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2013/05/30 第183回国会 参議院 参議院会議録情報 第183回国会 総務委員会 第12号
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2013/05/30 第183回国会 参議院

参議院会議録情報 第183回国会 総務委員会 第12号

#1
第183回国会 総務委員会 第12号
平成二十五年五月三十日(木曜日)
   午後一時開会
    ─────────────
   委員の異動
 五月二十八日
    辞任         補欠選任
     山根 隆治君     牧山ひろえ君
     寺田 典城君     行田 邦子君
     主濱  了君    はた ともこ君
 五月二十九日
    辞任         補欠選任
     牧山ひろえ君     山根 隆治君
     青木 一彦君     衛藤 晟一君
     藤川 政人君     佐藤 信秋君
     行田 邦子君     寺田 典城君
    はた ともこ君     主濱  了君
 五月三十日
    辞任         補欠選任
     有村 治子君     上野 通子君
     衛藤 晟一君     宇都 隆史君
     佐藤 信秋君     藤川 政人君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         松 あきら君
    理 事
                加賀谷 健君
                藤末 健三君
                藤川 政人君
                山本 順三君
                木庭健太郎君
    委 員
                江崎  孝君
                樽井 良和君
                難波 奨二君
                水岡 俊一君
                山根 隆治君
                吉川 沙織君
                宇都 隆史君
                上野 通子君
                片山さつき君
                金子原二郎君
                小坂 憲次君
                二之湯 智君
                寺田 典城君
                主濱  了君
                山下 芳生君
                亀井亜紀子君
                又市 征治君
                片山虎之助君
                森田  高君
   国務大臣
       総務大臣     新藤 義孝君
   副大臣
       総務副大臣    柴山 昌彦君
   大臣政務官
       総務大臣政務官  橘 慶一郎君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        塩見 政幸君
   政府参考人
       内閣官房内閣審
       議官       占部浩一郎君
       総務省情報流通
       行政局長     吉崎 正弘君
       総務省総合通信
       基盤局長     吉良 裕臣君
       消防庁長官    岡崎 浩巳君
       消防庁次長    市橋 保彦君
       財務省主計局次
       長        中原  広君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○理事補欠選任の件
○政府参考人の出席要求に関する件
○電波法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆
 議院送付)
    ─────────────
#2
○委員長(松あきら君) ただいまから総務委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 本日までに、青木一彦君及び有村治子さんが委員を辞任され、その補欠として衛藤晟一君及び上野通子さんが選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(松あきら君) 理事の補欠選任についてお諮りいたします。
 委員の異動に伴い現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。
 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(松あきら君) 御異議ないと認めます。
 それでは、理事に藤川政人君を指名いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(松あきら君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りをいたします。
 電波法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、内閣官房内閣審議官占部浩一郎君外五名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○委員長(松あきら君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#7
○委員長(松あきら君) 電波法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#8
○吉川沙織君 民主党の吉川沙織でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 この六年間、一貫して消防防災体制の在り方、消防費の予算等について質疑を重ねてまいりましたが、今回も、電波法改正案の内容に主眼を置きつつも、国民の生命、身体、財産を守る観点から質疑をさせていただきます。
 さて、今回の電波法改正は、電波利用料の使途に新たに防災行政無線、消防救急無線のデジタル化に要する費用の補助を行うものですが、そもそも電波利用料とは、無線局全体の受益を直接の目的として行う事務の処理に要する費用に充てるものとして、その行政事務の受益者である無線局免許人等に対し負担を求める制度です。
 防災行政無線、消防救急無線のデジタル化が無線局全体の受益に資するのかどうか、まず最初に伺います。
#9
○政府参考人(吉良裕臣君) お答え申し上げます。
 免許人等から徴収する電波利用料を充てることができるのは、電波の適正な利用の確保に関しまして総務大臣が無線局全体の受益を直接の目的として行う事務の処理に要する費用に限られております。
 今回ですが、アナログ方式の防災行政無線と消防救急無線が使用している百五十メガヘルツ帯と、アナログ方式の防災行政無線が使用している四百メガヘルツ帯は、例えば列車無線や電気事業用無線等の各種業務用無線に割り当てられておりまして、周波数の余裕がない中、これらの無線システムの中にはチャンネルの増加やデータ伝送の実現といったような高度化ニーズに十分こたえていないものがございます。
 こうした状況下におきまして、百五十メガヘルツ帯と四百メガヘルツ帯を使用する防災行政無線と消防救急無線をデジタル化して二百六十メガヘルツ帯へ移行することによりまして、有限希少な電波資源を効率的に活用することができ、周波数の更なる逼迫の回避や空き周波数の確保を通じまして無線局全体への受益につながるものでございます。
 以上によりまして、本施策は電波利用財源により措置するものでございます。
 以上でございます。
#10
○吉川沙織君 電波法第百三条三第二項によりますと、平成五年度に電波利用料制度が創設されて、それ以降、累積黒字というものが出ています。次年度以降の電波利用共益費用の財源に充てられることとなっていますが、私、五年前の五月十四日に電波法改正の本会議質疑でこの点について問いましたところ、当時の総務大臣は、平成十八年度末の累積黒字二百十七億円と答弁されました。現在の累積黒字額について伺います。
#11
○政府参考人(吉良裕臣君) お答え申し上げます。
 平成二十三年度末時点におきます電波利用料の歳入と歳出の差額の累積額は約三百五十六億円でございます。差額が発生している主な理由としましては、スマートフォンを初めといたしまして、無線局の急速な普及等によりまして歳入が想定以上に増加したというようなことが挙げられるわけでございます。
#12
○吉川沙織君 ちなみに、この三百五十六億円、歳入と歳出の差額ですけれども、どこかに基金として積み立てられているのでしょうか。いるかいないかだけで結構です。
#13
○政府参考人(吉良裕臣君) これは、差額分については当該年度の国の一般会計における他の経費に充てられることになっておりまして、この差額は、電波法に基づきまして、差額の合計額の一部又は全部を総務大臣が財政当局に対して予算要求できるという制度になっておりまして、必要に応じてこの制度を活用していくということになるわけでございます。
#14
○吉川沙織君 つまり、今答弁いただいたのは電波法第百三条の三第二項の規定で、将来必要になったときに総務大臣が財務大臣に対して要るものを手当てしてくださいと言えば要求できるということですが、結局、歳入超過分というのは、今の一般会計の中でほかの一般財源同様に政府の各施策で使われてしまっているということが言えると思います。つまり、一般財源が電波利用料から無利子で借金していると言っても過言ではないような状況にあります。
 今御答弁いただきましたとおり、電波利用は増えて電波利用料収入も増えています。そうなりますと、地デジ対策のような大規模かつ緊急な電波施策の実施の必要性でもない限りは、歳入と歳出の差額を下さいということはないんじゃないかと思います。
 電波利用料制度は、先ほど最初に申し上げましたとおり受益者負担の制度であり、累積黒字の増大は負担が受益を上回っているというような状況でもあります。ですから、受益と負担のバランスの適正化、図っていくことも一考に値するのではないかと思いますが、大臣の見解伺います。
#15
○国務大臣(新藤義孝君) それは理論的にそういう性格を持っているということだと思うんです。そして、いかに適正にこのバランスを取っていくかということだと思っております。
 そして、当初は確かに、平成五年度の導入当初、これは不法電波の監視と無線局データベースの構築、運用が使途ということでございました。しかし、その後の電波利用の急速な拡大、そして電波の逼迫状況を解消する、こういう目的を持ちまして、電波有効利用の技術開発、それから地上デジタルテレビ放送への移行対策、こういう事務を追加してきたということであります。ですから、これらの施策を実施することで、空き周波数の創出、電波の追加割当ての回避を実現し、そして無線局全体の受益を確保してきたと、こういうことが私言えると思うんです。
 ですから、この電波利用料の見直しにつきましては、パブコメやヒアリング等も行いますけれども、受益者である無線局免許人の理解を得て進めるということを前提にしながら適切なバランスに努めてまいりたいと、このように考えます。
#16
○吉川沙織君 今いろいろ御答弁いただきましたけど、平成五年の制度創設時には電波監視など限られたものに使われていました。それが法改正を経るごとに使途が拡大されて、本来一般財源、一般会計から支出されて行われた施策なんかにもそれが使われるようになりました。
 例えば五年前の電波法改正のときには何が行われたかといいますと、携帯の不感地域対策事業、それは、今までは一般会計から支出されていたのを、電波の無線局全体に資するという、こういう解釈で広げられたということです。ですから、国民全体の利益を図るための緊急課題にまで利用料を使用するようになっているというふうに言えると思います。つまりこれ、電波の有効活用でもあると思うんですが、余った分の電波利用料の有効活用ともいうべき状態ではないでしょうか。
 地デジ対策は、従来は一般財源で手当てされてきたものです。また、今申し上げた携帯電話の不感地域解消などにも利用されているということに疑問を感じましたので、これらに電波利用料が可能であるならば、同じ理屈で防災行政無線のデジタル化にも電波利用料の活用が可能ではないかと私考えましたので、五年前の電波法改正の本会議質疑において、防災行政無線のデジタル化を行う自治体へ電波利用料を財源とする補助をどうですかと、こういう御提言申し上げました。そうしましたら、当時の総務大臣は「防災行政無線の整備については、地方債を充当できる現在の防災基盤整備事業の対象として推進をしてまいります。」と答弁なさいました。
 これまで地方財政措置で行ってきた防災行政無線のデジタル化に対する支援が電波利用料財源で行えるようになった。前回は駄目だったけれども今回それを広げる。これ、どのような理由があって今までと何が違うんでしょうか。大臣の見解を伺います。
#17
○国務大臣(新藤義孝君) これは、今回のこの百五十メガヘルツ帯及び四百メガヘルツ帯を使用する防災行政無線のみならず、それから消防救急無線とともにデジタル化して二百六十メガヘルツ帯に移行すると。これによって有限希少な電波資源を効率的に活用することができる、そして周波数の更なる逼迫の回避や空き周波数の確保を通じて無線局全体の受益につながっていくと、こういう整理をしているわけであります。
 そして、本来は既存の地方財政措置に併せて行っていくわけであります。それに加えての電波利用財源による本施策の措置、これは、財政力の弱い市町村、これを優先的に財政支援をするということにしておりまして、基本はあくまで前に大臣がお答えしましたように地方財政措置なんです。その上でこれを、国民全体のしかも防災力の向上という観点から整備を促進させるために財政力の弱いところに特別の措置を行うと、こういうふうに決めたわけでありまして、全体の整合の中で進められているものと私は理解しております。
#18
○吉川沙織君 今の御答弁、理解はするんですけれども、それだったら五年前からそうやって拡大してもよかったんじゃないかなという気もします。
 では、違う観点から伺います。
 ある行政事務が一般財源で行われるべき施策なのか、電波利用料財源で行われるべき施策なのか、明確な判断基準について総務省と財務省に伺います。
#19
○政府参考人(吉良裕臣君) お答え申し上げます。
 電波利用料は、先ほどからございます無線局全体の受益を直接の目的として行う行政事務の処理に要する費用でございます、これ電波利用共益費用と呼んでおりますが、これにつきまして、その受益者であります無線局免許人の方々に公平に負担していただくという制度でございます。
 電波利用料を財源として行うべき事務につきましては、その事務を実施することによりまして空き周波数が創出するか、それから電波の追加割当ての回避を実現するかというような、それから無線局を適正に利用できる環境の確保を通じて無線局全体の受益を確保しているかどうかというようなことを判断基準としておりまして、電波法の中にこれは限定列挙されているところでございます。それ以外の無線局全体の受益につながらない事務につきましては一般財源により実施すべきものというふうに考えておるところでございます。
#20
○政府参考人(中原広君) お答え申し上げます。
 先ほど主管省の方から答弁がございましたとおり、電波利用料の使途、これにつきましては電波法第百三条の二の第四項に限定列挙されているところでございます。したがいまして、電波利用料財源で行われるべき施策なのかどうか、これにつきましてはこの規定を基準に主管省が適切に判断をなされるべきものと、かように考えております。
#21
○吉川沙織君 今それぞれ御答弁いただいた中で、無線局全体の受益に資するもの、それから主管省が決めたらそうするという答弁でしたけれども、現在、例えば一般財源で実施されている施策の中で、今後やはり無線局全体に資するという理由で、電波利用料で行うべき施策だからということで、また今後電波法の改正案が国会に提出されるという事態が考えられます。
 よって、電波利用料の性格について総務大臣と財務省にそれぞれ伺います。
#22
○国務大臣(新藤義孝君) この電波利用料制度は、不法電波の監視、電波の適正な利用の確保のために必要な共益費用、ここはきちんと堅持していかなくてはいけないと、このように思います。
 その上で、受益者である無線局免許人に公平に負担をいただく、そうしたためにパブリックコメントやヒアリング等を通じて幅広い御意見を関係者からいただくと、そして歳出規模や料金設定を行ってきたわけであります。今回もこの趣旨に沿って、限定列挙を加えるような形で変更いたしました。
 私は、この基本的なことを崩すことは今考えておりません。その中で必然性、必要性、そういったものを勘案しながら適切な判断をしていきたいと、このように考えます。
#23
○政府参考人(中原広君) 今、総務大臣から御答弁ありましたとおりでございます。
 電波利用料は、電波の適正な利用の確保に関しまして、総務大臣が無線局全体の受益を直接の目的として行う事務の財源に充てるというものでございまして、その具体的な使途につきましては、今答弁ございましたように法律で限定列挙されているところでございます。その時々の状況の中で、国会の御審議で列挙された事柄を基準に考えていくべきものと、かように考えております。
#24
○吉川沙織君 財務省主計局が出している平成二十四年版特別会計ガイドブックの二百四十六ページを見てみますと、いわゆる目的税、特定財源については明確な定義があるわけではないが、代表的な分類として三つ書いてあります。一つが目的税、一つが譲与税法で使途が特定されているもの、一つが特別会計に関する法律等で使途が特定されているもの、いわゆる特定財源とされています。これ、「税だけでなく、電波利用料のようなものも含まれる。」とされています。したがって、これ法律を改正すればその使途はいかようにも拡大できるというふうにも受け取れます。最近の電波利用料の使途の拡大、法改正のたびに行われていますけれども、本来でしたら、そしてまた従来だったら一般財源で措置すべき施策にまで電波利用料が使われているというような状況があると思います。
 財務省としては、電波利用料が特定財源であるとこのハンドブックで認めつつも、財政事情、確かに厳しい財政事情です、でも、財政事情からなし崩し的に一般財源化することを求めているのではありませんか。
#25
○政府参考人(中原広君) 電波利用料につきましては、電波法の規定に基づきまして適正に使われるべきものと、こう考えております。
#26
○吉川沙織君 多分ずっとこのやり取りが続いてしまいますね。次に行きます。
 今回の改正に基づく補助事業の追加について、大臣は先般の衆議院の五月二十一日の総務委員会でこんなふうに答弁されています、さっきも同じようなことをおっしゃいましたが。「特に財政力の弱いところ、全国で九十四自治体です、」「そのほか、これは本来自治事務ですから、この仕事に関しては、防災・減災事業、それから通常の地方債、こういったものを使って促進をしてくださいということでやってきたわけでありますね。」と答弁なさっています。
 防災行政無線の整備はある側面から見れば確かに自治体の業務かもしれませんが、無線設備のデジタル化は国の方針として行うものです。デジタル化の費用は国が負担すべきというふうにも考えられますが、地デジがかつて国策と言われたように、防災行政無線のデジタル化も国策ではないのか否か、大臣に伺います。
#27
○国務大臣(新藤義孝君) 私の答弁はその議事録のとおりであるということでありますが、これは、そもそもの防災行政無線は自治事務であります。そして、地方公共団体が原則整備をしていただくものでございます。一方で、この防災行政無線のデジタル化によって情報の伝送効率の向上、それからデジタル化で空いた周波数帯の新たな電波利用料というのを割当て、こういったもの、これが我が国の国全体において有効であるという観点から、まさに今委員がおっしゃったように、国の方針として定めました。
 ですから、国策であるかということになりますと、国の方針でございます。整備するのは地方自治体が行っていただくのを原則としつつ、我々もそれを支援をするという形で、国、地方合わせてこの防災行政無線のデジタル化については取り組んでいきたいと、このように考えます。
#28
○吉川沙織君 今、国の方針として取り組んでいくという力強い御答弁いただいたわけではありますけれども、この六年、地方自治体の防災行政無線の整備率をずっと継続的に与野党時代問わず伺ってまいりました。ただ、この五、六年の実態に鑑みれば、今までの地方財政措置だけでは防災行政無線も消防救急無線のデジタル化も進まなかったということは明白なことであります。
 今回の補助対象を財政力の弱い自治体に限定した理由、そしてこの措置でデジタル化はどの程度進むとお考えなのか、さらに補助対象を判断する具体的な財政基準について伺います。
#29
○国務大臣(新藤義孝君) まず、おっしゃるとおり、なかなか進んでいないということにつきまして、特に財政力の弱い市町村を優先的に支援をするということであります。しかも、これは防災行政無線と消防救急無線を両方一緒にデジタル化するものを基本に考えておるわけであります。ですから、それについて、少なくとも、これらのことも含めまして、この消防救急無線、これは何年でしたか、二十八年ですね、二十八年に全てが完了する、こういう計画になっておりますし、防災行政無線につきましてもこれは早く進めていただくように要請をするということであります。
 それは、何と申しましても、あの東北の東日本大震災において、やはり我々はもう一度防災力、これを見直さなければいけない、そういう必要性がこれまで以上にまた高まったと、こういうことも背景にあると思っています。国の方針の中で防災の行政というのはこれ今までよりも以上にその優先度が上がっている、重要性が極まっていると、私はそのように考えております。
#30
○吉川沙織君 弱い自治体に限定した理由についてお伺いしたので、お願いします。
#31
○国務大臣(新藤義孝君) 弱い自治体に限定したのは、その財政力が弱いがゆえになかなか整備が促進しづらいから、そこを促進するということは、弱くない自治体は更にできるでしょうと、こういうことになるわけであります。
#32
○吉川沙織君 結局、今までも地財措置講じてかなり手厚い措置だったんですけれども、それでも進まなかった。でも、今回その基準をどうしたのか、それでどの程度進むのかということについては明確な御答弁やっぱり難しいのかなという思いをいたしました。
 それでは、今御答弁にもありました消防救急無線のデジタル化について伺います。
 今ほどおっしゃいましたとおり、この消防救急無線のデジタル化については、これも五年前の質疑から何度も伺っていますが、平成二十八年の五月三十一日を期限にしています。防災行政無線についてはデジタル化の目標期限というのは明確には定められておりません。総務省は、本年三月二十九日にアナログ防災行政無線の周波数の使用期限を平成三十五年五月三十一日までとする告示案を公表し、パブリックコメントを開始しています。しかし、四月九日になって、VHF帯及びUHF帯の業務用の無線全体の電波の有効利用について別途検討することとしたとの理由により、突如パブリックコメントを中止されています。
 関連する法案が国会に既に提出されている中で、公表された告示案が撤回されたというのはちょっと考えられません。これまでに、パブリックコメントを告示して撤回した、中止したというようなことはよくあったんでしょうか。過去にあったとすれば、どの程度あったのか、最初に伺います。
#33
○政府参考人(吉良裕臣君) 過去にパブリックコメントを取りやめた事例は承知いたしておりません。
#34
○吉川沙織君 パブリックコメント制度は平成十七年六月の行政手続法改正により法制化され、それまでの規制の設定又は改廃に係る意見提出手続に代わって導入されたものであり、この行政手続法は総務省所管の法律です。突然の中止はよっぽどの理由があるとしか考えられません。僅か十一日後にパブリックコメントを中止した理由について伺います。
#35
○政府参考人(吉良裕臣君) お答え申し上げます。
 アナログ方式の防災無線の移行期限については、一旦、先生お話ありましたように、平成三十五年の五月三十一日までとする案を策定しまして、三月の二十九日にパブリックコメントの募集を開始しました。その後、防災行政無線を含む業務用移動通信全体の電波の有効利用方策や需要動向につきまして情報通信審議会で御審議いただくということにしまして、この審議状況を踏まえて改めて移行期限を検討することとしましたものですから、パブリックコメントを中止したものでございます。
#36
○吉川沙織君 理由については分かりました。
 ただ、提示された告示案、これの期限というのは平成三十五年でした。今、先ほど総務大臣から御答弁ありましたとおり、いつ、どこで、どんな災害が起こるかも分かりません。そのときに命をつなぐための情報伝達というのが行われなければ、やっぱり国民の命を危険にさらすということにもなりかねません。そうなると、平成三十五年というのはいかにも先過ぎるような気がしますが、三十五年とした理由を教えてください。
#37
○政府参考人(吉良裕臣君) 防災行政無線につきましては、それぞれの地域におきまして、例えばアナログを現在使っていても、その耐用年数の問題だとか、やっぱり財政事情というのがありまして、十年もったり十五年もったり、いろいろ耐用年数もするわけですから、その辺の事情も地域地域でやっぱり考えていかなきゃならないという事情がございまして、平成三十五年ということでパブリックコメントのときには出したわけでございます。
#38
○吉川沙織君 五年前の質疑でも、当時の総務大臣から同じような御答弁いただきました。結局、五年更新であったとしても、全ての自治体がそれでそろっているわけではありませんから、どこかで明確に早め早めに整備していく必要性、これを決めていく、そういう決断も必要なんじゃないかなという気がします。
 防災行政無線のデジタル化が進まなかったこの何年かの間にも、東日本大震災が発生をしましたし、北朝鮮は弾道ミサイルの発射を行ってきました。津波警報やミサイル発射等の武力攻撃事態においては、国民に正しい情報をいかに迅速に伝えるかということが極めて重要になります。このため、防災行政無線の果たす役割、これまでも御答弁の中で何回もいただきましたけれども、現在の市町村防災行政無線の最新の整備率について、消防庁長官、お願いします。
#39
○政府参考人(岡崎浩巳君) お答えします。
 現時点での防災行政無線、同報系の整備率につきましては、二十四年三月末現在で七六・六%となっております。
#40
○吉川沙織君 現在の整備率については七六・六%という、こういう御答弁いただきました。
 ただ、一方で、これは平成の大合併で市町村合併がたくさん行われた上での整備率になります。私、これについても何回も質疑を重ねてまいりましたけれども、市町村合併において、A市とB市があって、A市には整備されているけれどもB市にはない、でも合併したら整備済み団体として計上されてしまうというような状況があります。ですから、この市町村合併を抜いた分の最新の整備率について伺います。
#41
○政府参考人(岡崎浩巳君) 御指摘のように、確かに合併いたしますと、整備済みと未整備が合併しますと整備済みになってしまいますので、見かけ上の整備率が上昇するということは確かにございます。一方で、整備済みの市町村と未整備の市町村が合併しますと、未整備のところも市町村全体として整備しようという動機にもなるわけでして、整備が進む場合もあると考えております。
 今御指摘がありましたように、多くの市町村合併が行われる前の平成十六年三月末、三千百五十五市町村ということをベースに、その区域ごとに二十四年三月末時点で同報無線があるかないかを個別に確認いたしまして改めて計算をいたしましたところ、平成十六年三月末の整備率は六七・八%だったものが七三・四%になっております。合併後の計算した七六・六%よりは低うございますが、過去に比べるとそれなりに上昇しているという数字が出ております。
#42
○吉川沙織君 でも、やっぱり整備は進んではいるんですけれども、本当に伸び率が少ないというような状況がございます。これまでも歴代の長官にずっと伺ってまいりましたけれども、やっぱり思い切った財政措置、国の支援というものも必要ではないかと思います。
 総務省の資料を拝見いたしますと、電波利用料財源による平成二十五年度の整備支援対象は移動系の防災行政無線に限定されています。同報系の防災行政無線についてはどうするのかという課題が残されます。
 昨年公表された総務省の調査においても、東日本大震災の際に津波により浸水した地域では、防災行政無線により情報を収集した割合が断トツに高くなっています。住民への情報伝達手段として同報系の防災行政無線が果たした役割というのは本当に大きくなっていると思います。
 同報系の整備、それからこのデジタル化に対する支援措置、拡充すべきとも考えますが、消防庁長官、いかがですか。
#43
○政府参考人(岡崎浩巳君) 御指摘のように、大変同報系の整備、重要だと私ども思っております。ただ、市町村防災行政無線の整備というのは原則自治体が整備をすべきものでありまして、無線機能の向上などの観点から、デジタル化というものを推進をしてきているところでございます。
 災害時の行政機関の通信とか情報共有のために市町村防災行政無線の整備が大変重要でありますので、財政支援措置としましては、従来から防災対策事業の対象としておりましたが、平成二十三年度からは緊急防災・減災事業という新しい事業ができましたので、その対象にいたしております。起債充当率が一〇〇%で交付税の措置率が七〇%という大変有利な仕組みを導入をいたしました。これにつきましては、平成二十五年度におきましても対象とする、市町村防災行政無線のデジタル化を引き続き対象とするということで、市町村に整備を要請してまいりたいと思っております。
#44
○吉川沙織君 次に、Jアラートについて伺います。
 津波、緊急地震速報、ミサイル発射情報などはJアラートによって全国の自治体に伝えられるということになります。でも、その先に防災行政無線が自動起動できるこういうシステムがなければ、瞬時に、数十秒で住民にまで伝わるということは成し得ません。去年はJアラートの全国一斉自動放送訓練が行われていますが、この訓練の報告書を拝見いたしますと、二百十一の自治体が手動で起動しています。また、四百六十九の自治体が起動訓練すら実施していません。
 地方公共団体における災害情報等の伝達のあり方等に係る検討会報告書では、平成二十四年六月一日現在、Jアラートの自動起動手段がない自治体は五百二十五団体、三〇・一%も残されています。自動起動装置が未整備の自治体においては情報伝達に物すごいロスが生じる、そうなると救える命も救えない、伝えなければいけない情報も伝わらないということになります。自治体におけるJアラートの整備状況及び自動起動装置の整備状況について、長官、お願いします。
#45
○政府参考人(岡崎浩巳君) Jアラートでございますが、受信機につきましては現時点でほぼ全ての市町村に整備をされております。一方で、自動起動機は、二十五年一月現在で全市町村の約七五%という整備率になっております。
#46
○吉川沙織君 総務省消防庁は、平成二十四年度補正予算及び平成二十五年度予算においてJアラートの自動起動機等の整備に対して全額交付する、こういう措置を盛り込んでおられます。二十四年度補正では二十八・四億円、二十五年度予算で五億円を計上されていますが、これにより残された整備は全て終わるんでしょうか。
#47
○政府参考人(岡崎浩巳君) 御指摘ありました二十四年度補正予算及び二十五年度当初予算を執行いたしますと、自動起動機の整備率はおおむね全市町村のうちの九〇%に達すると思っております。
#48
○吉川沙織君 今九〇%まで整備が進むと御答弁いただきました。では、いつまでに全ての市町村でJアラートの自動起動機等が整備されることになるんでしょうか。
#49
○政府参考人(岡崎浩巳君) いつまでにということに関して申し上げますと、実は昨年概算要求する時点では、検討会の中間報告というのがありまして、二〇一六年までというのを一度出しております。ただ、その後、北朝鮮による人工衛星と称するミサイル発射事案がございましたり、先ほど御指摘ありました全国一斉訓練等もございましたので、そうしたことを踏まえまして、今般の補正予算等での対応を含めて整備促進に取り組んだ結果として、今申し上げたように、二〇一三年度末であと残り一〇%というところまで来たわけでございますので、緊急情報を迅速、確実に伝達するというのは大変重要で、もう一つ、大臣からもそういう意味で早期の全市町村の整備を必ずやりなさいという強い御指摘もいただきました。
 そういうこともありまして、私ども、二〇一六年というちょっと目標にはもうこだわらずに、できるだけ早くいろんな機会をとらえて予算を確保し、あらゆる機会をとらえて整備の促進に取り組んで、できるだけ早く全市町村に完備をしたいと思っております。
#50
○吉川沙織君 では、自動起動整備がされていない自治体においての運用体制どうなっているか。例えば、二十四時間三百六十五日、自動起動装置がないところに関しては職員さんが前に座って何かあったら手動で起動しなければいけませんが、現在の運用体制はどうなっていますか。
#51
○政府参考人(岡崎浩巳君) 団体によって様々であるんですが、未整備の団体におきましては、結局、職員がいざというときに手動で対応しまして防災行政無線とか携帯メール等の手段で伝達をしているということになります。したがいまして、それぞれの団体において、自然災害やいろんな緊急事態に備えまして、それぞれの地域の実情を踏まえまして職員の緊急参集の基準を定めて動員配備体制を組んでいると、そういう中でできるだけ情報伝達をやっていこうと思っているわけでございます。
 ただ、御指摘ありましたように、例えば極めて緊急な事態が生じた場合には、手動対応の場合に職員の緊急参集が間に合うかどうか、あるいは時間的ないとまがない中で人為的なミスが出るんじゃないかというようなことも心配しておりまして、そういう意味ではやはりJアラートの自動起動機の早急な整備が必要だというふうに考えております。
#52
○吉川沙織君 今年四月も、北朝鮮がミサイルを発射するかもしれないということで、政府は自衛隊法に基づく破壊措置命令を出し、これに備えたという事実がございます。しかしながら、今回はこれまでと大きく異なる点がありました。それは何かと申しますと、これまでは発射予告期間とその時間が明確にされていましたが、今回は飛ばすのか飛ばさないのか、また、いつ飛ばすのかといったことも分かりません。ですから、自動起動ができない自治体に関してはJアラートも起動できなかったかもしれないという、こういう懸念があります。
 四年前の質疑でも指摘したんですが、総務省消防庁が市町村における総合的な危機管理体制の整備報告書というものを出しておられます。これによると、危機発生時における二十四時間即応体制を敷いているのは中核市ですら二八%しかありません。今後も想定される緊急事態については、今御答弁いただきましたとおり、緊急参集体制を整えたとしても、例えば武力攻撃事態ですと、緊急参集掛けている間にもう飛んでくるというようなこともありますので、是非早急に対応いただければと思います。
 国民の安心、安全に多大な影響があるという点では、情報セキュリティーに関しても、各インフラも今システムで制御されていますから、一たび攻撃を受ければ国民の生命、身体、財産に大きな影響が出ます。
 昨年六月の予算委員会、本年三月六日の本会議で、国民の生命、安全にかかわる施策は迅速に実施すべきとの観点から、情報セキュリティ政策会議の構成員に外務大臣を即刻追加すべきと質問をしました。先週五月二十四日のIT戦略本部の決定を拝見いたしましたところ、外務大臣の追加が正式に決定したようですが、経緯について伺います。
#53
○政府参考人(占部浩一郎君) これまで、本会議等におきまして、情報セキュリティ政策会議の構成員に外務大臣を追加するなどの御指摘を委員からいただいているということを承知してございます。
 今般、総理の指示に基づきまして、情報セキュリティ政策会議におきまして新たにサイバーセキュリティ戦略、これが起草されたところでございます。その起草の過程においてもグローバルな視点による取組の重要性ということが指摘されまして、この趣旨が戦略の柱の一つというふうにも入ってございます。そういうことに加えまして、情報セキュリティ政策会議の構成員として外務大臣を追加させていただいたということでございます。
#54
○吉川沙織君 五月二十四日に取りまとめられた新IT戦略である世界最先端IT国家創造宣言においても、命を守る災害関連情報の提供等、防災・減災体制の構築がうたわれています。しかしながら、非常時の情報伝達手段の整備は、平常時にはやはり余り活用がされないために、自治体の施策、予算の配分もどうしても後回しにされがちになっています。そしてまた、職員の体制もどうしても後回しになっています。各年度決算における歳出総額に占める消防費の割合も、これまでずっと申し上げてきましたが、いかにも少額です。しかし、国民の生命、身体、財産にかかわる、直結する課題であり、迅速な整備は急務だと思います。
 大臣、今後早急に整備をしていく必要があると考えますが、見解を伺います。
#55
○国務大臣(新藤義孝君) 私も全く同じ意識を持っています。それは、いざ起こったときに、ああ、やっていなかったでは済まない問題であります。ですから、国民の防災意識、とりわけ地方自治体の防災体制、こういったものを更に緊急度を上げていかなくてはいけない、優先度を上げていただきたいと、このように思っているわけであります。
 その上で、今般も自動起動機は、これは平成二十五年の一月時点で七五%だったんですね。今回の補正予算と二十五の当初予算で受信機は一〇〇%になります。これはそういうふうにしてもらいます。その上で、自動起動の整備率もおおむね九〇まで行くんです。ですから、あと残りの一〇パーの百七十七団体、これは何としてもこれを整備するんだという気持ちを固めてもらわなければなりません。これは私、消防の方に強く言っております。そして、どうして整備をしないのか、その理由もいずれ時期が来れば聞かせていただかなければならないと思います。場合によっては全国において自動起動が行われていない自治体はこういう団体ですということも、これは皆さんで知っていただかないといけないかもしれません。そこまで行く前にきちんと整備してもらいたいと、私はそのような思いで今この問題は取り組みたいと思っております。
#56
○吉川沙織君 大臣の強い御決意を伺いましたけれども、たとえ受信機が一〇〇%になって自動起動が整備されたとしても、結局その自動起動をするのは防災行政無線です。先ほど消防庁長官から御答弁いただきましたとおり、市町村合併効果を抜いた場合の最新の整備率、七三・四%しかありません。ですから、残された三〇%程度の自治体では、幾ら整備が進んでも、その先に防災行政無線の整備が残されたままでしたら結局伝わらないということになります。
 今日の御答弁の中でも、本来防災は自治事務だという御答弁いただきました。確かにその側面もございます。ただ、ミサイル発射等の武力攻撃事態になりますと、国民保護という観点に立ちます。国民保護という観点に立てば法定受託事務になりますので、国の責務という形とも受け取れます。ですから、国民の生命、身体、財産を守るという点では自治事務も法定受託事務も関係ないと思います。国の責務として是非強いリーダーシップ取って進めていただけることをお願い申し上げまして、私の質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。
#57
○藤末健三君 民主党・新緑風会の藤末でございます。
 私は、この電波法、非常に重要な法だと思っておりまして、やはり電波、有限の資源ということが余り認識されていないんではないかと思っております。
 皆様御存じのように、有線であれば、線であれば、線を増やせばどんどんどんどん通信の量は増えますけれども、電波はもう空間しかございません。この空間にどれだけの電波を使うか、有効に使うかというのは非常に大きな、限られた資源を割り当てるこの電波法の意義は大きいと思います。
 私は、そのような観点から、二つのポイント、一つは、いかに電波を使ったイノベーションを進めるか。今、成長戦略の議論なんかがされているところではございますが、この電波の分野では非常に大きな成長の可能性があるんではないかと思います。そしてまた同時に、グローバリゼーション、経済を成長する機動力としてのグローバリゼーションに電波法の観点からどのように対応するかということについて御質問申し上げたいと思います。
 まず初めに御質問申し上げたいのは、今、移動通信、スマートフォンが出てきまして、その通信の量、トラフィックは大体年間二倍のペースに拡大しているという状況でございます。先ほど申し上げましたように、電波というのはもう限られた資源でございますので、これを今電波法の中でいろいろ再編を行ったり、また利用効率化努力ということで技術開発を進めるということでございますが、年間二倍のペースがこのまま続いたときに、恐らく電波の利用の配置換え、そして恐らく電波の多重化、いろんな技術があるかもしれませんけれども、恐らく間に合わないんではないかというふうに考えます。
 いろいろなやり方はあると思うんですけれども、例えば公衆無線LANなどを増やすという話もございますけれども、一番お聞きしたいのは、これ柴山副大臣にお聞きしたいと思うんですけれども、級数的に増えていく電波の使用のトラフィックの増加、それとどう対応していくか、そういう大きな枠組みをお答えいただきたいと思います。お願いいたします。
#58
○副大臣(柴山昌彦君) お答え申し上げます。
 今委員が御指摘のとおり、移動通信のトラフィック、年間約二倍の非常に速いペースで大変逼迫をしている状況であります。
 今御指摘になったように、総務省の方では、周波数を有効活用する、帯域を圧縮させるですとか、あるいは高い周波数の方を使っていただくというような技術など、研究開発を進めております。そして、周波数の再編を行って必要な追加の割当てをしていくというような形で、現在、移動通信用の周波数として約六百メガヘルツ幅を確保しております。今後は、当面、二〇二〇年までに千四百メガヘルツ幅以上を新たに追加確保して、先ほどの六百メガヘルツと合わせて合計で二千メガヘルツ幅以上とするように取り組んでおります。
 ただ、今御指摘があったように、それで足りるのかという問題意識は持っていなければいけないと思っておりまして、携帯電話事業者においては、この増加するトラフィックに対処するために、基地局の増設によるネットワーク容量の増強ですとか、あるいは利用効率の高い、多くのデータを同時に送信できるLTEの開始などの対応をしておりますし、これも今御指摘があったように、無線LANなどを活用して移動通信トラフィックを固定通信回線などに迂回させるオフロードを推進をしております。こうした取組によりまして、固定通信網も含めたネットワーク全体での対応ということを引き続き進めていければというように思っております。
 以上です。
#59
○藤末健三君 是非進めていただきたいと思います。
 それで、柴山副大臣に是非考えていただきたいことが一つございまして、今の外国の状況を見ますと、ワイヤレスとラインの会社が分かれているというのは少ないんですよ。逆に、イギリスとか中国を見ると合併しています。その理由を解き詰めていくと、ワイヤレスはいつかもうパンクするであろうという予測の下、どんどんどんどんラインの方、有線の方に会社を合併して、そっちの方にどんどん逃がしているんですね、先ほどもおっしゃったような無線LANであり、基地を増やすということであり。ですから、例えば我が国であれば、もう具体名挙げますとNTT、分離されているじゃないですか。そこら辺も、このワイヤレスがどんどんどんどん増える中でラインにどんどん逃がしていかなきゃいけない、そういうことのときに、会社の体制がいいかどうかというのを私はもうそろそろ検討すべきところに来ているんではないかなという、これは御提案でございます。御提案でございますが、是非それを考えていただきたいと思います。国際的な趨勢はワイヤレスとラインは一体化しつつあるというのが私にはあると思いますので、それを一つお願いしたいと思います。
 そして、続きまして、同じように御質問でございますが、この無線の電波の利用におきまして、やっぱり携帯の利用が非常に大きいわけでございますけれども、今、このLINE、そしてスカイプといったデータ通信、音声通信でなくデータ通信の中にIP、インターネットプロトコルを利用して音声を飛ばすような通信が増えてきています。もうLINEは爆発的に増えている。その中で、ユーザー視線から見ますと、音声の通信、これ法的には分かれています、音声の通信とデータ通信というのは別になっています、これは法的には。ただ、ユーザー的に見て、余り変わらないんじゃないかと。
 そこで、二つのことを伺いたいわけですけど、法的に音声通信とデータ通信の差異を設けている、この理由は、合理性とはどこにあるのかということがまず一つ。そしてもう一つあるのは、利用者の観点から見た場合には、規制に対してもある程度の変更、見直しは必要ではないかと思いますが、その点につきましていかがでございましょうか。
#60
○政府参考人(吉良裕臣君) お答え申し上げます。
 電気通信事業法令上、音声伝送役務とデータ伝送役務では、主として電気通信事業者の使用する設備に適用される技術基準が異なっております。
 具体的に申し上げますと、データ伝送役務の場合にはベストエフォート等の多様なサービスの提供が許容されるのに対しまして、音声伝送役務の場合には通話を確実に確保するために品質に関する要件が課されているというような違いがございます。(発言する者あり)
#61
○委員長(松あきら君) ちょっと待ってください。指名してから発言してください。
 御答弁は簡潔によろしくお願いいたします。
#62
○政府参考人(吉良裕臣君) この違いがございます。で、あの……(発言する者あり)
#63
○委員長(松あきら君) 続けてください、どうぞ。
#64
○政府参考人(吉良裕臣君) それで、もう一つ、先生、この規制の方をちょっと考えた方がどうかというような御質問がございました。
 それぞれ社会的要請の違いに基づきまして、こういうデータ伝送と音声役務を区別して技術基準を確保することが合理的であるというふうに認識はしておりますが、今後も技術の発展だとかあるいは社会環境の変化に応じまして、設備の共用化とかいうような効率化や電気通信サービスの向上が適切に図れるように、そこは各種制度の検討に当たって留意したいというふうに考えております。
#65
○藤末健三君 柴山副大臣にちょっと是非、これは提案というか、もし可能であればお答えいただきたいんですけど、今どういう状況かというと、若い方々はLINEを使われている、もう爆発的に増えています。うちの子供もほとんどLINEで話している。もうそれが常識。彼らはやはり携帯の通信という認識とか余りないんですよね。もう普通の電話として使っている、LINEを。
 そういう中で、法律的には何が違いがあるかというと、音声通信というのは途絶えちゃいけませんよ、例えば基地局に停電対策をしなさいとか、質をこれだけしなさいという条件がある。一方、データ通信はもうほぼないです、そういう基準が。しかしながら、データ通信を使っている人はどんどん増えている中でそれをどう見るかということ。
 そして、ついでに申し上げますと、例えば東日本大震災があったとき、私、携帯は使えなかったです、はっきり申し上げて。政治家登録していても。私が使ったのは何かというと、スカイプ。スカイプの方が、IPのデータ通信の通話の方が結局使えたというのが現状、これが。でございまして、法的にこの音声というものを維持している、これはもうほとんどアナログの世界。一方、デジタルで飛ばす音声の世界が生まれている中で、この体系を見直さなきゃいけないと思います、恐らく、法的に。
 そして、もう一つ大事なことは何かというと、ビジネス的にもそうだと思う。今後、このLINE、スカイプという動きは起きながら、恐らくキャリアの方がデータ通信を基盤とした音声サービスをせざるを得なくなると思います、これは間違いなく。そういうことを踏まえた上での政策、競争政策もそうだと思います。今、三社プラス一社になっていますけど、この小さな一社はデータ通信だけで戦おうとしている。そういうものも含めて、やはり私は法的な体制を見直すべきだと思うんですけど、もし副大臣、何か御意見がございましたらお願いします。
#66
○副大臣(柴山昌彦君) 今御指摘のとおり、まさに社会状況、そして技術はもう日進月歩で変化をしているわけですね。ですので、このデータ通信と音声を別のものととらえる今の法制度が遅れているという側面があるのは、私は御指摘のとおり、否めないと思っております。
 ただ、現実には、そうはいっても音声伝送役務の技術基準を守って制度設計をすれば、これは両方満たすという状況にあるわけですから、今御指摘のような技術環境の変化も含めて、設備の共用化などの効率化ですとかサービスの向上、そして技術発展ということを総合的にやっぱり見ていくことが必要であるというふうに思っております。
#67
○藤末健三君 まさしくそのとおりだと思います。
 ただ、一つだけ大事な話。副大臣、これは恐らく、電波って巨大なマーケットですよ。LINEは少なくとも今基本的に、ちょっと外国のテクノロジーも入っていますけど、どんどんどんどん世界に進出する力を持っている。それはなぜかというと、我々の若い世代が非常に新しいテクノロジーに順応する能力を持っているからです、これは。そういう中で、日本国において新しい基準を作り、そしてビジネスをつくり、それを基準として育てていく。ですから、先ほど、ワイヤレスはもう限界があるという話を申し上げましたけど、その中でホワイトスペースのテクノロジー、空いているところの電波をどう使うかというテクノロジーとか新しいテクノロジーがどんどんどんどん開発されていますので、我が国がそこは強み、まだ持っていると思うんですよね。
 ですから、その新しい、今利用者が求めるものを提供するために必要な枠組みであり、テクノロジーというものを是非とも考えていただきたいと思います。テクノロジーが出てきたから規制変えるんじゃなくて、テクノロジーを生むために規制をつくるという逆の時代にもう入っていると思うんです、私は。それを是非、ちょっと副大臣の力で、皆さん、知識ある方いっぱいおられますから、枠組みとしての考え方を転換する、それを是非していただきたいと思います。これは多分、長期的な大きな経済成長を生む機動力となると思いますので、是非ともお願いしたいと思います。
 そのように、技術革新、イノベーションを進める上で私が是非ともお願いしたいと思っていますのは、特定の機関とか特定の地域、そこでいかに新しい電波の利用方法を見付けるか、技術をつくっていくかということを研究できる機関をつくっていただけないかと思っています。
 もう大分古い話でございますが、私がまだ大学で研究者をしているときに一つ話が来ましたのは、横須賀で新しい電波の使い方を実験するようにしてほしいという話が来ていたんですよ、特区申請。どういうことかというと、新しいテクノロジーを使うときに、フィールド試験、実際に電波を飛ばしてみて混線しないかとかスピードはちゃんと十分であるかとかを実験しないと、いかに、機械だけで実験、試作やっても全然結果が違うというんですね。ですから、そういう新しいテクノロジーを実際にこのエリアだけはできますよというような場所をつくれないかということで横須賀から提案来ていましたし、そしてまた、この間、横須賀の通信関係の研究所を伺ってきたんですけど、これは余り言うと失礼かもしれませんけど、十年前より正直言って劣化している気がするんですよ。やはり個別にいろんな会社の研究所がばらばらにある。これはちょっと固有名詞になっちゃうから申し上げませんけど、ばらばらにあるんですよ。そして国立の研究法人もありますという状況でございまして、それをもっと一緒にやってシナジーをつくっていく。かつ、同時に、新しい実証試験を、テストを現場でできる、そこには当然若い人たちがやってきて、使ってもらう、それぐらいのことをしなければ新しいことはできないんじゃないかなと思っています。
 実際に、これは私は現場に行っていませんけれども、ファーウェイという会社ございます。中国です、これは。私は一九九九年に、実はファーウェイができたばかりの初めのころに行きました。研究所に行っていろいろ話を聞いたんですけれども、我々からすると、もう五、六年前のテクノロジーを自慢して説明してくるんですね。ああ、これは多分こんなに遅れているんだと思って安心していましたら、今やもう、ファーウェイの機械見てみますと、もう日本では造れなくなっています、それほど小型で省電力なものを、そこまで来ちゃったという。
 実際、じゃ、何でファーウェイが強いか。いろんな話がございますが、一つあるのは、巨大な実証試験のフィールドを持っているというんですね。もう電波飛ばし放題だって、何の規制もないと言っていました。ですから、新しいものを大量に導入して実験する環境があるがゆえにファーウェイは強いんじゃないかと。例えばアメリカでありヨーロッパであってはもう多分それはできないと言うんですよね、規制が強過ぎて。
 そういうことを聞いていますと、やはりこの電波の利用ということを、先ほどおっしゃっていただいたように、有効である資源をどう配分するか。あと音声とデータ通信の壁がだんだんだんだんもう見えなくなってきている中、そしてもう一つ欲しいなと思うのは、やはり電波のシリコンバレーみたいなものを意思を持ってつくっていただくという、そういうことをちょっと御提案申し上げたいんですが、いかがでございましょうか。
#68
○国務大臣(新藤義孝君) それは非常に貴重な御意見だというふうに思います。そして、今世界が日進月歩で動いていく中で、我々の遅れている部分もあれば先端的な部分もあります。強みを生かし弱みを克服する、このことを、実地を、実証しながら着実に実行していこうじゃないかと、こういうことだと思います。
 たまたま、今お話が出ましたファーウェイのCEOは今回六月に日本に来ることになっておりまして、私にも面会の要請がありますからよく話聞いてみようというふうに思っておりますし、何よりも、やる気のあるところで地域を選んでそういう実験をしていくということは、これは、私どもの総務省の中にICT戦略会議というのを設けて、そういう中で可能性を追求しているというところであります。またいろいろと御意見ちょうだいできれば有り難いと思います。
#69
○藤末健三君 是非、大臣、お願いします。
 このワイヤレスの部門は、私はアプリケーションのところはすごく強いと思うんですよ、日本は。やはり最先端のユーザーがいるというこの強さというのはもう圧倒的だと思いますので、是非どこかに集約させて、よくクラスターという言葉を使いますけれど、集中的に、この場所に行けばもう電波の研究開発が圧倒的に進んでいるという地域ができれば恐らく外国から来ると思います、私は、いろんな方々が。そういう、集中させてやることによって、恐らく十年、私、五年ぐらいで実現できるんではないかと思いますけど、是非、ICTの戦略会議の中でプラットフォームとしての研究の場所とか組織を議論していただきたいと思います。
 特に私が今注視しているのは、この電波の利用で注視しているのは、スマートメーターというものがございます。これは何かと申しますと、今、電力のメーターというのは人が行って調べて徴収していますけど、時間ごとにどれだけの電気を使ったかということを全部通信で飛ばして管理する。何があるかと申しますと、どの地域がどれだけの電力を使っているかと分かるというのがありますけれども、きめ細かく例えば電気料金を設定しますので、夜に電気をちゃんと電池にためて使おうとか、そういう価格のコントロールが非常にしやすくなりますし、もう一つ大事なことは、太陽電池板を入れますと、ある地域では発電され、ある地域では発電されない、そういうきめ細かい電気の発電と使用をコントロールするというので、スマートメーターという、賢い電気メーターというのがもう導入が始まります。
 ただ、問題は何かと申しますと、これ私が副大臣をしたときにも議論させていただいたんですが、そのスマートメーターも何百万世帯、何千万世帯に導入されますので、通信料金が高いとなかなか普及しない。この電波使用料が高いと、先ほど吉川議員からも指摘がありましたけど、普及しないという問題がございまして、その点、どのようにお考えかということを是非お願いいたします。
#70
○国務大臣(新藤義孝君) これはまさに私もそこに着目しているわけであります。そして、このM2Mを普及させて、そして今までにない新しい技術で生活やサービスに革新を起こす、これがイノベーションです。それには利用環境を向上させなければいけないということになります。
 今現在、電波利用料の見直しに関する検討会、この中でこのM2Mに対しての利用料金の設定をどうするかということも御議論の中の一つに加えていただいております。私からは、驚くような大胆な料金設定をしてくれと、こういうお願いをしているわけでありまして、それによってたくさんの普及が図られると。我々はイノベーションを起こさなくてはいけないんですね。
 ですから、基盤となるものに対してそういった取組がなければ、従来と同じやり方ではなかなか進まない部分はこれは国が頑張るところだということでございまして、今、有識の先生方にいろいろなお知恵を絞っていただいていると、こういうことでございます。
#71
○藤末健三君 是非よろしくお願いいたします。
 実は、このスマートグリッド、私が副大臣をさせていただいたときに、電力の関係だから総務省がやるのはけしからぬという事業仕分に遭ったんですよ、実は。(発言する者あり)どこの政党がですということはちょっと申し上げません。
 ただ、大事なことは何かというと、このスマートグリッドは、先ほど申し上げましたように、エネルギーを流すというのは二次的な話です。一次的な問題は、どこでどれだけの使用があるか、生産があるかということを全部把握した上で最適にコントロールする、情報通信の方がはるかに重要である、そのことを是非周りにも認識させていただきたいし、私は総務省から、結局何が起きるかというと、昨日もちょっと経産省の方と別の委員会で議論したんですけれども、とにかく電気料金を安くしようとか、そういう話になっちゃうんですよ、自然エネルギーを導入しようとかいう話になっちゃいます。
 私は、大事なことは何かというと、やはりイノベーション。ここで新しくスマートメーターを入れることにより、そしてまた、その上にアプリケーションが必ずできます、アプリケーションが。これはグーグルがやろうとしていたんです、昔は。なぜグーグルがやろうとしたかというと、人がどういう活動をしているかというのはエネルギーの使用量で全て分かるんですね。ですから、例えば、これはもう笑い話かもしれませんけれども、グーグルが考えていたのは、お風呂に入って出たときにちゃんとグーグルの画面にはビールの宣伝が流れるようにするとか、そこまでやるという話を言っていました。
 そこまでいろんな情報を集めるのがこのスマートメーターでございますし、また、大臣がおっしゃったように、M2M、マシンからマシンにデータを飛ばすという、これはもう、例えば車の話を申し上げますと、ちょうど二日前にセールスフォース・ドットコムというアメリカのクラウドのCEOが話をしていたんですけれども、彼らが言っていた話ですごく印象的だったのは、車、あとエアコン、冷蔵庫、全部情報を発信しますよという話をしていました。
 特に出てきたのは何かというと、車が出てきたんですね。車がどのように情報を発信していくかということをずっと流していたんですけれども、それはトヨタだったんですよ、実は。私が聞き及ぶところによると、トヨタがその実験しているところはアメリカなんですね、間違いなく。それはなぜか。恐らくいろんな規制の問題とかもあるし、恐らくいろんなシナジーがそこで生じているんじゃないかと思います。グーグルが全く人がタッチしないで車を運転するという無人自動車構想をもう動かしていて、実験は成功しているんです、たしか昨年。そういう状況でもある。
 やはり私自身が思いますのは、先ほどの話と、戻りますけれども、このM2M、機械から機械に莫大な情報が電波で飛ばされて、そしてそれをビッグデータで処理していく。その中から新しい付加価値を生み出すビジネスをつくっていくというのは恐らく今後大きなトレンドになると思いますので、ここに、大臣はもうビッグデータをずっとおっしゃっているのは存じ上げています。ただ、それを、じゃ、どうやって実現するかといったときに、やはりそのインフラがないと、プラットフォームがなければなかなか実現できないと思いますので、その点、是非お願いしたいと思います。
#72
○国務大臣(新藤義孝君) これはまさに、私も余り大風呂敷を広げるわけにはいかないんですが、本気でやろうと思っています。
 それは、例えば今、総務省の地域の元気創造本部の中には、そういうエネルギーを地産地消して、スマートメーターを入れて自分たちのエネルギーを管理し、そして売り、いざ災害のときには独自で自立した電源をつくれると、こういう仕組みを設けて、そこに行くと、まず電気料が安い、それから売った分はその地方の、地域の財源として入れられる、そういうものを町づくりの手法に入れようじゃないかと、これモデルを今年中に一個つくりたいと、このように思っています。それから、道路や橋、トンネル、こういったインフラの管理にこのM2Mを設けて、これを極めて効率の良い、コストの掛からない範囲で維持管理していこうと、この仕組みも取り入れようとしています。
 それから、今の車の自動走行システムは、実はトヨタが今やろうとしていることとは別の、宇宙からの衛星の測位情報を受け止めて、それで車を管理する。それは車だけではありません。自動トラクターであるとか、それから倉庫に入れれば自動の物流システムができます。こういうものを、新しい管理をできるような仕組みを取り入れようということで、実践してみようじゃないかというところまで来ているわけでございまして、必死で取り組んでいるわけでございます。
#73
○藤末健三君 是非、その準天頂衛星、私ずっと推していましたので、利用を是非進めていただきたいと思います。
 本当に、やっぱりアメリカと同じことをやっちゃまずいと思いますので、日本らしいテクノロジーを使ってきめ細かいサービス、恐らく、僕は正直言ってアメリカの道路で成功しても絶対日本じゃ失敗すると思うんですよ、あっち、めちゃくちゃ道広いですからね、信号もないし、はっきり言って、と私は思っています。だから、本当に準天頂衛星ぐらいのものを使わなければ私は日本ではできないと思いますので、日本でできれば、次、準天頂はアジアで使えますから、まさしくそういうビジネス展開をしていただきたいと思います。
 そういうことでございまして、海外への展開、このワイヤレスのビジネスにおける海外への展開というのは非常に重要でありまして、今回、柴山副大臣におかれましてはミャンマーへ行っていただきまして本当にありがとうございました。あれは私行きたくて企画してまして、実は。柴山さんに行っていただいて本当に良かったし、また同時に、郵便のシステムの話をしていただいたのは本当に有り難かったと思います。また、インドネシアも行っていただきまして、防災ICTの話も見事成就していただいたということは非常に有り難いと思います。
 そういうような、私は、これからもこの情報通信、ASEANの市場というのは非常に大きいものがあると考えているわけでございますが、この日本のICTを海外に展開するということにつきまして、柴山副大臣の見解をお聞きしたいと思います。お願いします。
#74
○副大臣(柴山昌彦君) ありがとうございます。
 今御指摘になったように、日本らしさということで、ASEANのこれからの有望な市場を開拓していくということは双方にとって極めて意義のあることであるというように思っております。
 まず、今御指摘になられた、今後民主化が進み、成長余力が大きいミャンマーに対する取組、これは極めて重要でありまして、先日、安倍総理がミャンマーを訪問され、そしてインフラ整備への支援を表明したところなんですけれども、その直前に、先方の情報通信担当大臣が訪日をされまして、私も面会をさせていただきました。そして、今御指摘があったとおり、私自身、一月の下旬に関連企業とともにミャンマーを訪問させていただきまして、我が国のICT製品ですとか情報通信網、サービスの展開につきまして官民併せての働きかけということをしてまいりました。
 そして、今御指摘になった防災ICT分野につきましては、私が申し上げるまでもありませんけれども、新藤総務大臣が今年四月にインドネシアを訪問された際に、防災ICTシステムの早期導入に向けた具体的な取組について合意をしてもらいました。
 今後、こういった取組を他のASEAN諸国の方に進めていきたいというように考えておりますし、また、他の省庁との連携によりまして、例えば他の省庁の所管するインフラなどともパッケージにして、しっかりと官民挙げて展開をしていきたいというように思っております。
#75
○藤末健三君 是非進めていただきたいと思います。
 ASEANの方に伺いますと、通信の問題は何かというと、セキュリティーが関係する問題でございますので、やはりいろんな国々の話を聞かせていただくと、安心して任せられる国はどこかということをおっしゃる国がよくあります。そうすると日本になるという。ですから、この日本に対する信頼もございますので、是非展開していただきたいと思っております。
 最後にちょっと質問を申し上げたいことはTPPに関してでございますが、今日の新聞を読みますと、ソフトバンクがスプリント買収で対米外国投資委員会からの了承を得たということを何か発表したようでございますが、私は、これから日本のこの通信、特にワイヤレスなどの会社が海外に展開していくことが非常に重要じゃないかと思います。たとえM2M、マシン・ツー・マシンのビジネスがどんどんどんどん広がるにしても、やはり最後は国内では飽和する、海外に進出しなきゃいけない。そういう中で、私は、このTPPの中におきまして、サービスということでICT分野における攻めの交渉をしていただいたらどうかと思っております。
 御存じのとおり、今、我が国のICT分野における自由化水準はもうはるかに高い水準でございますので、先ほどのASEANも含め、環太平洋の成長力を取り込むために、このTPPにおいて我々が取るべきところは何かということをちょっと是非教えていただきたいと思うんですが、いかがでございましょうか。お願いします。
#76
○国務大臣(新藤義孝君) まず、このソフトバンクによるアメリカのスプリント・ネクステルの買収、これは手続三つ必要なうちの二つが終了したということでありまして、これは是非促進をしたいと、私もアメリカの関係の方にそのような働きかけを申し上げているところもございます。
 それから、ミャンマーの通信大臣は、私が招待状を出しましておいでをいただいたんであります。そこで、日本は郵政は初めてですけれども、ICTも話をしました。あわせて、郵便のシステムをミャンマーが整備したいお気持ちがあるならば協力しますよと、こういう話をしました。それから、日本が世界に出せるものとして、まだ今までやっていなかったのは、郵便システムとそれから消防なんですね。こういう分野についても、我々は世界に貢献できる、そういうものがあるんではないかと思います。
 そして、そういったものは、経済協力とそれからインフラ輸出と、これをセットにいたしまして、国として他国に支援するものとそれから我が国がそこに進出したいと思っているもの、これをセットにして国別に戦略立てようじゃないかと、これが経協インフラ戦略会議であります。私ども提案いたしまして、重点国を絞り込んで、その国ごとのタスクフォースをつくって、今何が働きかけているのか、何が相手から求められているのか、そういったものを総合的にチェックをした上で必要なものを進めていこうと、こういったことをやっているわけなんであります。
 とにかく、我々は世界の中に入っていかなくてはなりません。また、世界のものを日本に取り込む、これが必要だと思うんですね。その意味においてTPPは非常に有効なファクターだと思いますが、今お尋ねの電気通信分野におきましては、我々がほとんど一〇〇%規制緩和をしている外資の規制、外資規制ですね、それから通信インフラへの公正なアクセス、既に我が国は開いているわけです。しかし、TPPの加盟国でこういったものを開いていない国がございます。我々はこの分野に大きく切り込んでいけるんではないかと、そんなようなことを考えております。戦略的な包括的取組をしていこうと、このように考えています。
#77
○藤末健三君 本当に、新藤大臣におかれましては、この郵政のシステムを売り込んでいただいたのは、僕、非常に大きいと思うんですよ。実際に、私、フィリピンとかに伺っても、もう、失礼なことを言うと、使っていないんですね、ほとんど、ITシステムを。だから、ここに日本のITシステムを入れたらどれだけ効率化されるだろうということは本当に思いましたし、また、消防についても、やはり日本の消防システムは圧倒的な防災能力がございますので、今までやはり総務省というのは旧内務省系の流れがあるので、ちょっと国内に閉じていたところがあると思いますので、是非海外に目を向けていただくようなことをしていただきたいなと思います。
 そして、最後に一つ、ちょっと大臣、副大臣、そして政務官にお願いしたいのは、もうそろそろ私は日本の会社の組織も見直さなきゃいけないんじゃないかと思っています。それは何かと申しますと、我が国の通信会社、国内でいろんな製品を開発するだけでは恐らくもう成長できないんではないかと。
 我が国は今、大体年間、エネルギーとか鉱物二十兆円、今は増えて二十五兆円になっています、輸入しています、純輸入。そして、食料の純輸入は五兆円。そして、医療機器と薬で一・五兆円なんですが、今度は二兆円になります、これが。合計三十兆円の外貨がないと生きていけない我が国。今自動車が頑張ってくれている。ところが、一方で、もう携帯は一兆円のマイナスですからね、大臣。電子機器がマイナスに転じようとしているんですよ。
 そういう中で、じゃ、どういう産業が外貨を稼ぐかというと、僕はまさしくICTだと思います。ICTが成長し、国内で新しいビジネスをつくり、それを海外に一気に展開するようなことをやれるような環境をつくっていただきたいと思います。
 その中で、いろんな規制を変えていくこと、そして研究開発の場所をつくることも申し上げましたけど、私は、そろそろ企業形態、実名を挙げるとNTTも企業形態を私はもう変えるべきではないかと思っているんです、個人的には。だから、そういうことも是非御検討いただきたいと思います。
 やはり、なぜNTTのことを申し上げるかというと、例えばベトナムに伺ったときに、経験でいくと、NTTデータさんがおられる、ドコモさんがおられる、NTTコムさんがおられる。ばらばらに動いておられたんですよ。もったいなかったですよ、非常に大きな力をお持ちなのに。別の会社がやっていますかという話ですよね。
 ですから、それで本当に国益にかなうのかということを、狭い日本だけのこの市場の議論ではなく、グローバルの中で日本の企業が外貨を稼ぐ、イノベーションを起こし外貨を稼ぐということを是非御検討いただきたいと思います。もしよろしければお答えいただいてよろしいでしょうか。
#78
○国務大臣(新藤義孝君) おっしゃるとおり、戦略的に進めていきたいというふうに思います。
 ですから、私どもは、防災ICTを、これを日本で、今もすばらしいものを持っているんですが、世界でまねできない新しい仕組みをつくって、それを同じ気候帯であるアジアのモンスーン地帯に持っていこうと。私がこの間インドネシアに行ったのはそのためであり、そして、ASEAN十か国の防災センターをつくっているAHAセンターというのがありますが、そこでこういった構想を説明してきました。
 それから、コンテンツの海外展開も同じですね。それから、4K、8Kのテレビも、特に8Kは世界でまねのできない技術を我々がいち早く実用化して、それを地デジ展開と同じように世界に展開していこうじゃないかと、いろんな工夫をするということであります。
 特に大事なのは、NTTも実は、つい先日、社長さんおいでをいただきまして、これからの戦略をどう考えているのか、意見交換しました。今、NTTは、単に海外の企業を買収するだけではなくて、クラウドのベース基地、これを世界のシェアを握ろうとしています。
 ですから、そういう戦略を我々は共に協議しながら、国と民間企業と役割分担しつつ新しい、我々の強みを生かして、それを世界の人たちに喜んでいただきながら、その経済をこの国に引き込んでくると。こういう形を追求してまいりたいと、このように考えています。
#79
○藤末健三君 ありがとうございました。終わります。
#80
○小坂憲次君 自由民主党の小坂憲次でございます。
 久しぶりに総務委員会に参りまして、席を得まして、今度は質問の機会を与えていただきました。大分昔になります、逓信委員会の時代から遡って、最近は余り質問に立ったことがないので、総務委員会の質問というのを余りやったことないので、久しぶりでございます。よろしくお願いします。
 いよいよ、今日は五月の三十日、あした五月の三十一日は東京スカイツリーがNHK、そして民放五局、完全移行という形でデジタル電波の送信を始めるわけでございます。これに向けて、昨年、統計を取ってきたということで、昨年の十二月二十二日から百数十回、受信確認テストを実施して、そして今月の二十三日時点で移行サービスのサポートセンター、コールセンターには三十九万五千回余りの電話があったと。そして、そのうち対策が必要と判断したものは十一万六千件あったと。その対策が必要なもののうち九六%は対策済みで、そして移行可能と、こういうことで、九六%、残り四%なのでこれで移行しましょうということで三十一日の移行が正式決定したと、こう聞いております。
 大変結構なことでございまして、六百三十四メーターのスカイツリーから送信をすれば、いわゆるデジタル難視と言われた、あるいはワンセグの難視地域が大幅に改善をされる、そういうことだと思いますし、スカイツリー人気というのはすごいですね。そこらじゅうに六百三十四という数字にちなんだ食品だとかお土産ができたり、果ては日光までの観光客がスカイツリー人気にあやかってどんどん、電車が一本で行けるということでにぎわっていると。大変結構なことでございます。
 そういう意味でいいますと、このデジタル難視の解消というのは、この関東圏においてはスカイツリーで大幅に進むんだろうと思うんですが、全国を見ますと、まだ八万世帯、デジタル難視がまだあるんですね。対策が必要なところ、あります。これに対しては衛星を使ったりいろいろ対策は講じておりますが、まずもって、その八万件の対策の詳細はともかくとして、大臣にお伺いしたいのは、このデジタル難視対策というものに対しての大臣の取組、決意だけまず伺っておきましょう。
#81
○国務大臣(新藤義孝君) これは、今やテレビ局の放送、これはもう生活にとってなくてはならないものでありますから、これが新しいシステムに移行することによって見えなくなるとか見えづらくなるとか、あってはならないことであります。ですから、これは何をおいてもきちんとした対策をしなければいけないということでございます。
 アナログからデジタルへの移行期に発生した難視世帯、これ、全国のアナログ放送が終了した時点で、二十四年三月末でございますが、約十六万でございます。そして、今先生がお話しいただきました、今年の三月末現在では残り八万世帯と、このようになっております。それに対しての暫定対策が、衛星のセーフティーネットによる暫定対策が終了する平成二十六年度末までにはこの対策を完了するということであります。
 このうちの最大規模となっているのがスカイツリーによる対策であります。房総半島など約三万世帯の難視がこれで解消されるということでありまして、難視世帯ゼロを目指してこれはきちんと取り組んでまいりたいと、このように考えております。
#82
○小坂憲次君 ありがとうございました。飛躍的に改善されるだろうと私も期待いたします。
 しかし、このスカイツリーで一体どの辺まで届くんでしたかね。両局長もおいでだから、これは余り通告はないですが、答えられたら答えてください。
#83
○政府参考人(吉崎正弘君) スカイツリーと東京タワーのエリアの広さにつきましてはほとんど同じでございますけれども、先生御指摘のように、高さが倍になりました。それで、特に丘陵地帯の多い北房総を中心にして、東京タワーの電波が届かなかったところまで届くようになるというのが今回のスカイツリーの最大の特徴でございまして、その結果、東京タワーからのデジタル電波では届かなかったところが三万世帯ぐらい解消するということになることでございます。
#84
○小坂憲次君 高さが倍になる、そして出力は同じ十キロワット、対象世帯は千四百万世帯、こういうことだと思いますが、ビルが高層になってきた昨今、やはりデジタルの周波数というのは非常に高いものですから余り回り込みがないということで、高いところから送ることによってよりビルの谷間まで届くようになるだろうと、こういうことも期待されますから、今までワンセグではどうも見えなかったなというところまで見えるようになって、なるほどという人が増えるんだろうと期待をいたします。
 しかし、残念ながら、このスカイツリーで長野まで届くことはできないんですね。私ども長野は山の多いところでございまして、そしてデジタル難視が非常に多いんです。それを解消するためには、山を越え谷を越え、ようやくたどり着いた部落に三軒しかないようなところに中継アンテナを立てるかというと、なかなかそれも難しくなってまいります。そういう意味で、衛星対策その他恒久対策を期待はするものの、私は、一九九九年、二〇〇〇年のあの問題等を担当する郵政総括政務次官というのをやりまして、それから、郵政総括政務次官三期やってから総務副大臣という仕事をさせていただきまして、皆さんと一緒の仕事をしたんですが、そのときの言ったことの責任をやはり自分は取らなきゃいかぬのじゃないかと、こう思っているんですね。
 そのころ、デジタルを推進するについて何を宣伝文句に使っていたかといいますと、デジタル化をすることによってすっきり、はっきり、くっきり見えると、そして、移動体に強いデジタル放送と、こう言ったんですね。当時はフルセグメントの十二セグメントで放送することを当初考えておりました。しかし、物には予備があった方がいいだろうというんで、十三セグメントの割当てをしました。その後、技術開発が進みまして、ワンセグメント余った部分で放送もやろうということで、ワンセグメント放送というのが今できているわけですね。これが結構便利でございまして、これが最近、携帯その他でも、カーナビでも受信できる。非常に活用されています。
 ところが、我が長野県を走りますと、高速道路で南北二百キロもある長野県を走りますと、そこらじゅうで見えないところだらけ。残念ながら、バスに乗って、今皆さん、ザーザーザーザー雨が降りますよね、このテレビがデジタル化すればすっきり、はっきり、くっきり見えるんですよと。ごろはいいんですけれども、今見てみると全然見えないところだらけ。突然顔の一部がゆがんで、お化けのような顔になったままフリーズしてしまって、画面はその状態で、トンネルを抜けたらまた見えたかと思ったら、トンネルもないのにまた見えない、こんな状況が続くわけです。
 私は、二十四年三月末に被災三県を除いてデジタル放送の切替えは完了しましたという報告を時々聞きます。テレビ局の方もいらっしゃいます。そのときにいつも言うんですが、いや、完了していませんよ、まだ難視聴対策がたくさん残っています、やはりこれは、前のアナログで見えた地域は少なくとも見えるようにしなければデジタル化完了とは言えませんよねと。ギャップフィラーと呼ぶような中継アンテナをもっといっぱい立てて、少なくとも国道沿い、少なくとも高速道路の沿線、あるいは主要幹線の鉄道、そういった沿線においてはデジタルで自分が持っているポータブルな受信機に映像が映るようにしてもらいたいなと。これが災害対策にも大きな効果を発揮するし、また日本の文化のなお一層の発信にもつながる、コンテンツの普及にもつながる。これからいろんなコンテンツを開発してビジネスを振興していかなきゃいけません。その中には、今、私は文化伝統調査会会長というのもやっておるんですが、日本の伝統文化を推進しなきゃいかぬと、こうも思います。
 橘政務官、橘政務官は万葉博士でいらっしゃる。衆議院の総務委員会では度々披露されていると聞きました。放送文化の貢献のためにも、やはり日本の古来の文化をここで御披露いただいてみようかと。参議院においても一首詠んでいただけませんか。
#85
○大臣政務官(橘慶一郎君) 事前に通告された場合にはしっかり歌も決めて詠むんですけれども、やらせていただくんですが、先ほどちょっと耳打ちされておりましたので、慌てて、頭の中にある万葉集を一首詠ませていただきたいと思います。
 放送とのかかわりでありますが、今はちょっと番組は休止しているんですが、NHKでつい先ごろまで「日めくり万葉集」ということで一日一回五分ずつの番組、万葉集の番組をやっていたわけでありまして、放送とも非常にかかわりがあるということでありまして、お許しをいただいて。
 巻の十七になるかと思いますが、山の話がございました。立山の雪解け水で川が大変増水していて、馬でそこを渡ろうとしたらあぶみに水が付いたという歌を一つ詠ませていただきます。
 立山の雪し消らしも延槻の川の渡り瀬鐙つかすも
 どうもありがとうございました。
#86
○委員長(松あきら君) 橘政務官、ありがとうございました。
#87
○小坂憲次君 なかなか、やっぱり詠み方も違いますね。川の話が出て、あぶみまでつかったと。川が増水すると大変ですよね。これ災害につながります。じゃ、ここで本来に戻りましょう。
 消防救急無線、また防災行政無線のデジタル化、今回の電波法の改正の議題でございます。この電波法の改正の頭に、現に設置されているというのが今回のこの消防救急無線、防災行政無線のデジタル化に際して市町村の補助をするスキームの原則でございます。この現に設置されているアナログの機器をデジタル化する、そのためには百五十、四百の防災行政無線、あるいは百五十の消防救急無線、これを移行することによって電波の有効活用ができる、結構なことでございます。しかし、これにはメリット、デメリットあるはずでございます。
 デジタル化することによるメリット、それはデータが一緒に送れるようになる、あるいは、準動画という表現を使っているようですが、簡易な動画、非常に滑らかな動画ではないかもしれないけれども動画情報も送れるようになる、そして音声も明瞭になるだろうと、こういうことでございますが、このデータ通信はいろんな活用方法があると思います。後に指摘したいと思います。
 また、デメリットもあると。デジタル化することによって電池の消費量が非常に大きくなりますので、ポータブルの通信機については電池容量を増すとか、あるいは、増せば少し重くなりますが、当然その影響で大型化、大型というよりも少しサイズが大きくなる、こういったデメリットもあるかもしれません。
 こういったメリット、デメリットあるんでございますけれども、まず、先ほどもちょっと質問が出ていたし、衆議院の方でも既に質問が出ているようでございますけれども、この消防救急無線のデジタル化は二十八年五月までに終わるということになっております。現在の消防救急無線、使っている対象の消防本部は、もう一方の施策で広域化を推進をしております。広域化を推進しながら、同時に一方では二十八年の五月までにデジタル化を終わると。広域化は二十九年末でございますから、そこに若干時間の差もございます。
 一生懸命デジタル化したら、今度は広域化して、今度範囲が変わってまた別の枠組みでやらなきゃいかぬ、こういう二重投資あるいは二重負担のようなことにならないように、無線機ですから、チャンネルは共通のチャンネルあるんで、それでできるではないかというのもあるかもしれない。しかし、どういうスペックでつくるかによりますが、そういったデメリットも考えられますが、これに対して、こういった問題は認識をされていると思います。どのような対策を考えていらっしゃるでしょうか、担当の方から御回答願います。
#88
○政府参考人(市橋保彦君) ただいま御指摘ございました消防救急無線のデジタル化、これは通信基盤強化のために平成二十八年五月を期限として推進しております。また一方で、消防の広域化につきましては、消防体制の確立や消防力の拡充のために、現在、平成三十年四月一日を期限として推進しているところでございます。この二つの施策、お互いに独立した施策でございますけれども、共に消防体制を強化していくという意味で非常に重要な施策でございまして、できるだけ相互に、共に速やかに進めるよう努力をしているところでございます。
 また、御指摘がございました、広域化によりまして整備したデジタル化が手戻りが生じてしまうということは非常に無駄につながるわけでございまして、そういう広域化を計画しているような、それが具体化しているような団体につきましては、それを見極めながら整備を進めていくというふうなことで、そういう留意点につきましても助言をしているところでございます。
#89
○小坂憲次君 当然のことかもしれません。財政力の弱い市町村がどこに今度は広域化するかということは真っ先に考えなきゃいかぬことでしょうから、短期的に財政力の弱いところから手を着けるということであればなおさらのこと、そういったところにしっかり目配りをして調整をしていただきたいと思います。
 それで、先ほど、現に設置されているという条件が付いていると、このスキームは、現に設置されているということになりますと、今、全ての市町村は、消防救急無線と行政防災無線、全て持っているんでしょうか。この点について、まずお伺いしたいと思います。
#90
○政府参考人(市橋保彦君) お答えいたします。
 消防救急無線につきましては、消防本部が当然これは保有しているということでございます。また、今回の対象となります市町村防災行政無線、これの移動系につきましては平成二十四年三月三十一日現在で整備率八一・九%というふうに把握しているところでございます。
#91
○小坂憲次君 そうすると、片方しか整備していないというところ、すなわち、多分消防救急の方が整備率は高いんだと思うんですが、あるいは逆ですか。その場合、欠けている方を新たに、現在アナログで機器を持っているんではなくて、新たにそこにデジタルの機器を入れようとした場合、これは今回のスキームの対象になるんでしょうか。
#92
○政府参考人(吉良裕臣君) お答え申し上げます。
 今回は、消防救急無線、それから市町村防災行政無線の整備、原則どちらも市町村が整備することは整備するわけでございますが、既に一方の無線を自力でデジタル化整備を行った市町村については、残りの無線のデジタル化を行う場合には補助対象とします。
 片方のみの無線のみを整備している、今のお尋ねの件でございますが、市町村については、前提が、両方を一緒にデジタルに移行するということを前提としておりますので、片方のみ整備されている市町村についてはデジタル化が行われる場合に広げるということはなかなか困難であろうというふうに思っておりますが、その場合でも、このケースも空き周波数が出るということがありますので、検討してみたいというふうに考えておるところでございます。
#93
○小坂憲次君 そうしますと、百五十と四百の防災行政、そして消防救急の百五十、これ両方一体で二百六十に移行したときにこの補助スキームを発動するという原則で、今言われた前段はいいんです。後段の部分の、片方しか整備していないところに新たにもう片方をデジタルで整備する。これをこの費用から出すとなると、先ほどの吉川さんの質問の中での、電波法の使途の範囲にこれ入るのかという疑問とぶつかってくると思うんですが、この辺はどういうふうになるんでしょうか。
#94
○政府参考人(吉良裕臣君) 先ほど申し上げましたように、そういう面でこれを補助するのはなかなか難しいというふうになろうかと思います。
#95
○小坂憲次君 ということは、自主財源でやれ、あるいは地財措置でやれと、こういうことなんでしょうか。どうですか。
#96
○政府参考人(吉良裕臣君) 電波法上のこのスキームにはなかなか乗っかってきませんので、自治財源あるいはその他地財措置で対応するということになります。
#97
○小坂憲次君 であるならば、財政力の弱いところに対して発動するスキームですから、当然、片方が欠けていてその対象になるとすれば、財政力が弱いということになります。ですから、そういうところに対しての地財措置、これを是非とも積極的にやるということの御答弁をいただきたいと思いますが、大臣いらっしゃらないので、副大臣いかがでしょうか。
#98
○副大臣(柴山昌彦君) これは、今御指摘になられたとおり、従前の地財措置等のストラクチャーで対応しておりますので、自主努力と併せてそういったスキームを使って、きちんとした普及ができるように努力をしてまいりたいと思っております。
#99
○小坂憲次君 是非ともそのようにお願いしないと、今回こういうスキームをつくったことが不平等ということになりかねないと思います。
 あわせて、デジタル化をすることによってデータ放送ができる、データ送信ができるということでありますが、この防災行政無線の使われ方というのをまず教えていただきたいと思います。具体的にどういうふうに使われているんでしょうか。それから、整備をしていないところがあるとすれば、これはどういうふうにしてそれを代替しているんでしょうか。
#100
○政府参考人(市橋保彦君) 防災行政無線ですけれども、これは、例えば津波警報ですとか、あるいは国民保護関係の情報ですとか、そういう緊急情報を流す際に、一つは同報系といいまして、スピーカー、屋外スピーカーにつなげてそこから情報を流す、あるいは各戸の受信機、各戸に設置されている受信機から流すというふうなものもございます。それから、移動系といいまして、車両等と市町村を結んでやり取りをするというような形での使われ方もございます。
 また、防災行政無線につきましては、各市町村の方で自主的に行政情報等も流しているというふうな実態もあると把握しているところでございます。
 それから、防災行政無線を整備していない団体につきましては、これらの情報につきましては、例えば広報車による広報で対応するとか、あるいはFMですとかCATV、さらには様々なその地域の実情に合った手段を使いながら情報を伝達しているというようなことで対応しているものと把握しております。
#101
○小坂憲次君 そうすると、同報系と移動系と言いましたけれども、今回の対象は移動系が中心になるということなんでしょうか。同報系にもこれはあり得るんですか。ちょっとそこのところ、お願いします。
#102
○政府参考人(吉良裕臣君) 今回の措置は、防災行政無線の移動系でございます。
 同報系につきましては、六十メガヘルツ帯で措置することになりますので、いわゆる空きスペースができないということで、免許人の受益という意味で、六十が六十の空き地ができないということで有効利用が他に図れないということで、対象にはなっておりません。
#103
○小坂憲次君 今回の、自治体が行う業務を補助するという関係であって、国策ではない、国の方針であっても国策ではないと、だからあくまでも既存のものの移動で空きが出るというメリットを合わせ技でできるときにのみ補助するんだ、そんなことを先ほどおっしゃっていたようにも思います。
 しかし、これ、防災行政無線であっても同報系であっても、これからの、大地震災害やいろいろな過去の災害における反省を踏まえると、もっと頭を使って住民に的確に、迅速に伝える方法というのは開発していかないかぬと思いますね。
 ですから、せっかくデジタル化したんだから、手持ちの移動端末にも、少しある程度大きなディスプレーのものとか、あるいはタブレット型の端末というのだってあり得るかもしれません。そういったものを整備することによって、例えば住民の中の聾唖者に対して的確に伝える方法を開発するとか、あるいは同報系の表示板、今はほとんどが四方向にスピーカーが向いた、大きな鉄塔の上に、夕方になるとチャイム鳴らしたりしてやっているわけですね。でも、これ音が雨降ったりなんかしていると余りよく聞こえないんですよ。そこにディスプレーパネルを付けて電光表示して的確に伝えるという方法、あるいは、地方でも都市部分は街角に大きなディスプレーがあって、そこで動画を流し、音楽も流しているようなところが駅前等にいっぱいありますわね。ああいう民間のアウトドアサイン、電子系のアウトドアサインにアダプターを付けて、そこに同報の情報を緊急時は流させてもらうというようなスキームを開発するとか、いろいろ知恵を絞ればこの災害対策にも応用できるアイデアというのはあると思います。
 是非とも大臣には、そういった新たな知恵を絞って、国民の安全、安心の暮らしを守る、そんな面にICTの活用、こういったデジタル通信の活用を心掛けていただくようにお願いを申し上げておきます。
 意外と時間がたつのが早いものですから、少し先へ行かしていただきます。
 次にちょっとお話ししたいのは、今反省ということを言いましたけど、私、阪神・淡路大震災のときが自分の、災害対策、あのときは特別委員会の委員であり、理事もやっておりました。そんなことから多くの反省をあのときに得まして、災害対策基本法の改正に携わりました。
 そのときに、幾つかの議論の中でこういうことを申し上げました。阪神・淡路の反省の中で、沖に海上自衛隊の船あり、上空に海上保安庁のヘリコプターあり、陸に警察、消防がいた、それで海に流れ出ている漁船等の救助の連絡を取ろうとしたけれども、残念ながら無線系がつながっていないために直接の連絡が取れず、本部経由で連絡を取らなきゃならず、非常に対策が遅れた、これを反省して、共通周波数をつくるべきだ、こういう話をさせていただいて、その後、昨日ちょっと問い合わせたんですが、今は防災相互波というものを決めて、どの移動系の受信機にもその周波数は受信できる仕組みはあると。仕組みはあるけれども、縦割りの指令系統の中で、どこでそれを使うかという運用規定が整備されていなくて、実際には十分に活用されていないという話が返ってまいりました。
 その辺をやはりしっかりと整備するべきだと思いますが、これはやはり総務省が音頭を取っていただくと非常に進むと思います。大臣、お考えをお聞かせいただけますか。
#104
○国務大臣(新藤義孝君) 私もそのことは聞いております。ちょっと信じられないようなことなんですが、やはりそういったことが盲点になってしまったと思います。警察と消防と海保とそれぞれが隣近所にいながら、それぞれの本部を経由しないと通信ができないというようなことがあったわけであります。ですから、これはまず物理的には直したということであります。
 しかし、今先生から御指摘ありましたように、まだ運用上の課題が残っております。我々もこれ防災の、また非常時の危機管理官庁として、そういった観点よく研究してまた政府間の連携を取っていきたいと、このように思います。
#105
○小坂憲次君 もう一つ、消防団、私も総務副大臣のときに消防団の装備の充実というのを一生懸命やりました。
 阪神・淡路の反省で、あのとき、一メーター以上のバールがもう一本あったら目の前で家の下敷きになっている人の何人も助けることができただろう、残念ながら手の力ではくぎが抜けなかった、残念ながら迫ってくる火の中でおわびをしてその場を去らざるを得なかったという大変厳しい話を聞いて、その後、せめてバールなんてものは簡単に手に入るものだから、くぎ抜きのでっかいやつですね、このバールぐらいは消防の備品に加えてほしい。チェーンソーがあったらもっとたくさんの人が助けられた。そのときに、チェーンソーの売っているお店をたたいて起こして買いたくても、自分たち手持ちのお金がなく調達ができなかったという話もあって、そういったものに対応できる体制もつくってほしいと、こんな話もしました。
 最近聞く話は、自分たちの持っているいわゆるトランシーバーですね、トランシーバーは微弱電波のために十分に通達できない場合がある。これも、自分たちに与えてもらう予算の中からぎりぎりのところでみんなで協力しながら買って備えたりしたと。ところが、最近、私ども長野市の一部で、消防団の希望に従って簡易無線機を貸与して、簡易無線機で分団間の、分団内部の情報伝達を行うようにしました。これは大変に評判が良くて、もっとこういうものが早く手に入ったら、お互いの消防団、分団間の連絡、参集そして指令系がもっと円滑に行くと。是非ともこういうものを拡大してくださいと、こういうのがありました。
 現在持っている装備のデジタル化になる部分もあるかもしれません。また、持っていないものに対して、一分団五機とか十機とか、そういうトランシーバー系の簡易無線機、トランシーバーですと〇・〇一ワット、十ミリワットしか出ませんので、ですから余り届きませんが、簡易無線だと一ワットから五ワットぐらいの出力確保できますので十分に伝達できます。使い勝手のいいこういったものを、安全、安心の暮らしを守る、総務大臣も所信の中で述べておられました。そのために消防防災装備の充実を図りたい、こういった観点から、今回のスキームで仮にできないにしても、先ほどの地財措置等でこれを積極的に対策をする、こういったことについて、大臣の御決意をお聞かせいただきたい。
#106
○国務大臣(新藤義孝君) 何と申しましても、総務省の前の郵政省時代のころを御存じのことでありますし、先生の場合は、本当に実務でおやりになり、またいろんな政策をずっと自民党の中においても研究されておりましたから、極めて先ほどから傾聴に値をする御意見をちょうだいしているわけであります。もとより、私も、答えは現場にあるという言葉がありますけれども、今般も消防防災の資機材を充実させようということで用意しました。
 やはりどうしても役所は最初に自分たちでパッケージつくって、これで全国に出そうとするんです。ですから、本当に地元の声を聞いてくれと。そして、ある程度それぞれの消防団や、それから自主防災のことあります、そういうところから、うちはこれ持っているからこっちをくれとか、そういうメニューをそろえて、そこから足りないものを、また欲しいものをチョイスしてもらうような、そういう仕組みをやろうじゃないかという指示を出しましてやらせていただいております。
 今のトランシーバーの件も含めて、更に研究をしながら、また是非そういった具体的な御提案はちょうだいしたいと思っておりますけれども、我々も心掛けて装備の充実に取り組んでまいりたいと、このように思います。
#107
○小坂憲次君 ありがとうございます。さすが新藤総務大臣でございまして、明確な御答弁をいただきました。日ごろから真面目で真剣に取り組んでいただいているという私の印象ございますので、ただいまの言葉、非常に大きく受け止めさせていただきたいと思います。
 さて、デジタル移行ということでいいますと、最初にスカイツリーの話をしましたが、VHF帯がそれで空いたわけですね、七十六から九十メガヘルツと百七十から二百二十二、この最初の方をV―LOWといい、後の方をV―HIGHといって、二つの区分で移行後のこの空き地をどのように使うかということがあります。
 ここで二つ、ちょっとテーマでお話をしたいんですが、一つはいわゆるそのV―HIGH、百七十から二百二十二メガヘルツのこの空き周波数を活用した新しい試みで、スマートフォン向けのマルチメディア放送、具体的に言うとNOTTVというのがあります。このNOTTVの、二十四年の四月に開始したわけですが、このマルチメディア放送という枠組みでスタートしたこの事業には、広域専用電波利用料として、これはそのままで計算しますと、一メガヘルツ約一億円弱ですから、割当ての十四・五メガヘルツを掛けますと十三億八千万円となるわけですね。非常に高額の利用料を払わなきゃいかぬということになります。新しい試みのものがこれだけ大きな負担を覚悟しなければ立ち上がれないとなりますと、後を続く者が余り出てこなくなります。後を続く者が出ないということは、すなわち競争が促進されず、そして新たなビジネスチャンスも奪われてしまうということになります。
 こういったものについては、やはり放送であって、これは防災面でも活用は可能だと思います。そういう役割もどんどん出てくるでしょう。そういった意味からは、いわゆる特性係数という、生命、財産保護に寄与するか、あるいはあまねく受信責務を負わせるというようなことに配慮して軽減措置が図られていると。このいわゆる特性係数を適用してあげればもっと軽い負担で済む、そして後発者も出やすくなる。
 こういった軽減措置を、ニュービジネスに対してインキュベーターとして何かこの軽減措置を講じるという考えはおありでしょうか、大臣。じゃ、副大臣お願いします。
#108
○副大臣(柴山昌彦君) ありがとうございます。
 今御指摘になったV―HIGHマルチメディア放送というのは、地上アナログテレビの停波した後の周波数のうち二百七・五メガヘルツ以上二百二十二メガヘルツ以下の周波数を利用して行う携帯端末向けの放送でありまして、それで、今御指摘があったとおり、平成二十三年度のこのV―HIGHマルチメディア放送の電波利用料の負担額は約十三億円とかなり高額であることは事実であります。
 ただ、この料額については、平成二十三年度の電波利用料の見直しの際に取りまとめられました電波利用料制度に関する専門調査会基本方針における方針でありまして、地上デジタル放送に移行した後の空き周波数帯を使用する新しい免許人は、他の免許人以上に多額の費用を要する地上デジタル放送移行対策の受益に対する負担を行っているわけではないという理屈から、基本的に新たに特性係数の適用は行わないという提言、これを受けて、今御指摘になった特性係数を適用せずに料額を算定をしているわけなんですね。
 ただ、平成二十六年度から適用する次の電波利用料の在り方については、今年の三月から電波利用料の見直しに関する検討会を開催しております、先ほど大臣から御説明がありました。その中で、こういった新規参入事業者に適用する電波利用料額の軽減措置は果たしてどうあるべきかというのがまさしく論点の一つに挙がっているところであります。この検討会におきましては、意見募集やヒアリングの際に様々な意見をいただいているところでありまして、今後、これらを十分に踏まえて、今年八月に予定している基本方針の取りまとめに向けて議論をさせていただきたいというように思っております。
#109
○小坂憲次君 是非とも、成長戦略の一環にも寄与すると思います。活性化のために少し柔軟な発想でお取り組みをいただきたい。必要があれば、その検討会のメンバーに政治家も入れてもいいんじゃないかと、こう思います。
 次に、同じくV―LOWの活用にもつながっていくかと思いますが、ラジオの強靱化ということをちょっとお話ししたいと思います。
 AMのラジオというのは、私ども子供のころから親しんでまいりました。ところが、最近聞こうと思うと、もう近隣の国の放送がやたら強力に入ってきたり、それからいろんなものが電子化されて雑音も多くなったんでしょうね、ザーザーザーザー、もう聞くに堪えない、なかなか聞こえない。聞こえるのはNHK第一だけだと、こんな場所もあるわけでございます。そういった意味から、財政力も大して強くない地方の民放、こういった放送局は、聞きにくい放送にコマーシャル出す人はいなくなりますからね、これは非常に危機に瀕すると思います。
 だけれども、それじゃ、なくしていいかというと、このAM波というのは非常に簡易な受信ができますので防災面からも非常に役に立つと思いますから、そして、ここをもし停波してしまえば外国が割り込んでくるだけですからね。だからここは維持していかなきゃいかぬ。それはまさに国策だと思います。
 そういった意味で、このローカルのラジオ放送、AM放送を、これは大都市であろうとローカルであろうと同じなんですけれども、こういった難視聴対策といいますか、その部分をFM波を使ってやったらいいという話は以前からあるんですね。多分これも検討されているでしょう、大臣の諮問機関等では。私もですけれども、是非ともそれは進めるべきだという意味で、応援も含めてここで今お話をしているわけですが、是非とも御検討いただきたい。
 その中で、できれば、今どの受信機にも入っている七十六から九十メガヘルツの間で割り振ることができれば、そういう地域はそれでやっていただきたいが、それで駄目ならば、いわゆるV―LOWの活用ということも考えてもいいんじゃないかと、こう考えておりまして、その辺に対して、災害のセーフティーネットという意味合いも含めて、ラジオの強靱化ということについて大臣の御見解を伺いたいと思います。
#110
○委員長(松あきら君) 時間が来ておりますので、答弁は簡潔によろしくお願いいたします。
#111
○国務大臣(新藤義孝君) はい。
 まさに御指摘のとおりでございまして、私、今般、放送ネットワークの強靱化に関する検討会というのを立ち上げさせていただきました。そして、地デジ化によって空いた周波数の一部でありますV―LOWをどのように使うか、これは、AMのFM放送です、それからコミュニティー放送ですとか、そういったものを入れて有効活用していこうと。特にAMは、これは確実に維持していかないと、安全保障上の問題もございますから、そういった観点から様々な御検討をいただき、もう少しでまとめるところでございます。
 今委員がおっしゃっていただいたような、そのような方向も盛り込ませていただいておりますから、まず報告書を得て、それを実現方に向けて取り組んでまいりたいと、このように思います。
#112
○小坂憲次君 以上で終わります。
    ─────────────
#113
○委員長(松あきら君) この際、委員の異動について御報告をいたします。
 本日、衛藤晟一君が委員を辞任され、その補欠として宇都隆史君が選任されました。
    ─────────────
#114
○木庭健太郎君 よろしくお願いいたします。
   〔委員長退席、理事山本順三君着席〕
 本法律案は、市町村の防災行政無線、消防救急無線のデジタル化整備について、電波利用料を財源とした補助を可能にしようというものでございまして、私たち公明党としても、昨年、政策集のポリシー二〇一二の中で、デジタル式防災行政無線システムの整備、向上に取り組むということを訴え続けさせていただいておりまして、是非災害時に国民の命を守るこの情報伝達システムの整備について積極的に推進しようという立場でございまして、賛成という立場で質問をさせていただきたいと思うわけでございます。
 東日本大震災、携帯電話等が使えない状況の中で、この防災行政無線が言わば唯一の情報伝達システムとして機能し、多くの命を救った地域もありました。また、消防防災無線は災害救助活動に大いに役立ったところでございます。しかしその一方で、様々な課題もあの東日本大震災で明らかとなっております。
 例えば、防災行政無線では、音声がなかなか聞き取れないこと、無線設備そのものが崩壊してしまった。南三陸町でございましたか、津波の到達まで防災無線で避難の呼びかけを続けて命を落とされた女性職員がいたことも大きく報じられました。この無線を扱う自治体職員の安全確保についても大きな課題があるんだなということを感じました。
 また、その一方で、消防救急無線の方ですが、他県から応援に駆け付けた緊急消防援助隊の無線がその被災地の無線と混信とかふくそうを起こしてしまったというような指摘もございました。
 こういった東日本大震災における反省を踏まえて、総務省は自治体等が設置する無線についていかなる対策をこれまで講じてこられたか教えていただきたいし、また、今回の改正により進む市町村防災行政無線のデジタル化、この消防救急無線のデジタル化というのが救急時、災害時にどのようなメリットをもたらすと考えられているのか、当局からここは聞いておきたいと思います。
#115
○政府参考人(市橋保彦君) 御指摘のように、東日本大震災を契機にいたしまして、防災行政無線等が災害時の住民への情報伝達手段として非常に重要な手段であるという認識が一層高まるとともに、あわせて、耐災害性の向上や情報伝達手段の多様化等の重要性が認識されているところでございます。
   〔理事山本順三君退席、委員長着席〕
 総務省といたしましては、これまで防災行政無線等の住民への情報伝達手段の整備につきまして、防災対策事業や緊急防災・減災事業の対象として地方財政措置等を行っておりますほか、自治体に対しまして耐災害性の向上を図るよう助言しますとともに、住民への情報伝達手段の多様化実証実験を行いまして、多様化に関する自治体向けの災害情報伝達手段の整備に関する手引を取りまとめたところでございます。
 また、今回の施策の実施によりまして、ただいまお願いしております施策の実施によりまして、防災行政無線、消防救急無線のデジタル化が行われますと、防災、消防、救急活動におきまして通信の秘匿性の向上、データ伝送などが可能となりまして、災害時における適切な対応等が可能となるなどのメリットがあるというふうに認識しているところでございます。
 今後とも、自治体が地域の実情に応じまして住民に的確に防災情報を伝達できるよう、引き続き支援してまいりたいというふうに考えております。
#116
○木庭健太郎君 結局、この市町村防災行政無線のデジタル化というのが今回できる限り早期に、また、消防救急無線のデジタル化の方は、先ほど御指摘があったとおり、平成二十八年五月までに行うというのが国の方針だとしていると。ただ、もう先ほどから何回もいろんな指摘があっておりますが、結局、地方自治体、厳しい財政状況ですから、その中でデジタル化に遅れが生じていると。
 これまで、国は一応デジタル化へのこういう期限に向けて、防災・減災の観点から補助金とか地方債の措置において財政支援を行ってきたわけですね。例えば、平成二十三年度の三次補正予算においては、消防防災通信基盤施設整備費補助金、これ百四十三億円ですね。それから、緊急消防援助隊の消防救急無線のデジタル化については、平成二十四年度の補正予算で六十一億円、また平成二十五年度の当初予算でも四億円が措置されているわけです。国、こう一生懸命いろんな財政措置をしてきたわけですが、なかなかこれ難しいところも出ていると。
 じゃ、今回、この法改正によって可能になるという補助事業はこれまでの支援とどのように異なるのかと。つまり、地方自治体にとってみてどういう、この法改正による、これを使うことがメリットがあって、より促進することができるのかと。そういった視点について、地方自治体から見てどうなんだということをちょっと説明をしていただきたいんですよね。
#117
○政府参考人(吉良裕臣君) お答え申し上げます。
 現在、消防庁にあります緊急消防援助隊設備整備費補助金につきましては、地域の消防本部等が整備する消防救急無線のデジタル化整備のうちの、複数の地域で共通に消防救急活動が行われる共通波のみの部分の整備を支援するものを対象にして実施するものでございます。
 他方、今回の支援措置というのは、周波数再編の着実な実施による空き周波数の確保を目的とするということで、百五十メガヘルツ帯と四百メガヘルツ帯を使用する市町村防災行政無線と百五十メガヘルツ帯を使用する消防救急無線を一体的にデジタル化して二百六十メガヘルツ帯に移行する設備の整備を支援するというものでございまして、このように、この違いというのは、消防救急無線のデジタル化整備のうちの共通波のみの部分と防災行政無線を含めたデジタル化一体の整備を対象にしたものでございまして、ちょっと目的と範囲が異なるということでございます。
 ただ、先生おっしゃる、自治体についてどうかということでございますが、これにつきましては、いずれにしても防災関係の体制を整備するということには間違いありませんが、本来これは地方自治体が自助努力によってやるべきものですが、それを消防関係の補助金だとか、あるいは、電波の場合には受益ということが非常に、無線局全体の受益ということが重要になりますので、そのスキームの中に入らにゃいかぬということがありますので、それを併せて防災対策の体制をつくるということでございます。
#118
○木庭健太郎君 その辺がなかなか進んでいかない難しさを抱えたところだというふうに思うんですが、私はもう一つ、もちろん国が補助金を出すだけでは、やはりこういったものを本当に進めていくためには限界があるような気がします。実際にそのデジタル化を推進しようと思えば、自治体の現場ではどんなことをするかというと、電波が伝わるかどうかの確認を行って、計画を立てて設計、設備を進めていくと、こんなこともやっていく必要があります。
 この消防救急無線のデジタル化については、総務省の消防庁が各地の消防本部向けに、アドバイザー派遣事業とか整備マニュアルの策定とか、都道府県を通じた各種助言などを行うような制度があるわけですよね。言わばそういったことで事務負担の軽減ということにこちらは努めていると。これに対して、市町村の防災行政無線のデジタル化について何かサポート体制がどうなっているのかというのがさっぱり分からないんですが、この辺についてもきちんとしたやっぱり取組をしてあげなければ、それは実際やろうとしてもなかなか難しい面があると思うんですが、この辺がどうなっているかを伺いたいと思うんです。
 それとともに、もう一つ聞いておきたいのは、既にデジタル化の整備済みをしている自治体も実際あるわけであって、そこはそれなりに自治体のノウハウを持っていると。それは、ある意味ではデジタル化だけの問題じゃなくて、総合的に創意工夫で緊急時の情報伝達体制をしいているという、そういうところもあるわけですから、そういった、ある意味では成功事例をどう知ってもらうかということも有効だと思うんです。
 これ、二十三年度の三次補正予算を見ますと、総務省において、住民への災害情報の伝達手段を多様化するため、災害に強く、他の通信手段も併用した防災行政無線の実証実験を各地で実施して、当初計画によれば、今年三月にも実験の成果を加味した推奨仕様書を策定すると、こうあるんですが、これどうなっているかも併せてちょっと答弁してください。
#119
○政府参考人(市橋保彦君) ただいま御指摘のように、防災行政無線のデジタル化に当たりましては、財政支援のみならず、技術、運用面でも支援していくことが重要であるというふうに考えております。
 昨年度は、地方公共団体における災害情報等の伝達の在り方等に関する検討会、これを開催いたしまして、整備すべき情報伝達手段の内容や訓練、点検等の管理について、基本的な考え方について報告書をまとめ、地方公共団体に提供したところでございます。
 また、サポートということでは、今年度、平成二十五年度の予算では、防災行政無線のデジタル化も含めまして、各地方公共団体の住民への情報伝達手段の整備を支援するために、当該地方公共団体に適切なアドバイスを行う専門家の派遣を行う多様化アドバイザーの予算も計上しておりまして、これも活用可能というふうに考えております。
 また、委員から御指摘いただきました住民への情報伝達手段の多様化実証実験につきましては、既に自治体向けに災害情報伝達手段の整備に関する推奨仕様書、これは手引でございますけれども、これを作成し、広く公表しているところでございまして、また、この中で、他の団体におきましても導入可能な事例も紹介をしているところでございます。
 今後とも、自治体が地域の実情に応じまして住民に的確に防災情報を伝達できるよう、引き続きしっかりと支援してまいりたいというふうに考えております。
#120
○木庭健太郎君 そのサポート体制のことを地方自治体も余りよく認識されていなくて、実際やろうとしたときに、どういった手段というようなことで、もっと的確なアドバイスは受けられないかなという声を実際現場から聞いているんですが、どう徹底されているんですかね、その辺。
#121
○政府参考人(市橋保彦君) ただいま申し上げましたように、防災行政無線につきましても今年度の事業からこういうアドバイザー制度というふうなものを行うことといたしたところでございまして、これにつきましては、しっかりと地方公共団体の方にこういう制度があるんだということを周知してまいりたいというふうに考えております。
#122
○木庭健太郎君 是非しっかりそういうことも伝えていただかないと、放置された形の中でさあやれと言われてもね。その辺は是非取り組んでいただきたいと、このように思います。
 もう一つは、これ昨年春の総務省が開催した電波有効利用の促進に関する検討会では、この市町村防災行政無線、消防救急無線のデジタル化に対する電波利用料の活用ということが議論をされたとお伺いしています。ただ、その電波利用料による国からの補助という問題について、これは意見としてこういう、自治体等による自力整備がかえって進まなくなるモラルハザードが生じるのではないかといった懸念もあったというようなことも聞いています。私はそうでないような気もするんですが、まあそういう意見もあったと。したがって、二十五年度の事業が財政力の弱い市町村を優先して補助することとしたというのはこういう背景があったからだというふうにお伺いはしております。
 しかし、同じ検討会の中で、整備を一生懸命先行した自治体もあるわけですね、こういったところにも合理的な説明が必要だという見解が座長からも示されているわけでございます。確かに、独自に知恵を絞ることでデジタル化を果たした自治体も存在するわけであって、こうした自治体にとっては今回の補助について少し不公平感を感じているようなところがあるんじゃないかと思うんですが、こういった、総務大臣、デジタル化済みの自治体に対してきちんとやっぱりその辺の説明はしてやった方がいいんじゃないかと思いますが、いかがでしょうか。
#123
○国務大臣(新藤義孝君) それは誠にごもっともな話だと思うんです。既に努力をして、厳しい財政事情の中から先進的におやりになってきた、こういう自治体の皆さんのことは私も大いに敬意を表したいと、このように思います。
 そして、したがいまして、今回の施策は真に必要な市町村、そして財政力の弱い市町村、こういったものを優先的に補助金を交付しましょうということにしました。それから、安易な整備とならないように全額補助はしないわけであります。この必要な費用の二分の一の補助ということになります。それから、支援の在り方や予算規模につきましては、これは三年ごとに電波利用料本体そのものが見直しがされますから、その見直しの対象となるということであります。そして、各年度で予算編成過程において財政当局も含めた査定を受けると。
 こういう中で、私どもも、モラルハザードですとかそれから自助努力のインセンティブの低下、こういったものが生じないようにしたいと思いますし、先行して整備していただいた自治体にはきちんとそれを、我々は敬意を表するということを伝えなきゃいけないと、このように思います。
#124
○木庭健太郎君 是非そこはよろしくお願いをしておきたいと思います。
 もう一つは、やっぱり市町村がなかなか思い切ってやれないという理由の一つは、整備の費用ももちろん掛かります。でも、もう一つは、これやると、無線の維持管理費、いわゆるランニングコストの問題が大変重荷になってくると。
 鹿児島市が防災行政無線デジタル化整備基本計画というのを、これ二十三年三月なんですが、作っているんですが、これを見ると分かりやすいんですが、デジタル化後の防災行政無線のランニングコスト、これは国に対する電波利用料の支払も含めて年間で大体三千万円に上ると。地方自治体にとってみると結構これらは大きな額でございまして、もちろん地方自治体の防災行政無線に電波利用料の半額が免除されているとかそういう仕組みもあるんですが、やはりこのランニングコストについて何か措置はできないものなのかなという気もするんですが、この辺についての見解を伺っておきたいと思います。
#125
○政府参考人(市橋保彦君) 無線の維持管理経費についてでございますけれども、これにつきましては、例えば防災行政無線の電波利用料ですとか、消防救急無線、防災行政無線の修繕費などにつきまして、普通交付税に算入するなど、それぞれの経費ごとに措置を講じているところでございます。
 また、整備した後の維持管理経費の問題というのは重要な問題でございまして、それをいかに低廉化するかということにつきましては、保守契約の内容の工夫等によりまして低廉化も可能である面もあろうというふうに考えられますことから、消防救急無線につきましては、技術的知見を有する専門家をアドバイザーとして派遣する際に、その保守契約費の低廉化などにつきましても助言をいただいているところでございます。
 また、先ほど申し上げました今年度から実施いたしますアドバイザーの派遣、これによりましても、防災行政無線を含めた情報伝達システム全体の維持管理経費の低減化が図られるよう、これを通じて取り組んでまいりたいというふうに考えております。
#126
○木庭健太郎君 最後に大臣に。
 間違いなくこれをやっていけば、画像が送れてみたりとかいろんなものが進んでみたりとか、メリットも大きいことも事実でございまして、したがって、やっぱり国がやるべき問題は、もちろんこういったデジタル無線の整備支援、もちろんこれはやっていただきたい。でも、それ以上に、自治体がこれをきちんと使いこなせるように、そういったところにもやっぱり目配り、気配りをしていただいて、まさに自治体がこれを完全にできるような形で是非サポートをするように、大臣の決意を伺って、私は質問を終わりたいと思います。
#127
○国務大臣(新藤義孝君) これは、デジタル化のメリットを最大に生かしていただく、それは国民の命を守ることにつながるわけであります。ですから、その重要性を自治体とともに我々は共有をしていきたいと思います。
 それから、やはり大事なことは訓練なんです。訓練でできないことは本番でできません。ですから、特に広域化を進める際に、それぞれの持っておる無線を広域化する場合にはセッティングを変えなきゃいけないんです。それは、理屈で分かっていても現場でやっていなければ意味がありません。それでは、私も自分で行ったことありますが、例えば広域の防災訓練のときにそういったことが行われているんだろうかというようなこともございます。やっているところもあればやっていないところもあると思います。ですから、現場においてきちんとこれが運用できるような、そういう実践的な訓練もやっていただけるように、そういったことも含めて各自治体にお願いと御連絡をしていこうと思っています。
#128
○木庭健太郎君 終わります。ありがとうございました。
#129
○寺田典城君 みんなの党は賛成の立場で質問させていただきますが、通告しておりませんけれども、新藤大臣に、今回、周波数のオークションが導入されなかった理由はなぜであるかと。欧米諸国それからアジアでは、欧米諸国はほとんど導入していますし、アジアではモンゴルと北朝鮮と日本を除いてみんな導入しているような形になっているんですね。それをどうお考えになっていますか、ひとつ教えてください。
#130
○国務大臣(新藤義孝君) これは、周波数のオークションについてはいろんな議論がございます。民主党さんの方からそれに対する法案も出されておるわけでありますが、メリット、デメリットを整理いたしますと、かいつまんで申しますと、この周波数割当ての手続の透明性や迅速性、こういった確保のメリットがございます。一方で、高額な落札額の支払によるその後の事業への支障のおそれ、それから資金力のある事業者が大部分の周波数を落札することによる公正競争上の問題、それから安全保障上の問題ですとか、こういったことも危惧がされております。
 ですから、私は、周波数のオークションについては、これをやるやらないも含めて、もっと幅広い議論が引き続き必要だという観点から、今回、私は導入を図るような法案は提出いたしませんと、既に今まで出して廃案になったものは、これはそのまま使いませんと、こういうことで判断をしたわけでございます。
#131
○寺田典城君 先送りしたというような形のようなんですが。
 それで、本題に移りますけれども、この消防救急等のデジタル化というのは約二十年ぐらい前から、私ら市役所時代から検討していることなんですが、二〇〇五年にはデジタル化完全移行というのに、なぜここまで、そのデジタル化が進んでいない理由は何でしょうかね。消防庁長官に。
#132
○政府参考人(岡崎浩巳君) 大きく分けると二つございまして、消防救急無線につきましては、二十四年度末現在でまだ四〇・六%の消防本部がデジタル整備に着手したところだということは確かでございます。ただ、全ての自治体が二十七年度までの整備に着手して期限までにデジタル化を進めるとしております。また、もう一つ、防災行政無線につきましては、大体、機器の更新時期に合わせてデジタル化を行っているということもありまして、二十四年度末現在で全体の三七・六%がデジタル化に着手をしております。
 こうした消防救急無線などのデジタル化がなかなか一気に進まない理由といたしましては、各自治体の財政事情というのがまずあろうかと思います。それから、機器の更新のタイミングというふうな問題、さらには消防の広域化等の関連などがございまして、そういう諸条件の中で各団体がいろいろ苦心しながら整備計画を立てているという状況だと理解いたしております。
#133
○寺田典城君 全国の防災行政無線、今回平成二十八年まで実行するんですが、消防救急無線、費用はどの程度掛かりますか。短く答えてください。
#134
○政府参考人(岡崎浩巳君) できるだけ短く答えます。
 まず、防災行政無線につきまして、個別の集計がしていませんので、単純に標準的な団体の整備費を全ての団体に掛けるという大まかな試算をしますと、二十五年度以降、大体約二千八百億円掛かると試算をいたしております。それから、消防救急無線につきましては、各消防本部のヒアリングに基づいて推計しますと、今後約千六百億円余というふうに推計をいたしております。
#135
○寺田典城君 それは都道府県も入っていますか。
#136
○政府参考人(岡崎浩巳君) 消防救急無線については、市町村の消防本部だけでございます。
#137
○寺田典城君 そうすると、四、五千億、もっと超えるというような形で、これは生命、財産を守るということで必要な予算でしょうけれども、国もその関連事業として、防災対策事業費として交付税算入が五〇%という多大な負担も伴っているわけなんですね。
 私、地方自治の経験からいくと物すごいコストが高いんですよ、これ。県庁知事時代も何割か削ったことがあるんですが、総務省から来た事務方が頭抱えておったこともあるんですよ。それ以上こういうことで突っ込まないんですが、平成十七年には、何というんですか、防災無線設備工事等で談合問題が提訴されていると、こういうこともありますね。
 そういうことで、総務省として、費用を極力抑制するためにどのような工夫なされているか、これひとつお答えになっていただきたいと。防災行政無線の取扱いの会社は九社しかいないし、そのうち、何というんですか、消防救急無線を扱っているのは五社なんですよ。非常にそういう自由に競争できる社会でもないようなんで、その辺はどう考えていらっしゃいますか。
#138
○政府参考人(岡崎浩巳君) 確かに整備費用の抑制というのは大変重要な問題だと思います。
 例えば、防災行政無線なり消防救急無線の費用抑制の方策として、既設の施設、例えば既にある局舎とか鉄塔の共同利用を図るなどによりまして整備費用を大分抑制している例もございます。また、消防救急無線のデジタル化を複数の消防本部で共同整備することによりまして整備費用がかなり大幅に抑制できるというような例もございますので、消防救急無線のデジタル化を進める上で、消防本部からの要望等を踏まえまして、技術的、財政的な、確かに専門的な面がありますので、そういう面から個別相談を行うようなアドバイザーを派遣したりして、できるだけ整備費用の抑制について助言を行っているというような努力をいたしているところでございます。
 引き続き、滞りなくデジタルに移行するように最大限支援してまいりたいと思っております。
#139
○寺田典城君 デジタル移行はしていかなきゃならぬことですから、それは支援してというか協力して進めることなんですが、例えばメンテナンス費用でも、何というんですか、設備費用の約五%ぐらいメンテナンスも掛かるという、年間ですね、非常にこれは、なぜこんな高コスト。それから、消防というマル適マーク付くとみんなコストが高いんですよ。その辺、どう考えていますか。
#140
○政府参考人(岡崎浩巳君) やはり整備する以上しっかりしたものにしなきゃいけないという要請もございますので、先生御指摘の設置費及び維持費のできるだけ軽減に努力しながら、きちんとしたものをつくっていくようにしたいと思っております。
#141
○寺田典城君 ここに全国の消防協会の会長さん、片山さんもいらっしゃいますけれども、にこにこ笑っていらっしゃるのでこれ以上私は聞きませんけどね。
 私の県庁時代、非常に地方なんて財政も厳しいものですから、大事なお金の使い方しようということで、ヤドカリ予算というのを付けたことあるんですよ、ヤドカリというような。それで、これは吉良局長に聞きたいんですが、今回の防災行政無線、それから消防救急無線、公的機関が使用している各種無線システムのインフラの共有化というんですか、先ほどちょっとありましたけれども、その例を承知しているか。
 それから、電波行政をつかさどる総務省として、そういう点ではヤドカリ予算、それを徹底して進めていくつもりがあるのか。その辺をどう考えていますか。
#142
○政府参考人(吉良裕臣君) 公的機関が使用している各種無線の鉄塔等を共用している例としましては、防災行政無線に使用している鉄塔に消防救急無線の設備を設置している例があります。それから、国土交通省の鉄塔とか局舎に都道府県の水防無線の設備を設置している例もあります。それから、消防本部と消防救急無線の基地局との間の通信のために防災行政無線の回線を使用しているというような例もございます。
 無線局の整備方針につきましては、これ設備の予定者が判断するものでございますが、無線設備の整備費用の抑制の観点からは、施設の共用というのは大変有効な方策だというふうに考えております。総務省としては、整備の予定者から共用化を含めて無線局整備計画につきまして相談があった場合には、目的等も踏まえて助言していくということでございます。
#143
○寺田典城君 簡単な言い方します。
 アベノミクスは、財政健全化なくしてアベノミクスというのは途中で頓挫してしまいますよ。だから、そういう点では、今、日本の財政というのはいかに逼迫しているかということはお分かりだと思うんですよ。
 それをつかさどる総務省が、各省庁にこれはあともううちの方で返事しないよと、ノーと突き付ける。みんな、国土交通省、農林省、厚生省、全て、警察もです、全てがみんな一本ずつ鉄塔を建てたり何かしているんです。昔は光ファイバーを全部付けて、全然使っていなかったということもあるんですね。それは、やはりそういう点では思い切った行動していただきたいと思うんで、その辺、大臣からちょっとお聞きしたいんですが。
#144
○国務大臣(新藤義孝君) それは是非取り組んでいきたいことだというふうに思います。
 何よりも工夫を、知恵を出すということでありますから、それぞれの状況があると思います。各自治体と連絡を取って、成功事例は共有しながら、またそういう心掛けについて取組を図っていきたいと、このように思っております。
#145
○寺田典城君 とにかく、ヤドカリ予算は実行をしていただきたいなと思います。
 それから、今年の三月から四月の間に総務省が行いました電波利用料の見直しに関する意見募集において、テレビ放送の電波利用は安過ぎるという意見、そういう人はどの程度あったのか。パブリックコメントとして七百十二者から回答があったそうなんですが、百件は事業者からあったそうなんですが、その辺はどうなんでしょう。
#146
○政府参考人(吉良裕臣君) 本年三月六日から四月五日の間実施しました意見募集におきましては、電気通信事業者、それから放送事業者のほか個人の方々から合計七百十二件の意見をいただいたところでございます。
 うち、個人からの意見が六百二十件ということでございまして、このうちテレビ放送局の電波利用料が安過ぎるという趣旨の御意見は合計で約五百件ありました。大部分が個人からの意見ということでちょうだいいたしております。
#147
○寺田典城君 有限な資産です。ひとつ国民の声もしっかり聞いていただきたいと思いますし、携帯電話の持っている方々は一人利用料二百円も払っていることなんで、そういう国民の声もよくお聞きになっていただきたいと思います。
 私、時間でございますので、以上でございます。
#148
○主濱了君 生活の党の主濱了であります。
 早速質問に入りたいと思います。
 防災行政無線や消防救急無線のデジタル化に伴う電波帯の移行により、百五十と四百、この帯が空くことになるわけでありますけれども、この空けた電波帯、そこをもう既に特定の用途に決まっているのかどうか、これについてまず伺いたいと思います。
#149
○国務大臣(新藤義孝君) アナログ方式の防災行政無線や消防救急無線が使用している百五十メガヘルツ帯及び四百メガヘルツ帯は、デジタル化によって合計約三・四メガヘルツ分が空き地となります。他の用途への割当てが可能になるわけです。そして、これらの周波数帯には、列車無線、電気事業用無線等に集中使用している帯域でございます。周波数の余裕がない中で通信チャンネルの増加等の高度化の要望に十分こたえられないと、こういったものもありまして、跡地はこれらの業務用無線への有効活用が可能となるというふうに考えております。
 跡地利用につきましては、業務用移動通信全体の電波の有効利用方策や需要動向に関しまして情報通信審議会で御審議をいただいております。その審議状況を踏まえた上で検討していきたいと、このように考えています。
#150
○主濱了君 先ほど木庭委員からもお話ありましたけれども、消防救急無線のアナログの終期であります平成二十八年五月三十一日、これはもう国が決めたことなわけですけれども、確実にアナログからデジタルへ移行させるためにも、移行費用については地財措置などを活用して国が可能な限り補填するべきではないだろうかと、こういうふうに考えているわけですが、いかがでしょうか。
#151
○国務大臣(新藤義孝君) これは、これまで国庫補助金や地方財政の措置によって支援を実施してきたわけであります。そしてさらに、この平成二十五年度から今回お願いしております電波利用財源による措置を講じて消防救急無線のデジタル化を加速していきたいと、このように考えているわけであります。
 今後、一層綿密な地方公共団体、消防本部との連携協力、そしてしっかりとしたデジタル化が加速できるように我々も取り組んでまいりたいと、このように考えております。
#152
○主濱了君 防災行政無線それから消防救急無線デジタル化に伴う電波帯の移行費用、いわゆる引っ越し費用ですよね、この引っ越し代を、昔、七百とか九百メガヘルツに割当てをしたときには移行後の跡地電波帯を利用する者にその費用を負担させたと、こういったようなことがあったかというふうに思うんですが、今回も同様に、そういうふうな引っ越し代をそういう跡地の電波帯を利用する人に負担させるということについて御検討があったのかどうか、その辺を伺いたいと思います。
#153
○大臣政務官(橘慶一郎君) お答え申し上げます。
 今ほど主濱委員からお話がありましたように、さきの七百、九百メガヘルツ帯の割当ての際には、既存システムが使用している周波数帯の跡地を携帯電話事業者が使用することが決定しておりまして、この携帯電話事業者が当該システムの移行に要する費用、いわゆる引っ越し費用を終了促進措置ということで負担をいただくという形を取ったわけであります。
 しかし、今回の防災行政無線、消防救急無線のアナログからデジタルへの周波数帯の移行につきまして、移行後の跡地については、先ほど新藤大臣からもお話ありましたように、鉄道用あるいは電力用等の業務用無線の方々でどなたがここを使われるかということは今後検討していくことになるわけであります。電波利用者全体の受益に資するように、そういった業務用無線をお使いになっている方々の中から今後割当て案ということを検討していくことになるものでありますから、したがいまして、本施策につきましては、移行後の跡地を利用する者に負担させるのではなくて、電波利用料財源によりましてこの措置をしていこうと、このように考えるわけであります。
#154
○主濱了君 ちょっとこれ質問通告していないで大変恐縮なんですけれども、今回は百五十あるいは四百から二百六十に移るわけでありますよね。そうした場合に、今、百五十とか四百については今後新たな利用が決まってくるわけですが、移り先の二百六十というのは今度はラッシュアワーになりませんかと、こういうことなんですけれども。そこに全部この消防なり救急なり、あるいは防災行政無線なりが移っていくわけですから、そっちがラッシュアワーになりませんかと、こういうふうなちょっと疑問を感じたんですが、いかがでしょうか。
#155
○政府参考人(吉良裕臣君) 引っ越し先の二百六十メガヘルツ帯につきましては、これデジタル化されるわけです。したがって、圧縮技術とか何かいろんな技術を用いてやるわけですが、それで必要な周波数帯はちゃんと確保はしているところでございます。
#156
○主濱了君 それじゃ、ちょっと話題を変えさせていただきます。
 現在、政府の共通プラットフォームの運用が開始されておりまして、今後、順次各府省の情報システムが統合それから集約化されることになっているわけであります。一方、一昨年の東日本大震災に見られますように、巨大災害というのは想定外か想定内かはこれは別として必ずやってくると、これはもう間違いのないことであります。それで、政府の共通プラットフォームの首都圏におけるデータセンターとしての拠点のほかに、貴重かつ膨大な国民の情報や行政データを守るために、同一の災害の影響を受けないほどずっと離れたところにバックアップセンター、バックアップの拠点をつくる必要があるのではないかなと私は思うわけであります。政府において、この点についていかが対応しているか、伺いたいと思います。
#157
○国務大臣(新藤義孝君) 総務省では、政府情報システムのクラウド基盤といたしまして、本年の三月より政府共通プラットフォームの運用というものを開始いたしました。今後、各府省の情報システムを順次これに統合、集約化していく予定でございます。
 そして、今委員が御指摘されましたように、これらの貴重なデータをバックアップしておくということは、これは鉄則であります。その意味において、災害に強い強靱なシステム基盤を構築するため、これは首都圏にある拠点のほかに、平成二十六年度の運用開始を目指しておりますが、首都圏被災時に同時被災しない場所にバックアップ拠点の整備を進めております。これは東日本にまずつくろうと、このように考えておりますが、具体的な場所につきましては、これはセキュリティーにかかわることでありますから差し控えさせていただきますが、万全の体制を取りたいと、このように考えております。
#158
○主濱了君 今の政府ということで、これは本当にバックアップシステムというのはもう大変なことであります。自分自身も、大事なデータを手に持っていると時々飛ばしてしまうんですよね。後でしまったと、こう思うんですけれども、これが政府のデータでしたらもう大変なことになってしまうと、こういうことなので、その辺はしっかりと対応をお願いしたいと思います。
 次に、自治体においての問題なんですが、住民データなどを自前で保有、保管することに代えて、外部のデータセンターにおいて保有、管理し、そのネットワーク経由で利用することができるということ、そしてそれを複数の自治体が共同で利用できる自治体クラウドというものが進められていると、こういうことでございます。
 自治体クラウドについては、一つには、複数自治体による基幹業務のクラウドの導入状況、これをまず伺いたいというふうに思います。もう一つには、同様に、様々なデータセンターあると思うんですが、その地方のデータセンターのバックアップ施設の設備の整備状況、この二つについて併せて伺いたいと思います。
 データのバックアップの大切さ、自分のことを今最初にお話を申し上げたわけですけれども、この大切さというのは本当に言うまでもないことなわけであります。
 これを、一昨年三月十一日の東日本大震災の例を申し上げておきたいと思うんですが、実は岩手県ではアイシーエス、岩手コンピューターセンターと、昔はこう言っていたんですが、今はアイシーエスという株式会社組織のコンピューターセンターがありまして、アイシーエスは県内の多くの自治体、あとは東北関係の多くの自治体のシステムを手掛けていると、こういうことであります。
 三月十一日のあの大津波で特に被害の大きかった陸前高田市、この陸前高田市は四階の庁舎が全部津波にのまれてしまったと、こういう状況であります。当然、サーバー室はもう冠水をしましたし、機器類は壊滅状態、そしてストレージに保管していたデータもほぼ壊滅、喪失されたと、こういうことであります。しかしながら、陸前高田市は、そのアイシーエス内に残っておった二〇一一年二月末まで、要するに前月末までのデータを使いまして、震災から一か月程度で仮復旧にこぎ着けたと、こういうことであります。
 ちょうどこの二〇一一年というのは統一地方選挙のあった年でもあります。統一地方選挙が四月、その三月十一日の大災害であったわけですけれども、このバックアップがあることによって、岩手県ではその災害、三月十一日から六か月以内に知事選を行うことができましたし、統一地方選の中で県議会議員選挙も行うことができたと。やっぱりこれ、本当にこのバックアップシステムというのは私は大事だというふうに思っております。
 今二点申し上げましたけれども、いかがでしょうか。御答弁をお願いいたします。
#159
○国務大臣(新藤義孝君) 私たち総務省では、この自治体クラウドの導入、これを促進したいと思っています。そのクラウドによってどんな利便性が図られるか、そしてコストカットができるか、こういったものをきちんと自治体の皆さんや国民の皆さんに示していかなくてはならないと、このように思っておるわけであります。
 そして、今、現状で、複数の自治体による基幹系業務システム、このクラウド化ですね、共同活用、これが、去年の四月の一日現在の数字で恐縮でございますが、導入済み市町村が百五十団体、それから導入予定の市区町村が二百二十一団体ございます。トータルで一二%と、こういうふうになるわけであります。ですから、これで二〇%ぐらいの自治体が今検討しております。これは今後新たなサービスを明示することによって飛躍的に向上していくと、このように思っておりますし、それを働きかけていこうと思います。
 それから、クラウドというのは結局データを共有しておりますので、それそのものがバックアップになりますので、災害時の行政データのバックアップ環境というのは、これ、もちろんそれでいいとは思っていませんよ、バックアップはバックアップでやらなきゃいけないのですが、基本的にデータ同じものを共有しておけば、例えば県単位で各市町村のデータを全部お預かりするようなことになれば、それはバックアップと同じことになるのでございます。ですので、そういったことも含めて工夫していかなくてはならないと思います。
 そして、自治体のクラウドを導入するためには、業務の標準化と効率化、こういったものが必要になりますし、それができると思います。そして、これによって、別々のコンピューターを使って、そのコンピューターを維持管理し使っていく人間、人件費、それからそれにかかわる仕事がコストカットできるわけでありますから、それを時間における給料計算といいますか、時間を金額に換算した場合にはかなりのコストカットができるんではないかと、このように思っています。
 何よりも、震災のこともありますから、しっかりとこの自治体クラウドの導入は加速させていただきたいと、このように考えております。
#160
○主濱了君 一点だけ確認をさせていただきたいんですが、自治体クラウドのその中心的な施設が例えば被害に遭ったとしても、それがバックアップだというのは、何らかの形でデータは使えると、こういう理解でよろしいんでしょうか。
#161
○国務大臣(新藤義孝君) ですから、システムの設計とスペックの問題だと思うんです。自分のところしか使わないということでもって、そこの部分しか持っていなければ、これはバックアップになりません。でも、当初からそういうことを予定して、ある程度取り扱うデータを広く持っていれば、その部分は自動的なバックアップになるということなんですね。
 ですから、そういう設計を、いかにコストを掛けずして分散してデータを共有しておくか、そしてどこにそういった、じゃ、最終的な集合のデータを集めておくかとか、そういう工夫をこの複数の広域の自治体クラウドの中で研究していかなくてはならないと、こういうことでございます。
#162
○主濱了君 終わります。ありがとうございました。
#163
○山下芳生君 日本共産党の山下芳生です。
 私からも消防救急無線のデジタル化について質問します。
 これまで十年以上デジタル化を呼びかけてきたにもかかわらず、全国七百七十消防本部中、整備済みあるいは着手済みは半分にも届いておりません。期限まであと三年。デジタル化整備には一から始めると三年掛かるところもあると聞きましたが、残り四百五十七の消防本部には大変な課題になっていると思います。デジタル化が進まない最大の理由は、やはり整備費用が高額であること、財政難の市町村や小さい消防本部ほど頭を抱えております。
 そこで、確認ですが、総務大臣の権限で決めた期限が来たらアナログの消防救急無線の免許を市町村消防から取り上げる、そういうことになるんでしょうか。
#164
○国務大臣(新藤義孝君) このアナログ方式の消防救急無線の使用期限、これは平成二十八年五月三十一日までを有効期間とする無線局の免許を付与しております。したがって、平成二十八年六月一日において同免許は失効することになるわけであります。取り上げるわけではありません。
 なお、消防救急無線のデジタル化は、これは移行期限までに実現をしたいということでこれまでも進めてまいりました。消防本部を対象に実施している消防救急無線のデジタル方式への整備計画、これによれば、移行期限である平成二十八年五月三十一日までに全ての団体で整備が終了する予定と、このように我々は把握をしておるわけであります。
 それから、消防救急無線のデジタル化整備を進める上で全国の消防本部が抱える課題につきましては、消防本部からの御要望を踏まえまして、技術的、財政的な面から個別相談を行うアドバイザーの派遣など、きめ細かな対応を実施しておりますし、これからも努めてまいりたいというふうに思います。
 滞りなくデジタル方式への完全移行が各消防本部において行われるように、我々も最大限取り組んでまいりたいと存じます。
#165
○山下芳生君 取り上げるんじゃなくて失効ということなんですけれども、まあ、なくなっちゃうわけですよね。
 消防救急無線の高度化というのは、必ずしも現場から急いでやってほしいと出されたものではありません。電波の周波数を節約するために国の施策で進められているものですから、これはアナログ無線の更新時期あるいは市町村の実情を踏まえて期限を延長するなど、無理なくデジタル化していけるように私はするべきだと思います。それでも期限までにというのであれば、やはりこれは国や周波数を引っ越した跡地を利用する事業者の負担によって思い切った財政支援を取るなど、市町村が無理なくやっていけるようにしていくべきだと、このことを強く求めておきたいと思います。
 次に、消防の広域化について質問します。
 まず、確認したいんですが、これまでも繰り返し答弁されてきたことですが、消防の広域化、すなわち消防本部を統廃合するかしないかは市町村の自主的な判断で行われるものであって、国の基本指針や都道府県の推進計画に拘束されるものではないと考えますが、いかがでしょうか。
#166
○国務大臣(新藤義孝君) 市町村の消防の広域化につきましては、住民サービスの向上、これらを目的といたしまして、消防組織法及び市町村の消防の広域化に関する基本方針等に基づいて推進しているところでございます。消防組織法及び市町村の消防の広域化に関する基本方針にもあるように、もとより消防の広域化は市町村の自主的判断で行われるものであります。
 今後とも自主的な市町村の消防の広域化、これを推進してまいりたいと、このように思っておりますし、期待しております。
#167
○山下芳生君 自主的判断で市町村が行うべきものだということですが、もう一遍、念のために確認しますが、市町村が広域化を行わなかったとしても、そのことにより不利益な扱いを受けることとなるものではないと、こういう理解でよろしいですね。
#168
○国務大臣(新藤義孝君) これは、消防組織法に基づいて市町村の責任の下に行われるのが消防活動であります。ですから、広域化を行うか否かにかかわらず、これは地方交付税等による財政支援措置など、市町村が適切に消防事務を担うことができるように、これは私どもも適切に対処してまいりたいと考えております。
#169
○山下芳生君 戦後、日本国憲法の下で我が国の消防は、戦前の国家消防から市町村による自治体消防を原則とすることと変わりました。地域住民に最も身近な市町村が市民の生命、財産、安心と安全を守る、国と都道府県の役割は、そうした自治体消防の活動と消防力の強化を支援していくことにあると考えます。
 そこで、消防の広域化と消防救急デジタル無線の共同整備との関係について質問します。
 御存じのとおり、消防救急無線のデジタル化整備は、一つの団体で単独で整備していくよりも複数の消防本部で共同整備していく方が費用面で効率的だとして、共同整備が推奨されております。ところが、現在、あたかもデジタル化の共同整備をしたいなら県の決めた消防広域化計画に合意しないと駄目かのような動き、期限があるデジタル化をてこにして消防の広域化を進めようとする動きがあります。
 具体的な例として、奈良県の話を紹介したいと思います。
 奈良県では、県下三十九市町村、十三団体ある消防組織を一つの消防本部に統合しようとする広域化計画を決めておりました。ところが、県の広域化計画ではコストの削減にはなるけれども消防力が低下する、市民の安全、安心にかかわるなどとして、奈良市と生駒市は消防の広域化に参加しないことを決めて、協議会からも脱退をいたしました。奈良県は、奈良市と生駒市を除く残り十一消防組織を一つにする広域化計画を引き続き提案しておりますが、その中身を見ますと、十一の消防本部を一本化することで、本部の要員が百五十六人、通信員が五十四人、合計二百十人浮かせることができると。この浮かせた二百十人をより現場に近いところに全員増強するのかと思ったら、増強に回すのは百四十七人で、残り六十三人は人員削減して約四億円の費用削減を図るという計画でありました。
 そこで、一つ確認なんですけれども、私、不思議なんですけれども、現在よりも消防職員の総数は減るんです。しかし、減るんだけれども、充足率は現在の奈良県全体の六三%からアップするというんですね。なぜ充足率が総数が減ってもアップするのか、どんなマジックがあるのか、御説明いただけますでしょうか。
#170
○政府参考人(市橋保彦君) 消防の広域化によりまして、消防力の整備指針上の職員の充足率、これは一般的に上がる場合もあれば変わらない場合もあるというふうに認識しております。消防の広域化によりまして、それによる総務部門等の職員を現場に配置するというようなところで、今まで不足していた部分が充足されていくというようなことで上がっていくということもあり得るというふうに考えているところでございます。
 いずれにいたしましても、私ども、消防の広域化というのは現場対応力の強化というふうなものを一つの目的として行っているものでございまして、国民の安全、安心を守るという観点から消防の広域化、推進することによりまして消防力の充実というふうなものに努めてまいりたいと考えております。
#171
○山下芳生君 今、御説明ありましたかね。私は、消防力の整備指針を見ますと、例えば五万人規模の自治体の場合、四台の消防ポンプ自動車の保有が必要になる、三十万人以上では十四台必要になると。ですから、五万人規模の自治体が六つで三十万人規模の地域では六掛ける四台で二十四台の消防自動車が必要なんですが、これが広域化で三十万人規模の新たな消防本部を結成した途端、十四台で基準を満たせることになると、こういうことにもなるわけですね。これだけを一律に言うわけではありません。こういうことがあると。
 それから、本部から現場に移行できるということも次長おっしゃいましたけれども、実際は今でも充足率、職員数足らないので、消防本部の職員もいつでも出動できるように消防服を着て本部の仕事をしているところもありますから、だから、本部から現場へといっても、元々現場の仕事もしているということもありますので、これだけで強化ということにもならない。
 それから、広域化せずとも、消防署所間の連携というのは協定などを結んでやられている場合が多いですから。そういうことなんですね。それなのに、広域化すれば災害への対応能力が強化されるとして、今でも足りない消防職員を実数で減らされるということが、この基準からいうと起こってきているんですね。
 私はそのことについて今議論するつもりはありません。問題は、ですから、消防の広域化で逆に消防力が低下するんじゃないかという懸念も当然出されてしかるべきであって、市町村が、消防救急体制はどうあるべきか、どうやって協力して市民の安全、安心を守るのかよく議論をして、消防の広域化の是非をあらゆる分野から検討して、市町村が自主的に判断して決めていくことが大事だと思っております。
 私たちも一律に広域化反対という立場じゃありません。よくメリット、デメリットを検討して慎重に判断して決めるべきだと思うんですが、にもかかわらず、お金が掛かって市町村の悩みの種になっているデジタル化問題を持ち込んで消防の広域化のてこにする、市町村の冷静な判断を阻害する状況になっているのではないかと心配する声が奈良の市町村の一部の首長さんから上がっているんですね。
 そこで、大臣に確認しますが、消防救急無線のデジタル化整備のために財政支援を受けるには消防の広域化が条件になるんでしょうか。
#172
○国務大臣(新藤義孝君) 消防救急無線のデジタル化に対する財政支援としては、これまでも、緊急消防援助隊設備整備費補助金、それから地方財政措置として緊急防災・減災事業、防災対策事業という対象として整備を推進してきたところでございます。消防の広域化を行ったかどうかにかかわらず、これらの財政支援は受けることが可能だったわけであります。しかしながら、緊急消防援助隊設備整備費補助金については、今回、消防の広域化を行う消防本部に対して限られた予算の中での優先的な措置をしていると、こういうことがございます。
 また、今回の電波法の改正による財政支援においても、消防の広域化は要件とはしない考えでございます。
#173
○山下芳生君 基本的に広域化を要件としないということであります。
 ところが、奈良県では、議長会の研修会などにおいて、消防広域化協議会の事務局から消防救急無線のデジタル化と消防の広域化は同一次元と考えているとの説明がされて、混乱が生じております。ある市の消防指令課長さんは、これらの通信ニーズに的確に対応するためにはデジタル方式の活用が不可欠だが、デジタル化は電波の有効利用と高度化のため国の施策で更新するもので、消防の広域化とは別の問題だと述べておられますし、ある町長さんは、広域化とデジタル化は別物であって、デジタル化を広域協議会にお願いしたからといって必ず広域化に賛同しなければならないという性格のものではない、どうも今回のデジタル化で広域化を誘導しようとしているのではないかと心配しているという声も出ております。
 そこで、私は、消防の広域化と消防無線のデジタル化は別物という、この市の消防指令課長さんや町長さんの認識は極めて正確だと思いますが、大臣の見解、改めて確認したいと思います。
#174
○国務大臣(新藤義孝君) 消防救急無線のデジタル化、これは通信基盤の強化のため推進しております。一方で、消防の広域化については、これは消防体制の確立、消防力の拡充のために推進していると。
 この二つの政策は互いに独立した政策でございます。しかし、共に消防体制の強化を目的としておりまして、できる限り双方とも速やかに進めることは望ましいと、このようには考えております。そして、広域化を行う消防本部がデジタル化に円滑に対応できるように、当該消防本部がデジタル化を行う場合には所要の経費に対する補助金を優先配分することとして財政措置も充実させていると、こういうこともあります。
 今後とも、消防救急無線のデジタル化と消防の広域化、これは二つの独立した重要政策でありますが、これをできる限り円滑に移行するように、円滑に進むように取り組んでまいりたいと、このように考えております。
#175
○山下芳生君 基本は別物であって、市町村の自主的判断だということですね。市町村が両方やろうと思えばやれるんだということですけれども、国がそういうことを推奨しようとしている意向は分かりましたけど、市町村がやっぱり自分のところでそれで安全、安心が確保できるのかどうかをまず判断するというのが原則だということだと思います。それは大臣もうなずいておられますので確認ができると思いますが、期限の決まっているデジタル化をてこにして首長さんや消防組合の議会、町議会の意向をないがしろにして広域化を押し付けようとしている、そんなことは許してはならないと思いますので、大臣としても注視されることを要望して、終わります。
#176
○亀井亜紀子君 みどりの風の亀井でございます。
 質問に入らせていただきます。
 まず、今回の法改正までの経緯についてお伺いいたします。今回の改正は、東日本大震災が出発点だったのでしょうか。その震災の教訓から始まり、その後、行政刷新会議があり、電波料の話が議論されて、その提言を受けて改正に至ったということでしょうか。それとも、放送のデジタル化があり、東京スカイツリーも完成し、長年の計画の中で電波利用料の話も含まれていて今回の改正ということになったのでしょうか。
#177
○国務大臣(新藤義孝君) これはいろいろな要素が複合されたものではあると思っています。今委員がおっしゃったことは幾つもの要素の中の一つだと思います。しかし、それにしても、やはり何といっても東日本のあの大震災、あの経験において非常災害時における通信確保の重要性、これはもう再認識をされました。そして地域防災のための無線システムの高度化、これはやはり必要性がこれまでにないほどに高まっているということが最大の原因ではないかと、このように思います。
 そして、私どもも総務省のミッションというのを我々みんなで考えたときにも、やはり命を守る、そして国民の命を守る消防防災行政の推進、こういったものを重要政策の一つに取り上げているわけです。当たり前のことですけれども、やはりその重要度が更に上がったことは私、間違いないことだと思います。
 そうした上で、市町村が行う防災行政無線及び消防救急無線のデジタル化を推進しようと、そしてそれは、電波利用料をもってその費用の一部を補助することで財政基盤の厳しいそういう市町村への支援も可能とするということを導入したわけであります。
 また、昨年の十二月の二十五日に取りまとめを行った電波の有効利用の促進に関する検討会、これは当時の総務副大臣が主催のこの報告書におきましても、防災行政無線や消防救急無線についての電波利用料財源を活用してデジタル化の加速化を図ることが必要と、こういう提案もなされておりました。
#178
○亀井亜紀子君 東日本大震災の後の予算編成で、消防の緊急援助隊の役割ですとか、かなり予算要求があったと記憶をしております。震災のときに、広範囲にわたる災害だったわけですけれども、民間放送やNHKなどメディアの映像を見て初めてその現場の状況が分かるというような状況の中で、政府がもう少し情報を取りたいということで、例えばヘリに積む機材ですとか、そのような予算要望があったと思います。
 その話の中で、例えば自衛隊のヘリと消防の緊急援助隊というのは、その映像など情報を共有できないのか、連携したり役割分担したりできないのかというような話もあったんですけれども、その後、現状どのように整理されているでしょうか。
#179
○国務大臣(新藤義孝君) これは、大規模の災害時においてヘリからの映像、これは言わば鳥の目のようなものですね、その鳥の目による情報収集、これは被害状況を概括的に把握して、また迅速的な消防活動を展開すると、こういった意味で極めて重要であり有効だったと思っています。
 この消防防災ヘリからの映像情報収集、配信を行う、これヘリテレシステムといいます。このヘリから地上中継局と専用衛星回線を経由して被災地の市町村や消防、さらには私どもの役所にあります消防庁、また官邸にも映像配信を行っております。また、自衛隊とは、毎年実施しております緊急消防援助隊の地域ブロック合同訓練、こういった機会を通じまして地域レベルで日ごろからの密接な連携を図っております。
 東日本の大震災においても、被災県の災害対策本部において消防と自衛隊等との運航調整の役割分担を図り、効果的に情報収集を行いました。これは、更に現場での運用を高めていくという意味においては、訓練と連絡、協調、こういったものが必要だと思いますが、そういったことを心掛けて、また我々もそれを促進していけるように取り組んでまいりたいと思います。
#180
○亀井亜紀子君 縦割り行政ではなくて、是非自衛隊の方とも連携を進めていただきたいと思います。
 次の質問です。
 今回の改正で、財政力の弱い十市町村程度に防災無線の整備などを援助していくということなんですけれども、この当面の十市町村程度というのはもう決まっているのでしょうか。それは、被災地なのでしょうか。また、今後、この市町村の選定というのはどのようなプロセスで行われるのでしょうか。
#181
○国務大臣(新藤義孝君) これは本法案が成立しない限り決まらないわけでございますから、この本法案の成立後に早期の補助金交付要綱を公示して、そして補助金の交付申請の公募、それから交付先の採択を行っていきたいと思っています。現時点では対象市町村は決まっておりません。
 なお、補助金の交付先の採択は、これは財政力の弱い市町村を優先的に行うということにしております。そして、今年度から平成二十八年度までの四年間、補助金の交付申請の公募を毎年度行ってまいります。そして、補助対象の市町村を厳正に採択していく、そういう所存でございます。
#182
○亀井亜紀子君 予算編成で感じたことは、これから通る、その予算が通らないと、法律が通らないとできないにしても、何となくこの辺ということは、下準備はあるわけで、見当が付いて、要望があるから法改正というのが行われていくと私は感じているのですけれども、そういう意味でお伺いいたしました。
 どこどこと、そういうことを言う必要はないんですけれども、例えば、それは被災地なのか、それとも、その被災地で整備をするのであれば、それは復興予算の方で整備ができるからそれ以外のところの財政力が弱いところなのか、どういう分け方をされているのでしょうか。
#183
○国務大臣(新藤義孝君) 予算の作り方はいろんなパターンがあると思いますね。今回においては、これは厳正にやっていくと。そして、そもそも対象市町村が、財政力でバーを引いて、その中から大体九十四ぐらいありますと、こういうことであります。一方で、予算額が今回二十五億ですから、ですので、そうすると、一市町村当たりの単価を考えると十市町村ぐらいかなと、こういうふうになっているということであります。
 今後、被災地が選ばれるかどうか。それは復興予算の中でも、これ地方公共団体によるデジタル防災行政無線の整備、これは復興交付金が活用可能であります。ですから、それに加えて、消防防災施設災害復旧費補助金、これは、被災地における消防防災施設の復旧を緊急に実施するために必要となる経費を補助金として被災地方公共団体に交付していると、その対象にも消防救急無線及び防災救急無線含まれているんです。
 したがって、今回の財政支援は、全国の市町村のうち、財政力が弱いなどにより自力でのデジタル化が困難な地方公共団体における消防救急無線と防災行政無線を一体でデジタル化するものを対象としております。被災地の市町村は、この今回の財政支援とその他交付金のいずれかを選択することができるということでありまして、重複することはないと。どちらかで、それは、ですから被災地になる場合もあるかもしれません。しかし、それは今後の応募の申請内容によって決まっていくと、こういうことでございます。
#184
○亀井亜紀子君 なぜこういう質問をしたかといいますと、やはり事業仕分をやっていたもので、ダブりを随分見てきているんですよね。それは非常に無駄だと思うので、交通整理をした方がいいと思っています。
 ですので、今回の改正が東日本大震災がきっかけだったということはよく理解できたんですけれども、復興予算でなかなか入札がなかったり、使い切れない予算があるということもございますし、一方で、復興予算に関係がないほかの自治体のものも含まれていたりするわけですから、復興予算の方で被災地は手当てされるのであれば、むしろこれは、こちらの十市町村はそれ以外のところというように整理をされた方がいいと思います。
 次の質問に移ります。
 放送のデジタル化による現状と将来についてなんですけれども、まず、私の周りの友人などでも、実はデジタル化されたのをきっかけにテレビを見なくなったという人がおります。元々そんなに見なかった人間が、もう面倒くさいからいいやということで、デジタルに切り替わった途端にもうテレビから離れたというような人もおりますので、これが非常に少数なのか、それともインターネットの普及等々によってテレビの視聴人口が減ってきているのか、ちょっと全体の傾向が分からないんですけれども、このデジタル化の後で視聴世帯、減少したりはしていないでしょうか。
 また、インターネットの普及と放送のデジタル化で今メディアが変わりつつありますけれども、これは大臣の御見解をお伺いしたいんですけれども、テレビの視聴者というのは減少していくと思われますか。また、テレビ、ラジオの将来についてどのようなイメージをお持ちでしょうか。お伺いいたします。
#185
○国務大臣(新藤義孝君) まず、私も知り合いで、そもそもテレビを持ったことがないと、見たことがないという人もいます。ネットユーザーの中ではそういう人が増えていることも事実であります。しかし一方で、テレビというのは、これはもう極めて分かりやすい、国民的に生活の一部に溶け込んでいるものでもあります。
 そして、データでいいますと、民間調査会社のビデオリサーチの調査でありますが、テレビの視聴時間は、二〇〇七年の二百分から二〇一二年には二百六分ということで、デジタル化の後も増加をしているんであります。
 そして、ネットの接触時間が大きく増加するということもありますが、しかし、テレビを見ながら、スマートフォン上のアプリ、ツイッター等、そういったもので感想を共有するような、そういう視聴形態も生まれております。また、テレビの中に、ツイッターをダイレクトにテレビで映すというのもありますね。ですから、放送と通信の融合というのは今後も進んでいくものではないかと、このように思っています。
 また、大災害、特に東日本大震災の際には、ラジオとテレビ、これは被災情報の情報取得ツールとして高く評価された、これはもう我々みんなが認識しているところでありますから、今後、それぞれ魅力的なものを追求してそれぞれのユーザーは更に増えていくであろうと、このように思いますし、放送と通信の融合、ネットとテレビの融合というのはどんどんと進んでいくんではないかと私は思っております。
 そして、私どもとすれば、そういう放送行政、通信行政を我々お預かりしておりますから、その中で、まず放送が将来にわたって重要な役割を果たしていく、それは新しい技術やサービスを提供しつつ皆さんに喜んでいただく、また役に立つ、こういうメディアとして応援していかなくてはならないと思います。この間も委員にも御覧いただきましたが、4K、8Kの推進、それから次世代のスマートテレビ、新たな放送、視聴ですね、こういったものの展開、それから災害時におけるラジオも含めた強靱性だとかそういったものも含めて、これは我が国経済の中にも大きく貢献できる、そういう仕事として普及促進、拡大を図ってまいりたいと思っております。
#186
○亀井亜紀子君 テレビ局の人間と話していたときに、インターネットを脅威に感じていたり、またBSやCSなどがあるのでいわゆる一般放送の番組作りが難しいというようなことで悩んでいる、そういう声も聞きましたのでちょっと大臣の御見解を伺いました。ありがとうございました。
 以上です。
#187
○又市征治君 社民党の又市です。
 私で九人目ということですから、このぐらい来ますと、この法案だと随分とダブるところが出てまいりますが、念のために確認を含めて質問してまいります。
 この消防救急無線のデジタル化を早めるために電波利用料から出しますという、このことそのものには賛成をいたしますが、事業規模が初年度は二十五億円、十市町村と少なかったわけですね。今年度から四か年で一〇〇%にするならば、補助率なり対象市町村を当然広げるべきだろうと思います。これはどうお考えなのか。
 また、地デジの終了で電波利用料に余裕が出るわけですから、毎年百億円のオーダーで出せるんではないのかと思いますが、この点、どのようにお考えですか。
#188
○政府参考人(吉良裕臣君) 防災行政無線と消防救急無線は、自治体の災害対応や住民の命を守る取組に必要なものでございまして、原則自治体が整備するものであると考えております。
 本施策の予算規模が二十五億円としているのは、モラルハザードの防止も考慮して、自主的な設備整備が困難な地方自治体、すなわち財政力が弱い市町村を優先する考えからでございます。また、補助率につきましても、安易な設備整備が行われないよう、設備に必要な費用の全額を補助するものでなく、それを二分の一としておるところでございます。
 支援の在り方とか予算規模については、三年ごとに行われます電波利用料制度の見直しの対象になるということと、各年度の予算編成過程において財政当局による査定を受けることになっております。平成二十五年度予算額については制度導入の初年度であるということで二十五億円になりますけれども、次年度以降につきましては今後財政当局に要求していきたいというふうに思っております。
#189
○又市征治君 ただ、無線のデジタル化が即災害に役立つかと、もちろん役立つんでしょうけれども、一方で言えば、復興住宅や自宅への復帰すらまだの家族が非常に多い現実、そういう中で、震災の経験からも防災・減災の基本というのは私は人のネットワーク、これが大事で、電波というのは道具の一つだろうと思うんですね。
 そこで、ちょっと横道にそれますが、消防無線の高度化はもちろん必要なんですけれども、この消防職員の充足は、じゃ、一体全体進んでいるのかと。私、何度もこの委員会で指摘しているんですが、消防力整備計画の達成度の中で、車両の整備は進んできたということなんだけれども、要となるべき人、消防職員の充足率がほとんど向上していないんじゃないかと。その後どういうふうになっているのか、消防庁長官、答えてください。
#190
○政府参考人(岡崎浩巳君) 消防職員の充足率のお話でありますが、実は、地方公務員が全体では減少している中にありまして、消防職員は少しずつではありますけれども増加するという傾向にあります。これは、各市町村において地域の安心、安全を図るために、苦しい中でもいろいろ配慮してくださっているということだろうと思います。ただ、充足率につきましては、救急需要等が拡大をしておりまして、必要な人員の整備目標の方が増えているということもありまして、なかなか追い付いていかないというのが実態でございます。
 なお、実態調査はおおむね三年に一度実施しておりますが、直近の二十一年度の調査結果で充足率は七五・九%ということで、三年前、平成十八年度に比べますと〇・九ポイントほど増加をいたしております。また、現在精査中の平成二十四年度の調査によりますと、二十一年度の調査より更に〇・五%程度上昇するのではないかと見込んでおります。
 いずれにしましても、各市町村が必要な消防力を確保できるように、今後とも地方団体に要請するなど、必要な消防職員数の確保に努めてまいりたいと思っております。
#191
○又市征治君 だけれども、現実、私は何度もこれ質問ここでやったんだけど、実際上、二〇〇〇年からこの十一年間、ほとんど改善していないわけですよ。つまり、四人必要なのに三人しかいないと、こういう現実でしょう。おまけに五万人以下の本部でいくと六二%、六割で結構ですと。
 こんな格好で、大震災の犠牲を思い出すまでもなく、消防職員の不足というのは職務上のやっぱり事故や死亡にもつながるわけですよ。もう十一年も、これ前にお座りの片山大臣のときからこれはしっかりやらにゃいかぬと言って、あの時期ちょっと増やしたんですよね。そういう状況あったんだけれども、あとはずっと横ばい。四人に三人しかいない、こういう状況ですから、これ、大体七六%程度でいいんだと、こういうことなんですか。これ、大臣の質問予定していませんでしたけれども、大臣、これどういうふうにお考えですか、このことについてまず一つ。
 それからあわせて、私は長年要求してきましたけれども、当事者たる職員自身の声がそういう意味でやっぱり届かない、こういう格好になっている。現場で安全や権利を主張することができる、これはやっぱり世界の常識ですよ。政府の労働基本権問題の検討では、消防職員のILO勧告もあり、全体と切り離しても先行させようという動きもあったわけですけれども、現在は立ち消え状態ということでしょう。
 無線だけではなくて、消防職員の充足、その基礎たるこの団結権、組合を認める、そんなことぐらい実現すべきじゃないかと思いますが、この両面、大臣からお答えいただきたいと思います。
#192
○国務大臣(新藤義孝君) この消防職員の充足率、これはもとよりこれで甘んじてよいわけがありません。これは、引き続き少しでもきちんとこの充足が高まっていくように努力をしたいと、このように思います。
 一方で、今長官からの話もありましたが、どんどんと需要が増えているということもあります。ですから、数字だけではなくて、現場として本当に厳しい状態がある、それのまず改善をしていくこと、一つ一つできるところからやっていかなくてはならないんじゃないかなと、このように考えます。
 また、続いての消防職員の団結権につきましてでありますが、これは、消防職員を含む地方公務員の労働基本権、これは国家公務員制度改革基本法の附則第二条において、「国家公務員の労使関係制度に係る措置に併せ、これと整合性をもって、検討する。」ということになっております。現在、国家公務員制度について、稲田公務員制度改革担当大臣の下で、この国家公務員制度改革基本法に規定された広範な改革事項について、その一部だけを議論するのではなくて総合的に総括、検証を行った上で改革を進めていこうと、このようになっております。
 自律的労使関係の制度についてもこの過程の中で検討されていくことになっているわけでございまして、消防職員の労働基本権の在り方についても、これは国家公務員制度改革の動向等も踏まえまして、地方公務員制度改革全体の中で検討することが適当ではないかと、このように考えております。
#193
○又市征治君 今日はこれは主眼ではありませんから、その問題はまた改めてしっかりと議論させていただきたいと思います。
 そこで、この電波利用料から出すことに反対しませんけれども、消防救急は市町村の基本的な事務でありますし、地方交付税の基準財政需要の対象ですから、一般財源から当然支出すべき、こういう議論もあるくらいであります。そういう議論もさっきから出ました。
 そこで、大臣、提案なんですけど、無線のデジタル化を電波利用料財源二百二十億円ほどでやるならば、並行して一般財源からそれと同額を出して、長年にわたって欠員続きのこの消防職員の充足のためにも、また併せてその職員の無線技能の向上にも充ててはどうか、こう思うんですが、その点はどうお考えですか。
#194
○国務大臣(新藤義孝君) これは、今、消防力、消防職員の充足を高めると、これは重要であると、このように思っておりますし、必要だと、このように思っておるわけであります。
 一方で、消防力の整備指針の趣旨を踏まえまして、各市町村が必要な消防力を確保できるように、地方交付税等による地方財政措置を含めて必要な助言や支援をしております。
 今後とも、消防庁の行う全国会議の場等を通じまして各地方団体に引き続き要請をしてまいりますし、国民の安心、安全の、必要な消防職員数の確保に努めてまいりたいと、また現場からの声も伺ってまいりたいと、このように考えております。
#195
○又市征治君 そうでもしないと、職員は欠員のまま七六%の充足で、無線機ばかり高機能化しますという話じゃ、無線機作って魂入れずということになりかねませんから、その点は是非しっかりとやっていただきたい、こう思います。
 さて、電波利用料七百三十五億円の主な支出先は今年も依然として地デジなわけですが、三百十八億円で歳入の四三%を費やしているわけですね。
 では、地デジでこれまでに出したのはアナログ変更対策も含めて一体幾らなのか、しかも事業は今年で終わっても国庫債務負担行為が続くわけですね、これが一体全体どのくらいになるのか、そして総合計ではどういうあんばいになるのか、この点、お答えください。
#196
○政府参考人(吉崎正弘君) 受信相談ですとかチューナー等の支援ですとか中継局整備支援ですとか、このような地デジの関連事業に要した額は、平成二十年から二十五年度までの間で二千三百六十億円でございます。また、地デジそのものではございませんけれども、その前提としてアナログ周波数変更をやりました。それのために要した費用が千五百八十億円。これらを合わせますと三千九百四十億円ということでございます。
 それで、毎年度の予算額の平準化ということで国庫債務負担行為を採用して、年度ごとに必要になる事業費の一部を後年度負担としてまいりました。平成二十五年度までに実際に予算化した額は、合計で地デジ関連でいいますと千五百三十億円ですが、二十六年度以降ということになりますと、残額ですとか利子に相当する約八百五十億円が支払われる予定ということになっております。
#197
○又市征治君 そうすると、合わせると、ちょっと頭が悪いんでね、そのアナログ変更を含めて四千八百億ぐらいということでいいんですか。
#198
○政府参考人(吉崎正弘君) デジタルのみで二千三百六十億円、アナ変で千五百八十億円、これらの合計金額は三千九百四十億円、約四千億円ということでございます。
#199
○又市征治君 これは政府の支出分だけですよね。後でこの問題はもう一度申し上げたいと思います。
 ところで、大臣、この電波利用料の特定財源化、だぶつきについては批判があるわけですよね、御承知だと思いますが。二〇一一年の行政刷新会議を見ますと、使途をもっと拡大せよとか、つまり電波特定分野支出を確保しながら一般財源化せよという、こういう意見もかなりあったわけですね。総務省は、いや、だけどもこれはしっかり持っとらにゃいかぬと、こういう特定財源化というべきなのか、そういうお考えなのか、ここのところはどういうお考えですか。
#200
○国務大臣(新藤義孝君) これは、電波利用料の制度は、不法電波の監視など電波の適正な利用の確保のために必要な共益費用を受益者である無線局の免許人の方々に公平に負担していただくという制度、これを基本は堅持していかなくてはならないと、このように思います。
 したがって、電波利用料を一般財源化すれば、他の使途に充てること、そういったことになれば、電波利用料を負担している免許人の方々の受益が失われることになる、また免許人の方々に負担を求める理由がなくなるということもございます。そして、前政権において、また提言型仕分において、「将来的な一般財源化を含め、使途を拡大する方向で検討すべき、」と、この提言も確かにございました。しかし、同じ政権時において、民主党の政権下において、電波有効利用促進に関する検討会というのが行われ、その報告書においては、「「電波利用共益費用」である電波利用料の活用の在り方の検討とは区別して、電波監理政策上の必要経費の確保や電波利用者への負担等を多面的に考慮しながら、慎重に検討がなされるべきである。」と、このようにいろんな意見があっているわけです。
 ですから、私とすれば、今までの議論も踏まえて総合的な検討をしなければならないとは思っております。しかし、現状においては基本をきちんと堅持した上で進めていこうと、このように考えています。
#201
○又市征治君 いずれにしましても、適正な料金設定のバランスという問題と趣旨に見合った支出、あるいは国民の納得できる使途の拡大にしていく。地デジが終わって固有の電波行政は七百三十五億円も必要ないかもしれないけれども、急速に進化する電波社会、こういう中で弱者対策というものも不可欠だろうと思うので、こういう点は是非御検討いただきたい、このように思っています。
 最後に、これは意見だけ申し上げますが、先ほども亀井さんからもちょっと出たんですけれども、地デジ化そのものは国策という名の下に政府から多額の今お話があったような金が出ました。国民経済的にはもう算定不可能なくらいに莫大なお金が掛かったわけでして、そのことによってやはりもうかった人もいるわけです、これね。そういうことでありながら、そういう意味で国民の中からは、何で私がテレビを買い換え、負担しなきゃならなかったのか、こういうやはり面があるので、メリットは、まあそれは画像が鮮明になるとか何かあるけれども、テレビ買換えをみんな迫られたと、こういう問題はやはりあって、今申し上げたようなそうした声というのも一面じゃあるわけですよね。こういうことはやはり国策という政府の押し付けじゃないのかという、こういう声もあるということ自体はこれ大臣も御承知だろうと思うけれども、そういうことにもしっかり留意をしていかなきゃならぬ。
 そういう意味で、国策だ国策だみたいな格好で、一面では、気が付いてみたらそれによってえらいべらぼうに物をもうけていますよという企業が出てまいりますということが、後から政治に対する一面では不信、こういうことにもなりかねないわけでありますから、そういう点も是非留意をいただきながらこれから進めていただきたい、このことを申し上げて、時間ですから終わりたいと思います。
#202
○片山虎之助君 それじゃ、質問を始めます。
 我が党は、この法案には賛成であります、電波利用料のその使途拡大ですね。
 そこで、今日出ている消防救急無線と防災行政無線、これは全く別物なんですね。デジタル化が両方ともかなり遅れている。私がつかんでいる数字だと、消防救急無線の方は約四割ですよ、デジタル化、それから防災行政無線は一割ちょっと、一三%と、こうなんだけれども、それが本当かどうかと。それから、あといつまでどうやるの。それを教えてください。
#203
○政府参考人(岡崎浩巳君) 今御指摘の数字でありますけれども、消防救急無線については、二十四年度末現在で着手率が四〇・六%、大体四割でございます。
 ただ、防災行政無線につきまして、今一割ちょっとというお話ありましたが、これ中身が二つございまして、移動系の防災行政無線につきましてはデジタル化率が三〇・六%でございます。同報系のデジタル化率は一三・二%でありますが、どちらかデジタル化に着手したということであれば三七・六%というのが全体としてのいつも使っている数字でございます。
 こういう無線については、地方財政措置としまして今まで緊急防災・減災事業などの対象にしておりますほかに、特に消防救急無線については財政支援として緊急消防援助隊設備整備費補助金によって措置しておりますので、今後、そういうことで更にきめ細かな相談において進めてまいりたいと思います。
#204
○片山虎之助君 そこで、消防救急無線の方は平成二十八年の五月末かな、それが期限になっていますね。できますか。それから、防災行政無線は、こんなことじゃ先が私は大変だと思うんで、それは市町村長さん、知事さんも後回しにしているんですよ、それだけの必要を感じていないんで。そこは皆さんの努力も足りないし、私は消防や防災関係者の努力も足りないと思いますけれども、いかがですか。
#205
○政府参考人(岡崎浩巳君) 確かに二十四年末現在の着手率が四〇・六%ですが、二十五、二十六と皆計画を立てまして、二十八年五月という期限は十分承知しておりますので、消防救急無線につきましてはそうした目標に向かって整備が進んでいくというふうに理解しております。
 防災行政無線につきましては、なかなかいつまでにという状況にはないというふうに理解をしております。
#206
○片山虎之助君 いや、だから、こんなことなら何で早く電波利用料の使途を拡大しないの。
 午前中、いろんな議論がありますよ、電波利用料には。私も性格はよく分からない。手数料なのか使用料なのか財産収入なのか権利の見合いなのか分からないけれども、法律で書けばそれは使途拡大になるんだから、もしもっとデジタル化が必要なら、消防や防災のね、早く使途拡大やりゃいいんですよ。何で今ごろやるの。しかも東日本大震災が起きて二年以上もたっている。
 大臣、どうですか。
#207
○国務大臣(新藤義孝君) 片山大臣のときになぜおやりにならなかったのかということもございます。
 これはやはり共益費的性格というのがあると。我々も使途拡大は必要最小限にやっていかなければいけないと。受益者の負担というのがございます。一方で、防災能力の向上というのは、これは喫緊の課題だと。そういうのをミックスした状態が今回のことであると御理解いただきたいと思いますし、何よりもやはり、先ほど委員がおっしゃいました、市町村がこれを優先度を上げなければいけないと。いざ起きたときにやっていませんでしたでは済まないことなんだということを是非我々も訴えていきたいと、このように考えております。
#208
○片山虎之助君 それで、これはちまちまなのよ、申し訳ないけど。四年間で百市町村でしょう。初年度は二十五億なんですよ。恐らく未整備の市町村は千以上ある。四年間で百やったって焼け石にまあ水じゃないかもしれぬけれども、私は、それはほかのこともやるんだということなら、法律改正してやるんなら、もっと思い切って補助金を出すとかいろんな仕組みを動員するとか。電波利用だから、皆さんもやましいところがあるから二百六十メガヘルツ帯に一体で合わせるなんということをやっているんですよ。空き電波の有効利用ということも含めてやらざるを得ないと考えるって、私はそれも中途半端だと思う。
 思い切ってやるんなら使途拡大でどっとやったらどうですか、大臣。
#209
○国務大臣(新藤義孝君) この電波利用料の使途については、これはいろいろな検討機関もございますから、そういった中で、当然今先生がおっしゃったような意見もあると思います。ですから、それらを含めて検討すればよいと思いますし、あわせて、やはり既存の財政支援制度、特に今回は地域の元気づくり、やる気になればこういうのも使えます。それから防災・減災事業もあります。いろんな工夫をして自治体においてこれは優先度を上げることが重要ではないのかなと、また我々はそういうような働きかけをしてまいりたいと、このように考えます。
#210
○片山虎之助君 特に、緊急減災・防災事業ってあるでしょう。あれは二十五年度までですよ。どうされますか。今、一般のやつよりはかなり厚くしているの、財政措置を、これは三年度ということで。これ、どう扱いますか。本年度で切れるんですよ。
#211
○国務大臣(新藤義孝君) これは、まだ明確な方針決めておりません。いろんな状況を勘案しながら慎重に検討してまいりたいと、このように思います。
#212
○片山虎之助君 そのデジタル化もいろんな効用については議論があるけれども、しかし私はやった方がいいと思うので、あらゆる施策を動員して是非やっていただきたい。
 そこで、今、電波利用料については検討会をつくって、副大臣が中心のようですけれども、検討中のようですが、大まかなスケジュールと大きな論点はどこなのか、教えてください。
#213
○政府参考人(吉良裕臣君) お答え申し上げます。
 電波利用料制度というのは、電波法によりまして少なくとも三年ごとで見直すということで、現在、総務副大臣とそれから総務大臣政務官の主催によりまして、検討会を三月から開始しているところでございます。本検討会では、主に電波利用料を活用して今後強化すべき施策だとか、あるいは電波利用額の軽減措置の在り方、それから今日いろいろ議論が出ておりますスマートメーターだとかM2Mシステムの新しい無線システムに関する料額の在り方等について御議論をいただいているところでございます。
 これまでパブリックコメントやヒアリングを実施してきておりまして、具体的には、歳出規模を抑制的にすべきだというような意見だとか、あるいは電波有効利用の促進のための研究の充実を求める意見だとか、あるいは無線局の特性に応じて適用されます軽減措置の在り方に関する意見、それから携帯電話等に関する料額を周波数幅に応じた課金に一本化すべきとの意見、それからスマートメーターなどの新しいデータ通信システムに関する料額を低減又は免除すべきというような意見をちょうだいしているところでございます。
 今後これらの意見を踏まえて、検討会において、本年の八月ごろまでに料額の見直しの基本方針をまとめていただくという予定になっております。
#214
○片山虎之助君 八月までに基本方針をまとめて、法案が要るでしょう、それがどういうあれですか。それから、いつから適用なの。二十六年度か二十七年度か。
#215
○政府参考人(吉良裕臣君) 八月の末ごろ基本方針をまとめていただきまして、この基本方針を受けて新たな電波利用料額を算定して、平成二十六年の通常国会に電波法改正案を提出できるように進めていくと、こういう予定でございます。
#216
○片山虎之助君 いやいや、そこで、ちょっと先ほども議論が出たんだけれども、結局、電波料の今の負担が、これはバランスが取れて公正なものかどうかという議論があるんですよね。特に、先ほど聞くと、パブコメですか、七百件の中で五百件はテレビ局が割安じゃないかと、負担が低いじゃないかという意見があったという話でしょう。これはもう常に放送と通信はそういう関係にあるんですよ。ただ、今、特性係数で放送は大分まけているわね。あまねくというユニバーサルサービスの問題があるし、あるいは災害報道なんかはある程度責任を持たなきゃいけませんわね、放送は。
 そういうことで、皆さんが特性係数というのでまけているんだけれども、これについてはまたいろんな議論があるので、その辺はどういう方向なんですか。余り詳しいことは言えないかもしれないけれども、ずっと大変な関心があるんですよ、放送業界にも通信業界にも。
#217
○副大臣(柴山昌彦君) 御指摘のとおり、今委員が御指摘になられた論点は大変大きな関心を集めております。
 この電波利用料の料額算定に当たっては、まず電波利用共益費用を一番目として、例えば研究開発ですとかエリア整備のような電波の経済的価値の向上につながる事務に要する費用、そして二番目として、どの局にも必要な監視業務など電波の適正な利用を確保するために必要な恒常的な事務に要する費用の二つに分けまして、前者については各無線局が使用する周波数幅などに応じて負担を配分しまして、後者については無線局数で均等割、今二百円としていますけれども、といたしまして、それらの合計額を各無線局の料額とするというのが一応原則となっております。ただ、その場合に、一部の無線システムについては、その特性を考慮して、実際に使用する周波数幅に軽減係数、今御指摘になられた特性係数ですね、これを乗じることによって負担額を軽減をしているところであります。
 そして、地上テレビジョン放送局の料額の算定に当たっては、あまねく普及努力義務、NHKについてはあまねく普及義務、そして国民の生命などの保護に寄与する災害放送の実施義務という公益的な義務が法律上規定されておりますことから、これらの公共性を勘案して、使用する周波数幅に、二分の一の要素が二つ、そしてそれを掛け合わせて四分の一を乗じて負担額を算定をしております。
 こういった事柄も考慮して今後どうするかということを検討しているわけですけれども、電波法によって少なくとも三年ごとに見直すということとなっておりまして、平成二十六年度から二十八年度に適用する次の電波利用料の検討を行うことを目的とした検討会を三月から開催しているところでありまして、その中でこの特性係数の在り方についても様々な御議論をちょうだいし、先ほど御指摘があったパブリックコメントやヒアリングなどでいろんな方向性の御意見をいただいております。
 ですので、これを現時点でどのようにするか、あるいは放送事業者と通信事業者とのバランスをどのようにするかということについては断言をする状況ではありませんけれども、これからもそういった様々な御意見を踏まえて、本年八月末ごろまでの今御指摘があったような基本方針のスケジュールに従って取りまとめをしていくことにしております。
#218
○片山虎之助君 私は、東日本大震災を見まして、本当にNHKを始め民放も大変よく努力したと思いますよ。私は、放送の価値というのを見直した、あれで。その前より思った、あれは。だから、それは放送の関係の方が言うのもよく分かるし、ただ、どんどんどんどん携帯電話の無線局がもうどんどん増えていきますよね。それは我々の方が実質は負担じゃないかという、これも分からないでもない。その辺はよくいろんな検討をされて適正な結論を是非出してもらいたいと、こう思いますよ。
 そこで、テレビもテレビなんだけれども、一番災害で有り難かったのはラジオだということになっているんですよ。ところが、ラジオは、御承知のように経営はどんどんどんどん悪くなっていますよ。しかし、あれは私は残さなきゃいかぬと思う。大変有用だと、こう思っておりますが、何かそれについての御所見なり対策はありますか。
#219
○国務大臣(新藤義孝君) 先生御指摘のとおりでございます。特に災害時の初動期においてラジオの有効性というのは極めて高かったと、こういうことは実態調査の中からも出てきております。しかし、一方で、送信所の老朽化、それから広告収入の減少などで経営的に非常に苦しい状態があるということもございます。
 私は、このラジオをどうするか、いろんな意見があるのでありますが、なかなか一つの方向が定まりませんので、一度皆さんで集まってもらって方向性を考えようじゃないかということで、今年度、私の方で放送ネットワークの強靱化に関する検討会というものを立ち上げました。これは、防災上の強靱化といいつつ、ラジオの将来性を考えようと、こういう趣旨でつくったのでございます。実は、今日これから第五回目の会合が、この委員会が終わった後ございます。
 そこで、放送ネットワークの強靱化や事業者の経営基盤の強化、こういったものを御提案いただくのでございますけれども、先ほど、小坂委員にもこれは私お答えいたしましたが、AMラジオのFM波の利用促進です。それから、V―LOW帯の新たな活用ということで、ここにマルチメディアですとかコミュニティー放送系ですね、こういったものを入れていこう。それから、バックアップのやっぱり設備、予備電源ですとか予備送信施設とか、そういったものの整備もしていかなきゃいけないだろうと。そして、V―LOW帯を始めとするコミュニティー放送用の新たな周波数の確保、こういったことを含め、さらにラジオとして新しい事業展開ができないか、こういったこともアイデアを出していただいて、これは国民の安全保障上も重要な問題でもあります。そういったことも含めて、このラジオの活用策を探ってまいりたいと、このように考えております。
#220
○片山虎之助君 アベノミクスの議論はしませんけど、第三の矢の新成長戦略が、これが核心、本命ですよね。私が見るところ、今まで歴代の内閣みんな出しているんですよ、新成長戦略、七回か八回。成功した例がないんです。だから、どういうのを出すのかなと手ぐすね引いて待っていますけど、その中に電波の有効利用による新しいビジネスを、そういうものを是非中に盛り込んでください。私はそれが総務省の役割だと思いますよ。それを期待しておりますから。
 終わります。
#221
○森田高君 最後になります。よろしくお願いします。
 法案には賛成の立場で質問をさせていただきます。
 初めは、電波法とも深い関係にあります携帯事業者間の合併、買収の話について御質問したいと思うんです。
 総論的に話をすれば、携帯電話事業者が設備投資やサービスの面でしっかり競争して、市場が活性して、もって利用者の利便向上が起こり、そういう競争が進められる中でイノベーションが進むということは望ましいことだと思います。それが大前提です。
 一方で、公正なルールがあるということも大前提であって、いろんな熾烈な競争があるにしても、周波数の割当てを受けた方々は、計画した基地局の設置は達成してもらわぬといかぬですし、一方でMVNOなどの提供も愚直にやっていただかないといけないという次第です。
 こういう当然なことを私がなぜ言うかといえば、昨年秋に、ある携帯電話事業者が、直近に電波割当てを受けたばかりの同業他社の株式を取得して、その会社に割り当てられた電波を自社で使用するという、そういう事案が発生しました。このことは、法的に、制度的に総務省の見解でいえば合法かつ適正なんですが、いろんな識者の方々が、これは電波をお金で買った、計画的なことでないかということまで見方をする方々もたくさんいらっしゃったわけです。
 指摘を受けました電気通信事業者は、それ以前にもPHS事業者を買収されて、それらの持つ技術力あるいは電波帯域を活用されて自社の付加価値を上げる、あるいは高速無線通信の土台にされたという実績がございましたので、一層そういうふうに計画的に電波をお金で買ったという見方が強まったんだろうというふうに類推しております。
 いずれにしても、本件のような事案というのは、今後、電波法というものを考えていく場合に一つの参考事例にしなきゃいけぬ、そういう話だと思います。現行の制度解釈では適正ということであっても、やっぱり李下に冠を正さずという、そういう気持ちが必要だと思いますので、まず電波利用の公正という観点で、こういった問題に対してどういう見解をお持ちになるかということをお聞かせいただきたいと。
 それと併せてもう一つ、別の切り口からお考えいただきたいのは、これはもう情報通信というものは、もう皆さん御承知のとおりでして、大臣には釈迦に説法ですが、望むと望まざるにかかわらず、安全保障と一体不可分であり、同時に金融事業とも一体不可分であります。相手よりも一分一秒でも情報を早く手に入れるということが世界を制する。これは、ナポレオン、ワーテルローのころから今日まで、そしてこれからもこの大原則は変わることはないわけであります。
 だから今、昨今、ホットイシューになっておりますソフトバンクのアメリカ上陸に関しても、甘くない、甘くないです。これはもう、古くはケーブル・アンド・ワイヤレスの世界海底ケーブル網の設置、あるいは近くはエシュロン、インターネット、そして近くはグーグル、そういう話もあります。インターネットがDARPA、アメリカの軍の研究所において八〇年代に開発された技術であるということは広く知られているわけでありますから、今の世界の電気通信事業の枢軸というものが大英連邦あるいは米国というものの中にあるということは、これはもう疑いようのない事実でありますから、そういう中で日系企業が世界に行くということは本当に難しいことだと思います。そういう中で、しかし戦略は考えないといけないということです。
 アメリカが今いろいろ横やりを入れているのは、単なる嫌がらせだったりナショナリズムなのかというと、決してそれだけでもないんだと僕は思っているんです。それは何を言うかというと、やっぱり事実として、日常的に、第三国の、あるいは軍事機関や公安機関が関与したサイバーテロがもう日常的に起きてしまっているということ、このことを無視することはもうできないわけであります。
 日本だって、これは二〇一一年の秋以降、三菱重工だったり三菱電機、川崎重工、IHI、我が国の国防産業の基幹を成す中核の会社たちが次々にサイバーテロにさらされたわけです。もちろん、防衛省本省も総務省もさらされた。国会自身もサイバーテロに遭った。そして、在外公館も多数被害に遭っている。こういう状況があるわけですから、これは情報通信の安全保障、それはまさにリアルな安全保障と直結する問題として、これはセンシティブにならざるを得ないという実情もあるということです。
 これはもう在外公館とか役所だけではなくて、人工衛星の乗っ取りだって今はできるくらいの技術力をいろんな国々がそれぞれに研究しているという状況ですから、もうきれい事はこの世界では通用しない。だけど、MアンドAができれば、どんな勢力の支配下にある通信事業者でも電波を使えるか、あるいは、どんな国々の、これは機器を使う、地上設備だったり端末だったり、使う通信事業者が公然と公の電波を使えるかというのは、これはやっぱりいろいろ切り口といいますか、考え方を整理して考えていかないと、これは日米安全保障そのものにも影響する可能性が私はあると思います。
 アメリカはセンシティブ、日本はノーガードでは、これはもうお互いの信頼関係の前提条件さえ満たさなくなってしまう。ましてや、防衛産業に至っては、これはボーイングやノースロップの虎の子の、例えば支援戦闘機や制空戦闘機の情報を日本の企業がライセンスをもらってだだ漏れにしちゃうんじゃ、恐ろしくて日系企業に下ろせない。そうなっちゃうと、日本の生産基盤そのものに影響する。やっぱりいろんな観点が必要になってくるんで、これは情報通信事業者のMアンドA、電波の利用というものには、公正、安全保障、両方の視点が必要かと思いますが、大臣の御見解をいただきたいと思います。
#222
○国務大臣(新藤義孝君) まず、この直近に行われました最初の御指摘であります。
 電波法上、携帯電話事業者による他の携帯電話事業者の株式取得、これを制限する規定はないわけでありまして、当該取得が直ちに問題になるとは考えていないと、このように思っています。
 しかし、株式の取得により、割当てを受ける際に提出された基地局の整備計画、この整備計画の実施に支障が生じるようなことがあれば、これは割当てが取り消されることもあり得ます。そして、総務省といたしましては、基地局の設置等が適切に実施されているか四半期ごとに厳格に確認します。また、その結果の概要を総務省のウエブサイトで公表します。株式の取得により基地局整備が滞ることがないように、これ引き続き指導監督をしていく、そういったことであります。
 また、今後の割当てについても、こうした基本方針、これは株式の取得、いろいろな変更があったにしても、それはそれぞれの計画においてきちっとやってもらわなければならない、これは崩しません。また、今後も維持してまいります。そして、電波の公正かつ能率的な利用、そのために、一層公正かつ能率的な利用を促進するためには更に措置が必要かどうか、これは不断の見直しと検討を進めてまいります。
 また、後半の部分でありますが、まず第一に、我が国に対して外国企業が携帯電話事業を行おうとする場合であっても、当該企業は電波法に基づいて基地局の開設に関する計画、これを提出する必要がございます。その上で、当該開設計画について人口カバー率、技術的事項、災害時の対応等、一定の事項を審査することによって、これは公正な割当てを行うとともに電波の公平かつ能率的な利用を確保しております。
 加えて、外国投資家が我が国の携帯電話事業を含む情報通信業に対して、対内の、私たちの国に対する対内直接投資等を行おうとする場合においては、国は、外国為替及び外国貿易法により、公の秩序の維持を妨げるなどのおそれがあると認める場合については当該投資等の変更又は中止を勧告、命令することができるということであります。言わば、電波法と外為法によりまして、その制度の運用によって我が国の安全保障上の問題が生じないように適切に対応してまいりたいというふうに思います。
 そして、加えて、セキュリティーは一国だけでやってはいけないと。これは、世界と連携をして、国際的枠組みの中でセキュリティー体制を組んでいかなければいけないと。今年の秋にはアジアの、ASEANの皆さんをお招きをしてセキュリティーサミットというものも我々考えます。それから、ヨーロッパやアメリカと交渉するときに、日本のセキュリティー体制がどうなっているんだと、これはいつもポイントになるところでありまして、私どもは今後の世界展開を考えていくと、このセキュリティー問題についてはこれまで以上に取り組んでいかなくてはいけないと、その問題意識は持って取り組んでまいりたいと思います。
#223
○森田高君 ありがとうございます。
 合衆国の連邦議会の情報通信特別委員会は、昨年十月に個別社名を名指しで、ファーウェイとZTEの端末を米国市場から排除するように求めた報告書を出している。日本がそうすべきとは言いません。かの国の会社でもいい関係を大臣、お築きになっていただいたらいいんですが、それくらいの意識を持っている国もある。これはアメリカだけではなくて、インドでも同様のもっと強い措置がとられているわけでありますから、日本が日米同盟なりインドとの安全保障協定をするという話も聞こえてきますが、全く無関係でいいという話にもならないです。
 それと、サイバーテロは今こうしている瞬間にも、NICTのnicterなどで公開されておりますけれども、もう一秒間に何百発、何千発の攻撃が今この瞬間にも日本に来ています。その中には、防衛産業もありますし、機密情報もたくさんあるでしょう。そして、原子力発電所の重要データなんかへのアクセスも記録されているということも聞いておりますんで、様々なやっぱりこれは問題意識を持って、同時に日本一国で対処できる問題だけでもないですが、比較的同じ価値観を有する方々と、国々といい関係をつくってもらったらと思います。先ほど、大臣は六月にファーウェイの経営者とお会いになられるというのは大変結構だと思います。率直に意見交換されて、その中で大臣のお考えというものを大事にしてもらったらいいと思います。
 そして、もう一言言わせてもらうとすると、情報通信の世界史を百年、二百年俯瞰していくと、やっぱり大英連邦とかアメリカの影響力というのは強いわけです。ですから、そういった枢軸の本丸の会社、ですからブリティッシュ・テレコムとか、そういった方々との関係というのも円満にしてもらうと、まあ近いところの小手先の戦略も大事ですが、百年単位の長いスパンの王道の戦略というものも感じられる、あるいは見えてくるというものもあると思いますので、これは新藤大臣にしかできませんし、ある意味、汚れ仕事もしなければなりませんので、是非御検討いただきたいというふうに思います。
 そしてもう一つ、次の質問に行きますが、次に、多分柴山副大臣だと思うんですが、様々防災、消防の無線の整備計画に関してはもう先ほど来議論はたくさんありました。ですから、平成二十八年の五月末とか、できるかどうかとかもありましたので、その辺りは割愛させていただきたいと思うんですが。
 先般、国民ID法案が通ったわけです。そのときの質疑においても医療分野への利活用ということを意見として申し上げた次第なんですが、デジタル通信がこれで日の目を見ますと、データの転送が当然にできることになります。医療クラウドというものがあれば、倒れた方々のIDを、ICカードを救急車なりの端末に差し込んだり、あるいはそれに代わる方法でIDへインプットした場合、恐らくその患者さんのステータスが即時に地域の医療機関に連携されることになると思います。
 正直、九〇年代から今日に至るまで、救急搬送時間というのはもう遅延の一途であります。九〇年代初頭、私が医師免許をもらったころは、二十分ぐらいで、大体行き倒れてから病院に搬送されるまでの時間はそれで成立していたわけです。今はもう三十五分、六分という、もう十数分間延びちゃって、この十数分間というのはもう文字どおりの致命傷、もう致命的な時間です。
 ただ、そういった時間をどうやったら短縮できるだろうかというふうに考えた場合、まあマンパワーの問題は一つあると思うんです。医者も足りないし、消防隊も足りない。高齢化が進んでいるから需要が多い。だから、なかなか難しいけれども、ただ、デジタルというものとクラウドというものがかみ合ったら、それは救命救急率の向上に直結する今度は糸口が出てくる可能性があるんですね。受入れ側も万全の体制が取れるし、あるいは、例えば医療者が全く未知の感染症にかかっている患者さんを、これがもう全く分からない状態で引き受けるよりは、この方は例えば肝炎なりあるいはHIVなり、いろんな感染症があるという情報を持って迎えるのでは、医療従事者の危険度も全く違ってくると思うんです。
 ですから、これはいろんなところに効能というものは出てくると思うので、是非、先般の国民ID法案を大事にしてもらって、その上で、消防無線のデジタル化というものを更にそこを立体的に組み合わせていくような二の矢、三の矢が出てくると、国民から見ても、デジタル化されても有り難いと思わないかもしれないけれども、自分たちの救急救命率が上がるという話になってくると、まさにこれは福音になるというふうに思っております。
 副大臣でも大臣でも、何か御見解があればいただいて、質問を終わります。
#224
○国務大臣(新藤義孝君) いつも委員からは建設的な御提案をいただいて、本当に感謝をいたします。
 今の、まさに我々はこのICTを使って国民生活に革新をもたらすと、それは、安心であり、便利であり、安全であり、命を救うものでなければならないと。
 そういった意味で、今のこのIDですね、国民のナンバー法案、これもまずは信用をいただくように、今決められた枠の中できちっと運用して、その上で将来的なものについては今後の見直しが入ってきます。それから、医療のデータベースを、これクラウドを活用しながらメディカル・メガバンクをつくっていこうと、こういうこともやっています。それから、先ほど片山先生からも言っていただきましたが、今度の成長戦略の中にはICTを活用した防災システムというのが、これが目玉で入ってきます。
 そういう形で、いろんな工夫をしながらより良い国民生活、それは新しく産業もそこに発生する、雇用も発生する、それから製造業の需要も発生する。こういった形でうまく回していけるように、科学の力を使いながら知恵を使ってまいりたいと、このように思っております。
#225
○森田高君 終わります。
#226
○委員長(松あきら君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
 電波法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#227
○委員長(松あきら君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 この際、加賀谷健君から発言を求められておりますので、これを許します。加賀谷健君。
#228
○加賀谷健君 私は、ただいま可決されました電波法の一部を改正する法律案に対し、民主党・新緑風会、自由民主党、公明党、みんなの党、生活の党、日本共産党、みどりの風、社会民主党・護憲連合及び日本維新の会の各派並びに各派に所属しない議員森田高君の共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    電波法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、本法施行に当たり、次の事項についてその実現に努めるべきである。
 一、首都直下型地震や南海トラフ地震などの重大な災害の発生も懸念されていることから、防災行政無線及び消防・救急無線のデジタル化については、東日本大震災の教訓、地方公共団体の意見を踏まえつつ、災害時における情報の迅速、正確かつ高度な伝達が真に可能なものとなるよう努めること。また、財政力の弱い地方公共団体を始めとして、財政負担の更なる軽減も含め、計画が達成可能なものとなるよう、支援に万全を期すこと。
 二、電波利用料制度の見直しに当たっては、新技術の導入や新たなビジネスの展開などに伴う電波の利用状況等の環境の変化を踏まえつつ、予算規模及び料額の算定について、受益と負担の関係の明確化、電波の経済的価値のより適正な反映及び負担の公平確保により、無線局免許人及び国民からの理解を十分得られるよう努めるとともに、使途について、その必要性・効果等を十分検証し、本制度の一層の適正化を図ること。
 三、周波数の競売については、免許手続の透明化や歳入増が期待され、また、新規参入や市場競争を促進し、イノベーションの促進や国際競争力の強化につながることも期待できる一方、落札額の高騰による事業者・利用者の負担増、電波利用の既得権益化等の課題があることから、電波が国民共有の財産であることを踏まえつつ、国民全体の便益を考慮して、幅広く意見を聴取し、総合的に検討を行うこと。
 四、ブロードバンド・ゼロ地域についてはほぼ解消されたものの、今後も情報通信分野における地域間格差の解消に向け、更に取り組むとともに、我が国の経済及び地域の活性化を図るため、情報通信技術の利活用を積極的に推進すること。
 五、災害時における情報通信の重要性に鑑み、東日本大震災等の教訓をいかして、災害に強い情報通信基盤の構築に努めること。
   右決議する。
 以上でございます。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
#229
○委員長(松あきら君) ただいま加賀谷健君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#230
○委員長(松あきら君) 全会一致と認めます。よって、加賀谷健君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、新藤総務大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。新藤総務大臣。
#231
○国務大臣(新藤義孝君) ただいま御決議のありました事項につきましては、その御趣旨を十分に尊重してまいりたいと存じます。
#232
○委員長(松あきら君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#233
○委員長(松あきら君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後五時四分散会
ソース: 国立国会図書館
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