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2013/05/09 第183回国会 参議院 参議院会議録情報 第183回国会 本会議 第17号
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2013/05/09 第183回国会 参議院

参議院会議録情報 第183回国会 本会議 第17号

#1
第183回国会 本会議 第17号
平成二十五年五月九日(木曜日)
   午前十時一分開議
    ━━━━━━━━━━━━━
#2
○議事日程 第十七号
    ─────────────
  平成二十五年五月九日
   午前十時 本会議
    ─────────────
 第一 環境委員長川口順子君解任決議案(松井
  孝治君外十名発議)(委員会審査省略要求)
    ━━━━━━━━━━━━━
○本日の会議に付した案件
 一、新議員の紹介
 一、議員辞職の件
 以下 議事日程のとおり
     ─────・─────
#3
○議長(平田健二君) これより会議を開きます。
 この際、新たに議席に着かれました議員を御紹介いたします。
 議席第百六番、選挙区選出議員、山口県選出、江島潔君。
   〔江島潔君起立、拍手〕
#4
○議長(平田健二君) 議長は、本院規則第三十条の規定により、江島潔君を内閣委員に指名いたします。
     ─────・─────
#5
○議長(平田健二君) この際、議員の辞職についてお諮りいたします。
 昨八日、室井邦彦君から議員辞職願が提出されました。
 辞表を参事に朗読させます。
   〔参事朗読〕
   辞 職 願
 この度、一身上の都合により、議員を辞職いた
 したく、御許可下さるようお願い申し上げます。
   平成二十五年五月八日
          参議院議員 室井 邦彦 
  参議院議長 平田 健二殿
#6
○議長(平田健二君) 室井邦彦君の議員辞職を許可することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#7
○議長(平田健二君) 御異議ないと認めます。
 よって、許可することに決しました。
     ─────・─────
#8
○議長(平田健二君) 日程第一 環境委員長川口順子君解任決議案(松井孝治君外十名発議)(委員会審査省略要求)
 本決議案は、発議者要求のとおり委員会審査を省略し、これを議題とすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#9
○議長(平田健二君) 御異議ないと認めます。
 よって、本決議案を議題といたします。
 まず、発議者の趣旨説明を求めます。松井孝治君。
    ─────────────
   〔議案は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
   〔松井孝治君登壇、拍手〕
#10
○松井孝治君 私は、提出会派を代表して、環境委員長川口順子君の解任決議案の提案理由を説明いたします。
 まず、決議案の案文を朗読いたします。
  本院は、環境委員長川口順子君を委員長の職より解任する。
   右決議する。
 以下、提案理由を申し述べます。
 今般、川口環境委員長は、四月二十三、二十四の両日、本院の許可を得て中国に渡航されたものの、議院運営委員会理事会からの許可を得ないまま一方的に中国滞在を延長し、二十五日の環境委員会を流会に至らしめました。これはまさに本院による渡航許可違反、かつ、委員長が自らの責任で招集した委員会を個人渡航の無許可延長によって流会に至らしめるという、憲政史上にも例のない事案であり、およそ委員長として不適格のそしりを免れないものであります。
 改めて申し上げるまでもなく、議運理事会は、国会開会中における常任委員長の海外渡航を、院からの海外派遣である場合、渡航期間が本会議、委員会審議のない週末や祝日の範囲内である場合、国際会議、冠婚葬祭など、やむを得ない理由として議運委員長が判断した場合であって、なおかつ、当該委員会理事会の了承を取った場合以外自粛することを申し合わせております。
 川口委員長の今回の渡航は、院の公務や国際会議ではなく、議員個人の政治経済事情視察として認められたものであります。その際、特記すべきことは、自由民主党所属の岩城議運委員長が申合せの趣旨と常任委員長の職責の両立について熟慮された結果、所属会派の自民党自身が当初三日間の希望が出されていたものを二日間に短縮して申請し、同理事会において認められたものであることであります。
 にもかかわらず、川口議員は、帰国日に電話にて自民党国対に滞在期限の延長を口頭で要請され、岩城議運委員長から同日中の帰国を勧奨されたにもかかわらず、それを無視して現地滞在を続けたものであり、このことは、議運委員会を代表しての岩城委員長の調整努力を無にするばかりか、参議院規則第百八十七条の規定に照らしてもおよそ看過できないものであります。
 いま一つの大きな問題は、自ら招集した環境委員会の流会であります。
 ここで申し上げておきたいのは、環境委員会理事会メンバーも、現下の国際情勢に鑑み、渡航の趣旨を一定程度理解し、異例のことながら今回の川口委員長の渡航を容認していたことであります。
 しかるに、議運理事会での調整の結果、川口委員長の帰国が一日早まったことを理由に、是非翌二十五日木曜日には審議したいという提案を行ったのは、ほかならぬ政府・与党であります。その提案に野党も理解を示して、同日の委員会開会を合意し決定したものであります。この決定は、言うまでもなく川口委員長の責任において行われたものであります。中国要人との面談が全ての免罪符になるがごとき今回の一方的流会は、周辺の一定の理解に乗じた暴挙以外の何物でもありません。
 さらに、極めて遺憾なことは、川口委員長が、渡航先から、与党の理事も含めて環境委員会理事会メンバーの誰一人に対しても直接の事情説明もなされないまま、自民党国対委員長にのみ直接連絡を行い、自民党国対の了承を取ったと称して一方的な渡航延長に至ったことであります。
 全ての常任委員長は、皆さん、党派を超えて各会派の理解と協力を得つつ、不偏不党、中立公平な委員会運営に努めることは、議会運営の常識であり、良識であります。岩城議運委員長の中立公正な対応に比して自民党国対の対応は余りに良識を欠いており、その自民党国対に対応を委ねた川口委員長には、遺憾ながら、その資質と行動において、常任委員長たる環境委員長の職務に不適格と言わざるを得ません。
 次に、今回の不祥事の議員外交全体にかかわる問題について申し上げます。
 我々が、大型連休前の、常識的には常任委員長の不在など許されないこの時期に、あえて川口委員長の外遊に理解を示したのは、川口議員が、御自身の弁明書の末尾に掲げておられるように、我が国の主権と領土を守る国益の追求のために尽力いただくことを期待してのことであります。
 川口議員の今回の訪中の主要目的は、中国の王外交部長及び楊国務委員との面談でございました。御自身も納得の上で、二日間の渡航計画を立て、帰国翌日には重要な委員会審議日程を自ら招集し、出発されました。
 しかるに、現地において、誠に残念なことながら、王部長との面談は先方の都合でかなわず、二日間の日程では楊国務委員とも面談が困難ということが明らかになりました。川口議員の弁明を信じる限り、私は信じておりますが、残念ながら、先方は川口議員の渡航日程には配慮を行わなかったわけであります。要するに、今回の党機関紙論文一つを取っても、生易しい交渉相手ではない中国側から、当初から、川口委員長、あなたは足下を見られていたのではないか、そんな指摘もございます。
 参議院の一員として、川口議員の今回の渡航が国益追求の観点から大きな成果を上げたことを願わずにはいられませんが、かかる状況下で川口委員長が、環境委員会理事懇談会での発言のように、御自身が中国の前外相である楊国務委員の国務委員就任後会談できた最初の日本人であることを強調されればされるほど、渡航許可条件に反し、自ら招集した委員会を流会にしてまで、先方の都合に合わせて、何としても楊国務委員との日本人初の面談を実現するのだという、良く言えば強い意欲、別の言い方では功を焦るようなその執念に、逆に、日本国の国益追求の視点から一抹の懸念を禁じ得ないこともまた事実であります。
 また、今回の不祥事は、川口委員長個人の問題にとどまらず、議員の外交努力全般、更に言えば、外交活動と議会活動の両立に向けての努力に冷水を浴びせかけるものでもあります。
 内外に緊急課題が山積する中で、与野党、政府内外の国会議員が、国会日程と外交日程の両立を図るために並々ならぬ日程上の努力を行っていることは、議員各位御存じのとおりであります。あと一日現地滞在を延ばすことで有益な会談ができるのに、あるいは、もう一日早い日程で現地に入れればより国益にかなうセッションに参加できたのに、そんな思いを抱きながらも、国会との両立のために制約された日程をやりくりしながら、そして徐々に渡航ルールも見直しながら、相互の信頼関係を築き上げてきたのがこの国会における先人の努力なのではありませんか。
 常任委員長等の海外渡航申合せは、自由民主党の鈴木政二議運委員長時代に実質的に合意した申合せでございます。この申合せは、渡航自粛を規定しつつ、逆に言えば、一定の要件を満たす限りにおいて議員活動を認めるという趣旨のものではありませんか。このルールの更なる改善が必要であるにせよ、今回のように、関係者との調整の結果、御本人も含めて納得された日程を、現地であと一日延長すれば要人とアポが取れるからと勝手に変更してしまえば、そもそも何のためのルールなのか、申合せの自己否定につながるものであります。
 国会は、総理、閣僚を始めとして政府に対して厳しい出張日程を求めながら、議員同士ではお手盛りで、現地の日程調整次第で渡航許可日程の変更を許すというのでは、まさに国権の最高機関として、参議院としてけじめが付かず、せっかく一定の条件の下で議員外交の可能性を開くルールを作り、改善したとしても、それを無にするものであります。
 結びに、多少の私見を交えることをお許し願いたいと存じます。
 川口委員長、あなたの優れた識見や誇り高い人格、そして合理的でややドライな思考様式は、私が二十数年前にあなたを上司として頂いたときから、これはお世辞抜きに申し上げますが、個人的に尊敬し、そしてまた敬愛するところでありました。しかるに、今回、決議案の提出と採決に至るまでの原因となったあなたの行動には、誠に遺憾の念を禁じ得ません。
 あるいは、川口委員長には、今回の事案が議員の海外渡航に関する申合せの弾力化につながればという思いもおありだったのかもしれません。たった十分の委員会と中国の国務委員との会談とどちらが重要かという発言も与党議員から耳にしました。
 十分の審議入り、十分の議了案件採決、たかが十分、されど十分であります。議場の議員各位には、この十分の、この本会議の十分もそうでありますが、十分の重みと価値がお分かりでない議員はいらっしゃらないと確信いたします。
 川口委員長、ルール違反をもってルールの見直しを求めるというその傲慢な姿勢は、あなたのこれまでの生きざまにも、良識の府である参議院にもふさわしいものとは到底思えません。ルールは遵守する、しかる後にルールの問題点はきちんと党派を超えて議論をするというのが、本院にふさわしい議論の流儀ではないでしょうか。
 川口委員長、あなたと私は、共にこの夏の任期満了をもって退任する議員であります。立つ鳥跡を濁さずと申します。破ったルールの始末は付けなければなりません。
 本来は、本決議案の提出、採決の前に委員長が自らの職を辞してけじめをお付けになるのが筋であったとは存じますが、今後の議員活動の在り方を再検討する意味でも、本決議案の可決という院としての最大のけじめを付けるべきである、そして、その上で今後の院の在り方を議論すべきであることを申し上げて、私の環境委員長川口順子君解任決議の提案理由説明といたします。
 会派を超えて、良識ある議員各位の御賛同を心からお願い申し上げます。(拍手)
    ─────────────
#11
○議長(平田健二君) 本決議案に対し、討論の通告がございます。順次発言を許します。中原八一君。
   〔中原八一君登壇、拍手〕
#12
○中原八一君 自由民主党・無所属の会の中原八一です。
 ただいま議題となりました川口順子環境委員長の解任決議案は、全く理解に苦しむものであり、自由民主党・無所属の会と公明党を代表して、断固として反対の討論を行います。
 川口委員長は、去る四月の二十三日から二十四日の中国滞在日程を延長して、前外交部長である楊潔チ国務委員及び政権に大きな影響力を持つシンクタンク幹部と会談を行いました。これら要人との会談は、滞在を延長すべき理由として、国益に貢献する十分で大きな意義があったと考えます。
 これらの会談は、タイとパキスタンの要人と米国の学識者も参加して行われましたが、もし川口委員長が参加しなければ、日本人の参加者はゼロという状況でした。特に、シンクタンク幹部との会談では尖閣問題を始めとする日中関係が大きなテーマとなりましたが、その状況で川口委員長がいなければ、中国側が一方的に自国の立場のみを主張するおそれが高かったのです。
 また、楊国務委員は今年三月に外交部長から国務委員に昇格しましたが、日本人と会談したのは今回が初めてです。川口委員長は、環境大臣、外務大臣を歴任され、誰もが認める深い見識をお持ちです。その経験と見識があってこそ、この会談が成功したのです。
 野党の皆様は、率直に国民目線で考えてみるべきです。川口委員長にしかできない中国要人との会談と、代理が可能な委員会での政府からの五分間の趣旨説明聴取と、どちらを優先すべきだったのでしょうか。どのような判断が我が国の国益に沿ったものだったのでしょうか。川口委員長は要人と会談し、委員会は委員長代理が開催するというのが国益に沿った判断ではないでしょうか。
 今回の滞在延長は、単に川口委員長個人の判断ではなく、参議院自民党としての判断であります。仮に国会で野党に批判されることがあったとしても、我が国の国益を守ることを優先すべきである、そういう信念に基づいた参議院自民党としての判断であることを申し上げさせていただきます。
 また、今回、川口委員長は手続を無視したわけではありません。延長を願い出たにもかかわらず、野党の了解が得られなかったのです。我が党は、議院運営委員会において合意が得られるよう最大限努力をいたしましたが、許可するしないという判断の前にタイムリミットが来て、二十五日十二時十分に予定されていた環境委員会までに帰国することが物理的に不可能だったのです。
 今回の会談日程は、二十三日に川口委員長が中国に出発した時点では未確定でした。翌二十四日の朝になって初めて、会談の日程の具体的内容が明らかになり、中でも最も重要な楊国務委員との会談が二十五日になることが確定したのです。その時点で滞在の延長を申請したのですから、川口委員長は取るべき手続を取ったのです。野党が延長を承認しなかったことこそが、今回の問題の原因です。
 したがって、今回の中国への渡航は、結果的に二十五日まで滞在しなければ大きな目的が達成できなくなりました。要人に会い、外交上の重要な問題を話し合おうとしたのに、会わずに帰ってくるという選択が果たしてあったでしょうか。しかも、尖閣問題などの日中関係がテーマになると分かっている状況です。もし川口委員長が日本へ帰国してしまえば、日本側が都合の悪い議論を避けて逃げて帰ったと見られます。また、会談の場で、中国側が自国に都合の良いそのような解釈をほかの国に示したとしても、川口委員長がそこにいなければ反論することすらできなかったのです。
 確かに、急な日程変更であった点は、野党の皆様におわびする必要があります。しかし、二十四日午前には延長を申し出ているのですから、野党側にも検討の時間はあったはずです。一体、野党はなぜ延長を了承しなかったのでしょうか。誠に遺憾です。野党側に延長を承認しなかった合理的な理由があるとは私には到底思えません。野党にこそ理由を説明する義務があるのではないでしょうか。
 委員長不在の場合は委員長代理が委員会を開催できるのに、そうさせなかった。これは、委員会を開催することよりも、野党は、委員長にルール違反を犯させ、批判することが目的だったと言われても仕方ないではありませんか。そうだとすれば、今回の野党の行動は委員会の開催を妨害しているのに等しい行為です。国会審議の妨害だけを目的とした政争のための政争ではありませんか。審議を御覧の国民の皆様にも、こうした野党の行動の本質をしっかりと考えていただきたいと思います。
 委員会に限らず、他の委員会でも円滑な国会運営に対する野党側の妨害は目に余ります。衆議院を全会一致で通過した法案でさえも、参議院では審議が開けていないのです。もっと国会を重視しろというのが今回の決議の趣旨かもしれませんが、国会を軽視しているのは野党の方ではありませんか。
 今回の滞在延長については、川口委員長の弁明書と参議院自民党の溝手幹事長のてんまつ書を提出しております。しかし、野党は、弁明書、てんまつ書を検討する前に、解任決議案の提出を検討していました。事情を検討する前に解任決議案を提出しようというのは全く本末転倒です。裁判でいえば、審理をしないで判決を下そうというようなものです。まさに、解任決議ありきの対応です。解任決議案を提出し、国会審議を妨害する、これが野党の目的だとしか考えられません。
 なお、野党の中には、今回の川口委員長の会談を二元外交だとして批判する声もあると聞きます。もちろん、そのような意見は野党の中でも少数だとは思います。
 良識ある皆様は御存じのとおり、議員が行う外交にも、多面的な情報収集や情報交換という面で、政府が行う外交とは別の意義があることは明らかです。また、当然のことですが、川口委員長は、今回の会談内容について総理を始め関係閣僚に御報告をしてあります。もし議員が外交すること自体が二元外交であり、けしからぬと言う人がいるのであれば、全くナンセンスです。それなら、野党議員が海外に行って要人に会うことなど到底許されないことになりますが、それでいいでしょうか。
 今回の川口委員長の会談が二元外交だと主張する方々は、そもそも外交とは何なのか分かっておられないようです。そういう方々が政権を取って外交をやったから失敗したのです。それは事実が証明しているではありませんか。二元外交というのは、鳩山元総理がイランに行って相手側に利用されたり、中井元拉致問題担当大臣が北朝鮮と接触したり、そうやって相手に付け入るすきを与える場合に問題になるのです。今回の川口委員長の議員外交は、そのような愚かな二元外交とは全く性質の違うものであるということをはっきり申し上げておきたいと思います。
 シンクタンクとの会談終了後、同席したハーバード大学のデービッド・ケネディ教授からは、川口委員長は日本の立場を十分に守ったし、なおかつ建設的に解決策についても議論し、良い会談だったとのコメントがあったと聞いており、川口委員長が滞在を延長して会談を行ったことは十分に国益に資するものであったと確信しております。
 我々の考え方と野党の考え方とどちらが正しいのかは、国民の皆様がお決めになることです。国益のために滞在を延長すべきと判断した自民党が悪いのか、延長を認めなかった野党が悪いのか、最終的には選挙における民意に判断していただくしかありません。
 しかし、議場の議員の皆様もお一人お一人がお考えください。もし皆様が今回の川口委員長と同じ状況に立たされたならば、本当に委員会の趣旨説明聴取のために帰ってこられますか。本当にその方が日本の国益のためになるとお考えでしょうか。是非率直に考えてみてください。もし自信を持って私なら帰ってくると言える人がいるならば、今回の解任決議案に賛成してください。しかし、賛成すれば、その方々の国益についての認識、外交に関する認識、どのようなものか天下国家に知れ渡り、永遠に記録が残るでしょう。また、もし、自分なら川口委員長と同じ判断をしたと思うけれども、今回は党議拘束によってやむを得ず解任決議に賛成しなければならないとお考えの方がいるならば、国益と党議拘束とどちらが大事か、よく考えていただきたいと思います。まさに、今回の川口委員長のように、国益とルールとをてんびんに掛けて国益の方を取るという決断ができる政治家なのか、あるいはそれができない政治家なのか、政治家としての資質が問われています。
 この審議を御覧の国民の皆様もお一人お一人が考えてみてください。国益に背を向けて帰ってくる、そのような政治家をお望みでしょうか。誰が国益のために青票を投じ、また党議拘束に縛られて白票を投じるのが誰であるのか。今回の解任決議案の投票結果は、まさに各議員の政治家としての資質を示すものであります。そして、それが来る参議院選挙において、今後、国民が各議員を評価する一つの大きな判断基準となるに違いありません。是非ここにおられる皆様お一人お一人の責任で賢明な御判断をお願いいたします。
 以上を申し上げて、私の反対討論を終わります。
 御清聴ありがとうございました。(拍手)
#13
○議長(平田健二君) 水野賢一君。
   〔水野賢一君登壇、拍手〕
#14
○水野賢一君 みんなの党の水野賢一です。
 川口順子環境委員長解任決議案に賛成の立場から討論をいたします。
 まず、今回の問題の本質は、川口委員長が、私的な外遊を優先して、公務である委員会をすっぽかすという前代未聞の不祥事を引き起こした点にこそあります。
 川口氏は、訪中の成果についてこう言っています。ハーバード大学教授からも良い会談だったとのコメントをもらっている。しかし、これは明らかに論点のすり替えです。問題は、訪中が有意義だったか否かではないんです。今回の川口氏の訪中は、国会から派遣されたものでもなければ、委員会を代表しての訪問でもない。ましてをや、政府の親書を持っていったわけでもありません。言わば川口氏の私的な外遊であります。その外遊を優先して、委員長自らが設定した環境委員会をすっぽかし、それを流会にしたことを許してよいのかという、そういう問題なんです。
 当然のことではありますが、私は、委員長たる者の最大の務め、公務は国会の委員会であると確信をしています。私事を優先して公務をおろそかにした人が常任委員長の職にふさわしいはずがありません。
 念のため申し上げておきますが、私たちも議員外交の意義は十分に理解、尊重をしています。それを邪魔したなどという事実は全くありません。国会開会中の議員の海外渡航は、基本的には議運理事会での承認が必要となっています。今年の通常国会が始まってから渡航の申請があったのは、これまで四十三人から計六十件です。これらの申請は、自民党からの申請も含めてほとんど全てそれを承認しています。承認を得られなかったのは僅か一件のみです。今回の川口議員の訪中でさえ四月十八日の議運理事会で二日間の中国渡航として了承しているんです。つまり、野党が議員外交を妨害、邪魔しているなどという事実は全くありません。
 ただ、国会開会中である以上、渡航に当たってのルールを守るのも、これまた当然のことじゃありませんか。今回の川口氏のように、認められていた日数を自分で勝手に延長することが許されないのは当然のことです。もちろん、委員会という公務をおろそかにすることも許されません。
 川口委員長は、中国滞在を延長する手続を取ったと主張しています。自民党国対の了承を得たとも主張しています。しかし、根本的なところで間違っているんです。海外渡航については、本会議若しくは議運理事会で承認します。つまり、一党一派が了承すればよいのではなく、国会の承認が必要なんです。自民党国対の了承は必要条件の一つではあるでしょう。しかし、十分条件ではないんです。それを自分の党が判断したからそれでよいという川口氏の姿勢は、国会の明確なルール違反であり、そしてそれをかばう自民党の姿勢も、またおごりと断ぜざるを得ません。
 現に、渡航の延長については、自民党所属の岩城議運委員長でさえ了承を与えていないじゃありませんか。岩城委員長がおっしゃっておられたのは、期限内に帰国するようにということです。川口さん、要は、あなたは、自民党の許可は得たにしても、国会の正式な許可のないままに無断滞在をしたんです。これが実態じゃないですか。
 委員長の海外渡航をめぐっては、一昨年、昨年と二年間続けてゴールデンウイーク前後に問題が発生をしました。こうしたことを踏まえて、自民党も中心になって委員長の海外渡航について新たな申合せを作ったばかりじゃありませんか。確かに、その申合せの中では、幾つかの場合には委員長の海外渡航を容認しています。しかし、それと同時にこうあります、なお、いずれの場合も当該委員会理事会の了承を得るものとする。当然のことでしょう。
 川口さん、あなたがやったことは、委員長による委員会のすっぽかしという極めて異例のことです。じゃ、あなたはそれをするに当たって、当該委員会、つまり環境委員会の理事会メンバーに了解を得ましたか。もっと言えば、そのための努力さえしたんですか。既に明らかになっている事実は、川口委員長は滞在延長を勝手に決めるに当たって環境委員会の理事会の誰に対しても相談、報告さえしていないということです。与党の筆頭理事に対してさえ、中国からの国際電話一本もなかったのです。
 すっぽかしという異例のことをするならば、すっぽかす相手に対して最低限の礼儀を尽くすのが当然じゃないですか。もちろん、そうしたからといって、この行為を容認する野党はないでしょう。しかし、異例のことをするならば、そして自分自身で滞在延長は国益のために必要だと本当に信念を持っているならば、その信念で自ら直接、野党に対しても説明するくらいの努力をしたらどうだったのですか。そうした努力を何もせずに自らセットした委員会に戻ってこないというのは、一体どういう神経をしているのですか。国会軽視も極まれりです。
 そもそも、本当に国益を守ったのかも疑問です。今明らかになっているのは、中国側の都合に合わせて、川口さん、あなたが日程を変えたというだけのことであって、国家国民のために具体的にどのような利益があったのか、説明は全くないのです。
 さて、解任決議案に対してはこういう声もあるかもしれません。川口委員長の行動は問題があったとしても、謝っているのだから解任までするのはちょっと行き過ぎじゃないかという意見もあるかもしれません。しかし、私は、野党の対応は過剰反応どころか、むしろ抑制的なものだと思っています。
 そもそも、川口氏の取った無許可滞在、委員会すっぽかしという行為は、委員長として許されないのはもちろんのこと、国会議員としてあるまじき行為です。本当であれば、国会議員としての懲罰にも相当する行為です。現に国会法百二十四条には、正当な理由がなくて会議又は委員会に欠席した場合や請暇の期限を過ぎた場合を懲罰事由に掲げているじゃありませんか。そうした中、私たちは川口順子議員の国会議員としての資質を問う懲罰動議までは出していません。私たちが言っていることは、委員会に戻ってこない人はせめて委員長という要職からは退いてくださいというだけのことです。この要求は決して過剰なものではないと考えます。
 私は、川口氏の能力、特に外交や環境面での見識には敬意を持っています。私自身、十一年前に当時民間人閣僚として外務大臣に起用された川口大臣の下で大臣政務官を務めましたから、正直そう思っています。
 しかし、その十一年前にも海外渡航をめぐって川口大臣と私は意見を異にしました。私は、外務大臣政務官として台湾訪問を希望し、大臣は中国が怒るからと判断されたのでしょう、それを却下しました。そのとき、川口大臣はこうおっしゃいました。台湾を訪問するならば政府の一員ではなく、政務官を辞めて一議員として行きなさい。私は、政府の一員が台湾を訪問することにこそ意義があると考えていましたから、大臣の意見には反対であり、その結果、抗議の意思表示として政務官を辞任した思い出があります。
 私自身は、今でも自らの主張は間違っていなかったと思っていますが、それは見解の相違ですからここでは論じません。ただ、あなたがおっしゃられた最後の部分、一議員として行きなさいという言葉はそのまま今の川口委員長にお返ししたいと思います。一議員としての川口順子さんが中国を訪問し、日中関係について意見を交換すること自体には何ら反対しません。有意義な結果を生み出すこともあるかもしれません。しかし、あなたは委員長なんです。委員長の最大の仕事である委員会を放棄するならば、委員長の職からは去るべきなんです。一日六千円の委員長手当を受け取る資格もありません。委員長を辞めた上で一議員として外交に力を注いだらどうですか。
 これまで参議院本会議では、通算すると二十四回にわたって委員長解任決議案が採決をされてきました。結果は二十四回とも全て否決でした。その多くは強行採決に抗議するための解任決議案だったからでしょう。本日、本会議の採決によって常任委員長が解任されるとなれば、衆参両院を通じて憲政史上初のことになります。それは、これまで委員会すっぽかしなどという恥知らずな事件を起こした委員長がいなかったからなんです。もしいても、解任決議の採決前に自らを恥じて辞職していたからです。
 この採決は、党派間の争いではありません。国会議員としての良識が問われる採決です。常任委員長というのは国会の役員です。国会の公務を平然と後回しにする委員長が、参議院の、国会の役員としてふさわしいかどうかが問われる採決です。与党の議員におかれましても、ゆめゆめ川口委員長の擁護に回るような投票行動を取らないよう、国会議員としての良識を発揮していただくことをお願いをして、私の賛成討論を終わります。(拍手)
#15
○議長(平田健二君) これにて討論は終局いたしました。
    ─────────────
#16
○議長(平田健二君) これより本決議案の採決をいたします。
 足立信也君外六十九名より、表決は記名投票をもって行われたいとの要求が提出されております。
 現在の出席議員の五分の一以上に達しているものと認めます。
 よって、表決は記名投票をもって行います。本決議案に賛成の諸君は白色票を、反対の諸君は青色票を、御登壇の上、御投票を願います。
 議場の閉鎖を命じます。氏名点呼を行います。
   〔議場閉鎖〕
   〔参事氏名を点呼〕
   〔投票執行〕
#17
○議長(平田健二君) 投票漏れはございませんか。──投票漏れはないと認めます。投票箱閉鎖。
   〔投票箱閉鎖〕
#18
○議長(平田健二君) これより開票いたします。投票を参事に計算させます。議場の開鎖を命じます。
   〔議場開鎖〕
   〔参事投票を計算〕
#19
○議長(平田健二君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数         二百三十票  
  白色票          百二十三票  
  青色票            百七票  
 よって、本決議案は可決されました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
#20
○議長(平田健二君) 本日はこれにて散会いたします。
   午前十時五十七分散会
ソース: 国立国会図書館
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