くにさくロゴ
2012/07/20 第180回国会 参議院 参議院会議録情報 第180回国会 社会保障と税の一体改革に関する特別委員会 第5号
姉妹サイト
 
2012/07/20 第180回国会 参議院

参議院会議録情報 第180回国会 社会保障と税の一体改革に関する特別委員会 第5号

#1
第180回国会 社会保障と税の一体改革に関する特別委員会 第5号
平成二十四年七月二十日(金曜日)
   午前九時二分開会
    ─────────────
   委員の異動
 七月十九日
    辞任         補欠選任
     大島九州男君 ツルネン マルテイ君
     牧山ひろえ君     梅村  聡君
     蓮   舫君     川合 孝典君
     世耕 弘成君     高階恵美子君
     林  芳正君     上野 通子君
     松 あきら君     横山 信一君
     山本 博司君     竹谷とし子君
     又市 征治君     福島みずほ君
 七月二十日
    辞任         補欠選任
     川合 孝典君     藤本 祐司君
 ツルネン マルテイ君     大島九州男君
     大門実紀史君     田村 智子君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         高橋 千秋君
    理 事
                大久保 勉君
                櫻井  充君
                吉川 沙織君
                石井 準一君
                衛藤 晟一君
                中村 博彦君
                荒木 清寛君
                中村 哲治君
    委 員
                相原久美子君
                梅村  聡君
                大久保潔重君
                大島九州男君
                岡崎トミ子君
                金子 洋一君
                川合 孝典君
                川上 義博君
                鈴木  寛君
            ツルネン マルテイ君
                西村まさみ君
                林 久美子君
                藤谷 光信君
                藤本 祐司君
                礒崎 陽輔君
                上野 通子君
                片山虎之助君
                高階恵美子君
                塚田 一郎君
                中川 雅治君
                中西 祐介君
                水落 敏栄君
                宮沢 洋一君
                山崎  力君
                山谷えり子君
                若林 健太君
                竹谷とし子君
                横山 信一君
                姫井由美子君
                桜内 文城君
                中西 健治君
                田村 智子君
                福島みずほ君
   衆議院議員
       発議者      長妻  昭君
       発議者      柚木 道義君
       発議者      白石 洋一君
       発議者      鴨下 一郎君
       発議者      加藤 勝信君
       発議者      西  博義君
       発議者      和田 隆志君
       発議者      江端 貴子君
       発議者      田村 憲久君
       発議者      馳   浩君
       修正案提出者   白石 洋一君
       修正案提出者   長妻  昭君
       修正案提出者   柚木 道義君
       修正案提出者   加藤 勝信君
       修正案提出者   鴨下 一郎君
       修正案提出者   西  博義君
       修正案提出者   江端 貴子君
       修正案提出者   和田 隆志君
       修正案提出者   田村 憲久君
       修正案提出者   馳   浩君
       修正案提出者   稲富 修二君
       修正案提出者   岸本 周平君
       修正案提出者   古本伸一郎君
       修正案提出者   竹下  亘君
       修正案提出者   竹内  譲君
   国務大臣
       国務大臣     岡田 克也君
       総務大臣     川端 達夫君
       財務大臣     安住  淳君
       厚生労働大臣
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(少子化
       対策))     小宮山洋子君
   副大臣
       内閣府副大臣   石田 勝之君
       財務副大臣    藤田 幸久君
       文部科学副大臣  高井 美穂君
       国土交通副大臣  奥田  建君
       国土交通副大臣  吉田おさむ君
   大臣政務官
       内閣府大臣政務
       官
       復興大臣政務官  郡  和子君
       厚生労働大臣政
       務官       藤田 一枝君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        五十嵐吉郎君
       常任委員会専門
       員        塩見 政幸君
       常任委員会専門
       員        大嶋 健一君
       常任委員会専門
       員        松田 茂敬君
   政府参考人
       内閣官房内閣審
       議官       道盛大志郎君
       内閣府政策統括
       官        梅溪 健児君
       内閣府政策統括
       官        原田 保夫君
       総務省行政評価
       局長       新井 英男君
       厚生労働省保険
       局長       外口  崇君
       水産庁長官    佐藤 正典君
       国土交通省土地
       ・建設産業局長  佐々木 基君
       国土交通省水管
       理・国土保全局
       次長       山崎 篤男君
       国土交通省道路
       局長       菊川  滋君
   参考人
       日本銀行総裁   白川 方明君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○参考人の出席要求に関する件
○公的年金制度の財政基盤及び最低保障機能の強
 化等のための国民年金法等の一部を改正する法
 律案(内閣提出、衆議院送付)
○被用者年金制度の一元化等を図るための厚生年
 金保険法等の一部を改正する法律案(内閣提出
 、衆議院送付)
○社会保障制度改革推進法案(衆議院提出)
○子ども・子育て支援法案(内閣提出、衆議院送
 付)
○就学前の子どもに関する教育、保育等の総合的
 な提供の推進に関する法律の一部を改正する法
 律案(衆議院提出)
○子ども・子育て支援法及び総合こども園法の施
 行に伴う関係法律の整備等に関する法律案(内
 閣提出、衆議院送付)
○社会保障の安定財源の確保等を図る税制の抜本
 的な改革を行うための消費税法等の一部を改正
 する等の法律案(内閣提出、衆議院送付)
○社会保障の安定財源の確保等を図る税制の抜本
 的な改革を行うための地方税法及び地方交付税
 法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院
 送付)
    ─────────────
#2
○委員長(高橋千秋君) ただいまから社会保障と税の一体改革に関する特別委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 本日までに、林芳正君、世耕弘成君、松あきら君、山本博司君、又市征治君、蓮舫君、牧山ひろえ君、大島九州男君及び大門実紀史君が委員を辞任され、その補欠として上野通子君、高階恵美子君、横山信一君、竹谷とし子君、福島みずほ君、川合孝典君、梅村聡君、ツルネンマルテイ君及び田村智子君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(高橋千秋君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 公的年金制度の財政基盤及び最低保障機能の強化等のための国民年金法等の一部を改正する法律案外七案の審査のため、本日の委員会に参考人として日本銀行総裁白川方明君の出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(高橋千秋君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(高橋千秋君) 公的年金制度の財政基盤及び最低保障機能の強化等のための国民年金法等の一部を改正する法律案、被用者年金制度の一元化等を図るための厚生年金保険法等の一部を改正する法律案、社会保障制度改革推進法案、子ども・子育て支援法案、就学前の子どもに関する教育、保育等の総合的な提供の推進に関する法律の一部を改正する法律案、子ども・子育て支援法及び総合こども園法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案、社会保障の安定財源の確保等を図る税制の抜本的な改革を行うための消費税法等の一部を改正する等の法律案及び社会保障の安定財源の確保等を図る税制の抜本的な改革を行うための地方税法及び地方交付税法の一部を改正する法律案、以上八案を一括して議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#6
○林久美子君 おはようございます。民主党の林久美子でございます。本日は、子ども・子育て支援の新しい制度についてお伺いをしてまいりたいと思います。
 その質問に先立ちまして、まず、大津で発生をしたいじめ自殺事件についてお伺いをしたいと思います。
 私にも小学校四年生の息子がおりますけれども、これは政治家としてのみならず、一人の親として、本当にこういうことがもう二度と起きたらいけないんだと、こういう事件が起きるたびに私たちはいつもそのように思い、誓うわけですけれども、残念ながらこうしたことがまた起きてしまいました。少子化が言われている昨今にあって、せっかく生まれてきてくれた命で、大きな未来を持っている命がこんなふうに絶たれてしまうというのは本当につらくて、本当に胸が締め付けられる思いは多分皆さんお持ちだと思います。
 今回は、市長と市教委あるいは学校、県教委などの連携等々、やっぱりいろいろな課題もあったような気がするわけですけれども、こうした中で、文科省も今回職員を現地に常駐をさせていただくような取組もいただいておりますが、改めて、教育行政をつかさどる文科省に、こうしたことがもう二度と起こらないようにという御決意を高井副大臣に伺いたいと思います。
#7
○副大臣(高井美穂君) 林委員には、地元でもあられますし、いろいろと御心配の向き、本当に心中お察し申し上げます。そして、まず今回亡くなられた男子生徒さんの御冥福を心よりお祈りをしたいと思います。
 御指摘のとおり、子供が自ら命を絶つということは、本当に理由のいかんを問わず絶対にあってはならないというふうに思っています。お触れになったとおり、我が省としても三人職員を派遣しまして、今二人張り付きでおりますけれども、それに加えてカウンセラー等の充実もすぐ図りました。何といっても、当該中学校において子供たちが学校に落ち着いて学習できる環境を整えるということが今我々にとって大事でもありまして、一番できることを最大限やりたいというふうに思っております。
 これまで以上に、更に今回のことを受けて再発防止のために踏み込んだ対応というのが必要だと思っておりまして、本日、林委員も地元でありますが、地元の奥村副大臣が滋賀知事、それから大津市長、それからまた教育委員会等と面談を相次いで行って意見交換をさせていただき、バックアップの体制等も含め最大限検討したいというふうに思っております。
 具体的なこととしては、大津市のみならず全ての学校関係者に対して、いま一度いじめ問題への徹底した取組というものをお願いするとともに、学校、教育委員会だけで抱え込まずに、やはり文部科学省などの我々も、関係者が一丸となって取り組むよう全国に発信をいたしました。大臣談話も出させてもらいました。そして、それに加えて、いじめに悩む子供たちが二十四時間できるだけどこへでもアクセスして相談できるような体制をつくるということで、夜間、休日を含めて二十四時間いじめ相談ダイヤルというものを設置しておりますが、これについてもできるだけ見直す、見直すなり充実するなり、事務方へ早速指示をしましたので、その取組もしていきたい。それから、十七日に文科大臣が、平野大臣が国家公安委員長にも面会をいたしまして、再発防止に向けて、学校、警察それから教育委員会などの連携の枠組みの見直しについても検討するよう指示をしたところでございます。
 文部科学省として、まさに再発防止という観点から全力を挙げているところでありますが、引き続き、このようなことが二度と起こらないように、しっかり自殺予防など取り組んでいきたいと思っております。
#8
○林久美子君 ありがとうございます。
 子供たちのSOSをしっかりと見逃すことなく受け止められるように、しっかりとサポートいただきたいというふうに思います。
 では、早速、子ども・子育て支援の新制度についてお伺いをしたいと思います。
 提案者の皆さんを始め、実際に協議に当たられた三党の皆様方の御努力に心からまず敬意を表させていただきたいと思います。
 今回の三党合意を受けまして、マスコミなどでは、総合こども園断念とか、非常に文字が、言葉が躍ったわけでございます。しかし、私、今回のを拝見したときに、確かに大きなところでいえば、総合こども園という新しい名前をつくる、新しい法律を定める、あるいは株式会社の参入を認めるというようなことは政府は断念をされたと思います。しかしながら、我々が野党のときから取り組んできた、あるいは今、政権与党として政府の方でも取り組んでいただいた子ども・子育て新システム時代の精神とか基本的理念とか大きな仕組みというのは私はそのまま残っているというふうに思っておりまして、そういう意味については自民党さんも公明党さんも御理解をいただけたんじゃないかなというふうに思っております。
 今、改めて、この三党合意を経た後の新制度の評価について、まずは小宮山大臣にお伺いをしたいと思います。
#9
○国務大臣(小宮山洋子君) 林委員がおっしゃったとおり、やはり今回、三党で子ども・子育てについて合意ができたというのは本当に大きな一歩だと私からも感謝を申し上げたいと思っています。
 具体的には、政府提出法案が目指していた質の高い幼児期の学校教育、保育を一体的に提供をするということ、それから待機児童の解消、それから地域の子育て支援のための必要な仕組みを導入しようと考えていたわけですが、このかなりの部分は実現ができると思っています。
 具体的には、修正を経た現在の関連法案で、幼保連携型認定こども園、これは先駆的な取組だったわけですけれども、課題となっていた二重行政、財政支援が足りないということに対して、二重行政については単一の施設として認可、指導監督を一本化をする、そしてまた、施設型給付を創設して財政支援をするということ、学校と児童福祉施設としての法的位置付けを持たせて幼児期の質の高い学校教育、保育を一体的に提供できるようにしているということがあります。
 また、従来考えていた指定制度は導入しませんが、自治体が裁量によって需要があるのに認可しないということがないように、一定の基準を満たせば認可する仕組みといたしましたので、質を確保しながら保育等の量的拡大を図ることができると考えています。また、小規模保育とか家庭的保育、これは市町村の認可事業として財政支援を拡充をいたします。
 こうしたことによりまして、最初に申し上げたように、目指していた子ども・子育て支援のかなりの部分は実現ができると思っていまして、三党で合意をしたことは子供たちにとっても大きな前進だと思っています。
#10
○林久美子君 ありがとうございます。
 今、小宮山大臣の方からもうポイントの部分はほぼお話しいただいたかと思うんですが、もう少しちょっと詳しく伺ってまいりたいと思います。
 私も文科省の政務官時代に小宮山大臣と一緒にこの新システムづくりに取り組ませていただいてまいりました。当時を振り返りますと、やはりいろいろな類型が、当然、幼稚園があり保育所があり認定こども園があるんだけれども、その中で最も私たちが理想形に近いなと思っているのは、今お話しいただきました幼保連携型認定こども園、やはり教育機能と保育の機能を両方兼ね備えたものが、やはり保護者の就労形態にかかわらずに全ての就学前の子供にきちっと提供できる仕組みをつくらなくちゃいけないねということをポイントに据えて取り組んできたような気がいたしております。
 かつて、この認定こども園が導入された当時、平成二十四年度には二千か所ということを目標に掲げられてきましたけれども、残念ながらこの四月現在でもまだ九百十一か所にすぎません。何でなかなか広がらないのかというと、今大臣がおっしゃいましたように、幼稚園部分は文科省、保育所部分は厚労省、縦割りの行政がありました。こういう障壁をしっかりと解消していきたいね、認可も所管も給付も二元化されているものを何とかしていきたいねということを確認をしながら進んできたような気がいたしております。例えば、現場では、今この認定こども園ではどういうことが起きているかというと、例えば保育所の部分で作ったレタスは幼稚園の方では使えないとか、極論でいえばそういうこともあったり、先生方は文科省にも厚労省にも書類を書かなきゃいけなかったりということで、非常に現場は煩雑だったし、非常に不便なところがたくさんあったと。
 そうした意味では、今大臣おっしゃいましたように、幼保連携型認定こども園を今回拡充をしていくわけですけれども、その中で、障壁となってきた給付や認可や所管はしっかりと一元化をされるのかということを確認をさせていただきたいと思います。
#11
○国務大臣(小宮山洋子君) 今回の改革では、幼保連携型認定こども園について、先ほど申し上げたように、単一の施設として認可、指導監督等を一本化をするということ、また、認定こども園、幼稚園、保育所を通じた共通の給付として施設型給付をつくるということ、これで給付も一本化されます。それから、内閣府に子ども・子育て支援法と改正後の認定こども園法を所掌するための子ども・子育て本部を設置いたしまして、ここで所管も一元化をするということを考えています。
 さらに、認定こども園法の附則では、幼稚園教諭の免許と保育士の資格について、一体化を含めた在り方に関する検討規定が設けられましたし、子ども・子育て支援法の附則では、総合的な子ども・子育て支援を実施するための行政組織の在り方に関する検討規定、私どもは子ども家庭省をつくりたいと考えていましたが、名称はともかくとして、そうしたものを法公布後二年をめどに検討をするということも規定をされましたので、幼保連携の一層の強化、推進に留意をした内容になっていると思っています。
 これで、政府が幼保一体化により目指していた給付の一体化、施設の一体化、窓口の一元化、これが達成できるというふうに考えています。
#12
○林久美子君 ありがとうございます。
 今大臣がおっしゃった子ども・子育て本部、内閣府に置かれる、これは恐らくずっと私たちが申し上げてきました子ども家庭省の種になる部分なのかなという気がいたしております。ただ、子ども家庭省は、やはり省庁再々編の中でしっかりと議論をしなくちゃいけないと私は思っていまして、例えば教育側に寄せるのかとか保育側に寄せるのかとか、じゃ労働はどの辺まで入れるんだとか、いろんなケースも研究をしながら、本当に今子供たちにとってどうした形がベストなのかということを探る中で今回の種ができるわけですから、しっかりとスタートをいただきたいというふうにお願いをしたいと思います。つまり、幼保連携型認定こども園の障壁となっていた部分を解消してここに収れんをさせていこうということなんだと思います。
 ただ、一方で、今回は、例えば幼稚園に、待機児童のうちの八割がゼロ歳から二歳なわけですが、この部分の受入れを義務付けなかった、あるいは修正協議を経て保育所の移行も義務付けなかったということがありまして、本当にこれは待機児童の解消につながるんだろうかという声が聞かれています。
 一方で、私は、待機児童の解消には、こうしたものだけでなく、やはり個と個の関係が大事な年齢でもありますので、小規模保育所や保育ママというものも重要だと思いますが、小規模保育や保育ママは今ほとんど自治体の持ち出しでやっているので、財政力とか首長さんの政策優先度によって大分差があるということがあるわけでございますけれども、こうしたことを踏まえて、三歳未満の子供の受入れを今回どうやって促進をしていくのか、また保育ママや小規模保育所の拡充はどのようにやっていくのか、その結果としてちゃんと待機児童の解消につながるとお考えでいらっしゃるのか、お聞かせをいただきたいと思います。
#13
○国務大臣(小宮山洋子君) 今度の新たな制度の下では、税制の抜本改革によって、その待機児童の解消等、保育の量の確保のためにおよそ〇・四兆円、これを確保することにしています。それとともに、幼稚園の長所を生かしながら保育に取り組んでいただく、今ずっとお話のあった幼保連携型認定こども園、これを少しでも普及をさせていくということ。さらに、認可制度を前提にはしますが、保育所や認定こども園が大都市部で保育の需要の増大に機動的に対応できるように、認可制度を一定の条件以外は必ず認可をしなければいけないというふうに改善をするということ。また、お話にあったゼロ、一、二歳の受入れが中心となる小規模保育や家庭的保育など多様な保育も市町村の認可とはしますが、お話にあったように財政支援が足りないということなので、これも財政支援を拡充をする。質を確保しながら、ゼロから二歳の保育を必要とする子供を始め、保育の量的拡充、これが可能な仕組みになっているというふうに思います。
 この仕組みに基づいて市町村が潜在的なニーズも含めた需要を確実に把握をして、それに対応した学校教育、保育の計画的な整備に取り組むということになります。消費税による安定財源確保して、こうした取組を速やかに行うことで、今先取りプロジェクトなどもやっていますが、併せてできるところから速やかに待機児の解消に努めていきたいと思っています。
#14
○林久美子君 待機児童の解消は、やはりこうしたいろんな受皿というか質のいい受皿をしっかりつくっていくことが大事だと思います。ただ、その一方で、この待機児童の問題というのは、場所の問題だけではなくて人がいないという問題が実はあります。公立の保育所ですらも、現場を見ていただくとよく分かるんですが、非常勤の方とか嘱託の方ばかりがやっぱり現場を担っていただいています。
 今回、質の改善として〇・三兆円が投じられるというふうに伺っていますが、でも、どうしても何か具体的なイメージが見えにくいんだと思うんですね。
 そこでお伺いをしたいんですけれども、やはり配置基準の改善、こうしたこともやはり今回の質の改善では取り組んでいくべきだというふうに思います。本来であれば、ゼロ歳児から全ての就学前の子供たちの年次で配置基準の改善ができるのがベストなわけですけれども、まず第一弾として、少なくとも三歳児からだけでも職員配置の改善を取り組んでいくべきだと私は考えております。
 そこで、民主党の提案者の和田議員にお伺いをさせていただきたいと思うんですが、この三歳児を中心とした職員の配置等の改善についてどのようにお考えであるのかと。例えば、三歳児の保育士の配置について、今二十対一ですけれども、これを十五対一にしたときにどれぐらいの費用が掛かるのか、お伺いをしたいと思います。そして、これ必ず質の改善で実現をいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
#15
○衆議院議員(和田隆志君) 林委員にお答えいたします。
 委員とは非常に、この一年間、このテーマで一緒に取り組ませていただいておりますが、今回、私、提出者になってみまして、それがさらに、三党の間に同じ考え方を持って、同じ熱意を持って取り組んでいただいている議員の方々がたくさんいらっしゃることを知った、このことが非常に有意義であったと思っています。
 その思いを込めて御答弁申し上げますが、今委員御指摘の、配置基準をもう少し、要するに子供に対して充実した面倒が見られるようにということで二十対一から十五対一にというふうに変えるとしますと、保育士さんの追加人数として約八千名ほどが必要になってまいります。こういった方々に、今の平均的な給与でいうと五百万弱だと思いますが、こういったものを支給していくとすると、ここの部分で四百億円ぐらい掛かるというふうに見込まれています。また、それと同時に、三歳児以上につきましては、認定こども園等幼稚園の機能も果たしていかなければいけませんので、幼稚園の機能につきましても、例えば三十五人学級を三十人学級にするということによって追加で千八百人ほど先生方が必要だということで、これにも八十億円。ざっと見込んで五百億円ほど掛かってまいります。
 こういったことを今御指摘いただいた三千億円の質的改善の中にきちっと織り込んでいく必要があると考えていますが、もっと言いますと、先ほど小宮山大臣との間で御議論ございましたが、待機児童というものは、現状与えられた待機児童だけではなくて、我々がこうやって施策の展開を図っていけばいくほど、潜在的にお子さんを預けたいと思っていらっしゃった方も、ああ、預けられるんだと思って行っていただくようになりますので、そういった部分を考えますと、やはり我々が修正法案で盛り込みました、附則に書きました一兆円程度、確認にも書きましたが、そういったものが必要であり、また職員それぞれの待遇も改善が必要だと思っておりますので、こういったものを立法府全体の意思で是非実現していきたいと考えております。
#16
○林久美子君 ありがとうございます。
 この職員の配置は昭和四十四年から変わっておりませんから、これだけ時代が変わっている中で、家族の形態が変わっている中でこうした待機児童の問題が大きな大きな課題となっているわけですから、しっかりと質のいい幼児教育と保育を実現するために、小宮山大臣、是非これは政府としても実現をいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
#17
○国務大臣(小宮山洋子君) 今提出者からも御答弁がありましたように、〇・七兆のうち〇・三兆は質の改善に充てたいと思っています。その中で、今お話あったように、三歳児のところが二歳児から急に持つ人数が増えますので、二十対一を十五対一にするということ、そうしたことも含めた配置基準ですとか職員の処遇の改善をいたしませんと、いろいろと多様なものを用意してもそこで働く人がいないと駄目なわけですから、そうしたことも含めて取り組みたい。そういう意味では、その〇・七兆だけではなかなか足りないので、昨日も御議論があったように、一兆円超、これを何とか確保をして更に質の改善を進めたいと思っていますので、財源の確保に全力を挙げたいと思っています。
#18
○林久美子君 三党合意で一兆円超となっておりますので、是非、安住大臣には御尽力をお願いをしたいと思います。
 今の議論を通じて、今回の新制度によって実際に就学前の子供たちの幼保の一体化や、あるいは職員の配置基準の改善、さらには児福法の二十四条の保育に欠ける要件の撤廃も今回行われますし、自治体がほぼ持ち出しでやってきた横出し部分も国がちゃんと面倒を見るんだと、支援をしていくんだということがお分かりをいただけたかと思います。
 今回の改正によって、この就学前の子供たちのみならず、実は学童保育についても大きな前進が見られています。
 学童保育についてお伺いをしたいんですが、これまで学童保育についてはガイドラインしかなくて、児童福祉法の中にいろんな基準が盛り込まれていませんでしたので、必然的に財政措置もなかなか思うようにいかず、とはいえ、民主党政権になってこれまで二百億ぐらいだったのが二百八十四億七千八百万円にまで二十四年度は増えてはいますけれども、とはいえ、やはり親御さんが持ち出しで運営をしていたり、非常に質、量共にまだまだ不足をしているという現状があります。それで、保育所は行けたけど小学校になったらもう学童保育に入れなかったということもあり、小一の壁というふうにも言われているわけでございます。
 これが、今回の改正によって学童保育についての職員資格と配置の基準が児童福祉法に定められることになりました。これについては、これまで学童にかかわってこられた方たちも大変歴史的なことだと、画期的なことだと大いに期待をしていらっしゃるところでもあります。これと併せて、やはりセットでこちらも質の改善が必要だというふうに考えておりまして、やはり指導員の方の常勤化などには取り組まなくてはいけないというふうに思います。
 これについても和田議員にお伺いをしたいんですけれども、例えば、頑張っている学童の、本当は全部がベストなんですけど、スタートとして例えば半分の学童保育に常勤の指導員さんを置くと仮定した場合にどれぐらいの費用が掛かるんでしょうか。これについても是非実現をいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
#19
○衆議院議員(和田隆志君) お答えいたします。
 実は、私自身もこの学童クラブにつきましては、自分の子供を預かっていただくときの思いも非常にありまして、是非とも実現させていきたいというふうに思っています。そうはいえ、いろいろ地域によっては実情が異なりますので、今委員御指摘のように、現在までには例えば二万九千か所ほどございますが、その中の半数ぐらいに常勤の指導員の方々を配置するということにしますと、この部分でもやはり四百億円、つまり数百億円掛かっていくわけでございます。
 実際、私、子供を預けてみて思いますが、例えば学校に併設されているようなところもあれば、一つ単独で設置されているところもある、そういった実情いろいろございますので、それらに応じて、本当に一人要るのか、いなくていいのか、二人要るのか、こんなことがいろいろあると思いますが、これらもやっぱり数百億円の規模が掛かる話だと思いますので、先ほどお話ししたようなこと等含めまして是非とも実現していきたいと考えています。
#20
○林久美子君 和田議員はある意味非常にイクメンでいらっしゃって、子供さんを保育所に送り迎えされたりもしていらっしゃるのを私も存じ上げておりますけれども、まさにそうした意味で小一の壁を何としても今回突破をしていきたいというふうに思います。
 そこで、小宮山大臣、是非、小宮山大臣御自身も三人の息子さんを育てられながらお仕事を続けてこられたわけですけれども、多分同じような御苦労をされていると思います。この学童保育の指導員の常勤化について御決意を伺いたいと思います。
#21
○国務大臣(小宮山洋子君) いわゆる学童、放課後児童クラブについては、今委員がおっしゃったガイドラインも、衆議院の青少年特でこれは当時与党であった自民党さんと協力をして作ったものなんですね。今回、児童福祉法にきちんと位置付けることによって、言われる職員体制の充実ですとか職員の資格、人数など、そうした基準を国が定めて質の改善を図りたいと思っていますが、その常勤がいないということは非常にやはり子供たちにとっても大きな問題だと思っていますので、これも〇・七兆のうちの〇・三兆をまず使い、そして先ほどお話にあった一兆円超を確保しまして、更にそこのところを質の改善に力を入れていきたいと、決意を持ってやっていきたいというふうに思います。
#22
○林久美子君 ありがとうございます。
 是非、決意を持ってやっていきたいという御答弁をいただきましたが、何としても実現をいただきたいと思います。
 と同時に、この学童については、これまでおおむね十歳未満という規定があって、小学校四年生になったら、学童も足りていないということもありますので、退所しなくてはいけないというようなケースが数多く見られました。
 今回の改正によって、やはり多くの保護者の皆さんはこのおおむね十歳未満の規定はどうなるんだろうかと思っていらっしゃいますが、このおおむね十歳未満の規定はどうなるのか、小宮山大臣、お聞かせください。
#23
○国務大臣(小宮山洋子君) 放課後児童クラブの対象者については、現在の児童福祉法では、言われるように、小学校に就学しているおおむね十歳未満の児童と規定をしています。
 今度、新しい制度では、小学校に就学している児童として、小学校四年生以上も含めて全ての留守家庭の小学生が放課後児童クラブの対象者になるということをこれは法律上明確化をいたします。市町村が放課後児童クラブに対する地域のニーズを把握をして計画的に事業を実施する仕組みにすることによりまして、放課後児童クラブ、本当に必要な人は入れるようにということで充実を図っていきたいと思います。
#24
○林久美子君 ありがとうございました。
 今日はいろいろな、学童の話と幼保連携型認定こども園のお話を伺いましたけれども、冒頭申し上げましたように、政府が提出をされました新システム法と今回の三党合意を経た後の法案を見比べると本当によく分かるんですけれども、新しい法律を作るということと、株式会社については今回認められませんでしたけれども、児童福祉法二十四条の保育に欠ける要件が撤廃をされる、そして待機児童の解消については、これまで幼保連携型認定こども園の壁となってきた文科省と厚労省の二元行政が内閣府に一元化をされて、認可も所管も給付も一体化をされるという意味で、まさに幼保一体化の実質的なスタートであるということ、さらには、小規模保育や保育ママ、そうしたものについても国がしっかりと責任を持って支援をしていくということ、本当にいろんな意味で、小一の壁で御苦労いただいている学童についても今回法律に明記をされて、さらには指導員の常勤化も含めて取り組んでいただけるということ、これは全て新システム法の中でうたってきた話でもあります。そうしたことも含めながら、本当に三党で子供たちにとって何が最善の利益なのかというまさに視点に立って今回合意がなされたんだというふうに私は思っております。
 そうした意味では、やはり少子化というのが大きな大きな問題になっていますけれども、子供を持ちたい人が持てなくなっている社会というのはもう本当に私はゆゆしき事態だと思っております。そういった部分でしっかりと、子供を持ちたいと思っている方たちの気持ちに寄り添いながら、そして生まれてきてくれた子供たちにとって何が最善の利益なのかをしっかりと政治が考えながら取り組んでいく必要があると思います。
 そういう意味では、今回の社会保障と税の一体改革によってその財源が子供に投じられて、まさに人生前半の社会保障が充実をして、本当に弱いときにちゃんと支えられる社会がつくられるということは、私は非常に意味のあることだと思います。
 そして最後に、安住大臣、済みません、通告はさせていただいていないんですけれども、いかにこの子ども・子育て支援の今回の取組が重要なのかというのはお聞きをいただければお分かりをいただけたんじゃないかと思いますので、三党では一兆円超となっておりますので、是非その確保に向けた御決意をお聞かせをいただければと思います。
#25
○国務大臣(安住淳君) 立法府の御意思として一兆というお金を出すようにという御指示でございますから、私としては、残りの三千億、大変三千億というのは大きい金でございますが、何としても努力をして捻出をしたいと思います。
#26
○林久美子君 ありがとうございました。
 それでは、本当に立法府として、政党も超えてみんなで力を合わせて頑張っていければと思います。
 ありがとうございました。
#27
○西村まさみ君 おはようございます。民主党の西村まさみでございます。
 まず冒頭、今、林委員が子ども・子育てについて様々お願いをしておりましたが、御承知のように、私も小学校五年生の娘を育てながら仕事をしている母親として、本当に生後二か月から保育園に行かせ、三歳になったら幼稚園と保育園のリレー保育をし、そして小学校へ上がったら学童クラブと。今話題になりましたが、十歳になりましたので、残念ながら、今夏休みでありますが、今日も独りで家にいるという状況です。安心して子供が育てられる環境づくりにつきましては、是非冒頭お願いを申し上げたいと思います。
 それでは本題に入りますが、先週、私は参議院の本会議において会派を代表して質問をさせていただきました。この法案をめぐっては様々なことが起こり、国民の皆様の信頼を大きく失ったということは、これは現実であります。政権与党として、信頼を回復するために、是非とも信頼回復に向けての審議に対して適切な議論、もちろん結論を見出すために、丁寧かつそして分かりやすい御答弁をお願い申し上げたいと思います。
 まず、社会保障制度改革推進法案における予防医療についてお尋ねを申し上げたいと思います。
 本会議でもお尋ねしましたが、総理からは、歯科の分野も含めて、しっかりとこの予防については取り組んでまいりたい旨の御答弁をいただきました。
 昨年八月二日に、歯科に関係するいわゆる歯科口腔保健の推進に関する法律案が制定されました。これは、実は歯科界にとりまして、歯科医療界にとっては大変念願でありました。と申しますのも、民主党は野党時代、平成二十年と二十一年、ちょっと今いらっしゃいませんが、櫻井充議員を中心として二度出しました。そして、自民党、公明党も政権交代直前に歯科に関する基本法を出しましたが、いずれも審議未了で廃案となりました。しかし、この歯科の法律というのは、予防医療や検診の充実をしっかりと目指すということにより国民の健康を増進させ、そして心豊かな生活ができる社会を実現できるようにという思いで作られたものであります。
 歯科口腔保健の推進に関する基本的事項は、やっと一年をたった今、今月中に出てくるということでありますが、今現在、法的に歯科検診の義務があるのは、母子保健法に基づく一歳六か月健診、そして三歳児歯科健診、学校保健安全法に基づく就学時健診と学校健診に限られています。成人の歯周疾患の検診の実施というものは努力規定となっていますが、歯科口腔保健法において、国は、定期的に歯科検診を受けること等の勧奨その他の必要な施策を講ずるとされていますが、具体的に歯科検診についてどのように進めていくのか、今後、歯科口腔保健法を生かして具体的にどのように取組をしていくのか、藤田政務官にお尋ねを申し上げたいと思います。
#28
○大臣政務官(藤田一枝君) 西村委員の方からは御専門の立場から御質問をいただきました。
 御指摘のように、口腔の健康というものを保持していくためには定期的な歯科検診、大変重要でございます。そのため、今お話がございましたように、この歯科口腔保健の推進に関する法律に基づいて今月中に策定予定の基本的事項、この中で定期的な歯科検診の実施に係る目標値の設定とその実現のための計画を定めることとしています。さらに、その中で、定期的に歯科検診を受けることが困難な障害者の方々であるとか、あるいは要介護高齢者の方々については、別途目標値やその実現のための計画をこれも定める、このようにしているところでございます。
 例えば、障害児・者の入所施設での定期的な歯科検診の実施率、これを九〇%以上にしていく、あるいは介護老人福祉施設や介護老人保健施設でのこの検診の実施率を五〇%以上にしていく、こういった目標値を掲げているところでございます。
 今後は、この基本的事項に基づいて、歯科検診を始めとした歯科口腔保健に関する施策というものを総合的に推進していきたいと、このように考えております。
#29
○西村まさみ君 政務官、ありがとうございました。
 今、様々目標値を設定するというお話もいただきましたが、実際にこの目標、計画が定められていても、具体化する手段がなければ、これは絵にかいたもちになります。例えば、御承知のように、八〇二〇運動、今現在、最初の目標値を大きく超え、次の目標としては五〇%を目指しています。残念ながら、様々やっていく中での予算措置というものが大変少ないというのが現状の中で、歯科検診について、例えばモデル事業を行って、歯科検診をしっかりやったところとやっていないところとの差をきちっと出すとか、そういったことについても何としても予算を付けるということが非常に重要なところでありますが、先に一歩進めるためにも予算措置についてはしていただけると理解をしてよろしいのか、藤田政務官にお尋ね申し上げたいと思います。
#30
○大臣政務官(藤田一枝君) これも委員の御指摘のとおり、基本的事項というものを具体的に進めていくための施策、これ大変重要でございます。
 今、御承知のように、政府全体の財政状況、大変厳しいわけでありますけれども、厚労省としては、この基本的事項に基づく施策の推進のために必要な予算、これが獲得できるように、まずは平成二十五年度の予算編成の過程で最大限努力をしてまいりたい、このように考えておりますので、御支援もよろしくお願いをいたします。
#31
○西村まさみ君 是非とも二十五年度でよろしくお願いを申し上げたいと思います。
 実は、私がどうしてそこまで言うかといいますと、専門的な分野、歯科に関して申し上げますと、例えば、代表質問の中でも触れましたが、厚生労働省が発表しました死因の一位はがんです。二位は心疾患です。三位は今までずっと脳血管障害でありました。しかし、今年度から死因の第三位が肺炎となっています。
 肺炎というのは、まさにいわゆる誤嚥性肺炎というものが非常に大きく関与しておりまして、ここに一つの研究結果があるんですが、例えば、全国十一か所の特別養護老人ホームの中で、入所者四百人弱の皆さんの中で、歯科衛生士等が専門的な口腔ケアをきちっとしているグループと専門的な口腔ケアをしていないグループにおいては、二年間にわたって調査をしましたが、積極的に口腔ケアをしているところは肺炎の発症は約六割に、そして肺炎により亡くなった方の数は五〇%以下になったという、そんな調査結果もあります。
 高齢になったり、また疾病に罹患したりすると、いわゆるごっくんとする反射機能が衰えまして、むせたりせき込んだりが上手にできなくなる。そうすると、自然にその口の中に入っていた様々な細菌が肺の中に入って、いわゆる誤嚥性肺炎、不顕性肺炎というものを起こすわけです。例えば、肺炎の予防というのができるのであれば、それは積極的に是非ともするべきだと考えております。
 例えば、専門的口腔ケアというのは、歯科衛生士等がきちっと、ただ歯磨きをするとか口の中を拭うということではなくて、隅々まできれいにするということが大切なことであります。また、いわゆる抗がん治療、抗がん剤治療や放射線治療をすると、その副作用で口の中に大変重篤な、口の中全体に口内炎というものが広がります。皆様も御経験があると思いますが、口内炎が口の中にできると、たった一つでも非常に痛くて食事をすることも困難と。それが口の中に広がるわけですから、当然ながら患者さんの苦痛というのは相当なものです。
 そんな中で、例えば手術や治療を受ける前に専門的な口腔ケアや若しくは歯科治療をしっかりしていくことで、その口内炎の発症している時期というもの、期間というものを減少、軽減させることができるわけです。例えば、県立がんセンターでは、手術後、口から物を食べられるようになるまで通常は十日ぐらい掛かると言われています。その間は、当然、ですから、口から食べられませんから点滴等で栄養の補給をする。しかし、きちっと口腔ケアをしてからその治療に臨むと、その期間が三日から四日は短縮されて、当然ですが、口から食べられる時間が、期間が早くなるわけです。そうすると、体力が付き、おのずと在院日数の減少が起こる。当然、患者さんの負担はもちろん、御家族の負担、そしてさらには医療費の削減にもつながるわけです。
 介護が必要な高齢者を、今、高齢者一人一人を現役世代三人で支えると言われると大変大変なことだと感じますが、全員が介護が必要なわけではありません。高齢者一人一人が健康で長生きができる状態を続けるということ、そういう仕組みをつくるということが現役世代の負担の減少につながり、何よりも介護を必要とせずに健康である時期を長く延ばせば健康寿命の延伸になるわけですから、つまり、言わせていただくと、現役世代からの予防医療が重要だというところにつながるわけです。
 本年二月の社会保障と税の一体改革大綱では、予防接種、検診等の疾病予防や介護予防を進めることが盛り込まれています。また、社会保障制度改革推進法案の中でも、健康の維持増進、疾病の予防及び早期発見等を積極的に促進する旨が規定されています。今回の改革において、予防医療、いわゆる医療に関する全ての意味での予防ということを推進していくために今後どのような具体的な施策を進めていくのか、藤田政務官にお尋ねを申し上げたいと思います。
#32
○大臣政務官(藤田一枝君) 今お話がございましたように、健康寿命を延ばしていくためにも、そしてまた社会保障制度の持続可能性、これを高めていくためにも、様々な観点からの予防医療に取り組むということは大変重要なことである、このように認識しています。
 そこで、現在、子宮頸がん等の新たなワクチンを定期接種化する、そのことに向けて、できるだけ早期にこの予防接種法の改正案を国会に提出できるように、今検討や調整を進めているところでございます。
 また、がん検診に関しては、がん対策推進基本計画を踏まえて、科学的根拠のあるがん検診の方法や受診率の向上に関する施策等についての検討会、これを開催いたしまして、その結果を今後の施策に反映していくこととしております。
 さらに、第二次の健康日本21においては、喫煙に関する具体的な数値目標を設定し、禁煙に関する相談支援などの取組を進めるなど、国民の健康づくりのための生活習慣等の改善に今取り組んでいるところでございます。
 そして、歯科の分野も含めて、今後ともこの予防医療に関する各種の施策というものを積極的に推進していかなければいけない、このように考えているところでございます。
#33
○西村まさみ君 国民のいわゆる健康寿命の延伸のためにも、是非とも前向きによろしくお願いを申し上げたいと思います。
 次に、消費税の使い道についてお尋ねします。
 税制抜本改革二法案について、附則の第十八条、様々昨日来の質問の中でも出ておりましたが、税制の抜本的な改革の実施等により、財政による機動的対応が可能となる中で、我が国経済の需要と供給の状況、消費税率の引上げによる経済への影響等を踏まえ、成長戦略や事前防災及び減災等に資する分野に資金を重点的に配分することなど、我が国経済の成長等に向けた施策を検討する旨の規定を第二項として設けるとなっています。
 しかし、本年二月に閣議決定された大綱の第三章には、「消費税収(国分)は法律上は全額社会保障四経費(制度として確立された年金、医療及び介護の社会保障給付並びに少子化に対処するための施策に要する費用)に充てることを明確にし社会保障目的税化するとともに、会計上も予算等において使途を明確化することで社会保障財源化する。」とされてきたと認識しています。また、この四章では、「消費税の収入については、別に法律で定めるところによるほか、毎年度、制度として確立された年金、医療及び介護の社会保障給付並びに少子化に対処するための施策に要する経費に充てるものとする。」とされています。
 私も様々、皆様の前で消費税の増税分は社会保障に使うんですよということで御理解いただけるように説明してきたつもりですが、ここを二つを比べてみると、どうも私も含めて国民に説明してきたことは異なっているような気がします。成長戦略云々に配分するというところがまさにそういう感じを受けざるを得ないんですが、是非ともそれについて安住大臣にお尋ねを申し上げたいと思います。
#34
○国務大臣(安住淳君) おはようございます。
 消費税収は、お預かりしたものは、今委員御指摘のように、年金、医療、介護そして少子化・子育て対策に回りますので、お預かりしたものはそのままそちらに充てさせていただきますので、これは目的税化をしております。
 それで、十八条の問題は、附則の、一、二、三となっているところなんですが、例えば一のところでは、高い三%、二%という成長を目指していきます、そのために政府としては最大限努力をしますよということを言っているんですね。
 二のところに書いてあるものというのは、消費税に今まで言わば財政赤字を伴う、言わば国債を含めて社会保障の増え続けるお金にそういうものを充当してまいりましたが、今回、税収がある一定規模ここに投入をされて、そして経済的にもし成長シナリオどおりにいけば、財政的には、財政再建の枠は堅持をいたします、その中で機動的に使える余裕が出てくる部分が一部出てくることはあり得ます、これは、シナリオどおりそれより上に行けばですね。そうしたものや、それから、例えば民間の資金や様々なものを駆使して、今、目下我が国にとって危機だと言われている例えば南海トラフとか、様々な防災に対して備えていきましょうと。それから、老朽化した施設等が、東京オリンピックのころたくさんできましたので、それが非常に更新時期を迎えたりしているので、国民生活を守るためにもそうしたプライオリティーの高いものに言わば予算措置のできるようなことがなれば、それは日本にとっても、また成長にとってもいいのではないかということなので、基本の社会保障へ回すということを、例えばテレビなんか見ていますと、一方的に何か大型公共事業のために実は消費税を充てるんだというふうなコメントをなさっている方がいらっしゃいましたが、これは全く事実でございませんので、是非その点は私も何度も丁寧にお答えしていこうと思っております。
#35
○西村まさみ君 ありがとうございました。
 私も、じゃそのように、また国民の皆様に御理解いただけるように説明を申し上げてまいりたいと思います。
 続きまして、医療機関と消費税の問題についてお尋ねします。
 現行の社会保険診療報酬については消費税は非課税とされています。現行の診療体系という中では、医療器具等様々な仕入れに係るところの消費税を賄うことができないために、医療機関自らが消費税の負担を強いられているという問題があります。本会議においても質問をさせていただきましたが、総理は、三党合意を踏まえて消費税率が八%引上げ時までに適切な対応をすると御回答をいただきましたが、改めてお尋ねいたしますが、いわゆるこの手当てというものを検討いただく前提として、しっかりと検証するということが大事だと考えています。
 例えば、私の団体であります日本歯科医師会の推計によりますと、社会保険診療報酬に係る控除対象外消費税額は一歯科医療機関当たり七十万六千円です、今、現状。本来、この全てが診療報酬によって手当てされる必要がありますが、実際は半分も補填されていません。これが八%に引き上げられると控除対象外消費税は百十二万九千円に、また一〇%になったときには百四十一万になると予測されています。引上げに際して正確な補填がなされなければ、一医療機関の持ち出しというものは百万円を超えて、経営が成り立たなくなって、結局、国民と直結している地域医療の崩壊にもつながるわけです。また、日本医師会の推計においても、無床の診療所では一医療機関当たりが二百六十五万、有床の診療所では五百九十六万、病院においては何と九千六百四十五万円という、もっと大変厳しい経営を迫られてくることも分かっているわけです。
 このように控除対象外消費税について医療機関の負担が生じているということは、厚生労働省は、平成元年、平成九年の三%、五%導入時にもきちっと手当てをしていると言っていますが、実際にはそれが我々にとって感じていないということは、もう一度しっかりと検証していただいて、次の八%、一〇%引上げ時の診療報酬の中で何としても負担の軽減につなげていただかなければならないと思っています。
 是非ともしっかりした検証を行っていただくことのお願いと、現実、その負担の実態を把握していらっしゃるのかということ、これについて厚生労働省にお尋ねを申し上げたいと思います。
#36
○政府参考人(外口崇君) 平成元年と九年の診療報酬改定におきまして、医療機関の仕入れに要した消費税負担分について医療機関の負担ができる限り生じないようにマクロレベルでは対応してまいりましたが、特に高額な設備投資を行った場合には十分に手当てされていないのではないかとの御指摘があることは承知しております。
 このため、先般、中央社会保険医療協議会の下に新たな分科会を設置したところであり、平成元年と九年の対応につきましてもこの分科会で検証していきたいと考えております。
#37
○西村まさみ君 もう是非とも、再来年からということになるでしょうから、しっかりと検証していただきまして、医療機関の負担がなく、そして地域医療の崩壊につながらないように前向きにお願いを申し上げたいと思います。
 一昨日も同じく歯科医師である大久保潔重議員からの質問の中にもありましたが、過去二回の診療報酬の改定で本当に消費税の影響を大きく受けるところに配分されていたのかということが非常に大きな疑問であります。
 これ、いわゆる社会保険診療の消費税に対する対応というものが診療報酬で手当てされるのがいいのか、若しくは、例えば日本医師会が提言しているような還付制度を設けることや、ゼロ税率、また軽減税率を適用するなど、患者さんの負担にならないような方法というものを是非とも考えていかなければならないと思いますが、今回、消費税率を引き上げる際には、どのようなところで明確に補填を行って医療機関の負担を正確に解消するようにしていくおつもりなのか、是非ともここのところは小宮山厚生労働大臣にお尋ねを申し上げたいと思います。
#38
○国務大臣(小宮山洋子君) 平成元年、平成九年は診療報酬の改定を行って手当てをしましたが、それだけでは十分ではないというのは御指摘のとおりだと思います。
 今回の消費税の引上げの対応に当たりましては、医療機関にとって分かりやすいような対応をするということと、医療機関の行う特に高額の投資への手当てを始め医療機関の消費税負担へ的確な対応をしていくことが必要だというふうに思っています。
 具体的には、今局長からもお答えしたように、中医協の下に設置をいたしました新たな分科会、ここには医師、歯科医師、薬剤師、それを代表する委員ですとか、保険者、有識者などの委員に入っていただきまして、こうした点についてもそれぞれの当事者からも十分に御意見を伺って対応をしていきたいというふうに考えています。
#39
○西村まさみ君 今大臣から高額のという言葉が出ましたが、いわゆる医療機関における消費税の負担は高額な投資だけに限定されるものでは残念ながらありません。診療報酬での補填が高額な投資に集中して行われると、高額投資の少ないいわゆる歯科診療所を始め医療機関の控除対象外消費税の負担がかえって重くなるのではないかという大変な懸念があります。
 また、日々の仕入れ等で発生している控除対象外消費税についてというものでも、問題をしっかりと解決するという意味で、いわゆる今よく言われています高額な投資というのは一体幾らぐらいを想定していらっしゃるのか。百万円なのか一千万円、一億円なのか。
 高額と一言で言いますが、本当にこれには様々、私たちなんか日々、例えば神経の治療なんかするちっちゃな器械なんというのはもう本当何十円、何百円のものから、それこそ大きな器械を使う病院の何億円という医療器械まで様々あります。でも、患者さんにとってはどれ一つも大切なものであり、またどれ一つとっても消費税は発生しているわけですから、是非とも、その高額な投資について別途手当てを行うこととして、それ以外の控除対象外消費税についてはやはり優先して必要十分な補填をしていただきたいと思いますが、厚生労働省に、いわゆる高額が幾らぐらいを想定しているのかということと、十分な補填を高額以外のところでもお願いをしたいということについて見解をお尋ねしたいと思います。
#40
○政府参考人(外口崇君) 高額投資の具体的な基準につきましては、現時点ではまだお答えすることは困難でありますが、中医協の下に設置した新たな分科会におきまして、病院、診療所、歯科診療所、薬局などの実態を把握した上で検討していきたいと考えております。また、御指摘の高額投資への措置以外の診療報酬での対応につきましても、併せてよく検討していきたいと思います。
#41
○西村まさみ君 検討されるのであれば、是非とも現状に合ったところでお願いをしたいと思います。今、病院、診療所、歯科診療所、薬局とおっしゃいましたが、先ほど来言っているように、歯科診療所若しくは病院以外の診療所というものの高額な投資というものはなかなか今、現実できていない現状がありますので、是非ともそこのところをしっかりと踏まえて検討していただくことをお願いを申し上げたいと思います。
 それでは、安住大臣にもう一問。
 六月六日の衆議院の社会保障と税の一体改革に関する特別委員会で、佐々木議員の質問に対して安住大臣は以下のように答弁されています。一方で、ほかの業界と違って、私がまたこれを言うと、ちょっと医師会の皆さんはむっとくるかもしれませんが、概算経費率なんかでは、これは所得税や法人税は、全く、ほかの団体なんかと比べて、お医者様に関しては特例措置をしているわけですから、そういうことも総合的に考えていただきたいというのも一つあるわけですと発言されています。
 今まで、公的で、そして低廉な診療報酬にもかかわらず、地域医療、地域の歯科診療、また地域保健に専念できたのも、医療に関する租税特別措置が医業の経営の安定化に貢献したためできてきたという思いがあります。是非とも、控除対象外消費税の補填というのは消費税の引上げに伴うものでありますが、これとこの租税の特別措置とは趣旨は全く違うものと私は理解しているんですが、御兄弟に歯科医師がいらっしゃる安住大臣に是非とも一言これについてのお考えをお聞きしたいと思います。
#42
○国務大臣(安住淳君) おはようございます。兄弟だけでなくて、おじにもおばにも歯医者がおりまして。
 大都市からへき地に至るまで、広く広域医療を担当しているお医者様や歯医者さんに対してこうした今御指摘がありましたような措置をしているということは、概算経費率については私は必要なことだとは思っておるんです。
 ただ、問題は、先生、昨年の十月に実は会計検査院からるる指摘を受けました。それで、そのことについて財務省としては、やはり適正にこの概算経費率を国民の皆さんに理解していただいて、本当に小さな町のお医者様に関して言えば、本当に初期投資から何から大変なことは十分分かっておりますので、私自身も。そういうことを維持していくためにも、例えばその指摘にあったのは、自由診療収入があっても例えば保険診療報酬が五千万以下であることによって特例を適用されているケースとか、これは会計検査院がですよ、それから、実際の経費率とこの概算経費率にかなり開きがあって多額の利益を生んでいるケース等が指摘をされて私どものところに来ておりますので、そういうのは是非改善をしていただきながら適正にやっていただくことが大事であると。
 それから、御要望の中に、多分消費税のことで、今おっしゃるとおり、実は病院を建設をしたり最近の高額な医療機器をつくるときにやはり税負担が大変重いという御指摘があるので、そういうときには、やはり、今厚労省からお話がありましたけれども、診療報酬の中でどういうインセンティブを付けていくかということが多分歯科医師会でも医師会でも大変御関心があるところでございますから、そういうこととこれらのこととは切り離して私も考えたいと思いますので、十分そこはそうした声にも耳を傾けながら適正な対応をしていきたいと思っております。
#43
○西村まさみ君 私も昨年十月の会計検査院のことというのは十分認識をしているつもりでありますし、今大臣おっしゃるように、自由診療がうんと多くて保険診療が少ないところと、保険診療だけを高齢の地域医療に貢献してきた先生方が地道にやってきたところと、今一緒になってしまっているところが大きな問題なんだろうと思っています。そこのところはこれからしっかりと分けて考えていくことをやっぱり検討していかなければならないでしょうし、一番私たちが問題としているのは、長いこと、いわゆる町の真ん中ではなくて、住宅街ですとか、例えば人が住んでいるようなところで本当に長い間地域の皆様のお口の健康ですとか体の健康を守るためにやってきた診療所というものがあります。当然ですが、先生方も高齢化されていて、本当に一日数人の患者さん、でも大事な医療機関として町から村から認識されているところというものが、この措置がなくなると大変厳しいということだけは是非とも御理解をいただけたら有り難いなと思います。
 また、最後になりますが、やっぱりこれからの社会保障を充実させていくためにこの消費税を上げていく、いかなければならないということは、なかなか国民の皆様に理解していただきたくてもいけないところだということは十分分かっています。ただ、総理がいつも言っています将来世代のポケットから何としても手を出して、次の生きていく子供たちに今のツケを回さないようにするためには、これは重い負担を国民の皆様にお願いするわけですから、これは野党、与党とかいうことではなくて、全員が一致して、もうその中でしっかりと、一人でも多くの皆様に一日も早く御理解いただけるように説明をしていくことが大変重要だと考えています。
 そんな中でも、冒頭から申し上げていますように、人として生まれたからには、やはり最期のそのときまで健康であるということをなるべく目標として、おいしく自分の口から食べたいものを食べて家族や友人と話すということ、こういうことをして健康寿命というものを何としても、平均寿命だけが世界に誇っているわけではなくて、その健康寿命と平均寿命との差をどれだけ短くしていくかということがこれからの日本の国に大変必要なことだと私自身は考えております。
 そのためには、これから、今日はまだ三日目ですが、これから参議院の中で、この特別委員会の中でしっかりと審議をして、そして一定の方向に結論を付けていくと、見出していくということが非常に重要なことだということを、私自身もこれから国民の皆様に一人でも多く理解していただけるように努力をするということをお約束をさせていただき、また、政府の皆様にはまたこれ以上な努力をお願いを申し上げたいということを最後に申し上げまして、質問を終わらせていただきたいと思います。
 ありがとうございました。
#44
○礒崎陽輔君 おはようございます。自由民主党の礒崎陽輔でございます。
 この席で久しぶりの一般質疑でございますので、和やかにいきたいと思いますのでよろしくお願いを申し上げます。
 さて、九州北部豪雨、大変でございます。ちょっと名前が悪いので、気象庁に名前を変えるように今言っていますけれども、熊本まで北部というのはおかしいんじゃないかと今言っていますけれども、それはまあさておき、大変でございます。
 大分県も、他県も大変なんですけれども、三水系、大野川水系、筑後川水系、山国川水系、三水系ありました。どこも大変なんですけれども、特に日田、中津の筑後川、山国川水系ではもう、地元の古老にいつこういうことがあったかといったら、昭和二十七年とか二十八年の水害を言うんですよ。ということは大体六十年前、六十年前ということはやっぱり百年に一回の豪雨だったと、私はそう思うんです。
 それだけじゃないんです。その百年に一回の豪雨が十日間で二日来たんですよ。百年に一回のが二日来るというのは、掛けたら一万年に一回、まあそれだと数学的に正しいかどうか分かりませんけど、それぐらいのあれで、二回来たところはもう私には声が掛けられないです、かわいそうで。実際行ってみたら、もうお掃除もしていないです、二回あんな水につかったところは。それだけの災害であったわけでありまして、これはもう政府としても全力を挙げて、今日ちょうど総理が行っていただいているそうですから、総理もよく見ていただいて、しっかりとした対策を取っていただかなきゃならない。
 ただ、御承知のとおり、今まだ梅雨が九州は明けていない状態、一方、もう台風が来ていますね。台風シーズンですよ。これ、何としてもこれ以上災害を出さないようにやらなきゃならぬけど、もう二回目来ているんですよ。二度あることは三度ある、そこまで考えてやらないかぬと思いますけどね。そのときに、激甚災害の指定は私は当然のことであると思いますけど、それだけではなくて、災害査定であるとか、あるいはもう、補正予算とか言っておかないで、今すぐ人命にかかわることをどんどんどんどん国がやる、県がやる、市がやる、それを国が後押しする、そういうことをしていかなければならないと思いますが、防災担当、いかがでしょうか。
#45
○大臣政務官(郡和子君) お疲れさまでございます。お答え申し上げます。
 まずは、この度の九州北部豪雨によって亡くなられた皆様方に御冥福をお祈りするとともに、被災をされた全ての方々に心からお見舞いを申し上げたいと思います。
 被災地の現場におきましては、被災直後から国、地方自治体、連携して人命救助を第一に昼夜を通じて二次災害の防止等にも努めておりまして、応急対策、復旧事業に当たっているところでございます。
 今、礒崎先生からお話がございました災害復旧事業についてですけれども、これはこれまでも度々申し上げておりますけれども、事前着工が可能でございます。査定等を待たずに地方公共団体等の判断で直ちに工事着手が可能でございまして、国による財政援助もなされること、これを改めまして地方公共団体に周知徹底してまいりたいというふうに思っているところでございます。
#46
○礒崎陽輔君 今言いましたように、お金の問題は後で安住財務大臣にしっかり考えてもらうとして、まず人命ですよね、それをまずしっかりやっていかなならぬということは申し上げておきたいと思います。
 もう一個のお金の問題、地方公共団体、これまた大変でありますけど、朝、自民党で、谷垣総裁が出席して自民党の災害対策委員会、さっきやってきたんです。それで、どうするんですかと言ったら、取りあえず一般交付税の、普通交付税の前倒し交付をすると、その後でゆっくり特別交付税を、ことも考えるという答弁でした。もしそんな答弁を総務大臣がしたら委員会はすぐ止めますからねとさっき言ったところなんですけどね。
 特別交付税をまずしっかりやっていただけますね、総務大臣。
#47
○国務大臣(川端達夫君) まず、二つ立て続けにということで、多くの方が亡くなられたことへ心からお悔やみ申し上げて、対応を含めて御苦労いただいている皆さんにもお見舞い申し上げたいと思います。
 今御指摘の部分で、普通交付税に関しては、初めの水害に関しては、これは十八日にもう繰上げ交付をいたしました。約三割で二十三億円いたしました。七月十一日からの、平成二十四年七月九州北部豪雨という今現在のところは名前でありますけれども、これに関しては、被災公共団体の実情をお伺いしながら、普通交付税の繰上げ交付が必要な全ての団体に迅速に対応するということで今精査をしております。これはできるだけ早くに交付したいと思います。
 今御指摘の特別交付税の特例交付の御質問だというふうに思います。これ、二十三年に創設されまして、特別に立法措置を講じて対処した東日本大震災に関してこれは適用をいたしたのが一例でございます。法律的には、激甚災害等の中でも関係地方団体の財政運営に特に著しい影響を及ぼす災害が発生した場合に行うこととされているということになっております。
 今後、今日総理が行かせていただきました、激甚災害どうするかということも政府の判断でありますけれども、復旧復興に向けた事業が本格化する段階において、災害地方公共団体の実情を十分にお伺いをしながら、特別交付税措置を含めて、地方交付税それから地方債等々のあらゆる手段を通じてできる限りのことが適切な時期にしっかり対応できるようにということには万全を期してまいりたいというふうに思っております。
#48
○礒崎陽輔君 ちょっとはっきりしませんけど、まあ止めるには早いでしょうから、しっかりやってくれるというふうに私は解釈したいと思います。
 今回のは確かに大変な雨でございました。だけど、やっぱりここでも想定外と言っちゃいかぬですね、経験がないという表現ならいいと思うんで、想定外とは言わない。でも、非常にいろいろやっぱり災害を大きくした原因があると思うんですよ。
 一つは、やっぱり護岸工事が極めて脆弱でありました。あっちこっちで堤防が決壊しておるんですよ。なぜかというと、大体もうどこの護岸もこのくらいの、二十センチぐらいの護岸ですよ、これを張っているだけ。だから、平時はこれは、その高さ以下ならば何とかなるんだけど、水がそれを越えた途端に裏側から土砂を取ってしまうんです。で、裏側の、裏、支えがなくなったから、こっちから押されてどんと壊れてあっちこっち決壊している。これがあるから土砂がどんどこどんどこ流れ、堤防が決壊したから土砂が流れ、そして流木は流れ、その流木が今度は橋をふさいで、それで大災害があるわけ。
 だから、私、見てまいりましたよ、やっぱりこの二十センチのブロックでも後ろのところを一メーターぐらい舗装しているところは、コンクリートでやっているところは壊れていないんですよ。だから、今の護岸は安物ですよ。川の大きさから見たら、トタン板張っているようなものなんですよ。これだから駄目なんですよ。
 だから、水量が超えたら壊れるような護岸を日本中に造っても私は仕方がないと思うんです。例えば今言ったように、まあ五十センチもあれば多分大丈夫だと思います。あるいは、それが無理ならば、上を少なくとも水が入らないように覆う、あとはアンカーを付ける。そういった工事をしないと、もうこんな今の護岸の復旧工事なんかやるんだったら、やらない方がいいと思いますが、国土交通省、いかがでしょうか。
#49
○政府参考人(山崎篤男君) お答え申し上げます。
 七月三日から始まった九州北部地方における豪雨によりまして、大分県の花月川、山国川などにおきまして堤防や護岸に甚大な被害が発生しております。
 現在、九州地方整備局や大分県などにおきまして、被災箇所の応急復旧を実施しているところでございます。また、現在、被災要因の調査、それから雨量、水位データの解析などを実施しており、それらの調査結果を踏まえまして、今後、本格復旧に取り組んでまいります。その際には、委員御指摘いただきました護岸の構造の強化、これを含めまして、再度災害を防止するために必要な措置を講じてまいりたいと考えております。
#50
○礒崎陽輔君 昨日の議論で、いわゆる住宅も長もちするものにするという議論があったけど、護岸も一緒ですよ。安物を造って壊れたら意味ないですよ。護岸というのは守ってもらわないかぬわけだから、こういうところはやっぱりしっかりお金を使ってほしいと思います。
 大分の竹田市というところでも、ここでも大きな被害が出たんですけど、ここはもう顕著だったんです。何が顕著だったかというと、二つ水系が、さっき言った大野川水系の支流に玉来川水系というのと稲葉川水系というのがある。稲葉川のところの稲葉ダムというのは去年完成したんです。こちらの方はほとんど水害がなかった。ゼロではなかったです、少しはあったんですけどね。一方で、この玉来川水系というのはダムがないからもう物すごいですよ。今日、総理は竹田に行かぬらしいですけどね、お写真また要るんだったらお持ちしますけれど、もう大変な、もう町の真ん中まで泥だらけなんですよ。
 だから、これは、今日はこれは災害の話だから政局的なことは言いませんけど、岡田副総理に聞きたいんですけど、やっぱり人命を守るダム、さっき言った玉来ダムは一応もう民主党の中でもやってくれることが決まっております、やっぱりこういうダム、それから八ツ場ダム等も含めまして、人の命を守るダムだけは早くやらないといけないと思うんですが、ちょっと岡田副総理にお伺いしたいと思います。
#51
○国務大臣(岡田克也君) 委員の御指摘もよく分かるところがございます。問題は選択と集中で、しっかりと中身を精査して必要なものと必要性が薄いものとしっかりとより分けて、必要なものはしっかりやっていく必要があるというふうに思います。
#52
○礒崎陽輔君 通告してなかったから文句言わないけど、それは必要なものをやるのは当たり前ですよ。要らない治水ダムってあるのかねということですよ。本当ですよ。後で、じゃ資料でもお持ちしますから見てください。全く二つの川、同じような川があって、ダムのある方はほとんど被害なし、ダムのない方は大被害が出ている。もう歴然としているんですよ。
 だから、別にコンクリートから人へと言ったから悪いとは言わないけど、今日は災害の話だから、言わないけれど、やはりそんなものはしっかりとやってもらわなきゃならぬということは私は申し上げておきたいと思う。人命の懸かっている話ですからね。
 もう一つは、やっぱり流木がたくさん出ているんです。これは、さっき言ったような護岸の問題もある、それから森林の管理の問題、間伐材の放置の問題もある。でも、今回、生木が多いんですよ、立木、立っている立木がね。これが山ほど出て、それも六メーターも七メートルもあるのが別府湾までうわんと出ている。それが途中の河川に引っかかってダムになって、それからまたぶわっと洪水になっているんです。だから、今度は流れる方の木、流木をどういうふうに処理するかというのが大事だということが今回も分かったのでありますが、そこはまた災害対策委員会か何かで、またほかのところで言いたいと思いますけど。
 一つ言いたいのは、それは水産被害が出ているんですよ。今、それ漁師さんが、別府湾にたまった、あるいは周防灘にたまった大きな流木をボランティアで曳航して陸まで着ける、それで、陸でクレーンで揚げているんです。ただ、膨大な量の流木が流れておるんですよ。これも、だから、ただ、誰がどうやって後のお金払ってくれるのか。揚げるまでは漁師さん、あれ沈むんですね、流木もね。木だけど水吸うと最後沈んで今度は危ないんですよね。だから早く揚げなきゃいかぬ。揚げるまでは漁師さんもボランティアでもいいと言っていますけど、揚げた後のこの膨大な流木をどうやって処理するのか、今その問題で大きな問題になっていますが、ちょっと水産庁いかがでしょうか。
#53
○政府参考人(佐藤正典君) 御説明申し上げます。
 漁業者の方々が漁場において回収した流木などの漂流物を処分するための費用につきましては、漁場漂流・漂着物対策促進事業ということで支援を行うことが可能ということになっております。
 環境省等関係省庁とよく連携、調整をいたしまして、必要な対応を取ってまいりたいというふうに考えております。
#54
○礒崎陽輔君 具体性がないということは大丈夫だという意味なんだと私は解釈しますけど、いろんな複合的な災害が生じておるということはちょっと申しておきたいと思います。このほかにも、今言いましたけど、シジミの壊滅とか、水産庁、ありますから、そんなものは今聞きませんけど、それまたしっかり対応してほしいと思います。
 そういうことで、少し本論に入っていきたいと思いますけど、事前防災というのを今度の修正で入れていただきました。その中身をどうするかという問題は今日はどうでもいいんでありますけど、どうも安住大臣の答弁聞いていると、あっちこっち八方美人の答弁していましてね。それは財投もいいですよ、民間資金もいいですよ。だけど、法律には、ここには「財政による機動的対応が可能となる中で、」と書いてあるわけだから、民間資金と財投だけというわけに私はいかぬと思うんですよ。その辺はまたいろいろ議論しますけど、やはり事前防災はこの法律が通ったら私はすぐやってもらうものだと思っておりますよ、今言ったことも含めましてね。
 その辺の、事前防災はいつからやるのかという問題と、この「財政による機動的対応が可能となる中で、」というのは、何か安住大臣の答弁じゃよく分からぬのですけれど、自民党は、これ、竹下先生、お答えいただけますか。
#55
○衆議院議員(竹下亘君) 事前防災は事後復興に比べて極めて安い経費で、しかも人命が尊重できる。そもそも国家というのはなぜ存在するかと。命と暮らしと財産を守るというのは国家がやるべき第一歩であります。その意味で、特に私たち自民党は強靱な日本をつくる、強くてしなやかな日本をつくるという国家目標を立てておりますので、そういう中で事前にしっかり防いでいくと。そして、それは財政の機動的な運用が可能になる中でという表現でお話をしておりますように、もう礒崎先生お話しになりましたとおり、この法律が通る、あるいは通る前からやらなきゃならぬかなとすら考えております。
 といいますのは、消費税の引上げというのは心理に物すごく大きな影響、特に消費者心理に。経済は心理学の一部でもありますので、しっかりやりますよ、財政的出動も含めて経済を支えることをしっかりやりますよという、国民の皆さん方に税を引き上げるときにはそういう安心感を共に打ち出していかないと、税だけやって知りませんという、それではうまくいかないと。経済の安定的な成長あるいはデフレからの脱却、そういうものが同時に達成できるようにするためには両方併せてやらなきゃいけない、そのように考えております。
#56
○礒崎陽輔君 今言ったように、勘違いしている人は、消費税を取れるようになってからやろうと言う。そうじゃないですよね、今言ったように。法律の前から始まるって、法律で決まるので、前からという話はあれにしても。だから、そうすれば法律が決まったらすぐにでも事前防災をやってもらわなきゃならぬ、そして、さっき言ったように当然これは財政出動も含むんだということで、安住財務大臣、よろしいですね。
#57
○国務大臣(安住淳君) 私としては、竹下先生からお話のあった考え方に対して異論があるわけではございません。
 ただ、具体的にやるとなったときに、じゃ、どうするかということですけれども、事前防災や全国防災に関しては、今そういう意味では第三次補正や本予算の中でも一兆円近い予算付けておりますので、こうした枠を使いながら、私は今先生がおっしゃるように必要なものについては優先順位の高いものから順番にやっていくと。
 ここで、法律で書いてあるこの機動性が可能になる中でと。この機動性を逆に言うと可能にしないといけないと思うんですね。そのことを私としては、経済成長をすることによってやっぱり税収を上げて、消費税を上げさせていただいて、社会保障にこれが回ることによって余裕が出てきた分についてプライオリティーを高くしてこれに充てるということを言っているわけで、時系列ではきちっと話しているつもりですが、誤解があったとすればそういうことでございますが、御理解いただきたいと思います。
#58
○礒崎陽輔君 誤解は何にもないので、今の大臣の答弁なら私は分からぬことはないけれども。
 要は、別にこれは消費税を取り始めてからやるわけでもないし、消費税を充てるわけでもないし、ただ消費税の今回の引上げと併せて、まあ財政当局としての言い方はあるかもしれないけど、しっかりと事前防災にも取り組むという意味でありますからね。そのことは何かえらい誤解をした議論がこの委員会でも続いているから、そのことははっきりと、今言ったように竹下提案者の答弁について財務大臣も御異論がないということをはっきり言っていただいたので、私はそれで結構だと思いますが。本当は少し言いたいところもありますけど、次に話を進めましょう。
 要は、その財政再建の問題です、今言ったね。これも昨日いろいろ議論がありましたけれども、要はプライマリーバランスを二〇二〇年度までに達成するという。この計算どうかというと、いわゆる今の財政状況ならば、例の粉飾財源も含めて大体四十六兆円赤字、赤字がね。建設国債が六兆円ぐらいあるから、大体四十兆円。そのうち二十兆円が国債費だから、真の赤字、真の赤字というか根っこの赤字が二十兆円。消費税で十三兆円上がる。そのうち一%は、皆さんが言っているんですけどね、後で聞きますけど、皆さんが一%分は福祉の充実に充てるか社会保障の充実に充てるから、大体残ったのが十兆円。それで二十兆円の半分ぐらい行くから、これ一回上げれば半分ぐらいは達成できるというのが皆さんの考え方ですよね。
 そこはいいんですけれども、昨日も質問ありましたけど、あとの、じゃ一五年から二〇年のあとの半分の十兆円の赤字はどうするんですか。
#59
○国務大臣(安住淳君) 今度の改革で、一五年でプライマリーバランスでいえば、国分でいうと、慎重シナリオですけど、三角三・四と。先生の御指摘は、二〇年までにまだ相当な足らず前出てくるのをどうするかということであります。そこは、まずこれは第一歩であるということを私は申し上げております。
 その後のことについては、やはりそこは私どもとしても、また歳出の削減、それから税収を上げるためのやっぱり様々な努力をし、そしてなおかつ、また足らないところに関しては税の負担をどういうふうな形でお願いするかということは、しっかりとした設計をしてお示しをしなければいけない時期が来るだろうと思っております。
#60
○礒崎陽輔君 今日は割と昨日よりも正直に言っていただいたような感じがしますけどね。そうなんですよね。今年の段階でも十兆円足らないけど、それまでにはさっき言った社会保障費の毎年一兆円ずつ上がるわけで、もっと要る。だから、十六兆という数字、財務大臣も正直に言っていただいておると思うんだけど。この十六兆を、だから何とかせないかぬわけですよ。
 私も別に、まだこの消費税法が片付かぬ間に次の消費税をどうこうと私も言いたくないし、それは財務大臣も言いたくはないと思いますが、消費税を上げないでプライマリーバランスが達成できるかどうかという質問だったら、どうお答えになりますか。
#61
○国務大臣(安住淳君) 本当に難しい質問だと思います。なかなか大変なことだろうなと思っております。
#62
○礒崎陽輔君 まあね、まあ私も余り無理なことは言いません。今この難しい、一〇%にする難しい審議をやっておる中だから、そこから先のことは言わないけれども。
 私は、今のままだったら無理だと思いますよ、それは。さっきも税の負担ということまで言っていただいたけど、それは無理だと思う。無理だし、プライマリーバランスを達成したところで借金が増えなくなるんですよね。そこからやっと減らせるわけだから、そこまで行かないとこの一千兆円の借金は減らせないんでしょう。だからこそ我々は言っておるので、別に自民党だから景気対策をやれと言っているわけじゃない、公共事業をやれと言っているわけじゃ決してないんですよ。
 昨日までの答弁を聞いていると、安住さんはやはり非常に熱弁をして、金利の話をいっぱいした。国債金利、分かりますよ。七百五十兆円借金があるわけだから、一%上がれば七兆五千億円出る。それから金融機関の担保の問題、これはちょっと数字は、私、納得できなかったけれども、まあそれも非常に重要な問題でしょう。それから国際的な評価の問題もある。だけど、それは間違ったことを財務省は言っておるわけじゃない、正しいことを言っているんだけど、そればっかり言ったら、いつまでたっても景気が良くならない。
 もうこの二年間、私ずっと予算委員会で総理とやってきたのは、やっぱり国民が何で一番苦しんでいるかといったら、景気が悪いからでしょう。円高、デフレの不景気の中で国民が苦しんでいるから、それが一番大変じゃないですかと私はずっと言ってきた。だから、今の論理だけでいったときには、やっぱり財政の論理なんですよ。それはもちろん国家財政が潰れたらみんな転びますよ。それもだから分かるから、今言ったことも大事、財務省の言っていることも大事だけど、やはり政治家たるものはもっとそれを超えてほしい。あなたの言うことと総理も同じことを言っているから、同じ答弁を、金利が上がると大変だと。もう総理がそう言ったりしたら、おしまいですよ。
 だから、我々は、今言ったまあ事前防災という話がどれだけ大きい話か小さい話か知らないけれども、しっかりと景気対策をやりながら、そして消費税も、国民に大変申し訳ないけどお願いしながら、両方やっていきます、必ず景気回復はやって皆さんの雇用と賃金は守りますと、そういうふうなことを総理には言ってほしいと思うんだ。今日いないから、安住さん、財務省のことだけ言ってちゃ駄目じゃないですか。
#63
○国務大臣(安住淳君) 財政の側からのお話は実は先生も分かっていただけると思いますけれども、国を治めていて、やっぱり本当に、言わば今失業率が四%台でありますけれども、賃金ができれば上がって経済的にもっと消費がどんどん活発化をして明るい気持ちになっていただいて、その中でやっぱり社会保障の充実のためにこの消費税というものを御理解いただくということは、私、大変重要なことだと思います。
 ただ、問題は、やっぱりこの十年間を見ても、累次の景気対策を自民党も本当に公共投資含めてやってこられて、しかしなかなかデフレの脱却ができないと。やはりここは本腰を本当に入れてデフレの原因を突き止めて、お金がどこで詰まっているのか、また、これは日銀にも積極的な金融緩和を、先生も御指摘でございますけれども、総合的なことを我々もやりながら、何とかこの今のデフレを脱却することで新しい分野が成長をし、そしてそこが日本経済を引っ張っていきながら雇用をつくっていくと。
 こういうことをするために、財政としてあらゆることは排除せずにやっぱりやるというふうなことで、今、日本再生戦略というものも作っておりますので、財政的なことで私はいろんなことを言って、まあ何でも駄目駄目駄目と言っているわけではないと思いますが、気持ちとしてはそれはもうもちろんそういう姿勢でこれからやっていかなければならないと思っています。
#64
○礒崎陽輔君 だから、財務大臣が金利のことを言うのはいいんだけど、今日いないからあなたに今聞いたんだけど、総理があなたと同じ答弁している。それじゃ駄目だと思うんですよ。
 国民が今一番願っているのは景気の回復です。景気の回復というのは雇用と賃金の維持向上であります。それをやりながらでないと、できない。私は、別に増税が経済的にマイナス要因だとは思っておりません。いただいたものはまたしっかりと使うわけですから。そうだと思いますけどね。ただ、やっぱりデフレ下の増税というのはある意味経験ないんですよ。まあデフレを二十年と見るとあるかもしれないけれど、今のようなデフレは十年ですからね、その中の増税というのはないんですよ。やっぱりそこをしっかりやらなきゃ駄目なんだ。
 岡田副総理とも何度も議論しましたけど、いつも私がお金使えと言ったら、副総理いつも笑っているんだけど、いや、私もそんな馬鹿じゃありません。五%消費税全部上げて、それを全部どこかに使えといったら財政再建に一つもならない。それは分かっていますよ、私だって。分かっているんだけど、そこのところをうまくやらないといかぬわけ。だから、今回、さっき言った財政の機動的対応が可能となる中でという言葉も入れさせていただいたわけだから、ここはきちっと、さっき言った、それは古川大臣の、いのべさんでもいいですけど、イノベーションだけじゃ一億二千万人を、私、食べさせてはいけぬと思いますよ。
 だから、やっぱりしっかりした、しっかりしたといっても大盤振る舞いできないのは私も同じ気持ち、大盤振る舞いはできませんよ、今の財政で。できないけれど、今回は消費税増税もお願いするわけだから、何とか国民経済の発展のために財政も使うということを考えてほしいと思うんですが、岡田副総理、いかがでしょうか。
#65
○国務大臣(岡田克也君) 基本的に委員のおっしゃることに、考え方が違うわけではございません。
 ただ、一言付け加えさせていただきますと、やはり民間のお金が回るようにするということも同時に重要で、それは一つは規制改革であり、あるいは今度始まる新エネルギーの固定価格買取り制度のような、そういう仕組みをつくることでかなり大幅な私は太陽エネルギーやあるいは風力エネルギーの民間のお金が動く、その誘因に固定価格買取り制度がなるというふうに思うわけです。そういった形で民間の投資を進めていくための政策ということも同時に重要であるというふうに思っております。
 それからもう一つ、今、国民の皆さんに消費税の増税をお願いしておりまして、そして、それを消費税の増税分は社会保障にしか使わないということを申し上げております。委員も先ほど、そのことは当然であるという御指摘いただきましたが、そこは誤解を招かないように、またしっかりと発信していかなければいけないというふうに考えております。
#66
○礒崎陽輔君 さっきも言ったように、だから、成長戦略もいいんです。それはもちろんやらなきゃならないことだと私も思いますけれど、それは時間掛かるでしょう。要は、来年の増税の決定まで、最終決定までに我々は今景気を良くするという約束をこの法律でしたわけですよ。だから、それはしっかりとやっていかなきゃならぬと思う。だから、今、じゃ、安住財務大臣、デフレ経済の脱却、どうしたらいいと思いますか。
#67
○国務大臣(安住淳君) 様々なアプローチが必要だと思います。財政的な面で、言わば内需を起こしていく。今、復興需要を見てみましても、必要なことをやればこれは非常に大きな跳ね返り、跳ね返りというのはいい意味での跳ね返りがあって、堅調に、やっぱりこの円高の中で欧州不安等があっても内需が堅調であるということは一つの証左でありますから、必要なあとの投資はやっていくと。
 同時にやはり、これは日銀にも金融緩和等で努力をしていただきながら、総合的な面で、今、副総理もおっしゃった、あと規制緩和ですね、そうしたことをやりながら、やっぱり総合力、我が国の総合力を結集してデフレを脱却していかなければならないと思っております。
#68
○礒崎陽輔君 だから、そこが具体策なきゃ駄目なんですよね。
 まず、金融の話は今おっしゃったけれども、二月の冒頭ごろの予算委員会で、私が、もう日銀総裁辞めたらどうかと言ったら、辞めたらどうかと言ったら、まあ私が言ったせいかどうかは別だけれど、バレンタインデーに大金融緩和をやったら効いたじゃないですか。効かないってまた日銀言うんだけどね、日銀のせいじゃないって。訳分からぬ役所だよね、あそこは、役所じゃないのかもしれないけれども。効いたんですよ。ちゃんとやっぱり円は円安になって株価も上がった。金融緩和をやればやっただけのことは出たんですよ。だから、これはやっぱりしっかり財務省ももっと日銀に言っていかなきゃならぬ、我々ももちろん言っていくけれど。
 本当に今こそ金融緩和をやらにゃ、まあ、確かに世界中がそういう通貨安競争でいいかどうかという問題はあるけど、そんなことも言っておられぬ状況だと思います。
 それからもう一つは、今言ったように、それは財政規律はちゃんとやらないかぬけれども、景気対策というのはやってくださいよ。我々は政権の最後、麻生政権のときにちゃんとやって、景気は良くなっていたんですよ。良くなっていたときにコンクリートから人へといって景気を悪くしたんです、皆さんが。だから、もう一回ちゃんとやる。別に公共事業でどこかをもうけさせようなんか自民党は思って言っておるんじゃないけれども、やっぱり公共事業が早いんですよ、やっぱり。いろんな人をやっぱり救うには早い。まあ公共事業だけでなくてもちろんいいです、いろんな今言った景気対策、いろんなものやりましょう、規制緩和もやりましょう。でも、総合力を持って来年の夏までにやらないと、これが、景気が悪くなったら、実際、消費税増税できないと私は思いますよ。本当の話です、それは。そこをやっぱりしっかりと私は考えていくべきだと思います。
 そこで、一つ、今言った特定財源だという問題は、これはもう一〇〇%私も理解しています。消費税増税分は全部社会保障に使うんだ。まあちょっと、地方交付税云々という神学的な議論は若干ありますけれどもね、まあまあそういうことはおいておいて、五%は丸々消費税に使うんだと、あっ、消費税じゃない、社会保障に使うんだということはよく分かっておる。だけれども、私分からぬのは、これも岡田副総理と数か月前に議論したけれども、皆さんも何か、野党も前提のように議論しているんですよ。一%分は社会保障の充実に、四%は既存の福祉の充実に使うといって、もうそれを何か前提にこの委員会も議論が始まっているけれども、これは、自民党のこれは加藤さんに聞いていいのかな、加藤さんにお聞きしますけれども、そんなこと三党合意で決まりましたか。
#69
○衆議院議員(加藤勝信君) 今御質問の中にありましたように、元々、今回の消費税の引上げあるいは社会保障制度改革、私どもが政権のときに作りました所得税含めた税制改革法の附則百四条、ここから全てが出てきているわけでありますから、それはもちろん踏まえているわけでありますけれども、具体的にどういう形でこの五%分を使うかについては、私ども実務者協議では一切議論をしていないところでございます。
 ただ、一言申し上げれば、何となく今おっしゃった一%、四%ぐらいなイメージは私どもの議論の中でも確かにあった、なかったわけではないし、しかし、じゃ、その残りの一%を具体的に更にどう使うかということについては、少なくとも実務者協議の中では議論しているわけではないし、三党の合意の中にもそこまで入っているわけではないということでございます。
#70
○礒崎陽輔君 だから、ずっと議論も、子育ての議論の方も三千億円足らぬというけれども、そんなことどこにも決まっておるわけじゃないんだと思うんですよ。まあまあ、ちょっとイメージにはあったという、加藤さんというのは優しい人だからそういう御答弁していただいたけれども、私はそれも含めて社会保障国民会議で議論するんだと思います。だから、その結果、まあ減ることは多分ないんだろうけれども、若干増えることがあったって私はいいと思うんですけれどもね。
 岡田副総理、いかがですか。
#71
○国務大臣(岡田克也君) ここは三党の間で議論にはならなかったという今、加藤議員のお話でございますが、政府としては、一%を新規、新しいこと、そのうちの七千億は子ども・子育て、その他、年金や医療、介護ということで内訳をお示ししているわけでございます。残る四%は現在の制度の安定にと、基本的にはそういうふうに考えているところでございます。
 もちろん、今後、まだ消費税を実際に上げるまでには時間もありますので、そういう中で各党間で御議論いただき、内容についてより充実したものにするということであれば、それはそれで政府としてはその趣旨も十分尊重して進めてまいりたいというふうに考えております。
#72
○礒崎陽輔君 今は非常に大事な答弁いただいたと思います。だから、政府の考え方はもう私も従前聞いたことがある、それは結構でありますけれども、三党合意では一%分だけが社会保障の充実とは皆さん決まっていないんでありますから、それを前提に議論することは私はやめた方がいいと思います。やっぱりしっかりとその議論を詰めていかなければならないと思います。それでよろしいですね。だから、私が聞きたいところまで、次まで言っていただいたけれども、岡田副総理のおっしゃるのであれば、社会保障国民会議あるいは三党協議で更に引き続きいろいろ議論をしてもらえばいいんだということですよね。
 いやいや、ちょっとまだ質問中であります。いや、今聞いてもいいですけれどもね。ちょっと待ってください。ちょっとまだ質問中だから、まだ。だから、今、心配せぬでも聞きますからね。
 そうしたときに、じゃ、社会保障国民会議というのはその財源の範囲で議論をするのかどうか。何かほかのことも議論する、これはちょっと岡田副総理からもう一回。
#73
○国務大臣(岡田克也君) 今の委員の質問の御趣旨が、今回五%引き上げるその範囲の中で国民会議が議論するのかと、こういう御趣旨かと思いますが、それは必ずしもそういうことではないと思います。
 例えば、年金にしても医療にしても介護にしても、子ども・子育てにしても、もっと幅広い観点からの御議論というのはあるはずで、それは場合によっては今回の五%引上げでは対応できないような中身になるかもしれないと。そのときにそれをどうするかということも併せて国民会議で御議論いただくことを妨げるものではないというふうに考えております。
#74
○礒崎陽輔君 何か当たり前のことを言ったようだけれども、考え方によっては重大な答弁でありますよ。
 だから、財源がないものも議論するわけですね。財源がないものを議論するということをやると、また民主党のマニフェストになっちゃいますよ。そういうことを本当にやっていいんですか。今回はやっぱり、その五%の中をどう使うかはさっき言ったように決まっていないから、それはいろんな使い方がもう少し増えるかもしれない、このまま政府の案どおりいくかもしれない。それはいいと思いますけど、財源のないものも議論していいわけですか。
#75
○国務大臣(岡田克也君) まず五%の内訳、一%、四%ということについて、政府としての考え方はもちろんあるわけでございます。しかし、それは各党間での御議論というものがあれば、それは踏まえた上で政府としても考えを受け止めていかなければいけないというふうに考えております。
 財源のないものを議論するのかということですが、私は、国民会議というのは幅広く社会保障制度について御議論をいただく場ですので、いろんなことを御議論いただくことは、それは妨げられないと、しかし、そこが財源を伴っていないということになれば、そのことも含めて場合によっては議論していただくということもあるのではないかというふうに思っております。
#76
○礒崎陽輔君 長妻先生、何か言いたそうですから、どうぞ。短くね。
#77
○衆議院議員(長妻昭君) 今、自民党の提出者も答弁いたしましたので、私もちょっと付言させていただきますと、三党協議というのは基本的には、ここにも提出している法案のまず修正ということと推進法というような二つの論点があって、その範囲内で合意をしたというふうに考えております。そういう意味では、この国民会議も設置期間というのが推進法に書いてありまして、一年以内で、これが設置期限になっておりますので、まずは消費税が八%になるまでの間にその使い道等々について議論をしていくというのが非常に主眼であります。
 ただ、長期的な年金の我が党が掲げている制度なども将来的な課題として議論をしていくと。ただ、法案については、これは、我々としては一つの目標を持っておりますので、それも議論をしていくというようなことでございます。
 自民党の茂木政調会長も、消費税を五%上げたときには一%分については充実でいくと、これについては意見が一致しているというようなこともおっしゃられておりますので、我々は今はそういう想定で進めているところであります。
#78
○礒崎陽輔君 今、茂木政調会長はと言っていますが、加藤先生、どうですか、今のは。
#79
○衆議院議員(加藤勝信君) 今の議論は、一方で先ほど御議論がありました財政の健全化の道筋との当然関係が出てきますから、先ほど申し上げたように、党内の中ではそういう議論もさせていただいておりますけれども、ただ、先ほど申し上げたように、それは合意ではないということであることははっきりしているというふうに思います。
 それから、この推進法の中で、今度の一〇%の引上げを前提とした議論かということですけれども、目的規定の中で、「附則第百四条の規定の趣旨を踏まえて安定した財源を確保しつつ受益と負担の均衡がとれた持続可能な社会保障制度の確立を図るため、」と、こう書いてあるわけですから、原則は、百四条というのは今回の一〇%引上げということになりますから、その中での議論ということになると思います。
 ただ、それだけに限るかといえば、それを超えた議論は当然されてしかるべきだと思いますが、ただ、その際も受益と負担の均衡が図れていなければならないということでありますから、当然プラスアルファが出てくれば、その財源をどう確保するかという議論も当然なされるものと、こう思っております。
#80
○礒崎陽輔君 今の加藤先生の御答弁で私はいいと思うんですけどね。まあ議論はいろいろあってもいいでしょう。いいけど、やっぱり財源のない話をまた大風呂敷やると、また同じことを繰り返すわけであります。
 ただ、一方で、一%というのは今日は政府が言っているだけだということは分かりましたから、今後はそれも含めて議論する。それを前提に議論するのはおかしいと思いますよ。そこはまあ大体それぐらいのめどなのか、それで、もう一%は基礎年金への補助率のアップですが、これも大体合意ができている。私も皆違うと言っておるわけじゃないんで、基本的なところはそうだけど、何かそれに固定して考えるのはおかしいんじゃないかと思います。
 田村先生、だから子育ての部分も、別に外から取るわけでもないと言っていますが、いかがでしょうか、これ、しっかり議論したら。
#81
○衆議院議員(田村憲久君) 突然の御質問、ありがとうございます。
 今、しっかりと七千億の部分はこの中で確保していただけるという話でございますが、一方で三千億の部分が心配であるということでございます。ただ、それも含めて消費税の、どこで何を使うかというのは我々は中で合意をしておるわけではありませんから、そういう意味で、この三千億も含めてしっかり確保をしていただければ、一兆円という、元々これは我々が言っておったわけではございませんでして、政府が言っておった子育てに対する必要な金額でございますから、これを確保していただけるものだと確信をいたしております。
 以上でございます。
#82
○礒崎陽輔君 大分論理の整理ができたと思います。明るい見通しも少し見えてきたんではないかと思いますが。
 繰り返しますけど、もう財源がないのもよく我々は分かっております。その中でやる。ただ、国民生活が一番ですから、どこかとも言っていること似ていますけれども、やっぱり景気の回復をしっかりやらなきゃいかぬ。雇用と賃金の維持が我々国会議員の使命だと思いますから、そのためのことを忘れないで、ちょっと昨日の答弁は、やっぱり、金利、何か大昔の経済学を持ち出したような話、そんなプロみたいな話はどうでもいいんですよ。国民の生活を守るのが国会議員の仕事であるということは申し上げておきたいと思います。
 ちょっと観点変えますけど、個人番号法案というのはたしか政府は出したと思うんですけど、全然審議に入っていない。おかしいと思うんですよ。我々も一生懸命、これ議論をもう既に始めておるんですが。
 それで、問題は、この税制改革法、国税の税制改革法の七条の中に二か所に個人番号法案って引用していますよね。そんな法案が衆議院でも全く審議に入っていない。これは、政府が悪いのか与党が悪いのか知らないけれど、全くもってけしからぬのじゃないですか、財務大臣。
#83
○国務大臣(安住淳君) 所管は岡田副総理なんで、私の方から最初に少し申し上げますと、私どもにとりましては、やっぱりこのマイナンバー法は是非成立をして、言わばこの法案というのは、ある種この税制改正をやって消費税をお願いをして、仮にこの給付付き税額控除をやるときには不可欠なものだと思っておりますので、何とか成立をお願いしたいと思っておりますが、現時点で、今先生御指摘のように、様々な事情はあるにしても、衆議院に提出をされてから、たしか所管の委員会で動いていないと聞いております。極めて遺憾なことでありますし、政府としても、与野党の間で様々な実務者の皆さんで精力的なお話合いをしていただいて、特に先生、中心的な役割を果たしていただいていることも十分私ども存じ上げておりますので、与野党が合意できているのであれば、なおさらやっぱりこの会期の中で是非上げられるような努力というものはやはりしていかなければならないのであろうというふうに思っております。
#84
○国務大臣(岡田克也君) これは衆議院の内閣委員会の中での話で、我々政府としてもなかなか言い難いところはあるんですが、今財務大臣が申し上げましたように、非常に重要な法案でありますので、是非国会での議論を進めていただきたいと思います。
 いろいろな問題点があれば各党間で話し合っていただいて、そして修正ということも当然それはあり得るというふうに思いますので、是非各党間の話合いを進めていただきたいというふうに考えております。
#85
○礒崎陽輔君 はっきり申し上げて、この問題は自民党はもういつでも審議に入っていいと言っておるんですよ。与党の方がつるしを下ろさないんですよ。しかも、今言ったこと、税制改革法の中に引用しておるんですよね。この法律の名前が入っているんです。どういうことをしているのか分からないんですが、それ、だから、どちらか、分かるように説明してもらえますか、もうちょっと。
#86
○国務大臣(岡田克也君) 各委員会で法案をどういう順序で議論していくかということは理事間で話し合われていることでもございますので、ちょっと私、これ以上のことを政府から申し上げるのは適当でないと思います。
 ただ、そこは委員のお考えと私は全く同じでありまして、この法案、非常に重要だし、社会保障・税一体改革と密接に結び付いた法案でありますので、この国会で是非成立をお願いしたいというふうに考えております。
#87
○礒崎陽輔君 皆さんのところは政府・与党一体と言っておるんですよ。一体改革しなきゃならぬのは社会保障じゃなくて何か民主党の方じゃないですか。野党が一生懸命心配してあげているのに。
 委員長に御質問します。
 この法律の中には、さっき言ったように二か所で個人番号法が引用されております。全く審議がされていない法律があるのに、この法律の採決はできないと思いますが、いかがでしょうか。
#88
○委員長(高橋千秋君) 私の委員長としての個人的な感想はここでは控えさせていただきます。
#89
○礒崎陽輔君 理事会で協議するぐらいは言ってもらえませんか。
#90
○委員長(高橋千秋君) 後刻理事会で協議させていただきます。
#91
○礒崎陽輔君 どうも委員長、御配慮ありがとうございます。
 そうした話ですよ。何かあなた方がしているのはおかしいんです。これはもう個人番号法案、いろいろ意見もある、党内にも、私の党内にもいろいろ意見があったけれど、給付付き税額控除は自民党は反対ですよ。反対だけど、例えば我々の言っている軽減税率、複数税率取るにも小規模事業主のところには番号を振らなきゃならぬし、いろんなことがあるから、今回は納税者番号制度の整備、納税環境の整備ということで、我が党も協力しようということで内々には調整を今いたしておるところでございますから、まあ頑張らぬとおかしいですよ、皆さんが。まあまあ、これだけ言うたらもう十分分かる。ちゃんと総理にもお伝え願いたいと思います。
 この際、それからいろんな消費税関連の問題があります。先ほどから医療の損税の話はたくさん出るのでありますけど、それだけじゃありません。今回の法令の中にも入ってはおりますけど、自動車諸税の問題、これも長い間の課題でありまして、消費税は取られるわ、自動車諸税は掛かるわ、これをどうするんだという問題があります。もう一つは、これは技術的に難しいんですけど、ガソリン、揮発油税のタックス・オン・タックスという問題があります。これはもう庫出税だからなかなかちょっとうまい案をどう考えるかという非常に難しいところがありますけど、これも考えなきゃならぬと思います。
 こういったことをきちんと、今回はこの法案の協議には間に合わなかったので少し先送りをさせていただきましたけれど、きちんとやっていただかなきゃならぬと思いますけど、先にちょっと修正案提出者の竹下先生の方から。
#92
○衆議院議員(竹下亘君) まず車の関係でありますが、これ地方税との関係もありますので、地方の税収の安定といったようなことにも配慮をしながらやっていかなきゃならぬ。八%引き上げるまでにきちっと協議をしてやっていこうということで合意をいたしております。
 それから、タックス・オン・タックスの話、ガソリン等々でありますけれども、これは世界の中で全ての国でタックス・オン・タックスがないかというと、ほとんどの国で実はあるのでありまして、この処理というのは、さっき礒崎委員がおっしゃいましたように、非常に難しい問題をはらんでおります。だけど、このまま放置して、ほっておいていいという問題ではありませんので、これも、八%までにということを一つのめどにしてきちっと議論していかなければならない課題だと、このように考えております。
#93
○礒崎陽輔君 財務大臣はいかがでしょうか。
#94
○国務大臣(安住淳君) 今、竹下先生からもお話ありましたけれども、年度改正でこれ二五、二六となりますが、この中で、より具体的なことをお互い合意をして、次の通常会でそれを、法案をしっかり処理をして、今課題となっているような自動車を含めて、問題について一つずつ三党で合意をしながら着実に成果を上げていくということについて私どもも協力していきたいと思っております。
#95
○礒崎陽輔君 政党側が要求するのは当たり前ですけど、財務大臣の方からそれだけ前向きな御答弁をいただいたのは私うれしく思いますよ。
 これはやっぱり非合理的なものは合理的に変えていかないと、今までは、五%だからというわけじゃありませんけど、今度二桁になるわけですからね、二桁にするときに、やっぱり重課税みたいなことがやはり起こらないようにしっかりと議論をすべきであると思います。
 あともう一つの課題は、結局、一体改革、さっきも言いましたけど、社会保障の方の一体改革でありますけど、これも岡田副総理と私も何回も議論しました。岡田副総理はもう、去年の民主党の決定見れば分かる、それから二月の閣議決定見れば十分分かるという答弁を私に何度もなさいました。なさったけれど、結局、医療は出さない、介護は出さない、年金の抜本改革を出さない、これじゃ一体改革はならぬのじゃないかと国民が言うのは当然だと思いますけど、どうして出さなかったんでしょうか。
#96
○国務大臣(岡田克也君) まず、今回の社会保障・税一体改革、これが税先行ではないということは委員も同じ意見お持ちいただいているというふうに思います。年金や子ども・子育てについてしっかりとした改革案とセットになったものであるということでございます。
 そういう中で、医療とか介護については、確かに今回法案をまだ出していないということで、これは今後いろいろと国民会議での議論も経ながら順次出していくということにしたいと考えております。
#97
○礒崎陽輔君 納得いくような答弁では一つもなかったような気がしますけどね。
 ちょっと、じゃ具体論、医療を厚生労働に聞きましょう。何がネックになって法案を出さなかったんですか。
#98
○国務大臣(小宮山洋子君) 医療の中でも低所得者が多く加入する市町村国保の財政基盤の強化、財政運営の都道府県単位化を推進する、こうした国民健康保険法の改正は既に四月に成立をいたしました。また、健康保険の適用拡大についても、年金機能強化法案に厚生年金の適用拡大とともに盛り込んで、今御審議をいただいています。
 ただ、高額療養費の改善とそのための財源確保とか、今回三党合意で御議論いただくことになっている高齢者医療制度の見直し、これについてはいろいろ関係者との調整などが調わなくて出せていないと、そういうことです。
#99
○礒崎陽輔君 いや、私は、知事会がなかなかうんと言わぬというところがやっぱり大きいと思いますよ。
 それは、私も国家公務員やっていましたけど、県庁も勤めたこともあるし、市町村も勤めたことある、両方やっていますから、よく気持ち分かるんですよ。やっぱり県に全部、じゃ、今の国保のこの財政の悪いのを負わせるだって、うんとは絶対言わぬと思いますよ。特に徴収率が問題なんですよ。非常にそれが下がってきて、これをそのまんま県にぽんと面倒見なさいと言っても、分かりましたと言う人のいい知事さんは一人もおらぬと思いますよ。だから、そこのところが皆さんの検討の足らぬところじゃないかと思いますよ。
 確かに、後期高齢者医療制度を連合という形でやっていいか、私はそれに少し意見があります。やっぱり連合というのは、一つの地方自治制度だから、これが駄目と言っちゃまたいかぬのでありますけど、やっぱり無責任な体制になりがちですね。だから、そこもやっぱり、県単位でやるんなら県がやるということを私は考えてもいいと思うけど、ただ、そのためには、今までの市町村が負っていた負担を全部県におっかぶせる、こんな改革の方法を考えるべきではないと思いますが、大臣、いかがでしょうか。
#100
○国務大臣(小宮山洋子君) 委員がおっしゃるとおりだというふうに私も思います。
 その点については、今までの赤が出ている部分を何とか国の方で補填をすべきだというふうに、知事会などからもそういうお話いただいておりまして、財務省ともいろいろ協議もしておりますが、なかなか地方の方に御納得いただけるような結論に今達していないということです。
 今回、今後の形をどうするかについて三党で合意をいただきましたので、皆様のお知恵もいただきながら、どのようにしたらいいかをまた検討していきたいというふうに思っています。
#101
○礒崎陽輔君 国が全部持てばいいようだけど、そう簡単ではないと思います。やっぱり市町村にも責任を私は持たせなきゃいかぬ。ただ、やっぱり市町村は今のままじゃ、これもとてもやっていけない。私も市町村で財政の責任者をやっていましたからね、もうむちゃくちゃですよ、それは国保は。私のときはまだよかったけれども、ずっとそれからまだ異常に徴収率掛かる。それで、いろんな状況があって、一般会計からの多額な繰り出しをしている。それが今の日本の状況でありますから、余り固く考えないで、せっかく三党協議の場で、法律が通ったらその場で議論すると総理も御答弁していただきましたから、もっと柔軟に一から、我が党の専門家の皆さんも交えて、虚心坦懐に御議論をいただければいいのではないかと思います。
 今日はまず災害の話をしたわけでありますが、今言ったように、もう一度最初の話をしたいわけでありますが、来年度の今ごろにもう一度、もうちょっと後になるのかもしれませんけど、最終的なこの消費税法のあれを停止するのかどうかという議論をする。もちろんそれまでには衆参両院の選挙は行われておる、それはもう確かなわけであります。その時の政権が判断をするわけでありますけど、ただ、名目三%、実質二%、それは行くはずがないと思います、私は。だからそれは努力目標でいいんだろうけれど、やっぱりデフレ状態ぐらいは何とか脱しておかないと、これは国民なかなか納得しませんよ。物価がぼんぼんぼんぼん下がるときに消費税だけ上がる、これはやっぱり国民納得せぬと思います。
 だから、そのためには、さっき言ったように、きちんとしたやっぱり財政出動も含む景気対策をしっかりとやるということが私はこれは不可欠であると思うし、そういう法律だと私は理解しておりますが、もう一度財務大臣の御答弁を聞きたいと思います。
#102
○国務大臣(安住淳君) 附則の十八条の三項のところは経済の好転ということを明確に書いておりますので、私どもとしても、様々な手段を駆使して、財政、金融、それから民間の投資促進、やはり経済の様々なデータを上向きにしていくということをやっていかなければ、今委員御指摘のような懸念を国民の皆さん持っておられる中で、それを払拭しないと、環境やっぱり整わないといけないと私は思っておりますので、そうした点では、今年の秋以降、来年のこの、多分判断をするのは、例えば様々な事務的な準備等を踏まえると、まず一つの目安としてはやっぱり導入の半年前ぐらいかなというふうに思いますが、その時点の中で経済状況の好転を何としても成し遂げたいと思っております。
#103
○礒崎陽輔君 そのためにはやっぱり態度を示さないといかぬと思いますよ。我々は解散要求していますから変な要求かもしれませんけど、やっぱり補正予算考えなきゃいかぬと思いますよ。きちっとした補正予算を考えて、なるほどこれだけ政府はやる気だということを出さなきゃいかぬということはやっぱり私は求めていきたいと思いますし、ただ、その前にやはり解散をして国民の信を問うのが消費税法案を上げるのを先にしたという以上は皆さんのお役目だろうと思いますが、今日は総理はいませんので、そこはぐちゃぐちゃ言いませんけれど。
 さっきの個人番号法だけはしっかりとやらないと採決しませんからね。それだけ申し上げて、今日は終わりたいと思います。
 ありがとうございました。
#104
○塚田一郎君 おはようございます。自由民主党の塚田一郎でございます。よろしくお願いいたします。
 安住大臣はしばらくぶりでございます。ごぶさたをしておりまして、御活躍、何よりであります。
 衆議院で法案が可決をしたということでありますけれども、本来、衆議院は与党のホームであります、多数を持っていたはずですから。それでもかなりの退場者を出してようやくの可決でありますが、参議院はアウェーですから、これ簡単には本来いかないということは財金の委員会で何度も申し上げているとおりでありますが、その成立に向けて、まず安住財務大臣の意気込みを聞かせていただければと思います。
#105
○国務大臣(安住淳君) 本当に日ごろ財金で大変お世話になりましてありがとうございます。
 こういうねじれ国会の中で、三党合意を得て、こうして今、答弁席に閣僚以外で三党の政策責任者の皆さんが答弁に立っていただいているということは、私は野党経験が長いですから、増税法案に野党の皆さんに賛同をいただくというのは、やっぱりこれは大変なことだということを、私は国会対策委員長をやってもおりましたので心得ておりますので、この法律の大切さというものを十分守りながら、成立に向けて参議院でも是非御協力をいただきたいと思っております。
#106
○塚田一郎君 是非、我々もしっかり見守っておりますが、何でもオッケーではありませんので、しっかりとした議論の上で、いい形でそういう方向になればそうなりますし、そうでなければどうなるか分かりません。そのお気持ちできちっと取り組んでいただきたいと思います。
 財政金融委員会の代表でありますので、消費税法案の関連で今日は御質問をさせていただきます。
 まず、現在の消費税の税収、そして五%に引き上げたときの税収の見込みをそれぞれ教えていただけますか。
#107
○国務大臣(安住淳君) 平成二十四年度予算において、国の消費税収を十・四兆円、約ですね、地方税収を二・六兆円とそれぞれ見込んでおり、国、地方合わせて現行の消費税収は十三・一兆円と見込んでおります。
 新たに二〇一五年時点で五%引き上げた場合の消費税収は、やや増収を見込んでおりまして、十三・五兆円程度というふうに見込んでおります。
#108
○塚田一郎君 消費税増税で経済成長にも影響があるということが考えられるわけですが、その中で、あえて今よりも引上げ時の税収が高くなるというふうに見込まれているのはどういう理由ですか。
#109
○国務大臣(安住淳君) 私どもとしては、名目、実質の成長率というものは、今の内閣府の中長期試算での慎重シナリオでも、二〇一三年度で名目一・七、一四年度で二・六、二〇一五年で一・八、これは実質ですと一・五、〇・七、〇・九となります。こうした成長分を税収に当てはめると、計算上は一%当たり二・七兆という計算をさせていただいて、その分が言わば上積みをされるという計算になります。もちろんこの計算には、消費税の引上げ自体が名目GDPを押し上げる効果が先生御存じのようにありますから、これを引いて補整をした後の数字で計算をすると二・七兆という計算をさせていただいたということでございます。
#110
○塚田一郎君 前回、衆議院の特別委で、その一%、二・七兆円、十三・五兆円の根拠として一・六%の経済成長という発言を大臣されていますが、これはそういう理解でよろしいのか。多分名目だと思いますが、実質なのか名目なのか、その点、確認いただけますか。
#111
○国務大臣(安住淳君) 名目でならすと、一・七、二・六、一・八と、二〇一三、一四、一五と行きます。これを、先ほど私申し上げたように、名目GDPを押し上げるこの効果を排除して計算をすると、二〇一三年度で一・七、そして二〇一四年度で一・〇、そして二〇一五年で一・三ということでございますので、これを平年化をしておおむね一・六ということにしました。
#112
○塚田一郎君 お手元に配った資料一でございますが、これは同じ内閣府の経済社会研究所が出している短期日本経済マクロ計量モデルという資料の中から引用をさせていただいております。分かりやすいように拡大をしたんですが。
 これは、要するに一%の引上げを基準としてどの程度のGDPの成長率のマイナスが出てくるかということなんでありますけれども、これを見ると、引上げ年の成長率がマイナス〇・三二ポイント下がるという予測です。税率を五%から八%に上げると、したがって三%で約一ポイント、八%から一〇%に上げると更に〇・六ポイント成長率が下がるというのがこの試算なわけでありますけれども、こういった要素を勘案してもそれだけの税収、つまり成長率と税収が得られるというふうに考えていらっしゃるんですか。
#113
○国務大臣(安住淳君) はい。この資料は先生おっしゃるとおりでございます。
 ただ、この資料のモデルのシミュレーションは、消費税を引き上げた場合の負担増を基に計算をして負担増効果のみでやっている数字でございますので、そういう点では、還元される社会保障給付等を織り込むと、これが国民に事実還元されますので、その分の効果を織り込めば私が先ほど言ったような見通しになってくれるのではないかと思っております。
#114
○塚田一郎君 かなり期待感を持ってのお話ですよね。それは私はそう簡単にいかないんではないかなということを今日は少し議論をしたいと思っているんですけれども。
 それでは、今後三年間の経済成長見通し、これは、資料に付けたような、資料の二番のような試算も出ていますが、慎重シナリオ、成長シナリオ等でですね、これについて、今後三年の経済見通しと物価上昇について、まず内閣府の石田副大臣から御説明いただきたいと思います。
#115
○副大臣(石田勝之君) お答えいたします。
 委員の資料にもありますように、まず実質成長率は、二〇一二年度に二・二%程度の見通しとなっておりまして、その後、二〇一三年度及び一四年度は、慎重シナリオで一・五%程度、そして一四年は〇・七%程度、成長戦略シナリオでは、一三年が二・一%程度、一四年が一・四%程度の試算になっております。
 次に、名目成長率は、二〇一二年度に二・〇%程度の見通しとなっておりまして、その後、二〇一三年度及び一四年度は、慎重シナリオでは一・七%程度、一四年は二・六%程度、成長戦略シナリオでは二・七%程度、四・一%程度の試算結果になっております。
 また、消費者物価上昇率は、二〇一二年度に〇・一%程度の見通しとなっておりまして、その後は、一三年度及び一四年度の慎重シナリオでは、〇・五%程度、三・一%程度、成長戦略シナリオでは、一・一%程度、三・八%程度の試算結果になっております。
 以上でございます。
#116
○塚田一郎君 今細かく御説明をいただきましたけれども、まず特徴的に言えることは、引上げ年の消費者物価上昇率が極めて高い数字で見込まれています。慎重シナリオでも三・一、成長シナリオでは三・八。したがって、実際の実質成長率はすごい低い水準なんですけれども、名目上で押し上げられているという、こういう試算が内閣府の試算であります。
 次に、今、同じ期間の数字が出ていない部分もあるかもしれませんが、同じ期間で考えた場合に、日銀の同じ経済成長見通しと物価上昇について白川総裁から御説明いただきたいと思います。
#117
○参考人(白川方明君) お答えいたします。
 日本銀行は、今月十二日の金融政策決定会合におきまして、二〇一三年度までの経済・物価見通しに関する評価を行いました。
 見通しに入ります前に、一言、足下についてお話をさせていただきますけれども、春先に日本銀行は定例の見通しを公表しましたけれども、その時点と比較しますと、外需は想定に比べ弱め、内需は強め、全体としては当初の見通しどおりで今推移しております。
 我が国の景気の先行きでございますけれども、もちろん不確実性はたくさんございますけれども、一応中心的な見通しとしましては、国内需要が引き続き堅調に推移し、海外経済がいずれ減速した状況から脱していくにつれまして緩やかな回復経路に復していくというふうに判断しております。これを数字で申し上げますと、実質成長率は、二〇一二年度にプラス二・二%、二〇一三年度にプラス一・七%という見通しでございます。
 他方、物価でございますけれども、今、足下ゼロ%近傍で推移しておりまして、当面こういう感じだというふうに思いますけれども、今申し上げました実質経済成長率を前提にしますと、これは潜在成長率を上回るということですから、需給ギャップが徐々に縮小していくということになります。したがいまして、物価上昇率も緩やかに上昇していくというふうに判断しています。数字で申し上げますと、除く生鮮食品のベースで、二〇一二年度にプラス〇・二%、二〇一三年度にプラス〇・七%ほどを見込んでおります。
 お尋ねの二〇一四年度につきましては、数字自体はこれは十月の展望レポートでお示しする予定でありますけれども、先ほど申し上げました基本的な想定、つまり海外経済がいずれ回復経路に復していく、その下でその後成長を続けるということでございますと、日本経済も引き続き持続的な成長経路をたどるというふうに判断しております。物価は、二〇一三年度にかけてゼロ%台後半となりました後、一%に遠からず達する可能性が高いと考えています。
 ただ、冒頭申し上げましたとおり、欧州債務問題、これは最大の日本経済のリスク要因でございますから、私どもとしては、予断を持つことなく経済の見通し、物価の見通しを点検していきたいというふうに判断しています。
#118
○塚田一郎君 ありがとうございます。
 かなり開きがあるということなんですが、実は日銀の場合は消費税引上げの影響を現状では織り込んでいないという数字だというふうに理解をしているんですが、そういう理解でよろしいんでしょうか。
#119
○参考人(白川方明君) お答えいたします。
 日本銀行のこの見通しは、現在消費税につきまして国会で審議中であるということを踏まえまして、見通しには織り込んでおりません。したがいまして、先ほどの内閣府の方からお示しされた数字の中で、私どもとしては消費税を織り込んでいないというケースでございまして、そのベースで見ますと、政府の見通しとそれから日本銀行の見通しはこれはおおむね整合的だ、同じような見方に立っているというふうに判断しています。
#120
○塚田一郎君 だとするとですよ、白川総裁、今こちらの内閣府の試算では、引上げ年の二〇一四年の名目成長率の高い理由は、消費者物価上昇率が慎重シナリオで三・一、成長戦略シナリオでは三・八ということで、今日銀が示している展望のレポートだとようやく二〇一四年に一%ぐらいになる、遠からず達成するという可能性が更にこの消費税の引上げによって二ポイント以上も高くなるということの、そういう見通しをされているという理解でよろしいんですか。
#121
○参考人(白川方明君) お答えいたします。
 二〇一四年度の姿でございますけれども、数字につきましては先ほど申し上げましたようにまだ公表しておりませんけれども、考え方ということでございます。
 一つは、消費税の引上げの影響をそのまま機械的に織り込むかどうかということで、今回、日本銀行の場合にはそれを織り込んでおりません。
 それからもう一つ、慎重シナリオと積極シナリオ、この違いがございます。積極シナリオの下では、これは様々な構造改革の成果が上がってくるということで、私どもはそれを大いに期待しておりますけれども、しかしこの点についてはこの後具体的にどういうふうな取組がなされていくかにも依存しますので、そこのところにつきましては、私どもは、見通しの上で、留意事項、上振れリスクと、上振れの可能性としております。
 したがいまして、慎重シナリオ、それから消費税の引上げなしというケースで比較しますと、日本銀行の見通しと政府の見通しはこれはおおむね整合的だというふうに思っております。
#122
○塚田一郎君 何かちょっとまどろっこしい説明なんですけれども、三%ぐらいの消費者物価指数になる可能性は十分あると日銀も考えているという理解でよろしいんですか。
#123
○参考人(白川方明君) お答えいたします。
 二〇一三年度を超えて二〇一四年度に入ったときに一%台に遠からず達するというふうなのが今私どもの見通しでございます。二〇一四年度は、これ消費税の引上げがあった場合、これはその分がオンされます。もちろん最終的にどの程度転嫁されるかということがありますけれども、仮にそれが一定の前提を置いて、例えば二%だというふうに考えますと、その二〇一四年度について見ますと、その分がオンされるということはそのとおりでございます。
#124
○塚田一郎君 私はこの見通しが非常に楽観的過ぎると思っています。というのは、この間の消費者物価の動向を見ていると、前回の消費税引上げ時も含めて、三%などという数字はほとんど見られていないわけです。
 日銀総裁、多分手元に資料があると思うので分かったら教えていただきたいんですが、前回の引上げ、九七年の時点の消費者物価はどれぐらいの水準になっていましたか。
#125
○参考人(白川方明君) 今手元に一九九七年の数字それ自体がございません。ただ、先生の御質問の趣旨は、消費税率が引き上げられた場合に、その場合に一定の価格転嫁で消費者物価上昇率が上がるのかと、それはどの程度上がるのかということでございます。
 これは、基本的に消費税引上げの対象品目がどの程度かに依存いたします。先ほど内閣府の計算、あれは、数字を逆算いたしますと大体全体の引上げ幅の中で七割から八割ぐらいが上がっていくという計算に立っています。これは、もうそういうふうな、最終的に国会がどのような取扱いをするかに実は依存しておりますので、しかし、そういう前提を置きますと、税率掛けるカバー率ということで物価上昇率は上がってくるということになってまいります。
#126
○塚田一郎君 私の手元の資料ですと、大体九七年が一%台です。その後少し上昇をしますけれども、それでも二%ぐらいの数字ですから、三%という数字は前回のいわゆる引上げ時にはそういう数字は出ていません。
 さらに、今日銀総裁がおっしゃったのは重要なポイントで、需給ギャップの問題です。九七年の引上げ時の需給ギャップというのはほとんどありません。むしろ需要不足よりもやや供給があったような状況で、需給ギャップがないということは消費税の増税をそのまま価格に転嫁できる環境下に前回の引上げ時はあったと。それでも消費者物価の上昇率は一%、二%ぐらいの水準だとして、今回の引上げの状況はどうなるかというと、需給ギャップが更に大きく広がっていますね。これはもう財務大臣御存じのとおりでありますけれども、そうなると当然価格転嫁というのが難しくなる。これはもう既にこの委員会等でも議論されているわけで、そうした状況で到底その三%の消費者物価上昇という数字は、私は余りにも非現実的な試算だと思います。
 財務大臣、どう思われますか。
#127
○国務大臣(安住淳君) 慎重シナリオ、それからもう一つは成長シナリオでこういうふうな道筋を逆に言えばたどっていかなければならないというふうなことを私どもは思っております。
 需給ギャップの話でいうと、国内の今の需要というのは、一―三だけを見ますれば比較的堅調でありました。今、それは復興需要等がございますので、あると思いますが、今後この需給ギャップがどういうふうに推移をしていくかと。私はできるだけ埋まる方向に行くのではないかと期待もしておりますし、またそのためにいろんなことはやらないといけないとは思いますので、委員御指摘のように、これが逆の方に広がっていって、それで消費税が上がるというふうな、そういう状況は何としても避けたいというふうに思っております。
#128
○塚田一郎君 でも、つまり何が言いたいかというと、期待しているような税収は得られないんじゃないですかということがまず一つです。それと、引上げのタイミングが非常に悪いタイミングだということをやはりもう一度しっかり認識をしないと、今回は前回以上の経済的なマイナス要因が大きくリスクとしてあるということをまずきちっと認識をしていただかないといけないということなんです。
 経済の来年の引上げ判断に向けてのリスクというのもあるわけで、日銀総裁にお伺いをしたいんですが、今後の経済のリスク要因、その場合、成長率、物価上昇にどういう影響があるか、御説明いただけますか。
#129
○参考人(白川方明君) お答えいたします。
 経済、物価の先行きを考えた場合に、様々な不確実要因、リスク要因がございますけれども、一番大きなものとしては、まず欧州債務問題、これの今後の展開でございます。これを当面最も強く意識すべきだというふうに考えております。
 少し細かい話になって恐縮でございますけれども、この欧州債務問題が日本経済に与える影響ということでございますけれども、三つばかりあると思います。
 一つは、欧州向け、あるいは中国など欧州との結び付きの深い地域向けの輸出が大きく下振れる可能性や、あるいは企業マインドが悪化し、設備投資などが抑制するおそれが考えられます。
 第二に、グローバルな投資家のリスク回避姿勢が強まりまして、安全資産として円が買われ、円高に振れる可能性がございます。
 第三に、金融を通ずる経路が考えられます。日本の金融システムは、幸いこれは非常に安定しておりますけれども、リーマン・ショックの後の経験が示しますように、国際的な資金市場が不安定になりますと、これは日本経済にも影響が及んでまいります。こうしたことが仮に起きた場合には、日本の景気には、それから物価にもこれ下振れ要因ということになってまいります。それから、米国経済の回復力、あるいは新興国、資源国経済が物価安定と両立する形で経済の回復を実現していくのか、つまりソフトランディングを果たせるのかということも、これも大きな不確実性要因だとして意識する必要がございます。
 それから、今、景気、それから景気との関係で物価のリスク要因を申し上げましたけれども、物価固有のリスク要因もございます。これは、原油やあるいは穀物などの国際商品市況の動向や、それから中長期的な予想物価上昇率などが変化することによって物価がそれぞれ上下する可能性がありまして、注意をしていく必要があるというふうに考えております。
 いずれにせよ、こうした要因を注意深く私どもとしては見ていきたいというふうに考えています。
#130
○塚田一郎君 非常に外需に不安定要素があるということを今日銀総裁はおっしゃっているわけですね。内需の場合は、ある程度政策によって底を押し上げていくということは今後の議論でまた出てくると思いますけれども、今日はいたしませんが、その外の要因、特に欧州の経済問題、あるいはアメリカ経済始め、こうした要素というのは非常に不安定な要素があって、仮に今年から来年にかけて、そうした要素がマイナスの要因になって成長率が財務大臣がおっしゃっているような上向きトレンドから下降になったと、ちょうど一年後ぐらいにそういう要素が出てきたというときに、その状況で果たしてその二十六年四月の増税という判断を、プラス成長であればそれでいいというふうにできるのかということなんですね。
 一・七%、日銀の数字でいえば、来年見込んでいたものが下方修正をされて今年よりもかなり下がっていくと。そうすると、二%今年あったとして、来年一・七で、もう下がっているわけですけれども、更に下がるような局面になったときに、そういう場合に、財務大臣として半年後の、つまり来年の秋の時点に立って半年後の引上げということをやめるという判断をこれはしなければいけない局面が出ると思うんですね。どういうふうに考えられますか。
#131
○国務大臣(安住淳君) もう一つ付け加えれば、不安定な要因といいますか、我が国にとっては、やっぱり中国の経済や政治体制というのが今後どういうふうな推移をしていくかというのは、これは多分経済界も注意をしていると思います。
 確かに、そういう意味では外的な要因が不安定要因でございますので、これからの先のことを予見をすることはとても難しいわけでございますが、ただ、私としては、そこから派生している例えば問題、円高もそうでございますし、そうしたものに対して、政府として対応できることについては随時臨機応変に対応していきたいとも思いますし、一方で内需をしっかりそれでも下支えをしていくと。
 先生御指摘のように、ある種やっぱりネガティブな考え方に立って、じゃそれをそうさせないためにどうするかということは考えないといけないと思いますけれども、一斉に下向きになって、言わば経済が底に落ちていくような状況になったらどうするんだということは、それは考慮の余地は出てくると思います。それは、三項に書いてあることは、ですから、経済の好転を条件にというふうにこれは書いてありますので、時の政権がしっかりと様々な経済データに基づいて判断をしていただかなければならないと思います。
 ただ、私としては、楽観的過ぎるのではないかといつも大変統計的に、理論的に塚田さんにはお話をしていただいておりますけれども、何とか上向きにするために、あらゆることを通して私は環境の整備に努めていきたいと思っております。
#132
○塚田一郎君 大臣の努力は分かります、もうずっと御説明いただいているとおりで。ただ、そうならなかったときの判断を、まあ財務大臣であられるかどうかは分かりませんが、しなければいけない、時の政権としてですね。
 今具体的に申し上げていることは、今日銀なり政府が予想しているような成長からマイナスの要素が出てきて、そういう実現可能性が低くなってきたといった状況の中で、来年の秋の時点に立って、半年後の引上げを私はやめるということを決断しなければいけないと思うんですよね。そういうことについて、財務大臣として、今お立場で、そういう停止ということは景気が良くならないのであれば判断をするという、そういう理解でよろしいですね。
#133
○国務大臣(安住淳君) 私個人の問題ではなくて、附則の十八条の一項、二項、三項に照らし合わせて、時の財務大臣なり時の内閣が判断をすることになると思います。
 しかし一方で、議会において、それはもし停止をするとすれば法律事項になりますので、やはりそこは国民的な議論をしっかりしていただく上で、そうした判断材料に基づいて、そのときの国会においても最終的に議決という形で停止をするということになりますので、私はそうした点では、法律に基づいて、法律にあえて言えば照らし合わせて時の財務大臣なりが助言をすることによって総理大臣なり内閣が判断していただくということになると思います。
#134
○塚田一郎君 それはちょっと無責任だと思います、答弁として。やはりそれは、時の政権の財務大臣が判断をするといっても、今この法案を出している時点で国民に対してどういう見通しで停止ということが行われるのかという方向性を示せないようであったら、それはただ丸投げをしているだけの話で、具体的に経済が悪くなったときにそういう判断をするということを当然考えなきゃいけないということを財務大臣であれば今御答弁をされるべきだと思いますが、いかがですか。
#135
○国務大臣(安住淳君) 私が申し上げておりますのは、この法律を三党合意でまとめていただきました。その中にある、いわゆる委員の御指摘というのは、停止を含めた所要の措置を講ずるときの環境がどうなっているのかということに対する質問だと思います。
 ですから、私は、無責任なことではなくて、この法律が成立した後は、この法律に従って、ここに書いてあるとおり、経済状況の、これは十八条の三項でございます、一項、二項の努力をして、三項において、経済状況の判断を行い、経済財政状況の激変にも柔軟に対応する観点から、二及び三の規定する消費税の引上げに係る規定それぞれのこの施行前に、経済状況の好転について、名目及び実質の経済成長率、物価動向等、種々の経済指標を確認いたします、ですから。しっかり確認をして、そして、今、一、二と、礒崎さんからお話があった話も含めて、やったのを踏まえて、経済状況について総合的に勘案をした上で、その施行の停止を含め所要の措置と。このことに忠実に従って私としては判断をすると申し上げております。また、私以外の方が、御党が仮にそういう政権を取られて財務大臣になっても、この法律に忠実にやっていただくことが大事だと思っています。
#136
○塚田一郎君 そんな、条文に沿って説明をするのは当たり前のことなわけですね。総合的に判断をすると書いてあるんだから、そのとおり、読まれたとおりなんですよ。
 ただ、それは、国民からすると、今なぜ消費税かという中で、まずは景気が悪いのになぜなのかという議論が大きくあるわけですよ。その中で、具体的に、来年も今年よりも景気が悪くなる、つまり成長率が下がってくるようなときに、それでも総合的に判断をしたら引き上げますということが果たして説得力があるのかということについての今財務大臣としての見解を私は求めているんであって、総合的に判断をして決めるのは当たり前の話です。具体的にそういう経済が下振れリスクが出てきたときに、それでも総合的に判断をしたら上げることになりますということになると、何が何でも上げるのかという話になってしまうわけですよ。そこを私は聞いているわけで、条文の説明を聞いているわけじゃないんです。
#137
○国務大臣(安住淳君) ですから、名目、実質の経済成長率に、速報値等で出てくるわけですね、塚田さん。それから、日銀のそれは短観もありますし、様々な経済指標をここでは、物価動向もそうだし、私はあえて言えば、多分失業率、それから求人倍率なんかも、いろんなことが出てきますから、これはお医者さん、櫻井さんはお医者さんですけど、総合診断するということですよね。だから、どこかの患部が悪いときに、体を総合的に、経済を、塚田さん、やっぱり総合的に診断をしないといけませんから、私はそこは、全てのデータが本当に悪い状況になって、どうもこれは例えば世界的な規模で恐慌にまで発展するような状況になりかねないとか、そういうことが顕著に出ていたときに、まあちょっと脱線するかもしれない、あなたの体は大丈夫だから手術をしましょうなんというのは名医でないわけです。
 そこはお互い十分に分かった上で、私としては、何としてもその方の体力を回復して、がんと元気になってもらって四十キロ走っても大丈夫ですという体力を付けていただいて、そしてこの負担をお願いをするということを何としても成し遂げますということを申し上げておるわけであります。
#138
○塚田一郎君 まあ来年財務大臣が櫻井議員かどうかは別として、ちょっと今の例えは納得のいかない例えですよね。もう経済ですから、当然人の体もそうですけど、生き物ですからいろんな要素があります。リーマン・ショックのような大きな問題あるいは東日本大震災のようなそういうリスクは当然停止の要因になると思います。そういうことだけではなくて、経済全般に今言ったような海外の経済の動向ですとかで非常に下振れリスクが出てきたときにもそういう停止の判断というのはする可能性があると、そういうことでよろしいですか。
#139
○国務大臣(岡田克也君) これは、やはりそのときの政権の命運を懸けた判断だと私は思います。総合判断と書いてありますが、その判断を誤れば、これは日本にとって、どちらの誤りもあると思いますが、やるべきときにやらない、やるべきでないときにやる。いずれにしても、それはまさしく日本の政治の将来を、命運を決めるような、左右するような大きな決断でありますので、時の政権がまさしく、もっと言えば内閣総理大臣がきちんと全体のその条文に則して最終的には自らの責任で判断すると、こういうことだと私は思っております。
#140
○塚田一郎君 まあごもっともな説明ですけれども、それは非常に、今の国民的議論からすると、そういった部分を残したままこの法律が通っていくということに対して多くの方々が不安を持つという部分が私はあるということをやっぱり十分認識をしていただきたいと思います。
 これの議論でもう時間になっちゃうので次に行きますけれども、実際、消費税の税収が仮に上がったとしても全体としての税収は上がるとは限らない。過去の引上げ時にはまさにそういう状況が起きています。
 資料の一番を再度見ていただきたいんですけれども、ここの赤線、下線を引いた部分に書いてありますが、他の税収が減少するため、改善幅は消費税による増収よりも小幅にとどまるということが明確にこの試算の中でも書かれております。消費税を一%上げたときの財政収支の改善は、一年目はGDP比で〇・四二、二、三年目は〇・二八。これをGDP五百兆と仮に試算をすると、それぞれ二・一兆円、一・四兆円ということで、一年目で二・一兆円、二年目以降は一・四兆円しか改善しないという数字になるんですね。
 政府が見込んでいるような、そんな税収が上がるという見込みは到底実現できないと思うんですが、それについてどう思われますか。
#141
○国務大臣(安住淳君) 消費税の税収の安定性というのは、余り景気に影響されないで入ってきますので、これは社会保障にふさわしいだろうということで、これは御党も含めて同じ認識だと思います。
 つまり、委員の御懸念というのは、所得税や法人税などが景気の影響によってこれは下がっていく可能性はあるじゃないかと。ですから、それを考えれば消費税の引上げ時の配慮というか、そういうことが大事だということだと思います。
 よくそこで例に出るのが九七年の話なわけです。この統計を見ても、ただ、これは何度も申し上げていますが、消費税のみを取ってこれを断ずる方もおられますけれども、財務省としての判断は、その後のやっぱりアジア通貨危機や山一とか拓銀の問題もありました。金融機関におられましたから、私よりもはるかに塚田先生そういうことは御存じなわけですが、あの当時はやっぱり不良債権という大変深刻な問題が我が国の経済を覆っていまして、そうした中でのやっぱり税収減があって、時の橋本政権はそういう中で景気対策も含めて様々な減税措置を講じておりましたから、そういうことからいうと、私は一概にはなかなか言いにくい部分があるし、平年でならしていったときには経済動向と消費税を五%に上げたことをリンクして考えることに対する根拠も余りないのではないかとも思っているんです。
 というのは、小泉総理になって、このお示しいただいた表でいいますと、〇七年が五十一兆まで戻っていますね、塚田さん、これ。不良債権を処理して、やっぱりデフレであってもこれは税収が上がっているのは景気が良かったからだと思うんですね。私は、小泉総理のやられた不良債権の処理というのは、大変な痛みを伴いましたけれども、結果的には体力を付けたし、アメリカの好景気にも支えられたと。実は、このときは地方に税源移譲していますから、それを入れると九七年の五十三・九兆を実は上回っているぐらいの税収を見込まれたと思います。
 そういうことから考えると、下振れのリスクを、先ほど日銀総裁も申し上げましたが、これを何とか防いで、経済のやっぱり状態を維持することが私は肝要だと思っておりますので、所得税や法人税が急激に落ち込まないような対策というものは取っていかなければならないと思います。
#142
○塚田一郎君 今財務大臣が引用されたのは資料三のところだと思いますけれども、確かに一時的には税収は五十兆円台に戻っているところが二回あります。ただ、現実問題には、九七年の五十三・九兆円のピークを超えることは実際ないんですね。しかも、その後ずっと下降をして三十八兆円まで下がり、さらに四十兆円の数字が今は大体現実的なラインですが、そのレベルまで来て今度の消費税の引上げということになるわけですね。
 したがって、その後の資料四を見ていただくと分かるんですが、まさに所得税、法人税、これはもうどんどんどんどん下がっていくという状況で、もう消費税しかないから消費税で何とか財源を確保しようと。恐らく、十三・五兆円という数字が消費税で実際に得られるとすると、所得税と逆転するわけです。
 そういう財源の中で消費税を上げていくということは、逆に言えば、税の体系上からいえば、消費税をどんどんこれからも上げていかないと全体の税収が維持できないような状況になる可能性が高い。したがって、そういうリスクがあるということを、御認識をされていると思いますけれども、結局は消費税だけ上げても財政再建はならないということに、また前回の引上げと同じようなことになるというリスクが高いと思いますが、その点の認識はいかがですか。
#143
○国務大臣(安住淳君) お示しいただいている資料に基づいて今日は議論をさせていただきたいと思いますが、四の資料で見ますと、多分法人税の累次の税率の引下げという要因はあると思うんです。経済が落ち込んで下がったんではなくて、法人税を累次下げていますから、九八、九九とかでは大体マイナス二兆円下げています。それから、例えば所得税で見ても、たしかこれ十六、十七、十八は、四千億、七千億、たしか二兆円の規模で、減税というよりも、これは税源移譲で下がっているんですね。その分、地方はですから助かっているわけであって、そういうことを考えると、確かに落ち込んでいくというふうな懸念を委員持たれていることはやっぱり分かりますが、私はこの統計から見ると、消費税のところでの大きな振幅を非常にやっぱりならしていくというか、振幅がないようにしながらソフトランディングをしていかなければならないと思います。
 それから、やっぱり人口動向を考えますと、所得税をこれからどういうふうにするかということに関して言えば、もちろん累進性を高めるという議論もありますが、働く若い人たちがどんどんこれから増えていくわけではありませんから、シャウプ勧告以来の構造からいえば、直間比率の見直しというのはやっぱりやっていかざるを得ないんだと思うんです。そういう意味では、基幹税の中で消費税の占める位置というのはどうしても、こうした高齢化社会を迎えて、我が国ではやっぱりやむを得ない部分というのは私はあると思いますから、しかし、これは痛みを伴います。お子様からお年寄りまで、本当に、コンビニエンスストアに行けば買うたびにこれは税金を納めてもらうという意味でいえば、目に見える分だけ逆に負担も感じるわけですから、このお金は逆に、私は、都合よく聞こえるかもしれないです、しかし、払うたびに、ああ、おばあちゃんの年金に行くんだな、ああ、お父さんの病院代に行くんだなと、こう思ってもらうようなやっぱり税にしていくというのも大事だということは、私、塚田さんに再三再四申し上げていますから、是非そういうふうな税にして信頼を高めていくというふうにしていきたいと思っております。
#144
○塚田一郎君 とってもすばらしい解説でありますけれども、おじいちゃん、おばあちゃんまで出ると説得力ありますが、そんなに現実は簡単ではないので。
 そこで、済みません、今日は軽減税率の問題で竹下先生にも来ていただいているわけで、最後、残り時間で質問をさせていただきますが、自由民主党としては軽減税率の導入を主張していらっしゃいます。その理由について、法案提出者の竹下議員から御説明をいただきたいと思います。
#145
○衆議院議員(竹下亘君) まず、三党で合意をいたしておりますのは、八%までに間違いなく簡易な救済措置を行うということは合意をいたしております。そして、その上で、軽減税率とそれから給付付き税額控除といった方策をきちっと議論をしようという、その中で私たちは軽減税率というものを主張をいたしております。
 これはヨーロッパでの例も参考にしなければなりませんが、痛税感の問題、あるいは、余りむちゃくちゃにやりますと消費税を上げて税収が確保できないという問題にも広がりますので、どの範囲にしていくかといったような問題。正直に言いますと、我々は消費税二桁になるときに複数税率、軽減税率というものを導入するのがいいのではないかなと、本音ではそのように考えておりますが、これはまさにこれからの議論であると、このように思います。
#146
○塚田一郎君 二桁というのは一〇%ということで、もうそれは視野に入っているわけでありますから、もうすぐに議論をしていかなければいけない話ですが、今お話あったとおり、EU諸国では軽減税率を採用していないのはデンマークぐらいで、ほとんどは採用しています。これだけ各国が採用しているということは、いろんな問題もあるけれども、やはりこれが一番いい方法だということで採用されているわけで、なぜ今の時点で軽減税率の採用を考えないのか、最後に大臣に御説明をいただきたいと思います。
#147
○国務大臣(安住淳君) 逆進性対策として給付付き税額控除というのは、ある意味ではターゲットを絞ってそこに手当てをさせていただくことによってできるだけ和らげたいと。しかし、今、三党での合意では、全くこれは同等に、複数税率、そして簡素な給付措置、どの時点からどういうふうにするかは、これらを三つテーブルにきちっと並べてということでございますから、私どももそれぞれの党の声に謙虚に耳を傾けて、国民の皆さんにとって一番いい方法というものを模索していきたいと思っています。
#148
○塚田一郎君 今日はこれで終わります。ありがとうございました。
#149
○竹谷とし子君 公明党の竹谷とし子でございます。
 本日は、まず、社会保障の受益と負担の見える化につきまして、関連して質問をさせていただきたいというふうに思っております。
 三党合意を踏まえまして、私もその三党の中の公明党の一員として、国民の皆様に、消費税増税とそして社会保障、この一体改革の必要性について、意義について日夜説明に回らせていただいております。
 この社会保障の負担、今回増税という形でお願いをするわけですけれども、納得感を得るには努力が必要だと思っております。新聞等の世論調査におきましても、半数の方が今回の法案に反対をされているという報道もあります。しかし、この社会保障というのは全て国民に返ってくるものであると本来思うんです。だから、それをやるために必要な財源として消費税があると、だから消費税を上げなければそれができなくなるんだということを実感を持って分かっていただかなきゃいけないと思うんですが、そのために政府としてどのような努力をされているのか、財務大臣と厚生労働大臣に伺いたいと思います。
#150
○国務大臣(岡田克也君) 委員の御指摘、非常に重要なことで、今、週末ごとに全国を回ってこの社会保障・税一体改革についての対話集会というのを開いております。
 そういう中で、まず、全体で百十兆円社会保障で給付されているんですよということを言いますと、しかもそのうちの半分が年金であります、五十三兆円以上が現に国民の皆さんに年金として支払われておりますというふうに説明しますと、結構驚かれる方多いんですね。そんなに大きな額なのかということが一つと、それからもう一つは、その内訳として税金が年金や医療に使われているということを余り認識しておられない方が結構いらっしゃるということも気が付きました。つまり、保険料で基本的に回っているというふうに思っておられる方がいる。そういう方々に対して、税がしっかりと使われている、国民の皆さんに還元されているということを丁寧に説明していく必要があるということを実感しているところでございます。
#151
○国務大臣(小宮山洋子君) 委員がおっしゃるように、まだまだ国民の皆さんに御理解がいただけていないので一層努力が必要だと思っています。
 ホームページとかパンフレットなどで紹介をすると同時に、あと、今、岡田副総理から答弁がありましたように、担当大臣で全国を回って対話集会を開いているということ、それから、やはりこれからの担い手になります子供たちにもこれは理解をしてもらわないといけないということで、今社会保障教育の試行事業を行う、そういう検討も進めているところですので、あらゆる手段を取って正しく御理解いただけるように努力をしたいと思っています。
#152
○国務大臣(安住淳君) 私、先ほど塚田先生にちょっとお話ししましたけど、やっぱり本当に、成立を仮にしたとしても、実施までの間に本当に丁寧に皆さんにお話ししないといけないのは、これ目的税化をして払っていただく税金はやっぱり年金、医療、介護や子育て、実際そういうふうに回っていくんですということを実感をしていただくということに対して努力、やっぱり私も足りないと思って反省しております。
 ですから、本当に、さっき言いましたけれども、ああ、おばあちゃんの年金に行くんだなとか、コンビニで払うたびに思ってもらうの大変だと思いますけど、是非やっぱりそういうふうに思っていただくぐらい我々自身が、政府もそうでございますが、やっぱり責任を持って国民の皆さんにこの仕組みというものを透明化していきたいと思っております。
#153
○竹谷とし子君 資料の一を御覧いただきたいと思うんですが、今、岡田副総理、百十兆円二〇一二年度で社会保障に掛かっていると、そして負担は保険料六十・六兆円、そして足りない分を税で四十・三兆円埋めていますと。これ、消費税が一%で二・七兆円という計算されていますが、一〇%になっても二十七兆円で全然まだ足りないですということも、きちんと説明をしていけば分かってくださる人も多いかというふうに思います。ただし、それは、この給付の方ですね、使われ方がきちんと納得感のあるものだと、必要になったときにきちんとそれにアクセスできる、そういった公平感、これがあることが一番重要であるというふうに思います。
 次のページでありますが、資料二を御覧いただきたいと思います。私も今説明をして回らせていただきまして、政府の資料もいろいろ切り張りしながら試行錯誤して使わせていただいております。これ、イメージつかむのにいいなというふうに思ったんですね、年代別にどんな給付を受けていて、負担はどれぐらいあるのかということで。
 これを見ますと、学校を卒業した後に年金を受け取るまでの間というのはかなり取られっ放しな感じがいたします。お子さんがいらっしゃったり、あるいは先ほど財務大臣がおっしゃいました、おじいちゃん、おばあちゃん、高齢の方が御家族にいらっしゃる場合はイメージが、そこに使われているんだなということが分かるわけですけれども、必要になったときにきちんとアクセスできるという公平感を醸し出すことと、必要になったときにどれぐらい払ってもらえるのかということを実感として感じてもらわなければいけないなというふうに思うんですね。
 百十兆円と先ほど岡田副総理おっしゃいましたけれども、一兆、二兆と言われても実感湧かないですよね。一兆円って、例えば毎日百万円使ったら何年使えるか、分かりますかね。これ、別に通告ないので。やっぱりなかなかイメージつかめないと思うんですね、実感として。だから、身近なところで幾らぐらい掛かっているのかというのを分かってもらわなきゃいけないと。
 例えば、一人当たりの社会保障の受益の平均額というのは幾らか、厚生労働大臣、御答弁お願いします。
#154
○国務大臣(小宮山洋子君) これは、社会保障給付費を総人口で割って機械的に計算をいたしますと、平成二十一年度時点で一人当たり年におよそ八十万円になります。
#155
○竹谷とし子君 ありがとうございます。
 八十万円自分は使われていないような気がするという人がかなり多いと思うんですね。先ほどの表でも、現役世代は確かにもらうよりも負担する方が多いんですけれども、保育園にお子さんを通わせていたり、学校に通わせていたり、おじいちゃん、おばあちゃん、そんなに掛かっているのかというふうに思う人が多分多いと思うんです。
 そこで、例えば特別養護老人ホーム、ここに入居された場合に平均的にどれぐらい掛かるかということを、公費負担と自己負担どれぐらいかということを御答弁いただきたいと思います。
#156
○国務大臣(小宮山洋子君) 特別養護老人ホームの入居者一人当たりの平均的な費用額は、一か月当たりおよそ三十六万八千円になります。このうち、自己負担額がおよそ五万二千円、公費、保険料による給付額がおよそ三十一万六千円です。その給付額の内訳は、保険料負担額がおよそ十五万八千円、国庫負担額がおよそ六万四千円、都道府県負担額がおよそ五万五千円、市町村負担額がおよそ三万九千円になっています。こうした月々の費用のほかに、施設整備の際に介護基盤緊急整備等臨時特例基金などによりまして一定の補助制度が設けられています。
#157
○竹谷とし子君 ありがとうございます。
 今御答弁いただいたのは資料の三と四にお付けをしております。
 特別養護老人ホーム、本当は入居する必要がない状態でずっと健康でいられればいいんですが、いざとなったときにそこに入れる、また御家族も介護で、私たちの年代は親世代の介護のために大変な御苦労をしている人が多いです、働きながら。仕事を辞めざるを得なかったり。そうしたときに安心して親御さんを預けられる、そういう介護施設があるということは現役世代にとっても非常にメリットがあるということだというふうに思うんですが、これを見ますと随分お金が掛かるんだなということを分かっていただけると思うんです。介護のお仕事をされている方々に伺いますと、介護の職員の方の給与水準が低いということでお声を常にいただきます。それでもこれだけ、一か月当たり、これは要介護度四の方の場合ですけれども、これだけ掛かると。
 例えば、私、高校時代に北海道から親に出してもらいまして下宿をして東京で高校に通っておりました。そのときの下宿は四畳半一間で、一年生のときは二人で六畳間だったんですけれども、それで二食です。朝と夜、おいしい御飯を食べさせてもらいました。それで大体五万円ぐらいでした。
 そうすると、この自己負担額だけで大体できているのかなって何となくイメージがしてしまうわけですね、知らなければ、コストを。そうすると、その裏に給付費として三十一万六千円もあるんだということをやっぱりこうやって出してもらわないと分からないんですね。保険料、四十歳以上の方の介護保険料、そして(2)の国庫負担額から都道府県、市町村の負担額、ここに消費税が充てられているということだと思うんです。
 それをやっぱり丁寧に説明をしていかなければいけないなと思うんですが、そしてもう一つ、この透明性、開示をきちっとしていくということと、入りたい、入る必要があるというときにきちっと入れるということが必要なんです。
 特別養護老人ホーム、西東京市で私も一番最初に政治家を目指したときに視察させていただいたんですが、そのときに、もう本当にそこに入居されている高齢者の方が、その前、大変苦労されていたそうなんですね、入らせてもらって本当に有り難い、そうやって感謝をされていました。入りたいと思える人がみんな入れるといいなってそのとき思ったんですけれども、入れない人の悩みを今たくさんお伺いしています。
 入りたいと思って特別養護老人ホームに入居を希望していながら待機している、そういう方の人数を教えていただけますでしょうか。
#158
○国務大臣(小宮山洋子君) 平成二十一年度に国が都道府県に対して調査をした結果、特別養護老人ホームの入所の申込者の数、四十二・一万人でした。そのうち、入所が急がれると考えられる在宅で要介護度が四又は五の人が六・七万人でした。また、平成二十二年度の老人保健健康増進等事業で入所申込者の実態調査を実施した結果、施設側から見て真に入所が必要な人は入所申込者全体の一割強ということでした。
 今後とも、こうした調査結果などに基づきまして特別養護老人ホームの整備に努めますし、また今、今回改革の中で目指している在宅でもサービスを充実させていく、両方必要だというふうに考えています。
#159
○竹谷とし子君 ありがとうございます。
 今、要介護度四又は五の方で六・七万人、また介護施設側から見て申込みされている方、確かに今すごい必要じゃないんだけど順番待ちになるので申し込んでおいた方がいいという方も、それで申し込んでいる方もいらっしゃるということも私よく存じ上げていますけれども、それでもその中で一割の方が入らなきゃいけないのに施設がないから入れない。これで、入った方にはこれだけ公費負担があるわけですよね。入っていない方にはここまではない可能性が高いですね。これは非常に不公平だと思うんです。こうした不公平感をきちっと解消していくこの取組を迅速に進めなければ、やはり消費税増税に対する理解もなかなか得にくいんではないかというふうに思います。
 私、公明党の離島振興対策本部の一員として、昨年、鹿児島県のトカラ列島というところがあります、そこに行かせていただきまして、十三時間鹿児島から船に乗って、生活便です、島民の方と同じように行かせていただいて、そこは介護保険料を払っているのに介護施設がないんですよ。そういった方々にそのサービスを受けてもらうためにはどのような方策が必要だと考えていらっしゃいますでしょうか。
#160
○国務大臣(小宮山洋子君) 離島やへき地などでも必要な介護サービスが確保されるように、各市町村の介護保険事業計画に基づいて整備に努めていただいています。
 事業所がないなどの理由でサービスを利用できない人数については、サービスを利用しない理由が個々人によって様々であるので把握することが困難だというふうに言われておりますけれども、やはりおっしゃるように、離島、へき地でもきちんとそういうサービスが得られなければいけない。今回改正された離島振興法で介護サービスの確保などが盛り込まれた趣旨、これも十分に尊重しまして、離島などの実情も聞きながら、必要な介護サービスが確保できるように最大限努めていきたいと思います。
#161
○竹谷とし子君 ありがとうございます。
 では、午前の質問はこれで終わらせていただきます。ありがとうございます。
#162
○委員長(高橋千秋君) 午後一時に再開することとし、休憩いたします。
   午後零時四分休憩
     ─────・─────
   午後一時開会
#163
○委員長(高橋千秋君) ただいまから社会保障と税の一体改革に関する特別委員会を再開いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 本日、川合孝典君及びツルネンマルテイ君が委員を辞任され、その補欠として藤本祐司君及び大島九州男君が選任されました。
    ─────────────
#164
○委員長(高橋千秋君) 休憩前に引き続き、公的年金制度の財政基盤及び最低保障機能の強化等のための国民年金法等の一部を改正する法律案外七案を一括して議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#165
○竹谷とし子君 午前中に引き続き、質問をさせていただきます。
 社会保障の見える化の必要性について午前中に財務大臣、厚労大臣、また副総理から御答弁をいただきました。
 資料の二の方に戻っていただいて、「生涯でみた給付と負担のバランス」という内閣府の資料でありますけれども、ここで、生まれてから大学を卒業するまで給付の方が上回る状態で、その後、年金もらい始めて急激に給付が上がっていくということでありますが、やはり高齢者の方々に非常に大きく給付が偏っているといいますか、手厚くなっている。当然、年金等、払ってきた分もありますので、相応のものもありますけれども。
 そこで、六十歳以上、また六十歳未満で社会保障の給付額は平均でどう変わるかということを厚労大臣に御答弁いただきたいと思います。
#166
○国務大臣(小宮山洋子君) 平成二十一年度の社会保障給付費九十九・九兆円のうち、公的年金制度、後期高齢者医療制度、介護保険制度による給付費等を合計した高齢者関係給付費は六十八・六兆円です。これは、こうした制度の主な対象者である六十五歳以上の人の一人当たりに換算すると、年およそ二百四十万円になります。
 一方で、高齢者関係給付費以外の社会保障給付費は三十一・二兆円で、これを六十五歳未満の人の一人当たりに換算すれば、年およそ三十万円になります。
#167
○竹谷とし子君 ありがとうございます。
 長生きしたら戻ってくるというふうに思ってもらうことも必要であると思いますが、やはり現役のうちに社会保障を受けているんだという実感を持ってもらうことは非常に、負担を多くしていただく側にとって重要であるというふうに思います。
 そこで、特に子育て、お子さんがいらっしゃる方々にやはり社会保障の給付の実感を持っていただく必要があると思いまして、保育所また幼稚園にどれぐらいのお金が掛かっているのかということをきちっと明確に御説明していく必要があると思っております。
 保育施設に子供を預ける場合、平均的な例で一人当たりそれぞれ幾ら公費負担、自己負担があるか、厚労大臣、御答弁をお願いいたします。
#168
○国務大臣(小宮山洋子君) 平成二十四年度の保育所運営費予算に基づいて保育所を利用する児童一人当たりの費用を試算しますと、年間でおよそ九十二・九万円になります。その内訳としては、公費負担額がおよそ五十六・八万円、保護者負担額がおよそ三十六・一万円になります。
#169
○竹谷とし子君 ありがとうございます。
 全年齢の平均で保育所の場合、これ私立の保育園ですね、費用総額は九十二・九万円、保護者の負担額三十六・一万円ということであります。
 お母様方ともお話をさせていただきますが、この保護者負担額が重い、これを無料化してほしいという御要望、大変多く寄せられます。お声の中では、先生たちの人件費ぐらいしか掛かっていないんでしょうというふうに言われたんですね。いや、そんなことないですよと、施設の費用もありますし、運営費用には、直接面倒を見られている方々以外にも管理されている方もいらっしゃいますし、様々、器具、備品等でもお金も掛かりますということを御説明して、ああ、そうだったのというふうにやっと分かってもらえる場合もあります。
 保育の、これ以外にも施設整備費というものもまたあると思うんですけれども、これもやっぱり見えないんですね、このコストの中に含まれていないと思います。それもやっぱり実感として分かっていただかなければいけないなというふうに思います。
 一方で、幼稚園の場合、お子さんを預ける場合に一人当たりどれぐらい掛かるのか、文科副大臣、御答弁お願いいたします。
#170
○副大臣(高井美穂君) 二十四年度予算を基に計算した場合、幼稚園の方の運営費は、国と地方と合わせた一人当たり年間公費負担額というのは、公立幼稚園の方では約三十五万、私立幼稚園の方では約二十万円ということでありまして、一人当たりに換算しますと、年間保護者負担額が公立幼稚園で約八万円、それから私立幼稚園で約二十六万円でございます。
 あわせて、幼稚園の方の施設整備費の方についてですが、これも二十四年度当初予算においての換算ですけれども、公立幼稚園に関しては学校施設環境改善交付金というのがございまして、これは幼小中全部になるんですが、約六百九十九億のうちの一部を措置ということで、ちょっと切り分けて幼稚園だけというのは難しいんですが、その六百九十九億の中の一部と。それから、私立幼稚園に対しては、私立学校施設整備費補助金ということで、約二十三億円というものを措置しております。
 補助率の方は、地震による倒壊等の危険性が高い施設の耐震補強工事などを行う場合には、公立幼稚園は三分の二、私立幼稚園は二分の一となっておる現状であります。
#171
○竹谷とし子君 ありがとうございます。
 今の厚労大臣と文科副大臣の御答弁は、資料六、七、八、九の方でお付けをしております。
 この保育所の場合と幼稚園、これから認定こども園増やしていくということでありますけれども、保育所と幼稚園比較してみますと、四歳児以上で比較をしてみます。資料六のところで、全年齢の平均が左端にあります。右端のところに四歳以上の子供ということでこの費用を分けて書いていただいているんですけれども、ここでは公費の負担額が二十・四万円、保護者負担額が三十・六万円となっています。一方で、幼稚園の場合、これ私立同士で調べますが、資料八のところ、公費負担が二十万円、実質の保護者負担が二十六万円ということで、まあまあ近い金額にはなっているんですけれども、これから認定こども園にしていくということで、これは大体このぐらいの基準で補助をしていくということなんでしょうか。
 ちょっと通告の中でそこまで細かくはしておりませんので事務方でもいいんですけれども、方向性というか、どれぐらい補助していくのか、もしお答えになれるようであればお願いしたいと思うんですけれども。
#172
○国務大臣(小宮山洋子君) 保育所などの預ける場合の費用については、今回、ですから幼稚園型、保育が必要ない子供と、それから保育が必要な子供は長時間と短時間とに分けて認定をすることにしています。それで、自己負担額というのは今の額を基準にして考えていきたいと思っています。それで、あと〇・七兆円分を消費税を上げさせていただくところからあげますので、それをまた量とか質の拡充に使っていきたいというふうに考えています。
#173
○竹谷とし子君 ありがとうございます。
 自己負担額は一定レベルに抑えるということなんですけれども、やっぱり公費負担額も我々が、納税者が負担していますので、そこもちゃんと説明をしていただきたいんですね。
 この幼稚園の資料八のところを見ますと、公立には公費負担が三十五万、私立には二十万ということで、実質の保護者負担が公立の場合下がっているわけですね。これ同じ場所に住んでいてどっちか選ぶことができるんでしょうか。場所によっては私立しか選べないという地域もあると思うんですよ。そうすると、保護者負担、どうしても高くなってしまいますけれども、やっぱりこれも不公平感を生み出す一つの要素なんですね。
 この公費負担のところもきちっと透明化をして、どこに住んでいても同じぐらい、同じレベルの公費負担されるということを目指していくのか、あるいはそのサービスレベルということであれば、レベルをどこにするのか。地域によって、過疎地域と密集地域と、それはコストでいけば、規模の経済からいって密集地域の方が単価が下がる場合あると思うんですね。それはそれで説明が付くことでもあると思います。
 そういったことも含めて、この公費負担を、もう青天井にしていいわけじゃないので、限られた中で一番効率的に、サービスレベルを高くやるためにどういう方針でいくのかということを教えていただけますか。
#174
○国務大臣(小宮山洋子君) 今度は施設型の給付ということで、個人給付にしていくわけです。それで、代理で施設が受領するような形にいたしますので、子供たちに対しては同じ額が行くということ。ただ、公立の保育所については既に一般財源化をされていますので、そこのところはちょっとまたカウントが変わってくるということかというふうに思います。
 もっと詳しくということであれば、質問の御通告がなかったので、事務方が答えられれば、あと答えさせたいと思います。
#175
○竹谷とし子君 細かい質問ですので、また改めて別途教えていただければというふうに思うんですけれども、今、個人個人に一人当たり幾らという形で、疑似バウチャー的なのかなというふうに今お聞きして思ったんですけれども、まあそれはそれでリーズナブルかなというふうに思うんです。
 今、公立の分は一般財源化しているのでというお話ありました。この資料七、資料九のところにあるんですけれども、資料七のところでは、保育所の施設整備費について、公立保育所については、各地方自治体の判断によって地方交付税の中で対応すると。今度は、資料九の方では、これも公私立幼稚園の施設整備費補助の概要ですけれども、先ほど文科副大臣から御答弁ありましたけれども、学校施設整備費の補助金の内数として把握していないということなんですよね。
 これから社会保障のために増税するって言っているわけなんです。それを、使途を明確化していきますと、今の年金、医療、介護に加えて少子化対策、子育て支援、そこを増やしていきますよということなんですけれども、今の状況で、交付税措置をして、そこからどうやって使われているか分からないんですと、幾ら使われているか分からないんですという、そういう御説明ではやっぱり不十分なんです。これ、どういうふうに説明をしていこうというふうに思われますか。
#176
○国務大臣(小宮山洋子君) 地方にも地方版の子ども・子育て会議、会議体でなくても、何らかのやはり保護者とか関係者がチェックできる仕組みはつくると。今回、三党合意の中で、できるだけつくってほしいと言ったのが努力義務という形でそういうものをつくることになりましたので、そこで会計の報告というか、そこも透明化をその中で図っていくというようなことになるというふうに思います。
#177
○竹谷とし子君 今、会計の透明化も図るとおっしゃられましたけれども、国費で賄われている分、地方税で賄われている分、交付税措置された分、それも全部合わせて、施設整備費も合わせて透明化をしていくという、そういうことでよろしいでしょうか。
#178
○国務大臣(小宮山洋子君) 詳細につきましては、また実際に仕組みが動くまでの間に、中央にも子ども・子育て会議をつくりますし、多くのステークホルダーの方に集まっていただいて、地方にも地方版をつくりたいと思っていますので、そういう中で細かい、どういう形でやるかという具体的なことはまた詰めていくことになると思います。
#179
○竹谷とし子君 ありがとうございます。
 今お聞きした子ども・子育てに関するところだけでもこれから詰めていくという、そういう状況だと思うんです。
 この給付について、納得感、公平感、全部国民に現金給付あるいはサービスとして還元されているんだ、そしてそれに対して満足をしてもらう、それのためにこの社会保障の資金の流れの透明化ということは必須であると思います。社会保障だけじゃなくて、税、それの裏付けになるお金の一体改革でありますので、その必要性につきまして、財務大臣、御答弁をお願いしたいと思います。
#180
○国務大臣(安住淳君) 竹谷委員からは、かねがねこの予算の透明化について予算委員会や財金で御質問いただいておりますし、提案をいただいております。
 今回のこの消費税分というのは、社会保障四経費に拡大させていただきますが、社会保障目的税化をしております。会計上も予算等において使途を明確化することとしておりますから、政府としても、消費税収の区分管理と透明性の確保は極めて重要だと認識しております。
 どういうやり方があるかはこれから議論をさせていただきますが、私は、やっぱりリーフレットを作ったり全国に伺ったり、例えば、予算書ではこうしていますというだけでは、竹谷さんの御主張のように、国民の皆さんにとってなるほどというところまではまだ更に努力が必要なような気がしております。
 ですから、例えば、今施設のこととか出ましたけれども、例えば一つの例として考えれば、これから目的税化をして、何か施設を造るときにそれに消費税が充当されているんであれば、その施設の建設のどこかの建物のどこかにこれはそういう形でそういうお金が充当されているとか、更に言えば、足りない分は赤字国債で賄った部分でとか、やっぱり国民の皆さんにこれからは、払っていただいたりそれから国債を賄ったときに何に使っているかをより細かく分かりやすく示していくということもやはり浸透していくのには重要な感じがしておりますので、具体的なことは是非三党も含めて御議論をさせていただくと同時に、政府としてもいろいろ具体化をしていきたいと思っております。
#181
○竹谷とし子君 ありがとうございます。
 今、安住財務大臣のお話の中で、例えば施設を造ったら、この施設を造るために消費税幾ら使いました、そして子供たちの借金は幾らですというような明確化をしていくことは非常に大事だと思うんですね。リーフレットを作ったり……(発言する者あり)
#182
○委員長(高橋千秋君) 御静粛に。
#183
○竹谷とし子君 リーフレットや対話集会なども有効かもしれませんけれども、そこでやっぱり話す内容に中身がなきゃいけないんです、もし、せっかくお金掛けてやるんですから。であるので、きちんと区分経理をして透明化をしていっていただきたいなと思うんです。
 これに関しては、東日本大震災の復興資金の透明化ということで一つ実績があります。これ、復興基本法の中に入れていただいて、そして財務省の方とも私も何度もやり取りさせていただいて、最初はできないと言われました、一般財源の中に入っているから抽出できないと。しかし、やっていただきました。非常に御苦労されたかというふうに思うんですけれども、資料でもお付けしておりますけれども、資料十三ですね、少し飛びますけれども、ここで、東日本大震災復旧・復興予算の執行状況ということで予算額と執行額出たんですね。これ、それをやらなければ出なかったんです、この執行額というものが、一般財源の中に入ってしまうと。三次補正のときから分けて管理していただきました。私、一次補正、二次補正のときにも、区分経理していませんでしたけれども、ちゃんと開示をしてくださいということをお願いしまして、大変苦労してやっていただいたんですね。例えばこういうふうに、社会保障に関しても様々な財源から持ってきますので、やる必要があるというふうに思っております。
 続きまして、今度は防災、減災について質問させていただきたいと思います。
 被災地に私も通わせていただいておりますけれども、震災で大変なもう被害を受けられている、復旧がなかなか進まない状況を御支援させていただいておりますが、支援させていただくと同時に教えていただいていることがたくさんあります。私は東京の議員でありますが、首都直下大地震、これへの対策、もう本当に待ったなしだということを思っております。また、全国も同じであると思います。
 また、先ほど安住大臣がおっしゃられていましたけれども、社会資本の老朽化というものが始まっていると。この対策、何もしなければいつか壊れるわけであります。その時期が近づいているということで、対策を打っていかなければいけないと思っておりますが、例えば橋、全国の橋梁につきまして、点検また長寿命化の計画の状況について国交省にお伺いいたします。
#184
○政府参考人(菊川滋君) お答え申し上げます。
 全国の橋梁でございますが、橋長十五メートル以上ということでお答え申し上げたいと思います。
 全部で約十六万橋、高速道路から市町村道までございますが、このうち、高速道路会社とそれから直轄で国で管理をしている橋につきましては、これは五年ごとに点検を行いまして、その結果に基づきまして修繕の計画を作って、そして修繕が必要とされました橋梁につきましては、おおむね五年以内に修繕を実施しております。
 ただ一方で、地方公共団体が管理する橋梁でございますが、十四万橋ほどございますけれども、今年の四月時点でございますけれども、点検の実施率が九三%、そしてその長寿命化の修繕計画の策定率は六九%という状況になっております。
 また、地方公共団体の修繕計画ですけれども、これは計画期間をおおむね十年間としておりますが、修繕が必要だというふうになった橋梁に対しまして、この四月時点で修繕を既に実施しているという橋梁数の割合は一一%という状況になっています。
 以上でございます。
#185
○竹谷とし子君 ありがとうございます。
 長寿命化計画は比較的順調に立てられているようでありますけれども、実際に修繕されているのは一一%ということで、なかなか進んでいない状況であるというふうに思います。
 十五メートル以上ということで今御答弁いただきましたが、地方の方々とお話をしていて、地方自治体の、これ十五メートル以上のものに重点的に今お金配分していますけれども、それ以下のものもたくさんありますと、約六十五万橋でしょうか。これについて、予算が、社会資本整備交付金の中からと言われていますけれども、実質使えていないと、予算が足りないから。それが進んでいない状況、長寿命化計画さえも立てられない、点検さえできない、そういうお声がありますけれども、これはいかがでしょうか。
#186
○政府参考人(菊川滋君) 十五メーター以下でございますけれども、御指摘のようにたくさんございます。十五メーター以下で二メーター以上というのが約五十万橋ぐらいあるんですけれども、これにつきましては、高速道路会社あるいは国の場合は先ほど申し上げたような形で点検をして計画を作って修繕をやっているわけでございますけれども、地方公共団体の管理する橋梁については、これは十五メーター以上というのはやっぱり長くなりますので何かあった場合の影響も大きいということで、そういうものから優先的に策定を進めておるというところでございまして、それ以下の橋梁についての点検の実施状況等の把握については今後の課題だというふうに考えております。
#187
○竹谷とし子君 ありがとうございます。
 今、十五メートル以上のものが影響が大きいからそれを優先してやっていると。その優先順位を付けることは大事なことかというふうに思うんですけれども、地方自治体はお金がないからできないという、そういうボトルネックがあるわけなんですね。
 この橋についてなんですけれども、資料十一そして十二を御覧いただきたいんですけれども、事後保全という形で、だんだん老朽化をして損傷が激しくなってから直していたんでは遅いと。架け替えのコストというのは非常に高い、一回仮の橋を造らなきゃいけないから、用地買収等があって物すごいお金がかさむということをお聞きをしております。
 それに対して、対症療法型の事後保全ではなくて、小まめに点検を行って、そして傷が小さいうちに直していくという予防保全、これかなり一般化していると思いますけれども、これをやることによってどれぐらいコストが下がるのかということを東京都、資料十一にお付けしている資料がそれです、また青森県など、ほかに全国の自治体でも進んでいるところはやられておりますけれども、東京都の資料を見ますと、三十年間で事後保全だと一・六兆円が掛かってしまうと。しかし、予防保全を行うことによって長寿命化を図る、これで五千億に済むと。三分の一以下です。一・一兆円コスト縮減できる。また、青森も、ここまでの比率ではありませんけれども、七百七十七億円、五十年間で縮減できると。そういった点検とシミュレーションを行って、トータルで見て安く済む方法といってやっているわけですね。
 これを今予算がないからといって先送り先送りすると、子供たちに借金だけじゃなくて壊れた橋も残すことになるんです。今やることによって適正な価格でできると。これをやっていくべきだというふうに公明党は、防災・減災ニューディールということで、先週、防災・減災ニューディール推進基本法骨子案というものを発表させていただいたんですが、まず総点検をして、リスクを洗い出して、そしてどれぐらいお金が掛かるのかということをきちんと出して、そして優先順位を付けて、今不景気なんですから、後からだったらもっとお金が掛かるわけです。今それを重点的にやっていくべきだというふうに考えております。
 全国の橋梁でこの予防保全を行った場合、先送りしないで、それによるコスト縮減効果というものはどれぐらいと試算されているか、総務省にお伺いいたします。
#188
○政府参考人(新井英男君) お答えいたします。
 総務省では、平成二十二年二月に、道路橋の保全等を中心といたしまして、社会資本の維持管理及び更新に関する行政評価・監視の結果に基づき勧告を行っております。
 お尋ねの試算につきましては、その際、橋梁の長寿命化対策に取り組んでいる代表的な地方公共団体の試算方法を参考に、全国の地方公共団体が管理する橋長二メーター以上の約六十五万の道路橋について、同対策を講じなかった場合及び講じた場合の維持管理等に掛かる経費を試算したものです。
 その結果、今後五十年間で長寿命化対策を講じず、いわゆる事後保全型で維持管理した場合には約四十兆七千億、長寿命化対策を講じ、いわゆる予防保全型で計画的に維持管理した場合には約二十三兆三千億円、費用削減効果は約十七兆四千億円と試算したものでございます。
#189
○竹谷とし子君 ありがとうございます。
 非常に貴重な試算かと思います。もちろん数字の精度というのは、あくまでもモデルに当てはめただけですので、これから実際点検をして個々の状況を調べていけばもっと精度が上がってくると思いますが、予防保全によってコスト縮減効果があるというのはもう非常に一般的な通説となっております。
 これにつきまして、社会インフラの予防保全実施によるライフサイクルコスト縮減による長期的な財政改善の効果について財務大臣の御見解を伺いたいと思います。
#190
○国務大臣(安住淳君) 今御指摘ありましたけれども、私も、高度成長期の集中的にできた、特に東京なんかの高速道路なんかを御指摘だと思いますけれども、老朽化をしているものを維持更新していくのにはどういうふうにしていくかということで、その中の一つの考え方として、この社会資本のライフサイクルコスト全体を抑制していくために、今委員から御指摘がありましたような、計画的な維持管理をした方が安く、そして効果的であるというふうな御指摘だと思います。
 十七兆という、今、引き算をすると十七兆ぐらい得をしますよということですけれども、もしそういうことであれば、それは、数字の根拠はちょっとよく分かりませんので、ただ、もしそれぐらい本当に経費的に言わば効率も良く浮くのであれば、それは計画的に、プライオリティー高い事業として国交省なりを中心に計画を立てていただきながら、住民の皆さんにとっても自治体にとっても優先順位の高い事業としてやっていただくということはあってもいいと思っております。
#191
○竹谷とし子君 ありがとうございます。
 後になればなるほど高くなるんですね。今やるべきなんです、デフレなんですから。
 これ、お伺いしたいんですが、被災地で復旧復興事業の入札不調になっているということを現地に行くと伺うんですが、その事実はあるかということ、そしてそれはなぜかということを国交省にお伺いいたします。
#192
○政府参考人(佐々木基君) お答えいたします。
 被災三県における入札不調の発生率を見ますと、昨年末よりはやや減少傾向が見られますが、土木一式工事を見ますと、六月の入札不調発生率は岩手県で一一%、宮城県で二九%となっております。
 その原因でございますけれども、被災地において、技術者、技能者、こういった方々が不足しておりまして工事に配置できない、そういった事態が生じているということが主な原因だと考えております。
#193
○竹谷とし子君 ありがとうございます。
 技術者が不足しているんですよね。これ、土木建設工事全体でも言えることなんですよ、被災地だけではなくて。技術が必要なんで、誰でもいいわけではないんですね。すぐできるわけではないと。ある程度の技術を持った人がそれなりの比率でいなければいけないと。
 今、土木建設工事関連でインフレが生じているというふうに、被災地に限定されますけれども、私は実感として感じます。財務大臣、個人的見解で結構ですけれども、いかがでしょうか。
#194
○国務大臣(安住淳君) やっぱりどうしても単価が高くなりまして、被災地に限らず、例えば私が最近、最近といっても三月に秋田にお邪魔したときに、やっぱり秋田では被災地に大工さんや何かが取られて、秋田でもし仕事をしてもらうんだったら、昨年の震災前の倍近い日当が掛かってしまうと。そういう点での、言わばその単価の引上げというのが広く浸透して品不足、また人不足というのが起きているということは事実だと思っております。
#195
○竹谷とし子君 ありがとうございます。
 人がいない、そして工事がたくさんあるという状況になると、インフレになるんですね、急に。だから今、デフレの今だからこそやるべきであると、景気対策にもなると。後になればなるほど復旧復興工事というのが遅れてしまうんです。今できる限りのことをやって、命と財産と生活を守るために防災、減災に重点配分をやるべきだというのが公明党の主張でありますけれども、その他、所管のインフラ、橋だけではありません、様々あります。それについて総点検、計画策定を行う必要性の認識及び具体的なアクションについて、国交副大臣、厚労大臣、総務大臣にお伺いいたします。
#196
○委員長(高橋千秋君) 時間が来ておりますので、短めにお願いします。
#197
○副大臣(吉田おさむ君) 社会資本の老朽化の進行に対しましては、適切に老朽化対策を講じることが必要であると存じております。社会資本の実態把握、長寿命化計画の策定とその計画的な実施など、戦略的な維持管理、更新を実施してまいります。
 特に、今委員御指摘の地方公共団体におかれましては、長寿命化計画の策定への財政的、技術的支援を行うなど必要な支援を実施してまいります。
#198
○国務大臣(小宮山洋子君) 水道施設について、高度成長期に造ったものが更新の時期を迎えています。計画的に更新が進められるようにアセットマネジメントの手引を作っていますし、今年度から、そのアセットマネジメントの簡易ツールとか事例集も今作っておりますので、適切にその施設の更新が図られるように支援をしたいと思っています。
#199
○国務大臣(川端達夫君) るる御指摘の総点検は大変重要なものであると我々も思っております。
 本来、地方公共団体が維持管理しているものは地方公共団体が自主的に行うものでありますけれども、やり方等々の手法は、やはり専門的な分野もありますので、これに対する情報提供は総務省として今までも行ってきておりますと同時に、道路、橋梁などを始めとした社会インフラの維持修繕等の必要な経費については、維持修繕の実績等も踏まえつつ、今後も今までどおり適切に交付税措置をしてまいりたいと思っております。
#200
○竹谷とし子君 今までどおりでは困りますので、よろしくお願いいたします。
 終わります。ありがとうございました。
#201
○姫井由美子君 国民の生活が第一の姫井由美子です。
 今回は、新会派での初めての質問です。これからまだ質問が続きますので、本日は全体像についてお伺いしたいと思います。
 まず最初に、岡田副総理にお伺いいたします。
 なぜ社会保障と税の改革を一体で考えるようになったんでしょうか。この一体改革の意義をお伺いしたいと思います。
#202
○国務大臣(岡田克也君) まず、現状、社会保障制度について様々な改革を必要とするという現実がございます。年金制度にしても子ども・子育てにしても、現状のまま放置はできないという中で改革をする。具体的には、年金については二本、子ども・子育てについては三本の法案を国会に提出をさせていただきました。そして、そのことと併せて、その裏打ちとなる分も含めた財源をしっかりと確保すること、現状では社会保障制度の持続可能性というものが必ずしも保証できない状況、そういう中で社会保障・税一体改革ということをお願いしているところでございます。
#203
○姫井由美子君 あくまでも一体と言われながら、この度の三党合意では、実質、政府・民主党の社会保障改革部分が棚上げになったと言わざるを得ないと思います。
 新年金改革や後期高齢者医療制度の廃止等も三党合意が前提であるということです。これでは、車の両輪であるはずの社会保障・税の一体改革、片方の社会保障の部分が脱輪状態ではないでしょうか。そうであれば、今は動かないはずです。片方だけを進めようとする、それを無理に推し進めようとするので、これでは社会保障は隠れみのであって目的は消費税の増税だと言われても仕方ないのではないでしょうか。
 これにつきまして、もう一度副総理にお伺いいたします。
#204
○国務大臣(岡田克也君) 委員は基本的認識が違うと思うんですね。今おっしゃった後期高齢者医療制度の廃止の問題とか年金の抜本改革、これはそもそもの我々の提案した法案の中には入っていないわけであります。我々が言っている社会保障・税一体改革というのは、具体的に示されているのは八本の法案、そのうち税を除く六本、政府提案でいえば五本なんですが、これが社会保障の中身であって、委員御指摘の後期高齢者医療制度の廃止とかあるいは年金の抜本改革というものは、それは今回の五%の内訳としては入っておりません。そこは明確に認識していただきたいと思います。
#205
○姫井由美子君 そもそも入っていないこと自体が私は大変問題ではないかと思います。
 私たちは、基礎年金は税金でということをずっと訴えてまいりましたし、後期高齢者の医療制度の廃止というものも一番に訴えてまいりました。そして、もしそもそも入っていないんだとするならば、入っている部分につきましても、検討するであるとか国民会議に全部依存するであるとか、政治家の責任を外してそれも先送り、棚上げと言わざるを得ないんではないでしょうか。
#206
○国務大臣(岡田克也君) そもそも入っていないというのは、例えば我々の言っている年金の抜本改革について党内の中で試算をしたものでも、消費税に換算すればプラスアルファの税率アップが必要であるという結果が出ております。そういうものは五%に入っていないんです。
 ですから、五%に入っていれば委員のような御指摘は分かりますけれども、それは別にして元々議論していた、党の中で。その経緯を十分に踏まえていただきたい。もし、年金の抜本改革について……(発言する者あり)
#207
○委員長(高橋千秋君) 御静粛にお願いします。
#208
○国務大臣(岡田克也君) それが五%の枠の中でやるという議論であれば、そんな議論は私、党の中でも聞いたことありませんよ。
#209
○姫井由美子君 そもそも最初に社会保障・税の一体改革と言われ始めたとき、私たちはもちろんのこと、国民の皆様も、この中には年金改革であるとか私たちがマニフェストの中でイの一番に訴えてきた後期高齢者医療制度等、つまり社会保障の維持だけでなく充実部分が随分入っていると思われました。
 しかし、実態は、維持ということであれば、つまりは社会保障が私たちの実感としては手厚くならないということで、つまりは最初から社会保障と税の一体改革というのは社会保障が隠れみのであったと言わざるを得ないんではないでしょうか。
#210
○国務大臣(岡田克也君) これは党の中でもずっと議論されてきたことですが、五%のうち一%は充実に、四%は現在の制度の安定に、そういう整理をしております。
 充実の中には、先ほど申し上げた年金の、例えば被用者年金の一元化とか、これは別に税金を使うわけではありませんけれども、それから二十五年を十年にすることとか、そういった中身が入っているわけであります。子ども・子育てについても、もう私がここで改めて説明する必要もないと思いますが、そういうことのために一%使いますとはっきり中身は特定して議論していたはずでございます。残りの四%は安定のために使うと。
 後期高齢者医療制度の廃止や年金の抜本改革に伴って必要な財源というものはその五%の外のものとして党の中でもきちんと議論してきたはずでございます。
#211
○姫井由美子君 それでは、これからも社会保障の維持、つまり安定化と、そして充実には消費税を充てていくということでしょうか。
#212
○国務大臣(岡田克也君) 五%については先ほど申し上げたことでございます。
 それで、委員御指摘の後期高齢者医療制度の廃止とか年金の抜本改革については、我々、もちろんこれは非常に重要な政策だというふうに考えておりまして、これから国民会議の場でもそれから三党間の協議の場でもしっかりと主張をして、そして、もちろんこれは各党協議しなければなりませんので我々の考え方が一〇〇%通るということではないかもしれませんが、しっかり我々の主張が通るように議論していきたいというふうに考えているところでございます。
#213
○姫井由美子君 私たちは、社会保障・税の一体改革、これを各国民に理解してもらうために民主党からパンフレットを作っていただきましたし、また野田総理も当初、なぜ社会保障と税の一体改革かというところでは、そのパンフレットの六ページにもありましたように、現在は三人の現役世代が一人の高齢者を支えている騎馬戦型状態だと、そして二〇五五年には一人の現役が一人の高齢者を支える肩車方式になる、これでは財源がもたない、待ったなしだと言われましたが、では今回の五%アップをしたこの消費税の、この五%プラスされた一〇%の消費税で二〇五五年までもつのでしょうか。もしそうでないとしたら、二〇五五年度は消費税は何%になっているのでしょうか。
#214
○国務大臣(岡田克也君) ここも党の中でも議論を何度もされていると思いますし、この場でも議論になっておりますけれども、基本的にプライマリーバランスを黒字化する二〇三〇年という目標からすれば、今回の一〇%ではまだプライマリー赤字を半分にするというところまでしか行かないわけで、そういう意味では十分ではないと。もう少し長い目で見れば更に社会保障の関係のための予算が増えるということも当然予想されるわけで、それに対して何らかの対応が必要だということは間違いございません。
 ただ、それをどういうふうにやっていくかということについては、それは行政改革というのもあるし、経済成長に伴う税収増もある、それでも足らざればそれは増税。増税というときに、消費税以外の所得税その他の増税ということもありますので、そういったことにつきましては、この一〇%を実現した後、次のステップとして更にまた国会の場で御議論いただくことが必要になるというふうに考えております。
#215
○姫井由美子君 国民の皆さんは、社会保障のためだからと、自分たちの老後、そして子や孫に借金を、ツケを回さないことがこの一体改革で解決できるという思いで、この景気が悪い中、生活も大変だけれども、それでも社会保障のためだからということで泣く泣くこの消費税増税には私は納得させられているのではないかと思っております。
 といいますのは、五月に地元で消費税に対して、賛成、反対、分からない、アンケートを取ってまいりました。そのときは六割ぐらいが賛成でした。六月に入りまして賛成が減ってまいりまして、賛成と反対の割合が二分の一、賛成は半分しかいませんでした。ところが、七月に入りましたら、賛成はほとんど一割ぐらいで、ほとんどの方が消費税は反対。
 これは、もはやその社会保障が三党合意等によって棚上げ、先送り、社会保障が自分たちが思っていた枠を決めてもらえない、今の政府の中では。社会保障がどれだけ充実してもらえるか、どれだけ維持できるのか、その明確な枠がないから、消費税の増税だけされるという意味での大変な不安感から、消費税に対する、仕方なく賛成していた人たちがもう絶対反対だというふうに回ったのではないでしょうか。
#216
○衆議院議員(長妻昭君) 三党協議の当事者として一言申し上げたいと思います。
 一〇%、消費税倍増するということはこれおっしゃるように大変なことでありまして、我々意を尽くして説明しなきゃいけない。ただ、一方で、私も集会でお話しすると、今回の八法案の中身がほとんど国民の皆さんに伝わっていないというもどかしさもあります。
 実は、八法案以外でもトータルで十八本の一体改革の関係法案が既に国会に提出されておりまして、例えばこの委員会の外でもう既に成立しているものは、消費税増税時に国保の保険料について低所得の方々四百万人に国保の保険料をお安くする、毎年二千二百億円使わせていただく。あるいは年金についても、今この委員会で議論している法案では、五百万人の今受給しておられる方、受給者で低年金、低所得の方に、五百万人、最大年間六万円上乗せをさせていただく。あるいは障害者の方々で低所得の障害者、障害年金を受け取っておられる方に、百八十万人に対して年間六万円から七万円を上乗せをさせていただく。あるいは二十五万人の方に、今まで会社にパート、アルバイトで勤めていても国民年金になってしまっている方に厚生年金に入っていただく。あるいは十七万人の無年金者に、二十五年から十年に納付の期限を短縮することによって受給資格を得るということで、今無年金の十七万人の人が年金を受け取れるようになるとか、あるいは基礎年金の半額を税金で恒久的に賄うとか、いろいろ言えば切りがないんですが、これが国民の皆さんにほとんど具体的なことが伝わっていないというもどかしさもありますので、これから意を尽くして説明をしていきたいと思います。
#217
○姫井由美子君 それでは、今日の午前中の礒崎議員の質問の中で、社会保障制度改革国民会議、これは五%の財源でこれからの中身を議論していくけれども、しかし、この維持、安定化の四%、そして充実の一%、この四対一というこの割合は、ここまでは合意はしていないという答弁がございました。
 つまりは、今せっかくこれだけしていくということを政府としては案を上げているわけですけれども、実際は国民会議の中身によっては変わる可能性もある。そしてさらには、私たちが今まで百時間以上掛けて衆議院で議論をしてきましたけれども、三党合意でそれがほとんど、ゼロとまでは行きませんけれども、変わってしまうといったような、国民会議でまた変わってしまう、さらに国民会議の後、さらには三党協議で変わってしまうということで、やはりどこに確約できるんでしょうか。
#218
○衆議院議員(長妻昭君) これ、ちょっと誤解があるかもしれないと思いますのは、今申し上げた、先ほどるる申し上げたことは、まさにここで今法案審議しておりまして、ここで成立をさせていただければそれはもう変わることはありません。これは着地したということで、先ほどの国保の軽減などは既に成立しておりますのでそれは話題にはならないということでありまして、主に国民会議では、ここにも、推進法にもありますように、将来の年金制度をどうする、あるいは医療制度をどうする、あるいは少子化対策、更にどう充実していくのか等々を議論をして法制化を目指していくというようなことでありまして、既に出ている法案を成立した後何かそこで変えるという趣旨ではございません。
#219
○姫井由美子君 それでは、充実、社会保障の充実のための一%、この使い道について必ず変わらないんでしょうか。
#220
○衆議院議員(長妻昭君) 例えば、ここでもるる議論ございましたけれども、子ども・子育てで七千億円、プラスアルファの議論もございますけれども、ここで法律が成立をさせていただければそれが確定をする。あるいは、年金の先ほどの充実でこれ六千億円ほど使わせていただくことになっておりますけれども、これも確定をする。そして、医療、介護についても、これは診療報酬改定でも消費税のときにそれが費用が必要になる部分もございますし、今年四月から二十四時間型の訪問介護看護サービスというのも日本で、ヨーロッパに十年ぐらい遅れましたけれども、やっと始まりまして、そういう費用も盛り込んだ工程表というのをお示しをしておりますので、社会保障の充実というのはこれは変わりません。ただ、将来的な年金制度、医療制度等々について議論をしていくということであります。
#221
○姫井由美子君 それでは、引き続きお伺いしたいと思うんですけれども、この「社会保障と税の一体改革って何?なんで必要なの?」、「安心を支え合う日本へ」という、こういったパンフレットを作られました。しかし、これが政府案の一条の趣旨の中に入っていました「支え合う社会」というものを削除されたのはなぜでしょうか。
#222
○衆議院議員(古本伸一郎君) お答えいたします。税の方の三党協議を担当いたしましたので、私の方から。
 第一条の趣旨規定は、もとより、率直に言って自民党、公明党の皆様からいろんな御意見をいただきました。その中で、お互いに歩み寄れた、合意に至ったポイントは、社会保障は世代を超えて老若男女全てが受益者になる制度であると。そのことを支えていくのは、当然に現在働いている私たちももちろんでありますけれども、現在高校生の皆さんや中学生の皆さん、あるいは赤ちゃんの世代、将来世代も含めて負担していかなきゃならないのがこれ社会保障であると、そのことをお互いにどうやって実現していこうかというときに、第一条の条文の中で、修正後の案でありますけれども、今回お願いしている案でありますけれども、「世代間及び世代内の公平性が確保された社会保障制度を構築することが我が国の直面する重要な課題」と、このように再整理させていただきました。
 この世代間及び世代内、とりわけ世代間に関して言えば、本当に将来の子供たちの世代は大変な負担増になるわけであります。そうなる前に手を打とうじゃないかというところは民自公三党でまさに合意に至ったわけでありまして、そのための財源に、大変普遍的であり、老若男女、老いも若きも全てがこれは負担をお願いしなきゃならないですけれども、それだけに、極めて公平性のある消費税でその財源をお願いしようじゃないかと、このことについて相調ったわけでありまして、条文の中に入れさせていただいた。
 以上でございます。
#223
○姫井由美子君 なぜ「支え合う社会」を削除してまで修正に合意をして通そうとしたのですか。
#224
○衆議院議員(古本伸一郎君) 支え合うという言葉は、そのパンフレットも、ありがとうございます、今、全国の各県連で大変先生方にも使っていただいて御説明で大変苦労していただいて、矢面に立った資料でありますけれども、その支え合ってつくる、実現する社会とは何かというと、この今読み上げた「世代間及び世代内の公平性が確保された社会保障制度を構築する」と、このことが目的であったわけであって、その支え合うという言葉については、率直に申し上げますけれども、各党それぞれ理念と哲学がある中で、これ三党の合意が相調いましたけれども、哲学、理念のところでお互いに歩み寄れないところがあったのは事実でございます。
 そういう中で、先ほど来申し上げている、世代間の公平性をいかに実現していくかということを待ったなしで今手を打とうじゃないかということについては誠に合意できたわけでありまして、修文をさせていただいたと、こんなことでございます。
#225
○姫井由美子君 世代間の公平性と言われましたけれども、今回の消費税率アップによって、世代間どころか税の不公平性、まあ公平性が確保できていないという現状があります。
 つまりは、消費税そのものの逆進性、これに対する対応策も先送り、そして三党合意では、当初政府案にあった所得税、資産税改革、これも先送りにされました。こういった不公平感の残る改革を、理念という、看板である「安心を支え合う日本へ」という、その表紙の看板を下ろしてまで進めたということにはやはり疑念が残らざるを得ません。
 続きまして、じゃ、なぜこのタイミングで消費税アップを急ぐのかということをお伺いしたいと思います。
 かつて、過去、阪神・淡路大震災の二年後にも消費税を増税をしまして、日本は景気を後退させられました。昨年は東日本大震災、今は東日本の復興そして再生がイの一番ではないかと思います。同じようなタイミングでこの消費税増税を議論をするということは、どういうことでしょうか。
#226
○国務大臣(岡田克也君) まず答弁の前に、先ほど、プライマリーバランスの黒字化、二〇三〇年と申し上げましたが、二〇年でございます。訂正したいと思います。
 それで、今回のタイミングですが、もちろん経済に多大なマイナスの影響を及ぼしてはなりません。そういうこともありますから、最終的には総合的判断をするということになっているわけでございます。
 ただ、前回の五%に引き上げたとき、あのとき九兆円の負担増ということが議論されました。確かに、消費税を入れることの影響があったことも事実です。ただ、やはり、あのときのアジア経済危機あるいは山一証券の破綻に端を発する金融危機、これが何といいますか、クレジットクランチというか貸し渋りを招いた、あるいはそういう中で不良債権の問題が顕在化したと、そういうことで日本経済全体に非常に厳しい状況に入っていったわけで、それは消費税を引き上げたことが直接の原因であるというふうには私は考えていないわけでございます。
#227
○姫井由美子君 午前中の安住大臣が答弁の中で、この消費税を上げる時期というものは総合的にいろんなものを判断すると。今いらっしゃいませんけれども、櫻井議員のようにお医者様が総合的な診断をするように、例えば四十キロ走れる状態じゃないと体力がある……(発言する者あり)言ったじゃないですか、体力があるとは言えないので上げませんよと言われました。それ、四十キロ走れる状態でなければ消費税は上げられない、四十キロ走れる状態にならなければ無理を強いられないというような言い方をされました。
 つまり、じゃ、この消費税が上がる二年後には四十キロ走れるんでしょうか。今、三キロも走れない状態だと私は、日本のこの状態、日本の国民、思うんですけれども、いかがでしょうか。
#228
○国務大臣(安住淳君) 私が申し上げたかったのは、お医者さんに例えたのは、全てのデータ、いろんなものをやっぱり総合的に勘案をしてそのときの健康状態というのをお医者さんだったら測ると、これを例えばの話として持ち出しました。
 ですから、私はできるだけ、まあ何キロ走れるかというのはちょっとはみ出た話だったかもしれませんが、やはり国民の皆さんの生活の状況というものを政府の種々の経済指標でよくよく慎重に見ながら、この消費税による影響というのをできるだけやっぱり経済に及ぼさないように、国民の皆さんの生活に及ぼさないような細心の注意を図りながら三党でやりましょうということは、実はこの十八条の附則の三項に書いてあるこの部分に込められているんですよということを申し上げたかったわけでございます。
#229
○姫井由美子君 その附則の十八条の三項はまた議論をしたいと思っておりますけれども、やはりそのときの政権が判断すると言ってしまえば本当に誰が判断するかで全部決まってしまうということに大変私は、総合的、総合的と言われますけれども、そのときの御都合でも判断できるということで私は大変怖いなと思っております。
 今は体力を付けるためにも景気回復、そしてデフレ脱却が第一かと思いますけれども、今回、この三党合意の中で、成長戦略や事前防災及び減災等に資する分野に資金を重点的に配分することなどが盛り込まれました。ちょうど時を同じくして整備新幹線の新規着工が決定されましたし、また自民党の強靱な国土という、十年間で二百兆円、あるいは公明党も先ほど言われましたように防災・減災ニューディールという、いろいろ出てまいりましたけれども、これに関しまして、この整備新幹線の財源スキームと予算規模、また国土強靱化法等に関連し、この財源のない中での公共事業をどのように推進していくつもりなのか、お伺いしたいと思います。
#230
○副大臣(奥田建君) お答えいたします。
 六月末に新規着工三線の認可をさせていただきました。総事業費は三兆四百億円、そしてまたその財源というものは、今、ここ十年ほど公共事業関係費は七百億前後という形で推移しておりますけれども、そのことを増やすことはないという中で、貸付料、そして地方負担という中で財源を組ませていただいています。ただ、堅めの見積りという形で工事、事業区間、事業期間というものが当初より大きく長くなっているということであります。
 これからの公共事業費ですけれども、財政制約というものは大変大きなものがありますけれども、選択と集中という中で低炭素・循環型、あるいはさきに質問にありましたように維持管理型、そして集中と選択で効果のある、そしてまた機能を発揮する、そういった公共事業を選択してまた示していきたいというふうに思っております。
#231
○姫井由美子君 先ほども社会保障の枠組みについて、この議論をしっかりとするので、この中で決まっていくから、それは私たちにちゃんと枠を示さないわけではないと言われました。そうであれば、今の公共事業等、これは税率のアップを社会保障財源にだけ使うということを何度もおっしゃっておりますので、この公共事業等に関する財源は安住大臣はどう考えていらっしゃるんでしょうか。
#232
○国務大臣(安住淳君) 今、奥田副大臣からもありましたように、やっぱり大事なことはプライオリティーをちゃんと付けていくということと、公共事業の中でも優先度の高いものについて、やはり財政再建によくよくそれは注意をしながらやっていくというお話だったと思います。
 新幹線につきましては、今走っている新幹線の賃貸料とか、きちっとスキームをつくって、今お話あったように、かなりの長期間でこれを建設いたします。北海道に至っては四半世紀近く掛けてやりますから、毎年の負荷が何かいきなり例えば総額何兆円も掛かるというわけではありませんので、そこは、何といいますか、国民の皆さんの中に是非分かっていただきながら、しかし日本経済の発展というのも必要ですし、地域社会のバランス等も考えたときに、やっぱりよく私は例に出すのは、今、九州新幹線なんですね。最初あれも無駄な公共事業と随分言われました。しかし、今、去年開業して以来、九州を本当に大きく変えてくれました。鹿児島から一時間ちょっとで福岡まで行けるということは物すごい経済効果だと聞いております。
 そういうこともありますので、よくよく考えながら、国民の皆さんに納得をいただけるような公共事業を是非国交省にはやっていただくことになると思います。
#233
○姫井由美子君 自民党が提案しております国土強靱化基本法、そして民主党でも、新たな戦略的国土地域政策を推進する議員連盟というものがこの国土強靱化の必要性を唱えているようですけれども、この国土強靱化、これを訴えているのが京都大学の藤井聡教授です。
 この藤井聡教授は、たしか今年の三月二十二日、参議院の予算委員会で、税制・財政についての虚と実ということで、公述人質疑で、もはや今、今は消費税を増税しなくてもいいということを訴えた方でしたけれども、その藤井教授が言う、国土強靱化を図れば消費税を増税しなくても税収が湧き社会保障に、今この時点で消費税を上げなくても国土強靱化、これを図ることによって、税収が上がり……(発言する者あり)
#234
○委員長(高橋千秋君) 御静粛にお願いします。
#235
○姫井由美子君 デフレ脱却をし、景気回復を行い、そして、今この大変日本が弱っている中で消費税を増税しなくてもいいんじゃないでしょうか。
#236
○委員長(高橋千秋君) 岡田国務大臣。時間が来ておりますので、簡潔にお願いします。
#237
○国務大臣(岡田克也君) 委員、これ、公共事業についてまずどういうスタンスかということから議論すべきだと思うんですね。
 民主党はマニフェストの中で公共事業の大幅削減を訴えて、現に七・九兆から一・三兆減らすという約束をし、それは確実に今実施をしております。基本的にこの考え方というものは私は非常に重要で、国土強靱化ということの必要性は私は認めますが、しかし、それはいろんな工夫をやりながら、全体の公共事業予算についてはマニフェストで約束したことを守ってやっていかなければならないというふうに思います。
 そういう意味で私は委員の公共事業に対する考え方とかなり共通するものがあるんじゃないかと思っておりますが、多分御党の中でも公共事業はむしろ積極的にやるべしと、昨日の中村さんの議論をそういうふうに私は受け止めさせていただきました。ですから、いろんな議論はあっていいと思いますけれども、そういったところ、もう少しお互いよく議論していきたいというふうに考えております。
#238
○姫井由美子君 残された質問もありますので、次回に回したいと思います。
 これで質問を終わります。ありがとうございました。
#239
○中西健治君 みんなの党の中西健治です。
 昨日に引き続き、本日は、まずは被用者年金一元化についてお伺いしたいと思います。
 被用者年金一元化、保険料率を統一していくというのは賛成の立場ですけれども、実際、今回の一元化というのは運用の面などを見ても中途半端に終わっているのではないかということから質問をさせていただきたいというふうに思っております。
 いわゆる持参金についてですけれども、共通財源とする積立金をどう仕分するかということについてですが、厚生年金の積立金が一年に払う給付費の四・二年分積み上がっているから、公務員の共済から持ってくる共通財源とするものについても四・二年分にするという整理がなされたと、そういう理解でよろしいでしょうか。
#240
○国務大臣(小宮山洋子君) 各共済年金の積立金はこれまで三階部分含めて保険料が積み立てられてきたので、一、二階部分と三階部分の区分がありません。このため、一元化に当たって、各共済年金の積立金のうち、一元化後の厚生年金の共通財源とすべき部分を仕分ける、そういう必要があります。
 その際に、厚生年金も共済年金も公的年金として賦課方式を基本とする財政運営を行っていますので、各制度が保険料で賄うべき一、二階部分の給付総額に対して何年分を保有しているかということに着目をして、年数をそろえて拠出し合う、そのことが最も公平であるというふうに整理をしています。この考え方は、いろいろな議論を経て関係者の間で調整されました平成十九年の法案と同様の整理をしています。
#241
○中西健治君 その結果として、結局公務員の積立金、今約四十五兆円積み上がっているわけですけれども、厚生年金と統合するのは半分ちょっとの二十四兆円だけ。残る二十兆円は、今おっしゃられた三階部分、公務員のOBや現役公務員の職域加算、旧三階部分の財源に区分して共済年金側に残すことになるということでよろしいでしょうか。
#242
○国務大臣(小宮山洋子君) そういうことだと思います。
#243
○中西健治君 四十五兆円中二十兆円を残すというのは、余りに大きいのではないかと私は思うわけです。あの職域加算、三階部分が入っているから、じゃ、その部分は残さなきゃいけない、そういうことなんでしょう、今おっしゃられたのはそういうことだと思いますが、あの旧三階部分の過去債務、幾らになるんでしょうか。
 もし数字が今ないということであれば、それに類するような質問をするというふうに昨日は言ってあったわけですが、数字がなければないで結構ですが、四十五兆円中二十兆円もの金額にはならないだろうというふうに私は思います。
 というのは、三階部分、職域加算の金額というのは、二階部分、厚生年金に当たる部分、比例報酬部分の約二割ということになっているわけですから、二階の約二割になるものが全体の半分近くを占めるということはあり得ないだろうというふうに思っておりますが、いかがでしょうか。
#244
○国務大臣(安住淳君) 旧三階部分の処理費用の見込額は利回り四・一、これはいろいろ御議論あると思いますが、四・一で計算した場合で、現在の価値でいえば、私どもの計算では十八から十九兆円程度であるというふうに見込まれます。ただ、この利回りが低下した場合はこれが必ずしもこの額にとどまりませんよというふうな試算をしているということなんです。
#245
○中西健治君 その職域加算、そもそもが公費で負担されている部分を含んでいるわけですから、その部分の多くは共済側に残すのではなくて、やはり共通財源として扱うべきであろうというふうに私は思いますが、小宮山大臣、いかがでしょうか。
#246
○国務大臣(小宮山洋子君) 共済に残る積立金、これは基本的に施行日以前に保険料を納付したことに伴う旧三階年金の給付に充てられるわけですが、この旧三階年金は今後の保険料収入は当然なくなるわけなので、過去に蓄積した積立金のみが今後の給付財源となります。
 一方、一、二階の年金は共通財源に仕分けられた積立金に加えて今後の保険料収入を財源とすることができるので、共済に残る積立金の割合が給付額の割合よりも大きくなっているということだと思います。
 いずれにしましても、一、二階に充てる共通財源は厚生年金も共済年金も賦課方式を基本とする財政運営ですので、先ほど申し上げたように、各制度が保険料で賄うべき一、二階部分の給付総額に対して何年分持っているかということに着目をして、年数をそろえて拠出し合う、そのことが最も公平だという整理をしたということです。
#247
○中西健治君 職域加算の部分についても、今の話ですと、確定しているからその部分については残すべきだと、そのような話のようですが、昨日の私との議論の中で、高所得者の年金カットについては、財産権としては、別に公費なんだからそれはみなさなくていいんだというのが大臣の所見だったと思うんですね。それと今のおっしゃっていることは矛盾しているということになるんじゃないでしょうか。カットができるかどうかということについてです。
#248
○国務大臣(小宮山洋子君) そこは今回、今おっしゃった意味でいうと、違った整理をされているということだというふうに思います。
 高所得者のところについての、ここは何とかもう少しいろんな意味での再配分ということも含めて、そうした考え方も取り入れられないかということで、年金のところで新しくそういう考え方を政府案としては取り入れたということです。
 今回の場合は、これを積み立ててきてこうやってきたそれぞれ関係者の皆さんもおられて、先ほど申し上げたように、十九年法のときにもいろいろと苦労をして整理をされた結果そういう形になった、今回もそういう形を踏襲をしたということです。
#249
○国務大臣(岡田克也君) 同じ税金でもちょっと意味合い違うと思うんですね。ですから、今回の税金というのは、それは使用者が国であるから税金になっているのであって、企業であればそれは企業負担ということになっていた、そういう税金と、それから昨日議論しておりましたのは、基礎年金のうちの国負担部分、もうこれについては、どのような年金制度についても、基礎年金全体についてその税金を使っている部分について、高所得者それから年金の多い人についてはそれが差し引けないかと、こういう議論で、同じ税金といってもそれはちょっと意味合い違うんじゃないかというふうに思います。
#250
○中西健治君 これまで官優遇がされていたんだから、やはりその部分というのは踏み込んでもいいんではないかという思いが一つと、あともう一つ、今後のこととして私は心配していることがあります。
 これは皆さん御承知だと思いますが、厚生年金と公務員の共済の年金扶養比率というのを見てみますと、厚生年金が二・三九に対して、公務員共済は国も地方も一・五三となっています。これは、厚生年金では受給者一人を現役二・四人で支えるのに対して、公務員共済は受給者一人を支える現役というのが一・五人しかいない、要するに高齢者の割合が公務員の方が高くなってしまっているということを意味しています。
 となると、今統一するのはいいんですが、今後公務員側の給付は民間以上に急増が見込まれるということになりますので、一元化時点で手厚い積立金を持ってこないと民間の企業に働いている人たちに将来的にしわ寄せが来るということを私は懸念しているんですが、そこはどういうふうに整理されているんでしょうか。
#251
○国務大臣(安住淳君) 一元化をしましてどういうふうな推移をたどるかということについての推計を正式にしたわけではありませんけれども、公務員の側の方の負担が増えて、それが結果的に民間会社の加入者に対してしわ寄せが行くんじゃないかということを御質問だと思いますけれども、我々としては、とにかくこの公務員の一元化をすることによって、この保険料をきちっと払ってもらうことによって、運用そのものを一元化していきますから、そういうふうな懸念にならないように我々としては心掛けていきたいと思います。
 しかし、一方で、先ほどのその二十兆の、だからこれは寄せろという御意見かもしれませんけれども、やはりこれについては、先ほど副総理が話したように、あらかじめ制度としてやっぱり三階部分を使用者である国がということで維持してきた背景もありますので、過去債務をどうするかという問題も一面あったものですから、こういう残し方をこの年限でやらせていただいたということでございます。
#252
○中西健治君 今の年金扶養比率の問題というのは非常に大きな問題だと思います。厳然たる事実としてあるということですから、会社員側に負担が、しわ寄せが来る可能性はかなり高いと言わざるを得ないということを指摘させていただきます。
 岡田副総理にお聞きします。
 政府の有識者会議がまとめた報告書では、従来の職域加算の部分は廃止するとしつつ、名前を変えた新制度を創設するということですが、その方向性で政府は検討しているんでしょうか。
#253
○国務大臣(岡田克也君) これは有識者会議で御議論をいただきまして、おっしゃるような結論をいただきました。我々としてはその有識者会議の結論を最大限尊重したいというふうに考えております。私もこの会議は、これ七回か八回やったと思いますが、ほとんど全て参加をして、活発に議論してまいりました。
 ちょっと誤解があるかと思うのは、新しいそういった年金制度をつくるということですが、トータルの税金投入額は官民で均衡させているということです。最近人事院が行った調査で四百万差額があるということが判明をいたしました。民間の退職金と年金の合計額が二千五百四十七万に対して公務員は二千九百五十万ある、四百万の差があると。これは是正するということもその有識者会議で併せて決めたところであります。
 それから、将来的に常にこの官民比較はやってまいります。そういう中で、差がないようにするということが大前提で、じゃ、その同じだけの税金を入れる、民に合わせて入れるということにしたときに、それを退職一時金で払うのか、あるいは年金のような形で払うのか、退職年金給付という形で払うのかというのは、これは組合せの問題であって、トータルの税投入額は同じと、そういう前提で議論しているということを御理解いただきたいと思います。
#254
○中西健治君 そうおっしゃられますけれども、三階部分を持つ企業と比較して同じような制度になっている、同じような制度にしようと、そういうふうになっているんじゃないでしょうか。
#255
○国務大臣(岡田克也君) もちろん三階建てを持っている企業もございますが、持っていない企業もございます。官民比較をしたのは、従業員五十人以上の企業ということで官民比較をしておりまして、その中にはそういった三階建てを持っているものも持っていないものもあると。持っていないところはそれは退職金だけということになるわけで、それも含めて官民比較をしているということでございます。
#256
○中西健治君 先ほど年金と退職金の組合せの問題だということをおっしゃられましたけれども、今回の有識者会議の提言では、上乗せ部分の半分を終身年金にするというふうにされていますけれども、これだと民間とは、終身年金ですからどういう金額に最終的になるか分からないということになります。
 三階部分を持っている民間の企業はまず四割しかない。そのうちの四割未満のところしか終身年金はないんですね。そうすると、民間企業の全体の二割にも満たないところが終身年金を取っているということですが、この終身年金ということを方向性としてしまうのであれば、例えば資金運用や支給期間の予測が外れた場合には国が追加拠出をしなければならないという結果に陥るということになりますので、終身年金部分はおかしいんではないかと私は思います。
#257
○国務大臣(岡田克也君) ここは、ですから、基本的には平均寿命を生きるということを前提に計算をいたしますので、計算をきちんとやれば差は出ないはずなんですね、理論上は。いかにそれを保守的な、より着実な計算をするかということだと思います。
 そもそも、今回の新たな年金制度についての運用については、国債利回りということで基本的に計算をするというかなり保守的な、かなりというか非常に保守的な前提を置いておりますので、御指摘のようなことは基本的には起こらないというふうに考えております。
#258
○中西健治君 国債の利回りというのは保守的かどうかは分かりません。これまで株式に投資してきた年金基金というのは非常に大きな痛手を被っているということなので、この過去二十年間を見ると、一番利回りが良かったのは債券に投資したということですから、当然そういう利回りを使うべきであろうというふうに思います。
 じゃ、この積立金の運用についてお伺いいたします。
 積立金が厚生年金に移された後も積立金の運用は共通財源の部分も含めて従来どおり別々のままで、国家公務員共済組合、地方公務員共済組合、私立学校教職員組合が独自に運用を続けるということになっています。GPIFがまとめて行うということではないということになっておりますが、こんなことでいいのかということについてお伺いしたいと思います。
#259
○国務大臣(岡田克也君) 今回のこの一元化法案では、共済組合あるいは私学事業団を厚生年金保険法上の実施機関として位置付け、引き続き事務組織として活用することにしております。積立金の管理運用についても、保険料の徴収から年金給付に至る年金事務の一部であるということから、各実施機関を管理運用主体として活用しているということでございます。
 委員御指摘の、そういったことも含めて一つにすべきではないかという御主張、そういう御主張があることは私も理解をいたします。これは将来の課題として考えるべき問題ではないかというふうに思っております。
#260
○中西健治君 将来の課題というよりも今の課題として考えた方がいいんじゃないかなと思います。
 AIJ問題でも明らかになったように、年金運用、これは大変大きな問題です。年金運用の質を高めるということが大変重要だということは皆さん思っていらっしゃることだと思います。そんな中で、政府も与党も、GPIFについて運用の質を高めてくれ、こんなことを言っているところなわけですから、この本家本元のGPIFに全部集めて運用の質を高める、運用主体を統一する、そうすることをなぜ今やろうとしないのか、それ非常に理解に苦しむんですが、それはどうしてなんでしょうか。
#261
○国務大臣(岡田克也君) 一つは、このGPIFの実績よりも共済の実績の方がいいということはあるんですね。もちろん、最終的にはこれを一元化、計算上は一元化されますから、そういったことは直接、給付には関係してこない、同じ給付ですから関係してこないわけですけれども、先ほど言いましたように、ほかの業務もございます。そういうこともあって組織を残しているということですけれども、将来的にそれを更にもう一段進めるということは、私は検討課題であるというふうに思います。
#262
○中西健治君 共済やGPIFなどに間接的にでも聞いてみると、共通給付の部分と独自給付の部分があって、独自給付の部分があるからなかなか運用は一緒にできないんですよみたいな言い訳を聞いたりしますけれども、多分それは当てはまらないだろうというふうに私は思っていますので、是非ともこの運用については一元化すべきであるということを前向きに考えていただきたいと思いますが、まず、それに当たって、地方公務員共済組合連合会等の今の実情についてちょっと聞いていきたいんですが、地方公務員共済組合連合会の職員は何名いるんでしょうか。川端大臣、お願いします。
#263
○国務大臣(川端達夫君) 地方公務員共済組合連合会、いわゆる地共連の役職員構成は、役員として理事長の外理事八名、これは常勤二名、うち運用担当理事一名、監事、さらかんですね、監事は三名で、常勤は一名でありまして、事務局職員は五十一名、うち運用担当職員は十三名でございます。
#264
○中西健治君 職員の数が五十一名にしかすぎないと。あと理事長や理事の構成を見ると、理事長が元総務省の消防庁長官、そして総務省、文部省、警察庁や地方公務員出身者が全てということになっているわけですが、資金運用のノウハウが、GPIFよりも今まで良かったのかもしれませんが、資金運用のノウハウがあるとは到底思えないと。こんな体制で十六兆円ものお金を運用させているというのは、これはどう思われますか。
#265
○国務大臣(川端達夫君) 運用担当職員十三名と申し上げました。運用担当職員につきましては、金融機関を通じて採用条件を、これは資金運用経験、証券アナリスト資格、経済、金融に関する専門的な知識、経験及び優れた見識を有する者等をという条件を提示して、希望者を募集して選考することによりまして実務経験者を確保するということと同時に、プロパー職員を日本証券アナリスト協会等の講座に参加させて証券アナリスト資格を取得させるなどして専門職員の養成を行っているところでございます。
#266
○中西健治君 では、安住大臣、国家公務員共済組合連合会、こちらの職員はどのようになっていますか。
#267
○国務大臣(安住淳君) 役員として理事長外理事十名、常勤六人、監事三名、そのうち常勤二名です。職員は三百二十七人で、年金の支給事務、年金運用、年金資金の運用、そして病院の運営といった、これは虎の門病院でございますが、ほか、病院が全国にあります。それから、年金受給者向けの福祉事業等を行っております。
 今総務大臣からもお話ありましたが、年金資金の運用に関しては、証券実務経験者や証券アナリスト資格を有する者を含め、十二名の体制で運用に当たっております。
#268
○中西健治君 本部職員の数が、今おっしゃられたように三百名強ということのようですが、これは運用の問題とちょっと離れますけれども、この国家公務員共済組合連合会は、施設の職員合わせますと一万一千人以上職員を雇用しているということですが、この施設というのが、直営病院が二十五件、そして宿泊施設、ホテルが四十三件ということになっているわけですが、宿泊施設などを一万一千人も雇用してやっていくべきなのかという別の論点がありますが、これはいかがなんでしょうか。
#269
○国務大臣(安住淳君) 共済組合事業の一環として福利厚生をどういうふうにしていくかというのは、過去の様々な経緯、経過があったと思います。代表例が本当に虎の門病院等なわけです。ホテルについて、本当に適正かどうかということはあると思いますから、それは、今後この運用の中で、公務員共済に加盟をしておられる組合員の皆様を中心に、やっぱり改革をするんだったら改革をする、今のままでも十分やっていける、そうしたことを、単に利益性だけでなくて、やっぱり加入者の福利厚生等を踏まえて私は検討すればいいというふうに思っております。
#270
○中西健治君 病院に関して言うとかなり公共性もあるかなというふうに思いますが、このホテル事業というものをやり続けるべきなのかどうかということについては、財務省所管のところでもありますから、是非とも検討していただきたいというふうに思っております。
 それでは、復興予算について、昨日お聞きすると言ったことですのでお伺いをしたいと思いますが、二〇一五年度までに総額十九兆円とされていた復興予算を上方修正する検討に入ったということのようですが、一一年度中に手当てした復興予算の六割しか支出されず、五兆円の繰越しと一・一兆円の使い残しが生じている中で、なぜ早くも上積みなんでしょうか。
#271
○国務大臣(安住淳君) 復旧復興の事業規模については、二十三年の補正時点で十四兆円台半ばで、二十四年度予算で三兆円台半ばで、これまで十八兆円程度、御指摘のとおりでございます。
 そこで、これまだ繰越しがあって予算が執行できていない部分があるじゃないかという御指摘でございまして、それはごもっともであります。
 ただ、理由もございます。全部挙げるわけにはいきませんが、私自身皮膚感覚で分かっているつもりですが、例えば学校の耐震化や防災機能強化として予算を付けましたけれども、これを執行するやはり業者さんの数が足りなかったり、それから、やっぱり用地の取得に関して高台移転等について予算は付けておりますけれども、自治体でなかなかこれの意見の取りまとめ、本来もっと早くという声は十分ありますけれども、丁寧にやっていらっしゃる自治体多うございますから、そうしたことからいえば、多少これが繰り越してもやむを得ません。これは私は無駄だとは全く思っていませんので、また来年も含めて十分利活用していただければいいと思います。
 そこで、一兆円、それならなぜ、まだあるのに先のということですが、やはりこれは福島も含めて、この先の見通しというものがしっかり立たないと、復旧はいいんですが、復興に関して、それぞれの自治体が今、再度、何といいますか、クリエーティブなことをやろうという意識も持っておられます。一々、実はそういうことを何かやりたいんだけれどもというと、必ずお金の話が伴って相談に来るわけですね。
 そういうことがあるので、今復興庁では具体的にそれぞれの自治体に相談をさせていただいて、それを積み上げて積算をした上で、新たにどれぐらいの財源が必要かということに対して、多分、額が大体決まってきた場合は、我々の方としては、財務省としては、この復旧に、復旧復興の予算というものの措置、これ全国防災もありますから、こうしたものの対応についてもう一度スキームをつくることは検討しなければならないということでございます。
#272
○中西健治君 五兆円の繰越しについて私は何も言うつもりはないんですが、この一・一兆円の使い残しと判定された部分、これがすごく大きな問題じゃないかなと私は思っているんです。そして、その使い残しの一部、一・一兆円のうち三千五百億円は復興債の償却に充てられるということですけれども、十兆円規模の増税をしているわけですから、全額をこの増税を少なくするための償還に充てるというのが正しい道筋なんじゃないでしょうか。
#273
○国務大臣(安住淳君) 使い残しの、一次補正なんかでこれ四兆円、ぼんと付けました、昨年。これはああいう状況での積算だったので、私はやむを得ない部分もやっぱりあると思うんです。地元でも言っているんですけれども、足らなくて大変だったらもっと大変なことになりますから。ただ、極論すれば、例えば自衛隊も頑張ってくれましたが、自衛隊の糧食費も実は多めに付けたものですから、私、ちょっと確認して、なかったら後で訂正しますけれども、たしか予定の額は下回ったと思うんです。
 そういうこともありますから、あの未曽有の大災害の中で多少の額はやむを得なかったので、今後、これの利用については、委員の御指摘もありますが、様々な検討を加えながら、国民の皆さんのお金ですから有効な形でこれは使わせていただくと思っています。
#274
○中西健治君 有効な使い道というのはいいんですが、今年度の補正予算の財源として使われると報道もありますけれども、そうすると復興財源が一般財源化しかねないと、こういう懸念もあるわけです。
 これまでこの復興財源を確保するという法案のときに何度もやり取りさせていただきましたけれども、復興にかかわるものとして計上された費用を他の費用に付け替えるということはあってはならないはずですが、その点確認しておきたいと思います。
#275
○国務大臣(安住淳君) もちろん、私が申し上げているのは復興を基本にしております。ですから、何か一般財源としてほかに使うということは、現時点で私考えておりません。
#276
○中西健治君 これはあくまでも確認というところであります。
 では、復興予算を上方修正するとしたら、じゃ、その財源は何に求めるのでしょうか。復興債の追加発行をするということになるのか、お伺いしたいと思います。
#277
○国務大臣(安住淳君) 捕らぬタヌキの皮算用になってはいけませんが、過日成立をしました例えば郵政の法案によりますと、今、政府保有株の三分の二は一応売却が可能になります。しかし、そうしたものがどれぐらいの額で本当に市場の中で売却できるか等は本当にまだ推計できませんから、まだまだそういう点では何か確定した額を持っているわけではありませんが、新たな税負担や何かではなくて、できれば、今一例を挙げさせていただきましたが、そうしたものなどを念頭に対応するのが私は基本であるというふうに思います。
#278
○中西健治君 最終的な財源としては増税ではないということをおっしゃられたと思いますけれども、となりますと、まずはファイナンスをするためにどうするのかというのが私の質問なんですが、それはどのようにするんでしょうか。
#279
○国務大臣(安住淳君) ですから、それは、いつの時点でそれを決めてどういうふうに実行するかによってファイナンスをどうするかというのが出てくるとは思います。それについては、今年の秋から冬にかけましていずれ具体的な計画を立てようというふうに思っています。ただし、まず額ありきじゃございません。だからこそ、今それぞれの自治体と復興庁で話をしていただいて、その積算というものをまず上げていただくと。それによっては、実は案外と多くないかもしれませんし。
 ただ、一方、福島に関係する原子力の対応については、東電が一時的にこれはやるにしても、我々としてどこまでこれを、またいろんな意味で福島の復興のこともありますので、今現時点で予断を持っているわけではありませんが、基本的には秋から冬にかけてしっかりとした計画を国会にお示しをしたいというふうに思っております。
#280
○中西健治君 復興債の発行額は、昨年度で十一・六兆円、今年度の計画を加えると十四・三兆円になります。そして、安住大臣に私は何度も確認させていただきましたけれども、復興債の発行上限は十五・五兆円で間違いないと明言を何度もしていただきました。これは破らないということでよろしいでしょうか。
#281
○国務大臣(安住淳君) まあ現時点で、ですから、私としては破らないでここまで来れたと思います。
 これからどういうふうにファイナンスするかについては、様々な状況を勘案しながら対応しなければならないと思っていますが、先ほど申し上げましたように、丸々国債でこれをファイナンスするんじゃなくて、しっかりとした財源を確保した上で私としてはこの財源の手当てというものをやっていきたいというふうに思っております。
#282
○中西健治君 本日の質問はこれで終わらせていただきます。
 ありがとうございました。
#283
○田村智子君 日本共産党の田村智子です。
 社会保障制度改革推進法案についてお聞きをいたします。
 この法案は、社会保障給付費の増大、それに伴う財政の負担増を指摘して、受益と負担の均衡の取れた持続可能な社会保障制度の確立を目的として第一条に明記をしています。
 社会保障費は、現行の制度であっても高齢者人口が増えることなどから毎年約一兆円の増加が見込まれています。この自然増を抑制しなければならないと、こういう立場なのかどうかお答えください。
#284
○衆議院議員(長妻昭君) お答えを申し上げます。
 今、推進法について言及をいただきましたけれども、そこには今おっしゃっていただいた点、あるいは自助、共助、公助の最適バランスに留意する、持続可能というようなことも付言をしておりまして、これも昨日も私答弁いたしましたけれども、機械的に自然増を定額で削っていた、その政策がかなり国民の皆さんから非難を浴び、社会保障を疲弊をさせたという反省に立って我々取り組んでいきたいと。
 ただ、野方図に増大する社会保障、自然増をそのまま自然に増やすということではなくて、やはりめり張りを付けて、必要な部分は確保するものの過剰な部分についてはそこにメスを入れるという姿勢も持たなければいけないと、そういう趣旨でございます。
#285
○田村智子君 これは私も十八日の質疑、速記録読みました。そこで三党協議に参議院から唯一加わったという自民党の宮沢議員が質問に立たれていて、大変分かりやすく法案のことを説明してくださいました。
 重点化とか効率化とか適正化、これは給付の拡大をどう防ぐかという表現でありますと。重点化については二か所、効率化が三つ、適正化は四か所、負担の増大を抑制は三か所であります。それに対して、給付を増やすという方は充実という表現を使うわけですが、この法律の中に充実と書いてあるのは一か所だけでありますと、大変分かりやすく御説明いただきました。そして、答弁に立たれた長妻議員も、今のように野方図に伸ばしていいとは考えていないと。
 これ、もう一度確認します。自然増、当然増を認めない、抑え込むと、機械的であろうが重点的であろうが抑え込むというのがこの法案の目的ですか。
#286
○衆議院議員(長妻昭君) 今るるおっしゃっていただきましたけれども、これは本当に、適正化すべきところは適正化するというのはなぜかというと、社会保障を守るためにそれは必要なんです。これ持続可能ということが主眼でございますので、そういう意味では、自然増を全くそのまま、自然なまま認めていくということではありませんけれども、機械的に定額に削っていくということでもありません。めり張りを付けて過剰な部分をチェックをしていく、しかし、必要な部分は重点化すると、こういうことであります。
#287
○田村智子君 今、過剰なというお話がありました。確かに十八日のこの審議の中でも、長妻議員、過剰介護というものがあるということまで答弁されて、私は耳を疑いました。
 今、必要な介護が受けられずに苦しんでいる高齢者や御家庭、本当に大勢いらっしゃいます。立川市で高齢の親子が孤立死をするという事件がありました。私も関係者からお話を伺いましたが、お母さんは介護認定を受けていて施設への入所を勧められていた。だけど、施設入所できなかったんです、していないんです。御近所の方や関係者の方からお話しすると、利用料の負担を大変心配されていたということも聞こえてきます。
 施設の不足、利用料の負担の重さ、ローカルルールと呼ばれる介護サービスの独自の抑制策など、現場では介護が受けられないということが大問題で、介護難民という言葉まで使われているのが現実です。
 一体どこに過剰介護というのがあるのか、これ端的でいいですからお答えください。制度として過剰がどこにあるのかです。
#288
○衆議院議員(長妻昭君) 生活保護の点もそうなんですけれども、めり張りを付けて、過剰な部分はきちっと抑える、そうでない部分は重点化するということでありまして、例えば介護につきましては、私、問題意識を持っておりますのはケアマネジャーの独立性と。これ随分確保が進みましたけれども、例えば私がお邪魔を御自宅にいたしました例でいうと、例えば、ケアマネジャーの方がサラリーマン化していて、そのケアマネジャーが入っている事業所のホームヘルパーさんを使うということで、例えば、朝、九十歳のおばあちゃんの体を拭いて、夜はお風呂を入れると。(発言する者あり)
#289
○委員長(高橋千秋君) 御静粛にお願いします。
#290
○衆議院議員(長妻昭君) それを毎日、一日二回、体を拭いて、それでお風呂に入れるということで、ホームヘルパーさんそのものもそれは過剰ではないかと言っている、そういう例もあるわけでございまして……(発言する者あり)
#291
○委員長(高橋千秋君) 御静粛にお願いします。
#292
○衆議院議員(長妻昭君) これ、ちょっと答弁をさせてください。きちっと、社会保障ですから、これはマルかバツかじゃありませんので、きちっと答弁をさせていただきたいと思うんですね、是非答弁をちょっとさせていただきたいと思うんですが。
 そういうような意味で、ケアマネジャーが自分のところの施設のサービスを過剰に使うということもありますので、私も実体験で、訪問して何件もそういうことを聞いております。ただ、その一方で、本当に介護難民と言われる介護を本当に必要とされている方々、まだまだ足りない部分もありますのでめり張りを付けなきゃいけないということを申し上げているところでありますので、よろしくお願いします。
#293
○田村智子君 今の御答弁は運用の問題なんですよ。それは指導監査で正せばいいんです。この法案は社会保障の制度を変えるという法案なんですよ。おかしいですよ。
 高齢者の人口が増えれば年金受給者は当然増えますし、体の機能は年齢を重ねれば衰えざるを得ない、介護や医療を必要とする人増えると、これは自然の摂理に沿ったものなんです。この自然の摂理を無視して、過剰だと決め付けて制度を無理やりに抑制する、無理やりに社会保障費の伸びを抑制すると。これやれば、やっぱり小泉政権のときの社会保障費抑制路線、これが再来だと言わざるを得ないというふうに思います。
 具体的にお聞きします、医療制度について。
 これは私、本会議の中で、日本医師会が国民皆保険がこの法案によって危うくなるんじゃないかという懸念を示している、その懸念を具体的に示しました。国民皆保険とは、公的な医療給付範囲を将来にわたって維持すること、混合診療を全面解禁しないこと、株式会社を医療機関経営に参入させないこと、こうやって意見表明をして法案に懸念を示された。本会議の中の答弁では、この医師会の懸念についての答弁はありませんでした。第六条の中に、国民皆保険、原則として全ての国民が加入する仕組みを維持する、それで必要な改革を行う、だから国民皆保険守られているという御答弁だったと思うんですね。
 しかし、同時に、第六条を見てみますと、保険給付の対象となる療養の範囲の適正化等を図ると、これも明記してあるんです。これは、医療保険の給付対象に現在なっている診療や薬の一部を保険給付から外して全額自己負担にすると、そうなれば混合診療に大きく門戸を開くと、こういうことになると思うんですが、いかがでしょうか。
#294
○衆議院議員(長妻昭君) これは、社会保障は本当冷静な議論が必要だと思うんですね。今おっしゃっていただいたように、皆保険制度を否定するということは、これは全くございません。今言及をいただいたように、ここにも明言しているのは、全ての国民が加入する仕組みを維持するということは明言をしております。その一方で、この制度の運用の中にも過剰なものがある、レセプトを電子化することによって過剰医療を抑制をするなどの取組もしなきゃいけないと。
 今おっしゃっていただいた部分については、混合診療を拡大するんではないのか、あるいは、いろいろな今保険適用の部分を除外するんではないかというような御心配もあるかもしれませんけれども、我々はそういうことを考えているわけではございませんで、例えば、今も高度先進医療等々で現実的には保険と併用して実際に実費をお支払いいただくようなそういう制度もございますので、それについては不断の見直しをしていくと、こういう趣旨も盛り込まれていると思っております。
#295
○田村智子君 これは自民党の発議者にもお聞きをしたいと思います。
 今のお話だったら、高度医療、これを、今保険適用になっていないのを広げると。じゃ、範囲の適正化というのは範囲を広げるという意味で使われているということなんですか。
#296
○衆議院議員(鴨下一郎君) 今、長妻議員からのお話とほぼ同じ意見でございます。
 ただ、範囲を広げるかあるいは狭めるかというようなことも含めて適切に判断すると、こういうようなことでございますので、例えば患者さんのニーズが高まれば高度医療については範囲を広げていかざるを得ないところも確かに出てくるでしょうし、あるいは今必要性が少なくなった例えば医薬品、こういうものを外していくとか、こういうようなことも含めたいろいろな工夫をするということが適切と、こういうようなことだというふうに認識をしております。
#297
○田村智子君 必要がなくなった医薬品は保険給付から外すということがあるということでよろしいんですか。もう一度確認をしたいと思います。
#298
○衆議院議員(鴨下一郎君) 今も現に、例えば長期収載品等についてはスイッチOTCに移していくとか、こういうようなことは不断にやってきているわけでありますから、先生おっしゃるように、無制限に財源があれば幾らでもいろいろな工夫はできますけれども、限られた財源の中で、なおかつ現役世代に支えていただいていると、こういうような中での最も適切な医療を持続可能なものにしていくと、こういうようなことの趣旨でございますので、ただ削るとか、無駄はどんどん、まあやっているとかと、こういうようなことはないわけでございます。
#299
○田村智子君 では、もう一度確認をいたします。
 混合診療が本当に広がっていく、日本医師会が危惧しているのも、全面解禁に向かうのではないだろうかと大変懸念をしています。こういう方向を検討するということは国民会議ではやらないと、混合診療についての検討は行わないと、これはお約束できるんですか。
#300
○衆議院議員(鴨下一郎君) 国民会議の中でどういう議論が行われるかというのは、これは有識者ないしはそこに所属する方々がそれぞれの御意見をお話しになるんだと思います。
 ただ、今の我々の認識としては、先ほど長妻さんがおっしゃったように、例えば評価療養とか、それから高度先進のような選定療養も含めた、こういうようなものは併用していっているわけでありますから、こういうことも選択肢の中には入っているけれども、単に医師会が反対しているような混合診療を広げようと、こういうようなことの考えは現在のところ全くございません。
#301
○田村智子君 これは是非岡田副総理にも確認をしたいんですけれども、国民会議というのは、これは内閣総理大臣の下に置かれます。しかも、三党合意が前提になっているんですね。だから、混合診療については検討はしないと、国民会議の中で。いかがですか。
#302
○国務大臣(岡田克也君) 混合診療に対しての基本的考え方は、今まで政府の取っている考え方と基本的には変わらないというふうに思っております。
 ただ、国民会議で選ばれた委員の皆さん、この中には、有識者の皆さんですから、その中で有識者の皆さんがどういう議論を展開するかということまでを完全に縛ることは難しいというふうに思っております。
#303
○田村智子君 三党に、それでは公明党の発議者の方にもお聞きをしたいんですけれども、三党合意が前提で国民会議だと。その国民会議の中に自民党の議員も、三党の議員が恐らく入るということでしょう、この間の質疑を聞いていると。混合診療については問題提起しないと、絶対に議論しないと、そういうお考えでよろしいですか。
#304
○衆議院議員(西博義君) お答え申し上げます。
 三党合意の結果どうなるかということについては、それぞれの三党のお考えがありますから、そこは保証することはできないと私は思います。我々、既にそれぞれの党の間で合意をしたわけではありませんから、そこは確認は私の立場としてはできないと思います。
 ただし、私個人でいえば、混合診療ということについては議論はしないという、私の個人の考え方でございます。
#305
○田村智子君 大変慎重な言い方だったんですけれども、なぜこんなに私が混合診療にこだわるかといいますと、やはりかつても自然増を抑えるということを小泉政権下でやって、そのときに経済財政諮問会議の中でどんな議論がやられたか。
 例えば、吉川洋議員、東大教授ですね、抑制すべきは公的医療費と発言をして、生活習慣病対策や風邪などの比較的軽度な治療について保険給付の範囲や割合を縮減して窓口負担を引き上げるということが具体的に提案をされました。また、有名ですね、宮内義彦規制改革・民間開放推進会議議長、月刊誌の取材に答えて、国民がもっと様々な医療を受けたければ、健康保険はここまでですよ、あとは自分でお支払いください、そういう形だと。金持ち優遇だと批判されますが、金持ちでなくても、高度医療を受けたければ、家を売ってでも受けるという選択をする人もいるでしょうと、こういうふうに露骨に述べていたんです。
 冒頭、私言いました、適正化というのは抑制するという意味ですねと。保険給付の範囲の適正化ということになれば、これは一体何を意味しているのかと。こういう議論がまた国民会議の中で行われることになるんじゃないのか。
 もう一度発議者にお聞きします。そうならないと言い切れますか。
#306
○委員長(高橋千秋君) 長妻昭君。簡潔にお願いします。
#307
○衆議院議員(長妻昭君) 今、同じ名前なんですね、国民会議という自民党政権のときの吉川座長の会のお話がございましたけれども、その会と全く同じことをやるつもりはもちろんございませんで、これは我が党も入った上での議論で、我が党が今与党でございますので、責任を持った議論をいたします。
#308
○田村智子君 医療費の抑制という、この方向が明確に打ち出された法案です。自然増も抑え込むということが今の答弁の中でも分かりました。医療費が増えるというのは、医療技術の進歩と長生きができる社会になったというあかしです。それを支えるために、私たちも高額所得者や大企業により税負担を求めるということや……
#309
○委員長(高橋千秋君) おまとめください。
#310
○田村智子君 歳出の抜本改革の見直しを提案しています。
 是非、大手医薬品メーカー、これ利益率は他の製造部門と比べても断トツです。
#311
○委員長(高橋千秋君) 時間が参っております。おまとめください。
#312
○田村智子君 そこに対して減税、こんな恩恵続ける一方で国民にだけは負担を求めるなんというやり方は絶対認められない、このことを申し上げて、質問を終わります。
#313
○福島みずほ君 社民党の福島みずほです。
 午前中に安住財務大臣が、消費税を払うときに、おじいちゃん、おばあちゃんの年金になるということをかみしめて払ってもらうことが大事だとおっしゃいました。では、なぜ法人税、所得税の最高税率、あるいは贈与税、そして証券税制、住民税、事業税払うときも、これはおじいちゃん、おばあちゃんの年金になるんだ、法人税とかでもなるんだ、かみしめて払ってもらったらいいじゃないですか。
 今回、何が問題か。税の抜本改革といいながら、相続税も上げない、最高税率を引き上げることもやめる。消費税増税だけ残ったんですよ。「樅ノ木は残った」じゃない、消費税増税だけ突出して残ったんですよ。だから、何で消費税だけかみしめて払わなくちゃいけないんですか。
#314
○国務大臣(安住淳君) 「樅ノ木は残った」は私の地元なものでございますから例えてお話しになられたかもしれませんけれども、目的税化をさせていただいているので私そういう例を出しました。法人税とか所得税は目的税化しているわけではございません。ですから、そういう点では、きちっと払ったものが何に使われるか分かるような税ということで例を出したものでございますので、そのことを是非分かっていただければと思います。
#315
○福島みずほ君 今回、消費税増税だけ残ったわけです。突出して残ったわけです。それから、目的税とおっしゃいますが、お金に色は付いていません。ですから、これはどっち、こっち、それは物の言い方だけであって、結局、重要なことは、消費税増税だけ残ったんだというふうに思います。
 では、次の質問に参ります。
 子供のいじめの対策について、この間、文科省に質問いたしました。今回の大津市の事件は学校の先生も教育委員会も警察も機能しなかった、残念ながら止めることができなかったということだと思います。大人はやっぱりこれにたじろいで、抜本的にやらなければ、何をやるのか、やらなければならないと思うんですが、正直、文科省の構えが全く見えません。
 文科省が何をやるのか、構えが見えない。どうでしょうか。
#316
○副大臣(高井美穂君) もちろん、当然このいじめの自殺というのはあってはなりませんので、構えとして一生懸命やっているつもりですが、それが十分に見えないという御指摘がありました。我々としても、早速、今現場に文科省の職員約三人派遣しまして、一人戻ってきました。報告も受けました。本日は奥村副大臣も関係の方に会いに行かれております。
 当然ながら、最初の兆候を見逃さないようにする、いじめをなくす、根絶するというか再発を起こさない、そのために最大限努力しなくてはならないともう痛切に我々も感じておりまして、各関係機関と連携して全力で取り組みたいと思っています。教育委員会がまずは一義的に、学校と教育委員会というのはまず子供の一番近いところにありますので、責任を持って迅速かつ適切な対応をしなければならないというふうに思っています。
 再発防止という観点からきちんと今回の事件を検証して、やるべきことをやりたいと思いますが、まず直ちには、二十四時間ダイヤル、子供のいじめ相談ダイヤルというものがございますが、この運用やその受けた中身についてもしっかり取り組めているかどうか検証した上で、最大限取り組むということを早速大臣から指示もしております。
 それに加えて、平野大臣から十七日の火曜日に松原国家公安委員長に対しても、再発防止に向けて警察との連携、いろんなことをしっかり警察と教育委員会、また学校現場といろんな連携しながら取り組んではおりますけれども、これ以上に何とか情報収集や交換や防止のための対応ができないか、枠組みの見直しに向けて早速事務方へ指示もしておるところでありますので、最大限努力をしたいと思っております。
#317
○福島みずほ君 今の答弁を聞いても構えが見えないんですよ。警察との連携、教育委員会というのはもうさんざん言われたことで、それが機能しなかったわけだから、文科省が身を乗り出して助言をする、第三者委員会をつくる、二十四時間いじめダイヤルはもちろんあるけれども機能しなかったわけだから、文科省が次に向かって足踏み出さなければ子供たち救えないじゃないですか。そういう答弁がないからなんですよ。
 第三者委員会つくる、どうですか。
#318
○副大臣(高井美穂君) 我々としても、有識者会議の意見に基づいて、提言に基づいてしっかり各市町村教委、現場にも言っているところであります。委員指摘の第三者委員会というのは、つまりこうした自殺事件が起こる前にしっかり子供に取り組めということだと思いますし、オンブズマン制度等の、子供にまず一義的に客観的に対応ができるような人をしっかり備えてやってくれという意味でもあろうと思いますので、その点も踏まえてしっかりやりたいというふうに思っております。
 第三者機関というふうに一律に設けるというよりも、例えば川西市、多治見市などでオンブズマン制度というのがございまして、これはこれでしっかり機能しながら、子供の意見を聞き、また的確なアドバイスをしてという事例もございますので、そうしたことをまず情報収集きちんとできる、まず一義的に子供が駆け込めるところがある、話せるところがあると、そういうことからも最大限の対応をしたいですし、スクールカウンセラーや養護教諭であったり、いろんな子供に対する耳を傾ける窓口というものをできるだけ多く設けていくということを努力をしていきたいと思います。
#319
○福島みずほ君 多治見市と川西市の取組の御紹介がありました。是非これで第三者委員会をつくる契機にしていただきたいというふうに思います。
 次に、法案施行後、こども園、保育所、幼稚園の新規建設のための補助金は今よりも上がるんでしょうか。どうでしょうか。
#320
○国務大臣(小宮山洋子君) 認定こども園、保育所、幼稚園の設置、これは新規建設だけでなくて賃借も含めたいろいろな方法が考えられると思います。
 新しい制度では、それぞれの施設の施設基準に基づく整備費用と減価償却費の全国的な状況を勘案して、その一定割合に相当する額を組み込む形で給付費、委託費を設定しまして、長期にわたって平準化した形で施設整備を支援していくことにしています。
 加えて、保育所や幼保連携型認定こども園については当面緊急に対応する必要があるので、増加する保育需要に対応するための施設の新築や増改築、施設の耐震化などに対して、改正案では、児童福祉法の中に交付金による別途の支援について規定をして、市町村が計画する保育所や認定こども園の整備を国が支援することにしています。また、幼稚園については、引き続き現在の補助制度により施設の耐震化等に対応することにしています。
 こうした組合せによりまして、市町村が地域の学校教育、保育の需要に確実にこたえることが可能になるように支援をしていきたいと考えています。
#321
○福島みずほ君 是非、現行以上になるようによろしくお願いします。
 ところで、地域が子供を育てる中心になるのであれば、市町村に子ども・子育て会議の設置を義務付けることが必要ではないか。フランスなどでも、子ども基金というのをどう使うか、国レベル、自治体レベルであって、そこに様々なステークホルダーが入りながらお金の使い道をチェックをすることをやっています。これ、自治体がこれから主眼になるわけですから、是非子ども・子育て会議の設置を義務付けていただきたい。今回義務付けられなかった、自治体が嫌がっているという話もありますが、是非これは義務付けの方向でやっていただきたい。いかがでしょうか。
#322
○国務大臣(小宮山洋子君) 御承知のように、政府提出の法案では、特に小規模な市町村の事情に配慮をして、地域版子ども・子育て会議の設置は、法律で置くことができるという規定にしていたんですが、地域の子育てニーズを施策に反映させるため、市町村計画の策定ですとかこども園等の指定などに際して関係当事者の意見を聞くことを法律で義務付けるという形にしていました。
 修正案では、引き続き市町村の事情に配慮しながらも、こうした地域の子育てニーズを施策に反映させる仕組みとして、地方版の子ども・子育て会議の設置を、置くよう努めるものとするという努力義務としまして、設置を促していく趣旨を法文上も明確にしたと承知をしています。
 国としましては、国の基本指針などで地方版の子ども・子育て会議の設置を促すということや、地方での会議体の活用に関する先進的な事例の収集を行って各自治体に提供することなどで、地方版子ども・子育て会議の設置が進むように努力をしていきたいと思っています。
#323
○福島みずほ君 是非これはもう積極的にやっていただきたい。地域によって子供を取り巻く環境や課題が違うので、これはやはりほとんど義務付けのような方向でしっかりやっていただきたいと思います。
 この法案の二条の二項ですが、子育て支援の内容及び水準は良質なものを提供するとしながら、何を良質とするかの基準が全くありません。良質の基準は何でしょうか。
#324
○国務大臣(小宮山洋子君) 子ども・子育て支援法では、この法律の基本理念の一つとして、子ども・子育て支援給付その他の子ども・子育て支援の内容及び水準は、全ての子どもが健やかに成長するように支援するものであって、良質かつ適切なものでなければならないという旨を規定をしています、今おっしゃったように。
 こうした基本理念に基づきまして、具体的には、子ども・子育て支援給付と地域子ども・子育て支援事業を実施をしていきます。こうした給付の対象となる教育、保育、そして事業、これは子供の健やかな成長を支援する観点から高い水準が求められますので、児童福祉法や学校教育法に基づく認可基準などによりまして必要な質を確保することにしたいと思っています。
 今回の改革で、子ども・子育て支援の充実強化、七千億に加えて一兆円超えまでということを三党で合意をしていただいていますので、更に質の向上に努めていくように財源の確保にも努めたいと思っています。
#325
○福島みずほ君 この最低基準であった基準を、この条文上の良質を確保する基準にまで相当程度引き上げることを是非やっていくべきだというふうに思います。
 ところで、保育園における事故の問題について厚生労働委員会でも質問しました。この点についてきちっと検証する、あるいは報告を受ける、このことを義務付けるなどすべきではないか、いかがでしょうか。
#326
○国務大臣(小宮山洋子君) 衆議院の方でもいろいろ御議論がありましたけれども、それは、今までに幼稚園とか保育所で行われていたことと同じような形でいろいろ補償、賠償などについては取り組むということになると思います。これは、そういう幼児期の子供たちの施設での事故というのはあってはならないものですから、そうしたことに対してどういうふうに対応していくかということもまた皆様方からも御意見を伺いながら取り組んでいきたいというふうに思っています。
#327
○福島みずほ君 もしこの法律が通れば、政省令などができて、どういうことを報告とするか、どうするかという作業に入ります。そのときに是非保育園における事故などもきっちり入れていただきたいということを強く要望いたします。
 大臣がうんうんとうなずいていらっしゃるので、それでよろしいでしょうか。お願いします。
#328
○国務大臣(小宮山洋子君) 是非皆さんの御意見も入れて検討していきたいというふうに思っていますので、三党で合意をいたしましたが、是非御党にも賛成をしていただいて、共に知恵を出していただければと思っています。
#329
○福島みずほ君 認定こども園、幼稚園、保育所、小規模保育の評価はどのような機関がどのように実施し、どのように公表されるのか。
 なぜこの質問をするかといいますと、愛知県でお子さんが亡くなるという、保育園における死亡事故がありました。愛知県が勘違いをしていて、その最低基準の解釈が間違っていたわけです。それで、厚生労働省がこれについて是正勧告をしました。ですから、市町村、県が意外と間違っていたり、あるいは、どのような機関がどのように実施して、その最低基準あるいは良質な基準というもののチェックをし担保をするか、これはとても重要なことだというふうに思います。
 これについては、どのように実施し、どのように公表されるんでしょうか。
#330
○国務大臣(小宮山洋子君) やはり教育、保育の質をしっかり担保するということは今回の子ども・子育て支援の一つの大きな柱でもございますので、大変重要な視点だというふうに思っています、評価をするということは。
 各施設の評価につきましては、認定こども園、幼稚園、保育所、それぞれの類型に応じて、認可などの根拠法である認定こども園法、学校教育法、社会福祉法に基本的な事項が規定をされています。その上で、子ども・子育て支援法では、各施設に共通の財政支援を行う仕組みでありますので、公的な給付を受ける施設の質の向上に向けた取組の一つとして評価に関する努力義務、これを規定をしています。
 具体的にどうするかについては、今後、子ども・子育て支援法に基づく施設などの運営に関する基準を定める中で、評価の在り方についても子ども・子育て会議で更に御議論をいただいて決めていきたいと思っています。
#331
○福島みずほ君 さっきの例を挙げましたが、いかに中立的な立場できちっと実際チェックをしていくのかということが今後極めて重要です。ですから、そのことがしっかりなされるように、基本的には第三者機関の設置など、あるいは国がどういう関与をするかという点についてしっかりこれはやるべきだと思います。
 次に、障害のある子供、現状では、障害を持つ子供を受け入れる園と受け入れない園が実際あります。施行後は全ての園で障害を持つ子供を受け入れることが義務付けられるんでしょうか。インクルーシブ教育が障害者差別禁止法案の中で議論をされておりますけれども、是非、障害が理由で受入れを拒否されることがないという理解でよろしいでしょうか。
#332
○国務大臣(小宮山洋子君) 新しい制度では、市町村は、障害児を含めて地域の学校教育、保育の需要の見込み量ですとか提供体制の確保の内容などを市町村子ども・子育て支援事業計画に明記をして確保を図っていくことになります。そういう体制を確保した上で、市町村は、個々の障害児の状況などに応じまして施設へのあっせんや要請を行い、受入れ可能な施設に入所できるよう現在の制度と同様に調整をすることになります。
 義務付けられるのかということですけれども、応諾義務は、現在の制度では児童福祉法第四十六条の二に規定されていまして、新しい制度では児童福祉法四十六条の二と子ども・子育て支援法の第三十三条、四十五条に規定されますが、どちらも正当な理由がない限りこれを拒んではならないとされまして、両者の規定ぶりはほとんど同じだというふうに思います。
#333
○福島みずほ君 是非、一番、まさに地域の……
#334
○委員長(高橋千秋君) 時間が参っております。
#335
○福島みずほ君 はい。
 地域で子供が育っていけるように、この拒否ということが起きないように、是非厚生労働省としてよろしくお願いします。
 質問を終わります。
#336
○委員長(高橋千秋君) 八案に対する本日の質疑はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
   午後三時六分散会
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト