くにさくロゴ
1951/08/17 第11回国会 参議院 参議院会議録情報 第011回国会 通商産業委員会 第1号
姉妹サイト
 
1951/08/17 第11回国会 参議院

参議院会議録情報 第011回国会 通商産業委員会 第1号

#1
第011回国会 通商産業委員会 第1号
昭和二十六年八月十七日(金曜日)
   午後一時四十三分開会
  ―――――――――――――
 委員氏名
   委員長     竹中 七郎君
   理事      古池 信三君
   理事      廣瀬與兵衞君
   理事      栗山 良夫君
   理事      結城 安次君
           上原 正吉君
           小野 義夫君
           重宗 雄三君
           松本  昇君
           小松 正雄君
           片岡 文重君
           カニエ邦彦君
           島   清君
           加藤 正人君
           高瀬荘太郎君
           山川 良一君
           山内 卓郎君
           境野 清雄君
           西田 隆男君
           林屋亀次郎君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○派遣議員の報告
○継続調査要求の件
○連合委員会開会の件
○本委員会の運営に関する件
  ―――――――――――――
#2
○委員長(竹中七郎君) これより通産委員会を開きます。
 先般派遣になりました栗山議員、結城議員の、滋賀県その他の県に派遣されまして調査されました報告をお願いいたしたいと思います。
#3
○栗山良夫君 結城議員並びに私は七月一日から同月八日までの間に亙りまして企業合理化促進に関し、又地方の産業経済一般を調査するために出張をいたしたのでありまして、その間東洋レイヨン滋賀工場、神戸の阪東ゴム調帯株式会社、同じく兵庫県にあります富士製鉄の廣畑製鉄所、岡山の倉敷レイヨン倉敷工場、同岡山工場、愛媛にあります別子鉱業の四坂島精錬所、同じく新居浜精錬所、四国機械株式会社、日新化学新居浜工場、日新化学菊本工場、住友共同電力新居浜発電所等を視察いたしまして、それぞれの工場等において経営当事者の説明を求め、意見を徴すると共に関係官庁の説明をも伺つたのであります。大阪通産局では特に管内各産業の立場を考慮した「産業合理化法案」についての要望事項を説明して頂きました。このほか、高松市では電力に関し座談会を開催し、電力業者、消費者等から値上問題を中心とする電力問題一般について意見を徴したのであります。
 以上のごとく、広い地域に亘つて多種類の産業を視察いたしましたので、調査の結果も簡單には報告いたしかねるのでありますが、関係資料は專門員室に備付けてありますから御参照を願うことといたしまして、結論とも称すべきものの二、三を紹介いたしますと、第一に企業合理化は、当業者の簡単な創意工夫に待つべきものが頗る多いことであります。廣畑で見聞したことでありますが、廣畑では第二熔鉱炉の火入準備をしておられましたが、この新たに火入れする送風口を従来の十二本から十四本にすることによつて能率を高め、平炉におけるスクラツプの輸送方法及び投入方法を改善するこしとによつて能率を高めていると称しております。このいずれもがアメリカの示唆に基くものであると言つていましたが、これはさしてむずかしいこととは思われないのであります。倉敷レイヨンにおいて、タンクの位置、機械の配置等について、労務能率の向上、安全の確保を期待しているのとよい対照でありました。業者が常に能率を考えていたならば、思いつくべきだつたと思います。これは大して費用を要しないことで、こうした改良は、国民一般が、産業能率の向上という観念に徹して来れば、我が国では各方面に見られることだろうと考え合理化が一つの国民運動として発展することの必要を感じた次第であります。
 第二は、合理化は一局部の合理化のみ促進できないことをレイヨン製造に一ついて見聞したのであります。レイヨンの製造ではパルプの溶液を白金を交ぜた合金の細い孔から押し出して、これを酸の中に通すことによつて糸にするのでありますが、この合金板が日本でできるようになつたものの、その素材がよくないために苦労すると言つていたのであります。その他鉄鋼材料の品質が悪いので、精巧な機械になると日本製は耐久性が短かいのみならず、能率においても又甚だしく低率であるとのことでありました。これは産業一般の発達に待たねばならぬことですが、一局部の合理化が関連産業の技術向上なくしては不可能ということになるのであります。
 第三に、合成繊維を視察しての感想でありますが、アミランは石炭酸から、ビニロンは石灰石から、およそ形態の変つている繊維を造出し、欠点は若干あるにしても、なお天然繊維の及ばない各種の特徴を発揮しているのであります。これが発達することによつて繊維界は勿論のこと、他の産業、例えばアミランの漁網が普及すれば水産業界に変革を来すのであろうと思われるなど、産業一般が大きな変化を受けると言われております。科学の発達が産業界に及ぼす影響の大きいことは、ナイロンによつて受けた日本生糸を見れば明らかな通りでありまして、私どもは常に科学の発達に注意をいたし、これを助成するようにしなければならぬと痛感した次第であります。合理化の線はこうしたところまでに十分なる考慮をめぐらさなければならぬと思うのであります。元来我が国は天然資源が不足といわれまするが、科学や技術の発達によつてこれを救うことができるのであります。アミランやビニロンはその一例でありまするが、別子でも同様なことを見聞いたしました。即ち別子の鉱石は、昔は品位の良いものだけを精錬したのでありまするが、その後精錬技術の発達と共に、低品位の鉱石からも銅を採ることができるようになつたのであります。現在では過去の採掘跡に充填した貧鉱をも処理しておるとのことであります。又四阪島では精錬の際に出て来る鉱滓を海に捨てておるのでありますが、この中には相当の鉄分がある由でありまして、若し技術が進歩いたしますれば、この鉱滓から相当多重の鉄を回収することができるだろうと思うのであります。従つて資源の不足ということは或る意味では技術の貧困と資本の不足に由来するともいえるのであります。勿論このことにつきましては物の価格ということがありますけれども、その点は別にいたしまして、科学技術につき合理化方法案が十二分に考慮されることは望ましいことと思うのであります。
 以上極めて簡單でありますが、視察の一端を述べまして、差当りの報告とする次第であります。
#4
○委員長(竹中七郎君) 只今の栗山君の御報告に対しまして御質問ございませんか……。
 御質問がなければ次の議題に移ります。
  ―――――――――――――
#5
○委員長(竹中七郎君) かねてより当委員会におきまして継続調査中でありました通商及び産業一般に関する調査の取扱いについてでございます。本調査につきましては、さきに調査未了報告を議長に提出して置きましたが、本国会が短期間でもあり、本調査は今後なお検討の要ありと思料いたしますので、閉会中の継続調査案件といたしまして、この承認要求を議長まで提出いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶものあり〕
#6
○委員長(竹中七郎君) 御異議ないと認め、さように取計らうことにいたします。
  ―――――――――――――
#7
○委員長(竹中七郎君) 次に、六月二十日の本委員会におきまして栗山君より御動議が出ました立川市競輪場設置に反対に関する件というのでございます。この問題につきまして、ときの委員長代理の結城さんからこれが取扱いにつきまして、この次に又開くときまでよく考えて適当にいたしたいと思いますようなお話がございましたので、今日ここでどういうようにやりますかお考えを願いたい。それにつきましては、文部委員会から本委員会に対しまして、今月末或いは九月文部委員会を開くから、これに参加して頂けるかどうか、こういうことを言つて参りましたが、如何取計らいましようか。ちよつと速記をとめて。
   午後一時五十五分速記中止
   ―――――・―――――
   午後二時四十九分速記開始
#8
○委員長(竹中七郎君) それでき速記を始めて。立川市競輪場設置反対に関する問題につきましては、皆さんの御意見に従いまして本委員会が中心となつて文部、地方行政両委員会と連合委員会を開いて証人を求め、又は参考人から説明を聴取して検討することにいたしたら如何でございましようか。
   〔「異議なし」と呼ぶものあり〕
#9
○委員長(竹中七郎君) 御異議ないと認めます。それでは時日並びに証人或いは参考人の選定につきましては、委員長に御一任願いたいと存じます。御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶものあり〕
#10
○委員長(竹中七郎君) 御異議ないものと認めましてさよう決定いたします。
#11
○委員長(竹中七郎君) なお肥料需給調整の件、滯貨金融に関する件、日米経済協力の件、新特需、並びに講和後の貿易計画、産業計画、特に鉄、石炭、肥料繊維、非鉄金属等の需給計画についての政府の説明を聞くことにいたしたいと存じます。期日は大体八月二十八日から月末までの間を予定しておりますが、これも一応委員長に御一存を願いたいと存じますが、如何でございましようか。
   〔「異議なし」と呼ぶものあり〕
#12
○委員長(竹中七郎君) 御異議ないものと認めましてさよう決定いたします。ほかに何か。
#13
○栗山良夫君 実は議員の海外派遣のことでちよつと私意見を申述べたいと思います。実は前国会の終り頃であつたと思いますが、通産委員会からも特にアメリカを重点を置きまして、海外の通商産業の状況を視察したいという議が衆議院、参議院とも起きまして、当時委員会の名前を以てそれぞれ手続をいたしておりましたところ、この計画は途中で意のごとくに運ばなかつたことは皆さん御承知の通りであります。そうして、当時のいろいろな事情によりますると、国会の委員会から議員の派遣ということはそう広汎に行われがたいというような理由があつたのでありますが、事実その後の経過を考えて見ますと、或いは眺めて見ますると、各委員会とも積極的に海外観察に出られておるようであります。すでに私の承知しておりまするところでも、農林、労働、議運、内閣、地方行政、厚生等の委員会が出られまして、近くは外務委員会も出られる。又水産、運輸等も出られるということになつておるようでありまして、この点を考えて見まするときに、議会の大勢は、委員会の代表をして海外視察をするというのはもうその是非を論ずる域を脱しておると思うのであります。特に昨日の首相の講和に関するご説明におきましても、政治的な独立問題と切離されて、経済的な独立問題については、幾多のまだ不安があることを率直に述べられておるのでありまして、講和後におきましては、日本の産業経済の動向というものは国民の非常に関心の的であると思うのであります。その産業経済のことを専管しておりまするこの通商産業委員こそ広く海外の知識を直接に吸収いたしまして、そして政治を通じて国民に、盡さなければならん義務があると私は考えるわけであります。さような観点からいたしまして、今日までその機会に恵まれなかつたことは誠に私は或る意味において遺憾であると申上げても差支えないと思うのであります。今までのことは今までのことといたしまして、最近の議会全体の傾向も漸時明らかになつて参りましたので、この機会に委員会といたしましては、今一度この問題を眞劍に検討せられまして、衆参両院一致して、私は期間はそんなに長くを必要としないと思いますが、成るべく多くの外が渡りまして、そうして産業経済全般の国際的な動向を把握するという機会に恵まれたいと考えるわけであります。非常に簡單でありまして、又理由も薄弱であるかも知れませんが、どうか委員長において各議員にお諮りを願いまして、委員会の一つの意向を御決定を頂き、そうして実現が一日も早く成りまするように御協力を願いたいと思うのであります。
#14
○委員長(竹中七郎君) 只今栗山君のご提案になります海外派遣の問題でございますが、これは私が委員長になりました直後、衆議院の小金委員長と共にGHQのほうへ参りましてお願いしましたところが、遂にその実現を見なかつた。これも非常に責任を感じておるのでございますが、只今再び御提案になりましたので、皆様がたの御意見を承り善処いたしたいと存じます。
#15
○境野清雄君 今の栗山議員のお話は御尤もでありまして、もうすでに時期が遅れているくらいに私どもは考えておる。まして今度の講和問題が起りまして、講和全権が行かれたのちは直ちにこの日本の経済というものが一番重点的に大きな問題が起つて来るのじやないか。それでそのほうを何かと扱つておる通産省としても、又通産委員会自体も、今後の日米経済というようなものに大きな関連性を持つて来るので、一番重要であるものに対して未だにこのアメリカの視察というようなものをやつておらんというようなことは、甚だ私どもは残念であると同時に、通産省当局は幾らか熱がなかつたのじやないかとまで考えておるので、是非今栗山議員がおつしやつたような理由であり、又理由はもつと強い理由もあるのでありますから、是非実現方に政府自体が一つ大いに努力して実現するようにお骨折りを願うということに是非お願いいたしたいと思います。
#16
○政府委員(首藤新八君) 渡米問題につきまして、今日までの通産省のとつて参りました経過を一応御参考のために申上げて置きたいと思います。只今栗山君の御指摘の通り、我々は通産行政を何よりも最重要視するものでありまして、従つてアメリカの産業経済は何といつても通産委員が一番先に渡米しまして、視察するべきであるという実は強い希望を持ちまして、昨年の十一月頃から私は大臣に進言しまして、通産省委員会をまつ先に一つアメリカに行くような斡旋をしてもらいたいということを前大臣に要請いたしたのであります。その後大臣から幸いに総理の承諾を得たということでありますので、早速衆議院の小金委員長に準備を進めるように私から伝言いたしました。私は国会議員の渡米であります事から、国会のほうで然るべく手続をして頂けば簡單にできると実は非常に簡單に考えまして、その後の問題に対しては暫く関知しなかつたのであります。ところが前国会もだんだん進みまして、半ば頃になる前に、農林委員会がアメリカに参つた。前の大臣の森さんその他が渡米されたということもありまするし、更に又他の方面からもだんだん行くというようなお話を聞きましたわけであります。ところが小金委員長も案はこの問題は初めてでございますので、通産省のほうでできるだけ援助してもらいたいということでありましたので、その後事務次官なり、官房長から、ミスター・ケネデイ、又ミスター・オブライエン、この両氏に対して再三は懇請をいたしたのであります。ところがどうもこの御両氏の御返答では、ガリオアでは困難だ、今日までガリオアで行つたのは農林委員会だけだ。これは司令部のほうで必要があつて実は指令をした。他のものはまだガリオアで行くのはどうも困難ではないかというような御意向を漏らされたのであります。そこで更に大臣に要請して、マーカツト会談に実はこれを提案いたしまして、そうしてお願いしたのでありまするが、そのときは一応考慮するということであつたのでありまするが、その後やはり困難だという回答があつたわけであります。そこでこの点も小金委員長に伝えまして、一つ国会のほうで強く事務局を通じて議長にその旨を要請してもらいたいということをお願いいたしました。これによつて衆議院の通産委員会は衆議院議長に対して強く要請したのであります更に参議院の通産委員会にも御連絡申上げて、竹中委員長と小金委員長とお二人で、司令部のほうに要請されたのであります。ところがどうも結果が面白くなくして今日に至つておるわけであります。ところがガリオアでは非常に困難と言われておつたのにもかかわらず、国会終了地方行政、内閣、電気通信、議運、更に又最近は運輸、水産と、こういう委員会がそれぞれガリオア資金で行くことに決定したということを承りまして、この前の司令部の御意向とは大分情勢が変つて来たというような感じを受けておるわけでございます。
 従つて通産省といたしましては、側面からできるだけ何らかのお役に立つならばという考え方で今日まで進んで参つたのでありますが、本質的にはやはり何といつてもこの国会が国会を通じて御交渉をなさることが本質的であります。我々も今後はできる限りはこの問題については御協力を申すことには一向やぶさかではありません。従来同様とりたいと思いますが、情勢が最近非常に変つたように感じますので、或いはこの機会にそういう御交渉をされるには時宜を得たのではないかという気もいたしますので、一応今までの経過を申上げた次第であります。
#17
○委員長(竹中七郎君) それでは、只今栗山君から御提案になつて、次官からの御答弁と申しますか、政府側から御経過が説明されましたが、私としては微力でありますが、皆様の御援助並びに政府その他の御援助によりまして、或いは国会のほうからも向うに話して、できるだけの努力をいたしたいと思いますから御了承願いたいと思います。その際は皆様がたの御援助をお願いするようになると思います。
#18
○小野義夫君 資料の問題をもう少し……今度やります二十八日は大分問題が混み合つておりますので、或いはその資料の問題を、証人とか、参考人の喚問などやつて、これは競輪のほうの人も喚びますので、どうかと思いますけれども、できますならばやはり仮に二十八日から二十九日両日に亙りましても、徹底的に一つ委員会としては、或る程度の意見をまとめて置いて頂きたいと思います。でその際に証人参考人を召喚するように、その人選その他につきましては委員長に御一任申上げて置きますが、当局ともよくご相談の上一つお取計らい願いたいと思います。
#19
○委員長(竹中七郎君) 只今の小野君の御提案の通りきめても御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶものあり〕
#20
○委員長(竹中七郎君) 御異議ないものと認めまして、本日はこの程度で散会したいと思います。誠にお暑いところどうも有難うございました。
   午後三時四分散会
 出席者は左の通り。
   委員長     竹中 七郎君
   理事
           古池 信三君
           廣瀬與兵衞君
           栗山 良夫君
           結城 安次君
   委員
           小野 義夫君
           松本  昇君
           小松 正雄君
           佐多 忠隆君
           加藤 正人君
           境野 清雄君
           西田 隆男君
           林屋亀次郎君
  政府委員
   通商産業政府次
   官       首藤 新八君
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト