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2012/11/15 第181回国会 参議院 参議院会議録情報 第181回国会 政治倫理の確立及び選挙制度に関する特別委員会 第2号
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2012/11/15 第181回国会 参議院

参議院会議録情報 第181回国会 政治倫理の確立及び選挙制度に関する特別委員会 第2号

#1
第181回国会 政治倫理の確立及び選挙制度に関する特別委員会 第2号
平成二十四年十一月十五日(木曜日)
   午後六時四十五分開会
    ─────────────
   委員の異動
 十一月十四日
    辞任         補欠選任
     長沢 広明君     浜田 昌良君
 十一月十五日
    辞任         補欠選任
     鈴木  寛君     難波 奨二君
     藤田 幸久君     斎藤 嘉隆君
     藤川 政人君     高階恵美子君
     丸山 和也君     青木 一彦君
     浜田 昌良君     横山 信一君
     中村 哲治君     森 ゆうこ君
     中西 健治君     水野 賢一君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         轟木 利治君
    理 事
                足立 信也君
                辻  泰弘君
                牧山ひろえ君
                青木 一彦君
                西田 昌司君
                山崎  力君
                荒木 清寛君
    委 員
                石井  一君
                植松恵美子君
                江田 五月君
                斎藤 嘉隆君
                直嶋 正行君
                難波 奨二君
                松井 孝治君
                安井美沙子君
                吉川 沙織君
                磯崎 仁彦君
                岩井 茂樹君
                岡田  広君
                岸  宏一君
                佐藤ゆかり君
                山東 昭子君
                高階恵美子君
                藤井 孝男君
                松村 祥史君
                宮沢 洋一君
                西田 実仁君
                横山 信一君
                佐藤 公治君
                森 ゆうこ君
                小野 次郎君
                中西 健治君
                水野 賢一君
                井上 哲士君
                行田 邦子君
   委員以外の議員
       発議者      一川 保夫君
       発議者      藤原 正司君
       発議者      世耕 弘成君
   衆議院議員
       発議者      細田 博之君
   国務大臣
       総務大臣     樽床 伸二君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        塩見 政幸君
       常任委員会専門
       員        田村 公伸君
   政府参考人
       総務省自治行政
       局選挙部長    米田耕一郎君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○理事補欠選任の件
○公職選挙法の一部を改正する法律案(第百八十
 回国会本院提出、第百八十一回国会衆議院送付
 )
○政府参考人の出席要求に関する件
○衆議院小選挙区選出議員の選挙区間における人
 口較差を緊急に是正するための公職選挙法及び
 衆議院議員選挙区画定審議会設置法の一部を改
 正する法律案(衆議院提出)
    ─────────────
#2
○委員長(轟木利治君) ただいまから政治倫理の確立及び選挙制度に関する特別委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 本日までに、長沢広明君、藤田幸久君、中村哲治君、丸山和也君、藤川政人君及び鈴木寛君が委員を辞任され、その補欠として横山信一君、斎藤嘉隆君、森ゆうこ君、青木一彦君、高階恵美子君及び難波奨二君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(轟木利治君) 次に、理事の補欠選任についてお諮りいたします。
 委員の異動に伴い現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。
 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(轟木利治君) 御異議ないと認めます。
 それでは、理事に青木一彦君を指名いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(轟木利治君) 公職選挙法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 発議者一川保夫君から趣旨説明を聴取いたします。一川保夫君。
#6
○委員以外の議員(一川保夫君) 公職選挙法の一部を改正する法律案の提案理由の説明をさせていただきます。
 ただいま議題となりました公職選挙法の一部を改正する法律案につきまして、民主党・新緑風会・国民新党及び自由民主党・たちあがれ日本・無所属の会を代表いたしまして、提案の趣旨及び内容を御説明申し上げます。
 参議院選挙区選出議員の定数につきましては、平成六年、平成十二年、平成十八年に較差是正を図る等の改正が行われましたが、その後においても選挙区間の不均衡が拡大する傾向が見られ、平成二十二年国勢調査の確定値によれば、選挙区間における議員一人当たりの人口の較差は最大で一対五・一二となっております。
 また、参議院選挙区選出議員の定数配分規定に関する平成二十一年九月三十日の最高裁判決におきましては、平成十九年の通常選挙当時における定数配分規定は合憲とされたものの、投票価値の平等という観点からは、この定数配分規定の下でもなお大きな不平等が存する状態であり、国会において、速やかに、投票価値の平等の重要性を十分に踏まえ、適切な検討が行われることが望まれるとの指摘がなされております。
 参議院といたしましては、これらのことを真摯に受け止め、平成二十二年七月の通常選挙前には、参議院改革協議会において、選挙制度に関する専門委員会を設置し、平成二十二年の通常選挙への対応を協議するとともに、平成二十五年の通常選挙に向けた制度見直しの工程表を取りまとめました。また、平成二十二年七月の通常選挙後には、正副議長及び各会派の代表により構成される選挙制度の改革に関する検討会及び同検討会の下に選挙制度協議会を設置して、選挙区選出議員の定数較差問題を始め選挙制度の見直しについて検討を重ねてまいりました。
 平成二十三年十二月に設置された選挙制度協議会におきましては、平成二十五年の次期通常選挙に向け、今国会中に協議会として一つの成案を得る必要があるとの共通認識の下、各会派から提出された改革案を踏まえ、定数較差是正、選挙区の単位、議員定数等を中心に協議を行いました。協議会の座長からは、各会派の意見を踏まえ、平成二十五年の次期通常選挙に係る当面の定数較差是正策としていわゆる四増四減案と、平成二十八年の通常選挙に向けた抜本的な見直しに係る検討規定を盛り込んだ私案が提出されました。あわせて、定数削減の問題についても、これらの抜本的な見直しの中で、引き続き議論するとの考えも示されました。このような協議を重ねましたが、全会派の合意に基づく成案を得るには至りませんでした。そこで、協議会における議論の経過を選挙制度の改革に関する検討会に報告をし、公職選挙法改正に向けて検討会での協議に委ねることとされましたが、検討会においても全会派の合意に基づく成案を得るには至りませんでした。
 以上のような状況を受け、平成二十五年の次期通常選挙に向けて較差是正を行うとともに、平成二十八年の通常選挙に向けて選挙制度の抜本的な見直しについて引き続き検討を行い、結論を得るものとする必要があるため、この法律案を取りまとめ、提出した次第であります。
 以下、この法律案の内容の概要を御説明申し上げます。
 第一に、参議院選挙区選出議員の各選挙区の定数の配分につきまして、神奈川選挙区及び大阪府選挙区の議員定数を六人から八人にそれぞれ増員する一方、福島県選挙区及び岐阜県選挙区の議員定数を四人から二人にそれぞれ減員することとしております。
 これにより、選挙区選出議員の選挙区間における議員一人当たりの人口の較差は、平成二十二年国勢調査の確定値において、最大で一対四・七五に縮小することになります。
 第二に、平成二十八年に行われる参議院の通常選挙に向けて、参議院の在り方、選挙区間における議員一人当たりの人口の較差の是正等を考慮しつつ、選挙制度の抜本的な見直しについて引き続き検討を行い、結論を得るものとしております。
 なお、この法律は、公布の日から施行し、この法律の施行日以後その期日を公示される参議院の通常選挙並びにこれに係る再選挙及び補欠選挙について適用することとしております。
 以上がこの法律案の提案の趣旨及び内容であります。
 何とぞ速やかに御賛同くださいますようお願い申し上げます。
 以上です。
#7
○委員長(轟木利治君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
 これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#8
○森ゆうこ君 皆様、大変遅くまでお疲れさまでございます。国民の生活が第一の森ゆうこでございます。
 まず、御質問をさせていただきたいと思います。
 今、提案理由の説明がございましたけれども、当然のことながらといいますか、去る十月十七日に最高裁大法廷で判決が出ました。この判決についてはこの提案理由の中では全く触れられておりませんけれども、それはなぜでしょうか。
#9
○委員以外の議員(一川保夫君) 私たちは、先ほど提案理由説明いたしましたけれども、このいろんな制度を検討する過程において、近いうちに最高裁の判決があるということを想定をしておりました。恐らく相当厳しい、そういう判決文が出るかもしれないという、そういう問題意識の中でいろいろと議論をしてまいりました。そういうこともありまして、当面、その違憲状態を何とか回避したいということで、四増四減案と併せまして、附則の中に二十八年の通常選挙に向けて抜本的なその改革を行うということをうたわせていただいております。そういう問題意識の中でやってまいりましたので、今回のこの最高裁の判決のことについてはこの趣旨説明の中では特段触れておりません。
#10
○森ゆうこ君 ということは、言い換えれば、今回の十月十七日の最高裁の判決、大変厳しい判決が出たわけでございます。骨子の一部を申し述べますと、参議院議員選挙における投票価値の平等の要請や国政の運営における参議院の役割に照らせば、より適切な民意の反映が可能となるよう、単に一部の選挙区の定数を増減するにとどまらず、都道府県を単位として各選挙区の定数を設定する現行の方式をしかるべき形で改めるなど、現行の選挙制度の仕組み自体の見直しを内容とする立法的措置を講じ、できるだけ速やかに違憲の問題が生ずる上記の不平等状態を解消する必要がある。
 これは大変厳しい内容だと、一部でございますけれども、大変厳しい内容だというふうに思いますけれども、この判決をしっかり受け止めたと、この法案でそのように説明する、国民に対して説明する、あるいはこの司法の厳しい判断に対して参議院が院としてしっかりとこれに対応しているというふうに示す、そういう法案だと自信を持って言えるということでしょうか。
#11
○委員以外の議員(一川保夫君) 先ほども触れましたけれども、この今回の十月十七日の最高裁の判決というものは、内容的にも大変厳しいものを含んでいるということを私たちも十分認識いたしております。そういうことの問題意識の中でしっかりと受け止めて、これからの制度改正なり抜本改革に向けてしっかりと参議院は取り組まなければならないというふうに思っております。
 先日も、十一月九日だったですか、各会派の皆さん方に集まっていただいてのその協議会を再開する中で、その問題点、いろんな課題をおさらいをする中で、これからしっかりとこの協議会の場で抜本改革に向けて取り組んでいきましょうということをスタートさせていただいたわけでございまして、今回のこの改正案で全てが満足しているというふうに私たちは思っておりません。そういう面では、これから次の二十八年の通常選挙に向けてしっかりとした抜本改革を目指すということは大変重要なことであるというふうに思っております。
 一方で、我々参議院の選挙制度のみを先行して固めるということは非常に難しい面があったような感じもいたします。片や衆議院側の選挙制度がいろんな面で議論されていたこともありまして、私たちは、当面ああいう形で取りまとめをしながら、問題意識をしっかりと持って二十八年の通常選挙までに抜本改革を目指すということにいたしたわけでございます。
#12
○森ゆうこ君 様々述べられたわけですけれども、しかし、やはり最高裁のこういう厳しい判決が出る前と、出る前の説明と、それからこの判決が出た、そのことを厳しく受け止めるということについては、前と後ではやっぱり違うということを参議院としては示さなければ、これはとても私は司法のこの重い判決、重い判断を参議院として真摯に受け止めたということにはならないのではないかと思います。
 つまり、最高裁判決の前に提出し、そして通常国会の最後のところでも申し上げましたけれども、もう日程がない中でばたばたと可決をし、そして衆議院に送ったと。それが継続審議になったと。その後でこのような判決が出されたわけですから。判決が出る前に成立した法案であれば今のような御説明もある程度は説得力があるのかもしれませんけれども、やはりこの最高裁の厳しい判決ということをもっときちんと院として受け止めているということを示すことが私は重要ではないかと思います。
 そういう意味で、残念ながら、民主党、そして自民党、公明党はこの委員会における質問時間を放棄されました。これは、先ほど申し上げましたように、最高裁の厳しい判決を受けて各会派がどう受け止めているのかということについて意見表明をする場を自ら放棄してしまったということで、私は大変遺憾であるというふうに思います。
 あわせて、実は先ほど開催されました参議院議院運営委員会理事会におきまして我が会派の藤原理事の方から、明日予定されております本会議において、この法案、そしてこの後ということになるかと思いますけれども衆議院の選挙制度改革関連法案について、本会議での我々は討論を要求をいたしましたけれども、これが認められませんでした。私は、一会派だけでも、本会議においてこの最高裁の厳しい、違憲状態だと、もうもはや何増何減というようなそういうレベルでは駄目なんだというこの厳しい判決を院として本当に重く受け止めていて、しっかりと取り組むという姿勢を示すためにも、私は討論を認めないということは本当におかしいというふうに思います。そういう意味では本当に大変残念なんですけれども、少しでもこの、もう少ししか時間がございませんけれども、この厳しい判決を受けて、もう少し踏み込んだ発議者としての私は答弁があってしかるべきではないかなというふうに思います。
 そういう意味で、少しこの附則についてお聞きをしたいと思うんですけれども、二十八年の選挙に向けて抜本的な改革を講じると。ただ、どういう方向性なのか。この最高裁の判決でも示されたような方向性についてそれにこたえるようなものになっておりませんので、この附則の中身をもう少し、立法者の意思というものをここで明確にしていただきたいというふうに思いますので、御答弁をいただきたいと思います。
#13
○委員以外の議員(世耕弘成君) この附則は私は非常に重要な条項だと思っています。今回の判決の中でも、この附則で抜本改革をうたっているということも引用をされております。一定の時間は掛かるだろうということも認めていただいております。
 元々各党の協議会の中では、この附則の書き方についてもいろいろ議論しました。引き続き検討を続けるみたいな表現の案も出た時期があるんですけれども、これを我々はやはりちゃんと見直しを行うと、二十八年までにちゃんと期限を切ってやるんだという形にまとめさせていただいた、そういう思いであります。
 ただ、この検討の方向性については、今からどっちの方がいいという予断を持つことはなかなか難しい。抜本的に、必ず二十八年度までに、二十八年の選挙までに結論は得ますけれども、ありとあらゆる方向から、これは各党まだ立場がいろいろ違うわけですから、いろんな議論を踏まえてやっていくということが重要だというふうに思っていまして、聖域なく、ありとあらゆる観点から議論をして、でも二十八年の選挙までにはちゃんと結論を得て抜本改革を行うということが基本だというふうに思っております。
#14
○森ゆうこ君 その今の抜本改革、今の御答弁ですと、この附則に書いてあるところから一歩も進んでおりません。その方向性をもう少ししっかりと示すべきではないかと思います。
 そもそも、提出者の一川委員にお聞きしたいと思うんですけれども、そもそも民主党は、その民主党の改革案というものについて案を作っておりました。その案、要するにブロックあるいは合区制等々様々な点で改革案を提示して党内で一度はまとめていたわけですから、そういう意味である程度会派としての何らかの方向性なりを示すべきではないかと思いますし、同じく第二党である自民党においても、どういう方向性なのかということもここで少しは披瀝をするべきではないかなというふうに思います。
 あわせて、前回の審議の、通常国会における審議でも我が党を始め各会派から指摘がございましたけれども、消費税大増税を強行したわけですね。身を切る改革をやると、昨日も野田総理がそういうふうに大見えを切っていましたけれども、掛け声だけで、今回は全く身を切る改革は一つも入っていないわけです、四増四減ですから。全く定数削減の話は入っていないわけですし、附則にもそのことが全く触れられておりません。少なくともこの点についてどうするおつもりなのか、それぞれ会派ごとに提出者としても立場が違うと思いますので、その点についてお答えをいただければと思います。
#15
○委員以外の議員(一川保夫君) 今ほどの御指摘でございますけれども、私たちというか私自身は、民主党の会派の幹事長としてこの協議会に参画をさせていただき、そして議長の方から座長役を務めろというふうに指名されたわけです。
 この協議会でいろんな意見交換を重ねている中で、各会派の皆さん方の総意としては、会期中、前国会の会期中にしっかりと成案を得ようというのは合意しておりました。そういう中で、だんだん時期が迫ってくるという中で、一つの会派の意見にこだわって意見を述べるということは、ある程度限界があるというふうに私は思いました。そういう中で、できるだけ抜本改革ということをしっかりと、そういう、附則に最終的にはうたわせてもらっていますけれども、そういうことに余り悪影響を及ぼさない形での取りあえず較差是正ということで四増四減案を出させていただきました。
 そういう中でございますので、これから我々に課せられた課題は非常に多いと思いますけれども、そこはしっかりと、いろんな会派との話合いの中でしっかりとした結論を出していきたいなというふうに思っております。
 今日、この参議院選挙、選挙制度というのは参議院の在り方と絡んできて大変難しい課題があるというふうに思いますし、そういう面では、単なる定数問題とかあるいは一票の較差というところだけで議論をするんじゃなくて、やはり、参議院というものは二院制の中でどういう役割を果たしていくかと。また、大変今国民の価値観が多様化している中で、一票の較差、裏を返せば地域較差があるわけでございますんで、こういう重要な政策課題に対して我々参議院がどうこれから取り組んでいくかということからすると、選挙制度の改正に当たってはそういう問題も含めてこれから大いに議論をして抜本的な改革を目指すべきであると、私はそのように思っております。
#16
○委員以外の議員(世耕弘成君) お答えいたします。
 自民党は、この各党協議に臨むに当たりまして、議員総会も開きまして、どういう考え方かという最終取りまとめをした上で臨ませていただいております。そのときは、二段階方式でやっていこうと。
 まず短期的見直しをやる。短期的見直しでは、八増十二減で選挙区の定数を四減らして、そして比例区の方も二減らして、定数を六減らすという案でありました。
 そしてもう一つ、長期的な見直し、これがまさに今回附則に盛り込まれた抜本的な見直しということに当たるのかなというふうに思っていますが、平成二十八年度以降の選挙に向けて、我々は憲法上の問題にも踏み込んで検討する。いわゆる最高裁が憲法に基づいて一人一票が平等でなければいけないというお考えに立っているのであれば、一方で、我々はやはり都道府県という単位もあるんじゃないかと。単に頭割りで票を配分するんではなくて、やはり都道府県代表という性格、地域代表という性格も参議院は持ってもいいんではないか。それは最終結論ではありませんが、そうなると憲法上の議論もしっかりやらなければいけない。そういう問題に踏み込んで抜本改革を進めていきたいというのが我が党の考え方であります。
#17
○森ゆうこ君 憲法はもちろん改正できるわけですけれども、しかし憲法を改正することは極めて現実的に難しいという中で、具体的にこの判決を踏まえた改正を我々も努力してやっていかなければならないと思いますが、先ほどの提案者一川先生の御答弁ですと、どうも昨日の野田総理の、身を切る改革をやりましょう、必ずやりますよ、どうですか、それを約束してくれたら解散しましょうという、あの威勢のいい大見えを切った野田総理のお話とちょっと立場が違うんじゃないかなと。
 一方で、昨日、党首討論という場で、さもこの議員定数を削減することが、実際には〇増五減という案が回ってくるようですけれども、衆議院の方は、何かさもそれをやったかのような、あるいはやるかのような、そういうことを大きな声でおっしゃったけれども、それは単なるパフォーマンスにすぎないのではないかというふうに、先ほどの御答弁を聞きますとそのように感じますけど、そうじゃないんですか。端的にお答えください。
#18
○委員以外の議員(一川保夫君) 先ほども触れておりますように、私たちは定数削減問題を諦めてしまったということでは決してございません。
 例えば、衆議院と参議院、それぞれ国会議員を選ぶという制度ですから、一方で参議院だけが先行して定数問題に決着を付けてしまうというのはやや行き過ぎかなという感じは持っておりました。そういう面では、衆議院のいろんな動きを見定めて最終的に判断すればいいところもあるというふうに私も思いますし、また、一方では参議院の今の現行の定数そのものが相当窮屈な状態にあることは、もう国会の運営を見ても大体分かると思いますし、一方では、最近のいろんな自然災害の発生等の現象を見ましても、人口が少ない大きな面積を有する県の課題というのはいろいろとあろうかと思います。
 そういうようなことも踏まえて、私たちは、この参議院の選挙制度というものは、もっとしっかりとした、いろんな各方面から議論をした上で定数問題を最終的に結論を出した方がよろしいんではないかなということで、定数削減を諦めたということでは一切ございません。
#19
○森ゆうこ君 そうはおっしゃいますけれども、やはり昨日の野田総理の、あの勢いのある、あたかもすぐさま定数を削減するかのように錯覚させるようなあの発言からは程遠いと言わざるを得ないと思います。
 消費税大増税を、我々が反対する中、民主党、自民党、公明党、三党談合で推し進めたのは皆さんですよ。で、身を切る改革をやらなきゃいけないと言っているのは皆さんですよ。何でそういう答弁なのかが私には分かりませんし、到底国民の理解は得られないと思います。
 また、今までの協議のやり方ではなかなか合意を得るのは難しい部分もございますので、一川座長がそのまま座長を続けられるのかどうかはちょっと分かりませんけれども、この協議の在り方についても今後改善していくことを提案して、私の質問を終わります。
#20
○井上哲士君 日本共産党の井上哲士です。
 まず、法案に入る前に今日の委員会の運営について申し上げたいんですが、一体どういう法案がどういう形で来るのか来ないかも分からないままに委員会が設定をされました。そして、結果としては、こういう異例の時間に質疑が行われております。あしたの朝の本会議に間に合わせるんだという話でありましたけれども、聞きますと、明日は本会議は二本立てになって、午後四時過ぎにもう一回行われると。それは、幾つかの委員会で、衆議院、参議院で一気に法案を通してしまうという前代未聞のことが行われる結果、そういうことになっております。
 私は、とにかく三党で決めれば何でもやるというやり方、もう三党談合というよりも翼賛に近いと思います。こういう形で国会運営が行われ、本委員会も行われることについて、まず抗議をしたいと思います。
 その上で、法案でありますが、前国会でも質疑をいたしました。その際、我が党は、この法案は投票価値の平等という憲法上の要請にこたえていないということで反対をし、次期選挙から抜本改正の下でやるべきだということも主張をいたしました。その後、今もありましたけれども、平成二十二年の参議院選挙について、違憲状態という踏み込んだ最高裁の判決がありました。あの平成十九年選挙に対する判決は、なお大きな不平等が存する状態ということにとどまったわけですから、大変重大な、踏み込んだ判決だったわけであります。私は、この判決は、この間の選挙制度の協議会や国会での議論をよく読んだ上で、かみ合わせた議論を憲法の角度から判決がしているというのは非常に重大だと思うんですね。
 そこで、幾つか述べられている点について提案者の見解をお聞きしたいわけですが、一つは、参議院には独自性がある、いろんな特殊性があるので一定の較差は許容されているという議論が幾つかございました。これに対して、この判決、多数意見は、二院制を憲法が採用しているについて、それぞれの議院に特色のある機能を発揮させるということはあるんだということを述べた上で、しかし今、衆参の選挙制度が比較的同質的になっている、それから、衆議院では選挙区間の人口較差を二倍未満にするということになっている、さらには、急速に変化する社会情勢の下で、議員の長い任期を背景に国政の運営における参議院の役割はこれまでに増して大きくなっているということを挙げて、憲法上の要請、そしてこうした参議院の役割に照らした場合に、衆議院と比べて、つまり二倍以内でやっている衆議院と比べて参議院の投票価値の平等の要請が後退してよいと解すべき理由は見出し難いと、こう言っております。
 まず、この点についての提案者の見解をお聞きしたいと思います。
#21
○委員以外の議員(一川保夫君) 先生今御指摘のように、昭和五十八年の最高裁の判決というのがございました。このときは、参議院の選挙制度についてもある程度そういう裁量の幅があるというような趣旨の中で、都道府県別の代表のその意義というものについてもある程度触れられていたような気がいたします。
 今回の判決は、確かに先生おっしゃったように相当厳しいものがあるというふうに我々も認識をいたしております。ですから、この辺りをこれから選挙制度にどういうふうに反映していくかというのは重要な課題であろうというふうに我々も問題意識は持っております。
 ただ、その一方で、憲法四十三条の全国民を代表する選挙された議員によって云々というような表現がありますけれども、我々のこの一票の較差という議論は、先ほどちょっと触れましたように、裏では非常に地域間の較差が助長しているのが今日の状況です。
 こういう中にあって、本当に人口の単純比例的な考え方のみでこの選挙制度を考えていけばいいのかどうかというところは、やはり立法府としてもっと議論してもよろしいんではないかなというふうに我々は思っておりますし、これから抜本改革の中ではそういうことも含めて議論をしながら最終的な改革案を取りまとめた方がいいんではないかなと。それはもちろん、今の一票の較差の問題というのは一番重要な課題であることは間違いありませんけれども、参議院の在り方、そういったことも含めてしっかりと議論をする必要があるんではないかなというふうに私は思っております。
#22
○井上哲士君 私は、衆議院は二倍以内でやっているのに参議院はそれ以上が許容されるという議論は、それがよいという理由は見出し難いと最高裁判決が言っていることについての答弁を求めたんですが、まあよろしいです。
 今の答弁もありますし、先ほどの世耕提案者のもあったんですが、少なくともこの判決は、投票価値の平等を唯一の基準にするべきだなんてちっとも言っていないんですよ。
 よく読んでいただきたいんですが、例えばこの多数意見は、憲法は、投票価値の平等を要求していると解されると。しかしながら、その裁量については国会に委ねるとした上で、投票価値の平等は、選挙制度の仕組みを決定する唯一絶対の基準となるものではなく、国会が正当に考慮することができる他の政策的目的ないし理由との関連において調和的に実現されるべきものであると、これは認めているんです。そして、参議院が当初の段階からこの都道府県を選挙区単位にしてきたことについては、これは、制定当時においてこれは合理的なものであったということは言っているんですよ。しかし、その後、人口のいろんな集中の中で、これだけの大きな拡大になった場合にこれを放置することは、もはや憲法上は許されないと。ですから、そういうことを認めた上で最高裁は言っております。しかも、その上で、今やもう都道府県単位の選挙制度に固執していたらこの著しい不平等状態を解消できないと、だからここに踏み込むべきだということを順序立てて改めてこの判決は言っているわけです。そのことについてはどうお考えでしょうか。
#23
○委員以外の議員(世耕弘成君) 私も判決はかなりつぶさに読ませていただいております。そういう意味では、一定の国会の裁量権は認められているというふうに思います。
 ただ一方で、これは少し個人的な考え、感想になりますが、判決の中で都道府県を単位としているやり方がもう改めるべきだとまで書かれていますが、必ずしもそうではないと思いますね、較差を是正するという意味においても。これは本当に頭の体操ですけれども、例えば比例をなくしてしまってその人数を選挙区に配分したら、もっと較差を抑えることはできるわけですね。ですから、ここまで都道府県をいきなり否定をするというところまでは私はいきなり行くべきではないんではないかと思っています。
 もう一つは、我々はやっぱり反省すべきは、今まで井上議員がおっしゃったように数合わせで調整をずっとやってきました。最高裁は判決という形で意思を表明されたわけですから、我々も是非、立法という形で意思をきっちり表明すべきだと思います。参議院というのはこういう院なんだ、こういう特徴を持っているんだ、そしてそれを実現するために選挙制度はこういうふうにしているんだと。そんな中で、例えば地域代表とか職能代表というのを明確に法律の中でうたっていくというのも一つの立法府としての姿勢ではないかと思っていまして、我が党は平成二十八年度の抜本改革に向けてそういう考え方も表明をしていきたいというふうに思っております。
#24
○井上哲士君 この判決の中では、全国選出議員ということがやっぱり参議院の独自性ということで認識をした上で、先ほど言ったようなことが書かれているわけでありますが、やはり憲法上の価値というのは投票価値の平等だということが大前提なんですね。その上で、もはや裁量権を越えていると、こういう判断をしていることを私は重く受け止めなくてはならないということを強調しておきたいと思います。
 その上で、我々議論をしてきた西岡前議長の試案というのは、つまり総定数、全国比例定数は維持をして、現行の都道府県別選挙をブロックごとにするというこの案というのは、今回の最高裁判決の考えにかなった一つの案だと私たちは思っております。結局、協議会での議論では民主、自民両党とも都道府県単位の選挙制度というものに固執をされましたので、最初からそういうことでしたから、ずっと平行線になったということでありました。
 私は、改めてこの案、こういう考え方についても、西岡試案で示された、これについても今後しっかり改めて議論をすべきだと考えておりますが、その点はいかがでしょうか。
#25
○委員以外の議員(一川保夫君) 西岡案というものについては、我々もこの協議会の場でいろいろと話題になっておったのは事実でございますし、私たちがこれからの抜本改革を目指すという中では、特定の案にこだわっているというような表現はしておりません。
 そういう面では、この西岡案も一つの案としてこれからの検討対象の中に入れて議論をするということは一向に差し支えないというふうに思っておりますし、予見を持たないで幅広くいろんな考え方をお互いに交換しながらより良いものを探っていくということになろうというふうに思っております。
#26
○井上哲士君 先ほども少し附則のことが議論になっておりましたけど、参議院議長が国会運営のことで各会派と個別会談をされた際に、この最高裁判決を受けて、今回の法案、成立をした上で通常国会においてこの附則により踏み込んだ抜本改正の方向を書き加えるというようなことも考えられるのではないかと、必要ではないかと、こういう認識を示されましたけれども、これについて、それぞれ提案者から御見解を伺いたいと思います。
#27
○委員以外の議員(一川保夫君) 私自身は平田議長から直接今のようなお話は聞いておりませんけれども、ただ、十月十七日の最高裁の判決は大変重要であり、重いものがあるということについては意見交換をさせていただきました。
 ですから、今議長の下にあるその検討会並びに選挙制度協議会の下で引き続きしっかりと議論をしてほしいと。ですから、私たちもそういう判決の趣旨をしっかりととらまえて、そういう面では議長のいろんな御期待に沿えるような、そういう真摯な議論をしっかりと重ねていくと。そういう中で、二十八年の通常選挙に間に合うように、しっかりとした抜本改革をつくり上げるということが大きな課題ではないかというふうに思っております。
#28
○委員以外の議員(世耕弘成君) やはり附則にある一定の方向性を盛り込めなかったということは、これは井上議員も参加をされていましたから、あの各党協議会がそこまで議論が収れんをしていなかったということだというふうに思います。
 ただ、我々としては思いを込めて、附則で二十八年選挙までに結論を得るということを明確にいたしました。もうこれがきっちり踏み込んだということだと思います。我々は、二十八年選挙に向けて抜本改革を絶対にやらなければいけないという法律になっているというふうに思っております。
#29
○井上哲士君 我々は、この改正案では違憲判決も出かねないという警告をしてまいりました。今回の判決はもうぎりぎり寸止めで違憲状態という判決だったわけでありますけれども、憲法の立場からの司法のこうした言わば警告というんでしょうか、ということに対して私は本当に真摯に正面から受け止めた抜本改正をするべきだと、そのことを改めて強く申し上げまして、質問を終わります。
 ありがとうございました。
#30
○委員長(轟木利治君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 これより討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
#31
○森ゆうこ君 国民の生活が第一の森ゆうこです。
 会派を代表して、公職選挙法の一部を改正する法案に対し、反対の討論をいたします。
 反対の第一の理由は、さきの通常国会でも我が会派の中村委員が討論の中で述べたように、本法案が抜本改革から程遠い内容だからです。
 消費大増税法案の成立を民主党、自民党、公明党、三党談合で強行しておきながら、身を切る改革は全く行われておりません。議員定数の削減も行わず、一票の較差も四・七五倍にとどまる内容となっています。
 しかも、参議院で本法案が可決した後、十月十七日には最高裁大法廷判決が出されました。選挙無効の請求は退けたものの、違憲の問題が生ずる程度の投票価値の著しい不平等状態が生じている、違憲状態とする厳しい判決が出たにもかかわらず、それを省みることもなく漫然とこの法案を採決することは、とても参議院として司法の判断を重く受け止めるとは言えないのではないでしょうか。少なくとも、質疑や討論によって、違憲状態という司法の判断を院としてどのように受け止めているのか、明らかにする必要があります。
 しかし、先ほど開催された参議院議運理事会において、明日予定されている本会議で我が会派は反対討論を要求しましたが、却下されました。民主党、自民党、公明党、三党で合意すれば何でもできる、そして言論の府において討論さえ認めない、これは私は大変恐ろしいことだというふうに改めて警鐘を鳴らしたいというふうに思います。
 そもそも、民主主義の根幹である選挙制度改革法案は、各党各会派の合意の下、慎重に審議されるべきところ、ろくに質問通告もできない中で強行するということが許されていいわけがありません。
 以上、反対の理由の一端を申し上げましたが、消費税増税法案を民主党、自民党、公明党の三党談合で推し進め、さらには選挙制度改革法案の審議も同様に強行することに改めて抗議をして、私の反対討論といたします。
#32
○委員長(轟木利治君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。
 これより採決に入ります。
 公職選挙法の一部を改正する法律案に賛成の方の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#33
○委員長(轟木利治君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#34
○委員長(轟木利治君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#35
○委員長(轟木利治君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、中西健治君が委員を辞任され、その補欠として水野賢一君が選任されました。
    ─────────────
#36
○委員長(轟木利治君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 衆議院小選挙区選出議員の選挙区間における人口較差を緊急に是正するための公職選挙法及び衆議院議員選挙区画定審議会設置法の一部を改正する法律案の審査のため、必要に応じ政府参考人の出席を求めることとし、その手続につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#37
○委員長(轟木利治君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。
    ─────────────
#38
○委員長(轟木利治君) 衆議院小選挙区選出議員の選挙区間における人口較差を緊急に是正するための公職選挙法及び衆議院議員選挙区画定審議会設置法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 発議者衆議院議員細田博之君から趣旨説明を聴取いたします。衆議院議員細田博之君。
#39
○衆議院議員(細田博之君) ただいま議題となりました衆議院小選挙区選出議員の選挙区間における人口較差を緊急に是正するための公職選挙法及び衆議院議員選挙区画定審議会設置法の一部を改正する法律案、いわゆる緊急是正法案につきまして、自由民主党・無所属の会を代表いたしまして、その趣旨及び内容を御説明申し上げます。
 まず、本法律案の趣旨について申し上げます。
 我々は、昨年三月、現行の一人別枠方式及びそれに基づく選挙区間較差二・三〇四倍を違憲状態とし、できるだけ速やかな一人別枠方式の廃止、区割り規定の改正という立法措置にまで言及した最高裁大法廷判決について、真摯にこたえることが立法府の権威を保持することであると認識しております。
 今回の緊急是正法は、このような認識の下、現行の衆議院小選挙区選出議員の選挙区の改定案の作成に当たり、各選挙区間における人口較差を緊急に是正し、違憲状態を早期に解消するため、公職選挙法及び衆議院議員選挙区画定審議会設置法の一部を改正しようとするものであります。
 次に、本法律案の主な内容につきまして、その概要を御説明申し上げます。
 第一に、この法律の趣旨についてでありますが、今述べましたとおり、衆議院の小選挙区をめぐる現状に鑑み、平成二十二年の国勢調査の結果に基づく衆議院小選挙区の改定案、以下、今次の改定案と言いますが、その作成に当たり、各小選挙区間における人口較差を緊急に是正するため、公職選挙法及び衆議院議員選挙区画定審議会設置法の一部改正について定めるものであります。
 第二に、公職選挙法の一部改正についてでありますが、まず、衆議院議員の定数を現行の四百八十人から四百七十五人とし、そのうち小選挙区選出議員の定数を現行の三百人から二百九十五人に改めることといたしております。また、衆議院の小選挙区の区割りは別に法律で定めることといたしております。
 第三に、衆議院議員選挙区画定審議会設置法の一部改正についてでありますが、各都道府県の区域内の衆議院小選挙区の数について、一人別枠方式を廃止することといたしております。
 第四に、今次の改定案の作成基準及び勧告期限等の特例についてでありますが、まず、衆議院議員選挙区画定審議会、いわゆる区画審の行う今次の改定案の作成に当たっては、各都道府県の区域内の衆議院小選挙区の数は本法の附則別表で定める数といたしております。具体的には、議員一人当たりの人口の少ない、言い換えれば一票の価値の高い、高知、徳島、福井、佐賀、山梨の上位五県について、それぞれ一減いたしております。
 次に、区画審の行う今次の改定案の作成基準の特例について定めております。
 その一つ目の基準として、各小選挙区の人口は、人口の最も少ない都道府県の区域内における人口の最も少ない小選挙区の人口以上であって、かつ、当該人口の二倍未満であること、すなわち、選挙区間較差二倍未満ということを法律上明記いたしております。
 二つ目の基準として、小選挙区の改定案の作成は、人口の最も少ない都道府県の区域内の選挙区、県別定数が減少する県の区域内の選挙区、さきに述べた較差二倍未満の基準に適合しない選挙区及び較差二倍未満の基準に適合しない選挙区を較差二倍未満とするために必要な範囲で行う改定に伴い改定すべきこととなる選挙区についてのみ行うこと等としております。
 ちょっと補足して申しますと、本法案は、緊急是正のために、市町村合併の影響の調整は基本的には行わない、あるいは必要な改定は隣接選挙区に限るなど、必要最小限の改定にとどめるという考え方に立っております。
 次に、区画審の行う今次の改定案に係る勧告は、この法律の施行の日から六月以内においてできるだけ速やかに行うことといたしております。
 最後に、政府は、今次の改定案に係る勧告があったときは、当該勧告に基づき、速やかに法制上の措置を講ずることといたしております。
 第五に、施行期日等についてでありますが、この法律は公布の日から施行することといたしております。ただし、公職選挙法の一部改正は、具体的な小選挙区を定める、いわゆる区割り法の施行の日から施行することとしております。
 その他、所要の規定の整備を行うこととしております。
 以上が本法律案の趣旨及び主な内容であります。
 何とぞ、御審議の上、御賛同賜りますようお願い申し上げます。
 以上であります。
#40
○委員長(轟木利治君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
 これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#41
○森ゆうこ君 先ほどの参議院四増四減法案に引き続いて質問をさせていただきたいと思います。
 まず、この委員会の進め方について改めて申し上げますが、先ほどまで、どの法案をこの場で審議することになるのかということすら決定しておりませんでした。また、衆議院の本会議が終わってすぐさま開会されたことから、先ほどの理事会では、お話のありました政府参考人のリストさえでき上がっていない中で理事会が開催されるという大変異常な状態であったということでございます。もう、大先輩ですから、私が偉そうに言うことではないんですけれども、これは、選挙制度というのは民主主義の根幹であります。その法案がこのような異常な状況の中で審議し採決されなければならないということについて、まず法案提出者としていかにお考えか、その御意見をお聞きしたいと思います。
#42
○衆議院議員(細田博之君) 最高裁判所の判決、違憲判決が出たのは昨年の春でございます。その後、私どもは、これは至急に較差是正を図って最高裁判決に沿う制度にしなければならないということで検討を始めまして、既にもう昨年春には案を作りまして、それを各党に提案をいたしました。
 そして、でき得れば、できるだけ早くこの違憲状態解消のための較差是正の法案を通し、しかもこの法案は二段階制度になっておりますので、〇増五減というのは、まずどこをどうするという基本がある。そうすると、画定審議会で区割りを検討することになっており、一定期間掛かるわけです。県の意向とかをいろいろ聞いて、有識者が考えまして、そしてそれを具体的に実行するときには、例えば高知を二区にするなら、一区がどの市町村の範囲、二区がどの市町村の範囲ということをまた、法別表で、法律として出すわけでございます。それで、その二段目の法律が通って初めて有効になるわけですから、時間が掛かることは最初から分かっておりまして、まずは〇増五減でどうだろうかという提案をしたわけです。もちろん、例えば民主党さんの中では二十一増二十一減という案も検討されたとか、五増九減とか六増六減とか、石井先生もおられますけれども、いろんな案が出て議論されました。
 しかし、なかなか結論が出なくて、かつ、〇増五減でいいと言った後も、各党で協議をしたときに、比例定数も併せて同時にやらなきゃいけないという、そういう議論になりましてどんどんどんどん時間が経過してしまったわけでございますので、立法のこの提案者としては大変残念な経緯がございますが、いよいよ解散だということになって、さすがに総理大臣も、あるいは我々衆議院議員も、これでは国会が裁判所に対して違憲状態も解消しなかったのかということになって、これではよろしくないということで、まさにこの一両日でばたばたとその審議が進んで、法案の審議が進んだということは私としても甚だ遺憾でございますので、森議員と同じような感じは持っておりますが、しかし何もしないでこのまま解散を迎えて、違憲であると、状態は解消しないというようなことは国会の醜態をさらすことになるので、そうではなく、ここまでは検討をして、国会の意思としてこの較差是正を図ったと、これを示すことには意義はあるものだと考えております。
 以上です。
#43
○森ゆうこ君 ただ、この最高裁の大法廷判決が出されたのは、今ほどもお話がございましたように、昨年、平成二十三年の三月二十三日であります。参議院の問題についても、実は十月十七日に違憲状態という判決が出されたところでございまして、これを我々は本当に重く受け止めなければならないと、至急、その是正をしなければならない、改革をしなければならないということですが、しかしこれ、一年半たっているわけですね。一年半たっているのに、もうぎりぎりになってようやく、確かに〇増五減ということで体裁は整ったわけでございますけれども、しかし、新しい区割りで選挙をするわけではありません。
 結局、新しい区割りで選挙されないことによって選挙の結果が、選挙無効である、違憲である、憲法に違反している、選挙が無効であるというふうに判断される可能性が非常に高いというふうに既に指摘されておりますけれども、これについてはどのような見解をお持ちでしょうか。
#44
○衆議院議員(細田博之君) おっしゃるような事態を回避するために早期に対応すべきであるということで提案をしてきたわけでございますが、今日までになってしまったと。そうなりますと、もう近々解散・総選挙ということになると、事実上、最高裁の要請にはこたえていないということですから、もし訴訟が起これば、やはり違憲状態であると、そこまでは判決が出る可能性が非常に大きいと思います。
 我々、国会、衆参両院も含めた国会としては、ここまでは努力し、合意をして、この法案の一部、全体ではなくて一部、部分でございますけれども、これが成立したということをもって国会の意思を示すと。
 しかしながら、これが解散権、総理の解散権を制約するのかという解釈論は昔からございますけれども、そこまでは制約はしないと。しかし、違憲状態だと指摘されてそれを直さないのは立法府としては極めて問題があるということについては、森議員と認識を一にしているわけでございます。
#45
○森ゆうこ君 それは先ほどもうお聞きしましたけれども、そうじゃなくて、今回は新しい区割りでやられないということで、これは違憲状態というのはもう既に違憲状態なわけで。ただ、新しい区割りで選挙を、来月、十二月十六日投開票の衆議院総選挙が新しい区割りで行われないということで、その選挙の結果が無効であると、無効であるという判断が下される可能性が極めて高いというふうにもう既に多くの専門家から指摘されているわけでございます。
 今の、少なくともその違憲状態というところを脱するという、その意思を示すというところが分かったんですけれども、しかし、選挙無効というふうに裁判が起こされた場合に軒並みそういう状況が出る可能性はあると強く指摘されているわけですので、そこについてもう少し踏み込んだ御答弁をいただきたいというふうに思うんですけれども、この選挙無効になるという可能性、この点についてはいかがでしょうか。
#46
○衆議院議員(細田博之君) 過去にも、中選挙区の時代にも、選挙区間較差、人口較差というのは、三倍、四倍、五倍と、戦後の人口の都市集中化によりまして、そして地方の過疎化によりまして拡大いたしました。奄美大島の復帰などで非常に人口の少ない選挙区もあって、最高裁はずっと三倍、四倍は違憲であるということを繰り返してきたわけでございます。それで、昨年は二倍と。
 そのときの、過去の例でございますが、解散・総選挙というのは国の政治にかかわる本当の根幹の行為でございますので、そこに裁判所がこの選挙は無効であるというところまで判断して、したがって選挙をもう一度やり直せ、これでは議員の資格がないとか、そういうことまで判断するかどうかということですが、過去の傾向からいうと、そこまではなかなか判断をされるということは可能性としては低いと思います。
 しかし、それは司法側の判断の問題ですから、国会の方でこれだけなかなか較差是正もしないでおいて、そうならないだろうというようなことを私が勝手に申し上げるわけにいきませんが、やはりそれは望ましいことではない。しかし、国政選挙がもう行われるわけですから、それでもう無効になって選挙を全てやり直せとか、較差の大きいところの選挙区は、あなたは当選したように思っているかもしれないけど選挙は無効で議員の資格がないと、そこまで言われるような判決が出るかどうかについては、まだこれからの司法の判断を待たなきゃならない。しかし、こういう状態になったことは大変遺憾であると思います。
#47
○森ゆうこ君 どのような結果が、判断がされるかは分かりませんけれども、極めて大変な状況であるということは、我々も、また参議院の方も、しっかりとそのことを見て対応しなければならないというふうに思います。
 そこで、昨日の党首討論の中で、とにかく身を切る改革だともう野田総理がおっしゃって、そして自民党さんも賛成してくれますねと、その身を切る改革を必ず次の通常国会でやることを約束してくれますねということで、またそれを、その後、党首討論が終わったその後、自民党として受けられて、この解散・総選挙ということになったわけですけれども、ただ、身を切る改革を必ずやりますねとあそこで総理が大見えを切り、また安倍総裁がそういうふうに約束したからといって、本当に選挙の後、来年の通常国会で身を切る改革というのは具体的に実行されるんでしょうか。
#48
○衆議院議員(細田博之君) 昨日の党首討論の内容自体は極めて重いと考えております。
 そして、定数削減の問題は、特に民主党さんがいわゆるマニフェストにおいて比例を中心に八十議席を削減するという公約を出されたところから始まりました。
 そして、できるだけそれに近い身を切る議員定数の削減が望ましいということで各党の協議が衆議院側で行われまして、全党が参加しているわけでございますが、例えば比例定数の削減というのは、これからもそういう政党からの御質問があるいはあるんじゃないかと思いますが、衆議院でもございました。少数政党というのは小選挙区の下では大変不利である、二大政党にとって有利な制度になっておるんで、比例というのは少数政党にとっては命綱である、これを単純に削減すると言われても、それは少数政党の議席を減らすのみであって、これは選挙の本旨には合わないのであるということで、もう極めて強い反発があって難航したわけですね。それが今日まで議論が遅れた主因であるわけでございます。
 何とかいい案がないか、連用制はどうか、少数政党を少し配分できるような案がないかとか、いろんな提案がありましたけれども、そこが一番山でございまして、自民党も国会議員の定数は削減すべきであるという公約を出したことは当然ありますし、これからも出していくと思います。
 したがって、昨日の党首討論は、民主党と自民党の党首の間では、そうですねと、早く検討を開始して実現しましょうというところまで来ましたが、その議論というのは、国会における民主主義、各党の議席というものが民意を反映した議席となっているということに照らして、それが正しく制度に反映して議員定数が減らせるかどうかという今後の議論に懸かっているという点で、これまでも半年以上議論してきたんですが、そこのところが一番難しい。
 それにしましても、これは党首間でもはっきりと方向については合意しておりますので、できる限り合意を得たい、それも、両党で合意をして押し切るというのではなくて、全党も納得し得るような内容で実現していくことが民主主義のルール上は望ましいと、こう考えております。
#49
○森ゆうこ君 極めて、何といいますか、先生のお話は正しいなと思う一方、昨日のじゃ議論は一体何だったのと、国民の皆さんが今お聞きになったらそう思うと思うんですよ。
 つまり、ちょっと簡単に言っていただきたいんですが、昨日、野田総理は、身を切る改革を必ずやりましょう、それを自民党が約束してくれたら解散しますというふうに言って、それを安倍さんがオーケーと言ったわけですけれども、つまり、簡単に言いますと、別に昨日のは単なるお二人の、何と言ったらいいんでしょうね、よくできたシナリオだったなというふうに私は感じましたけれども。要は、昨日はああいうふうな感じで盛り上がりましたが、通常国会で必ず身を切る改革を自民党と民主党が率先して、各会派、各党を説得してそれを必ず実現させるんだ、身を切る改革を必ずやるんだ、定数の削減をやるんだということではないというふうに、今の御説明を聞くとそういうふうに思ったんですけど、そういうことですよね。
#50
○衆議院議員(細田博之君) いや、ちょっと違いまして、民主党代表でもある野田総理とそれから私どもの安倍総裁の間では、できるだけ合意を形成すべく次の通常国会の間に定数削減を実現していこうと、そのために協力しようということは合意したと。そして、それまでの間は、この度も別途お願いしております議員歳費の削減をしようじゃないかと。これの方はもう法案が衆議院は通ったわけでございますが。そういう御提案に沿った中身でこれからは考えていくというのが我が党の方針でございます。
#51
○森ゆうこ君 私どもは、衆議院で〇九年のマニフェストにうたいました八十削減の案を提出をいたしましたけれども、残念ながら委員会で審議をしていただくことはできませんでした。
 申し訳ないんですけれども、先ほども参議院の法案の方で申し上げたんですが、このデフレの状況の中で、しかも、更に世界的にも経済が悪化するようなこの状況の中で、国民に消費大増税を三党合意で推し進めて、そして押し付けた、それを推し進めてきたのは民主党、そして自民党、公明党の三党です。その三党の皆さんがあたかも身を切る改革を何かいかにもやりました、あるいは必ずやりますというような感じで、そして現実にはぎりぎり最高裁の判決で指摘された違憲状態を取りあえずは法律上脱するというようなことで、実際にはその状態を脱した新しい区画ではその選挙は行われないという、そのような中途半端な形でしか実際には行っていないということは、私は極めて国民に対してその責任を果たしていないということを改めて指摘させていただきたいと思います。
 国民に対して、本来、まずはシロアリ退治を行うと言っていた民主党があのとおりですし、自民党さんも増税増税ということで一緒になって推し進めてきたわけですから、少なくとも定数削減について具体的に必ずやると、あるいはやるめどを付けて、それから解散をするべきではなかったかということを申し上げまして、私の質問を終わります。
#52
○小野次郎君 みんなの党の小野次郎です。
 今回の法案が各選挙区間における人口較差を緊急に是正し、違憲状態を早期に解消するためのものであるという趣旨は私たちも理解しておりますが、確認の意味を込めて何問か提案者に質問したいと思います。
 一問目は、自民党の法案発議者は、衆議院選挙制度改革各党協議会で二段階方式を主張されて、まず一票の較差是正を先行させて、その後抜本改革と定数是正を行うとしてきましたけれども、この法案のどこを見ても今後の抜本改革等については触れてないんですけれども、なぜなんでしょうか。
#53
○衆議院議員(細田博之君) 今後の抜本改革というときに大きく議論されたのは、まず少数政党からはそもそも今の小選挙区比例代表並立制をやめたらどうかという説もかなり強かったわけでございます。
 つまり、本来、これは大政党に有利な制度であって、小政党は三百の小選挙区でも、有名な党の代表とかそういう人は別として、十人ぐらいしか当選していないわけです。二百九十が民主党と自民党なわけです、まあ多い少ないは時の選挙によって変わりますけれども。それで、あとは比例の代表として少数政党が代表を送ることができるということで、この制度は極めて少数政党にとって不利な制度ではないかという問題提起から始まりますから。そして、十党も、最近は十五党ぐらいあるわけでございますが、多くの政党が参加しておりますと、これはやっぱり単純な比例定数の削減をすればますます民意の反映が乏しくなっていくではないかという議論がありまして、他方、議員定数は少なくしろと。
 だから、理想論でいえば、小選挙区の議員定数も大きく削減し、そして比例制度の定数も大きく削減するということが望ましいということも言えるわけでございますが、なかなかそういかないと。
 そこで、まずは最高裁判決に見合って違憲状態は脱しましたということをまずやりましょうと、第一段階に、そして、第二段階は定数削減をどのように全党にとって平等に、あるいはみんなが満足するようにできるかを検討しましょうというふうにして各党協議会が始まったんですが、そこでもう議論は拡散してしまったために今日までその両方が達成するというようなことができない状態になってしまった。
 そこで、ここまでぎりぎり来ましたので、取りあえずは最高裁判決にあった較差是正、憲法十四条の法の下の平等に基づく最高裁の要請は較差でございますから、定数ではないわけでございますから、較差の方をまず対応しようということになったと。これはやむを得ざる経緯であるということでございまして、それは民主党や自民党だけの責任ではなくて、各党がそれぞれに主張をした結果なかなかまとまっていないと、こういうことでございます。
#54
○小野次郎君 私が聞いているのは、今後の抜本改革等について触れていないと、そもそも。今のお話は、まとまらなかったというのは現実ですから分かりますけれども、それを触れていないのはなぜかということをお聞きしたんですが。
 同じような疑問を、昨日の党首討論のやり取り、その後の自民党の対応を見ても感じるんですね。党首討論の場で野田総理の方が来年通常国会までの定数削減と言ったときに、自民党さんはその後、責任ある幹部会というんですかね、何か名称は分かりません、そこの場で協力することを決めたそうですけれども、そのことはどこにこの法律の中で担保されているのか、なぜ法案修正をして明記しないのか、お伺いします。
#55
○衆議院議員(細田博之君) これは、内容的には党首討論の結果は合意したわけでございますが、それを今条文で書くということがなかなか技術的にも難しいのと、内容まで踏み込まないと書けないものですから、これはやはり今後の通常国会に向かっての総選挙後の各党の議論に委ねざるを得ないということで、言わば公党間の合意ということで法文上の表現にはどうしてもならなかったということでございます。しかしながら、昨日の党首討論の線に沿いながら、できるだけ早く各党で抜本改革いかにあるべきかということも含めまして議論を始めるべきであると思っておりますし、各党からも当然そういう提案が出ると思います。
 抜本改革というときに、そもそも今の小選挙区比例代表制度そのものから別の制度に持っていけと、中選挙区にしろという人もありますし、別の比例制度にしろという政党もありますし、非常に多岐にわたっておりますし、衆議院と参議院の制度をどうするかという問題を提起する人もおりますし、これから大きな努力をして、できるだけ抜本改革、そして民主主義として理想的な選挙制度に持っていく努力をすべきであると考えております。
#56
○小野次郎君 法案に何らかの形で触れていれば各党で議論できるわけですけれども、今も公党間の合意というお話をされましたが、民主主義の根本にかかわる問題で、こうした重要なことについて、またしても国会の外で三党合意で進めるおつもりなんですか。
#57
○衆議院議員(細田博之君) 衆議院においては、参議院においてもそうであったと思いますが、もう今や、去年の秋から始めた、政党数でいうと最後の段階では十以上の政党が参加して、平等な立場で絶えず発言をして、自分の党はこういう選挙制度を選ぶべきであると、抜本的に完全比例制にしろとか、個々には具体的に言いませんけれども、そういう議論の場ができております。各党協議会で各党から責任者が出て議論の場がありますから。ただ、その場ではまとまらなかったので、当然ながら、この場をさらに総選挙後に設置して、そこでまた検討を開始するということになろうかと思います。
#58
○小野次郎君 ちょっと一つ定数削減についての考えを伺っておきたいんですけれども、自民党は議員の一割削減をマニフェストで掲げていますけれども、小選挙区は今回の五減で終了して、残りは比例代表部分でというお考えなのか、あるいは、今後の定数削減議論において小選挙区制の抜本的な見直しに伴う定数削減も視野に入れてお考えなのか、お伺いしたいと思います。
#59
○衆議院議員(細田博之君) そこが難しいところでございまして、小選挙区というのは、それぞれ今三百の小選挙区でそれぞれの当選者があり、そして各党が候補を出しております。これを幾つ減らすかと。減らすということはその選挙区を合併していかなきゃならないわけですから、三百を百五十にしろということになれば、その全部を倍の選挙区にしなきゃならないわけですね。
 それが非常になかなか難しい面もあるというのは直感的にお分かりになると思うんですが、じゃ、次に減らすということになれば、当然、比例定数を減らすということになります。したがって、民主党のマニフェストは、じゃ、定数を減らすためにはまず比例定数八十減、これがちょうどいいじゃないかと。これは考え方としてはもちろん分かるわけでございますが、そうなった瞬間に支持率が五%、一〇%、一五%の政党はその比例では当選者数はその割合で下がってくることは明らかであります。
 したがって、そうなったときに、じゃ、少数政党が損をしないために何らかのいい考えがないかと。民主党からは何か連用制というような仕組みが出されたわけでございますが、そのほかに、そういう民主主義の範囲でひずみを大きくしないための制度が何かということが、議論はされたわけでございますが、どうしてもそれが合意しなかったと。だから、そういう知恵を出していかないと民主主義を反映した議会の選挙制度というのはなかなかできにくいことは事実でございますので、更なる知恵を出すべきであると思っております。
#60
○小野次郎君 抜本改革に当たっては、さっき細田議員自身もお触れになったかもしれませんけれども、二つの院の役割を勘案しながら、参議院の選挙制度の抜本改革とも平仄を合わせて考えるべきじゃないかというお考えはお持ちじゃないでしょうか。
#61
○衆議院議員(細田博之君) 二院制を憲法で取ってもう久しいわけでございますし、それぞれの選挙制度が違っておりまして、しかし、小選挙区制と比例制度という、ブロック比例という衆議院と、全国比例と言わば中選挙区、県によって、小さい県は一人区でございますが、そういう制度が似ているではないかと、むしろその制度を調整して、我が自民党内にも、ねじれ国会その他の問題もあるので、どちらかをやめるというんじゃなくて、日本国として一院制をやった方がいいじゃないかと言う人もあります。しかし、それは小野議員がそうだとおっしゃっておられますが、そういう人もかなりおられるんです。しかし、他方、衆議院議員制度の小選挙区制度が良くなかったと、中選挙区制に戻して、昔のように、した方がいいじゃないかと言う人もありまして、これはもうこれから各党間で大いに議論をすべきであるとしか私はちょっと今の段階では申し上げることはできません。
#62
○小野次郎君 最後にどうしても一つ聞きたいことがありますけれども、昨日の党首討論をテレビでそこだけ見た国民の方に誤解を与えかねない部分があったと思うんですね。
 それは、定数削減、身を切る改革、みんなの党も身を切る改革はもう基本的に大賛成なんですね。ところが、昨日のやり取りの中では、何か安易なところから切る、切りやすいところから切るという議論になってしまって、それに抵抗している会派なり党派があるかのような想定で話を進められていたのが非常に心外だなと思っていましたけれども。
 昨日の党首討論でそういう誤解を与えかねなかったのは、定数削減とは比例代表部分の削減のことなのかということだと思うんですね。そこについてはもう一度やっぱり中小政党の一員として聞いておきたいことなので、あの議論を国民の皆さんが聞いているところでされたのでは、何かそういう比例からの削減に反対している党が身を切る改革に反対しているみたいに受け取られかねないので、そこだけは御認識をもう一遍聞いておきたいと思います。
#63
○衆議院議員(細田博之君) 昨日の党首討論の中で安倍総裁がちょっと口走ったというか述べられたことで大事なことは、選挙制度について民主党と自民党で党首の間で合意をして、そうだと言えば済む問題なのかと、議員定数の削減についても。そうではなくて、民主主義的に、あらゆる政党があって、しかも、今十五近い政党数があるようでございますが、そういう少数政党が多くなっているときに、単なる議員定数削減がいいのか、あるいはより民意を反映する制度がいいのかという根本論を議論しなきゃいけないし、少数政党の意見も聞かなきゃならない、それは尊重するのが民主主義ではないかという意味で総裁からは二党だけでは決められないでしょうとは言ったんですが、気迫のこもった御提案でございましたので、総裁としては、なるほど、それじゃ、もうこれから検討を始めましょう、それは合意しますよということは言ったわけでございますが、明らかに少数政党に不利なような制度で検討しましょうと言ったわけではない。しかし、議員定数を減らすということは方向としては悪いことじゃないから、その中でいい知恵を出しましょうと、こうやり取りをしたというふうに理解しております。
#64
○小野次郎君 細田議員はこういう選挙制度でもうかねてから御専門であられるし、また、当然安倍総裁にも強く認識やいろいろアドバイスできる見識をお持ちだと思いますので、昨日のやり取りは党首間のやり取りでもあり、またその後、公党間の合意ととらえることもできますけど、是非、定数削減を考える際には今お答えいただいたような認識をしっかりと踏まえて、決して身を切る改革が自動的に比例代表部分の削減ではないんだということを是非改革案を考える際にも通していただきたい、そのことをお願い申し上げて、私からの質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。
#65
○井上哲士君 日本共産党の井上哲士です。
 答弁の中で繰り返し、衆議院での政党間協議がずっと行われてきたというお話がありました。あの協議で重要なのは、民主党以外の党は現行小選挙区制度が民意をゆがめているという点で基本的同一の認識を表明をしたということだと思っております。提案者もあの協議の中で現行小選挙区制が大政党に有利であるという発言をされているとお聞きしておりますし、今年の一月の衆議院の代表質問の際に自民党の代表者は、小選挙区制が議席の多い政党にとって有利だと認識していると、こういうこともまさに代表質問で表明をされましたが、この認識については変わっていないということでよろしいでしょうか。
#66
○衆議院議員(細田博之君) これは遡ると、平成五年に大改革が行われました。これは、細川政権ができまして、そして今の中選挙区制はいかぬ、この選挙制度を変えないと、金の掛かる選挙、こういったものが直らないし、自民党が多数という時代がずっと続いてしまうんじゃないか、そのためには小選挙区制度を導入すべきであるということを強く細川連立政権七会派が主張して実現したわけです。
 そのときの趣旨は、やはり政権交代が可能になるような小選挙区制の方がいいということで、怒濤のごとくそのような議論が行われまして、当時、石井一議員はその選挙制度改革の特別委員長だったですよ。それで、七会派の代表は、どういうわけか与党七会派はみんな、これは小選挙区がいいんだと、小選挙区。私は当時質問をしまして、小選挙区制にすると少数政党は大変なことになるよと。例えば社会党の大臣、大丈夫かと。あなた方は小選挙区制の下で公認を得て、その小選挙区の東京何区では社会党公認だといってちゃんと出られるのかと、公明党さんどうだと、こういうことを具体的に聞いたんですね。
 しかし、当時の熱に浮かれて、みんな各党は、それでも政治改革をする必要があると、政党助成金を導入すると同時に、政権交代が容易になるような二大政党制ができるような選挙制度に改革すべきだということで現行制度ができてしまったわけですから、その趣旨から見れば、当然ながら大政党に有利な制度になってしまっているわけです。そのことについて、約十九年たちまして、しかも少数政党がどんどん増えていくような現状に鑑みて、どうもおかしいんじゃないかという声も大きくなっていると思うわけでございますけれどもね。
 ただ、じゃ、今の自民党のこの主張が今の制度に本当に根本的疑問を呈しているかというと、もう議員によってそれぞれ分かれております。やっぱり中選挙区に戻るべきだという人もあるし、小選挙区、今のままでいいという人もおりますし、これから各党も含めて議論をしていくべきであると。大政党に有利なのは結果であって、しかし、そのときの平成五年当時の政治改革はそれを選べということで七会派が主張してそうなってしまったと。まあこれは反省材料もあると思いますがね、今となっては。そういう経緯がございます。
#67
○井上哲士君 私、〇増五減先行というのは、やはりこの現行の小選挙区制度の固定化につながると思うんですね。今、この小選挙区制の導入の経過のお話がありまして、まさに二大政党制と一体でありました。しかし、本格的にこれが叫ばれたのは、実はやはり〇九年の政権交代の前の、いわゆる例えばマニフェスト選挙などとか言われたときでありました。
 そして、そうすれば政治が変わるということで一定の期待を集めまして、例えば〇九年の総選挙直後のNHKの世論調査では、二大政党の支持率の合計は六〇・九%です。しかし、直近の調査ではもう三七・七%ですね。そして、むしろ、おっしゃったように、政党は多党化をしております。
 ですから、二大政党制、これで政治変わるということ自体が私はもう民意から乖離をしていると思います。小政党に不利かどうかというよりも、やはり民意が反映をされないという状況に一番の問題があると思うんですね。今これだけ多様化した民意を無理やり選挙制度で二大政党の枠内に押し込めるということ自体が民意に逆行することになると私は思いますが、その点いかがでしょうか。
#68
○衆議院議員(細田博之君) 私は一長一短だと思いますね。例えば、もう三人区の中選挙区にして全部やれば、いろんな政党が、それぞれ強い人がそこで当選して、二党や三党で過半数を占められないような結果になる可能性もあると思うんですね。そのときは非常に政権が不安になり、政治が不安になって、むしろ何も決められないというおそれもあるわけですね。完全比例制ということを主張している政党もありますが、完全比例制にすると、ますますそういう状態になる可能性もなきにしもあらず。
 だから、どちらがいいかということは、小選挙区制にして十九年でこういう経験を得て、そしてその前には中選挙区制があった。じゃ、これからどういうふうにしたら本当に良くなるんだという議論をして、有識者の意見も聞いて、日本も今これだけ経験をしてきたので、客観的な議論を展開することは有意義であると思っております。
#69
○井上哲士君 多様な民意がある結果、多党化するんであって、私は、例えば、この間、衆議院で三分の二を超える与党が参議院でも過半数を握っていたという時期があります。そのときに本当に国民の期待にこたえる政治が行われたのかといえば、そうではないと思うんですね。ですから、何か多党化をすれば政治が不安定になってよくないというような議論は違うんではないかと思っております。
 先ほどもありましたけれども、昨日の党首討論などを通じて、民主、自民両党で次期国会での定数削減を確約をするという動きとなっておりますが、小選挙区部分の〇増五減を先行した上で定数削減ということになりますと、現行制度の中で民意を反映する部分である比例代表の削減ということにならざるを得ないのではないかという危惧を思うわけでありますが、そうなりますと、小選挙区制の持つ、民意をゆがめるという問題というのが一層拡大をすることになるのではないかと思いますが、その点はいかがでしょうか。
#70
○衆議院議員(細田博之君) 衆議院の議論でも、各党協議会が開かれて、民主党、最大政党の代表が座長を務めて十を超える政党間で協議をし、同様の発言の機会を皆、配分してそれぞれの党がそれぞれの主張をしましたから、この仕組みは今後も継続されるのではないかと。それしか国会として言わば対応する道がないわけですね。その中で、できれば、いい結論を得て、これが理想的な選挙制度であると決めるのがベストであると思いますし、それを大きな二つの政党が、もうあなた方たちは黙っていらっしゃいと、こういう二つの大きな政党が賛成しているんだから、もうこういう制度でいこうということで決められるかどうかということについては、若干私は去年の各党の議論からすると疑問があるなと。やはり議論を尽くして、そしてよりいい制度をつくっていくべきであると思っております。
 参議院側でも四増四減に至るまでは随分いろんな議論をされたと承知しておりますけれども、衆議院側でも各党が参加してそういう議論をしたことをきちっと、したがって、先ほど言われたような、御党も含めて、こういう発言があった、こういう議論があったということを言われましたけれども、まさに民主主義的な議論が行われていることは事実でございます。
 ただ、議院内閣制の日本の特徴でございまして、議員一人一人に自由な投票権が保障されておりませんので、アメリカは大統領制の下で議員一人一人が全部自分の意思で賛否を投票できるから、それぞれ協議をして、この法案については賛成だ、これは反対だといってやるんですが、日本の場合は、政党で党議拘束を掛けて、これは賛成、これは反対というふうにやりますから、多党化したときに、ねじれ現象等と言われておりますが、なかなか意思決定ができないという欠点を克服できるのかどうかという今最大の問題を議会は抱えていると言って過言ではないと思っております。
#71
○井上哲士君 先ほども党首討論での安倍総裁の発言の御紹介がありましたが、今、私と野田さんだけで決めていいんですかと。私たち自民党時代にも、たくさんの政党がいると。小選挙区であれば我が党の現職の議員は勝ち上がるけれども、しかし少数政党にとっては極めて不利になると。比例の議員、これを一方的に減らしていく、これは少数政党にとって問題であるからもっとちゃんと議論しようと、こういうことを言われました。
 私は、これは今の答弁とも合致をすることだと思うんですが、お聞きしたかったのは、今年一月の代表質問でも、その上で、民主党の比例八十削減という提案については民主主義の原則に違反するものと言わざるを得ないということも代表質問で御党の代表は言われております。つまり、〇増五減を先行させて、そして定数削減ということになれば比例だけになるんじゃないかという先ほどの危惧がありましたけれども、そういうやり方は民主主義に、原則に反するものと言わざるを得ないと、こういう認識は変わっていないということでよろしいわけですね。
#72
○衆議院議員(細田博之君) あれだけ大きな、三年前の総選挙で大勝利を得られた民主党のマニフェストに一番大きな文字で、衆議院は比例定数の八十削減を実現すると明記しておられるわけで、そこから議論は始まったと。しかし、そのことは、深く考えれば様々な民主主義上の大きな問題も抱えていて、単なる公共事業の削減とか公務員定数の削減とかとはまた違う要素のものがあって、民主主義を担保できる議会が構成されるかどうかという問題が今まさに問われていると。だから、よりいい知恵を出しましょうという意味で言っているのであって、全体として定数を削減するという流れについては自民党も公約の中では賛成しているんですが、そのやり方については具体的な案はまだはっきりしていないと、そういうことでこれから議論すべきであると思っております。
#73
○井上哲士君 消費税増税との関係で身を切る改革ということが言われます。しかし、これは本来別問題だと思うんですね。幾ら議員定数を削減をしても、この増税が国民生活や景気に重大な影響を与え、結果として財政も後退をするということになれば、これはやってはならないんです。本来別問題で議論をするべきことだと思います。
 私たちは、国民生活を考えれば当然議会も無駄を省くということは必要でありますけれども、そのことと定数を削減するということは別だと思うんですね。身を切るというと、つまり自分の身だと、議席というのは国会議員の何か財産のような扱い方なわけでありますが、これは主権者国民が声を反映させるための言わばツールなわけですね。つまり、本来我々は国民の分身なわけでありますから、議席を削るというのはむしろ国民のそういう身を削ることに逆に私はなってしまうと思いますが、その考えについてはどのようにお考えでしょうか。
#74
○衆議院議員(細田博之君) そういうお考えは私も十分承知しておりますし、それじゃ国会議員は少ないほどいいと、五十人ならもっと早く何でも決められるじゃないかと、選挙で五十人だけ選ぼうとか、最近どこかで大会を開いた某大国みたいに何十も、二十億ぐらいの人口がいるけれども、それで数百人が出ればそれでいいというふうに考えるのか、まあその辺は民主主義の在り方として根本論を含んでいるという点は私も理解しております。
#75
○井上哲士君 終わります。ありがとうございました。
#76
○行田邦子君 みどりの風の行田邦子です。
 質問するに当たりまして、まず初めに一言申し上げたいと思います。
 国民の代表者たる国会議員を選出する選挙制度の審議が今行われているわけでありますけれども、この審議に当たりまして、つい先ほどまで一体どのような法案が審議されるのか全く分からないような状況でありました。このような異常な国会運営の中で選挙制度の審議が行われるといったこと、強く抗議を申し上げたいと思います。
 それでは、法案提出者に質問させていただきます。
 最高裁で違憲状態の判決が出てから、昨年の三月に出てから一年八か月がたっております。そしてまた、昨年の十月に、この違憲状態の判決を受けて、与野党で衆議院の選挙制度に関する各党協議会が開かれることになりました。それから一年以上たっているわけであります。この一年以上の間、この協議会においてこれだけ時間が掛かってしまったと、何が原因だったのか、法案提出者はどのようにお考えでしょうか。
#77
○衆議院議員(細田博之君) 私どもが〇増五減案を出したのは、判決の二か月後の昨年五月でございます。各党に我が党はこういう案だぞということを申し上げましたけれども、各党で議論をしておられましたからやっぱり数か月掛かりまして、実際に各党協議会が始まったのは去年の秋でございますが、もう非常に努力をして十六回にわたって議論をし、各党代表がですね、どんどん党の数が増えたものだから参加者も多くなりまして、そして、また幹事長・書記局長会談というのに格上げしてまた三回ほどやったわけでございます。しかし、なかなか合意を得るに至らなかった。
 これはしかし、私は率直に言って、特に衆議院の問題は衆議院ですが、怠慢であると、一言で言えば。もっと早く違憲状態解消のためのことはやって、そしてまた、長期の制度の在り方についてはそれは議論すると。二つのことを一遍に解決しようと思ったために問題が全部こじれたわけでございますけれども、その結果、違憲状態を解消できないという結果になりますね、今度の選挙においては。方向だけは示すけれども、実際の選挙では較差二倍を超えるまま選挙、投票を行わざるを得ないという状態になって、これは甚だ遺憾なことであると思っております。
#78
○行田邦子君 定数削減とそれから違憲状態の解消といったこと、二つのことがありまして、なかなかこの各党協議会の中で議論に時間が掛かってしまったということであります。
 今日、今審議をしているこの法案が成立したとしても、十二月十六日投開票の次回の総選挙においては現行の区割りのままで選挙を行うしかないということは分かっているわけであります。にもかかわらず、なぜ今日こうして駆け込みのようにこの国会でこの法案を成立させなければいけないのか、法案提出者のお考えをお聞かせいただけますか。
#79
○衆議院議員(細田博之君) 解散・総選挙自体は内閣総理大臣が決断をしてやられることですから、そしてその解散権を、較差があって違憲状態であるからといってこれを妨げることではないということは通常言われていることですね。解散権を制約するものではないということでございますので、結果として、この度は解散・総選挙の日程が決まってしまい、そして最高裁判決にこたえるような法律が通って選挙が較差二倍未満で行われるというチャンスを失ったと。これは大変残念なことであり、それに対するまた訴訟が起こり、判決も出てくるだろうと思いますが、せめて我々国会の、あるいは衆議院の意思としては、この制度の較差是正についてはこのような考え方で案を出して、これが解決策であるという提示はすると。選挙は実際にそれに基づいて行われないけれども、これは法律に制定されて意思は表明されたと。こういうやや、何というか、中途半端とも言えることでやらざるを得なかったということは残念であると思っております。
#80
○行田邦子君 立法府としての違憲状態の解消といった意思は示したということになると、ただ、中途半端な状態になってしまったということでありますけれども、政府参考人に伺いたいと思います。
 現行の区割りのままで選挙を行えば、定数訴訟が起こされた場合、違憲判決又は選挙が無効であるといった判決が出る可能性があるという意見の有識者がたくさんおられますけれども、こうした違憲判決が出るのではないかといったことについてどうお考えでしょうか。
#81
○政府参考人(米田耕一郎君) お答えいたします。
 今御指摘の衆議院選挙の較差の訴訟につきましては、過去二回、昭和五十一年と六十年でございますけれども、最高裁の判決におきまして、較差は違憲であるものの諸般の事情を総合考察して選挙は無効としない、いわゆる事情判決が出された事例がございます。
 しかし、これらの判決から見て一般論として申し上げれば、今後の個々の衆議院総選挙におきまして、較差が違憲と判断された場合において、諸般の事情を総合考察した結果、事情判決の法理を適用せず、選挙無効判決が出される可能性は必ずしも否定されないというふうに考えております。
 いずれにいたしましても、個々の衆議院総選挙について、その区割り規定が違憲かどうか、違憲とされた場合に選挙無効となるか、あるいは事情判決により無効とされないかにつきましては、その総選挙後に訴訟が提起された段階で、最終的には最高裁が諸般の事情を総合考察して判断されるものというふうに考えております。
#82
○行田邦子君 選挙無効という判決が出る可能性も否定できないといったことでありますけれども、そうした事態を受けまして、この今審議をしている法案におきましては、人口較差を緊急に是正し違憲状態を早期に解消するための一部の改正ということでありますが、それでは、次に行われる総選挙の後に抜本改革を行う必要があると考えておりますけれども、法案提出者はどのような抜本改革を行わなければいけないとお考えでしょうか。
#83
○衆議院議員(細田博之君) 抜本改革については、十党以上の政党が集まった協議会で代表が出まして、純粋比例代表制がいいのではないかとか、少数政党にもっと議席が配分されるような制度がいいのではないかとか、あるいは中選挙区制に戻した方がいいのではないかとか、そういう提案は出ております。各政党の中にもたくさんそういう意見があるわけでございますので、これは今後、総選挙が終わりますので、そこで皆心が落ち着くと思いますので、抜本改革に向けましてまた合意形成のために頑張って調整をしていかなければならないと。
 選挙制度というのは、言わば民主主義の実現のための永遠に改革すべき制度なんですね。やってみて、やっぱりこれはちょっとこういう具合が悪かったなと、平成五年にはこう思ったけど意外に悪い点もあったなと。例えば何々チルドレンがたくさん当選するのはけしからぬなんという、これはどちらの政党にもあったわけでございますが、そういうような批判もあったり、様々な議論がありますので、是非いろんな御提案をいただきながら、決めるのは我々ですから、学識経験者が何かまとめて、そうしたらそのとおりやるというのも我々国会議員としては実にだらしのない話で、それがまたいい制度かどうかはよく分からない。まさに平成五年のときも、ブームとして小選挙区制の方が絶対いい、政党助成金もいい、党対党がやるんだと、それから二大政党制を目指すんだと、まあいろんなことを言われましたけど、現実はそうなっていませんので、もっとよく考えた方がいいんじゃないかなと思っております。
#84
○行田邦子君 最後の質問になります。
 昨日の党首討論で野田総理が安倍総裁に対して定数削減の提案をしたわけでありますけれども、あれを聞いていますと、あたかも民主党と自民党という二大政党のトップが合意をすれば定数削減はできてしまうというように、そんなような印象を受け取った国民が多かったかと思います。これは大きな誤りだというふうに思っておりまして、私はそう思っているんですけれども、法案提出者に伺いたいと思います。
 この定数削減について、これは民主党、自民党といった二大政党だけで合意をすればできるものなんでしょうか。いかがでしょうか。
#85
○衆議院議員(細田博之君) 大きな政党にとって便利な制度であるということは確かですね、小選挙区なんですから。支持率が五%、一〇%、一五%の政党はほとんど、個人的に有名な人を除いては当選しないわけですよ。そして、大政党の立場に立つと、これはもう定数削減すればいいんだから、八十議席でも四十議席でも削減すればいいじゃないのと思うんですが、そういう大政党から離れて自ら少数政党になってみると、これはちょっと間違ったなと、これは我々が少数政党として活動を始めたら実に不具合な制度じゃないかという批判が出てくるわけで、だから大政党も自制をして、身勝手な制度改革を提案する前に民主主義の在り方を考えるべきであるというのが私の個人的見解であります。
#86
○行田邦子君 私も大政党におりまして、今少数会派の中におりまして、改めて選挙制度のいろいろな様々な違った視点でいろいろ疑問を感じるところ、また改革をしなければいけないところを感じているところであります。是非、定数削減などの抜本改革についても丁寧な議論をこの国会で行っていただくことをお願いを申し上げて、私の質問を終わります。
#87
○委員長(轟木利治君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 これより討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
#88
○森ゆうこ君 国民の生活が第一の森ゆうこです。
 会派を代表して、ただいま議題となりました衆議院小選挙区選出議員の選挙区間における人口較差を緊急に是正するための公職選挙法及び衆議院議員選挙区画定審議会設置法の一部を改正する法律案について反対の討論をいたします。
 平成二十一年総選挙に係る定数訴訟において、最高裁が平成二十三年三月二十三日に違憲状態という判決を出し、既に一年半以上が経過いたしました。
 昨日、野田総理が明日十六日の解散宣言をしたことを受けて、本日、急遽衆議院で本法案が可決されたことにより、この法案が成立したとしても、新たな区割りで選挙を行うことはできません。結局、違憲状態のまま選挙を行うことに変わりはなく、選挙における投票価値がより厳格な要請とされる衆議院総選挙の結果が無効と判断される可能性が高いと既に指摘されています。
 また、本法案は、提案者も答弁したとおり、社会情勢の変化に対応した選挙制度の抜本改革には不十分であり、また抜本改革へ向けた道筋も明らかにされてはおりません。
 昨日の党首討論では、消費税大増税を強行した民主党、そして自民党両党の党首の討論において、身を切る改革があたかも既に実現したかのように国民を錯覚させるようなやり取りが行われましたけれども、定数是正の問題等、実現は全く見通しが立っておりません。そもそも、民主主義の根幹である選挙制度改正法案は慎重な審議が必要であります。
 しかるに、本日、委員会開催の直前まで一体どの法案が審議されるのか判然としない、その状態で委員会が開催されました。これは極めて異常な状態であります。改めて、民主党、自民党、公明党三党の強硬な国会運営に抗議をいたします。
 私は、少なくとも質疑や討論によって、この違憲状態を脱するべきという司法の判断をどのように衆議院で審議され、その結果、この法案が送られてきたのかということについて審議をすべきというふうに思いましたけれども。
 先ほども参議院の四増四減法案についても申し上げましたが、先ほど開催された議院運営委員会理事会において、明日予定されております本会議で我が会派は討論を要求いたしましたが、却下されました。民主党、自民党、公明党の合意があれば何でもできる、そしてこの言論の府において討論さえ認めない、本当にこれは異常な事態だというふうに改めて申し上げ、私の反対討論といたします。
#89
○井上哲士君 私は、日本共産党を代表して、自民党提出の小選挙区〇増五減案に反対の討論を行います。
 まず、本日の委員会の開会にかかわって申し上げます。
 昨日の党首討論で野田総理が解散の条件と称して議員定数削減を求め、最低でも次期通常国会での実施を確約するよう自民党安倍総裁らに迫り、自民党が協力を表明しました。それを受けて、昨夕、急遽、当委員会の開会が理事懇も開かれないままに決定され、一体どんな法案が衆議院から送られてくるのかも不明で、質問通告も十分にできない状況に置かれました。
 そもそも選挙制度は、議会制民主主義の土台であり、根幹を成すものです。議員定数を幾つにし、どういう選挙方法とするかなど、制度の在り方は多様な民意をいかに議席に反映するかという方向で検討されなければなりません。解散の条件として、民主党と自民党の二大政党の勝手な都合を押し通すということは決して許されるものではありません。
 〇増五減案について言えば、提案者は違憲状態を解消するためと強調しておりますが、この案は、最高裁が違憲状態とした一人別枠方式について配分はそのまま残して較差が二倍を超える選挙区をなくすという、まさにびほう策にほかなりません。しかも、これを実施して総選挙を行うわけでなく、違憲状態の解消という言い分も成り立ちません。
 そもそも最高裁判決は、小選挙区制の存在を前提にして小選挙区間の較差について判断を示したものであります。私たちは、民意が正確に反映する比例代表制中心の選挙制度に改革する中で較差の問題も解消できると主張してきました。結局、〇増五減案は、小選挙区制を維持、固定化し、抜本改革を棚上げしようというものであり、到底賛成はできません。
 最後に、民主、自民両党で総選挙後の次期通常国会での定数削減を確約する動きがありますが、これは総選挙で選ばれる新たな国会を縛り付けるものであり、総選挙での国民の判断と選択を抑えるものであり、容認できません。
 また、重大なのは、国民に消費税増税を押し付けるために国会議員が身を切る改革が必要だと称して、比例定数の削減を進めようとしていることであります。そもそも消費税増税と議員定数は全く別の問題です。国民の過半数に上る反対という民意を無視して公約違反の消費税増税を押し付け、一方で民意を反映させるためにある議員を減らすなどもってのほかであります。しかも、現行の議員定数は、人口比で見ると国際的にも歴史的にも最も低い水準であり、削減すべきではありません。
 小選挙区制を廃止して民意が届く選挙制度を実現しようという国民の運動の広がりにこたえて、選挙制度の抜本改革のために力を尽くすことを表明し、反対討論といたします。
 以上です。
#90
○委員長(轟木利治君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。
 これより採決に入ります。
 衆議院小選挙区選出議員の選挙区間における人口較差を緊急に是正するための公職選挙法及び衆議院議員選挙区画定審議会設置法の一部を改正する法律案に賛成の方の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#91
○委員長(轟木利治君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#92
○委員長(轟木利治君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後八時四十八分散会
ソース: 国立国会図書館
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