
 今般の法案では、銀行規制の枠組みを維持しながら、事業再生ですとかあるいは地域経済の活性化に資する効果が見込める場合には、銀行がより柔軟に資本性の資金を供給できるように緩和をすると、こういう措置が盛り込まれています。
 この銀行の株式保有については、例えばアメリカでは銀証分離の原則を徹底させる考えから、一九三三年のグラス・スティーガル法以来、原則禁止をしています。一方、ヨーロッパでは、ユニバーサルバンク制の下、一般事業会社の議決権保有自体を制限することはしていませんが、銀行の健全性確保の観点から、株式保有の総額に一定の制限を掛けています。各国によってやっぱりいろいろと違うわけでありますので、これはやっぱり日本においても日本の実情に応じた規制を掛けていかなきゃならないというふうに思います。
 実は、この五%ルールをめぐっては自民党の部会でもかなりいろいろな議論がございましたが、私は今般の改正はいわゆる銀行の健全性と地域経済の再生のバランスを取った改正になっているというふうに思います。そして、特にやっぱり現在の地域経済を再生していく中で、銀行が資本性の資金を供給しやすくするということは私は極めて意義があるというふうに思っております。
 そこで、まずこの銀行の健全性という観点と地域経済の再生ということを踏まえて、こうした見直しを行うこととした背景とこの見直しの狙いについて麻生大臣にお伺いをしたいと思います。
#61
○国務大臣(麻生太郎君) これは野上先生御指摘になりましたように、五%ルールというものがそもそもできた背景というものは、当時株の持ち合いやら何やら激しい時代、激しいというか多い時代もあった、あの時代にスタートしておりますけれども、いわゆる銀行が貸金業という本業以外の部分の方に事業を傾斜させ過ぎることによって起きる、まあ何だろう、財務の健全性等々を失わないようにというのがそもそもの趣旨でこれをスタートさせておりますので、これは基本的に五%ルールというのは堅持されてしかるべきものだと思っております。
 他方、地方におけます、富山なら富山の地域経済でいきますが、そこでリスクマネー取ってくれる人というのはなかなかおられないというのが地方にいる実態だと思っておりますので、そういったリスクマネーの出し手が不足している現状というものを考えたときにおいては、やっぱり銀行がある程度の資本性資金、リスクを取ることによってそのリスクマネー供給するということ、すなわち資本金を出すか金を貸すかという違いだけの話といえばそれまでの話ですけれども、そういったものを整備することは大変重要な課題だと思っておりますので。
 今回は現行の五%の規制は維持をしていきますけれども、傾いてきた会社の事業の再生とか、それから地域経済を活性化させていくための手段としていわゆるある程度効果がもたらされるようなことが期待ができるというんであれば、銀行が資本性資金を供給をすることによって、地域の経済なり、そのリスクを取らないという資本家に対して、代わりに銀行としてこれはいけると思えばそこのところに金が出せるようなものにするということにした方がいいのではないかと、現状に即しているのではないかということを考えて、基本的に今申し上げたようなものを背景にして、ルールを一部見直すということにさせていただくようにしようと思っておる背景であります。
#62
○野上浩太郎君 地域経済を考えるときに、是非これは進めていかなきゃならない話だと思います。
 加えて、やはり、今般の改正でベンチャー企業に対する例外規定の拡大というものが盛り込まれております。
 このベンチャー企業を育成するという視点も重要な視点でありますが、これまでは、いわゆるベンチャー企業に対する例外規定は試験研究費というものも一つの基準になっておりまして、そうすると、いわゆる製造業が中心ということになってきます。ベンチャー企業で製造業を中心でやっていくということもこれは重要な視点ですが、ベンチャー企業にはいろんな職種がありますので、そこの幅をやっぱり広げていくということも重要だというふうに思いますが、この改正でこの例外規定の拡大とこの見直しを行うこととしていますが、この改正に至った背景、内容と、見込まれる効果についてお聞きをしたいと思います。
#63
○政府参考人(森本学君) お答えいたします。
 ベンチャービジネス会社の株式につきましては、銀行等の投資専門子会社が保有する場合には、いわゆる五%ルールの例外とされておるところでございます。それで、先生御指摘のベンチャービジネス会社の定義につきましては、試験研究費等が収入の一定割合以上でなければならない等の制限がございまして、それがサービス業等についてはそぐわないのではないかという指摘がなされてきたところでございます。そうしたものを踏まえまして、今般、今回の法改正に合わせましてこの定義の拡大を、すなわち試験研究費以外の観点も入れた定義を導入したいというふうに考えております。
 また、ベンチャービジネス会社の保有年限、これ現在十年とされておるところでございますが、ベンチャービジネスファンドの平均運用期間が十二、三年という実態がございますので、そうした実態を踏まえまして、今般、保有年限を十五年に延長したいというふうに考えております。
 こうした措置は、銀行のニーズを踏まえた制度改正でございますので、こうした措置が導入されれば相応の効果があるものというふうに考えております。
#64
○野上浩太郎君 ありがとうございました。
 次に、通告では、この五%ルールのことに関連して地域経済のことの質問に入っていく予定でしたが、島尻政務官がちょっとお時間があるということで、ちょっと通告の順番、入れ替えて質問させていただきたいと思います。
 この法案の五本柱の一つでもあります投資法人の資本調達と資本政策手段の多様化の中で、J―REITのことについて質問をさせていただきたいと思います。
 J―REITは、多数の投資者のお金を集めて不動産に投資を行う不動産証券化の一つの形態でありまして、不動産を丸ごと保有することが難しい一般の国民であっても、このJ―REITであれば比較的小口で不動産投資を行うことができます。また、バブル崩壊後低迷が続いていた不動産市場においては、資金の出し手としてもこれは重要な存在となっておりまして、資産デフレ脱却のためにも資するものだというふうに思っております。
 今回の法案には、J―REITによる海外不動産の取得を促すために、海外SPCを介した間接取得についての規制緩和が盛り込まれています。
 これによりますと、現地に設立したSPCが現地の不動産を取得して、J―REITがそのSPCの株式を過半以上保有することで実体的にJ―REITは現地不動産を保有できることになります。したがって、実物不動産の売買に比べて様々な点で弾力的に運用ができるということになると言われています。そして、このことによってJ―REITは、今ほど申し上げました国内不動産市場における役割を果たすというだけではなくて、国際的な不動産投資を通じて海外の経済成長の果実を日本の投資家に還元する重要な一歩となるというふうに考えられますので、今回の改正は前向きに進めていかなければならないというふうに思います。
 そういう中で、今回の法案では、J―REITが海外不動産を取得する際、外国の法令の規定その他の制限により直接取得できない場合にこうした間接取得を認めるということになっています。
 しかし、例えば欧米先進国の不動産投資を考えた場合、J―REITによる現地の不動産の直接取得の障害となっている事由は、その国の法令で非居住者の不動産保有が直接的に禁じられている以外にも、それぞれの国の不動産取引の実務に応じて様々なものがあると考えられます。例えば米国においては、購入した不動産の敷地内に土壌汚染が発覚した場合、汚染の原因者だけじゃなく、不動産の所有者も多大な損害賠償義務を負う場合がありまして、仮にこのJ―REITが当該不動産を直接保有していた場合、損害賠償の影響がJ―REITの他の保有不動産にも及びかねないわけであります。したがって、別法人格を有するSPCに不動産を取得させることでそうした影響をそのSPC持分に限定するスキームが必要なわけであります。
 そこで、今回緩和されるこの規制の適用要件の詳細は今後政令等で検討することとなっていますが、その際には、この改正が実のあるものになるよう、よく実務の意見を踏まえていく必要があるというふうに思いますが、金融庁の見解を伺いたいと思います。
#65
○大臣政務官(島尻安伊子君) このJ―REITでございますが、投資内容の透明性や規制の実効性の確保という観点から、不動産等の投資対象資産を直接保有できるということになっております。今回の改正案でございますけれども、こうした原則に留意をしつつ、一定の場合にSPC経由の海外不動産の間接取得というものを認めるものでございます。
 その際の要件でございますけれども、改正案では、法令の規定その他の制限によりJ―REITが直接不動産取引を行うことができない場合ということにしてございますけれども、これについては今後詳細を政令で規定していくという予定でございます。その際には、現地の法令が外資による不動産取得を禁止している場合以外にどのような障害が現実に存在するのか、また諸外国における不動産ビジネスに係る諸規制や不動産の流通市場の実態はどうなっているのかについて、実務の意見を踏まえて更なる把握に努め、しっかりと検討してまいりたいと思っております。
 本日、野上委員から詳細なまた例も挙げていただきましたので、この意見も踏まえてしっかりと検討してまいりたいと思っております。
#66
○野上浩太郎君 ありがとうございました。是非、J―REITが日本の成長に資するような、そういう運営をお願いを申し上げたいと思います。
 島尻政務官、結構でございます。
#67
○委員長(藤田幸久君) それでは、島尻政務官、御退席いただいて結構でございます。
#68
○野上浩太郎君 もう一つ、このJ―REITに関連してお聞きをしたいと思いますが、ライツオファリングについてでありますが、株式会社のライツオファリングに関しては会社法で新株予約権無償割当てが認められていまして、その積極的な活用を図るということで平成二十三年の金商法で手続作業が簡略化をされまして、その活用例も増えているというふうに聞いております。
 そこで、今般改正でJ―REITにもライツオファリングという新しい資金調達手段を認めていくことが盛り込まれていますが、その意義についてお聞かせをいただきたいと思います。
#69
○政府参考人(森本学君) お答えいたします。
