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1951/09/12 第11回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第011回国会 文部委員会 第5号
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1951/09/12 第11回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第011回国会 文部委員会 第5号

#1
第011回国会 文部委員会 第5号
昭和二十六年九月十二日(水曜日)
    午前十一時二十九分開議
 出席委員
   委員長 長野 長廣君
   理事 佐藤 重遠君 理事 松本 七郎君
      鹿野 彦吉君    小西 英雄君
      高木  章君    圓谷 光衞君
      平島 良一君    笹森 順造君
      志賀健次郎君    受田 新吉君
      坂本 泰良君    小林  進君
      浦口 鉄男君
 委員外の出席者
        大蔵事務官
        (主計局長)  河野 一之君
        文部政務次官  水谷  昇君
        厚生事務官
        (大臣官房国立
        公園部長)   森本  潔君
        建 設 技 官
        (都市局施設課
        長)      佐藤  昌君
        建 設 技 官 黒沢昇太郎君
       専  門  員 横田重左衛門君
       専  門  員 石井 つとむ君
    ―――――――――――――
九月十二日
 委員受田新吉君辞任につき、その補欠として坂
 本泰良君が議長の指名で委員に選任された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 文部省関係予算に関する説明聴取
 学校給食に関する説明聽取の件
 国民プール建設に関する説明聽取の件
    ―――――――――――――
#2
○長野委員長 これより会議を開きます。
 若林委員より兵庫県学校視察の書簡が提出せられております。この文書を速記にとどめたいとの御要求がありますが、速記にとどめることにするこ御異議ございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○長野委員長 御異議がなければ、速記に載せることにいたします。
    ―――――――――――――
#4
○長野委員長 次に、文部省関係予算について当局に対する御質疑を通告順に許します。
 ただいま大蔵省主計局長が見えております。文部省は追つて参ります。圓谷光街着。
#5
○圓谷委員 昨日の委員会において、文部大臣並びに政務次官からの答弁によりますと、六・三はあくまで堅持する、給食の問題については、岡委員その他からも御発言がありました通り、現在アメリカの援助によつて今日まで設備の完成を見た際に、ただちにこれをやめるということは、文部省としては遺憾にたえない。単に食糧の問題ではない、食事の作法その他についても、教育上相当重要性があるのであると、文部大臣から意見の開陳があつたのでありますが、これらのことを総合いたしまして、ただ問題は予算の編成上、大蔵省においてはこの給食に対する予算のわくがなかなか困難であるというお話を聞きました。文部委会員としては、ほとんどだれもこれに対して反対の者もなければ、国民の総意として、われわれが議会にいる以上、この給食の問題は重大関心を持たなければならぬと思います。さらに名地のPTA、その他県の文教委員、あるいは委員会等よりも、あるいは電報を送り、児童からも切々たるこの給食についての嘆願が参つておることは、昨日岡委員の読み上げられた通りであります。かくのごとき状況にあるときに、大蔵省においては、この予算が困難である、これを二十七年度の予算面にあげることはなかなかむずかしいという、それはどういう点にあるか。もちろん国家総予算の面から見まして、最も重要なものはどれであるか、これであるかということは、これは大蔵省においても考えておられることであるし、さらに六・三の案のときに、大蔵大臣において六・三を堅持するという建前より、今回の補正においても約十億の予算を認めてくれた。大蔵大臣にわれわれが話したときに、大蔵大臣は涙をこぼさんばかりに、もつともである、われわれはそのどこに訴えるのであるかということで、大蔵大臣の苦衷もわれわれよく了承いたしておりますが、しかしながら、これほど重要なこの給食の問題について、どうしてもいかぬというような話を、われわれ文部当局から聞きますと、そういう線が大蔵省に出ておるということは、一体大蔵省としては、国民の意思によつて決定されるべきこの議会、それから国民の総意によつてどこに重要な予算をとるべきであるかというわれわれ文部委員の総事を無視して、大蔵省がこの予算がなかなかとり得ないというようなことを申さるるやに聞いております。これについて、大蔵大臣は、今不在でありますし、主計局長のあなたが大体この予算面の下ごしらえをやつておられる方でありますから、あなたからひとつ御答弁を願いたいと思います。
#6
○河野(一)説明員 学校給食の問題は、まだ最終的にどういうふうにいたすか、きまつておりませ。これは御承知の通りであります。政治的に、あるいは御解決になる日が近いと思いますが、ただ私どもの事務的な立場を一応申し上げてみたいと思うのであります。
 学校給食そのものについて、私ども反対しておるわけではございません。これはまず御了承を願いたいのであります。学校給食は、昭和二十四年の十月から見返り資金をもつて始まつたのでありますが、その結果、児童の体位が非常によくなつた、あるいは共同生活になれ、行儀がよくなつたと、いろいろお話を聞いております。私もそうであろうと思いまして、学校給食の効果について、これを否定しておるものではありません。ただ問題は、国庫の補助でこれをやるかどうか、国庫の補助を出すかどうかという点にあるわけであります。学校給食は、アメリカの援助で当初はミルクから始まり、それからパンに行つたわけでありますが、今年の当初の規模で参りますると、約九十億の金がいるのであります。その後、パンを、一部日数を減らしたり、あるいは対象人員を、今年度毎月百万人ずつ、お減らしになるような文部省の計画でありますが、そうでありましても、現在の規模で六十億ぐらいかかるわけであります。これはアメリカからもらつておつた金で、このことをやつたのでありますが、もしこのアメリカからの援助がなくなつた場合に、国民の税金の負担においてこれを補助するかどうかという問題だと御了承を願いたいのであります。つまり重い国民の租税負担の中から、これを優先して出すかどうかという問題なのであります。文部省のお考えによりますと、明年度はミルクだけにして四百万人を対象として、その二分の一を補助してくれ、総額で三十五、六億になるのでありますが、ミルク一月児童一人当り六十円かかる、そのうち一人三十円補助してくれ、この総額で四百万人ということになりますと、十八億程度の金になるわけであります。国の財政の中だから、そのくらい大したことはないじやないかとおつしやるかもしれませんが、私どもの立場といたしましては、予算全体をにらんで――予算というものは、あれもやりたい、これもやりたいということばかりであります。一つとして悪いことはないのであります。金を出せば出しただけの効果はあり、悪いことはないと思いますが、それが国民の税金の負担で、国民が税が高くなつてもそれをやりたいというそこの考え方も、もしただでやるのだつたら、だれでもやりたいにきまつておる。そういう国民の負担とのにらみ合せの問題として、何を優先的に考えるかという問題として、これは考えるべきではないだろうか。もちろん私どもそれを独断で、われわれの主観的な判断でやろうとしておるのではないのでありまして、これはいろいろ事務的な見解もあり、文部省の御見解もありますし、私どものいろいろ見解もありますが、そういう点を総合判断して、内閣において御決定になり、また国会において御決定になる筋合いだと、私は考えておる次第であります。
#7
○圓谷委員 ただいま主計局長の御答弁によりますと、この問題は、国民の税金によつてやるべきかどうか、そこが問題である。焦点がそこにあるといことを申されましたが、私は一体日本が憲法によつて三大義務を国民にしいておつたその時分においては、軍部は軍国主義をうたつて、国家の発展をはかろうという観点よりいたしまして、兵営をつくり食糧を給し、弾薬、兵器を給し、国家の税金、予算によつてまかなつておりました。しかるに今回日本の憲法二十六條によりまして、国民に教育の義務を負わせ、これは九年とする。すべての国民は子女に教育を受けしむる義務がある。但し無償とする、こう書いてある。ここに国家は少くともいれものである校舎、この校舎は実は無償でつくるべき筋合いのものであつたのであるが、国家財政の見地よりいたしまして、半額はその町村負担ということで出発いたしまして、この六・三案が今や完備の時期に達しておる。私はその義務をしいておる子供の健康、それからその他の見地から見ましても、少くとも千数百万人の義務教育の子供には、国家が一食ぐらいの食糧を與うべきだという考えも持つておるのです。しかしいかんせん国家の財政より、これは急にできない。せめても国民の健康その他からいたしまして、現在ようやくこの給食という問題がアメリカの援助によつて設備もでき、完成して来た。こういう場合においてただちにこれをやめるということは、国家百年の大計を誤る。ことにこの給食によつて健康が守られる。さらに私は大きな問題を国家の見地から考えていることは、日本が男女同権になつたが、日本の婦人が男女同権になつても、婦人の任務というものは今の生活では絶対民主化されない、朝から晩まで炊事に携わつている、洗濯、針仕事、しかも最も重要な育児という問題を持つておる、寸分の休むひまもない婦人に対して、日本の国家が将来法律をもつて、児童の義務教育には、パン食食事の転換をすることである。これが将来国際場裡に立つ日本が転換すべき宿題である。この時代において、文部省はよほどしつかりした考えを持たなければならぬ。精神文化だけではだめである、どうしても心身両面の発達を目的とすると基本法の第一條に規定してある、その一面をになうところの給食は、あくまでこれは堅持して行かなければならぬという考えを持つているのです、国民の税金でこれを負担することがどうかという御見解は、考えが違つていると思うのですが、いかがですか。
#8
○河野(一)説明員 物事は、すべていろいろな理想というラインで進むのも一つの方法でありますが、理想ばかり追いまして、現実がこれに伴わない理想は、ただユートピアにすぎないと私は思います。はなはだ潜越なことを言うようでありますが、たとえて申し上げますと、義務教育の問題について無償ということは、これは国民経済の段階によると思うのであります。徹底いたしますれば、義務教育というものは、児童の生活費まで全部持つてやらなければ、貧困児童は行けないのでありますから、そういう問題もあります。あるいは健康にして文化的な生活を営む権利を有すると憲法に書いてございます。これは社会が一体になつてそういうふうにしなければならぬことは、もちろんでありますが、そういう経済的な実力の伴わない場合においての段階というものが、おのおのあるだろうと思うのであります。もちろん給食のことを、私は決して悪いとかなんとか申し上げているのではないので、国民の税金の重い負担というものを前提にして、私ども国民の税金を預かつてこれを使う上において、どこにこれを使うべきかという問題として考えなければならぬ。なおこれが優先するという判断は、これは政治的な判断でありますから、私がとやかく申すべき筋合いではありませんが、そういう考え方でこの問題を考えて行きたい。つまり十八億というのが、現在の規模ならば六十億、来年ならば月三十円、一日一円程度になるわけでありますが、国の補助のこの十八億という金は、われわれ税金を皆さんから徴収させていただいて使う上において、決して軽々しくすべきではないという考え方のもとに申し上げておるつもりであります。もちろん理想としての事柄は、十分話はわかるわけでありますが、ないそでは振れないという、振れない意味合いでなしに、そういうことを考えておるわけであります。講和後における日本の財政経済というものは、非常にたいへんであるということを、われわれ考えまするときに、わずかの金でありましても、軽々にこれを決定することはどうであろうかというふうに思つておる次第であります。
#9
○圓谷委員 どうも主計局長のただいまのお話はわけがわからないと思うのです。理想を持たない国家は、これは滅亡です。理想は、ただちに現実とは一致しない場合があることは、これはだれでもわかりますが、ただいま申し上げました通り、国家が義務教育をしいておるとともに、この義務教育をしいておる国家が、国家の施策によつて、文部省は文部省としてあくまでも給食と六・三制はやらなければならぬ。これは文部省の考え方でありますが、あなたの方は、何しろさいふの勘定ばかりで、ないそでは振れないと、池田さんも過日言つたけれども、どこに重要な問題があるか、ここに考えを及ぼすときには、これはどうしても出さなければならぬというお考えになれないかどうか。特に私は敗戦後自分が立候補するときにも考えておりました。一体デンマークをつくつたのはだれか。グルントヴイヒが、一八六四年に、ドイツに敗れたとき、壯丁は悲観して三分の一の壯丁が南亜に走つた。しかしあの高等国民学校をつくつた。生徒はそのときわずかに四人であつた。アルカリ性の土壌で耕作に耐えないので、あの酪農形態をつくつて今日のデンマークをつくつた。フィンランドは学生で立ち上つた。牛を飼い、牛乳を飲ませる運動を起して、ヌルミのごときりつぱな体力を養成して、明年はヘルシンキにオリンピックを持つて来る。国家の大方針というものについて、あなた方のおつしやることと、私は考えが違つておる。からだを丈夫にする国民をつくらなければ、日本は決して文化国家とはいえない。
 そこで私は、文部次官も来ておるから御相談しますが、文部省において、ただいま主計局長のおつしやる通り、あれもこれもやりたい。なるほどないそでは振れないのですが、これだけ重要な給食であるならば、文部省においてもあの重要予算として出しておる予算の中から――実例を申し上げると失礼になるかもしれませんが、たとえば不就学児童の厚生施設における厚生省の予算を文部省で処理する。これは四十二億円だ。この点を一年延ばすとか、そういうふうに文部省と大蔵省との妥協がある。そして最も重要である給食を昨日の文部大臣があれほど主張するならば、われわれは国民の代表であるから、どうしてもやりたいという気持を持つておる。その点において文部省はあれもとり、これもとるということで、全部が重要なものだでは、今主計局長の言う通りうまく行かないと思う。私は税金から出してもさしつかえないと思います。国民はその点は納得します。文部省はその点の交渉を、大蔵省と一体やつておるのかどうか。これはどうしても大切であるが、大蔵省は金を出す方だから大蔵省が出さぬといえば、ただあきらめて、しかたがないというようなお考えであるかどうか。そこをひとつ政務次官にお伺いしたい。
#10
○水谷説明員 文部省といたしましてはかねてからたびたび言明いたしておりますように、給食の問題は身体的に考えても、精神的に考えても重要である。特に今日の新しい教育では、こういう給食というような実践を通じて、教育の効果をあげなければならぬので、ぜひともこれを継続して行きたいのであります。この意味合いにおいて大蔵当局にも、私どもは計画を立てまして、要求をいたしておる次第であります。毎日のように、この点については、御理解を得るように御説明を申し上げておる次第でありますが、まだはつきりきまらないので、交渉の最中というようなわけであります。
#11
○圓谷委員 私は質問を終りますが、この際主計局長にお願いいたしたいと思います。大蔵大臣が帰りましたら、文部省並びに文部委員の意思をよくお伝えくださいまして、給食の予算を文部省が最低に譲る、半分の十八億でもいいということで譲歩しておりますから、ぜひこの予算が計上されたいと思います。あと他の委員に質問を護りまして、私の質問を一応終ります。
#12
○鹿野委員 大臣は留守ですが、主計局長は大体文部省の十八億の最低の要求を拒否しておるところの大蔵省の立場として、本日大臣の意を休して、大臣と一環の責任において答弁願えるかどうか。またそうでなくて、主計局長だけの答弁であるかどうか、これを伺つておきたいと思います。
#13
○河野(一)説明員 この問題は、結局内閣において御決定になると思うのであります。池田大臣もお考えを持つておりましようし、われわれは事務当局といたしまして、事務的な意見を申し上げるわけでありまして、それをどういうふうに内閣において御決定になりますか、これは私のあずかり知らないところで、その意味において、私は御答弁いたしておるのであります。
#14
○鹿野委員 それでは主計局長にお尋ねいたしますが、ただいまこの学校給食が必要なことは十分認めておる、こういうことでありますから、この点について私は質問することを省きますが、国民の税金においてまかなうところの金で補助を出すかどうか、こういうことが問題である、こういうお話であります。昨年の十月二十四日の閣議、今年の五月二十二日の閣議において決定されたところのこれらのことは、アメリカからの援助が打切られた後も、国家はこの給食を継続する、こういうことを決定いたしておるのであるが、この問題について、こうした補助の裏づけというものを全然考えないで、閣議決定がなされたかどうか、この点いかように解釈なさるか、伺いたい。
#15
○河野(一)説明員 あるいは今年四月ごろでありましたか、そういう問題について閣議があつたように記憶をいたします。しかしその継続するという意味合いは、国庫の補助をやつて継続するのだとは私は解しておりません。そういうふうな文句はございません。給食自体は、非常に効果のあることだから、継続することはよかろうということで、閣議決定になつたと私は了承いたします。
#16
○鹿野委員 問題は、ここの点が非常に重大だと思いますが、二十六年四月二十二日の閣議決定は、あらためて十月二十四日の閣議決定の線に沿うて、この問題を決定いたしております。これはアメリカの援助資金は打切られるということを前提にして議せられておるのであるから、補助を出さないとすれば、何もこうしたことを決定する必要はない。これはアメリカの補助を打切られても、なお日本の政府の補助金をもつて継続するというこの線に沿うておることは、私は疑いないと解釈いたします。しかしながら、この問題は、本日大臣もいないから、追究することをやめますが、この問題が一番の根幹であつて、物事を決定するには、まず必要であるかどうか、しかしてこの必要の度が今主計局長の言うがごとくどの程度のものであるか、こういうことによつて実際の予算化につながつて来るものであるが、この問題は閣議で決定をいたしまして、継続をする、こういうことを国内、国際的に言明をいたしておるのです。こうしたことが、今度アメリカの援助を打切られると、ただちに国庫の補助を打切つてしまうというようなことをやりましたならば、国際的、国内的に招くところの不信というものは、非常に重大なものであると考えます。政治を行うには、いろいろな重大な問題があるけれども、これは事務当局のあなたにお話しても無理かもしれませんが、常に信頼というものが根本の基礎にならなければならない。政府が決定いたしたものを、しかも文部当局がまことをこめて最低の要求にまで譲歩し、わずか十八億、国全体の予算からすればごくわずかなものです。これが国際的、国内的に不信を招くかどうかという、この重大問題を引起すのであるということを、十分ひとつ事務当局も考えられて、そうして大所高所から判断をお願いしたい。このことは、本日は大臣もおらないから、大臣が帰られた後にあらためてまた質問をいたしたいと思いますけれども、主計局長からは、特別にこの点をお伝えをお願いしたいとともに、この国際的に招くところの不信に対して――すなわち給食を続けて行くということが、補助を出すのであるという前提に立つたならば、一応参考のために主計局長のお考えを伺いたいと思います。
#17
○河野(一)説明員 私はその閣議決定の立案について、文部当局より御説明を受け、御相談を受けました。それは事実であります。しかし継続するということにつきまして、見返り資金の問題として、見返り資金が千億もたまつておりますので、その問題としての継続の問題はあり得ると思つたのでありますが、それがなくなつた場合に、補助を出しても継続するということでは話がまとまつておりません。これは確かであります。そういうことになつておるのであります。あるいは閣議でどういうようなお話があつたか、私は存じませんが、われわれは、あの閣議決定はそういうふうに解しておるわけであります。つまり給食を継続するという意味であり、補助の問題とはまた別であろうというふうに、私どもは解しております。
#18
○鹿野委員 そうすると文部政務次官にお伺いいたしますが、文部当局としましては、この閣議決定は補助金というものを前提にするかしないか、どのように解釈なさつておるか、文部当局の御意見を伺いたい。
#19
○水谷説明員 私どもは六月三十日限りでガリオア資金がなくなるということから、この給食が継続できるかできないかというために、閣議にはかつてもらつたのでありまして、その閣議では一応継続するということでありますので、今まではアメリカから物資をもらつて、これを政府が世話して配給をしておつたのでありますが、このガリオア資金がなくなりましても、政府が世話する場合には、やはりできるだけのことは世話する、こういうふうに閣議の認証を解釈しておる次第であります。あの中には見返り資金のことも書いてあるのであります。ただいま主計局長のお話を伺いますと、その点について触れられたのでありますが、見返り資金で都合がつけば、もちろんけつこうであるが、これが都合がつかなくても、国が相当の補則をしてでも継続するものである、こういう意味合いに私どもはとつておるのでありまして、おそらく地方において給食の設備を急いでやつた側から考えますと、国が補助をしてくれるものだという意味合いにおいて、この設備をしたものと解釈をしておる次第であります。
#20
○鹿野委員 ただいまの問題については、文部当局の意向も、私どもの考え方と同じようでございます。しかしながら、主計局長にこれをただしてもしようがありませんから、後日大蔵大臣に、この問題についてただすよりほかないと思いますので、この問題は打切ります。しかし御参考までに主計局長に対して一言申し上げたいのであります。本日も東北六県の学校給食推進協議会長さんその他の方々がお見えになつて、当委員会に対して、東北大県全体の陳情書を持参されております。各地において現実の面について――あなたは政治の理想と現実をわれわれに教えてくださいました。この問題については、よくわれわれもあなたの教えに従つて考える次第でありますが、現実の問題として、いかにこの問題が重大なる影響を及ぼすのであるか、こういうことをわれわれは考えた上において、この問題を取上げておるのでありますから、あなたもぜひ広く現実を見ていただいて、その重大性を認識してくださればけつこうだと私は思います。
 以上をもつて打切ることにいたします。
#21
○浦口委員 政府諮問委員会が、給食の廃止を決定したということを聞いておりますが、その点いかがでしようか。
#22
○河野(一)説明員 別にその問題に触れておりません。ただ給食関係で人が入つておつたと思いますので、そういう人は整理したらよかろう――あれは文部省の何か管理局でありますか、それほどの事務と申しますか、それがために人がどのくらいおりましたか、行政整理として落したらよかろう。こういうふうなお話だつたと私は思います。
#23
○浦口委員 それに対して大蔵当局といたしましては、従来の給食は、食糧が全体的に足りなかつた場合にやつて、あの効果をあげたのであるが、現在の食糧が充実した時期においてはその必要がない。しかもこれに対して国家の補助を続けることは、財政上非常に負担が重過ぎるという見解で、これに同調されたということも聞いておりますが、その点いかがでしようか。
#24
○河野(一)説明員 お尋ねいたしますが、政令諮問委員会のあの参考案についてでございますか。
#25
○浦口委員 そうです。
#26
○河野(一)説明員 これは政令諮問委員会で独自の立場でお考になりましたので、今回の行政整理は一律に二割あるいは三割というような案もございますが、おのおのの事務を整理して行かないと、なかなか人も減りにくいというようなことで、こういう事務で何人いるかというようなこともピツク・アツプして、人の整理案を立てたわけであります。しかし、その人が創られたといたしましても、仕事というものは総合的にやつておるので、予算上の事項として何人となつておるその人がなくなつたから、そういう事務がなくなるという性質のものではない。規定の人員があり、そこではそれだけの人では足りないといつた場合に、その上にプラスされておるような人員もあるわけでありますから、それがすなわち給食事務の廃止ということにすぐ結びつくと考えるのも、私は行き過ぎだろうと思います。ただ政令諮問委員会の案の中に、給食関係の人員として数人入つておりましたが、それは整理してはどうかというふうな答申案になつておることは、事実でございます。
#27
○浦口委員 それに関連して、今私が申し上げたような大蔵当局の意見を、何らかの形で発表されたことがあるか、その点をお聞きしたい。
#28
○河野(一)説明員 政令諮問委員会は関係の当局を呼んで、いろいろな意見を聞いております。私も数回以上にわたりまして、意見を求められました。そういう御意見もあつたようでありますが、しかし最終的に大勢の委員の方で御議決になつたのでありまして、私は、給食について現状をお述べし、またこの程度の人が予算事項として入つておるというようなことは、申し上げたことはございます。
#29
○浦口委員 どうも先ほどからの御答弁を聞いておりますと、大蔵当局としては、給食の重要性は非常に認めておると、主計局長は申されるのでありますが、ただいまの私の質問に関連し、なおガリオア資金が六月をもつて打切られるということは、すでにわかつておつたことでありまして、先ほどの閣議決定に対する文部当局との意見の食い違いもあるように、大蔵当局としては、講和ができた後は、国家の補助、においてこれを続けることはとうてい不可能であるという、最初からそういう前提に立つてお考えになつていた、こういうふうに解釈していいという結論が出ると思いますが、いかがでしようか。
#30
○河野(一)説明員 御解釈のしようは、それはごかつてで、そういうふうにおとりになることは、それは御自由だと思います。ただ御了承願つていただきたいと思うのですが、私どもは事務当局としてそういう意見を申し上げているのです。やり方その他について、私どもいろいろ意見はございますが、十八億ぐらいの金は何とかなるではないかというようなお考えに対しては、私は意見を申し上げてみたいと思うのであります。十八億という金は、これは八大都市でありましたか、何か都会地の四百万人が対象にされておるようでありますが、一人当り月三十円、一日一円であります。これが四百万人に及びますと、全国で十八億という金になるわけであります。ほんの一日一円補助することについて、それだけの金がかかるわけであります。十八億という金は――今回政府職員の給與べースを上げるために、旅費の一割ないし二割、それから物件費の五分を節約いたしまして、約二十億足らずの金を節約したのでありますが、それによつて、給與ベースの改訂を三百円よけいにやつたような金額に当るわけであります。あるいは減税の問題で申しますと、基礎控除千円を引上げるのに相当する金なのであります。また六・三制で申しますれば、十八坪ぐらいの補助に当るわけであります。そういうふうな観点から考えまして、いろいろな点を御判断になりまして、そうして内閣において御決定を願いたいというのが、私の方の趣旨であります。私どもとしては、そういうふうなことを申し上げる以外に、特に意見を申し上げるという筋合いではないと思います。
#31
○浦口委員 それでは、大蔵省当局としての見解は大体聞きましたので、これ以上論争するつもりはございません。
 そこで最後に、これは非常に影響するところ大きな問題でもありますので、政治の全体から――何が重点かということは、先ほど圓谷委員からもいろいろお話がありましたので、あえて触れることを省きまして、できるだけの努力を傾けて、国家の補助を続けられることを強く希望をいたしまして、私の質問を終ります。
#32
○小林(進)委員 一言お伺いいたしたいのでありますが、今までの委員諸君との質問応答を聞いておりますと、一応閣議で決定したが、予算の面でそれが御破算で白紙にせられるというような感じを受けるのであります。おそらくその閣議の決定には、閣議の決定でありますから、当然大蔵大臣も出席されておつて、大蔵大臣も臨席の上で、その閣議の会議の決定がなされたものと私は了承するのであります。そのような閣議で決定せられた、最も権威あるべきその決定が、予算面とはいいながら、それが白紙にされたという陰には、何か閣議以外の力が、そこに働いているのではないかというような感じを受けたのです。その閣議以外の力とは何か、これはすなわち主計局長等の、いわば事務屋と称する、官僚閥というか、事務閥と申しますか、そういう連中の、事務の範囲内と言われるものの強硬な政治への干渉と申しますか、一つの行き過ぎた行動が、ともすると閣議というものを軽視してくつがえすのではないかというような感じを、私は非常に受けたのであります。いわば大蔵省内におけるそういう予算を否定せられる元凶は一体主計局長にあらざるや。この点いかがでありますか、お伺いいたします。
#33
○河野(一)説明員 私が元凶かどうか存じませんが、閣議決定を御相談受けたことは確かです。将来見返り資金がなくなるという場合には、国庫補助をしたいという御趣旨の文句が、文部省から持つて来られたときに入つておつたことは、事実であります。しかし、私どもはたしかそれを削つていただいた、私はそう了承しております。閣議にも削られたもので行つておるはずであります。そういう意味で、そこのところが閣議でどういうふうなお話合いになりましたか、私は聞いておりません。少くとも事務的な取扱いといたしましては、国庫補助を前提としての継続という閣議決定の問題につきまして、文部省はどうお考えになりましたかわかりませんが、私どもとしては、それは将来の問題であるというふうに考えております。決して閣議決定をどうのという元凶ではございませんので、御了承願います。
#34
○小林(進)委員 今までの御説明では、私は少しも了承しないのであります。これは大蔵大臣が来られてから、また最後に質問をしなければならないと思いますけれども、ともかく閣議の決定が大蔵省に持ち込まれて、そうしてそういうかわつた形で現われたということは、大蔵大臣の御一存なのか、あるいは大蔵大臣の下におられる幕僚各位の強い意見に押されて、大蔵大臣が変節されたのか、ともかくこの二つのうちの一つしか私どもには解する道がない。この二つの問題について、一応主計局長に注意を喚起しておきたいのは、世間からながめると、先ほど申し上げましたように、閣議や、あるいはわれわれ国会における決議が非常に軽視せられておる。この問題だけではありません。これは私は輿論の面からも、世間の目からも、われわれの立場からも、非常に不愉快に感ずるのであります。こういうことは釈迦に説法のきらいがありますが主計局長は断じて大蔵大臣の一つの幕僚ではない、やはり国家の公僕でありますし、特にこういう問題については、大蔵大臣を超越して、その閣議の決定に最も忠実であるというような立場をとつてもらわなければ非常に困る。このことを切にお願いいたしまして、私の質問を終ります。
#35
○松本(七)委員 この問題は、ただに給食の問題ばかりではなしに、給食問題あるいは教育一般の問題が必要であるということはいつもみな強調される。ところが実際に予算面になると、いつも最初に削られるのが文部関係の予算である。ここに問題がある。今回の給食の問題にしましても、主計局長が言われるように、現在の日本の実情で、十八億というものは決して軽々しく出せるものではないということは、もちろんよくわかる。それならば教育をどの程度重んじておるかということになると、予算面に具体的に現われたところでは、今日まで決して重んぜられていない。今後苦しくなればなるほど、いよいよ教育面が軽視されるという点を、われわれは憂慮しておるのであります。そういう点から考えて、この閣議決定がどのような趣旨であるかということは、大蔵大臣あるいは文部大臣に、もう少し確かめる必要がありますけれども、私の望みたいのは、これは事務当局ではなしに、むしろ――きようは大臣はおられませんけれども、政務次官あたりもそういう点を考えられて、強硬な態度で押していただきたい。特にこの給食問題に関連して、私はこれを政務次官にお願いしたいと思います。
#36
○長野委員長 他に御質問はありませんか。
 それではこの際委員長からも大蔵当局に御希望を申し上げておきます。ただいまだんだんお話のありましたように、閣議はもちろんでありますが、当委員会といたしましても、それぞれ至要な法案をつくり、また予算の計上に協力をいたして参つておる次第であります。しかるに、ややもすればこれらのものが、あるいは事務関係の方面においてとかくの論議の的になつておる事実を見のがすことはできぬのであります。たとえば給食問題、あるいは、名前は申しませんが、某重大法案で最近国会を通過したもの、こういうものが政令諮問委員会等においても、相当に論義の的になつておるやに承つておるのであります。これは名前は申しませんけれども、御明察を願いたい。この点については、どうかひとつ国会の尊厳を無視することのないよう、少くとも軽視することのないように御希望を申し上げておきます。
 それから次は、戦争中においては、母親は非常な栄養不足を来し、精神的にも大なる打準を受けまして、きわめて病的状態にあつた。その中に生れた子供が、われわれが今日心配している子供であるます。道路、港湾等々の問題も大事でありますけれども、国は国民あつての国であります。従つて、この国民を健全に育て上げるということにつきましては、われわれは何者をおいても、まず力を注がなければならぬことであると思いますが、最近われわれは地方を見まするに、児童の学業成績、出席状態、健康状態等がみなこの給食によつて補われ、善化良化しておることを認めておる次第でございます。かようなわけでございますから、大蔵当局、特に予算問題については事実上の首脳者である局長におかれましても、ひとつこの点を十分御了承いただきまして最善の積極策をおとりくだされんことを御希望申し上げる次第であります。
    ―――――――――――――
#37
○長野委員長 次に、新宿御苑に国民プール建設に関しまして発言を求められておりますが、これを許すに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#38
○長野委員長 御異議なしと認めます。平島長一君。
#39
○平島委員 新宿御苑に国民プールをつくるということは、最初計画されたときは、いろいろの問題もあつたかとも思うのでありますが、今日におきましては、国会がこれをやろうということになつておりまするので、これを事務当局で、官僚の人たちでさえぎろうとするようなことが、いわゆる巷間やかましくいわれている官僚独善の措置ではなかろうかとも思うのであります。一昨十日でありますが、厚生大臣と建設大臣の二人で、この新宿御苑に国民プールをつくることについては絶対反対であるというような声明をされたそうでありますけれども、十日には、建設大臣も厚生大臣も、東京にはおらなかつたはずであります。にもかかわらず、そういう声明が出たというのは、どういういきさつであるかを厚生省の方からお伺いしたい。
#40
○森本説明員 発表になりましたのは、十日だつたと思いますが、実はこの点大臣より話がございまして、この問題について、建設大臣、厚生大臣の見解を明らかにしたいと思う、そこで新聞発表の内容を起案してほしいということでありまして、それを起案して、両大臣のお目に入れまして、それが発表になつたわけであります。それから発表になりました当日、大臣はおられましたか、お留守でありましたか、ちよつとはつきり記憶しておりませんが、この内容の趣旨をクラブの方へ発表するようにということで、厚生省におきましては私が、建設省におきましては都市局長がその書き物の内容を発表したという状態であります。
#41
○平島委員 この問題は、大しの声明を一日を争うて出すほどのことでもなかろうと思います。にもかかわらず、十一日には大臣が帰るということがわかつておるのに、十日になぜこれを出さなければならなかつたのか。それより以前に、大臣から出せという命令があつたのかもしれませんが、その辺も私どもは明らかでないように聞いておりますので、その辺の経緯を具体的に伺いたい。
#42
○森本説明員 ただいま申し上げましたようなことでございまして、繰返して申しますが、最近この国民プールの建設の運動が相当活発になつております。この点についてはすでに前に両者から通知があつたがその趣旨が徹底しておらぬのじやないか、また政府としては、これは今後とも許可をしない方針であるというので、この点は明らかにしておいた方がいいじやないかという気持でございます。それで両大臣におかれましてそういうお話がまとまつて、あるいは仄聞するところによると、自由党の方とも御連絡になつたようでございますが、そういう措置を講じて、両大臣相談の上ひとつはつきりしようじやないかということになりまして、それを先ほど申し上げましたような事務的手続によつて、処理をしたわけでございます。
#43
○平島委員 私も厚生省へこのことについて伺いまして、森本公園部長なり事務次官なりに会いまして、いろいろ事情を聞いたのであります。また先般の文部委員会においても、いろいろ各委員から質問があつて答弁を聞いたのでありますが、私どもはどうしても厚生省の人々の言つておられるところでは納得が行かないのであります。実は私もあの現場を見たことはなかつたので、先般文部委員会のあとで、若林委員と二人で実地をよく見たのであります。ほかの方はみな御承知であろうと思いますけれども、あの新宿駅に近い方のすみつこでありまして、このごろ整地をいたしまして、何かまり投げをする人はここで遊んでくれという意味の立札を立てておるわけでありますが、あそこヘプールをつくつたからといつて、私は決して新宿御苑の創立の精神にも反しなければ、美化をそこなうとも思わないのであります。またあの表の方へ行きますと、三千坪か四千坪の土地が、まるで荒野のごとき状態で打捨てられておることも、実際に見て参つたのであります。どうもこの間の反対されるところでも、弁当を使う所がないではないかというような、ごく薄弱なその場のがれの御答弁を聞いておるのでありますが、私どもはその真意のいずれにあるかを疑わなければならぬ状態であつて、決してこれに反対されるようなことが、ことさらになされなくてもいいのではなかろうかと考えておるのであつて、あそこヘプールを設けてこそ、私はかえつて新宿御苑を美化するものではなかろうかとも考えておるのであります。この辺につきまして、いま一度公園部長の御意見を伺いたい。
#44
○森本説明員 この点につきましては、前数回ここで御説明申し上げたのであります。第一に、この新宿御苑の管理の方針でありますが、これは昭和二十二年の閣議決定がございまして、今後これは国が直接管理することになつておる。管理の仕方としては早く原状に回復をしてその状態で管理をするということが、閣議決定になつたのであります。以後その方針で管理をして参つております。さらにこれに関連しまして、審議会が設置されて、いろいろ運営の方針があるのでありますが、その中には、今申したような原状回復をして保存するというような考え方、あるいはこれに関係のないような施設は設けない、それから特に営利または利権の介入というような施設は持たない、そういうようなことでございますが、大体それらの閣議決定なり審議会の答申の考え方というものは、要約すれば、今申したように原状に回復をして保存をするという考え方であります。そういう考え方が今度の問題を処理するところの一つの大きな基本的な考え方であります。そういう点から考えますと、この国民プールの設置という、ことは、若干の場所があるとか、あそこにプールをつくることによつて、日本の水泳に非常に役立つというような点は、何としてもその基本的な考え方からすれば相矛盾する、合致しないということになるのじやないか、そういう見解でこの問題に対して反対をしたのであります。また最近都市計画の方から見ましても、都市の緑地というものがだんだん少くなつて来ておるのであります。従つて、現在あるところの緑地はなるべく保存するという考え方であります。そういう点から見ても、あそこに特にプールを設置する必要もないし、また設置することは、新宿御苑の今後の管理上適当でない、こういう結論が出たわけであります。
#45
○平島委員 これはいくら議論しても、見解の相違であるかもしれませんが、新宿御苑をもとのように回復するといつても、おそらくは戦争前の新宿御苑には、なかなかなりにくかろうと思うのであります。現在整地されているところを見ましても、昔の姿であるかどうかということは、皆様御承知の通りであります。だんだん世の中が進歩して来まして、昔の御苑であつたところにプールをつくつたからというて、決して御苑の尊厳を冒涜するとか、またその創設の精神に反するとかいうものではなかろうと思うのであります。また緑化という点から申しても、一本の木を切るわけではない、空地になつているところにつくるのでありまして、決して緑化を乱すわけでも、これを破損するわけでもありません。しかし、これはいくら論じましても見解の相違であるかもしれません。私どもは信念として、あそこにプールをつくつても、決して新宿御苑の尊厳を冒涜するものでもなければ、精神に反するものでもない、かえつて美化するものであると強く信じております。厚生省の諸君におかれましてはもう一度考え直されんことを希望いたしまして、私の質問を終ります。
#46
○受田委員 私から厚生省並びに建設省のお二方にお尋ねしたいと思います。
 本日は午前十時から文部委員会を開いて、まず初めに国民プールの建設の問題について政府に質問するということになつておつたのでわれわれ議員は早朝より参りまして、この委員会に大体出そろつて、十時にはお待ちしたのであります。私たちは厚生省並びに建設省のお二方についての議事は十一時までに終えて、次に文部省関係の予算に移ることになつておつたのですが、お二人ともおいでがなくて、十一時までわれわれは空白のままで過し、さらに十一時より文部省関係予算の審議をやりまして、十二時をくぐるころになつてお二人がおいでたのであります。国会は国会法によつて常に政府委員の出席を求めて説明を聴取することができる権能を持つておるし、また政府委員であられる、あるいは政府の職員として説明に立たれる皆様方といたしましても、国会を尊重し、国民の代表機関で、あるこの国会の意思を尊重するという立場からは、国会の要請があるときには、進んでこれに出席していただいて、そうして政府の立場を述べてもらう、かくしてこそ、立法府と行政府が一致して、この祖国再建の政治ができるのだと思うのであります。ところが、私はこの点休会中であるにかかわらず、われわれは全員出席して待たされること一時間、非常に貴重な時間をここで空費したということは、きわめて遺憾でありまするが、お二方の本日お受取りになられた御連絡状況はどうであつたか。国会から連絡すると、すでに政府の方では各省とも出席したというけれども、ここには姿がない、こちらの政府委員室に行くと、まだ来られないというので、われわれはまず本日の日程の第一に掲げられてあつたこれをやつて予算の方に移るというので、十一時まで待たされたのです。こういう問題についてお二方の本日ここに御出席するまでにとられたいろいろな経路、その他国会尊重に対するところの御見解をお聞きしたいと思います。
#47
○森本説明員 国会より出席の要求がございますれば、われわれ当然出て来るものであると考えております。その点はこれは申し上げるまでもないと思います。それから本日の点でございますが、実は私の方には事務次官の出席の要求があつたのでございます。それで実は私もこの前にこちらに出て来たこともありますし、私への直接の出席要求であれば、私が参らねばならぬと思つておりましたが、事務次官の方の要求であるということが念のために話がありました。それでひとつこれは事務次官ということであるので、ほかの者が行つてもいかぬのかもしれぬと思いまして、それはしかし私が行つてもいいのかどうかということを実は連絡してもらつておりましたところが、事務次官が万やむを得なければという話で、とにかくだれか代理でもいいから出ろということでございました。それで出て参つたのであります。最初から私の指名でございますれば、出られたと思つておりますが、私個人につきましては、そういう事情でございます。
#48
○長野委員長 ちよつと申上げます。ここから事務次官に要求したことは、事務次官がさしつかえあるならば公園部長なりだれなり適当な人がかわつて来るべきであります。あなたが来られたことは、当然事務次官の代理としてわれわれは考えております。
#49
○黒沢説明員 ただいまの点でありますが、けさ私の方に連絡がございましたのが十時ちよつと前だつたと思います。それは局長に出るようにというようなお話でありましたが、局長はただいま出張中でございましてさらにこの関係を担当しております施設課長を代理に出すようにということで手配したのでありますが、施設課長は昨日から首都建設の関係で外へ出ておりまして、その時にはまだ見えておらなかつたのであります。そこで私が代理で伺つたわけであります。その時の御連絡では十一時から始まる、それまでにというようなお話でありましたが、いろいろ手配の関係でちよつと遅れまして私は十一時少し過ぎましてここに着いたと思つております。その点あしからず御了承願いたいと思います。
#50
○受田委員 私は両政府の職員の方に御連絡をお願いすべく、委員部の諸君を煩わして十分刻みに政府委員室へ連絡させたのであります。ところが十一時二十分までは政府委員室には姿が見えない。そこでこの予算審議に入つたのであります。お二方は少くとも十二時直前にここに現われた。政府委員室へおいでたならば、どちらが先においでても、すぐここへ御出席になれば、すぐ会議が始められたのす。一時まで晝食時間を差繰つて国会議員が多忙な身をさいてここへ出席しておるのに、お二方の出席がないためにこれだけの犠牲を拂つたことは、国政の衝に当るわれわれとして非種に遺憾であります。平素着実な官吏であると思つておる森本さんにいたしましても、建設省のあなたにいたしましても、この点については非常に私は潰憾に思うのであります。委員部の方からの報告によれば、十時半に厚生省を出発した。それが十一時二十分にまだここへ着いていない、こういう確証があがつておるのです。この点、途中どこかへお寄りになつたのであるかどうか、お伺いしたいので、あります。
#51
○森本説明員 その点、私どういう連絡があつたか存じませんが、私は役所からここへ直行したのであります。
#52
○黒沢説明員 私も連絡があつて、そういう手配が済みましてから、役所からじかにこつちへ伺いましたので、政府委員室へは行かないでそのうしろから入つて参りました。どこべも寄つておりません。
#53
○受田委員 私はこうした時間を守るということに、非常に潔癖性を持つといいますか、平素委員会へも出席を欠かしたことのない男でありますし、また開会を厳守するということを、非常に性格として重んじておるのですが、きようの会議などは非常に不愉快です。最初から不輸快になつてしまつたのです。傍聴者も多数来ておられるし司会議員も出そろつておる。ただ政府の職員であるあなた方がおいでにならぬために、ここで一時間以上待たされて、どちらを先にするか、予算を先にするか、国民プールを先にするか、いろいろ議論して十一時半まで待つて、やむなく主計局長に質問を発するということになつたのです。この点民主国会の構成の上からいつて、政府の出席がなくて委員会が開かれないということは、実に不愉快なことなんです。厚生省へお尋ねしたときは、十時半にすでに出発しておるということであつたのです。この点官僚として、適当にその場をごまかすということじやなくして、途中どこかへ寄つたとかいうことは、ここで申していただいて、率直に非は非、是は是として、この会議を進めて行き、今後またこういうむだな時間を再び繰返すことのないようにしたい。もうじき一時になるのですが、私はこれから申し上げようということをたくさん持つておるのに、時間に制約を受けておるのです。この点、政府は国会を尊重するという点において、事務次官が不在ならば事務次官を代理してだれが来るというところの政府の部内の組織は、非常に、円滑に、かつ時間的に非常に節約される形でなされておるのではないかと思うのであります。これほすでに昨日申し込んだのでしよう。昨日申し込んであつて、そうして今日ここまで遅れたということは、これは非常に不愉快なことであります。この点において政府部内、特に厚生省内部におけるそうした国会出席の手続上、代理者の出席の場合における諸般の内規などについて、何か次官が出られない場合には局長、局長が出なければ部長というようなことのいろいろな手配に手間取るようになつておるのかどうか、お伺いしたいのであります。
#54
○森本説明員 別に内規というようなものはございません。ただ事務次官という特に御指名があつたようでありますので、代理でいいのかどうかということを私は懸念して連絡してもらつた、そういうために時間がいつたという状況であります。原則として次官が出られない場合には代理が出るということにつきましては、別にむずかしいことなしに、前例によつてそういうようにやつております。それはそれといたしまして、いろいろ御叱責をいただきましたが、手続の間違い等によりまして、出席の時間が遅れたという点につきましては、まことに申訳ないと思つております。
#55
○受田委員 私はこの際委員長にひとつ大いに御考慮いただきたいと思うことは、こうして委員会に出席を要求したにかかわらず、時間が遅れ、きようは晝ですよ。晝になつたということは、午前中の委員会に欠席したわけです。こういう形で今後この委員会を運営されるとするならば、非常に国政の審議に支障を来しますが、この点において吏道刷新という立場から、政府に重大な申入れをしていただきたいと思うのであります。この点において委員長の何らかの決意を促しておきたいと思います。
#56
○長野委員長 受田君からのせつかくのお言葉ですから、私の見解を申し上げておきます。委員会としましては、政府委員室に連絡の主任がおりますが、全部この主任を通じております。私はこの連絡員は大臣の代理であるという常識的見解を持つております。従つて、かかる問題については、嚴重に、数回重ねて間違いのないように処理して参つておるのであります。それからまた、次官が来られない場合には、当然そのかわりに来るものについては、次官の代理として来ておる者ということは、これもまた申すまでもないことであります。しかるに本日は連絡員の連絡がどうであつたか、あるいは次官が来れない場合に、次官がいかなる処理をしたか、こういうことも一向わかりませんので、すみやかにひとつ調査をいたしまして、本日の問題は今後に例を残さないように、厳重に申入れしたいと思つており場ます。同時に御希望通り、委員会といたしましては、本日のきわめて不熱心な、何と言いますか、議会を無視した態度につきまして、嚴重なる調査をし、そうして直接大臣よりこれに対する見解なり、決心せられるところを承りまして、皆様に御報告を申し上げたいと考えております。
#57
○受田委員 私は現在来ておられる森本さん、また建設省のお方も、平素着実な官吏であることはよく知つておる。ただ政府部内におけるこういうことに対する手続の相違とかいろいろな点で、最近怠慢になつておるのではないかということについて、ここに非常に不審を抱いたがゆえに、発言をしたのでありまして、その点、今委員長の御決意の通り、ひとつ政府に、本日の二人の出席者のみでなくて、一般にそういう傾向があることに対しての申入れをしていただきたいと思います。
 次に質問に入りますが、本日の議題になつておりまする国民プールの問題は、三十二年の十二月二十七日、当時の社会党、民主党連立内閣の時の閣議決定事項として、旧皇室苑地の運営に関する件がきめられ、それによつてさらに旧皇室苑地の運営審議会が設けられまして、吉田総理その入がこの会長になり、これを二十四年の四月二十日に、総理大臣の身分である吉田さんに答申をしておるのですが、その答申書の中にこの新宿御苑の件については「なるべくすみやかに次の諸施設を設けること」として「児童遊園、運動広場」ということが書いてあります。このことについて今回厚生省並びに建設省で共同発表をされたというその内容には、国民プールの問題については、その理由の一つとして、新宿御苑のような由緒ある場所には、他の施設を設けさせないことになつておるということであります。また緑地の中にプールを設けることは適当でないという二つの理由がおもになつておるようでありまするが、この答申案の第三項の適当な施設をすみやかに設ける、すなわち運動広場を設けるとか児童跡園地を設けるとかいうことに、この問題を結びつけてプールをつくるということは、すなわち国際的な体育祭典をやるという意味から、このプールそのものが運動広場の一つの表現であるという解釈を、われわれはとつておるのであるが、この解釈について、森本さんはいかがお考えになつておられるでしようか。
#58
○森本説明員 この点につきましては、建設省も同じ意見と了解しておりますが、この「運動広場」とありますのは、プール等は含まないという考えであります。運動広場といえばトラックフィールドなど、競技場のことでありますが、そういう意味のものでもない。大体広場がありまして、そこでまり投げをするだろうし、あるいは子供達が飛んだりはねたりもするだろう。特定の遊び方でなしに、自由に運動して遊びまわれるような広場である、こういうように解釈して参つております。
#59
○受田委員 この問題については、昭和二十四年の答申案を出したときの国立公園部長は、この間森本さんの前任者としておやめになつた飯島さんであつたりですが、飯島さん並びにその時の厚生次官も、その点についてはプールをつくるということは、国民運動広場の一施設として適当なものとして解釈しておられるのであります。これは当時の答申書をつくつた当の責任者が、こういう見解を持つておられるのでありますが、国民運動広場というそのものの解釈についての意見でこれを押えるという形をとつたのか、あるいはこの解釈ということは枝葉末節であつて、ほかの方に理由の大きなのがあつたのかを聞きたい。
#60
○森本説明員 字句的に解釈いたします運動場は、先ほど申しましたように、プールは含まないという考えであります。
 それからもう少し基本的なことを申しますと、この答申にもありますように、由緒ある沿革を尊重して、つとめてもとの姿に返すというような考え方、それからあの庭とは関係のないものはつくらないというような考え方、この辺が基本的なことではないかと思います。そうしてここに書いてありますさしあたり児童遊園地、国民運動広場、休憩所をつくるという考え方は、どういうわけかと申しますと、従来国民一般に開放してありませんでしたが、今後開放いたします以上は、人が入つて来るだろう。従つてそれらのための休憩所とか、あるいはのどがかわいたとき水を飲む水飲所であるとか、便所であるとか、あるいは団体が来た、小学生が来た等の場合、遊んだり弁当を食つたりする広場がいるという一般の開放に伴う施設として、こういうものが必要であるというように書いてあると思います。従つて基本的な考え方は、原状の回復保存、関係のない施設はつくらないということ、かりにつくるとしましても、一般の開放に伴つて必要な最小限度の運動広場、水飲所、休憩所、便所、駐車場こういうものをつくるのである、こういう考えであります。
#61
○受田委員 そういう解釈の仕方が重点になつてこれを許可しないということになるというお説でありますが、昨日の新聞発表による内容には、新聞によつての報道がいろいろ違つおるのです。この点についてちよつとおただししたいのですが、厚生省並びに建設省で話合いをされて、クラブに発表されたというその発表の全文は、ほんとうはどうであるか、私が都下の新聞五つ、六つ見ただけでも、非常にまちまちに発表されておりますので、ほんとうの内容を言つていただきたいのであります。
#62
○森本説明員 実は間違いのないようにして、二枚刷りでございますが、刷りものにして発表したのでありますが、新聞のほうは各社で字数の制限等でそれぞれその取捨をしておるようでございます。簡単でございますから、朗読いたします。
 昨年七月ごろから新宿御苑内に国民プールを建設しようとする運動が起り、これに対し昨年九月厚生、建設両省当局から国民プール建設委員長あての公文をもつて不許可の旨通知したにかかわらず現在なおその運動が続けられているようであるが、政府としては同プールを新宿御苑内に設置することについては今後もこれを許可いたさない方針である。
 そもそも終戦後皇室より国家に物納された新宿御苑の取扱いについては、政府において愼重検討の結果、昭和二十二年十二月二十七日の閣議決定により国が直接管理をして、その保存をはかるとともに、ひろく一般国民の利用に供するという基本方針を定め、またその管理運営の方法については、旧皇室苑地運営審議会の答申の、(一)由緒ある沿革を尊重し、努めて原状の回復保存をはかること、(二)各苑地の特性に照し、これと関連のない施設はこれを設けないこと、特に営利を主目的とし、または利権を伴う諸施設の設置はこれを認めないこと等を基準として維持管理を行つて参り、また今後もこの方針を持続する考えであり、また都内の緑地は都市計画上できるだけ保存する必要があるので、新宿御苑内にプールの施設を投げることは適当でないと考える。
 しかるところ右に述べた政府の方針並びに措置は、関係者においては十分了知するところであるが、一般には知られざるためか、現在においてもなお国民プール建設会を中心に新宿御苑内にプールを設置するための運動が行われている状況であるので、ここにあらためて政府の見解を公表上、もつて過誤なきを期する必要を認め、政府の方針及び従来の措置の概要を明らかにする次第である。こういうことが主でございます。
#63
○受田委員 今の内容を見ますると、すでに国民プール建設会長あてで不許可の通牒が出してあるということでございますが、私はこの点について、国民プール建設会長に確かめたところが、一回も不許可の通牒をもらつておらない。ただ建設委員会と関係のない徳川頼貞氏に一回ほどこういう意味のものが来た。現在のところにおいては許可しない方針である。ただいまのところにおいては、という意味の通牒を出しておるということの報告を受けたのであります。この点において国民プール建設会長に正式に出されたという今の発表でありまするが、国民プール建設会長はそれをもらつておらない。今いう昨年九月二日に徳川頼貞氏が一回そういうような意味の書面をもらつておる。しかもそれはただいまのところ許可しない方針というのですから、いずれまた適当な時期には許可するであろうという含みがあるという解釈で、このプール建設の方では大いに馬力をかけたようでありまするが、この点について真相をお伺いしたいと思います。
#64
○森本説明員 ただいま運動団体としましては、国民プール建設会という名前になつておるようでございますが、これはもとをただしますと、同じ団体か実はよく存じませんが、国民プール建設委員会というのが最初できております。これは去年の七月ごろからずつと九月、十月ごろまで続いておつたようでございますが、それでこの運動が起つた当初の名前は国民プール建設委員会というのであります。その当時の九月におきましてはそういう名前でございます。その会長あてで公文を出したわけであります。当時はこれが中心の団体である。それでその後できました国民プール建設会といいましても、私は大体同じ団体ではないか。あるいは全然かわつておるのか、その辺ははつきりいたしませんが、大体常識的に考えまして、同じ団体が名前がかわつたくらいじやないかと思つておるのであります。従いまして、国民プール建設会、新しい会の方には通知は出しておりません。最初の委員会という方に出してあります。
#65
○受田委員 もう一つそれに関連する問題ですが、新聞の中に相当多く出ていることは、原元代議士が中心になつてやつたということが盛んに書き立てられてあるということと、それから新聞によると、相当各方面に寄付を強要したというようなことを書かれたところもあるのですが、それを発表する際に、こういうようなことをクラブの方べ発表された、その発表文書以外に附加した発表はございませんでしたか、これをお伺いしたいのであります。
#66
○森本説明員 正式の発表はこれだけでございます。それから事情を説明する必要があると思います。大体そのクラブの人はよく知つておりますが、一応国民プール建設運動に関する経過という二枚刷りのものをわかるように配付いたしました。項目を申しますと、「一、新宿御苑の管理運営方針」としまして、先ほど申しました、閣議決定の内容と、それから旧皇室苑地運営審議会の答申の内容、これを書きました。
 それから二番目には「国民プール建設運動の端緒」ということでありまして、そこには二十五年の五月ごろ日本大学本部内に古橋記念プール建設委員会というようなものが設けられた。それが、新宿御苑内に事務所を設置したことにしておる。それから国民プール建設委員会の名前等をもつて印刷物を頒布した。それから八月下旬ごろに同会役員原侑氏等が厚生省に印刷物を持参し了解を求めるところがあつたが、厚生省においては、プール建設については異存はないが、新宿御苑内につくることはいけないということを申し渡した。これは端緒のことであります。
 それから三としまして、「厚生、建設両省の態度表明」。これは先ほどお話のございました公式の文書で通知をした、その後国会の委員会でありますとか、あるいは陳情に見えた際においても、先ほどの公文の趣旨を一貫して申し上げておつた、こういうことであります。
 それから四番目に、国民プール建設運動の継続としまして、前記のごとく屡次にわたり当局の方針を明らかにしたにかかわらず、右運動がなお残つているような状態である、こういうことをざつと経過のあらましを書いたものをつけたのであります。
#67
○受田委員 それで寄付を強要した傾向があるということは、発言されなかつたですね。
#68
○森本説明員 してありません。
#69
○受田委員 問題は新聞発表をすることによつて、この運動に終止符を打たしめるという意味であつたと思うのでありますが、さよう心得てよろしゆうございますか。
#70
○森本説明員 そういう意味でありまして、政府の方針並びに考え方が、はつきり徹底いたしておらぬようでございますから、はつきり明らかにしておきたい、こういう意味であります。
#71
○受田委員 そうしますと、政府の方針を決定された方々、すなわち厚生省、特に建設省という立場の御見解があると思いますが、私は先ほど森本さんの御意見は、この前の委員会でも小林進委員の質問に対するお答えもしてありますので、見当はつけておりますが、建設省の都市計画の立場からの見解をちよつと申し述べていただきたいと思います。
#72
○佐藤説明員 私ほかの用がございまして、遅れて参りましてたいへん申訳ないと思います。
 今のお話の建設省の考え方は、やはり新宿御苑の問題につきましては、厚生省と建設省が共管いたしておりまして、管理運営につきましては厚生省、建設につきましては建設省、こういうことになつております。それでその建設の方針につきましても、先ほど厚生省からお話がございました閣議決定に基いた運営方針によつてやつておりますので、今のプール建設の関係につきましても、同様の見解を持つている次第であります。
#73
○受田委員 すでに一時になりましたので、これで質問を終結いたしますがただいまの建設省の御意見並びに厚生省の御意見を総合して、これは不許可ということにしておるのだということであります。閣議決定に基いてという今のお説でありますが、関係された事務当局の考えと、それからこれに賛成されている個人として、の大臣の立場の間におけるいきさつについて、実は私究明したい点があるのであります。この問題は私は党派を越えて――初め原氏がやつたのだということにおいて、多少そこに何か利権を中心としたような傾向があるのではないかという疑義があつたと思うのですが、そういうことは一切離れて、ほんとうに国民プール――皇室と民衆とを直結をする、すなわち皇室の御料地であつたが、国民はこれをこのように利用できるのだという、民主的国家の皇室への親近感を抱かせるという意味において、非常にいい意味の対象物なのです。これは非常にいいチヤンスである。そういう意味で、われわれはこれに党派を越えて賛成をして参つたであります。その間に何か臭みがあつたということならば、われわれも反対しなければいかぬのですが、現状において非常に純粋な国民運動として盛り上つておると認められておつたのでありますが、この運動そのものが新宿御苑をプールにするのがいけないのだ、場所がいけないのだというところに当局の反対理由があると思うのですが、この点二人の大臣は署名をしておられる。いいことだから署名しておられるのですが、閣議決定といいましたが、閣議決定によつてこれは不許可ということになつた。そういうふうに事務当局が強引に閣議を押したという傾向はありませんか、その点についてお尋ねしたいのであります。
#74
○森本説明員 建設省も同意見だと思いますが、違つておれば訂正してもらいます。私の方の事務当局としましては、この閣議決定並びにそれに基いてなされました審議会の答申を忠実にそのまま解釈し、実行するということが主でございます。そういう立場をとつて先ほどのような解釈をしたわけでございます。従つて閣議決定を押しつけるという考えもございません。閣議決定をそのまま実行する、事務的に処理するという立場をとつて参つております。従つてその実行がぐあいが悪いということであれば、閣議決定そのものを変更するとか、そういう問題になつて来るのではないかと思います。
#75
○受田委員 森本さんのお話の点は、閣議決定というのは、新宿にプールを設けてならないという閣議決定ですか。そうではないでしよう。そうならば、事務当局が閣議決定の解釈を、事務当局独自の立場でして、これを不許可にしたわけではありませんか。閣議では、新宿にプールをつくつてならないという決定はしていない。今の旧皇室の苑地の整備問題についてのあの答申案に基いて、閣議決定を尊重して、行政措置として、ここに不許可ということにしたわけですね。その点について、これは建設大臣も厚生大臣も個人としては非常に賛成をしておつたようであります。それが後にやむなく反対になつたということも聞いたのですが、事務当局として解釈を少し行き過ぎておらぬかということですが、その解釈をした当面の責任者は、厚生省では森本さんであり、建設省では都市局長であつたでしよう。その点をちよつと……。
#76
○森本説明員 事務的の段取りの仕方につきましては、私なり、建設省の都市局であります。最後の事務的な処理の決定をいたしますのは、事務次官であろうと思います。そうしてそういう解釈をわれわれがして参り、判断をして参ります、それに対して、大臣は大臣独自の見解から、よいとか悪いとかいう決定をされるのであります。
#77
○受田委員 大臣は、それでこれを不許可ということに最後腹をきめられたわけでしよう。それが事務当局の解釈の当面の責任者であられたお二人の最高責任者が、これをそう解釈されたということでありますが、前の飯島さんはこの点について、プールは一向さしつかえないという解釈をしているのです。その時の責任者によつて解釈がそれぞれ違つて来るということでは、こういう問題が非常に困ると思うのですが、この点について、いかがお考えでございましようか。
#78
○森本説明員 役所の中には、それぞれ五人なり、十人なり、あるいは百人なり、一つの問題に関してタッチしているのであります。従いまして、個人的の意見として、甲であるという考えを持つ者もあるし、乙の考えを持つ者もあるのであります。しかし結局役所全体としての意思表示は一つしかないのです。それが決定される前の段階におきましては、非常に議論百出してしかるべきであり、また各人はそれぞれの意見を持つてよいのであります。しかし議論を闘わせまして、どれが一番よいかという決定は、役所としては一つしかないだろうと思います。従いまして、従前個人的の見解その他が披瀝されたといたしましても、それは個人的の意見であつて、役所全般の見解ではないと考えてしかるべきではないかと思います。
#79
○受田委員 最後にこれで質問を終ります。私は道義的な問題として考えたいと思いますことは、これだけ熱心に考えているプール建設会の諸君の考え方というものが、不純な動機であれば、これに対して非常に警戒しなければならぬ。しかしそれが純粋な動機で出ていることが確認できるならば、政治家として手を打たなければならぬ。しかもそのために新宿御苑の自然美が非常に侵害されるというんじやなくして、十五万坪のほんの一角、都市計画から見ても、あそこの道路に近接した場所であつて、大勢から見て美観を失うものでないという立場であるならば、皇室を神がかりのような立場にしないで、今やまつたく民主化された皇室として、皇室と国民とが一体になつたという今日、御苑というものを高き雲の上に置くよりも、むしろこれは開放されて、国民の遊園地、国民がレクリエーシヨンの場所として使うというところに持つて行くことが、政治的な切りかえだと思う。それをいつまでもとり守ろうという行き方は警戒しなければならぬということと、これをつくつてプラスかマイナスか、いろいろ議論して十分御検討がなされたと思いますが、その時の責任者がこれをよしといことになつて、その対象が動くとい傾向がありはせぬかと思う。その点において、虚心にこのプール建設会の諸君の意見を聞き、そうして虚心にこれに対して意見を述べるというようなやり方が必要だと思うのですが、その点で、せつかく新聞に発表されたのであるから、その前にプール建設会に、実は今度は不許可にしようと思うんだが、新聞発表しようと思うということを通告して、そうして新聞に発表するということが道義的ではないかと思う。官僚の誤るところは、とかく民間から浮き上ることで、一方にこういう運動が起つているのに、突如として政府の一角で発表して断固鉄槌を下されるということになるのですが、常にプール建設会の方と連絡をとつて、いつか不許可と出したのはこういう意味だということを、重ねて通知するようにして、常に密接に連絡をとつてやられることが、非常に行政運営を円滑にすると思う。この点、プール建設会に、道義的に、好意的に折衝を重ねるという点において事を欠いておつた。この点にも思いをいたされ、またこれは今は不許可であるが、今後いろいろな情勢の変化、いろいろな角度からながめて適当であれば、またこれを切りかえし許可するとかいうようなことも考えられるのですが、この点において厚生省では、これは打切りで今後考えないというやり方かどうか。不許可というのだから、そうだろうと思うのですが、これはあなたにお尋ねするのは非常に困難と思いますので、後にまた厚生大臣にも次官にもお尋ねしたいと思いますが、今後その点を十分お考えいただいて、さらにこの問題について、不許可の発表をしたことに対する反省と、それからプール建設会との連絡等について、今後とも何らかの好意的な行動に出ていただきたいと思います。
#80
○長野委員長 ちよつと受田君に申し上げます。御熱心のほどはよくわかりました。つきましては公園部長に対してこれ以上の御質問をなされましても、いかがかとも存じます。この問題はきわめて円満のうちにおちつくところへおちつかねばならぬと思いまするので、いずれまた適当な機会もありましようし、当事者もこういう責任者が特別の人なんでございますから、それぞれひとつ善処していただきまして、円満に解決するようにお願いしたいと存じます。
 それでは本日はこれをもつて散会いたします。
    午後一時十二分散会
ソース: 国立国会図書館
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