くにさくロゴ
2013/06/04 第183回国会 参議院 参議院会議録情報 第183回国会 外交防衛委員会 第7号
姉妹サイト
 
2013/06/04 第183回国会 参議院

参議院会議録情報 第183回国会 外交防衛委員会 第7号

#1
第183回国会 外交防衛委員会 第7号
平成二十五年六月四日(火曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 五月三十一日
    辞任         補欠選任   
     石川 博崇君     荒木 清寛君
 六月三日
    辞任         補欠選任   
     風間 直樹君     難波 奨二君
     榛葉賀津也君     斎藤 嘉隆君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         加藤 敏幸君
    理 事
                大野 元裕君
                柳田  稔君
                宇都 隆史君
                末松 信介君
                荒木 清寛君
    委 員
                北澤 俊美君
                斎藤 嘉隆君
                難波 奨二君
                広田  一君
                猪口 邦子君
                佐藤 正久君
                島尻安伊子君
                松山 政司君
                若林 健太君
                山本 香苗君
                小野 次郎君
                佐藤 公治君
                山内 徳信君
                舛添 要一君
   国務大臣
       外務大臣     岸田 文雄君
       防衛大臣     小野寺五典君
   副大臣
       外務副大臣    鈴木 俊一君
       外務副大臣    松山 政司君
   大臣政務官
       外務大臣政務官  若林 健太君
       防衛大臣政務官  佐藤 正久君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        矢嶋 定則君
   政府参考人
       外務大臣官房長  越川 和彦君
       外務大臣官房審
       議官       岡   浩君
       外務省領事局長  上村  司君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○理事補欠選任の件
○政府参考人の出席要求に関する件
○在外公館の名称及び位置並びに在外公館に勤務
 する外務公務員の給与に関する法律の一部を改
 正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
    ─────────────
#2
○委員長(加藤敏幸君) ただいまから外交防衛委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日までに、石川博崇君、風間直樹君及び榛葉賀津也君が委員を辞任され、その補欠として荒木清寛君、難波奨二君及び斎藤嘉隆君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(加藤敏幸君) 理事の補欠選任についてお諮りいたします。
 委員の異動に伴い現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。
 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(加藤敏幸君) 御異議ないと認めます。
 それでは、理事に荒木清寛君を指名いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(加藤敏幸君) この際、外務副大臣から発言を求められておりますので、これを許します。鈴木外務副大臣。
#6
○副大臣(鈴木俊一君) 外務副大臣の鈴木俊一でございます。
 我が国の外交には課題が山積しております。我が国の安泰と領土、国民の生命、財産を守りながら、日本を再構築するための外交を目指します。
 特に、アジア大洋州、南部アジア、中東、中南米諸国との関係強化に努め、安全保障、経済外交の課題に全力で取り組みます。また、海外への情報発信や文化外交を積極的に推進するとともに、邦人の保護にも万全を尽くします。
 加藤委員長を始め委員各位の御支援と御協力を心からお願いを申し上げます。
    ─────────────
#7
○委員長(加藤敏幸君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 在外公館の名称及び位置並びに在外公館に勤務する外務公務員の給与に関する法律の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、政府参考人として外務大臣官房長越川和彦君外二名の出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#8
○委員長(加藤敏幸君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#9
○委員長(加藤敏幸君) 在外公館の名称及び位置並びに在外公館に勤務する外務公務員の給与に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案の趣旨説明は既に聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#10
○広田一君 民主党・新緑風会の広田一でございます。
 本日は、在外公館法関係と先般の大臣所信の質疑で質問できなかった事項等、限られた時間でございますが、よろしくお願いを申し上げます。
 まず、在外公館法関係でございますけれども、先般閉幕をいたしました第五回のアフリカ開発会議、これにおきまして、日本は今後アフリカに対しまして、五年間で、官民合わせてですけれども、最大で三・二兆円の支援をするということを表明したところでございます。
 このTICADの開催に合わせまして、港区のジェトロで開かれました、エチオピア、コートジボワール、モーリシャス、この各ビジネス投資セミナー、これ申込みが殺到したというふうにお聞きをしているところでございます。本当に痛ましい事件でございましたあのアルジェリアの事件が起きた後もなお、日本企業のアフリカビジネスへの関心の高さというものが示されているんだろうというふうに思うところでございます。
 現在、アフリカにおける海外在留邦人数は、平成十六年から二十三年の七年間で約三四%の増加となっております。一方で、治安であるとかテロ行為、これについては不安が増大している面もあるわけでございまして、予測の付かない危険性にさらされる国もあるところでございます。
 こういった中、在外公館の定員が減少傾向にある中で、アフリカ諸国における情報収集、そして危機管理体制の強化、今後どのように図っていくのか、外務大臣の方にお伺いしたいと思います。
#11
○国務大臣(岸田文雄君) 御指摘のように、先日のTICADXを始め、我が国が国際社会において様々な国際貢献、そして協力を進めていく中にあって、邦人あるいは日本企業の安全を確保していくという視点、大変重要だと認識をしております。
 そういった中にあって、アルジェリアにおけるテロ事件の教訓を踏まえまして、外務省としましても、こうした邦人や日系企業の安全のために様々な施策を今進めつつあります。そして、官邸におきましても、検証委員会での報告、あるいは有識者懇談会での報告、こういったものがアルジェリアのテロ事件を受けて取りまとめられているわけですが、そうしたことも念頭に、外務省としましては、先般、在留邦人及び在外企業の安全確保策、さらに国際テロ対策の強化、こうした二つの大きな課題について具体策を取りまとめさせていただきました。
 在留邦人、在外企業の安全確保策としては、一つは、官民集中セミナー等を通じた官民連携の強化、あるいは在留届制度の改善ですとかショートメッセージサービス等の活用による情報発信の強化、そして緊急時に現地に迅速に赴く海外緊急展開チームの編成、こうした具体策を今後進めていきたいと存じます。
 情報収集あるいは分析の体制強化などの中長期的な課題についても、対策チーム、引き続きまして外務省の中に存続させまして検討していきたいと考えております。
 そして、もう一つの大きなテーマであります国際テロ対策の強化につきましても、米国との間で国連薬物犯罪事務所を通じたリビアにおける共同プロジェクト、これを実施することを決定させていただきました。また、アルジェリアとの間で近くテロ対策等に関する協議を開催すること、これも合意をさせていただきました。また、国連機関の協力を得て、サヘル及び北アフリカ各国に警察・国境管理能力向上訓練、研修を行う、さらには司法制度強化を実施する、こういったことも決定をさせていただきました。
 こうした具体策を進めながら、こうした邦人あるいは日系企業の安心、安全を確保するための背景には、テロとかあるいは貧困、こうした大きな課題が存在いたします。引き続きまして、サヘル・北アフリカ地域に対する支援ですとか、アラブ・イスラム諸国との意思疎通、こういったことに努めていかなければいけない、このように考えております。
#12
○広田一君 大臣の方からるる御説明をちょうだいをしたところでございます。今後とも、官民の連携であるとか、米国始め主要各国との調整、このことを通じて具体策を講じていくというふうなお話でございました。
 そういった中で、少し細かいといいますか、重要な点で、先ほど大臣の方からお話がございました検証報告書の中で、すぐ取り組むべき情報収集体制の一つとして、それぞれの大使館等々において携帯電話を含めたいわゆる通信機器の用意、これがまだまだ不十分であるということなので、これを迅速に進める必要があるというふうな旨の報告書がございました。
 これは、やっぱりやろうと思えばすぐできることでございますので、こういった事柄について具体的に取組を進めているのかどうか、この点についてお伺いしたいと思います。
#13
○国務大臣(岸田文雄君) 先ほど申し上げさせていただきました様々な具体策を進めているわけですが、その中にありまして、情報発信の強化、そして様々な情報の共有、連携、大変重要な課題だと存じます。そうした課題の中で、御指摘の点につきましてもしっかり進めていきたいと考えております。
#14
○広田一君 しっかり進めるということですので、まだ十分に対応されていないということだろうと思います。これは迅速にすぐできることだと思いますので、よろしくお願いを申し上げたいと思います。
 次に移りたいと思いますが、これもお話ありましたアルジェリア事件の検証報告書におきまして、情報収集手段といたしまして、アフリカを念頭に、防衛駐在官の増員等々、体制強化拡充を図る必要があると、こういった指摘がされているところでございます。
 現在、防衛駐在官につきましてはエジプトとスーダンに限られているわけでございます。今後のアフリカの防衛駐在官の強化につきまして、欧州等の防衛駐在官の再配置で対処するとか、限られた定員の中で非常に御苦労されているんだろうというふうに承知をしているところでございますが、これらを踏まえて今後どのように対応していくのか、来年度の概算要求に向けて基本的な方針があればそれを示していただければというふうに思います。
#15
○副大臣(松山政司君) 広田委員にお答えいたします。
 防衛駐在官ですが、軍事情報の収集、関連当局との協力、交流促進等、外交上の必要性を踏まえて、派遣元である防衛省とも協議の上、配置をしております。アルジェリアにおけるテロ事件の検証報告、二月二十八日に発表されましたが、アフリカ等の防衛駐在官を派遣していない地域に関して調査を実施した上で、我が国にとって有益な情報を入手可能な国があれば、未派遣国への新規派遣あるいは兼轄、未派遣地域に影響力を有する国への増員など、防衛駐在官の体制の強化拡充を図る必要があるというふうに報告をなされています。
 委員おっしゃるように、エジプトとスーダン、アフリカにおいては二名のみでございますので、外務省としては、報告書において指摘された観点から防衛省と具体的な方策について検討することが必要だと考えております。
 TICADXにおきましても、アフリカの成長に向けて官民連携の投資ということで力強く総理から発表されましたので、民間の安全という観点からも防衛省ともしっかり連携を取って、具体的な配置の在り方を検討してまいりたいというふうに思っております。
#16
○大臣政務官(佐藤正久君) 広田委員御案内のとおり、防衛駐在官は、駐在国の国防当局や他国の駐在武官などから軍事情報を収集する上で重要な役割を果たしております。今、松山副大臣からありました検証委員会検証報告書の結果に加えまして、五月三十日には在留邦人及び在外企業の安全確保に関する政府の取組について公表されました。その中におきまして、防衛駐在官に関しましては、我が国にとって有益な情報が入手可能なアフリカ地域を始めとする国について防衛駐在官の新規派遣などの増員を行うなど、防衛駐在官の体制の強化充実を図るとされているところであります。
 よりまして、配置の見直しに加えて増員ということも視野に入れながら、外務省と連携を深めまして体制の強化拡充に努めてまいりたいというふうに思います。
#17
○広田一君 それぞれ御答弁をちょうだいをしたところでございますが、いずれにしても、アフリカにおける防衛駐在官の充実強化、これを図っていかなければならないというふうに思います。
 配置をする場合には、例えば英語圏のガーナ、タンザニアであるとか、いわゆるアフリカ軍の主力のナイジェリアとか、ビジネスというふうな面でいえば南アフリカであるとか、AU本部のあるエチオピアであるとか、それぞれ有力なところはあろうかというふうに思うところでございますが、何か具体的に念頭に置くところ、有効だというふうに考える具体的な国があればお示しを願いたいというふうに思います。
#18
○大臣政務官(佐藤正久君) お答えいたします。
 今も答弁したように、現在、防衛駐在官の充実、拡充について検討しているところでありまして、現時点で具体的な派遣先等について決まっている状況にはございません。しかしながら、この報告書あるいは政府の方針を踏まえまして、外務省としっかりと連携をして体制の強化、これを図ってまいりたいというふうに考えます。
#19
○広田一君 是非、体制の強化、具体的により一層進めていただきたいというふうに思います。
 次に、これは要請をしたいというふうに思いますけれども、在勤基本手当の為替変動への対応についてでございます。
 在勤基本手当の改定は、今回、平均改定率が一・五%の減となっておりまして、予算総額も二億一千三百万円の減額となります。他方で、一般的生計費調査以降、大幅な円安が進んでおりまして、昨年秋のドルレートは一ドル約八十円であったものが、最近では一ドル約百円となっているところでございます。半年間で二十円、二五%の為替変動が進行しているところでございます。
 こうした円安への対処として、増額調整等々行わなければならない公館等が少なくないというふうに推測をされているところでございます。この法案の審議というものは、本来は日切れ扱いであったものが様々な諸事情で本日に至ったわけでございますので、こういったことも含めて適時適切に対応いただくように、これについて強く要請をしたいというふうに思うところでございます。
 それでは次に、この前の大臣所信でお聞きできなかった点、特に自衛隊法の改正についてお伺いをしたいというふうに思います。
 今回のこの自衛隊法の改正、今衆議院の方に提出されております。陸上輸送を可能とするというものでありますけれども、これは、世間一般的には、今回のアルジェリアの事件を踏まえて自衛隊法改正出てきたというふうに言われておりますけれども、実際は私は違うと思っております。これは、自民党さんは以前から、朝鮮半島有事、こういったものを想定してこの問題について強い問題意識を持っていたというふうに考えているところでございます。
 そこで、まず自民党が野党時代の平成二十二年六月十一日に提出いたしました在外邦人避難措置に関する自衛隊法改正、これについて小野寺防衛大臣はどのように関与されていたんでしょうか。
#20
○国務大臣(小野寺五典君) 御指摘の法案ですが、外国における緊急事態に際し、邦人の避難のため自衛隊がより広範に対応できるようにすべきという問題意識から、憲法の関係も含めて党内で議論を重ねまして、平成二十二年六月に議員立法として国会へ提出いたしました。私はこの法案の提出者の一人であります。当時も在外邦人の保護の在り方については問題意識を有しておりまして、党の外交部会長として法案の作成にも取り組ませていただきました。
#21
○広田一君 御答弁あったように、大臣は筆頭提出者ということで携わっていると思います。
 それでは、この自民党案のポイントについて簡潔にお伺いしたいと思います。
#22
○国務大臣(小野寺五典君) この法案では、命令権者を防衛大臣から総理大臣に変更し、輸送の安全に係る要件をなくす、国会の事後承認を義務付ける、輸送手段に外国の領域内での陸上輸送を追加する、そして、いわゆる任務遂行型武器使用の一つとして、輸送と警護に対する妨害行為を排除するための武器使用を追加するということが主な内容でありました。
#23
○広田一君 御答弁にございましたように、この自民党案のポイントの一つは、輸送の安全が確保されていることを要件としない、つまり外すということがこの改正案のポイントの一つでございます。
 私は、この輸送の安全の確保要件は、紛争地域で安全でないから自衛隊が任務を行わないという意味ではなくて、邦人をそれこそ安全に運ぶためには、空港の滑走路が破壊されていないとか、港湾が接岸できない状況でないとか、これは物理上の安全というものを示すことであって、むしろ、邦人の生命、身体の保護、この法律の趣旨の観点からいうと私は当然のことを規定したものというふうに考えているわけでございますけれども、それに対して、当時、小野寺防衛大臣は、なぜ輸送の安全が確保されていることを要件としないことが必要であるというふうに考えられたんでしょうか。
#24
○国務大臣(小野寺五典君) これは党内で様々な議論がありましたが、これは今回の改正法案の中でも、やはり輸送の安全ということがストレートに出てしまうと、それは安全なところであれば特に自衛隊が行く必要はない、安全が確保されているところであればむしろ民間の航空機でも大丈夫ではないかと、そのような議論が種々あったと思います。
 ですから、そのような解釈の中で、ここにストレートに輸送の安全という要件があるということは、内容としてそういう違ったメッセージが伝わるのはいかがかなというような議論があったということは記憶をしております。
#25
○広田一君 今回、衆議院で議論されております改正案では、輸送の安全の要件を実質的な変更はしておりません。誤解のないように趣旨をより明確にしたものだというふうに理解をいたしております。
 けれども、今の大臣の御答弁をお聞きをいたしますと、では、その安全の確保について当時は誤解をされていたということなんでしょうか。それとも、大臣の場合はこの問題については非常に精力的に取り組んでおられましたので、先ほど申し上げたように、安全なところであれば自衛隊が行く必要がないという、非常に分かりやすいけれども、一方で非常に短絡的な考えに基づいてこの輸送の安全を外すということを考えられたのか。種々の議論があった上で、今回、その安全の確保を外すということが間違っていたということで外さないようになったのか、この辺のちょっと整合性のある御説明をいただきたいと思います。
#26
○国務大臣(小野寺五典君) 恐らく委員の質問の御趣旨というのは、自民党で法案を作成し、そして提出したときに、それが政府提出法案、現在の法律との違いがあると、それはどうしてかということで、恐らく今の輸送の安全のことも含めて御質問をされていると思います。
 今回の在アルジェリア邦人に対するテロ事案の検証で、今回この法案を作らせていただきました。それは、在外邦人を陸上輸送する必要性や輸送対象者の範囲の拡大といった課題、これが今回の在アルジェリア邦人に対するテロ事案での検証ということで明らかになったと思います。今般のテロ事案のように、海外において邦人の保護が必要となる緊急事態、これはいつでも起こり得るということだと思います。
 政府としては、まずこれらの課題に一日も早く対応するということ、これが必要ということで、今回、四月十九日に自衛隊法改正案を国会に提出しまして、今衆議院の方で審議が始まっているところであります。
 一方、海外で活躍する自衛隊は、例えば新たな武器使用権限を付与するということ、こういうことは自衛隊法の前回の自民党法案の作成過程でも様々議論がなされておりました。国際法や憲法との関係など各種の課題、これが全体にあるということもこれも事実です。
 私としては、自民党法案の作成にかかわった一人として、在外邦人の安全確保に引き続いて取り組んでいく所存は今でも変わっておりません。今後とも、必要な制度の見直し、これは私ども必要だと思っておりますし、不断の検討も必要だと思っておりますが、今回の隊法改正というのは、いつ起こり得るか分からないような緊急事態、これに備えて一日でも早く、まず一つ一つ前に向けるような改正をするということが重要だということで提出をさせていただいたところでございます。
#27
○広田一君 緊急性ということを強調されているところでございますけれども、しかしながら、輸送の安全を確保をしなくてもいいという考え方と、今の提案されている輸送の安全を確保した上で邦人輸送に万全を期す、これについては緊急性を要するというふうなことは、全く基本的な哲学、考え方が違うわけでございますので、今の緊急性をもってこの輸送の安全の確保をなぜ外すというふうなことを今回の法案に盛り込まなかったのかということの説明にはなっていないというふうに思いますけれども、いかがでしょうか。
#28
○国務大臣(小野寺五典君) 再度お話をさせていただきますが、私どもは、今後とも必要な制度の見直しについては不断の検証が必要だと思っております。
 ただ、今回、政府提出法案につきましては、アルジェリアの邦人事案に関して検証が出ました。その検証に基づいて、これは防衛省としては、速やかに私どもができる中での対応の変更、これをする必要があるということで、今回、自衛隊法の改正の提出をさせていただいているところでありまして、これは、まずいつ起こるか分からないことに緊急に対応するということ、そして私としては、在外邦人の安全確保に、これを引き続き取り組むためには今後とも必要な制度の見直しというのは必要である、不断に検討していく必要がある、そのように考えております。
#29
○広田一君 委員長、済みませんが、ちょっと質問に答えていないので、整理をお願いします。
#30
○委員長(加藤敏幸君) 質問を再度改めてしていただければ。
#31
○広田一君 今るるお話のあった緊急性というものは私も理解するところでございますが、輸送の安全の確保を図るということと、それを外すということは百八十度違うわけであります。基本的な考え方、認識が異なるわけでございます。
 野党時代はそのことを主張されながら、まさしく防衛大臣というこの法案を作成する責任者となったときに全く百八十度違う考え方になったということについてしっかりと説明をしなければならない、その際には緊急性というものは理由にならないということを私は申し上げているわけでございます。
#32
○国務大臣(小野寺五典君) 方針としては全く変わっておりません。
 私は逆に委員に、この緊急性は私ども必要だと、これは社会の要請と理解をしております。今回のアルジェリア事案に関しての様々な報告書が出て、それに対してやはり緊急に今できることをすぐにやるべきということで隊法改正をさせていただきました。
 そして、先ほどからお話をしておりますように、これは私としては、自衛隊法の作成に携わった一人ということでありますので、今後とも必要な制度の見直しについては不断の検討をする必要があると考えております。ですが、今防衛省に求められております、一日も早いまず体制を整備するという中で、今回の隊法改正ということを提出をさせていただいたということであります。
#33
○広田一君 ですので、緊急性ということの理由で、非常に隊員も含めてこれはリスクを背負って邦人輸送に携わるわけであります。その中で、野党時代は安全性、これは確保しなくてもいいんだということをおっしゃっていて、今回は、いやいや、それはもう従来どおりでいいんですということは、全く百八十度違う見解を示されているわけであって、それを緊急性をもってして説明をするというのは、今の大臣の答弁というものは私は納得がいかないというところでございます。
 済みません、この点についてはもう少し今後議論も深めていきたいというふうに思いますけれども、次のポイントでございます。
 先ほども御説明がございましたように、自民党案では任務遂行型の武器使用権限の付与、これを認めておりますが、これは私の理解でございますが、当時、小野寺大臣始め自民党の皆さんは、邦人保護というものは国家の責務であると、一定の条件下での邦人保護は自衛権の行使の一つであって、よって、緊急時の邦人輸送のための限定的な武器使用は、憲法第九条一項で言う国際紛争を解決するための武力の行使とは一線を画すものであると、こういった整理をした上で任務遂行型の武器使用権限の付与をしたわけでございます。しかし、今回はこれについては自己保存型にとどめているわけでございます。これまた百八十度違う、野党時代に提案したことと今回提案したことは全く違うわけでございますが、これも緊急性ということで説明をされるわけでしょうか。
#34
○国務大臣(小野寺五典君) 百八十度違うという言い方は私は違うと思います。
 いずれにしても、邦人をどのような形で私ども保護できるかということ、それを検討している最中の今検討過程なんだと思います。そして、自民党法案、このときに検討した内容につきまして、私どもとしては今後とも制度の見直しは必要だと、そして不断の検討をしていく必要があると思っております。その中で、今回速やかに出せる内容ということで自衛隊法改正を出させていただきました。
 大切なのは、いつ同じような事案が起きるか分からないということであります。それに向けて少しでも任務ができるような体制をお願いしたい、それが今回の自衛隊法改正を出させていただきました意図でございます。
#35
○広田一君 済みません、そうすると、大臣、検討過程ということをおっしゃっておりますけれども、じゃ、検討過程で十分防衛省内でも、また大臣の腹の中でも煮詰まっていないものを今国会に出されたというふうなことなんでしょうか。それは余りにも私は無責任だというふうに思います。隊員はそれぞれがやっぱり命を懸け、リスクを持って現場に赴くわけでございます。そういった隊員に対してまだ検討が続いているというふうな法案を取りあえず出すということは、私はこれはいかがなものかというふうに思います。
 出す以上は、これが今考え得る最善のものであると、そういうふうなことをもってして私は出すべきでありますし、しかも、この邦人輸送については、先ほど来申し上げたように、自民党の皆さんは自らの考え方ということで野党時代に一定まとめて、まさしく党内議論を尽くして出された経緯があるわけでございます。それをさておいて、そういうふうな言い方で検討過程のものを出してこられるということは、私はちょっと国民の理解を得ることができないというふうに思いますけれども、いかがでしょうか。
#36
○国務大臣(小野寺五典君) 今回の内容については、アルジェリアの邦人事案のその検証が出た中で、私どもとして求められることについてまとめさせていただいたということであります。
 大切なのは、いつ起こるか分からないこれらの課題に一日も早く対応することだというふうに思っておりますので、様々課題が残っていることは事実です。国際法や憲法との関係、このようなことを今後議論すること、これは国会にもこのような議論が更に深まっていくこと、それも重要なことだと思っております。
#37
○広田一君 そういうふうな御見解で出されている、今後も課題があるんだ、国会で議論していかなければならないというふうなことでございますけれども、冒頭申し上げたように、自民党の皆さんは以前から、この邦人輸送、また陸上輸送も含めて問題意識を持っていたというふうに思っております。
