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2013/03/21 第183回国会 参議院 参議院会議録情報 第183回国会 内閣委員会 第3号
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2013/03/21 第183回国会 参議院

参議院会議録情報 第183回国会 内閣委員会 第3号

#1
第183回国会 内閣委員会 第3号
平成二十五年三月二十一日(木曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 三月十九日
    辞任         補欠選任   
     岡崎トミ子君     江崎  孝君
     田城  郁君     白  眞勲君
 三月二十一日
    辞任         補欠選任   
     世耕 弘成君     磯崎 仁彦君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         相原久美子君
    理 事
                芝  博一君
                福山 哲郎君
                有村 治子君
                岡田  広君
    委 員
                江崎  孝君
                神本美恵子君
                白  眞勲君
                藤本 祐司君
                蓮   舫君
                磯崎 仁彦君
                世耕 弘成君
                伊達 忠一君
                中曽根弘文君
                山谷えり子君
                谷合 正明君
                江口 克彦君
                米長 晴信君
                糸数 慶子君
   国務大臣
       国務大臣
       (内閣官房長官) 菅  義偉君
       国務大臣
       (国家公安委員
       会委員長)    古屋 圭司君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(地方分
       権改革))    新藤 義孝君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(科学技
       術政策、宇宙政
       策))      山本 一太君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(消費者
       及び食品安全、
       少子化対策、男
       女共同参画))  森 まさこ君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(経済財
       政政策))    甘利  明君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(規制改
       革))      稲田 朋美君
   副大臣
       内閣府副大臣   西村 康稔君
       厚生労働副大臣  桝屋 敬悟君
   大臣政務官
       内閣府大臣政務
       官        山際大志郎君
       内閣府大臣政務
       官        島尻安伊子君
       総務大臣政務官
       内閣府大臣政務
       官        北村 茂男君
       外務大臣政務官  若林 健太君
       文部科学大臣政
       務官       義家 弘介君
       厚生労働大臣政
       務官    とかしき なおみ君
       国土交通大臣政
       務官       赤澤 亮正君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        五十嵐吉郎君
   政府参考人
       内閣府大臣官房
       遺棄化学兵器処
       理担当室長    中島 明彦君
       内閣府政策統括
       官        石井 裕晶君
       宮内庁次長    山本信一郎君
       法務大臣官房審
       議官       萩本  修君
       外務大臣官房参
       事官       山野内勘二君
       文部科学大臣官
       房審議官     関  靖直君
       農林水産大臣官
       房総括審議官   荒川  隆君
       農林水産省農村
       振興局長     實重 重実君
       海上保安庁次長  桝野 龍二君
       原子力規制委員
       会原子力規制庁
       審議官      山本 哲也君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○内閣の重要政策及び警察等に関する調査
 (内閣官房、内閣府及び国家安全保障強化の基
 本方針に関する件)
 (警察行政及び死因究明等の推進の基本方針に
 関する件)
 (科学技術政策、宇宙政策、情報通信技術政策
 及び海洋政策・領土問題の基本方針に関する件
 )
 (女性活力・子育て支援、食品安全、少子化対
 策及び男女共同参画の基本方針に関する件)
 (経済再生、社会保障・税一体改革及び経済財
 政政策の基本方針に関する件)
 (地方分権改革、地域活性化及び道州制の基本
 方針に関する件)
 (行政改革、公務員制度改革、クールジャパン
 戦略、再チャレンジ及び規制改革の基本方針に
 関する件)
    ─────────────
#2
○委員長(相原久美子君) ただいまから内閣委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 去る十九日、岡崎トミ子君及び田城郁君が委員を辞任され、その補欠として江崎孝君及び白眞勲君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(相原久美子君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 内閣の重要政策及び警察等に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、政府参考人として内閣府大臣官房遺棄化学兵器処理担当室長中島明彦君外九名の出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(相原久美子君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(相原久美子君) 内閣の重要政策及び警察等に関する調査を議題とし、去る十九日に聴取いたしました国務大臣の所信に対し、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#6
○福山哲郎君 おはようございます。朝から御苦労さまでございます。
 民主党・新緑風会の福山哲郎でございます。
 私、内閣委員会で初めての質問でございまして、大臣がたくさんいらっしゃるので本当に大変な委員会だなと思いながら、今日は立たせていただきます。これまで環境委員会や外防しかいなかったもので、大臣、大抵お一人でしたから、たくさんの大臣に今日は御答弁をいただきますが、よろしくお願いしたいと思います。
 まず、実は内閣委員会の所管ではないんですけれども、原子力防災担当が石原環境大臣ということで、環境委員会に行かれています。今日、実はそのことについて御議論したかったんですが、環境委員会に行かれているということで、今日は規制庁から政府委員をお呼びをさせていただきました。
 先般、発生をいたしました東京電力の福島第一原発における停電の状況でございます。
 御案内のとおり、私は三・一一原発事故発生時に官房副長官を仰せ付かっておりまして、あのときには本当に大変な危機感の中で、自らは至らないことがたくさんあったんですけれども、対応をさせていただきました。
 これ、今日の新聞等では、小動物の理由ではないかというようなことが報道になっているので、このことに対して私は余り過小評価をしてはいけないと思っております。なぜなら、御案内のように、今回停電をした一部は使用済燃料の共用プールの冷却システムでございまして、この共用プールには使用済核燃料が四千本入っております。三号機の格納容器ガスシステムの一部もそうですし、使用済燃料プール、ああ、ごめんなさい、これが四千本から六千本の使用済燃料が入っております。
 私は、何が申し上げたいかというと、停電について、復旧について東京電力が懸命に御努力をいただいたことももちろん多分そうだと思いますが、これ、小動物だから偶然だと、システムの問題ではないんだというふうに片付けてはいけないと思っておりまして、なぜかということについては後でまたお話をしますが、とにかく、今復旧されたと聞いておりますが、現状の状況について、規制庁から御報告をいただけますでしょうか。
#7
○政府参考人(山本哲也君) ただいま御指摘のありました東京電力福島第一原子力発電所の停電の対策の今の現状でございます。
 まず、発生をいたしましたのが、御指摘ありましたように、平成二十五年三月十八日の十八時五十七分ごろに福島第一原子力発電所の電源設備の一部がまず停電をいたしまして、これに伴いまして、使用済燃料プールの冷却設備の一部、そのほかの設備が停止をしたということでございます。
 その後、復旧作業をいたしまして、停止しておりました使用済燃料プールの冷却設備は、昨日三月の二十日の午前零時十二分まで全て復旧をしているという状況でございます。
 それで、この間、私ども原子力規制委員会といたしましては、事業者の対応状況を注視いたしますとともに、原子炉の冷却状況、モニタリングポストの値、それから、何といっても使用済燃料プール、これの温度が制限値を超えていないかどうかと、こういったことを監視して、異常のないことを確認をしてまいりました。
 それで、今回の原因につきましては、今御指摘ありましたように、まだ現在調査中ではございますけれども、配電盤の損傷が確認をされてございます。そして、その床面にネズミでありますその小動物の遺体を発見したというところでございますので、この小動物が配電盤に接触したことで停電が起きた可能性があるというふうに、現在のところ、今考えているところでございます。
 以上でございます。
#8
○福山哲郎君 もう一度御質問させていただきますが、これ原因は、今の話は推測だと思いますが、復旧はどのようなプロセスで行われたんでしょうか。
#9
○政府参考人(山本哲也君) 復旧につきましては、一号、三号、四号の燃料プールの冷却系の電源が停止をしたということでございます。したがいまして、この電源を復旧させるために一つ一つの設備の状況を確認して、安全が問題ないことを確認したことの上で電源を復旧させる、いわゆる電気を通すと、こういう作業を順次行ってきたというところでございます。
 これによりまして、二十日の午前零時までには全てのものが復旧できたというところでございます。
#10
○福山哲郎君 結局、使用済燃料プールのところが復旧するまで何時間掛かりましたか。
#11
○政府参考人(山本哲也君) 一号、三号、四号、それから共用プールと三つございました。そして、共用プールの電源が復旧いたしましたのが二十日の午前零時でございますので、約一日半近く掛かっているという状況でございます。
#12
○福山哲郎君 私はここでそれが早いとか遅いとかという水掛け論をするつもりはありません。懸命に御努力いただいた結果だというふうに思いますし、何よりも、今回の停電が大過なくというか、現状、モニタリングポストも正常だと聞いております、そんなに線量上がっているとは聞いておりませんし、全体のシステム系に大きな問題があったとも思えないので、そこについては本当に良かったと安堵しております。それは、逆に言うと結果オーライなんですね。
 先ほど、私が、何で小動物の問題だということで簡単に原因を特定をしてそれで収めてはいけないかと申し上げると、私が当時、電源車を送ってくれと東京電力から言われて、官邸でまさに自衛隊の皆さんにも御努力をいただき、警察の皆さんにも御努力をいただき、本当に六十数台の電源車を現地に運びました。結果としては、電源車はつながらなかったわけです。
 その理由は、スペックが合わないとか、いわゆる配線が、ケーブルがない、足りないとか、私から見れば考えられないような理由で、電源車を送ったけれども、大変な御努力をいただきながら、原発事故がひょっとすればメルトダウンや爆発が起こるかもしれないという危険なところに、それぞれの皆さんがリスクを冒して向かっていただいたにもかかわらず電源は接続をせずに、その理由が、スペックが合わないとかケーブルが足りないとかいう理由でした。私はあのときの何なんだという思いはいまだに強く感じております。
 その後も、まさに炉心損傷が、これはメルトダウンという言葉を東京電力はなかなか使いたがらないので言いませんが、炉心損傷が起こる直前の東京電力のサイト内では、電源が足りない、バッテリーが足りないと言って、そこにいるスタッフの皆さんからお金を調達をして、今から電源を外へ調達に行きますというような打合せをテレビ会議の中ではされています。その前には何とか冷却をしなきゃいけないということで、車をしようというときに、運転手さんがいないから今どうしようかという話を実は炉心損傷の直前の議論でなされています。
 私は、高度な技術的な問題によって事故が起こるとか起こらないとかというのは、これは専門性が非常に重要だと思いますし、私はそれこそ、まさに規制委員会や規制庁の皆さんがしっかりと安全基準を今作っていただいていることは重要だと思いますが、大きな事故は決して専門的なことだけから起こるわけではないということです。
 今申し上げたように、スペックが合わないとか、ケーブルが足りないと。当時我々は、電力会社から電源車を送ってくれと言われて電源車を送ったら、電気屋さんが電源つなげないと。日本中で一体誰が電源つなぐんだと私は思いました。運転手さんが足りない、今から電源を、バッテリーを買いに行く、炉心損傷の三十分前ですよ。僕は、その買いに行くというテレビ会議を見て不思議に思ったのは、どこへ一体買いに行くつもりだったんだろうと。少なくとも十キロ圏内はもう避難の指示が出ているはずです。
 そういう状況の中で、今回また小動物という議論が出てきました。私はそのことを、理由は現実にそのことなのかもしれません、これからしっかり調査されて特定されると思いますが。しかし、そうだから問題ないんだというふうに片付けないでいただきたい。
 これは、今日官邸にいらっしゃる菅官房長官にもお願いなんですけれども、我々至らなかったことたくさんあると思います。そして、今、福島の皆さんに本当に御苦労をお掛けしています。我々の至らなかったことを本当に申し訳なく思いながら、しかし、本当にそんな人為的なほんのちょっとの考えられないようなことでこういったことが起こる可能性があると。そのことについては、ただ単に規制委員会、規制庁頼むということではなくて、一定、政治からの独立性は自民党さんの強い主張もあって担保できた、そのことは規制委員会も今、一生懸命やっていただいているからいいと思いますが、しかし、政治の場においても、緊急のシビアアクシデントのときには政治も一歩出ていくことになりますから、是非、そういったほんの、ほんの小さなものが事故につながるんだということを、是非官房長官には、重々官房長官は御理解いただいていると思いますが、御理解をいただきたいというふうに思いますので、そのことに対して御感想と、規制委員会から何かあればお答えいただきたいと思います。
#13
○政府参考人(山本哲也君) 御指摘のとおり、今回、原因は恐らく小動物ではないかということではございますが、今回の件を見ますと、やはりその福島第一における電源構成の脆弱性が明らかになったというふうに考えてございます。
 もちろん、そういう脆弱性があることは以前から分かっておりましたので、東京電力に対しては、信頼性を向上するために、外部電源とか内部電源の強化を順次やってきたところでございますが、ただ残念なことに、今回のこの仮設の配電盤、まさにこれ、工事をこれからやっていって強化しようとしていたときに、やさきに起きたものでございます。まさに、そういうまだ設備に弱いところがたくさんございますので、これを多重化するなどいたしまして、しっかりとした電源構成をやっていくことがまず大事でございます。
 それからもう一つは、今御指摘がありましたように、この復旧のために約三十時間、時間が掛かっております。こういう緊急時の対応体制について問題がなかったかといったことも大きな課題だと思っております。したがって、事故は、トラブルとか必ずあり得ることでございますので、幾ら設備の構成を強化したとしても、万が一の場合の緊急体制、これをしっかり整備していくことも併せて必要だというふうに考えてございます。
 したがいまして、規制委員会としましては、今回の件を十分踏まえまして、東京電力に対しまして、設備面それから体制面についての強化をしっかり対応をさせていきたいというふうに考えているところでございます。
#14
○国務大臣(菅義偉君) ただいま委員から実体験を基にお話をいただきました。私も官邸に入ってまだ三か月足らずでありますけれども、あそこの中にあって、まして原発事故という初めてのことに大変心を痛めて、まさに昼夜たがわず体制を整えたんだろうというふうに思っております。
 まさに想定外のことを想定をしなければ危機管理というのは実行に移すことができないのかなという思いをしながら、今までのそうしたことをしっかり今もお話しいただきました。そうした中で、この危機管理にこれからもしっかりと努めていかなきゃならないという思いであります。
 今後ともどうぞよろしくお願いを申し上げたいと思います。
#15
○福山哲郎君 官房長官から重い言葉をいただきまして、ありがとうございました。是非よろしくお願いしたいと思います。
 規制委員会も懸命に頑張っていただいていると思います。私は言葉じりをつかまえる気はないですが、一つ気になったのは、私、規制委員会の方に、というか規制庁の方に今回の事故について、事故というか停電について説明しに来てくれと言われたとき、今審議官がおっしゃられたことと同じようなことを言われたんですね。元々、脆弱性だったこと、脆弱性があることは理解していたので、元々の配電を変えるつもりだったところがやられましたと言われたんです。実は、これは後でやるつもりだったとおっしゃったんですね。
 実は、この後付けの説明は非常に危なっかしいんです。元々やろうと思っていましたと、それいつやろうとしていたんですかという話になっていかざるを得ないんですね。それが、はっきりとした予定がないとか計画がないところで現実に脆弱だったところで、たかだか小動物のところでこういった事態が起こったわけです。
 御案内のように、使用済燃料プールは四号機は特に温度がまだ高いですから、相対的に言うと、四・五二日で六十五度に達します。先ほどの時間の長いか短いかについて私はこの場では議論しないと申し上げたのは、そういう水掛け論をしても仕方がないからです。しかし、今回の復旧が短いか長いかというのは、皆さん、実は多分、相当緊張感を持って対応していたと思います。
 ですから、元々脆弱性を認識していたけれども、その準備、やろうと思っていたことができなかったので、元々やろうとしていたところをつないだだけですという説明をされたんですけど、前回も、私のところに来られたときに、でも、そのこと自身が私は考え方のポジショニングとして、ちょっと立ち位置として違うのではないかなと、実はその説明の仕方には私はちょっと心配をしています。
 その体制は、実は前の保安院の体制ではないのかなと。規制委員会、規制庁というのは、そういう体制で物事を考えないことを前提に改めて皆さんが仕事をされているのではないかなと思いますので、これはもう口幅ったい言い方になりますが、是非そこのところはしっかりと対応をお願いしたいと思いますが、いかがですか。
#16
○政府参考人(山本哲也君) 御指摘のとおり、福島第一の設備につきましては、まだ脆弱性があるということを認識しながら、それを改善をしていくということが当然必要でございます。もちろん、それには一定の時間が掛かるということではございますが、ただそれは時間が掛かることが決して許されることではありません。その後、体制ができるまでのリスクをきちっと認識をして、そのときにもし万が一のことがあった場合でも対応できる準備をしながらきちっと対策なり作業を進めていくということは大変重要でございます。
 そういう意味でも、常に緊張感を持って、万が一のことを十分念頭に置きながら対応していくと、こういう心掛けで進めてまいりたいというふうに考えておるところでございます。
#17
○福山哲郎君 ありがとうございます。是非よろしくお願いしたいと思います。
 森大臣は福島の地元ですから、もうかなりこのことでは御苦労いただいたし、今回の停電でも恐らく、現地、地元のことを考えれば本当に心配をされたと思いますし、何よりも地元の皆さんがまたかということで心配をされたと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
 次に行かせていただきます。
 次、甘利大臣にお伺いをしたいと思います。
 景気回復は我々も望むところです。株価が上昇していることも私は否定をしません。特に、私は元々証券会社におりましたので、株価が上がると元気になります。
 ですから、景気が良くなるというのは、よくよく当たり前のように言われますが、気でございますので、株価が上がってみんなが前向きになり、そして、よし、じゃ、株が少し上がったから子供に何か買ってあげようかとか車を買おうとか、ひょっとしたらささやかながら家族で食事にでも行こうかというような議論がそれぞれの家庭で起こることは非常にいいことだと思いますし、企業にとっても含みが増えるわけですから、これは新たな投資の可能性になると思います。逆に、庶民は株を持っていないので、株などは持っていないからお金持ちがもうかるばかりではないかということですが、そこから回り回って何とか所得が増えるような状況になることを今の政府も考えていただいているので、賃金を上げろというようなことも言われていることも私は基本的には理解をしています。
 我々も、これは半分負け惜しみでございますが、成長戦略を昨年の七月に作り、そして前原戦略担当大臣が、一定、日銀との協定もして、まあある意味株価も徐々に徐々に上がりかけていたときに政権交代が行われました。しかし、それは安倍政権のアベノミクスというある種のやはりメッセージ性の強さと、更に言えば、国民の期待、それからマーケットの期待感がそこに合致をして株価が上がっているというところで、その部分に関しては我々の力不足を認めざるを得ないと私自身も思っています。
 ただ、一定、じゃ、甘利大臣が経済再生担当大臣として言われる経済の再生、景気の回復というのはどういったものをメルクマールとしているのかということをやはりしっかり聞いておかなければいけないと。つまり、やみくもに景気が回復している、気だけでは困るんです。抽象論だけでは困ります。株価が上がっていますが、現実問題として企業業績にまだ直接来ているわけではない。もちろん、輸出企業にとっては円安でプラスの部分は出てくるでしょうけれども、逆に円安で資源が上がっている部分だけ厳しい状況も裏返して言えば企業業績では出てきているはずです。
 そういった問題も含めたところで、甘利大臣の言われる景気回復、経済再生の定義というのは、一体どういう定義を想定をしておられるのかについて確認をさせていただきたいと思って御質問をさせていただきたいと思います。
#18
○国務大臣(甘利明君) リフレ派とかリフレ派ではないとかいう議論が随分あります。正直に申し上げると、私はリフレ派ではない方の部類なんです。アベノミクスというのは、リフレの効用をもっと真っ正面から見据えてとらえているやり方です。ここは、正直言って、私も自分自身のかつての経済政策、金融政策に関する見方を少し修正しなきゃならないなという思いがありました。
 まず、世の中の気を変えていく。今委員が御指摘のとおり、景気というのは気の部分がかなり強いと思います。それは何かというと、デフレ期待というか、期待というと希望しているように見えますけれども、予測ですよね。デフレ予測が続きますと、要するに、お金は持っていればいるほどお金の価値は上がるわけでありますから、それを使って消費するとか、それを使って投資するという意欲の面では減退をしていきます。つまり、同じお金が今年よりも来年は価値が上がるわけですから、持っていればいるほど価値が上がるというものは消費や投資には回っていきません。このマインドを変えるということは、実は私が思っていた以上の効果があるということが実感をいたしました。お金は、その投資をする対象とか消費をする対象があれば、今使った方があした使うよりも有利なんだという気持ちを持たせるということは、投資や消費を伸ばしていきます。
 そういう景色を劇的に変えるということと同時に、実際に買いたい商品が出てくるとか、実際に投資したい対象が起きてくるということが実体経済につながっていくことでとても大事なことです。つまり、景色を劇的に変えるということと実態を追従させるということが大事だと思います。
 でありますから、金融政策で景色が間違いなく変わっていくんですよという地合いを変えて、その後に、まず財政出動で具体的な需要をつくると。かつて我々も十五年間のデフレの状況を、まあ民主党さんもそうだったと思います、手をこまねいていたわけじゃないです。何とかしようとみんな思っていたと。しかし、思っていろいろやったけれども、そのたびにはね返されてきたという事実があるんですね。
 何ではね返されてきたのかと。財政出動で、言ってみれば車のアクセルを踏んだと、そのためのガソリンを入れて踏んでみたと。そのときには車は確かに加速しましたよと。でも、財政出動の分のお金が終わって、アクセルから若干足が離れると、そうすると減速をすると。その繰り返しで、よく気が付いてみたら、サイドブレーキが目いっぱい引かれたままだったと。これを外さなきゃならない。これがデフレだと思うんですね。これを外さないと、経済効果がちゃんと効果として出てこないと。だから、サイドブレーキを外すという作業が、まずデフレ期待からインフレ期待、インフレ予測に世の中の景色を変えていく。つまり、お金は持っているよりも使った方が得なんですよと。そのために具体的な需要をつくると。
 その次が大事で、今度は民間が投資をする対象が見えてくるようにする、あるいは消費をしたくなるような物やサービスがデビューをしてくると、こういう環境が大事。ここがやっぱり民間投資を喚起するような経済成長戦略という三本目の矢につながっていくわけであります。
 ですから、一本目の矢で景色を変える、二本目の矢で具体的な需要をつくって種火に火を付けていく、三本目の矢でもっと大きな経済が動いていくような投資の先とか消費の先をつくっていく、これが経済成長戦略で、この三本の矢がしっかりつながっていったときに民需主導の自律的な経済成長に向かっていくというふうに考えております。ですから、三本目の矢、これが一番大事なところに差しかかっているというふうに思っております。
#19
○福山哲郎君 非常に丁寧に御説明いただいたので、大臣のお考え、私自身は理解をしました。我々も政権を維持できたとしたら補正予算を作ろうと思っておりましたし、成長戦略はやはり新たな実需をつくるために必要だといって昨年の七月に我々も作りましたので、そんなに大きな私も異論はないんですし、また、大臣が私はリフレ派ではないと言われたのは若干ニュースになるかもしれませんが、リフレ派ではないと言われたということで、そのことも含めて私自身は理解をします。
 ただ、私がお伺いしたのは、それは、大臣が将来的にこうなったらいいなという話でございます。それを我々もそんなに否定をするものではありません。しかし、そのことはメルクマールとは一体どういう指標を大臣は想定をされているのか。
 例えばで申し上げると、これも半分負け惜しみなんですけど、民主党政権は、自民党政権が終わられた後の三年三か月でGDPギャップは約十五兆円改善をしました。GDPデフレーターもプラス五%改善をしました。我々の成長戦略は、御案内のようにグリーンや、さらには医療、ライフ、さらには観光、そういったものを作らせていただいて、例えば教育の問題では二十三万人雇用が増えました。医療、福祉では八十五万人雇用が増えています。実は、いろいろ言われましたが、建設業も十一万人増えています。
 もちろん我々の点が至らなかったこともありますし、先ほど大臣がまさにおっしゃったように、自民党政権も前の政権時代も御苦労をされていたと思います。徐々に徐々にデフレは改善に向かいつつあったという認識は、私の中ではあります。いや、自民党が政権を再度担われたときにはもうそういった認識はなかったのかもしれませんが、私自身は、実は震災が三・一一、起こる前、二〇一一年の時点では、ほぼ日本は成長に向けて、デフレ脱却に向けて離陸するのかなと二〇一一年の春には感じていたら、三・一一に震災がありました。ですから、非常に残念な思いはありますが、大臣の中で、例えば、もう一度お伺いします、どういった事態が経済再生を担っておられる大臣にとってのメルクマールになるのか、もう少し具体的にお答えをいただけませんでしょうか。
#20
○国務大臣(甘利明君) その前に、リフレ派論議なんですが、正確に申し上げますと私はリフレ派ではありませんでした。しかし、リフレの効用ということを総理の毅然たる姿勢、正直言って、あそこまでリフレ論を持ち上げて大丈夫なんだろうかという心配がありましたけれども、それが実際に効果が上がったということで、ある種、見方を変えなきゃならないということをその後思い至って、リフレにはリフレなりの効用があり、それが今回明確に効能を発揮したというのは紛れもない事実だなということを今私は見詰めているということであります。
 それから、委員の御指摘の、何をメルクマールにするかということであります。その何をメルクマールにするかということの中で、民主党政権の時代に成長戦略いろいろ取り組まれました。グリーンとかライフとかですね。それ自身は私は間違っているとは思いません。もっと言えば、民主党さんが成長戦略を出したときに野党であった自民党内でどういう論が起きたかというと、あれだって、俺たちだってやっていたじゃんという話なんです。つまり、民主党の成長戦略の前の自民党の成長戦略も、まあある種似たようなところにフォーカスを合わせていました。だから、目指すべきものというのは、どこが与党であれ政権を取れ、そう変わらないということだと思うんです。
 じゃ、何が違うかというと、私も今回この役を担当する前に、自民党で去年の八月までにあらまほしき姿というのを取りまとめて提言をしました。政調会長になりまして、それを政権公約として打ち出しました。この職に就く前に、実は当時、政権を取る前の総裁、安倍総裁からは、内々、この種のポストに就くというような暗示が私にありましたから、その設計をいたしておりました。
 その中で、じゃ、自民党も成長戦略を組んだ、民主党も成長戦略を組んだ、でも、それが思うようにうまく効能が発揮されなかった。民主党さんに言わせれば、もうちょっと長く取っていれば俺たちはできたんだとおっしゃるかもしれませんが、いずれにしても、事実としてなかなか効能が発揮されなくて、評論家の皆さんからは、いろんな成長戦略作ってもみんな似たようなもので、それができなかったじゃないかという批判をいただいています。
 それはなぜかというと、私が得た結論というのは、政府のコミットが明確でないと市場からみなされた。つまり、投資しようと思っている方は、本当にこれに投資するという気持ちにまで動かなかったということが一番の問題だったと思っています。
 そこで、我々が今やっていることはロードマップ化するという作業です。今の問題点を幾つか分析しました。四つぐらいに分析をしています。今ある課題ですね。今、日本が抱えている課題というのは、一番大きな課題は少子高齢化という課題です。これは、少子高齢化がこのままいけば生産人口が減っていって経済活力が落ちていく、社会の活力が落ちていく。だから、現状を見据えながら、それが理想的になる姿を描いて……
#21
○委員長(相原久美子君) 大臣、端的にお願いできますか。
#22
○国務大臣(甘利明君) 端的に言っているつもりです。(発言する者あり)いやいや、それは理解力がないからです。
 それは、目標、理想的な目標に向かって今を結んで、そこの線上にやるべきことを並べていくわけです。それで、時間軸を作っていって、ここに到達すると。そうすると、民間が本気度を試しているわけでありますから、民間がこれは本気だなと思うと投資していく。だから、国がやらなきゃならないものは規制緩和とか基本的な研究開発です。それを時間軸の中で、どういう中で処理していくかと。到達点はこういうことになりますと。そうすると、フルパッケージで完成したときには、その課題が輸出できるということになります。これが一番大事なところであります。
 ですから、我々が描いているのはロードマップ化するということで、時間軸で何を国がやるべきか、それによって民間はどの軸で自分たちの投資が始まるかということを想定できるということであります。
 個々の指標化というのは、KPIとか言われていますけれども、これは幾つか今作っております。
#23
○福山哲郎君 ロードマップ化もパッケージ輸出も我々議論していたので、我々も作っておりましたから、別に我々がなかったというわけではないと思いますが、逆に、もう少しやはりメルクマールを具体的にしていただきたいと。
 今あるのは緩和のところで、インフレ目標二%は到達させるんだということを黒田総裁ははっきり言われたと。ここは日銀総裁としての責任です。しかし、政府として、先ほど甘利大臣が言われた、リフレの効用がこんなにあるのかどうか、私も認識していなかったけど、ありそうだとおっしゃったんですが、まだ三か月、四か月です。やはり、円安のネガティブな問題、これは委員会でももうさんざん議論されていますから私は繰り返しませんが、やっぱり資源エネルギー価格の上昇というのは間違いなく国民に跳ね返ってきています。
 効用といっても今株が上がっているのと円安が進んでいるぐらいで、あとは実態的にはまだ何も見えていません。まだ効用のコの部分は多少は見えておりますが、トータルで見た政策としてどういうふうに評価するかは恐らくこれからが課題だと思っております。
 甘利大臣が言われた少子化の問題に対してしっかりとロードマップを作るというのは、逆に我々がずっと主張していたことで、逆に、だからこそ、与党を経験した、与党と野党を経験した政党がそれぞれいるというのは、僕はそれなりに意味があると思っていて、私は、野党ばっかりやっていた時代の質問と随分自分の質問スタイルが変わったなと思って、もう本当にやりにくいなと思っているんですけれども、でも、それも一つの自分なりには進歩のあかしかなと言い聞かせて今こうやって質問していますが、しかし、今の大臣のメルクマールの主張は、ちょっと私自身さすがに納得しにくくて、もう少し明確にしてもらわないと、我々自身が、仕掛品だった、向上していた部分というのはたくさんあるんですね。住宅着工件数などは、正直申し上げると、自民党時代の七十一万戸から、我々のときには八十七万戸に増えています。さらには、鉱工業の生産も比率が上がっています。いろんなところで実は改善の兆しがあったんですね。
 このことは、先ほど官房長官も甘利大臣も言われましたが、いいものはやはり我々が与党のときの政策であっても伸ばしてもらわなきゃいけない。そこをしっかり取捨選択して伸ばすものは伸ばすという判断をしていただかないと、我々も別に民主党のために政権を担っていたわけではありません。国益、国民のために担わせていただきました。それが国民にはなかなか我々の力不足で理解をいただかなくて今回こういう状況になりましたけれども、しかし、いい指標が出ていることについては、是非そこは取捨選択をしていただきたいと。もうこれ以上メルクマールを聞いても出てこないと思いますので、次に行きます。
 あと、一方、日本の国債は大部分が国内セクターが保有していると、もうよく言われる話です。国内で保有しているから国債は売られないと、金利は上昇しないんじゃないかというのが、ある説としては根強くあります。日本は国内消化だ、外国に国債を依存しているわけではないんだ、国内消化だから日本はまだまだ大丈夫だという議論があると。
 このことについて、甘利大臣はどういうこの説についての御認識をお持ちか、お聞かせいただけますでしょうか。
#24
○国務大臣(甘利明君) そういう説があるのはよく承知をしております。しかし、私は慎重でなければならないと思っております。
 今、日本国債の外国保有率が上がってきておりまして、今は九・一%ぐらいになっていると思います。昔はもっと少なかったですね。これからその比率は正直言って上がってくると思います。その際に、国内で消化されているから大丈夫だということで国債の信用が保たれていくとは正直思っておりません。
 ですから、そこで大事なことは、財政再建に対する政府がいかに強いコミットをしていくかだというふうに思っております。
#25
○福山哲郎君 これは事実関係ですので大臣にお答えいただくのか政府委員かよく分かりませんが、過去、九〇年代以降ですが、特に日本が低金利政策を実施以降ですけれども、国債を金融機関がある一定水準ぐらいまで一斉に売却をして金利が上昇した局面が事実としてあったかどうか、お答えいただけますでしょうか。
#26
○国務大臣(甘利明君) たしか二度ばかりありました。
#27
○福山哲郎君 その期日、いつと、いつからかとお答えいただけますでしょうか。
#28
○国務大臣(甘利明君) 九〇年代以降で長期金利の高騰があったのは、一九九八年十一月から九九年二月の、これはいわゆる資金運用部ショック、それからもう一点が二〇〇三年六月から九月の、いわゆるVaR、VaRショックと言いますけれども、バリュー・アット・リスク・ショック、この二回であります。
#29
○福山哲郎君 大臣、二〇〇三年のときはどのぐらい金利上昇しましたか。
#30
○国務大臣(甘利明君) 資金運用部ショックのときには、最低値が〇・九五三%であったのが、最高値が二・六八七%まで振れたと。それから、VaRショックのときには、最低値が〇・四二二%だったのが、最高値は一・六八四ですから、両方とも一%以上振れているということです。
#31
○福山哲郎君 先ほど大臣が、国内セクターが保有しているから日本の国債は大丈夫だという議論には余りくみしないと、慎重にしなきゃいけないと御答弁をいただいたので、私は取りあえずは安心をしたんですが、実際に日本の金融機関が持っているから、日本のセクターが持っているから大丈夫だという議論は、一種僕は希望的な問題だと思っています。
 なぜかというと、それぞれの金融セクターは、自分の持っている保有国債が売られ出したら自分の財務内容悪くなるわけですから、経営者の立場でいうと、それはずっと持っていて含み損を増やすわけにいかないんですね。そこは経営の論理、資本の論理の中でいうと、当然売り込まれる可能性が出てくるんです。
 つまり、マーケットというのはいろんな課題について一瞬に反応します。そして、今のマーケットは、リーマン・ショックもそう、悪いときにはリーマン・ショックのようにして、今回のアベノミクスのようにいいときも、ある種一斉にマーケットが動いたときにはみんなで行こうと、みんなで行けば怖くないみたいな状況のときに、じゃ、国債が売られるような事態が僕はないことを願いますが、そのことが起こったときには、日本の金融機関は国内セクターだからといって持ち続けてもらえる保証なんてどこにもないんです。
 つまり、そのことについて政府は是非抑制的かつ慎重にあっていただきたいと私は思っています。そのことについて大臣は先ほど慎重だと言われたので、私は先ほど申し上げたように少し安心をしましたが、もう一度決意だけいただけますでしょうか。
#32
○国務大臣(甘利明君) この過去の二回のショックですね。往々にして部分最適が全体不最適になるという典型的な例ですね。一金融機関としては正しい行動が、全部が一斉にそれを取っちゃったら大変な振れになっていくということです。これは厳に気を付けなきゃいけないと思います。
 そこでは、大事なことはやっぱり対話をしっかりしていて、このぐらいの国債消化が必要であるということの対話を常にそういうところと、消化を引き受けてくれるところとしていて、一斉な行動にならないようにするということが大事なことと。
 それから、やはり日本の国債は紙くずには絶対ならないと。なぜならば、政府はこういうプランで財政再建をちゃんとやっていきますからという強い姿勢をしていくということで、ゆめゆめこれから、特にこれだけ国債依存度が上がっていますと、そこは財政当局、経済金融運営、経済にかかわる当局は相当気を付けた姿勢を持ち続けていかなければならないと。委員の指摘はまさにそのとおりだと思っております。
#33
○福山哲郎君 ありがとうございます。
 ほかにもいろいろあったんですが、次へ行かせていただきます。
 官房長官、会見でしょうから、どうぞ御退席いただいて結構でございます。
#34
○委員長(相原久美子君) 御苦労さまです。
#35
○福山哲郎君 次、DV対策についてちょっとお伺いをしたいと思います。
 先週、ストーカー事案及び配偶者からのDV事案について警察から発表がありました。ストーカー事案が一万九千九百二十件、ストーカー法施行後最多になりました。それから、配偶者からのDV事案の認知も四万三千九百五十件と、これも法施行後最多となりました。
 これ、最多となったのは確かに非常に遺憾なことですし、見過ごせない状況ですが、逆に最多となったのは警察がそれなりに頑張っていただいている成果であるとも私は思っています。つまり、それだけ警察に行けば何とかしてもらえるんではないかというそれぞれの被害者の思いが、警察に駆け込むことによってこういった認知が顕在化をしていると。ですから、多いことが全て悪いわけではなくて、多いことをちゃんと受け止めてもらえるという状況は、一定私は評価ができると思っていまして、最近の警察のストーカー事犯、暴力事犯、DV事犯に対しての昔のような門前払いが総体的に減っていることについて私も認めさせていただきたいと思いますし、ここは古屋大臣におかれましても継続をお願いをしたいと思います。
 しかし一方で、顕在化しているのはある意味でいうと良くはない、多いのは良くないんですね。やっぱり減らしていかなきゃいけない。そのことについて、いわゆる今DV法の改正の議論がいろんな被害者から出ています。
 これは、DV防止法は配偶者が対象になっておりますが、実は今、大臣方は御案内だと思いますが、デートDVという言葉が大変あちこちに出ています。配偶者ではない関係者からのDVなりが非常に多発をしていて、ストーカー法ではカバーできない部分をDVでカバーしたいと思っても、DV法は配偶者という特定がある部分だけ実はここにも限界があって、ストーカー法の範囲でカバーできない部分とDV法の範囲の間に実は少しすき間ができていて、このすき間を何とか埋めたいという思いが被害者の方にたくさんあります。
 これは、なかなか配偶者より枠を広げるというのは法律的に難しいというのは私は重々承知しているつもりですが、配偶者等という形で、等を付けることによって何らかのガイドラインのようなものを付けてこのDV法の改正を若干議論したい。これは今超党派でも議論をしていますが、是非このことについて法務省の見解をいただきたいと思いますが、法務省、いかがでしょうか。
#36
○政府参考人(萩本修君) DV防止法の保護命令の対象を交際相手に拡大するという議論ですが、これはDV防止法の制定時以来されているものですけれども、同時に幾つかの課題も指摘されているものと承知しております。
 その主な課題を二点御紹介しますと、一つ目として、配偶者による暴力の場合には類型的に見て外部からの発見、介入が困難であるという事情があるのに対し、広く交際相手からの暴力といった場合にはそのような事情に乏しいのではないかという指摘がございます。
 二つ目としましては、交際という概念そのものが法律上の概念としては不明確ではないか、そもそも保護命令制度は、ある者が将来的に他の者を害するおそれがあるということを国家機関が判断し、予防的な観点から個人の行動の自由を刑罰を背景に制限すると、こういう現行法上特別のものですので、そういった不明確な概念に依拠することには慎重であるべきではないかという指摘でございます。
 したがいまして、保護命令の対象を拡大するとしましても、単純にその交際という概念で外延を区切ることは相当ではなく、何らかの要件を上乗せすることによって配偶者からの暴力と質的に同質なものに限るとともに、その対象となる範囲を明確にする必要があるのではないかと考えているところでございます。
#37
○福山哲郎君 その議論はもうずっとやっている議論です。何らかの要件の上乗せが必要ではないかということを言っていただいていること自身が、私は法務省は少し前向きに踏み出していただいているんだというふうに思っております。
 今の、配偶者なら発見しにくいけど交際者はというのは、本当にそうかなというのは十分にあります。例えば、交際をしているからといって、じゃ何でそれが周りが発見しやすいのかというのは非常に見えにくい。例えば、メールでの嫌がらせだとかメールでの強制的な問題だとかというのは周りからなかなか見えにくいというのがあって、それは配偶者と同様でございます。
 ただ、刑罰上いろんなものを制限するのは厳しいという理屈は僕はよく分かるので、今言われた何らかの要件の上乗せ規定について、法務省としてはこれは検討されているんですね。
#38
○政府参考人(萩本修君) 今の点、議員立法で改正が議論されているものでございますけれども、法務省としましても、その議員立法の取組につきまして、民事裁判手続に関する一般法を所管する立場から積極的に御協力させていただきたいと考えておりまして、現在検討させていただいております。
#39
○福山哲郎君 ありがとうございます。
 積極的に検討させていただきたいという言葉をいただいただけでも、あとは議員立法で超党派の先生方に御協力をいただいてというふうに思っておりますので、お願いしたいと思います。
 それで、実はこの配偶者からの暴力、この保護命令、すごく重要なんですけど、この保護命令に関する実態調査を内閣府が行っているはずです。
 森大臣、この調査方法、内容、そしていつ調査結果が出てくるのかについてお答えいただけますでしょうか。
#40
○国務大臣(森まさこ君) 男女共同参画会議の下にあります女性に対する暴力に関する専門調査会で昨年の十一月より配偶者暴力対策のフォローアップを行い、関係省庁や地方公共団体の実施状況などについてヒアリングを実施しております。
 中でも、保護命令について今後の議論に取り上げることとなり、その一環として、保護命令制度についてその実態とそれを取り巻く状況を分析するため調査を企画しておりますが、具体的には、保護命令にかかわったケース、交際相手からの暴力に関する今の御指摘の問題、それから関係機関との連携協力について実態を調査しまして、時期としては来月目途で取りまとめる予定でおります。
#41
○福山哲郎君 来月と聞きまして、なるべく早くこれが是非議員立法の我々の議論の中に参考になるようによろしくお願いをしたいというふうに思います。
 この保護命令ですけれども、大体保護命令出るまで平均十二日間掛かっています。実は、この十二日間という期間がちょっと長いんじゃないかと。それでなくても身体の危険、命の危険の状況がある中で十二日間というのがあって、この保護命令をもう少し、例えば仮の保護命令だとか緊急の保護命令だとか、短くするような即時発令の仕組みはできないかという意見もあるんですが、このことについてどのように法務省は考えておられますでしょうか。
#42
○政府参考人(萩本修君) 保護命令の発令は、先ほど申し上げましたような特殊な性格を持っておりますので、裁判所がその司法判断として一定の証拠に基づいて慎重に判断しなければならない面があることは、これは否定し難いところですので、一定限度時間が掛かることはやむを得ないという認識を持っております。
 ただ一方で、今委員御指摘のとおり、緊急な場合、急がなければならないという場面があることもまた紛れもない事実でございますが、そのような場合につきましては、一時保護施設を活用することによって申立人の保護を図る、そういった対策を講ずることも可能ですし、また現行制度におきましても、その相手方を裁判所が審尋をするということは原則的には求められておりますけれども、常に必要とはされておりませんで、DV防止法十四条一項の規定によりまして、審尋の期日を経ることにより保護命令の申立ての目的を達することができない事情があるときは、その審尋をせずに保護命令を発令することが可能とされております。
 実際にもうそのような無審尋で発令がされた例はありまして、件数は年によってばらつきがありますけれども、平成二十年と二十一年はそれぞれ三十件、平成二十二年は十八件、平成二十三年は十件という形で実際にも活用されているものと承知しております。
#43
○福山哲郎君 ありがとうございます。
 その審尋をしないでという状況は、今、三十件、十八件、十件と言われましたが、全体の保護命令の数は大体二千五百件なんですね。そうすると、その審尋をしない例が本当に適切な数なのかどうかというのは、これは議論の余地があって、だからこそこういった議論が出ているので、そこも是非今後法務省としては御検討いただきたいと思います。
 あと一分ですので、せっかく古屋大臣に来ていただいているので。警察官、現場で頑張っていただいています。随分前向きにというか、今までのように門前払いではない例が増えたというのも聞いておりますが、これ実際、個々の警察官が携帯して学ぶような被害者への対応マニュアルだとか、そういったものの準備というようなものの取組についてお考えをいただくあれはありませんでしょうか。
#44
○国務大臣(古屋圭司君) DVの被害者は、もう何というんですか、まなじりを決して警察に相談に来るんですよ。やっぱりその警察が、もう一番ポイントは、被害者の立場に立って親身に相談に乗る、これが全てだと思います。
 例えば一つの例として、いわゆる住民基本台帳の閲覧制限をすると、これやっぱり大きいんですね。こういったものを全部警察に細かく今指示しています。
 それ以外に、今年の二月の六日に、被害者の意思決定を支援する手続という、マニュアルです、導入して、今、各都道府県警にこのマニュアルに従って丁寧に対応しなさいということで、例えば一つの例では、被害者の希望に応じて、男性の警察官がいいんですか、女性の警察官がいいですか、あるいは、年配の方がいいんですか、若い方がいいんですかということも含めて細かく規定しています。そして、ある意味で手続していくためのロードマップもお示しをして、こういうふうな状況になりますけどいかがでしょうかという非常にきめ細かな対応をしておりまして、冒頭にも申し上げましたように、いかに被害者保護の立場に立った警察が相談に乗っていくか、これに尽きると思います。
#45
○福山哲郎君 ありがとうございます。
 私、先ほど警察の対応が改善されたというふうに申し上げましたが、しかし改善されていない場面も何度もあります。ですから、そこのところは、今大臣言われましたように、しっかりと現場の警察官隅々まで意識を徹底していただいて、被害者に寄り添っていただくようにお願いをしたいと思います。
 ほかの大臣方にも御質問を用意をしましたが、時間がなかったので、そのことについてはおわび申し上げて、私の質問を終わらせていただきたいと思います。
 もし、大臣、最後にあれば。
#46
○国務大臣(古屋圭司君) しっかり私も国家公安委員長として現場の各警察に指示、徹底をしてまいります。
#47
○福山哲郎君 ありがとうございます。
#48
○岡田広君 自由民主党の岡田広です。
 まず、宇宙基本計画等につきまして、山本担当大臣にお尋ねをしたいと思います。今日は、質問、多岐にわたっておりますので、答弁は簡潔に分かりやすくお願いをしたいと思います。
 宇宙の司令塔が内閣に一元化されまして、宇宙基本計画も決定されました。新計画は、安全保障分野で宇宙の利用を拡大することや宇宙産業振興に重点を置くものになり、五年間の工程表も作られたわけでありますが、その中で、準天頂衛星についてまずお尋ねをしたいと思います。
 平成二十二年に準天頂の初号機「みちびき」が打ち上げられまして、二十三年九月の閣議で四機体制の整備が決定をされました。計画に沿ってしっかりと進めていただきたいと考えています。
 しかし、今回の工程表では将来的に七機体制を目指すと記載をされていますが、この将来というのはいつの時期になるのか、お尋ねをしたいと思います。
#49
○国務大臣(山本一太君) 今先生おっしゃったように、この日本独自の準天頂衛星システムについては、平成二十三年九月三十日に閣議決定もありましたし、今年の一月に宇宙開発戦略本部で決定された新しい宇宙基本計画に基づいて、おっしゃったように、二〇一〇年代後半を目途にと書いてあったと思いますが、二〇一〇年代後半を目途に四機体制の整備を図っていくと。
 しかし、将来的には、先生おっしゃったように七機体制を目指していくということで、初号機の「みちびき」も含めてまずは四機体制を整備するということなんですが、いつ、具体的にこの七機体制を整備していくかということについては、現時点で正確に何年までということは申し上げることはできませんが、しかしながら、いずれにせよ、これ先生御存じのとおり、準天頂一機が八時間日本の真上にいて、八掛ける三で二十四時間、プラスアルファ、メンテナンスで一機、四機なんですけれども、アメリカのGPSの補完、補強に加えて、自律的にやっぱり持続的な測位を可能にするためには七機必要だということですから、この目標はしっかりにらんで、取りあえず、まず四機を目標どおり二〇一〇年代後半までに整備するということに全力を傾注してまいりたいと思います。
#50
○岡田広君 四機については二〇一〇年代後半と、これはしっかりやはり守っていただきたいというふうに思っていますが、やはり将来的には七機体制をということを目指すと記載をされたわけですから、できるだけ早くこの時期を明確にされるべきではないかというふうに思っているんです。将来的にはとか目指すという表現がやはり先行き不透明感、不安な感じを与えるのではないかと私は思うわけであります。
 宇宙計画全体を見渡しても、産業界にはノルマを課すような表現になっています。国に頼らず国内外から商用の受注を求めている、これは理解をするところでありますけれども、しかし、これまで五機しか受注実績がない通信衛星について、工程表では毎年三機以上、あるいは、これ今までに一回しか受注していないロケットについても毎年一機以上の受注を目指すとしています。
 産業界が自ら力を付けるということは大変大事ですけれども、やっぱり宇宙開発については政府が全体像をしっかりと示していくということがとても大事なんだろうと私は考えておりますので、是非この点をよろしくお願いをしたいと思います。
 新計画では検討とか必要という文言が入っております。必要だから検討するわけでありますけれども、やっぱり事務方の作文ではなくして政治主導で、産業界ばかりではなくして国民に分かりやすくしっかりと示すことが大切だと、そういうふうに思っています。宇宙政策は国が主導して行わなければならないと考えています。しかし、我が国の宇宙関係予算、来年度予算が総額三千二百億円を超える程度にとどまっており、アメリカに比べても十三分の一、欧州の四割程度にすぎない。
 こういうことで、宇宙関係予算が大変他国に比べて低く抑えられている現状をどう認識し、これからどう改善をされてこの宇宙計画を進めていくのか、山本大臣にお尋ねをいたします。
#51
○国務大臣(山本一太君) 宇宙関係予算、今先生から言及がありましたが、平成二十四年度でいうと二千九百八十億円ということで、これはアメリカの宇宙関係予算と比べると十三分の一、EU全体でいうと大体四割ぐらいになると思うんですが、私、宇宙政策担当大臣ですから、おっしゃったとおり、宇宙開発利用に関する予算、これはもっと増えてほしいと思いますし、その確保については努力をしていきたいというふうに思っています。
 ただ、反面、今の財政状況を考えたときに、やはり限られた予算の中でどの政策に重点を置くか、どこを絞り込んで、どうやって最大限の効果を発揮していくかということもしっかりとやはり考えていかなければいけないと思います。
 先ほど先生の方から、産業界に任せるだけではなくて、しっかり政府が主導権を取っていけというお話がありましたけれども、先ほど言及した今年一月の宇宙基本計画の中では、宇宙利用の拡大と、それからあと自律性の確保ですか、この二つの方針を打ち出しまして、その下で、例えば防災・安全保障とか産業振興とか、あるいは宇宙科学等のフロンティアみたいな重点課題というのも初めてきちっと位置付けましたので、この基本計画に基づいてしっかりとこれを実現する中で進めていきたいと、こんなふうに考えております。
#52
○岡田広君 ありがとうございました。
 めり張りを付けた予算、やはりどこに重点を置くかということもしっかりお示しをいただきたいというふうに思っています。
 宇宙は国民に夢と希望を与える分野だと思います。宇宙のことを大人にも子供にもしっかりと分かりやすく伝えることは重要であり、宇宙教育、今日は質問はしませんが、宇宙教育も大変私は大事だと思っています。
 一方で、JAXAのあるつくば市、ここは一昨年に国際戦略総合特区、そして今回環境モデル都市の選定を受けました。大臣も一月に視察をされたということでありますけれども、地元のつくばの市原健一市長を先頭に、茨城県でもこの四月の組織改編の中で国際戦略総合特区推進監というポストも新設をして、最先端の低炭素都市を目指して頑張っているわけでありますけれども、こういう国家的プロジェクトに対してもJAXAの積極的な連携協力をお願いをしたいと思っているところであります。
 このつくばは、つくばエクスプレスの開通に伴いまして、都市からのアクセスも大変便利な立地になりました。国民への宇宙に対する普及啓蒙を図るため、つくば市を宇宙広報の拠点と位置付けて積極的に宇宙の広報に取り組むべきではないかと思います。さらに、JAXAについては、つくば市との交流を今まで以上に活発にしていただき、地域に開かれた研究機関として更に地域貢献をお願いしたいと考えていますが、大臣のお考えをお願いいたします。
#53
○国務大臣(山本一太君) 今先生がおっしゃったように、JAXAは筑波宇宙センターを運営をしておりまして、これはまさに地域に開かれた研究施設の姿だというふうに私は考えています。実は大臣になって初めて宇宙センターを視察をさせていただきまして、宇宙ステーションも、大体原寸大で造られた実験棟「きぼう」とか、私が非常にいいなと思っているあの宇宙輸送システムの「こうのとり」とか、こういうのも大変見せていただきましたし、あの施設、多いときは二十万人以上の方が来訪されると。これ、公開されているということで、たしか平成二十三年か四年か、二十二万人だということも伺っていますし、たしか六月か八月かちょっとよく覚えていませんが、二回特別公開もやり、さらに地域の小学生、中学生に対して講演もやり、さらには施設の見学もさせているということで、大変重要な役割だと思います。
 私も、宇宙担当大臣なんですが、JAXAを所管する大臣の一人ですから、今先生がおっしゃった方向でJAXAがきちっと地域に開かれた宇宙センターの活動をしっかりしていくように、あるいは宇宙開発利用の中核機関として位置付けられているわけですから、そういう機能を果たしていくように、私の方からもしっかり指導監督をしてまいりたいと思います。
#54
○岡田広君 大臣から宇宙センターを見学された答弁もありましたけれども、ここ二十万とか二十二万とか、もう団体のツアー、キャパシティーが入らないで断っているという状況もありますので、ここはしっかりまた拡大ができるのかどうか、一つ頭の中に入れていただければと思います。
 安倍総理が施政方針演説の中で、世界で最もイノベーションに適した国をつくり上げますと述べておられます。そのためには、JAXAを始めとする研究機関の研究成果や実用化に向けた可能性等も評価をしていただいて、それが予算に結び付く組織体制の確立が重要だと考えます。
 世界に向けて日本の研究成果を発信するためには、研究機関の基礎研究から実用化、商品化につなげるコーディネーターを必要としているのではないかと思うんですが、これについての大臣のお考えをお尋ねいたします。
#55
○国務大臣(山本一太君) 先生のおっしゃったことは大変大事なポイントだと思っていまして、先ほども申し上げましたけれども、新しい宇宙基本計画の中で、宇宙科学等のフロンティアも実は三つの重点項目の一つに位置付けました。こういう中で、いわゆる若手の研究者の方々に夢を持って研究してもらうということもすごく大事だと思いますので、学術研究にも一定の資源を振り分けるということをその基本計画の中で書かせていただいていますけれども、更に、更にと言ったらちょっと語弊があるかもしれませんが、重要なのは、先生がおっしゃったように、今の政府の研究をきちっと商業化、日本の宇宙産業における競争力の強化に結び付けていくという視点が大事だと思っていますし、これはまさに安倍総理が言う科学技術イノベーション戦略の哲学の一つだというふうに思っていますから、先ほど申し上げたとおり、宇宙基本計画に掲げられた目標に沿って一つ一つの施策を実施していく中で、今言った出口戦略みたいなものをしっかりと打ち出していきたいと、宇宙政策担当大臣としてはそう考えております。
#56
○岡田広君 ありがとうございました。
 宇宙の開発利用に関する予算配分の方針について、前政権下の名称を改めて、宇宙開発利用に関する戦略的予算配分方針とされたようです。戦略的に宇宙政策に取り組もうとしている山本大臣の意気込みが感じられるような気もいたしますけれども、再度、今後の宇宙政策を積極的かつ戦略的に取り組むために、行動力のある山本大臣、最後に決意をお尋ねをしたいと思います。
#57
○国務大臣(山本一太君) 先生に言及していただいたんですが、宇宙政策担当大臣になって初めて内閣府に設けられた宇宙政策委員会に出席をさせていただいたときに、宇宙政策委員会で予算に反映させようとする方針の名前が経費見積り方針とかなっていたので、これでは分かりにくいと。だから、名は体を表すので、これは変えるべきだということで、戦略的予算配分ということに変えさせていただきました。
 宇宙政策はまさに国家戦略だと思いますし、一番大事なのは、民生部門だけじゃなくて安全保障の部分が入っているということだというふうに考えております。そこのところをしっかりと踏まえた上で、これも先生御存じのとおり、法律改正によって内閣府が宇宙政策の司令塔機能を果たすと、こういう立て付けが宇宙戦略室の設置でできましたので、その中で内閣府の宇宙政策の司令塔機能をどんどん高めていくと。それを通じて、やはり宇宙政策が国家戦略なんだということをあちこちに働きかけていきたいと思いますし、それは国民の方々に向けても宇宙政策担当大臣としてしっかり発信をしていきたいと思います。
#58
○岡田広君 是非、内閣府に司令塔が一元化をされたわけですから、これをきっかけにして、山本大臣、是非頑張っていただきたいと思います。
 どうぞ御退席いただいて結構です。
#59
○委員長(相原久美子君) 山本大臣は御退席ください。
#60
○岡田広君 次に、警察行政について古屋大臣にお尋ねをいたします。
 インターネット上に犯行予告などが書き込まれた事件が起こりました。これによって、サイバー犯罪に対する捜査における課題が露呈をいたしました。
 この事件で捜査に当たった四都府県警が昨年十二月に公表した検証結果によりますと、捜査員の知見の不足などが指摘されているほか、捜査員の能力向上、ウイルス対策ソフト開発事業者との連携強化についても言及がなされております。本年一月には警察庁が、一連の事案を受けて当面緊急に推進すべき施策をサイバー犯罪対処能力の強化等に向けた緊急プログラムとして取りまとめ、本プログラムを着実に実施し、サイバー空間の安全と安心を確保するよう努めるものとしております。
 後にこの事件は新たな被疑者が逮捕されましたが、今回の事件の全容解明に加え、サイバー空間における捜査能力の更なる向上は喫緊の課題であると考えます。
 現在までのプログラムの実施状況及び今後の更なる強化のための具体的な取組について、大臣のお考えをお尋ねしたいと思います。
#61
○国務大臣(古屋圭司君) 委員御指摘のとおり、コンピューター遠隔操作ウイルスですね、これによって誤認逮捕があったりいたしました。これは極めて遺憾でございますが、やはりこれを教訓にサイバー犯罪対策の捜査体制の充実と、そして技術の向上、これ絶対進めていかなきゃいけないので、今年、今委員も御指摘もありましたように、一月に緊急プログラムを取りまとめました。
 このプログラムは幾つかあるんですけど、例えば、アメリカにNCFTA、ナショナル・サイバー・フォレンジックス・アンド・トレーニング・アライアンス、ちょっと日本語ではなかなか訳せないんでNCFTAと言っているんですが、言わば産官学の組織で、多分、恐らくアメリカでも最高のレベルを持つ組織なんです。FBI入っています。それから、カーネギーメロン大学という、サイバー対策では一番アメリカでトップと言われている大学も参画をしていますし、あとは民間の関係者も入っています。ここに、やはり専門家、日本から派遣をしてしっかり研修をさせるというプログラムもやりましたし、また二百七十二名の警察官の増員、このサイバー対策のために増員をするということもさせていただきましたし、一方では、ハード面の整備で、二十四年度の補正予算でウイルスを検知するためのシステムを高度化させていくとか、そういう取組をさせていただきました。
 今後は、やはりいかにして民間の知識をどうやって警察にも吸収をしてお互いにレベルを上げていくかということなんで、これから、いわゆるそういった高度な専門知識を持った方を非警察官として、これは任期はもちろんありますね、非警察官ですから、それで非常勤の嘱託として、例えば手口を分析をしてもらうとか、こういった取組に民の力を最大限活用しようというプログラムを決定をさせていただきました。
 また、いわゆるハッカーと言われる人たちからの協力もしていこうと、こういうことでありまして、ここでいうハッカーというのは、大学の教授だとか、あるいは民間で専門的な知識を持っている人、こういった方も含まれていまして、こういった方とまず信頼関係をつくった上で、本当の意味での役に立つ情報とかノウハウをしっかり我々も研究をしていこうということであります。
 やはり捜査の手法の一つとして我々は懸念しておりますのは、ログの保存、通信記録ですね、通信履歴、これが今認められていないんですよ。やはりこれは、EUでも、もう二〇〇六年だったですか、EUの指令にも半年から二年ぐらいはログの保存をしなさいということがうたわれました。確かに今までは、そういうことをやりますと、非常に中小事業者、大変なんですね、コスト増になる。でも、今どんどん技術、容量も上がっていますので、そういった取組は十分可能だと思いまして、そんな取組もさせていただければなと、こういうふうに考えて、いずれにしても、サイバー犯罪の技術の向上、知見の向上を徹底してやっていきたいと思います。
#62
○岡田広君 是非しっかりお願いをしたいと思います。
 韓国でも、昨日ですか、システム障害が起きて、サイバー攻撃の可能性について言及した報道もされておりますけれども、最近の犯罪、刑法犯認知件数は下がっています。しかし、検挙率はなかなか上がっていません。ここは指摘をしておきたいと思います。これから更にこういう複雑なサイバー犯罪等も増えていくと思いますので、しっかりお願いをしたいと思っております。
 交通事故についても、警察当局あるいは関係機関、団体の真摯な取組によって犯罪も交通事故も下がってきている、これは大変評価をしたいと考えていますけれども、一方で、警察の不祥事、なかなか後を絶ちません。大変残念です。新聞に報道されるごとにまたかと、私は本当にもう国民の信頼を失墜をしているのではないかと思うんですが、昨年の警察職員の懲戒処分者数は四百五十八人、平成十六年以来四百人を超えたという結果です。さらに、逮捕者数は九十三人、統計を取り始めた平成十四年以来最多ということでありますけれども、例は一つ一つ挙げませんけれども、女装して下半身を露出をした、女子高校生に対するわいせつ、盗撮、京都祇園での暴走事故のときの宴会をしていた警察幹部、そして亀岡市、これも京都ですけれども、交通事故での個人情報の漏えい、そして間違った記者会見、警察内部の連携が悪いのか。あるいは、水の訓練に関してプールの中で前途ある警察官が水死をした事件等々ありました。たがが緩んでいる、人事教育が悪いのか。
 いずれにしても、しっかりここは、大臣、注視をしていただいて、警察職員による不祥事に歯止めを掛けることが今急務だと私は考えています。この不祥事防止に向けて今後どう取り組んでいくのか、大臣の決意をお尋ねをしたいと思います。
#63
○国務大臣(古屋圭司君) 本来、日本の警察は、やはり世界で最高水準の警察であると、私はそう認識しております。例えば、外国に旅行すると分かりますけど、自動販売機が町中に深夜置いてありますよね。こういう国ないですね。これは日本人の道徳性とか精神文化もあると思いますけど、やっぱり日本の警察がしっかり治安維持のために地道に頑張ってきたというところもあると思います。
 一方では、今御指摘のとおり、本当に最近不祥事増えているんですよ。平成十二年に一時増えたときに対策を講じて、ずっと減少してきたんです。それがこのまた三年間上がってきまして、二十四年は四百五十八人ということになりまして、これは極めて私は深刻な問題だというふうに思っています。そして、その内容も、今委員から御指摘があったような中でございます。
 私は、国家公安委員長に就任をさせていただいたときに四つの重点項目を挙げましたけど、その一つに警察官の不祥事を徹底的に減らしていく、このことを私は重点対策の一つとして訓示をさせていただきました。一言で言うならば、警察の幹部と、そして現場の警察官が同じ意識を持つ、モラル意識を持つということが大切です。
 ちょうど昨年の八月に、十二項目から成る警察官の不祥事防止についてのプログラムを作りました。あれ、中身はすごくいいと思いますよ。でも、あれを単に書いただけで終えるのではなくて、本当に現場で徹底して実施していく、これが大切だというふうに思います。
 それからもう一点は、やはり不祥事がありますと処分をいたしますけど、この処分は本当に厳しい処分にしていくということが必要だと思います。今でも警察官の処分は公務員の中でもかなり厳しいですね。一番厳しいと言ってもいいかもしれませんけど、もっと厳しくしていくということが大切だと思います。これは、警察官の幹部から一現場の警察官まで徹底してその取組をして、そういう不祥事は許されないんだという環境を醸成をしていくこと、このことこそが日本の警察の信頼を回復していくということにつながる、徹底してまいります。
#64
○岡田広君 ありがとうございました。
 大臣から、処罰も厳しくする、ほかの公務員と違う、全くそのとおりだと思いますので、是非そこは期待をしています。
 そういう考え方で訓示をされたというお話もありましたけれども、私は、大臣の所信の中、これ事務方が整理して書かれたんだろうと思うんですけれども、大変残念でした。
 所信の中で、これ冒頭、最近の治安情勢から始まって、国民の安全、安心を守る、治安水準の更なる向上を目指すため以下の諸施策ということで五つの課題を述べている。その課題が終わった後、最後になおとして、警察職員の不祥事が増加していることは遺憾であると。私は、冒頭、これを所信の冒頭にやって、そしてこういうことのないように国民の範を示し、国民を守るためにしっかり警察が活動して以下の諸施策をやるという、そういうふうであったらよかったなと思っておりますけれども。
 これは、「ふくしまに生きる」という警察官の手記です。原発の被害に遭って、自らも被災して、懸命にふるさとのために警察官の使命を全うしながら頑張っている本です。後でお読みいただければと思います。これは、こういう警察官もいるわけですから、やっぱりしっかりと警察の不祥事の対応はやっていただきたいというふうに思います。
 古屋大臣、結構です。どうぞ。
#65
○委員長(相原久美子君) 古屋大臣、御退席して結構でございます。
#66
○岡田広君 それでは、甘利大臣にお尋ねをいたします。
 経済再生担当大臣、そして経済財政政策担当の内閣府特命担当大臣を兼ねておられ、そしてさらに、日本経済再生本部で副本部長、産業競争力会議の副議長でもあり、まさに安倍内閣の経済政策の要であると思います。そして、さらに今回、TPPの担当大臣にも任命をされたわけであります。安倍内閣の発足後、緊急経済対策を取りまとめて、大型補正予算を成立させるとともに、日本銀行との間で二%の物価安定目標を含む政策連携の強化について共同声明を取りまとめるなど、本当に甘利大臣のこれまでの努力に敬意を表したいと思います。
 まず、この長引くデフレから早期に脱却し、日本経済の再生に向けて取り組む。今年、私どもも、何としてもこのデフレを克服して、経済、景気回復の元年にしたいという考え方を持っているわけでありますけれども、甘利大臣の決意をお尋ねをしたいと思います。
#67
○国務大臣(甘利明君) 先ほど、十五年間チャレンジをしてはね返されてきたデフレを自動車に例えてサイドブレーキという表現をいたしました。
 このサイドブレーキをしっかり解除をして、政策効果が直接車のスピードに反映されるように取り組んでいきたいと思います。そのために、大胆な金融政策、機動的な財政政策、そして民間投資を喚起するような経済成長戦略、この三本の矢を一体として矢継ぎ早に放っていくことを通じて、長年の懸案事項であったデフレからの脱却を果たし、民需主導の経済成長路線へと導いていきたいというふうに考えております。
#68
○岡田広君 産業競争力会議、六月をめどに新たな成長戦略を取りまとめる予定と伺っておりますが、成長戦略にとって大切なこと、国際展開戦略というのは大変重要だろうと思っています。
 そういう中で、クールジャパンの推進、中でも海外の日本食ブーム創出と農林水産物と食品輸出の倍増が挙げられています。私の地元の茨城県でも、メロン、クリ、レンコン、干し芋等の生産額は日本一であります。そのほか、米、梨、豚等においても上位を占める農業県であり、これらの高品質の農林水産物やその加工食品の輸出については大きな潜在力を有しているところであります。
 食の安全と食料自給率の向上、これを目指すとともに、若い人が働きたいと思えるような農林水産業とし、農山漁村の活性化を図るという観点から、この国際展開戦略の策定あるいはクールジャパンの推進にしっかりと取り組むべきと考えていますが、甘利大臣のお考えをお尋ねいたします。
#69
○国務大臣(甘利明君) 日本の農産品を含めまして、日本の国産品、物やサービス、文化や伝統、それから日本の原風景なども魅力的なものというふうに考えております。それらをコンテンツ戦略として海外に展開をしていく。クールジャパン政策、稲田大臣のところで今しっかりと取り組んでいただいておりますけれども、実は、我々が普通に思っている日本の魅力、海外から見るとこの上なくチャーミングに映っているということは、私も海外、いろいろと各国政府とやり取りをしていく中で改めて気付かされた点でもございます。農産品は守ることも大事でありますけれども、攻めるポテンシャルも極めて高いということをしっかりしながら、こちらの海外戦略は林農水大臣のところで今戦略本部をつくって取り組んでいただいております。
 総合的に日本の魅力を外に打って出る政策をしっかりとしていきたいというふうに思っております。
#70
○岡田広君 ありがとうございます。しっかりお願いをしたいと思います。
 時間がもう大分たってきましたので、もう一点だけ簡潔に質問をしたいと思います。
 日本経済を再生するためにも、持続可能な社会保障制度を確立をして、国民が安心して生活できるよう政府は着実に取組を進めていく必要があると考えますが、社会保障国民会議で今様々な精力的な議論がされているんだろうと思うわけでありますけれども、この考え方について、甘利大臣のお考えをお尋ねします。
#71
○国務大臣(甘利明君) 社会保障・税一体改革担当大臣として申し上げますが、国民会議で今六回の議論をいたしました。これから大型連休前までに精力的に十時間くらい議論をしてまいります。今まで総論的な議論をしてまいりました。これから各論に入ってまいります。医療や介護や年金やそれから少子化の問題等、しっかりと議論をしていく予定になっております。
 三党の実務者でも議論をしていく、ダブルトラックでやっていくということが決まっておりますが、それぞれ役割分担と、お互いにキャッチボールしながらやっていくという、その当初の方針をしっかり踏まえて、結論を八月の二十一日までに、これは法的な整備、そこの解釈が若干いろいろ議論になっておりますけれども、課された使命をしっかり果たしていきたいと思っております。
#72
○岡田広君 経済はもう甘利大臣中心に、株も円も非常にいい状況で進んでいますが、やっぱり国民の皆さんにとっては将来の社会保障制度、持続可能という、この制度の確立が最大の不安の要因の一つだろうと思っていますので、是非しっかりとお願いをしたいと思っています。
 最後に、TPPについてお尋ねをしたいと思っております。
 安倍総理が三月十五日に交渉参加を表明をしました。いろんな議論が、月曜日の衆議院の委員会でも様々な議論がされておりますけれども、私、分からないのは、安倍総理は、守るべきものは守り、攻めるものは攻めていく、日本の農業、食を守ることを約束をするとの考え方を示されています。林農林水産大臣も、米や麦などの重要五品目の聖域を守るよう努力をするとの考え方を示されておりますが、一方で、アメリカの米の連合会あるいはアメリカ最大の農業団体アメリカン・ファーム・ビューロー連盟の会長、全品目が交渉の対象になるという発言もされております。そして、今朝の報道でも、アメリカの上院財務委員の公聴会で、アメリカの通商部の代表代行が、日本のTPP参加について、全ての物品が交渉の対象になることを日本に確約していると指摘をしているんですけれども、これは新聞情報ですから全く正確なところは分かりません。
 しかし、伺いたいのは、先月の日米首脳会談での共同声明で、アメリカ側の懸念事項として自動車と保険部門が明記をされています。自動車についてはアメリカの考えどおりの合意がされているような報道が流れていますが、これはそのような理解でいいのか。一方で、政権公約の六項目、自民党の政権公約六項目、決議案を安倍総理に提出をしておりますけれども、農林水産品等を挙げますと、米や麦などの重要五品目についても協議をされているのか、あるいはこれからの参加してからの協議になるのか。
 この例えば日本側の農産品については、最終的な結果は交渉の中で決まっていくとの記述がされているというようなことでありますけれども、日本の農産物を始めとして、事前協議に続く本交渉の結果次第とされたという理解でいいのか。国民皆保険制度は協議の対象外とされていますけれども、今後とも協議の中に、これは参加して協議に入っても、例えば国民皆保険制度が議題に上ることはないのか。
 私、いろいろ言いましたけど、伺いたいのは、二国間協議の中で自動車だけ協議をして、協議をするということを妨げるものではないけれども、参加、交渉の前に議論が、合意がされるのかどうか、この辺について明確にお尋ねしたいと思います。
#73
○国務大臣(甘利明君) 多岐にわたる質問をいただきました。
 日米共同宣言で大事なことは、三項目ありますけれども、たしか二パラでしたけれども、お互いの国にセンシティビティーがあるんだということを書面上で確認をしたという点であります。これは非常に大事だと思います。
 それから、アメリカの自動車について二国間でいろいろ言われているけれども、日本の関心事項、農産品はどうなのかというお話であります。アメリカの関心事項につきましては、実はTPP以前からいわゆる二国間の経済対話の中でずっと向こうが関心を示している事項であります。言わば、多国間協議の以前の二国間協議でずっと向こうが興味を示してきたと。それについては今協議をしているところであります。そして、私どもの関心事項について、TPPの中で我々にはこういうセンシティビティーがあるんだということを日米間でも理解させましたし、それはTPP交渉の中でもしっかりと主張していきたいというふうに思っております。
 食と農をしっかり守るということは安倍総理もしっかり答弁をされているところであります。それから、国民皆保険制度、これを揺るがすことは絶対にないということは総理自身もはっきりおっしゃっていますから、これは全く我々が譲れるところではありませんし、そういう議論は現時点で全く出ておりませんし、ルース大使もそこを揺るがすというようなことはないという表明もされているところであります。
#74
○岡田広君 甘利大臣から答弁をいただきましたが、今の自動車についても農産品についても、日本の交渉参加が決まってから全てテーブルにのせて今の除外品の品目が出るという理解でいいんでしょうか。協議参加の前に合意をされることがあるのかどうかだけ確認したいと思います。
#75
○国務大臣(甘利明君) 結論から言えば、ただいま協議中ですとしか申し上げられませんが、これはTPPに対して云々という以前から、それと離れて二国間の経済対話の中でずっとアメリカ側の関心を示してきて、それに対して協議をしていることがずっと引き続いて行われているというふうに理解をいたしております。
#76
○岡田広君 是非、このTPPについては、次の開催が五月ということで、九十日アメリカ議会のルールとか考えるとこの五月の参加は難しい、五月と九月で開催が予定されているということでありますが、シンガポールの交渉官が七月の開催を視野に入れると。ということになると、日本はこのままいくと七月からの参加という理解でいいのか。そして、仮に七月、九月参加をして、そして十月のAPECで協定の大筋の合意をした上で今年中の妥結を目指していくという考え方も報道をされていますけど、どうも、六項目、総理に自民党の決議を提出をしましたけれども、こういうことに関して、このようなタイトな日程の中でこの重要五品目あるいはほかのものについてもしっかりと守れるのかということをお尋ねをしたいと思います。
#77
○国務大臣(甘利明君) 自民党の政権公約並びにJ―ファイルの残りの五項目、合わせて六項目については具体的な品目の提示はなかったというふうに思っております。その後、自民党側からいろいろ出されてきたということでありまして、とにかく自民党の政権公約、聖域なき関税撤廃を前提とする交渉であるならばそれには入らないという一項目めと、それから二項目以降、工業製品に具体的な数値目標を設けることは受け入れられないとか、国民皆保険制度を守る云々、J―ファイルに書いてあります。
 これは総理は、政権公約の部分については、それがなければ交渉入りをしないと。実はそうでないことが確認されたから交渉入りをしたと。それから、残りの五項目は交渉の過程でしっかりとそれは守っていくという宣言をされているわけであります。
 自民党の具体的な項目につきましては、どれをどうこうするというのはこれからの議論でありますけれども、いずれにいたしましても、日本の食と農をしっかりと守っていくというのは総理の御答弁のとおりだと思っております。
#78
○岡田広君 ありがとうございました。
 農林水産省、政府の試算も先日出ましたので、それについても農水省にもお伺いしようかと思いましたが、時間が来ましたので、またこのTPPについてはこれからの話ですから、また十分な審議をしていきたいと思いますが、いずれにしても、交渉力、発言力をしっかりと高めていかないと、やはり守るべきものは守るといっても、これはなかなか私は、各国間それぞれ考え方あるわけですから、難しいんではないかと思いますから、オールジャパン、政府一丸となって、経産省は推進だとか農水省は慎重、反対だ、そういうことで反目しないで、是非、オールジャパンで、甘利大臣を中心に、総合調整役でありますから、しっかりとお願いをして、質問を終わりたいと思います。
 ありがとうございました。
#79
○谷合正明君 公明党の谷合です。
 我が国は今後、労働力人口減少という局面を迎えて、直面していくわけであります。その中で、日本経済の再生、またその成長のためには、女性と若者の活力、力を最大限に生かしていくということが求められているわけでございます。
 そこで、安倍政権といたしましても、若者・女性活躍推進フォーラムというものが設置をされまして、この六月に取りまとめられるであろう成長戦略に向けて議論が進んでいくと承知をしております。
 その女性、若者のうち、特に若者を担当するのが再チャレンジ担当大臣でございまして、今日は山際政務官にお越しいただいておりますけれども、改めまして、この若者の活力を生かすという意味で、どのように政府は今後具体的なところを施策として展開していこうとされるのか、その決意をまず聞かせていただきたいと思っております。
#80
○大臣政務官(山際大志郎君) 今委員から御指摘ございましたとおり、政府といたしましては、今回の成長戦略というものが単に企業の競争力だけを上げればいいというものではないと、このように認識をしてございまして、その成長の果実を若者、女性がしっかり享受できるような仕組みをつくり上げることが必要であると、このような安倍政権の強い思いに基づきまして、若者・女性フォーラムというものを二回これまで開催をしてございます。
 御指摘のように、五月終わりから六月に向けまして成長戦略を取りまとめることになってございますが、そこにきちんとこの若者・女性フォーラムとしても提言を盛り込ませていただくという流れでございます。
 その中で、具体的な話ではございませんけれども、総論といたしましては、今のお話のように、若者、女性が活躍できる仕組みをどう取り込むかということをその中に盛り込ませていただきたいと考えてございます。
#81
○谷合正明君 活躍できる仕組みということでありますが、第二回のフォーラムでは私も出席をさせていただきました。具体的な話として、大学生の就職活動の時期が特に問題になりました。当然、このフォーラムでは、就職活動の時期だけが議論されるフォーラムではないとは思いますが、まず大学生の就活の時期について、どのように政府として今現状受け止められているのかということを聞きたいと思っております。
 これは、今の大学生に話を聞きますと、大学三年生の、もう実際、今十二月からスタートするということになっておりますが、少し前ですと、大学三年生の十月から民間の就職会社がインターネット上でエントリー受付を開始するということで、実質、三年生の秋からスタートしておりました。長期化、早期化というのが社会問題になりまして、私も、また党も含めて、長期化、早期化をこれ是正しなければならない。特に、大学生のこの就職活動の費用負担の問題もさることながら、本来大学で、学業でしっかり学ばなきゃいけない時期に、平日に就職活動をしていると。あるいは、留学を志す人もいる一方、断念する人もいる、その理由としては就活の時期が左右していると、様々なことが指摘をされております。
 現状では、大学三年生の十二月から広報活動が開始して、大学四年生の四月から選考活動が開始ということであります。フォーラムでは、さらに四年生からのスタートでいいではないかという議論がなされまして、私もそう思っております。
 ただ一方で、経団連は、いやいや、かつての倫理協定の、就職協定の時代にフライングする企業がたくさんあって、これ守られなければならないので、守られなければどうにもならないので、まずは現状しっかりとやっていただきたいといった声もございました。
 そこで、大学側、企業側、また学生当事者等の意見をどのように総合調整されて、またどのような方向に持っていこうと考えているのか、この点について伺いたいと思います。
#82
○大臣政務官(山際大志郎君) 今委員御指摘の点を、繰り返しになりますけれども、第二回のフォーラムの中で、今御指摘がありましたように、就職活動が長期化また早期化しているという問題、そしてそれに伴いまして、学生が本来やらなくてはいけないはずの学業がどうしても、勉学に励む時間が短くなってしまうという問題、そして最後御指摘ございました、留学ですね、留学から帰ってきたときにはもう大手の企業の就職活動が随分進んでしまっている、それがあるゆえに留学を断念するという問題と。
 そして一方では、もう一つ指摘がありましたのは、これを、就職活動を遅らせることによって、まずは大企業から就職活動が始まりましてその後に中小企業という流れがあるという現実を踏まえますと、中小企業の就職活動というものが最終的に間に合わなくなってしまうのではないかという、そういう御指摘もございました。
 そういった御指摘等々を総合的に勘案をいたしまして、まず政府といたしましては、就職活動をどの時期から始めるかという議論の前に、キャリア教育等々に関してもう少し早期に、早いうちからキャリア教育ができるような仕組みをつくれないかということ。そしてまた、中小企業の就職情報というものが圧倒的に足りないという現状を踏まえまして、中小企業の就職情報というものを、インターンシップやら、あるいは大学の中における情報発信の仕組みというものを整えていくところからまずは始めたいと考えてございます。
#83
○谷合正明君 キャリア教育を早期に活動、支援していくということで、これはそれでいいと思います。
 一方で、せっかく議論になりました就職活動の時期また時間についても、これは政府としても、大学側と企業側の話合いとはいえ、政府としてのやっぱり考えが示されるべきであると思っております。私自身は四年生からで十分であると考えております。
 キャリア教育ですけれども、その中で、例えば今自分たちで会社を起こす、起業ですね、こういうことを考える若者も増えております。
 そこで、起業ということでちょっと関連した質問になるかと思いますが、復興支援型地域社会雇用創造事業というのが平成二十三年度の補正予算で計上されまして、この三月末まで限定ということでこの事業が行われております。先般の予算委員会でもこれ取り上げられましたが、延長すべきではないかという声でございます。
 まず、一年間で予算が三十億円程度だと聞いておりますが、六百人の起業家の卵というんですかね、六百人を起業させていこうという目標があったかと思いますが、まずその実績について教えていただきたいと思っております。
#84
○政府参考人(石井裕晶君) お答えいたします。
 委員御指摘の復興支援型地域社会雇用創造事業につきましては、被災地において、今年度末までに六百人の社会的起業家と二千人の社会的企業を担う人材の育成を行うことを目標として事業を実施しております。
 最終的な成果につきましては、事業終了後に精査の上、六月に開催の予定の外部有識者による選定評価委員会に御報告する予定でございます。二月時点では、それぞれの目標である六百人と二千人、それに近い数字を確保しておりまして、被災地の起業と雇用の創造に一定の効果が上げられているものと見込んでおります。
#85
○谷合正明君 先日、福島県に私も行ってまいりまして、この事業に携わっている方から直接話を聞いてまいりました。
 それで、これ一年で終わるというのは余りにも短期間の事業でありまして、継続すべきではないかと、その方の話を聞いて私も思いました。ところが、省内仕分でこれ廃止判定になったこともあって、この事業は実はこの三月末で終わるわけであります。
 これを何とか違う仕組みをつくれないかと思います。特に、六百人起業ということで育っていったわけでありますが、これが果たして一年後、二年後、三年後定着するかどうかというのが更に重要な課題でありまして、むしろ、つくるというステージも大事なんですけれども、フォローアップ、定着をしっかりフォローしていくというようなスキームをつくっていかないと、せっかく立ち上げたんだけれども、一年して、二年して被災地から出ていってしまうと、そんなことでは継続的な持続可能な復興にはならないわけでございまして、改めまして、この事業の趣旨をとらえて、さらにフォローアップをしていくという観点からも、こうした復興支援型の地域雇用創造、これを政府として後押しする事業をつくってほしいと要望させていただきますが、現状のところを御答弁いただける範囲でお願いしたいと思います。
#86
○政府参考人(石井裕晶君) お答えいたします。
 本事業は、被災地においてできるだけ速やかに起業と雇用を創造するため、平成二十三年度の第三次補正予算において設けられた三十二億円の基金によって実施しております。今年度末までに終了する予定の事業として実施してございます。
 一方で、被災地における起業の支援は重要な課題でございまして、被災地のニーズを伺いつつ、その事業効果をよく精査した上で、類似事業の活用も含めまして、どのような形で対応すべきか、関係省庁ともよく相談の上、検討してまいりたいと思います。
#87
○谷合正明君 是非検討して継続していただきたいと思います。
 そこで、こうしたコミュニティービジネスあるいはソーシャルビジネスというのは既存の金融機関からなかなか融資を受けづらいものでございます。この今話題になりました事業も、最初に三百万円をスタートアップの支援として、支援があるわけでございます。そこで、やはりこのコミュニティービジネスあるいはソーシャルビジネスを育成していくためにも、金融機関がなかなか貸していただけないという現状も踏まえて、もう少し、かといって助成金だけに頼らない、そういう仕組みをつくれないのかという思いが私自身思っております。
 そこで、前回、内閣委員会でも尋ねたんですが、休眠口座の活用ということで、これは前政権でも閣議決定をいたしました。この休眠口座、今、年間で八百億円ぐらい発生して、そのうち百億か二百億円ぐらいは返還というか、申出によって返還されているものがあります。十年以上の預貯金の手付かずの口座をまとめた金額だと思いますが、そうしたものをこういうソーシャルビジネス、コミュニティービジネスに活用できないかという議論があるわけでございますが、改めまして、政府として、安倍政権として休眠口座の意義についてどのように受け止められているのか、官房長官にお尋ねいたします。
#88
○国務大臣(菅義偉君) 休眠口座を公共のために活用していくということは極めて重要であるという見解を、私ども安倍政権も前政権同様に実は思っております。そして、委員を始め各党会派においてこの問題について議員連盟の動きがあることも歓迎をしたいというふうに思っています。
#89
○谷合正明君 そこで、前政権では国家戦略室、国家戦略会議かな、要するに検討する会議体があったわけでございます。先般、内閣委員会で島尻政務官が私の質問に答えられまして、今度新しい体制の下で関係省庁と協力をして引き続き検討を進めてまいりたいというふうに言われました。さらに、西村副大臣からも、口座にある貯金をどういう仕組みで使えるようにするかという仕組みは金融庁の方で検討してもらった上で、使い道の方、何に使うかというところについては、地域の活性化に使うというような観点の中から検討を深めてまいりたいという答弁でございました。
 改めて、内閣官房、内閣府内でこのテーマに、総合調整する、特に使い道の議論も含めた総合調整する政務あるいは会議体というものを明確にしていくべきじゃないかと思います。立法府の方では議連で動いてまいりますけれども、政府としても動いていただきたいと思いますが、この点について官房長官の答弁を求めます。
#90
○国務大臣(菅義偉君) この使い道の議論については、関係各方面から様々な議論を拝聴しながら、政府として具体的にその体制づくりというものに前向きに取り組んでいきたいと思います。
#91
○谷合正明君 しっかり体制をつくっていただきたい、官房長官を筆頭に、各関係省庁多岐にわたる課題でもありますので、総合調整していただきたいと思います。
 それでは、次の話題に移ります。
 成年後見制度と選挙権喪失の関係でございます。
 先般、東京地裁で、成年後見制度で成年被後見人は選挙権を有しないとする公職選挙法第十一条をめぐって憲法に適合するのか否かという訴訟があって、東京地裁ではこれがいわゆる違憲判決となったわけであります。この原告の方が二年前に国を相手取って訴訟をすると言われたときに私もその話を聞きまして、その方とも会いまして、内閣委員会でも何度かこの質問をさせていただきました。当時の総務副大臣も、訴訟の動きに注視しつつ、必要に応じて適切に対処していきたいという答弁でございました。
 この地裁判決を踏まえまして、我が党も先般、政府・与党の協議会の中でも、これはやはり基本的な権利であると、選挙権というのは。成年後見制度と選挙権というのをリンクさせるということ自体がおかしいのではないかという立場に立ちまして、公選法の第十一条の最初に規定されているわけでありますけれども、ここを削除すればいいわけでございます。
 そこで、立法府としましても、しっかり議員立法という形で今後は速やかにこの夏の国政選挙の前にも立法いたしまして、選挙権の回復をさせるということが必要であると考えております。
 そこで、三月二十八日が控訴期限となっております。改めまして、政府におきまして今回の地裁判決の受け止め、それから今後の対応について官房長官にお尋ねをいたします。
#92
○国務大臣(菅義偉君) 選挙権の取扱いというのは民主主義の土台となるものでありますから、極めて重要な問題であるというまず認識を私たちは持っております。
 さらに、今委員指摘がありましたように、同じような内容で他の係属中の訴訟、これの動向も見ながら総務省と法務省の中で今検討をいたしているところでありますし、与党の中からそうした議員立法の動きも今出ていますので、そうした動向も踏まえながらこれは判断をしていきたいと思います。
#93
○谷合正明君 控訴しないということを私も信じて政府の対応を見てまいりたいと思っております。
 裁判長は、その被後見人になられたダウン症の方に対しまして、選挙権を行使して社会に参加して、国民として堂々と人生を生きてくださいというふうに判決で述べられております。極めて重要な今回の判決であったと思います。なかなか、この問題について初めて知ったという国会議員もまだまだたくさんおります。立法府が司法の判断を待たないと動かないのかという声もあるわけでありまして、やはり私ども、この立法府にいる者として、今回の裁判で提起されたこの課題については速やかに対応していかなければならないということを申し上げたいと思っております。
 次に、もう一度官房長官にお尋ねします。それは第三国定住制度についてであります。
 先般、私自身、予算委員会でこの問題取り上げまして、官房長官からも検討していくという旨の答弁をいただきました。これは難民問題の話なんですが、難民問題を解決していくためには三つの選択肢があると。一つは、自発的な帰還、母国に戻るということですね。もう一つは、避難した先の国での定住が二つ目の解決策であります。そして三つ目には、いわゆる第三国定住といいまして、A国の難民の方がB国に避難した、しかしB国でも生活の保障もないということでC国という第三国の国に定住していくというやり方でございます。
 この第三国定住に関しましては、我が国が二〇一〇年からアジアで初めてパイロット事業ということで行いました。第一陣として、ミャンマー難民ですね、このタイ側の難民キャンプにいるミャンマー難民を第一陣で平成二十二年に二十七名、平成二十三年に第二陣として十八名が来日しました。昨年九月に第三陣が来日する予定であったんですけれども、直前、急遽取りやめというかキャンセルになりました。そこで問題になりましたのは、一つは、この選考基準が余りにも厳しいのではないかという声でございました。
 そこで、私たち公明党といたしましても、難民政策プロジェクトチームとして昨年の十一月に、当時の藤村官房長官あてに申入れを行いました。一つは、受入れ対象キャンプが、今現在、タイ国内の三つのキャンプに限定されておりますが、これを三つに限定する必要がないではないかということを申し上げた。さらに、第三国定住で受け入れた難民の家族の呼び寄せについても、これは柔軟に対応すべきじゃないかと。家族の呼び寄せが、これ一切できないという前提で現地で選考活動をしておりますので、来日をキャンセルされた家族の方も、御両親ともう一生離れ離れになってしまうということで両親が心配されて取りやめになったという経緯もございます。さらに、要望の第三点としては、実際にその選考基準を柔軟に対応するだけでは不十分でありまして、日本に入ってきてからの定住支援策がしっかりと強化されないと、これは駄目なんだということを申し上げました。
 私自身もパイロット事業で入ってきている難民の方に今年もお会いしまして、昨年もお会いしましたが、一年たって難民の方々の話を聞いていると、正直、日本に来て幸せだという実感はまだまだ持っていらっしゃらないということに気付きました。ですから、入口の部分で、どうぞ日本に来てくださいとやっても、実際日本に入ってきてから、なかなか地域との共生であるとか、あるいは日本語の研修を受ける期間が限定されているとか、様々な要因の中で、余計に、人道目的でやっているにもかかわらず、不幸を生んでしまってはこれは元も子もないわけでありまして、そういう総合的な私は見直しをしていくべきではないかと思っているわけであります。
 そこで、まず官房長官にお尋ねしたいのは、第四陣、今年ですけれども、今年受入れを予定する第四陣に対しての選考基準の見直しについて、どのような結論になったのかということをお答えいただきたいと思います。
#94
○国務大臣(菅義偉君) 委員から御指摘がありました受入れ難民のキャンプの拡大、あるいはこの家族との関係の範囲の拡大、こうした実は見直しを行ったところであります。さらに、やはりこの日本に来て良かったと思っていただけるように定住支援策、これは地方自治体などと協働して行うことを、私ども今欠けていたんだろうなというように思っていますので、そうしたこともしっかりと対策を講じていきたいと思います。
#95
○谷合正明君 それで、この第四陣はあくまでもパイロット事業ということでございます。その五年間のパイロット事業を終えてその後どうするのかということも、また実は、今年もう早々にでも政府として決めなければならないわけでございます。
 改めて、このパイロット後の第三国定住制度の我が国としてのかかわり方、やり方についてどのように議論をしていくのか、またそのスケジュールについて、官房長官にお尋ねしたいと思います。
#96
○国務大臣(菅義偉君) 現在、官房副長官を議長として難民対策連絡協議会を開催をしています。そういう中で、第三国定住に関する有識者会議、ここで検討を行っていますけれども、有識者の皆さんの意見を参考にしながら、この難民対策会議で検討をし、先ほど申し上げましたけれども、やはり日本に来て良かったと思えるように、まさに地方自治体ともしっかり連携をして対策を講じていきたいというふうに思います。
#97
○谷合正明君 なかなか、細かいといったら変ですけれども、小さい話題かもしれませんが、しかし、この日本が第三国定住をするといったときに、極めてミャンマー難民のコミュニティー、タイ国側ですよ、あるいはアメリカにいるミャンマー難民の間でも非常に歓迎の声が上がったんです。実際、私も昨年アメリカに視察して回ったときにも、日本がこういう制度をやっているということは承知をしておりました。そして、タイ側にいる難民もこの日本の制度というのも知っているわけでございます。
 一昨年の十一月に、衆議院、参議院の本会議でそれぞれ難民保護と支援に関する国会決議を行ったと。この決議も、実は世界で初めての決議でございまして、UNHCRを含め国連機関、国際社会の中からも大変歓迎の声が上がったわけであります。あるいは人道支援を行う国日本として、やはりこの第三国定住を今後どうしていくのかということは、実は、数は小さいかもしれませんが、非常に大きい問題、課題であると認識をしておりますので、どうぞこの第三国定住難民ですね、彼らは人生を懸けて日本に、パイロット事業かもしれませんが、彼らは人生を懸けて日本に来ました。政府としては、パイロットだからといって、試行錯誤ということもあるかもしれませんが、彼らの人生が懸かっているということを踏まえて検討してやっていただきたいと思っております。
 それで、もう時間に、あと二分残っているんですが、最後に北村政務官にお越しいただいております。道州制についてだけ触れさせていただきます。安倍政権の基本姿勢をまず伺いたいと思っております。
 道州制については、例えば年金、医療、介護、生活保護といったナショナルミニマムをどうしていくのかという問題であるとか、国と地方の債務の問題、国の債務をどう移譲するのかとかいう問題、様々議論があろうと思います。
 一番の問題は、国民にこの道州制というのはどういうものなのかというのがまだまだ伝わっていないということだと思っておりまして、そこで、我が党としましてもマニフェストで道州制国民会議というものを設置をして、三年掛けて幅広い議論をして集約していこうじゃないかということを掲げているわけであります。
 立法府の動きとしてはこういう動きもございますが、改めて、政府として道州制の推進に関してどのように今後されていくのかということをお聞きしたいと思います。
#98
○大臣政務官(北村茂男君) 道州制の導入は、国の在り方を根底から大きく変える改革でありまして、住民に対する行政サービスの向上や行政の効率化を図るとともに、国家の統治機能を強化することを目指すものと理解をいたしているところでございます。
 こうした大変大きな改革であるからこそ、道州制の具体的設計に当たりましては、今お話のような国民的な議論が必要であり、それを進めるためにも、まずは道州制に関する基本法の早期制定を目指し、与党において今精力的に検討が行われているところでございます。
 今後とも、政府といたしましても、与党との連携を更に深めまして、更に積極的に取り組んでまいりたいと考えているところでございます。
 以上でございます。
#99
○谷合正明君 江口先生が午後、道州制についてしっかり議論されるということなので、私の方はこれで終わりたいと思います。
 どうもありがとうございます。
#100
○委員長(相原久美子君) 午後一時に再開することとし、休憩いたします。
   午後零時六分休憩
     ─────・─────
   午後一時開会
#101
○委員長(相原久美子君) ただいまから内閣委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、内閣の重要政策及び警察等に関する調査を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#102
○芝博一君 民主党・新緑風会の芝博一でございます。
 内閣委員会は長く所属はしているんですが、久しぶりに質問をさせていただきたい、こう思っております。
 今月の七日の日に衆議院の予算委員会で安倍総理が、日本としては十年ぶりに公式にロシアを訪問したい、こんな表明をされました。あわせて、前後して、森元総理にロシアの訪問を総理の命を持って派遣をいただきましたけれども、これについて、その経緯と目的について官房長官にお聞かせいただきたいと思います。
#103
○国務大臣(菅義偉君) 森元総理につきましては、二月の二十日から二十二日まで安倍総理の特使として訪ロをいただきました。幅広い日ロ関係の協力について、特にプーチン大統領と親交の深い森元総理にお願いをして、今委員が御指摘にありましたように、安倍総理の訪ロのための地ならしをしていただく、そういう目的でお願いをいたしました。
#104
○芝博一君 プーチン大統領との長い深い関係を重視した上で、あえて森元総理に特使として訪ロしていただいたということでございます。この特使という立場、権限について、官房長官、お伝えください。
#105
○国務大臣(菅義偉君) 内閣の正式に意を受けた形で正式な訪問ということであります。
#106
○芝博一君 内閣の正式に意を受けた訪問、使節、使者だということの御理解でよろしいですね。
 それで、今総理の十年ぶりの公式訪問の地ならしといいましょうか、先遣隊的な形の御訪問ということでございますけれども、それだけじゃなしに、今回の訪問については、事前からも含めて、多くの会談といいましょうか、目的も持って、公式訪問のみならず訪問されていると思うんですけれども、公式訪問の地ならし以外の部分で目的がありましたらお伝えください。
#107
○国務大臣(菅義偉君) 基本的には公式訪問の地ならしだと思っています。
#108
○芝博一君 表向きの部分についてはそうだと、こう思います。しかし、結果的な部分を含めて、事後、外務省等々から含めていろんな公式の発表がございます。その中では、公式訪問の地ならしのみならず、北方領土問題であったり、外交問題であったり、経済協力の問題であったり、大変重要なことも会談の中で取り扱われております。そのことは重々政府としても長官としても御存じだろうと、こう思っております。
 それで、概略で結構です、大きなポイントだけで結構なんですが、今回、今、日程的には二十日から二十二日と、こう言われましたけれども、会談だけだったんでしょうか、森特使の訪ロの中での行動は。
#109
○国務大臣(菅義偉君) 森元総理の訪ロでありますけれども、プーチン大統領との会談を行ったほか、ナルイシキン国会下院議長との会談及びモスクワ国際関係大学における講演を行ったと承知をいたしております。
#110
○芝博一君 今お伝えいただきましたように、会談以外にも議会関係の皆さん方とか、またモスクワ国際関係大学での講演もされたと聞いてもおりますし、発表もされてもおります。
 その中で、長官は、この森特使が訪ロするに当たって事前に当然ながら安倍総理と事前の協議をされていなければおかしいと、こう思いますし、帰ってきてからすぐさま森元総理特使は安倍総理に訪ロの結果の報告をしたんだろうと、こう思っております。これが通例のパターンだと、こう思いますけれども、こういう事前の打合せ若しくは帰国報告の席に官房長官は同席をされましたでしょうか。
#111
○国務大臣(菅義偉君) 私は、事前も事後も同席はいたしておりません。総理と森元総理の間の会談だったというふうに思っています。
#112
○芝博一君 今、冒頭で菅官房長官は、政府の意を受けた正式な派遣で、特使だと、特命の使だと、こういうふうにおっしゃいましたけれども、官房長官が事前の打合せにも立ち会っていない、また事後の報告も受けていない。私、それでいいのかという思いがございます。
 特に、今回の部分というのは大変国と国との部分で重要な課題、今申し上げましたように、訪問する目的、その部分については、後から言いますけれども、北方領土の問題であったり、経済協力の問題であったり、対外的な外国との外交関係であったり、大変重要な部分でありますから、むしろ安倍総理一人の感覚じゃなしに、政府全体として森特使にお伝えをし、またお聞きをするという部分の立場が必要だったんですけれども、官房長官が立ち会わなかった理由。あわせて、今回の大変重要なテーマの北方領土問題、領土問題を担当する、それでは山本大臣は立ち会ったのか、事前に報告も、事後も聞いたのか、その二点もちょっと含めてお伝えください。
#113
○国務大臣(菅義偉君) 当然、どういう会合だったのか、そうしたことも含めて外務省からは事前に報告も受け、事後も報告を受けております。ただ、総理と森元総理の特使としての間の会談には同席していなかったということであります。
#114
○国務大臣(山本一太君) 御質問いただいてありがとうございます。
 私、領土担当大臣ということなんですが、外交交渉については、これは総理そして外務省の方が担当でございまして、領土問題についての国内での啓発、さらには、北方担当大臣でもありますので、北方領土問題について、地域の振興等々、プラスアルファ日本の立場ですね、領土問題における日本の立場を対外的に発信していくと、これが主な私の用務でありまして、この外交交渉について特使が行く前に私もそこに入る必要があったのかなということについては、それはもう官邸の御判断でいいんではないかと、そう思っております。
#115
○芝博一君 それぞれの答弁をいただきましたけれども、これから対ロシアの問題については日本にとって大変重要な問題であります。東アジアの問題、米国との関係も踏まえながら、これから話し合われる、次の訪問のときに話し合われる部分の中身というのは大変重要でありますから、当然、そこのところは内閣の要としてしっかりと、事前の報告、事後の報告は他所からあったとしても、同席をされてしっかりとそのニュアンスを聞いておくべき、また把握もしていただきたいと、こう思っているわけであります。
 そうすると、森特使は親書を携えて行ったと、安倍総理の、ということでございますけれども、その親書の中身をまるっきり把握もしていないし関与もしていないということでよろしいでしょうか、長官。
#116
○国務大臣(菅義偉君) 親書の中身については、それなりのことは私は理解をしています。ただ、どういう具体的なことであったかということは、これはやはり国と国との関係でありますから、そこは控えさせていただきたいと思います。
 それと同時に、外務大臣が当然訪ロについては様々な事前も事後もこれについては第一義的に所管をしていますので、外務大臣がこの訪ロの内容については当然熟知しているところであります。
#117
○芝博一君 そうすると、親書は、当然そういうお答えが返ってくるんだと思っていました、国と国との部分ですから信義の問題もあります。
 それはそれとして、事前も含めて外交的なものについては外務大臣がということでございます。そうすると、外務大臣は事前の打合せ、事後の報告のところには同席をされたんですか。
#118
○国務大臣(菅義偉君) 私は、そこは現在承知しておりませんけれども、少なくとも外務省の職員が行っていますから、当然、外務大臣にはそこはつぶさに会談の終わった終了後とか、それは当然報告が来ているんだろうと思います。
#119
○芝博一君 当然報告は行っていると思いますけれども、私は、今も申し上げたように、大変機微にわたる問題でありますし、ナーバスな問題でありますから、そこのところはしっかり官房長官も、それから外務大臣も含めて、総理の意向、それから森特使の意向、ここの部分はしっかり把握をしていく必要があるんだろうという思いでもってお尋ねもし、指摘もさせていただきました。
 今回の、それでは、会談の成果、それからその評価について、官房長官、総括的にお答えください。
#120
○国務大臣(菅義偉君) 大変和気あいあいとした中で、安倍総理の訪ロに向けての準備としては、私は成功した会談であったというふうに理解をしています。
#121
○芝博一君 それじゃ、少し管轄的な部分では違いますけれども、領土という問題の部分で含めて話し合われたということでございますから、山本大臣、今回の評価についてと成果についてはどのようにお考えでしょうか。
#122
○国務大臣(山本一太君) 御質問ありがとうございます。
 目的、それから評価は官房長官のおっしゃったとおりだと思いますが、私は、森元総理とプーチン大統領の個人的な関係、この人脈というものは日本外交にとっては大変大事な財産だと思っていますので、森元総理が特使として行かれてプーチン大統領と会って、森元総理も後でそういうふうにおっしゃっていた記憶がありますけれども、とにかく安倍総理とプーチン大統領の首脳会談のための環境整備、このために行ったというふうにおっしゃっていますけれども、そういう意味では私は成果があったのではないかと、領土担当大臣としてはそのようにとらえております。
#123
○芝博一君 そうすると、同じように、十分なる成果を上げて帰国をいただいたという認識だと、官房長官も山本大臣も思っているということの理解をさせていただきますけれども、素直に、山本大臣、森元総理が特使としてロシアへ行ったことについて評価をし、認められていますか。
#124
○国務大臣(山本一太君) 先ほど申し上げたとおり、安倍総理とそれから森元総理の信頼関係の中で決まったことだと思いますし、もう一度申し上げますが、やはりプーチン大統領との個人的な人脈というものは日本外交の財産ですから、森元総理が特使として行かれたのはもちろんよかったのではないかと心からそう思っております。
#125
○芝博一君 そこは山本大臣、私も同じ思いなんです。ところが、今は大臣でありますけれども、山本議員は昨年の五月十五日、そのころは野田政権でありましたけれども、同じように森元総理の人脈、それから経歴を考えて、野田総理がロシアの訪問の部分を特使としてお願いをさせていただきました。それについて、山本大臣のブログが、ちょっと拝見をさせていただきまして、今言われたことと正反対のことが書かれているんですね。
 忘れているといけませんから、私があえてお伝えをしたいと思うんですけれども、山本一太の気分はいつも直降下というタイトルに……(発言する者あり)ああ、直滑降の中で、山本大臣は当然この部分でお話もされ、ブログも書いているんですけれども、野田政権に延命に対して手助けをするんじゃないか、その部分についてはいささか疑義があると、これはまあ野党としてよく分かります。
 ところが、今も山本大臣言われたように、森元総理の経歴とプーチン大統領との長い深いつながりを評価されていると言いましたけれども、その部分を持っている森元総理に対して、山本大臣は、ロシアの訪問によって森元総理の政界における影響力が強まるとしたらすごく嫌な展開だ、それは自民党にとっても日本の政治にとっても好ましくないと、こう断言しています。あえて、森元首相のような方が政治の表舞台に出るたびに自民党のイメージが悪くなる、大変申し訳ないが、早く政界を引退していただきたい、これは引退されました、そこはかなったようでありますけれども、それが自民党のためだし日本の政治のためだと、こう言っておられますけれども、あなたは、今発言されたことは立場で言って、本心はまた別だということでよろしいですね。
#126
○国務大臣(山本一太君) 私がブログで書いたことについて御指摘をいただきましたが、森元総理については個人的に大変政治家として尊敬はしておりますけれども、引退をされた方がいいということは確かに申し上げましたし、森元総理は政界から引退をされたということだと思っております。
 それから、先生から御指摘をいただいたように、その当時、私は、大変申し訳なかったんですけれども、やはり民主党政権が一日も早く替わって自民党政権に戻ることが日本の国益だというふうに信じておりましたので、その意味でいうと……(発言する者あり)いや、それはもう言外にちゃんと含めておるんですが、その意味でいうと、森元総理が特使で行くことがやはり民主党政権が長く続くことにつながってしまうのではないかと、そういう気持ちがあってそういうブログを書いたんだというふうに考えています。
#127
○芝博一君 私は読解力がないものですから、このブログの裏面から、内容から、表現から、どこを見ても今答弁されたようなことがうかがい知れないんですよ。
 もう一般的には、私も確信は持てませんけれども、森元総理と山本今の大臣は、一般的に表現は適切ではないかもしれませんけど、犬猿の仲だというようなことは聞いたこともございますしね。そんな人がここに書いているから、私はむしろ、ああ、素直な気持ちで書かれているんだなと、こう思って、今の答弁等につきましては、立場で言った部分であるけれども、人物的には、人間的には、精神的には、やっぱりここまで書かれている以上は否定されているんだなと、こういう理解を私自身はしておりました。そうでなかったら、今の部分はまるで、表現的な部分も含めてですが、整合性が合わないんだろう、この部分を指摘しておきたいと、こう思うんです。
 なぜ聞いたかというと、ブログで大臣が書くということは、多くの有権者や国民が見ているんですよ。その先生が、大臣が書かれたことの、その森元総理を政府の重要な任命を持った特使として安倍総理が派遣をされているんです。そこの部分も含めて、その安倍総理に指名をされた大臣でもありますから、そこの整合性も含めてしっかり、やっぱり政治家の発言や発信というのは重いんだということを改めて自覚をしていただきたいと思いますが、もう一度答弁してください。
#128
○国務大臣(山本一太君) 今の先生の、政治家としての発言が重いということを自覚せよということについては、しっかり胸に留めて反省をし、気を付けていきたいと思います。
#129
○芝博一君 その部分、最後の部分だけじゃなしに、私は、同じ党内にあって、そして総理を務められた人に対して大変私はある意味では失礼な表現を堂々としている、こう思って、むしろ人格的な部分も疑わざるを得ないような状況だと、こう思っているぐらいなんですよ。そこのところは、発言を気を付けるだけじゃなしに、やっぱり大臣としての部分は、ある意味では、そういう部分においては能力は大変すばらしいけれども、感覚的な部分においては劣る部分があるんじゃないかと、欠ける部分があるんじゃないかと、こう思っていますけれども、御本人はその辺の御自覚はどのようにされていますか。
#130
○国務大臣(山本一太君) もし尊敬する芝先生から大臣としてのちょっと人格的な問題があるというふうに指摘されれば、それはちゃんと受け止めて反省をしなければいけないと思います。人間的にはまだまだ欠点も多いというふうに自覚もしておりますし、大臣として足りないところがあるかと思います。そのブログを書いたとき、私まだ閣僚の一員ではありませんでしたけれども……(発言する者あり)いや、今のお話を伺えば、やはり非常に感情的な部分もあったと思って反省をしております。
#131
○芝博一君 これからも注目をしていきたいと思いますけれども、後ほどまた同じようにブログで質問、指摘をさせていただきますから。
 それで、森特使とプーチン大統領の会談内容でありますけれども、これは外務省からもきちっと正式に報告をされておりますから、長官もよく御存じだと思っています。
 この中で、当然ながら、公式訪問の地ならし、これは当然スムーズに進んだと、こう聞いておりますけれども、テーマとして領土問題が話し合われたと、こうあります。そのほかにも経済問題や外交問題等々ございますけれども、特に北方領土問題について、プーチン大統領との間で、森特使が総理大臣のときに署名をしたイルクーツク声明を重要視しようと、このことについては合意をした。その下で、領土に対してプーチン大統領からは、両国間、日本とロシアには平和条約がないことは異常な事態であると、こうプーチン大統領が発言をされておりますが、この項目、内容について政府としてどのように解釈して理解をされているんでしょう。
#132
○国務大臣(菅義偉君) 今、委員御指摘のとおり、領土問題については森元総理から両首脳による決断の必要性を強調し、そしてプーチン大統領からは、両国間に平和条約がないことは異常な事態である、双方受入れ可能な解決を目指さなきゃならないとの発言あったということであります。
 この議論というものを、安倍総理が訪ロする際に、領土問題に関するプーチン大統領の議論につなげていきたい、こう考えています。
#133
○芝博一君 少し私の質問とは懸け離れているんですが、平和条約がない、この部分については、恐らくプーチン大統領と森特使の間の部分を含めて、やっぱり五六年の日ソ共同宣言、その後の東京宣言等も踏まえながら、やっぱりそこが前に進んでいないから、平和条約が、それが前提ですから、成立していないことにプーチン大統領としてはその表現をされたんだろうと、こう私自身は思っておりますけれども。
 その次の部分を踏まえて、これは北方領土の部分がやっぱり根底にあるわけですけれども、プーチン大統領は更に北方領土問題について言及をされているんですね。それは、どちらも原則的な立場を主張したんでは、今言ったように、前に交渉は進まないだろう、だから、表現的に例えれば、柔道の道場の図をかいて、ロシアと日本はお互いに畳の端っこにいるから前に進まないんだと、こういう表現をされました。真ん中に寄って始めからやろうと、こういうことも言われたそうでありますけれども、この内容について政府的にはどういう解釈をされていますか。
#134
○国務大臣(菅義偉君) 森元総理から、プーチン大統領が昨年三月の外国プレスとの懇談のとき、テレビで報道もされました。これについて、引き分けの趣旨ということをただした。それに対して、プーチン大統領は、引き分けは勝ち負けなしの解決、すなわち双方受入れ可能な解決を意味する、そう言われたということは承知しております。
#135
○芝博一君 少しずれがあるんですけれども、当然引き分けの趣旨は聞いたわけなんですけれども、私は、その引き分けの前に、お互いに畳の端っこにいると、道場の端々にいますよ、隅にいるから真ん中に来てゼロから交渉を始めましょうよというようなことをプーチン大統領から示唆をされたんだろうと、こう思っています。
 その部分は、今後、日本の北方領土問題に対する方向性として大変大きな意味を持つと、こう思っておりますから、少し議論、確認をさせていただきたいんですが、先ほどの長官の報告で、森元総理はモスクワ国際関係大学で講演をされました。そのモスクワでの大学の講演について、その内容については官房長官は報告いただいていますでしょうか。
#136
○国務大臣(菅義偉君) その内容については外務省当局から報告を受けています。
#137
○芝博一君 先ほどの引き分け、若しくは真ん中に寄ってゼロから始めだというような話の部分の、その意向を持った森元総理とプーチンとの会談の後で、もし四島一括返還が文字どおり実現したら日本の勝ち、ロシアの負け。逆に、現状維持が決定したらロシアの勝ちで日本は負けになる。だから、どちらにも恨みが残る。平和的な解決にはならないから、双方が受入れ可能な解決策を見出すことは重要ですよと、こういう講演をされていることは御存じですね。
#138
○国務大臣(菅義偉君) 承知しております。
#139
○芝博一君 それじゃ、その発言があった中で、森元総理は帰国後に、今もちょっと少し触れられましたけれども、民放でこんなことも発言をされております。今回の引き分けの真意について、プーチン大統領との間で余り前提条件を置くなということだろうと。そして、前提条件については、例えば全島返還でなければいけないというようなことは一切なしにしてもう一遍話をしようということだと、こう発言を森特使はされております。
 あわせて、これは訪問後なんですが、訪問前にはもっと具体的に過激なことを言われているんですけれども、これもマスコミに対して、北方領土の問題に対して、領土的分割によって領土問題の解決を図るべきだ、こうはっきり森特使は言われているんです。これは、今年の一月の二日なんですけれども。北方領土が分割された場合には、人口が最も多く経済的に発展している択捉島がロシアに残され、日本には国後、色丹、歯舞が返還をされる。これはこの後公式に訪問される安倍総理がまたプーチン大統領との間で今後決断していくことだろうと、こう発言をされておりますけれども、この内容について知っているかどうか、そしてその内容についてのコメントをいただきたいと思います。
#140
○国務大臣(菅義偉君) そのような発言があったということは承知しています。
 それと同時に、いずれにしろ領土交渉は政府が行うものであり、そして、そういう意味合いも多分込めて安倍総理が決断をするという話をされたんだろうと思います。
#141
○芝博一君 先ほど冒頭の部分で、安倍総理の意向、政府の意向、日本の意向を受けて森元総理は特使として飛んでいって、訪問の地ならしをしてもらった。しかし、重要な政策の課題については、今も言ったように、北方領土等々を踏まえて議論されたことが報告をされています。
 しかし、その中身を私は大変、日本のこれからを占う大きな問題だろうと、こう思っているわけなんです。単に森元総理が言われたんじゃなしに、前も後も含めて、特使として今言ったような形で行かれたわけでありますから、発言は非常に重い、こう思っております。そんな中で、そういう発言の部分を踏まえて今度安倍総理は訪ロされるんだろうと、こう思っておりますけれども、今回、森特使の発言、前後含め、またロシアでの発言を含めて。
 それじゃ、四島一括返還にやっぱり基本的な政策の理念を持っている、そして日本の主権について大変こだわってみえる稲田大臣は、今回の森元総理の発言等々、四島返還のやり方等と中身について、どんなお考えでしょうか。
#142
○国務大臣(稲田朋美君) 今委員お尋ねの事項は所管外のことでもございますので、ここでお答えをする立場にはございません。
#143
○芝博一君 そういうふうに立場的には言われるだろうと思っておりますが、あなたの発言、それからブログ等々、また出している本を踏まえると、どうしても、当然ながら北方領土の主権は日本にあって、昨年、メドベージェフ大統領等々が北方領土上陸したときにも大変な反対のメッセージを出しておられますし、四島の部分については、当然ながら分割論じゃなしに四島一括返還でというような部分を私は聞き及んでいるんですけれども。その辺も踏まえて、大臣になったからといって、やっぱり日本の主権たる部分、その主張たる部分を曲げることのないようにお願いしたいと思っていますが、その辺はどうでしょうか。
#144
○国務大臣(稲田朋美君) 安倍内閣の一員としてこの場におりますので、個人的な見解を申し述べることは差し控えさせていただきます。
#145
○芝博一君 参考に山本大臣のブログをちょっと参照させていただきたいと思います。お二人にお聞きいただきたいと思いますけど。政治は不条理な世界だ、真っすぐ進もうと思っても、時には妥協や迂回を余儀なくされる、それでも常に正面から突き抜ける気概を持ち続けたい、そして、少なくとも気分はいつも直降下じゃなしに直滑降ですね、こうやっていますけど、是非御自身も稲田大臣も、この思いをずっと私は持ち続けていただきたい、こう思っております。
 そこで、この部分について、官房長官、総理の訪ロの予定はほぼ固まったんでしょうか、そして総理の部分は、今改めて、今回の訪ロで何をテーマに、何を持って訪ロされる予定でしょうか。
#146
○国務大臣(菅義偉君) まず、是非委員に御理解をいただきたいんですけれども、森元総理が訪ロ前あるいは訪ロ後にテレビの報道番組で三島返還の発言をされていると、そのことは私も承知しておりますけれども、プーチン大統領との会談の中でこうした発言がされていないと、そういうことも承知しているということも是非御理解をいただきたいと思います。
 それと、やはり我が国とロシアは、極めて重要な国でありますので、もちろん領土問題はそうです。私ども政府は、四島は日本に帰属をしている、そしてこの返還については、そこは一括ということ、そこはこだわらないと、そういう基本的姿勢が領土問題に対しての我が国の基本的な姿勢であります。
 そういう中で、領土問題はもちろんですけれども、エネルギー問題だとか、あるいはまた経済の、日本とロシアにおける経済交流など様々な重要問題を当然話し合うためにロシアに訪問するというふうに考えています。
#147
○芝博一君 官房長官の立場、それから、訪ロ前でありますから具体的な突っ込みはないんだろうと、こう思っていますが、安倍総理も今回の訪ロについては大変期待を持っているようでありまして、衆議院の本会議等々で北方領土問題についてプーチン大統領の前向きな姿勢を高く評価しておりますし、あわせて、目的意識を持って協議を行う意向を示しております。
 そのことも踏まえて、私は少し、先ほどから取り上げたように、森特使はあくまでも政府の意向、特に安倍総理の意向を持ってロシアを訪問されましたし、その前後、その後、そして訪ロ中にも、大学の講演も含めて、大変ある意味では日本の政府としての基本的な姿勢の部分とは少し違う発言を私はされているんだろうと思いますけれども、日本とロシアに横たわる問題を解決するためには、先ほどからありましたように、道場上の真ん中に行ってゼロから始めないとというのも現実問題だろう、これは政治問題だろうと、こう思っております。
 今回、安倍総理がロシアを訪問されるに当たって、私はやっぱり、プーチン大統領も期待をして待っている、それから安倍総理も期待をして行きたいと、こういうことだと思いますから、そこには、北方領土問題に対してある意味では最終決着を付けるのか、若しくは段階的な解決図っていくのか、その辺の部分まで突っ込んだ話をされるんじゃないかと思っておりますが、その辺の見解について、官房長官の見解、また御意見をお聞かせいただけたらと思います。
#148
○国務大臣(菅義偉君) 先ほど来御指摘がありますように、プーチン大統領から平和条約締結問題についての話がありました。安倍総理との対話に大統領が大変熱意を持っている、そういうふうなことも私承知をいたしております。ただ、いずれにしろ、戦後六十七年たって解決されていない難問題でありますから、このことが一気に解決に向かうということは、それはなかなか簡単なことじゃないというふうに思います。
 しかしながら、この首脳会談において、互恵的な経済関係あるいは安全保障、あらゆる分野で日ロ関係の協力が更に進んでいくというふうに期待をいたしておりますし、その上で、四島帰属の問題を解決して平和条約というものを締結することができればいいなというふうに思いますし、そうした方向に向かっていく第一歩の首脳会談になることができればいいというふうに思います。
#149
○芝博一君 大変重たい課題でありますけれども、双方がそんな思いを持っているという中で、日本とロシアに平和条約がないことはやっぱり異常な部分だと、こう思っていますから、そのためには、問題の北方領土の帰属を含めて前向きに両者で決断をし、これは両者しかできませんから、ある意味では期待をするところも大でございますから、これからも見守っていきたいと、こう思っております。
 続いて、主権回復の日についてお聞かせをいただきたいと、こう思います。
 ある意味では、政府内で余り議論しているようにも聞いておりませんでした。あわせて、国民からもそんな強い要望があると思ってもおりませんけれども、唐突に七日の予算委員会で、総理が、サンフランシスコ講和条約が発効した日に当たる四月二十八日を主権回復の日として政府主催の式典を開く方針だと表明をされました。
 私には唐突に見えるんですけれども、官房長官、簡単で結構です、それまでの経緯、その後の経緯についてお聞かせください。
#150
○国務大臣(菅義偉君) まず、政府としては、サンフランシスコ平和条約が発効して六十年の記念をすべく、節目に、まさにあの条約によって我が国は占領から脱却して、国際社会にも復帰をし、日本が主権を回復することができたわけでありますから、そうした国際社会の一員として平和と繁栄への意義を確認するとともに、これまでの経験と教訓を生かして我が国の未来を切り開いていく、そういう決意を確固たるものにするために政府主催で記念式典を開催をしたいと。
 さらに、この式典に当たっては、もちろん奄美、小笠原、沖縄が戦後の一定期間、我が国の施政権の外に置かれたという苦難の歴史を忘れることなく、苦難を耐え抜かれた先人の心情に思いを抱きながら、沖縄の方々の抱える基地負担の軽減にも取り組んでいくと同時に、奄美、小笠原、沖縄を含めた我が国の未来を切り開いていく決意を新たにすることが重要だというふうに私たち考えて、この式典を開催をすることにいたしました。
 さらに、我が党は国会の中でも、菅総理にもこの式典の必要性というのも訴えてきたという経緯もあります。菅総理も答弁の中で、国民全体で日本のあるべき姿や進める道について考えることは重要であるという答弁も実はいただいております。
#151
○芝博一君 今、目的と内容等々についてはお聞かせをいただきましたけれども、当然ながら私は主権が回復したことを喜んでいる一人でもございます。しかし、その日本の主権、まだまだ欠けている部分が多々あるんだろうと、こう思っています。一概に、一方的に何の議論もなし、また国民の思いも十分に酌み取ることなく、式典を開いてお祝いをすることについていささか異議がある。というのは、沖縄の問題であります、今も言及をされました。
 四月二十八日は、沖縄では、当然、官房長官、政府も御存じだと、こう思っていますけれども、この主権が回復した二十八日は、日本は占領状態から解放されましたけれども、一方で、この日を境に沖縄や奄美を含む南西諸島が日本から反対に切離しをされて、米軍の統治下の源流となるこの日を迎えております。
 沖縄ではこの日をずっと屈辱の日と呼んできたことも、これは長官も政府の方々も総理も御存じだろうと、こう思っておりますけれども、沖縄を日本から切り離した米軍はその後どんな形を、どんな施策を取ったかというと、住民が暮らしていた土地を強制的に接収したり、そこに基地を拡大していったりして土地収用令を出しながら、武装兵を使ってでも、銃剣とブルドーザーで住民を追い出して、日本の国土の〇・六%しかない沖縄に在日米軍七四%の基地を拡大したことも現実なんです。
 そうすると、ここの部分を考えると、それから、先ほど議題にさせていただきました北方領土の問題、もう一つは竹島もございます。単純に、もろ手を挙げて、主権が回復した日だと、政府が式典を開いてお祝いをすることでいいんでしょうか。官房長官の御見解を。
#152
○国務大臣(菅義偉君) まず、私たちはお祝いの日ということは違います。主権を回復をし、国際社会に復帰したことの記念する式典です。お祝いということは用いておりません。
 それと同時に、沖縄復帰の節目に、委員も内閣におられましたけれども、四十年、昨年は野田総理も出席して、その式典を挙行しています。私ども政権時代も、節目節目に沖縄復帰の式典はさせていただいておるところであります。
#153
○芝博一君 その部分の中で、私は屈辱の日ということは、しっかりと政府として今後どういう配慮を沖縄にしていくのか。すなわち、例えば基地の負担軽減、これはもう当然の流れの部分でありますけれども、今回の式典の中で私は、沖縄であったり、北方領土に関係するところであったり人々であったり、竹島の問題を抱える島根県であったり、いろんなところに配慮いただきたいなと、こう思っておるわけです。
 特に、仲井眞知事は今回の式典においても、独立したんだから結構な日だと、こう言われておりますけれども、沖縄にとっては置いていかれた日でもあると。政府から正式に出席要請が来ても、今のところは分からない、こんなことも言われているわけでありますし、沖縄の多くの方たち、特に識者の方たちも、ここの部分については理解できないと、こんなことも言われています。あわせて、沖縄の出身議員は衆参合わせて今五人いるんでしょうか、六人でしょうか。その皆さん方もそれぞれに、今回の政府の式典において、信じられない、考えられない、受けられない、出席できないと、こんなことをそれぞれの立場で発言をされていることも政府はしっかりと受け止めていただきたいと、こう思っております。
 そこで、せっかく島尻政務官にお越しをいただきましたので、お聞きをしたいわけでありますけれども、二〇一一年ですから、去年、おととしです。自民党の総務会の野田毅衆議院議員が四月二十八日を主権回復の記念日として祝日に制定することを提案したときに、島尻政務官は、それは違うでしょうと、沖縄からすると立場が違う、そういう歴史も踏まえてほしいと強く抗議をし、検討を呼びかけられました。そのことを私は可としたいと、こう思っておりますし、沖縄出身の議員としても当然のことだろうと、こう思います。
 ところが、そこの部分とはまた別にちょっと島尻政務官にお聞きをしたいんですけれども、島尻政務官は、自民党の沖縄一区の総支部長の國場幸之助さんを御存じでしょうか。その件でお願いします。
#154
○大臣政務官(島尻安伊子君) はい、もちろん存じております。
#155
○芝博一君 実は、昨年、沖縄の祖国復帰記念日を真の主権回復の日として全国民で祝賀し、日本の結束を世界への強いメッセージとして発信するために、沖縄復帰の五月十五日を国民の祝日に制定する旨の請願活動が昨年から続いております。これはもう当然、沖縄の人からすればその思いはみんな一緒なんだろうと思いますし、私もそこのところにある意味では近い思いを持っているわけでありますけれども、そこのところは政府と、今言われましたように日にちの設定と、沖縄の関係する皆さんの部分との日にちの部分が違うように思うわけであります。
 残念ながら、島尻政務官も、いやいや、私はやっぱり四月二十八日じゃおかしいから、五月十五日ですよといって請願に署名されていますよね。間違いなく署名されているんです、確認をしております。自民党では、幹事長の石破幹事長も、また下村文部科学大臣も署名をされておりますし、今、総務会長でありましょうか、高市早苗さんも署名をされている。これが昨年の九月以降からの動きなんです。(発言する者あり)政調会長ですか。はい、失礼しました。政調会長も署名をされている。
 そんな部分の中で、今回読みました沖縄の部分については、真の主権回復の日は五月十五日ですよという部分の動きがある中で、四月の二十八日に政府主催でやるという部分、ここの整合性の部分について含めてどういう部分のお考えをお持ちか、また、どれが島尻政務官の本当の思いかもお聞かせをいただきたいと思います。
#156
○大臣政務官(島尻安伊子君) まずは、今この真の主権回復の日の五月十五日を国民の祝日に制定する請願というものに私もサインをしているというのは事実でございます。御指摘のように事実でございます。
 ただ、この請願の目的というのも、芝委員はしっかりと読み込みをなさっておられるというふうに思いますが、これは何も四月二十八日の式典を否定するものでもございませんので、その点はこの場で申し述べさせていただきたいと思っております。
 この請願の目的の中には、四月二十八日の、この日本がアメリカの占領から解放され主権を回復したことは喜ばしいことであるという大前提の下で、しかしながら、沖縄がその後置かれた状況といいますか、それを考えたときに、やはり五月十五日を国民の祝日に制定してほしいという、こういった内容、趣旨でございまして、委員が御指摘をなさっている矛盾するのではないかというところには当たらないというふうに思っております。
#157
○芝博一君 矛盾するかどうかは、それはそれぞれの思いの部分だと思いますが。
 そうすると、今は政府の政務官という立場でありますが、今後とも五月十五日の復帰の祝日を求めていく活動をされるということも裏にはあるということで理解してよろしいですね。政府は四月二十八日に主権回復のお祝いをする、この二つの流れの中でやっていきたいという理解もするんですけれども。
 その中で、島尻政務官は、沖縄の思いを持って、官房長官に、沖縄への、今回の式典には配慮をしてほしい、その考えを申し伝えると、こういう形も公表されておりますけれども、既にもう申し伝えられましたでしょうか。
#158
○大臣政務官(島尻安伊子君) 自民党の沖縄県選出の国会議員で、先日、官房長官のところには申入れに伺ったところです。
#159
○国務大臣(菅義偉君) 今、島尻政務官からの答弁にありましたように、そのことについて私が申入れを受けさせていただきました。
 それと、一点だけこれ申し上げたいのでありますけれども、先ほど、知事のコメントの中で、知事は沖縄県民の皆さんには非常に複雑な感情があるということも言われました。それと同時に、自民党政権は、昭和四十年の佐藤元総理が沖縄に訪問して以来、日米外交の最大の懸案であった沖縄の復帰に取り組んで、昭和四十七年に本土復帰が実現したということもコメントの中で述べておりますことを付け加えさせていただきたいと思います。
#160
○芝博一君 山本大臣、領土問題を担当されている、それからあわせて、もう一度、再度稲田大臣にもお聞きしたいと思うんですけれども、この式典の日の開催について、お二人はもろ手を挙げて賛成をされておりますでしょうか。
#161
○国務大臣(山本一太君) 式典開催の意義については、官房長官おっしゃったとおりだと思います。
 私、領土担当大臣なんですけど、沖縄振興も担当しておりまして、その立場から言うと、芝先生のおっしゃったことは大変大事だと思っています。官房長官とか総理も何度も沖縄の歴史のことをしっかり頭に置かなければいけないということをおっしゃっていますけれども、私も閣議で発言をいたしまして、やはり沖縄の苦難の歴史に思いをしっかり持って、こういう困難を乗り越えてここまで来られた、その沖縄の心に寄り添う気持ちで式典に出ていただきたいということを閣僚の方々にもお願いを申し上げましたので、その点はしっかりこれからも踏まえていきたいというふうに考えております。
#162
○国務大臣(稲田朋美君) 官房長官、山本大臣がおっしゃったとおりでございます。
#163
○芝博一君 大変品行方正な大臣答弁をいただいておりますけれども。
 山本大臣、閣議の中でそんな発言もされたということはブログでも発表されていますね。私も拝見させていただきました。それはそれで私も思いは一緒なんですけれども。
 それじゃ、心に留めておいて式典に参列をいただくだけなんでしょうか。それとも、例えば式典の内容が決まっている、まだ検討できる余地があるなら、その式典の中で沖縄の歴史を振り返るとか、竹島の現状を紹介するとか、北方領土の問題を取り上げるとか、そういう式典内容までには言及しないんですね。それは官房長官でも山本大臣でも結構です。
#164
○国務大臣(菅義偉君) 沖縄の皆さんに寄り添う形の式典にするというのは、ある意味では当然のことだというふうに考えています。
#165
○芝博一君 だから、寄り添うというのはどんな形で、言葉だけでしょうか。そこの部分をはっきりと御説明いただきたいと思います。
#166
○国務大臣(菅義偉君) 先ほどこの趣旨について私から申し上げましたけれども、まさにこのことによって日本に主権が回復をして国際社会に復帰をして、そこからある意味では日本のスタートが始まった記念の日であります。さらに、沖縄につきましては、昨年、前政権で四十年の式典を挙行されました。私たち自民党政権のときも、沖縄復帰については、その節目節目に記念式典をさせていただいているところでありますから、そこはそれで御理解をいただけると思いますけれども、さらに私たちは今度の式典を挙行するに当たり、奄美、小笠原、沖縄が、苦難の耐え抜かれた先人の心情に思いながら、沖縄の抱えております基地問題の軽減、こうした問題に取り組むとともに、この奄美、小笠原、沖縄含めた我が国の未来を切り開いていく、そういう式典にさせていただくつもりであります。
#167
○芝博一君 残念ながら時間が来ております。
 官房長官、是非、その思いの部分は受け止めさせていただきましたけれども、それが政府の式典から、沖縄の皆さん方、また奄美の皆さん方、またさらには北方領土に関係する人、竹島に関係する人にどう伝わるかというのが大事だと思っています。
 例えば、そういう関係者の声を披露するとか、その人たちを招待するとか、発信を強くするとか、ただ単に日本がめでたく主権を回復した日だ、その部分をきれいにするだけの部分に終わることなく、しっかりとメッセージ性のある、そこのところをしっかりと表現できる式典にしていただきますことを要望しまして、質問を終了させていただきます。
 ありがとうございました。
#168
○藤本祐司君 民主党の藤本でございます。
 今日は約五十分ですが、質問をさせていただきたいと思いますが、まず、古屋大臣、DNA型鑑定について少しお聞きしたいんですが、この間の大臣所信の中でも、DNA型鑑定を始め、先進的な科学技術を取り入れ、客観的証拠に基づく捜査を一層推進するため、鑑識・鑑定体制の強化に努めてまいりますというふうにあります。
 実は、これ実話、実は実話というのは変ですけれども、実話の話なんですが、私のよく知る人がおりまして、一人住まいだったものですから、実は亡くなってしまって、三日間か四日間ぐらい実は分からなかったんですね、亡くなったということ。会社の方が行って初めて四日目ぐらいに分かって、御両親の方に連絡をして、さあ葬儀だ何だという話になるんだろうと思うんですが、そのときに、やはり一人で住まわれていて、三、四日たっていますので、事件性があるかないかということも含めて少し時間が掛かるという中で、やはり御両親にそのまま御遺体をお渡しすることができないと、本当に両親かどうかというのは確認しないといけないということで、DNA型鑑定をやらないといけないという話がありました。
 そのときに、最初一週間ぐらいで何とかと言っていたのが、一週間たっても結局その鑑定結果が出ないと。ちょっと話が来て、私も警察に電話をして連絡をして、どうなっているのかなというのを確認したら、一月掛かるかもしれないと、これ、かもしれないですね、一月ぐらい掛かるかもしれないと。その理由何ですかと言ったら、大変込み合っておりまして、なかなか順番が回ってこないものですから、これ本当に最悪でも最長一月ぐらいは掛かるかもしれないし、もしかしたら二週間、三週間で出るかもしれないと、そういうような答えがありました。
 どうなっているのかなと思ったら、私もちょっと驚いたんですが、このDNA型鑑定の実施件数が平成十五年には五千八百件なんですね、約十年前、五千八百件。それが平成二十四年になるとどれだけ増えたかというと、五千八百件が二十六万七千件に増えている。これ四倍とか五倍とかという話ではなくて四十六倍、もうそのぐらいぐっと増加しているんですね。ですから、込み合っておりましてというのも、大変な仕事だったんだろうなというふうに思うんですが、ここまで増加をすると、二倍、三倍とか、そういう緩やかな増加ではないということですが、この増加をしている背景、そして、今後もこれやはり増加をし続けるものなのか、その辺りどのように考えていらっしゃるのかなと。
#169
○国務大臣(古屋圭司君) DNA鑑定の重要性という関連の質問だと思うんですけど、実は、やっぱり裁判でも動かぬ証拠、客観的な事実というのはこれ極めて大切なんですよね。
 実は、指紋というのはもう百年の歴史がありまして、累積で一千万件の登録があります。しかし、DNAはまだ始めて間もないんですね。確かに、おっしゃるとおり、数千件が今、実は最新のデータで登録件数、これ被疑者資料というベースですけど、これで三十万件。ですから、ちょっとまた数万件増えているんですね。
 だから、今後はやっぱりこのDNAのデータベースは警察としても徹底的に増やしていきたいと、こういうふうに思っております。ただ、そのためには、まず機材、それから試薬、人材、この三つが必要なんですね。だから、その充実に努めていきたいと思います。そのことによって、結果として時間も短くするし、なおかつ費用も下げることができるんですね。
 平成二十四年度の補正予算では、大量に一括処理をする装置、これはちょっと専門的なことなので、私詳しく分かりません、そういう装置があるそうです、これを平成二十四年度の補正で活用させていただきました。それから、あと人員ですね、やっぱりこれはある程度研修を受けてやらないとそういう知識は得られませんので、その研修を受けて要員を増加させるということで、現在二百三十一人なんですけど、これも増やしていきたいと思います。そうやって、DNA鑑定、これは裁判のときにも有力な証拠になりますので、今後ともこの充実に取り組んでいきたいと。
 冒頭にお話のあった一か月とか何週間というのはちょっと、そういう例もあったということだと思いますけど、今後とも、そういうことがないように対応していく必要があろうというふうに考えています。
#170
○藤本祐司君 二百三十一名で二十六万というと、どうなんでしょうね、一人当たり千二百件ぐらいこなすことになっているんでしょうかね。そうすると、毎日毎日そういうことを五件、六件とやっていくという、そういうことだと思いますが、人を増やすというのは当然なんですが、その研修をやって何だということをやっても、いわゆるこれ県警に多分設置されているんだろうと、各県警、都道府県警ですよね。ということになってくると、そこのところの人員とか、それをなかなか確保するのも、すぐにぐっと確保できるわけではないということの中で、やはり機材なんかの充実を急いでやっていかないとなかなかこれは追い付いていかないかなというふうに思います。
 これ、大臣所信でわざわざこういう話がありましたし、民主党政権になっても、たしか中井先生なんかはもうこの辺りかなり積極的にやられているというふうに思いますので、これは引き続き、いろんな事件も複雑になってきているだろうというふうに思いますので、事件性のないところはできるだけ早くできるような形を取っていただければというふうに思います。
 古屋大臣、この後もあるかもしれませんが、私の質問は以上ですので、もし御退室いただければと思います。
#171
○委員長(相原久美子君) 古屋大臣、御退席結構でございます。
#172
○藤本祐司君 続きまして、公文書の件で質問をさせていただきたいと思います。
 稲田大臣の大臣所信の中で、公文書管理ということでございました。公文書が民主主義の根幹を支える基本的インフラであることを踏まえ、制度の適正かつ円滑な運用に努めてまいりますということで所信があったわけですが、御承知のとおり、公文書管理法が平成二十三年四月一日の施行にされましたが、その規定に基づいて、先月でしたか、初めて公文書管理の状況が公表されたということでございますので、これを少し今後フォローアップしながら進めていかないといけないというふうに思っておりますが、大臣として、この公文書の作成並びに管理、そして公開と、こういう段階があるんだろうと思いますが、この重要性についてはどのように御認識されていますでしょうか。
#173
○国務大臣(稲田朋美君) 私も就任後、公文書館に視察に行きまして、本当に歴史的な文書を始め実際に現物にも当たりましたし、その補整というかその修補に、修理に日本の和紙が使われ、世界的にも使われているその現場なども視察をさせていただきました。
 公文書管理を担当する大臣として、やはり公文書を適切に管理し、後世に残していくことの重要性や必要性については認識をいたしております。
#174
○藤本祐司君 ちょっと全然話、今答弁聞いて思い付いたんですが、和紙、これ後でクールジャパンの話しますけど、ヨーロッパなんかでもいろんな修復って全部和紙使うんですよね。だから、この和紙なんかはまた後ほどの議論になるかもしれませんが、大変重要な、日本の独特なものだなというふうに今お話をいただいて思いました。
 それともう一つ、ちょっと確認なんですが、私も副大臣をやらせていただいたときに公文書管理法改正をして、いわゆる閣議と閣僚懇談会の議事録を作成して公開しようじゃないかということで検討チームをつくり、進めてきたところでありまして、一定の結論を出したというふうに考えております。
 これは、東日本大震災関連会議の議事録が十分に作成されていなかったということであるとか、あるいは海外の状況を見ると、イギリス、ドイツでは、閣議の議事録を作成して三十年後に公開という、そういった海外の事例などを考えながら、やはり日本においても閣議及び閣僚懇談会の議事録を作成して、ただ、すぐにこれを公開するといろいろ問題があるでしょうから、原則三十年後に国立公文書館に移管をするということで、移管するまで非公開という形にしたらどうかということを提案させていただいて、ある一定の結論が出ているかと思うんですが。
 これは、今の状況、今の内閣ではこれがどのような検討段階になっているのか、ちょっとそこを教えていただきたいと思います。
#175
○国務大臣(稲田朋美君) 委員御指摘のとおり、前政権下において公文書の管理委員会、論点整理、また諸外国の閣議の議事録の作成、公開等についても検討をいただいているところでございます。
 また、本制度は閣議の在り方とも密接にかかわるなど法制化と運用が密接に関係していることから、現在政府部内で調整しながら検討を進めているところでございます。
#176
○藤本祐司君 当時からいわゆる閣議の在り方とか進め方というのはやはり問題、問題といいますか、今のままで閣議の議事録を作成することができるかできないかとかという議論はあったんですが、やはりその在り方も含めて、ある意味卵が先か鶏が先かみたいな議論がありまして、やはりまずそういう形で法律をきちっと整えておくことによって閣議での議論というのも活性化することにもつながるだろうというような判断もあってこれをやっておりますので、これは是非、これまで日本はこういう形で閣議の議事録を取っていなかったし、それこそ民主主義の根幹を支える基本的インフラであるという公文書のことを考えれば、是非これは前へ進めていただきたいと思うんですけど、大臣の御所見をいただければ。
#177
○国務大臣(稲田朋美君) 今委員おっしゃったことと私も認識は一致をいたしております。そして、今、閣議の在り方、そして閣議の在り方は国会の在り方とも関連してくるかと思いますが、そういう運用面での問題なども密接に関連をしておりますので、先ほど答弁いたしましたとおり、現在政府部内で調整をしながら検討を進めているところでございます。
#178
○藤本祐司君 それでは、続きまして規制改革について少しお聞きしたいと思います。
 大臣所信の中でも規制改革の所信の演説があったわけですけれども、ここで、新たに今回は規制改革会議というのを立ち上げてスタートをしているということではありますが、今までと枠組みを恐らく変えて、立て付けを変えてやろうという、そういう意図があったのかなというふうに思いますが、中身を見ると、実は相当我々がやってきた中身とほとんど同じ。民主党政権においても三期で四百十項目ぐらいの事項を、項目を出して、それをフォローアップを何度も何度も繰り返しをしてやってきているわけですね。
 実際に我々としてもこの中にワーキングチームをつくって、農林漁業あるいはグリーンという名前、今でいうと環境・エネルギーに多分該当するものだろうと思いますし、ライフ、今でいうと健康・医療というところに該当するところなんだろうというふうに思っておりますが、そして中身の上がってきた項目を見ると、我々がずっと認識をしていたような中身をずっととらえてやっていらっしゃるわけなんですが、そうやって見ると、名前が変わって立て付けが変わったけれども、ほとんど中身は変わっていないのかなという印象を持つんですが、大臣としては何を変えようとしているのか、あるいは何が変わったのか、ちょっとそこを教えていただきたいと思います。
#179
○国務大臣(稲田朋美君) 規制改革は民主党政権下でも、その前のまた自民党政権下でもずっと取り組んできた日本の経済成長にとって必要な取組だと思います。また、民主党政権下では行政刷新会議の下に規制・制度改革委員会で議論がなされ、その成果について累次の閣議決定が行われてきたと承知をいたしております。規制改革は、経済活性化、民需主導の経済成長を実現する重要な手段であり、これまでの閣議決定事項について、これらを着実に推進することといたしております。民主党政権下で閣議決定されたものも自民党政権になって推進をしていこうと思っております。
 何が、では違っているのかというお尋ねですけれども、以前の民主党政権下での規制・制度改革委員会は、今申しましたように、行政刷新会議の下で設定をされておりました。現在の規制改革会議は、政令に基づく総理の諮問機関として設置をされており、日本の経済再生に向け、経済活性化のための規制改革という明確な目標を掲げて取り組んでいるところでございます。
#180
○藤本祐司君 ごめんなさい。どの辺りが我々と違っていて、中身がどう違うのか、立て付けがどこが違うのかと、もう一回、ちょっと私も理解できなかったので教えてください。
#181
○国務大臣(稲田朋美君) 一つは、行政刷新会議の下に設置をされていたのを政令で八条委員会として設置をしたという立て付けが違っております。
 また、改革についてはもちろん民主党政権下で閣議決定をしたものを累次推進をしてまいりますが、安倍政権下では、改革のための改革ではなくて、目標を掲げて、それに重点分野を決めて改革に取り組んでいるところでございます。
#182
○藤本祐司君 ごめんなさい。改革のための改革ではなくて、目標を定めてという、じゃ目標は何なんでしょうか。(発言する者あり)いや、目標が、要するに、目標を立てて規制改革会議をやると言っているんであれば、今目標がなければ規制改革会議はやれていないはずなんですが、じゃ目標は何なんでしょう。
#183
○国務大臣(稲田朋美君) 規制改革会議、規制改革は、安倍政権の三つ、三本目の矢の成長戦略の一丁目一番地だというふうに認識をいたしております。
 また、重点分野としては、健康・医療、エネルギー・環境、雇用の重点分野を総理から指示をされて、そしてワーキンググループに分かれて今規制改革について取り組んでいるところでございます。
#184
○藤本祐司君 成長戦略があってということですが、成長戦略はたしか今年の年央ということで、今年の半ば、六月なのか七月なのか、その辺りに向けてやっていきますよというのが、いわゆる先ほど甘利大臣もロードマップというのが大事だというふうにおっしゃっていましたが、そのロードマップでいくと年央だという話なんだろうと思います。
 その目標を持って規制改革をやるということだというふうに認識するとすれば、要するに成長戦略はもうあって、それに向けて今もう規制改革をやっているんだというふうに理解をするのが普通だなと思うんですが、そうではないんでしょうか。
#185
○国務大臣(甘利明君) 成長戦略は産業競争力会議というところでやります。その上には、日本経済再生本部、全閣僚で構成される総理が仕切る会合、閣僚会議があります。産業競争力会議のメンバーにはあえて規制改革会議のメンバー、議長たる岡さんという人が産業競争力会議のメンバーを兼ねております。つまり、人事で重複をしていることによって産業競争力会議と規制改革会議をつなげています。
 産業競争力会議でいろいろな提案が出されます。そのためには、この提案と関連をして規制改革が必要だというものについては、競争力会議で総理から稲田大臣に指示が出されます。この部分の点についても議論してくださいと。それを受けて競争力会議のメンバーたる岡さんが規制改革会議の議長としてそれの具体的な規制緩和に取り組んでいます。
 成長戦略というのは、年央を目途に取りまとめますけれども、会合を開くたびに指示課題が出ます。それが親会から各大臣に総理から指示がされる。それを受けていろいろと今やっているわけであります。それと同時に、規制改革会議から会議独自として、こういうものが必要で、それを成長戦略に織り込んでほしいということについても規制改革会議の議長たる岡さんが産業競争力会議の会合に出て提案をされます。つまり、相互のキャッチボールがなされているということであります。
#186
○藤本祐司君 我々がやっていたことばかりを言ってもしようがないと思いますが、一つ言うと、我々も、最後の十一月、十二月のときは日本再生戦略というのがありまして、その日本再生戦略という目標があって、我々としては、農林漁業であり、ライフであり、グリーンでありというものをきちっとやっていきましょうということをやってきているわけですよ。ですから、そういう意味では、最終的な目標というか姿というのを考えながら、規制改革をどうするのか、制度改革をどうするのかというふうにやっている点でいうと、我々はきちっと目標がもう先にあってやってきているんですね。
 今の甘利大臣の御答弁をお聞きすると、産業競争力会議、そこの中から出てきたもの、この間の稲田大臣も衆議院の答弁でおっしゃっていますが、農業が何でないのかという話になったときに、産業競争力会議の中から出てくればやりますよという話がたしかあったかと思います。その中で、環境・エネルギーとか健康・医療というのはもう既にそこから出てきているからそれを立ち上げて、雇用もそうなんですが、産業競争力会議の中から出てきたからそれをやっているというような、という、いや、そこに書いてあるんですけれども、そしてそれと同時に、農業はこれからそこから提案され、提起されれば出ますよというふうに言われているというふうに認識しているんですが、その立て付け、違うんでしょうか。どうぞ。
#187
○国務大臣(稲田朋美君) 今委員が御指摘になったことは、農業について規制改革会議でどうするのかについての答弁をしたところでございます。
 今、日本経済再生本部から、総理からの指示で雇用関連、エネルギー・環境関連、健康・医療関連を規制改革の重点分野とするという指示を受けて、今規制改革会議では検討をいたしております。
 先ほど甘利大臣が答弁なさったように、産業競争力会議と規制改革会議の関係は、どちらが上でどちらが下ということではなくて、相互に連携をしながら日本経済の再生に向けて改革を進めていくということでございまして、産業競争力会議から指示をされたから雇用、健康について検討しているというわけではございません。農業については、産業競争力会議において、その改革の方向性を決めていくということを今整理としていたしているところでございます。
#188
○藤本祐司君 済みません、私の理解が悪いのかもしれませんが、甘利大臣は、産業競争力会議で議論をしてきて、そこで規制改革が必要だということに対して規制改革会議で総理の方から指示が出て、それを受けて稲田大臣に指示をして、稲田大臣がそこで規制改革をやるというふうに答弁されたと思うんですが、ちょっとそこを整理していただけますか。
#189
○国務大臣(甘利明君) 整理をさせていただきます。
 先ほど答弁の中で申し上げましたように、産業競争力会議と規制改革会議は相互にキャッチボールをするということを申し上げました。それは、産業競争力会議の中で、成長戦略を作っていく中で政府がやるべきこと、規制改革とか、それから規制緩和であるとか、あるいは基礎的研究とか、あるいは税制ですね、そういうものが浮き上がってきます。それはこちらから規制改革会議にボールが行きます。あるいは規制改革会議として議論をしていく改革項目についてこんな方向ということになれば、それが産業競争力会議の方にボールが来ます。お互いキャッチボールすることによってより良き成長戦略を仕上げていくという関係にございます。
#190
○藤本祐司君 いろんな会議ができちゃって、結局よく分からなくなっちゃうんですけれども、それが上だ下だという話になります。
 第二回規制改革会議で、「今後の規制改革会議の運営について」というので、当面は、総理指示「第一回産業競争力会議の議論を踏まえた当面の政策対応について」にある雇用関連、エネルギー・環境関連、健康・医療関連を重点分野として取組を進めるものとするというふうに「今後の規制改革会議の運営について」という資料でなされているんですね。
 それを普通に読むと、純粋なので、私も、純粋に読むと、総理の指示というのは、産業競争力会議の議論を踏まえた政策対応の中から雇用関連、エネルギー・環境、健康・医療を重点として取組を進めるものとしてと、運営をしろというふうに書いてあるんですが、これを読むと、やっぱり産業競争力会議で議論をされたもので、そこから政策提言をされたものについての規制改革会議というふうに読み取れてしまうんですが、この第二回規制改革会議の資料一に書いてあるのは、私の解釈が間違っているんでしょうか。
#191
○国務大臣(稲田朋美君) どこが違うのか分かりませんけれども、競争力会議と規制改革会議と相互にキャッチボールをしているということでございます。
 また、先ほどの重点分野の指示は、日本経済再生本部において総理から指示をされたということでございます。
#192
○藤本祐司君 じゃ、ここの第二回の規制改革会議の「今後の規制改革会議の運営について」と書いてある産業競争力会議の議論を踏まえた云々というのは、どういうふうに解釈すればいいんですか、これは。
#193
○国務大臣(稲田朋美君) 産業競争力会議と規制改革は相互に連携をしているわけでして、産業競争力会議の委員である岡委員は規制改革会議の議長でもいらっしゃいますので、お互いにお互いの会議の議論を踏まえるというのは当然のことだと思います。
#194
○藤本祐司君 済みません、私もよく、訳分からなくなってきましたけれども、要するにこの規制改革会議とか産業競争力会議とかいろんなものがあって、それがどういう関連になっているのかがほとんどよく分からなくなってしまっていましてね。だから、ちょっとそこのところはまた一度整理をさせていただかないと分からないなというふうに思っています。
 そういう意味で、何か産業競争力会議の下部組織みたいな規制改革会議になってしまっているように印象として思うので、そうでないとするならば、割と分かりやすく端的に整理をした説明をお願いしたいと思うんですが。
#195
○国務大臣(甘利明君) これを設計するときに、要するに日本の産業を再生させるために何が必要か。基礎研究は民間企業ではなかなかできません。上流の研究としてこういう分野の基礎研究が必要だというのは総合科学技術会議で司令塔として選定します。それから、こういう規制改革が必要だということ、その具体的な詰めは規制改革会議でやります。それと産業競争力会議が有機的に連動をします。つまり、産業競争力会議でいろいろな成長戦略を作っていく上で、国がやらなくちゃならないものは、規制改革と、それから基礎的な研究、あるいはその分野の減税政策等々です。そういう課題が浮き彫りになったときには、それが親会である、つまり閣僚会議で総理大臣が指揮を執る再生本部に、親会に上がります。そこから、この分野は基礎的研究が必要だから総合科学技術会議で検討してください、この分野は規制改革が必要ですから規制改革会議でやってくださいという指示が出るような体制になっているわけであります、設計図面は。
 それと同時に、科学技術政策と、それから成長戦略との絡みは相互にキャッチボールもありますよと。規制改革では規制改革会議の方でいろいろ議論をして、こういう規制改革が必要じゃないですかという提言を競争力会議の方に出ることももちろんありますと。その相互連携は人事を通じて図っています。だから、つまり競争力会議のメンバーに総合科学技術会議のメンバーから一人入ってもらっています。同時に、規制改革会議のメンバーを競争力会議のメンバーに一人入っています。そうやって人で組織をつないでいくという方式を取っているわけであります。
#196
○藤本祐司君 分かりました。分かりましたというか、分かりませんが、分かりました。
 ただ、規制改革の課題というのは、我々もやってきて、そういうふうにいっぱい羅列して項目を出したから、さあ規制改革できますよというようなものではないし、もう議論をして会議ばっかりやっていったところで、一つも多分変わっていかないんだろうというふうに思います。
 これは多分、稲田大臣が御担当ですので、規制改革にはかなり高いハードルがあるんですね。項目出すのは多分それほど難しくないんだけど、それを乗り越えて本当に規制改革をするには物すごい高いハードルがあると思うんですが、このハードルというのは何が一番大きなハードルだと思いますか。
#197
○国務大臣(稲田朋美君) いろんなハードルがあるかと思いますね。既得権益だとか、いろんなハードルがあるかと思います。
#198
○藤本祐司君 何と言ったらいいかな。
 第三回規制改革会議とか第四回規制改革会議の中でかなり具体的なものが、これは我々も言ってきたものですが、一般用医薬品のインターネット販売の規制であるとか、あるいは石炭火力に対する環境アセスメント、これはリプレースメントも含めて、新規も含めてだと思いますが、環境アセスの時間を短縮しましょうとか簡素化しましょうとかという話があるんですが、ここまではいいんですよ。じゃ、これをどうやって乗り越えるかというのは、多分インターネット販売について言えば、厚生労働省とかなり折衝をしないとならないので、これが物すごい大変で、厚生労働省は厚生労働省なりに多分利害関係がある人たちからいろんな意見を聴いて、これはトレードオフですから、基本的には得する人と損する人が必ず規制改革をやると出る。そうなったときに、損する人たちの意見、あるいはそちらが強かったら、これは結局、規制改革が前に進まないことになるんですね。
 だから、一番重要なのは、これは会議を何度も何度もしていろんな項目を出すということ、これがやる必要はないとは言いませんけれども、直接の折衝を、大臣折衝なり、その前の副大臣折衝から始まるのかもしれませんが、それをやっていくということが物すごく重要で、これが物すごい労力掛かることだと思っているんですね。
 ですから、例えばこの一般用医薬品のインターネット、あるいは石炭火力のリプレースメントと新規の環境アセス、これは具体的に出ているので、これはもう既にやっているんでしょうか。厚労大臣あるいは環境大臣と既にやっているのかどうか、稲田大臣に、担当ですので。
#199
○国務大臣(稲田朋美君) 規制改革会議で提言を出させていただいて、今、党でも議論をいたしておりますし、厚労省から様々な事情も聴かせていただいているところでございます。
#200
○国務大臣(甘利明君) ちょっといいですか。
#201
○藤本祐司君 ちょっとこの後でいいですか、済みません。
 大臣の所信の中に、規制改革の推進は極めて重要、ひるまず、大胆に、迅速にって書いてあるんですね。このひるまずというのは、まさにそういうところでひるんでいたら多分前に進まないということがあるんですが、やはり、大胆に、迅速になんです。
 これ、党の方とやり取りをしています、あるいは、これから各省とやり取りをいたします、各利害関係の話を聞いてきますなんて言ったらば、多分、世の中、ほかの国なんかと比べて、ほかがもうどんどん規制改革をしていたとしたら、日本だけがぽつんと取り残されてしまうということも起こり得るんです。
 ですから、今、党とやるのはいいんですが、それと同時進行で大臣同士での折衝をやっていかないといつまでたっても進まないと思うんですが、大臣折衝をされているんですか、されていないんですか。あるいは副大臣折衝でもいいですが、されているんですか。ちょっとそこをお聞かせください。
#202
○国務大臣(稲田朋美君) 大臣折衝、副大臣折衝をしているかどうかという、そういうお尋ねでありますけれども、しかるべき時期が来ましたら、ひるまず、大胆にやっていきたいと思います。
#203
○藤本祐司君 さっきの実は公文書の閣議、閣僚懇の議事録もそうだったんですが、検討しています、これからしかるべき時期にといったことになると、先ほど甘利大臣が、ロードマップがとても大切だと、そのとおりなんです。ロードマップとして大切であるならば、いつまでにやるのかというのを明確にしないと、そういうロードマップが大切だという言葉だけになってしまいますので、先ほどの、まあついでと言っちゃいけませんが、公文書のこととかの規制改革、それをいつぐらいを目標に、どういうふうにやろうとされておるんでしょうか。
#204
○国務大臣(甘利明君) ちょっと全体の話をします。(発言する者あり)いや、そうじゃない。私の所管の話をしますから。
 大臣折衝の話がありましたけれども、これは手順があります。問題は、一番上の日本経済再生本部に上がっていくんです。そこから総理指示が出るんです。規制改革についても総理指示が出ます。そうしますと、担当大臣は、現業を担当している大臣は、いつまでに結論が出るかの査定をされているのと一緒になります。つまり、大臣によっては、早く回答を出してくる大臣もあればもたもたしている大臣もあります。これは私は厳しく言いますけれども、総理大臣に査定されていると思えということを言います。
 そこで、大臣が省内をまとめて結論を出してくるわけであります。その過程で、規制改革に関しては、稲田大臣の大臣折衝も入ってくると思います。ただ、その段階にまだ入っていないと。総理指示が出たばっかりでございますから、まだ省内で事務的に詰めているところであります。それがもめているようであれば、規制改革であれば規制改革担当大臣と現業担当大臣の折衝が入ってくると思います。
 成長戦略は、年央を目途に取りまとめるということになっています。ただ、私が総理に申し上げているのは、総花式で二十も三十も出しても、これはもう上っ面をなでただけで終わっちゃうから、もっと絞り込んでいこうと。年央をまたぐ、後半になるものがあってもいいはずだということで総理には申し上げておりまして、件数を絞って、最終着地点まで見通しが明らかになるようにさせていきたいと思っています。
#205
○委員長(相原久美子君) 答弁者にお願いをいたします。
 質問者の意図を酌んできちっと答えていただけますでしょうか。
#206
○藤本祐司君 いきなり大臣折衝というのは多分なくて、省庁同士でそのまま話が終わればそれで終わっちゃう話ですよね。ただ、省内がまとまっても、いろんな利害関係者が出るので、さっき言ったトレードオフの関係なので、そこは物すごく時間が掛かるのと、もっと言えば、その後ろ側にいる、いわゆる族議員的な、族議員的じゃない、族議員がいて、それでなかなか前へ進まないという、物すごいやっぱり時間が掛かることだと思いますので、やるんだったらもうさっさと、ここの、わざわざ一般用医薬品のインターネットと石炭火力の環境アセスメントというのを規制改革会議で特出ししてやっているのであれば、そこのところは重要だという認識でやっているんだったらば、それはもうさっさと省庁あるいは利害関係者を含めた、そして政務官、副大臣、大臣という、そういうステップがもう数あるものですから、これをやっていかないと、会議やってこんなの出しました、良かった良かったで終わってしまうんじゃないかという、そこを懸念しているんです。
 我々としても、規制改革というのは非常に簡単そうで難しい、困難なところがあるということは承知している上で、これが産業競争力あるいは経済再生につながっていくんだから、これをやっぱりきちっとやってもらわないといけないという、そういうことなので、もう一度御答弁をいただけますか。
#207
○国務大臣(稲田朋美君) 今委員御指摘になったとおりでございます。
 また、このインターネット販売については、もう平成十八年以来ずっと規制改革会議で提言を出して、民主党政権下でもできなかったんです。そして、今回、最高裁判決も出ましたので、なるべく早く取り組んでまいりたいと思っております。
#208
○藤本祐司君 民主党政権下でやった、やらないなんということを聞いているわけじゃありませんで、それは今あなた方が政府なんだから、そこを余り言ってもいいことではないと思いますよ。
 その中で、ちょっと時間がどんどん過ぎてしまいますので、創業等のワーキングチームというのを立ち上げていますね。この創業等ワーキングチームは産業競争力会議から出てきているわけではなくて、これは、じゃ、先ほどの総理指示からで、総理の指示で出てきているものなんでしょうか。それとも、規制改革会議の中でこれをやった方がいいというふうに出てきたものなんでしょうか。
#209
○国務大臣(稲田朋美君) 先ほどから何回も答弁しておりますように、産業競争力会議から指示が出て重点分野の三分野をワーキンググループにしているわけではなくて、総理指示で三分野が重点分野として指示がされているわけでございます。
 創業等ワーキンググループは、その三つの分野とは別に、横串的に創業等ワーキンググループというのを規制改革会議自体として設置をしたものでございます。
#210
○藤本祐司君 じゃ、重要だという認識なんだろうと思いますが、その問題意識ですね、重要性の問題意識と、今後どういうことを検討されていくのか、お答えください。
#211
○国務大臣(稲田朋美君) この創業等ワーキンググループ、四つ目のワーキンググループでございますが、ここについては、その中でも優先的に検討すべき事項として、ベンチャー企業の育成その他の成長の支援のための資金供給の促進及び容積率の緩和・区分所有法における決議要件の緩和が選定されたところでございます。
#212
○藤本祐司君 やはり創業、開業に当たっての規制があって、それを何とか取り除いていこうという、そういう意識なんだろうというふうには思うんですが、よく言われていることは、日本の場合、開業率が低い。
 これは、開業率、率の問題だけではなくて、これは中身の問題が重要なので、率が高ければいいという話ではないんだろうというふうに思いますが、ただ、開業率が三%から四%、これは何というか、各国全部指標の取り方が同じでないので一概にこれは比べられないかもしれませんが、アメリカなんかは大体倍ぐらい、これ開業率もそして廃業率も倍ぐらいということになってくると、やはりそこでいわゆる新陳代謝というのが促進させていかないといけないと。多分、総理の方からも、産業の新陳代謝、産業をもっと新陳代謝を促進しろというような話があったかというふうに思いますけれども、やはり廃業と起業あるいは創業のところをもっともっと進めていかないといけないという問題意識が内閣にはあるんだろうと思います。
 実際、我々、私も、いわゆる雇用ということを考えたときに、例えば労働コストを一割下げようといったときに、比較的日本の企業はそこの雇用を守って、要するに、かなり不採算の部門があったとしても雇用を守って、つまり、百人いたら、一割下げようと思ったら、百人はそのまま雇って給料を一割下げるという選択肢を取りやすい。ところが、アメリカの場合は、一割下げようといったときには、不採算部門の人を百人を九十人にして、その代わり給与をそのままにしておこうという発想を持つ。そういう意味で、日本もこの何年間か給与所得がどんどんどんどん下がってきているけれども失業率はアメリカほど下がらないという、そういうことになっているんだと思いますね。
 どっちが正しいかということではなくて、多分今の創業を、あるいは起業を促していこうということを考えると、新陳代謝を良くしようということになるということは、要するに、不採算部門、採算が合わないような産業あるいは企業には退出してもらって、その代わり早めに体力を回復して新しい雇用を生み出そうという、そういう意識があるのかと推測をするんです。
 これは、甘利大臣の多分経済再生というところとかなりつながってくると思うんですが、これは実は再チャレンジの方にも実はそこのところは関係してくるんだろうと思いますけれども、こういう要するに背景といいますか、バックグラウンドというか、基本的な考え方があってのことなのかどうなのか、ちょっとそこを、これは多分甘利大臣の方が企業再生の方でいいのかもしれません。
#213
○国務大臣(甘利明君) 開廃業率の関係で、日米のまず大きな格差があるというのは、一つには、古い産業から新しい産業へ労働移動が極めてしやすいのがアメリカだとすると、日本はなかなか、雇用を維持するという政策が中心でありますから、移動についてはなかなか図れないというふうに、その差が出ていることは確かだと思います。
 今、私どもが取り組んでいますのは、雇用を維持している政策は雇用調整助成金等で維持政策はある程度できるにしても、これはいつまでも続かないと。新しい産業分野に移動させていくということが課題だと思いますが、その際に雇用を切りやすくするということに議論が及びますと雇用不安を起こしますから、この労働移動の間に失業というのを挟まないで労働移動がスムーズにできないかということを今産業競争力会議では議論をしているということであります。
 ちょっと質問に対して正確な答えかどうか分からないんですが、今産業競争力会議で取り組んでおりますのは、失業なき労働移動、つまり、今までは維持をするための政策出動でしたけれども、これからはスムーズに移動ができる、その間には何が必要かというと、スキルアップをしたりスキルチェンジをしたりする費用をしっかりと見て、そして移動先が決まらない限り失業という形態を取らせないというようなことができればというふうに考えております。
#214
○藤本祐司君 流動性を高めるという言葉で言ってしまうと、多分流動性を高めるんだろうというふうに思いますが、そこのところを失業という期間を設けないで何とかしていこうという、これはやはり規制改革とは関係があるんだろうと思いますが、これに関しては規制改革ではどういうような議論をされるんでしょうか。
#215
○国務大臣(稲田朋美君) まだそのワーキンググループ、第四グループの第一回のワーキンググループはまだ開催されておりません。今委員がおっしゃったような雇用の流動化を含めた議論がなされるものと思います。
#216
○藤本祐司君 もう時間が来たので、本当は再チャレンジであるとかクールジャパンとか、これは経済再生と非常に関係があるのでこれをお聞きしたかったんですが、ちょっと時間がなくなってしまいましたので、この辺で終わりにいたしますけれども。
 最後に、甘利大臣、先ほどの午前中の答弁の中で、景気、気というのが、景気の気は気持ちの気だという、マインドの話だというふうに言いますが、今実はこういうことが起きているんじゃないかという。例えば、我々が宝くじを買います。宝くじを買うと、買っただけで当たったような気分になってしまって消費をするという、これは実際にあるんですよね。株も買ったら、何かもうかったような気になっちゃって、それをやってしまう。それが続くと多分大変危険な状態になってくるので、実態をやはり早く落ち着かせていかないといけない。
 そういう意味での成長戦略を明確にしていかないといけないんだろうと思いますが、そういう意味で、ちょっと年央という、今年の半ばというのは、相当多分遅いんじゃないかなという気はするんですね。ここのところは、先ほどロードマップ、大変重要だというふうにおっしゃっていますが、それにとらわれずに、もうやることはどんどん出して、表に出していかないと私は危険な状態になる可能性も否定できないというふうに思っておりますので、それに対しての御所見があればお答えいただいて、質問を終わります。
#217
○国務大臣(甘利明君) まさに委員御指摘の、その点が総理から初頭に指示が出ておりまして、取りまとめを待たずに、取りまとめを待たずにというのは全体のですね、全体の取りまとめを待たずに発出するんじゃなくて、既に部分的にも取りまとめができたものからどんどんどんどん発出していけという指示がありますから、それは全部が取りまとめまで出さないというんじゃなくて、まとめられたものからどんどん発出していきたいというふうに思っております。
#218
○山谷えり子君 自由民主党、山谷えり子でございます。
 大臣、政府関係者、誠に御苦労さまでございます。
 まず最初に、出生前診断と子宮頸がんワクチンについて、厚生労働省と文科省にお伺いしたいというふうに思います。
 おなかの赤ちゃんがダウン症などの染色体異常かどうか分かる出生前診断について、三月九日、日本産婦人科学会の指針が決定され、本年四月から新たな出生前診断が実施される見通しとなっています。生命尊重の観点からも、出生前診断による人工妊娠中絶の増加を懸念しております。優生思想が広がっていくということもあってはならないことだと思っております。厚生労働省はどのように対応を考えていらっしゃいますか。
#219
○大臣政務官(とかしきなおみ君) 質問ありがとうございます。
 新しい出生前検診についてお答えさせていただきます。
 妊婦の方にその内容や限界、検査の結果のとらえ方等、十分に理解していただくように情報提供していくことが必要だというふうに考えております。そのため、日本産科婦人科学会の指針に沿いまして、臨床研究として慎重に実施されることが適当と、このように考えております。
 厚労省といたしましても、国民の皆様が検査について正しく理解できるように、引き続き必要な情報提供をしっかり行っていきたいと、このように考えております。
#220
○山谷えり子君 最近ですが、報道にありまして、産婦人科医会が、出生前診断で胎児が異常診断されたというふうな後に中絶をしたと推定されるケースがこの十年で倍になっているんですね。つまり、カウンセリング等々、現場が必ずしもうまく機能していないんではないかと思います。
 報告によりますと、検査結果について、陰性の場合の的中率は九九・九%、しかし陽性と出た場合でも、二十九歳の場合では五〇%、四十歳の場合で八〇%と聞いています。
 これ、アメリカの会社が一回二十万円以上ですから、アメリカの会社と、あと中国ですね、すごくもうかるから各国に売り込みに行っているわけですよ。だから、慌てて学会、医会がガイドライン出したわけでしょう。しかし、法的拘束力は全くない。そして、現場の把握も厚生労働省は十分じゃないという状況なんです。精度も高くないと。
 指針は本当に守られると思っていますか。この陽性と出た場合、二十九歳の場合、五〇%しか分からないという、これ、こんなことでよろしいんでしょうかね。
#221
○大臣政務官(とかしきなおみ君) 山谷委員のおっしゃるとおりでございまして、この検査により胎児の染色体の数に異常があると、可能性があるということが分かるということは承知しております。ただ、これによって確定的な診断ができるわけではなくて、確定的な診断のためには別途の検査が必要であります。
 先ほど委員がおっしゃいましたように、二十九歳の場合には五〇%、四十歳の場合は八〇%と。そのとおりでございまして、三十五歳の婦人の方がこの病にかかられるのが二百五十人に一人と、二十九歳の場合は千人に一人と。やはり、的中率がやっぱり年齢によってこれが変わってくるということでありますので、この検査についてやはりきちっと正しい情報を理解していただけるように、これからもカウンセリング等が現場できっちり行われるように鋭意努めていきたいと、このように考えております。
#222
○山谷えり子君 現在の母体保護法では、障害を理由とする人工妊娠中絶は認められていませんね。どういう理由のみ認めているんでしょうか。認めているというか、刑法では堕胎罪で認めていませんけれども、母体保護法の立て付けはどうなっていますか。
#223
○大臣政務官(とかしきなおみ君) お答えさせていただきます。
 人工の妊娠中絶については、母体保護法で、身体的又は経済的理由により母体の健康を著しく害するおそれがある場合、若しくは暴行、脅迫等による妊娠であると、こういったときに人工妊娠中絶が一応認められているということでございます。
#224
○山谷えり子君 今、統計では、人工妊娠中絶二十万人ぐらい、でも本当は百万人ぐらいあるんじゃないかと言われてもいたり、実態調査が本当にできていないんですね。これは、これから、この診断だけじゃなくて、どんどん診断が進んでいくと命の選別にもつながっていく可能性があるわけですから、ここで厚生労働省はきちんと調査をしてフォローアップをして、そして生命倫理の観点から議論してほしいと思います。なし崩し的に命の選別につながるようなことがあってはならないと思いますので、頑張っていただきたいと思います。
 それから、子宮頸がんワクチンについてなんですが、定期接種化する法改正が予定されております。本ワクチン導入の際に子供の体に及ぼす影響や、開発後間もないワクチンで副作用の報告などの情報が十分でないことを懸念しまして、私は国会でも何度も声を上げてまいりました。
 このところ、子宮頸がんワクチンを接種した副反応について重篤な症例が多く報告されていますが、定期接種化した後に発生した重篤な副反応に対する補償について、厚生労働省はどのように考えていらっしゃいますか。
#225
○大臣政務官(とかしきなおみ君) ありがとうございます。
 現在は、基金事業で市町村が加入している民間保険を活用して健康被害救済給付を行っていることとしております。
 そして、今検討していただいております、審議いただいております予防接種法改正法案、こちらの方が施行になりましたら、高い給付水準の健康被害救済を行うことが可能となります。法に基づく手厚い救済給付が行われるように、本法律の速やかなる成立を期待しているところでございます。
#226
○山谷えり子君 三年間で子宮頸がんワクチンによる副反応が約千件ぐらいあるという報道もございます。私も被害者の関係者からお聞きしましたが、車椅子になっちゃったとか、もう自分の名前すら分からなくなってしまったとか、今、全国被害者連絡会が結成されようとしているんですね。杉並区も、自治体総合賠償責任保険に補償を求めたり、医薬品医療機器総合機構申請、これ被害者が訴えたり申請したりしているんですが、いずれも認められていないんですよ。
 こういうふうに、予想を上回る副反応、そして被害者連絡会までつくられようとしている状況をどのようにとらえていらっしゃいますか。
#227
○大臣政務官(とかしきなおみ君) ワクチンによってこういった被害者の方々が出ているのは、厚労省としても十分把握をしております。審議会の方において委員の先生方に現段階では問題ないということで、ワクチンそのまま接種していただいている状況でありますけれども、適宜情報収集しまして、ワクチンの状況を把握しながら対応を考えていきたいと、このように考えております。
#228
○山谷えり子君 被害拡大を防ぐことを考えてほしいと思いますし、また救済体制の確立を図ってほしいというふうに思っております。
 子宮頸がんワクチン定期接種化といっても、これは強制とか義務ではないですよね。自由な判断に基づく自由接種ですよね。そこのところが物すごく誤解が広がっているんですよ。ちょっと丁寧に説明していただけますか。
#229
○大臣政務官(とかしきなおみ君) 定期接種化という名前がどうしても強制力を伴っているような印象を与えてしまいますけれども、国民の皆さんの判断によって接種をするかしないかというのを判断していただくということになります。
 ただ、ワクチンが定期接種化されるわけには、やはりそれが効果があるとある程度認められているわけでありますから、是非そういった形でしっかりと考えていただいて、是非効果のあるワクチンを打っていただく。
 ただ、それに対してはリスクも少しは伴うということも十分に理解していただけたらというふうに思います。
#230
○山谷えり子君 この子宮頸がんというのは、このヒトパピローマウイルスという百種類ぐらいあるウイルスに感染してそれが発展していくというふうに考えられているんですが、今多く使われているサーバリックス、これは百種類あるウイルスのうち16型と18型にしか効かないと、しかもこれ五割ぐらいから七割ぐらいしか効かないんじゃないかと言われていますね。日本人に多い52型と58型にはほとんど効かないわけです。それから、ほとんどの場合が自然治癒するという、これも案外知られていないことであります。
 そしてまた、サーバリックスの説明書には、「本剤の予防効果の持続期間は確立していない。」というふうに書いてありますし、私はメーカー側に何度も問い合わせましたが、これは子宮頸部の粘膜に抗体がにじみ出続けることによって効果があるんではないかと思われるけれども、子宮頸部の粘膜に抗体がにじみ出続ける副作用というのはデータがないから分からないと言っているんですね。平成二十二年、厚生労働省のがん対策室長も、長期データがないので副作用の情報はまだ不十分だと。もちろん二年前、二年ちょっと前の話ですが。しかし、まだこういう状況なんだと。その上で自由に判断して接種するかどうかと。五万円、六万円がただになるから、いいわというふうに思われる方いらっしゃるかもしれませんけれども、この辺の正確な情報発信というのはやはりしていただきたいというふうに思います。
 私、この内閣委員会で昨年の六月に、子宮頸がんになるハイリスク要因、一番の原因は何でしょうかと聞きました。そのとき、厚生労働省の健康局長はこう答えたんです。学者によれば、性行為年齢の若年化がその一つの要因であろう。これも教えられていないんですよ、ほとんど。そして、このワクチンそのものの限界性、これをきちんと教えるべきではないかと私が質問いたしましたら、予防接種法に基づく定期接種などでは、接種前に有効性や安全性について保護者に説明を行い、同意を得た場合に限り接種を行うこととしております。今回の子宮頸がん予防ワクチンの問題につきましても、その辺を十分に勘案して周知を図った上で、あるいは同意を得た上で接種すべしという形で実施要綱に明記しているところでありますと、去年の六月にそういう抑制的な、慎重な、当然のお答えを健康局長がしていらっしゃるんですね。
 そんな次第でございますので、ちょっと文部科学省にお伺いしたいんですが、本ワクチンの接種対象である主に中学生ですかね、十三歳セクシュアルデビューなんてふざけた言葉を使ってお勧めするところもありました。今もあるのかもしれません。心身の健全な育成を担う文科省として、報告されている副反応についての感想、そしてまた教育現場、各家庭に対する情報提供、性モラルをまず教えるべきではないか、その辺について御意見を伺いたいと思います。
#231
○大臣政務官(義家弘介君) お答えいたします。
 山谷先生とはこの問題も含めて問題意識を共有しながらずっと活動してきたわけでございますけれども、個別接種の原則といえども、まず判断するには材料が必要なわけですね。メリット、デメリット、危険性、その材料を正確に認識した上で当然判断していく。では何が必要かといえば、私は二つの点であると思っています。まず一つは、予防という観点。何からどのように予防して、何が問題なのかという医療の観点と、もう一つは教育の観点。これは御指摘のとおり絶対に必要であろうというふうに思っています。
 また、学校現場の教師も、主に小中学校、中学生を対象とするわけですけれども、この危険性、副作用等々、しっかりとした知識が現在あるのかといえば、実はないのが実態であります。あるいは一部で、こうと原理主義的に固まってしまっている先生もまたいるのも事実です。だからこそ、きちっとした、この危険性、そして、あるいはどのような教育をしていくのか、先ほどおっしゃったように、性教育も含めてどのような教育をしていくのかということも両輪として考えていかねばならないと思います。
 少なくとも、ワクチンの副反応も含めて、教職員がワクチンに関する正しい理解を得ることは重要でありますし、また教職員等を対象とした研修会、講習会、様々な機会を通じてフェアな啓発を図っていく、しっかり開かれた啓発を図っていくということ、また、厚労省に対して保護者や教職員向けのQアンドAの作成等をお願いしたいと考えているところであります。
#232
○山谷えり子君 どうぞ丁寧な行政をお願いしたいと思います。
 それでは、とかしき政務官、義家政務官、ありがとうございました。
#233
○委員長(相原久美子君) お二方、退席結構でございます。
#234
○山谷えり子君 靖国神社の神門が放火されたことについて、菅官房長官にお伺いします。
 平成二十三年一月二十六日未明に発生した靖国神社神門放火事件は、早期発見に加えまして、警備担当をしていらした職員の機転の利いた初期消火で幸い軽微な損傷にとどまりました。本件は、ソウルの日本大使館放火事件で逮捕され服役していた中国人の劉が放火を認め、日本政府は日韓犯罪人引渡条約に基づき韓国政府に同容疑者の引渡しを求めておりましたが、今年の一月三日、ソウル高裁が劉容疑者を政治犯と認定し、日本には引き渡さないとの決定を下したため、韓国法務省は同人を釈放、劉容疑者は中国に帰国しました。
 安倍総理は、一月四日の記者会見において、極めて遺憾であり強く抗議したいと強い不快感を表明されまして、また外務省も同日、駐日の韓国大使に抗議しましたが、本件をどのようにとらえ、今後、政府としてどのように対応なさいますか。
#235
○国務大臣(菅義偉君) 本年一月の三日に韓国が行った靖国神社放火事件の被疑者引渡しのこの拒否決定は、日韓犯罪人引渡条約上の引渡拒否事由のいずれにも該当しないと考えられると、そういう観点から極めて遺憾であるというのが政府の立場であります。
 そのために、政府としては、韓国政府に対して遺憾である旨の抗議を行うとともに、韓国政府が適切な対応を取るように申入れをいたしました。さらに、現在、この劉強被疑者が一月四日、中国に帰国後、日本政府としては、中国政府に対しても身柄の引渡しを含む適切な対応を今強く求めているところであります。
#236
○山谷えり子君 中国に対しては身柄の引渡しを強く求めていると、そしてまた、韓国政府に対しては日韓犯罪人引渡条約、国際法上の義務ですから、これをきちんと守れというふうに言っていらっしゃるということでございますので、一過性の抗議に終わらせず、粘り強く行っていただきたいというふうに思います。
 それから、靖国神社は我が国における戦没者慰霊の中心施設であり、国のために尊い命をささげられました二百四十六万六千余柱の英霊を冒涜した極めて悪質な犯罪でありました。このようなことが二度と起こらないように警備の厳重化というのを求めたいと思いますが、その辺はどのようになっているでしょうか。
#237
○国務大臣(古屋圭司君) 多くの国民の方々がさきの大戦で亡くなられた英霊に対して哀悼の誠をささげる場所でございますので、静ひつな環境でそういうことをさせるということは治安上も極めて重要だと思います。残念ながら、今回の劉強事件もありましたので、私ども警察としても、今までも警備には十分対応してまいりましたけれども、今後とも更に施設管理者ともよく連携をして警備の徹底を図っていきたいというふうに思っております。
#238
○山谷えり子君 どうぞよろしくお願いいたします。
 古屋委員長、ありがとうございました。
#239
○委員長(相原久美子君) 御退席、結構でございます。どうぞ。
#240
○山谷えり子君 続きまして、領土、領海についてお伺いをいたします。
 海洋政策・領土問題担当大臣、山本一太大臣、これは初代大臣というふうに認識しております。大変に期待しているところでございます。
 自民党で私は、国境の島を守る、無人国境離島を守る、そしてまた特定国境離島を守るという法案を法案提出責任者の一人として昨年国会に出しましたが、議員立法で、残念ながら審議未了、廃案という形になっております。今、本当に諸外国からの不法侵入、領海侵犯、頻繁に発生しておりますけれども、これは早急に立法化すべきだというふうに思っておりますけれども。大臣としては、大臣もこの内容御存じだと思うんですよね。ですから、閣法として出そうと思われているのか、一体どういうふうにお考えなのか、お聞かせください。
#241
○国務大臣(山本一太君) 今、山谷委員おっしゃったように、日本をめぐる情勢は非常に厳しいという認識を共有しております。その上で、政府としても、例えば低潮線保全法を作って、いわゆるEEZ等の基礎になる低潮線を確定させたりとか、あるいは、これも山谷先生深くかかわっておられますけれども、国境離島のうち海図にも地図にも名前のない四十九、ここの島に名前を付ける等々で、国境離島の適切な管理、保全、これに取り組んできたという認識です。
 今おっしゃった二つの法案、これも両方とも非常に私は大事だと思っておりまして、法案もしっかり最初から最後までよく読ませていただきました。これについては、私の元に、国境離島の適切な管理、振興、保全に関する有識者の懇談会を立ち上げる方向で今議論をしております。人選に少し時間が掛かるので、それでも人選を今進めておりまして、できるだけ早いうちにこの懇談会を立ち上げて、その中で、政府としてこの国境離島の問題、振興、それから管理、保全をどうしていくのかということを議論したいと思っていまして、この懇談会が立ち上がれば、山谷先生の意識にあるこの二つの法案、特に特定の国境離島、これをどうやって保全するかということについては、法案をどうするのかということについてもしっかりとそこで検討させていただこうと、そう考えております。
#242
○山谷えり子君 無人国境離島を守る法案は、私が座長となって取りまとめさせていただきましたし、そのとき、安倍先生が、今、現総理が顧問としてかかわってくださっていたんですね。そして、各役所にもきちんと意見聴取して調整していますし、現実的でなければ法律としてワークしませんから、そして各党にもそれぞれ根回しを済んでおりますので、恐らく閣法を作るとしてもそんなに違いはないんだろうなというふうに思うんですね。
 これから有識者懇談会を立ち上げて議論をして、そうすると今国会には閣法としてはもう間に合わないと。じゃ、今年の秋ならば、大体設計図はできているわけですから、秋ならば間に合うと、そういうスケジュール感と認識していいでしょうか。
#243
○国務大臣(山本一太君) 先ほど申し上げたとおり、閣法で出すかどうかもこの有識者懇談会で議論をさせていただきたいと思いますので、今、例えば閣法でやる場合にどこまでに出せるかということについて、明確な答えをここで差し上げられないのは大変申し訳ないというふうに思っております。
 いずれにせよ、与党ともよく相談をしながら、閣法の中身、閣法でやるとしても、あるいは違う方法を取るにしても、よく与党とも相談をしながら進めていきたいと、担当大臣としては考えております。
#244
○山谷えり子君 この法案は、様々な離島の調査、そしてそれぞれの離島の特性に合わせたいろんな支援をしていく、標識の設置、灯台観測所、護岸工事など、また必要と判断した場合は買取りや借り上げもあるという、そして本当に環境やいろんな意味で促進を離島振興して図っていくという、特に特定国境離島というのは国境を守ってくださっている島々ですから本当に支援をしていきたいという法律でございますので、閣法で出すかどうかもまだ決まっていないという、そういう状況であるならば、状況を見てまた議員立法で出さざるを得ないかなと。
 山本一太大臣、頑張っていただきたいんですけれども、ちょっと今の答弁ですと、まあまだ立ち上げていらっしゃらないからそういう答弁になられるんだろうとは思いますけれども、思いを同じくするわけですから、是非スピードアップを図っていただきたい。本当に、秋の国会ででも成立できれば来年の予算に反映することができますから、そういうスケジュール感で是非お願いしたいというふうに思っております。
#245
○国務大臣(山本一太君) 今の先生の思いをしっかり受け止めて、取りあえず有識者懇談会の方もできるだけ急いで立ち上げたいと思いますし、議論も少し迅速にやりたいと思っています。
 法案ということになると、先生の作られた法案もよく読ませていただいたんですが、例えば閣法でやる場合には、管理の強化が必要な離島を対象とした土地等の収用の必要性とか、あるいは法の対象となる離島の範囲とか、幾つか議論が必要なところも出てきますので、いずれにせよ、もう一度申し上げますけれども、与党とも相談をしながら、担当大臣としては、できるだけ迅速に議論をしてなるべく早く結論を出したいと、こう考えております。
#246
○山谷えり子君 期待しております。
 内閣府に領土・主権対策企画調整室というのが設置されたという、これも私、領土議連の会長としてずっと領土担当部局と領土担当大臣をつくってほしいということを言ってまいりましたので本当によかったなと思っているんですが、この活動の内容、また展望をどのように描いていらっしゃいますか。
#247
○国務大臣(山本一太君) 山谷先生おっしゃったように、領土担当大臣というのは安倍内閣で初めてつくられまして、私が初代の大臣に任命されたわけなんですけれども、私の問題意識は、実は対外発信というところにあります。
 この領土担当、領土・主権対策企画調整室、これは竹島の問題、そして北方領土の問題、尖閣は領土問題はありませんが、尖閣をめぐるいろんな問題、こういうことについて国民の理解を深めていくということは非常に大事だと思うんですが、そこに加えて、安倍総理やあるいは外務大臣とも、特に外交交渉を所掌する外務省とはしっかり調整をしながら、しかし、日本の主張がなぜ正しいのかと、こういうことをやっぱり外に発信をしていかなきゃいけないと、この機能強化をしなければいけないという大変意識がありまして、例えば、ほかの国がどういう戦略でやっているのかということもできれば検証して、その上でどうやって日本の主張をPRしていくのかということについて、当然、外務大臣を助けながら、外務大臣とも調整を図りながら私も対外発信の一翼を担いたいと、そんなふうに考えています。
 領土企画対策総合調整室ですけれども、国内啓発、内外発信等々についてのいろんな総合調整をやるということで、十五人でスタートいたしました。十五人ですね、十一人常駐、四人併任ということなんですけれども、この具体的な中身については今鋭意議論していまして、やろうとしていることは先ほど申し上げたとおりのことなんですけど、例えば有識者のやはりこれもしっかりとした組織をつくるということも一案ですから、そこについては、安倍総理のいろんな外交戦略もあるので、そこも見ながら今鋭意準備を進めております。
#248
○山谷えり子君 これまで、北方領土は内閣、そして竹島は外務省と縦割り、いろんな戦略的に何かを発信するということが十分にできなかったわけですから、また予算もそれぞればらばらに付いていたということですので、山本大臣、是非頑張っていただきたいというふうに思います。
 それから、尖閣の海域で日米で防衛計画を夏までに策定するという報道が今日ありまして、本当に結構なことだというふうに思っておりますけれども。尖閣の周り、国有化後、台風などの悪天候時を除いて、常時、中国の公船が徘回をしております。
 海上保安庁、現在の体制は十分でしょうか、それとも大変なのか、ちょっと現状と、それから、これから人員あるいは巡視船の増強など、どのように考えていらっしゃるか、お教えください。
#249
○大臣政務官(赤澤亮正君) 御質問ありがとうございます。
 御指摘のとおり、尖閣の三島の取得、保有以降、尖閣諸島周辺海域で中国公船による領海侵入が繰り返されております。情勢は厳しさを増しているということで、しかも現在の状況は、今、他の管区から第十一管区に船をむしろ派遣をして何とか守っているという状態でございます。このような状況を踏まえて、領海警備に万全を期すために体制の拡充強化を図っていこうということで、大型巡視船十四隻相当による専従体制を確立することを早急にやりたいと思っております。
 平成二十四年度補正予算、それから二十五年度予算案において、大型巡視船の新規建造、あるいは海上保安官の大幅な増員など、海上保安庁の体制強化のための必要な経費を計上しております。
 今後とも、海上保安庁の体制の充実強化を図り、領海警備に万全を期していきたいと思っております。
#250
○山谷えり子君 海上保安庁の職員の皆様には本当に感謝をしております。私どもも、仲間たちとあの海域で漁業活動を何回か行いましたけれども、もうひどいときは五、六メーターという波がありまして、ジェットコースターのような状況でありましたね。本当に御苦労があるというふうに思います。
 また、先日、私のところに沖縄の漁業関係者が、先日、尖閣海域で漁業活動をしていたら、中国の公船が後ろ五十メーターのところをずうっと追いかけてきてすごく怖かったというふうにおっしゃっていらっしゃいましたけれども、こういう状況というか、現状をどういうふうに見ていらっしゃいますか。
#251
○大臣政務官(赤澤亮正君) 尖閣諸島の周辺海域は、先ほど申し上げましたとおり、中国公船による領海侵入が繰り返されておりまして、中国公船が一時的に日本漁船に接近する状況、今の委員御指摘のように、ちょっと接近するどころか、かなり執拗な、何というんですかね、対応が発生するというようなことも起きております。
 海上保安庁としては、このような状況の下で、日本漁船と中国公船の間で不測の事態が発生するようなことはやっぱり防止しなければならないということで、必要に応じ所要の情報提供あるいは安全指導を行っているところでございます。
 今後とも、関係省庁と緊密に連携しながら領海警備に万全を期してまいります。
#252
○山谷えり子君 それから、今燃料代が高くなってしまって、漁業関係者がなかなか行けないと。途中で海が荒れると戻ってこなきゃいけない、そうすると一回十万円ぐらい掛かる費用がパアになってしまうというような状況で、今まで自民党政権時代は油代の補助ということをやっていたんですけれども、厳しくなっておりますが、今後とも、それは政府として大きな視点から、日本の海で漁業関係者がきちんと営みができるように対策をお願いしたいというふうに思います。これは恐らく各役所で連携しながらということになるというふうに思います。よろしくお願いいたします。
 本年の二月二十二日、これは、島根県が制定した竹島の日という条例に基づいて島根県で第八回の竹島の日記念行事が開催されました。私は領土議連の会長として当初からかかわっていたんですけれども、今年は島尻安伊子政務官が御出席をくださいまして、また国会議員の数も本当に最高の人数でございました。自民党は選挙公約にも、二月十一日建国記念の日、二月二十二日竹島の日、四月二十八日主権回復記念式典の開催を挙げておりまして、一歩ずつ前進しているかなと思っておりますけれども、記念行事に政府関係者として初めて御出席された感想などをお伺いしたいと思います。
#253
○大臣政務官(島尻安伊子君) 御質問ありがとうございます。
 まず、山谷えり子先生には、領土議連会長としてこの竹島の日の式典も最初から御出席でございます。そして今回、政府関係として初めて私、出席をさせていただきましたけれども、そのときにも、挨拶文等々、先生にはいろいろと御指導をいただきましたこと、御礼を申し上げたいというふうに思っております。
 今回のこの記念行事に政府関係者が初めて出席をし、我が国として竹島問題をめぐる我が国の立場を明確に主張できたということは大変意義があったことというふうに認識をしております。また同時に、島根県を始めとする関係者の皆様方、今回は第八回ということでもう八年目になるわけでありまして、それまでの御苦労といいますか、もう関係者が心を砕いて、しかも一貫してこの式典を続けてこられたということに関して敬意を表するそういう機会を与えていただいたということで、大変意義深いものだったというふうに認識をしております。
 竹下亘先生が御挨拶の中で、やっとこの日が来たという表現をなさいましたけれども、その御挨拶からも本当に現地の皆様方がどれだけの苦労を重ねてこられたかということがよく分かりましたので、また今後、私も山本大臣の下で領土担当を務めさせていただいておりますけれども、また政府としても、また来年、再来年に向けての取組というのをきちんと考えていくということだというふうに思いますので、また先生の御指導等、よろしくお願いしたいと思います。
#254
○山谷えり子君 これからもどうぞよろしくお願いします。
 北方領土にしても竹島にしても、竹島でいえば、昭和二十七年の一月、李承晩ラインが引かれて、不法占拠を韓国によってされているという状況でありまして、いずれも主権を喪失しているときにそのようなことが行われてしまった。七年弱、占領軍の下に、占領時代にありまして、この度、六十一年目の節目として主権回復記念の日を、式典を四月二十八日に行うということを政府は決定したわけでございますけれども。
 私の父は、私は占領時代の生まれですが、父は国会担当の政治部の記者でありまして、あのときはもうマッカーサーのオーケーがないと本会議のベルも押せなかったんだよというようなことを言っておりました。新聞も検閲があって、いまだに国民は主権を奪われていた時代のこと、そして主権回復後、本当に主権は回復されているのか、いや、まだまだ足りない部分があるのではないかとか、それから、昭和二十七年四月二十八日に主権は回復したといえ小笠原、奄美、沖縄は引き続き米国の下に置かれたというような苦しみも含めて、戦後の苦難の歩み、そして戦後の国際社会に向かって日本が非常に貢献をしてきたこの平和の中でのすばらしい日本の歩み、平和国家、道義国家、そうした日本の国柄を確認する意味でも、また若い人たちとこの断ち切られたあの時代、その以前と以後というようなことを認識する意味でも本当に意義のある式典になると思いますし、していただきたいと思います。
 菅官房長官には質問のこれ項目に挙げていないんですけれども、今やり取りをお聞きになられて、領土、領海、また主権回復記念式典に対する思いをもしお聞かせいただければと思います。
#255
○国務大臣(菅義偉君) 今、委員から領土、領海、そして主権回復の日に対しての思いが伝えられました。まさにそのことをしっかり肝に銘じながら対応していきたいと思いますし、特に主権回復の式典には、奄美、小笠原、沖縄という、そうした皆さんの思いをしっかりと受け止めながらの式典にさせていただきたいと思います。
#256
○山谷えり子君 どうもありがとうございました。
#257
○糸数慶子君 無所属の糸数慶子です。どうぞよろしくお願いいたします。
 男女共同参画関係から、まず少子化対策について森大臣にお伺いしたいと思います。
 これからの若い世代が家族を形成し、子育てに伴う喜びを実感できると同時に子供たちにとってもより良い社会を実現するため、全てのステージで切れ目なく支援すること、そして家庭や地域における育児の支援など、総合的な子育て支援を推進することが重要だと所信で述べていらっしゃいます。
 なぜ女性たちが子供を産まなくなったのか、若い世代が子育てに希望が持てなくなったのか、しっかりと分析し、ニーズにこたえなければ有効な対策を講ずることはできないのではないかというふうに思うわけです。
 二〇〇五年に出生率が一・二六と過去最低を記録したことが翌年公表されました。いわゆる一・二六ショックですが、最もショックを受けられたのは当時の安倍官房長官だったのではないかというふうに思います。その直後に政府は新しい少子化対策を発表いたしました。子育て支援、それから働き方の改革、国民運動の推進の三つを柱にして、家族、地域のきずなを再生させ、社会全体で子供を、それからその命を大事にする国民運動を推進するというふうに意気込んでおられましたが、女性たちのニーズにきちんとこたえていたのかは疑問でございます。
 当時、少子化を克服されたとされるフランスの子育て支援が注目されました。フランスでは、出産費用は基本的に無料で託児システムも充実しています。日本のパートやアルバイトのような不安定雇用はほとんどなく、労働者の九割が正規雇用で、正規労働で、非正規労働者であっても給与や社会保険について正規労働者と差別してはならないと法律で定められています。さらに、手厚い家族手当や児童手当があり、働く親が育児と仕事をてんびんに掛けないで済むように、有給休暇あるいは育児休業手当の制度を使い勝手の良いものにして改善している状態です。それらが出生率の上昇につながったと言われておりますが、女性が自分の生き方を自分で選べるように支援しているのがフランスの政策というふうに言えると思います。
 日本とはいずれも対照的だと思いますが、森大臣は、日本の女性たちの出産それから子育てのニーズ、どのように認識していらっしゃるのか、お伺いいたします。
#258
○国務大臣(森まさこ君) 第一次安倍内閣におきまして、先ほどの安倍官房長官時代のお話をいただきましたが、その後の第一次安倍内閣におきまして少子化社会対策会議を、会長を総理として全閣僚で構成して決定をいたしました。そして、子どもと家族を応援する重点戦略というのを持ちまして様々な施策を打ち出しております。
 例えば、出産費用の負担軽減ということで、これはその後三十八万円から四十二万円に増額されました。また、出産育児一時金の支払手続の改善という項目もありまして、当時は出産費用が、産婦人科に行きますと、私のころなどは前払でありまして、病院で自分が支払って出て、その後国の方に請求しなければいけなかったんですが、その後、直接支払制度というふうに改善をされてきました。
 このように、今少しずつ改善をしたことによって合計特殊出生率が一・三九ということで微増はしておるんですが、まだまだ超少子化社会というところから抜け出せておりません。
 委員御質問の、そのニーズの分析でございますが、二〇一一年の少子化社会に関する国際意識調査によりますと、日本女性が希望する子供の数になるまで子供を産まない理由又は産めない理由、希望する子供の数は、実は結婚している夫婦では二人以上を希望しているんですけれども、今一・三九。その理由というのが、一番目が子育てや教育にお金が掛かるから、二番目が自分又は配偶者が高年齢であるから、三番目が働きながら子育てできる職場環境がないというのが挙げられております。これらそれぞれについて、その阻害要因を除去していく、解消していくことが重要であると認識しております。
 そのため、所信表明でも述べましたように、就労継続を希望する女性が出産や子育てのために仕事を辞めなくてもよい社会、又は出産や子育てで一旦お仕事を辞めた女性も、その後円滑に仕事に復帰できる社会が実現できますように柔軟な働き方を選択できるワーク・ライフ・バランスが実現する社会を整備してまいりたいと思っております。
#259
○糸数慶子君 ありがとうございました。
 この課題を一つ一つ、是非おっしゃったとおりに実現をしていただきますようにお願いしたいと思います。
 それから、家族の法制に対する世論調査についてお伺いをしたいと思います。
 二〇一〇年の四月六日の参議院法務委員会で、当時法務委員でありました森大臣は、やはり国民のほとんどが選択的とはいえ夫婦別姓については反対の方が多いという中で、もっと議論を煮詰めてからそういった改正というものについては取り組んでほしいと、私は元々夫婦別姓には反対でございますが、賛成でも反対でもいろんな意見を聞いていただきたいというふうに、当時の法務委員であった森大臣は質問されています。
 森大臣には、是非ともいろんな意見を知っていただくという必要があるというふうに思っておりますが、委員の皆様にはお配りをいたしました資料を見ていただきたいと思います。
 この資料の中には、内閣府は選択的夫婦別姓について、ほぼ五年ごとに世論調査をしております。これから新しい家族をつくっていく年齢層の、まず二十代、それから三十代の若い世代の意見はとても重要だと思いますが、特に改姓を望むとそれから望まざるにかかわらず、結婚改姓をしている女性たちは圧倒的に選択的夫婦別姓を容認しています。男女とも反対は六十歳以上ですが、六十歳以上の人に反対が多いから必要ないということでは、若い世代をないがしろにしていると言われても仕方がありません。
 森大臣は、この若い世代の意見をどのように受け止められているのでしょうか、お伺いいたします。
#260
○国務大臣(森まさこ君) 今回の家族の法制に関する世論調査の結果については、確かに年代別、国民それぞれの立場によって様々な意見があることが示されたものと受け止めております。若い世代の方が選択的夫婦別氏制度導入を容認する割合が高いという委員の御指摘についても、様々な立場からの意見の表れとして、この世論調査の結果を見る際の着眼点の一つになり得るものと考えております。
 若い女性の御意見を私聞いておりますと、仕事をしたり、それから学術研究の発表などをするときに、旧姓のまま使用することがなかなかできなかったり、また海外で旧姓のまま活動してきたものが、姓が変わることによって、そこでキャリアが中断してしまったりというような困難があるということをお伺いしてまいりました。そのようなこともこの結果に表れているのかもしれません。
 ですので、その原因のところをしっかりと見て、私が法務部会長の際に検討していた案は、旧姓の使用を社会的に拡大するような制度を考えておりました。現在、自民党の中でもその案が議員立法として提出することを検討されているようでありますので、そのような各党の中の御意見も伺いながら、また進めてまいりたいと思います。
#261
○糸数慶子君 若い方々の意見が圧倒的に多いということを先ほども申し上げましたけれども、是非、政策の中で、このことも含めて前向きに取り組んでいただきたいということを要望したいと思います。
 それから、今回、私、男女共同参画社会についてのとりわけお伺いをしたいことについてでありますが、ポジティブアクションについてであります。
 IPU、列国議会同盟が三月五日に、世界各国の国会議員に占める女性の割合が二〇一二年に初めて二〇%を突破したと発表いたしました。女性への議席割当て制度、いわゆるクオータ制でありますが、それが効果を上げたということです。昨年選挙を実施した四十八か国のうち、フランスや韓国など二十二か国でクオータ制が実施されていました。クオータ制が法制化されている国では平均二四%、自発的に実施された国では二二%だった一方で、実施されていない国では一二%と低い数値にとどまっています。
 特に日本の国会議員の女性の割合は低く、昨年十二月の総選挙では、衆議院議員四百八十人中女性は三十八人にとどまっています。これは前回の一一・二五%から七・九%に後退しておりますが、昨年十月に世界経済フォーラムが発表したジェンダーギャップ指数が百三十五か国中何と百一位でありました。国会議員や関係の閣僚の女性の割合が極端に低い政治分野は百十位と厳しい評価を受け、総合指数を下げています。
 IPUヨンソン事務総長によりますと、女性議員の割合が三〇%を超えると立法過程におきましても女性の影響力が及ぶという研究結果があるようですが、森大臣は所信で、指導的地位に占める女性の割合を二〇二〇年までに三〇%程度とする政府の目標達成に向けた取組を強力に推進してまいりますとおっしゃっていますが、女性の声がなかなか反映されない日本の政治状況を変えるためにクオータ制は鍵になると思いますが、大臣の御認識をお伺いしたいと思います。
#262
○国務大臣(森まさこ君) 社会のあらゆる分野において、指導的地位に占める女性の割合を二〇二〇年までに少なくとも三〇%程度とする、この政府目標は、福田康夫元総理大臣が男女共同参画担当大臣をなさっていたときに設定した目標だと伺っております。この政府目標の達成に向けた取組を推進することは極めて重要であると認識しております。
 そこで、まず隗より始めよということで、私が閣議後の閣僚懇談会におきまして各大臣に向けて女性国家公務員の登用の積極的な取組をお願いをいたしまして、通信簿と申しますか、各省庁ごとの女性官僚、女性国家公務員が何%いるか、採用を何%しているか、それから課長、室長の指導的地位に何%いるか、それから審議会に何%いるかということを一位から最下位まで順位を付けて配付をさせていただきました。各大臣が大変積極的に、これはこの数字を上昇するために頑張ると言っていただいたところでございます。そうやって霞が関の努力をしてから経済団体や個別企業に働きかけを進めていこうと思っております。
 また、安倍内閣におきましては、個別企業における役員や管理職への女性の登用状況を外部に公表するという見える化を推進しておりますし、なでしこ銘柄として東証一部上場企業の中から女性人材の活用を積極的に進めている企業十七社を選定するなど投資家に情報発信を行いましたり、女性の起業、創業支援として起業家に三分の二まで助成するなど、様々な女性の活躍のための予算を計上しているところでございます。
#263
○糸数慶子君 私は、先ほど申し上げましたように、女性の声が政治の中でなかなか反映されていないというその実態があるわけですが、クオータ制について具体的に大臣が思っていらっしゃること、そしていつごろまでにこのことをきちんと実現していくつもりでいらっしゃるのか、そのことを改めてもう一度お伺いしたいと思います。
#264
○国務大臣(森まさこ君) 御質問は、法律等でクオータ制を義務付けることについて聞いていらっしゃるのかもしれませんが、クオータ制については様々な方法がございます。
 法律等で定めることにつきましては、民主党政権下の専門部会、これは正式名称が男女共同参画会議基本問題・影響調査専門調査会、こちらにおきまして憲法上の問題点を議論され、二〇一二年十二月に取りまとめをされているところですが、そこでは、法令でクオータ制を義務付けることについては、憲法上の平等原則や経済的自由権との関係で慎重な検討を要するというふうな取りまとめがなされております。これも参考にしつつ、女性の積極的な活用に向けて様々な前向きな取組を進めてまいりたいと思っております。
#265
○糸数慶子君 私は、先ほどから申し上げておりますように、森大臣の所信の中に、指導的地位に占める女性の割合を二〇二〇年までに三〇パー程度とするというその政府の目標達成のために取り組んでいきますというふうにおっしゃっていらっしゃいますので、それを具体的にいつごろまでに、どういうふうな形でこのクオータ制をやっていけるというふうに考えていらっしゃいますかということをお伺いしているわけです。
 具体的にどういう形で取り組んでいくおつもりなのかということを、改めてもう一度お伺いしたいと思います。
#266
○国務大臣(森まさこ君) 御存じのように、二〇二〇年までに三〇%という目標を、大目標を定めて、それに基づいて各業界ごとの小目標と申しますか、それを定めております。それについて毎年度検証をしながら各界に要請をしているというところでございます。そして、今年要請に行くに当たって、私ども足下の霞が関の状況についてまた各大臣に確認をし、私のところでは、私になりましてからの採用、登用、審議会の女性の割合は全て増加をさせております。
 そういうことで、これから各業界に、各業界ごとの設定目標に向けた取組の状況をお伺いし、また更なる努力をお願いに参るということになっております。
#267
○糸数慶子君 では、次に参ります。
 児童ポルノの問題についてでありますが、警察庁が今年の今月七日に、二〇一二年の児童虐待及び福祉犯の検挙状況を公表しています。それにおきまして、児童虐待、児童ポルノの総検挙数が過去最多を記録したことが分かりました。
 検挙された四百七十二件の児童虐待のうち、身体的虐待の三百四十四件、性的虐待の百十二件、心理的虐待の六件がいずれも最多となりました。
 児童買春・児童ポルノ禁止法違反の検挙件数は二千二百九十一件で、前年より六件減っています。これは、年々減少している児童買春が前年の八百四十二件から六百九十五件に減少したため総数を引き下げたもので、児童ポルノは増加が著しく、前年の千四百五十五件が千五百九十六件となり、過去最多を記録しております。
 民主党政権下で第三次男女共同参画基本計画が策定されましたが、性暴力や児童ポルノに関する記述は策定過程で大きく後退した経緯があります。性犯罪への対策、性・暴力表現への対策、子供への性暴力の根絶のそれぞれの具体的な取組について、表現の自由を十分に尊重した上でという記述が盛り込まれましたが、性暴力や児童ポルノの根絶の動きに逆行するのではないかと女性団体から懸念する声が上がっていました。特に、児童ポルノについては、当初あった児童ポルノの根絶という記述が児童ポルノ対策の推進と後退し、児童ポルノの根絶という表現がなくなりましたが、有効な規制が講じられていないために毎年記録を更新するという不名誉な実態になっています。
 児童ポルノ根絶に向けた大臣の決意をお伺いしたいと思います。
#268
○国務大臣(森まさこ君) 児童ポルノは、児童の性的搾取、性的虐待の記録であり、児童の権利を踏みにじる断じて許し難い行為でございます。
 この表現の自由との関係で、民主党と自民党の間にも議論がございました。当時、私が法務部会長で取りまとめました児童ポルノ禁止法案も提出しましたし、民主党さんから表現の自由に配慮した法案も出されましたが、なかなか国会の中で審議をされず、双方廃案になっております。
 私、当時の法務部会長としてアグネス・チャン日本ユニセフ協会大使ともお会いをして意見交換をさせていただきましたが、自民党の当時の法案は高く評価をしていただいておりました。現在も自民党でこの法案の提出の準備をしているところでございますので、そのような与党の状況も見守りながら、更なる児童ポルノ排除に向けて全力を尽くしてまいりたいと思っております。
#269
○糸数慶子君 次に、性犯罪、性暴力被害者のためのワンストップ支援センターの設置についてお伺いをしたいと思います。
 ワンストップ支援センターは、性犯罪・性暴力被害者に対して、心理的サポート、医療支援、警察の捜査等の総合的な支援を可能な限り一か所で提供することにより、被害者の心身の負担軽減及び警察への届出促進を図るものであり、性犯罪被害者の迅速かつ適切な支援のためには支援センターの全国的な設置が急務であると考えます。
 十一月に行われました共同通信の都道府県アンケートの結果によりますと、ワンストップ支援センターを設置しているのは北海道、東京、愛知、大阪、佐賀の五つの都道府県で、宮城、福島、栃木が設置を検討していると回答したものの、三十九府県が未設置となっております。未設置の主な理由としては財政不足が掲げられており、既に設置しているワンストップ支援センターについては、東京、大阪、北海道は民間が運営しているため、運営費の大半を寄附金で賄うことになり、財政状況が非常に厳しいという現状があります。
 私は、この問題に関して、昨年の十一月二十六日に性暴力被害者救援センター大阪、SACHICOを視察し、ウィメンズセンター大阪でレクチャーを受けてまいりました。その後、沖縄県でも前倒しで設置したいという動きがございます。
 昨年十一月、私は質問主意書も提出しておりますが、主意書で国による財政支援の必要性についてお伺いいたしましたところ、今後検討してまいりたいという答弁書をいただきました。その後の検討状況はいかがでしょうか。国からの財政支援の必要性について、森大臣の御所見をお伺いいたします。
 政府においては、昨年五月にワンストップ支援センターの開設・運営の手引を策定しておりますが、全国的な設置をより一層促進するために、今後、政府としてはどのような取組を行っていくおつもりでしょうか、併せてお伺いいたします。
#270
○国務大臣(森まさこ君) 性犯罪、性暴力被害者というのは、なかなか相談に行きにくい、そういう状況にございますので、ワンストップ支援センターの設置というのは大変重要な問題だと思っております。地域の実情に応じて、被害者に対する継ぎ目ない支援を確保し、ワンストップ支援センターの設置を促進する環境がつくられることが重要だと認識しております。
 そこで、地域の男女共同参画センターの相談員等を対象とした研修を引き続き実施することとし、また、平成二十五年度予算として、性犯罪被害者支援に関し、地域における取組例に関する調査費用を要求しております。
 というのが事務方が書いてきた案でございますが、私もこれを聞いたときに、ワンストップ支援センターの予算がないのというふうに、委員と同じような質問を事務方にしたところですが、私の努力不足で今回の補正と二十五年度に設置のための予算ができませんでした。研修と調査のみでございます。
 ただ、今、ほかに使える予算、様々な交付金等を探しまして、そして、委員が先ほど御指摘くださいました、ワンストップ支援センターを設置するという意向を示している自治体に対し、財政難ということを理由に挙げている自治体に対して相談に乗って、設置できるように今事務方に指示して進めているところでございます。
#271
○糸数慶子君 残念ながら財政的な支援が今具体的にないというところでありますけれども、沖縄におきましても、性犯罪に関する、とりわけ米軍の所在するために起こってくる性犯罪、あるいはまた民間でのそういう性犯罪に対する取組、県も前倒しで行っていこうという動きもございます。是非、財政措置をよろしくお願いいたしまして、次、菅官房長官にお伺いしたいと思います。
 先ほどからお話を伺っておりますと、四・二八、主権回復の日についてでございますが、この件に関して沖縄に屈辱の日があるということを御存じでございましょうか。安倍総理が、今年から政府主催の式典を開催するという主権回復の日について、開催理由は、主権を失った七年間の占領期間があったことを知らない若い人が増えている、日本の独立を認識する節目の日だとおっしゃっていますが、では、もっと増えている沖縄の二十七年間の米軍統治を知らない若い人や多くの国民にはこの屈辱の日を共有する取組が必要だと考えますが、官房長官の見解をまずお伺いしたいと思います。
#272
○国務大臣(菅義偉君) 総理の発言について今言及がありました。
 我が党として、これ選挙戦の、選挙の政策集の中にも、この四月二十八日、サンフランシスコ平和条約に参画をして、そういう中で主権が回復し国際社会に復帰をした、ある意味では記念すべき日だというふうに思っています。そして、このことによって主権を回復することができて、奄美、小笠原、沖縄の返還についてもアメリカとある意味で主権国として交渉することができたというふうに思っております。そういう中で、今後、我が国の未来を切り開いていく決意を確固たるものにするための式典という位置付けをさせていただいているところであります。
 また、同時に、今委員から話がありましたけれども、この式典に当たっては、沖縄がさきの大戦において悲惨な地上戦を経験をしたこと、また、この条約発効後も、奄美、小笠原、沖縄が我が国の施政権の外に置かれていたという苦難の歴史を忘れてはならないということを私たちは常に考えていかなきゃならない。また、沖縄知事のコメントもありました。複雑な感情だということもありました。そうしたものをしっかり受け止めて、苦難を耐え抜かれた先人の心情に思いをめぐらしながら、沖縄の方々の抱える基地負担軽減、こうしたものについて取り組むとともに、やはりこの奄美、小笠原、沖縄の皆さんを含め、我が国の未来をこれから切り開いていくためにやはりこの式典は必要だという形の中で、私たちは式典を開催をさせていただくということであります。
 それと同時に、沖縄復帰につきましては、節目節目に、私ども自民党政府時代、また昨年も、民主党政権下においても昨年は沖縄復帰四十年の式典を開催をされました。私どもの政権のときにも三十年、あるいは二十五年、二十年と節目節目に沖縄復帰を国民の皆さんで共通の思いとしての式典も開催をさせていただいてきたところであります。
#273
○糸数慶子君 先ほどの芝委員の質問にも官房長官お答えでございましたけれども、沖縄の苦難の歴史に寄り添うというふうにおっしゃっていらっしゃるんですが、この苦難の歴史に寄り添うというのは、結果としてオスプレイを配備し、これ県民は望んでいませんけれども、オスプレイを配備し、辺野古にその新基地を押し付けていく、これが沖縄の県民の歴史に寄り添うことなんですか。
#274
○国務大臣(菅義偉君) 私たちは独立した国として、また、沖縄の皆さんのそうした基地負担軽減の思いを真摯に受け止めながら、しっかりと対応させていただきたいと思います。
#275
○糸数慶子君 苦難の歴史を受け止めると片っ方でおっしゃりながら、負担の軽減を図るとおっしゃりながら、片っ方では改めてまた基地を押し付けていくという、この構図というのは大変県民としては不満であります。
 主権を回復したのは日本の国ではありますけれども、日本の国の未来を切り開くためになぜ沖縄県民は犠牲にならなければいけないのかというのが県民の素直な感情であります。沖縄を切り離して回復したはずの日本の主権というのが今具体的にはどうなっているのか、大変大きな疑問を持ちます。
 米海兵隊の輸送機のオスプレイは、今、安倍総理が言う美しい国、この日本の国の上空も飛び始めています。今や日本の沖縄化がいわゆるこの日本全体に広がっていこうとしておりますけれども、外国の軍機が飛び交う現実を目の前にして、これが主権国家である、独立国家である日本の国の姿なんでしょうか。
 二〇〇四年の、米軍のヘリが沖縄国際大学に落下いたしました。県警が米軍に締め出されて、その現場に近寄れないという、これが主権国家の実態ですか。主客転倒の事態が実際に沖縄では起こっているわけです。米軍普天間飛行場のその問題やオスプレイの配備に象徴されるように、日本政府の対米追随のこの姿勢というのは余りにもふがいないとしか言いようがありません。
 四月二十八日の日本の実態は、私たち沖縄県民にとっては屈辱の日以外にないというふうに思っております。それでも、改めてこの屈辱の日を祝うという、そういうことであれば、沖縄県民にとりましては、この二度目の屈辱の日を本当に県民全体で祝う気にはなれないというのが県民の思いであります。
 改めまして、官房長官の違う視点での沖縄県民へのメッセージがありましたら、お聞かせください。
#276
○委員長(相原久美子君) 時間が来ております。端的にお願いいたします。
#277
○国務大臣(菅義偉君) 安倍政権として、この祝うという言葉は実は使っておりません。主権を回復をし、国際社会に復帰をしたという、この原点に立ち返って、これから、今後私ども日本が歩むべき道を国民の皆さんとともに考えていくことは極めて私は大事なことだというふうに思っておりますし、沖縄県民の皆さんの思いにもしっかり寄り添う形の式典にさせていただきたいと思います。
#278
○糸数慶子君 終わります。
#279
○有村治子君 自由民主党の有村治子でございます。
 日本のいやさか、繁栄、皇室のいやさかを心から願い、まず最初に御皇室を取り巻く行政について質問をさせていただきます。
 せんだっての菅内閣官房長官の所信及び内閣、内閣府関係予算の概要にもこの皇室費についての言及がございました。現在、情報公開法に基づいて、内廷費と皇族費を除いた宮廷費のみが公開の対象となっていますが、今日は、皇室費のうちで天皇皇后両陛下及び東宮御一家に対する内廷費とそれ以外の皇族に対する皇族費についてお伺いをしたいと思います。
 現在の皇位継承制度がこのまま維持されれば、いずれこれから小学校に入学される悠仁親王殿下が皇位に就かれることになりますが、その御養育の体制はどうなっているのでしょうか。東宮家、すなわち皇太子殿下、皇太子妃殿下、愛子内親王の御一家と宮家では予算積算の基準や人員配置が異なり、結果として、将来的に皇位を継承されることになるであろう悠仁親王殿下の養育は、今は東宮家ではなくて一宮家の予算規模で、あるいは人員配置で行われることにこのままではなっていますが、その制度的な不備をどのように宮内庁としては解消し、補っていくことになるのか、お考えをお伺いしたいと思います。
#280
○政府参考人(山本信一郎君) お答えいたします。
 今委員御指摘のように、皇室費につきましては、内廷費、皇族費、宮廷費に分けられておりまして、内廷費と皇族費は天皇陛下、内廷皇族の方々、それから皇族費は各宮家の皇族の方々の日常の費用等に充てるものとして支出をされているものでございます。
 一方、宮廷費というのは、皇室の御活動、あるいは皇室用財産の維持管理等に必要な経費に充てられる公費であると、こういう仕分になっておるところでございます。
 今、教育関係のお話もございましたけれども、これまでの例を申し上げますと、内廷皇族であられました徳仁親王殿下、皇太子殿下でございます、それから文仁親王殿下、現在の秋篠宮殿下でございますが、このお二方の御養育に係る経費につきましては公費である宮廷費を充てる取扱いとしてきたところでございます。
 皇位継承順位が第三位と非常に高い悠仁親王殿下につきましても、今春、小学校に御入学されるということでございます。その学校教育に係る経費につきまして、公費である宮廷費を充てることを含め検討し、秋篠宮殿下と御相談を申し上げたところでございますが、殿下の御意向により、基本的には皇族費として支出をされたお手元金により対応していくということとされたところでございます。
 いずれにいたしましても、皇位継承順位が第三位と高い悠仁親王殿下の御養育に係る経費につきましては、今後とも秋篠宮殿下と十分御相談を申し上げながら、遺漏のないように適切に対応していきたいと宮内庁としては考えております。
#281
○有村治子君 ありがとうございます。
 今、費用についてはそのような経過をおっしゃっていただきましたが、人員配置についてはどのようなお考えでしょうか。一宮家なんですけれども、第三位の悠仁殿下の御養育という意味では極めてスタッフィングも大事な課題になってくるかと存じます。
#282
○政府参考人(山本信一郎君) 宮家を支える人員、人的体制でございますけれども、東宮職につきましては東宮大夫のほか五十名の定員ということになっております。秋篠宮付職員の体制につきましては、現在、宮務官というポストがございますが、この宮務官以下十六名の定員、それに他課の職員を二名合わせまして、実質十八名の体制でお支えをしているということでございます。秋篠宮家が創設されました平成二年度はこの定員が七名ということでございました。皇室の御活動、宮家の御活動が増加し、また殿下の、内親王殿下、悠仁殿下、御家族が増えるということに応じまして、年々努力を我々としても対応をしてまいりまして、現在、先ほど申し上げました、定数的には十六名、実員十八名といった今現在の体制でございます。
 今後とも、直宮家それから筆頭宮家というお立場の秋篠宮家のお立場を踏まえながら、殿下とも十分相談申し上げて、なお適切な対応に我々としても努力をしていきたいと考えておるところでございます。
#283
○有村治子君 今御答弁いただきました、東宮家が五十名のスタッフィングに対して、実際に秋篠宮家は十六名、まあ二人足しても十八名ということで、半分以下の人員でオペレーションを回されているということでございますので、どうか遺漏なきよう、適宜、皇位継承第三位の、将来は皇位に就かれる可能性が極めて高い悠仁殿下の御養育には遺漏なきように、引き続き両殿下とお話を続けていただいて、国民が安心できる皇室の体制を打ち立てていただきたいと思います。
 引き続き、ちょっと厳しい質問になるんですけれども、宮内庁の情報発信そして情報管理についてお伺いをさせていただきます。
 今からちょうど一年ほどたつんですが、昨年の四月末、当時、退職間近の羽毛田宮内庁長官が定例記者会見において、こういうことをおっしゃること自体が私はセンスを疑うんですが、今上陛下が崩御された場合の火葬とか、あるいは皇后陛下との合葬ですね、一緒に埋葬されるということですね、合葬を検討する旨を突如、退職間近の羽毛田長官が記者会見で発表をされました。
 その時期というのは、皆様御記憶も新しいと思いますけれども、陛下が二月下旬に心臓バイパス手術をされて、本当に国民がみんなで御快癒をお祈りしているとき、そして、その陛下は、三月十一日の東日本大震災のちょうど一年という国民的な行事にしっかりと臨まれるべく、そのリハビリをされている、その時期でございました。また、エリザベス女王の、イギリスの、即位六十年をお祝いすべく、日本の代表としてイギリスに出張をされる、そういう体力の御回復に心を本当に砕かれていた最中のそのさなかに、宮内庁長官としてこのような、おかくれになったときのお葬式はこうだなんという発言をすること自体が、本当に宮内庁、大丈夫なのかというような意見が全国的にやっぱり飛んだんですが、この発表のタイミングというのは誰が決められたんでしょうか。
#284
○政府参考人(山本信一郎君) 今、委員おっしゃいました昨年四月の発表でございますけれども、御指摘のとおり、余り例の多くないことだと思います。ただ、歴史を遡ってみますと、天皇自らが御喪儀についての御意向を示される、こういうことはかつて多くございました。また、両陛下におかれましても、事柄の性格上、国民にお知らせして検討を進めた方がよいというお考えでございました。こういうことから、御意向を踏まえて公表することといたしまして、公表をして検討を進めていくということとしたわけでございます。
 今おっしゃいましたように、いつ、発表するタイミングがどうかというお話もございましたけれども、昨年四月の長官発表におきましては、長官からは、かねてから天皇皇后両陛下からはそのような御意向をお伺いをしていた、そういう意味では本来もう少し早く検討を行うべきところであったけれども、昨年二月の心臓の御手術もありましたことから、その順調な御回復を待って、四月二十六日という日になったわけでございますけれども、この日に発表し、検討を始めることとした、こういう経緯でございます。
#285
○有村治子君 今御答弁でありました、両陛下の御意向を踏まえという旨の御答弁がありましたが、これは極めて重要なポイントになりますので後ほどお伺いさせていただきます。
 去年の四月の発表のタイミング及び発表の内容というのは、天皇皇后両陛下の御意思なのでしょうか。
#286
○政府参考人(山本信一郎君) ちょっと繰り返しになるかもしれませんけれども、両陛下から、かねてから、この御喪儀の問題、御陵用地の確保の問題、あるいは火葬にする問題、こういう問題につきまして、御喪儀を簡素にするように、あるいは火葬を導入することについて、両陛下からは検討するように繰り返し御意向が示されていたというところでございます。
 そういう中で、二月の心臓の御手術もあったわけでございますけれども、そこから御回復をされたというところで、前羽毛田長官におきましては、国民の皆様に知ってもらうのもおかしくないことであろうと思いましたので、そのように公表して進めましょうと、私、私自身というのは長官でございますが、申しまして、陛下もそうした方がよいということで、この時点で発表してやらせていただいたということを、このときに発表しているところでございます。そのように御理解をいただきたいと思います。
#287
○有村治子君 ありがとうございます。
 では、もう少しお伺いしたいところですが、次に行きます。
 そのように当時の羽毛田長官がおっしゃって発表をされたんですけれども、もう一つ問題があります。その数日後に、当時のナンバーツー、現在の長官ですけれども、風岡次長が、皇后陛下は天皇陛下との合葬を望まれていない、同じところ、同じ陵に合葬されることを望まれていない、あるいは、天皇陛下の身位に対する敬意から御遠慮申し上げたいということを皇后陛下のお考えとして風岡次長が発表されています。つまり、一週間前ほどの長官の会見内容を訂正して逆のことをおっしゃっているんですね。
 羽毛田長官は、四月の発表のときに、両陛下の御意向を踏まえというのが当初の発表だったのに、すぐさまナンバーツーが皇后陛下の御意向としてその内容を否定する記者会見をしている。なぜ、このようなことが起こってしまったんでしょうか。
#288
○政府参考人(山本信一郎君) 御説明をいたしますと、四月の二十五日の長官の発表の中で、今の御陵の見直しにつきましては、合葬、合葬も視野に入れてということで、合葬という言葉をもちろん使っておるわけでございますが、その説明の中でも、当初から一つの陵にするというのが一番究極の合葬ということになるわけですが、それ以外にも、例えば同じ区域に天皇陵と皇后陵を建てるといったような在り方とか、いろいろそういった形で合葬も視野に入れて検討する、こういう具合に説明を長官はしておるところでございます。
 それで、これは皇后陛下におかれましては、御身位等を考えると、一つの陵に入るというのはやはり恐れ多いとのことから、例えば大きな陵に小さな陵が寄り添うような場合もあってもよいのではないかというお考えをかねてから持っておられたということを踏まえてこの合葬も視野に入れて、そして、一つの陵とするようなものから天皇陵と皇后陵を両方建てると、こう両方まで幅広くこれから検討していくんだということでございましたが、当初のこの宮内庁長官の発表ではこの皇后陛下のお考えの御披露は慎ませていただいたということであったようでございます。
 しかしながら、それを受けた各メディアの報道ぶりが合葬ということで取り上げて書かれておりましたので、発表の意図が必ずしも十分に伝わらなかったというように考えまして、今おっしゃいました、今度は五月七日の宮内庁次長の会見で改めて皇后陛下のお考えを披露することによって誤解が生じないように補足的な説明をさせていただいたという事情、経緯でございました。
 このような経緯です。
#289
○有村治子君 次長、今のお話、恐らく後で議事録を読んでも、非常にネギが奥歯に詰まったような言い方に聞こえてしまうと思うんですね。
 やはり、最初の羽毛田長官のときが、記者会見をされたとき、皇后陛下のお考えを聞いていなかったのか、あるいは拝聴していたにもかかわらずそのことをおっしゃらなかった。むしろ、そのお考えを、かねがね合葬は遠慮したいというふうにお考えになられていた皇后陛下のお気持ちをそんたくしないで、それを発表しなくて、合葬も視野に入れてというのは極めて不遜なことだと思われますが、いかがでしょうか。
#290
○政府参考人(山本信一郎君) かねてその御身位を考えると、一つの陵はやはり恐れ多いとのことから、例えば大きな陵に小さな陵が寄り添うような場合もあってもよいのではないかというお考えをかねてから持っておられたこと、そういったことは当時の長官もよく存じ上げて、それを踏まえて合葬も視野に入れてと説明をされて、そしてこの合葬というのは、典型的な合葬から、それから同じ区域に天皇陵と皇后陵を並べて建てると、そういった合葬的なものも含めて検討していくんだと、これは明確に説明をしております。したがって、長官はそういったような皇后陛下のお考えも十分知っておりまして発表したんですけれども、ただ、その長官会見のときにその皇后陛下のお考えの御披露は慎ませていただいたというのが実態でございます。
 したがって、補足的に次長の方が合葬というのはこういう趣旨ですよというのをもう一回皇后陛下のお考えも含めて補足説明をいたしたというのが事実的な経過でございます。
#291
○有村治子君 そもそも、第一回の羽毛田長官の記者会見、そして一週間後に結果的にはその記者会見の内容を否定するかのようなお話が宮内庁のナンバーツーから出てきた。しかも、皇后陛下のお考えを、このようなものですというふうに、今補足とおっしゃいましたけれども、実際には最初の長官の発言を否定するような発言だった。二回の、まずは長官、次は次長ということ、それから、合葬というのも最初はそもそもお望みじゃなかったということが出てくると、私たち国民の間では、宮内庁は一体大丈夫だろうかと、本当に宮内庁は天皇皇后両陛下の御意向ということをしっかりと身を固めて仕事をしてくださっているんだろうかと。一週間でこれだけ大事なこと、しかもこれは、これから東日本大震災で頑張っていこうと、乗り越えていこうということで、最先端に本当に国民とともに祈りと、そして、実際に被災地でこうべを下げてもったいなくもいただく両陛下に対して極めて不遜なことじゃないかという中で、宮内庁はちゃんと機能しているのかというような懸念が一挙に出てしまいました。その懸念に対しては、宮内庁はどうお答えになられますか。
#292
○政府参考人(山本信一郎君) 今委員おっしゃいましたように、説明に分かりにくい点があったということであれば、我々もこれから、先生がおっしゃいますように国民の皆様方にしっかり御理解いただくように分かりやすく説明をしていくことに努力したいと思います。
 ただ、もう一回ちょっと申し上げますと、長官の発表の中で、御陵の見直しについては合葬も視野に入れてという説明をされ、そうして、当初から一つの陵とする、それからそれ以外にも、同じ区域に天皇陵と皇后陵を建てる等も検討に含まれると、これは明確に申しておりまして、合葬といっても幅広いものから、これから検討してひとつやっていくんだということを発表しておりますので、その点については、その後の次長の説明も、言わば補足的な説明をもう一回させていただいたということであることは事実だと思います。
 おっしゃるように、説明をしっかりと、これからも分かりやすく努めていきたいと思います。
#293
○有村治子君 国民に対する説明をというのは大事な御決意だと思うんですが、私が第一義的に願っているのは、天皇皇后両陛下のお気持ちということにちゃんと即したオペレーションをしていただく宮内庁でいていただきたいと。そういう意味では、御快癒のときにあのようなタイミングで発表することが本当に果たして適切だったのか、意味があったのか自体も懐疑的な見方をやっぱりせざるを得ない状況もあるんですね、それは御皇室のいやさかという視点で。そういう意味では、これからなお一層宮内庁には精励していただきたいというふうに、応援のエールとともに、是非確かな仕事をしていただくように心を込めてお願いを申し上げます。
 それでは、話題を変えまして北方対策についてお伺いをさせていただきます。
 先ほどから、山谷先生も質問をなされています。私も領土問題というのは極めて大事な課題だと認識をしています。初当選後、ドイツの法哲学者イエーリングが残した言葉で、領土の一部を失って黙っている国民は領土の全てを失う危険を負うという言葉に出会いまして、以来、領土問題を国会で取り上げることになりました。
 私はかねてから、内閣府にある北方対策本部というのを組織替えして北方等対策本部として、我が国が抱える領土問題について、北方対策本部だと北方領土が主体になってしまって、ほかの地域の係争やあるいは主権についてなかなか主管じゃないというふうにいつも突っぱねられていたんですけれども、我が国が抱える領土問題について、省庁横断的、包括的に対応できることの部署をつくるべきだというふうに主張をしてまいりました。そういう意味で、今回、今まで政府全体としての対外的な情報戦略をまとめる組織が存在しなかった中で、山本大臣が就任をされて、領土や主権に関する主張を国内外に発信する拠点づくりをメルクマールとしてつくられたというのは非常に意味のあることで、その御労苦に敬意を申し上げます。
 そして、そこで具体的にお伺いするんですけれども、領土・主権対策企画調整室と今までありました北方対策本部とは、どういった関係になるのか。特に、北方対策本部というのは主に、主としてというか、北方領土にフォーカスを当てていましたけれども、その北方対策本部と、これから全般的に主権について、領土についての調整をするというのと、どのような整理をされるのでしょうか、教えていただきたいと思います。
#294
○国務大臣(山本一太君) なるべく丁寧に御説明をしたいと思いますが、内閣官房に設置された領土・主権対策企画調整室は、竹島、尖閣諸島について、尖閣には領土問題というのはありませんけれども、いろいろ尖閣をめぐるいろんな事案がありますので、こういうことについて領土・主権問題に関する国民世論の啓発と内外発信、こういうことに関する企画立案、総合調整を担うと、こういう位置付けにさせていただいています。
 北方対策本部は、先生御存じのとおり、これまでも随分いろんな実績を残してきました。
 北方領土問題に対する国内啓発、これは国民世論を結集することによって外交交渉をサポートしようという、こういう目的でやっているわけですが、この広報。それから、四島交流事業とか、元島民の方々に対する支援事業とか、あるいは近隣市町村に対する支援とか、こういうことをやってまいりました。ですから、北方対策本部自体は一応組織としてしっかり残したいと思っていまして、北方領土問題の国内啓発ということについてはしっかりとこれは連携をしていくと。
 ただ、同時に、先ほどもちょっと山谷先生の御質問にお答えしたんですが、私の認識は、今まさに有村先生がおっしゃったように、対外発信について、もちろん外務大臣を助ける。外務省と、外交交渉は一義的にこれ外務省がやるわけですから、こことはしっかり調整をしながら、やっぱり日本の主張が正しい、日本の主張というものをしっかりと海外に伝えていく。このやっぱり実は仕事も私、大臣として担わなきゃいけないと思いますし、新しい領土・主権対策企画調整室にはこれをやってもらわなきゃいけないと思っていますので、北方領土に関する対外発信については、当然、今度は北方対策本部にも協力をしてもらうと。
 そういうことで、四人は併任を掛けましたので、そんな形で二つをしっかりと動かしていこうと、そういう立て付けでございます。
#295
○有村治子君 領土に対する情報発信とか国民の支持を高めるというのは極めて大事なことだと思います。
 そこで、文部科学省、とりわけ義家政務官に今日はお越しになっていただきました。
 韓国では、国定教科書、国史の授業ですが、二ページにわたって竹島、彼らの言う独島について記述して、いかに韓国固有の領土かということを韓国の論調で教科書に書かれています。国の将来を担う子供たちに何を重点的に教えるのか、これは独立国家としての大事なメッセージであります。
 日本が我が国固有の領土について、次代を担う子供たちに日本の領土がどこからどこまでなのか、領土や主権に対する適切な理解を進めていくために、史実に基づいた歴史やあるいは背景や国際状況ということを伝えていくことは極めて大事なことだと思います。
 教育、教科書における領土問題の記述、それから山本大臣にも関係するんですが、海洋国家日本として六千八百五十二の島々から日本は成っているとか、あるいは排他的経済水域があることがどうやって日本の資源や環境やあるいは漁業権に影響してくるのか、これが海洋国家としてどれだけ日本のステータスということに、国益あるいは国の繁栄の上で大事な点になってくるのか、こういうことを戦略的にやっぱりちゃんと史実に基づいて地政学的にも伝えていく、単なる地理の一部というのではなくて、極めて大事だと思うのですが、どのような教育をこれから進めていこうとお考えなのか、文部科学省にお伺いしたいと思います。
#296
○大臣政務官(義家弘介君) 極めて重要な御指摘であろうというふうに思っております。
 まず、新指導要領及び解説では、我が国の領土をめぐる、領域をめぐる問題などに対する取扱いを充実しておりまして、これによって全ての中学校地理の教科書においては竹島の記述がなされ、また来年度以降使用される全ての高等学校地理の教科書においても竹島や尖閣諸島の記述がなされております。
 また、我々の時代には、国土の小さな日本とばかり教えられましたけれども、実は、領土は三十八万平方キロメートル、世界六十位ぐらいですけれども、このEEZ、領海も入れたら、何と世界第六位の大国なわけですよね。そういう当たり前の海洋国家としての可能性あるいは希望、そういうことを教室で語られてこなかった現状をやはり真摯に受け止めて、次代を担う子供たちにはきちっとした領土教育、そして日本の可能性を発信していく教育が行われるよう、指導要領をどうしていくのか、あるいは教科書検定制度をどうしていくのかも含めて、総合的に検討してまいりたいと思います。
 また、一部、我が国が正当に主張している立場と異なる教育が教室の一部で行われている、このような指摘も届けられておりますけれども、まず、すぐに行うことは、そのようなことが公教育においてないようにしっかりと正常化を促してまいりたいと思っております。
#297
○有村治子君 力強い御答弁ありがとうございました。
 是非、山本担当大臣も、教科書に領土がどのように書かれているのか、竹島、尖閣あるいは北方領土の記述がどのぐらいの面積で書かれているのか、是非御確認いただければ、そして応援をしていただければ有り難いと思います。
 時間が限られておりますので、次の質問に入ります。遺棄化学兵器の処理についてお伺いをさせていただきます。
 旧日本軍による中国における遺棄化学兵器処理を確実に進めるというふうに所信にありましたけれども、一九九九年の日中間の覚書によって、我が国は化学兵器禁止条約批准国として、締約国として負っている義務を中国で誠実に履行するという方針を示されたものと認識をしています。
 日本の税金による中国におけるこの遺棄化学兵器の処理のこれまでの経費、今後、プロジェクト終了までに想定される予算規模あるいはそのタイムプランというのはどのようなものになっていますでしょうか。
#298
○政府参考人(中島明彦君) お答え申し上げます。
 御指摘の遺棄化学兵器の処理事業の実施、内閣府が担当しておりますけれども、現在、大きく分けて三つの事業を進めてきております。
 一つは発掘回収事業でありまして、平成十二年九月に事業を開始して以降、これまで、昨年末時点で約五万発の遺棄化学兵器を回収しております。
 二つ目は移動式処理設備による廃棄事業でございます。これにつきましては、平成二十二年十月、中国南部の南京で処理を開始いたしまして、昨年末までに先ほどの約五万発のうち約三万六千発を廃棄しております。さらに、昨年十二月、作業の加速化を図るべく、中国北部河北省石家荘に装備を導入いたしまして廃棄を開始したところでございます。
 三つ目はハルバ嶺における事業でありまして、委員御案内かと存じますけれども、ハルバ嶺、約三十万から四十万の遺棄化学兵器があると言われております。ここでは、昨年十一月、発掘回収を開始いたしました。現在、試験廃棄処理を今後行っていくということで所要の準備を進めておるところでございます。
 これらの事業に要しました経費といたしまして、平成十一年度から平成二十三年度までの合計で予算の執行額約一千四十三億円となっております。
 今後の予算規模等の御質問でございますが、今後の事業の見通し、タイムラインという御質問もございましたけれども、遺棄化学兵器の埋設状況、複雑多様でございます。また、先ほど申し上げましたハルバ嶺における弾数の正確な数量の見積り、これも非常に難しゅうございます。さらに、試験廃棄処理作業、この作業を実施する上での技術的課題もございまして、種々不確定要素があるというのが現状でございます。
 したがいまして、現時点でプロジェクトの終了までの総事業費といったことに関しまして確たることを申し上げにくいというのが実情でございます。何とぞ御理解を賜ればと存じます。
#299
○有村治子君 ありがとうございます。
 少なくとも一千億円以上の日本の税金が使われています。これは数年前、私がこの内閣委員会で質問させていただいたものですが、そもそもこれは旧日本軍が遺棄したものなのかどうなのか、ちゃんと日本が敗戦をしたときにその引渡しをして、そしてそのインベントリーもしっかりと残したという情報もございました。そういう意味では、全てを遺棄したわけではないと私は今思っているんですけれども。
 そもそも、その千億円以上の日本の税金を使いながら、日中友好の視点からもこれを進めてきたその中で、三年前の九月にフジタの、民間の建設会社の社員が遺棄化学兵器を安全に処理するための施設予定地を視察していたさなかで、突如中国当局に拘束をされました。これは尖閣諸島周辺海域での中国漁船でその船長らの身柄拘束を日本がした直後でございます。
 私は参議院の本会議において、そもそも日本の税金を使って中国の遺棄したとされる兵器の処理のために働く日本の民間人を中国当局が突如拘束するのであれば、プロジェクト自体の見直しもやむを得ないですよと日本政府がしっかりと交渉をすればどうだということを提案したんですけれども、フジタ社員がなぜ拘束されたのかもよく分からない、そして、その後もみんな、菅政権でしたけれども、口をつぐんだまま。
 その後の中国の対応、我が国の交渉などについてどのような経過があったのか、どのようにしたいのか、お教えいただきたいと思います。
#300
○政府参考人(山野内勘二君) お答えさせていただきます。
 御指摘の事案は、株式会社フジタ社員の四名が平成二十二年九月に遺棄化学兵器処理事業関連工事の受注を目指して河北省石家荘に出張していた際に起こったものでございます。その際に、この四名が軍事管理区域と呼ばれている区域へ立入り撮影を行ったとして、中国の中国軍事施設保護法違反の容疑で中国当局に拘束され、いわゆる居住監視の下に置かれたという事案でございます。
 我が国政府としては、中国側に対して、一貫してこの邦人四名の身柄の安全の確保、さらに人道的観点からの迅速な処理を求めました。その結果、全ての方が釈放され、無事帰国されたということでございます。
 なお、この事案発生当時、フジタは政府との間では遺棄化学兵器処理事業関連の契約関係にはなかったわけでございます。その受注を目指して出張していたというふうに承知しています。したがって、政府としては、フジタ社員の石家荘への訪問をその段階では承知しておりませんでした。しかしながら、いずれにしても、本件事業を従事する我が国の要員の安全確保ということについては、日本政府として中国政府にも要請しつつ、しかるべき措置を講じているところでございます。
#301
○委員長(相原久美子君) 有村治子君、時間が来ております。
#302
○有村治子君 はい。時間が来ておりますので簡潔にします。
 これは、尖閣諸島のあの漁船逃れと関係があるんですね。関係があるからこそ、中国にとって面白くないことが起これば日本の邦人を身柄拘束すればいいんだという事例にならないように、引き続きこれからも海外展開における邦人の保護には万全を尽くしていただきたいと念じて、私の質問を完了いたします。
 ありがとうございました。
#303
○委員長(相原久美子君) 午後五時三十分に再開することとし、休憩いたします。
   午後四時二十六分休憩
     ─────・─────
   午後五時三十分開会
#304
○委員長(相原久美子君) ただいまから内閣委員会を再開いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 本日、世耕弘成君が委員を辞任され、その補欠として磯崎仁彦君が選任されました。
    ─────────────
#305
○委員長(相原久美子君) 休憩前に引き続き、内閣の重要政策及び警察等に関する調査を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#306
○江口克彦君 この時間になりまして御出席いただきました先生方、本当に心からお礼を申し上げますし、また、大臣に対しましても心からお礼を申し上げたいというふうに思います。三十八分で終わりますから、もうちょっと我慢していただきたいと思うんですけれども。
 私は、民主党政権が十二月の総選挙で大敗北をしたわけであります。私は、民主党の政策に対してはいろいろと私、個人的には考えというか違う考え方を多くしているわけでありますけれども、しかし、民主党政権として、あるいはまた民主党としては、非常に一生懸命やっぱり国家国民のためという思いを持って努力されたんじゃないかというふうに思います。そういう意味で、一方的に民主党を批判するというか、民主党はもう駄目だというふうな烙印を押すということは、私の思いからすると、それは考え直した方がいいだろうというふうに思うんです。
 ところで、自民党は今アベノミクスで総選挙に大勝して非常に国民の支持も高いというようなことで驚異的と言われてもいますけれども、しかし、三本の矢ということで、言ってみればこの金融緩和とか、あるいはまた財政出動だとか、あるいはまた成長戦略というようなことを言われています。しかし、これはいずれもカンフル剤的な、いわゆるどこまで金融緩和政策やるのか、あるいは財政出動がいつまでできるのかということの問題になってくると思うんですね。成長戦略も立ててもそれが実を結ぶのか、あるいはまたそれが実際最終的に成功するかどうか、私は分からない。うまくいくということも言えないし、失敗するとも言えない状況ですけれども、ただ、必ずしも自民党、今度の新しい政権も長続きできるような政策が打てるか、要するに、効果的な日本の国の発展に資するような政策を考え出すことができるかというと、私はちょっと難しいのではないだろうかというふうに思うんですね。
 それは、民主党政権もうまくいかなかった、その前の自民党政権もうまくいかなかった、今度も、今は言ってみれば、先ほどから景気の気だ気だという期待感、期待値というようなことを言われていますけれども、しかし、これうまくいかない、私は、じゃないんだろうかというふうに懸念するのは、要するに、何をやっても、政治家が一生懸命やってもうまくいかないような国の形になっているんですよ。国の形になっちゃっているんですね。要するに、中央集権官僚制という土台の上に幾ら新しい家を構築しようとしたって、それはやっぱり民主党政権でも、今度の自民党政権でも、ちょっと目先を変えて、建物の建て方を変えるなりデザインを変えるとしても、一時的には国民は喜ぶと思いますけど、結果的には、土台が中央集権で、そして官僚制ですから、これは私はうまくいかないんじゃないかというようなことは、私は、安倍総理は非常に賢明にこのことを察知されているというか、理解されているというふうに思うんですね。
 というのは、第一次安倍内閣のときに、安倍内閣のときに道州制担当大臣というのができたわけですよ。その下に道州制ビジョン懇談会、内閣官房に設置されました。その道州制ビジョン懇談会の座長を私やらせてもらいました。中間報告も出しました。最終報告を出そうとしたときには民主党政権に替わっていて受け取ってくれませんでしたというようなことで、民主党政権は道州制に対して非常に冷たいという感じは私は強く持ったんですけれども。
 実は民主党政権も、二〇〇〇年に、ちょうど二〇〇〇年に道州制推進本部があったんですよ。その民主党の道州制推進本部の本部長は、誰言おう、鳩山由紀夫さんだったんですよ。鳩山由紀夫さんがちゃんとパンフレットを出しているんですよ。道州制というパンフレット、地域主権、道州制というパンフレットを出しているんです。だけれども、自民党さんが非常に道州制に熱心であったために、もうその対立軸をつくるためにあえて道州制を消しているわけですよ。私は、民主党の中に心ある方々は、もう中央集権百四十年続いているわけですよ、もう体制疲労を起こして日本の国そのものがうまく機能しなくなっているということは、民主党の心ある先生方も承知されていると思う。
 自民党さんもそのことを承知されている。特に安倍総理は、そういうようなことで非常に今の統治機構を変えなきゃいけない、要するに中央集権体制というものから地域分権国家に変えなければいけないというようなことで、そういう思いが強い。強かったけれども、ああいうような状態でお辞めになったけれども、今度また復活されたと。私は、その道州制を安倍総理は第二次、今度のときにおやめになるのかなというふうに思っていたところ、新藤大臣に道州制担当ということで担当をお任せになられた。あまつさえ、新藤大臣は就任記者会見のときにわざわざ道州制をコメントされておられるんですよね。
 そうすると、今ここで新藤大臣にお尋ねしたいのは、道州制の導入を必要と考える理由、道州制導入への思いというものは並々ならぬものがある、それ以上に安倍総理にも並々ならぬものがあるというふうに思うんですけれども、ここでちょっと、その道州制に懸ける大臣の思い、そしてついでに、安倍総理がどういうお気持ちでこの道州制担当を大臣にお任せになられたのか、お話しいただければ有り難いと思います。
#307
○国務大臣(新藤義孝君) 江口委員から国の根幹にかかわることについてのお考えを述べていただき、また御質問いただいたことは光栄に存じます。
 また、お答えする前に、まずこの内閣委員会、私の日程でこのようなイレギュラーな時間にというか、一時間近くも休憩を挟んで、このようなことで開会をしていただいたわけでございます。本日は、私ども衆議院の方で総務委員会が朝から、九時から五時まで、午前中が地方交付税法等その他法案審議でございます、午後はNHKの予算の審議がございまして、既に先に埋まっておりましたので、もうそういう中でもこのようなお時間をちょうだいしたことは誠に光栄に存じますし、また御迷惑を掛けたのではないかということでおわびを、私の日程でありますから、おわび申し上げたいというふうに思います。
 そして、その上で、今とても大切なことを言っていただいたと思います。私はそもそも、小選挙区制が衆議院に導入された、その一番最初の選挙の当選組であります。今こちらにいらっしゃる先生方もそうだと思うんですが、私も、この国を変えなければいけないと、こういう思いで政治の場に、国会の方に出てきております。それは何かといえば、私たちの国は、江口委員がおっしゃるように、まさに体制疲労、制度疲労を起こしていて、維持はできてもその先に大きな未来を描くことができなくなってきているんではないかと、このように思うんです。
 それは、考えてみれば、戦争が終わった後、私たち日本の国は明確な国家の目標を持っていたと思います。それは戦災復興です。そして、その後は経済を成長させる。そして、その後は今度は国土の均衡発展だと。その前をたどれば、元々、国家目標というのは、明治維新もそうでした。それから、殖産興業です。そういった国の目標があって、その時代時代に合わせて我々の先輩方がやってきていただいたんだと思います。
 今、しかしこの国は、いっときの高度経済成長が飽和を迎えて、そしてバブル等々、いろんな世界的な情勢も含めて、変わらざるを得なくなっています。何よりも、この国に住んでいる国民の構造が変わってきた。それは少子高齢化であって、人口減少です。それから、都市への移動と産業従事者の大移動が行われていると。そういう中で、今までのやり方ではもうこの国は、維持はできるけれどもそれ以上の発展ができないと。もう二十年近くみんなで、変えなければいけない、何かをしなきゃいけないと、こういう思いは党派を超えてあったんだと思います。
 ですから、我々はその中で、政権を失ったときの自民党は、ついに国民からこれ以上自民党のやり方ではという判断が下されたんだと思います。そして、民主党もこの国を変えたいという思いがあったんだと思います。一生懸命おやりになったと思います。しかし、残念ながら期待する効果がなかなか発揮できないままに、我々また再び政権に戻ったわけであります。
 私たちは、政権奪還するために政治をやっていたのではありません。そうではなくて、当時、三百人いた国会議員が百十八人になりました、衆議院。残った議員たちが考えたのは、どうすればこの国を直せるのかと。そして、その中で自由民主党は一体何のお役に立てるのかと。だから、原点に戻って政策をブラッシュアップして、そして今までの、政権を一度下りたときにこれまでの自民党時代の政権の連続性が断ち切れたんですね。だから、我々は、もちろん良いものは引き継いでいきますけれども、もう一度原点に立って、立党の原点に立って見直しました。それから、今これから必要なものは何なのかということを、これは資源の獲得もそうです、それから国家主権や領土の保全、こういったものについてももう一回原点に戻ろうと。大体において独立国家としてのそういった気概を持とうじゃないかと、こういうことも含めて考えた。
 その中で、私は今、地方を所管する総務大臣を拝命し、また道州制担当大臣、地域活性化担当、そして地方分権改革担当と、こういった所掌をいただいております。その思いは、国の経済を発展させていく中で、経済だけではなくて、国民の暮らしをどうやって希望のあるものに、将来を見えるようにしなければいけないのかと、そういう中で、地方の政治、地域の政治が今までのやり方ではうまくいかないと。中央集権が強力過ぎるとは私は思っていませんが、しかし、今の状態ではこれ以上のことはできないと。だから、国の形を変えるという中で、この今の状況とそれからこの先の日本を考えたときに、どういう統治形態が必要なのか、そして、どのようにすれば住民が満足できる、そういった生活をつくることができるのか、そのための仕組みは何なのかということを考え直さなければいけないと、こういうことになったんだと思います。
 そして、安倍総理は、思いは変わっていないと思います。この戦後体制からの脱却、これはイコール国の形を変えることと同義語だと思っています。そして、その中で、やはり私はこの道州制というのは単に手段にしてはいけないと、道州制にするだけで、その形を変えただけでバラ色の未来が広がってくるわけではないと、このように思っているんです。
 ですから、この道州制を使って行うべきことは何なのか、これをきちんとみんなで共有すべきだというふうに思っています。それは、何よりもそれぞれの暮らしの安定です。自分の住んでいる町にずっといられる、また、行ってみたい町、そういうものをつくっていくということであります。その中で、住民サービスの向上とともに、これが行政の効率化、そしてまた財政の健全化に資するものでなければならないと、こういうことだと思います。
 そして、かてて加えて、その私は地域の固まりが国だと、一人一人の固まりが国になるんだと、そういう観点からすれば、それぞれの地域に合った特色とそして自立性を持っていただいて、そういう元気の塊をたくさんつくって、そして日本を元気にしようではないかと、こういうふうに思っているわけなんであります。
 その中で、国家の統治機能の強化につながるものでなければならないと思っています。後ほど御質問がいただけるので、そのときに折々にお話しすればいいと思いますけれども、少なくとも国と地方が対立の概念であってはならないと。国民でない市民、町民、住民はいないし、市民、町民、村民でない国民もいないわけでありまして、国と地方は密接不可分です。そして、その中で役割分担をしながらこの国の新しい形を模索して、最終的には国全体の統治機能の強化を図っていきたいと、そのために道州制というのは極めて可能性のあるシステムではないかと、こういうことで私も取り組まさせていただきたいと、このように考えているところでございます。
#308
○江口克彦君 非常に力強いお話をいただき、ありがとうございました。
 私は、この考え方、もう四十年ほど前、松下幸之助の廃県置州論から私自身の地域主権型道州制へ発展させて、もう四十年間やっているんですね、この議論。この国会に来て大変驚いたのは、大臣のように、今お話聞いていてよく分かりましたけれども、読んでおられる、勉強しておられる、道州制について、方も多いんですけど、全く道州制について、本を読んだこともない、ただ感覚的に物を言って、そして、道州制にしたら国がばらばらになるとか、そういうようなことは、もうその一言を聞いただけで、本当に道州制の本一冊すら読んでいないなというふうに私は思ったりするんですけれども。
 もう一つ道州制が大事なのは、今のような中央集権体制ですと、東西の対立のときには東京の発展が日本の発展だったんですよ。東京だけ発展させたら日本の発展になったんですよ。それを世界に誇ることができたんですよ。
 ところが、グローバル化になって、地球一つになった場合には物すごく激烈な競争をしなければならないということになってくると、東京一か所の発展では日本の発展、世界に誇る日本をつくっていくことができない。要するに、もう北海道にも、あるいはまた仙台にも、極端に言えば青森にも、それから関西にも、名古屋にも、広島にも、福岡にも、それから松山にも、どこでもそうですけれども、とにかく繁栄の拠点を多数つくっていかなきゃいけない。その多数つくった繁栄の総合計が日本の繁栄につながる。だから、そういう考え方を持たなければいけない。今の中央集権だったら、あるいはまた今の中央集権の裏側、紙の裏側が官僚ですから、今のまま続けていたら、日本は絶対にあと二十年、三十年したら、私の考え方では四十番目か五十番目の国になってしまいますよ。ですから、是非道州制というものを力強く推進していただきたい。
 ただし、念のために申し上げておきますけど、中央集権型の道州制じゃ駄目ですよ。官僚が支配する道州制じゃ駄目ですよ。ただ都道府県の県境を消すような、それを、いわゆる都道府県合併型の道州制、中央集権という国の形を残しちゃ駄目なんですよ。国の形を変えなきゃいけないんですから。そういうようなことは是非頭の中に、大臣、入れておいていただきたいと思います。
 お願いをしている質問で、道州制の導入が必要なのは、繰り返しますけれども、中央集権が既に体制疲労となっているということですよね。日本というのはおかしい国ですね。憲法を決めたらもう全然変えない。体制決めたらもう全然変えない。何でしょうね、この国は。全然、何というか、フレキシビリティーというか弾力性のないというか、非常に固定的に考えるというか、原理主義に陥ってしまうというようなところがあるわけですけれども。
 この体制疲労となって国の制度の機能不全が多発しているからだというふうに私は思っているんですけど、地方交付税もその一つではないかと。これは昭和二十九年ですよ。制度創設以来、六十年たっているわけですよ。様々な限界が生じているのではないかというふうに私は思うんですけど、大臣のこの地方交付税に対する現状認識についてお話を賜りたいと思います。
#309
○国務大臣(新藤義孝君) 先生の問題意識の延長でお答えをするならば、それは、地方交付税に依存せざるを得ない、そういう地方の自治体の運営が行われていること、これは問題だというふうに思っています。
 ただ、地方交付税の本来の趣旨は財源保障と財源調整であります。ナショナルミニマムを維持するために、それはそれぞれの特色を生かしてその町の自治が担保させるためにこの地方交付税制度はあったわけであります。そもそもが地方交付税の算定の内訳というのは大半が国によって法定に位置付けられているものであります。教育や社会保障や、これは全国どこでも国民が受けていただきたいサービス、これを保障するためのもので本来あったわけなんであります。
 しかし、経済が疲弊をして税収が上がらない。国の経済も苦しいが、地方の経済も立ち行かない。だから、自分たちの町のその地域の税収では維持ができない。したがって、これを補填するための交付税になっていって、それがやがて、交付税が来るからその範囲でやればいいやということになってしまえば、これは誠にゆゆしきことになるということなんであって、制度が悪いというよりも、今この国の置かれている状態が自分たちの町で自立をして自治をできるだけの力が発揮できないでいるということだと思います。
 そして、地方だけではなくて、都市は都市で問題が起きています。都市部の人口集中によって、そしてまたコミュニティーが壊れていく中で都市問題というのも生じていて、そして所得自体も上がりません。
 ですから、私は、国全体の見直しをしていく中で、じゃ、国の役割は何なのか、都市の役割は何なのか、そして地方の役割は何なのか。そして、更に言えば、先生、要するに、どんなに地域活性化して人を集めても、例えばいろんな事例があります、人集めを上手に成功しているところあるんです、でも、それでも、そこの自主財源比率というのは〇・一とか、ぐっと下がっちゃっているんですよ。ですから、お金を出さないと維持できないような状態になっていると。
 これからやるべきは、種金をつくって、きっかけをつくって、その町でもって自分たちの権限で、自分たちの考えで町が経営していけるような、そしてそういう仕事が維持、継続できるような、そういう町づくりが必要なんではないかなと。そのための権限の移譲や財源の移譲というのも必要だと、このように思いますし、生活圏だとか地域の圏というのも見直さなければならないのかもしれません。そういう中でございます。
 ですから、地方交付税制度は、現状においてはこれがなければ調整、財源の調整と保障をやっているという意味では、これは現状ではそれがなければどうにもならない状態でありますから、どう変えていくかというのを議論しなきゃいけないと、こういうことだと思います。
#310
○江口克彦君 地方交付税がないと地方がやっていけないというのは、そのとおりですよ。しかし、地方交付税がないとやっていけない国の形にしているから地方交付税が必要になってきて、その地方交付税があるために地方はますます中央に、国に依存するという悪循環になっているんですね。そのことを御認識は十分されているというふうに私は思うんですけれども、それを抜け出すために、やっぱり本当に地元を、あるいはまた地域を活性化するということに心を用いるというか、どうしてもこの地域を活性化しようという気持ちを起こさせるような国の形にしなければいけない。
 維新の橋下徹市長が、維新じゃなくて、橋下徹、大阪の橋下徹市長がどうしてこの道州制を言い出しているか、大阪都構想を言い出しているかというと、言ってみれば知事とか首長のポストというのをほとんどが官僚OBの人が占めているんですよね。それは兵庫だってそうですし、それから奈良だってそうですよ。それから京都だってそうですよ。もうほとんどが、その官僚OBの人たちが、首長というか、知事のポストを天下り先と思っちゃっているんですよね。だから反対するわけですよ。その人たちは全部霞が関を向いているんですよ。地元を向いていないんですよ。現に、そういうところの財政状況を見てくださいよ。
 だけど、真剣に本当に地元を良くしようというふうに思ったら、交付税よりも自分たちでやらせてほしいと、そういうシステムに変えてほしいと。だから、この道州制を主張している知事は、本当に官僚OBじゃないんですよ。特に旧自治省OBの知事の人たちはひどいものですよね。要するに、霞が関に向いていて住民に向いていないから、財政が物すごく荒れているわけですよ。
 だから、そういうようなことを考えると、やっぱり地方交付税、それは今は、今の現状の体制では必要ですよ。現状の体制では必要かもしれませんけれども、それが必要でないような国柄、国の形というか統治機構というもの、要するに道州制というものに切り替えないと、いつまでたってもこれは国民にも依存心を、若い人たちにも、すぐ社会が悪い、親が悪い、国が悪い、政府が悪い、全部そうなっていくわけですよ。もう本当に社会が乱れているのは、中央集権という体制が疲労を起こしているということに尽きるというふうに思っているんですけれども。
 次に、根本的な地方財政の充実性の必要性についてちょっとお尋ねをいたしたいと思います。
 財政調整機能は、税源の偏在による財源不均衡を調整する趣旨だと私は思うんですけれども、今もおっしゃった。地方交付税は東京都以外の四十六道府県に交付されておりまして、市町村も特殊な例を除いてほとんどの市町村に交付されているわけですよ。この状況は、東京以外のほとんどの自治体で基本的な行政需要を賄う税源がそもそも足りていないことを示している。このようないびつな調整制度を続けるのではなくて、やっぱり根本的な地方税財源の充実、確保を図るということを是非考えていただきたいというふうに思うということです。
 それから、地方分権への取組ということでありますけれども、細かな事務権限の移譲ばかりですけれども、不十分とはいえ、一応進められているというふうに私は思うんです。一方、地方税財源の移譲は棚上げが続いているわけですよ。要するに、権限ばかりを移譲しているわけですね。税源なき権限移譲を続けていても、本当の意味での地方自治体の自立は私は不可能だと思うんですね、仕事ばかり地方に移して。
 問題は、地方分権改革に取り組むのであれば、事務権限の移譲と同時に、地方税財源の移譲をセットにしなければいけないというふうに思うんです。市町村合併、三位一体という、あれも行われましたけれども、あれも結果的に合併したところは文句が出ている。私のところにも随分来ますよ、あれは失敗だった。なぜ失敗だったかといったら、権限だけが合併したところへ回ってくる、回ってきて、お金が回ってこないんだと、やれねえじゃないかという、そういう市町村の首長さんたちが非常に多いというようなことを考えると、財源の、あるいはまた税源の移譲というか、そういうことをセットで行っていただきたいというふうに思うんですけれども、大臣、いかがですか。
#311
○国務大臣(新藤義孝君) 一つ一つ非常に大切な御議論をいただいているんだと、このように思っています。私の問題意識を更に加えて言わせていただくならば、結局のところ、地方だけじゃなくて国も含めてこれは今巨額の財政赤字になっています。それは、詰まるところ、国のGDPが上がらないからだと。税率を変える、高い低いではなくて。要するに、大体法人税は払う人の方が、今七割が払っていないんですから、企業も。ですので、その国全体の経済力を高めなければ駄目だというのが根本にあると私は思っています。
 かつて、不交付団体はこれは二百以上ありましたし、もっとのときもありました。それが今、結局自前でやりくりできなくなってしまっているのは、それはその地域の経済力が下がっているからです。でも、地域の経済力が下がっているだけじゃなくて、我が国のGDP自体が二十年間で約七・五%しか増えていないですから。アメリカが同時期のGDPは二五〇%プラスです。中国は、まあ比較になりませんが、一八〇〇%プラスです。ですから、韓国も二五〇ぐらい、イギリスも二〇〇以上行っています。
 ですから、我々は経済をもう一度拡大させなければいけないんだと、こういうことが根底にあって、その中で、今度は地方をどうやって国からのお金に頼らずに行けるかと、この設計をし直すということで、継ぎはぎではなくて、やるとするならば、十分な議論をした上で、あるとき一挙に変えないと多分うまくいかないと。
 今の現状で、熱心なところで、やる気のあるところだけが広域の自治体を組んで、一方で、自治体を組むと言えば、即座に市長会や町村会からはそれに対する心配の声が上がるということでありまして、これは国の設計というのは、全体的なものをきちんとつくった上でやらなければいけないと。ですから、その前にまずやらなければいけないのは、国民的議論というものをしっかりとここでやらなければいけないし、そういうものをきちんと担保していこうじゃないかということだと思います。
 そして、御指摘の、権限と加えて財源を移譲するのは、当然そうしなければその権限は執行できないわけでありまして、まだなかなかそこまでいかないのが現状であります。
 私は今回、地域主権対策本部でしたか、あれは改組いたしました。そして、道州ビジョン懇もなくなったわけでありますが、私は、地方分権改革推進本部というものをまずつくって、その下で今のような問題をどういうふうに進めていくか、改めて、これまでの問題点ではなくて、これから先の課題をどのように処理していくか、そのための体制をここでつくったところであります。是非、いろんな御意見ちょうだいしながら、一歩ずつ準備しながら、どこかでやっぱりきちっとつくり上げなきゃいけないと、こういうことではないかと思います。
#312
○江口克彦君 地域主権という言葉は私が初めて使った言葉なんですね。一九九七年、岡山の経済同友会で講演をした後の質疑応答の中で、道州制、道州制といったって、いろいろ道州制があるじゃないかと、江口先生の言う道州制は一言で言ったら何だというので、私は地域主権型道州制と、要するに形容詞で使ったんですよ、地域主権型を。そうしたら、いつの間にやら地域主権だけが独り歩きになった。美しい日本と言ったら、美しいだけが動き始めちゃっているということについては、私は少し誤解されたなという残念な思いがしてならないということであります。あれは政治学用語でありまして、ディバイディド・サバランティという、要するに分割主権論の中であって、あれは法律としては使えない言葉なんですよ。そのことは大臣も御承知になっておられるようですので安心しておりますけれども。
 それと、道州制の導入は各方面から叫ばれて随分久しいですよね。だけど、それが実行されないのはなぜかというと、先ほども申し上げましたように、政治家自身、特に首長、それから官僚、特に地方公務員の人たち、こういう人たちは痛みが伴いますから反対するわけですよ。反対するということになるわけですけれども、やっぱりここは先ほどの大臣、また安倍総理の思いを察すると、具体的なスケジュール、タイムスケジュールを立てて期限を決めて取り組まないと、いつまでも論議の繰り返しですよ。私からしたらもう平成十九年からこれずっと続いているわけですからね、議論は。
 そういうことですから、期限を定めて取り組むということが大事だと思うんですけれども、大臣は道州制の導入が進まない原因をどう考えているのかということと、また、道州制導入に向けて具体的な進め方を、政府として、大臣として今どういうふうにお考えになっているのか。答弁がいつも同じなんですよね、与党の意見を聞いてというようなことになっていますけれども、お考えをちょっと。
#313
○国務大臣(新藤義孝君) 道州制がなぜ進まないのかという御質問に、端的に、しかも言い方が難しいんですが、シンプルに答えれば、それは議論がまだ収れんされていないからということに尽きると思います。
 先生が御指摘のように、道州制といってもいろんなイメージがあって、いろんなまた思惑がございます。ですから、そういうものを国民的議論の中でしっかりと形をつくっていくというために、やはり期限を切るということも大事だと思いますし、そういった検討の組織というものも、どうしたらいいのかというのは考えていかなきゃならないと、このように思っています。
 また、一方で、与党の方で今そういった基本法のようなものを定めようということでやっているわけでありますね。ですから、そういうものを見ながら、私は、政府の方は政府の方としてどういう形でしたらいいかということを研究したいと思っています。
 先生、お時間が過ぎて恐縮なんですが、私は官僚がいるから、官僚のせいだけにしようと思っていません。そもそも行政というのは政を行う、政を行うその中身を決定するのは政治であります。政を治めるんです。ですから、今このようにうまく進まないのはひとえに政治の責任であって、官僚、行政というのは指示されたことに、それを遵守するための義務を持ってやっているわけでありますから、彼らを上手に、きちっと機能を発揮して我々と連携しながら一緒に動かしていくと、これが重要だと思っています。
#314
○江口克彦君 最後の質問にいたします。
 今、官僚はそうじゃないというか、それはもう使い方、使いようによってはどうにでもなるんだというようなお話だったと思いますけれども、しかしそうでもないですよ、実際に、私の経験からいくと。ビジョン懇の座長をやった経験からいったら大変でした。もう官僚の人たちの文章作成、私が文章を書いた、中間報告を書いたその修正をされるやら何やら、それで激しい対立をしたりなんかをして、ようやく私の案を押し通したんですけれども、それはともかくとして、今も大臣、道州制基本法案と言われましたよね。
 先ほど、公明党の谷合議員が政務官に質問されましたら、政務官も、政府としても与党と連携して取り組んでまいりたいが、与党においてはもう道州制基本法の早期制定に向けてということを言っているわけですよ。そうすると、道州制基本法案が出てきたらどういうふうな取組を政府としてされようとされているんですか。今恐らく、超党派道州制懇話会ができて、この道州制基本法案が提出されますよ、でき上がりますよ。それをどういうふうに受け止めていただけるんでしょうか。それを最後にお尋ねして、終わらせていただきます。
#315
○委員長(相原久美子君) 時間が来ておりますので、端的にお願いいたします。
#316
○国務大臣(新藤義孝君) 短くいたします。
 道州制基本法で最大決まるのは国民会議をつくって議論しましょうと、これが一番の骨子になると、このように思います。そして、政府といたしましては、この道州制を、では、どのように取り組んだらいいのか、そのことに対して必要な体制を整えなければいけないと。与党頼みでということにはならないと、我々は我々で必要な体制を整えなければいけないと、私は現在研究をさせていただいているところでございます。
#317
○江口克彦君 ありがとうございました。
#318
○委員長(相原久美子君) 本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
   午後六時十分散会
ソース: 国立国会図書館
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