 現在、J―REITが増資いたします場合は、公募増資又は第三者割当て増資の方法が認められておるところでございます。
 ところで、リーマン・ショック時にはJ―REITの中で資金調達に支障を来して破綻したといった事例もあったところでございまして、この資金調達手法の充実といったものがその教訓として重要になってきております。
 こうしたことを踏まえまして、今回の改正案では、投資主への割当て増資、いわゆるライツオファリングを導入いたしまして、資金調達手段の多様化を図ることとしたいと考えております。このREITのライツオファリング、海外でも盛んに実施されておる資金調達手法でございます。
 したがいまして、このように資金調達の選択肢が増えますことは、金融環境の変化に対応したJ―REITの財務の安定性に資するものであるというふうに考えております。
#70
○野上浩太郎君 ありがとうございます。
 J―REITが更に安定した投資手法になる、そういう改正であると思いますので、しっかり取り組んでいただきたいと思います。
 それでは、先ほどの地域経済に関連した質問に戻りたいと思いますが、経済再生のことを考えるときに、やはり中小企業金融円滑化法が三月末で切れましたが、これへの対応というものも大切であります。
 自民党では、三月に関係部会、調査会一体となって決議をいたしまして、政府に申し入れているところでありますが、やはり四―六とか七―九の辺りの状況というのは非常に重要だというふうに思います。
 そこで、まず、現在の中小企業の資金繰りの状況ですとか、あるいは金融機関の融資姿勢を政府として、今、中小企業金融等のモニタリングに係る副大臣会議というのも開催されているということでございますが、どのように把握をされているのか、お伺いをしたいと思います。
#71
○政府参考人(細溝清史君) 円滑化法の期限が三月に到来いたしましたが、その後の金融機関の対応や中小企業の実態の把握につきましては、今委員御指摘のとおり、中小企業等のモニタリングに係る副大臣等会議というものを三月に設置して、関係省庁連携して行っております。第二回会合が四月十八日、第三回会合が五月三十日に開催されておりまして、これらの会合において報告されました各関係省庁による各業界、これは借り手業界でございますが、に対するヒアリングの結果、あるいは金融庁による金融機関に対するヒアリングの結果が報告がございました。
 金融機関の融資姿勢、貸付条件の変更等への対応姿勢、あるいは中小企業の資金繰りの状況、これにつきまして、円滑化法施行期間中の三月末までと四月、五月では大きな変化は見られていないという報告が各省からもあったところでございます。
#72
○野上浩太郎君 今お話がありましたとおり、今のところ、地元を回っておりましても、銀行の融資姿勢に大きな変化があるということはないようでございますので、この状況を続けていただきたいと思うんですが、一方で、何といいますか、景況感が回復をして、中小企業・小規模事業者が再生をしていくということにもまだまだ遠い状況だというふうに思っています。
 ここの再生を進めるために、政府としては、税理士や弁護士や地域金融機関を認定支援機関に認定して、中小企業の経営改善計画の策定を支援する体制を構築しているということでありますが、現時点でこの経営改善支援センターに寄せられた改善計画や申請書は何件あるのか、お伺いをしたいと思います。
 また、あわせて、この認定支援機関に認定された税理士、弁護士が中小企業の情報を得るルートがなくて、税理士、弁護士と中小企業・小規模事業者とのマッチングがなかなか進みにくいという指摘もあります。こちらに税理士の西田先生もおられますが、このマッチングをできる限り推進していく取組も進めることが大事だと思いますが、お聞きをしたいと思います。
#73
○政府参考人(富田健介君) お答え申し上げます。
 議員御指摘いただきました経営改善計画策定支援事業でございますけれども、この実績につきましては、三月の八日に受付を開始をいたしまして、五月二十四日までの間に相談件数が千四百十三件、申請件数が六十四件、それから支援決定件数が四十一件という実績になってございます。
 私どもとしては、こうした制度を更に広く御活用いただくための努力が必要だと考えてございまして、施策の周知徹底と併せまして、議員が御指摘いただきましたような、中小企業・小規模事業者と認定支援機関とのマッチングの機会、これを仕組みとしてつくっていくということが大切だと思っております。
 私どもといたしまして、まず、これまでも経済産業局が開催をする認定支援機関向けの施策説明会あるいは認定支援機関相互の連携を構築するための勉強会、これをもう度々開催をさせていただいておりますけれども、今後こういった場を活用いたしまして、中小・小規模事業者と認定支援機関とのマッチングの機会を設けていきたいというふうに考えてございます。
 それから、あわせまして、私どもは今、中小企業・小規模事業者それから専門家が御活用いただけるITを利用した支援ポータルサイトの構築を今進めてございますけれども、そうした中におきましても、中小企業・小規模事業者と認定支援機関を含む専門家が一定のコミュニティーを形成する、あるいはマッチングの支援をする、そういった機能を追加をしていきたいと思っております。
 いずれにいたしましても、身近に相談ができる支援体制をしっかりと構築していきたいと、このように考えております。
#74
○野上浩太郎君 今お話ありましたとおり、申請件数は今のところ六十四件ということでございます。この円滑化法を利用している企業は大体三、四十万社あって、そして、うち再生支援を必要としているのは五、六万社と。この改善計画作りの報酬として、予算としては四百五億円、一社当たり二百万ですから二万社ということですかね、二万社分が用意されているということでありますので、そのうちの六十四件ということになりますと大体〇・三%ということでありますので、ここはやっぱりしっかりと加速をさせなければならないというふうに思いますし、是非、税理士や弁護士が有効に力を発揮できるような、今の言ったような施策を加速をしていただきたいというふうに思います。
 そしてもう一つは、やはり中小企業・小規模事業者の再生において、計画のみならずやはり資金を担っていくという地域金融機関の役割は、これは極めて重要だと思っています。そのコンサルティング能力を高めて、企業と一緒になって経営改善支援をするとともに、目利きの能力も高めて、そして適切なリスク管理の下に新規融資に取り組む、あるいは、経営改善を図るための条件変更先に対しては弾力的な追加融資が適切に実行されることが重要であると考えますが、金融庁としてどのように取り組んでいくのか、麻生大臣は日ごろ、金融庁は金融処分庁ではなくて金融育成庁だと、こういう力強い発言をされておられますが、麻生大臣の御所見をお聞かせいただきたいと思います。
#75
○国務大臣(麻生太郎君) 野上先生の御指摘のありましたとおりに、これは地域の金融機関におきましては、いわゆる企業をコンサルトする、そういったコンサルティング能力の向上、そしていわゆる経営を改善していくような支援等々をきちんとさせる、また、ある程度リスクを取らないとできませんので、ある程度のリスク管理の下で、新規の融資とか経営改善への支援のためには、追加融資が要るというのであれば、その追加融資等々を実行などということが求められていくんだと思っております。特に経営、企業がこう復興していくときには資金繰りが追い付かなくなってきますので、これまでと違った別の意味の資金が要ることになろうと思います。
 そこで、先般、四月の三十日に事務年度の監督方針というものを改正をしております。読み上げさせていただきますが、日本経済がデフレから脱却し、力強い成長を実現していくため、金融機関は、顧客企業と向き合い、顧客企業の経営改善や事業再生に向けた支援のみならず、適切にリスクを管理しつつ新規融資を含む積極的な資金供給を行い、顧客企業の育成、成長を強力に後押しするという金融機関の本来果たすべき役割を一層促していくことが求められていると明記をして、こういった支援をきちんとやっていくんだということを促しております。
 いずれにいたしましても、今後、検査とか監督をしていくところにおきまして、以上申し上げた点等々を重点的に配慮しつつ、検証し、金融機関の取組を中小企業なり地域経済活性化に資するような方向で促していきたいと思っております。
#76
○野上浩太郎君 是非そういう方向で対応をお願いしたいというふうに思います。
 次に、地域経済に関連して、住宅政策についてお伺いをいたします。
 これからの景気回復を考えるときに、景気が腰折れしないようにするためには内需が重要でありますが、やはりその柱の一つはこの住宅でありまして、大変経済効果が、波及効果が大きいわけであります。前回の消費税増税のときも約二割弱の着工件数が減少したということであります。今回もこのようなことがあるとやはりマクロ経済に大きな影響が及びますので、ここをどのように対処していくかは重要な視点であります。
 政府・与党は平成二十五年度の税制改正大綱で住宅ローンの拡充と併せて給付措置を講ずることとしておりますが、やはりこの住宅投資の縮小を防ぐには、給付額がこの減税措置と併せて消費税負担分をかなりの程度緩和できるものが必要だと思います。
 また、ローン減税の効果が限定的な所得層ですとか、現金購入者も含めた幅広い層を給付対象にすることですとか、さらには過度な性能等の要件を掛けずに幅広い住宅を給付対象にすることが重要でありますし、なるべく速やかにその概要を示すべきであると思いますが、その取組状況と所見を小渕副大臣にお伺いしたいと思います。
#77
○副大臣(小渕優子君) お答えいたします。
 住宅の取得者に対する給付措置についてでありますけれども、与党の税制大綱におきまして、所得税に加えて住民税による住宅ローン減税の拡充策を講じてもなお効果が限定的な所得層に対して、別途、良質な住宅ストックの形成を促す住宅政策の観点から適切な給付を講じるとされたことを踏まえて、現在、政府におきまして住宅ローン減税の拡充の効果等を検証しつつ検討を進めているところであります。
 その具体的な内容でありますけれども、与党税制大綱におきまして、遅くともこの夏にはその姿を示すとされていることを踏まえて、一定の周知期間というものが必要でありますので、できるだけ早期にお示しするように努めていきたいと考えております。
#78
○野上浩太郎君 ありがとうございました。是非、内需の柱を支えることができるような、そういう制度設計にしていただきたいというふうに思います。
 次に、法案の柱の一つである金融機関の秩序ある処理の枠組みについて質問をいたしたいと思いますが、リーマン・ブラザーズの破綻以降、国際金融の中で重要な金融機関が破綻すれば実体経済に大きな影響が及ぶということは明らかになりました。
 そういう意味で、今回もこういう有事に対する備えをしておくという観点でこの改正がなされるわけでありますが、やはりこういう大規模な金融機関ほど事前に国際的な協力関係ですとか調整をしていかないと、その枠組みというのはなかなか機能しないということがこれまでも明らかになってきているというふうに思いますが、国際的な準備ですとか将来の備えについて金融庁としてどのように考えているか、お聞かせいただきたいと思います。
#79
○国務大臣(麻生太郎君) これは御指摘のありましたとおり、リーマン・ブラザーズのときが一番いい例だと思いますが、アイルランドが一番適切かと思います。アイルランドの対GDP比の債務はたしか二〇%、日本の二〇〇%のちょうど十分の一ぐらいだったんですが、アイルランドは財政破綻しました。理由は何かといえば、民間の銀行がサブプライムローンなるかなり怪しげな商品にみんなで手を出して被った被害で全銀行倒産ということになりましたので、アイルランドとしてはその全銀行を救済するために全銀行を国有化、それに掛かった経費で結果的にアイルランドも財政破綻ということになった。
 これは極端な例ですけれども、一番、景気の内容等々、当時から見ると最も良かった国の一つがたった一発でどおんといったという、あの例を見て各国としてこれは何らかの対応をせねばならぬとなったのが、この金融危機というものに対する意識が変わった点だと思っております。
 このことから、国際的にシステム上重要ないわゆる金融機関などに対しては、危機時の金融機関及び当局の対応について、再建処理計画を策定すること、そして関連する主要な海外の当局等と再建処理計画を含めた危機時の対応というものに対して国際的に定期的に議論をすることなどが、G20においてこれは決められた内容だと記憶をいたします。
 そういう、金融庁としては、今回のこの法制、制度整備を踏まえた上で、海外当局等とも連絡を一層密にして、仮に将来新たな金融危機等々が国際的に起きた場合においては、これに適切に対応ができるようにあらかじめ十分に備えておくというのが一番の背景であります。
#80
○野上浩太郎君 時間が参りましたので、終わりたいと思います。
 ありがとうございました。
#81
○竹谷とし子君 公明党の竹谷とし子でございます。
 今回の金商法改正で、銀行等による議決権保有規制、いわゆる五%ルールの見直しが行われることになりました。まずは、この改正の趣旨を金融庁にお伺いいたします。
#82
○政府参考人(森本学君) お答えいたします。
 今般の銀行等による議決権保有規制の見直しの趣旨は、銀行等の財務の健全性を損なうことがないように、現在の五%ルールの他業禁止の趣旨を徹底することを基本としながら、一方で、地域経済に資本性資金の出し手が不足しているという現状に鑑みまして、資本性資金の供給主体としての銀行等の役割が発揮され得る環境を整備するといったことが重要な課題になっているという認識に基づくものでございます。
 具体的には、事業再生や地域経済再活性化等に資する効果が見込まれる場合には銀行等がより柔軟に資本性資金が供給できるように現在の規制を見直すというものでございます。
   〔委員長退席、理事尾立源幸君着席〕
#83
○竹谷とし子君 ありがとうございます。
 先ほど、野上委員からもこの銀行の財務の健全性との両立という点についても言及がありましたが、私は、この本改正について、事業再生また地域企業の活性化のための政策の一環として意義があるというふうに私も評価をしております。
 一方で、本年三月の中小企業金融円滑化法期限切れに伴い、政府は、単に返済計画を引き延ばすのではなくて、事業の再生に力を入れていくという、延命から再生へと総合的な中小企業支援策の転換を図ろうとしてきたというふうに理解をしております。
 資料を提出させていただきましたが、金融庁のホームページにも掲載をされています、中小企業金融円滑化法の期限到来に当たって講ずる総合的な対策ということで様々メニューが記載をされています。これらの政策について、これまでどのように機能をしているか、金融庁の御見解を伺いたいと思います。
#84
○政府参考人(細溝清史君) 円滑化法の期限到来後におきまして、銀行等が円滑な資金供給に努めると同時に中小企業等の真の経営改善を支援していくということが重要でございます。
 そのため、政府といたしましては、大きく分けまして五つございますが、一つ目は、まず金融機関に対しまして、中小企業・小規模事業者の経営支援に一層取り組むように促すということが一つでございます。
 あと、中小企業対策としてですが、まずこの表の中の左の下から三番目、中小企業再生支援協議会というものがございますが、これは、独力では経営改善計画の策定が困難な中小企業・小規模事業者に対して、この再生支援協議会で機能強化を通じて再生計画策定支援をするというものでございます。
 それから、その上に地域経済活性化支援機構、左の上の方にあろうかと思いますが、これは企業再生支援機構を改組、機能拡充した地域経済活性化支援機構でございますが、そこが再生支援の現場の強化を行う、現場を支援するということでございます。
 それから、一番下にございますが、中小企業支援ネットワーク、これが地域の経営改善、事業再生支援の担い手が参加する中小企業支援ネットワークによる支援を行っております。
 それから、認定支援機関、先ほどございましたが、認定支援機関による計画策定支援というものもございます。
 こういったことを進めておりますので、現在、中小企業再生支援協議会、この真ん中にあります、各都道府県にございます中小企業再生支援協議会では、平成二十四年度に千五百十一件の再生計画の策定支援を完了しております。
 また、左の一番上にございます地域経済活性化支援機構、これは本年三月に改組してございますが、それ以降、六件の再生支援を決定しているという現状でございます。
#85
○竹谷とし子君 ありがとうございます。
 様々な対策を打たれているということだと思いますけれども、私が町の経営者のお声を伺いますと、小規模事業者の支援が足りない、また何もないじゃないかというような御意見も伺います。今回の金商法改正によって銀行が資本性の資金を供給するようになるということですが、これは想像ですけれども、小規模事業者というよりはある一定の規模を持つ企業が対象にならざるを得ないのではないかというふうに考えます。
 その小規模事業者の相談にも乗れる機能を持つ支援策として、昨年から地域金融機関や税理士などの専門家による経営改善支援を行う認定支援機関制度、この資料の中にもありますが、これがつくられました。認定支援機関による事業者への支援の実施状況、先ほど野上委員からも質問がありましたが、改めて中小企業庁に伺います。
#86
○政府参考人(富田健介君) お答え申し上げます。
 議員御指摘いただきましたとおり、私どもとしては、中小企業・小規模事業者施策の実施に当たりまして、認定支援機関と連携をした施策を強力に進めているところでございます。
 幾つかございますけれども、その実施状況について御報告をさせていただきますと、まず、委員御指摘いただきました経営改善計画策定支援事業でございますけれども、三月の八日の受付開始以降五月二十四日時点で、相談件数千四百十三件、申請件数六十四件、支援決定件数四十一件ということでございます。
 それからもう一つ、中小企業・小規模事業者の試作品開発、設備投資を支援するものづくり補助金におきましても、認定支援機関による支援が関連をしております。この実績でございますけれども、三月十五日から四月十五日までの一次公募におきまして、申請件数が一万二千四十五件、審査の結果、五月三十一日までに四千九百四件を採択をさせていただきました。
 さらに、女性あるいは若者等の起業、創業を支援する創業補助金でございますけれども、これにつきましては、三月の二十二日から四月の二十二日までの一次公募におきまして、申請件数が六百四十九件、六月三日までの採択件数五百三十九件となってございます。
#87
○竹谷とし子君 ありがとうございます。
 この試作品補助金や創業補助金については、経営改善支援以上に募集があって、この認定支援機関の計画が必要ということも条件になっていますので、利用されているものだと思いますが、やはりこの補助金を受けるに当たっては、受けるということは非常にニーズが高いんですが、経営改善支援を受けるということに対する理解がまだまだ進んでいないんだろうというふうにも思っております。
 この認定支援機関、うまく機能すると私は非常に役立つものだと思っておりますが、支援を必要とする中小また小規模事業者の再生のために、先ほどマッチングというお話もありましたけれども、ハブの機能を持つワンストップでよろず相談的なものを受けるようなそういう窓口、機能が必要なのではないかというふうに感じております。
 ある町工場の事業者の方から私自身も相談を受けまして、この認定支援機関による経営改善支援計画、これを使っていただいたらどうだろうかと思って調べてみたんです、どこに、どなたに相談をしたらいいだろうかということで。エクセルで表が出てきたんです、お名前が書かれていたリストでありますけれども。それを見ただけでは、その事業者の方の、複合的な悩みをお持ちでしたので、本当に聞いていただける方がいるのか、どういう支援をしていただけるのかと、このお名前のリストを見ただけではちょっとイメージが湧かなかったという実際の経験がございました。
 私は、先日、東京都の板橋区立企業活性化センターというところを視察させていただきました。ここでは、リーマン・ショック後の二〇〇九年から行政が経営改善チームを立ち上げています。多様化する悩みを持っていらっしゃる経営者のお立場に立って、どんなに悪い状況の会社でも支援するということで、これまで約百七十社の支援を行い、金融機関と連携して約五億円の資金調達も行い、販路拡大をするというところまでアドバイスしています。非常に範囲が広いです。
 これが機能しているポイントというのは、何でも相談を受け付けてくださる、予約制で、夜間でも休日でも相談を受けてくださる、そういう方がいらっしゃって、ワンストップサービスとなっていることだというふうに思いました。悩む経営者の方々を支援できる認定支援機関がもう今既に国の制度としてあるわけですが、この専門家の方々をつなぐ役割を、機能を果たす人が必要であると痛感をいたしております。
 これについて、中小企業庁に御見解を伺いたいと思います。
#88
○政府参考人(富田健介君) お答え申し上げます。
 議員御指摘いただきました認定支援機関でございますけれども、これまでに約八千二百の機関を認定をさせていただいております。大変多数存在をするということで、中小企業の、あるいは小規模事業者の方々から見れば、誰に相談に行けばいいのか大変分かりにくい状況になっているというのはもう御指摘のとおりだというふうに思っておりまして、私どもとしては、その認定支援機関を始めとする様々な専門性を持った支援機関がまずしっかりと連携をする、その上でワンストップでサービスを提供していく、そういう体制をつくっていくということが大変重要だと思っております。
 このため、金融庁とも連携をいたしまして、認定支援機関連絡協議会というものをこの六月中にも立ち上げたいと思っておりまして、それぞれの地域において認定支援機関がハブとなって関係支援機関相互の連携強化を図るということ、その上で、ワンストップの仕組みあるいは人材確保の在り方も含めて、この支援体制の在り方について検討してまいりたいというふうに考えてございます。
 議員御指摘いただきました板橋区の企業活性化センターの先進事例なども参考にさせていただいて、中小企業・小規模事業者にとってきめ細かく支援できる体制をつくってまいりたいと、このように考えてございます。
#89
○竹谷とし子君 ありがとうございます。
 国にも、この認定支援機関のほかに、企業OBなどによる新現役、またビジネス創造支援による専門家派遣など、中小企業支援のための人的支援、このメニューが複数あると思います。もっと利用者の立場に立って、どんな人にどんな支援が受けられるか分かりやすく伝える必要があるのではないかというふうに、私は実際それを見てみて感じました。
 この点について中小企業庁に御見解を伺います。
#90
○政府参考人(富田健介君) お答え申し上げます。
 議員御指摘いただきましたとおり、利用者目線で分かりやすい情報提供をしていくということ、大変重要でございます。
 私どもとしては、今、平成二十四年度の補正予算を活用いたしまして、ITを活用した中小企業・小規模事業者向けの支援ポータルサイトの構築を今進めてございます。その中で、まず一つには、中小企業・小規模事業者を対象とした人的支援制度を始めとする支援・施策情報をワンストップで提供していくということ、それからあわせまして、中小企業・小規模事業者と認定支援機関を含む専門家とのコミュニティー形成、あるいはマッチング支援といった機能を提供してまいりたいというふうに考えてございます。
 中小企業・小規模事業者にとって分かりやすい仕組みとなるような工夫を盛り込むことで考えてございまして、まず、施策情報の提供に当たりましては、これは利用者の方に所在地あるいは業種、関心事項などの情報をあらかじめ入力をいただきまして、その情報を基に、個々の利用者のニーズに合った施策情報を重点的かつ自動的に提示をできるような、そういうITの機能を盛り込みたいと思っております。
 また、マッチングの部分でございますけれども、これも事前に、税理士さんあるいは弁護士さん等の保有資格の情報ですとか、それからどんな経営課題に対応できるか、あるいは支援の実績といったようなものも入力をいただきまして、それを中小企業・小規模事業者の方から見える形でその情報を提供させていただいて、その情報を基に中小企業・小規模事業者の方が自分に合った相手を見付けられるような、そんな仕組みも入れていきたいというふうに考えてございます。
   〔理事尾立源幸君退席、委員長着席〕
#91
○竹谷とし子君 ICTの活用による支援ポータルサイトも、これも有用なものであるというふうに思いますが、ICTのリテラシーによって、使う方によって変わってくる部分もあると思います。どこにターゲットを絞るのかということも活用度合いを上げるために必要なことだと思いますので、是非利用者の目線に立って、つくって終わりとならないように工夫をお願いしたいというふうに思います。
 認定支援機関による相談、支援の件数について先ほど御答弁がありましたが、ものづくり補助金や創業支援などの補助金については利用件数が多いというふうに思いますが、事業計画を策定する、支援する、改善計画を策定を支援するというところについては利用率、利用件数が低いというのは、やはりコンサルティング的なサービスにお金を払うということにまだ十分浸透していないという文化、背景もあると思います。事業者にとってはそこにお金を払うということは非常にハードルを高く感じる分野ではないかというふうに思います。しかし、必要なことだとも私は思います。
 認定支援機関による経営改善計画の策定支援、今三分の二、二百万円までということになっていますが、これを例えば三十万円とか五十万円とか低額の場合にはこの補助率をかさ上げするとか、また、ほかの専門家の無料派遣、三回まで無料といったようなサービスも提供されています。これと組み合わせて利用するなど、利用するに当たってのハードルを下げるということについても是非御検討いただきたいと思いますが、中小企業庁、いかがでしょうか。
#92
○政府参考人(富田健介君) お答え申し上げます。
 御指摘いただきましたとおり、経営改善計画策定支援事業につきましては三分の一が自己負担となってございます。この点、自ら計画をお作りいただく、その当事者意識を持ってお作りをいただくという観点からいたしますと、一定の自己負担というものはやむを得ないのではないかというふうに考えてございます。
 ただ、御指摘いただきましたように、小規模事業者にとってはその三分の一の負担ですら大変重いとお感じの場合もあろうかと思います。私どもとしては、一部の自治体などとも連携をしながら、委員御指摘いただきましたような無料の専門家派遣事業、こういったことで事前にいろいろアドバイスをしてまいりますとそういった費用そのものを相当大幅に減らせるという可能性もございますので、そういったことを組み合わせながら、できるだけ事業者の御負担が軽減できるように努めていきたいというふうに考えてございます。
#93
○竹谷とし子君 是非よろしくお願いいたします。
 次に、金融庁に伺います。
 金融円滑化法の期限到来に伴って、昨年来金融庁は、金融機関に対して、自らのコンサルティング機能を積極的に発揮して借り手の立場に立って経営課題に応じた最適な解決策を提案できるように十分な時間を掛けて実行するように促すなど、中小企業の経営支援のための政策パッケージの推進を図ることとなっていました。それが提出資料の中小企業金融円滑化法の期限到来に当たって講ずる総合的な対策の中に引き継がれているというふうに理解をしております。
 しかしながら、これらの施策がやはり事業者の方々に十分周知されていないということを感じております。商工会などにも御尽力をいただいて周知を図られているものと思いますけれども、商工会などに入っていない事業者も多いと思います。
 そこで、一番事業者に関する情報を持っている地銀、信金などを通じて、資金繰りが厳しい顧客企業にこれらの政策を積極的に周知していくという取組が必要だと考えておりますが、金融庁のお考えを伺いたいと思います。
#94
○副大臣(寺田稔君) 金融庁といたしましては、金融機関に対しまして監督指針において、顧客企業の立場に立った最適なソリューションを提案をする、その際、必要に応じて国や地方公共団体の中小企業支援施策を活用するよう求めております。
 こうした中、金融業界におきましても、貸出先の抱えている課題を十分に把握をした上で、その解決に向けまして外部専門家やあるいは外部機関等も活用しつつ、きめの細かな対応を行っていく旨を申し合わせておりまして、個々の借り手への中小企業施策の周知にも取り組んでいるものと承知をいたしております。
 さらに、本年の四月以降、全都道府県に金融庁幹部が出向き開催をしております金融機関支店長向けの説明会や、あるいはまた五月下旬以降、財務局などで実施をしている中小企業に対する経営改善、事業再生支援の取組状況等に関するヒアリングを通じまして、金融機関が中小企業・小規模事業者に対して各種支援策の周知や活用を図るよう促しております。また、この旨は私の名前で各金融機関に対し、円滑化法期限到来前の二月及び到来後の四月、そして直近は五月の三十日、三回にわたりましてレターを発出をして、重ねてお願いをいたしております。
 このような官民挙げての取組を通じて、中小企業・小規模事業者に対し各般の中小企業支援策の周知を引き続き図ってまいりたいと考えております。
#95
○竹谷とし子君 ありがとうございます。
 是非積極的な周知を図っていけるように、金融庁の御指導をお願いしたいというふうに思います。
 金融機関のコンサルティング機能の発揮ということでございますけれども、そもそもコンサルティング機能というものは一朝一夕に身に付くものではないというふうに思います。バブル経済の崩壊後この約二十年間にわたって、金融機関は債権の回収ばかりしてきたというような御批判もよく伺うものでございます。金融機関が本来果たすべき役割、事業の目利きの機能をどう育てて、企業の活性化を支援するために発揮させていくかということについて伺いたいと思います。
 一つ例を挙げさせていただきますが、一部の信金でリレーションシップバンキング実現の手段として金融機関、企業、支援専門家の三者が協力をして、企業の知的資産経営報告書を作成する事業を行っていらっしゃいます。金融機関の中に本来の役割である目利き機能を育て、ビジネスマッチング機能を持たせるという意味で、一つのツールとして有効だと感じました。
 金融庁は、この取組を含めて金融機関が本来の役割を果たしていくようにするためにどのように取り組むべきと考えていらっしゃるか、お伺いしたいと思います。
#96
○政府参考人(細溝清史君) 金融機関が本来の役割を果たしていくためには、企業の事業価値を的確に見極め、経営課題を発見、把握していく目利き能力の向上、これが不可欠でございます。これは委員の御指摘のとおりでございます。
 そうしたことから、二十三年五月に中小金融機関向けの監督指針を改正いたしまして、コンサルティング機能の発揮に当たり金融機関が果たすべき役割を明記いたしました。そして、金融機関による地域密着型金融の取組を深化、定着させるために監督当局としては各種ヒアリング等において取組状況をフォローアップし、かつ先進的な取組について年一回、各財務局長による顕彰を実施するといった環境整備に努めております。
 そうした中、委員御指摘のこの知的資産経営報告書を活用している金融機関があることは承知しております。こうした施策は金融機関が顧客企業の経営課題を把握、分析し、外部専門家等とも連携しながらソリューションの提案、実行支援を行っていくための有効なツールの一つになるというふうに考えております。
 今後とも、地域金融機関に対しましてはコンサルティング機能の発揮を始めとする地域密着型金融の更なる推進を促してまいりたいと思っております。
#97
○竹谷とし子君 ありがとうございます。是非よろしくお願いいたします。
 最後に、金融担当大臣に伺いたいと思います。
 東京商工リサーチによりますと、五月の倒産による負債総額は前年同月比六五・六%増、円滑化法適用企業の倒産件数が前年同月比で九割増しの四十四件となっていると発表されています。円滑化法期限切れの本当の影響はこれから出てくるというふうに考えられます。小さな企業の経営者の方々は、多くが役員報酬をカットして自分の資産を担保に入れて連帯保証人になっていると思います。必死で社員や取引先等を守っているというのが現実だと思います。リスケ企業の破綻で、まだ社会のセーフティーネットが不十分な中で失業者が増加をして、負の連鎖が起きるということは何としても防がなければならないというふうに思います。
 中小企業、また小規模事業者の支援のきめ細かい実施が今後一層重要となってくると考えますが、金融担当大臣の御所見を伺いたいと思います。
#98
○国務大臣(麻生太郎君) これまでもいろいろ役所の方から説明をさせてきておりますとおりに、円滑化法の期限の到来ということに伴いまして、金融機関として引き続き貸付条件の変更などなど円滑な資金供給に努めるよう検査監督を徹底するというのに加えまして、中小企業などが真の経営改善を図るべく様々な支援策を推進しているところです。御存じのように、金だけ貸せばいいというんだったら、回っているだけで改善にはなるという保証は全くありませんから、そういった意味ではただただ延命しているだけで何の効果もないということになりますので。
 しかし、御指摘のありましたとおり、この枠組みをつくるだけでは全く不十分、私どもはそう思っておりますので、これは様々な支援策というのは各省庁いろいろしておられるとは思いますけれども、大体名前を聞いて、これ役所に経営を相談するなんというのは、大体そういう人はよほど経営が分かっていない人だと思いますね。役所に経営なんか聞くものじゃありませんから、こういうものは。経営能力のない人が役人をやっていると思った方がよっぽど正しいと、私はもう基本的にビジネスにいるときからそう思っておりましたので。役所に聞きに行きたくなるような、名前からして役所みたいな名前が付いていますけれども、こういうネーミングからして、ちょっと中小企業庁もきちんと考えないと、これいかにも役所に経営を相談に行きにくいし、何となくこんなところ聞いたってしようがないだろうなと思わせるようなものの名前はやめた方がいいと、私は基本的にそう思います。
 いずれにしても、支援策というのをいろいろしているんですけれども、これが周知されていないし分かっていないしということになりますので、こういったところは、かなり更に広めていかねばならぬところだと思っておりますが。
 いずれにしても、私どもの方は、これは金融を監督する立場でありますので、金融を仲介します金融業も自分の金をリスクを掛けて貸す以上は、その受けた企業の経営がきちんと立ち直っていくようなものというのは、これまた金融業者が適切な判断ができるかといえば、これまた全然別の問題でありまして、これは間違いなく中小企業なり零細企業を経験した経営士等々の方の経験の方がよほど大きな知識なり知恵になろうとも思いますので、そういったところをどれだけ金融業界が、地方、中小零細企業を扱う第二地銀等々、信用金庫、信用組合を始めそういったところがそういったコンサルタントなりというものをきちんと自分の身内に持って育成しているかどうかが非常に大きな問題なんだと思いますので。
 これは、地域によってあそこに行ったからうまくいった、いかなかったと、こっちの企業よりこっちの方がよっぽど悪かったのにこっちの方がうまくいっているというのはいろいろ歩いておられると御存じだと思いますので、そういったのを見ると、それはどこに話をした、誰と話をしたか、誰のコンサルタントを受けたかというのが一番大きなキーになっておるように、私どもそう思っておりますので。
 是非、その意味では、これ役所にできるのは限度がございます。したがって、金融機関というものと中小企業との間にもう一つきちんとした、そういったものをコンサルできるような人材の育成が非常に大きな要素になっていくだろうと、今後とも、我々も思いますので、金融業界に対してはそういう人たちを育てるように是非私どもとしては監督していかにゃならぬ、指導していかなきゃならぬかなと思っております。
#99
○委員長(藤田幸久君) 竹谷さん、時刻が参りましたのでおまとめください。
#100
○竹谷とし子君 ありがとうございます。
 時間が来ましたので、終わります。
#101
○中西健治君 みんなの党の中西健治です。
 今回の法改正は多岐にわたっておりますけれども、今日は、まず金融機関の秩序ある処理の枠組みについてお伺いしていきたいと思います。
 今般の改正は、リーマン・ショック後、金融安定化理事会ですとかG20のカンヌ・サミットなどでの国際的な合意を受けて、我が国としても大手金融機関の破綻を想定外とすべきではないということで法改正を急いでいるということだろうというふうに理解しております。業界のうわさでは、専ら金融庁は野村証券破綻のケースを想定しているというふうに言われておりますが、まあまあ、これもまたさておきということで。現行制度があるわけでありますので、まずは今回の改正と現行制度の関係というのを明確にしていかなきゃいけないんじゃないかなというふうに思います。
 そこで、大臣に大枠についてまずお伺いしたいと思いますけれども、政府が安易に関与するということになりますと、モラルハザードの問題もありますし、国民負担の問題も発生してきますから、まずは現行の預金保護、保険契約者保護、投資家保護など業界ごとの破綻処理スキームで処理を行って、その範疇を超える場合が今度の法改正で想定されている特定措置、特定負担金ということでいいかどうかについてまずお伺いしたいと思います。
#102
○国務大臣(麻生太郎君) 御存じのように、これは、預金保険法第百二条というのは、既存の金融危機対応措置というものについて、これは不良債権型の金融危機に対して銀行の全債務を保護する等々いろんなことを書いて健全な借り手を保護するものになっておりますが、先ほどアイルランドの例を引きましたようなああいった形になりますと、金融機関の秩序ある処理の枠組みというのは、これは市場型の金融危機に対しましては、今のあれでは、金融システムの安定を図るというために、流動性をある程度確保することなどなどを対象とする、金融機関に対して重要な市場取引をきちんと履行させるということをしないと、銀行の都合で倒れたということによって借りている人はみんな迷惑を受けるということになりかねませんので、したがいまして、そういったところをきちんとせねばならぬというのがG20の合意によるものだと思っております。
 仮にこれで、この際対象となりました金融機関が債務超過だったというような場合には、これは市場取引等以外、それ以外の取引などの業務も全部きちんと切り分けた上で、従来の利用者保護制度であります預金保険制度等々を用いて預金者の保護を図るということになろうと思いますので、今までに想定していなかったのが二〇〇八年以降起きたのに伴いまして、こういったものを追加的にやって、世界中に広まっております金融のチェーンなり輪というものの保全、保護というものを考え、もって預金者の保護というものを考えるということにしたと思っております。
#103
○中西健治君 背景はそうなんだろうと思うんですけれども、今までの、現行の制度と今回の制度というのが別個に存在することなのか、それとも、まずは現行の制度で対応して、そこからはみ出る部分について新たな制度で対応するということなのか、実際に事案が起こったときにどうされるのかなということをちょっとお聞きしたいというふうに思ったわけでありますけれども、これはまたちょっと別途お伺いするようにいたします。
 それではまず、法案の中身で、費用という概念についてお伺いしたいと思います。
 特定負担の対象となる費用ということでありますが、費用には大きく分けて二つあるんじゃないかなというふうに思います。一つは、一時的に破綻金融機関が資金ショートを起こしているものの資産売却などで回収可能になる蓋然性が高いもの、これは法案でいうと特定第一号措置の対象先で発生するようなものかというふうに考えます。そしてもう一つが、提供された資金が回収できず破綻処理スポンサーにとっての損失となってしまうようなもの、これは法案の中での特定第二号に該当する場合だろうというふうに考えますけれども。
 この破綻処理における費用といった場合、このどちらか、あるいは両方の資金を指しているのか、この費用の認識と特定認定の関係についてお伺いしたいと思います。これは金融庁の方にお伺いしたいと思います。
#104
○政府参考人(森本学君) お答えいたします。
 金融機関の秩序ある処理を行った場合の費用でございますが、これは主として金融機関が債務超過等の場合に問題になるというふうに考えております。
 それで、この費用の回収でございますが、まず、市場の安定化によります金融商品等の価格の回復によるものがございます。それから、最終的には、預金保険機構の関与の下に当該金融機関そのものやその資産の売却を的確に行うことによって最大限費用の回収を行っていきたいというふうに考えております。
#105
○中西健治君 そうなりますと、一号であろうと二号であろうと、掛かった費用は全て求償を行っていくと、そんなようなことでよろしいわけでしょうか。そういうことでよろしいですね。
#106
○政府参考人(森本学君) 御指摘のとおりでございます。
#107
○中西健治君 ありがとうございます。
 続きまして、ワーキンググループの報告書では、破綻処理において金融機関の債権者にも負担を求めるため、債務の元本削減や株式化といったベイルインの必要性がうたわれておりました。
 今回の法案の中で、内閣総理大臣が自己資本等の取扱いを決定するというのはその趣旨と解してよいかということをまず一点、そして、その趣旨でいいということであれば、やはり現行の破産法ですとか更生特例法などとの関係がどうなるのか、通常の優先劣後関係がどうなるのか、これについてまた教えていただきたいと思います。
#108
○政府参考人(森本学君) 現在の法案に記載されております内閣総理大臣が自己資本等の取扱いを定めるというのは、先生御指摘のとおり、いわゆるベイルインの認定のことでございます。
 それで、破産法、更生特例法との関係でございますが、ベイルインは、金融機関が債務超過等の場合に内閣総理大臣の認定によりまして発動されるものでございます。その後、最終的に破産法や更生特例法によります倒産手続に移行した場合には、同様に無担保債権や株式の消却又は転換等が行われるものと考えておりまして、その意味で両者にそごは生じないというふうに考えております。
#109
○中西健治君 どうもありがとうございます。
 続きまして、この法律に基づく措置の対象金融機関の範囲を確認したいと思います。法案では「金融機関等」とされておりまして、「我が国の金融システムにおいて重要な地位を占める者として政令で定める者」と書かれておりますけれども、二つ、これに関連して質問したいと思います。
 一つ目が、事実上どのような企業であっても、金融という範疇にくくることができる大きな企業であれば対象たり得るのかどうかということであります。具体名を出して恐縮ですけれども、大事なことなのであえて名前を出して聞きますけれども、野村証券ですとか日本生命ですとか業界のナンバーワン、こういったところは当然入ってくるんだろうというふうに常識的に考えられると思いますけれども、オリックスなどが対象になってくるのかどうかということについて、まずお聞きしたいと思います。
 続きまして、この政令の定めは、当該企業に対する破綻懸念が高まってからでも後付けで行い得るのかどうか、この二点についてお聞かせいただきたいと思います。
#110
○政府参考人(森本学君) お答えいたします。
 今回の金融機関の秩序ある処理の枠組みの対象、これは金融業全体というふうに考えております。
 その具体的範囲は、金融機関の秩序ある処理を迅速に実行するためには日常的に金融監督が行われている必要があると考えております。また、取引の保護だけいたしまして監督が行われていないということになりますと、モラルハザードの懸念も生じるところでございます。そうした考え方から、この具体的範囲といたしましては、金融監督の及ぶ範囲を参考にしつつ定めるということとしております。
 先生御指摘の事業会社等につきましては、金融機関や金融持ち株会社の子会社等であれば対象になりますが、これらに該当しない事業会社等につきましては今回の措置の対象とすることは想定しておりません。そうした考え方で、範囲内で政令指定等はするという考え方でございます。
#111
○中西健治君 そうしますと、オリックスは金融監督を受けていないということで理解しました。
 二つ目の質問にまだお答えいただいていないんですが、後付けで政令で決めることができるのかどうか、教えてください。
#112
○政府参考人(森本学君) 後付けと申しますか、現在申しましたような考え方の範囲内で政令指定はするというのが法律の趣旨でございます。
#113
○中西健治君 私が申し上げたいのは、今、システム上重要な金融機関として、銀行であればSIFIsとしてメガ三行がそもそも認定されているということだと思いますけれども、ですから、あらかじめ金融機関等について認定が行われるんだろうと思っているんです、証券会社等についても。それがまた後から、破綻懸念とかが高まってきたことによってリストがどんどん更新されていくのかどうかということについてお聞きしたいと思います。
#114
○政府参考人(森本学君) お答えいたします。
 銀行、保険会社、それから第一種金商業者及びその持ち株会社等につきましては、法律で列挙されていることから、法律によりまして、その措置の対象になり得るということでございます。
#115
○中西健治君 そうすると、リストは可変であると、そのようなことだろうというふうに思います。
 また、一つお伺いさせてください。
 これは副大臣にお答えいただくのか、政務官にお答えいただく、いや、副大臣ですね、お願いしたいんですけれども、法案で想定されている破綻処理では、特定負担金は銀行、証券、投資運用、保険などの業態をまたがって事後に広く責任を分担することになっているというふうに解しておりますけれども、そこで懸念されるのが、この方法による業態を越えた危機の伝播なのではないかというふうに考えています。
 例えば、銀行がやられているときに保険はそうでもない、あるいは証券がやられているときに銀行がやられていないというように業態ごとに痛みの程度が違う場合に、本来であれば一つの業態で封じ込めることができたのに、政府がわざわざ関与することによってほかの業態にそれを伝播させてしまうということにならないかという懸念についてどのようにお考えになったか、教えてください。
#116
○大臣政務官(島尻安伊子君) お答え申し上げます。
 現代の金融システムにつきましては、金融取引は必ずしも同一の金融業態内においてなされているものではなくて、金融業態の垣根を越えて金融グループが形成されているところでございます。したがいまして、今回の制度整備によって、円滑な破綻処理がなされることによる受益というものは、破綻業者以外の業界にも広く及んで、金融システムの安定を通じて金融業界全体の利益につながるものと考えております。
 こうした点を踏まえれば、今回の破綻処理の枠組みにおきまして、銀行、証券あるいは保険といったような業態別に費用負担を考えることは必ずしも適切ではなくて、金融市場、金融業全体でセーフティーネットを構築するという制度の枠組みの考えの下で、万一損失が生じた場合の負担は金融業界全体で負担するということを原則としております。
 なお、金融業界の事後負担というものについては、その負担によって危機が他の金融機関等に伝播することがないように、金融機関の財務の健全性ということにも配慮を行っていくことが必要であるというふうに考えております。
#117
○中西健治君 時間が来ましたので、私の質問を終わらせていただきます。また次回、取り上げさせていただきたいと思います。
 どうもありがとうございました。
#118
○広野ただし君 生活の党の広野ただしでございます。
 金商法の審議でございますけれども、今お話ありましたとおり、金融危機対応、リーマン・ショック等のこともありまして、内閣総理大臣が特定認定、また特定管理をする。その中で、先ほどもありましたが、ツービッグ・ツーフェール、余りにも大き過ぎて倒せないという、破綻させられないというような金融機関、そういうことになりますと、やはりモラルハザードを起こすと。中小企業は誰も助けてくれないけれども、大きな金融機関であれば政府が突っかい棒を出すのかと、こういう話にもなりかねないわけでございまして、やっぱりモラルハザードを起こさないような対応を是非ともお願いをしたいと、こういうふうに思うわけであります。
 ところで、一つファンドのことについて伺わせていただきます。
 今度の円安に振れたことによって、安倍政権が発足前から円安にというような話もあって、特定のファンドを申し上げて申し訳ないんですが、ジョージ・ソロスは十億ドル利益を上げたと、現時点でですね。そのほかもたくさんのファンドが円売りにおいて非常な利益を得ていると、こういうようなことが言われております。
 そしてまた、このファンドというのはすごいんですね。ファンドのランキングというのがありまして、レイモンド・ダリオというのは三十億ドル昨年もうけている。まあレートによりますけれども三千億円ぐらい、報酬です。ということでありますし、ジェームズ・シモンズというのが二十一億ドル、それとか、カール・アイカーンというのが二十億ドル、報酬を得るんですね。それと、有名なオバマ大統領支持者のウォーレン・バフェット、これも数百億円ということで、いずれにしましてもファンドそしてまたファンドマネジャーというのは物すごい利益を得ているわけです。
 ところが、そのファンドの実態、これはなかなかいろいろと金融庁さんにも聞いても分からないということでありますけれども、このことについて麻生大臣の見解を伺います。
#119
○国務大臣(麻生太郎君) これは、今、多分世界中で一番大きな話題で、加えてその人たちが税金を払っていないという問題もありますからね。まともな市場を提供しているのは日本でありアメリカであり、そういったところは市場は提供しているわけで、間違いなくそういったシステムから何からを。で、利益は持っていく、ケイマン諸島に行きます、どこに行きますと、いろいろなところにやって、こういったところで、シンガポールも似たようなことをやり、マカオも似たような、なんていうことになってきておりますので、いろんな意味でファンドの実態把握ということに関しましては、これは我々としては非常に難しい、新しい種類の問題なんだと思っておりますが。
 いずれにしても、これは事業報告書とか、各種届出の提出時などに機会をとらえてヒアリングを行うとか、いろんな形で実態把握には努めてはおります。確かに努めてはおりますけれども、検査を通じて実態把握で得られた情報を基にして監督当局とも情報の共有をいたしているところでありますけれども、いわゆる金が金を生むという巨大なシステムというのはこれまでになかった新しいシステムだと思っておりまして、これに対する対応が世界中十分にできているかといえば、これはかなり疑わしいと、私どもはそう思っております。
#120
○広野ただし君 これネット等で調べますと、このファンドの運用資産、日本だけでも十七、八兆あるということです。先ほどお話のありましたJ―REITは、そのほかに八、九兆円あるということなんですね。グローバルで考えると、二兆ドル、リーマン・ショックのときは二兆ドルということですから二百兆円ですか、ということで、それがその後目減りしまして、現在でも一・七兆ドル。これは、小さな国家予算のところだと、これでぶわっと振られて、国家が破綻するようなことだって起こるわけですね。
 ですから、やっぱりファンドというものを、私は、ファンドの中にいいファンドと悪いファンドがあると。事業再生ですとかベンチャーの話ですとかになりますと、それはそれなりの役割を果たす。ところが、マネーゲームで売り抜けて巨額の利益を得ると、こういうことについて何らかの把握をしないといけないんじゃないかと、こう思っていますし、今大臣が先に言われましたが、税金はどうなっているのか、お答えいただきたいと思います。
#121
○国務大臣(麻生太郎君) これはファンドに限った話ではありませんけれども、この間、アメリカの、先週でしたか、アップルが、アップルってコンピューターのというか、何だろうね、iPadのというか、あのアップルがアメリカの国会で査問というか、を受けております。そして、基本的には、ほかにも日本で有名なところで、何でしょう、アマゾン・ドット・コム、スターバックス、グーグル等々幾つもそういった会社ありますが、いずれもこの種の会社は合法的に、脱税じゃありません、合法的に税金を払っていないという状況をG7のこの間のロンドンの会議で、こういった状況をきちんと対応していないというのはこれはここにいる財務大臣の責任であって、中央銀行総裁は関係ないと、ここにいるG7の代表が対応すべきところがしていないのが問題なのではないかという提案を日本の方からいたしております。
 加えて、この問題が、広野先生、行き着きますと、モラルハザードという言葉を使われましたが、これは、まともに税金が払っている方があほらしくなってきて、何でこんなに払う必要があるんだということになって、これは非常に大きな別のところに波及効果が出てくることも考えなきゃならぬので、この法律、こういうこの種の会社に関しましてはきちんとした税制を課すべきだ、きちんと引っかかるようにすべきだということをG7で決めない限りどこで決めるんだと、ほかに、という話をして、これで動き始めたというのが五月でありますので、世界的にこの方向は今、少しずつではありますけれども、遅ればせながらでき上がりつつあるところかなと思っておりますが。
 中でも、このファンドは、先ほど名前を言われましたように、そのほかにブラックロックとかいろいろ有名なところがいっぱいありますんで、そういったところが今、日本に、そうですね、去年から今年にかけて大量に、多分これだけファンドの人たちが日本にまとまって来たのはこの十何年間一回もないと思いますが、去年から今年にかけて猛烈な勢いで、それは日本というのが、誠にヨーロッパも具合が悪い、アメリカも具合が悪い、なら日本ということになってきたのは事実。かつ政権も代わりましたんでということで、猛烈な勢いでそこらの人たちが差し込んできているというものを我々知った上で対応していかにゃいかぬところだと思っております。
#122
○広野ただし君 やはり、いいファンドは投資事業組合で大いにやってもらいたいということはありますが、まさにマネーゲームでオオカミの餌に日本がならぬように、それこそこの株式市場においてもあるいは為替市場においても、もう売り抜けるのがうまいですからね、今みんなが立ち上がったときはもう完全に売り抜けていて、何をつかまされるか分からないという、大きな意味では、やっぱりきちっとやりませんと投資家保護ということにもならないんじゃないかというふうに思います。
 ただ、いい悪いというのは簡単に見分けられませんから、私は、やっぱり情報開示ですとか透明性ということについてしっかりとやっぱりやっていきませんと、どれをもってどう判断したらいいかさえ分からないということだと思いますので、その点についてもう一度御答弁をお願いします。
#123
○国務大臣(麻生太郎君) これは基本的に透明性を高めるという話を多分しておられるんだと存じますけれども、この金融商品取引法で、有価証券に投資するファンドが公募によって広く一般から資金を集める場合には、半年に一回、いわゆる運用状況などを記載した報告書を提出し、公衆に縦覧するということにされております。
 そういったことをやっておるんだけど、そういった情報開示を促進すべきだというお尋ねなんだと思いますが、一般論として、ファンドに対して開示義務というのを課しましてその情報を広く一般に知らしめることに関しては一定のメリットがあろうと、それは私どももそう思います。
 同時に、このファンドに対しては、これは言われましたようにいろいろございますので、ファンド側にとって負担増がそこに重なりますので、最終的にはそれは投資者の負担につながるという面もこれは考えておかにゃいかぬところだと思いますので、その点も考えて、ある程度慎重にやはり考えておかねばならぬとは思いますけれども。
 いずれにいたしましても、こういった開示の在り方などを含めまして、いろいろこういったものを考えてやっていかないと、マネープール、巨大なお金がそこにプールされておりますので、その額は確かに国家予算に匹敵するほどの金が動きますので、それはちょっと、それが悪意に一方向にみんな動けばえらいことになる。幸いにして、みんな余りお互い同士はそんな仲よくないんで、必ず両方でぶつかり合いますからそこそこで被害とか利害が済んでいるところだと思いますが、一定方向にわんとやられたときはどういうことになるかということは十分に考えておく必要があろうと、私どももそう思います。
#124
○広野ただし君 それと、これも国際的な話題になっていると思いますが、レバレッジ、言わば証拠金あるいは預託金とその全体の信用取引ですね。これによって、投資家保護的な意味もありますし、市場が非常に動きまして不安定になるというようなことがありますので、私、やっぱりレバレッジというのは、将来は一桁に下がる、多分。ところが今は、FXなんか取りますと二十五倍なんですね。やっぱりこれは、それによってもういろんな信用取引が起こるわけで、これは日本だけでできるわけではありませんが、国際的にも話しながらこのレバレッジを引き下げていくという方向にやっていただきたいなと思いますが、大臣の見解を伺います。
#125
○国務大臣(麻生太郎君) 今、FX、フォーリンエクスチェンジ、外国為替のレバレッジ、証拠金ということになりましょうか、これはもう確かに二十五倍というレバレッジになっておりますので、こういったものを含めまして、これは確かに十万円積めば百万円のこれできるんで約十倍ということになりますので、これは巨大なものになると言っていることはもう確かであろうと思いますので、これはG20のピッツバーグのサミットでこの問題は話題になっております。
 そういったことの上からも、これはいわゆるあのリーマンのときの金融危機の反省を踏まえまして、金融上の行き過ぎが世界経済を不安定化させないよう取り組んでいくことが重要ということで、これはレバレッジの規制を含めて今いろいろ、透明性の向上、安定性等々に関して今いろいろ、G7の特に蔵相のレベル等々、またその他OECD等々において、このデリバティブ取引やら、また投資家保護の観点からレバレッジの規制等々が今設けられつつあるんですけれども。
 いずれにいたしましても、この種の問題が、何%がいいのかというのはちょっとなかなか議論のあるところだと思いますけれども、いろいろデリバティブにかかわります各種の規制とかいったようなものは、これは投資家保護という点やら取引の健全性ということを考えて、こういったものは適切なところで考えないと、極端なことになってきた場合はえらく与える影響が極めて大き過ぎると、私どももそう思っております。
#126
○委員長(藤田幸久君) 時間が参りましたのでおまとめください。
#127
○広野ただし君 はい。
 そのほか、金融システムが、まさにこれをコンピューターのネットワークで支えられている。そういう中で、ニューヨークの九・一一のときは株式市場も金融市場も、あれはニュージャージーか何かでバックアップしたのか何かですね、という形で何とかいったと思います。日本がどうなっているかという点があるんですが、これは次回に移させていただいて、やっぱり金融システム上、その情報ネットワークをしっかりと維持しなきゃいけないと、こういうふうに思いますので、よろしくお願いいたします。
 ありがとうございました。
#128
○大門実紀史君 大門でございます。
 ちょっと法案の中身に入る前に一言金融庁に苦言を呈しておきたいと思いますけれど、これだけ膨大な法案を一まとめで出してくると。私の経験でいきますと、この十二年間でいってもこんな膨大なのを一遍に出したのはめったにないことだというふうに思いますし、これで、この時間、こういう日程で国会審議が十分にできると思って出してきているのかということと、何でも事後対応だからこうやって一遍に出すことになってしまうんではないかというふうに思いますし、膨大な資料、資料もあれ一千ページ超えるんじゃないですか。あんな持ち運びもできないような、あんな資料をぼんと出してきて、これでこの日程で全部審議してくれというのはちょっと余りにもひどいんじゃないかと思っております。
 それと、中身もごちゃごちゃでございまして、いいものもあれば良くないものも交じっていまして、これじゃ賛成したくてもできないですよね。やっぱりいいものと悪いものを分けてもらえれば賛成できるわけですけれども。よくまあこんな出し方をしてきたなと思いますけれど。
 やっぱりこういう出し方はちょっと反省してもらいたいなと思うんですが、森本さん、いかがですか。
#129
○政府参考人(森本学君) お答えいたします。
 今回の法案によります改正項目は、大臣の提案理由説明でも申し上げましたように、先般のリーマン・ショック後の金融危機に関連しまして内外で発生した諸問題を踏まえて、金融資本市場、金融業の安定性、信頼性を回復させるとともに、その機能強化を図るという共通の目的を持つものだと考えております。したがいまして、これらを関連する項目として一体として改正をさせていただくということとしております。
 なお、最近、金融関係の法令、テクニカルにも相互に関連が非常に深くなっておりまして、一か所直しますと多数の法令について修正が必要になるという事情があることも御理解いただきたいと思います。
#130
○大門実紀史君 まあそれは細かい話でございまして、これも、この五本の大きな柱がありますけれど、もうちょっと早く手を着けられるのもあったはずですよね。
 そういうことを考えますと、何が大事かといいますと、国会審議が一番大事で、皆さんが考えたことを早く通してくれと、これが大事じゃないんですよね。そういうことは、やっぱり国会尊重という意味で本当に考え直してもらいたいというふうに思います。
 今日は、これだけありますけれど、柱の中心の一つであります金融機関の秩序ある処理の枠組みについて質問いたしますけれど。
 これ、リーマン・ショックに始まる国際的な金融危機の中で、これはアメリカで特に議論があったわけですけれども、巨大金融機関が破綻をして公的資金によって次々救済されて、アメリカの国民の中で物すごい反発が起きて、激しい世論の批判を浴びたわけですね。そういうことがあって、この破綻の処理の仕方について、今日もありましたが、G20とかFSBですね、金融安定理事会ですか、そういうところでいろんな検討があって、国際的な合意として、資料にお配りいたしましたけれども、主要な特性というような報告書が出て、FSBからですね、これが国際的な合意になって、G20サミットでも確認されて、それに基づいて各国が、EUとかアメリカが、基づいて今はこの破綻処理についていろいろ検討したり具体化をしていると。そういう流れでございまして、今回のこの政府案も一応その流れに沿って出てきているということでございまして、その国際的流れが非常に重要なんですけれども。
 資料をお配りいたしましたが、この主要な特性というFSBの報告書で指摘されているのがベイルインという考え方でございます。ベイルというのは救済という意味でございまして、今までベイルアウトというのは公的資金で救済すると、今度はベイルインと。つまり、金融機関の株主とか債権者にもいざというとき損失を負担させましょうと、そうしないとモラルハザードが起きると、アメリカでそういうことで物すごい批判が起きたわけですね。だから、今後はそういうふうに負担をしてもらいましょうというのがこのベイルインという考え方でございます。
 具体的に各国で検討しているのは、法的なベイルイン、つまり行政当局が関与した形の、権限を持って関与した形のベイルイン。株主とか債権者に負担をしてもらうと、当局が非常に強く関与してやらせるという仕組みでございます。
 具体的に言えば、破綻処理の開始が始まったら金融機関の株式は無価値化させるとか、あるいはDESですね、株式化するというようなことで株主責任を問うとか、こういうようなことが金融当局が主導して行うのが法的ベイルインでございまして、アメリカでは、銀行関係で既にオバマさんのイニシアチブで導入したということでございます。欧州その他の各国でも今検討しているのはこの法的なベイルインでございます。
 ところが、今回の日本の政府案ではこの法的ベイルインは採用されませんでした。これはなぜなのか、理由を教えてください。
#131
○政府参考人(森本学君) お答えいたします。
 ベイルインとは、金融機関が危機的状況に陥った場合に債権者や株主に損失を吸収させるために無担保債権や株式を消却又は転換させるものでございます。
 それで、こうしたベイルインにつきましては、先生御指摘のように米国ドッド・フランク法で規定されておるところでございますが、欧州におきましてはその内容等について様々な議論がございまして、国際的にも、先生御指摘の法的ベイルインを含めまして、その内容、範囲についてまさに議論が進行中のものでございます。なお、欧州主要国につきましては、法的ベイルインについて立法化されている事例は現在のところございません。
 この法令によります強制的ベイルインと申しますのは、金融機関の資金調達や債権者等の権利に多大な影響を及ぼすものでございまして、私どもとしては慎重な検討が必要であると考えております。こうしたことを踏まえまして、今回の改正では、契約によるベイルインの総理大臣による認定は法令上規定しておりますが、法的、強制的ベイルインについては規定しておらないところでございます。
#132
○大門実紀史君 国際合意は、G20での合意はこの法的ベイルインの方向でございまして、問われているのは、問われているのはよその国がどうのこうのじゃないんですよ。日本でこのG20での合意に基づいてどうするかが問われているのであって、そんな人ごとみたいに、アメリカはやっていますがヨーロッパはまだですから、そんなことを言う話じゃないんですよ。日本としてどうするかを、どう検討しているかと、どうするかということであって、そんな、よその国がまだやっていないとか、アメリカはやっていますとか、そんな人ごとで言うような話じゃないでしょう。G20に基づいてそれぞれの国が検討するという話になっているわけでしょう。
 おかしいのは、それで、財産権みたいな話もちらっとおっしゃいますけど、大体、それじゃほかの国は財産権はないんですか。アメリカだってあるでしょう。財産権というのは、公共の利益のために一定制約されることはあるというのは国際法上なっていますから、そんなことも理由にならないんです。ならないんです。
 今おっしゃったように、今回辛うじて出てきているのが契約上のベイルインの発動ということですね。先ほどありましたけれども、百二十六条関係ですかね。これは具体的にはこういうことなんですかね。例えば、銀行が発行する劣後債権ですね、銀行が発行する劣後債権をあらかじめ契約書を交わすと。契約書にベイルイン、つまり破綻したときは無価値化しますとか株式化しますよということを契約に書いたもの、これがあれですか、契約上のベイルインと、そういうイメージでよろしいですか。
#133
○政府参考人(森本学君) お答えいたします。
 先生御指摘の契約上のベイルインの具体例といたしましては、自己資本比率規制のいわゆるバーゼル3におきまして、その他ティア1又はティア2資金調達手段となるためには、実質破綻認定時に元本削減又は普通株式への転換がなされるといういわゆるPON条項、実質破綻時損失吸収条項が付いていることが条件となっております。したがいまして、そうした劣後債等が契約上のベイルインの具体例になろうかと思っております。
#134
○大門実紀史君 つまり、そういうことですよね。いわゆる無担保債権全体じゃなくて、非常に限定された劣後債権という形になりますよね、契約上ですとね。
 そうすると、この話戻りますけれども、G20で検討する、国際的に検討すると、アメリカではもう既に導入したというふうないわゆる無担保債権、対象の広い範囲でのこのベイルインとは何の関係もないというか、非常に限定された、しかも全銀協によりますと、こんなものは本当に、こういう債券が市場を持つのかと、つまり発行されるのかと言われているようなものでございまして、こんなものは、簡単に言いますと、世界の流れはベイルイン、ベイルインとなっているから、日本でも何にもやらないわけにいかないから、取りあえずこういう契約上のベイルインというのがやれますよという形にしただけの話であって、こんなものは何の実効性もないんじゃないですか。全銀協でさえ疑問を呈しているんですよね。簡単に言いますと、そういう何かこうアリバイづくりと言うとちょっと言い過ぎかも分からないけれども、これ日本だけベイルイン何もやらないとまずいので、こういうものを無理やり取りあえず立てただけじゃないのかと思いますけれども、どうなんですか。
#135
○委員長(藤田幸久君) どちらが答えますか。
#136
○政府参考人(細溝清史君) 全銀協の見解についての御言及がございましたので、解説させていただきたいと思います。
 全銀協がそうしたパブリックコメントに対するコメントを出したのは二〇一一年の九月時点でございました。その当時、ベイルインの対象となるベイルイン条項付きの劣後債、これ発行実績がほとんどなかったということで慎重な意見を提出したと聞いております。
 その後、ベイルインの対象となる劣後債につきましては、これは民間の調査でございますが、本邦及び海外を含めて約三十件の発行実績が出てきております。
#137
○大門実紀史君 まあ、要するに、どうなるか分からないような話なんです、これはね。
 諸外国ではとにかく法的なベイルインの方、きちっとした本筋の方を検討して、アメリカでは、さっき言ったように、もう導入したということになっているわけですね。これは、この法的なベイルインについては全銀協が猛反対をしております。率直に言って、全銀協に配慮して今回はそこに踏み込むのを見送ったのではないかとしか考えられないようなふうに思うんですけれども、そうじゃないと言うならば、引き続き、世界の流れでございますから、この法的ベイルイン、どういう形で日本でやれるのか、それぞれの国によってやり方違っていいと思うんですけど、しかし、当局が関与したきちっとした法的なベイルインをやる方向は検討すべきだというふうに思うんですね。
 これは、最後、麻生大臣にお伺いしますけれども、この検討をやめられたということなんでしょうか、それとも世界のG20の合意でございますから、きちっと日本は引き続き検討していくということなんでしょうか、お答えいただきたいと思います。
#138
○国務大臣(麻生太郎君) まず、大門先生、アメリカの銀行に比べて日本の銀行は内容いいですからね、これ、それほど緊急に迫られているという必要がないというのも一つ、これ非常に大きな日本という金融業界における条件の一つなんだと思っておりますが。一般論として、これベイルアウトがいつでもあるというようなことになると、これはもうえらい簡単に言えばモラルハザードが起きやすいので、別にやったって自分だけ入れてぱっといなくなっちゃう、あとの金は全部政府が何とかしますと、大きけりゃ大きいほどいいやというような話になりかねないが、法的なベイルインを直ちに導入するということにつきましては、これは、今言われましたように金融機関の資金調達とか、権利、権利者というか債権者の権利に大きな影響というものを間違いなく与えますんで、そういったことから慎重に考えざるを得ないんだと、私はそう思っておるんですが。
 契約上のベイルインにつきましても、これは、今申し上げましたように、安易な、何というのかな、公的資金に依存するということにもなりかねませんので、こういったものに対してはきちんとした対応を考えなければいけませんが、今の状況において、今後とも、法的ベイルインの導入というものにつきましては、これは、今後、世界の金融情勢がどうなっていくか分かりません、一気にどんと日本に来ることも考えておかないけませんので、そういったことも考えて今後検討しておかなければならない課題の一つと理解をしております。
#139
○委員長(藤田幸久君) 大門さん、質疑が、時間が参りましたので。
#140
○大門実紀史君 時間が来ましたので終わりますけど、今、外国は緊急性って言われましたけれど、逆に言うと、金融庁が言っているとおり、日本のシステムは安定していますから、このときの方がこういうことをやりやすいんですよね、というような面もありますので、引き続き検討していただきたいということを申し上げて、質問を終わります。
#141
○委員長(藤田幸久君) 本日の質疑はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
   午後零時四十六分散会
ソース: 国立国会図書館
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