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2013/06/06 第183回国会 参議院 参議院会議録情報 第183回国会 財政金融委員会 第10号
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2013/06/06 第183回国会 参議院

参議院会議録情報 第183回国会 財政金融委員会 第10号

#1
第183回国会 財政金融委員会 第10号
平成二十五年六月六日(木曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 六月四日
    辞任         補欠選任
     石井 浩郎君     林  芳正君
     熊谷  大君     鴻池 祥肇君
 六月五日
    辞任         補欠選任
     一川 保夫君     川上 義博君
     愛知 治郎君     上野 通子君
     林  芳正君     熊谷  大君
     古川 俊治君     藤川 政人君
 六月六日
    辞任         補欠選任
     川合 孝典君     江崎  孝君
     川上 義博君     難波 奨二君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         藤田 幸久君
    理 事
                尾立 源幸君
                金子 洋一君
                西田 昌司君
                野上浩太郎君
                竹谷とし子君
    委 員
                江崎  孝君
                川合 孝典君
                玉置 一弥君
                難波 奨二君
                上野 通子君
                熊谷  大君
                鴻池 祥肇君
                藤川 政人君
                松村 龍二君
                溝手 顕正君
                脇  雅史君
                山口那津男君
                中西 健治君
                広野ただし君
                大門実紀史君
                中山 恭子君
                川崎  稔君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        小野 伸一君
   参考人
       一般社団法人全
       国銀行協会会長  國部  毅君
       日本証券業協会
       会長       前  哲夫君
       一般社団法人投
       資信託協会会長  稲野 和利君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○金融商品取引法等の一部を改正する法律案(内
 閣提出、衆議院送付)
    ─────────────
#2
○委員長(藤田幸久君) ただいまから財政金融委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 本日までに、石井浩郎君、愛知治郎君、古川俊治君及び一川保夫君が委員を辞任され、その補欠として鴻池祥肇君、上野通子君、藤川政人君及び難波奨二君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(藤田幸久君) 金融商品取引法等の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本日は、本案の審査のため、三名の参考人から御意見を伺います。
 御出席いただいております参考人は、一般社団法人全国銀行協会会長國部毅君、日本証券業協会会長前哲夫君及び一般社団法人投資信託協会会長稲野和利君でございます。
 この際、参考人の方々に一言御挨拶を申し上げます。
 本日は、御多忙中のところ本委員会に御出席をいただき、誠にありがとうございます。
 皆様から忌憚のない御意見をお述べいただき、今後の審査の参考にいたしたいと存じますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。
 議事の進め方でございますが、國部参考人、前参考人、稲野参考人の順序でお一人十分以内で御意見をお述べいただき、その後、各委員の質疑にお答え願いたいと存じます。
 なお、意見の陳述、質疑及び答弁のいずれも着席のままで結構でございますが、御発言の際は、その都度、委員長の許可を得ることとなっております。また、各委員の質疑時間が限られておりますので、御答弁は簡潔にお願いしたいと存じます。
 それでは、まず國部参考人にお願いいたします。國部参考人。
#4
○参考人(國部毅君) 着席でよろしゅうございますか。
#5
○委員長(藤田幸久君) はい、そのままで結構でございます。
#6
○参考人(國部毅君) 全国銀行協会の会長を務めさせていただいております三井住友銀行の國部でございます。
 先生方におかれましては、日ごろより銀行界に対し格別の御指導、御理解を賜り、この場をお借りいたしまして、改めて御礼申し上げたいと思います。また、この度は、金融商品取引法等の一部を改正する法律案につきまして私ども銀行界の意見を述べさせていただく貴重な機会をちょうだいし、重ねて御礼申し上げます。
 さて、現在審議されております金融商品取引法等の一部を改正する法律案では、金融システムの信頼性及び安定性を高めるために必要となる幅広い措置が講じられております。本日は、その中でも銀行界に特に関係が深い項目について私どもの考えを申し述べさせていただきます。
 まずは、金融機関等の資産及び負債の秩序ある処理に関する措置が整備されることについてであります。
 二〇〇八年九月のリーマン・ブラザーズの破綻等に端を発する国際的な金融危機の中で、システム上重要な金融機関の破綻などが例えばデリバティブ取引損失等の形で金融市場を通じて伝播し、信用収縮等を伴って実体経済に深刻な影響を及ぼすおそれがあることが明らかとなりました。
 これを受けまして、世界の主要国・地域の中央銀行、金融監督当局などで構成される金融安定理事会において対応が検討され、二〇一一年十月には、金融システムの混乱等を回避しつつ迅速に金融機関の破綻処理を行うための制度の在り方等を定めた実効的な破綻処理の枠組みの主要な特性、いわゆるキーアトリビューツと言われるものですが、これが策定されました。その後、G20において各国の破綻処理制度をこのキーアトリビューツと整合的なものとすることが合意をされ、各国において破綻処理スキームの改革が議論されているものと認識をしております。
 今回の法案もこうした国際的な動きに対応したものであり、銀行、証券会社、保険会社など業界横断的に、広く金融業界全体を対象として、新たな秩序ある処理の枠組みを構築するものと理解をしております。
 近年、金融のグローバル化が進展し、市場等を通じた金融機関同士の相互連関性、いわゆるインターコネクテッドネスが高まっておりますけれども、このような状況下では、金融機関の破綻が生じた場合、それが瞬く間に連鎖、拡大していくことが懸念されます。こうした背景を踏まえますと、今回のような手当てが行われることには非常に大きな意義があると考えております。
 次に、銀行等の議決権の取得等の制限、いわゆる五%ルールの見直しが行われることについて意見を述べさせていただきます。
 銀行法では、銀行が本業以外の事業を行うことによって健全性を損なうことがないようにするという他業禁止等の趣旨を徹底するため、銀行等は、その子会社と合算して国内の一般事業会社の議決権の五%を超えて取得し又は保有することは原則として禁止をされています。
 今般の法案では、その趣旨を踏まえる形で、現行規制の枠組みを基本的に維持しながらも、地域経済の再活性化や事業再生に資する効果が見込める一定の分野について、銀行等による資本性資金の供給をより柔軟に行い得るよう規制が緩和されるものと認識をしています。五%ルールの一部を見直すことにより、銀行等の取り得る資金供給の選択肢が増えることによりまして、地域経済の再活性化や事業再生等に関するお客様の多様なニーズに即した最適なソリューションを御提供できるようになるのではないかと考えています。
 一方で、銀行は、預金者保護のため経営の健全性確保が不可欠でありまして、私どもが本制度を利用して株式を保有する際には、この株式保有に係るリスクを適切に管理していく必要があります。すなわち、今回の五%ルールの見直しによって銀行が取得する株式の多くは非上場の中堅・中小企業のものになると思われます。その場合には、金融審議会でも議論されましたように、株式を処分できないリスクなどが増大するおそれがありますことから、より一層の高度なリスク管理が求められるということになります。さらには、リスクに見合ったリターンの確保も重要なポイントとなります。
 したがいまして、こうした点を総合的に検討して、各金融機関がそれぞれの経営判断で取り組むことになりますが、地域経済の活性化あるいは企業再生に資するという観点から、目的を限定した形で株式を保有していくことは、政策趣旨に沿う意義があると考えております。
 なお、今回の法改正の中には、今申し上げさせていただいたこと以外にも、インサイダー取引規制や資産運用規制の見直しのほか、外国銀行の業務の代理、媒介に関する規制緩和や海外MアンドAに係る子会社の業務範囲規制の緩和など、邦銀によるアジアを始めとする海外への業務展開を後押しするための措置も盛り込まれており、銀行界にとっても大変有益なものと受け止めております。
 以上、簡単ではございますが、銀行界の意見を述べさせていただいた本法改正案につきましては、いずれも金融業界のセーフティーネットの更なる整備、そして一層の機能強化等の観点から大変有意義なものであると考えておりますので、御審議のほどよろしくお願い申し上げます。
 最後に、本日は発言の機会をいただき、改めて御礼を申し上げます。
 御清聴ありがとうございました。
#7
○委員長(藤田幸久君) ありがとうございました。
 では次に、前参考人にお願いいたします。前参考人。
#8
○参考人(前哲夫君) 日本証券業協会の会長を務めております前でございます。よろしくお願い申し上げます。
 諸先生方におかれましては、常日ごろ、証券市場、証券界に対しまして御理解と御支援を賜り、誠にありがとうございます。この場をお借りし、厚く御礼申し上げます。
 今回の金融商品取引法等の一部を改正する法律案について意見を述べます前に、昨年の公募増資にかかわるインサイダー取引問題やAIJ投資顧問による企業年金消失問題に本協会の会員証券会社の役職員が関与し、発行企業や投資家の方々はもとより、広く国民の信頼を失うような事態となりましたことを深くおわび申し上げます。
 今回の金融商品取引法等の改正案につきましては、これら問題への対応を始め、投資家への情報提供の充実等を図るための投資信託法制の見直しや金融危機に対する国際的な議論を踏まえたものとなっており、最近生じた諸問題に適切に対応していく上で不可欠な内容のものと理解しております。本協会としても、この法案が国会での審議を経て速やかに成立し、早期に実施されることを望んでいる次第でございます。
 私からは、公募増資インサイダー取引事案等を踏まえた対応、金融機関の秩序ある処理の枠組み及び投資法人の資金調達・資本政策手段の多様化等の三点について、申し述べます。
 まず、公募増資インサイダー取引事案等を踏まえた対応として導入が提案されております会社関係者が行う情報伝達・取引推奨行為に対する規制については、今回の一連の事案を踏まえますと、必要な措置であると考えております。
 発行会社や証券会社においては、情報提供行為は通常の業務、営業活動を行う上で重要なものであり、こうした規制の導入に当たっては、これらの行為に支障を来すことのないように配慮が必要であると考えておりましたところ、今回の法案において、情報伝達や取引推奨の禁止規定の要件として公表前に取引させることにより利益を得させる目的との主観的要件が設けられていること、及び情報伝達や取引推奨を受けた者により公表前に取引が行われたことが刑事罰及び課徴金を課す要件として明確にされていることは、適切な措置であると考えております。
 二点目は、金融機関の秩序ある処理の枠組みとして導入が提案されております新たな金融危機対応等の枠組みの問題でございます。
