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2013/06/18 第183回国会 参議院 参議院会議録情報 第183回国会 内閣委員会 第13号
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2013/06/18 第183回国会 参議院

参議院会議録情報 第183回国会 内閣委員会 第13号

#1
第183回国会 内閣委員会 第13号
平成二十五年六月十八日(火曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 六月十三日
    辞任         補欠選任   
     小西 洋之君     長浜 博行君
     那谷屋正義君     神本美恵子君
     藤本 祐司君     吉川 沙織君
     江島  潔君     吉田 博美君
     中西 祐介君     塚田 一郎君
 六月十四日
    辞任         補欠選任   
     江田 五月君     岡崎トミ子君
     長浜 博行君     蓮   舫君
     吉川 沙織君     藤本 祐司君
     塚田 一郎君     中西 祐介君
     中原 八一君     世耕 弘成君
     吉田 博美君     江島  潔君
     柴田  巧君     米長 晴信君
 六月十七日
    辞任         補欠選任   
     岡崎トミ子君     斎藤 嘉隆君
     神本美恵子君     那谷屋正義君
     米長 晴信君     寺田 典城君
 六月十八日
    辞任         補欠選任   
     世耕 弘成君     石井 浩郎君
     伊達 忠一君     中原 八一君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         相原久美子君
    理 事
                芝  博一君
                福山 哲郎君
                岡田  広君
                中西 祐介君
    委 員
                斎藤 嘉隆君
                那谷屋正義君
                白  眞勲君
                藤本 祐司君
                蓮   舫君
                石井 浩郎君
                江島  潔君
                山東 昭子君
                世耕 弘成君
                中曽根弘文君
                中原 八一君
                山谷えり子君
                谷合 正明君
                江口 克彦君
                寺田 典城君
                糸数 慶子君
   委員以外の議員
       議員       田村 智子君
       議員       福島みずほ君
   国務大臣
       国務大臣     森 まさこ君
   副大臣
       総務副大臣    坂本 哲志君
   大臣政務官
       内閣府大臣政務
       官        亀岡 偉民君
       厚生労働大臣政
       務官    とかしき なおみ君
       国土交通大臣政
       務官       松下 新平君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        五十嵐吉郎君
   政府参考人
       内閣府政策統括
       官        山崎 史郎君
       総務大臣官房審
       議官       南  俊行君
       総務省自治行政
       局公務員部長   三輪 和夫君
       外務大臣官房参
       事官       新美  潤君
       文部科学大臣官
       房審議官     関  靖直君
       国土交通省総合
       政策局次長    渡邊 一洋君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○理事補欠選任の件
○政府参考人の出席要求に関する件
○障害を理由とする差別の解消の推進に関する法
 律案(内閣提出、衆議院送付)
    ─────────────
#2
○委員長(相原久美子君) ただいまから内閣委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日までに、小西洋之君、柴田巧君、江田五月君及び中原八一君が委員を辞任され、その補欠として蓮舫君、世耕弘成君、斎藤嘉隆君及び寺田典城君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(相原久美子君) 理事の補欠選任についてお諮りいたします。
 委員の異動に伴い現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。
 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(相原久美子君) 御異議ないと認めます。
 それでは、理事に中西祐介君を指名いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(相原久美子君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、政府参考人として内閣府政策統括官山崎史郎君外五名の出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○委員長(相原久美子君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#7
○委員長(相原久美子君) 障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律案を議題といたします。
 本案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#8
○福山哲郎君 おはようございます。民主党・新緑風会の福山哲郎でございます。
 今日は障害者差別解消法の審議ということで、どうかよろしくお願いしたいと思います。
 平成二十年に障害者の権利条約が発効になりました。エクアドルが批准をしたことによって発効することになったわけです。あれから五年たちましたが、日本はまだ批准するに至っておりません。障害を持った皆様も、社会全体としても、批准をするということを強く待ち望んでおられたわけです。
 今回、障害者基本法の改正、それから障害者総合支援法の制定、そしてこの障害者差別解消法の成立ということをもって、ようやく日本も批准の運びになるのではないかなというふうに私は強く期待をしておりまして、今日は外務省に来ていただきました。衆議院でも答弁をいただいておりますが、この法案成立後、速やかに条約の批准に向けて日本政府としては動き出していただきたいと考えておりますが、批准に向けた政府の姿勢とスケジュール感をまずは御答弁いただきたいと思います。強い決意でお願いいたします。
#9
○政府参考人(新美潤君) お答え申し上げます。
 今委員からの御指摘ございましたとおり、障害者権利条約、大変重要な条約でございます。この条約の締結に先立ちまして、国内制度の整備に努めてきたところでございます。その中で、障害者基本法の改正及び障害者総合支援法、これは既に成立しておりまして、今次通常国会にはこの法案、そして障害者雇用促進法改正法案が提出されまして、後者の障害者雇用推進法改正法案については先日可決されたと承知しております。
 これらの国内法の整備、これは条約の実効的な運用の観点から大変有意義なものだと思っております。このような国内制度の整備の状況の進捗も踏まえた上で、可能な限り早期に条約を締結したいと考えております。
#10
○福山哲郎君 強い決意を表明いただいて、ありがとうございます。
 外務省さん、お忙しいと思いますので、もしあれなら退席していただいて結構です。
#11
○委員長(相原久美子君) どうぞ御退席ください。
#12
○福山哲郎君 実は、私、個人的なことを申し上げますと、十七、八年前から、京都で活動されている命輝け京都第九コンサートという団体があります。これは、ベートーベンの第九、喜びの歌を、障害を持った方も、僕は、後で申し上げますが、健常者という言葉は嫌いですが、普通の方も、普通の方という言い方も余り好きではないんですが、三百人とか五百人で一生懸命、一年掛かりで合唱のパートを練習をして、そこにボランティアの皆さんが練習場への移送やいろんな形で、音楽家もかかわって、本当に五百人規模の合唱団で、京都市交響楽団や世界的に活躍をされている指揮者の下で第九をみんなで演奏するという活動にかかわりました。私は本当に、議席をいただく前のときであったので、ボランティアとしても本当に片隅でボランティアをさせていただいたんですが、去年それが十回目のコンサートを迎えて、本当に感動的なコンサートが行われています。
 私はそのときに気付いたんですけれども、合唱団五百人いて、障害を持った方と健常者の方が一緒になって合唱する練習場は別に何ら違和感もなく、本当に何の障壁もなく、意識やお互い譲り合うことも含めて、そういう景色で、ああ、障害を持った方も普通の人も同じ空間に、同じ生活、同じ目的を持っていろんな形でやれば本当に普通の景色なんだということを私はそのときに、もう二十年近く前になりますが、気が付かさせていただいて、障害を持った方から本当に多くのことを学ばせていただきました。
 今回、この障害者差別解消法が日本でできるということは私なりにも大変評価をするところでございますし、一年前に私は京都府の障害者団体連合会の会長を仰せ付かって、一年やらせていただきました。これも多くの皆さんがかかわって、そして活動をされています。実は、この障害者団体連合会の会長は、自民党の野中広務先生から私は後を継いでやらせていただくことになりました。野中先生のような大物の先生の後で力不足は重々承知だったんですけれども、今まさにそういった活動をさせていただく中でこの質問をさせていただくことも何かの御縁かなというふうに思っております。是非、大臣におかれましては、この法案の意義をしっかり受け止めていただいて施策に反映をしていただきたいと強く望むところでございます。
 それで、少し質問として申し上げます。
 障害者という表現について、この法案では害の字、いわゆる公害の害の字を使っています。ある法案では平仮名で使っている場合もあります。いしへんの碍という字を使っている場合もあります。今回、障害者差別解消法であえてこの漢字を使われた意味合いというのはどういう意味合いなのか、もし理由があればお答えをいただけますでしょうか。
#13
○政府参考人(山崎史郎君) お答え申し上げます。
 障害者の害の表記の在り方でございますが、これについては様々な御意見があるものと承知してございます。
 例えば、平成二十二年でございますが、障害当事者も参加しました障がい者制度改革推進会議においても見解の一致を見ず、新たに特定の表記に決定することは困難であると判断せざるを得ないという結論をいただいております。
 今回の法案でございますが、この法案は障害者基本法の具体化という形で実は位置付けてございます。その法案、障害者基本法自体がこういう表記でございましたので、それを踏まえた上でこういう形で一応使わさせていただいたと、こういうことでございます。
#14
○福山哲郎君 私は、個人的な意見で言うと、障害者と健常者という言い方が嫌いで、何で健常者は健やかで常で普通みたいな表現で、片一方が障害だということをずっと気持ちの中で思っていました。いろんな部会等の議論の中でもその議論が一致を見なかったことも私も勉強しました。イギリスの方では、障害者の障害というのは逆に言うと社会的な障壁の方を表すんだと、日常生活を営む上で障害となるような事柄や制度や慣行や差別意識や観念、そういったもの自身が障害だから、そのことを取り除く意味もあってこの障害という言葉を使うんだという議論もあると聞きました。私は、日本の中でもそういった概念で使われるなら、障害者という言葉を使うことに対して今までよりかは抵抗をなくしていこうと思っています。ただ、やはりイメージとしては、障害を持った人は何か障害があるんだというようなイメージがあって、健常は健常だと。
 今後、日本は高齢社会を迎えます。高齢社会になれば、お年寄りは目がなかなか不自由になったり足腰が弱くなったり、実はみんなそれぞれ機能に障害が出てくると。そうすると、お年寄りも障害を持った方もそれぞれが社会の中で、しっかりとバリアフリーの中でお互いが共生社会を営んでいけるようになるためにはまさに社会的な障壁を取り除いていかなければいけないという概念でこの障害者という言葉を使うんだなと理解をして、今回はこの害という字を私は理解をしたつもりですが、山崎さん、もしお答えいただけるんだったらお答えいただければと思います。
#15
○政府参考人(山崎史郎君) お答え申し上げます。
 先生御指摘のとおり、今回のいろんな差別の解消という点で例えば社会的障壁という問題がございますが、これに関しましても、今回の法律におきましても、障害がある人にとって日常生活又は社会生活を営む上で障壁になるようなものと、まさしく社会的な概念といいましょうか、それを踏まえた上で今回取り組んでいるものでございまして、まさしく全体の趣旨において先生御指摘のとおりの方向で今回取り組もうというものというふうに考えている次第でございます。
#16
○福山哲郎君 大臣、今の議論聞いていただいて、一言、感想なり決意を述べていただければ有り難いです。
#17
○国務大臣(森まさこ君) ありがとうございます。
 私も、私の母が、地域で特に障害を持った子供の子育てをしているお母さんがなかなかお仕事をすることができないということで、私の母が営んでいる縫製工場に来ていただきまして、そのお子様たちと一緒に私も子供時代を過ごしたものでございますから、この法案には大変な思い入れがございます。
 委員のこの一つ一つの定義に抱く思いも共感できるところがございますので、しっかりと今後も取り組んでまいりたいと思います。
#18
○福山哲郎君 ありがとうございます。
 確認をしておきたいことがたくさんありますので、短い答弁で、私ももう余り個人的な気持ちは入れずに一つ一つ確認をしていきますので、よろしくお願いしたいと思います。
 一つは、差別の定義をこの法案は設けていません。これも難しかったというのを私は理解をしておりますが、今回、差別の概念ということを法案の七条、八条で議論をされています。そのときに何が差別であることかというのは、まさに今後の相談事例や地域の中での協議会での議論の積み重ねによって、より時間がたてば差別の概念が具体的にどういうものかということは事例として積み上がってくるというふうに思っておりまして、このことは私は非常に重要な知見であり、社会全体の経験だというふうに思っています。
 しかし、一つ、これ衆議院でも確認されていますが、もう一度確認させてください。差別というのは、この法案による概念でいえば、不当な差別的取扱い、これは一つ差別。もう一つですが、合理的配慮の不提供は差別、この法律による禁止をする差別と言い切っていいのかどうかだけ確認をさせていただきたいと思います。
#19
○政府参考人(山崎史郎君) お答え申し上げます。
 御指摘のように、本法案におきましては二つの類型としまして、不当な差別的取扱い、さらに合理的配慮の不提供と、この二つを規定してございます。
 まず、不当な差別的取扱いにつきましては、これは、行った場合はまさに差別に当たるわけでございますが、さらに、合理的配慮の不提供に関しましても、社会的障壁の除去の実施に関する必要かつ合理的な配慮を行わないという場合につきましては、これは障害を理由とする差別に当たるというものでございます。
#20
○福山哲郎君 当たると明確に御答弁いただいて、ありがとうございます。若干衆議院では抽象的だったので、そこははっきり言っていただいて、ありがとうございます。
 一方で、御案内のように、差別禁止部会の中でいろんな意見が出た中では、間接差別や関連差別の議論がありました。この扱い、非常に難しいのは私も承知をしております。先ほど申し上げたように、事例の集積によって将来この差別に対する、障害者の差別に対する知見というのはどんどん深化をしていくものだというふうに思っておりますが、将来の定義の見直しや、関連差別、間接差別の扱いについて今どのように考えているのか。なかなかこれは将来的な課題だと思いますので明確にお答えできないことは承知の上でございますが、現状のお考えをお聞かせいただけますでしょうか。
#21
○政府参考人(山崎史郎君) お答え申し上げます。
 まず、御指摘の間接差別、関連差別でございますが、これに関しましては委員のおっしゃるとおり、具体的にどのような事例が該当するかについて現時点では一律に判断することが困難であるため、今後の具体的な相談事例や裁判例の集積等を踏まえた上で対応するという形になるものでございます。
 なお、差別の定義でございますが、現時点におきましては法律上これを一律に定義付けるということをしてございません。今後、ガイドラインにおいて不当な差別的取扱いの具体的事例や合理的配慮の好事例を示しつつ、具体的な事例や裁判例を積み上げていく中で、何が差別に当たるかについて国民の間で認識の共有が図られるように努めてまいりたいと考えております。
 法施行三年後の見直しにおきまして差別に関する定義規定を盛り込むかにつきましては、今後の具体的な事例や裁判例の集積を踏まえて検討するということになろうかと考えております。
#22
○福山哲郎君 ありがとうございます。
 実は障害者差別解消法ができたとなると、実は社会の中では何が差別か何が差別ではないかが分からないので、逆に障害を持った方に対する対応の仕方が少し戸惑ったり、逆に今まで普通にやっていたことがこれは駄目なのかどうかといって混乱をする可能性もあります。
 今政府委員おっしゃられたように、ガイドラインなりを早く国民に周知徹底していただくことというのが私は非常に重要なことですし、それが社会の中で本当に、法案に書いてあるように分け隔てない社会をつくっていく大きな要素だと思いますので、そこは是非早くガイドラインの提示等についてもお願いをしたいと思います。
 この法案の二条を読みますと、障害者というのは身体障害、知的障害、精神障害、その他の心身の機能の障害がある者でというふうに障害者の方について議論をされていますが、一言で障害と言っても実際の在り方は多様でございます。幾つか確認をさせてください。例えば、障害者手帳を持っていないけれども、今難病にあられる方、こういった方は対象となるのかどうか、お答えいただけますでしょうか。
#23
○政府参考人(山崎史郎君) お答え申し上げます。
 御指摘の障害者手帳を持たない難病がある方につきましても、難病に起因する心身の機能の障害があり、障害及び社会的障壁により継続的に日常生活又は社会生活に相当な制限を受けている状態にある方については対象となります。
#24
○福山哲郎君 ありがとうございます。
 二つ目でございますが、障害者の親が子供の障害を理由として不当な差別的取扱いを受けた場合には対象となるのかどうか、お答えいただけますでしょうか。
#25
○政府参考人(山崎史郎君) お答え申し上げます。
 本法律は、あくまでも障害者本人を対象とするというものでございますが、例えばいろんな場面ございます。障害児を持つ親の方が当該障害児の付添いとして例えば施設を利用しようとしたと、当該障害児と一緒に利用しようとした場合に、これについて施設の利用について不当な差別的な取扱いを例えば受けた場合でございますが、これについてはまさに差別的な事例という形になる次第でございます。
#26
○福山哲郎君 逆にそこは、地域協議会も含めていろんな形で事例が集積する中で、障害を持ったお子さんの親御さんに対する対応についてもそういう事例の積み重ねの中で実際に対処していくという判断でよろしいでしょうか。
#27
○政府参考人(山崎史郎君) お答え申し上げます。
 まさにそうでございまして、まさにこの内容につきまして、個々の事例というのをいかに明確に積み上げていくかということは大変大事でございます。それぞれのいろんな関係機関において事例を積み上げながら、これを集積を図っていくという形で進めてまいりたいと思っております。
#28
○福山哲郎君 よろしくお願いします。
 実は私の問題意識の中にはいわゆる、生まれ付いてか若しくは先天的か後天的かは別に、ユニークフェイスの方がいらっしゃいます。私、ずっとユニークフェイスの長年友人の方がいらっしゃって、いろんな悩みも抱えながら頑張って今生きておられる方がいるんですけれども、そのユニークフェイスの方自身がここに当たるのかどうかというのは定義上、非常に僕は難しいなと思っています。
 ただ、ここの条文に書いてある「その他の」の中にどういうふうにこれを読み込むのかということも、やっぱり地域の中でそういう事例で、これはやはり問題じゃないかというような事例がある中で対応していっていただきたいなというふうに思っていて、これなかなか政府、答弁しにくいと思いますので、答弁は結構ですが、私の問題意識としてはユニークフェイス等々についての対象がどうなるのかについてもあるので、そういった議論が国会で行われているということについては是非御留意をいただきたいというふうに思います。
 それから、実はこれは余り気持ちのいい話ではないんですが、障害を持つ女性が、これは権利条約の中でも議論があります、障害者であり、かつ女性であるために不当な差別やDV等の被害に遭っている。若しくは、ある市民団体の調査では三割の障害のある女性がセクハラ被害に遭っていると回答をしています。これは障害を持った女性であるがゆえにということで非常に私は問題だと思っているんですけど、女性や子供などの社会的弱者が更に障害を有している場合に、より深い差別や苦痛を受ける場合が少なくありません。
 本法案ではこういったことに対してはどのように配慮しているのか、お答えいただけますか。
#29
○政府参考人(山崎史郎君) お答え申し上げます。
 本法案におきましても、女性や子供への配慮、これ大変大事であるという認識の下に、第七条の第二項及び第八条第二項でございますが、年齢、性別及び障害の程度に応じて、必要かつ合理的な配慮を行わなければならないという規定を置いてございます。したがいまして、これを踏まえながら今後基本方針やガイドラインを策定してまいりますが、その際には女性や子供に対する配慮を十分に行っていくというふうに考えている次第でございます。
#30
○福山哲郎君 森大臣、女性大臣ですからこのことについてはしっかり問題意識を持っていただきますようにお願いしたいと思いますが、いかがですか。
#31
○国務大臣(森まさこ君) 女性や子供に対して障害を持っているということで更に差別的な取扱いがされることは看過できない事態でございますので、これにつきましては十分な取組をしてまいりたいと思います。
#32
○福山哲郎君 ありがとうございます。
 やや細かい具体的な話に入っていきます。
 法案の九条、十条によって、政府の定める基本方針に即して省庁や地方公共団体が対応要領や対応指針を作成することになっています。もちろん、この基本方針の中身、対応要領や対応指針の中身、内容は非常に重要なんですが、実はこれを作った後に、先ほどから何度も話が出ております事例の集積等の実績をフォローアップをし、それをフィードバックして内容を常に改善をしていく、PDCAサイクルを組み込んでいくということが私はこの法案と実際の執行過程については非常に重要なことだと思っております。そのことについて見解を伺いたいと思います。
#33
○国務大臣(森まさこ君) 委員御指摘のとおり、基本方針、対応要領、対応指針は、社会の変化や国民の障害者に対する理解の深まりなどに伴って内容を充実させていくべきものと考えます。そのため、本法案においても国内外の情報収集等を行うこととしておりまして、障害を理由とする差別やその解消のための取組等の事例の集積、また海外における先進的な取組に関する情報収集の結果等を踏まえ、適宜必要な見直しを行ってまいります。
#34
○福山哲郎君 これは非常に重要な点ですので、国会への報告も含めて前向きにいろんな形でPDCAサイクルが機能するように、よろしくお願いしたいと思います。
 条文を読むと、対応要領は国や地方公共団体、独法等の職員個人が適切に対応するものとされていて、対応指針は事業者が適切に対応するためのものと書いてあります。これ、済みません、私の法の条文を読む能力が足りないんですけど、これを読むと国や地方公共団体は職員個人と書いてあって、事業者は事業者と書いてあるんですね。これは法人格として書いてあるんです。若干誤解を僕はしているのかもしれませんが、国や地方公共団体も法人としての責任があるはずですが、これを読むとそれが何か職員に責任を押し付けているように読める可能性があるので、それは多分誤解だと思いますから、その誤解を是非解いていただきたいと思います。
#35
○政府参考人(山崎史郎君) お答え申し上げます。
 委員御指摘のこの対応要領でございますが、これは第九条及び十条に定められてございます。実は、その前に、第七条でございますが、行政機関等につきまして、障害を理由とする差別、これは不当な差別的取扱い、さらに合理的配慮の不提供、これを含んでございますが、これを禁止してございます。したがいまして、まさしく事務又は事業を行う主体として行政機関等が当然適切に対応するということは義務付けられていると、こういうものでございます。
#36
○福山哲郎君 機関として適切に対応するということを今表明をいただいたので、安心をいたしました。ありがとうございます。
 衆議院の内閣委員会においては、職員がこの法律に違反する行為があった場合においては、行政機関等の内部におきます服務規律確保のための仕組みや行政相談等の仕組みに応じて解決が図られると答弁がありました。そうすると、この服務規律と対応要領の関係がちょっと分かりにくくなります。法律には対応要領と書いてあるのに、衆議院の答弁は服務規律ということですので、この関係についてお答えをいただくことと、その服務規律ないしこの障害者差別解消法に基づく対応要領は、一方では服務規律と同様に、同様にというか、公表される位置付けについてもお答えいただけますでしょうか。
#37
○政府参考人(山崎史郎君) お答え申し上げます。
 御指摘の対応要領は行政機関等の職員が守るべき規範として定められることを想定してございまして、このような規範は服務規律の体系に位置付けられる、その一つに位置付けられるということが一般的であると考えてございます。その上で、本法案におきましては対応要領を公表するということが求められておりますので、対応要領が当該行政機関等において服務規律の一部を構成する場合には、対応要領の部分について服務規律が公表されると、こういう形になるものでございます。
#38
○福山哲郎君 明確に御答弁いただいてありがとうございました。
 そうすると、その対応要領を見れば、その省庁なり機関が職員に対してどのような形で差別解消に向けて取り組むようにするかが分かるということですね。それでいいわけですね。一応お答えいただけますか。
#39
○政府参考人(山崎史郎君) そのとおりでございます。
#40
○福山哲郎君 さらには、紛争の防止や解決を図る体制の整備に関連して、衆議院の答弁では、既存の機関において体制の見直しを努めると書いてあります。要は、新しい機関はつくらないということなんですが、省庁ごとに、若しくは地方公共団体やそれぞれの準ずる事業体というか団体ごとに体制の整備が図られるという位置付けでよろしいですか。
#41
○政府参考人(山崎史郎君) お答え申し上げます。
 本法案は、障害を理由とする差別の解消を効果的に推進する観点から、国や地方公共団体において相談及び紛争防止等のための必要な体制整備を努めると、こういう形で規定してございます。これに関しましては、この趣旨を踏まえまして政府全体の基本方針、これを定めてまいりますが、その中で体制の整備の基本的考え方を盛り込みまして、それに即しまして各省庁において既存の機関の活用、さらには体制の更なる充実、これを図っていくというものになるものでございます。
#42
○福山哲郎君 そのときに、それぞれは体制の整備が図られたとしますが、一方で、行政機関自らが差別的取扱いをしたり合理的配慮の不提供を行った場合に、どこにそれを救済の相談に行けばいいんでしょうか。その省庁に直接行くのか、逆に地域の協議会に落とさなければいけないのか、そういう場合はどうしたらいいんでしょうか。
#43
○政府参考人(山崎史郎君) お答え申し上げます。
 様々な対応があると思いますが、まず行政機関におきましては、その職員の対応に例えば不満がある場合、問題がある場合につきましては、その行政機関内の窓口にもちろん申し出ていただくことが可能でございますし、さらに、ほかには総務省の行政相談もございますし、さらには、人権にかかわる相談でございますと地方の法務局といった形の対応もございます。そしてさらに、先ほど御指摘ありました地域の協議会も今回規定ございますので、そういったルートからもいろんな面で御相談いただけると、このように考えている次第でございます。
#44
○福山哲郎君 先ほど言われた既存の機関の見直しの中で、これまで紛争解決の仕組みを持っていないような機関があるはずです。恐らく、基本方針の中にはそこにもちゃんと相談窓口なり、対応しなさいということの指示が出るはずだと私は考えておりますが、そういった形で、それぞれの既存の今までそういった仕組みを持っていないところでも窓口のようなものはつくっていただくことで体制整備を図っていくということでよろしいんでしょうか。
#45
○政府参考人(山崎史郎君) お答え申し上げます。
 御指摘のとおり、今後、政府として基本方針を定めてまいります。その中で、各省庁さらには行政機関におきます体制整備の基本方向を盛り込んでまいりますが、それに即して、相談の窓口等を含め適切な体制整備を図るように、充実を図るように努めてまいりたいと、このように考えている次第でございます。
#46
○福山哲郎君 ありがとうございます。
 続いて、先ほど話が出た地域協議会、これは地域の中で差別のいろんな相談事案を受け止める地域協議会ができます。今言われたような、それぞれの機関、体制の整備をされているそれぞれの省庁を含めた機関があります。ここの関係はどういう関係になっているのかについて御説明いただけますでしょうか。
#47
○政府参考人(山崎史郎君) お答え申し上げます。
 まず、法の第十四条に基づきまして、国及び地方公共団体は相談、紛争防止のための体制整備を図ると、こういう形になってございます。今回は、基本的な考え方としまして、新たな機関を設置せずに既存の機関の活用さらに充実によって対応すると、こういうふうなことが基本になってございます。
 そうしますと、各分野の機関がそれぞれ対応することになるわけでございますが、そうなりますと、例えばたらい回しとかいろんなものの谷間に落ちるというケースがございます。これを防ぐ必要がございますので、まさしくそういう観点から、本法案では地域のレベルでそれぞれの機関を構成機関とする地域協議会、これを設置しまして、まさしく相談、紛争解決のネットワークをつくると、こういう形のものでございます。
#48
○福山哲郎君 地域は一定のネットワークがあって、そこが受け止めると。さらに、中央省庁の機関で何らかの形があった場合は、そこでも受け止められると。両方が合わさって、より重層的な形をつくっていくという位置付けでよろしいですね。
#49
○政府参考人(山崎史郎君) 御指摘のとおりでございます。
 それぞれの機関がございますが、地域では横串を刺した形でのネットワークをさらにつくるという形で、合わせてしっかり受け止めるということで考えている次第でございます。
#50
○福山哲郎君 そこで、重要なところは地域の協議会の横串なんですけれども、私は、例えば中央省庁との関係でいうと、例えば地域の中でバリアフリーの社会をつくるといったときには、道路や駅や、町づくりの観点でいえば国交省さんというのは非常に重要な役割を果たすわけです。それから、例えば人権の救済でいえば法務省の人権救済機関、人権救済の擁護委員の方も含めて非常にそれぞれの地域の法務省で知見があるわけです。
 先ほどの地域協議会の横串の中にこういった、ある意味でいうと国の出先機関のようなものが、国の出先機関が行政組織上いいかどうかは今日はこの場はおいておくとして、それは別として、国のこういった出先機関の、それぞれ知見があったり現場に指示が出せるようなところがこの地域協議会の中に構成員として含まれる方がよりスムーズに横串が機能するというふうに私は感じるんですけれども、そういった理解でよろしいのでしょうか。
#51
○政府参考人(山崎史郎君) お答え申し上げます。
 御指摘の国の出先機関でございますが、これは法律の第十七条の言わばこの構成機関の中に当然入ってまいることでございます。そして、委員御指摘のように、この出先機関が含まれますと、行政措置の権限を有します主務大臣たる行政機関にまさに橋渡しが非常にスムーズになりますので、有効になるというふうに考えている次第でございます。
#52
○福山哲郎君 これね、松下政務官、例えば何らかの形でバリアフリーを確保したいといったときに、事業者が地域にいるわけです。ところが、事業者はいろんな事情があります。一方で、陸運局や整備局等、国交省のところがあって、そこが横串で地域協議会に加わっていただいているといろんな情報が入ってきます。そうすると、事業者との調整も含めて実は私はかなりスムーズにいくんじゃないかなというふうに思っていて、それを一々中央省庁まで行くみたいなのは非常に時間的にもロスだなと思っているので今の指摘をさせていただいたんですが、そういう形でこの地域協議会の中に国の機関が一定、地域で加わっていただくことが重要だと思いますが、政務官、いかがですか。
#53
○大臣政務官(松下新平君) 大変重要な御指摘だと思っております。
 よく国交省の中のやっぱり縦割りも指摘されているんですけれども、それぞれ時間が掛かるわけですね、それぞれ協議する会議とかいろいろ持っていて。福山委員御指摘のとおり、実効ある対策を取るために国交省としても取り組んでいきたいというふうに思います。
#54
○福山哲郎君 ありがとうございます。
 実は重要なのは、千葉の事例でもそうなんですけれども、地域の協議会がいかに有効に機能するか。そこに知見があり、経験があり、対応できる人がいかにその地域協議会に参加をしていただくかが重要なんですが、その地域協議会も、実は数多く事例の相談とかが行われるようになると、当然、地域ではその協議会を運営するのにお金が必要になると僕は思っています。気持ちはよくてもなかなかお金がないと人が回せなくなります、運営も含めてですね。それから、ちゃんとした知見のある人が相談の窓口にいるかいないかというのは、すごくその後の対応に差が出てくると思っています。
 そういった点も含めて、この地域協議会を運営するに当たって、適切な人員配置を行う必要があると私は思っています。どのぐらい経費が掛かるか分かりませんが、地方公共団体がつくれと言われても、金目のものがなければどうしようもありません。
 交付税の地方財政措置も含めて、そういった御努力を是非、これは制度全体としてしていただかなければいけないと思っていますが、いかがでしょうか。
#55
○国務大臣(森まさこ君) 本法案が施行された暁には、各地方公共団体が国とも協力しながら差別解消支援地域協議会の設置を進め、差別に関する相談や紛争解決が速やかに行われる体制の整備が進められるものと期待しております。その際に、どの程度の業務量が発生し、人的配置等がどの程度必要になるか、関係者の意見も聞きながら検討していく必要があると考えております。
 その上で、関係省庁とも連携し、財政支援の在り方についても今後検討してまいりたいと思います。
#56
○福山哲郎君 これ、森大臣、三年後に森大臣が大臣をやっているとはなかなか私も思えないので、しかし、このスタートのときの大臣が、この財政措置に対してどういう答弁をしていたかというのはすごく重要なんです。
 だから、逆に、これは財政措置は必要だと自分は認識していると、ですから今後、まさに今おっしゃられたのは、若干検討という話だったんですけれども、財政措置が必要だと、だからこそしっかりとこれから先三年後の施行までにそのことについて自分は強く主張していきたいと、どうか御決意をお願いしたいと思います。
#57
○国務大臣(森まさこ君) 委員御指摘のとおり、この地域協議会が実効性のあるものとなるためには人員も必要です。財政支援の必要性があるということは重々認識しておりますので、前向きに検討してまいりたいと思います。
#58
○福山哲郎君 検討するじゃなくて、私は頑張ります、こういうときに大臣が頑張らないで、いつ頑張るんですか。それが大臣の役割ですよ。だから、後ろの官僚も、障害を持った方も、みんなそこが重要だと思っていますから、大臣、一言、もう少し踏み込んでください。
#59
○国務大臣(森まさこ君) 大変重要な問題であると思っておりますので、関係省庁ともしっかりと協議をしていく中で私も頑張ってまいりたいと思います。
#60
○福山哲郎君 頑張ってくださいね、頑張ってまいりたいと言われたんですから。
 実は、どの程度のお金が掛かるか、どの程度の事業が必要かという、三年待っているよりかは、私は、幾つかのモデル事業をやって現実に三年の間に具体的に動かした方がいいと思っています。
 どうですか、どこかの地域でモデル事業を先行実施して協議会の運営を具体的にほかの都道府県にも示していくと、モデルとして示していくというようなチャレンジが私は必要だと思いますが、いかがでしょうか。
#61
○国務大臣(森まさこ君) 委員の御指摘、大変貴重な御提案であるというふうに考えております。
 この地域協議会については、それぞれの地域の実情に応じて積極的にお取組をいただきたいと思っているところでございますけれども、初の試みでございますので、これが真に機能するものとするためにも、モデル事業の先行実施、委員の御指摘を踏まえまして、関係者の御意見もお聞きしながら検討を鋭意進めてまいりたいと思います。
#62
○福山哲郎君 そろそろ概算要求の準備に各省庁は入っているんです。概算要求の準備にこのモデル事業をちゃんと入れていただけますね、大臣。
#63
○国務大臣(森まさこ君) しっかりと検討してまいりたいと思います。
#64
○福山哲郎君 検討じゃなくて、頑張りますと言ってください。
#65
○国務大臣(森まさこ君) 地域協議会の試みが真に機能して、障害者の皆様の差別がそれぞれの地域の実情に応じて解消されていくために、先行モデルの実施について頑張ってまいりたいと思います。
#66
○福山哲郎君 政治は、大臣がいるのは、そういうときに政治決断をして予算を取ってやることが政治です。ですから、逆に言うと、この法案はまさに森大臣が、これ歴史的な法案ですからね、その最初のモデル事業ぐらいはやる決意を今いただいたということで、これ以上は申し上げませんが……(発言する者あり)今、頑張ると言ったじゃない。
 じゃ、もう一回決意を、もう一回短く決意表明してください。
#67
○国務大臣(森まさこ君) 福山委員も政府におられて、本当にしっかりやられておられたお姿を私も今振り返っておりますけれども、私もこの立場になったからには、障害者の皆様のために、先行モデルの実施も含めて、効果的な施策についてはしっかりと予算要求も含めて頑張ってまいりたいと思います。
#68
○福山哲郎君 ありがとうございます。
 松下政務官、済みません、実はホーム柵の問題とかは事業者との関係で難しいのは分かっているんですけど、地域の要望を聞いて国交省が御努力いただいていることも私よく分かっています。このホーム柵は、障害を持った方々だけではなくて、実は自殺予防にもすごく効果があるんです。このホーム柵の問題、それから地域でのバリアフリーの問題、実は国交省の役割、大変重要です。先ほども一応決意いただきましたが、もう一度、改めてこういった点について御決意をいただけませんか。
#69
○大臣政務官(松下新平君) 冒頭に心のバリアフリーの話もお触れになりましたけれども、そういった、国交省は、ハード面だけではなくてソフトの充実も併せて必要だと思っております。御指摘をいただきましたホーム柵、ホームドア等につきましては、当該設備の整備費用に対する事業者への補助金等の財政支援によりまして設置を進めますとともに、技術開発にも取り組んでいるところでございます。
 今後とも、国土交通省といたしまして、障害者等の御意見もお伺いしながら、本法案に基づく取組と併せて、バリアフリー法に基づく公共交通施設や建築物等のバリアフリー化などのきめ細やかな取組を着実に推進してまいります。
#70
○福山哲郎君 時間になりましたので終わりますが、それぞれ誠意ある答弁をいただいたと思っておりますが、まさにこれから魂を入れ込んでいくのがこの法律でございますので、是非政府におかれましてはしっかりとやっていただきますことをお願い申し上げまして、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。
#71
○那谷屋正義君 民主党の那谷屋正義でございます。
 私は、インクルーシブ教育を推進する取組をずっとしてきたということと、先ほどお話がありましたけれども、民主党の方の障がい者差別禁止部会の方に、議論に幾つか顔を出しているということの中で、部外者というか、私、代替者ではあるんですけれども、こういう質問をする機会をいただいたことにまず感謝を申し上げたいと思います。ありがとうございます。
 その上で、今日ここにいらっしゃる本委員会の皆様とまず確認をさせていただきたいことがございます。それは、この本解消法案というのは、障害者権利条約の早期批准に向けて関連する国内法を総括、総覧する意義を帯びたものであるというふうに私は理解をしておりますし、そのことを是非、まずこの委員会全部で、皆さんで確認をしていきたいというふうに思います。
 そして、この本法案の基になる障害者基本法では、障害者を福祉の客体から権利の主体へ転換をしているわけであります。ということであるならば、本法案の核心は、障害者の人権と権利を社会のあらゆるステージで尊重、保障、確立していくということにあるのではないかと考えているところでありますけれども、大臣の見解をお願いいたします。
#72
○国務大臣(森まさこ君) 平成二十三年の改正後の障害者基本法においては、その第一条において、障害者が障害者でない者と同様に基本的人権の享有主体であることを確認するため、全ての国民が、障害の有無にかかわらず、等しく基本的人権を享有する個人として尊重される旨を新たに規定し、そのような理念の下、基本原則の一つとして差別の禁止を掲げるとともに、医療、教育、雇用、公共交通など、障害者の自立及び社会参加の支援等のための施策の基本となる事項を定めております。
 本法案は、障害者基本法第四条に規定された差別の禁止の基本原則を具体化するものであり、本法案第一条においても、「全ての障害者が、障害者でない者と等しく、基本的人権を享有する個人としてその尊厳が重んぜられ、その尊厳にふさわしい生活を保障される権利を有する」と規定した上で、同法に規定する施策の分野も含む広範な分野を対象として差別の禁止に関するより具体的な規定を示し、それが遵守されるよう具体的な措置等を定めるものでありますので、委員の御指摘のとおりでございます。
#73
○那谷屋正義君 いろいろと説明を加えていただきながらの答弁、ありがとうございます。
 そこで、この第六条において基本方針を規定するということになっておりますけれども、その基本方針に即して、先ほどお話がありましたように、対応要領、対応指針が策定されるわけでありますけれども、この基本方針は、対応指針や対応要領に対して基礎となる考え方が示されるべきというふうに思うわけでありますけれども、当然として、障害者権利条約及び障害者基本法に則してこれらが策定されるというふうに考えていいかどうか。まず、基本方針の作成に向けて考え方を示していただきたいと思います。
#74
○国務大臣(森まさこ君) 基本方針は、本法案における障害を理由とする不当な差別的取扱いや社会的障壁の除去の実施についての必要かつ合理的な配慮についての基本的な考え等を示すものでありますから、障害者権利条約や同条約を踏まえて改正された障害者基本法等を踏まえたものとなるというふうに考えております。
#75
○那谷屋正義君 是非、その方向でいっていただきたいというふうに思います。
 先ほど、差別の定義について大変難しいという考え方の中で幾つか議論がされておりましたけれども、その差別の定義について、国連障害者権利条約において、第二条で、「「障害を理由とする差別」とは、障害を理由とするあらゆる区別、排除又は制限であって、政治的、経済的、社会的、文化的、市民的その他のあらゆる分野において、他の者と平等にすべての人権及び基本的自由を認識し、享有し、又は行使することを害し、又は妨げる目的又は効果を有するものをいう。」というふうに規定をされているわけであります。この言葉そのものは使えるかどうかということはあるかと思いますけれども、これに沿って基本方針が策定をされると考えていいのかどうか、お答えいただきたいと思います。
#76
○政府参考人(山崎史郎君) お答え申し上げます。
 本法律案におきましては、不当な差別的取扱いと合理的配慮の不提供を差別として禁止しているわけでございますが、これは、国連障害者権利条約における障害を理由とする差別を禁止する規定を踏まえたものでございまして、したがいまして、基本的な考え方を示す基本方針につきましても、この障害者権利条約等の考え方を踏まえたものとして策定するものというふうに考えている次第でございます。
#77
○那谷屋正義君 これをもって、これまで差別的な扱いを受けてしまった方たちが不安がないような形で基本方針というものを策定していただきたいと思いますし、それによって対応要領、対応指針というものもまた作成されていくということをここで確認をさせていただきたいと思います。
 先ほど、インクルーシブ教育議連というお話をさせていただいたんですけれども、この本法案の第七条によって行政機関等に対して合理的な配慮が法的に課せられることになるということでありますけれども、学校教育ではどの機関に対して法的に義務付けられるのかということを確認をしていきたいというふうに思います。
 障害のある子供及び保護者が合理的な配慮を求める際に、学校、すなわち校長先生と話合いをするのか、あるいは教育委員会と話をするのかということでは全くプロセスが違ってくるわけであります。合理的な配慮を障害のある本人及び保護者が求めた場合に、学校での子供の実態を把握している学校と本人、保護者がしっかりと話合いをすることが重要だというふうに私は思うわけであります。
 そこで、例えば市町村立の小中学校は、第二条三号で規定している地方公共団体によって設立された機関であることから、それぞれの学校に合理的な配慮が義務付けられることになると考えてよろしいでしょうか。この場合、小中学校の普通学級においても合理的な配慮を提供する義務が課せられるものというふうに考えていいかどうか、お答えをお願いしたいと思います。
#78
○政府参考人(関靖直君) お答え申し上げます。
 地方公共団体は、本法案第二条第三号に規定されております行政機関等とされておりまして、第七条二項によりまして、その事務事業を行うに当たり合理的配慮の提供を義務付けられることとなります。
 今御指摘がございました公立の小中学校の設置、管理運営につきましては地方公共団体が行う事務事業に当たることから、特別支援学級や通常の学級といった場を問わず、障害のある児童生徒に対する合理的配慮の提供が義務付けられることとなると承知をしております。
 合理的配慮の提供につきましては、昨年の七月に、中央教育審議会の初等中等教育分科会の報告におきましてもその基本的な考え方をまとめていただいておりまして、その中で、設置者、学校と本人、保護者により、可能な限り合意形成を図った上で決定し、提供されることが望ましいとの提言がなされているところでございます。
 文部科学省といたしましては、これらを踏まえまして、合理的配慮の提供に当たっての合意形成の重要性等につきましてしっかりと周知を図ってまいりたいと考えております。
#79
○那谷屋正義君 公立では今言われたようなことになるんだろうというふうに思うんですけれども、合理的配慮の不提供の禁止というのは、実は民間事業者においては努力義務というふうに今回なっているわけであります。
 しかしながら、例えば教育というのは公立だけではなくて私学等々も行われるわけでありますけれども、そこではやはりある意味民間事業者というふうになる。しかし、義務教育を担うという観点からいえば、公共性及び公益性の度合いが大変高いということになるわけでありまして、設置主体にかかわらず、合理的な配慮についてやはりこうした私学においても法的義務の対象に、まあなかなか難しい部分はありますけれども、もうほとんど義務的なものとして考えていく、あるいは、義務であるかあるいは努力であるかということではなくて、そうした公共性を強く持っているということを理解された上で対応していく必要があるんではないかというふうに思います。ここは言い切りにしたいと思いますので。
 次に、望まれる対応要領の在り方についてということでありますけれども、先ほどもちょっと出ました、第九条、第十条に規定されているように、国の行政機関の長や地方公共団体の機関等は対応要領を作成するということになっているわけであります。
 障害者にとって不当な差別的取扱いであると主張したり合理的な配慮を求める際に、対応要領に盛り込まれる内容によって禁止される差別に当たるのか判断されるため、その取扱いについて障害者からの不安の声が大変たくさん寄せられてくるということであります。したがって、その条文にあるものは差別に当たるけれども、そうでないものは差別でないんだというふうな逆の考え方が横行するようなことであってはならないというふうに思いますし、これからいろいろと事例を積み重ねていくということでありますから、むしろその文字になければ差別じゃないんだというふうな変な考え方がないような形でやっていかなければいけないというふうに思うんですけれども、その考え方についてどう思われるか。もし具体的なそれに対する対応策があればお聞かせいただきたいと思います。
#80
○国務大臣(森まさこ君) 対応要領は、その具体的な内容としては、例えば障害を理由とする差別の基本的考え方や当該機関等における障害を理由とする不当な差別的取扱いになり得る行為の具体例、当該機関等における社会的障壁の除去についての必要かつ合理的な配慮として考えられる好事例等が考えられます。
 この具体的な内容は今後検討することとなりますけれども、対応要領に記載されていない行為であっても、障害者に対して様々な配慮を行うことで障害者にとって暮らしやすい社会をつくっていくことは当然でございますし、重要でございます。委員御指摘のような事態が生じないように、本法の適切な理解、障害者にとって暮らしやすい社会の実現に向けて、例えば本法案の趣旨や内容について周知徹底を図るためのパンフレットやポスター等の作成、配布、説明会やシンポジウム等の開催等が考えられるところでございますけれども、本法の円滑な施行に向けて関係省庁や地方公共団体とも連携して取り組んでまいります。
#81
○那谷屋正義君 やっぱりこうした差別をなくしていくということは、残念ながらまだまだ日本の中にあっては、これがまだ一般化されていない、あるいは普及していない部分が往々にしてあるわけでありますから、まさにこれからこの法案が成立してから政府の皆さんの取組というのが非常に重要になってくるということで、よろしくお願いをしたいと思います。
 そういう意味で、障害を理由とした差別の解消に当たって、身近な相談機関等において迅速に差別の解消の取組が進められる必要があるわけであります。従来、例えば学校教育における相談、紛争解決については教育委員会が担当してきたわけでありますけれども、第十七条によって障害者差別解消支援地域協議会が組織をされ、既存の相談・紛争解決機関がその構成員となった場合に、地域協議会と当該相談・紛争解決機関はどのような関係になるのかということであります。
 直接的に言うと、言ってみればまず就学先の問題があるわけですけれども、こうした問題について、一義的には教育委員会ということになるわけでありますけれども、一方で差別解消地域協議会以外は新たな機関はつくらないというふうになっている中で、その関係はどういうふうになってくるのかということについてお尋ねをしたいと思います。
#82
○国務大臣(森まさこ君) 地域協議会においては、地域において障害者差別に関する相談や紛争の防止、解決を推進するためのネットワークを構築し、協議会の構成機関等の間で障害を理由とする差別に関する事案の情報を共有するとともに、それぞれの機関等における経験や専門的知識を持ち寄って障害者からの相談への対応等について協議するということを想定しております。このような情報やノウハウの共有を通じて、既存の相談・紛争解決機関の機能の向上も含め、地域全体として障害を理由とする差別に関する相談・紛争解決機能の向上が図られることを期待しております。
 いずれにせよ、モデル事業の先行実施等も含め、関係者の御意見もお聞きしながら協議会運営の検討を鋭意進めてまいりたいと思います。
#83
○那谷屋正義君 ということであるならば、例えば学校教育法施行令第五条というのが差別的であるという意見も聞かれるわけでありますけれども、障害者差別解消法の議論という今回のこの議論をにらみながら、この学校教育法施行令改正に向け取り組まれるよう是非、大臣の方からさっき横串という話がございましたけれども、文科省とも、その先頭に立たれている大臣とも連携を密にしていただいて、この学校教育法施行令の改正に対して、これまでの差別的であるという意見が解消されるような取組をしていただきたいということをお願いしておきたいと思います。
 次に、雇用について少しお話をさせていただきたいと思います。
 教育委員会での障害者雇用は、昨年十一月の厚労省データによると一・八八%であって、法定雇用率二%を下回っているということであります。平成二十五年二月に、障害者雇用が進んでいない六都県に対して障害者採用計画の適正実施を勧告したことは報じられているわけであります。障害のある教員の雇用実態を鑑みると、障害を持つ教員に対する差別禁止及び合理的な配慮の保障について積極的な取組が求められていると思います。
 本法では、雇用については第十三条で障害者雇用促進法において定めるとしております。一方、障害者雇用促進法の改正案第八十五条の三においては公務員労働者の適用除外の規定が設けられているわけであります。教員も含まれる地方公務員について、障害を理由とした不当な差別的取扱いの禁止、合理的な配慮の提供義務、紛争解決のための機関について、それぞれ該当する法律名と規定ぶりを簡潔に、総務省、お答えいただきたいと思います。
#84
○政府参考人(三輪和夫君) お答え申し上げます。
 地方公務員に対しての担保というお尋ねでございます。
 まず、第一点目の障害を理由とした不当な差別的取扱いの禁止につきましては、地方公務員法第十三条におきまして、全て国民はこの法律の適用について平等に取り扱われなければならないと、このように規定をしておりまして、既に措置をされているところでございます。
 また、二点目の職場環境等を改善するための合理的配慮の提供につきましては、障害者雇用促進法第三十六条の二から第三十六条の五までの規定が直接適用されることとなります。
 三点目の紛争の解決につきましては、地方公務員法第八条、第四十六条及び第四十九条の二の規定に基づきまして、苦情処理、勤務条件に関する措置の要求及び不利益処分についての不服申立てについての第三者機関としての人事委員会、公平委員会による紛争解決の仕組みが既に整備をされているところでございます。
 以上でございます。
#85
○那谷屋正義君 今答弁をいただいたとおり、二〇一六年施行の改正障害者雇用促進法に明定されている第三十六条の二から三十六条の五までの合理的配慮の保障というものが地方公務員にも直接適用されることになるわけであります。
 この点については高く評価するものでありますけれども、そもそもこうした障害者差別を解消していくというそのこと自体、教育というものをつかさどる文科省があらゆる面でやっぱり先に行かなければいけない部分というのはあると思います。もちろん、今の森大臣との連携をしっかり密にしていただきながらということも含めてでありますけれども。そういう中にあって、障害のある教員の雇用が進まない現状をどのように分析、認識をされているのか、まずお聞きをしたいと思います。
#86
○政府参考人(関靖直君) 教員の採用選考試験時におきます障害のある者への配慮は全ての教育委員会におきまして実施をされておりますが、厚生労働省の発表におきまして、障害者雇用の法定雇用率、平成二十四年度二・〇%でございますが、これを達成をしている教育委員会は四十七都道府県のうち二十六機関でございまして、全体として一・九一%となっております。依然として法定雇用率を下回っている機関がある状況につきましては、大変遺憾に思っているところでございます。
 この原因についてでございますけれども、特に主な原因といたしまして、教育委員会が雇用する職員の大部分が教員でございます。その一方、教員の免許状を有し、採用選考に応募する障害のある方、この数が極めて少ないということが原因であると分析をしているところでございます。
 これらを踏まえまして、昨年の七月の中央教育審議会の初等中等教育分科会の報告におきましても、教職員への障害のある者の採用、人事配置につきまして、学校においても障害のある者が教職員という職業を選択することができるよう環境整備を進めていくことが必要であるということ、また、学校においては教職員の障害の特性等に考慮し、職務遂行に必要な支援を行う必要があるといったようなことが提言をされているところでございます。
 文部科学省としましては、障害のある方がより多く教員になることを積極的に目指せるよう、採用選考におきましても引き続き十分な配慮を行うよう各教育委員会に対しまして指導、助言してまいりたいと考えております。
#87
○那谷屋正義君 私もかつては教員だったんですけれども、そのときに、中学校の体育の教員をしていた方が途中で失明をするということになりました。体育ですから、本当に目が不自由だと大丈夫なんだろうかという保護者、子供たちの不安、周りの先生方の不安もあるんですけれども、本人は非常に意欲があり、また私もすばらしい先生だったというふうに今でも思っておりますけれども、結果、その先生はやむなく退職をせざるを得ない状況になって、多くの生徒が悲しがって、寂しがって、残念がっていたという例がございました。
 この法案がもっともっと早くこういった成立をしていれば、そうしたことにも対応がある意味可能になってきたんではないかというふうに思いますし、また、不安だという生徒や、それから保護者が不安だということは一定あると思います。しかし、そのことも、この解消法というものが世の中にばあっと広まっていって、その精神が国民が多くが理解をするようになれば、逆に、障害を持った方でも教員として一生懸命、熱意を持ってやれば、子供たちも保護者も、そして周りの先生も協力できるんだというふうな形になっていくんではないかなと。私はそういうふうになることを望んでいるわけでありますし、そのためにはある意味教員の数も少し余分に必要になってくる可能性もありますけれども。
 いずれにしても、そういうふうな形で雇用が進んでいくということ、要するに、新採に限らず、これまで頑張ってこられる中で途中でそういうふうな障害を持つというような状況になったとしても、この法案が今後しっかりとそういった場に生きてくるということを考えていいかどうか、もう一遍文科省の方にお尋ねしたいと思います。
#88
○政府参考人(関靖直君) 障害者の採用拡大等につきましては、この二月にも通知をしているところでございますが、その中で、適切な実態把握と、そして進んでいる他の都道府県等の取組を参考にその改善に努めるようにということも申し上げているところでございまして、文部科学省といたしましても、様々な各都道府県教育委員会等での取組というものがございますので、そういったことなどにつきましても、情報収集、そして周知なども努めながら、この法律の趣旨にのっとった形で行われるように努めてまいりたいと考えております。
#89
○那谷屋正義君 ちらっと話が出た通知というのは、やっているようで実は現場になかなか通じていないことというのは非常に多いわけでありまして、やはりそこの通知に魂を入れるために何をするのかということ、そこまでやっぱり踏み込んでいかないと、文科省として、先ほど申し上げました、この日本という国から障害者差別を解消するんだというための法案であるとするならば、やっぱりそこに大きな役割を持っているのはまさに文科省だと私は思いますので、いろいろとこれから更に取組を強化をしていただき、具体的にどうしたらいいのかということ、そういう意味でこの雇用の増ということも是非やっていただきたいというふうに思いますし、この法案が成立をし、日本の国がどんどんどんどんそういう意識を、だあっともう本当に全ての国民がそういう意識を持っていけるということになったときに、初めて障害者権利条約でうたわれている文言が実現してくる部分だろうというふうに思います。
 そういう意味でも、一刻も早くこの法案の成立、そしてそれに魂を入れることによって障害者権利条約を早期批准することを強く申し添えまして、少し早いですけれども、質問を終わりにしたいと思います。
 ありがとうございました。
#90
○山谷えり子君 自由民主党、山谷えり子でございます。
 本日は、障害者差別解消法の質問に入る前に、先週の金曜日の午後に、子宮頸がんワクチン、これは四月から定期予防接種の対象となりましたけれども、重い副反応問題が大きくて、地方自治体の議会でも一時中止を求める動きが広がっています。そんな中で、先週の金曜日でございます、厚生労働省の副反応検討部会で、ワクチン接種、積極的には勧めないという結論、決定が出ました。そのことについて少し確認をさせていただきたいと思います。
 といいますのも、ここ数年、私はこの子宮頸がんワクチンに対して、長期のデータがないではないかと、副反応のフォローアップできていない状況で公費助成を進めるというのは時期尚早であるということを国会でも質問し、また民主党政権では度々質問主意書を出させていただきました。そんな中で今回の一時中止、積極的に推進しないという決定は、私は良い方向への一歩前進ではなかったかなというふうに思っております。
 今までは小学校六年から高一までの女子に個別に地方自治体がワクチン接種受けてくださいという通知を出していたわけですが、今後はこれはどうなるんでしょうか。
#91
○大臣政務官(とかしきなおみ君) お答えさせていただきます。
 今委員御指摘のように、積極的に自治体が今はがき等とかで通知をさせていただいておりますけれども、これをちょっと一時的に取りやめるということになります。踏み込んだ更なる予防接種の推奨、これをやらないということが今回検討委員会の方で決断された内容であります。
 広報紙やポスターやインターネットを利用して接種を受けるように積極的に今まで推奨しておりましたけれども、それプラス、それぞれのおうちに細かい情報を提供していた、これを少し今回控えていこうということで決めさせていただきました。
 副反応のリスクをしっかりと御理解した上で、同意した上で接種していただけるようにということで、余り積極的にこちらからは踏み込まないようにしていくということで、しばらく様子を見てまた今後のことを考えていきたいと、このように考えております。
#92
○山谷えり子君 そうしますと、当面個別に案内状は送らないということですね。
 実は、保健所や病院で接種を受ける前にこの説明書を読んでもらうということをやっていたようでございまして、実は先週の金曜日まで、子宮頸がん予防ワクチンは「有効性とリスクを理解した上で受けてください。」というものが、月曜日の朝に、随分早いですね、「積極的にはお勧めしていません。」という、本当にいつ作ったんだろうと思いますけれども。
 この中で、読んでもよく分からないんです、実は。「子宮頸がんは、ヒトパピローマウイルスというウイルスの感染が原因で起こるがんです」と書かれています。その一方で、「子宮頸がん予防ワクチンは新しいワクチンのため、子宮頸がんそのものを予防する効果はまだ証明されていません。」と、虫眼鏡で見なきゃ分からないような字で書いているんですが、これ、政務官、目を通されましたよね。感想がありましたら、ちょっと教えてください。
#93
○大臣政務官(とかしきなおみ君) パンフレットの方、私も拝見させていただきまして、ちょっと分かりにくいところもあるんですけれども、有効性とリスクを理解した上で受けてくださいということが一番お伝えしたいメッセージでありまして、必ずワクチンというのは有効性と副反応と、そのリスクも必ずあるわけでありますから、それを十分御理解した上でということで書かせていただいたものであります。
 やはり、これいろいろ私も情報を集めますと、ワクチンを受ける前に、医療機関とそしてそれを受けられる方のコミュニケーションの取り方が非常に重要であるということから、こういうパンフレットを使いながら医療機関の皆さんが患者さんとお話合いをしていただく、そして十分理解した上でこれを、ワクチンを受けていただくと。
 そうすると、万が一、これ三回接種いたしますので、大体副反応が出やすいのが二回目、三回目という傾向があります。ですから、一回目の接種のときにちょっと体に異常を感じたときに、割と思春期の方なので声を上げにくい環境があるんですが、こういったパンフレットを使いながらしっかりコミュニケーションを取っていただくと、一回目で副反応の傾向が出てきたときに相談をしたりとか、そして今後やめていくというようなことを決断したりと、こういった話合いができるわけでありますから、是非そのためにこういった情報を、パンフレットを有効にお使いいただけたらということで作らせていただいたところであります。
#94
○山谷えり子君 これを読んでも、有効性とリスクは全く理解できないというふうに思います。
 「子宮頸がん予防ワクチンは新しいワクチンのため、子宮頸がんそのものを予防する効果はまだ証明されていません。」と、なぜこんな虫眼鏡でしか見えないような字で書くのかということと、それから、これリスクが後ろに書いてあって、そそっかしい人は表しか見ないと思いますよ。もっと情報を絞って一枚紙で見えるようにしてほしいと思います。
 後ろにリスクが書いてあるんですよ。それも、金曜日までは書かれていなくて、月曜日の朝から書かれているものに対して、ワクチン接種後に主に見られる副反応の中で、「恐怖・興奮などをきっかけとした失神があります。」と、これ突然書き加えられたんですよ。誰がこれ書き加えたんですか。
#95
○大臣政務官(とかしきなおみ君) これは、検討委員会の方で審議された結果を受けまして厚労省の方で書かせていただいた内容でありますが、やはり筋肉注射でありますので結構痛みが強くて、そのためによって失神をしたりという、そういった例が幾つか見受けられましたので、それでこういった警告を書かせていただいたわけであります。
 確かに、メッセージの伝え方等はいろいろ問題もあるかと思いますし、委員御指摘の点もございますので、どういうふうに情報発信をしていったら分かりやすいのか、その点についてはこれからも工夫をしていきたいと思いますし、また、委員の方もいろんな御意見が届いているかと思いますので、また御指導いただけたら有り難いかなと、このように思っております。
#96
○山谷えり子君 金曜日のものと月曜日の朝できたものと、時間がなかったですよね。政務三役は当然、これ目を通されて、これ書き直した方がいいんじゃないとおっしゃられたと思うんですけれども、これでオーケーされてしまうのでしょうか。私は、もう一つ、もっと有効性とリスクが分かる書き方に書き直さないと、これ読んでも分からないと思いますので、政務官、リーダーシップを取って、もう一回ちょっと書き直していただきたいと思いますが、いかがでしょう。
#97
○大臣政務官(とかしきなおみ君) そうしたら、もう一度この内容については少し精査させていただきまして、そして分かりやすくお伝えする方法を今後考えていきたいなというふうに思います。
 これは答えが、正解があるわけではなくて、お伝えする方々にきちっと情報を伝えていく姿勢が大切だと思いますので、いろいろ工夫を凝らしながら情報発信の方を心掛けていきたいと、このように考えております。
#98
○山谷えり子君 行政の文書というのは大変に分かりにくいです。ですから、そこに政治家が入って非常に分かりやすい形に直していくという作業が大事だと思います。
 また、重い副反応について、アナフィラキシー、ギラン・バレー症候群、何百万回に一回とか書いてあるんですが、これ、被害者の数や症状、私、それなりに理解しているんですが、こういう頻度じゃないような気がするんですね。これは、平成二十五年三月末時点で専門家による評価を得た数値ですと書いてありますけれども、一体どのぐらいの集団を、これの中からこの回数を出してきているんでしょうか。
#99
○大臣政務官(とかしきなおみ君) 八百六十万を分母にしてこれを計算させていただいた情報であります。情報としては、これ、生の情報を入れさせていただいたんですが、これを読んで一般の方々が理解しやすいかというと、なかなかこれはちょっと難しいところもあるかと思いますので、少しこの辺も工夫させていただきたいなというふうに思います。
#100
○山谷えり子君 これ、平成二十五年の一月一日から三月三十一日までの報告じゃないですかね。ちょっと事務方分かれば。いかがですか、この回数は。
#101
○大臣政務官(とかしきなおみ君) 済みません、ちょっと御質問の内容が分からなかったので、もう一度お願いいたします。
#102
○山谷えり子君 重い副反応の数字のデータなんですけれども、これはいつからいつまでの部分を取ったんでしょうか。私のちょっと調べたところでは平成二十五年一月一日から三月三十一日と、これ間違いでしょうかね。
#103
○大臣政務官(とかしきなおみ君) 平成二十一年の十二月から平成二十五年の三月時点までということであります。
#104
○山谷えり子君 多分これ報告に上がってきていない数がたくさんあると思いますので、もう一回データの精査をお願いしたいというふうに思います。
 文科省が六月七日に副反応の状況調査に乗り出しました。七月三十一日が締切りとなっております。当然、ここでまた新しいデータが出てくるというふうに思いますので、是非、文科省と連携して被害者救済実態調査、そしてフォローアップをお願いしたいと思いますけれども、いかがでしょうか。
#105
○大臣政務官(とかしきなおみ君) 今御指摘のとおり、文科省が七月の末までということで全国の国公立高校等に対して調査をさせていただいております。この内容に基づきまして、文科省とそして副反応検討委員会の委員の先生方と協議の上、今後の方向性をまた検討していきたいと、このように考えております。
#106
○山谷えり子君 この三月に、副反応に苦しむ生徒、家族の皆様が全国子宮頸がんワクチン被害者連絡会を結成をいたしました。救済体制づくりというのが急がれるというふうに思います。
 四月から予防接種法の対象となりましたけれども、こうした被害に苦しまれている、副反応に苦しまれている生徒さんは平成二十二年からの緊急促進事業として公費助成で接種された方々でございます。緊急促進事業で接種を受けた人もきちんと補償されると考えておりますが、PMDAというのがあって、医薬品医療機器総合機構が補償するということになっておりますけれども、ここにどのぐらい今現在申請して、そして申請が認められたのは何件ぐらいでしょうか。
#107
○大臣政務官(とかしきなおみ君) 現在のところ、平成二十五年四月末現在でありますが、二十件の申請がございました。
#108
○山谷えり子君 そのうち申請が認められたのは何件でしょうか。
#109
○大臣政務官(とかしきなおみ君) 申請されました二十件のうち、支給・不支給の件数は十四件でございます。十四件のうち、支給決定が十二件、そして不支給決定が二件と、このようになっております。
#110
○山谷えり子君 まだこの申請をためらっておられる方はいっぱいいますので、これからたくさん出てくると思います。そして、速やかにこれ申請は、精査してですけれども、認めていただきたいと思います。
 ただ、この被害の例えば金額が数千万円というような、もちろんお金で解決する問題ではないんですけれども、そうした場合、PMDAで補償し切れるのか、地方自治体も推奨したわけですから自治体のカバーもあるのか、その辺はいかがでしょうか。
#111
○大臣政務官(とかしきなおみ君) PMDAの実施する副反応被害者救済制度の対象となるかという場合と、あともう一つは、市区町村の方が加入している民間保険による補償の対象となり得ると、こういう場合もございますので、こういった形で救済給付が行われていると、このように承知しております。
#112
○山谷えり子君 こちらの方のフォローアップも是非よろしくお願いいたします。
 公費助成への流れに対して反省あるいは検証していくことも大切ではないかと思います。
 平成二十四年五月二十三日、厚生科学審議会感染症分科会予防接種部会で、既に相当数の重篤な副反応があったにもかかわらず定期接種化が決められました。昨年のこと、民主党政権ではありますけれどもね。これはなぜかと、反対があったにもかかわらず。私、議事録、その前からずっと、一年、二年前から読んでおりますけれども、非常に違和感を覚えております。
 また、平成二十一年、国が新型インフルエンザ予防ワクチン緊急輸入契約をスイスの会社とイギリスの会社としたんです。ところが、それほどはやらなかったものですから解約金を出さなければならなくなった。スイスの製薬会社には、翌年九十二億円払いました。ところが、イギリスのこの会社には違約金を払っておりません。そこが子宮頸がんワクチンを製造している会社でございます。これはどういうことなのかと、なぜその会社は違約金を要らないと言ったのかという、私は国会で質問しましたけれども、理由分かりませんと平気で厚労省の役人が答えられるんですよね。
 一体それは何なのかとか、あるいはその販売会社が十三歳セクシャルデビューという、とんでもない言葉を使って漫画冊子を作って進めていったと。しかも、これは子宮頸がんにもう一生かからないと誤解させるような文章であったわけですね。これも私、国会で何度も質問をいたしました。もちろん民間会社ですからどのような宣伝をしても自由なのかもしれませんけれども、やっぱり誤解を招くような、また性モラル的にも、十三歳セクシャルデビューという、そういう言葉を使っていいのかどうなのかという。
 やはり人の命と健康の問題でありますから、例えば、おかしいねというふうな、いろんな皆さんから、あるいは国会で質問が出たら、やっぱり厚労省といろんな薬の会社が何か意見交換の場をつくるとか、いろんなやっぱり今回反省はあるんだろうというふうに思います。
 こうした一連の流れや私の問題提起などについてはいかがお考えでございましょうか。
#113
○大臣政務官(とかしきなおみ君) 委員御指摘のとおり、本当に正確な情報をきちっと発信して、そしてそれを国民の皆様にお届けするのがいかに重要かというのが、今回のワクチンのいろいろやり取りの中で私たちも心に刻んだわけであります。
 正確な情報発信を努めるように、さらにやはりモラルの問題もございますので、そういったところもきちっとお伝えできるようにコミュニケーション取りながら、医療機関の皆様とコミュニケーション取りながら今後ワクチン行政取り組んでいきたいと思います。
#114
○山谷えり子君 ワクチンによって命救われることもあります。ですから全て否定しているわけではなくて、有効性とリスク、厚生労働行政が信頼を持って皆様から支えられるようにこれからもお努めいただきたいと思います。
 それでは、障害者差別解消法の質問に移ります。
 私の、私事でございますが、母は五十年ほど前に薬の害で障害者になりました。当時はまだ町のありようも社会の仕組みも法的な支援もなくて、本当に悲しくつらい思いをしたわけでございますけれども、その後、昭和四十五年、心身障害者対策基本法が超党派の議員立法でできました。また、昭和五十六年、国際障害者年、国連の。そして昭和五十七年、障害者対策推進本部がつくられて、平成五年、基本計画の策定、平成十六年には発達障害者支援法、平成十八年、障害者自立支援法、平成十八年、バリアフリー法、平成二十年、障害者雇用促進法、平成二十三年、障害者基本法改正、平成二十三年、障害者虐待防止法、平成二十四年、障害者総合支援法、平成二十四年、障害者優先調達推進法、そして平成二十五年、障害者差別解消法、今国会で議論されているわけでございます。
 一歩一歩進みながら障害者の差別解消、そして生きやすい世の中、社会をつくっていきたいという思いは皆共有しているというふうに思いますけれども、森大臣に、法案提出の趣旨、思いをお伺いしたいと思います。
#115
○国務大臣(森まさこ君) 山谷委員におかれましては、自民党の内閣部会長として、また障害者問題を担当する政務官であられた御経験を踏まえて、本法案のお取りまとめに多大な御尽力をいただきましたことに感謝を申し上げます。
 障害者施策に関しては、平成十八年に国連において障害者の権利に関する条約が採択されるなど、近年、障害者の権利保護に向けた取組が国際的に進展してまいりました。我が国においても、障害者権利条約の趣旨を踏まえ、平成二十三年の障害者基本法の改正、その第四条において基本原則として差別の禁止が規定されました。
 本法案は、差別の禁止に関するより具体的な規定を示し、それが遵守されるための具体的な措置等を定めることによりこの基本原則を具体化する法律として位置付けられるものであり、全ての国民が障害の有無によって分け隔てられることなく相互に人格と個性を尊重し合いながら共生する社会の実現に向けて、障害を理由とする差別の解消を推進することを目的とするものでございます。
#116
○山谷えり子君 とかしき政務官、ありがとうございました。どうぞ、もう結構でございます。
#117
○委員長(相原久美子君) 御退席いただいて結構です。
#118
○山谷えり子君 外務省に伺います。
 福山委員も質問なさいましたけれども、本法案成立後の障害者権利条約締結に向けた見通し、さっきはちょっと意気込みは聞いたんですが、ちょっと見通しまで余り詳しくお聞きできなかったかなと思いますが、よろしくお願いします。
#119
○政府参考人(新美潤君) お答え申し上げます。
 先ほども御説明申し上げましたが、意気込みは先ほど申したとおりでございますけれども、繰り返しになりますが、政府としては可能な限り早期に条約を締結したいと考えております。
 具体的な時期につきましては、まさに今この国会で、委員からも御指摘ございましたとおり、関連の法案が審議しておりますので、それも踏まえまして、なるべく早くということで、現時点では条約をどの国会にかけるというようなことは決めておりませんけれども、繰り返しになりますが、現時点では可能な限り早期にということを考えている次第でございます。
#120
○山谷えり子君 ありがとうございます。外務省、結構でございます。
 基本方針案の作成に当たりまして、内閣府に聞きます。
 障害者政策会議において障害者、障害当事者の意見を聴くことは重要と考えますけれども、また一方で、障害者政策会議には、必ずしも規制を受ける事業者を代表とする者が含まれておりません。
 基本方針作成に当たりまして、事業者等の意見をどのように聴取するおつもりでございましょうか。
#121
○政府参考人(山崎史郎君) お答え申し上げます。
 御指摘のとおり、基本方針を定める場合には、本法案でございますが、ここで、あらかじめ、障害者その他の関係者の意見を反映させるために必要な措置を講ずることという規定がございます。この規定に基づきまして、障害当事者はもとより、事業者の方につきましても、例えばヒアリング等を行うなどを通じまして意見を聴取してまいりたいと、このように考えている次第でございます。
#122
○山谷えり子君 環境の整備について伺いたいんですけれども、今回、不特定多数の障害者を対象とする事前的改善措置については、合理的配慮とは区別し、環境の整備としてその推進を図ることとされています。
 本法の趣旨を踏まえまして、公共交通機関等の公共的施設のバリアフリー化の一層の推進を図る必要について、国交省の考え方をお伺いしたいと思います。
#123
○政府参考人(渡邊一洋君) お答えをいたします。
 障害を理由とする差別の解消を図るためには、山谷委員御指摘のとおり、公共交通施設や建築物などのバリアフリー化などを進めていくということを併せてやっていくことが重要だというふうに思っております。
 いわゆるバリアフリー法は平成十八年の十二月に施行されましたけれども、国交省では、このバリアフリー法に基づきまして、高齢者や障害者の方などが円滑に移動できるように、それからいろんな施設を円滑に利用できるようにするために様々な施策を総合的にやってきております。
 具体的には、高齢者や障害者などの方が移動するに当たって、それから施設を利用するに当たっての利便性や安全性の向上を図るということのために、まずはいろんな公共施設や建築物などのバリアフリー化自体を進めてきておりますけれども、このほかにも、公共交通事業者などの職員の教育訓練ですとか、あるいは国民の皆様方に障害者の方々への理解、協力を深めていただくように働きかける活動、我々、心のバリアフリーと言っておりますけれども、そういうふうなことをやってきております。
 今後とも、国交省といたしましては、障害者の方などの御意見も伺いながら、この本日御審議いただいている法案の取組と併せまして、ただいま申し上げましたバリアフリー法に基づく取組も着実に推進してまいりたいと思っております。
#124
○山谷えり子君 ありがとうございます。期待しています。
 国交省の方、結構でございます。
#125
○委員長(相原久美子君) 御退席、結構です。
#126
○山谷えり子君 続いて、総務省にお伺いいたします。
 字幕放送、解説放送、手話放送の普及等、放送・通信のバリアフリー化も推進する必要があると考えますが、総務省の御見解を伺いたいと思います。
#127
○政府参考人(南俊行君) 先生御案内のとおり、字幕放送、解説放送に関しましては、放送法において放送事業者の努力義務を規定をさせていただいているところでございます。
 これを受けまして、字幕放送等の、平成二十九年度までの十年計画で字幕番組の普及目標を図るためのガイドラインを現在策定をしているところでございます。それに基づきまして、放送事業者の制作費に対しましては二分の一を上限とする助成も実施しているところでございますし、このガイドラインを受けまして、各放送事業者の自主的な取組ということで、個別具体的な各社ごとの目標値を定めた計画を策定をしていただいているところでございます。
 また、高齢者、障害者向けの通信・放送サービスの充実を図るという観点から、高齢者や障害者が使いやすい、使い勝手のいい情報通信機器やサービスの開発、提供を行うNPO法人でありますとか民間企業等に対しましても助成を実施しているところでございます。
 今後とも、こうした取組を継続するとともに、ガイドラインというものにつきましても時代の変化に合わせて不断に見直す等の取組によりまして、通信・放送のバリアフリー化に努めてまいりたいと考えております。
#128
○山谷えり子君 総務省の方、ありがとうございます。よろしくお願いいたします。
#129
○委員長(相原久美子君) 御退席いただいて結構です。
#130
○山谷えり子君 続きまして、地域協議会関係についてお伺いしたいと思います。
 先ほど、民主党の委員の皆様からも魂を入れてほしいというような様々な問題提起がございましたけれども、障害者差別解消支援地域協議会を組織することができるとされていまして、地域協議会に参加する国の機関として現在どのようなものを考えていらっしゃいますでしょうか。
#131
○政府参考人(山崎史郎君) お答え申し上げます。
 御指摘の地域協議会でございますが、これは相談、紛争解決のための地域レベルにおけるネットワークを構築すると、こういう趣旨から規定が置かれているものでございます。
 具体的な機関、どのような機関を構成機関とするかにつきましては、したがいまして最終的にはそれぞれの地域において判断されるという形になるものでございますが、この協議会の設置の趣旨を踏まえますと、障害者の自立と社会参加に関連する分野にかかわる業務を担う幅広い機関が当然参加するということが大変大事だと考えておりますし、加えて、先ほど御指摘がございました国の出先機関といったものについても、これに参加するということは大変有用であるというふうに考えている次第でございます。
#132
○山谷えり子君 地域協議会の事務を行う地方公共団体に対する国からの支援について、お考えをお聞かせください。
#133
○政府参考人(山崎史郎君) お答え申し上げます。
 この地域協議会、地域レベルでの差別解消に向けた取組でございますので、これに関します地方公共団体に対する国の支援というのは大変重要であると考えている次第でございます。
 内閣府としましては、例えば、先ほど御指摘がございましたモデルの先行実施といったようなこと、さらに地方における取組の事例を収集、提供すること、さらに地域協議会の設置状況を把握、公表する等の支援を積極的に行いまして、地域協議会が各地域においてしっかり組織されるように後押しをしてまいりたいと、このように考えている次第でございます。
#134
○山谷えり子君 平成二十八年四月の施行までの具体的なスケジュールをお伺いしたいと思います。
 今、民主党の委員からも、次の概算要求でやっぱり玉出しの、きちんと位置付けるべきではないかというような問題提起もありまして、積極的な答弁を期待しております。
#135
○政府参考人(山崎史郎君) お答え申し上げます。
 この法律の施行は、三年弱でございますが、平成二十八年四月一日ということを予定してございます。
 それまでのスケジュールでございますが、まず第一点としまして、基本方針を定める必要がございます。この基本方針に関しましては、本法案の成立後速やかに作成に着手しまして、障害者政策委員会における意見聴取、さらに事業者を含めた関係者からの意見の反映等、必要な手続を経た上で、遅くとも今年度内に取りまとめたいと、このように考えている次第でございます。
 また、その後、遅くとも一年以内に、今度は各行政機関、各主務大臣におけるまさにガイドラインを作成する作業がございます。これも、その後一年以内に作成する方向で考えたいと思っております。そして、その上で、施行までに少なくとも一年程度を掛けてこの本法案の趣旨、内容等につきまして国民、関係者への周知徹底を図っていくと、このような大きなスケジュールを考えたいと思っている次第でございます。
 また、来年度の二十六年度の予算に関しましては、大臣の先ほどの御指示も踏まえまして、地域協議会の推進等を含めた必要な措置について更に検討してまいりたいと、このように考えている次第でございます。
#136
○山谷えり子君 森大臣にお伺いします。
 本法は、広範な分野にかかわるものであります。円滑な施行のためには、関係省庁間で密接な連携を確保し、取組を進める必要があると考えますけれども、どのようにお考えでございましょうか。
#137
○国務大臣(森まさこ君) 御指摘のとおり、障害を理由とする差別の解消は、雇用、教育、医療、公共交通など障害者の自立と社会参加にかかわるあらゆる分野にまたがる課題でありまして、施策の推進に当たっては、関係省庁間の連携を確保することが非常に重要だと考えております。
 そのため、本法案では、政府として、施策の総合的かつ一体的な推進を図るとともに、行政機関の間や分野の間における取組のばらつきを防ぐために、第六条に基づき、施策の基本的な方向を示す基本方針を作成することとしております。
 内閣府としては、この基本方針の作成、運用や関係省庁間の連絡会議などの開催等を通じて、関係省庁との緊密な連携の下、本法の円滑な施行に向けて取り組んでまいりたいと思います。
#138
○山谷えり子君 ありがとうございます。
 衆議院の方の委員会の附帯決議で、障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律案に対する附帯決議の四番として、「合理的配慮に関する過重な負担の判断においては、事業者の事業規模、事業規模から見た負担の程度、事業者の財政状況、業務遂行に及ぼす影響等を総合的に考慮することとし、中小零細企業への影響に配慮すること。」という一文があるのでございますけれども、この合理的配慮あるいは過重な負担の判断について、それぞれの人によってイメージが違うと思うんですけれども、役所側としてはどのような判断をしていらっしゃるんでしょうか。
#139
○政府参考人(山崎史郎君) お答え申し上げます。
 御指摘のとおり、この合理的配慮に関します具体的な事例若しくは運用につきましては、今後更にいろんな場面を踏まえて、これを更に詳細に詰めていく必要があると考えてございます。
 その中では、基本方針において基本的な考え方を定めますが、各分野、それぞれ分野がございますので、各分野におきます民間事業者に対する、これは対応指針という形でガイドラインを定めてまいります。したがいまして、各分野のいろんな状況、さらに事業者の、先ほどございました規模等も踏まえた上で、これを具体的にどういう形で定めていくかということをガイドラインの中でこれは検討していくという形で考えている次第でございます。
#140
○山谷えり子君 そのガイドラインはいつごろまでに作れそうですか。
#141
○政府参考人(山崎史郎君) お答え申し上げます。
 先ほどお答え申し上げましたが、まずガイドラインの前に基本方針を定める必要がございます。これをできましたら今年度内に、これ内閣府の方が中心となりまして政府全体が定めます。この基本方針に踏まえまして、それから更に一年間、これは各主務大臣の方でこれを定めることになりますが、ガイドラインを定めてまいります。
 そうしますと、この合理的配慮も含めたかなり具体的な事例等の判断につきまして、この一年間の間にいろんな意見を聴きながら定めていくと、このようになる次第でございます。
#142
○山谷えり子君 最後に森大臣にお伺いをいたします。
 障害者差別解消に向けた森大臣の御決意をお聞かせください。
#143
○国務大臣(森まさこ君) 安倍内閣は、全ての人々が生きがいを感じ、チャンスを与えられる社会、国民一人一人の能力と個性が最大限に生かせる社会の実現を目指しておりますので、障害者の皆様の能力と個性が最大限に生かせるよう、障害者差別の解消に取り組んでまいりたいと思います。
 本法案は、我が国における障害者の差別の解消に向けた歩みを大きく前進させるものと考えております。本法案の立案の過程においては、障害当事者の皆様を始め、様々な方面からの差別のない社会を望む声をいただきました。このような関係各位の御期待にこたえることができますよう、私も担当大臣として、全ての国民が障害の有無にかかわらず互いの人格と個性を尊重し合いながら共生できる社会の実現に向け、関係省庁、関係大臣と連携しつつ、着実に取り組んでまいりたいと思っております。
#144
○山谷えり子君 期待しておりますし、私たち一人一人もそれぞれの場所で努めていきたいと思います。
 ありがとうございました。
#145
○委員長(相原久美子君) 午後一時に再開することとし、休憩いたします。
   午前十一時四十六分休憩
     ─────・─────
   午後一時開会
#146
○委員長(相原久美子君) ただいまから内閣委員会を再開いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 本日、世耕弘成君が委員を辞任され、その補欠として石井浩郎君が選任されました。
    ─────────────
#147
○委員長(相原久美子君) 休憩前に引き続き、障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#148
○谷合正明君 公明党の谷合正明です。
 まず、私の方から、今回の法律案、独立行政法人等は民間事業者と異なり国の行政機関と同列に扱うこととされておりますが、その理由についてまず確認をさせていただきたいと思います。
#149
○政府参考人(山崎史郎君) お答え申し上げます。
 本法案におきましては、国の行政機関や地方公共団体は率先して差別の解消に取り組むことが要請されることから、合理的配慮の提供について、法的義務を課すなど、民間事業者とは異なる取扱いとしているところでございます。そして、独立行政法人等につきましては、政府の一部を構成すると見られることなどから、国の行政機関等と同様の公的主体として位置付けているものでございます。
#150
○谷合正明君 独立行政法人等というものが数的には二百法人を超えるところにあると思いますが、これを今後政令で指定することとなっておりますが、どのような法人を独立行政法人として指定して国の行政機関と同列に扱うとされるんでしょうか。
#151
○政府参考人(山崎史郎君) お答え申し上げます。
 本法案におけます独立行政法人等の範囲につきましては、独立行政法人のほかに、公共的な性格を持つ特殊法人、認可法人等の中でも政府の一部を構成すると見られる法人としておりまして、具体的には理事長などを大臣などが任命する法人又は政府が出資することができる法人を原則として対象とすることを想定してございます。
#152
○谷合正明君 次に、いわゆる政治参加あるいは選挙という観点について、今日は総務副大臣にお越しいただいておりますので、御答弁いただきたいと思います。
 まず、投票時におけます障害者への配慮に関する取組状況というのはいかなるものかと。今言われておりますのは、点字、音声付きの例えば選挙公報であるとか、あるいは投票用紙に、候補者名だけじゃなくていろいろな広報媒体に振り仮名を付けるであるとか、ほかにも、投票所へのアクセス、特に移動距離が長いとそのこと自体もハンディになるということでございまして、障害者への配慮に関する取組についてまず確認をさせていただきたいと思います。
#153
○副大臣(坂本哲志君) 投票等におきます障害者の皆様方への配慮につきましては、従来から各選挙管理委員会、これは都道府県の選挙管理委員会でありますが、と協力して進めてきたところであります。
 具体的には、投票所のバリアフリーについて、段差の解消や職員の対応体制等を点検いたしますとともに、投票所への移動が困難な方々への投票機会の確保のために巡回バスの運行などを全国の選管に要請しているところであります。それから、政見放送につきましても、国政選挙に加えて、都道府県知事選挙につきましても手話通訳を付与することといたしました。字幕付与につきましても、今回の参議院通常選挙の比例代表選挙における政見放送から字幕を付すこととしております。さらに、点字による選挙のお知らせ版につきまして、選挙公報全文とするとともに、音声版についても準備するよう全国の選管に要請をいたしているところです。このほかにも、障害者の方々に投票方法や候補者等の情報を伝える際にはできる限り分かりやすい表現を用いるよう各選挙管理委員会に要請をしているところであります。
 総務省といたしましては、成年被後見人の選挙権回復も一つの契機として、各選挙管理委員会及び関係者の方々と十分連携を図りながら障害者の方々の投票環境の向上に努めてまいりたいと思っているところです。
#154
○谷合正明君 成年被後見人の選挙権の回復のお話がありましたが、今回の公職選挙法の改正によりまして次の参議院選挙から選挙権回復するわけでありますが、これらの方々が円滑に投票できるように総務省としてどのように取組を進めているのか、確認させていただきたいと思います。
#155
○副大臣(坂本哲志君) 例といたしましては、今回の参議院通常選挙では、選挙人の家族や付添人等、代理投票の補助者となることはできなくなりますけれども、補助者となる投票事務従事者が実際の投票手続に入る前に、家族や付添人の方々との間で選挙人本人の意思の確認方法について事前確認を行うこと等は差し支えないと考えているところであります。
 したがって、意思表示がうまくできない選挙人につきましては、こうした対応によりましてできるだけ本人の意思を確認するように努め、障害者の皆様方の投票をサポートするよう全国の選挙管理委員会に周知徹底してまいりたいと思っております。
#156
○谷合正明君 しっかりと周知徹底をしていただきたいと思っております。
 成年被後見人の選挙権の回復の件について、更にお尋ねしたいと思います。配付している資料、二枚あるんですが、そのうちの一つ、申入書というところがございます。
 この中に、成年被後見人の選挙権の回復のための弁護団の、弁護士の杉浦弁護士が申入書を書かれているわけですが、その第二パラグラフ目に、私たちが先例として評価してきたオーストリアでも同様の規定の違憲判決から法律削除まで一年かかったところを僅か七十日程度で改正できるところまで、まあできたわけでありますが、その最低限の手続期間をも考慮すれば奇跡的なことであり、国会の努力は並々ならないものと評価していますというふうに書いていただいております。現在批准手続を控えている障害者権利条約への日本の力強い推進力となりますと書いていただいているわけでありますが、もう一つ、最後の方のパラで、しかしながら、新藤大臣が訴訟を取り下げずに、いわゆる控訴を断念をせずに訴訟を続行する姿勢を会見等でも示されております。
 改めて私の方からお伺いしますが、公選法が改正されました。なぜ改正後も政府は控訴を取り下げずに、あくまで合憲だと主張し続けるのでしょうか。立法裁量に影響を与えるという答弁もこれまでありますが、立法裁量に影響を与えるというのは具体的に何を指しているのでしょうか。
#157
○副大臣(坂本哲志君) 東京地裁判決をきっかけといたしまして立法府におきまして検討が進められました結果、法案が取りまとめられ、成立をいたしました。今後、改正公選法の施行に合わせまして、裁判は間もなく終結することとなるものと考えております。総務省としては、まず改正法の施行に遺漏がないよう全力で取り組んでまいります。
 他方、改正前の公選法の規定に関する訴訟につきましては、政府の立場としては控訴を取り下げることは困難であり、私どもも原告の方々のお気持ちは大変よく分かるところでありますけれども、何とぞ御理解をいただきたいと思っております。
 この訴訟では、選挙権の行使に最低限必要な判断能力を有しない方に選挙権を付与しないという立法目的には合理性があり、この措置は立法裁量の範囲内であることから現行の制度は違憲とは言えないということを主張してきたところでありますけれども、東京地裁におきましてはその主張は入れられませんでした。
 法改正が実現した後であっても、控訴を取り下げると法律を違憲とした東京地裁の判決を確定させることになりますが、これは、立法府が制定した法律につきまして東京地裁の判決をもって違憲との判断が確定し、今後、立法裁量の在り方に少なからぬやはりいろんな影響を与えるおそれがあります。法律が違憲であるか否かを最終的に判断するのは最高裁判所であり、下級審において法律の規定が違憲であるとする判決を行政が争わないままに確定させた例は今まで承知しておりません。こうしたことから控訴の取下げは予定をしておりません。
#158
○谷合正明君 下級審で違憲判決が出た場合には上級審の判断を仰ぐことが予定されているという趣旨の答弁もございましたが、例えば、配付資料のもう一つですが、ハンセン病問題の早期かつ全面的解決に向けての内閣総理大臣談話ということで、これは全く同じものとは言いませんけれども、私は少し参考になるんではないかと思っております。
 当時も、これは平成十三年に熊本地裁判決で国が負けたと、国家賠償請求訴訟があったわけでありますが、当時の小泉政権では、これはここに書いてあるとおりなんですね。第一パラグラフ目に、極めて異例の判断ではありますが、あえて控訴を行わないと。第四パラグラフ目には、今回の判決は高く評価できるものですが、他方で、本判決には、国会議員の立法活動に関する判断や民法の解釈など、国政の基本的な在り方にかかわる幾つかの重大な法律上の問題点があり、本来であれば、政府としては控訴の手続を取り、これらの問題点について上級審の判断を仰ぐこととせざるを得ないところですと。さらに二つ下がったパラグラフに、本判決の法律上の問題点について政府の立場を明らかにする政府声明を発表し、本判決についての控訴は行わず、ハンセン病問題の早期かつ全面的な解決を図ることといたしましたと。これは平成十三年のときの話でございます。つまり、控訴を行わないという判断ができるんだと私は思うんですね。当時は政府声明ということでやりました。
 改めてこの場で訴えたいわけでありますが、原告、この被後見人の訴訟の原告の父は、間違っていなかったと言い張る国の姿を誰が評価するかというコメントをいろいろ新聞紙上に寄せていただいております。次の控訴審が七月十七日に予定されておりますので、言わば、その七月二十一日の参議院投票日があるんですけれども、七月十七日の控訴審まで裁判を継続しなきゃいけないということなんですね、結果的には。
 改めて、このまま継続するという政府のこの判断というのは本当に今回のそのダウン症の原告の方に対する誠意ある対応なのかというふうに私は思っているわけでありまして、もう少しこのハンセン病のときと同様の何か工夫というか政府なりの対応というのがないものなのかということを改めて副大臣の方に確認させていただきたいと思います。
#159
○副大臣(坂本哲志君) ハンセン病訴訟におきましては、これは平成十三年五月十一日の熊本地裁判決から五年前にらい予防法が廃止されており、この訴訟は過去に法令の改廃をしなかった立法不作為に対する国家賠償法上の違法性が争われたものであります。
 しかし、今回の訴訟は現存する公選法の規定の違憲性を争ってきたものでありまして、改正法案が成立しても、訴訟においては改正前の公選法の規定そのものの違憲性が争いとなっているものでありますので控訴を取り下げることはできないということで御理解をいただきたいと思います。
#160
○谷合正明君 もう時間が一分しかないのであれですが、最後に森担当大臣に、今回せっかく公職選挙法を改正して被後見人の選挙権も回復した、そして、本法案も間もなく採決して成立されようとしているというところまで来ました。
 改めまして、担当大臣として、障害者権利条約の早期批准に向けて様々なまだ課題があると思っております、私自身も。改めて大臣の今後の決意を最後に伺って、質問を終わりたいと思います。
#161
○国務大臣(森まさこ君) 本法案が目的とする、障害の有無によって分け隔てられることなく共生する社会の実現のためには、本法案に基づく取組と併せて従来より実施している障害者基本法等に基づく障害者の自立と社会参加の支援等のための施策の充実を図ることが重要でありますので、本法案の成立後の基本方針の作成、広報等の活動を速やかに進めるとともに、本法案の成立を踏まえた新たな障害者基本計画の策定等を行い、幅広い国民の理解と共感の下に、関係省庁とも連携しながら障害者施策全般の推進に取り組んでまいりたいと思います。
 また、障害者権利条約についても、本法案の成立も含めた所要の環境整備の進展を踏まえて、手続を行う外務省とも相談しながら、その早期批准を目指してまいりたいと考えております。
#162
○谷合正明君 終わります。
#163
○江口克彦君 みんなの党の江口克彦でございます。全て森大臣に御質問をさせていただきます。
 障害者の方々への差別を禁止する法整備でありますけれども、これは、欧米を始め先進国では当たり前のものになっているわけであります。ようやく我が国においても法整備がなされるということになるわけでありますけれども、かくも遅れた理由をどのように分析しているのか、大臣の御見解をお伺いしたいと思います。
#164
○国務大臣(森まさこ君) 我が国におきましては、これまで関係団体からの御要望に基づきまして、障害者権利条約の締結に向けた必要な国内法の整備を始めとする我が国の障害者に係る制度の集中的な改革として、平成二十三年の障害者基本法の改正、平成二十四年の障害者総合支援法の制定等に取り組んできたところでもあります。
 障害を理由とする差別の禁止については、まず平成二十三年に成立した改正障害者基本法の第四条において既に規定をされました。本法案は、障害者基本法第四条に規定された差別の禁止の基本原則を具体化し、同法に規定する施策の分野も含む広範な分野を対象として差別の禁止に関するより具体的な規定を示し、それが遵守されるよう具体的措置等を定めるものです。
 なお、本法案の検討過程においては、障害当事者や学識経験者等に御参加をいただいた障害者政策委員会差別禁止部会や障害者団体を含めた関係団体からの御意見もいただくなど、丁寧に準備を進めてきたところであり、こうした御意見について現段階で反映できるものを最大限盛り込んで作成したものであります。
#165
○江口克彦君 森大臣にちょっとお願いがあるんですけれども、原稿の棒読みではなく、もうちょっと心を込めてお話し、御答弁を是非いただきたいと。読んでいただいてもいいんですけれども、字面だけでお心を感じないんですよ。一応、もうちょっと心を込めてお答えをいただければ大変有り難いということを一言申し上げさせていただきます。
 障害者の方々の意見を我が国の社会形成に反映していくためには、障害者の方々の政治的、公的な活動に参加することができるような環境整備が私は重要になると思うんでございます。本法案というものは、行政機関、地方公共団体及び事業者に対して義務を課すものであるというふうに私は思っているわけでありますけれども、とはいえ、こうした分野でこそ国が率先して範を、模範を示すといいますか、そういうことが必要ではないかというふうに思うんです。
 関連して、河合純一さんについて、申し上げずとも皆さん御存じだと思いますけれども、この方は全く目が不自由でございまして、しかしパラリンピックに何度も出場していまして、水泳部門で金メダルを始め輝かしい結果を残されているわけです。その一方で教師として活躍されておられる。
 この河合純一さんが、我が党公認として次の参議院選挙に向けて精力的に活動をしているところであるんですが、障害者の方々の政治参加を推進する取組ということについて、大臣はどのようなお考え、見解をお持ちになっておられるのか、お聞かせいただきたいというふうに思います。
#166
○国務大臣(森まさこ君) 障害者の政治参加につきましては、障害者の権利に関する条約第二十九条において、「政治的及び公的活動への参加」として規定をされているところであります。また、我が国においても、先ほどの平成二十三年の改正障害者基本法の中で、障害者の自立及び社会参加の支援等のための基本的施策の一つとして二十八条が新設をされまして、選挙等において障害者が円滑に投票できるようにするため、投票所の施設又は設備の整備等の必要な施策を行わなければならないというふうに規定されたところです。
 このように、政治的、公的な活動への参加は民主政治の根幹でありますので、政治的、公的活動に障害者の皆様が参加できるような環境整備が重要であるというふうに認識をしております。
#167
○江口克彦君 障害者の方々の政治参加、そういう環境整備をしたいというお気持ちというかお話は大変結構だと思いますけれども、具体的に、そういった方々が活動する、活躍するという、その環境整備、具体的にどのような環境整備を前提にしてお答えになったんでしょうか、お教えいただきたいと思います。
#168
○国務大臣(森まさこ君) 資格制度の取得要件について、障害者に係る法定上の欠格条項の見直しにつきまして、平成十一年に障害者施策推進本部において「障害者に係る欠格条項の見直しについて」を決定いたしまして、障害者に係る欠格条項が真に必要であるか否かを検討し、必要性の薄いものについては廃止するなどの見直しが進められてまいりました。
 今後とも、障害者施策全体を推進する中で、それぞれの法目的も踏まえまして、社会的な情勢の変化等必要に応じて検討してまいりたいと思います。
#169
○江口克彦君 私はそのようなことを御質問しているわけではございませんので、もう一度御答弁をお願いします。
#170
○国務大臣(森まさこ君) 失礼いたしました。
 障害者基本法の第二十八条、先ほども申し上げました、「国及び地方公共団体は、法律又は条例の定めるところにより行われる選挙、国民審査又は投票において、障害者が円滑に投票できるようにするため、投票所の施設又は設備の整備その他必要な施策を講じなければならない。」とする条文に基づきまして、取組を進めております。
#171
○江口克彦君 どういう環境整備をしようという、そういうその検討をしようとされているのかということをお尋ねしているのであって、ちょっと方向違いの御答弁をいただいているんじゃないか。
 でも、それはそれで……(発言する者あり)
#172
○委員長(相原久美子君) 静かにしてください。
#173
○江口克彦君 森大臣の資質、能力の程度が理解できて、大変私は参考になりました。
 最後ですけれども、時間がありません、一言。
 本法案が広く社会に浸透する、そして、障害を理由とする差別が解消された社会を実現するためには、幅広い啓発啓蒙活動が私は必要だと思うんですね。今後どのような啓発活動を行おうとされているのか、障害を理由とする差別の解消に向けてどういう活動をされるのか、大臣の決意も交えてお伺いしたいと思います。
#174
○国務大臣(森まさこ君) 障害を理由とする差別の解消を効果的に推進していくためには、国民各層の関心を高めまして、その理解と協力の下に推進していくことが重要であることから、本法案においても、第十五条において、国及び地方公共団体が必要な啓発活動を行う旨規定しております。
 本規定を踏まえた啓発活動の具体的な内容については、第六条に基づく基本方針に基本的な事項を盛り込むことになっておりますけれども、例えば、午前中の質疑でも申し上げましたけれども、パンフレットやポスター等の作成、配布でありますとか、説明会やシンポジウム等の開催等を考えております。またさらに、様々な関係者の御意見を聴きながら、より効果的な啓発に向かって関係省庁や地方公共団体とも連携して取り組んでまいりたいと思います。
#175
○江口克彦君 一言。
 一問ぐらいは、大臣、原稿を見ずに、御自分のお考え、官僚の書いたペーパーをお読みになるんじゃなくて、自分の心を、本当に気持ちを、大臣、お話しになった方がいいですよ。
 一言アドバイスを申し上げて、終わらせていただきます。
#176
○糸数慶子君 無所属の糸数慶子です。よろしくお願いいたします。
 障害者差別解消法について、その中の合理的配慮の不提供の禁止についてでありますが、本法律案は合理的配慮の不提供の禁止を規定しております。しかし、第七条二項において行政機関は法的義務とされましたが、第八条二項において事業者は努力義務にとどまっております。それに対しては実効性に懸念の声がございます。
 そもそも合理的配慮の不提供の禁止は、過度な負担のある場合は差別にならないという性質のものですから、事業者に対しても法的義務とすることも可能なのではないでしょうか。法的義務としなかった理由とともに、今後の見直しの可能性についてお伺いいたします。
#177
○政府参考人(山崎史郎君) お答え申し上げます。
 御指摘の合理的配慮の提供についてでございますが、これは、この本法案作成の過程でも大変な、いろんな議論がございました。その議論の中で、今回におきましては、本法案におきましては、一律に法的義務とする形でございませんで、国や地方公共団体といった公的主体については法的義務を課す一方で、多種多様な事業主体を含んでいます民間事業者につきましては、努力義務という形の上で、ガイドラインにより更にこの取組を推進していくということにしてございます。さらに、これに関しましては、主務大臣が特に必要があると認める場合は報告徴収、助言、指導、勧告といった措置を講ずるという形で実効性を担保しているところでございます。
 また、今後の見直しでございますが、本法案の附則第七条に、政府は、本法案の施行後三年を経過した場合において、この御指摘の民間事業者による合理的配慮の在り方を含めたこの法律の施行の状況について検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に応じて所要の見直しを行うと、この旨を規定しているところでございます。
#178
○糸数慶子君 ありがとうございました。
 今日、たくさん傍聴の方もいらっしゃいます。私、先ほど申し上げましたように、やはり事業者に対しても法的義務とする、そういうことをしっかりやっていただきたい。もちろん、見直しをする三年後のこともございますけれども、しっかりとそのことを踏まえてやっていただきたいということを強く申し上げたいと思います。
 次に、差別禁止部会の意見の尊重と法案についてでありますが、障害者権利条約の批准に向けて、この法案に加えて、今国会で既に成立した障害者雇用促進法一部改正案と併せ、法的措置は全て講じたという認識でよろしいでしょうか、森担当大臣に確認したいと思います。
 また、昨年九月に取りまとめられました差別禁止部会の意見は本法案成立後どのように反映され、またチェックされていくのでしょうか、併せてお伺いいたします。
#179
○国務大臣(森まさこ君) これまで政府は、障害者権利条約の締結に向け、必要な国内法の整備を始めとする我が国の障害者に係る制度の集中的な改革として、先ほどの江口委員の御質問にも御答弁したとおり、二十三年の障害者基本法、それから平成二十四年の障害者総合支援法の制定に取り組んでまいりましたところでございますので、本法の制定により横断的な課題については所要の措置を講じたことになるものと認識をしております。
 そして、もう一つの御質問の方の障害者政策委員会の方でございますけれども、本法案の成立後、第六条に基づく基本方針の作成に当たっては、昨年九月に意見を取りまとめた、差別禁止部会の親委員会に当たる障害者政策委員会の意見を聴かなければならない旨定められております。
 さらに、法施行後は、内閣府において、各主務大臣における対応要領や対応指針の運用状況、国や地方公共団体による支援措置の実施状況等を府省横断的に把握するとともに、差別に関する具体的な相談事例や裁判例等の集積を図り、その結果を踏まえ、附則第七条に規定する施行後三年後の法の見直しの検討に生かすことを想定しております。
#180
○糸数慶子君 では次に、障害のある女子についてお伺いをしたいと思います。
 障害者権利条約には、平等及び差別されないことについて定めた第五条の次に障害のある女子について定めた第六条、障害のある児童について定めた第七条の規定があります。障害のある女子については、差別禁止部会の意見について、国の基本的責務に対して特に留意を要する領域として言及がなされています。
 男女共同参画の観点から、この法案に差別禁止部会の意見が反映されるべきと考えますが、この法案のどこに反映されているのか、お伺いいたします。
#181
○政府参考人(山崎史郎君) お答え申し上げます。
 本法案におきましても、女性や子供への配慮については大変重要な論点であると認識してございます。その認識の下で、本法案の第七条第二項及び第八条第二項でございますが、そこにおきまして年齢、性別及び障害の程度に応じて必要かつ合理的な配慮を行わなければならないという旨を規定しているところでございます。
 したがいまして、これを踏まえ、今後、基本方針やガイドラインの策定に当たりましては、個別に女性や子供に対する配慮について十分踏まえていくというふうに考えている次第でございます。
#182
○糸数慶子君 次に、相談及び紛争の防止等のための体制整備、それから地域協議会についてお伺いをします。
 先ほども質問ございましたけれども、この法案には、第十四条に相談及び紛争の防止等のための体制整備に関する規定が書かれています。そこで、お伺いいたしますが、この体制整備はいつまでに行う予定でしょうか、また、体制整備は既存の制度を活用して行うのか、あるいは新規の制度を立ち上げるのでしょうか。私は、既存の制度をそのまま活用するより、障害者及びその関係者が相談しやすいようワンストップで相談を受け付け、解決に向けて整備を行う、そのような体制を整えるべきではないかというふうに考えます。体制整備に向けた大臣の所見をお伺いいたします。
#183
○国務大臣(森まさこ君) 本法案における紛争の防止や解決を図るための体制でございますけれども、これについては、新たな機関は設置せず、既存の機関等の活用、充実を図ることとしております。そして、その体制の整備については、施行までに図っていくということを目標にしております。
 そして、ワンストップで相談をすべきではないかという御質問でございますけれども、障害者からの相談について、地域において障害者差別に関する相談や紛争の防止、解決を図るためのネットワークを構築するという観点からのこの障害者差別解消支援地域協議会で、いわゆる制度の谷間やたらい回しが生じることなく地域全体として障害を理由とする差別の解消に向けた取組が行われることを期待しておりまして、ワンストップで相談を受け付けるという、そういう体制ではまだないのではございますけれども、そのネットワークの中でたらい回し等が生じないように取り組んで行われていくということを期待をしております。
#184
○糸数慶子君 この法案の、先ほども質問しました、第十七条から二十条までに障害者差別解消支援地域協議会に関する規定が置かれておりますが、これについては差別禁止部会の意見では触れられておりませんが、地方から何らかの要望などもあったのでしょうか。また、協議会に参加しているいないにかかわらず、協議会を組織したこの区域の地方公共団体の住民はこの協議会で決まったことに拘束されるのかされないのか、確認をしたいと思います。
#185
○政府参考人(山崎史郎君) お答え申し上げます。
 御指摘の障害者差別解消支援地域協議会でございますが、これにつきましては、確かに差別禁止部会においてはこういう議論はございませんでしたが、例えば千葉県等におきましてこういう同じような、似た協議会を設定してございまして、いろんな面で地域レベルで、先ほど大臣申し上げましたように、制度の谷間とかたらい回しがないような体制をつくっていくという、そういう大変実績を上げてございます。その中で、今回の法律においてもこういう形の地域協議会を置くという規定を置いたものでございます。
 また、この地域協議会自体でございますが、これはあくまでも地域におきます紛争解決、相談のネットワークという観点から、この地域協議会の決定自体は地域住民を拘束するものではございませんが、例えば行政措置の権限を有します行政機関等に橋渡しをしたり、さらに調停、あっせん等の機能を有するいろんな紛争機関の方へ結び付けていくという形で問題の解決を後押ししていくと、そういう機能も想定されるところでございます。
#186
○糸数慶子君 次に、六年前の委員会決議についてお伺いをしたいと思います。
 参議院内閣委員会は、六年前、障害者権利条約に我が国が署名する前に、障害を理由とする差別を禁止する法制度の整備の促進を求める決議を行っています。この決議に対して、当時の担当大臣からは、決議の趣旨を十分尊重する旨の御発言がありましたが、森大臣はこの決議の存在を御存じでしょうか。
 この決議には、障害者やその家族を取り巻く社会経済状況には依然として厳しいものがあり、障害者が地域社会で普通に暮らすことに大きな困難を生じる状況や、障害児とともに暮らす親が、自らが亡き後の我が子の行く末を案ずるという状況が引き続き存在するとあります。この状況は、六年たった今、多少なりとも改善したというふうにお思いでしょうか。
#187
○国務大臣(森まさこ君) 平成十九年七月に、本委員会において、障害を理由とする差別を禁止する法制度の整備の促進を求める決議が全会一致で採択され、当時の高市大臣より、その趣旨を十分に尊重して障害者施策の推進に努めてまいりますと発言していることについて、承知をしております。
 それからの六年間、障害者基本法の改正、総合支援法の制定など障害者の自立と社会参加に向けた取組がなされてきたところであり、障害者施策は少しずつではありますが前進もあったものというふうに認識をしておりますが、なお現状はまだまだ厳しいものがあるというふうに承知をしております。
 この週末も、私、福島県いわき市で障害者を持つ親御さんたちとの会合に参加をいたしましたけれども、やはり同じような、自分たちが亡き後の我が子の行く末を案じるお声、そして雇用の場が非常に少ないというお声がありました。一層取組を強化していくことが必要であるというふうに感じております。
 本法案の成立後におきましては、本法案の円滑な施行に向けて、基本方針の作成、そして本法案の広報啓発等を速やかに進めるとともに、本法案の成立を踏まえた新たな障害者基本計画、この策定を行いまして、幅広い国民の皆様の御理解をいただきまして、関係省庁とも連携しながら障害者施策全般の推進に取り組んでまいりたいと思います。
#188
○糸数慶子君 大臣は、今ちょうど全国で上映されている映画「くちづけ」、御覧になりましたでしょうか。もしまだ御覧になっていらっしゃらないようでしたら、是非見ていただきたいと思います。これは御覧になった方はお分かりだと思いますが、知的障害者をめぐって実際に起きた事件をベースに、最初は演劇として発表され、そして全国でおよそ二万四千人と言われる観客の涙を誘った映画として今上映をされています。
 今上映されておりますので余り中身の詳しい筋書は申し上げませんけれども、本委員会の六年前の決議にある、障害者が地域社会で普通に暮らすことに大きな困難を感じる状況、あるいは、障害児とともに暮らす親が、先ほども申し上げましたが、自らが亡き後我が子の行く末を案ずるという状況が今も存在しているという、それを提示している物語です。障害者に対する差別を解消するために、その中にヒントがあるというふうに思います。是非御覧になっていただきたいと思います。
 私、先ほどもいろんな方々からいろんな思いを伺いながら、大臣には是非心を込めて、この法案成立後、施策を行っていただきたいと思います。最後に御決意をお伺いいたします。
#189
○国務大臣(森まさこ君) 是非映画を見に行きたいと思います。
 私、弁護士時代に、弁護士会の子どもの権利委員会に所属しておりまして、そこで障害を持ったお子さんの問題を取り組んでまいりました。施設等にいるお子さん、それから御家庭で育てているお子さん、どの親御さんもやはり同じように、自分たちが亡き後この子はという思い、それから、お子様が大きくなっていくとともに親御さんも年を取られていきますので、大変な思いをしておられました。
 また、そういったそのころの状況と、今はやはりなかなかまだ改善が見られないなという思いを改めて担当大臣になって感じておりますので、この本法案成立後、しっかりとこの法案の施行に向けて全力で取り組んでまいりたいと思います。
#190
○糸数慶子君 ありがとうございます。終わります。
    ─────────────
#191
○委員長(相原久美子君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、伊達忠一君が委員を辞任され、その補欠として中原八一君が選任されました。
    ─────────────
#192
○委員長(相原久美子君) この際、お諮りいたします。
 委員外議員田村智子君及び福島みずほ君から障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律案についての質疑のため発言を求められておりますので、これを許可することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#193
○委員長(相原久美子君) 御異議ないと認めます。
 それでは、まず田村君に発言を許します。田村智子君。
#194
○委員以外の議員(田村智子君) 委員外発言をお認めいただき、ありがとうございます。日本共産党の田村智子です。
 昨年の障害者基本法、そしてこの障害者差別解消法は、今後の我が国の障害者施策の土台となる法律で、どちらも参考人質疑が行われないということは私は大変残念に思います。また、総選挙後、障害者政策委員会が一度も開かれないままに本法案が提出されたということも問題だと指摘をしなければなりません。
 私たちのことを私たち抜きで決めないでという障害当事者の皆さんの要求にこたえた政策決定が行われるよう求めまして、法案について質問をいたします。
 障害者の皆さんは、日常生活の中でも、また進学や就労など人生の節目節目でも、多くの困難に直面をされています。きょうされんが昨年公表した障害福祉サービス利用者一万人を対象にした調査を見ますと、貧困ライン以下の収入という障害者の方、五六・一%にも及んでいます。これは、様々な差別に直面をしている今日の障害者の皆さんの置かれた現状を反映しているものだと思います。
 森大臣にまずお聞きをいたしますが、この法案は、職場、地域、教育など様々な局面で起きている障害者差別を具体的に取り除き、深刻な現状を現実的に変えるということを目的にするものだと思いますが、いかがでしょうか。
#195
○国務大臣(森まさこ君) 委員御指摘のとおりでございまして、条約の趣旨を踏まえて、そして基本法において基本原則として差別の禁止が規定され、それを具体化した本法案でございますので、職場、教育、地域等で現実に起きている差別を解消するためのものでございます。
#196
○委員以外の議員(田村智子君) その差別を解消するに当たって、この法案で、ではその差別とは何かという定義がないというのはやはり問題だと思っています。
 差別の定義というのは法案の要とも言えるもので、障害者政策委員会や差別禁止部会でも時間を掛けた検討が行われてきました。差別禁止部会では、直接差別、間接差別、関連差別を包括的にまとめて、不均等待遇と合理的配慮の不提供の二つの差別類型を含む形で差別を禁止する規定を設けるべきと、こういう意見もまとめています。
 この法案では、第七条で直接差別については規定をしていますが、間接差別、関連差別については盛り込まれていません。しかし、現実には、例えば車椅子への対応には準備が必要だからといってレストランへの入店を断られるとか、移動には車の使用が必要なのにマイカー禁止は一律のルールだからと突き付けられてしまうとか、障害者の方々は多くの間接差別、関連差別に直面をしています。こうした現実を変える効力をこの法案が持つためには、やはり何が差別に当たるのかという定義は不可欠ではないのかと思います。
 そこで、今回、法案には盛り込まれませんでしたが、直接差別、間接差別、関連差別を包括的にまとめた差別の定義がガイドラインに盛り込まれる、また三年後の法の見直しの課題とすると、これ必要なことだと思いますけれども、いかがでしょうか。
#197
○国務大臣(森まさこ君) 委員御指摘のような議論の推移があったこと、重々承知をしているんでございますが、この差別とは何かという定義については、本法案ではあらかじめ一律に定めることはしませんでした。そして、具体的にどのような行為が差別に当たり得るのかについては、対応要領や対応指針において示すこととしております。
 対応要領や対応指針においては、例えば障害を理由とする差別の基本的考えや、障害を理由とする不当な差別的取扱いになり得る行為の具体例でありますとか、当該機関等における社会的障壁の除去についての必要かつ合理的な配慮として考えられる好事例等が考えられるところ、今御質問ございましたんですけれども、対応要領や対応指針において改めて差別に関する定義規定を置くことは、今段階では想定をしておりません。
 ただし、法施行三年後の見直しにおいて差別に関する定義規定を盛り込むかについては、今後の具体的な事例や裁判例の集積を踏まえて検討してまいります。
#198
○委員以外の議員(田村智子君) 次は、差別の解消をどう行うのかということについてお聞きをいたします。
 紛争の処理は、公的行政機関が基本となります。それでは、その行政機関が紛争当事者となった場合にはどうなるのかと。例えば学校教育では、学校への入学やあるいは試験などで障害者の方への対応をめぐって紛争になったという事案は幾つもあります。また、大津のいじめ事件を見ても、教育委員会の調査の不十分さということも大きな問題となっています。
 そこで、行政機関が紛争処理を行う場合に、やはり第三者性の確保ということが必要になってくると思うのですけれども、いかがでしょうか。
#199
○政府参考人(山崎史郎君) お答え申し上げます。
 本法案第十四条でございますが、この障害者差別の解消という観点から、差別に関しまして、相談さらには紛争の防止、解決のために国や地方公共団体において体制整備を図ると、こういう規定がございます。
 御指摘の点、様々な場面があるわけでございますが、それぞれにおきまして、これは各府省にもまたがりますが、国、地方公共団体においてこの紛争防止、解決に関する体制をそれぞれについて検討していただくという形になります。その場合におきましては、御指摘のような論点についてもどのように考えるかという点も踏まえてそれぞれ検討が進められていくという形になろうかと思っております。
#200
○委員以外の議員(田村智子君) 民間事業者が紛争当事者の場合も、行政機関が紛争処理の役割を十分に果たしていくためには様々な課題が考えられます。例えば、車椅子や盲導犬を理由に食堂の利用やホテルの宿泊を断られたという場合、恐らく障害者の方は所在地の自治体に訴えるということが考えられます。
 しかし、差別の解消というのは自治体が行うんじゃなくて、その事業を所管する主務大臣が紛争の解決に当たることになっていて、食堂だったら保健衛生の関係で厚労大臣、ホテルだったら旅館業などで国土交通大臣と、こうなります。これは、自治体がこういうことを理解して対応するということも単純なことではありませんし、どの省庁が所管するのかの判断が曖昧にされてしまうという可能性もあります。障害者の方からの申出が自治体の窓口やあるいは省庁間でたらい回しにされることのないように、施行までの間にしっかりとした準備を進める必要があると思いますが、いかがでしょうか。
#201
○政府参考人(山崎史郎君) お答え申し上げます。
 御指摘のとおり、今回のこの相談さらには紛争の防止、解決に関しましては、それぞれの分野においてこれは体制整備を図っていくということになってございます。そうなりますと、御指摘のように、例えば相談をたらい回しとか、さらには谷間に入ってしまう、これは大変避ける必要がございますので、今回の一つの取組としまして、地域レベルでまさにネットワークをつくっていく、地域協議会を置くと、こういう規定も用意してございます。その中でまさに包括的に対応できる、例えば相談があった場合にどちらの方につないだらいいかということについてもこの協議会等においてしっかり機能していくと、こういうことを期待しているところでございます。
#202
○委員以外の議員(田村智子君) 私も障害者差別解消支援地域協議会というのは大きな役割を果たすことになると思うんですけれども、残念ながらこの設置が努力義務となっていて、予算措置というのも不明確なんですね。やはりここは国としても予算措置をしっかりとって、十分な見識や経験を持つ方がこの協議会のメンバーとしてどの自治体にもちゃんと配置がされるということになるように求めておきたいと思います。
 最後になんですけれども、この障害者差別解消が、この法律によって実際に差別解消が推進されているかどうか、これを見るためには、やはり何らかの調査やあるいは指標ということが必要になってくると思います。
 障害者権利条約第三十一条では、条約を実現するための政策立案において適当な情報を収集することを約束するとされています。しかし、日本では障害者の方の生活実態調査というような基礎的なデータも今はないという状態です。私、質問の冒頭できょうされんの調査を紹介いたしましたけれども、こういう生活実態の調査、どういう家族に依存した生活になっているのかという調査とか就労状態の調査とか、やはり基礎的なデータとなるような実態調査を政府として行っていくということは、これは不可欠だと思いますが、いかがでしょうか。
#203
○国務大臣(森まさこ君) 委員の御指摘、大変重要な御指摘だと思います。
 本法においては、施行後において、各主務大臣における対応要領や対応指針の運用状況又は国や地方公共団体による支援措置の実施状況等を府省横断的に把握することを考えております。さらに、差別に関する具体的な相談事例や裁判例等の集積も図っていくことも想定しております。
 委員の御指摘を踏まえまして、指標の設定について、既存の調査、統計の活用もしながら、本法の的確な施行状況の把握、これができますように関係省庁とも相談しつつ、前向きに検討してまいりたいと思います。
#204
○委員以外の議員(田村智子君) 終わります。
#205
○委員長(相原久美子君) 次に、福島君に発言を許します。福島みずほ君。
#206
○委員以外の議員(福島みずほ君) 社民党の福島みずほです。
 内閣委員会におきまして、委員外での発言を許可していただいたことに大変心から感謝をしております。
 私自身は、障害者差別解消法案、国会で議論されることに感無量です。二〇〇九年十二月八日、障がい者制度改革推進本部の設置がありました。今日来ていらっしゃるアビリティーの皆さんたちが、当時、鳩山内閣、鳩山総理のところに、官邸に、是非障害者差別禁止法のためにつくってくれと言って障がい者制度改革推進本部の設置ができ、閣議決定をし、推進会議が設置をされました。その後、基本法の改正法案、総合福祉法案、それから差別禁止法案、名前が変わって障害者差別解消法案ですが、三つの法律ができ、これは関係当事者、それから役所の皆さん、国会議員の皆さん、あらゆる人たちのすさまじい努力でやはりここまでこぎ着けたと。あとは条約を批准して、条約にのっとって、勧告も踏まえて、どう日本の中でもっともっとこれを推進していくのかというふうに思っております。
 私自身も障がい者制度改革推進会議の座長で、副本部長でもありましたので、できる限りこの改革推進会議におりましたし、推進会議は半分が障害当事者の皆さん、有識者の半分が女性で、会議そのものも随分変わったというふうに思っております。その意味で、関係者の皆さんに心から本当に労苦に関してエールを送り、更に障害者政策をドライブしていくよう訴えていきたいと思います。
 差別の定義についてまずお聞きをいたします。
 差別について、これは政府の見解では本法案の施行後具体的な裁判例等を踏まえて積み上げていくとしております。しかし、それだけではちょっと心もとない。少なくとも障害者権利条約の水準、欧米の水準などが基準となる、そのことをスタートラインにして今後ガイドラインなどを作成していくべきだと考えますが、いかがですか。
#207
○国務大臣(森まさこ君) 本法案は、委員の今御指摘のとおり、様々な関係者の御努力の中で、また一方では様々な御意見がいろいろある中で、何とか成立をさせて条約の批准に向けて前に踏み出したいということで、障害者差別解消法案として出されたものでありまして、その中で差別についての定義についても様々な御意見がありました。
 これは障害者権利条約の趣旨を反映したものでありまして、本法案第十六条においては、差別の解消に関する国際的な動向や海外の類似の法制度の運用実績等の情報を収集し、それを法の運用に生かすとの趣旨により、国による情報の収集、整理及び提供について規定をしておるものでございます。対応要領や対応指針の作成も含めた今後の本法案の運用に当たっては、本規定に基づき、積極的に国際的な動向を把握し、国際的な水準も意識した運用に努めてまいりたいと思っております。
#208
○委員以外の議員(福島みずほ君) 基本方針、対応要領、対応指針というのは極めて重要です。スケジュール感を教えていただけますでしょうか。
 また、これができた後に、本法において見直しの期間が定められておりません。少なくとも基本方針については定期的な見直しの期間を定めるべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。
#209
○国務大臣(森まさこ君) 基本方針、対応要領、対応指針は、社会の変化や国民の障害に対する理解の深まりなどに伴って内容を充実させていくべきものでございますので、委員御指摘のとおり、適宜必要な見直しを行っていく考えでございます。
 なお、検討規定において施行後三年後の見直しが規定されておりますが、その際には基本方針の見直し、これはされることは当然前提としております。
#210
○委員以外の議員(福島みずほ君) 見直しの際の手続においては、当事者の皆さんや人権問題にかかわってきた弁護士や、様々な人の意見を聴きつつ、その内容を精査すべきだと考えますが、どうでしょうか。
#211
○国務大臣(森まさこ君) 基本方針については障害者政策委員会の意見を聴くことにしておりまして、障害者政策委員会の中に弁護士も含めた様々な有識者の方が入っていらっしゃることは委員も御存じのとおりでございます。
 具体的に、さらにどのように関係者の意見を反映させるかについても今後しっかりと検討してまいります。障害者の当事者の方、また家族の方、有識者、関係者の皆様、地方公共団体や、それから事業者など、できるだけ幅広い関係者の意見、委員御指摘の弁護士も含め、広い関係者の意見を反映させてまいりたいと考えております。
#212
○委員以外の議員(福島みずほ君) 今回は様々議論があって、公的なところでは法的な義務、そして民間では努力義務ということです。でも、できれば、法的義務だと違法となるわけですが、努力義務もそれが促進されるようにというふうに思います。例えば、公立学校は法的義務があるが私立学校は努力義務でいいんだというわけではなく、私立学校やいろんな交通機関においてもできるだけやはり合理的配慮がしっかりなされるようにというふうに思っています。
 その意味で、例えばこの見直しの三年間が一つのポイントになるかと思いますが、将来的には民間も法的義務に方向性としては持っていくという理解でよろしいでしょうか。
#213
○国務大臣(森まさこ君) 合理的配慮の提供に関しては、この法的義務と民間の努力義務ということについては様々な御指摘がございますので、見直しのときには、委員等の御指摘も踏まえながらしっかりと検討してまいりたいと思います。
#214
○委員以外の議員(福島みずほ君) 努力義務というふうにしたのは、やはり今法的義務にすると厳しいというのはあったと思うんですね。ただ、公立学校であれ私立学校であれ子供たちが通うに関してはやはりこれは法的義務に高めていくべきだと、そのための三年間だというふうに理解をしたいと思います。
 これから、民間は努力義務だけれども、できるだけ法が施行されれば合理的配慮がしっかり保障されるように指導していただきたい、いかがでしょうか。
#215
○国務大臣(森まさこ君) 確かに、学校など子供たちにとっては平等な環境が提供されなければなりませんので、今回はやはり民間事業者、特に小規模の事業者にとっては様々な事業規模に伴ってコスト等も掛かるという問題点もあり、努力義務といたしたわけでございますけれども、見直しに向けてそうした論点もしっかり入れていくのと同時に、努力義務であるからといってこの障害者の差別解消に向けた取組がおろそかにならないように、しっかりと政府の方から指導、啓発等をしてまいりたいと思います。
#216
○委員以外の議員(福島みずほ君) 地域協議会についてお聞きをいたします。
 個別の紛争案件について地域協議会が調停等を行い、その調停に基づいて地方公共団体あるいは政府が指導、勧告することを本法は妨げるものではないと考えますが、それでよろしいでしょうか。
#217
○国務大臣(森まさこ君) これは、地域協議会については、障害を理由とする差別に関する相談、紛争の防止、解決を推進するためのネットワークを形成するという趣旨から組織をするものとしておりまして、自ら調停を行うことは想定をしておりません。また、行政措置の権限を有する行政機関等に橋渡しをしたり、調停やあっせん等の機能を有する既存の紛争解決機関へ結び付けていくという形で問題の解決を後押しをしていくということを期待をしているところでございます。
#218
○委員長(相原久美子君) 福島みずほ君、時間が来ております。
#219
○委員以外の議員(福島みずほ君) 分かりました。
 最後に一言。障害者差別禁止条約を批准した後、その勧告が出ると思うんですが、その勧告を誠実に受け止めて履行していくよう努力するということでよろしいでしょうか。
#220
○委員長(相原久美子君) 森国務大臣、時間が来ております。簡潔に御答弁ください。
#221
○国務大臣(森まさこ君) はい。本法案の施行後についても、引き続き国際的な動向を踏まえて取組を進めることは重要と考えておりますので、十六条に基づき、条約をめぐる動向も含め、障害を理由とする差別に関する国際的な動きに係る情報を収集しつつ、国際的な水準を踏まえた運用を図ってまいります。
#222
○委員以外の議員(福島みずほ君) ありがとうございました。
#223
○委員長(相原久美子君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
 障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#224
○委員長(相原久美子君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 この際、芝君から発言を求められておりますので、これを許します。芝博一君。
#225
○芝博一君 私は、ただいま可決されました障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律案に対し、民主党・新緑風会、自由民主党、公明党及びみんなの党の各派並びに各派に属しない議員糸数慶子君の共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、本法の施行に当たっては、次の諸点について適切な措置を講ずべきである。
 一 本法が、これまで我が国が取り組んできた国連障害者権利条約の締結に向けた国内法整備の一環として制定されることを踏まえ、同条約の早期締結に向け、早急に必要な手続を進めること。また、同条約の趣旨に沿うよう、障害女性や障害児に対する複合的な差別の現状を認識し、障害女性や障害児の人権の擁護を図ること。
 二 基本方針、対応要領及び対応指針は、国連障害者権利条約で定めた差別の定義等に基づくとともに、障害者基本法に定められた分野別の障害者施策の基本的事項を踏まえて作成すること。また、対応要領や対応指針が基本方針に即して作成されることに鑑み、基本方針をできる限り早期に作成するよう努めること。
 三 対応要領や対応指針においては、不当な差別的取扱いの具体的事例、合理的配慮の好事例や合理的配慮を行う上での視点等を示すこととし、基本方針においてこれらの基となる基本的な考え方等を示すこと。また、法施行後の障害者差別に関する具体的な相談事例や裁判例の集積等を踏まえ、不当な差別的取扱いや合理的配慮に関する対応要領や対応指針の内容の充実を図ること。
 四 合理的配慮に関する過重な負担の判断においては、その水準が本法の趣旨を不当にゆがめることのない合理的な範囲で設定されるべきであることを念頭に、事業者の事業規模、事業規模から見た負担の程度、事業者の財政状況、業務遂行に及ぼす影響等を総合的に考慮することとし、中小零細企業への影響に配慮すること。また、意思の表明について、障害者本人が自ら意思を表明することが困難な場合にはその家族等が本人を補佐して行うことも可能であることを周知すること。
 五 本法の規定に基づき、主務大臣が事業者に対して行った助言、指導及び勧告については、取りまとめて毎年国会に報告すること。
 六 国及び地方公共団体において、グループホームやケアホーム等を含む、障害者関連施設の認可等に際して周辺住民の同意を求めないことを徹底するとともに、住民の理解を得るために積極的な啓発活動を行うこと。
 七 本法の規定に基づいて行う啓発活動については、障害者への支援を行っている団体等とも連携を図り、効果的に行うこと。
 八 障害を理由とする差別に関する相談について「制度の谷間」や「たらい回し」が生じない体制を構築するため、障害者差別解消支援地域協議会の設置状況等を公表するなど、財政措置も含め、その設置を促進するための方策を講じるとともに、相談・紛争解決制度の活用・充実を図ること。また、国の出先機関等が地域協議会に積極的に参加するとともに、本法に規定される報告徴収等の権限の活用等を図ることにより、実効性の確保に努めること。
 九 附則第七条に規定する検討に資するため、障害を理由とする差別に関する具体的な相談事例や裁判例の集積等を図ること。また、同条の検討に際しては、民間事業者における合理的配慮の義務付けの在り方、実効性の確保の仕組み、救済の仕組み等について留意すること。本法の施行後、特に必要性が生じた場合には、施行後三年を待つことなく、本法の施行状況について検討を行い、できるだけ早期に見直しを検討すること。
 十 本法が、地方公共団体による、いわゆる上乗せ・横出し条例を含む障害を理由とする差別に関する条例の制定等を妨げ又は拘束するものではないことを周知すること。
 十一 本法施行後、障害を理由とする差別に関する具体的な相談事例や裁判例の集積等を踏まえ、「不当な差別的取扱い」や「合理的配慮の不提供」の定義を検討すること。
 十二 本法第十六条に基づく国の「障害を理由とする差別及びその解消のための取組に関する情報の収集、整理及び提供」に関する措置のうち、特に内閣府においては、障害者差別解消支援地域協議会と連携するなどして、差別に関する個別事案を収集し、国民に公開し、有効に活用すること。
   右決議する。
 以上でございます。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。
#226
○委員長(相原久美子君) ただいま芝君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#227
○委員長(相原久美子君) 全会一致と認めます。よって、芝君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、森国務大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。森国務大臣。
#228
○国務大臣(森まさこ君) ただいま御決議のありました事項につきましては、その御趣旨を十分に尊重してまいりたいと存じます。
#229
○委員長(相原久美子君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#230
○委員長(相原久美子君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後二時十二分散会
ソース: 国立国会図書館
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