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2013/06/11 第183回国会 参議院 参議院会議録情報 第183回国会 財政金融委員会 第11号
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2013/06/11 第183回国会 参議院

参議院会議録情報 第183回国会 財政金融委員会 第11号

#1
第183回国会 財政金融委員会 第11号
平成二十五年六月十一日(火曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 六月六日
    辞任         補欠選任
     上野 通子君     愛知 治郎君
     熊谷  大君     林  芳正君
     藤川 政人君     古川 俊治君
 六月七日
    辞任         補欠選任
     江崎  孝君     川合 孝典君
     難波 奨二君     川上 義博君
 六月十日
    辞任         補欠選任
     辻  泰弘君     那谷屋正義君
     林  芳正君     水落 敏栄君
 六月十一日
    辞任         補欠選任
     川上 義博君     白  眞勲君
     愛知 治郎君     高階恵美子君
     古川 俊治君     上野 通子君
     中山 恭子君     水戸 将史君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         藤田 幸久君
    理 事
                尾立 源幸君
                金子 洋一君
                西田 昌司君
                野上浩太郎君
                竹谷とし子君
    委 員
                大塚 耕平君
                川合 孝典君
                那谷屋正義君
                白  眞勲君
                上野 通子君
                鴻池 祥肇君
                高階恵美子君
                松村 龍二君
                水落 敏栄君
                溝手 顕正君
                脇  雅史君
                山口那津男君
                中西 健治君
                広野ただし君
                大門実紀史君
                水戸 将史君
                川崎  稔君
   国務大臣
       財務大臣
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(金融)
       )        麻生 太郎君
   副大臣
       内閣府副大臣   寺田  稔君
       財務副大臣    小渕 優子君
   大臣政務官
       内閣府大臣政務
       官        島尻安伊子君
       経済産業大臣政
       務官       平  将明君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        小野 伸一君
   政府参考人
       金融庁総務企画
       局長       森本  学君
       金融庁監督局長  細溝 清史君
       財務大臣官房審
       議官       星野 次彦君
       経済産業大臣官
       房商務流通保安
       審議官      豊永 厚志君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○金融商品取引法等の一部を改正する法律案(内
 閣提出、衆議院送付)
    ─────────────
#2
○委員長(藤田幸久君) ただいまから財政金融委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日までに、上野通子さん、藤川政人君、江崎孝君、難波奨二君、辻泰弘君及び熊谷大君が委員を辞任され、その補欠として愛知治郎君、古川俊治君、川合孝典君、川上義博君、那谷屋正義君及び水落敏栄君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(藤田幸久君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 金融商品取引法等の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、政府参考人として金融庁総務企画局長森本学君外三名の出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(藤田幸久君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(藤田幸久君) 金融商品取引法等の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#6
○尾立源幸君 おはようございます。
 いよいよこの質疑を終わりますと金商法の採決となりますけれども、ちょっとお時間をいただきまして、もろもろのことをお聞きをさせていただければと思っております。
 まず、昨年、ある調査結果が政府の方で出ました。これは、民主党政権下におきましてずっと取り組んでまいりました、租税特別措置あまたございますが、これをもう少し透明化をして国民の皆さんにもよく理解できるような形で公表すべきだと、そして様々な租税特別措置法の新設、改廃に利用できるようにということで成立した法律がございました。そして、この法律に基づいて、ようやく適用実態調査報告書というのが出てまいりました。
 中間報告が昨年の税制改正の前に出まして、正式なものは今年に入って出たわけでございますけれども、私も議員になってから、この租特が国税で三百もあり、額も当時で七兆ぐらいあったんでしょうか、本当にこういうものが国民の皆様がよくまだ分からない中で常にあり続けるということに非常な疑問を持っておって、何とかこれを透明化したいということで取り組んできた、その成果が一つ出たということで大変うれしく思っております。
 ただ、この報告書が出ただけで満足するのではなく、これをしっかり利用して、本当に必要な租税特別措置だけに限定していくということが私は必要なことだと思っております。
 さて、それでは、今申し上げましたように、去年の秋口に仮集計が出ました。この仮集計の結果が今回の二十五年度の税制改正でどのように活用されたのか、まず具体的にお聞きをしたいと思います。よろしくお願いいたします。
#7
○国務大臣(麻生太郎君) 今、尾立先生から御指摘のありましたように、時間が限られていたこともありますけれども、この中からかなり利用させていただきました部分がございますので、何点か説明をさせていただきたいと存じます。
 平成二十五年度の改正におきましては、今般の調査で適用件数が少ないじゃないかということで、有効性に乏しいと考えられますことから、特定高度通信設備の特別償却制度のようなものは廃止をさせていただいております。理由は簡単で、適用件数がゼロ件だったからです。したがって、これは廃止ということにさせていただいております。
 また、特定再開発建築物等の特別償却制度のように、複数種の対象建物のうち、政策効果が認められないものというものを対象から除外するなど、適用実績を踏まえて削減を図ったものもございます。この中には、範囲からバリアフリー法の特別特定建築物を除外する等々などをさせていただいております。
 また、離島・半島振興地域対策におけます工業用機械の特別償却制度につきましては、従来の企業誘致に重きを置いておりました政策から、地場産業の育成を視野に入れた政策への転換を図りつつ、各市町村の産業振興計画に基づいた制度に改組、つくり替えたところもございます。
 これは、産業振興法に基づいて機械などを取得した場合においては、いわゆる五年間の普通償却限度額の三二%、建物ですと四八%の割増し償却ができるという制度に改組しております。従来ですと、取得の一〇%、若しくは建物ですと六%だったんですが、これはそういった形で組み替えさせていただくということで、情報を基にしてこういった形につくり替えさせていただきました。
 また、海外にもこれが適用されている部分もございますので、海外の探鉱準備金制度のようなものは、いわゆる要件の緩和の拡充を行ったというところもあります。これは、国内の金属鉱山件数が大幅に減少しておりますので、そういったことに鑑みまして、ボーリングとか等々、新鉱床の探鉱費というものをいろいろな形で海外に有しておりますものに関しましてはいろいろこれ利用できるようにということで、いわゆる適用実態調査の結果を踏まえて、個々の制度の状況に応じて対応を行っているところでありまして、今後ともこれは大いに活用をさせていくべきものだと。
 この制度自体はもっと、我々、情報を基にして対応していくという意味におきましては、法案が、我々の思った法案と別の効果とか、全然効果がなかったとか、いろいろ実態を見た上で更なる対応を考えてしかるべきものだと思って、大いに利用されてしかるべき調査だと思っております。
#8
○尾立源幸君 今お話しいただいたのは一部だとは思うんですけれども、私も、議員になってから全部の租特を一回ヒアリングしたことございます、三百近いですね。それで、要求省庁はいろんな理屈をこねて、これだけの減税をしてもらえばこんな効果があるんだということを定量的じゃなくて定性的に主張をされるわけです。定量というのは一部入っていますけれども、これはあくまでも仮定の仮定に基づくような話ばかりでして、ただ、じゃそれを明確に否定する根拠があるかというと、それもないんですね。
 そういう意味で、今回初めて実態が出てきたというのは、査定当局である財務省が中心だと思いますが、と要求省庁がしっかりこの数字を基に有効性があるのかどうかを含めて検討できる、私はこれはいいツールだと思っております。
 そういう意味で、是非この適用実態調査報告書を更に活用を私はしていただきたいと思いますし、これを役所の中にとどめておくだけではもったいないと思っております。これはやはり国民みんながしっかり監視をするという意味で、安倍総理ですか、おっしゃった、民活力の爆発ということも言っていますので、様々な学識経験者やまた研究所等々がこの租特の在り方をそれぞれの場で議論して、本当に有効な租特というのはどういうものかということを、それを国民が議論することが私は大事なことだと思っております。
 そういう意味で、一つお願いなんですけれども、私もいただいたデータはまたすごい膨大なデータになっておりまして、これ紙ベースでしかないんですね。そこで、私がお願いしたいのは、これは宝の持ち腐れにならないように、せっかく有効なデータなわけですから、広く効果的に利用していただけるように、是非この紙ベースのデータを電子データという形で提供していただけるように私はお願いしたいと思います。
 そのためには国税庁のシステムを少し改良しなきゃいけないということなんですけれども、是非、先ほど大臣がおっしゃった、この法律が意図した方向に結果が出ていくかどうかを含め、このデータが利用できるということは非常に私は大事なことだと思いますので、多少お金は掛かりますけれども、是非エクセルなどの形で誰でも利用できるような形に加工していただきたいと思いますが、いかがですか。
#9
○国務大臣(麻生太郎君) 御指摘のありましたこの報告書を、エクセルとかいろいろありますけれども、データ形式で提供することについては、現行のシステムで対応するというのはちょっといろいろ困難なところがあるんですが、御指摘のように、利用しやすい形に出す、提供するということは大変重要だと思っておりますので、検討をさせていただきます。
 ただ、お断りをしておきますが、今既に財務省のホームページにおいては一応PDFファイルできちんとした形で掲載をいたしておりますので、そういった意味で、全て紙というだけじゃなくて、一応ホームページへ載せておるというのが今現状でございます。
#10
○尾立源幸君 承知いたしました。
 それでは、是非システム化をして、電子データが容易に利用できるような方向で是非検討いただきたいと思います。
 それともう一点、このデータを私も拝見をして、また仲間と様々な議論をする中で、一つこれもお願いなんですけれども、例えば今回の集計では、減税額が多いトップテンという企業について発表がされておりますが、これは法案作成の過程で個別企業名は出さないということになっておりますけれども、ただ、無作為でその代わりに付けられた法人コードというものが公表をされております。
 しかし、財務省にお聞きいたしますと、この法人コードというのは毎年変えるんだと、こういうふうなことをおっしゃっているんですね。そうすると、せっかくデータが出てきたのに、毎年ころころ変えられてしまうと、継続的な分析調査というのができなくなってしまうのはもう大臣お分かりかと思います。だから、個社の名前は別に出さなくて結構ですけれども、ある番号を付された企業が、法人企業が、二年目はどうなんだ、三年目はどうなんだという経年の利用状況までしっかり把握できるように、その法人コードは変えてほしくないんです。そのことを大臣にお願いをしたいと思いますが、いかがですか。
#11
○国務大臣(麻生太郎君) これはもう御存じのように、租税透明化法施行規則第五条第四項というのがございまして、その中で、「法人ごとに、その名称に代えて、当該法人を識別することができないようにするために付された番号」というように規定されておるのがそもそもの経緯であるということをまず御認識いただきました上で、この法人コードというものは、今御指摘のありましたように、適用実態調査報告書の高額適用者上位十社のリストにおいて、個人企業名を伏せつつ、ある法人が複数の租税特別措置法の適用を受けている場合は、それが分かるように企業名に代えてコード名を付するというのをしているんですが、その番号については分からないように無作為ということになっております。
 そして、当該法人が識別できないように付すことが必要とされておりますので、この趣旨を徹底する観点から毎年コード番号を変えておるというのが実態でございます。そのために、個別の適用状況に着目した経年変化の分析はできないということになっておりますのはもう御承知のとおりで、その点も、この目的がそもそもそうなっておりますので御理解いただいておきたいところであります。
 いずれにいたしましても、この租税特別措置に着目をした適用状況に関しましては、これは業種別、資本金のクラス別、また所得のクラス別の適用件数や適用額等について、経年変化も含めまして、この点に関しましては必要な分析、検証を行ってまいりますので、租税特別措置法の不断の見直しは今後とも行っていかねばならぬものだと、私どももそう思っております。
#12
○尾立源幸君 不断の見直しを行っていかなきゃいけないという最後のことは分かるんですけれども、ちょっと途中がよく分からないんですけれども。
 個社が特定できないように企業名を出さないというのは分かっておりますが、全く関係のない法人コードというのを付けました、それが二年目、三年目、引き続き使われることで、なぜその個社の名前と関連付けられるんでしょうか。そのアトランダムの番号によってなぜ、改めて申し上げますが、企業名が特定できるんでしょうか。
#13
○政府参考人(星野次彦君) お答え申し上げます。
 各法人にコードを付けておるわけですから、法人名は直接は分からないわけでございますけれども、結局、特定の企業にコード番号を付けて、その番号が毎年毎年ずっと継続していくということになりますと、やはりその企業の行動、そのときの業況等々によって、結局このコード番号の企業は何かということがかなり類推されるのではないかというふうに考えておりまして、そういった観点から個別企業名を明らかにしないということで毎年コード番号を変えるという方針を持っているところでございます。
#14
○尾立源幸君 これは、でも一方で透明化しなきゃいけないという趣旨があるわけですよね。その中で、例えばこれはある意味隠れ補助金、裏補助金というふうなこともずっと言われ続けております。補助金であればしっかり名前は出されて公表までされるわけですけれども、少なくとも今回の法律では個社名は出さないということになって、それが類推されるからといって、それはどこでどう類推されるのか私は分かりませんけれども、なぜそこまで配慮しなきゃいけないんですか、星野さん。
#15
○政府参考人(星野次彦君) お答え申し上げます。
 適用実態調査の目的は租特の適用状況を悉皆的な調査に基づく統計として明らかにすることにございまして、個別企業の税務情報を開示することではないということは御理解いただけると思っております。この調査で租特の適用状況に係る個別企業の税務情報を公表するということになりますと、納税者からの信頼に基づく申告納税制度にもかかわることでございますし、また、例えば取引先がいろいろ値引き等々の圧力を掛けてくるといったような、その対象企業の経営環境にも影響を与えるおそれもあると考えておりまして、やはり慎重に検討すべきものと考えてございます。その点を御理解いただければと思っております。
#16
○尾立源幸君 何百億という減税が現実にこれなされるんですよ。国民の税金がその企業にある意味、政策的な理由はあれど、つぎ込まれるわけですよ。それは補助金と何ら私は変わらないと思っています。また、ひとしく広く減税があるというならまだ分かりますが、先ほど大臣がおっしゃったように、利用件数が少ないところもあったわけですから、そういうことも踏まえると、これはどの減税をどういう企業がどう継続的に利用しているかということはしっかり国民の前に明らかにしないと、これ納得されないと思いますけれども、いかがですか、大臣。
#17
○国務大臣(麻生太郎君) これは元々の法律ができた経緯が、いわゆる先ほど申し上げましたように、当該法人を識別することができないようにするためにというところが最初から決まっておりますので、法律を執行する立場の私どもとしてはここのところをきちんと法律の趣旨にのっとってこういった形にさせていただいておるということであります。
 こういったので分かるようにすべきだ、補助金と同じじゃないかというのはちょっとこれ全然別の観点からの御意見だと思いますので、それはちょっと全然別にしていただかぬと、この法律に基づいてということですとなかなか難しいんだと存じております。
#18
○尾立源幸君 ちょっとかみ合いませんけれども、私はこれはきちっと法人企業コードというのは継続的に利用して、そして複数年で利用状況が分かるようにしていくことが私は大事だと思っておりますので、これは引き続き求めていきたいと思っております。
 それでは、次の問いに移らせていただきたいと思いますが、前回の審議で総合取引所の議論をさせていただきました。ここで、今日もお見えですが、平政務官が、東京商品取引所の天下りについて私が指摘をさせていただいたところ、どう見ても異様な形だ、指定席というのは時代にそぐわないと、こういうふうな政治家らしいお答えをいただいておるわけなんですけれども、さらに、総合取引所の実現に役所のOBポストが阻害することが絶対ないようにしっかり監視をしていきたいと、こう言っていただいております。これは大変心強く思っておるんですが。
 それでは、この日本取引所グループが独自に商品先物市場をつくる際には、金融庁の認可に際し経産省の同意が必要となっております。これについて、現行の商品先物取引法で商品上場を行う場合の経産省の認可ではなく、金商法での上場を行う場合の金融庁の認可への同意について、同意する際の要件や判断要素、基準について定めた法律の条文があるのかどうか、まず平政務官にお聞きをしたいと思います。
#19
○大臣政務官(平将明君) お答え申し上げます。
 金融商品取引所が商品先物を上場する場合には、昨年九月に改正をされた金融商品取引法に基づき、商品所管大臣の同意を得た上で、金融担当大臣が認可を行うこととなっております。
 お尋ねの点でございますが、金融商品取引法上は、商品所管大臣が同意する際の判断要素や基準についての定めた条文はありません。商品所管大臣の同意が要件とされたことは、商品の生産及び流通の円滑化という観点から上場の可否を検討する必要があるためであると認識をしております。
#20
○尾立源幸君 ありがとうございます。
 それでは、金商法での認可については、このように書いてあります。市場デリバティブ取引を公正かつ円滑にし、投資者を保護するために十分であることとの審査基準が定められております。仮にJPXが商品先物市場の認可を申請をする場合には、金融庁はこの基準で審査をすると考えてよいのかどうか、また、審査の結果、認可することとなった場合に、同意を得るための経産省との協議によりどのような判断が加味されると想定しているのか、寺田副大臣にお聞きしたいと思います。
#21
○副大臣(寺田稔君) お答えをいたします。
 仮に既存の金融商品取引所から商品デリバティブ上場の認可申請があった場合の御質問であります。
 委員御指摘のとおり、金融庁といたしましては、改正金商法の規定に基づきまして、公正かつ円滑な取引の確保、また投資者保護などの観点から適切に審査をしてまいります。また、更に申し上げれば、清算業務の適正、確実な遂行という法文の規定に従いまして、この清算業務の適正遂行、ここも審査をいたします。
 商品所管大臣は、この商品の生産及び流通への影響という観点、これ目的規定でありますが、について、この商品所管大臣が同意の判断をするものというふうに考えられるわけであります。
 しかしながら、この総合取引所については、現在、もう御承知のとおり、三省庁の合意によりまして、この既存の商品取引所が既存の金融商品取引所と合併、事業譲渡により統合することによりその実現を目指しているところであり、早期に実現に向け取り組んでまいりたいと思います。
#22
○尾立源幸君 総合取引所は改めて言うまでもなく我が国にとって重要なテーマでございます。金融庁による認可に際して、経産省が同意しないとの結果が出ないように、金融庁の副大臣としてしっかり取り組んでいただきたいと思いますが、改めて決意をお聞きしたいと思います。
#23
○副大臣(寺田稔君) 仮にその今のケース、すなわち既存の金融商品取引所から商品デリバティブ上場の認可申請があった場合、金融庁といたしましては、あくまでこの改正金商法の規定に基づき適切に対応してまいりたい、そして我が国の市場取引の充実向上に資すように対応してまいりたいと思っております。
 総合取引所の実現、これはもう本当に重要な課題でありまして、積極的に取り組んでいくということで、規制改革会議でも総合的な取引所の実現に向けて所要の整備に積極的に取り組むとされております。政府としても、早期実現に向け取り組んでまいりたいと思います。
#24
○尾立源幸君 この夏以降にもそういう動きになると思いますので、是非よろしくお願いしたいと思います。
 それでは、また話題は全然変わりますけれども、本来、安倍総理にお聞きしたいところなんですけれども、副総理ということで政府のお考えを麻生大臣にお聞きしたいと思いますが、ここ数日、ニュースでも非常にいろいろよく取り上げられている問題でございます。
 安倍総理は、先日、国民総所得の一人当たりを百五十万円増やすという、こういう発表をされました。GDPからGNIに基準を変更すること、その視点というのはよく私も分かります。しかし、所得を一人当たり百五十万円増やす、こういう見出しがマスコミでも出ておりました。記事の中身をよく読むと、所得じゃなくて国民総所得を一人当たりということになるわけなんですけれども、この見出しというのは非常に誤解を招きやすい話だと思いますし、まさに優良誤認に当たる可能性があるのではないかと私は思っておりました。
 そういうことで、このままこの言葉が独り歩きしますと、安倍政権は詐欺師だとまた後々言われかねないなと思っておりましたので、しっかり抗議されるのがいいんではないかと思っておったんですけれども、ところがどっこい、先週の土曜日に総理自ら、十年間で平均年収を百五十万円増やすと、こういうふうに街頭でもおっしゃっておられます。一体、本当の意味するところはどこにあるのか、聞いていて分からないところなんですけれども、副総理、どういうことなんでしょうか。
#25
○国務大臣(麻生太郎君) GNI、グロス・ナショナル・インカムの略、国民総所得ということになろうと存じますが、昔からこれはGDPと対比されて使われる形で、先生のように経済学そこそこきちんと分かっておられる方というのはGNIという言葉は結構昔から使われていた言葉ですけれども、新聞に載ってきたのがつい最近ということだと思いますので、昔から使われていた言葉ではあります。それが一点。
   〔委員長退席、理事金子洋一君着席〕
 二つ目は、日本の場合は、間違いなく国民のいわゆる生産するというようなもので、物の輸出による、輸出入による貿易というものを見ました場合に、輸出する製品の絶対量というものの内容が物すごく変わってきたのが一つ。
 それから、日本というものが、経済が成熟するに伴いまして、日本の国が企業として、国家として、いろんなところに金を貸す、資本金として出す、特許料が入ってくる等々の配当、利子、そういった特許料等々の入ってくるインカムというものも物すごく大きな額になってきておりますので、少なくとも、今の場合は貿易収支より所得収支の方が大きいというのは、昔は考えられない事態になってきておるのが今実態ですから。そういったものを考えますと、経済がこれだけ成熟し、それに伴いまして金融というものが非常に大きな要素を持ってきたときにおきましては、いわゆるフローだけじゃなくてストックでということになりますと、私どもとしてはそういったものによるインカムというものの方も非常に大きい。
 それが企業に入ってきて、その企業は利益になりますので、その利益が給与に反映されていくという形になるのが望ましいのであって、今のように企業の内部留保だけで二〇一一年度、四百七十兆ぐらいまで今この数年間で更に膨れ上がってきておりますが、こういったようなものが、企業の物を売った収益だけではなくて金融所得によりますものもかなりの大きな要素を占めております。
 それが配当に回る、また労働分配率を上げるというような形になっていくということで、結果として、それが企業の従業員に対する配分、利益の配分イコール給与、それが結果として時間を掛けてだんだんだんだん上がっていくという可能性というのは、私はこれは非常に大きな要素なんだと思っておりますので、製造、物を製造するのをもってよしとしておりますけれども、それ以外のものの部分も計算いたしますと、GNIという考え方は決して間違ってない考え方だと思っておりますし、百五十万というのは荒唐無稽な話だとも思っておりません。
#26
○尾立源幸君 私がお聞きしたかったのは、百五十万という数字はいいんですけれども、国民総所得を一人当たりなのか、平均年収を一人当たりなのか、それはどっちなんですかということを聞いているんですね。国民総所得という意味では非常に分かっておりますが、平均年収をという話になると全く違う次元にこれストーリーが行くんですけれども、その点、麻生大臣、分かっておられるんですかね。
#27
○国務大臣(麻生太郎君) 分かっておられる方と分かっておられない方と世の中ではいろいろおられると思いますが、いろいろな意味で使い分けられたりする部分もいっぱいあるんだと思いますよ、これは、正直なところですけれども。ですけれども、企業がどういった形で配当をするか等々によって今の話は全く変わってきますので、何ともお答えのしようがないところであります。
#28
○尾立源幸君 いや、何ともお答えしようがないじゃなくて、政府としてしっかりこれは統一していただかないと、総理大臣が発言されている言葉なので、国民総所得一人当たりなのか平均年収ではこれは全く違うんですよね。
 ある研究者の方によりますと、国民総所得というのは、企業の稼ぎの分、そして労働報酬、雇用報酬として支払われる分、いろいろありますけれども、そういうものトータルで国民総所得になるわけですけれども、平均年収にじゃどのぐらい分配が回るのかということを計算されている方もいらっしゃいますが、仮に百五十万上がると、その半分ぐらいは可能性として平均年収に回る、いわゆる労働者、雇用者に回る可能性があるんじゃないかと言われておりますので、たとえ半分であったら、これ七十五万なんですよね。そこを総理は百五十万とおっしゃっているわけですから、これ全然違う話だということをよく御理解いただきたいんですが、いかがですか。
#29
○国務大臣(麻生太郎君) 今のおっしゃること、よく分かるところではありますけれども、先生、池田内閣の所得倍増のときに生まれておられたかどうか存じませんが、あのとき、あれがいくと思った人は一人もいませんから。私はそのころまさに生きていましたので、あれがいくと思った人は一人もいません。所得倍増って、えらい景気のいい話だと思いましたけれども、本当になりました。そういった意味で、やってみなきゃ分からぬというところもある程度考えておいていただければと思って、我々は希望を持って頑張りたいと思っております。
#30
○尾立源幸君 分かりました。
 麻生副総理はよくお分かりになっていらっしゃると思うので、是非、安倍総理とよく話し合ってください。とにかく、聞いている方としてはどっちなのかなと誤認をいたしますので、是非そこは統一をしていただきたいと思います。
 それでは次に、これも度々この場でも議論になっておりますグローバル企業の課税逃れの件でございます。
 今年の五月にアップル社がアメリカで課税逃れを指摘されておりますし、またイギリスではスターバックスが三年間で千五百三十六億円の売上げがありながらほとんど税金を払っていないと。様々な節税スキームを使ってこういうことをやっているということで、合法といえば多分合法なんでしょう。ただ、これをほうっておくわけにはいかないという認識を麻生大臣もお持ちだと私は理解しておるんですけれども。
 そういうことで、これからEUの首脳会議でもこの課税逃れ対策を強化する方針を打ち出したと言っておりますし、また、OECDの閣僚理事会でも行動計画を作ると言われております。我が国としてもしっかり対応する必要があると思うんですけれども、是非、麻生大臣、こういうルールを作るのは欧米系なんですよね。彼らが勝手に作っておきながら、後でこういうことで自分たちで言って、真面目に我々日本はやっているわけなんですけれども、本当に穴だらけの実は税制が欧米ではまかり通っているというのが現状です。
 是非、日本の財務大臣として、しっかりやれということを檄を飛ばしていただきたいんですが、いかがでしょうか。
#31
○国務大臣(麻生太郎君) 今年の五月のロンドン郊外でのG7の蔵相・中央銀行会議におきまして、その他の部分でこの租税逃れの話は日本から提案をさせていただいております、始まって以来のことだそうですが。ちなみに、OECDの租税委員長は今日本人です。選挙で選ばれた日本人がやっております。これが担当なんですが、そういう情報を基にして、少なくとも今言われましたもののほかに、例えばアマゾン・ドット・コムにしても、いろいろ企業があるんですが、ケイマン諸島だ、いろいろな島で、まあ島でって、タックスヘイブンと言われる地域でそういったものがなされている状況は、少なくとも彼らが悪いんじゃない、彼らは何の脱税もしていない、彼らはあれは合法的にしておるのやと。合法的にさせておる理由はここにいる七人の財務大臣がなっておらぬからである、中央銀行総裁は関係ない、財務大臣の責任でこれをきちんとするべきなんじゃないのかと。
 二つ目は、非常に問題があるのは、ああいうのがまかり通るということになると、日本でも幾つかの企業が本社をシンガポールに移したり、いろいろなことになってきているのは今既に事実ですから、そういったようなものを考えるということの方が、税金の収入が減ることによって困っている各G7の財務大臣は、この問題をきちんと取り上げないと、普通の人たちが、あの人たちが税金払わないでいて何で俺たちが払わないかぬのやということになる方がよほど問題なんだと。
 この二点考えてもらってしかるべきだといって、私どもの方から発言をし、ドイツ、イギリスが直ちに呼応して、イギリスが議長をしておりましたので、記者会見はこの問題から最初に説明を開始して、そのとき一言も発言しなかったアメリカが上院でアップルを最初に取り上げたという形になってきたのですけど。これは、御存じのように一国ではできませんので、主要国なりOECDなりが連帯してこの法律を作ろうと思って、今原案を、これ日本の委員長さん主導で今この法案ができ上がりつつありますのが今の状況でございますので、こういうものはきちんとさせていかぬと、いろんな意味に波及効果が出てくると私も懸念をいたしております。
#32
○尾立源幸君 リーダーシップを是非期待したいと思いますし、あの浅川さんが議長をされていると聞いておるんですが、今首相官邸で何かお忙しいみたいなので、是非その身分をちゃんとしっかりしてあげて、このリーダーシップを発揮していただけるようにしていただきたいと思います。
 では、最後の質問に、少しまたこれも視点が違う話でお話をさせていただきたいと思います。
 今、一般歳出の中で国債費を除く最大の歳出は、これ社会保障費でございます。そういう意味で、非常にこの社会保障費をいかにコントロールしていくかというのが私は大事なことだと思っております。そういう意味で、ちょっと健康と税という関係で少しお話をさせていただきたいと思うんですけれども。
 最近、大手ファストフードチェーン店が、売上げが芳しくないということでメガポテトという、これはどこの会社とは言いませんが、非常に大きなフライドポテトを発売をいたしました。これは安いですね。このポテトは、通常のLサイズの二倍入ってLLサイズになっておりまして、何と一パック千百四十二キロカロリーもございます。私は、このような商品を一人でがばがば食べちゃうと、これはやっぱり将来まずいんじゃないかなと、子供たちの健康、まあ大人もそうなんですけれども、特に子供たちには良くないんじゃないかなと、こんなふうに思っております。
 そこで、この前も例に出しましたが、ハンガリーでは別名ポテトチップス税というのがございまして、やはりカロリーを取り過ぎるのは良くないということで、ポテトチップスに特別の税が掛かるそうなんですね。私は、こういう考え方は一つありなんだと思っています。グッド減税、バッド課税、健康や環境にいいものは減税をするし、そうでないものには税を掛けるという、こんなこれから税の在り方も私は一つではないかと思っております。
 麻生大臣も、この社会保障費については非常にいろいろ発言をされております。例えば、一年間保険を使わなかった方には、一人十万円、何か差し上げたらいいんじゃないかという、そういうインセンティブをあげればいいんじゃないかというようなことをおっしゃっておりますが、私もなかなかいい考えだなと、額の多寡はあれで。自分の健康をしっかり守っている人と、本当に困った方は別として、むやみに暴飲暴食等々で健康を害している方とは一線を引くべきだと思っております。余計なおせっかいかと言われる部分もあるかと思いますけれども、ある程度、私は、これはやっぱり国民の税金と保険料を使ってやっておりますから、コントロールするべきだと考えております。
 そういう意味で、このポテトチップスの例を出しましたけれども、例えばこういう高カロリー的なものに対する税の在り方なんかはどのように思われるか、ひとつ御見識をお伺いして、私の質問を終わりたいと思います。
#33
○国務大臣(麻生太郎君) 尾立先生、公共サービスといわれるようなものに関して、いわゆる必要な財源を確保するということは、これは物すごく大事なことだと思います。先ほどの国際的に節税をしているというか、抜けているところに関しても、あれはきちんとしたサービスという、ディストリビューション、配送ができるというきちんとしたシステムがあるからアマゾン・ドット・コムは成り立つのであって、そのシステムを提供しているのはその特定の国が提供しているんだから、その特定のサービスを提供している国に対してそれを利用しているのでしかるべき税金を払って当たり前じゃないかというのが私らの言い分なんですけれども。
 是非、そういった意味で、平成二十二年度の民主党の税制改正におきまして、今御指摘のような観点に基づいて、たしかあのときは国民の観点からたばこ税がたしか三・五円と一本当たりに行われたんだと記憶をいたしますけれども、いずれにいたしましても、いわゆるグッド減税とかバッド課税とかいろんな表現がよく使われるようになっておりますけれども、こういったものを考えるに当たりましては、これは課税に合理的な根拠があるかとか、それが公平と言えるかとか、また、どうでしょうね、既存の税制との関係もあるでしょうし、それが一挙に経済がぼんと冷えて経済が一挙にというような、いろんなことを何か考えていかないかぬところでしょうけれども。
 ポテトチップだけが出てきちゃうと、何となくちょっと待てといって、ならば、ちょっと名前は言いませんけれども、ほかの食べ物はどうやということになってくるんだと思いますので、ポテトチップだけに限ると言われるとちょっといかがなものかと存じますけれども。
 いずれにしても、この種の健康管理にきちんと対応していて健康な人が払っている税金で、全くそういったことに無関心で飲みたいだけ飲んでいいかげんな健康管理で悪くなったやつのいわゆる保険料、医療費ですか、そういったものは健康な人の方が払っておるというと何となく無性に公平感がないし、何となく甚だ不公平感を感じるのは多分皆同じようなものだと思いますので、やむを得ずなられた方とは別にして、きちんとそういったものに対応している人たちによりインセンティブを与えた方が、私は総合的には国家の歳出としてはそっちの方が少なくなるんじゃないかなというのがこの間あの種の発言を申し上げた背景なんですけれども。
 是非、県によっても、すごく医療費というのは各県によってえらく差があるのは、その県の行政がそうなっているのか、その特定医療地域でそういうことになった、長野県なんかがそうなんですけれども、そういった例とか、幾つも例がありますので、そこらも考えて、今後この医療費というのは止めどもなく大きくなっていくというのであれば、目的は何だと。これは平均寿命、昔は五十何歳だったのが今は八十だ七十だということになってきたんですけれども、これは更に平均寿命を百にするつもりですかと、何を目的にされるんですかというと、こういう哲学も含めて考えないとこの種の問題はなかなか解決ができないのではないかというような感じはいたしております。
#34
○尾立源幸君 ありがとうございました。
   〔理事金子洋一君退席、理事尾立源幸君着席〕
    ─────────────
#35
○理事(尾立源幸君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、川上義博君、愛知治郎君及び古川俊治君が委員を辞任され、その補欠として白眞勲君、高階恵美子さん及び上野通子さんが選任されました。
    ─────────────
#36
○中西健治君 みんなの党の中西健治です。
 金商法等の改正の五つの項目、五つの柱のうち、本日は四つの項目についてできれば質問をさせていただきたいというふうに考えております。
 まず初めに、金融機関の秩序ある処理の枠組みについてでありますが、先週の委員会でも、私は、破綻処理の費用負担について、銀行、保険などの業界ごとなのか、それともその業界を超えて金融全体で負担すべきなのかという論点について質問させていただきました。
 もう一つの大きな論点として、事前積立てなのか事後徴収なのかということがあります。これはワーキンググループでもかなり議論はされておりました。
 理論的な観点からいえば、破綻処理の費用負担というのは、事前にその破綻の可能性を高めるような行為を取る企業から徴収、積み立てておくことが費用の内部化につながってそのような行為を事前に抑止することになり、社会的には最適に近づきやすいということになるのかと思います。事後徴収の方がより現実的とされているようでありますが、むちゃなことをやって破綻する食い逃げ、フリーオプションというかフリーランチというか、そのような状況を招きかねないと私自身は考えております。
 事前積立てではなくて、今回事後徴収としたことについて、理由をお伺いしたいと思います。
#37
○大臣政務官(島尻安伊子君) 金融機関の秩序ある処理についての御質問でございます。
 現行の金融危機対応措置と同様に危機対応勘定で管理をして、原則として金融業界の事後負担とすることと今現在はしているところでございます。金融機関の秩序ある処理は、日本の金融システムに著しい混乱が生ずる場合という場面に発動されるものでございまして、中長期的に発動がなされない可能性もございまして、事前積立てとした場合には必要額の算定が困難であるほか、資金の運用に関する問題などが生じるということでございます。
 こうした点を踏まえまして、金融機関の秩序ある処理に伴う金融業界の負担については、事前積立てではなく事後負担とさせていただいているところでございます。
#38
○中西健治君 その理由も分かるというところではありますけれども、ただ、やはり三つの大きな潜在的な問題を抱えているのではないかなというふうに私自身は懸念をしております。
 まず一つ目として、この法案が想定するようなリーマン・ショックに比するほどの大きな金融危機が発生した場合にはどのようにして適切な、事後負担という場合でもどのように適切な事後負担金の計算、配分を行うのかというのが大きな問題のうちの一つだろうというふうに思います。
 そして二つ目が、先ほど申し上げた食い逃げの問題ということなんじゃないかと思います。恐らく緊急時には、より健全であって、資金、資本共に余裕のある金融機関への負担が重くなるということなんじゃないかと思います。先ほどの社会保障の議論でもありましたけれども、頑張ってリスク管理などをやって、健全だ、健康だというところにより多くの負担が行くのはやはり不公平なんじゃないかということが二つ目。
 そして三つ目、これは先週申し上げたことですけれども、業界をまたがって費用負担をさせるということになると、例えば保険業界から銀行業界に危機の伝播が行われてしまう、それに政府が関与することにもなりかねない。こんなような三つの潜在的な問題を抱えているんじゃないかと思います。
 そこで、麻生大臣にお伺いしたいと思うんですが、この法律の本来の目的というのを考えると、当然いざというときの処理方法の準備ということもあるかと思いますが、もう一つ大きなこととして、日本の金融システムに対する安心感、信頼感のようなものがこの法律によって醸成され得るのかどうかということなんじゃないかと思います。それについて、麻生金融担当大臣は、この法案が、法律が通ればそうした信頼感が醸成されるということになり得るとお考えになっていらっしゃるかどうか、お聞かせいただきたいと思います。
#39
○国務大臣(麻生太郎君) 今回御提案をさせておりますこの法案ですけれども、既存の制度では十分に対応できない金融危機というシステムの危機というものに関して、市場型金融危機とかいろいろ表現がありますけれども、これは国際的な合意というものをある程度踏まえて、前回のリーマン・ショックのときに、俺たちが問題だったんではなく、あんたらが問題だったんじゃないかということをしつこく言って、そちらがきちんと対応すべきだということをしつこく申し上げてきたんですけれども、こういう形で、一応合意ができておりますのに合わせて私どももこういった法案というのを提出させていただいておりますので、市場に参加しておられる方々の間のいわゆる信用不安というものが、信用収縮とか信用不安というものが連鎖を起こして、クレジットクランチ、信用収縮というもので機能を不全にするというようなことがないようにするために、私はある程度、みんなで合意しておりますので、このシステムを我々もきちんと対応しておりますよということは、他国に対して堂々と俺たちちゃんと対応したよということを言えるということになろうと思いますので、私はこれが全て完璧だと言うつもりは全くありませんけれども、これをきちんとして運営をしていくということは、少なくとも不安を与えるとか、ある程度今のものよりは解消できると思っております。
#40
○中西健治君 ありがとうございます。
 次に、資産運用規制の見直しについてお伺いしたいと思います。
 AIJの事案を踏まえた見直しということですけど、法案を見ますと、現行の規制監督方針の小幅な修正にしか見えないというふうに思います。年金基金の資産運用に問題が発生した場合には、厚生年金本体に影響が及びかねないということですので、もっと思い切って運用を制限するないし規則を強める、強化するということが必要なんじゃないかなと私自身は思います。
 例えば、運用対象から海外籍の非上場のものはもう全て除外するですとか、関与できる運用業者、信託銀行などを全て国内に所在する業者に限定するぐらいの抜本的な改革をやるべきであるというふうに私は思います。
 あのAIJの事案でも、ケイマンが出てきたり、あとトラスティー、受託、信託が海外にあったりということで中身が分かりにくいということがあったわけでありますので、やはりこうした規制の強化というのはもっと思い切ってやるべきなんじゃないかなというふうに思いますが、ここら辺についてはいかがでしょうか。
#41
○国務大臣(麻生太郎君) これはもう中西先生御存じのように、AIJ関係という中で出てくる厚生年金の運用ということになりますと、これは私どもの所管ではなくて、これは厚生労働省の所管ということでもありますので、これを金融庁がちょっと差し込んでこれはと言うのはちょっと適当ではないんだと思っております。
 しかし、このAIJ事案の再発の防止ということは、これは極めて重要なものなのでありまして、金融商品取引法の体系の中から少なくとも第三者によるチェックというものを有効に機能する仕組みを考えるとか、顧客が問題を発見しやすくする仕組みというものを含む再発防止というのを取りまとめて、順次実行に移しているところなんですが、これは年金基金においても有用なものだと私どもも考えております。
 そして、厚生年金に対する規制の在り方に対しましては、これは厚生労働省においても検討が行われて、たしか昨年の秋だったと思いますが、オルタナティブな投資に関しては留意事項の追加等々が加わって、基金の資産運用規制の見直し等々が行われておりますので、ちょっと正直こっちの方そんな詳しく知らないんですけれども、少なくとも前よりはそういったところが規制をされつつあるのかなと思っておりますし、ああいった事件が起こした後、それに対してそれなりの対応を厚生省の方でもやっておられるというように理解をいたしております。
#42
○中西健治君 厚労省の方でも多少規制は強めている、あと運用対象についても多少の、まあこれまでとは違った対応をしようとはしておりますけれども、ただ、今回の法改正におきましても、厚年基金は雇用者から見れば受託者、運用している人たちでありますから、今回の法改正でプロになれる、特定投資家になれる要件を限定するということが入っています。入っておりますけれども、そもそも運用体制が整備されていなくてプロにもなれないような、プロ成りができないような厚生年金基金が存続するということについてどう金融担当大臣としてお考えになるのか、お伺いしたいと思います。
#43
○国務大臣(麻生太郎君) なかなか痛いところなんですが、これは厚生年金基金がプロ、プロって特定投資家と訳すのかな、特定投資家というようなものになるための要件は限定することとしているというように今度の改正法案でなっておるのは知っておりますが、その結果、いわゆる特定投資家として取り扱われない厚生年金基金が存在し得るということになるんですよね、これは。そうすると、その適否は厚生年金基金制度の在り方にかかわる問題になりますので、率直なところ、これは再び私どもの所管外ということになりますので、ちょっとコメントを差し控えさせていただくことになろうと思いますが、いずれにいたしましても、今国会で厚生年金保険法等の一部を改正する法律案というのが提出をされておりますので、この法案の中で制度全体を縮小させるなどの処置が一応とられているというように私どもは理解をいたしております。
#44
○中西健治君 厚年基金制度については厚労所管ですから、また別の機会に質問ができたらしていきたいなというふうに思いますが、金融庁としてもやはり問題意識は持っていると思いますので、そこら辺を是非私も共有させていただきたいというつもりで質問させていただきました。
 三項目めとしまして、投資法人、投信関連で質問させていただきます。
 先週の参考人質疑でも取り上げさせていただいたんですが、最近の投資信託商品、非常に複雑なものが増えております。通貨選択型やカバードオプション戦略とか、こういうのを組み合わせて三階建てと、こんなような商品も出ておりまして、こんなものを、特に金融資産を持っている方は高齢者が多いわけですから、なかなか商品性、理解できないんじゃないかなというふうに思います。さらには、その商品についてプレミアムという名称を付けている商品がたくさんありまして、プレミアムというのは日本語で片仮名で言うと何かいいようなもののように聞こえますけれども、実はオプションの権利を売ったそのオプション料の英訳ということでありますので、商品性を誤認させるような名称を用いているんじゃないかなというぐらいに思います。
 さらに、説明書、目論見書を見ると、全然、投信で持っている、ファンドで持っている商品と関係のない通貨の売買を行うのを為替ヘッジと称して説明を行っている。これを指摘したところ、投信協会の会長は、さすがにこれは良くないというので、最近、ごく最近になって為替取引という説明に変えました。こんなようなことでありますけれども、非常に不適切な勧誘ということが行われているんじゃないかなというふうにも思います。
 こうした投信商品の現状についてどう思うかということと、今回、規制を強化するということですが、どういう方針で臨まれるのか、お伺いしたいと思います。
#45
○国務大臣(麻生太郎君) 投資信託というものが、そうですね、中西先生、これはやっぱりみんなフローからストックにかなり資産をある程度持たれた方々の絶対量が増えているんだと思いますね。私らのときにはやっぱり投資信託というのはそんなに大きな量を占めるものではなかったんですけれども、今では個人金融資産が一千五百兆とかいうことになりますと、投資信託の比率が増えてくるということになっておるんですが。
 結果として、信託の中にも、今までの信託みたいな簡単なものじゃなく、物すごくいろんな種類が増えてきて、とても理解が不能、私もとても理解が不能な、何のことを意味するのかよく分からぬ商品がいっぱいあります。もうあそこに行くとびっくりするぐらい出てきておりますので、今度の、何でしたっけ、千五百万円を限度にして孫にという話の、あれの種類だってうわっとあって、何かどれでもみんなすごいことになっているというのが、ああいうのを見ますと、やっぱり証券会社による商品の説明とか、また投資家の理解を求めるという必要性というのはこれはもうますます重要になってきているんであって、何となくよく訳の分かっておらぬような方に立派なもののような、売り付けるような話になりますと、これは投資信託の信用がなくなるということになると、これは金融全体に与える影響にも非常に大きな影響が出ようと思いますので、この商品の規制に当たりましては、商品の内容とか運用状況に関する投資家への情報の提供というものをより分かりやすい形で一層充実させるということが一番重要なんだというように思っております。
 いわゆるデリバティブという言葉ですら分かっていない方が世の中にいっぱいいらっしゃる中で、このデリバティブという商品なんというのはもう当たり前かのごとくどんどん言われて、金融がいつから工学になったんだか知りませんけど、金融工学なんという言葉が出てきて、物すごい勢いでこういった複雑な投資信託というものがこれだけ出てきますと一定の規制というものを設けざるを得ないということになるのではないかと思って、私どもとしていろいろなものを、気持ちが縮み込まないようにするようなことを十分に考えた上で、金融庁としては、顧客本位にもちろん立った上で、いわゆる信託市場が発展するということで、信用を一挙に失うというようなことによってばっと投資信託市場が縮むというようなことがないような形で対応していくという配慮をしていくのは、これは我々もそうですけれども、投資信託自体が一番やらにゃいかぬところなんだと、私どもはそう思っております。
#46
○中西健治君 商品内容、商品性についての規制というのはなかなか難しいだろうと思います。しかし、商品の名称ですとか説明の仕方ですとか、そうしたものが紛らわしいということについては大いに規制ができるんじゃないかなというふうに思いますので、そこのところは是非厳しくやっていただきたいというふうに思います。
 続きまして、J―REIT、REITについてお伺いしたいんですが、J―REITは元々大きな問題が指摘されています。それは、スポンサー企業と、あとその運用する企業が関連企業であるということであります。
 不動産会社、どこかの何とかビルとか何とか不動産が持っている不動産を売却して、それがJ―REITの中に入ってくるということで、不良債権処理商品だと、こんなようなことを言う人もいます。要するに、その間の利益相反ということが起こりかねないということです。これは、他のREIT先進国とは違う形態になってしまって、これは税制上の問題等が一番初めにあってということなんですけれども、この利益相反というのは大きな問題であるということを私自身も思っていますし、市場関係者も思っている人は大変多くあります。
 今回、法改正によって、利害関係人との取引については事後報告ではなくて事前承認の形になるということですが、多分同じような問題意識を共有しているんじゃないかなと思いますが、今回の法改正に当たっての問題意識と、あと今回の法改正でどのような効果が期待されるか、お伺いしたいと思います。
#47
○大臣政務官(島尻安伊子君) J―REITの運営については、その人員やそのノウハウとか投資対象物件の提供などの面でスポンサー企業が重要な役割を担っているということを承知をしているところでございます。こうしたスポンサー企業の影響力が大き過ぎると、当該企業との間で投資家の利益にならない不動産取引が行われるおそれがあるという御指摘もなされているところでございます。
 まさに中西委員御指摘のように、今回の改正案では、このスポンサー企業も含めて、利害関係者との重要な不動産取引についてJ―REITの役員会の事前同意を義務付ける予定になっております。なお、このJ―REITの役員会は、独立性の確保をされた監督役員が過半を占めることとされておりまして、こうした役員会の事前チェックを通じて、投資家の利益にならない不動産取引が行われることを牽制する効果があるというふうに考えられております。
#48
○中西健治君 市場の健全な発展のためにも、今言った、もう問題意識は共有させていただいていますけれども、この問題についても是非引き続き注意していっていただきたいというふうに思います。
 五%ルール等について質問しようと思いましたけれども、ほとんど時間がなくなってきましたので、私は今回の質問はこれで終わらせていただきます。
 ありがとうございました。
    ─────────────
#49
○理事(尾立源幸君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、中山恭子さんが委員を辞任され、その補欠として水戸将史君が選任されました。
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#50
○広野ただし君 生活の党の広野ただしです。
 この金融商品取引法改正案も、金融の危機管理対応ということも非常に大切な案件として盛り込まれていると思います。
 内閣総理大臣が特定認定あるいは特定管理というようなことも行えるということでありますが、その中でもう一つ、やっぱり危機対応ということでは、金融システムの情報関係ですね。情報システム、二〇〇一年の九・一一のときに、ニューヨークの金融機関あるいは証券市場というのは、バックアップ体制をニュージャージーでやって一日たりとも休まなかったということが伝えられておりますが、そういう意味で、この間の参考人質疑の中で全銀協会長にお聞きをしましたら、東西で、東京関係そして関西関係でバックアップ体制はやっていると、こういうことであります。
 個々の金融機関についてのバックアップ体制、それと全体システムとしてのバックアップ体制、これがまさに大事なところで、金融機関関係、ここもまた全銀協関係だし、地銀関係あり、信金関係ありというようなことになっております。そしてまた、証券もどうなっているのか、また投資信託関係も、まあ、投資信託、証券関係は参考人質疑でもお聞きしましたが、大臣からお聞かせいただきたいと思います。
#51
○国務大臣(麻生太郎君) 非常時のときのネットワークの話ですけれども、これはもう御存じのように、あの種の事件、あの種の事件というのはどの種の事件かと言われたら、まあ一番目立ったのは多分九・一一が一番激しく目に見える形だったと思いますが、その後リーマンの話も似たような話でしたし、そのまた前で言えば、九七年の金融危機も似たようなものが発生しておりますけれども、このときの決済のネットワークのシステムというものが、これは平時から常に業務の継続がずっと維持できるような、これはある程度、システムはこうなっていますといったって、訓練しなきゃ、いざとなったときに本当にやれるかといったら、僕は分からないと思っておりますので、いざというときにちゃんとやる訓練はふだんからやっておく必要があるのではないかと。
 したがって、金融機関においては、バックアップセンターを用意して有事の際に速やかに切替え可能な体制を整備するというのは今してあると言うんですけれども、問題は、そのときに業務の継続計画、いわゆるBCPと称する、ビジネス・コンティニュイティー・プランと称するあれですけれども、を策定して、訓練など実効性のあるものをきちんとやっておかないと駄目だということを申し上げてきております。
 また、金融機関においては、これは当然のこととして、システムがかなり変化していますので、不断の見直しが必要なんであって、金融庁も、検査とか監督とかいうのを通じて、いろいろバックアップ体制につきましても同様に、その点につきましても、きちんとしたモニタリングというか、指示、監督というのをし続けておくという必要が、これは無駄な努力かもしれませんけれども、いざというときに非常に大きなものになろうかと、私どもはそう考えております。
#52
○広野ただし君 是非、それは、大手の方は大手ですが、地銀あるいは信金関係ですね、そして、これは災害等あるいはテロ等に対する対応だけじゃなくて、最近はサイバーテロということがあって、そしてまた、何といいますか、個人情報がぐっと漏えいをするというようなこともあるものですから、ここのところはしっかりと目を光らせていただいて御指導いただきたいと思います。
 そしてもう一つはネット銀行ですね。ネット銀行、店舗はないけれども、コンピューターシステムでオンラインでやっている。七行ありますが、ここは特にそういうまた情報システム管理というものは大切だと思いますが、ここのところはどういう御指導をされていますか。(発言する者あり)いや、情報システムが危機管理対応としてどういうふうになっているかということです。
#53
○国務大臣(麻生太郎君) インターネットを使いました専業の銀行につきましても、この情報システムの危機管理というものにつきましては、これはちょっと他の金融機関よりもっとサイバー攻撃等々なんかに弱い部分というか、影響を受ける部分が大きいということもございますので、他の金融機関と共通する体制としては、バックアップセンターを用意してということを即時に対応が可能なように整備するとか、危機管理体制につきましては、先ほども申し上げたBCPをきちんと策定して、ビジネス・コンティニュイティー・プランをきちんと策定して訓練等々による実効的なものもちゃんとやっておいてもらうということを言った上に加えて、何といってもインターネット銀は有人店舗が少ないわけですから、そういった特性がありますので、これを踏まえてバックアップシステムへの切替え中においても、店頭でいわゆる受け払いや為替の送金や他の金融機関で迅速にできるようにふだんからやっておかないと、手続をいろいろ、そのときになって手続はどうしましょうかじゃ話になりませんよということも申し上げてきておりまして、いずれにいたしましても、これはインターネットに限らず普通の通常の銀行も、信用金庫も含めまして、全銀行でこれは常日ごろからモニタリング等々、実験等々をやっていかないとなかなか、いざというときには後手に回るということを御指摘なんだと思いますので、私どももそう考えて、その点を指摘してきておるところであります。
   〔理事尾立源幸君退席、委員長着席〕
#54
○広野ただし君 それと、この金融というものは、まさに経済の血液であり大事なものでありますが、もうこういう情報システムで、ワンクリックで世界中飛び回るという状況になっています。
 この間も申し上げましたが、ファンドですね、ファンドも、事業再生ですとかベンチャー育成ですとか、いいファンドと、まさにマネーゲーム的なそういうファンドがある。こういう中で、やっぱりマネーゲームを助長するようなことというのは余りやっちゃいけないんじゃないかなと、こう思っておるところですが。そういう中で、国内系ファンド、国内運用的なものは十七、八兆円だということですね。まあこれも何か実態把握が十分になされていないようですが、しかし年一回報告があると、特に公募ファンドについてはですね、ということのようであります。
 しかし、じゃ、外国ファンド、まあ二兆ドル、百五十兆から二百兆、世界中こういうファンドがあるというわけなんですが、そこについての情報開示というもの、これが全くないといいますか、ですから、せめて国内公募をするようなそういうファンドにおいて、私募のものは、これはなかなか難しいかもしれませんが、国内で公募する外資系ファンドについて、何といいますか、情報開示を求めるというようなことは考えておられませんか。
#55
○国務大臣(麻生太郎君) 広野先生御存じのように、今回のこの金融商品取引法では、いわゆるファンドを含めまして、市場関係者に対して、相場の操縦とかインサイダー取引などは禁止する一方で、いわゆる株式などを大量に保有する場合は、一定規模以上の空売りを行っている場合の情報開示の義務付け等々を行ってきているところでもあります。
 これに加えまして、グローバルに活動するいわゆるファンドに対応するために、これは日本だけではとても対応できる話ではありませんので、これは国際的な連携が必要ということで、これは特にリーマン・ショック以後だったと記憶しますけれども、サミットなどにおける議論にこれまでも日本も、これは多分日本が一番積極的に参加したと思っております。
 そして、こうした議論とは別に、日本だけで外国ファンドに対する特別の情報開示を義務付けるということは、これは多分規制の実効性が乏しいんじゃないかなという感じはいたしますし、市場の流動性を損なうという部分も出てくるんだと思いますので、いずれにいたしましても、ちょっとこれは考えにゃいかぬところだと思っております。
 いずれにいたしましても、このファンドのグローバル化に伴いまして活動も極めてグローバルになってきておりますので、市場の影響については、これは今後とも日本なりG8、まあOECD加盟国のところぐらいまでは、これは物すごく往来するところが激しいところでもありますので、こういったところと連携を図って、先ほどちょっと民主党の先生から御質問があっておりました税金の話を含めて、この問題に関しましては、各国手を携えて対応していく必要があろうかと存じます。
#56
○広野ただし君 まさに大切なところで、国際協調で何とかいいファンドの動きはやってもらいたいですが、まさにマネーゲームで、特に小さい国へ行って荒らし回るという、日本はそれなりにずうたい大きいですから、それでもこの最近の為替相場あるいは株式市場の乱高下を見ますと、いろんな意味でそういうマネーゲーム的なものが随分含まれているんじゃないかと、こう思っているわけなんですが。
 ところで、もう一つ、いざ、この金融危機のときの特定認定の中で、法律で金融機関あるいは証券そしてまた保険ということでなっておりますが、そのほかに政令指定ということになっております。我が国の金融システムにおいて重要な地位を占める者に対して政令で定める者、こういうことでありますが、最近いろんな意味で新商品が、金融商品がいっぱい出てきています。
 先ほどもありましたJ―REITですね、現在八兆円、九兆円になっている。大部分は健全なものだと思いますが、実際、例えばアメリカでサブプライムローンということでまさにリーマン・ショックが起きたときには、返せない人たちにまでプライムに準じた金利でやっていて、それを幾つも分けてリスク分散してやった商品が、いや、安全ですからと言っていたのが、ベクトルがそろったときはどどんと行っちゃうと。こういうことでありますから、そういうときに、J―REITの中にもそういう場合によってはサブプライムローン的なものがいつか入ってくるかもしれない。
 そしてまた、FXですね、外為、為替関係ですが、それと各種ファンドいろいろと、先ほどもありましたが、いろんなファンドが出てくる。そして、先ほどありましたが、デリバティブで、誰も分からぬような数学であるいは工学でやっていくようなこういう世界、その部分は現在対象にしようというふうに思っておられますか、どうでしょうか。
#57
○国務大臣(麻生太郎君) 政令指定の範囲のお話ですけれども、これは市場発の金融危機、市場から出てきた金融危機に対して金融システムの安定を図るためには、これは金融業全体を対象とすることは基本としておるんですけれども、その上で、今回の枠組みを準備する必要性とか通常の金融監督というものを通じた良心、モラルハザードの低減ということを考えながら、これは金融グループ単位で一応考えてきておるところでもあるんですが、対象範囲として、今言われましたように、金融システムにおいて重要な地位を占める者を政令としてということで対象とし得ることといたしておりますが、この範囲の話ですけれども、これは国際的な議論も踏まえてちょっと検討していかねばいかぬところだと私も思っております。
 お尋ねのこのフォーリンエクスチェンジ、FX業者というんですが、この外国為替の業者とかJ―REITなどにつきましても、これは政令で指定することによって今回の枠組みの対象とするということを今現在想定しているわけではございません。しかし、これはどうなってくるかをもうちょっと見極めないかぬかなという感じはいたしておりますので、関心を持って見ておかねばならぬ対象だと思っております。
#58
○広野ただし君 やっぱりツービッグ・ツーフェールで、非常に大きなものはその社会的影響が大きいから、倒すに当たっては、破綻処理に当たってはですね、ですから倒せないんだと。これはやっぱり大変なモラルハザードを起こすわけで、この間も申し上げましたとおり、じゃ、中小企業は何の突っかい棒もないわけですね。ですから、そういうところにおいては社会的公正がもう誠に欠けるわけで、現に、今言ったような政令指定については非常に慎重にしていかないと大変なモラルハザードが起こるというふうに思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
 それと、金融は、先ほども申し上げましたけれども、経済の血液であります。そういうところはありますが、やっぱりマネーゲーム的な、そしてグローバルな動きの中でそういうことを助長するようなことがあってはならないんじゃないかと。実体経済がそれによって物すごく振られて、なかなか実体経済が発展しないというようなことがやっぱりあると思うんですね。
 欧米系は、これはもうマネーゲームであろうと何だろうと自由に発展をすればいいんだと、非常にある意味では短視眼的な見方が私は多いんじゃないかと思うんです。しかし、日本は中長期的な考え方でやっぱりしっかりと発展をしていく、そのために金融も、いろんな潤滑油的な、血液として、そしてまた下支えもすると、こういうまさに共存共栄の考え方がずうっとあったと思うんです。
 しかしこれが、世界的なグローバルファンドで大いにそれが揺り動かされて大変な事態にやっぱり陥ることがあるので、私は、日本型の、世界中駆け回る、そういうマネーゲーム的なものはやっぱり何らかの形で、助長は絶対にしないという方向で、昔、金融立国という言葉がありました。金融もそれなりに稼ぎ出すということでは大事ですが、それをずうっとやっていきますと、まさにそのマネーゲーム的なものを助長するという世界になって、今もアベノミクスで一部、株の売買は非常に盛んになって拍手喝采をしておられる方はありますけれども、それがもう非常に過大になりますと、今度はそれによって実体経済が大きく振られるということがあると思いますので、金融商品取引法に関することなので、全体的な思いを大臣から伺いたいと思います。
#59
○国務大臣(麻生太郎君) やっぱり我々が学校で習った経済とは全然違ったものになってきたのが最近の経済だと思っております。
 少なくとも、日本の経済見ましても、どうでしょう、広野先生、武村正義大蔵大臣のときに、財政破綻ということを最初に使われたのはあの方だと思いますが、あのとき、日本は、たしか四百五十兆円ぐらいの国債の借入れだったと思っております。GDPは五百兆、変わっておりません。それが今は約九百何十兆ということになって倍ということになっておるんですが、いわゆるGDPという、会社でいえば売上げみたいなものですが、この売上げの方は相変わらず五兆ドルぐらいで、円で換算すると少し下がっておりますけれども。それで借入れの方は倍に増えたら普通は金利は上がるんじゃないんですかね、我々習った経済学ではそういうことになっておるんですが。あのころ、五、六%あった金利は今は〇・八とかいうことになりますと、十分の一とか九分の一ということになりますと、これは明らかに常識とは違ったルールで事は動いておるという実態で、お金がお金を生むということになってきて、物すごい勢いの金が動いて、金が金を生んでこっち行ったりこっち行ったりということによって影響を受ける実体経済、物づくりとか製造業とか、そういったところが著しく影響を受けるというのが一点。
 もう一点は、そちらの方が何となくうまいこと、生き馬の目を抜く世界なのかもしれませんが、何となくそちらの方が楽でもうかるからええやと言って、普通に真っ当に働くのがばかばかしくなってきたりするようなことになる影響という点もこれは考えにゃいかぬ。
 いろんな波及効果が出ようと思いますので、その点に関しましては、今後とも日本としてあるべき形というのは十分に考えて対応していかないと、我々としては、ある日突然に、余り慣れない金融商品が全てかと思ったりすると、とても大きな損失を被ることになりかねぬという、私自身はそう思って対応してまいりたいと考えております。
#60
○委員長(藤田幸久君) 広野さん、時間でございますので、おまとめください。
#61
○広野ただし君 やっぱりマネーゲームで、まさに強欲資本主義というような、もうかればいいというようなことではなくて、やっぱり中長期的に、また人も大切にして、自由で公正で、私は共生だと思うんですが、自分独り勝ちして税金は払わないというような、こういうものを助長しないように是非よろしくお願いしたいと思います。
 どうもありがとうございました。
#62
○大門実紀史君 大門でございます。
 法案に入る前に、前々回取り上げさせていただきました被災者の二重ローン、住宅ローンなどの債務の減免のための個人版私的整理ガイドライン問題を少し取り上げさせていただきたいと思います。
 今お配りしている資料の一枚目に、債務整理の成立件数が相談の件数に比べてまだまだ少ない、そんな中で、前回取り上げましたけれども、このガイドライン運営委員会による被災者の方々の申請拒否、水際作戦というものが行われている問題でございます。
 仙台弁護士会がこの運営委員会に対して抗議声明を出すという前代未聞の異常事態になっているわけです。金融庁に前回、調査を要求いたしまして、私も先週、仙台に行って調査を行って、ヒアリングを行ってまいりましたけれども、仙台弁護士会の皆さんは、被災地ということもあって一生懸命被災者のために、生活支援のために頑張っておられます。様々な事実証拠といいますか書類も見せていただきましたけれど、どう見てもやはり運営委員会のやり方は大変まずいんではないかと私自身も思いました。
 ただ、そうはいっても運営委員会の見解も聞かなければいけませんので、二枚目に昨日付けで運営委員会に対する質問書ということで、現地に入って疑問に思ったことを質問書として出させてもらいました。金融庁を通じて質問書を出しました。
 要するに、先に一千万円払う確約をしないと相談に乗る弁護士を紹介しないとか、やはり異常なことでございまして、スタンスが被災者じゃなくてもう金融機関の側に立っているとしか思えない事例が幾つもありますし、この運営委員会が、おたくは駄目だという判断も非常に表面的な、資料も後に付けてございますけれど、表面的な数字だけを見て申請を取り下げさせるというふうな、きちっとした被災者の実情を分析していない事例もたくさんありますし、相談に乗ってきた弁護士さんがそういう運営委員会のやり方に異議を申し立てますと、運営委員会が委嘱を撤回して東京の弁護士に新たに頼んで、その弁護士が運営委員会の意向どおり取下げの文書を出すというようなことも、事実を確認してまいりました。そういう疑問点を運営委員会にただすための質問書でございます。
 一点、二点だけ確認しておきたいんですけれど、そもそも、別に被災者の方々は、自分の住宅ローンの債務を何とか減免してほしいとか、いろいろ、減額してほしいとかあるいは返済を考えてほしいとか、そういうことはそもそもこの運営委員会を通さなくても自分で直接金融機関とやることは可能だと思うんですけれど、いかがでしょうか。
#63
○政府参考人(細溝清史君) 個人版私的整理ガイドラインにおきましては、債務者が債権者である金融機関に対して直接債務整理の申出を行うことも可能となっております。
#64
○大門実紀史君 いや、私が聞いているのは、この運営委員会を通さなくても、ガイドライン通さなくても、直接金融機関と相談し合えるんじゃないですかということを聞いているんです。
#65
○政府参考人(細溝清史君) 直接と申し上げましたが、言葉足らずでございまして、運営委員会を経由することなく直接申し出ることもできるということでございます。
#66
○大門実紀史君 したがって、この運営委員会が、出てきた申請を運営委員会が金融機関にも相談もしないで取り下げるということは権限違反ですよね。本人の権利を運営委員会がシャットアウトしているわけですね。これおかしいんですよ、この運営委員会が取り下げるということはですね。
 もう一つは、この運営委員会が委嘱する弁護士さんの費用というのは、これ確認ですけれども、国の補助金が入っていますよね。
#67
○政府参考人(細溝清史君) はい、国費から補助しております。
#68
○大門実紀史君 私は現地で聞いたんですけれども、さっき言った被災地の弁護士さんが相談に乗っていて、これ何とかしてあげてほしいと運営委員会に言ったら、駄目だ、これは取り下げろと。それで異議を言うと、もうあんたには頼まないということで、東京の弁護士に委嘱し直すと。
 東京の弁護士が何をやったかを見たら、一度も被災者本人に会っていないんですよ、会っていないんですよ。東京にいたままあの取下げの文書を作っているんですね。これ、いわゆる確認業務をやる弁護士さんとガイドラインではなっているんですけれども、確認業務を実際やっていないんですよね。これはガイドライン違反だと私は思うんですよね。しかも国の補助金を受け取っていると。これは大問題だと私は思うわけですね。確認業務をちゃんとやっていないですよね。
 そもそも東京の弁護士さんは誰なのかということで聞いたら、名前を明らかにしないんですよ、運営委員会。通常こういうときは、どの弁護士さんの名前も明らかになって、ちゃんと公明正大にやるものですよね。ところが明らかにしないですよね。
 もう率直に申し上げて、これは運営委員会の議長の弁護士さんというのはもう大物です、大物弁護士で有名な方ですよね。この方の息の掛かった東京の弁護士さんに自分の思うとおりの取下げ文書を書かせたんじゃないかと、そういう疑いまで、名前を明らかにしないものですから、明らかにしてくれればいいんですけれども、というふうな疑いまで出てまいりますし、この運営委員会の議長の弁護士とこの東京の弁護士との関係、そしてこれは国のお金が絡みますので、委嘱の関係、そして報酬は幾ら払ったのかということは全て国の補助金の問題ですから、明らかにすべきだというふうに思います。
 いずれにせよ、金融庁は非常に誠実に今調査に入ってもらっているのは聞いておりますので、こういう国の補助金も絡む問題ですから、きちんとした調査を続けてもらいたいと。私の方もヒアリングを続けますので、その点、ちょっと確認でよろしくお願いします。
#69
○政府参考人(細溝清史君) ガイドラインの運用上の課題には適切に対処したいと思っておりまして、委員の問題意識も踏まえまして、今後、事実関係をしっかりと確認した上で、被災者の生活再建を支援するというのがガイドラインの趣旨、目的でございますから、その趣旨、目的に基づいて、関係者の御意見も伺いながら、必要な運用の改善を図っていくように働きかけてまいりたいと思っております。
#70
○大門実紀史君 とにかく被災者支援が第一でございますので、しっかりと調査をしてもらいたいと思います。
 法案の中身に入りますけれども、まず前回に続いて金融機関の破綻処理について質問いたします。
 今回の政府案では、資料を最後のところで用意しましたけれども、金融機関が債務超過でない場合、破綻前の段階における新たな措置が設けられました。要するに過少資本に陥ったときの措置なんですけれども、今回新たにそれに証券会社、保険会社も加えると対象を広げたわけですが、問題は、この破綻前の段階で資本注入という手厚い支援までしてあげるのに、ベイルインの問題をやってきましたけれども、この危機を招いた責任のある株主あるいは債権者に負担を求めないと。破綻前ですよ、破綻前で資本増強までしてあげるのに、当事者の株主や債権者には負担を求めないという点が私、大変非常に問題だと思っておりまして、実は、そういう段階になりますと当然株は下がっていますよね。下がっていますよね。この資本増強をしてあげることによって株は元に戻るはずでございます。したがって、これは責任を取らせるどころか、そういう、さっきもありましたけど、いろんなリスクのあるマネーゲームみたいなことをやったその金融機関の株主とか債権者が、株が下がって自分たちが損したものを資本増強によって救われてしまうと。責任取らせるどころか救済策になるんですね。
 実はこれは、あのりそなのときに、りそなが過少資本の問題で、りそな銀行に公的資金というときに、株主責任どうするんだと大問題になったんですよね。そういうことを全く忘れたかのように今回こういう措置が入ったわけでございます。
 株主などの自己責任を取らせず、むしろ救済してあげるというのは一体いかがなものかと。これはおかしいんじゃないですか。
#71
○政府参考人(森本学君) お答えいたします。
 金融機関の秩序ある処理の枠組みにおきまして、金融機関が債務超過でない状況でこの措置を発動する場合は、基本的に預金保険機構の監視と流動性供給によりまして市場取引の縮小、解消を図り、それによりまして金融の危機的状況を脱するといった趣旨でございます。
 それで、先生御指摘の資本増強でございますが、こうした金融機関は、危機的状況を脱した後、自力再建や第三者支援あるいは事業再構築によりまして財務状況を改善して、この預金保険機構の監視等の措置を終了させるといった道筋が必要になるわけでありまして、こうした事業再構築等の中で必要に応じて預金保険機構による優先株式等の引受けを今回規定させていただいているところでございます。
 それで、先生御指摘のモラルハザードの問題につきましては、仮にこうした預金保険機構による優先株式等の引受けが行われます場合には、経営健全化計画の中で株主責任の明確化の方策を定めること等を通じまして株主責任を明確にしていきたいというふうに考えております。
#72
○大門実紀史君 今るるおっしゃいましたけれども、結局株主責任は取らせないということなんですよね。
 これ、去年の金融審議会でもこの点は問題になって、指摘された委員の方がおられる問題でありますが、するっとこうやって何事もなかったように、りそな銀行のときにあれだけ議論したにもかかわらず、するっとこういうことがまた入ってしまっているという問題点でございます。
 次に、お配りしました最後の表の下の方の話なんですけれども、金融機関が債務超過となった場合の処理なんですけれども、これは法的ベイルインの話を前回も申し上げましたが、破綻金融機関の株主と無担保債権者に損失を負担させるというのが法的ベイルインの基本的な考え方でございまして、さらにその場合、過失負担の順位を清算手続に沿って事前にルール化しておいて、透明性あるいは予見可能性を高めるというのが法的ベイルインの国際的な流れでございます。
 ところが、今回のこの図の政府案では、破綻金融機関の資産債務のうち、システム上重要な取引ということを切り分けて、それは受皿の金融機関に移して、ブリッジの方に移して、その取引の全てを資金援助で履行させて保護すると。損失は金融業界の事後負担とするということなんですけれども。この切り分けられた残りの方は、預金保険機構で保護するものを除いて通常の倒産処理に委ねるという、法的ベイルインをなぜやらないんだと言ったら、いやいや、こういうことで対応しますということで出してきたものなんですけれども。
 問題は、このシステム上重要な取引というのは一体何なのかと。これは事前に示されていないということですね。これはそのときに判断するということですけれども、事前に何を守るか、何を保護するかというのは、事前に発表するとモラルハザードを起こすからというふうなことが理由なわけですけれども、逆に言うと、それは場合によっては無担保債権も、この上の方の重要な取引ということをその時々金融庁が判断をすれば、そちらの方で保護してしまうと、保護するということですね。
 したがって、そこに入った無担保債権については、債権者については、債権カットなどの責任を取らせないということになる可能性は否定できないと思うんですけれども、いかがですか。
#73
○政府参考人(森本学君) お答えいたします。
 重要な市場取引の定義でございますが、これは今回の法律上、今回の措置が講じられない場合には我が国の金融システムの著しい混乱を生じさせるおそれがあるものとされております。
 具体的には、金融取引の内容を毀損した場合の第三者に与える影響、金融機関相互の資金関係、金融市場の動向等を踏まえまして、問題が起こった時点で判断されることになるわけでございます。
 なお、一般債権について保護されることになるのではないかという御指摘でございますが……(発言する者あり)無担保の一般債権。これは今回の枠組み全体が金融市場における連鎖的な混乱の防止ということでございます。したがいまして、今述べましたような法律の定義に従いまして、市場の混乱を防ぐために必要不可欠なものをその時点で判断していくということが基本的な考え方でございます。
#74
○大門実紀史君 森本さん、長々答えられますけれど、私の聞いたことには一言も答えていないんですね。
 私が言っているのは、この法的なベイルインという国際的な流れに即してどうなのかと聞いているわけで、これは金融システムを守るためですなんて、そんなこと聞いてないじゃないですか。その上での方策として、ベイルインでやっぱりきちっと責任を取ってもらおうという流れの中で、これを取らせるんですかと聞いているわけですよね。だから、それを取らせない場合があるわけですよ、そういうことですよね。
 法的ベイルインについては、先日、ここの参考人のときに、全銀協の代表も別に受入れを否定しているわけじゃない、研究して対応すべきときはしていきたいということをおっしゃっていますから、麻生大臣も前回、一つの研究テーマとしては考えなきゃいけないということを言われているわけだから、否定しないできちっと考えていくべきだということを再度改めて申し上げておきます。
 もう一つは、この政府案は、損失負担を事後的に金融業界に求めるとはしておりますけれども、例外的に政府補助、つまり税金投入にも道を開いているということですね。これ、どういうケースかということで衆議院で質問がありましたけれど、例外的に、金融業界の事後負担が原則なんだけれども、その事後負担を徴求すると、請求すると金融機関の財務状況を著しく悪化させて金融システムに混乱を生じる場合がある、こういう場合は政府がお金を出しますということですよね。
 これ、よく考えてみたら、こんなことあり得るんですか。だって、変な話でしょう。金融システムの混乱をさせないように公的資金を投入して安定させて、その後、損失が、全部じゃないですね、損失が出たものだけ、だから全額じゃないですよね、公的資金のですね、それを中長期的に負担、分担してもらう話なのに、その負担をしてもらうことによってまた金融システムが不安定に、混乱になると。それはどう考えてもあり得ないじゃないですか。一遍安定させているわけでしょう。それで損失を中長期的に負担してもらうわけでしょう。それでまた混乱を招くなんて、これは全然論理矛盾で、あり得ないと思うんですよね。
 もう時間ないので、聞くと長々ほかのこと言うと思うので、最後ですから麻生大臣にお聞きしたいんですけれど、私は、この税金投入の仕掛けというのは今回要らないんじゃないかと。これを置いておくことによって安心させるんだというような論理がありますけれど、さっき言ったベイルインの流れできますと、そうじゃなくて、もっとみんなが自己責任を果たして規律を持ってやることこそ、それこそ信頼だと、安心だという国際的なG20の流れがあってきているわけですから、わざわざここにまた税金投入のほとんど可能性のないかも分からないようなものを置いておく必要はないんじゃないかと、時代は変わったんじゃないかと思うんですけれど、最後にいかがでしょうか、大臣。
#75
○国務大臣(麻生太郎君) これは御指摘のありましたように、金融機関のいわゆる処理、いろいろな秩序を伴う処理の費用負担につきましては、これは基本的には金融業界の事後負担というものを原則としております。これはもうここに書かれておるとおりであります。
 これによって、問題は著しい金融システムの混乱の生じるおそれが出た場合に政府補助も可能にしているということでありまして、多分これの一番極端で分かりやすい例といったら多分アイルランドだと思いますけれども、アイルランドは政府として、財政としてみれば、国債の比率は二〇%以下だったと記憶しますけれども、そういう健全な財政だったんですが、アイルランドにあります全銀行が漏れなく例のサブプライムローンに引っかかって全銀行破産、全銀行破産したわけであります、即で。したがって、金の引き出しはできない、何はできないってえらい騒ぎになって、結果としてアイルランドは財政破綻。なぜなら、その全銀行の金を政府が保証したからです。そして、預金者のあれを保護したというのがあのときの経緯だったと思いますが。
 あれは極端な例だと思いますけれども、日本の場合は、御存じのように、サブプライムローンに引っかかったという例は、一部ありましたけれども、まあ英語ができなかったのが一番大きな理由だと思いますけれども、あれに引っかかった人は余りいなかったんですね、あのとき。それで、結果として日本の信用システムというのは結構いけることになったのがあのときの背景だと、二〇〇八年の背景だと思いますが。
 おっしゃるように、公的資金があると安易に頼ることになってモラルハザードを来すのではないかという大門先生の御指摘というのは、これは大変重要なところでありまして、今後ともこれの規制を運営していくに当たりましてはその点を十分に配慮してやらせていただかねばならぬ、さように思っております。
#76
○大門実紀史君 終わります。
#77
○委員長(藤田幸久君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 これより討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
#78
○大門実紀史君 本法案に反対の討論を行います。
 本法案には、公募増資インサイダー取引行為の規制強化、AIJ投資顧問事件を踏まえた規制強化など賛成できる内容もありますが、重大な問題点も含まれております。
 その第一は、国際合意の破綻処理制度である法的ベイルインが採用されていないことです。
 法的ベイルインは、破綻金融機関の株主や無担保債権者に損失を負担させるもので、負担の優先順位を事前にルール化し、必要ならば公的資金で補う仕組みです。再発防止のため、危機を招いた当事者への自己責任原則を徹底する立場を貫いております。
 ところが、今回の政府案は、危機に際して政府の判断で括弧付きの重要な取引を保護し、残りを倒産処理に委ねるものです。これでは行政裁量により無担保債権者が損失負担を免れることができるなど、自己責任原則が骨抜きにされてしまうおそれがあります。また、破綻前の段階で株主などの負担を求めず、公的資金による資本増強の仕組みがありますが、これも自己責任原則を逸脱するものです。
 問題点の第二は、危機に際し、例外的としつつ政府補助、すなわち税金投入の仕組みを残し、さらに銀行以外の金融機関にも広げたことです。破綻に何ら責任のない国民に負担を転嫁する危険性のあることから、賛成することはできません。
 以上、反対討論といたします。
#79
○委員長(藤田幸久君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。
 これより採決に入ります。
 金融商品取引法等の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#80
○委員長(藤田幸久君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 この際、金子君から発言を求められておりますので、これを許します。金子洋一君。
#81
○金子洋一君 私は、ただいま可決されました金融商品取引法等の一部を改正する法律案に対し、民主党・新緑風会、自由民主党及び公明党の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    金融商品取引法等の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、次の事項について、十分配慮すべきである。
 一 実体経済を支えつつ、成長産業として経済をリードするという我が国金融業が果たすべき役割を踏まえ、金融機能の安定、市場の公正、利用者の保護等に万全を期すとともに、我が国金融資本市場の国際的な魅力を高め、アジアのメインマーケットたる市場を実現するための取組を推進すること。
 一 公募増資に関連したインサイダー取引事案が、我が国市場の透明性、公正性に対する信頼を揺るがすものであることに鑑み、不公正な取引等を未然に防止するべく、自主規制機関や金融商品取引所を含めた関係者との連携を図りつつ、本法による規制の運用に万全を期すこと。
 一 AIJ投資顧問による年金資産運用問題と同種の事案の再発を防止するため、本法による罰則の強化等資産運用規制の見直しを厳正に運用するとともに、近時の事例等も踏まえ、本法による見直しの対象とならない業者への規制についても、実効性ある投資者保護に資する対策を引き続き検討すること。
 一 証券・金融と商品を一体として取り扱う総合的な取引所の創設が、我が国市場の国際競争力の強化及び利用者利便の向上を図るために重要な取組であることに鑑み、金融庁、農林水産省及び経済産業省が連携して、取引所等の関係者に対し一層の取組を促すなど、その早期実現に向けて取り組むこと。
 一 中小企業者等に対する金融の円滑化を図るための臨時措置に関する法律の期限到来後における中小企業金融の円滑化に関しては、関係省庁において取りまとめられた総合的な対策を引き続き推進するとともに、金融機関によるコンサルティング機能の一層の発揮と合わせて、株式会社地域経済活性化支援機構を始めとする関係機関との協力の下、中小企業者等の事業再生等に向けた取組の強化を図ること。
   右決議する。
 以上でございます。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
#82
○委員長(藤田幸久君) ただいま金子君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#83
○委員長(藤田幸久君) 多数と認めます。よって、金子君提出の附帯決議案は多数をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対して、麻生内閣府特命担当大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。麻生内閣府特命担当大臣。
#84
○国務大臣(麻生太郎君) ただいま御決議のありました事項につきましては、政府といたしましても御趣旨を踏まえまして配慮してまいりたいと存じます。
#85
○委員長(藤田幸久君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#86
○委員長(藤田幸久君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午前十一時五十二分散会
ソース: 国立国会図書館
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