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2013/03/19 第183回国会 参議院 参議院会議録情報 第183回国会 議院運営委員会 第15号
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2013/03/19 第183回国会 参議院

参議院会議録情報 第183回国会 議院運営委員会 第15号

#1
第183回国会 議院運営委員会 第15号
平成二十五年三月十九日(火曜日)
   午後一時開会
    ─────────────
   委員の異動
 三月十五日
    辞任         補欠選任
     小西 洋之君     大野 元裕君
     徳永 エリ君     金子 洋一君
 三月十八日
    辞任         補欠選任
     大野 元裕君     長浜 博行君
     竹谷とし子君     石川 博崇君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         岩城 光英君
    理 事
                小見山幸治君
                広田  一君
                水岡 俊一君
                大家 敏志君
                岡田 直樹君
                長沢 広明君
                水野 賢一君
    委 員
                石橋 通宏君
                金子 洋一君
                斎藤 嘉隆君
                田城  郁君
                長浜 博行君
                難波 奨二君
                西村まさみ君
                松井 孝治君
                石井 浩郎君
                磯崎 仁彦君
                上野 通子君
                中西 祐介君
                野村 哲郎君
                長谷川 岳君
                渡辺 猛之君
                石川 博崇君
                真山 勇一君
   委員以外の議員
       議員       谷  亮子君
       議員       田村 智子君
   事務局側
       事務総長     橋本 雅史君
       事務次長     中村  剛君
       議事部長     吉岡  拓君
       委員部長     郷原  悟君
   参考人
       人事官候補者
       法政大学社会学
       部教授      上林千惠子君
       検査官候補者
       立教大学法学部
       教授       武田紀代惠君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○参考人の出席要求に関する件
○人事官の任命同意に関する件
○検査官の任命同意に関する件
    ─────────────
#2
○委員長(岩城光英君) ただいまから議院運営委員会を開会いたします。
 まず、参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 人事官及び検査官の任命同意に関する件のため、本日の委員会に参考人として人事官候補者・法政大学社会学部教授上林千惠子君及び検査官候補者・立教大学法学部教授武田紀代惠君の出席を求め、所信を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(岩城光英君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#4
○委員長(岩城光英君) 次に、人事官及び検査官の任命同意に関する件を議題といたします。
 候補者から所信を聴取いたします。
 まず、上林千惠子さんにお願いいたします。上林千惠子さん。
#5
○参考人(上林千惠子君) 上林千惠子でございます。
 本日は、このような機会を与えていただき、誠にありがとうございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 公務員制度は、我が国の行政を円滑に運営していく上で基盤となる制度です。公務員に適用される国家公務員法では、公務員の根本基準を確立することにより、国民に対して公務を民主的かつ能率的に運営することを保障すると基本理念にうたっております。
 この基本理念を受けて、人事院は、中立・専門機関として、第一に人事行政における公正を確保すること、第二に労働基本権制約の代償機能を持つこと、第三に人事行政の専門機関としての役割を果たすことという三つの役割を担っているものと認識しております。
 そのため、人事官の職務に就く者には、国民全体の奉仕者たるべき国家公務員として、強い責任感と揺るぎない倫理観、これが求められると思います。そして、広く国民各層や関係各方面からの御意見を伺いつつ、誠実かつ公正に職務の執行に当たることが必要とされていると考えております。
 特に近年は、公務員に対する国民からのまなざしには極めて厳しいものがあると感じております。そのため、今こそ公務員一人一人がこのような現実があることを十分に認識した上で、各人がそれぞれの立場において信頼の回復と信頼の確保に努めてまいることが肝要と考えます。
 現在、行政を取り巻く環境が大きく変化する中で、公務員制度改革が重要な課題となってまいりました。国民本位の行政運営を実現することが従来以上に強く求められております。したがいまして、職員自身も、公務に対する高い使命感を前提に、自分自身の能力を高めながら、誇りを持って職務を遂行していく必要があります。
 人事院も、今般の公務員制度改革が時代の要請に的確に対応した実効性のある改革となるよう、適切にその役割を果たしていく必要があると考えております。
 例えば、少子高齢化への対応もその一つとみなせます。少子高齢化への対応は社会全体での課題でもありますが、それと同時に、公務員の人事管理においても同じく重要な課題となっております。若年層が減少する中で、どのように多様で有為な人材を確保し育成していくのか、あるいは職場の活力を維持しつつ、高齢者層に活用の機会を与えるのか、このような課題を解決していかなければなりません。
 私は、これまで社会学を専攻分野として高齢者や女性の雇用について教育、研究を重ねてまいりました。公務員制度が直面している課題の解決に対して、私が携わりました経験が少しでも役立てば幸いでございます。
 仮に私が人事官に任ぜられた場合には、長年大学で調査研究に携わってきた経験を生かし、国民の視点と社会学者として得た知識、経験を基に職務に取り組んでまいりたいと存じます。その際には、国民の代表である国会での御議論を始め、いろいろな御意見に耳を傾けながら、他の人事官と協力し、人事院の使命達成のために努力をしてまいりたいと存じます。
 以上、簡単ではございますが、私の所信とさせていただきます。
 ありがとうございました。
#6
○委員長(岩城光英君) 次に、武田紀代惠さんにお願いいたします。武田紀代惠さん。
#7
○参考人(武田紀代惠君) 武田紀代惠でございます。
 本日は、このような機会を与えていただき、厚く御礼を申し上げます。
 まず、会計検査院については、内閣から独立した憲法上の機関として、国の会計検査を実施し、検査の結果に基づき、検査報告を作成して内閣を通じて国会に御報告するという重要な使命を課されていると認識しております。
 また、検査官は、三人で構成される検査官会議のメンバーとして会計検査院の意思決定にかかわり、事務総局を指揮監督することを任務としていると承知しております。
 近年、我が国の社会経済は、本格的な人口減少社会の到来、少子高齢化に伴う社会保障費の増大や内外経済の構造的な変化、地球環境問題等の課題に直面しております。また、東日本大震災からの復興が我が国の大きな課題となっており、行政等にはこうした課題への適切な対応が求められております。
 会計検査院としては、このような社会経済の動向を踏まえながら、一、不正不当な事案に対して正確性、合規性の観点から厳正な検査を行い、二、厳しい国の財政状況にも鑑みて、経済性、効率性及び有効性の観点からの検査を重視し、そして、行財政の透明性と説明責任の向上等に資するために、財務状況等について分析、評価を行うなどの検査を充実していくことが重要と考えております。
 私は、昭和五十三年に大学を卒業後、東京大学、富山大学、筑波大学、成城大学で研究、教育の経験を積んだ後、平成七年から立教大学法学部教授として民法、特に担保及び債権について研究、教育を行ってまいりました。また、この間、財政制度等審議会を始めとする政府の審議会等の委員を歴任させていただくなど、政府の施策や財政、独立行政法人の評価等についても知見を深める機会を得ました。
 仮に検査官に任ぜられるとするならば、私は、立教大学法学部教授や政府の審議会等の委員として培った知識、経験を生かし、民間出身の検査官として国民の目線を大切にしてまいりたいと思います。そして、国民の皆様の関心の所在や国会における御審議の状況に常に注意を払うなど、いろいろな御意見に耳を傾けながら、検査官会議における公平かつ均衡の取れた意思決定に貢献することによって、検査官としての職責を担ってまいりたいと考えています。
 以上、簡単ではございますが、私の所信を述べさせていただきました。
 本日は、このような機会を与えていただき、厚く御礼を申し上げます。
#8
○委員長(岩城光英君) 以上で候補者からの所信の聴取は終了いたしました。
 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
#9
○委員長(岩城光英君) 速記を起こしてください。
 まず、人事官候補者に対する質疑を行います。
 質疑を希望される方は、挙手の上、委員長の指名を受けてから御発言いただくようお願いいたします。
 なお、質疑及び答弁の際は着席のままで結構でございます。
 それでは、質疑のある方は順次御発言願います。
#10
○西村まさみ君 民主党の西村まさみでございます。
 上林参考人におかれましては、貴重なお時間、大変ありがとうございました。
 質問をさせていただきたいと思いますが、公務員の労働基本権の制限に対する代償措置として措置要求制度があり、また、中立第三者機関かつ独立した行政委員会として国には人事院が、そして地方公共団体には人事委員会又は公平委員会があるわけです。その立場から、国家公務員の給与勧告ですとか勤務条件等に関する人事院規則の制定、改正、採用試験の実施など、様々な役割があるということは十分に承知をしているところでございます。
 上林参考人におかれましては、様々な大学での専任講師、助教授そして教授等を歴任されまして、本当に多くの様々な御経験があることも承知しているところでございますが、労働基本権の回復についてお尋ねを申し上げたいと思います。
 一日も早く公務員の労働基本権を回復させて、自律的労使関係を確立することによって労働制約の代償措置機能、つまり人事院勧告の役割をそろそろ終えることが望ましいのではないかと考えているのでございますが、参考人におかれましては、どのようにお考えを持っているか、お聞かせ願えますでしょうか。
#11
○参考人(上林千惠子君) 国家公務員制度改革においても、公務員の労働基本権についてはかねてからテーマになっているものだと思います。とりわけ、最近の制度改革においては、協約締結権について論議が集中していることと思います。
 協約締結権の付与については、公務の労使交渉において給与決定に市場のコントロールがないこと、平たく言えば親方日の丸であるということ、それから、給与の決定に対して国会の下に決定しなければならない、その意味では使用者側の方に当事者能力にある程度限界があるということ、こうしたことなどが人事院の昨年の勧告で出しましたので、これから適宜そうした点を踏まえて考えていきたいと思っております。
 以上でございます。
#12
○西村まさみ君 ありがとうございました。
 人事院は、国家公務員の給与等を適正に定めることも大変重要な仕事でありますが、民間企業であれば社員の賃金決定メカニズムというのは市場原理に制約されることもあると思いますけれども、官は一体何に求めるのか。国の財政状況に求めれば、今の状況では賃金が上がるということは大変少ないと考えています。国家を担う公務員の適正な報酬決定はどこをもって行ったらよろしいかとお考えでしょうか。
#13
○参考人(上林千惠子君) それこそが人事院の大きな役割でございまして、毎年四月一日に民間の給与実態について調査をしております。その結果を基に八月に人事院勧告を出しまして、国家公務員の給与が民間準拠で行われるようにというのが私どもの、まだ就任できておりませんが、人事院の役割と考えております。
 よろしいでしょうか。
#14
○西村まさみ君 是非とも、優秀な国家公務員を育てるためにも適正な評価というものをお願いを申し上げたいと思います。
 それから、参考人においては、まさに専門であると思います、先ほど御自身のお口からもありました、今まで産業社会学を専門とされていて、高齢者雇用、とりわけ女性の労働についても熱心に取り組まれてこられたと思いますが、その御経験から、今現在、T種試験の事務系の女性の国家公務員の採用者は平成二十四年で二八・六%、本省の課長、室長クラスになってまいりますと僅か二・五%というところであります。
 上林参考人が人事官になられた際には、男女共同参画という視点からも、公務員の女性登用、女性採用について今までと変化があるのかないのか、もし御自身のお考えがありましたら、是非お聞かせ願いたいと思います。
#15
○参考人(上林千惠子君) 女性国家公務員の採用者の率の向上及び登用において女性が拡大していくよう努力したいと思いますが、具体的にそのためにどのような施策が適当かは、幾つか人事院勧告でも出した中にあるものを実行するよう努めていきたいと思います。
#16
○西村まさみ君 是非ともよろしくお願いを申し上げたいと思います。
 例えば、国家公務員の育児休業の取得率に関しましても、女性はもう既に国家公務員であれば平成二十二年の段階で九七・九%となっています。しかし、ここへ来て、子育てというものは男女問わず行っていかなければならない、やっていこうというこれからの社会の中で、男性の取得率は僅か一・八%となっています。是非、その辺のところも含めまして、女性が働きやすい環境をつくることによって男女共同参画社会が一日も早く実現できるように御協力、また御指導賜りたいと思っているところでございます。
 また、もう一つ、人事院規則の中で、職員の研修というものも、今現在就いている官職であったり将来就くことが予想される官職の職務と責任のためにも研修制度を行うということはありますけれども、なかなか、今の国家公務員の研修制度の拡充はされつつも、まだまだ十分ではないと思います。
 是非とも、先ほど来お話をしていますように、国家を担う大切な役割を持っている国家公務員の研修制度の拡充についても一言お考えがあればお聞かせいただきまして、私からの質問とさせていただきたいと思います。
#17
○参考人(上林千惠子君) 国家公務員の研修で最近増えておりますのが、海外へ若いうちに勉強に行って帰ってきてもらうという制度でございます。
 こうした制度は、ある意味ではお金が掛かります。予算の制約と、それから、人員がその間抜けてしまうわけですから、残された職場でもまた仕事が忙しくなるというマイナス点がありますが、長期に有能な人材を育てるという意味からは、こうした海外研修なども進んで拡張していきたいと思います。
 以上でございます。
#18
○西村まさみ君 是非よろしくお願いします。
 ありがとうございました。
#19
○真山勇一君 上林参考人、みんなの党の真山勇一です。質問をさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。
 まず、先ほど参考人もおっしゃったように、大変行政を取り巻く環境というのが変化をしていて、公務員制度改革はまさにもうやらなければならない、求められていることだということをおっしゃいました。私もそのとおりだと思います。
 そして、それ以上に、つまり公務員の世界が変わっているというのは、私たちの今の社会が大きく変化していることがまずその前提にあると思います。私たちの毎日の生活の中、それから社会というもののこの変化というのもかなり大きく変わってきておるというふうに思います。その在り方が今まさに問われているんではないかというふうに私は思います。
 そういう意味で、特に、私は民間の出身として、雇用の問題というのが民間では今もうかなり劇的に変わってきています。何年か前までは終身雇用制だったり年功序列だったり、あるいはほとんどが正社員で会社が動くというような形だったのが、今もうこれが変わってきております。
 こうしたものを、崩れてきているという中で人事院の役割というのも、先ほど指摘ありましたけれども、大きな役割があります。一つは給与の体系ですね、人事院勧告。これが実際にその民間の給与の実態と懸け離れてしまっているんじゃないかというふうに言われているんですが、こうした民間の雇用の変化、こういうものからとらえてどういうふうに思われるのか、そして、やはり、もし実態に即していないならばどういうふうなことを改良していかなくてはいけないのかというふうにお思いになるか、お聞かせください。
#20
○参考人(上林千惠子君) 民間給与の実態を正しく国家公務員の給与に反映するために、調査の方法も大分変えております。一つは、従来までは対象とする企業を百人であったのを五十人以上の規模に広げたということと、そうすると、今度は組織形態が違いますから、同じ課長でも大企業の課長と中小企業の課長では必要とされる能力が変わりますね。そこで、課長に関しましては、例えば同じ課長であっても十人以上の部下を持っている人を課長とするというように定義を変えてきております。
 それから、社会全体で第三次産業の比率が拡大しておりますので、調査対象にサービス業の比率を高めていこうかというような案も考えております。
 いずれにいたしましても、民間給与を反映するという形ですので、民間の動きが先に来て、その後国家公務員の給与に反映するという意味で多少のタイムラグはどうしても出てきてしまいますが、できるだけ民間準拠の給与体系というところは人事院の基本とするところでございます。
 以上です。
#21
○真山勇一君 ありがとうございます。
 ただ、今もおっしゃったように、変わってきている、変わり方が民間の場合もう本当にかなり激しいと思うんですよね。前でしたら、年齢が上がれば給料も上がる、それから役職が上がれば給料も上がる、それから派遣などが少なくて主に正社員だということだったですけれども、今の民間の企業というのは、かなり企業によって大きなばらつきというか、かなり中身も変わってきていると思うんですね。
 その中で、私は平均というのがどういうものなのかというのがよくひとつ分からない。その一方で、人事院勧告は、やっぱり一つ俸給表というのがあって、平均は平均で出ますが、年齢が上がれば俸給表に従って給料が上がるという、いわゆる改善はしてきてもまだ年功序列が依然として残っている。そういう辺りをやはり変えていかないと、本当に民間の実態というのは平均で今もう出る時代ではなくなってきているような気がするんですけれども、いかがでしょう。
#22
○参考人(上林千惠子君) それも先生のおっしゃったとおりで、公務員給与につきましても、大分、成績主義、実績に応じて給与を変えていくという方向で変わってきておりますし、五十五歳以上の方に関しましては昇給を非常に少なくするというような形で賃金カーブのフラット化を行っております。ですから、今はもうそうした方向への改革の途上だと御理解いただけたらと思います。
#23
○真山勇一君 改革の私も途上だと思うし、改革すべきだと思うんですが、やはり今の世の中のスピードからいうと、どうもちょっと遅いんじゃないか。そのことを参考人は、社会学といういろんなことを研究されている見地からいうと、やはりどの辺りを変えていかなければならないかというふうな考えをお持ちでしょうか。
#24
○参考人(上林千惠子君) それは、国家公務員制度というものが国家公務員法という法に縛られておりまして、常にこれは国会の承認の下に行われる。その手続だけでも非常にプレッシャー、私がプレッシャーと、まあ正しいことですが、そこのプロセスがどうしてもありますので、そこの部分がやはり民間との間の時間差、タイムラグを生んでいるのであって、幾分かの差は、承認のための長いプロセスを経るということで、御勘弁願いたいと思っております。
#25
○真山勇一君 今度、逆に考えて、民間の今のそういう給与体系ですね、雇用の体系についてはどんなふうに考えておられますか。
#26
○参考人(上林千惠子君) 民間でも大企業になればなるほど変化のプロセスが遅くて、変化のプロセスが遅いということはいわゆる意思決定のプロセスが遅いので、それはどうしても企業規模の影響するところが大きいのではないかと思います。
#27
○真山勇一君 ありがとうございました。
 確かに縛られるところがありますので、そうすぐにはなかなか変えていかれないということは私も承知していますけれども、やはり公務員の給与体系というものを、この民間の、つまり変化に合わせて、やはりもう少しダイナミックに変えていくということもこれから必要じゃないかなということを私は感じております。
 そして、もう一点お伺いしたいんですけれども、雇用の面ということでいいますと、民間の方はやはり働き方が非常に多様化してきていると思うんですね。例えば、働きやすいように、朝九時から夕方五時までということじゃなくて、いろいろなワークシェアリングがあったりフレックスタイムがあったり、それから在宅で勤務もできるような仕事も出てきていますし、ワーク・ライフ・バランスというのが今非常に民間では出てきている。
 私は、やっぱり公務員というのは、そういう意味でいえば、そういうところを、つまり女性が働きやすかったり少子高齢化に対応するということをシステム的に取り入れていかなければならない、むしろ民間にのりを示すぐらいでもいいんじゃないかというふうに思っているんですけれども、今の公務員のやはり仕事を見ると、かなり朝早くから夜遅くまで拘束されたり、あるいは子育てがなかなか難しいというような状況が続いているんですが、公務員の勤務、今の働き方というのはどういうふうにお思いになりますか。
#28
○参考人(上林千惠子君) 女性が勤務を続けていくためにも、ワーク・ライフ・バランスの上からやはり長時間労働というのはなかなか難しいものでして、多少の残業時間は仕方がないとしても、現在のような長時間労働では魅力的な職場ではない、なかなか有為な人材を集めていくには不利な条件かなとは思っております。
#29
○真山勇一君 私、先日、デンマークから来た議員団の方と交流を持ったんですけれども、その中でちょっと驚いたのは、議員あるいは公務員が半日あるいは一日のうち二時間だけ働いて、それでもそういう仕事ができるんだということをおっしゃっていたんですね。
 やはり、今出ております子育ての問題、それから、先ほども数字が出ましたけど、女性がまだまだ少ないといった問題、そうしたことを解決していくためには、やはり公務員が、公務員の勤務自体がそういうものに先取りして変わっていかないとなかなか日本の社会というのは変わらないんじゃないか、少子高齢化にも対応できないんじゃないかというような感じが私は受けているんですけれども、参考人のお考えはいかがでしょう。
#30
○参考人(上林千惠子君) 女性がキャリアを続けていくときは、やはり民間の企業で働いているよりかはずっと公務員でいた方の方が継続率が長いのではないかと思っておりますので、その意味では、大変だとはいえ、よいかなと思っております。
#31
○真山勇一君 確かに、勤務、例えば出産をして戻るとか、そういうときは確かに公務員の方がいいこともあると思います。だけれども、やはり今の人事院の役割、仕組みというのが、民間の今の雇用形態とか働く形とは大分差が、落差が出てきているんじゃないか。
 私は、せっかく参考人、こうした人事官というお役目に就くということになるわけですから、これまで研究されてきた社会学という、そういう分野から是非積極的な提言を行って、是非改革に取り組んでいただけたら有り難いというふうに思います。
 どうもありがとうございました。終わります。
#32
○石井浩郎君 自由民主党の石井浩郎でございます。
 余り時間もございませんので、早速質問をさせていただきます。
 まず、人事院勧告についてですけれども、平成二十三年に公務員給与の〇・二三%をマイナス改定するよう勧告をいたしました。また、平成二十四年には五十五歳を超える職員の昇給制度の見直しの勧告をいたしましたが、いずれも時の政権の対応が勧告を尊重するものではありませんでした。
 御承知のとおり、勧告は、国家公務員の労働基本権が制約されていることの代償措置として、給与などの変更について判断のよりどころとなるものであります。また、社会一般の情勢に適応した適正な給与を確保するためには、政府は人事院勧告を尊重する必要があると考えておりますけれども、人事院勧告と公務員給与決定の在り方に対する御所見をお伺いしたいと思います。
#33
○参考人(上林千惠子君) 人事院勧告は人事院の総力を挙げて出すものでございますので、提出いたします方としては、そのまま尊重して、その結論を尊重していただきたいと思っております。
 ですから、特例措置などがありましたけれども、一応最初にその人事院勧告を認めていただいて、その後その特例措置があったということで、私どもとしては尊重していただいたというふうに考えております。
#34
○石井浩郎君 ありがとうございます。
 次に、国家公務員の新規採用についてお伺いいたします。
 現在、新藤総務大臣は、新規採用抑制策を見直す方針を示しております。過度な抑制策は、公務員を目指す志の高い若者の雇用を奪うものであると思っております。見直しが実施されれば、行政組織内部の年齢構成のゆがみの是正、組織の活性化につながるものと期待をしております。
 また、先ほど西村委員からも質問がありましたけれども、女性の国家公務員の採用拡大も重要であると思っております。
 第三次男女共同参画基本計画における政府目標は、平成二十七年度末までに採用者の女性の割合を三〇%程度とするとしておりますけれども、平成二十三年度採用では二六・六%、平成二十四年度採用では二五・八%にとどまっております。〇・八%減少しております。
 国においては、より積極的に女性の採用拡大に取り組むべきと考えておりますけれども、人事官になられたならばどのように女性の採用拡大に取り組まれるか、お聞かせください。
#35
○参考人(上林千惠子君) まだ私が実施しておりませんが、この就任というか候補者になったときに勉強いたしました限りでは、女性の既に国家公務員である方が女性向けに、女性の学生さん向けに講習会を開いておりまして、職務の内容を説明し、国家公務員に応募し、採用試験を受けてくれるように全国で就職説明会を開いております。
 こうした努力の積み重ね、また既に採用された国家公務員、女性の方がそれぞれのポストで活躍していくことが今後女性の国家公務員の方を増やすのに役立つと思っております。
 以上でございます。
#36
○石井浩郎君 それでは、次に超過勤務の縮減についてお伺いいたします。
 中央省庁においては恒常的な長時間労働問題があると思っております。人事院の調査では、本省での一人当たりの平均超過勤務時間は年間三百七十四時間とされております。中央省庁では国会対応や予算対応など特殊な事情があるにせよ、超過勤務の縮減は、優秀な人材確保、少子化対策、そしてワーク・ライフ・バランスにもなりますし、また人件費削減にもつながると思っております。この国家公務員の超過勤務の現状認識と解決のための方策について御所見を伺って、私からの質問とさせていただきます。
#37
○参考人(上林千惠子君) 先ほども申し上げましたように、非常に極端な超過勤務というのは、もちろん健康にも、長い間ですと障害、影響を与えますし、それから家族とのコミュニケーション、それから特に女性が子育てができなくなるといった様々な弊害を生んでおります。
 本来、勤務時間を短くするには人員を増やして仕事をみんなで分け合えばよろしいんですが、こうした経済情勢あるいは財政状況の折には定数を増やすことはできず、かえって減っておりますので、こうした手足を縛られた中で残業時間を減らす、できるだけ効率よく働いて無駄な仕事を省いていく、そういう体制ができればいいなというふうに思っております。
 以上です。
#38
○石井浩郎君 終わります。
#39
○長沢広明君 公明党の長沢広明でございます。
 上林参考人、大変御苦労さまでございます。
 私の方からまず、参考人は高齢者雇用とか女性労働について長年取り組んでこられたということで、女性労働の問題につきましては先ほど西村委員からも御質問がございました。私の方からまず、高齢期の公務員の雇用についてお考えを伺いたいと思います。
 雇用と年金の接続という観点から、民間企業においては、六十歳以降の定年の延長とかあるいは再雇用ですね、そういうことが義務付けられるということになっております。一方、国家公務員については、平成二十三年の九月に人事院から段階的な定年の引上げのための国家公務員法等の改正に関する意見の申出というのが出されております。三年に一歳ずつ段階的に定年を引き上げるとか、六十歳を超える職員の年間給与の設定の在り方とかいう形で、いわゆる段階的に定年を引き上げていくということと人事の新陳代謝を図る、両面含めての提案がなされております。
 それでありながら、これ一部報道ベースですけれども、政府は現段階では、これあくまでも報道ベースですので、確認、最終的にはしておりませんけれども、六十歳で定年退職する国家公務員について、希望者全員フルタイムでの再任用を義務付ける法整備を現段階では一旦見送るというような方針であるというふうに報道されています。これは様々な多分議論が起きることだと思います。
 そこで、高齢期の公務員の雇用問題について参考人はどのようにお考えでいらっしゃるか、御意見伺いたいと思います。
#40
○参考人(上林千惠子君) これは大変難しい問題で、公務員の問題が起きる前に民間企業でまず最初に五十五歳定年を六十歳定年にし、その後六十五歳定年という掛け声ができましたけれども、もう六十五歳定年で実施している企業はほとんどありません。なぜかというと、定年とそれから雇用延長、まあ公務員の場合には再任用という言葉になりますが、どこが違うかというと、そこに何らもうチェックが入らないわけですね。定年ですと全てノーチェックですが、定年というのは、その後の再雇用するかどうかについては、会社と雇われている人がお互いに考えてみようというチェックが入ります。そこで、その六十を六十五に一気にというときに抵抗があるのは、高齢者というのは、個々にいろいろ身体の上でも家族のいわゆる必要な生計費の上でも違いがあるときに、個々の条件を勘案した方がいいのではないかというので、雇用延長という形で、六十五歳定年ではなく、雇用延長で六十五歳までの雇用を確保してきているわけです。
 国家公務員につきましても、ですから、民間のそういう実態を考えますと、一気に六十五歳定年、望ましいですが、なかなか民間の実態が六十五歳定年実施できていませんので、難しいかなと思います。そこで、再任用という形で、できるだけ再任用希望者の方には基準、いわゆる選別基準を余り施さない形で働いていただこうかなというのが現実的な考えかと私は思っております。
 以上です。
#41
○長沢広明君 先ほど来議論になっている部分でもありますけれども、公務員の倫理意識をどう向上させるかという問題もございます。
 私たち公明党は、ちょっと関連して言わせていただきますが、不正経理防止法の制定というものをさきの衆議院選挙の重点政策にも掲げておりまして、これは国、地方の公務員、あるいは税金が投入されている独立行政法人、特殊法人、公益法人、こういうものを対象にいわゆる組織的な裏金づくりというものを規制するための法律の制定なんですが、そもそも法的な規制を課すこと自体おかしい話で、この国民の血税を扱う職員一人一人のいわゆる倫理観があれば本来十分な問題だというふうに思います。
 人事院は、ある意味ではその国家公務員の倫理保持ということもその使命、責任の一つであると思いますが、こうした問題についてどういう問題意識を持ち、どういうお考えで取り組んでいくか、お考えがあれば伺いたいと思います。
#42
○参考人(上林千惠子君) 人事院の重要な仕事に倫理審査会というのがありまして、私もそれにかかわることになると思いますが、先ほど所信表明で申し上げましたように、高い使命感とか、公、国民全体への奉仕という言葉があれば、そうした問題は実際出てくるはずはないものと思われますが、誰も何も言わないのに勝手にそういう事件が起きるというのは、どうしたらいいか、厳しくする、でも、それは見えないようにやっているわけですからなかなか分からないわけですし、表面に出て分かったものに関しては厳しく倫理審査会で問うと、そういうことでしょうかね。制度的にどうかというのは、今ちょっと私は分かりません。
 以上です。
#43
○長沢広明君 今の規範意識、倫理観ということと裏表の問題で、公務員のやる気をどう起こすかという、これは多分裏表だと思います。
 今参考人がおっしゃった国家公務員倫理審査会、これアンケート調査を二十四年度にされております。その調査の中で、市民モニターに対して聞いた質問の一つに、国家公務員に対する期待という質問があるんですね。その期待に対して、市民モニターの中で、大いに期待しているという人とある程度期待しているという人が三六・七%、余り期待していない、全く期待していないが四二・七%。つまり、国家公務員の仕事に対して、取組に対して期待しているという人の方が少ないわけです。
 これは非常にゆゆしき問題で、国としても、国のためにその中で働いてくださっている公務員の皆さんに対する信頼が高まることの方が国家としてプラスなのは当たり前なわけで、それに対して行き過ぎた公務員バッシングというのは、私は認めない立場です。どちらかというと、働いている人たちの能力をどう生かすかという方向に持っていった方がいいと思っておりますが、その意味では、期待されなければやる気は出ないわけで、そういう意味ではこの国家公務員のやる気、意欲ということが高まるように、どう労働意欲を持たせるか、あるいは動機付けをしていくかという、ある意味ではこれは非常に難しい問題ですけれども、労働意欲、動機付けの在り方についてどのようなお考えがあるか、伺いたいと思います。
#44
○参考人(上林千惠子君) 普通、労働意欲を喚起するには賃金を上げればいいんですが、それができない中でどうやって労働意欲を喚起するか、それは非常に難しい問題です。
 いや、少しでも、十円でも二十円でも時給が上がったときに、ああ、認めてもらえたんだということで、普通は、何というか、労働意欲を喚起する。ですから、当面賃金が上がらない見込みでは、仕事の面白さ、そして将来賃金上がっていくよという将来の見込みで意欲を喚起するのかなというふうに考えていますが、特に制度上何かあるというわけではございません。
 以上です。
#45
○長沢広明君 大変難しい問題だというふうに私も思っています。ある意味では、組織の活力をどう高めるかという意味で、能力、実績の適正な評価ということもこれまでずっと議論されていたことでもありますので、是非、そういうことも念頭に置きながら、より良いこの人事行政の推進ということで頑張っていただきたいと思います。
 私の質問を終わります。
#46
○難波奨二君 民主党の難波奨二でございます。
 今日は、上林参考人、大変お疲れでございます。
 私は、女性の感性というものを様々な分野、領域に活用するということが非常に大切だというふうに思っておる人間でございまして、仮に人事官に御就任なされますと、人事院の中で新しい風を是非とも吹かしていただくよう、御期待を申し上げておきたいと思います。
 質問の方に入らせてもらいますけど、最初に、これも委員の方から御質問あったところなんですが、少し私よく分からなかったので改めてお伺いしたいと思うんですけれども、まだ参考人は人事官に御就任されておりません。どうか、これまでの御自身の御認識で少しお答えをいただきたいというふうに思うんですが、基本権の問題でございます。
 公務員に労働基本権はやっぱり認めていないわけですよね、今認められていないわけでございますけれども、これに対する参考人の基本的な御所見を改めてちょっとお伺いしたいというふうに思いますけれども。
#47
○参考人(上林千惠子君) 労働基本権は憲法二十八条に保障されている基本的な権利でございまして、これは働く人には誰にでも付与されるという、だからこそ憲法に載っているわけです。
 ところが、人事院ができましたのは、その基本権を制限する代償に人事院をつくるというふうな歴史的経緯がございますので、人事院の機能というのはその代償であるというものだと私は認識しております。
#48
○難波奨二君 交渉権と協約締結権なんかを与えると人事院の価値がなくなるということでございますから、役人の立場からいうと、人事院がなくなるというのは非常に抵抗があるわけでございます。しかし、一方で、やはり働く者にそうした基本権を付与するというのは非常に大切な、これやっぱり求めでもありますし、考え方でもありますので、どうかまた、論争するつもりはございませんけれども、今後も一つの課題として重く受け止めていただきたいと思います。
 この基本権問題、付与について議論するときに、こういう議論があるんですよ。そうした基本権を与えると、交渉の結果、賃金が上がるじゃないかと、賃金が上がるんじゃないかと、交渉の結果ね。これはもう労使の力関係ということになるわけでございますけれども、こういう交渉権を与えると賃金が引上げになるというこの議論に対してはどのようにお考えですか。
#49
○参考人(上林千惠子君) いや、そういう可能性もあると思いますね。下げるために交渉する人はいませんから、上げるための交渉なんで、もしも上がらなかったら、うまくいかなかったということじゃないですか。
#50
○難波奨二君 私も郵政の出身でございまして、過去は制限ございました。そして、今民営化になりましたから労働三権全て付与されておるわけですけれども、その中で労働運動やってまいりましたけど、そのような方向というのはこれは危惧だけでございまして、実態はやっぱりあり得ないんですよね。やっぱり労働組合もきちっと世間相場というものは分かっておりますし、会社の経営、そして行政分野でいえば、やっぱりその国の予算ですね、こうした厳しい財政状況というのは十分分かっておるわけでございますから、私はそうした危惧というのはなされなくて結構だというふうに思っております。
 それから、民間準拠の話がございましたけれども、これも私も、長年の私の私見は、参考人の方からも先ほどお話ございましたけれども、五十人規模まで下げてきたんですよね、調査機関を。そんな五十人の規模まで落としてきた。なおかつ、この間の実は経過でいいますと、調査をします、依頼をします、各企業に。しかし、ある業界はその調査に協力をいただけない業界もあったんです、大分改善はされたようでございますけれども。つまり、平均賃金ベースを上げるような高い給与をもらっている企業なんかは、自分のところの会社のそうした給与というものをオープンに世間にしなかったわけですよね。そういうことがございました。
 しかし、だんだん改善はされてまいりましたよ、改善はされてまいりましたけれども、私は、やっぱりその重要な任務を持った国家公務員が、本当にそうした五十人規模、まあ上も当然ございますけれども、そうした幅広い範囲の中の調査によって賃金がやっぱり決定されるというのが、まあ民間準拠と言われれば民間準拠でございますけれども、私は、やはりあるべきそうした賃金の、公務員にふさわしい賃金のベースというのはあるんじゃないかというふうに思っております。
 それから、加えてもう一点申し上げますが、先ほど超過勤務の話もございましたが、今はまあ、過去は二十時間ぐらいしかもう配っていなかったんですよね、分かりやすく言うと。しかし、今は三十時間ぐらい超える賃金の手当てはされておられるようですけれども、本当に働いた分だけ支払われていないんですよ。そうしたことも、是非私は、仮に人事官になられましたら、どうか新しい目線で人事院のそうした問題についても対応していただきたいというふうに思います。
 最後でございますが、これもなかなか答えにくい質問かも分かりませんけれども、御案内のように、国家公務員の給与の削減、二年間でございますけれども、二十六年の三月まで東日本の震災復興の財源等々の理由で引き下げたわけでございます。そして、その国家公務員の給与の削減というものを受けまして、地方公務員につきましても同様の協力要請というものが総務省からなされておるわけでございます。
 先ほど参考人の所信の中にもございましたように、地方は地方で人事委員会等もあるわけでございますけれども、そのように国家公務員と地方公務員を準じてそのような減額措置をするというような取扱いについてどのようにお考えか、お伺いしたいと思います。
#51
○参考人(上林千惠子君) これは、先ほどの所信でも申し上げましたように、国民の代表たる国会が決めたことでございますので、粛々と従ってまいりたいというふうに考えたわけです。
 以上です。
#52
○難波奨二君 少し質問とは違いますけれども、終わりたいと思います。
 ありがとうございました。
#53
○委員長(岩城光英君) これにて人事官候補者に対する質疑を終了いたします。
 上林参考人に一言御挨拶を申し上げます。
 本日は、御多忙の中を御意見をお述べいただき誠にありがとうございました。委員会を代表して御礼を申し上げます。
#54
○参考人(上林千惠子君) ありがとうございました。(拍手)
#55
○委員長(岩城光英君) 上林参考人は御退席いただいて結構です。
 次に、検査官候補者に対する質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#56
○西村まさみ君 武田参考人、本日はありがとうございました。
 民主党、西村まさみでございます。
 検査官候補であります参考人にお尋ねする前に、平成二十五年次会計検査の基本方針には、検査を行う際の観点として、正確性、合規性、経済性、効率性、有効性という五つの観点が挙げられています。中でも、近年厳しい経済財政状況に鑑みて、後段の三つ、経済性、効率性及び有効性の三つを特に重要視するとしています。
 しかし、本当に大事なことというのは、いわゆる基本理念を持ってこの三つの観点を判断するというところにあるのではないかと思います。国の重要な使命としての、国民の命を守り、最低限度の健康で文化的な暮らしを守る、この責務を果たしていく上では、必ずしもコスト重視の経済性や効率性で効果を測るべきものではないと考えているわけでございますが、例えば生活保護制度の有効性とか被災地の復旧復興事業の有効性など、検査をする際には、コストだけを考えれば、当然ですが、経済的でも効率的でもないというふうに判断されるわけですが、でも、実は国民の命であったり生活を守るためには非常に重要でかつ有効なこととなるわけです。
 そこで参考人にお尋ねしますが、参考人は会計検査院が検査を行う際のこの基本的理念は何に置くべきとお考えになっていらっしゃるのか、是非お聞かせください。
#57
○参考人(武田紀代惠君) 今、御質問ありがとうございました。
 いわゆる経済性、効率性、有効性という観点、この三つの観点、この基本方針でも会計検査院は今後そこに重点を置いてということでございまして、特に経済性、効率性というと、いわゆる民間企業がお仕事を行う上でのコストをとにかくカットをしてというふうにこの効率性とか経済性という言葉自体が取られがちですけれども、決して私は、この経済性とか効率性という言葉が表しているのはそういうことではないというふうに考えております。
 そもそも、国、公的な機関というのは、まさにコスト的には、まあちょっと若干言葉がきついかもしれませんけれども、コスト的に合わない、もっと乱暴に言うともうからないことをやるべきだと思うんですね。
 そういたしますと、ここでいう経済性、効率性というのは、その同じことを、同じ目的を果たす上で、ある手段なり予算でやっているけれども、実はもっと安くできるのではないかと、そこのところですね。決してコストに合わないことをやるなと、そんなことは一切、これは私の個人的な見解で、そういう意味ではなく、やはり国民の皆様からいただいた血税ですから、少しでも国民の皆様が幸せになるように使わなければならない。
 その意味では、ある事業になるべく、コストを掛けずにと言うと若干また語弊があるかもしれませんけれども、もっと安くできる、あるいはもっと有効にできるんだったらそちらの方がいいと、そういう意味で私は効率性とか経済性という言葉は用いられているものであると理解をしております。
#58
○西村まさみ君 ありがとうございました。
 民間がやることと国がやることというのは、目的は同じであってもその手法というものが違うというのは大変よく理解できるところですが、やはり効率性、経済性というものだけを考えると、これは民間がやった方がいい場合と国がやった方がいい場合ときちっと見分けていただきまして、検査をしていただけたら大変有り難いと思います。
 税金というのは、やはり国民が大変厳しい中でも支払っている大切なお金でありますので、その使い道というものは大変重要なことであると思います。税金が、例えば税金が使われている全ての機関に対して、その使い道が適正かどうかであったり無駄遣いを防ぐことを期待されているのが会計検査院の役目であると思いますが、実際には、悪化の一途をたどっている我が国の財政状況とか無駄遣いに関する様々な話題が一向に減らないという現実を考えると、果たして会計検査院の役割というものが十分に遂行できているのかというふうに考えるところもあります。
 例えば、考えられることとすれば、多くで言われているところではありますが、一つは組織の規模の問題、三万八千か所近くある税金が使われている機関に対して、果たして今ある検査院の人数でいいのだろうかという問題であったり、例えば会計検査院自体の権限の問題、それから判定というのは非常に難しいわけですが、今の段階ではほぼ一〇〇%黒、間違っているというようなことがはっきりしない限りはなかなか公表ができない、いわゆるグレーの部分というものが公表できないというのが今の日本の在り方だと思います。
 米国なんかとよく比較されているところではありますが、その辺について、日本の会計検査院についての問題点、お感じのところがありましたら教えてください。
#59
○参考人(武田紀代惠君) 先生からは三点御指摘をいただいて、どれも本当に私もそのように感じておりますが、ただ、まず組織の規模についてでございますけれども、やはり今の財政事情が厳しい中で会計検査院だけが突出して人員を入れるというのは、これはなかなか難しいことではないかというふうに思っております。
 ただ、若干勉強させていただきましたところ、民間人とか、専門の知識を持った民間人の方を採用するとか、調査をする人の人員構成というのも随分工夫をしているようでございますから、なるべくそういういろいろな、多様なより能力が高い人材を中途採用あるいは今いる現有職員の能力を高めることで何とか、組織の規模については、私まだ外の人間でございまして人員がどういうふうに配置されるかよく分かりませんが、いただけるにこしたことはないですけれども、今の人員の能力、スキルアップというものをもしも私が検査官になりましたら図りたいと思います。
 それから、権限につきましては、これは会計検査院がどうこうということではなく、非常に立法政策の問題でございますから、国会の先生方がもしも権限を強化なさる場合には、会計検査院としてはその新たな権限の下で粛々と仕事を進めてまいりたいと思います。
 それから、公表の件でございますけれども、これはなかなか難しい問題でございまして、私も個人的には、真っ黒じゃなきゃ公表しないというよりも、グレーといってもいろんな状況がございますけれども、かなり黒に近いグレーなら個人的には公表してもいいんじゃないかなとは思うんですが、ただ、その後の関係の役所との仕事がどうなるかとか、そういうこともあるのではないかと思いますので、この公表につきましては、私がもしも検査官になりましたときに、もう少し現状とかを勉強して、先生の御意見も本当に十分参考にして考えてまいりたいと思います。公表についてはこれくらいでお許しください。
#60
○西村まさみ君 ありがとうございました。
 もしかしたら、私が提案した二番目と三番目というものは一緒に考えていかなければいけないのかなという理解は持っています。
 どうもありがとうございました。これで終わります。
#61
○水野賢一君 みんなの党の水野賢一です。
 会計検査院の役割に対しての国民の期待というのは、やっぱり無駄遣い、税金の無駄遣いがあっちゃいけないということで非常に強いと思うんですけれども、その無駄遣いとか問題点のその調べていく端緒として、会計検査院のホームページを見ると、「情報提供の受付」というコーナー、言わば目安箱的な、そういうようなコーナーがあったりするんですけど、法的な根拠はないんですね、これ自体に。
 例えば地方自治体なんかだと、住民が住民監査請求とか住民訴訟とか、そういうような制度があったりするわけなんで、私たちみんなの党は、国民が会計検査院に対して検査の発動を要請できるような法的な仕組み、これを我々は国民監査法案というふうに呼んでいるんですけれども、そうしたものを作ったり国会に提出したりしたことがあるんですが、参考人におかれては、そういう国民の方がいわゆる自治体における住民監査請求的なことを発動できるような法的仕組みをつくっていくべきかどうか。これは、当然一方では乱訴がいろいろとあったりしちゃいけないだろうとかという、いろんなそういう歯止めとか工夫は必要なのかもしれないというふうに思いますけれども、こういう考え方についてはどのようにお考えでいらっしゃいますでしょうか。
#62
○参考人(武田紀代惠君) 今、国民監査請求というのの制度化ということの、関してのお尋ねでございますけれども、なかなか難しい御質問でございますけれども、ただ、私は検査官候補者といたしまして、もしも検査官になりますと会計検査院の中の人間になるわけで、調査の端緒について、国民の監査請求権を認めるべきかどうかというのは、これは立法政策の問題でございますので、ちょっと私が申し上げることではないと思います。ただ、もしもこういう制度ができた場合には、当然でございますけれども、それにのっとって体制を整備して仕事を進めたいと思います。
 それから、若干余計なことでございますけれども、ホームページにあります情報提供のコーナーというのは、これは、もしもまだ監査請求が立法できなくても、それは十分活用して、今も活用しているというふうに聞いておりますけれども、より活用を図っていきたいと思います。
#63
○水野賢一君 分かりました。
 じゃ、現行の仕組みの中での、確かに今の私の質問というのは、そういう制度を変えるべきじゃないかというのは立法の方の話でもあると思うんで、なかなかお答えにくいところもあるというふうに思いますけれども、現行の制度の中でちょっと御質問させていただければと思うんですが、じゃ、検査した中で何か問題を見付けた場合、会計検査院の場合だと会計検査院法の三十三条というのがありまして、その三十三条で検察に対して通告するというような制度があるんですよね。
 ところが、例えば公取なんかがいろいろ問題を見付けると、よく刑事告発したりとかってありますよね。ところが、刑事告発の制度じゃなくて通告という、何か数段ちょっとランクが落ちたような制度になっているわけなんですけれども、しかも、その通告というのも昭和二十七年辺りには発動されていて、それ以降は全然活用されていないというような、つまり、今ある、法律上存在している制度さえ言わば抜かずの宝刀みたいになっちゃっているとか、そういうような問題もあるわけなんですけれども、この辺りについて参考人、何かお考えございますでしょうか。
#64
○参考人(武田紀代惠君) 院法三十三条の犯罪の通告についてでございますけれども、私、中の人間ではないので、なぜ今まで抜かずの宝刀となっていたかということはよく分からないのですけれども、もしかしたら、私の推測でございますけれども、この犯罪の通告というのはやはりかなり、犯罪の通告をするということは、その犯罪があったかなかったかということにかなり特化しないとなかなか踏み切れないのではないかと思いまして、もっと会計の検査というところに重点を置くということになりますと、なかなかこの犯罪の通告まで、手が回らないという言葉は語弊がございますけれども、そういうこともあるのではないかというふうに考えておりますが、ただ、これは何分にも現場を私全く知りませんので何とも申し上げることはできませんが、ただ、今の私個人の見解でございますけれども、その辺りも現状がどうなのかとか、よく勉強してまいりたいと思います。
#65
○水野賢一君 私たちとしては今あるそういう制度はしっかりと生かしていくべきだというふうに思いますし、また、公取などと同じように刑事告発できるような形でこれは法改正もしていくべきだと考えておりますが、これは立法側の対応だというふうに思いますが。
 続いての質問ですけれども、今回の武田参考人の任期というのは、会計検査院の検査官というのは七年なわけですね、本来であると。ただ、山浦検査官が途中で定年でお辞めになる分の、その残任期間という任期で、そういう御理解でよろしいでしょうか。
#66
○参考人(武田紀代惠君) 私の任期が、今、山浦院長の残任期間かどうかというのは、これは私では判断しかねまして、内閣の方がどのようにお考えであるかとしか私としては申し上げられません。
#67
○水野賢一君 内閣の方から我々が聞いているのは、任期については二年後の、今から二年間の山浦検査官の残任期間というふうに聞いているわけですが。
 そこで、そうすると、本来七年のところが二年だけの提示になっているわけですよね。そうすると、それは普通考えて極めて短いわけなんで、その後の七年間は再任されますよ、再任含みみたいな形で何か政府側から、このオファーがあったときに、今度検査官いかがですかというようなオファーがあったときには、二年後にも再び再任しますよというような、そういうオファー付きでの提示だったのかどうか、教えていただければというふうに思います。
#68
○参考人(武田紀代惠君) 実は、私も院法を見て七年という任期であるということは知っていて、再任があるかどうかというオファーというのは具体的には受けてはおりません。もしも政府の方でまた私を再任していただけるといたしましたら、また国会の先生方が二年間の働きぶりを見て御同意がいただけるように職務に邁進していきたいと存じます。
#69
○水野賢一君 検査官は合議体なわけですけれども、ですから三人の検査官の合議体ですよね。当然チームワークみたいなものも必要になってくる面もあるかと思いますけれども、既に今いらっしゃる検査官、つまり河戸さんと森田さんのお二人がいらっしゃるわけですけれども、その人たちとは何か今まで一緒に仕事をしたとか何か交流とか、そういうのはあるわけでしょうか。
#70
○参考人(武田紀代惠君) 私はお名前を存じているだけで、御一緒に仕事をしたということはございません。
#71
○水野賢一君 最後の質問にいたしたいというふうに思いますけれども、今まで検査官の中に、例えば河戸さんなんかは元々プロパーで、検査官でずっと来られた方でしょうけれども、武田参考人の場合は今度検査院関係のことは初めてになるわけでしょうから、もちろんそうやって外部から入ってくる人も必要だと思いますが、外部から入って、ここは変革したいとか、ここは改革していきたいというような何か思いがあれば、それをお伺いして、私の質問を終わらさせていただきたいと思います。
#72
○参考人(武田紀代惠君) 会計検査院の検査の視点という、正確性、合規性、経済性、効率性、有効性ということでございますけれども、私個人としてはやはりこの有効性という観点からの検査というものを今までより以上に重視をしてまいりたいと思います。
 それに加えまして、私、先ほど所信のときに申し上げましたように、民法、特に担保とか債権というものを教育、研究しておりまして、やはりなかなか官が民と、マーケットに出ていくというのが割と最近のことですので、見ていますとなかなか契約とか債権というものがまだ全部に浸透していないというところはございますので、そういう観点からも検査をやっていきたいと思います。
#73
○水野賢一君 終わります。
#74
○中西祐介君 自由民主党の中西祐介でございます。
 今日は、武田紀代惠参考人におかれましては、大変御多忙の中、こうしてお越しをいただきまして、本当にありがとうございます。会派を代表して御礼を申し上げたいと思います。
 私は簡潔に大きく三つに分けて質問をさせていただきたいと思います。
 まず一つは、今回、検査官としての、候補者としての話でございますが、会計検査院の意思決定機関、まさに検査官会議の構成するお一人ということでございます。その中で、先ほど来ありますように民間御出身ということもあり、同時に山浦さんの後任ということでございまして、言わば学術畑の枠といいますか、そうした代表格でもあると思いますけれども、そういう学術、また民間御出身の立場、そしてまた、今回、検査官として実は女性初めての候補者、登用となる可能性があるということでございますが、そうした観点で、これからどういうその三人の中での役割をお果たしになるか、具体的なお考えがあれば是非伺いたいと思います。
#75
○参考人(武田紀代惠君) まだ検査官にお認めいただくかどうかも決まっていない段階でお話しするというのは僣越でございますけれども、今、学術枠というふうにおっしゃってくださいましたけれども、私、先生がそういうふうにおっしゃっていただいたのは、やっぱり大学教授というのは非常にアカデミズムの世界に沈潜して生きているというふうに御理解かと思いますけれども、私自身は、やはり専攻していること、担保とか債権というのはまさに現代、今の社会というものに非常にフィードバックをして、かつ、今の社会、今生きている人たちがどういうふうなのかということをきちんと関心を持ってやらないとできない学問であるというふうに思っております。そういう心構えで今まで研究、教育をやってまいりました。
 それから、先ほど所信のところでも申し上げましたように、政府の審議会の委員といたしましても、いろいろ分野の異なる審議会の委員としての経験も積ませていただきましたので、決して独断に陥ることなく実社会の動向に目を配って仕事をしていきたいと思っております。
 それから、女性としてという抱負ということでございますけれども、実は女性としてどうかと言われますと私非常に答えにくいというところがございまして、なぜかと申しますと、私、今まで何回か女性初というふうなポジションをやってまいりましたけれども、私自身としては女性だからということで意識をして仕事をしたことはなく、武田紀代惠個人として私が全力を投球してきたというところ、だから、女性として変に気負うということはなく仕事をしてきたと思っております。
 ただ、私が昭和五十三年に大学を卒業いたしましたけれども、それから比べると、まだまだ日本の女性の社会進出度は低いとは言われましても、私から見ると、今の女性の社会進出はすごいとは思うんですけれども、でもまだまだ各国と比べて低いということですので、まさに今働いているいろんな女性の方の励みになったり、また後進の女性に対して、ああ、武田がこんなに頑張っているんだったら女性を採ってみようというふうに皆さんが思ってくださるように頑張っていきたいと思います。
#76
○中西祐介君 ありがとうございます。
 本当に、政府の審議会等の御経験もおありで、かつ民間の学術の分野ということもありますし、是非経験を生かしていただきたいなと思います。
 今まさにおっしゃっていただきましたが、五十三年からお仕事をなさっているということでございますけれども、二つ目の質問は、これからの会計検査院あるいは検査官の役割の変化について、変遷について、どういうお見通しをお持ちなのか、伺いたいと思います。
 といいますのは、ここ最近といいますか、もうこの近年の間に、事業仕分であるとか民間の目線を活用しながら行政あるいは公会計の部分にメスを入れようという動きがあります。同時に、この検査官の中で、三十四条あるいは三十六条の指摘ですね、改善処置要求なんかの件数はここ最近飛躍的に伸びているということを踏まえて考えると、やはり社会全般から、あるいは民間からした、持った目線から見ると、やっぱり会計検査院の役割の変化があるんじゃないかということを是非、どのような今現状にあって、これからどういう役割の変化があるのかというお見通しがあれば伺いたいと思います。
#77
○参考人(武田紀代惠君) 難しい質問をいただきましたけれども、ちょっとお答えになっているかどうか分かりませんけれども、私がこのお話をいただく前の会計検査院のイメージというのは、どちらかというと正確性、合規性、これももちろん大切でございますけれども、正確性、合規性ということに非常に重点を置いて、ある種、執務室の中で帳簿とにらめっこをしている役所というイメージがございました。
 ただ、少し勉強をいたしますと、もちろんそれも大切でございますけれども、若干繰り返しになりますけれども、経済性、効率性、有効性という、より、ある種、特に有効性ですと、政策評価という面にまで踏み込んだ仕事ということが今後重点が置かれていくのではないかというふうに私個人としては考えております。
#78
○中西祐介君 ありがとうございます。
 それでは、三つ目の質問をさせていただきたいと思いますが、これは会計検査院の改革について所見を伺いたいと思います。
 先ほど御所見のスピーチの中で、一つは、不当、不正に対して検査をしっかりやっていきたい、そして二つ目は、今申されたような五つの観点に立ってしっかりと取り組みたい、そして三つ目が、分析や評価についての結果を出していくということでお話ございました。
 ちょうど我々自由民主党、政権取らせていただきまして、その公約の中にも、この会計検査院の制度改正を念頭に置いて条文を作らせていただいております。大きく言うと三つの要素がありまして、一つは、会計検査院の事務・権限の拡充、そして不当事項の是正等について取り組む、これはもう先生の御所見のまさにそのままでございます。二つ目は、裏金づくりの防止に取り組む、そして三つ目は、検査院の独立性をしっかり維持できるように、あるいはチェック機能を果たせるような体制の改正を行いたいというふうな我々は思いを持っておりますが、今先生がお述べになった所見を述べられる背景として問題意識がおありだと思います。具体的な問題意識があれば御指摘をいただいて、それに向けての改善策、今、逆に検査官でない立場であるという立場から具体的なお話をいただきたいと思います。
#79
○参考人(武田紀代惠君) 外から見ておりますと、例えば裏金づくりとかそれから不当な会計処理というのは、私は、本来的にはそれぞれの当該部署がまず内部統制をしっかりしてやるべきことであるというふうに考えております。その意味では、会計検査院、限られたマンパワー等々の中でどういうふうにその資源を、リソースを配分していくかということからすると、そういう裏金づくり云々ということはやはりそれぞれの部署がきちんとやるということが必要かと思います。
 ただ、内部統制をそれぞれの役所がしっかりしていくということの引き金といたしまして、やはりその牽制効果といたしましては、やはり裏金づくりの防止とか不当な会計処理の指摘というのはこれからもやっていかなければならないと思います。
 私は、その権限ということは、これは立法政策の話でございますので検査官になってどうこう言えることではございませんけれども、やっぱり各検査対象に対して、いわゆる講習会という言い方はおかしいのかもしれませんけれども、その意識をアップするような何か、そういう権限とかいう話ではなくて、ワークショップとか、そういうことができればいいかなというふうに考えております。
 それから、最後の独立性ということでございますけれども、現在においても会計検査院は独立の地位が確保されております。じゃ、その実質的な独立性はどうなのかということに関しましては、ちょっと私まだ外からしか見ておりませんので、中に入りましてここのところは勉強していきたいと存じております。
#80
○中西祐介君 これからの御活躍をお祈りしまして、質問を終えさせていただきます。
 どうもありがとうございました。
#81
○石川博崇君 公明党の石川博崇でございます。
 武田参考人におかれましては、本日は大変にお忙しい中、ありがとうございます。
 それでは、質問をさせていただきたいというふうに思います。
 会計検査院は、憲法上、政府に対して独立の地位を有して、毎年国の収入支出の決算を検査をして、その結果について毎年報告書を作成して送付をされているわけでございますが、残念ながらといいますか、毎年数多くの、何百にも及ぶ不当事項、処置要求事項等がその中に記載されている状況が継続している中にございます。
 お聞きしたいのは、こうした検査をされた結果に基づいた措置の実効性をどう確保していくのか、向上させていくのか、これが非常に重要な、これは会計検査院のみならず、様々な機関、政府も含めて、実効性をどう向上させていくのかということが重要ではないかというふうに考えております。
 私ども公明党は、こうした会計検査院等が作られている状況報告に対して、政府側がしっかりとその措置の結果を報告するような、それを、今でも当然問えば出てくるわけですけれども、しっかりそれを、是正状況を報告することを義務付けるような法律、立法措置なども行うべきではないかという観点から、平成二十一年以来、自民党とともにこうした会計検査院法の改正案を提出させていただいたりしているところでございますが、武田参考人、まだ民間のお立場ということで、こうした会計検査院が指摘している様々な事項の是正をどう実効性を担保していくのか、向上させていくのか、そのことについて御所見がありましたら、お聞かせいただけますでしょうか。
#82
○参考人(武田紀代惠君) 今の先生の御質問非常に、ただ指摘して、はい、それではいけないので、当然これ、PDCAサイクルを回していくために会計検査院というのは存在していると思いますので、実効性の確保ということで、ですから、どうやったらアクションを起こしてもらえるかというそこだと思いますけれども、やはりフォローアップをしっかりしていくことがまず第一では、今の権限の下ではフォローアップをしっかりしていって、かつ、より国民の皆様に対してその検査状況、今ホームページで出しておりますけれども、よりフォローアップについてもきめ細かい情報提供というのを行っていくということが必要ではないかというふうに考えております。
 もちろん、国会の先生方、今、国会からの、何ですか、検査要請とかもございますので、国会の先生方のその御意見にももう十二分に耳を傾けて仕事をしていきたいというふうに、もしも検査官に御同意いただけました場合には仕事を進めてまいりたいと思います。
#83
○石川博崇君 今、最後に少し述べられた点に関連いたしますが、御案内のとおり、ここ、今日は参議院の議院運営委員会に来ていただいているわけでございますが、ここ参議院は決算の参議院というふうにも称されるごとく、決算に非常に力を入れる、これはもう与野党関係なく決算ということを重視して取り組んできております。
 毎年、会計検査院から出される検査報告に対して、それを受けて、政府に対する警告決議あるいは措置要求決議等を行って、政府の不適正な事態、これが再発しないようにということを我々参議院、非常に力を入れて取り組ませていただいているところでございます。
 そういう意味で、会計検査院の果たされている役割と我々参議院の果たしている役割、まあ連動すべき点、あるいは協働できる点も、連携できる点も非常に多くあるのではないかというふうに思っておりまして、今日、ここは参議院の議院運営委員会の場でもございますので、武田参考人として、会計検査院と国会、なかんずくこの参議院との連携について考えるようなお考えがもしございましたら、御披瀝いただけますでしょうか。
#84
○参考人(武田紀代惠君) これも現実に中に入ってお仕事をしてみませんとということで、本当に個人的な見解でございますけれども、平成二十三年度の決算報告書を見ますと、国会の方から、公共土木施設等における地震・津波対策の実施状況等について、検査要請に対して会計検査院が国会に御報告しております。
 この御報告自体は、どれが不当だとかということではなく、現状はこうなっているんですという報告でございますけれども、やはり会計検査院の報告を、不当なこととかいうんじゃなく、現状がどうなっているかということを御報告申し上げて、それを受けて次にどういうふうな政策をするかということについてはその御報告を十分参考にしていただいて、例えば今の地震・津波対策の場合ですと、ソフトとハードをどういうふうに上手に組み合わせればいいか等々、今後の政策の策定にお役に立てればというふうに考えております。
 ちょっと今のところ、これくらいで勘弁していただきたいと思います。
#85
○石川博崇君 ありがとうございました。
 もう一点、これまでも質疑の中で出てきておりましたが、今回、武田参考人、候補者として、三人の検査官のお一人になる候補者ということでございますが、その他の検査官の方々、会計検査院の事務総局出身の河戸さん、それから公認会計士の森田さん、この方々と検査官になられれば仕事をされるということになろうかと思います。
 会計検査院は非常に幅広い知識、経験というものが必要になってこようかというふうに思っております。参考人は、東京大学、富山大学等々、大学での経験、あるいは審議会での様々な御経験等あろうかと思いますが、こうした三名の中で、御自身の職歴といいますか、経験というものをどのように生かそうと考えていらっしゃるかお聞きをして、私の質問を終わらせていただきたいと思います。
#86
○参考人(武田紀代惠君) 今先生が御質問の中でおっしゃいましたように、私、もしも御同意いただけますと、三人の検査官の中では法律の専門家ということでございます、特に民法の専門家でございますが。
 先ほど申し上げましたように、やはり官というのがマーケットに出ていく機会が最近非常に増えてきているように感じております。そういたしますと、やはり契約というものを結ばなければならない。ただ、やはり契約の結び方によりまして、例えば過剰請求というものが、契約の相手方が過剰請求はしない方が得だろうとか、いろいろな契約の条項とかいうものの工夫の仕方によっては民との、お仕事を発注する上で、より無駄あるいは不正というのが起こらなくなるのではないかというふうに、具体的にはそういうことで貢献できるのではないかというふうに考えております。
 それから、法律学というのは、このなぜというのを常に問う学問でございますので、ある事象が起きた場合に、なぜこの事象が起きたのかということの分析というところは、それぞれ非常に専門的なことではございますけれども、大枠としてそういうお知恵出しができるのではないかというふうに考えております。
#87
○石川博崇君 終わります。
#88
○難波奨二君 民主党の難波奨二でございます。
 武田参考人、大変お疲れでございます。最後の質問者になるかと思いますが、どうぞよろしくお願いいたします。
 増え続ける国と地方の債務超過に対する御見解をお伺いしたいと同時に、その上に立って会計検査院というものがどういう役割を果たすべきかという御所見をまずお伺いしたいと思います。
#89
○参考人(武田紀代惠君) 確かに、何か天文学的な数字でございまして、正直何を申し上げるべきかというのは、何とか少しでも債務が減少するようにもう頑張るしかないということ。ただ、頑張るしかないといってもこれはしようがない話でございますが、やはりどうしても少子高齢化社会ということで、例えば社会保障費なんか増え続けていくということでございますので、パイはそんなに大きくならないとすれば、やはり無駄というのは、ぬれ雑巾を絞って絞って絞って乾いてもう何も出ないというぐらいに検査をして、個人的にはしていきたいというふうに考えております。
 それで、やはり国民の皆様も、これだけ検査をして、絞って絞って絞ってこれだけだったらやむを得ないというふうに思っていただけば、ああ、国もちゃんとやっているんじゃないかというので、明日へのより信頼度も高まる。だから、私は、その循環ができるように、もしも検査官になったら頑張りたいというふうに思っております。
#90
○難波奨二君 お答えにくい質問をいたしまして申し訳ございません。
 二点目でございますが、これは先ほど参考人の方からございましたけれども、政策評価の関係なんですけれども、私も国会に参りまして思うのは、会計検査院が、きちっとこの予算の執行が適正にやられているのかどうなのか、それが経済的か有効的かとか、こういう観点から見られておられるわけですよね。
 そして、一方で、総務省には行政評価局というのがあるわけですよね。つまり、行政の行う政策というものを評価するセクションなわけですけれども、そうしたレビュー、お互いのレビューがやはりきちっと相関的にうまく活用されて、私は、結果、行政執行というものがうまくなされるんじゃないかと、このように思っておるんですけれども、参考人が検査官になられた場合、そうした総務省の行政評価局との関係、連携の強化といいますか、この辺どのように対応していかれようと、お考えがあればお聞かせ願いたいと思います。
#91
○参考人(武田紀代惠君) 今先生がおっしゃったように、やはり行政評価とそれから会計検査院というのは、もちろん立場、それからその目的等というのはミクロ的には異なっているのではないかと思いますけれども、そのマクロの目的、究極の目的というのは、やはり国民の皆様からまさに託された税金というものをどれだけちゃんと無駄なく使っていくかというのが最終的な目的だと思いますので、やはりせっかくそういうところに複数の機関があるといたしますと、より、例えば意見交換をするとか、お互いが問題意識というものを共通していくことは非常に大事だと思います。
 ただ、具体的に、じゃ、どうなのか、どういうふうにやっていくかというふうに先生御質問かと思いますけれども、これは、なかなか役所というのは、それぞれの役所が、お付き合いという言い方は変ですけれども、どういうふうにお互いの仕事を共同でコラボレートしてやっていくかということというのは、いろいろ何か、何というか、お行儀とか何かそういうのもあるみたいですので、そういうところにも従ってやっていきたいと思いますが、ただ、何といいますか、今までこうだったからこれしかできないということではなく、いきなりわっというのはできないと思います。少しずつでも、今までの仕事のやり方というのも、おかしなこととか、いや、ここはもっと協力してやればいいんじゃないかというふうに考えるとか、本当に一ミリずつでも変えていければというふうに思っております。
#92
○難波奨二君 もし検査官に就任されますと、大変なそういう意味では壁も多いかと思いますけれども、どうか期待しておりますので頑張っていただきたいと思います。
 最後の質問になりますけど、国民には税金を支払うという、税を支払うという義務がございます。しかし、なかなか国民の皆さんというのは、税金は支払うけれども、しかしその税金がどんなふうに使われているのか、そしてその結果というものが、どのような効果もあり、そして結論になっているのかということが、なかなか知るのが、知る権利と申し上げますか、国民の税金を支払う義務と、そして税金を支払った後の予算執行の結果ですよね、評価ですよね、こうしたものの情報というものをやはり国民は知る権利があるんじゃないかというふうに思うわけですね。
 今も努力はされていらっしゃるんでしょうけれども、私、もっとやはり分かりやすく、国民の皆さんにそうした会計検査院の検査結果というものをやはり開示をしていくという、そういう努力を一層進めていただきたいというふうに思っておりまして、どうかその辺も、国民目線という所信の御表明にもございましたけれども、武田参考人には御期待をしておりますので、是非お願いをしたい。もしお考えがあれば、お聞きしたいと思います。
#93
○参考人(武田紀代惠君) 時間もあれですので一言だけ申し上げますと、やはり今こういうITの時代でございますから、ホームページがより分かりやすいものにまずするように努力は、もしも御同意いただければしていきたいと思います。
#94
○難波奨二君 終わります。
 ありがとうございました。
#95
○委員長(岩城光英君) これにて検査官候補者に対する質疑を終了いたします。
 武田参考人に一言御挨拶を申し上げます。
 本日は、御多忙の中を御意見をお述べいただき誠にありがとうございました。委員会を代表して御礼申し上げます。
#96
○参考人(武田紀代惠君) どうもありがとうございました。
#97
○委員長(岩城光英君) 本日はこれにて散会いたします。
   午後二時四十二分散会
ソース: 国立国会図書館
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