 この枠組みの整備は、G20のカンヌ・サミットや金融安定理事会、FSBにおける国際的な合意を踏まえた上での取組であり、深刻な金融システム混乱の回避を目的としていることから、その必要性については十分理解しており、日本としても適切に対応していくべきものと認識しております。その金融機関の秩序ある処理において万一損失が生じた場合については、金融業界全体での事後負担が原則とされております。
 我々といたしましては、この枠組みにより、金融システムの混乱が回避され、金融市場全体がメリットを受けることから、その費用については金融業界全体で負担するものと理解しております。したがいまして、万一の場合の具体的な費用負担の算定においては、制度から受ける恩恵、業務の特性等を十分に加味した上で検討する必要があると考えております。
 三点目は、投資法人の資金調達・資本政策手段の多様化等ですが、この措置により、投資法人はマーケットの状況に応じた機動的な資金調達やより効率的な資本活用が可能となり、J―REIT市場の魅力向上につながるものであると考えております。また、投資信託についても、改正案に示されている措置を通じて、投資家の皆様が資産をより安心して有効に活用できることになるよう期待しております。
 来年一月からは、個人投資家の自助努力による資産形成を支援するとともに、経済成長に必要な成長資金の供給につなげる観点から、上場株式や株式投資信託の配当金や売買益が非課税となる少額投資非課税制度、NISAが導入されることになっております。NISAは、投資未経験者を始め比較的投資知識や経験の浅い方々による利用が予想されます。そのような状況におきまして、今般の改正による情報提供の充実を通じて投資家の皆様の投資判断が行いやすくなることは、まさに時宜にかなったものと考えます。
 最後に、日本証券業協会の取組につきまして申し上げます。
 本協会は、金融商品取引法上の自主規制機関として、投資者の保護や金融資本市場への信頼確保のため、市場関係者自らが策定した規則によって自らを律する役割を担っております。
 公募増資に係るインサイダー取引問題に関しましては、証券会社への自主点検要請、違反証券会社に対する協会処分、自主規制規則の整備及び行動規範の策定という、このような対応を行っております。
 自主規制規則につきましては、従前よりインサイダー情報の管理に関する規則を制定しておりますが、今回の問題は、規則の不備というより、証券会社において自主規制規則への対応が適切に行われていなかったことによるものとの結論に至っております。このため、本協会としまして自主規制規則に関するガイドラインを策定し、証券会社が情報管理において留意すべき事項について具体的な例を示しました。また、自主規制規則の改正を行い、インサイダー情報の管理が適正に行われているかについて日常的なモニタリングを義務付けました。
 投資信託法制の見直しに関連した対応としては、投資家が保有する投資信託の累積損益、トータルリターンを把握しやすくなるような制度の整備を行うことを予定しております。
 本協会は、自主規制機関として、我が国の金融資本市場に対する信頼を取り戻し、市場の更なる活性化に向け、今後とも積極的に種々の課題に取り組んでまいる所存であります。
 以上、法案に対する意見並びに我々の取組について申し上げましたが、私ども証券界といたしましても、金融資本市場の信頼性の向上及び活性化に向けて貢献してまいりたいと存じます。引き続き御支援を賜りますようお願い申し上げ、私からの意見とさせていただきます。
 ありがとうございました。
#9
○委員長(藤田幸久君) ありがとうございました。
 では次に、稲野参考人にお願いいたします。稲野参考人。
#10
○参考人(稲野和利君) 投資信託協会会長の稲野和利でございます。
 参議院財政金融委員会の先生方には、日ごろから投資信託、投資法人に対し格別の御理解、御支援をいただき、誠にありがとうございます。
 金融商品取引法等の一部を改正する法律案の中で、投資信託業界にとって特に関係いたします投資信託及び投資法人に関する法律の改正案の中から、三点について意見を述べさせていただきます。その三点とは、投資信託制度につきましては運用報告書の二段階化と投資信託の併合及び約款変更に係る書面手続等の見直し、そして投資法人制度につきましては資金調達手段の多様化であります。
 一点目、運用報告書の二段階化について意見を申し上げます。
 投資信託は投資家からお預かりした資金を運用しておりますので、年に一度、商品によっては二度、投資信託の運用状況を記載いたしました運用報告書を作成し、投資家に原則書面で交付しております。運用の透明性を確保していくためには、記載内容は広範かつ詳細で、ページ数も多くなっておるわけでありますが、一般的な個人の方々に保有される公募の投資信託の場合、情報量が多過ぎるとかえって読まれないものとなってしまいます。協会が平成二十三年に行いましたアンケート調査では、全部読まれたという方はごく僅かであり、送られてきても読んだことがないとの回答が半数近くを占めました。また、読まれなかった理由につきましては、内容が多過ぎて読む気にならなかったとの回答が最も多い結果でありました。
 投資信託を販売、勧誘する際に投資家にお渡しする目論見書につきましては、平成二十一年の法改正によりまして、投資家が投資判断を行うに当たって特に必要な情報を簡潔に記載いたしました交付目論見書と、詳細な情報を記載いたしました請求目論見書とに二段階化していただきました。
 運用報告書につきましても、投資信託の運用状況を投資家が理解しやすい形で提供するための措置として、特に必要な情報に絞って記載し投資家に必ず交付する交付運用報告書と、詳しく内容を知りたい投資家からの求めに応じて交付される運用報告書本体との二段階化をお願いしたいと存じます。これによりまして、投資家の投資信託に対する理解が進むものと考えます。
 二点目、投資信託の併合及び約款変更に係る書面手続等の見直しについて申し上げます。
 投資信託の約款は、委託者である運用会社と受託者である信託会社との間で締結される信託契約を記載したものであり、この変更は受益者である投資家にとって影響を与えることから、重大な内容の約款変更の場合には、投資家による書面での決議を行い、御同意を得た上で行うこととされております。
 ところが、書面決議が必要となる約款変更の内容が重大な場合につきましては、運用会社ではこれを保守的にとらえ、形式的な変更、例えば運用会社の社名変更や法が改正されたことによって約款に引用した条文の番号が変わるといったこと以外は重大な約款変更に当たるのではないか、社によってその判断が分かれる傾向にあるわけであります。
 一方、投資信託は不特定多数の投資家の資金をお預かりし、合同して運用いたしますので、非常に多くの方に対して書面での手続を行うことになります。このため、投資信託の運営上、必須でない限り書面決議を要する約款変更を回避していくという傾向や、後の約款変更を避けるために幅広な権限を認める形で約款の記載がなされるといった傾向にあり、かえって投資家のためにならないのではないかとの指摘を受けております。
 そこで、投資家の利益に重大な影響があって、真に受益者の承諾が必要な事項のみを書面決議の対象としていただくなど、手続についての見直しをしていただきたいと存じます。
 また、投資信託間の併合についてでありますが、現行の規定では、投資家への影響にかかわらず、どのような場合でも必ず併合する投資信託双方で書面決議が必要となります。こちらにつきましても、書面決議による手続を要する併合を投資家の利益に重大な影響がある場合に限るなど、手続の見直しをしていただきたいと存じます。
 三点目、投資法人制度における資金調達等の多様化につきまして意見を申し上げます。
 投資法人、現在このスキームを使って運用する商品の代表格は不動産投資信託、REITでありますので、REITについて述べさせていただきます。
 REITは法人としての形態を取っておりますが、その資金調達手段は一般の事業会社に比べて限られたものとなっております。また、諸外国に比べても日本のREITの資金調達手段は限られております。
 資金調達手段は、株式会社の新株発行に相当する投資法人の投資口の発行、それから長期、短期の投資法人債の発行、そして金融機関からの借入れであります。日本の場合、税制上、利益を内部留保せずに配当することが求められているため、一般の事業会社に比べてREITは自己資金が少なく、例えば二〇〇八年の世界的金融危機のような事態が起こりますと、銀行からの借換えが厳しくなり、資金繰りに支障を来すおそれが出てまいります。こうした状況は、REITの経営にとって問題となるだけでなく、そこに投資していただいている投資家の皆様にも御心配をお掛けしてしまいます。
 そこで、金融環境の変化に対するREITの対応能力を向上させ財務上の安定性を増していくために、一般の事業会社と同様、投資主への割当て増資、ライツオファリング等が可能となるよう、資金調達手段の多様化を進めていただきたいと存じます。
 以上三点につきまして意見を述べさせていただきましたが、今回御審議いただく金融商品取引法等の一部を改正する法律案、中でも投資信託及び投資法人に関する法律の改正案に盛り込まれている内容は、いずれも投資信託、投資法人の発展、ひいては投資家の利益に資するものであり、協会といたしましては大変意義のあるものと思っております。
 最後に、投資信託は、個人の中長期的な資産形成のツールとして、また経済成長に必要な資金の供給手段として大きな役割が期待されております。投資信託業界といたしましては、投資信託は国民の資産形成の中核的な手段として一層発展していくように努力してまいる所存でございますので、先生方におかれましては、今後とも一層の御指導と御支援をお願い申し上げます。
 御清聴ありがとうございました。
#11
○委員長(藤田幸久君) ありがとうございました。
 以上で参考人からの意見の聴取は終わりました。
 これより参考人に対する質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#12
○金子洋一君 民主党の金子洋一でございます。
 今日は、参考人の皆さん、お忙しいところおいでをいただきまして、ありがとうございました。私の持ち時間十五分でございますので、お三方にそれぞれ一問ずつお尋ねをさせていただきたいと思います。
 まずは、全国銀行協会の國部参考人にお尋ねをいたします。
 いわゆる五%ルールの緩和についてでございますけれども、企業再生ですとかあるいは地域の活性化にこれ非常に役に立つんではないかというようなことも言われております。これ、銀行業を営んでおられて現場をよく御存じの会長としまして、そういった地域の活性化にどのくらい役に立ちそうかとか、あるいはまた逆に、五%ルールを緩和したことによって、それぞれの銀行によってはちょっとリスク管理がうまくいかないんではないかなとか、そういった問題が出てくるんではないかなと思うんですが、その辺りについていかがお考えでしょうか。
#13
○参考人(國部毅君) お答えさせていただきます。
 今回の五%ルールの見直しにつきましては、現状の基本的な枠組みは維持した上で、地域経済の再活性化あるいは事業再生に資する案件については銀行による資本性資金の供給をより柔軟に行い得るよう手当てがされているものというふうに認識をしております。したがいまして、これはどういう案件に対応していくかというのは、各金融機関がそれぞれの地域の事情あるいはお客様の状況、これを踏まえて決定をしていく、判断をしていくということになると思います。
 金融審議会の議論では、例えばゲレンデ、スキー場の例を取り上げられたり、あるいは市街地の活性化の例を取り上げられたりいたしまして議論をされていましたけれども、まさにそういう地域の再生ということで、やはり株を取得する、すなわちリスクマネーを供給するということが再生に資するという案件が出てくると思いますので、各金融機関がそれぞれ対応していくものと思います。
 それで、先ほどリスク管理のお話をしていただきましたけれども、やはり、先ほども申し上げさせていただきましたが、恐らく非上場の中堅・中小企業というのが多くなると思いますので、まさに、上場している企業の株の取得よりも、よりその経営の状況であるとか、そういったものを踏まえてリスク管理をしっかりやっていくということが大事だというふうに思いますが、いずれにしろ、この地域経済の再活性化あるいは事業再生ということに資する手段でございますので、各金融機関、前向きに対応していきたいというふうに思っております。
#14
○金子洋一君 ありがとうございます。
 要するに、それぞれの案件ごとに随分と状況が違いますので、それに応じて対応の仕方というのもいろいろあると思いますし、また、当事者になる銀行の方の状況というのもあるんだろうと思いますが、その辺りの、何というんでしょうね、さじ加減というのはどのようにお考えでしょうか。
#15
○参考人(國部毅君) まさに先生がおっしゃるとおりで、これは個別の案件ごとに対応をしていくということになると思います。
 我々金融機関はこれまで、金融円滑化法の下で、お客様から条件緩和の申請があれば真摯に対応し、またその会社さんの再生へ向けて我々金融機関が持っているノウハウを提供しながら再生のお手伝いをしてきていますので、そういった金融機関のノウハウ、あるいは今度三月に設立をされました地域経済活性化支援機構、ここでのノウハウ、こういったものを投入しながら地域経済の活性化に資する動きをしていきたいというふうに思っております。
#16
○金子洋一君 どうもありがとうございました。
 まだまだお尋ねしたい点がありますけれども、私が最後じゃありませんので、ちょっとこのくらいで。
 それでは、日本証券業協会の前参考人にお尋ねをしたいと思います。
 昨年、ある証券会社のインサイダー取引の問題が出まして、過怠金として三億円を課されて、これが随分前の五億円に次ぐ大きな金額だったということでありましたけれども、今回、この法律とはちょっと離れてしまうんですけれども、自主規制団体だとおっしゃっていらっしゃいます。その自主規制の団体として、今回のインサイダー取引の問題についてどういうふうな取組をしてこられたのか、あるいは今後取組をなさろうとしているのか、その辺りについてお聞かせいただけますでしょうか。
#17
○参考人(前哲夫君) お答え申し上げます。
 今回の一連の公募増資インサイダー事案を踏まえまして、三つ、一応自主規制機関として取り組んだことがございます。
 一つは、金融庁は十二社、インサイダー問題で大手を調査したんですが、引受証券会社五十三社を日本証券業協会が自主点検をお願いしました。その報告を受けまして、内部管理態勢とか等々の課題とか弱点について各個社で改善するようにという形で指導をしております。
 二つ目は、今、先ほど先生が述べられた、違反証券会社に対して協会として過怠金としての処分をしました。
 三つ目は、自主規制機関としまして、規則の整備、もう一つは行動規範の策定という形で業界に対して指導をしております。この自主規制規則の整備につきましては、協会員における法人関係情報の管理態勢の整備に関する規則というところで、協会員が管理すべきインサイダー情報の具体例はどんなものかというのを示しました。そして、それの情報管理が適切に行われているかどうかということを日常的にモニタリングしなさいという、この態勢を構築しなさいという指示を出しております。また、引受け規則というのがあるんですが、そこにつきましては、公募増資の公表前に株価が大幅な下落が認められたという場合には、主幹事証券会社とその発行会社が公募増資の日程について協議をするということを義務付けたということでございます。
 このような形で再発防止、また信頼回復、向上のために持っていきたいと、このように考えております。
#18
○金子洋一君 ありがとうございます。
 あともう一点お尋ねをしたいんですが、長期的に見ますと、我が国というのは人口が減少していって、貯蓄が足りない状態になっていこうということになろうと思います。となりますと、今回のNISAの問題ですけれども、問題というかNISAについてですけれども、非常に大きな意義があると私も思うんですが、そのNISAについてどういうふうに受け止めておられるのか、ちょっとお聞かせをいただきたいと思います。
#19
○参考人(前哲夫君) このNISAを採用していただくことによりまして、日本においては余り投資という考え方が国民に浸透していない、また国民の方にも金融リテラシーが非常に不足していると、こういう問題がありますですね。この金融リテラシーを向上させるためにも、幼児教育からの金融教育というのは非常に必要だと。諸外国において非常に劣っているということをよく言われて、私たちもそれに努力しているわけです。
 このNISAをきっかけにしまして、これは二十歳以上の方が投資できるわけですけれども、二十歳になればNISAに入って、貯蓄だけじゃなしに投資ということもできるような、そして今、年金問題がいろいろ言われていますけれども、年金の、将来のマネーライフ、マネープランというものを考えて、二十歳になればNISAに入るという形で国民の皆さんが利用されるように普及させていきたいと、それが日本の経済の成長にもまた結び付くと、このように考えております。
#20
○金子洋一君 ありがとうございます。
 私、消費者問題の特別委員会の方にも参加しておりますけれども、やっぱり一般の消費者の方というのは、複利って何というそういう世界でして、そうなりますと、預ける方もそうですけど、借りる方も非常に困ってしまって、知らない間にどんどんどんどん負債が膨れ上がるというようなこともありますので、そういった消費者に対する教育という意味でも非常に意義があることなんだろうなという感じがいたしました。どうもありがとうございました。
 続きまして、投資信託協会の稲野会長にお尋ねをいたします。
 またNISAの件でございますけれども、また特に、我が国ですと投資信託を持っている比率というのが特に人生の先輩方の方が比率が多いと、若いうちには余り持っていないという面が非常に顕著な感じがいたしますけれども、この辺りについていかがお考えになるのか。
 特に、先ほども少しお話出ましたけれども、NISAの導入でそこに、例えば若い人に、いろいろな、自分で物を考えて投資をしていただくというか、自分で計画を立てていただくというか、そういった主体的な判断を下していただけるような道筋を付けるということも可能になってくると思うんですが、その辺りについていかがお考えでしょうか。
#21
○参考人(稲野和利君) ただいま先生から御指摘がありましたように、投資信託の保有構造は高齢者に集中しているということであります。若年者の保有は非常に少ないわけであります。NISAはこのような保有構造を変えていく大きなきっかけになるというふうに思っております。
 NISAでは投資信託の利用が多いということが予想されるわけでありますけれども、協会といたしましても、投資信託を利用した長期投資、分散投資、時間分散の三点について、広報活動の中で積極的に触れていく必要があると考えております。長期投資あるいは時間分散ということになると、これは主として若い世代において大きなメリットがあります。時間を味方に付けることができるということであります。そのような点には力を入れていきたいと思います。
 投資信託協会加入社のアンケート、加入社の個別社が行ったアンケートによりますと、NISAを通じて投資する投資商品にはどのようなものがよいか、どのようなものを希望するかという項目がございますが、上位にランクされているのは、低リスク型商品、あるいはコストが掛からない商品といったものが上位に来ております。加えて、安定感を優先した金融商品、あるいはリスクを取って高い収益が見込める金融商品といった項目が並んでおりますけれども、いずれにせよ、非常に大きなポイントは、低リスク型商品に加え、低コストの商品を提供していくということであります。運用会社の創意工夫によって低コスト商品を多様化していく必要がある、それによって若年層への浸透を図っていく必要があると思います。
 投資信託は、本来、資金量が少ない若年層でも容易に投資できる金融商品であります。千円あるいは一万円といった単位からでも投資できます。あるいは、積立てといったような形で毎月の給与所得から月々積み立てていくというような投資スタイルにも非常に適合しております。残念ながら、このような点については十分理解されているとは言い難い状況でございますので、当協会及び加入投信運用会社におきましても、こういった点の周知努力を重ねてまいりたいというふうに思っております。
 以上であります。
#22
○金子洋一君 ありがとうございます。
 もう時間がほとんどなくなってまいりましたので、最後に、運用報告書の二段階化について、私も余り細かいだけのものがどおんと来ても自分だったらちょっとあれだなという感じがいたしますが、その辺りについて、簡潔にもう少しコメントをお願いいたします。
#23
○参考人(稲野和利君) 目論見書における経験で、目論見書も同様の問題がございまして、交付目論見書と請求目論見書に分けたわけでありますが、これは投資家の評判は非常に良いというふうに言えるかと思います。
 今回の運用報告書の二段階化につきましても、投資家の声にこたえた結果であると認識しております。詳しい情報が開示された運用報告書は求めに応じて交付される以上、交付運用報告書、簡素に分かりやすく記載された交付運用報告書は投資家の利益に資するというふうに思っております。分かりやすい表示をここから心掛けていくことが重要だと思っております。比較可能な方式、あるいはグラフ、図の活用、平易かつ簡素な表現、こういった個別の点につきましても、協会が中心になって、記載様式をより良くしてまいりたいと考えております。
 以上であります。
#24
○金子洋一君 どうもありがとうございました。
 どうも金融庁だけじゃなくて役所というのは、細かいものを出せば、これは読むことを前提にしているんだという感じで、アリバイづくりにそういうことをやってしまうことが多いと思うんですが、そういうことから一歩脱却してきたのかなという感じで、積極的に評価を私もしたいと思います。
 じゃ、時間になりましたので、どうもありがとうございました。
#25
○野上浩太郎君 自由民主党の野上浩太郎でございます。
 今日は、三人の参考人の皆様方には大変お忙しい中お越しをいただきまして、ありがとうございます。心から感謝申し上げたいと思います。三人の参考人の方々それぞれに質問させていただきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いをいたします。
 まず、今もお話ありましたが、國部参考人にお伺いをしたいと思いますが、五%ルールについてであります。
 今お話ありましたとおり、今般の法案では、現行の枠組みは維持しながら、地域活性化に資する場合には資本性の資金を投入しやすくするという緩和でありますが、この五%ルールの議論についてはもう本当にいろんな議論があったというふうに思いますが、私は特に、現在の地域経済を再生をしていく中で、やっぱり銀行が資本性の資金を投入をしていくということには意義があることだというふうに思っております。
 そのような御説明もございましたが、一方で、銀行の健全性という話もあるということでありまして、この健全性ということと地域経済の再生を踏まえて、この実際の効果についてもうちょっと御言及をいただければというふうに思います。
#26
○参考人(國部毅君) お答え申し上げます。
 私ども銀行界が政策投資株式を保有をしているわけですが、この政策投資株式は過去やはり株価の下落によりまして減損が発生するというようなことがあり、各金融機関、各銀行の決算に大きな影響を与える局面があったということでございますので、各行ともこの政策保有株式のリスクということにつきましては、残高も削減しつつ、しっかりとしたリスク管理体制を取っているというのが基本的な考え方であります。
 一方で、やはり私どもが取引をいただいている各企業さんの再生、あるいは地域の再生ということを図っていくということも我々金融機関の果たすべき役割だというふうに思っておりまして、その際に、やはり融資ということだけではなくて、株の取得、そして、先ほど申し上げさせていただいたいわゆる再生ノウハウの提供、あるいは人材のサポートというような形でこの経済、地域経済を活性化させていく、事業再生を行っていくということはやはり我々の役割でもありますし、地域経済ひいては日本経済の活性化につながっていくものだというふうに考えております。
#27
○野上浩太郎君 ありがとうございます。
 まさに地域経済のことを考えるときに、中小企業金融円滑化法への対応と、期限切れへの対応というものも重要だと思っておりますが、先般の対政府質疑でも質疑をさせていただきましたし、私自身も、地元を回っておりましても、今のところ金融機関の融資姿勢について大きな変化があるということはないというふうに思っておりまして、しっかりとした対応をしていただいているというふうに思っておりますが、一方で、今お話のあったとおり、中小企業が再生をしていくと、どんどん景況感が良くなっていくというような状況にはまだまだ程遠いというふうに思っております。
 そういう中で、やっぱりその再生の担い手というのは地域地域の金融機関だというふうに思いますし、そのコンサルティング能力を高めて企業と一緒になって企業再生を図っていくという面、あるいは融資の面でも、やはり新規融資をするとか、あるいは経営改善のための条件変更については弾力的な追加融資をしていくとか、そういう融資の面もあろうかと思います。
 こういうコンサルティング的な面と融資の面において、今後どういうふうにして事業再生に向けて、地域活性化に向けて取り組んでいかれるのか、この辺もお聞きをしたいと思います。
#28
○参考人(國部毅君) お答え申し上げます。
 中小企業等に対する金融の円滑化、すなわち、お客様から貸出条件の変更を要請された場合は丁寧に対応していくこと、あるいは経営改善に向けたコンサルティング機能をしっかり果たしていくといった点につきましては、金融円滑化法の施行後、個々の金融機関で積極的な取組を進めてきておりまして、法の精神は十分に定着、浸透しているというふうに思っています。三月末で金融円滑化法の期限は到来をしたわけですけれども、四月以降、我々銀行の対応あるいは融資姿勢が変化することはございません。また、全銀協としても、二月に改めて申合せを行っておりまして、この点は確認をしております。
 先生御指摘の新規融資ということにつきましても、先月、これは五月十六日になりますが、全銀協において中小企業者等に対する金融の円滑化に向けた行動指針を改定をいたしまして、例えば債権・動産担保融資、ABLでございますが、こういったものなど、不動産担保や保証に依存しない融資の活用を含めて適切かつ積極的なリスクテークを行っていくこと、あるいは、お客様の状況等に応じて最適なソリューションをお客様の目線に立って提供することを通じて、お客様の主体的な取組を支援していくように努めるといった、こういった考え方を改めて明確化をしておりまして、各行ともその趣旨に沿って対応をしているところでございます。
 少し、新規融資というお話もございましたので、当行の事例で申し上げさせていただきますと、例えば、貸付条件の変更等を行ったお客様であっても新規融資を謝絶することのないよう行内で徹底をしておりまして、相当数のお客様に新規融資を取り組んでおります。また、ABLの活用ということにつきましても、リスケ先企業に対してもABLの活用をして新規融資を行うといったような事例もございます。
 さらに、こうした取組を一歩進めて、お客様の資金需要を創出するという取組も進めておりまして、例えば、現在、中小企業のお客様は、仕事が余りないとか、あるいはビジネス自体が伸びずに先行きの見通しが立ちにくいとか、こういった悩みを抱えておられるお客様が多いわけで、こうしたお客様に対して、我々は非常に膨大な顧客基盤を持っておりますので、販路の拡大につながるようなお取引先を紹介するであるとか、いわゆる我々でビジネスマッチングというふうに呼んでいますけれども、こういったことが大変中小企業のお客様にとっては有効な解決策ということになりますので、こういった取組をしております。私どもの銀行でいいますと、去年一年間で約一万件の商談件数を実現をしております。
 今ちょっと事例を申し上げましたけれども、引き続きこうした取組を積極的に推進をいたしまして、銀行界全体として中小企業に対する積極的かつ円滑な資金供給に努めてまいりたいというふうに考えております。
#29
○野上浩太郎君 ありがとうございます。
 今、条件変更があった企業についてもまた前向きなところは新規融資をやっているという話もございましたし、マッチングの話もございましたし、是非そういう形で推進をしていっていただきたいというふうに思っております。
 次は、前参考人にお伺いをしたいと思います。
 先ほどのお話の中にもありましたが、やっぱりこのインサイダー取引事案とかAIJ投資顧問事案ですとか、昨今起こっているということで、これは国民の信頼を失うような事態になっているというふうに思いますので、この再発というのは断じて許してはならないものだというふうに思っております。
 今、自主的な規制もしっかり取り組んでおられるという話もいただきましたが、従前とこれからということを考えたときに、特に一番力を入れて変えたという部分を御言及いただければと思います。
#30
○参考人(前哲夫君) なかなか一遍に、今までに起こっている、証券界でいろいろ起こしてきた問題あるんですけれども、根絶させるというのは、本当に、すぐにこうやれば直るという解決策はないんですよね。地道にきちっとやっていくというしかないので、まず、協会員の倫理観、職業意識、行動規範意識と、こういうものをきちんと持つように経営者自らが、これを一番大事なことなんだと、顧客の信頼が大事だと、そうなれるような行動規範を策定して、みんな遵守すると、そこから始めようと。
 私、三年前に証券業協会長になって、信頼の向上というのに三年間取り組んできました。残念ながらインサイダー問題が出たりAIJが出て、これはもう本当に痛恨の極みなんですけれども、まだまだ証券界には行動規範に対する、職業意識に対する倫理観が不足していると、このように私自身も考えております。ですから、今後これが直せるようにみんなで頑張っていきたいと、このように思っています。
#31
○野上浩太郎君 その強い決意で万全な取組を進めていただきたいというふうに思っております。
 それともう一つ、金融機関の秩序ある処理の枠組みに関してでありますが、この破綻処理に伴って損失が生じた場合に、原則、金融業界が事後負担するということになっていると思いますが、この費用負担の在り方について、業界間の意見調整というのは難しいものがあるんだと思いますが、その発生した損失を金融業界がどういうふうにして負担することになっていくのか、万一まだ調整が済んでいないということであれば、この法施行までの間にどういうふうにして調整をしていくのか、お聞かせいただきたいと思います。
#32
○参考人(前哲夫君) 今先生が述べられましたように、本制度の整備は金融市場全体がメリットを受けるということから、費用については金融業界全体で負担しなければならないと、このように考えています。それで、業界間の費用負担につきましては今後検討されるわけですけれども、新しい枠組みから受ける恩恵とか、それから業務の特性というのを十分に加味されるものと、そういう形で施行されるというように理解しています。
#33
○野上浩太郎君 細部の詰めがやっぱり信頼性につながると思いますので、しっかり取り組んでいただきたいと思います。
 最後に稲野参考人にお聞きをしたいと思いますが、投資法人の資金調達と資本政策手段の多様化という中で、J―REITについてでありますが、このJ―REITについては、バブル崩壊以降の資金の出し手としても非常に国内市場にも意義があって、資産デフレの脱却にも資すると思いますし、この今回の改正で国際的な不動産投資も可能になるということで、これも日本に外国の成長の果実を取り入れるという意味もあると思います。
 一方で、J―REITの対象というのは、今、オフィス、商業、賃貸住宅から、成長分野である大型物流施設とかヘルスケア施設とか、あるいは研究開発施設ですとかインフラ関連施設にも広がっておりますので、そういう成長産業を金融面から支える仕組みにもなるというふうに思っています。このJ―REIT等の不動産投資市場の活性化の意義と今後の可能性はいろいろあると思いますが、そのことについてお聞かせをいただきたいと思います。
#34
○参考人(稲野和利君) ありがとうございます。
 REITは、一般的な個人による不動産投資を容易にして、そして不動産から得られる賃貸収入といったような安定した収益を個人投資家にもたらす役目を担っております。同時に、不動産市場に個人投資家という新たな資金の出し手を創出して、不動産価格の安定に寄与してまいりました。そしてまた、REITが行った不動産取引の内容を徹底して開示していくことで、不動産市場の活性化にも貢献してきたと自負しております。
 今回の法律改正によりまして、SPC、特定目的会社を通じた海外不動産への投資が可能になれば、一般的な個人投資家には不可能であった海外不動産からの収益獲得が可能になってまいります。そしてまた、ライツオファリング等、資金調達の多様化は財務の安定性に資するわけでありまして、投資家からの流入資金、投資資金の拡大にもつながっていくものと思います。REITは、事業会社が保有する不動産に投資することで、企業は本業にその資金を振り向けて、企業の生産性の向上にも貢献しているといった側面もあろうかと思います。
 今後は、運用会社の創意工夫によりまして、今御指摘のありましたような、成長が予想される分野の物件に投資機会が拡大していくようになれば、これらの事業を行う企業を金融面から支援できるのではないかと考えております。
 ありがとうございました。
#35
○野上浩太郎君 是非、日本経済の成長に資するような取組を進めていただきたいと思います。
 終わります。ありがとうございました。
#36
○竹谷とし子君 公明党の竹谷とし子でございます。
 本日は、御多忙の中、参考人の皆様の御出席を賜り、意見をお述べいただきまして、誠にありがとうございます。私からは、稲野参考人、前参考人に質問をさせていただきます。
 最初に、投資信託制度の見直しに関連して、稲野参考人にお伺いいたします。
 今回の改正で、投資信託の併合及び約款変更に係る書面手続等の見直しが行われるとされており、その併合が受益者の利益に及ぼす影響が軽微なものであるときには書面決議を不要とするとされています。この受益者の利益に及ぼす影響が軽微なものであるときというのは、どのような場合でしょうか。今回緩和することで投資家に不利益となるようなことはないというふうに考えてよろしいでしょうか。お願いいたします。
#37
○参考人(稲野和利君) 併合手続につきましては、まず併合の前後で、二つの投資信託があるわけでございますけれども、併合の前後で商品としての基本的な性格に相違がない投資信託について書面決議を不要とすることが適当であるとされております。
 したがって、商品としての基本的な性格に相違がないかどうかというのが重要なポイントになります。その商品としての基本的な性格に相違がないとは、併合前の投資方針に反しない、併合前の投資方針と併合の後の投資方針が大きく変わるということであれば、これは大きな性格の変更でありますから、それは違うということになります。
 それから、併合対象投信の純資産の一定倍率以上併合する側が大きいということでありますけれども、そこはやっぱり一定倍率以上であること。さらに、実質的な相違というものが受益者の利益に資する、あるいは中立的であるということが重要であります。受益者の利益に資するとは、例えば二つの投資信託が併合されたときに、その小さい方の投資信託の保有者にとってみれば信託報酬が併合の結果下がるといったようなことを意味します。あるいは、それが中立的である。さらに、法令適合性維持のために生じざるを得ない事由をもって併合するといったような場合にまず限定されているということであります。
 そして、その上で、受益者保護という一点をどう貫いていくかということを考えていくことが重要であると思います。その点に関して、今回の法律改正においては、受益者保護も踏まえて商品としての基本的な性格に相違がない投資信託の併合手続を定めているわけでありまして、これは十分多くの投資者の利益にも資するものと考えます。
 以上であります。
#38
○竹谷とし子君 ありがとうございます。
 続きまして、現行の書面決議制度、これが実施が実務上困難であるということが本改正の背景にあると思いますけれども、今それによって投資家にとってはどのようなデメリットが発生していますでしょうか、お教えください。
#39
○参考人(稲野和利君) ただいまの併合という事例を考えていきますと、規模の小さい投資信託が規模の大きい投資信託に併合される、そのプロセスをスムーズにしていくということに意義があるわけでありますけれども、併合される側の投資信託の所有者からいえば、併合による規模の効果を享受できる可能性が増えるということであります。すなわち、現行の法制の下では、併合による規模の効果を享受できる可能性がかなり排除されているというふうに考えます。
 その側面は三つございまして、一つはコストであります。併合したことによって信託報酬が下がるというようなことは当然あり得るわけですし、全体の運営が効率化するので投資家のコスト負担が実質的には少なくなるということがあり得ます。
 さらに、運用リターンが向上するということがあり得ます。非常に規模の小さい投資信託は運用自体が非効率にならざるを得ないという側面がありますので、大きな投資信託に併合されることによって、基本的な性格が変わらなければ、運用リターンがより大きくなっていくということも期待できます。
 さらに、規模の小さい投資信託においては、規模が小さいがゆえに運用が不可能となって早期償還に至るといった事態もあり得るわけでありまして、これは必ずしも投資家の歓迎するところではないわけであります。それが併合等によって更に持続可能性が高まって、より長い期間運用成果を享受できる状態になるということは誠に意義があるということではないかというふうに思います。
#40
○竹谷とし子君 ありがとうございます。
 また、今回の改正では、既に実施済みである目論見書の二段階化に次いで、運用報告書の二段階化が図られることになっています。
 現在は、稲野参考人のお話の中にも、運用報告書が大部にわたるために、アンケートを業界の中で取られたときに、半数は見ていない、半数以上が見ていないという、全部見ているというのは極めて少ないという結果があったという御意見の陳述がありましたけれども、確かに、この運用報告書には多大なコストが作成にも送付にも掛かっているものと思います。それを考えると、最終的にはそれは受益者の負担に帰するということを考えますと、今回の二段階化というのは妥当な改正と考えられますが、これによって投資家にとってよりこの運用報告書が分かりやすいものとなるように、例えばほかの投資信託との比較可能性、またグラフや図の活用など、受益者にメリットのある取組が業界として図られるというふうに理解してよろしいでしょうか。
#41
○参考人(稲野和利君) 先生御指摘のとおりであります。グラフ、図を活用する。今でも実は活用されているわけではありますけれども、膨大な文字の間にそれが埋まっていて、なかなか活用されにくい状況にある、さらには見やすさ等についても一段の工夫が必要であるという問題意識を持っております。全体を簡便に、見やすく簡潔にすることによってグラフや図がより注目されるようになる、さらにそこでは平易かつ簡素な表現を心掛けるということで運用報告書はかなり改善するのではないかというふうに期待しておりますし、その改善の中身につきましては、具体策、具体的な記述方法等につきましては、当協会も指導的立場を果たすべく、投資家とも会話を続けていきたいと思います。
 いずれにせよ、運用報告書は投資家との重要なコミュニケーションツールであると私どもは認識しておりますので、このコミュニケーションツールをより良いものにしていきたいと思っております。
 以上であります。
#42
○竹谷とし子君 ありがとうございます。
 今の稲野参考人に三点質問させていただいた中で、今回の投資信託制度の見直し、併合及び約款変更に係る書面手続等の見直しについては、投資家に、受益者に不利益となるようなことは考えられない、受益者の保護を考えていくという点。また、書面決議制度の緩和について、今時点で、小規模な投資信託の受益者が大規模化していくことによってリターンが更に大きくなるということを阻まれるというデメリットがあるということで、それがより併合が可能になることによって受益者の利益につながっていくと。また、運用報告書についてもより投資家に分かりやすいものになるという、そういった御答弁をいただいたというふうに理解をいたしております。ありがとうございました。
 続きまして、前参考人に伺いたいと思います。
 先ほどの御意見陳述の中で、日本証券業協会の自主規制として、トータルリターンの報告ということについて言及がありました。トータルリターンというのは一定期間の累積損益ということだと思いますが、現在は、自主的に行っている販売会社もあれば、そうでない場合もあるというふうに理解しております。これは、投資家にとっては、分配金が運用収益からの分配なのか、また元本を取り崩して分配されているいわゆるタコ足の配当なのか、これが一緒になってしまっていると適切な投資判断を行うということが大変阻害されるということで、業界において今後自主的に制度の実施を図って投資家を保護するということが投資信託制度に対する国民の信頼を図るということにもつながるというふうに感じております。
 このトータルリターン把握のための業界の自主規制の取組について、前参考人に伺いたいと思います。
#43
○参考人(前哲夫君) ありがとうございます。
 先生のおっしゃるとおりでございまして、非常にこのトータルリターンというのは大事なことだということで私たちも取り組んでいきたいと思っております。今、協会の方でパブリックコメントをしておりまして、このような形でやりたいんですがということでいろんな意見を求めているところでございますので、これをまとめまして早急に、これ六月中にも方向を出したいと、このように思っております。
 先生がおっしゃられたように、トータルリターンといいますのは、投資信託の分配金とか中途売却を含めまして、投資信託の保有期間全体の損益を算出するものだと、このように理解していただいたと思います。一番問題になっていたのは、先生がおっしゃられたように、毎月分配型の投資信託の配当の中身がよく分からない、元本がどんどん減っているのに高い配当が出ていると、こういうものに対する不信感が投資家の皆さんにあるということだと思うんですが、これがよく分かるように、特別分配金なのか普通分配金なのか、投資期間においてどのような運用利回りになったのかというのがはっきりと分かるような形で、個別元本方式に今なっていますから、買われた方個人それぞれの利回りがあるわけですから、それが分かるように報告していくということでございますね。
 ただ、これには少しシステム上の改定が必要でございまして、これは大変重いものでございますので、今、このようにやっていくということでパブリックコメントやっておりますけれども、できるだけ早く規則改正を行いまして、それに応じたシステム改正をやるという形で、規則改正は、先ほど申し上げましたように今年の六月下旬にはやります、予定です。それから、実施につきましては、システム改定の期間を設けまして、平成二十六年十二月、来年の十二月というのを予定しております。
 以上です。
#44
○竹谷とし子君 ありがとうございました。
 質問を終わります。
#45
○中西健治君 みんなの党の中西健治です。
 本日は、三参考人の方々、お忙しい中、どうもありがとうございます。
   〔委員長退席、理事尾立源幸君着席〕
 少し耳に痛い質問もさせていただくかもしれませんけど、大事なことなので、よろしくお願いいたします。
 まず、國部参考人にお伺いしたいと思います。
 今回、破綻処理法制を整えるということになっておりますが、そのために預金保険法を改正するということになっています。日本の銀行、日本の金融機関、収益力が見劣りがするということを言われて久しいわけでありますけれども、価値の高いサービスを提供するのであればそれに見合う対価をどんどん取っていけばいいというふうに思いますが、そうでもない、価値が余りどうかなというものについて少しこの対価はどうなのかということを、一点、ちょっと指摘させていただきたいんですが。
 銀行預金のATMの預金引き出し手数料、百円ですとか二百円ですとか、預金引き出す金額が小さくても掛かってくるということになっています。あと、振り込み手数料も、ネットでやっても二百円だ四百円だというのが掛かるということになっていますけれども、これは提供するサービスに対しての対価として適正だというふうにお考えでしょうか。
#46
○参考人(國部毅君) お答えさせていただきます。
 先生御指摘のとおり、銀行には様々な手数料収入がございます。御指摘をいただいた振り込み手数料、ATM手数料ということの具体的な水準については各金融機関が決定をしているわけでございますけれども、その背景となるのが、やはり運営コストであったりあるいはシステム処理コスト、こういったものをベースに手数料をお客様からちょうだいをしているということでございます。したがいまして、金額に応じて、例えばその金額が非常に大きくなっても、一定金額以上は同じ手数料をちょうだいをしております。
 我々として、取引いただいているお客様に対するサービスといたしましては、取引の状況でありますとかあるいは利用チャンネルに応じた利用者還元というのも行っております。例えば、一例を申し上げさせていただきますと、一定金額以上の預金を私どもにお預けいただいているお客様につきましては例えばATMの時間外手数料は無料とさせていただくとか、あるいは、インターネットバンキングを利用して振り込みをしていただく、あるいは住宅ローンの一部繰上げ返済をしていただく、こういったお客様については振り込み手数料の引下げであるとかあるいは繰上げ返済手数料を無料とさせていただく、こういった対応を各金融機関、努力をしているところでございます。
#47
○中西健治君 いろんな別の形でのサービスというのを行われているということのようではありますけれども、ただ、やはり預金から下ろすときは百円、あと振り込み手数料も大体同じような金額に各行横並びでなっていますけれども、これ、ほぼ一律になっているのは銀行業協会か何かで話合いが行われているんですか。
#48
○参考人(國部毅君) 手数料の水準につきましては、銀行同士で横並びで話をしていることはございません。各行がそれぞれ独自に判断をして決めています。
 もちろん、他行がどんな手数料水準かというのを見ながら私どもはどういう手数料水準にするかと、そういうのは判断材料としては勘案しておりますけれども、銀行同士で話していることはございません。
#49
○中西健治君 まあ話しているということではないんだろうと思いますけれども、銀行の預金、ATMから引き出すんであれば、百円じゃなくて例えば十円だとか五十円だとか、そういったところがなぜ出てこないのかなということについては常々疑問に思っている。こうやってうなずいている委員の方も多いということですので、そこら辺は問題意識として我々も持っていますし、銀行界としても考えていただきたいなというふうに思います。
 続きまして、稲野参考人にお伺いしたいと思います。
 金融審議会及びワーキングチームでも、最近の投信商品が複雑過ぎる、リスクが分かりづらい、こうした指摘が何度もされています。その典型となるのがいわゆる三階建ての投信商品、トリプルデッカーの、ロンドンではダブルデッカーというバスが走っていますけれども、トリプルデッカーというふうに呼ばれていますけれども、どうしたものかというと、例えば日本株、高配当のものをまず買います。そして、その銘柄に対するコールオプションというのを売ります。そうすると、オプション料が入ってきてまた配当利回りが大きくなります。ただ、その時点でもうオプションを、権利を売っちゃっているわけですから、株価が幾ら上がっても、それはアップサイドはもう投資家は享受できないと。この部分でまず二階建てです。そして、三階建ては、全く関係のない通貨を売る、円を売ってブラジル・レアルを買うというようなことをして高利回りの運用をしたのと同じような、通貨で運用したのと同じような成果を得ると、三階建てになっていると、こんなような商品ですけれども。
 こうした、金融審議会でも難しい、リスクが分かりづらいという指摘がなされている今でも、例えば私の目の前にも二〇一三年二月に設定されている日本高配当株プレミアムというような商品の交付目論見書ありますけれども、こうした商品、一般の人がリスクそして商品性、理解できるとお考えでしょうか。
#50
○参考人(稲野和利君) まず、大原則といたしまして、理解できない方に販売するということはあってはならないということだろうと思います。
 御指摘のように、商品が複雑化しているのは事実であります。日本高配当株プレミアム等、今、中西先生の御説明のとおりでありますけれども、基本的にはより良いリターンを追求しようとする結果、複雑な商品性になっています。
 御指摘があったように、オプションのプレミアム収入を得るということはアップサイドを捨てているということでもありますから、特に原証券が値上がりした場合には得べかりし利益が喪失されているという点での比較からいくと良くない結果ということになりますので、この点を理解していただくことが特に重要だと思います。目論見書等をよく見てみますと、そのような点につきましては、図表等を見ると基本的にはよく理解できるようになっているというふうに思います。
 あるいは、通貨選択型という側面においても、為替取引によるプレミアムというような言葉が使われるわけですけれども、そのプレミアムという言葉には括弧して金利差相当分の収益ということが書いてあるので、目論見書においては、かなり従前に比べれば、これも改良を重ねてきた結果であるわけですけれども、分かりやすくなっているのではないかと思います。運用会社においては、より分かりやすい表記方法を今後とも工夫していきたいと思います。
 それは、金融審のワーキンググループにおきましても、販売・勧誘時におけるリスク等についての情報提供の充実というテーマで取り上げられております。そして、その中においては具体的に交付目論見書の記載の内容や記載方法の充実というテーマが上がっております。この点につきましては、協会において様々な観点から主体的に取り組んでいきたいというふうに思っております。
 いずれにせよ、複雑な金融商品、複雑な投資信託が登場しているということは事実でありますが、誤解ないようにきちんと販売してもらうために、そして投資家においても目論見書を見てよく誤解なきようその商品性を理解していただくために、私どもの協会としてもきちんと取り組んでまいりたいと存じます。
 以上であります。
#51
○中西健治君 分かりやすくするということですけれども、今少し言及していただきましたけれども、分かりやすくしようとするがゆえに、名称ですとか用語、これが誤認せしめるような形になっているんじゃないかなという問題意識を持っています。
 プレミアムという名前が、名称が付いているファンドがもうたくさんあります。プレミアムと片仮名で書くと普通は良いもののように感じます。プレミアムシートだとか、何かすばらしいもののように感じますけれども、この場合のプレミアムというのは、オプションを売った場合、権利を売った対価としてのプレミアムということでありますし、あと長短金利差ですとか内外金利差、これから生じるプレミアムということになるかと思いますけれども、このプレミアムという言葉、わざと誤認せしめて使われているんじゃないかというふうに思います。そういう疑いが非常に強いというふうに思います。じゃなければ、これだけプレミアムファンド、プレミアムファンドと各社が競ってつくるはずがないんじゃないかというふうに思いますし。
