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2013/03/21 第183回国会 参議院 参議院会議録情報 第183回国会 法務委員会 第2号
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2013/03/21 第183回国会 参議院

参議院会議録情報 第183回国会 法務委員会 第2号

#1
第183回国会 法務委員会 第2号
平成二十五年三月二十一日(木曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         草川 昭三君
    理 事
                前川 清成君
                磯崎 仁彦君
                岸  宏一君
                真山 勇一君
    委 員
                有田 芳生君
                池口 修次君
                江田 五月君
                小川 敏夫君
                松野 信夫君
                礒崎 陽輔君
                尾辻 秀久君
                長谷川大紋君
                魚住裕一郎君
                森 ゆうこ君
                井上 哲士君
   国務大臣
       法務大臣     谷垣 禎一君
   副大臣
       総務副大臣    坂本 哲志君
       法務副大臣    後藤 茂之君
   大臣政務官
       法務大臣政務官  盛山 正仁君
       文部科学大臣政
       務官       義家 弘介君
   最高裁判所長官代理者
       最高裁判所事務
       総局経理局長   垣内  正君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        田村 公伸君
   政府参考人
       警察庁生活安全
       局長       岩瀬 充明君
       警察庁刑事局長  高綱 直良君
       金融庁総務企画
       局参事官     小野  尚君
       法務大臣官房司
       法法制部長    小川 秀樹君
       法務省民事局長  深山 卓也君
       法務省刑事局長  稲田 伸夫君
       法務省矯正局長  西田  博君
       法務省入国管理
       局長       高宅  茂君
   説明員
       会計検査院事務
       総局第一局長   鈴木 繁治君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○法務及び司法行政等に関する調査
 (法務行政の基本方針に関する件)
    ─────────────
#2
○委員長(草川昭三君) ただいまから法務委員会を開会いたします。
 まず、政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りをいたします。
 法務及び司法行政等に関する調査のため、本日の委員会に警察庁生活安全局長岩瀬充明君、警察庁刑事局長高綱直良君、金融庁総務企画局参事官小野尚君、法務大臣官房司法法制部長小川秀樹君、法務省民事局長深山卓也君、法務省刑事局長稲田伸夫君、法務省矯正局長西田博君及び法務省入国管理局長高宅茂君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(草川昭三君) 御異議ないと認め、さよう決定をいたします。
    ─────────────
#4
○委員長(草川昭三君) 法務及び司法行政等に関する調査を議題とし、法務行政の基本方針に関する件について質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#5
○小川敏夫君 民主党・新緑風会の小川敏夫でございます。
 谷垣大臣に法務大臣として初めて質問させていただきますが、まず最初に、人権擁護行政のことについてお尋ねさせていただきます。
 大臣の所信表明でも、この人権擁護、しっかり取り組むというお話でございましたが、この人権行政に関して、そもそもこの人権行政を扱う機関が政府から独立した機関で扱うようにと、こういう国際世論といいますか、国際機関からの要請もあるわけでございます。そうした意味で、先国会、民主党政権では法務省の外局として人権委員会を設置するという法案を決定しておったわけでありますけれども、この人権行政を扱う機関を政府から独立した機関で行うと、こういう方針については大臣はどのようにお考えでございましょうか。
#6
○国務大臣(谷垣禎一君) 法務大臣もお務めになりました小川委員とこうして議論をできますことを大変うれしく思っております。
 それで、今お尋ねの独立の人権委員会をどう考えているかというお問いかけでございます。これについては、今委員がおっしゃいましたように、民主党政権時代に人権委員会設置法案を提出されましたし、また、若干内容が違いますが、私どもが前に政権におりましたときも人権擁護法案を提出したわけでございますが、いずれも廃案になって終わってしまったという経緯でございます。
 そこで、過去を振り返ってみますと、この人権救済機関、独立のものをつくるにはどうするかというのはいろんな議論がございまして、我が党の中も相当いろんな議論があった。そこで、これまでなされてきた議論の状況も踏まえながら、人権救済機関の在り方についてもう一回整理が必要ではないかと、実は今私はそのように考えておりまして、今法務省で少し検討するようにさせているところでございます。
#7
○小川敏夫君 この人権委員会、今法務省の人権擁護局で行っている事務内容を余り変えないで法務省の外局にというのが、先国会、民主党の方で提案させていただいた内容でございます。そうした案ですと、余り議論もしなくて、まあそこまではスムーズにいけるんじゃないかと、こういうふうに思っておるんですが、議論するとなると、じゃ、どういう内容についてこれから詰めていかなければならないと。すぐにそのまま法務省の外局に言わば人権擁護局の行っている事務をそのまま横滑りのような形で人権委員会に設置して移行するという形では、どういうところがまずいといいますか、議論を詰めなければ解決できないということなんでしょうか。
#8
○国務大臣(谷垣禎一君) まだ十分頭が整理できているわけではございませんけれども、今の法務省の人権擁護局の仕事そのものは、例えばいじめの問題があったりいろいろございます。
 積極的に取り組んでいかなければならないと思っておりますが、別個にその組織をつくっていくとなりますと、今、小川先生のお考えは、それをそのまま委員会につくっていくんだということでございましたが、今までの議論を振り返りますと、例えば、人権委員会の独立性が高くてその権限が強大であるというような御指摘もありました。それから、人権侵害、司法等ですとどういうものが人権侵害に当たるのかというのは相当明確、裁判所に出ていく場合は明確でございますが、そこがやや漠然としているのではないかという議論もあったと思います。それから、むしろ個別救済の法を整備することにもっと力を注ぐべきではないかというような御意見もありまして、その辺りを今どう論点整理するかということを考えているところでございます。
#9
○小川敏夫君 国際機関あるいは国際世論からの要請もあります。また、本来的にはやはり政府から独立したということが望ましいと思われますので、前向きに是非取り組んでいただきたいというふうに思います。
 次の質問に行きます。
 今日は、文科省から副大臣、お越しいただきましてありがとうございます。私の質問するそのポイントを、先にまず私の方からお話しさせていただきます。
 言わば法科大学院、ロースクールを設立する際、司法制度改革審議会の意見等を踏まえてロースクールというものを新たに設けたわけでありますが、そのときの精神は、初め二千人ぐらいから徐々に、十年ぐらい掛けて三千人に法曹人口を増やしていくということと、もう一つは、ロースクールで学んだ人の七割、八割ぐらいが司法試験に合格して法曹になっていくと、このような制度設計であったわけでございます。
 そうしたところで、そうした理念で出発したんですが、出発したところ、文科省の方で、法科大学院を設置したところ、どうも数的にそうした理念に合わないような大変多い人数の法科大学院が認可され、設置されました。
 ここのところの問題意識でお尋ねするんですが、そもそも最初に法科大学院を認可するときに、そうした理念、つまり、二千人ぐらいから始まって行く行く三千人ぐらいの法曹人口で、それはロースクールで学んだ人の七割、八割が合格することによって達成される数字だというこの理念はどのように反映されておったんでしょうか。
#10
○大臣政務官(義家弘介君) 法律の専門家でもある小川先生のこの問題意識、これは野党時代も含めて我々も問題意識を持って議論してきたところでございますが、御指摘のとおり、平成十三年の司法制度改革審議会の意見書において、関係者の自発的創意を基本としつつ、基準を満たしたものを認可することとし、広く参入を認める仕組みとすべきである、二点目として、各法科大学院は、互いに競い合うことによりその教育内容を向上させていくことが望まれる旨の提言がなされましたが、これらを受けて、専門職大学院設置基準等において設置に必要なまずは最低限の基準を定め、それを満たしたものについては設置を認めるという方向で進めてきたものであります。
 平成十六年度の開設が、申請七十二校のうち、認可六十八校、不認可四校です。平成十七年度の開設が、申請六校、認可六校、現在七十四校が認可されておりますが、競争的な環境の中で本来は切磋琢磨して教育の質の向上、維持を図ることが重要でありますが、一部の法科大学院においては教育の質に課題を抱えていると認識しております。
#11
○小川敏夫君 今現在教育の質に課題を抱えているロースクールがあるというふうに思うんですが、それは今現在のことで、またこれから順にお尋ねしますが、私がお尋ねしているのは、このロースクール制度が始まるとき、今副大臣が言われました平成十六年の認可ですか、このときに、では、定員で何名の定員になるだけのロースクールを認可したんでしょうか。
#12
○大臣政務官(義家弘介君) 平成十六年度の定員五千五百九十名で、実入学者が五千七百六十七名という形になっております。
#13
○小川敏夫君 大臣政務官を副大臣と申し上げまして失礼しました。そのくらい立派な方だと思いましたので、つい間違えてしまいまして申し訳ございません。
 五千人台後半ですか。そうすると、審議会の理念に従えば、そのうち七、八割が合格するというと四千人ぐらいになっちゃうんですかね。しかし、当初は法曹人口は二千人ぐらいという設定ですから、もう出発時点からそもそもロースクールで学んだ人の七、八割が法曹になれるという理念が壊れているんですよね。ここのところはどうなんでしょう。どうしてそんな状況になってしまったんでしょうか。
#14
○大臣政務官(義家弘介君) 御指摘のこと、現実的にはそのようになっていることは事実だと思います。
 例えば入試における競争性の確保、これも今現在できているかといえば、二十四年度に関して言えば定員四千四百八十四名のうち三千百五十名、定員割れが起こっているわけですね。当初の理念に合致した現行の教育内容になっていないという問題意識を持っております。
#15
○小川敏夫君 やっぱり法科大学院ができるとき、ロースクールでしっかり学べば七、八割が受かる、法曹になれると。そうした理念ですと、じゃ自分はロースクールでしっかり頑張ろうといって、職に就いている方がその職をなげうってロースクールに入学した人も多いわけですが、しかし、現実にロースクールで学んだ人の七割、八割が法曹になれるという制度設計であるにもかかわらず、しかし、もう数字的に成り立たないわけですよね、ロースクールの定員が多い、多過ぎる、人数も多いわけですから。現実には合格率が二割とかそこら辺で低迷していると。
 そうすると、ロースクールでしっかり学べば法曹になれると思って今持っている職をなげうって取り組んできたのに、現実にはそうではなくて、法曹になれない。じゃ職をなげうってまできて、なげうった職に戻れないし、ロースクールで学んだ、しかし、現実にはなかなか法曹になれないというような方で大分話が違うなという状況になってしまった人も多いと思うんですが、私はやはりロースクール問題、こうして今は質が問われていますけれども、これやはり初めに出発点で余りにも安易にロースクールというものを認め過ぎた、定員も多くし過ぎた、ここに今のロースクール問題の一番の根本原因があるんではないかと、こういうふうに思っているんですが、ここは文科省としてはどういう問題認識を持っていますでしょうか。
#16
○大臣政務官(義家弘介君) 先ほどの答弁とちょっと重なる、重複するところがありますが、まずは切磋琢磨の競争、これが必要であろうというスタートの議論、そしてスタートからの取組であったと思います。
 他方で、結果として現在のような状況になっていることはこれ非常に問題意識を持っておりますので、課題を抱えている法科大学院を中心とした入学定員の適正化、そして教育体制の見直し、これを図っていかなければならないというふうに思っています。
 ちなみに、学生募集停止を公表した法科大学院、予定も含まれますけれども、現在六校でありますが、引き続き教育内容の充実、そして入学定員の適正化を進めてまいりたいと思っております。
#17
○小川敏夫君 言わんとするところは、その司法制度改革審議会の制度の趣旨はよく分かったけれども、しかし、初めにロースクールはどんとつくって、そして切磋琢磨して淘汰されていけばいいんだと、こんなような趣旨というふうに私は受け止めたんですが、それじゃ切磋琢磨されるまでにロースクールに入った人たちは、学んだ人たちが捨て石になるだけじゃないですか。やはりきちんと、政府の方針が出したしっかり学べば七割、八割がきちんと法曹になれるという、そういう制度設計にそぐわないようなことをやって、切磋琢磨していずれなればいいんだというのは、やはり初めに学んだ人たちに対する配慮が全く欠落しているんじゃないかというふうに思っておりますが。
 一つ具体的にお尋ねしますけれども、このロースクールの学生の数と教員の数、この配置基準は具体的にどうなっているでしょうか。
#18
○大臣政務官(義家弘介君) お答えいたします。
 法科大学院の教職員数については、これは法令によりまして、まず、通常の修士課程で必要とされる研究指導教員の一・五倍の教員の配置が義務付けられております。
 二点目として、専任教員一人当たりの学生の収容定員の算出において、通常の修士課程は二十人までとされているのに対して十五人までとされており、ほかの修士課程よりもしっかりとした体制をしくことが定められているところでございます。
#19
○小川敏夫君 私の質問の意図は、ある一定の基準までは学生数に対して教員の配置基準が厳しいと、しかし、それを超えると緩くなると。このようなことが結局、生徒をたくさん集めれば集めるほど経営的に楽になるということによって、過剰な定員のロースクールを生んだんじゃないかという問題点から聞いておるわけです。
 それで、具体的に今、その学生数に対する教員の配置人数ですか、これを他の大学院との比較で聞いたのではなくて、学生数何人までは教員が何人につき一人と、それを超えた場合には学生数何人につき教員が何人と、こう具体的にお話しいただきたいんですが。
#20
○大臣政務官(義家弘介君) まず、収容定員が百八十名のときに必要な専任教員数が十二名、以下、収容定員十五名当たり専任教員を一名追加するという形で百八十一名から百九十五名は十三名、百九十六名から二百十名が十四名という形で法令では定められておりますが、現実的には各法科大学院の自主判断で、ほとんどの法科大学院ではこの設置基準を超える専任教員を配置しているという実態も御理解願いたいと思います。
#21
○小川敏夫君 どうも何かあらかじめ聞いたのとちょっと、よく分かりにくいんだけど、その百八十人までという話がありましたね。これは一学年六十人で三学年で百八十人と。ですから、一学年については六十人と、こういうことですか。そして、その六十人については十二人の教員が必要と、こういう意味なんでしょうか。
#22
○大臣政務官(義家弘介君) そのとおりでございます。
#23
○小川敏夫君 そうすると、要するに学生数五人について教員一人ですよね、今。一学年六十人について十二人の専任教員だから、十二掛ける五は六十だから。それで、学生数一学年六十人を超えた場合には、これが生徒数何人について教員が何人になるんですか。
#24
○大臣政務官(義家弘介君) 先ほども御説明しましたが、重複しますが、収容定員十五名当たり専任教員一名が追加されるという形になっております。
#25
○小川敏夫君 そうでしょう。だから、六十名を超えていくと、学生数を集めれば集めるほど経営が楽になるんですよ。つまり、六十名までは生徒数五人に一人の教員がいなくちゃいけないと、しかし、それ以上たくさん集めれば、生徒数に対して、言わば五人に一人が十五人に一人になっちゃうわけですから、教員が少なくて済むと。実際に、ロースクール出発のころは、大手有名校は一学年三百人も学生集めました。これはやはり、そういうふうにたくさん集めれば、大規模化すればするほど経営が楽になるという、そういう教員の配置基準を定めたことも私は大きな原因じゃないかと。
 本来、このロースクールは、少人数についてしっかりとした中身のある教育を行うということが制度の本質だったんだけれども、しかし現実には、たくさん生徒数を集めれば集めるほど経営が楽になる。しかし、たくさん生徒数を集めれば集めるほど、生徒数の数に応じての教員の数が、割合が減ってくると、つまり教育の質が当然薄くなると、こういうふうに思うわけですが。つまり、そういうふうにたくさん集めた方が有利だというような、そういう教員の配置基準を定めておくことが結局は過剰な定員を生んだ、ロースクールのこの定員を生んだという一つの私は大きな理由じゃないかと思うんですが、そこのところはいかがですか。
#26
○大臣政務官(義家弘介君) これは、トータルとしてしっかりと検証していかなければならない問題であろうと思っております。まず、例えば、法令上は、この法科大学院の教員、研究者の教員が八、実務者教員が二というふうに決まっている、八対二の比率なわけですが、まあ現実的には研究者七対三、実務者の割合を増やしたり、あるいは、先ほども言いましたが、設置基準を超える専任教員を配置しているという実態も存在しております。
 しかし、一方で、結果の問題も当然、厳然と受け止めねばならないと思っています。政府に設置された法曹養成制度検討会議では、この法科大学院を中核とする法曹養成制度全体の在り方が現在検討されておりまして、文部科学省としても、検討会議の議論も踏まえて、この法科大学院教育の質の向上、これをしっかりと図ってまいりたいと思いますので、引き続き御指導をよろしくお願いいたします。
#27
○小川敏夫君 まあ御指導は別にして意見は言わせていただきますけれども、どうです、やっぱりロースクールの教育の中身をしっかり充実させるためには、やはり教員一人当たりの生徒数は少ない方が中身がいい教育ができるに決まっているわけですから、言わば小規模、中規模校がしっかりとした人数で頑張っている、大規模校が言わば少ない割合の教員で済んでしまうというこういう構造は直して、やはり同じだけの教員が必要だというふうに一律にしちゃった方がいいんじゃないですか。
 ロースクール制度をつくるときには、一つはやっぱり一極集中、あるいは少数の学校に偏らないで様々な幅広い人材を法曹界に輩出するという意味で、やはり少人数教育というものを充実したロースクールというものを予定して、それが各層あるいは各地域に満遍なくというのが理念だったと思うわけです。
 しかし、現実に、文科省の方は、大規模にした方が経営が楽だと、しかし大規模にしてたくさん生徒数を集められる学校は限られていると、都会の学校に限られていると。こういうことから、都会に大規模校が集中して、大規模校というのはそれなりに知名度が高い学校ですから、そこに言わば人材が集中してしまうと。この結果、中小のロースクールが厳しい、経営も厳しいと。それから、人材が言わばそうした大規模校に吸い上げられてしまうのでなかなか学生が集まらないと、こういう悪循環に陥っていると思うんですね。
 私は、ですからそこで、大規模校だから経営が楽になるんじゃなくて、やはり人数が多い学校でもきちんと学生数に見合った教員を配置するというふうに、私はすぐにも文科省、手を着けるべきではないか、それが今のロースクール問題の解決の大きな一歩だと思うんですが、そこはいかがでしょう。
#28
○大臣政務官(義家弘介君) 一つの重要な指摘として、しっかりと受け止めて検討してまいりたいと思っております。
 いずれにしましても、課題を抱えている法科大学院については、入学定員の適正化と、そして指導者がどのような教育内容を担保できているのかということをしっかりと受け止めた上で判断してまいりたいと思います。
#29
○小川敏夫君 しっかりと受け止めていただくそうでありますので、しっかり受け止めていただいて、政務官、副大臣、大臣に期待して、そういう方向に持っていくよう期待しまして、政務官に対する質問はこれで終わります。退席していただいても結構でございます。
#30
○委員長(草川昭三君) どうぞ、じゃ退席して結構です。
#31
○小川敏夫君 では、大臣にお尋ねいたしますが、民主党の政権時代に一つ力を入れて取り組んだことで地図整備事業というものがございました。また、東日本大震災で土地がずれるというようなこともございました。そうした面で、私は生活や事業の基盤としてこの地図整備というものは非常に重要なことだと思うんでございますが、大臣としてはいかがお考えでありましょうか。
#32
○国務大臣(谷垣禎一君) 誠におっしゃるとおりだと思います。民主党時代にレールを敷いていただいたものでありますが、今回の震災復興に当たりましても、登記簿がきちっとしている、その地図がきちっとしている、こういうことがいろいろ移転計画なんかを作るときの根本にもあると思いまして、まさに社会をきちっと安定させていくためのインフラなのではないかと思っております。この敷いていただいた路線を私たちもきちっと推し進めてまいりたいと、このように考えております。
#33
○小川敏夫君 では、その点よろしくお願いいたします。
 また話は別の点に行きますが、私は、いわゆる成り済ましの遠隔操作による事件がございました。これで、私は、自分のパソコンが遠隔操作によって操作されてしまったという人は言わば被害者的な立場であって、その件に関しては全く犯罪を行っていないんですけれども、現実には逮捕されたと、中には処分まで受けているというケースがございました。
 私は、その中で一番の問題意識は、明らかに無実の人が実は取調べにおいて自白しているというケースがございました。私は、明らかにそういう事実、犯罪を犯していない、犯行を犯していない人が取調べにおいてなぜ自白してしまうのか、無実の人が自白してしまうというと、どういう取調べが行われていたのかということに非常に問題意識を感じておりますが、私のこの問題意識について、大臣、いかがでございましょうか。
#34
○国務大臣(谷垣禎一君) 当然のことながら、実行行為を行っていない者が犯罪者として逮捕、起訴されるというようなことがあってはならない、これは当然のことでございます。
 これに関しては、このサイバー犯罪の極めて技術的な問題も一つはございます。それに対して十分、何というんでしょうか、捜査手法を磨いていくということもなければなりません。しかし、他方、検察改革の流れの中でいろいろ指摘されておりますこと、例えば、自白調書等を余りにも偏重してきたのではないかと、いろんなことが指摘をされてまいりました。そういうことを踏まえて、検察改革を着実に推し進めていくということが何よりも必要なことなのではないかと、このように考えております。
#35
○小川敏夫君 サイバー事件特有の問題でなくて、例えば足利事件ですか、DNAの鑑定で客観的に無実であるということが明らかになったと。しかし、その無実の人も取調べ段階で自白しておったという事実がありました。ですから、これはサイバーかどうかということではなくて、やはり無実の人が取調べを受けると、その取調べの中で、実は犯行をしていないのに犯行を犯したという供述調書ができ上がるというその取調べの在り方に私は問題意識を感じておるわけでございますが、その取調べの在り方について、決して犯罪を犯していない人が言わば犯罪を犯したという自白をするということは、これは当然あってはならないことだと大臣も御認識いただけると思うんですが、そうしたあってはならないことが現実に起きているということについて、では、あってはならないことが現実に起きているということを踏まえて、その反省の上に立って、そうしたことが起きないようにするためにどうしたらいいのか。
 自白調書に偏重してはいけないという、そうした理念も伺いましたが、むしろ、やはりそうした取調べの在り方について制度的にそうした間違った自白が行われることがないような仕組みが必要なんではないかと。端的に言いますと、取調べの可視化とか、取調べに関する弁護人の立会いとか、そうしたことを私は考えておるので言っているんですが、そうした制度的な保障をこれはやはり構築する必要があるんじゃないかと思いますが、いかがでございましょうか。
#36
○国務大臣(谷垣禎一君) これは今、小川委員が御指摘いただいたように、民主党政権時代も、検察改革の、江田法務大臣も当然それに大きな役割を果たされたわけですが、検察改革の路線を敷いてこられました。そして、その中で「検察の理念」を策定したり、あるいは取調べの在り方も最高検に監察指導部を設けるといったようなこともやってきたわけでございます。そして、その上で、新しい捜査の方法等をどうしたらいいかということを今、法制審の下で議論をしていただいているところでございます。
 そして、そういう問題を考えていくときに、今委員もおっしゃいましたことでございますが、自白調書の偏重等のそういったことがあったのではないか。これは、検察改革の中でいろいろな議論でも御指摘をいただいているところでございますので、そういうことを念頭に置いて改革を進めていく必要があるのではないかというふうに考えております。
#37
○小川敏夫君 まさに今、法制審ですか、特別部会でそこは議論しておるということでありますけれども、やはり無実の人間が取調べにおいて自白してしまうという異常なことが現実に起きておるわけですから、そうしたことについて、やはりそうしたことがないように、法制審の意見に任せるということではなくて、やはり大臣自身からも、あってはならないことだと、そうしたことは繰り返してはならないという意味での取組に対する決意もお伺いいたしたいんですが、いかがでしょう。
#38
○国務大臣(谷垣禎一君) 今、もちろん、法制審でこの問題をきちっと整理していただいて的確な指針を示していただきたいと思っておりますが、今、小川委員がおっしゃいましたように、こういう実行行為を犯していない者が実行行為者、犯罪者として扱われるということはあってはならないことでございます。この事柄は、検察の信頼ということに、ひいては刑事司法全体の信頼ということに懸かってまいります。
 したがいまして、今いろいろいただいているような御指摘も受けながら、捜査の基本に立ち返る、法と証拠に基づいて人権保障ということも考えながらきちっとやっていくということに尽きるんだろうと思います。法務大臣として個別具体なことは指揮できませんが、そういう捜査の在り方についてはきちっと指導してまいりたいと、このように考えております。
#39
○小川敏夫君 大臣のお言葉からも、この刑事司法に対する信頼という言葉がございました。
 やはり刑事司法あるいは検察に対する信頼ということを思いますと、やはり郵便不正事件ですか、検事がフロッピーディスク、証拠品を改ざんするという件がございました。これに対しては、様々な、これを反省するという姿勢で取組がなされたと思うわけでありますが、やはりこうしたことはあってはならないという意味で、この点についても大臣のその取組に対する決意の言葉をお伺いしたいんでございますが。
#40
○国務大臣(谷垣禎一君) こういう証拠を捏造するというようなことは、あってはなりません。こういうことがあれば、検察の信頼が大きく揺らぐことは明らかでございます。これらに対しても厳正に対応していかなければいけないと、このように考えております。
#41
○小川敏夫君 それからもう一つ、昨年の六月ですか、検察内部で言わば人事処分を行った案件でありますあの陸山会事件に関して、検事が事実でない事柄を記載した報告書を作成したということがございました。私どもはこれは意図的に虚偽のものを書いたとしか考えられないと判断しておるわけですが、法務・検察の方は、これは間違いだからと、事実でない記載があることは認めたけれども、意図的なものではないということで処理したわけですが。
 私、どうもこの、言わば一般的に虚偽捜査報告書事件と言われているんですが、中身がよく分からない。あの郵便不正事件ですと、検事がフロッピーディスクを改ざんして証明書を発行した、作成した日にちを改ざんしたんだと言って、検事がどういう悪いことをしたのか、間違いを犯したということがよく具体的に分かるんだけど、この虚偽捜査報告書事件というと、何か虚偽の捜査報告書を、事実じゃない捜査報告書を書いたんだなということは分かるんだけど、どういうことを、事実じゃないことを書いたのか、どうもそこら辺のところの情報が国民によく知らされていないんじゃないかと思うんですが。
 いずれにしろ、昨年の六月に法務・検察としてはまとめて対応、言わば処分してしまった案件でありますが、どうもすっきりしない面がございますが、大臣としてはこの虚偽捜査報告書という問題についてどのようにお考えなのか、あるいはこれについてどのように対応されるのか。もう処分済みで終わった案件だからいいということなのか、やはりそうではなくて、この件に関しても問題点をしっかり洗い出して、やはり検察の信頼を回復するために何らかの取組をしたいと考えておられるのか、そこら辺の大臣の、虚偽捜査報告書事件と言われているこの件に関しての、どういう対応をするのか、その考え方をちょっとお聞かせいただきたいんですが。
#42
○国務大臣(谷垣禎一君) 先ほども申し上げたことでございますが、厚生省の村木元局長等々の事件、一連の経過を受けまして、検察においてはこれまでに、国民の信頼を回復するために、一つは、「検察の理念」みたいなものを、これは民主党政権下でございましたが作っていただきました。それから、最高監察指導部の設置等々の改革策を講じてきたわけでございまして、加えまして、今御指摘のいわゆる虚偽捜査報告書問題につきましては、捜査とあるいは調査の結果を踏まえまして、検察審査会の起訴相当議決を受けて再起した独自捜査事件において被疑者等の取調べの録音、録画を実施することとするといった改善策を講じているわけで、これはもう委員御承知のとおりでございます。そして、こういう改善策に全力で取り組むとともに、引き続き改革を推進して厳正に職務を遂行していく、これは当然のことと存じます。
 そして、今この虚偽記載事案の対応策の中等々の報告を私も受けますと、例えば、従来、捜査報告書等の扱いというのはある意味で多少ルーズであったということもあると思います。要するに、調書であれば、きちっと取調べの相手の方が承諾をしなければ調書にならない、こういう捜査報告書のようなものは、その意味で証拠としての価値も極めて低い、なかなか通常は証拠として採用されない場合も多いと思いますが、それだけに扱いがルーズであったと。やはり、こういった扱いをもう一回きちっと基礎に返ってやっていくというようなことを徹底しなければいけないと、このように考えております。
#43
○小川敏夫君 抽象論のやり取りがあったわけでありますが、検察はやはり国民の信頼を回復してしっかりと不正を正していただかなくてはならないという意味で期待はしておるわけで、その検察の存在意義も十分理解しておるわけでありますが、やはりその検察が間違いを犯して国民の信頼を失うようなことがあってはならないので、その点についてはもう大臣も当然取り組んでいただけるというふうに思っておりますが。
 あと時間が五分ですので、一点だけ、刑事局長さん、今日来ていただいているのでお尋ねしますが、去年の六月のこの捜査報告書に対するまとめでは、結局、検事が六月の再捜査の取調べとその半年前の一月、身柄勾留中の取調べのことを混同したと、記憶が混同したと、このような方針で処理がなされておるわけでありますが、今日のところは一点だけお尋ねします。
 この取調べの冒頭、これは被告人の取調べですから、任意の取調べというものを行ったわけでございます。読みますね。「取調べの冒頭、本職が「貴方は、既に政治資金規正法違反の事実で公判請求されており、被告人の立場にあるので、取調べに応じる義務はないということは理解していますか。」と質問したところ、石川は、「その点については、弁護士からも説明を受け、良く理解しています。弁護人から、今回の事件については既に被告人となっているので、無理に取調べに応じる必要はないという説明を受けましたが、小沢先生に対する不起訴処分について、検察審査会が起訴相当の議決をしたのを受けての再捜査でしょうし、私自身も深く関与した事実についてのことですので、本日は、任意に取調べを受けることにして出頭しました。」旨述べ、取調べを受けることに同意した。」という記載部分がございます。
 しかし、こういうやり取り、ないんですよね、実際には。これは、まず、こういうやり取りがない、架空の記載であるということは、これはよろしいわけですね。
#44
○政府参考人(稲田伸夫君) 個別の事件の具体的な証拠の内容になりますが、あえてお答えを申し上げますと、確かに、冒頭部分で田代元検事が、被告人という立場にあるので取調べに応じる義務がないということについて確認をしたという部分はないものと承知しております。
#45
○小川敏夫君 要するに、ないと。
 それで、私が聞きたいのは、つまり田代検事は六月の再捜査と一月の勾留中の取調べとを混同したと言っておるわけですが、ここは、あなたは既に起訴されているから、被告人だから取調べに応じなくていいですよと言っているわけで、そうすると、被告人になったのは、まさに六月だから被告人と言われておるわけですよ。一月の勾留中は被告人じゃないですから、被疑者ですから。ですから、被告人の取調べというと、一月の勾留中の被疑者段階の取調べと混同することはあり得ないんですよ、論理的に。だけど、その部分について、この去年六月二十七日に出した報告書は、この部分の架空記載については一言も触れていないと。それから、記憶違いというのは、今言ったように、被告人の取調べと被疑者の取調べとは違うんだから記憶の混同はあり得ないと思うんだけれども、全く触れていないと。
 あの平成二十四年六月二十七日の報告書では、この部分について触れた記載はないですよね。ないという答弁だけで結構です。
#46
○政府参考人(稲田伸夫君) 先ほどお答え申し上げましたのは、田代元検事による取調べの冒頭部分でそのような確認をした部分がないということを申し上げたわけでございますが、ただ、その取調べの中で、改めて田代元検事が、政治資金規正法違反の事実で起訴されて被告人という立場にあり、取調べに応じる義務がないということは弁護士さんから説明があったでしょうと尋ね、石川氏から、はいというお答えがあったということは確認できるところだと思います。
#47
○小川敏夫君 この黙秘権の告知は取調べの冒頭にやらなくちゃいけないんで、取調べが終わって、さあ供述調書をまとめましょうというときに検事がすらすらとそういう黙秘権の告知があったかのような調書を記載したようですが、やはり黙秘権の告知は冒頭にやらなきゃいけない。その冒頭にはなかったということは先ほどお認めいただいたと思いますが、この六月二十七日の報告書では、この部分についての記載が、触れた部分が全くないですねと聞いているわけです。で、ないんですよ。
 そのことだけ確認していただいて、私、質問を終わります。
#48
○政府参考人(稲田伸夫君) 御指摘のとおりだと思います。
#49
○小川敏夫君 じゃ、終わります。
#50
○前川清成君 参議院奈良県選挙区から国会に送っていただいております前川清成でございます。法務委員会に帰ってまいりまして、およそ二年ぶりの質問をさせていただくことになります。どうぞよろしくお願いいたします。
 まずは、谷垣先生、法務大臣御就任おめでとうございます。九年前、私が初当選させていただいたときに財務大臣をしておられまして、予算委員会で何度か質疑をさせていただきました。本当に誠実なお人柄だということがよく分かりました。是非、法務大臣としても実力を発揮していただいて、所信の中にもございましたけれども、日本と日本人のために安心、安全な社会をおつくりいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
 さて、民主党が野に下りまして、再び次の内閣というのがスタートをいたしました。その次の内閣で私が法務の責任者をさせていただくことになりました。ちょっと恥ずかしい言い方ですが、ネクスト法務大臣というふうに言います。
 九年前に初めて当選したときに、ネクスト法務大臣は簗瀬進先生がしておられました。簗瀬さんが初めて当時の、お名前は出しませんが、法務大臣に質問されるときに、今日は大臣対決だというふうにおっしゃいました。私はそれを聞いて、えらいこと言わはるなと、大きいこと言わはるなと、こういうふうに感じたわけですが、しかし、残念ながら、その後の議論は、これどっちがほんまの大臣なんやろというふうに思ってしまいました。もちろん、私と簗瀬先生とでは実力も違いますし、私と谷垣先生とでも実力もキャリアも全て隔絶しているわけですが、今日は大臣の胸を借りるつもりでなどと心にもないことは申し上げません。ただ、真っすぐに正直に議論をさせていただきたいと思います。
 まず、民法の改正の問題でございます。
 二月二十六日に債権法の改正について法制審議会の中間試案が取りまとめられました。これは、平成二十一年の十月に当時の法務大臣から諮問がございました。その諮問の中は、国民一般に分かりやすいものにすると、そういう民法に変えるための諮問になっております。
 政権は替わりましたけれども、この改正の大方針に変わりはないのかどうか、まずはお伺いをいたします。
#51
○国務大臣(谷垣禎一君) 今、前川委員から過分なお言葉をいただきまして痛み入ります。これからいろいろ切磋琢磨して議論をさせていただきたいと思っております。
 それで、今、民法、債権法の改正についてのお尋ねでございますが、これは従来敷いていただいた路線と大きく異なるものではございません。
 前川委員おっしゃいましたように、今度の債権法改定の目的は、今まで、明治二十九年に民法が作られて以来、債権法の部分は根本的な改正というものはなかった分野でございます。それで、それ以来の百十数年間に及ぶ我が国の社会経済状態の変化を踏まえて現代化をさせていくということが一つございます。それからもう一つは、その百数十年間に膨大な判例が集積されておりまして、条文を読んだだけでは判例によって補充されている部分というのがほとんど分かりませんので、そういった内容も適切に取り入れて、一般の方も読んで分かるような民法にしていきたい。大体この二つが大きな目的でございます。
#52
○前川清成君 今大臣からおっしゃっていただいた方針、私も大賛成でございます。条文を読んだだけでは分からない、これでは本当に国民一般の方々から隔絶した民法になってしまうと思います。
 ただ、もう一点おっしゃった、現代化、これが分かりやすいものになるのかどうかということです。
 平成十六年に民法はそれまでの片仮名文語体から平仮名口語体に改正されました。しかし、私は以前の片仮名で書かれた民法の方が最近作られている様々な法律よりも実は分かりやすいんじゃないのかなと、最近の法律の方がなぜかあえて分かりにくいような表現を取っているのではないかなと、常々そう思うことがあります。
 今日はお手元に、ちょっと文字が小さいというふうに先ほど理事会で森先生からも御指摘をいただいたんですが、まずは配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する法律、いわゆるDV法を配付させていただきました。
 御案内のとおり、ここの第十条には保護命令という条文がございます。例えば、例えばですけれども、夫からのDVに耐えかねて子供を連れて飛び出すと、警察やあるいは弁護士に相談に行ったと。更なるDV被害に遭わないようにこの保護命令という仕組みがあるわけですが、子供を抱えて夫の元から逃げてきたお母さんが、保護命令という制度があるよと、じゃ、どんな仕組みなのか、この条文を読んで分かるかどうかです。決して、大臣の、何か解説をしていただこうという趣旨ではありませんが、この条文を読んで保護命令というのがどういう要件でどのような内容の命令が発せられるか、国民一般の方々が理解することが可能なのかどうか、少し大臣の御見解をお伺いしたいと思います。
#53
○国務大臣(谷垣禎一君) 大変小さな文字で、目がちらちらしてよく内容を読み取れないわけでございますが、確かに、この条文というわけではございませんが、最近の法律の中には、何というんでしょうか、やたらにいろいろなことが、やたらと言うとちょっと、この言葉ちょっと撤回させていただきます、非常に複雑に書いてございまして、一見して要点をとらえにくい条文があるように私も思います。
 表現の上で相当な工夫をしなければいけないのではないか。民法の場合は、長い時間もたっておりますし、何度も読み慣れた条文でございますから、分かりやすいと思うのかもしれませんが、そんな感想を私も持っております。
#54
○前川清成君 例えば、この十条の規定は、主語は一番最初に被害者と書いてあるんですが、被害者の限定で、括弧、配偶者から身体に関する暴力云々とありまして、に対する脅迫とあって、さらに二重括弧になって、脅迫の意味を限定するために被害者の生命又は身体に対し害を加える、要するに、それぞれの字句の説明を括弧書き、場合によっては二重括弧、三重括弧というふうな書き方になっています。だからちょっと、とてもとても、心を落ち着けて拡大コピーでもしてゆっくり読まないと分からないというふうな感じになっています。
 もう一つ、特定商取引法をお配りをさせていただきました。
 もうこれについて、また文字も小さいですので、大臣に一々お尋ねはいたしませんが、これはいわゆるクーリングオフ、おばあちゃんが悪徳業者にだまされた、そんな場合に、だました、だまされたの立証はなかなか大変なので一定の期間だったら直ちにその申込みの撤回を認めましょうと、クーリングオフといって、ほとんど多くの方々が名前ぐらいは御存じの仕組みであります。しかしながら、この特定商取引法を読んで、クーリングオフというのがこういう仕組みでこういう場合に可能なんだというふうに読み取れる方も実は少ないのではないかなと私は思います。
 こういう民法を改正するに当たって、分かりやすい、しかも百二十年間積み重なってきた判例を条文の中に読み込むと、これを日本語の表現としてやってしまうと、場合によってはそれぞれの定義を二重括弧、三重括弧で書き入れることになって、このあしき体裁をそのまま踏襲してしまうのではないかなと、私はその辺を大変心配をしています。
 この辺、もちろんまだまだ立法作業は始まっていないわけですけれども、大まかな方針として、大臣の方からもし今の段階で法制審議会なりあるいは法務省の民事局に対して指針として、大枠の方針として分かりやすくということを御指示いただけると私は大変有り難いと思いますが、いかがでございますでしょうか。
#55
○国務大臣(谷垣禎一君) 前川委員御指摘のように、まだ法制審議会の議論も結論が出ているわけではございませんし、具体的にどういうそれぞれの条文になるのかも全くまだ分かっていないわけでございますけれども、この改定をする目的からして、読んでいただいて分からないようなものであってはこれは意味がないと、このように思います。読んで、法律ですからなかなか読んですぐ右から左へ分かるというわけにはいかないかもしれませんが、表現にも工夫を加えて明晰なものをやはり作っていく、これを一つの方向としなければいけないと、委員の御指摘のとおりであろうと思います。
#56
○前川清成君 ありがとうございます。
 私は、日本人の教育レベルというか知的レベルというのは相当高いものがあるんじゃないかと思います。ですから、是非、私は、中学校を卒業したら、中学校卒業程度の学力があれば、高校を卒業した程度の学力があれば、大臣おっしゃるように、判例の一々までは分からないけれどもおおよその意味が分かると、そういう民法を是非二十一世紀型の民法としてお作りをいただけたらと思っています。
 それで、民主党政権の最後の方に、私、復興副大臣を兼ねさせていただいたことがございました。その際に、二重ローンを担当したんですが、東日本大震災事業者再生支援機構というのがあります。これは、私は仕組みとしては大変よくできていると思うんですが、その東日本大震災事業者再生支援機構のリーフレットを見ますと、例えばDDS、これは劣後債権化のことをいいます。DES、債務の株式化、あるいはデューデリジェンスであったり、有利子キャッシュフロー倍率であったりとか、そういう専門用語がちりばめてありました。
 私は、その際に少しお願いをしたのは、ともかく分かりやすくと。このまさに金融村の、ギルドのガイドブックのようなリーフレットではなくて、今、仮設住宅に住んでおられて、明日の生活をどうしようと、こう思っておられるそれこそおっちゃん、おばちゃんがお読みになって、大体のところは分かると、じゃ、この仕組みを使ってみようと。だから、荒っぽい言い方かもしれませんが、漫画でもいいですよと、多少粗っぽくてもいいですよと、ともかく分かりやすくと、こういうふうに指示をしたことがございました。昨日、その東日本大震災事業者再生支援機構のホームページをのぞいてみますと、漫画が載ってありましたので、分かりやすくという趣旨は少しは前進しているのかなと、こういうふうに思っているところでございます。
 続いてお尋ねをさせていただきたいのは、個別の具体事例になるんですが、非嫡出子の法定相続分を定める民法九百条の問題でございます。
 これにつきまして、二月の二十七日、最高裁判所の第一小法廷は、非嫡出子の法定相続分に関する家事審判の特別抗告を大法廷に回付することを決定しております。この非嫡出子の法定相続分が憲法十四条に違反するのかどうかについては、平成七年に大法廷判決がございます。大臣、当然裁判所法も御存じですけれども、一応申し上げますと、判例変更をする場合には大法廷に回付しなければならないと、こう書いてあります。憲法違反の判決をする場合には大法廷でと、こうも書かれてあります。平成七年に大法廷で合憲の判決がございました、民法九百条の四号ただし書き前段について。それが今回、小法廷から大法廷に回付をされました。普通に考えると、これは近々憲法違反の判決があるのではないかと予想されるところでございます。
 ついては、私はこの民法九百条四号ただし書、改正をするべきではないかなと、こういうふうに考えておるんですが、大臣いかがでございますでしょうか。
#57
○国務大臣(谷垣禎一君) 最高裁で大法廷に送られたということは私も承知しておりますし、大法廷に回されたということはそれなりの理由があるんだろうとは思っておりますが、まだ判決が出たわけではありませんので、法務大臣としてその判決の内容、予想等は差し控えさせていただきたいと思います。
 したがいまして、今それに関連させておっしゃったこの改正問題についても、最高裁判所がどういう判断を下されるか、現在の段階の私の仕事はそれをよく見守ることだと、このように思っております。
#58
○前川清成君 この平成七年の大法廷判決は五名の裁判官の反対意見が付いております。その多数意見が言うように、法律婚を尊重するのはもちろんなんだと、私もそうだと思います。ただ、そのために、その目的のために非嫡出子の法定相続分で差別することについて、子は親を選んで生まれてくるわけではありません。その意味で、少数意見は合理性がないというふうに書いてあります。
 私もそのとおりではないかと思っておりまして、実は、民主党は、過去十六回、衆参両院にこの民法九百条四号ただし書前段を削除する法案を提出してまいりました。しかし、その場合には、この九百条だけではなくて選択的夫婦別姓とセットになっておりました。自民党の中で選択的夫婦別姓に関して反対意見が多いというふうにも聞いております。ですから、私たちは、今回、選択的夫婦別姓は切り離して九百条の問題だけ議員立法を提出しようと思っています。
 私たちは、批判するだけの野党だったらあかんねんと、こういうことからスタートをいたしました。私たちは、是非、自分たちの政策や、あるいは自分たちが理想とする法律を議員立法として形にしてお示しをさせていただこうと思います。
 この点は、先日、草川委員長にも磯崎与党筆頭にも申し上げましたが、私たちは日程闘争はいたしません。審議を引き延ばして、それを委員会の運営の目的にもいたしません。また、私たちが与党時代に法務委員会では森まさこ理事に大変親切にしていただきました。松野さんはきっと泣いておられたと思います。ですから、その仕返しを、あっ、間違えました、その御恩返しをしようとも思っておりません。審議すべき法案は是非粛々と審議したいと思います。
 ただ、政府提出の法案は審議しろと、野党であるおまえたちの法案は審議しないと、逆の意味の審議拒否はこれも困るわけであります。もちろん、大臣のお立場で国会の運営について指図する、そういうお立場ではないということは承知いたしておりますけれども、是非、この建設的な、お互いがそれぞれの提案をぶつけ合う、そんな国会運営について御理解を、御支持をくださいと申し上げているのではありません、御理解をいただけたらと思いますが、いかがでございますでしょうか。
#59
○国務大臣(谷垣禎一君) 私は、先輩からこういう、閣僚になったら、国会運営については、国会は国会で御判断いただくべきもので、行政府におる人間が口を挟むことは差し控えると、こういう答弁をすべきだというふうに御指導を受けてまいりまして、全くそう思っております。
 他方、私も、衆議院の方で議運委員長もやらせていただきましたし、国会対策の仕事もかなりやらせていただきました。やはり、そこで、それぞれの委員会あるいは理事会においてしっかり御議論をいただいて、国家国民のために実りある成果を出していただきたいと、こう思っております。
#60
○前川清成君 くどくど申し上げますが、私たちは、民法九百条の四号ただし書前段の削除について、自民党の皆さん方に、与党の皆さん方に賛成してくださいとまではお願いをいたしません。審議に応じていただきたい、このことは強くこれからも求め続けていこうと、こういうふうに思っています。
 それで、先ほど、つるしを下ろしてもらうためにこの選択的夫婦別姓の提案は切り離したと、こういうふうに御説明申し上げましたが、この選択的夫婦別姓は民主党オリジナルではありません。元々は平成八年の法制審議会の答申であります。これが様々な議論があってなかなか実現できない、私はどうしてかなと、こういうふうに思っています。
 自民党内では家族の一体性を損なうという議論が強いようですが、谷垣さんも前川さんも小川さんも池口さんも全部別姓にしなさいという話じゃなくて、うちは別姓にしましょうと、そう決めた御家庭だけですので、よその家庭のことにまで一々干渉するような法律ではありませんので、そんなに目くじらを立てる必要がないのではないかな、こういうふうに思っています。
 それで、高市早苗自民党政調会長は奈良県二区の御選出でございますので私は言いにくいんですが、何か、報道によりますと、野田聖子自民党総務会長は女性の社会的進出を後押しするために選択的夫婦別姓を支持しておられる、後押ししておられると、高市政調会長は家族の一体感を損なうということで反対しておられるというふうに報道がなされております。
 しかし、同じ奈良ですので言いにくいんですが、高市さんは、御結婚前は高市さんで、山本さんと御結婚されて今、高市さんでございます。選択的夫婦別姓ではないにせよ、通称としてお使いになっているにせよ、事実上の別姓を今使っておられるわけです。
 したがいまして、私は、選択的夫婦別姓の問題も、実は与党と野党と余りハードルは高くないのではないのかなと。この点も、政党間の議論が中心になるのか、あるいは先ほどの人権侵害救済法、人権委員会設置法のように、もう一度政府の方で議論を整理していただくという必要もあるのかもしれませんが、今、非常に議論を前進させるいい機会ではないのかなと、こういうふうに考えております。
 踏み込んだ御発言はしづらければ結構でございますけれども、この選択的夫婦別姓について、大臣はどのようにお考えになっておられますでしょうか。
#61
○国務大臣(谷垣禎一君) 私個人としての見解を申し上げる場ではないと思います。ただ、委員が御指摘になりましたように、この件に関しては、平成八年の法制審議会で答申をいただいているということが背景に私どももしょっているわけでございます。いろんな事情がありまして、この法制審議会の答申は、夫婦選択的別姓であろうと、あるいは今の嫡出子の相続分であろうと、実現が、幾つかありましたほんの一部しか平成八年の答申は実現ができておりません。
 それで、今の状況を見ますと、私どももある意味で定点観測のようにずっと世論調査をしてきているわけでございますが、かなり、世論的に見ますと、家族の基礎に関係するという意識からか、比較的この認知の度合いが弱いというふうに私は思っております。ただ、そういったいろんな状況も踏まえながら私たちとしても考えていかなければいけないと思っております。
#62
○前川清成君 ありがとうございます。
 引き続き、次は民法の中の債権法、ちょっと保証債務の制限に関して議論をさせていただこうと思います。
 保証債務の特性については、今更私がくどくど申し上げる必要もないと思いますが、まず、連帯保証と通常保証とあって、取引の実務ではほとんどの場合連帯保証が使われております。連帯保証も、当該融資を受ける会社の、企業の経営者が保証する場合の本人保証と、そうではなくて、例えば親戚であったり従業員であったり、ひどい場合には従業員の家族であったり、赤の他人が保証する場合の第三者保証というのがございます。
 私は、この第三者保証について制限するべきではないかなと、こういうふうに考えております。
 なぜならばと申しますと、まず、第三者保証で保証人になるのは、主債務者から頼まれて、対価も受けることもなくなってしまうと。しかも、頼まれる前提としての人間関係は、兄弟であったりとか親戚であったりとか、そういう情義的な関係、あるいは従業員と経営者という、そういう対等ではない関係、断ることができずに、損得を冷静に計算することができずに引き受けてしまう。しかも、保証債務を頼む際に、これからあなたにえらい損させますというふうな説明する人は恐らくいらっしゃらないわけで、ほとんどの場合には、絶対迷惑掛けませんと、お願いしますと、こういうふうに頼まれて、ああそうなのかなと。ある種、何というんでしょうか、軽い気持ちというんでしょうか、それほど大きな債務を負担するという認識もなく、かつ、保証契約を締結してしまったら自分の全財産が債務の引き当てになってしまうという、そんな認識もなくなってしまわれるのではないかと。だから、保証債務というのは、保証人になるというのは、自殺であったり、自己破産であったり、サラ金に手を出したり、家族の離散であったり、夜逃げであったり、様々な弊害をもたらしているのではないかと思っています。
 他方で、金融機関の方、本人保証の話はちょっと横に置いておくにしても、赤の他人の財布の中を当てにして金融機関もお金を貸すべきではないのではないかなと。
 こういうふうな背景みたいなものを考えると、私は、せめて金融機関が融資をする場合には、本人保証についてはともかくも、実は私は持論としては、本人保証も制限していくべきなんだと、そうでなかったら再スタートを切りにくい、だから本人保証も制限していくべきだと考えるんですが、まず初めの一歩としては、この第三者保証を制限することができないかと、こういうふうに思っています。
 大変僣越で長々申し上げましたけれども、この保証債務の特性に関して大臣がどのような御認識を持っておられるのか承れればと思います。
#63
○国務大臣(谷垣禎一君) 保証は、やはり事業をしたりいろいろな社会経済生活を送っていく場合に、金の流れというものが血液の流れのようなものですから、その資金繰り等々で借入をしなきゃならない場合が生じてくると。その場合に、自分の信用だけではなかなか借りられない場合があって、信用の補完というところからこの保証というものは本来発生したんだと思います。
 しかし、今委員がおっしゃられるように、ちょっと世話になったり、あるいは身近な人に頼まれるとなかなか嫌だと言えないというようなことに引きずられるということも現実に多いんだろうと思います。また、おっしゃったように、迷惑は掛けないからと。そのときはまだ債務が確定的に発生しているわけじゃありませんが、後から全財産取られてしまったというようなことも間々聞かないわけではございません。そういった弊害が多く現れている。あるいは、事業で失敗するともう再起も不可能になってしまうというようなことも指摘されているわけでありまして、そういった弊害をどう乗り越えていくかという問題意識から、今度の法制審議会の中ではこれも検討対象として取り上げられているわけでございます。
 私、今法務大臣という立場は前任者から引き継いだものでございますが、諮問をしている立場でございますから決め打ち的に申し上げるわけにはまいりませんけれども、是非そういった点に関して充実した審議を遂げていただいて、適切な結論をいただくように望んでいるということでございます。
#64
○前川清成君 ありがとうございます。
 それで、今大臣が御答弁の冒頭におっしゃっていただいたように、物的な担保が十分でない方々等に融資するに当たって、やっぱりその信用を補完するという意味での保証制度があるわけです。ですから、仮に、一方において配慮を有すべきこととして、保証債務を制限した結果、信用が収縮してしまうと本当に事業資金が必要な方に融資されないと、こういうふうなことがあってはならないという配慮は私は当然必要だろうと思います。
 その点で、実は平成十八年から中小企業庁は、信用保証協会の求償権に関して第三者保証を禁止するというふうにいたしております。そして、今日は金融庁から小野参事官にもお越しいただいているんですが、平成二十三年の七月から金融庁の監督指針において、この第三者保証について制限を設けております。ついては、小野参事官の方から、この第三者保証の制限に関して端的に御説明をいただけたらと思います。
#65
○政府参考人(小野尚君) お答え申し上げます。
 経営者以外の第三者の個人連帯保証につきましては、直接的な経営責任がない第三者に対しまして債務者と同等の保証債務を負わせることは適当ではないというような御指摘を踏まえまして、先ほど先生から御指摘がございましたように、平成二十三年に監督指針の改正を行ったところでございます。
 他方、第三者の個人連帯保証を一律禁止することにつきましては、中小企業における円滑な資金調達の支障となるおそれがあるため、必要最小限の例外を認めることとしております。具体的な例外の範囲につきましては四つございます。一つは実質的な経営権を有している方、二つ目は事業に従事する配偶者の方、三番目は事業承継を予定している方、四番目は自ら連帯保証の申し出を行った方という、経営者に準ずる方々に限定しているところでございます。
 このような例外の取扱いにつきましては、先ほど先生からもお話ございましたように、第三者保証人の徴求を原則禁止してございます、公的保証機関でございます信用保証協会と同等の取扱いでございまして、金融の円滑化に支障を来さないための最低限必要な措置だというふうに考えてございます。
#66
○前川清成君 今、参事官の方から四類型御説明がございました。一番の実質的な経営権を有している者、二番の事業に従事する配偶者、三番目の事業承継予定者。これ、まあ大ぐくりで言いますと、本人保証に近いものではないのかなと。ちょっと表現悪いんですが、くせ者は自ら連帯保証の申出を行った者と。自発的に第三者保証しますよと、こう言ったんだったら構いませんよと、こういうふうになっているわけですが、大臣におなりになりますと、なかなか御自身で銀行に行ったりとかされる機会少ないかと思うんですが、銀行に行って驚かされるのは、山のようにサインをさせられることです。
 私事であれですが、一年ほど前に三菱東京UFJ銀行学園前支店、通帳が二つありまして、それぞれ不便なので一本にしようと、一つの通帳、普通預金も定期預金もあるやつ、一本のやつに作ってもらおうと、こういうふうに思って窓口に行きました。窓口に行ったら、窓口の方が、お愛想かどうかは知りませんけど、ああ、前川先生ですねと、よく存じておりますよと、こう言っていただいたんですが、通帳を作るという段になると、暴力団員ではありませんよねと、暴力団員でないことの確認で判こを押してくださいと、こういうふうに言われるわけです。ともかくサインを取っておいたら何とかなるだろうというのが金融機関の今のありようなんです。
 そこで、小野参事官にお尋ねをいたしますが、この四の自ら連帯保証の申出を行った者、その自発的な意思で連帯、第三者保証を応じた者というのは、例えば銀行が定型の書式を用意していた、私は私の意思で誰々さんの保証人になりますと、で、最後に名前と判こだけ押させたと、これは金融庁の監督において自発的な意思に基づいて第三者保証したことになるのかならないのか、お答えをいただきたいと思います。
#67
○政府参考人(小野尚君) お答え申し上げます。
 金融機関が経営に実質的に関与していない第三者との間で例外的に個人連帯保証契約を締結する場合には、この契約は契約者御本人による自発的な意思に基づく申し出によるものでありまして、金融機関から要求されたものではないということが確保されている必要がございます。しかしながら、今先生から御指摘ございましたように、形式的には保証人からの申し出でございましても、実際には、金融機関からの明示又は黙示の要求による場合が多いのではないかという御指摘があったところでございます。
 このような点を踏まえまして、保証人の自発的な申し出であることの客観性というものを確保する観点から、保証人になろうとする方が金融機関から特段の説明を受けた上で、自発的な意思に基づき申し出を行った旨が記載されまして、そこに自署、押印された書面の提出を受けていることを確認することが必要になっております。したがいまして、このような書面につきまして、例えば今先生から御指摘がございましたような金融機関所定のひな形を使用することは、基本的には保証人の自発的な意思の客観性を確保するとの観点からは適切ではないというふうに考えてございます。
#68
○前川清成君 じゃ、例えば、定型の書式ではありませんと、でも、僕は、この保証人というのは、今先ほど申し上げたように、なって得することはないんですよね。なって得することがないのに自発的になる場合なんてあるのかなと、こういうふうに思うわけです。
 それで、銀行も賢い人たちばっかりなので、定型のひな形を用意していてそこにサインさせたら、それは金融庁にばれてしまうわなと、これは容易に理解できるので、例えば定型の文書は用意しておくと、で、保証人を連れてきて、あなた、ここに書いてあるとおり自分の手で書いてくださいと、サインも書いてくださいと。こういうようなケースはもうほぼ定型の書式にサインさせているのと異ならないわけです。
 金融庁の監督においては、この辺のところの、見抜くというか見破るというか、その辺の配慮もしていただいているんでしょうか。
#69
○政府参考人(小野尚君) お答え申し上げます。
 先ほど申し上げましたように、やはり自発的な意思に基づいて申し出を行っているということが非常に重要でございますので、そのような観点から、金融庁といたしましては、単に形式に陥らないように引き続き厳しく検査・監督でチェックしてまいりたいと存じます。
#70
○前川清成君 自発的な意思に基づいて第三者保証をする、そういうのがあるのかというふうに二十三年のころに小野さんにお尋ねをしたことがあります。そうしたら、そのときにお出しになった例としては、行き付けのすし屋がある、そこの若い人が独立しようとしている、それを応援したい常連客がいる、でも金を貸してやるとその若い職人さんの自立にはならないと、だから、金は貸してやらないんだけれども、保証人になることによっておまえ頑張れよという後押しをするのがこの、例えばだけれども自発的な意思に基づく第三者保証だと、こういうふうに聞いたことがあります。
 無理やり考えたらそういう場合があるのかなと思うんですが、私は、今、小野参事官から説明もありましたように、この第三者保証、信用保証協会が禁止をした、金融庁が金融機関に対して実質的に保証したと。実務としては第三者保証の禁止というのはほぼ定着しつつあるのではないのかなと。
 そして、もちろん信用の収縮というのは十分配慮しなければいけませんが、私たちが望む、何というんでしょうか、理想の社会というんでしょうか、望ましい方向としては、やっぱり赤の他人の財布を当てにした融資ではなくて、金融機関が当該会社の収益であったりその事業の将来性であったり、それを目利きをして金を貸す、融資をすると、それに更に特化してもらわないといけないのではないかなと。
 こんな思いで、今大臣からお話がありましたが、中間試案の中で、この第三者保証については今後も検討すると、引き続き検討するというふうに取りまとめられておりますけれども、私たちの理想ということを明らかにするために、この第三者保証の禁止についても早晩議員立法を提出させていただいて、与野党の皆さん方と様々な議論ができればと、こういうふうに考えております。
 それで、もう私、終われというメモが来ましたのでこれで終わらせていただきますが、実は私、三年前に改選でございました。選挙のときに皆さんいろいろ訴えるわけですが、私は三年前の選挙のときに、もう一回当選をさせていただいたら民法の改正に取り組みたいと、こういうふうに言いました。すると、民主党の奈良の先輩方から、前川さん、そんな小さな話をしていると通りませんよ、もっと年金だとか奈良県の発展だとか大きいことを言いなさいと、こういうふうに言うていただいたんですが、最後まで民法の改正というお話をさせていただいて、一人区で八勝二十一敗の選挙でしたけれども、三十万八千四百九十票をいただきました。
 九年前の選挙は、年金が大きな争点になった選挙でしたけれども、サラ金の金利を引き下げたい、そのために国会議員になりたいと、こういうことを申し上げて、きっとそんなあほなことを言った候補者はいなかったと思いますが、初めての挑戦ですが三十一万一千四百九十票をいただきました。
 奈良県の有権者のインテリジェンスの高さを最後に自慢をさせていただいて、これからも大臣と様々な御議論をさせていただきたい、そのことをお願い申し上げまして、質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。
#71
○磯崎仁彦君 自由民主党の磯崎仁彦でございます。この法務委員会におきましては初めて質問に立たせていただきます。
 まず、谷垣法務大臣、それから後藤法務副大臣、盛山法務大臣政務官、御就任おめでとうございます。
 先日、といいましても一昨日、谷垣法務大臣の方から所信表明を聞かせていただきました。やはり、法務行政、非常に課題が多いなというのが印象でございます。ただ、先日のお話の中でも、法の支配というものが国家の基本原理の一つであるというお話がありましたので、是非ともいろんな課題につきまして一つ一つ着実に前進をしていっていただきたいなというふうに思っております。
 私は、今のこの時代ほど国民の皆様が国家、国ということを非常に意識をして、国が国民の皆様の、自分たちのために何をしてくれるんだろうかということを強く意識している時代はないんだろうなというふうに思っております。
 言うまでもありませんけれども、三月の十一日に大きな大震災があって、津波がありました。それを受けて、国というものは私たちの生命、財産、どうやって守ってくれるんだろう、そのような意識を強く持ったんだろうというふうに思います。
 それから、社会保障につきましては、継続性ということがよく言われますけれども、これから医療なり年金なり、どうやって国が守っていってくれるんだろうという話もあろうかと思います。
 また、領土をめぐる問題点も非常に緊迫感を増しておりますので、国がそういったものをどう守ってくれるのか。
 更に言えば、先日の所信表明の中でもアルジェリアのテロの問題、それからインターネットのハッカーといいますか、その問題等々につきましても大臣の方から話がありまして、こういった国民の平穏な生活を脅かす重大な犯罪が多発する中、国はどうやって自分たち国民の生命あるいはその安心を守ってくれるんだろうと。こういったことで、恐らく国民の皆様は、国がどういうことをやってくれるんだろうか、自分たちの生命、財産を守るために何をやってくれるんだろうかと、やはりそういう強い関心を持っているのが今このときだろうというふうに思っております。
 その中で、これも大臣、所信で述べられておりますとおり、法務行政は法的な整備をして国民生活の安全、安心を支えるという重要な役割を持っているというお話がありました。まさにそのとおりだろうというふうに思っております。
 私も民間の企業におりましてコンプライアンスを対応しておりましたので、かなり前になりますけれども、企業不祥事が非常に多発をしたと、そのときに、やはり企業としてもただ利益を上げるということだけではなくて、企業の社会的な責任としてきちんと法を遵守していくんだという意味でのコンプライアンスが非常に求められて、各会社もそれを強化していったという時代があったかと思います。
 まさに、企業もそうですし、国民もきちんとした法ができればその法を遵守していく、そのことを国民としてもきちんとやっていかなければいけない、これがまさに今の時代だろうというふうに思っております。
 そこで、質問に移らせていただきたいと思いますけれども、私、企業におりますときに、どうしても法というものは後追いになってくるということを強く感じております。やはり社会はどんどんどんどん先に進んでいく。ただ、やはり法というものは、どうしても社会が動いていくその実態というものを後追いをしていって、法はどうしても社会が進んでいくその後を追って整備がされていくという、そういう側面を持っている。まあ宿命というふうに言っても過言ではないかと思いますけれども、そういうことがあるんだろうというふうに思っております。
 例えば、お金といいますか、支払に関しましても、以前は現金で払っていた、それがクレジットで払うようになった、今ではもう小銭を持たずに電子マネーで払うようになったという、こういう支払方法が異なってくれば、当然のことながら法規制も違ってくるということになってくるんだろうというふうに思っております。
 あるいは、これまでは売店に行って対面販売をしていた、直接交渉しながら物を買っていた。ただ、今はもうこれほどインターネットが発達をしてきておりますので、インターネットで売買ができるようになった。そうなると、対面とは違ってインターネットの販売に即した法の規制が必要になってくる、ただ、やはりこれもどうしても社会の実態というのが先、先、行くので法というものはどうしても後追いになってくる、こういう側面があるんだろうというふうに思っております。
 まず最初に大臣にお伺いしたいのは、このような、どうしても法というものは社会の実態を後追いをせざるを得ない、こういったことについてまず率直にどのようにお考えになっているのか、御所感を伺えればというふうに思っております。
#72
○国務大臣(谷垣禎一君) 今、磯崎委員がおっしゃいましたように、社会の状況というのは刻々と変化をしてまいりますから、法が必ずしも、変化の大きい時代であればあるほど法がそれをきちっとフォローできていないということも数多く現れるんだろうと思います。ですから、私、行政府におりましてこう言ってはなんでございますが、立法府におかれましても社会の状況にきちっとフォローしていくような的確迅速な立法作業をしていただくということは極めて大事なことではないかと思っております。
 しかし、他方、そうはいいましても、幾らそこで頑張ってもそこにギャップがある程度生ずることを否定するわけにはいきません。どうしても生じてくるということがございます。それをいろいろな法の運用、あるいは柔軟な解釈といいますか、弾力的な運用といいますか、そういうものでカバーをしていく必要が生じてくることも、これは当然あると思いますし、そういった努力もまた私は必要であると思います。
 しかし、他方、法律もいろんな法律がございますが、法務省が所管しております法律は、どちらかといいますと社会の基本法というものが多くございまして、その基本法はまた余り柔軟に、そのときそのときに、何というんでしょうか、余り便宜的に運用していると世の中の仕組み自体がゆがんできてしまうということもございます。
 特に刑事法の分野では、罪刑法定主義といった要請もございます。事前にやはりこういったことは刑罰で処罰されるんだということを明らかにしておかなければいけないということもございますから、したがって厳格な解釈を要求される、余り柔軟に融通無碍にもできないということがございます。
 そういったいろんなことがございますが、法務省としては、そういったことも社会の進歩を阻害しないように、できる限り取り組んでいくということではないかと思っております。
#73
○磯崎仁彦君 ありがとうございました。
 確かに、法によっていろいろ違っている面はあるというふうに思っております。今御答弁いただきましたように、特に刑事法については罪刑法定主義もあるんで、そんなに柔軟な運用も難しいだろうと、逆に、かえって阻害することになるだろうというお話も伺いました。
 他方で、例えば社会がどんどんどんどん動いていく、それに関連をしまして、世相なり社会通念といいますか、これもやはり時代で変わってくるということも恐らくあるというふうに思っております。
 私も、そんなに大学時代、法律を学んでおりませんが、例えばわいせつという定義につきましても、やはり世相が変わればその解釈というものも変わってくる。そして、同じ言葉であっても、あるときはこういう対応になるけれども、あるときは同じ文言であってもその対応が変わってくる、こういうことも恐らく社会通念あるいは世相が変わるという中で、同じ文言の中でもやはり解釈が変わり、取扱いが変わってくる、こういうこともあるだろうというふうに思っておりますけれども、その点についてはいかがでございましょうか。
#74
○国務大臣(谷垣禎一君) 当然そういうことはあると思います。
 日本が近代法を作りました当初は、特にフランス革命なんかの影響もございまして、裁判官は要するに法をしゃべる口である、つまり自由な解釈をしてはいかぬ、むしろ立法府の命じた、つまり国民主権が背景にある法律を厳格に適用すべきであると、こういう思想が強かったと思います。ところが、社会が変動してまいりますと、日本でいうと大正時代ぐらいからでございますけれども、自由法運動というのが起こってまいります。それは社会の変化に応じてもっと法の運用を自由にしなければいけないという運動が起こってまいりました。常にこういう繰り返しがあるんだと思っております。
 ですから、法律を運用していく場合、あるいは法律を制定する場合も、そういう世間の変化というものをどういうふうにとらえていくかという、それをきちっとフォローしていく努力が必要だろうと思っております。
#75
○磯崎仁彦君 ありがとうございます。
 これからは、先ほど前川理事もお話しになりましたところと共通するところでございますし、また立法府という国会に所属する私自身の自戒ということも含めての話になろうかと思いますけれども、やはり所信でも大臣述べられたとおり、今回、法務省からは既に五本の法律が国会の方に提出をされているところでございます。また、所信の中でも幾つか提出が予定をされている法案もあるということでございますし、また、法整備をしていかなければいけないということで、これからもう少し先だけれども、法案として予定をされている、これからやはりいろんな法案が提出をされる予定になっているということだろうというふうに思っております。
 そして、一つは、例えば衆議院の審議におきましても、再犯防止ということがやはり今のこの世の中で非常に重要な課題だということがございました。そういう質問も多々衆議院の方であったというふうに聞いておりますけれども、その中で、例えば今回提出をされる予定になっておる法案の中に、再犯防止対策ということで、例えば刑の一部執行猶予制度を導入をして保護観察の特別遵守事項の類型に社会貢献活動を加える法整備を内容とする刑法等の一部を改正する法律案及び薬物使用等の罪を犯した者に対する刑の一部執行猶予に関する法律案、これを今回国会に提出する予定というお話がございます。
 これは既に参議院の方先議ということで、一度提出をして可決をされて、衆議院の方に送られてそのまま廃案になったということでございますので、こういった法案につきましては既に審議もされておりますし、やはり再犯防止という観点から法務省としても成立が急がれるという法案だと思いますので、こういったものにつきましては、やはりできるだけ早く成立をしていくことが恐らく国民の皆様からも望ましいということだろうというふうに思っております。
 もう一つは、これは提出予定法案ということだろうというふうに思っておりますが、民事基本法の整備という中で、大規模な災害における被災地の復興を迅速かつ円滑に行うため、罹災都市借地借家臨時措置法及び被災区分所有建物の再建等に関する特別措置法の見直しを内容とする法律案についても今国会に提出する予定ということがおっしゃっておられます。
 これにつきましても、恐らくこれまで発生をした大規模な災害、これを受けて、やはりその復興のためにはこういう改正をしなければいけない、そういうやはりこれも社会のニーズというものを受けて、法務省の方で法制審議会を経てだと思いますが、法案を作り、これを提出をされようということだろうというふうに思っております。
 恐らく今の状況からすれば、大災害というものは明日起こるかもしれないという、そういう状況だろうというふうに思っておりますので、やはり国民の皆さんが望んでいるということからすれば、こういったやはりある過去の事案というものを教訓としまして、それにやはりもう一度起こったときには速やかに対応するための法律というものは、やはりいつ災害が起こるか分からないという前提に立てば、できるだけ早く成立をさせるというニーズが間違いなくある法案なんだろうというふうに思っております。
 そういった意味では、これは立法府の責任だと、やはり政局ばかりやっていないで法律を通すことにもっと国民の皆さんからすれば尽力すべきだというお話があろうかと思いますし、先ほど前川理事の方からは、いや、こういう法案については決して進めることを反対しないんだという有り難いお言葉もいただいたわけでございますけれども、やはり行政府としましても、立法府に提案した以上は、あとは立法府の問題ということではなくて、やはり提案をした以上は何とかして早く通してもらいたいというか、そういった強い気持ちをやはり正面から打ち出していって、立法府と協力をしながら法律の早期成立に向けて努力をしていくべきではないかなというふうに思うわけでございますが、その点についてはいかがお考えでございましょうか。
#76
○国務大臣(谷垣禎一君) 今、磯崎委員から役所も気合を入れてこの国会に臨めと、こういう、委員会審議に臨めとハッパを掛けていただいたんだと思っております。
 今御指摘のありました再犯防止をどう進めるか、あるいは復興に障害となるような制度はどう改正していくべきか、あるいは国際的な子の連れ去り、いわゆるハーグ条約関連の法案でございますが、そういったもの、それから、私の京都で起こった事件でございますが、亀岡で大変、無免許運転で悲惨な結果が出るものがありました。そういったものに、危険運転をどうしていくかといった、いずれも国民の間からも要望されている法案がたくさんあるわけでございます。
 私としては、是非是非この委員会でも速やかに御審議をいただき、速やかに採決をしていただきたいと存じますが、法務省として、あるいは私としても気合を入れてこの委員会審議に臨ませていただいて、丁寧、誠実に御答弁をしてまいりたいと、このように思っております。
#77
○磯崎仁彦君 ありがとうございました。ちょっと言葉が過ぎたところはお許しをいただきたいなというふうに思います。
 それから、最後ですね、法務行政の基本姿勢ということで最後一点質問させていただきたいと思いますが、これは先ほどの御答弁の中でもいただいたわけでございますけれども、やはり社会と法との間にはどうしてもギャップが生じてくる。特に今のこの世の中、非常にスピード感を持って社会が進んでいきますし、逆にその法案というものが、ともすればやはりなかなか成立できないという現実がある中で、そのタイムラグというのはどうしてもどんどん広がっていく傾向にあるんだろうなというふうに思っております。
 そういった意味では、先ほど、そのギャップを埋めるためには、例えば法の運用であるとか柔軟な解釈という、そういうことによってそのタイムラグを埋めるという幾つかの方策を示していただきましたけれども、再度、このギャップを埋めるためにどのような方策が考えられているのか、あるいはまた、これまでの事例からして、こういったことをやってきたといったようなことがもしあれば最後に御答弁をいただければというふうに思います。
#78
○国務大臣(谷垣禎一君) ちょっとうまく磯崎委員の御質問に答えるだけの準備がないわけでございますけれども、今までも随分判例の変遷等もたくさんございました。大きな解釈の変動も幾つもあったわけでございます。それから、いろいろ、何というんでしょうか、役所の方でも、法令は変えられなくても政令や省令を変えていくということはもっと迅速にできるはずでございます。そういった辺りを活用してやっていくということではないかなと思います。
#79
○磯崎仁彦君 ありがとうございました。
 いろんな方策で、できるだけ社会と法とのギャップを埋めるような、そういう努力をしていただければ有り難いなというふうに思っております。
 それでは、次の質問に移らさせていただきたいと思います。
 法教育についてでございます。
 平成二十一年から裁判員制度が導入をされまして、国民が直接司法に参加をするといったようなことが今起こっているということでございます。さらに、憲法改正国民投票法では、まだこれは宿題ということが解決をしていないわけでございますが、十八歳以上の国民に投票権が与えられるということで、今の二十歳の選挙権から二歳若返って憲法の国民投票の投票権が与えられるというふうな法律もできているわけでございます。そして、社会を見てみますと、いろんなやはり現実、トラブルが発生をしている、あるいは振り込め詐欺といったような新たな犯罪の手口も出てきているという中で、やはり紛争に巻き込まれないための備えを行っていくという観点、あるいは紛争に巻き込まれた場合に適正な解決を図っていくという観点、さらに言えば、裁判員制度にありますように、自ら司法に能動的に参加をしていく、こういったいろんな観点から法教育は非常に重要だろうというふうに私は考えております。
 そういった意味では、大臣の所信の中でも法教育は不可欠のものというふうなお話もいただきましたが、法務大臣の、法教育の必要性についてどのようにお考えになられるのか、御見解をいただければというふうに思っております。
#80
○国務大臣(谷垣禎一君) 今委員が御指摘になりましたように、数年前に司法制度改革というものをやりまして、裁判員、一般国民の方にも裁判員として司法に参加していただくようになったと、そうなればますます法教育というものは必要になってくると、これは当然のことだろうと思います。
 しかし、より大きく考えますと、近代社会の成立というのは、一方で事実の世界のほかに、それの規範、法の制度、システムというのがあって、法というものは権力者から与えられたものではなくて、権力者であろうともその法の支配に服する、これがやはり近代社会の根本としてあったのではないかと私は思います。
 今、途上国のいろいろな大使とお話をしておりましても、いろんな問題を解決していくときに、やっぱり法の支配という観点をきちっと貫徹していければ、その社会は、その国家は伸びていくことが、国際的な認知も受けて伸びていくことができると。まず、そういう観点を、これはもうむしろ今の法教育というよりか、我々の教育の中でも社会科とかいう中で行われてきた一番基本ではないかと思いますが、そういう認識が根本に必要だと思います。
 それで、そういう意味での民主主義社会、市民社会、あるいは法の支配というものがある程度成立していった後でいろいろ考えなきゃならぬことは、今委員が指摘されたとおりでございます。自由で公正な社会をつくっていかなきゃいけない、それは何なんだと。様々な考え方を持つ多様な人々が相手を認めていく、互いを認めていく、尊重し合いながら共存していく、こういったことも法教育の私は非常に大きな内容ではないかと思います。そして、一人一人が主権者としてそういった法の意義、近代社会の成り立ちというものを理解していただくということではないかと思います。
 こういう認識、能力をいかに育んでいくかということ、これはもちろん教育の問題、文部科学省の問題でもございますけれども、法務省としても積極的に取り組んでいかなければならないと存じます。
#81
○磯崎仁彦君 ありがとうございました。
 自由で公正な社会の担い手というお話もありましたが、この法教育につきましては、平成十五年の七月に発足をした法教育研究会、これが二年間で報告書を提出をして、それを引き継ぐ形で法教育推進協議会の議論が行われているというふうに理解をしております。この議論の内容、それから今、法教育がどういう現状にあるのかということについて簡単に御説明をいただければというふうに思います。
#82
○副大臣(後藤茂之君) 今委員御指摘のように、司法制度改革審議会意見書を受けまして平成十五年七月に法教育研究会が発足しております。そして、平成十六年十一月に報告書を取りまとめているわけでございます。
 この報告書におきましては、我が国における法教育について、国民一人一人が自由で公正な社会の担い手として法の基本原理や司法が果たすべき役割について理解し、法を主体的に利用できる力を養うことが必要だということが指摘されておりまして、これはまさに委員から御指摘をいただいたとおりの内容でございます。
 それに従いまして法教育で目指すべき内容を具体化した教材等を作っているわけでございますが、その後、法教育推進審議会におきまして、平成十七年五月から法教育の今度は普及に向けたより一層の取組を進めるという観点からの検討を行っております。平成十九年には、それまでのいろいろな協議の経過について取りまとめた、そういう事項についても中間報告を取りまとめて公表をしているわけでございます。
 法教育推進協議会の下に、これは関係者、すなわち教育や司法分野におけるいろいろな関係者を集めまして、法教育の在り方についての更なる検討を進めていく会、そうしたものを設置して、裁判員制度を題材とした教材等の内容についての検討も行っております。
 また、新学習指導要領等につきましても、法教育推進協議会におきまして、学習指導要領の改訂等にも盛り込むと、そういうような形で議論を進めているところでございます。
#83
○磯崎仁彦君 ありがとうございました。
 今の安倍内閣の下では、規制改革会議ですか、これを設けて、規制改革ということも今話題に上っているわけでございますが、そうなりますと、事前の規制を見直すということになれば、国民の生活はますます自由になっていくといろいろ抵触する場面が出てくるということになろうかと思います。また、グローバル化によっていろんな考え方の人が契約に携わっていくということになれば、紛争は拡大をしていく可能性があるんだろうというふうに思っております。そういった意味では、そういう中で法教育の重要性というのはますます高まっていくんだろうというふうに思っております。
 それともう一つは、平成十八年に、前の安倍政権の下でございますが、先ほど副大臣からも新指導要領の中に入れていただいたというふうな話もありましたが、教育基本法の改正の中で教育の目標というものが設定をされたわけでございまして、この中には、「個人の価値を尊重して、その能力を伸ばし、創造性を培い、自主及び自律の精神を養う」といったような言葉であるとか、「正義と責任、男女の平等、自他の敬愛と協力を重んずるとともに、公共の精神に基づき、主体的に社会の形成に参画し、その発展に寄与する態度を養う」といったような教育の目標が入っておりまして、やはりこういった改正された教育基本法にこの法教育というものは沿った形になってくるんだろうというふうに思っているわけでございますが、最後に、この法教育の問題につきましての最後の質問でございますが、やはり私は、いろんな教育が今ありまして、例えば消費者教育であるとか金融教育、あるいは、いろんな成長とか発展の段階ごとにやっぱりそれぞれ見合った法教育というのはあるんだろうというふうに思っておりますし、あるいは、学校だけではなくて、地域であるとか企業であるとか、やっぱりいろんなシチュエーションでこの法教育は実施をしていくべきだろうというふうに思っておりますが、こういう観点を踏まえて、これからの法教育の方向性といいますか、在り方といいますか、こういったものについて、何かあればお示しをいただきたいというふうに思います。
#84
○副大臣(後藤茂之君) 今委員から御指摘をいただきましたとおりで、法教育ということをとらえましても、いろんな局面におきましてその在り方、重要性は変わってくるというふうに思っております。
 初等教育におきましては、やはり決まりを守るだとか、お互いに相手の意見を尊重してしっかりとした問題解決を進めていく、そういうことを教えていくということも重要でございましょうし、それから、裁判員制度も開始されて、国民一人一人が法律的問題の解決に参加をするという形の教育も重要であろうと思っております。
 さらに、今御指摘をいただきましたように、単に学校における法教育だけではなくて、社会において、社会人になっても法教育、いろんな形で今後法教育授業を広く進めていく必要があるというふうに思っておりまして、委員のおっしゃることをよく踏み締めてやってまいりたいというふうに思っております。
#85
○磯崎仁彦君 それでは、最後の質問の項目に移りたいと思いますが、最近、少年の凶悪な犯罪といいますか、これが発生をしているように思うわけでございますけれども、まず大臣にお伺いをしたいと思うんですが、先日、二月の二十八日に、吉祥寺で女性が少年に刺殺をされるという、そういう痛ましい事件が発生をしたわけでございます。この事件につきましては、その後の週刊誌の中でいわゆる実名、あるいは写真の報道というものがなされたという事実がございます。
 やはり、報道の自由といいますか、それと国民の知る権利との間で、この少年法の六十一条の問題につきましてはこれまでもいろんなところで議論をされてきた問題だろうというふうに思っておりますが、大臣は今回の、具体的な案件ということではなくて結構でございますので、この少年法の六十一条、少年犯罪における実名、それから写真、こういった報道についての在り方ということについて御見解をお伺いをしたいというふうに思います。
#86
○国務大臣(谷垣禎一君) 少年法六十一条、今お挙げになった法律は、何というんでしょうか、少年は人格もまだ形成過程にあると、固まり切ったわけではないと、したがって、憎むべき罪を犯したとしても、その辺りを十分に考えながら対応を進めていこうという観点から、少年の犯罪に対する出版、出版といいますか表現というものを規制することによって、もう、あっ、あの子がやったんだというようなことが世間に流布してしまうようなことを避けたい、その少年の再起に妨げになるようなことは避けたいと、こういう立法趣旨で作られているのではないかと思っております。
 こういう少年法六十一条というものはあるわけでありますが、今まで耳目を聳動するような、世間を驚かすような事件が起きますと、この少年の実名、写真が出てくるということもしばしばあったことは事実でございます。しかし、私は、やはりこの六十一条の趣旨というのを踏まえて、成人の事件の場合と少年の事件の場合にどうするか、これは報道機関にもよくよく御配慮をお願いしたいと思っているわけでございまして、今度こういう形で六十一条の趣旨に反する報道があったことは甚だ遺憾に思っております。
#87
○磯崎仁彦君 ありがとうございました。
 少年犯罪の特殊性というか、人格形成過程であるということを配慮しての立法趣旨ということがございましたが、大臣の所信表明の中でも、少年法の改正につきましても、法制審の答申が出て、整備を進めていきたいといったような所信表明があったかと思いますが、この少年法全体を通じまして、やはりそういった少年としての特殊性というものを勘案をして、刑等々につきましても成人とは違ったような配慮といいますか、そういったことがなされているわけでございますが、今回法制審の方から答申をされた少年法の改正の内容につきまして簡単に御紹介をいただければというふうに思います。
#88
○国務大臣(谷垣禎一君) 平成二十年改正の少年法の施行状況の検討結果、どういうふうに施行されているかというのを検討いたしまして、その中で、被害者団体の関係者あるいは刑事法研究者、弁護士等々から少年法全体について見直しを要するという、考えられる事項について御意見をいただき、その上で、平成二十四年七月に犯罪対策閣僚会議で再犯防止に向けた総合対策の中でも、再犯防止のために、少年・若年者及び初めて、初入者に対する指導及び支援を行うことが求められておりまして、そういったことを踏まえまして法制審議会に御議論をお願いし、今年の二月八日に答申をいただいたわけでありますが、大きくいうと二つの内容がございます。
 一つは、家庭裁判所の裁量で国選付添人制度、それから検察官関与制度の対象事件の範囲を拡大しようということが一つでございます。それから、もう一つは、少年に対する刑事処分の規定につきまして、不定期刑の長期と短期の上限をそれぞれ五年引き上げて十五年と十年とすると、不定期刑というものを少年の場合もう少し重視していこうということでございます。そういう方針をいただきましたので、できるだけ早くこれを法案化、法律化して国会に提出してまいりたいと考えております。
#89
○磯崎仁彦君 それでは、最後の質問にさせていただきたいと思いますが、今の少年法の改正についての答申があって速やかにというお話ありましたが、私は、少年犯罪に関しましては、やはり少年法のみで当然対処できるわけではなくて、やっぱりいろんな、先ほど申し上げました法教育であるとか倫理教育であるとか、いろんな総合的な面で少年犯罪というのは抑制、抑止していく必要があるんだろうと。やはり、総合的な政策が必要なんだろうというふうに思っておりますが、少年犯罪を少なくしていく、あるいはその凶悪化を防いでいくという観点から総合的な政策を取っていくということについて最後、御見解をいただいて、私の質問を終えたいというふうに思います。
#90
○国務大臣(谷垣禎一君) 今お話がありましたように、少年犯罪につきましても、単に少年法改正というだけではなく、総合的な対策を講じていくということは極めて大事なことだと思います。これは少年犯罪だけに実はとどまるわけではありませんで、再犯防止ということを考えていくためにも、判決の在り方、あるいは施設での処遇の仕方、再教育の仕方、さらに社会に戻ったときにどうやって再び罪を犯さないようにするかというふうな総合的な対策がなければなりませんが、少年においても、先ほどのような人格のまだ形成途上にあるということを考えますと、総合的な対策がなければならないと思います。
 法務省の省内でも、刑事局で少年法を立法するというだけではなくて、保護、矯正、連携が必要であることはもちろん、少年院等の矯正施設をどうしていくか、あるいは保護観察、これは保護観察所は保護局が担当しているわけでありますが、こういう更生保護機関等が相互に連携するということが必要でございましょうし、さらには、警察、少年事件に対して警察がどう対応するか。もちろん、家庭裁判所の審判がどうあるか。それから学校ですね、これはもちろん協調、協力がなければなりません。それから、福祉との関係というものも極めて必要でございますから、厚生労働省所管のいろいろな施策との連携というものも必要だと思います。
 そういう全体的な、視野に入れながら少年法の改正も取り組んでいかなければいけない、また、そういう連携も更に留意していかなければいけないと、このように考えます。
#91
○磯崎仁彦君 ありがとうございました。
 これで、ちょっと早いんですが、終わりたいと思います。
#92
○委員長(草川昭三君) 午後一時に再開することとし、休憩いたします。
   午後零時二分休憩
     ─────・─────
   午後一時開会
#93
○委員長(草川昭三君) ただいまから法務委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、法務及び司法行政等に関する調査を議題とし、法務行政の基本方針に関する件について質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言をお願いします。
#94
○魚住裕一郎君 公明党の魚住裕一郎でございます。
 谷垣大臣の御就任、誠におめでとうございます。
 私も、ここ一年四か月、一年半ぐらいですか、法務委員会におりまして、何か法務大臣の所信に対する質疑ばっかりやっているといいますか、大臣がたくさんお替わりになるものですから、そのたびに。谷垣先生には、もう長くしっかりやっていただきたいなと。誠実なお人柄で尊敬申し上げておりますので、しっかり応援をさせていただきたいと思っているところでございます。
 まず最初に、成年後見に関連して質問をさせていただきます。
 去る三月十四日、東京地方裁判所民事三十八部におきまして、原告、名児耶匠さんという方でございますが、原告が次回の衆議院の議員の選挙及び参議院議員の選挙において投票することができる地位にあることを確認するという、そういう勝訴判決が出されました。いわゆる公職選挙法十一条一項一号におきまして、成年被後見人は選挙権を有しないと、こう規定しているところでございますが、この判決におきましては、この同条同項同号が憲法十五条一項及び三項、四十三条一項並びに四十四条ただし書に反し違憲であるということを明確に判断をしたものでございまして、ある意味では画期的なといいますか、歴史的な判決であったものでございます。
 この判決は、選挙権の重要性につきまして確認をした上で、成年被後見人から選挙権を剥奪するには、平成十七年の大法廷判決と同様、やむを得ない事由がある場合、すなわち成年被後見人から選挙権を剥奪することなしには選挙の公正を確保しつつ選挙を行うことが事実上不能ないしは著しく困難であると認められる場合に限られると。そういうふうにした上で、成年後見制度の理念や、成年被後見人であっても選挙権を行使できる人が少なからず存すること、仮に成年被後見人に選挙権が与えられた場合についてもその行使に伴う弊害が見出し難いこと、及び国際的な潮流などを考慮した上で、成年後見制度を借用することはやむを得ない事由がある場合とは言えないというふうに判断をしたものでございます。
 裁判所、下級裁判所ではございますけれども、世界の趨勢にのっとった判断をしているわけでございまして、この違憲の条項を放置したといいますか、これは立法府の責任も大きいというふうに私自身も大いに反省をしているわけでございますが、新聞記事等を見ますと、総務省の見解として、法務省とよく相談して対応するというふうに書かれているわけでございますが、この判決自体に対する大臣の御所見をお願いをしたいと思います。
#95
○国務大臣(谷垣禎一君) 今、魚住委員がおっしゃった判決ですが、私は国の訴訟担当者でございまして、従前、この訴訟において、国側の主張としては、選挙権の行使に最低限必要な判断能力を有しない者に選挙権を付与しないとする立法目的には合理性があると、その上で、成年被後見人とは家庭裁判所の審判によって事理を弁識する能力を欠く常況にあるとされた者であり、選挙権の欠格事由として成年後見制度を借用することも一定の合理性があって、公職選挙法の規定が憲法に違反するとまでは言えないんではないかという主張をしてまいりました。
 それに対して、この東京地裁の判決は、今、魚住先生がおっしゃったような判示をしたと。前提として、選挙権を行使するに足る能力を具備していないと考えられる者に選挙権を付与しないとすることは立法目的として合理性を欠くものとは言えないとしましたけれども、おっしゃったような判示をしたということでございまして、これは国の今までの主張に対して裁判所の厳しい判断が下ったものだと、このように思っております。
#96
○魚住裕一郎君 今大臣の御所見承りましたけれども、画期的とは言っても、先ほども申し上げましたように、世界の趨勢と言っても過言ではない、あるいは欧米等で、立法でこのような禁治産あるいは成年後見であっても選挙権を付与するといいますか、そういうような状況になっていることから考えますと、遅きに失したというふうに私たち立法府としても反省をしなければいけないなというふうに思っております。
 ところで、これ判決でございますものですから、控訴期限が今月の二十八日でございます。上訴をするのかどうかという形になるわけでございますが、おととい、お父さん、また原告本人にも、お母さんにもお会いをさせていただきました。二〇〇七年にお嬢さんをこの成年後見という制度で利用させてもらって、お父さんが後見人に就任されました。そうしたら、その後、選挙はがきが来ないと。本人の思いは、成年後見、被後見人の財産とかあるいは能力を補充するというかそういう制度であるはずなのに主権者でなくなってしまったという、そういう思いがあるわけでございます。お父さんが八十一歳、お母さんが八十歳だと思いますが、三人でまた選挙に行きたいと、こういうふうに述べておいでになったところでございまして、私は、先ほど申し上げたこの判決書きの要旨をしっかり読ませていただきましたけれども、本当に理のかなった内容でございまして、これやっぱり、このまま控訴してそういう状況を日延べすること自体が正義に反するのではないのかなというふうに思うところでございまして、各所でよく御相談することはもちろん、政治的判断もあろうかと思っておりますけれども、上訴の、是非控訴をしないでいただきたいという、そういうような、そして一日も、違憲な状況を変えてもらいたい。
 また、場合によっては議員立法でこの公選法の条項を削除しようとは思っておりますけれども、上訴の見通し等につきまして、法務大臣の御判断を承りたいと思います。
#97
○国務大臣(谷垣禎一君) 今おっしゃったように、三月二十八日が控訴期限でございます。
 それで、私は国の訴訟担当者ではございますが、選挙法に関しては、もちろん国会議員でもございますから国会でどういう選挙法に議論していくかというのはございますけれども、法務大臣としては選挙法そのものは直接所管しているわけではありません。したがいまして、担当している総務省等ともよく協議して方針を決めたい、まだ率直に言って決めているわけではありません。
 一方では、今おっしゃった判決の理由というものがございます。他方、このまま一審で、ほかにも類似の訴訟が係属している中でこのまま確定させていいのかという議論もあることも事実でございます。よく全体を見ながら判断してまいりたいと思っております。
#98
○魚住裕一郎君 もう一点、成年後見制度の利用促進についてお伺いをしたいと思います。
 平成十一年に民法の一部改正によって成年後見制度が設けられたわけでございますが、それまでは禁治産とかそういうことでございました。これ、趣旨は、高齢者あるいは知的障害者あるいは精神障害者等をめぐって社会状況に大きな変化が生じたことに鑑みて、これらの者の自己決定の尊重、残存能力の活用、そして障害のある人も通常の生活をすることができるような社会をつくるという、ノーマライゼーションというそういう理念に基づいてつくられたわけでございますが、私、昨年の衆議院の選挙から防災・減災ニューディールとか、わあわあ言わせてもらっておるわけでございますが、この成年後見制度、これから高齢社会どんどん進展していく中で、本当に大事な社会インフラだと思っておりまして、成年後見になってしまうと選挙権なくなるよということ一点で、この利用をためらう人もいるという状況にあるということをまず認識をしていただきたいと思っておりますし、また、家庭裁判所あるいは弁護士さん、あるいは司法書士さん、それだけではなくして、さらに国あるいは地方公共団体や民間団体や、そういう関係者に多く参加をしていただいて、この成年後見制度の利用促進をしていく、これが本当に今要請されているんではないのか。
 我が党において、そういう促進法案の骨子を作らせていただいているところでございますが、法務省におかれましては、この利用促進について、お考えございましたら御答弁をいただきたいと思います。
#99
○国務大臣(谷垣禎一君) 今、魚住委員おっしゃったとおり、高齢化等が進んでまいりますと、今までの禁治産とか、ああいう制度ではいかにも硬直しておりまして、こういう成年後見制度というものの時代的意義は私は非常にあるのではないかと思っております。したがいまして、これの利用促進というのを図っていくことは極めて大事でございまして、制度の仕組みを分かりやすく解説したパンフレット等々を作って理解の促進に努めていく、これからもこれは制度の周知に努めていかなければならないと思っております。どうぞよろしくお願いをする次第でございます。
#100
○魚住裕一郎君 次に、話題を変えまして、今週末ですか、大臣、東北の方に御出張されるというふうに承っているわけでございますが、それに関連して話を聞かせていただきたいと思います。
 先ほどもございましたが、所信の中でもございました罹災都市法ですね、あるいは被災マンション法の改正が予定をされているわけでございますが、内容的には、優先借地権制度の廃止、あるいは被災マンションの取壊し議決の要件の緩和、全員の合意から五分の四ですか、と緩和するとかということが盛り込まれているわけでございますけれども、被災地の復興につきましていろんな隘路がある、これも一つの隘路だと思うんですね。全員の同意がなきゃ次の段階に行けませんよと。
 だから緩和しようということではあるわけでございますが、迅速、円滑な復興を求める余り被災者が不利益を被るようなことがあれば、またこれ一方で本末転倒だと思っておりまして、この迅速、円滑な復興と、この被災者の救済とのバランスが一番大事ではないのかなとは思うのでございますが、あるいは場合によっては先ほど言った五分の四というのはバランス取った数字なのかもしれませんけれども、この辺のバランスの取り方について法務大臣の御所見をお伺いをしたいと思います。
#101
○国務大臣(谷垣禎一君) 罹災都市法の方は、これも随分古い法律でございますが、家屋等が焼失、倒壊等々したときに、借家人に直ちに借地権を与えてしまおうと、そうすると、過大の権利を与えてかえって物事が動かなくなってしまうということが今まで指摘されてまいりました。
 それから、被災マンション法の方は、全員の同意を取り付けていかなければならないんではとても復興がおぼつかないというので、今御指摘いただいたように、五分の四の多数決でできるようにしようという内容でございまして、確かにそれは五分の一の方が反対をしたら、その反対を押し切ってもやるという制度でございまして、権利を時価で買い取るということをする仕組みになっております。
 今おっしゃったように、権利者の迅速さを尊ぶ余り権利者の全く利害を考慮しないというのでは、これは制度としては行き過ぎであろうと思います。この細部の仕組みも十分バランスを取ったものにしなければならないと思いますが、五分の四というのがいいのか悪いのか、これもいろいろ議論があると思いますが、今復興を進めるという観点からいえば、ここらが一つのバランスの取り方かなと私は思っております。
#102
○魚住裕一郎君 週末には法テラスにも行っていただけるというお話でございますが、大臣、被災者の二重ローンの問題でございますけれども、二十三年の八月から個人版の私的整理ガイドライン、いわゆる被災ローン減免制度が運用されているところでございますが、今年の三月一日時点では私的整理の成立件数が二百七十四件にとどまっているという状況にございます。
 制度上の問題等が指摘されている。例えば、金融機関が主導の運営のためになかなか合意に至らないというようなこともございますが、そもそも制度を知らないといいますか、ということもあって、せっかく法テラス、しっかり法務省で支えているわけでございますので、金融庁所管なのかもしれませんが、やはり何らかの方策を講じて制度の周知に協力すべきだというふうに思っておりますが、法務大臣の御所見をお伺いをしたいと思います。
#103
○国務大臣(谷垣禎一君) 今御指摘になった二重ローン問題に関しての個人版私的整理ガイドライン、これは破産手続などを使いますと大変な不利益を、破産と認定されれば不利益を被ってしまうと、そういうことで、そういう不利益がないようにいろいろ工夫をしたものでございますから、周知徹底をしてこの利用を促進していく必要があることは言うまでもないと思います。それをするのに一つは、私も今週末、大船渡の法テラス気仙の開所式に出席する予定でございますが、日本司法支援センターの法テラスというのを活用していくというのは私は極めて大事な手段だと思っております。
 こういった法テラスの業務の利用を通じて、被災ローン減免制度の一層の利用を図っていただきたいと思っておりまして、この減免制度や法テラスの業務内容に焦点を絞った広報をこれから重点的に実施していく予定でございまして、今その準備を進めているところでございます。またこれもいろいろ御支援をいただきたいと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。
#104
○魚住裕一郎君 再建について、やはり個々人の借金が過重になってしまうと。阪神・淡路のときもそうであったわけでございますが、しっかりそういうフォローできるようにしていきたいなと思っております。
 続きまして、少年院にも行っていただくということでございますので、それに関連いたしまして、新聞報道では会計検査院の指摘が実はありました。少年鑑別所の検査したところ、一般相談のための専用棟の利用状況は極めて低調であったと、こういう指摘がございました。
 一般相談というのは、少年鑑別所の職員である臨床心理学等の専門家が地域社会の青少年の健全育成のため、少年本人のほか、子供の問題で悩んでいる保護者や学校の先生などの相談を受ける、こういう制度であるわけでございますが、これ、法務省としては広報活動をしっかりやってもらいたいと思っておりますが、この余りにも低い利用率、原因は一体何なのか。人的体制の不備ということなどのほかにも考えられる要因があるんではないかということでございますが、御所見を承りたいと思います。
#105
○国務大臣(谷垣禎一君) 今おっしゃったように、この一般相談というのは個人であるとかあるいは学校の先生方、一般の方から依頼に応じて、この子をどうしていったらいいかというような御相談に応じるものでございますが、大体年間千件以上あることはあるんです。しかし、来ていただいて相談に乗るというのは、実は千件以上あるというけど、その三割程度でございます。それで、その背景には何というんでしょうか、鑑別所に来るということに、来ていただくのにやはり心理的な抵抗があるのではないかと、だから電話で相談しようと。しかし、実際に親身に相談に乗るためには来所していただく方が電話よりもいいことは明らかでございます。
 ですから、こういう来所による一般相談の利用につながるような広報、積極的にやっていかなきゃなりませんし、また少年鑑別所の方でも、それに来ていただきやすいような雰囲気をつくるという努力をしなければいけないと思います。
#106
○魚住裕一郎君 それで、少年鑑別所法案というのがあったわけでございますけれども、これは少年矯正を考える有識者会議、この提言を受けて、いろんな少年鑑別所の機能を地域で活用していこうと、こういうようなことであったと思いますが、別にこの趣旨は法案の成立いかんにかかわらず実行できると思っておりまして、この少年鑑別所の機能の活用について大臣の御所見を承りたいと思います。
#107
○国務大臣(谷垣禎一君) 少年鑑別所は、やっぱり少年非行に対して今まで経験も持っておりますし、役立つ知見というものを相当蓄積していると考えておりますので、地域社会における非行や少年犯罪の防止には相当寄与することができると、このように思っておりますし、また期待もしているわけであります。
 それで、今立案中のこの少年鑑別所法案では、地域社会における非行あるいは犯罪に関する問題について、少年あるいは保護者、その他の方々からの相談に応じるだけではなくて、非行及び犯罪の防止に関するいろいろな機関等の求めにも応じて技術的助言などを行うということを今検討しているわけでございます。
 地域においてこういう非行や犯罪を抑止することができるように、学校等の教育関係、青少年の育成あるいは福祉等々との連携も十分図りながら、この一般相談の積極化というものをやって活用していただけたらと思っています。そのための努力を私どももしなきゃいけないと思っております。
#108
○魚住裕一郎君 次に、刑務所にも行っていただくということでございまして、刑務所に関連してお話を承りたいと思います。
 府中刑務所の看守さんが、受刑者に覚醒剤の購入を依頼されて関西まで買いに行って渡したと、そして逮捕されると、そういう報道がございました。全く信じられないような、何か弱みを握られたのかなみたいな、思っているわけでございますけれども、既に大臣として、全国の受刑者、それから刑務官の所持品検査、刑務官の所持品検査というのはどういうことなんだろうと思っているわけでございますが、この事案の原因究明、再犯防止に向けてどのように取り組む所存なのか、大臣にお伺いをしたいと思います。
#109
○政府参考人(西田博君) まず、この度、府中刑務所の事案を発生させまして、多大なる御心配、御迷惑をお掛けいたしました。おわび申し上げたいと思います。
 お答えいたします。
 今回の事案の発生を受けまして、大臣からの指示もございましたので、まずは緊急業務点検ということを行いました。この内容は、先ほどございましたように、受刑者が生活し、就業するような全ての場所において、そこにあってはいけないものがあるのではないかというまず点検を行うこと、それから、職員が許可されていない物品を所内に持ち込んでいないかどうか、そういった点検を行いました。
 あわせて、暴力団関係者等、非常に処遇に留意を要する受刑者の処遇がどういう状況にあるのかということも併せて点検をさせました。
 それで、次に、これも業務点検の指示を出しただけでは駄目でございますので、まずはブロック機関の長でございます矯正管区長を緊急に招集いたしまして、府中刑務所長から事案の内容をつぶさに説明させた上で、管内施設のそういった点検がきちっとできているかどうか、そのフォローアップをするようにも指示をいたしました。
 今後の対応でございますけれども、まず当該受刑者、当該職員が捜査機関によりまして捜査の対象となっておりますので、その行方を見守らなければなりませんけれども、どういった問題があったのか、そういった問題点を抽出いたしまして、どういった方法で、具体的にどういった再発防止策ができるかどうか検討いたしまして、きっちりと再発防止に努めたいと考えておる次第でございます。
#110
○魚住裕一郎君 これが本当に続くんですね。
 そのほか、今年に入って公表された分だけでも、細かく取り上げるのは余り気持ちいいものではありませんけれども、余りにも多いからきちっと議事録に残しておきたいと思います。
 平成二十五年一月公表分では、二十四年十月、長野拘置支所、副看守長が収容をされている女性に対してわいせつ行為をしたということで懲戒免職になっている。それから、仮釈放が取り消された受刑者の服役の起算日を間違え、六十一日間長く収容されていたということがございました。これは横浜の拘置支所と府中刑務所ですか。今年の二月の公表分でいえば、平成二十一年から二十四年にかけて、大阪拘置所の主任矯正処遇官が、被収容者が発信、受信すべき手紙、八十二通の手紙の検査を怠り、発覚を避けるために自宅に持ち帰るとともにうその報告をしていた。今月公表分でいえば、平成二十年から二十二年までの間、笠松刑務所の看守が、刑務所内で保管すべき受刑者あての手紙百三十通をシュレッダーに掛けて破棄した。何ですか、これは。また、松江刑務所の看守長が受刑者六人に暴行を加えたとして、特別公務員暴行陵虐容疑で書類送検。また、福島刑務所内において、受刑者が医師の診断、診療を希望するにもかかわらず、九か月にわたり診療を受けさせず、その間、医師の診断に基づかないまま向精神薬などの薬を処方していた。もう一件、札幌刑務所において、受刑者に暴行を加え、その事実を隠蔽するためにうその実況見分調書を作成したとして書類送検された。
 何か言葉に出して言うのも残念至極といいますか、矯正は一体何やっているんだと。この当委員会でも、昔、名古屋の事件で人が亡くなったということがあって、行刑運営上の問題があらわになったわけであって、それを受けて行刑改革会議がつくられたんじゃないんですか。それで十五年の十二月に行刑改革会議の提言が取りまとめられて、監獄法に代わって刑事収容施設法が制定されたと。この法の趣旨が一体どこに生きているんですか。
 結局、その趣旨をしっかり職員に教育するというか意識改革を図っていくということが一番大事であって、大臣のこの点についての御所見をいただきたいと思います。
#111
○国務大臣(谷垣禎一君) 今、御指摘のような不祥事が起きて、私は大変申し訳ないことだと思っております。どの事件も大変けしからぬ事件でございますが、最初におっしゃった、なかんずくその府中刑務所の受刑者に覚醒剤を渡すなんというのは、全く言語道断としか言いようがない事件でございます。
 私としても、早速きちっとした点検をするような指示をしたわけでございまして、先ほど委員がおっしゃいましたような、刑務官に対する所持品検査というようなことまでやるという、これも私は一つだとは思っております。
 そして、いろいろ御引用になりました平成十五年の会議の提言等も、それは初心に返ってもう一回きちっとやらなきゃいけないわけでございますが、私としては、それと同時に、やっぱり職場の雰囲気としまして、何というんでしょうか、例えば、確かに若い、府中の場合なんかは若い刑務官でございます。若い刑務官がといって、そういう言い方をしてはいけないかもしれませんが、やっぱり収容者の中には、言葉はちょっと選んで申し上げなきゃなりませんが、刑務官をうまく乗せるというか籠絡するというのか、それはもう大変やっぱりたけた者がおることもこれは事実でございます。そういう若い刑務官が何か失敗を、失敗したな、まずいなと思ってそれをそのままやっていけば、これはますます弱みを握られて深みにはまるということになりまして、失敗したなと思ったときにすぐ上司に相談できるというか、そういう体制がなければ、やはりなかなか刑務所をコントロールしていくというのも簡単ではございませんので、厳しく点検もしなきゃいけませんが、同時にそういう、上司と相談をしながら対応できるような職場の雰囲気をつくることが必要じゃないかと。
 これだけで足るとは思いませんが、あらゆる手段を講じて綱紀の立て直しに努力したいと思っております。誠に申し訳ございません。
#112
○魚住裕一郎君 手紙をどこかシュレッダーに掛けてしまったと、こんなもう、確かにうっかりだったかもしれないけど、それは相談してくれれば随分変わったのになというふうに思いますし、その辺の職場の雰囲気もしっかりやっていただきたいなと思っております。
 次に、先般の日曜日でございますが、新聞に、法曹人口、「司法試験三千人枠撤廃へ」という、そういう記事が日曜日の新聞の一面に出ておりました。受験生からしてみると、本当にはらはらするといいますか、こんなに惑わしていいのかというふうな思いがありますけれども。
 文科大臣も、三千人養成というそもそも前提条件が間違っていたのではないのか、政府側も反省すべきところに来ているのではないかと記者会見で言ったりしているわけでございまして、検討会議でいろいろ議論をしている形になっているわけでございますが、今の検討状況はこの三千人枠撤廃という方向性で、こういう認識でよろしいんでしょうか。
#113
○国務大臣(谷垣禎一君) 実は、あの記事を読みまして、私もあれっと実は思ったわけでございます。こういう、三千人を撤廃するというのをまだ結論として出したというふうには私は報告を受けておりません。
 今、おっしゃるように法曹養成検討会議で検討していただいておりまして、様々な意見がございます。それで、四月に中間的な取りまとめを行いたいと、行う予定で今審議をしていただいているわけでございますが、この今の法曹養成制度、ロースクールの在り方については、午前中の審議でもいろいろ御議論がありましたように様々な問題点があることも事実でございます。まだあのような結論を出しているわけではありませんが、きちっとした取りまとめをいただきたいと思っております。
#114
○魚住裕一郎君 もう時間がほとんどなくなりましたが、一点だけ。
 法科大学院の統廃合の関係なんでございますが、今回六校目の法科大学院募集停止という形になるわけでございますが、そうすると、東北地方では東北大学の法科大学院のみになってしまうんですね。そうすると、例の、例のといいますか、地域適正配置、配慮しろと。で、単位弁護士会からいろいろ会長声明等が出ているわけでございますが、この単位弁護士会の要望を踏まえて、大臣の御所見を、どういうふうにお考えなのか、承りたいと思います。
#115
○国務大臣(谷垣禎一君) 今まだ議論中でございまして、私、諮問している立場からすれば、こうだああだと余り申し上げにくいことも事実でございます。
 確かに、この法科大学院の合格率といいますか合格者数を見ますと、とてもこれでは続けられるかなと正直言って疑問を持たざるを得ないようなところもあり、そこで統廃合を進めていくと、委員のおっしゃるようなその地方ではなかなか法曹養成ができにくくなってしまうということもあるかと思います。
 他方、しかし、じゃ、そういうところをどういうふうに、残したからといって果たしてその能力が上がっていくわけでもないと思いますので、そこら辺りどうしていくのかと。これは、あと余り時間はありませんけれども、精力的に議論を詰めていっていただきたいと、このように思っているわけでございます。
#116
○魚住裕一郎君 終わります。
#117
○真山勇一君 みんなの党、真山勇一です。
 この法務委員会が私にとりまして国会議員になりまして初めての委員会質問ということになります。どうぞよろしくお願いいたします。(拍手)
 ありがとうございます。
 そして、谷垣法務大臣とは、実はテレビ局の政治部の記者の時代に、いろいろな政治の局面で取材をさせていただいたり、あるいはインタビューをさせていただきました。その節は本当にいろいろお世話になりまして、そして今回こういうような、今度は委員会で質問をさせていただくという立場になりましたので、またこれもひとつ今後ともよろしくお願いをいたします。
 この法務委員会ですけれども、谷垣大臣を始めとして、いわゆる弁護士出身の委員の方がたくさんいらっしゃいます。いわゆる法曹界の専門の方ということなんですが、実は私もそういう意味で放送界、放送業界でございますけれども、ちょっと専門が違うんですが、そういうところからということで、ただ、一つ私は法務省の一部のお仕事のお手伝いをしております。
 というのは、かれこれ十年ぐらいになりますが、保護司をずっとやっております。会社勤務をしていた時代からやっておりまして、今回はそういう意味で初めての質問なので、私がその保護司という仕事をしていることを通じて感じていること、思っていることというのを幾つか御質問させていただきたいなというふうに思っております。
 まず、法教育の問題について伺いたいと思うんです。この法教育の意義ですとか意味ということについては先ほど伺いました。そして、この法教育というのは、司法制度改革審議会、この意見書で始まったものというふうに私は理解しております。平成十三年ということなので、ちょうど今年で十年、スタートしてから十年ということになりますね。法律の専門家だけでなくて国民全体が法律や司法制度にかかわることを目指す、私は大変これは意義のある目的がうたわれているものであるというふうに思っております。素人の私にも、法教育、これはもう是非必要なものだというふうに、自分自身も思わずうなずいてしまうくらい必要なものだというふうに思っております。
 ただ、ちょっと気になる結果を目にいたしました。それは、法務省が行った調査、これは二〇一二年の八月から九月ということで、去年、この十年を前に恐らくおやりになった調査ではないかと思うんですが、小学校を対象にした調査。この調査で、法務省の教材を使って勉強をしたことがある小学校というのが七・五%、それから裁判官や弁護士などの法律家と連携して授業や見学に行ったことがあるというふうに答えた学校が一七・七%ということなんですね。
 数字をやっぱり見ますと、もうかれこれ十年になるというけれども、ちょっと低くて、必ずしも順調にいっているというふうには言えないんではないかというふうに私は思います。せっかくその理想を掲げて、今の社会というのはやはり何といっても法律が基礎になってくると思うので、そういうことを掲げた法教育がこの数字だということになりますと、厳しい言い方をしますと、やっぱり今のところ失敗しているんじゃないかというふうに私は思います。
 やはり、もう少しいい数字が出てきてくれないと困る。この十年間で一体どれくらいのお金、予算をつぎ込んだのかというようなことは、今急にちょっと思い付いたので、今お答えいただかなくても結構なんですけれども、予算を使っている以上、やはりそれなりの成果を是非上げていただきたいと思うんですけれども、谷垣大臣、この大事な法教育というものについてのこの小学校の数字の低さ、どうお思いになるか、そして改善することができるのかどうか、伺いたいと思います。
#118
○国務大臣(谷垣禎一君) 真山委員とは放送の仕事をされていたときにいろいろお世話になりまして、またこういう形で議論を御一緒にすることができまして大変うれしく思っております。どうぞよろしくお願い申し上げます。
 それで、今、法教育でございますが、これはおっしゃるように、司法制度改革の中からこういうものが必要であるということになったわけでございます。私の認識は先ほどの午前中の審議でも申し上げました。非常に、市民社会といいますか、こういう国民主権の中でも主権者としての国民に法をよく理解していただくということは極めて大事なことではないかと思っております。
 それで、小学校、中学校での法教育ですが、実はこれ、学習指導要領で法教育に関する内容が盛り込まれましたのは、小学校は平成二十三年度から、中学校は平成二十四年度からということでございまして、学校の現場でも実際に取り組んでいただいたのは比較的最近になるわけでございまして、その実施状況を見るために先ほど言及していただいたような調査もしたわけでございます。
 小学校では社会科や道徳の時間に法教育をしていただいているわけですが、法務省が関係しまして法教育推進協議会等々というところで教材も作ったわけでございますが、この利用は先ほどおっしゃったような数字にとどまっていると。それからまた、法律家等々が協力して法教育をやるということもまだ本当に、何と言うんでしょうか、緒に就いたということではないかと思います。
 したがいまして、もう少し学校の先生方と相談しながら学校現場で使いやすい教材というものの開発に努力をする必要があるなと、それから法律専門家も法教育の実習や、あるいは学校の先生の研修ということになるのかどうか分かりませんが、そういうことも少し考えながら仕組みをつくっていかなきゃいけないなと思っております。
 現在そんな段階でございまして、努力をしたいと思っております。
#119
○真山勇一君 現実的にはやっぱりまだスタートしたばかりということで、場合によってはこのぐらいの数字でもやむを得ないかな、これからどういうふうにできるかなというふうにむしろ期待を掛けた方がいいというふうに私も今理解をいたしました。どうもありがとうございます。
 ただ、やはり法律というのは、私もそうなんですが、専門外、素人にとっては大変苦手意識というのが強いと思うんですね。やはりこれから学校の現場で、先生そして生徒にこの法教育、つまり法というものの意味を考えるということは大変難しくて、実際に始めても、法務省と学校の現場、法務省の法の専門の方はいいんでしょうけれども、やはり学校になると、そう法律に詳しいわけじゃない先生と、そしてそれを生徒が教わるということなんで、今おっしゃったように教材ですとか、それから先生の研修会とかやっぱり大変で、その辺りを今後やはりどう埋めていくかということがこの法教育の成否に私は懸かってくるのではないかというような気がしております。
 法務省の研究会も、法的な物の考え方を身に付けることが法教育だというふうに言っておるわけですけれども、学校でこういうことをやるというのは私も大賛成で、司法の仕組みですとか働き、こうしたものを学ぶということは大変大事な、今の社会にとって大事だと思うんですけれども、一つは、申し上げたように、法律というのはやはり素人にとっては難しい、なかなかなじみがない、苦手だという、そういうところがあると思いますので、例えば、学校の中で子供たちに易しく法教育というのをやっていく上で、やはり工夫とかやり方が必要になってくるんじゃないかというふうに思っているんですね。
 例えば、法務省がそういうふうに考えられているかどうか分かりませんが、やはり法というと、例えば、憲法とは一体どんなものだろうかというようなことがよく現場では教育の中で出てきてしまうんですけれども、そういうものがいきなり出てきて、学ぶ前に、まず子供たちにとっては、法律とまではいかなくても守らなくちゃいけないことがお互いにある、それが学校での共同生活の中でのルールだったり決まりだったりというわけですね。そういうものをみんなで、自分たちで作って、そして自分たちで守るというような、そういう法教育のやり方というのも一つあるんではないか。教材を作るのもいいけれども、実際に法律を身近に子供たちに感じてもらうために、自分たちで法律って何だろう、ルールって何だろうということを考えさせて、そして、それを自分たちの手で守るべきルールを作って、そして守ろうじゃないか、守れなかったらどうするんだというような、そういう教育、法教育というのもいいんではないかなというふうに私自身思っております。
 今の法務省が作られた教材なども見させていただいたのですが、現在での学校での法教育のやり方というのが、やはりどちらかというと、そういう教室で教わる、教えるみたいなことが強くて、やっぱり子供たち自身が自分で考えて、そして作った法律、言わばルールを、学校内の例えばルールを自分たちで使ってみるという、そんなシステムを学校で是非つくっていっていただけるといいんではないか。
 今、道徳教育というのをまた今言われておりますけれども、道徳教育というとちょっとやっぱりいかめしいし、いろいろ抵抗もある部分もあるんではないかというふうに私思うんですが。やはり私たちの社会をスムーズに行かせるために法律が必要なんだよ、学校で友達と一緒にいる君たちにとってはルールが必要なんだよということで、そういうルールを教えていくシステムを構築する、そういうことが必要じゃないかということなんで、私は、これは逆に言うと、今問題になっているいじめですとか体罰にも非常に有効ではないかというふうに思っているんですね。
 今、いじめ、体罰という問題が出てくると、学校の問題ですとか、それから家庭の問題ですとか、教育委員会の問題ですとか、それから法務省の人権擁護局というようなことが出てきますが、いじめている本人、いじめられている本人、そういうものの視点のところがやっぱりどうしても抜け落ちているような気がする。それをこの法教育で、自分がいじめられたらどうなるの、だから、いじめないようにするためのルールというのはどういうふうに作ったらいいんだろうかというようなことを、学校の現場で是非、法教育ということで法務省がやっていただけると、応用できるんじゃないかと思うんですが。
 ちょっと長くなってしまったんですが、つまりそういうことで、少し法教育を子供たちに実際に使ってもらうシステム構築ということで、例えばこういう今御提案したようなことは、いかが谷垣大臣はお考えでしょうか。
#120
○国務大臣(谷垣禎一君) おっしゃるとおりだと思うんです。
 私も、法教育って一体どうやっているんだと、こう法務省の事務方に聞きますと、例えば学校の校庭で今まで野球部とサッカー部がグラウンドを使っていたと。ところが、学校の工事をすることになって半分しか使えなくなったと。じゃ、野球部とサッカー部はどうするかと。どうやって決めるのがいいのか、じゃんけんで決めるのか、話合いで決めるのか、それとも腕力で決めるのかというようなことを問題提起して、まあじゃんけんもあるいは公平かもしれませんが、結局は話合いで使用のルールを、グラウンドの使い方のルールを決めようぜというようなことに多分なっていくんだと思うんですね。
 そういう、何というんでしょうか、お互いに争いや何かをどう解決していくかという、法というと憲法、民法、刑法と、いかめしいですが、どうやって利害を調整というか、紛争を解決していくというか、そういう仕組みがあるのかというのを学んでもらうというようなことをやってもらっているという返事が来まして、それは非常に小学生にも分かりやすいんじゃないかと。
 こういうことを積み重ねていけば、おっしゃるように、いじめ問題等々の解決にもいきなり生の力が出ていったり、陰湿にいじめるというんじゃなしに、何かもうちょっと、自分の気に食わないことや目障りなことがあっても解決していこうという、そういう姿勢が身に付いてくるのかもしれません。そういうこともまた期待していかなきゃならないし、工夫していかなきゃいけないなと思います。
#121
○真山勇一君 ありがとうございます。
 今おっしゃっていた学校の中の紛争解決という、法律というのはどういうものかということを考えてみると、やはり私たちの社会の中では大変大事なものだけれども、その大事さを子供たちに教えるというのはとても難しいことだというふうに思いまして、その辺りを自分たちが日ごろ接している生活の中でルールを守ることがいかに大事か、相手のことを考えることがどれだけ大事か、自分の権利を守ってもらうことがどれだけ大事かということをやっていくことが実践的な法教育につながって、そしてその子供たちが大きくなったときは、やはり法律というものを守っていく、そういう精神が鍛えられていくんではないかなというふうに思っております。
 私自身、勤めをしていたときに、ニューヨークへ特派員という形で勤めたときに感じたのは、やっぱりアメリカというのは非常に法律の社会で、法に一つ、何があっても、いろいろな民族の方がいらっしゃる、それからいろいろな人種の方がいらっしゃるということで、やはり基準になるのが法律で、その法律はもう何としても守らなくちゃいけないということで、法律の観念というのが、私が実際にニューヨークで感じたのは、ああ、私のような日本人とやっぱりちょっと違うなと。まだまだ日本人というのは、そういう意味でいうと、何か法律よりも、まあいいじゃないかという、なあなあでやってみて、それでやってみたけれども、その結果、何かトラブルを起こしてしまうということがたくさんありますけれども。そういう意味でいうとアメリカ、ヨーロッパ、欧米はやはり法律が基本になっているということが目に見えて、そういうことで経験したことがございますけれども、谷垣大臣はこの辺りというのはどういうふうにお感じになりますか。
#122
○国務大臣(谷垣禎一君) 私はまるでドメスティックな人間でございまして余り海外の事情はよく分かりませんけれども、確かに法思想というのは西欧で成長してきた、成熟してきたものを明治に日本が取り入れたという面もございまして、日本としては法の支配とかそういうものを徹底していくには、相当努力もしてきましたけれども、身の丈に合わせるにはそれなりの工夫が必要なんだろうと思います。
 ですから、何から始めればいいのかというのはなかなかよく分かりませんが、先ほどのような具体的な子供たちの生活の中から、どういうルールを作り、どういうふうに自分たちで問題を処理していくかということを学んでもらうということは極めて有効なのではないかなと、こんなふうに思います。
#123
○真山勇一君 この委員会でも先ほどから出ておりますけれども、例えば裁判員制度も始まっておりますし、それから最近見ていますと、インターネットの世界で想定を超えるようないろんな犯罪がやっぱり出てきているわけですね。こうした犯罪に私たちがどうやって対応していくか、複雑な生活、多様化している今の世の中で法律の使い方とかかかわり方というのはとても私は大事だと思っております。つまり、法教育の必要性ですね、大人にも子供にも大事だと思っておりますので、是非これからも工夫をしてやっていただきたいということと、それから学校の場合は文部科学省も絡んでくるのではないかというふうに思いますので、そうした縦割り行政も是非乗り越えて改善をお願いしたいというふうに思っております。よろしくお願いします。
 そして、もう一つ、次に、私がやっております保護司についての質問をさせていただきたいというふうに思います。
 谷垣大臣は所信表明の中で、世界一安全な国日本の構築のために再犯防止に対する決意をまず最初に表明していただいております。大変こういうことは、法務省の更生保護の分野での様々な問題点というのは、私も保護司という仕事をやっている現場でとても強く感じております。
 このまず再犯防止ということについてなんですけれども、法務省の方でいろいろな法律の整備も現在やってくださっております。ただ、この再犯防止の場合、更生を誓ってせっかく刑務所を出てきたけれども、再び犯罪を犯してしまうというその割合が今比較的多いというふうに言われていますね。
 法務省の資料によりますと、刑務所からの出所者というのは年間三万人で、二年以内にまた再犯をして刑務所へ戻ってしまう人が二〇%ぐらいそのうちにいるということで、つまり五人に一人ぐらいが再犯ということになっていて、この割合は、そのぐらいじゃないかということと、やっぱり五人に一人また犯罪を犯して刑務所へ戻るんじゃ困るなという考え方があると思うんですけれども、やはり保護司という立場で見ると少し多過ぎる。保護司という更生の手伝いをしている私たちにとっては大変つらい数字です。一生懸命努力しているけれども、やっぱりそういうことが起きてしまうと。これはなぜかということを考えますと、やっぱり現場では、一つは仕事が見付からないということと、それからもう一つは住むところがないという、これ、二つがとても大きな問題になるんではないかというふうに思っておりますし、もうこうした調査結果もはっきりと出ているわけですね。
 つまり、せっかく真面目に働きたい、何とか生活を自立したいと思っても、更生へ向かっても、生活の定着ができないということがまずあると思うんですけれども、たとえ、例えば仕事を見付けるということで言いましても、本人が努力してもなかなか難しい面があります。私たちもなかなか仕事を見付けてあげられない、一緒に探してもなかなか見付からない、そういうことがあります。
 そうした中で、法務省も最近その問題について様々な対応を打っていただいてきております。就労支援ということで、協力雇用主探し、つまり出所した人たちを雇ってくれる、その協力をしてくれる企業の経営者の方、それから、いわゆるハローワークでもそういう支援策をやっておりますけれども、やはりなかなか就職できないということがあるんですけれども、この辺り、こうした就労支援、ハローワークなどの支援策が機能しているのかどうか、この辺り谷垣大臣に伺いたいと思います。
#124
○国務大臣(谷垣禎一君) 真山委員に保護司をやっていただいているというのはこの委員会に参りまして初めて知ったわけでございますが、全国たくさんいらっしゃいますが、無給のボランティアで犯罪者の社会復帰のために本当に頑張っていただいていること、本当に有り難いなと思っております。
 それで、再犯防止するには、御指摘のように、やっぱり自分の居場所といいますか、それがなければ、どこ行っても自分のいるところがないなと思ったらこれはなかなか立ち直れないということでございますから、その一番基本は、仕事によって社会に貢献し自分の生活を立てていくということと、それから住居が、どこも自分の住み場がないということではなかなか立ち直れない。就労支援、極めて大事でございます。
 そこで、就労支援もいろいろ事業をやっておりまして、刑務所出所者等総合的就労支援対策というのを平成十八年度からやっておりまして、これが二十三年度までに一万二千七百人が就職に至ると。
 それから、更生保護就労支援モデル事業というのもやっておりまして、保護観察所でいろいろな寄り添い型の支援をしまして、ある程度成果を上げていることも事実でございます。
 それと、協力雇用主に、いろいろ事業をしている方に登録をしていただいて、よし、雇ってやろうと、そういう構えをしていただいているわけで、昨年の四月で約一万事業主の方に協力雇用主になっていただいているんです。
 しかし、ほとんどが中小零細の方でございまして、今の経済・雇用情勢やいろいろ経営上の理由があると。それから、刑務所出所者等の雇用に伴う、やっぱりどうかなと、そういう人を雇うの不安だなと、あるいは自分のところの信用にもかかわるなというようなこともあって、実際に雇用をいただいている協力雇用主というのは三百六十四なんですね。これは、主として建設業が中心でございます。
 それで、協力雇用主による雇用を拡大していくということが不可欠でございますので、これにも幾つか手だてを打たなければいけないということで、保護観察官と協力雇用主が緊密に連携することによって先ほど申し上げたような不安を解消する、そういったような予算も計上させていただきました。
 それから、民間でもいろんな取組をしていただいておりまして、先日、私のところにお見えになりました方は、多くの方がやはり、犯罪を犯した者を雇用するということは自分のところの評判にもかかわるからということもあるんだと思います。それを表に出さないということでおやりになる方が大部分でございますが、むしろ、自分の企業はそういう人を社会復帰のために雇うんだと、そして職場でも、この人はこういうことで罪を犯した人だけれども、今立ち直ろうと思って頑張っているんだと、こういうことで自分はやりたいという方もいらっしゃいます。いろんな取組があると思います。
 そういった取組をよく見ながら、我々もそれを、これは行政が幾ら頑張っても雇用というのは行政だけではできませんので、民間の方々との協力関係、そして民間の方々に安心していただける仕組みというものをこれから整えていかなければいけないなと思います。
#125
○真山勇一君 これ、実は法務省からいただいた、その例の雇っていただく協力雇用主を募集しますというパンフレットなんですが、今委員会の御了解をいただいたんで、ちょっと御紹介、今、先ほど気が付いたんですが、この裏に実は私が住んでおります調布の地元の調布清掃というところが積極的にこの協力雇用主をやっていただいているんですね。ここの担当者の方によると、むしろ出てきた出所者の方を雇った方が根性があって仕事が長く続くと。しかも、清掃業なので作業服も貸してくれる、そして帰りにはシャワーも浴びられるということで、非常に、逆に言うと働いている方の立場の方も喜んで働いてくれているということが、言ってくれました。こうやって積極的に雇用をつくっていただいている協力雇用主もいるということを是非大臣にも分かっていただきたいなというふうに思っております。
 時間がなくなったので、あと一つだけ伺いたいんですが、先ほども大臣の方からもありましたように、保護司というのは無給のボランティアでやっている、その割には一人の人間の社会復帰という更生の仕事をやる大変大事な仕事をやっているし、難しい仕事ということなんですが、最近その保護司にやっぱりなり手がない、様々な問題があってなかなかできない。例えば、時間がないですとか、あるいは高齢な方が多くなってきて、その方たちが辞めているということがあります。
 定年と言ったらいいのかどうか分からないんですが、七十六歳以上の方は取りあえず保護司から外れるということが最近決められているんですけれども、私はその現場で保護司の方を見ておりますと、最近やはりお年寄りの方は元気な方、お元気な方が多いんですね。それから、やはり人生の経験が様々に豊かですし、いろいろな知識があって、その保護司という仕事をやる上にとってはとても、逆に言えばいいいろんなものを持っていらっしゃる。そして本人がやりたいという希望があった場合、七十六で一律に御苦労さまというのはちょっとどうかなと。なかなかなり手がないならば、こういうふうに本人の了解、そして七十六過ぎてもこの人ならやれるというあれがあったら、是非、更に雇用していただくという、今度は逆に保護司を雇用して使うということも必要ではないかなというふうに思っています。
 ボランティアに、この年齢だから結構ですというよりは、やはりやれる人にはやっていただくということが、私は現場では大事ではないかなというふうに思っているんですけれども、いかがでしょうか。
#126
○国務大臣(谷垣禎一君) 真山委員おっしゃいましたように、今保護司の定員は五万二千五百人なんですが、現状は四万九千人程度で、充足率が九一・四%。少しずつ下がっていっている傾向があるわけですね。だから、こういう保護司の方をどうリクルートしていくかというのは、もう極めて大事なことになっております。
 そこで、今おっしゃった、一応七十六歳未満、平成十六年度からそれを定年ということにしているわけでございます。これは、一つは、やはり保護観察対象者、どちらかというと若い方が多いということもありまして、年齢ギャップもあるというようなお声もあって、今七十六ということにしております。
 したがって、これすぐ見直すということには必ずしもならないとは思うんですが、ただ、委員のおっしゃったように、もうこのごろお年寄りでも元気な方がたくさんいらっしゃいますし、そういう方の経験をどう生かすかということは検討していかなければならないと思っております。保護司になっていただきやすい環境をつくるのもどうするかということと併せて、こういったことも検討してまいりたいと思っております。
#127
○真山勇一君 ありがとうございました。終わります。
#128
○森ゆうこ君 生活の党の森ゆうこでございます。
 大臣の所信について質問をさせていただきたいと思います。
 その大臣の所信の中に、冒頭、「法務行政は、国家の基本原理の一つである法の支配を貫徹するため、法的基盤を整備し、国民生活の安全、安心を支えるという重要な役割を担っており、何より安定感のある着実な職務の遂行が求められているものと考えております。」というふうに述べられました。
 私も、この国家の基本原理、法の支配、そして法の正義というものが貫かれていくことが非常に重要であるというふうに思っておりますが、午前中も質問がございましたけれども、あってはならないことというのが度々繰り返されているわけで、あってはならないということは当たり前のことなのであって、そのあってはならないことがなぜそう何度も繰り返されるのか、そして、それは具体的にどう変えていけばいいのかということをもっと大臣の方から私は具体的に述べていただきたいというふうに思っておりますが、大臣からお答えいただく前に、まず裁判所の会計処理について伺っておきたいと思います。
 昨年、参議院の決算委員会で決議が行われ、ただいま会計検査院におきましては、裁判所の会計検査が適正に行われているかについて、その決議に基づく厳しい検査が行われていると承知をいたしておりますけれども、その進捗状況はいかがでしょうか。
#129
○説明員(鈴木繁治君) お答え申し上げます。
 検査要請を受けまして、現在、各高等裁判所、地方裁判所等の実地検査を行っているところであります。引き続き各裁判所の検査を行った上で、そうした検査の結果を取りまとめて国会に報告したいと考えております。
#130
○森ゆうこ君 いつまでにというお話がなかったんですけれども、いつまで、いつごろにその検査の結果が報告される予定なのか、お答えをいただきたいと思います。
 今、会計検査院から回答が行われましたけれども、この最高裁、裁判所に関する会計検査院の検査につきましては、私が昨年の決算委員会で、最高裁において、日付のない請求書、日付のない納品書等、非常に会計処理が一般の常識と照らしておかしいのではないか、あるいは落札率が一〇〇%、九九%、九十何%というような非常に高率な、高い落札率が示している公共調達がある、あるいは検察審査会の問題等について指摘しましたところ、党派を超えて決算委員の先生方からおかしいと、きちんと調べるべきであるという指摘がなされ、決算委員会で決議が行われたものでございます。
 会計検査院、いつまでにできるのか、お答えをいただきたいと思いますし、今のこの検査の対象に検察審査会の収支状況についても含まれるのか、お答えください。
#131
○説明員(鈴木繁治君) お答え申し上げます。
 ただいま御説明しましたとおり、現在、各高等裁判所、地方裁判所等の実地検査を行っているところでありまして、裁判所の会計経理について適切な検査を行い、検査の結果を分析し、報告書を作成するためにはある程度の時間を要するところでございますが、取りまとめができ次第報告を行いたいと考えております。
 また、検査要請の決議の内容としまして、検察審査会の運営に伴う公費の支出状況について検査するように求められておりますことから、裁判所の経費の一部として予算に計上されている検察審査会に関する経費につきましても検査を実施しているところであります。
#132
○森ゆうこ君 それで、今お話がございました検察審査会の経理処理に係る書類でございますけれども、配付させていただきました資料の二ページ目でございます。ここに請求書というものがございます。これは、検察審査会が開催されますと、会議が開催されますと、当日にこの請求書が用意されておりまして、出席した検察審査員あるいは審査補充員がそこに署名、押印をするというものでございます。
 これは、会計検査院に対して市民オンブズマンが情報公開請求を行い、開示された資料でございます。これは平成二十一年七月七日の東京第三検察審査会の請求書でございます。これに基づいて旅費等の支払が決定され支給をされたという証拠書類も併せて私もオンブズマンを経由してちょうだいをいたしております。
 そして、次のページをおめくりいただきたいと思います。
 これは、平成二十一年八月五日、これも同じく東京第三検察審査会の請求書でございます。先ほどと同じことなんですけれども、これについては東京地方裁判所がオンブズマンに提出した書類でございます。
 なぜ七月分は会計検査院、そして八月分が東京地方裁判所かということを私の方から御説明申し上げますと、その次のページに、二階さん、二階俊博元経産大臣のいわゆる西松建設事件に関する問題について、検察審査会が平成二十一年の七月二十一日に開催され、不起訴不当の議決が行われたという記事がございます。
 二階さんに関しては、あの当時、自民党政権で、漆間内閣官房副長官が西松建設事件については自民党の議員には調査は及ばないということを公言をいたしまして大問題になったんですけれども、副長官のおっしゃったとおり、捜査の手は自民党の議員には及びませんでした。一人、小沢一郎、我が生活の党代表、これがまず西松建設事件ということから、その後また陸山会事件へとつながっていくわけですけれども。
 ここに報道資料をお付けしたとおり、七月二十一日には、東京第三検察審査会で二階元経産大臣の秘書に対する検察の不起訴処分が不当であるとの議決がなされております。しかし、先ほど一枚、二枚と請求書を提示させていただきましたとおり、市民オンブズマンが会計検査院に対して平成二十一年七月分の支出証拠書類を請求したところ、この七月二十一日の支出の分が開示されませんでした。開示された証拠書類には七月二十一日が含まれておりませんでした。そこで、東京地裁の方へ改めて、じゃ八月分の証拠書類に入っているのではないかと思い、八月分の方を請求しましたところ、八月分の方にもこの七月二十一日の請求書が入っていなかったということでございました。
 そこで、この東京地裁の方から開示された支出証拠書類というのは、実は先週、三月十三日に東京地方裁判所において開示されたものなんですけれども、そのときに、この情報開示請求をしたオンブズマンが東京地方裁判所に対して、会計検査院に七月分を請求して開示してもらったんだけれども、七月二十一日のものがその七月分の証拠書類に入っていなかったと。そこで、改めて東京地裁に、八月分の中に七月二十一日のものが含まれているのではないかというふうに考えて、東京地裁に情報公開請求したけれども入っていない、もう一回調べてもらいたい、八月分の冒頭にこの七月二十一日の分が含まれているのではないかというふうに尋ねたところ、三十分待たされたそうでございます。三十分待たされた結果、やはりないと、七月二十一日の分はないというふうにそこで回答を受けたということでございます。
 法務省に伺いますけれども、なぜ平成二十一年七月二十一日に開催された東京第三検察審査会の旅費、日当の支出証拠書類がないんでしょうか。
#133
○委員長(草川昭三君) 最高裁判所事務総局垣内経理局長でいいですか。じゃ、垣内経理局長。
#134
○最高裁判所長官代理者(垣内正君) お答えいたします。
 平成二十一年七月二十一日に請求されました会計検査院等の日当、旅費支出証拠書類は存在いたします。原本は平成二十一年九月末日までに東京地裁から会計検査院に送付されております。現在は会計検査院の方にございます。
 それから、控えが東京地裁にございます。また、この証拠書類につきましては、会計検査院から送付された写しが最高裁判所にございます。
 以上です。
#135
○森ゆうこ君 あるなら、なぜ提示されなかったんでしょうか。
 私もオンブズマンの方から当日のやり取り、その後のやり取り等、メモしたものをいただきましたけれども、先週三月十三日に東京地裁で情報公開請求を受けたわけですけれども、先ほど申し上げましたように、七月分、五、六、七月分と会計検査院に要求をして出してもらった。その中に七月二十一日の分がなかったということで、それでは八月の中に入っているのではないかと思って東京地裁に請求したわけですね。ところが、開示されたものの中に七月二十一日の分がなかった。今の御説明ではあったと。しかも、そのことをオンブズマンは東京地裁に説明をしているわけです。三十分待たされて、調べたり、上司といろいろ御相談をされたようなのですけれども、それでも七月二十一日の分はなかったわけです。
 今急にあると言われても、今更、後からありました、ありますと言われても、それはなぜ公式に手続を踏んで、情報公開請求をして、そして閲覧の開示を受けたものの中に含まれていなかったものがなぜ急に出てきたのか、その説明にはならないんじゃないんですか。
#136
○最高裁判所長官代理者(垣内正君) お答えいたします。
 まず、東京地裁に確認をいたしましたところ、一月の半ばに開示請求されました文書、これは東京第三検察審査会に係る旅費、日当等の支出を明記されているもの、括弧、平成二十一年八月分の歳出支出証拠書類、括弧閉じでございました。
 ここに言う平成二十一年八月分の歳出支出証拠書類、文字どおり理解いたしますと、八月に支出の行われたものについての証拠書類が該当することになるわけでございます。当時、担当者は、開示対象文書の範囲につきまして、開示請求者本人とやり取りを行いました。この中で、八月に審査会議が実施されたもの、すなわち八月に旅費、日当の請求がされたものと、これを求めておられると理解をいたしました。そう思い込みまして、その結果、七月に請求されて八月に支払のされたもの、このものについての証拠書類が開示されない結果となったということでございます。
 三月の半ばごろに開示を受ける際に、申出をしたのは八月に支払の行われたものであるという、そういうお話をおっしゃっていたかどうか、これ自身、私どもまだ確認できておりませんが、そういうことをおっしゃっておったのであれば、その時点で八月に支払の行われたもの全てを開示するための手続を改めて取るべきではなかったのかと、こういうふうに思われます。そうしなかったことは適切でなかったと言わざるを得ないと思います。
 ただし、御質問の証拠書類は、先ほど御説明申し上げましたように、確かに存在いたしますし、隠す意図は全くなかったものでございます。
 以上でございます。
#137
○森ゆうこ君 今の説明はどうも納得できないですね。まず、資料として添付をさせていただいた一枚目のものは、ここにございますけれども、会計検査院から平成二十一年五月分、六月分、七月分ということで東京第三検察審査会の歳出支出証拠書類、今のやつは七月分の中から、七月分の中に入っていたものについて皆さんのところに配付をさせていただきました。約三十日後に開示決定がされて、これが開示されたものでございます。
 そのときに、七月分がないと、二十一日、七月二十一日のものがないということになって、改めて、八月、じゃ八月分の中に入っているということで、八月分の歳出支出証拠書類というものを、その文言どおり、平成二十一年八月分の歳出支出証拠書類と、間違いなく文書によって証拠開示請求を行ったのが一月十七日です、今年の一月十七日。その後、三月十三日に開示されたわけですけれども、そこにやはりなかったということで、同じようにもう一回会計検査院に対して情報開示請求を行っているんですけれども、このオンブズマンに対して会計検査院から情報開示の決定の延長が通知されました。六十日通知されましたけれども、それはなぜだか御存じですか。
#138
○説明員(鈴木繁治君) お答えいたします。
 開示、不開示の判断を適切に行うため、裁判所に対して意見照会を行うなどの処理が必要であったため、より時間を要したところでございます。
#139
○森ゆうこ君 これは、二か月意見調整、裁判所と会計検査院の間でありますと、出されてはいないけれども、ありますというふうにお答えのあったその七月二十一日分の東京第三検察審査会の開催に基づく支出の証拠書類、これはまだオンブズマンには開示されておりません。今その意見調整を行うために六十日間、その開示するかしないか、どこをマスキングするかしないか、六十日間延長されているんですね。
 なぜなんですか。これ、おかしくないですか。会計検査院が提出した七月分のものには入っていなかった。そして、東京地裁に、だからということで八月分のものを要求した、だけれどもなかったと。その間のやり取りについては、オンブズマンは東京地裁に説明しているわけです。そして、三十分掛けて東京地裁は捜した。でも、捜したけれどもないということであった。ところが、私が質問を通告したら急にあると言い出した。
 実は、私、いただいたんです、一昨日、あると。オンブズマンには開示されなかったこの七月二十一日分の請求書に基づく支出証拠書類を一式いただきました。最高裁、これはなぜ私のところに一昨日急に持ってきたんですか。
#140
○最高裁判所長官代理者(垣内正君) 一月の半ばに東京地裁で請求を受けました際には、請求者との間のやり取りの中で、八月に審査会議が実施されたもの、すなわち八月に請求がされたものと、そういうものを求めておられるというふうに理解をしております。そういうことから、七月に請求がされて八月に支払の行われなかったもの、これが開示の範囲に入らなかったということになります。
 当時のやり取り、一月の半ばのやり取りについては口頭で行ったと聞いておりまして、現時点で事実関係を確認することは困難ではございますが、担当者として、先ほど、今し方御説明申し上げたように理解をしておったということでございます。
#141
○委員長(草川昭三君) それで終わり。
#142
○最高裁判所長官代理者(垣内正君) いえ、続きがございますので、よろしいでしょうか。
#143
○委員長(草川昭三君) 説明してください。
#144
○最高裁判所長官代理者(垣内正君) この書類につきましては、平成二十一年九月末日までに東京地方裁判所から原本が会計検査院に送付されております。会計検査院に対して証拠書類についての文書開示請求が行われました場合には、会計検査院から最高裁判所に対して第三者照会がなされることになっておりまして、この照会に当たりまして写しが裁判所の方に、最高裁の方に送付されてまいりました。最高裁に写しが存在したわけでございます。議員の方から御連絡がありましたので、その写しをお持ちした次第でございます。
#145
○森ゆうこ君 皆様御存じだと思うんですけれども、こういう書類というのは原庁主義といって、これは別にふだんから最高裁が持っている書類ではございません。今、最後に説明しましたけれども、会計検査院から意見照会があってそのコピーが送られてきていたので、たまたま最高裁にあったから私に持ってきたという説明なんですね。
 でも、私は過去に同じ、東京第五検察審査員ですけれども、同じ書類、この支出負担行為即支出決定決議書及び請求書等々、同様の書類、証拠書類を要求したことがあります。しかし、それは情報公開請求してもらわないと出せないということでございました。しかし、今回は、この七月二十一日の東京第三検察審査会の二階さんのところは不起訴不当だと、だから強制起訴には行かない決議をしたわけですね。その審査会は本当に開かれたのか、架空議決じゃないか、そういう疑問を持っている国民がいらっしゃって情報公開請求をしたんだけれども、出てこなかった。支出証拠書類が出てこなかった。そのことについて私が質問をしようと思ったら、急にありますといって持ってきたわけで、まあ、にわかにはこれが本物の書類なのかどうか信用することが難しいという状態になっております。
 たまたま最高裁にあったのでこの書類を持ってきたとおっしゃるんですけれども、だったらなぜ意見照会の文書も一緒に持ってきてくださらなかったんですか。これまあ、相当やり取りしたんですけどね、一昨日。それがあるんだったら、同時にそれも持ってくるべきじゃないですか。これは私に対して開示されると決まった文書じゃないですよ。たまたま意見照会のために来た文書ですよ。これは私のところにすぐ持ってくるけど、同時に会計検査院から添付されているという意見照会の文書は持ってきませんでした。なぜですか。
#146
○最高裁判所長官代理者(垣内正君) 会計検査院からの意見照会につきましては、裁判所は二月の二十一日に意見照会を受けまして、不開示部分について検討を行った上で三月の十八日に会計検査院に対して回答を行っておったところでございます。ですから、議員から御質問のあった時点ではどの部分を不開示にするかということが決まっておりましたので、すぐさまお持ちすることができる状態であったということになります。
 それから、会計検査院から意見照会を受けた文書につきましては、会計検査院が作成されたものでございますので、その提出につきましては検査院の了解を得る必要がございます。裁判所限りで直ちに提出できるものではございませんことを御理解いただきたいと存じます。
#147
○森ゆうこ君 時間ですので、せっかく用意したTPPに関する質問、それから検察の再生に関する質問、次回やらせていただきたいと思いますけれども、最後に申し上げますと、先ほど、口頭でのやり取りがあって、それがどういうものか定かではないというふうにおっしゃいましたが、しかし情報公開請求自体は文書で行われております。
 それぞれ、東京第三検察審査会に係る旅費、日当等の支出が明記されているもの、平成二十一年八月分の歳出支出証拠書類と、そして一方、七月分の歳出支出証拠書類ということで、それぞれ原庁において、七月分として保管されている歳出支出証拠書類、それが会計検査院に送られている。同じく八月分としてまとめられている証拠書類が同じように会計検査院に送られている。
 その中で出されてきた、七月分のものになかった、そして八月分のものにもなかったということで少し問題になっていて、私が質問をしたら急にあると言って持ってこられたということで、余りにもおかしいということを申し上げて、今日の質問は終わります。
#148
○井上哲士君 日本共産党の井上哲士です。
 同じ京都を地元とする谷垣大臣、よろしくお願いいたします。
 成年後見人を付けると選挙権を失う公選法の規定について、東京地裁が十四日、これは違憲であり原告の選挙権を認めるという非常に重要な判決を行いました。国民的にも非常に歓迎されている判決でありますし、私は二年前に当委員会で裁判が始まった直後に質問をした者として、大変うれしく思っております。
 判決はこういうふうに述べております。成年被後見人になった者も我が国の国民である、憲法が我が国民の選挙権を国民主権の原理に基づく議会制民主主義の根幹を成すものとして位置付けているのは、自らが自らを統治するという民主主義の根本理念を実現するために様々な境遇にある国民が、この国がどんなふうになったらいいか、どんな施策がされたら自分たちは幸せかなどについての意見を、自らを統治する主権者として選挙を通じて国政に届けることこそが議会制民主主義の根幹であると、こういうふうに言っております。大変重要な指摘だと思うんですね。
 原告の名児耶匠さんや御両親が先日、院内の判決報告集会に来られておりまして、私も改めてお会いしたんですが、お父さんはこういうふうに言われているんですね。計算が苦手な娘の将来の財産管理を案じて、自分が成年後見人になったと。その結果、選挙はがきが来なくなったと。よかれと思って制度を利用したのに、私は娘の人権を侵害する片棒を担いでしまったと、こういう思いを持ってこの裁判をやってきたというふうに言われました。そして、また親子三人そろって投票に行きますかというふうに聞かれた匠さんは、本当に満面の笑みで行きますと、ありがとうございましたと、こういうふうに言われました。
 私はこれを見ながら、我々選ばれる側の国会が、あなたには国民として選挙を通じて自らの意見を国政に届ける権利はないと、こういうことを言うような資格が我々にあるんだろうかということを思ったわけであります。
 まず、谷垣大臣にこの判決についての受け止めについてお伺いしたいと思います。
#149
○国務大臣(谷垣禎一君) 先ほど魚住委員の御質問でもお答えしたわけでございますが、私はこの訴訟は国の訴訟担当者でございます。
 従前私どもがしておりました主張は、一つは、選挙権の行使に最低限必要な判断能力を有しない者に選挙権を付与しないとする立法目的、これ自体は合理性があると。そして、それに加えて、二番目として、成年被後見人は家裁の判断によって事理を弁識する能力を欠く常況にあるとされた者であって、選挙権の欠格事由として成年後見制度を借用することにも一定の合理性があるので、この規定をもって憲法に違反するとまでは言えないという主張をしておりました。
 これに対して、今の、東京地裁は、選挙権を行使するに足る能力を具備していないと考えられる者に選挙権を付与しないとすること自体は立法目的として合理性を欠くとは言えないと。その上で、しかし、今指摘をされましたように、選挙権を成年被後見人から一律に剥奪する規定を設けることはやむを得ないとして許容するわけにはいかないということで、違憲であるという結論を示されたわけでございます。ですから、私ども、今までの従前の国の主張からしますと、極めて厳しい判断をいただいたと受け止めているわけでございます。
 それで、控訴期限は先ほども議論がありましたように三月二十八日まででございます。選挙法自体は法務大臣としての私の職責に直接関連するわけではございませんので、総務省ともよく連携をしながら三月二十八日までに結論を出したいと、このように思っております。
#150
○井上哲士君 判決は、そういう結論を導く上で、改めてこの民法の規定について述べているんですね。
 まず、法務大臣に確認したいんですが、先ほどありましたように、成年被後見人については事理を弁識する能力を欠く常況にある者としております。能力を欠く者とはしていないわけですね。これはどういう違いがあるんでしょうか。
#151
○国務大臣(谷垣禎一君) 能力を欠く常況にある者というのは、そういう判断能力を欠く常況にあることが通常であると、通常である者という意味だと思います。それで、したがって、そういう状態であれば、当然、判断能力があるときもあるということだと思います、言葉の意味としましては。ですから、一般的に事理を弁識する能力を欠く者といえば、これはそういう能力を常時持っていないということを意味する、そこに違いがあると思います。
#152
○井上哲士君 一時的であれ、能力を回復することを予定しているわけですね。
 もう一点、これ前回質問したときも確認したことでありますが、この事理を弁識する能力というのは自己の財産の管理や処理の能力を判断しているのであって、選挙する能力を問うているものではないと、こういうことでよろしいでしょうか。
#153
○国務大臣(谷垣禎一君) これは、井上委員がおっしゃるように、契約等の法律行為あるいは財産管理をする能力に着目してこの成年後見の規定はできていると思います。選挙法はこれを言わば借用というか、援用したもので今の選挙法を構成したわけでありますが、必ずしもこの概念は選挙権を行使することができるか否かと、この成年後見の制度はですね、選挙権を行使することができるか否かに着目して作られた規定では必ずしもありません。
#154
○井上哲士君 この二点は判決の中で、この成年後見人の規定についての重要な問題なんですね。ですから、判決の中身と今の法務大臣の答弁は一致をいたしました。判決は、この認識の上に立って、成年被後見人とされた者が総じて選挙権を行使するに足る能力を欠くわけでないことは明らかであり、実際に自己の財産等の適切な管理や処分はできなくても、選挙権を行使するに足る能力を有する成年被後見人は少なからず存在すると認められると、こうしました。そして、その認識の上に、趣旨の違う成年後見制度を流用して成年被後見人から一律に選挙権を奪うことは違憲だと、こう判じたわけであります。
 国は、先ほど来大臣が言われているように、これは一定の合理性があるということを九九年の法改正時から言われておりました。しかし、その後、二〇〇五年の最高裁の判決があって、選挙権の重要性から見れば、それを奪うのはやむを得ない事由がある場合に限るというふうに非常に厳しい判決をしました。それに基づいて今回の判決がある。私は、そういう点では、一審とはいえ非常に重みのある判決だと思うんですね。
 それを受け止めて、私は、やはりこういう流れの中で出た判決として、控訴せずに公選法の速やかな改正をするべきだと思いますが、総務副大臣も来ていただいております、いかがでしょうか。
#155
○副大臣(坂本哲志君) 成年被後見人の選挙権の行使について争われました訴訟につきましては、今言われましたように、今月十四日の東京地裁判決におきまして国側の主張が認められず、違憲であるとの判断がなされたものと承知しております。
 総務省といたしましては、東京地裁における違憲判決を受けての今後の訴訟対応につきましては、国を当事者とする訴訟を代表する法務省と協議をいたしてまいりたいと思っております。
#156
○井上哲士君 当事者として、私、もっと重くこの判決を受け止めていただきたいと思うんですね。
 この判決は、先ほど言ったような法改正後の選挙権に対する最高裁の大法廷判決を引いているという問題と、もう一つは、この成年後見制度自身がこの間のノーマライゼーションの流れにあるものだということを言っております。そういう国際的な流れの中で、知的障害者や心神喪失者等に対して選挙権を付与する改正が国際的にも行われてきたと。イギリス、カナダ、フランス、オーストリア、スウェーデンなどに行われているということも述べております。そして、この日本の現状というのはこういう国際的な潮流にも反すると指摘をしているわけですね。
 この世界の流れに逆行していると、こういうことについての総務省としての認識はいかがでしょうか。
#157
○副大臣(坂本哲志君) 今回の三月十四日の東京地裁の判決や、あるいは国立国会図書館の資料によりますと、精神疾患等を選挙権の欠格要件とする法令の規定を改正し、今言われましたように選挙権を付与している国々もあります。イギリスやカナダやフランス等でございます。一方、精神的無能力者等について選挙権を有しないものとしている国々もまた一方の方であります。アメリカのミシガン州やカリフォルニア州、あるいはドイツ、そしてオーストラリアなどでございます。そういうふうに承知をしているところであります。
 我が国におきましては、それまでの禁治産及び準禁治産の制度に替わり、ノーマライゼーション等の理念に基づき、平成十一年の民法の一部改正によりまして成年後見制度が設けられているというふうに承知しておりますので、いずれにいたしましても、東京地裁における違憲判決を受けての今後の訴訟の対応につきましては、国を当事者とする訴訟を代表する法務省と協議をしてまたまいりたいと思っております。
#158
○井上哲士君 幾つかの国のことを挙げられましたけど、世界の大きな流れを是非しっかりと見ていただきたいんですね。
 法務大臣、あくまでもこの所管は総務省だと言われているんですが、成年後見制度の活用は、今、後見、保佐、補助を合わせますと、二〇一〇年の末で十三万八千八百三十四人、一二年の末で十六万四千四百二十一人と増えておりますが、一二年末でいいますと、九二%以上が後見ということになりますから、選挙権を失います。で、やっぱりこれを見て成年後見制度を活用をちゅうちょしているという国民が相当数いるというのもいろんなところでお聞きするところなわけであります。
 ですから、これは、法務大臣が国の訴訟の法定代理人だというだけではなくて、成年後見制度という民法に規定された制度にかかわる問題でありますし、その選挙権喪失がこの活用を阻害しているという実態があるわけです。
 ですから、法定代理人だということにとどまらず、まさに当事者としてむしろ積極的に総務省とも相談をして、選挙権をしっかり実現をするという方向で対応していただきたいと思いますけれども、改めて法務大臣の見解をお聞きいたします。
#159
○国務大臣(谷垣禎一君) 今御指摘のように、成年後見制度を選挙権が剥奪されているからちゅうちょしているという方があるという指摘は、私どもも伺っております。
 ただ、我々は成年後見制度を所管していることはもうこれは当然事実でございますし、これを今の流れに従って普及していかなければならないことも我々の職責でございますけれども、要するに、選挙権を行使する判断能力をどういうものとしてつくっていくかというのは、これは主として選挙制度の方から考えていかなきゃならない、いただかなきゃならないという面は依然として残るのではないかと思っております。
 いずれにせよ、控訴期限はもう目前でございますから、よく法務省と総務省、協議してまいりたいと思います。
#160
○井上哲士君 各党から、これは公選法を改正するべきだという声が上がっておりますので、是非この点では一致をして取組をしていきたいと思っておりますし、まずはやっぱり国が控訴を断念するということを改めて求めたいと思います。
 総務副大臣、これで結構です。ありがとうございました。
 次に、刑事司法、取調べの可視化の問題についてお聞きをいたします。
 大阪地検の特捜部によるあの村木さんの事件というのは、刑事司法に対する国民の信頼を大きく揺るがしました。検事総長が辞任をし、厳しい国民的批判の中で検察の在り方検討会も設けられたわけでありますが、その一番最初の会議で当時の法務大臣は、検察の再生及び国民の信頼回復のためにどのような方策があり得るかと、検討してほしいと述べられました。つまり、再生という言葉まで使われたような事態だったわけですね。しかし、それ以降もパソコンの遠隔操作誤認逮捕事件なども相次いでおりますが、現状、検察及び刑事司法に対する国民の信頼は回復されたとお考えなのか、まず現状認識について法務大臣にお聞きいたします。
#161
○国務大臣(谷垣禎一君) 今御指摘になりました大阪地検の村木元局長問題に端を発しましたいろいろな経過は、大変検察に対する国民の信頼を損なったと思います。そこで、前政権の時代からこの検察の再生についてはいろいろお取組もあり、現在私どももそれを継続して進めていかなければならない、信頼回復のための道を進めていかなければならないと思っております。
 具体的な案件についてはもう繰り返すのを避けますが、「検察の理念」というものも作り、今法制審の中で司法制度をどういうふうなものとして構想していくか審議していただいております。そういう中で、検察の問題点を克服していく道を切り開いていかなければいけないと思っております。
#162
○井上哲士君 その在り方検討会での議論、検察の再生が必要だという厳しい認識で始まり、そして今法制審の特別部会での議論がされているわけですが、先日基本構想というのが出されておりますけれども、例えば虚偽の自白調書が誤判の原因になったという指摘について述べた上で、捜査段階において真相解明という目的が絶対視される余り、手続の適正確保がおろそかにされ又は不十分となって、無理な取調べを許す構造となってしまっていないかとの指摘もされている、こういう程度のことしか書いてありません。私は、これはかなり違うと思うんですね。
 例えば、村木さんの事件で問題になったのは、真相解明どころか、捜査当局の見立てでそれに合わせて自白を強要して、この見立てに合わないような証拠を隠したり、捏造すらしたと、こういうことが起きているわけですね。こういう言わば自白強要、長期間の身柄拘束、いわゆる人質司法の下で密室で自白を強要すると、こういう仕組み自身が冤罪を生んできたことに対する反省というものがどうもこの基本構想から読むことができないと思うんですが、大臣、いかがでしょうか。
#163
○国務大臣(谷垣禎一君) 何が反省点であったのかというのはいろんな見方があると思いますが、私は根本は今引用されました点にあるのではないかと思っております。つまり、取調べあるいは供述調書へ過度に依存をしたと。そうすると、どうしても自白を求めなければならないということになってまいります。
 そういう中で、刑事裁判の、それが調書としてまとめられて法廷で採用されるということになりますと、実際は刑事裁判の帰趨が事実上捜査段階で決着をしてしまうということにもなり、あるいはそのために結局無理な取調べをしたのではないかというのがあの基本構想の反省点であります。それに対応して適正手続、客観的な真実の発見というだけではなくて、適正な手続を取っていくということの重要性にもう一度戻れと、こういうことを言っているんだと思います。私は、これはこの検察改革ではまさに正道なのではないかと。
 したがいまして、委員の御指摘は、当初の検察の再生といった認識からこの基本構想は後退しているんじゃないかという多分御指摘だったと思いますが、基本を私は踏まえていると、このように考えております。
#164
○井上哲士君 私は、人質司法と言われてきた密室の中でのこの自白の強要ということに対しての認識が、やっぱりそれでは甘いのではないかと思うんですね。
 その結果、この基本構想では二案が併記をされておりますが、可視化を取調べ側の裁量に委ねるというのはおよそ制度化だとは言えず論外でありますが、裁判員裁判の対象事件の身柄事件を念頭に置くというふうにしております。これでいいますと、四%程度に限られるというふうに説明では聞いておるんですが、これではそもそも問題の出発点であった村木さんの事件も、そして今回のパソコンの遠隔操作誤認事件も対象から外れてしまうわけですね。あの事件では、パソコンの遠隔操作誤認逮捕事件では、四人のうち、逮捕された四人のうち二人は全く身に覚えがないのにやったと自白をし、犯行の動機すら述べた供述調書も作られたわけですね。
 なぜこういうことになったのかということの検証が必要なわけですが、神奈川県警が検証しておりますけれども、例えば、少年側は、否認していたら検察官送致をされてこのままだと少年院に入ることになるぞと言われたと言っていますが、警察側は、今後の手続に不安を持っているだろうと考えてその手続について答えたと、全く違う評価になっております。
 そのほかにもいろんな食い違いがあるわけですが、検証したといいながら、なぜこういう食い違いが出てくるんでしょうか。警察、お願いします。
#165
○政府参考人(岩瀬充明君) お答えいたします。
 まずもって、四都道府県警察における誤認逮捕事案では、捜査過程で遠隔操作等の可能性を見抜くことができず、四名の犯人ではない方々を誤認逮捕し、関係者の方々に多大な御迷惑と御負担をお掛けいたしたことは誠に遺憾であると考えております。
 御指摘の神奈川県の事案でございますが、神奈川県警察におきましては、昨年の十月、真犯人を名のる者からの告白メールがあったことを受けまして、少年から再度事情を伺った上、誤認逮捕であったと判明したため少年側に謝罪を行ったところでありますが、これらの機会に、少年側より、否認をしていたら少年院に入ることになる等と取調べ官に言われたとの指摘があったものと承知をしております。
 この点につきましては、神奈川県警察で検証を行った結果、そのような言動自体は確認されなかったものの、取調べ官が行った刑事手続の説明が少年院に入ってしまうという少年の不安を助長させたおそれがあったと報告を受けているところでございます。
 神奈川県警察の検証に当たりましては、少年側の御意向によりまして、少年の御指摘について詳しく確認するため更に聞き取りをすることはできなかったところでありますが、昨年の十二月、検証結果を弁護士の方を通じてお送りした内容を確認していただいた結果、少年側からは検証報告書に対する特段の意見はないという回答をいただいたところであります。
 本事案を受けまして、少年の特性に十分に配慮した取調べが行われるよう全国警察を指導したところでございますけれども、今後もこれを徹底し、再発防止を期してまいりたいと考えておるところでございます。
#166
○井上哲士君 少年は、検察官送致になると裁判になって大勢が見に来る、実名報道されてしまうぞと言われたということも言っているんですね。これも検察側の聞き取りでは、そういうようなことは、言わば裁判の在り方について説明をしただけだと、こういうことになっているんです。ですから、結局これ水掛け論になりますし、検証ができないわけですし、こういうことが何度も何度も反省と言いながら警察は繰り返してきたわけです。
 ですから、どちらが真実なのか検証する、そしてこういうことをなくすというためにも取調べの全面、全過程の可視化というのが求められているわけで、私は、この裁判員裁判の対象事件の身柄事件だけでは当然これも外れてしまうわけですから、こういうことも含めた可視化が必要かと思いますが、警察庁、そして法務大臣、それぞれから御答弁をいただきたいと思います。
#167
○政府参考人(高綱直良君) お答え申し上げます。
 取調べの可視化、すなわち録音、録画には、確かに供述の任意性等の的確な立証を可能とするなどのメリットがあると認識をいたしております。また、その検証機能によりまして、取調べの適正化にも資するものと考えております。
 ただ、他方で、取調べの全過程を録音、録画することにつきましては、事件の真相や組織犯罪等の解明に支障を来すおそれがあること、また、犯罪被害者等の名誉やプライバシーを侵害するおそれがあることなどのデメリットもあると考えております。
 警察におきましては、昨年四月以降、かねて実施をしてきております取調べの録音、録画の試行を拡充をしてきてございます。また、取調べの可視化等につきましては、現在、法制審議会で調査審議が行われているところでございます。警察といたしましては、取調べの録音、録画の在り方につきましては、引き続きこうした試行の状況や法制審議会での調査審議の状況を踏まえつつ、第一次捜査機関としての責務を全うするという観点から、ただいま申し上げましたようなメリット、デメリットを総合的に判断した上で更に検討を進めてまいる所存でございます。
#168
○国務大臣(谷垣禎一君) 基本構想では、先ほど井上委員が指摘されましたように、一つは、一定の例外事由を定めながら、原則として被疑者の取調べの全過程について録音、録画を義務付ける制度案というのが提示されております。これについては、先ほどおっしゃったように、裁判員制度対象事件の身柄事件を念頭に置いて、制度の枠組みの具体的な議論をしていこうということでありますが、その結果を踏まえて、対象事件はどうしたらいいかというのはその結果を踏まえて更に議論しようということだと私は理解しております。ですから、取調べの録音、録画制度の対象事件の範囲は、基本構想に記載されておりますとおり、今後御指摘の点も含めて更に議論が行われることになるというふうに理解をしております。
 いずれにせよ、この法制審議会の議論、きちっとした取りまとめをしていただくことを期待しております。
#169
○井上哲士君 時間ですので終わりますが、私はやっぱり国民の厳しいまなざしにこたえて、冤罪をなくす、全過程の可視化ということを改めて求めまして、終わりたいと思います。
 ありがとうございました。
#170
○委員長(草川昭三君) 本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会をいたします。
   午後二時五十七分散会
ソース: 国立国会図書館
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