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2013/01/28 第183回国会 参議院 参議院会議録情報 第183回国会 本会議 第1号
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2013/01/28 第183回国会 参議院

参議院会議録情報 第183回国会 本会議 第1号

#1
第183回国会 本会議 第1号
平成二十五年一月二十八日(月曜日)
   午前十時一分開議
    ━━━━━━━━━━━━━
#2
○議事日程 第一号
  平成二十五年一月二十八日
   午前十時開議
 第一 議席の指定
 第二 国務大臣の演説に関する件
    ━━━━━━━━━━━━━
○本日の会議に付した案件
 一、日程第一
 一、元議員中尾辰義君逝去につき哀悼の件
 一、特別委員会設置の件
 一、裁判官訴追委員辞任の件
 一、裁判官訴追委員の選挙
 一、日程第二
     ─────・─────
#3
○議長(平田健二君) 第百八十三回国会は本日をもって召集されました。
 これより会議を開きます。
 去る十六日、アルジェリアにおいて発生した邦人拘束事件により、日本人を含む数多くの方々が犠牲となられました。
 誠に痛恨の至りに堪えません。
 このような行為は、断じて許し難く、犠牲となられた方々の御冥福を祈り、その御遺族に対しまして、衷心よりお悔やみ申し上げます。また、被害に遭われた方々に対し、心からお見舞い申し上げます。
 ここに、犠牲者の御冥福を祈り、黙祷をささげたいと存じます。御起立願います。黙祷。
   〔総員起立、黙祷〕
#4
○議長(平田健二君) 黙祷を終わります。御着席ください。
     ─────・─────
#5
○議長(平田健二君) 日程第一 議席の指定
 議長は、本院規則第十四条の規定により、諸君の議席をただいまの仮議席のとおりに指定いたします。
     ─────・─────
#6
○議長(平田健二君) さきに院議をもって永年在職議員として表彰されました元議員中尾辰義君は、昨年十二月二十日逝去されました。誠に痛惜の極みであり、哀悼の念に堪えません。
 つきましては、この際、院議をもって同君に対し弔詞をささげることにいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#7
○議長(平田健二君) 御異議ないと認めます。
 弔詞を朗読いたします。
   〔総員起立〕
 参議院は わが国 民主政治発展のため力を尽くされ 特に院議をもって永年の功労を表彰せられ さきに法務委員長 科学技術振興対策特別委員長等の重任にあたられました 元議員勲一等中尾辰義君の長逝に対し つつしんで哀悼の意を表し うやうやしく弔詞をささげます
     ─────・─────
#8
○議長(平田健二君) この際、特別委員会の設置についてお諮りいたします。
 災害に関する諸問題を調査し、その対策樹立に資するため、委員二十名から成る災害対策特別委員会を、
 沖縄及び北方問題に関する対策樹立に資するため、委員二十名から成る沖縄及び北方問題に関する特別委員会を、
 政治倫理の確立及び選挙制度に関する調査のため、委員三十五名から成る政治倫理の確立及び選挙制度に関する特別委員会を、
 北朝鮮による拉致等に関する諸問題を調査し、その対策樹立に資するため、委員二十名から成る北朝鮮による拉致問題等に関する特別委員会を、
 政府開発援助を始めとする国際援助・協力に関する諸問題を調査するため、委員三十名から成る政府開発援助等に関する特別委員会を、
 消費者の利益の擁護及び増進等に関する総合的な対策を樹立するため、委員二十五名から成る消費者問題に関する特別委員会を、
 また、東日本大震災からの復興に当たり、その総合的な対策樹立に資するため、委員四十名から成る東日本大震災復興特別委員会を、
それぞれ設置いたしたいと存じます。御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#9
○議長(平田健二君) 御異議ないと認めます。
 よって、災害対策特別委員会外六特別委員会を設置することに決しました。
 本院規則第三十条の規定により、議長は、議席に配付いたしました氏名表のとおり特別委員を指名いたします。
    ─────────────
   議長の指名した委員は左のとおり
○災害対策特別委員
      岡崎トミ子君    那谷屋正義君
      難波 奨二君    西村まさみ君
      林 久美子君    福山 哲郎君
      藤末 健三君    前田 武志君
      青木 一彦君    尾辻 秀久君
      小坂 憲次君    佐藤 信秋君
      末松 信介君    牧野たかお君
      若林 健太君    秋野 公造君
      渡辺 孝男君    柴田  巧君
      平山 幸司君    山下 芳生君
○沖縄及び北方問題に関する特別委員
      岩本  司君    尾立 源幸君
      風間 直樹君    武内 則男君
  ツルネン マルテイ君    徳永 エリ君
      室井 邦彦君    猪口 邦子君
      宇都 隆史君    島尻安伊子君
      武見 敬三君    野村 哲郎君
      長谷川 岳君    橋本 聖子君
      木庭健太郎君    横山 信一君
      江口 克彦君    主濱  了君
      紙  智子君    山内 徳信君
○政治倫理の確立及び選挙制度に関する特別委員
      足立 信也君    有田 芳生君
      梅村  聡君    江田 五月君
      大野 元裕君    小見山幸治君
      芝  博一君    榛葉賀津也君
      鈴木  寛君    辻  泰弘君
      轟木 利治君    広田  一君
      藤田 幸久君    磯崎 仁彦君
      岩井 茂樹君    岡田  広君
      岸  宏一君    佐藤ゆかり君
      山東 昭子君    中川 雅治君
      西田 昌司君    藤川 政人君
      松村 祥史君    丸川 珠代君
      宮沢 洋一君    山崎  力君
      吉田 博美君    荒木 清寛君
      長沢 広明君    西田 実仁君
      小野 次郎君    中西 健治君
      佐藤 公治君    井上 哲士君
      行田 邦子君
○北朝鮮による拉致問題等に関する特別委員
      有田 芳生君    大野 元裕君
      川合 孝典君    徳永 久志君
      白  眞勲君    柳澤 光美君
      柳田  稔君    山根 隆治君
      石井 浩郎君    衛藤 晟一君
      小泉 昭男君    塚田 一郎君
      野上浩太郎君    松村 龍二君
     三原じゅん子君    谷合 正明君
      浜田 昌良君    柴田  巧君
     はた ともこ君    中山 恭子君
○政府開発援助等に関する特別委員
      石橋 通宏君    江崎  孝君
      小川 敏夫君    大久保 勉君
      大塚 耕平君    津田弥太郎君
      藤谷 光信君    松野 信夫君
      安井美沙子君    柳澤 光美君
      赤石 清美君    大家 敏志君
      大江 康弘君   北川イッセイ君
      小泉 昭男君    中原 八一君
      中村 博彦君    長谷川 岳君
      水落 敏栄君    山谷えり子君
      山本 順三君    竹谷とし子君
      山本 香苗君    松田 公太君
      山田 太郎君    森 ゆうこ君
      亀井亜紀子君    吉田 忠智君
      浜田 和幸君    舛添 要一君
○消費者問題に関する特別委員
      小川 勝也君    小川 敏夫君
      大河原雅子君    金子 洋一君
      斎藤 嘉隆君    谷  博之君
      樽井 良和君    白  眞勲君
      前川 清成君    松井 孝治君
      石井 準一君    石井みどり君
      上野 通子君    片山さつき君
      末松 信介君    中西 祐介君
      二之湯 智君    松下 新平君
      渡辺 猛之君    加藤 修一君
      山本 博司君    川田 龍平君
      谷  亮子君    大門実紀史君
      谷岡 郁子君
○東日本大震災復興特別委員
      岡崎トミ子君    加賀谷 健君
      金子 恵美君    神本美恵子君
      郡司  彰君    小西 洋之君
      田城  郁君    田中 直紀君
      玉置 一弥君    長浜 博行君
      平野 達男君    福山 哲郎君
      藤本 祐司君    増子 輝彦君
      蓮   舫君    愛知 治郎君
      赤石 清美君    岩城 光英君
      上野 通子君    岡田  広君
      熊谷  大君    佐藤 信秋君
      島尻安伊子君    関口 昌一君
      高階恵美子君    福岡 資麿君
      山田 俊男君    吉田 博美君
      石川 博崇君    浜田 昌良君
      渡辺 孝男君    川田 龍平君
      寺田 典城君    藤原 良信君
      大門実紀史君    平山  誠君
      吉田 忠智君    水戸 将史君
      浜田 和幸君    荒井 広幸君
     ─────・─────
#10
○議長(平田健二君) この際、お諮りいたします。
 森ゆうこ君から裁判官訴追委員を辞任いたしたいとの申出がございました。
 これを許可することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#11
○議長(平田健二君) 御異議ないと認めます。
 よって、許可することに決しました。
     ─────・─────
#12
○議長(平田健二君) この際、欠員となりました裁判官訴追委員一名の選挙を行います。
 つきましては、本選挙は、その手続を省略し、議長において指名することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#13
○議長(平田健二君) 御異議ないと認めます。
 よって、議長は、裁判官訴追委員に難波奨二君を指名いたします。
 これにて休憩いたします。
   午前十時九分休憩
     ─────・─────
   午後三時一分開議
#14
○議長(平田健二君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。
 日程第二 国務大臣の演説に関する件
 内閣総理大臣から所信について発言を求められております。これより発言を許します。内閣総理大臣安倍晋三君。
   〔内閣総理大臣安倍晋三君登壇、拍手〕
#15
○内閣総理大臣(安倍晋三君) まず、アルジェリアで発生したテロ事件について、一言申し上げます。
 事件発生以来、政府としては、総力を挙げて情報収集と人命救出に取り組んでまいりました。しかしながら、世界の最前線で活躍する何の罪もない日本人が犠牲となったことは、痛恨の極みです。残された御家族の方々のお気持ちを思うと、悲痛の念に堪えません。
 無辜の市民を巻き込んだ卑劣なテロ行為は、決して許されるものではなく、断固として非難します。私たちは、今般の事件の検証を行い、国民の生命、財産を守り抜きます。国際社会と引き続き連携し、テロと闘い続けます。冒頭、その決意を申し上げます。
 昨年末の総選挙によって国民の審判を経て、自由民主党と公明党の連立政権を発足させ、第九十六代内閣総理大臣を拝命いたしました。
 私は、かつて病のために職を辞し、大きな政治的挫折を経験した人間です。国家のかじ取りをつかさどる重責を改めてお引き受けするからには、過去の反省を教訓として心に刻み、丁寧な対話を心掛けながら、真摯に国政運営に当たっていくことを誓います。
 国家国民のために再び我が身をささげんとする私の決意の源は、深き憂国の念にあります。危機的な状況にある我が国の現状を正していくために、なさなければならない使命があると信じるからです。
 デフレと円高の泥沼から抜け出せず、五十兆円とも言われる莫大な国民の所得と産業の競争力が失われ、どれだけ真面目に働いても暮らしが良くならない日本経済の危機。三十二万人近くにも及ぶ方々が住み慣れたふるさとに戻れないまま、遅々として進んでいない東日本大震災からの復興の危機。外交政策の基軸が揺らぎ、その足下を見透かすかのように、我が国固有の領土・領海・領空や主権に対する挑発が続く外交・安全保障の危機。そして、国の未来を担う子供たちの中で陰湿ないじめが相次ぎ、この国の歴史や伝統への誇りを失い、世界に伍していくべき学力の低下が危惧される教育の危機。このまま手をこまねいているわけにはいきません。
 皆さん、今こそ、額に汗して働けば必ず報われ、未来に夢と希望を抱くことができる、真っ当な社会を築いていこうではありませんか。そのためには、日本の未来を脅かしている数々の危機を何としても突破していかなければなりません。
 野党として過ごした三年余り、全国津々浦々で現場の声を丹念に拾い集め、政策のあるべき姿を考え抜いてまいりました。政権与党に復帰した今こそ、温めてきた政策を具体的に実現させ、国民とともに現下の危機突破に邁進します。
 内閣発足に当たって、私は全ての閣僚に、経済再生、震災復興、危機管理に全力を挙げるよう一斉に指示をいたしました。危機の突破は、全閣僚が一丸となって取り組むべき仕事です。
 同時に、与野党の別を問わず、国政に携わる全ての国会議員が担うべき責任でもあるはずです。
 この議場に集う全ての国会議員諸氏に訴えます。危機を突破せんとする国家の確固たる意思を示すため、与野党の英知を結集させ、国力を最大限に発揮させようではありませんか。各党各会派の御理解と御協力を切に求めてやみません。
 我が国にとって最大かつ喫緊の課題は、経済の再生です。
 私がなぜ数ある課題のうち経済の再生に最もこだわるのか。それは、長引くデフレや円高が、頑張る人は報われるという社会の信頼の基盤を根底から揺るがしていると考えるからです。
 政府がどれだけ所得の分配を繰り返しても、持続的な経済成長を通じて富を生み出すことができなければ、経済全体のパイは縮んでいってしまいます。そうなれば、一人一人がどんなに頑張ってみても、個人の手元に残る所得は減っていくばかりです。私たちの安心を支える社会保障の基盤も揺らぎかねません。
 これまでの延長線上にある対応では、デフレや円高から抜け出すことはできません。だからこそ、私は、これまでとは次元の違う大胆な政策パッケージを提示します。断固たる決意を持って強い経済を取り戻していこうではありませんか。
 既に、経済再生の司令塔として日本経済再生本部を設置し、経済財政諮問会議を再起動させました。この布陣をフル回転させ、大胆な金融政策、機動的な財政政策、そして民間投資を喚起する成長戦略という三本の矢で経済再生を推し進めます。
 金融政策については、従来の政策枠組みを大胆に見直す共同声明を日本銀行との間で取りまとめました。日本銀行において二%の物価安定目標をできるだけ早期に実現することを含め、政府と日本銀行がそれぞれの責任において共同声明の内容をきちんと実行していくことが重要であり、政府と日本銀行の一層の緊密な連携を図ってまいります。
 加えて、さきにまとめた緊急経済対策で、景気を下支えし、成長力を強化します。これから提出する補正予算は、その裏付けとなるものです。復興・防災対策、成長による富の創出、暮らしの安心・地域活性化という三つを重点分野として、大胆な予算措置を講じます。速やかに成立させ、実行に移せるよう、各党各会派の格別の御理解と御協力をお願い申し上げます。
 他方、財政出動をいつまでも続けるわけにはいきません。民間の投資と消費が持続的に拡大する成長戦略を策定し、実行してまいります。
 iPS細胞という世紀の大発明は、新しい薬や治療法を開発するための臨床試験の段階が見えています。実用化されれば、健康で長生きできる社会の実現に貢献するのみならず、新たな富と雇用も生み出します。イノベーションと制度改革は、社会的課題の解決に結び付くことによって、暮らしに新しい価値をもたらし、経済再生の原動力となります。
 最も大切なのは、未知の領域に果敢に挑戦をしていく精神です。皆さん、今こそ世界一を目指していこうではありませんか。
 世界中から投資や人材を引き付け、若者もお年寄りも、年齢や障害の有無にかかわらず、全ての人々が生きがいを感じ、何度でもチャンスを与えられる社会。働く女性が自らのキャリアを築き、男女が共に仕事と子育てを容易に両立できる社会。中小企業・小規模事業者が躍動し、農山漁村の豊かな資源が成長の糧となる、地域の魅力があふれる社会。そうしたあるべき社会像を確かな成長戦略に結び付けることによって、必ずや強い経済を取り戻してまいります。
 同時に、中長期の財政健全化に向けてプライマリーバランスの黒字化を目指します。
 東日本大震災の被災地は、二度目の厳しい冬を迎えています。私は、昨年末に総理に就任した直後に、最初の訪問地として迷うことなく福島を選びました。そして、先日は宮城を訪れ、これからも可能な限り現地に足を運ぶつもりです。
 被災地のことを思うとき、私は、ある少女とその家族の物語を思い出さずにはいられません。東日本大震災で、小学校三年生だった彼女は、ひいおばあさんとお母さんを亡くしました。悲しみに暮れる家族の下に、被災から二か月後のある日、一通の手紙が届きます。それは、二年前、少女が小学校に入学した後に、お母さんが少女にないしょで書いた未来へあてた手紙でした。
 手紙には、入学当初の苦労話の後に、こうつづられていました。
 「げんきに学校にいってくれるだけで、とてもあんしんしていました。このてがみを みんなでよんでいるところを たのしみにして、これから おかあさんは がんばっていきます」
 この手紙を受け取ったのは、私がかつて被災地で出会い、先般、再会を果たした少女です。その際、彼女は、私の目をじっと見詰め、小学校を建ててほしいと言いました。過去を振り返るのではなく、将来への希望を伝えてくれたことに私は強く心を打たれました。
 ふるさとの復興は、被災地の皆さんが生きる希望を取り戻す作業です。今を懸命に生きる人々の笑顔を取り戻す、それは、その笑顔をただ願いながら天国で私たちを見守っている犠牲者の御霊に報いる道でもあるはずです。
 復興という言葉を唱えるだけでは、何も変わりません。まずは、政府の体制を大転換します。これまでの行政の縦割りを排し、復興庁がワンストップで要望を吸い上げ、現場主義を貫きます。今般の補正予算においても思い切った予算措置を講じ、被災地の復興と福島の再生を必ずや加速させてまいります。
 外交・安全保障についても、抜本的な立て直しが急務です。
 何よりも、その基軸となる日米同盟を一層強化して、日米の絆を取り戻さなければなりません。二月第三週に予定される日米首脳会談において、緊密な日米同盟の復活を内外に示していく決意です。同時に、普天間飛行場の移設を始めとする沖縄の負担の軽減に全力で取り組みます。
 外交は、単に周辺諸国との二国間関係だけを見詰めるのではなく、地球儀を眺めるように世界全体を俯瞰して、自由、民主主義、基本的人権、法の支配といった基本的価値に立脚し、戦略的な外交を展開をしていくのが基本です。
 大きく成長していくアジア太平洋地域において、我が国は、経済のみならず、安全保障や文化・人的交流など、様々な分野で先導役として貢献を続けてまいります。
 本年は、日ASEAN友好協力四十周年に当たります。私は、先日、ベトナム、タイ、インドネシアの三か国を訪問し、日本に対する期待の高さを改めて肌で感じることができました。二〇一五年の共同体構築に向けて、成長センターとして発展を続けるASEAN諸国との関係を強化していくことは、地域の平和と繁栄にとって不可欠であり、日本の国益でもあります。この訪問を皮切りに、今後とも、世界情勢を広く視野に入れた戦略的な外交を展開してまいります。
 我が国を取り巻く情勢は、厳しさを増しています。国境離島の適切な振興、管理、警戒警備の強化に万全を尽くし、この内閣の下では、国民の生命、財産、領土・領海・領空を断固として守り抜いていくことをここに宣言いたします。
 あわせて、今般のアルジェリアでのテロ事件は、国家としての危機管理の重要性について改めて警鐘を鳴らすものでした。テロやサイバー攻撃、大規模災害、重大事故などの危機管理対応について、二十四時間三百六十五日体制で更なる緊張感を持って対処します。
 そして、何よりも、拉致問題の解決です。全ての拉致被害者の御家族が御自身の手で肉親を抱き締める日が訪れるまで、私の使命は終わりません。北朝鮮に対話と圧力の方針を貫き、全ての拉致被害者の安全確保及び即時帰国、拉致に関する真相究明、拉致実行犯の引渡しの三点に向けて、全力を尽くします。
 我が国が直面する最大の危機は、日本人が自信を失ってしまったことにあります。確かに、日本経済の状況は深刻であり、今日明日で解決できるような簡単な問題ではありません。
 しかし、自らの力で成長していこうという気概を失ってしまっては、個人も国家も明るい将来を切り開くことはできません。芦田元総理は、戦後の焼け野原の中で、将来はどうなるだろうかと思い悩む若者たちを諭して、こう言いました。どうなるだろうかと人に問いかけるのではなく、我々自身の手によって運命を開拓するほかに道はないと。
 この演説をお聞きの一人一人の国民へ訴えます。何よりも、自らへの誇りと自信を取り戻していこうではありませんか。私たちも、そして日本も、日々、自らの中に眠っている新しい力を見出してこれからも成長していくことができるはずです。今ここにある危機を突破し、未来を切り開いていく覚悟を共に分かち合おうではありませんか。
 強い日本をつくるのは、ほかの誰でもありません、私たち自身です。
 御清聴ありがとうございました。(拍手)
#16
○議長(平田健二君) ただいまの演説に対する質疑は次会に譲りたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#17
○議長(平田健二君) 御異議ないと認めます。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後三時二十一分散会
ソース: 国立国会図書館
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