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2013/04/19 第183回国会 参議院 参議院会議録情報 第183回国会 本会議 第15号
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2013/04/19 第183回国会 参議院

参議院会議録情報 第183回国会 本会議 第15号

#1
第183回国会 本会議 第15号
平成二十五年四月十九日(金曜日)
   午前十時一分開議
    ━━━━━━━━━━━━━
#2
○議事日程 第十五号
  平成二十五年四月十九日
   午前十時開議
 第一 公職選挙法の一部を改正する法律案(衆
  議院提出)
    ━━━━━━━━━━━━━
○本日の会議に付した案件
 一、福島復興再生特別措置法の一部を改正する
  法律案(趣旨説明)
 以下 議事日程のとおり
     ─────・─────
#3
○議長(平田健二君) これより会議を開きます。
 この際、日程に追加して、
 福島復興再生特別措置法の一部を改正する法律案について、提出者の趣旨説明を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○議長(平田健二君) 御異議ないと認めます。国務大臣根本匠君。
   〔国務大臣根本匠君登壇、拍手〕
#5
○国務大臣(根本匠君) 福島復興再生特別措置法の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明申し上げます。
 この法律案は、福島の復興及び再生を一層推進する観点から、平成二十五年度予算案や税制改正大綱に盛り込まれた措置の実施に必要な法律上の手当てを行うため、提出するものであります。
 次に、この法律案の内容について、その概要を御説明申し上げます。
 第一に、国による公共事業の代行や生活環境整備事業の対象地域を拡大し、避難解除等区域の復興及び再生のために特に必要と認められるものについて、帰還困難区域及び居住制限区域においても実施することができるものとしております。
 第二に、公営住宅の整備その他の避難を余儀なくされた者の生活の拠点を形成する事業等の実施に要する経費に充てるための生活拠点形成交付金を創設するものとしております。
 第三に、避難解除区域等内において雇用機会の確保に寄与する事業等を実施する事業者は、課税の特例等を受けることができるものとしております。
 以上が、この法律案の趣旨でございます。(拍手)
    ─────────────
#6
○議長(平田健二君) ただいまの趣旨説明に対し、質疑の通告がございます。順次発言を許します。加賀谷健君。
   〔加賀谷健君登壇、拍手〕
#7
○加賀谷健君 皆さん、おはようございます。民主党・新緑風会の加賀谷健です。
 冒頭、アメリカでの連続爆破事件で犠牲になられた方々とその御遺族に心からお見舞いを申し上げますとともに、負傷された方々の一日も早い御回復をお祈り申し上げます。
 加えて、国内各地で頻発している地震等での被害者に対してもお見舞いを申し上げます。
 さて、議題となりました福島復興再生特別措置法の一部を改正する法律案について会派を代表して質問をさせていただきます前に、一言申し述べさせていただくことをお許しをいただきたいと思います。
 私は、既に今期限りでの引退を表明させていただいており、今日の登壇が最後になると思います。このような機会をお与えいただいた先輩、同僚議員の皆様、そして、この一期六年間、様々な形でお世話になった全議員、議会関係者はもとより、御指導、お支えいただいた皆様に、この場をお借りをして深く感謝を申し上げます。ありがとうございました。
 東日本大震災は、平成二十三年三月十一日に発生しました。その日、私は、参議院第一委員会室で開かれていた決算委員会で、当時の菅総理を始めとする関係閣僚に大震災対策などについて質問をさせていただいた直後でございました。地元千葉県でも津波による多くの犠牲者や液状化による甚大な被害が出たこともあり、私も何度となくそれぞれの被災地に足を運び、微力ながら復旧・復興に尽力をしてまいりました。昨年十月には復興大臣政務官も拝命をし、二重ローン問題を中心に内閣の一員として復興に取り組んでまいりました。
 私は、政治家としては被災地の真の復興を見届けることはできませんが、先輩、同僚、そして後に続く議員の皆様には、党派を超えて一日も早い復興を成し遂げていただけますよう心からお願いを申し上げます。
 それでは、質問に入らせていただきます。
 初めに、菅官房長官にお尋ねをいたします。
 私は、今月八日にも岩手県の被災地に伺い、復興の現状と課題を視察をしてまいりました。大槌町では完成したばかりの災害復興公営住宅などを拝見し、私たち民主党政権が取り組んできた成果が次々と芽を出していることを実感をしてまいりました。
 未曽有の大震災に対し、民主党政権の対策が万全だったとは申しません。多くの課題を自公政権に引き継がざるを得なかったことも事実だろうと思います。しかし、私は、民主党政権は自治体や住民の皆様方と力を合わせてでき得る限りの取組をしてきたと自負をしております。
 そこで、安倍政権としての民主党政権の復興対策に対する評価と、問題点があったとすれば安倍政権はどのように対処されるのか、お伺いをいたします。
 続いて、根本復興大臣にお伺いをいたします。
 民主党は、政権当時、復興施策に関する国の事業計画及び工程表において、事業ごと、地域ごとの工程表を作り、復興に取り組んでまいりました。
 安倍政権は、三月七日の復興推進会議で、二〇一五年度末までに約二万戸の災害公営住宅を整備するという住まい復興工程表を発表されました。しかし、復興全体の工程表についてはまだ示されておりません。
 安倍政権は、私たち民主党政権の工程表を継続をしていかれるのか、あるいは全く新しい独自の工程表を作られようとしているのでしょうか。その理由と、被災地全ての復興をいつまでに終わらせようとしているのか、お考えをお示しをください。
 また、本法案に盛り込まれた長期避難者の生活拠点の形成ですが、復興庁の意向調査でも、町外コミュニティー、いわゆる仮の町の居住希望者は多くなかったと伺っております。生活拠点形成交付金制度の目的は、避難者が元の居住地に戻ることに備えて、避難地でコミュニティーを整備することが目的となっていますが、逆に仮の町を恒久化することになるのではないでしょうか。
 本法案では、課税の特例措置によって企業立地や新規事業者参入の更なる促進を目指しています。企業に対する支援は、地域経済はもとより、地元の雇用にも結び付く大事な施策であることは言うまでもありません。と同時に、企業活動にとっても金融は大きな要因です。
 そこで、東日本大震災事業者再生支援機構について、復興大臣にお伺いをいたします。
 同機構は、企業の二重ローン対策として、民主、自民、公明の三党の合意により株式会社として成立したものですが、当初、政府保証枠を五千億円設けたものの、支援決定は四月二日現在で百六十七件、合計二百八十三億円と、当初の目標を大きく下回っているのが現状です。特に、福島においては、その特殊性もあるものの、百六十七件のうち僅か十一件と、極端に少なくなっています。同機構のこれまでの取組については評価をいたしますが、事業者側からは産業復興機構との違いが分からないなど、まだこの制度は周知されているわけではありません。実際、商工会議所が力を入れて広報活動に取り組んでいる宮城県石巻市では、先ほどの支援決定百六十七件のうち三十七件、また、市の産業部が広報に尽力をしている岩手県宮古市では二十件と、他市に比べ格段に実績が上がっています。
 もう一つ、同支援機構の職員全体百二名のうち、実際に融資相談に当たる現場の職員は七十名余り。このうち半分は都市銀行や地銀からの出向者とのことです。日本の銀行は元々担保主義と言われ、なおかつ、同支援機構の支援基準は五年以内に黒字が出ることと、ハードルが高いことも支援が進まぬ大きな要因と考えます。
 一昨日の参議院東日本大震災復興特別委員会でも、中小企業グループ補助制度は利用者のニーズに合った制度で利用者も多いという話がございました。この際、事業者再生支援機構と役割が重複する産業復興機構を統一し、支援基準を緩和して利用者のニーズに合ったワンストップサービスを実現すべきと考えますが、いかがでしょうか。
 続いて、茂木経産大臣にお尋ねをいたします。
 本法案では、企業の税制優遇措置を避難指示解除準備区域や居住制限区域へ拡大することも盛り込まれています。しかし、福島県においては、新規立地企業に対するふくしま産業復興企業立地補助金が活用されている一方で、特措法による税制優遇はメリットが少なく、企業誘致や新規事業参入につながりにくいとの指摘もあります。今後、補助金についても拡充を検討すべきと思いますが、いかがでしょうか。
 また、再び根本復興大臣にお尋ねをいたします。
 福島特措法改正案では、公営住宅の整備の促進のために生活拠点形成交付金制度などの財政面の支援を盛り込んでいます。しかし、この住まいの復興については、高台移転など復興用地の取得が、住民の合意や土地取得に係る法律上の制約等があり、スムーズに進んでいないのが実態であります。
 例えば、岩手県釜石市では、百年も前の明治時代に四十人余りの共有で登記された土地や、既に登記上の所有者が亡くなっているものの、相続が未了のままで地権者が分からない土地があり、復興移転の計画そのものを見直さざるを得ない自治体も出るなど、法律が復興の大きな壁となっているケースもあります。被災地の自治体からは、何らかの対策を取ってほしいという要望が出されています。
 政府が収用手続の迅速化のためにモデルケースを選定をして検討を始められていることは承知をしておりますが、必ずしも十分とは言えません。司法関係者の協力を得ながら、スピード感を持って具体的な対策に取り組むべきと考えます。こうした地元自治体の声とどう向き合おうとされているのか、お答えをください。
 この問題に関連し、林農林水産大臣にお尋ねをいたします。
 これも被災地の自治体が切実に要望されていることですが、国の補助事業で整備をされた農地を復興住宅に転用したり、被災者がやむなく農地を転用して自立再建に取り組もうとした場合、補助金適正化法の返還規定がネックとなり、復興のブレーキとなっているとのことです。
 この点については、法律を改正しなくても政府の弾力的な運用で解決できると考えますが、いかがでしょうか。前向きな御答弁をお願いいたします。
 さて、新藤総務大臣にお尋ねをいたします。
 被災地の復興には、何といっても地元の自治体が余計なことを心配せずに復興に専念できる環境が必要だと思っています。国がやるべきことは、交付税を含めその裏付けをしっかり担保すること、そして自治体だけでは手が回らない細かい部分に気配りをしてあげることではないでしょうか。
 しかし、残念ながら、安倍政権は、地方自治の本旨に反し、自治体職員の給与引下げを強要し、地方交付税を削減するなど、被災地で懸命に復興に取り組んでいる地方公務員にも冷や水を浴びせています。さらに、ばらまき公共事業の復活で、コンクリートなどの資材不足だけではなくて、復興の青写真を作る自治体の技術職員が大幅に不足をしております。
 もう一点、除染などの下請に暴力団が入り込み、摘発されたケースが相次いでいます。復興事業の本格化や公共事業全体の増加により、こうした問題が増えることも懸念されます。
 総務省としても、自治体同士の技術職員の情報交換制度づくりやOBを活用できる制度の後押し、警察と自治体のより緊密な連携体制の構築など、かゆいところに手が届く仕組みづくりを進めるべきだと思いますが、いかがでしょうか。
 最後に、今月九日の衆議院予算委員会で東国原議員は、今までいいことを民主党さんはやっていらっしゃっているんですよ、それは評価は厳しいかもしれませんけれども、いいこともやっていらっしゃる、そのことをやはり後押しするような、それが政権与党といいますか政権政党ですよと政府にただされています。
 私も全くそのとおりだと思います。民主党が政権に就いたことで、社会保障と税の一体改革を始め、重要案件が与野党の真摯な協議により成立をするという新しい流れもできました。特に震災復興に関しては、イデオロギーが持ち込まれる話ではなく、特に全国会議員が協力をして更に復興を加速させる必要があることは言うまでもありません。
 この点について、いま一度、安倍内閣の全閣僚にも御確認をいただくことをお願いを申し上げ、私の質問を終わらせていただきます。
 御清聴ありがとうございました。(拍手)
   〔国務大臣根本匠君登壇、拍手〕
#8
○国務大臣(根本匠君) 加賀谷議員には、昨年、復興大臣政務官を務められ、被災地の復興に御尽力いただいたことに感謝を申し上げます。
 加賀谷議員から四問の質問をいただきました。
 まず、復興の事業計画及び工程表については、平成二十三年八月に公表され、それ以降、節目節目で見直されてまいりました。加えて、住民調整等が進み、住宅再建の見通しが立ってきたことから、本年三月には住まいの復興工程表も公表をいたしました。これらの工程表は住民の方に復興のめどを分かりやすく示すものであり、今後とも、これらの工程表を基に必要な見直しを行ってまいります。また、復興期間は十年間とされておりますが、当初の五年間を集中復興期間と位置付けており、被災地の一刻も早い復旧・復興を目指してまいります。
 次に、長期避難者の生活拠点の形成について質問をいただきました。
 長期避難者のための生活拠点は、避難期間中の安定した居住環境を提供するとともに、住民のコミュニティーを維持することを目的として整備するものです。避難指示が解除された際に帰還するか否かの判断は住民自らの意思で行われるものですが、このような生活拠点の整備は帰還を待ち望む避難元自治体や住民の意向に沿って進められるものであり、住民の帰還に資するものと考えております。
 次に、震災支援機構と産業復興機構の統一についての御質問をいただきました。
 震災支援機構法の附帯決議においては、「各県の産業復興機構と相互補完しつつ、支援の拡充を図ること。」とされております。産業復興相談センターにおいては、この趣旨を踏まえ、産業復興機構による支援が困難な案件について、震災支援機構に移管をしております。
 政府としては、被災事業者の支援に万全を期すため、両機構の連携方法について不断の見直しを行ってまいります。
 最後に、土地取得の円滑化についての御質問をいただきました。
 土地取得の円滑化につきましては、四月九日、住宅再建・復興まちづくりの加速化措置第二弾を打ち出したところであります。その中で、土地収用手続については、事務手続の簡素化や審査期間の短縮などを行うこと、財産管理制度については、家庭裁判所の担当者を増員することなどによって、現行制度において可能な限り迅速化することといたしました。このような措置により、まずは岩手県釜石市内の防潮堤事業のモデルケースで実際に迅速な土地の取得が可能となるとの効果を具体的に示すこととしております。
 土地の取得に係る問題につきましては、現場において具体的な課題を解決し、迅速化することが重要と考えております。そうした観点から、地元自治体の声を聞きながら、引き続き様々な検討や取組を行ってまいります。(拍手)
   〔国務大臣菅義偉君登壇、拍手〕
#9
○国務大臣(菅義偉君) 加賀谷議員にお答えをいたします。
 東日本大震災からの復興については、復興基本法を始め数多くの制度の創設など、民主党政権下でも与野党が協力して様々な取組が進めてこられました。
 また、一方、復興の実態を見ると、町づくりの合意形成や人手不足など数多くの課題も抱えており、被災地からは、復興を加速し、特に住宅再建にめどを付けてほしいという声も多くありました。
 安倍内閣では、震災からの復旧・復興を内閣の最重要課題の一つとしており、閣僚全員が復興大臣であるとの認識の下、取り組んでおります。政権交代に際し、これまでの復興施策について総点検を実施し、復興加速化に向けて、復興庁の司令塔機能の強化と現場主義の徹底、復興予算に関するフレームの見直し、さらには、住まいの復興工程表の策定を始めとした復興の加速策の具体化、推進について早急に対処すべきと判断し、措置を講じてきたところであります。
 東日本大震災からの復興については、今後とも、被災者の声に幅広く耳を傾け、復興の加速に全力で取り組んでまいりたいと考えております。(拍手)
   〔国務大臣茂木敏充君登壇、拍手〕
#10
○国務大臣(茂木敏充君) 加賀谷議員にお答えをいたします。
 東日本大震災からの復興は政府にとっても最優先の課題であり、まさに閣僚全員が復興大臣という心構えで取り組んでおります。とりわけ福島においては、いまだ十五万四千人の方々が避難生活を余儀なくされており、福島の方々が一日も早く住み慣れたふるさとに戻れるよう、生活環境や産業の復興再生を加速することが必要と考えております。
 経済産業省としては、これまで総額二千百二億円の福島企業立地補助金を活用して企業の立地を支援し、既に千八百億円超の案件を採択してまいりました。今月も追加的に企業立地の募集を行うこととしており、更に企業の立地を促進し、雇用の確保に努めてまいります。
 また、平成二十五年度当初予算案では、福島企業立地補助金とは別に、津波や原子力災害の被災地向けの新たな企業立地補助金として総額一千百億円を計上しております。福島については、従来どおり県全域を対象とし、特に被害の大きな避難指示解除準備区域や居住制限区域については高い補助率で手厚く支援することといたしております。(拍手)
   〔国務大臣林芳正君登壇、拍手〕
#11
○国務大臣(林芳正君) 加賀谷議員の御質問にお答えをいたします。
 補助金の返還についてのお尋ねでありますが、土地改良事業によりまして国の補助を受けて整備した農地については、事業完了後八年を経過しない間に農地転用を行う場合には原則として補助金返還を行うものとしておりますが、八年未経過であっても、特にやむを得ないと認められる場合は補助金返還を行わないことができることの運用を行っております。
 御指摘の被災地の案件につきましても、個別の事業に即して検討いたしまして、震災からの迅速な復興を図る観点からやむを得ないものと認められる場合は、関係省庁とも連携をし、補助金返還を必要としない弾力的な運用を今後ともしてまいる所存であります。
 なお、南相馬市におきましては、平成二十四年度に、復興整備計画に位置付けられた植物工場の造成のために農地転用を行った際に、補助金返還を免除したケースがございます。
 以上でございます。(拍手)
   〔国務大臣新藤義孝君登壇、拍手〕
#12
○国務大臣(新藤義孝君) 加賀谷議員から、自治体の技術職員の不足及び暴力団への対策についてのお尋ねをいただきました。
 被災自治体からの職員派遣の要望については、職種や職務内容、派遣期間などのニーズを踏まえ、全国市長会、全国町村会の御協力により、現役職員やOB職員の派遣支援、情報提供を行っているほか、民間企業等の人材活用の仕組みを整備するなど、人的支援に努めているところでございます。
 暴力団への対策につきましては、入札契約適正化法に基づく指針に沿って、公共工事における暴力団排除について、相互通報体制の確立や定期会議の開催等により警察と連携して取り組むよう、国土交通省とともに地方自治体に対し助言を行っているところでございます。
 今後とも、被災自治体の要望をお伺いしながら、全国の自治体と協力いたしまして最大限の支援を行ってまいりたいと思います。(拍手)
    ─────────────
#13
○議長(平田健二君) 川田龍平君。
   〔川田龍平君登壇、拍手〕
#14
○川田龍平君 みんなの党の川田龍平です。
 私は、みんなの党を代表し、福島復興再生特別措置法の一部を改正する法律案に対し、質問いたします。
 まず冒頭、確認しておかなければならないことがあります。一体、国は福島の未来に対し、どのようなビジョンをお持ちなのでしょうか。
 今回の改正で、居住制限区域や帰還困難区域のインフラ復旧を行い、居住制限区域で新規事業者も含め税優遇措置が受けられるようにもしました。これは、帰還できる範囲を広げ、一日も早い帰還を促進する改正です。一方、生活拠点形成交付金の創設がもう一つの大きな柱です。これは、仮の町とも言われた長期避難者の生活拠点として避難者受入れのための復興公営住宅建設をすることが柱となっており、帰還とは逆のベクトルです。今すぐふるさとに戻る方向、戻らず仮の住まいにいてもらうという矛盾した内容が入っているのです。これでは被災者の方々は自分の未来がいつまでも描けません。今、避難した人々を福島に戻すのか、仮の住まいに移ってもらうのか、被災地の人たちに対し、復興大臣からお聞かせいただきたい。
 国が進めてきた原子力政策の先に起きた事故ですから、国の責任で徹底除染して全員が元の町に戻り暮らせるようにするのが本来すべきことでしょう。しかし、現実はそう簡単ではありません。事故は収束しておらず、今なお大量の放射性物質が出ており、除染にも現時点では技術的限界があり、効果的に進んでいません。一体、本当の意味での事故収束と徹底した除染の見込みは付いているのか、経済産業大臣、環境大臣、国民に対し、説明責任を果たしていただきたい。
 ふるさとに戻る強い気持ちを持った方々も、一時帰宅し、ふるさとや我が家の荒廃ぶりを見て帰る気力を失った方もたくさんおられます。もうふるさとに戻ることを諦めようと決意した人が多く、特に若年層、子供がいる世帯の多くは戻ることがないのです。不本意ながら戻れなくなったのだから、ふるさとに帰る一段階前の仮の町に移ることもないのではないでしょうか。にもかかわらず、仮の町に住宅やインフラを整備し、町づくりをしても、使われないハードだけが残ることが予想されます。そこには、未来を担う子供や若者がおらず、仕事もないからです。
 仮設住宅から復興公営住宅に移れたから責任を果たしたなどということはなく、その後の利用方法も含め検討すべきではないでしょうか。きちんと県内そして県外に避難された方の意見を聞いて計画したのでしょうか。復興大臣のお考えをお聞かせください。
 仮設住宅から仮の町や復興公営住宅に移った後、何年で被災者、避難者はふるさとに戻れるのでしょうか。それが分からなければ人生設計ができません。そこに一人一人の自己決定権がなく、人権が損なわれています。復興大臣の見解をお聞かせください。
 自主避難者は、母子避難などで、ふるさとと避難先との二重生活が物理的にも非常に障害になっています。しかし、仮の町では、帰れるのか帰れないのか分からないふるさととの間で、いつまで続くか分からない心の二重生活を送らねばならず、被災者一人一人の心が引き裂かれ続けたまま生きていかねばならないのです。
 また、現在、多くの自主避難者が全国に、そして海外にも広域長期避難されています。特に遠方へ避難された方には、もう避難先に定住しようと決意した方も多くおられます。生活拠点形成交付金は、避難指示を受けた避難者の受入れ市町村に交付される仕組みになっており、実質は福島県内がほとんどとなっております。自主避難者の定住支援もセットでなければ、福島をふるさととする人たち全てを救うことができないではないですか。復興大臣のお考えをお聞かせください。
 さて、今回の改正には、重要な点が改正されないまま残されていることにお気付きでしょうか。昨年提出された平成二十三年東京電力原子力事故に係る健康調査等事業の実施等に関する法律案にかかわる改正、そして、昨年六月、子ども・被災者支援法が成立したことに伴う改正です。
 政府は改善したと説明していますが、いまだに不安や不満が福島県民の間にあり、専門家から不十分さも指摘されている福島県民健康管理調査は、法定受託事務として国の責任で行わなければなりません。福島特措法に基づいて自治事務として健康管理調査をやっているため、福島県外の健康調査についても、自治体で独自にやっているところがあることから分かるように、要望があるにもかかわらず、国が責任を持っていない現状があります。
 健康調査法案は、民主党政権下で、自民党、公明党、みんなの党、社民党、新党改革、たちあがれ日本で提出した議員立法で、福島特措法を改正した上で、法定受託事務で国が責任を持って健康調査を実施すべきという法律案でした。政権交代後、自民党、公明党が与党となり、福島特措法を改正し、健康調査法案を閣法として提出するのが政権交代した与党としての責任ではないでしょうか。復興大臣から見解をお聞かせください。
 次に、子ども・被災者支援法の成立です。
 福島特措法では、福島県の意見を聞かなければならないことになっており、健康調査も自治事務でやりたいという意向を受けて福島県が行っています。しかし、子ども・被災者支援法は、全て主語が国となっています。
 福島復興再生基本方針では、子ども・被災者支援法に基づく施策との連携が項目として掲げられており、子ども・被災者支援法に基づく基本方針を策定する際に、福島特措法との施策の連携、整合性確保などの観点から、必要な場合は福島特措法の基本方針を見直すとされています。
 原発の被害を受けた被災地域の方は、過去の災害を教訓に作られた被災者生活再建支援法の恩恵にもあずかれず、未来と希望を開くはずの子ども・被災者支援法は宙づり状態に置かれたままで、今まさに審議している福島特措法が、そうした各法律と連携し、過不足を補い、被災者の人権を回復していかなければなりません。
 現在、策定検討の真っただ中にある子ども・被災者支援法の基本方針を策定する際には、両法律が連携し、被災者の視点に立って福島復興再生基本方針を見直す必要があるのではないでしょうか。復興大臣のお考えをお聞かせください。
 現在の福島特措法に基づく施策に関する意見については、被災者一人一人が何を福島県に言い、何を国に言えばいいのかが分かりません。福島の復興再生に関する国と福島県の役割分担はどうなっているのでしょうか。全体統括責任者は国だという前提で、被災者に分かりやすく、かつ明確に復興大臣から御答弁いただきたいと思います。
 この国の未来にとっても最も大切な存在である子供の命、そして当事者である被災者の安全と暮らしを国の責任で守ること、緊急事態下では何よりもそれが大事なのに、いつまでも国が自治体に丸投げで動かないから、子ども・被災者支援法を作ったんです。子ども・被災者支援法を棚上げしていることは、国民の命や未来を棚上げしていることと同じです。原発事故を福島だけの問題にしようとするのはもうやめてください。これは日本全体の問題です。一番大切なのは、国民の命を守ること、子供たちを守ること、当事者の目線に立つこと、これを柱にした復興を政府にお願いし、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。(拍手)
   〔国務大臣根本匠君登壇、拍手〕
#15
○国務大臣(根本匠君) 川田議員から七問の質問をいただきました。
 まず、福島のビジョンについては、福島県と協議し、昨年七月に策定した福島復興再生基本方針において目標と施策を示しております。
 今回の改正においては、ふるさとに戻りたいという方々に対しては、例えばインフラ復旧を迅速化させるために国による代行事業の対象区域を拡大いたしました。
 また、長期避難を余儀なくされる方々に対しては、避難期間中の安定した居住環境を提供するとともに、住民のコミュニティーを維持することを目的として生活拠点を整備いたします。被災者や被災自治体のそれぞれの要望に沿って施策を進めてまいります。
 次に、いわゆる仮の町、町外コミュニティーについての御質問をいただきました。
 町外コミュニティーの検討に当たっては、整備すべき地域や規模を検討するため、福島県、避難元自治体と共同で住民意向調査を実施しております。
 また、避難者が帰還した後の災害公営住宅の利活用については、受入れ市町村における公営住宅としての活用や福祉施設への転用を想定しながら協議を進めているところであります。
 次に、避難者がふるさとに戻る見通しについての質問がありました。
 区域見直しの結果、近いうちに戻ることが可能な線量水準の避難指示解除準備区域のほか、直ちには帰還できない線量水準の居住制限区域や帰還困難区域があります。
 政府としては、早期に帰還が可能な区域から除染やインフラ復旧を行い、避難者の帰還に向けた環境整備を進めてまいります。
 他方、長期にわたり避難をしていただく方々には、避難指示が解除されるまでの間、町外コミュニティーを整備して帰還を待っていただきます。
 次に、自主避難者に対する支援についての御質問をいただきました。
 自主避難者の方を含め、原発事故で被災した方々に対して、先月、被災者支援施策パッケージを取りまとめ、公表いたしました。その中で、帰還を望む方に対しては、将来的な帰還を円滑に進めるための支援策を行っているところです。また、避難元に帰還せず定住を希望される方に対しては、就業支援などを行ってまいります。
 次に、健康管理調査についての質問をいただきました。
 福島県民の健康管理については、県知事から、県が主体となって中長期的に実施するべきものであるとのお考えが示されたことを踏まえ、県が健康管理を自治事務として行っているところであり、福島復興再生特措法においてもそのように定められております。国は、この枠組みの中で健康管理調査が円滑に行われるよう、財政的及び技術的な支援を行っております。
 なお、福島県の近隣県においては、専門的見地などから適切な措置が講じられているものと承知をしております。
 次に、子ども・被災者支援法の基本方針の策定の際の福島復興再生基本方針の見直しについての御質問をいただきました。
 子ども・被災者支援法の基本方針については、現在、関係省庁と連携しながら検討を進めているところです。
 子ども・被災者支援法の基本方針の策定の際には、福島復興再生基本方針の見直しの必要性についても検討いたします。
 最後に、国と県との役割分担についての御質問がありました。
 国は、福島特措法に定められているように、原子力政策を推進してきたことに伴う社会的な責任を踏まえ、責任を持って福島の復興及び再生を推進いたします。
 また、県は、地域の総合行政主体として、地域の再生と生活再建に必要な取組を推進される立場です。
 国は県と連携し、被災者お一人お一人の思いに寄り添いつつ、福島特措法に基づく措置を実施していくことで、福島の復興と再生をしっかりと実現してまいります。(拍手)
   〔国務大臣茂木敏充君登壇、拍手〕
#16
○国務大臣(茂木敏充君) 川田議員にお答えをいたします。
 福島第一原子力発電所については、一昨年の十二月に、原子炉の状態を定量的に評価した結果、冷温停止状態になったことが確認され、現在でも原子炉が安定した状態であることは変わりありません。
 しかしながら、汚染水対策を含めた廃炉、賠償、除染、被災者の早期帰還や健康管理など課題は山積しており、こうした多くの課題に全力で対応を続けなければなりません。
 こういった状況において、全ての課題があたかも解決したように受け取られかねない収束という言葉は適切ではないと考えております。
 まずは、汚染水の漏えい事故に関して、本日、廃炉対策推進会議を開催し、この会議の下に汚染水処理対策委員会を設置し、政府、原子力規制委員会、東京電力、産業界が一体となって汚染水対策について早急に検討を行い、対策の方向性を打ち出すことといたしております。
 また、福島第一原発の廃炉の着実な実施に向けて、事業者任せにせず、経済産業省と原子力規制委員会が協力、連携を図り、政府一丸となって取り組んでまいります。これに加え、廃炉に関連した研究開発などは国が前面に立って取り組んでまいります。
 さらに、廃炉に向けた中長期ロードマップについては、現在、廃炉の加速化に向けた検討を進めており、一号機から四号機まで号機ごとに異なる状況を精査し、燃料デブリ取り出しスケジュールをできる限り前倒しするなど、六月中をめどに中長期ロードマップを見直すことといたしております。
 これらの取組を通じて、安全確保に万全を期しつつ、一日も早く廃炉を完了できるよう全力で取り組んでまいります。(拍手)
   〔国務大臣石原伸晃君登壇、拍手〕
#17
○国務大臣(石原伸晃君) 川田議員にお答え申し上げます。
 除染は福島の復興の大前提でございます。避難されている方々のふるさとに戻り暮らせるよう、国としてこれからも万全を期す所存でございます。
 しかし、その除染の進捗状況でございますが、国が直轄で除染を実施している市町村の中でも、順調に進捗している市町村がある一方で、賠償や区域見直しの議論に時間を要し、除染計画が未策定である市町村、仮置場確保や同意取得に時間を要している市町村があるのは事実でございます。
 除染、復興の加速化に向けて、私と根本復興大臣が座長を務めております除染・復興加速のためのタスクフォースの下で、除染とインフラ復旧の一体施工や、農地除染と農業生産性向上の同時達成、森林除染と林業発展のための方策の検討などの観点から、関係省庁と実のある議論を行っているところでもございます。
 今後の進め方についてでございますが、現在の計画では平成二十四年、二十五年度の二か年で除染を実施することとしているので、まずは全力でこれに取り組んでまいりたいと考えております。(拍手)
#18
○議長(平田健二君) これにて質疑は終了いたしました。
     ─────・─────
#19
○議長(平田健二君) 日程第一 公職選挙法の一部を改正する法律案(衆議院提出)を議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。政治倫理の確立及び選挙制度に関する特別委員長轟木利治君。
    ─────────────
   〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕
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   〔轟木利治君登壇、拍手〕
#20
○轟木利治君 ただいま議題となりました法律案につきまして、政治倫理の確立及び選挙制度に関する特別委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 本法律案は、近年におけるインターネット等の普及に鑑み、選挙運動期間における候補者に関する情報の充実、有権者の政治参加の促進等を図るため、インターネット等を利用する方法による選挙運動を解禁しようとするものであります。
 なお、衆議院において、衆議院比例代表選挙における衆議院名簿登載者の選挙運動用電子メールの送信を可能とするとともに、附則の検討条項を、候補者、政党等以外の者による選挙運動用電子メールについて、次回の国政選挙後、その実施状況の検討を踏まえ、次々回の国政選挙における解禁について適切な措置が講ぜられるものとすること等に改める修正が行われております。
 委員会におきましては、発議者を代表して衆議院議員逢沢一郎君から法律案の趣旨説明を、次いで修正案提出者を代表して衆議院議員ふくだ峰之君から衆議院における修正部分の説明を聴取した後、国による選挙管理委員会支援の必要性、電子メールによる選挙運動の許容範囲、公職選挙法の抜本的見直しの必要性、今後のガイドラインの取扱い等について質疑が行われました。
 質疑を終局し、採決の結果、本法律案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、本法律案に対し附帯決議が付されております。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
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#21
○議長(平田健二君) これより採決をいたします。
 本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
#22
○議長(平田健二君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
#23
○議長(平田健二君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数           二百五  
  賛成             二百五  
  反対               〇  
 よって、本案は全会一致をもって可決されました。(拍手)
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   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
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#24
○議長(平田健二君) 本日はこれにて散会いたします。
   午前十時五十一分散会
ソース: 国立国会図書館
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