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2013/05/31 第183回国会 参議院 参議院会議録情報 第183回国会 災害対策特別委員会 第4号
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2013/05/31 第183回国会 参議院

参議院会議録情報 第183回国会 災害対策特別委員会 第4号

#1
第183回国会 災害対策特別委員会 第4号
平成二十五年五月三十一日(金曜日)
   午後一時開会
    ─────────────
   委員の異動
 五月二十九日
    辞任         補欠選任
     石橋 通宏君     岡崎トミ子君
 五月三十日
    辞任         補欠選任
     江崎  孝君     西村まさみ君
     岡崎トミ子君     足立 信也君
     尾辻 秀久君     江島  潔君
     小坂 憲次君     中原 八一君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         牧野たかお君
    理 事
                難波 奨二君
                藤末 健三君
                末松 信介君
                中原 八一君
    委 員
                足立 信也君
                那谷屋正義君
                西村まさみ君
                林 久美子君
                福山 哲郎君
                青木 一彦君
                江島  潔君
                佐藤 信秋君
                若林 健太君
                秋野 公造君
                渡辺 孝男君
                柴田  巧君
                平山 幸司君
                山下 芳生君
   国務大臣
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(防災)
       )        古屋 圭司君
   大臣政務官
       農林水産大臣政
       務官       稲津  久君
       国土交通大臣政
       務官       松下 新平君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        櫟原 利明君
   政府参考人
       内閣官房内閣審
       議官       種谷 良二君
       内閣府政策統括
       官        原田 保夫君
       総務大臣官房地
       域力創造審議官  関  博之君
       消防庁審議官   武田 俊彦君
       消防庁国民保護
       ・防災部長    大庭 誠司君
       文部科学大臣官
       房審議官     鬼澤 佳弘君
       文部科学大臣官
       房文教施設企画
       部長       清木 孝悦君
       文部科学省スポ
       ーツ・青少年局
       長        久保 公人君
       厚生労働大臣官
       房審議官     西藤 公司君
       厚生労働大臣官
       房審議官     神田 裕二君
       厚生労働省医政
       局長       原  徳壽君
       経済産業大臣官
       房審議官     宮本  聡君
       国土交通大臣官
       房建設流通政策
       審議官      日原 洋文君
       国土交通省道路
       局長       前川 秀和君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○理事補欠選任の件
○政府参考人の出席要求に関する件
○災害対策基本法等の一部を改正する法律案(内
 閣提出、衆議院送付)
○大規模災害からの復興に関する法律案(内閣提
 出、衆議院送付)
○参考人の出席要求に関する件
    ─────────────
#2
○委員長(牧野たかお君) ただいまから災害対策特別委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日までに、石橋通宏君、江崎孝君、小坂憲次君及び尾辻秀久君が委員を辞任され、その補欠として足立信也君、西村まさみ君、中原八一君及び江島潔君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(牧野たかお君) 理事の補欠選任についてお諮りいたします。
 委員の異動に伴い現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。
 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(牧野たかお君) 御異議ないと認めます。
 それでは、理事に中原八一君を指名いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(牧野たかお君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 災害対策基本法等の一部を改正する法律案及び大規模災害からの復興に関する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、内閣官房内閣審議官種谷良二君外十三名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○委員長(牧野たかお君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#7
○委員長(牧野たかお君) 災害対策基本法等の一部を改正する法律案及び大規模災害からの復興に関する法律案の両案を一括して議題といたします。
 両案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#8
○藤末健三君 民主党・新緑風会の藤末でございます。
 本日は、災害対策基本法の改正、そして大規模災害からの復興に関する法律案について、御質問を申し上げたいと思います。
 私、この二つの法案につきまして二つの観点から質疑をさせていただきたいと思っております。一つは直下型地震への対応というのはどうなっているかということ、そして二つ目になりますのは災害対策及び復興において情報システムをどう利用するかという、この二つについてお話をさせていただきたいと思っております。
 まず、直下型地震への対応ということでございますが、東日本大震災のときに、私、今でも覚えていますのは、交通網が止まりまして、自宅が川崎にございましたので、そのとき。川崎まで三時間半掛けて歩いて帰りました。そのときに思ったのは、もし直下型地震が起きて、電気がなく、そして水も食料もないという状況が起きたときにどうなるんだろうということを暗い道を歩きながら思ったわけでございますが、まだそのときはやはり電気もあり、ちゃんと、停電した部分もございましたけれど、電気もついており、みんな冷静に帰宅できたんではないかと思います。
 しかしながら、東日本大震災のときに帰宅困難者が五百十五万人いたと、私はそのうちの一人だったわけでございますが、昨年に発表されました直下型地震における対応の最終報告書、昨年九月に出された最終報告書によりますと、帰宅困難者が大体一千万人と、東日本大震災の倍ぐらいになるんではないかと、最大、という話がございます。
 この四月には、東京都が帰宅困難者対策条例という条例を施行させましたので、ある程度の対応は取れるかなと思うんですが、今回の法案、そしてこの東京都の条例、また関係三県も似たような条例を出されておられますけれど、それらを見ていますと、正直に申し上げて、非常に足りないんじゃないかなというのが私個人の見解でございます。
 そこで、まず初めに、本法で帰宅困難者の対策はどうなるかということにつきまして御質問したいと思います。お願いいたします。
#9
○国務大臣(古屋圭司君) 委員の質問は、帰宅困難者対策は今回の改正でどうするのかという趣旨の質問だと思いますけれども、今回の改正では、まず帰宅困難者対策に関するものとして何点か規定を定めています。
 まず最初は、鉄道事業者等の民間事業者について、行政との協定締結を促進をする。二つ目、指定公共機関である運送事業者に対する被災者の運送の要請。三つ目、災害緊急事態布告時における情報の公表とか国民に対する協力の要請、帰宅困難者を含めた被災者を滞在させるための避難所の指定、こういった規定を定めているところでありまして、一方、今委員からも御指摘のありました首都直下地震関係の帰宅困難者等対策協議会最終報告ですね、ここでは、まず一斉帰宅は抑制してほしい、それから一時滞在施設を確保する、それから帰宅困難者等への情報提供、帰宅困難者の搬送等が必要であるとされ、現在、関係機関とともにそれらの実施に向けた問題、何があるのかというのは今抽出作業をさせていただいているところでございます。
 今御指摘があったように、東京も条例を作られたということでございますので、今後、今般の改正、そしてそこで新たに設けられた規定も最大限活用しつつ、地方公共団体とも密接な連携をして、帰宅困難者対策に取り組んでまいりたいというふうに思っております。
#10
○藤末健三君 是非お取組を強化していただきたいと思います。
 今回の法律で、大臣がお答えいただきましたように、鉄道事業者、運送事業者、そして東京などの条例を見ますとコンビニとの協定とかいうのが結ばれるようになっております。ただ、実際に調べてみますと、東京メトロが十万人の受入れスペースを造るとか、あと小田急が新宿などの駅に何万人か単位で対応施設を造るとか、京浜急行が一万三千人の受入れができるとかいうことは、幾つかもうデータ発表している企業がございますけれども、どう考えてもマックスで一千万人、そして、これは新聞記事でございますけれども、恐らく帰宅困難者が九十万人ぐらい滞在施設が必要じゃないかということがこれには出ておりまして、例えば都の施設ですと七万人しか収容できませんと。
 いろんな鉄道がいろんな協力をしても、私は、恐らくもう届かないんではないか、数が余りにも大き過ぎてというふうに考えておるわけでございますが、その点につきましてどなたかお答えいただけませんでしょうか。お願いいたします。
#11
○国務大臣(古屋圭司君) 我々は、こういった大災害のとき、もう想定外をなくすという視点で今取り組んでおります。そして、もちろん、今私が答弁をさせていただいた内容も含めて、そういった混乱が起きないようにする、これには、やっぱり国、地方公共団体、それから民間セクター、そしてあと個人ですね、お一人お一人、その認識というのは極めて大切なんですよ。ですから、そういったものをしっかり徹底をしていく。
 だから、そういう意味ではソフト面の対策というのも極めて重要ですから、できるだけ今委員の御指摘のような懸念が起きないような万全な対策を取っていくということに尽きるというふうに考えています。
#12
○藤末健三君 今日は本当、大臣が中心にお答えいただくということでございますので、私は、今日の質問、大きな骨組みは何かと申しますと、一番最後に御質問しようと思っていますが、地方自治体に余りにもいろいろなものを任せ過ぎているんではないかなというのが私の思いとしてございます。
 それは何かと申しますと、実際に東日本大震災が起き、原発の事故が起きたときに、例えば瓦れきと言ったら失礼ですけれども、出てきたいろんなもの、瓦れきを処理するときに、自治体に基本的に判断を任せたじゃないですか。私は、もうあれをやったときに、当時関係していなかったので非常に悔しいんですけれども、自治体に任すべきじゃないと私、主張していたんですよ。国が主導してやらなければ、必ず行き詰まるんじゃないかということを当時言っていました、私は政府内にいまして。
 今回の法律の立て付けを見ましても、やはり国は大きな枠組みを決めます、じゃ自治体も決めてくださいねという枠組みになっていまして、私の個人的な意見としまして、やはりこの災害というものは国が意思を持ってやらなければできないんじゃないかなと。
 例えば東京都、そして関連する三県、あと五政令指定都市が似たような条例を作っておられるし、作ろうとしているという状況でございますが、じゃ実際に、例えば三日間帰宅しないでオフィスに泊まってくださいという話になっていますけれども、じゃそれがどこまで実際にやれるのか。アンケート調査を見ると、中小企業はやっぱり対応できないという結果も出ています。
 ですから、この法律はこの法律で重要だと思うんですけれども、是非とも大臣におかれましては、やっぱり根底のところで自治体がどこまでやるのか、そして国がどこまでやるのかといった場合に、私はもっと国のやるべきところは大きいんじゃないかと思っていまして、これは最後に大臣にお答えいただきたいと思います。
 私、お聞きしたいのは、その根底にあるのは地方自治体との関係でございますけれども、まず、先ほど申し上げましたように、東京都が四月一日から帰宅困難者対策の条例を施行しておりますし、あと周りの三県、あと五政令都市も同じような形で行っているということでございますけれども、この条例をちょっと読んでみて思いましたのは、じゃその関係する都道府県の連携はちゃんとできるんだろうか、また我々が今議論するこの法律で担保できるんだろうかということはちょっと疑問でございまして、その点につきましてお答えいただきたいと思います。お願いします。
#13
○国務大臣(古屋圭司君) 隣接の都道府県とか地方公共団体の連携はどうなんだという趣旨の御質問だと思いますけれども、実際、災害が発生をしたとき、都道府県間の応援は、昨年、災対法第一弾、改正しましたので、ここで応援の対象となる業務を、消防とか救命、救難の緊急性の高い応急措置から避難所運営支援等の災害応急対応全般に拡充しました。それから、都道府県間の応援をこれ国が調整をする。それで三つ目は、都道府県の区域を越えて避難を行う場合の協議、こういったものについて規定をもう既にしたところでございます。
 また、復興段階の支援については、やっぱり専門的な知識とか経験を有する人たちが比較的中長期にわたって業務に携わってもらうと、こういうことが求められると思いますので、今回の大規模災害からの復興に関する法律案、復興法において、復興計画の作成等の必要があるときは職員の派遣を要請することができると、こういった規定も入れさせてもらいました。
 また、今後、関係省庁とか、あと全国知事会とともに、地方公共団体間の広域応援が迅速かつ的確に行われるように、その仕組みの具体化とか、その仕組みが円滑にやはり機能していかなくては意味がありませんので、その機能するための広域的な訓練の実施、こういったものにも努めてまいりたいというふうに考えております。
#14
○藤末健三君 是非、国が主導して行っていただきたいと思います。
 実際に、やっぱり首都直下型地震というのは、もう大臣御存じのとおり、このちょうど東京の下、三つのプレートが複雑に重なっているところでございますので、多くの東京都民含め首都圏に住んでいる人たちは相当心配していると思います。
 実際に、この四月一日に都の条例が施行されたときのいろんな記事を読んでみますと、まだまだ不十分じゃないかという論調がやっぱり多いんですよ。その不安にこたえていただくためにも、各都道府県が行う、そして連携ができるというふうには書いてございますけれども、法律上は、それを実際にもう今からきちんと連携をしてもらい、議論を進めておく準備をやっておくべきではないかということをちょっと是非提案させていただきたいと思います。
 そしてまた、この首都圏直下型という話じゃなく、自分の体験からいきますと、東日本大震災のときに歩いて帰宅難民になったということと、もう一つございましたのが、飲食物の買占めというのが大きな問題だったんではないかと思います。
 私の近所ももう完全に停電していましたので、私の家があったところは停電していまして、もう近所のコンビニ等もほとんど開いていなかったんですけれども、一軒だけがろうそくをつけて店を開いていました。ただ、そこのコンビニの前もすごい長蛇の列で、結局二日後、三日後にはほとんど店のいろんな、特に飲物がなくなっているという状況でございました。
 今回の法律におきましては、生活物資の買占めをしないように協力を求めるということが明記されているわけでございますが、ただ、それは総理大臣、首相が国民に協力を求める、要請するという努力義務でございまして、罰則がないというものでございます。そういうときに、買占め対策、また同時に必要なことは、きちんと供給するルートをつくり供給をしていくということが必要だと思うんですけれども、そういうことがこの法律でどこまで担保されるかということにつきまして御回答いただきたいと思います。
#15
○国務大臣(古屋圭司君) 確かに、買占めは懸念されるところですね。
 そこで、今委員御指摘の、買占めとか買いだめの、要請をするって極めて重要なことですよ。これは、全国規模の経済的、社会的混乱を食い止めるということだけではなく、やっぱり被災地に必要な物資をしっかり適切に届けるという視点からも非常に重要ですね。内閣総理大臣から国民全体に対し買占めの自粛協力を求めることができる規定を置きました。これ、百八条の三項ですかね。これは強制力はないですけど、やっぱり総理大臣自らが国民の皆さんに向かって買占め等々は自粛してくれと言うのは、私は日本人の道徳心、精神文化からして一定の効果は私はあると思っております。
 ただ、それだけにとどまらず、必要な物資を確保する必要がありますので、例えば、今回の改正で災害対策基本法を根拠とする災害時協定に基づく民間事業者からの物資の供給とか、災害救助法に基づく事業者に対する物資の保管・収用命令、そして災害緊急事態における生活必需品物資の供給制に関する緊急政令、これは政令です、政令。それから、あと、生活関連物資等の買占め及び売惜しみに対する緊急措置に関する法律、これはたしか第一次オイルショックのころの法律だと思いますけど、に基づく物資の売渡しの指示、命令の措置、こういった対応も組み込まれていますので、これらの仕組みを適切に活用して、やはり被災地で必要とされる物資が適切に確保されるよう最大限の努力をしていきたいというふうに思います。
#16
○藤末健三君 是非よろしくお願いしたいと思います。
 恐らく、買占めとか起きるというのは、サプライチェーンといいますか、供給の方に不安があるから起きるんではないかなというふうに思っておりまして、どういう状況になっても必ず水、食料、エネルギー、この三つが供給できるという確信があれば、我々、被災したとしても安心して落ち着いて活動できるんではないかと思いますので、是非ともそのサプライチェーンの維持をきちんとやるようなことをより一層徹底していただければと思います。
 取りあえず、直下型地震につきましては、この間、南海トラフのレポートが出ましたけど、必ず直下型地震についても、調べてみますと、十二月九日以降、余り細かいレポートは出ていません。ただ、是非とも直下型地震を想定した対策を、大臣におかれましては関係都道府県と議論を深めていただきたいと思います。恐らく、直下型地震が起きたときの経済的なマイナスとなると半端じゃないと思うんですよ。もし、サプライチェーンが切れ、人がもう動揺して活動ができなくなったときに日本という国の経済産業はどうなるかと考えますと、相当な痛手となると思いますので、本当の意味に国家を強靱化するということを考えたときに、私はやはり首都圏というものをある程度重みを増して議論をしていただきたいと思います。
 続きまして、IT関係の活用ということの話をさせていただきたいと思います。
 マイナンバー法が成立しまして、またこのマイナンバー、防災でも活用できるんではないかという期待が非常に高いわけでございます。実際に、私もマイナンバー法、当初、設計時には関係しておりまして、実際に法案審議にも質疑をさせていただきました。その中で一つ気になっていましたのは、防災におけるこのマイナンバーの利用ということでございますが、今この本法案におきましては、災害救助法による事務、あと被災者生活再建支援法による事務などにこの番号を使うということになってございます。この範囲で使うということは、大分、被災に対する、復興に役には立つと思うんですが、私はこのマイナンバー、もっと利用する範囲を広げられるんではないかと考えておりますが、古屋大臣、いかがでございましょうか。
#17
○国務大臣(古屋圭司君) マイナンバーをしっかり活用すべしという御指摘だということでございますが、まず、やはり災害が発生をしたときに個々の被災者に対してきめ細かい支援を適宜適切に行うためには、やはり災害による被害状況や支援の実施状況だけでなく、障害の有無や疾病の状況など被災者支援の実施に必要な配慮事項を一元的に集約した被災者台帳、これを整理をして、関係部署において共有、活用する、これが非常に大切だと思います。
 今回、この改正では、こうした被災者台帳を市町村が作成するときには、支援の実施状況に関する情報として災害救助法に基づく救助に関する情報、そして要配慮者に対する情報として、要介護の高齢者とか障害者、難病患者、妊産婦等について情報を、言わばマイナンバーを活用して正確に取得できるよう、この災対法の附則により措置をさせていただきました。
 また一方では、罹災証明書については、マイナンバーを活用することによって、被災者が各種の支援措置の申請手続を行う際に罹災証明書の添付を省略できるといった効果が考えるところなんですが、実際は被災市町村においては、災害時に罹災証明書の内容、今電子データとして管理する余裕がないといった実態も実は見受けられるんですね。このような状況ですので、罹災証明書については、マイナンバーを活用する上での前提となる証明内容の電子化が現時点において必ずしも一般的になっていないということなので、今回の改正ではマイナンバーの活用というものは入れてないんですね。
 ただ、国としては、今後、罹災証明書に関する実務の運用状況をしっかり見極めながら、地方公共団体の現場の意見を十分に聞いて、被災者にとって罹災証明書がより使い勝手の良いものとなるよう、将来の法改正も含めて必要な検討をしてまいりたいと、こういうふうに思っております。
#18
○藤末健三君 是非、検討を深めていただきたいと思います。このマイナンバー法が大分前に進みましたのはやはり東日本大震災の教訓がございまして、番号があればもっときちんといろんな状況が把握できたんではないかという、救えた方々がおられたんではないかという議論がございましたので、より一層このマイナンバーを防災又は復興で使えるように御検討をいただければと思っております。
 特に、このマイナンバーの活用におきましては、カルテの共通化などが重要じゃないかと思います。実際に、病院に通われていた方々が、そして被害に遭われ、そしてどのような薬を使っていたかというのは基本的に覚えておられないと。そうすると、病院に行っていろんな診断を受けるときにもなかなか的確な対応ができなかったという記事が幾つかございます。その中で、このマイナンバー、まだまだこれから将来的な応用だとは思いますけれども、カルテの共通化などに是非使うべきではないかと、それは災害対策という意味でと思うわけでございますが、厚生労働省の御見解、いかがでございましょうか。
#19
○政府参考人(原徳壽君) お答え申し上げます。
 御指摘のとおり、災害時にも医療を継続して受けられるようにするということは非常に重要なことだと考えております。そのためには、日ごろからの診療情報、これを安全なところで蓄積していく、そういうようなことが必要になるかと思っております。このため、平成二十四年度から医療機関間で相互に診療情報が参照できるように、防災上の安全な地域にデータを蓄積するサーバーを設置しまして、診療情報システムの主要なデータを別途標準的な形式で保存するための基盤整備を行ってきているところでございます。
 ただ、番号制度につきましては、今回の社会保障・税番号制度におきましては、情報連携の対象機関は主に行政機関ということになって、医療機関は含まれておりません。
 ただ、医療分野の情報化を進めるためにも医療情報の番号制度は重要なことと考えておりますが、ただ今回の対象と比べまして、例えば利用機関が圧倒的に多くなってくると。例えば、診療所だけでも全国で十数万、そういう意味では桁が違う数の対応をしなければいけない、それに対する費用をどうするか。それから、扱います情報が健康の情報ですので、やはりその情報の保護をどのようにしっかりと保つかというような課題があると考えております。
 そういうような面も含めまして、また国民的な理解の醸成も必要と考えておりまして、しかしながら、そのための検討を進めて導入に向けて努めていきたいと考えております。
#20
○藤末健三君 是非、防災という意味でも災害対策という意味でも進めていただきたいと思います。
 いろんなコストが掛かるのはあるとは思いますけれども、圧倒的にカルテを電子化したことによるメリットと、恐らくコストの低減、今わざわざ打ち替えているじゃないですか、データをもらって、人が手書きのデータを。ああいうコストはすさまじく、もうこれはここでやめますけれども、そういうところをきちんと見ていただかなければ、コストが掛かるということをおっしゃいますけど、私はコストは絶対低減できると思います、電子化すれば。
 それだけはちょっと申し上げたいと思いますし、またいつ災害が起こるか分かりませんので、その災害が起きたときに、また起きたときに、あのとき議論したのになぜできていなかったのという話になりますよ、局長、これ、本当に今すぐ動かなければ。もう実際にいろんな声が出ているわけじゃないですか。仙台市長がおっしゃっているのは、あのときにきちんと番号があって医療のデータが共有化されていれば、どれだけの人が救われたかということをおっしゃっています、ここに。そういうような議論がある中で、じゃ、何年たっても全然進んでいませんよという話であれば、僕はそれは大きな未必の故意になると思いますよ。
 ですから、是非、本当に早く議論を推し進めていただかなければ、後でもし災害が起きたときに、厚労省の関係だけはできていませんでしたよということは絶対許されない話だと思いますので、そこはきちんと対応していただきたいと思います。
 また同時に、自治体のシステムの話をさせていただきたいんですが、先ほど古屋大臣から、罹災証明書の電子化が進んでいないので、法律の対象にすることはいろいろ検討されたけれども、しなかったということだったんですが、私も今自治体のシステム化というのは非常に遅れているのではないかと思います。
 実際に、被災された女川に伺いましたときに、女川の町役場、もうコンピューター全部流されていました。同時に、紙で保存されているやつも流されているという状況。全くデータがなかったんですね。
 そのとき思いましたのは、わざわざ独自のコンピューターを買って町ごとに置くよりも、きちんとクラウドを使っていればこういうことにならなかったんじゃないかなと深く思ったわけですが、自治体のシステムのクラウド化につきまして総務省の方から見解をいただけますでしょうか。
#21
○政府参考人(関博之君) お答えいたします。
 今お話ございましたように、東日本大震災におきまして、女川町の例もございましたが、女川町を含めまして一部の市町村では情報システムが流失しました。そのために、住民情報などの復旧に相当な時間と労力を要する事態が生じたところであります。
 こうした貴重な教訓を踏まえますと、今お話ございましたように、業務継続性の確保の観点から、災害による情報システムの障害の発生を想定しつつ、ハードウエア、ソフトウエア及びデータなどの物理的な安全性の確保やバックアップ環境を整備することが大変重要になります。その意味では、今お話ございましたクラウド化、これが大変大事になってまいります。
 私ども、これまでも、運用経費を圧縮しながら災害時の業務継続性を向上させようということで取り組んでいるところでありますが、今回のこういう法改正、あるいはお話のございました番号制度の導入、これが一つの大きな契機になりますので、災害等に強い行政基盤を構築するためにこの自治体クラウドの導入を加速させていきたいと思っております。
#22
○藤末健三君 総務省にお願いしたいのは、もう自治体の判断に任すことはやめて、ある程度国が強制的にやるような仕組みをつくっていただきたいと思います。各自治体が自分たちの判断でクラウドを使うかどうかということを判断してもらいますよというのが総務省のお立場と思いますけれども、この防災という観点から、これはクラウドを使ってくださいなという、もう半分強制的にやらなければ私はならないのではないかなというふうに思います。
 余り知られていないと思いますけれども、町役場ごとにデータのフォーマットが違うんですよ、今。あり得ないですよ。ですから、今回何が起きたかというと、ある市の人が応援に行きました、そうすると、いろんな帳簿の書き方が違うんですね、市によって、同じことをやっていても。で、お手伝いするのにすごく時間が掛かりましたという話もございますので、やはりある程度業務を統一化するということは、クラウドを使うということもありますし、業務を統一してほかの役所から応援に来たときにきちんと業務が継続できると、二つの効果があると思いますので、これは国が主導してやっていただきたいと思います。
 そして、ITにつきまして質問がもう一つございまして、サイバーテロというものに対する考え方がこの法律でどうなっているかということです。実際に、韓国の事例がございまして、放送そして金融といった生活のインフラが止まるというある意味災害が起きたわけでございますが、この法律二つ、そしてまた他の法律でも結構でございますが、そういうサイバーテロへの対策、どうなっているかということについてお答えいただけないでしょうか。お願いします。
#23
○政府参考人(種谷良二君) お答えいたします。
 サイバー攻撃によりまして重要インフラサービスの重大な供給停止等の緊急事態が発生をいたしました場合には、緊急事態対処に関する閣議決定等に基づきまして、官邸危機管理センターに官邸対策室等を設置し、必要に応じまして関係省庁の局長級から成る緊急参集チームを緊急参集させまして、情報集約を図り、事態の迅速、的確な把握、被害拡大の防止、復旧、原因究明、国民への情報発信等について協議をするなどして、政府一体となった初動対処措置をとることとしてございます。
 また、このような大規模サイバー攻撃事態等の発生に備えまして、重要インフラ事業者が被害を受ける事態等を想定した関係省庁連携訓練を毎年度実施するなど、事案発生時の対処体制の構築に努めてきたところでございます。
 今後とも、これまで実施した訓練の教訓を生かすとともに、また、先ほどお話のありました諸外国の事例等も参考としつつ、新たな素材を設定して……
#24
○委員長(牧野たかお君) 答弁をなるべく簡潔にしてください。
#25
○政府参考人(種谷良二君) はい、分かりました。済みません。
 訓練を継続的に実施するなどして、官民連携して適切に対応してまいりたいというふうに考えております。
 以上です。
#26
○藤末健三君 種谷審議官にお聞きしたいんですけど、例えばサイバーの攻撃に何があるかというと、電力止めるんですよね。実際にあるじゃないですか。電力をまずサイバー攻撃で止めて、その後爆撃するというのが一般的な戦争になりつつある中、じゃ、このサイバー攻撃で電力網が止まったときにどうなるんですかと。先ほどおっしゃったように、企業に頑張ってもらいますよ、危機管理体制でいきますよという話と、この災害対策というのは非常に大きなところでダブっていると思うんですよ。そこについてはいかがですか、見解は。
#27
○政府参考人(種谷良二君) 大規模災害が起きたときには、御承知のように、当然、災害対策基本法上の緊急災害対策本部ですとか非常災害対策本部というのができるわけでございます。その中には重要インフラを所管する役所も当然入っているわけでありまして、その中で、その重要インフラの復旧ですとか原因究明ですとかそういったことも踏まえて、政府一体となって対策を立てていくというふうに理解をしております。
#28
○藤末健三君 分かりました。
 とにかく大臣、私、割とサイバーテロとかアタックのことは自分なりに研究しているんですよ。極端な話言うと、サイバーテロとサイバーアタックというものに対する法律の定義はないんですね、今、実は。何となく役所の方々が行政的な判断で今対応をつくられているんですよ。法的な定義はない状況でございます。
 私は、是非、大臣におかれましては、やっぱりこの安全な日本ということを考えたときに、災害の中にこのサイバーの災害というのをやっぱり定義付けしていただいた方がいいんじゃないかと思います、私は。同時に、今、種谷審議官が多分所管されておられるであろうサイバーのセキュリティーのセンターがあります、内閣官房に。そこも法的に定義されたものではありません。したがって、予算がないんですね、ほとんど。という状況がございます、これは。そのようなやっぱりサイバーの災害ということも私は将来的には考えていかなきゃいけないと思っていますので、これは是非ちょっと問題提起としてとらえていただきたいと思います。
 最後に、質問でございますが、このように議論をさせていただいたわけでございますけど、根っこに戻りまして、やはり私はこの法律を考えたときに、余りにも地方自治体に任せている部分が大きいんではないかなという気がしております。
 例えば、条例を各県が出されておられる、そして協議会をつくるというのは法的に担保されてはいますけれど、もっと、例えば先ほど私は直下型地震のことを申し上げましたけれど、首都圏直下型地震を想定したような対応を国がもっとイニシアチブを持ってやらなきゃいけませんし、実際に災害が起きたときにもっと国が乗り込んでやるべし、これは僕が東日本大震災のときに個人的に思ったことです。
 ただ、もっと国が乗り込んでやらなければ、例えば自治体に任せていますと、今被災された町に行くと、この町はもう大分復興プランが進んでいるけど隣の町はほとんど進んでいない、もうまだらになっているんですね、実は。恐らくこれは、こちらにきちんとした家が建ち始めて、こっちは全然建ち始めませんよという状況になると思います、私は、近いうちに。
 そういう状況を見たときに、本当に都道府県そして政令指定都市に任せておく部分と、国が圧倒的な意思を持ってやる部分というのをもっと明確に分けなきゃいけないんではないかと考えますが、その点、大臣、いかがでございましょうか。
#29
○委員長(牧野たかお君) 古屋防災担当大臣、もうすぐ時間になりますので、簡潔にお願いします。
#30
○国務大臣(古屋圭司君) 確かに、大規模の災害が発生した場合、地方公共団体間の連携だけでは対応していない部分、出てくるでしょうね。だから、今回の改正では、例えば国が都道府県の災害応急対策を応援する制度の創設、あるいは応援を求められた国の応諾義務、これも規定をしました。それから、被災した地方自治体の指揮命令系統が失われる場合、国が瓦れきの処理だとか土砂の撤去等、特に緊急を要する応急措置を代行する制度、こういうのも盛り込みました。なので、基本的に国が主体的にやる部分というのも規定はしています。
 大規模災害からの復興については、やはりとても被災地域だけではできませんので、復興本部を設置して、国の機関であるとか地方公共団体の施策の総合調整を行って、国の施策の方向性を示した復興基本方針を速やかに策定する、こういうふうになっています。
 ただ、とはいうものの、やはり住民の、現場主義というか意向というのもありますので、例えば、じゃ具体的にどういう土地利用をしていくのとか、将来自分たちの地域はどういう姿がいいのかというような将来像、こういうものはやはり被災自治体の住民の皆さんの意向もしっかり反映をしていく必要もあるんですね。
 だから、そういった視点で、今回の復興法案は、大規模な災害からの復興は国と地方がしっかり連携をして、国が主体的にやる部分はしっかり規定をいたしました。一方では、やはり住民の意向というのもありますので、そういった意向もしっかり尊重しながら、まあ協働、お互いに働く、協働していこうと、こういうのが基本的な考え方です。
#31
○藤末健三君 是非、私は、今回の法改正はまだまだ直すべき部分があると思います。特にITシステムをいかに活用するかというのは、マイナンバーができてこれからどう活用するか議論していただくということでございますし、またサイバーの災害をどうするかということもございますので、是非、大臣におかれましては、より一層の検討を深めていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
#32
○難波奨二君 民主党の難波奨二でございます。
 今日は、本会議の予定がございましたけれども、見送られました。少し国会の方も終盤に入りまして波風が立っているという状況でございますが、友好的に質疑を行ってまいりたいというふうに思います。
 それで、友好のあかしといたしまして、まず第一問でございますが、古屋大臣におかれましては、政権交代後半年の大臣の経験が過ぎようと、来ようとしておるわけでございますが、国土強靱化担当そして防災担当として、古屋イズムと申しますか古屋カラーと申しますか、特に大臣が力を入れて今取り組まれておる政策とか新たな着眼点、こういうものをちょっと御披露いただければと思います。
#33
○国務大臣(古屋圭司君) 初代国土強靱化担当大臣及び防災大臣としてどういった考えで取り組んでいるのかということですね。
 まず、防災担当大臣としては、過日、南海トラフ巨大地震のときにも発表したように、もう想定外はない、もう最悪の事態も想定をして、それに対してソフト、ハード両面の対応をすることによって被害はかなり軽減できますよということを国民の皆さんがしっかり認識してもらう、こういった努力はしております。
 一方、国土強靱化といいますと、もっと大きな範囲ですね。だから、私は、やはり国土強靱化の基本的な考え方は、まず絶対致命傷を負わない、速やかに復旧させる、被害を最小限に食い止める。その対策を事前に講じることによって、結果として平時にも競争力、レジリエンス、強靱性が付くんですね。そのことが安倍内閣の言う成長戦略にもつながっていくんだ、そういう考え方に立ってやっている。
 だからこそ、国土強靱化というのは自然災害だけじゃないんです、ありとあらゆるリスクを想定をしています。そういったリスクを想定をして、そしてその手順としては、まずあらゆるリスクを拾い上げて、そして起きてはならない状況というのを四十五分類にして、そしてそれを提示をして、じゃ、そのためには何をしていかなきゃいけないかプログラム規定を作って、そしてその結果、脆弱性というのがありますね、それに対してどういう対応をしていこうかということを優先順位を付けて、私、いつも松竹梅と言っているんですがね、やっぱり松を一番最優先にしていくと。こういうような取組をしていくことによって、結果として強靱性のある国や地域や企業、企業体、例えば企業体でもBCPなんかはしっかり取り組んでいかなきゃいけないので、そういったものを取り戻すことができる。
 今年の一月に、ダボス会議でこんなことがあったんですよ。日本の国際競争力は世界でも有数だ、ただしそのレジリエンスについてはちょっと低いねという評価。だからこそ、レジリエンスを上げることによって、国際競争力元々あるんだから、世界で最強の国、地方、そして企業体をつくることができる。これが私が取り組んでいる国土強靱化です。
#34
○難波奨二君 国民の命、生命、財産ですね、これを守る大臣でございますので、どうか頑張っていただきたいと思います。
 次の質問なんですけど、特に私の意図はございません。どうしてもこの質問は実は聞きたかったところでございます。
 東日本大震災、未曽有の大震災と言われましたし、千年に一度と、こういうことも言われたわけでございますが、前政権はそういう意味では大変批判をこの国会でも浴びてまいりました。遅々として震災の復興が成らないじゃないか、原発事故の収束も前に進まないじゃないかと、このように批判をされてきたわけでございますが、大臣は情報も防災担当大臣として随分入っておられると思いますけれども、そうした大臣の半年近くの御経験踏まえ、現在、自民党政権、自公政権にもう一度政権交代いたしまして安倍政権ができたわけでございますが、この震災復興や原発事故の収束というものは大きく前政権よりも進んだのかどうなのか。そして、その場合、前政権のどこに何が問題があり、今の政権と違うのか、特別な私の意図はございませんので、どうか忌憚のない御意見、お伺いしたいと思います。
#35
○国務大臣(古屋圭司君) 東日本大震災からの復興対策、前政権も一生懸命私はやられていたと思います。評価はしたいと思います。ただ、やはり合意形成であるとか膨大な業務処理というのは本当に多くありましたので、ある意味でちょっと迅速さには欠けているかなというのが私は思いがあります。
 安倍内閣になりまして、安倍総理はもちろん復興大臣を指名しましたけれども、それ以外にも全ての閣僚が復興担当大臣になったんだ、そういう気持ちで取り組んでほしいと、こういう具体的な指示が実はあったんですね。ですから、今までの民主党政権下の復興施策を総点検をして、そして、それを基に足らざるところ等々を新たな政策を再構築をして政策を今進めているところであります。
 その総点検を踏まえ、具体的には、例えば復興庁の体制の見直し、それから復興予算に関するフレームの見直し、復興の加速化の具体化、推進、それからまだ手が及んでいない部分というのがありますが、こういったものに対する解消、こういうことを通じて、できるだけ復興の加速化が進むように今も不断の努力をさせていただいております。
 また、福島第一ですね、F1については、まあ事業者である等の批判も、事業者任せにしているんじゃないかという批判もありましたので、二十四年の補正で最先端の放射性物質の分析、研究を行う施設等に八百五十億円計上して、研究開発の推進において国が主導的な役割を果たしていくという取組もさせていただきました。
 また、廃炉を進める上で大きな課題の一つは汚染水の問題ですね。これは、実は抜本的な対策として、一部ニュースには流れましたけれども、地下水が流入抑制するための対策、それは一メーターほどの間隔でパイプを打って、そしてそれをマイナス四十度で冷やして全部土を凍土化させる、要するに凍らせる。これによって、もし水が漏れてきても浸透しないわけでありますから、こういった対策を取りまとめまして、これは早急に実施したいと思っております。これは、現実に経済産業省が主体となってやっていますが、こういったものもやっぱり予算が掛かりますので、しっかりその辺は御理解をいただきたいなというふうに思っております。
 いずれにいたしましても、前の政権の足らざる部分はしっかり我々がフォローしていく、これは現政権の役割であるし責務だというふうに思っております。
#36
○難波奨二君 細かく私も議論をするつもりございませんが、しかし国民の皆さんからしても、前政権と現政権でどれだけのスピードに変化が、差があるのかというのは、やっぱりこれは率直に知りたいという思いがあるんだろうと思いますね。
 そこで、大臣、例えばでございますが、前政権が車のスピードでいえば三十キロだったとしますね、スピードが。じゃ、今の政権は何キロぐらいで走っておられるか、ちょっとお願いできますか。
#37
○国務大臣(古屋圭司君) 私、国家公安委員長でもありますので、交通ルールを守るというのが私の責務でもありますので、時速三十キロの制限のところは三十キロで走るのが当然でありますし、高速道路は百キロでございますので、百キロで走ると。ちゃんとその許容された範囲内で最大限のスピード、そしてそれがぴしっとルールにも合致しているという速度で走るのが理想でありますし、それを心掛けてやっております。
#38
○難波奨二君 じゃ、本題に入ってまいりたいと思いますが、先ほども藤末委員の方からもございましたけれども、今回のこの基本法の改正によって、まだまだ十分じゃない、まだ積み残されているものがあるんじゃないかと、このような御指摘もあったわけでございますが、今回は第二弾の改正というふうになるわけでございますけれども、大臣として積み残された課題はどういったものがあるというふうに御認識をなされているのか、あるとすれば、今後どのようなタイムスケジュールで、三度目と申しますか、この次の改正に向けて取り組んでいかれようとされておられるのか、御認識をお聞きしたいと思います。
#39
○国務大臣(古屋圭司君) やはり東日本大震災、この貴重な経験を今度の災害対策基本法の改正に生かしていく、これが前提で、それで、やはり現場でいろいろ対応に混乱を来した面、多々ございました。今回の法律で基本的に、第一弾の法改正は昨年終わりましたので、そこで足らざる部分は今度の改正でまあ大体おおむねやれたのかなという感じがいたします。
 ただし、こういうものは現実に動かしていけばまた不具合が出てくる可能性はあります。そうした場合は速やかにやはり見直していく。ただし、そのときに大切なのは、やっぱり現場主義なんですよね。現場の視点というのが非常に重要で、現場の実態に応じてそして対応していく、国が積極的に関与すべきものは国がしっかり関与していく、やはり地域の地方公共団体に任せるべきものについてはそういう取組をしていく。めり張りを付けた対応がこれから運用していく上でも非常に重要だと思っています。
 今後、もし足らざる部分があれば、皆様方の御協力をいただいて改正をしていくということも当然視野に入れていくべきだと、こういうふうに考えております。
#40
○難波奨二君 おっしゃるとおりだと思うんですね。現場における新たな問題、そして時間の経過とともに新たに起きてくる問題も現実的にもあるわけでございますので、今大臣の方から御答弁がございましたように、この法律というものがやはり十分震災復興等々に、あるいは防災の観点、減災の観点で生かされる法律になるように、今後とも検討を重ねていただきたいというふうに思います。
 次に、近く発足されるというふうに言われております防災対策実行会議、この会議の役割と、そしてどのような所掌をこの会議はお持ちになられるのか、お聞きしたいと思います。
#41
○国務大臣(古屋圭司君) 東日本大震災からの教訓を生かして災害対策を充実強化をするため、今御審議いただいている災害対策基本法の見直しに取り組んでいるところでございますけれども、引き続き残された防災対策の諸課題、これを具体的に実行に結び付けるということが何よりも大切でございますので、三月二十六日に開催された中央防災会議で、新たな専門委員会として防災対策実行会議、これを設置をさせていただきました。
 具体的には、まず災害対策法制の見直しを受けた実行上の課題とその対策、一つ。それからもう一つは、やっぱり南海トラフの巨大地震や首都直下地震に関する政府全体の行動計画の策定、こういったものについて専門的な見地から御議論をいただきたいなというふうに思っております。
#42
○難波奨二君 よく言われることでございますが、組織というのはいろんな会議をつくって屋上屋を重ねて、結局会議倒れになるというようなこともよく組織上あるわけでございますが、やはり実効性のある、そしてスピード感を持って指示、命令ができるような、やっぱり災害に対するそうした会議の設置が必要だろうというふうに思いますので、十分その辺のところを認識の上、今後も取り組んでいただきたいというふうに思います。
 次に、災害対策基本法というのは、昭和三十四年の伊勢湾台風を受けて三十六年に制定をされたわけでございますけれども、五十年以上を経た今日、今回の法改正に当たりまして基本理念というものを設けられたわけでございますけれども、その理由につきましてお伺いしたいというふうに思いますし、今後この理念に基づいて具体的に進められる防災対策、あるいは災害発生後の応急対策等についてどのような変化が見込まれるのか、その辺をお尋ねしたいと思います。
#43
○国務大臣(古屋圭司君) 委員御指摘のように、災害対策基本法は、昭和三十六年ですから、もう五十年ですよね。その間、大きな改正は五回ありました。今回、初めてこの災害対策基本法の中に基本理念を定めたわけでございますけれども、やはり東日本大震災も超える被害をもたらす可能性があると言われている例えば南海トラフ巨大地震とか首都直下地震等の発生が懸念をされておりますので、こういった大規模広域災害への対策、充実強化、減災、防災、これがもう喫緊の課題である、もう委員もよく御認識しているとおりでございます。
 したがって、このために、災害対策基本法に基本理念を明記することで災害対策に関する基本的な考え方というものが広く国民に共有をされて、関係者が一体となって災害対策に取り組む体制が整う、こういう考えでおります。したがって、基本理念を入れた意義というのは私は大きいというふうに思います。例えば、被害を最小化をしたり迅速な回復を目指すという減災の考え方や、被災者の特性に応じた被災者支援という考え方、こういったものもこの理念により徹底をされていくことが期待をされていると思います。
#44
○難波奨二君 今御答弁ございましたように、私はやっぱり国民の皆さんにこの理念が共有されることが非常に大事だと思うんですよね。自助、共助、公助、あるいは減災といった形、あるいは関係者が協働して、災害等が起きた場合、あるいは事前の対策を一緒にやろうじゃないかというような、こういう理念が含まれておるわけでございますが、そういう基本的な考え方というものを国民の皆さんに広くやっぱり共有していただく方策というものを是非検討していただきたいというふうに思いますけれども、大臣、いかがでございますか。
#45
○国務大臣(古屋圭司君) 全く私も同感でございます。やはり、今、自助、共助、公助ということがありましたけれども、確かにそのとおりなんですね。このうち一つが欠けてもやはり適切な防災対策はできません。したがって、国民の皆様がひとしくそういう認識を共有してもらう、これは極めて重要ですね。
 ですから、今回のこういった改正を機に、あるいは私も防災担当大臣として、あるいは国土強靱化担当大臣として、広く国民の皆様にそういうお考えを持っていただくよう啓蒙活動を徹底していく、同時に私の責任だというふうに思っています。
#46
○難波奨二君 次に、住民参加型の地区防災計画というものを今後全国で、各地域で、住民参加によって自らの命は自ら守っていくんだよ、そして安全とか財産を守るという、こういう自主的な地域での対応に対する計画が作られていくわけでございますけれども、国民の皆さん、住民の皆さんというのは、そうは申しましても専門的な知識というのはお持ちじゃないわけでございまして、この地区防災計画というものを作る上で国としてどのような対応ができるのか、今どのようなサポートをするべきとお考えなのか、お聞きしたいと思います。
#47
○政府参考人(原田保夫君) お答え申し上げます。
 今回の法改正で、コミュニティーレベルでの防災活動の促進を内容とする地区防災計画を位置付けているところでございます。特に、この地区防災計画は、最終的には市町村が決めるという形を取っておりますけれども、その前提として住民の方々が提案をできるという仕組みも併せて導入をしておりまして、従来の防災計画がトップダウン型の計画であるとしたら、今回の地区防災計画はボトムアップ型の計画ということで、自助、共助の精神を具現化するという意味で極めてその役割は大きいというふうに期待をしているわけでございます。
 ただ一方で、これが普及、定着していくためにはいろんな努力も必要だと思っておりまして、そういった意味で、今後住民の自主性を尊重するということは大切なことでございますけれども、国として地区防災計画に関するガイドラインの作成、あるいはモデル地区を設定をいたしまして、それに対する支援についての検討を行うなど、公共団体とも連携をいたしましてこの地区防災計画の普及、定着に積極的に取り組んでまいりたいというふうに考えております。
#48
○難波奨二君 よろしくお願いいたします。
 それで、少し質問を飛ばしますけれども、個人情報の保護の観点からの御質問をさせていただきますが、今回、避難行動要支援者名簿の活用とか被災者台帳等々の作成、活用とか、あるいは安否情報の提供とか、個人情報にかかわる大きな変化が起きておるわけです。
 私は、この個人情報保護というのは、少し国民の皆さんも、あるいは各企業と申しますか事業主の皆さんも過敏になり過ぎているんじゃないかという思いはずっとしてきたんですよね。そのことが今回の大震災に当たっても私はいろんなところに問題が生じてきたという現地のお声もお聞きしておりますけれども、そういう状況にあるんだろうと思いますが。
 そこで、質問でございますが、個人情報保護法と、今回の改正に当たって、法的にあるいは規定的にきちっと整理がされているのかどうなのかという点をお聞きしたいと思います。
#49
○政府参考人(原田保夫君) お答えを申し上げます。
 市町村段階で申し上げますと、個人情報保護につきましては各市町村が制定している個人情報保護条例というのが適用されるわけですけれども、通常、市町村内部での個人情報の目的外利用であるとか、市町村外部への個人情報の提供等はこの中では禁止されております。その結果として、これまで市町村の取組において、防災部局と福祉部局との間で個人情報の共有や消防団等の外部の避難支援者への情報提供が行えず、避難行動要支援者の名簿の作成、利用が円滑に進まないという問題もあったというふうに認識をしております。
 このため、今回の法改正で、避難支援につきまして、災害時の避難に特に支援を要する方々の名簿の作成を市町村に義務付けるとともに、名簿の作成に必要な個人情報の利用が可能となるよう法律によって必要な措置をしたということでございまして、これによって市町村の担当部局で必要な情報を漏れなく把握をすることが可能になるというふうに考えておりますし、さらに、こうして作成した名簿については、平常時につきましては本人の同意を得て地域の支援者に提供いたしますけれども、実際に災害が発生した場合には本人の同意の有無にかかわらず避難支援者に対して名簿を提供できるように、これも併せて今回の法律の中で措置をしているということでございます。
#50
○難波奨二君 再度確認いたしますけれども、法的にきちっと対応しているので、そごはないということでよろしゅうございますね。
#51
○政府参考人(原田保夫君) お答え申し上げます。
 法律で措置しておりますので、市町村段階で個人……
#52
○委員長(牧野たかお君) まだ指していません。原田さん、まだ指していない。
#53
○政府参考人(原田保夫君) 済みません。失礼しました。
 お答えします。
 法律できちっと措置をしておりますので、市町村段階で心配することなく運用ができるというふうに考えております。
#54
○難波奨二君 法的には、今おっしゃったようにきちっと対応していると。しかし、対応される側、受け取る側ですよね、つまり国民の皆さん、被災者の皆さん個人がやはりどのような御認識にあるかというのも、非常にこの問題というのは大きなやっぱり影響があるわけですよね。これに対して具体的にどのように取り組んでいこうとお考えなのか、今の時点であれば、お聞きしたいと思います。
#55
○政府参考人(原田保夫君) 従来、個人情報保護の問題につきましては、いろいろ市町村段階でいろんな抑制的な運用がされていたという実態もございますので、恐らく住民の方も含めてこういった抑制的な運用実態についての認識が一般的だろうと思います。
 したがいまして、今回の法改正では多少それを改善をしたということでございますので、これからいろいろなガイドラインも、我々、避難支援についてのガイドラインも作る予定にしておりますけれども、そういった中でも、こういった今回の制度の改正の趣旨、内容につきましては、きちっと住民の皆様方に至るまで徹底がされるようにいろいろガイドラインの内容にも反映させていきたいというふうに考えております。
#56
○難波奨二君 それで、大臣にもちょっと知っておいていただきたいというふうに思うんですけれども、私、郵政の出身でございまして、本当にいろいろ御厄介になっておって、ありがとうございます。
 今回の大震災と、そして平成七年でございますけれども、阪神・淡路の大震災と大きく違うのは、避難所における避難者の名簿の提出とか把握なんですよね。つまり、もう時代がやっぱり随分変わっちゃいまして、国民の皆さんというのはやっぱり個人情報に対して非常に慎重になっておられまして、この避難所にどの方が避難しているかというのを郵便局が把握しようとしても、阪神・淡路のときとは随分違って、やはり非常に避難者の皆さん、被災者の方々のお気持ち、お考えに変化が生じておるんですね。
 これは郵政だけにというふうなことを私は申し上げるつもりはないんですけれども、こうした被災住民の皆さん、あるいは国民の皆さんもそうでございますが、個人情報の保護との関連で、こうした災害等の事態が起きたときに具体的に困窮な事態が起きているわけでございまして、そうした問題について、これを契機に少し議論を起こしていただけるような、そうした動きができないかどうか、ちょっと大臣、突然の質問で大変申し訳ない、恐縮なんですが、お答えいただければと思います。
#57
○国務大臣(古屋圭司君) まず冒頭に、いろいろ郵政、御苦労さまでございました。
 私も非常にその思いがございましたので冒頭にお話しさせていただき、その上で、今度、法律改正でそういうルールを作ったんですね。だから、個人情報保護法という壁がありますので、その壁があっても例外規定を設けて対応できるというルール。じゃ、実際それをうまく運用していくということが極めて大切ですよね。
 ですから、例えば市町村が被災者の居どころであるとか被害の状況、支援に際しての配慮事項を一元的に集約をした被災者台帳ができると、こういうことになっていますので、そういった被災者台帳の作成に対しても個人情報の利用がやっぱり可能になるような必要な規定、今度設けましたので、だからそれをちゃんと運用していっていただくということが大切ですね。
 あと、今郵便局のお話されましたけど、やっぱり郵便会社の、もう非常にそういう意味で郵便局なんかもいろんな立場で御協力をいただける要素はたくさんあると思いますので、そういった取組を是非していただきたいと思います。
 それから、今後はやはり、避難所における良好な生活環境の確保に関する取組方針、こういうものを作りますので、これを策定する際に実際に具体的にいろいろ盛り込んでいこうと思います。そこで、避難住民の個人情報が適切に活用されるようなガイドラインも併せてこういったものの中に作っていく、これによって皆様方の意識を、災害のときには変わるんだという意識を持っていただく、そして適切な運営をしていくということが何よりも大切だと思います。
#58
○難波奨二君 大変前向きな御答弁、ありがとうございました。
 次に、これもちょっと不思議なことだなと思って質問させていただくんですけれども、昭和三十七年に災害緊急事態の布告等の規定がなされたわけでございまして、しかし現在までこの布告というのはなされていないわけですね。阪神・淡路もあったわけでございますし、二年前の東日本大震災もあったわけでございますけれども、これまでなぜ災害緊急事態制度の活用というものがなされなかったのか、お答えいただきたいと思います。
#59
○政府参考人(原田保夫君) お答えいたします。
 災害緊急事態の布告の法律上の効果としましては、事実上、国会閉会時等における緊急政令の制定ということに限られていたというのが現状でございました。東日本大震災につきましては、御存じのように国会が開会中であったということがございます。加えて、一部にいろんな混乱はございましたけれども、全国的な国民生活及び経済の混乱が生じて国の経済及び公共の福祉に重大な影響が及ぶ事態にまでは至らなかったと。したがって、緊急政令の制定の必要がないということに着目をして災害緊急事態の布告は行わなかったということでございます。
 ただ一方で、緊急事態の布告はいたしませんでしたけれども、これは災害対策基本法ができて初めてですけれども、緊急災害対策本部の設置はいたしました。
 あと、阪神・淡路大震災についても、緊急政令についての同様な考え方でこの布告が行われなかったというふうに理解をしております。
#60
○難波奨二君 大臣、もう簡単で結構でございますが、先ほど藤末委員の質問にもあったわけですけれども、この布告の効力、拘束力、これを、ただ単にないということじゃなくて、やっぱり国民の皆さんにやっぱりきちっと理解していただく取組というのが非常に重要だと思いますので、今後の国民の皆さんへの周知活動、広報活動、この辺に対する決意をお聞きいたしまして、私の質問を終わりたいと思います。
#61
○国務大臣(古屋圭司君) おっしゃるとおりで、今回の改正の趣旨をしっかりと踏まえまして、やっぱり緊急事態の布告の際には、この制度の適切な運営、今、原田統括官からも答弁がありましたけど、その徹底をしていく、極めて大切だと思いますので、しっかり私も指導してまいりたいというふうに思います。
#62
○難波奨二君 終わります。ありがとうございました。
#63
○青木一彦君 自民党の青木一彦でございます。
 今回、法律案について質問をさせていただきますが、地元ふるさとの島根県の実情を踏まえて質問をさせていただきたいと思います。
 南海トラフ巨大地震は、先般の政府の予測を見ましても、それこそ関東から九州の太平洋側で甚大な被害が発生するおそれがあります。内閣府の最終報告読ませていただきました。死者が三十二万人。我が県の人口は七十万人です。この半数近い人命がそれこそ亡くなってしまう。そして、経済被害は二百二十兆円になると報告されております。ただし、防災・減災対策を講じれば、被害は死者数を五分の一、経済被害も百十二兆円に半減できると指摘をされております。被害を最小限に抑えるよう早急に対策を講じていただきたいと思います。
 そこで、南海トラフ巨大地震が発生した場合、日本海側に多くの避難者が来る可能性があります。東日本の大震災でも、福島県から新潟県にかけ数万人の避難者が殺到した光景が思い出されます。地震対策を進めるに当たっては、直接の被害が予想される地域の防災力の強化だけではなくて、周辺地域からの被災地への支援や、周辺地域での被災者の受入れも当然必要になってきます。
 そこで、受入れ側と予想される地域でも、日ごろからの組織、体制の整備、災害時の被災自治体との連絡調整、財政負担の軽減などの課題があると思いますが、これをどのようにして円滑な受入れ体制を確保されるのか、お尋ねいたしたいと思います。
#64
○国務大臣(古屋圭司君) お答えさせていただきます。
 大規模広域災害の発生、これに備えるためには、やっぱり地方公共団体間の広域的な連携、これ極めて大切ですね。具体的には、全国の都道府県が全国都道府県における災害時等の広域応援に関する協定、これを既に締結をしているところでありまして、今年三月には全国知事会で、この協定の運営に当たって応援を行う都道府県の標準的な役割であるとか機能等も例示した具体的な行動モデル、こういったものを作成をしております。
 この中で見てみますと、応援する側の自治体側の取組については、平時から顔の見える支援体制を構築をするということが重要であるということを指摘されている。具体的には、まず自治体間の連絡窓口や連絡方法をあらかじめ確認をしておくこと、それから災害フェーズに応じた派遣職員の人員や職種、供給物資の輸送手段や輸送先、広域避難者の受入先や受入れ手段、これをあらかじめ検討しておくべきである、こういうことが盛り込まれていますね。
 また、応援に係る費用については、災害救助法が適用された場合は被災都道府県が負担をするということになりますけれども、被災都道府県の事務負担を軽減をするために、今回、災害救助法を改正することにより、国が立替払をすることができるような措置をさせていただきました。
 今後、関係省庁や全国知事会とともに、地方公共団体間の広域応援の仕組みの具体化、あるいは広域的な訓練の実施により、応援する側のみだけではなくて応援を受ける側も含め、地方公共団体間の広域応援体制の構築に努めてまいりたいと考えております。
#65
○青木一彦君 それで、本来起こらないにこしたことはないですけれども、もし先ほど言われました大規模災害が発生した、そして大臣がおっしゃったように、広域的に応援を迅速に行う、そのためには、やはり人そして物資が素早く行き来できることが当然のことながらこれは必要です。それには、まず交通ネットワークの整備が大前提になると私は思います。
 特に、道路網、これが命綱だと思います。東日本の教訓も踏まえ、やはり道路を使って警察、消防、自衛隊などの救助部隊が素早く現地に入る、そして物資や資機材を送り込む、そういった必要があると思います。同時に、大量の被災住民を迅速に被災地域外に避難誘導させることも大変重要なことと考えます。このように、道路網の整備はいろんな意味で災害対策にとって極めて重要な問題です。
 そこで、私の島根では、いわゆるミッシングリンク、日本海側の高速道路、これが途切れ途切れにまだなっております。これ、ミッシングリンクの解消を含めて、防災対策の観点から今後どのように道路網の整備を進めていくのか、お尋ねいたしたいと思います。
#66
○政府参考人(前川秀和君) お答え申し上げます。
 道路の役割といたしまして、災害時におきますリダンダンシーの確保も大変重要だと思っております。特に、大災害が発生した際には、被災地への緊急支援物資の輸送や被災者の支援、復旧復興ということで重要な役割を果たすと考えておりますが、委員御指摘のとおり、被災者の受入れにも幹線道路の確保が大変重要だと考えております。
 実際に、東日本大震災におきましては、太平洋側の高速道路が被災を受けまして利用が著しく制限されたために、日本海側の幹線道路網が代替ルートとして重要な機能を果たしたところでございます。また、宮城県や福島県から日本海側の山形県、新潟県に多くの被災者が避難をしてまいりました。三月の中旬というと、まだ日本海側では雪がたくさん降っておりまして、そういった太平洋側からの被災者のための除雪の確保も大変重要な課題となったところでございます。
 そういった意味で、防災、減災でありますとか、命を守る公共事業の観点も踏まえて道路のネットワークの確保が重要だと考えておりまして、山陰自動車道も含めまして道路ネットワークの強化に取り組んでまいりたいと考えております。
#67
○青木一彦君 そこで、大臣いらっしゃいますので、是非、道路網を整備するためにはやはり予算が必要です。これから私どもも頑張ってまいりますので、大臣含めまして、やっぱり防災、減災含めまして、大臣、一言、これは質問通達いたしておりませんが、どうかお答えいただきたいと思います。
#68
○国務大臣(古屋圭司君) 今の御質問は、どちらかというと国土強靱化担当大臣に対する質問というふうに受け止めさせていただきましたけれども、やはり、国土強靱化をさせるには、致命傷を負わない、それから被害を最小限に抑える、そして速やかな復旧をさせる、これが目的でございます。
 そういう意味では、やはりアクセスの整備というのが結果として、私がいつも申し上げているように、平時にも効果があって、いざ災害等の有事が発生した場合にはその威力を発揮するということにつながると思います。
 私たちは、そういう視点に立って、今全国の都道府県の知事さんや関係者からも精力的なヒアリングをさせていただいておりまして、この国土強靱化に向けたプログラム規定を今作成すべく精力的に取り組んでおりますので、必要なそういった事業はしっかり確保され、また財源も確保されるべきであるということはもう申し上げるまでもないことだというふうに思っております。
#69
○青木一彦君 大臣からしっかりとした発言をいただきまして、本当にありがとうございました。私たちも共に頑張ってまいりたいと思います。
 そして、近年、市町村の合併が行われ、そして消防の広域化などが行われました。全国的に市町村の防災体制の整備が進められてまいりました。各市町村の内部でも、首長を中心に人材の育成、そして防災体制の強化に努力がされていると承知はいたしております。
 しかし、私どもの島根もそうですが、市町村、特に地方の小規模市町村は職員の数が大変少ないです。防災専門の職員もなかなかいないというのがこれが実情でございます。さらに、財政力も乏しい。体制を整備するといっても、自らの努力では限界があります。これも事実でございます。そのためには、都道府県や国の支援がやはり必要となってきます。大きな災害になればなるほどその重要性は増すと思います。
 東日本の大震災でも、庁舎が使用不能になった、そして町長や多くの職員が亡くなるなどして市町村の機能が著しく低下したケースがございました。全国の自治体が被災市町村へ職員を派遣する、そして人的支援を行って大きな貢献をしたということもありますが、今回の法改正によって被災市町村に対する国などの支援体制は十分に整備されたと考えていいのかどうなのか、お尋ねいたしたいと思います。
#70
○国務大臣(古屋圭司君) 今回の改正で、やはり東日本大震災の教訓を踏まえて今回の改正をさせていただきました。
 今委員が御指摘の、地方にはやはり規模の小さい、財政力の乏しい市町村が多々存在していると、私もよく承知をいたしております。
 現行の災対法においても、例えば首長さんがお亡くなりになっちゃうというケースもありますよね。あるいは、市町村の機能が低下してほとんどの事務が行えなくなってしまうということもありますので、こういった場合は、本来、市町村長が実施すべき業務あるいは応急措置について都道府県知事に代行させるという規定はありますけれども、今回の改正では、さらに想定外を避けるという視点で、こういった大規模災害の発生により市町村のみならず都道府県の行政機能も著しく低下するケースも考えられますので、そういったあらゆるケースを想定して指定行政機関の代行義務というものも定めています。ここまでの深刻な事態にはならなくても、地方公共団体の応援のみでは十分対応できない事態も想定しなくてはいけないので、そういった場合には指定行政機関が被災地方公共団体の災害応急対策を幅広く応援ができるという規定も設けたところでございます。
   〔委員長退席、理事末松信介君着席〕
 今後は、こういった法整備を踏まえて、防災計画の改定とか防災訓練を適切に行うことによって、被災市町村に対する国などによる支援が迅速かつ的確に実施をされていくように精いっぱい努めてまいりたいというふうに思っております。
#71
○青木一彦君 先ほど来地元のことばかり申しておりますが、私のふるさと島根県は、いわゆる過疎地域を多く抱えております。これ、過疎地域は、マイナスのイメージだけではなくて、豊かな自然があったり、ゆったりと流れる時間があったり、元気で優しい人々などが暮らしている多くの魅力もあります。そういった意味では、新しい日本の価値観をもたらす地域であると私は考えております。
 しかし一方、高齢者が多い、若い人が少ない。先ほど申し上げましたが、交通ネットワークや、また医療体制も十分ではありません。そういった課題も多く抱えております。こうした課題は日ごろの住民生活だけではなくて、災害への対応にも大きく影響が出てまいります。過疎地域の実情に合うように災害対策も工夫する必要があると考えます。
 例えば、高齢者が多くてかつ若者が少ない過疎地域においては、支援を要するお年寄りの数と支援者の数がなかなか合わない。そういった状況では避難支援は簡単ではありません。どのようにして過疎地域における災害時要援護者の保護を図るのか、お尋ねをいたしたいと思います。
#72
○国務大臣(古屋圭司君) 委員のふるさとの島根、調べてみましたら、六十五歳以上の高齢者が二九・一%で全国で第二位だそうであります。そういう意味では深刻な高齢化というのを抱えている県だと思いますけれども、私の地元でもそうなんですけれども、結構地元にいらっしゃるお年寄りって元気な方も多いんですよね。ですから、やっぱりそういったお元気なお年寄りはしっかり災害のときも一定の役割を果たしていただくということも必要だと思います。
 そういう意味では、やはりお互いさま、おかげさまの言葉のように、互助・共助機能というものがやっぱり日々の生活の中で定着をしておりますので、そういった地方ならではの特色というものを生かして、避難のときに支援等関係者となり得る者を確保するに当たっても、元気なお年寄り、若者が少なければ元気なお年寄りを積極的にそういった関係者になっていただいて適切に運用していく、こういうルールをあらかじめしっかり構築していくということが必要ですね。
 そのために、国として今、災害時要援護者の避難支援ガイドラインというのを見直しています。見直しの中身は、例えば民生委員とか自主防災組織などの会合の場において、元気なお年寄りも含めて、避難行動要支援者名簿制度の内容及びその趣旨について丁寧に説明をして、そして支援の関係者に加わっていただこうじゃないか、こんな取組。あるいは、高齢者等が避難支援において果たすべき役割を整理し、適切な役割分担を検討する、こういうようなことを盛り込んでいまして、やはりそれぞれの地域の実情、現場主義に基づいて、そういうきめ細かなルール作り、そして配慮がこれは必要だというふうに思います。
   〔理事末松信介君退席、委員長着席〕
 決して、高齢化しているから、何というか、後ろ向きとか、そういうことが絶対あってはならないと思いますし、逆に元気なお年寄りがそういう社会的責任を感じていただくということは、ある意味で生きがいにもつながると思いますので、そういった取組は是非、青木先生の御地元においてもしっかり啓蒙活動していただくように、私の方からも御協力をお願いを申し上げます。
#73
○青木一彦君 大臣から、元気なお年寄りにも頑張っていただきたいという激励をいただきましたので、地元でもしっかりとそのことを踏まえて伝えてまいりたいと思います。
 それと、消防団についてお伺いをいたします。
 過疎地域では、東京や大阪などの都市部とは異なり、やはりプロの消防士による常備消防に多くを期待することは悲しいかなできません。また、常に多数の警察官が地域内にいるわけではなく、自衛隊もすぐには現場に駆け付けられません。このため、ふだんほかの仕事を持ちながら、いざというときに地域住民を守る消防団に多くを頼っているのが実情です。しかしながら、消防団は全国的に人員の確保が大変難しい状況です。このような状況を解消するためには、消防団の活動環境を整備し体制を強化することが必要だと思いますが、いかがお考えでしょうか。
#74
○政府参考人(大庭誠司君) 御指摘のとおり、消防団は、今回の東日本大震災を始めとした大規模災害や通常の災害に大変献身的に活動していただいているところでございます。また、ふだんから防火指導を行うなど地域防災の要でありまして、消防団員の確保は重要と考えております。ただ、平成二年には百万人だったんですけれども、二十四年四月現在で約八十七万人となっております。特に、地方、少子高齢化が深刻なところでは団員の確保に苦労されていると伺っております。
 消防庁では、これまでも入団促進キャンペーンの実施、シンポジウムの開催、協力事業所の顕彰などを実施しまして、地方公共団体と協力して消防団員の入団促進に取り組んできたところでございます。また、消防団の活動能力の維持、地域の防災力の確保の観点から、消防職団員のOBや女性から成る機能別分団の編成、あるいは地域の自主防災組織との連携強化なども重要と考えております。全国では、この機能別分団を導入しまして数十人規模で団員を増やしているというような例もございます。
 こうした取組をこれからもより一層充実させることによりまして、私どもも消防団の充実強化について取り組んでまいりたいと考えております。
#75
○青木一彦君 ありがとうございました。
 次に、医療の質問をいたします。
 やはり、過疎地、今、お医者さんそして看護師等の医療従事者の確保もままならない状況があります。災害時拠点病院などハード面も当然整備されることによって、総合的な災害医療体制が確立されると思っております。
 そこで、お伺いいたしますが、地方における災害医療体制は現在どのようになっているのか、そして地域内に医師、看護師等が十分確保できているのか、災害時拠点病院の整備はどこまで進んでいるのか、また不十分な点についてはこれからどのような対応をしていくのか、お尋ねいたしまして、質問を終えたいと思います。
#76
○政府参考人(神田裕二君) 災害時におきます医療の確保についてでございますけれども、これについては短期的な対応というものと中長期的な対応に分けまして、全国から医師、看護師を派遣するなどいたしまして、医療従事者を確保して被災地における必要な医療を提供していくということをいたしております。
 短期的な対応といたしましては、発災後七十二時間を経過しますと生存率が急激に低下するということから、発災後おおむね四十八時間以内に被災地に到着して医療を提供できる機動性を持った医療チームDMATの整備を進めておりまして、昨年十月一日現在で全国の病院で医師二千百八十三人、看護師二千七百二十九人を含む六千七百四名、千七十一チームをDMATとして配置をいたしております。
 今回の東日本大震災におきましても、発災直後からこのチームが活動を行いまして、十二日間の間に全国から三百八十三チーム、千八百五十六人が現地に入りまして救命活動に従事したところでございます。これ以外にも、日本医師会による医療チームJMATですとか赤十字社、国立病院機構など、様々な医療機関から医療チームが被災地に入りまして医療活動を行ったところでございます。
 それから、中長期の対応につきましては、例えば今回の東日本大震災におきましては、医療関係団体から成ります被災者健康支援連絡協議会という組織を設けまして、その組織からの医師派遣、それから各県に設置されております地域医療再生基金を活用いたしまして、県外から医療従事者の派遣を受ける医療機関への補助ですとか、離職中の看護職を対象とした巡回就職相談などの取組に対する支援を行いまして、必要な医師、看護師の確保を行っているところでございまして、震災時等の災害時の医療につきましては、今申し上げました短期的な対応と中長期の対応とを組み合わせて対応してまいりたいというふうに思っております。
 それから、災害拠点病院についてでございますけれども、昨年四月現在で全国で六百五十三病院が指定されておりまして、先生の御地元の島根県におきましても、基幹の災害拠点病院とそれから地域の災害拠点病院を合わせまして九か所が災害拠点病院に指定されております。
 災害拠点病院につきまして、今回の東日本大震災で広範囲の停電が生じたり、あるいは通信手段も被害を受けて燃料ですとか支援物資がなかなか届かないという事態が発生いたしました。したがいまして、こうした今回の震災の経験を踏まえまして、検討会を設けて検討いたしまして、災害拠点病院については診療機能を有する施設の耐震化を図る、それから衛星電話の保有を進める、全ての災害拠点病院に先ほど申しました災害派遣医療チームDMATを配置するといった指定要件の見直しを行っておりまして、二十五年度におきましては、耐震化など一部指定要件に対応できていない病院もございますので、そうしたところに対しまして耐震化等の施設整備を進めるための必要な予算を計上することと併せまして、DMATの養成研修の枠の拡大を図るなどいたしまして災害拠点病院機能の充実に努めているところでございます。
#77
○渡辺孝男君 公明党の渡辺孝男でございます。
 災害対策基本法等の一部を改正する法律案並びに大規模災害からの復興に関する法律案に関連しまして、質問をいたしたいと思います。
 まず、公明党の女性防災会議の第二次提案に関連して質問をさせていただきたいと思います。
 公明党の女性防災会議は、一昨年の十一月に提出した第一次提言に続いて、女性の視点を生かした防災対策についての第二次提言を四月の二十五日、菅官房長官に提出しました。この提言は十二項目から成っており、女性だけの問題ではなく、防災に関する多くの重要な内容が盛り込まれていますので、この中から何点か質問をさせていただきたいと思います。
 この提言の大きなポイントの一つは、中央防災会議等国の災害対策にかかわる合議体の構成員の三割は女性委員を登用するよう数値目標を示していることです。そこで、現在の女性委員の数及び三割の目標達成の時期についてお伺いをしたいと思います。また、全ての市区町村における女性の登用状況を把握し公表するよう求めていますが、この対応も併せて古屋防災担当大臣にお伺いをしたいと思います。
#78
○国務大臣(古屋圭司君) 安倍総理も二〇二〇年に管理職三〇%という数値目標を掲げておられますね。御党の方におかれましても、女性防災会議の提案で女性の積極活用というものが御提示をされたと承っております。
 まず、中央防災会議は学識経験者四人のうち一人が女性でございますので、三割は行っていないですが二五%ということだと思います。今後とも、各種会議における女性の登用、積極的に努めてまいりたいと思います。また、地方防災会議への女性委員の登用状況の把握については、現在、都道府県及び指定都市にとどまっていますけれども、全ての市町村における登用状況の把握、公表についても、関係部局、これは男女共同参画局、内閣府、森大臣の下ですね、あるいは消防庁とも連携をして検討してまいりたいというふうに思っております。
 ちなみに、私、今国家公安委員長を務めておりますが、昨日、警察に女性の積極登用の提言書が出てきました。ややもすると警察も男の職場と、こう思われがちですけれども、やはり女性の視点での取組できるところ、多々あるんですね。ですから、私も、そういう国家公安委員長という立場でも女性の積極登用に努めてまいりたいと思いますし、また防災担当大臣としても、今委員が御指摘の視点に立って女性の積極登用、努めてまいりたいというふうに思っております。
#79
○渡辺孝男君 次に、災害時要援護者の名簿の作成について質問をしたいと思います。
 災害対策基本法等の一部を改正する法律案では、これに関連する第四十九条において避難行動要支援者名簿を作成することになっておりますが、女性防災会議の提言では、この名簿に基づき、災害時要援護者一人一人の支援計画・体制を各自治体で構築できるよう求めております。また、その実効性を高めるために、災害時要援護者支援交付金、仮称でございますけれども、これを創設し、地方自治体への財政支援を講ずるべきであると提案をしておりますが、これらの点について古屋大臣にお伺いをしたいと思います。
#80
○国務大臣(古屋圭司君) 今回の改正では、災害発生時の避難に特に支援を要する方々の名簿の作成を市町村長に義務付けて、また名簿の作成に必要な個人情報の利用が可能となるよう所要の規定を設けたところで、もう御承知のとおりですね。こうして作成した名簿については、本人の同意を得て地域の支援者に平時から提供するほか、実際に災害が発生した場合であるとか災害が発生するおそれがある場合には、本人の同意の有無にかかわらず、避難支援者に対して名簿を提供できることとしています。
 あわせて、災害時要援護者の避難支援ガイドライン、これを見直しまして、災害時の避難支援を実効性のあるものとするため、市町村又は市町村から名簿の提供を受けた民生委員、自主防災組織等がコーディネーターとなって、支援者とも避難行動要支援者を訪問をして、具体的な支援内容や方法、避難経路などを話し合って、提供された名簿に書き加えて一人一人の支援計画としていくこと等を盛り込み、取組を強化をしてまいりたいというふうに思っております。
 避難行動要支援者の名簿の作成に係る事務費については、市町村において一般財源の中で対応しております。また、同名簿を渡す避難支援者の範囲等の詳細については地域防災計画の中で決めることとしていますけれども、地域防災計画の改定に係る経費については地方交付税の中で手当てしているというのが現状でございます。
 いずれにせよ、災害時の避難支援を実効性あるものとするため、適切に対応してまいりたいというふうに考えております。
#81
○渡辺孝男君 東日本大震災では、地域ごとに全体的な被災に遭ってしまって、もしそういう要援護者に対する対応をしていたとしてもなかなか支援ができないというような状況も当然起こってきていたと思っておりまして、そういう意味では支援をする方々も第一候補、第二候補、第三候補じゃありませんけれども、そういう多重な体制を組むということが大事なのかなということを思っております。
 次に、本法案では、避難行動要支援者名簿、大臣も先ほど御説明いただきましたが、その作成には本人の同意は要しないが、第四十九条の十一の二の消防機関や民生委員、社会福祉協議会等に対して名簿の提供をする場合には、市町村の条例に特別の定めがない場合には本人の同意を前提としております。
 この場合、本人の同意が得られないような在宅で介護している意識障害や重度の認知症を伴っているような患者さんや障害者、あるいは乳幼児などについては条例を作らないと情報提供ができないことになってしまいますが、この点はどのような理由でそのようになったのか、またこのような本人の同意が得られない場合の対応について、古屋大臣にお伺いをしたいと思います。
#82
○国務大臣(古屋圭司君) 要支援者名簿制度については、情報を他の方に知られることにより、要支援者が社会生活で、営む上で不利益を受けるおそれがあるということから、避難支援等関係者に対する平時からの名簿提供については事前に御本人の同意を得るということを必要としている。しかし、御指摘の重度の認知症の患者さんとか障害者、子供については、確かに本人の同意を得るということが困難であるケースも出てきますので、こういった場合は、親権者であるとか成年後見人等の合意を得ることによって、本人の同意を得たものとして名簿情報を外部の避難支援者に提供することが可能であります。
 その旨、改正法の施行に対して通知を発出するなどして、市町村には徹底をしてまいりたいというふうに考えています。
#83
○渡辺孝男君 そのような現実的な対応をしていただきたいと、そのように思っております。
 次に、東日本大震災の際には、被災した子供や子育て家庭が非常に多かったにもかかわらず、実態把握が遅れたため必要な取組や支援が十分になされなかったという反省がありました。このことを踏まえ、子供の意見も反映した防災対策をつくり上げ、子供たちが安心、安全な環境の下で生活し、学び、成長できるようにすべきであると考えます。また、そのような防災教育を学校でしっかり行うよう教科化を提案もしておるわけでございます。
 この点について、文部科学省及び古屋担当大臣にお伺いをしたいと思います。
#84
○政府参考人(久保公人君) それでは、まず防災教育の教科化につきまして文部科学省の方からお答え申し上げます。
 東日本大震災などの教訓を踏まえた防災教育を推進していくことは重要な課題であると考えてございます。
 この点、平成二十年に学習指導要領を改訂いたしまして、総則の中で安全に関する記述を明記いたしまして、各教科におきましても防災を含む安全教育に係る記述の充実が図られたところでございます。また、平成二十四年四月に学校安全の推進に関する計画を閣議決定いたしまして、防災教育を含む安全教育については例えば教科等として位置付けるなど、指導時間を確保するための方策について検討することとされたところでございます。
 これを受けまして、昨年度は教師用の防災教育参考資料を改訂、配布して、各学校における防災教育の指導時間が確保されるよう促してきているところでございますし、また今年度におきましては、研究開発学校を指定いたしまして、防災を含む安全教育の具体的な在り方について研究を進めていくとしているところでございます。
 文部科学省といたしましては、これらを踏まえまして、防災教育が学校で効果的に行われるよう指導時間を確保すべく、その方策を検討してまいりたいと考えております。
 以上でございます。
#85
○国務大臣(古屋圭司君) 東日本大震災では、釜石の奇跡、これ有名なお話になりましたよね。やはり過去の災害教訓に基づく防災教育、これが極めて住民の安全避難に大きく貢献をしたという例がありまして、今、文部科学省からも答弁がございましたように、防災教育って極めて重要ですね。
 やはり子供たちに意見を表明する機会を与えて、そして防災の各種の取組の中に反映していくということも極めて重要です。そのために、昨年度の災害対策基本法の改正において防災教育の実施について規定をさせていただきました。地域防災計画に多様な主体の意見を反映できるよう、地方防災会議の委員として学識経験者も加えたところでございまして、防災教育の教科化については教育行政全体の中で考える必要もございますので、これはしっかり文部科学省とも議論してまいりたいというふうに思っております。
 今後も、機会を通じた防災教育、国民の防災教育への意識を高め、行動してまいりたいと思います。各地域にそういった防災の教育をする、あるいは実体験をする施設がございますね、有明にもありますし、兵庫にもありますので。そこで見ますと、非常に子供たちの教育には効果的ですね。何十万人も来ているそうですよ。是非そういった取組もしっかり強化していくように文部科学省とも連携を取ってまいりたいというふうに思っています。
#86
○渡辺孝男君 政府としても本当にこの提言についてしっかり対応していただいているということで、安心したわけでございます。
 次に、災害時に住民の円滑な避難と安全な避難生活が確保されるためには、妊産婦や子供あるいは難病患者さん、障害者、高齢者など要援護者に配慮した避難所の確保が重要でございます。そこで、避難所となる施設、また、この場所に最低限必要なハード、ソフト両面の基準を設定し、法制化するよう求めておりますが、この点、古屋大臣にお伺いをしたいと思います。
#87
○国務大臣(古屋圭司君) 今回の災対法の改正では、緊急時の避難場所と一定期間避難生活を送る避難所を区別させていただきました。一定の生活環境を確保することができる避難所を発災時に迅速に提供することができるように、指定避難所として指定をすることといたしております。
 これを踏まえまして、指定避難所として最低限必要な基準として、まず被災者の保護を行うために必要となる適切な規模を有する、二つ目、被災者の適切な保護を行うことが可能な構造及び施設を有すること、三つ目、運搬手段による輸送が比較的容易な場所にあるといったようなことを定めようというふうに考えているところでございます。
#88
○渡辺孝男君 つい先日も障害者団体の方々とお話をしたときに、避難所等の指定においては、やはり当事者である障害者の声をよく聞いて決定をしてくださいというお話がございました。
 そういう意味では、必ずそういう指定に当たって、障害者の方々が実際使いやすいのか、問題がないのかどうか、そういう意見を聞いて指定をしていただきたいということでありますが、この点についても確認をしたいと思います。
#89
○国務大臣(古屋圭司君) 東日本大震災では、障害の特性とかそれに応じた接し方の理解が十分になされないまま避難所運営が行われたということがございまして、結果として障害者等の滞在に困難が生じたり、あるいはほかの避難者との関係から避難所に帰れなかったり、あるいは女性については授乳する場が確保されていなかったり、炊事などの避難所における負担が集中する等々の問題が生じたということでございます。
 このため、国としては、避難所における良好な生活環境の確保に関する取組指針、これを策定をいたします。住民による避難所の自主的な運営に当たっては、多様な主体が責任者として加わることでその多様なニーズや意見を反映させるようにすべきということを定めまして、具体的には、避難所について、障害者等が必要に応じて個室に入所できるよう、あらかじめ福祉避難室用のスペースについての配慮をする、あるいは男女別のトイレ、更衣室、授乳室設置等のプライバシーの確保、あるいは炊事や掃除など避難所の役割の公平の分担など、適切な避難所運営が行われるようその取組を強化をしてまいりたいというふうに思います。
#90
○渡辺孝男君 次に、災害発生時の交通渋滞や道路遮断などにより消防車両が現場に到着できない事態があると心配されておりますけれども、そういう場合に、迅速に現場に到着して情報収集、捜索、救助、救命に当たる消防バイクを特に木造住宅が密集しているような地域に配備するよう提案をしておりますけれども、この点、消防庁にお伺いをしたいと思います。
#91
○政府参考人(武田俊彦君) 消防庁といたしましては、ただいま御指摘のありました消防活動用バイクは、悪路や狭い道路を走行できるため一般の消防車両に比べまして機動力に優れているというふうに認識をしております。道路渋滞時や大規模災害時などにおきましては、特に迅速な情報収集や初期の消防活動などに有効だというふうに考えているところでございます。
 この消防活動用バイクの導入状況につきましては、昨年六月に調査を行っておりますが、本年二月にも改めて今後の導入予定を含めて調査を実施したところでございます。今回の調査結果につきましては、消防活動用バイクを保有していない消防本部で今後導入予定又は導入を検討していると回答した消防本部もあることから、今後、導入本部数は増加していくのではないかと考えております。
 この消防活動用バイクの導入に当たりましては、まずは地域の実情に応じて各消防本部が判断すべきものと考えておりますけれども、消防庁といたしましても、今後の大規模災害の発生に備えた導入促進を図るため、平成二十五年度予算におきまして緊急消防援助隊整備費補助金の新たな補助対象メニューとして追加をしたところでございます。
 今後とも、各消防本部に対して導入に必要な情報提供などを行ってまいりたいというふうに考えております。
#92
○渡辺孝男君 次に、国際的な防災の会議について質問をさせていただきたいと思います。
 各国の閣僚や国際機関などが参加して向こう十年間の国際的な防災・減災戦略を検討、策定する国連防災世界会議は、一九九四年に横浜市で初会合が行われ、第二回目は二〇〇五年に神戸市で開催されました。第三回目も日本で開催しようということで求めておりましたところが、二〇一五年三月に東日本大震災の被災地である仙台市で開催されることが決まりました。
 公明党としても、二〇一一年五月に発表した東日本大震災復興ビジョンの中で、復興の追い風となるように被災地での国際会議の開催を求めてきましたが、仙台市での開催の決定、本当に喜んでおるわけでございます。
 そこで、世界防災会議の開催にどのような姿勢で臨まれるのか、古屋大臣の決意をお伺いをしたいと思います。
#93
○国務大臣(古屋圭司君) 委員御指摘のように、第三回目の国連の防災世界会議は仙台で二〇一五年三月に開催することが、つい過日、ジュネーブで行われました総会で五月二十三日に決定して、日本からは亀岡政務官に出席をいただいて、多くの関係者と精力的な会合をしてもらいました。そして、正式発表ができました。
 これは、やはり日本は東日本大震災というあの経験をしっかり生かしながら、防災に関する日本の経験と知見、こういったものを国際社会と共有をして、結果として防災に対する国際貢献を行う非常に重要な機会であるというふうに私はとらえております。規模も今度は六万人規模ということで相当、前回が四万人ですから、その五割増しの六万人ということで、世界から多くの関係者に集まってもらって、私たちのこの貴重な経験を世界で共有をするという取組を是非していきたいというふうに思っています。
#94
○渡辺孝男君 大盛会で世界の防災にも貢献できるように、また東日本大震災の復興にも貢献できるように、いい会議を開けるよう、大臣にも一生懸命取り組んでいただければと、そのように思います。
 次に、同会議を成功するために重要と思われる項目を何点か提案をさせていただきたいと思います。
 第一点は、福島の原発事故災害の教訓や東日本大震災への日本政府の対応等の情報をできる限り開示し、今後の防災対策に生かしていただきたい。
 第二点目は、二〇一五年三月までに、東日本大震災の被災者の生活再建や産業再生、また東北では特に農林水産業の再生に力を入れて、復興のモデルケースとなるような成果を世界に示してもらいたいと。
 第三点目は、開催に当たっては、準備段階からNPOやボランティア、また多くの市民が参加できる仕組みをつくり上げ、市民参加型の世界会議にしてもらいたいと。
 以上、三点の提案をしたいと思いますが、この点に関しまして、古屋大臣の見解を伺いたいと思います。
#95
○国務大臣(古屋圭司君) この世界会議に向けて、私たちは、まず、あらゆる分野での防災の視点を最大限取り入れていく防災の主流化、これを進めて強靱な地域社会を構築する、二点目、過去の大規模災害からの知見、教訓を世界に発信する、三つ目、幅広いステークホルダーが参加をしていただいて意見を反映していくと、これが極めて重要だと思います。
 そういう視点からすると、今の御提案は同様の趣旨だと思いますので、御提案の趣旨を踏まえてこの会議の成功に向けて取り組んでいきたいと思っております。貴重な提案であるというふうに認識をいたしております。
#96
○渡辺孝男君 そのほかに、新聞報道ですと、こういうことも行っていったらというようなお話で、福島県での防災をテーマにした世界規模の子供会議が開催される予定というようなことが地元紙に書かれておりました。
 その点に関しまして、こういう同時期に開催される防災をテーマにした世界規模の子供会議というようなものが、政府としてどのように受け止めて、またそれを推進していかれる方針なのか、古屋大臣にお伺いをしたいと思います。
#97
○国務大臣(古屋圭司君) 委員御指摘のように、世界的なNPO組織であるセーブ・ザ・チルドレン、これが活動して、この防災の子供会議を開くということでございます。
 実は、その話を承りまして、私、過日福島に視察をしたとき、ちょうど福島県知事とも面会しましたので、こういうお話がありますけど福島県でいかがでしょうかと、私が自主的に提案をさせていただきました。まだ実際にセーブ・ザ・チルドレン・ジャパンから私に具体的なそういう相談とか要請があったわけではありませんけれども、是非そういったもし取組がされるのであればいかがでしょうかという実は提案をさせていただいておりますので、もし今後私どもの方にも相談がありましたら御協力をさせていただきたいなと、こんな気持ちでおります。
#98
○渡辺孝男君 残した質問は、またこれからも質疑がございますので、そういう機会に行いたいと思います。
 これで質問を終わりたいと思います。
#99
○柴田巧君 みんなの党の柴田巧です。
 先ほどから議論がなされておりますが、今般の災害対策基本法の改正案、東日本大震災の教訓を盛り込んで昨年六月に一部改正をされ、その際積み残したものを含め、またこれから想定される南海トラフ巨大地震や首都直下型地震等を念頭に大幅な改正ということになりました。このように災害時の緊急事態に関する法整備を行うことは評価をするものではありますが、まだまだ不明確な点がございますので、やや具体的なことを以下お聞きをしていきたいと思います。
 まず初めに、先ほども取り上げられましたが、いわゆる買占め自粛要請のことについてお聞きをしたいと思います。
 被害が甚大で災害緊急事態を布告した場合に、生活物資を買い占めないように総理が国民に要請を、協力を求めることができるということになりました。これも東日本大震災でいろんな買占めなどがあって被災地に必要な物資が届かなかったという反省を踏まえて、教訓を踏まえてのことでありますが、これは先ほどもありましたように罰則規定というものがない。ないだけに、やはりこれは最終的には国民の皆さんの理解がなければ目的を達成することができないわけですから、やはり丁寧に説明をして、またその意図、趣旨といいますか、それを効果的に周知をしていくというのは大事なことだと思っておりますが。
 こうやって買占めをしないように呼びかける、どういう形で総理が呼びかけ、それを周知を図ろうとするのか、具体的な方法をお聞きをしたいと思います。
#100
○国務大臣(古屋圭司君) 内閣総理大臣からどういう形で国民に呼びかけるのかということですけれども、まず総理自らが記者会見を行う、これはもう当然だと思いますね。テレビとかラジオ、直接国民に働きかけるということは行います。それだけにとどまらず、例えばホームページございますね、政府のホームページ、それからフェイスブック等のSNS、ソーシャル・ネットワーク・システム、その他インターネット等を活用して、あらゆる手段と言っても、通信手段、伝達手段と言ってもいいかもしれない、こういったものを活用して、積極的に国民への協力要請はしていきたいというふうに思っております。
 その際には、まず水とか食料などの生活必需品について必要以上の買占めとか買いだめは行わないようにする、あるいは国や地方公共団体が提供する情報に留意して、まず落ち着いて行動するということですね、そういったことを丁寧に呼びかけるとともに、生産とか流通とかのいわゆるサプライチェーンの一日も早い回復に国、地方公共団体、事業者が一体となって取り組んでいる、こんなようなことについても正確な情報を的確に発信をしていく必要があるというふうに思っております。
 地方において国民の生活に直接かかわっておられる生活必需品の販売業者であるとか、あるいは地方公共団体に対しても、関係省庁等々を通じまして協力を求めていきたいというふうに思います。
 また、やはり災害緊急事態において生活必需品をみだりに購入しないという、このことについては、ふだんからその目的とか趣旨を十分に国民に理解をいただく、この広報活動、啓蒙活動、極めて重要ですね。ですから、実際に発災をしたときに冷静に対処をしてもらうというのが重要でございますので、ふだんからの普及啓発にも徹底してまいりたいというふうに思っております。
#101
○柴田巧君 今御答弁にありましたように、災害時に国民が冷静に対処できるように、何よりも避けなければいけないのは被災地に必要な物資が届かないということだと思いますので、罰則規定はこれはありませんが、あらゆる効果的な手法で平生からそういう取組を是非やっていただきたいということを改めて申し上げておきたいと思います。
 二番目の問いも、今ほとんど答えられて、先ほどの藤末議員の質問とも重なっておりますので割愛はさせていただいて、次に質問を進ませていただきたいと思います。
 この改正案によれば、今回新たに避難所等についての規定が新設をされました。ただ、これいろいろ法案を見ておりますと、大変、ぱっと読む限りでは非常にややこしいという感じを持たざるを得ません。
 それによると、市町村長は、災害発生時の緊急避難場所と一定期間の避難生活を送る避難所とを区別して指定をして、さらに緊急避難場所は災害の種類に応じて指定するということになるわけですけれども、正直、ただでさえ一般の住民の皆さんは、どこに避難所があって、いざというときにどうすればいいのかというのが分かっていらっしゃらない方がかなりおられると思いますが、そういう中でこういう複数の緊急避難場所が指定されたり、あるいは避難所ができるということは非常に混乱を招くんではないかと心配をするところでありますが、そうならないように、日ごろからそれこそ分かりやすい周知徹底が必要かと思いますが、これはどういうふうに取り組まれるんでしょうか、お聞きをしたいと思います。
#102
○政府参考人(原田保夫君) お答え申し上げます。
 現在定められております避難所の多くは、震災を念頭に、一定期間避難生活を送る場所として定められたものでございまして、例えば津波とか洪水等の災害の発生時における緊急避難場所としてはふさわしくないものも現実には存在をしております。こうしたことから、例えば東日本大震災でも非常に悲しい出来事も生じております。
 こうした状況を踏まえまして、今回、法律で、緊急時の避難場所と一定期間避難生活を送る避難所とを区別した上で、緊急時の避難場所については災害の種類ごとにあらかじめ指定する仕組みを創設をしたということでございます。
 また、あわせて、市町村におきまして、避難場所とか避難経路とか避難情報の入手・伝達方法といった内容を盛り込む防災マップを作成するという規定も併せて盛り込んでおります。
 今後、こういった仕組みが御指摘のように適切に運用されるということは極めて大切でございますので、具体的には、防災マップにつきまして、これは市町村が作るわけですが、市町村が一方的に作るということではなくて、プロセスが大切ですので、市町村と住民が一体となって防災マップの作成を行うことによりまして、それを通じて避難所と緊急時の避難場所の違い、それから災害ごとに避難すべき場所が異なることについての理解を深めて住民の意識の向上を図る。それからもう一つ、防災訓練とか防災教育等を通じまして、ふだんから住民に対して今回の制度の趣旨、それから緊急時の避難場所の所在地情報等の周知を行うといったことが重要でございますので、こういったことについて各市町村で適切な対応が取られますよう、国としても積極的に取り組んでまいりたいというふうに考えております。
#103
○柴田巧君 とにかく災害時に混乱が生じないように、またそれによって尊い命が失われるということのないように対策をしっかりやっていただきたいと思います。
 さて、避難所については、一番大事なことは、そこに避難したけれどもそっちの方がよっぽど怖くて危なかったということになっては避難所を指定する意味はないわけで、そういう意味でも避難所の安心、安全というか、対策をしっかり練ることが肝要だと思います。
 その中で、御案内のとおり、今学校の耐震化そのものは進みつつあります。八五%近く来ていますが、いわゆる非構造部材に関してはまだ三〇%そこそこであります。東日本大震災のときも、屋内体育館、運動場などで照明器具やつり天井などが落下をしてけがをするということもありましたが、この非構造部材、とりわけ体育館等の天井や照明器具の落下防止というものは、これは急いでやらないと、日ごろは子供たちが使い、児童生徒の安心といいますか、生命、身体を守ることはもちろんのこと、いざというときに避難するのは体育館ということになるのが多いわけですから、そういう意味でも、今申し上げた天井や照明器具の落下防止を特に推進する必要があると思いますが、どのように取り組んでいかれるか、これは文科省にお聞きをしたいと思います。
#104
○政府参考人(清木孝悦君) 先生御指摘のとおり、学校は児童生徒の安全確保と同時に災害時に地域の避難所になるものですから、建物本体、構造体だけではなくて天井や照明などの非構造部材の耐震化も急ぐ必要があるというふうに考えております。
 一方で、御指摘のとおり、本体の耐震化は随分進んでまいりましたが、非構造部材の耐震化はそれに比べて遅れているという現状にございまして、学校設置者に対しましてその点検、対策の加速化を要請しますとともに、公立学校施設整備費の中に防災機能強化事業という事業を二十四年度から設けまして、非構造部材の耐震対策工事に対する支援も強化しているところでございます。特に危険性の高い屋内運動場のつり天井や照明器具につきましては、建物本体の耐震化と同様に平成二十七年度までの速やかな完了を昨年九月に地方公共団体に要請をしたところでございます。
 このため、文部科学省といたしましても、つり天井の撤去や照明等の落下防止などの対策が加速化するように、防災機能強化事業の支援のための必要な予算をしっかりと確保しますとともに、天井対策に関する手引を作成したり、あるいは対策手法を全国に発信するためのモデル事業を実施するなどによりまして、目標達成に向けまして地方公共団体に要請し、目標達成の努力を強化してまいりたいというふうに考えているところでございます。
#105
○柴田巧君 是非、子供たち、そして避難してこられる方々のやっぱり安全を守るためにも、急いでこれはやっていただかなきゃならぬと思います。
 また、公立学校の体育館などのうち、学校全体と言ってもいいのかもしれませんが、非常用電源となる自家発電装置が備えた学校が少ないというのがこの前の調査で明らかになりました。
 国立教育政策研究所の調査によると、災害時の避難所に指定されている全国の公立学校のうち、今申し上げた自家発電装置を備えた学校というのは二七・五%ほどしかないということになっておるわけでありますが、東日本大震災のときも、避難所へ行ったら電気がなくて真っ暗な中で暖も取れずに大変心細い思いをしたという事例がありましたが、あらかじめ指定されているところでありますから、自家発電装置というのをやっぱり備えるようにこれは促進を、整備を目指していかなきゃならぬと思いますが、文科省、どのようにやっていかれるか、お尋ねをしたいと思います。
#106
○政府参考人(清木孝悦君) 御指摘のとおり、東日本大震災の際には多くの学校が避難所になりましたが、その際に電気や水の確保など様々な課題が見られたところでございまして、文科省といたしましては、公立学校施設の施設整備基本方針におきまして、貯水槽、備蓄倉庫、トイレ、自家発電装置などの整備により防災機能の強化が必要ということを規定いたしまして、各地方公共団体の取組を促しております。また、このために、先ほど申し上げました二十四年度に創設いたしました公立学校施設整備費の中の防災機能強化事業、これによりまして、避難所に指定された学校に自家発電設備を整備する際の補助につきまして定めたところでございます。
 先生御指摘のとおり、昨年五月一日現在の自家発電設備の整備率は二七・五%でございまして、前年の一八%に比べて高くはなっておりますものの、まだまだ低い状況でございますので、自家発電設備の整備を始めとしまして、防災機能の強化のために地方公共団体からの要請も踏まえつつ必要な支援を図ってまいりたいというふうに考えております。
#107
○柴田巧君 是非その整備も進めていただきたいと思います。
 また、これは別の調査ですが、学校安全の推進に関する計画に係る取組状況調査、この春に発表されたものですが、これによると、避難所となる学校と地域住民あるいは自治体の防災担当部局との連携が十分になされていない、したがって備蓄はあるんだけれども、どこに何があるかというようなことなど情報が共有されていないと。したがって、いざとなったらうまく活用されないというか、避難してこられた人に対して十分なことができないというおそれがあると思われます。こうやって連携している体制がしっかり取られているのは五〇%しかないということですので、こういったことはあらかじめ連携する体制が図られるようにやっていくべきですが、行うべきですが、この点はどうでしょうか、文科省にお聞きをしたいと思います。
#108
○政府参考人(久保公人君) 先生御指摘のように、まだ具体的な連携体制が整備されているのは五割程度にとどまっております。
 したがいまして、今後この体制を更に整備していくことが重要であると考えておりますが、その際に大事なことは、まず各学校において具体的な体制を整備するための危機管理マニュアルを作成することだと思っております。これは、学校保健安全法におきまして各学校で作成が義務付けられておりまして、その中で書き込むことだと考えておりまして、文部科学省といたしましては、その参考となりますように、昨年三月に学校防災マニュアル作成の手引を全国の学校に配布したところでございます。
 その手引の中で、備蓄につきましては、避難所となっている場合には、自治体の防災担当部局等と備蓄について管理場所や備蓄物資の内容について協議することと示しております。また、関係機関等との連携については、PTAや自治体の防災担当部局、自治会等と連携し、学校防災マニュアルの検討や災害発生時の物資提供等の協議をすることと示しております。さらに、同じこの手引の中で、避難所協力として、事前に防災担当部局や地域住民等関係者、団体と体制整備を図り、できる限り地域住民等が主体的に避難所を開設、運営できる状況をつくっておくことが重要と示しておりまして、協力体制の整備を促しているところでございます。
 文部科学省といたしましては、各学校において、これらを踏まえた学校防災マニュアルの作成や見直しがなされることで備蓄や関係機関等との連携を含めた学校の防災対策が適切に行われますよう、今後とも各種会議等を通じ対策を促してまいりたいと考えているところでございます。
#109
○柴田巧君 今、避難所についていろいろお聞きをしてきましたが、今改正案でいろいろ明記はされたものの、まだまだ本当にいざというときに活用できるかという部分が残っていると思いますので、いろいろ対策を進めていただきたいと思います。
 その避難所の関連でお聞きを大臣にしたいのは、先般、南海トラフ巨大地震に関する最終報告書が出されました。南海トラフは、先ほどもお話があったように、発災後一週間で九百五十万人の避難者が出る、そのうち五百万人が避難所に滞在するだろうと見込まれていまして、予想されまして、大幅なそうすると避難所が不足するということが考えられます。
 そこで、その報告書では、高齢者などいわゆる災害弱者を優先して受け入れる避難所トリアージの考え方を盛り込んだわけですけれども、とはいえ、自宅が倒壊しそうだということでやってくる人もあれば、現場で本当にそれができるのかどうかというのは非常に懸念されますし、恐らく現場はかなりこのままだったら混乱するだろうと思います。
 やはりこれを取り入れるとすると、国の方で何らかのやっぱり基準を作らないと現場が大変混乱するんじゃないかと思いますが、この点、大臣はどのようにお考えになっておられるか、お聞きをしたいと思います。
#110
○国務大臣(古屋圭司君) 委員御指摘のとおり、南海トラフ巨大地震の最終報告では九百五十万人の避難者が出ると想定していまして、これだけの大きい数字ですとやはり避難所は不足するという事態も考えられますので、そこでトリアージという考え方を取ったわけですけれども、ただ、トリアージは排斥をするという意味ではなくて、むしろ優先をする、選択をするということでありまして、どういう人たちに優先的に入っていただくかということについてはあらかじめ検討して決定をしていく必要がありますね。例えば、高齢者であるとか障害者、妊婦、乳幼児連れの方、子供、こういった方々は配慮を要する、そして、あと、いわゆる配慮を要する者ですね、こういった方々はまず優先して入っていただくというのも一つの考え方だというふうに思っております。
 政府としては、今回こうやって最終報告が出ましたので、じゃ、どういうふうにこの対策を具体的に取りまとめていけばいいかということをよく検討して、避難所における避難者の対応の仕方について検討してまとめていきたいというふうに思っております。
 自宅がそんなに甚大な被害が及んでいない方々については、できるだけ自宅で退避をしていただくということもやはり事前にしっかりPRをして、避難所の不足というものが生じないようにしておくということも同時に大切だというふうに考えています。
#111
○柴田巧君 時間が来ましたので、ほかの質問は、済みません、割愛させていただきますが、今回の南海トラフの最終報告を受けて、今年度中に国としては対策大綱をまとめられるということですので、今の問題、住民あるいは地方自治体の理解が何よりも大事だと思いますので、そういったことをしっかり踏まえて、また対策を練っていただきたいと思います。
 時間が来ましたので終わります。ありがとうございました。
#112
○平山幸司君 青森県選出の平山幸司です。よろしくお願いいたします。
 まず、今日は、災害対策基本法等の一部を改正する法律案、そして大規模災害からの復興に関する法律案に関しての質疑で、もう先ほど来、随分と議論がありますので、私の方から、まず基本的な部分として大臣に、この災害対策基本法のまずこれまでの評価、目的と効果という面も含めながらのこれまでの評価と、さらに今回の改正に関しましての重要なポイントを少しお話しいただければと思います。
#113
○国務大臣(古屋圭司君) 災害対策基本法、昭和三十六年制定をされまして、今まで五回、今回入れて五回目の大改正ですね。やはりこれは災害の教訓をしっかり生かしていこうということで、改正のごとにその中身を充実してきたという、そういう歴史があります。
 今回の改正では、減災であるとか、あるいは自助、共助、公助、この考え方を災害対策に関する基本理念として明確化をさせたということとともに、民間事業者の役割というものも明記をさせていただきました。そして、第一弾、昨年の改正と併せて、国の体制の拡充であるとか、物資の調達あるいは運送、広域避難、被災者支援の基盤づくりなど、個別的な規制も充実強化をさせていただきました。
 今後、防災対策の実施に当たっては、従来にも増して、やっぱり国とか地方公共団体とか民間セクター、こういった関係者が一体となって取り組んでいくべきでありまして、そういう方向で私どもも取り組まさせていただきたいというふうに思います。
#114
○平山幸司君 五回目の改正ということで、今回は大改正ということで、大臣の方からも、災害のこれまでの教訓を生かして減災、そしてまた自助、公助、共助等々もろもろの考え方も今回入れ込んで改正を行っているというお話でございまして、東日本大震災も受け、非常に我々も防災、減災、そしてまた災害に対応していこう、国そして民間も一丸となって対応していこうという考え方も含まれているということでございますので、是非これからの災害に対応できるように力強く政府の方としても推進していただきたいと、こう思います。
 もう一点、大規模災害からの復興に関する法律案に関しましてですが、これも中身の方をいろいろお伺いさせていただいておりますが、基本的なやはり部分として、大規模といいますけれども、どの程度の規模の災害を想定して作られているかというのをお答えいただければと思います。
#115
○国務大臣(古屋圭司君) どの規模ということで申し上げれば、基本的には阪神・淡路大震災であるとか東日本大震災、これか同等かそれ以上、こういう災害を想定しておりまして、災害対策基本法による緊急災害対策本部が設置をされた災害について、復興対策本部の設置とか復興計画による特例等を適用するわけでございます。なお、災害復旧事業等に係る代行制度については、緊急災害対策本部が設置されていなくても、著しく異常かつ激甚な非常災害として政令で指定をされたものについては入れるということになっています。
 また、これまでの大規模災害における復興の枠組みは、その都度、特別法の制定により対応してきたところでございますが、今回の法律案では、政府による復興対策本部の設置、復興基本方針の策定、市町村の復興計画の作成などの基本的な枠組みについてあらかじめ法制化をしております。これによって、災害発生後の特別法の制定を待たず、迅速に閣議決定により復興対策本部を設置して基本方針を策定することが可能になります。
 さらに、このような国の取組を受けて、地方公共団体においても、早期に見通しを立てて復興計画を作成することができるというふうに考えています。
 また、許認可のワンストップ処理とか要件緩和などの特例措置、災害復旧事業等の国等による代行制度などにより、地方公共団体の負担の軽減にも寄与するわけでありまして、申し上げましたように、大規模からの復興に関する法律により、全体として、これまでよりも円滑かつ迅速な復興への取組が期待できるというふうに考えております。
#116
○平山幸司君 今大臣の方から、阪神・淡路大震災若しくは東日本大震災といった大規模な災害に対する対応ということで今回この法律が作られるということだと思います。
 私も、東日本大震災の復興基本法の、最後、時間が随分掛かったんですけれども、賛成討論もさせていただいて、あれも特別に東日本大震災に対して基本法を作ろうということで、やっぱり時間掛かるんですよね。よって、今回、その都度対応するということではなく、基本的な大枠を制定して、政府によって対応できるということ、これは非常に重要であると思いますので、これも是非力強く進めていただきたいと思います。
 そこで、前回、災害に関連してですが、これから夏に向かうんですが、豪雪のお話をさせていただきました。今日も少し、この豪雪の話を関連でさせていただきたいと思います。
 実は、前回大臣とのやり取りでもお話をさせていただいたんですが、下北縦貫道の整備に関しましても少しお話をさせていただきました。これは、昨年、豪雪によって下北半島、青森県私選出でありますけれども、イメージしていただければ分かるんですが、ずっと北海道の近くの上の方、まさかり半島のところのちょうど首のところ、細くなっているんですけれども、あそこ、道路が一本、大きな道路が一本、国道二百七十九号線なんですけれども、そこなんです。よって、そこがストップしてしまいますと陸の孤島になってしまいまして、物資も行かないという状況が出てしまうということなんですが、実は昨年、豪雪によって下北半島のその国道二百七十九号線で数百台の車が立ち往生して、代替ルートがない地域では深刻な事態が度々発生しているということが、これ全国的に報道されました。皆さんも記憶にあると思います。
 要するに、防災という観点からも若しくは地元からも、長い間この下北半島縦貫道に関しての必要性の声は上がっていたわけであります。しかし、現時点では、やはりそのとき問題が発生しましたが、立ち往生して迂回道路もなく、全国に報道されたというケースで分かるように、もうスタックしてしまってどうしようもない状況が生まれてしまったということがあります。
 よって、その事態も重く受け止めて、いろいろなやり方はあるんだと思いますが、例えば国の直轄に切り替えるなど早急に整備をしていくべきではないかと、こう思っているわけです。これは、克雪道路、文化交流等々のいろんな観点はありますが、特に克雪道路、これから冬に向かっていくに当たっても皆さんが安心して暮らせるように、そういった観点からもこれは格段の配慮が必要ではないかと、こう感じるわけでありますが、今日も松下政務官に来ていただいていますので、国交省の方にお伺いいたします。
#117
○大臣政務官(松下新平君) お答えいたします。
 平山委員御指摘のとおり、国交省といたしましても、下北半島縦貫道路は非常に重要な道路だと認識しております。まさに下北半島の観光、経済の発展を支えるとともに、災害時のリダンダンシー、先ほどお話がありました、これを確保する観点からも重要な道路であると認識しております。
 これまで、この道路、計画延長約六十キロのうち約二十キロ、三分の一が供用されてございます。三分の二がまだ供用されていない、事業中も含めてそうでございます。お話がありましたとおり、昨年、異常豪雪によって立ち往生したという事案も発生いたしておりまして、改めてこの下北半島縦貫道路の必要性を認識しているところでございます。
 国交省といたしましては、本年度、横浜南バイパス約七キロメートルを新規事業化いたしまして、更なる整備の促進を支援しているところでございます。今後とも、青森県の意向を十分に踏まえながら、早期整備に向けてできる限りの支援をしてまいりたいと思います。
 以上です。
#118
○平山幸司君 今、松下政務官の方から非常に重要な道路というお話をいただきました。ありがとうございました。
 計画六十キロのうち二十キロですね、三分の一が供用されている、今年から横浜南バイパス七キロが事業化ということですが、しかし、やはりまだ半分にも実は至っていないという状況ですので、またやはり同じようなことがあれば、これは昨年と同じ、道路がストップしてしまうという状況が生まれてしまう懸念があるわけでございます。
 そこで、大臣の方に是非もう一度お伺いしたいんですが、おととい大臣の方に、国土強靱化担当大臣として、どういった部分がこれまでと違うのか、若しくは豪雪に対してこの国土強靱化どう対応していくかという御質問をさせていただきました。
 これ、大臣に是非御理解いただきたいのは、雪は解ければ何とかなるんだという認識もあるかもしれませんけれども、実際に住んでいる人、そしてあの豪雪の中、吹雪の中を体験すれば分かると思うんですが、大変厳しい状況があります。そして、このように現実に全国に報道されるような大きな問題も起こるという観点から、やはり国土強靱化政策としてこの下北縦貫道路を早期にやっていく必要性がこれはあるな、国のリスクマネジメントとして整備が必要ではないか、こういう考えに私は至るのではないかなと思うんですが、大臣のお考えをお伺いします。
#119
○国務大臣(古屋圭司君) 国土強靱化、レジリエンスは、今御指摘の雪、雪害も含めてあらゆる災害を想定しています。それから、自然災害だけではなくて、例えばエネルギー危機だとかパンデミックのようなものもリスクですから、そういう全ての障害、リスクが発生をしても、まず人の命は絶対守る、致命傷を負わせない、それからできるだけ被害を軽減する、速やかに復旧させる、こういったものを基本的な考え方としています。言わば国のリスクマネジメント、委員おっしゃるとおりですね。
 私たちは、この国土強靱化の具体的な取組については、様々なリスクを今申し上げたように想定をして、脆弱性の評価をして、そして優先順位を付けて、その対策すべきプログラムを決定していく、こういう作業を今着実に進めています。そういう中にあって、やはり知事を中心として地方の意見も聞くということがはっきりうたわれておりますので、そういった意見も聞きながら、優先順位を付けてこの決定をしていくと、こういうプロセスでございますので、この考え方は多分御賛同いただけるというふうに思いますので、しっかり地方、知事からの意見も承りたいなと、こんな気持ちでございます。
#120
○平山幸司君 今大臣の方から私は大変重要な御答弁をいただいたなと、こう感じています。雪も含めてやはり大切なんだという御認識に前回よりは強く至っているなと、こう感じましたので、是非この豪雪に関して前向きに取り組んでいただきたいと。特に、下北半島縦貫道の件に関しては、その脆弱性を見ながら優先順位を付けてやっていくということでございました。地方の意見も聞いて、そして進めていくんだと、こういうお話でございました。
 先ほど民主党の議員からの御質問にあったと思うんです。民主党政権と今の自民党政権でこの災害に対する対応どう違うんだというところで、大臣は、民主党政権とはスピード感が違うんだと、こういうようなたしか答弁があったかに自分は認識しているんですが、今の大臣の答弁を踏まえて、ちょっとしつこいようでありますけれども、もう一度、その脆弱性はもう十分に理解されていると思います。下北半島縦貫道は迂回路がないということでありますし、地方でも知事さんにかかわらず地域ではこれをやっていけという声はこれまでも随分と私も聞いてまいりましたので、その必要性は、優先順位は非常に高いものだと、こう感じておりますので、是非、松下政務官に、今の答弁を踏まえて下北縦貫道、これからどう対応していくのかをお伺いしたいと思います。
#121
○大臣政務官(松下新平君) 実際、先ほどお話がありましたとおり、もう異常な豪雪によって立ち往生、四百台もの車が立ち往生して、人的な被害は幸いなかったんですけれども、もう三年連続でこの豪雪続いておりますし、また来年の冬もそういった場合のこともありますので、先生の御指摘を重く受け止めまして、国交省としてしっかり取り組んでまいりたいと思います。
 以上です。
#122
○平山幸司君 ありがとうございました。
 自分も、これは自分の思いというよりも、皆さんの声を聞いて、やはりこれは必要であるということで質問させていただいておりまして、それをしっかり重く受け止めて進めていくという力強い御答弁をいただきましたので、是非早期の縦貫道、一本しっかり通していただきたい、強く要望したいと思います。
 同時に、もう一点、最後になりますけれども、昨年もそうでありますが、一昨年もこの大雪によって農作物への被害、一昨日、農道の除排雪に関しまして質問させていただきましたけれども、農作物に対しての被害、リンゴの枝折れ始めいろいろな被害が発生しました。今、もう雪が消えてしまいましたけれども、その冬の被害に非常に悩んでいる人たちもいますし、対応、対策もしっかりとやらなければいけない。
 この二年連続の豪雪被害を受けて、農水省としてこの農作物に対する被害、どのように対応しているか、お伺いしたいと思います。
#123
○大臣政務官(稲津久君) お答えさせていただきます。
 議員御地元の青森県におきましては、昨年に続きまして連続の大雪となりまして、リンゴを始めとして農作物への被害が発生していると承知しております。
 リンゴについてですけれども、四月時点の県の調査で、枝折れ、それから野ネズミの食害による樹体損傷、これと減収を合わせた被害額は百七億円と、このような状況でございまして、この樹体損傷を受けた面積も五千四百七十四ヘクタールとなっておりまして、これもいずれも昨年を上回っている状況でございます。
 このために、農林水産省として、この枝折れ等の被害を受けた果樹農家に対して、被害樹の改植、植え替えるということですね、それから、これにより生ずる未収益期間に要する経費についてこれを支援するということで、リンゴ園地の復旧に努めてまいりたいと考えているところでございます。
#124
○平山幸司君 時間になりましたので終わります。
 ありがとうございました。
#125
○山下芳生君 日本共産党の山下芳生です。
 私たちは、復興対策の在り方として、阪神・淡路でも中越でも、また東日本でも、またその他の災害においても、被災者一人一人の生活の再建、地域コミュニティーの再建が基本に据えられなければならない、こう述べてまいりました。そして、生活の再建とは住まいとなりわいの再建であり、このことが地域社会と地域経済の復興を可能にするものだと、これも繰り返し述べてまいりました。
 そこで、古屋防災大臣に伺いますが、被災者一人一人の生活再建が基本に据えられなければならない、この点が今度の二法案の中で規定されている基本理念ではどうなっているでしょうか。
#126
○国務大臣(古屋圭司君) 災対法におきましては、今回明確に規定をいたしました基本理念規定の一つとして、被災者一人一人の生活再建を図ることを含めて、被災者の援護を図り、災害からの復興を図るという規定をさせていただきました。
 また、大規模災害からの復興に関する法律案においても、基本理念にある被災地域における生活の再建とは、大規模災害から地域の生活を立て直し安定させることであり、被災者一人一人の生活再建を図ることを意味をしております。
#127
○山下芳生君 大事な理念だと思います。
 もう一つ基本理念として伺いたいんですが、私は、地域の被災地の復興計画の策定に当たっては、上からの押し付けであってはならない、国やあるいは県が上から計画はこうあるべきだと押し付けてはならないと思っているんですが、これも阪神・淡路等の経験を踏まえてですね。この二法案では、その点どうなっているでしょうか。
#128
○国務大臣(古屋圭司君) 災害からの復興は、被災地域の住民の意向を尊重して行われるべきものであります。地域住民の主体的な取組というものが欠かせないものというふうに認識をいたしております。
 このため、今度の法律案においては、復興に当たっての基本理念として、地域住民の意向を尊重するような規定をしておりまして、復興計画の策定に際しても、公聴会の開催や住民の意見を反映させるために必要な措置、これを義務付けをいたしているところであります。また、復興計画やその実施について協議を行う復興協議会について、地域の実情において住民の参加が可能になるということも規定しているところであります。
#129
○山下芳生君 これまた非常に重要な理念だと思うんですが、その重要性を反面教師的に確認するために、私は阪神・淡路大震災後の神戸市長田区の再開発の事例を一つ紹介したいと思います。これは、上からの復興ではまずいという残念な事例なんですが。
 私、何回も長田区の再開発地区歩いているんですけれども、もうこれは五、六年前ですけれども、長田では、御承知のとおり最激震区なんですね、長田区というのは。再開発地区にされました。震災で焼けた長田の町にまだ煙がくすぶっているころに行政は上空からヘリコプターで視察をして、二十ヘクタール余りの大規模な再開発計画を決定したんですね。住民が救援あるいは避難している間に行政がヘリコプターでそういうことを決めちゃったわけです。
 そこが今どうなっているかということなんですが、これ、五、六年前に私が実際に聞いた声をブログからもう一遍紹介しようと思っているんですけれども、再開発ビルに入居した商店主の皆さんの怒りと不満はもう強烈でした。例えば、食料品販売店経営者。再開発が完了するまで九年掛かった、地域密着型の商売にとって九年間は長過ぎる、荒れ果てた畑で商売するようなもんですわ、こんなでっかいビル建てて、火も使わぬのにスプリンクラーが六つも付いている、高度化資金三千五百万円借りたが二年後からの返済のめどはない、角地の店も出ていった、みんな困っているという声。それから、料飲店経営者の方。二千五百万円高度化資金を借りたが、返済が始まったらみんなばたばた潰れるんやないかな、ビルは立派やけれども中身を見てほしい、再開発に反対していた人の言うとおりになったと、こういう声でありました。これ、もう五、六年前の話ですが、もう入居して二年ぐらいでこんな声が出ていたわけですね。
 それで、今はどうなっているかということなんですけど、これ去年の五月の岩手日報ですけれども、この長田の再開発地区のことをこう評しております。商業床七万六千三百平方メートルの五一%に当たる約三万九千平方メートルが売れ残り、市が所有している、倉庫に使われるなどシャッターを閉めた区画が目立つ、衣料品店を営む阿多澄夫さん、六十三歳は、売ることも貸すこともできないとため息をつく、復興を信じ頑張ってきたが町に震災前の活気は戻らず、採算割れが続き廃業を決めた、だが、開店前の借金約一千五百万円の返済が済んでいない、売却を考えたが、不動産業者に再開発ビルの店舗は値が付かないほど価値が下がり売れないと説明されたという。賃貸でも借り手が付かない、商店街には百四十五平米、月一万円ほどで貸し出されている区画がある、阿多さんは、市や市出資の管理会社が破格の賃料で出店させていることが原因とし、ただ同然の賃料が資産価値を下げている、これは人災、復興災害だと憤ると、こういう声であります。
 この記事では、続けて、どうしてこのような状況に陥ったのかと。日本茶販売店を営む伊東正和さん、六十三歳。これ、さっき紹介した六年前に意見を聞いた方なんですけれども。規模が大き過ぎたと、商売は震災前までいかなくともとんとんでやっていければいいと話す。兵庫県震災復興研究センターの出口俊一事務局長は、長田の再開発は行政が住民の声を聞かず強行した、まず震災前に戻し、それから落ち着いて十年二十年先を考えてほしいと長田の教訓を踏まえて助言すると、こういう声であります。
 これ、でっかい再開発ビルが幾つも建っているんですけど、その地下一階部分と一階、二階部分が商業ゾーンになっていますけど、一階はともかく、二階部分と地下部分はもうこの再開発ビルが開店されたときからこういう状況がずっと続いていて、今やめるにもやめられないという状況があるわけですね。
 大臣、この復興災害という言葉が今言われているんですが、これしっかりと教訓にしなければならないと思いますが、いかがお感じでしょうか。
#130
○国務大臣(古屋圭司君) 御指摘をいただいた新長田駅前地区の再開発事業、これは阪神・淡路大震災において甚大な被害を受けた市街地の復興と防災公園等の整備、良質な住宅などを実施をするために、発災後二か月で都市計画決定を行い、それ以後、神戸市が施行する全面買取り型の第二種市街地再開発事業を実施しているところであります。
 神戸市においては、都市計画決定後の地元との調整のために、七地区のまちづくり協議会を設置をして神戸市と地元住民との調整を行い、必要な都市計画の変更を行った上で、既に地区内の当初計画の四十棟のうち三十二棟が完成し、地元調整も約千六百の地権者との調整をほぼ終えているというふうに承っております。
 国としては、第二種市街地再開発事業は、防災性の高い市街地の形成のためには有効な手段だというふうに考えております。神戸市の地元調整と事業完成に向けた私は努力を見守っていきたいと思います。
 なお、既に建築をした再開発ビルにおける空き家問題についても、神戸市の独自施策で家賃の引下げなど努力を進めており、地域経済の再生のためにも神戸市が主体的に様々な努力を行っているというふうに考えております。
#131
○山下芳生君 一回、大臣、ここ行かれたことありますか、古屋大臣。
#132
○国務大臣(古屋圭司君) 私は、当時、党の災害関係の部会の役員をいたしておりまして、度々足を運んでおります。最近はちょっと訪問しておりませんが、ずっとその過程は私は見てきております。
#133
○山下芳生君 見てこられたということを踏まえての御発言としては、ペーパーを読まれたという感じがしたんですがね。
 行くたびに、私は、こういうやり方は、商店主の方、特にもうシャッター通りになっているし、やめられないという方がたくさんいらっしゃるし、こんなでっかいビルが要ったのかと。何年も何年も、九年掛かっているわけですよね。戻れないわけですよ、その間にもうよそに行った方が。そこで商売を始めた方がこういう苦境に立っているということでね。
 だから、僕は、復興というのは、やはり被災者、地元の方の声を聞いてしっかり進めないとこういうことになっちゃうと。これは神戸市を見守るというだけでは足らないんではないかなと私は思いますので、引き続きまた大臣にもしっかりと今の現状を見ていただきたいなということを申し上げておきたいと思います。
 もう一つ、現在解決すべき問題が阪神・淡路であるので、提起したいと思います。災害援護資金制度の問題です。
 阪神・淡路大震災からもう十八年たっておりますけれども、今でも生活に困窮し、災害援護資金の返済に苦しむ被災者の方がおられます。災害により住居、家財に大きな被害を受けた場合又は世帯主が重傷となった場合に、市町村が最大三百五十万円を貸し付け、生活の再建を支援する制度でありまして、償還期限十年間、年利三%、阪神大震災の場合は融資から五年間は無利子に据え置かれましたけれども、この阪神・淡路大震災の災害援護資金の貸付けと償還状況はどうなっているでしょうか。
#134
○政府参考人(西藤公司君) お答えいたします。
 阪神・淡路大震災における災害援護資金につきましては、件数五万七千四百四十八件、金額で約一千三百二十六億円の貸付けを行っております。このうち平成二十四年三月末時点の償還状況は、償還済件数が四万二千八百十二件、償還免除件数が二千二百八十四件、そして未償還の件数は一万二千三百五十二件で、金額で約百八十五億円となっております。
#135
○山下芳生君 兵庫県の未償還の率でいいますと、件数で二〇・二%ですね。神戸市だと二二・八%という数字をいただいております。五人に一人は、もう十八年たっていますけれども、まだ返し切れていないわけですね。しかし、返さなければならない状況にこの方々はあるんですよ。
 どういう方がそうなっちゃっているかと。少し具体的な例を紹介します。
 Aさん、現在六十九歳、女性、独り暮らしの年金生活者です。年金額は年四十一万円、月三万四千円です。震災当時は会社員として働いて、その後退職されました。災害援護資金の返済は月二万円です。生活費と毎月の返済をするためにパン屋さんやケアハウスのヘルパーなどアルバイトを掛け持ちして頑張ってこられましたが、しかし、もう高齢で体も限界。生活費に加えて月二万円の負担は本当に重いということで、病気になられたことがきっかけになって返済は滞納となってしまいました。二年前、ひょうご福祉ネットワークという市民団体に相談に行かれて、生活保護を申請しなさいということで、現在、生活保護を申請しておりますけれども、災害援護資金の返済も小口返済にはなっておりますけれども、それでも返し続けなければならないわけです。
 Bさん、七十二歳、男性、タクシー運転手。震災後、当面の生活費のために三百万円借りました。仕事もぼちぼちしかできないし、体もきついので、できれば引退したいんだけれども、保証人というのがやはりあって、迷惑を掛けるのでやめられないと。既に滞納がちになって保証人のところに請求が行って、申し訳ない思いでタクシーに乗り続けてきたけれども、結局、消化器系の病気を患って、保証人に迷惑を掛けまいと、昨年十一月、タクシー会社を退職した退職金で援護資金の残りを返済し、今では生活保護で生活をされていると。退職金もそっちに費やされたということであります。
 Cさん、これはもう既に亡くなっている方ですが、女性の高齢者の方ですが、震災当時、夫婦で仮設住宅に入居して、県営住宅にその後移られました。仮設入居の際、当面の生活に困って、友人に保証人をお願いして援護資金を借りたと。その後、借受人の夫が他界して生活保護を受けるようになったと。それでも、私が死んでも返済は免除にならない、あの大変だったときに保証人を引き受けてくれた友人に迷惑を掛けるわけにはいかないと、返済を少額返済にしてもらって、少しでも保証人に借金が回らないようにと、七万円弱の生活保護費の中から三千円返し続けながら亡くなられました。もう十八年たっている方が、生活に困窮した、生活保護に頼らざるを得ないような方が、保証人に迷惑を掛けたらあかんということで、ずっとこのおもしをしょい続けているわけであります。これが今の阪神・淡路大震災の援護資金借りた方の実例なんですね。
 そこで、もう一つ、東日本大震災の場合は、こういうことを踏まえまして特例が設けられました。どういう特例でしょうか。その内容と理由、教えてください。
#136
○政府参考人(西藤公司君) お答えいたします。
 東日本大震災では、災害援護資金につきまして、東日本大震災に対処するための特別財政援助及び助成に関する法律に基づきまして、償還期間について十年を十三年に延長する、利息については三%を原則無利子、保証人がいない場合は一・五%にする。災害免除につきましては、貸付けを受けた者が死亡したとき又は重度の障害を受けた場合のほかに、支払期日到来から十年経過後において、なお無資力又はこれに近い状態にあり、かつ償還金を支払うことができる見込みがない場合を加えるなどの特例措置を講じております。
 こうした災害援護資金の特例措置は、甚大かつ深刻な被害に緊急に対処することにより、被災者、被災地の一日も早い平穏な生活を取り戻すため、被災者に対する特別の支援措置の一つとして講じられたものでございます。
 済みません、失礼いたしました。特例措置の内容の三番目ですが、償還免除についてということでございます。失礼しました。
#137
○山下芳生君 こういうふうに、無利子あるいは保証人なし、それからもう資力がない方、あるいはそれに近い方は償還免除なんですよ。これは、大事な特例だと思いますが。しかし、阪神の方は十八年たっていても、もうほとんどの方は資力がないに等しい、にもかかわらず死ぬまで払い続けなければならない。もしこの東日本と同等の特例があれば、このおもしが取れて助かる、みんな高齢で義理堅い方々ですけどね。
 大臣、私は、これは少し、もうここまで来てなおこういうことでつらい目をしながら亡くなっていっているんですね。何とかならないか、何とかすべきじゃないかと思うんですが、大臣、いかがでしょうか。
#138
○国務大臣(古屋圭司君) 阪神・淡路大震災で被災された方が償還に大変苦労されている、よく承知はいたしております。ただ、法律上免除ができるのは亡くなったときか、あるいは体に著しい障害を受けたために償還ができなくなったと認められるときのみが免除になっていますので、法律を実施する市町村としてはこの規定に基づいて取り組んでいるというのが実情ですね。
 実際に、この厳しい状況の中で実際に返済を努力してこられた方もたくさんいらっしゃるわけでありまして、こういった方々との公平性ということを考えると、そう簡単に結論は出せる話ではないというふうに思います。
#139
○山下芳生君 私も、そう簡単に結論が出せる話でないとは思うんです。思うんですけれども、十八年たってこういう状況があるというのは、この制度が持っている、私は、東日本ではもうこれ特例で救われるわけですけれども、そうなっていないわけですね。
 市町村に返還しますけれども、その三分の二は国が出している、貸し付けているわけですから、国が決断すればかなりのことはできると思います。私は、少なくとも、生活保護あるいは準じる世帯は、高齢の方は、もうこれは償還免除してしかるべきじゃないかと。それから、もうこれは保証人は外したらどうだと。保証人に迷惑掛けたらあかんということで、もう亡くなるまで返し続けているわけですね。こういうことはちょっと検討すべきじゃないかと思うんですね。
 阪神・淡路の方が、これにしか頼るものがなかったんです。今、東日本の方は被災者生活再建支援法ができていますから、住宅再建、生活再建に個人補償的な支援があります。しかし、ないから、これしかなかったんですよ。もう返せるかどうか分からないけれども、これしかないからみんな借りたんです。そうしたら、返せない方がこんなにたくさん残っちゃって、今五人に一人がもうこんな高齢になっても残っていると。
 こういうことを、よく特殊な事情を考察していただいて、ちょっと大臣、これはもう一遍踏み込んで検討していただけないかと。
#140
○委員長(牧野たかお君) 山下君、時間になっております。
#141
○国務大臣(古屋圭司君) 今申し上げましたように、やはりこういった厳しい状況の中で実際に返済に努力してきた被災者の方も大勢いらっしゃるんですね。そういった方々との公平性というものを考えると、先ほども申し上げましたように、安易にそういった結論はなかなか出せないというのが現実だというふうに思います。
#142
○山下芳生君 公平性というんだったら、阪神・淡路大震災の被災者には個人補償、生活再建支援金もなかった、これこそ不公平だということを申し上げて、終わります。
#143
○委員長(牧野たかお君) 両案に対する本日の質疑はこの程度にとどめます。
    ─────────────
#144
○委員長(牧野たかお君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 災害対策基本法等の一部を改正する法律案及び大規模災害からの復興に関する法律案の審査のため、参考人の出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#145
○委員長(牧野たかお君) 御異議ないと認めます。
 なお、その日時及び人選等につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#146
○委員長(牧野たかお君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後四時二分散会
ソース: 国立国会図書館
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