 あと、為替のヘッジという言葉も随所に使われていますが、円建てで日本株に投資しているものを高金利通貨に替えるものをヘッジという言葉では使わないと思います、普通は。ヘッジというのはリスク回避ということを皆さん意味すると思いますけれども、目論見書の中で堂々と為替ヘッジという言葉が使われていますけれども、これは誤認をせしめる表示なんではないでしょうか。
#52
○参考人(稲野和利君) ただいま先生の御指摘があった為替ヘッジでございますけれども、確かに一般的にヘッジという言葉を聞いたときには円為替に対するヘッジというような観念で理解する方が多いとも思われます。さらに、一般用語で広くとらえれば、複数通貨間でリスクを移転していくということをヘッジというわけですけれども、この点に関して言えばなかなか円ヘッジというような言葉があるので理解し難いということも事実でありますので、目論見書においては為替ヘッジという言葉に換えて為替取引、円ヘッジを除いては為替取引というような言葉を使うように表記方法を最近改めております。全ての目論見書がまだ更改されてはおりませんけれども、順次新しく発行される目論見書から為替取引、今先生のおっしゃったような態様のものについては為替取引というような言葉を使うようになっていくはずであります。
 それから、オプションのプレミアムでありますが、これはオプション戦略においてプレミアムという言葉をやはり使うので、どうしてもやっぱりそこで違う言葉に置き換えるというのは難しいと思っております。したがって、どう説明を尽くすか、注釈を付すか、そのような点に関しては工夫を重ねてまいりたいと思います。
#53
○中西健治君 そういう説明なんですが、ただ、やはり先ほど申し上げたとおり、各社が競ってプレミアムという言葉を使うというのは、やはり意図があるんじゃないかなと消費者の方から思わざるを得ないというふうに私は考えます。ですので、オプション料は、プレミアムという言葉なんですけれども、やはりそこは違う用語に変えていった方がいいんじゃないかなというのは私が私見として思っているということでございます。これは御指摘させていただきます。
 前参考人に最後にお伺いしたいと思いますが、今のやり取りなどを受けまして、実際にこの投信を販売するのは主として証券会社ということになるかと思いますけれども、証券会社の販売の実際においてこうしたリスク、商品性について十二分に理解されているというふうにお考えでしょうか。
#54
○参考人(前哲夫君) 十分に理解している営業マンでないと販売してはいけないと、それで顧客については適合性の原則できちっと把握するということを徹底してやっていくということですが、それが実際に現場で守られているかどうかというのは各社の教育あるいは営業員の指導ということに懸かっていると思いますので、先生御指摘のようなことがないように全体で見守っていくし、コンプライアンスの面でも十分注意しながらやっていかなきゃいかぬと、このように考えております。
#55
○中西健治君 投資信託を販売するときには、買う人は何かチェックシートがあってチェックをたくさんするということになっているかと思いますけれども、営業員によってはとにかくチェックしてくださいという感じで済ませる人もいるというふうに聞いております。ですので、こうした複雑な商品に関しては、よりそこら辺を徹底するということを是非お願いして、私の質問とさせていただきます。
 ありがとうございました。
#56
○広野ただし君 生活の党の広野ただしです。
 今日は、参考人御三方、大変お忙しいところをお出かけいただきまして、大変有意義なお話をいただきまして、本当にありがとうございます。
   〔理事尾立源幸君退席、委員長着席〕
 今回の金商法改正の中で、やはり金融証券関係の危機管理といいますか、危機管理対応会議において内閣総理大臣が特定認定、特定管理ができるというようなことにもなっております。そういう中で、世界的なこの金融秩序、リーマン・ショック後のことで、再発が防止できるような形を全体的に国際協調でできないかと、こういうような観点があると思いますが、それで、ひとつ参考人の方々にはそれぞれの業界プラス有識者としてまたお答えいただきたいと思っておるんですが、まずファンドの問題です。
 このファンドは、今回のアベノミクスの為替の問題においても、ジョージ・ソロスは一千億円の利益を上げているとか言われております。いろんなファンドがあって、日本でも大体十七、八兆円のファンドがあるんではないか、世界的には一兆ドルから二兆ドル、だから百兆円から二百兆円、ですから小さな予算の国ではそれに振り回されて、場合によっては経済的な国家破綻ということだってあり得ると、こういうことだと思うんですが、それで、そのファンドの問題について、やはりなかなかこの情報開示というか透明性というものに欠ける点があるんではないか、そしてまた、ファンドは言わば国境なき世界ですから税金もどうなっているのかと、様々な点があるわけなんですけれども。
 それで、それぞれの参考人の方々に、この秩序ある市場、金融市場、証券市場という観点から、ファンドについてどういうふうにお考えなのか。私は、いいファンドと悪いファンドがあるんだと、中長期的な立場に立っているところは非常にいいんじゃないかと、ただ、短期で売り買いでもう売り抜けるというようなのはどうなのかなと、こう思ったりしておるんですが、その点についてそれぞれに伺わせていただきたいと思います。
#57
○委員長(藤田幸久君) それでは、國部参考人からお願いします。
#58
○参考人(國部毅君) お答えさせていただきます。
 先生おっしゃるとおりで、ファンドの中にはいろいろなファンドがございまして、短期の売買を主としてやるファンドもあれば、本当に中長期投資を目的として対応するファンドもございますので、これはもうファンドによって区々だと思います。私どもはそういうファンドへの投資というのは余りやっておりませんで、私どもがやっておりますのは国内で、例えば新規事業の育成であるとか事業再生に必要なリスクマネーを供給するためのいわゆるベンチャー企業あての出資をグループ会社で行っていたり、あるいは事業再生に資するファンドを我々投資をしてやったりという、そういう形のファンドをやっていまして、海外的なファンドというのは余り投資をしていないのが実情であります。
#59
○参考人(前哲夫君) お答えします。
 今先生が御質問されたのは主にヘッジファンドについての御質問だと思うんですけれども、このヘッジファンドというのはなかなか分かりにくいところがあるというのは確かだと思います。ただ、市場価格の変動は非常にこのヘッジファンドの参入によって大きくなるというのは否めないと思います。しかし、ヘッジファンドの参加によって流動性に非常に厚みが増えるということによって、価格構成が非常になだらかになるとか、また大幅になるという形がありますけれども、流動性の厚みができるというメリットもある。
 だから、いいファンド、悪いファンドという考え方とデメリットとメリットという面の両方考えれば、長期投資のファンドと短期投資の志向のファンドの違いというものでもメリット、デメリットは幾つか考えられると。それに対してどのように対処していくかというふうに考えていくべきではないかと私は考えております。
 もう一つ、先生の御指摘になられた、なかなか中身が分からない、透明性がないというところについては先生の御指摘のとおりなんですが、日本のファンドは一応事業報告書というものを提出しなきゃならないようになっているんですね、金融商品取引業者として。ただ、外国籍のファンドについてはその制度がありませんので、オフショア籍と言われていますけれども、これがなかなかつかめないと。これについては今後の課題ということで、どのように、国際的にもいろいろ問題がありますので、やっていくかというのは課題であると、このように認識しています。
#60
○参考人(稲野和利君) 基本的には前参考人と同意見でございますけれども、一つだけ申し上げておきますと、日本における公募投資信託におきましては情報開示等が法律要件も含めて徹底されております。したがいまして、運用の途中経過等も含めて投資家に対して十分な情報が提供されている。ということは、市場に対しても十分な情報が提供されている、その結果としての個々のモニタリングもおのずから行われているというような状態にあろうかと思います。
 一方、日本では私募投信という存在もございますけれども、これは公募投信とは違って情報開示要件というのは当然緩くなっています。しかしながら、相手方が、取得者がいわゆるプロの投資家、法律上のプロの投資家ではなかったとしても、非常に錬磨された、成熟された投資家でありますから、そこでも投資家、保有する投資家側においての一定のモニタリングは働いているのではないかというふうに思います。
 以上であります。
#61
○広野ただし君 それともう一つ、先ほど流動性の問題も言われましたが、これは前参考人に特にお聞きしたいんですが、レバレッジの問題ですね。
 これは直接的に業界と関係するかどうか分かりませんが、FXの場合は二十五倍という形になります。株式の場合は三倍、三・五倍ですか、というところですから、証拠金と預託金等の関係との問題でありますが、私は個人的には段階を踏んでやっぱり一桁に持っていくということが、流動性の問題もあったとしても、非常に健全性の面で、あるいは市場の乱高下等からいっても大事なことなんではないのかなと、こう思っているんですが、商品取引等も含めて二桁台のものがまだあります。そういうものを国際協調の中でレバレッジを引き下げていくと、こういうことについての御見解をちょっと伺いたいと思います。
#62
○参考人(前哲夫君) 先生の御質問の中で、法人と個人を分けて考えにゃいかぬと思うんですよ。法人に対してはレバレッジ規制というのは基本的にはございません、それは国際的にいろいろと取引もございますので。このレバレッジの規制を掛けるとする場合には個人の取引にレバレッジを規制を掛けていくと、こういうことになってまいります。
 それで、今先生ありましたように、FXでは二十五倍と。しかし、この二十五倍というのも、元々無制限であったものが二年前に百倍になり、一年前に五十倍になり、二十五倍にしてきたということで、ほかの商品は五倍とか十倍とかいうのもあるわけですけど、債券関連あるいは株式関連によって、大体十倍程度までというのが普通ですけれども、FXは二十五倍で今止まっているということでございます。
 ただ、随分と下げてきていますので、これでこの状況が本当にまだ、このままにしておくと非常に問題があるというような状況になるのかどうかというのを検証して、これから今後どうしていくかというのは考えていくべきではないかと。今ここで一桁台にしてしまうと、またその方向性にあるというのがいいのかどうかというのはもう少し検証をしていく方が、私は、FX関連につきましては海外のものも考えれば必要じゃないかなと、このように考えております。
#63
○広野ただし君 それと、金融・証券関係の危機管理のことと絡みまして、情報システムの問題を三人の御参考人にちょっとお聞かせいただきたいと思っております。
 二〇〇一年の九・一一のときも、ニューヨーク市場、マーケットはニュージャージー等のバックアップで一日たりとも休まなかったと、こういうことになっております。それぞれの業界の、協会の皆さんの中で、いろんな災害を含めて、そしてまた様々なサイバー攻撃等もございますでしょうから、そういう点について、情報システムのバックアップ体制といいますか、そういうものの現状がどうなっておるのか、ちょっとお知らせいただきたいと思います。
#64
○委員長(藤田幸久君) それでは、あと三分ちょっとでございますので、一分ずつということで、恐縮ですが。
#65
○参考人(國部毅君) それではお答えさせていただきます。
 全銀協として二つ申し上げさせていただきたいと思うんですけれども、一つは、情報システム危機管理ということで、災害発生時の対応ということとサイバーテロ発生時の対応ということで御説明を申し上げます。
 災害発生時の対応ですが、全銀協では、東日本大震災、これを受けまして二〇一二年三月に制定をいたしました「震災対応にかかる業務継続計画(BCP)に関するガイドライン」におきまして、情報システムに関する震災対策といたしまして、業務継続の観点から重要な情報システムの選定、何が重要な情報システムなのか、そしてバックアップデータの取得、保管、それからバックアップサイト及び予備機器の確保、こういった等の取組を会員各行に促しております。また、全銀協が運営します国内振り込み等の銀行間決済システムであります全銀システムにつきましては、常時、東京と大阪のセンターで並行して業務を行っておりまして、仮にどちらか、東京、大阪のどちらかが稼働不能となりましてももう一方で処理できる体制というふうにしております。
 また、サイバーテロ発生時の対応ということですが、これはもうサイバー攻撃の手口というのは年々巧妙化が進んでいまして、被害も増えてきております。我が国の金融機関としても国内外からの攻撃というのを考慮に入れておく必要があるというふうに思っていまして、当行を含めまして私どもの金融機関では、外部からの不正アクセスを検知する機能であるとかウイルスチェックソフトの導入等セキュリティー対策を講じていますけれども、本件につきましては、これで十分ということではなくて、新たなサイバー攻撃の手口に迅速に対処するなど、地道に不断の努力をしていくということが大事だというふうに思っております。
#66
○参考人(前哲夫君) 証券会社個々が、個々には個々でBCPをやっております。証券市場の全体では証券市場BCPウエブというものをつくっていまして、これには証券会社、証券取引所、それから決済機関等々が、市場関係者が集まって危機対応を行っているということでございます。
 サイバーテロに関しましては、既に複数件報告が来ています。それは既に全部排除していますので、先ほどの國部参考人と同じように、十分じゃないと思いますけれども、もうできるだけサイバーテロ等々には掛からないように関係者が集まって努力しているという次第でございます。
#67
○参考人(稲野和利君) 協会が加入会員会社に対して提供するシステムについては、ふだんから安定保守を心掛けて、様々な措置を講じているところであります。一方、投資信託という仕組みで申し上げれば、最終的に財産管理は信託銀行が受託銀行としてワークしておりますので、そこのシステムがどうであるかということが一番重要であります。我々も大きな関心を持ちながら、そういった方面とも会話をしているところでございます。
 以上であります。
#68
○広野ただし君 終わります。
#69
○大門実紀史君 今日は大変御苦労さまでございます。
 時間の関係で、國部参考人と前参考人に絞って伺います。稲野参考人、済みません、どうぞ安心してお休みいただければと思います。
 まず、國部さんですけれども、法案に入る前に一つ伺いたいんですけれども、長期金利が上昇して、メガバンクは住宅ローンの金利を六月も含めて二か月連続で引き上げるということでございますけれども、この貸出金利だけ上げて預金金利は上げないのかと。麻生大臣でさえ貸出し上げるんだったら預金金利も上げてもらわなきゃ困るとおっしゃっておりますが、どうされるんでしょうか。
#70
○参考人(國部毅君) お答えさせていただきます。
 住宅ローン金利につきましては、先生御指摘のとおりでございまして、最近のマーケットの金利環境を踏まえまして、私どもも五月から二か月連続で〇・二五%引上げということにさせていただいております。ただ一方で、先般発表させていただきましたが、日銀の貸出し増加に伴う資金供給制度を利用いたしまして、三年固定の住宅ローンを〇・六%でお客様に提供しようということで、商品の販売を、これは個別行の話ですが、開始をさせていただいておりますが、そういった形で努力をさせていただいております。
 預金金利につきましては、一部の銀行さんで定期預金金利の引上げという対応を始めている銀行さんもありまして、これは各銀行さんがこれから努力をされていく、考えていかれることだと思います。
#71
○大門実紀史君 莫大なこの利ざやといいますか、利子所得がこの間奪われているという指摘もあるわけですから、やっぱり預金金利の方の引上げに業界として努力されるべきだと、大口の一部じゃなくて全体のですね、申し上げておきたいと思います。
 法案の方ですけれども、この法案の破綻処理の関係でいきますと、大筋は、やっぱりリーマン・ショックのときにアメリカなんかで公的資金が大手銀行にばんばん投入されて批判が高まって、やっぱり株主とか債権者にも負担させるべきだという国際的な議論があって、その流れでこの今回の法案も出てきているはずなんですけれども、いわゆるベイルインという考え方ですね、株主とか債権者にも破綻のときは負担をさせるべきだという考え方ですけれども。
 これは、法的なベイルインと、いわゆる契約上のベイルインといいますか、法的なというのは、当局が関与して破綻のときは株主にも負担させる、債権者にも、無担保債権ですけれども、負担させるということをやるのが法的ベイルイン。契約上は、民民任せといいますか、劣後債権で、そういういざというときにはカットするとか株式化するとかいう契約を結ぶ債権、もう民民でやってくれと。この二つがあるわけですね。今回は、この法的なベイルインについては金融庁は見送ったということでございます。
 全銀協は、二〇一一年の九月二日時点のコメントで、この法的ベイルイン反対、契約上のベイルインもその導入義務化は反対というコメントを出されております。つまり、このベイルイン全体に反対だという立場を取られておりまして、今回は法的ベイルイン見送られたし、契約上も導入義務にはなっておりませんから、そういう点で声を上げておられない。まあ全銀協が言うとおりですね、導入されなかったということだと思うんですけれども。
 さっき言いましたG20の国際合意は基本は法的ベイルインでございまして、そうすると、あれなんですかね、全銀協は、その国際的な合意の流れ、つまり破綻のときは株主とか無担保債権の債権者に負担をさせるという、その基本的な考え方そのものに日本の全銀協は反対されているということなんでしょうか。
#72
○参考人(國部毅君) 私ども全銀協として、先生おっしゃられたとおり、金融安定理事会、FSBであるとか、あるいはバーゼル委員会、あるいは金融審議会での議論を踏まえたベイルインに反対ということではありません。
 先生御指摘いただいたその二〇一一年九月の意見書についてちょっと御説明をさせていただきたいと思うんですけれども、当時はこのベイルイン条項が付いた債券、いわゆるこれは契約上のベイルインということですが、この市場がほとんどありませんでした。投資家の理解も進んでいませんでしたので、私どもとしては市中消化に懸念があると考えまして、いわゆる契約上ベイルインの導入の義務化ということに反対をさせていただいたということでございます。したがって、任意の発行ということについては、当時も反対はしておりませんでした。
 一方で、法的ベイルインについては、意見書の中で、いわゆる自己資本規制に対する上乗せとなる最低要求水準の設定には反対というふうにコメントをさせていただいております。したがいまして、導入そのものに反対していたわけではないんですけれども、先生御存じのとおり、バーゼル3においては銀行の資本の質と量について大きな見直しが行われました。その議論の過程では、国際合意に至るまでに大変多くの影響度の調査であるとか議論が行われています。したがって、バーゼル3という枠組みに加えて新たにベイルインを導入して自己資本規制に対して更に上乗せを求めるということであれば、そのバーゼル3自体が非常に大きな、大変な議論を経て、議論、合意されていますので、同じように調査、議論を経るべきだということで、拙速な法制化に反対したというのが基本的な考えでございます。
 したがいまして、バーゼル3規制等で既に合意されたベイルインに反対ということではなくて、必要な対応は進めてまいりたいというふうに考えています。
#73
○大門実紀史君 そうすると、今回、金融庁の方は法的なベイルインは見送って契約上のところということですが、今後は麻生大臣もやっぱり念頭に置かなきゃいけないと、法的な方をですね。そういう点で、全銀協としてもそれに対応して、断固反対とかということじゃなくて、きちっと対応していかれるという理解でよろしいですか。
#74
○参考人(國部毅君) 今後検討されていく過程におきまして、私どもとしても、そのことがもたらす影響であるとか、そういったことを踏まえながらしっかりと議論には参加させていただきたいというふうに思っています。
#75
○大門実紀史君 前参考人に伺います。
 金融庁は、今申し上げたように、契約上のベイルインを進めるということで言っていまして、これは実際には機能しないんではないかという、当時の全銀協からの現実性の問題の指摘もあったりしたんですけれども、この前の委員会で私がそれを指摘したら、いやいやそうじゃありませんということで、後で資料を持ってきて、世界で三十二本の契約上のベイルインのバーゼル3の規制適格の資本が発行されているという資料を持ってきたんですけれど、その資料を見て私は本当に、逆に笑っちゃったといいますか、日本はたった一本なんですよね。これが、私は個別の名前を出すのはいかがかなと思ったんですけど、前回もう中西先生が名前出されちゃっているので言いますと、野村なんですよね、野村ホールディングスなんですね。野村だけがですよ、いざというときに、破綻処理のときに今言った契約上のベイルインを結んでいると。いざというときはその劣後債権がカットされるかも分からない、株式化されるかも分からないと。
 野村だけが結んでいるということは、これは何を意味するんでしょうか。
#76
○参考人(前哲夫君) ちょっと私、野村証券が何やったかというのは、ちょっと私、野村証券の者ではございませんので、お答え差し控えさせていただきます。
#77
○大門実紀史君 多分そうだと思うんですね。答えられないと思うんですよ。これ、答えると大変なことになりますからね。
 これで分かったんですけど、金融庁は何を考えているかといいますと、法的なベイルインを今導入するだけの緊急性はないというか、まだ先の話だと思っていて、取りあえず何か起きたときのために対処で、この契約上のベイルイン、つまり特定の証券会社に結ばせるという方式をやっていけば当面間に合うんだという考え方だというのはこの資料で分かったんですね。世界のほかの三十一本も見てみると、なるほどというところなんですよね。つまり、法的なきちっとした枠組みをつくるのではなくて、個別に、危ないときには、いざというときには負担させるという、これを広げようというのが今回の方向だなというのはよく分かったんですけれども。
 逆に言うと、白い目で見られますよね、はっきり申し上げて、契約上こういうベイルインを結ぶということは。そういうものを発行、債券を発行するということですね。そうすると、この証券業界はもちろんです、銀行もそうだと思うんですけれども、この契約上のベイルインというのは結べば即危ないと思われてしまうから結ばない、つまり広がらないと思うんですけれども、ちょっと一般論で結構ですけど、前さん、いかがお考えですか。
#78
○参考人(前哲夫君) いろんなケースが考えられると思うんですよね。第三者割当て増資的な物の考え方でベイルインの債券を発行する場合もあると思いますので、その時々の事情によってどういう形式のファイナンスをやるべきなのかというときに使われる可能性がある、そのときの評価というものに対してどのように発行体が考えていくかということによると思いますので、個々の事情によるものというふうに私は理解しております。
#79
○大門実紀史君 そういう面もあると思いますけれども、國部参考人に伺いますけれども、この流れですよね、そもそも国際的にはベイルインの方向だと、法的ベイルインと。ところが、日本はさっき言ったように契約上で取りあえずしのぐと。そうすると、流れからいうと、やっぱり結ぶところは次はどこが発行するんだろうみたいなことを注目されて、逆にそれでこういう契約上のベイルインが広がらなくて、そうすると、いざというときにやっぱり公的資金とかほかの負担になってしまうと。結果的には悪い方向に行って、これが広く結ばれるなら、みんなが結ぶならまだいいかと思うんですけれども、銀行関係でも何かそういう懸念の方が私は強いと思うんですが、いかがでしょうか。
#80
○参考人(國部毅君) お答えさせていただきます。
 今回のバーゼル3という国際的なこの合意の中で、いわゆるベイルイン債務、いわゆるベイルイン条項が付いたもの、劣後債等を資本として自己資本規制比率の枠組みの中で認定をしていくという流れになっていますので、今後は幅広くベイルイン債務が発行されていくというふうに思います。
 今、非常に発行事例が、先生おっしゃられたように三十二件ということで、まずその発行事例が少ないということと、私ども金融機関からするとやはりコストが非常に高いということで、今発行は私どももしていません。しかし、研究は続けておりますし、恐らく各金融機関同じだと思いますので、だんだん年限がたってまいりますと発行事例が増えていくというふうに私は思います。
#81
○大門実紀史君 今後の動向を見なければ分かりませんけれども、法的ベイルイン、国際的な流れの方向で、証券業界も銀行業界もその方向で努力をしてもらいたいということを申し上げて、終わります。
#82
○中山恭子君 日本維新の会、中山恭子でございます。
 本日は、國部会長、前会長、稲野会長、それぞれお忙しい中お越しくださいまして、ありがとうございます。
 まず、國部会長にお伺いいたします。
 私自身は、日本の金融機関がそれぞれの地域でその地域の発展に寄与をし、地域の人々から信頼されている、この状況を非常にすばらしい、何とすばらしいことだろうと、常々そのように金融機関の皆様の活動に敬意を表し、非常にうれしく思っております。
 國部会長は、御就任以来、インタビューの機会に、日本経済の成長を金融面からしっかりと支えていくと、そのスタンスを述べられていらっしゃいます。アベノミクスに呼応するスタンスであるかと考えておりまして、大変心強く思っております。
 現在、日本ではやらなければならないことというものが山積しております。戦後整備された社会インフラの老朽化対策、東日本大震災からの復興、さらに世界でしのぎを削る先端技術の確保など、多くの分野で大規模な投資が必要な時期であると考えております。例えば、今後百年使える共同溝といったもの、また安全で強靱な社会インフラに対して、その整備に思い切った投資をしていく必要があると考えております。
 まず、大規模な公共事業を進める必要がありますが、それに対して民間資金が参入し本格的な景気回復へつながること、この点についてはずっと昔から申し上げてきていることなんでございますけれども、今回、安倍第二次政権でようやくその動きが出始めたかなと思って期待しているところでございます。
 國部会長の日本経済の復活を金融面から支えるという御決意をもう一度ここで確認しておきたいと思いますが、いかがでしょうか。
#83
○参考人(國部毅君) 先生御指摘いただきましたとおり、私は四月に全銀協会長に就任をした際の記者会見で、今年を、日本経済が長期停滞から脱却して力強く一歩を踏み出すよう金融面からしっかり支える年だ、そういう年にしたいというふうに申し上げさせていただきました。
 では、日本経済成長のために銀行がどのような役割を果たすべきかという点について、私自身の考えとして、世の中の変化の一歩先を読んで、お客様のニーズに正面から向き合って、リスクをきちんと管理しながら取るべきリスクを取っていくこと、そしてこうした対応を通じて経済の活性化、あるいは新たな成長分野の開拓に貢献をしていくことだというふうに考えています。
 そのために具体的に何をするかということについて、三点申し上げさせていただきたいというふうに思います。
 まず第一に、これはもう企業の資金需要にしっかりとこたえていくということでございます。昨日行われた安倍総理の成長戦略に関する御講演の中でも、長期的な投資によって民間の産業資本が成長を牽引する成長のサイクルへとかじを切るという方針が示されていましたけれども、我々銀行としても、企業の前向きな資金需要の把握あるいは発掘、さらには資金需要の創出ということに向けて積極的に取り組んでいきたいというふうに思っています。この点につきましては、これまでも、各全銀協傘下の金融機関がそれぞれ工夫し、前向きに対応してきております。
 例えば、具体的に少し例を申し上げると、先ほどもちょっと申し上げさせていただきましたが、幅広い顧客基盤を活用して、お客様の販路拡大につながるお取引先を紹介させていただくビジネスマッチングでありますとか、あるいは地域経済活性化支援機構と連携をして地域活性化ファンドを設立していくなどとか、こういった取組を引き続き進めていきたいというふうに思っております。
 それから二つ目は、先生先ほどおっしゃられた、インフラ整備への民間資金の有効活用ということでございます。やはりこの社会インフラの整備に民間資金を有効に活用することによりまして財政支出の抑制が可能となるというメリットもありますし、私ども日本の銀行が海外でプロジェクトファイナンスで培ったノウハウ、これを活用することにより、国内での貸出しの潜在需要の掘り起こしであるとか、あるいは、ひいては海外のリスクマネーを日本市場に呼び込んでいくということにもつながっていくと思います。そういう意味では、今回の成長戦略の中でPPP、PFIの積極活用という方針が明示されたことは大変大きな意義があるというふうに思っております。
 三点目は、成長分野への取組強化ということでございます。政府の成長戦略にも掲げられていますけれども、日本経済の持続的な成長、これを進めていくためには成長事業分野を一つでも多く創出していくことが重要となると思います。我々銀行としましても、成長が期待される事業分野、例えば再生エネルギーや医療、介護、農業あるいはインフラ輸出、こういった分野に対する取組を強化してきているわけですけれども、今後ともこうした取組を一層進めていきたいというふうに思っています。
 以上、三つ申し上げましたけれども、我々銀行界といたしましては、引き続き日本経済の成長を金融面から支えるようしっかりと取り組んでまいりたいというふうに思っております。
#84
○中山恭子君 ありがとうございます。
 期待しておりますので、どうぞリーダーというか指導的な役割を果たしていただきたいと思っております。
 その場合、先ほどからも出ておりますが、五%ルールが緩和されるということで、地方において、地域においても柔軟な資金供給を促す効果が見込まれると期待しております。そのとき、金融機関が地域の発展のために主導的な役割を果たす際に、例えば将来性を見込んだ、先ほど資金需要の創出というような……
#85
○参考人(國部毅君) つくり出すということですね。
#86
○中山恭子君 ということですね。お考えがありましたけれども、それをやっていく際に、多くの金融機関を統合していらっしゃると思いますが、それぞれの金融機関でその判断力、まあ何というか、目利き力と言っていいんでしょうか、そういったものを一層向上させることが非常に重要になってくると考えておりますが、その点、どのような対策、対応をなさるおつもりなんでしょうか。
#87
○参考人(國部毅君) お答えさせていただきます。
 もう先生御指摘のとおりで、私どもが企業へ融資をしていく、あるいは今回の五%ルールの緩和で株式を取得していく、そういったときに、やはりその企業の実態でありますとか、企業の持っている技術力の評価であるとか、あるいは成長性であるとか、あるいは経営者の資質であるとか、こういったところを我々金融機関がしっかりと見て、見極めて融資をする、株を取得するということが大事でございます。
 したがって、先生おっしゃったとおり、この目利き力、これをいかに我々金融機関の職員に育成、養成していくかというのは、これは銀行の課題だと思っていますので、研修を通じ、あるいは日々の業務を通じたOJT、オン・ザ・ジョブ・トレーニング、こういったことを使いまして職員の目利き力を強化をして、金融の円滑化にしっかり取り組んでまいりたいというふうに思っております。
#88
○中山恭子君 ありがとうございます。
 それでは、國部会長、前会長、稲野会長、それぞれにお伺いいたします。
 成長戦略という観点から、金融分野がいかなる、どのような役割を果たせるとお考えでしょうか、お伺いいたします。
#89
○参考人(國部毅君) お答えさせていただきます。
 先ほど、日本経済の復活を金融面からどう支えていくかということで御質問にお答えをさせていただきましたが、そこで申し上げたとおりでございまして、やはり今アベノミクスで日本経済が長きにわたった停滞から脱却をしようとしていると、それをやはり支えるのは金融だというふうに思っていますので、これをしっかりやっていきたいということと、それから我々金融業界自身が成長していくと、これを両方やっていくということが大事だというふうに思っております。
#90
○参考人(前哲夫君) 私としましては、証券界としましては、一番大事なのは、民間にある言わば資金ですね、個人金融資産、あるいは法人の余剰資金も入ると思うんですが、この資金を資金を必要としている企業に回していくという、それも直接投資で回していく、株式とか債券とかそれから投資信託等々を通じて回していくと、こういうことの機能を十分に発揮することを期待されると思っています。
 それで、具体的には、成長戦略に貢献できるようにやるためには、新興あるいは成長企業のリスクマネーの供給ということにやはり力を注がなきゃいけない、また、上場企業によるエクイティーファイナンス、これの強化とか調達機能を強化する、こういうことも必要だと思いますし、公社債市場、日本は社債市場が少し遅れていますので、この公社債市場の活性化というものにも力を注いでいかなきゃいけない、また総合取引所というものの創設に向けた対応もやっていかなきゃいけない。やることはたくさんあると思いますけれども、私、一生懸命頑張っていきたいと、このように思っております。
#91
○参考人(稲野和利君) 私は投資信託という文脈でお話をしたいと思います。
 第一に、投資信託は個人の資産形成のツールとしての役割を果たします。少子高齢化が進む中にあって、自助努力による資産形成というものはこれまで以上に重要であります。私は、全ての日本国民が一定年齢に達したときに一定の金融資産を有していることが必要であると考えます。金融資産は個人の生活の安定をもたらすとともに、資産の運用から得られる収益が消費に回っていくことで経済の成長につながると思います。そのときの結節点の役割を果たすのは投資信託であると考えます。
 第二点として、市場の参加者が外国人投資家あるいは機関投資家といった者が中心となる中で、個人投資家ではなかなか参加しにくいと考えていらっしゃる方々も多いわけでありますが、その個人の方々が投資信託を通じて市場に参加されることで、家計の資金を資金を必要とする企業に移転していく役割を担います。
 また、投資信託は、投資対象を選別して投資していくことで成長産業への円滑な資金供給が可能となって、経済成長に貢献するものと考えます。
 さらに、投資信託は、機関投資家として、投資先企業の株主総会における議決権行使はもとより、日ごろから企業と対話を行うなど積極的な行動を取ることによって、企業の規律と長期的な企業価値の向上に貢献して、市場の活性化につながるものと考えます。
 以上でございます。
#92
○中山恭子君 特に、今後、国際的な、国際協調ですとか、場合によっては国際的なプレッシャーというものが相当掛かってくる可能性が出てくると考えております。できれば日本的な、日本と欧米の金融、特に銀行の在り方というのは成り立ちから違っていると考えておりまして、日本的な金融の在り方というのも国際社会の方にも取り入れてもらえるような形が出てきたらいいなと思っておりますが、そういった国際的な関係の中でどのように対応していらっしゃるのか、お考えをお聞かせいただければと思います。
#93
○委員長(藤田幸久君) どなたに。
#94
○中山恭子君 お三方ですが、でも、時間がありませんね。國部参考人と前参考人のお二方にでも。
#95
○委員長(藤田幸久君) では、國部参考人。
#96
○参考人(國部毅君) お答えをさせていただきます。
 先ほど申し上げさせていただきましたが、金融業界としてもやはり成長していくことを我々としてもしっかり努力をしていきたいというふうに思っていますし、今、グローバルな金融マーケットにおきましては、日本の銀行の競争力というのが相対的に良くなってきております。格付あるいは資本の状況等も踏まえますと非常にいい状況になっておりまして、我々の競争力も改善をしてきているという状況でございます。
 欧米の金融機関も今どちらかというと商業銀行へ回帰をしてきておりますので、まさに日本の銀行というのは商業銀行を中心にこれまで運営してきたわけで、一日の長があるとも言えますので、この辺はしっかりとグローバルなマーケットにおいて評価される金融機関を目指していきたいというふうに思っております。
#97
○委員長(藤田幸久君) では、前参考人、手短にお願いいたします。
#98
○参考人(前哲夫君) 証券界では、IOSCOという国際機関を通じて国際協力をやっているということでございます。先生のお話のように、日本とヨーロッパとアメリカというのは資本市場の発達の度合いが非常に違いますので、一律に国際間協調といいましても、同じ法律でやっていくというのはなかなか難しい面がございます。しかし、特性を生かして、それで成長につなげるように、IOSCO等々を通じて証券界のことをきちんとやっていくということでやっています。
#99
○中山恭子君 ありがとうございました。
    ─────────────
#100
○委員長(藤田幸久君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、川合孝典君が委員を辞任され、その補欠として江崎孝君が選任されました。
    ─────────────
#101
○委員長(藤田幸久君) 以上で参考人に対する質疑は終了いたします。
 参考人の方々に一言御挨拶を申し上げます。
 本日は、大変お忙しいところ貴重な御意見をお述べいただきまして、誠にありがとうございました。委員会を代表して厚く御礼申し上げます。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後零時五分散会
ソース: 国立国会図書館
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