くにさくロゴ
2013/04/22 第183回国会 参議院 参議院会議録情報 第183回国会 予算委員会 第9号
姉妹サイト
 
2013/04/22 第183回国会 参議院

参議院会議録情報 第183回国会 予算委員会 第9号

#1
第183回国会 予算委員会 第9号
平成二十五年四月二十二日(月曜日)
   午前九時開会
    ─────────────
   委員の異動
 三月二十九日
    辞任         補欠選任
     高階恵美子君     西田 昌司君
     中西 健治君     小野 次郎君
     井上 哲士君     大門実紀史君
     山内 徳信君     福島みずほ君
 四月一日
    辞任         補欠選任
     山田 太郎君     中西 健治君
 四月十六日
    辞任         補欠選任
     吉田 博美君     藤川 政人君
 四月十九日
    辞任         補欠選任
     大久保潔重君     石橋 通宏君
     加賀谷 健君     林 久美子君
     徳永 エリ君     一川 保夫君
     谷川 秀善君     山東 昭子君
     山田 俊男君     丸山 和也君
 四月二十二日
    辞任         補欠選任
     宇都 隆史君     牧野たかお君
     中西 健治君     米長 晴信君
     平山 幸司君     主濱  了君
     福島みずほ君     又市 征治君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         石井  一君
    理 事
                小川 敏夫君
                小林 正夫君
                白  眞勲君
                松浦 大悟君
                青木 一彦君
               北川イッセイ君
                山崎  力君
                谷合 正明君
                小野 次郎君
    委 員
                石橋 通宏君
                一川 保夫君
                大河原雅子君
                川上 義博君
                小西 洋之君
                田中 直紀君
                高橋 千秋君
                津田弥太郎君
                林 久美子君
                藤末 健三君
                牧山ひろえ君
                赤石 清美君
                岩井 茂樹君
                宇都 隆史君
                岡田  広君
                岸  宏一君
                山東 昭子君
                末松 信介君
                中川 雅治君
                西田 昌司君
                野上浩太郎君
                藤川 政人君
                牧野たかお君
                丸山 和也君
               三原じゅん子君
                草川 昭三君
                横山 信一君
                渡辺 孝男君
                中西 健治君
                米長 晴信君
                主濱  了君
                平山 幸司君
                森 ゆうこ君
                大門実紀史君
                谷岡 郁子君
                又市 征治君
                片山虎之助君
                荒井 広幸君
   国務大臣
       内閣総理大臣   安倍 晋三君
       財務大臣
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(金融)
       )        麻生 太郎君
       総務大臣
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(地方分
       権改革))    新藤 義孝君
       法務大臣     谷垣 禎一君
       外務大臣     岸田 文雄君
       文部科学大臣   下村 博文君
       厚生労働大臣   田村 憲久君
       農林水産大臣   林  芳正君
       経済産業大臣
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(原子力
       損害賠償支援機
       構))      茂木 敏充君
       国土交通大臣   太田 昭宏君
       環境大臣
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(原子力
       防災))     石原 伸晃君
       防衛大臣     小野寺五典君
       国務大臣
       (内閣官房長官) 菅  義偉君
       国務大臣
       (復興大臣)   根本  匠君
       国務大臣
       (国家公安委員
       会委員長)
       (内閣府特命担
       当大臣(防災)
       )        古屋 圭司君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(沖縄及
       び北方対策、科
       学技術政策、宇
       宙政策))    山本 一太君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(消費者
       及び食品安全、
       少子化対策、男
       女共同参画))  森 まさこ君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(経済財
       政政策))    甘利  明君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(規制改
       革))      稲田 朋美君
   副大臣
       財務副大臣    小渕 優子君
       文部科学副大臣  谷川 弥一君
   大臣政務官
       内閣府大臣政務
       官
       復興大臣政務官  島尻安伊子君
       厚生労働大臣政
       務官       丸川 珠代君
   政府特別補佐人
       内閣法制局長官  山本 庸幸君
       原子力規制委員
       会委員長     田中 俊一君
   事務局側
       庶務部長     美濃部寿彦君
       常任委員会専門
       員        小野 亮治君
   政府参考人
       国家公務員倫理
       審査会会長    池田  修君
       国家公務員倫理
       審査会事務局長  井原 文孝君
       総務省自治行政
       局長       望月 達史君
       総務省自治行政
       局選挙部長    米田耕一郎君
       文部科学省初等
       中等教育局長   布村 幸彦君
       気象庁長官    羽鳥 光彦君
       環境省地球環境
       局長       関 荘一郎君
   参考人
       日本銀行総裁   黒田 東彦君
       東京電力株式会
       社代表執行役社
       長        廣瀬 直己君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○理事補欠選任の件
○委員派遣承認要求に関する件
○政府参考人の出席要求に関する件
○参考人の出席要求に関する件
○平成二十五年度一般会計予算(内閣提出、衆議
 院送付)
○平成二十五年度特別会計予算(内閣提出、衆議
 院送付)
○平成二十五年度政府関係機関予算(内閣提出、
 衆議院送付)
    ─────────────
#2
○委員長(石井一君) ただいまから予算委員会を開会いたします。
 まず、理事の補欠選任についてお諮りいたします。
 委員の異動に伴い現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。
 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(石井一君) 御異議ないと認めます。
 それでは、理事に小野次郎君を指名いたします。
    ─────────────
#4
○委員長(石井一君) 委員派遣承認要求に関する件についてお諮りいたします。
 平成二十五年度総予算三案審査のため、四月三十日及び五月一日の二日間、沖縄県及び岩手県に委員派遣を行いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#5
○委員長(石井一君) 御異議ないと認めます。
 つきましては、派遣委員等の決定は、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○委員長(石井一君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#7
○委員長(石井一君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 平成二十五年度総予算三案審査のため、必要に応じ政府参考人の出席を求めることとし、その手続につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#8
○委員長(石井一君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。
    ─────────────
#9
○委員長(石井一君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 平成二十五年度総予算三案審査のため、必要に応じ日本銀行総裁黒田東彦君を参考人として出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#10
○委員長(石井一君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 また、本日の委員会に東京電力株式会社代表執行役社長廣瀬直己君を参考人として出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#11
○委員長(石井一君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#12
○委員長(石井一君) 平成二十五年度総予算三案に関する理事会決定事項について御報告いたします。
 本日及び明日は基本的質疑を三百二十八分行うこととし、各会派への割当て時間は、民主党・新緑風会百十九分、自由民主党・無所属の会七十一分、公明党三十分、みんなの党二十四分、生活の党二十四分、日本共産党十二分、みどりの風十二分、社会民主党・護憲連合十二分、日本維新の会十二分、新党改革十二分とすること、質疑順位につきましてはお手元の質疑通告表のとおりでございます。
    ─────────────
#13
○委員長(石井一君) 平成二十五年度一般会計予算、平成二十五年度特別会計予算、平成二十五年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題といたします。
 これより基本的質疑に入ります。一川保夫君。
#14
○一川保夫君 おはようございます。民主党・新緑風会の一川保夫でございます。
 いよいよこの参議院におきまして、二十五年度予算の審議が本格的に始まるという冒頭の質問でございますので、これから民主党・新緑風会を代表して数名の方の質問をさせていただきますけれども、私の方からまず質問をするわけでございますが、いよいよ皆さん方も、参議院のいろんな、予算委員会というのは、これまで我々が政権当時も大変場内がうるさいというようなこともあって、冷静な議論はできなかったというようなこと、いろいろ我々も経験しておりますけれども、この予算委員会の中での参議院は、そういったことを一つの、また反省するところは反省をしながら、しっかりと議論を深めていくということもお互いにとって非常に大事な時代ではないかなというふうに思っておりますので、まずそういう観点で私は質問をさせていただきます。
 ただ、やり取りの中で通告していない大臣に質問をするケースもあろうかと思いますけれども、そのときは見解をひとつよろしくお願いを申し上げたいと思っております。
 それで、私、まず最初に、ちょっと我々も含めて皆さん方の肩をほぐすという面で、我が国のこれからの国づくりに向けて、人口が減少期にもう既に入っているわけでございますけれども、そういう時代認識というものをしっかりと念頭に入れた対応をしなければあらゆる政策がうまくいかないということに当然なるというふうに思いますので、そのことについて幾つか見解をただしてまいりたいというふうに思っております。(資料提示)
 まず最初、ここにもパネルで出しましたけれども、我が国の人口の推計について、最近、厚生労働省の出先に当たるんですかね、国立の社会保障・人口問題研究所の方から、我が国の将来に向けた推計人口というものが出されました。これを見ておりますと、二〇一〇年を一〇〇とした場合に、二〇四〇年には一六・二%人口が一応減少するというような推計を立てられております。そういう中で、六十五歳以上の高齢者と言われている人口の割合が三六・一%まで上昇するというような見方でございます。これは、これからのいろんな社会経済状況のいろんな動きの中で当然変わってくる可能性もあるわけでございますけれども、一つの人口の動態を予測しているという面では非常に参考になる私は資料じゃないかなというふうに思っております。
 そこでまず、これは厚生労働省に、確認の意味で、我が国のこういった推計人口というものは将来どういう見通しかというところをちょっと確認のためにお尋ねするわけですけれども、よろしくお願いします。
#15
○国務大臣(田村憲久君) おはようございます。
 委員が何を意図されて求められておられるのかちょっとよく分からないところでありますけれども、二〇一〇年一億二千八百六万人でありますが、二〇六〇年八千六百七十四万人に人口が減少するというような予想を人口問題研究所の方が推計として出してきておるわけでございます。少子高齢化の中において高齢者人口がこれから比率として増えていって、生産年齢人口を含め子供たちでは減っていくというような、そういう傾向の中でそのような推計を出してきておるということであります。
#16
○一川保夫君 これは、さっきちょっと私が冒頭言いましたように、人口のこれからの動きというのは、私はあらゆる政策はそれを念頭に入れた上で考えていただきたいということを先ほども言いましたけれども、特に厚生労働大臣、社会保障関係をつかさどる大臣としましては、こういった人口あるいは年齢構成、そういったものがどういう動きをするかということは常にやはり念頭に入れた上で施策を考えていただきたいというふうに思いますので、そういう面では、何か今、ちょっとどういう趣旨で質問されているか分からぬみたいなことをおっしゃっているけれども、何か考え方としては、基本的に大臣のスタンスがおかしいんじゃないですか。
 まず、今度は厚生労働大臣としては、その推計に基づいて厚生労働省の施策を基本的にはどういうスタンスでこれから臨もうとしているのか、まずお聞かせください。
#17
○国務大臣(田村憲久君) 今ちょっと事実関係というお話でございましたので、そういうようなお話をさせていただきました。
 要するに、少子高齢化の中においてこれから生産年齢人口が減っていくわけでありますから、そういう意味からいたしますと、これ労働力が減っていくということは、まず基本的に経済成長に対してもやはり一定の制約が掛かってくる。それから、社会保障という意味からいたしましても支える側が減ってくるわけでございますので、そういう意味からいたしますと、子育て等々を支援することを中心に出生率をどのように上げていくかという問題、これは一つ大きな課題でありますし、それから、働く方々が減っていくということはこれ困るわけでありますから、若年者それから女性、高齢者の方々にもこれから社会参加、更にしていただけるような、そういう労働環境を整備していくというようなことが大変重要なことだというふうに考えております。
#18
○一川保夫君 私も、我々国会議員は全てこういう状況というものはある程度頭に入れながら対応すべきだと思いますけれども、我が国のこれまで人口減少期のこういった経験というのは私は過去なかったような気がするんですけれども、総理大臣、こういった認識はいかがですか。我が国は人口減少期に、これまで歴史的にそういう対応というのはあったのかどうかということについて御認識はいかがですか。
#19
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 日本は基本的にずっと右肩上がりで人口が増え続けてきたわけでございまして、むしろ団塊の世代が登場したころは、小学校を増やす、あるいは高校、大学を増やす、就職の機会を増やす、その生産人口にどう対応していくか、そういう時代であったわけでございますが、まさに人口が減少していく、それより先に生産人口が減少しているわけでありますが、それにどう対応して、例えば年金の設計を、あるいはまた高齢者医療の制度をどうつくっていくかと、これが大きな課題になっているということでございます。
#20
○一川保夫君 私は、やはり我が国は、これまで人口が減少していくという中でのそういう経験はしていないと思うんです。そういう中にあって、もう既に我々は減少期に入っており、なおかつ内容的には超少子高齢化の状況を抱えているわけですね。
 そういう中で、先ほど厚生労働大臣もちょっと触れたように、本当に、生産人口と称するような十五歳から六十五歳ぐらいまでの年代の人たちもこれから極端に数が減ってくる、片や六十五歳以上の高齢者の割合が極端に増えてくると、こういう推計なわけですよね。こういう状況の中で、じゃ、我が国のそれらもろもろの経済政策にも社会政策にも、あらゆる政策に皆そういうことをバックグラウンドにした考え方を導入しておかないと、大変な間違いを起こすんではないかなというふうに考えるわけです。
 私は、こういう状況の中で、やはり国づくりということを考えてみた場合に、国土の隅々までいろんな面でつかさどっているまず総務大臣としては、恐らく各地方の活力が落ちてくればいろんな面で税収が減るんじゃないかと。もう財政運営そのものも大変厳しい状況になる可能性もあるわけです。そういう面で総務大臣としてはどういう見解をお持ちか、聞かせていただきたいと思います。
#21
○国務大臣(新藤義孝君) 御指摘のように、私たちの国は、これから国を運営していく担い手、そういった人たちがトータルで減っていくと。しかも、労働力が減ってサービスを受けたい方が増えていく、こういう人口減少、少子高齢化、さらに加えて、私は人口の移動というものがこの国内の中で行われていると思っています。都市部への移動、そして過疎化、そういったことがあります。私は地方を所管する者として、地域地域がそれぞれで独自の個性を持ってその町で自立する、まさに自ら治める地方自治が成り立つような、そういう工夫をしていかなければいけない、これまで以上にそういった政策を強めていかなくてはいけないと、このように思っています。
 まず、地方の元気をつくるための独自の政策、こういったものをつくりながら、それを国として支援をさせていただきたい、このようなことを考えております。
#22
○一川保夫君 今大臣、もうそういう問題意識を持っておられるという面ではしっかりと取り組んでいただきたいわけですけれども、私も、人口がだんだん減ってくるという中で、なおかつ日本列島は元々限られた狭い国土でございますから、そういう面では、人材をしっかりと育成していくという観点でも、これは文部科学省なんかも大変大事なこれからの課題を抱えているというふうに思います。
 また、地域のいろんな自然環境を中心としたそういう地域の資源というものを、保存するものはしっかりと保存をし、またそれをしっかりと整備するところは整備しなければならないという課題も抱えていると思いますし、我が国の伝統的な、そういう歴史的なものも含めた伝統文化というものもしっかりとまた継承しなけりゃならないというのも、それは当然なことでございます。
 また、いろんな面のセーフティーネットというものをしっかりと構築していかないと、ますます過疎化現象なり高齢化現象というものが地域を全く活力のないものにしてしまう、そういう危険性をはらんでいるわけですよ。
 そういう中で、私は、これからの日本という国を本当に総理がおっしゃるように強い国にしていくということであれば、もっともっと地方を大事にすべきだと。だから、地方のいろんな潜在力というものを、伸ばすところは伸ばす、守るところは守るという観点で頑張っていただきたいわけでございますけれども、私は、農林水産大臣なんかは、私も田舎に今生活しておりますけれども、そういう農村地域、山村地域というものにもっと目配りをする、そういう施策を意識的にやっていただきたいなと。やっぱりそういう地域に住んでいる人たちは、政府もやはり我々のことは忘れてはいないなというような印象を持ってもらうということが非常に大切なことではないかと思いますけれども、大臣、いかがでしょうか。
#23
○国務大臣(林芳正君) お答え申し上げます。
 一川先生は我が省御出身でもいらっしゃいますので釈迦に説法だと思いますけれども、今お話がありましたように、国立社会保障・人口問題研究所の資料で今お示しいただいたような人口の動態が推移していくということ、出ております。
 御案内のように農業は、実は従事者が減少する、高齢化するという意味では、まあ、いいことかどうかというか、余りいいことではないかもしれませんが、これ先取りをもうしてしまっているという状況がございまして、まさに農業を活性化していくためにはもう待ったなしの状況になっているということでございます。
 したがって、減少、高齢化、従事者がする中で、やっぱり新しい人に入ってきてもらうとか、いわゆる担い手に農地を集積する、こういうこと、そして内外の市場開拓や付加価値の創造、売り先をきちっとつくっていくということでこの農林水産業の機能の維持、発揮をしていくということをやっていかなければならないと思っておりまして、そういう意味では、農業の施策を一生懸命やるということ、すなわち地域を大事にしていくと、こういうことにつながっていくと思っておりますし、また、全国一律でいろんなことをやることもあるいはあるわけですが、地域地域で先生御案内のように様々な経営体がございますので、地域地域に合ったことをやっていくという意味では、これは民主党政権の時代に始めていただいた人・農地プランというものをしっかり活用して、集落ごとにきちっと話合いをしてもらって、今度はこの若い人に任せようじゃないかと、こういうような話も含めながらしっかりと応援をしてまいりたいと、こういうふうに思っているところでございます。
#24
○一川保夫君 最後に、総理大臣にこの人口動態の予測を受けてちょっと見解をお尋ねするわけですけれども、総理は常に強い日本をつくるといったようなことを、強い経済をつくるというようなことは常におっしゃっております。
 そういう中で、自由民主党の皆さん方も日本強靱化計画的なものを今バックにしていろんな政策を動かそうとしておりますけれども、私は、やはり本当の強いそういう国づくりということであれば、こういうこれからの人口の推移というものを念頭に入れた中で、温かみのある、そういう共に、お互いに助け合って生きるというような理念の下に政策を動かしていただきたいなと。単なる競争社会をつくればいいというものでは私はないと思うし、また公共事業をばらまけばいいというものでも私はないと思いますので、そういう面で、総理大臣のこういった人口減少期の国づくりということについての御見解をお聞かせ願いたいと思います。
#25
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 我が国で人口減少が進むことは、国民生活に深刻かつ多大な影響をもたらすと認識をしております。地域では担い手の減少によって地域の活力が低下をしているという指摘もあるわけでございまして、地方の元気なくして日本の元気はない、人口減少が進む中でも魅力にあふれた活力ある地方、地域を維持していくことが強い日本をつくっていくことにつながると、このように信じております。
 地方が自らの発想で特色を持った地域づくりができるように、そうしていくために分権改革にしっかりと取り組んでまいります。また、例えば待機児童の解消という共通の目標に向かって意欲のある市区町村を全力で支えるなど、様々な政策分野で国としても人口減少に対応するための施策を講じていく考えであります。
#26
○一川保夫君 今こちらに資料を出しておりますけれども、こういったように、東北地方を中心に大変人口が減少するというような予測があります。また、一方では、大都市圏を中心に二〇四〇年時代に入っていきますと、極端に高齢化率が高くなってくるという現象につながってくるわけですね。そういう面では、日本という国が本当に活力をしっかりと維持するための施策というのは、重要な課題をいろいろと抱えているということだというふうに私は思っております。
 人口減少期という中での国づくりというのは初めての体験でございますし、そういう面では、我々政治家としての自己改革も大事だと思いますし、また、国民に対する意識改革を我々は意識的にこれから取り組んでいかないと大変なことになるのではないかということを言いまして、私の質問、まず一番目はこれで終わらせていただきます。
 次に、まず外交防衛関係の施策について基本的なところをちょっとただしておきたいと思いますけれども、この周辺国の最近のいろんな軍事力の近代化とか、あるいはまた軍事活動が非常に活発化してきているという面では、国民の皆さん方も大変そういうことに対して今関心を持ち、不安を感じている面があろうかと思います。
 ただ、こういった問題を若干遡って見たときに、やはり東西冷戦時代が終えんしてからあるいは平和な時代が来るのかなというような思いも当時ちょっとありましたけれども、しかし、その後、特に日本近郊のアジア諸国の経済発展が目覚ましい状態で発展してきたということをバックにして、それぞれの国々は自分たちの主張をするようになってまいりました。
 そういう中で、我が国周辺のいろんな懸案問題というのが一つの衝突事項として現れてきているということでございます。それは、これまでのいろんなアジア地域の経済発展というものをしっかりと分析しながら、それぞれのやはり歴史というものを念頭に入れながら、我が国としては、反省するところはしっかりと反省し、また主体性を持つところはしっかりと主体性を持つという、めり張りの利いた、そういう外交なり防衛政策というのが非常に重要な時代に来ているというふうに思っております。
 そこで、これ特に総理にお聞きするわけだけれども、こういったアジア諸国のいろんな経済政策なり、国際社会の中においても、一国の判断で物事を処理するというようなことはできない状態でございます。やはり国連中心的に物事を取り組んでいくような、そういう時代だというふうに思いますけれども、こういった状況、日本を取り巻く外交政策、防衛政策のこの環境について、総理大臣はどのように認識をしていますか、そこをお聞かせください。
#27
○内閣総理大臣(安倍晋三君) ただいま委員が御指摘になられたように、東アジアを中心にこのアジア太平洋地域の安全保障関係は厳しさを増しているわけでございます。その中において、我が国の領土、領海をしっかりと守っていく、そして国益を守るためには、日本の外交・安全保障政策の基盤であります日米の同盟関係をしっかりと強化をしていくことが求められているわけでございます。
 そのために二月に訪米をいたしましてオバマ大統領と首脳会談を行い、日米の強いきずなを回復したところでございますが、同時に、日本と志を同じくする国々、あるいは普遍的価値、自由や民主主義、基本的人権といった、また法の支配、そうした基本的価値を共有する国々との関係も強化をしていく必要があります。ASEANの国々との関係も強化をしていきたいという意味において、先般、やはりベトナム、そしてインドネシア、タイ、三か国を訪問しました。また、モンゴルの訪問も行った。
 このように、言わば同じ価値観を共有する国々、そしてアジアの国々との関係を強化をしていく中において、また国連の場において、日本は残念ながら安保理の常任理事国ではございませんが、国連において、そうした国際場裏において日本の存在感を高めることによって国益を確保していく、そういう外交も展開をしていく必要があると、このように考えております。
#28
○一川保夫君 ちょっと外務大臣に確認するわけでございますけれども、今、特に軍事的な挑発を繰り返している北朝鮮に対する外交政策としてはどういう基本的な姿勢で臨んでいるのか、そこをお聞かせください。
#29
○国務大臣(岸田文雄君) 北朝鮮につきましては、昨年四月と十二月に弾道ミサイルの発射をし、そして本年二月に三回目の核実験を強行いたしました。また、北朝鮮は、朝鮮半島休戦協定の白紙化を表明し、核先制打撃について日本も決して例外にはならないといった挑発的な言動を繰り返しております。
 こうした北朝鮮によるこの挑発的な言動は、我が国のみならず東アジア、さらには国際社会全体の平和と安定に対する脅威であり、極めて遺憾だと考えております。我が国としましては、こうした北朝鮮のこの挑発的な言動に国際社会全体が振り回されることなく、北朝鮮に対してこうした行為が何ら自らの利益にならないことをしっかり理解させていかなければならないと考えております。
 そうした中にあって、関係各国との連携を図りながら、既に発せられています国連の安保理決議等を誠実かつ完全に実施させ、そして北朝鮮にこれ以上挑発的な言動を行わないよう強く求めていかなければならないと思っていますが、この関係諸国との連携ということを考えますときに、四月の十四日行われました日米外相会談におきましても、日米韓、この三か国の連携の重要さが確認されたところでありますし、さらには、この北朝鮮との関係において深い関係を持っております中国、深い関係があるのみならず、国連安保理の常任理事国であり、六者会合の議長国である中国との関係も重要であります。さらには、ロシアとの関係等を考えますときに、日米韓のこの三か国の連携をしっかりと確認しつつ、中国、ロシアとも連携していく、こうした連携が重要だと認識をしております。
#30
○一川保夫君 防衛大臣にちょっとその辺りも含めて確認するわけですけれども、防衛省の対応として、北朝鮮に対するいろんな動きに対する対応も含めて、最近、中国のいろんな動きも活発化してきておりますけれども、そういうことに対する基本的な今対応状況といったものを防衛大臣からお聞かせ願いたいと思いますけれども。
#31
○国務大臣(小野寺五典君) 一川委員には防衛大臣として御指導いただきまして、大変ありがとうございます。
 今御指摘ありました北朝鮮に対しての対応ですが、私どもとしましては、北朝鮮が累次の威嚇的な発言を行うということに関して、我が国の領土、領海、領空をしっかり守るという下に今様々な対応を取らせていただいております。また、外交ルートを通じての発言ではございますが、やはり北朝鮮、核、ミサイル、この計画の破棄、これはしっかり求めていく必要があると思っております。
#32
○一川保夫君 外交防衛関係、時間を掛けるといろんなことがありますからこの程度にしておきますけれども、我が国のこういう周辺がいろんな面で軍事活動が活発化してきているという中にあって、国民の不安をやはり解消させるという面の冷静な対応というのが非常に重要ではないかと思いますし、また、それぞれの国々との経済関係が非常に深いわけで、特に中国、韓国、ロシア等の関係は、やはりお互いに友好関係を保つ中でしっかりと信頼関係を向上させていくということが非常に重要であるというふうに思いますので、よろしくお願いしたいというふうに思っております。
 次に、経済政策の問題について幾つか確認しておきたいと思います。
 安倍政権の経済政策、大変、アベノミクスと称しての報道が連日連日、これを応援するかのような報道が目立っておりますけれども、私自身も、私は石川県でございますが、ここ最近ずっと地元回りをしている中で、この経済政策の本当の恩恵といいますか効果というものは地域社会というものにはまだ全然現れてきておりません。
 そういう中で、じゃ、これから、こういった金融緩和というものは大々的に行われましたけれども、こういう問題も含めてこれからこの政策の見通しなり効果について確認するわけだけれども、まず最初はG20の、この前、会合がつい最近ございました。そこで、麻生大臣が出席されたと思いますが、これ日銀の総裁にも、出席したと思いますが、そこで、日本という国、日本として何をその場で主張され、G20の場でどういう成果が得られたというふうに感じておられるのか、そこを御報告願いたいと思います。
#33
○国務大臣(麻生太郎君) 前回、二月十五、十六にいわゆるG20というのをモスクワでやっております。それから後、今回、四月の四日か、黒田総裁が就任をされて、ここで新たに政策を発表しておられる。それ以降を受けて今回のG20ということになりますので、この黒田総裁以後の日銀の政策に関して他国からいろいろ意見が出るということを私どもは予想して、それに対応すべく行っておりましたけれども、いろいろ私ども主張することは前回と基本的には同じであります。
 日本の円が安くなったというのはそれは結果論であって、我々の目的は十数年続いたデフレ不況からによる脱却、このデフレ不況から脱却することによって日本の経済が大きくなる、その日本の経済が大きくなる以外に日本が不況から脱出することはありませんと。
 したがって、そのために我々としては三本の矢という政策をやらせていただきますが、結果として円安という、バイプロダクトみたいなもので出てきたというのが円安ということであって、我々はこれが主たる目的で、通貨戦争をやろうというようなことを申し上げているわけではないという点を前回も今回も同様に主張させていただいております。
 その中で、結果としてコミュニケが出ておりますけれども、日本だけ一行その中に取ってありまして、イン・パティキュラーと書いて、ジャパンズ・リーセントという、日本の最近の一連の経済政策というものは間違いなく我々の主張したことをやろうとしているんだということがこの共同コミュニケに書かれておるという事実は、我々の政策がそれなりに理解を得ているものだと理解をいたしております。
#34
○一川保夫君 じゃ、日銀の総裁来ていただいていると思いますが、今、麻生大臣の方からも報告がありましたけれども、総裁としてはどういう印象を持たれたか、お聞かせください。
#35
○参考人(黒田東彦君) 会議では、私からは、いわゆる二%の物価安定の目標というものを二年程度の期間を念頭に置いてできるだけ早期に実現するために今回の量的・質的金融緩和を導入しましたということを述べまして、量的・質的金融緩和はあくまでもデフレからの脱却という国内目的を達成するためのものであって、円安誘導を目的とするものではないということを明確に説明いたしました。
 その結果といたしまして、先ほど麻生副総理からもお話ありましたように、コミュニケでそういう趣旨も明確に記されておりますし、また日本経済がデフレから脱却することが実は日本にとって好ましいだけではなくて、周辺国を含めて世界経済にとっても好影響を与えていくということについて一般的な理解が得られたのではないかというふうに思っております。
#36
○一川保夫君 このG20の国際会合の中ではそういう印象を持たれたということなんですけれども、じゃ、一般の国民の皆さん方はそういう実体経済というものに向けての生活上の実感としては何もないわけです。
 そこで、これは日銀の総裁にちょっと確認するわけだけれども、この二%のインフレ目標を掲げてこういう金融政策を動かすということが、国民の生活が豊かになるんだと、それぞれの国民は収入が増えるんだというふうに考えておられると思うんですけれども、それをどういうふうに説明されるんですか。
#37
○参考人(黒田東彦君) 御案内のとおり、日本経済、この十年あるいは十五年ほどデフレに苦しんできておりまして、物価が下落するという中で企業や家計が投資や消費に非常に慎重になると、そうしたことでまた企業の収益とかあるいは賃金が圧縮されると、そして更なる物価の下落につながっていくという言わば悪循環がこの十五年ほど続いてきて、その結果として日本経済を劣化させているという状況にあるわけでございます。
 したがって、これを打破するために二%の物価安定の目標というものを一月の政策委員会で決めまして、今回、四月の政策委員会においてそれを裏打ちするための量的・質的金融緩和というものを決めたわけでございまして、これはそういったデフレの悪循環を断ち切るということを目的としたものでございます。
 そうした下で、実体経済が言わばバランス良く改善していって、物価上昇率も徐々に高まっていくという好循環をつくり出していくと。そうした好循環の中では、当然、企業収益あるいは雇用、賃金が増加することで、幅広い国民にプラスの効果が生じていくというふうに考えております。
#38
○一川保夫君 その辺りの言い回しは非常に国民に説得力のないところだと思いますけれども、物価安定に向けて二%の目標を掲げてそういう日銀サイドの政策を動かせば、国民の生活が豊かになる、あるいは楽になる、そういうようなことに、説明するときに非常に説明しづらいわけですね。今、現実、地方の中小企業の皆さん方はもう逆に、この円安現象の中でいろんな調達のコストが逆に上がってきてしまっている。そういう中で、企業の収益を圧迫してきているという中では賃上げに当然つながっていないわけですね。
 こういった現象が今続いている中で、では、いつごろをめどにどういう状態にしようとしているのか、そこについて、じゃ御説明ください。
#39
○参考人(黒田東彦君) 最近私どもで公表いたしましたいわゆる日銀の短観を見ましても、中小企業の業況感も、為替とか株式市場の動向などを含めて前向きの動きが出ているというふうに思っておりますが、確かに、世界経済との結び付きが強い大企業に比べますと、中小企業の改善のモメンタムはやや弱いというふうに思っております。
 先週の日銀の支店長会議でも、輸出企業の収益とか、あるいは先行きの景況感が改善しているという報告があった一方で、仕入価格の上昇を懸念する声も聞かれたわけでございます。
 今後、政府の機動的な財政政策と、それから、先ほどから申し上げております日本銀行の量的・質的金融緩和によって日本経済が全体として改善していくということが中小企業の業況の改善にもつながるというふうに考えておりまして、その動向は私どもとしても十分注視してまいりたいというふうに思っております。
#40
○一川保夫君 こういった中小企業の皆さん方、経営者の方々も含めての考え方というのは、一種の期待感というのはそれは皆さんあると思うんですね。しかし、現実は、実体経済の中ではそういう現象というのが全然まだ感じられないと。私の地元の人たちの意見を聞いても、むしろさっき言ったように経営を逆に圧迫してきているというような方々のデータが、その地域の統計によると、アンケートによると約三割方の人は逆に悪化してきているというような言い方をしてきております。
 逆に良くなってきたというのは本当にごく一割弱ぐらいの、そういった観光相手の仕事をやっている方々とか、そういう方々はそういう評価をしている方もいらっしゃいますけれども、ほとんどの人たちは、まだどうなるか分からないという中で、逆に、むしろいろんな面で諸物価が上がってくるという中で、国民の生活が圧迫されるんではないかということを非常に懸念しているということを申し上げておきたいというふうに思っております。
 財務大臣にちょっと確認するわけだけれども、先般、この安倍内閣がスタートした直後に大型の補正予算を編成しました。十五か月予算というような言い方もされておりますけれども、十五か月ね、はい。それで、そういう予算を編成しているということは、当然、今の三本の矢の一つに位置する財政問題というのを念頭に置いてのことだろうと思いますけれども、私は、この補正予算という本来の性格からすると、物すごく逸脱している補正予算だと思います。年度内に消化ができないということは明らかなわけですから。
 じゃ、年度内にでもいいし、今、現時点でもよろしいんですけれども、その補正予算、十三兆円余りの補正予算というのはどの程度執行されているんだと。それが世の中の経済にどう今効果が出てきているかということについては、どういう御見解がありますか。財務大臣、どうぞ。
#41
○国務大臣(麻生太郎君) 十五か月予算を大きなものにさせていただいた一番大きな理由は、それは昨年度の七―九の出た数字が年率マイナス三・五%、GDPで成長率マイナス三・五%という数字が出ておりましたので、このままでいきますと一―三以降は急激に景気が底割れしかねないという数字が出ておりました。そういった状況にならないためには、ここは大型の補正を組んで、まずは底割れを止めねばならぬということが一番大きな理由であります。
 したがって、今、それまでにできないではないかという御意見等々が出るというのは分かっておりますので、私どもとしては、まずは地方、中小企業等々で、今から土地を買って何とかというのではとても間に合うはずがありませんので、少なくとも今でき上がっておりますいわゆる道路、トンネル、橋梁、橋等々、そういったものに対する補修、メンテナンスといったものは中小企業で即できるものですし、土地の手当てをする必要もありませんし、そういったものを主にということを考えてやらせていただきました。
 契約を三月までにしなければならぬということで、きちんとした形で、繰越明許等々を含めまして、二月末、二月、三月初めぐらいで調べたときに九七・六%がいわゆる契約というか、そういった形まで至っておるというのが現状でございます。それができ上がりますのは、当然のこととして少し後になるのは当たり前のことですけれども、少なくとも着工という形まで、契約、着工というところまで行きましたのが今申し上げた数字でございます。
#42
○一川保夫君 大臣が今おっしゃった九七・六%、もう既に契約、着工しているというのは、それは間違いないんですか。
#43
○国務大臣(麻生太郎君) 着手というのが正確な単語だと思います。
#44
○一川保夫君 要するに、契約して、全て繰り越しているということだろうと思うんですね。ですから、実際現場で物事がどの程度進んでいて、もう既にいろんな関係者に対する支払的なものがどの程度行っているかということは、そこはまだ全然分からないわけですね。
 そこで、その問題も議論すればまた切りのない話ですから、是非、そういう補正予算を組んだ以上、効果が出るようにしっかりと執行する。ただしかし、無駄なことをやってもらっちゃ困るわけですけれども、そこはしっかりと責任持って取り組んでいただきたいというふうに思います。
 では、次に原発問題について、これはちょっと確認しておきたいと思いますけれども、まず福島の第一原発のこの事故発生問題というのは、我々、政権の折にもこの原因究明というのはできなかったわけです。
 今現在、こういった原子力発電所の事故の原因究明に向けた動きというのはどうなっているのかというところをお聞かせ願いたいわけだけれども、田中委員長ですか、よろしくお願いします。
#45
○政府特別補佐人(田中俊一君) お答え申し上げます。
 東京電力福島第一原子力発電所事故の継続的な事故分析は、私ども原子力規制委員会の重要な所掌業務の一つであります。そこで、今後長期にわたる原子炉内の調査等も踏まえつつ、技術的な側面から検討して必要な知見を安全規制に取り入れていくことが重要であると認識しております。
 一方、これまでにも国会、政府等において事故調査報告書がまとめられたところでありますけれども、現地での調査が困難である等の制約要因によって、今後引き続き確認すべき技術的な個別論点も残されているところであります。
 このため、当原子力規制委員会では、事故分析のための検討会を設置し、国会事故調にて解明すべきとされている点を含めて、技術的な点を分析する体制を構築したところであります。今後は、この検討会の下で中長期にわたって継続的に事故原因の分析を進めていく所存であります。
#46
○一川保夫君 これは大変難しい課題だと思いますけれども、早く原因を究明する中でその対策をしなきゃならぬわけですけれども、是非そこは精力的に取り組んでいただきたいというふうに思っております。
 そこで、これ総理大臣に基本的なスタンスをお聞きするわけだけれども、我々は今回の福島第一発電所のこの事故を受けて、原子力発電所のいろんな処理というのは我々人間の力では非常に困難であると、物によっては不可能であるという判断を現時点ではせざるを得ないような状況があるわけですね。そうしたときに、今現在、現時点でも、福島県民の皆様方を中心に大変な今御苦労があるわけです。
 こういう状況を見たときに、じゃ、我が国のこういった原子力発電所にかかわる施策というのはどうあるべきかということになるわけですけれども、我々民主党政権時代は、やはり将来的にはしっかりと脱原発の社会をつくり上げたいと、二〇三〇年代ぐらいには原発をゼロにしたいという、そういう目標の中であらゆる政策資源を投入すべきだという一度は判断をしたわけです。
 これについては、安倍総理は、御地元にも新しくこれから着工するかしないかの原子力発電所があるというふうにお聞きしておりますけれども、総理はこの原子力発電所の政策、これからどういうふうな基本姿勢で臨もうとしているのか、お聞かせください。
#47
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 二年前、我々は原子力発電所の過酷事故を経験をしたわけでございまして、この反省の中から、とにかく安全神話に寄りかかっていてはいけないと、安全を確保するために全力を尽くしていかなければならないという教訓を得たところでございますが、同時に、いかなる事態においても国民生活や経済活動に支障がないように、エネルギー需給の安定に万全を期していくこともこれは極めて重要であり、大前提ともしなければならないと思います。
 この点、民主党政権が掲げた二〇三〇年代に原発稼働ゼロを可能とするという方針は、具体的な根拠を残念ながら伴っていないものでありまして、ゼロベースで見直しをして、エネルギーの安定供給、エネルギーコスト低減の観点も含め、責任あるエネルギー政策を構築をしていかなければなりません。今後三年程度の間に、再生可能エネルギーの普及と省エネルギーの推進を最大限加速をさせていくとともに、原発の再稼働については世界最高レベルの科学的安全基準の下で判断していくこととしております。
 これらの動向を見極めた上で、極力早いタイミングにおいて、実現可能かつ責任あるエネルギーのベストミックスを策定してまいります。その際、できる限り原発依存度を低減させていくという方向で検討をしていく考えでございます。
#48
○一川保夫君 では、総理は、最終的に原発をゼロにする社会を目指すか目指さないかという点ではいかがですか。
#49
○内閣総理大臣(安倍晋三君) エネルギー政策については今申し上げたとおりでございます。
#50
○一川保夫君 ベストミックスを目指すとか極力というような言い方でごまかしておられますけれども、私は、この原子力発電所という施策を推進してきたのは、自由民主党の時代にやってきたわけですよ。
 今回ああいう大事故を起こして、多くの人がまだ苦しんでいるわけです。こういうときに、私は、そういう教訓を経ているということであれば、やはり原子力発電所に依存しない社会をまず目指そうという中で努力するというのが当然じゃないですか。そこはいかがですか。
#51
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 先ほど答弁したとおり、原発依存度を低下をさせていく、これが基本的な考え方でありますが、同時に安定的そして低廉なエネルギーを確保していく、これも政治の責任であります。
#52
○一川保夫君 それは、再生可能エネルギーとかそういった中で低廉なものを目指すというのは、それはあっていいと思うんですけれども、原子力発電所というものは、従来、低廉だとかあるいは安全神話という中で推進してきたわけですよ。ですから、総理は原子力発電所をまずゼロにする社会を目指すのか目指さないのか、そこを明確に教えてくださいよ。
#53
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 我々は責任ある立場として、代替エネルギーを確保できていないにもかかわらず、それを軽々にゼロにするということは申し上げません。先ほど申し上げたとおりであります。(発言する者あり)
#54
○委員長(石井一君) いや、かなり明確に答えておるようにも思いますが、安倍内閣総理大臣、もう一度お答えください。
#55
○内閣総理大臣(安倍晋三君) これは、そう軽々に言えないというのがお答えでございます。それが私は責任ある答えなんだろうと、このように思います。
#56
○一川保夫君 それは私から見ると無責任な答弁だと思いますね。
 やはり、国民をこれだけ厳しい極限の、特に福島県の皆さん方が御苦労されている最中ですよ。そういう中にあって、私は、ゼロを目指すか目指さないかという基本的なスタンスそのものが、それは目指さないというようなことをにじませながら無責任だというような言い方は、私は一国の総理としては本当に、それこそ無責任だなという感じをいたします。
 そこで、私は次の質問に入りますけれども、引き続きまた同僚の議員が追及していただくというふうに思います。
 まずは憲法の問題について総理の基本的なスタンスをお尋ねしますけれども、総理大臣はなぜこの憲法改正を急ごうとするのか、そこを基本的に教えてください。
#57
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 私は自由民主党の総裁でございますが、五十七年前に自由民主党が結党されたときからの綱領でございまして、決して急いでいるわけではないわけでありまして、五十数年掛けて漸進的に進めてきたと言ってもいいのではないかと思います。
#58
○一川保夫君 私は、日本国憲法というのは、それなりに日本という国づくりのためにしっかりとしたそういう対応を、来たと思いますけれども、総理大臣はこの日本国憲法、憲法という規範はほかの法律と違って、どちらかといいますと国家権力を抑制的に監視していくのが日本国憲法だというふうに思います。そういう中にあって、国家権力が国民をある程度コントロールする、そういう面で憲法を使うというのは基本的におかしいと思いますし、ほかの法律と全然違うと思います。そういう中で、私は、憲法改正のハードルを引き下げようとするような考え方というのは基本的に、私は個人的には間違っていると。もし、国民全体に本当に同意を得て憲法を改正したいということであれば、別にその手続のハードルを下げる必要ないじゃないですか。そこはどうですか。
#59
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 世界中の国々が、主要国はみんな憲法を何回も改正をしております。時代に合うものにしていく、あるいは新しい権利についても考慮していくという中において憲法改正が議論されているわけでございます。
 自由民主党の改正案、九十六条については、三分の二を過半数にしようというものでありまして、しかし、その後、国民投票をするわけなんですね。国民投票をして言わば六割、七割の国民の皆さんが変えたいと思っていても、たった三分の一をちょっと超える国会議員が反対をしていれば、それは国民は一切、指一本触れることができないのはおかしいと我々は考えているわけであります。
#60
○一川保夫君 私は、総理のその国会議員の三分の一をちょっと超える程度の人たちが反対すればできないのはおかしいというような考え方は、私は間違っていると思います。国会議員というのは、少なくとも国民を代表する人たちが国会議員です。それなりの見識を持った考え方を皆さん、私は持っていると思うんです。そういう人たちの三分の一ちょっと超える人が反対したからといって何もできないというような考え方は、私は、やはり憲法に対するスタンスとしては私は基本的に間違っていると、もっと国会議員をしっかりと尊重すべきだというふうに思っております。
 そこで、この問題も余りやっているとあれですけれども、基本的なスタンスは分かりました。
 次に、選挙制度のことについて総理の考え方を確かめたいと思っております。
 総理は、昨日、山口県に行かれて、何かとんでもない発言をされたというふうにちょっと聞いたんだけれども、その山口県内の何か補欠選挙の演説の会場なんですか、六年前に参議院選挙で惨敗した、親の敵のようなものであるから取り戻さなければならないというような趣旨の発言をされたというふうに聞いておりますけれども、余りにも総理大臣の発言としてはおかしいんじゃないですか。いかがですか。
#61
○内閣総理大臣(安倍晋三君) これは、六年前の選挙で大惨敗をして、私の責任だったと、これを何とか取り戻さなければならないという表現であって、それについては国民の皆さん、私の発言については国民の皆さんの判断に委ねたいと思います。
#62
○一川保夫君 私は、総理大臣が所信表明のときに、述べられたときの表明した中に、御自身は前に途中で総理大臣をお辞めになったことを一つの教訓にして、政治的な挫折というものを一つの教訓にする中で、過去の反省をしながら丁寧な対話を心掛けていきたいというような所信表明をされております。そういう謙虚な姿勢が最近、安倍総理のいろんな言動の中に見られないというふうに私は思います。
 そういう中で、この選挙制度でございますけれども、広島高裁ほか十六件だったですかね、この一票の格差の裁判が、判決がありました。こういったものをどのように受け止めておられますか。
#63
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 高裁においては様々な判決がございますが、東京高裁の判決においては〇増五減案を評価をしております。
 しかし、かつ同時に、この〇増五減がなぜ早期に成立をしなかったかといえば、この〇増五減と言わば抜本改革を同時に進めようとする中において各党各会派がぶつかって、結局その成立が遅れてしまったという指摘があるわけでありまして、この指摘を私たちは重く受け止める必要があるのであって、まずは〇増五減を、もう既にさきの国会で民主党も賛成して基本的には根幹部分は成立をしているんですから、あとは区割り審が出したこの回答にのっとってでき上がった法律を通していく、これが立法府の私は責任ではないかと、このように思います。
#64
○一川保夫君 私は立法府の責任としては基本的にスタンスはおかしいと思いますけれども、これだけ司法サイドの方から厳しい判決が出た中で、やはりそのときの状況を見ながらいろんな対応をしていくのが本来のこの立法府の責任じゃないかというふうに思います。
 確かに、今の一票の格差の問題というのは大事でございますし、一方では、それを抜本的に変えて本当の違憲状態をなくしていくというために、我々立法府が最大限の努力をすべきだというふうに思っております。
 これもだんだん時間なくなりましたので、じゃ、次の課題に移ります。私の持ち時間、一分なんでしょう。
 では、ちょっと地震の問題に、対策に移ります。
 最近、特に地震が大きく発生してきている中で、私自身は前からもうこの問題について質問させていただきましたけれども、十八年前の阪神・淡路大震災以降、二十六か所の地域ぐらいで震度六以上が発生しておるわけです。ほとんどその二十六か所で発生した地震というのは予知されておりません。で、ほとんど日本列島全域でこういった地震というのが発生してきております。
 一方においては、我々の今いろんな抱えている地震対策の施策というのは、どっちかというと太平洋側に偏在したような格好で施策が動いてきているという面では、私は、日本列島全体をやはり地震列島だという中でいろんな地震対策なり防災対策を動かすべきだと思いますけれども、総理大臣はどのように考えますか。
#65
○国務大臣(古屋圭司君) 一川委員の御指摘のように、日本はやはり地震列島ですから、事前対策大切ですね。地震を防止することはできませんけど、地震が起きた際に防災・減災は可能であります。
 まず一点は、地震防災対策特別措置法で補助率のかさ上げをして、公共、学校の施設であるとか社会福祉施設、相当耐震化進みました。これが一つ。
 二つ目は、既に昨年御党が政権を担っているときに第一弾の改正をしました災害対策基本法、これを再度改正する、国会に今法案提出をさせていただいております。それだけにとどまらず、大規模災害からの復興に関する法律案、いわゆる復興案ですね、これも併せて提出をして、全国にこれは関係をすることとしております。
 それから、確かに、全国的な問題もさることながら、東南海沖巨大トラフ地震であるとか首都直下型地震、これに対する対応も必要ですので、今その検討ワーキングチームで検討しています。最終報告をもうすぐ出します。それに基づいてしっかり対応していく。要するに、全国とそのいわゆる東南海地震、首都直下地震、こういったトータルの対策をしているということを是非御理解をいただきたいと思います。
#66
○一川保夫君 大体時間が来ましたから終わりますけれども、やっぱり自然災害、特に地震に対する対応というのは近年特に関心が深まってきておるわけでございますけれども、先ほど言いましたように、阪神・淡路大震災以降の地震をとらまえてみましても、もうほとんど予知されていない、そういう地震が全国各地で起こっているということです。そういうことを念頭にあらゆる施策を動かしていくべきだというふうに思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
 私の質問を終わります。
#67
○委員長(石井一君) 以上で一川保夫君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
#68
○委員長(石井一君) 次に、高橋千秋君の質疑を行います。高橋君。
#69
○高橋千秋君 民主党・新緑風会の高橋千秋でございます。予算委員会での質問はもう随分久しぶりになりますが、是非よろしくお願いを申し上げたいと思います。
 冒頭、質問に先立ちまして、この週末含めて、中国の方の四川省の方で大震災、大地震が発生して、二百名を超える死者、行方不明、それから一万人を超える負傷者が出たということを聞いております。哀悼の意とそれからお見舞いを申し上げたいと思いますが、日本として、この中国の、前回の四川の地震のときにも救援隊を派遣したり様々な対応をしておりますけれども、今回の対応はどうなっておりますでしょうか。分かる範囲で教えていただけますでしょうか。
#70
○国務大臣(岸田文雄君) 四川省の地震につきましては、大変大きな被害が発生したと認識しております。
 早速、総理また私、外務大臣の方から中国に対しましてはお見舞いのメッセージを発すると同時に、我が国としましても支援に向けてこの準備を、支援をする用意ができているということを伝えさせていただいております。
 現状、中国からは我が国に対するこの支援の具体的な要請はまだ届いていない、こういった現状にあります。
#71
○高橋千秋君 それでは、救援隊の派遣、それから救助犬含めて、その派遣の準備はもうできているということでよろしいでしょうか。
#72
○国務大臣(岸田文雄君) 我が国としては、支援の要請があればそれに応じる用意ができているというメッセージを、総理、そして私から発出させていただいております。
#73
○高橋千秋君 前回の四川の地震のときに、日本の救援隊が死者に対してすごく敬意を持って対応したということで中国で物すごく評価をされたという報道がございました。
 こういうときは、中国ともいろいろな問題がありますけれども、お隣の国としてやはり即座の対応を是非やっていただきたいと思いますし、日本が東日本大震災のときに、私、ちょうど外務副大臣をしておりまして、各国から様々な支援をいただいた、この成果というのは非常に大きいというふうに思います。是非対応をよろしくお願いを申し上げたいと思います。
 それでは質問に移りたいと思いますが、今日は総括の質疑でございますので、総理に基本的な考えをまずお伺いをしたいと思います。
 先ほど来、憲法の話や人口の話がいろいろ出ておりますけれども、この国、総理としてどういう日本にしていきたいのか、この基本的なスタンスをお伺いをしたいと思います。
#74
○内閣総理大臣(安倍晋三君) まず現状でありますが、日本は十数年にわたってデフレ状況の中に苦しんでいたわけでございまして、まずはデフレから脱却をして強い経済力を取り戻すということでございますが、まさにこれはある意味手段でございまして、私が目標とするのは第一次安倍政権でも掲げた美しい国でありまして、活力とチャンスと優しさに満ちあふれ、自律の精神を大切にする、世界に開かれた国であります。この言わば世界の人々から尊敬される、そして日本人が日本に生まれたことを喜びに感じることができる国をつくっていきたいと思います。
#75
○高橋千秋君 私も自分のふるさとであるこの日本が大好きですし、本当にこの国を愛してこれまで過ごしてまいりました。その考えは安倍総理も私も多分変わらないというふうに思います。その美しい日本、ずっと地元を歩いていても、特にこの春は、桜が咲き、今、私の地元でも田んぼに水が入ってすばらしい美しい風景が広がっております。
 先ほど総理が言われたその美しい日本をつくっていくために、今、じゃ何が足りなくて、どうしていったらいいのかという、まあざくっとした質問になるかも分かりませんけれども、基本的なところをお伺いをしたいと思います。
#76
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今申し上げましたそういう目指すべき日本をつくっていく上において、やはり日本人自身が自らその持ち場持ち場で、自らの努力で、情熱で未来を切り開いていこうという精神を取り戻すことが大切なんだろうと、このように思います。
 日本は長年、先ほど申し上げましたように、景気が低迷していく中において、今年よりも来年良くなっていくと、そういう国はもう難しいんではないかという諦めに似た気持ちが覆っていたわけでございますが、まずは今年より来年、来年より再来年、自分たちの努力とそして情熱で、生活をそして地域を、国を良くしていくことができるんだという、そういう国にしていきたいと、こう思うわけであります。
 その意味におきまして、女性にとっても、また高齢者にとっても、若い人はもちろんなんですが、障害のある人にとっても、誰にでもチャンスのある、一回や二回失敗しても、もう一度チャンスのある国にしていくことが大切なんだろうなと、このように思います。
#77
○高橋千秋君 先ほど一川参議院議員の方から人口の話が出ました。私も、国会議員、今十三年たちましたけれども、この間、人口問題をずっと取り組んでまいりまして、人口問題議員懇談会、これは超党派の議員で、安倍総理も以前入っておられたんではないかなと思いますし、この中の閣僚のメンバーの方にも何人か入っていただいていると思います。その、私、事務総長をさせていただいておりますので人口問題をずっと取り組まさせていただいていますが、先ほど田村大臣からも人口の話がありました。
 私、この人口の問題は、本当にこれは深刻な、全てにかかわる本当に深刻な問題だというふうに思っておりまして、先ほど安倍総理そして田村大臣からも答弁ありましたけれども、私はもっと深刻にとらえるべきではないかなというふうに思っております。
 この人口問題、質問の順番をちょっと変えますけれども、人口問題について、先ほどは一川さんの方からは人口問題研究所の資料が出されました。つい最近、総務省からまた別の資料というか人口統計が出されたと思うんですが、総務大臣、これ去年一年で二十八万四千人でしたですかね、日本の人口が減ったという、そういう統計が出されたかと思うんですけれども、この辺の事実関係だけまず先に教えていただけますか。分かりますでしょうか。
#78
○国務大臣(新藤義孝君) 今、事前のお尋ねがなかったものですから手元に詳細な資料を持ち合わせをしておりません。しかし、人口は二〇〇四年をピークにして、そして、あっ、失礼、二〇〇五年でしたか、をピークにいたしまして、そこから減ってきているわけであります。今後の長いトレンドの中で人口減少社会というもの、これが予測されているわけでありまして、それに対して私たちは対策を打っていかなくてはいけないと、このように私も考えております。
#79
○高橋千秋君 総務省から出されております、先週出されておりますが、去年一年で二十八万四千人日本の人口は減ったということが出ております。私の地元であります三重県の津市の人口が二十九万人です。これ十の市町村が合併をして非常に広い、琵琶湖と同じぐらいの面積の市になったんですが、ここが二十九万人です。ここ一個分が一年で減ったという、これはかなり衝撃的な数字ですし、我々地元を回っていても、閣僚の皆さんもいろんな地元回られても、何か高齢化が進んできたなと、人が少なくなってきたなというのは実感として感じると思います。
 このことに関して、やはり私は人口を、今すぐにこれ人口減少を止めるというのはなかなか難しいことだと思いますけれども、この人口減少に対する様々な政策、全精力を私は投下してでもこの経済成長のことも含めて必要だと思うんですけれども、その考え、安倍総理、いかがでしょうか。
#80
○内閣総理大臣(安倍晋三君) この人口減少問題、少子化はまさに喫緊の私たちが取り組まなければならない課題であると、こう認識をしております。
 まず、その中におきましても、少子化対策として、待機児童解消のために総合的な対策である待機児童解消加速化プランを策定して、平成二十五年、二十六年度の二年間で二十万人分の保育の受皿の整備を支援をいたします。保育ニーズのピークを迎える平成二十九年度までに四十万人分の保育の受皿を確保して、待機児童ゼロを目指すことにしております。
 また、女性の活躍は成長戦略の中核を成すものでありますが、例えば、三年間ずっと自分のお子さんをもうだっこし放題で子育てに専念しながら、職場復帰支援、その後、三年を経た後に職場復帰できるような支援策として、子が三歳になるまでは希望する場合には男女とも育児休業や短時間勤務を取得できるよう経済界に要請したところでございまして、取り組み企業に対しては政府として支援を行ってまいりたいと、このように思います。
 子供を産み育てるという希望をかなえられる社会を目指すことが重要であると考えておりまして、国の未来を担う子供を育てやすい国づくりを目指して、引き続き少子化対策に全力で取り組んでまいります。
#81
○高橋千秋君 質問通告はしてありませんけれども、サザエさんという漫画は知っていますよね。昨日、日曜日やって、もう何十年もやっていて、私たちも小さいころからずっと見ている漫画ですが。あのサザエさんに出てくる波平さんというお父さんがいるんですね。幾つか、総理、御存じですか。
#82
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 波平さんは、私より一つ若いんですね。ですから、五十七歳ですか。ですから、そういう意味においてはちょっと、まああの時代の年齢は今の実年齢と違いますから、今の私は、五十八歳はあのころの四十歳ぐらいではないのかなと、こんなように思います。
#83
○高橋千秋君 答えていただいたんですが、波平さんは五十四歳の設定になっています。それから、奥様のフネさんは五十二歳の設定になっている。サザエさんは二十四歳。三歳のタラちゃんがいます。七人家族で住んでいるわけなんですが、この家族というのは、昔、私のところも今七人家族ですが、なかなか今もう見かけないですね。
 五十四歳、総理より四歳若いんです。あれ、どう見ても、髪の毛一本ちょろっとあって、まあ髪の毛の話は別として、どう見ても随分年上に見えます。当時、平均寿命が五十八歳から六十歳ぐらい、一九五〇年ぐらいの話です。ですから、そのころから見れば、今の日本人は、随分栄養状態も良くなって、医療も良くなって、長生きになりました。ですから、その計算でいくと、もう七十過ぎの設定なのかも分かりません。しかし、ああいう家庭が今ほとんど日本ではないんですね。
 先ほど総理が、子供を産みやすく育てやすくすると。これは我々民主党の政権のときにもずっとやってまいりました。そのスピードの問題は分かりませんけれども、これはもうずっと我々の政策として取り組んできた問題で、これはもう継続してやっていただきたいと思いますし、我々もこれは応援をしていかなきゃいけない話だと思います。
 しかし、今、出生率が非常に低い、一・四前後ということなんですが、なぜ出生率が低いとお考えになりますか、総理。
   〔委員長退席、理事小川敏夫君着席〕
#84
○内閣総理大臣(安倍晋三君) これは様々な要因があるんだろうと思いますが、一つは、晩婚化というふうなことが言われておりまして、結婚するタイミングが三十前後になっていることから、その段階から産み始めても、たくさんのお子さんを産むことができないということなんだろうと。また、結婚したカップルは基本的に二人近く産んでいるわけでありますので、そういう意味においては、なるべくその晩婚化を、もう少しこの傾向を反転していく必要もあるのではないかと、このように思います。
#85
○高橋千秋君 私は、この出生率が低い一番大きな理由は、総理もおっしゃいましたけれども、結婚すればそれなりに子供は産むんですね。しかし、結婚をしない、結婚できないという状況が今この国内に続いています。いろいろ地元を歩いていても、年収がなかなか伸びない中で、結婚をしようにも家庭を持つという勇気がないというような話もあって、やはりこういう部分に対策をしていくべきではないかなというふうに思いますし、その産みやすく育てやすくするということと同時に、やはり全体の賃金水準を上げていくとか、そういう様々な若者に対する政策を展開していくとか、いろいろなことをやっていかなければ、この少子化、出生率の低下ということに対して効果が出てこないというふうに思います。
 この問題は、昨年十月に福田元総理と一緒に私、タイへこの人口問題の会議で行かせていただきました。福田元総理が会長をされておりまして、私が事務総長をさせていただいている会なんですけれども、その中で、ずっと何回か会議出てきたときには、アフリカ等の人口爆発に対してどう対応していくかということがずっとテーマだったんですが、去年から別のテーマになりました。それは、アジア全体、タイも含めて、アジアの新興国も高齢化がこれから問題になってくる、少子化がもっと問題になってくる。出生率は日本より低い国がたくさん最近出始めてまいりました。
 これは、日本にとってはある意味チャンスだと思うんですね。課題を解決するということがこのほかの国々に対していろいろなモデルを提供できる。日本はこれまで、アメリカやヨーロッパやいろんな国々に追い付け追い越せということでいろいろまねもしてまいりましたけれども、この人口問題に関しては日本がトップを走っています。
 その意味で、この課題をどう解決していくかというのが非常に世界からも注目をされているし、総理が女性ということを成長戦略の中に入れられるというようなお話もありましたけれども、こういう分野を成長戦略の中に入れるということも、私は一つの提案として挙げるのはいいかと思うんですが、いかがでしょうか。
#86
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 確かに、今委員の御指摘のように、日本は少子高齢化という中においては世界の一番先頭を走っていたわけでありまして、経験もあるわけでありますから、これから様々な国際的な課題を解決していく上においては主要なテーマだろうと、このように思います。
 安倍内閣におきまして成長戦略を進めていく中においてもあるべき社会像を設定して、そのあるべき社会像において、それは世界にも共通の課題であれば展開をできるという分野をターゲットとしているわけでございますが、その中で、健康で長生きできる長寿社会でありますが、日本は長寿社会においては世界で先頭バッターでおりますので、その中で培った医療技術や介護・看護技術を国際的に展開をしていく、あるいは世界から日本にその高い技術を求めて来ていただけるようにしていく、そしてその分野を更にブラッシュアップをしていくために国家資源を投入していく、必要のない規制はなくしていくということも行っていきたいと思います。その中において、少子化に対する対策という面においても、今委員の御指摘のようにしっかりと取り組んでいきたいと思います。
#87
○高橋千秋君 安倍総理のそのアベノミクスを様々分析する本はちまた出ておりますけれども、たまたま見たのがこの「2015年磯野家の崩壊 アベノミクスの先にある「地獄」」と。磯野家、いわゆるサザエさんの一家がどうなるかという話なんですが、そういう典型的な昔の日本、大家族の中で育ってきたそういう地域がどんどんどんどんなくなってきているということも一因はあるかと思うんですけれども、やはり総理が美しい日本を求めていくということであれば、やはりこういう部分に私は力を注いでいただきたいというふうに思います。
 そして、先ほど寿命の話がありましたけれども、これは質問通告していないんですが、田村大臣、私は健康寿命ということは大変重要だと思うんですね。ここをどう対策していくのか、お考えあれば教えてください。
#88
○国務大臣(田村憲久君) おっしゃられますとおり、平均寿命という考え方がありますけれども、一方で健康寿命という非常に重要な指標があります。これ、平均寿命よりもやっぱり七、八歳ぐらいこれが低いということがございます。この差をどう縮めていくか、重要な課題でございまして、健康日本21、これ第二次を出しておるわけでありますけれども、やはり適度な運動でありますとか食生活、喫煙それから飲酒、こういう問題に対してしっかりと対応していくということ。
 それから、予防ですね、予防という意味からいたしますと、特定健診、特定保健指導等々で生活習慣病、こういうものをなるべく防いでいこうということでございまして、健診をどうやって広めていくか、これ大変重要な課題でございますからしっかりと取り組んでまいりたい、このように思っております。
#89
○高橋千秋君 先ほど一川参議院議員の方から地震の話が最後にありましたけれども、この地震のことを考えても、この高齢化のことを考えても、この首都機能を移転をして地方を強力にしていくということが過去に何度か提案をされました。この首都機能移転について今どうなっているのか、教えていただけますでしょうか。
#90
○国務大臣(太田昭宏君) 首都機能移転については、国会等の移転に関する決議以来、一貫して国会の主導でやってきたということがございます。
 近年では、平成十六年十二月に超党派の国会等の移転に関する政党間両院協議会、これにおきまして座長取りまとめがされましたが、現在は国会での議論自体が止まっているという状況でございます。
 この件につきましては、国会での議論が現段階におきましてはどう進むかということが大事なことかと存じております。
#91
○高橋千秋君 なぜ申しましたかというと、先ほど一川議員の方から出された人口将来の見通しの中でも、都市の集中についてはまだ止まっておりませんし、今後の推計の中でもどんどんどんどん首都圏への人口移動というのはまだ止まらないという状況です。この中でこういうこともやっぱり考えていかなければならないと思いますし、先ほど国会の審議ということでありましたけれども、政府としてできることはあるはずなんですが、政府の様々な機能を地方に移転をしてそういう震災やそれから人口集中について備えるということができるかと思うんですけれども、これについていかがでしょうか。
#92
○国務大臣(太田昭宏君) よく政党間とも協議をしていただき、連携を取って論議をしていきたいというふうに思います。
#93
○高橋千秋君 いや、申し上げているのは、国会の移転の話だけじゃなくて首都機能の移転ですから、政府機能も含めて様々な移転は国会の論戦がなくてもできる部分はかなりあるはずなんですね。そのことについてどう考えるかということを教えていただけますでしょうか。
 総理、いかが考えますか。
#94
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今委員が指摘されたのは、国全体として取り組んでいく課題ではあると思います。過度な人口の集中ということと同時に、こうした災害対策という観点から、これまでの都市及び産業の集積を生かして、産業競争力の基盤を形成するための戦略的な投資や規制緩和を進めてまいります。
 同時に、魅力あふれる地域をつくることも重要であり、地域の特色、創意工夫を生かした地域づくりを支援をしていく考えでありますが、首都機能の移転については、一貫して国会主導で検討が行われてきたところでございまして、平成十六年十二月に国会等の移転に関する政党間両院協議会において座長取りまとめがされた後、国会での議論自体が止まっている状況でございます。
 そういう中において、今後、国会において議論が進む中において、国としても国会と連携をしながら考えていきたいと思っております。
#95
○高橋千秋君 少しかみ合っておりませんが、私は、国会の移転は国会の移転としてやるべきですが、政府の機能としていろいろな部分はやっぱり地方に出せるものは出した方がいいというふうに思っています。
 というのも、我々は地方分権ということをずっと言い続けてまいりました。その中で、やはり遅々として進まず、逆に首都に人口も移動する状況は変わっていない。やはり地方を元気にしていくということが日本全体を元気にしていくことだというふうに思いますので、ここについては様々なやっぱり議論をしていただきたいと思いますし、具体的な対策を是非取っていただきたいというふうに思います。
 その地方なんですが、今回の、これ今審議をしておりますけれども、予算を審議しておりますけれども、様々な本会議等でも議論になりました地方交付税のカット、また一括交付金の廃止、これ含めて、私たちは地方を元気にしていくために様々な予算策定もしてきましたけれども、これに対する、我々がやってきた基本的な政策に対する評価、総理の評価をまずお伺いしたいと思います。
#96
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 民主党政権で取り組んできた地方分権についても、我々も参考にできるところは参考にしていきたいと、このように考えている次第でございます。
 その中で、例えば一括交付金等については、その御努力は認めるわけでございますが、結果として市町村等から、極めてこれ使い勝手が悪いと、かえって窓口が多くなってしまったという点もございます。こうした観点も踏まえながら再検討をしていきたいと考えております。
#97
○高橋千秋君 多分、安倍総理のところには直接行っていないのかも分かりませんが、一括交付金廃止したことに対する地方の抵抗、それから地方交付税の削減に対する地方の抵抗は物すごく大きいです。いまだに反対は強いですし、ここは是非もう少し耳を大きくして聞いていただければというふうに思いますし、一括交付金が使い勝手が悪くなったという部分も一部の分野であるかも分かりません。しかし、全体には大きな評価を得たと思いますし、これが廃止になったことは大変残念ですし、地方にとっても、我々地方に住む人間から見ても、やはり地方をもっと信頼をしていただきたいというふうに思います。
 その国づくり、冒頭に申しました、どういう国をつくりたいのかということに、私はここが非常に根本的にかかわってくる問題だというふうに思っています。やはり地方が元気になる、それが日本全体の国づくりにつながっていくと思っています。
 その国づくりの中で大きな一つの課題としてTPPの問題がございます。昨日も甘利大臣言っていた、私もこれにかかわっていたときもありますので中身についても知っている部分もありますけれども、昨日、今日の新聞報道等によると、全加盟国が承認をしたと、七月参加へというふうに新聞では出ておりますけれども、その経緯を教えていただけますでしょうか。
#98
○国務大臣(甘利明君) TPPに関しましては、今、今といいますか、今日まで事前協議を繰り返してきました。それは、参加するには既参加国全ての了承が必要だということであるからやってきたわけであります。米国を終え、そして残っている国、数か国、事務的にかなり詰まってまいりました。最終的に政治レベルでの会談を通しまして、全加盟国の了承を取り付け、昨日ですか、茂木大臣がTPP既存参加国大臣会合に招待をされて、歓迎をされたというふうに承知をいたしております。
#99
○高橋千秋君 これを見ると何かもうすぐ加入みたいな雰囲気なんですが、アメリカについては九十日ピリオドがあるはずで、これはまだめどは立っていないと思うんですけれども、新聞見ると何かもうすぐに加入みたいな雰囲気になっていますが、この辺はどうなんでしょうか。
#100
○国務大臣(甘利明君) 私からも、アメリカの交渉担当者との会談の中で、米国が議会通知をするというのは、ほかの国が全て了解をしたということが前提になっております。ほかの国が全て了解が取れたら直ちにやってほしいということは再三申し入れました。そして、全ての関係国の了解が取れたということを基に、茂木大臣からも一刻も早く議会通知を行うよう要請したところであります。
#101
○高橋千秋君 それは要請はしたということでありますけれども、フォードを含めアメリカの自動車関係は反対をしておりますし、一部の共和党の歳入委員長等も反対をされています。そう簡単にすんなりいくとも思えませんが、その辺はいかがでしょうか。
#102
○国務大臣(茂木敏充君) 一昨日、私、APECの閣僚会議に参加をしておりまして、そこの中の十一か国の閣僚がTPPの関係閣僚ということで、各国の支持が固まったということで、私のところに各国として日本のTPP参加を歓迎すると、こういう伝達がございました。すぐに総理そして甘利大臣の方にもその旨お伝えさせていただきました。
 各国、これからそれぞれの承認の国内プロセスに入ってまいります。当然、アメリカの場合、九十日ルールがあるわけでありますけれど、昨日、USTRのマランティス代表代行と私もお会いいたしまして、先方からも、できるだけ速やかに議会通知をしたいと、こういうお話がございました。
#103
○高橋千秋君 マランティスさんは私も会いましたけれども、はっきり言ってよくしゃべる調子のいい方ですので、それに、口車に乗らないように是非していただきたいと思います。そんな簡単なものじゃないと私は思っています。
   〔理事小川敏夫君退席、委員長着席〕
 私も、APECの貿易担当大臣会合でアメリカへ行って皆さんと会わせていただきました。そのときにも、調子のいいことは言いますが、実際のところは議会の承認はなかなか大変だという話もそのときに聞いています。多分そういういい話しか聞いていないと思いますが、本当に七月から参加できるんですか。
#104
○国務大臣(茂木敏充君) USTRとの間で様々な議論をしております。基本的には日米関係という信頼関係に基づいてそれぞれの立場でやっております。
 私は、アメリカの代表の方がそんないいかげんなこととかそういうことをおっしゃる方ではない、基本的にそういうふうに思っております。そして、そこの中で、できるだけ速やかに議会通告をしたい、そしてまた七月の会合、まだ日程決まっておりませんけれども、七月の会合から日本が参加できるように最大限の努力をすると、こういう話でありまして、それはアメリカの代表としての話でありますから、私はそれを重く受け止めております。
#105
○高橋千秋君 マスコミに流れると全部何かもうオーケーみたいな話になっているんですが、実際のところ、アメリカの場合は議会があって大変難しい状況があるということは皆さんに知っていただかないといけないというふうに思います。
 というのも、年内にもし妥結するということになれば、七月、九月しかもう参加する時間がないというふうに思うんですが、ただ、この参加表明に関しては、これもう何度も、衆議院の予算委員会の中でも出ましたし、ほかの経産委員会等でもいろいろ出ました。自民党として、衆議院選挙の中で多くの方は参加しないというように受け止めて選挙をされたんだろうというふうに思います。
 私は、この部分は、聖域なき関税撤廃はないんだということを確認したからということで参加表明をされたということなんですが、これ不思議なのは、私の知る限りではアメリカもオーストラリアにミルクや砂糖の除外申請をしていたというふうに思います。その意味では、聖域なき関税撤廃そのものというのを言っているアメリカそのものが言っていなかったというふうに思うんですけれども、これを確認したから参加表明ということというのは、私はちょっとこれおかしいんではないかと思うんですが、いかがなんでしょうか。
#106
○国務大臣(甘利明君) 総理が日米会談で合意文書、正式なものを作られました。その中には、アメリカには一定の工業品、日本には一定の農産品、それぞれセンシティビティーはあるということを確認ができたわけであります。そして、聖域なき関税撤廃を前提とするということではないということも確認をいたしました。そして、それは交渉の中で獲得をしていくものであるということになったわけであります。そうした前提に従って私どもは交渉を始めたわけであります。
 各国間でどういう交渉がなされているかは開示をされておりませんし、リリースをしていかないという部分もあるんだと思いますし、あるいは時間に従ってリリースできるものもあろうかと思います。そういうルールに従ってしっかりと対応していきたいと思います。
#107
○高橋千秋君 その内容は私たちがやっていたときと何ら変わっていないというふうに思うんですが、どこがどう変わったんでしょうか。
#108
○国務大臣(甘利明君) 御質問の趣旨がいま一つ正確に把握できていないんでありますけれども、私どもはTPPに関する知り得るルールの中で取り組んできてまいりまして、各国の了解が取れて、そして一番大きなところは米国が議会に通知をするということであります。米国が議会に通知をするということは、米国として議会の了解が得られるというその自信と見通しがないと日米間の協議が政府レベルで終了したとは恐らく言わないんではないかと思います。
#109
○高橋千秋君 各ここに座っておられる閣僚の方々も、反対をされていた方も何人かお見えになります。
 稲田大臣、総務委員会でも質問がありましたけれども、このTPP交渉参加の反対派の先端を走っておられたと思うんですが、今回の参加については賛成でしょうか、反対でしょうか。
#110
○国務大臣(稲田朋美君) 委員御指摘いただきましたように、当委員会でも、また経産委員会、内閣委員会等でも私の当時の論文やらまた対談などを引用していただいて質問をしていただいているところでございます。
 その際にも申し上げましたが、当時は、私は民主党の外交姿勢、そしてまたTPPに関する全く基準がない中での参加交渉に断固反対するという立場を取っておりました。また、当時の私の対談、また言論については、自民党の中でも私は主張を申し上げ、そして当時の政調会長である茂木政調会長、また、林農水大臣はそのときの座長でしたけれども、聖域なき関税撤廃を前提とするTPPには断固反対するを始めとする、国益を守る六つの基準を策定をしたところでございまして、何ら矛盾はないと考えております。
#111
○高橋千秋君 それでは、何度も引用されておりますが、二〇一二年「ウイル」二月号の対談の中で出ております、TPPは農業だけの問題ではなくて国の文明、国柄の問題であって、参加すれば日本の国柄が破壊されると申されておりますが、これはどういうふうに今とらえておられるのでしょうか。
#112
○国務大臣(稲田朋美君) その対談をいたしましたのは二〇一一年の暮れのことでございます。今申し上げましたように、当時の民主党政権は全く何が国柄で、何が国益であるかという基準を示されなかったわけでございます。今総理は、国益を守る、国柄を守る、その上でTPP交渉に参加をするということをおっしゃっております。そして、何が国柄であり、何が国益を守るかということは、J―ファイル、そして公約の中に書かれたとおりでございます。
#113
○高橋千秋君 今回の合意の中で、私が考えるには、私たちが思っていたよりも不公平な条約になっているように私は思います。というのも、アメリカに対して日本が輸出している自動車に対して、自家用車は二・五%、それからピックアップは二五%の関税が掛けられているわけですけれども、これについては最大限後ろ倒しにするということが合意になっております。これでTPPに入る意味があるんでしょうか。ほかにも後で申し上げますけれども、全くアメリカの言いなりになっているということなんではないでしょうか、いかがなんでしょうか。
#114
○国務大臣(茂木敏充君) 恐らくよく米韓のこのFTA等々と比べてというお話なんですけれど、この米韓のFTAの内容もよく確認を、委員、していただきたいと思うんですね。
 まず、安全基準の問題です。今回の日米合意を米韓のFTAと比較いたしますと、米韓のFTAで、韓国は米国の自動車について、メーカー当たり二万五千台の米国安全基準の受入れに合意しております。我が国はそういった合意、今回一切いたしておりません。国民生活の安全にかかわる事項は原則を曲げることはできない、こういった立場を堅持をしております。
 そしてまた、長い期間ということなんですけれども、基本が違うんです。米韓の場合は韓国にも関税があったんです。韓国は車が八%、そしてトラックが一〇%、それに対してアメリカは車が二・五%、トラックが二五%、そこの中でお互いに下げている。ところが、日本の場合は関税はゼロなんです。一方的にアメリカに下げさせる、こういう話の中で、最終的にはアメリカ、関税を撤廃します、こういったところを合意をしたわけでありまして、恐らくこの事前交渉がなければアメリカの関税撤廃はなかったと、こんなふうに思っております。
#115
○高橋千秋君 それはごまかしですよ。韓国となぜ比較する必要があるんですか。日本とアメリカの話で、日本の自動車はもう既にゼロなんですよ。それが、二・五%、二五%残すということじゃないですか。それも最大限後ろ倒しをする。
 今回、農業のことがあたかも何か取れたようなことが言われていますけれども、何にも決まっていない。何か取れたんでしょうか。
#116
○国務大臣(甘利明君) 農業に関しましては、一定の農産品、センシティビティーがあるということは再度書かせていただきました。
 元々、TPPは本交渉の中でいろいろな交渉が進んでいくわけであります。事前交渉では、アメリカ側が日本に対して、日米の経済交渉、かねてからやっていた経済交渉の中で関心がある事項について先に結論を出してくれということでありました。日本側に関税が自動車にないものでありますから、それはアメリカ側の関税だけを下げるということになったわけであります。
 そして、我々は、本交渉に入っていって、もちろん農産品の問題は米国一か国だけの問題ではありませんから、その中でいろいろと国益を踏まえた交渉をしっかりしていきたいというふうに思っております。
#117
○高橋千秋君 私は、答えになっていないと思います。
 先ほどからおっしゃっている、日本が関税がゼロだからアメリカは一方的に引き下げるというふうに言われますが、そもそも日本が関税ゼロでアメリカにあること自体がおかしいじゃないですか。それを、一方的に引き下げるから、アメリカ側は譲歩したんだと言いますけれども、これは何も譲歩でも何でもないですよ。
 ましてや、最大限後ろ倒しする。それも農業についてはセンシティビティーがある。これ、日本語で言ったら微妙な話だということですよね。微妙な話というだけで何も、それじゃ何が微妙なのかすら分かっていない。どの、例えば稲作とかそういうことが本当に微妙なのかどうかという、そういうことすら上がっていない中で、一方で、自動車の関税は、ずっとその農業の日本の方の関税がなくなるよりも後にしかそれはなくしませんよということですから、当面ははっきり言ってなくならないんです。そういうことじゃないですか、茂木大臣。
#118
○国務大臣(茂木敏充君) 今、日本はTPP参加国に対して自動車の関税毎年四千七百億円払っております。これを下げていかなきゃならないと。これはアメリカだけの問題ではありません。更に高関税の国があります。ただ、現状からいって、日本はゼロなんです。それは、ほかの国が何%であろうが、ゼロなんですよ。ですから、日本の自動車を国内で造って輸出していくためにもこの関税を撤廃していく、このことが重要であります。
 ただ、相手のある話であります。そうすると、こちらがゼロの段階でやるのと、相手も関税がある場合にお互いに下げるのでは、当然条件が変わってくると。ただ、少なくともこの事前交渉がなかったらアメリカが撤廃ということにはならなかったというのは事実であります。
#119
○高橋千秋君 それはおかしな話ですよ。ほかの国々ともそういう問題があります。今回のこの件で、ほかの国からもそういう同じような条件を突き付けられるということになると思いますが、いかがでしょうか。
#120
○国務大臣(茂木敏充君) TPPの交渉、これから様々な、マルチで全体の投資のルールを検討したり、また場合によっては関税についてバイでやったりと、いろんな手法の中というか、やり方の中で最終的な結論を得ていくと。当然、我々については、こういった工業製品の関税についてはゼロと、こういったことをきちんと主張していきたいと思っております。
#121
○高橋千秋君 一方、この自動車の部分だけではなくて、保険の部分、これ麻生大臣にもお聞きしたいんですけれども、かんぽ生命、それからがん保険、ゆうちょ銀行の住宅ローン、こういう新規業務は事実上凍結するというような発言をされておりますけど、これは事実でしょうか。
#122
○国務大臣(麻生太郎君) 十二日の日の発言のことを言っておられるのだと思いますが、これは閣議後の記者会見において記者の方からがん保険等の認可についての質問を受けたことに答えたものだと記憶をしております。
 かんぽ生命のがん保険と単品医療保険商品について、これは郵政民営化法とか、また保険業法の枠組みの中で、今、かんぽ生命と他の保険会社との間には適正な競争関係が確立されているとは言えない、業務の適切な遂行状態が確保される必要があると、今のように国内において。そのために、こういうものをきちんと調整するには数年間は掛かるという現時点での考え方というものを私が示したということであります。
 ゆうちょ銀行の新規業務というものにつきましても、これも記者から質問がありましたので、かんぽ生命の場合とこれは同じように、郵政民営化法と銀行法の枠組みの中で、他の金融機関、いわゆる国内にあります他の金融機関と適正な競争関係が確立され、業務の適切な遂行状態というものが確保される必要があると、そうじゃないと不公平だということで、そういう必要があるという趣旨を求めたものでありまして、いずれにせよ、金融庁といたしましては、郵政民営化法や銀行法、保険業法等々で定められた枠組みの中で法令にのっとって対応していく旨を述べたものであって、直接これはTPPの交渉と関係しているわけではございません。
#123
○高橋千秋君 直接関係しているわけではないということですが、このTPPの交渉の中でアメリカからの要望はこれが一番強いんですね。
 私も何度か、向こうのがん保険等をやっている、日本でもCMをやっているような会社のトップとお会いをさせていただいたときにも、向こうが言っていました、日本で七割、八割稼がせてもらっているんだと。だから、郵政にそういうことをやらせないでくださいというような話も私、直接聞きました。まさにこれはアメリカの要望です。さっきの自動車の話もそうです。そういう中でどんどんどんどんアメリカの要望を受け入れている。
 さっき安倍総理が、まあ多分テレビには聞こえなかったかも分かりませんが、やってみなきゃ分からないだろうという話をされました。これはまさにそういうところは当然あります。しかし、私たちのやろうとしていたときに多くの反対があって、アメリカの言いなりだとかいろんな話があって、まさに今アメリカの言いなりになっているんじゃないですか。
 稲田大臣、どうですか。
#124
○国務大臣(稲田朋美君) 先ほどから申し上げておりますとおり、当時の民主党政権は普天間でがたがたになって、その埋め合わせのようにTPPを突如持ち出され、また、私は、自民党の党内の議論の中で、一体民主党の言う国益を守るとは何ですかという質問をいたしましたら、国益を守るとは国益を守るということでございますという答弁に終始をされたわけであります。そのときと、今総理がオバマ大統領とお話しになって、そして自民党内で国益を守るとは、国柄を守るとはという基準を出しているわけでありますから、全く違うと思います。
#125
○高橋千秋君 片道ですからどれだけしゃべっていただいても結構ですが、先ほどの「ウイル」の中で、そこまでアメリカ様の言うことを聞かなきゃいけないんですかと、そういうふうに言われています。ですから、あなたが言われていたことと今どういうふうに変わっているんですか。今、アメリカの言うことを、言いなりになっているんじゃないですか。どうですか。もう一度答えてください。
#126
○国務大臣(稲田朋美君) 当時は、民主党政権で国益を守るという基準が全くなく、普天間に対する埋め合わせとしてTPPを持ち出したということを当時批判していたわけでございます。
#127
○高橋千秋君 言っていることに答えていません。稲田さんが言っていたときと今と、それじゃアメリカの言いなりにはなっていないということで、そういうことでよろしいんでしょうか。
#128
○国務大臣(稲田朋美君) そういうことでございます。
#129
○高橋千秋君 そういうことというのはどういうことですか。もう一度答えてください。
#130
○国務大臣(稲田朋美君) アメリカの言いなりにはなっていないと思います。
#131
○高橋千秋君 先ほどからずっと話がありますように、私たちが見ている限り、これはアメリカにとって一方的に有効な合意内容になっています。自動車のこと、関税撤廃になるという話ですが、これ、いつなるんでしょうか。
#132
○国務大臣(茂木敏充君) 具体的な日程については決まっておりません。しかし、日本が関税がゼロ、そこの中でアメリカだけが関税がある、こういう状態から、アメリカが一方的に譲歩をして関税を撤廃すると、このことは決まっております。
#133
○高橋千秋君 ただ、これは、最大限後ろ倒しということは、農業の日本側の関税を撤廃したその後ということでよろしいんでしょうか。
#134
○国務大臣(甘利明君) TPP交渉の中でいろいろな協議がなされると思いますが、関税撤廃のそのルールの中で最初のものに合わせるということであります。
#135
○高橋千秋君 じゃ、米含めて、まあ米が取れるかどうか分かりませんが、農業の日本側の関税撤廃の後にアメリカ側の自動車関係の関税撤廃が行われるという判断でよろしいんでしょうか。
#136
○国務大臣(甘利明君) 具体的な物品の関税撤廃ルールがセットされたと、その最初のものが基準になるということです。
#137
○高橋千秋君 我々が聞いている範囲では、最も最後に自動車の関税を撤廃するというふうに聞いておりますが、そういう判断でよろしいんでしょうか。
#138
○国務大臣(甘利明君) これ、実際に協議が始まってみないと細目については我々も把握できませんけれども、しかし、日米間での協議は、TPPの中の協議において設定されるもの、つまり関税が撤廃される一番長いもの、そこと平仄を合わせると、そこを基準にしてということになろうかと思います。
#139
○高橋千秋君 どっちにしても一番最後になるということはそのままだろうと思いますし、我々もそういうふうに確認をしております。私は、ここは本当に不公平なことだろうと思いますし、もし交渉に参加するのであればここはきっちりとやっていただきたいと思いますし、これ以外にも非関税障壁の部分で、九項目というふうに聞いていますが、様々な今後の別の交渉、並行的な交渉をすると聞いておりますが、いかがなんでしょうか。
#140
○国務大臣(甘利明君) 非関税の部分について、これはお互いがこれ協議をするということであります。これは一方的にアメリカ側がこうしたいからこうしろということではなくて、関心のある事項について幾つか挙げられていますけれども、それについて日米で協議をすると、これは並行して協議をするということになっております。
#141
○高橋千秋君 TPPというのは、まさに多国間の中でそういう様々なことについて全体でコンセンサスを得ていくというやり方だと思いますが、その中でアメリカだけを取ってそういう並行な交渉をやっていくということになると、まさにほかの国々ともまた同じような話になってくるんじゃないか、既にそういう懸念も出ておりますけれども、その部分についてはいかがですか。
#142
○国務大臣(甘利明君) 非関税障壁の項目はTPPの二十一の中に既にみんな入っているわけであります。ですから、TPP交渉の中でそれが議論をされる。でありますから、日本側からアメリカ側に申し上げれば、これはTPP交渉の中で議論をされる項目でありますから御心配なくと、それは各関係国にそこで決まったものが均てんされるわけであります。ただ、アメリカとしては並行して協議をしたいということでありますから協議はすると、日米でお互い意見を交換し合ってということにしたわけであります。
#143
○高橋千秋君 麻生大臣戻られましたので、先ほどの郵政の話なんですけれども、これで、郵政のその許可の問題がありましてしばらくは下りないということになると、私は郵政民営化の特別委員会の委員もしていまして、随分やり取りそのときにやりました。そのときの答弁で、民営化になればもう新規事業はどんどんできるし、何でもできるし、もう何でも良くなるんだというようなお話がそのときにありました。この新規事業はまさにここが核だと思うんですけれども、私は、こういうところで新規事業もできないということになれば、本当にあのときの話は何だったんだという話になりますけれども、いかがお考えですか。
#144
○国務大臣(麻生太郎君) 重ねて申し上げますけれども、今私が、十二日の答弁でしたか、あのときに申し上げたのは、今置かれている状況は、TPPとは関係なく、国内の競争上の点から見て公平を期していないのではないか等々、いろいろ意見が分かれるところが問題なんだということを申し上げているんであって、そこらのところがきちんとされれば当然のこととして新規事業ができることになるのは当然のことだと存じます。
#145
○高橋千秋君 ただこれ、郵政の問題についてアメリカ側から要求が来ているというふうに聞いていますが、それは事実でしょうか。
#146
○国務大臣(麻生太郎君) これは担当は直接だとは思いませんけれども、私どものところに関しましても、それは高橋先生がいろいろな方からアプローチがあったように、私のところにも直接間接にいろんなアプローチがあることは確かです。
#147
○高橋千秋君 それじゃ、TPPの別交渉の部分でこの郵政の部分というのは出ておりますでしょうか、甘利大臣。
#148
○国務大臣(甘利明君) アメリカ側の関心事項というのは公表されておりまして、それは委員も入手されているかと思いますが、そこの項目に出ていることは関心事項として協議をしていくということであります。
#149
○高橋千秋君 それでは、この新規事業が遅れるということが、二〇一五年の秋に予定されています郵政株の上場に影響を与えるということはございませんでしょうか。
#150
○国務大臣(麻生太郎君) 基本的にはありません。
#151
○高橋千秋君 それは確約できますでしょうか。
#152
○国務大臣(麻生太郎君) 度々申し上げておりますけれども、郵政をやっておられる会社の方々が、私たちが出している、これをやらなきゃ公平になりませんよという条件が出してありますから、それをきちんと満足させていただければ問題はないということを申し上げております。
#153
○高橋千秋君 農業の問題をお聞きします。このTPPでやっぱり一番関心が高いのは農業の分野です。私もJA出身ですので、農業については非常に関心が高いわけですけれども。
 私たちのときに戸別所得補償政策というのをずっとやってまいりました。そのときに、自民党の方からはばらまきだとかいろいろ言われましたけれども、今後これについてどうされるんでしょうか。林大臣にお聞きします。
#154
○国務大臣(林芳正君) お答えいたします。
 戸別所得補償制度につきましては、平成二十五年度、今年度ですが、名称を経営所得安定対策に変更させていただいた上で、基本的には二十四年度と同様の仕組みで実施をしようということで、今本格的な見直しを二十六年度に向けてやっていこうということで検討を進めているところでございます。
 これは、猫の目農政という時々言葉があるんですが、やっぱり現場の方がこの制度を前提にいろんな準備をされておられますので、余り急に、こういう時期、まさに今の準備に入る、若しくは入っていただいてからの時期に制度を変えるというのは現場に混乱が生じるだろうと、こういう判断からそういうふうにさせていただいたところでございまして、農業者、地方公共団体等の生産現場の意向を把握しながら、与党と十分に協議して先ほど申し上げました二十六年度に向けての仕組みを検討していきたいと、こういうふうに考えております。
#155
○高橋千秋君 まさに農業というのは一年、二年で変えられるものではありませんから、やっぱり長期的に政策の持続性というのが要ると思います。これは、与野党を超えた部分で農業をどう再生していくのかというのは、先ほどの地方をどう大事にしていくかというのは大変重要なことだと思いますので、是非その辺は御判断いただきたいと思います。
 なお、我々の政権のときに農業を成長戦略の中に入れました。これについて安倍総理はどうお考えでしょうか。
#156
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 民主党政権の農業、成長戦略ということについては余りコメントする立場にはございませんが、安倍政権において農業はまさに可能性に富んだ成長産業だと、このように思っております。
 多面的な機能があるわけでありますが、その中で、言わば生産という面において考えてみれば、品質は高いですし、そして極めて安心、安全なものが生産をされているわけでございます。ただ、もちろん価格については諸外国に比べて比較的高くなっているわけでありますが、しかし、その品質の高さと安心、安全という面、そしてブランド力を生かしていけば、もっともっと世界にも進出していくことが十分に可能であろうと、このように考えております。
#157
○高橋千秋君 それじゃ、安倍総理のその成長戦略の一角に入れるということでございましょうか。
#158
○内閣総理大臣(安倍晋三君) そうであります。
#159
○高橋千秋君 今回の予算編成見ていても、あのウルグアイ・ラウンドのときを思い出してしまうんですね。ウルグアイ・ラウンドのときに六兆円の予算を用意しましたけれども、これについてはほとんど農業土木に消えてしまったということがございます。
 亡くなった松下元金融担当大臣がずっと言われていました。彼は元々自民党の議員で農業族として頑張っておられたんですが、あの失敗を繰り返しては駄目なんだと、そういうことをずっと言い続けておられました。私は、彼と親しくさせていただいた中でいろんな意見を聞かせていただきましたけれども、彼のその言葉は非常に重いと思います。だから、今回そういう轍を踏まないようにしていただきたいと思いますが、林大臣。
#160
○国務大臣(林芳正君) お答えいたします。
 衆議院の予算委員会でも、また衆参の農林水産委員会でも同様の御議論、御指摘いただいているところでございます。
 今、高橋委員おっしゃった六兆というのは事業費ベースでございまして、六兆百億円、国費二兆六千七百億円ということで実施をしておりまして、圃場整備事業を含む農業農村整備事業が事業費ベースで三兆一千七百五十億円で、五三%を占めていたということでございます。
 担い手に農地の過半を集積するという目標、これが四六%しか達成できなかったということで反省すべき点もあったと。ただ一方で、稲作の労働時間が六割短縮されたと、こういう効果もあったようでございますから、しっかりとこれは検証して、あのときと随分いろいろ事情も変わってきております。農地法の改正もさせていただきました。しっかりと、このウルグアイ・ラウンド対策に対するいろんな御指摘も踏まえて、今回は、TPPいかんにかかわらず、農業は岐路に立っておりますので、しっかりと強化策を打っていきたいと、こういうふうに思っております。
#161
○高橋千秋君 確かに労働時間は減ったんですが、農家も減り、農業所得も減りました。これは結果的に良いことではないと思いますし、やはり農家の所得を増やすということ、これを考えていかないと農業を維持していくことすらできなくなりますので。私の地元ではもうほぼ担い手の平均年齢は七十歳を超えています、もうあと何年もつかという状況にあります。これは三重県だけに限らず全国的にそうだと思います。ここは先ほどの人口問題等を含めて一緒に考えなきゃいけない問題ですけれども、是非、攻めの農業も考えなきゃならないし、その地域の社会基盤を維持するという農業も考えていただけるように是非お願いをしたいと思います。
 時間がなくなりましたので、最後に、私、地元を歩いていて、介護施設や児童養護施設等いろいろなところを歩かさせていただくと、本当に人が足りないという話を聞きます。もう高齢化が進む中でどこも受け入れてくれるところがないという一方で、本当は施設もっと造りたいけれども人を雇えないんだという話もあります。いろいろなところへ行くと、どこかで働いてくれる人いないですかということを聞きますし、一方で就職口ないですかという方がおられます。これをマッチングしたらうまくいくわけなんですけれども、実際にはこれ全然うまくいかない。これ、なぜそうなっているかというのを、総理、いかがでしょうか。
#162
○国務大臣(田村憲久君) 介護分野に関しましては、福祉人材センターやハローワークに福祉人材コーナーというのをつくってマッチングをしておるわけでありますが、一つには、今いろんな就労形態の中で、職にあぶれておられる方々が、一方で求人がある介護分野、福祉分野と、なかなかそれを望まれない、若しくは一旦働かれても、なかなか望むべき就労ではないというような中でまた離職をしてしまうというようなことがございます。
 でありますから、やはり福祉をやりたいという方々にその福祉の職場というものを提供できるような、そういうある意味情報提供も含めてのマッチングというものをやっていかないことにはなかなかそこがうまく合っていかないんであろうと、このように思っております。
#163
○高橋千秋君 大臣の地元の三重県のいろいろなところでも同じ話聞かれていると思いますが、やっぱり人が足りない。これは児童養護施設でも本当に足りないという、個人の努力で、ボランティアの努力で頑張ってもらっている人、たくさんあるんです。ここを手当てをするということがやっぱりこの国を維持していくために大変役立つと思いますし、我々が今やらなきゃいけないことだと思いますので、是非御努力をお願いしたいと思いますし、総理にもそういう認識を持っていただきたいというふうに思います。
 時間が参りましたので、私の質問を終わります。
#164
○委員長(石井一君) 以上で高橋千秋君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
#165
○委員長(石井一君) 次に、石橋通宏君の質疑を行います。石橋君。
#166
○石橋通宏君 民主党・新緑風会の石橋通宏でございます。今日は、この予算委員会の場で質問の機会をいただきまして、本当にありがとうございます。
 今日、私は、今恐らく国民の皆さん、とりわけ労働者の皆さんが一番心配、懸念をしておられると思いますが、今、安倍政権が進められようとしている雇用労働の規制緩和の問題について集中的に取り上げさせていただいて、安倍総理からしっかりと見解、そして今後の方針を伺いたいと思いますので、どうかよろしくお願いを申し上げます。
 それでは、初めにまず安倍総理にお伺いをしたいんですが、それは、雇用のあるべき姿について総理がどういうふうに思われているか、その御見解をお伺いしたいんですが、国が国民に保障すべき雇用というのは具体的にどういう雇用でなければならないのか、是非、安倍総理の御認識をお伺いさせていただきたいと思います。
#167
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 憲法との関連でいいますと、憲法二十七条第二項では、賃金、就業時間、休息その他の勤労条件に関する基準は法律でこれを定めると規定をされております。
 この勤労条件に関する基準については、労働基準法第一条第一項で規定されているように、労働条件は労働者たるに値する生活を営むための必要を満たすべきものでなければならないと、こう書いてあるわけでありまして、私もそのように認識をしております。
 今後のあるべき雇用、そして労働の姿についてでございますが、公正な働き方が確保されることが必要であるとともに、一人一人の安定した生活を実現をするための雇用の安定、そして雇用形態にかかわらず安心して生活できる多様な働き方が確保、尊重されることが望ましいと考えています。また、これまで、労働雇用の規制に当たっては、経済産業構造の変化に応じて必要な労働分野の改革を行ってきたところでございます。
#168
○石橋通宏君 今、安倍総理から御見解、御認識をいただきました。
 最初のパネル一をお願いをいたします。(資料提示)是非テレビを御覧の国民の皆さんとも一緒に、この基本原則について改めて確認をさせておいていただきたいと思います。
 憲法二十七条に規定をされております国民の労働の権利、これは当然に憲法十三条、そしてまた憲法二十五条、この関連で理解をされるべきものというふうに解されております。今、総理も恐らくこの見解で御認識をいただいたと思いますが、つまり、雇用というのはどんな雇用でもいいんじゃないんです。雇用というのは人たるに値する生活ができる雇用でなければならないと、個人がそれぞれに尊重をされて、健康で文化的な最低限度以上の生活が必ず保障される雇用でなければならない、このことがしっかりと憲法で保障されているわけです。つまり、国の責任、政府の責任というのは、こういう正しい雇用を国民に提供すること、これが我々に課せられた責任であるというふうに認識をさせていただきたいと思います。
 その意味で、パネルありがとうございます、今非正規雇用という働き方が残念ながら世の中には、労働市場には蔓延をしております。まず、安倍総理、今一体どれだけ非正規雇用が拡大をしてしまっているのか、総理、御認識がおありでしょうか。
#169
○委員長(石井一君) 安倍内閣総理大臣。(発言する者あり)総理、指名しましたから、どうぞお答えください。
#170
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 事実関係でありますから、それは厚労大臣が答えた方がよろしいかと思いますが、大体三分の一ぐらいではないかと思います。
#171
○石橋通宏君 厚労大臣。
#172
○国務大臣(田村憲久君) 大体労働者の三分の一ぐらいです。千七百万人とか八百万人。御通告いただいておればもうちょっと詳しい数字をお出しいたしますけれども、そのように認識いたしております。
#173
○石橋通宏君 非正規問題についてお伺いするという通告をさせていただいていて非正規の把握をされていない。厚労大臣、把握されていないんですか。今最新の、今最新の……(発言する者あり)じゃ、厚労大臣、もう一回お願いします。
#174
○国務大臣(田村憲久君) さすがに私も何万人単位ではなかなか頭に入っていなかったので、申し訳ありません。
 一二年にこれ千八百十三万人という数字でございまして、パート労働が八百八十八万人、アルバイト三百五十三万人、派遣社員が約九十万人、それから契約職員等々三百五十四万人、その他が百二十八万人となっております。
#175
○石橋通宏君 ありがとうございます。
 二月の最新の労働力調査によりますと、この非正規の雇用は千九百万人まで拡大をしております。これは二月の最新の労働力調査です。三六・七%です。もう三分の一をはるかに超える三六・七%というのが最新の数字であります。
 総理、この数字聞いて、御見解ありますか。
#176
○内閣総理大臣(安倍晋三君) この非正規については、経済がグローバル化している中において、その中で雇用形態も変化をせざるを得なかったという側面もございますし、また、勤労者の中においても様々な働き方を選ぶという傾向もあるということではないかと思います。
#177
○石橋通宏君 つまり、総理は、これらの皆さんは自分らで選ばれているという御見解ですか。
#178
○内閣総理大臣(安倍晋三君) そういう人もいるというふうに申し上げたんです。
#179
○石橋通宏君 そういう選択をせざるを得ない人たちが非常に多くなっているという認識はお持ちではありませんか。
#180
○内閣総理大臣(安倍晋三君) これは、言わば経済においては、国が社会主義みたいにこのようにしろと決めたらそのようになるものでは残念ながらないんですね。時給をじゃ五千円にしましょうかと、そうはならない。
 その中において、グローバルな経済の中でどのように少なくとも職を確保していくか、そして実際に様々な働き方をしたいという方々も結構おられるのも事実ですよ。
#181
○石橋通宏君 それは全く別の話だと思いますが。
 先ほど、総理、憲法上の要請について、労働基準法一条一項についてお話をされました。公正な働き方が必要だ、安定的な雇用が必要だという見解を冒頭述べられたと思います。これは非正規の方々、公正な働き方ですか。安定的な働き方だと思われますか。
#182
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 先ほど申し上げましたように、様々な雇用形態を望まれる方々もおられるのは事実であります。その中においてそういう形態で働いている方がおられるということであります。
#183
○石橋通宏君 では、こういう聞き方をさせてください。それでは、全ての方々が正規の働き方を望まれれば必ずそうされると、努力をされるということですね。
#184
○内閣総理大臣(安倍晋三君) これは、グローバルな経済の中においてそれぞれ企業が勝ち残っていく必要があるんですね。私は、それはこうだというふうに決めればいいということではないわけでありまして、要は、同じ、同一賃金、言わば同一労働をしていれば同一賃金が保障されるという仕組みをつくっていくことも重要であろうし、またあるいは、望む方が非正規から正規に移れるように努力をしていく中において、それが可能となる仕組みをつくっていくことも極めて重要ではないかと、このように思います。
#185
○石橋通宏君 今企業サイドのというお話をされました。恐らくそれが総理の本音のお考えなのではないかなというふうに強く思うわけです。
 総理は盛んに頑張る人が報われる社会をということをずっとおっしゃっています。これは頑張る人が報われる社会なんですか、非正規というのは。正規を望んでいる、しかし正規になれない、これが頑張る人が報われる雇用ですか。もう一度お願いします。
#186
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 言わば給付だけを考えればそういう考え方になるんでしょうけれども、その財源も確保していかなければならないわけでありまして、それと同じことなんですね。会社がその存立が危うくなってしまったらもう元も子もないわけでありまして、その中において、今我々が行っている正しいマクロ政策においてやっと経済も上向きになってきている中において、求人も増えてきているわけでありますし、そして正規の求職も増えてきている中において、我々もできる限り正規雇用を増やしていきたいと、こう考えている次第であります。
#187
○石橋通宏君 先ほど確認をさせていただきましたように、非正規雇用は拡大を続けています。三六・七%です。今、私たち政治の責任として、冒頭まさに総理が言っていただいたように、憲法上の要請をしっかりと役目を果たしていくためには、まさにこの望まない方々、非正規しかなくて、非正規で今一生懸命頑張っておられて、何とか正規の雇用と望んでおられる方々にしっかりと正規の雇用をつくっていくこと、真っ当な雇用をつくっていくことこそが我々政治の責任ではないでしょうか。
 その意味で、私たちが本当に今心配をしておりますのが、にもかかわらず、今、安倍政権、全く逆のことをやろうとされているじゃないですか。産業競争力会議、規制改革会議、ここで雇用の緩和の話を真っ先にされている。総理、なぜこの規制改革会議、産業競争力会議で雇用規制の緩和を議論させているんですか。説明してください。
#188
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 確かに、今委員が御指摘になったように、非正規の雇用には、雇用が不安定であるのは事実でありますし、賃金等が低いという問題も指摘されています。勤労者に占める非正規雇用の比率の上昇は、日本の所得水準を低下をさせ、そして家計消費を押し下げる要因の一つとなっているほか、人的資源の形成や活用にも問題が生じているという、これは認識をしております。こういう認識、共通認識の上に先ほどお話をさせていただいているということは申し上げておきたいとしております。
 そして、政府としては、正規、非正規の二極化を解消し、雇用形態にかかわらず、将来に夢や希望を持ちながら安心して生活できる環境づくりに取り組んでいるところでありまして、多様な働き方を実現するための方策を検討するとともに、本年度予算案に、新たに企業内での希望に応じた正社員化や人材育成といったキャリアアップの支援など、非正規雇用の方々の雇用の安定や処遇の改善のための施策を盛り込んでいるところであります。
#189
○石橋通宏君 全然質問に答えていただいていないので改めてお伺いしますが、産業競争力会議、そして規制改革会議で雇用規制緩和の議論をさせているのはなぜですかとお伺いしております。
 総理の認識です。
#190
○国務大臣(甘利明君) 産業競争力会議で議論されておることから委員の質問が発生しておりますので、担当大臣としてお答えをさせていただきます。
 従来、日本の経済を担っていく中核的な企業が未来永劫存続可能かというと、今、シャープやパナソニック、ソニー、絶対に経営危機に陥ることはないと言われる世界企業が厳しい局面に直面をしていると、もちろん私は必ず乗り越えてくれると思っておりますけれども。それは、従来のビジネスモデル、対象商品でやっていけなくなってきている。ということは、新しい産業を生んでいかなければならないと。新しい産業が生まれるためにはその技術が必要ですし、資本が必要ですし、労働力が必要であります。新しい日本を担っていけるような労働力が適宜適切供給できるように、労働を固定化することにもう一心不乱になるという政策から、失業という形態を経ずに、つまり不安を極力与えずに、スキルアップをしたい、できるという人はスキルアップを組み込んで、そして、これからを担う分野にスムースに労働力が移動すると、そういうことに対してどういう政策が持てるかということを議論をしているところでございます。
#191
○石橋通宏君 全然質問に答えていただいてないので、それがなぜ雇用の規制緩和の議論を真っ先にこの産業競争力会議でさせていることにつながるんでしょう。
 総理、労働者を犠牲にしながら企業の生き残りだけ懸けるということですか。総理の見解、総理の見解をお願いします。(発言する者あり)
#192
○国務大臣(田村憲久君) 私も産業競争力会議に何度も出席をいたしまして御議論をさせていただきました。労働者を守る立場は我が省でございますので、そういう意味で御答弁をさせていただきますが、基本的にいろんな議論がなされているのは事実です。ただ、その中で、例えば失業なき労働移動をどうするか、こういう議論もなされているんですね。やはり我々としては、失業というものがあったんでは、これは労働者にとっては大変不幸なことでありますから、スキルチェンジやスキルアップをどうしながら労働移動をしていくか、そのときに国の方も、今までそういうところにはなかなか助成が少なかったものでありますから、しっかりと助成をしていこう、こういう議論もさせていただいております。
 あと、今、甘利大臣がおっしゃられた内容を少しばかり私の考え方で申し上げれば、やはり企業というものが日本の国で生き残らなければ雇用も失われるんですね。ですから、そういう意味で、雇用を失わないためにどうやって産業競争力を付けるか、これも大きな議論でございまして、雇用を守るという意味からそのような議論をなされており、我々の立場としては、失業をなるべくさせないということが前提でございます。
 いずれにいたしましても、いろんな議論あると思いますが、最終的には労働政策審議会で御議論をいただかないと雇用のルールというものは決定していかないわけでございますから、出てきた結論に対しまして今度は厚生労働省の方でしっかり預からさせていただくと、こういうことになろうと思います。
#193
○石橋通宏君 田村大臣からも質問に答えていただいていませんが、田村大臣は会議に呼ばれているだけで、会議のメンバーでもないということも実はすごく問題視をしておるわけですが。
 パネルの二をお願いします。これ全くあれですよ、一九九〇年代から、我々もう昔聞いた話です、企業のために、産業競争力のために、そう言って雇用の規制緩和をずっと続けてきたじゃないですか。その結果がどうか。一九九七年以降、このパネルが示しておりますように、労働者の賃金はずっと減り続けているんです。平均賃金がずっと減り続けて、特に二十代前半の若者、ここの賃金は激減しています。先ほど議論がありました、若者がなかなか結婚できない、少子化、この社会の今の状況は、この規制緩和がずっと続けてきた結果じゃないですか。それがなぜ今もう一回またこれ更にやろうという話になるのか。もう一回お答えください、これ先ほど来全然答えられていないので。なぜ今規制緩和なんですか。
#194
○国務大臣(甘利明君) 規制緩和は、産業活動を縦横無尽に展開できるような環境にないとしたら、その障害が何であるかということを議論をいたしております。あわせて、労働雇用については、これ極力不安を与えないと。
 私も、産業競争力会議でのこの雇用問題を取り扱った際にあえて発言をしました。これは間違った情報発信があってはならないと、これは解雇をしやすくするという議論じゃありませんよと。これは、失業という形態を経ずに、成熟産業からこれからますます大きくなっていく産業にスキルを身に付けた人材が移動できるための環境整備はどうするかということであって、A社からB社に移る際に失業という形態を経ないでやってくれということは私はあえて注文を付けております。これは解雇自由の議論をしていることでは断じてありません。
#195
○石橋通宏君 改めて確認をさせていただきたいと思います。
 委員の皆さんには資料の七にお付けをしておりますけれども、我々が産業競争力会議、そして規制改革会議のこれまでの資料を検討させていただいて、今少なくともメニューに上がっていると思われる規制改革、雇用の規制緩和の議論のメニューです。
 リストを挙げます。解雇の自由化、金銭解決ルールの導入。準正社員という新たな身分の導入、しかもこれはこの身分について解雇をしやすくしようという議論があります。裁量労働制の拡大、これまた労働時間規制を取り除こうという議論だと思います。有料職業紹介の原則自由化、派遣労働の制限の撤廃、そしてまた新たな経済特区における雇用規制の緩和。
 事実確認だけさせていただきます。これが議論に上っているということは事実でしょうか。
#196
○国務大臣(甘利明君) 民間議員がどういう民間議員なりの提案をしてくるかについては、私どもは事前に制約を加えることはできません。いろいろな案が出されています。それを議論をして、それを議論をして精査をいたします。その際には、雇用問題に関する議論があるときには厚労大臣に入ってもらいます。民間議員のペーパーの中にいろいろな議員の考え方が入ってくることは当然ございますが、それが結論になるということではありません。
#197
○石橋通宏君 先ほど申し上げたことが議論の俎上に上っている、メニューに入っているということを確認させていただいているんです。
#198
○国務大臣(稲田朋美君) 規制改革担当大臣としてお答えをさせていただきます。
 規制改革会議は、民間議員による会議でございます。その中で雇用ワーキング・グループが設置をされております。その中の資料の中で、「キーワードは「人が動く」。希望を持ち、自らの意志で積極的に動く人を後押しする」ということでございます。
 そして、委員が御指摘の中で、例えば、準正社員という言葉ではなくて、勤務地や職種が特定をされた正社員の導入ということが議論をされております。しかしそれは、それによって解雇がしやすくなるというそういう議論ではなくて、雇用契約をする際にきちんとその条件などを、職種などを明確にして、労働者との間で明確な労働契約を結ぼうというような方向性で議論をされているところでございます。
#199
○石橋通宏君 まだお答えをいただいていませんが、これだけのものが、今、規制改革会議それから産業競争力会議、これだけの雇用規制の緩和が議論されているんでしょうかという、これの事実確認をさせてください。
#200
○国務大臣(稲田朋美君) 解雇の自由化、金銭解決ルールの導入ということは議論はされておりません。また、次のことについては、私が申し上げましたところの特定された正社員ということではないかというふうに思っております。その他、ちょっとこの項目に当たる議論はなされておりません。
#201
○石橋通宏君 では、産業競争力会議ではどれがメニューに上がっているか、教えてください。
#202
○国務大臣(甘利明君) 金銭解決ルールという案は民間議員の中に一部入ってまいりました。そして、裁量労働制について、ホワイトカラーエグゼンプションという過去に議論があって誤解を生じたと、ただし、例えば研究者等々においては、もちろん本人の意思によるものでありますけれども、柔軟な対応がいいんではないか等々。それから、職業紹介に関しましては、もっと公が持っているデータを民間に開放して、マッチングしていく比率をもっと上げるべき努力をすべきではないか等々の議論であり……(発言する者あり)いやちょっと、公、ハローワークがやることはやることとして、ハローワークが持っている情報を民間に出すことによって、民間情報と合わせてより失業率を低減させていくと、そういう努力はすべきではないか等々の議論はなされておりますが、まだ結論は出ておりません。
#203
○石橋通宏君 つまり議論されているということです。そして、まだ結論が出ていないということですが、既に取りまとめのペーパーもだんだんと出てきているようですけれども。
 そうすると、解雇規制の緩和、解雇ルール、これを撤廃をして企業に労働者を解雇しやすくする。これは安倍総理としては一切やるつもりがないと。衆議院でいろいろ議論があったんですが、どうも安倍総理の発言が二転三転されているようですが、この解雇規制の緩和、解雇の自由化、これは決して安倍総理としてやるつもりはないということで確認いただけますか。
#204
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 私が申し上げていることは二転三転していません。はっきりと申し上げておけば、金銭で自由に解雇できる解雇の自由化を行わない、これは一定してずっと申し上げていることであります。
 しかし、その中において、事後、例えば裁判等において解雇が無効になった際に、しかしなかなか職場に戻れないというときにおいては金銭解決をすることもあるでしょうし、また中小企業においては、むしろかえってそのルールがないために、実際ほとんど企業側から金銭的な支払がない中において解雇されるということが横行している中において、むしろそういうことについてはルールを作った方がいいのではないかという議論はあるわけであります。
#205
○石橋通宏君 つまり、いわゆる事後の金銭解決ルールは否定されていないということでよろしいですか。
#206
○内閣総理大臣(安倍晋三君) そのことについて私は、私の答弁がずっと一定しているということであります。
#207
○石橋通宏君 つまり、事後であれば使用者側の申立てでも解雇ができるということですね。
 総理、総理、総理。いや、二転三転していないと言われたじゃないですか。総理の発言、総理の発言についての、総理の発言についての話です。総理の発言について。
#208
○国務大臣(田村憲久君) ちょっと議論を整理させてください。事後というのは、これ解雇紛争があった後に不当解雇ということで解雇無効というふうになるわけでございますから、これは解雇ではございません。その後に代替措置等々をどうするのかということで金銭でそこを最終的に話合いが行われて、御本人の意思で辞められるということでございます。
 それは、要するに、今企業側からというようなお話がございましたけれども、企業側からやっている国は世界中でもほとんどないわけでございまして、そのような意味からして、甘利大臣も以前から、そのような企業側から言われるようなことに関しては我々は考えないということを申されておられるわけでありますし、我々厚生労働省といたしましてもそのように考えております。
#209
○石橋通宏君 労働者からの申立て、さも労働者のためにというような発言でしたけれども、それは誰が望んでいるんですか。労働者の要望なんですか。
#210
○国務大臣(田村憲久君) 議論の中で出てきておるということでございます。
 ちなみに、労働政策審議会で以前もこのような案がございましたが、そのときには、こういうようなものは用いるべきではないということで、最終的に法律改正には至らなかったというような話であります。
#211
○石橋通宏君 裁判にまで訴えて解雇無効を勝ち取ろうとする労働者のお気持ちがお分かりになりますか。それだけ職場復帰をしたいから裁判に訴えるんです。それで無効を勝ち取れば、みんな戻りたいんです。裁判に行くまでにどれだけの労働者があっせんや調停で金銭解決を今でも認めていると思いますか。御存じでしょう、田村大臣。
#212
○国務大臣(田村憲久君) 今、途中で、裁判で最終的な結論を出さずに、あっせん等々で金銭で解決しておるという案件がたくさんあることは承知をいたしております。
#213
○石橋通宏君 次の資料、パネルをお願いします。
 一つだけ確認させてください。解雇は今でも行われているんです。日本が解雇できない国なんてうそっぱちです。解雇は今でも行われている。とりわけ中小企業、とりわけ非正規の雇い止め、これはもう言うに及ばずです。解雇はできるんです。にもかかわらず、もう解雇は厳しいからもっと解雇しやすくしてくれ、これ、まさに産業競争力会議のメンバー、大企業の社長たちが言っていることじゃないですか、田村大臣。
#214
○国務大臣(田村憲久君) 産業競争力会議でもそのようにおっしゃっておられる方もおられますが、一方、経営者側で、そうじゃないと、やはり労働者をしっかりと守りながらどうやって人を移動させていくかということを考えなきゃならないと、望まない方々に労働移動というのはそれは良くないであろうという御発言をされる方もおられるんです。議事録をまた見ていただければ分かると思いますから。
 ですから、両方の意見がある中で御議論をいただいておりますので、一方的な偏った意見ということではないということは御理解いただきたいと思います。
#215
○石橋通宏君 繰り返しますが、残念ながら田村大臣はこのメンバーではありませんので、本来ならば田村大臣がメンバーでしっかりとそういうことを発言していただくべきなんだと思いますが。
 本当は一つ一つカバーしていきたかったんですけれども、時間がありませんので、最後にその点だけもう一回総理に見解を聞きたいんですが、今、こういう規制の緩和の議論を産業競争力会議でしておられることは、今日確認させていただいたのは事実です。その産業競争力会議、まさに雇用労働の問題、規制緩和の問題、五千五百万雇用労働者にこれからの人生に本当に影響を与える大きな問題について、労働者の声がない、労働者の代表がいないところで議論されている、これが問題だと思いますが、なぜ、総理、労働者の代表がここにおられないんですか。総理。
#216
○内閣総理大臣(安倍晋三君) これは、産業競争力という側面からこの会議をつくっております。そして、労働にかかわることについては必ず田村厚生労働大臣が出席をしているということでございます。
#217
○石橋通宏君 次のパネルをお願いしたいと思いますが、結局こういうことです。産業競争力のためにと言いながら、結局は労働者、雇用者、この犠牲の上で企業のやりやすいようにやると、そういうような議論をしていただいている。これ、産業競争力会議の民間議員、メンバーの方々です。まあ大変な人たちですね。企業のトップの方々、大変な収入を得られておられる方々、こういう方々が、今、この雇用の規制緩和、解雇ルール規制の緩和、そして裁量労働制、労働時間規制の緩和、五千五百万雇用労働者の未来を決める議論をこういう方々に委ねているということ自体が大変な問題だということを指摘をさせていただきたいと思います。
 時間がなくなってまいりましたので、こういう、私たち本当に雇用労働規制緩和心配をしておる中で、実は大変大きな問題が発生をいたしました。それがこの日経新聞の全面広告であります。今日はこの当事者であります丸川珠代厚生労働大臣政務官に御出席をいただいております。
 まず、丸川大臣政務官より、この二月二十五日の日経新聞のこの全面広告、この経緯を、最初にお話があったときから二月二十五日に至るまで、つまびらかに国民の前に説明をしていただきたいと思います。
#218
○大臣政務官(丸川珠代君) まず、こちらの、大臣政務官の就任前ですね、昨年の十一月の十三日に、日経クロスメディアの対談記事、日経クロスメディアという日経新聞の中の一部署と聞いておりますけれども、こちらから対談の企画ということで、インタビューの記事をやりたいということで、このヒューマントラスト社の社長さんから御連絡がございました。実際のインタビューは、大臣政務官に就任した後の今年一月の十一日に行ったものです。対談の記事の原稿のチェックを今年の二月十三日と二月十八日の二回にわたって行いまして、その際、厚生労働省にもチェックをしていただいております。その後の二月二十五日にこの記事が掲載をされました。
 今回の件は、日経クロスメディアの対談記事ということで、私のゲラチェックもその対談記事の部分だけだったんですけれども、広告になって出るというのは、その日の朝にそういう紙面で出て初めて知りました。
 以上です。
#219
○石橋通宏君 少なくとも日経新聞に出るということは御存じだったんですね。
#220
○大臣政務官(丸川珠代君) 日経新聞の記事として、記事というか、対談記事ということで出るというふうに伺っておりました。
#221
○石橋通宏君 最初に広告だという説明はなかったんですか。
#222
○大臣政務官(丸川珠代君) 広告記事という、その下に広告というちっちゃい字がそこに入っているんですよ、そういう記事だということで伺いました。
#223
○石橋通宏君 ということは、広告だという御認識があったということですね。
#224
○大臣政務官(丸川珠代君) 済みません、その下の部分にあるヒューマントラスト社の広告と一体だということは当日の朝まで分かりませんでしたが、いわゆる企画広告記事というものだということは理解をしておりました。
#225
○石橋通宏君 つまり広告だという認識があったということです。
 これ、丸川さん、政務官として、民間企業、しかも御自分の所掌分野である派遣事業者、この企業の広告に出演をした、そしてこの企業の営利活動に加担をしたことについて、責任をお感じになっていませんか。
#226
○大臣政務官(丸川珠代君) これは、全面広告記事だということでは理解をしておりませんでしたので、企画広告記事だというふうに理解をしておりました。
 政務官規範等にはそれに出演すること自体は違反ということは聞いておりませんで、確認もいたしましたけれども、ほかで確認しても、役所の中でそれは問題なかったということでございました。
#227
○石橋通宏君 政務官、この新聞広告記事、幾ら掛かるか分かりますか。
#228
○大臣政務官(丸川珠代君) 申し訳ないが、存じ上げません。
#229
○石橋通宏君 皆さんには資料の十九でお付けしておりますが、これ、定価二千四十万円です。制作費が大体四百数十万。まあ、大体定価で二千五百万円です。これだけの金額が動いているわけです。つまり、民間企業が二千五百万円の広告を使って政務官の肩書でこの広告を出して、当然その何倍もの広告効果を期待する民間企業の営利の広告に政務官として名前を出して、企業のサービス内容についても新聞の中で言及をして出られているわけです。
 これ、それでも政務官規範に違反しませんか。
#230
○大臣政務官(丸川珠代君) ここに、資料に書いていただいている期待、メリットというようなことをもしほかの政務官で出演された方や大臣も期待しているとしたら大変驚くんですけれども、民主党政権時代も、岡本政務官であるとか、あるいは前田国土交通大臣ですか、も何社か出ておられましたけれども、やはり出演をしておられた。しかも、そのときは政務官であり、大臣であるという肩書でそのままお出になっておられましたので、それが広告効果を期待して出ておられたとしたら、それはちょっと違うんじゃないかなと思いますけれども、でも、それが認められるということは、これも問題ないという判断を多分厚生労働省はしたんだと思いますが、私自身問題ないと思います。
 それから、ここに謝礼が、大変多額な謝礼が書いてありますけれども、私、自分がテレビ局をもし三十代の後半辞めたら、実際にテレビに出たら幾らぐらいフリーランスでもらえるかという話をしたことがあるときに、一回出演しても二十万円だと言われました。ましてや、今、文化人ギャラという一桁違う安い値段のギャラがございますけれども、我々がもしテレビに出演すると、まあ三万円とか五万円とか、大体そのぐらいの値段しか支払われないわけでありまして、ましてや、紙媒体になりますと更にそれより安いケースがほとんどでございますので、正直申し上げて、こんな出演料をもらえるような広告に出たことがある人の話とか、出たという話、私自身もないですし、もちろん、聞いたことがありません。
#231
○石橋通宏君 過去の話で、昔あったから私は問題ないと、そういう言い訳だと思いますが、開き直りでしかないと思いますけれども。
 丸川政務官、丸川政務官は今、任期はいつまででしょうか。
#232
○大臣政務官(丸川珠代君) 次の選挙の前までだと思います。
#233
○石橋通宏君 つまり、七月が任期で改選を迎えられるわけですが、丸川政務官、次の選挙に御出馬する予定ですか。
#234
○大臣政務官(丸川珠代君) 前回の選挙のとき、七月二十九日が投票日でございましたので、それまでが任期だと思います。私は、東京都選挙区から次も出馬をするつもりでございます。
#235
○石橋通宏君 つまり、七月に改選を迎えられる議員が二月二十五日の時点で日経新聞のこの全面の広告、まあこれが企業の広告だとは、こういう形では知らなかったとおっしゃいましたが、出るのは御存じだった、そして広告であることは御存じだった、そして御自身が写真入りで、自分の名前入りで出られることも知っていた。ということになりますと、これは、御自分の意見広告として、意見を述べる場として、ヒューマントラスト社、この企業にこの大きな宣伝の場を無償で提供していただいたということにならないでしょうか、丸川さん。
#236
○大臣政務官(丸川珠代君) 全くそのようには考えておりません。
#237
○石橋通宏君 まだちょっと幾つか疑問点がありますので、この点は午後に引き続き追及させていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
#238
○委員長(石井一君) 残余の質疑は午後に譲ることといたします。
 午後一時に再開することとし、休憩いたします。
   午前十一時五十四分休憩
     ─────・─────
   午後一時開会
#239
○委員長(石井一君) ただいまから予算委員会を再開いたします。
 平成二十五年度総予算三案を一括して議題とし、休憩前に引き続き質疑を行います。石橋通宏君。
#240
○石橋通宏君 それでは、午前中に続きまして、丸川政務官の企業CM出演問題について質問させていただきたいと思います。
 今日は総務省から選挙部長に御出席をいただいておりますので質問させていただきますが、公職選挙法百九十九条の二について、これがどのような行為を禁止する規定なのか、御説明を願います。
#241
○政府参考人(米田耕一郎君) 公職選挙法百九十九条の二は、公職の候補者等は、当該選挙区内にある者に対し、いかなる名義をもってするを問わず、寄附をしてはならないという禁止をした規定でございます。
#242
○石橋通宏君 その場合の寄附というのは具体的に何を指すのでしょうか。金銭だけの話ですか。
#243
○政府参考人(米田耕一郎君) 同じく公職選挙法の百七十九条第二項において寄附を定義しております。金銭、物品その他財産上の利益の供与又は交付、その供与又は交付の約束で党費、会費その他債務の履行としてなされるもの以外のものと規定されております。
#244
○石橋通宏君 丸川政務官にお尋ねします。
 丸川政務官、選挙区は東京都ですね、東京選挙区。ヒューマントラスト社の所在地はどこでしょうか。
#245
○大臣政務官(丸川珠代君) 東京都です。
#246
○石橋通宏君 もう一度選挙部長に伺いますが、自分の選挙区内にある特定の企業に対して企業広告への無償の出演という形を取って、この企業にとっては数千万から数億に及ぶ収益効果が認められる、これは財産形成効果だと思いますが、これは百九十九条の二違反に当たらないでしょうか。
#247
○政府参考人(米田耕一郎君) 総務省といたしましては、個別の事案について具体的な事実関係を承知する立場にはございませんので、お答えは差し控えさせていただきたいと存じます。
#248
○石橋通宏君 一般論でお答えください。
#249
○政府参考人(米田耕一郎君) 一般論で申し上げますと、先ほど百九十九条の二を御指摘いただきましたが、公職の候補者等が当該選挙区内にある者に対し寄附をしてはならないと規定されております。
 具体の事例がこの寄附に該当するか否かにつきましては、個別の事案ごとに具体の事実に即して判断されるべきと存じます。
#250
○石橋通宏君 つまり、非常に疑わしいという話だと思いますが……(発言する者あり)
#251
○委員長(石井一君) 静粛に願います。
#252
○石橋通宏君 同じく選挙部長、政治資金規正法の二十一条というのはどういう規定でしょうか。
#253
○政府参考人(米田耕一郎君) 政治資金規正法の二十一条は、会社、労働組合等は、政党及び政治資金団体以外の者に対しては、政治活動に関する寄附をしてはならないと規定しております。
#254
○石橋通宏君 この寄附にも無形のもの、例えば政治活動費用や広告費用の肩代わりなども含まれると理解してよろしいでしょうか。
#255
○政府参考人(米田耕一郎君) 政治資金規正法も先ほどの公職選挙法と同様の規定を置いておりまして、財産上の利益は、金銭、物品に限らず無償による提供も該当すると解しているところであります。
#256
○石橋通宏君 もし二十一条違反が成立した場合、この寄附行為の受け手側はどうなりますでしょうか。
#257
○政府参考人(米田耕一郎君) 罰則の規定がございます。
#258
○石橋通宏君 同法二十二条によって同じく受け手側も法違反に問われるということです。
 それでは、選挙部長、もう一つ、もう一回お伺いしますが、例えば政治家が事務所の費用だとか意見広告として自分の意見を述べるためのビラを制作をしたり、またよく新聞に新聞広告、意見広告を政治家が出す場合もあるかもしれません。これらの費用を肩代わりしてもらった場合、二十一条違反に問われるでしょうか。
#259
○政府参考人(米田耕一郎君) 一般論として申し上げますと、先ほども申し上げましたとおり、寄附の概念の中には、財産上の利益を供与するということでございますので、金銭、物品に限らず無償による提供等、そのようなものも該当するというふうに解しております。
#260
○石橋通宏君 つまり、この政治資金規正法の二十一条に当たる可能性もあるということだと思います。
 丸川政務官、今のお話聞いて、公職選挙法百九十九条の二、そして政治資金法二十一条、これ、いずれも全く今回のケースは当たらないとお考えですか。
#261
○大臣政務官(丸川珠代君) 全くこれが寄附に当たるという認識をしておりません。
#262
○石橋通宏君 安倍総理も同じ見解でしょうか。
#263
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 私もたまに地元の会社の新入社員の研修なんかでお話をさせていただいたりしますが、無償で行っておりますが、言わば全く当たらないんだろうと、このように思います。
#264
○石橋通宏君 どうもこの広告の重大性を全く認識をされていない答弁だと思いますが、つまり、安倍総理も今回と同様の特定企業から広告出演、これ、オファーがあったら受けるということですね。
#265
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 総理大臣ですから、基本的にそういうオファーそのものがございませんし、受ける考えはございません。
#266
○石橋通宏君 受けられないということですね。通常、受けないわけです。
 今日は人事院からもおいでいただいていますので、ちょっと人事院にお伺いしますが、国家公務員ですと国家公務員倫理法というのがあります。例えば、国家公務員が同様の広告に出る、これは許されるんでしょうか。
#267
○政府参考人(井原文孝君) お答えいたします。
 倫理法は、三条一項で、職員は、国民全体の奉仕者であることを自覚し、常に公正な職務の執行に当たらなければならない旨、定めているところであります。
 したがって、一般論ではございますけれども、職員が特定企業の営業行為に加担していると見られるような行為をしている場合には、その趣旨に鑑み、問題がないとは言えないとは思われます。ただ、対談することが特定企業の営業行為に加担していると見られるべきかどうかにつきましては、個別具体的な事情により判断されるべきものと考えます。
#268
○石橋通宏君 人事院、もう一回お願いします。
 もし国家公務員からこのような、今回のような企業CMへの出演について、これ大丈夫かと聞かれたらどう答えますか。
#269
○政府参考人(井原文孝君) 事例照会を行ってきた府省に対して、私がただいま説明いたしました倫理法三条の趣旨を説明するということになると思いますので、それを踏まえて各当該府省において判断されることになると考えます。
#270
○石橋通宏君 繰り返しますが、今回のは特定企業、しかも丸川政務官の所掌分野の中にある派遣事業者です。丸川政務官は、労働者派遣法、昨年十月一日に施行されたばかりの改正労働者派遣法の、これをしっかりと現場で運用する立場の方です。その立場の方が規制される側の事業者の広告行為に加担する。もしこれが許されれば、大臣の方々、副大臣の方々、企業広告、出放題ですよ。そんな政治倫理、あっていいんでしょうか。
 安倍総理、それでもこれ全く問題ないと言われるんですね。
#271
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 私はその当該の広告をちょっとよく見ていないんですが、これを見ると、若い世代が働く喜び共有し、労働意欲持てる社会にしたいということについて二人が話し合っているんですね。あるべき言わば雇用の在り方についての議論をしていると、このように思います。
#272
○石橋通宏君 もう時間が来ておりますのでこれで終わりにしますが、総理は全く広告の中身も御覧にならずにこの広告が問題なしと言われている。是非よくお読みになって、丸川政務官がこの企業の様々なサービスに対してどういう補助的な、支援的な発言をされているのか、そこを御覧になって今回の広告が問題あるのかないのか是非判断していただきたいと思いますが、これが許されれば、政治家が同様の企業丸抱えでこのような広告に出演して、そして自分の意見を述べることができるということを総理自らお認めになったと、そういうことになります。
 これは我々全体の問題だということを是非申し上げて、今日ここにパネル出しましたけれども、まだまだ今日追及できておらない疑念がございます。ですから、是非これは引き続きこの問題追及してまいりたいというふうに思っておりますので、そのことを申し上げて、私からの質問を終わりにさせていただきます。
 ありがとうございました。
#273
○委員長(石井一君) 以上で石橋通宏君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
#274
○委員長(石井一君) 次に、林久美子さんの質疑を行います。林さん。
#275
○林久美子君 民主党の林久美子でございます。よろしくお願いいたします。
 さて、第一次安倍内閣では教育基本法の改正、そして今回の第二次安倍内閣では教育再生実行会議を立ち上げられ、様々な課題について今議論をなさっていらっしゃるわけでございますけれども、この間、安倍総理が在任の間は常に教育という問題を政権の中枢に据えて取り組んでこられたということかと思います。その方向性についてはいろいろな思いもございますけれども、教育を大切にしていらっしゃるということに関しては敬意を表させていただきたいと思います。
 現在、私は民主党の次の内閣で文部科学を担当いたしておりますし、私自身、現在、小学校五年生の男の子を持つ母親でもございますので、本日は主に教育についてお伺いをさせていただきたいと思います。
 安倍総理、まずは教育再生に懸ける思いからお聞かせをください。
#276
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 全ての子供たちが高い水準の学力と規範意識を身に付ける機会を保障する、そういう教育を行っていくことが教育再生、教育改革の目的でございます。
#277
○林久美子君 ただいま総理からは、全ての子供たちという御発言をいただきました。
 我々民主党が政権にあったときに、教育についての大きな取組として高校の授業料の無償化を実施をさせていただきました。実際に経済的事由による退学者は半減をいたしましたし、高校中退者の再入学、いわゆる学び直す人も一五%増えました。そうした意味では、全ての子供たちの学びを保障するということにおいて大きな成果があったというふうに私は思っております。しかしながら、非常に残念なことに、当時自民党の皆さんは野党のお立場でいらっしゃいましたけれども、ばらまき四Kということで、この高校授業料無償化はばらまきであるということを終始一貫繰り返してこられました。
 総理、今改めて総理大臣というお立場にあって様々な方から御意見等々聞かれる機会もあるかと思いますけれども、今でも民主党政権が行った高校授業料無償化はばらまきであるとお考えでしょうか。
#278
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 高校無償化制度については、高等学校等における教育に係る経済的負担の軽減を図ることを通じて教育の機会均等に寄与するものと考えております。そのための政策はより効果的に進める必要があると考えています。
 このため、高校無償化制度に関しては、所得制限の導入、これは自由民主党が従来から主張していた点でございますが、まさにばらまきかどうかということについては、真に必要としている人たちに対して、言わばこれは国民の皆様からいただいた税金を投入をしていくわけでありますから、それが正しく均てんされていくことが大切であろうと、こう考えたわけでございまして、真に必要な、公助が必要な方々への制度となるように検討をしていきたいと考えております。
#279
○林久美子君 民主党政権時代にやった所得制限のない高校授業料無償化はばらまきだとお考えでしょうか。
#280
○内閣総理大臣(安倍晋三君) これは、言わば高校段階においては、必要でない人に行っているということについては我々はばらまきと考えたわけでございます。
#281
○林久美子君 何をもってばらまきと判断するのかというのは非常に大切な視点だと思います。
 文科大臣の下村大臣は、先月、参議院の文教科学委員会において、ばらまきについてこうおっしゃいました。何をもってばらまきとするかどうかは財源論だというふうに思うんですよね、財源論と御答弁をなさって、その一方で、質疑の後半では言い直されました。効果、効率や見通しを十分に配慮せず、見境なく多数に金銭を配ることというふうに位置付けたいと答弁をなさいました。
 総理、ばらまきの定義として、内閣としての見解をお示しをいただきたいと思います。と同時に、私はやはりばらまきかどうかというのは財源論ではなくて制度で判断をされるべきと思いますが、いかがでしょうか。
#282
○委員長(石井一君) まず、下村文科大臣。
#283
○国務大臣(下村博文君) ちょっと誤解があるようですので、私の方からまずお話を申し上げたいと思います。
 ばらまきの定義というのは、効果、効率や見通しを十分に考慮せず、見境なく多数に金銭を配ること、これを申し上げました。我々は、同じ四千億円という財源があるのであれば、高校無償化の方向性について、つまり私的負担を軽減するという方向性については、これはあるべき方向性であるというふうに評価いたします。ただ、より成果、効果のある配り方というのがあるだろうという中で、これは公私間格差や低所得者層に対して更に厚い手当てをするということがより望ましい形であろうと。その中で、同じ四千億という財源の中で判断するのであれば、所得制限を設けて公私間格差や低所得者層に対して更に厚い手当てをすると、そういう我々の考え方から見て、民主党の高校授業料無償化はばらまきだというふうに申し上げたわけでございます。
#284
○林久美子君 低所得者に厚くというお話がございました。そういった意味においては、我々の高校授業料無償化はばらまきではございません。実際に授業料無償化実施に合わせて特定扶養控除の縮減を実施をいたしました。この結果どうなっているか具体的な数字を御紹介しますと、現在の制度で、年収三百万円の家庭ならおよそ九万四千円プラスになりますが、一方で、年収二千四百万円の家庭ではプラスは七千円弱になっています。つまり、お金持ちになればなるほど無償化しても実質的には負担が増える仕組みになっているということでありまして、決して、低所得者に厚くとか大臣がおっしゃったようなばらまきではないのではないかという概念に照らし合わせても、そごがある制度ではないというふうに思っております。
 むしろ、ばらまきだということであれば、麻生大臣、昔のことで恐縮でございますが、定額給付金ございました。一万二千円ずつ全ての国民に総額二兆円を選挙前に配るといったことがございましたが、まさにああいう政策の方が私はばらまきではないかなというふうに思っております。
 先ほど総理もおっしゃいましたが、高校授業料無償化に所得の制限を設けるというお話でございまして、七百万円で境界を引くというやに伺っています。
 所得制限を掛けるということの問題は幾つもあるのですが、今日は一つだけ申し上げたいと思います。これは所得の反映までにタイムラグが生じるという問題です。
 例えば、高校一年生のお子さんが学校に通っていて、その世帯は元々年収八百万の世帯だったとして、じゃ、夏にちょっと給与の変動があって、結果として年収五百万の世帯になってしまった。本来であれば、そうしたら二年生のときにはそのお子さんは無償化の対象になるはずにもかかわらず、個人所得の額は一月から十二月までの収入をベースに翌年の三月までに申告をして、修正期間を経て確定をすると。これに基づいて制度に反映されるのは早くても七月ぐらいになるということになると、一年生のときに家計変動があったお子さんの家庭では、二年生のときには無償化対象にならずに、無償化対象となれるのは三年生になってからということになるわけです。
 こうなったときに、じゃ二年生の間の本来無償化になるはずだった期間の授業料は徴取されてしまうということになるわけですね。これについては、その後に返還するとか給付をするとか、何らかの形でしっかりと対応なさるということでよろしいんでしょうか。
#285
○国務大臣(下村博文君) まず最初に、林委員が指摘されましたが、例えば定時制高校の高校生は逆に負担になっているんですね。それについては言及をされる必要があるというふうに思います。
 それから、所得制限の話でございますが、自民党が野党のときの一つの目安として、同じ四千億円の中で、より公私間格差と、それから低所得者層に対する厚い給付型奨学金のような制度を考えているわけですが、その目安として七百万ということを提示をしましたが、今文部科学省の中で、この高校授業料無償化の見直しの中で、必ずしも七百万ということではなくて、より均等な形での、公正公平な形でどこに所得制限を線引きをするかどうかということについてはまだ検討中でございますので、まだ七百万ということが確定しているわけではございません。
 それから、ほかの制度でもやっぱり所得制限というのはあるわけで、この高校授業料無償化だけを、所得制限を導入する初めての制度ではないわけでございます。ですから、ほかの制度の中でのことも参考にしながら、それから、できるだけそういうふうな負担における、所得における差異が出ることによって不満が出ないような制度設計についてはこれから慎重に考えてまいりたいというふうに思います。
#286
○林久美子君 まだきちっとした制度設計がなされていないということかとも思います。
 なぜ無償化の所得制限にこだわるかというと、それは、安倍政権が教育を非常に政権の大きな柱に掲げていらっしゃるんじゃないでしょうか。まさに人をつくっていくことというのが国づくりの基本であるという理念に立っていらっしゃるからこその私はお取り組みだと思っておりますので、そうした意味で、一概にほかの制度と並びで判断されるのは私は適正ではないというふうに思うということを申し上げたいと思います。
 我々は、こうした問題を発生させることなく全ての子供たちにきちっと学びを保障したいということで授業料無償化を入れたりしてまいりましたけれども、格差是正、低所得者対策とおっしゃるのであれば、その部分はより積まれたらいいんだと思うんです。ですから、是非そうしたことも御検討いただきたいと思います。
 さて、こちらを御覧いただきたいと思います。(資料提示)覚えていらっしゃると思いますけれども、「日本を、取り戻す。」、自民党さんの重点政策二〇一二、昨年十二月の総選挙のマニフェストでございます、公約集でございます。この中で「Action2 教育再生」というふうに書かれておりまして、この中に「幼児教育の無償化に取り組みます。」ということがございます。
 自民党さんは、平成十七年の郵政選挙以降、常に選挙のたびに幼児教育無償化というのを公約で掲げてこられました。しかし、安倍総理、今回、待機児童の問題にもお取り組みを進めるというお話ございましたけれども、なぜ今、幼児教育の無償化なのでしょうか。
#287
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 子育て支援、少子化対策において重要性が高まっている中において、自由民主党で議論を重ねてきた結果、幼児教育の無償化に取り組んでいくべきだということになったわけでございまして、財源の問題がございますので、財源を確保しながら進めていきたいと、このように考えております。
#288
○林久美子君 私は政策にはやはり優先順位というものがあると思います。幼児教育無償化は悪いことではないし、非常に先を見ると大事な政策だと思います。しかしながら、これだけ待機児童の問題が社会問題化して、子供を持ちたい人が安心して持てない中で、子ども・子育て支援三法案が通ってようやくこれから動き出そうという中にあって、まずイの一番に出てくるのが幼児教育無償化というところにやや疑問を感じているわけでございます。
 下村大臣、今総理から財源のお話がありました。この幼児教育無償化の財源として幾ら掛かると見込んでいらっしゃいますか。
#289
○国務大臣(下村博文君) 先週の金曜日に、待機児童解消については、これは安倍総理が日本記者クラブで表明したとおり、前倒しでこれは対処するということでございます。そして、それに合わせて、この幼児教育の無償化については、今、森少子化担当大臣そして田村厚労大臣また私と政府側、それから与党、自民党、公明党の担当実務者によって今協議をしているところでございまして、六月までに一定の結論を出したいというふうに考えております。
 今考えていることは、この幼稚園、保育園を通じ、三歳から五歳の全ての子供に係る入園料及び保育料の平均的な金額について無償化した場合、必要となる追加公費の額は国及び地方公共団体合わせて約七千九百億円と推計されているところでございます。
#290
○林久美子君 高校の授業料の無償化は三千九百億円、幼児教育の無償化は七千九百億円掛かるということでございます。
 その財源について安倍総理は、昨年の衆議院議員選挙期間中の十二月五日の日に静岡県の街頭演説で、当時、総裁として幼児教育無償化の財源について御演説をなさっています。覚えていらっしゃるでしょうか。
#291
○内閣総理大臣(安倍晋三君) それはちょっと覚えていませんね。
#292
○林久美子君 では、私から御紹介をさせていただきたいと思います。私たちは幼児教育を無償化していく、ちゃんと財源もあります、おっしゃっていらっしゃいます。
 これだけ民主党政権のときも含めて財源というものが大事だということで議論がなされているわけですから、当時、総裁であった安倍総理が目星もなくおっしゃったというふうには考えておりませんけれども、具体的にどこに七千九百億円の財源があるのか、お聞かせください。
#293
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 公約を今読んでいただいたんですが、幼児教育の無償化に取り組んでいくということを公約としてお話をしました。ですから、それについては財源を獲得しながら進めていくということでございまして、現在は同時に三人ですか、この幼児教育に、言わば幼稚園、保育園にお子さんを通わせているお子さんのところについては無償化を始めているわけでありまして、この財源を確保しているということであります。段階的に進めていくということになります。
#294
○林久美子君 総理、ちゃんと財源もあると演説をなさっていますので、この財源についてどこにあるのか、お聞かせいただきたいと思います。
#295
○内閣総理大臣(安倍晋三君) いや、今年度予算でもう今申し上げたことについては対処しております。
#296
○林久美子君 じゃ、同時入園の第三子分のみということでおっしゃっているんですか、この演説は。
#297
○内閣総理大臣(安倍晋三君) ですから、取り組んでいくということでありますから、そこから取組を始めていくということであります。
#298
○林久美子君 いや、ちゃんと財源もありますとおっしゃっていて、段階的に取り組むということはお話しなさっていらっしゃらないんです。だから伺っているんですけれども、いかがでしょうか。
#299
○内閣総理大臣(安倍晋三君) ですから、今段階的に、まず第一弾についてはこの予算にもう既に入れているわけでありますから、当然、財源がなければ予算に入れられないということであります。(発言する者あり)
#300
○林久美子君 ちょっと静かにしていただけますか。
 それで、第三子のお話がございました。同時就園している年子の三人の子供がいて、三番目のお子さんだけ無償化に今回なっています。
 先ほども効果、効率を重視するというお話がございましたが、総理、じゃ、当然、幼児教育無償化にも所得制限を入れるということでよろしいでしょうか。
 いや、総理に聞いているんです。総理ですよ。
#301
○国務大臣(下村博文君) いや、その件については総理の指示で、先ほど申し上げましたが、関係閣僚三大臣とそれから今与党の中で所得制限を設けるかどうか、制度設計については今検討している最中でございまして、先ほど申し上げましたように、六月までには中間取りまとめをする予定でございまして、具体的に所得制限をそれでは幾ら設けるかどうかも含めて、あるいは設けるかどうかも含めて、今我々三大臣と与党で検討している最中でございます。
#302
○林久美子君 今回の第三子の部分に関しては、これまで年収六百八十万円で実質的には所得制限が掛かっていました。これが外れたわけです。これは所得制限を掛けない方向で進んでいるというふうに私は見るんですが、いかがですか。
#303
○国務大臣(下村博文君) おっしゃるとおり、幼稚園の対象の子供、第三子については、所得制限を撤廃したことによって第三子を無償化にしたということでございますが、これももちろん前提でありますが、だからといって全て所得制限を外すか外さないかと、新たに所得制限を設けるかどうかも含めてこれは今検討している最中で、これは予算が総額全て掛かった場合に七千九百億円という、その予算の中での段階的な制度設計の中で、あるべき形はより所得制限を設けない三、四、五歳児の無償化であるというふうに思いますが、財源との兼ね合いもあると思いますので、段階的にいつからどういう形でやっていくかということについては今検討している最中でございます。
#304
○林久美子君 高校授業料無償化は、所得制限が掛かっていないものはばらまきなので所得制限を掛けると。幼児教育無償化については、まだ分からないけど、少なくとも今の段階では所得制限を一部もう外して始めているわけです。
 これは私は政策の一貫性を欠くというふうに思いますけれども、総理、総理にお伺いをしたいと思います。いかがでしょうか。
#305
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 基本的に、言わば義務教育として、小学校、中学校は義務教育でありますが、高校は義務教育ではない。その段階で、高校には進学をしないという選択肢を取る方々もいらっしゃいます。一方、幼児教育については、保育園か幼稚園、これはほぼ御両親は必ず行かせるわけでありますから、その点については観点が違うということは申し上げておきたいと思います。
#306
○林久美子君 ちょっと通告をしていなくて申し訳ございませんが、今のお話だと、就学前はほとんどの人が行くけど、高校は行かないという選択で行かない人もいるんだというお話でしたが、幼稚園の就園率と高校の就学率、大臣、分かりますか。(発言する者あり)いや、高校と違うということで対比でおっしゃいましたよね。大臣いかがですか。両方、保育園も含めていいです。
#307
○国務大臣(下村博文君) 今、高校の進学率は約もう九八%近いというふうに思います。そして、幼児教育については、これは幼稚園、そして保育園、総合こども園、あるいは家庭教育もありますので家庭でやっているものもあります。一概に高校進学率と単純に比較することはできないと思います。
#308
○林久美子君 では、私の方から御紹介いたします。高校一年生の進学率九七・九%、五歳児の就園率は九六・九%です。高校の進学率の方が高いんです。
 総理、幼稚園の子供を持つ家庭の教育費と高校生の子供を持つ家庭の教育費、どちらが掛かると思われますか。
#309
○内閣総理大臣(安倍晋三君) いや、林さんの今言っている意味とは違うんですがね。言わば幼稚園、保育園にはまだ現在の段階では待機児童がいるという状況になっています。そういう待機している方も含めてのそれは数字なんだろうと思いますよ。その中において、御両親が仕事をしていれば、これはどうしても保育園に預けざるを得ないという状況が生まれるわけであります。そして、基本的には高校というのは今でも義務教育ではありませんから、その中で選択はできるということになるわけであります。
 そこで、もちろん全てを全く所得制限を抜いて無償化するという考え方もあるかもしれませんよ。しかし、我々は、まずは保育園について待機児童をゼロにしていくということとともにそれを無償化をしていく、幼保を無償化をしていくということを目指していきたいというのが我々の政策であります。
#310
○林久美子君 幼稚園とか保育所に通う子供さんを持っている家庭の教育費と高校生の子供さんを持っていらっしゃる家庭の教育費、どちらが掛かると思われますかと私伺いましたけれども。
 総理に、総理にです。
#311
○国務大臣(下村博文君) よろしいですか。高校の方が高いです。
 ただ、民主党の言われている高校無償化というのは、林先生、これは公立高校における高校授業料の無償化ですね。私立高校においては無償化になっているわけではないわけです。公立高校の授業料の相当額分を無償化対象にしていると。このことによって、授業料比で申し上げると、高校授業無償化以前、私立高校と公立高校の授業比率が四対一だったのが、これが三対ゼロになったと。つまり、公立高校の授業料はゼロ、私立高校の対比でいうと四対一が三対ゼロと。
 つまり、そういう意味では、これは私立高校の通っている生徒の立場でいうと、これは無償化になっていないわけですね。ですから、完全無償化じゃないわけです。それは段階的というふうに将来のことでお考えになった手だてだったのかもしれませんが、我々は野党のとき、それ自体が一律の対応であって、真の困っている子供に対するその家庭的な経済状況に応じた手当てではないということをばらまきというふうに申し上げたわけでございます。
 今回の幼児教育の無償化は、公立とか私立とか、それから幼稚園とか保育園とか関係なく無償化を目指すということでございます。それが単純に幼児教育と、それから高校の、公立高校の授業料の無償化と単純に対比できない点であるということについては御理解いただきたいと思います。
#312
○林久美子君 私が申し上げたいのは、要は、しっかりと家計の負担が大きいものから順次やっぱりやっていくべきだと思うわけです。
 どう考えても、高校に通うお子さんの家庭の方が家計の中に占める割合は高いわけです。それは子供を育てている方だったら多分皆さん分かられることだと思います。だからこそ、我々は高校授業料無償化をし、あるいは奨学金制度を拡充をし、さらには出世払い方式と言われる奨学金制度もつくったわけです。こうしたものが全部整った後に、後に幼児教育無償化というものがあるなら分かりますよ。しかしながら、こっちには所得制限を掛けて、幼児教育無償化はまだ分からないけど、取りあえず第三子は外したことは間違いないわけですから、そういった意味において私は一貫性を欠くということはしっかりと指摘をさせていただきたいと思います。
 ちょっと時間も限られていますので、次のテーマに移らせていただきたいと思います。
 安倍総理、今回、やはり第二次安倍内閣は適材適所人事で組閣をなさったかと思いますけれども、とりわけこの教育という分野においては、大臣、そして副大臣、政務官に至られるまで、しっかりと経験等を考慮をされて適材適所人事を行われたということでよろしいでしょうか。
#313
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 下村大臣は、御承知のように第一次安倍内閣において教育再生を担当、官房副長官でありましたが、教育再生を担当してまいりました。また、自由民主党における文教部会長も務めてきたわけでありまして、この道ずっと進んできた人物を大臣に指名したと、こういうことでございます。
#314
○林久美子君 当然、副大臣、政務官もということでよろしいですよね。
#315
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 副大臣、政務官、それは様々な経験を積んでいくということもございますから、既にこれは今までキャリア的にずっとその分野において積んでいるということにはなりませんが、大臣については十分なキャリアを積んでいるということになりますが、副大臣、また政務官については、それは御党でもそうだったと思いますが、その中において当然見識を積んでいくということであります。もちろん、そういう素養のある人物にそれぞれ就任をしてもらったと、このように考えております。
#316
○林久美子君 そうした中で、教育を担う副大臣というのはより慎重に人選をなさったかと思います。
 教育担当の副大臣は谷川副大臣でいらっしゃいますが、ホームページ等を拝見しても教育の教という字もどこにも見当たらないし、経歴も全く教育については御担当をなさったことがないというふうに思います。と同時に、私はこれ、教育を担う副大臣としていささか疑問に感じるところがございます。
 今日は副大臣にお越しをいただいておりますけれども、御地元の長崎県の諫早湾の干拓事業における入植者選定において、平成二十三年の九月に長崎県議会に百条委員会が設置をされました。この百条委員会が設置された経緯と委員会の目的について、谷川副大臣、御答弁をお願いいたします。
#317
○副大臣(谷川弥一君) 平成十九年十二月二十五日の長崎県諫早湾干拓地への入植者の選考において、財団法人長崎県農業振興公社は農業生産法人T・G・Fを選定しましたが、この選考においてT・G・Fは優先的に選考されたのではないかという議論が長崎県議会で行われ、平成二十三年九月、当該選定及びそれに対する県のかかわりを調査するため、県議会は諫早湾干拓事業における入植者選定に関する調査特別委員会を設置したものと認識しております。
#318
○林久美子君 当時、農林水産大臣政務官をお務めだった副大臣の御親族が経営される企業がこの入植者選定で優先されたのではないかと、副大臣がこれに関与されていたのではないかということも調査対象に挙げられて、副大臣は出頭要請も受けていらっしゃるやに伺っておりますが、副大臣、出頭されましたでしょうか。
#319
○副大臣(谷川弥一君) 平成二十四年五月二日、百条委員会は私に対して証人としての出頭を提起をしましたが、そもそもT・G・Fの入植者に関与した事実はなく、ほかの証人の証言等により自分の潔白は証明、立証されており、証言の必要性は認められませんでした。また、衆参両院における国政調査権の発動は、多数派による濫用を防ぐために全会一致が慣例となっています。これに対し、百条委員会の運営は公平公正でなく、調査権が議会多数派による政争の具として濫用されていました。こうした百条委員会の決定に鑑み、弁護士の法的見解を踏まえ、出頭しないことに正当な理由があると判断し、五月二十四日に不出頭の提出を行いました。
#320
○林久美子君 出頭されなかったということでございます。
 そして、昨年七月に長崎県議会からこうした副大臣の対応を非難する声明というものが出されました。この声明文の中では、「堂々と出頭して証言をすべきにもかかわらず、正当な理由もなく、出頭を拒否することは、まことに遺憾の極み」とされています。
 正当な理由なく出頭を拒否した場合どうなるのか。総務省、地方自治法第百条第三項にはどのように書かれているでしょうか。
#321
○政府参考人(望月達史君) 地方自治法第百条第三項におきまして、「出頭又は記録の提出の請求を受けた選挙人その他の関係人が、正当の理由がないのに、議会に出頭せず若しくは記録を提出しないとき又は証言を拒んだときは、六箇月以下の禁錮又は十万円以下の罰金に処する。」と規定されております。
#322
○林久美子君 禁錮や罰金に値するということでございますが、副大臣、これはやはり出るべきだったと思いますが、いかがですか。
#323
○副大臣(谷川弥一君) やましいところは一切ありません。
 私がT・G・Fに関与した事実がないことは他の証人の証言等により立証されており、証言の必要性は認められませんでした。また、衆参両院における国政調査権の発動は、多数派による濫用を防ぐため、全会一致が慣例となっています。(発言する者あり)
#324
○委員長(石井一君) 静粛に願います。
#325
○副大臣(谷川弥一君) これに対し、百条委員会の運営は公平で公正ではなく、調査権が議会多数派による政争の具として濫用されていました。こうした百条委員会の状況に鑑み、弁護士の法的見解も踏まえ、出頭しないことに正当な理由があるものと判断し、不出頭の届出を行いました。
#326
○林久美子君 先ほどから同じ答弁を同じ紙を見て繰り返していただいていますので、これ以上議論しても前に進まないのかなと思いますが、こうした、李下に冠を正さずという言葉もあります。本当にきちっとお話ができるのであれば、私はきちっと出頭して証言をなさるべきだったというふうに思いますけれども、こうしたことと併せて、教育担当として本当にふさわしいのかどうかと思う部分がほかにもございます。それは、副大臣のいじめに対する認識のコメントにも表れています。
 副大臣、昨年十二月二十七日、就任会見でいじめ防止について何が必要だとお述べになられましたでしょうか。
#327
○副大臣(谷川弥一君) 私は平成二十四年十二月二十七日の就任会見において、いじめをしたら必ず見付かるんだよ、そして怒られるんだよという理論をきちっと生徒に理解してもらう、そのためにはやっぱり怖い人が学校にいないと駄目なんだと、そういうふうに述べたんです。
 これは荒れている学校への対処方法の一つとして発言したものであり、体罰を容認するものではありません。
#328
○林久美子君 副大臣、今省略なさいましたが、こうおっしゃいました。怖い人が学校にいないと駄目ですよ、だから、学校の先生の中に武道家、一番いいのはボクシングだと思っているんだけど、ボクシング、空手、剣道、柔道、それからプロレスも入るのかな、このようにおっしゃっています。
 いじめを防止するために怖い先生が必要だというのはどういう意味でしょうか。(発言する者あり)
#329
○委員長(石井一君) 御静粛に願います。
#330
○副大臣(谷川弥一君) いじめに対しては徹底的に予防措置を図ることが必要であります。そのためには、子供がいじめを思いとどまるようにすることが必要だ、私はそういう観点から述べたんです。
#331
○林久美子君 副大臣、やはり私は体罰を容認するような発言であるような気もしますが、今でも副大臣は怖い先生を副大臣として各学校に配置をするように職務を執行しようとお考えでしょうか。
#332
○副大臣(谷川弥一君) 私が子供のときに、先生との会談の中で何を思ったのか、中学校二年生だったと思いますが、担任の先生の手のひらにきりをばんと突いた子がおったんです。私はそれをじっと見ておって、先生は黙ってそれをばっと抜いて、そして腰に掛けておったタオルでぎゅっと巻いて、そしてそれできれいに拭いて、駄目だよ、こんなことをしたらと。それからその子は収まりました。そういうのがイメージとしてあったんです。
 強い先生に毅然とした態度を取ってもらえれば多くの問題が僕は解決するんじゃないかなと思っているんです。
 以上です。
#333
○林久美子君 大津で中学校二年生の男の子がいじめで自ら命を絶つという事件がありました。調査委員会の報告書が、一月三十一日に第三者調査委員会のまとめた調査報告書が出ていますが、副大臣はお読みになられましたか。
#334
○副大臣(谷川弥一君) 市長さんと直接会いました。それから、大臣の部屋でもお会いしました。なかなか新聞にも載っていないようなぴしっとした……(発言する者あり)いや、持っています。読んでいます。
#335
○委員長(石井一君) ちょっと私語をやめてください。
#336
○副大臣(谷川弥一君) すばらしいと思っています。
#337
○林久美子君 しっかりと、読んでいらっしゃるのなら読んだ、読んでいないのなら読んでいないときちっと言っていただかないと議論ができないかと思いますけれども。
 その続きでございますが、先月の参議院の文教科学委員会で、副大臣は我が党の斎藤嘉隆委員の質問に対して、いじめを防止するための考え方として省内にどういう指示を出しているとおっしゃいましたでしょうか。
#338
○副大臣(谷川弥一君) まず、いじめが本当に悪いことだということを日本全国に広く普及して、そうだよな、そうだよなと皆さんが思うような、そういう社会風潮というのか、そういうのをまず是非していきたい。次が、徹底して、どういうことがどこであっているか徹底してつぶさに調査して調べて、原因を細かく分析して、それから対策を打っていくと、いろいろと、そういうことを言っています。
#339
○林久美子君 随分御答弁変わっていらっしゃいます。私がこの今議事録を手元に持っていますが、読み上げます。「私は省内で言っているのは、NHKに相談してくれと言っているんです。」とおっしゃっています。これはどういった意味でしょうか。
#340
○副大臣(谷川弥一君) 座右の銘が真実一路の旅を行くということでして、決してごまかすつもりはありません。
 とにかく、NHKと言ったのは、テレビというのが一番啓蒙というか知らしめるのにはいいメディアだと僕は思っておるので、とにかくいじめは駄目なんだということを各家庭全部に伝えるための手段としてお願いしたらどうかと言いました。
#341
○林久美子君 啓発というのは確かに手段の一つだと思います。しかし、大臣、これは副大臣として特定のテレビ局の名前を挙げて指示するのは適正な職務の執行なんでしょうか。(発言する者あり)
#342
○委員長(石井一君) 静粛に願います。
#343
○国務大臣(下村博文君) 谷川副大臣の真意は、いじめを撲滅するためにオールジャパンとして是非協力をしてもらいたいという中で、民放にはなかなかそこまではお願いできないけれどもというような思いで、一つの例としてNHKというふうに言われたんだと思いますが、これは別に強制力を持ってNHKにということではなくて、例えばそういうところを通じて子供たちに広報活動をしていただいたらどうかという例だと思います。
#344
○林久美子君 それでは、谷川副大臣、もう一度伺います。いじめを防止するための取組として文部科学省が本来行うべき施策の具体例を挙げてください。
#345
○副大臣(谷川弥一君) きちっと私は大臣じゃないんで話したわけじゃないんですが、常々言っていることは、いじめが起こったときに、いろんなところから抗議が来たときに先生が孤立するケースがある、それを防がなけりゃいけないということが一つ。もう一つは、自分よりも強い子供が自分の言うことを聞かぬ、場合によってはトラブルが発生する、そこで個人的に処理しようとすると自分が負ける、負けると先生の権威が壊れる、これをどうするかな、これをどういうふうにしたら解決できるかな、まだ答えが出ていません。
 そういうことを通じて、いろんなことを想定しながら、何としても先生が困らないように、きちっとした教育ができるように、例えば、学校に来るのは三十五人、四十人、いろいろ学級、三十五人ですか、メンバーはいろいろあるんですが、その人たちは静かに先生の話を聞くということが前提になっています。それを聞かないで、いろいろあった場合に、まだ今ぴしっとしたシステムになっていないので、そういうことを含めてです。
#346
○林久美子君 済みません、ちょっとよく分かりにくかったんですけれども、いじめ、本来の文科省として行うべき施策の具体例を、副大臣、挙げてください。お願いします。
#347
○副大臣(谷川弥一君) いじめの問題については、いじめは絶対に許されないとの意識を日本全体で共有し、子供たちを加害者にも被害者にもまた傍観者にもしない教育を実現することが必要であると考えています。
 特に、犯罪行為として取り扱うべきと認められる場合の警察への通報やいじめを繰り返す児童生徒への出席停止制度の活用などの対策を講じるとともに、道徳教育の充実が必要であると考えています。また、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーの配置拡充等により、教育相談体制の充実を図っていこうとしているわけです。
#348
○林久美子君 今幾つか挙げていただきましたが、今、安倍政権も熱心に取り組んでいらっしゃいますが、道徳の教科化ということが挙げられていますが、先ほどお話しいたしました大津の第三者調査委員会の報告書の中にはこんなふうにも書かれているんです。今回の学校が道徳教育実践研究校の指定校でした、二年間にわたってそうした中でこうした事件が起きてしまったということに関して、道徳教育や命の教育の限界についても認識を持つべきだということがやっぱり書かれているんですね。だから、総合的に文科省として本来行うべき施策を一つ一つやはり私は積み重ねていくべきなんだというふうに思っています。そうした意味においても、谷川副大臣のこれまでの御発言に私は疑問を感じているということでございます。
 副大臣に関して、あと一つだけ伺いたいと思います。
 先月の委員会で谷川副大臣は、実際にいじめや体罰の発生した学校にはまだ足を運んだことがないんだとお話しになった上で、一番ひどいところを視察に行きたいので、そこを選んでくれぬかという指示もいたしておりますというふうに答弁をなさいました。副大臣、具体的にどのような学校に視察に行こうとお考えでしょうか。
#349
○副大臣(谷川弥一君) 学校現場の声をよく聞きながら有効な対策を考える必要があるということでいろいろお願いしているんですが、まだ、その具体的に私が行ったところがひどかったという認識はないんです。非常に一生懸命、先ほどの答弁も実はそこで聞いた先生方の話を参考にしながら会議をしているんですが、まだ、先生が今御質問のようなひどいところにまだ行っておりません。行ったところは非常に、前はひどかったけど今は非常に良くなっていたところでした。
#350
○林久美子君 文科省、副大臣の指示を受けてどういう学校を選定しようと準備していますか。
#351
○政府参考人(布村幸彦君) お答えいたします。
 谷川副大臣からの御指示を受けて、学校現場の声をよく聞かせていただきながら、いじめ問題等に有効な対策を考える必要があるという観点から、視察先といたしましては、児童生徒の生徒指導上の諸課題に対する対応として参考とさせていただくと、そういう取組をこれまでなされてきた学校を選ばせていただいております。
#352
○林久美子君 総理、私何を申し上げたいかといいますと、先ほどの百条委員会のこととか、さらにはこれまでの副大臣の委員会における発言、会見における発言、例えば今のひどい学校の話でもそうですよ、ああいうことを発言してしまうと副大臣が見に行った学校はひどい学校なんだということになってしまうわけです。教育を担われる方だからこそ、私はもっとしっかりと慎重に発言はいただかなくてはならないと思います。
 こうした一連のことを受けて、総理、適材適所人事だったと思われるでしょうか。
#353
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 谷川文科副大臣は、離島、長崎の離島で育ちました。そして、まさに自分で人生を切り開いてここまで来た方であります。年齢も相当私よりも先輩でありますが、そういう人生経験を生かしていただきたい。言わば教育というのは、やはりその人たちの人生を反映、生きてきた人生、そこで積み重ねてきた知恵や言わば哲学の反映でもあるわけでありますから、そういうものを生かしてもらいたい。
 確かに、谷川さんは、言葉はまあ時に少し荒いというふうに思われるかもしれませんが、しかし、まさに誠意のある人物でございますので、その誠意と今までの経験を教育の場で、教育行政の場で生かしていただきたいと、このように期待をしております。
#354
○林久美子君 省内に対する指示等を御覧になった上でも、総理、今のお考えはお変わりないですか。
#355
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 省内に対する指示は、役所というのは比較的、視察に行きたいと言うと全てが整っているところを用意しがちなんですね。そうではなくて、やはり課題のある、問題を抱えている学校に自分は行きたいということをおっしゃったんだろうと、このように思います。
#356
○林久美子君 私は、総理の副大臣に対する評価と私の評価はちょっとそういった意味では違うんですけれども、やはり子供たちの成長の基盤を支える大事な私は仕事だと思います。副大臣というのはたくさんの権限を持っていて、いろんな指示が出して、いろんなことが私はできるポストだと思っています。ですから、NHKに番組を作ってもらえばいいとか、そういう次元の話ではなくて、やはりしっかりと自らが現場に行って話を聞き、一つ一つ政策を下村大臣とともにつくっていくんだという気概を、ここで改めて気持ちを入れ替えていただきたいということをお願いをさせていただきたいというふうに思います。
 時間になりましたのでこれで私の質疑は終わらせていただきますけれども、教育再生を政権の柱に掲げる安倍政権でございますから、しっかりといま一度、もう一度しっかりとした政策を積み上げていただいて、財源を確保しながら子供たちの未来を切り開くような教育を是非ともお願いをしたいと思います。
 ありがとうございました。
#357
○委員長(石井一君) 以上で林久美子さんの質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
#358
○委員長(石井一君) 次に、白眞勲の質疑を行います。白眞勲。
#359
○白眞勲君 民主党の白眞勲でございます。委員長、勲までが名前でございますので、白眞勲君と言っていただいた方がうれしゅうございますけれども。
 まず、原発と隕石との関係について、ちょっと私気になっておるんで聞きたいと思っておるんですけど、原子力規制委員長、今日いらっしゃっていますよね。これ、この前、ロシアで二月に大きな隕石が落下してテレビでも大きく報道され、私も今まで隕石というのはそんな身近に、身近ということないけど、普通は余りないんじゃないかなと思っていたんですけれども、ああいうものが起きると、やっぱりこれ原発大丈夫なのかなというのが感じるんですけれども、規制委員長、この辺りどうなんでしょうか、大丈夫なんでしょうか。
#360
○政府特別補佐人(田中俊一君) 先般のロシアの隕石ですが、隕石という事象に着目した規制というのは諸外国でもないと私は思っています。ただし、今回私どもが準備しました新規制基準、今パブリックコメントにかけておるわけですけれども、この基準では大規模自然災害あるいは航空機落下というような事象に対して、万一シビアアクシデントが起きたときにもそれは安全に対処できるような設備とか、そういうマネジメントを求めておりますので、一定程度の対処はできるというふうに考えております。
#361
○委員長(石井一君) 白眞勲。
#362
○白眞勲君 もう一つ君を付けていただきたいと思います。
 原子力規制委員長、ちょっともう一回お聞きしたいんですけれども、ということは、隕石で大丈夫なのかどうなのかということを聞きたいんですよ、私は。それは今それなりの対応はできそうだということを言っているんですけれども、現状においてどうなんでしょうか。
#363
○政府特別補佐人(田中俊一君) ロシアに今回落ちた程度のものであれば多分大丈夫だと思います。隕石の歴史は私も全ては承知しておるわけではありませんけれども、様々なレベルがありますが、相当程度のことには耐えられると思っています。
#364
○白眞勲君 総理にお聞きしたいんですけれども、やはりこの原子力発電所の関係についてはいろいろ、何というんでしょう、今までもいろいろな議論というのはあったと思うんですけれども、私、この隕石とか何かということになった場合に、場合によっては相当な周辺に影響を及ぼすこともあり得るということを考えますと、やっぱり原発はやめた方がいいんじゃないのかな、私はそういうふうに思っているんですね。できる限り別のエネルギーに変えていくべきなんじゃないかなというふうに思うんですけれども、総理の御認識をお聞きをしたいと思います。
#365
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 安倍政権としても、原発の依存度を減らしていく、これが基本的な方針でございます。
 一方、エネルギーについては、安定的なエネルギーを、そして低廉なエネルギーを確保していくということについても責任を負っている中において、我々は三年の中において、言わば風力あるいは太陽光といった再生可能エネルギーも含めて、新しいエネルギーの開発、新たなイノベーションを起こすために国家資源を投入をしていくわけでございますが、その上において、更に国家をしっかりと運営していく上において必要なエネルギーを確保するためのベストミックスを構築をしていくために努力をしていきたいと思います。その中において、言わば新しい可能性のあるものが現実化した段階においては、それを活用していく中において原発依存度を低減させていくということになると思います。
#366
○白眞勲君 私は、総理、非常にいいお答えだと思っているんですね。つまり、原発依存度は、もし本当にすばらしいもっとエネルギーが出てくれば、依存度はもうゼロにしても私はいいと思うんです。その辺はどうでしょうか。
#367
○内閣総理大臣(安倍晋三君) もちろん、言わば新しい画期的なイノベーションの中において、そういう言わば新たなエネルギーを確保した段階においてはそういう可能性も当然追求できるわけでありますが、今の時点でゼロにするということはお約束できないということでございます。
#368
○白眞勲君 次に、最近の北朝鮮情勢についてお伺いしたいと思うんですけれども、北朝鮮がミサイルの発射が懸念されて相当過ぎたわけですけれども、前回十二月のミサイル発射と違うのは、予告もない、あるいは落下地域も知られていないという点なんですけど、北朝鮮の狙いについて総理御自身どのようにお考えでしょうか。
#369
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 北朝鮮の体制が金正日体制から金正恩第一書記の体制に替わったわけでございます。この中において、北朝鮮がかつてないほどの挑発的な言動を繰り返しています。地域の緊張をそのことによって高めていることは極めて遺憾であります。北朝鮮に対し、こうした行為が北朝鮮にとって何の利益にもならず、結果として北朝鮮にとって状況はますます厳しくなっていくということを認識させなければならないと考えています。
 そのためには関係国と緊密に連携して一連の安保理決議を実施していくことが重要でありますし、北朝鮮に対して大変大きな影響力を持っている中国は、経済関係や軍部間の交流も含めて緊密な関係を持っているわけでありますし、また常任理事国の一国でありますし、六者会合の議長国でもありますから、その影響力を行使してもらえるように、日本を始めアメリカ、韓国と協力しながら中国にも働きかけていきたいと、このように考えております。
#370
○白眞勲君 私は北朝鮮の狙いについて総理の御認識をお聞きしたんですけれども、体制の維持や国内の引締めというのは当然あるかと思うし、今回、私、韓国への揺さぶりというのもあったんじゃないのかなと私自身は考えているんですね。
 朴槿恵政権は安倍総理のように高い支持率もなければ、韓国経済も以前のような勢いもないという中で、また観光客来なくなって、カントリーリスクも増大するという中で、この北朝鮮の狙いについて総理自身どのように御認識されているんでしょうか。
#371
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 北朝鮮は、金日成時代から三代にわたって、一つのパターンとして、危機を醸成する中において話合いを求める国際社会に対応して何かを得ていくという典型的な瀬戸際外交を何年か置きに展開をしてまいりました。
 その中において、残念ながら、彼らは国際社会と交わした約束は守らないということの繰り返しであったわけでございますが、同時に、今回は新しい政権が、金正恩政権が誕生して、そして、その中において、今、白委員が指摘されたように、指導力と引締めを図ったということもそうかもしれない、このように思います。
 そして、ちょうど今回は米韓の軍事演習が行われている中において、言わばそれに対する牽制の意味もあったのではないかと、このように思います。
#372
○白眞勲君 麻生財務大臣が総理だったころ、ちょうどヒル国務次官補が最終的にテロ支援国家指定を解除することになったことがあったと思い出していただけたと思うんですけれども、麻生副総理、どうでしょう、あのときの記憶、今と考えてみてどういうふうに分析されますでしょうか。
#373
○国務大臣(麻生太郎君) 白先生のお話ですけれども、あのときは間違いなく、アメリカとしては六者協議を動かしたいというのが最大の眼目だったろうと思っております。直接話した内容までしゃべるわけにいきませんけど、間違いなくそういう意図があったと思っております。
 したがって、ああいう解除の方向に行くんですけど、これはもう先生御存じのように、これはかかってアメリカ国内の法令の適用であり、政令、政令というか、いわゆる解釈の問題ですから、これはかかって米国政府の判断ということになろうと思っております。
 私どもとしては、いずれにしても、この北朝鮮の問題というのは、今総理からもお答えがありましたように、これは極めて深刻な状況で、今までのときよりは今回の方がよほどちょっと、何というか危険さを感じるところでもありますので、いずれにしても米国との間に緊密な連携というものを保ちつつ対応していかねばならぬものだと考えております。
#374
○白眞勲君 麻生副総理がお話しになりましたけれども、今北朝鮮、非常に、何というんでしょう、危機感、そういった面では、アメリカとの連携、そして今おっしゃいましたように韓国等のいろいろな連携というのは重要だと思うんですけれども、特に日韓関係の強化という観点から、これ強化しなきゃいけないと思うんですけれども、韓国の朴大統領とお会いするおつもりはあるんでしょうか。あるいは、あるんだったらいつごろそのつもりであるんでしょうか。安倍総理、お聞かせください。
#375
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 朴槿恵大統領とは、就任後、電話での首脳会談は行いました。その際、しかるべきときを選んで首脳会談を行いたいということは申し上げておりますし、基本的に先方もそういう考え方を持っておられるのではないかと、こう思います。
 もし、これは実現すればの話なんですが、韓国、今度はソウルにおいて日中韓の首脳会合が行われることになっております。これは中国が出席するかどうかでございますが、もし順調に行われれば、そのときをとらえて日韓の首脳会談を行いたいと、このように思っております。
#376
○白眞勲君 そこでポイントになるのが歴史の認識問題だと思うんですけれども、総理は村山談話については、せんだっての参議院本会議でも、我が国はかつて、多くの国々、とりわけアジア諸国の人々に対して多大の損害と苦痛を与えました、その認識においては安倍内閣は歴代の内閣と同じ立場であります、その上において、しかるべき時期に二十一世紀にふさわしい未来志向の談話を発表したいと考えており、そのタイミングと中身については、今後十分に考えていきたいとしております。この認識でよろしゅうございますね。
#377
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 先般の本会議で答弁したとおりでございます。
#378
○白眞勲君 村山談話継承ということですね。
#379
○内閣総理大臣(安倍晋三君) この村山談話について言えば、言わば村山談話において述べられた点について私が共感できる点について今御紹介をいただいた、それを私は答弁させていただいたわけでございますが、言わば村山談話は戦後五十年を契機として、戦後五十年に出された談話でございます。そして、今の安倍政権の考え方としては、これを継承する継承しないということではなくて、六十年には小泉政権の談話が出されているわけでございまして、あれからもう十数年時を経ておりますので、例えば七十年を期して新たな談話を出していくということも考えたいと、このように考えているということでございます。
#380
○白眞勲君 私が聞きたいのは、村山談話は継承するのかどうか、その一点なんですけれども、お聞かせください。
#381
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 安倍内閣として、言わば村山談話をそのまま継承しているというわけではありません。言わば、これは五十年に村山談話が出され、そして六十年に小泉談話が出されたわけでありまして、これから七十年を言わば迎えた段階において安倍政権としての談話をそのときに、そのときの言わば未来志向のアジアに向けた談話を出したいと今既に考えているところでございます。
#382
○白眞勲君 いや、ちょっと今驚きましたね。村山談話を継承するわけではないということをお話しいただきましたけれども、靖国について稲田大臣にお聞かせいただきたいと思うんですけれども、あなたは、どうでしょう、稲田大臣は八月十五日、靖国神社へ行くんでしょうか。
#383
○国務大臣(稲田朋美君) 安倍内閣の一員として適切に判断し、行動してまいりたいと思います。
#384
○白眞勲君 いや、稲田大臣、だけど、衆議院の、これは何ですか、代表質問でこう言っているんですよね。八月十五日、菅総理及び菅内閣の閣僚は、ただ一人も靖国神社を参拝しませんでしたが、いかなる歴史観に立とうとも、国のために命をささげた人々に感謝と敬意を表することができない国に、モラルも安全保障もありません、要は、言葉ではなくと、ずらずらと書いてあって、その後に、総理がなすべきことは、内閣を総辞職するか、一刻も早く衆議院を解散し、国民に信を問うことであることを申し上げ、つまり、八月十五日に誰かが行かないと解散しなきゃいけなくなっちゃうんですよ、この文章だと。どうなんですか、これ。
#385
○国務大臣(稲田朋美君) 代表質問のそれは最後の部分でございまして、ずっと一貫して当時の菅総理の政治姿勢を批判した上で、総理がなすべきことは解散・総選挙でございますという結論になっただけでありまして、靖国問題と解散とを因果関係を付けて主張したわけではございません。
#386
○白眞勲君 いや、でもこれ文章的には、その後に、今申し上げたずらずらの中に、要は、言葉でなく、守る意思と覚悟の問題ですと、そういうことで菅内閣を批判しているんですけれども、総理がなすべきことは、内閣を総辞職するか一刻も早く衆議院を解散しろと言っているんで、いいですか、稲田大臣、これ自民党代表質問なんですよね。自民党としてそういうスタンスだということを示しているわけなんですよ、これ。ですから私は聞いているんですよ。誰も行かなければこれ解散しなきゃいけなくなっちゃいますよ。
#387
○国務大臣(稲田朋美君) その代表質問は、当時の菅政権の、菅総理の政治姿勢、また外交姿勢を批判をして、最後に、菅総理、あなたのなすべきことは解散をして国民の信を問うことですよということで結論付けたわけでございまして、靖国の問題一点を取って解散すべきだという主張をしたわけではございません。代表質問を最初から最後までお読みいただければ分かるかと思います。
#388
○白眞勲君 いや、読みました。読んで、靖国神社が書いてあって、それも含めてこう言ったんじゃないんですか、稲田大臣。
 じゃ、ちょっと稲田大臣、靖国については相当いろんな文章でコメントされていますけれども、片や千鳥ケ淵については全く私コメント見当たらなかったんですけれども、千鳥ケ淵についてはどういう御認識なんでしょうか。
#389
○国務大臣(稲田朋美君) 千鳥ケ淵にも我が国の戦争によって亡くなった方がお祭りされていて、大切な施設だと思っております。
#390
○白眞勲君 最近いつごろ行かれましたか。
#391
○国務大臣(稲田朋美君) 二年前に行きました。
#392
○白眞勲君 私も毎年八月十四日に行っているんですけれども、この未帰還の遺骨が百十三万も海外にあると言われているわけなんですね。
 稲田大臣、ちょっとこれも質問通告していないんですけれども、お答えしなければ仕方ないけれども、アッツ島って御存じですよね。そのアッツ島に対してどのような思いがあってどうするべきかお答えください。
#393
○国務大臣(稲田朋美君) 日本の兵士が多く玉砕をしたところであると認識をいたしております。きちんと日本の兵士の遺骨を収集することができればと思っております。
#394
○白眞勲君 これは、最初の玉砕地と言われているところで、約二千六百名の守備隊がいたところに一万一千人の米軍が上陸したということで、現在、三百二十名の御遺骨が帰還されている、これは田村大臣が前にお答えになっているわけなんですけれども。この中で、私ども民主党のときに、この遺骨の収容について一生懸命させていただいているんですよ。自民党時代の平成十九年には七百六十名の御遺骨を収容させていただいたようですけれども、民主党になった平成二十二年にはその十倍以上の八千名の御遺骨を収容させていただいているわけなんですね。
 その硫黄島の御遺骨の帰還についてちょっとお聞きしたいんですけれども、総理も硫黄島を訪問されましたですね。そういう中で、硫黄島の件については横路前議長もこの前質問されたんですけれども、特命チームを菅総理のときにつくって調査したところ、滑走路の下に御遺骨がある、この辺の事実関係はどうなんでしょうか、田村大臣。
#395
○国務大臣(田村憲久君) 硫黄島に関しましては、およそ戦没者の皆様方二万一千九百名、このうち未送還の御遺骨の数が一万一千七百五十三柱というふうに推測いたしております。
 これ、今の政権、安倍政権でも、衛藤総理補佐官を議長といたします、硫黄島からの遺骨帰還推進に関する関係省庁会議、これを設置をいたしました。今おっしゃられました滑走路、これの下に御遺骨があられるのではないかというようなお話がございまして、今、高性能地中探査レーダー等々で防衛省において調査中でございます。
#396
○白眞勲君 発見はどうなんでしょうか、事実関係は、田村大臣。
#397
○国務大臣(小野寺五典君) 今御指摘ありました高性能地中探査レーダーということでございますが、これは今レーダーを用いた調査を行っている最中ということであります。
#398
○白眞勲君 今後、滑走路下に遺骨があった場合にどうするおつもりでしょうか。
#399
○国務大臣(小野寺五典君) これは、調査の上、そのデータを基に内閣全体として判断をされるものだと思っております。
#400
○白眞勲君 あと河野談話についてもちょっと聞きたかったんですけれども、時間の関係上、これやると長くなっちゃうんで次のことにしまして、ちょっと北朝鮮について、総理にもうちょっとお聞きしたいんです。六者協議についてです。
 今もお触れになりましたけど、二〇〇八年以降、五年間一回も開かれていない。私は六者協議の再開というのも非常に重要な一つの考えだと思いますけど、今総理はそういうふうに考えましたということなんですが、その鍵となるのが中国ですね。議長国としての中国のとらえ方だと思うんですけれども、これ、二〇〇三年以来、六者協議が始まって以来ずうっと十年間、議長国、中国のままなんですけれども、どうなんでしょうね、これ、持ち回り制というのも一つの考えだと思うんですけど、議長がね。この辺りについて総理はどのようにお考えでしょうか。
#401
○内閣総理大臣(安倍晋三君) この六者協議をつくったときの意図としては、基本的に北朝鮮に対して一番影響力を持つ国の中国に責任を持ってもらおうということで、中国に議長国を引き受けてもらうのがいいだろうということでありました。で、時のブッシュ政権はそのように中国に働きかけをして、中国がそれを受けたという経緯でございます。
 しかし、中国として、北朝鮮に対して圧力を過度に掛けて北朝鮮が言わば崩壊をするということになったときの中国に対する大きな影響と負担を懸念する余り、なかなかこれは、言わば圧力を掛けないのではないかという疑念が一方ある中において、中国に、より議長としての責任を果たしてもらいたいという形で我々も努力をしてきたわけでございますが、残念ながら開かれていないのは事実でありますが、しかし今般の北朝鮮のこの言動については中国も相当懸念を強くしているということでございますので、今度はひとつ今までとは違う対応をしていただけないかと、こう期待をしているところでございます。
#402
○白眞勲君 ここで防衛省にちょっと聞きたいんですけれども、北朝鮮のミサイルの性能なんですけれども、これはどうなんでしょう、人工衛星用というよりも弾頭用が中に入っていたんではないかという、このミサイル自体がですね、この辺りが最近報道されているんですが、その辺りの事実関係についてどうなんでしょうか。
#403
○国務大臣(小野寺五典君) 昨年十二月十二日のいわゆるテポドン2の改良型と言われるミサイル発射事案におきましては、ミサイル能力の向上ということがこれは見られているというふうに私どもとしては評価をさせていただいております。
#404
○白眞勲君 いや、人工衛星か弾頭用かというのはどうなんでしょうか。
#405
○国務大臣(小野寺五典君) 北朝鮮は人工衛星という、称するというお話をしております。私どもとしてはミサイル発射事案ということでお話をさせていただいておりますので、これは、お話がありますように、ミサイルとして転用できる、そのようなものと理解をしております。
#406
○白眞勲君 中国軍と北朝鮮軍との関係、武器のやり取りについて、外務大臣かな、これは、お願いいたします。
#407
○国務大臣(岸田文雄君) この中朝間の武器取引の実態については、必ずしも全体像は明らかになっておりませんが、例えばストックホルム国際平和研究所によれば、北朝鮮の朝鮮人民軍、多数の中国製装備品を保有しているということが報告されております。
   〔委員長退席、理事小川敏夫君着席〕
 そもそも中朝間の貿易額は二〇一〇年以降輸出入とも大幅に増加しておりますし、中国の対北朝鮮輸出、二〇一二年度で前年度一一・六%増となっております。その中にあっての軍事協力ですが、一九六一年に中朝友好協力及び相互援助条約、こうした条約を締結し、そして、現状、五九式戦車、H5爆撃機、あるいはHY1対艦ミサイル、こうした中国製の装備品を複数北朝鮮は保有している、こうした状況が伝えられております。
#408
○白眞勲君 これ、総理、どうでしょう、やっぱりきちっと把握していくという必要性はもっとあると思うんですが、どのようにお考えでしょうか。総理、お答えください。
#409
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 北朝鮮のミサイル能力でありますが、相当の進歩があるという認識でございますし、問題は、その弾頭に核兵器を載せることができるかどうかということについては、まだそこまでは行っていないだろうという議論がありますが、同時に、しかし他方、日本に届くノドンに対して化学兵器等は搭載できる可能性もあるわけでございますから、このミサイル発射能力の向上については我々もしっかりと注視をしていく必要があるでありましょうし、当然、また日本はミサイル防衛において、これを言わば日本に到達をしないように迎撃をするわけでございますが、そもそも彼らにそういう挑発的な行動を取らせないようにする抑止が必要でありまして、そういう抑止外交を展開をしていく必要があるだろうと、このように思います。
 大切なことは、金正恩第一書記がこういう行動を、挑発を取っても何の利益にもならないんだと。結果として、どんどんどんどん彼らの立場は窮地に追い詰められていくということを認識させることが極めて重要ではないかなと。その意味においても、中国、ロシアの理解も含めて、さらに、もちろん元々日米、日韓の協力を深めていくことは極めて重要でありますが、さらに加えて、中国、ロシアの協力を得ていくことが重要であろうと、このように思います。
#410
○白眞勲君 ここで、普天間基地の問題について沖縄出身の島尻政務官にお聞きしたいと思うんですけれども、政務官は沖縄政策の担当だということで、ところが、政務官は選挙の御自身の公約で、選挙公報には、沖縄県民の民意を尊重し、普天間基地は県外移設!としているんですが、それでよろしゅうございますか。
#411
○大臣政務官(島尻安伊子君) お答えをいたします。
 選挙の公約として私がそのように書いてあるというのは事実でございます。
#412
○白眞勲君 これ、政府の方針とはっきり違いますね。沖縄県内の辺野古に移転と。つまり、島尻政務官、公約と相反する内容ですけれども、これはどういうふうにお思いでしょうか。
#413
○大臣政務官(島尻安伊子君) この一連の普天間の問題に関しては委員もよく熟知していらっしゃるというふうに思っております。まず、普天間の固定化はあってはならないということ、それは当時のその公約のところにもきちんと書かせていただきました。
 あえてこの場でお話をさせていただくのであれば、これまで、我が自民党が日米合意を取り付けて、普天間の移設先は県内移設と、辺野古崎ということで日米合意を見てきたわけでありますけれども、当時の鳩山総理になるときに、民主党の公約として普天間の移設先は県外だということをおっしゃったわけでございます。
 沖縄の第一の希望は過重な基地負担からの解放でございます。そういう中で、私も沖縄選出の一国会議員といたしまして、これから政権を担おうとしている鳩山さんがそれを民主党としての公約に掲げやっていくという中にあって、それで当選をなさって、総理としてそれをまた改めて打ち出されたわけでございます。
 その中で、言わばそれは、何というんでしょうか、民主党政権の大変な大間違いの一つだったということが後々分かったわけでございますが、私もそういうところでの参議院の選挙でございました。まだ沖縄での混乱ぶりという中にあって、なかなかといいますか、県外ということの県知事とのお話合いもしなければならないという中にあって、県民の一番の望みというものを掲げて戦いをさせていただいた次第でございます。
#414
○白眞勲君 全然さっぱり分からないんですよ。鳩山政権云々といっても、あなたの選挙公報に県外移設と書いているんですよ。このときはもう鳩山政権じゃありませんでした、菅政権でした。いいですか、菅政権の時代でこういうふうに言っているんですよ、もう。ですから、全然これ、何というか、言っていることと違うんですよ。
 あなたは選挙のときに、公約ですよ、公約で有権者に説明して票をいただいて御当選されたわけですよね。そこでここにいらっしゃって、今内閣に入って、それも沖縄担当ですよ、沖縄担当。まさに今の公約が実現できる立場にいらっしゃるわけですよ。それをどういうふうに考えているのかということを聞いているんです。もう一回お答えください。
#415
○大臣政務官(島尻安伊子君) 私も沖縄県選出の国会議員として、沖縄の進化、そして発展のために力を尽くしていくということが大きな私の使命だというふうに思っております。その中にあって、今申し上げましたような一連の流れを私はつぶさに見てまいりました。
 第一次安倍内閣のときに、私もグアム協定に関しての賛成討論を自民党代表としてさせていただきました。そのときに、それまで十五年、十六年、本当に薄紙を剥がすような作業を自民党政権下でやり、そしてやっとまとめ上げたこの移設の問題、これに関して、当時、沖縄県の関係者、名護市の皆様方にもいろいろお話を伺ったわけでございます。
 その後、今、細々と申し上げました、何を言っているか分からないというふうにも言われましたけれども、それを申し上げましたけれども、そういうこの流れをつぶさに見る中で、今やはり沖縄としての取るべき道というのは、間違いなく今この日米が進める、日米が合意をして進めようとしているこの道だというふうに私は確信をしているところでございます。
 沖縄の進化、そして発展のために力を尽くしたいという中にあって、私はこれに、もう曇りもなく、これを確信を持って進めていきたいというふうに思っております。
#416
○白眞勲君 いや、じゃ、今県外移設になっちゃったんですか。ちょっと確認したいんですけど。一言お願いします。
#417
○大臣政務官(島尻安伊子君) 今、委員が県外移設というふうにおっしゃいました。
#418
○白眞勲君 県内移設。ごめんなさい、県内移設。
#419
○大臣政務官(島尻安伊子君) もうこれは合意のとおり、この辺野古崎ということだというふうに私は認識をしております。
#420
○白眞勲君 島尻先生の選挙公報を見ると、五つ書いてあるんですよ。そのうちの一つが、今これじゃ完全に公約は申し訳ないけれども守れなかったということですよね。それでよろしいですね。
#421
○大臣政務官(島尻安伊子君) 何度も申し上げますけれども、沖縄県民にとってこの過重な負担というところからの解放ということは、もう本当に念願であり、目指すところでございます。
 守れなかったというのではなくて、何度も繰り返して申し訳ありませんけれども、これからの未来志向という中での沖縄の発展を見るときに、私は、今の日米合意に基づいてやっていくということ、先日もやっと返還予定地の期限を示していただいたわけでございます。これは民主党政権下で三年数か月の間何にも進まなかったことでありますけれども、やっとこれが統合計画の共同発表ということで示されました。であればこそ、やはり未来志向の中で沖縄の進化、発展のためにこの日米合意に基づいて進んでいくというのが道であるというふうに思っております。
#422
○白眞勲君 沖縄の皆さんは一体誰信じればいいんですか。一生懸命普天間基地は県外移設って書いた人たちですよ。(発言する者あり)それで、今、何か後ろの方から民主党は民主党はって言うんですけれども、島尻さん、あなた自身の公約なんです、これは。
 もう一回言いますよ。沖縄出身の我々民主党の仲間たちも、我々の方針というものと違っていて、一生懸命訴えていました、いろんな部会で。本当にこれは申し訳ないと私思っているんです。でも、あなたはそれをやったんですか、やらないんですか。それをやったのかやらないのか。それからこういう結論になったというのをもう一回お答えください。
#423
○大臣政務官(島尻安伊子君) 何度も繰り返しになりますけれども、やはり沖縄の進化、発展のために、それから普天間の危険性の除去をやはり第一に考えなければならない。そして、やはり沖縄の過重負担、これは何とかしなければならないということでございます。
 普天間、もう委員もよく御存じだと思いますけれども、本当に普天間の飛行場というのは住宅密集地そして学校もひしめき合っているようなところにあるわけでございまして、その危険性除去というのが第一だというふうに考えております。そのために何をするのか、これから何ができるのか、そういうことだというふうに思います。
#424
○白眞勲君 今まで多くの閣僚の皆さんが、自分の政治信条が違うといって潔く閣僚を辞任された方も多いんですね。島尻政務官はどうされるつもりですか。
#425
○大臣政務官(島尻安伊子君) 安倍総理の下で力を尽くしていくということでございます。
#426
○白眞勲君 TPPもそうなんですけれども、沖縄の普天間もそうですけれども、みんな有権者に向かって言うのとこちらで話していることが全然違うんですよね。
 その一つの典型が私そうだと思うんですけれども、ここでTPPのことについてちょっと触れたいと思いますけれども、ちょっとフリップをお願いいたします。(資料提示)
 この表を御覧ください。これは四月十二日、つまり日米両国政府がTPP合意文書の発表を受けた翌日の朝日新聞の第一面です。一目瞭然だと思います。詳しい説明はもう省きます。省きますけれども、これを見てください。全部アメリカ側が得、マル得マーク、日本はマル無マークですよ。これ日本側は何か得たものあるんでしょうか。
#427
○国務大臣(茂木敏充君) 朝日新聞の見解でこのようにお書きになっているんだと思うんですけれども、まず自動車について申し上げますと、日本は自動車は元々ゼロなんです。マイナス関税にでもしないと日本は得るものはないんですね。それに対してアメリカは関税がありますから、それを下げるということで一方的にアメリカが譲っているんです。それから、輸入車の安全審査、これが簡単になるということでありますけれども、安全基準、アメリカの安全基準、我々は一台も受け入れておりません。
 先生、型式指定とPHP、何か安全基準が変わるということで御質問されているんですか。
#428
○白眞勲君 ちょっとごまかさないでいただきたいんですね。自動車だってこう書いてあるんですよ。自動車に係る米国の関税がTPP交渉における最も長い段階的な引下げ期間によって撤廃され、かつ最大限に後ろ倒しされること、及びこの扱いは米韓FTAにおいて自動車に係る米国の関税について規定されている扱いを実質的に上回るものとなることを確認しますと。これ、さっぱり分からない、文章的に。
 要は、何かというと、つまり、韓国よりも長い期間を掛けて日本車に係る関税はなくしてもいいですよということを言っているわけなんですよ。ということは、普通、交渉というのは、いつまでに何々しますというのが交渉ですよ。今回は、やるにしても、いつかは、おまけに韓国と約束した期間よりも後ですけれども、それがいつかになるかは分かりませんということを確認しますというのにサインしちゃったんだから、これ、でたらめじゃないですか。
#429
○国務大臣(茂木敏充君) 米韓のFTAも御確認いただきますと、KORUSですね、韓国も自動車は実は関税があって、普通車でいいますと、アメリカの二・五に対して韓国は八%あったんです。これを両方とも下げると、その大体同じような期間でという話なんです。日本はそれに対して関税がないんです。あるのはアメリカだけなんですよ。だから、下げざるを得ないのはアメリカだけなんですから、若干期間については延びることもあるだろうと。
 それから、安全性については、韓国は二万五千台、アメリカの安全基準そのものを受け入れると言っているんです。我が国はそういうことはいたしません。そこで書いてあることでいいますと、型式指定でやるのとPHPで何か違いが出るとおっしゃるしかないんだと思うんですけど、何か違いがあるということで御質問されているのか、教えてください。
#430
○白眞勲君 テレビを見ている人はさっぱり分からないと思うんですよ。
 要は、何を言いたいかといいますと、韓国の関税と、韓国は関税が掛かっていますよと、アメリカも関税掛かっているから日本とは違うんですというんです。日本はゼロです、こちら、受け入れる方は。で、アメリカに関税が掛かっているわけですよねと。だったならば、最初から不平等なんだから、韓国よりも早く関税をなくすということを交渉するのが茂木さんの役割なんですよ。韓国よりも後にしたら、これは意味ないじゃないですかと、私はそれを言っているわけなんですね。ですから、最初から、米韓FTAの自動車分野の条件よりも最初から不利な条件をそろえて交渉するということじゃないんですか。それを私は申し上げているんです。
 それと同時に、私、農産物で、これだってさっぱり分からないんですね。私、これ読売新聞に書いてあるんだけれども、農業について、アメリカの農業団体が舞い上がるような気持ちだって言っているんですよ。アメリカの農業団体が大歓迎で舞い上がるような気持ちって言われているわけですよね。私思うんですけど、日本の農業団体が舞い上がる気持ちにさせるのが、これが日本政府ですよ。そうでしょう。
 ですから、私は、これ、本当に不平等条約をTPPの始まる前に結ばされたようなもの、私が感じるには、これ、ハリス、下田の、それと江戸幕府が結んだ不平等条約みたいなものじゃないのかなと。日米通商修好条約の平成版みたいなものだと、私はそういうふうに思うんですよね。
 ですから、これ、事務方がやった交渉だ。だったらこれ、安倍総理はオバマ大統領と共同声明をまとめたわけですよ、その後、事務方がこんなことしちゃったんだね、総理、怒りませんか、これ。
#431
○内閣総理大臣(安倍晋三君) まず、答弁をする前に、島尻政務官は沖縄の立場を強く主張しました、私に対しても。それは今ここではっきりと申し上げておきたいと思います。
 その上で、今の御質問に答えるわけでありますが、基本的に、このTPP交渉においては、既に民主党政権時代に二年間が費やされてしまいましたから、その中で七月に交渉に入れるかどうか、そして年内にはこの交渉が終わるという厳しい状況の中での交渉にならざるを得ないということは御理解をいただきたいと思いますし、交渉は相手があることですから、こちらの要望どおりにはならないという中において、甘利大臣そして茂木大臣が現地で交渉を重ねた結果、私は、自動車においても、そもそも、繰り返しになりますが、こちら側には既に関税がアメリカ側に対して掛けていない中においての交渉でありますから、その中で、彼らは最終的には関税をゼロにするということを約束をしたということは成果であったと思いますし、また農業についてはセンシティビティーがあるということはもう一度明記されたわけであります。
   〔理事小川敏夫君退席、委員長着席〕
 という意味において、舞い上がっているアメリカの農業関係者がちょっと勘違いをしているんだろうと、こんなふうに思います。
#432
○白眞勲君 島尻さんのことについて、今、一生懸命やったんだと言うんですけれども、総理は常々言っているじゃないですか、政治は結果ですって。私、その言葉をお返ししたいですよ。結果出していないんですよ、島尻さんは、ということなんですね。
 と同時に、もう一つ、TPPについて私、申し上げます。
 今、センシティビティーの話がありましたけれども、これはあくまでも二国間ということですね。それに対してお互いにそこは触れないでおきましょうと、センシティビティー、微妙という意味でしょうけれども、微妙な部分についてはそれぞれあるからということなんでしょうけれど、TPPって、米国と我々にとってみての農産物ですよね、我々にとってみての農産物。で、入る前にこんな条件付けちゃった、自動車については。当然、ほかの国からは、おいおいちょっと待てよと、俺たちも忘れてもらっては困るよということになってしまうわけですよ。TPPというのは多国間なわけですから。
 ですから、TPP、日本に入ってもらって米国以外の自分たちの要求をのませようとする、それも束になって掛かってくるわけですよ、足下見ながら。実際、報道ベースでは、様々な国々、ニュージーランドやオーストラリアが例外の関税は一切認めないなんということも出ていますけれども、この辺、甘利大臣、どうですか。
#433
○国務大臣(甘利明君) アメリカに関しましては、日米の協議をTPPに入る前から、TPP事前交渉の前からやっておりました。その関心事に関して事前協議で回答を出したわけであります。この点につきましては茂木大臣から答弁したとおりでございます。
 その他の国につきましても、TPPに入るルールとして、事前に全ての加盟国の了解を取るという作業、手続が必要であります。その手続を取らせていただきました。
 個々の国に関して、もう既に全く条件付けないで即歓迎、賛成しますという国もたくさんありました。ただ、自分としてはこういうこと気になっているので話合いを持ちたいという国が幾つかありました。その国に関しても協議を終えました。
 中身については、交渉事で、交渉が妥結するに従ってリリースできる情報が限定されていますので、現状についてリリースできるものについてはさせていただいておりますけれども、例えば新聞報道では、カナダやオーストラリアでも同じことをやったんじゃないかみたいな報道があります。しかし、申し上げましたように、具体的な交渉事であって、相手国の関係もありますので細かい話は差し控えますけれども、ただ、一部の報道にあるように、自動車関税の棚上げであるとか例外で合意したという事実はありません。
#434
○白眞勲君 甘利大臣、私もしゃべる必要ないと思っているんです、交渉中は。これは当たり前なんですよ。交渉というのはそういうものだと思うんですね。内外に説明する必要はない。なぜならば、十一か国と交渉しているわけですから、それぞれのことについて足下見られるわけですよ。だから私は、アメリカと合意したことをわざわざ表に出さなくてもいいんじゃないんですかということを言っているんです。安倍総理は、文章にしたところが民主党と違ってすごいんだということをおっしゃっていますけれども、こんな不平等な合意を結んでおくんだったら、ほかの国からも足下見られているんですよ。だから、外交的には私は失敗ではないのかなというふうに思います。
 そこで、稲田大臣、ちょっとお聞きしたいんですけど、あなたは産経新聞の「正論」にこのように書いたんだな。
 日本は、もうけた者勝ち、何でもありを是正し、カジノ資本主義を正す責務がある。TPP参加は、そういう役割を自ら放棄することになる。なぜなら、TPPは米国の基準を日本が受け入れ、日本における米国の利益を守ることにつながるからだ。これは、日本が日本でなくなること、日本が目指すべき理想を放棄することにほかならない。TPPバスの終着駅は、日本文明の墓場なのだ。
 私、稲田大臣とはいろいろな面で考え方違うの多いんですよ。でも、ここはなるほどねと思いました。なかなか文才ありますよね、これ、すばらしい文章だ。今、ちょっと私は、米国って書いたのはちょっと勘違いされているんだな、まあ分かっていると思いますが、いろいろな国々が入っているという中で、こういうことについて、今までの議論を聞いて、稲田大臣はどういうふうに今お考えですか。
#435
○国務大臣(稲田朋美君) 何度も何度も「正論」のその部分を引用して質問をいただいているところでございます。そこで、何度も御答弁いたしておりますように、それは民主党政権の外交姿勢を批判して私はその文章を書いたわけでございます。そして、TPPバスの行き先は日本文明の墓場だと、かなり強烈な言葉を書きましたが、それは民主党政権の外交姿勢を前提としての結論でございます。
 また、午前中もお話を申し上げましたように、今お話しになった、今お読みになったことなどを党内でも議論をして、その議論が集約してJ―ファイル、公約に結実したものでございます。
#436
○白眞勲君 稲田大臣、すぐ民主党、民主党って言うんだけど、何か稲田大臣が言うと、民主党のTPPは悪いTPPで、自民党のTPPはいいTPPなんだみたいにしか取られないんですよ。論理的な話をしてくださいよ、論理的な。もう一回答えてください。
#437
○国務大臣(稲田朋美君) 当時の民主党政権を前提とする限り、TPPバスの行き先は日本文明の墓場であったと思います。
 やはり、委員も御指摘のように、大変難しい交渉だと思います。何を守るか、そして何が基準であるかということを明確にして交渉しなければならないと思っております。
#438
○白眞勲君 全くでたらめだということがよく分かると思うんですけれども。
 それで、ちょっと憲法について最後に私お聞きしたいと思うんですけれども、パネルを御覧いただきたいと思います。
 現行憲法と自民党の憲法改正草案の対比した一部です。十三条です。公共の福祉、現行憲法ですけれども、これ、法制局長官、何でしょうか。
#439
○政府特別補佐人(山本庸幸君) お答え申し上げます。
 一般に、憲法が保障する基本的人権でありましても、それは無制限のものではなくて、他人の人権との関係で制約を受けることがあるということは当然だと思われております。
 そこで、御指摘の公共の福祉でございますが、憲法十三条や二十九条に規定されておりますけれども、これはまさにそういう人権相互の矛盾や衝突を調整するための原理だというふうに考えられております。
#440
○白眞勲君 要は、人に迷惑を掛けない限りということですね。法制局長官。
#441
○政府特別補佐人(山本庸幸君) その場合に、要するに人権と人権との相互の調整の原理でございますから、平たく言えばそういう場合もあるかもしれませんし、そうでないかもしれません。
#442
○白眞勲君 総理、この「公益及び公の秩序」って何ですか。
#443
○内閣総理大臣(安倍晋三君) これは、自民党制作の日本国憲法改正草案QアンドAによりますと、ここで公共の福祉という文言を公益及び公の秩序と改正したことによって、憲法によって保障される基本的人権の制約は人権相互の衝突の場合に限られるものではないことを明らかにしたものですと、こう解説をしております。なお、公の秩序と規定したのは、反国家的な行動を取り締まることを意図したものではもちろんありませんと。公の秩序とは社会秩序のことであり、平穏な社会生活のことを意味しますと。個人が人権を主張する場合には他人に迷惑を掛けていけないのは当然のことですと。そのことをより明示的に規定しただけであり、これによりということでございます。(発言する者あり)最後は、これにより人権が大きく制約されるものではないということであります。
#444
○白眞勲君 社会秩序と言っているんですけれども、今、総理は。でも、社会秩序というのはそれぞれのやっぱり考え方の違いがあると思うんですね。欧米では例えば同性婚なんというのも認めるか認めないかが真面目に議論されているということもありますが、秩序と言う以上、誰かが決めなければならないと思うんですが、その辺はいかがでしょうか。
#445
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今私は全権的にこの自民党の憲法の解釈権を持っているわけではありませんし、まだそもそもこれ、憲法、残念ながら改正されているわけではありません。自民党のこの試案の段階についての解説について申し上げているわけでありまして、解説については今以上のものはございません。
#446
○白眞勲君 それじゃ、何かそこで急にしゃべらなくなっちゃったんですけれども、じゃ、十八条について、「社会的又は経済的関係において」というふうなのを入れましたけれども、何で政治的入れなかったんでしょうかね。これをお聞かせください。
#447
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 私はちょっとその場に、その協議をした場におりませんでしたので、それについては、場合によっては自民党の今のQアンドAをお渡しをいたしますから、そこで見ていただければと、このように思います。
#448
○白眞勲君 QアンドAに入っていないんですよ、これが。だから私、聞いているんですね。
 それと、総理はこう言っているんですよ。まとめている中において、私も自民党の一員としてそれに加わってきた、つまり、それをどう考えているかということについて……(発言する者あり)ちょっとうるさいな。ちょっと静かにしてください。
#449
○委員長(石井一君) 静粛に願います。
#450
○白眞勲君 自分の考えを述べるべきだということについてお話しするのは当然のことだということを言っているので私は聞いているんですけれども。
 これ、政治的が入っていないんですね。どうしてでしょうね。これ質問通告していますよ。
#451
○委員長(石井一君) 後刻答弁を出していただいても結構ですよ。どうぞお答えください。
#452
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 繰り返しになりますが、私はここに内閣総理大臣として立っているわけでありまして、自民党のまだ改正されていない憲法についてここで解釈をする立場ではないということははっきりと申し上げておきたいと、このように思います。
 その中において、日本国憲法、現行の憲法においては、何人もいかなる奴隷的拘束を受けない、また犯罪による処罰の場合を除いては、その意に反する苦役に服させられないと、このようにあるわけでありまして、十八条、十八条でしたっけ、今おっしゃったのね。十八条において、それを、社会的、経済的関係において身体を拘束されないと。
#453
○白眞勲君 政治が抜けていますよね。
#454
○内閣総理大臣(安倍晋三君) いや、これ十八条において、そもそもそれは書いてありませんけれどもね。その基の十八条についても政治的とか云々かんぬんというのはありませんけれどもね。
 ですから、ここにおいては、言わば社会的、経済的においてもと、こう書いてありまして、そもそも政治的にはそんな拘束なんということは起こり得ないということだったのではないかと、私は想像をいたします。
#455
○白眞勲君 これですね、私が何でこれを聞いているかというと、自民党憲法草案の十四条には「政治的、経済的又は社会的関係において、」と書いてあるんですよ。こっちで抜いてあるんですよ。ということは、我々が見ると、これは政治的な人間は体を拘束されるというふうにしか取られないんですよ、これはね。そういうことを言っているんです。
 それで、もう一つ言いましょう。第三十六条に、絶対にという言葉を抜いちゃったんですけれども、それは何ででしょうか。
#456
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 絶対にというのは、わざわざ絶対にと書く必要がないということであります、そもそもそれは否定されているわけでありますから。絶対にというのが現行憲法になぜあったかというのは、それはそもそも進駐軍が作った憲法だからなんですよ。つまり、それを、絶対にということを日本人に強く言ったわけでありまして、だから、絶対に……(発言する者あり)うるさいから黙っていてもらえますか、小西さん。子供みたいですよ、あなた。
 それで、そこで申し上げますと……(発言する者あり)いや、今、指ささないと分からなかったから、彼は。(発言する者あり)
#457
○委員長(石井一君) 静粛に願います。私語をやめてください。
#458
○内閣総理大臣(安倍晋三君) よろしいですか。
 つまり、そこで、絶対にということを入れないということになったわけであります。(発言する者あり)
#459
○委員長(石井一君) ちょっと委員会の気分が緩んでるんですよ。閣僚席も、そして委員席も、お互いに私語はやめてください。
 質問を続行してください。
#460
○白眞勲君 この絶対にというのは非常に重要な言葉だと私は思っているんです。それは、過去のやはり日本のいろいろな、様々な歴史的な経緯から絶対にやっちゃいけないんだということだと思うんですね。これ抜くと、例外ありになっちゃうんですよ、場合によっては。それは通信の秘密がそうです。通信の傍受は禁止する、やめなさいということが今は憲法に書いてありますけれども、二十一条ですね。それも、書かれていなくても、公共の福祉に反しない限り例外を認めるんだというふうに解釈される場合もあるわけです。
 本当に怖い憲法なんです。それを私は最後に申し上げて、こんな憲法は絶対に私は通してはならない、それを最後に申し上げて、私の質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございます。
#461
○委員長(石井一君) 以上で白眞勲君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
#462
○委員長(石井一君) 次に、山東昭子さんの質疑を行います。山東さん。
#463
○山東昭子君 自由民主党・無所属の会の山東昭子でございます。今日は、いろんな角度から各大臣にお伺いしたいと思います。
 まず、経済政策についてお伺いしたいと思います。
 いわゆる安倍政権のアベノミクスは、今のところ非常に好調でございます。株価はリーマン・ショック後の最高値を更新しており、国内企業を苦しめていた極端な円高も是正されました。世界からの評価も高い。
 ただ、一部には将来的な国債下落による名目金利の上昇を危ぶむ声もあるようですけれども、この点と、今後の不安材料は、総理、ないんでしょうか。
#464
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 安倍政権で行っている経済財政金融政策でありますが、三本の矢を集中的に射込んでいく政策であります。
 まず、大胆な金融緩和を行う、そして機動的な財政政策を進めていくと同時に成長戦略を行ってまいります。
 まず、デフレから脱却をするために日本銀行と二%の物価安定目標を取り決めたわけでございまして、その方向に向かって、大胆な金融緩和も含め、日本銀行において責任を持って、大体二年を目途にこの二%の物価安定目標に向かって政策を進めていくことになるわけでございます。
 同時に、我々は財政政策を進めていくことによって需要をつくり、そしてまた地域によって地域の生産性、成長力を高めるための基盤整備の投資を行っていくことになるわけでありまして、一部の大都市だけにこの成長の恩恵が偏ることのないように進めてまいります。そして、なるべく早くこうした明るい兆しが感じることができるようにこの時期を短縮をしていくということになるわけでありまして、その懸念するべき点としては、物価が上がっていく中で収入がなかなか上がっていかないという点でございますが、まさにその点を考慮しながらこの機動的な財政政策を進めていく必要があるだろう。
 と同時に、当然いつまでも思い切った財政政策を進めていくわけにはいきません。そこで、成長戦略を進めていくことによって安定的な成長軌道に乗せていかなければならないと。つまり、様々な懸念材料を頭に入れながら、それに対応する政策も中に当然入れていくということでございます。
#465
○山東昭子君 つい先週、安倍総理は成長戦略の一環として女性の活躍の場を広げるという方針を打ち出され、育児休暇も三年間と、子育て支援に取り組む姿勢は非常に頼もしい限りでございます。是非、それに加えて介護の支援にも力を注いでいただきたいと思います。
 育児同様、介護も担い手の大半は女性で、みんな疲れております。介護との両立ができずに、せっかくキャリアを積んだ仕事を辞めざるを得ないケースも多々ございます。女性役員をとおっしゃるなら、是非、介護の支援も手厚くしていただきたいと思います。いかがでしょうか。
#466
○国務大臣(田村憲久君) 団塊の世代が七十五歳を超えてくる二〇二五年に向かいまして、本当に介護の問題、大きな課題になってきております。
 現在、二十四時間型の随時対応型、また定期巡回型のこういう介護サービス、これをスタートさせました。それから、住まいという意味では、特別養護老人ホームもそうなんですけれども、高齢者向けのサービス住宅、こういうものを国土交通省と協力をしながら、これを今進めてまいってきております。また、さらに配食でありますとか見守り、こういうものも地域のNPOでありますとかいろんな方々と協力しながら、今、介護保険等々もあるわけでありますけれども、それのみならず、そういう形でしっかりと対応していこう。
 何よりも、認知症の皆様方がたくさん増えてきておりますから、これ、介護される方々からしますとやはり認知症の介護というのは大変でございますので、こういう認知症に対してもしっかりとした対応をするような形で、今、順次政策を進めさせていただいておる最中でございます。
#467
○山東昭子君 総理は内閣で稲田、森の両大臣、そして党でも高市、野田両議員の幹部登用を、大変うれしく思っております。そうしたときに、先日亡くなられたサッチャー首相とお会いして懇談をしたときのことを思い出しております。彼女は、ミス山東、私は女だからとか女でなければという言葉は嫌いです、あなたが必要だからと言われてこのポストに就いたと言われて、大変共鳴をいたしました。
 今まで、日本の働く女性の中では、やはり女性だからこのくらいのミスは甘く何とか大目に見てもらいたいとか、あるいは泣いてしまえば許されるんではないか、そういうような女性も中にはいたようでございます。しかし、これからは女性だからという甘えは捨てて、やはりプロとしてお金をもらっている以上、きちんと働けば昇進の道も開けると思います。
 総理が女性役員をというようなことをおっしゃいましたので、どうぞひとつ理想ではなくて形になるようにバックアップをしていただきたいと思いますけれども、そのための決意をお聞かせ願いたいと存じます。
#468
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 党において高市早苗政調会長、そして野田聖子総務会長を指名したのは、これは女性だからということではなくて、まさに能力があるからお願いをしたわけであります。結果として党四役のうち二人は女性ということになりました。内閣においてもそうですし、事実、今の状況において女性だからといって許される状況では全く事実ないわけでございまして、今日この委員会においても、多くの我々の、安倍内閣の政務官の女性がこの場で答弁をしたのでございますが、見事に私は答弁をしたんだろうと、このように思うところでございます。
 いずれにせよ、言わば社会政策というよりも、安倍政権においては、成長戦略としてこの女性という大きな資源がまさに生かされていくことが日本の未来、そこに懸かっていると、このように考えております。
#469
○山東昭子君 内閣官房参与の浜田宏一教授は、来年予定されている消費税増税がこの景気回復を妨げることがあってはならないと言っておられますけれども、消費税増税を一年先送りすることも選択肢だと、こういう意見を九日にインタビューに答えて述べておられるようでございますけれども、この意見について総理はどのようにお考えでございましょうか。
#470
○国務大臣(麻生太郎君) 御存じのように、これは、社会保障といわゆる一体改革等々、いろいろな前提条件が付いておりますのは御存じのとおりですが、少なくとも税制の抜本改革法で来年の四月に引き上げるということに決められております。
 ただし、そのとき、三党合意の中にありましても、今年の秋、まあ十月ぐらいに、税制抜本改革法附則第十八条にのっとって来年四月やるべきか否かを決めるということにしておりますので、少なくともその段階で、今の景気の上昇が続き、給与も上がる、配当も増える等々、いろんな意味で経済指標が、公共事業に限らず、いわゆる企業の設備投資などなどのいろいろな指標がございましょうけれども、そういったものを含めて上昇という形になって、これならという情勢になった、また我々としてはそういうものにせねばならぬと思っていろいろな予算やら何やらを編成したわけですけれども、そういったものをした上で判断をさせていただきますけれども、基本としては上げられる情勢にいたしたいと、私どもとしてはそのように考えて取り組んでおります。
#471
○山東昭子君 麻生大臣はお若いときから経営者として経営に携わってこられたわけでございますから、景気回復ということはもちろん経営者として、そしてまた、御自身がやはり夜のちまたできちんといろんな形で景気回復に、いろいろな形でお金を落としてこられたその学識経験者でもあられるわけなんで、その御自身の勘というもの、今のムードというものは、これはいけるぞと、これは相当景気が良くなるぞというような勘は今どのようにお持ちでございましょうか。
#472
○国務大臣(麻生太郎君) 夜に限らず昼も頑張っておりますけれども。いずれにいたしましても、山東先生、今の段階でまだ言うのは早過ぎると思っております。少なくとも数字とか雰囲気は確かにこの内閣ができましてからごろっと変わった、それははっきりしております。前の内閣に比べたら今度の内閣は良かろうという期待感だけでこれだけ来たんですから。まだ何もしていない段階から株は上がり、全く何もしていない段階から上がったんですよ。これは驚くべきことだと思って、よほど前の人と比較された場合、比較されたらいいように思われたのかなと。私どもとしては少々驚くほどの数字が出ました。正直、一月、二月はびっくりしました。
 それが、現実問題として今予算が今度通ることになりますと、その通った段階で実質問題としていろいろな仕事が出てくる。それが実需、実物経済、実需というのにつながってきた段階から、それが多分五月以降になろうと思いますが、そういったものが形として出てきて、給料も上がったといって、気分だけじゃなくて、何となく気持ちだけじゃなくて本当に、おお、給料が上がったな、売れたなという実体経済を感じるというところまで来ないと、まだ今の段階で安易にもう大丈夫ですと申し上げられるような状況にはないと、私どもはそう思っております。
#473
○山東昭子君 続きまして、税制改正で中小企業の交際費課税の特例が八百万円に拡充されたことは大変みんな喜んでいます。景気回復には大変役立つと思いますけれども、政府としてどの程度の効果があると見込んでおられるんでしょうか。
#474
○国務大臣(麻生太郎君) 二十五年度の税制改正で、御存じのように、今までは六百万円までの交際費支出の九〇%を損金算入できると決められておりましたものを、今回の改正案では八百万円までの交際費支出の全額を損金算入できるというように改めさせていただいております。
 まだ法律が施行される前からもう前取りしたような景気の良さがちまたに伝わっておりますけれども、まだ税制改正になってないんですよということを何か所かで申し上げた記憶がありますけれども、そういった気分的なものに影響を与えたことはもう間違いない事実だと思います。
 現実問題として、平年度ベースで三百五十億円減収になると私どものところで計算しておりますが、それはその分だけ中小企業に三百五十億円が残るという形になりますが、それ以上にいろいろな、それによって接待をされた側、またそれによって使われた、消費されたもの等々がいろいろ出てまいりますので、そういった意味では、その分は消費税で賄う部分もありましょうし、いろんな形で広く広まっていくものだと思っておりますので、支出先の事業者にも効果が及ぶであろうと思っておりますから、私ども、数字だけで正確に言えと言われれば三百五十億は行った形になろうと思いますけど、その分がどう波及してくるかまで今の段階で読めているわけではございません。
#475
○山東昭子君 多くの人たちの景気回復に役立つように私どもも期待をいたしております。
 交際費に加えまして、ここで公務員の倫理基準も改めるべきではないかと思います。
 以前から思っていることでございますけれども、官僚は忙し過ぎて国民と本音で語り合う機会というのがなさ過ぎると思っております。各省庁に関係する人たちとの五時以降の座っての会食は禁止、また、あっても金額が定められている。過去において官僚の汚職や過剰接待があったために、現在、国家公務員倫理審査会という裁判官を含む五人だけの会議でルールを決めているわけでございます。
 やはり官僚と業界の人が本音で語り合うことにも私は意味があると思います。過剰接待があれば罰するべきでありますけれども、あつものに懲りてなますを吹くというように、初めから手足を縛ってしまい、必要な情報が入ってこないのはむしろ国民の不利益になっていると思いますけれども、ここで厳し過ぎるルールを見直す時期に来ているのではないかと思いますけれども、この点はいかがでございましょうか。
#476
○国務大臣(菅義偉君) 委員の御指摘は、かつて幹部公務員による不祥事が続出をして、これに対して世間の厳しい批判を招いた、ここを背景にして現在のこの遵守すべきルールとしてあるわけであります。そういう中で、実は余りにも厳し過ぎるんじゃないかなということで、平成十七年に国家公務員倫理審査会からの意見の申出を受けてルールの見直しを行ってまいりました。職務上必要な情報収集や意見交換、やはりこれは行うべきだというふうに思います。
 今後の在り方でありますけれども、委員の御指摘のような御意見もある一方で、現在この倫理法違反事案というのはまだ増減を繰り返しているような状況でありまして、残念ながらまだなくなっていないところであります。この倫理法の精神というものが全公務員にやはり浸透しているとはまだ言い難い状況じゃないかなというふうに思います。
 委員の御指摘ありました、そうしたことも踏まえながら、これから適切な対応をしていきたいと思います。
#477
○山東昭子君 やはりいろいろな団体であるとか、それから国民のいろんな分野の陳情というものはなかなか昼間だけで語り合える問題ではないと思います。そういう意味で、やはりリラックスして本音できちんと堂々と語り合える場というもの、そしてやはり公務員の自己責任と申しましょうか自覚の問題、これは政治家も同じだろうと思いますけれども、やはりこうした自覚の問題というものを考えながらきちんとした形でより良い方向に持っていっていただきたいとお願いをする次第でございます。
 続きまして、厚生労働政策に入りたいと思います。
 生活保護の受給者対策について、震災以後、また経済不況によって生活保護の受給者が非常に増えております。先日、名古屋で聞いたところ、名古屋市だけで生活保護費が八百六十億円にも上るといいます。大阪市では、十年前は受給率が三%だったのに、今は五%を超えている。
 生活保護費の実態について、政府としてはどのように考えておられるんでしょうか。
#478
○国務大臣(田村憲久君) 十年前と比べまして、世帯数で申し上げますと、九十三万九千世帯から百五十六万世帯にこの十年間で増えております。人数でいくと二百十五万人、これが直近の数字でございますけれども、二十五年度予算案におきまして、総事業費、これ三兆七千六百三十二億円ということで、約十年前と比べまして二倍に膨らんできております。
 その原因でありますけれども、一つは、高齢者が増えてまいりまして高齢者世帯の中で生活保護世帯が増えてきた。もう一つはその他世帯でございまして、これは高齢者でもなく、母子家庭でもなく、障害者でもない、いわゆる働ける世帯でありますけれども、これ、リーマン・ショック等々いろんな経済的な要因もあったんでありましょう、失業等々が長引いて、その結果、このような形で全体の数が増えてきておるというふうに認識をいたしております。
#479
○山東昭子君 生活保護法では受給要件について何と書かれているんでしょうか。
#480
○国務大臣(田村憲久君) 第四条第一項でございますが、生活保護は、「利用し得る資産、能力その他あらゆるものを、その最低限度の生活の維持のために活用することを要件として行われる。」こととされているということでございます。
#481
○山東昭子君 生活保護受給者のうち働ける能力のある人は職業訓練を受けるなど、積極的に自立することが求められております。政府としても自立に向けて努力を促すべきであると考えておりますけれども、どのような取組を行っていくお考えでしょうか。
#482
○国務大臣(田村憲久君) 生活保護法の改正に向かって今鋭意準備をしておる最中でありますけれども、一つはやはり就労支援等々、これ大変必要なことでございまして、そのためには場合によっては社会訓練等々もしていかなければならないというふうに思います、もちろん生活訓練も含めてでございますが。
 あわせまして、インセンティブを、自立のためにですね、働くことに対して、こういうものをやっぱりつくっていかなければならないということでございまして、一つは、就労するためにいろんな活動をされた場合に、これは手当の支給を今考えております。さらには、勤労控除、これに関しても今までよりも広げていこう。何よりも自立したときのために、これバーチャルなんですけれども、積立金のような形でこれを、自立した後の準備に備えて手元に残るような、こんな方策を今いろいろと検討いたしております。
#483
○山東昭子君 生活保護不正受給者の中には、理不尽なモンスター受給者や直接、間接的に暴力的な手段を使う者も少なくありません。先日も窓口の職員が三十センチの包丁で切り付けられ重傷を負う事件があったばかりでございます。
 生活保護の正常化を担うケースワーカーたちの安全面での対策はどのように講じておられるのでしょうか。
#484
○国務大臣(田村憲久君) 自立策も含めて、これからケースワーカーの皆様方の役割というのは大変重要になってまいります。そのような意味で、地方交付税でケースワーカーの増員に向かっての予算積み上げをいたしておりまして、平成二十五年に都道府県人口二十万人当たりプラス三人、それから市町村人口十万人当たりプラス二人という形で、それぞれ二十二人、それから十五人という形でケースワーカーの整備をしてまいる次第であります。
 あわせて、そのような非常に危険な行動に対してはやはり警察と綿密に連絡を取りながら対応していかなければならないというふうに考えております。
#485
○山東昭子君 兵庫県の小野市が特徴的な生活保護の条例を制定いたしましたけれども、四月一日の施行以来、どのような状況なのでしょうか。
#486
○国務大臣(田村憲久君) 小野市の条例は、受給者の方々が給付された金銭を賭博等々に消費する、使ってしまうということを防ぐために、生活の維持、安定向上を図ることができなくなるような事態を防止するという観点から、市民からの情報提供を求めること等としておるわけであります。今、要保護者に関する情報提供が現在二件ありまして、対応中であるということであります。
 それから、四月下旬開催の自治会の会合で、市長の方から条例の趣旨等々を関係者の方々に説明される予定だというふうにお聞きをいたしております。
#487
○山東昭子君 このように生活保護制度については各自治体とも高い関心を示しているところでございますけれども、自民党は総選挙の公約で生活保護法の抜本改正を掲げました。水準の適正化、現物給付の導入、自立、就労の促進など実現すべき課題は多いんですけれども、政府としての検討状況はどうでしょうか。
#488
○国務大臣(田村憲久君) 御承知のとおり、生活扶助費の適正化というものを今般進めさせていただいております。あわせまして、先ほど申し上げました就労・自立支援というもの、これも進めてまいりたいと思っておりますし、不正受給への対応というものが大変重要になっております。これ罰金等々引き上げたりでありますとか、さらには本人の同意を得た上で保護費からこれを削減をするというようなことも考えております。
 さらには、医療扶助の適正化、これも、指定されている病院等々、これに対しまして、今までよりも更に期間を区切って更新制のような形で要件をしっかりと見ていく中において不適切な対応がないようにということで今考えておるような次第でございます。
#489
○山東昭子君 とにかく、貧しいけれども一生懸命頑張って生活をしている人と違って、やはり一部本当に適切な対応でなく、不正受給者というものを徹底的にやはり追及してなくしていただくように是非頑張っていただきたいと思います。
 次に、年金返上希望者についてお伺いしたいと思います。
 所得や資産が多い人の中には、国のために年金を返上したいという人もおられます。しかし、実際に返上しようとすると手続が大変であるということです。役所に手続に来てくれと言われて怒っている人もおります。寄附を受けるのと同じなのですから、もう少し丁寧に対応すべきではないかということ。今よりも簡単に年金を返上したり、国や自治体に自動的に寄附したりできる制度にすべきではないかと思いますけれども、いかがでございましょうか。
#490
○国務大臣(田村憲久君) 年金を御辞退いただけるということ、これは年金財政にとっては大変有り難いことであるわけでございますけれども、現在、窓口で申請できるほか、郵送でもできるようになっておりますが、ただ、やっぱり書類が必要であるということでございまして、そういう意味では年金事務所等々へ行かなきゃいけないと。
 そこで、ホームページからいろんな今年金の書類等々取り出せるようになっておるわけでありますけれども、これ、辞退をする申込みの方が入っていないんですね。ですから、これに関しましても、ホームページの方でそういうものを、書式を用意をするように、これから年金機構の方に私の方から指示をさせていただきたいというふうに思っております。
#491
○山東昭子君 それは是非お願いしたいと思います。
 また、今の制度では、年金を返上しても何のメリットもないんですね。年金を返上した方に対しては、やはり御本人も希望しておられるんですけれども、何やら国から御褒美をいただきたい。感謝状、あるいは表彰状、又は額によっては勲章を差し上げるなど、年金功労賞として何か国として顕彰するようなことはできないんでしょうか。
#492
○国務大臣(田村憲久君) これは、年金の辞退でありますけれども、以前はできなかったんですけれども、それに対してやはり辞退することを認めてもらいたいというお声がたくさんいただきまして、平成十六年の改正でこういう制度をつくったわけでありますが、二十四年度末現在で約五百人の方が辞退されたということでございます。
 これ、顕彰、何かないかと言われるんですが、実は、御本人、辞退された後もいろんな事情があられてまた年金権回復される、そういう方もおられるわけでございまして、なかなか顕彰は難しい。じゃ、お亡くなりになられたときがあるじゃないかと言われますけれども、これ、遺族年金もまた後から復活することもできますので、なかなか、一度顕彰されて復活された後、返してください顕彰をというわけにもいかないわけでありまして、非常に難しい。そういうような部分があるわけでありますけれども、先生からの御提案でございますので、検討はさせていただきたいというふうに思います。
#493
○山東昭子君 次に、TPPについてお伺いしたいと思います。
 アメリカを始めとする各国との合意で、いよいよ七月から交渉参加のめどが付きました。これまでTPPは生産者サイドの諸課題が論じられることが多かったわけですけれども、今回は消費者サイドから質問したいと思います。
 米国産の食用牛には日本では禁止されているホルモン剤が大量に使用されていると聞いておりますけれども、こうしたホルモン剤は人体への影響はないんでしょうか。
#494
○国務大臣(田村憲久君) 牛へのホルモン剤の使用でありますけれども、国内では関係する審議会、もう今は食品安全委員会でございますが、それまでは食品衛生調査会、ここで審議をされて一定の基準を設けている。また、コーデックス、国際基準もございます。さらには、諸外国の安全基準等々がございまして、そういうものを踏まえた上で食品中のこのホルモン剤の残留量というものを規制をしておるわけでございまして、そういう意味からしますと、この基準の以内でそれぞれ食卓に並んでおるわけでございますので、安全性に関しましては基本的には問題がないというふうに認識をいたしております。
#495
○山東昭子君 日本で禁止されているホルモン剤を使用しても輸入は禁止しないということだと、これはダブルスタンダードではないんでしょうか。
#496
○国務大臣(林芳正君) 厚労大臣からも答弁があると思いますが、この仕組みが、肥育ホルモン剤を製造、販売するためには薬事法に基づき品目ごとに農林水産大臣の承認を受ける必要があるということでございます。
 実は過去に、一九五九年と六三年に去勢牛の肥育促進等を効能、効果とする天然型のホルモン剤、これが使用されていたことがあったんでございますが、九八年までに製造、輸入が廃止されまして、九九年には承認も、申請されていた方が自主的に承認を返上されたので、ないということでございます。以後承認申請がないということでございますので、承認された肥育ホルモン剤がないという状況でございますので、またこういうものを使いたいというのがあれば、また承認の申請をしていただければ手続が始まると、こういうことになっております。
#497
○国務大臣(田村憲久君) 今農林大臣がお答えになりましたとおり、国内においては今承認の申請がないということで使われていないわけでありますけれども、国外ではこれ肥育用に使われておるわけであります。
 牛が健全に育つという意味でこういうものに対しての一定の基準を設けて使っておるんだというふうに思いますけれども、最終的に食べる段に至りますると、やはり、先ほど御答弁させていただきましたとおり残留基準というものがございまして、これでチェックをした上でそれ以内のものを認めておるわけでございますので、ダブルスタンダードというよりかは、我が方としては食べるものに対してしっかりと基準を設けてチェックをいたしておるということでございます。
#498
○山東昭子君 長年、日本の官僚は真面目過ぎて、アメリカとの経済交渉においても控えめで、相手は駄目元の案件をぶつけてきて妥協するケースが多かったような気がいたします。
 今後の交渉では、特に食の安全の分野では守るべき規制は守る必要がある。遺伝子組換えであるとかあるいはBSE、ポストハーベスト農薬、食品添加物などの規制が緩和あるいは撤廃されるんではないかという消費者にとっては非常に大きな不安があるんですけれども、この辺のところは大丈夫でしょうか。
#499
○国務大臣(甘利明君) TPPに関連してですね。
 TPPはまだ本交渉に我々は入っていませんので、中に入ってみないとどういう情報、やり取りが行われているかということは、厳密に言えば把握はまだできませんけれども、今までのところ得ている限りの情報によりますと、このTPP交渉におきましては、この遺伝子組換え作物であるとかそのラベリングについての提案はないというふうに承知をいたしております。個別の食品安全基準の緩和が議論されているという情報は現在のところありません。
 TPP交渉が始まると同時に、日米で二国間の非関税部分の交渉がスタートいたします。その非関税の交渉項目の中に、委員も御承知のとおり、衛生植物検疫措置というのがありますけれども、しかしこの項目の中にはWTOのSPS協定基準に基づきという大前提が入っております。これは何かといいますと、食品安全については、国際基準を超える、その国、例えば日本が国際基準をオーバーライドするような基準を設けるときには、科学的、合理的な説明ができればそれはやってもいいというのがSPS協定でありまして、これを前提として行われるわけであります。
 いずれにいたしましても、自民党のJ―ファイルの中にも食の安全安心の基準を守るというふうにありますので、しっかりとこれを踏まえて本交渉に入った後も取り組んでいきたいと思っております。
#500
○山東昭子君 次に、教育・文化政策に入りたいと思います。国を知り、国を守るための教育について伺いたいと思います。
 学校の歴史教育では、古代のことは一生懸命教えるんですけれども、現代史は学年の終わりで時間がなくなるためしっかりと教育されていないように思います。中には、日本がアメリカと戦争したことさえ知らない若者がいるなどという信じられない話すらございます。近現代史が教えられていないというのは以前から指摘されていることでありますけれども、改善されていないんではないでしょうか。文部大臣。
#501
○国務大臣(下村博文君) 山東先生がお話しのように、近現代史は歴史の中で最後の方ということで、明治ぐらいで終わってしまうというパターンが多いというふうに実際聞いております。しかし、国際社会の中で日本人としての自覚を持ち、主体的に生きていくためには、我が国の伝統文化や近現代史を始め歴史に対する理解と愛情を深めることが大変重要であるというふうに思います。
 教育基本法及び学校教育法の改正において伝統と文化に関する規定が新たに置かれたことを踏まえまして、新学習指導要領において、小学校社会科で歴史を学ぶ小学校第六学年の授業時間を増やし、また中学校社会科で歴史的分野の授業時間を増加するとともに近現代の学習を一層重視し、高等学校地理歴史科で世界史、日本史双方について近現代史に係る内容を充実するというふうにはなりましたが、ただ、ゆとり教育のときから比べると少し増えただけで、それ以前のときの比較をするとまだ相対的に少ないというふうにやっぱり言えると思います。
 今後とも、各学校において新学習指導要領を踏まえ、近現代史を含めた歴史教育がしっかり行われるよう、より充実するよう対応してまいりたいというふうに思います。
#502
○山東昭子君 特に領土問題などをいろいろ調べてみますと、中国や韓国ではもう本当に小さいときから徹底的に自分の領土のことを、あるいはこうした問題に非常に時間を割いているようでございますけれども、我が国は、北方領土、竹島、そして尖閣諸島など、こうした領土に関する問題を冷静に議論するためにも自分の国の近現代史を知っておくことが必要だと思います。また、世界の人と信頼関係を築くためにも自分の国のことを語れるようにすることが必要だと思います。
 こうした観点から、今大臣が近現代史は充実していく方向だとはおっしゃいましたけれども、高校の必修にすべきではないかと思いますけれども、いかがでしょうか。
#503
○国務大臣(下村博文君) 御指摘のように、今高校におきましては、世界史は必修ということでございますが、日本史、近現代史、特に日本史、これは地理との選択必修ということでございます。
 今、東京都とそれから神奈川県が必修ということになっているそうでありますが、現在、我が国の高校生が近現代史について理解を深めることについて、新学習指導要領において、世界史、日本史双方について近現代史に係る内容を充実するとともに、必修科目である世界史については日本史や地理との関連を一層重視するよう改善を図ったところであり、今年から順次実施される予定でございます。
 今後の高等学校地理歴史科における必修科目の在り方、この日本史あるいは近現代史を必修にするかどうかということについては、新学習指導要領に基づく取組の状況等も十分踏まえながら、教育課程全体の在り方に関する議論の中で検討してまいりたいと思いますが、東京都や神奈川県のような独自に対応できるところもありますので、そういう事例、それから富山県でも独自の近現代史の郷土史を作って、副教材として、副読本として配付しながら教えているという状況について、是非、文部科学省もほかの都道府県に対してPRをさせていただきたいと思います。
#504
○山東昭子君 熊本県では、日本の領土を正しく認識してもらうため、県立高校の全教室に日本地図を掲示しているといいます。こうしておけば、竹島や尖閣諸島がニュースになるたびに子供たちは教室で地図を見て、場所をすぐに覚えることができるでしょう。すばらしい取組だと思いますけれども、文部科学省では全国で導入すべきではないでしょうか。
#505
○国務大臣(下村博文君) 熊本県の教育委員会では、日本の領域の位置や隣国との距離等を生徒に正確に把握させるため、今年三月に県立の高等学校等の全学級数分の日本地図を配付し、各学校に対して教室に掲示し教科指導等に活用するよう指導していると、御指摘のとおりでございます。
 我が国の将来を担う子供たちが自国の領土を正しく理解することは極めて重要であり、熊本県における取組は領土について理解を深める上でも有意義な取組であるというふうに思います。
 そもそも、竹島、尖閣についても、高等学校の教科書できちっと記述していない教科書会社もあるような状況がございます。また、個別の教材の活用方法は各学校の教育委員会において決定するものではありますが、文部科学省としては、熊本県における取組を始めとした現場の創意工夫ある取組について、先ほどの近現代史と同じように、情報提供するなどを通じ、この領土についても各学校でしっかり教育が進められるよう取り組んでまいりたいと思います。
#506
○山東昭子君 続いて、国を守る意識を育てる教育の必要性について伺いたいと思います。
 安倍総理は教科書検定の見直しを検討する方針だと伺っております。是非きちんと見直していただきたい。改正教育基本法の理念に沿った教科書が必要だと思います。政府としては、いつまでに見直すといった具体的な方針はおありになるのでしょうか。
#507
○国務大臣(下村博文君) 御指摘のように、改正教育基本法や新学習指導要領の趣旨を踏まえた教科書で子供たちが学ぶことが必要であるというふうに思いますし、残念ながら、現在使われている教科書が必ずしもそれが徹底されていない部分があるというふうに思います。
 教科書検定については、自民党教育再生実行本部で昨年提言されているわけでございます。これに沿って、引き続き自民党の教育再生実行本部でこの教科書検定、採択について特別部会をつくって対応を検討するということになりました。
 文部科学省としては、この自民党の取りまとめを受けまして、見直しの具体的なスケジュールについては現時点では明確にはまだ決めていない状況でございますけれども、文部科学省として、取りまとめを受けた中でこの教科書検定制度の現状と課題を整理して、できるだけ速やかに文科省としても取り組んでまいりたいと思います。
#508
○山東昭子君 学校教育で外交、安全保障や国際情勢についての基礎知識を教える機会が必要ではないかと思います。
 例えば北朝鮮のミサイルのニュースを見ても、弾道ミサイルがどんなものか知っている国民がどれだけいるのか。軍事的なことも含め国を守るというのはどういうことか国民として知っておく必要があると考えますが、学習指導要綱の一部にそうした内容を入れるべきだと考えますけれども、いかがでしょうか。
#509
○国務大臣(下村博文君) 学校において、外交や安全保障、防衛など我が国を取り巻く国際社会の諸課題について教育を行うことは大変重要なことであるというふうに思います。
 このため、学習指導要領では、中学校の社会科や高等学校の公民科において、我が国の安全保障と防衛及び国際貢献、国際社会における日本の立場と役割などの内容について明記しております。
 具体的には、各学校の指導の充実を図るため、学習指導要領解説において、自衛隊が我が国の防衛や国際社会の平和と安全の維持のために果たしている役割、国際紛争の原因を除去するためになされている外交や経済協力などの活動、さらに、これからの国際社会における日本の政治的、経済的、社会的な責務と役割などを理解させたり考察させたりすることについて記載しているところでございます。
 文部科学省としては、学校が学習指導要綱に基づいて子供たちに我が国の外交や安全保障、防衛などについてしっかり指導を行い、我が国の平和と安全をいかにして確保していくかということについて一人一人が自ら考えることによって、我が国と郷土を愛し、国際社会の平和と発展に寄与する態度の育成を図ってまいりたいと思います。
 先生御指摘の北朝鮮のミサイルニュース等について書かれていたものは、残念ながら一教科書会社、私が調べた中ではだけだったように認識しておりますので、こういうことも含めて各教科書会社に対してこれをもっと理解徹底をすることが更に求められるというふうに思いますし、努力してまいります。
#510
○山東昭子君 この度、学生をやはり国際人として育てようということで、大学のいろんな制度あるいは就職環境、そういうものを留学しやすいように配慮されるようですけれども、昔、偉大な商社マンだった瀬島龍三さんは、よき国際人であるためにはよき日本人でなければならないと言われたような記憶がございますけれども、これからを担う子供たちによき日本人になるためのアドバイスをお聞かせ願いたいんですけれども。
 今日は別に通告をしていませんけれども、最後に総理にやっていただいて、ちょっと、私はこういうふうに思うとおっしゃる、昔は子供たちは末は博士か大臣かと言われ、皆さん大臣になっておられるわけなんで、そうした子供たちの夢の形というもの、どういうようにしっかりと自分たちが人生を歩んでいけば皆さん方のようになれるかというようなことをお聞かせ願いたいと思います。
#511
○国務大臣(下村博文君) 文部科学担当でございますので、まず私の方からお答えさせていただきたいと思います。
 これからグローバル社会の中で真の国際人になることが求められるというふうに思いますが、真の国際人になるためには、本当に真の日本人、日本のことがよく分からないと真の国際人になれないというふうに思います。
 留学経験のある方々からよく聞く話でありますけれども、語学はできるけれども、しかし、外国人と、日本のことを聞かれても日本のことが全く答えられないと。先ほどの領土問題だけでなく、日本の伝統文化、すばらしさ、それを語れないために、日本の教養がないため相手にされないことが多々あったと。
 そのために、今までの学校教育の中ではほとんど学んでいなかったけれども、改めて留学した先で日本の伝統文化、すばらしいものを学ぶことによって外国人にきちっと話すことができて、そこで初めて対等の国際人として話をすることができるようになった。是非、これから留学をしたい又は国際人になりたいという若い人たちには、そういう意味で本当に日本の伝統文化、すばらしい、ありとあらゆる日本のすばらしい文学にしても芸術にしても、若い人たちにきちっと教えてもらいたいというのを留学経験の方々からよく言われますが、是非、もっともっと日本の伝統文化、すばらしい日本らしさというのを教育の中で教えていくと、これが真の国際人にもつながっていくことではないかというふうに思います。
#512
○委員長(石井一君) 次に誰か順次指名するんですか。
#513
○山東昭子君 はい。じゃ、委員長の指名で。
#514
○委員長(石井一君) 全員にやってもらいますか。
#515
○山東昭子君 いえいえ。
#516
○委員長(石井一君) 我はと思う人は手を挙げて発言してください。どうぞ。
#517
○山東昭子君 じゃ、まず、財政という意味で麻生大臣、そして、働く、雇用という意味で田村大臣、そして、女性の立場で稲田さんと森さん、是非お二人にアドバイスを、子供たちに。
#518
○国務大臣(麻生太郎君) 国際人という英語がないと思いますので、ちょっとなかなか、海外で通用するまともな日本人ということの定義かしら、それで答えさせていただくことになるんだと思いますが。
 人間としてつまらなきゃやっぱり駄目だと思います。これは絶対条件で、横文字が二つ三つしゃべれて、ナイフとフォークで御飯が食べられたら国際人と思っている人はいっぱいいますけれども、それは全く間違いだと思います。その国に行けば誰でもしゃべれるようになるのであって、それは別に習慣の問題であって能力には関係ないと思っておりますので、その意味では語学は余り関係ない。マナーもきちんとしたマナー外さなければそんな関係ないんだと思いますので、やっぱりきちんとした日本の家庭でしつけられたものをきちんと身に付けていさえすればどこでも通用すると、私はそう思っております。
 あとはその人の持っている魅力なんであって、何か言葉ができるのじゃないということだけははっきりしていると思いますので、少なくとも私の子供には、学歴は余り関係ないんで、英語を覚えないかぬとは思いましたので、英語でけんかができて、英語でガールフレンドが口説けるようになったら帰ってきていいと言ったら、途中から卒業するとか言ったので、そんな学歴は関係ないと言ったんですけれども、とにかく卒業して帰ってきましたのですが、それになって四年いましたかね、ちょっと早く卒業しましたので帰ってきたんだと思いますが、そのときの記憶ですけれども、随分痩せ細っていましたけれども、後半二年間ぐらいは普通になっていましたので、ああいう日本人の一人もいない学校を探すのに苦労しましたけれども、いないところに入れておいたらそれなりに育つものだとは思いました。
 ただ、やっぱり家庭で愛されて育っていないと、なかなか海外へ行っても難しいんじゃないかなとは思います。
#519
○国務大臣(田村憲久君) まず、言葉がなかなか通用しなくても笑顔というのは通用できますから、笑顔というもの、これがやはり、相手に受け入れられるすてきな笑顔、これを持つことが必要だというふうに思います。それから、やはり自分の意見、主張、これができること。
 そして、下村大臣もおっしゃられましたが、日本の伝統文化、歴史だけじゃなくて、自分が生まれ育った、そういうような地域の歴史や文化、こういうものが語れるということ、これはやはり国際人としてやはりいろんな方々と対応したときに私は必要なことなのではないかというふうに思っております。
#520
○国務大臣(稲田朋美君) ありがとうございます。
 私は、子供たちが日本人に生まれたことに誇りを持ってほしいと思います。そのために、総理が先ほど来、美しい国という言葉を使われました。私は道義大国という言葉を使っておりますが、日本が自由で民主的で、高い倫理性で世界中から尊敬されて頼りにされる、そんな国を私たちはつくっていかなきゃいけないと思っております。
#521
○国務大臣(森まさこ君) 森まさこでございます。
 私、第一子産んで、ゼロ歳の子供と私二人で留学をしたんですけれども、そのときに、世界各国から来た女性弁護士たちと机を並べましたが、痛感したのは、皆さん、自分の国のこと、歴史、地理、しっかりと話せるんですね。ですから、やはりまず国際人として自国のことをしっかり誇りを持って話せること。それから、自分自身の個人としての主張をしっかり持って、それを相手に伝えること。相手がその意見と反対意見でもいいんです。でも、どうしても、その当時はなかなか、日本人はうなずいていることが同級生も多かったかなと思いますけれども、しっかりと相手と違う意見でも述べることで海外の方は認めてくれると、存在自体を認めるということがあると思いますので、国際人としてはその二つが重要であると思っております。
#522
○山東昭子君 皆さん、ありがとうございました。やはり自分の考えをしっかり持って、そしてたくましく生きていくということが大切ではないかなと思っております。
 次に、給食費未納について伺います。
 給食費を払えるのに払わないという人が多いそうでございます。全国の未納額は平成二十二年度で約二十六億円という文部科学省の調査結果がございました。その後、給食費が未納の家庭に対しては、子ども手当、現在は児童手当から天引きできる制度になりましたけれども、最新の納付状況はどうなっておりますか。
#523
○国務大臣(下村博文君) 御指摘のように、学校給食費の未納の総額は約二十六億円と考えられます。
 児童手当からの学校給食費の徴収、いわゆる天引きでございますが、これは平成二十三年十月より制度化されたところでありますけれども、各都道府県教育委員会に確認したところ、平成二十四年六月時点で全体の約二七%の市町村が天引きを行う仕組みを既に実施している、今後実施を予定しているあるいは検討中という市町村を含めると約六〇%になります。この平成二十四年度の徴収状況については本年度に調査を実施する予定となっておりますので、現時点では天引きが制度化された後の状況についてはまだ承知しているところではございません。
#524
○山東昭子君 北海道の芦別市では給食費の未納者に罰則を科せる条例があると申しますけれども、どのような効果が出ているのでしょうか。
#525
○国務大臣(下村博文君) 御指摘のように、北海道芦別市では、平成十七年に制定した条例において、市税、保育費や水道料金等とともに、学校給食費の滞納者に対してその財産の差押え等が行えることになったと承知しております。本条例では、財産の差押え等の後なお滞納が続く場合には、一定の行政サービスの停止等の措置や必要に応じて滞納者の氏名の公表等を行うことが規定をされております。
 なお、芦別市に確認したところ、これまでに学校給食費滞納により本条例を適用した事例はないということでございますが、抑止力としては一定の効果があるのではないかという報告を受けているところでございます。
#526
○山東昭子君 国としても、払えるのに払わない給食費の未納者には何らかの罰則的措置が必要ではないかと思いますけれども、その点はいかがでございましょうか。
#527
○国務大臣(下村博文君) 学校給食費の未納問題については、文部科学省としては、各都道府県教育委員会に対し、学校給食の意義、役割について保護者に周知し、理解と協力を得ること、また、生活保護による教育扶助及び就学援助制度の活用を奨励すること、さらに、学校全体としての取組体制を整えることなどについて適切な対応を求めているところでございます。
 また、給食費の支払を説得し得ない保護者に対しては、その一つの方策として、少額訴訟や簡易裁判所による支払督促等の法的措置も活用している例もあることから、こうした事例も参考にしつつ対応をすることが望ましいということについて通知して示しているところでございます。
 学校給食費の未納問題の対応については、学校給食を実施している各自治体や学校において様々な工夫が行われていると承知しており、文部科学省としては、こうした各自治体、学校における事例や各学校現場における意見等も踏まえつつ、法的措置も含めて適切な対応がなされるよう指導してまいりたいと思います。
#528
○山東昭子君 続きまして、食育と日本の食文化普及についてお伺いしたいと思います。
 食育という言葉は、明治二十九年に、福井が生んだ医者でそして軍人である、そして薬剤師である石塚左玄という人が知育、徳育、体育、それだけではなしに、才能の才、才育と食育、この五育を説いたわけでございますけれども、いつの日か知徳体だけが残って食育と才育は消え去ってしまいました。しかし、それから多くの人たちがやはりこの食の大切さということを認識をして、そして私どもも仲間と一緒に努力をし合って、そして、今から丸七年前でございますけれども、食育基本法を議員立法として民主党の反対の中、成立をさせたわけでございます。
 やはり、総理は先ごろ、病気を予防することが大切だというようなことをおっしゃられまして、そして健康寿命を延ばすことが大切だということをおっしゃられております。今申し上げたように、食育基本法が成立をしてから「早寝早起き朝ごはん」というのも浸透してまいりました。そしてまた、いろいろなデータによると、やはり学生でも、いろいろな医科大学の学生などでも、百人のうち五十人は朝食をきちんと食べて五十人はわざと食べさせないというので一年間成績を見てみると、ちゃんと朝食を取った者が成績が上がっている、そしてその残された五十人の中でまた朝食をきちんと食べた半分の人が成績が上がっているというようなデータも出ております。やはりきちんと朝食を食べるということ、やはり朝からエネルギーを植え付けるということが一番大切だということになっております。
 長野県が最近長寿日本一となりましたのは、ボランティア活動しております食生活改善推進員の地道な活動の成果であると思っております。そういうことも言われております。また、学校や会社での健康増進も非常に重要であり、栄養面での管理を担う栄養士の一層きめ細やかな対応もこれは重要だと思っております。
 これらのことも踏まえて、食育担当大臣としては、今後の国の食育の取組についてお伺いしたいと思います。
#529
○国務大臣(森まさこ君) 山東議員が食育問題に長年熱心にお取り組みになり、食育基本法の制定を始めとして御貢献、中心的な役割を果たされてこられたことに心から敬意を表したいと思います。
 長野県の取組でございますが、長寿日本一ですけれども、実は昭和四十年には脳卒中の死亡率が全国でワーストワンであったということでございます。そこで、全県を挙げて取組をしたときに、今御紹介がございましたボランティアの食生活改善推進員、いわゆる食改さんと呼ばれておりますが、ボランティアの方々の活動があり、塩分Gメンとも呼ばれまして、みそ汁の濃さを測る塩分テープを普及させたりとか、それから野沢菜の漬物の塩分を測ってくれるということで、薄味で野菜たっぷりという食事を全県で進めてきたことで食生活が改善され、今回の長寿日本一になったというふうにも言われております。
 食育というのは生きる上での基本であって、知育、徳育、体育、そして食育、才育という五育を通じて、様々な経験を通じて食に関する知識、そして食を選択していく力、これを身に付けることで健全な食生活を実践することができるものと心得ております。
 私は少子化担当大臣も仰せ付かっておりますけれども、我が国の将来を担う子供たちにとって食育が大変重要であるということももちろんのこと、食生活において、栄養の偏り、不規則な食事、肥満や生活習慣病の増加などを考えますと、健康で長生きするということで全世代にわたって食をめぐる課題が様々にあると、取り組んでいかなければならないというふうに思っております。
 内閣府におきましては、毎年六月に食育月間を開催いたしまして表彰したりなどの活動もしておりますけれども、今後とも、地方公共団体、関係団体とともに、今大活躍をしております食生活改善推進員の皆様などのボランティアの皆様や栄養士の専門職の方々とも連携して、より一層、力強く食育の推進を図ってまいりたいと思っております。
#530
○山東昭子君 皆様方も是非、大臣諸氏はなかなかやはりお食事も不規則、暴飲暴食もあろうかと思いますけれども、どうぞひとつ、毎月十九日が食育の日でございますので、どうぞそのときも心して栄養バランスのいいものを召し上がっていただきたいなと思っている次第でございます。
 さて、世界では日本食がブームになっております。日本を訪れる大統領やいろいろな方たちが、トップの方たちが、日本食はすばらしいと皆様が言っておられます。クールジャパン政策の柱の一つとして、本物の日本の食文化を世界に発信するということは非常に大切ではないかと思います。ところが、どうも各国での和食はちょっと物足りないようでございます。そこで、春夏秋冬、まあ年に四回ぐらいは本物の日本食を世界の大きな町でアピールする機会をつくるべきだと思うんでございますけれども、どうぞ農水大臣、そしてその後、外務大臣にもちょっとお聞かせ願いたいと思います。
#531
○国務大臣(林芳正君) 今後十年で実は、世界の食市場、これ倍増が見込まれております。したがって、これを日本の成長に取り込んでいくという目標がございまして、そういう意味で、今、山東先生からお話がありましたように、日本の農林水産物、食品が評価をされる環境を整備しなければなりません。二つに分けて考えておりまして、まずは、食文化、食品産業の海外展開、メード・バイ・ジャパンと、こう言っておりますが、それと、もう一つは農林水産物、食品の輸出促進、これメード・イン・ジャパンのものを出していく、同時に進めていくことが重要であると思っております。
 今、先生からお話がありましたように、年に四回にはまだいきませんが、今年の二月から三月にかけて、フランスのパリで日本食文化を総合的に発信する取組を行いました。大変好評でございましたが、こういう取組を更に重ねてまいりたいと、こういうふうに思っております。
 全日本・食学会というのがございまして、ここを始めとする我が国の料理界の関係者、食品産業界、食文化学会と連携しながら、御指摘ありましたように、大使館でのイベントを行うなど、日本食文化のアピールを全世界で行ってまいりたいと、こういうふうに考えております。
#532
○国務大臣(岸田文雄君) 日本食につきましては、日本に来られる外国の方にとって魅力であるばかりではなくして、我が国の在外公館におきましても日本食を振る舞うということで多くの現地の方々の大きな魅力と映り、外交においても大きな効果を発揮している、こういった話をよく聞きます。
 そして、我が国の在外公館におきましては、各公館におきまして、日本食のレセプションですとか、あるいは食文化の関係者との意見交換会、あるいは日本酒にテーマを絞ってレセプションを行う、このように様々な行事を行い、日本食のアピールに努力をしている、こうした現状にあります。
#533
○山東昭子君 これから東京オリンピック・パラリンピックも誘致しようというときでございますので、是非世界中の人たちに日本のおいしい料理を食べてもらいたいなと、そんなことを私ども望んでいるわけでございます。そういうことで、是非予算を取っていただきまして、世界に向かって大いにPRをしていただきたいと思います。
 続きまして、原子力防災についてお伺いしたいと思います。
 二十二年前、私が科学技術庁長官の折、原発は地震には強いと聞きましたが、津波に関しての認識は甘く、深く反省をいたしております。
 今回の事故後、残念なことは、女性の専門家が一度も登場していないということでございます。私が大臣のとき、放射線被曝について議論をしているときに、阿部さんという女性科学者が、私は長年毎日研究所で少量の被曝をしているけれども、三人の健康な子供を産み育てて、私自身もこうやって元気に働いています、私が生き証人ですと言われたことを思い出しました。
 今回の事故は、前政権の対応ミスとメディアの過剰報道により、風評被害で農作物も売れず、また危険な地域に住む男に嫁はやれぬと破談になった悲劇もありました。また、福島に住む少女たちの中に、自分は将来は子供を産めないんではないかと、そんなふうに不安に思っている人たちもいるということは大変残念な限りでございます。
 原子力というもの、この原子力の規制というものはやはり冷静に科学的な分析に基づいて考えるべき話であると思います。原子力規制庁の設置によって原子力規制の管轄が環境省になりましたけれども、私はちょっとこれに異論があります。やはり行政から完全に独立をしたアメリカのNRCのような組織が必要だと考えますけれども、いかがでしょうか。
#534
○国務大臣(石原伸晃君) お答えいたします。
 もう委員御指摘のとおり、原子力の規制については、冷静に科学的な分析に基づいて検討され、判断されるべきだというのはまさに私どもの考えと一致していると思います。
 御存じのとおり、今日、田中委員長おいででございますけれども、原子力規制委員会は、自民党、公明党、民主党、この三党協議に基づく議員立法で、科学的、技術的な見地から独立して意思決定を行うべく、いわゆる公取と同じような三条委員会として設置をされているところでもございます。環境省の外局としてこの原子力規制委員会をサポートする原子力規制庁がありまして、原子力規制委員会はあくまで独立性を発揮して職務を全うすると、そういう枠組みになっております。
 私どもとしては、ですから、原子力規制委員会がこの仕事ができますように規制庁をしっかりとサポートさせていただきたいと考えているところでございます。
#535
○山東昭子君 原発事故以降、日本の発電は火力発電が主力となっておりますけれども、事故以前と比べてCO2の排出量が増えているのではないかと心配でございますけれども、現状はいかがでしょうか。
#536
○国務大臣(石原伸晃君) これも委員の御指摘のとおり、数字を申し述べさせていただきますと、原発停止による火力発電の発電量の増加を一因といたしまして、温室効果ガスの排出量は増加をいたしまして、この十二日に取りまとめました二〇一一年度の温室効果ガス排出量は十三億八百万トン、前年度と比べて五千三十万トン増加しております。これは前年比に比較して四%の増加でございますし、京都議定書の基準年であります一九九〇年と比べましても三・七%増加しております。
 また、地球温暖化対策の話題はこれに伴いまして埋没しがちでございますが、地球温暖化は地球全体の環境に深刻な影響を及ぼす脅威であり、人類共通の課題、しっかりと対策を進める必要がある。総理の方からも、しっかりとした目標を十一月のCOP19までにしっかりゼロベースで見直して作れというような厳命を受けているところでもございます。
#537
○山東昭子君 原子力規制庁が独立したものだと大臣がおっしゃいましたので、安心をいたしておりますけれども、先ごろ安全値といいましょうか、目標安全値が決定をされましたけれども、何か何万年というのを聞いて何となくぴんとこなかったんですね。学者の方は未来のことをおっしゃるんですけれども、やはりもう少し具体的に、せめて何十年スパンで、そこで石棺を使って原発のあれを、事故をなくすとか、あるいは海水に漏れないようにこれだけ掛けてこういうふうにするというふうな、もうちょっと何となく分かりやすいことを出していただきたいなと思っております。
 それから、総理に、やはり、これからはメディアに左右されずに、どうぞ国家的な見地に立って健全なエネルギー政策として原子力発電というものを検討していただきたいと考えておりますけれども、それについて御決意をもう一度。
#538
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 言わば、原子力政策というのはエネルギー政策と言ってもいいんだろうと思います。エネルギー政策としては、安定的なエネルギーの供給、これは国家としての責任であります。安定した安価なエネルギーを供給することによって日本の経済は成長していくことができるわけでございます。
 そして、それによって、大切な医療やあるいは年金、そうした社会保障の財源も確保していくことにつながっていくというふうに考えているわけでございますが、そこで、安倍内閣としては、三年間の間に、太陽光とか、あるいは風力とか、様々な再生可能エネルギー、あるいはまたメタンハイドレート等の新たな可能性に対して国家資源を投入をしていきます。新たなイノベーションを目指していくわけでございます。その中において、再稼働するかどうか、そういう判断も行ってまいります。その上において、エネルギーのベストミックスを構築をしていきたいと、このように考えております。
#539
○山東昭子君 続いて、国土強靱化についてお伺いしたいと思います。
 我が党の国土強靱化総合調査会で、横浜国大名誉教授の宮脇昭先生が命を守る森の防潮堤のお話をされ、大変感銘を受けました。(資料提示)
 ここで見ていただきたいんですけれども、海岸沿いに瓦れきと土砂で盛土をいたしまして、その上にカシ、シイ、そしてタブなどの広葉樹を植えるというものでございます。僅か三百円のポットの苗を植えれば、こんなところだったのが八年後にこんなに緑が多くなってしまいます。そして、二十年後には二十メートルというような形で成長をいたします。そして、津波に耐えるというものでございます。
 国土強靱化では、堤防や道路というようなハードなものも必要でございますけれども、このように自然を生かした防災対策も是非やるべきではないかと思います。是非、防災担当大臣にお伺いしたいんですが。
#540
○国務大臣(古屋圭司君) 山東委員御指摘の、自民党で調査会の中で宮脇先生お招きされて議論された、よく承知しています。私も実はこの話、前から承知しておりまして、言わば森の防潮堤という考えですよね。それはシイだとかタブだとかカシとか、そういった樹種を使いなさいと、非常に成長も速いし根もしっかり付くということで、実は今、政府と与党が一体になって国土強靱化の基本法を作る作業をしておりますけれども、与党さんにもお願いをして、こういった自然との共生をした対策、こういったものもしっかり取り込んでいけるように、そんなお願いをさせていただいておりますので、恐らくそういう形で法案が作っていただけるんじゃないかなと私も期待をいたしております。
 その上で、今後は脆弱性の評価を国土強靱化本部の方で、でき上がれば本部の方でしていきますので、その中にもソフト、ハード両面の対策という視点から、こういった自然との共生、森の防潮堤という考え方も積極的に取り入れていければなと、こんなふうに思っております。
#541
○山東昭子君 是非お願いいたします。
 続きまして、災害対策や国際貢献のために病院船を建造すべきという議論が進んでまいりました。東日本大震災のときには病院船がなかったために被災地から多くの患者を運ぶことができなかった。今後、太平洋側で予想される大規模地震に備えるためにも、患者を一度に大量に治療、輸送できる病院船の建造は急務であると思います。災害時以外は離島の医療、先進医療の拠点、また衛星を使っての遠隔医療、ロボット医療の研究などに活用すれば効果は大きいと思います。
 安倍政権として病院船の必要性については認識はいかがでしょうか。
#542
○国務大臣(古屋圭司君) 委員はこの病院船のことについて議員連盟も組織をされて熱心に取り組んでいるのは承知しております。
 やはり、病院船を建造するというのは、将来災害が起きたときにいかにして活用していくか、そういう視点だと思いますけれども、じゃ、これ病院船本当に造るときの費用とその費用対効果ということも検討していく必要がございますですね。やはり、我々、この強靱化という視点からは、いざ災害が起こったときももちろんなんですけど、やっぱり平時もいかに活用できるかという視点も非常に重要な点で、有識者の皆さんからもそういった指摘がなされているところでございまして、そういった考えをしっかり踏まえながら対応していくべきだと思います。
#543
○山東昭子君 やはり、新しく造るのに予算が掛かるということであれば古い船を改修してもいいし、とにかく知恵を出して実現をしていただきたいとお願いをする次第でございます。
 災害対策で──どうぞ、それじゃ、古屋大臣、御案内、知恵をお願いいたします。
#544
○国務大臣(古屋圭司君) 今検討会議で検討しています。それで、二十三年、二十四年の予算、三千万と一千万で調査費付けましたけれども、現実にやはり建造費の費用と導入の課題と平時にいかに活用できるかというこの三点からなんですけど、やはり新造船を造るというのは、一隻三百億ぐらい掛かりますので、六百億です。年間の維持費五十億円掛かります。そういう意味では、本当にそれを平時にも活用できるかというとなかなか難しいものがあるなと。むしろ、モジュールのようなものを造ってそれを船に乗せていけば、いざ災害が起きたらそういった取組もできるし、平時は例えば離島であるとかそういった無医村地域にそういったものを運んでいくことによって弾力的な対応ができるということだというふうに思います。いずれにしても、そういう形でやるべきだと。
 新造船以外でという今指摘ありましたけど、例えば中古船を確保したとしても、船の構造ってそれぞれの用途によって細かく変わっているんですよ。実はバルクヘッド、隔壁というんですけど、この造り方一つによっても相当違いますのでね。ですから、結局改造に相当なお金が掛かってしまうという可能性が極めて高いんですね。ですから、そういう意味では、やはりモジュールのようなものを造ってやっていく。
 いずれにしても、船を造るということが目的じゃなくて、やはりいざ災害になったときに適切な医療を提供するということが極めて重要な目的ですから、そういう視点に立って取り組んでいくべきではないかな、私どもはそんなふうに考えています。
#545
○国務大臣(小野寺五典君) 自衛隊としましては、手術施設がある医療機能を含む艦船を十二隻保有しておりますので、これもしっかり活用していきたいと思います。
#546
○山東昭子君 今、日本の外交、防衛、経済は尖閣やTPPなどの問題を抱えております。強い国をつくるためには、今まで以上に強く日本の立場を主張していくことが重要だと思います。
 かつて英国で九年間首相を務め、二百四十八年前に死去したパーマストンはこのように言っております。永遠の同盟国も永遠の敵国も存在しない、永遠なのは国益だけである。安倍総理も日本のリーダーとして永遠なる国益を守り抜いていただきたいと思います。頑張ってください。
 終わります。
#547
○委員長(石井一君) 以上で山東昭子さんの質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
#548
○委員長(石井一君) 次に、牧野たかお君の質疑を行います。牧野君。
#549
○牧野たかお君 自民党・無所属の会の牧野たかおでございます。
 私は、総理並びに関係大臣の皆様方に経済政策について、そしてTPPの問題について、強い農業づくりについて質問をしたいと思います。
 私、国会中継の質問は今回が七回目ですけれども、六回は全部野党の立場で民主党政権の問題点を追及してきたものですから、与党の立場で質問するのは今回が初めてです。ただ、まだ頭の方が切替えがうまくできていないかもしれませんので、ひょっとしたら失礼な質問があるかもしれませんが、お許しを願いたいと思います。
 まず、経済政策について伺いたいと思います。
 昨年暮れに安倍政権が誕生して以来、株価が急上昇、そして為替は円安に振れております。三年四か月に及んだ民主党政権の経済政策が余りにも無策だったということから、その反動で為替や株価が、その節目が変わったと言う人もいますけれども、私はそればっかりではないと思っています。安倍内閣は、補正予算による緊急経済対策、日本銀行との政策協調、そして産業界への賃上げ要請ということで、矢継ぎ早に目に見える形で経済政策を断行してきたということで、それがマーケットに評価されたと思っておりますが、安倍総理御自身はこのアベノミクスと言われている経済政策についてどのように自己評価をされているでしょうか。
#550
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 十五年近くデフレが続いてきたわけでありまして、この十五年間の間に言わば国民の所得は五十兆円減ったわけでございます。その中において、将来に夢を見出せないという状況を変えなければいけない。こびりついたデフレマインドを変えるのはそう簡単なことではないわけでありまして、デフレマインドを言わばインフレ期待に変えていく、そのためには今までとは次元の違う金融緩和を行わなければならないという中において、日本銀行と二%の物価安定目標を設けました。そして、黒田新総裁始め新たなお二人の副総裁の皆さんが市場の期待にこたえる本当に大胆な金融緩和策を発表をいたしました。このことによって、私は、間違いなく日本はデフレから脱却できるのではないかと、こういう期待を抱かれた方も多いのではないかと、このように思います。
 そういう期待を多くの方が抱くことによって投資が生まれていくわけでありますし、それはまた消費も当然生まれてくるわけでございますし、さらには勤労者の収入が上がっていくということにつながっていけば一番いいわけでございます。なるべくそのサイクルを早くするためにも実需をつくる、そして、東京だけがその恩恵を被るのではなくて地方まで隅々とその恩恵が行き渡るように、地域の生産力、生産性を高めるための機動的な財政政策を取って十兆円という大きな補正予算を組んだわけでございます。
 そういう成果は期待だけではなくて実際にも出てまいりまして、街角景気ウオッチャーという、いわゆるタクシーの運転手さんや商店主さんたち、大変景気に敏感な人たちの評価においては、四―六の数値、四―六どうなるかということについては、この数値を取ってから過去最高になっております。また、中小企業・小規模事業者の皆さんに聞いた指数においても二十年間で最も高い指数が出てきておりますし、鉱工業品の生産も言わば増加に転じておりますし、海外からの観光客も、中国人の方を除けば、昨年の同月と比べれば三三%増になっているわけでありますし、デパートの売上げも増えておりますし、自動車も増加をしている、あるいは住宅の着工件数も増えております。
 しかし、機動的な財政政策についていえば、あの補正予算、先ほど副総理が答弁をいたしましたが、言わば、着手は九十数%でありますが、実際はまだお金は出ていませんから、お金が出ていくのはこれからでありますから、地域の皆さんの中にはまだ実感できないなという方もおられるかもしれませんが、まさにこれからですね、この五月からお金がいよいよ出てまいりますから、この我々の政策が本格化していくということでございます。
#551
○牧野たかお君 今、総理御自身から今現在の評価を伺ったところでございますけれども、三本の矢と言われるうちの大胆な金融政策と機動的な財政政策というのは、今おっしゃったみたいにもう既に実行したというか示されましたけれども、まだ成長戦略というのはこれから六月におまとめになって発表されると思いますけれども、この成長戦略についてはどのような方向を目指しているんでしょうか。甘利大臣に伺いたいと思います。
#552
○国務大臣(甘利明君) 三本の矢のうち、一の矢が放たれ、二の矢が今射込まれようとしております。いよいよ三の矢でございます。日本が抱える課題をしっかり見据えて、それが解決されたあらまほしき社会像というのを目標に掲げ、その目標に到達するまでの間の道すがらにどういうやるべきことがあるかということを、国、地方そして民間と配置をしていくわけであります。
 具体的には、健康長寿社会、そしてクリーンかつ経済的なエネルギー需給の実現、そして三点目では安全、便利で経済的な次世代インフラ、そして四点目が世界を魅了する地域資源で稼ぐシステム、地域振興ですね、これらの現況とあらまほしき姿を線でつないで、その線上に基幹的な国による研究開発投資であるとか、あるいは関連する規制緩和、そして民間投資はどの辺りからつながっていくか、そのロードマップをしっかり描いて成長戦略の形としていきたいというふうに思っております。
#553
○牧野たかお君 今のお答えのように、多分成長戦略というのは多分野にわたっていてなかなか一つに表すのは難しいと思いますけれども、やっぱり国民の皆さんも含めて期待しているところは、一つの方向性を持って、いろんな角度はあるんでしょうけれども、どういう方向に向かっていくのかと。これを言葉で表すとどういう成長戦略、ちょっと抽象的かもしれませんけれども、言うならばスローガン的なものでいえば、言葉で言えばどういう成長戦略を考えていらっしゃるでしょうか。
#554
○国務大臣(甘利明君) キーワードは何かというお話であります。
 四月十九日に総理が講演をされた、その総理のお言葉を拝借をいたしますと、挑戦・チャレンジ、そして海外展開・オープン、創造・イノベーションということになるわけでございます。
 挑戦・チャレンジによりまして、人材、資金、土地などあらゆる資源について、その眠っている可能性を存分に発揮をさせる。それから、国際的な大競争から逃れることができないことから、むしろ打って出る、それが海外展開・オープンというキャッチフレーズであります。さらに、日本の産業が高い競争力を持つためには、次々とイノベーションを起こしていく必要があります。
 これらの成長戦略のための新たな三本の矢を束ねることで強い経済を取り戻していきたいと思っております。
#555
○牧野たかお君 そう簡単にまとめられるものではないんでしょうけれども、やっぱり国民の皆さんが実感できるというか、将来に対して中長期的に安心できる気持ちになれるのは、やっぱり一つのスローガン的なものがあった方が私はそういうふうにできると思っていますので、まだ六月まで大分月日がありますので、是非一つのスローガン的なものを出していただきたいなというふうに思います。
 それと、次ですけれども、この間の党首討論の中で安倍総理は、成熟産業から成長産業へ労働人口を円滑に移行したいというふうに述べられていましたけれども、この成熟産業と成長産業というのはいつも出てくるんですが、具体的にどのような産業を成熟産業としているのか、そして成長産業としているのか、お考えを、甘利大臣で結構ですのでよろしくお願いします。
#556
○国務大臣(甘利明君) 成熟産業というのは、国際規模で日本を代表するような企業になっていると。そして、なかなかそれが、かつてはシェアを誇ったけれども、今少し劣後していると、そういう産業をイメージできるんではないかと思います。つまり、現状のままでは市場の大幅な拡大が見込めない産業です。具体的に名前を挙げるとちょっと支障がありますから、それはやめておきますけれども。
 それから、成長産業というのは今後の成長が期待される産業であると。例えば、ライフサイエンスの分野であるとか、環境・エネルギーであるとか、ICTとか、あるいはインフラに向けての新素材とか、あるいは次世代自動車とか、インフラの全体をパッケージで、パッケージごと展開していくなんというのも新しい、旧産業を束ねて新しい産業にしていくというようなことでもあろうかと思います。つまり、これからを担って世界に打っていけるような分野を指していると御理解をいただきたいと思います。
#557
○牧野たかお君 甘利大臣がおっしゃったみたいに、成熟産業はどの産業だと言うと多分その産業から反発が出ると思いますし、もう何か将来がないように烙印を押されたように思われるかもしれませんので、私もなかなか難しいと思うんですが。
 ただ、私、後で言おうと思っていますけれども、こういう言葉というのを結構多用しますよね、成熟産業とか成長産業と。そうするときに、やっぱりそのイメージだけで使っているように取られちゃうことが多いと思うんですよ。だから、やっぱりもうちょっと具体的に、今の答えは結構ですので、使うときはもうちょっと何か中身もある程度言った上での言葉として使った方がいいんじゃないかなというふうに思っていますので、是非お考えになっていただきたいと思います。
 それで、麻生財務大臣に伺いたいと思いますけれども、今のアベノミクス、そして成長戦略が順調にいけば、先ほどの御質問もありましたけれども、この秋には消費税を引き上げるかどうかの判断を政府としてされなきゃいけないわけですけれども、その場合に、例えば名目にしろ実質にしろ、経済成長率何%というような指標を、具体的な指標をその判断材料として想定されているでしょうか。
#558
○国務大臣(麻生太郎君) 御質問のあった点は、例の附則、税制抜本改革法附則第十八条に沿ってということになっておりますので、その中にいろいろ長々しく書いてありますけど、簡単に言えば景気が良くならなきゃやらないということが書いてある。短い言葉で言えばそういうことが書いてあるんですが、じゃ、何をもって景気が良くなったかと判断するというのは、人によってなかなか難しい。
 今、もう多分、世の中によったら景気は良くなったと言っている人も随分おられますし、そうやってあおって書いている人も世の中にはおられますけれども、現実問題、まだ給与は上がっていない、仕事はまだ出ていない。先ほど総理のお話でいえば、予算で仕事はまだ出ていない等々、実物経済とか実体経済とか実需というものはまだ上がってきておりませんので、そういった段階では、上がったかと言われれば、ちょっとまだそこまでは行っていないというのが正直なところだと思います。
 この夏のボーナスぐらいから少しずつ実感がサラリーマンとしては出てくるところだと思いますが、小売やら何やらそこらのところは、その人たちが使い始めてということになりますのでもう少し先になるという感じがしますので、何をもって、それが何%になったらということを今の段階で決めているわけではございません。そこだけは、もう少しいろんなものを考えて判断をせねばならぬと思っております。
#559
○牧野たかお君 分かりました。
 次に、中小企業また小規模企業に対する対策を伺いたいと思いますけれども、冒頭、総理のお言葉で、御答弁で、中小企業、そういう小規模企業にも景気の回復の兆しが見えているとおっしゃったわけでありますけれども、実際に、私の県というのは静岡県ですので、新商品を全国で売れるかどうかのマーケティングの調査をする県なんですが、私の地元の県でも、中小企業や小規模企業・事業者の皆さん、いろんな団体に行かせていただきますけれども、声としたらほとんど、まだ景気が良くなっているという実感がないと。特に、こういう国会だったりいろんなところの、東京から発信される情報というのは確かに景気が上向いているというふうに出ているわけですが、まだ地方はそうではないというふうに私は自分も実感として感じているんですけれども、政府として中小企業や小規模企業、そういったところの不況、不況というか今の景気状況はどのようにとらえているかと思うんですよ。
 特に小規模事業者というのは二十人以下の製造業と五人以下の商業、サービス業ですけれども、日本全体の企業の八七%ぐらいを占めていまして、言うならば、地方経済でいえば地方経済の中心であるし、また地方経済の屋台骨なんですよね。そこがやっぱり上向いてこないと、日本全体が景気が良くなったとか経済成長をするというのは非常に私は難しいと思うんですけれども、今の地方の状況をどういうふうに御認識されているか、茂木経済産業大臣に伺います。
#560
○国務大臣(茂木敏充君) 全国四百二十万の中小企業のうち三百六十万以上、先生御指摘のように、の企業が小規模事業者ということでありまして、まさに地域の経済そして雇用を支える存在であると。
 経済産業省は定期的にこういった中小企業それから小規模事業者の業況につきまして約二万社を対象に調査を行っておりまして、直近の三月の調査、昨年の十二月と比べてみますと四ポイント数字の方が上昇しております。様々な業種におきまして、今のアベノミクス、対策の効果が出始めていると。
 ただ、テレビ静岡の記者も経験をされて、県議も三期もやられて、誰よりも現場を大切にする牧野先生の御指摘も、正しい部分も私はあると思ってもおります。まだまだ頑張らなくちゃいけないと思っておりまして、例えば平成二十四年度の補正予算におきましても、やはり町工場にたくさんの技術があるんですね、こういった技術、潜在力を顕在化しようとまずは試作品を作ると、これに対する支援を行うということで一千億の予算を計上いたしまして、全国一万社の中小企業・小規模事業者の試作品作り事業化というのを応援していきたい、そんなふうに思っているところであります。
 新商品が出ると必ず静岡でテストマーケティングをやります。全国の代表的な、中心的なところでありますから、牧野先生にも更に頑張っていただきたいと思います。
#561
○牧野たかお君 そういうふうに言われたのにかかわらず、ちょっと厳しいことを言わせていただきますけれども、私は、安倍総理、中小企業とかそういう対策について非常に私は評価させていただいているのは、今までの歴代の総理は、中小企業という言葉を使っても小規模企業とか小規模事業者という言葉をお使いにならなかったんですが、この間も党首討論でもそういうふうにお使いになっていた。私は、それは本当にそういう皆さんに対しては自分たちのことをちゃんと分かっているんだというふうに、そういうメッセージにはなっていると思います。
 しかし、今、ちょっと私が今から申し上げるというのは特殊といえば特殊かもしれませんけれども、静岡県を含めて東海地方から関西にかけて今、太平洋の沿岸部では大変な厳しい経済状況になっています。それはなぜかというと、民主党政権時に、これは今でも続いていますけれども、南海トラフを震源域とする巨大地震が起きた場合の津波の高さの想定が出されました。去年の三月、八月ですけれども、それによって、静岡県の例を出しますと、地価が、土地の値段が三分の一、若しくは三分の一ぐらいから五分の一ぐらいまでもう暴落をしています。実際に沿岸部の土地の取引は全くこの一年ありません。
 何が問題になっているかというと、そういうところの土地で企業、特に小規模企業者というのは工場なんかの土地を担保にしてお金を借りているわけです、金融機関から。個人は家を建てた場合、住宅ローンの担保は土地と建物ですけれども、その評価、担保能力がほとんどゼロに近くなっているものですから、今のところ、まだ金融機関の方から追加の担保を出せという話は私も聞いていませんけれども、そんな状況です。こういったことが、ほかの沿岸部の県にも聞きましたけど、同じようなことが起きているそうです。
 総理は、こういったこと、総理のお耳に届いていらっしゃるでしょうか。
#562
○国務大臣(麻生太郎君) 債務超過になると、経営者用語でいくと、それになりますと銀行が金を貸さなくなる、なぜなら債務超過のところに金を貸せば銀行の方が問われますから。そこが一番、牧野先生、難しいところなんです。
 それで、こういった形で急に起きておりますものですから、ここらのところの対応はちょっと別に考えにゃいかぬということは、きちんとそういった、考えてはおります。現実問題として、一九九二年から土地の値段が暴落して、六大市街化地域で約一七%まで、百万円が十七万円まで土地の価格が落ちたために、御存じのように、デフレというのが一番根本的に始まったのはここからですから、その意味では、今回も、やっとデフレを脱却しつつあるときに今のと重なっておりますから、その地域におきましては、実にこれは非常に深刻な問題になっているのを知っております。承知した上で対応せねばならぬと思っております。
#563
○牧野たかお君 済みません、総理のお耳に今申し上げたから達したと思いますけれども、実は、経済活動ばかりじゃなくて、沿岸部の市町村は住民の移動が起きています。私のところでも、名前を言うと語弊がありますから言いませんけど、ある市では一年間に千人ぐらいもう移転を、移転というか引っ越しをされています。そういうふうに、沿岸部で今そういうふうに住民の移動だったり移転だったり、そして企業の大きいところは移転が始まっていますし、非常に言うならば住むのがなかなか難しいというふうにおっしゃる方が増えてきています。
 私は、本来、これは今回の質問の中に入れるつもりではなかったんですが、そうした状況の中で一番大事なのは、安心してその地域でも暮らせる、沿岸部でも暮らせるということを、やっぱりこれは政府で出していただきたい。対策としてこういうことをやっていくから、まあすぐにとは言わないまでも、二年後、三年後には完全に何とかしますから、住めますよと、安心して暮らしてくださいというようなメッセージを出さないと、要は、内閣府が出したああいう津波の想定の高さも、最悪のケースばっかり強調されて、不安をあおるだけあおって、そのままなんですよ。だから、こういうふうにするから安心して将来暮らしてくれというふうにしなければ、私は行政の責任を果たしていないと思っていますが、いかがでしょう。
#564
○国務大臣(古屋圭司君) 今委員御指摘のように、東南海トラフ巨大地震の想定を昨年の三月、八月に出しましたので、また今年の三月にも出しましたけれども、やはりそういった影響で土地の下落が起きていると。詳細に調べたわけじゃないですけど、その可能性は否定できないと思います。
 でも、大切なことは、私、三月十八日に最新の被害想定を発表したときに、最悪の場合、千年か二千年に一遍ですよ、のこともあえて発表したんです。なぜか。冷静に、正しく恐れてもらうというためなんです。ということは何かと。そのための減災・防災対策をソフト、ハードを含めて徹底的にやりましょうという強いメッセージなんです。やはり、それをすることによって、計画的に取り組むことによって、言わばリスクマネジメントですよね、そのことによって、最終的には、やはり強靱化を兼ね備えた防災先進国であるということをはっきり内外に示すことができるんですね。そのことが土地の暴落も抑えることができるし、また投資にもつながることなんです。
 ですから、残念ながら、この災害というのは、やってくることは避けられないと思うんですよ。それに対していかに対応していくかということが極めて重要であり、そのため、今政府を挙げてその取組をしているということを是非御理解をいただきたいと思います。
#565
○牧野たかお君 是非政府を挙げて、その災害に対する取組、対策としての取組を国民の皆さんに伝えていただいて、不安を少しでも解消していただきたいというふうに思います。
 TPPの問題に移らせていただきます。
 午前中からいろいろありましたけれども、私は、総理が今まで交渉参加を表明されたときに、その二日前、自民党では一つの決議をまとめてお渡しをして、総理は信頼をしてくれと。要するに、国益がしっかり守られ、結果として日本の繁栄につながるよう、政府と与党が一体となって交渉を進めるということを受け入れていただいて、私を信頼してくれというふうにおっしゃいました。
 三代前の総理大臣も私を信頼してくれと言いましたけど、私は言葉の重みは安倍総理の重みと三代前の総理の重みは違うと思いますけれども、やっぱりここは、私は安倍総理がそういうふうにおっしゃったというのを信じますし、これからそういう意味で大変な困難が待ち受けているかもしれませんが、是非政府が一丸となって交渉に当たっていただきたいと思います。
 それで、改めて総理に伺いたいと思いますけれども、さっきの決議を受け入れていただきましたけれども、国益がしっかり守られという、その国益という概念は、安倍総理、もう一度改めて、どういうことを概念として国益とは何かというふうに思っていらっしゃるか、伺いたいと思います。
#566
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 自由貿易の推進は我が国の対外通商政策の柱であり、力強い経済成長を実現するためにアジア太平洋地域の活力を取り込むことはメリットであると考えます。
 同時に、それぞれの国には国柄があり、守るべきものがあります。それこそまさに私は国益だと、このように考えておりますが、我が国には美しい田園風景、農村の伝統文化、その中から生まれた世界に誇る国民皆保険制度を基礎とした社会保障制度という、世界に誇るべきこれこそ私は国柄だろうと、このように思います。この国柄を断固守っていかねばならない。
 このほかにも、さきの総選挙で自由民主党が国民にお約束をした五つの基準についても、交渉を通じて守っていく決意でございます。つまり、我々が守るべき国柄は、日本の長い歴史と伝統に培われたこの国柄であろうと、このように思っております。
#567
○牧野たかお君 TPPをめぐるその不安というか、私は、一つの大きな不安に思われている要因というのは、日本と外国というのは社会構造が違ったり、又は産業支援のシステムが違うということもあって、日本では公正だというふうに私たちが思っているものが、必ずしも外国から見るとそれが公正ではなくてアンフェアだというおそれがあるというふうに私は思っています。それで、企業の考え方も日本の企業と考え方が、実際は私も新聞報道とかいろんな報道で見るだけですけれども、違うと思います。
 日本は、どちらかというと会社が事業全体の中で利益を求めるところが、そういう傾向にあると思いますけれども、外国の企業、外資系の企業というのは、どちらかというと、まず不採算の部門があったら、さっさと不採算の部門をまず切り捨てるというか、やめるというのが多いんじゃないかと思いますけれども、例えば今、西武鉄道の秩父線なんかも赤字路線めぐって廃止か存続かということで、地元自治体を巻き込んで騒ぎになっている問題も、元々は日本企業と外国企業の考え方、経営の考え方の違いじゃないかなというふうに思っています。
 TPPに対する不安の背景というか根本にあるのは、今申し上げたみたいに、今までの日本では異なること、今までの日本では全くなかったことが突然起きるんではないかという不安だと思いますけれども、この不安をこれからどうやって解消されていくのか、甘利大臣に伺いたいと思います。
#568
○国務大臣(甘利明君) もちろん、Aという国で慣行として行われていることが国際的には行われていないということは、それはあるかと思います。
 TPPで大事なことは、いろいろな国が入っています、ASEANからも入っているわけであります、大洋州からも入っている、そして北南米からも入っているわけであります。そこで広く国際的な価値観として認識されている国際基準になっているものについては、国際基準としてそれぞれ理解が進むんだと思います。
 一方で、その国の事情、言わば主権に関することでそういうことが行われているというのは、これは、主権の問題は他国にどうこう言われるものではありません。そこの、例えば、税に関すること、主権に関することについて、それぞれの国が自分の主張をするというのは正しい主張だと思いますし、国際標準として定着しているものについてみんなでそれに合わせていこうというのは、一つの合意形成の方向であろうというふうに思っております。
 そういうことを踏まえてしっかり交渉していきたいと思っております。
#569
○牧野たかお君 今日の時間がもうすぐ終わっちゃいますので、まあ今日のところの質問の続きはあしたやりたいと思いますけれども、一つだけ申し上げたいと思うのは、やっぱりTPPというのは、今大臣がおっしゃったみたいに、これから、日本は先にもう参加している国から合意をもらいましたので、これから十二か国の間でいろんな交渉をしていくと思うんですが、タフな交渉でなきゃやっぱりこれは国益は守れないし、日本の、ある意味国益といいますか、新たな要するに利益を生み出すこともできないというふうに思います。
 そこの中で思うのは、やっぱり、まあ例えが違うのかもしれませんけれども、けがに例えた場合、もしマイナスの部分があるとするならば、皮膚の、皮を切らせるのは再生しますからいいですが、肉や骨を断たれちゃうと再生しませんので、それがないように私は交渉に臨んでいただきたいというふうに思います。
#570
○国務大臣(甘利明君) 加盟国の了解をいただいたわけでありますから、今度は本交渉に向かって情報を取っていくという作業がありますし、具体的な交渉は首席交渉官鶴岡外審が行うわけであります。日本を代表するタフネゴシエーターと言われていますから、守るべきは守り、攻めるべきは攻めるということでしっかりやっていってくれると思いますし、大きな節目では私が担当大臣として出ていくことになろうと思います。先生の御指摘をしっかり踏まえて交渉を取り組んでいきたいと思っております。
#571
○牧野たかお君 今日の質問はここで終わらせていただきます。
#572
○委員長(石井一君) 残余の質疑は明日に譲ることといたします。
 次回は明二十三日午前九時から開会することとし、本日はこれにて散会いたします。
   午後四時五十八分散会
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト