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2013/03/25 第183回国会 参議院 参議院会議録情報 第183回国会 本会議 第12号
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2013/03/25 第183回国会 参議院

参議院会議録情報 第183回国会 本会議 第12号

#1
第183回国会 本会議 第12号
平成二十五年三月二十五日(月曜日)
   午前十時一分開議
    ━━━━━━━━━━━━━
#2
○議事日程 第十二号
  平成二十五年三月二十五日
   午前十時開議
 第一 中央選挙管理会委員及び同予備委員の指
  名
    ━━━━━━━━━━━━━
○本日の会議に付した案件
 一、日程第一
 一、所得税法等の一部を改正する法律案(趣旨
  説明)
 一、国務大臣の報告に関する件(平成二十五年
  度地方財政計画について)
 一、地方税法の一部を改正する法律案及び地方
  交付税法及び特別会計に関する法律の一部を
  改正する法律案(趣旨説明)
     ─────・─────
#3
○議長(平田健二君) これより会議を開きます。
 日程第一 中央選挙管理会委員及び同予備委員の指名
 内閣から、中央選挙管理会委員五名の任命について、本院の議決による指名を求めてまいりました。
 本委員を指名するときは、併せて同予備委員を指名することとなっております。
 よって、これより中央選挙管理会委員及び同予備委員各五名の指名を行いたいと存じます。
 つきましては、中央選挙管理会委員及び同予備委員の指名は、いずれも議長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○議長(平田健二君) 御異議ないと認めます。
 よって、議長は、
 中央選挙管理会委員に神崎浩昭君、原邦明君、中野寛成君、和田洋子君及び長谷雄幸久君を、
 また、同予備委員に元宿仁君、久米晃君、尾崎智子君、早川忠孝君及び橋本文彦君を、
それぞれ指名いたします。
     ─────・─────
#5
○議長(平田健二君) この際、日程に追加して、
 所得税法等の一部を改正する法律案について、提出者の趣旨説明を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○議長(平田健二君) 御異議ないと認めます。財務大臣麻生太郎君。
   〔国務大臣麻生太郎君登壇、拍手〕
#7
○国務大臣(麻生太郎君) ただいま議題となりました所得税法等の一部を改正する法律案の趣旨を御説明させていただきます。
 本法律案は、現下の経済情勢等を踏まえ、成長と富の創出の好循環を実現するとともに、社会保障・税一体改革を着実に実施するなどの観点から、国税に関し、個人所得課税、法人課税、資産課税、納税環境整備等について所要の措置を講ずるものであります。
 以下、その大要を申し上げさせていただきます。
 第一に、個人所得課税について、所得税の最高税率の引上げを行うほか、公社債等に関する課税方式の変更及び損益通算の範囲の拡大、住宅借入金等に係る所得税額控除制度の適用期限の延長及び最大控除可能額の引上げ等を行うことといたしております。
 第二に、法人課税について、試験研究を行った場合の税額控除制度の控除上限額の引上げ、生産等設備投資促進税制及び所得拡大促進税制の創設、避難解除区域等に係る税額控除制度の拡充等を行うことといたしております。
 第三に、資産課税につきましては、相続税の基礎控除の引下げ及び最高税率の引上げ等の税率構造の見直し並びに贈与税の税率構造の見直し及び相続時精算課税制度の拡充を行うとともに、非上場株式等についての相続税及び贈与税の納税猶予制度の見直し及び教育資金の一括贈与に係る贈与税の非課税制度の創設等を行うことといたしております。
 第四に、納税環境整備について、延滞税等の見直し等を行うことといたしております。
 第五に、土地の売買等に係る登録免許税の特例等既存の特例について、その適用期限の延長や整理合理化等を行うことといたしております。
 このほか、附則において、寄附金税制、特定支出控除、交際費課税及び贈与税に関する検討規定を設けることといたしております。
 以上、所得税法等の一部を改正する法案につきまして、その趣旨を御説明申し上げた次第であります。(拍手)
    ─────────────
#8
○議長(平田健二君) ただいまの趣旨説明に対し、質疑の通告がございます。順次発言を許します。川合孝典君。
   〔川合孝典君登壇、拍手〕
#9
○川合孝典君 おはようございます。民主党・新緑風会の川合孝典です。
 私は、ただいま議題となりました所得税法等の一部を改正する法律案につきまして、安倍総理並びに麻生財務大臣に質問をいたします。
 まず、消費税引上げの前提にもなっている景気についてお伺いをします。
 アベノミクスによる金融緩和への期待が先行する中で、今までのところ円安傾向が続いております。円安傾向は株価上昇の一因ともなり、景気回復への国民の期待感は高まっております。
 しかしながら、その期待感とは裏腹に、円安の副作用として、国内物価が急速に上昇し始めました。現に、ガソリン価格は百五十五円を超え、輸入小麦は平均約一〇%、トイレットペーパー、ティッシュペーパーは一五%以上、そして鋼材は最大二〇%の値上げが四月から予定されているなど、物価上昇の波が押し寄せ始めております。
 こういった物価上昇の波は、デフレギャップの縮小によるものではありません。このままでは、本格的な景気回復に至る前に経済の足を引っ張り、スタグフレーションに陥る可能性も懸念されているところであります。この点をどう評価され、どのような対応をお考えか、まず安倍総理にお伺いをします。
 次に、賃金引上げに関してお伺いします。
 円安による輸出産業の回復や物価上昇の波が賃金の上昇に波及して初めて、真のデフレ脱却と景気回復が成し遂げられます。安倍総理もそう思われたからこそ、労使交渉で決まる賃金について経済界に異例の引上げ要請をなさったものと理解しております。
 しかし、これまで輸出の主力であった電機産業の地位が低下するなど産業構造が大きく変化している中、円安が、かつてのように、単純に日本経済に大きくプラスとなるような状況からは変わってきております。むしろ、内需系産業にとってみれば、円安の恩恵どころか、原材料費の上昇により悪影響を受ける可能性すらあるのです。特に、中小企業は価格転嫁が難しく、非常に厳しい春を迎えることになる可能性が指摘されております。こうした状況下で固定費を増大させる給与引上げは、企業にとって非常に厳しいことと思われます。
 実際、報道機関の調査によると、安倍総理の要請に対して賃上げに前向きに取り組もうとしている企業は、約一割にとどまっております。円安の恩恵を受けられない内需系産業、中小企業に対し、具体的にどのような対応をお取りになるのか、安倍総理にお伺いします。
 アベノミクスによる副作用はもう一つ想定されますが、それは長期金利の上昇であります。今のところ、長期金利は低位で推移しておりますが、それは債務危機が起こる前の欧州各国も同様でありました。一たび国の財政に対する信用が失われて長期金利が上昇すれば、国の長期債務の利払い増大、国債を大量保有している金融機関の損失など、リスクが顕在化することとなります。こうしたリスクに対して、どのような対応を考えておられるのか、麻生財務大臣にお伺いします。
 次に、所得拡大促進税制について伺います。
 本法案では、企業の労働分配を促すために所得拡大促進税制を創設することとしております。立法の趣旨は理解できますが、実際の効果については疑問が残ります。
 平成二十二年度の時点で法人税を納付していない法人税法上の欠損法人が全法人に占める割合は七二・八%となっており、そもそも税額控除の恩恵を受けることのできる企業は限られております。実際、所得拡大促進税制の導入によって、一体どの程度の企業が適用を受け、どの程度の効果が見込まれているのでしょうか。この点について財務大臣にお伺いをします。
 次に、雇用促進税制の拡充について伺います。
 雇用促進税制については、雇用者数を前年度から一〇%以上増加させることなど、適用要件のハードルが高いことから、これまでも使い勝手の悪さが指摘されてきました。今般の改正案は、税額控除額の引上げのみにとどまっております。適用要件の見直しが行われておらず、これでは効果が限定的なものになってしまうことが考えられます。なぜ今回、適用要件を見直さなかったのか、その理由について財務大臣にお伺いをします。
 次に、雇用規制の緩和をめぐって現在、政府部内で行われている議論についてお伺いをします。
 政府の産業競争力会議で、総理は、今後五年間を産業再編、事業再構築、起業や新規投資を進める緊急構造改革期間と位置付けると表明し、雇用支援策を雇用維持型から労働移動支援型へシフトさせるとの方針を打ち出されました。
 表面的には、経済団体に賃上げ要請を行いつつ、裏でこっそり労働者の首切りをしやすくする制度の検討を行うところに、私は安倍政権の正体を見た気がいたしております。この方針は、明らかに正社員の雇用規制の緩和を視野に入れたものであり、更なる労働条件の低下や不安定雇用の増大を招くことが危惧されます。
 また、雇用の受皿を準備しないままでの労働規制の緩和を行えば、失業率の悪化につながることは明白であり、これまで労働者の保護や雇用のセーフティーネットの強化を進めてきた私たち民主党として、到底容認できるものではありません。
 雇用規制を変更するおつもりなのか、また、それによる雇用への影響をどのように一体考えておられるのか、安倍総理にお伺いをします。
 次に、社会保障と税の一体改革と財政健全化について伺います。
 本法案は、社会保障と税一体改革の積み残し課題が大きな柱となっております。民主党は、本年一月より積み残し課題について自民党、公明党との協議を再開いたしました。税制については、経済対策など一体改革以外の年度改正項目も含め、協議を行い、二月二十二日に三党で一致した部分について合意をいたしました。
 しかし、社会保障については、自民党、公明党は現状維持の姿勢で、改革に対する意欲が全く伝わってまいりません。社会保障を安定化し、将来不安を解消するため、社会保障改革と税制改革は車の両輪であったはずであります。今後、社会保障と税の一体改革にどのように取り組んでいくおつもりなのか、安倍総理にお伺いをします。
 また、将来不安を解消していくためには、財政健全化を同時に達成することも重要であります。補正予算の大盤振る舞いにより、財政健全化への道のりはより険しくなってきておりますが、一体いつまでに新たな中期財政計画をお示しになるのか、安倍総理にお伺いをします。
 次に、消費税引上げに際しての対策について伺います。
 所得の少ない家計ほど消費税負担率が高くなるという逆進性は、消費税導入時から対策の必要性が度々指摘されてきました。しかし、これまでの政府は、引上げのたびに福祉給付金という一回限りの給付金を支給するという対応でよしとしてきました。今回の消費税引上げはいよいよ税率が一〇%に達するというものであり、一回限りではなく継続的な逆進性対策が必要であります。
 目の前に迫った消費税率引上げへの逆進性対策は、国民への周知や事務を担うであろう自治体との協議に要する時間を考えれば、すぐにでも具体策を詰めていかなければならない時期が来ていると考えますが、この点について財務大臣の御見解をお伺いします。
 また、与党は、逆進性対策として複数税率の検討を行っていることと聞き及んでおります。しかし、複数税率については、結果的に高額所得者優遇につながることや対象品目の選定が利権に結び付きやすいこと、さらには、インボイスの導入による事業者の事務負担増など様々な問題があることから、給付付き税額控除の方が逆進性対策として有力であると、かねてより私たち民主党は主張してまいりました。
 複数税率及び給付付き税額控除について、麻生財務大臣の御見解をお伺いいたします。
 次に、消費税の表示方法についてお伺いします。
 過去の経験から、消費税引上げの際、立場の弱い中小企業は消費税を価格に転嫁することが非常に難しく、転嫁できない分を自らの利益を削って納税しなければならない事態に追い込まれることが想定されております。外税であれば消費税分を請求しやすいとの声もあり、税制抜本改革法第七条に内税、外税の問題も規定したところではありますが、消費税の表示見直しについてどのようにお考えなのか、麻生財務大臣にお伺いをいたします。
 次に、贈与税の非課税措置について伺います。
 本法案には、教育資金の一括贈与に係る贈与税の非課税措置の新設が含まれております。高齢世代の資産を現役世代に移動させることを目的とした今回の措置は、経済対策として評価する声がある一方、格差を固定化するものとの批判もあります。
 減税額以上の経済効果が仮にあるとすれば、そうした批判に対して一定の答えになると考えますが、どの程度の経済効果があると見込んでおられるのでしょうか。また、こういった措置には課税逃れ対策が必要であると考えておりますが、どういった措置を講じていくのでしょうか。併せて麻生財務大臣にお伺いいたします。
 次に、中小企業の交際費課税の特例の拡充についてお伺いします。
 これまで政府は、乱費の抑制名目で本来非課税であるはずの交際費に課税をしてきました。これまでも中小企業については限度額を設け、損金算入できる制度を設けておりましたが、それでも、一定の割合を自己負担していただくことによって、乱費を抑制し、公正取引の促進を図るためとして、一〇%を損金不算入としてきたわけであります。それが、今回の改正案では、限度額を拡充するだけでなく、損金不算入措置を撤廃する案を出されてきたわけでありますが、これは政府の交際費に関する考え方が変わったと考えてよろしいのでしょうか。
 また、仮に経済対策を理由にするのであれば、大企業やサラリーマンについても同様の措置があってしかるべきと考えますが、今回、中小企業に限った理由は一体何でしょうか。併せて財政大臣に伺います。
 最後に一言申し上げます。
 解雇規制の緩和論議に象徴されるよう、安倍政権は、日本経済の長期低迷の原因を人件費コストに求めておられるように私は感じますが、日本がデフレ不況から抜け出せない最大の理由は、不安定雇用の増大と、年金、医療、介護など社会保障の将来不安による国民の消費マインドの冷え込みなど、そういったことにこそあると私は考えております。
 安心して働き続けることのできる仕事があり、そして、老後を保障する社会保障制度がしっかりしていてこそ国民は活発な消費行動を起こせるのであります。勤労者の将来不安を助長するような解雇規制の緩和は、更に国民のマインドを冷え込ませ、デフレ脱却に逆行する結果を招くということを私はここで申し上げておきたいと思います。
 企業のための経済ではなく、人が幸せになるための経済、これを目指すことこそが政治にとって必要であるということを最後に訴えさせていただきまして、私の質問を終わらせていただきます。
 御清聴ありがとうございました。(拍手)
   〔内閣総理大臣安倍晋三君登壇、拍手〕
#10
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 川合孝典議員にお答えをいたします。
 為替や物価の動向を踏まえた経済財政運営についてのお尋ねがありました。
 ガソリン等一部の価格の上昇による家計や企業への影響については引き続き注視してまいりますが、最近の為替相場の動向は、全体として景気にプラスの影響をもたらすものと考えております。
 政府としては、三本の矢により、企業の収益機会を増やし、雇用や所得の拡大を実現することで、国民生活に経済成長の恩恵が幅広く行き渡るようにしてまいります。この過程では、物価のみが上昇するのではなく、企業の収益力向上の成果が適切に勤労者にも分配されることが重要であります。
 現在、報酬引上げの動きが各企業に広がっており、こうした所得の増加が支出の増加につながり、それが生産の増加をもたらすという経済の好循環を生み出すことで民需主導の持続的な経済成長を目指してまいります。
 我が国経済がスタグフレーションに陥るようなことはないと考えております。
 賃金引上げについてのお尋ねがありました。
 雇用者の報酬の引上げを早期に実現すべく、先般、私自身、可能な限り報酬の引上げを行ってほしいと産業界に直接、要請を行いました。政府の要請も踏まえ、労使間で真摯な話合いが行われた結果、流通産業などではベースアップを回答した企業も現れています。
 政府としては、三本の矢で経済再生を進め、内需依存型産業を含めた幅広い企業の収益機会を増やすとともに、本法案に盛り込まれた税制措置により利益を雇用者に還元する企業を応援してまいります。これにより、中小企業・小規模事業者で働く方々を含め、頑張る人たちの手取りを増やすことができるよう、しっかりと取り組んでまいります。
 雇用規制に関するお尋ねがありました。
 産業構造の変化に対しては、成熟産業から成長産業への失業なき円滑な労働移動により対応してまいります。このため、雇用支援策を雇用維持型から労働移動支援型へシフトさせていきたいと考えています。
 雇用規制の見直しについては、これにより労働移動が円滑に行われるという見解がある一方で、多くの勤労者が賃金によって生計を立て、雇用を通じて社会と様々なつながりが形成されているということを踏まえれば、労使間で十分に議論が尽くされるべき問題であると考えております。
 社会保障・税一体改革についてのお尋ねがありました。
 社会保障・税一体改革では、社会保障の安定財源確保と財政健全化の同時達成を目指す観点から取り組む改革であり、自民、公明、民主の三党合意に基づき改革を推進してまいります。
 社会保障改革については、三党間での協議の進展を踏まえ、社会保障制度改革推進法に基づき、国民会議において御議論いただき、改革を具体化してまいります。
 中期財政計画についてお尋ねがありました。
 経済の再生なくして、財政の再建も日本の将来もないと考えております。
 緊急経済対策を実施するため、大型の二十四年度補正予算を措置しました。一方、二十五年度予算については、財政健全化目標を踏まえ、国債発行をできる限り抑制することとし、税収が公債金を上回る状況を回復したところであります。
 財政健全化と経済再生との両立を実現するための道筋について経済財政諮問会議において検討を進めることとしており、年央の骨太方針においてその成果をお示ししてまいります。財政健全化目標を実現するための中期財政計画の具体化の時期や内容については、そうした検討状況を踏まえて判断してまいります。
 残余の質問につきましては、関係大臣から答弁させます。(拍手)
   〔国務大臣麻生太郎君登壇、拍手〕
#11
○国務大臣(麻生太郎君) 川合先生から七問ちょうだいをいたしております。
 長期金利の上昇リスクについてお尋ねがありました。
 日本におきましては、これまで幸いにも国債の円滑な消化が可能となっております。しかしながら、財政の持続可能性への信頼が損なわれるといったリスクが顕在化した場合には、御指摘のとおり、国債価格の下落や金利の上昇などを通じ、経済、財政、国民生活に重大な影響が及ぶということも考えられます。このため、政府としては、引き続き市場の信認を維持し、金利上昇による財政への影響を抑制するためにも、中長期的な財政健全化の取組を継続することが重要と考えております。
 今後、財政健全化と日本経済再生の双方を実現する道筋につきましては、経済財政諮問会議において検討を進めてまいります。その上で、財政健全化目標を実現するための中期財政計画を年央をめどに作成をいたしたいと考えております。
 雇用促進税制の適用要件についてのお話がありました。
 平成二十三年度税制改正で創設された雇用促進税制は、成長企業による質、量の両面での安定的な雇用の確保を支援することを目的といたしております。このため、雇用者の増加数や支給給与総額について一定の要件を設定をしております。
 雇用促進税制につきましては、平成二十三年度において一千三百十三件、約二十一億円の税額控除の適用があったところであります。平成二十三年度には、この制度の初年度であり、三月決算法人への適用に限られていることなどを考えれば一定の効果があったものと考えており、直ちに適用要件を見直す必要はないと考えております。
 今般、緊急経済対策の一環として、税額控除額を増加雇用者の一人当たり二十万円から四十万円に引き上げるとしたところであり、二十三年度の実績にも鑑みれば、適用要件を据え置いたとしても、より一層の雇用拡充のインセンティブになるものと期待をいたしておるところであります。
 消費税率引上げに伴う低所得者対策についてお尋ねがありました。
 低所得者対策につきましては、税制抜本改革法において給付付き税額控除と複数税率が共に検討課題とされ、消費税率八%の段階から、いずれかの施策の実現までの間の暫定的、臨時的なものとして、簡素な給付措置を実施することとされておりますのは御存じのとおりです。
 また、本年二月の三党合意におきましては、給付付き税額控除及び複数税率の導入を含む低所得者対策につきましては引き続き協議を行うとされたところであり、与党間での議論や御党を含みます三党間での議論を踏まえつつ、法律の規定に沿って検討してまいりたいと考えております。
 消費税の価格表示についてのお尋ねもありました。
 価格表示の在り方を検討するに当たっては、消費税率の引上げに際しての事業者による円滑な転嫁の確保や、事務負担への配慮に加え、消費者への配慮の観点も踏まえる必要があろうと存じます。
 このため、今般、国会に提出した転嫁対策特別措置法案においては、事業者は、表示価格が消費者に誤認されないための対策を講じていれば、時限的に税込み価格の表示をしなくてもよいということにするとともに、できるだけ速やかに税込み価格を表示するよう努めるとしたところであります。
 教育資金の一括贈与に係る贈与税の非課税についてのお尋ねもありました。
 まず、経済効果については、今般、教育資金の一括贈与に係る贈与税を非課税とすることにより、高齢者の資産を若年世代へ早期に移転させるとともに、計画的で質の高い教育機会を確保し、将来の教育資金に関する不安を緩和することにより消費を活性化するといった効果が見込まれると考えております。
 また、本制度の適正な運用を図る観点からは、本制度を利用する者に対し、金融機関に領収書などを提出することを義務付けるとともに、口座契約終了時には、金融機関に対し、税務署長への調書提出義務を課することといたしております。
 最後に、交際費課税の特例の拡充の趣旨についてのお尋ねがありました。
 御指摘の交際費の損金不算入制度は、昭和二十九年において法人の乱費の抑制のために導入されたものですが、資本金一億円以下の中小法人につきましては、財務・資金繰り基盤が脆弱であること、大企業と異なり、広告宣伝などの営業活動に限界があることなどに鑑み、大企業とは異なる取扱いとし、交際費の一定額の損金算入を認めてきたところであります。
 今回、中小法人に限り、八百万円以下の交際費支出の全額を損金算入できるようにすることといたしております。これは、地域経済を支える中小法人が幅広く今般の見直しの効果を享受し、地域経済の活性化につながるよう、緊急経済対策として中小法人に係る既存の特例を拡充したものであり、これまでの説明と整合性を欠くものとは考えておりません。
 なお、税制改正法案の附則では、平成二十五年度中に交際費課税の在り方について検討することといたしております。
 消費の拡大を通じ、経済の活性化を図る観点から、交際費課税についてどのようなことができるか、厳しい財政事情の中で、今後その財源を含めて検討をしてまいりたいと考えております。(拍手)
#12
○議長(平田健二君) しばらくお待ちください。
 答弁の補足があります。財務大臣麻生太郎君。
   〔国務大臣麻生太郎君登壇〕
#13
○国務大臣(麻生太郎君) 失礼しました。
 所得拡大促進税制の効果についてのお尋ねがあっておりました。
 所得拡大促進税制の効果につきましては、適用企業数の見込みは立てておりませんが、税収につき、平年度において約一千億円の減収を見込んでおり、これは約一兆円の給与の増加額に相当するものであります。
 最近、一時金を含め、給与など支給額の増加を表明する企業も多く見受けられるところであり、本税制と併せ、成長戦略を実施することを通じて、経済成長と所得の拡大という好循環を導いてまいりたいと考えております。
 失礼しました。(拍手)
    ─────────────
#14
○議長(平田健二君) 野上浩太郎君。
   〔野上浩太郎君登壇、拍手〕
#15
○野上浩太郎君 自由民主党の野上浩太郎です。
 私は、自由民主党・無所属の会を代表して、ただいま議題となりました所得税法等の一部を改正する法律案について質問いたします。
 安倍政権の発足以来、日本は大きく変わり始めています。円高の是正、株価の上昇、給与引上げなど、デフレ脱却に向け、日本経済は確実に動き始めました。先週には新しい日銀総裁も就任し、いよいよ本格的な経済再生のために政府、日銀が協調する体制が整ったことになります。メディアでは日銀総裁の交代を白から黒の時代へなどと称していますが、白川前総裁のこれまでの御尽力に敬意を表しますとともに、黒田総裁には大いにその手腕を発揮されますよう期待したいと思います。
 安倍政権の経済政策については、様々な議論があります。しかし、実際に成果を出しているという点で、これまでの政権とは全く違う実績を上げていることは間違いありません。
 そこで、まず総理から、これまでの安倍政権の経済政策の自己評価と、政府、日銀が一体となった今後の取組への決意をお聞かせください。
 その上で、今般の税制改正について伺います。
 まず、足下の経済状況ですが、現在のところ、景気底上げへの期待からマーケットは活況を呈していますが、地元富山に戻りますと、地方の景気は、飛行機でいえば、いまだ滑走路を走っている状況であり、離陸に至るにはあと一押しが必要です。地方の元気なくして国の元気はありません。
 今回の税制改正法案は、経済再生に資する政策税制措置が大胆に講じられています。また、社会保障・税一体改革の着実な実行や震災復興支援のための税制措置も柱となり、国民生活にとって極めて重要な法案となっております。
 第二次安倍政権として最初の税制改正となりますが、日本の経済社会の課題が山積する中で、平成二十五年度税制改正をどのように位置付けているか、総理の御見解を伺います。
 そして、これらの税制措置が、政府が経済対策を策定するのと同時並行的に与党の税制改正プロセスで検討されたことは、安倍総理・総裁の下、政府・与党がまさに一体となって景気回復に取り組んでいるというあかしであり、こうした安定的な経済財政政策の運営が国民の高い支持率に結び付いている要因の一つだと考えます。
 今後とも、政府と与党が、一体的、安定的な経済財政政策の運営に努め、もって国民の信頼にこたえていくことが重要であると考えますが、総理のお考えを伺います。
 安倍政権の大きな成果の一つは、長年下落が続いていた給与を、まだ一部とはいえ、実際に上げ始めた企業が続出しているという点です。本法案では、こうした流れを後押しするため、企業の給与等増加額の一〇%を税額控除する制度が創設されます。
 そこで、今後、中小企業・小規模事業者も含んだ幅広い事業者において、基本給を中心とする持続的な給与の上昇を実現するために、政権としてどのように取り組んでいくお考えでしょうか、総理にお伺いします。
 また、雇用拡大も重要課題です。本法案では、雇用促進税制として、年間で雇用者を一〇%以上増やした企業に対する税額控除を、一人当たり二十万円から四十万円に拡大しています。この改正の方向性は正しいと思います。ただ、この制度の条件となっている雇用者の一〇%増加は、少人数の企業ならともかく、多くの企業にはかなり厳しく、実際、雇用増加数も見込みを大きく下回っています。
 今後は、この条件を緩和して、更に使いやすい制度にすることを検討すべきと考えますが、財務大臣のお考えをお聞かせください。
 また、雇用促進税制と所得拡大促進税制の併用適用が認められていませんが、給与上昇と雇用拡大はアベノミクスの肝の一つです。今後、併用適用を検討すべきと考えますが、併せて財務大臣に伺います。
 次に、中小企業・小規模事業者対策について伺います。
 中小企業・小規模事業者は、まさに地域経済を支える足腰です。この経営基盤が堅固なものとならなければ日本経済の腰が砕けてしまいます。本法案では、中小法人の交際費課税の特例拡充や、商業、サービス業、農林水産業を営む中小企業等への支援税制の創設が盛り込まれている点など、大変評価できます。
 そういう中で、中小企業金融円滑化法の期限切れが三月末と目前に迫ってきており、中小企業・小規模事業者には、資金繰りなど将来の経営に不安が広がっています。
 自民党においても、関係部会、調査会一体で取りまとめた決議を先週末、政府に申し入れました。円滑化法の終了後も、第一に、金融機関が貸出条件の変更へ柔軟に対応することや新規融資についても預貸率等を重点項目に掲げるなど、政府としても細心の注意を払って状況を監視、指導していくこと、第二に、信用保証協会も適切な信用保証の提供に努めること、第三に、きめ細かな経営支援体制を構築すること、さらに、税制上も事業活動をしっかりとサポートすることが重要であると考えます。
 まさに政府一体となった取組が必要ですが、総理のお考えをお聞かせください。
 また、国土の強靱化は、現在の日本の重要な課題です。一方で、現場では、復興需要増加の影響もあり、全国的に資材や人手が不足し、その実勢単価が大幅に上昇しています。そのため、国が定める単価が実態と合わなくなっており、入札の不調も増えています。
 国土交通省では労務単価の見直し等も検討しているようですが、単価や入札契約方式の在り方など、全国的な実体経済に合った公共事業への対応策を早急に実施する必要があると考えます。国土交通大臣から今後の方針をお聞かせください。
 続きまして、消費税引上げへの対応です。
 中小企業・小規模事業者の方々から、来年の消費税率引上げの際、取引先との力関係から適正な価格転嫁ができないのではないかと心配する声を聞きます。自民党では、こうしたことが起きないよう、対策の取りまとめを行い、その内容を踏まえた法案が先週末に国会に提出されたところです。
 転嫁対策については、政府においても各省庁が一体となって全力で進めなければなりませんが、財務大臣の御見解をお聞かせください。
 次に、住宅対策について伺います。
 住宅購入は人生の一大イベントです。私もかつて民間会社で街づくりに携わりましたが、住宅投資は裾野が広く、経済への波及効果も大きく、住宅需要が冷え込めば景気に大きな悪影響が及びます。
 この点、今般の税制改正において住宅ローン等への減税措置が設けられましたが、併せて控除だけでは十分な恩恵を受けられない世帯に対する給付措置が講じられる予定です。与党の税制改正大綱ではこの夏までには給付措置の内容を示すこととしていますが、消費増税が景気に与える影響を考えれば、財務省と国土交通省が連携をしてしっかりと対応することが必要です。その内容、規模などの検討状況や今後のスケジュールを、財務大臣、国土交通大臣に伺います。
 今後、第三の矢である成長戦略の策定、中期財政計画の策定、さらには平成二十六年度税制改正と、経済財政運営は休む間もなくフル稼働することになります。まずはデフレを脱却し、経済成長によるGDPの伸びがなければ財政健全化は達成できません。そして、中長期的に足腰の強い財政基盤を確立していくことが次世代への責任でもあります。
 デフレを脱却し、経済を活性化することと、財政を再建していくことを両立しながら、力強い日本の経済財政運営を行っていく総理の決意をお聞かせください。
 税は、言うまでもなく国家の礎です。日本国憲法第八十四条に租税法律主義の規定が置かれていますが、その精神は、強制力を伴う税という形で国民に負担をお願いする以上、そのよって立つところは、国民の負託を受けた国会議員で構成されるこの国会が決める必要があるという点にあると考えます。
 この精神を体現すべく、今般の税制改正法案につきましては、参議院においても活発な議論を行い、年度内に成立させることが本院に寄せられた国民の期待であることを最後に申し上げて、質問を終わります。
 ありがとうございました。(拍手)
   〔内閣総理大臣安倍晋三君登壇、拍手〕
#16
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 野上浩太郎議員にお答えをいたします。
 安倍政権の経済政策の自己評価と今後の取組への決意についてお尋ねがありました。
 長引くデフレを脱却し、日本経済を再生するため、私の内閣では、従来とは次元の異なる政策パッケージとして三本の矢を一体的に進め、内閣発足以来、日本銀行との共同声明や緊急経済対策、補正予算及び当初予算の編成など、スピード感を持って実行してまいりました。
 こうした中、最近、景気回復への期待等を背景に、株価の回復など改善の兆しが見られ、報酬引上げの動きも各企業に広がっております。この改善の兆しをデフレ脱却と雇用や所得の増加を伴う経済成長につなげていかなければなりません。
 今後、政府としては、第三の矢である成長戦略を矢継ぎ早に実行に移してまいります。また、日本銀行においては、大胆な金融緩和を推進することにより、二%の物価安定目標をできるだけ早期に実現することを強く期待しています。
 平成二十五年度税制改正の位置付けについてお尋ねがありました。
 平成二十五年度税制改正においては、成長と富の創出の好循環の実現を図る観点からの民間投資の喚起、雇用、所得の拡大等のための措置、所得税、資産課税の見直し、震災からの復興を支援するための措置、円滑、適正な納税のための環境整備を図る措置などを盛り込んでおり、日本経済の再生、社会保障と税一体改革の着実な推進、震災からの復興の加速といった課題に対処するために必要不可欠な法案であると考えております。
 政府と与党による一体的、安定的な経済財政政策の運営についてお尋ねがありました。
 日本経済再生に向けて、政府・与党が一体となって、デフレ脱却と雇用や所得の増加を伴う経済成長に取り組むことが極めて重要であると考えております。今後とも、政府・与党間の緊密な連携を図りながら、着実に成果を出していくことによって国民の信頼にこたえてまいります。
 給与上昇の実現に向けたお尋ねがありました。
 従業員の報酬の引上げを早期に実現すべく、先般、私自身、可能な限り報酬の引上げを行ってほしいと産業界に直接、要請を行いました。政府の要請も踏まえ、労使間で真摯な話合いが行われた結果、流通産業などではベースアップを回答した企業も現れています。
 政府としては、三本の矢で経済再生を進め、幅広い企業の収益機会を増やすとともに、本法案に盛り込まれた税制措置により、利益を雇用者に還元する企業を応援してまいります。これにより、中小企業・小規模事業者で働く方々を含め、頑張る人たちの手取りを増やすことができるよう、しっかりと取り組んでまいります。
 金融円滑化法の期限到来に当たり、自民党において取りまとめられた決議についてのお尋ねがありました。
 この決議は、中小企業・小規模事業者を取り巻く厳しい現状を踏まえた御提言と認識しています。
 政府としては、今般の決議を真摯に受け止め、金融機関に対する指導、検査、監督を徹底することに加え、信用保証の活用や中小企業・小規模事業者に対する税制も含めたきめ細かな経営改善、事業再生支援など、関係省庁間でしっかり連携することとし、既に関係副大臣会合を設置し、先般、その第一回会合を開催したところであります。今後とも万全の対策を行ってまいります。
 デフレ脱却による経済活性化と財政再建の両立についてお尋ねがありました。
 強い経済の再生なくして、財政の再建も日本の将来もありません。まず、三本の矢を同時に射込むことにより、デフレ脱却と雇用や所得の増加を伴う経済成長を実現します。同時に、強い経済の再生を図りながら財政の再建を進めることが極めて重要であり、平成二十五年度予算においては、財政健全化目標を踏まえ、国債発行をできる限り抑制することとし、税収が公債金を上回る状況を回復したところです。
 今後、経済財政諮問会議において、財政健全化と日本経済再生の双方を実現する道筋について検討を進め、財政健全化目標の実現を目指してまいります。
 残余の質問につきましては、関係大臣から答弁させます。(拍手)
   〔国務大臣麻生太郎君登壇、拍手〕
#17
○国務大臣(麻生太郎君) 野上先生から四問ちょうだいしております。
 雇用促進税制の要件の見直しについてのお尋ねがあっております。
 平成二十三年度税制改正で創設されました雇用促進税制は、成長企業による質、量の両面での安定的な雇用の確保を支援することを目的といたしております。このため、雇用者の増加数や支給給与総額について、一定の要件というものを設定をしております。
 雇用促進税制につきましては、平成二十三年度におきまして千三百十三件、約二十一億円の税額控除の適用があったところであります。また、適用最高額は六千三百六十万円、増加雇用者数三百十八人分に相当するものであり、比較的規模の大きな企業も適用を受けているところであります。
 平成二十三年度はこの制度の初年度であり、三月決算法人への適用に限られていることなどを踏まえれば一定の効果があったものと考えており、直ちに適用要件を見直す必要はないと判断をいたしております。
 いずれにせよ、今般、緊急経済対策の一環として、税額控除額を雇用者一人当たり二十万円から四十万円に引き上げることとしたところでもあります。これにより、別途創設することといたしております所得拡大促進税制と併せまして、雇用の一層の確保と個人所得の拡大を図り、消費需要の回復を通じた経済成長につなげていきたいと考えております。
 雇用促進税制と所得拡大促進税制の併用適用についてのお尋ねもあっております。
 平成二十五年度税制改正におきましては、個人の所得の拡大に向けて、企業にそれぞれの事情に応じて雇用か給与かいずれかの形で取り組んでいただけるよう、雇用促進税制を拡充するとともに、所得拡大税制を創設することといたしております。
 これらの税制はそれぞれ効果があるものであり、各企業が自らに有利な制度を選択して適用することを想定したものであることから、制度導入前の現時点で直ちに併用を認める考えはありません。まずは、今後、適用実態などを見ながら、雇用の検証を行ってまいりたいと考えております。
 消費税の転嫁対策についてのお尋ねがありました。
 今般の消費税率の引上げが二段階にわたるものであることもあり、事業者の方々が転嫁しやすい環境を整備していくということは重要な課題であると存じます。
 このため、今般、与党での議論を踏まえ、消費税の円滑かつ適正な転嫁の確保を目的とする法案を国会に提出したところであります。
 政府としては、内閣に設置をされました転嫁対策推進本部を中心に、強力な実効性のある転嫁対策の実現に向け、関係省庁が一体となって取り組んでまいりたいと考えております。
 住宅取得者に対する支援についてのお尋ねがあっております。
 住宅取得者に対する給付の具体的な内容につきましては、与党税制改正大綱において、所得税に加え、住民税による住宅ローン減税の拡充を講じてもなお効果が限定的な所得層に対しては、別途、良質な住宅ストックの形成を促す住宅政策の観点から適切な給付を講ずるとされたものと承知をいたしております。
 これを踏まえまして、政府におきましても、本法案に基づく住宅ローン減税などによる負担軽減策を踏まえつつ、住宅政策の観点から、良質な住宅の範囲など、給付の内容について検討を進めているところであります。
 いずれにせよ、給付の具体的な内容につきましては、一定の周知期間が必要であることを踏まえ、できるだけ早期に、遅くともこの夏にはその姿を示したいものと考えております。(拍手)
   〔国務大臣太田昭宏君登壇、拍手〕
#18
○国務大臣(太田昭宏君) 実体経済に合った公共事業の執行への対応策についてお尋ねがございました。
 まず、資材については、東北の被災地で生コンの不足や価格上昇が見られるため、直轄工事における生コンプラントの設置など対策を講じているところです。被災地以外の全国については、動向を注視していく必要があると考えており、毎月の資材価格の動向を積算に反映するほか、遠隔地から資材を調達した場合に追加コストを支払える措置などにより、事業執行に支障がないよう努めているところであります。
 次に、現場の技術者や職人の需給動向につきましては、全国的に地域や職種によるばらつきがありますが、型枠工や鉄筋工など一部の職種では不足の懸念が生じております。このため、職人の広域的、全国的な活用を可能とするよう、移動に要する費用などについての積算上の措置や地域外企業との連携などの措置を更に推進してまいります。
 さらに、職人不足の背景には就業者の高齢化や若手入職者の減少など構造的な問題があると考えられるため、職人の処遇改善や入職の促進策について検討を行っているところであります。
 入札の不調については、全国的な動向を今後も注視していく必要があると考えています。その要因の一つとして労務単価が賃金実態に見合っていないこともあり、最新の賃金実態調査の結果を踏まえた改定を今週中にも行いたいと考えています。
 今後とも、現場の実態に対応しながら効果的な施策を講じることにより、事業の迅速かつ円滑な執行に取り組んでまいります。
 次に、住宅取得に係る給付措置についてお尋ねがございました。
 御指摘のとおり、住宅投資は内需拡大の柱であります。このため、住宅ローン減税の延長、拡充措置を講じてもなお効果が限定的な所得層に対して、適切な給付措置を講ずる必要があると認識しています。
 給付措置の具体的な内容については、例えば、対象となる住宅取得者の要件や、住宅にどのような性能を求めていくべきかといった様々な論点があり、現在、与党においても議論がなされていると承知しています。引き続き、与党における議論も踏まえながら、住宅取得に係る税負担の増加による影響を緩和する観点から、実のある内容にできるよう、また、できるだけ早期にお示しできるよう、政府としてしっかりと取り組んでまいります。(拍手)
    ─────────────
#19
○議長(平田健二君) 山田太郎君。
   〔山田太郎君登壇、拍手〕
#20
○山田太郎君 おはようございます。みんなの党の山田太郎でございます。
 私は、ただいま議題となりました所得税法等の一部を改正する法律案と関連事項につきまして、みんなの党を代表し、安倍総理及び関係閣僚に質問をさせていただきます。
 みんなの党は、規制改革、税制改革を駆使した未来を切り開く経済成長戦略をアジェンダの中で国民の皆様にお示しをしております。本日は、そのアジェンダにも触れながら、税制に関する質問と幾つかの政策提言もさせていただこうと考えております。よろしくお願いします。
 まず、所得税法等の一部を改正する法律案について、幾つかの質問と提言をさせていただきます。
 最初に、所得税、相続税の最高税率の引上げの考え方についてであります。
 消費税創設以来、直接税に偏った我が国の税収構造を間接税にシフトしてきました。税の公平感を保ち、国民の皆様の働く意欲を損なうことなく必要な財源を確保していこうという直間比率の見直しという方向性が打ち出されてきたわけです。その過程で、所得税や相続税については累進構造の緩和が図られてきたと承知しております。
 しかし、今回の税制改正法案では、所得税、相続税の最高税率が引き上げられ、累進性が強化された形となっております。直間比率の見直しという従来の政策の方向性との間でどのような考え方の転換があったのでしょうか、総理にお伺いいたします。
 また、今回の方向性としては、所得税や相続税の最高税率は今後も引き上げられていくような予感も持たざるを得ません。今後の方針について、財務大臣にお伺いいたします。
 今回の相続税強化は、資産評価額の大きい都市部の住民には大変な影響を及ぼしかねないものと思います。改正法の施行に当たっては、どのような対応をなされるつもりなのか、財務大臣にお伺いいたします。
 相続税につきましては、今回の改正で、贈与税と併せて事業承継税制の拡充といった措置も講じられております。中小企業経営者の事業承継円滑化に一定の効果が期待されるところであります。
 私の地元、東京大田区などでは、従業員数五人以下の中小企業が数多く事業を営んでおり、それぞれがきらりと光る実績を上げている一方で、零細かつ高齢化のために、それぞれの企業が小ささゆえの問題を抱えております。
 こうした中小企業の中には、生き残りを懸けて営業力、開発力を強化するために、企業同士が二十人から三十人の規模の企業に再編することを真剣に議論しております。しかし、これらの企業は、先代からの土地や設備を持ち、企業再編時には資産の移動が起きるため、時価評価されて多くの税金が掛かり、その税負担が重荷となって企業再編が進まないという事例もございます。
 中小企業が強い企業によみがえるために、企業再編を円滑化し、併せて地域経済の活性化にもつなげていくため、今回の事業承継税制のスキームを中小企業複数社の合併の場合にも活用できるようにできないものなのでしょうか。納税猶予、税の軽減など、税制面から中小企業の再編を促す考えはないのか、財務大臣にお伺いいたします。
 さらに、相続税、贈与税につきましては、農業の活性化にも活用できないかと考えております。
 農業の活性化の大きなハードルとなっておりますのが、農地所有者の高齢化の一方で、農地の集約化が進まず、若い担い手が農業に参入してこないという現実でございます。農地の集約化や若い担い手の農業参入促進の観点から、相続税、贈与税を活用するお考えはありませんか。
 また、農地等に係る相続税、贈与税の納税猶予制度にとどまらず、農地政策の大転換を図るため、相続税、贈与税を軽減又は廃止することはいかがでしょうか。財務省の試算によりますと、平成二十二年度の農地に係る相続税、贈与税の総額が一千百億円ですので、減反政策を続けるより少ない予算で大きな効果が期待できると思われます。
 攻めの農業、強い農業の実現を提唱される総理、この農地に関する相続税、贈与税の軽減又は廃止について、総理のお考えをお伺いしたいと思います。
 ここまで、所得課税、資産課税について幾つかの質問をさせていただきました。
 では、次に、法人課税について一つお伺いをいたします。
 今回の税制改正では、成長戦略を税制面からサポートする観点から、生産等設備投資促進税制を創設し、特別償却等の制度を実施する、あるいは、環境関連投資促進税制を拡充し、コージェネレーション設備を即時償却の対象資産に追加するなどのユニークな措置を講じたことは、国内における設備投資を促進することが期待でき、私も評価するところであります。
 ただ、我が国の厳しい経済状況を考えますと、より大胆な更なる成長戦略を進めていくことが大切だと考えます。それには、政府が民間の設備投資や償却の在り方を決める現在のやり方、つまり霞が関の官僚が主導する護送船団方式の産業政策や税制からの脱却、これこそが何より重要な課題であると考えます。
 官僚主導の税制から、民間の自由な投資活動を促進する税制に抜本的かつ大胆にモデルチェンジを図る。そのためには、法人課税に当たって、償却期間の設定は投資者の自由に任せる自由償却税制を導入すべきと考えますが、総理大臣のお考えを伺いたいと思っております。
 さて、これまで所得税法の一部を改正する法律案について幾つかの質問と政策提言をさせていただきました。
 次に、国税に関連する重要事項ということで、TPPについて幾つか伺わせていただこうと思っております。
 みんなの党は、そのアジェンダで、TPP交渉に参加して攻めの開国をしようということをうたってまいりました。先日、安倍総理の交渉参加表明は、やっと分かっていただけたかと大いに安堵しているところでございます。
 ただ、聖域なき関税撤廃を前提としないということが確認できたという総理の御見解には、まだよく理解できないところもございますので、幾つか確認をさせていただければと思っております。
 まず、自民党公約や総理のお言葉にも度々登場いたします聖域、この聖域には何が含まれるのでしょうか。米、麦、牛肉、砂糖、乳製品の関税がこの聖域に含まれることは理解しておりますが、この米、麦、牛肉、砂糖、乳製品の関税のほか、聖域に含まれるものには一体何があるのか、総理、明確にお答えください。
 また、米国は日本に対し、過去、年次改革要望書で、共済事業の金融庁検査の実施や、いろいろな法律にある独占禁止法適用除外規定の廃止を求めてきた経緯がございます。農協のJA共済に対する金融庁検査の実施や、農協の事業が独占禁止法の適用除外になっているという問題について、TPP交渉の中で改善を求めてくる場合もあろうかと思っております。
 このJA共済や農協の独禁法適用除外の問題は聖域に入るのか否か、総理、明確にお答えください。
 さらに、TPP交渉においては、アメリカに対して輸出する我が国の工業製品、例えば自動車の関税については、これを据え置くということでアメリカ側と内々に合意しているのではないかと指摘する向きもございます。聖域に属する品目の関税などを守るために米国の自動車の輸出関税を維持する取引などをされては、何のためにTPPに参加するのだか分からなくなってしまいます。
 TPP交渉における自動車など工業製品の関税について、我が国の方針について、総理、明確にお答えください。
 さて、最後に、今回の税制改正の先に待っております来年四月からの消費税増税、その前に国民の国会議員に対する信任を得るためにやるべき改革である衆議院選挙制度の改革について伺います。
 衆議院選挙制度の法案は、いつまでに国会に提出されるおつもりなのでしょうか。自民党総裁としてのお立場も踏まえて、はっきりとお答えください。
 今、各地の高等裁判所で、現在の衆議院選挙制度が我が国憲法に違反するとの判決が次々と出ております。最高裁判決が出される前に、立法府の良識としてこの問題を解決した方がよいと思われませんでしょうか。
 最後に、日本の内外には多くの山積した問題があり、解決を図らなければなりません。いつやるの。今でしょう。
 安倍総理の御決断と、官僚の作りました安全運転の答弁ではない心のこもった御自身の発言をいただけるものと期待いたしまして、質問を終わらせていただきます。
 みんなの党、山田太郎でございました。ありがとうございます。(拍手)
   〔内閣総理大臣安倍晋三君登壇、拍手〕
#21
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 山田太郎議員にお答えをいたします。
 今回の税制改正における所得税、相続税の見直しの考え方についてお尋ねがありました。
 税制は、経済社会の変化に応じて税制全体を通じた見直しを行うことが必要であり、従来より、この基本的考え方に立って税制改正を行ってきました。
 昨年成立をした税制抜本改革法では、直間比率の見直しといった観点ではなく、社会保障の安定財源確保と財政健全化の同時達成を目指す観点からの消費税率の引上げとともに、附則において、所得再配分機能の回復等の観点からの所得税の累進性の強化や、格差の固定化の防止等の観点からの相続税の見直しの検討規定が盛り込まれたところであります。
 今回の税制改正においては、税制抜本改革法の規定に基づき、所得税、相続税について所要の措置を講じるものであります。
 農地に関する相続税、贈与税についてお尋ねがありました。
 農地の集約化は重要な課題であると認識しており、これを進めるためには、適切な担い手が農地を取得し、全体として強い農業が営まれることが必要であります。この観点からは、集約化を行う主体やその手法、集約化後の営農継続をどのように担保するのかといった論点を含め、集約化の推進策の全体像を検討する必要があります。
 税制上どのような措置が可能かについても、こうしたことを踏まえ、検討していきたいと考えております。
 民間の自由な投資活動を促進する税制についてお尋ねがありました。
 税務上の償却期間を企業の自由に任せるとの御提案は、恣意的な利益調整が可能にもなることから、公平公正な課税の観点から慎重な検討が必要と考えます。
 なお、平成二十五年度税制改正案においては、緊急経済対策として、生産等設備投資促進税制の創設など、民間投資を喚起するための大胆な措置を講ずることとしたところであります。
 TPPにおける聖域についてお尋ねがありました。
 現時点では聖域の範囲について具体的なものを決めているわけではありませんが、それぞれの国には国柄があり、守るべきものがあります。我が国としては、強い交渉力を持って、主張するべきことははっきりと主張し、国益を最大限に実現するよう全力を尽くしてまいります。
 TPP交渉における工業製品の関税についての我が国の方針に関するお尋ねがありました。
 御指摘の自動車の関税を含め、TPP交渉における我が国の工業製品の関税についての交渉方針を明らかにすることは、手のうちを示すこととなるわけでありまして、申し上げることは適切ではありません。
 いずれにせよ、TPP交渉においては、交渉力を駆使し、我が国として、守るべきものは守り、攻めるべきものは攻めていくことによって、国益にかなう最善の結果を追求していきます。
 衆議院の選挙制度改革についてお尋ねがありました。
 さきの三党合意においても、衆議院議員の定数削減について、選挙制度の抜本的な見直しの検討を行い、今般の国会終了までに結論を得て必要な法改正を行うこととしており、私は自民党総裁として、党に対して積極的に取りまとめを行うよう指示をしております。
 この問題は、議会政治の根幹にかかわる重要な課題であるので、各党各会派においてしっかり御議論をしていただく必要がありますが、与党で集約され、各党各会派から御賛同を得られれば、直ちに本案は成立するものと考えております。
 なお、現在、〇増五減の緊急是正法に基づき、選挙区画定審議会において衆議院小選挙区の区割りの見直しの審議が進められています。政府としては、勧告がなされ次第、速やかに法制上の措置を講じ、一票の格差是正に取り組んでまいります。
 いずれにせよ、私としてはしっかり改革を進めてまいる決意であります。
 残余の質問につきましては、関係大臣から答弁させます。(拍手)
   〔国務大臣麻生太郎君登壇、拍手〕
#22
○国務大臣(麻生太郎君) 山田先生から三問ちょうだいしております。
 所得税、相続税の最高税率についてのお尋ねが最初にあっております。
 平成二十五年度税制改正では、所得税の最高税率につきましては、課税所得四千万円超の層に新たに四五%の税率を設けることといたします。また、相続税の最高税率につきましては、各法定相続人の取得金額六億円超の層に新たに五五%の税率を設けることとしております。
 今後、更に再分配機能を回復させるため、所得税、相続税の累進性を高めることについては、所得税を含めた税制全体の中で、税収の安定性の確保、また、それぞれの基幹税のバランスをどう考えるかといった観点からこれは検討していかねばならぬと考えております。
 相続税の見直しに関する都市部の住民への対応についてのお尋ねもあっております。
 今般の相続税の見直しによる基礎控除の引上げなどの結果、地価の高い都市部に土地を有する方の負担増が想定されることは御指摘のとおりであります。土地につきましては、生活、事業の基盤であります一方、切り分けて売却することに困難が伴いますとともに、都市計画上も土地の細分化が生じてしまいますことから、一定の配慮を行う必要があろうと考えております。
 このため、今般の相続税の見直しに併せて、小規模宅地の特例について、居住用宅地の対象限度面積を拡大、また、居住用宅地と事業用宅地をそれぞれの限度面積まで適用するといった見直しを行うことといたしております。
 企業の合併に当たっての事業承継税制の適用についてのお尋ねもあっております。
 中小企業が組織再編を行います際に、事業の安定的な継続をサポートすることは極めて重要なことだと考えております。こうした考え方から、事業承継税制においては、納税猶予の適用を受けている企業が合併などの組織再編を伴う場合であっても、合併後の株式保有や経営関与といった一定の要件の下、納税猶予の適用を継続する仕組みといたしております。
 また、そもそも、事業承継税制については、今般、制度の使い勝手を一層高める観点から、雇用確保要件の柔軟化など抜本的な見直しを行うこととしているところでもあります。
 今後とも、中小企業の円滑な事業承継には配慮していかねばならぬと考えております。(拍手)
#23
○議長(平田健二君) これにて質疑は終了いたしました。
     ─────・─────
#24
○議長(平田健二君) この際、日程に追加して、
 平成二十五年度地方財政計画についての国務大臣の報告並びに地方税法の一部を改正する法律案及び地方交付税法及び特別会計に関する法律の一部を改正する法律案についての提出者の趣旨説明を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#25
○議長(平田健二君) 御異議ないと認めます。総務大臣新藤義孝君。
   〔国務大臣新藤義孝君登壇、拍手〕
#26
○国務大臣(新藤義孝君) 平成二十五年度地方財政計画の概要並びに地方税法の一部を改正する法律案及び地方交付税法及び特別会計に関する法律の一部を改正する法律案の趣旨について御説明申し上げます。
 まず、平成二十五年度地方財政計画の概要について御説明申し上げます。
 本計画の策定に際しては、通常収支分については、極めて厳しい地方財政の現状及び現下の経済情勢等を踏まえ、経費全般について徹底した節減合理化に努める一方、社会保障関係費の増加に必要な経費を計上しております。また、給与関係経費について国家公務員の給与減額支給措置と同様の削減を行うこととし、同時に、防災・減災事業や地域の元気づくり等の緊急課題に対応するために必要な経費を計上しております。
 あわせて、引き続き生じる財源不足については、適切な補填措置を講じることとして、地方の一般財源総額について、前年度の地方財政計画と同水準を確保することとしております。
 また、東日本大震災分については、復旧・復興事業について、直轄・補助事業に係る地方負担分等の全額を措置する震災復興特別交付税を確保するとともに、全国防災事業について、所要の補助事業費等を計上しております。
 以上の方針の下に、平成二十五年度の地方財政計画を策定いたしました結果、歳入歳出総額の規模は、通常収支分については、前年度に比べ五百七億円増の八十一兆九千百五十四億円、東日本大震災分については、復旧・復興事業が前年度に比べ五千五百五十九億円増の二兆三千三百四十七億円、全国防災事業が前年度に比べ四千二百九十八億円減の二千三十一億円となっております。
 次に、地方税法の一部を改正する法律案について、その趣旨を御説明申し上げます。
 現下の経済情勢等を踏まえ、成長と富の創出の好循環を実現する等の観点から、上場株式等に係る配当所得等及び譲渡所得等の課税の特例の拡充等の金融・証券税制の改正を行うとともに、社会保障・税一体改革を着実に実施するための個人住民税の住宅借入金等特別税額控除等の延長、拡充並びに東日本大震災に係る津波により被害を受けた土地及び家屋に係る固定資産税及び都市計画税の課税免除等の措置の延長等の復興支援税制の改正並びに延滞金等の見直しを行うほか、税負担軽減措置等の整理合理化等を行うこととしております。
 次に、地方交付税法及び特別会計に関する法律の一部を改正する法律案について、その趣旨を御説明申し上げます。
 平成二十五年度分の通常収支に係る地方交付税の総額について、十七兆六百二十四億円を確保するとともに、平成二十五年度における措置として、地域の元気づくり推進費を設けるほか、地方公務員の給与削減等を反映して、普通交付税の算定に用いる単位費用の改正を行うこととしております。
 また、平成二十五年度分の震災復興特別交付税について新たに六千五十三億円を確保することとしております。
 以上が、平成二十五年度地方財政計画の概要並びに地方税法の一部を改正する法律案及び地方交付税法及び特別会計に関する法律の一部を改正する法律案の趣旨でございます。(拍手)
    ─────────────
#27
○議長(平田健二君) ただいまの報告及び趣旨説明に対し、質疑の通告がございます。順次発言を許します。樽井良和君。
   〔樽井良和君登壇、拍手〕
#28
○樽井良和君 樽井良和です。
 私は、民主党・新緑風会を代表して、地方税法の一部を改正する法律案及び地方交付税法及び特別会計に関する法律の一部を改正する法律案に関しまして質問いたします。
 私は、自らの政策の中心に、地域がその特性を生かして、何らかの専門分野に特化し、自立した経済力を確保する地方分権、道州制を実現すべきだと掲げてまいりました。
 法人の本社が東京に一極集中する状況のままでは、地方分権を推進すれば、法人税の乏しい地方財政は立ち行きません。しかしながら、一極集中は仕事の効率を上げる上で効果があります。この矛盾を解決し、今後の経済を喚起するためには、地域を何らかの専門分野で特化した経済特区を先に進めていかなければなりません。
 アメリカにおいては、ITはシリコンバレー、自動車はデトロイト、映画を作りたかったらハリウッドに行けばいい、金融はウォール街へ、政治はワシントンのように、専門の特区があり、連邦制が成り立ちます。何らかの分野に特化した町は、その分野の仕事の能率、営業、学びの効率を上げ、観光などの呼び水となります。特定の才能を持った人のランドマークとなり、世界から同じ分野の才能を一か所に引き付け、新しいものを生み出す化学変化に似た触媒の役割も果たします。
 残念ながら、平成二十五年度予算を見ますと、私が政策の中心に掲げております地方分権、特化した地域を否定し、逆行する予算となっております。つまり、地方交付税を削減し、一括交付金を廃止しているのです。
 一括交付金は、地方自治体が所管官庁の枠を超えて地域の実情に応じて必要な事業を優先的に実施するための大切な財源であり、事業を選択する際、国の事前関与を縮小できるメリットがありました。当然ながら自治体は大いに歓迎しましたが、政権交代によって、自民党政権は、無情にもこれを廃止、元のひも付き補助金に先祖返りさせてしまいました。
 そのことに自治体の首長が一斉にブーイングし、猛反対したのは当然であります。地方分権をあえて踏みにじる行為としか言いようがありません。うがった見方をすれば、この裏には、ひも付き補助金の復活により、かつてのように、自民党議員と霞が関官僚の癒着、すなわち利権の甘い汁を吸う思惑があると勘ぐりたくなります。
 そこで、新藤内閣府特命担当大臣にお伺いします。一括交付金を廃止した理由とは何ですか。ひも付き補助金で、地域の自主、自立性をどうやって守るのですか。
 また、安倍政権が中央集権を強化する一括交付金の廃止と、各省庁の交付金などへの移行は、せっかく定着しかけた地方分権のムーブメントに待ったを掛けるものと考えております。安倍政権は、地方分権を後退させたいのですか。総理経験者であり、安倍政権を支える大黒柱でもあります麻生副総理に率直な見解を伺います。
 次に、地方交付税削減についてお伺いいたします。
 地方交付税とは、自治体間の財政格差を解消するため、自治体が自由に使える財源であり、地域の特性を生かした施策の実現に取り組む重要な財源であります。ところが、安倍政権は、この地方交付税を六年ぶりに四千億円も削減しました。地方自治の根幹にかかわると自治体が猛反発しています。
 一方で、景気回復の号令の下、公共事業のばらまきを大々的に行い、肝心の足下になる地方の財源をカットするのでは、果たして景気浮上の効果があるのですか。
 地方にしわ寄せをした理由とは何ですか。安倍政権は、地方の財政需要を軽視するのですか。地方を信用していないのですか。新藤総務大臣と麻生副総理に答弁をお願いいたします。
 地方税に係る延滞金、還付加算金利などの引下げには同意します。
 景気が悪い中、資金繰りが付かず、地方税を延滞される中小企業の方もいらっしゃると存じます。デフレスパイラルの下で銀行金利も非常に低い中で、実情に反して一四・六%も延滞金を徴収していました。情報化時代では、社会情勢に即した行政の効率化、スピーディーな対応を民間レベルに押し上げるべきではないでしょうか。新藤総務大臣のお考えをお伺いいたします。
 地方公務員給与削減についてお伺いいたします。
 平成二十五年度予算案は、地方公務員の給与削減を断行しようとしています。七月から一律に給与カットをするもので、建前は国家公務員が二年間で平均七・八%カットするのに歩調を合わせたものです。
 しかし、安倍政権が経済界に賃上げを要請して、大手企業がベースアップに同意し、満額回答の姿勢を示す中で、地方公務員の給与削減とは、総理と逆のアナウンスをもたらし、安倍政権の方針に対して逆行して整合性がありません。
 例えば、イトーヨーカ堂は定期昇給プラスベアで月給一・五%増、イオンは定期昇給プラスベアで月給一・八%増、トヨタ自動車は定期昇給維持プラス年間一時金百七十八万円など、各企業が安倍総理の要請を受けて賃金アップの方向に進んできております。
 そして、大企業のベースアップに中小企業が連鎖して賃金を上げるか否かが今後の日本の経済の浮上への大きな鍵となる中で、地方公務員の給与削減は上昇機運に水を差すことになりかねないと思いませんか。その見解を麻生財務大臣と新藤総務大臣、田村厚生労働大臣にお伺いいたします。
 さらに、新藤総務大臣は、削減した給与は防災・減災事業や地域活性化に充てる、自分たちの給料を削った分は自分たちの町に使われるんだ、だから協力してもらいたいとおっしゃいます。
 個人のお金であればあるほど思慮深く適切に消費して、自分の腹が痛む人が見えない、公金とか経費となればなるほど無駄遣いの温床となるものです。つまり、個人のお金である給与を削減して地域の活性化と称して公金に充てるのは、適切な出費を無駄遣いの温床となる公金に置き換えることになると思いませんか。人件費削減を反映し、地域元気づくり推進費と表向きは立派ですが、眉唾物です。ふるさと創生事業をほうふつしてやみません。えんきょくな火事場泥棒になりかねないんです。
 新藤大臣、このタイミングでの地方公務員の給与カットは撤回すべきではないでしょうか。
 私は、安倍総理の目指すインフレターゲットと、来年四月からの消費税引上げと給与削減は相入れない方向だと考えます。麻生財務大臣はいかがお考えでしょうか。
 私は、昨年十二月十三日に参議院議員として繰上げ当選をいたしましたが、以前は衆議院議員でした。衆議院議員時代、議連での議論や委員会での質問など、青年の主張のごとく理想論、正論を訴えてまいりましたが、議論ばかりで結果が変わったわけではありません。その反省により、浪人時代は、政治家であるないにかかわらず、社会問題に議論よりもまず改善に向けた具体的な行動をしようと、少子高齢化対策に二つの事業を立ち上げました。
 一つは、非婚率を下げるためにオタク専門の婚活パーティーを主催し、既に二千六百九十六カップル誕生させ、毎週のように結婚したといううれしいお知らせが数々届いております。もう一つが、六十五歳以上の高齢者しか雇用しない会社を立ち上げ、おばあちゃんの定食屋、メニューなしレシピなしで愛情あふれた伝統的な和食、家庭料理をおばあちゃんが提供するのが好評となり、テレビ、マスコミの取材も殺到し、サラリーマンを中心として好評を博しています。よろしければ、党派を超えて食べに来ていただけたらと思います。
 こうした経営の経験から、最後に、政治家としてではなく実業家としての思いを述べさせていただきます。
 経営者にとって、先月は幾ら、今月は幾らだったと一喜一憂する一か月の売上げは非常に強い思い入れのある数字です。その中で、一〇%の消費税というのは、年間が十二か月ですから、一月の売上げを超える金額となるわけです。一生懸命働いて稼いだ一か月分の売上げ以上の成果を法人税以外に消費税として支払うとなると、そのときの憤りは毎月同じ収入をもらう国会議員には全く実感できないと思います。今から来年四月まで消費税を上げる間に、確かな成長路線を力を合わせて築き上げていくべきです。
 震災の後のこの混乱を一つの戦後ととらえて、この後、東京オリンピックを全力で招致すべきです。私は、今がちょうどかつての東京オリンピックが始まる前の高度経済成長期前夜と重なって見えるんです。かつての東京オリンピック後の高度経済成長を再び、ベースアップに次ぐベースアップ、子供を育てる世代の所得が倍増する、今日よりもあした、今年よりも来年と生活が向上し、誇りを取り戻すことこそが日本再生への道です。
 私は最近、高齢者の雇用に力を入れて、おばあちゃんとの接点が増え、思い出すのは亡き私のおばあちゃんが言っていた口癖です。今はいいよねという口癖です。私が子供のころ、遊びに行きたくて、出されたおすしを急いで頬張って食べていると、味わって食えとどなられました。今はいいよね、昔はおすしなんか結婚式のような晴れの日しか食えなかったんだよ、今はいいよなと。今はいいよね、昔は盲腸で亡くなっていたんだ、今は死ななくなったよねと。
 考えてみれば、食うや食わずでいた食料難の時代に比べると、余分に肉が付いてダイエットに励む時代は夢のような話です。のろしを上げていた戦国武将が、スマートフォンでツイートする女子高生を見れば、まさにSFです。
 未来は、今から見たら夢のような時代、SFのような時代が待っているはずなんです。
 日本が急速に少子高齢化が進み、衰退局面に入ったころ、バブルのときは良かったとか、あるいは昔の政治家が威厳があったとか、今がいいというより昔を懐かしむ方向になっていました。
 自分がじいさんになったら、孫にはやはり今がいいよねと言える時代にしておきたいと思います。昔はがんで死んでいた時代があったんだと、今はいいよね、すぐ治るよねと。ガソリンを燃やして自動車が排気ガスを流しながら走っていた時代があったんだと、今はいいよな、バナナのかすでも入れたら飛んでいくよねと。昔は税金を払っていたんだと、今は地方が活性化してもうければ、国民に小遣いをやるような地方自治体もあるよなと。そういうような新しい時代をつくっていこうと思います。
 時代時代によって新しい問題はあるにしても、この後、iPS細胞、医療改革、ICTによる効率化、新型エネルギーの開発、新しい技術を次々と開発し尽くし、クリエーティブクラスを育てて、世界に冠たる日本の文化を配信する、次の時代の日本を一体となってつくり上げていこうじゃないでしょうか。
 最後に、私同様、サブカルチャーに明るい麻生副総理に、日本再生に向けた決意とその具体的施策を伺い、質問を終わります。(拍手)
   〔国務大臣新藤義孝君登壇、拍手〕
#29
○国務大臣(新藤義孝君) 樽井議員から六点のお尋ねをいただきました。
 まず、一括交付金を廃止した理由についてのお尋ねでございます。
 地域自主戦略交付金については、これまで地方から各省庁への交付申請手続に加え、内閣府への事業実施計画の提出、各省庁への予算移替え手続が新たに追加されたことに対し、手続の簡素化や窓口の一元化の必要性などの課題が指摘されていました。これらの課題を解決するために、本交付金を平成二十五年度に廃止し、各省庁の交付金等に移行することとしたところでございます。
 次に、移行後の各省庁の交付金等における地域の自主性、自立性の確保についてのお尋ねがございました。
 地域自主戦略交付金を廃止し、各省庁の交付金等に移行するに当たっては、単に戻すだけではなく、これまで事業別に細分化されていた整備計画を、より大きな政策目的別にまとめるなどの運用改善を行うことといたしました。このように、地方の意見を反映しつつ、地域の自主性、自立性の確保に向けて、制度をより使い勝手の良いものに発展的に改善することができたものと考えております。
 次に、交付税の削減についてのお尋ねでございます。
 平成二十五年度の地方財政計画においては、一般財源総額について、前年度と同水準を確保いたしました。その中で、地方交付税については、地方税等が前年度に比べて四千億円程度増額となっております。一般財源総額を前年度と同水準を確保する中にあって、結果的に四千億程度の減となったものでございます。
 地方団体からは、一般財源総額についての前年度の水準を確保するように御要望いただき、この要望に対しては十分にこたえたところであり、地方の財政需要を軽視しているとの御指摘は当たらないと、このように考えております。
 また、平成二十五年度の地方交付税の算定において、地方公務員の給与費については、閣議決定に沿った水準を標準的なものとして算定することとしております。また、地方公務員の給与は各地方団体が条例で定めるものであることから、地方自治の観点からの問題があるとは考えておりません。
 次に、地方税の延滞金等についてのお尋ねでございます。
 地方税の延滞金、還付加算金については、現状の水準が、現在の低金利状況に鑑み、高過ぎるのではないかとの指摘があり、昨年の閣議決定において、延滞税の利率の見直しについては、低金利下における利率の在り方等を考慮し、平成二十五年度税制改正時に成案を得るとされていたところでございます。
 これを受け、平成二十五年度改正においては、国の延滞税等の見直しと併せ、利率の水準については国内銀行の貸出約定平均金利を基本とし、延滞金、還付加算金の利率を引き下げることにしたわけであります。平成二十六年一月一日以後の期間に対応する延滞金、還付加算金について適用することにいたします。
 次に、地方公務員給与削減と日本経済の浮上との関係についてお尋ねがございました。
 民間企業の給与水準は、その企業の業績や景気の動向など様々な条件により変動するものです。他方で、地方公務員給与に関する今回の要請は、防災・減災事業や地域経済の活性化といった地域の喫緊の課題に対処するとともに、日本の再生に向けて国と地方の公務員が一体となって取り組む必要がある中、地方公共団体に対し、緊急にお願いをしているものでございます。
 また、給与削減額に見合った事業費として、防災・減災事業と地域の元気づくり事業を地方財政計画の歳出に計上することとしており、地域経済にマイナスの影響を及ぼすことのないように配慮をしたつもりでございます。
 したがって、今回の要請が日本経済の上昇機運に水を差すことになるとは考えておりません。
 最後に、地方公務員の給与カットの撤回についてのお尋ねでございます。
 今回、政府としては、地方公共団体に対して国家公務員の給与減額支給措置に準じた措置を講ずるように要請をしております。今回の給与削減に当たっては、地域の喫緊の課題に迅速かつ的確に対応するため、給与削減額に見合った事業費として、防災・減災事業や地域の元気づくり事業を新たに歳出に計上することとしております。
 各地方団体においては、こうした趣旨を十分に踏まえ、給与削減により捻出した貴重な財源を元に、地域の安心、安全の確保や地域の活性化のため、効果的な施策に取り組んでいただけるものと期待しております。地方公務員給与の削減要請を撤回することは考えておりません。(拍手)
   〔国務大臣麻生太郎君登壇、拍手〕
#30
○国務大臣(麻生太郎君) 樽井先生から五問ちょうだいしております。
 地域自主戦略交付金の廃止についてのお尋ねがあっております。
 御存じのように、地域自主戦略交付金は、省庁を超えて地方が自由に使える交付金とすることを狙いとして平成二十三年度に導入をされたものであります。
 導入後は、各省庁への交付申請手続に加え、交付金の取りまとめ役である内閣府への事業実施計画の提出、各省庁への予算の移替え手続が新たに必要とされたことに対して、申請窓口の一元化や手続の簡素化といった点で地方自治体から改善を求める声が強く出ていたのは御存じのとおりです。
 これらを解決するため、地域自主戦略交付金を二十五年度に廃止するとともに、移行先の各省庁において、交付金のメニューの大くくり化や事務手続の簡素化などの適用改善などを行うことで、地方の意見を踏まえつつ、より使い勝手の良い制度に改めたところであります。
 したがって、これらにより地域の自主自立が失われるというようなことはないと考えております。
 地方交付税についてのお尋ねがありました。
 平成二十五年度の地方財政計画におきましては、社会保障関係費の増加などの財政需要を適切に反映して歳出を計上いたしております。その上で、地方が安定的な財政運営を行えますように、地方税、地方交付税などの地方の一般財源の総額につきましては、平成二十四年度と同じ水準の五十九兆八千億円を確保し、地方財政及び地域経済に最大限配慮をいたしておるところです。
 したがって、安倍政権は地方の財政需要を軽視し、地方にしわ寄せをしているとの御指摘は当たらないと存じます。
 なお、平成二十五年度予算の公共事業関係費は増額となっておりますが、これは、地域自主戦略交付金の廃止に伴い、事業を各府省の交付金に移行したことによるものが大半でありまして、この要素を除けば、ほぼ前年度並みということになっております。その上で、国民の命と暮らしを守るインフラ老朽化対策や防災対策などにしっかり取り組むことといたしており、ばらまきとの御指摘は当たらないと考えております。
 民間賃金と地方公務員の給与削減についてのお尋ねがありました。
 民間賃金は、各企業の業績や債務や、また内部留保等々、設備投資の状況などを総合的に踏まえて決定されるべきものであると、御存じのとおりです。
 また、地方公務員の給与の見直しにつきましては、削減額に見合うだけの事業費として、防災・減災事業と地域の元気づくり事業を地方財政計画の歳出に計上することといたしており、地方経済にマイナスの影響を及ぼすことがないよう配慮しているところでもあります。
 したがって、今回の地方公務員給与の削減要請が直ちに地域経済の回復や民間賃金の上昇機運に水を差すことにはならないと、さよう考えております。
 次に、物価安定目標と消費税率引上げや地方公務員給与削減との関係についてお尋ねがあっております。
 第二次安倍内閣では、二%の物価安定目標の下、日銀が大胆な金融緩和を推進するとともに、政府が機動的な財政政策そして民間投資を喚起する成長戦略を実施するという三本の矢によりまして、長引く円高・デフレ不況から脱却することを目指しております。
 議員が今お尋ねになりました、消費税の引上げと地方公務員の給与の引下げが景気にマイナスに働きかねないことが第二次安倍内閣の政策の方向性に反するのではないかとの御指摘かと存じますが、まず、消費税の引上げを含む社会保障と税の一体改革は、これは持続可能な社会保障制度を確立し、加えて国民の暮らしに安心を取り戻すために必要な施策と思っております。これは、持続的な経済成長を図るために市場の信認を確保する上で必要不可欠な施策とも考えております。
 なお、消費税率の引上げにつきましては、法律で来年四月に実施することが決まっておりますが、本年秋に、税制抜本改革法附則第十八条に規定されておりますとおり、名目及び実質の経済成長率、また物価の動向などなど、経済指標をいろいろ確認をさせていただき、経済状況を総合的に勘案して判断をすることとされております。
 また、地方公務員給与の削減の要請は、防災・減災、地域の経済活性化といった課題に対応するために行ったものであります。給与削減額に見合った事業費を地方財政計画の歳出に計上し、全体として地方経済にマイナスの影響を及ぼすことがないように最大限配慮してまいります。したがって、これもデフレ不況からの脱却を目指す三本の矢の方針に反するものではないと考えております。
 最後に、日本経済再生についてのお尋ねがあっておりました。
 強い日本経済を取り戻すことは、この内閣に課せられました多分最大の課題であります。大胆な金融政策、機動的な財政政策、そして民間投資を喚起する成長戦略、この三本の矢を同時に撃つことにより、デフレ不況から脱却し、雇用や所得の拡大を伴う確かな経済再生につなげていきたいと考えております。
 御指摘のありました、一番問題なのが三本目の矢のところなんだという点で御指摘になっているんだと思いますが、日本には再生医療とかロボットを含めまして、新エネルギー、クール・ジャパンを体現する御指摘のありましたサブカルチャーコンテンツ、いろいろあります。いい話だと私も思うんですが、私が出しました予算案は、おたくが当選されれば、民主党でこれ否決されておりますので、あなたが早く当選しておいてもらえばあれはそんなことはなかったと大変残念に思っているところなんですが。
 いずれにしても、こういった大きな可能性を持ったものというのは、世界に誇れる潜在力とか技術力というのはもうある、分かる人には分かるんですけれども、全然そういうことじゃない方もいらっしゃいますので、いずれにしても、こうした強みというものを生かしながら、世界に先駆けてデフレ不況からの脱却というものを実現して、そして、世界にその解決策、将来起こるであろう、おたくたちでも起こるであろうデフレに対して、うちはこういう解決策をやったという先駆的な案を実現してまいりたいと考えております。(拍手)
   〔国務大臣田村憲久君登壇、拍手〕
#31
○国務大臣(田村憲久君) 樽井議員からは一問、中小企業の賃上げに関するお尋ねをいただきました。
 三月十三日以降、自動車、電機などの民間主要組合に対して、各企業から賃金と一時金に関する回答が示されました。賃金は多くの企業で定期昇給相当分を維持する内容でありますけれども、流通産業などではベースアップを示した企業も見られます。また、一時金は、自動車産業など業績が改善している企業において前年比増の回答も行われております。
 これから四月にかけて、引き続き中小企業の労使を含め交渉が行われますけれども、ここでも十分な話合いが行われ、企業の業績に照らして円満な解決が図られることを期待いたしております。(拍手)
    ─────────────
#32
○議長(平田健二君) 横山信一君。
   〔横山信一君登壇、拍手〕
#33
○横山信一君 私は、公明党を代表して、地方税法、交付税法に関して質問いたします。
 この度の税制改正は、成長と富の創出の好循環を実現するための措置が掲げられています。この中には公明党が主張してきた暮らしに配慮した減税が数多く盛り込まれており、成長と富の背景にある生活者や中小企業にも目配りのある税制改正となっています。
 初めに、少額投資非課税制度、いわゆる日本版ISAの創設について伺います。
 これについては、証券業界などから投資促進への期待の声が上がっています。しかし、専用口座は一人一つしか開設できないため、金融機関同士の顧客獲得競争が激化するとの指摘がある一方で、金融機関の取組には温度差があります。二十五兆円とも言われる個人投資マネーを株式に取り込み、日本版ISAを成功に導くためにどうするのか、金融担当大臣に伺います。
 次に、自動車取得税に関連して伺います。
 今般の税制改正では、公明党が一貫して主張し続けてきた自動車関連税制が見直されました。
 道路特定財源が一般財源化されてからは、車体課税の根拠が乏しいまま課税される状況が続いてきました。この度、自動車重量税は老朽化した道路の維持管理や更新のための財源と位置付けられ、課税根拠が明確になったことは評価できるところです。
 また、二〇一四年四月にはエコカー減税が恒久化され、二〇一五年十月には自動車取得税が廃止されます。自動車本体価格の五%が課せられる取得税の廃止は、消費税の五%アップ分の影響を相殺するものとなっています。
 一方、自動車取得税は、地方にとって重要な財源であるため、二〇一四年度税制改正で代替財源を検討することになっています。これは、政権交代から一か月という時間的な制約の中でまとめ上げたことを考えると、慎重な議論のためにはむしろ的確な決断であったと思います。今後の財源確保について、総務大臣に伺います。
 今般の税制改正では、公益事業者による南海トラフ地震などに備えた鉄道施設の課税特例措置や社会インフラの防災・減災点検に経費負担軽減措置が導入されています。
 明日起こるかもしれない大規模災害に備えた防災・減災対策を推進するためには、公共事業によるインフラ整備だけではなく、こうした税負担軽減措置を伴う民間活力の導入を今後も進めるべきと考えますが、官房長官の見解を伺います。
 次に、公明党が推進を主張してきた住宅ローン減税の拡充について伺います。これは二〇一三年末に期限切れとなる減税措置を四年間延長するもので、年末のローン残高の一%を十年間にわたって所得税や住民税から差し引く仕組みです。
 消費増税は住宅需要に大きく影響することが懸念されていますので、住宅ローン減税は増税に伴う負担増を相殺するものとして期待されます。
 そこで、住宅ローン減税は課税負担を長期的に平準化することになるのか、総務大臣の見解を伺います。
 次に、地方財源の確保に関して伺います。
 地方財政の収支見通しでは、毎年度に財源不足が発生しており、今年度の地方財政対策では、地方公共団体機構の公庫債権金利変動準備金を活用できるようにいたしました。毎年度、何とかやりくりしているのが地方財政対策と言えるでしょう。
 そこで、二〇一四年度以降の安定的な地方一般財源総額の確保に向け、どのような見通しを持っているのか、総務大臣に伺います。
 二〇〇八年度税制改正で導入された地方法人特別税と譲与税は、地域間の税源偏在を是正するため、税制抜本改革が行われるまでの暫定措置として設けられました。これらは、二〇一一年度までに法制上の措置を講ずることになっていましたが、民主党政権下では改革の方向性が示されるにとどまりました。現在は、総務省に設置された検討会で見直しに向けた作業が進められています。
 そこで、消費税率が引き上げられるまでに結論を出すのか、総務大臣に伺います。
 企業活動の活発化に向け、法人税率の引下げを望む声があります。しかし、これには住民税と事業税が含まれており、これらは地方税収の二〇%に達する有力な財源となっています。また、法人課税は地方税制になじまないとの議論があります。
 そこで、税収が安定的な地方税体系の構築を進めるとされた二〇〇八年度税制改正を踏まえ、地方法人課税はどのようにあるべきかを総務大臣に伺います。
 次に、投資と雇用の促進のために新設される措置について伺います。
 国税の法人税に新設されるこれらの措置は、地方税の法人住民税及び事業税にも適用されます。具体的には、生産設備への投資が減価償却費を超える場合の税額控除や、中小企業技術基盤強化税制の拡充などが中小企業に限って地方税にも適用されます。しかし、これらの恩恵は大企業や製造業に偏っているとの批判があります。グローバル経済の進展の中で最も疲弊したのは地方経済でした。都市部に資源と人材を提供する地方の暮らしをどう守るかは重要な課題です。
 そこで、継続的な成長を確保するためにも地方の中小企業に視点を注ぐ税制が求められると考えますが、官房長官の見解を伺います。
 次に、東日本大震災に関する措置について伺います。
 津波被災地では、市町村長が指定した区域の土地や家屋には固定資産税と都市計画税が課税免除となっており、二〇一三年度も一年間継続されます。被災状況に応じた復興のためには、弾力的な復興交付金事業を実施するのはもちろんのこと、税制措置においても柔軟な対応が求められていいと考えます。
 そこで、津波被害区域の税制措置の延長は二〇一四年度以降どうするのか、その見通しを伺います。また、単年度措置となっているのは自治体の役所機能が失われたことに対する特例と承知していますが、こうしたことを含め、今後の制度の在り方を検討すべきと考えますが、総務大臣の見解を求めます。
 最後に、サックス演奏者のウェイン・ショーターは著書の中で、ハリケーン・カトリーナによって水没したニューオーリンズの復興を通じて、問題を先送りしようとする傾向性を克服する重要性を述べています。
 国や立場の違いはあっても、先送りは許されないとの思いは同じです。デフレ不況から脱却できるのか、復興は進むのかとの疑心暗鬼に対し、今、ここで、直ちにとの思いで、結果を出す政治に公明党は全力を尽くすことを申し上げ、質問を終わります。(拍手)
   〔国務大臣新藤義孝君登壇、拍手〕
#34
○国務大臣(新藤義孝君) 横山信一議員から六点のお尋ねをいただきました。
 まず、自動車取得税の廃止に伴う代替財源の確保についてお尋ねがございました。
 平成二十五年度与党税制改正大綱においては、自動車取得税に代わる安定的な財源の具体的な内容は平成二十六年度税制改正で結論を得ることとされております。総務省といたしましては、今後、与党における議論の状況を踏まえつつ、地方団体の御意見も伺いながら、必要な地方税財源の確保が図られるように検討してまいりたいと存じます。
 次に、住宅ローン減税についてのお尋ねでございます。
 今回の改正案は、消費税率の引上げの前後における住宅需要を平準化する観点から、所得税における住宅ローン控除制度が延長、拡充されることに伴い、所得税における住宅ローン控除拡大の効果が限定的な中低所得者に配慮し、個人住民税における住宅ローン控除制度も延長、拡充しようとするものでございます。
 このような所得税及び個人住民税における住宅ローン減税の拡充とともに、住宅ローン減税の効果が限定的な所得層に対しましては適切な給付措置を講じることとされており、これにより住宅取得に係る消費税負担増をかなりの程度緩和することができるのではないかと、このように考えております。
 次に、一般財源総額の確保についてでございます。
 平成二十五年度の地方財政計画においては、社会保障関係費の増加等を適切に反映して歳出を計上した上、地方が安定的に財政運営を行うことができるよう一般財源総額について平成二十四年度と同水準を確保いたしております。平成二十六年度以降においても、地方が安定的に財政運営が行うことができるよう地方一般財源総額を適切に確保してまいりたいと、このように考えております。
 次に、地方法人特別税・譲与税の見直しについてのお尋ねでございます。
 地方法人特別税・譲与税については、税制抜本改革法に基づき、今回の改革に併せて抜本的に見直すこととしております。このため、地方法人課税の在り方の見直しによる地域間の税源偏在の是正策とともに、御指摘の検討会において幅広く検討を行っております。最初の地方消費税率の引上げ時期である平成二十六年四月までには、その内容を明らかにできるよう鋭意検討を進めてまいります。
 次に、地方法人課税の在り方についてでございます。
 地方法人課税は、地方の行政サービスから受益する企業に応分の負担を求めるものであり、地方団体に対しても企業誘致等により税収を増やす努力を促す重要な意味を持つものと考えております。また、地方法人課税は、御指摘のとおり、地方税収入の全体の約一八%を占める基幹的な税源であります。税収の安定性の高い税体系の構築に向けて引き続き取り組んでまいります。
 最後に、東日本大震災に係る津波被災区域の課税免除措置についてのお尋ねがありました。
 東日本大震災に係る津波被災区域の課税免除措置は、津波被災直後の状況、すなわち非常に多くの土地、家屋が滅失、損壊し、市町村の行政機能も大きく損なわれた状況、これらを踏まえ、従前にはない異例の措置として講じられてきたものでございます。
 本来、震災後、復旧・復興の進展に応じて通常の課税に移行することが望まれておりますけれども、なお時間が必要な区域が存在しております。このため、被災地の要望も踏まえ、平成二十五年度においても、今回の改正法案において現在の課税免除措置等の仕組みを一年間延長することとしているところでございます。
 平成二十六年度以降については、本特例措置が異例のものであること、被災地の復興が地域によって大きく異なることなど、これらを踏まえ、復興庁、関係地方団体からの御要望、意見等を十分に勘案して、被災地の現状に即したものとなるようにその取扱いを検討してまいりたいと存じます。
 以上であります。(拍手)
   〔国務大臣麻生太郎君登壇、拍手〕
#35
○国務大臣(麻生太郎君) 横山先生から一問、日本版ISA、インディビジュアル・セービング・アカウントのことだと思いますけれども、少額投資非課税制度というのを訳して日本版ISAとよく言われておりますが、これを成功に導く取組についてというお尋ねがあっております。
 この日本版ISA、少額投資非課税制度を利用して幅広い家計が資産形成を行っていくためにはどうすればということで、制度の内容がしっかりと認知されるということが不可欠だと存じます。約一千五百兆を超えます個人金融資産のうち、現預金が八百兆を超えておるというのは、かなり現預金に偏っているという現状に照らしてこの方法が考えられたんだと思いますが、業界団体におきましては、業態横断的な協議会を設置して、制度の内容や留意事項などにつきまして広く情報を共有すると同時に、積極的に制度の広報を行う予定というふうに聞いております。
 また、金融庁といたしましては、関係業界団体などに対しまして、改正の内容についての説明会を開催するなど、制度の周知に努めていきたいと考えており、引き続き、業界団体などとも連携して、制度の広報に積極的に取り組んでまいりたいと考えております。(拍手)
   〔国務大臣菅義偉君登壇、拍手〕
#36
○国務大臣(菅義偉君) 横山議員の二問の質問にお答えをいたします。
 防災・減災対策への民間活力の導入について御質問がありました。
 民間活力の導入による防災・減災対策の措置は非常に重要であると認識をいたしております。今般の税制改正においても、南海トラフ地震などに備えた鉄道施設の固定資産税の特例措置に加えること、都市再生緊急整備地域における民間の備蓄倉庫に対する固定資産税等の特例措置や、防災対策が実施された物流効率化施設に対する固定資産税等の特例措置等により、民間企業の防災・減災対策を促進をしようとしているところであります。今後とも、民間活力を活用して、大規模災害に備えてまいります。
 次に、地方の中小企業にも視点を注ぐ税制についてお尋ねがありました。
 中小企業・小規模事業者は、地域経済と地域の雇用を支える重要な存在であり、税制においても、従来から、中小企業に対する法人税率の軽減や中小企業投資促進のための税制措置を講じてきているところであります。
 これらに加え、今回の税制改正では、緊急経済対策の一環として、中小法人の交際費課税の特例の拡充や、商業、サービス業及び農林水産業を営む中小企業等の経営改善のための設備投資を支援する税制措置を新たに講じることといたしております。こうした措置を通じて、引き続き中小企業・小規模事業者の支援に取り組んでまいります。
 以上であります。(拍手)
    ─────────────
#37
○議長(平田健二君) 寺田典城君。
   〔寺田典城君登壇、拍手〕
#38
○寺田典城君 みんなの党の寺田典城でございます。
 私は、みんなの党を代表し、ただいま議題となりました地方税法の一部を改正する法律案、地方交付税法及び特別会計に関する法律の一部を改正する法律案及び平成二十五年度地方財政計画について質問をいたします。
 安倍政権は、いわゆるアベノミクス、三本の矢、すなわち大胆な金融政策、機動的な財政政策、民間投資を喚起する成長戦略により、経済再生とデフレ脱却を実現するとしています。これに対する国民や市場の評価は高いようです。円安が進み、株価が上がり、内閣支持率も高い状況にあります。この好調に、安倍内閣はお花畑の中にいるように見えます。
 私は、アベノミクスは是非とも成功してもらいたいと願っています。しかし、もし失敗したらどうなるのか真剣に考えている人は、果たして総理を含め内閣の中にいらっしゃるでしょうか。
 さきに成立した二十四年度補正予算は、国の財政支出が十・二兆円、民間や地方による負担分も含めれば二十・二兆円の事業規模となりました。これによって、GDPが二%押し上げられ、約六十万人の雇用が創出されると政府は説明しています。
 確かに、一時的には仕事は増えるでしょうし、経済は潤うでしょう。しかし、そのほとんどは公共事業と一部の業界だけの話ではないでしょうか。私は、むしろ国際化対応できる教育や海外とのやり取りができる民間の人材育成にも思い切って予算を付けてほしかったです。
 歴代の自民党内閣のとき、景気浮揚対策で財政出動をし、地方債、いわゆる景気対策債を発行させました。その結果、自治体には財政力以上の身に余るインフラと借金が残されました。そういう実態があることを新藤総務大臣はどう認識されているのか、お聞かせください。
 以前は、消費は美徳と言われ、大量に消費するのが当たり前の時代がありました。しかし、今の消費者の意識は、少子高齢化が進み、将来への不安もあり、過剰に消費する社会から、シェアして、循環する社会への転換期を迎え、エコでスマートな消費に変化しています。以前のように、単純に景気が上がる時代ではないのです。
 民間企業は、国際会計基準に照らし、持ち過ぎた資産を減損処理します。パナソニック、ソニー、シャープ、みんなそうです。国もそのようなランニングコストを減らす、処分するための予算、いわゆるレス・イズ・モアの予算を付けるべきだと思います。
 かつて安倍総理は小泉内閣の官房長官として、また、麻生財務大臣は同じく小泉内閣の総務大臣として、当時のドラスチックとも言える地方交付税改革、プライマリーバランスの改善に取り組まれました。これにより、平成十五年当時、二十三・九兆円まで膨れ上がった地方交付税総額は、平成十九年には十七・八兆円まで縮小しました。そして、国と地方のプライマリーバランスも、対GDP比マイナス五・三%からマイナス一・一%まで改善されました。
 さて、その当時の総務大臣であられた麻生財務大臣にお聞きします。
 先月二十八日の安倍総理による施政方針演説でも、御自身の財政演説でも、財政健全化目標の実現を目指すと重ねて述べておられました。目指すだけですか。
 これまでの政府試算では、仮に消費税一〇%への引上げを行ったとしても、二〇二〇年までのプライマリーバランスの黒字化は達成できないとしています。では、どうすれば国際公約である財政健全化目標を実現できるのですか。その手法を具体的な数値も併せてお示しください。
 総務大臣にお伺いします。
 財政健全化目標であるプライマリーバランスの黒字化に向けて、地方側ができる努力は一体何ですか。考え得る手段を具体的にお示ししてください。
 多くの方は、当時の小泉改革によって地方は悲鳴を上げたと批判しています。そのとき、私は、秋田県知事としてまさに現場におりました。当時の経験から申し上げれば、金がないから知恵を出して乗り切るように努力しました。プライマリーバランスが良くなり、財政再建ができて、将来に希望が持てるようになりました。だからこそ、平成の大合併も進みました。
 今の財政状況では、国も地方も歳出を大胆に減らさなくてはなりません。要求団体と化している地方に良い顔をするやり方を続ければ、プライマリーバランスの黒字化など到底達成は不可能であります。地方から批判を受けようとも、地方交付税や臨時財政対策債を含む地方財政の在り方にメスを入れざるを得ません。
 新藤総務大臣にお伺いします。
 地方一般財源総額を対前年度で実質同水準に維持するという財政運営戦略、中期財政フレーム上の方針がありますが、これを見直す意思がありますか、それとも今後とも維持し続けるのですか、現時点でのお考えをお示ししてください。御答弁ください。
 国と地方の財政において特にいびつな構造になっているのは、臨時財政対策債を始めとする地方の借金です。よく報道では、国の借金が一千兆円、地方の借金が二百兆円という数字が取り上げられます。しかし、地方が実質的に負担する借金はその二百兆円のうちの四割程度だけで、残り六割は国が肩代わりしているということは余り知られておりません。
 新藤総務大臣にお伺いします。この事実関係を確認させていただくとともに、その状況を御覧になって、率直にどう思われますか。大臣御自身の考えをお答えください。
 また、麻生財務大臣、新藤総務大臣双方にお伺いします。こういった事実も含めて、国の借金、地方の借金が果たしてどういう構造になっているのか、見せかけではない、ありのままの姿を広く国民にディスクロージャーしていくべきだと思いますが、いかがですか。
 源泉徴収制度により給料から税金が天引きされる給与所得者が多い我が国では、国民の納税に関する意識が弱いと言われています。次世代を担う若者に、納税者として国、地方、政府の税金の使い道に関心を持たせ、税の意識を育てるために、義務教育時代から税の教育が必要だと考えます。
 この点について、租税教育を行う現場としての文部科学省、その教育の中身を考えるべき国税庁、総務省それぞれに対して、どう考えているか、お聞きします。
 安倍総理は、さきの衆議院選挙に際して、日本を取り戻すとおっしゃいました。百二十人ほどだった自民党は二百九十五人と大躍進し、逆に約三百人いた民主党は六十人程度になり、政権交代を実現しました。
 政権交代を果たした自民党政権からは、もう少し踏み込んだ内容の法律が出てくるのではないかと期待しておりました。しかし、この夏の参議院選挙までは安全運転のつもりなのでしょうか、今回の法律などを見る限り、新しい切り口のない無難な中身になっているのではないかと感じております。一体何を取り戻したかったのですか。
 多くの政治家は選挙で負けることを恐れています。しかし、政治生命というものは、負けたら終わりではなく、疑問を感じたら恐れずに行動し続けること、それができるうちは政治生命は不滅だと考えます。しがらみにとらわれず、何物にもおくせず行動する、それによって、落選した人も各政党も役割を果たし続けるのです。
 安倍総理は、政治は結果だともおっしゃいますが、十八年間地方自治の現場を体験した身からすれば、政治は、そのときの結果だけでなく、国民の将来にまで責任があると思います。政治は、今を生きるより将来のために行動すべきです。冒頭にも申し上げましたが、アベノミクスは成功してほしいと願っています。しかし、もし失敗したら、間違いなくこの国は財政的に破綻します。そうなったら、安倍政権はどう責任を取るのですか、麻生副総理にお聞きします。
 最後に、「あした浜辺をさまよえば昔のことぞしのばるる」、この歌は、秋田県出身の作曲家、成田為三が作った「浜辺の歌」であります。国が財政的に破綻して浜辺をさまようようなことがないようにしてください。
 御清聴ありがとうございました。(拍手)
   〔国務大臣新藤義孝君登壇、拍手〕
#39
○国務大臣(新藤義孝君) 寺田典城議員から六点のお尋ねをちょうだいいたしました。
 まず、地方の公共施設と地方債についてでございます。
 地方公共団体における公共施設の整備は、それぞれの地域における住民ニーズや財政状況を踏まえ、国の経済対策にも機動的に対応しつつ行われてきたものと認識をしております。公共施設の整備に活用した建設地方債の残高は、平成十四年度をピークに着実に減少しております。
 公共施設については、各地方公共団体において、地域の人口動態や施設の利用状況、管理コスト、経過年数等を総合的に勘案し、住民の理解を得ながら、その効率的、効果的な配置を検討、判断していくことが必要だと、このように認識をしておるわけであります。
 次に、財政健全化に向けた方策についてのお尋ねでございます。
 政府においては、二〇一五年度までに国、地方のプライマリーバランスの赤字の対GDP比を二〇一〇年度の水準から半減し、二〇二〇年度までに黒字化するとの財政健全化目標の実現を目指すこととしています。
 このため、地方財政については、歳入面において地域経済の活性化等を通じて地方税収等を確保するとともに、歳出面については経費全般の節減合理化に努めることが必要であると、このように考えております。
 次に、一般財源総額についてのお尋ねでございます。
 地方が安定的な財政運営を行っていくためには必要な一般財源総額を確保することが重要であり、平成二十五年度においても前年度の同水準を確保いたしました。
 今後、政府といたしましては、年央に骨太方針を取りまとめるとともに、財政健全化目標を実現するための中期財政計画の具体化の検討を進めていくこととしております。地方財政については、こうした動向や地方の要望等を踏まえて適切に対応していく必要がありますが、いずれにいたしましても、引き続き、地方が安定的に財政運営を行えるよう、一般財源総額の適切な確保を図ってまいります。
 次に、地方の借入金についてお尋ねがございました。
 平成二十三年度決算における地方の借入金等の残高のうち、交付税特会借入金等を除いた地方債残高等百七十九兆円に対する普通交付税の基準財政需要額への算入見込額は九十八兆円、五五%でございます。
 地方債の元利償還金への交付税措置については、財源不足対策や地域、年度で偏在がある地方債への措置であると考えており、必要であると考えておりますが、地方の借入金残高が多額である状況に鑑みて、景気回復、地域活性化を進め、そして地方財政の健全化に取り組んでいくことが重要だと、このように考えております。
 次に、国、地方の借金の構造のディスクロージャーについてのお尋ねでございます。
 国民に対する地方財政に関する情報の開示は極めて重要であります。総務省においては、地方財政白書による地方財政全体の状況に関する情報を始め、各地方公共団体の決算や健全化判断比率の状況等についても、ホームページを含め、公表しております。その中で、地方公共団体の将来負担額については、基準財政需要額への算入見込額も分かるように公表をしているところでございます。
 最後に、租税教育についてのお尋ねがございました。
 租税の役割についての国民の理解を深めるため、租税教育の充実を図ることは重要と認識しております。
 そのため、平成二十三年十一月には、総務省、文部科学省、国税庁等で租税教育推進関係省庁等協議会を発足させ、租税教育を推進する環境の整備に取り組んでいます。
 また、地方自治体においては、小中学生を対象とした租税教室の開催や、県税事務所等での職場体験など、様々な取組を行っているものと承知をしております。
 総務省としては、地方自治体に対して租税教育の充実に向けた一層の取組を依頼したところであり、今後も関係機関と協力しながら租税教育の充実に努めてまいります。
 以上であります。(拍手)
   〔国務大臣麻生太郎君登壇、拍手〕
#40
○国務大臣(麻生太郎君) 寺田先生から四問ちょうだいいたしました。
 財政健全化目標のための手法についてお尋ねがあっております。
 政府としては、財政健全化に向けて、国、地方のプライマリーバランスにつきましては、御存じのように、二〇一五年度までに赤字の対GDP比を二〇一〇年度の水準から半減、二〇二〇年度までに黒字化するとの目標を実現してまいりたいと考えております。
 このため、二十五年度当初予算につきましても、この財政健全化目標を踏まえて、実に四年ぶりに税収が公債金を上回る状態を確保するなど引き締まった予算とし、二〇一五年度の目標達成へ向けた第一歩を着実に踏み出したところだと考えております。
 他方で、議員御指摘のとおり、昨年八月に公表されました経済財政の中長期試算によれば、たとえ平成二十七年十月から消費税率の一〇%への引上げを実施したところでも、なお二〇二〇年度の黒字化目標達成には更なる収支改善が必要との姿が示されておりますが、まずは、二〇一五年度の赤字半減目標達成に向け、全力で取り組んでまいりたいと考えております。
 今後、財政健全化と日本経済再生の双方を実現する道筋につきましては、経済財政諮問会議等においてその検討を進めてまいります。その上で、財政健全化目標を実現するための中期財政計画を年央をめどに作成をいたしたいと考えておるところであります。
 国と地方の借金についてのお尋ねがありました。
 国と地方の財政は密接に関係しております。したがいまして、財務省におきましては、国と地方の長期債務残高や、国の公債残高の増加額のうち、地方の財源不足の補填を要因とした金額などの資料を公表いたしております。寺田先生御指摘のとおり、地方の借金を国が実質的に負担をしております部分に関するデータは、地方財政白書におきまして公表されているのは御存じのとおりであります。
 今後とも、国と地方を含めまして、日本の財政状況について分かりやすい資料を公表し、国民の理解の促進に努めてまいりたいと考えております。
 次に、租税教育の必要性についてのお尋ねがありました。
 先ほど総務大臣からも答弁があっておりましたが、次代を担う児童生徒が国の基本ともなります租税の意義や役割を正しく理解することは、大変重要なことであろうと考えております。このため、国税庁におきましても、関係省庁及び税理士会などの民間団体と連携して、租税教室への講師派遣など、租税教育の充実に努めているところであり、今後とも引き続き取り組んでまいりたいと考えております。
 最後に、経済財政運営についての責任の在り方についてのお尋ねがありました。
 言われるまでもなく、政治は結果責任であります。現在だけでなく、国民の将来にも責任を有することはもとより覚悟しているところでもあります。いわゆる三本の矢により経済の再生を確実に進めるとともに、財政健全化を着実に進め、現在及び将来の国民のために豊かな日本を取り戻すということが第二次安倍内閣に課せられた責務であり、そのために全力を尽くしてまいりたいと考えております。(拍手)
   〔国務大臣下村博文君登壇、拍手〕
#41
○国務大臣(下村博文君) 寺田議員から、租税教育の必要性についてお尋ねがありました。
 子供たちに国民生活の安定と向上のために重要な働きをしている租税の大切さ等について理解させることは、極めて重要です。このため、学校教育では、学習指導要領に基づき、小中高等学校において社会科、公民科の中で、租税の意義や役割、納税の義務など、租税に関する指導を行っております。
 また、文部科学省では、租税教育推進関係省庁等協議会に主体的に参画するとともに、学校教育における租税教育の充実を図るため、全国の教育関係者に対し、各地域における租税教育の取組に関する情報提供などを行っているところでございます。
 今後とも、総務省及び国税庁とともに連携を図りつつ、学校における租税教育の充実に努めてまいります。(拍手)
#42
○議長(平田健二君) これにて質疑は終了いたしました。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後零時三十分散会
ソース: 国立国会図書館
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