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1951/08/17 第11回国会 参議院 参議院会議録情報 第011回国会 厚生委員会 第2号
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1951/08/17 第11回国会 参議院

参議院会議録情報 第011回国会 厚生委員会 第2号

#1
第011回国会 厚生委員会 第2号
昭和二十六年八月十七日(金曜日)
   午後二時四十一分開会
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○連合委員会開会の件
○社会保障制度に関する調査の件
 (教職員中事務職員の給与と恩給関
 係に関する件)
 (傷い者及び遺族援護に関する件)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(梅津錦一君) それでは委員会を開きます。公報で申上げてありますように、社会保障制度に関する調査に対しての連合委員会を開くことの要請が文部委員会からございました。それは武蔵野市の八丁特飲街に関する問題でございますが、武蔵野市が住宅都市としての発展途上にあるのに、いわゆる八丁特飲街が出現して市民の非難の的となつておる。これが教育に及ぼす影響も又大きいから特に適切な措置を講ずる必要があるという理由に基きまして、合同委員会を開催したい、それに対しては厚生委員会、法務委員会にその要請があつたわけでありますが、厚生委員会といたしましてこの文部委員会の要請に応じまして合同委員会を開くことに対して、委員会の合同審査の申込をするかしないかを先ず決定いたしたいと思うものでありますが、御意見を伺いたいと思います。
 なお附加えて申上げますが、文部委員会のほうからは八月の二十六日から以降四日間のうちの一日、或いは九月三日以降四日間のうちの一日と、こういうことにまあ希望を持つておるわけですが、こちらの希望を、この一日をいれるような受入態勢はできているんだと思いますが、念のためにそのこも申上げておきます。でありますから、厚生委員会の方として申込むということが第一案であつて、申込むとするならばその日取りの問題が第二案でございます。連合審査に対する件に対して……。
#3
○山下義信君 ちよつと速記とめて下さい。
#4
○委員長(梅津錦一君) 速記をちよつととめて下さい。
   〔速記中止〕
#5
○委員長(梅津錦一君) 速記を始めて下さい。それでは連合委員会に対して出席希望の方がございますので、その日取に関しては松原さんが三日ということになつておりますが、藤原さんは二十六日というようなことになつておりますので、藤原さんとの折衝でですね、特に九月三日以降になつてもらえば大体出席委任ができると思いますので、この件は全然顔を丸つぶしにするというのではないと思いますので、解消すると思います。そこで連合委員会に厚生委員会として連合審査を申込むということに対して、御異議がございませんでしたら決定いたしたいと思います。如何でございましよう。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○委員長(梅津錦一君) では連合委員会に合同審査を申込むことに決定をいたします。
#7
○委員長(梅津錦一君) 次は恩給法等の関係で全国的に今問題になつております教職員中、事務職員の給与と恩給との関係について一種のトラブルが当局者と起きておるのですが、この件に対して法律上の立場を明らかにしておきたいということを、生活保障に関するこうした給与上の問題は、元来は人事委員会の問題でありまするけれども、或いは労働委員会の問題でありまするけれども、特に恩給との連関がありまするので、恩給にからんだ給与問題でありますので、この点を文部省の人事課長さんから所見を承わりたいと思うのであります。
 その内容を簡単に申上げまするならば、六千三百円ベースから今回の七千九百円ベースに切替えられましたために、或る地方においては四月以降の給与に対してはベース・アップを認めないということの決定をしており、更に四月以降ベース・アップになつたままで支給しておるものは、九月の俸給からその恩給を差引いた額だけを給与から減らすと、言い換えますならば、ベース・アップを認めないということになりまするから、結局は減俸という形になつて将来俸給が決定される。而もこの俸給に対しては頭打をしておるわけです。恩給をもらつておる公務員である以上、公務員だからという理由によつて俸給はもう上せない、最高の俸給を決定しておるしそれ以上上せない、こういうことになつております。ベース・アップを恩給に認めておつて、事務職員或いは講師の給与に対するベースアップは認めないのだと、こういうことがどういうものか、特にこの予算に対しては平衡交付金の枠内において操作ができるように国から平衡交付金が廻されておるわけなんです。若しこの給与を上げないとするならば平衡交付金の余つた分は国に納入さるべき問題で、予算が残りましたら納入されるのが会計上の建前であると、私はこう思うのであります。その間に対する文部省としてのいわゆる慣例も言いましようしいろいろのことがありますので、一応文部省の説明を聞いた上で質疑に入りたいと思いますが、如何でございましようか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#8
○委員長(梅津錦一君) 文部省人事課長の岡田孝平さん。
#9
○説明員(岡田孝平君) 只今問題になつた事柄につきまして申上げますが、このことは文部省には詳しく何らの報告もありませんし、具体的な事柄は詳細に実は私の方は存じておりません。ただ厚生委員会でそれが問題になつたということで、厚生委員会の調査員のかたがお見えになつてお話を伺つたもんですから、それに関しまして私どもの所見を申上げたいと思います。
 国の恩給をもらつておるものが一旦退職しましてそしてその後において地方公共団体に就職するというような場合に、恩給をそのままもらつておりながら新たに地方公務員になりましてそして地方公務員としての給与を受けるわけでありますが、その際に県によりましてはそのもらえる恩給額を差引いて給与を決定しております。引いた額の給与を決定しております。こういう県が往々あるようであります。詳しいことはわかりませんがそういう県があるということは聞いております。これは法律的に言いますならば恩給の受給権はあるのですから、それをもらつておつてそうして別に新たに公務員になるということで、又別に公務員の給与をもらう、まあ二重取りになる、二重取りは法律上は別に禁止もありませんし、まあ当然それが行われておるわけです。ところがいろいろ県の財政の事情がありまするし、又他の職員との均衡問題がありまして、県によりましてはその分を差引いて支給しているこれは又そのことについても絶対にいけないという禁止規定もないわけです。これは又道徳的にいつて恩給の二重取り、三重取りというようなことは、国の公務員でありましても地方の公務員でありましても公務員には違いありませんから道徳的にいえば余り面白くない。併し法律的にいえば当然そういうことができるということなんですが、一方で府県のいろんな人事の均衡上減額をしておる、これがあらかじめ本人の承諾を得てそうして減額して行くのであれば、あえて違法とは言えないかと思います。と言いますのは、給与は級別推定表というものがありましてそこできまつておるのでありますが、この級別推定表というものは給与の最高を示しておるのであります。必ずしもその給与通りに同級何号というふうにしなければならないということはないのであります。いろいろ財政の問題とかその他の問題で最高に行かない、特殊のものについては低い例えば八級を受ける人は七級の俸給をもらつておるというような場合がいろいろ県にあるのでありまして、あらかじめ最高のときには本人が承諾しておれば文部省から禁止ということもないかと思います。例えばお話になつておるのを聞いてみますと、そうではなくて、恩給をもらつておる者が、今度恩給が増額になつた、その増額分を俸給から引いて給与額を決定しておると、こういうことでありますが、これは何ら本人の承諾もなしに、突然にそういうことを、増額して支給されたものをあとで引くということであると面白くないと思います。けれども先ほど申しましたように本人の承諾を得てそれを行なつておるということであれば、これ又あえて違法であるからそういう措置は取消しというほどのこともないのではないか、このくらいに考えております。いろいろ県の事情等も詳しく聞いてありませんし、この際私どもも承知いたしておりませんので、なおその問題等は県の実情等をよく調べまして、はつきりお答えいたしたいと思います。只今のところではそのようなことであります。
#10
○委員長(梅津錦一君) 地方の事務職員並びに講師に対して、平衡交付金がその中に含まれておるかどうか、その点をお伺いいたしたいと思います。
#11
○説明員(岡田孝平君) 平衡交付金の方は、なかなかそういう細かい各個人個人の給与の実態を全部調べてそうしてその上で平衡交付金の額を決定するといいましても、なかなか給与の実態が毎月々々変つて来ておりますので、なかなかその実態の状況と平衡交付金の額とがマッチしない場合が非常に多いかと思います。たまたまそういう例が非常に多いからといつてその個人の分の平衡交付金を返すとか何とかいうことは計算しにくいので、こういうことは考えられないのであります。大体その県の公共団体の吏員の平均の給与をとりまして、そうしてそれに対して平衡交付金を決定する程度であると思います。
#12
○松原一彦君 人事課長、今の委員長の質問とあなたのお答えにちよつと誤解があると私は思うのです。実は私もよく知らん、初めて聞いた問題でありますが、国家公務員であろうと地方公務員であろうと今日の恩給法は一本でありますから、恩給をとつておる者が復職した場合には今日の恩給法では恩給年限は継続しないことになつておる。そこで恩給を差引くこともどうすることもできない、まるで別個の又職務につくのですから。そこで地方のこれは慣例か申合せか知りませんけれども、例えば中学校の教員をしておつた者が退職して恩給をとつた、それが定時制高等学校の教員になるときには、そういう人に限つて本任用をしないで講師命令を以てこれを採用する、いわゆる嘱託ですね、この嘱託の給与は大体六千円というのが実際で、全体的の慣例となつておる。そこで問題は、お前は恩給をとつておるからこの六千円で働け、こうなつておる。今度恩給の一面はべース・アツプに伴つてスライド・アップがあつてそのつど法律によつて上つて行くので、それは何かというと生活給である以上退職者といえども生活を維持しなければならんからというので、その新旧対照表によつて恩給も又退職当時の給与のベース・アップを認める、こういうことなんですね。で、委員長の言われることは、給与がすでに生活を維持するに必要なる給与であるとするならば、その六千円という頭打になつておるものも、ベース・アツプがあつたときにやはりベース・アップ同様に定額をもう少し上げるのが至当ではないか。平衡交付金も恐らく講師の分も入つておるに違いないから、それならば差引くどころではない、恩給のべース・アップと同様にこの頭打をしておる六千円も六千五百円なり七千円なりにするのが至当ではないか、こう積極的に希望する者がある。私もそれを希望する。そういうふうなことについて何か御調査はございませんか。或いは御承知になつておる点はございませんか。
#13
○説明員(岡田孝平君) 今のお話のような場合でしたら、つまり国の恩給をもらつておる者が、地方公共団体の正式の公務員ではなくて、嘱託とか或いは嘱託講師とかそういうようなものになつておるという場合でありますならば、これは当然に二重に取つて何らかまわないむしろ恩給のベースが上つた分はもらうと同時に、更に嘱託給の方もなにがしかのベース・アップによつて上るということが普通の形式であつて、私どもはそういうことを希望いたします。県によつて詳しい事情はよく存じませんが、県でもそういう問題はそういう方向で考えていると思います。先ほど申上げましたのは国の恩給をもらつておる者が一旦やめまして、そして教育公務員特別法施行後に、あれは二十三年一月でありましたそれ以後において新たに地方公務員になつた、この場合は二十三年一月以降はもう地方公務員のほうは恩給と切れますから、純然たる地方公務員であつて従来の恩給とは関係がなくなる従つて恩給をもらつている又一万国の公務員と同じような正式の地方公務員として採用されるわけでありますからそこで問題が起るのでありまして、その他の恩給をもらつておらない普通の地方公務員との均衡の問題が起るので、そこで給与を減額するという例があるかと思います。そのことについて申上げたのでありますが、今の松原さんのお話の場合でしたら私もそういうふうに存じております。
#14
○松原一彦君 それはこういうことなんですね、昔ならば恩給を継続するところの職員になりましたらば給与の方は操作をしないで恩給の方で操作をしたのですね。前職との差額だけしか恩給は給与せられなかつた。今はその法律がないから、そこで採用して給与を適正に与えてもいいけれども、今聞いたようなバツクの事情があるから他との不均衡もあるし、今は本任用をしないで恩給を取つておる者は努めて嘱託名で以て講師ということにして大体六千円というのが標準になつておるのです。その六千円は物価の高騰その他の事情によつて、サラリーが上がるならばそれも又上げていいのではないかと私も思うのです。委員長はもうそこまで考えておられることだと思うが、併しその六千円とかというものが、果して何か中央からの指示によつたものか、全国的の申合せのものか、その根拠は私知りません。一、二の例を聞いておるのに過ぎませんが、若しそういうふうに頭打ちになつてしまつているのであるとしましても、積極的にそういうものに対しては適当な御指導を頂きたいと私は希望します。
#15
○説明員(岡田孝平君) この問題について文部省から基準なり何なり出したこともございませんし、くわしい事情も存じておりませんが、お話のような意味でしたらやはり一般のベースの上つたのに従いまして、嘱託講師のことにつきましてもやはり同じ歩調で上げるのが至当ではないかと思います。
#16
○委員長(梅津錦一君) 私さつき聞いたのは、これはもうすでに団体交渉で私はそういうことは決定していると思うのですが、地方の恩給受給者で、嘱託の形で事務職員になつている人がいる或いは講師になつている人がいる。こういう人たちは一般教職員、或いは地方公務員なみに、団体交渉によつて人数の中に入つておると思うのです。ですから当然平衡交付金が含まれていると私は考えるわけなんです。ですからベース改訂になればなつたように補正によつてやはり支給されておるはずだと思うのです。ですからここに会計上の私は疑義があると思う。地方が条例なり或いは申合せかなんかによつて勝手にきめれば、恐らく言い換えれば、定員からいえば定員数だけの補正の予管が来ておるのに、その中から或る種のものだけはそれに対してベース改訂を認めないとするならば、これが一般の交付金の中に入つておるから指示しないのですけれども、それが紐つきなら必ずそこに予算が浮んで来るわけだと思う。こういうような私は経理上の疑義があると思う。その意味からいつても国が当然私はこれを認めて平衡交付金が含まれておると思う。ですから県でそういうことが勝手にやれるかどうか。若しやつた場合は余剰が出ますから国に還るべき金だと思う。それは結局ここに会計上の疑義があるというのはそこだと思う。そういう点もこの際明らかにして頂きたい。こういうわけです。
#17
○説明員(岡田孝平君) 平衡交付金の方は私も実は所管外で、くわしく存じておりませんからそうした細かいところまでなかなか計算はむつかしいのです。先ほど申しましたように、いずれにしましても本人の承諾を得て、いろいろ他の職員との均衡上等から給与の額を減額して決定しても、それは別に違法という問題にはならないと、こういうことを申しております。
#18
○委員長(梅津錦一君) もう一つ、本人の承諾なくしてそういうことができるかどうかということを一つお伺いしたい。
#19
○説明員(岡田孝平君) 承諾しない場合は、これは穏当でない。
#20
○委員長(梅津錦一君) もう一つ、本人の承諾なくしてそういうことがやり得るかやり得ないかの問題で、穏当でないということははつきりわかつております。やり得るかやり得ないか。
#21
○説明員(岡田孝平君) 嘱託の講師等につきまして、それは本採用の地方公務員についてでありますならば級別推定表がありましてそうしてどういう学歴の者は何級何号というふうに最高がきまつておる。併し先ほど言われましたようにこれは最高であつて必ずそうしなければならんということではありませんから、それによつては低い者もある。それについても大体基準がきまつております。嘱託講師の場合はそういう基準は国では別にきめておりませんが、若しあるとすれば地方公共団体がきめておるということだと思います。その基準のきめ方の問題でありまして、初めからそういうふうなことが基準に織込んで明らかにきめてあれば本人も問題はないと思います。そうでなくして適当にきめたり本人の承諾を得ないで勝手に行うということはちよつと面白くないと思います。ただ法的云々の問題はちよつと研究不足でありまして今日は申上げられません。
#22
○委員長(梅津錦一君) 実例を申上げればよくわかるのですが。
#23
○山下義信君 案例の資料があれば我我に配付して頂きたいですね。何県のどこに何がしのどういうことがあつたという実際の資料を、問題になつた資料を配付して頂きたい。
#24
○委員長(梅津錦一君) 一応私の知つている範囲で申上げましようか。
#25
○山下義信君 あとでよろしうございます。
#26
○委員長(梅津錦一君) 文部省との関係が非常に多いのでそれは……。
#27
○山下義信君 あとでよろしうございます。
#28
○委員長(梅津錦一君) 私の発言内で申上げます。文部省の群馬県の問題ですが、今燃焼しておる問題で、すでに九月からこの法律的の根拠があれば要するに恩給受給者連盟の問題として取上げたいわけなんです。私はよくこの内容を知らないので、来るときにこの問題を調べてくれということで委員のかたのほうに一々お話する暇がなかつたので、口頭で申上げるのは非常に失礼だと思いますが、この恩給の上つたために今までの給与からその差額を引いて九月に引くとこういうのです。それは本人の承諾が全然ないわけです。而も累計すると大体一万円以上引かれるわけです。四、五、六、七月の四カ月引かれますから、最高の人も恐らくそう高給者はいないわけです、頭打をしておるわけですから。そこで問題になつておるのは、ベース改訂に対しての問題よりも、この四月に遡月の俸給から差引いて以後その通りにして行くということですね。今恩給受給者の中の甲種並びに準職員の団体が県との交渉をしようとしておるのですけれども法的根拠がないのでどうすることもできない。そこで文部省の見解を質した、ところが違法ではない、違法ではないけれども県の条例によつてそれをやつておるのではないか、併し県条例にはそういうことがないので県では早急に条例を作ろうとすれば遡つて条例を作ることになる、そこにも非常に疑義があると思う。こういう点を私は明らかにしたいと思うのですが、内容はこういうわけであつたのです。文部省では大体こういうことを、人事課長さんはその点に対しては御回答ができないということでございますから、これは止むを得ないと思うわけですが、以上のような実例はこういうわけで、こういう問題は群馬県のみでなくして全国にこういう問題はあるということを聞きましたので、一応議題にしたわけなんです。それではこの件に関しては文部省の人事課長さんへの質疑は打切つてよろしうございましようか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#29
○委員長(梅津錦一君) それでは御苦労さんでした。
  ―――――――――――――
#30
○委員長(梅津錦一君) 続いて特に今日は傷痍者のかたも来ておられますので、傷痍者及び遺族援護に関する件を議題といたします。政府からは田邊援護局長がお見えになつております。休会中の継続審議の問題でこの前予算上の措置について主計官から或る程後の希望的な観測をお聞きしたのですが、先般来新聞で傷痍者並びに遺家族に対する補正上の予算に対して何か悲観的な報道が伝えられておるので、恐らくこの問題が事実かどうか質すための緊急質問的な形で本日は援護局長がお見えになつておると思うのですが、これに対して、それでは一応藤原さんからこの問題が出ていると思うのですが、その後の予算上の問題について御説明を聴いたあとで質疑に入りますか…。
#31
○藤原道子君 私ちよつとお伺いしておきたいと思いますが、二、三日前の新聞には、講和を結ぶについては外国へ与える影響等も考慮されるので、この際遺族、傷痍者等に関する年金とか或いは又扶助料等々に関する援護に対する予算は、一応今度の補正予算からは取除くことに決定したというような記事が載つていたのでございます。ところが今遺族や或いは傷痍者の人たちがこうした問題に対して非常に期待し、待ちこがれているわけです。従いましてこの新聞記事が真実であるかどうか、果して今政府の動きはどういうふうになつておられるかということをちよつとお伺いしたい。
#32
○説明員(田邊繁雄君) 二十六年度補正予算はまだ正式に決定いたしておりません。実はこの予算をどこから出すか、大蔵省に要求するかというような問題が一つあるわけでございますが、只今のところ私の方、つまり引揚援護庁からはこの予算は要求してございません。新聞に何か記事が出ておるということでございますが、私まだ政府の上の方でどういうことになつておるか、詳細を大臣等から承わつておりませんので、申上げることができないのであります。
 但し私どもといたしましては、この問題は厚生省として鋭意研究はいたしております。いろいろの方面と連絡をしながら詳細な研究は進めております。
#33
○委員長(梅津錦一君) ちよつとお伺いしたいのですが、今局長さんのお話で鋭意研究しているということでございましたが、すでに鋭意研究される期間が非常に私は長いことを承知しているわけです。もうすでに鋭意研究されたものが実行に移されるためにですね、仄聞するところによると、大蔵省の査定では、補正予算についてもすでに私は、これはどこから入つておるのかはつきりした根拠はわかりませんが、恐らくこの前の主計官の話では、つんぼの早耳かどうか知りませんが、十億くらいの査定を考えておつたらしいのでありますが、これが恐らく現在立消えになつたということは、傷痍者並びに遺家族に対する援護資金を組むことが講和会議に対して刺戟的な一つの問題になる、こういうようなことに新聞は伝えておつたと思うのですが、恐らく私は講和会議によつて日本の自主権が取戻されるとすれば、こうした懸念はさらさら私はないはずである、こう思うのですが、援護局長の御所見を承わりたいと思うわけであります。
#34
○説明員(田邊繁雄君) 大蔵省で何か十億円程度の金を用意しておるということを伺つたのですが、私どもの研究によりますれば、到底十億円かそこらのものでは処理できない性質のものである。実現いたしますれば如何ようなものでありましても相当厖大なものになると思いますが、今度の補正予算にかような経費が計上せられなかつた事願は奈辺にありまするか。只今委員長のお話によりますと、講和条約に対する悪い影響を考えてのことじやないかと思われるがどうかというようなお話でございますが、或いはさようなこともあろうかとも感じた次第でありまして、その点は先ほど申上げました通り、私どもといたしましては政府の最高の所で如何ようにおきめになるか想像するほかはないと思います。
#35
○委員長(梅津錦一君) 今の私の質問が逆にとられておるようでありますからちよつと。講和会議を目前に控えておるのであるから、而も日本に自主権が与えられるとするならば、何らそれに対して遠慮する必要はない、こういう意味ですから、およそ今の御回答は私は逆な御答弁を頂いたと思う。私は何もそのことが講和会議に悪い影響を与えるとは考えておらないのでありまして、当然日本が自主権を取戻した以上そういうことはなし得るという立場で局長の御所見を承わつたわけです。
#36
○説明員(田邊繁雄君) 御承知の通り今日戦没軍人の遺族等に対する恩給等の支給は指令によつて停止をされております。その指令は今日も生きておるわけであります。従いまして正式にこれを何らかの形によつて実施するという段取に運びますためには、その指令の制限を緩和してもらうという行為が必要であるわけであります。この行為がない限り講和前におきましては実施することはできないと考えております。お話の通り講和が実現いたしました暁におきましては、かような指令は効力を失うものであると私は考えております。従いまして講和後におきましてはかような援護措置は当然政府として実施できることである、又実施しなければならないことである、かように私は考えております。
#37
○藤原道子君 私が質問を中止いたしましたのはもう質問しても意味ないと思つたから中止したのです。安は私は衆議院にいる当時にも傷痍軍人の問題で余り恩給が安過ぎるという点を取上げたことがあります、その当時司令部からの御意向で特別に戦争犠牲者を扱つてはいけないというようなことでやることができないのだというような答弁だつた。又私たちが理解する上におきましては、一律平等ということは社会人と同じ線まで持つて来て、その後におけるあり方であろうと私は理解されねばならない。従つてその当時の場合ならば、アメリケの傷痍軍人、遺家族は一体どうなつているのか、そうしたらそれは国家で保護している、それなら、戦勝国の戦争犠牲者たちが守られて、敗戦国の戦争犠牲者は放置してもいいということは、私は人道上許せないことだと思う。結局同じような待遇ができないまでも、最低生活ができるぐらいにまでするのは当り前じやないかというので大分やつたことがある。ところがそのときに山崎さんの意見では占領政策の違反になるから取消してくれというようなことで速記録の取消の要求があつたことがある。だけど私はそんな馬鹿なことはないというので頑張りました。その後その年の暮には僅かではございましたけれども、五倍に扶養義務者の扶助料が僅かながらも認められて、そのまま今日に至つでおるのでございます。ところが私はどうしてもその点納得が行きませんのは、一にも二にも司令部々々々ということが品に出ている、そうして戦争のためにたつた一本の葉書で引張られた遺族が路頭に迷つていてもそれも仕方がない、手足をなくした人が一日僅か六円五十銭か僅かな恩給で巷に放置されていることも仕方がない、こういうことではいつまでたつても政府にあれしても駄目でございますから、こういう点講和を前にしてはむずかしいということは納得できない。只今ドイツにおいてはちやんとそういう立法ができているはずでございますから、厚生委員会の同僚議員諸君と御協議いたしまして、結局遺家族の援護に関する小委員会が曾てあつたのでございますから、これら志を同じうする人々と共に、我々の手によつて立法して運動して行かなければ駄目なのじやないかというふうに私は感じましたので、結局先ほどの質問は私は打切つたわけであります。ここにあります私のところに寄せられました投書の中に、傷痍軍人の投書或いは未復員給与法によつて入院している患者さんたちの血の滲む叫びがあり、或いは一般大衆からは汽車の中で白衣の人が募金している姿をあなた方は正視しているのか、今の政治家の良心を疑うというような実に痛烈な投書も来ておるのでございますから、もう局長が上のほうの御意向で私は余り関知しないというような御答弁に対しましては、私は心から怒りを以て承わりました。少くともその衝に当る人たちが上の方針があることだからそういうことは知らんということは、もうそれだけ聞けばたくさんでございますから私の質問を打切りたいと思います。
#38
○松原一彦君 この問題は極めて明白な問題で、ポツダム宣言受諾に伴う勅令によつて恩給は、恩給というあれはあるけれども、あれは恩給法によらざるものであるということは、はつきりわかつているので、それは平和産業に従事しておる人々の厚生年金の額という標準になつておりた。この額が上つて倍となり、更にこの二月に二倍となつてようやく平均四千六百円という線に到着いたしておるのです。これはあの勅令が取消されない限りは如何ともいたし方がない悲痛な実状にある。私どもは手を拱いておつたわけではないけれども、そういうような一つの厳重な指令の下にいたし方がなく涙を呑んでおるのでありますが、幸いに先般橋本厚生大臣が出席しまして、その就任の挨拶のときにも傷痍軍人その他の遺家族等の援護に関しては責任を持つて自分は解決する、こういうことを現に言つておるのであります。そのことにどれほどの計画があるかは知りませんがそういう決意を持つて就任せられた。本人も言つておるのでありますから、いずれ私は橋本厚生大臣にはお考えもあることだろうと思います。他に質問したいこともありますから、明日の厚生委員会に橋本厚生大臣の出席を求めて、そうして今のような問題を一つ取上げて改めてその決意並びに計画等の概要でもこの席で表明させたら如何でしよう。私はこれを希望するのであります。(「賛成」と呼ぶ者あり)
#39
○説明員(田邊繁雄君) 只今藤原さんから上の方できまつたことであるから私は知らんことだというようなお話でありますが、言葉が足りませんで何でしたが、委員長のお尋ねは講和条約に悪影響があるから取止めたのだろうが、それはどういうものであるか、それに対しましては、これは私がそういうことを考えてやめるとかどうかということを申上げる筋ではないということを申上げたつもりなんであります。上の方できまつているかどうか私は存じないと先ほど申上げましたので、目下補正予算を要求中でございまして、これに対しまして要求がどうなりますかわかりませんが、補正予算はまだ私の方から出してないということを申上げたわけであります。上の方できめたことだから知らんということを申上げたのではない、委員長の御質問に率直に申上げたのであります。その点御了解を願います。
#40
○松原一彦君 援護局長の話は、私は知らんどころじやない、非常な御計画があるものと私は確信する、というのは、曾つて傷痍軍人の恩給を普通文官同様に引直した場合の最低四万幾千、最高十何万円で以て計算せられたる傷庫軍人の新恩給法というものの概要は三十億円の金がいろということで新聞に一度出たのであります。この新聞に出たのをば厚生委員会は取上げて出所を質したところが、これは援護局から出ておるのだというように私どもは聞いておるんです。但しこれは幾つかの立案のうちの一つであつて、この立案はたくさんあるけれどもその一つがたまたま洩れて外部に伝わつたのであつてこれは秘中の秘である、まだ公表すべきものでないのみならずその筋の承認も内諾もないものであつたというので、あわてて取消を新聞社に申込んだところが新聞社の方では遂に取消さなかつた事実がある。確たる出所が事実あるというので新聞が取消さなかつた、その出所も私はほぼわかつております。そういうこともありましたが、私はあなたの方でそういう御計画があると思う。それだけでもすでに三十億要する。更に二百万に余る遺族の扶助料を考えれば十億や二十億の金で賄いが付く問題じやない、患い切つた大きな金が要ることがわかつておる。それが補正予算で出されるものかどうか、そういう点もありますから、私は別に援護局のここで何も御答弁を求めるのじやないのです。そういうものが十二分に備つておるものと思うが、それをいつどういう形式で実行に移すか、それに対するところの決意が厚生大臣にあるかどうかを明日の厚生委員会で厚生大臣から聞きたい、かように、私は希望するのであります。十億や二十億で賄えるものじやないのです。大した大きな金になります。
#41
○委員長(梅津錦一君) 私が先ほど申上げました十億という金額は百億の間違いでありまして、速記を訂正しておきたいと思います。
#42
○藤原道子君 松原さんの言われた通りあの当時三十億とか新聞に出まして厚生委員会で取上げたことがある。それと同時に局長のお言葉ですけれども、補正予算を予定しているのなら予定している、それがどういうふうになるかまだわからない、というのなら親切だと思う。いろいろ御計画があるけれどもまだ発表する段階に来ておりませんがそれがどういうふうに上の方でされたかはまだ私の知るところでございません、というのなら親切な答弁だと思う。木で鼻をくくつたような答弁は私は了承できない。
#43
○説明員(田邊繁雄君) お答えしますが、今日指令によつて禁止されていることに関して、正式に補正予算を要求するということは今日事務的には困難な事情にあるわけであります。実施するとなりました場合には、どうなるかという準備だけはいろいろといたして雪辱けれども、いろいろの制限がある以上我々事務当局といたしまして、正式に予算を要求して行くことはできない事情にあることを御答弁申上げて置きます。
#44
○委員長(梅津錦一君) 大分暑いのにすでにもう四時になろうとしておりますが、明日厚生大臣が来られてその間の御説明が聞けると思いますので、本日はこの程度でやめたいと思います。如何でございましよう。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#45
○委員長(梅津錦一君) それでは本日はこれにて散会いたします。
   午後三時三十四分散会
 出席者は左の通り。
   委員長     梅津 錦一君
   理事
           小杉 繁安君
           井上なつゑ君
           有馬 英二君
   委員
           石原幹市郎君
           大谷 瑩潤君
           中山 壽彦君
           長島 銀藏君
           堂森 芳夫君
           藤原 道子君
           山下 義信君
           常岡 一郎君
           藤森 眞治君
           谷口弥三郎君
           松原 一彦君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       草間 引司君
   常任委員会専門
   員       多田 仁己君
  説明員
   文部大臣官房人
   事課長     岡田 孝平君
   引揚援護庁援護
   局長      田邊 繁雄君
ソース: 国立国会図書館
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