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2013/03/26 第183回国会 参議院 参議院会議録情報 第183回国会 農林水産委員会 第3号
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2013/03/26 第183回国会 参議院

参議院会議録情報 第183回国会 農林水産委員会 第3号

#1
第183回国会 農林水産委員会 第3号
平成二十五年三月二十六日(火曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 三月二十二日
    辞任         補欠選任
     田城  郁君     小川 勝也君
 三月二十五日
    辞任         補欠選任
     小川 勝也君     小見山幸治君
     松浦 大悟君     藤本 祐司君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         中谷 智司君
    理 事
                郡司  彰君
                徳永 エリ君
                野村 哲郎君
                長谷川 岳君
    委 員
                一川 保夫君
                岩本  司君
                金子 恵美君
                小見山幸治君
                藤本 祐司君
                岡田 直樹君
                加治屋義人君
                福岡 資麿君
                白浜 一良君
                横山 信一君
                山田 太郎君
                平山 幸司君
                紙  智子君
                舟山 康江君
   国務大臣
       農林水産大臣   林  芳正君
   副大臣
       外務副大臣    松山 政司君
       農林水産副大臣  加治屋義人君
       経済産業副大臣  赤羽 一嘉君
   大臣政務官
       内閣府大臣政務
       官        山際大志郎君
       農林水産大臣政
       務官       稲津  久君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        稲熊 利和君
   政府参考人
       厚生労働省職業
       安定局派遣・有
       期労働対策部長  宮川  晃君
       水産庁長官    本川 一善君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○理事の辞任及び補欠選任の件
○政府参考人の出席要求に関する件
○水産加工業施設改良資金融通臨時措置法の一部
 を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
    ─────────────
#2
○委員長(中谷智司君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日までに、田城郁君及び松浦大悟君が委員を辞任され、その補欠として小見山幸治君及び藤本祐司君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(中谷智司君) 理事の辞任についてお諮りいたします。
 山田俊男君から、文書をもって、都合により理事を辞任したい旨の申出がございました。これを許可することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(中谷智司君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 この際、理事の補欠選任を行いたいと存じます。
 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#5
○委員長(中谷智司君) 御異議ないと認めます。
 それでは、理事に長谷川岳君を指名いたします。
    ─────────────
#6
○委員長(中谷智司君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 水産加工業施設改良資金融通臨時措置法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、厚生労働省職業安定局派遣・有期労働対策部長宮川晃君外一名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#7
○委員長(中谷智司君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#8
○委員長(中谷智司君) 水産加工業施設改良資金融通臨時措置法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 政府から趣旨説明を聴取いたします。林農林水産大臣。
#9
○国務大臣(林芳正君) 水産加工業施設改良資金融通臨時措置法の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由及び内容を御説明申し上げます。
 水産加工業施設改良資金融通臨時措置法は、北洋における外国政府による漁業水域の設定等に伴い、水産加工品の原材料の供給事情が著しく変化したことに対応するため、水産加工施設の改良等に必要な長期かつ低利の資金の貸付けを行うことを目的として、昭和五十二年に制定されたものであります。
 その後、国際的な水産資源の保存管理措置の強化や、我が国周辺水域における水産資源の減少、水産加工品の輸入の増大等に対処するため、貸付けの内容について所要の見直しを行いつつ、水産加工業の体質強化の促進に努めてきたところであります。
 本法は、本年三月三十一日限りでその効力を失うこととされておりますが、水産加工業をめぐる厳しい状況が続いていることに加え、現在、東日本大震災により被災した水産加工業者が本資金を利用していること等を踏まえると、引き続き、水産加工施設の改良等に必要な資金の貸付けを行う必要があります。
 このため、本法の有効期限を五年間延長し、平成三十年三月三十一日とすることとした次第であります。
 以上が、この法律案の提案の理由及びその内容であります。
 何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御可決いただきますようお願い申し上げます。
 以上でございます。
#10
○委員長(中谷智司君) 以上で本案の趣旨説明の聴取は終わりました。
 これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#11
○金子恵美君 民主党・新緑風会の金子恵美でございます。よろしくお願いいたします。
 安倍内閣においては全閣僚が復興大臣としての意識を共有しているということでありますので、林大臣の復興に向けての考え方というものを含めまして質問を進めさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 まず最初に、TPP交渉参加と水産業への影響についてお伺いしたいと思いますが、農水省の生産減少額というもののその影響試算ですけれども、この生産減少額は三兆円ということで影響試算が示されているわけであります。これはTPPに参加して関税が撤廃された場合ということですが、このうち水産物については八%、約二千五百億円という、その生産が減少されるという試算であります。サケ・マス、カツオ・マグロ、ホタテガイなど、八品目については一部を除いて輸入品に置き換わってしまうというわけでありますが、現在の漁業生産額が約一兆四千億円でありますから、約二割の生産が減少するということであります。
 この漁業生産の現場には大変大きな影響があるというふうに考えるところでありますし、また、さらには、影響を受ける漁業者の方、特に被災地漁業の復興に努力されている方々の足かせにならないようにするために、この関税撤廃には安易に応じるべきではないというふうにも考えます。御所見をお伺いしたいと思います。
#12
○国務大臣(林芳正君) 今委員から御指摘がございましたように、今回の統一試算につきましては、我が省で個別品目ごとの生産流通の実態というものを精査して、減少額が、今お話がありましたように、八品目、二千五百億円と、こういうふうに試算をしたところでございます。
 これは試算でございますので、まず関税を全て即時撤廃する、それから追加的な対策は計算に入れないと、こういう言わば極端な仮定の下でやったものであるということでございますが、今後は、参加国の同意が得られて交渉に入っていった場合には、全力を挙げてこうした事態にならないように取り組んでまいりたいと、こういうふうに思っております。
#13
○金子恵美君 是非しっかりと水産業を守るということで頑張っていただきたいというふうに思いますし、必要であれば閣内でもしっかりと第一次産業を守るという、そういう発言を強くおっしゃっていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
 それでは、水産加工資金法改正案について御質問させていただきたいと思いますが、平成二十三年現在、我が国では年間二百六万トンの水産加工品が生産され、約三兆一千億円が出荷されているところであります。水産加工業の出荷額は食品製造業の総出荷額の一割強を占めています。また、魚介類の国内消費仕向け量八百二十三万トンのうち三百九十七万トンが食用水産加工品に回っているということから、漁業による漁獲物の主要な受け手となっていることが分かります。さらに、水産加工業は大部分が沿岸の市町村に立地しているため、地域雇用の重要な受皿ともなっています。漁業とともに漁村地域の基幹産業として地域経済を支えるという重要な柱というふうになっています。
 このように、水産加工業は漁業の経営安定や漁村地域の雇用、経済にとって不可欠な産業であるというふうに認識しておりますが、水産加工業が果たしている役割について大臣の御認識をお伺いさせていただきたいと思います。
#14
○国務大臣(林芳正君) 今委員からもお話がありましたとおりでございますが、水産加工業、生産量で二百十八万トン、それから出荷額では、これは平成二十二年の数字でございますが、三兆一千四百五十一億円、全国に約八千六百の経営体を擁する産業でございまして、もう委員からもお話がありましたように、漁業生産物の最大の仕向け先ということで、我が国漁業とはもう切っても切れない密接なかかわりがあるということと同時に、もう一つ、大半の工場が、これは当然のことですが、沿岸地域にやっぱり立地をしておるということで、漁業とともにその地域の基幹産業であるという重要な地位を占めておると、こういうふうに考えております。
 したがいまして、二十四年三月に策定されました水産基本計画、これにおきましても、水産加工・流通業の持続的発展による安全な水産物の安定供給、これが大変重要であるということ、そしてまた、水産加工による付加価値の向上と販路拡大、これらを推進することと、こういうふうに基本計画でもされておりまして、この考え方に沿って各種施策を展開しておるところでございます。
#15
○金子恵美君 水産加工業が大変重要な役割を担っているというようなことですけれども、しかし一方で、今少しお示しもいただきましたけれども、この水産加工業の生産量、消費者ニーズの多様化もありまして、年々減少傾向にもありまして、加工業の経営体数が減っているということであります。おっしゃっていただいたように、平成二十二年度現在で約八千六百経営体となっているんですけれども、十二年前、平成十年の段階での数字を見てみますと約一万一千六百もありましたので約三千減らしているというようなことで、こういう状況の中で、特に中小零細企業が多くを占めている業界でありますが、従業員数三百人未満のものが全体の九九・七%を占めているということで、十人未満のものが約半数を占めるのが現状であります。また、水産加工業は出荷額に対する原材料使用額の割合が大変高いということで、製造業全体、また食品製造業全体の水準と比較しても収益性が低くなっているという状況であります。
 このような現状をどのように大臣はとらえていらっしゃるでしょうか。
#16
○国務大臣(林芳正君) 今委員からお話もありましたように、地域にとっても大事な地位を占めておると先ほど申し上げたとおりでございますが、まさにお話がありましたように、加工生産量ベースで、これは十五年との比較ですが、二百五十六万トンから平成二十二年に二百十八万トンと、出荷額も、同じ平成十五年には三兆三千あったのが二十二年で三兆一千、それから事業所数、今委員からも触れていただきましたが、平成十年が一万一千六百、十五年が九千八百、平成二十年が八千八百、平成二十一年八千七百、平成二十二年八千六百と減少してきているということでございます。
 東日本大震災、冒頭にお話がありましたように、安倍総理からも全員が復興大臣でということでやれという御指示をいただいて、私も何回か被災地に入ったところでございますが、残念ながら、こういう被災した水産加工業者の中では業務の再開を断念という残念なケースも出てきておるところでございます。被災した水産加工施設、これ岩手、宮城、福島三県のベースですが、九百三十八のうち再建を断念という残念な結果になったのが百十八件ということでございます。
 したがって、こういう状況、特に今被災地の状況も申し上げましたけれども、現場、現地の状況をしっかりと踏まえて、この法律もそうでございますが、我が国水産加工業の発展に向けてしっかりと取り組んでまいらなければならないと、こういうふうに思っております。
#17
○金子恵美君 後ほど、被災地の現状等について、あるいは必要な対応について更に御質問をさせていただきたいというふうに思うんですが、今回の改正というものは、被災地の水産加工業をしっかりと支援するという、そういう目的もあるということでありますので、しっかりとそれを踏まえた形で、今回改正ということになった場合でも、しっかりと、とにかく前向きに、加工業を再生するという、そういう強い意欲を持った人たちもたくさんいるんだということで、それを支えていただきたいというふうに思っています。
 それで、この水産加工資金制度がスタートしたその当初というのは、先ほども趣旨説明ではありましたけれども、少し詳しく申し上げますと、米ソの二百海里水域設定に伴うニシンやサケ・マス等の北洋魚種の供給減に対処するため、原材料、製品の転換や、イワシやサバ等の多獲性魚の有効利用促進のための施設整備等への資金融通を目的としていたということであります。
 しかし、水産加工業は、先ほど来申し上げているように中小零細経営が大多数を占めていて、そしてまた、原材料費の割合が六割を超えているということで利益率が大変低いということからこのような仕組みというものが必要になってくるということでもありました。
 その後、日本の漁業生産量は、昭和五十九年、一九八四年、これをピークにしまして、このときは千二百八十二万トンということでありますが、それをピークにして減少してきております。平成二十三年には四百七十七万トンまで落ち込んでいるという状況であります。また、多獲性魚の代表であったマイワシの資源が大幅に減少した、そういう影響が大きく、アジやタラ、イカなどの主要魚種も減少傾向にあるということ。そしてまた一方、近年、中国等の新興国の経済成長に伴って世界的に水産物需要が高まっており、タラやサケ等の水産物の国際取引価格が上昇しておりまして、日本が買い負ける状況も出てきています。
 このような我が国の漁業、水産業を取り巻く情勢というものは依然として厳しいわけでありますけれども、水産加工資金制度が果たしている役割とこれまでの成果について基本的な認識をお伺いしたいと思います。
 そして、もう既にお話はありましたけれども、まず、震災後、二十三年度一次、三次補正予算、そして二十四年度の当初予算を通じて水産関係の制度資金の無利子化等事業が実施されてまいりました。そして、二十五年度予算でも、被災地の復旧復興に必要な水産加工資金を含む日本政策金融公庫資金を実質無利子化するなどの措置がとられているわけでありますが、被災地の水産加工業の復旧復興のためにこの水産加工資金がどのように活用されているのか、あるいはこれからいくのか、展望とそしてまた実態をお聞かせいただきたいと思います。
#18
○大臣政務官(稲津久君) お答えさせていただきます。
 今議員の方から、水産加工業を取り巻く厳しい環境、状況についてのお話もいただきましたし、それから被災地の水産加工資金法の活用についてということで問いがございましたので、お答えさせていただきます。
 まず、水産加工の資金法、議員から御指摘のとおり、これ二百海里水域の設定に伴う水産加工品の原材料の供給、これに著しい変化があったために、この魚種への原材料の転換を急速に進めるということを臨時措置として昭和五十二年に創設をされました。その後、その時々の要請に応じて、HACCPの導入支援ですとか、未利用、低利用水産資源を活用した非食用水産加工品の製造施設を追加する等の改正を行いまして、創設以降、平成二十三年度までに二千百二十一件、二千四百三十億円の融資を実施をしてまいりました。
 それから、被災地におけるということで問いがございましたけれども、被災地におきましても、水産加工施設の復旧復興のために本予算が活用されているところでございます。
 水産加工業を取り巻く情勢が依然として厳しい中で、今後とも、利用者にとって有利な貸付条件を維持をし、水産加工業の振興を図ってまいりたい、このように考えているところでございます。
#19
○金子恵美君 ここからはと申し上げた方がいいかもしれませんけれども、私は先日、福島県の相馬、そしていわきで、水産業にかかわる皆様方の御意見をお伺いしてまいりました。特に、相馬では相馬双葉漁業協同組合の理事さんや、そして仲買の事業所の方、そして、いわきでは小名浜水産加工業協同組合の組合長さんを始め役員の皆さんとの意見交換もさせていただいてまいりましたので、それを踏まえての御質問をさせていただきたいというふうに思いますが、一つ印象に残ったことというのは、それぞれの皆さんが、今まで政府でとにかく進めてきた例えばグループ補助金等を活用しているんです。ただ、それでも裏負担の部分をどうするのかという部分、そしてまた、さらには、今現在、やはりそれぞれグループでやる、進めていく事業と、それから個人個人でのそれぞれの事業所で進めていく事業と、いろんな考え方を持ちながらいらっしゃるなということでした。
 それで、今回この法案の中でもありますし、この法案としての元々の目的という中で共同という言葉が、特に共同でやっていく事業というようなことが含まれているわけなんですけれども、印象として私が持ったものではありますけれども、共同でやっていけることと、そして今までやはり競合していて、それぞれのブランドをつくり上げた各事業所さん、特に水産加工業者というのはそういう状況でありますけれども、そういう方々がいるということで、全て共同でやれるかというとそうではないんだなということを印象として私は持ちました。
 その中で、そうはいいましても、やはり今被災地ではとにかく復興に向けて共に歩んでいくという、そういう意識を持つということでありましたので、これから大変な状況でしょうと私が申し上げましたらば、いや、でも本当に再生ができないというように思っているのだったらグループ補助金なんか申請しませんよというような声がありまして、改めて心強いなと。であれば、やはり政府が今までやってきたそういう施策等をしっかりと活用していただいているという印象もあったわけなんですが。
 それで、今回のこの水産加工資金ということについてもよく理解はしていると。しかし、本当に使い勝手がいいのかどうかということと、借金は借金であると、無利子無担保ということではあるけれども、さらには、政策金融公庫とのやっぱりやり取りというのが、今までにやったことがない方々もいらっしゃいますので、丁寧な御説明がないのではというふうなことで、敷居が高いような気もしているという、そういうお言葉もありました。まずは、私がいろんな皆様方からの御意見をいただきましてのお言葉をお伝えさせていただき、そして印象もお伝えさせていただいているところでありますが。
 そこで、特に今回は対象魚種の変更というものがまずありました。それで、水産加工資金の貸付けは農林水産大臣が告示指定する水産動植物を原材料として使用することが条件となっているということでありまして、現在二十種類が指定されております。加工原料に使用されるものというのは、この九割がこれらでカバーされているというふうに伺っていますが、まず、水産庁は平成二十五年度から対象魚種を変更して二十七種とする方針というふうに伺っております。その目的と期待される効果についてお伺いしたいというふうに思いますし、また、さらに、この対象魚種拡大による水産加工資金の需要見通しやその積極的活用に向けた方策についてお伺いしたいと思います。
#20
○大臣政務官(稲津久君) お答えさせていただきます。
 平成二十五年度から、地域における水産資源の有効利用等を促進するために、全国での漁獲量が比較的少ない地域的な魚種について新たに水産加工資金の貸付対象に追加をするということにしているところでございます。
 具体的には、水産加工業者からの要望が多いサメですとかシイラ、タチウオ、エソ等の八種類を追加をする予定でございますが、これによりまして、一つは、地域の特色のある新商品の開発、生産が促進されること、それから、従来、これ魚粉等の非食用や廃棄、捨てる方に回っていた魚種の有効利用、それから高付加価値化などが図られると。このことによって地域の水産業の活性化に資すると、このように期待をされているところでございます。
 本資金の貸付内容については、今後とも水産加工業者の要望等を踏まえて見直しを行うとともに、その一層の周知について努めてまいりたい、このように考えておるところでございます。
#21
○金子恵美君 今回、その対象魚種が拡大されている部分、プラスのところもあるのですが、反対に、指定魚種であったカニとハタハタは指定から外すという方針を伺っていますが、その理由をお伺いしたいと思います。
 実は現在、福島県では漁業の操業自粛というのが行われているわけなんですが、それは放射性物質検査の結果、安定して基準値を下回っている十三種類の魚介類については試験的に漁獲、販売を行っている、いわゆる試験操業も行っているということでありますが、この中にはケガニやズワイガニも実は含まれております。元々、御存じと思いますが、相馬沖は太平洋側のズワイガニ漁の拠点ということになっているんです。それで、今年一月、松川浦、これ相馬の松川浦ですが、松川浦漁港に試験操業では初めてとなりましたズワイガニが水揚げされたという喜びの声もありました。今後、被災地の加工業者がカニ加工品の製造を始めようとした場合、カニが水産加工資金のその対象から外れているというようなことになった場合には、この設備の整備に影響が出るということもあるのではないかというふうに思っておりまして、今回のこのカニを外すということ、特にカニを外すということは、ある意味、水産加工業者の意欲のある方々のその再生のための思いというものをないがしろにすることになるのではないかという、そういう懸念もありますが、いかがでしょうか。
#22
○政府参考人(本川一善君) 国内で水揚げされておりますカニにつきましては、専ら高値が付く生鮮流通あるいは漁業者による簡易な加工、ボイルをしたり殻むきをするといったようなものが主でありまして、新製品の開発を主な対象とするような本資金にはなかなかなじみにくいという今実態にございます。
 これを追加したのは平成二十年でございますが、当時は、その資源管理を徹底をすることによって資源の供給が増えて、加工原材料に回るカニも増えてくるのではないかという想定の下で追加をしたわけでございます。ハタハタについても同じようにしたわけでございますが、例外的な対象魚種にしたわけでございますが、実際にはその後も、そういう生鮮なり、あるいはハタハタもそのまま焼いてお食べになるということが多いわけでございまして、想定に反して漁獲量は横ばいにとどまって、加工に回ってくるようなものは国内ではなかなか出てこなかったという実態にございます。
 そういうこともございまして、貸付実績はほとんどございませんで、ハタハタに関してはゼロでございます。それから、カニに関しては、カニ専用の機器を対象としたものではなくて、他の魚との一体的な処理ができるものということで追加したものがございまして、そのような実態を踏まえ、関係者の方からも御意見をいただいて、このような形にするということにしたものでございます。
#23
○金子恵美君 今までそのニーズがなかったからというようなことではあったというふうに思うんですけれども、そういうお答えなんですけれども、でも、今申し上げたように、その被災地でどういうことが起きているか。どうやって少しでも前向きに、例えば試験操業であるとか、そして、これからの漁業と加工業者が一体となって地域の基幹産業を立て直すかというような時期に来ているときに、それを支援しないような仕組みになってはいけないというふうに私は思っています。
 それで、この指定魚種については、あくまでも告示ですので、お話をレクで聞きましたらば、改正というのは、もちろんこれは切れてしまうといけないので五年に一回ということになりますけれども、告示については別にその都度その都度考えていっていいというようなことで、別に五年に一回の告示でなくてもいいわけですよね。
 ということであれば、きちんとやっぱり現地、現場の声を聞いていくということは先ほどもおっしゃっていただいたわけですから、その中でしっかりとニーズが見えてきた段階においては、まあ私は見えていると今思っています、福島県においては。しかし、改めて確認をしていただきながら、そうであれば、その被災地を支援するという意味では柔軟な対応をしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
#24
○政府参考人(本川一善君) まさにおっしゃるように、法律に規定しているものではございません。よく意見をお伺いしながら、あるいは一つの機器で他の魚種と同じように処理をするということも可能だと思いますので、よく御相談に乗らせていただきたいというふうに考えております。
#25
○金子恵美君 この法律延長というようなことでありますけれども、ニーズがあるからこの法律が必要なんだろうということで、大変厳しい水産加工業者をしっかりと支援するという仕組みをつくるということなんですが、なぜこの臨時措置法は恒久法とせず、再度延長ということなのでしょうか。
#26
○政府参考人(本川一善君) この法律、そもそもは、先ほども委員がおっしゃっていただいたように、二百海里水域の設定に伴って、北洋で捕れなくなった魚種から近海で漁獲される魚種へ転換をするということを進めるために臨時措置法として設定されたものでございます。そういった経緯から、貸付対象となります魚種とか地域を限定した臨時措置法とする代わりに、一般の食品産業向けの公庫融資よりも低い利率等が設定をされているという実態にございます。
 水産加工業を取り巻く情勢が依然として厳しい中、利用者にとって有利な貸付条件を維持するために、引き続き臨時措置法として法律の延長を行うということにしたものでございます。
#27
○金子恵美君 内容はよく分かります。水産加工業の中小、この零細経営体質の強化というのは一朝一夕でなされるものではないということなんですが、中長期的な取組が必要なのではないかと思います。ずっと再度延長、再度延長ということをやっていくのかなということなんですが、あるいはまた新しい仕組みづくりというものもこれから考えていかなくてはいけないのではないかと思っております。ただ、水産加工資金というこの制度自体をいかに、先ほども申し上げましたように、多くの方に周知し、そしてお使いいただけるかということも重要なポイントになっていくのではないかと思います。
 それで、貸付手続についてお伺いしたいと思いますが、水産加工資金融通措置要綱によると、水産加工業者等が水産加工資金の貸付けを受けようとするときは、まず借入申込書、そして水産加工施設改善計画を日本政策金融公庫に提出することとしております。また、公庫は、この申込みに対して貸付けを行おうとするときは、必要に応じ、この貸付けが食用水産加工品の供給の安定に資するもの又は未利用若しくは利用の程度が低い水産資源の有効利用の促進に資するものであるか否かについて水産庁長官の意見を求めることができるというふうにしているんですけれども、実際に水産庁は金融公庫からの求めに応じて意見を表明しているという、そういう例はあるのでしょうか。
#28
○政府参考人(本川一善君) 今の運用規程につきましては、公庫が貸付けを行うに当たりまして、当該貸付けが政策に見合っているかの判断が付かないような場合、非常に難しい場合に判断を仰げるように措置をしたものでありますが、実際の貸付けの際にはそのような事態は生じておりませんで、公庫から私の方へ意見を求めた事例はないというふうに承知しております。
#29
○金子恵美君 それは、理由は何でしょうか。何だと思いますか。どういう理由だと思いますか。
#30
○政府参考人(本川一善君) 恐らく、法律にある程度明確に原料の転換であるとかそういうことが書いてございますし、実を申しますと、水産庁の長官通達でそういう判断の基準になるものもある程度具体的にお示しをしておりますので、それに沿って公庫で御判断をいただいているということであろうかと思っております。
#31
○金子恵美君 それによってスピーディーな対応ができているということであればいいんですが、いずれにいたしましても、水産庁の所管であるこの制度の実態を知るという上でも、日本政策金融公庫任せではないだろうということを確認させていただきたいという思いから実はこの質問もさせていただいています。
 本当にこの法律を延長していいのか、そしてまた、この仕組みが必要なのか、あるいはどのような形でこれから、もしも別なものが必要であるのであればどういう仕組みが本当に必要なのであるかということを知るためには、本当に現状を把握していくということが重要かというふうに思っておりますし、私は反対に、この制度が必要である、だから是非延長してくださいというふうに言っていただきたいわけなんですけれども、ですけれども、その今やり取りをしていく中で、なぜか日本政策金融公庫に任せて、任せっ放しという状況があるのではないかとちょっと懸念しているところなんですが、大臣、いかがですか。
#32
○国務大臣(林芳正君) 今長官からも答弁をいたしましたが、多分、今委員が御指摘になっているやつ、水産加工資金融通措置要綱でございますが、これは多分、公庫に申込みがあったときに、これは本当に貸して大丈夫かなと、こういうふうに公庫が若干、何というんですかね、ちゅうちょしたときみたいなケースで、本当にこれは役に立ちますかということで水産庁長官の意見を求めることができると。したがって、その後、内容を審査の上、貸付けの諾否を決定を行いと、こういうふうに続いておりますので、ここはそういうふうに、ちょっとこれは出せないんじゃないかなというときに大丈夫ですかみたいなケースだと思いますので、これが余り来ないということは出していただいているということの裏返しかなというふうにも思いますし、今長官からもお話がありましたように、もう少し細かくこういうことでやってくださいということは常にやって、緊密に政策金融公庫とは連携を取っておりますので、そこは御懸念は当たらないと思いますし、もし、こういうのがせっかくあるのに何で出ないんだろうなというものが具体的にありましたら、また水産庁の方にいろいろ問合せもしていただいたらと、こういうふうに思います。
#33
○金子恵美君 改めて、本当に実情を知っていただくということで、一つの制度の中でどうしても自分の役割の部分だけを御覧になってしまうという、そういうこともあるんだと思います。
 それで、先ほど私申し上げましたように、地元の水産業にかかわる皆さんとお話をさせていただいたときにやはり言われましたのは、例えば、第一次産業なのか、あるいは第二次産業なのか第三次産業なのか、そういうはざまの中で自分たちは大変いろんな課題を抱えているような気がするというふうにやはり言われました。もちろん、六次産業化ということもありますので、しっかりとつないでいくという全体の仕組みなんだというふうに思いますけれども、やはり個々の制度は大変縦割りになっておりまして、その所管の省庁も違うというようなこともありまして大変分かりにくくなってきてしまっていると。
 それで、今回、私は、農水省あるいは水産庁の所管の法案を審議するためにいろんな御意見を聞きたいというようなことでお伺いしましたけれども、でも自分たちは、もちろんグループ補助金は経産、そしてまた融資のことになっていくと金融庁とのやり取りをしなくてはいけないという、そういう頭にもなっているということだけれども、でも一つ、水産業全体をしっかりと支えるという中にいると、そういうとても重要な役割を担っているということも承知しているというような、そういうお言葉もいただいておりますので、私は、やはりこの省庁の縦割りという部分がとてもまずいなというふうに改めて感じていますし、誰をどのように救っていくかということをしっかり横串を刺した形で検討いただきたいというふうに思っているところでありまして、これは一つの例にもなっていくのではないかな、金融の問題だけではないということで少し御質問をさせていただいたんですが。
 そこで、今度は金融ということにもなってしまうんですけれども、改めてその考え方について水産庁にお伺いするというか農水大臣にお伺いするということなんですけれども、まず、この水産加工施設の整備資金についてどの程度民間の金融機関から融資されているのか、またこの水産加工資金は設備投資でどの程度のシェアを占めているのか、それを農水省さんは把握していらっしゃるか、お伺いしたいと思います。
#34
○政府参考人(本川一善君) 水産加工施設の整備に当たりましては、銀行とか信用金庫などの民間金融機関を利用する場合が多いという実態であると聞いております。
 ちょっと古いんでありますが、平成十八年度に行った経営実態調査によりますと、設備資金の借入れのある事業所のうち銀行からの借入れが五一%、それから信用金庫、信組からの借入れが二九%ということで、八割程度を占めておるということでございます。ただ、水産加工施設や加工機械の減価償却期間は十年を超えるようなものが多うございますので、償還期間が十年を超える水産加工資金を利用する場合もあるということではないかと思っております。
 お尋ねの水産加工資金のシェアでございますが、これは残念ながら正確に全体を把握する統計はございません。そこで、経済産業省の工業統計を用いて大胆に推計いたしますと、平成二十二年度のこの資金の融資実績は四十一億円、それから平成二十二年の水産食料品製造業における投資総額というのは四百五十六億円、これはもちろん借入れもありますし自己資金もございますが、あらあらこういうもので推計をいたしますと九%程度といったような大胆な推計になるということでございます。
#35
○金子恵美君 水産加工資金のシェアの部分は分からないけれども、あらあらということなので、今の数字からすると九%ぐらいになっていくんですけれども、しかし、結局そういうことなのかなと。民間資金というか、民間金融機関からやはり借りていく方々がこれだけ多くいるということで、先ほど申し上げましたように、本当に敷居が高くてなかなか金融公庫さんとお付き合いがという声があったのは、それは事実なんだというふうに思います。
 そうであるならば、実は中小企業金融円滑化法の失効ということがあるわけなんですが、これが失効しますと水産加工業者の資金調達が更に厳しくなっていくということが予想されるわけです。水産食品加工業者は、今お伺いしたように、やはり民間金融機関からの資金調達割合が比較的高いということでありますので、この失効後の状況を見据えて資金調達の円滑化をどのように図っていくのかしっかりと考えていかなくてはいけない時期に来ていると思いますが、いかがでしょうか。
#36
○副大臣(加治屋義人君) 中小企業金融円滑化法については、御指摘のとおり、本年三月末で期限が来ることになっております。しかしながら、期限到来後においても円滑化法と同様、金融機関に対し貸付条件の変更に努めるように求めて、これを検査監督を通じて徹底することにしております。
 また、当省を含む中小企業金融等のモニタリングに係る副大臣会議を設置をいたしまして、政府全体として円滑化法終了に対応する体制を整えたところでございます。
 以上です。
#37
○金子恵美君 これも現場の声なんですが、小名浜水産加工業協同組合の役員の皆さんは、本当にやっぱりこの円滑化法失効によって貸し剥がしがあるんじゃないかとおびえています。ですので、是非、今対応しているということではありますけれども、水産庁の立場、農水省の立場としてもしっかりと声を大にしていただきたいというふうに思いますので、お願いいたします。
 それでは、次の質問に行かせていただきますが、この被災地の水産加工業者の方々の声として、本当に再生したいという、そういう意欲を持った熱い声、熱い思いをおっしゃっていただいているわけなんですけれども、しかし、実際に被災地の水産加工業が震災前の業績を回復できない要因の一つは人手不足ということもあるのではないかと言われています。
 宮城県のハローワーク石巻によりますと、管内の石巻市周辺の食料品製造業の有効求人倍率は二十四年一月時点で二・八九倍で、全業種の全国平均の〇・八九倍を大きく上回っています。ところが、水産加工業で雇用が回復しないのは、主な担い手であった女性従業者の方々が内陸部に避難されているという現状、そして通勤が困難になっていることや、大津波の後、海沿いの仕事が敬遠されがちなこともあるというふうに聞いています。そしてまた、私の伺った範囲でありますけれども、水産加工業で働く女性従業員の皆さんはやはり熟練した技術を持っていて、同じ技術を持っている方をすぐ見付けることがなかなか難しいという現状があるというふうに聞いております。
 二〇〇八年漁業センサスによると、全国の水産加工業従業者数は二十一万三千百五十九人で、女性が六三・四%を占めているということですから、女性パワーで水産加工業は成り立っていたということもあると思いますが、新しく雇用の場となっていくのか、あるいは本当に今まで働いていた担い手の方々が戻ってくださるのかということで、なかなか悩ましいところではあります。
 しっかりと支援をする、そういう形をつくっていって、そして水産加工従事者の方々が、避難生活が長期化している中ではありますけれども、復職ができるような、そういう環境づくりをしていくということが重要なことだと思いますが、お考えをお聞かせいただきたいと思います。
#38
○副大臣(加治屋義人君) 水産加工業の復旧復興のためには、委員御指摘のとおり、人手不足の問題への対応が急務だと思っております。
 水産業を含めた人手不足への対応として、ハローワークにおいて、担当者制などにより個々の求職者に応じたきめ細かな就職支援が行われていると承知をいたしております。また、復興交付金の中の水産業共同利用施設復興整備事業を市町村が公募するに当たって、安定的な雇用を確保することを支援の要件といたしております。
 今後とも、ハローワークや関係市町村と連携をして、水産加工業における人手の確保にしっかり取り組んでまいりたいと思っております。
#39
○金子恵美君 雇用の問題ということだったので、これを質問しようとしましたときに、やはりこれは厚労省だというようなお話も若干ありましたけれども、そうではなく、繰り返しになりますが、この産業を支援するために共に考えていくということで、是非これからもその支援策、しっかりと講じていっていただきたいというふうに思います。
 今は復興交付金の話になったんですが、その条件は雇用ということではあるんですが、本当に実際に戻ってきていただけるのかということです。そしてまた、技術を持った人たちが戻ってきていただけるかということも含めて大変な課題となっておりますので、更にしっかりと支援策を講じることができるように進めていただきたいとお願いを申し上げます。
 そして、ちょっと時間がなくなってまいりましたので、実はこれ以外にも、水産加工施設の敷地のかさ上げの問題と、水産加工施設をとにかく造り上げるためにはその全ての敷地と環境を整備していかなくてはいけないという、そういう問題もありました。これについては、入札不調等の事情が被災地ではそれぞれあるということで、そういう問題もあるのではないかと思います。それも含めてしっかりと取り組んでいっていただきたいということを、これは質問ではなくお願いをさせていただき、そしてまた、被災地では水産加工場が再建されても実際に震災後、長期間操業ができなかったということがありまして、取引先を失い、そして製品の販路が閉ざされているという、そういう状況もあるようであります。大変厳しいです。
 これについてどのような支援をしていくことになるのか、御検討をしていただいていると思います、あるいはしっかりとした対応があると思いますが、御意見をお伺いしたいと思います。
#40
○国務大臣(林芳正君) 今委員がおっしゃいましたように、被災地の水産加工業の復興、施設の復旧と併せて販路の確保、拡大、図っていくことが重要だと私も考えております。宮古や、それから石巻等々にも行かせていただきまして、現場の方からもこれだけ地盤が下がっちゃったんだというのを見せていただきました。それを隣のところで、今は仮のところでやりながら一生懸命やっていらっしゃる。それは、まさに委員が御指摘のように、地盤が復旧するまで待っていますと、まさに販路の方がどんどんどんどん、ほかのところもどんどん復興してきますので競争でそちらに行ってしまうということもあるんだというお話も聞かせていただいたところでございまして、この重要性、大変に強く認識しておるところでございます。
 二十四年度におきまして、東日本の大震災の復興交付金を活用しまして、これは被災した市町村ですが、地域の水産物の販路拡大、販売促進の取組を行う場合、こういう場合に支援をするというメニューがあるところでございます。さらに、二十五年度予算案についても、被災地域の漁協、それから水産加工業協同組合等、委員からもお話がさっきありましたけれども、こういうところが販路回復、それから販売回復に取り組む場合にも支援ができる事業を措置しておりますので、一生懸命これで取り組んでまいりたいと思っております。
#41
○金子恵美君 福島県では、特に風評被害との闘いをしていかなくてはいけないということもあります。もちろん、今の段階で漁業は試験操業という形でなされていて、ほとんどが自粛をしている状況ではありますけれども、しかし今後、その販路も含めてしっかりとまた元に戻していくということをしていかなくてはいけないわけなんですが、それで、もちろんこの検査体制と、そして共にこの風評被害対策をしっかりとやっていくということだと思います。
 何度も言われているのは、もちろんこれから試験操業をもっと頻度を高めていきたいというような御意見がありました。そして、そのためには検査体制をきちんと整えていくと。そして、それができるようになっていけばもっと更に多くの消費者の皆様から御理解をいただける、そして風評というものも少しずつ減っていくというようなことで、間違いなく安全、安心なものを提供できるというようなことだというふうに思いますが、特に、農水省の食堂では福島県産の農林水産物を食材として日常的に使用しているという状況があるのかどうかということですね。是非、そういう取組も含めて、各行政機関での食堂等で積極的に農林水産物を食材として使っていただくと、被災地の農林水産物を使っていただくという取組をしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
#42
○副大臣(加治屋義人君) 農林水産省において、昨年十月末時点で、全府省庁における被災地産の食品の利用、販売状況を取りまとめたところ、本調査に御協力をいただいた全国の各府省庁の食堂、売店千三百三か所のうち六百三十二か所で被災地産食品を利用、販売をしていただいているところです。
 農林水産省としては、庁舎内の食堂等において被災地産食品利用、販売することについては、食堂等が民間事業者による経営であって仕入れのコスト等の問題もあるものと承知をしておりますけれども、今後とも各府省庁に対して理解を求めながら、出先機関も含めて各府省庁の食堂等における更なる消費拡大にしっかり取り組んでまいりたいと考えております。
#43
○金子恵美君 林農水大臣も復興大臣の一人ということになるのだと思いますので、是非被災地に寄り添った形での支援を進めていただきたいと思います。よろしくお願いいたしまして、質問を終わります。
 ありがとうございました。
#44
○横山信一君 公明党の横山信一でございます。
 最初に、「魚の国のしあわせ」プロジェクトから伺ってまいります。
 ほんわりしたいい名前なんですけれども、この消費者の食に対するニーズというのは多様化をしておりまして、いわゆる従来型の水産加工品あるいは生鮮食品というのが、今の簡便性を求める消費者のニーズに必ずしもこたえるものにはなっていないと。そういう中で、魚を下ろす必要もなく、またうろこを取る必要もなく、簡単に調理ができるものということでファストフィッシュという取組が水産庁で始まったということでございます。
 この「魚の国のしあわせ」プロジェクトというのは、昨年、水産基本計画に出されました水産加工業、流通業との一体的取組を具体的な実践するものとして期待をされているわけなんですけれども、この取組によって水産物消費量がどの程度拡大させようとしているのか、またその道筋も伺いたいと思います。
#45
○国務大臣(林芳正君) お答え申し上げます。
 今委員からお話がありましたように、残念ながら、我が国の水産物の消費量、これ減少傾向にあるということで、私も、着任してからその数字を聞いて少し、こんなに下がっているのかとびっくりしたぐらいでございましたが、平成十八年には肉類と魚介類逆転ということもあったわけでございます。したがって、今委員からお話がありましたように、二十四年の三月に水産基本計画を閣議決定いたしまして、減少傾向にある消費に歯止めを掛けようということで、平成三十四年度、閣議決定した二十四年から十年後でございますが、食用魚介類の一人当たりの年間消費量を二十九・五キロとする目標を設定をしております。この二十九・五というのは、御案内のように、二十二年度の概算値ということで、そこから魚離れを食い止めようということで、関係者が一丸となって消費拡大に取り組むこととしております。
 今お触れいただきました「魚の国のしあわせ」プロジェクト、非常にいい名前だなと思いますけれども、それを官民共同で、この魚離れを食い止める一環として二十四年五月から開始をさせていただいておりまして、生産者、水産関係団体それから流通業者、行政も含めて、魚にかかわるあらゆる関係者が一丸となって、例えばファストフィッシュといいますが、すぐに食べられる、調理を余りせずに、というようなものに取り組んでおるところでございます。
 また、二十五年度の予算案におきましては、産地から消費地までの流通過程の目詰まりを解消。例えば、産地ではこういう魚はお食べにならないだろうなということで網に掛かっていても外しちゃっているようなものを、実は消費者に聞いてみますと、ああ、珍しくておいしそうですねと、こういうことがあるわけでありまして、そういう産地と消費者のニーズのマッチングをするというものや、産地情報を共有化すると、こういうことを支援する国産水産物流通促進事業と、こういうものも予算に盛り込んでおるところでございまして、こういったいろんな取組をする中で、官民一体となってこの水産物の消費拡大、効果的に推進してまいりたいと、こういうふうに思っております。
#46
○横山信一君 ちょっと通告の順番を入れ替えて、共同化のことをちょっとお聞きをしたいんですが、今大臣おっしゃっていただいたように、国産水産物流通事業と、非常に大事な取組もこれからなされていくということでありますが、実際に浜に行って加工業者の皆さんとお会いすると何を言われるかというと、水産庁は我々に対しては何もやってくれないんだよということがまず真っ先に言われます。要するに、水産加工業というのは、言ってみれば、農水省がやっているのは今回の水産加工資金法を始め融資の部分だけということになっているわけでありまして、そういう意味では、加工業に携わっている人たちからすると、農水省にもっと我々に手を差し伸べてほしいという、そういう思いが根本的にあるんだと私は思っております。
 そういう中で、共同化というのが一つ大きなテーマになってくるのかなというふうに思っているんですけれども、水産加工業というのは原材料費が高いと、そしてまた他の食料品製造業に比べて経常利益率が低いと、そういう産業でもございます。そういう中で、水産加工資金の融資対象というのは、製造、加工を共同化して経営体質の強化を図ること、あるいは団地化をして製造コストの効率化を目指すと、こうした事業が含まれております。
 農水省がこの分野にかかわっていこうとするときに、やはり共同化というのは一つの大きな流れだというふうにも思いますし、震災があって改めて水産加工業が漁業にかかわる比重の大きさというのを改めて実感をさせてもらったという背景があります。そういう意味では、そういう方向に誘導しようとしたんですが、実際にはなかなか進んでいないという実態があるわけです。
 これは、加工業者がそれぞれ独自の製法を持っているということもあって、一緒にやりたくないというのが本音なんだと思うんですけれども、そういう中にあって、共同化に抵抗感はあるんだけれども、こうした背景も踏まえて、今後、この資金融通を通じて共同化をどう進めていくのか、お伺いいたします。
#47
○大臣政務官(稲津久君) 共同化についてお答えをさせていただきます。
 水産加工品の製造コストを低減するためには、水産加工場の団地化、それから原料保管、加工処理等のための共同利用施設の整備等、製造、加工の共同化が有効であると、このように承知をしております。このために、強い水産業交付金などの補助事業によりまして共同利用施設の整備を進めているほか、昭和六十三年度以降ですけれども、製造、加工の共同化を水産加工資金の貸付けの対象としているところでございます。今後とも、この補助事業の実施ですとか本資金の貸付けを通じて、水産加工業における製造、加工の共同化を推進してまいりたいと考えております。
 なお、被災地において、現在のところ、共同化に係る本資金の貸付実績はございませんが、水産業共同利用施設復旧支援事業、それから中小企業庁のグループ化補助金などによって共同化が進められつつあると考えておりまして、議員御指摘のことも踏まえてこの共同化に取り組んでいきたいと、このように考えているところでございます。
#48
○横山信一君 是非積極的に農水省もこの水産加工の分野にかかわっていっていただきたいというふうに思います。
 次に、加工残渣の利活用について伺いますが、前回の法改正で非食用水産加工品事業というのが対象になりました。しかし、対象にはなったんですが、前回改正から三年間たって、この事業を活用されたのはたった五件と、貸付額も三億一千七百万ということで、非常に利用は低いという状況になっております。これは、逆に言うと、未利用水産資源の取組の成果が十分に出ていないという、そういう見方もできるんだというふうに思うんですが、今日お配りしております日経新聞、写真は公明新聞でちょっとソースが違うんですけれども、記事は日経新聞でありますが、魚のアラからボイラー燃料ということで、こういう取組をしているところもあるわけです。しかし、実際はこの水産加工残渣、年間二百九十三万トン出るというふうに言われておりますけれども、ここから、この新聞記事にあるように、再資源化がなされている量というのは僅か八十四万トンということで、残りはもうほとんど廃棄物として処理されているという現状にございます。
 そういう意味では、再資源化をすると非常に有効なんだけれども、これがなかなか進んでいかないという、こういう状況の中でこの加工残渣の利活用を今後どうしようとしているのか、伺います。
#49
○大臣政務官(稲津久君) この加工残渣の利活用についてでございますが、ただいま議員から御説明いただきましたように、この加工残渣、一部は魚粉などの飼料とか肥料に原材料として有効活用されておりますけれども、御指摘のとおり、その大半は実際にはやはり焼却あるいは廃棄というのが現状でございまして、その要因として、地域によってはこの魚粉などの製造施設がなくているというのもあると思います。
 こういう中で、非食用水産加工品を製造することは、水産加工業者の体質強化、それから資源の有効活用として期待をされているところでもありまして、このために、平成二十年度に水産加工施設改良資金融通臨時措置法を改正しまして、水産加工残渣を利用した非食用水産加工品を製造するための施設の改良等を水産加工資金の貸付対象としたところであります。水産加工業界におけるリサイクル、環境対策、これを促進していこうということでございますけれども、議員御指摘のとおりでございまして、この課題について、今後、水産加工残渣の減量化、有効利用を促進していきたいと思っております。
 それから、今議員の方から、魚のアラからボイラー燃料ということで、御指摘の日高ミールについてのことを御紹介いただきました。このことに関しては、我が国では新しい取組でもございまして、注目すべき点も多く、今後この技術がどのように活用する可能性があるのか、この事例も参考にしながら情報をしっかり収集してまいりたいと、このように考えているところでございます。
#50
○横山信一君 ちょっと時間もなくなってまいりましたのでちょっと飛ばしまして、水産物の輸出の問題について触れさせていただきたいんですけれども、攻めの農林水産業の非常に大きな柱だというふうに思っております。私もこの委員会の中でEU・HACCPの問題、水産物を輸出するときの大きな障害になっているということを何度か取り上げさせていただいて、ようやく重い腰を上げていただいて、まだ法案は通っておりませんけれども、EU・HACCPについての取組もいよいよ始まるということでありまして、非常に期待をしているわけでありますけれども。
 元々我が国の水産物の扱いというのは非常に丁寧だということ、またコールドチェーンがしっかりしているということで、生鮮の魚介類がそのままの形で流通をしていくシステムが元々整っているわけですね。そういう意味では、非常に優位性のある条件がそろっていると。また一方で、サケとかナマコが輸出品に変わったことで、元々低価格のものであったんですが、ナマコだとキロ七十円ぐらいだったときもありますけれども、それが今や四千円近くなっているということで、これは輸出をすることで価格がどんどん上がっていったということがあります。
 そういう意味では、輸出をすることで魚価を安定させる、そうした機能も一方ではあるということでありまして、安倍政権では平成三十二年までに食品の輸出額を一兆円にするという拡大目標を掲げております。これをどのように実現するのか。その食料品の輸出の中に水産物輸出、また水産物の加工品の輸出というのは非常に大きなウエートを占めるというふうに考えておりますけれども、どう実現していくのか、伺います。
#51
○国務大臣(林芳正君) 横山先生がお触れになっていただいたように、この輸出というのは非常に大きな重要性を持っておると思っておりますが、一方で、少し前までですが円高があったり、それから原発事故の影響がありまして、少し輸出額が減少してきたというところでございますので、目標を立ててしっかりと取り組んでいかなければならないと思っております。
 そこで、二十四年度の補正で、まず輸出拡大を目指す水産加工流通業者に対して、今お話のあったHACCP対応のための施設の改修整備支援というものをやりました。
 また、今度、二十五年度予算ですが、HACCPにとどまらず、原発事故に伴う輸出証明書の発給、これを今まで地方でやっていただいたものを国で一元的に行うということで事業者の負担を軽減するとか、それからジェトロとこれは連携を強化いたしまして、地味な話でございますけれども、やはり輸出事業者の育成をする、それから海外の見本市へ出展をする、それから国内外、内と外と両方で商談会の開催をする等々、こういうふうに総合的なビジネスサポート体制を構築していくと。
 それから、日本食文化イベント、パリで日本食文化週間というのも初めてやりましたけれども、こういうものや情報発信をいたしまして、海外の食品見本市等と併せて実施をすると。こういうことで、日本食、今非常に人気が高まっておりますが、更に潜在的な需要を掘り起こしていくということをやっていかなければならないと思っております。
 そういった取組をやはり横串を一本刺して統一的にやっていくという必要があると思っておりまして、私を本部長といたします攻めの農林水産業推進本部、これを省内に置きまして横断的に、また関係省庁・機関、HACCP等になりますとほかの役所にもいろいろ頼まなければなりません。そういうこと、ほかの皆さんにも入っていただきながら、オールジャパンでこの輸出拡大、しっかりと取り組んでまいりたいと思っております。
#52
○横山信一君 是非よろしくお願いしたいと思います。
 今日は時間なくなってしまいまして、本当は求人の、労働力の問題も、水産加工場、非常に大きな、先ほども金子委員取り上げておられましたけれども、大きな問題で、今日部長にも来ていただいたんですが、ちょっと時間がなくなって質問できませんけれども、水産加工場では外国人実習生も多いですけれども、地元のやっぱり高卒者が来てくれないと、新卒者が来てくれないと将来の会社担ってくれる人たちがいないと、しかしなかなか人気がないという、そういう現状もあります。そういう中で、水産加工業、地域の大事な産業でありますので、しっかり支えていっていただきたいというふうに思います。
 以上で終わります。
#53
○山田太郎君 みんなの党の山田太郎でございます。
 農水委員会も三回目の質疑ということでやっと慣れてきました。頑張ってやっていきたいと思います。よろしくお願いします。
 本日は、水産加工資金法案に対する質疑ということで、法案とそれに関する事柄について幾つか質問させていただきたいと思っています。
 私は、一月の下旬に石巻、いわき市、それから女川、それから牡鹿半島の五つぐらいの浜をつぶさに、特に被災地を中心に見て回りました。その中からも、水産業に従事されます皆さんから事細かにヒアリングしてきましたので、この結果も踏まえて少しお話をさせていただきたいと思っております。
 本日、議案に上がっています水産加工資金法なんですけれども、この法律は、一九九七年に二百海里の設定によって水産加工品の原料を北洋から日本の近海に魚種を転換するために制定されたものだと伺っています。
 この融資を行います日本政策金融公庫の申込要綱をちょっと見させていただいたんですけれども、指定された魚種等の使用割合が少なくても一定量の使用量があれば融資を御利用いただけますとあります。つまり、対象魚種以外の魚の加工施設であっても融資が受けられると、こういう仕組みになっているんですね。また、水産庁の御担当者の方からお伺いしたところ、対象魚種であれば輸入した魚でもオーケーと、こういう話だろうと思っております。
 この点について、簡単に事実かどうかだけを確認させていただきたいと思います。
#54
○副大臣(加治屋義人君) 本資金の借入れ三年後において国産の指定魚種の使用量が借入時よりも増加する計画となっていることが今お話しのとおり貸付けの条件だと、そういうふうに御理解いただきたいと思います。
#55
○山田太郎君 この法律で元々指定魚種を定めていますのは、近海で捕れる魚を使った水産加工品を増やすことで、多分言わば地元の漁業の振興を図ろうと、それが民間融資制度との違い、政策金融としての存在意義だと、こういうふうに考えます。
 ただ、指定魚種に限らず融資が受けられますとか、それから輸入品がオーケーでもということになりますと、政策金融の目的からは少し離れてきているんではないかという印象を受けます。利用者の方の数を見てみましても、先ほどのお話でもありましたが、平成二十四年度までに二十件台から三十件台と、多くのその他の加工業者、民間融資会社から借りていると、こういう実態もあるのかと思っています。こうした状況に鑑みますと、この水産加工資金制度は、北洋魚種から転換が進んだ多分一九八八年ごろには役割を終えているんではないかなと、こんなふうにも考えます。
 今回、みんなの党では、融資を既に受けられている方、それから、今回被災地の問題もありますので、特に配慮して衆議院段階では五年間の延長ということを認めていますが、我が党のアジェンダでは公的金融機関は最低限にとどめるというふうにしております。
 そんな中で、今後五年間の間に、民間融資とこの融資の役割の分担ですかね、それからその制度の再設計をしっかりやっていただきたいと思っておりますが、大臣、いかがでしょうか。
#56
○国務大臣(林芳正君) 今御指摘がありましたように、最初昭和五十二年に始まったときは先ほど趣旨説明でも申し上げたような事情があったということですが、その後五年ずつ延長する中で、毎回ではありませんが、政策目的を変えてずっと運用してまいったと、こういうことでございます。
 したがって、今回の法改正、先ほど申し上げましたように、まだ厳しい状況が水産業続いていると、それから、被災地の関係で本資金が活用されているということで、今委員から御指摘があったとおりでございますが、法律の期限を延長させていただくということでございます。
 したがって、五年後、これを延長して五年延長するわけですから、本資金制度の在り方については、今後の水産業をめぐる情勢の変化、それから水産加工業者の御意見等を踏まえて、この政策金融としての在り方ということで検討を進めてまいりたいと、こういうふうに思っております。
#57
○山田太郎君 では、次に、水産加工資金法案に関連してということで、福島第一原発の事故に伴う風評被害対策の状況について幾つかお伺いしたいと思っています。
 一昨年三月の福島第一原発の事故に伴いまして、依然多くの我が国水産業の輸入規制が各国で行われております。農産物と違って魚は回遊して泳いでいますので、風評の対象となる範囲も極めて大きいというふうに考えます。そこで、今回の福島第一原発の事故に伴う水産業の風評被害の金額に関して、国内外どのように農林水産省としては把握されているのか、まず一点伺いたいと思っております。
 その次に、あわせて、総理は、先日は郡山の農家に対して風評の払拭に全力を尽くすと、こういうふうにおっしゃられました。では、政府としては、この水産業の風評被害の根絶に向けてどのような対策を講じられているのか、これは国外の関係もありますので、農林水産省とそれから外務省に見解を伺いたいと思います。
#58
○副大臣(加治屋義人君) 水産物にかかわる原子力損害賠償については、出荷制限、操業自粛に伴う減収とともに、風評被害相当分の減収等の請求、支払もされているものと承知しております。今後の風評被害の見通しにつきましては、今回の原発事故による被害はいまだ収束するに至っていない中での現時点で見通すことは大変厳しいと思っております。
 いずれにしましても、今後発生する賠償請求に関しましては、連絡会議の開催や東京電力に対する直接の申入れ等を通じて、東京電力により適切かつ速やかな賠償が実施されるように引き続き取り組んでまいりたいと思っております。
#59
○副大臣(松山政司君) 解除に向けた取組ということでございます。
 関係省庁・機関で緊密に連携を取っておりまして、まず各国の輸入規制措置についての情報収集を行っています。我が国自身の出荷制限等の措置について、各国政府に正確な情報を迅速に伝えております。その上で、輸入規制の緩和及び撤廃に向けて働きかけを行ってきているところでございます。
 また、日本産品の安全性をアピールするという目的で、被災地産品のPR事業、招聘事業等も実施をいたしておりまして、昨年十二月には、被災地産品の魅力と安全性に対する諸外国の理解を深めるということで、二十八か国の政府関係者等の出席の下に、福島県との共催で被災地産品の安全性に関する福島ワークショップを郡山市で開催をいたしております。民間におきましても、岩手県と共催で香港で、あるいは宮城県と共催してロンドンでPR活動などイベントも行っておるところでございます。
 こうした取組の結果、これまでに十か国、カナダ、メキシコ、ニュージーランド、コロンビア、ミャンマー、セルビア、チリ、ペルー、ギニア、そして今月はマレーシアが規制を解除いたしておりまして、EUなども規制を順次緩和をしていただいているところでございます。
 引き続き、我が国の取組についても、透明性を持って、民間も含めて各国に情報提供を行いながら、輸入規制の緩和、撤廃に向けて粘り強く働きかけを行ってまいりたいと思っております。
#60
○山田太郎君 では、次に汚染水の話を少し聞きたいと思っています。
 この風評被害で大変に気になりますのは、福島第一原発で深刻な放射能汚染水の処理の問題だと思っています。今、放射能汚染水の状況は、経済産業省さんの報告によりますと、現在の汚染水の貯蔵量は二十七万立方メートル、対して現在のタンクの貯蔵限界は三十二・五万立方メートル、既に八三%がいっぱいということであります。さらに、地下水の建屋への現在の流入量は一日当たり四百立方メートルということでありますので、これ差額を割り算すると、あと百三十七日分しかないと、こういうことになります。
 もう一つ、二〇一五年の中ごろまでに最大七十万立方メートルの貯蔵が必要になるということを聞いております。今、この汚染水、大変な問題になると思いますが、今後どのように処分されるのか、これは経産省の方にお伺いしたいと思います。
 もう一つ。東京電力はこの汚染水を海に流すんではないかということで、多くの漁業関係者の方は心配されています。これ、私が先ほど申し上げました地域の漁業をやられている方も大変心配しているという声が上がっています。農林水産省はこのような状況をどのように把握されているのか、お教えください。
#61
○副大臣(赤羽一嘉君) 経済産業副大臣の赤羽でございます。
 山田委員今御指摘のように、現状、汚染水はタンクに二十七万立方メートルの貯蔵がなされております。御指摘のように、現状の貯蔵量は三十二・五万立方メートルでございまして、今御質問にあったように、二〇一五年の中ごろまでに七十万立方メートルの貯蔵ができるタンクの追加増設を進めている計画を計画中でございます。
 加えまして、地下水が流入をしている、この地下水の流入を抑制するために、建屋の手前で井戸を掘ってくみ上げ、直接汚染をされていない地下水を海に放出するという地下水バイパスの工事をこの本年四月の稼働開始に向けて今工事中でございます。
 最終的な処理については今現在検討中でございまして、汚染水中に含まれる主要な放射性物質を取り除くべく、多核種除去装置の導入を今準備中でございますが、中長期のロードマップにありますように、安易に海洋中に放水しない、また関係省庁の了解なくして行わないということを原則に、引き続き汚染水の万全な管理を期してまいりたいと考えております。
 以上でございます。
#62
○国務大臣(林芳正君) 今経産副大臣から御答弁もありましたが、二十三年の十二月二十一日に原子力災害対策本部で中長期ロードマップが決められておりまして、ここに、汚染水の海への安易な放出は行わないことと、それから海洋への放出は関係省庁の了解なくしては行わないこと、これが明記をされております。
 したがって、我々としてはこの方針に従って厳正に対応をしていくと、こういうふうに考えております。
#63
○山田太郎君 資料の方にも、私の方から今日お配りしましたので御覧いただきたいんですけれども、安易な放出は行わない、それから関係省庁の了解なくしては行わないものとすると書いてありますが、多分、これだけ見ると、満杯になっちゃったらば安易に放出がされるんではないかと、こう思います。
 是非、海と水産業を守る農林水産大臣、ここは海への放出には同意しないということをこの場で強く表明していただきたいと。今、水産業のこの問題を守れるのは、多分省庁の中でも農林水産大臣だけだというふうに思っておりますので、是非この場で表明していただきたいんですが、いかがでしょうか。
#64
○国務大臣(林芳正君) 委員も地元、地元ではなくて現地を御覧になったということです。私も行ってまいりまして、実際にその検査をする機械というのを見せてもらって、全部これで全個検査をするんだというようなお話を聞いてきたところでございます。そういうもう地道な努力で少しずつこの風評被害から何とか回復しようとしている中で、この間も新聞の記事があって、こういうことがあるかもしれないような発言があったということが新聞に出るだけで物すごい影響があるわけでございます。
 したがって、今委員が御指摘になったことは大変大事な点だと思っておりまして、私としても、汚染水の安易な放出は了承しないと、こういう姿勢で臨んでまいりたいと思っております。
#65
○山田太郎君 もう一つ、これで時間になりましたので最後になるかと思いますが、この問題は大変な問題だと思っております。政府にだけこの問題を任せておくんではなくて、我々国会もこの問題に責任を持つべきだと思っています。
 そういった意味で、私は本委員会で、福島第一原発の放射能汚染水の海への放出を監視し、かつ同意しないという決議を是非やりたいなと、こういうふうに思っております。
 委員長、よろしくお願いします。
#66
○委員長(中谷智司君) 後刻理事会で協議いたします。
#67
○山田太郎君 これで私の質問を終わらせたいと思います。ありがとうございました。
#68
○平山幸司君 青森県選出の平山幸司です。
 水産加工資金法の延長ということでございます。まず冒頭に、この水産加工資金法のこれまでの評価というものを改めて大臣の方にお伺いしたいと思います。
#69
○国務大臣(林芳正君) 委員からこれまでの評価ということでございましたが、これまでの融資実績、昭和五十三年以来でございますが、三十四年間の累計で二千百二十一件、二千四百三十億円の貸付実績ということでございます。こういう貸付けを通じて水産加工品の製造、加工施設の改良等が行われ、また、新たな技術の導入や新製品の製造、開発等が促進されている。それから、特に最近、冒頭、趣旨説明でも申し上げましたが、東日本大震災の被災地の水産加工業者の経営再建のためにも活用されているということでございまして、この融資の効果が十分発揮されているというふうに評価をしているところでございます。
#70
○平山幸司君 ありがとうございます。
 融資の効果がはっきり出ているということで、趣旨説明の中にもありましたように、水産加工業をめぐる厳しい状況が続いていると先ほど来あります。また、東日本大震災により被災した水産加工業者が本資金を利用しているということでございますので、復興を後押しするという意味で、我々も強く支援していきたいと思いますので、是非力強く推し進めていただきたいと思います。
 そこで、今日は水産関連ということで、TPPによる水産業への影響についてお伺いしたいと思います。
 皆さん御案内のとおり、三月十五日、安倍総理によるTPP交渉参加表明の際に示された影響試算によりますと、水産物については八%、約二千五百億円の生産が減少するということです。サケ・マス、カツオ・マグロ、ホタテガイ等の八品目は、一部を除き輸入品に置き換わってしまうと、先ほどもありました。
 この八品目に関して、元々重要品目には入っていないため、交渉が妥結すれば基本的に即時関税撤廃となるわけでございます。関税率が一〇%程度でも、これが全くなくなってしまうのでは、現場の漁業生産者が受ける影響はこれは大きい、甚大であり、廃業に追い込まれるという方々も出てまいります。
 例えばホタテガイについて見ますと、ブランド力を有するごく一部の生産品は残りますけれども、多くが輸入品に置き換わり、生産量では五二%、約四百十億円の減少が見込まれます。私の地元青森県では、全国第二位のホタテガイの水揚げ量を誇っております。大きな影響が懸念されます。
 そこで、ホタテガイの影響試算、四百十億円のうち、この青森県産のホタテガイの影響額はどの程度になるか、これはしっかり昨日通告しておりますので、大臣の方にお伺いいたします。
#71
○委員長(中谷智司君) どちらが御答弁なさいますか。加治屋農林水産副大臣。
#72
○副大臣(加治屋義人君) 国内対策の議論は時期尚早であると考えておりまして、私どもは、TPP交渉のいかんにかかわらず、攻めの農林水産業の観点から、我が国水産業の体質強化に全力を尽くしたいと思っております。
 数字的なことは政務官の方から御答弁申し上げたいと思います。
#73
○大臣政務官(稲津久君) 私の方から影響について御答弁をさせていただきたいと思います。
 今回の政府統一試算における生産の減少率と減少額、それぞれホタテガイは五二%、約四百十億円と。そのほかに、イカ、それからサバ等ございますけれども、今回のこの統一試算では地域別の影響試算は行っておりません。
 しかし、青森県については、平成二十二年度、全国の都道府県中第八位の生産額がございまして水産業が活発な地域であることから、関税撤廃に対する影響は、水産業への影響は大きいと、このように考えているところでございます。
#74
○平山幸司君 今の混乱状況を見ても分かると思うんですね。昨日、実は質問通告する際も随分とこの点でやり取りさせていただきましたけれども、四百十億円という影響試算が出ているわけです、全国で、ホタテガイに関してですね。青森県は第二位で、その水揚げ量もほとんど北海道と青森にもうほぼ集約されるわけですけれども、簡単に出るはずです。これがなぜ出ないのか。これ大臣、おかしくありませんか。
#75
○国務大臣(林芳正君) 今回、まずこの試算を始めましたのは、一つは統一した試算を出すと。これは前の政権のときでしたけれども、農林水産省と、それから内閣府と、それから経産省と別々に出しておったということで、まず前提をそろえて統一した試算を出そうということでやらせていただきました。
 今後、新しいフェーズに、先ほど委員がおっしゃったように総理の御表明というのもありましたので、更に新しい情報が入ってくれば、将来的にこの試算もまた精緻なものにしていくということもございますし、それから各県で自分のところの県はどうなるのか、北海道も含めてですね、試算をされておられます。
 ですから、したがって、こういうものも、そもそも試算を出すのは、私、何度も繰り返して申し上げておりますように、大変極端な前提です、関税をもうすぐに撤廃する対策をやらないと。で、こういうものを出すのは、議論をしていただいて、この中身をもう少し深く知っていただくというような意味があろうかと、こういうふうに思っておりますので、今委員がお話しになったように、各県で出されているこれを見て、それを基にまた地域別というものがどういう可能性があるのかということは、今後の検討課題として認識しております。
#76
○平山幸司君 大臣、これはおかしいと思うんです。TPPに関して、これは安倍総理も国民に対して情報提供をすると、しかも、これは他国との交渉じゃなくて国内でしっかり全部できる話なんですね。ですから、しっかりこれやってください、是非ですね。
 このホタテガイに例を取りましたけれども、四百十億円、私が見る限りでは、例えば平成十九年度四十八万トン全体であるわけです。その中の青森県は九万トンですから、大体一八・九%、金額にしますと七十八億円程度と。単純にこれ割合で考えますと、その程度の影響が出るというふうに、これ簡単にできるわけですね。それをやらないというのは、私はおかしいと思います。情報をしっかり開示して、みんな心配しているわけです。各地域で、各ものに対しても心配しているということにおいて、私は強くそこの部分を試算を出すということを要求したい。
 同時に、これをお伝えさせていただきたいんですが、昨日ですね、昨日です。自民党の、これ毎日新聞の記事ですが、西川環太平洋パートナーシップ対策委員長は二十五日、ですから昨日、党本部で開いた同委の会合で、TPPに参加した場合の影響試算について、地域ごとの分析結果を出すよう政府側に求めたということになっております。政府はTPPへの交渉参加決定に際し、農林水産部門の生産額が三兆円減少するとの試算を公表している。ただ、関連産業や雇用への影響が加味されておらず、地域別の試算もないため、これ御党です、自民党内から不十分と批判が出ていた。全国の、これ農政局単位となっておりますけれども、公表を求める方針だと。こういう記事があるんです。
 御党の中でももう既にこの強い批判と、そしてこれを出すべきだということが既に要請をされているんですけれども、大臣、この点に対して、是非積極的な答弁をお願いいたします。
#77
○国務大臣(林芳正君) 先ほど申し上げましたように、我々、農林水産省は、今回統一するに当たって、ある意味、極端な仮定を置いて、農林水産物の生産がどれぐらい減少するだろうかと、こういうことを出したわけです。それを、今度は内閣官房を中心にGTAPというモデルを回して、これで試算をしたと、こういうことでありまして、御指摘のあった、今の自民党のTPP対策委員会でこの影響について地域別の試算というのも、その全体の影響ということで御指摘があったというふうに承知をしておりまして、政府にそういう要請があったというふうに聞いております。
 したがって、今申し上げましたように、政府統一試算、これは内閣官房を中心に今モデル等を回してまとめたという経緯がございますので、我々としても内閣官房による検討を見守りたいと、こういうふうに思っております。
#78
○平山幸司君 それでは、内閣官房にも今日来ていただいておりますけれども、内閣官房、これだけ強い指摘があるわけです。これに対して、全体ではなく、都道府県別とここに出ているんです、都道府県別。しかも、関連産業への影響、そして雇用への影響、さらには地域別と、こういうふうに自民党内、御党の中で言っているんですよ、御党の中で言っているんです。それに対しては、やはり国民に、これ全体にしっかりと情報を提供すると、どういうふうになるのかというのを明らかにする責任があるんです。これをしっかりやっていただけますか、どうでしょう。
#79
○大臣政務官(山際大志郎君) お答え申し上げます。
 そもそも論として委員御指摘のとおりですが、今回の試算そのものは統一モデルとしてGTAPモデルというものを使っているという前提、それは、その地域ということではなくて、国全体でどういうデータベースがあるかということに基づいて計算をしておりますから、現段階においては国の単位でしか試算結果としては出てこないというのは御理解いただいていると思います。
 その上で、今の御質問ですが、どのようなことが試算として可能かということをきちんと検討はさせていただきたいと存じます。
#80
○平山幸司君 検討をさせていただくということで、これはまだまだ弱いと思うんです。
 前回の委員会の中でもありました。北海道は、ここに資料があるんですけれども、しっかりと出しているんですね。北海道で出している試算が、生産減少額四千七百六十二億円に対して、影響の合計額が一・六兆円と、これ大きな、ショッキングなことであったんです、我々としては。これが北海道で出ていると。しかも、自民党内で地域別で出すべきだという声が上がっているわけなので、今の内閣府の答弁では到底納得がいかないんです。
 よって、全体ということで、三・二兆円プラスになるということを強く言いたいんでありましょうけれども、そうではなく、ここは農林水産委員会なので農林水産物に関する影響をちゃんと試算してくださいと要求をしたいと思うんです。
 大臣にも、これは積極的に政府の中で中心になって早期に出していただきたいと強く要請したいと思うんですが、大臣、もう一度お願いいたします。
#81
○国務大臣(林芳正君) 先ほどお答えをいたして、その上で今内閣府の方から御答弁があったとおりでございますので、今委員からもお話がありましたように、北海道が三月十九日に発表されておられまして、その後、岩手、茨城等々、各県ずっと出てきておりますので、こういうものを参考にしながら、先ほどちょっと委員がお触れになったように、単純な生産額の減少であれば数字を掛ければ出るわけですね。ただ、それを今度、モデルに入れて、そして回してどうなるのかというところが今内閣府からお話があったところでございますので、どういうものがやれるのか今検討されるということでしたので、我々も必要があればしっかりと協力をして、なるべく国民の皆様への情報提供に努めていきたいと、こういうふうに思います。
#82
○平山幸司君 今、大臣の方から、国民の方に情報を提供していきたいということですので、強くこの点を要望していきたいと思います。
 このことに関しましては、地域別、それから雇用への影響、そういったものがあるんですが、私が考えるもう一つの大きな観点としては食料自給率という観点です。
 これは、北海道の試算でも自給率が、どの程度影響が与えるかというのも出ておりますし、このことに関して私は、自給率という観点からもしっかりと、各都道府県別にどういった影響が出るのか、その地域の試算を出せば、どの地域が影響を強く受けるのかというのも、日本全体で見て、これは私、地方にとっては農林水産物が基幹産業でありますので、大きな打撃を受けると思うんです。そういったこともはっきりと国民に見せるべきであると、こう思っておりますので、是非、政府の方に積極的に取り組んでいただきたいということを強く要請して質問を終わります。
 ありがとうございました。
#83
○紙智子君 日本共産党の紙智子でございます。
 まず、震災の復興問題についてお聞きします。
 東日本大震災から二年がたちました。それで、気仙沼市や宮古市など幾つか私も回りましたけれども、まだ復旧復興には程遠いという実感です。そして、被災者のニーズは変化をしていまして、今の段階に合った対応や新たな支援が求められているということを感じています。特に、今最も強い要望として出されるのが住宅再建支援なんですよ。漁業者の皆さんも、最初はとにかく海に、早く仕事をと、仕事を優先してやってきたわけですけれども、二年経ましたら、やっぱり落ち着くところ、住む家が仮住まいのままの状態でいるわけです。不安の日々を送っているわけですね。震災復興が遅れることで、生活基盤がない、なりわいがなかなか軌道に乗らない、先が見えてこないという中でストレスがたまって、目に見えない問題、心の問題が今非常に深刻になってきていると。ですから、今必要とされていることにかみ合った丁寧な支援をまず要望しておきたいと思います。
 そこで、水産加工資金についてなんですけれども、東北経済産業局が一月に発表していますグループ補助金交付先アンケート調査というのがありますね。これは、水産・食品加工業者の資金繰りを見ますと、調達済みというのが三九・三%、それから調達見込みというのが二五・四%、合わせて六四%なんです。資金調達というのは本当に簡単じゃないわけですね。調達先も地元の金融機関など民間が圧倒的です。ですから、水産加工資金を含む政府系の金融ということでいうと、これ一六・五%にとどまっているわけです。
 水産加工資金は、グループ補助金や復興交付金などの震災関連補助事業の自己負担分の八〇%まで融資を受けることができると。そこでちょっとお聞きしたいんですけれども、二〇一二年度の利用実績、これを端的に教えていただきたいと思います。
#84
○政府参考人(本川一善君) 平成二十四年度につきましては、十二月末現在の融資実績三十二件中二十件が震災関連の実績となっており、さらに、そのうち十二件が補助残に当てられているという実態にございます。
#85
○紙智子君 ありがとうございます。
 今、震災関連で二十件中十二件という話がありましたけれども、大臣、この数字余りにも少ないと私は思うんですけれども、どういうふうにお感じになりますか。
#86
○国務大臣(林芳正君) 数が多いか少ないかというのは、全体の中でのということもありますし、過去に比べてどうかと、いろいろあると思いますが、この水産加工資金の利用をする場合には、無利子化をするということと、それから三年間延長する特例措置と、こういうことを講じておりまして、また先ほどちょっとこの窓口の敷居が高いという御指摘もあったんですが、被災者からの相談にやはり親身に対応していただこうということ、そのことと併せて、なかなかそういう手続に慣れておられない方もいるということもございましたので、提出書類の簡素化とか手続の迅速化ということで、なるべく負担軽減をしていこうということでやっております。
 漁港の施設の復旧、先ほどもどなたかの御質問がありましたが、そういうこともありまして、これから水産加工業者の復興というのが本格化をする地域もあるんではないかと、こういうふうに思っておりまして、今からこういう、先ほど申し上げましたこの資金のメリットが現場の水産加工業者に浸透しますように、こういう制度があるので是非御活用くださいということで周知を図ってまいりたいと、こういうふうに思っております。
#87
○紙智子君 岩手県の宮古の漁業水産業者の方からお聞きしますと、やっぱりこのグループ補助金の四分の一の自己負担分、ここを工面しようと必死になってこの間頑張っているんですけれども、とうとう工面できずに再建を諦めたという会社の社長さんの話も私はお聞きしているんですね。民業圧迫という議論もあって遠慮しているという面もあるのかもしれませんけれども、やっぱり必死に努力している方に対して国が支援しなくて誰が支援するのかというふうに思うわけで、今大臣もきちっと周知徹底を図ってと言いましたけれども、是非積極的に活用されるように対策を打っていただきたいと思います。
 加えて、震災後、大型補正予算が二〇一一年度末になってしまったと。それで、補助事業ができる前に事業を再開した方から補助事業の遡及の適用を求める声が上がっているわけです。例えば、養殖業者からは、支援を待っていられずに自力で設備投資したと、ところが一年目のカキは経費が掛かり過ぎて生活できるような水揚げにはなっていない、赤字だということなんですね、その分について遡って補助できないかという声です。それから、船の中古品を自腹でとにかくいろいろ資産をなげうって買ったという人もいますし、水産加工業者も津波ですっかりやられてしまったんだけれども、自力で直した部分もあって、そういうところまで遡って支援から漏れた部分を適用してほしいんだという声が出されているわけです。
 資料の中にも、水産の食品加工業の復興そのものが非常に厳しいということがうかがえるわけですけれども、是非、この補助事業が遅れたために自力で最初頑張った方に対して支援を検討すべきではないかと思いますけれども、いかがでしょうか。
#88
○国務大臣(林芳正君) 今お話のございました、がんばる養殖復興支援事業でございますが、これは養殖業の実態として、経営を再開する、今委員がお話しになったように、それから出荷をする、そこまで、最初に設備投資等いろいろ入って、最後の出荷のときに収入が得られる、その間収入がないということなものですから、まず人件費とか燃油費等の生産に必要な経費をまず一旦助成して、水揚げ金額からそれを返還してもらうと、こういう仕組みになっておりまして、その際赤字となった場合には、その十分の九を返還不要とすると、こういう事業でございます。
 したがって、その赤字が確定した後、この事業に、最初はなくて、赤字が出たので事業参加するということができるようになってしまいますとモラルハザードが起こるということでございまして、そういう意味から、生産物の販売前に漁協等を通じて事業に参加するということを求めているということでございますので、販売が終了して収入が得られたその後ではなかなかこの事業の対象にすることが難しいということでございます。
 ただ、今委員がおっしゃったケースに当たるかどうか分かりませんけれども、もう資材を買ったと、それが大きな設備投資だったりして複数年にわたってこれを償却していくという場合がもしあるといたしますと、この事業、その途中で参加しても、その参加した後で償却経費の一部、その参加した後に償却分が発生する分、これを事業の中で支援すると、こういうことは可能になる場合がございますので、具体的な事例がもしあれば、それに基づいていろいろと御相談をさせていただけたらと、こういうふうに思っております。
#89
○紙智子君 いろいろな場合があるんですよね。ですから、やっぱり遡及適用を求める要望が出ている以上は、きちっとやっぱり調査をしていただいて、ちゃんとしっかり手の上に乗せて対応していただきたいというふうに思います。
 いずれにしても、やっぱり想定外の本当に大変な災害を受けていることでもありますから、それはやっぱり通常の枠じゃなくて、本当に今までの従来の枠を超えて、何も、失われてしまって、ない中で復興しようというところに対して力を尽くしていただきたいというふうに思います。
 それから次に、諫早湾の潮受け堤防の問題についてお聞きします。
 昨年、有明海の水産物、大変な被害が出て、私はこの委員会でも支援を求めたわけです。今年も、例えばタイラギは休漁だと、アサリはへい死していると。それから、佐賀県の方でもノリも一部で色落ちや赤腐れ病の被害が発生しているというふうに聞いています。改めて、昨年と同様、この被害調査を求めておきたいというふうに思います。
 そこで、今日は、この諫早湾の干拓潮受け堤防の排水門の開門時期についてお聞きしたいと思います。
 福岡の高裁判決で、国には開門の義務があるわけですよね。原告団は、この裁判の勝利側の権利者なわけです。それで、大臣は二月に会われたと思いますけれども、原告団の方は十二月ぎりぎりではなくて、せめて十月開門をしてほしいというふうに求めているわけです。今、三月なわけですけれども、十月に開門する方法をあらゆる手だてを尽くして検討すべきではありませんか、大臣。
#90
○国務大臣(林芳正君) 諫早湾の干拓事業の排水門につきましては、今委員から御指摘がありましたように、福岡高裁判決の確定によりまして、国は本年十二月までに開門すべき義務を負っているというところでございますが、これは、私も現地に参りまして、今お話がありましたように原告団の皆様ともお話をさせていただきましたし、それに先立って関係者の皆様が大臣室へいらっしゃったり、また現地へお邪魔したときも、原告団のみならず現地の関係者の皆様からも、今お話がありましたように、開門に当たって、ノリ養殖を始めとして漁業への悪影響が生じないようにしてくれと、こういうような御要請の中で、なるべく早期開門できないのかと、こういう御意見も賜ったところでございます。
 十二月までというふうに判決がございまして、これを前倒しということでございますが、現地へお邪魔したときも、佐賀の後、長崎にも参りまして、現実問題として、長崎の地元の関係者の理解というものがこの前倒し開門について得られるということはなかなか難しいのかなということ。それからもう一つは、海水の淡水化施設の設置等々、開門準備のための工事に一定の期間が必要になることということがございますので、開門時期を前倒しすることは非常に難しいと、こういうふうに考えておりますし、その旨、佐賀の関係者の皆様にもお話をしたところでございます。
 我が省といたしましては、この調整池ですね、これの水位を現状と変えない制限開門の方法ということで、これは環境アセスメントではケース三の二ということになるわけでございますが、これを提案をしておるところでございまして、この方法を取れば諫早湾を越えて影響が及ぶことは想定されないと考えておりますが、これに加えて、一か月掛けて開門は慎重に行って……
#91
○紙智子君 そこまでは聞いていないです。
#92
○国務大臣(林芳正君) よろしいですか。
 したがって、漁業被害の生じることのないように万全を期してまいりたいと、こういうふうに思っております。
#93
○紙智子君 今、前倒しはできないという話があったんですけれども、これやっぱり、長崎の関係もちろんあって、協議をしなければいけないというのはそうだと思いますけれども、初めから十二月でいいというのではなくて、やっぱり十月に開門できる方法を示すべきだと、あらゆる手だてを尽くして示すべきだと思うんですよ。
 干拓地の水の確保が必要だというのは、これ、実はもう一年以上も前から原告団の皆さんが言っているんですよ。開けることになれば当然水は必要になるわけだから、そのための手だてを農水省として考えているのかと。いろんな手だてを尽くして、ちゃんと水の確保、十月から十二月の水の使用は十六万立方メートルだというんですけれども、その確保としてちゃんとやるべきじゃないかと。ところが、今農水省が言っているのは、ため池と淡水化施設の二つだけですよね。ため池は来年の三月だと、淡水化施設は十二月だと。これはやっぱり十二月に、何としても前倒しで開けてほしいという、そういう、言ってみれば、勝利者の方の、勝利の、権利を持っている方たちの声をもう最初から聞く気がないというふうに等しい態度だと思うんですよ。
 十月から水を確保しようというふうにいろんな手だて考えれば、いろんなことを考えられると思うんですね。さっき福島の話がありましたけれども、福島第一原発で今、水を海に流さないためにタンクを造っているわけですよ、ためておくための。これはもうすごい勢いで造っていますよ。どんどんどんどん造っていますよ。そういうことを考えれば、技術的に、例えばタンクを造って、そこに水をいろんなところから運び込むということも含めて、用意しようと思ったらできないこともないんじゃないかというふうに思うわけですよね。
 そういう点で、もっとやっぱり真剣に検討するべきだと思いますけれども、いかがでしょうか。
#94
○国務大臣(林芳正君) 今、委員からも御指摘がありましたが、前倒しについては、佐賀県の皆様や先ほどの原告弁護団からの要請というものがあって、いろんな検討をしてきたところでございます。
 まず、ため池でございますが、全ての営農用水、これを貯留するために容量十万トン規模のものが三十二か所程度必要であると。それから、この地域で十月半ばまでに水田に大量の水が必要であるということでございますので、十月から十二月までの必要な水を暫定的にため池に求めようとしても、その造成に相当な期間を要するということ。それから、川の水があるじゃないかと、こういうことも……
#95
○紙智子君 それはいいです。
#96
○国務大臣(林芳正君) いいですか。
 それから、下水処理、これも七倍程度の希釈。それから、地下水というのもございましたが、これは地元の関係者の強い反対があって駄目だと、こういうことでございますので、海水の淡水化の手法を基本とするという以外に適当な方法がないと考えておるところでございます。
#97
○紙智子君 タンクの話も今したんですけれども、そういう、いろいろ知っていますよ、そういうふうに言っているのは。だけど、本当にあらゆる手だてを、できないということを理由を挙げるんじゃなくて、やれることが何かないかということで探してほしいということを言っているわけですよ。
 元々で言えば、やっぱりこれ元々は漁業、農業両方成り立つようにするために国が責任持ってやるのが本当であって、やっぱりあそこは宝の海だったわけですよ。干潟という、本当に生態系を維持できる干潟というものがあったのに、そこに閉め切られて、その宝の海がなくなってしまったわけですよ。今、漁業者の皆さんは宝の海を戻したいと、農業も漁業も両方成り立つようにしたいという思いでいっぱいなわけですよね。
 ですから、そこを本当にやっていける方法として考えるべきだし、この間、長い間時間掛けて、早くから原告団の皆さんは提案しているのに、農水省の方はまともにそれにこたえようとしていないわけですよ。そこが私は問題だと思います。そういう意味で、引き続いてこの問題やっていきたいと思いますので、是非……
#98
○委員長(中谷智司君) 申合せの時間を過ぎておりますので、質疑をおまとめください。
#99
○紙智子君 はい。
 よろしくお願いしたいと訴えて、質問を終わります。
#100
○舟山康江君 みどりの風の舟山康江でございます。
 まず冒頭に、水産加工施設整備に当たっての本資金の必要性、位置付けを改めてお聞きしたいと思います。
 今日のこれまでのやり取りの中で、いろんな問題が浮き彫りになったのかなと思っております。まず一つは、この水産加工施設整備に当たっては民間資金が非常に多く使われているという、こういう実態があるということがよく分かりました。それは、その理由は、そもそももう民間資金できちんとニーズにこたえることができているということなのか、若しくは、いろいろ敷居が高いという話もありましたけれども、需要はあるけれどもこたえ切れずに民間に流れているということなのか、やはりここをひとつ整理していかないと、この資金の位置付けというのは明確になっていかないんではないのかなと思っております。
 二つ目は、これも今日のやり取りの中で、もう私ある意味で非常に驚いたんですけれども、この水産加工施設整備に当たって、全体の需要そして実績というのは水産庁で把握し切れていないという、こういったお答えがありました。非常に古い資料で、大体八割ぐらいかなというお話があったりとか、全体の、どういう資金を利用してどういう施設整備が行われているのかということを担当である水産庁が把握していないというのは、これ大きな問題ではないのかなということを思っております。やはり全体像を把握した上で、何が足りないからどういう手当てをしていくんだということを考えていかなければ、必要な資金なり事業なりということは検討されていかないんではないかというふうに思っております。
 そういうことを踏まえて、改めて今回の資金の位置付け、必要性、そして今指摘をしたことに対する問題意識について、お答えをいただきたいと思います。
#101
○国務大臣(林芳正君) 今日の質疑をおまとめいただくような質問でございましたが、まさに先ほど山田委員の御質問があって、それから紙委員の御質問があって、別の観点から、政策金融だから補完にとどまるべきだということと、やっぱりこういうときだからきちっと出ていけと、こういう両論あるわけですね、政策金融というのは。したがって、基本的には政策目的というのがあって、それに資するということで一定の要件の中で民間の金融を補完するというのが政策金融の基本的なスタンスということでありますが。
 今委員から御指摘のあったように、平成十八年度の実態調査でちょっと古いんですけれども、まずは、もう少し全体像をとらえる努力を今後もしていかなければいけないなということがまず一つと、それから先ほどどなたかの質問でお答えしたように、これから特に震災のところは復旧から復興に移っていくので、やはり今後の推移も見ていって、今足下で需要がないからといって、じゃ、すぐ変えるというような拙速な対応ではなくて、少し中長期的な視点を持って見ていくということ、それから魚種の追加等、先ほど告示の話もありましたが、これ告示でございますので、そういう現場を更に精査する中で機動的な対応というものをしていかなければならないと、こういうふうに思います。
 やはり現場の方が使い勝手のいい、それから、政策金融という政策、ですから民間を補完するという政策を踏まえた上で、民間とも緊密な連携を取って、政策金融と民間の間でよもやポテンヒットが出るということはないようにしていかなければならないと、こういうふうに考えております。
#102
○舟山康江君 ありがとうございます。
 大臣の御認識のとおりだと思っております。
 需要がなくて今の融資実績が伸びていないのか、需要はあるけれどもこたえ切れていないのか、やはりそういったことのまず前提は実態把握だと思っております。十八年度といえば、もう今から七年前ですね。やはり、現在、今の時点でどういう状況になっているのかと、そのために何が必要なのかということをしっかりと把握した上で様々な施策の展開をお願いしたいと思っております。
 そして、この水産加工施設整備、施設整備に対してはこの水産加工資金がありますけれども、現場でやはり困っているのは運転資金の手当てがなかなか付かないということも今非常に直面している問題だと思っております。とりわけ、被災地におきましては、復興に当たって施設整備については例えばこの資金もありますし、民間資金もある、またグループ補助金という手当てもあります。そういう中で、実は運転資金の手当てがなかなかうまく付かないというところで再建を諦めているという事例をよく耳にいたします。
 この運転資金についても、これも民間資金もありますけれども、これ、平成十七年から地方へ税源移譲されました水産加工経営改善促進資金、こういったものが準備されています。しかし、これ、施設整備の融資実績も多いといえば、そう多くはないんですけれども、実はこの運転資金に対する融資実績というのは、平成二十三年で三千万円という大変低い額にとどまっております。
 これも、なぜ融資、その実績が低いのか。ニーズがないのか、ニーズがあるけれどもこたえ切れていないのか、その辺の実態をどのように把握されているのか、教えてください。
#103
○政府参考人(本川一善君) 先ほど大臣も申されたように、公庫資金につきましては、設備投資についていえば八割ぐらいの民間の資金に長期のものについてそれを補完するという形で措置をさせていただいております。
 ただ、その運転資金につきましては、基本的には短期のものでございますので民間で供給をいただいているということでございますが、ただ、そうはいいながらも、やはりいろいろな状況がございますので、私どもの方でも水産加工経営改善促進資金というのを用意をさせていただいております。ただ、確かに御指摘のように非常に実績が低うございます。
 他方、中小企業関係で、中小企業の経営安定資金といったような、これも低利の運転資金が用意されているところでございまして、恐らくそのようないろいろな資金を御利用になっているということではないかと推察しております。
 その実態について、先ほどもありましたけれども、私どもとして少し把握する努力をさせていただきたいと思いますし、それを行いながら、この加工経営改善促進資金について利用を促すような周知なり御説明をさせていただきたいというふうに考えているところでございます。
#104
○舟山康江君 実際に、今被災地を中心として運転資金の確保のめどがなかなか立たないという声が上がっているということであります。民間金融機関でなかなかやはり返済のめどが立たない人に貸すというのは難しいのかなと思っておりますけれども、やはりこういった国が準備する資金について、国というか、公が準備する資金については、そこはかなり柔軟な対応が可能ではないかと思うんですね。やはり、そういったニーズを把握しながらしっかりときめ細かい対応をしていただきたいと思います。
 やはり、水産庁としては、雇用の促進という側面もあるかもしれませんけれども、水産業の復興を通じて被災地の復興を図ろうと。水産業を何とか盛り上げていこうということがやはり一番肝になっていくと思いますので、是非そういった観点でしっかりとした対応をお願いしたいと思います。
 また、実はこれも大きな影響、先ほどどなたかが既に指摘されていましたけれども、中小企業金融円滑化法がこの三月末で失効されます。そうなると、やはり水産加工業への影響もこれ否定できない、かなり大きな影響が出てくるのかなと思っています。
 こういうことも踏まえて、今まで以上になお補完するような資金の手当てというものの必要性は高まってくるんだと思いますけれども、これを念頭に水産加工業への支援というのは何かお考えでしょうか。
#105
○副大臣(加治屋義人君) 中小企業金融円滑化法については、先ほどの繰り返しになりますけれども、本年三月末にその期限が到来することになります。しかしながら、期限到来後においても、円滑化法と同様、金融機関に対して貸付条件の変更に努めるように求めておりまして、これを検査監督を通じて徹底することにいたしております。
 また、当省を含む中小企業金融等のモニタリングに係る副大臣の会議を設置しておりまして、政府全体としてこの円滑化法終了に対する体制を整えているところでございますので、しっかり取り組んでまいりたいと思います。
#106
○舟山康江君 続きまして、この資金の活用の目的として、魚介類の廃棄物、これの有効活用、利活用促進というものもうたわれております。これは平成五年の附帯決議にも入っておりまして、もうかれこれ二十年近くやはりこの問題意識というのは持たれているのかなと思っています。
 一方で、現在、魚介類のこの廃棄物のうち再資源化されているのは三割にとどまっているという状況でありますので、この利活用促進に当たって、この資金が今後どう役割を果たしていくのか。また、今後の更なる推進策についてどのようにお考えなのか、お答えください。
#107
○政府参考人(本川一善君) 水産加工品の製造過程におきましては、当然残渣が出てくるわけでございまして、二十三年度で二百九十三万トンの残渣が発生をしておるということでございます。ただ、その中で焼却とか埋立てで廃棄されているものは二百九万トン、魚粉等に活用されているものは八十四万トンということで、今まさにおっしゃったような低い水準にとどまっているということでございます。
 こういう残渣を有効利用するということは、水産加工業者の方々の体質強化にも資するとともに、養魚用の飼料、こういうものを供給する源としても期待されるところでありまして、二十年度にこういう資金の中に水産加工残渣を利用した非食用水産加工品を製造するための施設の改良等を貸付対象にしたところでありまして、こういうものを使いまして、水産加工業界におけるリサイクル、環境対策を今後とも力を入れて促進してまいりたいと考えているところでございます。
#108
○舟山康江君 これ、なぜ進んでいないのか。こういった資金の手当ては、メニューはあるけれども、なかなかその試験研究というんでしょうか、その技術の開発が追い付いていないので進まないのか、それともほかに問題があるのか、どのようにお考えでしょうか。
#109
○政府参考人(本川一善君) 現に八十四万トンの加工がなされておりますし、先ほども横山先生から御紹介あったような新しい技術も出てまいっております。恐らく、そういうマッチングでありますとか、事例の紹介というのが足らないんではないかと思いますので、私どももう少し加工業者の方々に、この資金を活用して、こうやれば残渣の処理がきちんとできるんだといったようなことをお示ししながら、政策提供の努力を重ねてまいりたいと考えております。
#110
○舟山康江君 やはりこの利用の促進というのは非常に重要だと思っています。一つには、やはり水産加工業側の活性化という意味でも一筋の明るい光になりますし、やはり資源の有効活用を通じて環境への悪影響を軽減すると、こういったことにもつながっていくんだと思っています。多分、探せばいろんな事例があると思うんですね。
 例えば、うちの地元でもホッキガイを利用して土壌改良材を作り、これJASのもう認定も受けているというものもあります。こういう、やはり貝殻なんかはカルシウム分が豊富でありますから、そういった利用というのは多分探せばまだまだいっぱいあると思うんですね。そういったものをもっと後押しすることによって、非常に環境に優しいいろんな取組の一つのきっかけにもなっていくと思いますので、是非ここも力を入れて取り組んでいただきたいなと思っております。
 最後ですけれども、少しちょっと話題を変えまして、やはり今漁業の資源が大変不足する中、育てる漁業というものも今強く推進されていると思っています。そういう中で、稚魚、稚貝を育てるために魚礁の整備なんかも随分進んでいると思いますけれども、今、この魚礁の整備についての現在の整備状況につきまして、最後にお伺いしたいと思います。
#111
○大臣政務官(稲津久君) お答えさせていただきます。
 水産資源の減少が懸念される中で、水産資源の回復、生産力の向上を図るための水産生物の生育の場、機能の強化対策は喫緊の課題であると、このように考えております。
 そこで、水産庁では、平成二十四年度を初年度といたします漁港漁場整備長期計画におけます重点課題の一つとして、豊かな生態系を目指した水産環境整備の推進、これを掲げておりまして、水産生物の生活史、生活史というのは魚の一生、稚魚のときは藻場の方で、そしてその後は沖合の方でと、これに対応した良好な生息環境を、そういう空間を創出するための漁場整備を推進をしているところでございます。具体的には、稚魚や稚貝の産卵場や育成場となる藻場、干潟について、おおむね五千五百ヘクタールの整備を図ると、このようにしております。
 引き続き、水産生物の生活史に対応した生息環境整備の推進に努めてまいる所存でございます。
#112
○舟山康江君 以上で終わります。
#113
○委員長(中谷智司君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
 水産加工業施設改良資金融通臨時措置法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#114
○委員長(中谷智司君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#115
○委員長(中谷智司君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後零時十二分散会
ソース: 国立国会図書館
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