 そうしたら、若干視点を変えて申し上げたいというふうに思うんですけれども、任務遂行型の武器使用権限の付与について、これは大臣はこの方向で進めるべきだというふうにお考えなんでしょうか。
#38
○国務大臣(小野寺五典君) 私どもとしましては、例えば、国際法そして憲法との関係の議論が深まること、国会で深まることが必要だと思っております。
#39
○広田一君 自民党が野党のときには、この点については一定議論をして整理をされているというふうに私は理解をしておりましたけれども、じゃ、そうでなかったということが今の御答弁で明らかになったところでございます。
 であるんだったら、まさしくこの国会の場にその考え方を示して議論をしなければならないのではないでしょうか。このことに全く正面から向き合わずに、とにかく緊急性ということでこの法案は出されております。しかも、その緊急性について、もう時間がないので今日は、陸上輸送の実効性についての議論というものは今後、以後やりたいというふうに思っておりますけれども、国家の意思として陸上輸送をやるということは一つ大事なことだというふうに私も理解できます。
 一方で、今回のアルジェリアの事案を踏まえた上で、本当にこれが実効性あるものになるのかどうか、このことについては議論をやっぱり深めていかなければなりません。緊急性ということをもってして、本当に同じような事案があったときに自衛隊が陸上輸送を実施をすることができるのか。これは、空、海の対応以上に、いつ何どき事態の変化が起こるか分からないような状況の中で、本当に大臣が言われるように、大臣のお話だと、これから同じような事案が起きたらすぐ陸上輸送ができるような言い方をされておりますけれども、これがかえってやっぱり無責任な御答弁になることを私は非常に懸念をいたしております。
 この点のことを指摘をいたしまして、私の質問を終わりたいと思います。
#40
○荒木清寛君 まず、外務大臣にお尋ねいたします。
 平成二十五年度における外務省の定員は、二十四年度末時点から十名減の五千七百五十三人です。近年、一貫して外務省の定員は増員が図られてきましたけれども、今般、約四十年ぶりに純減となった理由についてお尋ねいたします。
 そして、現在、安倍政権は、外交実施体制の強化、これはマンパワーの増強も含む外交実施体制の強化についてどういう見解を持っているのか。私はそうした意味では、外務省定員の拡充も図る必要があると考えますが、大臣の見解をお尋ねいたします。
#41
○政府参考人(越川和彦君) お答え申し上げます。
 先生御指摘のように、我が国の国益を増進するためには外交実施体制の強化は不可欠であると考えてございますが、平成二十五年度外務省定員につきましては、厳しい予算、定員事情の中で徹底した合理化を図ったことにより、御指摘のとおり純減となってございます。外務省といたしましては、重要課題、外交課題に対し効率的かつ効果的な業務遂行が可能となりますよう、人員の適切な配置に努めておりますが、外務省の定員は五千八百人に満たない状況でございまして、他の主要先進国と比較して限られた人員となってございます。
 先日、自民党の外交部会におきまして外交実施体制の強化を求める決議が採択されてございます。攻めの外交を実践すべく、外交当局の司令塔機能を強化し、外務省定員の減員を改め、大幅な増員を確保することが要請されているところでございます。
 今後、外務省人員につきましては、こうした決議を踏まえつつ、重要な外交課題に沿って効果的、効率的な業務遂行が可能となるよう、常に見直しを図っていく所存でございます。真に必要な人員を確保してまいりたいというふうに考えてございます。
#42
○荒木清寛君 次に、在外公館の整備方針について大臣にお尋ねいたします。
 岸田大臣は、五月九日の当委員会で私の問いに対しまして、在外公館の整備目標について近いうちに新たな目標を設けたいと答弁をされました。その目標は具体的にどういうタイミングで示されるのか。また、それは従来、前の自公政権下では大使館百五十公館体制を目標としておりましたけれども、それ以上の目標になるのか、大臣の見解をお尋ねします。
#43
○国務大臣(岸田文雄君) お尋ねの今後の在外公館の整備目標ですが、まず政府全体の財政状況、さらには主要国の設置状況、例えばフランスは百六十三、大使館を持っております。ドイツは百五十三の大使館を持っております。こうした主要国の設置状況を踏まえて、是非主要国並みの実施体制の実現を目指していきたいと考えています。いましばらく与党ですとか国会での御議論も承らなければいけないと思っておりますが、基本的には、今申し上げましたように主要国並みを実現したいと考えております。
 具体的な整備の在り方については、例えばさきの自民党の外交部会で採択された決議などにもありますが、外交課題がますます多様化している中、今こそ攻めの外交を戦略的に展開すべく、質、量とも外交実施体制を手当てする必要がある点、こういった点を踏まえて検討していきたいと考えております。
#44
○荒木清寛君 次に、在勤基本手当の改定についてお尋ねします。
 民主党政権下で始まりました民間調査機関による世界各地の一般的生計費調査の結果が今回の改定にも反映をされております。しかし、この一般的生計費調査を行う民間企業の選定については、外務省は企画公募の方法により選定をいたしましたが、実際は公募に応募した企業は一社のみ、その企業が調査を行ったわけでございます。その調査委託費というのはそれほど巨額な金額ということではもちろんございません。
 そこで、大臣にお尋ねするのは、安倍政権下においても今後も引き続きこの一般的生計費調査という手法は実施をするのか、もし同じように実施をするのであれば、企画公募に応じたのが一社のみということについては、もう少し透明性、客観性を高めるための何らかの改善策も場合によっては必要になるわけでありますけれども、この点につきましてお尋ねいたします。
#45
○政府参考人(越川和彦君) 今先生から御質問ございました一般的生計費調査でございます。
 外務省といたしましては、この民間調査機関による生計費調査を取り入れました結果、在勤基本手当の適正が高まったと、このように考えてございます。この点は、外務省の省令、組織令に基づきまして設置してあります外務省人事審議会にも評価されております。昨年七月の勧告でも、引き続きこの生計調査を行うべしとされてございます。したがって、今後も引き続き実施していきたいというふうに考えてございます。
 他方で、企業選定における透明性、客観性を高める努力が必要な点、先生から御指摘のあったとおりでございます。選定方法あるいは調査項目を不断に見直すことにより、透明性あるいは客観性を高められるように努めていきたいというふうに考えてございます。具体的には、本年より調査実施機関の選定に当たりまして、外務省の必要とするデータの仕様の詳細を指定した上で一般競争入札によることとしたいというふうに考えてございます。
#46
○荒木清寛君 次に、先ほど、五月三十日、政府は在留邦人及び在外企業の安全確保に関する政府の取組をまとめました。この取組を進めるに当たりまして、本年のアルジェリア事件の際もそうでありましたけれども、民間企業の現地駐在事務所、現地駐在場所等と在外公館の連絡体制の強化、また外務省の実館がない国や地域にいる企業、邦人に対しての連絡体制の確立や緊急対応についても十分な体制を整える必要があると考えますが、この点についてどう進めるのか、外務省の方針をお尋ねします。
#47
○政府参考人(上村司君) お答え申し上げます。
 外務省といたしましては、在アルジェリア邦人に対するテロ事件以降、百七十六の在外公館で安全対策連絡協議会を開催いたしております。その中では、情報共有、現地危機管理体制に関して議論するなど、既存の官民協力体制の活性化を行い、官民双方向の情報共有あるいはネットワークの強化について既に取り組んでいるところでございます。
 御指摘の今後のことでございますが、引き続きまして、遠隔地あるいは兼轄国を含む企業あるいは邦人との連絡体制、あるいは緊急事態発生時における対応に関する体制の強化は大変必要なことでございます。企業が得た情報とそれから政府が持っている情報との共有、それから意見交換、官民双方向での意思疎通というのを行うためにも、こういった体制強化を通じましてネットワークの強化、そしてそういう総合的な取組を更に今後進めていきたいと考えております。
#48
○荒木清寛君 最後に大臣にお尋ねいたします。
 再び在勤基本手当の改定に戻りますけれども、今回の改正による平均改定率は一・五%減ということで、予算総額では二億一千三百万円の減額となっております。近年、在勤基本手当や各公館の運営費が減少傾向にある中、基礎的で地道な情報収集活動が困難になるのではないかという危惧もあり得ると思いますけれども、この点について大臣の認識をお尋ねし、質疑を終わります。
#49
○国務大臣(岸田文雄君) 御指摘の在勤基本手当あるいは在外公館の運営経費ですが、減少傾向にあるのは事実であります。その中にあって在外職員、地道に情報活動に取り組んでいるわけですが、こうした予算の減少、直ちに情報収集活動等に支障を来しているとは考えておりませんが、例えば在外公館運営経費につき、レセプションの開催費用等については、在外公館からこの予算ではまともなレセプションが開けないなどという意見が出されたり、また出席者からも、日本大使館のレセプション、年々食事や飲物のレベルが落ちているという、こういった評価や指摘があるということも聞いております。
 こうした予算の削減が情報収集活動に対する障害となったり我が国の外交力の低下につながらないよう、これは努めなければならないと考えています。
 まず、国会で御承認いただきました予算については、有効活用を図るべく様々な工夫をしなければならないというふうに思っております。また、各党からは予算について応援の声もいただいております。是非、こうした応援の声も踏まえて引き続き努力をしていきたいと考えております。
 委員からの御理解と御支援も是非お願い申し上げる次第でございます。
#50
○荒木清寛君 終わります。
#51
○小野次郎君 みんなの党の小野次郎です。
 私が外務省へ出向してフランス大使館の一等書記官で行ったのは二十七年も前なんですが、そのときは家内を連れて一歳の子供を連れて赴任しました。もちろん、この三年間の勤務で外務省の方には大変大切にしていただいて、その人間関係は今に至るまで続いているわけですけれども、また、フランスの政府あるいは当局からも大切に扱っていただいて、大変いい思い出ではあるんですが、その思い出を思い返したときに、一つだけやっぱりずっと何とか改善できないかなと思っていたのは、在外勤務のときの住居なんですね。
 国内でも、私たちというか、国家公務員の人は結構転勤するんですが、在外の場合もどれぐらいの期間で転勤するんですかと外務省に聞いたら、三年弱、二年十か月という資料があるようですけれども、そんな長くないわけですよね。それで、じゃ、知らない土地へ行って、特に外国へ行って自分で家を探して、勤務の最初のときはまず家探しから始めるなんという職場は外務省以外ないですよね。ほかの省庁は全国転勤して、僕も住んだことない町へ何か所か勤務したことありますけれども、行ったら三日後か四日後にはもうフル回転で仕事をしなきゃいけないんですけれども、在外勤務の場合は、行ったら不動産屋さんに行きながら仕事を始めるわけですよね。
 そういうことで、まずお伺いしたいのは、世界各地に外務省の方は勤務されているわけですが、その中で、所有や借り上げ、行けばすぐそこへ住めて、そこで仕事できますというふうになっている、その整備状況どうなっているんでしょうか。
#52
○政府参考人(越川和彦君) お答え申し上げます。
 在外公館で勤務する職員のうち、国有又は官費借り上げ宿舎に入居している職員は約六%でございます。自分で見付けた物件を賃借している職員が約九四%でございます。昨年五月時点の数字でございます。
#53
○小野次郎君 実際のところ、自分で借りるんだけれども、前任の方とスムーズに借換えができれば、それは住む場所は行く前から分かっているという場合もあるんですけれども、そうでないケースも多いので、驚くべきことに十人のうち九人以上の人が勤務始める最初がまず家探しから始めなきゃいけないという。これ、外務省の人は意外と昔からそういうものだと思っているかもしれませんが、ほかの公務員の世界ではないことですよ。是非私は、これはもっと大臣自ら重要な問題だとお考えいただきたいと思うんですね。
 それはやっぱり、公館の話ばかり、公館って、いわゆる大使館とか総領事館の話ばかり割と話題になりますけれども、安全性の問題でも、それからいわゆる、何というんですかね、住宅環境というんでしょうか、周辺の環境なんかから見ても、国内で知らない町へ行って家を探すのとは訳が違って、相当、物すごく日本国内とは状況に差があるわけで、そういうところで安価で安全で良好な住宅環境を見付けるというのは、職場である公館の環境と同じぐらい重要なことだと思うんですね。そこが、家に帰る、その家の状況が不安があったんではなかなか職務に専念できない。人間であればそれはそうだと思う、特に家族をそこに置いているわけですから。
 外務省としてもこの住宅の確保に取り組むべきではないかと思うんですが、九四%の人が着任したらまず自分で家を探すという習慣はもうちょっと、役所の方で住める住居を借りるなり造るなり、まあ僕は借りる方がいいかと思いますけれども、借り上げる方がいいと思いますけれども、そういう方向に進んでいこうというお考えはないんでしょうか。
#54
○政府参考人(越川和彦君) 今、小野先生の方から御指摘のあった住宅の件、私もアフリカに勤務しておりまして、やっぱり館員の住宅というのは、治安の悪い地域、生活環境が厳しい地域で唯一ゆっくり、あるいはリラックスしてリフレッシュできる場であると、一番重要なインフラの一つであるかと思います。そういうことで、良好な住宅環境が職場の環境と同様に重要であるという点、そのとおりであると思います。転勤のたびにそれぞれの職員が家探しをするのは大きな負担、特にお子さんを連れた館員もございますので、大きな負担であるということは事実だと思います。
 一方で、あらかじめ用意された職員住宅に入居することを歓迎する職員ばかりではないというのも現実でございます。むしろ、せっかくの海外生活ですので、自ら探した現地の様式の住宅に居住し、任国のあるいは任地の人たちに溶け込んで生活をしたいと要望する職員あるいは家族も多いというのも現実でございます。特に、任地が先進国のような場合はこうした傾向が強うございます。館員が現地のコミュニティーの一員となることで得られる情報もまた一方あるかというふうに思います。
 そのために、国が全ての在外職員のために住居を用意したとしても、必ずしもそれが有効に活用されない可能性もあるというふうに考えております。外交活動を展開する上でも必ずしもそれが最善の方法でない面もあるので、安全で便利な住居を見付けられる任地におきましては、それぞれの職員や家族が自らにふさわしいと思う住宅を探し、一定の限度内で国がその費用を負担する方が合理的であるという考え方の下で、現在、住居手当制度がございます。
#55
○小野次郎君 私の理解に間違いがなければ、その住居手当のときも、最初のセッティングのときのたしか四週間だか一か月間は家探しのためにいわゆるウイークリーマンションみたいなのに入るような費用が認められていると思うんですが、三年も勤務しない平均の中で、最初の一か月間は住居が決まらないという前提で仕事をしているような役所はないですよね、ほかの役所には。やっぱり着いたらもう翌日から思いっ切り仕事できるようになっていなきゃいけないんで、その意味では、官邸でも一緒に勤務した越川さんと、余り厳しく質問をさせていただくのは心苦しいところはあるんですが、そういう好みで、まあ確かに、自分はこういう丸い家が好きだ、四角い家が好きだ、一戸建てがいいとかアパルトマンがいいとかってありますけれども、そういう問題をちょっと超えているんじゃないかと。もちろん、それは強制的にここへ住みなさいと全員に割り当てろと言っているんじゃないんだけれども、九四%が着任のときの最初は家探しから始めているというのは普通ではないんじゃないかと。
 私は東京でも、個人的な面を含めて、アメリカ大使館、イギリス大使館、フランス大使館、ドイツ大使館、いろんなお付き合いありますけれども、全員じゃないですよ、だけど、どこの大使館もコンパウンドというか、参事官とか一等書記官とか入っているコンパウンドが都内にありますよね。それは多分、この物価が高い東京で、来て短期間に家を見付けるって大変だというのはお互いさま、同じなんで、どうして、諸外国は東京でそうしているのに日本の外務省はいまだに家探しが個人の何か楽しみだとかいうことを言って、九四%の方にそういう状態放置しているのか。もう一度、それでいいとお考えでしょうか。
#56
○政府参考人(越川和彦君) 今先生御指摘の米国あるいは英国、フランス、国によって対応がやはり異なっているかと思います。アメリカ、カナダにつきましては、国が宿舎をほぼ確保しているということは事実でございます。一方、それ以外の国につきましては、国が宿舎を用意する場合と個人が自ら住居を選定する場合が混在する制度となっているかと思います。
 先生の御指摘の点につきましては、国が用意するあるいは借り上げ宿舎につきましては、特に勤務環境の厳しいアフリカ、南米、中近東、こういう国についてはしっかり現地の要望を踏まえて対応していきたいというふうに考えております。
#57
○小野次郎君 今日防衛省の方は見えていないですけれども、防衛省とか自衛隊だって、今、動的とか機動力と言っているじゃないですか。そのときに、外務省の方は行ったらまず家探しから始めて一か月掛かっちゃっているというのでは、いわゆる十九世紀の何かウィーン会議のころの外交官というイメージだったらそれはいいかもしれませんが、だんだん一国に滞在する期間は昔のイメージからすれば短くなってきているわけですから、やっぱりセッティングは速やかにできるような、全員とは言いませんよ、だけど、そういうことを求める人には住居の借り上げというのをもっと枠を広げていくべきじゃないかなと思いますが、大臣、何かお考えありませんか。
#58
○国務大臣(岸田文雄君) まず、在外職員の住居の確保、大変重要なことであります。そして、この住居の確保が各職員の大きな負担になってはならないというふうには感じます。
 その中にあって、先ほど官房長からもお答えさせていただきましたように、自ら探した現地の住居に地域コミュニティーの一員として住居するということ、地域社会との意思疎通を図るという意味で意味ある部分もあります。また、事実、それを希望する職員もいます。こうした部分は尊重しなければならないとは思いますが、ただ一方で、これ、良質な住居を個人で賃貸することが困難な任地も存在します。また、賃借に当たって初期費用が膨大になる、こうした任地もあります。
 こういった点はしっかり配慮した上で、柔軟に、そして適切に対応する、こうした姿勢が外務省にも求められるのではないか、このようには感じます。
#59
○小野次郎君 引き続き検討をお願いしたいと思いますが、もう一つ今日は聞きたいことがあります。
 官房長にお伺いしますが、平成二十四年七月の外務人事審議会が公邸料理人の位置付けについて勧告していますけれども、この勧告は具体的に実施に移されていますか。
#60
○政府参考人(越川和彦君) 先生御指摘のように、外務人事審議会の方から昨年七月に、これは将来的には公邸料理人制度を外務省と料理人との公的契約に基づくものとして、給与等は官費から支出し、私的に使用した部分については私費負担とすべき旨の勧告が外務大臣に提出されてございます。
 この勧告では、公的契約化の前提として、まず公邸料理人が公務に十分活用されること、及び優秀な公邸料理人をより体系的、安定的に確保する取組を強化することが必要である旨も提言されてございます。
 平成二十五年度におきましては、公邸料理人の一層の活用と優秀な人材の確保に向けた取組を強化しているところでございますが、外務省としては、委員の御指摘も踏まえて、外務人事審議会の勧告を実現すべく、公邸料理人との関係を公的契約とする際の具体的な対応等につき、今後更に検討してまいりたいと、このように考えております。
#61
○小野次郎君 この勧告の一番のみそは、公邸料理人がなぜ館長の個人的使用人と長い間されてきたかということにあると思うんですが、その経緯を、官房長、話してください。
#62
○政府参考人(越川和彦君) 経緯についての御質問ですが、在外公館長は従来から家事補助者として料理人を私費で雇用してございました。昭和四十九年度に調理師資格又は相当の経歴を有する者に対しまして給与の一部を官費補助することになり、現在に至ってございます。
#63
○小野次郎君 公館には、秘書の方とか運転手の方、あるいはバトラーというんですかね、ボーイ長みたいな方もおられて、そういう方たちはローカルのスタッフとして、現地雇用であったり、あるいは委託職員の方もいるかもしれませんが、そういう身分になっている。ところが、公邸の料理人だけは館長が個人的に雇っている使用人だという扱いにしてきたことがこういう問題になっていると思うんですが、この公館付きの現地雇用職員、若しくは委託職員とするということはお考えになっていないんでしょうか、外務省としては。
#64
○政府参考人(越川和彦君) 公邸料理人をバトラー、運転手と同じように現地職員として雇用することについてということでございますが、この点に関しまして、多くの国で、その国の査証、ビザの取得、あるいは労働許可の問題、それから現地職員にした場合の渡航費を誰が負担するかという問題があり、この現地職員化ということにつきましては、必ずしも簡単ではないというふうに考えております。
#65
○小野次郎君 いろんな国の制度の中に、そういった公的な存在のものを個人がどうしても使わざるを得ないという場合には、その利用量に応じて一定の利用料を決めてある、金額をですね。公邸料理人であれば、人件費とか材料費見合いの分というのを国に納めるというのも、ほかの行政の分野であるんですよ、実際。その辺については、外務省、検討されたことはありますか。
#66
○政府参考人(越川和彦君) 先ほど申し上げたとおりでございますが、昨年七月の外務人事審議会からの勧告を受けまして、公邸料理人制度を外務省と料理人の公的契約に基づくものとして、給与等は官費から支出して、私的に使用した分については私費負担すべきと、こういう勧告が外務大臣に提出されております。
 公的契約とした場合の私的利用の在り方については、委員の御指摘を踏まえまして、御提案も含めまして、今後検討させていただきたいと思います。
#67
○小野次郎君 最後にしますが、大臣、公邸調理人については、見付けて採用することについてもやっぱりいろいろ、採用する側からも悩みを聞くことありますし、また、雇われた方からも身分や給与不安定だということで、どっちの側からも悩みや苦情がたくさん出ているんですけれども、大臣、この問題については、大臣の問題としてこれからもお考え、検討していただくことをお約束いただけますか。
#68
○国務大臣(岸田文雄君) 公邸料理人制度につきましては、雇う館長の側からしましても、発令から赴任までの短い期間に優秀な公邸料理人を採用しなければならないということですとか、公邸料理人の給与の負担が大きいといった問題が指摘をされています。そして、公邸料理人、雇われる側のこの公邸料理人にとっても、私的契約であるからして身分が不安定であるとか、それから、そもそも任期も明確でないと、こういった点が指摘をされています。
 是非、審議会での勧告、それから委員からの御提案、こうしたことを踏まえて検討していきたいと考えています。
#69
○小野次郎君 いずれにせよ、この任期が、本官の方の任期が三年もないということを前提に、さっきの住宅の話もそれから公邸調理人の話も、やはり着いたらすぐ仕事ができるというような形の環境にしていただきたいと思いますので、これからも検討をよろしくお願いします。
 私の質問を終わります。
#70
○佐藤公治君 生活の党、佐藤公治でございます。
 取りあえずは、岸田外務大臣、国際会議お疲れさまでございました。そしてまた、そういったことに関しての議論をいろいろとしたい部分がたくさんございますけれども、今日は、在外公館の法律一部改正ということで、それを中心的にお話をしていきたいかと思っております。
 ただ、そういった中でも、ここ二日間の間、復興予算に関する、被災地以外での事業に多く使われてきた予算ということで、新聞、テレビで大きく騒がれているところが幾つかございます。これは質問通告しておりませんし、御指摘だけしておきたいと思います。外務省管轄も幾つか出ているようにも見えております。
 また、これは昨年にもやはり復興予算で問題視されている主な予算ということでいろいろと議論があったと思いますが、この復興予算に関してもう一回きちっと省内において検証し、やはり内閣において、この予算の使い方等々に関してなぜこのような問題が起きているのか、また、もしも、いや、そんなことはないんだというのであれば、こういった形で報道されていくのか、その辺をよくよく御確認、検証しておいていただけたら有り難いと思いますので、御指摘だけしておきたいかと思っております。
 では、在外公館関係でお話を幾つかお聞きいたしたいかと思っておりますけれども、在勤基本手当の為替変動への対応、先ほども少しお触れになられておりましたけれども、ちゃんと正確にお答えを願えれば有り難いと思います。
 本改正案による在勤基本手当の改正は、平成二十四年度の一般的生計費調査の結果を踏まえ決定されておりますが、一般的生計費調査以降大幅な円安が進んでおり、昨年秋の円・ドルレートは一ドル約八十円であったのが、最近では一ドル約百円ぐらいとなってきておりますね。半年間で二十円、二五%の為替変動が進行しておりますが、こうした為替変動による在勤基本手当の調整については、外務省の政令により上下二五%の変動まで対応可能としておりますが、現時点で二五%の範囲を超える調整が必要な公館はあるのかということ、また、今後更なる円安が進み、外務省政令による上下二五%の調整で対処できない事態が生じた場合、どのように今後対処していくのか、お答え願えれば有り難いと思います。
#71
○大臣政務官(若林健太君) 今御指摘いただいた点について答弁させていただきたいと思います。
 佐藤委員御指摘のように、年度内における為替レートの変動については、基準額の上下二五%の範囲内で政令に定める支給額を改定することで在勤基本手当に適切に反映することが可能であるということになってございます。
 また、年度内に為替レートの変動を在勤基本手当に反映させるに当たっては、ある一時の為替レートではなくて、一定期間の為替レートの平均値を使ってございます。通常、年度内改定の場合には、八月、十一月、一月の年三回実施しております。直近の三か月の為替レートの平均値を算出し、年度当初の在勤基本手当の基準額を算定した際の為替レートと比較した上で調整をしているというものでございます。増額の改定をする場合には、政府の予算の範囲内で実施することが前提となってございます。
 したがって、六月初めの現時点で、二五%の範囲を超える調整が必要な公館が確定しているというわけでは現時点ではありませんけれども、外交の第一線で活躍する在外職員が為替レートの急激な変動により苦労しないように適時適切に対応してまいりたいというふうに思ってございます。
#72
○佐藤公治君 平均をというようなお話がございました。ただ、為替が非常に急激な変化になっている。これは想定外なのかも、もしかするとというようにも取れるところがあります。やはり、海外で第一線で仕事をされている方々が不安にならないような方法論なり、また考え方なり方針なりをより明確に出していく必要性もあると思いますので、よろしくお願いを申し上げたいと思います。
 では、ブラジルにおける総領事館の、格下げという言い方が正しいのかどうかということがございますけれども、まあ見る限りにおいては格下げというふうになるんではないかというふうに思えることを前提に、少しお聞きしたいかと思っております。
 ブラジルは過去の日本人の移民から日系人が多くおり、また今後、経済力や国際的な影響が増大すると言われるBRICSの一員でもあることはもう御存じのとおりでございます。こうした国に多くの日系人がいることは我が国にとって大きなアドバンテージであり、在外公館はブラジル国民のみならず、こうした日系人との交流を重視し、引き続き関係を深化させることが必要であると誰もが思っていると思うんですね。他方、本法律案で廃止されるベレンには約二千五百人もの在留邦人がおり、出張駐在官事務所による領事サービスは維持するとはいえ、現地の関係者や邦人との関係が弱体化するのではないかと多少懸念するところもあります。
 政府は、ブラジルにおいて在外公館を削減する影響についてどのようにお考えになっているのか、そして、やっぱり財源が限りがある中、スクラップが必要な理由は分かりますが、ブラジルでは次期サッカーワールドカップ、また夏のオリンピック、これは二〇一六年、二〇一四年と予定されているわけですから、我が国からの渡航者も増加が見込まれますし、今後の日本とブラジル関係に支障が出ないように配慮していかなきゃいけないかと思います。
 この手の在外公館の一部改正となると、割と我々、議論の中では軽んじられる部分があるんですが、ただ、これはやはり僕は、外務大臣、外務省なり日本の外交に関する大きな基本的姿勢、そういった戦略、戦術の中の一端ということを考えれば、決して簡単に軽く考えてはいけない議論にも思える部分があると思いますが、ブラジルにおける総領事館の格下げ、今質問したことに関してお答え願えれば有り難いかと思います。
#73
○大臣政務官(若林健太君) 今、佐藤委員の御指摘いただきましたように、ブラジルは今GDPにすれば世界第六位の大国となり、また日系人社会も、百五十万人を超える日系人社会が存在する、大変親日国でもあるわけでありまして、我が国の外交上も極めて重要な相手国であるというふうに認識をしております。
 この度、ベレンの総領事館については、その領事業務量等を勘案した上で出張駐在官事務所に切り替えるということの決定をしたわけでございます。出張駐在官事務所になりましても、引き続き総領事館同様の領事サービスの提供は可能であると判断をさせていただき、日系社会、在留邦人に対する各種支援や領事サービスに影響を与えることはないように対処していきたいというふうに思ってございます。
 格下げをしたと、こういう御指摘でありますが、しかし、ブラジル全体から見ますと、実はベレン以外には大使館が一つ、それから四つの総領事館と二つの出張駐在官事務所を配置しておりまして、これらブラジル内にあります公館のネットワークを活用しまして、ベレンにおいて残します出張駐在官事務所も加えた上で、積極的な対ブラジル外交を引き続き質、量ともに落とさずに対処してまいりたいと、こういうふうに思っているところでございます。
#74
○佐藤公治君 質、量ともに維持をしていくということでございますが、とかくやはり格下げになると、どうしても維持していこうと思ってもだんだんだんだん粗末になりがちなところがある。その辺は、しっかりとブラジルとの関係を含めて強化をしていくような方向で、将来的な、ワールドカップやオリンピックもございますので、逆にもう一回よくよく考え直し、また強化拡大をしていくような考え方もあるかと思いますので、よろしくお願いを申し上げたいと思います。
 では、続きまして、在外公館の増設に関してこれまた少しお聞きしたいと思いますが、先ほどもちょっと質問者、委員の中からも触れておりましたけれども、平成二十五年一月一日現在の我が国の在外公館の数は二百三であり、米国二百七十一、英国二百四十五、フランス二百七十に比べて相変わらず少ない状況、同じアジアの中国二百四十九と比べても四十六公館少ないのが実情であります。特に、先週末、TICADが開催されたばかりのアフリカの大使館数は、我が国三十二に比べて中国は四十九と、差が開いているような状況でございます。
 近年の中国の対アフリカ投資は目をみはるものがあり、御存じのとおりでございますね、また南アフリカやジンバブエ等において中国資本のショッピングモール等も建設され、アフリカ支援においては、TICADの成果を十分に発揮するためには我が国も大使館の実館を増設する必要があると考えていますが、政府はどのような認識をお持ちになられているのか。まさにこの大使館の、こういった公館の数を増やすということは、あくまでも日本の又は外務省の外交上の戦略と戦術における、また経済との連携といったこと、非常にしたたかに考えてやっていかなくてはいけない。そんなことを踏まえながら、政府はどのような御認識をお持ちなのか、お聞きしたいと思います。
#75
○副大臣(松山政司君) お答えいたします。
 佐藤委員御指摘のとおりに、我が国は、近年目覚ましい成長を遂げる躍動のアフリカに対しまして、TICADプロセスを基軸とした積極的な外交を推進をしています。
 実際、過去十年間で我が国は二十大使館を新設をしてきました。このうち九つがアフリカ公館でもございます。また、今年の七月に在南スーダン大使館も開設をされる予定にいたしております。
 御指摘のTICADXでありますが、横浜宣言二〇一三が採択をされまして、特に官民連携、人材育成等の充実を目指すこととしていますので、今後、この宣言を着実に実施をしていく上では、大使館のみならず、人員の増員、そしてJICA事務所とも連携をしまして、オールジャパンでこの取組は必要であると思っておりますので、しっかり進めていきたいというふうに思っております。
#76
○佐藤公治君 やはり外務省のこういった外交戦略というか戦術が、まだまだやはり力を入れてすり合わせをしながら着実に確実に進めていかなくてはいけないと思います。そういったところを与党として是非とも国益を考えてお願いを申し上げたいと思っております。
 では、現地職員の採用と給与に関しても、これまた少しお聞きしたいと思っております。
 在外公館においては、各書記官の能力もさることながら、当該国とのつなぎ目となる現地職員の能力も業務に大きな影響を与えると思う部分がございます。優秀な現地職員の確保は外交力を補填する。これら現地職員の採用では、他国の在外公館と優秀な人材をやはり競合して取り合うケースも考えられるのではないかと思います。給与水準も大きく物を言いますし、人材流出や大使館の情報流出を防ぐ意味でも、高い給与水準の確保が求められ、昨今の在外公館における現地職員の現状について、人材確保のための予算の状況も含めて少し説明を願えれば有り難いと思います。
 私は、特に現地職員の方々の、いろんな機関を通じながら、またそれに携わった人たちを優先的に採っていっているというようなお話も聞いておりますけれども、この現地職員の方々を、多少予算を取ってでも、より日本に思い入れを持っていただく、良き理解者である、やっぱりいろんな発信をしていただける方々となっていくべき教育なり研修プログラムもより充実をさせていくべきだと思う部分もございます。そんなことを踏まえてお答えを願えれば有り難いかと思います。
#77
○副大臣(松山政司君) 御指摘のとおりに、現地の事情に精通している現地職員といいますのは、我が国外交を展開する上で不可欠な存在でございます。優秀な現地の職員を確保するということは、委員御指摘の発信等々も含め、外交基盤整備の観点からも極めて重要であると認識をいたしております。
 現実には、我が国の厳しい財政事情の下でございますが、現地職員の定員はここ数年削減傾向にございます。平成二十二年度の五千四百一人から、現在、平成二十五年は五千百七十八人まで減少いたしております。現地職員給与等の所要経費は、為替、物価の変動で左右されますので、予算額も年度ごとに変動しておりまして、円ベースの一律の比較にはなじまない面もございますが、それでも、平成二十三年度の百八十七億六千万から現在は百七十八億円まで減少しているという現状でもございます。
 御指摘のように、他国の在外公館等に引き抜かれないようにするためにも現地職員の給与を一定水準以上に保つことも必要でございますし、こうした問題意識に基づいて、平成二十一年度に大幅な給与の増額も行ったところでございますが、今後とも、厳しい財政事情を踏まえつつも、優秀な現地職員を十分確保して活用できるように努めていきたいと思います。
#78
○佐藤公治君 行き着くところは予算のこと、お金のことになってしまいます。ですから、先ほど冒頭でもお話ししましたように、復興予算というものも含めて、なぜそういうことが起き、そしてもっともっと有効的なお金の使い方、その仕組みというか制度自体の問題が私はあるともう二十年来思っている人間でございます。その大本のところ、本質的な問題をきちっと明確にして、これは外務省だけの問題じゃなくて、やはり財務省を含めた日本の財政、その制度的な問題が多々あるのをもうお三人とも御存じだと思います。そこにメスを入れなければまた同じことが繰り返され、そして本当に必要なところに外務省自体もお金が使われていかない、そんなふうに思える部分がございます。
 この後、実は大臣の所信表明に関する引き続き質問をちょっとしたかったんですが、もう時間となりましたので、また近いうち一般質疑もあるということなので、そのときに大臣とは議論をさせていただきたいかと思います。
 終わらせていただきます。
#79
○山内徳信君 社民党・護憲連合の山内徳信でございます。
 私は、去る五月二十八日、この場で外務大臣の所信表明を拝聴しておりました。そのときの、外務省から配られたのがこれでございます。
 今日は、この所信表明の八ページにあることについてお伺いをいたします。
 その所信表明の中で外務大臣は、核軍縮・不拡散については、私は、核の惨禍を経験した広島の出身者として、この広島の出身者というところが私の関心を引き付けたんです、広島の出身者として、軍縮・不拡散イニシアティブの枠組み等を通じ、核兵器不拡散条約を基礎とした国際的な核軍縮・不拡散体制を維持強化していきます。これが大臣の所信でございます。
 私は、それを聞きながら、ここに座っていて、自分自身の耳を疑ったんです。目を疑ったんです。
 それはなぜかといいますと、二〇一五年の核不拡散条約、NPT再検討会議に向けてジュネーブで開かれた第二回準備委員会で、核兵器の非人道性を訴えて四月二十四日に発表された共同声明に日本政府は署名していないからであります。共同声明は、核が使われると人道上破滅的な結果を招くとして、二度と使わないことを保証する唯一の手段は完全な核廃絶だという内容のものでございます。スイスや南アフリカなど七十五か国が賛成しておりますのに、なぜこれに日本は参加しないのか、署名しないのかという疑問であります。
 まず、そこでお伺いいたしますが、署名するなと、これは本省からの指示であったのか、なかったのか、そのことをお伺いしたいと思います。
#80
○国務大臣(岸田文雄君) 署名するなという指示が本省からの指示だったのかということですが、是非署名をするべく最大限努力をするようにというのが本省からの指示でございます。
#81
○山内徳信君 そうでなければいけないと思います。
 そうすると、この会議に参加をしていた外交官が、その外交官の個人的な見解で共同声明に署名しなかったと、こういう受け止め方でよろしゅうございますか。
#82
○国務大臣(岸田文雄君) 本省からは私自ら直接指示を出して、署名するべく努力をしろという指示をしっかり出させていただきました。そして、修文につきましてぎりぎりの調整が行われてきました。しかし、結果的に時間切れということで署名に至らなかったということ、大変残念に思っております。
#83
○山内徳信君 残念であったと、これでは済まぬのじゃないかと思います。
 私は、その前後の新聞を全部読んでみたんです。そうしますと、広島市長のコメントが出ておりました。これは、広島、長崎のあの体験をした自治体の首長としては、市民の意を体して日本政府はこういうふうなものには積極的に参加をすべきであると、しかし署名をしていないことは、こういう核軍縮とか核不拡散条約に反する、そういう行為に映っておると、こういう趣旨の市長のコメントがありました。極めて残念であるという趣旨でございました。
 その広島市長の新聞を通してのコメントを御存じですか。
#84
○国務大臣(岸田文雄君) 広島を始め各地、各関係者から様々な意見、声明が出されていることは承知しております。
#85
○山内徳信君 少なくとも、日本政府ですよ、そして人類初の被爆国の日本政府が国民と一緒に、願いは核廃絶への願い、ところが、その国民の願いをも裏切る行為になるんです。署名しないということはそういうことじゃないでしょうか。
#86
○国務大臣(岸田文雄君) まず、唯一の戦争被爆国として、核兵器が使用された場合の実相につきましては我が国はどの国よりよく知る国であります。ですから、今回の共同ステートメントの中に、核兵器が使用された場合、直接の被害のみならず、社会経済、あるいは将来の世代にわたって耐え難い被害をもたらす点、こういった基本的な考え方については全く同じ考えでありますし、支持をいたしております。
 ただ、北朝鮮を始め様々な我が国を取り巻く厳しい安全保障状況、これを鑑みた上で真剣に、慎重に検討を行い、そして各国ともぎりぎりの調整を行ったところであります。残念ながら署名に至りませんでしたが、是非こうした共同声明への署名の動き、前回は昨年の国連総会のときにありました。次回、この共同声明の署名の動きがありました際には、是非日本も署名をするべく最大限引き続き努力をしていきたいと考えています。
 そして、今回、共同声明、署名した国も、そして我が国も核兵器のない世界を目指すという大きな目標を共有しております。是非我が国も、我が国の現実的な、具体的なアプローチの下に大きな目標、核兵器のない世界を目指すという大きな目標に向けて努力をしていきたいと思いますし、我が国のアプローチを通じて各国をリードして大きな目標に向けて前進を図っていきたい、このように考えています。
#87
○山内徳信君 私は、核問題については国際社会で人後に落ちてはいかぬと思っています。少なくとも、被爆国の日本政府として、外務省として国際社会をリードしていく、そういう姿勢が必要だと思います。
 先ほど、次の国連総会での共同声明については署名をしていきたいと、こういう決意でございましたが、そういうふうに受け止めてよろしゅうございますか。
#88
○国務大臣(岸田文雄君) 委員御指摘のように、核兵器のない世界を目指す、この大きな目標に向けて我が国が唯一の戦争被爆国としてしっかり議論をリードしていかなければいけない、そのとおりだと考えております。
 事実、日本、オーストラリア、こうした非核兵器保有国が中心となって議論を進めているこのNPDIの議論等においても、我が国はしっかりと議論をリードし、そして先日も、四月に開催されましたハーグでのNPDI外相会談におきまして、私の方からもユース非核特使等、新しい提案を具体的にさせていただく等努力を続けております。
 是非、今後もこうした国際世論における議論において我が国としてもしっかりとリードしていくべく努力をしていきたいと考えております。
#89
○山内徳信君 私は、日本国民挙げて北朝鮮の核問題についてはみんな深刻に受け止めておる、そういう状況もあります。
 そして、アメリカのオバマ大統領は核なき世界を目指してと、こういうふうなことを国際社会に表明をしてノーベル平和賞をいただいたわけですね。ですから、アメリカとの関係を気にして、アメリカの核の傘の下に日本はあると、そういうものが気になって、外務省の中にはこの種の共同声明等々には過去においても署名してこなかった、そういう事実があるわけですね。それは、中身にはもう触れませんが。
 昨年の五月の第一回準備委員会は、スイスなど十六か国が共同声明に名を連ねておるわけです。日本は、事前の打診がなかったと、こういう理由を言っておりますが。それから、昨年の十月の国連総会第一委員会の場合は三十四か国が共同声明を発表して名を連ねております。したがいまして、何かしら外務省の中には、この種の問題については過去何回か共同声明に名を連ねていないと。
 これを国際社会から見たときには、日本は長崎、広島の経験を持ちながらどうしてこの種の問題には少し消極的なんだろうと、こういうふうに映ると思いますよ。したがいまして、私は広島出身だと、こういうふうにおっしゃっていらっしゃる外務大臣、自信を持って核兵器の問題についてはその廃絶を目指し、オバマも言いましたように、核なき世界を目指すと、こういう精神で頑張っていただきますことを最後に要望を申し上げまして、私の質問は終わります。どうぞお答えなさってください。
#90
○国務大臣(岸田文雄君) おっしゃるように、我が国は唯一の戦争被爆国としてしっかりと議論をリードしなければいけないと考えております。
 今回、共同声明の署名につきましても、決してアメリカに気兼ねしたというのではなくして、我が国を取り巻く厳しい安全保障環境、これの中での判断でありました。そして、この議論をリードするに当たって、先ほど御紹介させていただきましたNPDIにおける我が国の存在感につきましても、来年四月はNPDI外相会談、我が国、広島で開催することを決定をしております。
 是非、こうした広島でのNPDI外相会談等を通じまして、この被爆の実相を多くの外務大臣にしっかり感じてもらうということ大変重要だと考えておりますし、こうした機会を内外に情報発信する貴重な機会としていきたいと考えております。
#91
○山内徳信君 終わります。ありがとうございました。
#92
○委員長(加藤敏幸君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 本案の修正について宇都君から発言を求められておりますので、この際、これを許します。宇都隆史君。
#93
○宇都隆史君 ただいま議題となっております在外公館の名称及び位置並びに在外公館に勤務する外務公務員の給与に関する法律の一部を改正する法律案に対し、自由民主党及び公明党を代表いたしまして、修正の動議を提出いたします。
 その内容は、お手元に配付されております案文のとおりでございます。
 以下、その趣旨について御説明申し上げます。
 第一に、原案では「平成二十五年四月一日」となっているこの法律の施行期日を「公布の日」に改めるものであります。
 第二に、この法律による改正後の在勤基本手当の基準額に関する規定は、平成二十五年四月一日から適用するものとすることであります。
 以上が修正案の趣旨であります。
 何とぞ、委員各位の御賛同を賜りますようお願い申し上げます。
#94
○委員長(加藤敏幸君) これより原案及び修正案について討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに在外公館の名称及び位置並びに在外公館に勤務する外務公務員の給与に関する法律の一部を改正する法律案について採決に入ります。
 まず、宇都君提出の修正案の採決を行います。
 本修正案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#95
○委員長(加藤敏幸君) 全会一致と認めます。よって、宇都君提出の修正案は可決されました。
 次に、ただいま可決されました修正部分を除いた原案全部の採決を行います。
 修正部分を除いた原案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#96
○委員長(加藤敏幸君) 全会一致と認めます。よって、修正部分を除いた原案は可決されました。
 以上の結果、本案は全会一致をもって修正議決すべきものと決定いたしました。
 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#97
○委員長(加藤敏幸君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午前十一時三十七分散会
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト