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2012/07/18 第180回国会 参議院 参議院会議録情報 第180回国会 社会保障と税の一体改革に関する特別委員会 第3号
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2012/07/18 第180回国会 参議院

参議院会議録情報 第180回国会 社会保障と税の一体改革に関する特別委員会 第3号

#1
第180回国会 社会保障と税の一体改革に関する特別委員会 第3号
平成二十四年七月十八日(水曜日)
   午前九時開会
    ─────────────
   委員の異動
 七月十三日
    辞任         補欠選任
     今野  東君     相原久美子君
     田城  郁君     西村まさみ君
     那谷屋正義君     岡崎トミ子君
 七月十七日
    辞任         補欠選任
     上野 通子君     林  芳正君
     福島みずほ君     又市 征治君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         高橋 千秋君
    理 事
                大久保 勉君
                櫻井  充君
                吉川 沙織君
                石井 準一君
                衛藤 晟一君
                中村 博彦君
                荒木 清寛君
                中村 哲治君
    委 員
                相原久美子君
                梅村  聡君
                大久保潔重君
                大島九州男君
                岡崎トミ子君
                金子 洋一君
                川上 義博君
                鈴木  寛君
                西村まさみ君
                林 久美子君
                藤谷 光信君
                蓮   舫君
                礒崎 陽輔君
                片山虎之助君
                高階恵美子君
                塚田 一郎君
                中川 雅治君
                中西 祐介君
                林  芳正君
                水落 敏栄君
                宮沢 洋一君
                山崎  力君
                山谷えり子君
                若林 健太君
                竹谷とし子君
                渡辺 孝男君
                姫井由美子君
                桜内 文城君
                中西 健治君
                大門実紀史君
                又市 征治君
   衆議院議員
       発議者      長妻  昭君
       発議者      柚木 道義君
       発議者      白石 洋一君
       発議者      鴨下 一郎君
       発議者      加藤 勝信君
       発議者      西  博義君
       発議者      和田 隆志君
       発議者      泉  健太君
       発議者      江端 貴子君
       発議者      田村 憲久君
       発議者      馳   浩君
       発議者      池坊 保子君
       修正案提出者   白石 洋一君
       修正案提出者   長妻  昭君
       修正案提出者   柚木 道義君
       修正案提出者   加藤 勝信君
       修正案提出者   鴨下 一郎君
       修正案提出者   西  博義君
       修正案提出者   泉  健太君
       修正案提出者   江端 貴子君
       修正案提出者   和田 隆志君
       修正案提出者   田村 憲久君
       修正案提出者   馳   浩君
       修正案提出者   岸本 周平君
       修正案提出者   古本伸一郎君
       修正案提出者   竹下  亘君
       修正案提出者   野田  毅君
       修正案提出者   竹内  譲君
   国務大臣
       内閣総理大臣   野田 佳彦君
       国務大臣     岡田 克也君
       総務大臣     川端 達夫君
       財務大臣     安住  淳君
       文部科学大臣   平野 博文君
       厚生労働大臣
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(少子化
       対策))     小宮山洋子君
       経済産業大臣   枝野 幸男君
       国土交通大臣   羽田雄一郎君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(経済財
       政政策))    古川 元久君
   副大臣
       財務副大臣    藤田 幸久君
   大臣政務官
       財務大臣政務官  三谷 光男君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        五十嵐吉郎君
       常任委員会専門
       員        塩見 政幸君
       常任委員会専門
       員        大嶋 健一君
       常任委員会専門
       員        松田 茂敬君
   政府参考人
       厚生労働省保険
       局長       外口  崇君
       厚生労働省年金
       局長       榮畑  潤君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○公的年金制度の財政基盤及び最低保障機能の強
 化等のための国民年金法等の一部を改正する法
 律案(内閣提出、衆議院送付)
○被用者年金制度の一元化等を図るための厚生年
 金保険法等の一部を改正する法律案(内閣提出
 、衆議院送付)
○社会保障制度改革推進法案(衆議院提出)
○子ども・子育て支援法案(内閣提出、衆議院送
 付)
○就学前の子どもに関する教育、保育等の総合的
 な提供の推進に関する法律の一部を改正する法
 律案(衆議院提出)
○子ども・子育て支援法及び総合こども園法の施
 行に伴う関係法律の整備等に関する法律案(内
 閣提出、衆議院送付)
○社会保障の安定財源の確保等を図る税制の抜本
 的な改革を行うための消費税法等の一部を改正
 する等の法律案(内閣提出、衆議院送付)
○社会保障の安定財源の確保等を図る税制の抜本
 的な改革を行うための地方税法及び地方交付税
 法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院
 送付)
    ─────────────
#2
○委員長(高橋千秋君) ただいまから社会保障と税の一体改革に関する特別委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日までに、那谷屋正義君、田城郁君、今野東君、上野通子君及び福島みずほ君が委員を辞任され、その補欠として岡崎トミ子君、西村まさみ君、相原久美子君、林芳正君及び又市征治君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(高橋千秋君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 公的年金制度の財政基盤及び最低保障機能の強化等のための国民年金法等の一部を改正する法律案外七案の審査のため、必要に応じ政府参考人の出席を求めることとし、その手続につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(高橋千秋君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。
    ─────────────
#5
○委員長(高橋千秋君) 公的年金制度の財政基盤及び最低保障機能の強化等のための国民年金法等の一部を改正する法律案、被用者年金制度の一元化等を図るための厚生年金保険法等の一部を改正する法律案、社会保障制度改革推進法案、子ども・子育て支援法案、就学前の子どもに関する教育、保育等の総合的な提供の推進に関する法律の一部を改正する法律案、子ども・子育て支援法及び総合こども園法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案、社会保障の安定財源の確保等を図る税制の抜本的な改革を行うための消費税法等の一部を改正する等の法律案及び社会保障の安定財源の確保等を図る税制の抜本的な改革を行うための地方税法及び地方交付税法の一部を改正する法律案、以上八案を一括して議題といたします。
 八案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#6
○櫻井充君 おはようございます。民主党・新緑風会の櫻井充です。
 まず、質問に先立ちまして、今回の豪雨でお亡くなりになりました皆さんに心から哀悼の意を表したいと思いますし、それから、被害に遭われた皆さんに対してお見舞いを申し上げたいと思います。政府と一体となって一日も早い復旧復興を目指して頑張っていくということをお誓い申し上げたいと思います。
 本題に入る前に、二つ総理に質問させていただきたいと思います。まず一つは、この参議院の審議についてでございます。
 マスコミの報道などは、衆議院を通過すると、もうあと参議院で、審議もこれからなのに、もうさも可決するかのようなことを言われ、しかも、もうちょっと申し上げれば、三党合意というのは極めて大事なことだということは私は政調の幹部として理解はしていますが、一方で参議院議員として見れば、ここの委員会できちんとした議論をしていったときに、何か問題点があれば修正をしていくというのは、これは当然のことではないのかと思っているんですね。
 そういう点で、総理が、この参議院というところ、要するに二院制の意義とそれからこの委員会での質疑のことについての役割についてどのような御認識なのか、お伺いさせていただきたいと思います。
#7
○内閣総理大臣(野田佳彦君) おはようございます。
 櫻井委員御指摘のとおり、三党合意は重いと思っているんです。衆議院において総質疑時間百二十九時間、そういう熱心な御議論をいただいた中で、お互いが譲るところは譲りながら、国民のために合意を結んで、そして修正案をまとめたということです。
 一方で、これ、衆議院と参議院とハウスが違うわけでございますので、これは衆議院の予算委員会で自民党の谷垣総裁にもお答えをさせていただいたんですけれども、参議院の中で熱心な御議論をいただいた中で、新たな観点が見付かるとか、あるいはここは変えた方がいいという議論が出てくるならば、今の制度改正にプラスしてより改善をされるということならば、そういう議論はあってしかるべきだというお答えをさせていただきました。
 したがって、予断を持って何か私、考えているというわけではございません。熱心な御議論を通じて国民のためにいい審議ができればいいと考えております。
#8
○櫻井充君 ありがとうございます。そう言っていただけて、改めてこの委員会をきちんと運営できるように努力していきたいと、そう思います。
 それからもう一つは、原発の再稼働をめぐって大規模なデモが繰り返し行われております。この点について、総理は今どのようにお考えでございましょうか。
#9
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 昨年の三月に福島において原発の事故が発生をし、一年約四か月が経過をいたしました。ということで、まだ一年四か月しか経過をしていないこともあり、国民の皆様におかれましては本当に複雑な感情を持っていらっしゃるというふうに思います。
 そうした中で、官邸周辺で様々な多くの人たちが毎週金曜日集まってこられる、あるいは先般、十六日も多くの方が代々木公園等に集まっている、こうした国民の皆様の関心、あるいはこういう動き以外にも私の方にも様々な声が届いております。これは当然のことながら再稼働の問題もあると思いますし、中長期のエネルギーミックスどうするかという議論もありますが、丁寧に国民の声を聞いていくというプロセスをたどっていかなければいけないのではないかというふうに思いますし、特にこのエネルギーミックス、二〇三〇年に〇、一五、二〇から二五という選択肢を示していますが、残念ながら、ちょっと意見聴取会で国民の皆様に誤解を生むような動きもございました。そういうことを手直しをしながら、丁寧に国民的な議論を進めていきたいというふうに考えております。
#10
○櫻井充君 今総理から御指摘がありましたが、国民の皆さんの声をお伺いしてと、非常に大事な観点だと思うんですね。そういう意味でいうと、例えばこの原発問題に関して国民投票を行うようなお考えはないでしょうか。例えば、リトアニアですけれども、今度新しく原発を造るかどうかについて、諮問型ではありますが、国民投票を実施することになってきております。ですから、ある特定の方々だけの声が反映されるような形になるから様々な問題があるのであって、広く国民の声をお伺いするということであれば、この問題について国民投票を私は実施したらいいんじゃないのかと思っていますが、その点に関してはいかがでしょうか。
#11
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 私、元々、民主党、重要な課題については場合によっては国民投票という考え方を持っておりましたが、これ憲法改正については国民投票という形で今制度にはなったというふうに思います。その中で、国民投票をするかどうか、これ一つのアイデアだと思いますけれども、できるだけ多くの国民の皆様の意思を確認する、意見が聴取できる、そういう場面をつくるための工夫というのは最大限取り入れていきたいというふうに考えております。
#12
○櫻井充君 私は、今の政府が国民の皆さんから信用されていないのは、大変申し訳ございませんが、あの事故の後にきちんとした情報を提供してこなかった。その際に、閣僚からこういう発言があったわけです。情報を提供したら国民の皆さんはパニックになるかもしれないと、そういうことを避けるためにある程度情報をコントロールしたという趣旨の発言がございました。これは、結果的に言うと、相手を信用していませんと言うに等しいことだと私は思っておりまして、これ医療の場面でも全く同じなんです。
 昔は、それは患者さんが知識がないかもしれないということもあって医者が説明をして、後は、医療に関して言うと、このように治療していきましょうねという話をしておりましたが、今は全く違います。インフォームド・コンセントというのは説明と同意ではありません。説明の上に理解していただいて同意していただくという、そういうプロセスを取ってくるわけですね。これが可能になってきたのは何かというと、これは医療関係者と国民の皆さんと、患者さんとの間での信頼関係ができ上がってきたからこそ実現できているわけですね。
 そうすると、政府が国民の皆さんを信用しませんよと言えば国民の皆さんが政府を信用しなくなるのは、私、これ当然のことだと思うんですよ。そうすると、その国民投票を実施すると本当に正しい答えが出るんだろうかとおっしゃる方々が随分いらっしゃるんですが、我々は有権者から選ばれているわけです。そして、有権者の皆さんが投票してくださった結果、政権交代も実現できたんです。私は、国民の皆さんを信用していますというメッセージを伝えるためにも私は国民投票を実施するべきではないのかと、そう考えますが、改めて総理、いかがでしょうか。
#13
○内閣総理大臣(野田佳彦君) よらしむべし、知らしむべからずの時代ではないと思います。国民の皆様に多くの情報、これは国民だけではなく、この原発の問題というのは国の内外問わず関心がございますので、国内外に適時適切に情報を提供して御判断をいただくということに努めていきたいというふうに思います。
#14
○櫻井充君 急に、急にというか、取りあえず数日前に通告して、どうですかと。結論が出ないことは重々承知しております。ただ、これは選択肢の一つとして是非お考えいただきたいと。これは別に原発の国民投票に限らず、間接民主主義をどうやってうまく運営していくのかということをこれから我々は考えていかなきゃいけない時代に入ってきていると思いますし、それから、小泉総理が一つの問題点で解散・総選挙を行いましたが、私はそういう手法はおかしいと思っているんです。一つの問題だけで民意を問うのであれば、国民投票という方法があっていいんではないのかと思っておりますので、改めて御検討いただきたいと思います。
 それでは、本題に入ります。
 今日は、是非お願いは、執行部として、悲しいといいますか、まだ皆さんが、この法案について慎重な姿勢を取っていらっしゃる方々が同志の中におります。今度のこの委員会を通じて、これは我が党に対してだけではなくて、国民の皆さんに対してきちんとした説明をしていただきたいと。
 特に、衆議院のこういう質疑がありましたが、私は地元に帰って話をお伺いすると、消費税の必要性は分かっているんですと。しかし、例えばこの間中小企業の方々から言われたのは、じゃ、本当にそうなった際に価格転嫁してもらえるんだろうかと。価格転嫁しなければ、結果的にはその消費税上がった分を全部中小企業がかぶらなければいけないんだと。低所得者対策は国会で随分熱心に議論されているようだし、十分な手当てがなされるのかもしれないけれども、ここら辺の点について本当にきちんと担保されるんだろうかと。様々な皆さん懸念があって、必要性は分かってはいらっしゃるんですが、残念ながら、国民の皆さんからも御理解をいただけていないし、それから国会議員の方々の中にも本当にこれで大丈夫なんだろうかと思っている方々がいらっしゃるわけです。
 そこで、まず一つ、一番大きな争点になっているのが景気に対する判断なんだろうと思っています。要するに、景気の悪い時期に本当に増税ができるのかどうか、まずこの点についてなんですが、その前に、現在の景気認識について政府の御答弁をお願いしたいと思います。
#15
○国務大臣(古川元久君) お答えいたします。
 我が国の景気は、依然として厳しい状況にはありますけれども、復興需要等を背景といたしまして緩やかに回復しつつあるというふうに考えております。
 ただし、委員も御承知のように、欧州の政府債務危機をめぐります不確実性、これは高まっておりますし、また、その影響が中国等にも及んでいる、そうした海外景気の下振れが、これが我が国にも、景気にもやはり下押しのリスクがあるということは考えていかなければいけないと思っています。また、為替相場で円高が進めば、それも我が国にとってはマイナスの影響を及ぼしてまいりますので、こうした様々なリスクには注意をしていかなければいけない、しっかりその点についてはウオッチしていきたいというふうに考えております。
#16
○櫻井充君 まず、一枚目の資料を見ていただきたいんですが、(資料提示)緩やかに景気が回復しと。確かに、復興需要があってそうなっていることは確かですが、ここ十数年間のGDPの推移を見てみますと、赤いのが名目GDP、それから青が実質のGDPになります。これは、実質のGDPが成長しているかのように見えるのは、これはデフレであってこういう格好になってきているのであって、もうこれは御案内のとおりだと思いますが、名目値で見てくると、ここ数年ずっと下落をし続けているということです。
 今回の法律には、二十三年度から三十二年度まで名目GDPの成長が三%、実質が二%と、こういった景気の回復といいますか、安定的に経済成長が遂げられるような措置をとると書いてありますが、現状、ここ十年間、もうちょっと申し上げると一九九〇年ぐらい、バブルの崩壊からの二十年というのは、失われた十年ではなくて失われた二十年だったんではないか。この二十年間で実は名目GDPの成長はプラス四%でしかございません。
 このことを考えてくると、ここの法文に書いてある景気対策というのは、相当きちんとしたことをやらないと達成できないんではないのかと、そう思っておりますが、これに対しての政府の取組について御説明いただきたいと思います。
#17
○国務大臣(古川元久君) 委員から御指摘がございましたように、やはりデフレが続いていると、そのことによって成長がやっぱり実感をできない状況にあるわけであります。したがいまして、デフレ脱却、これは最優先のマクロの経済政策課題として私たち考えておりまして、さきにデフレ脱却等経済状況検討会議で、一日も早いデフレ脱却に向けて、構造的な日本の経済のデフレに陥りやすい、そしてそこがずっと続いてしまう、そういう構造を変えていく、そのための総合的な政策パッケージを実行していくんだと、そうした第一次報告を決定して実行に移り始めているところであります。
 こうしたデフレ脱却、一日も早いデフレ脱却の取組と、さらには二年前に決定をいたしました新成長戦略、これを、さきの震災そして原発事故を踏まえて、またフォローアップをして、なかなか成果が出てきていないものについてはそのボトルネックをきちんとチェックをしてきちんと成果が出るような形にする、そうした日本再生戦略も今まとめておりますので、一日も早いデフレ脱却と同時に、新成長戦略を再強化をした、再編をした日本再生戦略、それをしっかりやっていくことによりまして、復興需要から民需主導の経済成長へとつなげてまいりたいというふうに考えております。
#18
○櫻井充君 今、デフレ脱却というお話がありました。これが非常に大事なところで、今大臣から御説明あったとおり、デフレが経済成長を妨げている最大の要因なんだろうと思っています。
 そうすると、これ、世界の国がどうなのかということを比較してみると、ビッグマック指数というのがあるんだそうでして、世界で共通に食べられているものの国際価格を調べているものです。日本のビッグマックの価格は大体三百二十円前後ぐらいだったんじゃなかったかと思いますけれども、こうやって見ていただくとお分かりのとおり、ここ何年間ずっと、これはドル建てなんですね、価格は上がってきておりません。ここ数年間、実は、この赤いラインが日本ですけれども、価格が上がっているように見えますが、実はこれは円高に振れているので上がっているだけであって、国内で価格が変わっていないんですから、為替レートを前の平均値にしてみると、実はここに、破線部にありますとおりになっているんですね。
 そうすると、先進国で成熟社会になったからデフレが続いているんだという説明にはこれはならないと思っていて、ほかの国々は経済成長とともにきちんとした形で物価が上がり続けてきているんですね。そうすると、なぜこういう形でデフレが続いてきているのか、その原因について御説明いただけますでしょうか。
#19
○国務大臣(古川元久君) 委員も御承知のように、デフレはもうこれはかなり長期にわたってバブル崩壊後続いているわけでございますけれども、このデフレの要因といたしましては、需給ギャップの存在、そして企業や消費者の成長期待の低下、さらにはデフレ予想の固定化というものがございます。
 その背景には、やはり我が国が長期にわたってデフレを経験する中で、生産、分配、支出、それぞれの面で経済の好循環を妨げるようなやはり構造的な要因が形成されてきたことがあるんじゃないかと、そのように考えております。
#20
○櫻井充君 済みません、頭が悪いから十分理解できていないのかもしれませんが、よりもう少し具体的に国民の皆さんに分かりやすく御説明いただけないんだろうかと。つまり、官僚の皆さんというのは非常に優秀で、彼らの言葉で彼らの内容としては理解できるのかもしれないけれど、よく分からないというところが僕はあるんじゃないのかと思っているんです。
 済みません、若干、一度視点を変えて、総理に、済みません、これ通告しておりませんが、いつも質問されていることだと思いますので、社会保障と税の一体改革の意義について、どうしてこれがまず改革として必要なのか、済みません、通告しておりませんが、いつも答弁されていることだと思います、改めて社会保障と税の一体改革の必要性について御説明いただけますでしょうか。
#21
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 日本の社会保障の根幹というのは半世紀前にスタートしたと思います。国民皆年金、国民皆保険、私はこれらの制度は世界に冠たる本来は制度だと思います。そのことが老後の生活であるとか、あるいは病気になったとき、けがになったときの安心につながってまいりました。一方で、急激なやっぱり人口構成の変化等もあって、それが持続可能なものにすることがまず第一であります。
 それからもう一つは、残念ながら、社会保障、介護、医療、年金、どちらかというと、高齢者三経費、給付は、どちらかというと社会保障の給付は高齢者中心でありました。だけれども、支える人たちが今少なくなってきているときに、働き盛りの世代、子育ての世代についても社会保障の恩恵が感じられるようにするということ、世代間の公平を図っていくこと、これは負担においても世代間の公平が必要でありますが、そういう全世代対応型にしていくということが今求められているという状況で、社会保障の改革は待ったなしだと思います。そのための安定財源として消費税を国民の皆様にお願いをするというのが今回の社会保障改革の意義だというふうに承知をしています。
#22
○櫻井充君 この点については、国民の皆さんも私は理解されていると思っているんです。もう一つ、経済の対策に資するんだという御説明をされた方が私はいいんじゃないのかと思っているんですよ。
 それは、ちょっとこの次の資料を見ていただく、これを出していただきたいんですが、日本の国民の皆さんはお金がないのかというと決してそうではありませんで、一千四百兆円を超える個人資産がございます。誰が持っているのかというと、驚くべきことに、七十五歳以上の方々が二百兆円を超える金融資産をお持ちです。一部の方かもしれませんけれど、五十五歳を超える方々で大体一千兆円をお持ちですね。この一千兆円が国債の市場に行っているから国債は当然安定しているんですが、一方で、このお金がマーケットに出てこないから景気は良くならないし、デフレから私は脱却できないんだろうと思っているんですよ。
 そうすると、なぜその五十代の方々がこうやって金融資産をお持ちなのかというと、理由は二つしかありませんでした。一つは老後の備えです。もう一つは病気や不時の災害への備えと。つまり何かというと、将来の不安があるからこうやって貯蓄をしてきていると。スウェーデンなどは、もうこれ釈迦に説法ですけれども、将来の不安というのが余りありませんから、例えばモーターボートとかヨットの所有率が一〇%弱ぐらいいらっしゃると。
 それからもう一つ、リーマン・ショックの後にアメリカは物価が下落いたしました。このときに、FRBは金利を大幅に下げました。一年半でゼロ金利までいたしましたが、結局物価は下がってきています。つまり、日銀の金融政策だけではコントロールできないものがあって、あの当時は何だったのかというと、貯蓄率が上がったんですね。不安だから貯蓄率が上がった。アメリカのGDPのうちの七〇%が内需、ここのところが落ち込んできたからアメリカ経済がなかなか立ち直っていかないということ。これから見てくると、将来の不安を払拭していくということが私はデフレ脱却において非常に大きな意義を持つのではないのかと思っております。
 この点について、どちらでしょうか、古川大臣でしょうか、それとも総理でしょうか、御答弁いただきたいと思います。
#23
○国務大臣(古川元久君) おっしゃるとおり、やはり将来不安を解消していくということは、極めて消費を喚起をさせるという意味でも重要なことだというふうに思っています。
 その意味でも、社会保障について将来の持続可能性をきちんと担保していく、そうした改革が一つ一つ進んでいく、今まさにこれからこちらの委員会で御議論いただく社会保障・税一体改革、これがきちんと進むことによって将来の不安が少しでも解消されて、そのことが経済にも好ましい影響を与えるというふうに考えております。
#24
○櫻井充君 是非、これから社会保障制度の改革の意義のところでこの点をまず強く主張していただきたいことと、もう一点お願いがございます。
 今日はちょっと資料を持ってきておりませんが、この十年間で医療や福祉の分野で雇用が二百万人以上増えております。特に、民主党政権になりましてから、例の社会保障の伸びの二千二百億を抑制するという政策をやめてから、八十万人雇用が増えております。これは、製造業やそれから建設業で相当失業者が増えておりますが、それでもこの数字をきちんとした形でのみ込んでいるから失業率がそれほど上がってこないということになります。
 小泉改革のときに、社会保障費用というのはさもお荷物のように言われてまいりました。ですから、これを抑制するという話になっているんですが、私はそこは違うと思うんですね。今の雇用の面でも、十分その雇用の受皿になってきていて、失業者を減らすことができている。社会の安定にこれつながっているわけですよ。ですから、社会保障費が増えてくること自体がさも問題であるかのようにこれまで言われてきましたが、どこかにお金が消えているんじゃないんですよね。これは、繰り返しになりますが、雇用が生まれてきています。雇用だけではなくて、医療機材などが使われることによって、その周辺の産業も活性化されてくると。つまり、今後、是非、これ総理、お願いがありますが、社会保障というのは雇用の対策にもなるし、経済の活性化にも資するんだと、だから社会保障改革が必要なんだと、こういう私は異議を唱えられるべきではないのかと思いますが、総理、いかがでしょう。
#25
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 櫻井委員の御指摘のとおりだと思います。
 社会保障を充実、安定化させることによって不安をなくすことは、過剰な貯蓄をやっぱり消費に回していくということで経済に効果があると思いますし、また、これは御指摘のとおり、医療、介護、保育、こういう潜在需要の強いところにしっかりお金が回るようになるということは、これは雇用をつくり出すという効果もあると思います。
 もう一つあえて言うならば、医療・健康分野はやっぱりこれからの成長分野になると思います。ライフイノベーションという考え方を新成長戦略に入れていますが、そういう成長に資する分野であるという位置付けも大事だというふうに思います。
#26
○櫻井充君 ありがとうございます。最後のところはまさしくそのとおりだと思うんですね。
 先ほど、古川大臣から成長戦略をというお話がありました。その中の一つがライフで、医療とかそれから介護というのは重要な分野だと思っているんですが、改めて、政府で成長戦略をまとめられたそうですから、その内容について御説明いただけますでしょうか。
#27
○国務大臣(古川元久君) 先ほどもちょっと申し上げさせていただきましたけれども、日本経済の成長の実現のためには、二年前にまとめた新成長戦略、これを昨年の震災そして原発事故も踏まえてもう一度再編、再強化をすると。さらには、新成長戦略の成果、これをかなり与党の皆さん方のお力もいただいてチェックをいただきました。そして、成果が出ていない部分をどうしたら、どこが問題なのか、そうしたボトルネックについてもきちんと確認をさせていただきました。そうした解決策等を踏まえた日本再生戦略というものを今まとめているところでございます。
 その中では、今委員から御指摘がございました医療・介護分野でのライフイノベーションを大きく進めていくと。例えば、創薬支援ネットワークの早期実現と強化であるとか臨床試験体制の強化。そして、先ほど医療機器のお話ございました。実は、この分野は相当日本は輸入をしておりまして、物すごいそれだけでも赤字でございます。しかし、日本は、物づくり、これは本当は、この医療機器などは私は日本で世界に冠たるものを作れて、むしろ日本から輸出産業にできるはずだというふうに思っています。
 そういった意味では、こうした医療機器の分野であるとか、あるいはiPSの細胞を使った再生医療、こうした分野での規制の見直し、また、さらには研究開発の一元的な支援等をこれは最重要の課題として取り組んでいくということを今回の日本再生戦略の中では非常に大きな柱として更に再編強化をさせていただいております。
 また、もう一つは、原発事故も踏まえて、これまでのやはりエネルギー政策、環境政策、根本から見直していかなきゃいけない。今委員の御指摘で、社会保障の分野、これをむしろコストじゃなくて投資だというお話がありました。新しいグリーン成長、グリーン産業を生み出していく、これは、一部では、一面ではこれはコストということになります。例えば、太陽光パネルを設置したりするコストでありますけれども、しかし、これは新しいグリーン成長分野を、これを生み出していく、成長産業として伸ばしていくという意味ではこれは投資に当たるというふうにも考えています。
 そういった意味では、徹底的な省エネに加えまして、太陽光パネルやあるいは洋上風力発電、様々な再生可能エネルギーを思い切って促進をしていくと。こうしたグリーン成長戦略をまとめて、政府として初めてこの年末にはグリーン政策大綱という形でこのグリーンの分野での経済成長、それをしっかり実現していく。そうしたことを今回の再生戦略の中では最も大きな目玉といいますか、柱として立てさせていただいております。
 そうしたことを中心にいたしました再生戦略を、特に社会保障・税一体改革をきちんと進めていく、そのためにも、デフレの一日も早い脱却と併せて、今後三年間を集中取組期間として取り組んでいきたいと。そうした再生戦略を、今最終的な与党の皆さんとも議論をさせていただいてまとめさせていただいているところでございます。
#28
○櫻井充君 ありがとうございます。
 今までの成長戦略の問題点は、各省庁に任せて各省庁が出してきていたと。そうすると、予算を確保したいがゆえに何でもかんでも書いてきて、それをホッチキスで留めておりましたから三百も四百もあったのがこの国の成長戦略なんだと思うんです。そこに広く薄く予算措置をしたら、成長する分野も成長するはずがないんですね。
 今、古川大臣からそこを相当絞り込みをされたという話をお伺いして、私は本当にこれはすばらしいことだと思っているんです。ただ、一方で、一方でこれの財政措置をどうしていくのか、ここが私は大きな課題だと思っておりまして、この点についての手当てはどうされるんでしょうか。
#29
○国務大臣(古川元久君) もちろんそこの財政というのがありますが、ただ、ここの分野は、先ほど委員からも御指摘がございましたけれども、日本は実はお金がないわけではないんですね。お金は民間でもたくさんあります。しかし、そこが、成長期待が非常に今縮んでいるとか、リスクをなるたけ取りたくない、そういう行動があったりしてうまく使われていないというところがあります。
 ですから、私どもとしては、何でもこれは成長分野に財政をということじゃなくて、財政をやっぱり呼び水にして、やはり民間の消費や民間の投資を誘発するような、そうした形を是非成長戦略の中では中心として取っていきたいと思っています。
 また、同時に、やはり成長を促進するためには規制改革ですね、今までの規制の在り方、例えば先ほどの医療機器などについては、薬事法の中に、やはり医療機器というのは薬とちょっと違いますから、これは新たな別の、薬事法を改正をして医療機器に適合したようなそうした新たな法体制をつくっていくと。
 そうした規制改革あるいはPFIなど民間の資金を誘導していく、そうしたことを中心にして、財政は限りあるものでありますけれども、そこは重点的、そして、そうした民間の投資や何かを誘発するようなそういうところに重点的に、そうした財政については限られた財源でございますので、うまく使っていきたいというふうに考えております。
#30
○櫻井充君 企業の内部留保の推移をちょっと見ていただきたいんですが、法人税の減税を行って、これは何かというと、国際競争力を付けるためだという話だったと思いますけれど、これが投資に回ってくれば全く問題ない、戦略的に絵は正しいんだろうと思いますけど、一方で、これ見ていただきたいんですが、もう今三百兆円近い内部留保金があると。法人税を減税した結果何が起こっているかというと、国家財政が悪くなった一方で企業は潤っているけれど、これが、何というんでしょうか、経済の活性化につながってこないというところに大きな問題があるんだと思っているんです。
 そうすると、まず、今大臣から御答弁ありましたが、改めて企業の内部留保がこれだけ積み増しされてきている逆に言うと原因はどこにあるとお考えでしょうか。
#31
○国務大臣(古川元久君) やはりこれは、将来の成長期待というものが今日本の場合小さくなっていることとか、また、世界全体で見ても非常にちょっと今不安定でリスクを取りたくないという状況がある。また、国内で見れば、やっぱりデフレということも、むしろお金を持っていた方が借金をして投資をするよりもデフレの状況ですと価値が上がっていくと、やっぱりそうした状況等もあるのではないかと思っています。
 だからこそ、先ほどから申し上げていますグリーンであるとかあるいは医療、介護などのライフの部分、こういった部分を政府としてもしっかり成長の重点分野として、むしろこの分野で市場を広げていきますよと、市場できてきますよということをお示しすることによって投資を誘発することができると思うんですね。例えば、この七月一日から始まりました固定価格買取り制度、このことによって再生可能エネルギー分野での投資というものの動きというのが今大きな形で出てきております。まさに制度を変える、新しい仕組みをつくることによって投資というものを誘発することができると思っています。
 今お示しのあったような企業のたまっている内部留保、これが新しい成長分野、その成長分野はこういう分野だと、グリーンとかライフの分野だということをしっかりお示しをして、そこの分野に投資が行われるような、そうした状況をつくっていくために全力を尽くしてまいりたいというふうに考えております。
#32
○櫻井充君 その方向性は全く同意できますし、正しいと思っているんです。ただ、一方で、その規制緩和だけで本当にいけるのかどうか。それから、予算を、例えば裁量的経費の一〇%をカットして、それを総理枠と称して成長戦略のために使うんだと。申し訳ないんですが、こういうちまちましたやり方をして、とても私は成長というのはできないんじゃないだろうかと。済みませんが、私、財務省におりましたからよく分かりますが、単年度の財政再建だけ考えてやっていったら、もう先ほどのGDPの推移でお分かりのとおり、経済成長はしないんですよ。
 そうすると、ある分野でここは成長がちゃんとできるんだとすれば、そういう確信を持つのであれば、先ほど大臣は、三年間でこのプロジェクトを行っていくというのであれば、三年間に限定してでも結構ですから、ある程度、その一般会計とはまた別に、別に特別会計をつくると嫌がられるかもしれませんが、成長戦略のための基金でも結構です、特別会計でも私はいいと思っているんですが、それをまず別建てにちゃんと行うと。
 つまり、一般の予算については財政再建を目指してやっていきます、これはこれでいいと思うんですよ。一方で、成長戦略のためには、これはお金必要ですから、ですから、そのお金は別建てで基金なり、それとも基金が嫌であれば特別会計でも結構ですが、そういったお金を準備して、こういった形で国としてやっていきますという方向性を示すべきではないかと思いますが、その点についていかがでしょうか。
#33
○国務大臣(安住淳君) デフレから脱却しないといけないと、そのためには、これまでの経済対策の枠を超えてもっと思い切った規制緩和を含めてやったらどうだと、そのための財政的な、まあ言わばファイナンスをしっかり、いろんな知恵と工夫を出すべきでないかというのが櫻井さんの御主張だと思います。
 私も、やはり消費税を上げさせていただくと、それは、やはり過去の事例を見ても、全く経済に影響がないかといえば、やはりそれは影響もあるし、今のこのデフレを脱却するには、成長路線に日本の経済を乗せるという点からいうと、やはり政府として何らかのことはやっぱりやらないといけない、その中には金融緩和等も含まれるわけですが。
 そこで、今、特会のお話も提案をいただきましたけれども、私は今回、その十八条の、附則の二項のところに、防災、減災を含めて様々な対策を講じる、そして、そうしたことに対して資金を使ってというようなことを書いてあります。これは三党でいろいろ実務者の方々で知恵を出していただいたと思うんですが。
 先ほど古川大臣も申し上げましたが、民間資金も含めて、様々な資金を使ってそうした、何に対して本当に効果的な、言わば財政的な支援や措置をするのかということを十分検討していきたいというふうに思っております。
#34
○櫻井充君 その程度の予算で済むのかどうかというところが最大の問題だと思っていて、安住大臣は私と地元宮城で一緒ですからよくお分かりかと思いますが、復興需要というのは、復興需要があってこれだけ景気が良くなったのではなくて、思い切った財政出動があったからあれだけ景気が良くなってきているんだと思っております。
 ですから、ここ二年間ぐらいの間に消費税を上げさせていただくのであったとすれば、ある程度の、ある程度の集中的な財政出動をしなければ、なかなかこの、先ほど冒頭申し上げましたが、デフレ、そしてもう一つは経済の成長がマイナスになっているわけです、名目でいえばですね、そこから脱却できないんじゃないのかなと、そう思います。
 例えば、予算措置をしながらこれでいいのかなと思っていたのがハブ港の話でして、ハブ港を造るに当たって、たしか四千億だったと思いますけれども、これが成長戦略の一つなわけですよね。でも、この国の港湾予算というのは一千八百億しかないわけです。このハブ港に回っていたお金がたしか三百五十億ぐらいだったかと思いますが、これでやると十年以上掛かるんですよね。
 今、韓国に、日本から積み出されるべきコンテナのうちの二百万本が韓国に行っていると。これを早くに百万本取り返したいと。そういうことであれば、こういった分野にこそ予算をどんと投じれば、その後、継続的に経済効果があるわけですよね。ですから、一般会計の中からちまちま捻出するというのは、相当私は、難しいというよりもむしろ非効率であって、そしてそこの、例えば韓国なら韓国にも運搬されることが当たり前になってしまうということが私はすごく問題なんじゃないかと。それを人がこうやって変えましょうということにはなかなかいかないから。
 それから、繰り返しになりますが、これ、消費税を上げるためには経済を良くしなきゃいけないわけですよね。私は、慎重派の方々が経済状況の悪いところで消費税を上げられないじゃないかとおっしゃるのはこれ当然だとは思いますが、一方で我々は与党ですから、それができないできないと言っていることではなくて、経済成長をどうしていくのかということをきちんと手当てすることが我々与党とそれから政府の責任だと思っています。
 ここは済みませんが、お立場はお立場でよく分かりますので、改めて本当にこの資金で十分なのかどうかを御検討いただきたいと。その点についてだけお願い申し上げておきます。
 さて、経済成長のところで、もう一つちょっと別な観点から住宅の話をさせていただきたいと思っているんですが、それはなぜかというと、我々生活者にとって一番大きな買物は住宅でございます。だけど、この住宅というのは大体二十年ぐらいで減価償却してしまって、私の家など、あの大きな震災がありましたが、築二十五年でまあ若干のかすり傷はありましたけど、まだ十分にそこで住むことが可能です。しかし、今これを売却しようとするとどうなるかというと、もう二十五年もたっていますから、一円にもならないというよりもむしろマイナスになってしまうと。住んでいる家の価格がマイナスになるなんというのは、絶対的に私はおかしな話だと思っているんです。
 それで、我が国の中古住宅市場とそれから世界の中古住宅市場を見てくると、全く違うということがお分かりいただけるかと思います。日本の中古住宅市場というのは一三%程度でしかないと。アメリカが七七%、イギリスが八八%、フランスが六六%です。
 つまり、この数字から見ると分かることは何かというと、日本の住宅というのは消耗品になっているということです。これだけ一番高いものを買って消耗品になるのであれば、生活が苦しくなるのは、これは当然のことだと思うんですね。しかも、十分に住めるにもかかわらず資産価値がゼロになってしまうと。中古車市場を見てみると、例えば軽自動車でも十年たっても価格が十分付いていて、きちんとして乗っていると四十万とか五十万の価格が付いているわけですよ。
 そういう意味で、経済対策として、お金が一円も掛からないので、でき得ればこういった中古住宅市場を中古車並みに整備することによって社会が変わってくるんではないのかと。
 そしてもう一つは、住宅を金融資産として考えることにより、リバースモーゲージなどの制度を導入することができる。つまり、老後の生活資金になる。住宅を造ると消耗品ではなくて貯蓄に変わっていくんだという考え方に変わってくれば、これまた国民の皆さんの家計からの支出というのが変わってきて、経済の活性化に資するんではないかと思いますが、大臣、いかがでございましょう。
#35
○国務大臣(羽田雄一郎君) お答えをさせていただきたいと思います。
 今言われたように、日本においては二十年になると価値がゼロになるというふうに言われておりまして、やはり住宅をより長期に活用できる質の高いものにしていくということは、国民の住生活を豊かにし、また、資産価値の増大による経済効果も大きく期待できると、こういうふうに考えております。
 このために、数世代にわたり活用可能な住宅ストックを増やしていくということ、また、適切な維持管理とリフォームが行われる環境の整備をしていくということ、また、良質な中古住宅が市場で適正な評価で流通する環境の整備が重要だというふうに考えておりまして、このためにも中古住宅市場の整備は重要な課題であり、中古住宅・リフォームトータルプランに基づいて市場の活性化を促進していく考えでございます。
#36
○櫻井充君 ありがとうございます。
 今、自民党席から、これが二百年住宅なんだと。私はすばらしい提案だと思っているんです。それを入口だけではなくて、中古住宅市場の活性化のためには例えば中古住宅鑑定士という方が必要になってきますし、それから、やはり最終ゴールとしてリバースモーゲージの制度があって、金融資産なんですと、ここを全部一つまとめてパッケージとして出してこないと、なかなか単発的にやってくると難しいのかなと思うんですが、いずれこれは御検討いただきたいと思います。
 それから、消費税増税に当たってもう一つ、これは社会保障と税の一体改革ですから、これは前にも指摘を申し上げましたが、改めて御検討いただきたいと思います。それは何かというと、社会保険料の問題なんですよ。
 今回、消費税に関して申し上げれば、低所得者の方々に対してとか、それから中小企業の皆さんに対して価格転嫁ができるようにというお話がありますが、一方で社会保険料はどうなっているのかというと、これは健康保険組合ですが、所得が多いところほど保険料率が低くなってきている。こうやって恵まれているわけですよね。これをもし中小企業並みに引き上げると一体どうなるかというと、一兆数千億円の財源が出てまいりますね。
 ですから、消費税、消費税というお話がありますが、社会保障の安定財源であれば、こういった保険料の見直しこそ必要なんではないかと思いますが、この点についていかがでしょうか。
#37
○国務大臣(小宮山洋子君) おっしゃるように、やはり税か保険料か自己負担でしか賄えないわけですから、保険の方につきましても、やはり国民皆保険の仕組みの中で、給付、それから負担がこれは大きな差が出るということは大変問題だというふうに思っています。
 議員はいつも医療保険の一元化ということを御主張だというふうに思いますけれども、民主党としてもそういうことをマニフェストとして書いてまいりましたが、保険者を統合すること以外に、もう少し保険者間の助け合いを段階的に進めていくことが必要だと思っていまして、そのために、市町村国保は四月に成立した法律改正によりまして都道府県単位の財政運営を推進して保険料を平準化をするということ、また、被用者保険は高齢者医療の支援金の三分の一、これを負担能力に応じた総報酬制という形で今やっていますので、そういう形で財政力の格差が縮小していくような方向、それを今目指しているということです。
#38
○櫻井充君 大臣、その方向性は正しいと思うんですが、一方で、やはりここの保険料率をちゃんと見直していただきたいんですよ。
 例えば、最低を七%なら七%にし、毎年〇・五%ぐらいずつ引き上げていって最終的には協会けんぽ並みにしていくとか、そういうことをやって不公平を是正するということが必要なんじゃないですか。今のところは私の質問とは全く違うところを御答弁されているわけですよ。
 それから、もう一つ申し上げておきたいのは、これは総理がこの間、とある放送局の、私は数字を出しました、怒られますので今日はもうとある放送局にしておきますが、あのときに総理は、不公平だと、おかしいですねという答弁されているんですよ。ですから、そうであればそこを正すべきですよ。
 しかも、総理は今内閣に入っているから違うのかもしれませんが、一般的に申し上げれば、国会議員はこれは国民健康保険に入っているわけですね。国民健康保険の場合には一千五百万まで定率負担ですが、一千五百万から定額負担ですよね。そうすると、一千五百万円以上の方々の保険料率は低くなっているんですよ。だから、お金持ちであればあるほど優遇されているんですね。ここも全部一定の保険料率掛けると三千億から四千億ぐらいのお金が出てまいりますね。そうすると、これ合わせると、二兆までは行きませんが、相当な、相当なお金が出てくるんです。
 消費税で低所得者の方々に御負担いただかなきゃいけない、中小企業の方々も苦しい思いをされるということであれば、まずこういうことを私は是正することが先ではないのかと思いますが、これは総理、この間もちょっとおかしいよねというお話でしたが、今日改めてこの点について、特に社保と税の一体改革を行うのであれば来年度の予算のところで当然総報酬割に踏み込んでいただかないといけないと思いますけれども、いかがでございましょう。
#39
○内閣総理大臣(野田佳彦君) たしか四月だったでしょうか、予算委員会で御質問いただいて、あなたは今何に入っているかという御質問で、あのとき内閣共済とお答えしましたけれども、内閣共済が六・五六八、協会けんぽ一〇パー、やっぱり大きな差がありますですよね。
 今、当面の作業としては、厚労大臣が今取り組んでおられることだと思うんです。抜本的な話は今委員御指摘のような視点が大事だと思いますので、ちょっとこれ、よく検討させてください。
#40
○櫻井充君 ありがとうございます。
 繰り返しになりますが、これ社保と税の一体改革ですから、社会保障を持続可能なものにするために消費税を引き上げるとおっしゃいますけれども、社会保険料そのもの自体が不公平なわけですよ。
 そして、協会けんぽだって、今までは本来税金を一六・四%から二〇%入れますと言っていたのが、協会けんぽ、財政的に、平成四年当時ですけれども、良かったものだから一三%に変えて、でも、今や赤字になって大変になっているわけですよ。こうやって本来の運営さえしておけばよかったものがそうなってきていないから、今度は中小企業の方々、これは皆さんにお伺いすると、もう税金よりも圧倒的に社会保険料の方が大変だという話をされてきています。
 そうすると、これ以上中小企業の皆さんに保険料負担を強いると、結果的には雇用を、要するに、これ、済みません、制度上の問題ですが、五人以上であれば必ず加入しなきゃいけない、四人にすると加入義務がなくなって国保に移っていくと。そうすると、例えば今四人で、もうちょっと利益が出て五人雇いたいと思ってもできないし、そうじゃなければ泣く泣く首を切らなきゃいけないようなことも出てくるわけですよ。ですから、ここの点についても是非御検討いただきたいと、そう思います。
 それから、今度は、景気が悪いときに本当に増税できるのかどうかということで、平成九年のことについて改めて検討させていただきたいと思うんですが、平成九年に、ちょっとパネルをお願いします、消費税を三%から五%に引き上げたわけですね。三%から五%に引き上げ、それからサラリーマンの皆さんの窓口負担を一割から二割に引き上げ、なおかつ特別減税を打ち切って、公共事業、たしか数%で減額したかと思いますが、国は、平成九年には九兆円のプラス増になっていて、この年は三兆円国債の発行額は減らすことができました。
 しかし、この前後で見てみるとどうなっているかというと、平成八年の国債の発行額が二十一・七兆円、平成十年は三十四兆円。消費税が上がったにもかかわらず、実は国債の発行額は増えております。これは、これについての政府のこれまでの答弁は、アジアの通貨危機があったからだと、アジアの通貨危機があったので、景気が悪いときだったからこういうことになりましたという説明でした。
 そうすると、これは消費税は全く影響していないという答弁なのか、それとも、アジアの通貨危機のような経済状況が悪くなった際に消費税を上げたことが実は相乗効果として国債の発行額を増やすことになったのか、これについての分析をお願いしたいと思います。
#41
○国務大臣(安住淳君) 一言で答えるのはなかなか難しいわけですけれども、結論的に言えば、消費税が上がったことが全く影響がなかったかといえば、私はそうではないと思います。おっしゃるとおりです。ただ、消費税の税収だけを見ますと安定的に、櫻井さん御存じのように入ってきているわけで、むしろ所得税とこのときは法人税がすとんと落ちていると。やはり、時期を見ると、消費税が引き上がった年の秋口から金融危機があったり、またアジア危機があったりということで、言わば次の年からの法人税等がぐっと下がってきたということは言えると思います。それからもう一つは、やはり累次の減税も行われましたから、結果的には最近まで、この年をピークに税収が上がらなかったのではないかということはよく指摘をされていることだと思います。
 私は、そういう点からいうと、やはり景気に細心の注意を払いながら、この言わば消費税を引き上げたときの国民生活への影響というものを最大限少なくしていく努力というものを注意を払いながらやっぱりやっていかなければなりません。しかし、一方で、さきの三%から五%に上がったときにはやはりこれは様々な要因があったということも、是非ここは御理解をいただきたいと思います。
#42
○櫻井充君 私は、消費税の引上げは必要だと思っています、ここのところは。社会保障の伸びが毎年一兆円ずつもう増えているわけですから、これに対しての何らかの手当てをしなきゃいけないと思っています。
 それ以上に、もうちょっと大きなお話をさせていただくと、現在の社会保障給付とそれから国民負担率というのを、これちょっと今日数字持ってきておりませんが、日本は非常にゆがんだ構図になっています。どういうことなのかというと、世界の流れから見ると、負担の方が非常に低くて給付が高い社会になってきていて、この点から考えてくると、今の社会保障給付を維持するとなると国民負担率というのはどの程度かというと、イギリスとドイツの間ぐらいで五〇%ぐらいにならないとこれは財政的に賄えないと。
 これはもう世界としてみれば当たり前のことでして、そういう意味では改革は二つしかないと思っていて、一つは社会保障の水準を引き下げるのか、それとも社会保障の水準を維持するのであれば、ある程度の保険料率を、保険料率だけではありません、済みません、国民負担率を上げるのかと、もうここの議論しかないんだろうと思っているんです。
 ですから、我が国として一体どういう国を目指していくのか。アメリカみたいな小さな政府を目指すのか、イギリス、ドイツみたいに中負担中福祉の国を目指していくのか、フランスやスウェーデンのように高負担高福祉の国を目指すのかということをまず明確にして、その上で、じゃ、どなたにその負担をお願いするのかという議論をしていかないと本当はいけないんだと思っているんです。それが、何となく今財政的に厳しいから御負担をお願いしたいとか、そこから入ってきているんですけれども、そうではなくて、やはり我が国としてこういう国を目指していくべきだということを明示するべきだと思っています。
 私は、そういう意味で、済みませんが、国民の皆さんに、これだけの医療制度を維持していく、これだけの年金、介護を維持していくためにはどうしても御負担をお願いしなきゃいけないと思っているんです。
 ただし、一方で、平成九年のところの改正のときに、あの時期にやったことが本当に正しかったのかどうかの総括をしていただかないと、今度もう一度やった際にまた国家財政が悪くなるようなことがあったら、それこそ消費税の引上げは、国家財政の今の体質を変えなきゃいけない、要するに、世界から今後日本は大丈夫なのかと言われているところを、大丈夫ですということを示すためにやるんだと私は思っていますから、そうすると、この点についてきちんと説明していただかないとなかなか同志の皆さんも納得していただけないんですよ。だから、あえてここのところをお伺いしています。
 それで、済みませんが、今大臣から御答弁ございましたが、平成九年をピークに、平成九年以降ですけれども、その前はバブルの絶頂期で税収が六十兆円を超えた時期もありますが、平成九年に消費税を上げた以降どうなっているかというと、平成十九年に五十一兆円だったかもしれませんが、後は軒並みずっと下がってきているわけです。そうすると、アジアの通貨危機で、アジアの通貨危機で税収が落ち込んだんですと。これは確かにその当時はそうかもしれないけれども、その後、継続してずっと下がり続けているのは、それだけでは済まないということになりますね。
 これが全て私は消費税の増税だということを申し上げるつもりもありません。これは、景気が悪くなっていった、経済対策が十分でなかった、この国の方向性を決めてこなかった、様々な要因があるとは思いますが、いずれにしろ、お分かりいただきたいのは、もう四十数兆円しか税収が上がってきていなくて、仮にこれで消費税を上げました、消費税の税収は増えたけれども、ほかの法人税や所得税が落ちることになって財政再建に寄与しないということになってくると、上げてくる意味がなくなるんだろうと思っているんですね。ですから、繰り返しになりますが、まずは、じゃ、景気をちゃんと良くしていきましょうと、上げられる環境をつくりましょうということになるんじゃないのかなと、そう思います。
 その次のスライドも見ていただきたいんですが、こちらですね。
 大臣から今お話がありましたとおり、法人税とそれから所得税が落ち込んできています。しかし、平成十一年度の所得税の落ち込みは何だったのかというと、景気が悪くなったのでこのときに所得税の減税を行っていますよね。所得税の減税を行っているんです。景気が悪くなったから所得税の減税を行っている。この平成九年から平成十一年にかけての税制改革とは一体何だったのかというと、結果的には消費税率を引き上げて所得税を減税する、つまり直間比率の見直しでしかなかった。
 この直間比率の見直しを行った結果、これは一体どういうことが起こるのかというと、逆進性が強い消費税が上がったことによって低所得者は大変な苦労をされる。所得税の減税というのは高額所得者に有利ですから、結果的には、この九年から十一年の税制改正は高額所得者に優しく低所得者に厳しい改正になったんだと思っています。今回は、今回は是非、低所得者に配慮されるのであれば、先ほどから申し上げているような社会保障の負担も含めて、そういった税制改正にならないようにしていただきたいと思っているんです。
 もう一つは、ここのところにありますとおり、法人税、一時期景気が良くなって法人税収が上がっています。ただし、法人税収が上がっても、所得税収が上がっているかというと、必ずしもそこまで上がってきていないことを考えると、本当に企業の利益を出すだけではなくて、所得をどう増やしていくのかということが、これもう一つのデフレからの脱却につながるんだと思うんですね。九〇年当時とそれから二〇一一年で平均所得を比べると、この二十年間で下がっているわけですよ、実際のところ。こういった環境の中で、更に消費税なりほかの税負担、保険料負担を強いてくるというのは大変な負担になっていくわけですから、この点についてきちんとやっていただきたいと思っています。
 そこで、もう一度、これはまず安住大臣に御答弁いただきたいと思いますが、国民の皆さんも不安に感じてきている、つまり景気が悪いときに本当に上げられるのかどうか、我々、だから景気を良くするということを申し上げていますが、もう一度判断する際に、きちんとした形で判断をしていただきたいと、そうでなければ国家財政的にも厳しくなると、こういったことを慎重派の方々が懸念されているんですから、そこについて払拭するような御答弁をいただきたいと思います。
#43
○国務大臣(安住淳君) まず、最初に御指摘のあった国民負担率、櫻井さんが言うように、今約四〇%ですね。ですから、これ財政負担分が一一%ほどこれに上乗せされると大体五〇%ぐらいになって、欧米諸国と同じになると。しかし、その分は結局孫子に借金をしてやっていますので、そこの部分を今の現状の医療サービスを維持するためにはやはり税負担を広く国民の皆さんにお願いをしないといけないということだと思います。
 それから、所得税がやはり下がったのは、今御指摘のとおり、定率減税を三兆円ほど十一年はしましたし、法人税率についても実は二兆円ほど行いました。直間比率の見直しもそうでございますし、その後フラット化を所得税はいたしましたし、税源移譲を地方にしたこともありますので、単純にこの数字だけを見て、消費税を引き上がった後、例えば経済構造や税収構造が変わって我が国の税収全体が悪くなったとは私は一概には言えないとは思います。
 ただ、今、櫻井さんが後段で申し上げたように、私もやはり景気を、本当に細心の注意を払いながら、八%そして一〇%への引上げ時期の景気動向を見なければならないと思っております。そのために、例えば与党で最初に提出をさせていただいたときには、名目そして実質、三%、二%に向かって様々な経済的な政策というものを政府として取っていくということを掲げていただきました。これは民主党の政調の中で取りまとめをいただきました。さらに、追加で二項というところで、防災、減災を含めた事業を含めてこれをしっかり資金でやっていくことによって、底上げを図った上で三項による引上げの時期というものを決めていくと。
 私ども、そういう点では、国民生活に影響のあります大きな税率の引上げになりますので、逆進性対策もしっかりやりますけれども、日本経済全体が結果としてこれの影響を受けて、言わば経済が下降状態に入らないような細心の注意と事前のしっかりとした対策というものを取っていきたいというふうに思っております。
#44
○櫻井充君 ありがとうございます。
 改めて総理から御答弁いただきたいと思いますが、これ国民の皆さんが不安に感じてきていることは何かというと、消費税が上がって本当に生活が苦しくなるんじゃないだろうかと。これ、中小企業の方々、先ほども申し上げたとおり、価格転嫁ができなければ何社潰れていくんだろうかと、そういう話をされている方もいらっしゃるわけです。それから、低所得者の方々も、一体生活がどういうふうになっていくのかという不安も抱えていらっしゃいます。こういった方々に対してきちんと御説明いただきたいと思いますし、それからもう一つ、繰り返しになりますが、消費税の引上げが本当に財政再建に資するのかどうかというのは、これ私は時期が物すごく大きな要因だと思っていて、この時期の判断を誤らないようにこれはしていただかなきゃいけないことだと思っているんです。
 そういう点で、総理はなかなかそのときの総理が判断することだとしかお話ししていただけないんですが、もう少し踏み込んで、こういうときには消費税のことについて単純に上げていくわけではないんだから大丈夫ですよと、そういうようなできれば御答弁をいただきたいと思うんですが、いかがでしょう。
#45
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 消費税を引き上げる際には、今回のこの法案の中でも附則の十八条一項から三項に経済の関連で様々な知恵を入れていただきました。それを踏まえて、やっぱり経済が好転をすること、デフレを脱却し経済を活性化させて好転をさせるということがやっぱり基本だというふうに思っていますので、そのためのやっぱり政策の総動員をしていくということだと思います。
 そうでないと、社会保障と税の一体改革で、まさに安定財源を確保するだけではなくて、財政健全化も同時達成となっているわけです。消費税導入することによって景気が落ち込んでほかの諸税が落ち込むようなことがあるならば、財政健全化の同時達成もできないわけでございますので、当然のことながら、経済のことをしっかりと念頭に置いた対策をしなければいけないと思いますし、先ほど冒頭の答弁にもありましたとおり、将来に対する安心を確保することによって、しかもこれ全て社会保障に充てるわけですので、その不安をなくすことによって、負担だけではなくて社会保障という再分配機能があって、特に低所得者の皆さんの方にいわゆる給付は増えると、受益と負担の面においてはそういうことも併せて説明しなければなりません。
 それから、消費税の導入時、それから前回の引上げ時以上にしっかり低所得者対策と転嫁対策は講じていくことはしっかりお約束をしたいというふうに思います。
#46
○櫻井充君 それと、要するに景気動向を見てと、この点についてはいかがでしょうか。
#47
○内閣総理大臣(野田佳彦君) まさに経済の好転というのが条件になると思いますので、これは十分にその景気をよくウオッチした中の判断になると思いますが、しっかりと景気が回復軌道に乗って、成長軌道に乗っているように、今からその政策の総動員をしていかなければいけないと考えております。
#48
○櫻井充君 繰り返しになりますが、その景気を良くしていくためには、私はある時期は思い切った財政出動、これ必要だと思っています。先ほど古川大臣から民間のマネーをという話がありましたが、例えば基礎研究などは、民間からとてもリスクが高くてお金を出すことができません。こういった必要なところについての予算措置をやはりしていかなければいけないんじゃないかと。それから、先ほどの港の例を一例に申し上げましたが、こういったところに民間のマネーが出てくるわけではなく、こういったインフラ整備のところは当然のことながら財政出動をしなきゃいけないんだと思っているんですよ。
 呼び水みたいなことでやるのであれば、例えば中心市街地の空洞化の問題がありますが、ここを解決していくために、よくコンパクトシティーをつくればいいんだという話になりますが、じゃコンパクトシティーをつくるに当たって誰がお金を出すんでしょうか。これ、コンパクトシティーをつくるといって民間からお金が集まるでしょうか。残念ながら、その点、そこのところが集まってこないわけですよ。
 私は、ある方々と話をしてみたら、建設業界の方々と話をして、ここのところで申し上げておきたいのは、区画整理事業を全部国がやってくれたらば上物については民間でお金を出しても構わないという、そういう話をしてきているんですよ。そうすると、全体の事業のどのぐらいなのかというと、二〇%程度なんです。二〇%程度国で金を出してくれるとコンパクトシティーは民間のマネーが出てまいります。これとて、国のお金が出ていかなければそこは実現できないということです。
 ですから、是非財政出動を、ある分野、何でもかんでも全部やればいいということではありません。持続可能なものであれば思い切った財政出動が必要だということをお願いしておきたいと、そう思います。
 最後に、少子化の問題についてお尋ねしたいと思います。
 これは、少子化対策というのが今回の目玉の一つだと思っておりまして、まず小宮山大臣にお伺いしたいのは、少子化の原因というのは一体どこにあるのか、そのことについて御答弁いただきたいと思います。
#49
○国務大臣(小宮山洋子君) 今でも若い方は二人以上子供が欲しいという方が多いのになぜ少子化になっているかというと、一つは、やはり今非正規雇用が若い人増えていて、結婚できない、子供を持てないという層が増えているということ、また、働き方も厳しくなってなかなかワーク・ライフ・バランスが実現できない、お父さんはまして育休などは取れないというような状況になっているということ、また、以前は地域の中で子育てを支援するような仕組みがありましたけれども、そういうものが壊れていたり、いろいろな意味で子育てをやはりサポートしてもらう体制も少ない。そうしたところに対して、今回は子ども・子育て支援という形で支援をすることを新しい制度の中に盛り込みたいというふうに考えています。
#50
○櫻井充君 ありがとうございます。
 今大臣からの御答弁で、要するに結婚できないという話がありました。ちょっとそのグラフを見ていただきたいんですが、三十五歳から三十九歳における未婚率の推移なんですが、昭和二十五年当時は男性、女性共に三%程度しかなかったのが、現在は、男性は三〇%を超えて、それから女性は二〇%弱ぐらい結婚されてきていないわけですよ。これは少子化になるの当然のことですね。
 そうすると、改めてお伺いしたいんですが、この結婚できない理由というのはどこにあるとお考えですか。
#51
○国務大臣(小宮山洋子君) 今なかなか若い人が大学を出ても就職をできない、就職をしても正規雇用になかなか結び付かないで、非正規だと所得が低いということがあるというふうに思っています。そのため、今若者の雇用戦略ということを、先ほど古川大臣も紹介された日本再生戦略の一つの大きな柱にしていますし、若い人たちの就職支援ということは、今若者向けのハローワークをつくったり、寄り添う形のジョブサポーターを今年度は大学にも配置をして、何とか就職のところで能力に応じたところをミスマッチなく結び付けたいということをやっています。
 ただ、私が今足りないと感じているのは、特に非正規の人が正規になろうとしたときにキャリアアップをしていくような仕組みが、今、企業の中でそういう職業訓練をしてキャリアアップするようなものがないので、厚生労働省としても取り組んではきていますけど、これはやはり国家戦略として国全体で、どうやって力を付けてステップアップをし、正規雇用に結び付くかということをもっと力を入れて検討しなきゃいけないという問題意識を今持っています。
#52
○櫻井充君 今大臣から御答弁があったとおりでして、ここにあるとおり、これ男性の場合ですけれども、所得に応じて結婚している割合が違ってきております。
 これは三十五から三十九でありませんで、一番右側は三十歳から三十四歳になってきていますが、六百万円以上の方々だと八割ぐらいの方が結婚されていて、四百万円台だと六〇%、二百五十から二百九十九だと四二%、ワーキングプアと言われる層だと三四%しか結婚できていないと。これは働き方に大体比例してきていますから、右側のパネルにありますとおり、今度は正社員の方々だと六割ぐらい結婚できていて、非正規雇用の方だと三割程度、いわゆるフリーターだと更に半分になってくるということになっております。
 そうすると、まず労働者派遣法を改正して、これはアメリカから要求されてポジティブリスト方式からネガティブリスト方式にしたと、これが非常に大きな問題だったんだと思うんですね。しかもこれを製造業まで拡大していったと。つまり、国の制度そのものに元々の問題が私はあったと思うんですよ。
 ここは、今のお話がありましたが、今回、労働者派遣法を含めて改正になりました。企業にやはりお願いすべきことは何なのかというと、正規雇用を増やすことだと思っていますし、それから、アメリカのいい企業はほとんどの企業が実は終身雇用なんですよね。終身雇用がさも悪いかのようにあの当時アメリカ側が言ってきたのは、日本人は能力を十分に発揮できないんだと、いろんな企業に働けるようにして、自分の能力を発揮できる会社を探すべきだと言っていましたが、決して日本人はそういうことを望んでいないわけですね。
 そうすると、もう一度改めてお伺いしたいと思いますが、こういった人たちを減らすために、じゃ、もう一度、具体的にどうしたらいいんでしょうか。
#53
○国務大臣(小宮山洋子君) 労働者派遣法については私も委員と近い認識を持っています。私もずっとメディアの中でそうしたことを報道したりなんかもしてまいりました。
 今回、改正労働者派遣法が三月に成立をいたしましたので、これをしっかりと施行をしていくということ、それから、この国会の中に、法的なことで申し上げますと、有期の契約、これを更新する場合には無期にする法律も今衆議院の方に提出をさせていただいていますし、今、パートタイムのことにつきましても、もっと均等・均衡待遇、その均等の部分を増やしていきたいということで、労働政策審議会から建議をいただいたものをなるべく早く提出をしていきたいというふうに考えています。
 そういうような法改正でしっかり対応するということと、あと、今、大学とか産業の方とも連携を取って、若い人たちの能力を今企業が必要としているものにどのようにキャリアアップができる力を付けていくことができるか、そうしたことをこれからもっと検討していきたいというふうに考えています。
#54
○櫻井充君 ありがとうございます。
 もう一点お願いがあるんですが、大学の就職のところの担当の方々が、大学を出たら一流企業にという話をよくされる。これ当たり前のことなのかもしれませんが、中小企業の要するに求人率というのは非常に高くて、そこでもうミスマッチが起こっているわけですよね。そうすると、これだけ大学の進学率が高くなってくれば、全員が一部上場企業に入れるわけでもなく、それから全員が高級官僚になれるわけでもないということになってくると、そこの就職の指導の方がきちんと対応してくれないと、なかなか卒業時に頭変わらないまま行くんだと思うんです。
 私、財務省にいたときに、私学助成金などを就職率に応じて労働省の予算から分配できるようなシステムをつくれないのかと。もうちょっと言うと、旧労働省の方々が文科省の中に入って就職支援などをきちんとやっていくと、大学の頭の中も変わっていくんじゃないのかなと。これ縦割りで、今までなかなか労働省は卒業してからじゃないと話ができませんでしたが、そういうところから改善していったらいいんじゃないかと思っているんですが、いかがでしょう。
#55
○国務大臣(小宮山洋子君) それはおっしゃるとおりだと思います。
 そういう意味で、今年度からジョブサポーターを学校に配置をする、行くということもそういう連携を図るということですし、今回、国家戦略として若者雇用戦略を古川大臣の、国家戦略大臣の下で取りまとめているということもそういう、今日は、今文科大臣いらっしゃいませんので欠席裁判はできませんけれども、なかなか、あっ、いらっしゃいますか、でも答弁者に呼ばれてはいませんので。なるべく文科省ともいい形で連携を取りながら、それはそこの大学の就職課の人たちの意識もそうですし、今ハローワークなどでも中小企業に、先ほどミスマッチなくしていくというのは、中小企業などに雇用を結び付けていくということも力を入れていまして、今年少し新卒者の就職率が上がったのもそういう部分で上がっていると思っていますので、これからますます文科省とも連携を取り、経産省とも連携を取りながらやりたいと思っています。
#56
○櫻井充君 これ、経済の成長のためにも、それからもう一つは社会保障の安定のためにも少子化対策というのは根本的な治療なんだと思っていて、そこをやはりもう少し力を入れていかなきゃいけないんだと思っているんです。
 そこで、最後に、これは答弁結構で、総理、是非ちょっとこれ頭の中に入れておいていただきたいんですが、小松製作所という会社がございます。この坂根会長が、調べてみて面白いことをおっしゃっているんですが、コマツという企業の女性社員の出生率は東京本社だと〇・五人だと、大阪と栃木が一・四人だと、石川県だと二人になるということで、実はコマツは本社機能を小松市に戻しました。それは、坂根会長が少子化対策をきちんとやるべきだということを自らおっしゃっているわけですが、自分のところでやれるべきことはきちんとやろうといって、こうやって本社機能を移されるわけですよ。こういう本社機能を移してまで少子化対策に一生懸命取り組んでいる企業を応援するような手だてが必要なんではないのかと。
 それから、都道府県別に見たときの出生率を見てみると、実はやっぱり東京は非常に低いわけですよね。ですから、子育てできる環境にないので、こういったところを地方に分散していくようなシステムを、まあこれ財務省の中にいたときに怒られましたが、例えば東京だと法人税率を四〇%にして、宮城県だと三〇%、さらに、もっと遠くまで行ったら二〇%とかですね、例えばですけれども、そういうような政策というのもあっていいんじゃないのかなと、そう思います。
 いずれにしろ、この委員会の中で是非国民の皆さんに対して不安を払拭できるような御答弁をいただきたい、それから同僚議員に対しても同じことをお願い申し上げまして、質問を終わります。
 ありがとうございました。
#57
○鈴木寛君 民主党・新緑風会の鈴木寛でございます。野田総理、どうぞよろしくお願いいたします。
 今資料を配っていただいているというふうに思いますけれども、我が国の政府の長期債務残高、ついにGDP比で申し上げますと二〇〇%に達する、そうした事態になっております。過去にこの政府債務、長期債務がこの水準にあったというのは太平洋戦争以来と、そういうふうな大変に危機的な状況にございます。そういう中で今日の審議、皆様方と、本当にこの今の置かれている我が国の状況、そしてどうしていったらいいのかということを御議論をさせていただければというふうに思います。
 まず、財務大臣に伺いたいと思いますけれども、政権交代でいろいろなことが変わりました。そのことの一つは、やはり予算配分構造が変わったということと、それから、それよりも何よりも予算編成プロセスというものが劇的に変わったと思います。これまでの一律横並び主義というものを卒業して、まさにその時々の社会のニーズに敏感にアンテナを張り、そして多くの皆さんの御意見を聞きながら、やっぱり機動的にそのときに必要な政策のプライオリティーに応じて予算編成ができるようなそうしたオペレーションシステム、OSの変更というものに着手し、まあ今その途上にあるんだろうというふうに思います。
 そこで伺いますけれども、政権交代後、この歳出の削減、税制の改正、あるいは埋蔵金など税外収入などで二十二年度から二十四年度まで総額何兆円ぐらいの財源の確保を行ったのか、財務大臣に伺いたいと思います。
#58
○国務大臣(安住淳君) 年度別にお話をさせていただきたいと思います。
 まず、政権交代の最初の二十二年度においては、歳出削減で少なくとも二・三兆円、それから税制改正で一・一兆円、税外収入で十・六兆円程度の財源の確保をいたしました。
 二十三年度における財源確保の状況というのは、同じく歳出削減で少なくとも二・六兆円、税制改正でやはり一・一兆、税外収入で七・二兆円となっております。
 二十四年度においても、歳出削減で少なくとも二・九兆円程度、税制改正で一・一兆、税外収入で三・七兆円となっております。この三・七兆に減ったのは、やはり東日本大震災で税外収入については復興の方に使わせていただくということでございます。
 もちろん恒久財源ということであれば、今言った税外収入というのは基本的にはワンショットが多いわけでございますので今言ったような形になりますが、二兆円程度の歳出削減ということになりますが、予算の仮定でいいますと、これ例えの話でございますが、例えば農林省や経済産業省の予算を足すとちょうど二兆七千億ぐらいになりますので、一省庁、二省庁程度の毎年の予算額ぐらいの実は歳出の削減ということは民主党の政権になってからやっているということは事実でございます。
#59
○鈴木寛君 そうした努力にもかかわらず、やはりリーマン・ショックの影響というのは本当に大きかったなというふうに思います。それまで約五十兆円ほどありました税収が今現在四十一兆あるいは四十二兆と、こういうレベルに落ち込んでおります。その結果、財政赤字が四十四兆円でございますから、税収を上回ると。こういう事態が三年連続で続いているわけであります。
 民主党は、特に医療政策を大変重視をいたしまして、そこに大きく重点のかじを切ったわけでございます。医療費、先ほど櫻井議員からのお話もありましたけれども、一三・五%増額をし、そのことが例えば年齢にかかわらず受けられる医療の差別をなくすということを断行することができましたし、また、先ほどもお話がありました八十万人の雇用ができ、その結果、政権交代前五・三%だった失業率が一時期は四・一%まで下がると。こうしたことができたのも、医療といったものを、社会保障を重要視したことでありますけれども、その一方で、いわゆる高齢者三経費、基礎年金だとか老人医療だとか介護、これを高齢者三経費と呼んでいますけれども、それと消費税収、基本的には高齢者三経費は消費税収で賄うと、こういう制度設計になっているわけでありますが、その差、いわゆるすき間ですね、このすき間が平成二十年度は五・八兆円でありましたけれども、例えば平成二十三年度でいいますと十兆円ということで、この半分しか賄えていないというふうになっている。そういう中で、これから社会保障というものをどういうふうに安定的に維持し、そして充実させていくのかということが今回の議論の主題かというふうに思っております。
 こういう厳しい財政状況を何とかしなければいけないということについての共通理解は広がっているというふうに思いますし、また、東日本大震災の発生でこれからの復興事業、相当な、大幅な復興策を長期間にわたってやっていかなければいけない。そして、埋蔵金ももうほとんど残っていないと。そして、公共事業費なども既に大幅なカットを行っておりまして、これ以上は限界であるというような状況の中で、今、大きく申し上げますと、学者、有識者の中でも二つのグループがあるというふうに思います。
 一つは、こうした時限爆弾を抱えているような状況なので、消費税率のアップも、あるいは人件費などの歳出カットも、あるいは経済成長策なども、あらゆる手段を同時に総動員して行うべきだと、こういう専門家のグループが一つあると思います。それからもう一つは、まだ大丈夫だと、だから歳出カット等々はやりつつも、まず経済成長を重視し、まだ税率アップには踏み切るべきではないと、こういう専門家。大きく申し上げるとこの二派あるのかなと、こういうことであります。
 これは本当に有名な専門家の方々がテレビで大論争をやるわけでありまして、そうすると国民の皆さんは、それぞれに大変に御見識のある方々でございますから何を信じていいのかよく分からない、こういう状況にあるのではないかなというふうに思います。
 なぜ専門家の意見がこのように分かれるのかということでありますけれども、総理ほか閣僚の皆様方には大変恐縮、復習で恐縮でございますけれども、財政収支を改善するためには、税収を上げるか、あるいは歳出を下げるか、その両方又はどちらかということを合わせ技でやらなければいけない。じゃ、税収を増やそうと思うと、まずは経済成長をさせれば法人税収、あるいは所得税収、それから消費税収もアップするということと、それから、今回のように消費税を始めとする様々な税の税率をアップすると、これ税率アップをする中で確実な税収増につなげる、これも二つの考え方があろうかと思います。
 ただ、経済成長をやろうと思うとどうしたらいいかというと、これも二つあって、財政出動をするのか、あるいは金融緩和をするのか、もちろんその合わせ技と、こういうことです。ただ、財政出動をすると結局は歳出の増につながってしまいますし、そして経済成長が仮に実現できたとしても、経済成長は当然金利の上昇を伴います。金利の上昇があると国債の利払いが増える、そうすると歳出増につながってしまうと。また、消費税をアップすれば、消費の減退というのは一時的であるにせよ若干それはやむを得ない、そうすると経済成長がダウンすると。
 このように非常に様々な要因が絡み合っておりまして、結局識者によって、どの点をどれだけ注目して、どの点にどういうふうにウエート付けを置くのかというポイントが違うために、結局百家争鳴の状況になっているわけだというふうに理解をしております。結局、万能の人というのはいないわけで、結局どの議論もあり得る議論であります。
 その一方で、議論はいいわけでありますけれども、一つのシナリオ、一つの結論に絞り込むことは不可能でありまして……(発言する者あり)ここから質問をしますから。こうした不確実な状況なんです。これを確実に見極めることは難しいわけです。じゃ、こういう不確実な状況でどういう判断をするかということが我々政治家に問われている、これが政治家の議論だというふうに思います。
 こうしたときの戦略、対処方針は二つ大きく言うとあると思います。一つは、第一のオプションは、重大なリスクを回避する、こういう戦略を取るのか、あるいは効用、現時点の効用を最大化するのか、この二つだと思います。つまり、最悪の事態を回避するためにできる限りのことを早め早めに、できるときにやれるだけのことをやっていくというのが第一のオプション。第二のオプションは、一番ありそうなシナリオ、これに基づいて、ある程度リスクも冒しながら、リスクも覚悟しながら、その時点の人々の効用の総和、全体のこの効用を最大化すると、こういうことであります。
 しかし、私たちが昨年の三月の福島原子力発電所問題で学んだことは、千年に一度の津波も含めて、あらかじめやはりリスクというものはきちっと想定して十分に、備えを怠っていたと、人災であったということが国会の事故調でも指摘をされております。もう二度とやはり同じ失敗を繰り返してはいけないと。
 そういう中で、既に様々な情報が寄せられておりまして、例えばS&Pのポール・コグリン氏もその一人でありまして、金利というのは一旦上がり出すと金利負担で財政は苦境に陥ると、こういう指摘もあります。
 そこで、財務省に伺いますが、二〇一二年の六月十二日にIMFから日本に対してステートメントが発せられておりますけれども、どういう要請を日本は今受けているんでしょうか、お答えください。
#60
○副大臣(藤田幸久君) 六月十二日のIMFのステートメントの関係で、今いろいろ鈴木委員がおっしゃった関係の財政関連の部分について申し上げますけれども、まず、今回の法案の通過というものが投資家の信認を維持する上で不可欠であるという前提の下で、更に債務を持続可能なレベルまで引き下げるためには更なる措置が必要であると。
 具体的には、消費税率を少なくとも一五%まで引き上げた上で、更なる法人税減税、所得税の課税ベースの拡大、それから社会保障支出の削減といった政策が必要であると。こうすることによって、十年間にわたって財政収支を改善すれば、政府純債務、GDP比でございますけれども、二〇一〇年代半ばには一五〇%程度、二〇三〇年までには一二五%まで徐々に低下をすると。そして、構造改革及び財政の持続可能性への信認の高まりによって高い成長とインフレ率が実現をするといったシナリオによって財政調整の効果は更に高まるという流れでございます。
#61
○鈴木寛君 こうした要請に対して日本政府あるいは我々の国会がやっぱり真剣にひたむきに取り組んでいく、そのこと自体がやっぱり市場の信認を得る唯一かつ最良の道だと私は思います。
 資料の二ページを御覧いただきたいんですけれども、これはギリシャ、ポルトガル、スペイン、アイルランドのCDSの金利の推移です。ここから分かることは、このクライシスというのは本当に突然やってきます。そして、僅か数か月で一挙に破綻に向かうということがこのグラフから明らかであります。そして、それがいつ来るのか、あるいはどんな規模なのかと、それを予知するということはこれはできません。
 例えば、一九八七年のブラックマンデーのときも、あるいは一九八九年のベルリンの壁の崩壊も、あるいは昨今のジャスミン革命も、数日前までその発生を予想していた人はいないんですね、ほとんど。というのがまさにこの手のリスクの特徴であるということを我々はきちっと認識をしておかなければいけないと思います。
 まさに国債の金利の急激な上昇というのは、金融機関そして個人の資産の急激な目減り、あるいは円の暴落、悪性インフレ、賃金や年金の大幅な目減りという事態、そしてまさにその年金がもう本当に、もらってもそれがもう半分ぐらいに目減りしてしまうと、そういうようなことを突然国民の皆さんに強いてしまうことになる。そんなことはないと思いますけれども、そうした、我々はきちっとこの社会インフラ、金融とか通貨とか、一旦壊れるともう戻らない、こういったものをお預かりをされている総理としてこうした危機を未然に防ぐために最善を尽くすべきである、それが総理のお仕事であるというふうに思いますが、いかがでしょうか。
#62
○内閣総理大臣(野田佳彦君) これはずっと鈴木委員が御説明をいただいたとおりだと思います。
 欧州の債務危機を見ても、一たびその国の財政の持続可能性について疑いが出て市場の信認を失ったときには、これは何がきっかけか分かりません、急速に金利が上がります。日本で例えば金利が平成二十五年度一%上がったとするならば、その当該年度利払いだけで一兆円の増になります。次の年度では二兆円台、三年目にはこれ四兆円台。一%上がっただけでもそういう状況でございますので、そのことだけでも財政の硬直化につながるかと思います。
 というリスクがあるということをよく踏まえて、むしろ国債市場が安定をしているときにきちっとやるべきことをやって、財政規律を守る国であり、その取組をしているということをしっかりと今のうちにやることが何よりも予防につながるのではないかと思っておりますので、緊張感を持って対応していきたいと思います。
#63
○鈴木寛君 是非今の思いを共有していただきたいというふうに思います。
 特に、今総理もおっしゃいましたように、やっぱり当面最重要の課題というのは、私は破綻ということはないと思っています。しかし、国債金利をやっぱり極力低い水準にとどめることに最大の努力を払うということは本当に心しなければいけないというふうに思います。まさにその財政規律の回復に真剣に取り組んでいるということが、結局は国債のリスクプレミアムも低く下げるということに直結をいたします。まさに今総理がお話しいただきましたように、資料の四ページを御覧いただきたいというふうに思いますが、金利が一%上がると云々のところは今総理からお話をいただいたとおりでございます。
 その上を、この経済成長のところを見ていただきたいんですが、一%の金利上昇で生ずる国債費の増額を補うために、当然税収増が必要です。じゃ、その税収増を生み出すためにどれだけの経済、名目成長が必要かというと、二%の名目の経済成長が必要だと。一%の金利上昇を補うのに二%の経済成長が必要だと。したがって、いかにこの金利を低く抑えていくかと、金利抑制というものが重要なのかということがこのことからも見て取れるわけであります。
 簡単に一兆円とか二・四兆円ということを言いますけれども、例えば高校無償化やるのに一年間三千九百億であります。あるいは、義務教育の教員の給与というのは国庫分でいうと一・五兆円なんですね。それが吹っ飛ぶとか、そういうオーダー。あるいは、先ほど財務大臣もお話ありましたけれども、経済産業省一省分の、一つの省分の予算とか、極めて、一兆、二兆と我々軽々と言いますけれども、本当にこのことはその裏にあるインパクトを考えますと重要なことだというふうに思います。そして、やっぱり少し油断をしますと、一、二%の金利の上昇というのはあり得ますということを心していかなければいけないというふうに思います。
 また、日銀の白川総裁も、先日、国会で、国債金利が二%上昇した場合には銀行で十二兆八千億円の損失が生ずるということを答弁されておりますし、五ページを御覧いただきたいのでありますけれども、これは、我が党の大久保勉財政金融部会座長、こちらにいらっしゃいますが、が中心となって取りまとめられた試算であります。つまり、国債利回りが一%上昇した場合に、この既発の債券に関して、時価総額で三十三・五兆円の減少、これは全体でいうと一〇・三%の下落、仮に二%の国債利回りが上昇した場合には、時価総額で六十二・四兆円の減少、一九・二%の下落が発生すると、こういうことでありまして、まさに日本の金融システム全体ががたがたになってしまうと、こういうことでございます。
 まさに、日本は、ギリシャと違って、日本の家計金融資産は一千四百兆円以上あるので、公的債務残高はこの範囲に収まっているから、しかも実際には九〇%以上が国内で保有をされているので大丈夫だと、こういう御主張もございますけれども、さらに、六十歳代以上の世帯は貯蓄全体の六・五割、六五%以上を保有をしています。こうした世代が貯蓄を取り崩すというようなことも考えられます。さらには、しかしながら、この家計の金融純資産というのは一千百四十五兆円で、一般政府総債務は千九十九兆というふうになっていて、その差も少なくなっている。
 いろんな意見がありますけれども、財務大臣の御見解を伺いたいと思います。
#64
○国務大臣(安住淳君) やはり、民間金融機関の持っている国債の年限によって影響は随分違ってきますから、大久保先生のやり方というのも一つの私は試算だと思います。
 いずれにしても、国債管理政策で細心の注意を払っていかなければならないのは、今、鈴木さん御指摘のように、やはり金利をどういうふうに安定的に推移していくかということであって、そのバックグラウンドにはやはり信頼が必要なんですね。その信頼をひもといていくと、やはりその財政再建をする意思、また余力、こうしたものに対するやっぱり国債市場の目というものを常に気にしながら発行をしていかなければならないと。
 御存じのように、既発を含めると毎年百八十兆円もの市中消化というものを今迫られております。ですから、新規国債だけをもしかしたら国民の皆さん思っていらっしゃるかもしれませんが、そうではなくて、百八十兆円ものこの国債の消化というものを今市中でやっているということ自体が、やはりスケールが非常に大きいので、本当に少しの金利の上昇というものがどれだけ経済に大きな影響があるか、初年度、次年度、次の年と、総理、御説明いただきましたけれども、政府によってもそうした大きな影響が出ます。
 なお、よく金融資産があるから大丈夫だというふうなお話もありますけれども、家計の金融総資産の一千五百兆円というのは、実は住宅ローンを含めて、国民の皆さんの持っている借金も全部入れてということなんですね。それからいうと、多分やっぱり我々が考慮しなきゃいけない数字というのは金融純資産の方かもしれません。これだとやはり一千百四十五億円というのが実態でございます。(発言する者あり)ああ、兆円ですね、失礼しました。ですから、それからいうと、やはり今国債の発行額とこの一千百兆円のところのすき間というのがかなり小さくなってきていると。
 国債発行額の九十数%は国内消化でございますから、そういう点からいうと国債消化の構造が変わる可能性があると。変わるということは、言わば日本の人以外の方が我が国の国債を保有するということになれば、非常にある意味では今まで以上に厳しい目で日本の財政再建を見ているという方々が増えるということでございますので、今回、社会保障・税一体改革によってやっぱり増え続けるその財政の部分で一番多いのがこの社会保障の部分ですから、ここについて三党で合意をさせていただいて、八%、一〇%への引上げによって、この足らず前の部分について、まだこれで十分だとは言えない状況でございますけれども、しかし、しっかりこれを手当てすることによって市場にしっかりとしたメッセージを出していくということは必要なことだと思っております。
#65
○鈴木寛君 また、経済成長と、まあインフレで財政再建はできるんだと、こういう御意見も主張される方がいらっしゃるわけでありますが、この点について、古川大臣、お答えいただければと思います。
#66
○国務大臣(古川元久君) お答えいたします。
 まず、やはり財政再建のためには経済成長が必要であるということは、これは税収を増やすためには経済成長なくては税収は増えませんので、そのことが必要だということはもう委員も御認識のことだと思います。
 その上で、まずインフレについてちょっと申し上げますと、特に経済成長を伴わないで物価上昇が起きた場合、その影響は、これ今のように歳出が税収を大きく上回るような状況ですと、歳出が税収よりも大きく増加することになりますので、むしろ財政収支は悪化する可能性が高いわけであります。したがって、仮にインフレが起きるとしても、それを上回るような、先ほども御指摘がありましたけれども、経済成長が起きている状況の中でのインフレならまだいいんですけれども、そうでないと、これはむしろ財政を悪化させることにつながるというふうに考えております。
 また、経済成長の影響につきましては、これは高齢化等の影響によります毎年一兆円規模の社会保障費の自然増があること等を勘案をいたしますと、やはり経済成長はもちろん必要なんですけれども、じゃそれだけで財政の再建、財政健全化ができるかと考えると、やっぱりそれもこれは難しいのではないかというふうに考えます。
 したがいまして、やはりこれは経済成長と財政健全化の取組というものを車の両輪として進めていかなければいけない、まさにこの委員会で御議論いただく社会保障と税の一体改革はそうした視点から御議論をいただくものだというふうに考えております。
#67
○鈴木寛君 まさに経済成長がまず必要です。そして、まさに経済成長中心で再建できればそれにこしたことはないわけでありますが、そのシナリオがどれぐらいの確率で成立し得るのかどうかという日本の現状が問われているんだというふうに思います。
 実は、三月に参議院の行政監視委員会でいろいろな識者の先生をお招きしてその議論をさせていただきました。そのときに一橋大学の小黒一正准教授に、このシナリオが成立するための条件、まさに経済成長で再建が可能になるための条件についていろいろ伺いました。日本の場合は、既に基礎的な財政収支が対GDPで四%のマイナスになっているという実態があります。あるいは、公的債務がこれも対GDP比で一九〇%になっていると、こういう前提があります。前提といいますか、実態があります。その前提を置くと、成長率が金利を二%超えないと、逆に言うと金利プラス二%の経済成長をしないと経済成長のみに基づく再建というのはこれは難しいと。そのことが、しかも再建するまでに永続的に、ですから何十年間か続かないと駄目だということなわけであります。
 昨日、財務省に、過去二十年に我が国において成長率と国債金利が、まさに二%以上国債金利を上回ったケースが何回あるかということを伺いましたが、それについてのお答えいただけますでしょうか。
#68
○委員長(高橋千秋君) どなたですか。財務省、どなたでしょうか。
#69
○副大臣(藤田幸久君) お答えをいたします。
 上回ったことはございません。
#70
○鈴木寛君 つまり、我が国においては、この二十年間そうしたことをクリアした年がないということなんですね、残念ながら。
 それからさらに、二%じゃなくて、名目のGDPの成長率が長期金利を上回ったという、二%じゃなくてゼロ%以上上回ったことも実は二回ほどしかないというのが我が国の実態であります。
 これ、例えばアメリカなんかは時々そういうこともありまして、アメリカにおいては二%を上回ったことも二度ほどあるようでありますけれども、結局ポイントは人口の問題ですよね。人口の伸びが日本というのはやっぱり止まってしまっていると。経済成長というのはやっぱり人口の伸びと技術革新のまさに関数でありますから、そういう意味でやっぱり人口が伸び悩んでいる、更に言うと人口減少になっている中での経済成長というのは本当に厳しいんだなということが分かるわけでありますけれども、総理に伺いたいと思います。
 まさに、このような理想的な状況が私も来てほしいなと強く強く望みますけれども、人口減少局面でなかなかこの名目の成長というものが難しい中で、経済成長にのみ、これもやっていかなきゃいけません、しかし、私は総動員してということを申し上げました。総動員ではなくて、やはり一部の有識者がおっしゃっているように、経済成長先行論ということで国家の経済あるいは財政あるいは金融というものをマネージしていくということに、賭けに出ることができるかどうかという辺りを総理にお聞かせいただきたいと思います。
#71
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 経済成長は、これは是が非でも実現しなければならない。その前提でありますけれども、御指摘のとおり、日本でも金利を成長が上回ったということは余りないと。ましてや、欧米を見ても、成長率がいわゆる長期金利を何十年もプラスで超えているということはない。ということは、そういうマクロ経済を前提とした財政再建を考えるということは余りにも現実から離れているというふうに思います。
 財政の再建を考える道はやっぱり三つの道であって、当然、増収の道もあります。一方で、やっぱり歳出削減と歳入改革、こういうことをしっかりやっていくということが何より大事であって、一つのことだけに頼るということはやっぱりこれは現実から離れているというふうに私も思います。
#72
○鈴木寛君 さらに、経済成長の観点からいうと、ハーバード大学のロゴフ教授が四十四か国の二百年間のデータを分析をしたところ、公的債務が対GDP比で九〇%を超すと、我が国は二〇〇%でありますが、その国の成長力が平均して四%低下すると、これは実証データです、過去の世界の歴史が語っていると。むしろ、そういう意味でも公的債務を削減するということが成長にもつながるということが言えるのではないかというふうに思います。
 それと、参議院のときに小黒先生大変興味深いことをおっしゃっておられて、十四か国の十五か年のデータを調べてみたところ、世代間格差が拡大するほど経済成長が低下するということもおっしゃっておられます。
 まさにこの世代間格差の問題というのは非常に重要だと思っておりまして、七ページを御覧いただきたいんですけれども、我が国は、これは内閣府が出しておられる数字でございますのでもうあえて申し上げませんが、要は、一九四三年以前生まれの人は、負担する分と受益で見ると、ネットプラスで四千八百七十五万円、将来世代はネットマイナスで四千五百八十五万円ということであります。
 この世代間格差の問題は、もちろん経済成長の意味からも極めて重要でありますが、これは経済問題を超えて、やはり公正や正義の問題としてきちっとやはり政治が最も力を入れて取り組んでいかなければいけない問題だと思いますが、総理のお考えを伺いたいと思います。
#73
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 今回の一体改革の意義はまさにそこにあるというふうに思うんです。社会保障はどうしても給付は高齢者中心、負担は現役世代中心という構図でございました。
 そこで、まず給付の面では、現役世代、子育て世代にもきちっと恩恵が感じられるような全世代対応型にしようということ、それから負担の面においても、これは世代間の公平で、これはどうしても所得税あるいは保険料中心で現役世代が支えているという構図には限界があるということで、幅広く全ての世代で助け合うために消費税を安定財源として入れると。
 特に、将来世代のポケットに手を突っ込むようなことはやめようということが基本的な考え方にあるというふうに思いますので、まさにこの世代間の公平を確保するための今回の社会保障と税の一体改革であるという、その意義を国民の皆様にしっかりお伝えをしていきたいと考えております。
#74
○鈴木寛君 私は、世代間格差の是正の観点からも消費税というのは一定の意味があるというふうに思っています。
 つまり、個人の所得税というのはほとんど六十歳以下が払っているわけであります、勤労世代でありますから。しかし一方で、我が国の消費というのは六十歳以上の方々が消費をする部分が四割を超えています。ということは、恐らく単純に消費税収もその四割は六十歳以上の世代から上がってくるということになります。もちろん低所得者対策は万全を期していかなければいけませんけれども、高齢者に掛かる経費の約半分、四割は同じ世代の高齢者が負担するということの観点ということが今回の改革の意義でもないかなというふうに思っております。
 それから、法案修正提案者の岸本議員に伺いたいと思いますが、税収の増といったときに、消費税の議論というのはしてきたわけでありますが、消費税以外にも、例えば資産課税であるとかあるいは所得税の累進性であるとか、こうしたこともきちっとやっぱり併せて議論をしていかなければいけないということで、民主党の中ではさんざん議論をしてきたわけでありますが、これはどういうことになっていて、これからどうなるんでしょうか、お答えいただきたいと思います。
#75
○衆議院議員(岸本周平君) 法案の提案者として御答弁をさせていただきます。
 ただいま鈴木議員から御質問ありました、所得税あるいは資産課税の見直しの方向性についてどうかということでありますが、これにつきましては、三党の合意の中で所得の再配分を行っていく方向性につきましては合意をしております。
 そもそも平成二十一年の所得税法等の一部改正の法律の附則でございますが、百四条第三項の一号で所得税、それから五号で資産課税につきまして書かれていた。それを受けて民主党の方で議論をし、野田内閣で法案を提出し、三党合意が行われたわけでございます。
 内容的には、今回の法案の附則の二十条と二十一条に書かれておりますけれども、所得税の最高税率の引上げなどの累進性の強化に係る具体的な措置、あるいは相続税の課税ベース、あるいは税率構造及び贈与税の見直し等について検討していくと。その検討結果に基づきまして、平成二十五年度、来年度の税制改正におきまして必要な法制上の措置をとるということでございます。
#76
○鈴木寛君 所得の再配分、あるいは世代間の公正、あるいは世代内の公正ということは、やはり民主党の非常に大事な結党の理念だというふうに思いますので、この点は是非しっかりとした議論をこれからも、私たちもしていきたいと思いますが、政府においてもよろしくお願いしたいと思います。
 文部科学大臣に伺いたいと思います。今回、消費税、これまでは高齢者三経費ということでありましたけれども、消費税収のうち七千億は子育て世代へのまさに世代間の格差是正に使われるということになっておりますが、その辺りのことについて、決意も含めて伺いたいと思います。
#77
○国務大臣(平野博文君) 鈴木委員はもう政権交代以降、文部の副大臣、さらには我が与党の座長としてよく承知をいただいておりますし、また応援をいただいている、このことに感謝を申し上げます。
 今回の議論の中での、改革の中では、子ども・子育て分野においては約〇・七兆円を充てると、こういうことでございます。その内訳につきましては、保育等の量の拡充と、こういう観点で約四千億円、また、今一番大事であると、こういうことで幼児教育、保育の質の改善と、こういうことで約三千億円を見込んでおるわけであります。
 また、この度に三党の合意を受けまして衆議院で修正されました子ども・子育て支援法案の附則におきましても、政府は、教育・保育その他子ども・子育て支援の量的拡充及び質の向上を図るための安定した財源の確保に努めると、こういうことも盛り込まれておるところでございまして、文部科学省としては、幼児教育は生涯にわたる人格形成の基礎を培う極めて重要なものであるということに鑑みまして、三党合意や法案の附則に基づき、幼児教育の財源の確保に努めるとともに、幼児教育の充実にしっかり取り組んでまいりたいと、このように考えております。
#78
○鈴木寛君 まさに世代間の格差の観点、そして幼児教育をしっかりやるということが、将来に返ってくるもの、もう計り知れないものがございます。是非、幼児教育の充実について、そして子育て世代の応援についてしっかりと取り組んでいただきたいと思います。
 それから、総理に御提案を申し上げたいことがございます。これから社会保障制度改革国民会議で様々な議論がなされるというふうに承知しております。これはまさに政局を超えて、しっかりと本当にこの国の社会的な基盤というものを議論していく上で大変にいいことだというふうに思いますし、そこに、内閣総理大臣が指名をし、国会議員も入って、まさに日本中の英知を結集してしっかりとした議論をしていくと、こういったことだと思いますが、その際に、今議論をしておりますこの世代間格差是正の観点、是非加えていただきたいというふうに思います。
 委員選定に当たっても、それぞれの世代の声を代弁できる人を選出をするということも検討していただきたいと思います。任命権者でありますので、総理に伺いたいと思います。
#79
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 国民会議で具体的にどのような委員を選ぶかについては、今、鈴木委員御指摘のとおり、この改革推進法案では、委員二十人以内をもって組織する、そして優れた識見を有する者のうちから総理が任命する、国会議員を兼ねることは妨げない、こういう規定がございます。こうした規定に基づいて、そして今行われている参議院での法案審議、あるいは提案をされた三党の御意見なども踏まえまして、会議の運営方法と併せてしっかり検討していきたいと思いますが、法律が成立をした暁には、なるべくこれ速やかに立ち上げをしたいと思います。
 その際に大事な御指摘が、この世代間の公平の確保をどうするかということです。これは、委員の構成で考えるのか、あるいは運営方法で考えるのか、ちょっといろいろとこれ工夫の余地があると思いますが、大事な御指摘と受け止めさせていただきたいと思います。
#80
○鈴木寛君 もう一つ、これは要望でございますけれども、結局、年金の議論が一番本当に難しいと思うんですね。そのときに、やはり現物給付はもちろんですけれども、やっぱり現金給付はもちろんですが、現金給付と現物給付のこのどう合わせ技で実質的に国民の皆さんの、特に高齢者の皆さんの暮らしを確保していくのかと。そういったときに、やっぱり一番大事なのは医療、介護ということですが、住宅という視点が欠かせないと思うんですね。結局、特に都会の場合はやっぱり住宅費に相当程度掛かっていると。
 政策研究大学院大学の名誉教授の松谷先生が、公的賃貸住宅の重要性等々についての議論をこの前伺ってきたわけでありますが、まさにそうした幅広い観点からこの社会保障制度改革国民会議の議論を進めていただきたいというふうにお願いを申し上げておきたいと思います。
 そして、世代間の格差の是正とそして成長戦略、この私は交わり集合にあるところがやっぱり教育の投資だというふうに思います。そして、まさに教育こそが最大の個人にとっての社会保障であり、社会にとってのそして社会保障であり、国家にとってはまさに国家保障だと、安全保障だというふうにも思っております。
 ちょっとこのパネルを見ていただきたいんですが、資料は最後から二番目でございます。(資料提示)
 政権交代後、教育予算を九%増額をいたしまして、公立高校の無償化、私立高校、高等専修学校の就学支援金十二万円から二十四万円を創設し、あわせて、大学生の奨学金の貸与人員を一七%増やしました。これによって希望者全員が奨学金をもらえると、こういうことになりました。それからさらに、所得連動返済型無利子奨学金制度、いわゆる出世払い型奨学金というのもできましたし、それから大学の授業料の免除者を二十八年ぶりに増やして、しかもこの三年間で七〇%増で今十万四千人の人が授業料、大学無料と、こういうことになっております。
 まさに高等教育機会の保障ということに力を入れてきたわけでありますけれども、先ほども申し上げましたけれども、これから将来世代というのは、生涯のネットで、負担と受益でいいますと、マイナス四千五百八十五万円ということになってしまいます。
 これを是正しなければいけないということなんですけれども、それをもちろん何とかしなきゃいけないということで今度の消費税でありますが、もう一つの視点は、将来世代の生涯賃金を、だったら五千万円以上、できれば一億ぐらい増やすためにどうしたらいいのかということも考えてあげる必要があるのではないかと。生涯賃金をどうやってアップするかと、その鍵が高等教育にあると思います。生涯賃金は、正社員が二億円、派遣、契約社員が一億円、パートが五千万円ということになっていますし、また男子の場合は、大学、大学院卒の生涯賃金が三億、高専、短大が二・五億、高卒が二・五億と、こういうことになっております。
 そういう中で、資料の八ページを御覧いただきたいんですけれども、四年制大学への進学率が、本人の学力によって相関しているのではなくて、親の収入に完全に依存しているという深刻な状況があります。親の収入が一千万円以上の場合は六二・四%の人が大学に進み、四百万円以下の場合は三一・四%しか大学に進めていないという実態があります。あるいは、大学進学率が三〇%台の道県が実は我が国には十七あります、十七。四十七都道府県中、十七の道県が実は大学進学率が三〇%台だという実態があるわけであります。
 そこで、問題はこの上の図でございまして、一九九〇年の段階から二〇〇九年に向けて、それぞれの国の大学進学率がどうなったかということであります。これちょうど比べるのにいいサンプルがあります。例えば、一九九〇年のときは、オーストラリア、日本、韓国は、それぞれ三五%、三六%、三七%と、一九九〇年のときのこの三か国の大学進学率はほぼ同じであります。しかし、二十年後には、オーストラリアが九四%、韓国が七一%、そして日本は五六%、これは短大も含んでおります、というふうに著しい差が付いてしまいました。
 じゃ、GDPはどうなったかということでありますけれども、オーストラリアと韓国は、この二十年間の間に、韓国はいろいろなショック等々もありましたけれども、三・一倍に増えております。一方で、日本は一・六倍と、こういうことになっています。
 これはどういうことかといいますと、十一ページを御覧いただきたいんですけれども、あるいは十ページを御覧いただきたいわけでありますけれども、産業構造がこの二十年間で劇的に変わっています。劇的に変わっています。そして、特に九〇年代、あるいは二〇〇〇年越えてからは、IT投資にどれだけ対応できたかできなかったかということがその国の経済成長に極めて大きな影響を与えているということもその背景にございます。
 そうした中で、我が国はこれからどういったところに仕事があるのかということが十ページ、十一ページであります。もう既に議論されておりますように、一つは、医療・福祉関係の雇用というものが増える。これは経済産業省もそういうことを言っています。あるいは、対事業所サービス、対個人サービス。十一ページの方が分かりやすいので十一ページを御覧いただきたいと思いますけれども、医療・福祉が今六百万人ぐらいでありますが、これが九百万人ぐらいに、うまく経済政策あるいは雇用政策、教育政策をやっていけば、二〇二〇年の、十年後に九百万人ぐらい、三百万人ぐらいの雇用が増える可能性がある。それからもう一つは情報通信でございまして、二百万人弱の今就業者数でありますけれども、これが四百万人弱ぐらいまで、約二百万人ぐらいまで増える可能性があります。
 しかしながら、この横軸でございますけれども、それぞれ医療・福祉は、看護師になる場合には四年制の大学がもう標準になっております。そういう法律改正もされました。薬剤師については六年制と、マスターということになっています。あるいは、最近は医療物理士とかOT、PT、コメディカル、ほとんどが四年制、それだけ医療が高度化しておりますから当然でありますが、そういうことから、医療・福祉の現場で働く皆さんの約九三%が、短期高等教育も含めてでありますけれども、九三%が高等教育修了者であります。あるいは、ITで働く皆さんの九七%が高等教育修了者であります。
 まさに、こうした就業構造、産業構造の転換ということを見据えた教育政策をきちっとやっていかなければいけないというふうに思っております。これは何も四年制の大学だけを言っているわけではありませんで、今、実は一番教育政策上成功しているのは高専ですよね。高専は就職率も抜群に良くて、まさにハンダごてもできるし、きちっとプログラミングもできて、論文も読めるという非常にすばらしい人材をつくっているわけでありますけれども、こうした現場密着型の教育も含めて我が国の高等教育というのをどういうふうにしていかなければいけないのかという議論を古川大臣そして平野大臣のところでやっていただいているわけであります。
 さらに、グローバル人材、これは総理も世界に雄飛する人材ということで大変に力を入れていただきましたけれども、これから五年間で、僅か五年間で追加的に二百四十三万人のグローバル人材が必要だと、こういうふうなことも見込まれております。
 そうしたことをきちっと見据えて、そしてライフイノベーション、グリーンイノベーションの話が先ほどございました。もしも古川さん、コメントあればお聞かせいただきたいと思いますけれども、ライフイノベーションも、再生と医療機器とそして非常に重要なのが医療情報、メディカルインフォマティックスですよね、そして創薬支援と、この四つの柱です。あるいはグリーンイノベーションも、発電源のところのイノベーションも重要でありますが、一番、当面、目下大事なのは、期待できるのは送電ロスをどういうふうにしていくかということになると、スマートグリッドということになります。これからまさにそうした医療掛けるIT、環境掛けるITといったところも必要になってくるわけでありまして、そうしたことを見据えた改革ということをやっていかなければいけないと思います。
 その中で、残念ながら、この二十年間、特にこの十年間、日本の大学教育に係る経費というものは増えておりません。一方で、韓国は二〇〇〇年から比べまして一五五、一〇〇とすると一五五、アメリカが一四一、EUは一三六、OECDでも一三〇ということで、日本以外の先進各国はまさに産業構造の高度化、知的立国化に対応した教育投資をしております。あるいは、学生一人当たりの投資額を見ましても、アメリカは二万九千九百十ドルに対して日本は一万四千八百九十ドルということで、半分ということになっています。
 じゃ、どうしてこういうことになってしまったのかということなんですけれども、ちょうどこの十年間、社会保障費が八・八兆円増えて、教育を含むそれ以外の経費が、これは防衛とか公共も入りますけれども、ちょうど九兆円削減されたということなんです。だからこそ、社会保障改革をきちっとやって、消費税で安定財源を確保して、そして未来への投資について健全な、教育も含む投資戦略を果たしていくことが重要だというふうに思っておりますが、まずこうした点について、古川大臣、コメントあればよろしくお願いいたします。
#81
○国務大臣(古川元久君) 先ほど委員から御指摘がありましたグリーンであるとかあるいは医療の部分で、これはイノベーションを実現するためのベースがITであると、まさにそこはおっしゃるとおりだと思います。ある種、全ての新しい成長を実現するベースにこのITの技術をどううまく使っていくかというところがポイントになってくると思います。医療の情報の部分もまさにそうでありますし、グリーン成長を実現するためにも、やはりそこはITの技術。
 ですから、そういった意味では、そうした技術を自由自在に駆使できる、そういう人材をいかに育成するかと、そういった意味では高等教育の充実というのは非常に大事なことでありまして、また高等教育の充実をするためにも、実は初等中等からの教育改革というものを行わなければなりません。これは国家戦略会議の下でも教育改革の議論をさせていただいて、今、平野文科大臣を中心に教育改革の議論、大学改革などを先頭にして進めていただいておりますけれども、そうしたことをしっかり行う上で、これからの時代を切り開けるそうした次世代の人材を育成するということが極めて重要なことだというふうに考えております。
#82
○鈴木寛君 日本はこれまですばらしい省エネあるいは医療のサービス、医療の技術がございます。製造業もそうです。そうしたものをベースに新しいイノベーションをしていく。そして、日本の国の中では成熟してしまっているけれども、世界の国々ではそうした日本の技術を欲しくてたまらない。そうした日本のいいものをちゃんとグローバルに展開できるグローバルな人材、そして国内においては、まさに医療、福祉、介護、教育といった、フェース・ツー・フェース、対面のコミュニケーションがしっかりできる人材、こうしたまさに新しい産業構造、経済社会構造を見据えた教育にしっかりと投資をしていくことが成長と世代間格差の是正、この双方に資するというふうに思います。
 最後に野田総理に、総理は、まさに世界に雄飛する人材ということで非常に人材に力を入れていただいております。まさに、成長戦略として、社会保障として人材投資に懸ける総理の意気込みを伺って、最後の質問としたいと思います。
#83
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 日本の経済、社会の再生、それを支えるのはやっぱり人材だと思います。そのための人材育成どうするかという観点は、もう今ずっと御披露いただいたとおりだと思います。
 一つは、イノベーションを軸に成長させていくために、そのための人材戦略、未来への投資が必要だと思います。それから、やはりこれは、グローバリゼーションが急速に進む世界においてグローバルに通用する人材をつくるということと、最後コミュニケーションのお話されていましたけれども、いろんな世代や立場を超えてそういう対話を通じていく、そういう協力、協働する力があるかどうかというコミュニケーションの能力、今おっしゃったような三つの観点を含めて、未来への投資、人材戦略というものをしっかりと位置付けて取り組んでいきたいと思っております。
#84
○鈴木寛君 終わります。ありがとうございました。
#85
○藤谷光信君 民主党・新緑風会の藤谷光信でございます。
 いよいよ今日からこの参議院での社会保障と税の一体改革の八法案の審議に入ったわけでございますが、この法案は内容的にも国民の皆様の生活に直結する法案でありますので、参議院に送られてくるまでの過程を含めまして国民の皆さんが特に注目されていると思っております。
 御承知のとおり、政府提出法案につきましては、衆議院におきまして百三十数時間にも及ぶ審議が行われました。そして、自民、公明、民主三党における精力的な協議が行われた結果、三党による修正等が行われて可決され、参議院で審議を行う運びとなったわけでございます。
 今日に至るまでいろいろな問題が起きましたし、ありましたし、もちろん各党各会派の御意見も考えもあるわけですが、私としては、国民に負託を受けた身として、現在日本が置かれている状況と日本の将来、そして中長期的な戦略として、政治が今何を考えどのように行うべきなのか、そして国民の皆様にどのように説明をしていくのかを第一に考えてまいりたいと思っております。
 また、参議院は様々な知見を有する識見の高い議員が集う良識の府でもあります。提案されている内容が真に国民の幸福につながるものであるかを見定め、実態に即した適切な内容となるよう、私の意見を述べて質問をすることが私の使命であると思っております。良識の府の参議院の議員として皆様とともに十分に審議をしていきたいと思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 さて、今日の質問のために新たに八法案関係の資料を集めてみましたら、厚みがざっと五十センチもの高さになりました。しかし、私に与えられた時間が五十分と限られておりますので、今日は特に教育、それも幼児教育とともに私は半生を過ごしてまいりましたので、まずは子育て三法案につきまして、それを中心に質問をさせていただきたいと思っております。
 私は、これまでも委員会や本会議等におきましても、現場の皆様が幼保一体化、一元化に抱いている懸念を少しでも解消したいと願いながら何度も質問させていただきました。しかし、今国会に子ども・子育て関連三法案が提出され、衆議院において修正がなされてもなお教育の現場からは不安の声が聞こえてきます。改革という名の下に、子供、保護者、現場の先生方をいたずらに混乱させることがないよう、教育現場の声を十分に吸い上げてより良い改革にしたいという願いを持って質問をさせていただきます。
 さて、御承知のように、今回の子ども・子育て支援関連法案は、幼児教育、保育の分野では戦後の歴史の中でも非常に大きな改正となるわけであります。制度の詳細につきましてはまだまだ今後の検討を待つべきものもたくさんありますが、制度の円滑な施行のためには、詳細にわたり制度が使い勝手の良いものであることが極めて重要であるとともに、幼児教育、保育の現場における準備が十分に行えるようしっかりと支援を行う必要があると考えております。
 現場にとって使い勝手の良い制度になるよう、参議院における様々な議論の内容や意見をしっかりと受け止めていただけるような柔軟な姿勢で今後の詳細な制度設計に臨んでいただくということが重要であると考えますが、まず総理のお考えをお伺いいたします。
 また、あわせて、三党の提出者の皆様にも、そうした柔軟な姿勢で参議院での議論に臨まれるお気持ちなのかを確認させていただきたいと思っております。
#86
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 今般の子ども・子育て関連法案については、認定こども園や小規模保育など、多様な幼児教育、保育の確保と財政支援の拡充、そして子育て支援の質、量の充実のため一兆円を超える財源の確保など、税制改正と一体で行うものでございます。
 全世代対応型社会保障の構築を目指して、子育て家庭を中心とする現役世代に社会保障のメリットを実感してもらう、一体改革の中でも社会保障の充実という分野で大きな柱になっております。これは、衆議院において総質疑時間百二十九時間という熱心な御議論を経た中で、三党間でのこれは精力的な協議を経て三党合意に至りました。この三党合意は公党間の約束でございますので、重たいものがあると思います。
 ただ、一方で、この参議院という、舞台を移して、またより良き子育て支援のために発想が出てくるなら、観点が出てくるならば、またそういうものを期待をしたいと思いますが、これは柔軟に対応すべきものだろうというふうに考えております。
#87
○衆議院議員(池坊保子君) 閣法の修正並びに認定こども園の議員立法の提出者として中心的なまとめ役をやってまいりました私といたしましては、これは日本の未来を担う子供たちの最善の利益を優先し、並びに保護者の育てる環境整備をきちんとしていきたい、そしてまた現場の声も一生懸命私たちは本当に何週間と積み重ねてまいりました。そして、思い入れも強く、本当にいいものを作ったというふうに思っておりましたが、この連休にいろいろと精査し、そしてこれはどうなっていくのだろうかとシミュレーションをいたしましたときに、今、藤谷委員がおっしゃいましたように、現場が一番良かったなと言っていただくことが私は大切だというふうに思っております。
 いろいろと、こうやればよかったんじゃないかとか、この点が足りないんじゃないかというようなことも出てまいりました。参議院は独自性がございます。皆様方の知見、見識をいただいて、さらに附帯決議を付けていただくとか、いろんな方法でより良い制度設計をしていただくことが子供たちのためにも保護者のためにも、学校現場そして保育の現場のためにもいいことだというふうに私は思っております。
#88
○衆議院議員(馳浩君) お答えいたします。
 藤谷委員は長年幼児教育に取り組んでこられたことに改めて敬意を表したいと思います。
 本当に三党合意は極めて重いものと考えております。と同時に、参議院には参議院としての補完、抑制、均衡という役割が与えられていることもよく存じておりますので、皆さん方の専門的な見地からの審議、これを受け入れる、認めるということも持っておりますので、どうぞ充実した御審議をお願いしたいと思います。
 以上です。
#89
○衆議院議員(泉健太君) 御質問ありがとうございます。
 与党の提出者として、やはりこの三党合意は大変重たいものだと思っております。そしてまた、参議院ではかねてより少子高齢化の調査会等々も活動されておりました。そういった知見は是非生かしていただいて、衆議院で合意した内容、各党で合意した内容もありますけれども、例えば資格の問題やあるいは処遇、そして様々な今後の保育の制度設計に当たってはもっともっと盛り込んでいかなくてはいけないという要素が多々あると思いますので、是非ともそういった議論は柔軟に行ってまいりたいと思います。
#90
○藤谷光信君 どうもありがとうございました。
 次に、既存施設の認定こども園への円滑な移行についてお伺いをいたします。
 今回、大きく制度が変更されることになっている幼保連携型認定こども園は、学校と児童福祉施設の双方の性格を有するものでございます。幼児期の学校教育と保育、総合的に提供する究極の姿であると考えられますが、一方で、認定こども園にはこのほかに幼稚園型とか保育所型とか地方裁量型とかがありまして、いずれも幼保を総合的に提供する機能を有しています。
 特に、幼稚園型認定こども園というのは、認可を受けた幼稚園が幼稚園で教育が終了して以降の時間も子供を保育する機能を有している旨の認定を都道府県から受けるものであり、既存の多くの幼稚園にとっては移行しやすい類型であると考えております。
 しかしながら、実態としましては、認定権限を持っているはずの県は地元市町村の同意が必要といいます。市町村は保育の需要がないといって同意を与えない例が各地で多く見られております。
 平成二十一年三月にまとめられました報告書、認定こども園制度の在り方に関する検討会報告書では、認定件数が伸び悩んでいる理由として、一、財政支援等が不十分である、二、省庁間や自治体間の連携が不十分である、三、事務手続が煩雑等の課題を挙げており、こうした状況を改善するために事務手続や会計の簡素化が行われまして、平成二十年度第二次補正予算においては安心こども基金が創設され、総合的な財政支援が行われ、民主党政権下でも積み増しがされております。
 それなのに、平成十八年十月の認定こども園制度から既に五年以上が経過しておりますが、平成二十四年四月一日現在でも認定こども園の認定件数は九百十一件にとどまり、教育振興基本計画で挙げられました二千件の目標には遠く及びません。それは、認定こども園幼稚園型が全国に八千もある私立幼稚園のほんの一割にも満たない理由を見過ごしているからであると私は思っております。
 行政指導が独占禁止法に触れてしまうように働く場合があります。幼稚園からなかなか参入できない大きな理由である市町村からの同意が得られないということ。認定こども園に必要な、例えば給食施設費用などを安心こども基金にお願いしようとしましても、安心こども基金には年齢要件等の制約があることから、特に幼稚園型認定こども園は、保育機能部分に対する財政支援に充てられるべき安心こども基金財政支援を受けにくくなっております。幼稚園から認定こども園への移行を促す支援のはずの安心こども基金が実態としてほとんど機能していない状態だということ。これら二つの大きな要因にはまさしく行政指導が色濃く影を落としております。
 私は、これまでも、政策立案が机上の空論にならないためには事前に現場の状況をよく把握しておくことが大切だと絶えず訴えてまいりました。今、このような状況を放置して新制度をスタートさせても、またもや今回の制度改革の理念が絵にかいたもちに終わってしまうのではないかと危惧しています。
 今後は、子ども・子育て関連三法案に基づき認定こども園制度の拡充が図られることになりますが、この三法案の施行期日は消費税率の引上げと連動しておりますので、新たな幼保連携型認定こども園の創設などは早くても平成二十七年の施行となり、今から三年も先の話となるわけでございます。
 しかし、保育や幼児教育の停滞は許されないのです。ですから、今から三年後を待つことなく、現在の不十分な財政支援や消極的な地方自治体の存在など認定こども園への移行を妨げてきた原因を取り除き、幼児教育、保育の更なる充実と待機児童対策を図ることが必要だと思います。
 三党の提出者の皆様と少子化担当大臣に、今私が申し上げました阻害要因についてどの程度の実態把握をされていらっしゃるのか、またどんな問題意識をお持ちなのかもお尋ねをいたします。
 そして、この三法案の施行前におきましても、幼稚園、保育園、認定こども園それぞれの充実を図るとともに、認定こども園への円滑な移行を促進するため、幼稚園における預かり保育の拡充とか認定こども園の手続の緩和など、そして平成二十四年度末で期限が切れてしまう安心こども基金について、まずは幼稚園型認定こども園に移行したいと考える幼稚園を支援するための期限の延長や、基金の拡充と要件の緩和を行うなど、あらゆる手段を講じていくべきであると考えております。
 あわせて、三党の提出者の皆様と少子化担当大臣の今の件につきまして御見解をお伺いしたいと思います。
#91
○委員長(高橋千秋君) 三党全員でよろしいですか。
#92
○藤谷光信君 はい。少子化担当大臣もお願いします。
#93
○委員長(高橋千秋君) じゃ、まず小宮山国務大臣。
#94
○国務大臣(小宮山洋子君) 藤谷委員にはいつも幼児教育の立場から熱心な御議論をいただいて、ありがとうございます。
 おっしゃるように、やはり認定こども園が今回目指していました、全ての就学前の子供たちに質の高い学校教育、保育を受けさせたい、そのために認定こども園の今までおっしゃったそのネックになっている課題の部分を解消しようということで、二重行政になっているところ、財政支援が足りないところ、それを今ある認定こども園、幼保連携型の認定こども園を拡充をすることによってそういうニーズにこたえたいという形でやっています。
 これまでも認定こども園の認定手続については、事務マニュアルを各地方自治体とか認定こども園の関係者に配付をするなどしてまいりました。今回は、基準を満たしていれば、そこの欠格事由があるとかそこのニーズがないとかいうこと以外は認可をするという形にしましたので、やりたいという意欲がある者は認可をされるというのが原則になります。
 ただ、移行するまでの間をどうするかということで、おっしゃるように、安心こども基金、これは平成二十年度につくられまして、それ以降、補正予算で期限の延長、拡充を実施してまいりましたので、また来年度の予算編成過程でもここはしっかりと獲得できるようにやっていきたいと思っておりますし、衆議院の附帯決議では、「制度施行までの間、安心こども基金の継続・充実を含め、子ども・子育て支援の充実のために必要な予算の確保に特段の配慮を行うものとすること。」とされていますので、参議院での御議論も真摯に受け止めまして新制度発足までの間もしっかりと対応していきたいと考えています。
#95
○衆議院議員(泉健太君) 御質問ありがとうございます。
 私も今幼稚園に通っている子供がおりますが、委員おっしゃるように、三年たてばもう幼稚園には通っていないわけでして、そういった意味では、子供の福祉というのはもうそのときそのとき全力で考えていかなければいけない問題だというふうに思っております。
 そういう中で、まさに幼稚園型、せっかく類型はありますけれども、なかなか全国の私立幼稚園の一割にも満たないという状況があると。やはりそこは、おっしゃるように、インセンティブですとか様々な優遇措置も含めて、事務手続の簡素化などもやっぱり必要であったというふうに思っております。
 もう一つ、やはり大きな原因としてはその裁量という問題でして、これは三党協議、三党合意の中でも、やはり基準を満たしながらいわゆる認可を受けられないケースがあるという話や、あるいはこういった裁量によってなかなか希望者があっても進まない、これは全国の様々な団体ですとかあるいは園の関係の皆さんからもじかに我々に届いております。
 そういった意味では、そういった実態をしっかりと認識をしながら、一つは、各市町村において計画をしっかり作っていくということになりますので、その計画の中にやはり幼稚園型というものがしっかり組み入れられるということ、そしてもう一つは、子ども・子育て会議が各地においてできますので、その子ども・子育て会議が各自治体において機能する中で現行制度の中でもしっかりとこういった認定こども園への移行を進めていこうということが大変大事であろうというふうに思います。
 そして、重ねてでありますけれども、安心こども基金ですね。この安心こども基金については、我々、三党合意の中でも非常に大事な基金であるし、そしてこれは今後も継続をしていくべきだという認識に立っておりますので、今できることとして、政府では、例えば都市部においての待機児童「先取り」プロジェクトを始め、今回の改革におけるいい要素は法律が変わる以前にもできることは全てやっていこうという気持ちでありますので、是非とも現行制度の中で制度の推進を行っていきたいというふうに思っております。
#96
○藤谷光信君 ありがとうございました。
 いろいろ問題がたくさんあると思いますが、どうぞ頑張ってやっていただきたいと思っております。
 今回の法案にあります、都道府県は幼保連携型を含む認定こども園の認定に際しては、供給過剰で需給調整が必要となる場合を除き認定を行うものとするというところがございまして、新しい法案施行後には、需要と供給の把握が恣意的に行われ、需要があるにもかかわらず、意欲のある者が認定こども園になれないなどということが絶対にないようにするためにはどうしたらよいのか。さきに述べた阻害要因の除去を十分にお考えの上で詳細な制度設計、あるいは学校法人とか福祉法人の御意見もしっかり聞いて臨んでいただきたいと考えております。
 過去の反省に学ぶという面におきましても、各地方自治体で誤解のない適切な対応が確保されるように、国として詳細で明確な制度設計やガイドラインなどを示す必要があると思うのでございますが、少子化担当大臣のお考えをお聞かせください。
#97
○国務大臣(小宮山洋子君) 今回の改革では、地域の学校教育、保育のニーズを把握するに当たりまして参酌すべき標準、これを国の基本指針で定めることにしています。また、認可基準を満たして欠格事由に当たらない場合は、先ほども申し上げましたが、原則認可をすることにするなど、認可制度の透明化を図りたいと考えています。
 地方自治体で円滑な実施が図られますように、国の基本指針や関係政省令の策定、これを可能な限り速やかにお示しをして、十分な先ほどからおっしゃっている準備期間が取れるようにしたいと思っています。また、制度改革の趣旨ですとか利点が正確に理解されるように、地方公共団体とも丁寧に意見交換をこれからもしていきたいというふうに考えています。
#98
○藤谷光信君 どうもありがとうございました。
 この認定こども園のことについて度々申し上げますが、全国の公立、私立を含めて、幼稚園、保育園、一生懸命皆、関係者の方、頑張っているのでございますが、やはり今回のこの法案にはこの認定こども園というのが大きなウエートを占めておりますので、少しくもう一つ申し上げて質問したいと思っておるわけでございます。
 この認定こども園法改正案におきましては、新たな幼保連携型認定こども園は学校と児童福祉施設としての法的な位置付けを持つ単一の施設であり、認可や指導監督基準などが一本のものにされるとされています。また、新たな幼保連携型認定こども園には、既存施設が移行を義務付けられるものではなく設置者の判断で移行を行うこととされていますが、新たな幼保連携型認定こども園における教育と保育の質の担保を考えるときには、設置基準の果たす役割が極めて大きいと思います。
 政府提案の総合こども園の設置基準につきましては、現在の幼保連携型認定こども園の設置基準を基本とすると説明されていました。しかし、現在の幼保連携型認定こども園の基準は、幼稚園と保育所双方の基準を満たすことを求めることが原則となっており、実際には既存の幼稚園や保育所からの移行の際の特例が設けられておりまして、幼稚園か保育所のいずれかの基準を満たしておればよいと、ちょっと複雑になっているわけでございますが、この取扱いによれば、例えば保育所から移行する幼保連携型認定こども園については、特例により運動場などが同一敷地や隣接地でなくとも近隣の適当な場所で代替可能となっていますが、幼児教育を行う方の幼稚園の場合は運動場は必置であると、必須であるというふうになっております。こうなりますと、両方が若干の設置基準がずれがありますが、そういった場合に、この新たな幼保連携型認定こども園の基準としてどういうふうに取り組んでいくのか、少し疑問が残るわけでございます。
 今回、保育所からの移行は強制ではなくて任意となっていることを踏まえれば、新たな幼保連携型認定こども園には学校教育を十分に行うことができる施設こそが移行すべきであり、設置基準についてもこれにふさわしい内容のものにすべきではないかと考えております。また、認定こども園法の一部改正には、幼児期の教育、保育が生涯にわたる人格形成の基礎を培う重要なものであることも明記されております。
 この新たな幼保連携型認定こども園の基準は、現行の幼保連携型認定こども園の基準を基本としつつも、例えば運動場を必置とするなど、そこで行われる教育、保育の内容を担保できることを考えますと、その質を向上させるためにはその設置基準というものがもう少し慎重に考えなければいけないんじゃないかと私は考えておりますが、その点、少子化担当大臣、それから文部科学大臣の御見解をお伺いしたいと思っております。
 また、提出されました自民、公明の関係の皆さん方で御所見がありましたらお尋ねいたします。
#99
○委員長(高橋千秋君) まず、小宮山国務大臣。
#100
○国務大臣(小宮山洋子君) 委員御指摘のように、新たな幼保連携型認定こども園、これは現在の幼保連携型認定こども園の基準を基礎として検討することになると考えています。その基準の具体的な内容につきましては、法案が成立いたしましたら、子ども・子育て会議でそちらの意見も聴いた上で主務省令を定めることにしています。
 御指摘の運動場に関する基準も、なるべくその保育所からも移行してもらうために、経過措置として近隣の運動場を使ってもいいということに現在なっておりますが、その運動場の点も含めまして、学校教育、保育の質、これはおっしゃるように大切でございますので、しっかりと検討させていただきたいと思っています。
#101
○国務大臣(平野博文君) 先生は、日ごろあらゆる機会を通じて幼児教育の充実、必要性、このことについての御指摘、御質問をいただいておりまして、ありがとうございます。
 特に、私どもとしましては、幼児期における教育というのは、先ほど先生からもお話ございました、生涯にわたる人格形成の基礎を培う極めて重要なものであると、こういう認識の下に、先ほど小宮山大臣の方からもお話ございました、今回のその基準という、こういうことでございますが、御議論いただいた後の法案成立後に子ども・子育て会議の中で十分先生方の御議論も踏まえながらしっかりと検討をしていくと、こういうことでございますが、文部科学省としましては、御指摘の運動場、私も随分現場にお伺いをいたしました。やっぱり幼児教育の中での重要な位置付けで運動場というのはあると、かように思っておりますので、学校教育の質を担保すると、こういう観点から私は必要であると、こういうことを思っております。その取扱いを含めて、今後しっかりそういう場面で議論、検討していきたいと、かように思っております。
#102
○衆議院議員(池坊保子君) お二人の大臣が御答弁なさったとおりでございますが、認定こども園はそれを発展的に改正したものでございますから、基準は従来の認定こども園を基礎といたします。細かいことに関しましては、子ども・子育て会議によって審議をしていただいて、また現場の方々、私ども政治家の意見等々を加えまして、これは内閣府の方で定めるのだと思います。
 ただ、七千億を子育てのために使うということは今までなかった画期的なことでございますので、私はやはり、幼稚園、保育園も含めて、質、量の改善がなされなければ何の意味もないと思います。ですから、政府には、私は、例えば幼稚園においては三十五人学級を三十人にするとか、保育園は、三歳児は今二十人でございました、これを十五人にするとか、あるいは、もしも幼稚園が預かり保育をなさって、三歳以下のお子様の場合は調理場が必要です、そのときの財政支援をするとか、きめ細やかな改善を図っていかなければならないと思います。
 私も、十五年ずっと学校教育の方の文部科学におりましたので、幼児期における幼稚園教育の重要性というのをしっかりと分かっておりますので、運動場等々も、子供たちが健やかに遊べる場の確保等も考えていきたいというふうに思っております。
#103
○藤谷光信君 どうもありがとうございました。
 大変前向きな池坊議員の、具体的な数字なども出ましたが、しっかりひとつ前向きでお願いしたいと思っております。
 そして、この修正案には、認定こども園、幼稚園、保育所を通じた共通の給付として施設型給付を創設することとされていますが、これを通じて消費税財源を含む安定した財源が確保されることは非常に良いことだと思っております。給付につきましての制度設計は今後詳細に行われることになると思いますが、今後の検討に向け、幾つか確認をさせていただきたいと思います。
 現在の幼稚園、保育所に対する財政支援というのは全く異なるルールによって行われているわけですが、その結果、同じ小学校就学前の子供に対する支援としては若干公平性を欠くことになっていると指摘をされております。
 子供の年齢や保育時間に応じて公費負担に差が生じることはやむを得ない面も現実にはあると思いますけれども、今後、特定教育あるいは保育施設の確認を受けた保育所と幼稚園は同じ施設型給付を受けることとなります。また、今後、幼稚園から認定こども園へ移行が進んだり、幼稚園における預かり保育が更に充実したりするなど、幼稚園が児童福祉の側面を強く持つようになっていくことも予想されます。
 この度の子ども・子育てをめぐる大改革におきましては、新たに幼稚園、保育所を通じた共通の施設型給付を創設する際には、従来指摘されてきたような幼保間の不公平を解消し、全体として整合性のあるものとすべきと考えますが、その点、少子化担当大臣の御見解をお伺いします。
 また、この施設型給付は個人給付として位置付けられ、子供を受け入れた施設が代理受給することともされています。ちょっと専門的になるわけでございますが、実際に子供を受け入れる施設の状況、その定員規模、立地などがまちまちであり、子供一人当たりの単価設定は、一律に行った場合には、特に小規模施設で、小規模の施設の運営が非常に厳しいものがありますので、支障を来すということが明らかであります。
 このため、施設型給付につきましては、定員規模別や地域別の単価設定を行うなどにより、地域の状況などを踏まえた施設の多様な運営形態に配慮して、実際の運営が円滑に行われるような仕組みとすることが極めて重要であると考えますが、併せて御見解をお伺いします。
#104
○国務大臣(小宮山洋子君) 二点お尋ねいただきましたが、最初の施設型給付、これは、おっしゃるように、今は、幼稚園は都道府県から私学助成、市町村から就園奨励費が支給されて、保育所には市町村から保育所運営費が支給をされるということですけれども、新たな制度では認定こども園も幼稚園も保育所も施設型給付ということで、給付を一本化したということが今回の改革の一つの柱となっています。
 施設型給付では、三歳以上の子供には標準的な学校教育の時間に対応する給付を保障いたします。また、保育を必要とする子供には、保護者の就労時間などに応じて長時間と短時間とそれに対応する給付を保障することにしています。具体的な額などにつきましては、制度施行までの間に、施設基準等との関係を考慮しながら、子ども・子育て会議で議論をしていただいて検討したいというふうに思っています。
 そして、二点目の定員規模や地域別の単価設定の問題ですけれども、子ども・子育て関連法案を提出するに当たりまして、関係団体の代表や地域の方、有識者による基本制度のワーキングチームで長時間この御議論をいただきまして、今年の三月にこの基本制度を取りまとめました。
 この基本制度の中では、新たな給付の設定に当たって、施設の規模による経費構造の違いですとか地域別の人件費の違いなどを考慮して、定員規模別、地域別の価格設定を行うこととされています。
 この基本制度を基にしまして、今後、施設の経営実態調査などを行いまして、その上で、子ども・子育て会議の議論を経て具体的に検討していきたいと考えています。
#105
○藤谷光信君 どうもありがとうございました。
 相当具体的なお話も、御回答もいただきましたので、この今の質疑、回答、答弁等を全国の子供をお持ちのお母さんたちが多分見ておられると思いますので、ある意味では非常に抽象的な面もありますし、それから専門的な用語もたくさんありますので分かりにくい面もありますが、少しずつ前進しておるということが理解いただけるんじゃないかと思っております。
 この施設型給付としての給付の一本化が進められる一方では、特定教育・保育に確認を受けずに施設型給付の枠組みに入らない選択をする幼稚園、私立幼稚園も出てくることになるわけでございます。こうした私立幼稚園に対する助成の水準は、施設型給付を受ける場合と比較して遜色のないものとなるのでしょうか。特定教育・保育施設に移行しないことに対するペナルティーのように助成の水準に差が設けられることになれば、幼児教育の質の低下を招きかねません。
 法律案が提出される前の時点でありますけれども、私が本年三月に文教科学委員会で質問した際、平野文部科学大臣は、指定を受けない私立幼稚園については、現行の水準を基本にし、これまでと同様の私学助成を継続させていただくと明確に御答弁をいただきました。衆議院の附帯決議におきましても、「新たな給付として創設される施設型給付を受けない幼稚園に対する私学助成及び幼稚園就園奨励費補助の充実に努めるものとする」という文言が盛り込まれております。
 施設型給付を受けない幼稚園への助成についても、今、認定こども園、みんなどんどん、まあしっかり頑張っていただきたいんですが、その施設型給付を受けない幼稚園の助成についても引き続き引き下げることがないと、充実させていくということをメッセージとしてお伝えいただきたいと思うのでございますが、文部科学大臣、一言いかがでございましょうか、お尋ねいたします。
#106
○国務大臣(平野博文君) せっかくですから、一言と言わずに申し上げたいと思いますが、これ、先生もう御案内のとおり、私は、今回の制度に入らなくても、幼稚園でやってこられた幼児教育の重要性、大切さに鑑みまして、私学助成あるいは幼稚園の就園奨励費補助等々含めて財政支援の充実に、財務大臣にしっかりと相談をして努めてまいりたいと、かように思っております。
#107
○委員長(高橋千秋君) 藤谷君、いいですか。まだあと一分あります。
#108
○藤谷光信君 もう時間も午前の部がもう少しでございますが。
 文部大臣、ありがとうございました。ひとつ今後ともよろしくお願いいたします。
 子育て支援ということでは、チルドレンファーストという言葉が盛んに使われておりますが、それがどういうことかというと、やっぱり一番初めは子供であると、最善の利益をまず子供のために頑張っていくということがこのワーク・ライフ・バランスの基本でございますから、これからもその点につきましてはそういう観点を忘れずに進めなければいけない、この今回の法案も全てがそれが基本だと思っております。
 ちょっと時間の関係もありますので、午後にそれじゃ回しましょうか。よろしくお願いします。
#109
○委員長(高橋千秋君) 午後一時に再開することとし、休憩いたします。
   午前十一時五十四分休憩
     ─────・─────
   午後一時開会
#110
○委員長(高橋千秋君) ただいまから社会保障と税の一体改革に関する特別委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、公的年金制度の財政基盤及び最低保障機能の強化等のための国民年金法等の一部を改正する法律案外七案を一括して議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#111
○藤谷光信君 引き続き質問させていただきます。
 午前の質問のときに、この子ども・子育て関連三法案につきまして、認定こども園制度移行への阻害要因とその除去について円滑な移行をということで質問しましたときに、三党の提案者の回答、御答弁をお願いしたんでございますが、自民党、公明党の先生の、まだ聞いておりませんので、答弁をよろしくお願いします。
#112
○衆議院議員(池坊保子君) 午前中の御質問の中で、併せてこども基金を継続してというお話があったと思います。
 それに関しましては、衆議院の附帯決議の中で、「制度施行までの間、安心こども基金の継続・充実を含め、子ども・子育て支援の充実のために必要な予算の確保に特段の配慮を行うものとする」ということを入れましたので、こども基金に関しましてはそのままきちんと施行されるまで継続されると思います。
 そしてまた、市町村が阻害になっていたというお話は本当にそのとおりでございまして、財政的措置がないために、基準を満たしているにもかかわらずなかなか移行されなかった現実がございます。特に、今までの九百十一の認定こども園は、保育所の数に比して幼稚園の方々が移行して認定こども園になっていただいたことに対して、幼稚園の方々には感謝申し上げたいというふうに思いますが、財政的支援がなかったこと、二重行政であったということです。
 今度は、市町村に対して、基準を満たした場合には必ずこれは許可しなければならない、指定制ではなくて許可制ということにいたしましたので、市町村の指導をしっかりとして、きっちりと認定こども園に移行したい人はできるようにということをこれからしていくつもりでございます。
#113
○衆議院議員(馳浩君) お答えいたします。
 法案が成立をすることが大前提で藤谷委員もお尋ねいただいていると思います。
 それで、私も衆議院の場合にはちょっと質問する立場だったものですから、小宮山大臣にも野田総理にも確認させていただいたことがあるんですよ。
 まず、平成二十一年の三月三十一日に認定こども園の現状と今後の課題ということを小渕報告、当時の少子化担当大臣が小渕優子さんでしたので、小渕報告という形で提出をしてあったんですね。その中には、まさしく一元化の必要性であるとか幼保連携型の認定こども園が重要でありますとかといった方向性というものが出されておりました。
 その後、政権交代があって、紆余曲折、そして今般の政府案は総合こども園というふうな形になってしまったんですが、衆議院の議論の結果、三党合意の上でやっぱり成立させるべきであるし、一番重要なことは、やっぱり安定的な財源を得て、幼児教育の充実、保育の充実、少子化対策の充実をやりましょうというところでお互いに合意を得ることができたことが一番重要であったと思うんです。
 だからこそ、今回の三党修正案が、参議院でもこれから充実した審議をいただいた上で、そして、施行するにはそれまでの間というのがありますから、施行するまでの間は、まさしく今ある安心こども基金の使い道の拡充とかやっぱり現場の配慮にこたえることは当然だと思っておりますし、そういう我々、何というんですかね、提案者の意向も踏まえて行政の側もやっていただきたいというふうに思っています。
 以上です。
#114
○藤谷光信君 どうもありがとうございました。
 三党で熱心に慎重に討議されたということが伝わってまいりました。今後とも頑張っていただきたいと思っておるわけでございますが。
 午前中に続けて質問させていただきますけれども、チルドレンファーストという言葉で盛んに言われております。もちろん子供第一でございます。それから、保護者もそのためには一生懸命頑張る、社会も頑張るわけでございますが、子ども・子育てのしやすくなる社会の実現、それは国を挙げて取り組むべき課題であるということは皆さんよくお分かりと思うわけでございますが、制度改正によりまして、この関連三法案ができまして、子供は施設に託すべきものという風潮が生ずることは別、これは避けるべきだと私は思っております。子供は親と共に過ごすのが一番幸せではないかと思いますが、しかし一方では、ワーク・ライフ・バランスから、保護者の仕事の関係もありまして、子供を施設に預けるということはもちろんこれは大事なことでございますので、その辺のワーク・ライフ・バランスということは、この保育の量的拡大あるいは施設の充実ということは車の両輪として具体的にこれからも進めなければいけないと思っておりますが、そして子供の、親のぬくもりを知りながら、そしてこういう充実した施設の中で過ごすということがこれから目指していかなければいけない、そしてその充実を模索していくということがこれからの課題だと私は思っております。
 しっかりと取り組んでいただきたいと思うわけでございますが、今回の子ども・子育て支援に関する極めて大きな制度改正、非常に大切ではありますけれども、そのワーク・ライフ・バランスの実現に向けた具体的な取組を強力に推進して、親が家庭において子供とより多くの時間が過ごすことができるようにしていく必要ということにもやっぱり配慮が大切だと私は思っておるわけでございますが、その点、総理の御見解をお伺いいたします。
#115
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 子供を持つことを希望する男女が仕事を続けながら子育ての喜びを実感できる社会をつくるということは、これは極めて重要だと思います。そのために、保育の量的、質的充実などの子育ての支援とこれは車の両輪として、今、藤谷委員御指摘のとおり、ワーク・ライフ・バランスといった働き方の改革が重要だと考えております。例えば、日本の男性の育児休業取得率は先進諸国の中でも最低水準でございます。以前、育児休暇を取った男性首長の皆様とお会いしたこともございますけれども、そういった動きがもっと広がっていくことに期待をしたいと思います。
 政府としては、平成二十二年の一月に子ども・子育てビジョンを策定し、総合的な子育て支援策を展開をしてまいりました。また、先日、六月二十二日でありますけれども、女性の活躍を応援する、働く「なでしこ」大作戦と名付けた行動計画を取りまとめさせていただきました。男性の意識改革を進め、思い切ったポジティブアクション、民間企業の取組の見える化など具体的なアクションを積み上げ、社会全体の変革を促していきたいと思います。
 このような施策により、一人一人の子供が健やかに成長することができる社会の実現を目指していく決意でございます。
#116
○藤谷光信君 どうもありがとうございました。
 この子ども・子育て関連三法案、従前からいろいろと論議されてきたわけでございますが、特にこの法案がテーマになりましてから、国会議員の先生方、いろんな方から御意見が寄せられまして、最近になく幼児教育について皆さんが関心持たれて、そしていろんな意見が出てちょうちょうはっしいろんな議論がありまして、ある意味で今ほど教育の場で幼児教育のことがこれだけ論議されることはないと思っております。
 これからこういう議論をもっともっと集めまして厚みを増していただいて、充実したものにしていただきたいと思っておるわけでございますが、今回は消費税問題がありますけれども、消費税がアップいたしますと学校法人とか社会福祉法人などが消費税率の引上げにより打撃を受ける可能性があるとも指摘をされております。例えば学校法人では、校舎等の建設、改修、機器、備品購入などは課税対象になります。支出が増えることが予想されます。特に専修学校、専門学校、最近、東北の震災以後職業教育が非常に話題になりまして、非常にこの要望が強いわけでございますが、そういうところのダメージがこの消費税の改善によってあるのではないかと予測されます。それかといって、収入源であります授業料を安易に値上げすることは困難でございますので、そういう意味で懸念を感じております。
 一方で、総理は一月の本会議場で、国家戦略としての成長の基盤としての教育、人材についてということで、私、質問しましたときに、日本経済の再生のためには、それを支える人材をいかに育成していくかが大きな鍵となると考えておる、特に、新たな時代の開拓者たらんという若者の大きな志を引き出す教育が求められている、このような認識の下で、自ら学び考える力を育む教育の充実を図り、産官学の英知を結集して、挑戦を担う人づくりの云々と述べられまして、教育あるいは若者への視点を熱く語っていただいたわけでございますが、ところが、この消費税増税によって成長戦略としての国家戦略として基盤になる教育の現場が逆に疲弊することがあってはならないと思うわけでございます。
 そして、消費税率の引上げによって学校法人への影響についての御見解といいますか、税率引上げの際に教育に対する配慮というものを、お考えをお伺いしたいと思っております。
 総理のお考えをよろしくお願いいたします。
#117
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 我が国の消費税制度におきましては、これは導入当初よりでありますが、一定の学校の授業料等は政策的配慮により非課税とされております。これはイギリス、ドイツ、フランス等の欧州各国においても同様でございます。教育サービスを非課税としている意義は、そのサービスを提供する事業者が生み出す付加価値部分に対しては税負担を求めないことにより、できる限り低価格でサービスを提供することにあります。
 その上で、仕入れに係る消費税の負担相当分については、サービスの提供価格に転嫁されることが基本的な考え方であり、これは他の非課税取引である住宅家賃や保育サービスなどの社会福祉事業においても同様の考え方を取っております。
 いずれにしましても、政府としては、今般の消費税率の引上げの意義に加えまして、非課税の分野を含め、消費税は価格への転嫁を通じて最終的には国民に御負担をいただくものであることについても十分に御説明をさせていただきたいというふうに思っております。
#118
○藤谷光信君 時間が参りましたので、私の質問を終わります。
 どうもありがとうございました。
#119
○大久保潔重君 こんにちは。大久保潔重です。
 社会保障と税の一体改革に関する参議院での審議、今日は総括質疑ということで、民主党会派四番手のバッターで質問をさせていただきます。
 冒頭、野田総理にお尋ねをいたします。
 昨日、また我々の同志であります三名の女性議員が離党をいたしました。先日はこの社会保障と税、この衆議院の採決、これを引き金に多くの仲間が離党をしました。また、週末には数万人の市民の皆さんが官邸を取り囲み、また、おとといは、これは代々木公園、最大規模の脱原発集会ということで、そういう会も行われております。政府が進めようとしているTPP、この問題についても農業団体だけではなく医療団体あるいは各種団体から反対の表明をなされております。
 そういう中で、あの三年前の政権交代、これは何だったのか。国民の皆さんが我々に期待をした我々民主党らしさというのは一体何だったのか。我々も週末地元に帰りますが、本当にふだんから御支援をしてくださっている皆さん方から、もう民主党どうにかしてよ、あるいは、もうこのまんまじゃ第二自民党じゃないかとさえやゆをされたりもしております。
 そういう中で、民主党代表であります野田総理に今日のこの状況についてお考えをお聞かせいただきたいと思います。
#120
○内閣総理大臣(野田佳彦君) まず、六月二十六日、今この参議院で御審議をいただいている一体改革関連法案の衆議院の採決の際に、我が党から反対者、そして欠席、棄権をされた方がたくさん出ました。そして、その後に離党をされた方も多く出ました。また、昨日も参議院の三名の女性議員が離党をされました。こうしたことで国民の皆様に大変深く御心配をお掛けをしていること、また、その六月二十六日以降、国会審議にも支障を来しました。各党会派の皆様にも御迷惑をお掛けしたこと、併せて深くおわびを申し上げたいというふうに思います。
 また、今原発のお話もございましたけれども、毎週金曜日、官邸周辺にたくさんの方が来られています。また、代々木公園でも本当に大勢の皆様が参加をされたというふうに聞いております。国民の声、そういうものを改めてしっかりと受け止めながら物事を進めていかなければいけないというふうに考えている次第でありますし、特に、三年前の政権交代のときに私どもがお訴えをしたことの中には、国の構造を抜本的に変えていくこと、無駄遣いを徹底してなくしていくこと、そして地域主権を確立をさせていくこと、また社会保障を充実させていくこと、様々なお約束をさせていただきました。
 その中で、できたものももちろんございます。たくさんございます。ただし、暫定税率の廃止など、できなかったものもあります。今も取り組んでいるものもあります。そういうものは総選挙の際にしっかりと検証をして、何ができたのか、何ができなかったのか、できなかったことはなぜなのかということも含めて、しっかり御説明をする責任があると考えておりますが、私どもの任期中は、三年前に掲げたマニフェストの中身でまだできていないものについてはできるだけ実現をするように全力を尽くしていきたいと考えております。
#121
○大久保潔重君 三年間で、民主党政権になって随分改善したもの、多く見られます。ただ、一方で、やっぱり前の政権でできなかったことに対して国民の皆さんが大きな期待を寄せたわけであります。そういう意味では、今、野田総理が言われたような、抜本的に国の統治機構を変えるんだ、政治主導で国家予算、この大胆な組替えをやるんだと、そういったことはまだまだ道半ばであろうかと思います。そういう意味では、これこそがまさに我々が、我々の政権が命を懸けて取り組むべき問題ではなかろうかというふうに思っております。総理が命を懸けて取り組むその目標設定が、これが増税だというのでは私はとても困ると、こういう印象を持っております。そう言いながら、質問に入らせていただきたいと思います。
 今回は、社会保障と税の一体改革ということであります。そして、結果的にはこれは三党合意、増税のみが先行して進んでいくという、このような結果になっているわけであります。そもそも、なぜ今増税なのか、そして、財務省も含めて、総理が常々言っている、本当に我が国の財政は危機的状況で待ったなしなのか、本当にそうなのか、いま一度御認識をお伝えいただければと思います。
#122
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 今の御質問に入る前の前段のお話ですが、増税のみの先行ではございません。今御審議いただいている八法案は社会保障に関連するものがほとんどでございまして、税にかかわるものは二つであります。年金関連が二つ、そして子ども・子育てが三つの法案です。子ども・子育ては、間違いなくこれは社会保障の充実であります。そして、中長期の問題、基本方針を固めるための推進法案と、こういう構図で成っておりますので、増税だけ先行という御批判は、これは当たらないと思います。
 その上で、日本の今の財政についての基本認識でございますけれども、まずストック面においては、これはもう言うまでもなく、国と地方の債務残高が対GDP比でもう二〇〇%ほどになってきているということ。フローの面においても、予算の歳出の方は九十兆円を超えていますけれども、税収は四十兆円ちょっとという、そういう厳しい状況であるということ。これはどう見ても、やっぱり財政という意味においては極めて厳しい状況にあると思いますので、決して余裕のある状況ではないと思います。
 国債の発行についても、確かに個人の金融資産等々のお話がございますが、だんだん今は貯蓄する方が少なくなってきている中で、その環境もだんだん厳しくなってきておりますので、今日午前中の同僚議員からの質疑にもございましたとおり、やっぱりきちっと、社会保障大事です、そのための安定財源を確保すると同時に財政健全化を同時達成するという、財政規律を守る国であるというメッセージと具体的な取組は私は求められていると強く感じています。
#123
○大久保潔重君 増税先行、結果的に国民の皆さんにはそう映っているということで、あとまた後段そういったもろもろについて質問をさせていただきますので、御了承をいただきたいと思います。
 対GDP比債務残高、かなりこれは、もう純債務残高でもこれはイタリアを超えて非常に高い比率であります。それから、一般会計及び特別会計を合算した国の財務書類、これもストック、フロー共に慢性的な赤字の状態ということでありますから、いずれ厳しい状況には変わりはございません。
 しかし、その一方で、七百五十五兆円と言われる日本の国債、この所有者内訳というのは、九三・三%が国内で引き受けている状況であります。(資料提示)そして、今パネルにお示ししております家計の金融資産、これは千五百十三兆円ということで、かなり国際比較でも高い数値だと思います。これは二〇〇七年、それから二〇一二年、若干下がったとはいえ、今でも千五百兆円を日本は超えていますね。米国は、これは五十二・五兆ドルでございますから約四千兆。人口規模、倍でありますし、経済大国でありますから、まあこんなものでしょう。ユーロエリア、これは十八・七兆ユーロですから、これは日本円に換算すると約千八百兆円でしょうか。これはユーロ圏全体でありますから、そういうのを比べますと、かなり日本の家計の金融資産が高いと思います。国債の買手がいわゆる誰かということと、円建てでの国債発行をしているという点で、基本的にギリシャなどを含めたいわゆる外貨建ての外国投資率の高い国とは違うんじゃないかというふうに思っております。
 そういう中で、我が国は、国の借金も多いですけれども、国民が政府にいわゆる貸している状態であり、国民一人当たりの借金が○○円という表現もミスリードではないのかなと、このような思いがありますが、いかがでございましょう。
#124
○国務大臣(安住淳君) まず、一千五百兆というのは、先ほども言いましたけれども、借金も含めてなんですね。純資産だと大体一千百兆円と言われています。
 それから、もう一つちょっと申し上げたいのは、これは日本の金融機関が、いわゆる生命保険会社とかこういうところの持っている国債が、結果的には国民の預金に基づいて、それで保有率が高いわけですけれども、国民が持っているから、外国人でなくて国民だからいいんだということは全くありません。日本国民であろうとどなたであろうとどの金融機関であろうと、負債は負債なんです。国債、借りている、また、そうした現実というのは全く変わりませんから、そういうことで日本がどうも大丈夫なんじゃないかというふうな考え方は私は当たらないと思います。
 さらに、今、大久保さんから御指摘のあった話というのは、一千四十三兆円近い負債はあるけれども、しかし資産があるじゃないかと、バランスシート上資産があると。だから、そういう点で本当に日本は、言わば財政上、本当に厳しいのかと、そこに疑問があるという言葉だったと思いますが、例えば、政府が正式に計上している資産というのは六百二十五兆円なんですね、六百二十五兆円。これらの大半を少しちょっと説明しますと、年金積立金の運用寄託金が百十六兆円なんです。それから、道路とか堤防とかという公共用の財産、これが百四十五兆円なんですね。それから、各、例えば長崎大学とか九州大学とか、国立大学への出資金等が五十七兆円です。つまり、これらのほとんどは資産上バランスシートに載りますけれども、売却がほとんどもうできなかったり、これを借金の返済に充てるなんということはとてもできるお金じゃないんです。
 外貨証券七十九兆円、財投融資貸付金が百三十三兆円、これらは借入れといっても別方法で借り入れておりますので、短期でいずれにしたって運用しているということでございますから、これはよく他党の批判にもあるんですが、バランスシート上問題ないからいいんだということでいって、しかし、現実に例えば御地元の長崎県や、私の宮城県もそうですけれども、国道を売れるのかといえば、そんなことはないわけで、ですから、そういう点ではやはり財政再建は待ったなしだということは私は言えるのではないかと思います。
#125
○大久保潔重君 政府のバランスシートもありますでしょうけれども、国民の金融資産も含めた国全体のバランスシートというのは、これはやっぱり異なってくるだろうと思います。
 そういう意味では、現在の状況は家計が政府に貸付けを行っているというのが本来の正しい見方ではないのかなと、このように考えておりまして、いろんな議論の中にどういう力が働いているのか、余り国民を危機だ危機だ、待ったなしだと不安に陥れようという、そういう言説というのも非常に気掛かりであります。
 それから、ちょっとお手元に配付をしております外国格付会社に財務省が出した意見書、これは二〇〇二年ですから、十二年前の意見書というのがあります。これを見ますと、十年前でありますけれども、日米など先進国の自国通貨建て国債のデフォルトは考えられない、それから、マクロ的に見れば日本は世界最大の貯蓄超過国、その結果、国債はほとんど国内で極めて低金利で安定的に消化をされている、日本は世界最大の経常黒字国、債権国であり、外貨準備も世界最高と、こうなっているんですね。これは十年たった今も生きていると思いますが、いかがでございますか。
#126
○国務大臣(安住淳君) 十年前に、今、大久保さんの説明をしたようなことを、格付の理由について最近は一つ一つに対して反論はしないようにしておりますけれども、当時は事実関係と違いますよというようなことでこうした書面で出していることは事実でございます。
 一つずつちょっと私の方から少しお話をしますと、やっぱり時代状況も全然違っているということがまず大事だと思うんですね。ソブリンリスク等というのは十年前にありませんでした。それから、先ほど私がここで申し上げましたように、貯蓄超過国といっても、実際は純資産とそして公債・借入残高はかなり接近をしておりまして、そのすき間がかなりなくなってきていますよということです。それから、国内のこれは消化だからいいんだと、国内が九五%以上だからいいんだといっても、現実には、現在はやはりそのすき間がなくなってきたということは、この先借り入れるときはやはり外国からの借入れということは十分想定し得るわけですから、そうした状況も変わってきております。
 民間の方の持っている財産、海外に持っている財産も含めて日本にはお金が何百兆とあるから大丈夫だというのも、そういう御主張も衆議院でなさった政党もありますが、私は、それはちょっとやっぱりスタンダードが余りにも違い過ぎるので、これは余り参考にはならないのではないかというふうに思っております。
#127
○大久保潔重君 欧州に比べてまだ安全と、こう見られている日本の国債の金利が低金利で、非常に一%を下回る水準でずっと続いているということもあって、全体的に厳しい状況ではありますけれども、まだ少しは余力があるんではないかと、このように考えているということでございます。
 それから、消費税増税ということで、これ櫻井筆頭理事のパネルと非常にかぶってはおりますけれども、一九九七年、平成九年、これ三%から五%に税率が上がったときでありますが、消費税大不況と景気悪化で非常に経済が悪化したと、このように言われております。
 そして、今現在ですけれども、この現在の消費者の動向からして、今この時期に消費税増税ということはむしろ景気に冷や水といいますか、そういうことになるんではないかという、こういう懸念を持たれておりますが、これについていかがですか、御認識をお尋ねします。
#128
○国務大臣(安住淳君) 午前中、櫻井さんのところでも再三総理と私もお答えをさせていただきましたけれども、九七年は、消費税が上がると同時にアジア通貨危機や、それからその年の十一月に金融システムの不安定化、いわゆる拓銀、山一、三洋といった経営破綻がありました。消費税率だけを取ってその後のトレンド等を全て、何といいますか、解説するというのは、私、適当ではないと思います。
 ただ、消費税が上がるということは、国民生活にとって私どもも影響があることは十分認識をしております。ですから、三党での合意でも、この経済をデフレから何とか脱却をさせて、そして言わば上向きな指標を、経済の好転を条件にと言っていますから、そういうことをしっかり目指した上で、八%、一〇%へと細心の注意を払って引上げを行っていきたいと思っております。
 実は、所得税、法人税それぞれに理由もあるんですが、フラット化をという、累進性が非常に高かったのをフラット化をして所得税は言わば階段をシンプルにしたものですから、そういう意味で税収は落ちました。これは事実上の減税を意味するものです。それから、地方に税源移譲等もいたしましたから、そういう点では、法人税も引下げを行いましたので、九七年以降の税収の部分には政策的なそうしたものも入っていますので、単に消費税を上げたからずっとその後落ち込んでいるんだという考え方は私は当たらないというふうに思っております。
#129
○大久保潔重君 過去の例えば導入時と税率アップ時の分析ということで財務大臣からお答えいただきましたけれども、今日の状況なんですね。先般、これ国民の皆さん、平均所得十三万円平均で減っていますよ。それから調査では、生活が苦しいと、こう感じる方が全国で六二%なんですね。特に子供のおられる、児童のおられる世帯では、これは七〇%ですよ、生活が苦しいって、日本人で。そういう状況の中で増税というのは、これはもう消費に冷や水どころか、生活苦に拍車を掛けるんではないですかということをお尋ねしているんです。
 それから、過去の消費増税も、当然、増税前に駆け込み需要が起きます。そして、その後消費が縮小し、一時停滞した後にまた消費が元に戻るという、こういう傾向がありますが、過去の二回とは全然今回状況が異なると思うんですね。導入時はもうまさにバブル経済、そして平成九年、これはまだ、バブルがはじけたとはいえその余韻があった状態、そして今日ですから、とても厳しい状況だと思います。国民の可処分所得も、これは増税によって五・一%減るというような金融機関の試算もなされております。
 そういう中で、当然、景気対策、これは必要になってきます。それを全力でやる。二、三年集中して全力でやって、それから増税論議でも間に合いはしないのかという思いなんでございまして、そういう意味で、ある程度の成長軌道に乗るまで残された時間、余力というのはないのかどうか、再度お尋ねをいたします。
#130
○国務大臣(岡田克也君) 委員の御指摘の点は、党の中でもいろいろ議論のあったところだと思います。ただ、午前中もありましたが、やっぱり例えば今年度の予算を見ても、借金の方が税収より多い。多少景気回復すればその状況は変わるかもしれませんが、大きく変わることは期待できない状況です。そういったことをいつまで続けられるのかという問題だと思います。
 確かに、消費税はある意味で所得の少ない方に逆進的に出るところがありますから、そのことに対する十分な配慮が必要です。ただ、根本に返れば、その消費税で何を、何に使うのかといえば、これは社会保障のために消費税を増税するということでありますので、社会保障というのは所得再配分機能が非常に大きい。医療にしても介護にしても、サービスは所得の多い少ないによって変わるわけではなくて、どんな人に対しても同じサービスがなされることが基本。消費税の方は消費の多寡に応じて消費税の額が変わってくる。こういうことを考えれば、消費税を入れて社会保障をしっかり維持していくということは、そのこと自身が所得の再配分機能、非常に大きなものがあるということですので、やっぱりそこに着目して考えていかなければならないというふうに思います。
 まだしばらく大丈夫だろうというのは、今の財政の状況を見ると、あるいはヨーロッパの状況などを見ると非常に大きなリスクを抱え込むことになりますし、そもそも、それは次の世代にその負担を負わせているという意味では、私は決して公正だとは言えないというふうに考えております。
#131
○大久保潔重君 岡田副総理の方から社会保障の充実ということも出ましたので、これから社会保障制度の制度設計について質問を移していきたいと思います。
 社会保障と税の一体改革は、本来、少子高齢化社会で社会保障の充実と、それから将来にわたって安定したその制度設計をどう構築するか、そして、そのために必要な財源をどうするかということを一体として論議する場だというふうに認識をしております。しかし、実際のこの三党合意を得た法案の姿は、現行の年金制度の改正と子ども・子育て関係の制度創設以外は、ほとんどの社会保障制度の改革は棚上げで、増税のみが残る形に結果的になったんではないかというふうに思っています。
 特に、今後の公的年金制度と高齢者医療制度については、社会保障制度改革国民会議において検討し、結論を得ることとされております。加えて、三党間では、これらについてあらかじめその内容等について三党間で合意に向けて協議するというふうな確認がされております。
 この点について、また、これまでの答弁を聞く限り、民主党がマニフェストで掲げた最低保障年金の創設、あるいは後期高齢者医療制度の廃止が国民会議の議題となるかどうかさえ判然といたしません。また、国民会議で協議されるとしても、来年度の予算編成過程や来年の通常国会への法案提出を考えると実質的な協議の時間はほとんどなく、成案を得るのは限りなく困難と言わざるを得ないのではないか、こういう心配をしております。
 政府は、消費税率を引き上げようとする再来年、平成二十六年度四月までに社会保障制度改革の全体像をどのように描いて、どのようなスケジュール感でおられるのか、具体的にお聞かせいただければと思います。
#132
○国務大臣(岡田克也君) まず、先ほど総理も指摘されましたが、今回の改革はかなりの社会保障制度の改革を増税とともに提案しておりますので、そこは是非御認識をいただきたいというふうに思います。
 テレビを見ておられる方も多いと思いますが、例えば年金であれば、被用者年金の一元化、それからパートで働く方々への厚生年金の拡大、それから年金、今まで二十五年加入しなければ年金はもらえなかった方、十年にすることなどなど、年金制度の改革について多くの内容を含むものでございます。子ども・子育てについても、先ほど来、午前中から審議が行われてきたところであります。そういったものと、そして税の問題をセットで一体として改革していくというのが今回の趣旨であって、税だけが先行するということはございません。
 その上で、確かに委員御指摘のように、我々が主張しておりました年金制度の抜本改革や、あるいは後期高齢者医療制度の廃止について、これは今回は決着せず、国民会議で議論するということになっているわけであります。そして、御指摘のように各党間で協議するという、そういう約束もなされております。
 私は、これは急がなければいけないとまず思います。というのは、この今御審議いただいております法案が成立した後、一年以内にこれはきちっとした成案を得なければいけないということに法律上なっておりますので、残された時間は余りない、しっかりとした議論をしなければいけないと思います。そして、こういう国民会議を設けてこういった問題について議論しようということになったのは、それはやはり三党がそれぞれ、これからの国民の社会保障制度、医療制度やあるいは年金制度についてきちんと議論して成案を得なければいけないという、そういう強い決意があったからこういうことになったんだというふうに思います。
 もちろん我々は、後期高齢者医療制度の廃止や年金の抜本改革を掲げております。そのことをいろいろな場でこれからも主張してまいります。しかし、同時に、一歩も譲らないということであってはこれは協議というのは成り立たないわけで、お互い胸襟を開いて、国民のために何が必要かと、そういう観点でしっかりとした議論をしていく必要があると、そういうふうに思っております。そして、必ず私は、三党間であるいは国会の場でしっかりとした将来の社会保障制度についての合意が得られるというふうに確信をしているところでございます。
#133
○大久保潔重君 大変失礼かと思いますけれども、岡田副総理、詭弁じゃないかなと。(発言する者あり)いや、まあ、増税先行ではないと、それらしい社会保障の改革も進めているということでありますけれども、自民党席からやじが飛んでいるように、自民党が元々やっておったじゃないかと、こういうことも一部ありますね。
 それから、何で我々が政権を担わせていただいてやろうとしているかという、こういう大きな、我々民主党がやろうとした大きなこの制度の改革、特に、例えば年金取っても、ミスター年金、そちらにいらっしゃいますけれども、最低保障年金というのは、これはやっぱりセーフティーネットの部分の老後の保障を、これは徴収源を税にシフトしていきましょうよと、そういう考えの下でできたんだと思うんですね。
 そういう意味では、抜本的なこの改革、それの制度についてはほとんどが今の、今回出されている法案の中では先送りにされているということを申し上げているわけでありまして、そういう部分は是非、余り言い訳をなされずに認めていただければと思います。
 じゃ、どうぞ。
#134
○衆議院議員(長妻昭君) 今ちょっと名前を言っていただいたので申し上げますけれども、この民主党のマニフェストでも、先ほどのあの新しい年金制度、最低保障年金については来年の国会に提出するということが〇九年衆議院のマニフェストに書いてあるところであります。
 やはり、三党と私もお話をいたしますと、今の年金が抱える問題意識というのは共通していると思うんですね。つまり国民年金に、自営業者が今少数派になって、非正規の方、パート、アルバイトの方が国民年金に入っておられて、その一万五千円という保険料が非常に高くて払えない、あるいは将来生活保護が本当に高齢者の方だらけになるんじゃないかと。こういう年金の下支え機能をもっと強化するということは、恐らく多くの国会議員の方共通しているんだと思います。
 我々は我々のアプローチがあるし、自民党、公明党にはそういうアプローチがあるということで、これ恐らく政局抜きである意味では社会保障を議論できる初めての与野党の場が設置されたということで、これから国民の皆さんの立場に立っていい制度をつくっていきたいと、その出発点になったというふうに私は思っております。
#135
○大久保潔重君 五年前は本当に、消えた年金の下で我々も選挙をさせていただきまして、大きなお力を与えていただきました。それだけに、この民主党の特に年金制度、しっかりとした抜本的な制度設計を早くつくり上げる必要があるんではないか。そういう意味で、現実問題、この改革国民会議の中でのスケジュール感を見たときに、非常にこれは実現ができないんじゃなかろうかという不安を抱いているということであります。
 再度このパネルをお示しいたします。
 これ、日本の家計資産、先ほどはこの金額のことを言いましたが、アメリカやユーロに比べて日本の場合には二〇一二年の三月末で五五・二%が現金・預金であります。非常にこの現金・預金の率が大きいということであります。これ、なぜ国民の金融資産の内訳で現金・預金の割合が高いのか、もし御見解あればお示しいただければと思います。
#136
○副大臣(藤田幸久君) お答えをいたします。
 その五五%という数字ですが、イギリスとかアメリカとかフランス等が一〇%とか二〇%台であるのに比べて日本が多いわけでございますが、これはやはり、昨年の内閣府の年次経済財政報告等にも出ておりますけれども、やはり預貯金の増加の背景には老後の生活不安が貯蓄行動に影響を与えているのではないかと。したがいまして、生活不安というものが若年層も含めた貯蓄行動に影響を与えていると、そういったことがこの日本が五五%というような高い背景にあるというふうに認識しております。
#137
○大久保潔重君 これも朝の櫻井筆頭理事の質問と少しかぶるかと思いますが、やはり国民の皆さんが将来に不安を抱えていることの大きな要因だと思うんですね。裏を返せば、日本の国民が日本の国の政府を信用していないんじゃないか、このような印象を持っています。
 先般、これは国民年金の保険料、これが今もう既に四割の方がドロップアウトということであります。十年前は三分の一が年金保険料を払っていない。十年でこれだけ払っていない人の数が増えるということ。それから、その実態は払えないという人がいるんですね。そういう中で、是非この社会保障制度を、国民の皆さんから信用してもらえるしっかりとした制度を早く構築するべきだというふうに思います。
 そういうことで、同時に、社会保障を充実することによって、一千五百兆円を超えるというこの個人の家計資産、潤沢なこの金融資産が早く消費に回れるような、そういう環境整備につなげていただければというふうに思っております。
 それから、消費税、これを財源の使途についてお尋ねをいたします。
 先般の民主、自民、公明の三党合意を受けて、消費税引上げ前の景気対策の実施に当たっては、成長戦略や事前防災・減災等に資する分野に資金を重点配分することが検討されることになりました。しかし、こうした三党合意の結果を踏まえ、最近、消費税収があたかも公共事業に充てられるかのような誤った発言が多く見受けられます。
 そもそも、国税分の消費税収は社会保障目的税化され、法律上、全額社会保障費四経費に充てることが明確になっているはずであります。国民に誤解を与えないよう、消費税収は社会保障の財源にしかならないということについて改めて説明すべきと思いますが、いかがでございましょう。
#138
○国務大臣(岡田克也君) ここは委員御指摘のとおりでございます。
 今回の消費税、五%引き上げるわけですが、これは全額社会保障のために使うということでございます。
 例えば消費税法、改正後の消費税法では、毎年度、制度として確立された年金、医療及び介護の社会保障給付並びに少子化に対処するための施策に要する経費にこれを充てるものとするというふうに明記をしてございまして、ほかには使いようがない、そういう仕組みになっているところでございます。
#139
○大久保潔重君 今日はちょっと通告していないかもしれませんけど、総務大臣いらっしゃいますので、国税分は今、岡田副総理から御答弁いただきました。地方消費税分について、これも同様でございますね。
#140
○国務大臣(川端達夫君) 現行の一%の地方消費税は使途の制限をしない地方独自の財源でありますが、今回、一・五四%分に関して、一・二%が地方消費税、〇・三四%が交付税分ということで、これは地方消費税分に関しては法律で社会保障に充てると。それから、協議の結果を含めて、基本的に性格上は交付税は自主財源でありますけど、それは総額としては社会保障に充てるという担保を取って充てていただくという整理をさせていただいているところでありますので、全て社会保障に使われるということでございます。
#141
○大久保潔重君 国税、地方税共にこれは社会保障の財源であるということが明確に御答弁をいただきました。
 それで、例えば、この税率が一〇%になった場合のいわゆるその増収分のうち、約十兆円の公債発行が抑制された分を、その借金返済の減った分を防災、減災などの公共事業などに使われるんじゃないかという、こういう国民の懸念もあるんですが、そのことについてはいかがでありましょう。
#142
○国務大臣(安住淳君) 残念ながら、仮に今十兆というお話がありましたけど、十兆円減ったからといって、公債発行残高が十兆円そのまますとんと落ちるわけではございません。今の社会保障の費用というものは毎年毎年かさんでまいりますね。それから、借金が多いですから、この言わば償還分のお金も毎年残念ながら増えてまいりますので、そうしたものを充当しますと、国債発行高そのものが大幅に、それが減らせればいいんですが、そういう構図には残念ながらないわけであります。ただ、急激にその伸びを抑制する効果というのはあるということですね。
 ですから、そういう点からいうと、少しやはり誤解もあるのは、減った分だけ一般会計の中でいわゆるその政策的経費に充てられるからどんどんそれを使ってというのは、それは間違った報道であるし、私は少なくとも衆議院での質疑を聞いておりまして、三党の中での質疑者でそうしたことを質問している人は一人もおりません。
#143
○大久保潔重君 消費税収は、これは社会保障費に使うんだということを明確にしていただきました。
 その一方で、先ほどからありましたように、今日の不景気から脱するにはやはり景気対策をやると。当然、自然災害の多い日本でありますから、災害に強い強靱な国土をつくっていこう、あるいは昨年の東日本震災を受けて、復旧復興も含めた防災の部分に、あるいは耐用年数が過ぎているとか耐震強度を満たしていないとか、そういった部分に新たな投資をしていくということは、我々も党内論議の中で主張をしてきましたし、そのことに対してはやるべきだというふうに思っています。
 ただ、ただですね、これは別途、別途ですよ、別途しっかりやるべきだと思いまして、そして、当然これは短期間、集中的にやっぱり投資をすることに非常に効果があるんではないかというふうに思っております。
 そういう中、自民党さんの国土強靱化、これ十年で二百兆円、あるいは公明党の防災・減災、十年で百兆円、こういう方針が打ち出されておりますけれども、こういう方針に対する率直な御感想をお聞かせいただければと思います。
#144
○国務大臣(安住淳君) いわゆる公共事業の中でそうしたものの優先度が高くなっていますということについて共有したと思います。そういう中で、この強靱化なり防災・減災ニューディールというそれぞれの党の御主張がございますので、そうしたことを具体的にどう肉付けしていくかについては毎年度の予算編成やそれぞれの自治体の防災・減災対策にやはりよるところは大きいわけですけれども、そうしたことの仮に資金としてどうするかということであれば、それは様々な資金を活用してやりましょうということであって、それも附則の十八条第二項にはそうしたことを包含して書いてあるわけであります。
 ですから、例えば、まあ私は被災地でございますけど、例えば、そうですね、高知県の、今度のこの南海トラフの地震ではたしか黒潮町というところでは、衆議院での質疑ですけど、これは、三十五メーターぐらいの予想の津波が来る予定である、これはどうするんだということで、自民党の福井先生ですかね、質問をいただきました。私、お答えしましたけれども、じゃ、イメージでいうと、それだったら四十メーターの堤防を造ればいいのかというと、そういう意味では多分ないと思います。山を背にした町のようですから、そこにいち早く逃げられるような例えば道路を造ったり、また、避難をしたときの、やはり皆さんが身を寄せ合って、例えば一週間ぐらいしっかり過ごせるような高台に何らかの施設を造るとかですね、例えばの話ですけれども。やみくもに公共事業でどんどんコンクリートを造るようなイメージでこのことは三党とも考えてはおりません。
#145
○大久保潔重君 そうですね、三党で考えていないということですね。
 とにかく十年で二百兆円というかなり巨大な額でありますけれども、こういう財源はどうするのかなと、こう正直思っておりまして、そこら辺りの本音をちょっと言っていただければよかったんですが。
 先ほど言いました南海トラフというのも、これは私も予算委員会で参議院で質問もさせていただいておりまして、やみくもにコンクリートというんじゃなくて、当然、いかにどう逃げるか、そして高台移転も含めて、地元の自治体からそういう声があれば国としてもそれを精いっぱい支援をしていただくようなやり方もあるということでありますし、それから同時に、このインフラの整備でやっぱり成長していかなければいけないというのは朝の櫻井理事が強くおっしゃったことでありまして、特にそういう港湾機能であるとか、是非そういったところは、民主党政権になって港湾局の予算は増えていますよね、これは。日本海側拠点港の選定というのも、これは民主党政権になっての新たなそういう対策でありますから、そういう意味では、こういう生きた予算の使い方で是非成長に乗せていただく。そうしないとこれは税収そのものが上がっていきませんし、やっぱり成長を諦めずに是非しっかりやっていただければというふうに思っております。
 それから、医療機関のちょっと損税の部分の質問もさせていただきたいと思います。
 今でも五%ということで医療機関は医薬品とか医療機器を購入したときの消費税分を負担をしているような形になっています。これは損税というような言い方をしておりますけれども、これが八%、一〇%になると当然それは倍になってくるわけでありまして、そういう医療機関のこういう損税の部分の手当てというのは、今のところは診療報酬に上乗せという形で対応するんだというようなお答えを常々いただいておりますが、しかし、この上乗せというのも全額ではございませんし、そもそも診療報酬上乗せというのは、これは患者さんに医療の消費税負担を求めるものでありまして、これまた社会保障の充実から、観点からすれば逆行する部分もあろうかと思います。
 そういう意味で、損税でもし医療機関に支障が来す、あるいはその負担が増える、医療提供がおぼつかなくなるというのではこれは元も子もありませんので、是非その損税の部分の対応策についていま一度踏み込んだ御答弁いただければと思います。
#146
○国務大臣(小宮山洋子君) 御承知のように、社会保険診療は公共性があるということで消費税は非課税になっている、けれども仕入れには消費税が掛かるということで、今、大久保委員御指摘のように、消費税導入と引上げが行われました平成元年そして平成九年、これは診療報酬改定を行いまして、仕入れに要した消費税負担分を措置をしまして、医療機関の負担が生じないようマクロレベルでは対応してきたというお答えになりますので、踏み込んだというのがどこへ踏み込むのかちょっとなかなか難しいところなんですが、特に高額な投資を行っている医療機関は負担感が強いというふうに聞いています。
 今回の消費税の引上げに当たりましても、平成元年、平成九年の対応も参考にして、医療機関の行う高額の投資によるその消費税の負担に関しまして一定の基準を設けて、その区分をして手当てをすることなどを検討したいと思っています。
 先般、中央社会保険医療協議会の下に、医療関係者ですとか、それから保険者、有識者などによる新たな検証の場を設置をいたしましたので、ここでどこまで踏み込めるか。ただ、医療機関が診療に支障を来してはいけないということはよく分かっておりますので、検討をこの場でしっかりと行っていきたいと考えています。
#147
○大久保潔重君 是非、その診療報酬上乗せだけではやっぱり不十分だと思いますので、是非ゼロ税率も含めた御検討ですね。そして、先ほど言いました、この消費税というのは逆進性が非常に高いわけであります。しかも、こういう景気の状況、あるいは国民所得がどんどん減ってきていて生活苦を感じている国民が増えている状況でありますから、そこの部分の低所得者の対策もしっかりしていただきたいと思います。
 これは低所得者対策で、特に八%時に暫定的に措置をされようとしている簡素な給付措置、これ、その支給対象とかあるいは額、金額というのは大体分かりますですかね。
#148
○国務大臣(安住淳君) これは三党協議の中でも、このことについては、簡素な給付措置を行うということは盛り込まれておりますが、具体的な制度設計については、まず真に配慮が必要な低所得者を、まずターゲットをしっかり絞ろうということですね。それから、そうした範囲の中でどれぐらいの額をどういうふうにまいていくかということについては今後の検討課題となっておりますので、早急に、こうしたことの肉付けについては、八%の実施の段階から三党で協議をさせていただきながら、政府も入って具体的なものを決めていきたいというふうに思っております。
#149
○大久保潔重君 今日はずっといろいろ社会保障制度についても質問をしてきましたけれども、ほとんどが改革国民会議での議論に委ねるということでありますから、先ほども、何遍も言いますけれども、そういうスケジュール感、本当にそれがきちっとできるのかという、そういう国民の不安にやっぱりこれは、今日はこの場でそれを払拭していただきたいと思うんですね。
 いわゆる社会保障制度改革国民会議、この人選、中身など、当然これは三党間の合意に向けた協議もあるんでしょうけれども、いわゆる任命権、これは総理にございますので、もうこうやって参議院で審議をしているときであってもいいですから、その改革国民会議の発足に向けた準備に入られていかがかなと、こう思っておりますが、どうですか。
#150
○内閣総理大臣(野田佳彦君) まず、法案が成立をした暁には速やかに国民会議を設立するように努力をしたいというふうに思っていますし、委員二十名ということでございますので、これも、規定をされている改革推進法案のその規定と参議院での御審議あるいは三党合意、こういうものを踏まえながら速やかに人選ができるようにしていきたいと考えております。
#151
○大久保潔重君 時間が参りましたので、最後にですけれども、今日は五十分質問させていただきました。そもそも、六月十五日の夜、夕方の報告ではとても三党の実務者協議では折り合えそうになかった内容の状況があの夜に合意をされたということで、一歩、日本の社会保障制度も進むんだという、こういう当然、閣僚の皆さん方の答弁でございましたけれども、私はどうもそこが非常にうさんくさいというか、政策ではなくて政局絡みで動いたのではないかと、こういう感想を持っております。そのように思っている国民の皆さんも多いのではなかろうかというふうに思っております。
 そういう中で、是非、また今後とも引き続き、改革に向けてのきちっとした歩みをしていただきたいと思います。
#152
○委員長(高橋千秋君) 時間が参りました。
#153
○宮沢洋一君 自民党の宮沢洋一でございます。参議院自民党のトップバッターで質問をさせていただきます。
 私は、自民党ではいわゆるシャドーキャビネットの厚生労働大臣、また党の税制調査会のお世話役をやっておりますが、今回の三党協議には参議院議員として唯一参加をさせていただきました。税制の協議に参加をさせていただきました。大変熱心な、本当に努力をいたしました。たしか六月の八日に始まり十五日の深夜に決着いたしましたけれども、譲るところは本当に譲って成案を得たと思っております。
 と申しますのも、いろんな民主党の選挙におけるマニフェスト等々、公約等々という問題は別にすれば、この税制改正というのは、野田総理が、私どもが政権にあったときのいわゆる附則百四条に書いてあることを実現しようということで方針転換をされた。これは我々としてはやはりしっかりと受け止めて、しかも野田総理は、たしか昨年の秋の党首討論だったと思いますけれども、いろいろ党内には意見があるけれども、たとえ五十一対四十九で通ったとしても通して、そして党内一致してこれに当たるんだというような決意表明を谷垣総裁の前でされておりました。大変重い決意表明をされ、ある意味じゃ本当に内閣の責任を懸けてやると、こういう姿勢があるんであればこれはできるのだろう、我々も協力したいと、こういう思いでやったわけでありますけれども、今日はもう既に七月の十八日であります。たしか衆議院で成立したのが六月の二十六日、もう三週間以上たっている。その間、いろんな民主党内のごたごたがありました。また、ありましたという過去形で言ってはいけないのかもしれない。昨日も既に起こっている。こういう状況は、本当に真面目に議論に参加した者としてはじくじたるものがあるんです。
 特に、自民党の司令塔として、野田税制会長、この三党協議の司令塔の役をされたわけですけれども、そういう立場から、今回のここに至るまでの民主党のこの状況ってどう考えられていますか。
#154
○衆議院議員(野田毅君) 一言で言えば残念です。
 そもそも、やはり税にせよ社会保障の問題にせよ、選挙ではどちらかといえば人気を取りたいからそういう約束を並べます。しかし、政権を取るとそうはいかないということのはざまの中でいろいろ与党の皆さんも苦しみがあることは分かります。しかし、一旦総理が政治生命を懸けてやるということの決意の中で、私どもも、この際は与党、野党ということだけでやっちゃいけないという腹を据えて、むしろ選挙でのプラス、マイナスは横へ置いて、長い目で見てこの社会保障の制度をどうするかというその責任感の下で三党合意をやってきたことですから、その中で、どうしてその後において民主党の中からこれについてのいろんな違った動きがその後においても続いているのかということは、これから先の制度をつくっていく上で、その制度の実現のために、その制度の安定のために大変ゆゆしいことであると私どもは懸念をいたしております。
 これから先、是非、総理を始め与党の皆さんは、その政権遂行の責任感をしっかり持っていただいて、この後党内の体制をしっかりと確立をしていただきたい、このことを強くお願いをいたしたいと思います。
#155
○宮沢洋一君 これは質問通告しておりませんですが、古本議員が提案者としていらっしゃいます。ちょうど税の協議、本当に一週間強、一緒にやってまいりました。恐らく今の状況、大変じくじたるものがおありだと思いますけれども、一言御感想をお願いします。
#156
○衆議院議員(古本伸一郎君) お答えいたします。
 自由民主党からは、実際の実務者としては町村信孝先生、そして宮沢先生、公明党からは斉藤鉄夫先生、手前どもからは藤井税制調査会長、連日の昼夜を問わない大変な交渉でありましたけれども、それぞれ各党の先生方には相当なる議論、そして相当なる譲歩、そして相当なる英断の下に相調った三党の合意だと思っております。その交渉過程も、党内で前原政調会長の指揮の下、開催されました交渉状況の経過報告会も行ってまいりました経緯がございます。
 そういう中で、最終的な党内の集約においては、御案内のとおり、自民党、公明党の皆様には、むしろその手続が終わるまで待っていただいたという場面も何度もございました。衆議院の特別委員会においても、これは伊吹筆頭理事始め自公の先生方はもちろんでありますが、共産党を始め各党の先生方にも手前どもの議論が終わるのを待っていただくという場面が何度もございました。そういう意味では、大変な御尽力と御協力をいただいた下に相調った三党の合意だと、このように思っております。
#157
○宮沢洋一君 我々、本当に必死にこの合意をつくり上げたんです。そして、その後の動きを見ていますと、どう見てもトップである、リーダーである総理の動きというものが余りにも毅然としていない。それは公認するだしないだという話もありました。また昨日も突然三人お辞めになる。これからもう一人も落ちこぼれがないように全力を尽くすと、ここで誓ってください。
#158
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 六月二十六日の衆議院における一体改革関連法案の採決の際に多くの反対者、棄権、欠席者が出て、またその後、離党者も出たこと、皆様に大変御心配をお掛けしました。また、特に三党合意に実務的に本当にかかわってお骨折りいただいた宮沢委員におかれましても、これはやっぱり公党間の信頼にかかわる問題だと私も思っております。その意味で、また院の構成にもかかわる問題になりましたので、国会での審議が遅れたこと、支障が出たことも、これもおわび申し上げなければいけないと思います。
 今、参議院で御審議をいただく段階になりましたけれども、党内でのコミュニケーションをしっかり図りながら、一致結束して採決に臨めるように全力を尽くしていきたいと考えております。
#159
○宮沢洋一君 当然やっていただかなければなりません。
 しかし、昨日ですか、異なことをちょっと、話が入ってまいりましたが、総理がロンドン・オリンピックの開会式に行くとか行かないとかいうような話があるとか。私は、土日といえども、全力を挙げてこの内閣を懸けた課題に立ち向かっていただくためには行っていただきたくないんです。この場で、出席はできない、しっかりとこの法案を通すんだと言ってください。
#160
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 行く行かないという話は決まっているわけではございません。もし行くとするならば、行かせていただけるならば、二〇二〇年の東京オリンピックの招致に向けて、これはエリザベス女王のレセプションの中に元首、首脳級が集まってきます、ライバル国も集まってまいります。そういう判断があるのかとか、国会に御迷惑を掛けない範囲でできるのかどうか。
 ただ、いろいろ御意見があることも承知をしていますので、そういうものを踏まえて対応していきたいと考えております。
#161
○宮沢洋一君 あなたにとっては、総理、その政治生命を懸けるという社会保障と税の一体改革と東京オリンピックの招致というのが同じレベルなんですね。
#162
○内閣総理大臣(野田佳彦君) レベルはもちろん、様々な優先順位があります。特に今御審議いただいている一体改革の法案は極めて重要だと位置付けております。
#163
○宮沢洋一君 だったら、この問題に全力を懸けると。ともかく一人の造反もないということの確証ができるまでは国を離れない、これだけ言ってください。
#164
○内閣総理大臣(野田佳彦君) もちろんこの一体改革は最重要でありますけれども、そのほかの政策テーマでもやらなければいけないことがありますので、国会に支障を来さない範囲でできるのかできないのかという、そういう判断もあるかと思います。いろんな御意見をよく踏まえて対応していきたいと思います。(発言する者あり)
#165
○委員長(高橋千秋君) 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
#166
○委員長(高橋千秋君) 速記を起こしてください。
 一言申し上げます。答弁席からのやじについては、不規則な発言については、お控えいただきますようお願いを申し上げたいと思います。
 それでは、宮沢洋一君、もう一度お願いします。
#167
○宮沢洋一君 委員会のめどが立つまではオリンピックの開会式に出席されないと明言できますね。
#168
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 一体改革の御審議をしているときに、G20、お許しをいただいて出席したケースもございました。ただ、いろんな御意見がありますので、それをよく踏まえて今は対応したいと考えております。(発言する者あり)
#169
○委員長(高橋千秋君) 宮沢洋一君。宮沢洋一君。(発言する者あり)
 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
#170
○委員長(高橋千秋君) じゃ、速記を起こしてください。
 では、野田内閣総理大臣。
#171
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 一体改革のこの審議はとても大事だと思いますので、国会審議に支障が出るということは絶対に避けなければいけないと、そのことは踏まえて対応したいと思います。
#172
○宮沢洋一君 国会審議と申し上げたわけではありません。造反が出ないように土日もしっかり仕事をしてほしいということを申し上げたんです。恐らくこれは後でまた林芳正議員の方からきっちりと質問をさせていただきます。
 それでは、次の質問に移ります。(資料提示)
 久しぶりに民主党のこの余り見たくないマニフェストをまた読んでみましたら、一枚目開けてみてびっくりしたんですね。要するに、もうマニフェスト、この紙の一丁目一番地、政権構想の五つの原則、五原則というのが書いてあります。そして、鳩山当時の代表が大きな顔で街頭演説している横に出ている五原則の原則二というのには、政府と与党を使い分ける二元体制から内閣の下の政策決定に一元化と書いてあるわけですね。これはマニフェストの一丁目一番地が内閣の下の政策決定に一元化なわけですね。
 総理がこの一丁目一番地、原則二をしっかり守っていれば今回のような民主党の混乱はなかったんじゃないですか。何でこれをやらなかったんですか。
#173
○内閣総理大臣(野田佳彦君) そこの原則のところに書いてあります政策決定の一元化というのは、これは鳩山政権、菅政権、そして野田政権、基本的にこれを貫いているということでございます。
 やり方は変わってきていますけれども、例えば菅政権においては政調を復活をさせました。そして、昨年の野田内閣の誕生以降は、あらかじめ党の政調等での議論を行って、党としての政策の方針、あるいはそういうものを踏まえて、政府はその党としての議論と決定を尊重することにしていますけれども、最終的には政府において決定するという意味でのいわゆる政策決定の一元化というのは、これは変わっていないということでございます。
#174
○宮沢洋一君 今おっしゃったことはさっぱり、恐らくテレビ見られている国民の方は全然分からないですよ。
 ここに明らかに内閣の下に政策決定一元化と書いてある。今回の話だって、内閣の下に、まさに総理がリーダーシップを取って内閣が政策を決めたらばそれで決まるんでしょう。それが民主党政権が一丁目一番地で掲げたマニフェストではありませんか。恐らくこれは守れなかったということでしょう。
 しかし、ある意味でいえば、マニフェスト違反だと言って出ていかれた方もいらっしゃるわけですけれども、マニフェストにこう書いてあるんだから俺の言うことを聞けというぐらいのことを言ったらよかったじゃないですか。何で言わなかったんですか。
#175
○内閣総理大臣(野田佳彦君) いや、先ほども御説明をしましたけれども、政策調査会をつくり、その中で様々な部門会議等がございます。そういう御意見、しっかり活発な御議論をいただいて意見集約をして、党の方針というものを踏まえて尊重させていただきながらも、最終的には政府として意思決定をすると、そういう仕組みを取っているということでございますので、それ以上の何物でもございません。
#176
○宮沢洋一君 政府として意思決定するのはいいんですが、その政府の意思決定が党にも及ぶというのが書いてあるんですよ、一元化というのは。そういうことになっていないんでしょう。
 もうこれ以上言ったって四の五の四の五のおっしゃるだけだけれども、国民の皆さんに申し上げたい。一丁目一番地にはこういうことが書いてある党だったんですよ。しかし、それができなかったから今日のこのていたらくになっているわけです。それはもう私は野田総理の責任、また歴代総理の責任というのは大変重いと思います。早く我々にしっかりと政権をお返しいただかなきゃいけない。
 次の話にちょっと移らせていただきますけれども、附則百四条ということを先ほど申し上げました。附則百四条というのは、恐らくテレビで御覧の方はそれだけでは分からないと思いますが、平成二十一年の所得税法等の改正、私どもの内閣、最後の内閣で作った、麻生内閣で作った二十一年度予算であり二十一年度税制改正、この税制改正の法律の附則の百四条、附則というのは法律の付録みたいなものではありますけれども、余り意味のないものから大変重要なものまであります。この附則百四条というのは大変重要な条文でありまして、そこに書かれていることは、要するに、消費税を増税する、上げるという方向と、また法人税、所得税等々そのほかの税についての税制改正の方向を書いて、そしてそれを二十三年度中に法制上の措置を講ずると、こう書いてあるわけです。二十三年度中法制上の措置を講ずる、要するに二十三年度中に法律を国会に提出しますと、こういうことを自民党・公明党政権時代に決めました。
 ところが、民主党政権二十一年にできました。本来、民主党政権は消費税について任期中は上げないというようなことを言っているんであれば、私は当然この百四条というものが二十二年度改正、民主党政権、鳩山政権の最初の税制改正で削除されるものだと思っていた。ところが、いろんな議論があったんでしょう、削除されなかった。
 税制改正の大綱というものをもう一度先日読み返しました。そこには三党の合意、我々三党ではありません、当時の国民新党とまた社民党という三党連立政権では消費税増税しないよということが文章では書いてあるんですが、法律上は実はこの百四条というものを残すという決断を鳩山政権の下でしています。
 総理は当時、財務副大臣でありました。藤井裕久先生が財務大臣でありました。そして、鳩山さんが総理でありました。ですから、これは、財務大臣であり、まさに最終的には鳩山総理の決断として、この二十三年度中に消費税を上げる方向で法律改正をするんだということをお決めになった。その鳩山総理からマニフェスト違反だと言われることについてどう思いますか。
#177
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 確かに、鳩山総理、そして藤井財務大臣、その下で私、副大臣を務めておりましたけれども、そのときに、この附則の百四条をどうするかということはその時点ではまだ留保をしていたと、判断をしていなかった、党内にもいろんな意見があったと、そういうことで、何か直接的に触るということはなかったということでございます。
#178
○宮沢洋一君 政府部内で相当議論をしているんです。そして、当然、その次の年の二十三年度改正でもいじっていません。それは当たり前で、その直後に与謝野さんを仲間に入れるというようなことをやっている政権でありますから、当然そういう流れで来ている。そういう中で、鳩山さんから言われていることについてどう思っていますかという質問なんです。
#179
○内閣総理大臣(野田佳彦君) マニフェスト違反と言われることは、ちょっとやっぱり切ないものがありますですね。マニフェストは基本的に守ろうとして懸命に努力をしてまいりました。その上で、実際に政権運営をしていく中で、やっぱりきちっと社会保障を充実させ、安定をさせていくための安定財源確保することはこれ待ったなしの状況になってきたということ、これは政権運営をしている中で強く感じている方も増えたというふうに思っています。
 そのことの説明はマニフェストに書いていなかったわけですので、きちっと説明していかなければいけないというふうに思いますが、だから、国民の生活を守らない、国民の生活が第一という理念を忘れているという御批判があるとするならば、それも身内から出るとするならば、それはつらいことなので、ちゃんとその辺の意思疎通をしながら、認識を一致しながらこれから行動していきたいと考えております。
#180
○宮沢洋一君 ともかく、切ないとかそういうことをおっしゃっているから鳩山元総理に足下見られているんですよ。もっと毅然たる対応をしていただきたい。
 これから少し法案の中身に入らせていただきます。
 お手元に社会保障改革推進法、お持ちいただくようにお願いしましたのであると思います。まず、その推進法自体でありますけれども、これは私どもが社会保障改革基本法ということで長く党内で議論をしてまいりました。そこに鴨下先生、加藤先生、また野田先生いらっしゃいますが、徹底した議論を重ねて、そして基本法という形で用意したもの、これを基にして三党協議でいろいろな修正が加えられたと、こういうものであります。
 基本的な考え方を申し上げますと、自助を中心にという私どもの大変大きな考え方を書かせていただきましたが、この部分につきましては三党の間でいろんな主義主張の違いがあるということで、ある意味では玉虫色の表現になっております。
 そして、実は、自助を中心にということと、もう一つ大きな柱がございます。それは、我々は今の社会保障制度、特に医療と介護の持続可能性というものについて大変大きな危機感を持っております。これから十年後には、今団塊の世代と言われる方たちは十年後には七十五に入ってこられる。もう一つはっきりしていることは、今の社会保険制度を支えているのは、ちょうど四十代前後、一九七〇年代前半に生まれた第二次ベビーブーマーと言われる方たちですが、この方たちが二十五年たたないうちに六十五を超えてくるということがはっきりしているわけです。年金についてはこの問題は全て計算して年金制度が計算されておりますが、医療、介護についてはされていない。
 我々としては、何とかこの国民皆保険という世界に冠たる日本の医療制度を守り抜きたい、また世界の最先端である日本の介護保険という制度の大枠を守り抜きたい。しかし、今後のことを考えると、相当野方図に給付が拡大していくようなことであっては、たとえ消費税を五%上げて一〇%になる、たとえ二〇%になっても、二十年後、三十年後、今のレベルのサービスをすることは無理だろうというのが基本的な我々の危機感であります。
 そして、この年金を除いて、医療にしても介護にしても、社会保障の制度というのは国民生活にまさに直接かかわってくること。ある意味では小回りが利きません。大型のタンカーのようなものでありまして、十年、二十年掛けて制度を変えていくことによって何とか国民生活に定着していくというものが医療であり介護というもの。
 したがって、そういうもの、特に医療の皆保険を守るんだ、また介護保険の大枠を守るんだということでこの基本法というものを書かせていただきました。推進法にそのほとんどが残っております。
 総理、今の私の考えについて、どう考えられますか。
#181
○国務大臣(岡田克也君) 今委員御指摘の、医療についての国民皆保険を守る、そして介護についても大枠を守っていくという、そこの基本的認識は全く同じでございます。
#182
○宮沢洋一君 守るということと、守るために相当にやはり給付について効率化を図っていかなきゃいけない、見直しを図っていかなきゃいけない、そういう認識については、総理、どうですか。
#183
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 先ほどタンカーを動かすという表現もされましたけれども、大変大きな国民生活に直結する制度であります。そのいいところをしっかりと守っていくためには、そのための手直しというのを常にやっていかなければ逆にいけないというふうに認識をしております。
#184
○宮沢洋一君 その結果、先ほど申し上げましたように、この三党協議、社会保障の分野については、年金の一元化がどうなるとか、また後期高齢者医療制度がどうなるとかいうところに大変注目を浴びたし、また民主党さんも大変こだわった部分があったわけですけれども、私は正直言って、年金の一元化なんというのはできるわけがないし、後期高齢者医療制度の手直しも大幅にできるはずがない。そして、恐らく一年後にはこんなことがあったなんということは国民がみんな忘れてしまっているんだろうと実は思っております。
 一番大事な点は、先ほど言った、まさに、今後、二十年後、三十年後を見据えて医療や介護をどうしていくかということなわけですが、条文を少し見ておいていただきたいんですけれども、第二条に基本的な考え方というのがあります。その二号の後ろの方ですが、税金や社会保険料を納付する者の立場に立って、要するに、その給付を受ける者ではなくて、納付する者の立場に立って、負担の増大を抑制しつつ、持続可能な制度を実現すること、これが基本的な考え方の二号であります。
 そして、六条の医療の一号を見てください。最後のところに、国民負担の増大を抑制しつつ必要な医療を確保すること。また、六条の二号を見ていただきたいんですが、これは医療保険制度についてはということで、間が抜けておりますが、最後に、保険給付の対象となる療養の適正化等を図るという表現が入っております。
 七条は介護であります。介護は、政府はということで、介護サービスの適正化等による介護サービスの効率化及び重点化を図るという記述がしてあります。
 私も作ったときには数えておりませんけれども、先日、どういう言葉が幾つ出てくるのかなと思って数えてみました。重点化とか効率化とか適正化、これは給付の拡大をどう防ぐかという表現であります、当然。重点化については二か所、効率化が三つ、適正化は四か所、負担の増大を抑制は三か所であります。それに対して、給付を増やすという方は充実という表現を使うわけですが、この法律の中に充実と書いてあるのは一か所だけであります。
 正直言いまして、このような、ある意味では国民のためには間違いなくなる、しかしある意味では甘いお菓子ではない、苦い薬かもしれない、こういう条文が三党の合意でよくまとまったなというのが率直な印象なんです。
 あの三党合意に参加されて、そして提案者になっている長妻議員は、この点についてどうお考えですか。
#185
○衆議院議員(長妻昭君) 宮沢委員にお答えいたします。
 今、社会保障給付費の、年間百兆円を超えまして、自然増が国の税金だけで毎年一兆円ずつ増えていくと。この問題についてやはり何とかしないといけないということで、自民党時代は一定の条件を置いて毎年二千二百億円伸びを機械的に削るということをされたと。我々もその伸びを野方図に放置していいとは思っておりませんが、ただ、機械的に削るというよりも、レセプトの例えば医療でいえば電子化をして過剰医療をなくしていく、極力なくしていく、介護にも過剰介護というのがありますから、これも徹底的にその部分をメスを入れていくなどなどの問題意識もあり、この合意に至ったところであります。
 やはり、一番重要なところを言っていただきましたけれども、自助のところですね、第二条というところに、この基本的考え方を基に議論をするというようなところで、これも三党でかなり議論がありました。結局は、この自助、共助及び公助が最も適切に組み合わされるよう留意しつつと、こういう文章になったところでありまして、三党が合意できる範囲でこれを合意をさせていただいたということでありまして、ちなみに、第二条の一号のこの文章については、民主党政権が昨年六月に一体改革の成案をまとめたときに書かせていただいた文章を採用いただいたということでございます。
#186
○宮沢洋一君 三党合わせて、まさに民主党さんもその重点化、効率化、適正化、負担の増大を抑制ということに力を合わせてやっていきたいということになるわけですが、小宮山大臣、そういうことでよろしいですね。短く答弁。
#187
○国務大臣(小宮山洋子君) そのとおりです。やはりこのようなことが三党で合意されたということは非常に大きな一歩だと思いますので、しっかり対応していきたいと思います。
#188
○宮沢洋一君 それでは、自民党の提案者にちょっと確認をしたいんですけれども、後期高齢者医療制度につきましては後ほど質問しますので、それは別にいたしまして、医療、介護については、ここに書いてある推進法の基本的な方針を踏まえながら、具体的な改革の方向が国民会議で議論され、その結果に基づいて政府が法案を作成し、一年以内に国会に提出すると、こういうことでよろしいですね。
#189
○衆議院議員(加藤勝信君) お答えを申し上げます。
 まさに今、宮沢委員御指摘いただいた点は法案の第四条に書かせていただいているところでございまして、今、医療の話、介護の話、具体的に基本方針の中に盛り込んでおりますから、それを踏まえて社会保障制度改革国民会議において審議をしていただいて、その結果をもって必要な法制上の措置を一年以内に講ずると、こういうことになっております。
#190
○宮沢洋一君 したがって、重点化、効率化、適正化というような大きな方向が書いてあるこの方針に従って国民会議で当然議論され、その具体的な中身が決まってくる。そして、それをそのときの政権が法案として国会に提出する。
 最後に、総理にそれでいいという答弁をしていただければ結構です。
#191
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 段取りというか、そのスケジュール感、工程というのはそういうことだと思います。
#192
○宮沢洋一君 それでは、一元化とか後期高齢者医療制度の問題に入らせていただきます。
 これまでの三党合意ができた後の総理の答弁を伺っておりますと、年金の一元化、また後期高齢者医療制度の廃止という民主党の御主張については、国民会議で民主党の主張として出して、その場で議論をすると、こういうことをおっしゃっていたと思いますが、それでよろしいですか。
#193
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 公的年金制度の在り方であるとか、あるいは高齢者医療制度の在り方については、あらかじめ三党において合意に向けて協議をすると、そういう段取りと、それから、いわゆる改革推進法に規定をされている国民会議の中で議論をするということの可能性は十分あると思っておりますので、私どもは、我々の固有の政策についてはそういう舞台でしっかり主張をし、御理解をいただくように努力をしていきたいと考えております。
#194
○宮沢洋一君 可能性ということは、可能性がないかもしれないと思われているんですか。
#195
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 主張をするわけですから、主張をすることは、お互いそれぞれ各党固有政策があると思いますが、それはできると思いますし、御理解をいただくように努力をしたいというふうに思います。
#196
○宮沢洋一君 長妻議員も今の総理の答弁でよろしいわけですか。
#197
○衆議院議員(長妻昭君) これは、先ほどもちょっと答弁しましたけれども、やはり年金制度は国家百年の計の制度でありまして、国会がねじれていなくても、これは一党で決めるべき問題じゃないわけであります。
 その意味では、これ三党、当然いろんな考え方があると思うんですが、問題意識としては、今の年金の下支え機能を強化しなきゃいけないと、国民年金を何とかしなきゃいけないと、こういう共通認識はあると思います。我々は最低保障年金とか一元化ということを申し上げるわけですし、皆さん方は違う意見があるでしょうけれども、まず問題意識を共有をして議論をするというところから始めるというふうに考えております。
#198
○宮沢洋一君 それで、おっしゃったことがよく分からないので、いずれにしても国民会議で議論をする可能性があるというか議論をしたいということをおっしゃったんだと思いますが、二〇一〇、菅総理のときのマニフェストには、後期高齢者医療制度は廃止し、二〇一三年度から新しい高齢者医療制度をスタートさせますと、こう書いてあるわけです。そして、それを受けてということでしょう、二月、野田内閣でまとめられた大綱には、関係者の理解を得た上で、平成二十四年通常国会に後期高齢者医療制度廃止に向けた見直しのための法案を提出するということが書かれているわけであります。
 そして、今、可能性があるかないかというようなことは別にしても、総理としては、国民会議で後期高齢者の医療制度について議論をすると、したいということをおっしゃったとなると、この今国会、通常国会にその廃止に向けた見直しのための法案を提出するということは断念されたということでよろしいですね。
#199
○国務大臣(小宮山洋子君) 政府といたしましては、従来はその関係者の合意を得た上で提出したいと考えてまいりました。ただ、今回、こういう形で三党合意が行われて、三党で話し合い、更に必要とあれば国民会議でというふうになりましたので、そうした経緯を踏まえて対応をしていきたいと考えています。
#200
○宮沢洋一君 要するに、通常国会に法案を出すということは断念されたということでいいですねということを総理に伺ったんです。
#201
○国務大臣(岡田克也君) 先ほど委員がいろいろ言われたこの社会保障改革推進法案でございます。これを是非この委員会で御審議いただき、そして成立をお願いしたいというふうに思っているわけでございます。
 まだこの法案は審議されている最中ですから、この法案が成立したことを前提の委員の御質問ですから、それは簡単にはお答えできないということだと思います。
#202
○宮沢洋一君 これ、今みたいな答えをされたら質問できなくなりますよ。
 いいですか。民主党の提案者がやって、民主党の提案者が言って、そして審議しているものを、成立の前提の議論ができないと言ったら、これまでの議論は何ですか。取り消してください。
#203
○国務大臣(岡田克也君) 今の我々の考え方からいえば、それは後期高齢者医療制度の廃止という考え方は、それは持っているわけでございます。この国会に法案をという考え方も、それは今あるかないかと言われれば、それはあるわけでございます。
 しかし、その後、今御審議いただいているこの法案があるわけですから、この法案に基づいて議論が進んでいくということになれば、それが議論されている限りは法案を出すということにはその間はならないということだと思います。
#204
○宮沢洋一君 何か訳の分からないことをおっしゃるんですが、これ副総理の答弁じゃ分からないので、総理答弁してください。
 要するに、端的にお願いします、国民会議で議論をする可能性があるということを前提にすれば、この通常国会、九月八日までの会期の中で後期高齢者の廃止の法案が国会に提出するということは、事実上無理でしょう、不可能でしょう。それだけです。
#205
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 何よりもこの推進法案を含めて関連の八法案の成立を期しているわけでございます。その成立を期すならば、当然のことながら、その後国民会議等が速やかにつくられる、その中で議論するということが基本線でありますが、一方で今国会中に後期高齢者医療制度廃止法案を提出をするということはこれ閣議決定で残っています。この法案が通れば、その閣議決定の効力は消えるということでございます。
#206
○宮沢洋一君 法案が通れば閣議決定が消える、なくなる、ある意味で断念するということ。そうはっきり早く岡田副総理に答えていただければ、法案が成立した後のことには答えられないなんていうことを与党が提案者になりながら言うというのは言語道断であります。
 それで、実はこの医療のところには、状況を踏まえ、後期高齢者医療制度の、これはですから、六条の四号ですね、高齢者医療制度については、状況等を踏まえ、必要に応じ、国民会議において検討し、結論を得ると、こう書いてあるわけです。状況ということになりますと、まさに今問題になっているのは後期高齢者医療制度でありますけれども、私が知っている限りは、四年前に導入された時点では、ネーミングの問題があったり、また周知不足があったりということで混乱がございました。しかし、四年間たった今、例えばその医療機関であり、保険者であり、また被保険者であり、患者さんである、そういう方から今の制度に対する不満というのはほとんど聞こえてこない。これを大きく変えないでくれという声の方がはるかに大きいわけですが、提案者の鴨下議員、いかがお考えですか。
#207
○衆議院議員(鴨下一郎君) 宮沢委員がお話しになったように、これから医療制度そのものは支える側が少なくなって高齢者が増えていく、こういうような状況の中で後期高齢者医療というのは我々が提案したわけでありまして、当初はここにおいでの皆さんが大変反対をし、なおかつ後期という名前そのものも気に入らない、こういうようなことである意味で前回の選挙のときの争点の一つになったわけでありますが、結果的には委員おっしゃるように定着しつつありますし、加えて言えば、今の現役世代に対していろいろと過重な負担にならないように、あるいは高齢者の皆さんにそれなりに応分の負担をしていただいて持続可能な制度にしていこうと、こういうような意味においては、先生おっしゃるように定着をしてきていると、こういうような認識でありますので、そういうことが状況だろうと思います。
#208
○宮沢洋一君 という感覚に立ちますと、これは小宮山大臣に伺いたいんですけれども、何で後期高齢者医療制度を廃止しなきゃいけないんですか。
#209
○国務大臣(小宮山洋子君) 政権交代後、今委員が言われたように幾つかの改善は行ってまいりましたので、年齢差別と言われた大きな部分については改善をされてきているというふうに思います。
 ただ、一方、高齢者医療制度改革会議で議論を重ねてきまして、最終取りまとめでは、高齢者の医療給付費について公費、現役世代、高齢者の負担割合をもっと明確にするということ、また原則として同じ都道府県で同じ所得であれば同じ保険料であるといったような後期高齢者医療制度の利点はできる限り維持をしながら、被用者等は被用者保険に加入すること、地域保険は国保に一本化すること、また国民健康保険の運営について、まず七十五歳以上について都道府県単位の財政運営として、その後、全年齢についてやるということで、こういう改革会議の答申に基づきまして、今、更に改革を進めようとしているところです。
#210
○宮沢洋一君 改革会議が何言ったとかいう話じゃないんです。今の後期高齢者医療制度、現行の医療制度のどこが問題だから廃止しなきゃいけないのかということに端的に答えてください。
#211
○国務大臣(小宮山洋子君) 今あるものの問題としては、さっき申し上げたように、大きな部分については改善をしてきていますけれども、さらに年齢による区分で保険証が別になっているということ、それから被用者本人の給付と保険料について、七十五歳以上の被用者の方が傷病手当金などを受けられなくて、保険料も全額本人負担であること、また個人単位で保険料を徴収するため、扶養されている高齢者も保険料負担が必要なこと、高齢者の保険料の伸びが現役世代の保険料の伸びを基本的に上回る構造にあること、広域連合の努力義務となった中で健康診査などの受診率が低下している、このようなことは改善していく必要があるというふうに考えています。
#212
○宮沢洋一君 何か廃止と言って振り上げていられる割には、改善とかなんとかって言葉が並ぶんですね。
 ともかく、マニフェストに掲げちゃったから今年の二月の大綱で書いちゃったというような話が、もう実際には、さっき申し上げたように、今年の通常国会で提案することは不可能なんです、我々三党で合意した以上。そうしますと、しかもいろんな仕組みが入っているわけですね、三党で合意しないと国民会議にも行けないとか。そういうような状況の中で、もう明らかに、いろいろ可能性があるとか強弁されても、この後期高齢者医療制度の廃止というのはもう、旗を下ろしたとかマニフェストをやめろなんということは言いません、それは党がどう思っているのか勝手だから。しかし、現実には実現できなかったということははっきりしたということをしっかりと関係者の方、認識していただきたいと思います。
 次に、年金の一元化の方の問題に入ります。
 まず、今後の公的年金制度については、財政の現況及び見通し等を踏まえ、国民会議において検討し、結論を得ると、こうなっているわけですね。
 自民党の提案者に伺いたいんですけれども、その財政の現況及び見通し等を踏まえというのは、これは国民年金法の四条の三で財政検証の規定がありますけれども、その言葉をそのまま引っ張ってきたということですね。
#213
○衆議院議員(加藤勝信君) お答えいたします。
 今御指摘のとおり、国民年金法第四条の三というところにいわゆる財政検証という言葉が出てまいりますけれども、年金に係る財政の現況及び見通しと、こういう形で書かれております。その文言をそのまま推進法の中に入れさせていただいていると、そのとおりであります。
#214
○宮沢洋一君 それでは、この国民年金法四条の三に基づいて平成二十一年の年金の財政検証の結果というものが発表されていますが、年金局長ですか、概要だけ説明してください。
#215
○政府参考人(榮畑潤君) 年金財政そのものを長期的な観点から財政均衡されているかどうか判断していくということになってございまして、今先生御指摘のように、国民年金法の中で定期的に財政検証をするというような規定が掲げられておるところでございます。
 それで、直近の平成二十一年に行いました財政検証では、人口とか賃金とか金利等に一定の仮定を置きまして財政の長期見通しを試算、検証したところでございますが、おおむね百年後に給付費の一年分程度の積立金を保有することとした結果、最終的な所得代替率が五〇%を超えるということになっておるところでございまして、将来にわたりまして、この段階ではこういうふうな一定の前提ということがございますけれども、年金財政の給付と負担の均衡が図られていることが確認をされたところでございます。
 ただ、一方で、現下の経済状況自体は賃金が下がっている等々なかなか大変厳しいところもございますから、今後の年金財政そのものは楽観できないところもございまして、今後とも長期的な人口とか経済の動向等もよく勘案しながら、健全な財政運営ができているかどうかにつきましてはしっかりと注視、チェックしていかなければならぬと思っておるところでございます。
 以上でございます。
#216
○宮沢洋一君 今後のことは当たり前なんです。法律に、五年以内に常に財政検証をしていくわけですから、また五年以内の検証でしっかり検証していかなきゃいけないということであるわけですが。
 そこで、長妻議員に伺いたいんですけれども、この財政の現況及び見通し等を踏まえというのは三党協議で新たに入った言葉でありますけれども、これは国民年金法四条の三をそのまま引っ張ってきているということは当然認識されていますよね。
#217
○衆議院議員(長妻昭君) 今おっしゃっていただいたように、これは財政検証のことであります。平成二十一年に財政検証をすると。
 日本の年金の仕組みというのは、御存じのように、百年安心というちょっとキャッチフレーズが前政権でありましたけれども、ちょっと誤解を生むわけですね。五年ごとに財政検証をして、そして百年後に一年分の積立金が残っているかどうかをチェックする、そういう仕組みでございまして、その中で、我々としては年金の格差、それを是正をすると、あるいは下支え機能を強化するということについての考えを持ってこの推進法の中で議論をしたということでございます。
#218
○宮沢洋一君 ともかく、端的に認識しているかしていないかという答えについて、何答えたか、委員長、お分かりになりました、今の、何答えられたか。委員長、しっかり質問に的確に答えるように指示をしていただきたいと思います。
 認識していたのかしていなかったのかということ、まさか知らなかったわけじゃないでしょう、知っていたんでしょう、財政検証について。これは、まさに財政の現況及び見通し等を踏まえというのが当然のことながら財政検証だということは知ってもちろん書かれたということで、その財政検証というのが均衡しているんですよ、今。今の年金の状況について問題がないんです。
 したがって、今後の公的年金制度については、この今均衡しているという状況を踏まえ、国民会議において検討し結論を得るということになれば、大きな変化がないということが書いてあるんです。
 まず、加藤さんか鴨下先生、どちらかお答えください、自民党としての意見を。
#219
○衆議院議員(鴨下一郎君) 今、宮沢先生お話しになったように、現行制度でこの財政検証を行った結果均衡しているというようなことで、そういう状況の中でこの五条の一号、こういうようなものが書かれているという、こういう認識でありますから、これは三党の中で合意ができていると、こういうふうに我々は考えております。
#220
○宮沢洋一君 ついでに鴨下議員に伺いますけれども、二条の三号、基本的考え方ですね、医療、介護に加えて年金においても、年金においては社会保険制度を基本としと、こういうことが書いてありまして、国民会議において行う議論はこれを踏まえつつ行わなければいけない。ということは、最低保障年金は社会保険制度ではありませんから、議論の対象にならないというふうに解釈してよろしいですね。
#221
○衆議院議員(鴨下一郎君) この社会保障制度改革推進法全体に貫かれているのは、先ほど先生が御指摘になったように、基本的に社会保険制度を用いつつ持続可能な社会保障制度をつくると、こういうようなことでございますので、全額税を入れるとか最低保障年金と、こういうような概念でこの法律はできておりませんので、我々はこの法律に従ってそれぞれ三党が合意をいただいたと、こういうような認識でございます。
#222
○宮沢洋一君 更に鴨下議員に伺いたいんですけれども、どちらにしても最終的には三党でこの国民会議の前に議論をして結論を得ると、こういう網も当然かぶっているわけですね。
#223
○衆議院議員(鴨下一郎君) 御指摘のように、まず、国民会議に付するというようなことの大前提に、これは確認書というものを取り交わしておりまして、その一に、今後の公的年金制度、今後の高齢者医療制度に係る改革については、あらかじめその内容等について三党間で合意に向けて協議をすると、こういうようなことでございますので、まず国民会議の前に三党間で合意が前提ですと、こういうようなことを確認をしておりますので、そのプロセスを経ない限りは国民会議の中でも議論にならないと、こういうようなことでありますし、また、三党といっても、我々もその主体者の一人でありますから、この自由民主党の考え方と例えば最低保障年金の保険原理とは異なると、こういうようなことについては我々は合意をしないわけでありますので、原則的に実現は不可能だと、こういうふうに考えます。
#224
○宮沢洋一君 私は長妻議員にも実は質問をしたかったんですけれども、長妻議員に質問しますと私の持ち時間が全部なくなっちゃうんです。なくなっちゃうんです。ですから、質問できないんですよ。
 それで、今の話をもう少し総括しますと、年金の財政の現況及び見通しというのは、二十一年検証が最新のものですが、これについては均衡しているという結果が出ている。したがって、そういうことを踏まえながら議論するものの、国民会議の結論、議論したとしても、結論はおのずから分かってくる。その一元化というようなことにはならないということ。それから、最低保障年金というものは社会保険制度ではないわけで、これについては議論の対象になるはずがないということ。そしてまた、この後岡田副総理に伺いますが、四の五のおっしゃっても三党が合意しなければ議論ができないわけでありますから、もう既にこの年金の一元化なるもの、来年法律を出すとおっしゃっている、これも現実問題無理です。
 電話帳みたいな法律のあれを何本も作らなきゃいけないということを、まだ少なくとも厚労省の中では条文の用意をし始めてない、当然、党においてできるものではない、といったら現実的には無理なわけで、もう岡田副総理のようなまあある意味じゃ合理的な方がそれをまだ固執されているというのは不思議でしようがないんですが、短く答弁をお願いします。
#225
○国務大臣(岡田克也君) 委員御指摘いただきました、まず五条の一号のところですね、「公的年金制度については、財政の現況及び見通し等を踏まえ、」と書いてあると。しかし、ここはそのとおりだというふうに思いますが、しかし国民年金については、今の年金に入っている人以外のところで入っていない人がたくさんいるというところも非常に大きな問題で、我々はそれを指摘してきたわけで、そういうことについてはこの「財政の現況及び見通し等を踏まえ、」というところの外の話でありますので、そういうことも含めて議論するということは私は残されているというふうに思っております。
 それから、二条の三号のところについてですね。先ほど最低保障年金は全額税だからというお話がございました。ただ、我々の年金の抜本改革は二本立てでありまして、最低保障年金と所得比例年金。所得比例年金については、これは保険制度でございます。これを一体として考えて、基本的に全員に保険料をお払いいただくと。しかし、それが、保険料を合算した結果が一定額、七万円と考えておりますが、それに至らないところについては最低保障年金を税で補給すると、こういう構図でございますので、二つを一つとして考えたときにこれは保険制度ではないということでは私はないと思っております。
 いずれにいたしましても、委員の御指摘、それぞれのお立場からよく分かりますが、最初に委員が言われたこと、やはり国民の立場に立って社会保障制度について何が一番いいかということをそれぞれの立場をある意味では自由になってしっかり議論するということがこの法案の、あるいは国民会議の趣旨だと思いますので、入口から余りこれはもう議論できないとかふさがれているということではなくて、それぞれの考え方を持って、最終的には胸襟を開いて各党間で、あるいは国民会議の場で議論するということ、それが国民が最も望んでいることではないかというふうに考えております。
#226
○宮沢洋一君 まあ負け犬の遠ぼえとは申し上げませんけれども、現実的には断念されたということであります。
 それで、ちょっとこの法律のある意味じゃスケジュール感のようなことを質問させていただきますが、実はこの法律には必要な法制上の措置を施行後一年以内に講ずるということで、これは施行後一年以内に国民会議の結論を得た上で政府が法律を作成して国会に提出するというのが一年以内と、こういうことになるわけです。したがって、例えば順調にいって八月の中旬というようなことで成立をすれば、公布即施行でありますから、八月の後半には公布されますので、来年の八月の後半までに措置を講じなければいけない、こういう仕組みになっております。
 そして、私どもとしては、これはその後、その次の年、二〇一四年の四月には消費税が上がるということで進んでおりますので、そうしますと、直近までトリガーが引ける、廃止することは、延期することはできますけれども、やはり現実的に半年ぐらいの猶予を見なければいろんな措置ができないということになれば、秋口には基本的に実施するのかしないのかということの基本的なことは決めなければいけない。そして、そのときに既に社会保障国民会議で一定の結論が出て、法律が出て、それもしんしゃくした上で消費税についての最終的な結論を出すと、こういうことになっているわけであります。
 一方で、こういうスケジュールと、もう一つ我々には総選挙というスケジュールがあります。これは間違いなく来年の夏までには選挙をしなければいけないということだけは確かであります。そして、このような法律の作り方からして、国民会議で、順次かもしれません、結論が出てきたときに、それをしっかり受け止めて法律にする、法案化するという政府が、しっかりとした政府が存在しなければいけないということになりますと、例えば来年の春とか来年の夏に選挙があって、そしてそのときに政権が替わる、国民会議を主導してきた政権から違う政権になるというわけにはこれはいかないんです。これがこの三党の協議の結果できた推進法の枠組みであります。そして、一番望ましいのは、ともかく早く総理が決断して、解散をして、次の政権ができて、そしてその政権が責任を持って国民会議の運営をして、そして法律の施行後、遅くとも来年の夏の終わりまでに法律を国会に提出すると、こういう作りになっているんです。お分かりでなかったかもしれませんけれども、私どもはそういうこともしっかり意識をしながらこの法律を作ってあります。
 この法律が成立した以上、一日も早い解散が、まさにこれから、さっき岡田副総理もおっしゃっていたしっかりとした社会保障制度をつくっていかなきゃいけない、そういうためにはしっかりとした政権がなるべく早く成立する、そしてその政権が責任を持って行うということでありますから、早期の解散、ともかくすぐの解散ということがある意味で前提になって、そういう仕組みの法律を私ども用意をしたつもりなんでございます。
 この点について、総理、早く解散をする決断をお述べください。
#227
○内閣総理大臣(野田佳彦君) この法律は政策的見地から国民のために三党が合意をしたと思っておりますので、政局的見地があったとは思っていませんでした。ただ、御意見はよく分かります、そういう御指摘があるということはよく分かりますけれども、私は、その選挙のあるなし関係なく、三党合意に基づいてこの法案が成立した暁には、選挙の後もお互いがきちっと責任を持っていくということは大事だというふうに思っております。
#228
○宮沢洋一君 ともかく、今日初めてお知りになったのかもしれませんが、そういう仕組みの法律を共同提案しているということをしっかりと頭に入れた上で政治的な決断をしていただきたいと思っております。
 それでは、時間も限られてまいりましたので、最後に税法の方について質問をさせていただきます。
 いわゆる附則十八条の二というところでありますけれども、これはもう御承知のとおりでありますが、三党協議におきまして自民党の主張を入れていただいて条文となったものであります。税制の抜本的な改革の実施等により、財政の機動的な対応が可能となる中で、我が国経済の需要と供給の状況、消費税率の引上げによる経済への影響等を踏まえ、成長戦略並びに事前防災及び減災等に資する分野に資金を重点的に配分することなどを検討するということであります。
 これは大変我々としても重要なものだと思っております。というのは、私どももいろいろ、自民党政権時代を含めて、後悔とまではいかないにしても、やはりやっておきたかったけれどもできなかったなということがあります。それは、今のデフレに象徴されるような日本の構造的な問題について、やはりいろんな対応をしたい、しかし財政の状況がまさに不如意でありまして、とてもそこに回すお金がないという中でそういうことが積極的にできてこなかった。
 その成長戦略にしても、いろんな分野に、例えば政策金融をもっと拡充する、政策的な投資を拡充して新しい産業を育てるとか、例えば農業の分野一つ取っても、国際競争力を高めるというような成長の分野はいろいろあります。先ほどの櫻井委員の話もありましたけれども、こういうものはお金なしでは実はできません。しっかりとしたお金を付けた上で、集中的に日本がまさに成長に向けた軌道に乗るための施策をやっていかなきゃいけない。そういう思いでこの条文を入れさせていただいたわけであります。
 作りを少し説明いたしますと、これは、私自身が書いた条文に最終的に公明党の斉藤先生が事前防災の後に減災という言葉を加えられて、そこだけ直ったわけでありますので、私自身が書いた文章なんですが、そういう意識を込めて、実際にどういうことを考えているかといいますと、これからしっかりとした成長戦略、恐らく古川さんが今やられているようなのは今までの延長線で、正直言って余り魅力的なものではありません。しっかりとした成長戦略を作るということが恐らく第一であります。
 そして、これは先ほど言いましたように、一四年四月から、一四年度、新年度から消費税率が上がるわけでありますが、一三年の秋から暮れにかけて予算の編成、税制改正というものが行われます。そして、一四年度予算というものが暮れに決まるわけでありますけれども、暮れのまさに予算編成が終わった段階では、しっかりとしたそういう枠付け、基金であるかどうかは別にしましても、しっかりとした、まさにデフレ解消、成長に向けての大きな資金というものがそういう分野に回るという予算が編成されている。
 しかし、財政だけではありません。財政資金とは書きませんでした。資金と書いてありまして、これは、当然財政投融資のようなものもあれば、また民間資金をどういうふうに導入してくるかということも知恵を出さなければいけない。そういう総体の中で、日本がその成長に向けて、デフレ脱却に向けてのまさに第一歩となる大型の予算を組めるのが一四年度からであります。
 財政の機動的対応が可能になる中でと書いてあるのは、当然消費税の税収はこれは社会保障四経費に充てられるわけでありますが、一方で、その他の経費の部分について言っても、やはり四経費の部分に消費税が充てられるということになるとかなり楽な部分ができてきて、やっと今までできなかった政策が実現できるということでありまして、しっかりと、一三年の秋からまた暮れにかけての予算編成過程でそういう成長に向けての政策をお金の面もしっかりと含めて実現している。
 そして、それが一四年度以降の経済成長にどれだけ効くかということもしっかり見極めた上で、そのことも、前二項を踏まえつつと書かせていただいたのは、割り込ませていただいたのは、そういうこともやはり政府の決断の中になければいけないし、そういうことをやる政府でなければ決断できないということを書いたつもりでありまして、提案者の竹下議員、そういうことでよろしいですか。
#229
○委員長(高橋千秋君) 竹下亘君。時間が参っておりますので、簡潔に答弁をお願いします。
#230
○衆議院議員(竹下亘君) まさにおっしゃるとおりだと思います。
 大事なことは日本経済全体で考えること、消費税という位置付けだけじゃなくて、経済というのはもう人の心をも含めて非常に幅広い動きでありますので、そこをしっかりと支えていくこと、仮需が出る、引っ込む、そういったものの平準化も含めてしっかりと対応していかなければならないと。機動的な対応ができるという言葉にある種の思いはこもっていることを強く感じております。
 ありがとうございました。
#231
○宮沢洋一君 それじゃ最後に、今の御説明を聞いて、しっかりやるという決意表明を財務大臣及び総理からしていただいて、質問を終わらせていただきます。
#232
○国務大臣(安住淳君) この資金を重点的に配分するというところは、実務者の宮沢先生に大変お世話になりまして、三党でまとめていただきました。この趣旨を十分体して、日本経済のかじ取りをしっかりやっていきたいと思っております。
#233
○内閣総理大臣(野田佳彦君) いわゆる財政運営戦略も踏まえながら、財政のいわゆる対応力が回復してきたときに機動的に民間資金や財投資金も含めて対応するということだと思います。
#234
○宮沢洋一君 終わらせていただきます。
#235
○衛藤晟一君 自民党の衛藤晟一でございます。
 今、宮沢委員から、この推進法に関しまして、修正の当事者として本当に丁寧な法案の説明がなされました。具体的な中身についてこれから質問させていただきたいと思います。
 その前に一言、私は大分県の出身ですけれども、今度、九州の北部、中部という具合に大変な大水害が起こりました。この中の大分県の日田だとかあるいは耶馬溪、中津というところの被害も大きかったんですけれども、竹田というところは平成二年に引き続いて二十二年ぶりの大水害だったんですね。ここで二人の方がお亡くなりになりました。ずっと現場に行っていました。
 平成二年のときに大水害だったので、二つダム造ろうということになったんですね、稲葉ダムというのと、それから玉来ダムというのと。それで、この稲葉ダムというのが去年完成したんです。ところが、玉来ダムというのは、事業仕分もありまして、ずっと遅れてきていたんですね。
 実は、今度亡くなった方、稲葉ダムの方はやっぱり被害が相当小さく抑えることができたんですね。被害に遭われた方もおられますよ。しかしながら、小さく抑えることができた。片や、あふれたのはほとんど玉来川水系でありまして、ここにもしダムができ上がっていればなというのが、私どもずっと現地を見たときの皆さんのお話でありました。
 改めて、この水害で亡くなられました方々に御冥福を申し上げ、そして一刻も早い復興を私ども一生懸命考えて頑張っていきたいと、そしてまた被災されました方々にもお見舞いを申し上げたいと思っております。
 それでは、質問に入りたいと思います。
 ずっと今までの議論をお聞きいたしておりましても、もうやっぱり民主党、いろんな方のお話がございました。だから、マニフェストを守れよという話がありましたけれども、マニフェストから何で離れるんだよという意見が先ほど大久保委員からもありました。しかし、やっぱり現状をよく認識してもらわないと、これ以上進めないところに来ているんだな、そんな意味ではやっぱり私は野田総理は大変大きな決断をされたという具合に、今改めて宮沢委員の質問を聞きながら、そういう具合に思っています。
 ちょっとだけ大きな財政上の話をさせていただきたいと思うんですね。
 自民党の時代に恐らく少子高齢化に向けて、民主党の皆さん方は、余り努力してこなかったと、そして破綻したんだと思っていらっしゃると思うんですけれども、実は違うんです。私ども、少子高齢化社会を乗り切るためにということで、平成六年から七年にかけていろんな決定をして、懸命に努力をしてきました。
 この平成六年から平成二十一年、自民党の麻生政権までの間に、十五年間で社会保障国庫負担を積み上げてきたお金は十一・三兆です。年間に平均しますと七千五百億。(資料提示)この麻生政権の最後のときには基礎年金国庫負担の二分の一も入っていますので、これも入れて実は十五年間で十一・三兆、七千五百億円平均の積み上げをやってきたわけであります。それぐらいの努力をしてきているんです。
 そこで、長妻さんを始め、いわゆる年金等の問題でいろんなことの指摘がされたと思いますけれども、ちょっと財政上の問題だけでいきますと、離れていきますと、民主党政権が平成二十一年秋にできました。そして、二十二、二十三、二十四という具合に約三年間政権を維持しています。この間に社会保障国庫負担を民主党はどういう具合に使ってきたかといいますと、三年間で四・二兆増やされたんです。年平均一・四兆増やされた。
 先ほど長妻さんが、いわゆる小泉さんのときに二千二百億定額的に切ったという話をしましたけれども、違うんですね。伸びが非常に激しいものですから、伸びの抑えを少ししなければいけない。しかし、これも実はできなかったんです。小泉政権のときにその抑えができなくてずっと来たんです。結果的に、平均しますと、この十五年間で十一・三兆、年平均七千五百億ずっと積み上げてきたんです。そのために公共事業を少し減す、毎年千数百億カットするとか、あるいはいろんな無駄を廃止するとか、あるいは剰余金から崩していくとか、そういう努力を続けながら少子高齢化社会を乗り切るための努力をしてきたんです。
 二十一年に民主党政権ができました。しかし、マニフェストは現実的にほとんど実行できていない。頑張ってきましたと言いますけれども、打率は一割以下ですよ、これ明らかに、個々のことは余り申し上げませんけれども。そこで、いろんなものを積み上げてきた社会保障国庫負担はいきなり三年間で四・二兆、一年当たりに一・四兆増やしてきたんです。この調子であと十五年から二十年は増やし続けなければいけないんです。十五年から二十年、一・四兆増やし続けたら、もうすぐ国の財政は破綻することは誰の目にも見えているんです。このことを一番恐らく野田総理が考えられたからこそ私は決断をされたんだという具合に実は思っています。
 民主党の方々は、選挙の中でマニフェストについて守りたいという思いはあるでしょうけれども、アイデアとして一つ出されたはいいですが、財源の裏付けもなしにばらまかれただけだという結果であることをやっぱりお互いに認識をして、そしてこの推進法のスタートをしたということをよく分かってやらなければいけないという具合に思います。
 そういう意味では、この調子でいくと、一・四兆を二十年間も積み重ねていったら、一般会計は五十四兆までなりましたけど、この積み重ねだけで二十数兆円の積み上げができますか、今の財政で。幾ら少子高齢化を乗り切るといったって、とてもできないんです。だから、いわゆるこの推進法に書いているように、安定した財源を確保しつつ受益と負担の均衡の取れた持続可能な社会保障制度を確立しなければいけない、自助、共助、公助が最も適切に組み合わされなければいけない、それから社会保険制度を年金、医療においては基本とするとか、こういうことが書かれて、それを共同提案するようになったんです。
 だから、実質的に、皆さん方は、マニフェストが、撤回しろとは言いませんが、破綻した、あるいは実質的に実行できなくなったということだけははっきりと分かられているというように思うんです。それをうやむやにしたら、これからの改革はできないんですよ。そこのところを総理に私は是非お聞きしたいと思うんですね。
 ですから、民主党は、マニフェストは実質的には実行できず、無駄を削るどころか、一気に財政悪化を、この三年間で大変な財政悪化を招いたんです。このことを総理に是非認めていただきたいという具合に思っています。総理、どうですか。
#236
○内閣総理大臣(野田佳彦君) お示しいただいた資料でいいますと、三年間で平均で約一・四兆円増加ということです。ということは、毎年大体自然増が一兆円を超える規模で出ていますので、そういう分が増えてきているということですが、我々も決してばらまきをやっているわけではなくて、例えば年金の物価スライド分の加算分を元に戻そうという法案を提出したり、いわゆる効率化の努力もちゃんとしてきているということは事実として御理解をいただきたいというふうに思います。
 その上で、主要なマニフェストについては、これは衛藤先生御承知だと思いますけれども、これは歳出削減とそして税制改正によって財源確保してまいりました。したがって、マニフェストの主要事項は、ばらまきではなくて財源を確保した上でこれまでやってきているわけであります。これからも基本的にはそういう姿勢で取り組んでいきたいと思います。
 なお、昨年の夏にマニフェストの中間検証を行いまして、まだ打率一割というお話がございましたけれども、そういうことではなくて、かなり着手をし、実現をしてきています。農家の戸別所得補償であるとか、子ども手当は名前が変わりましたけれども、児童手当という制度の枠組みの中で中学生まで支給できるような恒久制度になったりとか、あるいは高校授業料無償化等々を含めまして多くの政策は実現できています。
 できていないものもあります。また、財政の見通しが甘かったこともありました。その点は国民の皆様におわびをしたいと思いますが、任期の間にできる限りのマニフェスト事項については実現できるように引き続き努力していきたいと思います。
#237
○衛藤晟一君 まだ認識が本当に足りないと思いますね。何のためにこの推進法を一緒に提出するようになったのか。
 今回の中で、皆様方は税と一体改革と言いながら、実質的には、この医療保険、後期高齢者医療保険を廃止するとか、あるいは年金の一元化法とか、あるいは最低保障年金とか、あるいは介護保険に対する改革というのは一つも入っていなかったんです。だから、完全に消費税先行だけの法律だったんです。しかし、それでは、国民の皆さんにそんなことをしたのでは申し訳ないと。自民党も、ちゃんと社会保障をやりながら、そして財政についてもちゃんと適正化やらなきゃいけないということでやるということでしたから、消費税についての引上げは我々も将来的には必要だということを認めていたから、いわゆる消費税の引上げ先行と言われることだけは避けながら、そして今後のその社会保障についての見通しを付けながら一緒にやりましょうということで今回のこれを我々はのんだというか、一緒にやろうとしたんですよ。そのときの認識で、やりましたやりましたと言うけど、やれなかったことの方がはるかに多いんですよ。
 言いましょうか。消費税の取扱いについては今議論になっています。子ども手当も結局児童手当に戻ったんです。高速道路の無料化、すぐ撤回。ガソリンの暫定税率廃止、すぐ撤回。年金改革や最低保障年金、結局提案もされなかった。それから、後期高齢者医療制度、廃止すると言ったけれども法案は提出されていない。する気がありましたなんて言わないでくださいよ。六月二十一日に既に会期は終わっていたんですよ。今延長期間なんですよ。これっぽっちも出ていなくて、そういう気がありますなんてばかなことは言わないでください。天下りの根絶、郵便会社に幾ら天下りしましたか。八ツ場ダムの廃止、これ、結局はすぐひっくり返したんですよ。それから、まあやったのは高校無償化、これぐらいですよ。あるいは農業の戸別補償、これは一部モデル事業として実施しただけ。普天間基地の沖縄県外移転、これもすぐ撤回。もっといっぱいありますよ。
 それから、今度、言いますけど、財源も十六・八兆捻出できますと、頑張ってきましたと言うけれども、結局、平成二十四年度にできた財源が皆様方の計算によったって七・七兆ですよ。十六・八兆からこれだけですよ。二十五年には十六・八兆できますと言ったのが、逆じゃないですか。
 しかも、年金の統合化、二年間で集中的にやりますと。この三年間で、民主党になって掛けてきたお金は、三千億掛けてきたんです。それで、統合済みと一定の解明は三百十三万件、そして残りは千九百二十二万件。これで二年間で集中的にやりますと言ったことになるんですか。それから、医学部の定員増一・五倍、これも六パー増。出産一時金引上げ五十五万、しかし自民党のときにやった四十二万のまま。もういっぱいありますよ。ヘルパーについて四万円上げる、これは自民党のときにやった一・五万円上げたそのまま。
 まあ言えば切りがないぐらいありますので、そういう状況の中で、もう真摯に今の財政状況というのを認めた上で、だからこの推進法というものになったんだということの認識をはっきりと総理自身が認めなければもう進まないところまで来ているんですよ。これが一番危機的状況なんです。言い訳しないで、はっきりとそのことを認めることしかもうスタートできないんですよ。
 総理について、その認識があるのかないのかだけでも私は求めたいと思います。
#238
○内閣総理大臣(野田佳彦君) ちょっと事実関係で、年金記録の回復は、今の件数ではなくてもっと、千数百万件行っていますよね。(発言する者あり)千二百七十万。で、見付かったその年金額というのは一兆数千億、一・六兆というちょっと数字がありますので、ちょっとそれ事実関係違うというふうに思います。
#239
○衛藤晟一君 二年間です。民主党になってからですよ。
#240
○内閣総理大臣(野田佳彦君) はい。その上で、その上で、できていないことの御指摘もありましたけれども、逆に言うと、できたことを言えばもっと私、時間掛けて言えるぐらいです。母子加算の復活であるとか、児童扶養手当を父子家庭へ拡充するとか、いっぱいあります、この厚生労働の分野。雇用の関係でも、あるいは求職者支援制度であるとか。でも、それを言ったら切りがないんです。
 だから、できたこともあります。でも、御指摘のようにできていないこともあります。そのことはきちっと国民の皆様に御説明をしていきたいというふうに考えております。
#241
○衛藤晟一君 でも、骨格の部分はそういう具合に本当にできていないんです。そのことを是非見た方がいいと思います。
 だから、先ほど言いましたように、マニフェストも、結局のところ、実質的にはマニフェスト違反というか、二十五年までに十六・八兆つくりますよと言ったのが、実質的には今年でも、二十四年で七・七兆。総理はやっぱりそのことをはっきりと認めていかないと、結局、先ほどの民主党の中の御意見がありましたような形の方はずっと出てくるんです、結局ですね。
 さらに、今度はこういう状況の中で、年金にしましても、交付国債という形でこれを何とか切り抜けようという具合にしました。麻生さんのときに、二・三兆入れて基礎年金の二分の一の国庫負担について明らかにしようということで、したんです。ところが、二十四年は、この野田内閣のときには、これを表に出ないように交付国債という形でやろうとしたんですね。言わば、このやり方は、結局、いわゆる基礎年金の引上げをやったということじゃなくて、実質的な民主党のばらまき分を交付国債で賄ったということに結局はなるんですよ。社会保障の面からも大変私は無責任だという具合に思っています。
 今回、この交付国債を言わば撤回というか、削除と、原案削除という形を取るということになったわけですから、ということは、このことについて、財政赤字の粉飾を是正したということなんだということをはっきり言われた方がいいんですよ。ギリシャが問題になった。これは、いわゆる大変な債務危機と経済悪化の中で、ギリシャは、この危機の発端は財政赤字の粉飾をしていたことが政権交代によって表に出てきたということなんですよ。この交付国債は、それに換算されないように、結局交付国債という形でやってごまかそうとしたんですよ。
 しかし、これはお互いの指摘の中で、やっぱりちゃんとこんなことを続けるのは良くないということを認識したからこそ、この交付国債の原案削除されたんでしょう、撤回をされるように決めたんでしょう。だから、そのことについてはっきりと総理からその気持ちを正直に表さないと、とんでもないことになりますよ。どうぞ。
#242
○国務大臣(安住淳君) 交付国債は私の責任で提案をいたしました。先生、これは、私は、二分の一の国庫負担分を決めたことは大変自公政権の成果だと思います。ただ、惜しむらくは、今先生も御指摘あったように、確定した財源を担保できなかったわけですね。そのためにそれぞれ毎年、麻生総理も大変御苦労なさって、次の年の鳩山、菅両総理も大変苦労しました。特に昨年は、東日本大震災の後でこの当てにしておりました財源はそちらの方に回そうということで、これも三党合意でございました。そういうことで、言わば確定した財源がないままで来たものですから、今年は本当に、そういう意味じゃ、二十四年度予算の編成に当たりましてこの分のお金をどうするかということで、交付国債ということにいたしました。
 しかし、今御指摘がありましたように、様々通常国会の中で御指摘をいただいて、これは取り下げるということになりましたが、問題は、消費税で充てるということは私は合意はできたと思います。しかし、消費税が施行される間のこれから二年間をどうするかということは、それでは交付国債がない場合にどういうふうにさせていただくかということは、是非私は三党で話合いをさせていただきたいと思います。そのことは決して我々自身、何か粉飾とか全くそういうことではございません。交付国債も表に出してこうして議論をさせていただいているわけでありますから、そういう意味では、じゃこの財源の確保をどういうふうにするかということは、お互い二分の一にした責任がある党同士で私は真摯に話合いをさせていただければと思っております。
#243
○衛藤晟一君 そんな変な理屈言っちゃ駄目ですよ。
 それは、剰余金等で埋めていた時代があります。それをちゃんとするために、自民党の時代に消費税の引上げで上げましょうということで、二十三年までやりましょうということでやったんですよ。ただし、それがリーマン・ショックの中でこういう具合になってできなくなった。しかし、それを正式に、じゃできなくなったんなら、赤字国債なら赤字国債でやるとか合意してやればいいんですけれども、交付国債という形で、わざと表に出ない形で一種の粉飾をやったということはむしろ良くないんじゃないですかということを言っているんです。それだけです。分かりますね。
 だから、はいと言えばいいんですよ、それは。
#244
○国務大臣(安住淳君) いや、先生、それ、私ども、交付国債の仕組みは今更もう、もう取り下げるわけですから詳しくは言いませんが、しかし、これは年金基金を一旦借りて、これに対して消費税を充てて返済をしていくというスキームをちゃんとつくっておりますので、そういう意味では私は粉飾ではないと思います。
 ただし、民意全体、国会の中での意思としてこれはふさわしくないということでございますから、私としても新しい方法を是非これから考えて、前向きに衛藤先生と是非お話合いをさせていただければと思っております。
#245
○衛藤晟一君 そんな言い訳ばっかりするから、実質的に粉飾なんだから、あなたが幾ら粉飾でないと言ったってですね。
 だから、例えばここでもあるように、そこのところの予算には、社会保障の引上げのところにも出てこないんですよ、数字としては、一応は、全部。それから、一般会計のところにも出てこないんですよ。だから、それは全部隠れてしまうんですよ。実質は出てこないんです。だから、それを私ども、統計上はちゃんと加算して出さなきゃいけないぐらいにやっぱりなるんですよ。そういうことですから。
 だから、あなたが幾ら言い訳したって実際そうなんだから、それをちゃんと、みんなの指摘の中で、一種の粉飾だからやめようねと、やめた方がいいんじゃないのということで認めてやるわけだから、はいそうですと言えばいいだけの話なんです。ちゃんとみんなで議論してやりましょうと、その方がいいですよと、こんな粉飾を繰り返していたらますますギリシャ化しますよと言っているだけなんです、私は。
 それから、じゃ具体的に社会保障についてちょっと聞かせていただきたいと思います。
 さて、こうなりますと、社会保障につきまして、先ほど推進法の中での議論がずっと起こりました。その中で、結局は、今後の年金制度につきましても、財政の現況及び見通し等を踏まえて、社会保障制度改革国民会議で議論し結論を得るという具合になっています。しかも、その推進法の中では、安定した財源を確保しつつ受益と負担の均衡が取れた持続可能な社会保障制度の確立ということを言っていますし、また、年金においては社会保険制度を基本とし、それから、国の負担は社会保険料に係る国民の負担の適正化に充てることを基本とするという具合に書いておるわけであります。
 民主党が今というよりもかつて主張していた最低保障年金というのは、この推進法案が進める基本的な考え方とはそぐわないということは先ほど宮沢委員からずっとるるお話があったとおりであります。そういう意味では、この社会保障制度改革国民会議の協議も現行の年金制度を前提に行われるという具合に法律の中では書かれておるわけでありますが、それについて発議者の意見を、まず自民党発議者の意見をお聞きしたいと思います。
#246
○委員長(高橋千秋君) どなたになりますか。
#247
○衛藤晟一君 鴨下さんで。
#248
○委員長(高橋千秋君) 自民党の発議者鴨下一郎君。
#249
○衆議院議員(鴨下一郎君) 改革推進法の中には、これから三党で新年金制度については協議しましょうと、そして合意に至りましょうと、こういうようなことは書いてありますけれども、私どもの解釈としては、先生の御指摘のように、現行制度を基本にというような想定はございますけれども、この三党の協議の中で、現行制度、あるいは新年金、いわゆる最低保障年金のどちらがどうだと、こういうようなことについての議論はいたしませんでした。
 ただ、最終的には、我々は、我々というのは自民党の立場としては、現行制度を十全なものにしていって最終的に持続可能なものにすると、こういうような方向で議論をしてまいりたいというふうに思っておりますし、先ほど宮沢議員にも答弁いたしましたけれども、三党で合意するというようなことでありますけれども、主体者の一人としての自民党が現行制度でいきましょうというような話になれば合意には至らないわけでありますので、基本法に書いてあるとおり今の現行制度を推進していくと、こういうようなことに結果的にはなるんだろうというふうに思っております。
#250
○衛藤晟一君 そうしますと、やはり民主党がマニフェストで主張した新しい年金制度というのは実現不可能なんですね。そして、これについてやっぱりもうはっきりと認識したからこそ、この推進法というものを共同提案するようになった。このことをうやむやにしないで、言わば、何か撤回しろとかなんとかとは言いませんけど、その共通認識だけは持ってやらないとこれからの議論というのは進みませんよ。そのことだけ申し上げておきます。
 それでは、ここで改めて大臣と総理に年金の十六年改正の認識をお尋ねをしたいという具合に思っているんですね。
 少子高齢社会を迎える中で年金が大変だということで、平成十六年改正をしました。当時の野党の方々から相当いろいろ言われました。しかし、今振り返ってみると、この平成十六年改正というのはやっぱりよく頑張っていたなという具合に思っています。
 これの主な中身は、先ほど誰かお話がございましたけれども、この年金の積立金を、給付費が五年分ぐらいあった分を常に百年後ぐらいには一年分ぐらいを残すようにやれるように考えますよ、それから保険を払う若手の方にも是非頑張ってください、厚生年金は一八・三%まで、国民年金は一万六千九百円を上限として保険料の引上げに協力していただけませんでしょうか、それから年金をもらう方々もマクロ経済スライドを導入して所得代替率を約六〇%から五〇%まで引下げをお願いできませんでしょうか、それから国の方も基礎年金の国庫負担を三分の一から二分の一に頑張りましょうと、それによって持続可能な年金制度を構築しようというものでございます。この年金制度について、民主党の皆さん、当時はあたかも年金制度が破綻したかのような言い方をされていました。
 国民年金につきましては、先ほどもちょっとお話がございましたように、言わば国民年金は自営業者や農業者のためということで最初ありましたけれども、共済年金や厚生年金に入れない方が自動的に全部国民年金に入りますので、言わばパートとかそういう方々がたくさん入って、あるいは職を持たれていない方が入るというようなことで、自動的にそちらに組み入れられるというシステムになっていますので、ここにおける問題点は別途ありますけれども、年金制度そのものとしてはそういう具合にして頑張ってきたわけでありますけれども、これについて当時の民主党さんは、言わば破綻しているという大変PRをされていたわけでありますけれども、それについて今総理とそれから厚生労働大臣はどう思われているのか、この見解をはっきりと示していただきたいと思います。
#251
○国務大臣(小宮山洋子君) 現在の年金制度は、おっしゃいましたように、基礎年金国庫負担二分の一とかマクロ経済スライドなどが盛り込まれていまして、二十一年の財政検証でもこれはきちんと将来に向かって給付と負担の均衡が図られているということでございますので、年金制度が破綻しているということはございません。
#252
○衛藤晟一君 ありがとうございました。
 それでは、破綻していないということが、はっきりそういう認識をされているのであれば、私は、このことをお互いに認めながらこの延長線上の中でちゃんとした改革をやっていく、この問題となっている国民年金についてはみんなでどういう具合にやっていくかということについて今後努力していかなきゃいけないと思っていますから、今後いろんな強化策も打ちながら頑張ってまいりたいと思っております。
 じゃ、国民年金を含めた年金一元化の問題と最低保障年金というのが民主党のマニフェストの中に出ていた年金改革の最も大きな柱であります。あと強化策については、これはもう自民党の時代からこういうことをやらなきゃいけないということを提案していたりした部分でございますので、ここはもう一応おいておいていいと思いますね。
 この一元化の問題につきまして、実質的には三年金一元化というのは非常に多くの問題を抱えているということはもう御承知のとおりであります。そして、この推進法の中では、年金の一元化ということは実質的にはこの中でやっていこうと思えば不可能だということは、もう法解釈をやってみれば御承知のとおりでございまして、そしてまた、こういうものを更に実現しようと思えば、この中には所得捕捉の問題や、あるいは徴収の問題や、あるいは自営業者の事業主負担分、そのまま所得比例に入れますと、この方々は事業主負担がないわけでありますから大変多くの負担を抱えるということになります。自営業者の保険料負担をですから倍にするのかというような議論が出てきます。
 もし二倍の本人負担で年金額が同じということになれば、恐らく自営業者の賛同は得られないだろうという具合に思います。最終的にはそういう大きな問題があります。しかも、その移行には二十年あるいは四十年掛かるということを言っているわけでありますから、ところが、今、年金が問題なのは、厚生年金や共済の方は今言ったようにこれは破綻もしていないわけですから、そういう形でちゃんといくわけですから、ただ、国民年金はこの中で低年金やあるいは無年金の方々の問題がある。これは年金を納めた方には返るんですけれども、そうでない方々の問題があるから、別途どう考えるかということをしなきゃいけないということにおいて我々は考えなければいけないんでありますけれども、しかし、そのために年金を一元化したからといって解決できないんです、それは。
 しかも、それに三、四十年掛かるとすれば、何ら問題解決にならないわけであります。三、四十年先に新しい制度ができるといっても、この特に二十年ぐらいの間が特に大きな問題なんですから、二、三十年の間が一番大きな問題なんですから、その間にどうするかという結論を出さなきゃいけないのに、本当にとんちんかんな、三年金を一元化すれば何とかなるんだみたいなマニフェストを出されたわけでありますけれども、これについて総理は、私は撤回すべきだとは言いませんけれども、実質的には制度設計ができる状況ではない、実質的には難しいんだな、実質的には破綻したんだなという認識を総理は持つべきではないかと思うんです。でなかったら前に進みませんよ。それについて総理の見解を求めます。
#253
○国務大臣(岡田克也君) 委員御指摘のように、基本的に被用者年金、今回一元化しますが、ここについてはこれは成り立つ制度であるという基本認識です。
 したがって、問題はそれ以外のところ、自営業者やあるいは正規で働いていない方々の年金をどうするか。それが今は、委員も御指摘のように、国民年金に全て加入ということになって、様々な問題があると。ここまでは恐らく認識は共通だと思います。我々は、それを乗り越えるために、被用者年金だけではなくてそういった自営業者やパートの方々の年金も含めて一元化すべきであると、こういう主張をさせていただいているわけでございます。
 いろんな御指摘をこの国会の場でもいただきました。一つは所得捕捉の問題、きちっと捕捉できるのかどうかという御指摘がございました。そこは我々も謙虚に受け止めなければいけないと思いますが、しかし、社会保障制度や税の中で、やっぱり自営業者の所得捕捉も一〇〇%ではないにしてもきちんとできることを前提に今のいろいろな制度ができているわけで、年金だけより厳しく見るということがどうなのかという議論も当然あり得るというふうに思います。
 それから、やっぱり大きな問題としては、自営業者でない方々が自営業者の方々を中心とした国民年金に加入していることで保険料が払えないという、したがって未加入になっているという問題、これをどう乗り越えるかという問題もございます。したがって、そういう問題について、これは本当に一元化でやっていくのがいいのか、それとも国民年金そのものを大きく変えるような、そういう手法があり得るのかということも含めて、これは胸襟を開いて御議論いただくべき問題じゃないかというふうに思います。
 現時点では我々、一元化というのが答えではないかというふうに感じているところでございます。
#254
○衛藤晟一君 そう感じるのは自由なんですけれども、現実に所得捕捉の問題とか、それから歳入庁をつくっても、所得の把握ができてもっとちゃんとやらなければ徴収なんてできないわけですよ。同じなんです、結局。ですから、それによって解決できるという問題ではないということの認識はちゃんとされた方がいいと思います。
 一元化によって何とかなるというよりも、それは、例えば今回、これは自民党の時代から言っていた二十五年を十年にするとか、そういうようなことをずっと一つ一つ手を打っていって、それからいわゆる社会保障番号をちゃんとつくっていくとか、そういうことをして、徴収段階からほかの保険も一緒に見ることができて、これは入っていないけれどもちゃんとできないでしょうか、是非これは基本的には強制ですからちゃんと入ってくださいねというような形でその収納率を上げていくとか、そういう形で、何よりも年金の信頼性を確保しながら、そういう形でしかできないわけですよ。別に一元化したからそれができるという話では全くないんです、今副総理が言われたようにね。ということでございますから、そこのところだけはちゃんと認識をしていただきたいと思うんです。
 さらに、この最低保障年金ということもそうなんですね。民主党は、最低保障年金については、マニフェストの中で「全ての人が七万円以上の年金を受け取れるようにする。」という具合に書いています。間違いないですね。
#255
○国務大臣(岡田克也君) 七万円という数字を出しているのは事実でございます。
#256
○衛藤晟一君 そうすると、全ての人が七万円以上の年金ということになりますと、年金を納めた人にも納めなかった人にも七万円を保障するということになりますね。
#257
○国務大臣(岡田克也君) その点については、この国会でも何度も答弁させていただいております。あくまでも年金制度に加入するということが前提で、意図的に年金制度に加入していない方々まで七万円を保障するものではございません。
#258
○衛藤晟一君 そうしたら、この最低保障年金という言葉は使わない方がいいんです。これが詐欺なんですよ。
 じゃ、詳しく聞きますよ。それじゃ、何か月あるいは何年納めた方に七万円を保障するんですか。
#259
○国務大臣(岡田克也君) 基本的な制度設計は、いろいろなパターンがあると思いますので、現在党の中で議論しているところです。ただ、基本的には、やはり払った保険料に応じて、あるいは加入期間に応じてその額が決まってくるというのが基本的な考え方でございます。
#260
○衛藤晟一君 でしょう。そうしたら、最低保障年金じゃなくて、今、四十年納めて六万六千円という形なんですね、国民年金は、四十年納めて。今までは、二十五年納めると、二十五年以上だったんです、だから四十分の二十五掛け六万六千円が一月にもらえる金額だったんです。今度は十年にするということになりましたから、四十分の十を掛けると、六万六千円掛け四十分の十を掛けると一万六千五百円ですか、ということになるんです。そういう具合に比例していくわけです、結局ね。
 納めなかった人には返らないよと言えば、今言ったシステムと同じですから、最低保障年金という呼び名は明らかにこれは詐欺なんですよ、「全ての人が七万円以上の年金を受け取れるようにする。」という具合に書いたことは、そしてそれを最低保障年金と言ったことは。そうすると、ただ六万六千円という上限を七万円にしたいと言ったにしかすぎないんですよ。それを最低保障年金七万円を保障しますという具合に言ったというのは、これはまさに民主党のサギフェストなんですよ。国民を欺いたんですよ。分かりますか。
 だって、保険料を払わなかった人には払わないんでしょう。じゃ、一か月払った人に七万円出すんですか。違うでしょう。あなたが言ったように、やっぱり今後は、今までは二十五年だったけど今後は十年以上はその月数に応じて、払った年数に応じて払いますよというんであれば、何が最低保障年金ですか。それは六万六千円という上限を七万円に切り替えたいと思いますという話でしかないんですよ。
 こういうことを民主党はマニフェストの中で平気でやっているから困るんです。ぽっと聞いたときには、ああ、そうかなと思ったりするんですよ、現実に。そのことを、分かりますか、そのことだけちゃんと答えてくださいよ。
#261
○国務大臣(岡田克也君) 具体的な制度設計は今議論しているところで、何年加入すれば満額七万ということになるかということについては現時点では申し上げられません。
 ただ、具体的に払ったか払わないかではなくて、年金制度に加入して、所得がなくて払えないと、そういう方についてはきちっとそれは保障するものですから、そういうことも含めて我々は七万円保障ということを申し上げているわけであります。
#262
○衛藤晟一君 そんなことはできっこないんです。だから、払わなかった人には払わない、それはいいんですよ。払えない人には、この人には、その手続を取れば今は税金分だけ返しますよ、本人払わなかったんだからというシステムになっているんです。そういうものについて若干の上乗せをしていくということについては政治としてあり得るんです、基本は基本としてちゃんとやりながらですね。
 しかしながら、ここに書いていることは、言わば、じゃ払えなかった人にも七万円払うということを本当にやるんですか、全部。あと、払わなかった人には払わない。何年、どうするか。だから、成り立ちっこのない議論を平気であなた方はやっているんですよ。そして、それを全ての人が七万円以上の年金を受け取れるようにすると、それを最低保障年金という具合に呼んで勝手にやると言ったんです。もう、だから、あなた方が本当にマニフェストに使ったいろんな中身は、非常に思い付きで書いたものだけなんですよ、実質は。
 だから、せっかくここで推進法を一緒にやりましょうと言ったということは、やり替えをしましょうということを言っているんですから、もうそういうところのおかしい点もありますということだけはせめて認めなければ議論が進まないんですよ、これからは。そのことだけはちゃんとお願いします。
#263
○国務大臣(岡田克也君) 具体的な制度設計は党の中でやっておりますので、それは各党の協議の場でお示ししたいというふうに考えております。
 ただ、今委員おっしゃいましたが、我々は、最低保障年金は全額税でというふうに考えておりますので、そこは半額税である今の仕組みと比べれば、加入はしているけれども払うことができない、そういう方に対する最低保障年金の額は、今の基礎年金の考え方と比べれば、より出しやすくなることは間違いないということでございます。
#264
○衛藤晟一君 当初、民主党は、基礎年金は全額税でなんという話があったんです。しかし、そのときにも長妻さんと僕議論しましたら、そんなことはありませんと、払わなかった人には払いませんということで、ああ、少しまともなことを言っているんだなと思っていたんです。
 一時、自民党の中でもそういう議論もありました。基礎年金を全部税で払おうとすれば、二十二兆円の莫大な資金を投入しなきゃいけない。そんな金はどこにも日本の財政上ないんです。消費税をそれに全額充てたって足りないんですよ、とても、全部。もう基礎年金を全部やったら、三分の一のときは七兆円、二分の一のときは十一兆円です。全額、全部税でやるとしたら二十二兆円なんです。これだけの金をどこから出ますか。だからこそ、この中にも、推進法の中にも書いていますように、安定した財源を確保しつつ、そして受益と負担の均衡の取れた持続可能な社会保障制度ということを目指さなければいけない。しかし、あなた方はそんなことを考えないで思い付きでやったにしかすぎないんです。
 そのことが今、そのマニフェストの重立ったものが破綻したということをもう認めた方がいいんです。破綻したということを認めたくなければ、しかし我々は、最低、この推進法の精神で我々はやりますよということぐらいちゃんと、これを共同提案しているんですから、それぐらいのことはちゃんとやらなければ、これは一緒にやっていくことはできないんです。あなた方が我々をだましたということになるんです。どうですか。
#265
○国務大臣(岡田克也君) 今委員は、基礎年金を全額税にすれば二十二兆というふうにおっしゃいました。我々は、今の基礎年金を全額税にして、そして最低保障年金と言っているわけではございません。我々の最低保障年金というのは、最も所得の少ない方については満額ということで七万円ということですが、これを全員に払うわけではなくて、一定の年金額を受け取る方に対しては減額していって、最終的にある程度の額になればこれは出さないということを申し上げているわけです。したがって、人によっては今よりも年金が減るということは当然起こり得ると、そういうことも含めて提案をさせていただいているところでございます。
#266
○衛藤晟一君 私も、今、全額税と言っているわけじゃないということは知っているんです。それを撤回されて、二十二兆なんというお金がありますかということで、いつの間にか民主党は我々の批判に対して撤回されたんです。
 その後出てきたのが、今度は最低保障年金という形で出てきたんです。ところが、最低保障年金というのを今度はよく聞いてみたら、払わない人には払わないということは、保険料を払わなかった人に払わないということは別に最低保障年金でも何でもないんですよ、これは。これ自身の表現がとんでもないうそなんです。それだけは認めた方がいいと言っているんです、どういう工夫をしようがですよ。だって、これは「全ての人が七万円以上の年金を受け取れるようにする。」と書いてあるんです。だから、この中で、私どもがはっきりと言っているように、財政の現況及び見通し等を踏まえということは、現在の公的年金制度の中でちゃんと計算してやらなきゃいけませんねということをはっきりする、そして社会保険料制度を基本とするということをはっきりすると。だから、この最低保障年金というのはまた別の概念なんですよ、一定程度を出すといったって。
 そういうことでありますから、このことだけははっきりと分かってやらなければ、結局議論が進まないんですよ。そのこともちゃんと認めないのであれば、我々はこんな案、認めませんよ。あなた方の方は、言わば今回の閣法として消費税の引上げを出して、しかしその中にちゃんとやると言った介護やあるいは年金のまともな改革論とかない。被用者年金のところの一元化はありましたよ、これは元々自民党が出していたやつですから、出していた分をあなた方は今まで認めなかった分ですから。二十五年を十年というのは、お互いにそういう議論をしていたところですから、それをやったということについては、それはよくそこまで戻ってくれましたという具合に評価していますよ。しかしながら、この推進法の中に書いてある中身はそういうことなんですから、それを共同提案しようというんですから、あなた方がそこでもう過去のマニフェストに幾らこだわったってしようがないんです。だから、そこまで入れて検討しますよということをはっきり言わなければ、今後の議論が進んでいかないんです。もっとたくさん私ちょっと準備していたんですけれども、そのことだけはしてください。
#267
○委員長(高橋千秋君) 手が挙がっておりますけど。
#268
○衛藤晟一君 いや、僕は長妻さんに聞いていないので、別に。
#269
○委員長(高橋千秋君) じゃ、岡田国務大臣。
#270
○国務大臣(岡田克也君) ですから、我々の考え方は先ほど申し上げたわけですが、一つ委員がちょっと誤解しておられるのは、払っていない人には払わないと言われましたが、そうではなくて、加入していない人には払わないということです。加入しても払うだけの能力がなくて、保険料を、そういう方についてはきちんと払うと。しかし、それを具体的にどこまでやればどのぐらい払うかという制度設計は今やっているところだということを申し上げているわけであります。
 いずれにしても、これは我々の考え方はきちんとお示しをしたいと思いますので、それは今回、せっかく国民の立場に立って、年金制度について、委員もお認めになる国民年金についてはいろんな問題もある、そういうものをどうやって乗り越えていくかということについて、これは各党派がきちっと話をして、そして国民の立場に立って合意形成をしていくということでありますので、その入口のところからそれはもうないんだとか、そういう言い方は私はされない方がいいというふうに思っております。
#271
○衛藤晟一君 ますます、そうすれば最低保障年金という言葉をまず取り下げなさいよ。結局、払わなかった人には払いませんと、それから、入っているけれども払えなかった人については何らかの考慮をしなきゃいけませんということですが、これ自身は、年金自身は保険料方式を基本とするという具合に認めたんでしょう。だから、もっと別の社会保障の考え方なんです、社会保障の中における別の考え方なんです。その工夫についていろんな税投入の方法ありますよ。だから、それはちゃんとまた別で考えればいいわけですから。
 ただ、これは制度的に最低保障年金という名に値しないんですよ、これは。だから、そこのところを、そこも入れて見直しなんですよということをはっきりしなければ結局議論が進まないんです。総理。
#272
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 推進法はこれはよく三党で合意したものですから踏まえてやっていきたいと思うんですが、ただ、今の解釈のところなんですけれども、例えば財政の現況という言葉がありますが、財政検証を踏まえていく、じゃ、長期の収支どうなるかということは、これ踏まえていくというのは、これはある意味当然だと思います。でも、だからといって未納や未加入の問題を含めて最低保障年金の議論をしてはいけないということにはならないと思うんです。
 それから、社会保険方式、基本とするということですが、我々の新しい年金制度も所得比例年金が基本なんです。それで、最低保障年金、税で充てる部分が補足をしていることですから、社会保険方式を基本とするという考え方とそごがあるということではないので、是非これはもっとオープンな心でちゃんと意見を聞いてもらえればというふうに思います。
#273
○衛藤晟一君 最後に言いますね、いいですか。
 だから、それであれば、国民年金の改善について議論をするというだけならいいんです。ところが、それを最低保障年金という、誰もが七万円もらえますという具合にして銘打ってやったということは、明らかにこのマニフェストは破綻していると。今更撤回しろとは言いませんが、そのことだけは認めて、その看板だけは一回下ろして議論をしなければ、議論することは結構なんです、そのことだけはっきり認めなければ議論は進みませんよ。
 以上です。
#274
○中川雅治君 自由民主党の中川雅治でございます。
 今回の消費税法改正案につきましては、増税先行で社会保障と税の一体改革になっていないという批判がございますが、私は、現在の我が国の財政事情を考えれば、財政の健全化はもう待ったなしの喫緊の課題であるというふうに思っております。
 自民党政権の時代、平成十七年度、十八年度、十九年度辺りは、一般会計の税収が約五十兆円だったわけでございますが、公債発行額は二十五兆から三十兆円ぐらいでございました。民主党政権になってからの平成二十二年度、二十三年度、二十四年度の一般会計を見ますと、税収とそれから公債発行額がほぼ同額になっているわけですね。同じ状態が続いているわけであります。事情はいろいろあると思います。しかし、事情はどうあろうとも、このような我が国の国家の予算、借金が税収を上回る、あるいは借金と税収がほぼ同じと、こういうような状態が続けられるはずはない、まさに危険な状態だと思います。
 また、日本の国の債務は、全て合計すると平成二十二年度末で千四十三兆円に達しておりまして、これをGDP比で見てみますと二二〇%になるわけでありまして、財政事情が極めて悪いと言われているイタリアの一三〇%に比べましても極めて高い。我が国は先進諸国で最悪の水準となっております。こういうふうに財政の健全化は待ったなしの課題でございます。
 しかしながら、総理は、消費税増税の必要性について、繰り返し社会保障の安定財源確保と財政健全化を同時に達成するためと説明されておられるわけでございますが、社会保障の姿が、今までの議論を御覧いただきましても分かりますが、いま一つ見えにくい、そういう中でこの説明は分かりにくいというふうに思います。
 消費税の増税についてまだまだ納得していない多くの国民の皆様がおられるわけですから、まず総理から、消費税増税の必要性について、国民の皆様に危機意識を共有していただけるようなそういう説明を簡潔にしていただきたいと思います。
#275
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 財政に対する危機意識は共有するものですが、ちょっと先ほどの表現で、自民党政権下では税収五十兆あって国債発行二十数兆円だったと、我々からそれが逆転したというお話があって、様々な事情があってというお話ございましたが、もう事情は一つであって、リーマン・ショック後の減収が最大の原因です。平成二十一年度のもう決算ベースで明らかに税収よりも借金の方が多くなる。しかも、戦後、昭和二十一年みたいな危機的な状況になったということが最大の原因ですので、それをやっぱり政権の前と後の区別する際にはちょっと正確な議論をしなければいけないというふうに思います。
 その上で、今回、社会保障の安定財源とそして財政健全化の同時達成、これが目的なんですけれども、社会保障の分野は、もう人口構成も大きく変わった中で、国民皆年金、国民皆保険等々世界に冠たる制度を持続可能なものにして安定化させるのと同時に、これまで光の当たっていなかった子ども・子育ての部分についてもしっかりと財源を充てていくことが社会保障の持続可能性になるという社会保障改革が前面にあります。
 全て今回の消費税は社会保障改革に充てるわけでございまして、なぜ消費税かというと、これまでは負担はどうしても現役世代中心で所得税や保険料中心だった、足りない分は将来の世代のポケットに手を突っ込んできた、それはやめなければいけない。世代間の公平を担保すると同時に、大きな意味のチルドレンファーストだと私は思います。そのための改正をするためには、お互いに助け合うという消費税が必要であるということが今回の改革の最大のポイントであり、当然のことながら、欧州の債務危機などもありますので、財政の問題もこれ待ったなしでございます。したがって、同時達成という言い方をさせていただいております。
#276
○中川雅治君 そこで、既にもう何人もの議員からこの民主党のマニフェストとの関連につきまして質問が出ておるわけでございますが、私もこの点について質問をさせていただきたいと思います。(資料提示)
 七月十二日の衆議院予算委員会で、我が党の茂木政調会長がこの十六・八兆円の財源の問題につきまして詳しく質問をしておりますが、この点についてお聞きをいたします。
 民主党はさきの総選挙で、マニフェストを全て実施したときの必要財源十六・八兆円は全て無駄を見付けて予算を組み替えることによって実現します、こういうふうに言っていましたね。私は、この発言はテレビでも街頭演説でも鳩山代表、また当時の大勢の候補者から何度も聞いたわけでございます。
 ところが、今やマニフェストは総崩れとなった状態でありまして、私が平成二十四年度の予算書で民主党のマニフェストによる歳出を拾ってみますと、二・七兆円なんですね。子ども手当一・三兆円、農家の戸別所得補償〇・六兆円等々、合計二・七兆円でございます。このマニフェストによる歳出は総崩れになっているということで、これからもそんなに増えることはないと思うんです。
 そうなりますと、民主党は、マニフェストの実施によって十六・八兆円要るんだ、それは無駄を見付けるなどして予算を組み替えて実現すると言っていましたが、もうこのマニフェストの実施に必要なお金は二・七兆円程度になってしまうわけですから、本当に十六・八兆円の財源を実現できるということであれば、十四兆円程度余ることになるんですね。消費税五%アップで約十三・五兆円を見込んでおりますので、このマニフェストどおりの財源が確保できるなら、もう消費税の増税は必要ないということになるわけです。そういうことでよろしいですか、安住財務大臣。
#277
○国務大臣(安住淳君) 今先生の方からるる御指摘をいただきましたが、私どもとしては、歳出の削減や税制改正、税外収入、いわゆるワンショットを含めてであれば、二十二年度、例えば政権交代をしたときであれば、税外収入だけで、ワンショットでございますが十・六兆円、二十三年度で七・二兆円、今年度は三・七兆円等々出してきました。
 ただ、先生御指摘のように、恒久財源によるマニフェストの財源はどうだったかということであれば、この十六・八兆には全く届いておりません。そうした点では、総理も私も何度も予算委員会で申し上げているとおり、財源確保の実現可能性についての甘さがあったことは事実でございます。率直に国民の皆さんにおわびを申し上げております。
#278
○中川雅治君 元々この十六・八兆円の財源確保の中には、これは民主党のマニフェストの写しでございますが、この十六・八兆円の財源確保の中には埋蔵金の活用や資産の売却という単年度の歳入が五兆円も入っておりますので、元々、恒久財源として十六・八兆円を確保できる見込みはなかったわけであります。この点は、十二日の安住大臣の茂木政調会長への答弁では、五兆円はワンショットの財源だということは認められたわけでございますが、安住財務大臣も総理も、非常に誤解を与えるとか、分かりにくかったのは事実だと思いますと言って、誤りだったとは認めていませんね。ここはきちんと誤りを認めるべきだと思います。
 恒久財源であるべき十六・八兆円にこのワンショットの財源五兆円を入れてしまったのは間違いだった、誤りだったと、総理、端的にお認めいただけますね。
#279
○国務大臣(岡田克也君) 確かに、委員御指摘の埋蔵金とか資産売却は、これはワンショットのものでございます。ただ、それを毎年可能な限り続けていくという考え方に立っていたわけでございます。
 そして、そのことは現実に可能で、例えば埋蔵金の活用の中で外為特別会計の問題、運用の問題などは、これは二十二年度からずっと二兆円以上計上しているわけでございます、二十二年度予算、二十三年度予算、二十四年度予算。したがって、この四・三のうちの半分ぐらいは外為の特会の剰余金ということでありますので、これはある程度見通すことが少なくとも四年間ということで見れば可能だったし、現に三年間はそれでやってきているということでございます。
 それからもう一つ、ちょっと状況が変わったのは、そういった資産売却とかそういったお金について東日本大震災のために使うという考え方が出てまいりましたので、したがって、こういったそれ以外のお金に回す、使うということができなくなったということは、これ新たな事態であるということも御理解いただきたいと思います。(発言する者あり)いや、現実にそういう制度になっているわけであります。
#280
○中川雅治君 外為特会の剰余金は、これはもう自公政権のときからもある程度の額はずっとこれ使っているわけでありまして、マニフェストの実施によって新たな歳出増ができる、その合計が十六・八兆円だと、こう言っているわけですから、その財源は当然恒久財源にしなければならないので、そういったものも含めて五兆円はワンショットの財源でやりますというのは、これは誤りだというふうに思います。まあ、間違えたんだと思うんですね。素直に本当にお認めになった方がいいと思いますが、これは極めて問題だと思っております。
 しかし、それにしても、この単年度の財源五兆円を、じゃ、引きますよ、ワンショットの財源引きます。それでも十六・八兆円から五兆を引くと約十二兆円の財源は出ると約束したわけですから、それが本当だったらば、やはり消費税の増税は当面必要がない、かなり先送りできる、あるいは率ももう相当小さくできるということになるわけでありまして、そういうことを考えますと、私はこの十六・八兆円のところが、もう消費税の増税を提案した時点でこれはうそだったということを認めたことになると思うんですね。
 野田総理は消費税についてはマニフェストには記載していなかったと言われるわけでありますが、多くの民主党の議員は、マニフェスト実施のために十六・八兆円必要だ、しかし、これは無駄を見付けて予算を組み替えることによって実施します、消費税は四年間上げません、国債も増発しませんとまで堂々と言っていました。私は、ここで申し上げたいことは、今申しましたように、この十六・八兆円の財源を出せるとマニフェストで約束した、しかし、消費税の増税を提案したことによってもうこの十六・八兆円というのは破綻をした、うそだったということを認めたことになるんではないかということであります。
 午前中の審議で安住財務大臣は、平成二十四年度予算では、歳出削減二・九兆円、税制改正で一・一兆円、計四兆円の財源を出したと胸を張りました。七・七兆円という数字も出ましたが、これにはワンショットの財源が入っていますから一応恒久財源で四兆円の財源を出したと、こう胸を張られましたが、マニフェストでは十六・八兆円出すと言っているんですよ。ですから、甘かったとか道半ばだというような次元ではなく、この十六・八兆円はうそだったということだと思います。
 この十六・八兆円の財源について、国の総予算二百七兆円を全面組替えして生み出しますという実現できっこないこのマニフェスト、これを発表される前に野田総理はちゃんと見ておられましたか。野田総理は当時民主党幹事長代理だったわけですから、当然見ていたと思うんですね。こんな大風呂敷というか、うそをチェックできなかったんですか。
 総理、総理です。野田総理。(発言する者あり)総理。総理大臣に聞いています。
#281
○内閣総理大臣(野田佳彦君) まず、ワンショットのお金が入っていることが分かりにくくなっていることは間違いありません。ただ、税の無駄遣いというのは、恒久財源の確保と併せてこういうワンショットのお金の見直しもしていくということは、これは一つの姿勢だと思いますので、そこは是非御理解をいただきたいと思うんです。
 その上で、その上でですよ、マニフェストの主要事項は恒久財源を確保した上でやっています。これまでもやってきました。これからもそうします。マニフェストの財源確保ができなかった分を消費税を上げてお願いするのとは、これは筋が違いますので、そこは是非、ちょっと誤解をされてはいけないと思いますので、あくまで社会保障の充実、安定化のために消費税を引き上げるという話なので、これは整理をさせていただきたいと思います。
 その上で、今お尋ねがございました、このときにマニフェストの中身を知っていたかと。これはやっぱり候補者の一人として、また党の幹事長代理としてマニフェストができた後にこういうものを見て、そしてこれを踏まえて私がお話をしたということは事実でございます。
#282
○中川雅治君 できる前に、発表される前に、じゃ、見ていないんですか。幹事長代理が、このマニフェストを発表されてから候補者の一人として見たと、こういうお話ですよね。
 それじゃ、発表前に幹事長代理は見ていなかったと、こういうことですか。
#283
○国務大臣(岡田克也君) 中川委員、その表ですけれども、かなりのことはできているわけですね。例えば、一番上に書いてあります公共事業一・三兆円ですね、これは一〇〇%できております。それから、人件費は一・一兆、これは残念ながら半分ですが、五千億までは来ております。それから、税のところは二・七兆、これは残念ながら配偶者控除の廃止ができていないために一・一兆しかできていないということでございます。大きいのは、この庁費とか委託費とか、こういうところの六・一兆がやはり甘かったということはそれは言えると思いますが、現に今努力をしているところでございます。
 委員、今、十六・八兆と、十六・八兆というふうに言われましたが、実は十三・二兆という数字を歳出の方は我々マニフェストの中で書いているわけで、ある程度のバッファーがあるということは前提にして数字は出させていただいているということも併せて申し上げておきたいと思います。
 私は、幹事長として事前にもちろんこのマニフェストの作成にかかわった者でございます。
#284
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 中身の策定にはかかわっていませんけれども、当然党の、民主党の幹事長代理も一つの幹部だと思いますので、当然できたものについては責任を負っているというふうに理解をしています。
#285
○中川雅治君 それでは、このマニフェストを作ったのはどなたなんでしょうか。そして、このマニフェストを責任持ってチェックした方はどなたなのか、具体名を挙げて教えてください。
#286
○国務大臣(岡田克也君) 私、当時の幹事長でありますので、私は責任者の一人でございます。
 五月に幹事長に就任したときに、かなりの原型はできておりました。そこからいろいろ削ったりというところはございましたが、最終的に私は幹事長としてこのマニフェストについて責任を負う一人でございます。
#287
○中川雅治君 この十六・八兆円、出るんだといって、この表を、原型を作った方はどなたなんでしょうか。どういう方が作ったんですか。総理にお聞きしたいと思います。
#288
○内閣総理大臣(野田佳彦君) いや、これ当然、政調を中心にまとめて、それぞれの関係する部門からのボトムアップもあった中で最終的に執行部が集約をしたというふうに思います。
#289
○中川雅治君 具体名、その政調のどなたなんですか。どういう方ですか。
#290
○国務大臣(岡田克也君) 当時の代表は鳩山さん、そして選挙の責任者は小沢さん、幹事長は私でございます。
#291
○中川雅治君 責任者を聞いているのではなくて、実際にこの数字を算定して作った方ですよね、これをお聞きしたかったんですが、まあ、どうも教えていただけないようであります。
 それで、実際にこのマニフェスト、できているのもかなりあるとおっしゃいましたが、先ほど、ワンショットの財源を入れたって二十四年度予算では七・七兆円、入れなければ四兆円なんですね。だから、もう、できたと、できている部分もあるなどという、そういう説明が全く私はおかしいと思います。
 高速道路の無料化や子ども手当等々、民主党の歳出面のマニフェストが総崩れになったということは、いかに民主党のマニフェストがいいかげんであったか、これも極めて問題であると思いますが、この十六・八兆円の財源を生み出せますという約束が全く私はもうでたらめだったと思います。これは誠に罪が重いと思うんですね。今日はその実態が国民の皆様方の前に明らかになったと思います。
 次の質問に参ります。
 野田総理は消費税増税の必要性を先ほど説明されました。私も同感するところは多いわけでございます。しかし、一方で、消費税の増税は不要であるということを主張される政治家も、これは民主党の中にも大勢おられるし、おられたわけでありますが、また経済学者やエコノミストの方でも、テレビや新聞、雑誌等でそういうことを発言される方は誠に多いわけであります。
 消費税の増税を国民の皆様方にお願いするのであれば、この消費税増税の必要性を説明するということは当然ですけれども、消費税の増税は必要ないという理由をいろいろ並べるこういう政治家やエコノミストなどのそういう議論に一つ一つしっかりと反論をしていくということも私は大事だと思います。
 それで、もう既に今までの質疑で出たことが多いわけですけれども、もう一度簡単に一つ一つお聞きしますので、簡潔にお答えをいただければと思います。
 国の債務は一千兆円を超えている、しかし、一方で、国は六百兆円を超える資産を持っているから日本の財政状況は悪くない、増税の必要はないと、こういう議論がよくありますが、安住財務大臣、もう一度しっかりと簡潔に反論していただきたいと思います。
#292
○国務大臣(安住淳君) 今先生から御指摘ありましたが、この六百二十五兆円は、グラフの黄色の部分にお示しをいただいておりますが、特に大きいところを申し上げますと、運用寄託金は、これは年金積立金でございます。それから、有形固定資産の部分というのは、これは道路とか橋とか、いわゆる公有財産でございます、公共用財産でございますので、ほとんどこれは、計上はしますが、売却はほとんど無理なものでございます。
 それから、そのほかでいうと、貸付金については、これは財投の資金貸付けでございまして、これは財投債という別の借入調達によって資金調達をしておる資産であります。さらに、出資金については、先ほども申し上げましたが、国公立大学、国際機関等に対して行っているものでございますから、これらはまさに市場で売買されるような対象ではございません。
 これらが私どもの今お示ししている資産でございます。
#293
○中川雅治君 おっしゃるとおりだと思うんですね。国には六百兆円の資産があるから日本は大丈夫だと、こういう言い方をしますと、多くの国民の方は、それじゃこの六百兆円を全部売れば国の借金の返済に充てられる、あるいは増税なんかは必要ないと、こういうふうに考えてしまうと思います。ですから、この国の資産六百兆円のうち、売り払って財源とすることができる資産というのはどのくらいあるんでしょうか。
#294
○国務大臣(安住淳君) これは、中川先生は大蔵省の理財局長でいらっしゃいまして、売却をするのは多分理財局では土地それから保有株で、本当に今行っている政府の行政の中で可能な限りということに絞られてくるのではないかと思っております。
 ですから、そういう点からいうと、売却対象資産というのは国有地、今でいうと大体九百二十九億円、さらに政府保有株でいえば、さきの国会で合意をさせていただいていますJT株、さらに今回の法律改正が成りました例えば日本郵政の株等が、果たしてどれぐらいの額で売れるか等は分かりませんが、そうしたものの売却益はある程度見込めるのかなというふうには思っております。
#295
○中川雅治君 実際にはもう本当にオーダーが違うわけですよね。やはりこうした現実というものは国民の皆様に分かっていただかないと、国の資産は六百兆円という言葉が独り歩きして、国民の皆様をミスリードしてしまうというふうに思います。是非、財務大臣は、正確な情報提供に努められるようにお願いをいたします。
 それからもう一つ、もう既に出た議論ですけれども、平成九年度における消費税の引上げがその後の景気後退の主因となったという議論がございます。現在のデフレ下で消費税を引き上げれば更なる景気後退を招く、平成九年度の反省に立つべきだと、こういう見解がございますが、ここは当時の状況をしっかりと分析してから論ずるべきだと思います。
 午前中の櫻井議員の質疑にもございましたが、平成九年度におきましては、消費税率の引上げによる負担増が五・二兆円、特別減税、社会保険料の引上げ、医療費の負担増などが重なりまして総計約九兆円の負担増になったのであります。そして、悪いことに、平成九年七月のアジア通貨危機、十一月の金融システムの不安定化という大きなショックがございまして、北海道拓殖銀行や山一証券の経営破綻などがあり、貸し渋り、貸し剥がしという事態が生じたわけであります。ですから、私は平成九年度の消費税引上げがその後の景気後退の主たる原因だとは考えておりません。むしろほかの複合要因の方が大きかったというふうに思います。現に、平成九年度以降、住宅投資や設備投資は大きく落ち込んでおりますが、民間消費はそれほど落ちておりません。
 消費税を引き上げれば景気が悪くなる、これは平成九年度の経験に照らして明らかであるということを主張される方、誠に多いのでありますが、これはしっかりと反論をすべきだと思います。私はもちろん成長戦略を立ててしっかり実施していくことは当然必要なことだと思いますが、平成九年度の状況についてはもっと反論をしていただきたいと思います。政府は、増税の必要性を説明するだけでなくて、不正確で間違った論理で増税反対を主張する方にきちんと反論する努力をしていただきたいということを重ねて申し上げておきたいと思います。
 安住大臣、よろしいでしょうか。
#296
○国務大臣(安住淳君) 御指摘のとおりでございます。
 九七年以降の景気後退につきましては、七月以降のアジア通貨危機、十一月の金融システム不安定化、今先生御指摘のように、消費税率の引上げのみを取り上げて評価することは決して適当ではないと考えております。
 このことについては内閣府としても様々な角度から実はリサーチはしっかりやらせていただいております。結果、消費支出については、税率引上げ直後の九七年第二・四半期には駆け込みへの反動で急落をいたしましたが、第三・四半期には同年同期比で増加をしており、短期間で回復をしております。こうしたことを考えますと、短期的に確かに落ち込みはありますが、平年化していった場合、やはり税収を含めて確実に私は消費税というものが安定的な財源になっていると。
 それから、先生御存じのように、所得税と法人税は累次の経済対策等で引き下げたりしておりますので、全体的に勘案をすれば、このときの消費税を三%から五%に上げたことによって景気が著しく悪化したという考え方は、少し私は余り根拠がないというか、適当なコメントではないというふうに思っております。
#297
○中川雅治君 それでは次、基礎的財政収支、プライマリーバランスという言葉がございます。これは、その時点で必要とされる政策的経費をその時点の税収等でどれだけ賄えているかを示す指標であります。
 民主党政権は、平成二十二年六月二十二日に財政運営戦略というものを閣議決定いたしまして、国、地方の基礎的財政収支、プライマリーバランスを、二〇一五年度までに赤字対GDP比を二〇一〇年度から半減、それから二〇二〇年度までに黒字化という目標を定めました。
 今回の消費税増税によって二〇一五年度の目標は達成できるのでしょうか。
#298
○国務大臣(安住淳君) 消費税のこの一五年の一〇%が半年後ろにずれたものですから、一五年きっちりにはマイナス、プライマリーバランスで、三%ちょっと、目標をここまでは行きません。しかし、平年化をすればそこまで行くということでございますが、今先生から御指摘のお話は、では二〇年にこの残りのプライマリーバランスをどういうふうにゼロ化をしていくかということですが、この目標をしっかり私どもとしては下ろさないで、何とかやはり二〇二〇年に、国際公約もしておりますプライマリーバランスのゼロに向かって様々な、税収を上げたり、また歳出のカットをしっかりやっていったり、そうしたことをすることで、私は何とかこのプライマリーバランスを二〇二〇年にゼロにたどり着きたいというふうに思っております。
#299
○中川雅治君 二〇二〇年度に黒字化と、こういう目標を達成するために様々な努力をしたいと、当然のことだと思います。
 しかし、実際に歳出削減がどこまでできるのか、消費税以外の税目による歳入増がどこまで図れるのか、成長率がどうなるのか、いろいろな要因はあると思いますが、実際には民主党政権での歳出削減、なかなか進みませんでした。そして、社会保障費は団塊の世代がこれから高齢化するに伴ってどんどん自然増が出てくるということで、結局は消費税に頼らなければならない部分も大きくなると思います。
 ということで、この二〇二〇年度までに黒字化という目標を達成するには消費税率を、いろいろ仮定を置かなきゃいけないと思いますけれども、何%にしなければならないと考えておられますか。
#300
○国務大臣(安住淳君) 私どもが、これは慎重シナリオでいいますと、一五年の時点で、消費税が一〇%に上がった時点で計算をすれば、慎重シナリオで、まだそれでも十六兆円台の半ば、十六・六兆円程度お金がまだ足らない、プライマリーバランスをゼロにするにはそこの均衡が必要だということでございます。
 ですから、それは消費税何%という考え方ではなくて、この十六兆円台半ばの税収をどういうふうにするか、また歳出のカットも含めて、できるだけやはりそういうものを、総理は成長の道を含めて三つの道ということをいつも御指摘なさいますが、その三つをうまく複合的にかみ合わせてこの十六兆円台半ばというものを達成したいというふうに思っております。
#301
○中川雅治君 今回、消費税を一〇%まで引き上げるお願いを国民にされるわけですから、その後更に何%まで引上げをお願いしなければならないと具体的な数字を挙げるということは避けたいという気持ちは分かりますが、私個人が試算しますと、この二〇二〇年度にプライマリーバランスを黒字化するには、他の条件を大きく動かさなければ消費税率を一七%にしなければならないというふうに思います。さらに、この残高目標の公債残高の対GDP比を安定的に低下させると、こういう目標を達成するには消費税率を一七%より更に高くせざるを得ないというふうに思うんですね。
 プライマリーバランスを黒字化する、さらに国の債務残高のGDP比を若干でも下げていくということは、これは総理が先ほどおっしゃった、将来世代のポケットに手を突っ込むことはもうやめようと、まさにそのことなんですね。将来世代の負担に何でも先送りするということをやめるということは、この公債等残高の対GDP比を少しでも下げていくということにほかならないわけでありまして、それを実現するには、実はもう本当にこれは後ろに大変な決断が迫られているわけであります。
 政治家は、つらいけれども、国民の皆様方に本当のことを伝えて今後の見通しを示した上で理解を求める努力を続けることが責務だと思います。総理にその覚悟はおありかどうか、最後にお聞きして、質問を終わりたいと思います。
#302
○内閣総理大臣(野田佳彦君) この財政運営戦略は、たしかトロント・サミットで発表したと思うんです。各国はむしろ日本よりもこの目標、早いんです。二〇一三年までにプライマリーバランスの赤字を半分にして二〇一六年ぐらいまでに黒字化するというそのペースからすると、ただ日本は少子高齢化が進んでいて借金がもうずっとかさんできましたから、こういう形で国際社会においてもある種理解をしてもらっていますので、着実にこれを進めなければいけないと考えておりますし、それは将来世代のためでございますので、しっかり覚悟を持って前進をしていきたいと考えております。
#303
○中川雅治君 終わります。
#304
○水落敏栄君 自由民主党の水落敏栄でございます。よろしくお願いいたします。
 私は、子ども・子育て三法案に関連をいたしまして、主に幼児教育の質の向上について質問をさせていただきます。
 自公政権下で平成十八年に約六十年ぶりに改正された教育基本法では、第一条に、教育の目的として、人格の完成や国家、社会の形成者として心身共に健康な国民の育成を規定をいたしております。そして、この教育の目的を実現するために、第二条に、幅広い知識と教養を身に付け、真理を求める態度や、個人の価値を尊重してその能力を伸ばすこと、生命を尊び、自然を大切にし、環境の保全に寄与する態度、伝統と文化を尊重し、それを育んできた我が国と郷土を愛することなど、今日重要と考えられる五つの具体的な教育の目標を新たに規定をいたしております。
 我々が教育制度について議論する際には、常に教育基本法にのっとり、教育の目的と教育の目標を達成できる制度になるかということを踏まえて臨む必要があることをまず確認をしておきたいと思います。
 そして、改正教育基本法では、第十一条に、旧法にはなかった幼児期の教育について新たに規定がされました。
 まず、議論の立ち上げとして、教育基本法の幼児期の教育に関する規定の趣旨について、文部科学大臣より御説明をお願いいたします。
#305
○国務大臣(平野博文君) 委員の御指摘でございますが、教育基本法における幼児期の教育についてと、この部分でございますが、私どもとしましては、幼児期の教育は、子供の基本的な生活習慣を育て、道徳性の芽生えを培い、学習意欲や態度の基礎となる好奇心や探求心を養い、創造性を豊かにするなど、生涯にわたる人間形成の基礎を培う上で極めて重要な役割を担っている、こういうふうに理解をいたしております。
 このことを踏まえ、幼児期の子供の育ちの重要性を意識をし、幼児教育を教育改革の優先課題としてとらえ、平成十八年の教育基本法改正時におきまして、幼児期の教育について新たな条を設け、国や地方公共団体による振興について規定されたと認識をいたしております。
 以上でございます。
#306
○水落敏栄君 ただいまの文部科学大臣の答弁でも、教育基本法に明確に規定されている幼児期の教育の重要性は明らかだと、こういうことであります。しかしながら、民主党政権はマニフェスト関連政策である高校授業料無償化を幼児教育の充実よりも優先をいたしました。四千億円もの財源を投入する高校授業料の無償化は、あくまで何らかの教育上の目的を達成するための手段であるはずですけれども、その目的たる高校教育が果たすべき理念や目標、教育基本法の関係などについて明確な説明がなかったことから、ばらまき政策であるとの批判を免れ得ないということになっていると思います。
 子ども・子育て三法案により実現される新制度においては、消費税の増税により七千億もの財源を投入するわけでありますから、従来よりも質の高い幼児教育や保育が実現できなければなりません。子ども・子育て支援法案の附則では、「政府は、教育・保育その他の子ども・子育て支援の量的拡充及び質の向上を図るための安定した財源の確保に努めるものとする。」とされており、幼児期の教育の質の向上が義務付けられています。
 自民党の提案者に、新制度によってどのように幼児教育の質の向上を図るのか、お伺いをいたしたいと思います。
#307
○衆議院議員(馳浩君) 今、水落委員がおっしゃっていただいたとおり、安定的な財源を確保して量的な拡充とともに質の向上を図ると明文化したことはまずよかったと思っています。その上で幼児教育の質の向上とは何だという具体論に入っていくのが、まさしく、法案の審議もそうですし、成立をしてから施行までの一番重要なポイントだと思っています。
 例えば、今実は子供の数は減ってきておりますが、発達障害児が残念ながらちょっと増えているという報告をいただいております。専門的な知識、そしてまた保護者への対応、それから園としての対応を踏まえて、やはりきめ細かい対応が求められると思いますし、今、昨今いじめの問題等々もございますけれども、基本的な生活習慣とか規範意識、このことをしっかり現場で対応できるようにという先生方の充実も必要だと思います。
 それから、先ほど教育基本法の改正のことをおっしゃっていただきました。当時、私は副大臣を拝命いたしておりまして、その改正のときには、学校教育と家庭教育と地域の教育、これは関連性を持ちながらより良いあしたを担う子供たちを育てていこうじゃないかという、この規定も盛り込んだところでありますので、学校ばかりでもない、家庭でもない、地域だけでもない、お互いに連関性を持ちながらみんなで子供をより良く育てていきましょうという、そういう理念がうたわれたわけでありますから、その趣旨にのっとって、今後やっぱり与えられた財源を有効に使っていくということが必要だと、このように考えております。
#308
○水落敏栄君 ありがとうございました。
 幼児教育の質の向上、本当に大事なことであります。これからは幼児教育の質の向上に関する具体的な課題についてちょっと取り上げてまいりたいと思います。
 現在、多くの小学校に小一プロブレムと呼ばれる問題が生じております。これは、授業中に勝手に教室の中を立ち歩いたり、教室の外に出ていったり、あるいは担任の指示どおりに行動しない、それから児童同士のけんかやトラブルが日常的に起きている、私語が止まらずざわざわしている、こうした現象がございまして、集団教育を受けるための最低限の規範意識が子供たちに存在しないために集団教育が成り立たなくなっている、こうした問題であります。
 学校教育法の第二十二条、第二十三条では、幼稚園に就学前教育を行う学校としての位置付けを与え、集団生活を通じて、喜んでこれに参加する態度を養う、自主、自律及び協同の精神並びに規範意識の芽生えを養う、こうしたことを目標といたしております。
 今後、新制度においても、幼稚園、保育所、認定こども園を通じて、より就学前教育を充実し、集団教育を受けるための基礎、規範意識を育むべきだと考えておりますけれども、これも自民党の提案者に見解をお伺いしたいと思います。
#309
○衆議院議員(馳浩君) 小一プロブレムが言われるようになって久しいんですけれども、なぜなのかという現場のお声は、保育所から上がってきたお子さんと幼稚園から上がってきたお子さんがいきなり三十名から四十名の集団として、それをやっぱり小学校の先生が指導するには非常に指導がしづらくなってきたと、その原因はまさしく今、水落委員おっしゃったとおりであります。
 じゃ、どうするかということを考えれば、小学校の先生と保育士さんや幼稚園教諭が情報を共有し合うというのが一つのポイントだろうと思いますし、あるいは、保育所や幼稚園における個別のお子さんの情報ですよね、この情報を共有し合って、保育所や幼稚園の子供が小学校に体験で行ってみたり、逆に小学校の教諭が保育所や地域の幼稚園に顔を出して情報を共有し合ったりしながら、さすがにちょっと大変なことではありますけれども、お互いに情報を共有し合いながら、やっぱり合意の下で共に集団生活を築いていきましょうという、そういった方向性に導いていくことが重要だと思っています。
#310
○水落敏栄君 ありがとうございました。
 私は、次に、特にいじめの防止に向けた就学前教育の必要性について取り上げてまいりたいと思います。
 昨年十月に滋賀県大津市で、同級生からいじめを受けていた中学二年の男子生徒がマンションから飛び降りて自殺をしてしまいました。誠に残念なことであります。静岡県浜松市で六月に、中学二年の男子生徒がこれまたマンションの屋上から転落した件では、教育委員会が、生徒が自殺した可能性が高いと見て中立的な第三者委員会に原因の調査を委ねることを決めております。
 児童生徒が自らの命を絶つということは決してあってはならないことでございまして、我々は極めて深刻に受け止めなければなりません。いじめはどの学校でもどの子にも起こり得る問題でございまして、いじめは人間として絶対許されないとの規範意識を学校教育全体を通じて改めて児童生徒一人一人に徹底する必要があると思います。
 幼稚園や保育所は、子供たちが初めて、さっきも申しましたけれども、集団生活を行う場所でございます。規範意識は心の成長とともに発達するものでございまして、新制度においても、発達段階に応じて、例えば友達を思いやるとか、こうしたことを育むための教育、道徳教育でございますけれども、これを就学前教育として私は充実すべきだと思っておりますけれども、これまた自民党の提案者に見解をお伺いしたいと思います。
#311
○衆議院議員(馳浩君) 家庭教育から初めて幼稚園、保育所に入り、集団の中に子供さんが生活し始めると、やっぱり競争が始まります。それからやっぱり、どちらかというと人を認めるよりも自分を認めてほしいという、見て見て症候群のような形が増えてくると、いじめの定義ということをまず理解してもらう必要があると思いますよね。力の強い子が弱い子をいじめないようにとか、集団で一人の子供をいじめないようにとか、いじめとは何なのといえば、暴力とか言葉とか、あるいは無視をしたりするとか、そして、そういう状況を見て見ぬふりをするのも駄目だよと。そういうことをされたらどういう気持ちになるだろうか、こういうことをやっぱり丁寧に丁寧に就学前に理解すること、そして、やっぱり自分の気持ちを平穏にコントロールできるようにしていく。
 もしいじめをしそうになったら、されそうになったらどうするか。そのために助けてもらう先生がいる、保育士さんがいる。とするならば、園としてやはり事実をしっかりと把握をして、すぐに平穏な状況に導くような対応をすると。今回の大津市の問題でも、大変痛ましい現状でありますけれども、まさしくこの部分が就学前においてもきちんとなされていること、また、学校教育の現場において必ずなされることという合意がなければ、保護者も安心して学校に送ることはできないんじゃないでしょうか。
 以上です。
#312
○水落敏栄君 ただいま御答弁いただきましたけれども、やはり就学前の子供たちにもきちっとした教育、いわゆる友達を思いやるとかという道徳教育をしっかりとやっぱり教えていかなくちゃいけないんだと、このように思っています。
 先ほど申し上げました大津市の件でありますけれども、子供を守るべき学校、教職員の対応に問題があり、自殺という最悪の事態に至った後の教育委員会の対応も、いじめの事実を隠蔽するなど、不適切でございます。そして、生徒、保護者を始め、国民の信頼を著しく損なってしまったと私は思っています。
 現に今、いじめに苦しんでいる子供たちのために、また今回のような事件を二度と繰り返さないためにも、徹底した事実関係を究明し、また再発防止策を講じなければなりませんけれども、十一日には、滋賀県警が学校と教育委員会を強制捜査するという極めて異例の事態となりました。学校や教育委員会は、これまた当事者能力を失っているように私は思います。このようなときこそ文部科学省が責任を持って事態の解決に取り組むべきでありますけれども、残念ながら、取組が遅くて積極的な動きが見えていないと思っています。
 平成十八年に、前年に発生した北海道滝川市、小学校での小六女児いじめ自殺事件で、学校や教育委員会が遺書の存在を知りながら隠蔽した事実が判明した際には、自公政権は直ちに当時の池坊保子副大臣を現地に派遣をしております。
 先ほどからチルドレンファーストという言葉が度々出てきておりまして、法案審議の際にも民主党議員が述べられましたけれども、これは未来を担う子供たちに投資すると同時に子供たちの人権を守るという二つの立場に立ったものであると説明がされております。生徒が自らの命を絶つという最悪の人権侵害に至ったわけでありますから、野田総理はまさに政治生命を懸けてこの事態の解決といじめの防止に取り組むべきと考えます。
 総理に解決に対する御決意を伺うとともに、その後文部科学大臣にも具体的な取組をお伺いしたいと思います。総理、よろしくお願いします。
#313
○内閣総理大臣(野田佳彦君) まずは、亡くなられました大津市立中学校の男子生徒の御冥福を心からお祈りを申し上げたいというふうに思います。
 大津市では、いじめ問題を含め自殺の背景に何があったのか再調査する方向と聞いておりますが、文部科学省も昨日から大津市に職員を派遣して支援に当たっているところでございます。今後、事案の解明が進むものと考えております。
 子供が自ら命を絶つということは、これは理由のいかんを問わずあってはならないことであり、子供の命は絶対に守らなければならないと思います。このため、政府としては、いじめの早期発見、早期対応の体制の推進、スクールカウンセラーの配置、二十四時間いじめ相談ダイヤル事業の実施などの相談体制の充実などに努めているところでございます。
 先般もテレビで申し上げましたけれども、もしいじめられているお子さんがいるとするならば、それはもう、あなたは独りではない、あなたを守る人がいる、助ける人がいる、そう信じて、必ず、身近な親御さんであるとか先生であるとか友達であるとか、あるいはこういう相談の窓口に是非相談をしていただきたいというふうに思います。
#314
○国務大臣(平野博文君) 先生からの御指摘でございます。
 総理から今御答弁いただきましたが、総理の方からも、この問題、子供の命がなくしているんだということでしっかり対応するようにと、こういう御指示もいただきつつ、私どもとしましては、私がちょうどこの問題について報道で知り得たのが七月の六日でございました。これは大変なことになっているということで、改めてこの原因の究明をしっかりするようにということと、やっぱりあってはならない事案でございますから、二度と起こさないと、この再発防止に全力を挙げて尽くさなきゃならないと、こういう観点で昨日十七日から三名の文科省の職員を派遣をいたしました。
 また、残念ながら警察の捜査が入ったと、こういうことで、極めて異例なことの事案でございました。
 私ども文科省としましては、県教育委員会に子供が学校において落ち着いて学習できる環境を整えるように人的な支援体制を要請をしてきたところでございますが、当中学校におきまして、生徒の心のケアの充実を図るためのスクールカウンセラー、これ三名を今常駐をいたしておるところでございますし、また県教育委員会の指導主事二名を市の教育委員会に派遣をいたしているところでございます。
 特に、今日まで文科省としては、背景調査、アンケート等々、本当にこの原因究明の一番核心を取るような、アンケートの結果で得られるのか、このことも含めてしっかりとこの問題についてはやり替えなきゃならないと、こういうことも想定しつつ、今原因究明に全力を挙げて努めているところでございます。
 文科省としては、先生、対応が遅いと、こういう御指摘でありますが、この問題につきまして、私は極めて重要な問題であると、こういう認識の下に全力で尽くす決意でございますので、是非御理解をいただきたいと思っております。
#315
○水落敏栄君 ただいま総理の御決意、そして文科大臣から全力でやると、取り組むという御答弁がありました。具体的には、事務方の職員三人を昨日から派遣をしていると、こういうことでございますけれども、特に繰り返しますが、もっと早く対応すべきだと思っています。
 しかも、私言いたいのは、事件が起きた滋賀県には滋賀県選出の奥村文部科学副大臣もおられるわけです。民主党は政治主導を看板にしておられるわけですから、こうした重大な事柄に鑑みて、事務方でなくて政務三役をしっかり派遣してしっかりと対応すべきだと、こう思いますけれども、総理、いかがですか。
#316
○国務大臣(平野博文君) そのことも、先生御指摘のように、考えました。ただ、今一番大事なことは、地元の大津市の市長さんの方から第三者委員会を立ち上げたいと、そういう意味でやっぱり知見を持った方を派遣をしていただきたい、こういうこともございます。したがいまして、県、それぞれ、市町村含めて、私ども政務の立場でもしっかり注視しながら、必要ならば私どもとしてもそれに対処したいと考えておりますので、是非、政務が出ていかないから云々じゃなくて、この問題を一番落ち着かせることと、一番の原因究明をすることによって再発防止をする、このことが一番大事だと思っておりますので、是非御理解をいただきたいと思います。
#317
○水落敏栄君 次に進みます。この問題は文教委員会等でもしっかりと議論していきたいと思います。
 次に、今回の修正で、当初の政府案でありました学校教育を行う制度と位置付けられた総合こども園への株式会社の参入が取りやめられたこと、これについて私、高く評価したいと思います。
 学校教育は、教育基本法に従いまして、教育の目的の下、次の世代の我が国を担う国民を育てるという教育の目標を達成するため、総合的に人間的に優れた子供を育成するために行われるべきであり、利益を上げることを至上命題とする株式会社の性格とは基本的になじまない。すなわち、いかに利益を出すか、コストを削減するかという市場原理の下では、一人一人の子供を大切にして十分に手を掛けた教育を行うことすらも削減すべき高コストとされてしまう危険性が高くて、子供をコストとしてとらえることは学校教育の目的と完全に相反する、こうしたことだと思います。こうしたことから、学校を設置できるのは教育基本法第六条で国、地方公共団体、法律に定める法人に限られているのでありまして、自民党は学校教育への株式会社の参入について強く反対してまいりました。
 ここで、自民党の提案者に、今回の修正で株式会社の参入を取りやめた理由について確認のためにお伺いしたいと思います。
#318
○衆議院議員(馳浩君) 小宮山大臣の立場も踏まえてちょっと説明させていただきますけれども、総合こども園をつくるという当初の計画のときには、十年間掛けて保育所を全部総合こども園にしてしまおうということになっていました。そうすると、保育所には認証保育所とか株式会社、NPO法人など入っておりまして、ここは恐らく文科省と厚労省でいろんなやり取りがあったと思いますが、恐らくそういう経緯も踏まえて総合こども園には株式会社を参入させるということになったんだと思います。
 けれども、もし私が文部科学大臣だったら、絶対に株式会社の参入は阻止をしたと思います。
 一例を挙げれば、例えば、私、学校で教員をやっておりましたが、いわゆる保育教諭という言い方もありましたけれども、先生が、株式会社の場合にはパートとか一年契約という先生がいたらどうします。特に就学前のお子さんたちを預かる責任のある立場の人が、もうけを優先する株式会社の中で、じゃ、あなたは任期制ねという先生が増えるような状況になっては、これはやっぱり安心して教育を、特に幼児教育を提供していくことができないんじゃないでしょうか。
 これは一例を申し上げただけでありますけれども、したがって、教育基本法第六条で公の性質を有すると言う以上は、やはり安定性、継続性といったものの観点から株式会社は参入させるべきではないという観点から、幼保連携型の認定こども園を拡充していくという案で三党で合意を得て今回の修正に至ったという、そういう経緯でありますので、是非御理解をいただきたいと思います。
#319
○水落敏栄君 ありがとうございました。
 ただいまの立法者の答弁を踏まえて、今後とも学校教育の一環としての幼児教育については株式会社を参入させるべきではないと考えます。
 提案者の馳先生が文部科学大臣だったら絶対に参入させないと、こう言っておりましたが、文部科学大臣の見解をお願いします。
#320
○国務大臣(平野博文君) 馳議員と比較されるのはつらいわけでありますが、委員御指摘のとおり、今回の修正案では、認定こども園については株式会社の参入は認めない、このこととなっております。
#321
○水落敏栄君 絶対参入させないということでよろしいですね。
 次に、財源の確保について伺いたいと思います。
 新制度の財源については、これに必要な一兆円のうち七千億円を消費税の増税で賄うということになっております。しかし、残りの三千億の財源については具体的に示されておりません。
 この三千億円の財源、どのようにしてつくるんでしょうか。かつて高校授業料無償化の財源をつくる際には、事業仕分によって学校耐震化とかあるいは科学技術、スポーツ、文化芸術などの予算が削減をし、さらに特定扶養控除の高校生の上乗せ分を廃止して財源としました。こうしたことから国民から厳しい批判を受けましたけれども、今回、同様のことが行われてはならないわけであります。
 三千億円の財源をつくるために他の必要な予算を削減することは行わないと、こう明言していただきたいとともに、どのようにこの財源をつくるのか、具体的な方法について総理にお尋ねをしたいと思います。
#322
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 三党合意によりますと、幼児教育、保育、子育て支援の質、量の充実を図るため、今回の消費税率の引上げによる財源を含めて一兆円超程度の財源が必要であり、政府はその確保に最大限努力するものとする旨盛り込まれたことは、これは大きな意義があると思います。その三党合意を踏まえまして、子ども・子育て支援法案の附則に、幼児教育、保育、子育て支援の質、量の充実を図るため、安定財源確保に努めるとの規定が追加をされました。
 財源については、今回のこの三党合意と法案の附則に基づきまして、その確保のため政府全体の予算の中で最大限努力をしてまいりたいと思います。
#323
○水落敏栄君 三千億の財源の、どこから持ってくるのかということについては全く答弁がございません。
 七月十一日の参議院の本会議における我が党の橋本聖子議員が同様の質問がありましたけれども、三千億の財源について具体的な答弁、今ございません。あれから一週間もたっておりますのに、その財源について全く検討していないと、こう受け取れますけれども、それでよろしいんですか。
#324
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 先ほども御答弁申し上げたとおり、一週間たったから何か変わったかということではありません。あくまで政府全体の予算の中で最大限努力をすると、必ず実現をするということでございます。
#325
○水落敏栄君 時間が来ましたので、この辺で終わります。
 ありがとうございました。
#326
○委員長(高橋千秋君) 八案に対する本日の質疑はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
   午後五時四分散会
ソース: 国立国会図書館
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