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2013/02/26 第183回国会 参議院 参議院会議録情報 第183回国会 予算委員会 第6号
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2013/02/26 第183回国会 参議院

参議院会議録情報 第183回国会 予算委員会 第6号

#1
第183回国会 予算委員会 第6号
平成二十五年二月二十六日(火曜日)
   午前九時開会
    ─────────────
   委員の異動
 二月二十一日
    辞任         補欠選任
     一川 保夫君     川上 義博君
     樽井 良和君     高橋 千秋君
 二月二十二日
    辞任         補欠選任
     安井美沙子君     津田弥太郎君
 二月二十五日
    辞任         補欠選任
     植松恵美子君     白  眞勲君
     津田弥太郎君     柳澤 光美君
     山田 太郎君     水野 賢一君
     平山 幸司君    はた ともこ君
     福島みずほ君     吉田 忠智君
     片山虎之助君     中山 恭子君
 二月二十六日
    辞任         補欠選任
     柳澤 光美君     櫻井  充君
     水野 賢一君     中西 健治君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         石井  一君
    理 事
                小川 敏夫君
                小林 正夫君
                白  眞勲君
                松浦 大悟君
                青木 一彦君
               北川イッセイ君
                山崎  力君
                谷合 正明君
                小野 次郎君
    委 員
                大河原雅子君
                大久保潔重君
                加賀谷 健君
                川上 義博君
                小西 洋之君
                櫻井  充君
                田中 直紀君
                高橋 千秋君
                徳永 エリ君
                藤末 健三君
                牧山ひろえ君
                柳澤 光美君
                赤石 清美君
                岩井 茂樹君
                宇都 隆史君
                岡田  広君
                岸  宏一君
                末松 信介君
                谷川 秀善君
                中川 雅治君
                西田 昌司君
                野上浩太郎君
               三原じゅん子君
                山田 俊男君
                吉田 博美君
                草川 昭三君
                横山 信一君
                渡辺 孝男君
                中西 健治君
                水野 賢一君
               はた ともこ君
                森 ゆうこ君
                田村 智子君
                谷岡 郁子君
                吉田 忠智君
                中山 恭子君
                荒井 広幸君
   国務大臣
       内閣総理大臣   安倍 晋三君
       財務大臣
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(金融)
       )        麻生 太郎君
       総務大臣
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(地方分
       権改革))    新藤 義孝君
       法務大臣     谷垣 禎一君
       外務大臣     岸田 文雄君
       文部科学大臣   下村 博文君
       厚生労働大臣   田村 憲久君
       農林水産大臣   林  芳正君
       経済産業大臣
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(原子力
       損害賠償支援機
       構))      茂木 敏充君
       国土交通大臣   太田 昭宏君
       環境大臣
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(原子力
       防災))     石原 伸晃君
       防衛大臣     小野寺五典君
       国務大臣
       (内閣官房長官) 菅  義偉君
       国務大臣
       (復興大臣)   根本  匠君
       国務大臣
       (国家公安委員
       会委員長)
       (内閣府特命担
       当大臣(防災)
       )        古屋 圭司君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(沖縄及
       び北方対策、科
       学技術政策、宇
       宙政策))    山本 一太君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(消費者
       及び食品安全、
       少子化対策、男
       女共同参画))  森 まさこ君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(経済財
       政政策))    甘利  明君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(規制改
       革))      稲田 朋美君
   副大臣
       財務副大臣    小渕 優子君
   政府特別補佐人
       内閣法制局長官  山本 庸幸君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        小野 亮治君
   政府参考人
       原子力委員会委
       員        尾本  彰君
       資源エネルギー
       庁長官      高原 一郎君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○理事補欠選任の件
○平成二十四年度一般会計補正予算(第1号)(
 内閣提出、衆議院送付)
○平成二十四年度特別会計補正予算(特第1号)
 (内閣提出、衆議院送付)
○平成二十四年度政府関係機関補正予算(機第1
 号)(内閣提出、衆議院送付)
    ─────────────
#2
○委員長(石井一君) ただいまから予算委員会を開会いたします。
 まず、理事の補欠選任についてお諮りいたします。
 委員の異動に伴い現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。
 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(石井一君) 御異議ないと認めます。
 それでは、理事に白眞勲君を指名いたします。
    ─────────────
#4
○委員長(石井一君) 平成二十四年度補正予算三案に関する理事会決定事項について御報告いたします。
 本日は、締めくくり質疑を六十二分行うこととし、各会派への割当て時間は、民主党・新緑風会十八分、自由民主党・無所属の会六分、公明党六分、みんなの党六分、生活の党六分、日本共産党四分、みどりの風四分、社会民主党・護憲連合四分、日本維新の会四分、新党改革四分とすること、質疑順位につきましてはお手元の質疑通告表のとおりでございます。
    ─────────────
#5
○委員長(石井一君) 平成二十四年度一般会計補正予算(第1号)、平成二十四年度特別会計補正予算(特第1号)、平成二十四年度政府関係機関補正予算(機第1号)、以上三案を一括して議題とし、これより締めくくり質疑に入ります。藤末健三君。
#6
○藤末健三君 安倍総理におかれましては、日米首脳会談、本当に御苦労さまでございました。
 私は今日は三つ、一つはTPP、そして憲法、そして最後にネット選挙運動の解禁について議論させていただきたいと思います。
 まず初めに、日米首脳会談におけるTPPの議論の結果を伺いたいと思います。総理、お願いします。
#7
○内閣総理大臣(安倍晋三君) さきの日米首脳会談におきましては、オバマ大統領とTPPについて、その意義やそれぞれの国内事情も含めてゆっくりと議論をいたしました。
 その際、私は、自由民主党は聖域なき関税撤廃を前提条件とする以上TPP交渉に参加できない、そしてまたさらには、それ以外にも五つの判断基準について説明をいたしました。
 その上で、オバマ大統領との間で、まず、日本には一定の農産品、米国には一定の工業製品といった二国間貿易上のセンシティビティーが存在をする、両国には存在をすると、そして、最終的な結果は交渉の中で決まっていくものであるということ、さらには、TPP交渉参加に際し、一方的に全ての関税を撤廃することをあらかじめ約束することは求められていないと、この三点を明示的に確認をし、そして、日米の共同声明を発出をしたところであります。
 これを踏まえ、私は、TPPでは聖域なき関税撤廃が前提とされるものではないという認識に至ったわけでございます。TPPについては、今般の首脳会談で私自身が得た認識も踏まえまして、国益にかなう最善の道を求めていくことにしたいと考えております。
 交渉参加については、党の議論等を踏まえて、また、米国との協議を踏まえて最終的に判断をしていきたいと、このように考えております。
#8
○藤末健三君 安倍総理に伺いますが、国内外の調整が相当厳しくなると思いますが、そのスケジュールとか手続について明確にお答えいただきたいと思います。お願いいたします。
#9
○内閣総理大臣(安倍晋三君) この議論につきましては、与党内にも様々な議論がございます。特に農業について申し上げますと、国民に食料を供給する、地域経済を支えていくという重要な産業であるとともに、日本の美しいふるさとを守る、国土を守るという多面的な機能を持っているわけでありまして、こうした機能も大切にしていかなければならないと考えています。
 このため、農業においては、成長分野と位置付けて、農業の構造改革の加速化や農産品、食品の輸出拡大といった取組を推進し、農業を魅力ある産業としていくことを通じて農業の多面的な機能も大切にしていきたいと考えておりますが、こうした議論も進めていく中において判断をしていきたいと、こう考えております。
#10
○藤末健三君 農業問題、非常に重要となると思いますので、もう本当に頑張って進めていただきたいと思います。
 しかしながら、JA全中の会長が今回の共同宣言についてこのようなことをおっしゃっていまして、今度の共同宣言は自民党公約での基準を到底満たしていないんではないかという御指摘があるわけですが、このような批判をどのようにお考えでしょうか。
#11
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 自由民主党の選挙の公約は、聖域なき関税撤廃なのかどうかということでございました。これが選挙の公約でございました。その点、先ほど申し上げましたように、三点において大統領との首脳会談で確認をいたしたわけでありまして、そして、私はオバマ大統領に対しまして、それでは、私は確認が取れましたので、有権者、国民に対して聖域なき関税撤廃ではないということを説明していきますということもお話をしたわけでございまして、そういう意味においては、また五項目、他の五項目についてもお話をしておりますので、基本的に我が党の政権公約をたがえることにはなっていないと、こう確信をしております。
#12
○藤末健三君 是非それは進めていただきたいと思います。
 私の私見を申し上げますと、我が国は年間約二十兆円のエネルギー資源の輸入をしておりますし、また食料は五兆円、そして薬と医療機器で大体二兆円ということで、年間三十兆円の外貨がなければ暮らしていけない、やはり貿易立国だと考えますので、是非とも全国民の利益ということを考えていただき、進めていただきたいと思います。特定の発言に左右されるのではなく、全国民の長期的な利益に基づき頑張っていただきたいと思います。これはエールとして受け取っていただきたいと思います。
 続きまして、憲法についてお話をさせていただきたいと思います。
 憲法九条、お手元に配付資料一がございますが、自民党の憲法改正案、国防軍をつくるということを書いてございますが、その意義を総理に伺いたいと思います。お願いします。
#13
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 自由民主党の憲法改正草案、これは昨年の四月二十八日に決定をしたものでありますが、その中において、自衛隊を国防軍として位置付けることにしております。
 自衛隊は、国内では軍隊とは呼ばれていない、軍隊ではないという位置付けでありますが、国際法上は軍隊として扱われているわけであります。私たちは、このような矛盾を実態に合わせて解消することが必要であると、こう考えております。もとより、シビリアンコントロールの鉄則を変えるつもりはもちろんございませんし、憲法の平和主義や戦争の放棄を変えるつもりも全くないわけであります。
 他方、憲法の改正については党派ごとに異なる意見がございますので、まずは、多くの党派が主張している憲法九十六条の改正から取り組んでいきたいと、こう考えております。
#14
○藤末健三君 二つの点を御指摘申し上げたいと思います。
 一つは、国際基準と合わないから直すということなんですが、我々は、やはり自衛隊、憲法に基づく自衛隊というものを説明する方が先じゃないでしょうか。まず一つございます。あともう一つございますのは、ここで国防軍という軍に名前を変えるということは余分な摩擦を起こすだけであって、何のプラスもないと考えますが、その点はいかがでしょうか。
#15
○内閣総理大臣(安倍晋三君) まず、この説明をするという今委員のお話でございますが、国内において自衛隊であって軍でないと、こう言っているわけでありますが、一方、海外における自衛隊の存在は軍隊として取り扱われる必要があるわけであります。また、場合によって、もし他国から侵略を受けた際に交戦したときに軍隊でなければ軍隊として取り扱われない、つまり捕虜として扱われるかどうかという、そうした問題も出てくるわけでございます。何よりも、自衛隊の諸君のこれは誇りの問題でもあると私は考えるわけであります。
 むしろ、国際社会においてはそれが常識でありますから、そこに合わせることによって逆にこれは矛盾が出てくるものではないと、このように思うわけであります。
#16
○藤末健三君 総理に申し上げますが、私は一義的に、私は防衛力は必要だと思っています。ただ、一義的に、国防軍になりますよということをもっていろんなものが解決するということは私はないと思います。具体的に我が国に必要な防衛はどうあるべきか、何が問題か、何が足りないかということを議論した上で、最後の答えとして国防軍というのが常識だと思いますけれども、いかがですか、その点について。
#17
○内閣総理大臣(安倍晋三君) もちろん、今、藤末議員が言われたように、安全保障については冷静な議論が必要でしょうし、何が必要かということも大切なんだろうと、このように思います。
 我が党での議論においては、これは実際に、今自衛隊はセルフディフェンスフォースと、こう言われているわけでありますが、実際に自衛隊の方々は海外で活動していく上において、これセルフディフェンス、つまり自分自身を守るんではないかというやゆがあるのも事実なんですね。
 自衛隊の諸君の誇りは、自分の命を懸けて国を守る、あるいは平和を維持する、それが彼らの誇りであります。まさに、国民のために命を懸ける彼らに必要なものは、何といっても私は誇りではないのかと思うわけでありまして、憲法を改正する際には、これは他国と同じように国防軍という記述が正しいのではないかと、私はこのように思うところでございます。
#18
○藤末健三君 その自衛隊の方々の意思を高めることだけをもって国防軍にするような話ではないと思います。私は、もし海外に行かれた自衛隊の方々が、セルフディフェンスフォースという名前に問題があるならば、法律で、例えばピースキーピングユニットとかと言うことできると思います。いかがですか、その点。
#19
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 世界中どこの自国を守る言わば実力組織も、基本的には大体どこも国防軍という、そういう名称を持っているわけでありまして、だからといってそれが侵略的なことではないわけでありまして、むしろこれが世界のグローバルスタンダードであろうと、このように思うわけでありまして、そこでやはり、彼らは、これは自衛隊の諸君、東日本大震災におきましても本当に大変な活躍をしてくれました。
 彼らが、まさに危険を顧みず、事に当たって危険を顧みず任務を遂行すると、もって国民の負託にこたえてまいりますという宣誓をする、言わば自分は命を懸けますよということを宣誓する唯一の公務員と言ってもいいわけでありまして、その士気を維持する、これはまさに日本の国民の命を守ることに最も大切なことではないのかなと、このように思うわけでございます。
#20
○藤末健三君 私は、士気を維持するために国防軍に変えるというのは余りにも短絡な議論だと思います、総理、正直申し上げて。
 まず必要なことは、例えば防衛予算がどれだけあり、そして防衛の装備はどれだけあり、そしてどれだけの自衛隊の方々の数が必要か、そういう議論をまずすべきではないですか、いかがですか。
#21
○内閣総理大臣(安倍晋三君) もちろん我々はそういう議論もしております。
 と同時に、生身の人間がそこでは働いている、まさに国を守っているわけであります。家族もいる、また愛する人もいるわけであります。その彼らのことも私は十分に考えるべきではないのかなと、こう思うわけでありまして、一方、では、国防軍にするということにどこに問題があるのかということであります。
 そうすると、ほかの国もみんな国防軍でありますから、あなたのところは問題があるということなのかといえば、それはそんなことはないわけでありまして、殊更日本だけが国防軍にしていけないという理由は見当たらないのではないかと、このように思います。
#22
○藤末健三君 二つのことを申し上げたいと思います。
 一つは、やはり国際標準という話にしてしまえば、全部憲法も国際標準に変えるという話になりかねませんか。全部、じゃ、国際標準に合わせた憲法に変えてしまえばいいという話になりかねないと思いますし、そしてまた、国防軍というそんな非常に重要な議論を士気を高めますというだけの話で進めてよろしいんですか。そこを二点お聞かせください。
#23
○内閣総理大臣(安倍晋三君) もちろんこれは簡単な議論ではなくて、今の状況でただ国防軍に名前を変えるのではなくて、これ憲法改正が必要であります。逐条ごとに改正をしなければいけませんから、これは国民投票も必要でしょうし、そして九十六条を変えていないのであれば三分の二の発議が必要であります、衆参それぞれの。
 ですから、これは相当の議論を経なければ、それは成し遂げない。つまり、相当の議論をしてもそれは成し遂げるべきだと我々は考えているわけでございまして、そういう議論を、これはまずは九十六条を変えていくべきだというのが我々の考えでありますが、それと国際標準との関係ということでおっしゃっておられましたが、もちろんこれは全て国際標準に合わせる必要は全くないわけであります。また、憲法の九条についても、第一項は我々も残していくわけであります。
 同時に、言わばこの実力組織においては、なぜ、では海外と標準を合わせなければいけないかといえば、PKO活動等においては一緒に活動する部隊があって、我が方だけが別の規定で動いているということになると、果たしてそれはうまくいくのかどうかという議論は根強く残っているわけでありますし、そして我が国を防衛する中においては、これは、我が国の事情だけで完結するのではなくて、相手があることであります。よって、これは国際的な標準ということを考えるべきであろうと。特に軍隊、海外でいえば軍隊、自衛隊が活動する上において、国際法的な観点をこれは当然考慮するのは当たり前のことではないかと、このように思うわけであります。
#24
○藤末健三君 安倍総理に二つのことを指摘させていただきたいんですが、一つは、自民党の憲法改正案、九条の一項は書き換えていますので、それは御理解いただきたいということが一つ。
 そして、もう一つございますのは、基本的な考え方を変えないのであれば、今まで、後で議論しますけれども、様々な議論があって、政府解釈などがあります。六十年間の議論が積み重なっている。そういう議論をないがしろにすることにもつながりかねないんじゃないかということを考えることを申し上げます。
 私はちょっと、ここで御質問でございますけれど、総理は、国防軍にします、じゃ、防衛費をどれぐらい増やさなきゃいけないとお考えでしょうか。
#25
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 防衛力については、これは安全保障環境の状況も考慮しながら、また当然財政状況というのも考慮しながら総合的に判断をしていくべきだろうと、このように思います。
#26
○藤末健三君 GDPの一%枠というのがございましたけれど、その点についてはいかがでしょうか。総理にお聞きします。
#27
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 防衛費は何のために使われるかといえば、国民の生命、財産、領土、領海、領空を断固として守り抜いていくためであります。自衛隊がその持てる現在の能力を最大限に発揮をすることは当然でありますが、その上において、政府としては、我が国周辺の安全保障環境が一層厳しさを増していることなどを踏まえて、防衛体制の強化のために平成二十五年度予算案では防衛費の増額を図っているわけであります。
 今、そこで、委員の御指摘のあったGDP一%枠でありますが、それは既に昭和六十一年に廃止をされて、御承知のとおりでありますが、ただ、防衛費の在り方については、先ほどお話をさせていただきましたように、安全保障環境等の対外的な要因を踏まえる必要があります。防衛費をGDPと機械的に結び付けることは私は適切ではないと考えております。
 もちろん、厳しい財政事情を踏まえて、効果的、効率的な防衛力整備を行っていくことは不可欠でありますが、そうしたことを総合的に勘案をしていくべきであろうと思います。
#28
○藤末健三君 安倍総理のこの二年、三年の、二年ですね、のいろいろな憲法改正、国防軍に関する資料を集めさせていただいたんですが、やはり多くのところで防衛費を増額しなけりゃいけないということをずっとおっしゃっているんですよ。その点はもう変わられたんですか。
#29
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 防衛費は増額しなければならないと考えておりましたから、だからこそ来年度予算については、本予算において十一年ぶりに防衛費を増額することにしたところであります。
#30
○藤末健三君 防衛大臣に伺いますが、陸海空の予算の配分のこの三十年間の推移をお教えください。お願いします。
#31
○国務大臣(小野寺五典君) 陸海空の各自衛隊の歳出予算の割合ですが、例えば昭和五十九年の時点では、陸が四二・四、海上自衛隊が二七・八、航空自衛隊が二九・八ということですが、平成二十五年は、陸上自衛隊が四四・一、海上自衛隊が二九・二、航空自衛隊が二六・七ということになっています。
#32
○藤末健三君 今の説明では非常に分かりにくいんですが、この三十年間ほとんど変わっていません。一、二%です、変動は。
 ずっと陸海空の防衛予算の配分の割合は変わっていないという状況でございますが、安倍総理はこのような状況をどのようにお考えでしょうか。お願いします。
#33
○内閣総理大臣(安倍晋三君) この十年間、財政状況が非常に厳しい中で、日本の場合は大体各省庁同じように横並びで減らしていくわけでありまして、そういう中において、事実上少しずつ防衛費を減らしてきたという状況があります。
 ところが、このアジア太平洋地域の安全保障環境は厳しさを増しているわけでありまして、そういう中において、対外的な要因をしっかりとこれは勘案するべきだというのが私の考え方でありまして、その考え方にのっとって来年度予算について我々は予算編成を行ったということであります。
#34
○藤末健三君 私が申し上げたいのは、冷戦が終了し、そして北朝鮮の問題が起き、先ほど御指摘いただきましたようにアジア太平洋地域の緊張が高まっているという中、陸海空の予算配分は全然変わらないという状況でございます。それについてどう考えているかということをお聞きしております。
#35
○国務大臣(小野寺五典君) 予算につきましては、実はその比率、各年度で若干違います。例えば、航空自衛隊等で新しい装備を買う、あるいは海上自衛隊でイージス艦を建造する、こういう場合には多少比率は違っています。
 ただ、全体としていえば、実はこの防衛予算の八割が人件費等ということになりますので、残りの二割で実は各種装備の更新等を行ってきている、新しい装備がなかなか充実できない、これがここ二十年ずっと我が国が抱えてきた問題だと思っております。
#36
○藤末健三君 総理に申し上げたいのは、そのような問題をまず解決することが先であり、国防軍という名前を変えて士気を上げるということについて先に議論すべきでは私はないと思います。
 続きまして、九条に関しましてその解釈について議論させていただきたいと思います。
 資料の二と三というのがございますが、この集団的自衛権の行使を含む九条の解釈について様々な政府の解釈がございますが、その解釈につきまして、法制局長官、御説明をお願いいたします。
#37
○政府特別補佐人(山本庸幸君) お答えいたします。
 憲法九条につきましては、従来から自衛隊に関する様々な法律、条約、そして予算が国会で審議される過程におきまして、いろいろな議論が積み重なってきております。その基本となるものとしては、憲法九条の下においては、我が国に対する武力攻撃が発生した場合に、これを排除するための必要最小限度の武力の行使を除いて、武力の行使は一般に禁じられているというものでございます。
 そこで、御指摘のまず海外派兵でございますが、これは、武力の行使の目的をもって武装した部隊を他国の領土、領海、領空に派遣することでありますし、集団的自衛権の行使、これは、自国と密接な関係にある外国に対する武力攻撃を、我が国が直接攻撃されていないにもかかわらず、実力をもって阻止することが正当化される権利を行使することにつきましては、そもそも我が国に対する武力攻撃が発生していない場合でございますので、憲法九条の下においては従来から許されないというふうに解釈されてきたわけであります。
 最後に、御指摘の攻撃的兵器の保有の禁止につきましては、憲法九条の下においても、個別的自衛権の行使を裏付ける自衛のための必要最小限度の実力を保持することは禁止されておりませんけれども、しかしながら、その性能上、相手国の領土の壊滅的破壊のためにのみ用いられるそういう兵器の使用は、これは憲法上許されないというふうに解釈されてきたというわけでございます。
#38
○藤末健三君 このように、憲法に関する議論はもう長年の積み重ねがあるということは御理解いただけたと思いますが、このように、先人たちの長年の解釈の積み重ねがあった憲法の解釈を変えることについて、法制局長官はいかがお考えでしょうか。お願いします。
#39
○政府特別補佐人(山本庸幸君) いろんな観点で憲法について議論されることは結構でございますし、現に、現在、最近の安全保障環境を考慮して安保法制懇というところで議論されているところでございますが、私どもとしてはその結論を待っていろいろと検討させていただきたいと思っております。
#40
○藤末健三君 また総理にお聞きしたいんですけど、やはり私が思いますのは、いろんなところが変わりませんということで部分的に変わっているのが自民党憲法の改正案でございまして、変わらぬところは変える必要はないと思いますし、また、変えるところも、長年のいろんな議論があったわけでございますので、そういう議論を踏まえて検討していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
#41
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 長年の議論を重視したら何にも変わらないんですね、世の中。つまり、変わるべきものはしっかりと変えていきたいし、言わば、先ほど申し上げましたように、我が国のこの平和主義については、我々それは不動のものであると、このように考えているわけでありますが、同時に、政府また国家は国民の命を守る、生命、財産を守るという大きな義務を負っているわけでありまして、安全保障環境が大きく変わっている中において、それをどう果たしていくかということについて不断の努力、検討していくのは当然の義務ではないかと、このように思っております。
#42
○藤末健三君 私は、もう変えちゃいけないということは申し上げませんけど、きちんと、今までの経緯であり、いろんな国民の世論、意見があると思います。そういうものを踏まえた上で議論をしないで、突然国防軍という話じゃないということを申し上げたいと思います。
   〔委員長退席、理事小川敏夫君着席〕
 次にございますのは、徴兵制度の制限についてちょっとお聞きしたいと思います。
 内閣法制局長官にお聞きしますが、現在の憲法において徴兵制度が制限されている根拠をお教えください。
#43
○政府特別補佐人(山本庸幸君) 徴兵制度でございますが、その定義として、国民をして兵役に服する義務を強制的に負わせる国民皆兵制度でございまして、軍隊を常設し、これに要する兵員を毎年徴集し、一定期間これを訓練して新陳交代させ、戦時編制の要員として備えるというものでございます。
 このような徴兵制度につきましては、我が憲法の秩序の下では、社会の構成員が社会生活を営むについて、公共の福祉に照らし当然に負担すべきものとして社会的に認められるようなものでないのに、兵役と言われる役務の提供を義務として課されるという点にその本質がございまして、平時であると有事であるとを問わず、憲法十三条、これは幸福追求権でございますし、十八条、これは意に反する苦役の禁止でございますが、こういう規定の趣旨から見て許容されるものではないというふうに解されてきております。
#44
○藤末健三君 安倍総理は、徴兵制度は必要だとお考えでしょうか。
#45
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 必要であるとは考えておりません。
#46
○藤末健三君 これ、総理としてじゃなくて自民党総裁としてお聞きすることになりますけれど、自民党憲法改正案では十三条、十八条、ここを改正することになっていますが、その意味は何でございましょうか。十三条と十八条です。資料の三ですね。
#47
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 自民党が取りまとめた日本国憲法改正草案において十三条及び十八条について改正案を示しておりますが、それは、その条文をより分かりやすくするため文言を改めたものであります。
#48
○藤末健三君 より分かりやすくするために文言を改めたとございますが、例えば十三条では「公益及び公の秩序に反しない限り、」とわざわざ書き換えておられますけど、この公の秩序というのはどういう意味ですか。これ、中には、これが徴兵制度につながるんではないかと、わざわざ書き換えているということを言う人もいますので、お願いします。
#49
○内閣総理大臣(安倍晋三君) これは、純粋に、公の秩序に反しないというのは当然のことであろうと、それを書き入れたわけでありまして、それと、先ほど申し上げましたように、徴兵というのは今の世界の趨勢において多くの国はそういう制度を取っておりません。むしろ、現代においてはそれは必ずしもうまく機能するとは限らないわけでありますし、私は全くそれは必要がないと、このように考えております。
#50
○藤末健三君 また、自民党の憲法の案の前文の第三パラグラフの方に「日本国民は、国と郷土を誇りと気概を持って自ら守り、」とございます。そして、十三条の改正ということで、非常にその徴兵制度は心配じゃないかという方がおられますけれども、その点いかがでしょうか。
#51
○内閣総理大臣(安倍晋三君) それは杞憂だろうと思います。
#52
○藤末健三君 私が申し上げたいのは、例えば先ほどの十三条の改正、公共の福祉という話をわざわざ書き換えておられるじゃないですか。その十三条についても、長年の議論があるわけじゃないですか、総理。そして、解釈されているものをわざわざ書き換えている。それは九条についても同じだと思います。
 ですから、その長年の議論があるものをきちんとわきまえた上で次のことを考えなきゃいけないと思いますが、いかがですか、総理。
#53
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 長年の議論等々というのは私も意味がよく分からないんですが、我々は、憲法についてはもう一度更にして、まあ言わば清らかな水のように、最初から、何が大切か、あらかじめ頭にインプットされたものではなくて、何が我が国のために大切か、日本の伝統と文化の中に根差したものについても思いをはせながら自由民主党の草案を考えたわけであります。
#54
○藤末健三君 それは聞き方によっては、今までの議論は全然考えずに、もう更から全部考えようというふうに聞こえますが、それでよろしいんですか。
#55
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 自由民主党は相当の議論を行っているんですね。憲法改正の議論を全く行っていない党もあるかもしれませんが、我が党は違います。相当の議論、真摯な議論を行いました。議論をするというのは、党においては時には相当の意見の対立もありますが、そういう中において取りまとめられたものが今度の自由民主党の憲法改正草案であります。
 その前に第一回目の改正草案もありました。そして、そういう長年の議論を経て、自由民主党は結党の際に憲法改正ということを掲げておりました。それから延々と五十年以上ずっと議論をしているわけでありますから、突然出てきたものでは全くないということは御理解をいただきたいと思います。
#56
○藤末健三君 民主党のことを申し上げますと、我々民主党は二日前に党の綱領を決めまして、その中に……(発言する者あり)改正、改正しまして、我々は日本国憲法が掲げる国民主権、基本的人権の尊重、平和主義の基本精神を具現化すると、今の精神を具現化するということを決めております。
 次に、憲法の九十六条について議論させていただきたいと思いますが、法制局長官、九十六条について、憲法の改正の要件を定める九十六条について御説明ください。
#57
○政府特別補佐人(山本庸幸君) 憲法九十六条でございますが、その第一項におきまして、「この憲法の改正は、各議院の総議員の三分の二以上の賛成で、国会が、これを発議し、国民に提案してその承認を経なければならない。この承認には、特別の国民投票又は国会の定める選挙の際行はれる投票において、その過半数の賛成を必要とする。」とありまして、また、二項におきましては、「憲法改正について前項の承認を経たときは、天皇は、国民の名で、この憲法と一体を成すものとして、直ちにこれを公布する。」と規定されております。
 そして、国民投票に関する規定等を定める日本国憲法の改正手続に関する法律が平成十九年五月に成立し、既に施行されております。
#58
○藤末健三君 続きまして、法制局長官に、アメリカ、ドイツ、フランスなどの憲法改正の要件について伺いたいと思います。
#59
○政府特別補佐人(山本庸幸君) まずアメリカにつきましては、アメリカ合衆国憲法第五条に憲法改正要件の規定がありまして、連邦議会の両議院の三分の二以上が必要と認めるとき又は全州の三分の二の議会の要求があるときに修正が発議され、全州の四分の三の議会又は憲法会議での承認が必要とされております。
 ドイツでありますが、ドイツ連邦共和国基本法第七十九条に規定がありまして、連邦議会議員の三分の二及び連邦参議院の表決数の三分の二の賛成が必要となっております。
 フランスでありますが、フランス共和国憲法八十九条に規定がありまして、首相の提案を受けた大統領又は国会議員により改正が発議され、両議院の可決と国民投票による承認が必要とされております。ただし、この国民投票に代えて、両院合同会議の五分の三の賛成による承認で改正が成立するというふうに聞いております。
#60
○藤末健三君 総理にお聞きします。
 総理は九十六条の改正によく言及されておりますが、どのような改正の内容であり、そしてその理由、必要性は何かということを御説明いただけますでしょうか。お願いします。
#61
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今の法制局長官の説明にあったように、各国三分の二というのがあるんですが、一方、三分の二プラス国民投票ではないんですね。フランスもそれに代替の方法があるわけでありまして、日本のみが三分の二プラス国民投票なんですね。であるからこそ硬性憲法と言われています。
 我が党の案においては二分の一、そして更に国民の過半数、これが我が党の案でございます。なぜかといえば、国民の六割が、あるいは七割が改正したいと考えていたとしても、三分の一をちょっと超える国会議員が反対をすれば議論すらできないのはおかしいだろうというのが我々自由民主党の考え方であります。
#62
○藤末健三君 配付資料の四をちょっと御覧になっていただけますでしょうか。これ、先ほど法制局長官がおっしゃった中身が書いてございまして、アメリカ、ドイツ、フランス、アメリカとドイツは三分の二です、国会議員の。それを二分の一にするという話ですよね、総理がおっしゃっているのは。
 では、法制局、分かりますかね、何回の改正があったか、これらの国で。教えてください。
#63
○政府特別補佐人(山本庸幸君) これはなかなか調査が難しくてあれでございますが、引用の文献として、国立国会図書館の「諸外国における戦後の憲法改正 第三版」というのがありまして、一九四五年の第二次大戦終結から二〇一〇年の七月までの状況を見ますと、アメリカの憲法改正の改正回数は六回、フランスは二十七回、ドイツは、ちょっとこれは、この資料によりますと五十七回なんですが、その後一回加わりまして、現在では恐らく五十八回でございます。
#64
○藤末健三君 総理、いかがですか。アメリカ、ドイツ、フランス、同じような国会議員の要件が入っています、賛成の要件が。それでも、それぞれ六回、二十七回、五十八回と憲法を改正しているわけでございますけれども、その点についてはいかがですか。
#65
○内閣総理大臣(安倍晋三君) それは、各政党が現実的なアプローチをしていたんだろうと思います。日本のように不磨の大典として指一本触れてはならないと思うような政党がなかったからであろうと思いますね。
#66
○藤末健三君 あえて申し上げますが、私は憲法改正、指一本触れてはいけないということは申し上げていません。安易な改正がよくないと申し上げているんですよ。ほかの国では、三分の二の議員の賛成によってきちんと改正しているわけじゃないですか。安易に国防軍とか、安易なことをおっしゃれば国民は警戒するだけじゃないですか。きちんとした議論をして、深い議論をする中で初めて憲法を改正する。
 私は、憲法の改正の要件を変えるのではなく、議論を深めることが必要だと思いますが、いかがですか。
#67
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 議論を深めるのは当然のことだろうと思います。だからこそ、憲法調査会でしっかりと深い議論をお願いをしたいと思います。
#68
○藤末健三君 憲法改正は国会の方の義務でございますので、我々が議論をいろいろしなきゃいけないと思いますけれども、余り政府の方からいろいろおっしゃるのはなんだと私は思います。
 次に、憲法前文についてお話しさせていただきます。
 資料をお配りしておりますが、資料の五でございます。憲法前文がございますが、この中で平和主義に関する部分はどこか、法制局長官、御指摘をお願いします。
#69
○政府特別補佐人(山本庸幸君) 憲法前文におきまして、いわゆる平和主義に関係するところは三つだと思います。
 第一は、その第一段におきまして、「政府の行為によつて再び戦争の惨禍が起ることのないやうにすることを決意し、」としているところ。第二段におきまして、「日本国民は、恒久の平和を念願し、人間相互の関係を支配する崇高な理想を深く自覚するのであつて、平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した。」という部分。最後に、「われらは、全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免かれ、平和のうちに生存する権利を有することを確認する。」としておりまして、こういう部分が我が国が平和主義の立場に立つことを宣明したものと思っております。
#70
○藤末健三君 総理、私、資料五というのを配っておりまして、そこに憲法の前文がございます。
 そこで、一番初めにございます、「政府の行為によつて再び戦争の惨禍が起ることのないやうにすることを決意し、」ということがございますが、この点について総理はいかがお考えでしょうか。お願いいたします。
#71
○内閣総理大臣(安倍晋三君) それはそのとおりなんだろうと思います。
#72
○藤末健三君 自民党総裁の総理に申し上げたいと思いますけど、消えているんですよね、この項目は、実は。そのとおりであれば、消すというのも、何ら理由が分からないと思っております。
 また、次のございます、「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した。」ということがございますが、この文の解釈を、法制局長官、お願いします。
#73
○政府特別補佐人(山本庸幸君) そこの部分につきましては、日本国民として、恒久平和を念願し、人間相互の関係を支配する崇高な理想、すなわち信頼、協調といった人間と人間との関係を規律する最高の道徳律を深く自覚しつつ、平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して行動し努力することがその安全と生存を保持することができるゆえんであるという、平和主義、国際協調主義の観点であるというふうに言われております。(発言する者あり)
#74
○理事(小川敏夫君) 委員に申し上げます。質疑の妨げにならないよう、静粛にお願いいたします。
#75
○藤末健三君 総理にお聞きしたいんですが、この条文をいかがお考えでしょうか。「新しい国へ」、読まさせていただきまして、ダッカの事件のことが書かれておりますけど、その見解をお聞かせください。
#76
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 私は行政府の長でございますから、当然、憲法遵守義務がございます。それを申し上げた上において、自由民主党においてこの前文はふさわしくないと、こう考えたわけであります。我が国の国民の平和とそして生命を守るためには、これはやはり我が国自身がしっかりと責任を持って守っていくべきだと、こう決意を表すべきだと、こう考えたわけであります。
#77
○藤末健三君 後ろの自民党議員の方からも北朝鮮を信用するのかというやじをいただきましたけど、私は、国を信用するんではなく、これは国民では、国、諸国ではなく諸国民と書いてございます。ですから、私は、国を信用するかどうかという議論ではなく、国民一人一人が平和を望んでいる、戦争したくないと望んでいるということは信用できると考えております。これはもう、そこだけは指摘させていただきます。
 また、この条文、経済的なつながりを、諸国民でございますから、国境を越えて諸国民がつながること、それによって平和を安定するというのは、私は総合安全保障の考え方につながると思います。経済を交流させ、そして平和を安定させるということ、これはまさしくTPPなどの自由貿易協定にもつながる考え方だと思うんですが、その点、いかがですか、総理。
#78
○内閣総理大臣(安倍晋三君) TPPについては、これは経済連携協定ですから、言わば自由な貿易を通じてお互いの利益を拡大させていこうという考え方なんだろうと思いますが。
 「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼し」というのは、言わば、自由民主党としては、やはり自国の国民の安全そして命を守ることについては、それは、他国に任せる、あるいは他国民、他国の人々に任せるのではなくて、それはやはり私たち自身が守らなければならないということだろうと、こう考えた。そう考えたことによって、我々の……(発言する者あり)少し静かにしていただけますか、我々の憲法を、草案を作ったところであります。
#79
○藤末健三君 今の平和憲法も、国防、防衛、自衛ということについては全く否定していないわけじゃないですか。その中において、このように諸国民が信頼するという言葉をわざわざ消すというのは、いろんな考え方を否定しているわけですよ、総理。その点、いかがですか。
#80
○内閣総理大臣(安倍晋三君) なかなか難解な質問をされておられるわけでありますが、これは自由民主党、私、今、総理大臣というよりも、自由民主党のかつての、自由民主党の昨年の草案についての解説を今質問されておられるんだろうと、このように思いますが、言わば「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した。」ということ、この言葉そのものにおいて、それは言わば政府の責任で国民の生命と財産を守る責任がそもそもないのかという考え方自体もこれは発生してくるわけでありまして、そう考えたわけであります。そういう議論を経て自由民主党の案ができたと、このようなことではないかと思います。
#81
○藤末健三君 私は、平和を愛する諸国民、それぞれの国民を信頼して平和を築いていくという考え方が必ず必要だと私は考えます。
 次に御質問したいのは、次の憲法の前文の項目で、「全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免かれ、平和のうちに生存する権利を有することを確認する。」とございますが、この解釈につきまして、法制局長官、お願いいたします。
#82
○政府特別補佐人(山本庸幸君) その「恐怖と欠乏」という言葉でございますが、これは時代背景などから考えますと、平和のうちに生存する権利の言わば全く対極にある戦争によってもたらされる様々な惨禍のことをいうものと思っております。
#83
○藤末健三君 この条文に関します総理のお考えをお聞かせいただいてよろしいでしょうか。お願いします。
#84
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 私の考え方を聞かれたわけでありますが、この平和のうちに生存する権利、当然その平和のうちに生存する権利というのはあるんだろうと思います。ただ、それは権利を主張するだけではその権利は確保されないわけでありまして、それはそれぞれの努力の結果であろうと思います。
#85
○藤末健三君 これは、それぞれの努力というよりも、我々日本国民が、全世界の国民がひとしく紛争や戦争といった恐怖、そして食事ができない、水が飲めない、教育が受けられないという欠乏から逃れるようにしていきますよということを書いてあるわけでございまして、それは私は逆に、日本が世界のための、平和のためにやると、それも武力を使わずに貢献していくことを書いていることだと思うんですが、その点、総理、いかがでございますか。
#86
○内閣総理大臣(安倍晋三君) まさに我々、戦後、海外への援助等を通じてそうした世界をつくるために努力をしてきたところだろうと、このように思います。
#87
○藤末健三君 これはソニーの元CEOをされていた出井さんもおっしゃっていたことなんですが、平和国家宣言というのを日本はやるべきではないかということをおっしゃっております。私も同感でございます。例えば、今議論がありました、全世界の国民が平和に生存する権利を有し、それを実現すると、日本は実現していくんだということ、そしてまた、今まで議論がございました、例えば攻撃型兵器を日本は持っていない、専守防衛であるということ、そういうことがほとんどこのアジアの国々の方に知られていないのが私は現状だと思います、いろんな国を回って。
 その中におきまして、やはり我々は全世界の国民を武力を用いず平和にしていくこと、そしてまた、専守防衛である我々の、国防軍に変えるんではなく、我々は専守防衛の自衛隊であることを逆に宣言して知らしめることが重要だと思いますが、総理、いかがでございましょうか。
   〔理事小川敏夫君退席、委員長着席〕
#88
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 世界中、ほぼ世界中の国々が言わば軍隊を有するのは、それは自国の防衛のためであろうと思います。侵略のために軍隊を持つということではなくて防衛のためなんだろうと、このように思います。
 一方、残念ながら北朝鮮はミサイル、国連決議に反してミサイルの開発を行い、そして核実験まで行ったわけであります。そして、例えば、かつてというかずっと拉致作戦を実行して多くの、十三歳の少女を含む多くの日本人を拉致をした、国家としての意思として拉致をした国があるわけでありまして、そういう中において我々は国民を守るという義務を負っているということも忘れてはならないと思います。
#89
○藤末健三君 それを伺いますと、やはり国防軍にすればその北朝鮮の問題は解決するのかという話にもなりますし、また、総理に伺いたいのは、海外の日本人を救出することをやるようにしていかなきゃいけない、だから国防軍が必要だということも書いておられますけど、その点、いかがでございますか。
#90
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 私は国防軍についてそういう解説をしたことはございませんが。
 つまり、国防軍というのは、先ほどももう既に答弁をさせていただいております。大切なことは、やはり国が国民の命を守るというこれは責務を負っているということをしっかりとこれは明記すべきではないかということではないかと思います。
#91
○藤末健三君 私はやはり防衛、国防というか、軍による武力による平和だけのみならず、やはり途上国の援助などを用いた総合的な、あと経済の交流といった総合的なやっぱり自国を守る安全保障を私はやるべきだと思います。それをどんどんどんどん削って、じゃ、防衛だけでやっちゃいましょうという考え方には全く賛同できません。
 ちなみに民主党は、先ほど申し上げましたように、二日前の党大会で綱領を改めました。その中に、日本国憲法が掲げる国民主権、基本的人権の尊重、そして平和主義の基本精神を具現化すると決めておりますが、その点について総理の御意見をいただきたいと思います。
#92
○内閣総理大臣(安倍晋三君) まず、我々は、別に自衛隊を国防軍にするだけというようなことを全く言ってはいないわけでありまして、今までと同じように、国民の税金による言わば多くの国々に対する支援は今後とも重要な言わばこれは政策的な手段であるというふうに考えておりますし、そうした多くの国々が発展途上からだんだんこれは進んでいくことによって、我が国の平和と安定にもこれは寄与すると、こういう考えも持っております。
 御党の政策については、今私はここで論評する立場にはないと思います。
#93
○藤末健三君 私は、日本の安全保障を考えた場合に、やはり防衛のみならず、先ほど申し上げましたように、近隣諸国に対する支援も必要だと思いますし、もう一つございますのは、経済の交流を活性化し、そして総合的に経済的な安全保障をつくることだと思います。
 ただ、安倍総理の今までの議論を聞いていますと、それらを非常に否定しているような印象を受けます。安倍総理、いかがですか、それについて。
#94
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今の議事録を見ていただいても、私の書いたものを見ていただいても、否定したことは全くございません。
#95
○藤末健三君 安倍総理は憲法改正について非常に多くのことを述べておられますが、本当に憲法を改正したいならば、次の参議院選、七月の参議院選で掲げるべきではないかと思います。選挙が終わった後に同じ改憲派の現在の野党と連携をして憲法を改正するようなことはないということをここで明言していただきたいと思います。お願いします。
#96
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 既に私は、九十六条、これは多くの党が賛成している九十六条の改正から取り組んでいきたいということはお話をしているとおりであります。
#97
○藤末健三君 九十六条につきましても、その条件を緩和するということについては私は反対でございまして、よりもっと深めていく必要があると思います。
 もう一度お聞きしたいんですけど、七月の参議院選挙で憲法改正の議論はされないということですか、論点として。
#98
○内閣総理大臣(安倍晋三君) これは既に、様々な課題がありますが、既に私が申し上げていることについては、恐らく、いろんなことについてお話をしておりますが、参議院選挙においては私が述べてきた様々なことが当然俎上に上がってくるんだろうと思います。
#99
○藤末健三君 もし、先ほど申し上げましたように、安倍総理が憲法改正にこだわるのであれば、きちんと選挙で問いただしていただきたいと思います。
 最後に、ネット選挙について移らさせていただきます。
 今、各党でネット選挙運動解禁の議論をしているわけでございますが、ネット選挙運動が解禁されますと非常に大きな選挙制度の変革がございます。
 そこで、総務大臣にお聞きしたいんですが、選挙制度、情報通信を所管する総務大臣にお聞きしますが、どのような対応をされているか、お教えください。
#100
○国務大臣(新藤義孝君) まず、各党間で精力的な議論が行われているということであります。
 そして、インターネットを利用した選挙運動を解禁する法律案が提出をされて、成立された場合には、私ども総務省として、有権者、候補者、政党、こういったものに制度改正の内容を十分に理解していただけるようなきめ細かな普及啓発活動をやっていきたいと思います。
 あわせて、情報通信を所管する立場としては、プロバイダー等に対しまして、この期間中の名誉毀損情報の削除申出など、こういったものに対応するための必要な体制整備を要請するといったことなど、できるだけ円滑な運用がなされるように取り組んでいきたいと思います。
#101
○藤末健三君 国家公安委員長に伺います。
 警察においてもサイバーセキュリティー対策を非常に強く進めていただいておりますけれど、選挙の取締りにもサイバー担当を置いていただく、又はサイバーセキュリティー担当の連携を強めていただくべきだと考えますが、その点についてお答えください。
#102
○国務大臣(古屋圭司君) どのような環境下にあっても選挙の公正性を期するために適切な取締りをする、これ、警察の責務です。
 その上で、仮にそういった法案が成立をするということになったら、その法案の趣旨や中身をしっかり検証しながら、今御指摘のいわゆるサイバー犯罪対策の強化を含めて適切な取締りが行われるような体制をしっかり整えていく、これは警察の責務ですから、しっかり指導してまいりたいと思います。
#103
○藤末健三君 総理にお聞きしたいと思います。
 今、自民党内でこのネット選挙運動の解禁について議論されているわけでございますが、誹謗中傷や成り済ましの懸念の声が出ているとお聞きしています。
 このように、総務省そして警察もきちんと対応するという回答をいただいたわけでございますが、総理のネット選挙運動解禁への意気込みを伺いたいと思います。
#104
○内閣総理大臣(安倍晋三君) インターネットの活用は、自らの考えを多くの人に知ってもらう上でも効果的であると、このように考えております。自民党始め各党各会派において積極的に御議論をいただいているところでありますが、私としては、公正性に配慮をしつつ、できる限り早期に選挙で活用できるよう取り組んでまいる決意であります。
#105
○藤末健三君 時間が来ましたのでこれで終わらさせていただきますが、私は、総理のTPPの推進や、あとネット選挙解禁への思い、応援させていただきたいと思いますが、ただ一点ございますのは、安易に憲法を改正するというような動きについては本当に反対させていただきたいと思います。憲法の改正に反対するわけではございませんが、やっぱり議論を深めるということをお願いしまして、質問を終わらさせていただきます。
 どうもありがとうございました。
#106
○委員長(石井一君) 以上で藤末健三君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
#107
○委員長(石井一君) 次に、山崎力君の質疑を行います。山崎君。
#108
○山崎力君 自民党の山崎でございます。
 総理、訪米、首脳会談、お疲れさまでございました。
 いわゆる安倍政権のスタート、アベノミクスということで、円安、株高、デフレ不況からの脱出ということ、いい上々のスタートを切ったものと思っております。
 そういった中で、いわゆる補正予算の締めくくり総括質疑でございますので、基本的なこと、これから十五か月予算、本予算の審議にも通ずることで、ちょっと恥ずかしいことではありますが、基本的なことを一、二点押さえておきたいと思いますので、質問させていただきます。
 まず、デフレ不況からの脱却ということがメーンテーマになっておりますが、今回の政策、ある意味二%のインフレターゲット論という基本的な考え方で組み立てられていると考えていいのかどうかという点と、反面、そのインフレということ、今までのデフレの中で生活してこられた方々、特に高齢の年金生活者に多いんですが、デフレってどこが悪いんだと、インフレになったときのことを考えたときに今までの方がいい生活が保てるのではないかと、こういう素朴な疑問がございます。
 まず、デフレの何が、どこが悪いのか、その点を、甘利経済担当大臣でしょうか、よろしく御説明願いたいと思います。
#109
○国務大臣(甘利明君) デフレは、持続的、継続的に物価が下がっていくことです。ということは、相対的にお金の価値が高まっていく。つまり、じっとしていればお金の価値は高まっていきます。でありますから、お金を使わないということになります。消費の停滞は、次には生産の停滞につながります。それはやがて所得の停滞につながる。つまりマイナスの連鎖が起きるわけです。一方で、社会保障費とか利払い費というのはそれに連れて減ってはくれません。片方が伸びていく中で、その原資の方はどんどん小さくなっていってしまうという現象になります。
 でありますから、反対のプラスの連鎖にしていく、僅かな二%程度のインフレに持っていくことによって生産が拡大し、そして所得も拡大し、雇用も拡大すると、そしていろんなことを支払をする原資も増えていくと、そういうふうなプラスの連鎖に持っていくということが大事だと思っております。
#110
○山崎力君 よくおっしゃることは分かるんです。ただ、そのことが一般の国民の方にどの程度理解されているかということになりますと、私の思うところ、残念ながらまだ浸透していないというのが現状ではないでしょうか。
 年が分かるといっては恐縮なんですが、いわゆる「三丁目の夕日」の時代、今でこそ池田財政というものは、所得倍増論というものは非常に評価されておりますけれども、当時の一般庶民の中で何が言われていたかというと、所得倍増の前に物価倍増じゃないかと、そういうふうな声もあったのは事実でございます。
 そして、今現実に何が起きているかといえば、いわゆる株高、円安の効果を受ける層の方はいいんですけれども、先ほど申し上げましたように、特に地方の年金生活者から見れば、この円安のおかげでまず灯油代が高くなったと、ほかの事情ももちろん御承知のとおりありますけれども、電気代もこれは高くなりそうだと、そして消費税が入ってくればそれも高くなるだろうと、年金は増えるあれはないと。そうすると、まあちょっと暗いものを感じざるを得ない。
 そこはやはり、私のこれは個人的な感覚ですが、そういったお年寄りの皆さん方に理解していただくためには、申し訳ないけれどもほかの方たちよりも若い人たち、これからのためなんだからと、そういった説得が必要ではないかと、このように思っております。
 そういったことに気配りするということが私は安倍内閣の長期化につながるものではないかというふうに思っておりますので、安倍総理からその辺に関しての御所見を伺いたいと思います。
#111
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 確かに、今、山崎委員が御指摘になったように、年金生活者の方々にとって物価が上がっていく、つまり不安がこれは増大していくではないかという議論があるのは事実であります。しかし、一方、デフレが続いてまいりますと、年金はこれはデフレにもスライドをさせますので、年金額は減少していくんですね。これは言わば年金受給者にとっては最悪のことなんだろうと。これは何としても避けていく本来必要があります。今回もデフレスライドをするわけでありまして、二・五%、これは数年間で下げていくということになるわけでございます。
 これは、デフレ脱却すれば、それはまず止まるということになるわけでございますし、そして、今起こっている様々な現象の中では、例えば株価が上昇している。自分は株を持っていないから関係ないとこれは思いがちなんですが、年金の一部は株式市場で運用しておりまして、言わば、よって、この株が上昇していくことは年金財政を強化していくことにおいては極めて重要な要素でもありますし、年金の設計自体が、言わば経済が成長していく、名目経済が成長していくことを前提に設計をしているわけでございますから、言わば年金の安心を確保するために、今我々が行っている政策は必要であると思います。
 かてて加えて、我々は暮らしの再生を経済の再生と同じ重要な柱にしているわけでありまして、この中で、若い人たちにとって給与が上がっていくよう先般も経済団体にお願いをいたしまして、賃金あるいは一時金のこれは上昇、引上げについてお願いをしたところでございます。
#112
○山崎力君 おっしゃることはよく分かりますし、そのことを理解していただくことが一番の肝要だと思います。
 私の個人的私見を付け加えさせていただければ、地方において一番の効果があるのは地元に若い人たちの雇用の場が増えることだと、そのことが最終的な結果として理解に、現実の成果としての理解につながるものだと思っておりますので、是非総理にはその辺のところを御勘案の上、御精進なさりますようお願いすると同時に、全力でお支えすることをお誓い申し上げて、質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。
#113
○委員長(石井一君) 以上で山崎力君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
#114
○委員長(石井一君) 次に、横山信一君の質疑を行います。横山君。
#115
○横山信一君 まず、総理におかれましては日米首脳会談、大変にお疲れさまでございました。TPPのことはさておき、この日米同盟の強化が確認されたということは、多くの国民にとっては安心感が得られたものというふうに思います。
 それでは、質問に早速入らせていただきますが、本予算につながる補正予算の事業の中で大事な点を何点か確認をさせていただきます。
 まず、漁業用燃油高騰についてお聞きをしたいと思います。
 平成二十年の燃油高騰のときに全国一斉休漁が行われたというのは記憶に新しいところでございますが、当時のA重油の一リットル当たりの価格というのは九十九円でした。その後、六十円台まで下がりまして、昨年末徐々に上がってまいりまして八十円台、そして今年に入って九十円に近づきつつあります。更に円安で上昇する見込みということで、これではセーフティーネット、補正のセーフティーネット構築事業では掛け率が一〇〇まで引き下げられても非常に不安だという現状があるわけでございます。
 林大臣は水産経済新聞のインタビューの中で、現行制度でカバーできないようになれば臨機応変に見直しというふうにも発言をされておりますけれども、現状はその局面にあると思いますが、どのようにされるか、林大臣にお伺いいたします。
#116
○国務大臣(林芳正君) お答えいたします。
 今委員からお話がありましたように、漁業は燃油代が非常にその支出の中で高いものですから、浜の皆さんは非常に気にしておられるということでございます。したがって、今お話があったように、漁業者と国が両方で積立てを行って、セーフティーネットということを二十二年度から実施をしております。この補正に三十九億円、それから来年度当初に三十五億円、国の積立てを計上しております。したがって、今後の高騰に対しても一定の対応が可能であるというふうに考えております。
 今後とも、漁業者の皆様の御意見も伺いながら、漁業用の燃油価格の動向を注視しまして、燃油価格高騰に対して適切に対応してまいるということでございます。
 なお、今、新聞、よく読んでいただきまして、業界紙でございますが、万が一の場合にはということで私が申し上げた趣旨は、今までも何度か制度を変えてきております、したがって、これで一切もう指一本変えないんだということを申し上げますと、かえってそれが浜の皆さんの不安につながってはいけないなと思って、多少先走ったかもしれませんけれども、制度というものは常に見直す可能性はあるんだと、したがって、浜の皆さん安心してやってくださいと、こういうことを申し上げたかったところでございます。
#117
○横山信一君 今どこの浜に行ってもこの燃油高騰の話題で持ち切りでございまして、是非ともこの不安感が払拭されるようにしっかりと対応をお願いしたいと思います。
 それから、再生可能エネルギーのことについてお伺いいたしますが、この再生可能エネルギーの多くは農山漁村にございます。こうした地域での発電事業というのは農林水産業とのバランスが非常に重要でありますけれども、今後、農地、林地での発電事業に供する土地利用をどうするのか。本予算のことを含めて考えていきますと、その方針を示す必要があろうかというふうに思いますけれども、これについても林大臣にお願いいたします。
#118
○国務大臣(林芳正君) お答えいたします。
 今こういうエネルギー事情でございますので、再生可能のエネルギーの推進ということは非常に大事だというふうに思っております。
 今委員もお触れいただきましたように、農業、林業の生産基盤である農林地というものは、食料の供給、国土の保全等の多面的機能の発揮といった重要な役割を果たしていると。国内のある意味で限りある資源であるので確保することが重要だということでございますので、閣議決定もございます。
 したがって、与党の御議論を踏まえながら、今申し上げました再生可能エネルギーの推進ということと優良農地の確保、それから森林の多面的機能の維持の確保、この両方の観点に留意しながらきちっと取扱いを検討してまいりたいと、こういうふうに思っております。
#119
○横山信一君 それは本予算までにしっかりと明確に示していただきたいというふうに思います。
 最後になりますけれども、この補正予算には高温超電導直流送電システムの実証研究というのが入っております。震災後のエネルギー供給の見直しによりまして、様々な分野が今見直しが進められておりますけれども、LNG火発とかあるいは再エネの導入拡大が進むと、こうしたこの超電導の直流送電というのも注目をされてくるわけであります。
 それはなぜかと申しますと、LNG火発というのは冷熱エネルギーを使いますので、超電導と非常に相性がいいと。しかも、火発があればそこからロスなく送電をするということでは非常に有望なものでございます。しかも、我が国の超電導技術というのは世界のトップレベルにございまして、実用化直前という、そういう段階にあると。しかも、材料は全て国内で調達できると。これはもうほかの国にはない断然優れた優位性を持っているわけでございます。
 二〇二〇年の超電導の市場規模というのは、国内で二千七百億、海外では二兆五千億というふうにも言われておりまして、幅広い経済効果が期待できるわけでありますけれども、この分野の強化をどう考えるのか、これは是非総理にお願いしたいと思います。
#120
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 超電導送電につきましては、今委員の御指摘のように、送電時の電力損失を大幅低減できることから、国内外で実用化に向けた技術開発が進められております。
 今後、世界的に送電網における活用が見込まれているわけでありまして、政府としては、超電導は我が国が強みを有する分野であり、この分野で引き続き世界をリードできるよう、実証研究など実用化に向けた取組を進めてまいります。
#121
○横山信一君 以上で終わります。
#122
○委員長(石井一君) 以上で横山信一君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
#123
○委員長(石井一君) 次に、水野賢一君の質疑を行います。水野君。
#124
○水野賢一君 みんなの党の水野賢一です。
 今国会はいろんな意味で国会同意人事が注目をされていますけれども、今日も衆参両院で四十一名の国会同意人事の採決が予定をされていますが、ところで、既にもう今日現在、任期が終わっているにもかかわらず、切れているにもかかわらず、政府が人選の提示さえしてきていない機関がありますね。これはどこですか。
#125
○国務大臣(山本一太君) 原子力委員会の担当としてお答えいたします。
 原子力委員会委員長及び委員の五名については既に任期が切れておりますが、現時点では国会に同意人事案を提示しておりません。
#126
○水野賢一君 原子力委員会の委員五名全員任期が切れていると思いますけれども、任期切れたのはいつか分かりますか。
#127
○国務大臣(菅義偉君) 二名が本年の一月五日、あっ、三名が一月五日、そして二名が昨年の十二月三十一日でございます。
#128
○水野賢一君 つまり、安倍内閣が発足した直後にこの五名全員の任期が切れたんですよね。ならば、今回の四十一人と一緒にこの後任の人たちの人選を国会に提示するのが普通じゃないかと思いますけど、何で任期切れなのにこれ国会に提示さえしてこないんでしょうか。
#129
○国務大臣(山本一太君) お答えをいたします。
 原子力委員会については、水野委員御存じのとおり、昨年十二月十八日に示された、前政権下ですが、見直しに当たっての基本的考え方を参考としつつ、改めて原子力委員会の在り方についての検討を行うということにいたしました。
 こうした状況にあって、今後の原子力委員会の在り方が見通せない中、この段階で新たな方に原子力委員就任の内諾をお願いすることが非常に難しいと、こういう特別な事情に鑑み、現在の委員に引き続き在任をいただいているということです。
 まず、原子力委員会の在り方に関する議論を進め、その進捗を踏まえて適切な後任者を探し、できるだけ速やかに両議院の同意を得る手続を進めたいと考えております。
#130
○水野賢一君 いや、任期はこれは三年と決まっているんですよね。在り方検討するのは分かるんですけれども、在り方検討をしているからといって勝手に任期を延ばしてよろしいんでしょうか。
#131
○国務大臣(山本一太君) これは、勝手に任期を延ばしてというか、国会同意人事を出さない場合であってもこれは委員の継続規定というのがございますので、それに従って残っていただいているということでございます。
#132
○水野賢一君 在り方を検討しているのは分かりましたけど、じゃ、いつまでに検討結果がまとまる、若しくはこの結論が出るんですか。
#133
○国務大臣(山本一太君) 先ほど申し上げたとおり、前政権ではこの原子力委員会の見直しという方針を出しました。私たちもその方針を参考にしつつ、やはりこの原子力委員会の見直しは必要だと思っています。ただ、ゼロからきちっと見直したいと考えておりますので、ある程度の時間は掛かるというふうに思っております。
 いずれにせよ、この進捗を早めながら、その進捗を見て後任の人事を決めて、国会同意人事をできるだけ早く提出したいと思っております。
#134
○水野賢一君 これ、原子力委員会の在り方というのは原子力委員会設置法という法律で決まっているんですよね。ですから、これ、在り方変えるんだったら法改正が必要なんですけど、これは今国会の法改正も一応視野には入っているのか、それとも今国会は無理なのか、どうなんでしょうか。
#135
○国務大臣(山本一太君) この問題は、本当に水野委員よく御存じだと思うんですが、私がこの原子力委員会の後任人事を引き継いだのは年末でございまして、一月からずっとこの問題、一生懸命取り組んでまいりました。前政権での有識者会議で出たこの見直しの方針も、実はこれからどうするかというところの具体的なところに踏み込んでおりませんので、ゼロベースからやるということになると、やはり今国会で法案をまとめるというのはなかなか現実的には難しいと考えておりますが、水野委員おっしゃったように、これは法改正を伴うということですから、担当大臣として言えば、秋の臨時国会ぐらいまでには何とか法案をまとめて出したいというふうに考えております。
#136
○水野賢一君 そうすると、どんなに早くても秋になるとなると、これ、総理にお伺いしますけど、これ、任期は三年なんですよね、その三年がもう既に切れているんですよ。三年の任期を、確かに職務継続規定というのは法律上あります、ありますが、それは例えば三年一か月とか三年二か月だったらこれは話は分かりますよ。明らかに四年にもうなりなんとするまで、三年の任期の委員を国会の同意も得ないまま事実上四年間も任期を務めさせるということが、総理、これはふさわしいと思いますか。
#137
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 既に任期が切れていて国会に同意人事案を提示していないものは原子力委員会委員長及び委員の五名でありますが、政府としては、基本的には任期満了に合わせて国会に提示をし、できる限り空白期間等が生じないように努めておりますが、原子力委員会については、現在その、先ほど答弁しましたように、在り方を見直しをしているところでありまして、その間に人事案を提出することは、これは在り方を見直しをしている中において提出することは不適当であろうと、こう考えておりまして、今後原子力委員会の在り方について検討を急いで、その検討結果を踏まえて適切に対応してまいりたいと思います。
#138
○水野賢一君 いや、在り方検討するのは結構なんですけど、しかし、結局、その間任期が切れているにもかかわらず、今までの人に職務継続規定という例外規定でずっと続けてやってもらっている。その間国会の同意も何にも得ないと。それは、検討していても、一方で同意人事の提示を、後任をちゃんと選んで、その上で検討すればいいんじゃないですか、違いますか。
#139
○国務大臣(山本一太君) 水野委員のおっしゃるとおり、国会同意人事がなされていないと、そういう形で継続規定でこのまま委員の方に残っていただいているというのは、これはおっしゃったとおり、望ましい状況ではないと思います。
 しかしながら、総理の方からもありましたが、見直し、恐らく改編、廃止も含めたこの見直しをこれからやっていこうという段階の中で、委員がおっしゃった三年間の国会同意人事を、これを本当に出すということが適切なのかという議論もありまして、そういうことも全部踏まえて議論した結果、今のような方針になりました。
 おっしゃったとおり、できるだけ早く、この見直しの検討も急ぎたいと思いますが、この見直しの検討、この委員会の在り方の議論というものを進めつつ、それを踏まえて、できるだけ早く後任の方を選んでいきたいと、こんなふうに考えております。
#140
○水野賢一君 今、山本大臣から廃止を含めてという話ありましたけど、となると、廃止になると、後任者はそもそもいなくなっちゃうと、そういう可能性も理論上はあり得るわけですか。
#141
○国務大臣(山本一太君) これは、もう一度申し上げますが、改編、廃止も含めて、それは改編になるか廃止になるか、これはまだ今の段階でははっきりしていませんけれども、廃止の可能性もございますし、場合によっては、ですから、全体が変わると今おっしゃったような趣旨のこともあり得ると思っています。
#142
○水野賢一君 じゃ、そうすると、原子力委員会設置法六条三項を見ると、後任者が任命されるまでは今の人も引き続き在任するって書いてあるんですよ、原子力委員会設置法六条三項です。そうすると、廃止で後任者がもし選ばれないんだとしたら、職務継続規定を活用するというのはそもそも法律違反になりませんか。
#143
○国務大臣(山本一太君) 水野委員の今の御指摘は一つの考え方だと思いますけれども、この当該規定は原子力委員会の機能が欠如する状態を避けるために設けられたということなので、任期が満了した委員長又は委員が担っていた職務を果たす者がいない状態を回避するものだということで、仮に今おっしゃった組織の改編、廃止が見込まれる状況であっても、現行の原子力委員会が置かれている限り、委員長等の職務を果たす者がいない場合には引き続き在任するということは適法の範囲だというふうに私たちは考えております。
#144
○水野賢一君 それはちょっと強引な解釈だと私は思いますけれども、これ何でこの問題取り上げるかの背景の一つとしては、今の原子力委員、今の原子力委員の中に東電マネーを平然と受け取って、しかもそれは原発事故後ですよ、原発事故後、顧問料という名の下に東電マネーを平然と一年も受け取っていた人がいる。これは大臣、御存じですよね。
#145
○国務大臣(山本一太君) 野党時代に予算委員会で水野委員の議論もお聞きしましたし、環境委員会の議論もお聞きしましたので、存じ上げております。
#146
○水野賢一君 具体的に名前を挙げていただければと思います。
#147
○国務大臣(山本一太君) 尾本委員だと思います。
#148
○水野賢一君 じゃ、その尾本委員が今日おいでですのでお伺いしますけれども、尾本さん、事故後も、原発事故後一年間、あなたは東電から顧問料という名でお金を受け取っていましたね、原子力委員と同時に。
#149
○政府参考人(尾本彰君) 御指摘のとおり、非常勤の委員、原子力委員である一方、大学で働き、また昨年の三月まで東電の顧問をしておりました。
 ただ、顧問としての役割は、国際機関に私が勤めていた経験を生かして開発途上国のインフラ支援について適宜相談に乗ることでしたが、事故に際してはその安定化にも協力をしてまいりました。
#150
○水野賢一君 要は、尾本さんは政府の原子力委員と同時に、東電からそれと同時にお金をもらっていたんですよ。
 それで、あなたは今までの国会での答弁で、金はもらった、しかしそれは幾らかは明らかにしない、返金もしない、原子力委員も辞めないということを言っているんですね。金額とかぐらい明らかにできないんですか。
#151
○政府参考人(尾本彰君) 個人の契約にかかわることですので、言及は避けたいと思います。
#152
○水野賢一君 推定約月百万近くだというふうに想像されるんですけれども、あなたはそれで任期切れているんですよ、切れているんですよ。任期切れているけれども、引き続き職にとどまるつもりですか。
#153
○政府参考人(尾本彰君) 論点は利益の相反行為があるか否かということだと思いますが、その当時も今も委員としてあるまじき利益の相反行為はありません。
 現在は、御存じのように、その継続規定に従って後任が決まるまでの間非常勤を継続しているところであります。
#154
○水野賢一君 山本大臣、これ少なくとも情報公開で幾らもらっていたかぐらいは政府として公開させるように求めたらいかがですか。
#155
○国務大臣(山本一太君) 尾本委員については、先ほど申し上げたような状況で、継続規定ということで今委員にとどまっていただいております。
 しかし、もう率直に申し上げますと、水野委員のお考えといいますか、原子力行政に対する信頼が低下して、今は賛否両論の幅広い議論が起こっていると。こういう中で、水野議員の思いといいますか、その問題意識というものを私も共有している部分はございますので、これは前回の委員会でも罷免したらどうかと、そういうふうな御提案をされていましたが、それはもちろん今の七条の規定で、御存じのとおり相当のことがなければできませんし、そういう例に私は当たらないと思っていますが、ただ、それは担当大臣として今のこの水野委員の問題意識、これについて自分で何ができるのかということはちょっと対応を考えてみたいと、こう思っています。
#156
○水野賢一君 確かに、任期が切れるまでの間だったら、今大臣がおっしゃられたように、罷免はできなくはないんだけれども難しいんですよ。ところが、今、任期切れているんですよ。任期切れていれば、後任を選べば、大臣が、政府が後任を選べば自動的にあの方は失職するんですよ。後任を選んだらいかがですか。
#157
○国務大臣(山本一太君) 今、水野委員が任期が切れているとおっしゃったんですけれども、これは継続規定で、任期は、国会同意人事は出しませんけれども、とどまっていただくということになっております。
 それで、後任については、先ほど申し上げたとおり、今のこの見直し、さっき申し上げた改編、廃止も含めた見直しをこれから進めるという中では、なかなか、国会同意人事として後任者を現段階で見付けるのはなかなか難しいということでございますが、先ほど申し上げたとおり、水野委員の問題意識というものは私も共有している部分がありますから、担当大臣としてこれについては何ができるかということを検討させていただきたいと思います。
#158
○水野賢一君 これは、一番いい検討は、もう検討というよりも後任を選んで、選べば失職するんですから、それが一番いいと思っていますが。
 尾本さん、続いてお伺いしますけど、あれですか、今、金額言えないという話ですけど、返金はしないんですか。
#159
○政府参考人(尾本彰君) 昨年も同様の件について意見を求められましたが、その意図はありません。
#160
○水野賢一君 これだけ問題になって、山本大臣も私と同じ思いを共有しているところもあるようですけど、尾本さん、自分から辞めれば問題解決するんですよ。自分から辞めるつもりはありませんか。
#161
○政府参考人(尾本彰君) 現在は継続規定に従って委員を務めさせていただきまして、それを全うしたいと考えております。
#162
○水野賢一君 総理、これはそもそも、これはもう任期は三年で切れているんですね。しかも、これだけ問題がある人がもう三年今数か月に入っているわけですよ。さっきの山本大臣の答弁にもあったように、これすぐどうなるかが決まらない。秋の臨時国会を待つとか、更に人選をするといったらもっと、四年とかになってしまうかもしれない。異常な状況ですよ。
 総理、これ、後任を早く選べばもうそれでこういう人はなくなるんですよ。後任を選んだらどうですか。
#163
○国務大臣(菅義偉君) 水野委員から前の国会でもこういう議論がされているものを私、議事録で読まさせていただきました。
 職務上の義務違反その他委員たるに適しない非行等は見られないとしても、やはり国民感情からすればこれはなかなか理解を得られないだろうというふうに私どもも思っています。
 政府としては、原子力委員会の在り方、先ほど山本大臣の話がありましたけれども、委員の見直し、こうしたものを検討していきたいと思います。
#164
○水野賢一君 今問題になっているのは、要は、本人じゃなくても、例えば学者だったら研究室とかにいろんな原子力業界からお金もらっていたとか、ゼミの教え子の世話をしていたとか、電力会社が、就職のですね、そういうことが問題になっているとき、この人は本人がお金を月推定百万もらっていた。それが原子力委員にふさわしいのか、総理の見解を最後にお伺いして、私の質問を終わります。
#165
○内閣総理大臣(安倍晋三君) ただいま官房長官が答弁したように、職務上の義務違反その他委員たるに適しない非行等は認められないとしても国民の理解を得るのは難しいと、このように考えます。その中において、原子力委員会の在り方や委員の見直しを検討していかなければならないと思います。
#166
○水野賢一君 終わります。
#167
○委員長(石井一君) 以上で水野賢一君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
#168
○委員長(石井一君) 次に、森ゆうこさんの質疑を行います。森さん。
#169
○森ゆうこ君 生活の党の森ゆうこでございます。
 今日は、エネルギー政策について特に質問させていただきます。
 まず、先般から通告しながら質問できませんでしたので経産省から先に伺いたいと思うんですけれども、エネルギー庁長官、我が国の国内資源のポテンシャルについて御答弁お願いいたします。
#170
○政府参考人(高原一郎君) お答え申し上げます。
 国内の資源開発は、これまでは陸域を中心に行われてまいりました。国内で生産される資源は、需要量全体でいいますと極めて小さいものでございます。例えば、石油ですと〇・四%で、天然ガスですと約三%程度になっております。一方、我が国の周りには広大な排他的経済水域がございます。この辺につきましては、我が国の国産資源として大きな可能性があるというふうに考えております。
 以上でございます。
#171
○森ゆうこ君 海洋資源に関してはかなりポテンシャルがあるということで、ようやくそちらに目が向いて、国内資源開発が行われる方向になっておりますけれども、もう一度、ちょっと息を整えていただいて、海洋資源についての開発の動向について御説明をいただけますでしょうか。
#172
○政府参考人(高原一郎君) まず、石油、天然ガスでございますけれども、探査船の「資源」という船がございまして、毎年約六千平方キロメートルにわたりまして三次元の物理調査を進めさせていただいております。
 それから、メタンハイドレートでございます。これにつきましては、商業生産に必要な技術を確立することを目指しまして、本年の一月下旬から、渥美半島から志摩半島の沖合で世界初の海洋産出試験を開始いたしております。
 このほか、海底熱水鉱床、あるいはコバルトリッチクラスト、さらに海のレアアースにつきましても所要の研究開発あるいは調査研究を進めさせていただいております。
 いずれにいたしましても、今後とも、海洋資源に関しましては、積極的なその開発あるいは実証などを実施していきたいと思っております。
 以上でございます。
#173
○森ゆうこ君 ところで、私ども新潟県佐渡沖の油田、ガス田が本格的に試掘をされます。大変大きな油田、ガス田ではないかというふうに予想をされております。埋蔵量はどの程度と推計されておりますでしょうか。
#174
○政府参考人(高原一郎君) 石油あるいは天然ガスにつきましては、平成二十年に探査船の「資源」を導入いたしまして三次元の物理探査を計画的に進めております。その結果、今御指摘の有望海域であるということが判明した新潟県の佐渡南西沖におきましては、今年の四月からでございますけれども、三か月にわたりまして「資源」導入後初となる試掘調査を行わせていただきます。
 具体的な埋蔵量でございますけれども、これは、この試掘した結果を踏まえなければ推計はできませんけれども、これまでの探査結果で申しますと、一定程度の可能性で石油、天然ガスの存在が推定される地質構造が百平方キロメートル、このような形で存在が確認をされております。
 いずれにいたしましても、この石油、天然ガスの存在を期待して、更なる試掘をさせていただきたいと思っております。
 以上でございます。
#175
○森ゆうこ君 前に、昨年ですけれども、長官においでいただきまして、この埋蔵量どの程度あるのかということでお話をお聞きしました。そのときには、構造上、北海油田並みの埋蔵量があるというふうに推計されていると、そのように推定されているというふうなお話がございました。
 もちろん、今のようにきちんと本格的な試掘を行わないと確定したことは言えないと思うんですけれども、そういう大きな埋蔵量があるという可能性について、御答弁いただければと思います。
#176
○国務大臣(茂木敏充君) 高原長官の方から今御答弁申し上げましたのは、百平方キロメートルにわたって試掘をしてみたら、もしかすると出てくる可能性のある地質構造がそれくらいの大きさであるという話でありまして、試掘等を進めることによりまして、どれくらいの埋蔵量があるのかと確認をしていきたい、出ればいいと思っております。
#177
○森ゆうこ君 我が国は海洋に囲まれておりますし、その探査船の調査等でも非常に大きな埋蔵量を持った油田、ガス田があるのではないかと現時点において推定されるわけでございます。こういう国内資源の開発を更に積極的に行っていくお考えはないでしょうか。
#178
○国務大臣(茂木敏充君) 今後の我が国のエネルギーの安定供給を考えたときに、一つは、電源の多様化、LNGであったり、それから再生可能エネルギー、こういった多様化を進めていく、そして燃料の調達先、これも一部の地域に偏らないと、こういったことで多角化を進めていく。そこの中でも、特に我が国周辺の海洋資源、これについては重点的に取り組んでいきたいと思っております。
#179
○森ゆうこ君 今日は質問いたしませんけれども、一昨年、環境省が四月二十一日に発表した我が国の再生可能エネルギーのポテンシャルでは、現時点の技術水準においても原発の発電量に匹敵する発電が可能であるというふうにされているところでございます。
 今のお話の我が国の独自の国内資源の開発に力を入れること、そして再生可能エネルギーをもう全力で進めること。我が党では、原発ゼロノミクス、原発ゼロ、そして原発ゼロを実現すると同時に新たなエネルギー政策によって国内経済を再生させるという道筋を描いております。その過程で、まずは、再生可能エネルギー、不安定ですので、その代替ということで、今すぐ緊急に原発に代わる、代わり得るものとして高効率のガスコンバインドサイクル等、火力発電のリプレースを積極的に行うことを提唱しております。
 日本の技術は世界最高水準でございます。国内の転換を進めるとともに、積極的に海外にセールスすべきであると考えますが、経済産業大臣、いかがでしょうか。
#180
○国務大臣(茂木敏充君) 先ほど答弁申し上げました多角化そしてまた多様化に加わりまして、当面、火力発電の高効率化、これは極めて重要な課題だと思っております。
 特にLNG火力は、火力発電の中でもCO2の排出量も少なく、重要な役割を果たすと考えておりまして、高効率の天然ガスコンバインドサイクルの発電に対するグリーン投資減税によります導入の促進、そして、更なる高効率化に向けました千七百度C級のガスタービンの技術実証を行っているところでありまして、我が国の技術、世界的にも最先端でありまして、その輸出等も進めていきたいと考えております。
#181
○森ゆうこ君 長官、落ち着きましたでしょうか。
 ガスコンバインドサイクルについて、国内プラントの採用数とその箇所及び海外プラントについてはどうか、お答えいただきたいと思います。
#182
○政府参考人(高原一郎君) お答え申し上げます。
 国内に一般電気事業者の方々が設置しているLNGの火力発電設備は百六基ございます。このうち、コンバインドサイクル発電方式は三十七基でございます。
 以上でございます。
#183
○森ゆうこ君 海外は。
#184
○政府参考人(高原一郎君) 海外、コンバインドサイクルを含めました発電用事業用ガスタービンの過去の輸出実績でございますけれども、二〇一一年三月末現在で累計三百九十一基ございます。輸出先の内訳といたしましては、アジアに百五十四基、北米に五十七基、中近東、アフリカに九十七基であるというふうに認識をいたしております。
 以上でございます。
#185
○森ゆうこ君 原発事故を経験して、この日本がこれだけ新たな技術、エネルギーの技術分野で大きな力を持っている、ポテンシャルを持っている。日本がどういうエネルギー政策を取るのか、エネルギー戦略を取るのか、世界中が注目しているんです。
 そこで、総理に伺いますが、我が国のエネルギー戦略、このエネルギー政策について、どういう方向でお決めになるおつもりなのか伺います。総理に。
#186
○国務大臣(茂木敏充君) 我が国のエネルギー政策につきましては、いかなる事態にあっても国民生活や経済活動に支障がないようにエネルギー需給の安定に万全を期す、これが基本になってまいります。
 中長期のエネルギーの需給構造につきましては、総合資源エネルギー調査会の場で来月にも検討を始めたい、このように考えております。そこの中で、エネルギーのまずは調達、生産面、ここで多様化、多角化を進める。また、安価な調達、これを考えていく。同時に、電力でいいますと送配電に当たります流通の部分、ここにつきまして効率化を図る。さらには、消費につきましても、これからいろんな形で使用メニュー、料金メニューが多様化していく、これによってスマートな消費が図られる。こういった形を取ってまいりたいと考えております。
#187
○森ゆうこ君 総理、オバマ大統領ともエネルギーの問題についてお話をされてきたそうですけれども、我が国の新たな成長戦略に基づいて、このエネルギーの分野についてどのようなお話をされてきたんでしょうか。
#188
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 首脳会談においては、前政権が掲げた二〇三〇年代の原発稼働ゼロを可能とするという方針については、これは具体的な根拠を伴わないものであります。これについてはゼロから、ゼロベースで見直しをしていくということを申し上げたわけであります。米国を始めとする国際社会や、これまで国のエネルギー政策に対して協力をしてきた前政権のこうした政策は、国民に対して不安や不信を与えたのも事実であろうと、このように思いますので、オバマ大統領に対してこうした旨、お話をしたところでございます。
 同時に、我が国は核不拡散と原子力の平和的利用という国際的責務を果たしていくということも申し上げたわけでありまして、今回の首脳会談では、日米が国際的な原子力協力のパートナーとして様々なレベルで緊密に連携していくとの考えを米側に伝えたところでございます。
 原子力を含むエネルギー政策については、エネルギーの安定供給、エネルギーコスト低減の観点も含め、責任あるエネルギー政策を構築をしてまいります。その際、できる限り原発依存度を低減させていく方向で検討していきたいと思います。
#189
○森ゆうこ君 オバマ大統領が安倍総理に期待したこのエネルギーの問題についての話というのはそういうものじゃなかったんじゃないかなと私は思います。
 資料をお配りしておりますけれども、二〇一三年一月二十一日のオバマ大統領就任演説から抜粋をしております。
 「持続可能なエネルギー資源への道のりは長く、時に困難になるだろう。しかし、米国はこの変遷に逆らうことはできないし、我々が主導していかなければならない。新たな雇用や新産業を生み出す技術を他国に譲ることはできない。それを主張すべきだ。それが我々の経済活力や、米国の宝である森林や河川、耕作地や雪に覆われた峰々を維持していくことになる。神が我々に命じた通りに、地球を保全していく。それは我々の父祖が宣言した信念に沿ったものだ。」。
 ここまで言わなくても、あの深刻な福島原発事故を経験した我が国がこのエネルギー戦略、エネルギー政策を大転換して、そして今、日本は技術を持っているわけですから、その日本の技術で世界のエネルギー事情を塗り替えていくんだ、大統領、同じ価値観を共有しています、一緒にやりましょう、そういう話を期待していたんじゃないんですか。
#190
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 原子力政策については、日本は核の不拡散等についてもしっかりとその責任も果たしていくし、あるいは米国と協力をしていくという話をいたしました。それはまさに、オバマ大統領も是非そうしてもらいたいということでありましたし、一方、今、森委員が指摘をされましたように、地球環境の保全のためにCO2を削減するという方向においても日米が協力をしていくべきである、日本は高い能力を持っているのでこれを生かしていきたいし、米国と協力をしていきたいということも含めて具体的な議論もいたしました。
#191
○森ゆうこ君 脱原発基本法、バージョンアップして、皆さんの御協力もいただいて我々はこの国会に提出をしたいと考えております。
 総理、最後に伺いますけれども、脱原発という大きな決断をして大胆にエネルギー政策を転換する、そういう勇気はございませんか。
#192
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 我々は国民の生活に責任を持っているわけであります。その責任において、しっかりとしたエネルギー政策を推進をしていきたいと考えております。
#193
○森ゆうこ君 以上です。終わります。
#194
○委員長(石井一君) 以上で森ゆうこさんの質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
#195
○委員長(石井一君) 次に、田村智子さんの質疑を行います。田村さん。
#196
○田村智子君 生活保護の生活扶助基準額が今年八月にも引き下げられようとしています。この削減案は子供さんのいる世帯での引下げ幅が大変大きい。小学生、中学生の子供二人の母子世帯で生活扶助がどうなるのか、厚労大臣、お示しください。
#197
○国務大臣(田村憲久君) 子供二人の母子世帯というお話でございました。経常的に給付されるもので予測されるものは住宅扶助、教育扶助もございますが、今は生活扶助というお話でございましたので、生活扶助のみをお答えをさせていただきます。
 現行の生活扶助基準額は、一級地の一で二十一万五千円、三級地の二で十七万三千円でございます。
#198
○田村智子君 それがどう削減されるのか。
#199
○国務大臣(田村憲久君) 失礼しました。
 本年八月から、一級地の一で二十一万五千円のものが二十万九千円、三級地の二で十七万三千円のものが十七万円。さらに、最終形ですね、平成二十七年、この時点でこの二十一万五千円のものが十九万七千円、三級地の二で十七万三千円のものが十六万三千円ということでございます。
#200
○田村智子君 この生活扶助費というのは、食費、水光熱費、被服費など、家賃を除く基本的な生活費が全部含まれているわけですね。それが今年の夏からこのように削減をされたらどうなるのか。
 静岡県在住、中学二年の男の子、小学四年の女の子がいる母子世帯のお母さんに生活の実態をお聞きいたしました。一週間の食費は七千円前後。子供たちにバランスの良い食事をと思うが、安さと量を優先せざるを得ない。ガス代節約のため、お風呂は冬でもシャワーだけ。娘の服はもらい物で、この二年間一枚も買っていない。発達障害の息子は進学できる高校が限定され、定期代や制服でお金が掛かるから進学しないと言っている。今のこの保護費が削られたら食費を更に切り詰めるしかないと、こうおっしゃっているわけですね。
 居住地によって生活扶助の下げ幅は異なりますけれども、小中子供二人の母子世帯では、二年後には一万円から一万八千円もの引下げになります。これは一週間分、半月分、これ以上の食費が削られるのと同じことになってしまう。こういう実態を承知の上での引下げなんでしょうか。
#201
○国務大臣(田村憲久君) 今の事例がどういうような元で出されておられるのかよく分かりませんが、もし何らかの事情があるんであるならば、例えば家計管理のいろんな助言でありますとか、また、御健康に問題があられる場合には、健康指導といいますか管理というものに対して手厚く対応すべく、ケースワーカーの増員でありますとか、今国会、予算を計上させていただいているような状況でございます。
#202
○田村智子君 これ特別な事例なんかじゃないですよ。私、幾つもの母子世帯のお母さんの調査しましたけれども、大体食費は一週間で七千円から一万円、子供さん二人、三人いらっしゃる母子世帯、生活保護を受けている方、同じような状況でしたよ。この方も、子供さん発達障害持っておられるからということもあるかもしれませんけれども、パートで働いておられる方です。特別な事例ではないんです。大体、東京二十三区で今二十一万五千円を被服費、食費に充てると、これ考えれば、大体こういう生活実態になってしまうんですよ。
 大体この生活実態、調査もしないで机上の計算だけで今回引下げの幅って出してきたんじゃないんですか。もう一度どうぞ。
#203
○国務大臣(田村憲久君) 今回は、もう委員御承知だと思いますけれども、生活保護世帯の中でもかなりそのゆがみといいますか、格差といいますか、それがあったと。その中において、このゆがみというものを是正をするのに、大体同じような世帯、一般世帯、この第一・十分位と言われる世帯でありますが、この平均値を取りまして、その世帯によるゆがみ、世帯人数でありますとか、それから地域でありますとか、それから年齢、こういうもののゆがみを是正をしたわけでございまして、でありますから、生活保護世帯の皆様方の中でも、上がる方々もおられれば大幅に下がる方々もおられたということでございます。
#204
○田村智子君 子供さんのいる世帯はみんな下がるんですよ、これ、出していただきましたけれども。私、第一・十分位と、言わば非常に苦しい世帯と言わば消費実態比較するような形でゆがみを正すというのは、本当に政治の方がゆがんでいて、両方にしっかりとした支援策が必要だということを申し上げたい。厚労大臣とはまた後日、質疑をやりたいと思います。
 総務大臣にお聞きをしたいんです。
 これまで予算委員会の質疑では、この基準の引下げが就学援助に影響を与えないようにするんだという説明がいろんな大臣の皆さんから繰り返されてきました。しかし、この就学援助の準要保護児童に対する就学援助の国の財政措置、これは二年度遡った実績で地方交付税措置を算定するのですから、来年度と再来年度に影響が出ないというのは、これ当たり前のことだと思うんです。
 今回の引下げで影響が出るのは二〇一五年度以降になりますが、それでは、二〇一五年度以降、地方交付税の算定に特別な手だてを取るということなのですか。確認します。
#205
○国務大臣(新藤義孝君) これは御指摘のとおりでございまして、二十五年度、二十六年度はこの影響が出ません、今回の措置は。それは当然であります。そして、二十七年度につきましては、これは厚生労働省それから文部科学省、そういったところからよくお話を聞いて、適切に我々、内閣全体として措置してまいりたいと、このように思っています。
#206
○田村智子君 これ、今回の基準の引下げで就学援助に影響が出ないようにすると、そうやって説明をされながら、国の財政措置は全く白紙なんですよ。影響が出ないなんということは全く検討がされていないんですよ。しかも、今、国の算定基準というのは生活保護基準以下の収入の人しか見ていない。地方自治体は更にそれを上乗せしている。今だって持ち出しなんです。今後更に国の財政措置が下がるかもしれない、それでも地方には影響を与えないでくれとお願いだけする、こんな無責任な話はないと私は指摘をしたいと思います。
 安倍総理にもお伺いをいたします。
 先日の予算委員会で総理は、格差が固定化されてはならないと、こう答弁をされています。子供を複数抱える母子世帯が一日僅か千円前後という食費を削らなければならないのかと。今こうやって追い詰められているんです、現実に。これは貧困の解決に逆行すると思いますが、いかがですか。
#207
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今回の生活保護の基準の引下げについては、様々な影響について、激変緩和措置を始め配慮を取るように指示をしているところであります。
#208
○田村智子君 最後に。最後に一言だけ。
#209
○委員長(石井一君) はい、一言。
#210
○田村智子君 こういう家計が困窮している子供にまで食費や被服費を切り詰めることを求めているんです、現に。このゆがんだ政治こそを正すべきです。
 生活保護基準の引下げの中止を求めて、質問を終わります。
#211
○委員長(石井一君) 以上で田村智子さんの質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
#212
○委員長(石井一君) 次に、谷岡郁子さんの質疑を行います。谷岡さん。
#213
○谷岡郁子君 おはようございます。みどりの風の谷岡郁子でございます。
 総理はお疲れさまでございました。
 私は、今日は、国家が国家を経営していくという、財政を救っていくという意味において、実は国有財産の問題を少し取り上げさせていただきたいというふうに思っております。
 菅直人先生が財務大臣でいらっしゃったときに、私はこの予算委員会で指摘をさせていただきました。なぜ竹やぶの竹が財産項目に入っていて、美術品や骨とう品等、そういうものが一切入っていないのか。その後、見直していただきまして、これが変わってきたと思いますが、今の現状の状況についてお教えいただけませんでしょうか。
#214
○委員長(石井一君) どなたですか。
#215
○国務大臣(麻生太郎君) おっしゃるとおり、物品管理法第三十七条、三十八条ということになりますけれども、国が所有する物品のうち重要なものとして政令で定めるものにつき、毎年ごとに物品増減及び現在額報告書を作成し、国会に報告するとされております。従来、この対象の中に国が所有いたしております美術品等々が含まれていなかったことにつきまして、谷岡先生がおっしゃるとおり、平成二十二年の三月の八日の参議院予算委員会において問題を提起いただいたものと承知しておりますが。
 したがいまして、その御指摘を契機として、平成二十二年の十一月に改正した物品管理法施行令におきまして、美術品のうち財務大臣が指定するものを対象として追加をさせていただき、併せて、財務大臣が通達を改正し、取得価格又は見積金額が三百万円以上の美術品を対象とすることとし、平成二十二年度分より国会報告の対象とするようにしたと理解をいたしております。
#216
○谷岡郁子君 ありがとうございます。
 そして、今はそれがどのくらい帳簿に上がっておるのでしょうか、額でお教えください。
#217
○副大臣(小渕優子君) お答えいたします。
 平成二十三年度物品増減及び現在額総報告において、二十三年度末で国が所有しているものとして計上されている美術品は総額三百五億円となっております。
#218
○谷岡郁子君 かつてはゼロ円ベースであったものが三百五億円、私の質問から出てきたということで、私の歳費は安いなと実は思わせていただいたわけなんでありますが、それは別問題としまして、こういうものをなぜ私が興味を持ったかといえば、信託財産として運用することによって、例えば美術系の学生たちを留学させてやったりとか、様々な形で本当に独り立ちできるまで支援ができるようなことができないんだろうか。つまり、税金の出し入れをするだけではなくて、今持っている、これは土地を含めての国有財産をいかに機能的に使うかによって、実はお金を掛けなくても国のプラスはつくれるではないかというふうに思ったからなんです。
 その点につきまして総理がどうお考えになっているかという是非御所見をお伺いしたいというふうに思うんですが。
#219
○国務大臣(麻生太郎君) 国が今厳しい財政状況の中にありますので、国有財産の売却、何も美術品に限りませんけれども、国有財産の売却についていろいろあるんだと思いますけれども、必要なことだと考えております。
 ただ、国が保有しております美術品ということに限りますと、この多くは文化財として保護しておかにゃいかぬななんというものがいっぱいございまして、こういったものが散逸するとか海外に流出しちゃうとかいうことをある程度防がにゃいかぬというので保有しておかにゃいかぬというものが一点。
 また、文化財に指定するもの以外の美術品でありましても、例えば外国の賓客がお見えになるとか、そういったときには、接遇するに当たりまして日本の文化の話や何やらするときにいろいろ相互理解に役立っているものが一点。
 もう一点は、この中には海外の偉い方から寄贈されたものというのがございまして、それ、本人の断りなくこっちで売っちゃうというのはちょっと、ちょっと品がないというか、寄贈者の意思をある程度尊重するということも考えておかにゃいかぬのじゃないのかといった点が留意しなきゃいかぬところだと思っておるんですが。
 ただ、いずれにいたしましても、こういったものを考えたときに、一方で不要な物品というのは売却して税外収入に充てるという努力を行うというのは当然のことでありまして、個別の美術品の売却等につきましても、各省各庁の長においてある程度適切に、長の所有物になっているところもあろうと思いますので、そういった意味においては適切に判断されるべきものかと考えております。
#220
○谷岡郁子君 私は、売却には反対でございます。我々の先輩たちが営々と集めてきたものは売却すべきではないと。だけど、信託化するとか、様々な形で方法論はあるんだろうというふうに思っているわけなんですね。
 そして、もう少し指摘をしてみますと、今回驚きました。私の概算ではもっともっと多いはずだと思ったら、例えば国立西洋美術館だとか国立大学、例えば芸大などが持っているものというのは独立法人化したときに全部持っていってしまったのでなくなってしまっているということなんですね。これは、急いで国立大学などが法人化したことによって、本来国の財産であったものが実は独立法人の持ち物になってしまっていて、国が手を出せない状況になっている。これは、やはり本来的に見て、今の運営にどうしても必要なものであれば別ですけれども、本来国有財産であったものは、例えば国立西洋美術館に貸出しをするとか、いろんな形でこの整理を実はやっていかなきゃいけないというふうに思っているんですけど、そこについてはいかがお考えでしょうか。
#221
○国務大臣(麻生太郎君) 当時の経緯をつまびらかにしているわけではありませんが、たしか国立大学を独立大学法人に変えていくというときは、いわゆる行政改革の一環としてやらせていただいたと記憶がありますけれども、そのときには大学によって格差がかなりございまして、そういった中において、とてもではないけど即大学として成り立たなくなるであろうと思われたものやら何やらにつきましていろいろ配慮したという記憶があるので、かなり時間がせっぱ詰まって、六月までにせにゃいかぬとか何か、えらい勢いで追いたぐられていたという時代が、たしかそういう状況だったと記憶しますので、かなりその間に関しましては整理が、今言われたような話をきちっと整理して、順序立ててやったのではないという記憶だけはあるんですけれども、ただ、今それをもう既に渡したものを返せというのは、ちょっとなかなか難しいかなという感じはいたします。
#222
○谷岡郁子君 国立美術館、国立西洋美術館にありますようなものは、明らかに国民の財産であって一法人の財産ではないはずだというふうに思いますので、そこは今後御検討を願いたいというふうに思います。
 また、国有地で景観のいいところは、例えば町の観光局に冬の間貸し出すことによって、クロスカントリーのコースを余分に造れる、一泊余分に観光客にいてもらえる。つまり、売却をしなくても今の国有財産を活用することによってその地域なんかが利益を上げることもできるというようなことがたくさんあると思うんですね。こういう国有財産の活用をもっと考えるべきだと思いますが、いかがお考えでしょうか。
#223
○国務大臣(麻生太郎君) クロスカントリーを例に引かれましたけれども、これ冬も、それから夏のクロスカントリー含めていろいろ国有地の中では使える部分もあろうかと思いますので、今の御提案というか御意見については検討させていただきます。
#224
○谷岡郁子君 別の問題に行きたいと思いますが、中小零細企業は経済産業省が政策をつくり、また雇用されている人々に対しては厚生労働省がそれをおやりになると。しかし、一人で独立してフリーランスで様々な委託でやっている人たちというのは、この間のデフレの中で一番影響を受けて、しわ寄せしやすいということでしわ寄せされたんですが、どこにも今見てもらっていないと思うんですが、どこが本当は管轄すべきなんでしょうか。
#225
○国務大臣(茂木敏充君) フリーランスの個人事業者、いろんな形で対応していかなけりゃいけないと思っております。
 経産省といたしましては、個人事業者も含みます下請の中小企業、そして小規模事業者に対して不当なしわ寄せが行かないように、下請代金支払遅延等防止法に基づきまして、発注書面をきちんと交付していないとか、また下請代金を減額する、こういった不当な取引についての調査を行っておりまして、年間約三千件の違反の摘発もいたしておりますし、また、フリーランスも含みます個人事業者の方が親事業者によりましての不当な取引等々でお困りになっている、そういうことに対する相談窓口、全国四十八か所の下請かけこみ寺におきまして、弁護士等も活用して無料の相談も行っております。
#226
○谷岡郁子君 つまり、経済産業省の管轄だということですか。
#227
○委員長(石井一君) それじゃ、田村厚労大臣。
#228
○国務大臣(田村憲久君) 今、多分、委託契約ですとか、また、どちらかというと請負みたいな形ですかね、そういう形の形態に対してのお話だと思うんですが、二十一年に調査をいたしました。調査をした結果というのは、やはり専門性でありますとか労働者性、かなり大きな違いがありまして、結構いろんな形態があるということ、それからもう一つは、専門性に応じてやはり収入の格差がかなりあるわけであります。
 それで、トラブルも結構ありますので、トラブルの窓口、これは例えばハローワークでありますとか、それからあと労働基準監督署、さらには法テラス等々、そういうところを周知徹底をさせていただきながら、さらに今、今もいろんな新しい形態がございまして、例えば情報処理技術等々でありますとか、あと、いろんな形態のものに対して今も調査を現在もやっております。
 ただ、これに関して申し上げれば、例えば命令、指揮命令等々がなされておるということであれば、これは、例えば今言ったような委託契約であったとしても、これは労働基準法上、労働者という定義になってまいりますので、そうなった場合に関しては最低賃金等々の労働基準関係法令が適用ということになりますので、労働基準監督署等々にそういう形態がある場合にはしっかりと対応するようにということを申しております。
#229
○谷岡郁子君 新しい分野を開拓する、そういう精神に富んでいる者ほど保護されていないという状況があり、例えば契約書一枚ないというような状況があります。そして、どうすれば救われるのかということをその人たち自身が全く知らないという構造があります。
 総理、やはりこういうクリエーティブな人たちが報われる社会のために安倍政権は全力を挙げていただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。
#230
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今、両大臣から答弁いたしましたように、それぞれの役所で対応はしておりますが、しかし、今委員の指摘もございました。更なる実態把握も含めまして、支援策の充実方策としてどのようなことが可能か、厚生労働省と経産省を中心に検討してまいりたいと思います。
#231
○谷岡郁子君 ありがとうございました。終わります。
#232
○委員長(石井一君) 以上で谷岡郁子さんの質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
#233
○委員長(石井一君) 次に、吉田忠智君の質疑を行います。吉田君。
#234
○吉田忠智君 社会民主党・護憲連合の吉田忠智でございます。
 本補正予算で公債を追加発行するために二十五年度の借換債の発行を抑制する必要が生じたことから、来年度予算では国債整理基金の埋蔵金七・二兆円を使って国債償還に充てることが予定をされています。
 大震災直後、我が党も含め、みんなの党や自民党も、国債整理基金の埋蔵金、正確には国債整理基金特別会計の定率繰入れ停止による十兆円の剰余金を復興財源として活用せよと主張しましたけれども、財務省、当時の野田佳彦財務大臣はこのように答弁されました。国債償還に疑念を生じさせる、財政規律が必要という理由で拒絶をいたしました。その結果、復興増税の方針が決まるまで復興は大幅に遅れることとなりました。
 財務大臣にお尋ねしますが、なぜ今は可能で当時はできなかったんですか、ああいう大変なときに。
#235
○国務大臣(麻生太郎君) 野田財務大臣の御答弁の内容について、その野田財務大臣のお考えについて私はつまびらかにしているわけではありませんが、国債整理基金の残高については、その使途と水準それぞれについて考えることが必要なんだと思っております。
 まず、基金残高の使途につきましては全額国債償還に充てるべきもの、そして、政府としては、復興財源など国債償還以外の目的のために国債整理基金残高を流用するとか、また定率繰入れを停止してその分を充てることは、国債に対する市場の信認というのを失うおそれがあることから適当ではないと申し上げてきておりまして、その考えは現在も変わっておりません。
 一方、基金残高の水準につきましてはオペレーショナルリスク、オペレーショナルリスクお分かりだと思いますので、などへの備えとして十兆円程度の残高をずっと維持してきておりました、御存じのとおりです。
 昨年三月までの国会の議論におきましては、国債発行金利と基金の運用益との逆ざやによって多額の国民負担を発生させているという御指摘があったと伺っております。二十五年度に国債の償還が御存じのように集中してまいりますので、これを踏まえて、残高を圧縮して国債の償還期限に充てるということを検討に入らさせていただきました。逆ざやとしては、平均金利が一・三%に対して国債整理基金の方は〇・一ですから、差額が一・二も出ますので、そういった意味では、多額の逆ざやがあるという御指摘に対しての対応です。
 このような御指摘から、検討を踏まえて、日本銀行と協議をさせていただいて、オペレーショナルリスクが仮に発生した場合には日銀から一時借入れさせてくれないかと、その分だけ、ということで対応をすることをいろいろのお話合いの中から可能となりましたので、基金残高十兆円を圧縮させていただいたということであります。
 これまでもオペレーショナルリスクが発生したときに二・九兆円、三兆円弱ぐらい出たことがありますので、十兆円を七兆減らして三兆を残したという形でこのような形にさせていただいたというので、基本的に一番大きな変化は、多分、日本銀行との間のオペレーショナルリスクにつきましての短期借入れができるということが可能になったという点が大きな違いだろうかと存じます。
#236
○吉田忠智君 今財務大臣が答弁をされた最後の国債整理基金残高の圧縮による借換え発行抑制ということで、お手元の資料の左下にまとめられております。確かに前の政権が判断をしたことでありますけれども、私は改めて財務省の姿勢を問うているわけであります。
 財務大臣が言われたように、日銀法三十四条の二号による非常時の一時借入れが可能になったからと言われているわけであります。緊急に財源が求められていた震災直後になぜこれができなかったのか。そして、再三議論になりました。このことができなかったことについては大変残念でなりませんし、そのことによって私はやっぱり復興に遅れが、今もって影響が出ている、そのように思っております。
 当時を思い出していただきたいんでありますが、ここにいる全員の皆さんが一人でも多くの被災者を一刻も早く救済すべく、与党、野党問わずアイデアを出し合っていたところだったんですね。国債償還に疑念とかあるいは財政規律などといって門前払いするのではなくて、日銀借入れもあるが、ルールが必要だと言われれば、知恵を出し合って、今回のように規則を定めて借り入れて復興に充てることもできたんですよ。
 財務当局の私は職務怠慢だと思います。あるいは、国民が一丸となって被災地に手を差し伸べていたときに、財務省だけ真剣さに欠けていたんではありませんか。財務省が被災者の命を救う財源を出し渋っておきながら、今になって、今回の大量の補正予算を組むために、まあ、ばらまきのためにと言ったら失礼かも分かりませんが、ばらまきのために財源を捻出するというのはやっぱり私は本末転倒だ、そのように思います。日本一の頭脳集団がいる財務省に、当時、今のような知恵が浮かばなかったと私はとても思えません。
 前回の対応は不適切だったと思いませんか。総理、いかがですか。
#237
○国務大臣(麻生太郎君) 日本一の頭脳集団と思ったことは一回もありません。それだけは申し上げておきます。
 日銀からの一時借入れというものは、これは従来から法令上は可能、もう御存じのとおりなんですが、ただ、当時、日銀においては、これを安易に行えば財政のファイナンスであるという誤解を招きかねぬというのが一番の多分、日本銀行側からの考え方だったと思っておりますし、慎重な姿勢で対処してきたんだと、そういう具合に理解をしております。
 時の、なかなか当時の政権、若しくは時の財務大臣と話が合わなかった、なかなかいろんなやり取りもできなかった、難しかったところもあろうかと思いますが、今回、それ以上言うとまた問題が起きますので。今般、日銀と協議した結果、財政ファイナンスということの誤解が受けないように、一時借入れの適用対象としてオペレーショナルリスクが実際に起こった場合に限りますよというのでどうですという話を我々の方から申し上げて、必要最小限の範囲ということで今度はやることになったということであって、今般の一時借入れが可能になったというのはそういう交渉の結果だと御理解いただければと存じます。
    ─────────────
#238
○委員長(石井一君) この際、御紹介いたします。
 本日、スペイン上院議長一行が参議院を訪問されまして、ただいま本委員会の傍聴にお見えになりました。
 御起立の上、拍手をもって歓迎の意を表したいと存じます。
   〔総員起立、拍手〕
#239
○委員長(石井一君) ハイ、ベンベニードス。
 どうぞ御着席ください。
    ─────────────
#240
○吉田忠智君 私はこの一連の経過をやっぱり看過できない、そのように思っています。
 当時、財務省内の誰もこういうことを、未曽有の大震災で、一刻も早くやっぱり補正予算、特に本格的な補正予算を復興に向けて組まなければならないときに、財源の議論をしている場合じゃなかったんです、あのときは。そういう状況を考えたときに、財務省のそういう判断が、そういう知恵が出てこなかったかも含めて適切であったかどうか、財務大臣、どう思われますか。
#241
○国務大臣(麻生太郎君) その当時、その中におりませんので、なかなか推量だけで物事を言うのは極めて危険だと思いますので、なかなか御答弁の仕方が難しいとは思いますけれども、これは日本銀行と財務省と両方で話し合ってやらないとこの話はできませんので、そういった意味では、財務省に一方的にとか財務大臣の何とかとかいう、一方的にそこだけに押し付けるのもいかがなものかと。まあ混乱状態ではあったと思いますので、動転しておられて知恵もなかなか出にくかったと、そういう状態かと思われたら、そういう具合に理解しておければいいんじゃないかなと思っております。
#242
○吉田忠智君 最後。財務省内におけるその当時の議論をきちんと検証して私は報告すべきだ、そのように思います。委員会への提出を求めます。委員長、お願いします。
#243
○委員長(石井一君) それじゃ、理事会で検討いたします。
 以上で吉田忠智君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
#244
○委員長(石井一君) 次に、中山恭子さんの質疑を行います。中山さん。
#245
○中山恭子君 日本維新の会、中山恭子でございます。
 安倍政権が早々に震災復興に取り組み、必要な公共事業を積極的に行い、デフレを脱却し、経済成長を目指そうとされているその姿勢を私は高く評価しております。
 今日は共同溝についてお伺いいたします。
 早速ですが、国交大臣、急速に進む社会インフラの老朽化についてどのようにお考えでしょうか。また、共同溝について、電柱共同溝との違いも含めて御説明ください。
#246
○国務大臣(太田昭宏君) 老朽化対策ということは、今回、特に大事であるということで予算組みをさせていただいておりまして、様々なことをやらさせていただいております。
 その中で、共同溝につきましては、東日本大震災におきましても、また阪神の大震災におきましても、地中にあるということで、これが非常に災害を免れているという状況にもあります。また、電線の共同溝ということについては、電線を地中化するということで、防災という観点、震災等が起きた場合に建物が倒れて電柱も倒れるということもありますから、地中化するということは極めて有効である上に、景観という点でも有効であると。
 共同溝の場合は、よく工事の掘り起こしが行われたりするということで、電気、通信、ガス、上下水道、そうしたことを一体的に入れるということで、ここのすぐ近くの日比谷の共同溝、非常に大きい立派なものがやっと完成に近づいているという状況でありますけれども、共に極めて防災上も景観上も、またその後のメンテナンスという点でも有効であると、このように思っております。
#247
○中山恭子君 お話にありましたように、今回、東日本大震災のときにも、仙台市に敷設されていました共同溝はほとんど被害がなかったと聞いております。
 共同溝の必要性につきましては古くから認識されておりまして、一九六三年には既に共同溝法が制定されています。五十年前のことでございます。しかし、安全で快適な町づくりに必要と言われながら、この共同溝の整備は遅々として進んでおりません。現在の整備状況についてお知らせください。
#248
○国務大臣(太田昭宏君) 現在、電線共同溝につきましては、国管理の国道では延長二千キロ、地方が管理する道路で延長約六千五百キロ、合計八千五百キロの整備が完了しているところでございます。東京から札幌が千キロということで、また東京から福岡だったら千キロということで、八千五百キロの整備が完了しているということであります。
 共同溝の方は、国管理の国道では延長四百六十キロ、地方が管理する道路で延長約九十キロ、合計は五百五十キロという状況にございます。
#249
○中山恭子君 国際的に見た場合はいかがでしょうか。主要な都市との比較をお知らせください。
#250
○国務大臣(太田昭宏君) 世界で見ますと、電線の地中化率につきまして申し上げますと、ロンドン、パリ、香港は一〇〇%、シンガポールは約八六%、ニューヨークは約八三%と、このようになっています。
 また、我が国における無電柱化率につきまして申し上げますと、市街化区域等の国道、都道府県道に限定しましても、最も整備されている東京二十三区で四一%、全国平均では約一五%ということにとどまっているという現状にございます。
#251
○中山恭子君 日本の中でこの共同溝、それから無電柱化の動きというのは、非常に他の先進国に比べて遅れているとはっきりと数字でも表れております。
 この共同溝、どのようなものかといいますと、お手元にペーパーをお渡ししております。お話にもありましたように、安全で、修理の場合でも土を掘り返すというような、道路の掘り返しというのもなくなるわけでございます。
 財務大臣にお伺いいたします。
 防災・減災、都市景観、どの観点から見ても共同溝の整備は極めて重要であると考えております。全国の長期的な計画を立てて、ちゅうちょをせずに進めるべきと考えますが、いかがでしょうか。二〇〇八年十二月、中央防災会議の報告書の中にも「共同溝や電線共同溝整備を推進する。」と書かれています。この中央防災会議の会長は麻生総理大臣でございました。いかがお考えか、お聞かせください。
#252
○国務大臣(麻生太郎君) 電柱の地下埋設が一番一般に見やすいところだと存じますが、この電柱の地下埋設は景観も同時に変えます。いろいろなところでこれは実験がなされていると思いますが、小さな通りでも三百メーターぐらいのところの距離を電柱を地下埋設して、それに建っております、面しておりますいわゆるお店屋さん等々が景観に合わなくなったとして、そのビルを建て替えたり何かするのにほぼ二年で米屋さんに至るまで全部建て替わったという例がございまして、そういった意味では、この地下埋設というのは非常に大きな効果を、そのときに民間の簡単に言えば設備投資が動きますので、そういった意味では大きなものを招く、経済効果も大きいと存じます。
 また、交通の面からいきましても、どう考えても、電柱が入っていれば道路、歩道と車道との間に分離帯が造れることにもなりますし、また嵐等々で倒れてくる確率というのはほぼゼロになりますので、その意味では、今日、光ファイバーを含めましてガス、水道、電気、いろいろございますので、そういったものをまとめて共同溝でかなり、セメントと違ってもっとレジン使った強いものもいっぱいございますので、そういったものを使うと今言われたようなものが、更に国として安心してできるインフラが長期にわたって保全できるという点もあろうかと思いますので、この点につきましては、仙台は一つの例と言われましたけれども、確かに仙台はそういった意味ではいろんな意味で考えてしかるべきところだと存じます。
#253
○中山恭子君 是非、御検討いただきたいと思います。
 総理にお尋ねいたしますが、東日本大震災の被災地においては全てが無に失われてしまっております。基礎から社会インフラを整備する必要がありますので、この地域に関しては一気に共同溝を整備して、美しい町、地域の復興を図ってはいかがかと考えております。
 また、全国に向けて長期計画を立て、最先端技術を駆使した安全で美しい日本の創造を成し遂げていただきたいと考えておりますが、総理の御所見をお伺いいたします。
#254
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 中山委員御指摘のように、共同溝は防災という観点からも有意義であったわけでありますし、また美しい景観をつくり出していくためにも効果があるわけでございますので、そうした被災地の復興において、こうした共同溝も含めてよく検討していくべきだろうと、このように思います。
#255
○中山恭子君 いろいろ民間企業との共同工事ですとか、種々問題もあろうかと思いますけれども、震災、地震に対して何となく不安を抱えている他の国の方々を日本に招く場合にあっても、やはり日本が安全で美しい町であるという国にしていくために是非御検討いただきたいと思っております。
 終わります。
#256
○委員長(石井一君) 以上で中山恭子さんの質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
#257
○委員長(石井一君) 次に、荒井広幸君の質疑を行います。荒井君。
#258
○荒井広幸君 端的にお尋ねをいたします。質問主意書でも出しておりますので、駄弁は弄しません。
 国民監査請求制度、この制度は議員立法でみんなの党さん、小野先生が代表者で出しました。廃案になっておりますが、この法案の内容についての政府の見解をお聞きします。
#259
○委員長(石井一君) どなたですか。
#260
○荒井広幸君 官房長官。
#261
○国務大臣(菅義偉君) 本件につきましては、去る二月十四日にいただいた質問主意書の答弁をさせていただいておりますけれども、この内容で、お尋ねの法律案については、議員立法として提案されたものであり、お答えすることは差し控えたいと。その上で、お尋ねの国民監査請求制度の創設については、憲法が、予算についての国会議決及び決算の国会に対する提出を定め、国の財政に関して国会による統制を徹底させる立場を取っていること、また、会計検査院は憲法上の独立機関であり、検査活動に関する自律性が確保されるべきことなどから、慎重な検討を要するものである、こういう実は閣議決定をさせていただきました。
 そういう中で、やはり会計検査院が国民の皆さんの様々な指摘にも耳を傾けながら検査を行っていく、こういうことを、現在もやっていると思いますけれども、これは大事なことだろうと思います。
#262
○荒井広幸君 これは、自民党時代、そして民主党時代にも提案をしましたが、受け入れていただけない。その根拠は、今官房長官が言ったところなんですね。
 しかし、アベノミクスでも機動的な財政出動をする、そしてまた増税もこれから考えられる。そのとき、自分の税金が、政策判断ではありません、無駄に使われていないか、不適切に使われていないか、それを国民にチェックをしてもらうというチェックと、同時に、おかしいなと思ったら会計検査院に代わって調べてもらう。この財政民主主義を取り入れて国民参加を、インターネットでも安倍総理は言っておられるんですから、国民の目を入れていく、ここに一歩進んでいただきたいんですが、麻生財務大臣、いかがでございますか。
#263
○国務大臣(麻生太郎君) 公金を違法に支出させるという点が一番問題点になるんだと思いますが、これは予算の執行を適正に行っていく上において極めて重要なことだと、我々もそう思っています。このために、国民の皆様が、不適切ないわゆる支出だったんではないか、予算執行などというものの事例に適していないんじゃないかというような情報を提供していただく、こちらの方がいただくというのは大変有用であろうと思いますし、現に会計検査院におきましても、国民の皆様から寄せられた意見というものを情報として会計検査の参考にしていると私どもも聞いております。
 ただ、御指摘のように、国民からの請求によって会計検査院に対して検査実施を義務付ける制度を導入すると、そう書いてあるんですけれども、会計検査院が憲法上のこれ独立機関でありますので、検査活動に関する自律性が確保されるべきではないかという関係が一つあるなと考えております。
 また、御指摘のように、国民の訴えに基づいて裁判所が国の支出の差止めなどについて判断する制度を導入することということにつきましても御指摘があっておりますが、これは御存じのように、憲法におきまして国の財政については国会が統制することとされておりますし、また支出の適法性などは会計検査院が確認するという仕組みになっておりますので、この関係をどうするかという点がまた新たに考えられると思っております。
 御存じのように、今申し上げましたように、こういったことを考えますと、御指摘がありましたような制度を導入される際には、会計検査院とそれから裁判所の役割といった点につきましてはもう一つ大きな論点が残されているような、必要があろうと思いますので、こういうのは会計検査院それから法務省とともにかなり慎重に検討を重ねる必要があるのではないかという感じがいたします。
#264
○荒井広幸君 論点は多数ありますが、国民の税金を国民がチェックする権利、この抑止力にもなりますし、納得すれば、例えば給付と負担の場合でも、国民の皆さん、負担を納得していただけるんじゃないでしょうか、給付抑制を我慢していただけるんじゃないでしょうか。
 野党でこの法案について御賛同いただけるかどうか協議に入っておりますので、自民党さん、公明党さんとも相談をしながら議員立法を考えてまいりたいと思います。
 続いて、中山委員からもありましたが、震災についてでございます。
 委員の先生方、大臣にもお配りしました。ちょっと分厚い資料でございます。
 残念ながら、前の政権、民主党政権では取り入れていただけなかったんですが、安全・安心ポイントというのを作って、耐震や防災対策の意識付けを個人個人の皆さんに付けてもらうし、必要なグッズをそろえていこうという考え方です。これは、麻生内閣のときにいわゆるエコポイントを導入されました。そういう発想と同じなんです。
 ページでいいますと十七ページを御覧いただきたいんですが、私の持ち時間ありませんのでもう本当に簡単に申しますと、例えば消火器を買ったらその一割ぐらいをお金がエコポイントと同じように災害のものに関連して使えると。結局、消火器を買ったら、今度はホイッスルを買ったり、そういうふうな安全、安心の防災対策に換えていける、そうやって備えができてくると。こういう考え方なんですが、この安全・安心ポイントと同時に、国が震災対策に対して地震保険をつくっていくということも、これも重要じゃないかな、こういうようなことを考えています。
 あわせて、ざくっとした話で今日は恐縮でございますが、次回また総理始め皆様にお尋ねしますので、この安全・安心ポイントを使った耐震対応緊急促進特例制度、こういったものについてのお考えを甘利大臣、太田国交大臣、古屋防災担当大臣にお尋ねします。
#265
○国務大臣(甘利明君) 耐震化を支援する仕組みは国交省その他にありまして、そこに更に補助金が出るような仕組みも工夫をされているようであります。その民間の自助努力を進めていく方法に対してどういう方法が一番いいのか、検討をさせていただきたいと思います。
#266
○国務大臣(太田昭宏君) 学校の耐震化、公共施設の耐震化、各建造物の耐震化というのは極めて重要だというふうに思っておりまして、この補正予算におきましては耐震診断、そして耐震改修と。改修につきましては、今まで二三%補助をするということで、例えば百万円から二百万円ぐらい通常の建物では改修に掛かるんですが、二三%というか、二十三万円補助がされるということだったんですが、これを今回の補正予算で三十万円上げまして、五十三万円まで得られるというところまでやりました。
 ただ、荒井先生おっしゃるように、もっと広範に耐震化意識を高めて、インセンティブを高めるということからいって、極めて私は参考になる、大事な御提言をいただいたというふうに思っております。この辺も含めて検討させていただきます。
#267
○国務大臣(古屋圭司君) 荒井委員が以前から安心・安全ポイントを主張される、よく承知しております。
 防災対策はまず、自助、共助、公助、それをバランスよく取るということがすごく大切だと思いますね。その一環としての御提言だと思っていますけれども、やっぱり防災対策これから進めていくためには、やはり国民生活をしっかり安心、安全にする、そして、なおかつ、そういう対策を講じることによってふだんからも安定した成長をしていくという視点が必要だと思いますので、委員からの提案は、関係省庁多くありますので、そういった省庁とも連携をして、しっかり検討はしていきたいなというふうに思います。
#268
○荒井広幸君 総理、お聞きいただきたいんですが、十八ページ、これがいわゆるエコポイントと同じなんです。補助金を同じく出すならば、それで安く買うよりも補助金分を上乗せしてやった方が、実は甘利大臣、エコポイントのときで分かっているんですが、補助金の使い方で、上乗せしてやった方が、引き算で値段が安くなるというやり方じゃなくて、お金がエコマネーとして回るんです。
 そのいわゆるPPP、官民連携の力を使った方がはるかに経済対策になりますし、同時に、備えよ常に、これは大正十二年、両国に今、震災記念館、関東大震災の震災記念館と、そして慰霊堂があります。あのときに備えよ常にという言葉を言ったんです。今、いつ地震が来るか分からない、このときに、国民意識を高めて、いわゆる自助を促し、共助で支援し、公助で助け合っていく。そのためには、是非とも、安保という言葉がありますが、地震の安保、総理、是非地震の安保、災害の安保、安全保障の安保、同じく重要ですから、しっかり受け止めていただきたいと思います。
 次回に質問をいたします。
#269
○委員長(石井一君) 以上で荒井広幸君の質疑は終了いたしました。(拍手)
 これにて質疑通告者の発言は全て終了いたしました。
 質疑者及び委員の皆さんの御協力によりまして、申合せ時間より三十分短縮いたしております。委員長として感謝いたします。
 以上をもちまして、平成二十四年度補正予算三案に対する質疑は終局したものと認めます。
    ─────────────
#270
○委員長(石井一君) 平成二十四年度一般会計補正予算(第1号)及び平成二十四年度特別会計補正予算(特第1号)の修正について櫻井充君から発言を求められておりますので、この際、これを許します。櫻井充君。
#271
○櫻井充君 私は、民主党・新緑風会、みんなの党、生活の党、社会民主党・護憲連合を代表して、ただいま議題となりました平成二十四年度一般会計補正予算及び平成二十四年度特別会計補正予算に対する修正の動議を提出いたします。
 私たち野党四党は、現下の経済状況に鑑みて、補正予算の必要性については理解しております。しかし、安倍内閣の提出した補正予算は、最初に額ありきで旧来型の公共事業を大盤振る舞いし、財政規律を無視するだけではなく、被災地の復興や真の経済再生につながるのか極めて疑念の強い予算を提出してまいりました。このような予算を、真に復興の加速につながり、将来世代へのツケをできるだけ抑え、そして真の成長を実現するものに改めるため、野党四党が一致して修正案を提出することといたしました。
 以下、修正案の内容とその趣旨を御説明いたします。
 本補正予算の最大の問題は、初めに規模ありきで来年度予算に計上すべきものを前倒しし、およそ執行不可能な公共事業を盛り込んでいることです。これは補正予算の原則である年度内執行に反するものであり、財政法二十九条の趣旨からして疑問です。更に問題なのは、全国、巨額の公共事業をばらまくことで人手不足や資材の高騰が加速し、被災地の復興が遅れかねないことです。政府も、本補正予算の事業の精査が不十分であったこと、巨額の公共事業の年度内執行が困難なこと、そして被災地復興に影響を与えないことは国会で認めております。私たちは、まさにその点の修正を提案しております。
 具体的には、防災や暮らしの安心に結び付く公共事業を除き、旧来型で将来の成長に結び付くか疑念の強い事業や年度内執行が不可能である交付金事業及び官庁営繕など合計で二・一兆円の公共事業を減額するとともに、これに見合った建設国債の発行の減額を行っております。また、一般会計で新設、積み増しされる基金は、いずれも基金の事業年度を平成二十五年度までとしており、今年度の僅かな残り期間を考えれば、単に次年度に繰り越すため基金を創設しているにすぎません。財政の原則に従えば、これは平成二十五年度当初予算に計上することが適当であることから、必要なものは来年度予算に計上することとし、補正予算における基金の支出は約一・一兆円を削減した上で、この節約した財源によって、民間の活力を利用し経済を活性化するために、企業の設備投資促進、科学振興費の拡充、農地集約などの経費に充てることとしております。
 次に、復興の加速を実現する修正であります。
 補正予算にかかわる政府の資料には、堂々と東日本大震災からの復興加速を記載しております。しかし、その実態は、復興関連予算として一・六兆円を計上するものの、実際には被災地に行くお金は僅か三千億円にとどまり、残りの一・三兆円は復興債の償還財源に充てられております。被災地で事業を行わず復興の加速とは、全く理解ができません。投入できる予算を最大限投入して、一刻でも早く復興を成し遂げることが国会の責務であると考えております。
 そこで、修正案では、一・三兆円のうち、財政法等の規定に基づく償還である一兆円はそのまま償還に充て、残る〇・三兆円については、真に被災地が自由に使い道を決められる被災地特別地方交付金を創設することを提案しております。被災地のニーズは多様であり、被災地の判断で自由に使える被災地特別地方交付金の創設により復興は飛躍的に加速するものと考えております。
 最後は、国債整理基金積立金の活用による年金特例公債発行の取りやめです。
 安倍内閣は来年度予算において国債整理基金の活用に踏み込みました。この判断を踏まえ、国債整理基金の残高を活用すれば、年金財源を確保するための国債の発行を抑制することができます。自民党、公明党からも国債整理基金を活用して国債残高を圧縮することで利払いを減らすべきだという主張が国会でございました。今回の新規国債の発行を抑制するとの修正案は、まさにこの自公両党の御主張に沿ったものであり、御理解をいただけるものと考えております。
 以上が、野党四党共同の修正案の趣旨とその内容でございます。
 何とぞ、議員各位の御理解を賜り、本修正案に御賛同いただけるようお願い申し上げ、私の提案理由説明といたします。
#272
○委員長(石井一君) それでは、これより平成二十四年度補正予算三案並びに櫻井充君外四名提出の両修正案に対する討論に入ります。
 討論の通告がありますので、これを許します。なお、発言者は賛否を明らかにしてお述べ願いたいと存じます。牧山ひろえさん。
#273
○牧山ひろえ君 民主党・新緑風会の牧山ひろえです。
 ただいま議題となりました平成二十四年度一般会計補正予算三案に反対の立場から、また、民主党、みんなの党、生活の党、社会民主党による共同修正案に対しては賛成の立場から討論いたします。
 安倍政権が発足以来ひた走る公共事業の大盤振る舞い、安易な国債増発による将来世代への負担先送りを、チルドレンファーストを掲げる民主党としては断固として許すわけにはいきません。
 以下、詳細に理由を御説明いたします。
 私たちが補正予算案に反対する最大の理由は、総額五兆円を超える巨額の公共事業費を計上しながら、平成二十五年度当初予算の規模を縮小し、その上で国債発行額を抑えたと偽装した点であります。
 民主党は、基礎的財政収支赤字の対GDP比を二〇一五年度までに二〇一〇年度の水準から半減し、二〇二〇年度までに黒字化するとの財政健全化の目標を達成するために、国債発行額を毎年度四十四兆円以下とする財政フレームを堅持することに努力しました。そのため、行政改革や既存の予算の振替によって財源を捻出するようにしたわけです。ところが、安倍政権では、口先だけで財政規律を守ると主張し、とても本気で財政規律を守る努力をしてこられたようには見えません。
 更に問題なのは、公共事業を中心にばらまきが目に余るからであります。
 補正予算には、社会資本整備交付金、防災・安全社会資本整備交付金、農山漁村地域整備交付金という名の三つの公共事業関連の補助金が含まれております。例えば、農山漁村地域整備交付金は、農地整備、農業用水路、排水施設整備など、農業土木の公共事業として地方に配る予算ですが、民主党政権のときには九十六億円だったのが、今回の補正予算では実に十七倍に当たる千六百五十億円にまで膨脹しました。目的も、当初は食料自給率の向上だったのが、防災・減災対策に変わりました。まさに公共事業の大盤振る舞いなのであります。
 このほか、新たに地域の元気臨時交付金一兆四千億円も補正予算に含まれています。これは、聞こえはいいのですが、補助事業の地方負担分の八割から九割を肩代わりするもので、使い切れない場合は基金として積み残す仕組みとしました。三つの交付金と合わせて、いずれもばらまき補助金にほかなりません。
 地域主権の改革のために創設した地域主権戦略交付金、すなわち一括交付金をあっさりと廃止してしまい、従来のひも付き補助金を復活させました。地方分権の象徴として地方自治体が自らの判断で自由に使える一括補助金を創設したのに、それをやめ、国、つまり各省庁が使い道を決めるひも付き補助金に戻したことは、中央集権の政治、利益誘導型の政治をよみがえらせる狙いがかいま見えます。
 また、被災地の復興のため、被災者の定住促進や雇用基盤の再生、命と暮らしを守るインフラ再構築を始めとする減災・防災対策が取られましたが、肝心の住宅再建資金の増額や半壊以上への対象拡大などは見送られました。
 私たちは、こうした補正予算案の問題点を修正するため、不要不急の公共事業を見直し、一兆二千十七億円、元気臨時交付金六千九百四十二億円削減、それに伴い不要となる建設公債二兆千二百九億円の発行をカットする内容の修正案を提出しました。
 問題が山積している政府提出の補正予算案には反対し、スリム化した共同修正案に賛成することを表明して、私の討論を終わります。(拍手)
#274
○委員長(石井一君) 次に、谷合正明君。
#275
○谷合正明君 私は、自由民主党、公明党を代表して、ただいま議題となりました平成二十四年度補正予算三案に対して、原案賛成、修正案反対の立場から討論をさせていただきます。
 原案に賛成する第一の理由は、景気への即効性が高く、経済効果が高い施策が数多く盛り込まれている点です。
 本案は、平成二十五年度予算と合わせ十五か月予算と位置付けられ、二十五年度予算成立までの間、景気回復に向けた動きを下支えするものです。経済効果が早く発現するよう、公共事業等に係る入札公告の前倒しや手続の簡素化などにより、早期の予算執行が図られております。
 補正予算に盛り込まれた緊急経済対策により、財政支出は十・三兆円、事業規模二十・二兆円となり、これは実質GDPをおおむね二%押し上げ、雇用を六十万人創出する効果が見込まれるなど、低迷してきた我が国経済を一気に回復基調へと転換するものと確信いたします。
 第二の理由は、東日本大震災の復旧復興に資する施策が重点的に措置されているためです。
 津波被災地域の住宅定着促進、学校の耐震化、道路や港湾の整備、被災した失業者の雇用や避難解除区域への帰還支援、放射性物質による汚染への対応など、被災地の復興と福島の再生を加速するものと考えます。
 第三には、国民の生命と財産を守る社会インフラ整備へ重点的な措置がされている点です。
 中央自動車道の笹子トンネルの天井板が崩落し、多くの命が失われる痛ましい事故がありました。こうした惨事が繰り返されぬよう、老朽化が進む道路、トンネル、橋などのインフラを早急に点検し、緊急に補修することが急務となっております。
 本案は、老朽化対策、事前防災・減災対策を含む命と暮らしを守るインフラ再構築対策費として一・二兆円を措置していることに加え、公共事業の追加によって地方の負担が過重とならないよう、地方負担額の八割に相当する一・四兆円を地域の元気臨時交付金として措置している点についても、地方の資金調達に配慮した適切な対応と評価できるものです。
 第四の理由は、民間投資を拡大し、成長力を強化する施策が多く盛り込まれている点です。
 iPS細胞等を用いた再生医療研究の加速等に二百四十億円が措置されているほか、住宅の省エネ改修及び次世代自動車の普及等に一千三百億円が措置されるなど、設備投資や研究開発を促すための経費が計上されており、これらの措置は、新たな雇用を生み出し、経済成長を加速させていくことが大いに期待されるものであります。
 最後に、修正案反対の理由を申し述べます。
 修正案では、地域活性化に資する公共事業費が削減をされております。公共交通の活性化やコンパクトシティーの推進にも活用される社会資本整備総合交付金が全額削減されているなど、地域活性化と逆方向の内容となっております。到底賛同できるものではありません。
 以上、本補正予算に原案賛成、修正案反対の主な理由を述べました。本補正予算成立後速やかな執行を政府に求め、私の討論を終わります。(拍手)
#276
○委員長(石井一君) 中西健治君。
#277
○中西健治君 みんなの党の中西健治です。
 私は、みんなの党を代表して、政府提出の平成二十四年度一般会計補正予算及び平成二十四年度特別会計補正予算に対して反対の立場から、また、みんなの党及び民主党・新緑風会、生活の党、社会民主党・護憲連合の野党四党が共同で提出した修正案に賛成の立場から討論を行います。
 みんなの党は、現下の経済状況に鑑みれば、補正予算の必要性そのものについては異論はありません。しかしながら、安倍内閣の提出した補正予算は、復興の加速と言いながら、東日本大震災の被災地へ回すお金は僅か三千億円にとどめ、全国に巨額の公共事業をばらまく結果、人手不足や資材の高騰が加速し、被災地の復興が遅れかねないという本末転倒の内容となっています。加えて、防災対策の中にも官庁修繕等不要不急のものもしっかりと積み上げられていたり、到底年度内には執行できないようなものまで含まれているのが実情であります。
 また、肝心の経済対策についても、公共事業のほかは官民ファンドや基金の創設等、官主導の経済対策中心の予算となっており、民間活力を活用する民間主導の経済対策とは程遠い内容となっています。今行うべきは、官が成長分野を特定するのではなく、民間が自主的に設備投資を増やしたり、新たな成長産業に参入していくための税制改正や規制改革であります。
 一方、財源を見てみても、安倍内閣は来年度本予算において国債整理基金の活用に踏み込みました。これまでみんなの党がずっと主張してきたことであり、このことは評価いたしますが、それであれば、この判断を踏まえ、国債整理基金の残高を活用すれば年金財源を確保するための国債の発行を抑制することができるのに、それを行っておりません。
 復興の加速につながり、将来世代へのツケをできるだけ抑え、そして真の成長を実現するものに改めるため、野党四党で修正案を提出したものであり、政府提出の補正予算関連三案には反対であると申し上げ、私の討論といたします。(拍手)
#278
○委員長(石井一君) 次に、谷岡郁子さん。
#279
○谷岡郁子君 みどりの風を代表し、原案賛成の立場から討論いたします。
 今回の予算に多くの問題、懸念があります。財政法に規定された補正予算の在り方から大きく逸脱していること、本来当初予算にすべきものが慣行化して入り込んでいること、盛り込まれている事業の内容がマンネリ化し、新規のアイデアに乏しいことなどです。
 また、その一方で、子ども・被災者支援法等、今年度成立し、本来対応すべきであった予算が付けられていないこと、こういう点につきまして、我が党として質疑中に提起をいたしました。これらの問題を、総理は政府として問題の所在を認めていただきました。また、今後是正していくことを約束していただきました。予備費等、可能な財源を使って対応することもおっしゃっていただきました。
 みどりの風は、総理就任から時間がなかったこと、そして今の問題のありようを素直に認められた総理に敬意を表して、時間の余裕を差し上げるため、また、長引く不況に対して切に突破口を開くための予算成立を一刻も早く願う国民のために、原案に賛成するものであります。(拍手)
#280
○委員長(石井一君) 森ゆうこさん。
#281
○森ゆうこ君 生活の党の森ゆうこでございます。
 私は、平成二十四年度補正予算案の修正案に賛成し、政府案に反対する立場で討論をいたします。
 その主な理由は、共同提案をいたしました修正案提案理由説明のとおりでございます。
 財源には新たな巨額な借金が含まれております。無駄遣いを徹底的に排除し、効果的に財源を活用し、地域の自主性を高めて経済、雇用を再生し、真に国民の生活を向上させるという視点が完全に欠落をしております。シロアリの巣窟である独立行政法人の整理統合計画を凍結したことがそれを物語っております。
 十三兆円を超える補正予算を組みながら、全党全会派が賛成して成立した議員立法である原発事故子ども・被災者支援法に基づく自主避難者を支援する予算が盛り込まれなかったことは誠に遺憾であります。安倍政権が国民生活の現実に目を向けていないことを象徴していると言わざるを得ません。
 まだまだ反対の理由、そして修正案に賛成の理由、述べることはできますけれども、一分しか時間がありませんので、ここにとどめさせていただきます。
 国民の生活を第一に考えた修正案に何とぞ御賛同いただきますようお願いを申し上げて、討論を終わります。(拍手)
#282
○委員長(石井一君) 中山恭子さん。
#283
○中山恭子君 日本維新の会、中山恭子です。
 私は、ただいま議題となりました平成二十四年度補正予算案三案に対し、賛成の立場から討論を行います。
 復興、防災や強い経済を取り戻すための第一歩として、本補正予算案の必要性は十分認められるところでございます。ただし、一点指摘いたします。
 政府は本年度予算と合わせ十五か月予算としていますが、実質的には十三か月予算であり、事務手続を考慮すると、地方公共団体が中心の補助事業などは一割程度しか執行できそうにありません。そのほとんどが来年度への繰越しとなります。そのため、本委員会の場で我が党の片山虎之助委員が地方公共団体の予算執行における手続の大幅な簡素化を要請し、麻生財務大臣から改善の約束を得ました。日本維新の会はその徹底が非常に重要であると考えます。
 補正予算のポイントはタイミングでありますので、速やかな執行を要請して、私の賛成討論といたします。(拍手)
#284
○委員長(石井一君) 田村智子さん。
#285
○田村智子君 日本共産党を代表し、二〇一二年度補正予算三案に反対の討論を行います。
 我が党は衆参の予算審議を通じ、賃金引上げ、安定した雇用、社会保障の拡充こそデフレ不況から脱却し、経済財政を再建させる道であることを示してきました。
 ところが、本補正予算は、緊急経済対策として大企業支援と国債増発による大型公共事業の大盤振る舞いという旧来の景気回復に効果の乏しいやり方を復活させました。その上、消費税増税を基礎年金国庫負担二・五兆円の償還財源としています。
 震災関連では、住宅再建支援金の対象拡大、中小企業グループ補助金の大幅拡充、医療、介護の減免措置の再開など、被災者の皆さんが切実に求める施策に背を向けたままです。
 また、PAC3ミサイルの取得など自衛隊の体制強化を盛り込んだ軍事費は補正予算では過去最大であり、周辺諸国との軍事的緊張を高め、東アジアの平和の構築に逆行すると言わなければなりません。
 民主党など提出の修正案も、こうした自衛隊の体制強化等、軍事費に手を付けないなど賛成できないことを申し上げ、反対討論を終わります。(拍手)
#286
○委員長(石井一君) 荒井広幸君。
#287
○荒井広幸君 景気回復の好機がつくられつつあります。今、三本の矢を折ってはなりません。舛添代表とともに従来からインフレターゲットを主張してきた私どもとして、アベノミクスを支持します。この政策が早期に賃金の上昇など生活に結び付くように、工夫を共にしてまいりたいと存じます。
 この本予算には、復興に資する施策が措置されている、景気に配慮した施策が盛り込まれている、社会を支えるインフラを整備する施策が重点的に措置されている、この三点をもって本補正予算に賛成いたします。
 修正案については、見解を異にする部分もあり、反対いたします。
 今後とも、政府には、日銀法の改正を含めた大胆な金融緩和に取り組むとともに、まだまだ道半ばの被害者支援、被災地復興に全力を挙げることを要請します。(拍手)
#288
○委員長(石井一君) 吉田忠智君。
#289
○吉田忠智君 社会民主党・護憲連合の吉田忠智でございます。
 私は、社会民主党・護憲連合を代表して、民主党・新緑風会、みんなの党、生活の党、社会民主党・護憲連合提出の修正案に賛成、政府原案に反対の討論を行います。
 野党四会派提出の修正案は、水膨れした公共事業費を縮減するとともに、将来の消費税増税を財源としている年金特例公債の発行を取りやめています。
 一方、公共事業費増額中心の政府案は、財政規律の問題、実際に消化し切れないこと、被災地の復興への悪影響等の問題があります。また、自衛隊の装備強化やソマリア沖の海賊対処行動、ITER関連経費や心のノートの活用など、必要性や緊急性について問題が多いものが盛り込まれています。
 デフレ脱却には、賃上げや安定雇用の増大、消費税増税撤回による個人消費の拡大こそ有効だということを訴え、討論を終わります。(拍手)
#290
○委員長(石井一君) 以上で討論通告者の発言は全て終了いたしました。討論は終局したものと認めます。
 それでは、これより採決に入ります。
 まず、櫻井充君外四名提出の平成二十四年度一般会計補正予算(第1号)に対する修正案の採決を行います。
 本修正案に賛成の方の起立を願います。
   〔賛成者起立〕
#291
○委員長(石井一君) 少数と認めます。よって、櫻井充君外四名提出の平成二十四年度一般会計補正予算(第1号)に対する修正案は否決されました。
 次に、櫻井充君外四名提出の平成二十四年度特別会計補正予算(特第1号)に対する修正案の採決を行います。
 本修正案に賛成の方の起立を願います。
   〔賛成者起立〕
#292
○委員長(石井一君) 少数と認めます。よって、櫻井充君外四名提出の平成二十四年度特別会計補正予算(特第1号)に対する修正案は否決されました。
 次に、平成二十四年度一般会計補正予算(第1号)、平成二十四年度特別会計補正予算(特第1号)、平成二十四年度政府関係機関補正予算(機第1号)、以上三案全部を一括して採決いたします。
 三案に賛成の方の起立を願います。
   〔賛成者起立〕
#293
○委員長(石井一君) 多数と認めます。よって、平成二十四年度補正予算三案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。(拍手)
 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#294
○委員長(石井一君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 次回は明二十七日午後一時から開会することとし、本日はこれにて散会いたします。
   午後零時五分散会
ソース: 国立国会図書館
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