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2013/06/18 第183回国会 参議院 参議院会議録情報 第183回国会 法務委員会 第13号
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2013/06/18 第183回国会 参議院

参議院会議録情報 第183回国会 法務委員会 第13号

#1
第183回国会 法務委員会 第13号
平成二十五年六月十八日(火曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 六月十三日
    辞任         補欠選任
     江崎  孝君     松野 信夫君
     江田 五月君     岡崎トミ子君
     小川 敏夫君     金子 恵美君
     関口 昌一君     尾辻 秀久君
     水落 敏栄君     礒崎 陽輔君
     真山 勇一君     川田 龍平君
 六月十四日
    辞任         補欠選任
     岡崎トミ子君     江田 五月君
     金子 恵美君     小川 敏夫君
     川田 龍平君     真山 勇一君
 六月十七日
    辞任         補欠選任
     長谷川大紋君     林  芳正君
     山本 一太君     長谷川 岳君
 六月十八日
    辞任         補欠選任
     林  芳正君     青木 一彦君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         草川 昭三君
    理 事
                前川 清成君
                磯崎 仁彦君
                岸  宏一君
                真山 勇一君
    委 員
                有田 芳生君
                池口 修次君
                江田 五月君
                小川 敏夫君
                松野 信夫君
                青木 一彦君
                礒崎 陽輔君
                尾辻 秀久君
                長谷川 岳君
                魚住裕一郎君
                森 ゆうこ君
                井上 哲士君
   衆議院議員
       法務委員長代理  田嶋  要君
   国務大臣
       法務大臣     谷垣 禎一君
   副大臣
       法務副大臣    後藤 茂之君
   大臣政務官
       法務大臣政務官  盛山 正仁君
   最高裁判所長官代理者
       最高裁判所事務
       総局刑事局長   今崎 幸彦君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        田村 公伸君
   政府参考人
       金融庁総務企画
       局審議官     遠藤 俊英君
       法務省民事局長  深山 卓也君
       法務省刑事局長  稲田 伸夫君
       国土交通大臣官
       房審議官     毛利 信二君
   説明員
       会計検査院事務
       総局第一局長   鈴木 繁治君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○理事補欠選任の件
○政府参考人の出席要求に関する件
○大規模な災害の被災地における借地借家に関す
 る特別措置法案(内閣提出、衆議院送付)
○被災区分所有建物の再建等に関する特別措置法
 の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送
 付)
○死刑再審無罪者に対し国民年金の給付等を行う
 ための国民年金の保険料の納付の特例等に関す
 る法律案(衆議院提出)
    ─────────────
#2
○委員長(草川昭三君) ただいまから法務委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日までに、江崎孝君、関口昌一君、水落敏栄君、山本一太君及び長谷川大紋君が委員を辞任され、その補欠として松野信夫君、尾辻秀久君、礒崎陽輔君、長谷川岳君及び林芳正君が選任をされました。
    ─────────────
#3
○委員長(草川昭三君) 理事の補欠選任についてお諮りいたします。
 委員の異動に伴い現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。
 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(草川昭三君) 御異議ないと認めます。
 それでは、理事に真山勇一君を指名いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(草川昭三君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 大規模な災害の被災地における借地借家に関する特別措置法案及び被災区分所有建物の再建等に関する特別措置法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に金融庁総務企画局審議官遠藤俊英君、法務省民事局長深山卓也君、法務省刑事局長稲田伸夫君及び国土交通大臣官房審議官毛利信二君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○委員長(草川昭三君) 御異議ないと認め、さよう決定をいたします。
    ─────────────
#7
○委員長(草川昭三君) 大規模な災害の被災地における借地借家に関する特別措置法案及び被災区分所有建物の再建等に関する特別措置法の一部を改正する法律案の両案を一括して議題といたします。
 両案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#8
○前川清成君 おはようございます。前川清成でございます。
 大臣、いきなり、通告していないんですが、といいますのも、今朝の朝刊に、島根大学法科大学院が二〇一五年度から募集を停止すると、志願者が減少したためで、国立大学では初めてだというふうな記事が出ておりました。大臣は、この記事は既にお読みになりましたでしょうか。もしお読みになっておられたら、どのような感想をお持ちになられましたでしょうか。
#9
○国務大臣(谷垣禎一君) 私も今、前川委員のおっしゃった記事は今朝拝見しました。
 これは確かに今まで、何というんでしょうか、法科大学院を志望する方も少し減っているとか、それから法科大学院の中でもなかなか合格者を出しにくい大学院があるとか、いろんな問題がありまして議論されてきたわけでございます。
 ただ、個別の大学院がどういう判断をされるかについて、私、今法務大臣として、それぞれの御判断でございますから、それに関して私の評価的なコメントは差し控えたいと思いますが、既に幾つかの法科大学院でそのような決定をされるところが出てきているわけでございまして、この流れというのはやはり今後の法曹養成の議論の中でもしっかり生かしていかなければいけないなというふうに思っております。
#10
○前川清成君 たしか二〇〇〇年からだったと思います、司法制度改革審議会というのがスタートいたしまして、当時私は弁護士をしておりましたけれども、あたかも法曹界が、そして政治の世界も熱病にかかったかのように、例えばですが、裁判員裁判、あるいは従前五百人程度だった司法試験の合格者数を三千人にすると、本当、普通だったら反対するであろう業界団体の日弁連が大賛成すると。さらには、法科大学院というのがつくられました。
 私は、法科大学院について当初から、構想時点から反対でした。なぜ反対かというと、大平光代さんのような方が出なくなってしまうということでした。
 大平光代さんというのは、大臣御存じかもしれませんが、中学生のときにいじめを受けて自殺未遂をされて、結局高校には進学できなかったと。その後、暴力団の組長の奥さんにもなった、体に入れ墨も入れたと。しかし、あるとき親切な人に出会ってもう一度やり直そうということで、通信教育で高校、大学の単位を取って、ほぼ独学で司法試験に合格をされました。その方の著書の「だから、あなたも生きぬいて」というのはベストセラーにもなりました。
 ところが、法科大学院ができてしまいますと、必ず大学を卒業して必ず法科大学院を出ないと、予備試験という本当に狭き狭き門があるわけですが、受験資格さえ与えられなくなってしまうと。本当にそれがいいのかなというふうに私は疑問に思っています。
 と同時に、去年、民主党の中に法曹養成制度検討プロジェクトチームというのができました。高木元文部科学大臣が座長をされて、私が事務局長をさせていただきました。そのプロジェクトチームの中で、この島根大学と同様に地方で頑張っている大学院ということで、鹿児島大学の法科大学院、日本大学の法科大学院、中央大学の法科大学院、法曹養成フォーラムがたしか東大と早稲田に行かれましたので、そこを避けて大学院も視察させていただきました。
 そこで、授業も実際にそれぞれ一時間程度聴講させていただいたんですが、教員の質に私は極めて問題があるのではないかなといいますか、やっぱり合格者の数とその大学の教員の質とが正比例していると。ですから、問題があるというか、ばらつきが非常に大きいというふうに思いました。
 それで、文部科学省の専門職大学院の設置基準によりますと、実務家教員は三割以上というふうになっているんですが、法科大学院の場合には、一挙に七十四校もつくってしまいまして教員が足らないというようなこともあって、その基準を二割に引き下げています。ですから、二割以上実務家教員がいればいいし、しかも文部科学省の見解では、法科大学院における実務家教官というのは弁護士、裁判官、検察官に限らない、実務家であればいいということらしいです。ですから、極端な話、ほかの隣接士業の方でもいいと、司法試験に合格している必要はもちろんない、こういうことなんです。
 ただ、その説明も聞いて、あるいは法科大学院の授業も見て思ったのは、医学部の教授というのは医者ですよね。自動車学校の先生は車の運転免許を持っています。法科大学院の教員は、司法試験を合格していない、場合によっては受けたこともないと。その御自身の学者としての関心を持った狭い専門分野をずっと縦穴を掘って勉強してこられた、こういう方が本当に実務家の養成できるんだろうかと。ですから、私は、そのプロジェクトチームの最終提言でも取りまとめたんですが、法科大学院の教員は司法試験合格者に限定するべきではないかというふうな考えを持っています。
 突然のことですので正確なお答えというのはなかなかあれでしょうし、もしかしたら大臣も詰めてお考えになられたことないかもしれませんが、ちょっと今日の新聞記事を見てそのようなことを思い付きましたので、大臣の御見解、お伺いできるものでしたらお伺いしたいと思いますが。
#11
○国務大臣(谷垣禎一君) 今、検討会議で最後の詰めの議論を行っておりますので、法務大臣としてそれを踏まえない個人的な意見を余り申し上げるのは差し控えるべきだと思います。
 しかし、今の前川先生のお考えを伺いまして、私のやや個人的な感想になりますが、私が司法研修所で修習を受けましたのはもう今から三十数年前でございます。もう少し前かもしれません。非常に優秀な実務教官、これは検察官であろうと裁判官であろうと弁護士であろうと、非常に優秀な教官に指導していただいたことは、本当に私は幸せだったと思うんです。
 ただ、それだけの教官を実務の世界から教官として派遣するというのは、相当な負担でやっておられたんではないかというふうに思います。したがいまして、その機能を、何というんでしょうか、法科大学院がある程度代替するということになり、当時は五百人の司法修習生でしたけれども、それを何倍にも増やすという中で、実務を経験した優秀な方が本当に後輩の養成に当たられる体制になるのかというのは、私も当時やや危惧をしておりました。これは時間を掛ければ、そして法曹の数が充実していけばそういうことが可能かもしれないけれども、そこに一つ、十分対応ができるのかどうかということは当時考えていたことで、現在も当時の私の問題意識というのは全く的外れであったと思っているわけではございません。
 しかし、今、前川委員のおっしゃったことの関連で申し上げますと、従前の大学の法学系の大学院というのはどちらかというと研究者の養成ということに向かっていたわけでございますが、現在、やっぱり法科大学院というのができますと、少なくとも実定法科目においては法曹の資格を、やはりその教授たる者は法曹の資格を持っていた方がいいというような流れができてきているようにも思えまして、これはプラスに評価できることなのではないかというふうにも思ったりしております。
 これ以上余り個人的な見解を申し上げることは差し控えまして、検討会議で結論を出していただいたら、やはりその結論を私ども受けて、しっかりした対応を取っていきたいと、このように思っております。
#12
○前川清成君 よろしくお願いいたしたいと思います。
 ただ、検討会議に関しては、一点だけ付け加えさせていただくと、法科大学院関係の方々が多くて、そのメンバーにですね、何か既得権の守り合いをやっているというふうなそういう批判もありますので、是非、そういうことにならないように、法科大学院のための検討会議にならないように、司法界のためのそういう検討会議になるようにお願いしたいと思います。
 その上で、ちょっと本題に入る前に、前回大臣と議論をさせていただいたハーグ条約の実施法に関して一つだけちょっと確認をしておきたいんですが、前回、七十条の申立書の記載事項の中に「当事者」とある、七十条の二項一号に「当事者」とあると。それについて、当事者というのは住所と名前で特定するんですよねというふうにお尋ねをいたしましたら、いや、大臣の方から、そうではありませんというお答えでした。議事録によりますと、これ名前だけでここは、申請書はいいということだと思いますと。
 私も、僣越ですけれども、大臣に考えていただく機会があればと思って、いや、大臣、本当にそれでいいんですかと、申立書は、申立人も相手方も名前だけ、住所は書かない、送達できませんし、管轄も決められませんよねというふうに申し上げたんですが、それに対してもう一度大臣の方は、申立書は先ほど私が御答弁いたしましたとおり当事者の氏名を明記すればよろしいと、それから住所は申立書には書く必要はないという立て付けでございますというお答えでございました。
 私は、今日は最高裁もお越しいただいていますよね、本当にこれでいいんですかと、今の大臣の答えだとこれから先、実務がこれで動いてしまいますよというふうに余計な心配をさせていただきました。それに対して大臣が、今ぼやっとしたことを申し上げてはいけないんですが、民事訴訟においても法で決められているのは当事者の氏名であって、住所は規則に委任されていたのではなかったかと思いますと、こういうふうにお答えになりました。
 それで、ごめんなさい、性格がしつこいのかもしれませんが、民事訴訟法の方を調べさせていただきますと、民事訴訟法の百三十三条二項一号は「当事者及び法定代理人」というふうに書いています。氏名及び住所とか、あるいは所在及び商号とかいう書き方をせずに、「当事者及び法定代理人」というふうに書いています。
 民事訴訟規則の五十三条を見ますと、五十三条の一項に「訴状には、請求の趣旨及び請求の原因を記載するほか、請求を理由づける事実を具体的に記載し、かつ、立証を要する事由ごとに、当該事実に関連する事実で重要なもの及び証拠を記載しなければならない。」とあって、四項には「訴状には、第一項に規定する事項のほか、原告又はその代理人の郵便番号及び電話番号(ファクシミリの番号を含む。)を記載しなければならない。」と、こういうふうに書いていますので、民事訴訟規則が住所は書けとは書いていない、郵便番号と電話番号を書けよと、こういうふうに書いているところからすると、百三十三条の二項一号の「当事者」というのは、個人の場合であれば、自然人の場合であれば住所と名前で特定するんだろうというふうになるだろうと思いますし、民事訴訟法の教科書を何冊か見ましたが、同じような記載でございます。
 それで、もし大臣が、恐縮ですが、何かと混同されていたのかなというふうに思いまして、刑事訴訟法の方を確認させていただきますと、刑事訴訟法の二百五十六条の二項、「起訴状には、左の事項を記載しなければならない。」「一 被告人の氏名その他被告人を特定するに足りる事項」と、こういうふうに書いてありまして、刑事訴訟規則の百六十四条の一項には「起訴状には、法第二百五十六条に規定する事項の外、次に掲げる事項を記載しなければならない。」「一 被告人の年齢、職業、住居及び本籍。但し、」云々かんぬんと、こういうふうに書いてあります。
 そうだといたしますと、この民事訴訟法の例等々を見ますと、私は、ハーグ実施法の七十条の二項の「当事者」という文言も、やはり自然人の場合であれば住所と名前というふうに解釈しておくべきだし、そうでないと、前回も申し上げましたけれども、住所も書かれていない申立書が裁判所に提出されますと管轄も決めることができない、そういうことになってしまう、送達もできないと、やっぱり実務が困るんじゃないかと。
 ついては、もしお考え直しいただけるのであれば、僣越ですけれども、ちょっと修正の、訂正の御答弁をいただけたらと、こういうふうに思います。
#13
○国務大臣(谷垣禎一君) 前回も私、かなり昔の記憶にたどって答弁したところがございますが、むしろこういう議論は私にお問いかけいただくよりも、民事局長あるいは最高裁の事務局の方に詰めたお答えをいただいた方が後の実務も混乱させないで済むなという気がいたしております。
 ただ、私も前川先生と議論をしまして、それほど網羅的に調べたわけではございませんが、若干頭を整理いたしますと、民訴の最初に、訴状を出すときに当事者を書かなければいけない、これはもちろんでございますが、その当事者を特定する必要があるというときに、大概、説明で住所で特定するというような説明が出ていたのではないかと思います。
 ただ、じゃ、住所が分からないようなときに、名前だけ書いて、氏名だけ書いて訴状を出したときに、それは訴状が不備であるといって却下されるかというと、そういうことにはならないのではないかと思います。ただ、送達がそれだけではできないという問題が生じてくる。たしか、これ民事訴訟規則の二条にやはり住所、氏名ということが書いてあったのではないかと思います。
 その上で、何というんでしょうか、特にハーグ条約の場合には、例えばドメスティック・バイオレンスとかそういうようなことで住所が分からないというような場合があるわけですから、ほかの訴訟ですと、例えばそこのところは公示送達をするとかいうようなことも前提に置いていろいろ考えるんでしょうけど、ハーグ条約のあの関連法の場合には、元々住所が分からないということもあり得るだろうという考え方に立って、その上で職権で調べるというような手続が置かれているのではないかと思います。
 ちょっと私は考え違いもしているかもしれませんので、一応そういうふうに私は頭の中を整理いたしましたけれども、民事局長ないし裁判所に更に正確なところを聞いていただければ有り難いと思います。
#14
○前川清成君 分かりました。
 その上で、このいわゆる被災二法に関して議論をさせていただきたいと思うんですが、今回、第百八十三回の通常国会、法務省から提出された法案が九本ございまして、この二法案を含めて、ちょっと気が早いのかもしれませんが、二法案を含めると七本の法案が成立したことになります。
 一年前、ちょうどそのころ理事として御苦労された松野さんも今到着されましたけれども、去年の百八十回の通常国会に法務省から提出されたのは六本でございました、継続されている法案を入れずにですね。ところが、会期は七十九日間、九月八日まで延長されたんですが、成立したのは一本だけ、しかもそれは裁判所職員定員法でした。
 今年の国会と去年の国会と一体どこが違うのかなと。総理大臣は野田さんから安倍さんに替わっておられますし、あの当時の法務大臣は小川先生でいらっしゃいましたし、今は谷垣大臣でいらっしゃいますし、どこが違うのかなというふうにいろいろ私も思っていました。この参議院の法務委員会でいいますと、当時の野党の筆頭理事は森まさこさんでした。今は私がさせていただいています。
 私は、最初、大臣所信の際にも申し上げましたけれども、審議拒否はしないと、政府が出した法案であっても、あるいは議員立法であっても審議すべき法案は全部審議すると、国民のためにということで臨ませていただきました。その結果、およそ八割の法案が成立したということであれば、旧五五年体制的な抵抗野党という考え方からすると、私は決して及第点はもらえずに落第しているんじゃないかと思いますが。
 そもそも国会の役割、あるいは、大臣は自民党が野党のころ、一番しんどかったころを自民党総裁としてお支えになりました。当時、当時というのは野党のころですね、野党が果たすべき役割、特に法案の審議に当たって野党が果たすべき役割についてお考えになっていたことがございましたら、ちょっと参考に教えていただきたいと思うんですが。
#15
○国務大臣(谷垣禎一君) 野党になりまして、どういう考え方で臨もうかというのは、実は私自身、大変試行錯誤をいたしました。
 自民党は余り野党になった経験がございませんでしたので、昔、細川政権のときは徹底的に抵抗するという、当時、私はまだ国会対策の責任あるような立場ではございませんので、当時の展望が、回顧が正しいかどうか分かりませんが、徹底的に抵抗するという手法、ただ、小選挙区を始め政治改革法案には最後、党首同士の対応で妥協をしたわけですが、そういう手法を取ったと思います。さて、じゃ、先般、我々が野党になりましたときに、どういう手法で対応していこうかというのは実は手探りだったというのが正直のところでございます。
 それで、いや、これはいろんなこと……(発言する者あり)ちょっと、直接森委員にお答えをしてはいけないんですが、手探りでございまして、それで私は、例えば消費税の法案等々につきましては、これは、当時は野田総理でいらっしゃいましたけど、野田総理が非常にこの問題には信念を持っておられると私は感じたものですから、ただ、野党として何の前提もなくただ賛成をするというわけにもいかないということで、いろいろな駆け引きや何かはございましたけれども、最後は協力をさせていただきました。しかし、いずれも手探りで、何が正しかったのかは私自身もよく分かりません。
 それで、今になって考えてみますと、私どもも与党、野党の経験をいたしました。民主党も与党、野党の経験をなさって、確かに政権交代が起こりますと、そこにやったとかやられたとかいう、俗に言えばそういう感情もあって、いろんなことも確かにあったと思います。これは政権交代のマイナス面でもあったなという気がいたします。しかし、他方、お互いに与党を経験したことによって、何が生み出されるかというのはやっぱり生かしていかなければいけない面があるなと、今はそんなふうに総括しておりまして、ただ、これは今から見た総括でございます。前川委員のお気に召すかどうかはちょっと分かりませんが、そんなふうなことを現在感じております。
#16
○前川清成君 参議院選挙、この夏の参議院選挙も事前の報道によりますと自民党が圧勝するというふうに出ていまして、そういう報道を前にしてこういうことを申し上げると、負け犬の遠ぼえ、引かれ者の小うたに聞こえるかもしれませんが、私たちは是非もう一度政権を取り返して、自分たちが三年三か月追い求めてきた理想の政治を実現したい、そういうふうに思っています。そのときに野党になったり与党になったりするかもしれませんが、立場が違っても、そのときの総理大臣をすっからかんというふうな言い方で批判するような国会であってはならないというふうに私は考えております。
 それに関連して、先日、民法の改正案がこの参議院では可決していただきました。経営者以外の第三者が連帯保証をしても民法上効力を否定するという法案でした。私は、正直申し上げて、自民党も公明党も賛成されるのだろうと思っていました。ところが、反対されたので、ちょっと不思議な気持ちになりました。
 同じような経験は、実は可視化のときにも経験をいたしました。横に座っておられる草川委員長が公明党でいらっしゃいますのでちょっと言いにくいんですが、二〇〇五年の衆議院選挙のマニフェストで公明党は、可視化を、取調べの可視化ですが、検討を実施すると。二〇〇七年の参議院選挙も同じように書いていました。取調べの可視化というのは、決して民主党の専売特許ではありませんでした。ところが、二〇〇七年の十二月に私たちが議員立法で可視化法案を提出いたしまして、二〇〇八年の六月に参議院で可決されたんですが、この際、自民党、公明党は反対をされました。
 公明党はお考えが変わったのかなというふうに思っていたんですが、これは平成二十三年、二〇一一年の一月の参議院本会議の代表質問で山口那津男代表は、「今回の検察史上最悪の不祥事が招いた可視化の本格実施を求める世論の高まりは止めようもなく、時代の要請になっていると言っても過言ではありません。」「可視化の本格的進展こそ急務と考えますが、総理の見解を求めます。」と、こういうふうに述べておられるわけです。二〇一〇年のマニフェストも同様に書かれています。結局、この政策は、基本的な理念は賛成でも国会の投票は逆になってしまうのかなと。
 同じように保証に関しても、公明党の場合には、二〇一三年に発表された重点政策という文章の中で個人保証を段階的に廃止をするというふうにお書きになっていますし、二〇一〇年の成長戦略の中にも個人保証を求めない融資を拡大していきますと。自民党も、二〇一三年に発表されました成長プランの中で同様に個人保証の制限についてお書きになっておられますし、政府も、今年の六月十四日に公表されました日本再興戦略の中で個人保証を制限するというふうに書いておられます。
 それぞれの政党が同じ方向を向いていながら、どうして法案の採決になるとばらばらになってしまうのかなと。先ほど大臣に対して、野党のときにどのような野党の役割をお考えになりましたかと、特に法案の審議に対して何をお考えになられましたかというふうにお尋ねしたのは今のお尋ねをする伏線でございまして、それぞれが、それこそ自民党から共産党まで同じような思いを持っている、国民のために、国家のためにそれがいい政策だと考えている、多少形が違っていたり凸凹があったりしても基本的な思い、基本的な理念は同じである、それだったらやはり自民党から共産党まで全部の政党が協力し合って少しでも前に進めていく、政策を前に進めていくというのが私は国会の役割ではないのかなと、こんなふうに思っておりまして、今回の民法の改正案の審議あるいは可視化法案の過去の経験というのはちょっと考えさせられるところがあったわけでございますが。
 今のようなことをそもそも前提にして、大臣は、個人的な御見解で結構でございます、今法制審議会での議論もありますので。しかし、法制審議会で議論しているから国会は黙っておけということで私はないと思います、国の唯一の立法機関は国会ですから。この第三者保証、現在、今直ちに経営者御本人の連帯保証まで禁止するのは難しいとしても、経営に何ら携わっていない言わば赤の他人の保証を制限する、民法上でいえば効力を否定すると、私はそれは正しい方向だと考えておるんですが、大臣、いかがでしょう。
#17
○国務大臣(谷垣禎一君) 保証制度ですね、これは今までどういうことが議論されていたかといいますと、中小企業金融等において重要な役割を果たしているけれども、他方、保証人が生活の破綻に追い込まれるといったようなことがよくあるじゃないかと、そういう問題が指摘をされておりました。したがって、課題としては、中小企業の円滑な資金調達を妨げないように留意しながら保証人の保護を図ることということで、それが政策課題だったというふうに私どもは認識しているわけでございます。
 それで今、議員がお出しになった法案について、これは議員立法でございますから国会の中でそれは議論されるべきことでございまして、行政府におります私が余り個人の意見を言うのはいかがかなという、むしろ個人の意見というよりか法制審議会の今の審議の立場から少し私、思っていることを申し上げますと、法制審の民法部会でも御承知のように見直しの議論がされているわけでありますが、中間試案では、事業資金の借入れについての個人の保証はいわゆる経営者のものを除いて無効とすることなどといった形で、保証人保護のための方策を講ずるという方向で議論されているわけでございますね。
 ここから先は国会で議論されていることにやや法務大臣としては言い過ぎかなという気もいたしますが、委員がお出しになった法案は、中小企業が融資を受ける際に個人保証をすることができる者の範囲を限定しておられるわけですね。代表者に限定しておられるという形でございますが、この点については、個人保証が許される範囲をやや限定し過ぎているんじゃないかと、中小企業の資金調達がそれでは円滑にいかなくなるということがあるのではないかと。これは、法制審議会にもそういう御指摘があるのが事実でございます。
 したがって、代表者以外の者を一律無効にすることがいいのかどうか、これはまだ法制審議会でも結論が出ているわけではないと思いますが、そこのところは我々、もう少し詰めて考えて、議論をしていただきたいと思っているところでございます。
#18
○前川清成君 ありがとうございました。
 もうこれ以上は言いませんが、信用収縮を起こしてはいけないのは当然でございまして、私たちも、既に金融庁の監督指針で原則第三者保証を禁止していますので、そこも視野に入れた上で提出をいたしましたし、千葉銀行の役員が参考人でお見えになりました。千葉銀行の貸出先が三万三千件とおっしゃっていましたですかね、その三万三千件の貸出しのうちに経営者以外の第三者が保証しているのは五十五件だというふうに述べておられましたので、私は信用の収縮というのを余り過度に心配し過ぎて大きな方向を見誤ってはいけないのではないかなと、こういうふうに思っております。
 それで、ちょっと時間がなくなってまいりましたので急ぎたいと思いますが、まずは大規模な災害の被災地における借地借家に関する特別措置法についてお尋ねをいたしますけれども、第二条で、大規模な火災、震災その他の災害について云々かんぬんで政令で指定すると、こういうふうに書かれています。ところが、この大規模な災害というのがどの程度のものを指すのか、なかなか一義的には判断しかねるのではないかと思います。
 ついては、この大規模な災害というのはどのようなものを指すのか、お尋ねをいたします。
#19
○国務大臣(谷垣禎一君) この第二条では、大規模な火災、震災その他の災害と規定しているだけでございます。それで、実際は政令で指定をすることになっている、御承知のとおりでございますが、その際に、これはこれからの運用の問題でございますが、これはもちろん、何というんでしょうか、大規模というのは何かというのを余り事前に限定的に定義はしにくいもののように私は思いますが、被災地等々でそういう法律の適用を、この法律の適用を希望するかどうかというようなことも考えながら判断をするものというふうに理解しております。
#20
○前川清成君 今のお尋ねは、政令で指定するとしても、それが全くのそのときの政府に対する白紙委任になってしまうのか、そうじゃなくてやっぱり一律の枠の中で政府が判断されるのか、どちらなのかということでお尋ねをしたつもりでございます。
 ちょっと前もってぐどぐどぐどぐど言うてしまいましたので、時間がなくなりましたので次に質問、お尋ねいたしますが、三条です。
 三条で、大きな災害があった場合には借地権者は借地権の解約の申入れをすることができるというふうに書かれております。それで、借地借家法の八条を見ますと、更新後であれば建物が滅失した場合に解約の申入れができると。だから、その反対解釈としては、更新前であれば建物が滅失したとしても解約の申入れはできないということになります。
 しかし、仮に、大規模な災害で建物が滅失してしまったと、建物がないにもかかわらず賃料を支払い続けるのは酷だというのはよく分かりますが、同様に、隣の家からもらい火で焼けてしまいました、滅失してしまいましたと、やっぱり建物もないにもかかわらず賃料を支払い続けるのは借地人にとって酷だと。その点、私は利益衡量的に余り変わらないのではないかなと。それにもかかわらず、今回、大規模な災害による場合だけ更新前であったとしても賃借権の解約を認めるというのは少しバランスを欠いているのではないのかなと、むしろ借地借家法の八条一項の改正というのも考えたらどうなのかなと、こんなふうに条文を見ながら思ったんですが、大臣、この点いかがでしょうか。
#21
○国務大臣(谷垣禎一君) 委員がおっしゃいますように、借地借家法では滅失した場合でも当然には終了しないということになっているわけでございます。
 それで、どこが違うのかなというのは、これ考えてみますと、大規模な災害が発生した場合には、被災した借地人が滅失した建物を再建する資力や意欲が欠けるというだけじゃなしに、全体として、個々の場合と違ってやはり全体として町の再建や何かにその地域の人がどう関与していくかという問題が私はあるのではないかと思います。確かに、個人で隣のもらい火で滅失した場合にも意欲を失う方はいらっしゃるかもしれませんが、その土地全体をどう立て直していくかという観点がかなり大規模な災害とは違ってくるのではないかというふうに思います。
 それで、特に大規模災害の場合にはそういう意欲を喪失した方がたくさんいらっしゃるということになりますと、その地域全体の再建をどうしていくのかという問題にもかかわってくるということがあると思います。確かに違いが少ないようにも見えますが、そういう被災地全体の再建ということを考えた場合には、こういう制度を用意しておいて、意欲を喪失した方の場合には借地契約から離脱をできるという状況が必要なのではないかというふうに考えております。
#22
○前川清成君 時間がなくなりましたので、指摘にとどめてこれで終わらせていただきますが、もう一つの被災区分所有建物の再建に関する特別措置法です。例えば三条とか四条の九項、五条の三項、九条九項、十条三項、十一条三項と、ともかく準用と読替えの条文が多くて、ちょっとこれを一読しただけではなかなか意味が分からないと。これは法制局の、何というんですか、職人的な好みからするとこの読替えの方が格好いいのかもしれませんが、例えば高裁の判決で読替えの判決が減ってきたように、今の時代ですから、職人技を競うよりもやっぱり国民の皆さん方が読みやすい、読んで分かりやすい、そういう体裁の立法を求めていくべきではないのかなというふうに思っております。
 そのことを最後に指摘させていただいて、私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
#23
○磯崎仁彦君 ありがとうございます。自民党の磯崎仁彦でございます。
 冒頭から時間も少ないので質問をさせていただこうかと思いましたが、前川委員の方からも、まだ国会は終わっておりませんが振り返って的なお話がありましたので、ちょっと私の方からもお話をさせていただきたいと思います。
 確かに、今国会、九本という他の委員会に比べれば数が多いなという、そういう法案が出ておりましたが、結果的にこの今回の被災二法案も通れば七本成立ということになりますので、私は、冒頭といいますか大臣の所信のときに、何とかやはり法律は多く通しましょうと、私も民間の企業におりましたので、やはりどうしても社会の動きに法律というものが後追い後追いになっていく、したがって国会の中で法律がどんどんどんどん成立が遅れていくと社会とのギャップというのはますます開いていく、したがって、やはり国会においてはできるだけ法律を通さなければいけないと、そういった意味で行政府の方としてもできるだけの努力をという話をさせていただきましたので、結果的に、委員長それから野党の皆様方の努力もあって七本という成立になったということにつきましては、本当にこの場を借りて感謝をさせていただきたいと思います。
 議員立法ということが付いてきましたので、私どもとしましては、先ほど前川委員の方からは、自民党も方向としては同じなんだろうけれども最終的に採決が分かれたといったような話がありましたが、私は、やはりこの質問の中でも、私ども自民党としましても、個人保証について、それに依存をしないいわゆる金融の在り方を考えなければいけない、これはいわゆる政策集の中でも述べている方向でございますので、方向としては一致をしているんだと。ただ、先ほど大臣が言われましたように、今回の議員立法の範囲としては、やはりその経営者の範囲というのが余りにも小さいんではないかと。したがって、参考人の質疑の中でも、貸し手の側からも借り手の側からもやはりその点については懸念が出されたというのは事実かと思いますので、私どもも、反対はしたものの、基本的な方向性としましてはそれは間違っていないということは是非ともこの中で申し上げておきたいなというふうに思っております。
 それをまず申し上げた上で、時間も限られておりますので、被災二法について質問をさせていただきたいと思います。
 質疑の対象になっております被災の二法案につきましては、災害時における特別の取扱いを定めるというものと理解をしております。ただ、やはり時代の変遷の中で法が要請にこたえ切れなくなるということはある話でございまして、恐らく今回のこの被災二法案につきましても、なかなかやはり法が時代の要請にこたえ切れなくなったということにおいて今回の二つの法案が出てきたというふうに理解をしております。
 まず、一つ目の質問でございますけれども、現行の罹災都市借地借家臨時処理法、これは、大規模な災害が発生した場合において被災した借地人や借家人、これを保護するための特例措置を定めた法律ということで、何回か改正をして今日に至っているわけでございますけれども、平成七年の阪神・淡路大震災あるいは平成十六年の新潟県の中越地震においてはこの罹災都市処理法については適用されていると。ただ、直近の平成二十三年の東日本の大震災においては適用は見送られたということ。
 そして、被災区分所有建物の再建等に関する特別措置法、いわゆる被災マンション法につきましては、これは阪神・淡路大震災の後、制定をされた法律でございますが、阪神・淡路については適用されたと。ただ、その後の中越、東日本大震災においては適用は見送られたという現状にあるわけでございますが、災害時を想定をして制定をされたこのような法律が、ある大災害に対しては適用され、ある大災害については適用されない、あるいは見送られた、これがどういう理由によるものか、まず冒頭、御説明をいただければというふうに思います。
#24
○政府参考人(深山卓也君) 今御指摘があった二つの法律、それぞれについて御指摘があった事案に適用されなかった理由を御説明いたします。
 まず、現行の被災マンション法の方ですけれども、今御指摘のとおり政令で定めた災害に適用されますが、新潟県中越地震については適用が見送られました。その理由は、災害によって被害を受けた地域に区分所有建物が余り存在せず、適用を要望する声もなかったということにございます。
 また、現行の被災マンション法は東日本大震災についても適用の可否は検討したんですけれども、この東日本大震災によるマンションの被害状況等について関係団体や自治体に対するヒアリング、あるいは被災地の実態調査を行うなどして情報の把握に努めた結果、把握した限りでは、この震災によって滅失した区分所有建物が見当たらない、現行の被災マンション法が定める特別措置について具体的ニーズがないということで適用しないこととしたものでございます。
 もう一つの現行の罹災都市法でございますけれども、これも御指摘のとおり政令で定めた災害に適用されるわけですが、東日本大震災については適用しておりません。
 それは、関係市町村の意向を聞いて、国土交通省と一緒になって意向の把握に努めたんですけれども、関係市町村の方からは適用を求めないという旨の回答を得たということ、それから、日本弁護士連合会や被災地の弁護士会との意見交換も行いましたが、その際には、むしろニーズはなくて適用する必要はないというふうな意見も出されたといったようなことから、共管省庁である国土交通省とも協議の上で、東日本大震災については罹災都市法は適用しないと、こういう結論に至ったものでございます。
#25
○磯崎仁彦君 ありがとうございました。
 恐らく、今のこの法律のままではなかなかその適用が難しいという状況だったのかなというふうに思います。後ほどちょっと申し上げますけれども、現実問題としては、この改正をした被災マンション法ですか、これについては是非とも適用してもらいたいという要望も来ているというのは事実でございますので、言ってみれば、今の法律ではなかなか対応できないということで改正をし、その改正をした法律であれば是非適用したいという、そういう流れかと思いますので、この点については後ほどまたちょっと質問させていただきたいと思います。
 二点目の質問は、先ほど、大規模な災害の被災地における借地借家に関する特別措置法案につきましての第二条の特定大規模災害、この指定については先ほど前川委員の方からも質問がありましたので省略をさせていただきたいと思いますが、一旦政令で、どの災害に対してこの特定大規模災害の指定をするかというのをまず政令で指定をすると。その指定をしたときに、幾つかこの法律案の中には措置が決められておりますけれども、四つか五つ措置があったと思いますが、どの措置を適用するか、そしてその措置をどの地区に適用するか、これについても地区を指定をするということになっております。
 ただ、私、素人考えですと、例えばどの地区に、この四つ、五つある措置について、この地区にこの措置を適用するというその細かいことまで指定をしなければいけないのか。例えばこの地区にはこの法律を適用するんだというそこの指定だけで、あとどの措置を適用するかについてはこれはもうフリーハンドに持っていていいんじゃないかという気も私自身するわけでございますけれども、具体的な措置まで指定をしなければならない、そのことの理由について御説明をお願いをしたいというふうに思います。
#26
○政府参考人(深山卓也君) 今御指摘のとおり、この被災借地借家法案では、適用すべき措置、それから適用すべき地区を政令でそれぞれ定めるということになっております。
 この法案の規定する措置が平時の借地借家法の特例を定めるものでありまして、借地人、借家人双方にとりまして非常に与える影響が大きいということから、制度が適用される地域的範囲が不明確であってはいけないということで、まず地域はきちっと明確にしなくちゃいけないと。
 また、同じ被災地といっても、災害における被害の実情とか、それから借地借家の存否、あるいはどういう態様のものが多いかといった実情は様々でございますので、地区ごとに適用すべき措置を選択して指定できた方がよりその地域の実情に合った措置を指定することができるということで、措置の内容についても政令で特定すると、こういうふうにしたものでございまして、これは前身の罹災都市借地借家臨時処理法がこういう建前を取っていたということも一つございます。
#27
○磯崎仁彦君 地域の事情ということは確かに尊重しなければいけないというように思いますが、余りにもしんしゃくする中で時間がたってしまうというのも問題があると思いますので、その辺は是非とも考慮をしていただきたいなというふうに思っております。
 次に、改正被災マンション法案についてでございますけれども、これは、例えば建物が全部滅失した場合の敷地の売却であるとか、建物が大規模一部滅失した場合の建物敷地売却、あるいは建物取壊し敷地売却、建物取壊し、こういったものについてはこれまでは全員の同意が必要であったのを五分の四にするということでございますが、このやはり多数というものをどの水準に置くのか。
 これは、区分所有法におきましても、例えば復旧の場合には四分の三という多数の基準が設けられておりますし、またパブコメの中でも、例えばその五分の四について、四分の三であるとか、逆に十分の九とか、これはどの水準というのが一番そのバランスが取れるかということで五分の四という水準にしているんだと思いますけれども、ただ、他方で、例えば、建て替えであるとかということになると当然のことながらその所有者が負担をするということが出てまいりますけれども、売却ということになると負担というものは逆に恐らく出てこないということもあろうかと思いますので、そういった事案に応じて五分の四なのか四分の三なのかという、そういう細かい規定があってもいいかなというふうに思いますが、この五分の四という多数の水準というのがどういう考慮に基づいての水準なのかということについて、分かる範囲でお答えをいただければというふうに思います。
#28
○政府参考人(深山卓也君) 御指摘の、今回の改正で入っている決議の多数決要件がいずれも五分の四になっている理由でございますけれども、まず、区分所有建物とその敷地の売却あるいは区分所有建物の取壊しというのは、民法の原則どおりであれば区分所有者全員の同意を必要とする行為でございます。したがって、反対する者の意思に反してでも決議を実行することの正当性を担保するためには、多数決の要件というのは厳格である必要があると一般的に言えると思います。
 また、区分所有法上、個々の区分所有者にとって区分所有権の処分を伴うことになる区分所有建物の建て替えの制度が既にございますけれども、これが五分の四という特別の多数決要件とされている。今回設けた建物や敷地の売却あるいは建物の取壊しというのも、権利の処分であるという点で既にある建て替えの制度に類するものであるということを考えますと、これと同程度の多数決要件とすることが相当であると考えられること。
 さらに、各決議の制度というのはあくまでも区分所有者間の意思決定をするということにすぎないわけでして、決議成立後は決議に基づいた売却あるいは取壊しといった事業を現実に実行しなければならないわけですが、決議の内容が円滑に実行されるためには、できるだけ多数の区分所有者が決議に参加していることが望ましいと、こういう考慮もございます。
 今言ったような諸点を総合的に考慮して、法制審議会でもパブコメでもいろんな意見があったのは御指摘のとおりなんですけれども、様々な議論をした結果、今述べたようなことを総合的に勘案して、多数決要件を五分の四以上としたものでございます。
#29
○磯崎仁彦君 ありがとうございました。
 もう残り一分ということですので、お願いをして終わらせていただきたいと思います。
 先ほど申し上げましたように、改正被災マンション法の早期成立、それから同法の適用につきましては、もう御存じのとおり、仙台市の方から是非とも適用してもらいたいという要望が届いておりますので、是非ともこの成立の暁には速やかに適用をしていただきたいというのが一つ目。
 二つ目は、これは衆議院の方でも議論をされておりますけれども、今回は災害時の場合のいわゆる区分所有の取扱いということですけれども、やはり老朽化したマンションにつきましても、これも大臣の方から、いろんなやはり考慮すべき事由があると。法務省だけではないということがあろうかと思いますが、やはりかなりの数のマンションの数に上っておりますし、これからどんどん老朽化するという中ではなかなか今の法制の中ではにっちもさっちもいかないという状況が生ずるかと思いますので、是非とも総合的な御判断をお願いをしたいということを申し上げまして、私の質問を終わらせていただきたいと思います。
 ありがとうございました。
#30
○魚住裕一郎君 公明党の魚住裕一郎でございます。本当に短い時間でございますが、質問させていただきます。
 まず、先行質問に関連をしてちょっと発言をさせていただきたいと思いますが、先ほど一年前の国会との対比が述べられたところでございますが、私の印象は、一年前の通常国会は何か大臣所信に対する質疑ばかりやっていたなといいますか、しょっちゅう大臣が替わったという印象が強くて、それが法案の成立率の問題にもなったのかもしれません。
 また、先ほど第三者保証の制限についての法律についての言及が、我が党のマニフェストまで含めて論及があったわけでございますが、ただ、可視化であるとかあるいは第三者保証の制限とか、その文言だけで何でもかんでも全部賛成しろよと言わんばかりのその主張はいかがなものか、民法典そのものの改正というのはいかがなものかとも申し上げましたし、また余りにも狭過ぎるというような発言をさせていただいたわけでございまして、やはり政治的判断、丁寧な判断が必要ではないのかと、このことを言及をさせていただきたいと思います。
 次に、ハーグの審議やったわけでありますが、その中で、大臣、やはり住所、先ほども住所とありましたけれども、今度は、被害者の住所というのは非常に大事な案件だということで非常に気を遣った議論を展開をさせていただいたと思いますが、えっと思うような案件が出てきたんですね。
 これは、今月十五日の新聞記事でございますが、強制わいせつ公判で住所等が漏えいされているということがあって、横浜地検川崎支部で捜査報告書に被害女性の住所と電話番号が記載されていた、これが弁護人を通じて被告人に伝わっていた。あるいは、裁判所の、これは名前と年齢以外の個人情報を被告側に明かさないという条件で証人尋問、それで、その証人尋問、書記官が作成した証人尋問調書に住所などが記載され、被告側に写しが渡っていたというのが実はあるわけですけれども。
 あれだけハーグで、この関係者、本当に住所とかしっかり守らなきゃいけないといいますか、これ事件やっている最中に検察官それから裁判所から漏れるというのは一体どういうことなのか。まず、事務方から説明をしてください。
#31
○政府参考人(稲田伸夫君) ただいま横浜地検川崎支部で取り扱った強制わいせつ事件の被害者の住所等に関する新聞報道についての御質問でございまして、一般的に検察当局におきます性犯罪等の被害者の住所等の証拠との関係での取扱いについてまず御説明を申し上げます。
 検察当局におきましては、性犯罪等の被害者の方々の心情に配慮し、その要望があった場合や、要望がなくとも必要と判断される場合には、立証上の必要も勘案しつつ、被害者の名誉及びプライバシーにわたる記載部分についてはマスキングした書類を作成して、言わば抄本という形で証拠請求し、これを弁護人に開示するという取扱いを行っております。
 また、そのほか刑事訴訟法二百九十九条の三の規定に基づいて、被害者の方に対する加害のおそれなど一定の理由があるときは、弁護人に対し、法律に言う被害者特定事項、すなわち氏名及び住所その他の当該事件の被害者を特定させることとなる事項、ただし起訴状に記載されたものは除かれますが、これを被告人に知られないようにすることを求めたり、あるいは刑訴法二百九十条の二の規定に基づいて被害者特定事項の秘匿決定を裁判所に求め、この決定により公開の法廷で被害者特定事項が明らかになることを防ぐなどの制度の運用に努めているものと承知しているところでございます。
 今回の事案は、最初に申し上げましたマスキングをする際に、全体の証拠書類の中の一部のものにつきましてその一部分で住所等の記載についてマスキングをし忘れたというものでありまして、大変遺憾なもので申し訳なく思っておるところでございます。
#32
○最高裁判所長官代理者(今崎幸彦君) 裁判所からも御答弁させていただきます。
 一般論として、被害者特定事項の秘匿制度につきましては、これはあくまで被害者の特定事項が公開の法廷で明らかにされるということを防ぐ制度でございまして、被告人にそれらの情報を知らせないための制度ということではないものですから、一般論として、こうした事件におきまして被害者から被告人に住所を知らせたくないというような意向が示された場合におきましても、広く定まった取扱いがあるというわけではございません。
 ただ、被害者特定の秘匿決定がされた事件の中には、ただいま御説明にありましたとおり、検察官の方からそのような被害者の御意向が知らされる場合もございますし、また、そういった事件におきましてはやはり被害者がそういう御意向をお持ちになることが多いということを裁判所も分かりますので、そういった場合には裁判所の方からもそういう判断をいたします。
 そのときに、一般論として、証人尋問につきましては、委員御承知のとおり、当初、最初の段階で人違いでないかどうか確かめなきゃいけないということになっておりまして、生年月日や名前そして住所を尋ねることが通常でありまして、その場合は調書に記載されるのが通常でございます。そのような場合におきましても、弁護人による証人尋問調書の謄写という制度がございまして、法律上はその謄写権を制限することはできないということになっておりますけれども、弁護人の御了解をいただいて、被害者の住所等をマスキングして謄写してもらうというような扱いをいたしましたり、あるいは被害者の住所については弁護人限りにしてほしいということを依頼するというような扱いをしております。
 さらに、場合によっては、被害者の意向の重要性などに鑑みまして、被害者に尋ねた住所を調書に記載しないというような扱いがあるということも承知しております。
 以上でございます。
#33
○魚住裕一郎君 大臣、これは被告人の防御権の問題とかあるいは適正手続という問題ももちろんあるわけでございますが、その上でこういういろんな法的にもあるいは取扱い上も配慮しているわけでございますが、これ新聞報道によれば、国家賠償法の請求も慰謝料請求を含めて事件を起こすという、そういうようなこともあって、非常に答弁しづらい部分もあろうかと思いますが、やはり何らかの措置を、こういう特に性犯罪について配慮をしていくという措置を検討する必要があると考えますけれども、ちょっと大臣の御見解ございましたら、いただきたいと思います。
#34
○国務大臣(谷垣禎一君) これは、先ほどから事務方の答弁もございましたけれども、今までも当然委員がおっしゃるようなことは配慮して、マスキングをきちっとするとか、あるいは弁護人に被疑者には教えないでくれとかいうことをしているわけですが、このマスキングが徹底されなかったということで大変申し訳ないことだと思っております。
 やはり基本に立ち返って、きちっと必要なところはマスキングをする等々の措置は徹底させたいと思っております。そのほかにもいろいろ考えることがあるのかどうか、またこれはいろいろ議論をしていきたいと、このように考えておりますが、一方、委員がおっしゃいましたように、相手方の防御権等の問題も考えなければならないというところもございます。その辺をしっかり整理してまいりたいと思っております。
#35
○魚住裕一郎君 次に、この法案の前に、大規模災害への対応についてお聞きしたいと思いますが、先ほど本委員会に入る前の理事会におきまして、法務省の大臣官房から、日本司法支援センターの業務の特例に関する法律の運用状況に関する報告というのをいただきました。去年の四月一日から今年の三月三十一日までの間の取扱件数等の御報告であったわけでございますが、被災三県が突出してございますけれども、法律相談援助というものが本当に役立ったなというふうに認識をするものでありますけれども、やはりもう少し早くといいますか、どうも出張所も七件ほどつくっていただいたようでございますけれども、もっと早く対応しておくべきじゃないのかな。
 もちろん、災害があって、問題がどんどん移っていくというんですか、最初は飲物がないからもちろん出発するわけでございますけれども、やはり平時から大規模な災害発生した場合に備えて、弁護士さんだけじゃなくて司法書士さんとかいろんなところでお世話になったわけでございますけれども、そういう関係団体との連携というものを考えておくべきじゃないのかなと思うわけでございますが、この点、大臣の御所見がございましたら、お教えいただきたいと思います。
#36
○国務大臣(谷垣禎一君) 大規模な災害が発生した場合に、あるいは未然に防止するためにも、今おっしゃったような、弁護士さんはもちろんでございますが、司法書士の方とか、あるいはこういう家屋が倒壊したときに土地家屋調査士のような方々、いろんな方々と連携を図らなければうまくいかないと思います。それで、こういう方たちとの連携をどうコーディネートしていくかというのは極めて重要であると思いますので、そういった点、またしっかり考えさせていただきたいと思っております。
 実は、昨日、仙台高裁の長官が交代されまして、新旧の長官にお目にかかったわけでございますけれども、いろいろ御当地の高裁長官として御苦労があった旨を伺いまして、そういう、何というんでしょうか、いろんな処理の仕方の反省や御苦労も十分分析しながら、今のような問題、考えてまいりたいと思っております。
#37
○魚住裕一郎君 次に、被災地借地借家法でございますが、被災地短期借地権を創設、あるいは従前の賃借人に対する通知制度というものが新たに盛り込まれているわけでございますが、これらの制度の実効性を高めるために、やはり補助金とか助成金、あるいは家賃の補助、それから税制の優遇など利用者の便宜に資する措置を積極的に講じていく必要があるのではないか、そういう意見もあるわけでございまして、これはもちろん法務省だけの問題ではないと思いますが、政府全体として取り組む必要があると思いますが、大臣としてこの点についてのお考えをお示しをしていただきたいと思います。
#38
○国務大臣(谷垣禎一君) 委員の問題意識は恐らく広範にわたられると思いますので、法務大臣限りとして答弁できることは限られておりますが、まずやらなきゃならないことは、新しいこういう法制を作らせていただいて被災地の方々に利用していただくためには、十分周知徹底といいますか、広報活動といいますか、そういうものがなきゃなりません。そういうのはまず徹底的にやらなきゃならないと思います。そのためには、やっぱり関係者が現場に赴いていろいろ御説明するというようなことも考えなければならないと思います。
 それから、今回は、被災地における仮設住宅や公営住宅等の公的支援が以前に比べると充実してきているということもございまして、優先借家権制度を廃止することとしたものでございますが、こういう公的支援、今のような形で仮設住宅等が出てくるような公的支援というのを全体として推し進めていかなければならないのも当然のことだと思います。
 こういったニーズ、法務省としてもきちっと把握して、ほかの省庁と連携してまいりたいと思っております。
#39
○魚住裕一郎君 次に、被災マンション法でございますが、これは決議によって、五分の四ですか、そこで取り壊したり敷地処分するということができるわけでございますけれども、これ、決議に賛成しなかった方の権利擁護の在り方でございますが、これは似てる制度あるなと、株式買取り請求権みたいな、要するに株主総会で反対した人の中でやって、それと似たような制度になったなと思っているわけでございますが。
 これは、要するに売渡し請求権というのはこれは形成権であって、そういう売渡し請求したらもうそれで売買といいますか、効果があって、あとはいつ明渡しあるいは登記の移転、あるいは時価に争いがあることも想定されるわけでございますが、そういう理解でいいんでしょうか。要するに、これ、もう既に形成権でこうなってしまっていて、あとはその中身についてどう履行していくか、あるいはその価格をどう決定するかというのは裁判所で争ってくださいと、こういうことなんでしょうか。
#40
○政府参考人(深山卓也君) 御指摘のとおり、売渡し請求権の法的な性質は形成権でございますので、行使の意思表示が相手方に到達すると、その時点で時価で区分所有権と敷地利用権が売却されるという効果が生じます。そうしますと、一方は専有部分の引渡しや登記の移転義務を負って、一方は時価相当の代金を支払う義務を負うという状態になって、双方が同時履行関係に立つと、こういうことになりますので、今言及がありました代金額、時価というと一体幾らなんだと争いがあるような場合もそれはあり得ると思いますが、そういうような紛争というのは、明渡し請求あるいは登記請求に対して、反対当事者が同時履行の抗弁権として自分の思う適正な時価を主張すると。もちろん反訴を起こしても結構ですが、そういう形で、最終的に訴訟の中で裁判所の認定によって時価が幾らであるかが決まっていくということになるんだろうと思います。
#41
○魚住裕一郎君 その決議のときでございますけれども、そこのマンションの借家人、オーナーじゃなくて借家人、あとマンションの区分所有権あるいは敷地利用権に、普通、銀行とかの抵当権が付いているんではないのか。その例えば銀行とかは決議に参加しないわけですよね。こういう人たちというか、そういう人たちの立場といいますか、その権利の調整はどういうふうにやっていくんでしょうか。
#42
○政府参考人(深山卓也君) この改正被災マンション法案自体で借家人、抵当権者等の権利調整に関する特別な規定を設けているわけではございません。ただ、今御指摘のとおり、建て替え決議等々の決議に参加するわけではございませんので、当然にその決議によって何らかその賃借権や抵当権が消滅したりなんなりということになるわけじゃないんですが、しかし、権利調整が必要になるというのはそのとおりでございます。
 実際はどうなるか。やや細かくなりますけれども、改正被災マンション法案の定める決議のうち、これはいろんな決議がありますけれども、例えば建物敷地売却決議、あるいは敷地を売却する、この売却するタイプの決議につきましては、理論上はこれらの決議に基づいて、賃借権、借家権ですね、あるいは抵当権が付いたままでも建物や敷地を売却することはもちろん可能でございますが、実際問題とすると、区分所有権の一部あるいは敷地利用権の一部に抵当権が付いている、あるいは賃借権が付いているというような建物や敷地を買い受ける者はまあ普通はおりませんので、これらの決議に基づく売却を実際進めようと思いますと、賃貸人あるいは抵当権の設定者が賃借人あるいは抵当権者との間で話合いをして、合意に基づいて賃貸借契約を終了させ、あるいは抵当権を消滅させるということになると思います。
 また、決議の中には取壊し決議のように物理的に壊してしまうというタイプのものもありますが、決議に基づく取壊しを単純に進めますと、建物を借家している場合には賃借権に対する侵害になる、賃貸人の義務違反になる、抵当権が付いている場合にも抵当権侵害となってしまって担保保存義務違反になってしまうというようなことになりますので、そうすると損害賠償請求の問題が生じてしまって、結局は話合いをするという形によって任意にこれらの権利関係を解消していくと、こういうことにならざるを得ないと思います。
#43
○魚住裕一郎君 これは災害対応じゃありませんが、これは平成十七年十一月に国土交通省でマンション建替え実務マニュアルというのがございまして、建て替えですからいろんな利害関係が錯綜している中で、関係権利者の調整とか抵当権者との調整とか、そういうことの解説が実はありまして、こういうものも、今回の法律、被災地の皆さんに、マンションの人たちにしっかり周知をしていく必要があろうかと思っておりますけれども、こういうようなガイドラインというんでしょうか、そういうことをやはりお考えになっているのかどうか、その点だけ御答弁をいただいて、質問を終わります。
#44
○政府参考人(深山卓也君) 新しい法律でございますし、今御指摘になったような点は、直接法律に触れていないけれども実務上しばしば問題になる抵当権との関係、賃借権との関係、こういった点も含めて十分な周知あるいは広報を図っていこうと思っております。
 必ずしも、パンフレットを作ることが一番いいのか、あるいはそれ以外の方法も併用するのかはこれから考えておりますが、いずれにせよ、法律の内容及びその周辺的な法律関係についての理解が進むような広報を徹底したいと思っております。
#45
○魚住裕一郎君 終わります。
#46
○真山勇一君 みんなの党の真山勇一です。よろしくお願いします。
 私、今回のこの審議に当たって思い出した言葉が、もはや戦後ではないというその言葉が一番最初に思い出しました。今回廃止の方向で進んでいる罹災都市法というのが戦後復興を目的で昭和二十一年に制定されたということなんですね。本当に古い法律ということになりますし、やはりこの罹災都市法から想像することというのが、風景として、例えばバラックでしたり一面の焼け野原という、そういうような感じがあるんですけど、もうこれは本当に記憶のはるか向こうに今行ってしまっているわけなんです。ですから、やはり本当に、廃止をして新しい法案を作るということは、この時代に私は合った、まさにこれは必要、やるべきなものであるというふうに思っております。
 今、本当に、例えばちょっと流行に例えれば、みんなぴったり体に合ったスーツを着込んでいるわけですけれども、その中に突然肩パッドがたっぷり入っただぶだぶの背広を着ているような、何かそんな法律が独り歩きしているような、そんな風景もあるわけなので、それをとにかく新しい時代の要請に合わせて変えていく、これはもう本当にまさに必要なことだというふうに思っています。
 ただ、自然災害というのは、もうとにかくそれは今も昔も変わりなく来るわけですから、その中でどういうふうにやっていくかということが問題だと思うんですが、今回のこの法案の、法律を廃止して法案を作るということの背景にはやっぱり日本の経済発展があったと思うんですね。一つは土地、いわゆる不動産に対する考え方ですか、もちろん価値も全然もう変わってきている。それから、そこの上に建っている建物も形がもうどんどんどんどん変わってきてしまっている。昔のアパートだったところが今はマンションになってきているというようなこともあります。
 そんなような状況のその変化の中で、やはりもう私は、この法律は是非、これからの時代の要請、いつ起こるかも分からない、災害というのは本当に忘れたころにやってくるわけですから、それに備えるための法律というのはやっぱり作っておくべきものであるというふうに思っております。今回でもやはり阪神があってまた東日本があってと、そういうことを考えれば、いや、ちょっとタイミングが遅れた、やはりもっと早く整備しておけばよかったのかなという、これは結果論ですけれども、やはりそういう思いはしております。
 一つだけ、衆議院でもいろいろ見させていただいたらもう問題点出ていますし、今日もいろいろ指摘されたので、ちょっと私は、この罹災都市法、つまり、新しい法律を作るに当たって、罹災都市法というのが昭和二十一年に制定されて、資料によりますとこれまでに三十回程度の適用をされてきたということなんですけれども、この罹災都市法を実際にこうやって適用してきたときにどのような形で、例えば地震があって水害があって火災があってといろいろ資料に出ていますけれども、こういうところへ適用したときにどんなふうな適用をしてきたのか、あるいは、それで適用するに当たって何か問題点などがなかったのかどうか。これは新しい法律を見極める上において、やっぱりちょっとこれまでのことを振り返ってみることが大事だと思うんで、その辺り、過去の三十回、そうですね、阪神大震災ぐらいまでを見て、何か適用で、具体的にどういう適用をしてきた、それで何かこんな問題があったというようなことを是非ちょっと教えていただきたいと思います。
#47
○国務大臣(谷垣禎一君) 今、真山委員から、ぴったりしたスーツを着ている中でだぶだぶのというお話がありましたが、委員のお話を伺いながら、むしろ復員兵の服装で現れたのではないかというような感じも持ちました。
 それで、罹災都市法は昭和二十一年に制定されてから全面的な見直しがされなかったと。今、過去三十回と。私、今過去三十回全部振り返るだけの頭の整理ができておりませんが、阪神・淡路に適用したときにいろんな問題点が、むしろ復興の妨げになりかねないという御指摘をいただいたことは大きなポイントでございます。
 具体的には、災害によって借家が滅失した場合に、今までであれば借家人が借地権を取得することができるといういわゆる優先借地権制度があったわけでございますが、借地権の価値が非常に大きくなっている現代では、そういうことを認めると借家人の保護としては過大であると、むしろ紛争の原因となって、ひいては復興の妨げになりかねないという御指摘がございました。
 それから、阪神・淡路あるいは東日本大震災の経験から、今までの罹災都市法は現代的ニーズに対応していないという問題が認識されるに至ったというふうに思っております。具体的には、災害によって借地上の建物が滅失した場合に、それ以上借地の利用を継続することを望まない借地人が借地契約から早期に解放されるという制度がないと、だから意欲を失った方が同時に復興もできないような形になってしまうというようなこと。それから、大規模な災害の被災地においては仮設住宅の用地といった暫定的な土地利用の需要が高まると思われますが、それに的確に対応する手だてが講じられていないといった御指摘がありまして、そういったことを踏まえまして、優先借地権制度は復興の妨げであるということなら廃止しようと。それから、現代的ニーズにこたえるという意味で、災害による借地上の建物が滅失した場合に借地人からの解約を認める制度、あるいは被災地において短期の借地権の設定を可能とする被災地短期借地権を創設するなどしているわけでございます。
 要するに、最近の震災で指摘された問題点にこたえようということから、今回の改正法、立法を提案した次第でございます。
#48
○真山勇一君 やっぱり借りている人というのは弱いので借り手を保護するということも必要でしょうけれども、それと同時に、災害の復興のための決まりがその妨げになってしまってはやっぱり良くないことだというふうに思います。復興はいっときも早くできた方がいいということで、今回の法案の趣旨というのがそういうところを生かしてというふうに私は理解をしております。
 そこで、その復興、妨げにならないように進めるようにということでちょっと一点お伺いしたいんですけれども、被災のマンション再建などに関する特別措置一部改正する法律案なんですが、この中で、普通の場合はもちろん全員の同意が必要なんですけれども、これを適用するときに、その所有権者の五分の四の賛成があればいいということで、先ほどもその多数の基準がどうか、五分の四がどうかという話も出ましたけれども、取りあえずその五分の四ということを見ますと、逆に五分の四あればできるんですが、例えば、本来ならば決めなくちゃいけないのに、五分の一以上の人が、その権利が、行方不明であったり、あるいは相続人が分からないとか、あるいは相続人の間で代表者が決まらない、そんな理由があると、本当に実際にこの法律を適用するための五分の四が満たすことができない、つまり、五分の一以上がそういうふうなまだ意思表示ができないということになりますと決議が成立しないということになりますね。そういう場合はどういう措置がとられるのかということをお伺いしたいと思います。
#49
○政府参考人(深山卓也君) 区分所有者の五分の一以上の方が行方不明になる、あるいは死亡されるということで、決議の際にそういう状況が生ずるということは相当例外的なケースに属するのだろうと思っています。実は、我々が把握している限りでは、阪神・淡路の大震災や東日本の大震災においても、ある区分所有建物の区分所有者の五分の一以上が行方不明等々であるということで決議ができないという状態になったという例があったとは聞いておりません。ただ、もちろん災害の在り方によっては、例外的であれ、あり得る事態です。
 まず、その場合にどういうことになるのかということですけれども、仮に五分の一以上の方が行方不明になっているということになりますと決議は全員がそろってもできませんので、他の区分所有者、行方不明でない他の区分所有者は、行方不明者について不在者財産管理人の選任を請求するということが考えられます。この場合に、不在者財産管理人に選ばれた方は、家庭裁判所の許可を得て各決議についての議決権行使をするということになると思われます。
 また、行方不明ではなくて亡くなってしまったと、相続人が複数いるというような場合にどうなるかということですけれども、相続人が複数となる場合には、複数の相続人が一つの区分所有建物の専有部分を共有することになります。決議の際の議決権も相続人全員で一個の議決権を行使することになるんですが、こういう場合に備えて区分所有法には規定がございまして、四十条ですけれども、専有部分が数人の共有に属するときは共有者は議決権を行使すべき者一人を定めなければならないということで、相続人間で相談をして誰が決議に参加するのかを一人決めてくださいと、こういうルールになっています。
 そういうことで、議決権行使者というのを一人決めなくちゃいけないわけですが、その際には、持分の価格の過半数で相続人で相談をして議決権行使者を指定すると、こういうことになると思われます。
#50
○真山勇一君 ありがとうございます。
 それからもう一つ、ちょっと言葉のことでお伺いしたいんですが、やはり土地とか建物なので非常に微妙で難しいことが今回のこの審議でもよく出てきているんですが、もう一つ、滅失という言葉があるんですけれども、この滅失というのの定義というものをもう一回改めてちょっとお伺いしたいと思うんです。
 万一のときなので、今回の法案のやっぱり一番これ大事な肝の部分じゃないかと思うんですよ、滅失というのはどういうものかというのは。いろんな資料を読んでも、例えばその似たような言い方としては、全壊という言葉ですとか、それからあと建物の壊れ方で大破、中破、小破とか、この場合は滅失ですからそれと比較する言葉は大破というところに出てくると思うんですが、その滅失というのはどういう定義なのかということと、これが判断を任されているということになると非常に曖昧なので、例えば何かガイドラインを作るようなことは考えた方がいいのかどうかということ、例えばの例でいえばADRのような第三者機関のようなものが、やはり災害という非常事態なのでその辺の判断をするものがあった方がいいのかどうか、その辺りをお伺いしたいというふうに思います。
#51
○国務大臣(谷垣禎一君) 滅失というのは、ほかの法律でも使われている場合があったと存じますが、一般的に、単に建物が物理的になくなってしまったということだけではなくて、社会的、経済的に見て全体としての建物としての効用を喪失してしまった、失ってしまったという場合を含むというふうに言われております。
 そこで、その判断でございますが、実際にこれを適用する場合には、多くの場合、建築士であるとかあるいは不動産鑑定士といった方々の意見を求めるなどして、そういう客観的な根拠に基づいて判断をしていくということになると思いますので、私は必ずしもそれによって争いが生ずる可能性は高くないんではないかというふうに思っております。
 それで、今般のあの東北の震災におきましては、委員がおっしゃいましたように、仙台弁護士会で震災ADRというのをつくっていただいて、紛争解決支援センターということでやっていただいているわけですが、今後大規模災害が起こった場合には、やはりそういうことがまた行われるということは私期待ができるのではないかと思っております。
 そこで、現時点で特別の何かADR機関を設けるとかいうことまでは必ずしも考えていないわけでございますが、こういった、今おっしゃったように、じゃ、滅失とは何だとか、改正被災マンション法案の中身を周知徹底していくということが必要だと思いますし、現実に特定の災害の場合にこの法律を適用するということにした場合には、やはり現地に担当者を派遣するというようなことをして周知徹底を図っていくというようなことは、これはやらなければいけないのではないかと思っております。
#52
○真山勇一君 ありがとうございました。
 時間なのでこれで終わりにしたいと思うんですけれども、やはり、何というんですかね、災害のとき、こういう非常事態に貸す方と借りる方、厳しい状況の中でどういうふうにやって解決策を見付けていくか、これは本当に大事なことなので、是非運用はこの法律に基づいてできるようにしていっていただきたいということが一つと、それから、今回あったみたいなこういう古いやはり法律がまだまだあると思うんですね。私も今回、民法などの先ほど出ました債権法の問題もありましたし、私どもがちょっと出したけれども今回余り話にならなかった相続の関係とか、まさに大臣がおっしゃったように、兵員服のようなものはもうなるべく早く脱ぎ捨てて、新しい時代に合った法律を是非やはりこういう場で作っていくことが私たちの義務だと思いますんで、是非今後ともそういう方へ向けて努力をよろしくお願いをいたしまして、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。
#53
○森ゆうこ君 生活の党の森ゆうこでございます。
 少し前の先生方と質問が重なっておりますのでその部分は省かせていただきますが、今、真山議員が質問されました被災マンション法の方を先に質問します。
 私は、改正被災者生活再建支援法の発議者でございます。私の選出の新潟県は中越地震、中越沖地震ということで、中越沖地震の三か月後に皆様の御了解を得て与野党の協議が成立し、被災者生活再建支援法を改正いたしました。
 そういうことで、地元のこの被災のときの経験からしますと、今、争いは起きないであろうと、滅失、大規模一部滅失、この基準、判断、このことについて余り争いは起きないのではないかと大臣先ほど御答弁をされたんですけれども、私の経験から申しますと、実はこれ、全壊、半壊、一部損壊、被災者生活支援法で言う、それをどこで全壊と判断されるのか、半壊と判断されるのか、一部損壊と判断されるのか、ここが一番悩ましいところでして、これがどうしても支援するためにはどこかで判断しなければいけないものですから、被災者からは非常に不満が出てくるんですね。そこのライン、線引きされたら、あとの人は支援されないのか、又は支援の額が全然違いますから。
 そういう意味で、建物が滅失したのか、あるいは大規模一部滅失なのかということの判断というのが非常に私は逆に難しいと思いますし、ここきちんと基準を明確にして、誰がどう判断するのかということを今きちんとしておかないと、後で争いのもとになるというふうに思います。
 質問通告しておりますけれども、その査定は具体的に誰がどう行うのか。先ほどの御答弁ですと、少し建築士がかかわることになるのではないか。誰が一体、じゃ、どの建築士でもいいのか、行政はかかわらないのか、この辺のところをきちっと答弁していただかないと、重大な問題だと思いますので、事務方でも結構ですけれども、その辺をはっきりさせてください。
#54
○政府参考人(深山卓也君) 震災で建物が損傷を受けた場合に、大破、中破、あるいはこの滅失とかですね、いろんな法律によって基準が定まっております。
 先ほど大臣から御答弁を申し上げたとおり、この滅失というのは、民事的な法律関係を考える際の一つの基準として既に区分所有法などで存在する概念です。ただ、それは素人が見て一義的にすぐ分かることかというと、それはそんなことはもちろんございません。ただ、これは行政法規で支援策を講ずる基準になったりするものではなくて、区分所有者間で決議をするときに、こういう決議ができるのかと、滅失しているならこういう決議ができます、大規模一部滅失ならこういう決議ができますと、こういう立て付けになっています。
 そうすると、区分所有者が集会を開いて、誰かが発議して、じゃ、もうこれは滅失している前提のこの決議をみんなでやりましょうと、皆さん、どうですかといって五分の四が賛成すると滅失を前提としたその決議は成立するんですが、そのときに、これじゃ滅失していないんじゃないかという意見が出る可能性はもちろんあります。ですから、実際にこういう集会によって決議の提案をする人は、先ほど申し上げたとおり建築士とか不動産鑑定士の意見書を取って、専門家から見て民事上の滅失の概念に当たるという意見書などを示して反対者を説得して、そうでなければ、滅失していない、私まだ現に住んでいるんだなんという人を説得できませんので、多数決での決議はできないという形になります。
 これが、しかし、そうはいっても、どうしても最後争われれば決議の効力を裁判で争うというところまで行っちゃうわけですが、運用の実際を考えますと、先ほど申し上げたような、専門家の意見を求めるといった形で相応の根拠を持って滅失を皆さんが納得し、そして滅失であればこの決議はできるということで多数決を獲得していってこの事業が進んでいくと、こういう形になるんだろうと思っております。
#55
○森ゆうこ君 つまり、滅失あるいは大規模一部滅失の判断というのは、発議者、区分所有者の中の発議者が専門家に頼んで、余りにも、本当に誰が見てもというときはそのことも必要ないかもしれませんけれども、微妙なときには、発議者が専門家に頼んで資料をきちんと提出をさせて、じゃ、これでみんなで滅失だということで理解しましょうねと。これも決議の中に含まれるということでよろしいですね。じゃ、いいかどうかだけで。
#56
○政府参考人(深山卓也君) 今回の法案の中の決議、建て替え決議とか売却決議そのものではないんです。ただ、決議をする際に前提としている事項ですので、その点について大方の了承を得なければ決議は成立しないということを申し上げたわけで、決議そのものではございませんが、前提条件です。
#57
○森ゆうこ君 五分の四なんですけれども、要するに、私も同じ趣旨で通告してあるんですけれども、要は、その五分の四というのは、あくまでも区分所有者、その議決権を持つ人の五分の四ということでいいのかどうか、再度確認します。つまり、集会やりますと告知をします、でも返答がない場合もある、しかし結果的に壊したり建て替えの決議をする、その決議の五分の四というのは、区分所有者の持っている議決権のうちの五分の四、当日集まった人とかということではなく、区分所有者の五分の四ということでよろしいですね。確認だけです。
#58
○政府参考人(深山卓也君) 今御指摘のとおりでして、区分所有者の五分の四ですから、通知ができた人の五分の四でもなければ、ましてや当日来た人の五分の四でもなくて、通知が仮にできない人がいても全員を対象にした母数で五分の四ということになります。
#59
○森ゆうこ君 分かりました。
 次に、被災地借地借家法についてお聞きをいたします。
 大規模な災害の政令による指定について、適用すべき措置や地区の指定についていろいろ先ほどあったと思いますけれども、考慮すべき点は何とお考えでしょうか。
#60
○政府参考人(深山卓也君) これは災害の指定、それから適用すべき措置の指定、地区の指定と、これだけのことを政令で指定することになりますけれども、これは各被災地の被害の実情がどういうものであるかということ、それからそこの地元の方々がどういう要望を持っておられるかといったことなどを総合的に勘案して指定するということになるんだろうと思います。
#61
○森ゆうこ君 借地権の対抗力について、それぞれ六か月あるいは三年とした理由はどうでしょうか。
#62
○政府参考人(深山卓也君) 平時の借地借家法の原則的なルールとして、建物が滅失した場合には滅失の日から二年間は掲示による借地権の対抗力を認めるというルールが既にございます。
 ただ、大規模な災害による被災直後には、こういった掲示をすることも困難な事例が考えられますので、今委員の御指摘の、掲示をすることなく借地権の対抗力を認める期間六か月認めたというのはそういう考慮に基づくものでございます。
 また、掲示による対抗力を認める期間についても、平時の二年よりは、被災地においてはなかなか建物を再築するのが難しい事情もあるだろうということで、それを延長して三年とするのが相当であるということで延長したものでございます。
#63
○森ゆうこ君 従前の賃貸人が同じ敷地内に新しい建物を建築し、賃貸する場合の従前の賃借人に対する通知義務の範囲について確認をさせていただきます。
 賃借人のうち知れたる者に対してその旨を通知しなければならないとされておりますけれども、大規模災害の現場においては賃貸人の、被災者であり混乱の渦中にあることは容易に想像できますが、そのような状況において賃貸人にはどの程度の所在を調査する義務を負うことになるのか、また通知義務を怠った場合には法的効果はどのようなものになるのでしょうか、確認をさせていただきます。
#64
○政府参考人(深山卓也君) 知れている賃借人に対する通知の、この知れているという言葉で言い表したいのは、これは特別な調査義務を課さないということです。調査義務を課しておりませんので、知っている人に通知をすればそれで足りると。それ以上に、今も委員もいみじくも御指摘ありましたが、自ら被災者であることの多い賃貸人の方に調査義務を課すというのはやはり少し行き過ぎだろうということで、こういうことにしております。
 この通知義務に違反した場合ですが、違反の態様等にもよりますけれども、損害賠償請求が可能になる場合があるだろうと思っていますが、その際には損害をどうとらえるかというのが個別事案によっていろいろ難しい問題はあると思いますけれども、一般論として申し上げれば、義務違反があれば損害賠償の問題が生じ得ると、こういうことでございます。
#65
○森ゆうこ君 なかなかその辺、少し実際に分からない部分があるんですけれども、この被災二法につきましては、不十分ながらも今回の国会で成立をさせ、大規模な災害に備えるということが重要であるというふうに思います。
 検察の捏造捜査報告書事件について伺います。
 新聞報道によれば、検察審査会の不起訴不当という議決を受けまして、今検察が再捜査を行っております。石川知裕元衆議院議員の事情聴取を行おうとされたようですけれども、石川議員が御自分で録音機を持ってきたけれども、それは拒否をされた、自前の録音を拒否をされたというふうに伺っておりますけれども、その理由は何でしょうか。
#66
○政府参考人(稲田伸夫君) ただいまの点は、御指摘のように、検察審査会が本年四月十九日付けで不起訴処分の一部を不当とする議決をされたことから、検察当局においてその議決の内容を踏まえ捜査を行っている事件に関するものでございまして、現在捜査中の事件の捜査状況の詳細にわたることでございまして、個別の事件における捜査機関の活動内容そのものでございますので、お答えは差し控えさせていただきたいと存じます。
#67
○森ゆうこ君 村木厚子さんが厚生労働省事務次官になられたということで、そもそもこの検察改革に関しましては、村木さんのあの郵便不正事件、証拠の捏造ということから始まったところでございます。
 そのときの最強弁護団といいますか、弘中弁護士がこの度、季刊刑事弁護第七十四号でレポートを提出されました。妄想から始まった陸山会事件、「妄想から始まった事件は実在しなかった」という題名でございます。これ、中身は私が委員会等で御指摘をさせていただいているところでございます。
 今、刑事局長は捜査中の個別の案件なのでお答えできないということでしたけれども、妄想なんですね、妄想から始まっているわけです。担当した検事が公判でそう証言しているんですよ。検察の妄想、検察のでっち上げ、作り話、陸山会事件とはそういうものであったということをこの弘中弁護士が刑事弁護でレポートを、その第七十四号で報告をされておりますので、是非大臣にお読みいただきたいというふうに思います。
 答弁はできないと思いますので結構ですけれども、大変な私は問題だと思います。まさしく検察の政治介入ですよ。民主党がこういうことになったのも私は検察の政治への介入の結果だったというふうに思っております。まあ民主党がそうなったというか、私ども、民主党を去らなければいけなくなったのはそういうことだったというふうに思いますので、この問題を断じて許すことはできないというふうに申し上げておきたいと思います。
 会計検査院に伺います。
 検察審査会の問題等を契機といたしまして、私も最高裁の経理処理について様々調査をさせていただき、日付のない請求書、これは過去のいろんな行政機関においても不正経理の温床になった日付のない請求書、納品書等が最高裁においては当たり前のように使われていた。それから、システム関連経費ですけれども、その落札率が一〇〇%、九九%、九八%と高止まりをしている、そういう事案も明らかになった。これらの事実を私は、昨年の七月三十日だったというふうに思いますけれども、決算委員会で提出をさせていただき、質問をさせていただいて、それを契機に各会派の先生方から御賛同をいただいて、昨年の九月三日に決算委員会において決議をしております。
 それに基づいて会計検査院が最高裁の経理処理について検査を今実施中だというふうに思いますけれども、いつになったら報告がされるんでしょうか。
#68
○説明員(鈴木繁治君) お答え申し上げます。
 今回の国会からの検査要請におきましては、システム関連の調達に係る契約方式、落札率等の状況、請求書、納品書等の会計書類の管理の状況、検察審査会の運営に伴う公費の支出状況の三項目の要請事項をいただいております。
 三月に今回の検査の進捗状況についてのお尋ねがありました際には、各裁判所の会計実地検査を行っているところであり、検査結果の取りまとめができ次第報告を行う旨をお答えしたところでありますが、現在も各裁判所に対する検査を進めているところでございます。そうした検査結果の取りまとめにはある程度の時間を要するところでありますが、取りまとめができ次第報告を行いたいと考えております。
#69
○森ゆうこ君 これで最後にいたしますけれども、会計検査院、一点だけ確認をさせてください。
 昨年の決算委員会の質疑でも御指摘を申し上げました。支出負担行為即支出決定決議書等、この支出に関する公的な文書、これはマスキングされて、私も情報公開請求をさせていただいて、マスキングの上、いただいております。しかし、そういう書類があったからといって、具体的に現金の支出、そういうものがそのとおりに行われたとは限らないと。これは過去の会計検査院の様々な行政機関の検査でもそういうことを指摘をされて、不正経理が明らかになった、裏金づくりが明らかになった、こういうことは既に会計検査院も御指摘をされ、税金の無駄遣いというか不正経理が多数明らかになってまいりました。
 ということは、今、最高裁の経理処理についての検査も、その支出文書があるからといって、実際の口座が架空だったりとか、あるいは本当にその名義の人が実在したかどうか、そういうことについてもきちんと調べられているというふうに思いますが、その点についてだけ確認をさせていただいて、質問を終わります。
#70
○説明員(鈴木繁治君) お答え申し上げます。
 国会での御審議を踏まえて検査に鋭意取り組んでいるところでございます。
    ─────────────
#71
○委員長(草川昭三君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、林芳正君が委員を辞任され、その補欠として青木一彦君が選任をされました。
    ─────────────
#72
○井上哲士君 日本共産党の井上哲士です。
 二つの法案については、被災地域の復興と被災者の居住の確保にとって必要な措置であると考えますが、運用に当たって幾つか懸念のあることについて質問をいたします。
 まず、優先的借地権制度の廃止の問題です。これ、日弁連なども、あの阪神・淡路大震災においてこの優先的借地権制度が実際上は借家人の住居権の確保には結び付かなかったとか、それから必ずしも有効に機能しなかったというふうに指摘をされております。他方、今回の改正案では第八条で、大規模な災害により建物が滅失した場合に従前の賃借人に対してその保護を図るためにいわゆる通知という制度を入れております。
 こういう優先的借地権の廃止とこの通知という制度をつくった理由及び、そうはいっても従前の賃借人にもう少し優先的な権利を与えるということも考えられたんじゃないかと思うんですが、そうしなかった点はどういうことでしょうか。
#73
○国務大臣(谷垣禎一君) 今、井上委員が指摘されました優先借地権制度でございますが、これは、災害によって借家が滅失してしまった場合に建物の借家人が借家権だけではなくて他の者に優先して借地権を取得することができると、かなり例外的な制度であったことは事実でございます。
 しかし、それを現在適用すると、先ほども御答弁したことでございますが、借地権の価値が非常に大きくなっております現代においては借家人の保護としてはこれは過大ではないかと、そういう過大であることからかえって紛争の原因となったり、ひいては復興の妨げとなりかねないと、こういう問題点が従前指摘がございまして、そこで今回の法案においてはこの制度を廃止するということにいたしたわけでございます。
 それから、被災借地借家法案におきましては、従前の賃貸人に余り重い義務を負わせることなく借家人の保護を図るという観点から、災害によって建物が滅失した後、従前の賃貸人が建物を再築してまた再度賃貸しようとする場合には、従前の賃借人のうち所在が分かっている者に対してその旨を通知する、そういう制度を設けまして、これにより従前の賃貸人と従前の賃借人の間で任意の交渉を促すことにしたいということでございます。
 御指摘は従前の賃借人に優先的な交渉権を与えてはどうかという御趣旨だと思うんですが、こういう制度とした場合には、従前の賃貸人が建物を再築しましても、従前の賃借人との交渉のために一定期間、第三者に賃貸することができなくなるというような負担が大きくなることが予想されます。そういたしますと、従前の賃貸人が建物の再築をちゅうちょすることになって、かえって借家人の保護にならないとする事態も考えられると。
 それから、現在では被災地において仮設住宅やあるいは公営住宅等の公的支援が進んできておりまして、こういう公的支援の存在をも勘案すれば、従前の賃借人に対する通知制度によって任意の交渉を促す、これによって従前の借家人の保護が図られていくのではないかと、このように考えて今回の制度設計をいたしたということでございます。
#74
○井上哲士君 第四条で借地権の対抗力の特例を設けております。建物の滅失があっても特定大規模災害によるものであるときは六か月間は第三者に対抗できる、そして、さらに必要な事項等を見やすい場所に掲示すれば三年間対抗することができるとされております。
 ただ、今回のように、原発にかかわる事故などは相当長期にわたって立入り自身ができないということもあるわけですね。その間にこの対抗力が行使できず権利が守れないということも起こり得るわけでありますが、こういう場合の救済措置というのはどのようになっているんでしょうか。
#75
○政府参考人(深山卓也君) 御指摘のように、政令の施行の日から起算して六か月が経過しても借地の立入りが禁止されている場合には、借地上に掲示をすることができないということにもちろんなります。
 建物の滅失があった場合に借地権の対抗力が失われるおそれが生じて不利益が出るんじゃないかという御指摘だと思いますが、そのこと自体はそうなんですけれども、しかし、実際のことを想定してみますと、長期間にわたって立入りが禁止されている地域で、家も壊れてしまっているというところの土地を買い受ける人がいるということは余り想定しにくいことですし、仮にそのような取引が行われたとしても、これは具体的事案によることですけれども、買受人が、いわゆる背信的悪意者ですね、対抗力の欠缺を主張する正当な利益がない者だといって掲示がないことの主張を排斥されてしまう、あるいは明渡しをすると、借地人は出ていってくださいということが権利濫用になってしまうということも多いのではないかと思われます。
 したがって、どういう事情かにはよりますけれども、現実には多くの場合に、そういう一般法理の適用によって借地人が不利益を被るような事態というのは生じないんではないかなと思っております。
#76
○井上哲士君 レアなケースだとは思います。ただ、資本力なんかあるところがかなり先を見越してやるということは私はなきにしもあらずですので、一定の救済が必要だと思います。
 次に、被災区分所有法の方に入りますが、当初、東日本大震災においては、阪神大震災のようにマンションが倒れたり一つの階が全部潰れたり、そういうのがなかったので、マンション被害は大したことないということが随分あったわけですが、その後、仙台市を中心にいろんな調査が行われ、報告をされておりますが、今の時点で、国としては、この被災マンション、東日本大震災においてこの現況についてはどのように認識をされているでしょうか。
#77
○政府参考人(毛利信二君) 東日本大震災におきますマンションの被災状況について簡潔に御答弁申し上げます。
 全壊約十三万棟、半壊約二十七万棟というふうに住宅被害報告されておりますけれども、マンションにつきましてはそのベースのデータはございませんので、ここでは民間団体がマンションに限定しまして被災状況を詳細に調査したもので御回答させていただきたいと思います。この調査結果は二十三年九月にも報告されまして、法制審の方にも報告をなされております。
 全国のマンション管理の大宗を受託しております一般社団法人マンション管理業協会が被災地でございます一都十二県で管理受託している約五万七千七百八十三棟につきましての被災状況を会員から聞き取ったものでございまして、約八〇%の四万六千三百六十五棟について回答を得ております。
 それによりますと、日本建築学会の被災度区分を基準として被害状況が報告されておりまして、大破、すなわち取壊し又は大規模全面的な補強工事を必要とするものというものはゼロでございました。中破、すなわち部分的な構造体の補強又は補修工事を必要とされたものが四十四棟ございます。〇・一%弱でございます。小破、すなわちそのままでも構造耐力上支障はないけれども建物使用上又は非構造材の補修工事を必要とするもの千百八十四棟、二・六%弱ということでございまして、その他が軽微な被害又は被害のないものということでございました。
 以上でございます。
#78
○井上哲士君 今度の法案で、取壊しや売却について区分所有者の五分の四の同意でできるというふうになるわけでありますが、被災マンションなどは非常に土地価格が下落をしているという状況がありますし、それから、住民の方は被災直後でなかなか情報もうまく集めたりできないという混乱した状況にあります。そういうときにゼネコンやディベロッパーが安く買いたたくんじゃないかと、こういうおそれ、不安の声も上がっているわけですが、そういうときに、例えば積算根拠をきちっと示させるであるとか何らかのやはり行政がガイドラインを示すなどして、そういう買いたたきなどが起きないような援助をする必要があると思うんですが、この点、どのようにお考えでしょうか。
#79
○政府参考人(毛利信二君) 買いたたきの防止措置ということでございますけれども、今回の改正被災マンション法案によりますと、建物敷地売却決議などを行う場合の集会の招集者に対しまして、売却による代金見込額等を定め、売却を必要とする理由や復旧又は建て替えをしない理由等も説明することが義務付けられております。
 その運用に当たりましては、集会の招集者は、売却代金の積算根拠や、ほかに売却候補先があった場合の提示金額等につきましてこれも説明を行って、さらにその説明に備えまして相見積りを取ったり不動産鑑定士等の意見を求めておくといった準備がなされるのが通例というふうに理解をいたしております。
 こうした手続の的確な運用を通じまして、被災マンションの買手が不当な安値で買いたたくような事態を基本的には防止し得ると考えておりますけれども、また法務省からもこうした法の運用、解釈が説明されるというふうに理解しておりますけれども、御指摘を踏まえまして、国交省としましても、こうした手続が的確に履行されますように区分所有者、事業者等にその周知を積極的に図ってまいりたいと考えております。
#80
○井上哲士君 被災直後ですのでやっぱりいろんな混乱があると思うんですね。きちっとそういう手当てをしていただきたいと思います。
 それから、マンションの場合は、例えば建て替えるということになっても二重ローンになる可能性がありまして、これがいろんな合意をつくるにも困難ということになると思うんですが、東日本大震災において、この二重ローンの場合についてはどういうような支援策が取られているでしょうか。
#81
○政府参考人(遠藤俊英君) お答え申し上げます。
 金融庁といたしましては、被災地における住宅ローン問題への対応につきまして、私的整理による元本の債務免除が可能となるように、個人版の私的整理ガイドライン、これを策定し運用してきております。平成二十三年の八月二十二日から運用しております。この私的整理ガイドラインでは、まず手元に残せる自由財産である現預金の上限を五百万円に引き上げました。それから、東日本大震災関連の義援金は、こういった現預金とは別の自由財産として取り扱われることにしております。また、国は弁護士費用の全額補助を実施する等々の施策が講じられているところでございます。
 また、これ以外の政府としての対策でございますけれども、住宅再建のための被災者生活再建支援金、これは全壊世帯の場合は最大三百万円の支給がされます。そういった再建支援金の支給でありますとか、被災者の新規住宅ローン対策として、住宅金融支援機構が特別な住宅融資、災害復興住宅融資ということでございまして、当初五年間は金利ゼロ%といった住宅融資を制度設計しております。それから、地方公共団体による民間金融機関からの借入れに係る利子補給制度等々の施策を講じております。
#82
○井上哲士君 様々支援策が取られているわけですが、一方、被災マンションの入居者が公営住宅などを希望する場合に、一時的な売却益があるなどでなかなか一般的な入居の要件で入れないというケースも出てくると思うんですが、こういうような場合はいろんな考慮をする必要があると思うんですが、いかがでしょうか。
#83
○政府参考人(毛利信二君) 被災マンションからの退去者と公営住宅の入居についてでございますが、被災マンションの建て替えや売却等によりまして、その被災マンションから退去を余儀なくされた方につきましては一時的にマンションの売却収入が発生しますけれども、その収入は所得金額から除いて入居収入要件を判断することというふうにされておりますので、それだけで現に住宅に困窮している方が公営住宅の入居を拒まれることはございません。
 また、同様の事情から被災マンションから退去を余儀なくされた方が一般的な入居者資格を満たさない場合でございましても、現に住宅に困窮していることが明らかでございましたら、阪神・淡路の際に定められました被災市街地復興特措法二十一条の規定によりまして入居収入要件が不要とされておりますので、公営住宅に入居することは可能でございます。
 ただ、建て替えや売却等によらず自己都合で退去した方、この方につきましては、一般的な公営住宅の入居者資格に従っていただきまして、住宅困窮要件あるいは入居収入要件という要件を満たしていただく必要がございます。
#84
○井上哲士君 これは私、宮城県のある市の概要を持っているんですが、大規模半壊や半壊であっても、住宅を解体していない場合は現に住宅に困窮していることが明らかであることにならないので対象にならないと、こうなっているんですが、ただ、マンションの場合は、全体としては大規模半壊であっても部屋によっては全く住めない部屋があります。それから、普通に住み続けられる部屋があるということになると、全体としては解体の合意はされないんだけど、その人にとってとても住み続けることはできないということでやっぱり退去を余儀なくされるという場合はあり得ると思うんですね、一戸建てと違って。
 そういう場合はもっと柔軟な対応が必要かと思うんですが、その点、再度いかがでしょうか。
#85
○政府参考人(毛利信二君) マンションにおきまして御指摘のような事態が生じ得るものと考えておりますけれども、公営住宅の入居特例、現在のところ、そのマンションを復旧するということが明らかな場合ということにつきましては、先ほど申し述べましたけれども、一定の要件を満たしていただくということが今は必要となっております。この点、御理解をいただきたいというふうに思います。
#86
○井上哲士君 終わります。
#87
○委員長(草川昭三君) 他に御発言もないようですから、両案に対する質疑は終局したものと認めます。
 これより両案について討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
 まず、大規模な災害の被災地における借地借家に関する特別措置法案について採決を行います。
 本案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#88
○委員長(草川昭三君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定をいたしました。
 次に、被災区分所有建物の再建等に関する特別措置法の一部を改正する法律案について採決を行います。
 本案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#89
○委員長(草川昭三君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定をいたしました。
 なお、両案の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#90
○委員長(草川昭三君) 御異議ないと認め、さよう決定をいたします。
    ─────────────
#91
○委員長(草川昭三君) 死刑再審無罪者に対し国民年金の給付等を行うための国民年金の保険料の納付の特例等に関する法律案を議題といたします。
 提出者衆議院法務委員長代理田嶋要君から趣旨説明を聴取いたします。田嶋要君。
#92
○衆議院議員(田嶋要君) ただいま議題となりました死刑再審無罪者に対し国民年金の給付等を行うための国民年金の保険料の納付の特例等に関する法律案につきまして、提案の趣旨及びその内容を御説明申し上げます。
 死刑確定者は、仮釈放もなく、再審により無罪となるといった極めて例外的な場合を除いて社会に復帰する余地がないことから、国民年金の保険料を納付し、あるいは免除申請の手続を取るインセンティブを持ち得ません。このため、こうした納付等の手続を行わないこともやむを得ないと認められますが、死刑確定者が再審で無罪となって死刑という究極の刑罰を科されたことについて無実であることが判明した場合であっても、納付等の手続を行っていなければ、老後の所得保障の支柱である年金給付が受けられないこととなります。再審で無罪となった者にこのような不利益を負わせることは酷であり、国家により特別に救済する必要があります。
 そこで、死刑に処せられた罪について再審において無罪の言渡しを受けてその判決が確定した死刑再審無罪者について、国民年金の給付等を行うための国民年金の保険料の納付の特例等に関し必要な事項を定めるべく、本法律案を提出した次第でございます。
 次に、本法律案の主な内容を御説明申し上げます。
 第一に、死刑再審無罪者は、死刑判決確定日から無罪判決確定日の前日までの期間における国民年金の保険料を、無罪判決確定日から起算して一年を経過する日までの間に一括して納付することができるものとしております。
 第二に、保険料が納付された場合には、国は、国民年金法の規定による老齢基礎年金等の支給開始年齢に達した日の属する月の翌月以後に死刑再審無罪者となった者に対し、当該者の請求により、当該者に係る保険料が納付されたものとみなして無罪判決確定日の属する月までに支給されるべき老齢基礎年金等の額に相当する額の特別給付金を支給するものとしております。
 第三に、この法律は、公布の日から起算して三月を超えない範囲内において政令で定める日から施行するものとしております。
 なお、この法律の施行日前に死刑再審無罪者となった者についても同様にこの特例を適用するものとしております。
 また、政府は、矯正施設に収容中の者に対し、国民年金の保険料の免除の申請その他の国民年金の保険料の納付等の手続に関し、必要な指導を行うものとしております。
 以上が、本法律案の提案の趣旨及び内容であります。
 何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同くださいますようお願い申し上げます。
#93
○委員長(草川昭三君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
 これより質疑に入ります。──別に御発言もないようですから、これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
 死刑再審無罪者に対し国民年金の給付等を行うための国民年金の保険料の納付の特例等に関する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#94
○委員長(草川昭三君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#95
○委員長(草川昭三君) 御異議ないと認め、さよう決定をいたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後零時十五分散会
ソース: 国立国会図書館
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