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2013/06/12 第183回国会 参議院 参議院会議録情報 第183回国会 本会議 第26号
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2013/06/12 第183回国会 参議院

参議院会議録情報 第183回国会 本会議 第26号

#1
第183回国会 本会議 第26号
平成二十五年六月十二日(水曜日)
   午前十時一分開議
    ━━━━━━━━━━━━━
#2
○議事日程 第二十六号
  平成二十五年六月十二日
   午前十時開議
 第一 金融商品取引法等の一部を改正する法律
  案(内閣提出、衆議院送付)
 第二 株式会社海外需要開拓支援機構法案(内
  閣提出、衆議院送付)
 第三 国際的な子の奪取の民事上の側面に関す
  る条約の実施に関する法律案(内閣提出、衆
  議院送付)
 第四 民法の一部を改正する法律案(前川清成
  君外六名発議)(参第六号)
    ━━━━━━━━━━━━━
○本日の会議に付した案件
 一、新議員の紹介
 一、大気汚染防止法の一部を改正する法律案及
  び放射性物質による環境の汚染の防止のため
  の関係法律の整備に関する法律案(趣旨説明
  )
 一、食品表示法案(趣旨説明)
 以下 議事日程のとおり
     ─────・─────
#3
○議長(平田健二君) これより会議を開きます。
 この際、新たに議席に着かれました議員を御紹介いたします。
 議席第五十五番、比例代表選出議員、山村明嗣君。
   〔山村明嗣君起立、拍手〕
#4
○議長(平田健二君) 議長は、本院規則第三十条の規定により、山村明嗣君を国土交通委員に指名いたします。
     ─────・─────
#5
○議長(平田健二君) この際、日程に追加して、
 大気汚染防止法の一部を改正する法律案及び放射性物質による環境の汚染の防止のための関係法律の整備に関する法律案について、提出者の趣旨説明を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○議長(平田健二君) 御異議ないと認めます。環境大臣石原伸晃君。
   〔国務大臣石原伸晃君登壇、拍手〕
#7
○国務大臣(石原伸晃君) ただいま議題となりました大気汚染防止法の一部を改正する法律案及び放射性物質による環境の汚染の防止のための関係法律の整備に関する法律案について、その趣旨を御説明申し上げます。
 まず、大気汚染防止法の一部を改正する法律案について申し上げます。
 建築物等の解体等に伴う石綿の飛散を防止するため、現在、大気汚染防止法に基づいて、石綿が使用されている建築物等の解体作業等に対して規制措置を講じております。
 しかしながら、建築物等に石綿が使用されているかどうかが事前に十分調査されていないため、解体作業等において石綿が飛散したと推測される事例が生じていることや、工事の発注者が石綿の飛散防止措置の必要性を十分に認識しないで施工を求める等により、工事施工者において十分な対応が取られていないこと等が問題となっております。また、石綿が使用されている可能性がある建築物の解体は、今後、増加することが見込まれております。
 このため、石綿の飛散を防止する対策の強化を図り、人の健康に係る被害を防止するため、本法律案を提出した次第でございます。
 次に、本法律案の主な内容につきまして御説明申し上げます。
 第一に、解体作業等の届出義務者を発注者等に変更することとしております。
 第二に、解体等工事の受注者に調査及び説明を義務付けることとしております。
 第三に、立入検査等の強化を行うこととしております。
 次に、放射性物質による環境の汚染の防止のための関係法律の整備に関する法律案について申し上げます。
 環境基本法においては、放射性物質による環境汚染の防止のための措置を原子力基本法等の関係法律に委ねておりましたが、昨年成立した原子力規制委員会設置法により、環境基本法が改正され、原子力基本法等に委ねる旨の規定が削除されました。このため、現在では、放射性物質による環境汚染の防止のための措置が環境基本法の対象とされております。
 一方、大気汚染防止法等の関係法律には、放射性物質による環境汚染について適用を除外とする規定が置かれているので、放射性物質による環境汚染を防止するため、大気汚染防止法等の関係法律の規定の整備を行うこととし、本法律案を提出した次第であります。
 次に、本法律案の主な内容につきまして御説明申し上げます。
 第一に、大気汚染防止法及び水質汚濁防止法の適用除外規定を削除し、放射性物質に係る常時監視の規定を設けることとしています。
 第二に、環境影響評価法の適用除外規定を削除し、放射性物質による大気汚染等も環境影響評価の対象とすることとしております。
 第三に、南極地域の環境の保護に関する法律の適用除外規定を削除し、南極地域活動計画において放射性物質による大気汚染等も確認することとしております。
 以上が、大気汚染防止法の一部を改正する法律案及び放射性物質による環境の汚染の防止のための関係法律の整備に関する法律案の趣旨でございます。(拍手)
    ─────────────
#8
○議長(平田健二君) ただいまの趣旨説明に対し、質疑の通告がございます。発言を許します。小見山幸治君。
   〔小見山幸治君登壇、拍手〕
#9
○小見山幸治君 民主党・新緑風会の小見山幸治です。
 ただいま議題となりました大気汚染防止法の一部を改正する法律案、放射性物質による環境の汚染の防止のための関係法律の整備に関する法律案について、会派を代表して質問いたします。
 まず、大気汚染防止法の一部を改正する法律案についてお尋ねいたします。
 アスベストは、耐火性、耐熱性の機能を有する安価で有用な建築材料として、高度成長期を中心に長らく使用されてきました。戦後、輸入が再開されてから輸入禁止となった平成十八年までに約一千万トンのアスベストが我が国に輸入され、その多くが、ビルや工場のような大規模なものから住宅のような小規模なものまで、様々な建築物に広範に使用されてきました。しかしながら、アスベストは建築物の解体等の際に飛散しやすく、これを吸い込んだ場合には、何十年もの潜伏期間を経て、中皮腫や肺がんなどの健康被害を引き起こす危険があります。
 平成二十三年度に中皮腫やアスベストによる肺がんとして労災認定された方は九百四十四人、石綿救済制度により認定された方は七百五十人に上っており、アスベストの使用が禁止された現在でもアスベストによる被害が続いています。このような健康被害の発生を繰り返さないためには、発症までの長期の潜伏期間を考えれば、建築物の解体等の際にアスベストの飛散がないように、しっかりとした飛散防止措置を講ずることが何よりも重要だと考えております。
 そこで、まず、建築物の解体等におけるアスベストの飛散防止対策について、どのような現状にあり、どのような課題があるのか、環境大臣にお伺いします。
 東日本大震災では、広範にわたる地域で膨大な数の建築物が倒壊しました。倒壊した建築物の解体現場、瓦れきの仮置場等でアスベストの飛散が懸念されたため、当時の民主党政権は早期にアスベストの飛散防止対策に取り組みました。住民の皆さんの不安を解消するため、避難所、住宅地等を含めて、これまで一千四百地点以上でモニタリングを実施し、飛散防止につなげてきたところであります。
 東日本大震災の被災地では、復旧に伴い、被災した建築物の解体作業が進んでおります。また、そのほかの地域においても、アスベストが使用されている建築物の解体がこれから増加していきます。したがって、アスベストによる健康被害を未然に防止するため、しっかりとした飛散防止対策が求められています。
 こうした状況を的確にとらえ、民主党政権において、アスベスト飛散防止対策の強化に向けた検討を開始し、議論を深めてまいりました。このことが、今回のこの対策強化の法律案に至ったそもそもの出発点であります。
 この検討を引き継ぐ中で、今回、政府が提出した改正法案は、現状の課題に対してどのような効果があるのか、環境大臣にお伺いいたします。
 今回の改正法案では、アスベストが使用されている建築物の解体等の届出義務者を工事の施工者から発注者に変更しています。解体工事はそもそも発注者が工事を発注することから始まるため、そこから出てくるアスベストの飛散防止の問題に工事の発注者も一定の責任を負うべきであります。
 このような発注者責任の強化という観点からは、今回の届出義務者の変更はあるべき姿と考えますが、発注者は事業者と異なり専門知識を持っていないため、届出をしっかりしていただくための支援が必要だと考えますが、この点について環境大臣の見解をお伺いいたします。
 次に、アスベストの使用状況の事前調査について伺います。
 今回の改正法案では、建築物の解体工事等に先立って行う、アスベストが使用されているかどうかの調査を工事の施工者に義務付けておりますが、アスベストの飛散防止対策を行っていく上で、調査を適切に誤りなく実施していただくことが重要だと考えております。
 そこで、しっかり確実に調査を行うために登録制度を設けたり、調査を担う人材を育成すべきと考えますが、環境大臣の見解をお伺いいたします。
 次に、規制措置の実効性を確保するための罰則について伺います。
 現行の大気汚染防止法では、アスベストが使用されている建築物の解体等の届出を行わなかった場合や虚偽の届出を行った場合、三か月以下の懲役又は三十万円以下の罰金に処するとされています。届出は、行政において解体工事が行われることを把握し、アスベストの飛散防止措置が適正に行われるよう指導することの端緒となるものであり、重要な手続でありますが、三十万円以下の罰金というのは軽いのではないでしょうか。
 今回の改正案により、発注者に課すこととする届出義務の制度をより実効性の高いものにするために罰則を強化すべきではないかと考えますが、環境大臣に見解をお伺いいたします。
 次に、立入検査権限の強化について伺います。
 今回の改正法案では、アスベストが使用されている建築物の解体などで届出がない場合についても都道府県等による立入検査を可能とするよう立入りの対象を拡大することとしております。この立入り権限を適切に行使することにより、実際にはアスベストが使用されているにもかかわらず届出が出されてないケースも行政としてしっかり把握し、アスベストの飛散防止措置が適正に行われるように指導することが期待されています。しかし、現実的には、無届けの発注者や事業者が無届けであることを行政に申告するとは考えられません。
 このような無届けで工事が行われているケースを都道府県等がどのようにして把握するかが今回の立入検査権限の強化に実効性を持たせるためのポイントだと考えますが、この点についての環境大臣の見解をお伺いします。
 アスベストは、多くの建築物に広範に使用されていることから、一たび解体工事が始まれば、付近の住民の皆さんは、工事によってアスベストが飛散することがないのか不安に感じられると思います。単に事業者が飛散防止対策を行えばよいというものではなく、住民の皆さんの理解を得ていくことも忘れてはならない視点であると考えます。
 具体的には、解体される建築物にそもそもアスベストが使用されているのかいないのか、アスベストが使用されているならば、飛散防止措置がきちんととられているのかどうなのか、住民の皆さんへの情報開示を事業者にしっかりしていただくことが必要だと考えておりますが、環境大臣の見解をお伺いします。
 最後に、このアスベストの問題は、既に建築材料としてのアスベストの使用は禁止されてはいますが、過去の問題ということでは決してありません。アスベストによる健康被害は何十年もの潜伏期間を経てから発生するものであり、今後も被害者の増加が懸念されます。また、アスベストが使用された建築物は、これから次々と耐用年数を迎え、解体されていくことが予想されます。民間建築物の解体件数は平成四十年ごろがピークで、現在の約二倍に当たる約十万棟もの解体が行われると推計されています。国民の命を守るため、むしろ今後ますますしっかり取り組んでいかなければならない重要な問題であります。
 アスベストによる被害の防止、救済等の総合的な対策を関係省庁とも連携して着実に推進することが必要だと考えますが、環境大臣の見解をお伺いします。
 続きまして、放射性物質による環境の汚染の防止のための関係法律の整備に関する法律案についてお尋ねいたします。
 従来、環境基本法では、放射性物質による環境汚染を防止するための措置について、原子力基本法等の法律に対応を委ねてまいりました。
 しかし、東電福島第一原発事故により放射性物質による環境汚染が生じ、現在も、福島県全体では十五万人を超える方々が故郷を離れ、避難生活を続けています。福島県など広範な地域で、子供たちやその御家族など、多くの方々が放射性物質の不安の中での生活を余儀なくされています。このような環境汚染が生じたことを契機に、昨年、環境基本法が改正され、放射性物質による環境汚染を防止するための措置も環境基本法の対象とされました。
   〔議長退席、副議長着席〕
 一方、大気汚染防止法等の個別の環境法には、依然として放射性物質による環境汚染については適用を除外する規定が置かれております。
 このため、今回の改正で、大気汚染防止法等の個別法についても適用除外規定を削除し、放射性物質の常時監視といった具体の措置を実施していくとしていますが、具体的に環境省としてこの常時監視にどのように取り組んでいくのか、環境大臣にお伺いいたします。
 放射性物質の適用除外規定が置かれている個別の環境法の扱いについては、第百七十九回国会において、我が党の細野豪志環境大臣が、衆議院環境委員会において、全ての法令において改正の準備を進めるよう指示を出していると答弁しております。本法案はこの方針に沿ったものであると承知しております。しかしながら、本法案による改正対象の法律は、大気汚染防止法、水質汚濁防止法、環境影響評価法、南極地域の環境の保護に関する法律の四本にとどまっております。
 廃棄物処理法や土壌汚染対策法といった他の個別環境法については、今回の改正の対象となっておりません。東電福島第一原発事故由来の放射性物質により汚染された廃棄物や土壌への対処は、平成二十三年八月に成立した放射性物質汚染対処特別措置法に基づいて行われているところであります。今回の事故に限らない放射性物質による環境汚染に対処するためには、廃棄物処理法や土壌汚染対策法も今後改正が必要となり、可及的速やかに行うべきであると認識しております。
 本法案による改正の対象としなかった理由と今後の見直しについて、環境大臣にお伺いいたします。
 放射性物質による環境汚染は、今まさに進行している問題であります。放射性物質汚染対処特別措置法に基づく除染等の措置は、我が国の力を結集して、迅速かつ確実に進めていかなければなりません。さらに、これまでのような放射性物質による環境汚染は生じ得ないという前提での法制度では足りず、更なる環境法の見直しを進めていくことが必要であります。もちろん、放射性物質による環境汚染が生じないよう、原子力施設の安全性の確保が大前提でありますが、それを過信することなく更に検討を行っていかなければなりません。
 環境省においては、放射性物質による環境汚染にしっかり取り組み、本法案だけでなく、今後も更なる法改正の検討をしていただくことを強く求めて、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。(拍手)
   〔国務大臣石原伸晃君登壇、拍手〕
#10
○国務大臣(石原伸晃君) 小見山議員にお答え申し上げます。
 アスベスト飛散防止対策の現状と課題についてのお尋ねがございました。
 アスベストを使用した建築物の解体等については、アスベストの飛散防止を図るため、既に現行の大気汚染防止法の規制対象となっております。具体的には、工事施工者に対し、解体等の際の届出や飛散防止のための作業基準の遵守を義務付けております。しかしながら、アスベストが使用されている建築物であるか否かの事前調査が不十分であること、費用負担者である発注者が飛散防止に十分な意識を持たないで工事の施工を求めること等を理由として、アスベストの飛散防止が十分でないことが課題となっております。加えて、アスベストを使用した建築物の解体が平成四十年ごろをピークに増加することが想定されるため、速やかに手を打つことが重要と認識をしております。
 改正法案の効果についてのお尋ねがございました。
 改正法案では、解体工事の受注者にアスベスト使用の事前調査とその結果の発注者への説明を義務付けること、その上で、発注者に都道府県等へのアスベスト除去工事の届出を義務付けること、さらに、届出がない解体現場にも都道府県等が立入検査を行うことを可能とすることとしております。これにより、工事が適切に行われ、アスベストの飛散防止が強化されると考えております。
 発注者が行う届出への支援についてのお尋ねがございました。
 御指摘のとおり、発注者は解体等の工事について専門的知識を有しない場合があります。このため、改正法案では、解体等の工事の受注者に、アスベスト使用の事前調査を行うこと、そして、その結果、及びアスベストがあった場合にはその除去方法などを発注者に書面で説明することを義務付けております。これにより、発注者による都道府県等への工事の届出義務の履行がなされる仕組みとなっております。
 建築物等におけるアスベストの使用状況の事前調査を行う事業者や人材の登録制度、人材育成についてのお尋ねがございました。
 アスベストの使用の事前調査を実施する事業者や人材の資質の向上には重要な課題と認識しております。今後、事業者の実態や改正後の制度の運用状況も踏まえ、調査機関等に関する登録制度の具体化や人材育成の在り方についてしっかりと検討していきたいと考えております。
 大気汚染防止法の罰則についてのお尋ねがございました。
 大気汚染防止法の罰則については、例えば、届出義務違反の罰則が三月以下の懲役又は三十万円以下の罰金となっています。これは、関連制度であります建設リサイクル法や労働安全衛生法よりも重くなっているなど、必ずしも軽いものではないと考えております。罰則を含む制度の在り方については、改正後の制度の運用状況を踏まえ、更に検討してまいりたいと考えております。
 立入検査の強化についてのお尋ねがございました。
 御指摘のとおり、今回強化する立入検査権限に実効性を持たせる上で、届出がない解体工事の把握は重要な視点であると考えております。届出がない解体工事は、住民からの通報のほか、建設リサイクル法、労働安全衛生法の関連制度に基づく届出情報からも把握することが可能でございます。環境省としては、引き続き、関係各省と連携して、都道府県等における届出情報の共有化を推進していきたいと考えております。
 住民への情報開示についてのお尋ねがございました。
 御指摘のとおり、住民への情報開示を推進していくことは重要な課題と考えております。このため、改正法案では、アスベスト使用の有無に関する事前調査の結果について、アスベストがなかった場合も含めて解体現場に掲示するよう義務付け、情報開示の推進を図ることとしております。また、アスベストがあった場合には、作業方法、作業期間等についての掲示が既に義務付けられており、これを徹底してまいります。さらに、今後、関係団体等とも連携して、広く国民に対してアスベスト問題の現状やその健康リスクについて普及啓発に取り組んでまいります。
 総合的なアスベスト対策の推進についてのお尋ねがございました。
 アスベストは、建築物の解体等の際に飛散しやすく、吸い込んで肺の中に入ると、何十年もの長期の潜伏期間を経て中皮腫や肺がんなど深刻な疾病を引き起こすおそれがあります。このため、今回の改正法案によるアスベストの飛散防止対策の強化を始めとする被害の防止や、被害者の救済に関する対策は極めて重要と認識をしております。環境省としては、関係各省や地方公共団体とも連携して、総合的、実効のある対策の推進に全力を挙げていきたいと考えております。
 放射性物質の常時監視についてお尋ねがありました。
 現在、環境省では、全国の離島等での放射線モニタリングや、福島県を中心とした東北、関東での水質の放射線モニタリングを実施しています。これらを含め、大気汚染防止法及び水質汚濁防止法に規定する常時監視の内容の詳細については、今後しっかりと検討することとしております。さらに、原子力規制委員会等における放射線モニタリングの実施状況を踏まえつつ、必要な実施体制の拡充についてもしっかりと検討してまいります。
 廃棄物処理法や土壌汚染対策法の改正についてのお尋ねがございました。
 御指摘のとおり、廃棄物処理法や土壌汚染対策法は今回の整備法案には含まれておりません。これらの法律の対象に放射性物質を含めるに当たっては、福島第一原発事故に対応するための放射性物質汚染対処特措法に基づいて現在行われている除染や汚染廃棄物の処理の今後の状況を踏まえた検討が必要であると考えております。特措法の附則には施行後三年の見直しが規定されているので、この検討に併せて残る個別環境法の取扱いも検討してまいりたい、このように考えているところでございます。(拍手)
#11
○副議長(山崎正昭君) これにて質疑は終了いたしました。
     ─────・─────
#12
○副議長(山崎正昭君) この際、日程に追加して、
 食品表示法案について、提出者の趣旨説明を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#13
○副議長(山崎正昭君) 御異議ないと認めます。国務大臣森まさこ君。
   〔国務大臣森まさこ君登壇、拍手〕
#14
○国務大臣(森まさこ君) ただいま議題となりました食品表示法案の趣旨を御説明申し上げます。
 食品に関する表示は、消費者が食品を摂取する際の安全性の確保及び自主的かつ合理的な食品の選択の機会の確保に関し、重要な役割を果たしております。
 一方、現在、食品一般を対象とした表示制度は、食品衛生法、農林物資の規格化及び品質表示の適正化に関する法律、健康増進法の三つの法律で定められております。この結果、一つの食品に対する表示のルールが複数の法律及びその下位法令に分かれて規定されており、複雑で分かりにくいものとなっております。
 このため、これらの法律における食品に関する表示の規定を統合して、食品に関する表示について包括的かつ一元的な制度を創設するため、この法律案を提出した次第であります。
 次に、法律案の内容について、その概要を御説明申し上げます。
 第一に、この法律は、食品に関する表示について、基準の策定その他の必要な事項を定めることにより、その適正を確保し、もって一般消費者の利益の増進を図ること等を目的とすることとしております。また、基本理念として、食品に関する表示の適正の確保のための施策は、消費者基本法に規定する消費者施策の一環として、消費者の権利の尊重と消費者の自立の支援を基本とするとともに、小規模の食品関連事業者の事業活動に及ぼす影響等に配慮しなければならないこととしております。
 第二に、内閣総理大臣は、食品を販売する際に表示すべき事項と、それを表示する際に遵守すべき事項を内容とする食品表示基準を定めなければならないこととしております。また、食品関連事業者等は、食品表示基準を遵守し、必要な表示をしなければならないこととしております。なお、栄養表示については、現在は任意表示となっておりますが、他の表示事項同様に義務化が可能な枠組みとしております。
 第三に、内閣総理大臣等は、食品表示基準に定められた表示事項が表示されていない食品を販売し、又は遵守事項を遵守しない食品関連事業者に対し、食品表示基準を遵守すべき旨の指示をし、さらに指示に従わない者に対し、指示に係る措置をとるべきことを命じることができることとしております。
 第四に、内閣総理大臣等は、本法の施行に必要な限度において、食品関連事業者等に対し、立入検査、報告徴収、書類等の提出要求、収去等を行うことができることとしております。
 第五に、食品に関する表示の適正化を図るため、適格消費者団体による差止め請求制度及び内閣総理大臣等に対する申出制度を設けることとしております。
 政府といたしましては、以上を内容とする法律案を提出しましたが、衆議院におきまして、次の三つの事項を内容とする修正が行われております。
 第一に、食品表示基準の表示事項にアレルゲンを明記すること。
 第二に、食品関連事業者に対する措置命令に係る食品を摂取する際の安全性に重要な影響を及ぼす事項にアレルゲンを明記すること。
 第三に、この法律の施行の状況についての検討の年限を施行後五年から施行後三年に改めること。
 以上、食品表示法案につきまして、その趣旨を御説明申し上げた次第であります。(拍手)
    ─────────────
#15
○副議長(山崎正昭君) ただいまの趣旨説明に対し、質疑の通告がございます。発言を許します。大河原雅子君。
   〔大河原雅子君登壇、拍手〕
#16
○大河原雅子君 民主党の大河原雅子です。
 ただいま議題となりました食品表示法案につきまして、民主党・新緑風会を代表して質問いたします。
 本法案は、民主党政権下において検討され、法制化に向けて準備してきたものです。これまで、食品の表示は、食品衛生法、JAS法、健康増進法など複数の法律にまたがり、消費者にとって大変分かりにくいものでした。
 今国会に提出に至ったことは消費者の立場に立つ民主党として歓迎するものですが、さらに、消費者の立場に立った十分な審議を尽くし、成立されることを望んでおります。
 さて、あなたの体はあなたが食べたものでつくられている、この言葉は当たり前のことですが、いつも新鮮な響きがあります。私たちが日々、体に取り入れる食品は命の源です。そして、体に様々な影響を及ぼします。
 例えば、血圧を下げる薬の一つであるカルシウム拮抗薬の服用中は食べない方がよいかんきつ類があること、よく知られております。また、加工食品などに使われている甘味料が原因と見られる食物アレルギー患者についての調査報告書もあります。アレルギーや病気で食べてはいけないもの、余り食べない方がよいもの、健康増進のためにたくさん食べる必要があるもの、一人一人食品の選択基準が違います。
 自分で食べるものを正しく知ることは、消費者が自ら命を守るために必要不可欠なことです。表示は、知る権利、選ぶ権利であると同時に、安全を確認するために必要なのです。中でも、消費者にとって原材料表示は最も重要な情報であり、添加物を含めて原材料の表示が必要です。
 また、一方、事業者には製造物責任があります。どこでどのように生産され、どんな加工をしたのか、このことを示すのは作り手である事業者の責任であり、また誇りともなります。
 私は、こうした観点から、食品表示法案について基本的な何点かの質問をさせていただきます。
 まず、消費者の権利について伺います。
 本法案には、消費者の権利の尊重と消費者の自立の支援が明記されました。これについては評価をしたいと思います。そこで、食品表示における消費者の権利の尊重及び消費者の自立の支援とは具体的にどういうことなのか、改めて大臣の見解をお伺いします。
 また、消費者の権利を規定するとともに、その一方で、小規模な食品関連事業者の事業活動に及ぼす影響及び食品関連事業者間の公正な競争の確保に配慮するとの規定もあります。これはどういう経緯で盛り込まれたのでしょうか。
 小規模事業者への配慮は確かに重要でありますが、事業者への配慮が必要以上に強くなると、消費者の権利を阻害することになるのではないかと思います。これについても大臣の所見をお伺いします。
 次に、今後の検討課題とされた事項への対応について伺います。
 食品表示一元化検討会の報告書では、加工食品の原料原産地表示、中食、外食の取扱い、インターネット販売の取扱い等、検討課題については別途検討の場を設けて引き続き検討を行うとしています。また、新食品表示法に関する消費者団体とのワークショップで示された新食品表示制度のポイントにおいても、これらの検討課題はことごとく新たな検討の場での検討とされました。
 結局、今般の食品表示法案は、食品衛生法、JAS法及び健康増進法の三法の表示の統合にとどまり、消費者団体が要求していた様々な課題は先送りされています。食品衛生法第二十条と健康増進法第三十二条の二、虚偽・誇大表示広告の禁止も食品表示法への統合が必要であり、これらの課題の検討を早急に進めるべきだと考えます。
 食品輸入大国の我が国において、加工食品の原料原産地表示は、消費者の選択に資するものであり、国民の関心が高い事項であり、長年、消費者がその拡大を求めてきました。消費者基本計画にも、加工食品における原材料の原産地表示の義務付けを着実に拡大しますと明記されています。
 生鮮食品については、既に全ての食品について原産地表示を義務付けることとされていますが、加工食品については、現在、JAS法の規定による二十二食品群及び個別基準による四食品、農産物漬物、野菜冷凍食品、ウナギかば焼き、かつお削りぶしに原料原産地表示が義務付けられているだけです。原材料の調達先がグローバル化するに伴い、食品の履歴を知る一助ともなる原料原産地に関する情報は、消費者にとっては食品選択の重要な要素です。加工食品の原料原産地表示の拡大については、早急に検討に入り、必ず実施すべきであると考えます。大臣の見解をお伺いします。
 また、現在の義務表示対象品目の選定要件、これは、原産地に由来する原料の品質の差異が加工食品としての品質に大きく反映されると一般的に認識されている品目のうち、製品の原材料のうち単一の農畜水産物の重量割合が五〇%以上である商品とされていますが、この選定要件の見直しを行うつもりはあるのでしょうか、併せて伺います。
 次に、遺伝子組換え食品の表示の見直しについて伺います。
 遺伝子組換え食品の表示については、食品衛生法及びJAS法により遺伝子組換え又は遺伝子組換え不分別との表示を義務付けており、遺伝子組換えでないとの表示は任意表示となっています。遺伝子組換えの義務表示対象食品は、現在、大豆、トウモロコシ、菜種などの八農作物及び豆腐、納豆などの加工食品の三十三食品群ですが、表示が義務付けられた食品が主な原材料となっていない加工食品は遺伝子組換え表示の対象外とされており、また、五%以下の意図しない混入を認めています。意図しない混入率についてはEUの〇・九%以下程度とすべきとの意見もある中、遺伝子組換え食品の表示の見直しをどのように進めていくのか、お考えをお示しください。
 食品添加物表示の見直しについて伺います。
 添加物については、原則として使用した添加物を全て物質名で表示することになっていますが、複数の物質が使用されている場合には、酸味料、香料などの用途を表す一括名表示が認められています。
 しかし、一括名表示では消費者にはどの物質が添加物として使用されているのか分かりません。消費者の知る権利を尊重するならば、添加物の一括名表示を見直し、全て物質名と用途をきちんと表示すべきであると考えますが、大臣の見解をお伺いいたします。
 中食、外食等における食品表示について伺います。
 生活様式の変化に伴い、持ち帰り総菜や半加工品などの中食や外食の割合が増えています。これらは、購入時に販売員に原材料等を確認することができるため、表示の義務は課されていません。現状においても各事業者団体により自主的な情報提供がなされていますが、中食、外食により急性アレルギー反応が引き起こされた例もあり、中食、外食においてもアレルギー表示の義務化を進めるべきであると考えますが、大臣の見解をお願いします。
 次に、表示の文字サイズの拡大について伺います。
 高齢者にも見やすいものにするため、文字サイズの拡大が今後の検討とされています。これによる表示内容の削減、簡素化が懸念されます。消費者の安全や必要な情報の提供が妨げられることのないよう、表示内容が後退することは許されません。また、容器包装上の表示が重要であることは言うまでもありませんが、インターネットによる情報提供など、表示を補完する手法の検討も進めるべきではないでしょうか。
 次に、栄養表示の義務化について伺います。
 栄養表示は、現在は任意表示になっており、表示する場合には健康増進法に基づく栄養表示基準に従うこととされ、エネルギー、たんぱく質、脂質、炭水化物及びナトリウムを表示しなければなりません。食品表示法案では、原則として全ての加工食品、全ての事業者に義務付けることとされています。
 栄養表示をする場合、食生活を取り巻く環境の変化や生活習慣病の増加等を考慮すると、義務表示事項の追加が必要ではないでしょうか。既に消費者基本計画には、トランス脂肪酸等の脂質を始めとする栄養成分の表示の在り方について検討を進めますと記載されています。現在は任意表示事項である飽和脂肪酸、トランス脂肪酸等を義務表示事項とすることを検討すべきだと思います。
 また、小規模事業者がスムーズに義務化に移行できるように、栄養成分のデータベースの提供など、実行可能性を担保する支援も必要です。いかがお考えでしょうか。
 次に、食品表示法案の執行体制について伺います。
 消費者庁は地方組織を持っていません。現在、地方における食品表示の執行業務については、地方農政局において実施されるとともに、都道府県においても実施されています。食品表示法案においても、現在の執行体制を引き継ぐということでよいのでしょうか。
 現在、不適正な食品表示の調査、指導には、農林水産省のいわゆる食品表示Gメンがおり、地方農政局に配属されています。また、保健所には食品の安全性を監視する食品衛生監視員がいますが、これらの業務の一元化など、執行体制の強化が必要です。大臣の見解をお伺いいたします。
 次に、適格消費者団体への支援について伺います。
 消費者全体の利益擁護のために差止め請求権を適切に行使することができる適格性を備えた消費者団体として内閣総理大臣の認定を受けた適格消費者団体は、現在、全国に十一団体あります。食品表示法案により、食品表示に関しても差止め請求が可能となるわけですが、その実効性を担保するために人的支援、財政的支援が必要と考えますが、大臣の見解をお伺いいたします。
 次は、酒類の取扱いについてです。
 食品表示法案には、酒類の表示についても盛り込まれました。酒類については、酒税の保全及び酒類業組合等に関する法律にも、酒類の表示基準についての規定、またそれに基づく指導、命令等の規定がありますが、食品表示法案における取扱いとの違いは何でしょうか、御説明願います。
 次に、景品表示法との関係について伺います。
 景品表示法は、不当な表示や過大な景品類の提供による顧客の誘引を防止し、一般消費者の自主的かつ合理的な選択を阻害するおそれのある行為を禁止することによって消費者の利益を保護することを目的とする法律であり、食品表示においても不当な表示がなされると景品表示法違反が適用される場合があります。
 食品表示法案第十四条には、この法律の規定は、不当景品類及び不当表示防止法(景品表示法)の適用を排除するものと解してはならないとありますが、食品表示法が適用される場合と景品表示法が適用される場合の違いを明らかにしていただきたいと思います。御答弁ください。
 次に、衆議院における修正について伺います。
 本法案は、衆議院において、食品表示基準の表示事項及び食品を摂取する際の安全性に重要な影響を及ぼす事項にアレルゲンを追加する修正がなされました。法律に明記したことの意義とその効果について、大臣にお伺いいたします。
 あわせて、この法律の施行状況についての検討年限を施行後五年から三年に改める修正も行われました。これについても御答弁ください。
 食品表示法案は新たな制度の枠組みであり、新たな食品表示基準の作成を可能な限り早急に進めることが必要です。積み残した加工食品の原料原産地表示や遺伝子組換え食品の表示等の課題もできるだけ早く検討し、結論を出していくべきです。
 私は、食べる側、消費者の立場に立った信頼のおける食品表示の実現は、事業者の皆様にとってもメリットのあることと確信をしております。改めて新制度に対する大臣の決意を伺って、私の質問を終わります。(拍手)
   〔国務大臣森まさこ君登壇、拍手〕
#17
○国務大臣(森まさこ君) 食品表示における消費者の権利の尊重及び消費者の自立の支援についてお尋ねがありました。
 本法案において、基本理念に消費者の権利の尊重と自立の支援を明記した趣旨は、食品表示制度が、基本的に、消費者が必要な情報に基づき、自ら安全を確保して合理的に選択できるようにするものであるという考え方を明確化することです。
 消費者の権利の尊重とともに事業者の配慮を規定した経緯についてお尋ねがありました。
 小規模の食品関連事業者は、大規模の事業者に比べて表示基準の遵守コストに係る負担が相対的に過重になる傾向があるため、その活動に及ぼす影響について配慮することが必要です。また、表示内容によっては特定の事業者に不当に有利なものとなる可能性があり、そのような事態を避けるため、食品関連事業者間の公正な競争の確保にも配慮することが必要です。
 消費者と事業者は消費社会における車の両輪であり、消費者の権利の尊重と併せて事業者の事業活動に配慮する旨の規定を設けることにより、消費者の自主的かつ合理的な食品選択のための食品表示の実現に資するものと考えております。
 今後の検討課題とされた事項の対応についてお尋ねがありました。
 御指摘の検討課題については、現行の三法に基づく表示基準を統合した新たな食品表示基準の策定、栄養表示の義務化に必要な表示基準の策定に目途が付いた段階から検討を行ってまいります。ただし、食品衛生法、健康増進法に基づく虚偽、誇大な表示、広告の規制については、義務表示事項以外の任意の表示への規制であり、表示基準により一定の表示事項の表示を義務付ける本法案に規定するよりも、引き続き食品衛生法、健康増進法に規定することが適当と考えます。
 加工食品の原料原産地表示の拡大についてお尋ねがありました。
 加工食品の原料原産地表示については、消費者基本計画において表示の義務付けを着実に拡大することとされていることから、対象品目を追加するなど、消費者庁において現行制度下での取組を進めているところです。
 食品表示法案の成立後は、必ずしも現行の要件にとらわれず、消費者の自主的かつ合理的な食品選択の機会の確保が行われるよう、原料原産地表示の在り方について、義務範囲の拡大も含め、検討していきたいと考えております。
 遺伝子組換え食品の表示の見直しについてお尋ねがありました。
 現行の遺伝子組換え食品の表示制度は、我が国における流通実態等を踏まえ、総合的に検討した上で定められたものです。しかしながら、遺伝子組換え食品の表示についてより詳細な情報提供を求める要望があることは承知しており、食品表示法案の成立後は、消費者や事業者の方々などの意見を幅広く聞きながら、遺伝子組換え表示の在り方について検討してまいります。
 食品添加物表示の見直しについてお尋ねがありました。
 現在の食品添加物の表示制度は、原則として、使用した全ての食品添加物を物質名で食品に表示することとしていますが、例外として、複数の組合せで効果を発揮することが多いものなど、一括名で表示できるものがあります。食品添加物のより詳細な情報提供を求める要望があることは承知しており、食品表示法案の成立後においては、消費者や事業者の方々などの意見を幅広く聞きながら、食品添加物表示の在り方を検討してまいります。
 中食、外食におけるアレルギー表示についてのお尋ねがありました。
 現在、中食や外食に対してはアレルギー表示の義務はありませんが、アレルギー表示を行っていくためには、その食品にアレルギー物質含有の有無を正確に把握した上で表示を行うことが不可欠です。今後、実態調査等を実施しつつ、しっかりと検討してまいります。
 文字サイズの拡大とインターネットによる情報提供などの手法の検討についてお尋ねがありました。
 今後、高齢化の進展などする中で、高齢者の方々でもきちんと読み取れる文字の大きさにすることが特に重要であり、文字を大きくすることの必要性は高いと考えられます。文字の大きさの検討に当たっては、原則として現行の表示内容を維持しつつ、どのような取組が可能か検討していくこととしていますが、インターネットなどを活用したより詳細な情報提供の在り方についても検討してまいります。
 本法案について、栄養表示の義務化についてお尋ねがありました。
 栄養表示の義務化における対象の栄養成分については、現行の一般表示事項である五成分を念頭に、コーデックス委員会の栄養表示ガイドラインや各国の義務表示の実態を踏まえつつ、検討することとしています。その際、小規模事業者の実行可能性を担保するため、栄養成分の含有量に関するデータベース構築のためのガイドラインの作成などに取り組むこととしています。
 執行体制についてお尋ねがありました。
 消費者庁は地方組織を有していないため、本法案に係る執行は、引き続き、地方出先機関を有する農林水産省、財務省や、都道府県、保健所と連携し、効果的、効率的な執行体制に努めてまいります。この法案の成立後においても、取締りの実効性の維持強化を不断に図っていくことが重要であることから、必要に応じ、執行体制の在り方を検討してまいります。
 適格消費者団体の差止め請求権の実効性を担保するための支援についてお尋ねがありました。
 差止め請求を担う適格消費者団体への支援については、消費者庁としては、消費者団体訴訟制度や適格消費者団体の周知、普及、認定NPO法人制度の活用促進、国民生活センター等による消費生活相談に関する情報の提供などの支援策を実施してまいりました。今後も、適格消費者団体に対する必要な支援について、引き続き検討を行ってまいりたいと考えております。
 酒類に関する酒税保全法と本法案における取扱いの違いについてお尋ねがありました。
 酒税保全法は、酒税の確保及び酒類の取引の安定を図ることを目的としており、その目的の下で酒類固有の表示基準の策定や指示、命令等を行うこととしております。一方、本法案は、消費者が食品を摂取する際の安全性の確保及び自主的かつ合理的な食品の選択の機会の確保を目的として、食品全般に関する表示基準の策定や指示、命令等を行うものであります。このように、酒税保全法と本法案では表示基準の策定等における目的が異なっております。
 食品表示法と景品表示法との適用関係についてのお尋ねがありました。
 食品表示法においては、表示すべき事項等を表示基準に定め、表示がなかったり、表示基準に違反した場合に、事業者に対し、是正のための指示、命令等の措置を行うこととしています。
 一方、景品表示法においては、表示基準に定められているか否かにかかわらず、不当に顧客を誘引し、一般消費者による自主的かつ合理的な選択を阻害するおそれがあると認められる表示について措置命令等の是正措置を行うこととしています。
 衆議院における修正についてのお尋ねがありました。
 アレルゲンの追加修正につきましては、現行の食品衛生法の下での表示基準が定められているいわゆるアレルゲンについて、食品表示法の下でも同様に規定されることを明らかにするため、法文上明記したものと承知しております。
 また、この法律の検討の年限については、この法律の規定についてより速やかに検討することとするため、その年限を施行後五年から施行後三年に短縮したものと承知しております。
 いずれにしましても、衆議院での修正の趣旨を踏まえ、適切に対応してまいります。
 新制度に取り組む決意についてお尋ねがありました。
 本法案に基づき、整合性の取れた分かりやすい表示基準を策定し、消費者、事業者双方にとってメリットがある食品表示制度としていくことが重要と考えております。
 また、本法案により栄養表示の義務化が可能となることから、対象となる栄養成分等、必要な表示基準の検討を早期に行っていくこととしております。さらに、加工食品の原料原産地表示などの課題についても、消費者にとって必要な情報が的確に伝えられる分かりやすい表示制度としていくことが必要と考えております。
 このような取組を通じ、食品表示制度の充実に努めてまいります。(拍手)
#18
○副議長(山崎正昭君) これにて質疑は終了いたしました。
     ─────・─────
#19
○副議長(山崎正昭君) 日程第一 金融商品取引法等の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。財政金融委員長藤田幸久君。
    ─────────────
   〔審査報告書及び議案は本号(その二)に掲載〕
    ─────────────
   〔藤田幸久君登壇、拍手〕
#20
○藤田幸久君 ただいま議題となりました法律案につきまして、委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
 本法律案は、金融システムの信頼性及び安定性を高めるため、情報伝達行為に対する規制の導入等のインサイダー取引規制の強化、投資一任業者等による運用報告書等の虚偽記載等に係る制裁の強化、投資法人の資本政策手段の多様化、大口信用供与等規制の強化、金融危機に際して金融機関等の資産及び負債の秩序ある処理を行う措置の創設等、所要の改正を行おうとするものであります。
 委員会におきましては、参考人を招致して、その意見を聴取するとともに、金融機関等の秩序ある処理の枠組みを整備する趣旨、銀行等による資本性資金の供給を強化するための五%ルール見直しの意義、公募増資インサイダー取引事案等に対する規制の実効性、投資一任業者等に対する規制の効果と更なる対策の必要性等について質疑が行われましたが、その詳細は会議録に譲ります。
 質疑を終了し、討論に入りましたところ、日本共産党を代表して大門実紀史委員より本法律案に反対する旨の意見が述べられました。
 討論を終了し、採決の結果、本法律案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、本法律案に対し附帯決議が付されております。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ─────────────
#21
○副議長(山崎正昭君) これより採決をいたします。
 本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
#22
○副議長(山崎正昭君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
#23
○副議長(山崎正昭君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数          二百十六  
  賛成             二百六  
  反対               十  
 よって、本案は可決されました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
     ─────・─────
#24
○副議長(山崎正昭君) 日程第二 株式会社海外需要開拓支援機構法案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。経済産業委員長増子輝彦君。
    ─────────────
   〔審査報告書及び議案は本号(その二)に掲載〕
    ─────────────
   〔増子輝彦君登壇、拍手〕
#25
○増子輝彦君 ただいま議題となりました法律案につきまして、審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 本法律案は、我が国の生活文化の特色を生かした魅力ある商品又は役務の海外における需要の開拓を行う事業活動及び当該事業活動を支援する事業活動に対し資金供給その他の支援等を行うことにより、これらの事業活動の促進を図り、もって当該商品又は役務の海外における需要及び供給の拡大を通じて我が国経済の持続的な成長に資することを目的とする法人として、株式会社海外需要開拓支援機構を設立しようとするものであります。
 委員会におきましては、機構設立の必要性及び関係機関との連携、機構の役職員の人選の在り方、機構の事業者に対する出資等の在り方、中小企業支援策とクールジャパンに係る政策との連携の必要性等について質疑が行われましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。
 質疑を終了し、討論に入りましたところ、みんなの党を代表して松田委員より反対する旨の意見が述べられました。
 次いで、採決の結果、本法律案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、本法律案に対して附帯決議を行いました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ─────────────
#26
○副議長(山崎正昭君) これより採決をいたします。
 本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
#27
○副議長(山崎正昭君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
#28
○副議長(山崎正昭君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数          二百十六  
  賛成            百七十九  
  反対             三十七  
 よって、本案は可決されました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
     ─────・─────
#29
○副議長(山崎正昭君) 日程第三 国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約の実施に関する法律案(内閣提出、衆議院送付)
 日程第四 民法の一部を改正する法律案(前川清成君外六名発議)(参第六号)
 以上両案を一括して議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。法務委員長草川昭三君。
    ─────────────
   〔審査報告書及び議案は本号(その二)に掲載〕
    ─────────────
   〔草川昭三君登壇、拍手〕
#30
○草川昭三君 ただいま議題となりました両法律案につきまして、法務委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 まず、国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約の実施に関する法律案は、不法な連れ去り又は不法な留置がされた場合において子をその常居所を有していた国に返還すること等を定めた国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約の締結に伴い、その的確な実施を確保するため、我が国における中央当局を指定し、その権限等を定めるとともに、子をその常居所を有していた国に迅速に返還するために必要な裁判手続等を定めようとするものであります。
 委員会におきましては、ドメスティック・バイオレンス被害者への配慮の重要性と所在情報等の提供の在り方、子の最善の利益の尊重と子の返還拒否事由の解釈、中央当局及び在外公館の果たすべき役割と邦人支援等について質疑が行われ、また、参考人から意見を聴取いたしましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。
 質疑を終局し、採決の結果、本法律案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、本法律案に対し附帯決議を行いました。
 次に、民法の一部を改正する法律案は、事業者の貸金等債務を主たる債務とする保証契約による過大な保証債務の負担により、保証人の生活の破綻等を招く事例が多く生じていることに鑑み、保証人が金銭の貸付け等を業として行う者との間で締結する保証契約のうち、主たる債務者が事業のために負担する貸金等債務を主たる債務とする保証契約等は、保証人が法人又は主たる債務者である法人の代表者である場合を除き、その効力を生じないこととしようとするものであります。
 委員会におきましては、特別法ではなく基本法である民法を改正する理由、法制審議会における民法(債権法)改正作業との関係、第三者保証の原則禁止の影響及び例外として法人の代表者について個人保証を認める理由等について質疑が行われ、また、参考人から意見を聴取いたしましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。
 質疑を終局した後、みんなの党の真山理事より、施行日については、別に法律で定める日からとすること等を内容とする修正案が提出されました。
 次いで、順次採決の結果、修正案及び修正部分を除く原案はいずれも多数をもって可決され、本法律案は修正議決すべきものと決定いたしました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ─────────────
#31
○副議長(山崎正昭君) これより採決をいたします。
 まず、国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約の実施に関する法律案の採決をいたします。
 本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
#32
○副議長(山崎正昭君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
#33
○副議長(山崎正昭君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数          二百十六  
  賛成            二百十六  
  反対               〇  
 よって、本案は全会一致をもって可決されました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
#34
○副議長(山崎正昭君) 次に、民法の一部を改正する法律案の採決をいたします。
 本案の委員長報告は修正議決報告でございます。
 本案を委員長報告のとおり修正議決することの賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
#35
○副議長(山崎正昭君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
#36
○副議長(山崎正昭君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数          二百十三  
  賛成             百十六  
  反対             九十七  
 よって、本案は委員長報告のとおり修正議決されました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
#37
○副議長(山崎正昭君) 本日はこれにて散会いたします。
   午前十一時十一分散会
ソース: 国立国会図書館
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