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2012/11/02 第181回国会 参議院 参議院会議録情報 第181回国会 本会議 第2号
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2012/11/02 第181回国会 参議院

参議院会議録情報 第181回国会 本会議 第2号

#1
第181回国会 本会議 第2号
平成二十四年十一月二日(金曜日)
   午前十時四十六分開議
    ━━━━━━━━━━━━━
#2
○議事日程 第二号
    ─────────────
  平成二十四年十一月二日
   午前十時 本会議
    ─────────────
 第一 緊急質問の件
    ━━━━━━━━━━━━━
○本日の会議に付した案件
 一、日程第一
 一、裁判官弾劾裁判所裁判員、同予備員、裁判
  官訴追委員及び同予備員辞任の件
 一、裁判官弾劾裁判所裁判員等各種委員の選挙
     ─────・─────
#3
○議長(平田健二君) これより会議を開きます。
 日程第一 緊急質問の件
 野村哲郎君、浜田昌良君、広野ただし君、川田龍平君、井上哲士君、福島みずほ君、行田邦子君から、それぞれ内閣総理大臣問責決議等に関する緊急質問が提出されております。
 これらの緊急質問を行うことに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#4
○議長(平田健二君) 過半数と認めます。
 よって、これらの緊急質問を行うことに決しました。
 順次発言を許します。野村哲郎君。
   〔野村哲郎君登壇、拍手〕
#5
○野村哲郎君 自由民主党の野村哲郎でございます。
 私は、自由民主党・たちあがれ日本・無所属の会を代表して、野田総理に緊急質問を行います。
 我々参議院は、去る八月二十九日、野田総理への問責決議を全野党が一致して可決いたしました。
 総理は、一昨日、我々の問責決議について、深く肝に銘じると答弁されました。肝に銘じるとは、広辞苑を見ると、心に深く刻み付けるように記憶して忘れないとあります。しかし、我々の目には全く心に刻んでいただいたようには見えません。総理、我々の問責決議を肝に銘じるとはどのような意味で答弁されたのか、お聞かせください。
 総理は、御自身のブログで、参議院では所信表明演説が行われないという憲政史上初めての異例の事態と書かれています。まさにおっしゃるとおりであります。しかし、それは総理御自身の責任だということの自覚はないのでしょうか。問責を受けた総理が所信を聞くよう求めている、そのことが異常な事態なのであります。これまで問責決議を受けた福田総理も麻生総理も、そのまま次の国会を迎えることはありませんでした。
 さらに、民主党の仙谷副代表は、代表質問で、我々の問責決議を参議院にとって自らの地位をおとしめることになると言われたそうであります。内閣が職責を果たしていれば、簡単には伝家の宝刀は抜きません。我々九会派は、問責に値する内閣だと確信したからであります。決して横暴ではなく、我々は本来の参議院としての責務を果たしているにすぎません。
 人に話を聞けと言う前に、まずは総理が我々の話を聞くべきです。我々はあなたを問責したのです。まずはそれを受け入れてください。それをせずに、俺の話を聞け、所信を聞けと言うのは傲岸不遜です。あなたは恥という言葉を知らないんですか。
 直近の民意を反映している参議院の議決を無視することは、国民を無視することにほかなりません。問責決議を肝に銘ずるならば、総辞職か解散か、二者択一しかありません。どちらを選ぶのか、お答えください。お答えがない限り、我々が総理を受け入れることはありません。
 我々自由民主党は、総理の問責決議への賛成討論で、大きく二つ、問責に賛成する理由を挙げました。一つは、野田総理及び民主党政権に国家運営能力がない、もう一つは、野田総理及び民主党が約束を守らないことであります。
 国家運営能力がないことの一つの例が、尖閣諸島の国有化をめぐる混乱です。総理は、九月十一日に国有化を閣議決定し、地権者と契約を結びました。APECで中国の胡錦濤国家主席と会談した僅か二日後です。しかも、柳条湖事件の記念日の直前でありました。このような最悪のタイミングで国有化を行い、案の定、激しい反日デモを引き起こしてしまったのであります。その後も、中国の政府公船が常習的に領海侵犯を行っていますが、それに対して総理は何の手も打てずにいます。
 これが国家運営能力の欠如でなくして、何でありましょうか。総理には国家戦略も外交能力も欠けているあかしです。もしそうでないと言うのなら、一体どのような国家戦略があって、あのタイミングで国有化を決定したのか、なぜその後の中国公船の度重なる領海侵犯を放置しているのか、国民が納得するように理由をお聞かせください。
 もう一点の約束を守らないことについても、問責決議の後、状況は更に悪化しています。
 近いうちに解散するというのは、我が党の谷垣前総裁との約束であるはずであります。党首同士の約束の重さを総理はどのように受け止めているのですか。あきれたことに、最近では、総理が来年度の予算編成まで始めるという話もあります。まさか、近いうちに解散すると言いながら、来年度の予算編成をすることはありませんよね。しないと、この場でしっかりと約束してください。
 また、我々は、野田総理が十一月十八日からの東アジア・サミットで唐突にTPP交渉への参加表明を行うことはないか、大変懸念しております。明日への責任を取れない野田総理に、新たな政策を決める資格は一切ありません。我が党の安倍総裁の代表質問でも伺いましたが、ここで重ねてお伺いいたします。総理、まさかTPP交渉への参加表明をすることはないでしょうね。明確にイエスかノーかでお答えください。
 総理は、国民との約束も守っていません。国民との約束であったはずのマニフェストは、民主党の自己評価でさえ実現したのは僅か三割です。これでは国民をだましたと言われても仕方がありません。
 さらに、野田内閣には、約束どころか最低限のルールも守れない閣僚が続出しています。先日は、暴力団と交際し、外国人から献金をもらい、国会を欠席し、閣議も欠席した田中法務大臣が辞任いたしました。国会から出席を求められて出席しなかったのは、明らかに憲法六十三条違反ではありませんか。総理の見解をお聞かせください。また、総理は、閣僚が憲法違反を犯したことについて、辞めればそれで済むとお考えでしょうか。総理の任命責任をどうお考えか、お聞かせください。
 さらに、現職の閣僚でも、前原国家戦略担当大臣が実態のない事務所経費を計上していると指摘されております。この問題についても総理の御認識を伺います。
 総理が我々の問責決議を無視し、権力の座にしがみついているために、重要法案の審議も進んでいません。特に、特例公債法案が成立しないことによって、国民生活に重大な支障が出るおそれがあります。国からの資金を止められた地方自治体からは、既に悲鳴が上がっております。
 こうした状況は、総理はあろうことか、審議に協力しない野党が悪いとばかりに我々に責任転嫁しようとしております。繰り返しますが、全て問責決議を無視する総理の責任です。
 自民党政権時代には、特例公債法案を予算と同時に成立させることが当たり前でありました。歴代総理が大変な苦労をされて、野党側と丁寧に協議して成立させてきたのであります。民主党政権になってその常識は通用しなくなりましたが、昨年のあの、あの菅総理でさえ、総理の座と引換えに、身を挺して八月中に成立させました。
 それに比べて、なぜ野田総理は、ここまで平然と引き延ばせるのでしょうか。総理はこれまで、法案を通さない野党が悪いと言うばかりで、自らは何の努力もしてないではありませんか。もし反論があれば、お聞かせください。
 衆議院の一票の格差是正についても同様であります。最高裁から違憲状態という判決を受けているのですから、まずは格差是正を最優先で行うべきです。民主党が意見がまとまらないことを見越して、定数削減を持ち出しているのです。それを理由に一票の格差是正を遅らせているのは、立法府の不作為にほかなりません。我が党は〇増五減法案を提出しています。速やかに成立させるべきだと考えます。なぜ民主党は抵抗するのか、お聞かせください。
 最後になりますが、私の地元、鹿児島県の薩摩藩時代の郷中教育という伝統的な教育方法があります。地域の縦割り社会の中で武士の子供を教育するのです。そこでは、子供たちに、負けるな、うそを言うな、弱い者をいじめるなという三つの教えがあります。
 負けるな。これは自分に負けないことであります。総理のように、離党者が出るのを恐れ、決められない政治を続けるのは恥ずべきことなのであります。
 うそを言うな。総理のように、国民の皆さんに対してうそを言い、野党に対してうそを言うことは恥ずべきことなのであります。
 弱い者をいじめるな。総理のように、福島を始め被災地の皆様に対し、いつまでも苦労を強いるのは恥ずべきことなのであります。
 総理には、問責決議とともに、この、負けるな、うそを言うな、弱い者をいじめるなという言葉を深く肝に銘じて、国民のために、潔く身を引くことを強く求め、質問を終わります。(拍手)
   〔内閣総理大臣野田佳彦君登壇、拍手〕
#6
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 自民党、野村議員の御質問にお答えをしてまいります。
 まず最初に、参議院問責決議についてのお尋ねがございました。
 参議院において問責決議が可決されたことにつきましては、深く肝に銘じ、重く受け止めております。反省すべきはしっかりと反省し、国政の諸課題に取り組んでまいりますので、参議院における御審議をお願いを申し上げます。
 平田参議院議長に表明した私の気持ちは、真摯に心から申し上げたものであります。まさに一院の意思として問責を受けましたことを深く肝に銘じ、重く受け止め、反省をしております。今後は、このような問責をいただかないように正心誠意職務に努めてまいる所存です。
 本日は、緊急質問という形で御審議をいただき、この演壇に立たせていただいておりますが、引き続き喫緊の課題につきまして御審議を賜りたいと存じます。
 なお、解散につきましては、十月十九日の三党党首会談において、近いうちに国民の信を問うと申し上げた意味は大きい、自分も責任を重く受け止めており、それを踏まえて環境整備をした上で判断をしたい、そこは自分を信じてほしいというお話をさせていただきました。これは、特定の時期を明示しない中でのぎりぎりの言及だと思っております。
 そして、環境整備の中でもとりわけ急がなければいけないテーマとして、特例公債法案、一票の格差、定数削減の問題、社会保障国民会議のことを挙げさせていただいております。時が来ればきちっと自分で判断をしていきたいと考えております。
 総辞職につきましては、内閣総理大臣としての責任を放棄するものであると考えております。
 次に、国による尖閣諸島の購入と領海警備についてのお尋ねがございました。
 尖閣諸島が我が国固有の領土であることは歴史的にも国際法上も疑いがなく、現に我が国はこれを有効に支配をしています。したがって、尖閣諸島をめぐり解決すべき領有権の問題はそもそも存在しません。
 尖閣諸島のうち魚釣島、北小島及び南小島については、かねてから政府が賃借していたところでありますが、今般、所有者が売却する意向を示したことを受け、尖閣諸島の長期にわたる平穏かつ安定的な維持管理を図る観点から、速やかにこれらの島々の所有権を取得することとしたものであります。
 また、尖閣諸島周辺海域では、監視警戒を厳正かつ的確に実施してきており、中国公船が領海に侵入した場合には、海上保安庁巡視船による退去要求を行い、領海外へ退去させているところであります。同時に、中国側に対しては外交ルートを通じて厳重に抗議しており、中国公船の領海侵犯を放置しているとの御指摘は当たりません。
 次に、予算編成と解散についてのお尋ねがございました。
 党首会談の重み、自分の発言の重さを重々承知しており、近いうちに国民の信を問うと申し上げたことについては一日も忘れてはおりません。十九日のさきの三党党首会談におきましても、それを踏まえて環境整備をした上で判断をしたいと申し上げております。
 予算編成については、内閣の責任として年間のそれぞれの時期に必要な手順と準備を進めることが必要であり、これは過去のどの政権、内閣においても同じであります。公債特例法の一日も早い成立、間断のない経済対策の実施、着実な予算編成準備は、政局とは別にして、どの政権、いずれの内閣においてもその責任を果たす上で必要なことと考えております。
 次に、TPPへの参加表明についてのお尋ねがございました。
 FTAAPの実現は既に内外で共有された目標であり、政府としては、高いレベルの経済連携を引き続き推進し、貿易・投資に関する新たなルール作りを主導する方針であります。このため、国益の確保を大前提として、守るべきものは守りながら、TPPと日中韓FTA、東アジア地域包括的経済連携、RCEPを同時並行的に推進をいたします。
 我が国のTPP交渉への参加については、我が国国内における議論や関係国との協議が煮詰まっていく段階で判断していきたいと考えております。
 政府としては、特定の時期にTPP交渉参加を正式決定する方針を固めたという事実はありません。
 次に、田中大臣の国会出席と閣僚の任命及び国家戦略担当大臣に関するお尋ねがございました。
 田中大臣の国会出席については、同日、質疑通告のあった時間帯に重要な公務が予定されており、出席できない旨、理事会にお伝えをしていたところであり、法務大臣において正当な理由がある場合として認識したものと理解をしています。
 今回の内閣改造における閣僚任命とその任命に至るプロセスについては、人事でありますので様々な総合的な検討と判断の結果であると申し上げます。任命した閣僚が職務を全うできなかったことについては、任命権者としての責任を自覚しつつ、後任の閣僚を含め、内閣全体としてその職責を果たしてまいりたいと考えております。
 また、お尋ねの前原大臣の件につきましては、政治家個人の政治資金にかかわる問題であり、必要な説明責任につきましては御本人が果たされているものと理解をしています。
 次に、特例公債法案についてのお尋ねがございました。
 特例公債法案については、ねじれ国会の下で、私自身、これまでも御党を始めとする野党の皆様方の御理解をいただくよう、さきの通常国会での三党合意を踏まえ、御党の御主張を取り入れる形で年金特例公債に係る法案修正を行い、また、先般の党首会談では、予算と一体となって特例公債法案を処理するルール作りを提案をするなど、様々な努力を行ってまいりました。
 本法案を一刻も早く成立させるため、引き続き全力を挙げて取り組んでまいりますが、与野党間でも胸襟を開いて議論を進め、解決策を見出していくことが不可欠であり、御党の御協力をお願いをいたします。
 最後に、一票の格差是正についてのお尋ねがございました。
 選挙制度に関しては、国会において各党各会派で議論し、成案を得るべき事項ではありますが、違憲、違法の状態にある一票の格差是正は喫緊の課題であります。また一方、議員、政治家の身を切るという意味で、定数削減に関しては、意見がまとまらないことを見越してではなく、国民の強い要請にこたえなければならないものと認識をしております。
 この二つの課題のいずれもがさきの国会で成案を得ることができなかったことは誠に残念であり、二つの課題はできれば同時に結論を得るべきと考えております。今臨時国会において法改正が実現することを強く期待をしています。(拍手)
    ─────────────
#7
○議長(平田健二君) 浜田昌良君。
   〔浜田昌良君登壇、拍手〕
#8
○浜田昌良君 公明党の浜田昌良でございます。
 私は、公明党を代表し、当院で可決した内閣総理大臣問責決議等に関する緊急質問を行います。二十七年ぶりにこういう形で緊急質問が実現できたことに対し、御提案をいただいた新党改革荒井広幸幹事長始め関係議員の皆様に、冒頭、感謝の意を表します。
 前国会で我が党が自由民主党と共同提出した問責決議案の理由に示しているとおり、東日本大震災からの復興の遅れ、原発事故対応に象徴される危機管理能力の欠如、外交・安全保障政策の迷走、マニフェスト総崩れなど、野田内閣に政権担当能力が著しく欠如していることは明らかです。
 このような野田内閣・民主党にこれ以上政権を担当させることは、国民生活に更なる劣化をもたらすことを多くの国民も認めています。結果的に公明党は、本会議に上程された問責決議案の提案理由に納得できない点があり、その採決には参加しませんでしたが、野田内閣が問責に値するという認識は全ての野党会派と共有していることをまず申し上げて、質問に入ります。
 総理、あなたは国権の最高機関である国会の一院、参議院から問責を受けたことに対し、昨日、平田参議院議長あてに、深く肝に銘じ、重く受け止めている、反省すべくは反省するとの回答を寄せられました。
 何をどのように深く肝に銘じ、重く受け止めたのか、何を反省し、何を改め、これからどう行動されようとしているのか。今まで問責決議を受けた福田総理、麻生総理は、次の国会でこの場に登壇されませんでした。他の閣僚も同様です。結果として、全て行動で参議院の意思に対応されました。重要なのは、単なる薄っぺらな言葉の繰り返しではなく、行動です。この場で全参議院議員に対し、誠実に具体的に説明すべきではないですか。
 にもかかわらず、その責任さえ果たさず、国会を召集しました。それ自体、参議院軽視も甚だしい。円満な審議ができる環境を整えようともせずに開会を強行した結果、当然のことながら、参議院での所信表明を拒否されるという前代未聞の失態、憲政史上の汚点を招きました。そんな大失態を自ら恥じる心さえ失われたのですか。
 その不誠実な対応が、結果として、党首会談で野田総理が解散に向けた条件の整備として協力を要請した公債特例法の成立、衆院の一票の格差の是正、社会保障国民会議早期設置を遅らせることになるのではありませんか。そもそも、総理、それらの課題の解決を先延ばししてきたのは、むしろ政府・与党ではありませんか。
 にもかかわらず、その責任を更に野党に押し付けようとされる。こうした懸案でさえ、政権の延命のために利用しようとしているとしか思えません。日本国憲法第六十六条第三項で、内閣は行政権の行使について国会全体に対し連帯して責任を負うとされた内閣の長たる総理大臣の厳粛な責任をどう認識されているのですか。国政に対する責任よりも党内事情を優先し、政権の延命にきゅうきゅうとする、それこそが総理問責の理由であることにまだ気付かれないのですか。
 その一方で、厳しい局面にある経済状況を顧みず、本格的な補正予算の編成を先送りしました。臨時国会召集前のどさくさの中で、小手先だけの予備費活用の決定でごまかした。これが緊急事態に対処する責任を持つ政府がやるべきことですか。本来、与野党の信頼を回復させ、堂々と補正予算を編成すべきだったのではないですか。
 予備費による経済対策がはらむ大きな矛盾を指摘いたします。国費四千億円のうち、東日本大震災復興特別会計予備費一千二百億円は復興債が財源に充てられますが、残り二千八百億円は、全て一般会計、つまり特例公債が財源です。しかし、このうち二千百億円以上が河川、港湾、道路を始めとする公債発行対象経費なのです。補正予算が編成されれば、これらについては建設国債が発行でき、特例公債の発行を回避できたはずです。また、家庭用燃料電池や次世代型省エネ設備補助の計四百億円は、本来、エネルギー特別会計で行ってきた事業であり、これも補正予算が編成できれば特例公債の発行を回避できるものです。
 野田政権は、公債特例法の成立の遅れを理由に執行を抑制しておきながら、こそくにも補正予算の回避を行ったために、発行しなくて済んだ赤字国債の対象を二千五百億円以上も増やし、十一月末までに政府の財源が枯渇する事態を逆に早めている。体が弱っている人に効かないカンフル注射を打ちながら一方で首を絞めている、それが予備費を活用した野田内閣経済対策の実態ではないですか。
 更に問題なのは、地方財政の問題です。今回の予備費の経済対策、国費四千億円に対し、地方負担が一千七百億円とされています。一方で、野田政権は、十一月分の約四兆円の地方交付税の配分も見送っています。今般の経済対策の地方負担に見合った分は、全額、地方債を充当させるとしていますが、ただでさえ借入金負担の増える地方の財政にどう責任を持つのか、総理の見解を求めます。
 先月三十日、平成二十五年度予算編成に関する政府・与党の初会合が開催され、例年より一か月早く、十一月中旬に基本方針をまとめることにしたとされています。しかし、年度を通じて執行の責任を負えない来年度予算の編成に着手することは、もはや政権の延命、時間稼ぎと断じざるを得ません。
 そもそも、平成二十一年九月に民主党政権が発足した際、約三兆円という大幅な予算の執行停止を行いました。その結果、リーマン・ショックから立ち直りつつあった我が国経済の腰折れを招いたことをお忘れになったのですか。来る衆議院選挙で民主党政権は終わりを告げるのは誰の目から見ても明らかです。日本経済が予断を許さない状況にある中、予算の組み直しなどの事態を迎えれば、経済好転どころか、更に厳しい事態となることが予想されます。
 衆議院の代表質問に対し、野田総理は、さも経済対策が解散を行う前の条件のように答弁されましたが、速やかに国民に信を問い、新政権で平成二十五年度予算編成、税制改正を行うことこそが、我が国の最も必要な経済対策であります。
 さらに、一月や二月に総選挙を先送りした場合、年末に閣議決定された予算案を新政権は次期通常国会でどう扱えというのですか。予算政府原案の廃案、年度内予算成立は絶望的という事態を招きかねないことに対し、野田総理はどのような責任を取ろうとされているのか、見解を伺いたい。
 原子力規制委員会の同意人事について、昨日、与野党の対立が激しさを増しているので、この臨時国会でも見送るとの報道がなされました。しかし、本来、前通常国会で行うべき同意人事を、党内分裂を恐れ、いたずらに政局と結び付けたのは、与党・民主党自身ではないですか。
 この臨時国会で承認手続を求めるのですか。それとも、自ら収束宣言を昨年十二月に行っておきながら、例外規定を悪用し、緊急時が続いているとして承認先送りをするのですか。明確にお答えください。
 野田総理、あなたは、衆議院の本会議場で明日への責任と二十回も繰り返されたようですね。しかし、明日への責任と言われるなら、レームダック、死に体となっている政権に終止符を打ち、速やかに信を問うことこそ、あなたの明日への責任だと申し上げたい。
 あわせて、本日実現した緊急質問については、本来、委員会質疑を活用すべきことが参議院の先例であることから、本日の審議を深めるためにも、予算委員会を早急に開催すべきことを与野党の皆様にお訴えし、私の質問といたします。(拍手)
   〔内閣総理大臣野田佳彦君登壇、拍手〕
#9
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 公明党の浜田議員の御質問にお答えをしてまいります。
 最初に、参議院問責の受け止めと今後の行動についてのお尋ねがございました。
 参議院において問責決議が可決されたことにつきましては、深く肝に銘じ、重く受け止めております。反省すべきはしっかりと反省し、国政の諸課題に取り組んでまいりますので、参議院における御審議をお願いを申し上げます。
 平田参議院議長に表明した私の気持ちは、真摯に心から申し上げたものであります。まさに一院の意思として問責を受けましたことを深く肝に銘じ、重く受け止め、反省をしております。今後は、このような問責をいただかないように正心誠意職務に努めてまいる所存です。
 本日は、緊急質問という形で御審議をいただき、この演壇に立たせていただいておりますが、引き続き喫緊の課題につきまして御審議を賜りたいと存じます。
 浜田議員から、行動こそ重要であるとおっしゃっていただきました。内閣総理大臣として、今後の行動におきまして、無私の気持ちに徹し、職務精励に努めてまいる決意を改めて表明をいたします。
 次に、所信への参議院の対応についての御質問がございました。
 国会の召集に当たりましては、その円滑なる開会を目指し、十月十九日に三党党首会談を開催をし、また、引き続き、二十二日以降も会談を受け入れていただいた各政党とも党首会談を開催をし、八月八日の党首会談における私の発言、臨時国会の意義などについて御説明をさせていただいたところであります。
 被災地の復興と福島の再生、あるいは特例公債法案や違憲状態の一票の格差の問題、三党で国民に約束をした国民会議設置の問題など、今回の臨時国会の意義につきまして私の説明に至らぬところがあったとすれば、不徳の致すところであります。問責をいただいたことを含め、私に対する御批判は真摯に受け止めさせていただきます。
 本日は、緊急質問という形で御審議をいただき、この演壇に立たせていただいておりますが、どうか引き続き喫緊の課題につきまして御審議をいただきますように改めてお願いを申し上げます。
 次に、内閣総理大臣の責任についてのお尋ねがございました。
 特例公債法案、一票の格差是正、定数削減の問題、三党で国民に約束した社会保障国民会議については、本来、政局と絡めることなく、いずれも速やかに処理しなければならない案件と考えております。私は、野党に対して責任を押し付けようという考えは持っておりません。行政府と立法府が協力して、今解決しなければならないこれらの喫緊の課題に対処するべきことを申し上げているにすぎません。
 また、参議院において問責決議が可決されたことは、先ほど来何度も申し上げてまいりましたが、深く肝に銘じ、重く受け止めております。政権の延命にきゅうきゅうともいたしておりません。次の政権への先送りもまた決められない政治を繰り返すことであり、決めるべきことは今決めることをお願いをしているのみであります。
 次に、予備費の使用と補正予算についてのお尋ねがございました。
 我が国経済の再生に向けて切れ目のない政策対応を行うことは喫緊の課題であり、議員御指摘の予備費は、こうした状況を踏まえた経済対策の第一弾として、執行抑制を行っている中でも支出が必要な緊要性の高い施策についてその使用を閣議決定したものであり、政府としては、これに引き続き、遅くとも今月中を目途に経済対策を決定することとしております。
 補正予算においては、議員御指摘のように、建設国債の発行やエネルギー特会の活用といった対応も可能ですが、補正予算については、特例公債法案の審議状況や経済対策の内容を踏まえた上で、その時期や内容等について検討することとしており、その実現のため、是非とも御党にもお知恵をお借りしたいと考えております。
 次に、地方財政への責任についてのお尋ねがございました。
 本年度の十一月分の地方交付税については、暫定的な対応として当面、交付を見合わせることとしていますが、特例公債法案の帰趨を踏まえつつ対応することを考えております。
 また、今回の一般会計の経済危機対応・地域活性化予備費等の使用に当たっては、地方団体において円滑に事業が実施できるよう、地方負担額の全額について地方債を発行できることとした上で、その元利償還金に対し、地方交付税により財政措置を講じることとしています。
 地方財政については、極めて厳しい状況が続く中にあって必要な地方交付税総額を適切に確保するとともに、地方が安定的な財政運営を行えるよう一般財源総額を適切に確保してまいります。
 次に、平成二十五年度予算編成についてのお尋ねがございました。
 予算編成については、内閣の責任として、年間のそれぞれのしかるべき時期に必要な手順と準備を進めることが必要であり、これは過去のどの政権、内閣においても同じであります。
 総選挙の時期については、これまで申し上げてきたとおり、環境を整備した上で条件が整えばきちっと自分の判断をしていきたいと考えております。
 次に、原子力規制委員会委員の国会同意人事についてのお尋ねがございました。
 政府としては、さきの通常国会にて原子力規制委員会の人事案について閣議決定し、両議院の同意を求めましたが、通常国会においては同意を得ることができなかったため、法の規定に基づき、閉会中の九月十九日に委員長及び委員を任命し、原子力規制委員会が発足をいたしました。
 国会の閉会により同意を得ることができず、閉会中に内閣総理大臣が任命した場合について、法の規定については、任命後最初の国会において両議院の事後の承認を得る、あるいは、原子力緊急事態宣言がされており、その旨の通知が両議院になされたときにあっては、原子力緊急事態宣言が解除された後、速やかに両議院の承諾を得ることとされています。
 これは、国会同意の重要性を踏まえつつも、原子力緊急事態においては、その重大性に鑑み、原子力規制組織に空白を生じる事態を避けるという観点から置かれている規定であり、この規定に基づき、委員会に原子力規制を的確に実施していただくため、本日、両議院に対し緊急事態宣言がなされた旨の通知を行ったものであります。
 最後に、明日への責任についてのお尋ねがございました。
 私たち政治家、政党は、現在に対してと同時に、将来に対して責任を持たなくては日本という国の先行きが危ぶまれる、そうした危機感から、今を生きる私たちにあしたの安心をもたらし、未来を生きる者たちに向けた明日の責任を果たすことを訴えました。政権に対する御批判は承りますが、経済の危機、国民生活の危機に際しまして、政府への批判だけでは日本の危機は乗り越えられません。是非とも、国会議員として、政党として責任を共有していただきたく、御協力をお願いをいたします。
 民意を問うということについては、近いうちにとこれまで申し上げてきたとおりであります。(拍手)
    ─────────────
#10
○議長(平田健二君) 広野ただし君。
   〔広野ただし君登壇、拍手〕
#11
○広野ただし君 国民の生活が第一の広野ただしです。
 会派を代表して、問責決議を受けた野田総理に緊急質問をいたします。
 去る八月二十九日、さきの通常国会、この参議院本会議場で、内閣総理大臣野田佳彦君は問責を受けました。その問責の理由をもう一度申し上げます。
 野田内閣が強行して押し通した消費税増税法は、二〇〇九年の総選挙での民主党政権公約に違反するものである。国民の多くは今も消費税増税法に反対しており、さきの国会で消費税増税法案を成立させるべきではないとの声は圧倒的多数になっていた。最近の国会運営では、民主党、自由民主党、公明党の三党のみで協議をし、合意をすれば一気呵成に法案を成立させるということが多数見受けられ、議会制民主主義が守られていない。参議院で審議を行う中、社会保障部分や消費税の使い道等で三党合意は曖昧なものであることが明らかになった。国民への約束、国民の声に背く政治体制を取り続ける野田佳彦内閣総理大臣の責任は極めて重大である。よって、ここに野田佳彦内閣総理大臣を問責する。
 この問責決議は、賛成百二十九票、反対九十一票、すなわち三十八票の大差で可決されました。野田総理の責任は極めて重大であります。
 しかるに、野田総理は、馬の耳に念仏といったふうで、誠に傲慢不遜な態度でこの二か月を過ごされています。
 昨日も平田参議院議長あてに、問責決議案につきましては、深く肝に銘じ、重く受け止めています、反省すべきは反省し云々、繰り返すのもむなしくなりますが、まさに通り一遍の官僚答弁的ペーパーをお届けになりましたが、この程度の受け止めで、憲政史上に残る超無責任な総理と言えるんではないでしょうか。改めて、問責決議をどのように受け止めておられるのか、伺います。また、繰り返しはやめてください。
 野田総理は、本来、九月の民主党の代表選挙に出馬すべきではなかったのです。民主党代表選のサポーターの投票率は三五%以下、問責を受けた野田総理のサポーター全体に占める得票率は約二二%と惨たんたる状況と聞いております。
 野田内閣は、問責の後、内閣改造を行いましたが、このことこそ、問責を無視し、全く反省のない所業と言わざるを得ません。本来であれば、問責を受ければ、それこそ近い将来に総辞職をするか解散するのが総理の政治的責任の取り方であります。ところが、全く開き直ったとしか見えない内閣改造であります。最善最強であったはずの内閣を、問責後に改造した意図、意味を伺います。
 特に、総理が命を懸けるとまで言われた消費税増税関連法の最大の責任者である安住財務大臣、小宮山厚生労働大臣を替えた理由を問います。
 今後、国民会議等で議論をし、決定していかなければならない低所得者対策や食料品課税問題、住宅等不動産課税の問題、自動車関連税制、石油関連税制、子ども・子育て対策等の諸課題について、誠に無責任と言ってよい閣僚人事と考えますが、総理の見解を伺います。
 改造内閣の大臣任命も全くずさんで、暴力団関係者との交際がうわさされ、田中慶秋前法務大臣を僅か一か月にも満たず事実上更迭。しかも、野田政権約十四か月の間にこれで法務大臣は五代目になるわけで、平均して三か月足らずで法務大臣を替えています。野田総理の大臣任命者としての責任について見解を伺います。
 また、秘書関係者の自宅に実態のない事務所を設け、事務所経費を計上していたと言われる前原誠司大臣の政治資金関係法令違反事案について、総理の見解を伺います。先ほど答弁がありましたが、もっと厳正に対処すべきと思いますが、改めて答弁を伺います。
 北朝鮮による拉致問題は、拉致被害者関係者の高齢化の問題もあり、待ったなし、かつ早急に解決されなければなりません。しかし、松原仁担当大臣の交代人事等で、これまた野田政権になって四代目の拉致担当大臣になります。野田総理の拉致問題に取り組む姿勢に全く真剣さが見受けられません。ただただ惰性の猫の目人事、とんでもない閣僚人事であります。総理の任命責任を問います。
 田中慶秋前法務大臣は、当参議院決算委員長の答弁要請にもかかわらず、委員会を欠席いたしました。このことは、憲法六十三条違反にも当たるとも解釈されますし、参院の権威を著しく傷つける行為で、これをもってしても大臣罷免に当たるのではないかと思います。本件についての総理のさきの答弁よりももっと踏み込んだ見解を伺います。
 ところで、東日本大震災からの復旧・復興は、被災者、地方自治体等、懸命の努力にもかかわらず、一年八か月を経過した今日においても遅々として進んでいません。瓦れきの処理も遅れています。福島の再生なくして日本の再生なしと総理が言われた福島原発の処理も一向に進んでいません。まして、メルトダウンした原発の対策、処理はなおさらです。住民の不安を早く取り除くためにも、メルトダウン原発の対策、処理の計画、廃炉の計画についても明確にお答えください。
 消費税増税は、被災地の方々や仮設住宅等の方々にも容赦なく課税されます。古来、徳のある政治家は、天災や飢饉のときは農民の年貢や税を軽くして復旧・復興を助けたものであります。しかるに、野田内閣は、あろうことか、自民党、公明党とぐるになって、口では助けます、支援しますと言いながら、結果としては増税等で被災地を痛め付け、苦しめています。野田総理の被災地の方々に対する増税等についての見解を改めて伺います。
 消費税の大増税は、直接的に国民を苦しめます。毎日の食料品、交通費、医薬品、医療費、教育費、電気代、ガス代、ガソリン代、下水道代等々が値上がりし、課税されます。年収三百万から四百万の方々は、私たちの試算では一世帯当たり毎月二、三万円の負担増を強いられます。生活は苦しくなるばかりです。
 中小企業は、現状でも、消費税未納、延滞の人たちが一、二割おられると聞いています。消費税が一〇%に増税されれば更に厳しくなって、それこそ消費税増税倒産ということにもつながりかねません。
 にもかかわらず、復興関係予算が、被災地と関係のない地方における立地補助金や調査捕鯨費の赤字補填など、復興と余り関係のないところに、それこそ風吹けばおけ屋がもうかる式の論法で流用されていることが参議院の決算委員会、行政監視委員会で明らかになっています。復興予算の流用問題について、総理の見解を伺います。
 現下の経済情勢は誠に厳しく、デフレ状態からも脱却できず、国民の生活は苦しくなるばかりです。十月三十日、政府、日銀の共同文書はできましたが、政府の経済対策は、伝えられるところによると、予備費を活用しての一兆円にも満たない事業規模のもので、これではデフレ脱却どころではありません。余りにも小さく余りにも遅い、ツーリトル・ツーレートの典型で、効果は極めて小さいと断言します。政府経済対策についての総理の見解を伺います。
 野田政治は美辞麗句ばかりで実行がおろそかです。「巧言令色鮮し仁」であります。口ではうまく言い繕っても誠がありません。徳がありません。したがって、七十名近くのかつてないほどの離党者が続出し、なお後を絶ちません。参議院の問責は、国権の最高機関たる国会の一つの院である参院の権威にかかわるものです。野田総理におかれては、今からでも遅くありません、一日も早く誠意ある対応をなされることを望むものであります。
 私たち国民の生活が第一は、まさに国民の生活を守り、日本の本当の力を引き出し、また、東日本の復旧・復興を第一優先に、日本をすばらしい国にしていきたいと考えています。
 また、今後は、マニフェスト違反の国民を苦しめる消費税大増税に反対する国民運動を展開し、来るべき衆議院選挙においては友党等と手を携えて政権に復帰し、必ずや消費税増税法を葬り去り、政治を正しい道に戻し、議会制民主主義を守り、日本の発展に貢献する所存であるとの決意を申し述べまして、私、広野ただしの質問を終わります。
 ありがとうございます。(拍手)
   〔内閣総理大臣野田佳彦君登壇、拍手〕
#12
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 広野議員の御質問にお答えをしてまいります。
 まず最初、参議院問責の受け止めと対応についての質問でございました。
 今までと違う答弁をということですが、中身が同じですので、相手によって変えるというわけにもいきません。基本的なところはお許しいただきたいと思います。
 参議院において問責決議が可決されたことにつきましては、深く肝に銘じ、重く受け止めております。反省すべきはしっかりと反省し、国政の諸課題に取り組んでまいりますので、参議院における審議をお願いを申し上げます。
 平田参議院議長に表明した私の気持ちは、真摯に心から申し上げたものであります。まさに一院の意思として問責を受けましたことを深く肝に銘じ、重く受け止め、反省をしております。今後は、このような問責をいただかないように正心誠意職務に努めてまいる所存であります。
 本日は、緊急質問という形で御審議をいただき、この演壇に立たせていただいておりますが、引き続き喫緊の課題につきまして御審議を賜りたいと存じます。
 民主党代表選挙についての御主張は、御意見として承りました。
 次は、内閣改造に関する御質問をいただきました。
 内閣改造につきましては、内外に山積する諸課題に対応するために内閣の機能強化を目的として行ったものであります。個々の閣僚の任命に関しては、人事でありますので、総合的に検討し、判断した結果であると申し上げます。
 国民会議の議論に付すべき諸課題等につきましては、後任の閣僚を含めまして、野田内閣として責任を持って対応をしてまいります。
 続いて、閣僚の任命、拉致担当大臣の交代及び前原大臣に関する御質問をいただきました。
 閣僚の任命等に関しましては、関連する複数の御質問をいただきました。まとめてお答えをさせていただきます。
 まず、閣僚任命とその任命に至るプロセスについては、人事でありますので、様々な総合的な検討と判断の結果であると申し上げます。
 閣僚交代人事によって任命した閣僚が職務を全うできない例があったことは遺憾であり、また、拉致事件が解決に至っていないことは政府として真摯におわびを申し上げます。任命権者としての責任を自覚しつつ、後任の閣僚を含め、内閣全体としてその職務を果たすことにより政権としての責任を果たしてまいりたいと考えております。
 また、お尋ねの前原大臣の件につきましては、政治家個人の政治資金の問題であり、必要な説明責任は御本人が果たされているものと理解をしております。
 次に、田中前法務大臣の委員会欠席についてのお尋ねがございました。
 憲法六十三条において、国務大臣は、議院から答弁又は説明のため出席を求められたときは出席しなければならないとありますが、病気その他出席しない正当な理由がある場合は出席しないことも認められると解されています。
 去る十月十八日の参議院決算委員会においては、財務大臣及び復興大臣以外の国務大臣については質疑通告があった場合のみの出席対応とされたところであり、その際、与党からは、財務大臣及び復興大臣以外の大臣に対する質疑通告については、重要な公務がある場合には副大臣対応としていただきたい旨、申入れを行っていたと承知をしております。そうした中で、同日、田中前法務大臣については、質疑通告のあった時間帯に重要な公務が予定されており、出席できない旨、理事会にお伝えをしていたところであり、田中前法務大臣において正当な理由がある場合として認識したものであると承知をしています。
 いずれにしましても、国会の運営については各党会派で御協議をいただくべき問題と受け止めておりますが、その上で、政府としては、国会からの御要請には今後とも真摯に対応してまいりたいと考えております。
 次に、東京電力福島第一原発の処理についての御質問がございました。
 東京電力福島第一原発の廃止措置については、中長期ロードマップに従って、まず、来年中に四号機の使用済燃料プール内の燃料取り出しを開始することを第一期の目標と設定をしており、これまでに四号機原子炉建屋の上部瓦れき撤去を完了するなど、作業は着実に進捗をしています。また、第二期として、ロードマップ策定時から十年以内の溶融した燃料の取り出し開始、第三期として、ロードマップ策定時から三十年から四十年での廃止措置終了を主要な時期的目標としています。
 廃炉に向けた取組は、これまでに経験のない困難を伴うことから、国が主導的な役割を果たし、内外の英知を結集して進めていきます。政府と東京電力が一体となって、廃炉に至る最後の最後まで全力を挙げて取り組んでまいります。
 次に、被災地における消費税率の引上げについてのお尋ねがございました。
 被災地の復興と社会保障・税一体改革は、いずれも進めなければならない課題であります。一体改革関連法案提出時に決定した復興に関する方針、例えば、住宅を失った被災者の方々が恒久的な住まいを確保する際の負担緩和への配慮等に沿って、消費税率引上げに当たっても、被災地の皆様の生活再建に支障が生じることがないよう、必要な支援を実施してまいります。
 復興予算の流用という問題についてのお尋ねがございました。
 復興予算は、復興基本法などの趣旨に沿って措置してきたものと認識をしておりますが、個別の事業につきましては、国会等の場で種々の御指摘、御批判を受けていることも事実であります。今後、そうした御指摘、御批判を真摯に受け止め、被災地が真に必要とする予算はしっかりと手当てしつつ、それ以外については厳しく絞り込んでまいります。
 最後に、経済対策についてのお尋ねがございました。
 政府としては、現下の経済情勢を踏まえ、デフレからの早期脱却に向け、金融政策を行う日銀と緊密に連携を取りつつ、切れ目のない経済対策を講じることとしております。先日、その第一弾として、緊要性の高い施策について予備費の使用を決定しましたが、これに続き、遅くとも今月中を目途に経済対策を決定することとしています。
 以上でございます。(拍手)
    ─────────────
#13
○議長(平田健二君) 川田龍平君。
   〔川田龍平君登壇、拍手〕
#14
○川田龍平君 みんなの党の川田龍平です。
 党を代表し、国民のために総理問責等に関する緊急質問をいたします。
 野田総理に対する問責決議案が八月二十九日に可決されてから既に二か月がたっております。なぜ総理が問責を受けたのか、その理由をお忘れですか。
 民自公以外の全党が反対していたにもかかわらず、三党のみで消費税増税を強行し、いざ通過したら、増税のために約束したはずの社会保障と税の一体改革は全て棚上げにしました。これは詐欺じゃないですか。
 デフレ不況と震災で苦しんでいる多くの国民にとって、増税は死活問題です。大変重い決定です。それでも社会保障のためならという総理の言葉を信じて裏切られた国民の怒りと失望、政府への不信感に対し、総理はどう責任を取るおつもりですか。国民に対し、野田代議士、いや野田総理の言葉で御説明ください。同じ言葉で説明されることなく、説明ください。
 それだけではありません。東日本大震災の被災者、さらには東京電力福島第一原発事故被害者救済のためにわざわざ増税して計上した復興予算も、被災地救済と関係ない目的で流用をしていたことがマスコミに暴露されました。なぜこんなひどいことが平気でされたのでしょうか。
 東日本大震災復興基本法を国民の知らないところでまたしても民自公三党合意で修正し、予算を復興以外にも使えるように変えたからです。全ての被災者や被害者、被災地のために増税を受け入れた国民に対し、今すぐ謝罪をしていただきたい。謝罪した上で、復興と関連のない予算とされた事業について、即予算の執行停止を命じていただきたい。
 この予算の執行停止が今すぐでなければならない理由は分かりますか。今年六月、参議院議員の皆さんが全会一致で協力してくださった議員立法、子ども・被災者支援法が成立したからです。
 立法過程、そして成立のために御尽力いただいた国会議員の皆様、そして被災当事者、被害当事者の皆様、そして国民の皆様方に、この場をお借りして心からお礼を申し上げます。本当にありがとうございました。
 子ども・被災者支援法は、緊急事態下にある今の日本で、政府ではなく、市民と国会議員が共に作り上げた法律です。避難する権利、被災地にとどまる権利の双方を認め、どちらを選択しても一人一人の被災者の生活再建を国が支援する、特に放射性物質の影響を受けやすい子供を重視し、放射性物質に起因することを被害者が証明しなくても医療費の減免が受けられるという非常に重要な法律です。
 この子ども・被災者支援法の基本方針は、来年度予算確定の十二月中に政府が策定し、それに基づく事業メニューと予算が決まる。被災地救済のために必要なのは、まさにこの予算なのです。子ども・被災者支援法、現実的に被災者を救う画期的な内容ですが、しっかりした予算なしでは実現できないものだからです。
 基本方針の策定には、まず何よりも被災者を救う、この被災者支援法の対象となる被災者が広域避難者も含めどれだけいるのかを政府が把握しなければなりません。これは、本来なら震災や事故の際に国民を守るためにまず真っ先に手を付けなければならないはずですし、なのに政府は、この被災者数を正確に把握する作業を自治体任せにし、全国の都道府県に問合せをして推計をしている最中だというのです。今どういう状態になっているのか。
 被災者が全国に拡散しているにもかかわらず、全国の自治体が独自に開発した被災者台帳システムがばらばらに乱立し、いまだに総合的な被災者数の把握ができない状態です。既に震災から一年八か月もたってしまっています。被災者の方たちはもうこれ以上待てません。もちろん、子ども・被災者支援法も被災者数の把握なしには進められません。ばらばらになっている被災者台帳を大至急一本化してください。
 中央防災会議、防災対策推進検討会議の最終報告で入った、全国で互換性のある被災者台帳の法制化が来年の通常国会で議題に上がることになっています。何でこんなに時間が掛かるんですか。総務省などと連携して指揮を執るはずの復興大臣は説明してください。
 そして、子ども・被災者支援法成立後、被災者側から最も要望が強いのが交通費の支援です。父親が避難した妻と子供に会いに行くために、また、被災地にとどまった人々が保養地へ行き来する際に莫大な交通費が掛かるために高速道路の無料化が提案されています。
 これについて、羽田国交大臣は先月の記者会見で、復興相と相談の上検討するとし、対象者の把握に母子手帳を活用するなど、具体的な提案をされました。羽田大臣のこの言葉に、今まで政府に放置され、希望を失っていた被災者は拍手喝采しています。保育士の資格もお持ちの大臣なら、子供たちをこれ以上放置したりはしない、被災した子供たちのための高速道路無料化を言葉だけでなく実行してくださるだろう、必ず実行してくれるだろう、被災者たちの大きな信頼が集まっています。震災以来、多くの被災者が国会質問をインターネットで見るようになりました。今日のこの質問も多くの被災者に視聴、閲覧され、拡散されていきます。羽田大臣は、被災した子供たちのためにこの場で決意表明をお願いしたいところでしたが、野田総理に質問の答えをお願いします。
 一方、福島県内の自主避難者には災害救助法の適用がなく、いまだに何の支援策も講じられていません。平野復興大臣は彼らをいつまで放置しておくのでしょうか。平野復興大臣の具体的な見解をお聞かせください。
 次に、保養について、これは福島県伊達市が市の事業として行った学校単位での低線量地域への移動教室が実績を上げています。震災と原発事故は、子供たちから安心して学べる安全な学校環境を奪いました。被災した子供たちの救済は、文科省の協力なしにはできません。文科大臣は、子ども・被災者支援法に沿った子供たちの救済を文科省の長期的事業として取り組んでいただきたい。文部大臣、文科省は、被災した子供たちを救済をするために一緒に全力を尽くしていただきたいんです。それも野田総理にお答えいただきたいと思います。
 次に、子ども・被災者支援法の中で最も重要な部分、医療費の減免について伺います。
 福島県民健康管理調査でB判定と報告され、小児甲状腺がんであったという症例が一例報告されました。福島県立医大は原発事故による影響ではないと説明していますが、これはあくまで福島県による報告です。法律では、明らかに被曝に起因しない疾病でない限り保護の対象としており、自治体ではなく、国がその判断をする必要があります。つまり、この症例については、国は、第三者委員会なども含めた総合的判断に基づき、当然保護の対象となるべきなのです。そして、福島県に限らず、福島県民以外の健康被害の可能性についても国が責任を持って健康管理調査をする体制に移行すべきだというのが子ども・被災者支援法発議者たちの意思ですが、環境大臣に見解を答えていただきたいと思います。
 これら子ども・被災者支援法の施策は、全て行政だけがするのは不可能です。財団などをつくり、市民代表にも参画していただき、行政との連携で行うべきではないでしょうか。復興予算を基金に積んで、野村総研など企業に外注していますが、細かく分かれた被災者のニーズにこたえるにはもう無理がある。実際、被災者たちの救済になっていません。大企業ではなく、NPOなど現場で活動している団体を参画させるべきです。同様の仕組みは、雲仙・普賢岳、阪神・淡路大震災、新潟中越地震、新潟中越沖地震などで実施された復興基金の仕組みの応用であり、十分実現できる施策です。総理、そして所管する復興大臣、市民参画型の民間財団による復興基金を子ども・被災者支援法のために検討する御意思をお聞かせください。
 さて、今朝の閣議で、閉会中に緊急で決めた原子力規制委員会人事を事後承認なしに閣議決定したそうですが、原子力を規制するための重要な機関の人事は、国民とこの国の未来にとって非常に重い決定です。それを、三党だけで決めた上に、国会議論ができない短時間で出してきて、中身を見ると過半数が原子力推進派で構成された人事になっている。これは、政策決定プロセスとしても中身も余りにもひど過ぎます。多くの国民から怒りの声が上がっています。総理、これについて国民に説明してください。
 最後に、災害関連死について質問いたします。
 災害関連死は、九月末で二千三百三人、そのうち福島県が千百二十一人と発表されました。私は、震災以来、何度もこれについて国会で質問させていただいておりますが、政府はずっと動かなかった。やっと今年になって震災関連死に関する検討会が開催されたものの、それも八月に第三回が行われた後は全く開かれておりません。ようやく対策チームを立ち上げるそうですが、国民の生死に関することへの対応が何でこんなに遅いんですか。国民の命はそんなに軽いんですか。その検討会でも具体策すら講じられていない。原発事故からの避難が要因であることは明らかなんですよ。復興庁が指揮を執って、子ども・被災者支援法に基づき、全省庁を挙げて大至急対策を講じてください。国民の命をこれ以上軽く扱わないでいただきたい。復興大臣、ここで約束してください。
 そして、自殺者はこの統計に含まれるのでしょうか。含まれるとしたら、心のケアはきちんとなされていたのでしょうか。国の最大の責務が何だか分かっていますか。国民の命を守ることでしょう。政局や利権じゃない、命なんですよ。一番大切な命が軽く扱われているから、子ども・被災者支援法が必要なんです。心のケアも含めた体制を今すぐ取って、これ以上災害関連死を増やさないことを復興大臣は全国民に対し、この場でお誓いいただきたい。
 命を守らない総理と政府なら必要ないんです。国が緊急事態下にあるこの中で、命を守らない野田政権にこれ以上任せることはできません。速やかに衆議院を解散し、国民の審判を仰いでいただくことをお願いし、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。(拍手)
   〔内閣総理大臣野田佳彦君登壇、拍手〕
#15
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 川田議員の御質問にお答えをしてまいります。
 最初に、参議院問責決議についてのお尋ねがございました。
 参議院において問責決議が可決されたことにつきましては、深く肝に銘じ、重く受け止めております。反省すべきはしっかりと反省し、国政の諸課題に取り組んでまいりますので、参議院における御審議をお願いを申し上げます。
 平田参議院議長に表明した私の気持ちは、真摯に心から申し上げたものであります。まさに一院の意思として問責を受けましたことを深く肝に銘じ、重く受け止め、反省をしております。今後は、このような問責をいただかないように正心誠意職務に努めてまいる所存であります。
 本日は、緊急質問という形で御審議をいただき、この演壇に立たせていただいておりますが、引き続き喫緊の課題につきまして御審議を賜りたいと存じます。
 なお、問責決議につきまして、自民党、公明党を除く各党の、党首会談にかかわり、七会派に対して責任を取れとの御意見は御意見として承りますが、私としては参議院の意思としての問責と認識をしております。
 また、社会保障と税の一体改革では、消費税増税は社会保障のために行うこととしており、社会保障に係る法律案も併せて成立しています。社会保障棚上げとの御批判は全く当たらないと考えております。
 次に、復興予算の流用という問題についてのお尋ねがございました。
 復興基本法は、国会において各党が議論を尽くされ、多くの政党に御尽力をいただいて成立をしたものであります。平成二十三年度第三次補正予算や平成二十四年度予算の復興関連予算は、その基本理念に沿った施策に対して予算措置を講じたものでありますが、個別の事業につきましては、種々の御指摘、御批判を受けていることも事実であります。
 今後、この国会での議論や行政刷新会議の新仕分における議論等を踏まえつつ、それらの執行は国民に誤解を招くことのないよう慎重に対応すべきものと考えておりますし、また、平成二十五年度予算の編成に当たっては、被災地が真に必要とする予算はしっかりと手当てしつつ、それ以外については厳しく絞り込んでまいります。
 次に、子ども・被災者支援法に基づく施策の実施についてのお尋ねがございました。
 政府としては、子ども・被災者支援法の基本理念にのっとり、具体的な対象地域や施策を含む基本方針の策定に向けた検討を進めているところであり、必要な予算の確保についても予算編成過程の中で検討してまいります。
 次に、母子避難や保養のための高速道路の無料化検討についてお尋ねがございました。
 原発事故の被害者に対する支援を検討するに当たっては、未来を担う子供たちの安心、安全をしっかりと守っていくという観点が大変重要と考えております。
 母子避難者を始めとする自主避難者への高速道路の支援措置については、子ども・被災者支援法に基づく、家族と離れて暮らすことになった子供に対する支援等の具体的な方策と考えておりますが、対象となる自主避難者の特定方法など様々な課題もあることから、他の施策との整合性等も踏まえ、検討を進めてまいりたいと考えております。
 次に、移動教室についてお尋ねがございました。
 政府としては、被災地の復興とともに、先進的なモデルとなる教育活動を推進する復興教育支援事業の一つとして、伊達市がNPOと連携して行う移動教室を支援をしております。復興教育支援事業については、来年度以降も引き続き実施できるよう努めてまいります。
 次に、被災者支援施策のきめ細やかな実施についてのお尋ねがございました。
 子ども・被災者支援法に基づく施策の実施に当たっては、被災者の方々の置かれた状況が多岐にわたることも踏まえて、様々な施策をきめ細かく講じていく必要がございます。
 政府としては、被災者支援に取り組んでいただいているNPO等の団体とも連携しながら、真に支援を必要とされる方に適切な支援措置が講じられるよう、施策の実施方法についてもしっかり検討してまいります。
 残余の質問については、関係大臣から答弁をさせます。(拍手)
   〔国務大臣平野達男君登壇、拍手〕
#16
○国務大臣(平野達男君) 川田議員からは私に対しては四つの質問をいただいております。
 まず、被災者に関する情報の把握について御質問をいただきました。
 被災者の基本情報や被災状況等の情報を一元的に管理することは被災者への支援を円滑に実施するために重要な取組と認識をしております。御指摘の被災者台帳につきましては、今後、内閣府において災害対策法制に位置付ける検討が行われると承知しております。復興庁としても、このような関係省庁の取組に協力してまいります。
 なお、子ども・被災者支援法の基本方針の検討に当たりましては、支援の対象となる原発事故の被災者がどの地域に避難されているのかをできるだけ正確に把握しておく必要があります。現在、復興庁から各都道府県に対しまして、それぞれの都道府県から何人の方がどこに避難されているのかの調査を行っているところでありまして、その結果も踏まえて、できるだけ早期に基本方針が策定できるよう努めてまいります。
 福島県内の自主避難者に対する支援策について御質問をいただきました。
 福島県内の自主避難者に対する災害救助法に基づく借り上げ住宅支援策の適用につきましては、事故発生当初の避難指示対象者の入居を優先したいという福島県の判断により見送られたものと承知しております。
 他方で、避難生活が長期化する中で、私の方にも、県内自主避難者にも適用したいという御要望が当の福島県を始め様々な関係者の方々から寄せられております。現在、福島県と災害救助法を所管する厚生労働省との間で協議が行われておりまして、復興庁としても、そのような県内自主避難者の方々が置かれている状況も踏まえまして、福島県及び厚生労働省と連携して対応してまいります。
 子ども・被災者支援法に基づく施策のきめ細やかな実施の必要性について御質問をいただきました。
 先ほど総理からも答弁がございましたが、子ども・被災者支援法に基づく施策の実施に当たりましては、真に支援を必要とされる方に適切な支援が行われるようにすることが必要であります。
 政府といたしましては、現在、基本方針の策定に向けた検討を行っているところでありますが、この法律においても、原発事故の影響を受けた地域の住民や避難をしている方々の意見を反映することとされていることも踏まえ、関係省庁やNPO等との団体とも連携しながら、真に支援を必要とする方にきめ細かく対応できるような施策が盛り込まれるよう検討を進めてまいります。
 震災関連死とその対策について御質問をいただきました。
 政府としましても、震災関連死につきましては大変重要な問題と認識しておりまして、孤立防止や心のケアについては、発災直後の早い段階から有識者の方々の御意見を伺うとともに、専門職から成る心のケアチームの派遣を行っております。また、岩手、宮城、福島各県に心のケアセンターを設置いたしまして、訪問支援等を実施してきたところであります。
 今年三月には、震災関連死の死者数について全国調査を行うとともに、五月には、その原因を把握し、必要な対策を検討するため、末松前副大臣を座長とした関係府省から成る検討会を設置し、原因の把握、分析を行いました。
 この結果、死亡時年齢別では、八十歳代が約四割、七十歳以上が約九割、死亡時期別では、発災から一か月以内で約五割、三か月以内で約八割、原因区分別では、避難所等における生活の肉体・精神的疲労、病院の機能停止による初期治療の遅れ等が主なものでありました。この震災関連死の死者二千三百三人の中には自殺者も含まれております。この分析結果も踏まえ、引き続き、関係自治体や専門家などと連携して、生活再建等の復興関連施策、被災者の見守り活動等の孤立防止や心のケアを実施していくこととしたところであります。
 また、政府としては、子ども・被災者支援法に基づき、現在、被災者支援、住宅支援、健康管理調査などについて、具体的な対象地域や施策を含む基本方針の策定や必要な予算の確保に向け、検討を行っているところでございます。
 さらに、本日、本年九月三十日現在の調査結果を公表いたしました。
 原発被災者の多い福島県における死者数が発災から一年以内の期間において多い状態で推移してきたことに加えまして、今調査では一年以上経過した後も他県に比べて多いことが明らかになってきたことから、先日、福島県知事を訪問いたしまして、改めて、福島県を対象として、国と県で連携し、こうした状況についての原因の把握を行うとともに、対応策を検討することとしたところであります。復興庁としても、厚生労働省とも連携し、鋭意取り組んでまいります。
 川田議員の命を守れという心からの叫びにつきましては、きっちり受け止めまして対応してまいりたいと思っております。(拍手)
   〔国務大臣長浜博行君登壇、拍手〕
#17
○国務大臣(長浜博行君) 私には子ども・被災者の健康管理に関するお尋ねがございました。
 福島県民の健康管理については、県知事から県が主体となって中長期的に実施するべきものであるとのお考えが示されたことも踏まえまして、国は健康管理調査が円滑に行われるよう財政的、技術的な支援を行うという役割分担の下で、国としての責任を果たすべく取り組んでいるところでございます。
 原発事故で被災した子供を始めとする住民の健康を見守っていくことは、おっしゃるとおり大変重要な課題であり、こうした状況を踏まえつつ、川田議員が真摯に国会で御議論をいただいた子ども・被災者支援法の基本理念にのっとり、真に支援を必要とされる方に適切な支援が行われることとなるような具体的な支援の在り方について現在検討を進めているところでございます。(拍手)
    ─────────────
#18
○議長(平田健二君) 井上哲士君。
   〔井上哲士君登壇、拍手〕
#19
○井上哲士君 日本共産党を代表して質問します。
 国民の代表であり、国権の最高機関である参議院において最も重い問責決議を受けながら、何らなかったかのように振る舞う総理は議会制民主主義の下では許すことはできません。
 野党時代、民主党の輿石参議院議員会長は、この壇上で福田総理問責決議案の趣旨説明に立ち、総理大臣の問責決議案は極めて重いものであるとして解散・総選挙を求めました。問責決議の重みは与党になっても変わらないはずであります。言葉だけ重く受け止めると言うが、実際は軽んじ、何もなかったように振る舞うことはやめ、自らの党の言葉に責任を持つべきではありませんか。
 日本共産党が野田総理問責決議を提案をした最大の理由は、自民党政治を変えたいという政権交代に託された国民の願いを民主党政権がことごとく裏切ったからであります。我々は三つの問責理由を挙げましたが、決議可決後も、あなたが問責に値することは一層明らかになっています。
 我が党がまず問責理由に挙げたのは、民主、自民、公明三党談合による公約違反の消費税増税です。
 我が党は、消費税増税は暮らしも財政も悪くすること、消費税に頼らない別の道があることを訴えてきました。法案成立後の世論調査でも九二%の国民が暮らしに影響があると答え、悲鳴は一層広がっています。民間シンクタンクの試算は、いずれも政府試算よりはるかに深刻な景気への影響を予測しています。この声や景気への悪影響をどう認識しているのですか。
 しかも、消費税増税で生み出した財源を高速道路や巨大港湾などに回す仕組みが民自公三党修正で法案に盛り込まれました。同じように、東日本大震災の復興基本法でも三党修正が行われ、日本再生、全国防災の名の下に被災地とは無関係なものに流用できる仕組みがつくられました。復興予算の流用への国民の厳しい批判の広がりを見ても、三党談合政治の害悪は明らかではありませんか。答弁を求めます。
 第二の問責理由は、原発の問題です。
 問責可決後も原発ゼロの日本を願う国民の世論と運動は大きく広がり、我が党は原発即時ゼロの提案を発表しました。政府も原発稼働ゼロを可能にすると口にしました。ところが、財界やアメリカの圧力の下で原発再稼働や原発建設再開を容認、推進するなど、原発にしがみつく姿勢です。これは、政府自身が過半の国民が原発に依存しない社会の実現を望んでいると認めたことと相入れないのではありませんか。
 さらに、対米追従外交です。
 問責決議直後の九月の九日、沖縄ではオスプレイ配備反対の十万人の県民大会が開かれました。にもかかわらず、十月一日、沖縄への配備が強行されました。さらに、日本全土での低空飛行訓練に関して、全国二十六都道府県、百三十九自治体で配備、訓練に反対する意見書、決議が可決されています。政府の態度は、こうした沖縄や全国の声よりもアメリカを優先するものではありませんか。
 私は、低空飛行訓練ルート下の広島、長野、徳島、高知などを調査し、これまでの米軍戦闘機による傍若無人の訓練ぶりをお聞きしました。これに危険なオスプレイが加わることへの不安や、配備に伴う日米合意が曖昧で何でもありだという批判もお聞きしてまいりました。実際、沖縄では人口密集地・住宅地上空での飛行が常態化しています。これで一体国民の安全が守られると考えているのですか。答弁をお願いします。
 以上、問責後も、どの問題でもあなたが国民の願いからますます離れ、総理としての支持も資格も失っていることは明らかです。予算委員会を開くなど堂々と論戦し、争点を明らかにした上で、速やかな解散・総選挙で国民に信を問うことを改めて求めて、質問を終わります。(拍手)
   〔内閣総理大臣野田佳彦君登壇、拍手〕
#20
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 共産党の井上議員の御質問にお答えをしてまいります。
 最初に、参議院問責の受け止めについてのお尋ねがございました。
 参議院において問責決議が可決されたことにつきましては、深く肝に銘じ、重く受け止めております。反省すべきはしっかりと反省し、国政の諸課題に取り組んでまいりますので、参議院における御審議をお願いを申し上げます。
 平田参議院議長に表明した私の気持ちは、真摯に心から申し上げたものでございます。まさに一院の意思として問責を受けましたことを深く肝に銘じ、重く受け止め、反省をしてまいります。今後は、このような問責をいただかないように正心誠意職務に努めてまいる所存です。
 本日は、緊急質問という形で御審議をいただき、この演壇に立たせていただいておりますが、引き続き喫緊の課題につきまして御審議を賜りたいと存じます。
 なお、野党時代の民主党輿石参議院議員会長の演説内容につきましては、総理として今日この場に立たせていただいており、私から何かこの場で御答弁をすることは適当ではないと考えております。
 次に、消費税率引上げの生活や景気への影響等についてのお尋ねがございました。
 一体改革により社会保障の安定財源を確保し、財政健全化を進めることは、将来への不安を取り除き、人々が安心して消費や経済活動を行う基礎を築く意義を有すると考えております。
 他方で、消費税率引上げの意義は理解できても、生活への影響に不安を感じるという国民の声にしっかりと耳を傾け、低所得者対策や価格転嫁対策などの課題に一つ一つ道筋を付けてまいりますし、日本経済の再生について私の内閣の最重要課題として取り組んでまいります。
 なお、消費税率の引上げ分は、全額社会保障財源化し、全て国民に還元することとしており、無駄な公共事業に充てることはないことを明確に申し上げておきます。また、復興予算についても、被災地が真に必要とする予算はしっかりと手当てしつつ、それ以外については厳しく絞り込んでまいります。
 次に、原発政策についてのお尋ねがございました。
 原発事故を経験し、国民の多くが原発に依存しない社会の実現を望むようになりました。一方で、その実現に向けたスピード感については意見が分かれております。
 こうした国民の声を踏まえ、原発の再稼働については、革新的エネルギー・環境戦略において、二〇三〇年代に原発稼働ゼロを可能とするよう、あらゆる政策資源を投入する、その過程において安全性が確認された原発は、これを重要電源として活用することとしています。
 また、既に原子炉の設置許可及び工事計画認可が行われている大間原発については、それを前提に事業者が建設再開を判断したものであります。今後は、原子力規制委員会が独立の立場から安全性を確認していくことになります。
 長年続けられてきた原発推進政策を変えることは決して容易なことではありません。それでも、困難な課題から逃げずに、原発に依存しない社会の実現に向けて大きく政策を転換し、果敢に挑戦をしてまいります。
 次に、オスプレイの配備及び地元の懸念にどうこたえるかについてのお尋ねがございました。
 オスプレイの配備、訓練について沖縄や本土の地元自治体の皆様に御懸念、御不安があることは十分認識をしております。オスプレイの日本への配備は我が国の安全保障にとって大変大きな意味がありますが、その運用に際しては、安全性はもとより、地域住民の皆様の生活への最大限の配慮が大前提であります。そのために、米国はオスプレイに関する合同委員会合意を遵守し、安全性等に最大限配慮していると認識をしていますが、政府としても、この合意が遵守されるようフォローしていく考えであり、今後も引き続き米側との間で必要な協議を行ってまいります。
 今後とも、地元の皆様の御懸念、御不安が払拭できるよう、丁寧に説明をしていく考えであります。(拍手)
    ─────────────
#21
○議長(平田健二君) 福島みずほ君。
   〔福島みずほ君登壇、拍手〕
#22
○福島みずほ君 私は、社民党を代表して、野田総理に緊急質問いたします。
 参議院は、野田総理に対して問責決議を可決しました。総理は、この参議院の示した判断をどう受け止め、具体的に何を反省しているのですか。野田内閣は、消費税増税反対、大飯原発の再稼働反対、オスプレイの強制配備反対など、国民の切実な声を全く聞こうとしていません。だからこそ、問責決議が可決されたのです。あの問責への答えは、消費税増税を撤回するか、国民の信を問うべく総選挙を行うか、二つに一つしかありません。いかがですか。
 第二に、消費税増税法を撤回すべきです。内閣と民自公三党は、格差拡大が大きな問題となっている中で、富裕層への増税は見送り、逆進性の高い消費増税だけを成立させました。今まで逆進性への軽減施策は示されていません。国民の生活への負担を真剣に考えれば、このような政策決定はあり得ません。撤回すべきです。どうですか。
 第三に、原発についてです。社民党は、全国の原発をチェックすべく、脱原発全国行脚を続けています。原発の再稼働に反対する多くの市民が官邸前に集まり、毎週金曜日にデモを続けています。にもかかわらず、政府は大飯原発の再稼働を進めました。福島原発事故から何も学んでいません。夏の電力は足りていました。そして、まさに今日、大飯原発では原子力規制委員会が任命した活断層調査団が大飯原発内の活断層について調査を行っています。安全を第一とするならば、大飯原発を稼働する前に活断層の調査をすべきではなかったですか。再稼働しながら活断層を調査するのは危険です。総理は、大飯原発の再稼働は間違っていたと認めるべきです。いかがですか。
 また、二〇三〇年代に原発ゼロを目指すと言いながら、核燃料サイクルは継続し、大間原発の新建設にゴーサインを出すなど、脱原発とは真反対の政策を実施しています。これは国民の脱原発への思いを踏みにじるものです。自治体からも支離滅裂だという声を聞きました。社民党は、他の党と協力しながら、衆議院に脱原発基本法案を提出しました。脱原発と言うならば、この法案をまず可決すべきです。いかがですか。
 脱原発基本法を成立させ、廃炉法、電源三法の改正、地元や雇用への支援策の実施などを工程表にして国民に示し、脱原発を実現する道筋を示すべきです。いつ、このような工程表が示されるのですか、御答弁ください。原子力規制委員会の人事案について、国会の同意を得ていないことも大問題です。
 第四に、復興予算についてです。復興予算が被災地以外で使われていることに被災者が激怒しています。当然です。とりわけ、原発事故の被災者が今もって福島に帰れない中、事もあろうに、復興予算から原発輸出の調査費などが計上されています。原発事故で人生を変えられてしまった被災者を踏みにじる行為です。原発被災者に対して謝罪し、原発輸出の調査費計上を取り消すべきだと考えますが、いかがですか。
 第五に、オスプレイ強制配備の問題です。沖縄は激怒しています。政府は、アメリカの言い分を沖縄に説明に行き、アメリカとともに押し付けるだけです。しかし、日本政府の役割は、沖縄の声こそをアメリカに伝え説得し、沖縄の負担軽減を実現することではありませんか。誰のための政府なのですか。協定違反の飛行も確認されています。オスプレイを沖縄から撤退すべきであり、低空訓練飛行はやめるべきです。いかがですか。
 第六に、TPPの問題です。社民党は、TPPに明確に反対しています。小泉政権時代に実施した新自由主義的政策が地方経済、雇用、生活を破壊したことは記憶に新しいはずです。にもかかわらず、再び過ちを繰り返すのでしょうか。TPPへの参加を表明すべきではありません。いかがですか。
 今こそ、国民の生活を温める政策が必要です。デフレ経済を立て直し、雇用を確保し、格差をなくしていく。脱原発を実現し、安全な環境をつくる。無駄な予算を見直し、社会保障制度の改革を実行していく。今、国民が求めている社会像は、生存権、平和的生存権など、全て日本国憲法へとつながっています。だからこそ、日本国憲法を真に実現する政策こそを実現していくべきなのです。
 国民の切実な声を無視し続ける野田総理に対し、参議院の問責決議の重さを受け止め、解散・総選挙の実施を求め、私の質問といたします。(拍手)
   〔内閣総理大臣野田佳彦君登壇、拍手〕
#23
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 社民党、福島議員の御質問にお答えをしてまいります。
 まず、参議院問責決議についての御質問をいただきました。
 参議院において問責決議が可決されたことにつきましては、深く肝に銘じ、重く受け止めております。反省すべきはしっかりと反省し、国政の諸課題に取り組んでまいりますので、参議院における御審議をお願いを申し上げます。
 平田参議院議長に表明した私の気持ちは、真摯に心から申し上げたものであります。まさに一院の意思として問責を受けましたことを深く肝に銘じ、重く受け止め、反省をしております。今後は、このような問責をいただかないように正心誠意職務に努めてまいる所存です。
 本日は、緊急質問という形で御審議をいただき、この演壇に立たせていただいておりますが、引き続き喫緊の課題につきまして御審議を賜りたいと存じます。
 一体改革の撤回か解散かの二者択一との御主張でございますが、一方は、本院におきまして多数をもちまして成立した法律事項であり、撤回はできかねます。また、解散につきましては、近いうちに民意を問うことにつきまして、これまでの答弁、また党首会談においても御説明したとおり、近いうちにと申し上げております。
 次に、消費税率引上げの撤回についての御質問がありました。
 前国会で成立した税制抜本改革法は、消費税に係る規定のみならず、格差是正等の観点から、所得税、資産課税の税率構造の見直しなどについても規定をしており、これに基づき、来年度税制改正においてしっかりと検討してまいります。
 あわせて、消費税率の引上げに当たっての所得の低い方々への配慮についても、三党における議論も踏まえ、検討をしてまいります。
 今回の一体改革は、貧困、格差の解消を図るためのきめ細やかな施策を講じるとともに、社会保障の持続可能性を確保するものであり、しっかりと前に進めてまいります。
 次に、原発再稼働の判断についての御質問をいただきました。
 大飯原発の安全性については、一年以上の時間を掛け、専門家による四十回以上にわたる公開の議論を経て、今回の事故のような地震、津波に襲われても炉心損傷に至らない十分な安全性が確保されていることを確認をいたしました。
 今夏の電力需給については、需要面では、家庭や企業の皆様の思い切った節電努力などにより、事前の想定よりも需要が抑制されたほか、供給面では、大飯原発の再稼働があったことや火力発電所等のトラブルが少なかったことなどにより、事前の想定よりも供給力が確保されるなど、需給両面による最大限の努力により、今年の夏の厳しい電力需給を乗り切ることができました。
 御指摘のように、本日、原子力規制委員会の有識者会合が大飯発電所の破砕帯の現地調査を行っておりますが、今後は、原子力規制委員会が、専門的な知見に基づき、中立公正な立場から、大飯原発も含め、原発の安全性について評価及び判断を行うものと考えており、政府としてはその判断を尊重してまいります。
 次に、脱原発基本法についてのお尋ねがございました。
 革新的エネルギー・環境戦略では、二〇三〇年代に原発稼働ゼロを可能とするよう、グリーンエネルギー拡大等に向けてあらゆる政策資源を投入することといたしました。
 この戦略は、一日も早く原発に依存しない社会を目指しながら、再生可能エネルギーの導入と省エネルギーの推進のために現実的に必要な時間を勘案し、また、その間の国民生活や産業への負担を可能な限り抑制するという観点を踏まえて示したものであります。
 これに対して、脱原発基本法では、基本理念として、遅くとも二〇二五年までのできる限り早い三月三十一日までに脱原発を実現することが掲げられていますが、現実的には十分な時間が必要ではないかと考えております。
 また、エネルギー情勢の変化を踏まえれば、政策の不断の検証と見直しを行うことが必要であり、いかなる変化が生じても柔軟に対応できるようにすることが我が国のエネルギー政策を進めていく上で重要であると考えております。
 いずれにせよ、政府としては、革新的エネルギー・環境戦略を踏まえ、原発の安全管理や廃炉技術の向上等に欠かせない人材や技術の維持強化のための方策を年内に取りまとめるとともに、国の新たな要請によって影響を受ける立地地域対策等を講じることとしております。
 次に、復興予算における原発輸出の調査に関するお尋ねがございました。
 復興予算の在り方について様々な御批判があることについては、真摯に受け止めたいと思います。
 復興の基本方針において、政府は、被災地域の企業に経済効果が及ぶインフラシステムの輸出促進を推進することとしており、原発輸出は、関連機器等の被災地域からの調達割合が高いことから、被災地域の企業に高い経済効果が及ぶものと認識をし、平成二十三年度第三次補正予算に計上しています。
 調査の対象となるベトナムの原子力協力についても、日本が建設パートナーに選定され、昨年十月の首脳会談でも日本企業による協力の大枠が合意されるなど、被災地域の企業を含む我が国企業の参画が強く期待をされるものであります。昨年の原発事故の経験と教訓を世界と共有することにより、世界の原子力安全の向上に貢献していくことは我が国が果たすべき責務であります。本調査は、最新の知見を反映した地震及び地質構造等に関する技術的調査及び評価を実施するものであり、ベトナムにおける原子力発電所の高い安全性を確保するためにも意義があるものと考えております。
 次に、オスプレイの配備及び沖縄の負担軽減についてのお尋ねがございました。
 オスプレイの日本への配備は我が国の安全保障にとって大変大きな意味がありますが、その運用に際しては、安全性はもとより、地域住民の皆様の生活への最大限の配慮が大前提であります。米国はオスプレイに関する合同委員会合意を遵守し、安全性等に最大限配慮していると認識していますが、政府としても、この合意が遵守されるようフォローしていく考えであり、今後も引き続き米側との間で必要な協議を行ってまいります。
 一方、国土面積の〇・六%しかない沖縄県内に全国の七四%の在日米軍専用施設・区域が集中していることから、沖縄の基地負担を少しでも軽減することが最優先で取り組むべき課題でもあると認識をしています。政府としては、今後とも、沖縄の基地負担の軽減に向け、全力で取り組んでまいります。
 最後に、TPPへの参加についてのお尋ねがございました。
 FTAAPの実現は既に内外で共有された目標であり、政府としては、高いレベルの経済連携を引き続き推進し、貿易・投資に関する新たなルール作りを主導する方針です。このため、国益の確保を大前提として、守るべきものは守りながら、TPPと日中韓FTA、東アジア地域包括的経済連携、RCEPを同時並行的に推進をいたします。
 TPPについては、関係国との協議を通じ情報収集に努め、十分な国民的な議論を経た上で、あくまで国益の視点に立って結論を得ていくこととしています。我が国のTPP交渉への参加については、我が国国内における議論や関係国との協議が煮詰まっていく段階で判断をしてまいります。(拍手)
    ─────────────
#24
○議長(平田健二君) 行田邦子君。
   〔行田邦子君登壇、拍手〕
#25
○行田邦子君 私は、みどりの風を代表し、野田佳彦内閣総理大臣の問責決議等に関する緊急質問をいたします。
 八月の二十九日に七党会派が提出した野田総理に対する問責決議案が可決されました。しかし、総理は、参議院において最も重い決議である問責に対して、深く肝に銘じ、厳粛に重く受け止めるとひたすら繰り返すのみで、今日に至るまで何ら責任ある対応を取られていません。
 唯一、具体的な対応として参議院に持ちかけられたことは、十月二十九日に所信表明演説を行うことでありました。これが問責を厳粛に重く受け止めている方の取る対応なのでしょうか。理解できません。野田総理は、国権の最高機関の一つの院である参議院の意思を無視しているのですか、それとも参議院の野党をからかっているのですか、さもなくば、問責を重く受け止めての対応が所信表明演説を行うことだと本気でお思いなのですか。お考えをお聞かせください。
 野田総理は、十月三十日、御自身のブログにこう記されています。何とかして、この動かない国会を動かし、明日への責任を果たしていかなければなりません。私は総理のこの御認識に大きな違和感を覚えました。参議院の動きを止めているのは総理御自身ではないですか。
 問責決議というボールは、八月二十九日に野田総理へと投げられましたが、総理はそのボールを重く受け止めると言いながら、するっとポケットの中に隠してしまったのです。二か月がたち、この膠着状態を打破するために、野党が一致協力して、知恵を出し合い、打開策を見出し、今日こうして緊急質問の運びとなりました。さあ、総理、ポケットに隠してしまった問責のボールを出してください。そして、具体的な責任ある対応のボールを私たちにどうぞ投げ返してください。
 復興予算の流用問題について伺います。
 復興予算が真に被災地の復興、被災者の支援に回るよう、私たちみどりの風は、各党各会派の議員に声をお掛けして、復興予算奪還プロジェクトを超党派で立ち上げました。
 復興基本法の条文を盾に取った復興予算の流用は、復興のためならばと増税をお許しいただいた国民を愚弄しています。今、国民から問われていることは、法律の条文の解釈が正しいかどうかよりも、むしろ政治、行政に携わる者の倫理観であります。
 野田総理は、松下政経塾において、国家指導者に欠かさざる倫理というものについて学ばれたのではないですか。その総理の下で働く方たちの倫理を逸脱した言い訳や行為について、総理はどのように感じておられますか。お聞かせください。
 特例公債法案について伺います。
 本法案が未成立のまま国民生活に多大な支障を来している、このような事態を招いたのは、野党ではなく政権与党の側であることは明らかです。
 総理に伺います。今年度の予算案を特例公債法案から切り離して参議院に送る、その決断をされたのは総理御自身と仄聞しておりますが、事実ですか。命を懸けた消費増税の三党合意に支障を来すことを恐れていたのですか。参議院で特例公債法案が否決されることを恐れていたのですか。それなら、なぜ総理が恐れている参議院の問責をこのように軽んじるのですか。
 野田総理は、決断する政治の実現を訴えていますが、総理の決断によって国民の明日の安心は奪われました。特例公債法案だけではありません。復興予算の流用、一体改革とは名ばかりの消費税の単純増税、原発への対応、TPPへの前のめりの姿勢、これらは全て民主党結党の精神や理念から大きく懸け離れた決断です。野田総理が国の将来を憂える危機感をお持ちであるならば、今決断すべきは問責決議への責任ある対応、すなわち解散・総選挙であることを申し上げて、私の質問を終わります。(拍手)
   〔内閣総理大臣野田佳彦君登壇、拍手〕
#26
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 行田議員の御質問にお答えをしてまいります。
 参議院問責の受け止めと今後の行動についてのお尋ねがございました。
 参議院において問責決議が可決されたことにつきましては、深く肝に銘じ、重く受け止めております。反省すべきはしっかりと反省し、国政の諸課題に取り組んでまいりますので、参議院における御審議をお願いを申し上げます。
 平田参議院議長に表明した私の気持ちは、真摯に心から申し上げたものであります。まさに一院の意思として問責を受けましたことを深く肝に銘じ、重く受け止め、反省をしております。今後は、このような問責をいただかないように正心誠意職務に努めてまいる所存であります。
 本日は、緊急質問という形で御審議をいただき、この演壇に立たしていただきましたが、引き続き喫緊の課題についての御審議を賜りますようにお願いを申し上げます。
 所信表明に関する御指摘については、総理として、国会に対しまして開会冒頭において所信を述べる責任があるとの思いでありましたことを御理解をいただきたいと思います。
 次に、復興予算の流用問題と政治、行政にかかわる者の倫理観についての御質問をいただきました。
 被災地の復旧・復興は、政務三役を始め、政府の職員が強い使命感を持って取り組まなければならない最重要課題であり、これまでも復興庁が中心となって、被災地に寄り添いながら復興への取組を進めてきたところですが、厳しい御指摘、御批判が寄せられている事業があることも承知をしています。こうした声に真摯に耳を傾け、被災地が真に必要とする予算はしっかりと手当てしつつ、それ以外は厳しく絞り込んでまいります。
 最後に、特例公債法案に関する御質問をいただきました。
 本年度の特例公債法案の取扱いについては、本年三月に予算を参議院に送付した段階において、政府・与党で相談の上、最終的には私の判断により、まずは野党各党の御理解をいただける道を与野党協議などにおいて時間を掛けて模索するとの結論に至ったものであります。
 予算の裏付けとなる法案を政治的な駆け引きの材料にしてしまう悪弊を断ち切るため、予算と特例公債法案を一体で処理するルールを作っていかなければならないと考えております。
 以上です。(拍手)
     ─────・─────
#27
○議長(平田健二君) この際、お諮りいたします。
 増子輝彦君及び世耕弘成君から裁判官弾劾裁判所裁判員を、森まさこ君、加藤修一君及び桜内文城君から同予備員を、大久保勉君、川上義博君、轟木利治君及び金子原二郎君から裁判官訴追委員を、上野ひろし君から同予備員を、それぞれ辞任いたしたいとの申出がございました。
 いずれも許可することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#28
○議長(平田健二君) 御異議ないと認めます。
 よって、いずれも許可することに決しました。
     ─────・─────
#29
○議長(平田健二君) この際、欠員となりました
 裁判官弾劾裁判所裁判員二名、同予備員三名、
 裁判官訴追委員四名、同予備員一名、またあわせて
 皇室経済会議予備議員、
 検察官適格審査会委員、同予備委員、
 日本ユネスコ国内委員会委員各一名、
 国土審議会委員三名の選挙
を行います。
 つきましては、これらの各種委員の選挙は、いずれもその手続を省略し、議長において指名することとし、また、裁判官弾劾裁判所裁判員予備員、裁判官訴追委員予備員及び皇室経済会議予備議員の職務を行う順序は、これを議長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#30
○議長(平田健二君) 御異議ないと認めます。
 よって、議長は、裁判官弾劾裁判所裁判員その他の各種委員を議席に配付いたしました氏名表のとおり指名し、職務を行う順序を決定いたします。
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    ─────────────
#31
○議長(平田健二君) 本日はこれにて散会いたします。
   午後零時四十三分散会
ソース: 国立国会図書館
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