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2013/06/04 第183回国会 参議院 参議院会議録情報 第183回国会 法務委員会 第8号
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2013/06/04 第183回国会 参議院

参議院会議録情報 第183回国会 法務委員会 第8号

#1
第183回国会 法務委員会 第8号
平成二十五年六月四日(火曜日)
   午前十時五分開会
    ─────────────
   委員の異動
 五月三十日
    辞任         補欠選任
     池口 修次君     藤本 祐司君
     江田 五月君     岡崎トミ子君
     磯崎 仁彦君     中村 博彦君
     水落 敏栄君     山本 一太君
 五月三十一日
    辞任         補欠選任
     大河原雅子君     松野 信夫君
     岡崎トミ子君     高橋 千秋君
     長浜 博行君     小川 敏夫君
     藤本 祐司君     池口 修次君
     中村 博彦君     磯崎 仁彦君
 六月三日
    辞任         補欠選任
     高橋 千秋君     江田 五月君
     松野 信夫君     蓮   舫君
     山本 一太君     中原 八一君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         草川 昭三君
    理 事
                前川 清成君
                磯崎 仁彦君
                岸  宏一君
                真山 勇一君
    委 員
                有田 芳生君
                池口 修次君
                江田 五月君
                小川 敏夫君
                蓮   舫君
                礒崎 陽輔君
                尾辻 秀久君
                中原 八一君
                長谷川大紋君
                魚住裕一郎君
                森 ゆうこ君
                井上 哲士君
       発議者      前川 清成君
       発議者      小川 敏夫君
       発議者      森 ゆうこ君
   国務大臣
       法務大臣     谷垣 禎一君
   副大臣
       法務副大臣    後藤 茂之君
   大臣政務官
       法務大臣政務官  盛山 正仁君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        田村 公伸君
   政府参考人
       内閣府大臣官房
       審議官      杵淵 智行君
       内閣府男女共同
       参画局長     佐村 知子君
       法務大臣官房司
       法法制部長    小川 秀樹君
       法務省刑事局長  稲田 伸夫君
       法務省保護局長  齊藤 雄彦君
       厚生労働大臣官
       房審議官     神田 裕二君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○理事補欠選任の件
○政府参考人の出席要求に関する件
○犯罪被害者等の権利利益の保護を図るための刑
 事手続に付随する措置に関する法律及び総合法
 律支援法の一部を改正する法律案(内閣提出、
 衆議院送付)
○国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約
 の実施に関する法律案(内閣提出、衆議院送付
 )
○参考人の出席要求に関する件
○民法の一部を改正する法律案(前川清成君外六
 名発議)(参第六号)
    ─────────────
#2
○委員長(草川昭三君) ただいまから法務委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日までに、水落敏栄君及び大河原雅子君が委員を辞任され、その補欠として中原八一君及び蓮舫君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(草川昭三君) 理事の補欠選任についてお諮りをいたします。
 委員の異動に伴い現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。
 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(草川昭三君) 御異議ないと認めます。
 それでは、理事に磯崎仁彦君を指名いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(草川昭三君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 犯罪被害者等の権利利益の保護を図るための刑事手続に付随する措置に関する法律及び総合法律支援法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に内閣府大臣官房審議官杵淵智行君、内閣府男女共同参画局長佐村知子君、法務大臣官房司法法制部長小川秀樹君、法務省刑事局長稲田伸夫君、法務省保護局長齊藤雄彦君及び厚生労働大臣官房審議官神田裕二君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○委員長(草川昭三君) 御異議ないと認め、さよう決定をいたします。
    ─────────────
#7
○委員長(草川昭三君) 犯罪被害者等の権利利益の保護を図るための刑事手続に付随する措置に関する法律及び総合法律支援法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#8
○小川敏夫君 民主党・新緑風会の小川でございます。
 犯罪被害者の権利保護の関係の法案でございますが、犯罪に遭われた被害者の方、やはり大変に悲惨な場合が多いわけでございまして、やはり社会が対応するということは非常に有意義なことだというふうに思っております。
 そんなに昔でもない、私が学生時代に刑事訴訟法等を勉強したときに、この犯罪被害者は刑事訴訟法上どういう位置付けであったのか。どうも思い出してみると犯罪を立証する証拠物の一つではないかと、こんな位置付けじゃなかったかと思いまして、犯罪被害者に対する対応というものがほとんどなかったんじゃないかというふうに思いますが、しかし、様々な場面で、刑事訴訟法上もそうですし、様々な面で犯罪被害者をしっかりと保護する、ケアしていこうということ、私自身も取り組んでまいりましたが、民主党としても取り組んでまいりましたし、皆様の理解で様々なこうした犯罪被害者の対応策が取られているということは非常に良かったと、いいことであるというふうに思っておりますが。
 大臣にお尋ねしたいのは、今回、この法律が出てこれで終わりということではなくて、さらにこの犯罪被害者に対する対応、刑事訴訟法上の位置付けもあるでしょうし、社会の復帰といいますか、犯罪被害に遭う前のような状態で社会にまた元どおりに復帰できるとか、様々な面でのこの被害者の対応が必要だと思いますが、今後のそうした被害者、犯罪被害者に対する対応策について、今後の方針等について所感をお聞かせいただければと思います。
#9
○国務大臣(谷垣禎一君) 今、小川先生がおっしゃったように、私も学生時代、法律を勉強、刑事訴訟法を勉強しましたときは、被害者というものの位置付けはほとんどなかったと言っていいだろうと思います。その点では大きな進歩があったなと思っております。
 これまで法務省としては、犯罪被害者等の方々に、やはりその被害者としての心情や立場に配慮しながら適時適切に情報提供を行うように努める、それから犯罪被害者御自身が自ら刑事手続に関与したり、あるいは経済的な損失を回復することができるような、様々な保護と申しますか、支援のための方策を、あるいはそのいろんな制度の運用改善に取り組んできたところでございますし、また、日本司法支援センター、いわゆる法テラスにおかれましても、被害者参加人のための国選弁護制度であるとか、あるいは民事法律扶助制度を活用するなどして犯罪被害者援助を実施してきたところでございます。
 これは、平成二十三年三月に策定された、もう委員よく御承知のところでございますが、第二次の犯罪被害者等基本計画にも盛り込まれておりまして、今回御審議をお願いしております法律案もこの基本計画で新たな課題とされたものの一つでございます。
 それで、今現在、その中で残されたものとして、今後さらに、損害賠償請求訴訟の準備等のために犯罪被害者等と弁護士等との打合せにカウンセラーなどを同席させることについての法テラスから支援がどういうふうにしたらいいのかとか、あるいは被害者通知制度における通知内容をもっと拡充していく必要があるのではないかなどということを検討しているところでございます。
 それで、私も実はこの犯罪被害者の所管が内閣府だということを法務省へ来るまでよく知らなかったわけですが、内閣府あるいは厚労省あるいは警察、関係の官庁はいろいろあると思いますが、よく連携を取りまして、犯罪被害者の立場というものを十分考えまして施策を進めていきたいと、このように考えております。
#10
○小川敏夫君 今後もしっかり取り組んでいただきたいというふうに思います。また、そもそも犯罪被害者を出さないということが更に最も基本かなというふうにも思っておりますので、そうした面からの取組も是非よろしくお願いいたします。
 さて、少し話題を変えますが、例えば、一般論として大臣にお尋ねしますが、検事が犯罪を犯すと、いや、これは一般論としてお尋ねしますが、というようなことがあった場合、これは法務大臣の姿勢として、やはりそれは、不正は不正でしっかり事実を明らかにして、処罰等対応はきちんとして、そして二度とそういうことが繰り返されないようにという対応を取って国民の信頼を図るというのが取るべき方策だと思うんですが、しかし、場合によっては、いやいや、そういうことを明らかにしたらちょっと国民から信用が傷ついちゃうからこれは少し内々にしておこうかとか、いやいや、事実はまあ余り、蓋しちゃった方がいいんじゃないかとか、そんな対応も中にはあるかもしれませんが、一般論として、大臣としては、法務省を所管する大臣として、検事が犯罪をしたというようなことがあった場合にはどういうふうな対応をしたらいいか、どういうふうに対応すべきというふうにお考えでしょうか。
#11
○国務大臣(谷垣禎一君) これもあくまで一般論でございますが、二つあると思うんですね。
 一つは、犯罪を犯したわけですから、個別的な捜査の問題になります。それで、この個別的な捜査の問題に関しては、これはある意味では他の犯罪におけるのと全く同じだろうと思います。つまり、個々の捜査等々について余り政治的な立場で介入することがあってはならないと、これは指揮権ということが定められている趣旨をどう理解するかということでございますが、一つはそういう問題があろうかと思います。
 もう一つは、全体、検察の仕組みそのものとして、何か全くその本人の個別的事情によるものなのか、それとも組織として何か問題があるのかというようなことはやはりきちっと整理をしていかなければいけない問題があろうかと思います。
 極めて概括的な一般論的なお答えですが、その二つの要素があろうかと思います。
#12
○小川敏夫君 特に、大臣の今のお考えの中で、組織として問題があるのかどうかということもしっかり見極めるべきだという点をいただきました。それは、恐らくその大臣のお言葉を更に敷衍すれば、組織として問題がある場合にはその組織そのものをきちんと正さなくてはいけないと、こういう結論を導く言葉だというふうに思っておりますので、私、そういうふうに理解しまして、次に具体的な質問に移らさせていただきます。
 平成二十四年の六月二十七日に最高検察庁で、国会議員の資金管理団体に係る政治資金規正法違反事件の捜査活動に関する捜査及び調査等についてという報告書を出しました。この中で、田代検事について人事上の処分を科しておるわけでございます。この人事上の処分を科した、その理由はいかなることにあったんでしょうか。
#13
○国務大臣(谷垣禎一君) これは田代事件でございますが、被処分者は東京地検特捜部の検事だったわけでございますが、政治資金規正法違反事件の捜査に従事しておりましたが、同事件関係の取調べを行った後、その取調べ状況を記載した特捜部長あての捜査報告書を作るに当たりまして、実際には同日の取調べにおける関係者の発言が断片的な内容であったにもかかわらず、軽率にも具体的な発言があったかのような不正確な内容を記載した上、これらを同部長らに提出したということで処分を受けたということでございます。
#14
○小川敏夫君 これに関しては、軽率にもと、不正確な内容を記載した上と。この趣旨は、言わば落ち度だ、過失だ、軽率な過失だと、注意力を言わば欠いたためのことであって故意ではないという趣旨に読めるんですが、これが故意であれば、これは公文書の虚偽作成罪になるわけでございます。そして、これに関して、虚偽公文書作成罪ではないかという告発を受けた件に関しては不起訴にして、先般その不起訴に対する検察審査会に対する申立てが出て、結果として不起訴不当という判断が出ました。
 やはり国民が判断して、これは不起訴は不当ではないかという判断をした点は大変重いと思うんですが、その点、大臣はどのように受け止めておられますか。
#15
○国務大臣(谷垣禎一君) これは検察審査会の御判断ですから、私が論評をすることは差し控えた方がよろしいと思います。
#16
○小川敏夫君 いやいや、審査会の判断の当否を聞いているのではないんです。その判断を受けた結果として、不起訴不当という判断を受けたことを踏まえてのお考えをお伺いしたいということです。
#17
○国務大臣(谷垣禎一君) これは、当然のことながら、不起訴不当ということでありますから、検察において再捜査を遂げるということになると思います。その点はそういうことだろうと思いますが、具体的な捜査に入りますので、それ以上のことは私は御答弁は差し控えたいと思います。
#18
○小川敏夫君 まず、処分を行ったということは、犯罪が成立するかどうかは別として、やはり処分を行わなければならない不祥事があったということは、これは検察庁自身も認めた上での措置だというふうに思うんですが、こうした場合、どういう事実があったのか。
 つまり、不祥事とされることは具体的にどういう事実なのかということを私はやはり国民の前にしっかり説明して、どういう事実があったからどういうことをしたんだということを説明するべきだと思うんですが、どうもいわゆる虚偽捜査報告書のこの部分については、そもそも報告書のどこの部分がどういうふうに間違いがあったのかと。
 すなわち、不正確な内容を記載したというふうにあるんですが、どこをどういうふうに不正確な記載をしたのかということについて情報の提供が全くないんですね。漏出した資料からは想像はできるけれども、検察庁なり法務省なりが主体的にこの不正確な内容がどういう内容なのかということを自ら公表したことはないんですが、やはり不祥事というものがあって処分をしたのであれば、どういう事実があったということは国民に対してきちんと情報を公開すべきだと思うんですが、ここら辺の考えはいかがでしょうか。
#19
○国務大臣(谷垣禎一君) この問題は、その報告書が出ておりますのは説明責任を果たすためであったろうと。また、そのような報告を受けております。
 しかし、現在、四月に不起訴不相当であるという、ああいう検察審査会の報告が出まして、段階は再捜査ということになっております。それ以上の論評は今の段階では差し控えたいと思っております。
#20
○小川敏夫君 検審の処分といっても、そもそも昨年の六月に国民に対しては事実を公表しているわけですが、その公表していることが不十分だからという指摘を受けているので、どうも、そこのところを検審の不起訴云々を理由にして、処分した事実関係について説明をなさらないというのはちょっとおかしいかと思うんですが。
 それで、じゃ、どういう不正確な内容を記載したのかと。これは例えば、不正確な内容というふうに軟らかい表現を使っているのは最高検察庁だけでして、言わば裁判所もあるいは検察審査会も、非常に厳しくこれは虚偽ではないかという指摘を受けておるわけでございますが。
 まず、これは大臣に答弁をいただかなくても、客観的事実ですから、どこがどういうふうに不正確なのかということは私がここで指摘させていただきます。それで、この捜査報告書がありまして、その主要部分、これから事実でない記載があった部分を読み上げますので、少し聞いていてください。
 その前提として、まず検事が石川氏に対して四項目ぐらいのことを質問したけれども、どうもいずれの点についても否定したという前提があって、この前提事実もちょっと事実とは違うと思いますが、それで、石川氏が否定したので検事が説得に入ったという部分が架空の記載があるわけでありますが、じゃ、その架空の記載がどうなのかということをこれから具体的に読み上げさせていただいて、どういう架空の記載の内容だったのかということをまず説明させていただきます。
 「そこで、石川に対し、「これらの点に関し、これまで供述して調書にしたことについては、そのとおり間違いないか。」と申し向けたところ、同人は、「うーん。」と唸り声を上げて暫く考え込んだ後、本職と以下のやりとりをした。」と。
 この「以下のやりとりをした。」ぐらいはいいですけれども、ここからの以下のやり取りが全く架空なんですが。
 石川 問題はそこですよね。そこをどうするかですよ。
 本職 何が問題なんですか。
 石川 まあ、四億の収入と土地代金の支出を意図的に書かなかったことやその理由については、これまでどおりでいいですよ。
 問題は小沢先生に関わるところですよね。
 だって、一昨日、小沢先生は検事に対し、改めて、私から収支報告書への不記載などについて一切説明を受けていないし、定期預金担保貸付の必要性などについても説明を受けていない、収支報告書案も見せてもらっていないなどと言って供述調書を作ったわけですよね。
 それなのに、私が、今日、「これまでの供述はそのとおり間違いありません。」ってやったら、小沢先生の説明を否定することになりますよね。
 でも、先ほどの四点については、これまで検事から何回も聞かれ、わたしの記憶している限りのことを話して、供述調書も取られてるわけですから、それを今更否定して、「あれは嘘です。」なんて言えないと思いますし、本当にどうするのが良いのか分からないんですよ。
 今日は話だけして、供述調書は作らないという選択はないんですか。
 本職 本日の供述内容については供述調書を作成したいと考えているが、それに署名押印するかどうかは貴方自身の判断ですよ。
 石川 常識的に考えて、今更、署名拒否なんてできないでしょ。
 署名拒否でも良いですか。
 本職 だから、それは貴方自身の判断ですよ。どうしますか、署名拒否にしますか。
 石川 そんな、突き放さないでくださいよ。
 本職 既に署名指印した供述調書については、実際に貴方が貴方の記憶どおりに供述したことが録取されているということで間違いないですか。
 石川 それは否定できないですよね。
 無理に嘘を調書にされたということはありませんし、その内容も毎回、自分でだいぶ長い時間をかけて確認した上で署名指印したんですから。
 本職 例えば、小沢先生に対する報告とその了承や、定期預金担保貸付の必要性の説明について、貴方がどういう形で供述して調書を録取したか覚えていますか。
 石川 だいたい覚えていますよ。
 確か、逮捕された次の日でしたから、今年一月十六日土曜日の夜の取調べでは、収支報告書の不記載などにつき、小沢先生に報告をして了承を得たことや、小沢先生からの四億円を表に出さないために定期預金担保貸付を受けるという説明をして了承を得たことを大まかには話したと思いますが。
 私が、「収支報告書の記載や定期預金担保貸付については、私自身の判断と責任で行ったことで、小沢先生は一切関係ありません。」などと言い張っていたら、検事から、「貴方は十一万人以上の選挙民に支持されて国会議員になったんでしょ。そのほとんどは、貴方が小沢一郎の秘書だったという理由で投票したのではなく、石川知裕という候補者個人に期待して国政に送り出したはずですよ。それなのに、ヤクザの手下が親分を守るために嘘をつくのと同じようなことをしていたら、貴方を支持した選挙民を裏切ることになりますよ。」って言われちゃったんですよね。
 これは結構効いたんですよ。
 それで堪えきれなくなって、小沢先生に報告しました、了承も得ました、定期預金担保貸付もちゃんと説明して了承を得ましたって話したんですよね。
 本職 そうでしたね。
 それで、翌日一月十七日の日曜日、更に具体的にその状況を確認した上で、供述調書を録取しようとしたら、貴方は「安田先生から、土日は絶対に供述調書に署名したら駄目だと言われているので勘弁してください。」と言って、供述調書を作成させませんでしたよね。
 石川 確かに、そう言いました。
 本職 そして、一月十八日月曜日、土日は貴方の言うとおり供述調書は作らなかったが、今日はこれまでの供述内容を調書にしますよと言うと、貴方は、「実は、今日も接見で安田弁護士から、「どんな内容の調書であっても署名してはならない。例え供述したとおりのことが書いてあると思っても、どういう使われ方をするか分からないから、署名は拒否するように。」ときつく言われたんですよ。検事、本当に申し訳ないんですが、もう一日待ってもらえませんか。」などと言って泣き付いてきましたよね。
 石川 そのとおりです。
 本職 結局、一月十八日も供述調書は作成せず、一日待って十九日になっても、「今日の接見でも、安田先生から署名拒否を強く指示されたので署名できない。」などと言って、ごねていたじゃないですか。
 石川 そうでしたね。
 でも、検事から、「供述していることが事実であって、そのとおりの内容が供述調書に取られているのであれば、署名拒否する理由はないでしょ。」と理詰めで来られて、私もそのとおりだと思ったので、最後は、私が「調書に署名したことは、安田先生には内緒にしてください。」とお願いして、この日に供述調書を作ったんでしたね。
 本職 そういう経緯で供述調書を作成し、その後も何度か同じ趣旨の供述調書を録取しているわけだから、現段階で、供述調書への署名指印を拒否したり、供述を後退させる、例えば、最初のころのように、収支報告書の不記載なども定期預金担保貸付も、全て貴方の判断で行ったことで小沢先生には報告も説明もしていないし、了承も得ていないとするのは、慎重に考えた方がいいですよ。
 特に、供述を後退させた場合に、その供述調書を読んだ人がどう思うかということですよ。
 石川 どう思いますかね。
 本職 それは貴方が供述調書を読む人の立場に立って考えて判断すればいいんじゃないですか。
 石川 今更、小沢先生は関係ありませんでしたなんて言っても、信じてもらえるわけがないし、かえって、小沢先生が口止めしたに違いないとか、やっぱり絶対的権力者なんだなって思われますよね。
 本職 そう解釈される可能性もあるんでしょうね。
 石川 いや、みんなそう思うんじゃないですか。
 しばらく沈黙した後
 石川 分かりました。
 色々と考えても、今まで供述して調書にしたことは事実ですから、否定しません。
 これまでの供述を維持するということで、供述調書を作ってもらって結構です。
と読み上げました。読み上げた部分が実際にはない架空のやり取りを書いてあるんです。つまり、虚偽捜査報告書の八割、あるいは、この報告書はなぜ石川さんが一月の段階で供述調書に供述して署名したかということを正当化するための報告書だとすると、報告書の主要部分の全部、ほとんど全部、これが架空のやり取りなんです。
 これが単なる間違いだと、報告書の記載ですと、要するに、軽率にもですか、結論としては、軽率にも事実でない記載をしたという落ち度ということで済まされているけれども、とてもその軽率な落ち度によって書かれたような内容の架空のやり取りじゃないんですよ。そういう事実関係からこれをどう思うかと言っても、大臣もそれは立場上ここでは答弁できないでしょうけれども、こういう余りにもひどい架空の状況のやり取りを見て、検察審査会もこんなのは記憶違いなんてことはあり得ないという大変厳しい理由を付けて不起訴不当という判断をしたわけです。
 あるいは、この石川氏の供述調書を採用するかどうかという、裁判所も非常に厳しい指摘で検事の弁解を排斥しておるわけです。例えば、東京地方裁判所の決定は、検事が証言したわけです、報告書に書いてあるようなやり取りが一月の勾留段階の取調べのときにありましたと、そのことを五月の段階の取調べと記憶違いしましたと、こういうふうに法廷で証言したわけですが、裁判所は、結論で言うと、記憶の混同が生じたとの説明はにわかに信用することができないといって、言わば検事の説明は信用できないといって排斥されておるわけです。あるいは、田代検事の公判供述の信用性には以上で検討したとおり深刻な疑問があると。深刻な疑問があると、こういうふうに言っておるわけです。
 どうでしょう。五月十七日、つまり、この報告書を作成した前の日や二、三日前のことと、それから四か月前の勾留中の取調べの出来事のやり取りを記憶の混同をしたといっても、先ほど私が長々と述べた架空のやり取りというものを見ますと、誰がどう考えても常識的に記憶を混同して書いたとは思えない。現に裁判所も、そして国民の声を代表する検察審査会も、そんな記憶違いなんてもうおよそばか言うなという、ばか言うなという言葉は使っていませんが、そういう表現でこれを判断しておるわけです。ところが、検察庁だけが、いや、記憶違いです、記憶違いですと言って、これを言わばやり過ごそうとしているというのかな、そういう状況ですから、やはりこれはおかしいんじゃないかと私は常々問題にしておるわけですが。
 大臣、そういうふうに言われてもなかなか大臣のお立場上答えられないかもしれませんが、しかし、裁判所から信用できないと、検察審査会からも記憶違いという弁解は信用できないと指摘されているということを踏まえて、やはりこれは検察として、あるいは法務省として、どうでしょう、それを指揮監督する大臣として何か所感というものはございませんでしょうか。
#21
○国務大臣(谷垣禎一君) 委員がお書きになった本も実は森ゆうこ議員からいただきまして読ませていただきましたので、小川委員がおっしゃりたいことは私はある程度理解はしているつもりでございます。
 その上で、今、検察審査会の不起訴不相当ということになりますと、今お読み上げになったことも、実際、あるいは検察審査会で指摘を受けたことも踏まえて今後再捜査ということになると思いますので、大変紋切り型の答弁で申し訳ないと思いますが、それ以上評価にわたることは今の段階では差し控えたいと思っております。
#22
○小川敏夫君 大臣が、再捜査している、具体的な捜査にかかわれないというお立場ですから、大臣の答弁としては、今、現段階の答弁としてはそういうことなんだろうというふうに思いますが。
 ここは、とても記憶違いとしては考えられないということで説明させていただいて、現に裁判所も検察審査会もそういう判断で来ておるわけですが、もっと深刻なことは、記憶違いという言葉で議論していると一つ事実を間違って受け止めてしまうようになってしまうんですね。
 具体的に言うと、記憶違いというのは、一月にあったやり取りを五月のやり取りと勘違いしたというのが記憶違いですよね。つまり、田代検事は言っておるわけですね、あるいは法務省もそういう弁解を崩せないと言っているのは、まさに、五月十八日から書いた報告書は五月十七日の取調べの状況を書いた報告書なんだけど、実は一月の取調べのことのやり取りを記憶が混同したんだと、こういうふうに言っておるわけです。
 そうすると、一月にこの報告書に書かれたような取調べのやり取りがあったからそのことを混同したというふうに論理的にはなるわけで、ですから、記憶の混同、記憶の混同と言っていると、この報告書に書かれたさっきのやり取りが一月の取調べのときには実際にあって、それで石川氏が検事の説得に打たれて供述調書が作成されたのかなということを一つの前提事実として何か受け止めてしまって議論をしやすいんですね。
 しかし、よく見てみると、田代報告書に書かれている事実は五月のときには全くないという、架空のことであることは録音で明らかになっている。じゃ、勾留中の一月の段階にそういうやり取りがあったのかというと、これがまた非常に疑わしい。裁判所は何と言っているか。検事が石川氏を説得して取った調書じゃないと。石川氏を脅して、あるいはこのくらいのことはしゃべったって法律の専門家からすれば共謀を認めたことにならないよと、こういうふうに言わばだまして、そして石川氏に署名させた調書だと。だから、田代検事が言っているような、検事が石川氏を説得して、そして供述調書を取ったものじゃないと、裁判所はそういうふうに言って、それでその調書の証拠採用を、証拠から排除したわけです。
 だから、記憶違い、記憶違いというんじゃなくて、そもそも、五月のときの取調べで架空のやり取りだけれども、一月の取調べとしても全く事実じゃない。だから、本当は記憶違いじゃなくて、全くもってでたらめのことをこの報告書は書いたんじゃないかと。記憶違いということは、一月にそういう事実があった上で記憶違いということですけれども、一月にそういう、この田代報告書に書かれているような、検事が石川氏を説得する場面というものはまさに裁判所から否定されているわけです。
 そうすると、これは記憶違い、記憶違いといって議論しているとどうも事実を間違うので、実は記憶違いなんというものじゃなくて、そもそも自分の違法な取調べを正当化するためだけの全くの架空の作文じゃないかと。少なくとも裁判所はそういうふうに認定しておるわけです。あるいは、ですから、一月にそういう取調べがなかった、でも田代検事はあったといううそをついて、しかも、あったことと、それと記憶を混同したというふうにまたうそをついて全く架空の報告書というものを言わば弁解しているんじゃないかという推理ができるわけで、裁判所はそういう判断を立てておるわけです。
 もう一つ、これも大臣に答弁いただくことじゃないけれども、石川氏はこういうふうに言っているんです。あなたは有権者の信頼を受けて云々と、何万人かの有権者の支持を受けてなったんでしょうといって説得されたということは、田代検事に言われたんじゃないんだと、吉田検事に言われたんだと。じゃ、田代検事がいろいろ言ったというのは、やっぱりおかしいことになるんですね。
 だから、まず記憶違いだと、さっきも読んだ全くの架空のやり取りというものが記憶違いで書かれたということ自体が、もう全く世間の常識からいっておかしいし、おかしいから司法もそんな弁解は採用できるかと言うし、検察審査会も、とてもじゃないがそんな弁解は採用しないというかなりはっきりした表現で弁解を排除されているわけですがね。
 私は、更にもう一つ言って、記憶違いで一月にあったことと記憶を取り違えたという、その話も私はおかしいと思っているんです。一月にもなかったやり取りを、ただ書いていると。
 じゃ、一月に本当にここに書かれているような取調べがあったのかどうか、そして、それと勘違いしたのかどうかということは、それは、取調べを受けた石川さんから話を聞けばこの事実を解明する大きな一つの手掛かりになると思うんですが、実際には石川氏の事情聴取はしておらないわけです。この虚偽捜査報告書を告発された件について供述していないと。
 そうすると、石川氏が供述していれば、私は選挙民云々なんということを田代検事から言われた覚えはありませんと、ですからそんなやり取りありません、五月のときにないのは当然として、一月のときにもそんなやり取りはしていませんという供述調書があって、そして、それは当然、本来検察審査会に一緒に送られて検察審査会の判断にもなるはずなものですけれども、これだけ重要な石川さん、参考人を、この虚偽捜査報告書のことについては事情聴取をしないまま捜査を終え、調査を終えて、この昨年の六月二十七日に最終的な処分を出しておるわけです。やはり捜査のやり方も非常におかしいと思うんですがね、というのを私が言いたいわけでございます。
 まあ、これについてまた所感を聞いても大臣もそれはなかなかお答えにくいでしょうけれども、どうでしょう、私、最初に聞きました、検事が犯罪を犯したときと。犯罪を犯したといっても、それを犯罪として認めない場合もあるでしょうけれども、少なくとも、何らかの不正が法務省なり検察の中であれば、やはりそれは国民が納得できるような対応、すなわち、それは蓋をして隠すということではなくて、事実を明らかにして、そしてまた、事実はどういうことがあったのかということをきちんと明らかにして、国民から受けるべき批判はきちんと受けて、そしてしっかりとこの体制を立て直す、組織的な問題があれば組織をきちんと、そういったことの反省の上に立って同じことを繰り返さないという、そうした組織に戻すということが私は必要だと思うんですが、どうでしょう、そうした点について。
 少なくとも、私は、この虚偽捜査報告書の問題について、まず事実関係について国民にオープンにしていない、それから、やはりこの処分に至る調査あるいは捜査も含めて不十分だったんじゃないかというふうに思っておるわけですが、大臣としての所感はいかがでしょうか。
#23
○国務大臣(谷垣禎一君) 私は、今委員、るる委員の御意見をおっしゃいました。これから基本的に検察がやるべきことは、検察審査会等々の指摘も、議決の指摘も十分踏まえた上で再捜査を遂げるということだと思います。それがどういう結論になるかは、私は今、予断を持って申し上げるわけにはまいりません。
 それで、その結論を受けた上で、さらに、どういう判断を組織としてしていくかということは、これはないわけではないと思いますが、現在の段階では、そういう再捜査ということを前提にして今お答えできるのはここまでかなと、こんなふうに思っております。
#24
○小川敏夫君 私は、この虚偽の報告書、今述べたように大変許し難い、検事の在り方としてあってはならない行為だと思っているんですが、私はもう一つ、マスコミの報道ぶりも事実を余り報道しないんですよね。どうもマスコミの記事だけ読んでいると、報告書というものがあってその一部だけに何か、あなたは選挙民に言われたのに云々という、何か一部だけ筆が滑ったような誤りがあるような報告書であるかのような報道しかされていないんですね。
 まず、虚偽報告書の虚偽の内容というものがどういう虚偽なのかということが報道されていない。だから、マスコミの報道も不十分だと思うけれども、しかし、考えてみれば、検察が、どういう虚偽があったんだと、具体的に報告書のどこの部分が事実じゃなかったのかということを明らかにしていないんですね。
 私は、やっぱり普通の捜査事件の捜査内容を公開するというのではなくて、やはり検察自体も処分をしたように、刑事事件には立件しなかったけれども、やはり一つの不祥事として処分をしたわけですから、どういう間違いがあったのか、どういうことが事実でなかったのかという、まず事実をきちんと明らかにすることが最初だと思うんですね。そして、その上できちんとした対応をすべきじゃないかというふうに思っております。そういうふうに思ったものですから、今日は大臣に質問という形でいろいろ問題を提起させていただきました。
 これで私の質問を終わります。
#25
○磯崎仁彦君 自由民主党の磯崎仁彦でございます。時間も押しぎみでございますので、早速質問に移らさせていただきたいと思います。
 残念ながら、今犯罪というものは非常に多様化して、また無差別殺人、無差別犯罪というのも起こっておりますので、いつ何どき誰が犯罪に巻き込まれるかも分からないと、それが今の世の中だろうというふうに思っております。そういった意味では、犯罪被害者等の保護あるいはその支援ということにつきましては、やはり誰もが犯罪被害者になり得るという、そういう前提で取り組んでいかなければいけない問題なんだろうなというふうに思っております。
 この問題につきましては、平成十六年に犯罪被害者等基本法が制定をされて、それに基づいて、第一次といいますか、基本計画ができ、現在、第二次の基本計画、これに基づいていろんな具体的な施策が行われている。その一環として、今日話題になっております犯罪被害者等旅費の支給の法案が提出をされているということかと思います。
 まず、私からは、非常に基本的な内容の確認でございますが、今回は被害者参加人に対して旅費、日当及び宿泊費を支給するということになったわけでございますが、これらの旅費等の性格がどういうものなのかということについて、まず冒頭お伺いをしたいというふうに思います。
#26
○政府参考人(稲田伸夫君) 被害者参加旅費でございますが、これは裁判所で開かれた公判期日などに出席した被害者参加人に支給されるものではございますが、被害者参加人の公判期日等への出席はその意思に委ねられているところがございます。そういうことから、いわゆる義務の履行に対する補償というものではなく、被害者参加人に対する配慮の一環として支給されるものであって、言わば被害者参加人に対する経済的支援の性質を有するものというふうに理解をしているところでございます。
#27
○磯崎仁彦君 ありがとうございます。
 そういう性格ということになりますと、訴訟費用として支給をされる公判廷期日等に出頭させた証人であるとか、あるいは公判廷期日等において鑑定あるいはその通訳又は翻訳をさせた鑑定人、通訳あるいは翻訳人又は国選弁護人等に支給される費用とは性格が異なるという理解でよろしいでしょうか。
#28
○政府参考人(稲田伸夫君) 御指摘のとおりだろうというふうに思います。
#29
○磯崎仁彦君 それでは、続きまして、支給される対象についてでございますが、これも非常に基本的な質問をさせていただきますが、本法律案につきましては、被害者参加として出廷した場合に旅費等が支給をされるということでございますので、裁判の公判期日への出席、あるいはその証人尋問、被告人質問、事実又は法律の適用に関する意見陳述、こういった場合には旅費が支給をされるけれども、心情等の意見陳述や傍聴、こういったために出廷した場合には同じ被害者等であっても旅費等は支給されないということになるかと思いますが、これはどういう理由によるものなのか、お答えいただきたいと思います。
#30
○政府参考人(稲田伸夫君) 本法律案は、被害者参加制度の下で、犯罪被害者らが被害者参加人として適切かつ効果的に刑事裁判に参加するためには、被害者参加人自らが公判期日などに出席し、一定の訴訟活動を行う機会が与えられることが重要であるという見地から、被害者参加人が公判期日などに出席して訴訟活動を行うことを実質的に保障するため、この公判期日などに出席した被害者参加人に対し国費により旅費等を支給する制度を創設するということにしたものでございます。
 したがいまして、先ほど御指摘のございましたような、例えば心情の意見陳述のような場合にはこの制度の対象にはしなかったというところでございます。
#31
○磯崎仁彦君 確かに、この第二次の基本計画の中でも、検討すべき項目としては、被害者参加制度を利用してということが対象になっておりますので、それに基づいての検討ということだったかと思いますが、被害者団体等からは、心身に重篤な障害を受けて付添人を必要とする被害者が被害者参加する場合にはその付添人に対してもという要望も出ているかと思いますけれども、これについては検討がされたのかどうか、いかがでございましょうか。
#32
○政府参考人(稲田伸夫君) 確かに、被害者参加人の方が公判期日等に出席する場合に、これに付添いをした方の旅費等の負担ということも大きな負担であろうということもございますので、この軽減を図ることも有意義であるというふうには考えたところではございますが、他方で、このような場合にまで旅費等を支給する制度を創設することにつきましては、現下の厳しい財政事情の下で、その必要性及び相当性を考慮しつつ、慎重に検討する必要があるというふうに考えたところでございます。
#33
○磯崎仁彦君 検討の状況はよく理解ができました。
 それでは、続きまして、日本司法支援センター、いわゆる法テラスの件につきまして御質問をさせていただきたいと思いますが、このいわゆる法テラスは、法的トラブル解決のための総合案内所ということで大きな役割を果たしているというふうに認識をしております。
 業務内容も非常に多岐にわたるということで、例えば法テラス・サポートダイヤルあるいは法テラスの地方事務所、こういったところに問合せがあった場合に的確に案内をしていくという情報提供業務、これが一つあろうかと思います。また、無料法律相談、これを行う民事法律扶助の業務、さらには弁護士やあるいは司法書士の費用などを立て替える犯罪被害者支援業務、さらに司法過疎対策業務、それから国選弁護人等関連業務等、多岐にわたっているわけでございますけれども、今後の法テラス、どういう業務領域あるいはどういう役割を担っていくかということにつきまして、今後の方向性等々につきまして何か御見解等がありましたらお伺いをしたいというふうに思います。
#34
○政府参考人(小川秀樹君) 御指摘ございました法テラス、今お話ございましたように、大変多様な業務を行っております。
 今御指摘のなかった点で申しますと、犯罪被害者に対する援助、支援ということもやっておりまして、民事法律扶助制度を活用するなどした犯罪被害者援助、被害者参加人のための国選弁護制度、被害者等の援助に関する情報及び資料の収集、提供などを実施しておりますほか、この法案が成立いたしますと、裁判所から請求書や必要な資料の送付を受けて旅費等の額の算定、支給を担うことが予定されるというわけでございます。
 いずれにいたしましても、法テラスにおきましては、引き続き、関係機関とも適切に連携いたしまして必要な被害者支援の取組を行っていくものと承知しておりますし、法務省といたしましてもこれを適切にサポートしてまいりたいというふうに考えております。
#35
○磯崎仁彦君 冒頭申し上げましたように、本法律案による被害者参加として出廷した場合の旅費等の支給は、第二次の犯罪被害者等の基本計画において二年以内を目途に結論を出して必要な施策を実施するという、それ、定められた内容に従って今回法律化がなされたということかと思います。
 今ここに平成二十三年三月の第二次基本計画というのを持っておりますけれども、具体的な項目としましては非常に多岐にわたって、恐らく二百四十項目にも上るような、そういう具体的な施策というものが定められているかと思います。その中には、項目をずっと書いただけのものもあれば、例えば具体的に、今回のこの犯罪被害者の旅費につきましては二年以内を目途にということで、大体の期限の明示がされている項目につきましても何項目かございます。
 今回のこれがそうでございますし、例えば、今申し上げました法テラス関係の、法務省及び日本司法支援センターにおいて、犯罪被害者等が提起する損害賠償請求訴訟等の準備及び追行の過程で、代理人である弁護士等がカウンセラー等を犯罪被害者等々打合せに同席させることに対して同センターが支援を行うことについて検討を行い、二年以内を目途に結論を出し必要な施策を実施する等々、一年以内、これはもう一年過ぎておりますが、二年以内、三年以内を目途にということで、ある程度その期間の目安を持って検討して結論を出すという項目が幾つかあるわけでございますけれども、こういったものにつきまして、今回のこの犯罪被害者の旅費等の別の項目について、いわゆる期間の目安が付いているものについて、既に実施をされた、あるいは今こういう方向で検討しているという、そういうものがございましたら、御見解をいただきたいというふうに思います。
#36
○国務大臣(谷垣禎一君) 今委員がお示しになりました第二次のこの基本計画、今回出しております法律も、御指摘のようにそれにのっとったものでございますが、今後法務省として検討しなきゃならないものは大きく申しますと二つ、今検討しているものは二つございます。
 一つは、今おっしゃった日本司法支援センター、法テラスが損害賠償請求訴訟等の準備のため、被害者、弁護士等との打合せにカウンセラーを同席させる、それを法テラスによって支援してもらおうというものでございます。これは今、民事法律扶助制度による立替払の対象とするということについて調整を進めているところでございます。
 それからもう一つは、被害者等通知制度における通知内容の拡充というのもやはり検討しなければならないことでございまして、現在は犯罪被害者等々の希望に応じまして、検察庁における事件の処分結果あるいは刑事裁判の結果、それから仮釈放審理に関する情報、矯正施設から釈放された年月日、矯正施設や保護観察における処遇状況に関する情報などを通知しているわけでございますが、犯罪被害者の方々の要望もいろいろございまして、それを踏まえまして、矯正施設や保護観察における処遇状況に関する通知事項を追加するといったことを今検討しているところでございます。
 整理でき次第、またいろいろと御協力をお願いして進めていかなければならないことだと、このように考えております。
#37
○磯崎仁彦君 ありがとうございます。
 恐らく二つ目の通知内容の拡充等々につきましては、この基本計画の中でもプライバシーの保護云々という項目もあろうかと思いますので、そういったことも配慮しながら前に向かって進めていただきたいなというふうに思います。
 時間もありますので、最後の質問に移らせていただきますけれども、この第二次の基本計画におきましては五つの重点課題ということで、被害回復・経済的支援等の取組、精神的・身体的被害の回復・防止の取組、刑事手続への関与拡充への取組、これが今回の内容でございますが、四つ目が支援等のための体制整備の取組、そして五つ目に国民の理解の増進と配慮・協力への確保への取組ということで、この犯罪被害というものについてはまだまだやはり国民の皆様の理解といいますか、それが進んでいないところがあるんだろうなというふうに思います。
 ただ、やはり冒頭申し上げましたように、誰がいついかなるときに犯罪被害者になる可能性もあるということで、やはり国民全体で、この犯罪被害ということにつきましては、犯罪の防止ということも含めて十分な理解をしてもらう必要があるんだろうなと。これはもう法務省だけではなくて、文科省の法教育的なものも含めて幅広い中で進めていく必要があろうかと思いますけれども、法務省の管轄領域としてこの国民への理解の増進ということについて今どういう取組をされているのか、お答えをいただきたいというふうに思います。
#38
○国務大臣(谷垣禎一君) 国の被害者に対応する施策が十分効果を上げるためには、それからまた被害者の方々が地域社会で安心して生活をしていただくためには、委員おっしゃったように、地域社会あるいは国民の理解と協力というものがなければうまくいかないんだろうと思います。
 そこで、今、その理解を図っていくことが大変大事でありますが、法務省として今やっておりますことを二つ申し上げます。
 まず、人権啓発活動の年間強調事項として、犯罪被害者とその家族の人権に配慮するということを掲げておりまして、これは一年を通じて、全国の法務局であるとかあるいは地方法務局で犯罪被害者等の人権問題に関する理解を求めるため講演会を開催したり、あるいは啓発冊子の配布をしたりということをやっております。
 それからもう一つは、法教育推進協議会というのがございますが、こういうところを通じて、これは、先ほど文部科学省とおっしゃいましたが、学校教育を中心に法教育を普及啓発を法務省としても促進していこうと、その中で法や司法によって自らを守る、あるいは他者を等しく尊重するという、こういう理念、考え方、これを体得させるというようなことに力を入れております。これからもこれは充実させていかなければならないと思っておりまして、関係省庁ときちっと連絡をしながら進めてまいりたいと思っております。
#39
○磯崎仁彦君 ありがとうございました。
 基本法の冒頭にもございますように、やっぱり犯罪被害者等の視点に立つということが一番重要かと思いますので、私どもの立法府もそうでございますけれども、行政府におかれましても是非ともその視点を持ってこれから行政に当たっていただきたいというふうに思います。
 これで質問を終わります。
#40
○真山勇一君 みんなの党の真山勇一です。どうぞよろしくお願いします。
 先ほどからもお話出ていますように、今の社会では私たちはいつどんなときに事件に巻き込まれてしまうか分からない、そして巻き込まれれば当然被害者ということになりかねない、そういう状況にあるわけですね。
 そういう中で、やはり裁判、公判の過程で被害者の方が公判に出てきて話をするということ、そしてさらには、その出てくるために掛かった費用を今後負担していこうということは、本当にこれはまさに今の司法の改革というか改善する方向で大変有意義なことであるというふうに私は思っております。
 私も、現役の社会部の記者として活動していたときには様々な事件を取材して、そして裁判を取材したわけですけれども、捜査の段階では、被害を受けた方というのは捜査に協力をしたり、あるいはいろいろな形で、一部マスコミにさらされ過ぎるというような批判もありますけれども、そうしたことで捜査には様々な形で協力したりしてくるわけですね。しかし、一旦捜査が終わってそのケースが裁判所へ送られてしまうと、全くそこからは被害者の方たちというのは蚊帳の外で、今まではもう本当にどういうことが行われていたのか分からなかったという状態ではなかったかと思うんです。
 私も、そんなときに被害者を取材して感じたのは、いつ裁判が、自分がその被害に遭った事件の裁判がいつ始まるんだろうか、それが分からない。あるいは、どんなことが今行われているのか、挙げ句の果てはその判決の日すら分からないというようなことがあって、そういうことを知るのはメディアからなんですというような声をよく以前は聞きました。そういうことが今回のこの改善によって直されてきているということを私は十分評価したいというふうに思っております。
 その上でいろいろと、なるべくダブらないように質問をさせていただきたいと思うんですけれども、この被害者参加制度というのは、平成二十一年から実施されたというふうに理解しております。この被害者参加制度の対象となるいわゆる事件の裁判ですね、その総数と、今回のこの被害者参加制度を利用していた人の数というのはどうなんでしょうか。そして、それを例えば、数を率に直した場合どうなのかということについて伺いたいと思います。そして、その数字について、結果、傾向、そういうものがあると思うんですが、それをどうとらえていらっしゃるのか、法務大臣のお考えを伺いたいというふうに思います。
#41
○国務大臣(谷垣禎一君) この法律ができまして平成二十三年度末までで、被害者参加制度の主な犯罪対象、この裁判の総計は三万六千六百三十八件でございました。それで、このうち被害者参加制度が利用された件数は千四百八十三件、これは割合は約四%であるということでございます。
 それで、この利用率、最初は二・九%でございました。四%というのは決して高い数字ではないかもしれませんが、少しずつ増加しているということかなと思います。ただ、これは罪名によってかなり実は違いまして、殺人では約一四・三%、それから危険運転致死では約三二・三%、それから強盗致死ないし強盗殺人では約二三・八%、それから自動車運転過失致死では約九・二%と。やはり被害者がお亡くなりになっている事件では比較的利用率が高いという状況にあるように見ております。
#42
○真山勇一君 やはり年を追うごとに少しずつ利用率は高まってきているのかなということを今伺いました。
 それと、こういう事件の被害者というのは、やはり積極的に、何か被害に遭ったときに、肉親が遭った場合に、その自分の思いを何か法廷で述べたいという意見と同時に、やはりそっとしておいてほしいと、余り騒がれたりするのは嫌だという考え方、自分の方の、個人のプライバシーの方を大事にしたいという方もいらっしゃるので、そんなに劇的にはやはり増えていかないというふうには思いますけれども、やはりこうした、疎外されているよりは何らかの形でその事件にかかわっていきたいという方が少しずつ増えてきていると。
 やはり今回の制度が少しずつそういう意味では生かされてきているのかなというふうには思いますけれども、犯罪被害者の方が法廷に参加してそれで話をすることによって、今までで法廷の中でいろいろな何か効果が出ているか、あるいは裁判のその過程の中で何か変化というものを今のところ何か感じられておられるでしょうか。
#43
○政府参考人(稲田伸夫君) 今御指摘の被害者参加制度を利用された方のアンケートなどを見ますと、例えば心情意見陳述制度を利用した方からは、被害に対する自らの様々な思いを御自身の言葉で直接訴えかけられてよかったというような御意見もいただいておりますし、昨年、当省が実施した犯罪被害者団体などからのヒアリングにおきましても、被害者参加制度を利用した方から、言いたいことを言えてよかったと、判決にも遺族の感情を肯定してもらえたと思うなどというような御意見もちょうだいしているところでございます。
#44
○真山勇一君 やはり思いを訴えられてよかったという、そういう変化は出てきていると思うんですけれども、被害者側はそういう感じだと思うんですが、一方、それが、被告側に何かその声が届いている、あるいは被告側が何かこれによって反応などがあるということは現時点では何かとらえられておりますでしょうか。
#45
○政府参考人(稲田伸夫君) 被告人の方が、今申し上げましたようなことによって、被害者らの心情を直接聞くことによることでいろいろな影響があるかということでございますが、例えば、被害者が参加することが決まって、当初は反発していた被告人の方が、被害者の真情の吐露を受けて事件の重大性を真摯に受け止めてくれるようになったと思われることがあったとか、被害者から直接苦痛を聞き被告人が反省を深める契機になったと思われることがあるとか、被告人に罪の重さを自覚させることができたと思われることがあるなどといった例があるというふうに伺っているところでございまして、被害者参加制度の導入の趣旨がこの面でも一定程度は実現されているのではないかというふうには思っております。
#46
○真山勇一君 さらに、やはり今後、先ほどのお話でも、この被害者参加制度というのは利用者が増えていくのではないかというような傾向も見られるわけですけれども、今後、やはり今回新たに導入する旅費、日当、宿泊費などを負担するということになると、現時点でこれを利用されている方、つまり今後支給対象になるような数字が今の時点でどのぐらいあるのかということと、今後どのくらいというふうに予想しているのか、それにかかわる予算というのはどんなふうに考えておられるのか、お聞かせください。
#47
○政府参考人(稲田伸夫君) この被害者参加制度というのは、先ほどの御質問の際にも申し上げましたように、被害者の方が御自身の意思で参加するかしないかをお決めになられる制度ということでございまして、今回、旅費等の支給ということは、その際に、公判期日等に出席して訴訟活動を行うことに困難を感じられる経済的な問題を抱えておられる方に訴訟活動を行うことを実質的に保障するというものでございますので、それによってある程度被害者参加される方に対してその制度の利用がしやすくなるということになるだろうというふうには思っているところでございまして、その面で効果を生じるだろうと私どもとしては考えているところではございますが、何分にも制度のつくり自体が被害者参加人の方の御意思によるということもございますので、現時点で今後の予測にかかわることについてちょっと申し上げるのはなかなか難しいところがあるということを御理解いただきたいと思います。
#48
○政府参考人(小川秀樹君) 予算の関係については二十五年度予算で計上している分がございますので、その点だけ御説明させていただきます。
 平成二十五年度の途中から制度が開始されるということを前提といたしまして、被害者参加人旅費等支給事業経費といたしまして約一千二百万円が平成二十五年度予算として計上されております。
#49
○真山勇一君 ありがとうございました。
 千二百万円というのが多いのか少ないのかといういろいろ判断というのがあるかもしれませんけれども、この予算でこうした一つの司法をめぐる改善ができていくというようなことになるのではないかな、経済的な負担、それから被害者参加人制度を利用しやすくするという意味では大きな意義があるのではないかなというふうに感じるわけなんですけれども、ここでできましたら大臣にお答えいただきたいと思うんですけれども、先ほどもちょっと話に出たんですが、この被害者参加人制度の支給の対象にならないケースというのがあるというふうに話が出ておりました。これは何でこれが支給の対象にならないのかどうか、その辺りはどんなふうにお考えですか。
#50
○国務大臣(谷垣禎一君) 先ほど私御答弁した中で、危険運転致死の利用率、三二・三%と申し上げたようですが、老眼でちょっと、三二・二の間違いでございました。訂正させていただきたいと存じます。
 それで、今お問いかけの支給対象にならない取扱いということでありますが、この法律案は、被害者参加制度の下で犯罪被害者が被害者参加人として適切かつ効果的に刑事裁判に参加するために、参加人自らが公判期日に出席して一定の訴訟活動を行っていただくことが必要であるということから出発しているわけですが、被害者参加人が公判期日等に出席して訴訟活動を行うことを実質的に保障するために、公判期日等に出席した被害者参加人に対し国費による旅費等を支給する制度を今回創設するということでございます。
 そこで、傍聴のみをした被害者であるとか、被害者参加せずに公判期日においていわゆる心情の意見陳述をした被害者等については、本制度によって旅費を支給することをしないということにしております。
 それで、傍聴のみをした被害者、あるいは被害者参加をせずにいわゆる心情の意見陳述をした被害者、こういった方々の保護、支援を図っていくことも私は大変有意義なことであると考えておりますが、他方で、このような場合にまで旅費等を支給する制度、これは結局、予算をどれだけ今の財政状況の中で獲得できるかということに懸かってくるわけでございまして、現在の段階では慎重に検討するとお答えするしかないのかなと思っております。
#51
○真山勇一君 例えば、傍聴だけというのは、もうこれは法廷の中でも傍聴席という柵で仕切られた、法廷内とはちょっと別なところにいらっしゃるということで、多分それはそういうことでよろしいとは思うんですけれども、心情の意見陳述というのも、先ほどのお話ですと、例えば被害者とそれから被告に対してどういうふうな影響があるのかということを伺ったときに、反発していた被告がそういう被害者の直接その思いとかそういうものを聞くことによって、事件の重大性に気付いたり、その後にいろいろな反応が出るというふうに、十分に役立つことじゃないかなということが一つですね。
 それからもう一つ、義務ではなくてあくまでも被害者の方の要望でこれは受け付けているんですという意味でいえば、私、一般的な感覚でいうと同じような範疇に入るのじゃないかな。公判に直接関係あることと単に心情を述べたことでは違うんですよと言われても、被害者でこの制度を利用したいと思った人にとってはちょっと分かりにくいかなというふうな気がするんですけれども、もう一回いかがでしょうか、大臣。
#52
○国務大臣(谷垣禎一君) これは、どこで線引きをするのかというのは実はなかなか難しい問題でございます。ですから、今回考えましたのは、あくまで参加人として、実際に御自分が参加人として公判期日に出てこられる方々を対象にしようと。それで、その上で、大変法務大臣としては答えにくいことでございますが、あとは今の財政、先ほど申し上げたことの繰り返しになります、どこまでこういった制度に予算を、分捕ってくると言うといけませんが、獲得できるかという全体の判断も必要であろうと。今の段階ではそんなふうにお答えをするしかないのかなと思っております。
#53
○委員長(草川昭三君) 真山勇一君、時間ですから。
#54
○真山勇一君 是非、大臣も分捕る勢いでやっていただきたい。やはり、そこら辺と、使いやすい制度にするかというところではないかというふうに思っております。
 時間がなくなったので最後に一つちょっとお伺いしたいのは、被害者が法廷に参加する一方で、被告人にとって、被害者の心境、思い、直接聞くということで、先ほど、やっぱり更生、再犯防止へ何かいい影響がありそうだということなんですが、実は先日、三十日の委員会で可決された刑法の改正でも、これは軽い犯罪の人なんですけれども、特別遵守事項ということで社会貢献活動をやってもらうということがありましたね。こういうふうにやって、新しい制度で被害者と法廷で向き合うことによって被告がその後の更生の道、再犯しないようにするのに役立てるような、何か今後更に新しい改革として制度設計みたいなものは考えておられるか、そういうものは何かありますでしょうか。
#55
○政府参考人(齊藤雄彦君) お答えいたします。
 今、社会貢献活動のお話出ましたが、社会貢献活動は、保護観察対象者に地域社会の利益に増進する活動に従事させることによりまして、達成感とか自己有用感とかそういったものを持たせて社会復帰に役立てるというものでございまして、被害者の心情を伝えたりするという制度とはちょっと違ったつくりになっております。
 ただ、保護観察所では、平成十九年十二月から犯罪被害者対策の一環といたしまして、被害者の心情等を希望される被害者につきましては、被害者の心情とか置かれている立場をその対象者に伝えて、対象者に反省とか内省を深めさせると、そういった指導をするというような施策を実施しているところでございます。
#56
○森ゆうこ君 生活の党の森ゆうこでございます。
 何の落ち度もなく突然犯罪被害に遭った被害者の皆さんを支援していくという視点が何よりも重要であるというふうに思っております。もしできましたら私の質問の間に、その予算の獲得の話、さっき分捕るという話ありましたけれども、千二百万とかそういう話だったら、分捕るも何も余りにも少な過ぎるんじゃないかというふうに思いますので、先ほどの答弁、もう少し後で踏み込んでいただければと思います。
 旅費等の支給主体、支給額等について伺います。
 被害者参加人に対して迅速に旅費等の支払を行うという点では、裁判所が私は直接支払うとした方が公判に出席したことの確認もすぐにできるので優れているというふうに思いますが、支給主体を裁判所ではなく法テラスとした理由について確認をさせていただきます。
#57
○国務大臣(谷垣禎一君) これは、被害者参加人の出席というのは被害者参加人の意思に委ねるという立て方をしておりまして、そうすると、義務の履行に対する補償とは言いにくくて、被害者参加人に対する経済的支援としての性質を有するものだということではないかと思います。
 それで、こういう性質を持っている被害者参加旅費を裁判所が被告人と言わば対立する立場にある参加人に支給することは裁判所の公正性、中立性というものからいかがかという、こういう御議論がございまして、それで、日本司法支援センターは一般に刑事裁判手続に直接かかわるということは考えにくいわけでございますので、そこで刑事裁判の公正性に対する疑念ということも生じにくいのではないかということで、法テラスの総合法律支援に当たるものということで組み立てたということでございます。
#58
○森ゆうこ君 それは官僚が考えた理屈だというふうに思いますが、犯罪被害者に旅費を支援することがなぜ裁判の公正、中立にかかわる問題になるのか、そういう発想が私には理解できません。それは是非今後検討していただきたいと思います。
 証人の場合はあらかじめ旅費等の支給を受ける場合がありますが、被害者参加人については事後支給とした理由を伺います。
#59
○政府参考人(稲田伸夫君) 先ほど大臣からも御答弁がございましたように、この法律案では公判期日等に出席した被害者参加人に対しまして旅費等を支給するということにはいたしておりますが、これは裁判への出頭が義務付けられているというわけではなくて、被害者参加人がその公判期日等に出席するか否かはその方の御意思に委ねられておりまして、結局のところ、当該期日が開かれるまで出席されるか否かが確定しないというところでございます。そのような事情もございますことから、現に公判期日等に出席したことを旅費等の支給の要件としたということによります。
 また、仮に事前の旅費の概算払をこのような場合に実施するといたしますと、被害者参加人の方が公判期日等に出席しなかった場合に支給した金員の返還手続等が必要となりまして、かえって被害者参加人に負担を掛けるおそれもあることなどから適切ではないというふうに考えたところもございます。
 ただ、被害者参加人の方の経済的負担を軽減するという今回の制度趣旨に鑑みまして、被害者参加旅費等の請求の後は可及的速やかに支給できるように関係機関と協議、調整をしていきたいというふうに考えております。
#60
○森ゆうこ君 今の問題に関してですが、四月十日の衆議院法務委員会におきまして、大臣は、「出ようと思っていたけれども、やはり怖いから嫌だとか、出ていくことがプライバシーを暴かれて嫌だとか、そういう方もたくさんいらっしゃるので、結局、そのときにならなければ実際に出頭されるかわからないというのが今までの実例であったように聞いております。」と、このように答弁をされておりますが、公判に出席予定だった被害者が実際には出席しなかったケースはこれまで何件あるのでしょうか。
#61
○政府参考人(稲田伸夫君) 出席されなかったか否かということの理由についてとか、どの時期でそれが判明したかというところまで、先ほど申し上げましたように、千数百件の件数について全て正確に調査をしているわけではございませんので、統計的なデータについて承知をしているものではございませんが、例えば、被害者参加人及び被害者参加弁護士が公判期日に出席予定でございましたが、公判の前の日になって被害者参加人が被告人を恐れて出席したくないと申し立てて、結局のところ被害者参加弁護士のみが出席したという事例でありますとか、性犯罪の被害を受けた被害者参加人が、出席することに対しまして、被告人が近くにいることに恐怖感を感じ、あるいは被害者参加人の座席から傍聴席が思っていたより近いということを理由として当日になって出席を断念され、被害者参加弁護士のみの出席することとなった事例、あるいは公判の初日に被害者参加人として出席したものの、公判廷の緊張感や被告人が目の前にいることで精神的に負担を感じ、翌日からの公判期日には出席しないこととした事例があるというふうに伺っているところでございまして、被害者参加人の中には、被害者参加人として訴訟行為をする際のみ出席して、それ以外には出席しない場合もあるものというふうにも聞いているところでございます。そのような事例をせんだって大臣は御答弁なさったというふうに理解しております。
#62
○森ゆうこ君 今、私の質問は何件あるのかということでございました。もうそういうことはすごくたくさんあるので事後支給なんだと、それを一つの理由にしているわけですから、それがたくさんあるという事実をきちんと示すべきであるというふうに考えております。
 今ほどお話もございましたように、被害者参加人が経済的に困窮している場合も想定をされますので旅費の迅速な支払が必要ですけれども、今、事前の支払は無理だということをいろいろるるお述べになりましたけれども、公判当日に少なくとも支払われるべきではないかというふうに思います。申請から支払に至るまでの流れについて、現段階でのイメージを伺いたいと思います。
#63
○政府参考人(小川秀樹君) お答えいたします。
 具体的な手続につきましては、この法律が成立した後、政省令などで定めることとなっておりますが、概要として申し上げますと、法テラスといたしましては、裁判所から請求書や必要な書類の送付を受け、それらの記載内容を確認し、旅費等の額を算定し、その額を被害者参加人に支給するということを予定しております。以上が手続の流れでございます。
#64
○森ゆうこ君 旅費等の額について伺いますが、改正後の第五条第二項で政令で定めるということになっておりますが、その際に考慮すべき点について確認をします。
 証人、裁判員、国家公務員の例を参考にするというふうに思いますが、犯罪に巻き込まれ、肉体的、精神的、経済的に被害を受けているという点は考慮されるべきではないでしょうか。旅費、日当及び宿泊料のそれぞれについて、政令で定めるに当たっての基本的な考え方を伺いたいと思います。
#65
○政府参考人(稲田伸夫君) 今回の被害者参加人に対する旅費等の支給制度は、被害者参加人の方が公判期日などに出席して訴訟活動を行うことを実質的に保障するために、経済的にも困窮することが少なくないと指摘されている被害者参加人に対し、公判期日等に出席する際の旅費等の負担を軽減するというためのものでございます。
 したがいまして、そのような趣旨にのっとって今後政令で定めていくことになろうと思いますが、その際には、この法律の成立後に、御指摘のような刑事上の手続における証人等や裁判員等の旅費等の額についての規定でございますとか、国家公務員等の旅費に関する法律における旅費等の額についての規定などを参考にしていきたいというふうに考えているところでございます。
#66
○森ゆうこ君 次の質問の国選被害者弁護人の選任の資力要件についても同じことが言えるんですけれども、何の落ち度もなく犯罪に巻き込まれて肉体的、精神的、経済的に被害を受けているという犯罪被害者が裁判に参加する、それを支援する、そういう方たちに経済的負担を負わせないと、こういう視点が私は必要だと思うんですけれども、大臣、いかがですか。そういう視点を政令でこれから定めるわけですけれど、金額とか、そういう視点が私は欠かせないというふうに思いますので、大臣、いかがでしょうか。
#67
○国務大臣(谷垣禎一君) 犯罪被害者対策には基本的に、今、森委員がおっしゃったような気持ちといいますか、考え方が必要だろうと私も思います。
#68
○森ゆうこ君 基本的にということでしたので、是非、政令を作るに当たってはその点を考慮していただきたいと思います。
 被害者参加弁護士の選定の請求に係る資力要件を緩和するというふうに本法律案ではしておりますが、被害者団体等からは、何の落ち度もなく突然犯罪被害に遭った被害者等が自己の資金により被害者参加弁護士を選任しなくてはならないことや、資力の有無により被害者間に差が生じることに対する疑問から、資力要件の撤廃を求める声もございます。
 法務省が実施した被害者参加制度等を利用した被害者等に対するアンケートによれば、被害者が適当と考える基準額は約三百六十八万円、これは回答の平均額でございますが、そういう結果もございます。
 基準額を約二百万円、現在の方式を適用した場合の額ですけれども、基準額を約二百万円とする妥当性が問題となりますけれども、それについての見解を伺います。
#69
○政府参考人(稲田伸夫君) 今回、改正を予定しております国選被害者参加弁護士の選定請求に係る資力要件というものにつきましては、犯罪被害者らの生活を維持しつつ犯罪による被害からの立ち直りを図るために、一定期間生活するために必要な財産を確保しておく必要性が極めて高いというふうに考えられるということから、現行法では、標準的な三か月間の必要生計費に相当する額の流動資産が被害者参加人の手元に残されるべきことを前提にした上で、これに弁護士の報酬及び費用を賄うに足りる額を加えたものを基準額とするというふうにされていたところでございますが、現在の刑事通常第一審における被害者参加許可決定がされた事件の平均審理期間が約六か月ということも勘案しまして、現行法の三か月では期間として不十分であろうということで、これを六か月間の必要生計費に相当する額の流動資産が被害者参加人の手元に残されるようにしようということで、三か月から六か月に伸長することにしたものでございます。
 法務省としては、このような考え方が基本的には資力基準額の算定に関する考え方として適切ではないかというふうに考えているところでございまして、これらを踏まえまして、今後、法律が成立後に、家計調査に関する各種の統計数値でありますとか弁護士の方の報酬等に関する調査結果などを参考にしながら、具体的な金額は政令で定めていこうというふうに考えているところでございます。
#70
○森ゆうこ君 大臣は先ほども財政難の折とおっしゃいますけれども、途中からですから、今年度の予算は千二百万と先ほど御答弁がございました。この程度の金額なんですよね。もっと充実したとしても決して怒られないと思いますから、政令を作るに当たっては是非今ほどのことを考慮をしていただきたいと思います。
 昨年の犯罪被害者団体のヒアリング及びアンケート、私も読ませていただきました。そこで浮かび上がった課題について伺います。
 被害者への情報提供が不十分ではないかとの指摘がございますが、検察庁では今後の裁判の流れや被害者参加制度の諸施策について、被害者に対してどのようなタイミングでどのような説明を行っているのでしょうか。
#71
○政府参考人(稲田伸夫君) 検察当局におきましては、一般的にでございますが、検察官が犯罪の被害に遭われた方やその御家族などから事件について事情聴取を行うときなどに、当該事件の内容でありますとか犯罪被害者の方からの御要望などを踏まえつつ、裁判などの刑事手続の流れでありますとか、当該犯罪被害者などが利用し得る犯罪被害者保護、支援のための制度などについて説明をしているものと承知しております。
#72
○森ゆうこ君 もう残り時間一分という紙をいただきましたので、まとめますけれども、私も昨年初めて自分自身が裁判に参加をいたしました。もう全く事実無根の、いなかった場所にいたということで、何か裁判長に怒られたという、ありもしないことを週刊誌に書かれ、名誉毀損ということで裁判をやりました。結果は勝訴をいたしました。
 自分自身が裁判に出てみて、これ改めて法廷に参加するということの大変さというものを実感いたしました。ましてや、被害者でございます。何の落ち度もない方たちが裁判に参加するということについて、負担を負わせることがないように是非しっかりと対応していただきたいということを申し上げまして、私の質問を終わります。
#73
○井上哲士君 日本共産党の井上哲士です。
 被害者の参加制度が制定された下で、被害者参加人に新たな経済的負担を負わさずに訴訟活動を実質的に保障するということは必要でありまして、本法案には賛成でございます。
 この法案は第二次犯罪被害者等基本計画に基づくものですが、その中では、精神的・身体的被害の回復・防止への取組の項で性犯罪被害者についての特別の施策を列挙しております。
 法改正に当たって昨年行われたヒアリングでも、性犯罪被害者支援の団体からは、性犯罪被害者は家族に言えなかったり、それから仕事も辞めざるを得なくなる人もあるという中で、旅費の支給や国選弁護人の資力要件を下げるということが求められておりまして、そういう点でも法案はそれにかなったものかと思います。
 私は、今日は、性犯罪、性暴力の被害者への支援について、この第二次計画でも掲げられていますので質問いたしますが、このように性犯罪の被害者にやっぱり特別な配慮、支援が必要であるということについて、まず法務大臣としての認識、そして法務省としての対応についてお聞きしたいと思います。
#74
○国務大臣(谷垣禎一君) 今、井上委員おっしゃいましたように、性犯罪事件においては被害者の方が被害を親告しにくい、親にも言いにくいとかそういう心情にある、そういう特殊性に十分配慮して検察官が捜査、公判を行っていくということが必要ではないかと考えております。それで、性犯罪被害者の方々から事情聴取を検察がしていくというのに当たりまして、プライバシーであるとか名誉であるとか心身状況あるいは社会的な立場、これは十分配慮する、可能な限りきめ細やかな取組が必要なのではないかと思っております。
 それから、性犯罪被害者の方が犯罪から受けた精神的なショック、そうすると短期間で告訴するかどうかというような意思決定をすることもなかなか難しい場合があると。
 そこで、平成十二年の刑訴法改正によりまして性犯罪の告訴期間は撤廃されたわけでございますが、公判段階におきましても、証人尋問の際に証言する被害者と被告人あるいは傍聴人との間につい立てを置くといったような遮蔽措置を考えるとか、あるいは証人尋問の際に法廷の外の別室に証言する被害者を在室していただいて、法廷にいる裁判官や訴訟関係人はモニターに映る証人の姿を見ながら証人尋問を行うことができるようにする、いわゆるビデオリンクでございますが、そういった方式。それから、昔は公判審理の中でも被害者の名前というのを出していたわけでありますが、被害者の氏名等の被害者特定事項の秘匿決定ということをして公判審理の過程で被害者の身元が明らかになることを防いでいくと。こういった制度が順次導入されてきておりますので、そういったものを適切に活用していくということが必要であろうと思います。
#75
○井上哲士君 体への被害とともに精神的な被害の中で、うつ病になったり仕事を辞めざるを得なくなるという場合もあるわけでありますが、じゃ、被害者たちはどう対処しているのかと。
 内閣府が調査されておりますが、誰にも相談しなかったという人、また警察や医療機関に相談をしたという人の割合はどうなっているでしょうか。
#76
○政府参考人(佐村知子君) お答え申し上げます。
 平成二十三年に実施をした内閣府の男女間における暴力に関する調査において回答があった女性千七百五十一人について見ると、これまで異性から無理やりに性交された被害経験がある女性は回答者の七・七%、百三十四人となっております。このうち被害について相談したと答えた方は二八・四%、どこにも誰にも相談をしなかったと答えた方は六七・九%となっております。
 また、相談したと答えた方、実際は三十八人でございますが、その相談先を見ますと、友人、知人に相談したというのが一八・七%で最も多く、警察に連絡、相談したという方は三・七%、医療関係者、医師、看護師などに相談したとおっしゃった方は〇・七%になっております。
#77
○井上哲士君 いろんな事情を取調べなどで聞かれるという二次被害への恐怖もありまして、今ありましたように、性犯罪や性暴力の被害者の多くが誰にも相談をせずに悩み、そして支援につながることもなく問題を抱え込んでいるというのがやっぱり現状なわけですね。ですから、警察に相談したが三・七%ですから、犯罪統計などに表れるよりもはるかにたくさんの被害者がいるわけであります。
 こういう中で、この性犯罪や性暴力の被害者がやはり安心して相談できる専門の機関がほとんどないというのが大きな問題だと思います。特に、その被害直後から支援をするのが第二次基本計画でも挙げられているワンストップ支援センターでありますが、これはどういうものか、ちょっと御説明いただきたいと思います。
#78
○政府参考人(杵淵智行君) 性犯罪・性暴力被害者のためのワンストップ支援センターにつきましては、第二次犯罪被害者等基本計画に基づき、内閣府において性犯罪・性暴力被害者のためのワンストップ支援センター開設・運営の手引を作成しております。
 この手引におきまして、ワンストップ支援センターとは、被害者からの相談に応じ、被害者一人一人の状態、ニーズを把握し、必要な支援を行っている関係機関、団体に確実につなぎ、支援をコーディネートする機能、及び産婦人科における緊急避妊薬、性感染症等の検査などの医療機能といった二つのコア機能を可能な限り一か所で提供できるようにした支援体制を想定しております。
 その二つのコア機能の関係としては、病院内に相談センターを置く病院拠点型、病院から近い場所に拠点となる相談センターを置く相談センター拠点型、相談センターと複数の協力病院が連携する相談センターを中心とした連携型の三形態を考えることができるとしているところでございます。
#79
○井上哲士君 非常に重要な施設だと思うんですね。
 やはり被害者に必要不可欠な医療から始まって幅広い支援につながるという点でいいますと、全ての都道府県に総合病院内に拠点を有するこの病院拠点型が少なくとも一つは必要ではないかと思うんですが、その点の認識及び今全国的な設置を促進するためにどういう取組をされているんでしょうか。
#80
○政府参考人(杵淵智行君) お答え申し上げます。
 手引におきましては、将来的には、各都道府県内に少なくとも一つは地域の事業として、先ほど御説明しました形態のワンストップ支援センターが設置されることが望ましいとしているところでございます。
 また、全国的な設置促進に向けまして内閣府におきましては、我が国におけるワンストップ支援センターに関する共通認識が喚起されることで更なる開設及び運営への機運が高まることを期待し、まずは手引の形で開設及び運営のノウハウ等を情報として提供した上で、性犯罪被害者支援のための連携を強化するための事業、地域の男女共同参画センターの相談員等を対象とした研修等を実施してきているところでございます。
#81
○井上哲士君 この手引は、性犯罪・性暴力というふうに併記をされておりますが、あえてこういうふうにしている理由はどういうことなんでしょうか。
#82
○政府参考人(杵淵智行君) お尋ねの手引を作成する際に、ワンストップ支援センターの主な支援対象を性犯罪被害者とし、手引の表題にもこの言葉を用いるものとしますと、被害者は警察で犯罪として扱われたもの以外は支援対象にはならないものと狭くとらえてしまうのではないかとの意見が示されたことも踏まえ、同手引では、支援対象範囲としては警察への被害届の有無や性犯罪として扱われたかどうかにかかわらないものとし、言葉としては性犯罪・性暴力被害者を用いることとしたものでございます。
#83
○井上哲士君 非常に重要だと思うんですね。必ずしもその届出をするかしないかということにかかわらずいろんな支援が受けられると。
 そういう点でいいますと、警察だけではなくて、いろんな省庁や地方自治体自身の課題として取り組むことが一層必要だと思うんですが、日弁連が最近出した意見書を見ますと、現在設置されていますのは、病院拠点型で大阪、東京、愛知、佐賀の四か所、それ以外のものでも東京二か所、沖縄、北海道の四か所という、八か所という状況になります。昨年十一月の共同通信の調べでは、これ以外に検討しているのは三県にとどまっているという状況でありますが、なぜこういうことをやりながらこの重要な施設が広がっていないのか、その理由はどういうふうにお考えでしょうか。
#84
○政府参考人(杵淵智行君) ワンストップ支援センターの設置に関しましては、地域の実情に応じ、その持てる資源を有効に活用していくことが相当と考えております。
 現在、ワンストップ支援センター等の名称を掲げるか否かは別としても、複数の地域において、性犯罪・性暴力被害者の支援、診療等に当たられている支援者、医療従事者等がそれぞれの役割を担うとともに連携を深めていっていただいているものとは承知しております。
 他方、このような性犯罪被害者支援のための連携の一端を担っていただける支援者、医療従事者等の人的資源の有無は地域によって様々であり、また、必ずしも全ての地域において関係者間における連携の必要性について理解と認識を共有していただけている状態ではないものと認識しております。
 引き続き、性犯罪被害者支援の重要性について働きかけていく必要があるものと考え、そのようにやってまいりたいと考えております。
#85
○井上哲士君 理解の問題とか産婦人科医の問題などがありましたけれども、私は、やっぱり厚労省も含めて政府を挙げてしっかり取り組むという問題と財源の問題、これが必要だと思うんですね。
 まず厚労省にお聞きしますけれども、第二次基本計画では、このワンストップ支援センターについて厚労省として行うのは、医療機関への啓発、それから被害者支援団体や地方自治体から相談があった場合には協力可能な医療機関の情報を収集し提供するという程度なんですね。あくまでも相談があれば情報提供と、私はこれは余りにも受け身だと思うんですね。
 今の性犯罪被害者が置かれている状況等々を考えますと、もっと厚労省が積極的に取組をすることが必要かと思うんですが、この点、いかがでしょうか。
#86
○政府参考人(神田裕二君) 性犯罪・性暴力被害者のワンストップ支援センターにとりまして、産婦人科医療は支援のコーディネートや相談と並ぶ重要な役割であるというふうに認識いたしております。
 御指摘の第二次犯罪被害者等基本計画におきましても、医療機関に対してワンストップ支援センターについての啓発を行うということとされていることから、昨年七月に医師会、病院団体等を通じまして支援センターの開設・運営の手引等の周知をお願いしているところでございます。
 それから、開設に向けた相談があった場合の協力可能な医療機関に関する情報を収集し提供するということについてでございますけれども、これにつきましては、その具体的な内容、例えばどこの地域を中心に活動をしていくのかということですとか、病院拠点型であるのか、相談支援センター拠点型であるのか、あるいは広い地域の場合には複数の協力病院による連携型を取るのかといった具体的な内容を踏まえて、関係自治体や医療関係団体とも連携しながら、対応可能な医療機関に関します情報の収集、提供をしていく必要があるというふうに考えております。
 まず、ワンストップ支援センターの活動に協力していただくために、その目的や周知をしっかりとしてまいりたいというふうに考えております。
#87
○井上哲士君 もっと私は積極的な取組をしていただきたいと思うんですね。
 もう一つ、財政不足の問題があります。この手引では、民間助成団体による犯罪被害者支援を行っている団体に対する助成を活用し、その経費の一部を賄うこと等が考えられるとあるのみでありまして、これでは一体その助成金がいつ、幾ら得られるのか、全く不確かで進まないと思うんですね。
 韓国では、ワンストップ支援センターが二〇〇六年以降で全国十六か所に設置をされたと聞いておりますし、国と市が経費を二分の一ずつ負担をしております。それから、全国二百か所ある性暴力被害相談所にも国の援助が出ていると聞いておりますが、やはり支援センターの設置を促進をする上で私はどうしても財政支援が必要だと思いますけれども、この点、いかがでしょうか。
#88
○政府参考人(杵淵智行君) ワンストップ支援センターの設置に関しましては、地域の実情に応じて被害者に対する継ぎ目ない支援を確保し、ワンストップ支援センターの設置を促進する環境がつくられることが重要と認識しております。
 内閣府としては、引き続きワンストップ支援センターの設置を促進する環境づくりに向け、関係者の意識付けや連携を促進する取組を行ってまいりたいと考えております。
#89
○井上哲士君 その環境づくりのポイントはやっぱり財政なんですよね。いろんな報道を見ましても、結局この財政不足ということから地方自治体もちゅうちょしていますし、それから民間団体は全部もう寄附でほとんどを賄っているという状況があるわけで、これやらなければ私は絶対進まないと思います。是非もっと踏み込んだことを政府を挙げてやっていただきたいと思うんですが。
 最後に、法務大臣、これは犯罪被害者等施策推進会議として進められているわけですが、その一員でも大臣あるわけでありまして、政府全体としてこの財政、予算の獲得も含めてこの性犯罪被害者への支援を強めていくという点での御決意をいただきたいと思います。
#90
○国務大臣(谷垣禎一君) 性犯罪に関しましては、今日は被害者の方からの御議論をいろいろいただきました。同時に、性犯罪者をどう矯正していくかという視点も力を入れていく必要があるだろうと思います。
 しかし、被害者の方からもしっかりどういう手だてが講じられるかを推し進めていく必要がございまして、先ほど来御議論のこの第二次の基本計画の中で、日本司法支援センターで支援をして、弁護士や何かと打ち合わせるときにカウンセラーをうまく一緒にできないかというのがございます。こういうのは性犯罪等々に、被害者に対応していくには極めて効果があるのではないかと、今詰めているところですが、そういうことも考えております。
 今後とも、そういった点を含めまして全力を挙げて取り組んでまいりたいと思います。
#91
○委員長(草川昭三君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
 犯罪被害者等の権利利益の保護を図るための刑事手続に付随する措置に関する法律及び総合法律支援法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#92
○委員長(草川昭三君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定をいたしました。
 この際、森君から発言を求められておりますので、これを許します。森ゆうこ君。
#93
○森ゆうこ君 私は、ただいま可決されました犯罪被害者等の権利利益の保護を図るための刑事手続に付随する措置に関する法律及び総合法律支援法の一部を改正する法律案に対し、民主党・新緑風会、自由民主党、公明党、みんなの党、生活の党及び日本共産党の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    犯罪被害者等の権利利益の保護を図るための刑事手続に付随する措置に関する法律及び総合法律支援法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、本法の施行に当たっては、次の事項について格段の配慮をすべきである。
 一 犯罪被害者等は犯罪により多大な損害を被り、経済的にも困窮することが少なくないことに鑑み、日本司法支援センターに対し、刑事被告事件の手続に参加した被害者参加人に対する旅費、日当及び宿泊料の支給に当たっては裁判所と緊密に連携を図り、これを迅速に行うように指導監督すること。
 二 公判期日等に出席する被害者参加人の旅費等の支給については、経済的な負担が困難なことを理由として被害者参加制度の利用を躊躇することがないよう、制度の運用状況を踏まえ、事前支給を含め適切な方策を検討すること。
 三 国選被害者参加弁護士の選定の請求に係る資力の要件については、経済情勢の変化等に対応してその基準額等を適時適切に改定するとともに、何の落ち度もなく被害を被った犯罪被害者等に経済的負担を負わせることがないようにとの観点も踏まえ、資力要件の在り方を検討すること。
 四 犯罪被害者等を支援する観点から、日本司法支援センターの業務の在り方を検討すること。
   右決議する。
 以上でございます。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
#94
○委員長(草川昭三君) ただいま森君から提出をされました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#95
○委員長(草川昭三君) 全会一致と認めます。よって、森君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定をいたしました。
 ただいまの決議に対し、谷垣法務大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。谷垣法務大臣。
#96
○国務大臣(谷垣禎一君) ただいま可決されました犯罪被害者等の権利利益の保護を図るための刑事手続に付随する措置に関する法律及び総合法律支援法の一部を改正する法律案に対する附帯決議につきましては、その趣旨を踏まえ、適切に対処してまいりたいと存じます。
#97
○委員長(草川昭三君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#98
○委員長(草川昭三君) 御異議ないと認め、さよう決定をいたします。
    ─────────────
#99
○委員長(草川昭三君) 国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約の実施に関する法律案を議題といたします。
 まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。谷垣法務大臣。
#100
○国務大臣(谷垣禎一君) 国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約の実施に関する法律案につきまして、その趣旨を御説明いたします。
 この法律案は、国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約の締結に伴い、我が国において子の返還及び子との面会交流に関する援助を行う中央当局を指定し、その権限等を定めるとともに、子が常居所を有していた我が国以外の条約締約国に子を返還するために必要な裁判手続等について定めるものであります。
 その要点は、次のとおりであります。
 まず、子の返還等に関する援助につきましては、第一に、これらの援助を行う中央当局を外務大臣と定めることとしております。
 第二に、子の返還等に関する援助について、その申請方法、子の住所等を特定するための手段、援助の決定の要件、子の個人情報に関する取扱い等を定めることとしております。
 次に、子を返還するための裁判手続等につきましては、第一に、子の返還事由及び返還拒否事由のそれぞれについて条約に則した要件を定めることとしております。
 第二に、子の返還申立事件の管轄裁判所を東京家庭裁判所及び大阪家庭裁判所に集中し、非公開で審理を行うこととしております。
 第三に、子の返還申立事件の審理や裁判等に関する所要の手続規定を設けるほか、調停や和解による解決を図るための手続規定を設けることとしております。
 第四に、裁判手続中の出国禁止命令に関する規律を設けるほか、子の返還の具体的な執行方法等について定めることとしております。
 このほか、条約上必要な所要の規定の整備を行うこととしております。
 以上が、この法律案の趣旨でございます。
 何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに可決していただきますようお願いいたします。
#101
○委員長(草川昭三君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
 本案に対する質疑は後日に譲ることといたします。
    ─────────────
#102
○委員長(草川昭三君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りをいたします。
 国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約の実施に関する法律案の審査のため、参考人の出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#103
○委員長(草川昭三君) 御異議ないと認めます。
 なお、その日時及び人選等につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#104
○委員長(草川昭三君) 御異議ないと認め、さよう決定をいたします。
    ─────────────
#105
○委員長(草川昭三君) 民法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 発議者前川清成君から趣旨説明を聴取いたします。前川清成君。
#106
○前川清成君 私は、発議者を代表しまして、ただいま議題となりました民法の一部を改正する法律案について、提案の趣旨及び内容を御説明申し上げます。
 中小企業等が金融機関から融資を受けるに当たっては、そのほとんどの場合、当該企業と連帯して経営者自身が債務を保証しておりますが、加えて、経営者本人だけでなく、その家族、親族、場合によっては従業員やその親族が当該企業の借入れを連帯保証することも多く見られます。
 しかし、本来、金融機関は、当該企業の収益性と事業の採算性を査定して融資すべきであり、とりわけ経営に関与していない第三者の資産を債権の引き当てとすべき正当な期待はないはずです。
 他方、保証人は、主債務者からの懇請に基づいて、対価も得ることもなく、断り切れずにやむなく保証契約を締結することがほとんどです。しかも、主債務者と保証人とは、親子、夫婦、兄弟、親族等濃厚な人間関係あるいは従業員、取引先等、保証人が従属的な関係に立つことが大半であり、保証契約の損得やリスクを客観的に判断し得る状況にないまま、やむなく締結することになってしまうという実情にあります。
 また、保証契約に先立って、主債務者は保証人に対して、決して迷惑は掛けない、名前だけだからと説明することが大半であり、保証人は自らは何らの債務も負担しないと軽信したり、自ら負担する債務額を知らされていなかったり、保証契約の効果、つまりその全資産が責任財産になってしまうことの認識を欠いている場合も多く見られます。
 それゆえに、保証契約は、自殺、連鎖倒産、サラ金からの借入れ、自己破産、夜逃げ、家族離散など、保証人とその家族の生活を破壊する原因となっております。
 このような保証契約、とりわけ経営者本人以外の第三者を保証人とする第三者保証の不当性に関しては既に広く認識されるに至っており、平成十八年以降、中小企業庁においては信用保証協会が行う保証において第三者を保証人として求めることを原則として禁止しており、また、平成二十三年には金融庁の監督指針によって実質的に第三者保証が禁止されるなど、既に第三者保証を徴求しないことは金融実務においても定着しているところです。
 このような状況を踏まえ、保証債務被害を減少させ、本来あるべき中小企業金融を確立するためにも、行政上の取締りにとどまらず、私法上の効力を否定することによって、まずは第三者保証を禁止すべきであると考え、この法律案を取りまとめ、提出した次第であります。
 以下、この法律案の内容の概要を御説明申し上げます。
 第一に、金融機関との間で締結する保証契約の制限であります。
 保証人が金融機関との間で締結する保証契約のうち、主たる債務者が事業のために負担する貸金等債務を主たる債務とする保証契約等は、保証人が法人である場合、及び保証人が主たる債務者である法人の代表者である場合を除き、その効力を生じないものとしております。
 第二に、求償権について締結する保証契約の制限であります。
 今回の改正による保証契約の制限の潜脱を防ぐため、金融機関との間で例外的に認められる保証契約の求償権について、これを主たる債務として保証契約を別に締結する場合についても、保証人が法人である場合、及び保証人が主たる債務者である法人の代表者である場合を除き、当該保証契約はその効力を生じないものとしております。
 なお、この法律は、公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行することとしております。
 以上が、この法律案の提案の趣旨及び内容であります。
 何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同くださいますようお願いを申し上げます。
#107
○委員長(草川昭三君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
 本案に対する質疑は後日に譲ることとし、本日はこれにて散会いたします。
   午後零時四分散会
ソース: 国立国会図書館
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