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2012/07/25 第180回国会 参議院 参議院会議録情報 第180回国会 社会保障と税の一体改革に関する特別委員会 第7号
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2012/07/25 第180回国会 参議院

参議院会議録情報 第180回国会 社会保障と税の一体改革に関する特別委員会 第7号

#1
第180回国会 社会保障と税の一体改革に関する特別委員会 第7号
平成二十四年七月二十五日(水曜日)
   午前九時開会
    ─────────────
   委員の異動
 七月二十三日
    辞任         補欠選任
     吉田 忠智君     福島みずほ君
 七月二十四日
    辞任         補欠選任
 ツルネン マルテイ君     西村まさみ君
     林 久美子君     大河原雅子君
     竹谷とし子君     山本 香苗君
     大門実紀史君     田村 智子君
 七月二十五日
    辞任         補欠選任
     大河原雅子君     難波 奨二君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         高橋 千秋君
    理 事
                大久保 勉君
                櫻井  充君
                吉川 沙織君
                石井 準一君
                衛藤 晟一君
                中村 博彦君
                荒木 清寛君
                中村 哲治君
    委 員
                相原久美子君
                梅村  聡君
                大河原雅子君
                大久保潔重君
                大島九州男君
                岡崎トミ子君
                金子 洋一君
                川上 義博君
                鈴木  寛君
                難波 奨二君
                西村まさみ君
                藤谷 光信君
                蓮   舫君
                礒崎 陽輔君
                上野 通子君
                片山虎之助君
                高階恵美子君
                塚田 一郎君
                中川 雅治君
                中西 祐介君
                水落 敏栄君
                宮沢 洋一君
                山崎  力君
                山谷えり子君
                若林 健太君
                山本 香苗君
                渡辺 孝男君
                姫井由美子君
                桜内 文城君
                中西 健治君
                田村 智子君
                福島みずほ君
   衆議院議員
       発議者      長妻  昭君
       発議者      柚木 道義君
       発議者      白石 洋一君
       発議者      鴨下 一郎君
       発議者      加藤 勝信君
       発議者      西  博義君
       発議者      泉  健太君
       発議者      江端 貴子君
       発議者      田村 憲久君
       発議者      馳   浩君
       発議者      池坊 保子君
       修正案提出者   白石 洋一君
       修正案提出者   長妻  昭君
       修正案提出者   柚木 道義君
       修正案提出者   加藤 勝信君
       修正案提出者   鴨下 一郎君
       修正案提出者   西  博義君
       修正案提出者   泉  健太君
       修正案提出者   江端 貴子君
       修正案提出者   田村 憲久君
       修正案提出者   馳   浩君
       修正案提出者   稲富 修二君
       修正案提出者   岸本 周平君
       修正案提出者   古本伸一郎君
       修正案提出者   竹下  亘君
       修正案提出者   野田  毅君
       修正案提出者   竹内  譲君
   国務大臣
       内閣総理大臣   野田 佳彦君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(行政刷
       新))      岡田 克也君
       総務大臣     川端 達夫君
       財務大臣     安住  淳君
       文部科学大臣   平野 博文君
       厚生労働大臣
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(少子化
       対策))     小宮山洋子君
       国務大臣     古川 元久君
   副大臣
       内閣府副大臣   石田 勝之君
       財務副大臣    藤田 幸久君
       厚生労働副大臣  辻  泰弘君
   大臣政務官
       内閣府大臣政務
       官        大串 博志君
       内閣府大臣政務
       官        郡  和子君
       財務大臣政務官  三谷 光男君
   事務局側
       庶務部長     美濃部寿彦君
       常任委員会専門
       員        五十嵐吉郎君
       常任委員会専門
       員        塩見 政幸君
       常任委員会専門
       員        大嶋 健一君
       常任委員会専門
       員        松田 茂敬君
   政府参考人
       金融庁監督局長  細溝 清史君
       総務省情報流通
       行政局郵政行政
       部長       福岡  徹君
       財務省理財局長  田中 一穂君
       厚生労働省保険
       局長       外口  崇君
   参考人
       日本銀行総裁   白川 方明君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○参考人の出席要求に関する件
○公的年金制度の財政基盤及び最低保障機能の強
 化等のための国民年金法等の一部を改正する法
 律案(内閣提出、衆議院送付)
○被用者年金制度の一元化等を図るための厚生年
 金保険法等の一部を改正する法律案(内閣提出
 、衆議院送付)
○社会保障制度改革推進法案(衆議院提出)
○子ども・子育て支援法案(内閣提出、衆議院送
 付)
○就学前の子どもに関する教育、保育等の総合的
 な提供の推進に関する法律の一部を改正する法
 律案(衆議院提出)
○子ども・子育て支援法及び総合こども園法の施
 行に伴う関係法律の整備等に関する法律案(内
 閣提出、衆議院送付)
○社会保障の安定財源の確保等を図る税制の抜本
 的な改革を行うための消費税法等の一部を改正
 する等の法律案(内閣提出、衆議院送付)
○社会保障の安定財源の確保等を図る税制の抜本
 的な改革を行うための地方税法及び地方交付税
 法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院
 送付)
    ─────────────
#2
○委員長(高橋千秋君) ただいまから社会保障と税の一体改革に関する特別委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日までに、吉田忠智君、ツルネンマルテイ君、竹谷とし子君、大門実紀史君及び林久美子君が委員を辞任され、その補欠として福島みずほ君、西村まさみ君、山本香苗君、田村智子君及び大河原雅子君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(高橋千秋君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 公的年金制度の財政基盤及び最低保障機能の強化等のための国民年金法等の一部を改正する法律案外七案の審査のため、本日の委員会に参考人として日本銀行総裁白川方明君の出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(高橋千秋君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(高橋千秋君) 公的年金制度の財政基盤及び最低保障機能の強化等のための国民年金法等の一部を改正する法律案、被用者年金制度の一元化等を図るための厚生年金保険法等の一部を改正する法律案、社会保障制度改革推進法案、子ども・子育て支援法案、就学前の子どもに関する教育、保育等の総合的な提供の推進に関する法律の一部を改正する法律案、子ども・子育て支援法及び総合こども園法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案、社会保障の安定財源の確保等を図る税制の抜本的な改革を行うための消費税法等の一部を改正する等の法律案及び社会保障の安定財源の確保等を図る税制の抜本的な改革を行うための地方税法及び地方交付税法の一部を改正する法律案、以上八案を一括して議題といたします。
 本日は、社会保障と税の一体改革についての集中審議を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#6
○大久保勉君 民主党の大久保勉でございます。
 私は、民主党政策調査会の副会長をしておりまして、本日出席の長妻発議者、そして古本発議者と一緒に政策調査会等でこの問題を審議してまいりました。
 そこで、まず長妻発議者に対して質問したいと思います。政権交代後、民主党政権による社会保障分野の成果を是非とも教えていただきたいと思います。全体像を簡潔に説明するとともに、マニフェストの関連事項は、党の立場から、何が実現し、何が実現していないか、はっきりと説明してもらいたいと思います。
#7
○衆議院議員(長妻昭君) 大久保議員におかれましては、金融、経済のプロとして、本当に御指導をいただいて感謝を申し上げます。
 今御質問がございましたけれども、まず、この民主党のマニフェスト……(発言する者あり)
#8
○委員長(高橋千秋君) 御静粛にお願いします。
#9
○衆議院議員(長妻昭君) 社会保障についてのまだできていない部分について、まずお話を申し上げます、主なものでございますけれども。
 これは、後期高齢者医療制度を廃止するということをマニフェストに明記をさせていただきましたけれども、これについては、国保を県単位化をして広域化をして年齢区分なくすと、こういう医療制度の安定化でございますけれども、これがまだ実現をしておりません。鋭意、知事会始め関係者の理解を得るべく今努力しているということであります。
 そしてもう一つは、最低保障年金、年金の国民年金を含む一元化につきましても、これはマニフェストでも来年の国会に法律を提出するということになっておりまして、これは党の作業チームで今鋭意作業をしているということであります。
 そして、子ども手当につきましては、マニフェストで二・六万円、月額ということを中学生までお約束をしておりましたけれども、これは財政的な制約で実現ができておりません。これは私も大臣のときにおわびをいたしました。
 マニフェストについては、総選挙のときに、更に最終的にできたもの、できないものを検証をして、国民の皆さんにきちっと説明をするということをしてまいりたいと思っております。
 そして、社会保障分野で主な政権交代後の実績として、パネルを理事会の御了解をいただいて使わせていただいておりますが、(資料提示)医療崩壊に歯止めを掛けるということで、診療報酬を十年ぶりにネットプラスにして、救急、外科、外来、あるいは産科、小児科に手厚く配分する。医学部の定員も五百五人増加をいたしました。
 そして、中学生への手当、先ほど、二万六千円は実現できませんでしたけれども……(発言する者あり)
#10
○委員長(高橋千秋君) 御静粛にお願いします。
#11
○衆議院議員(長妻昭君) これまでなかった手当について月一万円を支給をするということが継続となりました。
 さらに、格差対策ということで、非正規雇用の方二百二十一万人に、政権交代後、新たに失業保険に加入できるということで、実際にそれが実現をしたところでございます。
 そして、マニフェスト事項でこれもあります求職者支援ということで、生活保護と失業手当の間の第二のセーフティーネットというのが日本にはなかったわけでございまして、これについて昨年の十月から本格的に始めさせていただきました。これは、失業保険が切れて生活費がない方に対しては、審査の上、無料の職業訓練を受けていただくという、そういう前提で生活費を支給するということでございまして、八万人の方が利用しております。そのうちの半分の四万人が生活費も受給をされているということでございます。(発言する者あり)
#12
○委員長(高橋千秋君) 御静粛にお願いします。御静粛にお願いします。
#13
○衆議院議員(長妻昭君) そして、失業者の国保保険料を大幅に軽減ということで、失業の方がかなり国保の保険料が高くなるということがございましたので、給与水準で七割引きにして、それで算定を確保するということもマニフェスト事項で実現をしております。
#14
○委員長(高橋千秋君) 答弁者の方、簡潔にお願いします。
#15
○衆議院議員(長妻昭君) そして、サービス付き高齢者住宅ということで高齢者向けの住宅をスタートする、あるいは二十四時間型の訪問介護・看護サービスを開始をするということも……(発言する者あり)
#16
○委員長(高橋千秋君) 御静粛にお願いします。
 答弁者の方、簡潔にお願いします。
#17
○衆議院議員(長妻昭君) 始めさせていただいたところでございます。
 以上でございます。(発言する者あり)
#18
○委員長(高橋千秋君) 簡潔に。今言っております。戻ってください。戻ってください。今注意をいたしました。注意をいたしました。(発言する者あり)御静粛にお願いします。
#19
○大久保勉君 どうもありがとうございました。非常に分かりやすい説明で、特に時間の節約のためにパネルをいただきまして、ありがとうございます。今日は小宮山厚生労働大臣が別の委員会に行かれているということで、もうその点も踏まえてしっかりと説明していただいたと思っております。(発言する者あり)
#20
○委員長(高橋千秋君) 御静粛にお願いします。
#21
○大久保勉君 いろんなやじが届いておりますが、先ほど理事会の方でパネルを使うことに関してはお許しをいただいております。念のために申し上げます。
 次に、自民党政権時代に社会問題となりました消えた年金問題、この問題はどのようになったんでしょうか。年金難民はまだいるんでしょうか。この点に関して、長妻発議者に説明お願いしたいと思います。
#22
○委員長(高橋千秋君) 長妻昭君。簡潔に御説明をお願いします。
#23
○衆議院議員(長妻昭君) はい。
 これにつきましては、昨日も厚生労働省の会議で最新の情報が公開されました。宙に浮いた記録五千九十五万件のうち、解明して、あるいは統合されたものが二千八百五十五万件ということで五六%でございまして、それ以外の記録はまだ未解明、解明中だということで、我々も鋭意それを解明に向けて努力をしていきたいと思っております。そのうち九百三十五万件が非常に重要な記録だと、未解明のうちですね、分かっているところでございます。
 そして、実数でございますけれども、一千二百九十六万人の方が、一人二記録以上回復された方もいらっしゃいますけれども、記録がお戻りしたということで、これは日本国民十人に一人の方の記録が抜けていて戻ったということでございます。受給者六百四万人、被保険者六百九十二万人ということでありまして、取り戻した年金額が生涯額で一・六兆円、これは集計分のみでございまして、このような結果となっております。
 そして、紙台帳の突き合わせでございますけれども、これについても全件を照合するということで、初めの二年間集中的に照合するということで、受給者のうち年齢の高い方を照合をいたしました。全対象が七千九百万人でございまして、そのうち四五%の照合が終了しています。受給者については、七割の紙台帳は終了をいたしました。全件照合のお約束でございますけれども、二〇一三年度中に全件終了予定でございます。二年の集中というのは、二年間集中的にこれを、対策を取るということで、受給者について年齢の高い方は初めの二年間集中的に照合をいたしました。
 年金の振り込みまでの待ち時間でございますけれども、政権交代前と比べると、過去五年分のみでいうと、七・二か月から二・五か月短縮をしております。十か月から四・四か月ということで、過去五年超のものについても短縮をしております。
#24
○委員長(高橋千秋君) 簡潔にお願いをいたします。
#25
○衆議院議員(長妻昭君) そして、来年一月から不明記録をインターネットで……(発言する者あり)
#26
○委員長(高橋千秋君) 今注意をしております。戻ってください。戻ってください。私も注意をしております。
#27
○衆議院議員(長妻昭君) 検索が可能になるというような対応もさせていただくところでございます。
#28
○大久保勉君 どうもありがとうございます。
 実態と実績が上がっていることが確信できました。
 次に、三党合意の内容に対して……(発言する者あり)
#29
○委員長(高橋千秋君) 御静粛にお願いします。
#30
○大久保勉君 御説明願いたいと思います。例えば……(発言する者あり)
#31
○委員長(高橋千秋君) 御静粛にお願いします。
#32
○大久保勉君 民主党は後期高齢者医療制度の廃止、さらには最低保障年金制度を取り下げたのではないかと、三党合意を締結し取り下げたのではないかと、こういったメディア報道がございます。この点に関して、長妻発議者、御説明をお願いしたいと思います。
#33
○委員長(高橋千秋君) 長妻昭君。簡潔に御説明をお願いします。
#34
○衆議院議員(長妻昭君) 今の御質問でございますけれども、後期高齢者医療制度の……(発言する者あり)
#35
○委員長(高橋千秋君) 御静粛にお願いします。
#36
○衆議院議員(長妻昭君) 廃止でございますけれども、これについては、先ほども申し上げましたけれども、国保について、今市町村単位のものを広域化をした上で年齢区分をなくしていくと、こういうような発想で我々それを提案をしているところでありまして、第一段階といたしましては、これ、報酬にかかわる七十五以上の方だけに限定した診療報酬、これは政権交代後全て廃止をいたしました。
 これらについても国民会議あるいは三党協議で議論をしていくということでございまして、我々の案が、年金の新しい制度も含めて一〇〇%そのままその案が通るということはなかなか難しいと思いますけれども、その問題意識、国保が市町村単位で本当にこれからずっとやっていけるのか、広域化しないでいいのか、あるいは国民年金を本当にこのまま放置していていいのかどうか、未納の問題や低年金、無年金の問題、これらについての問題意識は三党のみならず国会議員の皆さんで共有していると思いますので、問題意識の共有をまず政治がして、その後、いろいろ各党アプローチがございますので、それを真摯に政局抜きで議論をしていくということが重要だと思っております。
#37
○大久保勉君 続きまして、三党合意では消費増税法案だけが先行して、社会保障に関しては多くの分野で棚上げされているという指摘もございます。しかし、この主張は私は必ずしも正しくないと考えております。例えば、年金、医療に関しては、政府提出法案、三党合意文書でできるところは着実に実施されていると思います。先ほど長妻発議者の方で説明がありましたとおりでございます。
 そこで、私が気掛かりなのは格差対策であります。例えば、小泉・竹中政策におきまして格差問題が顕著になってまいりました。消費税といいますのは逆進性がございますので、消費税を引き上げて、その税収の一部をしっかりと格差対策に私は使うべきだと考えております。
 そこで、長妻発議者に対して、この件に関してしっかりと三党合意で行われているのか、若しくは政府法案にそういった項目があるのか、質問したいと思います。簡潔にお願いします。
#38
○衆議院議員(長妻昭君) これもパネルを使わさせていただきたいと思いますけれども、これについて、この委員会で八法案が今議論をされておりまして、社会保障の格差対策の法案についてはほとんど国民の皆様にその中身が伝わっておりませんので、簡潔に説明をしたいと思います。
 まず、これは既に、四百万人の低所得者の国保保険料を消費増税と同時に軽減をさせていただく、これ二千二百億円を使わせていただく、これはこの委員会の外で既に成立をしております。そして、今この委員会で議論をしている格差対策でございますけれども、年金格差を是正するということで、五百万人を超える低所得、低年金の年金受給者の方々に最大年六万円を上乗せをさせていただくと。消費税が上がる時点でございます。そして、百九十万人、障害年金を受給されておられる低所得、低年金の方百八十万人と遺族年金を受給されている十万人、計百九十万人の方々に年六万円から年七・五万円の上乗せをさせていただくと。この法律も今ここで審議をしているところでございます。
 そして、二十五万人の方については、パート、アルバイトの厚生年金、企業健保への加入を……(発言する者あり)
#39
○委員長(高橋千秋君) 簡潔に、簡潔にお願いします。
#40
○衆議院議員(長妻昭君) まずは二十五万人の方にさせていただく、十七万人の無年金者に対応する、あるいは二・六兆円、基礎年金の半額を税金を入れさせていただく等々、この委員会で年金格差に対する対策についても法案が今提出されているということも申し添えておきたいと思います。
#41
○大久保勉君 分かりました。簡潔に説明いただきましたが、もっと簡潔にお願いします。で、よろしいでしょうか。
 次に、三党合意の経緯を長妻発議者に説明してもらいたいと思います。
 自民党が当初提案しておりましたのがいわゆる基本法であります。現在の推進法に変わる経緯は、是非とも三党合意の内容そして精神を理解するために極めて重要だと思っております。是非ここは自民党の皆さんも聞いてもらいたいと思います。しっかりと三党で合意したということで、この経緯が非常に重要だと思います。(発言する者あり)
#42
○委員長(高橋千秋君) 御静粛にお願いします。
#43
○大久保勉君 実はここに関しましては、先週、自民党、公明党の委員の皆様が自分の党の発議者に対して質問をされました。長妻発議者はいつも手を挙げていたんですが、なかなか当ててもらっていないと、こういう経緯もありましたもので、しっかりと長妻発議者に民主党の考え方も説明してもらいたいと思います。よろしくお願いします。
#44
○衆議院議員(長妻昭君) 今、経緯というお話もございまして、これ三党で議論をした三党協議のたびにブリーフィングをして、記者の皆さんにもお知らせしている内容を改めて申し上げますと、当初、自民党の方からはこの基本法ということの丸のみということが提示をされましたけれども、その後の協議の中でいろいろな修正が加えられましたけれども、ポイントといたしましては、まず公的年金制度については、当初の案では、現行の公的年金制度を基本にということで自民党の基本法にはございました。これを我々がのみますと、現行の年金制度、公的年金制度が基本となりますので、これはもう新しい年金制度が議論できないということになりますので、これは削除をいただいたということでございますし、高齢者医療についても、基本法、自民党の当初案には高齢者医療制度に関し現行の制度を基本というような文言がございましたけれども、これもいろいろな協議の結果削除をいただいたということでございまして、いずれにしましても、国民会議や三党の協議の場で、今の年金制度の微修正でいいのか、今の高齢者医療制度の微修正でいいのかということを本当に真摯に議論をして、お互い歩み寄るところは歩み寄って成案を得ていくべく努力をしていきたいと思っております。
#45
○大久保勉君 続きまして、自民党の加藤勝信発議者に質問したいと思います。
 社会保障制度改革推進法第六条二号には、医療保険制度については、「保険料に係る国民の負担に関する公平の確保」という文言があります。この意味に対して質問したいと思います。
 先週の審議で櫻井理事が主張したように、大企業の健康保険など所得の高い層が加入する被用者保険ほど保険料率が低く抑えられている、不公平ではないかと、こういう指摘がございました。この点に関して、現在の保険制度の下で保険料負担の不公平性を是正すべきという意味なのであるか、この点に関して加藤発議者に質問したいと思います。よろしくお願いします。
#46
○衆議院議員(加藤勝信君) 大久保委員にお答えしたいと思います。
 今御指摘の規定は、まさに高齢化の進展、高度な医療の普及などによる医療費の増大が見込める中で、国民皆保険制度をまず維持をしていく、そのためにも保険料負担の公平を図っていかなければならないと、こういう思いで書かせていただいております。
 御承知のように、既に現在でも、例えば協会けんぽは一〇%であるのに対して、健康組合、平均で八・三%、しかも、中は四・〇から一一・五%までばらつきがあると、こういうような状況もございます。また、国民健康保険についても、市町村ごとに水準あるいは算定方式がばらばらであったり、あるいはいわゆる資産割については同じ市町村の中だけしか見ていないというやや合理性に欠ける部分もある。こういうことから、その負担の水準をやっぱり平準化、標準化していくという視点は必要だというふうに思っております。
 他方で、保険者機能という問題もこれございます。今も健康保険組合については、上限が決められている中でそれぞれの組合がその水準を決めておられる、あるいは健康管理等をしっかりやっていただく中で医療費を抑制して自らの保険料を抑制しているという、そういう機能も十分認識をしておかなきゃいけないと思っておりますので、そういった点も踏まえながら、この保険料を負担する事業者あるいは被保険者、こういった方々の議論を踏まえながら、しかしやはり今ある格差というものもある程度解消していかなきゃいけないと、こういうふうに考えております。
#47
○大久保勉君 非常にバランスの取れたすばらしい答弁だと思います。是非今度は実現してもらいたいと思っております。三党しっかりと合意して実現してもらいたいと思います。
 続きまして、自民党、野田発議者に質問したいと思います。
 この件に関しましては、推進法の第五条二号には、「社会保障番号制度の早期導入を行うこと。」とされております。自民党の礒崎委員、今席を外されておりますが、実は礒崎議員の方がさきの法案審議で、社会保障番号制度は、すなわちマイナンバー法案が審議されないなら、社会保障一体改革法案、この特別委員会で質疑している法案ですが、この採決はすべきではない旨の発言がありました。そして、この件は、委員長預かりということで後刻理事会協議となっております。
 そこで、自民党の野田発議者も同様に、マイナンバー法案が採決のめどが付くまでは一体改革法案の採決をすべきじゃないと、こういうふうに自民党としてお考えか、このことに対して質問したいと思います。
#48
○衆議院議員(野田毅君) 今のお話については、まず税法の方で給付付き税額控除ということを非常に強く政府及び民主党の皆さんから主張されている経緯がございます。その給付付き税額控除ということは所得の捕捉を前提にしている話でありまして、そのためにはまさにマイナンバー法案を入れることによってそれができるんだという論理になっている、これは御承知のとおりですね。
 ところが、実際、私どもは、仮にマイナンバー制度を入れたとしても、金融資産から発生する所得だということはまだそれを捕捉する形になっていないということだから、そのマイナンバー法案ができたからといって所得捕捉は十分じゃありませんよと、こういう考えで給付付き税額控除についての問題点を指摘しているわけですが、少なくともそれさえないわけで、そのマイナンバー法案の早期成立を私どもは強く要請している。これの最大の主張の根拠は、先ほど来お話がありました消えた年金、これは番号なしに名寄せができるというとんでもない、私は前提が食い違ってきているんじゃないですかと。
 そういったことを頭に置いた場合に、税の問題だけじゃなくて、社会保障制度をきちっとした対応をしようというのであれば、まずそのマイナンバー法案の成立が最優先の話なのではないかということで私どもは主張してきているんですが、残念ながら、この法案の審議が、どういうわけか、これよりもほかの法案の審議を優先するという衆議院における民主党の国会対策の中での扱いがあるということであれば、そもそもこの法案の前提そのものを皆さんがお認めにならないのならという思いが礒崎さんのお話の中にあったということが、私は気持ちとして理解はすると、気持ちとして理解はすると、そういうことです。
#49
○大久保勉君 マイナンバーに関しましては、必要である、必ずしも十分ではないが必要であるということで、私も同意したいと思います。是非マイナンバー法案の審議をしっかりとやってほしいと思いますので、そこで、野田総理、野田総理は民主党の代表でありますから、是非野田総理のリーダーシップを発揮してもらいたいと思います。
 といいますのは、マイナンバーに関しましては二〇一五年一月から利用開始を想定されております。そのためには、膨大なシステム投資であったり、基本的なシステム設計が必要であります。専門家の指摘によりますと、今年の秋からスタートしないと間に合わない可能性があると、こういった法案でありますので、しっかりと党内で、そして政府でも結論を出してほしいと思います。野田総理に質問したいと思います。
#50
○内閣総理大臣(野田佳彦君) このマイナンバーに関しては、大久保委員におかれましては、党のこの番号制度のワーキングチームの座長をされていますので、その意義についてはもう釈迦に説法ですから余り触れませんけれども、総合合算制度であるとか、あるいは今、野田毅発議者から御説明のあった給付付き税額控除、こういうことを実施する場合には、この本格的な稼働や定着、これ番号制度の定着というものが必要になってまいります。加えて、より公平な社会保障制度あるいは税制の基盤となるものでありますので、社会保障と税の一体改革、今御審議いただいている法案と大変密接に結び付いた重要な法案だと私も認識をしております。
 残念ながら、ちょっと衆議院の内閣委員会にたくさんの法案がかかっていますので大変窮屈になっておりますけれども、大変重要な法案でございますので、早期成立に向けまして、与野党双方でこの法案の審議促進を改めて私の方からもお願いをしたいと考えております。
#51
○大久保勉君 それでは、パネルを出してもらいたいと思います。(資料提示)
 次に、欧州危機の状況に関して説明をしたいと思います。現代の国家のほとんどは福祉国家でありますが、財政危機がいかに一般国民、そして国民の生活を脅かすか、欧州国家債務危機を例に取り説明したいと思います。
 こちらのパネルに関しましては、ギリシャ、アイルランド、ポルトガル、いずれも国家債務危機に陥っております。その結果、財政健全化が必要になっております。
 例えば、ギリシャで申し上げますと、百四十三億ユーロ、こちらはギリシャのGNPの六・二%ですから、もし日本に当てはめると五百兆円の日本のGDPに対して三十兆円の歳出カットになっております。一般会計予算が約九十兆円余でありますから、三分の一の歳出カット、大変な状況に陥っております。アイルランド、ポルトガル、同様な状況にあります。
 こういった債務危機に陥った場合に何が行われているのか。例えば、社会保障分野の給付削減、そして医療分野に関する個人負担の増額となっております。
 例えば、年金に関しましては、ギリシャの例を申し上げますと、二〇%の切下げであります。例えば日本の場合、月々七万円、仮に七万円の年金でありましたら一万四千円のカット、大変な状況であります。そして、更にです。日本の消費税に当たります付加価値税率の引上げということでありますが、現在ギリシャでは一九%でありますが、こちらを四%引き上げて二三%ということです。
 財政危機に陥ったら、申し上げますが、年金カット、医療カット、歳出はカットされます。そして増税ということでありますから、是非とも避けないといけないと私は考えております。このことは決して欧州だけの問題ではないと思っております。
 この点に関して、野田総理大臣に御認識を賜りたいと思います。
#52
○内閣総理大臣(野田佳彦君) ただいま御指摘いただいた国々におきましては、財政への懸念が深刻化をし、市場の信認を失ったために、極めて厳しい財政健全化策の実施を余儀なくされております。資料にも出ていますとおり、その一環として、例えば年金をギリシャでは二〇%切り下げたりとか、ポルトガルにおいては医療費の自己負担増など、年金、医療の大幅な給付カットや負担増など社会保障分野においても厳しい措置が行われまして、国民生活に混乱を来しているものと承知をしております。
 我が国の財政状況は、長期の債務残高が対GDP比で見るとこれらの国々に比して厳しい状況でもありますので、欧州の債務の危機というのは対岸の火事では決してないと思います。御指摘いただいた国々における厳しい措置はセーフティーネットとしての社会保障制度の安定を揺るがすものであり、これらの国と同じ轍を踏まないように、現在の社会保障制度を守るための改革を行わなければいけないと思います。
 したがって、金利が低位安定をしている今の段階で財政健全化にしっかりと取り組み、我が国の財政状況に対する市場の信認を引き続き確保し、財政規律を守る国であることを行動で示すべきであるということがこれらの国の事例から得られる教訓ではないかと考えております。
#53
○大久保勉君 ありがとうございました。
 続きまして、安住財務大臣に質問したいと思います。
 昨日の欧州市場におきましては、ユーロ・円為替相場が九十四円台に突入しております。ユーロは円に対して下落し続けているという状況であります。一方で、スペイン国債の利回りは七・六%を超えてまいりました。危険水域に来ているという状況であります。先ほど申し上げましたように、ギリシャ、ポルトガルから欧州危機はスタートしておりますが、さらにはスペイン、イタリア、より経済規模の大きな国に波及しているという状況です。じわじわじわじわ、本当に厳しい、そして怖い状況になってきたかなという印象であります。
 ここで申し上げたいのは、このことが日本にとって対岸の火事ではないということです。先ほど野田総理もおっしゃいましたが、私もそういう認識であります。そういう観点から一つ説明したいものがあります。
 じゃ、パネル、お願いします。
 実は、こちらは日本の十年国債、長期金利の推移であります。タテホショック前後ということでありますが、今から二十五年です。実は私は銀行に二十年ほど勤めておりましたが、ちょうど為替のトレーダー若しくは金利のトレーダーとしてトレーダー業務を開始したばかりで、非常に私も市場というのは怖い、荒れ出したら大変な状況になると、こういったことを認識したころであります。
 そこで申し上げたいのは、財務大臣に質問したいんですが、こちら三点質問したいと思います。
 まず、一九八七年五月八日に二・七四%の国債金利が五か月間で六・〇八%、約三%以上上がっております。ですから、こういった状況に、もし今起こった場合、何が起こるかということです。そのためには、前提として、二十五年前と今の金融環境、さらには国債の発行残高等が変わっていると、こういった点に関して質問したいと思います。
 質問の項目は三点でありまして、一つは、一九八七年時点の国債の発行残高に対して現在の国債発行残高は何倍になっているのか、これが一点目です。二点目は、銀行の国債保有残高は当時に比べて何倍になっているか。つまり、銀行の資本を劣化させる可能性がありますから、ちゃんとした注目が必要です。ここに関しては後で日本銀行の白川総裁にもっと詳しい点で質問したいと思います。三点目は、国債保有損失に与える銀行の決算の状況です。当時に関しましてはいわゆる簿価会計でありましたが、現在、時価会計ということもございまして、かなり大きな変化になっていると思います。
 この点に関して、以上三点に関して、安住大臣、御説明お願いします。
#54
○国務大臣(安住淳君) おはようございます。
 タテホショックの事例を出していただきましたが、国債発行残高をめぐる現在と当時の状況について御説明を申し上げます。
 現在の普通国債発行残高は約六百七十兆円でございます。タテホショックのあったころというのは一九八七年でございますが、その時点では百四十五兆円でございますから、単純に計算して四・六倍となります。また、現在の銀行等の国債保有残高というのは二百約八十兆円でございまして、当時、一九八七年時点の国債発行残高は約五十二兆円でございますので、約五・四倍となっております。
 なお、国債価格の変動が銀行決算にどういう影響を与えるのかということでございますが、一般論として申し上げれば、当時においては、大久保さん御存じのように簿価の評価でされていたため、実は銀行の決算にこの点について反映されるということはほとんどなかったということでございましたが、現在はこの評価は時価評価とされておりますので、銀行決算に反映されるようになります。
 このように、国債の発行残高及び銀行等の保有残高が大変増加をしております。時価会計の導入により国債の評価損益が銀行等の決算に大きな影響を与えるということを踏まえれば、やはり御指摘のとおり国債市場についてはより一層の注意を払う必要があるというふうに私どもは考えております。
#55
○大久保勉君 一点だけ誤解されないように申し上げますが、今の国債市場は非常に安定しておりまして、世界中から資金が入ってきているという状況です。十年国債の金利も〇・七五%ですから、今の状況では全く恐れる必要がありませんが、将来のことを考えて念には念を入れた方がいいと、こういった観点で質問をしたわけです。
 続きまして、じゃ資料の二枚目を御覧ください。
 こちらは、日本国債の発行残高、これを時価評価をして、もし金利が二%上がったらどのくらい損失が発生するか。あくまでも理論値であります。この件に関しましては先週も鈴木寛委員の方で説明がありました。詳しいことは省略しますが、財務省の、こちらは答弁者、参考人の方で、具体的にどのような影響があるのか、特に二%金利が上がった場合に投資家の持つ時価に対してどの程度の影響があるか、御説明をお願いします。
#56
○政府参考人(田中一穂君) 先生の御指摘に従いまして機械的な計算をいたしますと、まず残存期間五年以上の国債につきまして計算をいたしました。利回りが一律に変化をするという機械的な計算の前提に立って行いますと、二%の上昇で時価総額は約一九・七%下落するということになります。したがいまして、仮に、例えば一兆円を保有している投資家がいたと仮定しますと、一律二%の利回り上昇時には保有国債の時価総額が約一千九百七十億円減少するということになります。
#57
○大久保勉君 ということは、国債発行の全残高は幾らですか。それに対して一九・七%は幾らですか。
#58
○政府参考人(田中一穂君) 先ほどの前提で、残存期間五年以上の中長期の国債の残高の全体額は、額面で三百十二兆円、それから時価が三百三十八兆円、これはたまたま昨日現在の数字を取っております。したがいまして、先ほどの一九・七%の下落というのをそのまま機械的に適用いたしますと、時価総額の減少額が約六十六・七兆円ということになります。ただ、この中には外国政府あるいは外国法人あるいは個人が持っているものも含まれますので、その前提でお考えいただければと思います。
#59
○大久保勉君 二%金利が上昇して六十六・七兆円のいわゆる評価損、あくまでも評価損です。ということは、三%金利が動いた場合には百兆円以上です。
 そこで、質問通告をしておりませんが、一九九〇年代の日本の不良債権問題で、日本の銀行が処理した不良債権の金額は幾らか御存じですか。もし分からなかったら結構です。財務省の参考人。
#60
○委員長(高橋千秋君) 分かりますか。
#61
○政府参考人(細溝清史君) 突然の御質問でございまして、手元に資料ございませんが、たしかこの十数年間で償却した額は百兆円ぐらいだったと思っております。
#62
○大久保勉君 そうです。百兆円なんです。
 ということは、金利が三%上がったら相当大きい問題になるということです。ですから、金利が上がらないようにしっかりと見ていく必要があると思います。この辺りは金融政策との関係で非常に重要であります。
 例えば、日本銀行の政策におきましてもインフレ目標というのがありますが、インフレ目標に関して、二月十四日には一%をめどというのがございました。もしインフレ目標を三%にした場合に、基本的に〇%のインフレ率が三%に上がった場合には、長期国債も自動的に三%上がる可能性が高いと言われています。こういった問題があるんじゃないかと思いますので、日本銀行の白川総裁に質問したいと思います。
 ここで金利が仮に二%上昇した場合、銀行経営にどのような影響があるのか。例えば、自己資本比率が低下したり、その結果、貸し渋りが発生する、株価の下落、さらには市場、経済等に対する影響、この点に関して御質問したいと思います。
#63
○参考人(白川方明君) お答えいたします。
 今の先生の御質問にお答えするために、まず銀行の自己資本の状況を御説明いたします。
 本年三月末時点で日本の大手行全体、全部で十二行ございますけれども、これ三十七・一兆円でございます。これに地方銀行、第二地方銀行、地域銀行全体でこれは十七・三兆円ということになってまいります。
 仮に国債金利が一律全期間二%上昇するいわゆるパラレルシフトというケースを想定しますと、本年三月末時点で銀行が保有する債券価格の下落幅は、大手行で七・三兆円、地域銀行で六・〇兆円という計算になります。これはあくまで機械的な計算でございます。
 これがどのような影響を及ぼすかということでございます。これはどのような状況の下で長期金利の上昇が起こるかということに依存いたします。仮に財政に対する信認が失われて長期金利だけが上がってしまうというケースと、それから経済が改善し、貸出しも増えていく、貸出金利も上がっていくという状況の下で国債金利が上がってくるというケースでは状況が異なってまいります。
 当然のことながら、後者のケースですと、これは一方でプラスがございますから、マイナスとプラスがある程度時間を掛ければ相殺されることになりますけれども、仮に財政の信認が低下して長期金利だけが上がるというケースを想定しますと、これは先生が御懸念のように日本の経済、金融に大きな影響を与えます。
 影響を与えるルートでございますけれども、仮にその悪い形での金利上昇が起きますと、銀行の自己資本が減る、体力が減るということですから、当然貸出しがしにくくなってくるということになってまいります。そのことが実体経済に影響を与えてくるということになりまして、私どもとしては、そういう意味では長期金利が安定的に形成されるということが大事だというふうに思っております。
#64
○大久保勉君 白川総裁の方で説明してもらいましたのは、金利上昇にはいわゆる悪い金利上昇といい金利上昇がある、悪い金利上昇といいますのは財政の信認がなくなって長期金利のみ上がると、こういう状況を是非とも避けないといけないということだと思います。今回の社会保障・税一体改革の法律というのは悪い金利上昇をなくす、そのための法案と私は信じております。
 次に、白川総裁にもう少し細かい話を質問したいと思いますが、具体的に、急激な金利上昇になった場合に、やはり銀行システム不安というのがございます。その場合に、日銀考査でしっかりとそういったことがないように日ごろから点検する、さらには、日銀の政策決定会合でしっかりと、いわゆる金利上昇、景気が良くなって金利上昇することはいいんですが、ただ単に金利が上がる、こういった状況にならないようにしっかりと金融政策を行う、こういった議論がなされていると思います。この辺りに関して、白川総裁に御説明をお願いしたいと思います。
#65
○参考人(白川方明君) お答えいたします。
 国債金利の動向、これが経済や金融にどのような影響を及ぼすかということについては、私どもは注意深く見ております。先生の御質問は、金融政策の部分とそれから金融界に対する監督の部分と両方ございました。
 まず、金融政策から申し上げますと、私どもは、今、包括緩和の枠組みの下で、長めの金利や各種のリスクプレミアムに働きかける目的で様々な資産、これは国債を含めて大量に買い入れております。このこと自体は、これは企業の資金調達金利の低下などを通じて経済を金融面から強力に後押ししているというふうに思っておりまして、日本経済がデフレから脱却する上でこれは必要なことであるというふうに思っております。
 一方で、国債市場が仮に中央銀行の買入れに過度に依存した市場になってまいりますと、確かに一時的には長期金利は下がりますけれども、何らかのきっかけで反転、上昇することも起こり得ます。その場合には先ほど御説明しました金融機関への影響ということも起こり得ますので、私どもとしては、金融政策運営に当たっても、金融システム全体の安定と経済の安定を損なわないように適切な金融政策を行っていくという必要があるというふうに考えております。その意味で、私どもは金融面での不均衡が蓄積しているということがないかどうか、こうしたことにも目を配りながら適切な金融政策を行っていきたいと思っております。
 それから、金融機関に対する考査でございますけれども、これは日ごろから考査それからモニタリングを通じまして金融機関に対しリスク管理の実効性確保を求めております。市場リスクにつきましては、つまり金利が上がって価格が変動する、金融機関の自己資本が変動するということでございますけれども、各金融機関において経営陣が市場運用におけるリスクテークに関する方針を明確に示した上でこれが組織内で十分共有されていることがこれは重要でございます。その上で、様々なリスクの波及経路を想定したいわゆるストレステスト等を行いまして、自己資本に応じて適切なリスク量になるよう管理することが求められます。
 また、国際金融資本市場において不確実性の高い状態が続いている中にありまして、リスクや損失の拡大を抑制する限度枠の実効性を確保し、市場環境の変化に対して機動的に対応できる体制を整備することが重要でございます。
 これらの点は日本銀行が行っております考査の本年度の実施方針において重要なポイントとして掲げておりまして、金融機関に対する考査において注意深く点検をしております。
 いずれにせよ、先生がおっしゃった国債市場がどのような展開をしていくのかということにも十分注意しながら、適切に政策運営に心掛けていきたいと思っております。
#66
○大久保勉君 是非適切に金融政策を運用するようにお願いしたいと思います。
 この金融政策に関して更に突っ込んだ質問をしたいと思います。
 昨日、日銀審議委員、木内氏と佐藤氏が就任することになりました。こちらに関しまして、二人ともデフレ脱却をしっかりと行っていくと、こういった記者会見で表明されたと思います。
 実は、消費税法案に関しては、十八条一項には、日本の成長率、名目成長率三%、実質成長率二%。三%と二%の差、これは一%になりますが、こちらがいわゆるインフレであります。一%のインフレを達成する、そのためには、現在はまだデフレの状況でありますから、しっかりとインフレに持っていかないといけないと。こういう意味では、二人の審議委員の今後の発言は非常に期待されるところであります。
 しかし、二人の審議委員は主張したとしても、日本銀行の中の議論が余り活発ではないとか若しくは内向きであると、こういったことにならないように、是非、議長としての白川総裁の今後の運営の在り方に関して是非決意を述べてもらいたいと思います。やはり民主的に開かれた政策決定会合を行っていくと、こういったことを是非御表明、お願いしたいと思います。
#67
○参考人(白川方明君) お答えいたします。
 私、総裁も、それから二名の副総裁も、それから今度新たに任命されました二人の審議委員も含め六名の審議委員、九名全体が、これは衆議院、参議院の同意を得て内閣で任命されて、まさに民主的な手続を経て任命されて金融政策を行っております。
 日本銀行の政策の目的というのは、これは法律にはっきり規定されております。物価の安定を通じて国民経済の健全な発展に資する、あるいは先ほど来議論されていますように金融システムの安定を図っていくということでございます。こうした二つの物価の安定、金融システムの安定を通じて経済の安定を図っていくということが日本銀行の重要な課題でございます。
 そうした認識の下に我々は政策運営に最大限努力しておりますし、それから政策委員会の決定においても、民主的、開かれた形で議論を行っております。その結果も、議事要旨、それからこうした国会の答弁も含めましてしっかりと説明する努力を行っております。今後ともしっかりとしたそうした任務を果たしていきたいというふうに思っております。
#68
○大久保勉君 是非とも実現してもらいたいと思います。
 さらには、日本銀行だけではなくて、政府と日本銀行、密接に意見交換をしていくと。日本銀行の独立性の下に、しかしデフレから脱却する、このことに関しては、政府、日銀、全力でお願いしたいと思います。
 続きまして、総務省の参考人に質問したいと思います。
 実は金利が上昇した場合に、中長期金利が上昇した場合に、日本最大の投資家の一つでありますゆうちょ銀行のポートフォリオが大きく傷む可能性があります。さらに、ゆうちょ銀行に関しましては、十年物定額預金ということで、金利が上がった場合、いつでも解約できるような状況になっています。こういった状況に関して、十分にALM管理をされていると思いますが、非常に細心のチェックが必要だと思います。
 この点に関して、どのようにされているのか、総務省参考人の方に質問したいと思います。
#69
○政府参考人(福岡徹君) お答え申し上げます。
 御案内のとおり、ゆうちょ銀行、それからかんぽ生命につきましては、平成十七年の郵政の民営化によりまして、それぞれ、銀行法が適用されます一般銀行、また保険業法が適用されます一般保険会社となっております。その資産運用につきましては、それぞれ金融二社の経営責任において自主的に行われるべきものでございますし、各種リスクにつきましては、この金融二社が銀行法及び保険業法の規定に基づき適切に管理していくことが重要と考えております。
 実際のところでございますが、金融二社におきましては、御指摘のとおり、一定のリスク管理の取組を行ってございます。例えばでございますが、ゆうちょ銀行におきましては、市場リスクを定量的に計測するということで、バリュー・アット・リスク、VaRと呼んでございますが、そのような統計的な手法で市場リスクを定量的に計測をいたしておりますし、また、この統計的な推定の範囲を超えるような市場の急激な変化に備えましてはストレステストを実施するといったような形で取り組んでいるというように聞いているところでございます。
 ただ、いずれにいたしましても、監督官庁につきましては金融庁でございます。検査等を通じましてこの金融二社のリスク管理体制を把握し、必要な場合には金融庁の方から監督上の措置等を講じることができるものと承知をしてございますが、総務省におきましても、こういったリスク管理の面につきましては十分注視をしていきたいというふうに考えているところでございます。
#70
○大久保勉君 先ほどバリュー・アット・リスクを使ってしっかりと管理しているという話がございました。
 一見しっかりと管理しているように見えますが、バリュー・アット・リスクというのは過去の経緯であります。特にこの十年ずっと金利が下がってきておりますし、もう金利が一%近辺にありますから、これ以上下がらないということで非常に安定しておりますから、こういったデータだけで推計するのはおかしいと思います。非常に危険です。テールリスクと言いますが、可能性は少ないんですが、何か起こった場合に多大な問題が発生すると、こういったアプローチも必要だと思います。先ほど申し上げました二十五年前のタテホショック、こういった状況もあり得ると、こういう状況で、念には念を入れて金利リスクの管理をお願いしたいと思います。
 では続きまして、税制抜本改革法案に関して質問したいと思います。では、パネルをお願いします。
 こちらは古本発議者に対して質問したいと思いますが、消費税法案に関して、消費税を五%上げた場合に、その消費税増税分を防災、減災ないしは国土強靱化のためにいわゆる公共事業に使うのではないかと、こういった指摘がございます。
 そこで、消費税法第一条二項、こちらにございますが、ここを読み上げます。毎年度、制度として確立された年金、医療及び介護の社会保障給付並びに少子化に対処するため施策に要する経費に充てると規定されてあります。そういうことで、どうして公共事業等に充てることができるのか、この点に関して、古本発議者に質問したいと思います。
#71
○衆議院議員(古本伸一郎君) お答えいたします。
 今、大久保先生御指摘の、第一条の二に記載のある、今パネルで、テレビでも御覧をいただいている条文でありますが、そのとおりでございます。
 今回、三党の交渉の中で、最終的に税関係協議ということでサインをするに至った文書の始まりに、今回の政府提出の税制抜本改革二法案については、以下のとおり修正合意した上で、今国会中の成立を図ることとするというふうに書きまして合意しています。その中で、実はこの目的的に使っていくということについては全く三党とも異論はなく合意しておりますので、このとおり使っていくということでございます。
 なぜこの目的化したということも、恐らく議論としてあろうかと思いますけれども、これはなかなか、政治の役割として、お金を集めるということと政策として再分配をするということ、この二つが大きく政治の使命だと思いますけれども、この集めるという方が、やはりどなたかに幾らかの負担をお願いする、これは租税あるいは保険料という形でお願いをするという、言わば、好きか嫌いかと言われたら、できるだけやめてくれよと言われる分野であるだけに、これまでどうしても私たち政治はこの御負担をお願いする方から避けて通ってきたわけでございます。そういう意味では、政策として、とりわけ社会保障として再分配するということであるならば多くの国民の皆様が御理解をいただけるだろうということが第一でありまして、年金、医療、介護、さらには子ども・子育てに限定して全て使わせていただくと、このように三党で合意してございます。
#72
○大久保勉君 分かりました。
 次に、一方で、例えば災害対策とか防災に関しては、本当に早急に予算を作るべきであると、こういった指摘もあるのは事実であります。例えば、私の地元では、七月、九州北部豪雨で大きな被害を受けました。当然ながら、民主党としても早急に災害復旧対策を行うように政府に要請しているところであります。
 それに関連することなんですが、例えば、自民党や公明党は、三党合意の結果、いわゆる自然災害対策や今年度の補正予算、来年の予算に関しても積極的に関与すべきじゃないかと、こういった意見もありますし、事実報道されているところでありますが、そこで質問したいことは、いわゆる三党合意には消費税引上げ前の閣外協力も言及されているのか、三党合意の内容に関して質問したいと思います。古本発議者、お願いします。
#73
○衆議院議員(古本伸一郎君) お答えいたします。
 実は、今回の十八条二項に、「成長戦略並びに事前防災及び減災等に資する分野に資金を重点的に配分することなど、我が国経済の成長等に向けた施策を検討する。」と、ここを受けて一連の御議論になっておりますが、これは自民党の皆様、公明党の皆様からそれぞれ御提案もあり、私どもも大変いい内容であるというふうに思い、最終的にこの二項が加わっておりますが、実は、一点、大変整理しなきゃならないのが時間軸の問題だと思っております。つまり、先ほど大久保先生から御指摘いただいた第一条に規定しております年金、医療、介護及び子ども・子育てに限定してお金を使わせていただくというその再分配のありようは、これは、二〇一四年の四月に八%、そして二〇一五年の十月に一〇%というこの度の五%の消費税の引上げをお願いしている財源を使う使い道として、今御指摘の四分野に限定する、社会保障に限定するという、このことについてのみ合意をしているということでございます。
 したがいまして、九州の、今本当にお地元も含め、この度の風水害で大変な御苦労をされている皆様に一刻も早く大変な支援をしていくということは全く異論はありませんし、一刻も早くやっていくということだと思うんですけれども、じゃそのための財源はどこにあるのかといえば、これは、仮に補正ということになれば補正でしょうし、あるいは来年度の予算ということであれば来年度の予算編成ということになりますので、年度年度の予算編成を縛ることまでこの三党の協議で合意しているわけではございませんので、その財源をどうしていくかということも含め、それぞれ党派、各党の皆様方と相談し、ハウスとしての意思も今後御議論をいただきたいと、このように思っています。
#74
○大久保勉君 二〇一四年四月、消費税引上げ前の状況に関しては、当然ながら民主党政権が独自に予算を作っていくという理解だと思います。もちろんこれは国会で法律を審議しますから、与野党の皆さん、特に自民党と公明党の皆さんにしっかりと胸襟を開いて話合いをすると、こういったことでよろしいかと思いますが、以上でよろしいですね。
#75
○衆議院議員(古本伸一郎君) 予算編成に関しては、予算編成権は政府・与党にあるのは、これは過去もそうでありましたし、今もそうであると思っています。
 その上で、この度の御案内のとおりの三党合意というのは、消費税を引き上げるに当たって、その使い道については社会保障に限定してみんなで分かち合おうじゃないかということで合意しているということであって、それ以外のことについては、消費税を引き上げるための経済の成長をいかにしていくかということについて十八条の中で具体的に方向感を書いております。その書いている中に防災、減災も入っているということで、今日現在から防災、減災やっていくということは当然必要なことであります。一方で、財源はどこにあるんだという議論と私たちは向き合わなきゃならないと、こういうことでございます。
#76
○大久保勉君 続きまして、二〇一四年四月以降、つまり消費税が引上げされた場合に、その税収をどういうふうに使うか。ここに関しましては、附則十八条の二項に関して様々な議論がありました。例えば、自民党の宮沢委員、そして民主党の金子洋一委員、非常にすばらしい議論がなされていたと思います。それに関連して、一点、安住大臣に御所見を確認したいと思います。
 若干分かりづらかったのは、自民党宮沢委員の質問に対して政府として非常に曖昧な答弁をなされたかなと思って、質問したいと思います。具体的には、三党合意はあくまでも民主党、自民党、公明党三党の合意である、これは事実ですね。しかし、自民党宮沢委員の議論は、二〇一四年四月以降の消費税による増収の結果、社会保障に対応した赤字国債の金額が減ると、ですから、その分、浮いた分を建設国債を発行して公共事業に充てることができるんじゃないかと、こういった議論であります。
 もちろん、そのことは理論的には可能であります。しかし、一点確認したいのは、いわゆる野田政権がそのことまで言及できるかということです。つまり、政府は予算編成権はありますが、二年後、三年後の予算はそのときの政権が作るべきであります。二〇一四年以降の予算編成の内容を野田政権下の政府が約束するのは、私はおかしいと思います。むしろ、これは次の総選挙の争点として争うべきテーマであり、政府は将来のことは、二〇一四年四月以降のことは言わないと、言及しないというのが正しい理解じゃないかと思いますが、いかがでしょうか。
#77
○国務大臣(安住淳君) この点については、私、何度も申し上げておりますが、改めて申し上げます。
 消費税の引上げ分は全額社会保障財源化をいたしまして、社会保障の充実、安定化を図るものでありまして、消費税による税収をばらまきに充てることは一切いたしません。本年一月の内閣府の中長期試算では、慎重シナリオでございますけれども、二〇一五年における財政健全化目標であるプライマリーバランスの赤字対GDP比の半減のためには更なる財政収支改善努力が必要があると見込まれておりますので、こうした努力を今後も野田内閣として堅持をしてまいります。
 御指摘の附則十八条二項では財政による機動的な対応が可能となる中でとされておりますが、これについて私どもも、財政規律を堅持しつつ、その中でまず財政の、ここでうたわれている機動性を可能にする必要がある、つまり税収等をしっかり上げていく、こうした成長による税収を上げていくということが必要だと。その上で、新成長戦略の実行の加速や日本再生戦略の策定、実行等により力強い経済成長を実現させるべく全力で取り組むと。さらに、予算全体の重点化、効率化も含めて、真に必要な施策にプライオリティーを高めていくと。この中に防災、減災等はやはりプライオリティーは高いですねということは定義をしております。
 こうした取組を消費税率の引上げに合わせて行っていく必要があるということでございますが、なお、条文にも、こうしたときの場合、資金を重点的にと書いております。ここには資金ということでございますので、税財源に限らず財投資金や民間資金の活用なども含めてというふうな、これを私は、知恵を三党で出し合ってここの資金というものをお書きになったんだということでございますが、最初のことに戻りますけれども、今マスコミでもるる、誤解も含めて、ばらまき、公共事業をばらまくんではないかというふうな趣旨で、ある意図的なものを持って報道しているところもあるようですけれども、そうした考えは一切ございません。
#78
○大久保勉君 ありがとうございました。私も必要な公共事業はしっかりとやっていくべきだと思っております。
 続きまして、三党合意に関しまして、第七条では消費税引上げに当たって検討の課題が列挙されております。例えば、第七条一号に関連して、医療、住宅、自動車に関して、八%引上げ時ないしはその以前に具体的な検討事項を、さらには税制上の配慮等が列挙されております。
 その中で一つ気になりますのが自動車関連税制で、いわゆる二重課税の問題がございます。いわゆる自動車取得税に関しましては、いわゆる消費税と同じような物品税が掛かる、更に消費税が掛かりますから、二重課税であります。
 そのような物品課税があるものはないかと考えましたら、いわゆるお酒、酒税に関しても二重課税が掛かります。どうして酒税に関しては外れているのか、古本発議者に確認したいと思います。
#79
○衆議院議員(古本伸一郎君) お答えいたします。
 年末の私どもの税制調査会、そして三月の連日の深夜に及ぶこの度の一体改革法案の議論の中で、この議論の出発点は附則百四条にございまして、その中で、税制の抜本改革を行っていくということの中の、道筋の中の一つだと思っております。
 今委員御指摘の酒税でありますけれども、御案内のとおり、個別の間接税としては、酒税以外にもいわゆるタックス・オン・タックスだと言われている中に、揮発油税あるいはたばこ税、そして御指摘の酒税等々も多分カテゴリーとしてはあり得るんだろうというふうに思っておりますが、実は、この度の法案の七条の中に、「酒税については、類似する酒類間の税負担の公平性の観点も踏まえ、消費税率の引上げに併せて見直しを行う方向で検討する。」と、このようになっています。
 もとより、民主党の基本的な考え方としては、類似する酒類の中にあっては度数課税、致酔率に応じた課税の在り方等々も検討していこうということになってございまして、いわゆる先生御指摘のタックス・オン・タックスの問題は酒税にとどまらない部分も含んでおりますので、全体の議論をきちんと整理をしていきたいと思っておりますが、酒税に関する先生の御指摘は大変重要な観点であるというふうに受け止めたいと思います。
#80
○大久保勉君 最後の質問に入りたいと思いますが、安住大臣に質問します。
 消費税引上げにおけるいわゆる第七条第一号には、医療機関に対する配慮が書かれております。このことは私も非常に評価します。ただ、問題点としましては、消費税負担を他に転嫁できない業種はほかにもあるということであります。例えば、公的助成を受けております学校、幼稚園も同様であります。さらには、国、地方自治体自身も、消費税が上がった場合に、物品費であったり、公共事業、防衛調達、様々なところで税負担が発生します。
 こういった問題に関して、今後予算措置としてしっかりと手当てをするのか、このことに関して財務大臣に質問し、私の質問を終わりたいと思います。
#81
○国務大臣(安住淳君) 意外と国民の皆さんには知られておりませんが、教育的配慮等で授業料等はこれは非課税というふうにされております。これは、欧米諸国でも同じでございますが、日本も同じでございます。
 ただ、そうした例えば学校等でも、仕入れに係る部分についてはどうしても消費税の部分の負担があって、これが経営等を非常に圧迫をしているのではないかということもありますので、これは税の中で対策をということはなかなか難しいので、私どもとしましては、毎年度の予算編成の過程の中でそうしたことに対する予算的な配慮というものをやっていきたいというふうに思っております。
#82
○大久保勉君 終わります。
#83
○梅村聡君 おはようございます。民主党の梅村聡です。引き続いて、民主党を代表して質問をさせていただきたいと思います。
 まずは、一体改革の議論に入ります前に、昨今も日本におきまして自然災害が多発をしております。七月に入りましても、九州地方を中心に集中豪雨の災害が発生しました。多くの亡くなられた方に哀悼の意を表すとともに、今なお被災されている方々にはお見舞いを申し上げたいと思います。
 三・一一の東日本大震災、そして昨今続く災害の映像を見てみますと、今避難所が映されております。この避難所の様子を見てみますと、日本の避難所は、体育館等に床に直接毛布ですとかあるいは布団を敷いて、いわゆる雑魚寝という状態の避難所が今なお多く見受けられます。これ御存じのように、大規模災害での避難所で雑魚寝を行った場合、エコノミークラス症候群による肺血栓塞栓症、この死亡率が非常に上がるということが今分かっております。また、高齢者はどうしても横になる時間が長いですから、自立度というのは大きく低下すると、そういうことが言われております。
 新潟大学あるいは石巻赤十字病院、宮城県立循環器・呼吸器病センターの先生方の研究によりますと、東日本大震災の避難所で、雑魚寝ではなくて、簡易の段ボールを搬入しまして、そして床から何十センチか段差があるこの簡易ベッドを導入したところ、深部静脈血栓症の発生というのは著しく減少したと。また、睡眠状態は改善して、高齢者の自立度というものも大幅に改善効果が認められた、こういう研究成果がございます。
 大規模災害が多い日本ですので、多くの被災者の二次健康被害や震災関連死を防ぐためにも、現在、中央防災会議の防災基本計画の見直しが行われておりますが、この避難所の項目のところに、是非、避難所への簡易ベッドの設置の項目、これを見直しの中で加えていただきたいと思うのですが、被災地選出、地元の郡内閣府政務官に御答弁をお願いしたいと思います。
#84
○大臣政務官(郡和子君) お答えをいたします。
 避難所におきましては、多くの避難されている方々が長期にわたって避難生活を余儀なくされる場合もございます。今し方、東日本大震災での対応についても委員から御指摘がございましたけれども、良好な生活環境の確保というのが極めて重要であるというふうに思っております。
 防災基本計画におきましては、地方公共団体は、避難者の健康状態や避難場所の衛生状態の把握に努め、必要な措置を講ずるよう努めるものとするとされているところでございます。
 今御指摘の簡易ベッドについてですけれども、現在の防災基本計画の中には指定はされてございません。しかし、厚生労働省におきまして、今般の九州の豪雨被害に際し、災害救助法を適用した被災地方公共団体に対しまして、避難所の生活環境の改善対策として、簡易ベッドの整備を例示した上で周知をしているというふうに聞いているところでございます。
 防災基本計画につきましては、東日本大震災を踏まえた各種の見直しの反映を含めて継続的な修正を行う必要があるというふうに思っておりますし、その際に簡易ベッドについても真摯に検討してまいりたいというふうに思っております。
#85
○梅村聡君 これ自治体のバイブルになりますから、是非、防災基本計画の中にこの簡易ベッドの項目を御記入をいただければと思っております。
 それでは、消費税法等の一部を改正する等の法律案について質問をさせていただきたいと思います。
 安住大臣にお伺いをいたしますが、こちらの方は世論調査の結果でございます。(資料提示)当委員会でも逆進性対策、低所得者対策、これは議論の中心になっておるわけでありますが、この結果を見てみますと、約国民の方の六割強が逆進性対策には軽減税率がふさわしいのではないか、二割少しの方は給付付き税額控除の方がいいのではないかと、こういう世論調査が出ております。私も地元でいろんな有権者の方とお話をしている感覚としてはこういうふうな割合かなと思っています。
 軽減税率というのはやはり分かりやすいということが大きいかと思いますし、正確に逆進性対策を行うというのであればきちっと所得を把握して給付付き税額控除なのかなと。納得性と正確性ということがあるかと思いますが、七月十九日の当委員会での安住財務大臣の御答弁は、八%への引上げ時の軽減税率導入について検討を排除しない、具体的にもしやるとする場合、どういうやり方をするのかということについて事務当局で真剣に検討してまいりたいと思います、こういう御答弁をされています。
 真剣に検討されるということですが、八%引上げ時に導入するとなると、これ一年数か月ですよね。一〇%としても残り三年と。これ、相当時間との競争になるわけなんですが、この事務作業、導入までの手続ですね、これは時間的には間に合うとお考えなのでしょうか。
#86
○国務大臣(安住淳君) まず、この世論調査を見て、やっぱり給付付き税額控除が比較的支持が低いのは少し残念だと思います。ただ、やっぱり、給付付き税額控除といっても、国民の皆さんから見ると何のことだかもしかしたらよく分からないというお考えだと思うんですね。ですから、逆進性という言葉も実はここでよく使っていますけれども、私も地元とか全国の集会に行くと、逆進性って何ぞやという質問をよく受けるわけです。ですから、そういう点では言葉の使い方も、我々やっぱり丁寧さはもっと必要だなと思っておりました。
 今、梅村さんから御指摘のように、やっぱりこの軽減税率は非常に分かりやすいわけですね。スーパーマーケット等に行ったらば、ある品物は税率が今のまま据え置かれていて、これについては言わば標準税率に比べて安いということは配慮していますよということは見えるわけですから、それはある意味では政策の中の一つとして決して私たちとしては三党合意の中でも排除しないで、これは同じテーブルにのせて検討しますということを申し上げました。
 なお、そのときに、今、梅村さんからの御主張のように、じゃ、八%から本当にやれるのかということであります。これは、本当に大変実は時間を掛けて丁寧に品目をやっていかなければならないぐらい、社会の在り方を決めるような難しいところがあります。品目をどうするか、範囲を食べ物だけでいいのか、いや、もっと広げるべきなのか、それぞれの国の文化によっても違います。ただ、八%からできるかどうかということに関して言えば、品目を本当に合意ができてそれが実務的に可能かどうかということは極めて厳しいとは思いますけれども、私が申し上げているのは、それらも排除はしませんと、検討の中の一つとしてしっかりやれるかどうかを含めてやると。
 なお、私ども政府としては、やはり給付付き税額控除の方が所得の低い方に対しての逆進性に対する直接的な対策としては私はいいのではないかと思って検討させていただきましたが、これについても様々な問題点がございますので、こうした問題を克服しながら、皆さんと是非三党の中で議論をしてより良いものをつくっていただければと思っております。
#87
○梅村聡君 給付付き税額控除の導入についても、この法案の七条には、番号制度の本格的な稼働及び定着を前提に、給付付き税額控除等の施策を導入すると、こういう文言があります。この本格的な稼働及び定着ということが一〇%に上がる二〇一五年十月に間に合わなければ、幾らこの給付付き税額控除の制度設計をしても、実際上は導入は棚上げということになるかと思います。単なる番号制度の導入ではなくて、この番号制度の本格的な稼働及び定着というのは、二〇一五年十月、必ず間に合うのでしょうか。
#88
○国務大臣(安住淳君) 衆議院で今この審議がうまく進んでいないのではないかという御指摘をいただいて、私ども、政府でございますが、何とか今国会中に番号制度の成立をさせていただいて、政府として実務的な作業に入らせていただければ有り難いというふうにまず思っております。
 この番号制度の法の整備は、やはり今ある五十七種類の法定調書等の記載をこれ管理をしていくわけでありますから、それは非常にある意味では給付付き税額控除のためには大変必要な、これがないと、逆に言えば個々の方々にどういうふうに言わば給付付き税額控除の恩恵を、どういう方にじゃこれを行っていくのかということがターゲット絞れていきませんので、そういう意味ではこれをしっかりやっていきたいと。
 なお、今国会中に成立をさせていただくことを前提に考えれば、二十七年、つまり一五年の一月より番号が利用開始ができるような工程表は政府としては作っておりますので、そうしたことを念頭に、成立し次第、政府としては全力を挙げて二〇一五年一月に運用開始ができるように努力をしていきたいと思っております。
#89
○梅村聡君 スタートは二〇一五年一月だと思うんですが、本格的な稼働、定着ということですから、これはいずれにしても、どういう場で検討して実現を目指していくのかということは真摯に御議論いただきたいと思っております。
 それでは、これも先般から話題に出ておりますけれども、医療機関、日本の社会保険診療報酬はこれ非課税なわけです。この非課税に対して、この委員会で何度も出ているのは、やはり非課税ゆえに転嫁できない消費税負担が医療機関に生じているのではないかと、こういうことが指摘をされております。
 これまでの当委員会での答弁は、消費税導入が行われた平成元年と三%から五%に引き上げられた平成九年に診療報酬改定を特別に行って、医療機関の仕入れに要した消費税分負担を措置して医療機関の負担が生じないようマクロレベルで対応していると、こういうこれまでの小宮山大臣からの答弁がございました。同時に、その答弁の中では、今回の消費税の引上げについても、この平成元年と平成九年と同様の対応を基本としながら手当てを行っていくと、こういう答弁があるわけなんです。
 かみ合わないというのは、一方でそのやり方をしても、いわゆる医療現場の方は、いや、そうじゃないんだと、やはり非課税だからきちっと手当てをされていない消費税分というものが存在するんだと、こういう今水掛け論になっているわけなんです。
 少しフリップを用意しましたが、実はこれ、手当てをされているのかされていないのかということで、平成元年に初めて消費税が導入されたときにどういう手当てがなされたかということを診療報酬項目ごとに一覧表にさせていただきました。
 確かに、この十二項目の診療報酬にそれぞれプラス五点、プラス一点と消費税分の手当てというのは医療機関になされているわけであります。ところが、この数字が平成二十二年になって、じゃ、それぞれの点数がどのようになっているかということを並べて見てみますと、十二項目のうち七項目は既に包括化をされていたり項目としてなくなっていたりするわけですね。残っている五項目についても、全ての点数は半分以下になっているわけです。つまり、これを見た場合、医療機関側からいえば、乗せたはずのものというのは全部消えているじゃないかと、今算定されていないじゃないかと。
 これが、手当てをしているという厚生労働省の立場と、医療機関側、医療現場の方の、いや、もう既にそういうものはないんだという議論になってしまっているわけですが、この表を見られて、安住大臣の御感想、御見解をお伺いしたいと思います。
#90
○国務大臣(安住淳君) 元年と九年には診療報酬改定をしまして、〇・八四、〇・七七と。ただ、委員の御指摘は、そうしたことは上げたとしても、ここに書いてあるような算定方式の変更以下、六番からですか、下のこの包括化や項目廃止、実質的にこの診療報酬改定によって消費税分はフォローし切れていないのではないかということだと思います。このことはお隣にいる西村さんの方からも歯科の質問のときにいただきました。
 私どもとしては、基本的なことをまず申し上げますと、今回も基本的にやっぱり非課税のままで、今の制度でいきたいと思っております。ただし、建物の建設や、最近は非常に医療器具そのものが非常に高額になっておりますから、高額なそうした投資が診療報酬でうまく追い付いていけないので非常に大きな負担になっているという声はよく聞きますので、そこのところについては、今、医療機関等の消費税負担について具体的な検討を行う場として、先月、中医協の場で医療関係者の皆さんや保険者、有識者等から成る検証の場を厚労省として立ち上げていただきました。この結論をしっかりいただいて、その上で、私どもとしては、まず八%に引き上げるときまでに高額な投資に係る消費税負担に対する適切な手当ての具体的な方法についてまず結論を出していただくと、次に医療に関する税制的な配慮についても幅広く検討は行っていただきたいというふうに思っております。
 私は医者じゃありませんので、梅村先生からこれ教えていただいて初めて、なるほど、細かなことについて、食事の加算とか静脈注射の回路加算とか、こうした点についてかなりいわゆる差があるといいますか、そういうことは分かりましたから、診療報酬の中でこうしたものに対する個別の配慮といいますか、穴をどう埋めていくかということについては、本当に率直に申し上げまして、我々財務省にとっては余り得手な部分ではありませんから、ここは厚労省からよく聞かせていただいて、医療現場と厚労省の中でしっかり話合いをしていただいて、診療報酬の中でのめり張りというものをしっかり付けていただくということだと思っております。
#91
○梅村聡君 そういう御答弁もあるのかと思うんですけど、私は、そもそも非課税でやること自体が本当にこれから八%、一〇%となっていく中でやっていけるのかという問題意識を持っています。
 医療が非課税だという言葉を国民の方が聞けば、消費税は払っていないんだという印象を持ちます。例えば、今日もテレビ中継で、多分待合室で支払を待っている方もたくさん見られているかと思いますが、明細書をもらったときに消費税が幾らとは書いてないわけです。だから、非課税といえば払っていないんだというふうに認識をされます。だけど、今までの御答弁は診療報酬で手当てをしていますと言われているんです。診療報酬というのは窓口負担と保険料と税でやられているわけですから、そうすると、税制上は非課税であっても、実質上は窓口でも消費税分は払っておられるわけですよね。あるいは、保険料を払う中にも消費税分というのは入っているというわけですよね。
 これを厚生労働省の中医協でやるということはどういうことかというと、その中にどれだけの消費税分が入っているかということは国民は知らなくていいんだと、国が決めるんだからと、それに黙って従えと。何ぼ入っているんですかと、それは受ける医療によって違いますと。ブラックボックスになってしまっているわけですよね、非課税だという話でいきますと。
 これが、今、消費税の使い道も非常に問われている中で、消費税をどのようにして最終消費者が負担をするかという観点からいえば、私は、こういうブラックボックスをこのままほっておいて、いや、中医協で決めるんだ、厚生労働省で決めるんだという論理を、これ本当に立法府として、政府としてこのやり方を続けていくのか。私は、八%、一〇%にこのままの姿でなっていけば、ますますその矛盾は大きくなってくるし、そのブラックボックスはますます大きくなってくるんじゃないかなと考えています。
 ですから、今のこの中医協の下での検証は検証でやっていただいたらよいかと思います。しかし、財務大臣は政府税調の会長をされているわけですから、この法案の中にも、「医療に係る消費税の課税の在り方については、引き続き検討する。」と、こう書いておられるわけですから、是非、政府税調の方でも中医協の議論とは別にきちっと一度議論をしていただいて、どういう方向でやっていくのかということを議論していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
#92
○国務大臣(安住淳君) 諸外国においても非課税措置なんですね。元年で導入したときに、だからこそ、当時、自民党政権ですけど、診療報酬で特別報酬を上乗せして調整してくださいってやったわけですね。ところが……(発言する者あり)いやいや、しかし、そうはいっても、今非常に多額の投資等が掛かって病院も苦しいということも分かります。
 ただ、梅村さん、一方で、率直に言うと、じゃ、その多額の減収分は誰が賄うのかという話に、また元に戻っていくんだと思うんですよ。それを例えば課税をすることによって課税の中でのインセンティブを与えた場合は、いずれにしたってその穴は、梅村さんの論理でいえば税金か何かで穴埋めすると。だから、そこのバランスは考えないといけないと思います。
 ですから、今後、じゃ、一〇%の先を見据えて、このままとにかくかたくなにこの制度を守るつもりなのかということでございますが、やはりそこは、負担とサービスというものを考慮しながら、医療現場全体のこともよく見定めさせていただきながら、必要であればそれは政府税調の中でも話合いをしていきたいと思います。ただ、まず一義的にはやっぱり厚労省の中でしっかり医療現場のそういった実態調査なんかをしていただいて、大赤字になったり、とてももう病院経営していられないということはこれは社会不安になりますから、私どもそんなことは望んでおりませんが、適切なある程度の負担だけは是非お願いしたいという気持ちもあるんです。だから、その適切がどこら辺かということは我々としても十分議論をさせていただきたいと思っております。
#93
○梅村聡君 諸外国の例と言われましたけれども、日本は、保険制度は公的に運用されていて、医療機関は八割が民間がやっているわけですね。こういう組合せも考えて考えていかないといけないんですから、諸外国がこうだからというのは、これは理屈にはならないと思います。
 それからもう一つは、金額の問題ではなくて国民に対する説明責任だと思いますよ。国が勝手にここで補填しましたと決めて、じゃ、幾ら払っているんですかと国民が聞いたときに、いや、それは練り込んでいるから分かりませんと、こういうやり方がいいのかどうかということを問題提起しているわけですから、是非これは政府税調で、課税の在り方を検討すると書いてあるわけですから、是非お願いをしたいと、こう考えています。お願いします。
 それでは引き続いて、今回の消費税の引上げ前提としては、これは附則の第十八条の中で、成長戦略あるいは経済成長を実行に移していくと、これが前提となっているわけですが、政府は今年七月十一日に二〇二〇年までの成長戦略を盛り込んだ日本再生戦略の原案を公表されました。その中にライフ成長戦略とありまして、革新的医薬品・医療機器創出のためのオールジャパンの支援体制というものが書かれておりまして、経済波及効果が一・七兆円、新規雇用が三万人と、このような記述がございます。
 具体的には、これは医薬基盤研究所が中心となる創薬関連機関等による創薬支援ネットワークを構築し、同研究所がその本部機能を担うのに必要な体制強化や業務運営ルールの策定等を行うと、こう書かれておりますが、この創薬支援ネットワーク、これの構築する狙いあるいは役割というのを具体的に教えてください。
#94
○副大臣(石田勝之君) お答えいたします。
 六月六日に医療イノベーション会議を行いまして、その際、医療イノベーション五か年戦略に基づいて、がん、また難病、それから肝炎、それから感染症等々の研究開発支援として、新薬の実用化へ向けての省庁の枠を超えてオールジャパンでこの支援体制を創設することにいたしました。基礎研究から医薬品の実用化まで切れ目なく支援をする体制を行うことにいたしております。
 創薬につきましては、委員は阪大の内科医をお務めだったわけでありまして、もう専門家中の専門家でありますのでお分かりだと思いますが、約三万個の化合物から一つの薬しかならないほど相当なコストとリスクが伴っており、この成果を企業につなぐ役割があるわけであります。その部分が我が国日本が弱かったところもありまして、さらに日本の場合は基礎研究から実用化まで十年から二十年を要してきたわけでありまして、この機能強化へ向けて取組をスタートすることにいたしたわけでございます。
#95
○梅村聡君 しっかり橋渡しを行っていく、基礎研究から応用研究、開発研究までの切れ目ない支援を行っていく、そのための司令塔をつくって連携を行っていくと、これはもう非常に大事なことだと思います。
 それに加えて、連携役だけでは駄目でして、やはりそこに対してきちんと独自の予算を持って、必要なときには機動的に予算を入れていくという機能を同時に持たさなければ、これは単なる箱物だけになってしまうと。アメリカのNIHなんかを見ても分かりますけれども、二兆円、三兆円という独自予算を一番効果的なところへ効果的なタイミングで、ベンチャーの支援もあると思います、そういったことをきちっとやっていく必要があるのではないかと。
 ですから、今回も、この司令塔である医薬基盤研究所、これはどこでもいいんでしょうけれども、そこに、今、省庁別の様々な補助金、こういうものを一度きちっと整理をして基金として積んで、必要なときには必要な財政出動をしていくと、こういうことも同時につくっていかなければ効果がないと考えますが、御所見をお伺いしたいと思います。
#96
○副大臣(石田勝之君) お答えいたします。
 配分機能と基金についてのお尋ねであったというふうに思っております。
 配分機能については、実用化まで委員おっしゃるように切れ目なく支援する必要があります。今お話にありましたように、アメリカのNIHのように、日本の約十倍ですよね、そういう基金を国家戦略として行っておりまして、創薬の支援のネットワークに係る研究費の配分においては、当該機関の果たす役割の具体化へ向けて検討していきたいというふうに思っております。
 それから、基金の件につきましては、私は先月、東北のメディカルバンク計画を視察をさせていただきました。その際、今委員がおっしゃったような、基金についてやはり同じ御指摘、要望を承ったところであります。
 複数年度にわたる研究費の使用を可能とする基金化の可否を含めて、効果的、効率的な研究費の運営について研究してまいりたいと考えております。
#97
○梅村聡君 是非そこの戦略をきっちり立てて実行に移していただきたいと思います。
 引き続きまして、この社会保障制度改革推進法案の附則の第二条に生活保護制度の見直しというのが入っております。
 私、与党側の生活保護ワーキングチームの今座長をさせていただいておりまして、秋に向けての生活支援戦略、これの党側の考え方を今まとめているところであります。
 先般も、六月十三日のこの予算委員会で質問をさせていただきましたが、生活保護費の約半分は医療扶助費であります。その中で私が指摘させていただいたのは、この不当な医療あるいは不正請求を行った生活保護の指定医療機関、この取消しの基準が全く具体的ではないということを御指摘させていただきました。当時、小宮山大臣からの答弁は、その具体的な要件をきちっと定めていくと、こういう御答弁をいただいたわけでありますが、私は、悪いことをした医療機関は当然取り消されるということもあるんだと思いますが、その要件を決めるだけではなくて、生活保護の指定医療機関の取消しが行われれば、それに連動して保険医療機関の、あるいは保険医の処分にまで連動するような仕組み、こういう仕組みを導入しなければ効果が上がらないんではないかなと考えておりますが、厚生労働省の見解をお伺いいたします。
#98
○副大臣(辻泰弘君) 梅村委員からかねてより御指摘をいただいております医療機関による医療扶助の不正に対して厳しく対処する必要があると、この問題意識につきましては厚生労働省としても共有をするところでございます。
 この医療扶助につきましては、生活保護の指定医療機関に係る規定では、健康保険法等に比べまして指定取消し要件等が具体的に定められていないなどが問題点として指摘されているところでございます。このようなことから、先ほどお話ございましたように、今年秋を目途に生活支援戦略を策定をいたしまして、生活保護制度の見直しを行うことにしているわけですけれども、その中におきまして、生活保護の指定医療機関に対する指導の強化や指定の在り方等の見直しなど、医療扶助の適正化対策につきまして検討し、対処していきたいと考えております。
 また、あわせまして、生活保護法上の指定医療機関の取消処分を健康保険法上の保険医療機関の取消処分に影響させるかどうかにつきましては、法的、制度的な課題等につきまして検討が必要であると、このように考えております。
#99
○梅村聡君 そこは是非検討していただいて、積極的に導入を目指していただきたいなと考えております。
 それでは、修正案提出者の長妻さんにお聞きしたいと思います。後期高齢者医療制度についてであります。
 この社会保障制度改革推進法案の六条四号には、この後期高齢者医療制度は国民会議において検討し、結論を得ることと、こう書かれております。
 先日も、野党の方の質疑の中で、後期高齢者医療制度に対する不満はほとんど聞こえてこない、定着していると、こういうやり取りが当委員会でございました。このやり取りだけ聞いていると、後期高齢者医療制度は導入のときから何も変わらず今の定着になっているということを言われていることになるかと思うんですが、二〇〇九年の政権交代以降、この後期高齢者医療制度というものの中身がどのように改革をされたのか、少なくともそれによって高齢者の方からの不満がなくなったのか、当時、厚生労働大臣を務めておられました長妻さんからこの点について御説明をいただきたいと思っております。
#100
○衆議院議員(長妻昭君) お答えをいたします。
 まず、政権交代後、二〇一〇年の四月から、十七項目にわたる後期高齢者だけ、七十五歳以上だけの診療報酬はこれ全廃をいたしました。これは、後期高齢者医療制度が導入されるとセットで導入された診療報酬体系でございます。
 例えば、七十五歳以上の方だけ入院が長引くと病院に入る収入が減っていくと、七十五歳以上の方は早めに病院を出てほしいという、そういう圧力が高まっていくと、これも七十五以上だけということはやめましたし、あるいは後期高齢者終末期相談支援料ということで、これも随分批判がございましたけれども、七十五歳以上の方だけは終末期、つまりお亡くなりになるまでの過程をお医者さんあるいは関係者と議論すると報酬が付くということで、ある意味では早めにその医療を打ち切る圧力になるんじゃないかと、なぜ七十五以上だけなんだということで、これも廃止をいたしましたし、あるいはいわゆるマルメといいまして、七十五歳以上の方だけが一回ごとに定額の診療がお医者さんに付くということで、どんなに治療をしてもしなくても一定の金額というようなこともあり、診療やあるいは診断が抑制されるんじゃないかと、何で七十五以上だけなんだというようなこと等々、十七項目の七十五以上だけに着目した診療報酬がありましたけれども、これについてはまず全廃をいたしました。そして、今度はその制度自身についても、今関係者と議論をして、それを廃止をして国保を広域化するということで今取り組んでいるところであります。
#101
○梅村聡君 要するに、医療を受ける高齢者の方、七十五歳以上の方から見れば、少なくとも医療を受けるときに差別をされるような仕組みというものは全てなくなったんだと。ですから、そこのところは解決したので、これから保険制度についての議論を進めていくと、こういうことだと思いますので、その分についてはしっかり取り組んだということを是非御理解をいただきたいなと思っております。
 それでは、引き続きまして修正案提出者の長妻さんにお聞きしますが、この今回の一体改革の中では医療、介護の充実策、二〇二五年の医療、介護のサービス提供体制についても述べられています。この内容について具体的に御説明をお願いいたします。
#102
○衆議院議員(長妻昭君) お答えをいたします。
 在宅福祉ということで、(資料提示)ここにありますが、「自宅に居ながら医療、介護が受けられる社会へ」ということで、大体日本国の、中学校区という学区が全国ありますけれども、大体人口で割ると、約一万人ぐらいが平均の人口でございます。ここについて、日本国は病院でお亡くなりになる方々が全体の八割ということで、ヨーロッパ諸国では病院でお亡くなりになる方が半分の国もありまして、在宅福祉が日本は手薄いと、薄いということが課題でございました。
 その意味で、今、政府・与党で二〇二五年ということで計画しておりますのは、グループホームを人口一万人当たり定員を十六人から三十七人分に増強するとか、小規模多機能という通いやあるいは泊まりのサービス、あるいは介護人材も増やす。あるいは今年四月から、ヨーロッパ諸国に遅ればせながら日本でもやっと二十四時間対応の定期巡回・随時の訪問看護・介護のサービスも始まったと。あるいはこの訪問看護のサービスについても、これを増強をさせるということで、複数の医師が在籍して、緊急往診とみとりの実績を有する医療機関についての評価も引き上げた。あるいは入院中の患者が在宅診療に円滑に移行できるように、外泊中や退院直後の訪問看護の評価の充実など、診療報酬をそういう方向に誘導させるようにいたしまして、何とか在宅福祉ということにも充実させていきたいと思っております。
#103
○梅村聡君 私は両方進めていくべきだと思いますね。施設、医療、介護、それから病院ですね、それから在宅の問題、これを今回は高齢者が増えてくるという中で充実させていかないといけないと、そういう御答弁をいただきましたが、少し、一つ問題提起をさせていただきたいと思います。
 これから二〇二五年に向けて、お亡くなりになる方が非常に増えてまいります。当然、在宅でみとられる方、こういう方々も数としては増えてくる、そういう社会になってくるわけであります。そこで今、非常に問題になっているのが、医療従事者を中心として法解釈の誤解ということが広がってきています。
 フリップをお願いします。こちら、医師法二十条という法律なんですけれども、この法律は、「医師は、自ら診察しないで治療をし、若しくは診断書若しくは処方せんを交付し、自ら出産に立ち会わないで出生証明書若しくは死産証書を交付し、又は自ら検案をしないで検案書を交付してはならない。但し、診療中の患者が受診後二十四時間以内に死亡した場合に交付する死亡診断書については、この限りでない。」と、こういう法律でありますが、厚労副大臣、この法律の意味を御説明いただきたいと思います。
#104
○副大臣(辻泰弘君) 梅村委員御指摘いただきました医師法第二十条は、社会的に重要な証明書類となります死亡診断書が不正確なものとならないように、医師自らが診察しなければ死亡診断書を発行することができないことを規定しているものでございます。また、同条のただし書は、医師が診療中の患者について二十四時間以内に診察を行い診療中の疾患に関連して死亡したと判断できる場合には、改めて診察することなく死亡診断書を発行してよいことを認めるものでございます。
#105
○梅村聡君 要するに、証明書を発行するときには必ず目の前で診察をしなさいという話ですね、前半は。後半は、ただし、お亡くなりになるときというのは必ずしも目の前で、オンタイムで亡くなられるとは限りませんから、その場合は、今まで診察をしていた疾患で亡くなられた場合には、その場で診察ができなかったとしても死亡診断書を出してもいいと、こういう内容の法律なわけですね。
 ところが、誤解というのは、今何が起こってきているかというと、二十四時間以内に診察をしていなければ死亡診断書が書けないんだと、こういう誤解があるんですね。あるいは二十四時間以内に診察をしていなければ警察に届けなければいけないんだと、まあ異状死の場合は警察ですけれども、そういう誤解が広がっているんですが、確認をしますが、この解釈は誤りですよね。
#106
○副大臣(辻泰弘君) 委員御指摘のとおり、一言で言えば誤解でございます。
 診療中の患者が診療に係る疾病で死亡した場合には、医師が死亡の際に立ち会っておらず診察後二十四時間以上経過していた場合であっても、改めて診察を行うことにより死亡診断書を発行することができるものでございます。また、死体を改めて診察した際に異状があると認められる場合でなければ、警察署への届出の義務も生じないということでございます。
 したがいまして、御指摘の解釈は誤りでございます。
#107
○梅村聡君 実は、この後の二十一条に、異状死は届けなければいけない、二十四時間以内にという項目があるんです。ですから、それと勘違いをしておられる方が多いんですね。
 これ、勘違いが起こっていると何が起こるかというと、在宅ではみとりができないという話になるんです。警察がやってくるんです。みとりと警察はそもそも関係がなくて、異状死というのは、例えば頭を鈍器で殴られている跡があったりとか犯罪が疑われているもの、あるいは死因が不明の変死体である、こういったものが届出なわけですから、在宅みとりをこれから広げていくときにこういう誤解があると、亡くなるたびに家の前にパトカーがやってくると。そうすると、本当に家でみとるのができるのかという誤解にもなりかねないのです。
 ですから、この誤解を解くために、もう一度この正しい解釈を厚労省の方から全国の医療機関にきっちり通知をしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
#108
○副大臣(辻泰弘君) 今日まで、医師法第二十条の解釈につきましては、解釈通知を発出するほか、厚生労働省が毎年発行しております死亡診断書記入マニュアルに必要な事項を記載の上公表しているところでございます。しかしながら、この解釈通知も昭和二十四年に発出というようなことでもございます。御指摘も踏まえまして、医療現場で医師法第二十条の趣旨が正しく理解されるように改めて通知を出すなど、更なる周知を図りたいと考えております。
#109
○梅村聡君 昭和二十四年って、今は平成二十四年ですから、是非早く急いで出していただきたいなと思います。
 それでは、法案提出者に引き続き質問いたします。
 この法案の六条三号に、「医療の在り方については、個人の尊厳が重んぜられ、患者の意思がより尊重されるよう必要な見直しを行い、特に人生の最終段階を穏やかに過ごすことができる環境を整備すること。」、こういう文言がございます。これはどういうことを想定されているのでしょうか。
#110
○衆議院議員(長妻昭君) 日本国民の皆さんにアンケートをいたしますと、やはり最期は自宅でお亡くなりになりたいという希望が多いわけですが、ただ実態は、先ほど申し上げましたように病院が多いと。
 そこで、この推進法に書いてございますのは、個人の尊厳といった観点も踏まえた上で、在宅医療、介護の推進等、本人の希望にこたえて、できる限り最期まで住み慣れた地域での暮らしが続けられる環境の整備の改革に取り組むということの決意を示したところであります。
 ただ、注意しないといけないのは、だからといって、施設から追い出すような形で、在宅の受皿が、まだサポート体制が不十分な患者さんまでも追い出していくというような流れにならないように十分注意しながら進めないといけないというふうに考えております。
#111
○梅村聡君 ポイントは、個人の尊厳、それから人生の最終段階を穏やかに過ごす環境という、ここにあるんだと思うんですが、ちょっと野田総理に突然お伺いをするんですが、尊厳死という言葉あるいは平穏死という言葉、こういう言葉は聞いたことあられますか。もしございましたら、どういうイメージ、どういう内容を指し示すのかもお答えいただければと思います。
#112
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 尊厳死というのは、人生の終末の段階において、患者さん御自身の意思決定を尊重して、そして自然な形で死を迎えるという場合が尊厳死だろうと思います。
 平穏死というのは、ちょっと分かりません。同じ意味なんでしょうか。聞いたことがありません。
#113
○梅村聡君 最近、平穏死という言葉も使われるようになってきていまして、内容としてはほぼ同義語だとは思います。ただ、文字からいえば、人間としての尊厳を保ちながら死を迎えるということになるかと思いますし、具体的には、不治であったり末期の状態で、例えば食べられなくなった場合に人工的な栄養補給等はせずに自然な死を迎えると、そういうこともあるかと思います。イメージとすれば、自然に穏やかにあの世に旅立っていくということもあるだろうし、あるいは、我々家族も親と話をしていると、もし自分が例えば食べられなくなったり本当に末期が近づいているのであれば延命治療はやめてほしいと、そういうことも家族の中では、少なくとも私の家庭の中ではよくそういう話もするんです。
 やはり私は、これは医療に対する考え方もこれから変えていかなければいけない。具体的には、患者さん本人の望む終末期を実現していくんだと。死を延ばすだけが医療の役割であると、こういう考え方を変えていかなければならないと思っています。
 もう少し言えば、これまでの医療も、あるいは医学教育も含めて、生きることと死ぬことというのは、これは対立概念だったんですね。実はそうじゃなくて、連続概念なんだと思いますね、常につながっている内容であると。
 よく誤解があるのは、尊厳死、平穏死というのは安楽死とは異なります。これは、注射をして人工的にお亡くなりになる、こういうものではありませんし、それからもう一つ誤解は、生命を維持するための措置が必要な障害者の方を対象としているわけでもこれはないんですね。
 その誤解がないということを前提に、この六月に、朝日新聞の報道で、老年医療に携わっているお医者さんにアンケートを取ったと、その結果が公表されたわけですね。過去一年間に、胃瘻などの人工栄養を中止したりあるいは差し控えたり、差し控えるというのは開始するのを控えるということだと思いますが、経験のある医師は五一%を占めたと、途中でやめるという中止だけでも二二%、医師一人当たり大体平均四回中止をしていたと、こういう新聞報道がありました。
 これはやはり私は、元々医師でしたから、いろんな患者さんとの関係、御家族との関係の中でこういうことを行っていっているんだと思っています。しかし、本音で言えば、これ、おっかなびっくりでやっています。なぜならば、医療というのはやはり命を延ばすということが今までは大前提でしたから、それを何らかの形でもし縮めるということがあれば、本当は終末期の生活の質を上げるためにやっているんだけれども、外形上そういうことになれば、これは厳密に言えば法律に問われるということも私は出てくるんじゃないかなと考えています。
 そんな中で、今回、日本老年医学会が指針を出しまして、口からの摂取が可能かどうか十分に検討した上で、更に胃瘻などの措置で延命が期待できたとしても、本人の意向などにそぐわない場合、複数の医療関係者と本人、家族らが話し合った上で合意すれば差し控えが可能だと、そういう指針を出されました。また、人工栄養を開始した後でも、苦痛を長引かせるだけの状態になった場合などは、再度話し合って合意すれば栄養分の減量や中止もできるとした、こういうガイドラインを出されました。やはり、こういうことが医療現場では今必要となってきているわけなんです。
 私は、こういうことを医学会だけに任せるのではなくて、是非この立法府でも、この議論は非常に難しいんです、難しいんですが、立法府の責任として、例えばガイドラインを作ったり、あるいは必要であれば法整備をしていく、そういうこともこの社会保障制度改革推進法案の六条三号はうたっているのではないかなと考えているんですが、発議者の長妻さんの御答弁をお願いしたいと思います。
#114
○衆議院議員(長妻昭君) 今大変重要な御指摘をいただきました。日本国民の死生観、哲学にも触れる大変重要なテーマだと思います。
 今現在政府・与党が認識しているのは平成十九年に定められた厚生労働省の終末期医療の決定プロセスに関するガイドラインと、基本的には、そういう指針という意味ではこのぐらいしかないと言ったらなんですけれども、こういうものがありますが、まだまだ不十分な点があります。
 今超党派の議員連盟も尊厳死法制化を考える議員連盟というのがあるというふうに聞いておりますので、本当に全国会議員が入る議論の中でそういう法制化についても議論が必要だと思っております。
 この国民会議の中でも、推進法にもその趣旨が書いてございますので、ただ、設置期限が一年以内ということでいろいろな議論盛りだくさんになる可能性もございますので、よく必要性と優先順位、そして議論の時間軸も見極めてテーマを設定をしていきたいと思っております。
#115
○梅村聡君 最後になりますが、平野大臣、医学教育も変えていかなければいけません。死は敗北だというのではなくて、やはり死はきちっと生に連続したものであると、こういうことを医学部教育の中でもきっちりしていただきたいと思いますが、大臣の御答弁をお願いいたします。
#116
○委員長(高橋千秋君) 平野文部科学大臣。時間が迫っておりますので、簡潔にお願いします。
#117
○国務大臣(平野博文君) 梅村さんの今の御指摘、私自身も身の詰まる思いで今暮らしておりまして、今朝電話で、胃瘻にするかどうか、これは医者に任せると、こういうことを電話してきたところでございまして、まさにそういうことを思いますと、医学教育におきましては、現時点でも、コアカリキュラムにおきましてはしっかりそういう患者の自己決定権、ターミナルケア、尊厳死等々を含めた緩和医療等について学ぶようにいたしております。
 しかし、今先生の御指摘あるように、更に各大学におきまして終末医療に関する教育を充実させていきたいと、かように思っております。
#118
○梅村聡君 終わります。
#119
○山谷えり子君 自由民主党、山谷えり子でございます。
 まず冒頭、今朝の新聞各社も報じておりますけれども、この社会保障と税の一体改革の特別委員会、非常に順調に充実した審議が進んでいて、今週末にも四十四時間、また、来週末には採決の環境が整うというところまで来ていますけれども、誠に遺憾ながら、衆議院の方の国対委員長、城島さんが採決を先送りするような趣旨の発言をしたと、まず手前で特例公債をやってくれと。
 これ、三党合意に反するんですけれども、政治生命を懸けるこの関連法案を採決先送りというのは一体どういうことなんでしょう。野田総理に伺います。
#120
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 決して先送りをしようという考えはありません。参議院における審議における煮詰まり具合等々で、これはやっぱり参議院の理事間でこの日程については基本的にはお決めいただくものと承知をしています。
#121
○山谷えり子君 三党合意では、まずこの関連法案を速やかに合意、成立させるということになっています。それにもかかわらず、国対委員長は全く違う方向の発言をなさったんです。
 城島国対委員長にどのように注意をなさるおつもりですか。
#122
○内閣総理大臣(野田佳彦君) しっかりした審議をした暁に採決をするという意味において、私と国対委員長の認識にそごがあるとは思っていません。(発言する者あり)
#123
○委員長(高橋千秋君) 御静粛にお願いします。
#124
○山谷えり子君 そうは言っていないのが今の国対委員長の発言なんですね。これは、衆議院で七十二人もの造反が民主党で出ました。参議院でも出るんじゃないかという、そういう疑心暗鬼から、輿石幹事長あるいは野田総理が城島さんに指示したんでしょうかね。そんなふうに読む人もいると思いますよ。いかがですか。
#125
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 何か特に指示をしたということはありません。
#126
○山谷えり子君 三党合意の信義に反するという自覚をお持ちいただきたいと思います。誠意を持って、参議院での審議なんですから、採決の環境が整えば採決していくということであります。それでよろしいですね。
#127
○内閣総理大臣(野田佳彦君) もちろん、そういう環境が整えば採決ということだというふうに思います。
#128
○山谷えり子君 続きまして、子ども・子育て関連法案でございますが、まず野田総理にお伺いしたいんですけれども、今大切なことは、親がしっかりと家庭で子供を育てられるその時間、環境をつくることだと思います。家庭教育支援というのは非常に重要だと思いますが、家庭教育支援の意義あるいは今後の進めていく方向性、どのようにお考えでいらっしゃいますでしょうか。
#129
○内閣総理大臣(野田佳彦君) これは本当かどうか分からないんですが、教えていただきたいと思うんですけれども、教育の教という、教えるという字の語源なんですが、父という字を書いて、その下に子を入れて、右に交わると書くという語源の説もあるそうなんです。すなわち、親子の交わりが教育の出発点というか原点。まさに生活習慣を身に付けたり、あるいは心身のバランスの取れた発達というのは、これはやっぱり家庭が基礎だと思うんです。その意味では家庭の教育というのはやっぱり基本であり、大事だと思いますし、改正された教育基本法の中にもきちんと位置付けられていると思います。
 問題は、その基本となる家庭教育でありますが、核家族化の進展等々いろいろあって、その基盤を実現をすることが難しい場面も出てまいりましたので、そのことを社会やあるいは様々なレベルでサポートをしていくという、その家庭教育の基盤をきちっとつくっていくことが大事だと思います。
 なお、事業としては、相談事業であるとか情報提供とか、そういうことをきめ細やかにやっていくことが大事だというふうに考えております。
#130
○山谷えり子君 ところが、子ども・子育てのこの支援の充実、消費税から七千億円ぐらい使いたいということなんですが、まず一丁目一番地にあるのは保育園児、ゼロ歳、一歳、二歳児を増やしていく、もう五年後には五割増しにしていくということなんですね。これに三千億円以上掛けられているんじゃないかというふうに思います。
 ゼロ歳はまず家庭で、できる限り親子で育てたいというのが国民の願いです。三歳まで親が家庭でしっかりと見た方がいいという、人口問題基本調査では二十代、三十代の国民の八割がそう思っていらっしゃるんです。四十代から六十代では九割がそのように思っていらっしゃるんですね。ところが、今の民主党政権の考え方というのは、ゼロ歳児、一歳児、二歳児の保育園児を人工的に増やしていくという目標値を勝手に設定しているんです。この目標値設定の根拠は、保育所に預けたいですか、将来働きたいですかという全くいいかげんな、統一されていない調査を基に積算をしたんです。
 ワーク・ライフ・バランス、親が家庭でまずできるだけ長時間子供に寄り添うことができる、この予算は全くこの七千億円の中に含まれていません。野田総理、いかがですか。
#131
○国務大臣(小宮山洋子君) 今回の子ども・子育て支援の七千億円は、今、山谷委員がおっしゃったような使い方をするということではございません。〇・四兆円は量的拡大ですが、これは必ずしもゼロ、一、二歳だけではございませんで、放課後の児童も含めて全体に量を増やしたいということです。あとの三千億円は質を上げたいということでございます。
 委員がおっしゃるように、もちろん家族が、両親が子供を育てるというのは基本中の基本です。ただ、これはワーク・ライフ・バランス、今の働き方も変えていかなければなりませんが、働き続けること、また仕事の種類によりましても、ゼロ歳児、一歳児、二歳児を預けたい、預けなければならない人もいるので、そういう中で今必要に応じて、そこの今待機児さんが一番多いところを充実しようということなので、決して家庭での教育を否定するものではございませんし、子供を持つことと、あるいは仕事を続けながら自分らしく生きることと、そういう希望が両方ともかなうような形を整えたいと、そういうことでやっている施策でございます。
#132
○山谷えり子君 まあ民主党の議員さん拍手していらっしゃいますけど、本当にこの資料を読んでいらっしゃるんですか。子ども・子育て支援の充実のための七千億円の内訳、一丁目一番地に来ているのが、ゼロ歳、一歳、二歳を五年後に五割増しで上げていくと。放課後児童クラブ、今、小宮山大臣がおっしゃったのなんか百億円しか付いていないじゃないですか。全く数字根拠なく、イメージだけ良さそうな、そうしたものをばらまいているんです。待機児童解消ではなくて、ゼロ、一歳、二歳の保育園児を人工的に増やしていくというこのお金の使い方、これをきちんとこれから私たちは改め直していきたいというふうに思います。
 ちなみに、保育園、一か月、ゼロ歳の赤ちゃんに幾ら国と地方と保護者で掛かっておりますでしょうか。
#133
○国務大臣(小宮山洋子君) お答えの前に、これは三党合意でやった内容でございますので、御党の提出者にもお聞きいただければと思います。
 今のお尋ねでございますけれども、平成二十三年度の保育所運営費予算に基づき保育所を利用するゼロ歳児一人当たりの費用を試算いたしますと、月額でおよそ十七・一万円になります。
#134
○山谷えり子君 私が示した資料は三党合意の前なんです。そして、三党合意後も政府は引き続きこの資料を使い続けているということが問題なので、法律が成立した後は予算の付け替えをさせていただきたいと思います。
 一か月にゼロ歳児一人当たりの赤ちゃんに十七万円、これは財政基盤が最も弱い地域のことをおっしゃられました。自民党は、各市町村に電話をして聞き取り調査をいたしました。財政力の豊かなところでは、一か月、ゼロ歳児一人の赤ちゃんに五十六万円掛けているところもあります。大体平均三十万円ぐらいなんです。三十万円、一人のゼロ歳児、一か月、赤ちゃんに掛かっているんです。それで子供は幸せですか。親は幸せですか。家庭基盤が充実しないと、二十年、三十年後の日本国はどんな国になりますか。そうしたことを考えたことありますか。
 お金の掛け方、フェアでしょうかね。もし、最低の十七万でもいいですよ、お母さんたちに、それはお金を配るというのは良くないかもしれないけど、十万、十数万、ああ、そうしたら働きに出るのをやめるわという方もいらっしゃるかもしれない。幾らコストが掛かっているかということもしっかりと踏まえていただきたいというふうに思います。
 さて、幼稚園にとって移行しやすいのが幼稚園型認定こども園であります。これ、認可の権限は都道府県ですが、実際、市町村の合意がなければいけないということで、これ、市町村が合意しないんですよね。非常に恣意的運用がされているのではないかと。
 小宮山大臣、政府は具体的な基準を示すとか透明化を図るとか、答弁ではおっしゃっていらっしゃるんですよ。でも、ここまで審議が進んだのですから、どのような具体的な客観的基準、方向性を示すのか、そのくらいはちょっとお答えいただきたいなと思います。
#135
○国務大臣(小宮山洋子君) これまで、委員が御指摘のように、それぞれの市町村によりまして基準を満たしていても認可をしないというような裁量が利いていましたので、今回、新しい制度では、地域の学校教育、保育のニーズを把握するに当たって参酌すべき標準などを国の基本指針で定めます。また、三党合意に基づく修正によりまして、職員配置や居室の面積などの客観的な認可基準を満たして欠格事由に当たらない場合は原則認可をするということにするなど、認可制度の透明化を図ることにしています。さらに、地方自治体で円滑に実施が図られるように、国の基本指針や関係政省令の策定、これを可能な限り速やかに進めて、準備期間を十分に取りたいと思っています。
 こうした制度改革の趣旨ですとか利点が正確に理解されるように、地方公共団体と丁寧に意見交換をしながら進めていきたいと考えています。
#136
○山谷えり子君 認定こども園への財政支援、安心こども基金というのがございます。これが平成二十年から補正でスタートしまして、期間延長、期間延長で来ておりまして、二十四年で終わるということになっているわけですね。
 この今議論している関連法案が最速でスタートしても平成二十七年です。ブランクができてしまいます。これ、安心こども基金の延長、拡充、お考えでしょうか。
#137
○国務大臣(小宮山洋子君) 子ども・子育て関連法案に関する衆議院での附帯決議で、「制度施行までの間、安心こども基金の継続・充実を含め、子ども・子育て支援の充実のために必要な予算の確保に特段の配慮を行うものとすること。」とされています。
 このような衆議院での御意見も重く受け止めまして、安心こども基金については、これは本当に子ども・子育ての支援の充実のために重要な役割を果たしてきていますので、まずは平成二十五年度の予算編成過程で財源を確保するように最大限努力をしたいと思いますし、その後、それ以降の取扱いにつきましても、ここは必ずつないでいけるように努力をしていきたいというふうに考えています。
#138
○山谷えり子君 この安心こども基金というのは、一歳以上を受け入れなければならないというルールがありますね。ところが、幼稚園は三歳以上ですから、この一歳以上というルールは非常に現実に合っていない部分があると。例えば三歳以上にするとか、年齢の緩和というのはどのように今後お考えですか。
#139
○国務大臣(小宮山洋子君) 現在の安心こども基金では、待機児童対策を進めるという観点から、幼稚園型の認定こども園の保育機能部分に対する支援を行う場合に、待機児童の七割を占める一、二歳児の保育を行うことを支給要件としています。これは、平成二十二年にこの基準も年齢要件を全年齢から一歳以上へと緩和をしたものです。
 認定こども園に対する取組を進めること、これも必要ですけれども、育児休業をできるだけ長く取得しやすい環境づくりを進める上で、やはりゼロ歳児の間は特に、先ほどから委員もおっしゃっているように、なるべく親子寄り添って育てた方がいいということもございますので、一歳児の受入れ体制の推進というのは特に重要だと考えていますので、御指摘の点も含めまして、今後の検討課題としたいというふうに思います。
#140
○山谷えり子君 自民党はこの法案の八条二項で、一歳未満の子供に保護者が寄り添う育児の促進と書いたんですが、民主党の反対で削られてしまったんですね。そうなんですよ、民主党というのはそういうところなんです。とにかく社会で育てよう。それはもう哲学の違いとしか言いようがないですけれども、本当に基本を大切にしてほしいと思います。
 私立幼稚園の皆さんが非常に戸惑っているのがこの今回創設された施設型給付の創設でございますけれども、個人の頭割りという形になっていきますと、経営実態をよく調べていただければ分かると思うんですが、小規模の幼稚園、あるいは地域によってはいろいろ経営の実態が違います。ですから、この機関補助型のサポートというものも含まれるような、幼児教育の質の担保のために、そうした考え方というのは検討いただけないものでしょうか。
#141
○衆議院議員(馳浩君) 山谷委員にお答えをします前に、先ほどからのやり取りを拝聴しておりました。私も、やっぱり衆議院で小宮山大臣にこの点の、社会で育てるという言葉の意味について御指摘をさせていただきました。大臣からは、やはり特にゼロ歳児においては保護者が責任を持つべきであり、特にお母さんが責任を持って育てるべきであるけれどもと、こういうふうな観点からの指摘があったところでありますし、その三党合意があった後の質と量を拡大するための数字についてはコンクリートされたものであるとはまだ考えておりませんし、今後、三党合意を踏まえ、同時に、推進法案にあります国民会議などにおいてきちんと検討されてなされるべきものであるというふうに私は考えております。
 その上でお答えしますけれども、この認定こども園、幼稚園、保育所、施設型給付という新たな制度についても、これはやっぱり幼稚園の皆さんが心配されるように、小さな、いわゆる規模の、定員の少ない幼稚園あるいは大都会の幼稚園などが、頭割りでお金が決まって、それを、じゃ払いますよというふうな形では安定的な経営をしていくことはできません。公の性質を持つという以上は、やはり一定の機関補助的な考え方の下に制度設計がなされるべきであると思いますし、この制度設計についても国民会議において十分な議論の上で定められるべきであると、こういうふうに私たちも考えております。
#142
○山谷えり子君 小宮山大臣にお伺いいたします。
 今まで、幼稚園というのは教育、そして保育園というのは福祉ということで、財政支援のベースがもう本当に格段、保育園の方に重点化されていたわけですが、今回、公的な性格を持たせる、幼稚園にですね。そして垣根を低くしていくということで、お互い、相互の財政支援の再調整というんですか、整合性を図るというんですか、そうした取組があってもいいと思うんですが、いかがですか。
#143
○国務大臣(小宮山洋子君) 今回、親の働き方にかかわらず、全ての子供に学校教育、保育をということから、基本的には委員のおっしゃるとおりだというふうに思います。
 新しい制度では、認定こども園、幼稚園、保育園、これに共通する給付として施設型給付を創設をします。この施設型給付では、三歳以上の子供には標準的な学校教育の時間に対応する給付を保障します。そして、保育を必要とする子供には、保護者の就労時間などに応じた保育に対応する給付を保障することにしています。具体的なその額などにつきましては、制度施行までの間に、施設基準などとの関係も考慮しながら、全体として整合性の取れた給付になるように、子ども・子育て会議での議論を経て検討をしていきたいというふうに考えています。
#144
○山谷えり子君 新制度ではまた幼稚園に縛りが掛かるんじゃないかという不安を持っていらっしゃる方もいらっしゃいます。なぜならば、今回、市町村が幼稚園、公定価格というようなものを決める、それから入園者も義務付けるというような、希望者。そうしたことがあると、建学の精神を生かした、あるいは特色ある幼稚園としての取組ができなくなるんではないかと。
 この規制の在り方、自由な取組を守るという、その理念についてはいかがでしょうか。
#145
○国務大臣(小宮山洋子君) 新しい制度の下では、幼稚園も含めて施設型給付の対象であるということの確認を受けることができるということです。その場合は、保育料については、質の確保された教育、保育を提供するために必要な水準として設定された公定価格がこれは基本になります。また、施設型給付の支給認定を受けた子供の保護者から利用の申込みを受けたときは、正当な理由がなければこれは拒んではならないという応諾義務もあるということになります。
 ただし、保育料につきましては、現在の幼稚園が保護者との自由契約によって独自に保育料を設定している、このことも考慮をして、一定の要件の下で保育料の上乗せ徴収、これを認めることにしています。また、応諾義務につきましても、定員に空きがない場合などを除いて受入れを拒否できないことになりますけれども、定員以上に応募がある場合は、抽せん、先着順といった選考方法に加えまして、従来どおり、建学の精神に基づく設置者が定める選考も可能となるようにしてあります。
 今回の新制度の仕組み、全ての子供たちに教育、保育に係る給付を保障するという考え方と私立学校の建学の精神との調和、それを図ったものだと考えています。
 なお、どうしてもその公定価格や応諾義務を受け入れることができないという幼稚園の場合は、施設型給付の対象であるという確認を受けずに従来どおり私学助成を受けて施設を運営するという選択肢も残されているということです。
#146
○山谷えり子君 柔軟な対応の確保に心を砕いていただきたいと思います。
 今、小宮山大臣もおっしゃられたように、詳細はまだ決まっていないと。平野文部科学大臣にお伺いしたいんですが、詳細がまだ決まっていないから従来の私学助成制度でうちの園はやろうと、しかし、何年後かに、ああ、こういう形なら新しい制度の形に移ってもいいかなと思う幼稚園もあると思うんですね。それはもちろん可能なんでしょうね。
#147
○国務大臣(平野博文君) 山谷さんの御指摘ですが、確認制度を今回取っておりますので、数年間今の私学助成を受けて幼稚園をやってきたと、しかし、今回これに入るということについては十分可能な制度になっております。
#148
○山谷えり子君 六月の内閣委員会でも小宮山大臣とやり取りしたんですが、実は今、少子化というんですけれども、あるメーカーの千人の二十五歳から四十歳までの調査でなぜ子供を産まないんですかと聞いたら、何と四九%が妊娠しないから。経済的負担が掛かるというのは二六%だったんですね。出産適齢期ってありますかと聞きましたら、厚生労働省の方が、二十代。三十五を過ぎると非常にリスクが高くなると。確かに、お医者様たちの調べでも、三十五を過ぎると自然流産率が二〇%、四十歳を過ぎると自然流産率は四〇%になると。
 つまり、産みどきがあるんだということをもっと丁寧に若い人たちに知らせる必要があると思うんですね。欧米では、タイムクロック・キャンペーン、バイオロジカル・キャンペーン、人間の女性の体には特に妊娠・出産適齢期があるんだというようなキャンペーンをしていると。日本もそうしたキャンペーンをした方がいいのではないか、産婦人科学会などと連携しながらですね。フランスはもうそれ積極的にやっていると、私、直接聞きに行きました。
 小宮山大臣は検討しますとおっしゃられたんですが、その後一か月たちましていかがでしょうか。
#149
○国務大臣(小宮山洋子君) 委員がおっしゃること、大変重要だと思っています。特に、最近言われている、卵子が老化をするとか精子の力が落ちていくとかいうことが余り知られていなかったという、そのことは、若いときからの教育も含めて、そういう事実があるということは知る必要があるというふうに思っています。
 今、大体六組に一人が不妊ということなので、持ちたい子供が持てるようには、やっぱり、一時、マル高とかいうのをなくして適齢期はないような形が広がったというのは、ちょっとそこは誤ったことだったのかなというふうに思います。
 ただ、幾つになっても産めるということは必要ですけれども、最もいい状態の中で産むということについては、どのようにするかというのは今検討をしているところでございますので、また御意見もいただきながら、より良い形でそうしたことの知識を広げていくということも重要だというふうに考えています。
#150
○山谷えり子君 消費税法の方に移ります。
 ここには景気条項というのがあって、附則十八条、随分この委員会でも議論をされているところでございます。名目三%、実質二%の経済成長、そのために第二項として、防災、減災、成長戦略というものに対して政策的な検討をしていくということなんですが、政府が出しましたこの前の成長戦略見ても、何だか頼りないなというような感じがするんですね。
 自民党は、国土強靱化、もう大変な議論の末にまとめました。実は、欧米もそうなんですが、橋や道路や港や下水道や、様々なインフラが今更新時期を迎えているんですね。日本は科学技術立国です。こうしたことを、いや、ばらまきではありませんよ、不必要なものを造るという意味ではありません。そうではなくて、必要なものを必要なところに造っていくという中で、科学技術、技術革新も進む、イノベーションも進む、そうすると、そうしたインフラをセットで海外に輸出して新たな富をまた生むこともできるというふうに考えております。それから、少子高齢化。本当に地方では過疎化が進んでいる。新しい多機能の都市、地方分散化、そうしたグランドデザイン、大きな絵をかいていくということも必要であります。
 ところが、民主党政権にはこの成長戦略というのが、医療、環境、何とか頑張りますとは言っているんですが、イノベーションも頑張りますとは言ってくださっているんですが、実はやっていることがまた違うんですよね。
 例えば、二番じゃ何で駄目なんですかと言ったスパコン、あれ、また一位に戻りましたよ。だけど、今また二位になっちゃっているんですね。
 それから、「はやぶさ」。国民の全てが感動して、そして世界中の学者が驚きましたよ。このイトカワからキャッチして戻ってくる。物すごい発想ですし、技術です。で、二年後に「はやぶさ2」というのを打ち上げようと思っている。この二年後を逃すと、軌道の関係で十年先まで飛ばないんです。
 ところが、この予算がとんでもないんですよ。探査機の開発、製作で、それから打ち上げ、全部で二百九十億円ぐらい掛かるんです。ところが、去年と今年で三十億円ずつしか付けていないんですよ。宇宙航空開発研究機構、大変な予算をお願いしているのに、もう絞め殺すような予算しか付けていないんですよ。専門家は、諦めろということかと、そこまで言っているんですよ。
 JAXAは寄附を集めます。ところが、一千万円しかこの「はやぶさ2」、まあインフォメーションが足りないんでしょう。
 それよりも何よりも、やっぱり国家プロジェクトなんですから、二年後、どうするんですか、あと二百三十億円。ちゃんと八月の概算要求には入れていただけるでしょうね。野田総理、いかがですか。
#151
○国務大臣(平野博文君) 「はやぶさ」の部分につきましては、私は、帰還したということは国民に大きな感動を与えたというふうに、私自身も非常に喜んだところでございます。
 今、山谷さんから御指摘ございました、じゃ、「はやぶさ2」についてどうするんだ、今回の二年後を逃せば十年先ぐらいになってしまう、こんな話もあることは、科学技術的にあることは事実でございます。現実には、御指摘のとおり、予算措置につきましてはそれだけの予算がきちっとやれているのかということでございますが、ただ、先行して開発すべき探査技術等については六十億円、これをやっぱり付けていることは事実でございますので、御懸念のところについては十分踏まえて、私としても、「はやぶさ2」については実現できるようにしっかりと担当大臣としては頑張りたいと、かように思っております。
#152
○山谷えり子君 何かすごい情けない、頑張りたいとか。大臣はイトカワの模型を机の前に飾っていらっしゃるのを知っていますよ、この前お部屋行ったとき。悲しいですね。予算付かないんですよね。
 野田総理、いかがですか。これ成功させましょうよ、「はやぶさ2」。
#153
○内閣総理大臣(野田佳彦君) まず、全体として科学技術振興費、平成二十四年度で一兆四千億付けていますので、未来への投資の科学技術というのはしっかりこれからも私どもはきちっと力を入れていきたいと思います。
 その上で、宇宙に関することですが、信じてもらえないかもしれませんけれども、私は宇宙基本法の起草者の一人でありまして、日本のフロンティアは海だけではなくて宇宙もあると思っています。ロケット、衛星を飛ばす技術、しっかり持っていますし、有人飛行も、これは国際協力の下で飛行士も育ってまいりました。射場も持っています。その意味においては、私は、日本は宇宙先進国に頑張ればなり続けることができると思っています。
 その中で、「はやぶさ2」、今予算の話がありましたけれども、これ文科省ともよく相談をしながらいきたいというふうに思いますし、国民が相当成功で勇気を得たことは間違いありません。十分その意義も、探査の意義も承知をしているつもりでございます。
#154
○山谷えり子君 ありがとうございました。二年後の成功、本当に今見えてきたような気がいたします。
 今、総理は海のこともおっしゃられましたね。そうなんですよ、日本は資源小国だと思っていたら、実は資源大国なのかもしれない。二百海里の排他的経済水域の面積は世界第六位という海洋国家ですね。そしてまた、最近、南鳥島の周辺にレアアースの泥が、これが二百年からもしかしたら二万年分ぐらいあるかもしれないという、まだ分かりません。こうしたことも、自民党は資源確保の推進法案出していますけれども、資源確保についての方針、野田総理、いかがですか。
#155
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 日本の国土面積は世界で六十番目です。余り大きい方ではありません。ただ、今御指摘のあったとおり、海に目を転じてみれば、海から、ピンチになることもありました、この間のような大津波のように。だけれども、逆に海をチャンスに生かしていかなければいけない、そういうフロンティアだと思います。管理できる水域、面積はこれ世界で六番目です。でも、海は立体です。体積でいうと世界で四番目です。五千メートル以上深い海は世界一持っている国です。そこには水産資源ももちろんあります、鉱物資源もあります、レアアース等々、御指摘のところあります。
 そういうものをしっかりと掘り起こしていってそれをやっぱり使っていくというのは、私は国益になると思いますので、今回、南鳥島の問題についても、南鳥島周辺も含めてでありますけれども、今年度から鉱物資源探査船「白嶺」を用いて資源量の評価に着手するとともに、海域から試料を採取、分析し、新規鉱床の発見につながるレアアース鉱床の形成メカニズム等の科学的調査を実施をしております。
 これからも我が国の海のレアアースの開発に向けて関係省庁連携の下、これレアアースだけではなくてレアメタルもありますので、そういうものも含めて強力に、メタンハイドレートもあります、そういうものの探査もしっかりやっていきたいというふうに考えております。
#156
○山谷えり子君 役所の皆さんに聞くと、やっぱり資源確保推進法というような大きな法案があった方がやりやすいんだということで、自民党出しています。政府も是非出していただきながら、今おっしゃられた野田総理の言葉が実現するように、お互い頑張ろうじゃありませんか。
 それから、国に冷たいと、これも民主党の特徴なんですね。新規国家公務員の採用なんですけれども、二十一年度の実績に比べて、平成二十三年、新規の国家公務員ですね、採用三七%減、二十四年は二六%減、平成二十五年五六%減。これ何なんですか。ええっ、党内でどんな議論を。これもう国家を弱体化、衰退させるための積極的なやり方、信じられませんよ、こんな悪魔的なことをするのは。いかがですか。
#157
○国務大臣(岡田克也君) かつては自民党も小さな政府ということを言われたことがあると思います。私は、小さな政府という言葉は私は好きではありませんが、やはり効率的で機能する政府にはしなければならないというふうに思っております。そこで、やはりそれを実現していくためには総論賛成各論反対であってはならないというふうに考えております。全体の国家公務員の数を純減する、減らしていくということについてきちんと進めていかなければなりません。
 そこで、もう一つ新しい要素があるということを御説明しなければいけないと思います。つまり、定年を六十歳、これを六十五まで働けるようにすべきだということは国として各企業にお願いをしているところです。人事院から定年は六十五歳に延長すべきだというお声をいただきましたが、私は、それは民間の実態を見るときに、六十五までの定年延長は避けるべきだと考えて六十歳定年、しかし、その後再任用するということにいたしました。
 六十五まで働けるようにするということは、それだけ数も増えてまいります。これを定員の外に置くという考え方もありますが、私はやはり定員の中に入れてきちっと進めていかなければいけないというふうに考えております。そういうふうに考えますと、やはり相当なスリム化ということは避けられません。私は、採用の問題だけではなくて、やっぱり四十代、五十代の公務員の皆さんに何らかの形で早く辞めていただいて、我々はあっせんはいたしませんので、自らの判断で辞めていただいて、第二の人生を歩んでいただくということも強力に進めていかなくてはならないというふうに思います。そういった総合的な対策の一環としての新規採用の抑制であることを御理解いただきたいと思います。
#158
○山谷えり子君 るる御説明いただきましたが、お聞きになられた国民はそんなふうには受け取らないと思いますよ。
 平成二十三年マイナス三七%減、次が二六%減、今度マイナス五六%減、こんなことは本当にあり得ない。自民党が政権に戻らせていただいたら、是非国家の力をしっかりとさせるというふうにまたかじを切り直したいと思います。
 民主党政権になってから、領土領海問題、北方領土、竹島、尖閣、波高くなってきております。特に尖閣、我が国の領土であることは当然でございますけれども、私は、領土議連という国会議員九十六名、民主党の議員さんも随分参加していただいています超党派の議連の会長を八年ほどやっております。八重山や石垣、宮古の漁業組合の皆様と尖閣の付近に行ってお魚も捕ってきて食べていたりして、有効活用、経済活動を活発にしようと。本当においしいんです、マグロもカツオも。すし職人さん、わあ、身の締まりがいいなと、こんなに五割増し大きいのにすごいな、これ、ブランドだよって。尖閣マグロ、尖閣カツオ、ブランドだよと言っていらっしゃるんですよね。
 それで、八月の十八日、十九日、領土議連、そして地方議員連盟、そして関係者と尖閣に参りまして慰霊祭を行おうというふうに計画しております。昭和二十年の七月三日、石垣から台湾に疎開船が行きましたけれども、米軍の爆撃機によって大破されて、漂着したのが尖閣です。戦争が終わってやっと助けに行けたんです。八月の十八日です。尖閣に助けに行って、もちろん尖閣でたくさんの方既に亡くなっておられました。十九日、石垣にお運びすることができました。亡くなられた人数は数十名、いや、百名と言う方もいらっしゃいます。
 是非、関係者は慰霊祭をしたい。上陸申請をしております。先週いたしました。そうしたら、昨日、こういう書式で出してくださいねと官邸の方から詳しい説明がございました。ということは、上陸許可していただけるんでしょうね、野田総理。
#159
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 政府としては、これは従来から、原則として政府関係者を除き何人も尖閣諸島への上陸を認めないとの方針を取ってきております。
 そこで、先ほど、昭和二十年の七月のまさに石垣から台湾へ疎開をしようとしていた船が二隻米軍に襲われて、一隻はたしか沈没をして、もう一隻は魚釣島に漂着をして、約、私は八十人ぐらいの方が亡くなられたというふうに承知をしています。そのための慰霊を望まれている御遺族がいらっしゃる、そのお気持ちは重く受け止めなければならないと思います。
 その上で、慰霊祭を行うための上陸申請、昨日書式は御覧になったということでございますが、事実関係を確認の上で、尖閣諸島の平穏かつ安定的維持管理のためという政府の賃借の目的等を踏まえて、内閣においてその対応を判断をさせていただきたいというふうに思います。
#160
○山谷えり子君 土曜日にもこの地権者の方とお話しいたしまして、遺族の方からもお手紙をいただいたり、以前は尖閣で上陸して慰霊祭ができていたんだから、もし政府の許可が下りれば、どうぞ気を付けて、山谷さん、行ってきてくださいというふうに地権者から言われております。
 自民党は、私が法案提出責任者になりまして、無人国境離島を守る法案を六月に国会に提出をしております。これ、各役所との調整も済ませておりますので、政府案が、もしお出しになるなら私は是非出していただきたいと思うんですが、合意できる内容だと思います。これは、自民だ民主だというのではなくて、成立させるべき法案だと思います。
 すなわち、無人国境離島、調査がまだ済んでいないんですよ、尖閣だけではなくて。まず調査する。そして、内閣が基本方針を定めて、そして灯台や護岸工事や、あるいは定期巡回、自然保護などをしていくと。特に管理が必要な島は国が収用することができるという法律でありまして、各政党の委員会の責任者にも法案を説明しております。石原都知事のところにも説明に参りました。地権者にも説明をいたしております。ここには有効活用、利用計画につながるものが書かれておりますので、是非成立させてほしいと。
 政府は、国有化おっしゃっていらっしゃいますが、利用計画、具体的に尖閣の場合、どういうふうに考えていらっしゃるんですか。
#161
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 今、ちょっと二つの御質問でしょうか、提出をされようとしている法案の評価とですね。
 平成二十一年に政権交代あったときに、平成二十一年度の最初の補正予算を我々組ませていただきました。そのときに、気付いていただかなかったかもしれませんが、南鳥島と沖ノ鳥島をより島らしくするための予算を付けたんです。そういうように、無人の離島の適切な管理を進めていくという問題意識については、これは私は御党と共有できるところがあるというふうに思っております。
 その中で、これらの離島やその周辺海域について平素から関係機関による情報収集に努めるとともに、その時々の情勢に応じて海上保安庁の哨戒体制を強化するなど、監視、警戒を厳正かつ的確に実施をしていきたいと思います。
 また、今国会には、遠方離島で発生した犯罪に海上保安官が対処できる仕組みを導入する法案を提出をしており、我が国の領土領海においてより一層迅速かつ円滑に法執行を図るための体制を整えたいと考えております。
 御党から国会に提出をされている無人国境離島の適切な管理の推進に関する法律案については、国会における御議論を政府としても注視をしてまいりたいと思います。
 なお、尖閣についてのお尋ねでございましたけれども、あくまで、これはもう我が国の歴史的に見ても国際法に見ても間違いなく固有の領土であり、有効支配をしておりますが、その中で平穏かつ安定的に維持管理をする、そういう中で様々なレベルで様々な接触をしているというのが現状でございます。
#162
○山谷えり子君 国家の成長のためには国家の名誉を守ることが欠かせません。そこで、慰安婦問題についてお伺いいたします。
 先日の、三月の予算委員会、テレビ中継入りで、ニュージャージー州のパリセイズパーク市の公共図書館の敷地内に、二十万人の女性と少女を日本軍が拉致して慰安婦にしたというとんでもない記念碑が建ってしまったと。野田総理は、数値、経緯、根拠がないのではないかとおっしゃられましたが、その後政府は動こうとしませんでした。
 そこで、自民党は部会で決議をして、代表者四名、私も参りましたが、パリセイズパーク市に行き、市長、市議会議長、図書館長などに会って、英語できちんと、政府の文書、当時の新聞記事、民間業者が慰安婦さんを募集して、そして給料もこんなにお支払いしていたと、政府、軍は、警察、むしろ悪い業者が悪いことしないように取締りをしていたという、そうしたものを英文に直してお届けをいたしました。
 日本軍は強制連行していませんね。野田総理、いかがですか。
#163
○内閣総理大臣(野田佳彦君) まず、今の米国における慰安婦像撤去を求める動きでありますが、政府としてもこれについては重大な関心を持ってフォローをしてきております。在外公館を通じて地元のしかるべき関係者に対して慰安婦問題についての我が国の一貫した立場を説明をしつつ、申入れを行っているということでございますので、何もやっていないという御指摘は当たらないと思います。
 それから、慰安婦問題における政府の関与については、平成五年の河野談話を発表したときの、あのときの調査を踏まえて既に考え方は公表しているところでございます。
#164
○山谷えり子君 私たちが五月六日に行くというから、慌てて五月一日に総領事は行ったんですよ。もういいかげんなことをおっしゃらないでください。
 強制連行したとは河野談話には書いてありません。そして、平成十九年三月の閣議決定、軍や官憲によるいわゆる強制連行を直接示すような記述は見当たらないということですが、これは閣議決定を踏襲なさいますね。強制連行、見当たらなかった、していないということですね。
#165
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 軍や官憲による組織的な強制連行を直接示す公文書等はなかったということは、それは調査の結果であります。
#166
○山谷えり子君 ホワイトハウスには、この撤去と、それから国際的な嫌がらせ、インターナショナルハラスメントに加担しないでほしいという署名が一か月に三万三千以上集まったんです。二万五千以上集まるとホワイトハウスは動かなければいけません。ですから、今ホワイトハウスは動かなければいけないんです、撤去に向けて。そのためにもきちんと英文で資料を作って、私は、玄葉外務大臣にも藤村官房長官にもきちんと作って早く説明してほしいと言っているんですが、まだ説明していませんよね。だから、六月にもニューヨーク州に今度は性奴隷にしたというとんでもない、また記念碑が建ったんですよ。
 野田総理、もうちょっと真剣に撤去に向けて動いてください。そして、ホワイトハウスに正しい情報を届けてください。いかがですか。
#167
○内閣総理大臣(野田佳彦君) これは、平成五年の河野談話は閣議決定していませんが、その後の政権はその基本的な考え方を基本的には踏襲をしてきています。その踏襲をしている中で、先ほど言った直接軍が関与したといういわゆる文書、資料は見付からなかったということでありますけれども、その河野談話においては、慰安婦の募集については、軍の要請を受けた業者が主としてこれに当たったが、その場合も、甘言、強圧によるなど、本人たちの意思に反して集められた事例が数多くあり、さらに、官憲等が直接これに加担したこともあったことが明らかになったということもあったということは、ちょっと事実としてこの河野談話の背景の調査のお話はしておかなければいけないと思います。
 その上で、その河野談話を踏まえた我々の対応であるとか、あるいはその後の女性基金をつくっての対応であるとか、そうした私どものこれまでの姿勢というものは常に御説明をしていかなければならないと思いますし、これからもやっていきたいと考えております。
#168
○山谷えり子君 河野談話は強制連行したとは書いてありませんので、きちんと対応していただきたいと思います。
 終わります。
#169
○中村博彦君 自由民主党の中村博彦でございます。
 もう時間がありませんので、今回の一体改革関連法案、最も合意すべき医療保険制度と介護保険制度が法案になってございません。もう御存じのとおり、社会保障制度改革推進法案が基本的な考え方で提示されておりますけれども、社会保障の機能の充実、給付の重点化、制度の効率化、そして一番大切なことは、税金や社会保険料を納付する者の立場に立って負担の増大を抑制しつつ持続可能な制度をつくると、これが前提になっておるわけでございます。
 この社会保障に係る費用の将来推計、給付費に関する見通しを見ていただきたい。(資料提示)
 二〇一二年が百九・五兆円、そして二〇二五年が百四十八・九兆円です。何と、伸び率が一・三六倍、そして今申し上げた介護は二・三六倍、医療は一・五四倍に伸びるわけでございます。これは本当にどのような形で対応していくのか。そしてこの図表を見てもお分かりのとおり、現状投影とこの一体改革のギャップが四・一兆円もプラスになっておるわけでございます。これは一体、効率化、重点化、負担の増大を抑制する改革案ではないじゃありませんか。
 これはどのように考えられるか、総理にお願いをいたしたい。野田総理にお願いします。
#170
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 社会保障に係る費用の将来推計では、一体改革の議論の参考となるよう、二〇二五年までの給付費、公費負担、保険料負担について、医療、介護サービス提供体制の改革を行うことを想定した、委員御指摘のように、改革後の見通しと、改革を行わず現在のサービス提供体制や制度を前提とした現状投影の見通しを併せてお示しをしておりますが、この結果、改革後の方が改革を行わない現状投影に比べて社会保障の給付と負担が高くなりますが、これは、今回の改革で在宅医療の充実や地域包括ケアシステムの構築などにより、どこに住んでいてもその人にとって適切なサービスを受けられるよう、医療、介護の充実を行うことにしているためでございます。
#171
○中村博彦君 今、充実をすると。それじゃ、本当に二〇二五年には再増税必至だということをおっしゃっておることに等しいわけでございます。本当に二五年までに耐え得る制度をつくらなくてはいけないのに、どういうことだということでございます。
 現在でも、在宅サービスが三百十四万人、そして施設サービスが八十九万人、周辺家族は二千万人を超えております。その本人、家族の安心度、満足度、調査もいたしておりません。現行制度では、施設サービス、在宅サービス共に制度上に問題があります。要介護者のいる家庭では、家族崩壊、そして悲惨な老老介護、認認介護、介護離職が五年間で六十万人も出ておるわけでございます。介護難民も増加中でございます。
 本当にこれは考えていかなくてはならない、真剣に皆さんが考えていかなくてはならない課題をこれから現場の悲鳴とともにお伝えをいたしたい、このように思っておるわけでございます。
#172
○委員長(高橋千秋君) 午後一時に再開することとし、休憩いたします。
   午前十一時五十四分休憩
     ─────・─────
   午後一時開会
#173
○委員長(高橋千秋君) ただいまから社会保障と税の一体改革に関する特別委員会を再開いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 本日、大河原雅子君が委員を辞任され、その補欠として難波奨二君が選任されました。
    ─────────────
#174
○委員長(高橋千秋君) 休憩前に引き続き、公的年金制度の財政基盤及び最低保障機能の強化等のための国民年金法等の一部を改正する法律案外七案を一括して議題とし、社会保障と税の一体改革についての集中審議を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#175
○中村博彦君 自民党の中村でございます。午前に引き続き質問をさせていただきます。
 午前の最後に申し上げましたように、悲惨な老老介護、認知症が認知症を介護する認認介護、そして介護離職者は五年間で六十万人にもなっています。介護難民、特養待機者四十二万人と増加中でございます。最後に総理が答弁されましたけれども、この元凶はまさに、地域包括ケアシステム、二十四時間型サービスに問題があるのです。地域の介護力、そして家族の介護力があってこそ成り立つ制度なのです。家族介護ゼロでは成立しないんです。そしてまた、在宅化、小規模化を進める高コストの非効率な制度を追求しているのです。
 総理、このシステムをどうお考えでしょうか。
#176
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 今、中村先生御指摘のとおり、この一体改革では、地域包括ケアシステムの構築など、これは評価がちょっと違うようでございましたけれども、どこに住んでいてもその人にとって必要な介護が受けられ、安心して暮らすことができる社会づくりを目指しています。
 また、今、小規模化、在宅化の問題点も御指摘ございましたけれども、自分が介護が必要となった場合に関するアンケートで、自宅で介護を受けたいという回答が約七割を占めているという、そういう現状もございます。
 こうした国民の声からも、在宅も、そして施設もそれぞれのニーズに応じたサービスの量と質を確保する中で、特に、自分の住み慣れた自宅で住み続けられるような身近な在宅サービスの充実が一層求められていると受け止めているところでございます。
#177
○中村博彦君 地域の介護力というのは、農漁村も都市部も本当に地域が崩壊して、介護力は本当にございません。施設整備、国民ニーズにある多床室を今ストップをしてございます。減らそうとしている。そして、高コストの個室ユニット型を標準とする制度を強力に推し進めているわけでございます。
 総理、聞いてください。この個室ユニット型の利用者負担は十三万から十四万円必要なんです。国民年金層の平均月収は五・五万円です、岡田副総理。五・五万円です。二千八百五十万人がその対象者です。これ利用できますか。できぬじゃありませんか。まさに国民にとってこの制度こそニーズ不対応。私はどう言っているかといえば、所得の低い方を大切にする自民党が政権を取れば変えるよ、所得の低い方と共にある政党でない民主党では無理だよと、こう申しておるわけでございます。
 今の多床室一つ取ってみても、間仕切りでプライバシーが保たれているわけであります。準個室。利用者負担は八万円で可能なんです。先ほど申したような個室ユニット型を標準にする。所得の高い方はいいんですよ。標準にする。このような高コスト、非効率な制度を二五年まで続けるんですか。もう二〇一五年十月の消費増税がスタート切った一、二年しかもたぬのじゃありませんか。
 どうでしょうか、安住大臣。
#178
○委員長(高橋千秋君) 小宮山国務大臣。
#179
○中村博彦君 安住大臣。通告しています。
#180
○委員長(高橋千秋君) 安住財務大臣。
#181
○国務大臣(安住淳君) そのユニットの問題は厚労省の所管でございますが、先生の御質問がもし私であるとすれば、こんな効率的でないものを続けていって二〇二五年までに財源がどうなるかと。
 それは、今の状態を続けていっても十七兆ですから、私どもとしては、是非効率化をしていただきながら、この介護サービスの質を維持してやっていただきたいというふうに思っています。ですから、今の現状を維持したままで、またそれを更に非効率なものにすれば、おのずとその財政負担は増えていくということについては認識を同じくしていると思います。
#182
○中村博彦君 財務省の厚労担当主計官にもう少し勉強させるように大臣から指示してもらいたい。
 二〇二五年の介護保険料は、現状投影で六千八百円、改革シナリオで八千二百円ですよ。そしてまた、何と第二号被保険者になると一万円近くなる。そして、消費税を上げるときは、大変な議論を経て国民の合意を得られる。しかし、保険料を上げるときは、あらあらあらあらで案外保険料は上がるんですね。しかし、どちらも国民負担料じゃないですか。同じですよ、この財布から出るのは。
 これ、岡田副総理、どうですか。
#183
○国務大臣(岡田克也君) ちょっと私のところに来るとは想定しておりませんでしたが、先ほどのユニット化も、これは政権交代後そういう政策転換をしたわけではなくて、その前からあった政策ですよね。
 私は、委員のおっしゃることも、まあ同感といいますか、共感するところもございます。今でも別にユニット化でなければいけないということではなくて、そこは幅があるわけで、そこを……(発言する者あり)いや、幅があるということですが、そのことがやや誤解を招いている部分もあるかもしれませんので周知徹底をして、そして選択ができると。
 一時期はユニット化でなければ建設を認めないと、こういうときもあったかと思いますが、今はそうではないというふうに私は聞いておりますので、そういうことがきちっと伝わるようにしていかなければいけないし、全体の掛かる費用との関係でよく考えていかなければいけない面は確かにあるというふうに思っておりますので、もう少しよく議論してみたいというふうに考えております。
#184
○中村博彦君 副総理、この四月一日から多床室の単価を大幅に減額した、月額七千四百円。さらに、新しく造る多床室は月九千九百円も減額した。各都道府県、三重県は、必要だと言っておるにもかかわらず、造ってもペイしないの。三重県に聞いてみてください。本当にこんな規制のひどい形をシフトしようとしておるということを御理解願いたいと思います。
 さあ、どうぞこのパネルを見てもらいたい。どうでございますか。この特養ホームの収益率、何と二八・三%が赤字。老健は三二・四%が赤字なんですよ。それに引き換えて特養三一%、老健は三一・八%が黒字施設なんですよ。総理、これ、同じ報酬の単価なんですよ。これ、じいっと皆さん見ていただきたい。これは何を意味しますか。規模別にもよります、五十床より百床という規模別にもよりますが、いかに介護保険制度以来、受皿制度、事業体にメスを入れてないかなのであります。そして、相も変わらず非課税法人ですから、安穏と、収支差額管理もできない。ガバナンスがない施設が本当に多い。ガバナンスがある施設とガバナンスのない施設が二極化されているんです。こんな放置をして、消費税に踏み込む前にこの現実を御理解願いたい。
 そして、なおひどいのは、この赤字施設が認知症ケアやリハビリ、口腔ケア、みとり介護の科学的介護に取り組んでいない。ガバナンスがない法人、事業体はこの質の高い介護サービスもつくれない。頑張っておる施設は、日中おむつをゼロにしよう、胃瘻はもうやめよう、褥瘡ゼロ、全てが自立支援、全てが在宅復帰をどう促してあげるか、こんなサービスに取り組んでおるにもかかわらず、社会福祉法人の多くは旧態依然の措置型施設に終始しているんです。
 この収支差、介護レベルの差をどう改善されますか、副総理。
#185
○国務大臣(岡田克也君) 具体的なことは厚労大臣からお答えさせていただきたいと思います。
 ただ、私もこの間、全国、この社会保障・税一体改革の対話集会で回っておりまして、合間を見ていろいろな施設も見させていただいております。確かに一生懸命努力して、委員おっしゃるように、胃瘻をなくそうとか、あるいは昼間のおむつをなくそうとか、様々な努力をされているところもございます。私も頭の下がる思いです。
 そういうところがきちっと報われるような、そういう仕組みづくりというのは、私は非常に大事なこと、やっぱりそこに生活する方々の生活の質というものをしっかりと確保していくことは大事だというふうに思っております。
#186
○国務大臣(小宮山洋子君) 答弁、機会いただいて、ありがとうございます。
 おっしゃるように、やはりその質を確保するために、一つは情報公表制度を活用したりして、その利用者が選択できるようにするということ、また、御承知のように、平成二十四年度の介護報酬改定でも、リハビリテーションなどの自立支援型のサービスを重点的に評価をするということ、また、特別養護老人ホームについて、認知症の症状が悪化した場合の受入れの評価ですとか重度化に対応している施設の評価の見直しなどを行いまして、質の高い事業者が評価されるような取組を行っています。
 こうした取組を更に進めまして、その周知も図り、おっしゃる、質にちゃんとこたえられるような仕組みにしていきたいというふうに思います。
#187
○中村博彦君 岡田副総理もばらつきがあるということを委員会でおっしゃっておられました。このばらつき是正というのは、やはり制度に問題があるんです。供給体、事業体改革しなくては絶対にばらつきはなくならない。これは国民にとって不幸です。どうか一刻も早くこの制度改革に、安住大臣、手を着けてくださいよ。
 それでは、続いて保育の質問をいたしたいと思います。
 これどうですか、皆さん、国民の皆さん。この比率見てもらったら、何と何と、沖縄は幼稚園から小学校が八〇%、福島は七三%、神奈川は六九%、埼玉、宮城は六七%。そうしたら、保育所修了児は、何と、長野県は保育所から小学校へ七六・七%、石川県が七三・二%、富山県が六八・六%、高知県も六八・五%じゃないですか。これ本当に、この棒グラフで見ると、こんなにも偏在があるのか、ばらつきがあるのか、そして認定こども園でどう対応していくんだということになりますね。
 今回の、学校教育法第二十六条、幼稚園に入園することができる者は満三歳から小学校就学に達するまでの幼児とすると規定されています。幼稚園に〇歳―二歳保育の義務付けはしないことになっている。それは確かに、自民党の皆さんがおっしゃるように、家庭で育てよと。しかし、預けざるを得ない家庭もたくさんあるわけであります。その場合に、この幼稚園比率の高い県の〇―二歳児の待機児童解消はどうしますか、副総理。
#188
○国務大臣(岡田克也君) まあ目が合ったものですから。
 これも厚労大臣がお答えするのが適切だと思いますが、要するに、保育所の修了者の多いところは待機児童が少ないということは言えると思います。幼稚園がどうかということよりは、やはり保育所が整っているところは待機児童が少ないということをこの数字は示している、それが足らないところはやっぱり待機児童が多いと、こういうことかと思います。
#189
○中村博彦君 このばらつきを解消しなくては私はいけないんではないかと思います。
 そして逆に、保育所から小学校へ入学する。長野、石川、富山。日本人再生には三、四、五歳児の就学前教育は欠かせませんよね。質の高い幼児期の学校教育、保育が期待されていますけれども、しかし、公私の保育所、特に公立、挑戦力もなければ駄目な保育園が本当に多い。これを一体どうするのか。
 田村自民党の発議者に聞いてみます。どうぞ。
#190
○衆議院議員(田村憲久君) こちらの方に目が向いておりましたので来るんではないかなというふうに思っておりましたけれども。
 保育所とそれから幼稚園、学校施設だから幼児教育がいい悪いというわけではないんだと思います。幼稚園の中にもいいところもあれば悪いところもある、保育所も同じであります。
 ここ数年来、保育指針とそれから教育要領、幼稚園の、これをかなり合わせてまいりました。そういう意味からすると、私立の保育所の場合はかなり御努力をいただいてきまして、それなりにレベルは上がってきておるというふうに思います。公立の部分に関しますと、運営費を、実はこれ、先生御承知だと思いますけれども、これ一般財源化をいたしました、公立は。結果、財政が厳しい等々の話がいろいろある中で、保育士さんさえももう非正規のパート労働者の方が多いという状況が出てきているんですね。こういうような面も実は幼児教育等々に影響が出てきている部分もあるんだろうと思います。
 ですから、ここをどうするかというのは、今すぐ解決策があるわけではありませんが、これはもうかなり性根を据えて改善に取り組んでいかなければならない課題である、このように思っております。
#191
○中村博彦君 自らで政策遂行ができるように、来る総選挙では率先垂範して、田村議員、頑張ってください。
 福祉分野と全産業の有効求人倍率を示す折れ線グラフでございます。またひどくなっている。何と有効求人倍率の、保育士は一・五一倍、介護職は一・七〇倍、看護は何と何と十九・六六倍であります。どこを探せども介護士はおりません。特に福祉施設は、介護職を獲得するのに野球のスカウト並みの努力をしなかったらできないという現況でございます。この介護、看護共に保育士の人材不足も深刻であります。そして、保育士の給与は全産業三十二万四千円より十万円も低い。平均月収二十二万円なんです。
 本当にこの公私格差、それと、先ほども御答弁でございましたように、正規、非正規が大変多いんであります。この格差。そして、先ほども申し上げましたように、保育、看護、福祉、介護福祉分野で事業体が小規模なためにキャリアアップもできない。そしてまたキャリアパスも構築できないんです。多くの事業所が一法人一施設、小規模、家族経営、同族経営、二代、三代の世襲。世襲でも質の高い保育や介護に取り組んでいれば納得ですけれども、取り組まない世襲、これはどうしますか、本当に。多くは、だから正職員になれず、主任にもなれません。だから、保育士は四、五年で勤続年数が推移しておるというのが現況でございます。
 やる気、我慢、いけないことを教え、強い子をつくる幼児期教育が保育現場ではできないんです。そしてまた働きがいのない現場になっておる。これでは有効求人倍率の改善は図られますか。
 総務大臣、どうでございますか。
#192
○国務大臣(川端達夫君) 介護も含めた部分で、現場でやっていただいている中で直面されているいろんな困難の中の部分の御指摘と現状の部分は私も本当にそうだなというふうに改めて思っております。
 子供の就学前の教育がその人格形成を含めて極めて大きな影響があることはもう周知の事実であります。その部分を支える制度がより良いようにということで今回の三党合意を含めていろんな協議がされていますけれども、まだまだ共通の認識として克服すべき課題は多いと思います、いろんな御指摘の中で。総務省の立場で言えば、いろんな形で支えられる部分をしっかり支えてまいりたいと思っております。
#193
○中村博彦君 県、市町村に保育園は権益が移っておるわけですから、総務大臣、ばしっとお願いいたします。
 保育所改革ができない限り、魅力のある保育、魅力のある介護はできません。日本再生戦略では、製造業が海外へ流出した後、空洞化、介護、医療、健康が二〇二〇年までに内需型産業として雇用を二百八十四万人創出する新市場としての五十兆円を生むんだと華々しく打ち上げています。しかし、先ほど触れたように、保育も医療も介護も二〇二五年に二百五十五万人の労働力が見込まれていますけれども、百二十万人の増員が必要とされても、官製社会保障制度の枠組みでは、先ほど申した社会福祉法人、受皿改革、供給体改革なくして雇用を吸収する領域の役割は果たせないんじゃないか。保育・介護領域、今なお温存される官製市場を脱却し、働く意欲の出る、誰もが羨む魅力ある職場をつくっていかなくてはいけないんではないでしょうか。雇用の場をつくる。
 古川大臣。
#194
○国務大臣(古川元久君) 委員おっしゃるように、官製市場だけじゃなくて、やっぱり様々な人たちが参加をして、この分野というのは、ニーズ、需要はあるわけでありますし、今後とも増えていくと思われますから、そうした部分はしっかりやってまいりたいというふうに考えております。
#195
○中村博彦君 田村議員。
#196
○委員長(高橋千秋君) それは質問でよろしいんでしょうか。
#197
○中村博彦君 はい。田村議員。
#198
○委員長(高橋千秋君) 田村憲久君。
#199
○衆議院議員(田村憲久君) ただいまと同じ意味の御質問ですか。
#200
○中村博彦君 もちろん。あなたはこれから将来担うじゃないですか。
#201
○衆議院議員(田村憲久君) ありがとうございます。
 もちろんこの分野でしっかりと雇用をつくっていくということは重要な部分でありますが、この部分、税金、保険料に依存する部分が非常に大きいんですね。という意味からすれば、まず経済成長をしっかりしないと、この分野の方々の待遇というものは良くなっていかないんですよ。ですから、そのためにはこの分野で景気を良くするというよりかは、まずその前に労働生産性の高い分野で日本の国の経済をしっかりと立て直すと。その上で、この分野の方々の処遇を改善し、そしてサービスを受ける方々がいいサービスを受けられるように、これで経済を成長させるというのはちょっと私は余り理解ができない、そのように思っております。
#202
○中村博彦君 同政党であっても大きく意見が違うんだなという認識をいたしました。
 これは本当に、やっぱり規制によって官製事業体になっている部分は規制緩和をして、そして質向上、そして雇用を吸収する事業体をつくる、それでないと高齢社会はもたないじゃないですか。それを申し上げて、今日の質問といたします。
 ありがとうございました。
#203
○中西祐介君 自由民主党の中西祐介でございます。
 本日は、社会保障と税の一体改革、大切なもう時期に差しかかってまいりました。率直に質疑をさせていただきたいと、このように考えております。
 まず、総理に伺いたいと思います。
 私は、現在三十三歳ということでありまして、全国会議員の中で、今、三十九歳以下、六%しかいません。その中で、我々はまさに子育て世代、そして働き盛りの世代、その代表としての、またその一人としての今日声を上げるために、子ども・子育ての分野で質問させていただきたいというふうに思っております。
 まず、総理に伺います。
 最近よく総理が口酸っぱくといいますか、繰り返しお使いになる言葉があります。将来世代のポケットに手を突っ込まないとよくおっしゃいます。将来世代の定義について、はっきりとお答えください。
#204
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 私がイメージしているのは、今一票を持たずに、まさに政治的意思決定にかかわれない中でこれから成人になって税金を納めていくような世代、そういう人たちに負担を掛けないというのと、あるいは、まだ生まれていない世代、これから生まれてくる世代に借金をたくさん残していくということはしないと、そういう意味でお話をさせていただいております。
#205
○中西祐介君 今まさに社会を支える世代、そしてこれから生まれる世代に借金を残さない、そういうお話でございました。
 もう一つ伺います。
 今まさに社会保障・税の一体改革、最中でございますが、この時期になぜ総理が消費税を言明されて一体改革として進めようとなされているのか。今年、二〇一二年でございます。そういう意味合いからも含めてお答えください。
#206
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 人口構成の大きな変化については、何回も申し上げてまいりましたけれども、社会保障の根幹を成す、支える側と支えられる側の構成が大きく変わってきて、程なく一人の人が一人のお年寄りを支えるという時代に向かっていっていると。そういう状況の中で、特に、団塊の世代が今までは支える側だったんですが、二〇一四年で全ての団塊の世代が年金を受給する、そういう段階に入るということも含めて、社会保障の環境の大きな変化に対して対応することが待ったなしであるということを申し上げさせていただいております。
#207
○中西祐介君 まさに団塊の世代が年金を受給される、そうした真っただ中にあると。そして同時に、もう一つの観点は、団塊ジュニアの世代が、まさにこれから三十を目前とされながら、子育て、子供を産むという機会も含めての大事な期間だというふうに認識をしております。
 その中で、民主党政権ができて三年になります。この三年間で、これから大切に育てていかなきゃいけない子供、まさに少子化担当大臣、この分野をつかさどってきた方々は何人いらっしゃいますか。
#208
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 九人です。
#209
○中西祐介君 こうした議論もありましたが、さらに、野田内閣になって十一か月程度でございます。今、四人目でございます。平均二・八か月、こうした中で、どういう成果を上げようとし、今、何が残せたのか、総理大臣から伺いたいと思います。
#210
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 御指摘のとおり、政権交代以降九名、私の内閣からでも通算すると四名でございます。
 閣僚の任命については、その時々の状況の中で適材適所でやってまいりましたが、この三年間で少なくともチルドレンファーストの観点からの政策は様々行ってまいりました。加えて、今回の一体改革の中でも、子ども・子育ての部分、これは御党の御協力、御理解もいただいてということも含めてでございますけれども、大変大きな前進を果たすことができそうな今状況になっていると、そういうことでございます。
#211
○中西祐介君 私は具体的な成果を問うておるわけでございます。具体的な例を挙げてください。
#212
○国務大臣(小宮山洋子君) 政権交代の後、この後御議論になると思いますけれども、子ども手当をあげておりましたが、これは残念ながら財源の見通しが甘くて予定どおりにはいっておりませんが、控除から手当へという形のものは多少動いているというふうに思います。それから、子ども・子育てのビジョンをつくりまして、これは量的な拡大について二〇二六年をめどに、例えば、毎年保育所を五万人分増やすようなこともしてきております。
 そして、今回、こういう形で、社会保障一体改革の中で子供のところにこれまでよりはかなり重点を置いて、委員と同じような若い世代の方たちが負担だけをするのではなくて子育てについてしっかりとその受益感があるような、そういう支援をということで、御党や公明党さんの御協力もいただいて三党合意の下に、認定こども園の幼保連携型を拡充をして就学前の子供たちに質の高い学校教育、保育ができるようなこともしてきておりますし、あとまた児童虐待の防止ですとか、いろいろな意味で子ども・子育てのことを力を入れてやってきているところでございます。
#213
○中西祐介君 ある調査、これは四月に行った調査であります。衆議院で既に百三十時間超こうした議論をしてまいりました。その中で、一般の若い方々に、三十歳、そして四十歳、子育て世代、若い世代に対して調査をしたアンケートがあります。八二%、今若い方々が、子育て世代の方々が、八二%の方々がこのテーマに対して強い関心を持っておられると。そして、面白いことに、同時にこの同じ八二%の方々、これはたまたまだと思いますが、この方々が今進めようとしている社会保障と税、これからの社会保障に対して不信感を持っているというふうな認識があるということでございます。
 その原因について、総理、どうですか。
#214
○国務大臣(岡田克也君) ここはやっぱりしっかりと伝えることがまだできていないのかなというふうに思います。例えば、消費税を引き上げて、そして今回の四経費に充てる、その中には〇・七兆円の子ども・子育ての費用も含まれている、そのこと自身知られておりませんし、それから、消費税を充てるということは、所得税や保険料と比べて、働く世代だけではなくて高齢者の世代も含めて御負担いただけるところに御負担いただくという意味で、私は、若い世代から見れば相対的には負担が軽くなると、そういう意味合いを持つわけですけれども、そういうことが十分に伝わっていないのではないかというふうに思っています。
#215
○中西祐介君 こういう理解が進まない中で、今多くの方々、同世代の方々、不満を持っております。まさに、政府の大臣が替わる姿、あるいはメッセージングが十分じゃないことをもっと広くお伝えをしていく必要があるんじゃないか、そのように思っております。
 その根源は、我々世代、受益と負担の観点からすると、野田総理の世代、ちょうど五五年以降の方々から負担の方が大きくなります。まさに今、私三十三歳。この世代は生涯年収の何と九・八%も負担の方が大きくなるということであります。そしてさらには、今生まれてくる子供たち、生涯年収の一二、三%まで、もらえるものよりも負担をすることが大きくなってくる。
 こうした事実をしっかりととらまえながら、負担を少しでも軽くしていく政策、子供に対してしっかりと手当てをする政策を行っていかなければいけないと、このように考えております。
 その中で、鳴り物入りで始まりました子ども手当の論議であります。今、現状、元々目指していた民主党の子供の手当の姿、そして今、現状、この法案成立後に形となる子ども手当の姿、具体的な違いを教えてください。
#216
○国務大臣(小宮山洋子君) 衆議院のマニフェストでは、最初は月額二万六千円のお約束をしてきました。そして、これもマニフェストの工程表どおり、最初は半額の一万三千円を支給いたしましたけれども、その後、ねじれ国会になったということもございまして、野党の皆様の御協力がないと法案が成立しない中で、昨年八月に与野党で議論した上で特別措置法を成立させ、今回の新しい児童手当でも、各党間で本当に真摯に御協議いただいて、実現可能な着地点として月額一万円又は一万五千円の恒久的な制度の見通しが付けられていると、そういうことでございます。
#217
○中西祐介君 いろいろ変遷はありましたが、今ボードで映していただいているとおりの状況であります。(資料提示)
 二〇〇九年の状況から、子ども手当支給分が増えてまいりました。ちょうどパネルでは、五百万円世帯、子供がお二人、小学校世代そして三歳以下が一人。下も同じであります。年収が三百万円、小学校世代が一人、小さな三歳以下が一人ということであります。
 この年収を比べてみると、実際二〇〇九年と来年、その差は何かというと、たった月、五百万円世帯の場合では三百円、三百万円世帯の場合は月千三百円ぐらいの違いしかないと。ほとんど給付と控除を合わせてネットにしても差がないということであります。
 この政権の間に、大きな国債の借入れをしながら子ども手当を付けてまいりましたが、実際のところ元の原点に戻ったと、そういう認識でよろしいでしょうか。
#218
○国務大臣(岡田克也君) この表は、一つは子供、三歳以上小学生以下の子供ということで計算されております。中学生ということになると、今までは児童手当、旧児童手当では中学生には出しておりませんので、今の新しい制度では出しているということで、その数字はかなり変わってくるということは申し上げなければいけません。
 そこで、我々としてももう少しその額を、二万六千円かどうかはともかくとして、もう少し上げたいという強い気持ちは持っておりました。そういう気持ちで野党の皆さんとも話合いを粘り強くさせていただきましたが、結果としては、今の厳しい財政状況の中で、基本的には余り変わらない。もちろんこれは所得の多い人はむしろ減っているわけで、そういうところは所得の少ない方ほどまあ少とはいえ増えているというところはあるんですけれども、残念ながら現時点ではこういう額で合意をせざるを得なかったと。これは合意をしないと法律通りませんから。将来的に財源の手当てが付けば、もう少し児童手当、今の児童手当増やしたいと、そういう気持ちは持っております。
#219
○中西祐介君 百歩譲って、今おっしゃっていただいたとおり、ほぼ原点と変わらない位置まで下がってまいりました。そして同時に、今副総理がおっしゃったように、高い世帯に対しては負担が大変大きくなります。それはなぜかというと、控除という制度がなくなるからであります。その影響について小宮山大臣から伺います。
#220
○国務大臣(小宮山洋子君) 今おっしゃったように控除から手当へと、これは元々民主党が政権を担う前から、高額所得者からもっと低額所得者に、本当に手当が必要なところへ流していくという、所得再分配という意味からしても、税の方はなるべくシンプルな形にして、本当に社会保障の給付が必要な人たちに手当という形でしたいという形を取ってきました。そのため、高所得者の方に今、まだ額がちゃんとできていないというのは本当おわびを申し上げなければいけませんが、そういう考え方が生かされた中で高所得者の方々には今負担が多くなっているということだというふうに思います。
#221
○中西祐介君 高所得者の方々からこの手当を奪いながら低所得者の方々に回す。これは同じですね、高額所得者でも子供育てています。将来に対してしっかりと働きながら子供の育てる環境をつくっている、一生懸命頑張っている人がなぜ悪い目を見るような制度になるのか、非常に不思議でしようがありません。
 そして、もう一点であります。仮に、今お示しした五百万円と三百万円の世帯、こうした世帯がありますが、今大臣がおっしゃったように、どこかの階層の世帯が必ず負担が大きくなっているというふうに思います。給与の部分で具体的にお示しいただきたいと思います。
#222
○国務大臣(小宮山洋子君) 当初は私たちも、今委員がおっしゃったように、高所得の方でもやはり子供を持っている方には手当てをしたいということで、所得制限なしに子供に対して均等に入れるということを考えました。ただ、今回、所得制限が入るということもございまして、いろいろな意味で高所得者の方には、これは自民党さんの方の御意見を入れて所得の制限が入ったということもございます。ただ、元は財源の見通しが甘かったということはおわびを申し上げたいと思います。
 どこの世帯でなっているかというと、八百万ぐらいの世帯で今赤が出てしまう部分があるということは、私どもも大変そこのところは何とかしなければいけないと思っていまして、何とか財源を確保をしてもう少し上げたいという話がありましたが、特にマイナスが出てしまうということは本来あってはならないことなので、そこについては何とか手当てができるように、また財源の手当ても含めまして考えていかなければいけないという認識は強く持っております。
#223
○中西祐介君 マイナスがあってはいけないと、まさにそのとおりであります。これからの対応をしっかりとお願いしなければなりません。
 さらには、原点に戻ったというだけではありません。私は今回指摘したいのは、この黒塗りの部分であります。二〇一一年そして一三年にかけて控除の部分が黒塗りになっております。この部分は今回、平成二十二年の税制改正で別のところに転用されることになりましたね。この事実についてお知らせください。
#224
○国務大臣(小宮山洋子君) そこの黒塗りの別のところに転用されるという意味がちょっとよく分からなかったのですが、地方増収分の話とは違いますか。
#225
○中西祐介君 増収分。
#226
○国務大臣(小宮山洋子君) その話でよろしいですか。
 地方増収分のことでしたら、これは年少扶養控除の廃止などに伴う地方増収分、これについては、最終的には手当の財源として本来の目的からして活用することが国民の皆さんに負担増をお願いをするという趣旨からあるべきものだというふうに思っています。このため、二十四年度、今年度の地方増収分、これは要調整額ということで五千五十億円ございますけど、これに関しては、手当関係の地方負担増に二千四百四十億円、そして、地方の自由度の拡大に合わせた一般財源化等の措置ですとか特定疾患治療研究事業の地方の超過負担の財源として活用する措置などに二千六百十億円の負担調整を行うことにしました。
 また、平成二十五年度の地方増収分に関しましては、昨年末の四大臣の合意で、基金設置による国庫補助事業の財源に代わる恒久的な財源として、子育て分野の現物サービスに活用することとして、その具体的な内容は今後検討するとされています。これに沿いまして、地方団体とも調整をしながら、予算編成過程で、その御負担いただいた方にも納得していただける使い道になるように調整を図っていきたいと考えています。
#227
○中西祐介君 大変なお金の、予算のツケ回しだというふうに御指摘をしたいのは、これは、元々年少扶養控除というのは子供を育てる世代が子供を少しでも育てやすくするための制度であります。その浮いた分の財源をほかの部分に転用する、これはあり得ないことだと思いますよ。
 今働いている世代、これは三十三万円、そして特定扶養控除は六十三万円、こうしたバーがあって、そこまでの方々は、昔は、今までは控除されてきました。しかしながら、その負担分をほかに、予算を浮かせて、六割は子ども手当、現物支給のために使いますが、そのうちのほかの部分は国民健康保険調整金ですね、あるいは減収の補填の特例交付金に使うというのは、全世帯のために使うということです。これは、働いて今子育てをして苦労している世代からすると非常に納得のいかない制度だと思っております。
 今、厚労大臣がまさに少子化担当大臣、野田内閣にあって四人目ということで今兼務をされております。この国民健康保険、まさに厚労省の所管。そして、この浮いた財源を使うのを決めるのは、本当は少子化大臣じゃなきゃいけないと思いますよ。その大臣が兼ねているからこうして使い道が別のところに移っているんじゃないかと、こういう指摘をさせていただきます。
#228
○国務大臣(小宮山洋子君) それは、今兼務はしておりますけれども、私はずっと子ども・子育てのことをやってまいりましたし、そこを兼ねているからそこを融通しようなどということは思っておりません。
 これは、国と地方の協議の場でも、また必要があれば総務大臣にも聞いていただければと思いますけれども、かなり激しい議論をさせていただいた上で、私の方は、子供のための控除のところから行くのですから、当然その全額子供の方に充ててほしいということを申し上げていますが、先ほどから、そちらからも声がありましたけれども、地方主権という中でそこをどこまで縛りが掛けられるかということで、いろいろとやった結果、今こういう形に落ち着いているということでございます。
#229
○中西祐介君 これからの制度設計を改めてするということでございます。
 今回、発議者であります田村先生から、我が党のスタンスと、そしてこれから控除についての取扱いについて、御意見いただきたいと思います。
#230
○衆議院議員(田村憲久君) そもそも控除、年少扶養控除と児童手当を合わせて二・一兆円だったものが、今回、控除がなくなり、そして子ども手当から名前が児童手当になりました。しかし、全体として大体二・二兆円強ぐらいしかないんですよね、使っているお金が。ということは、ほとんど変わっていない。その中で中学生まで範囲広がっちゃっていますから、全体としてはかなり薄まっているというように考えた方がいいんだと思うんです。
 我々自民党は、そもそもこの控除というものは必要だと、家族の形態というものを非常に大切にしていこうと、こういう考え方でございますので、年少扶養控除を是非とも復活をさせていただきたい、このように思っております。
#231
○中西祐介君 まさにそういう、私も同感であります。そして、働く世代、経営者の世代はまさに控除がなくて現金を給付する、この在り方はおかしいというふうに感じております。是非そのように進めていただきたい。そして、今考えているのは、若い世代に、ポケットに手を突っ込まない、まさにこれはその一例じゃないかなというふうな印象を持たれますよ。納得して税金を納められるように、若い世代に対してメッセージングを、そして制度設計をお願いしたいというふうに思います。
 もう一つ、仕組みが十分理解をされていないと私が感じる部分があります。それは待機児童の対策についてであります。
 この分野について、まず厚労大臣から待機児童の数とその年齢の内訳について伺いたいと思います。
#232
○国務大臣(小宮山洋子君) 直近の平成二十三年四月現在の保育所の待機児童の数は二万五千五百五十六人です。年齢別の内訳は、ゼロ歳児が三千五百六十人、一、二歳児が一万七千五百四十九人、三歳児以上が四千四百四十七人となっています。
#233
○中西祐介君 圧倒的に三歳未満の方々が多いということはこれまでの議論でも明白であります。
 その中で、政府がそもそも政府案として出してきた総合こども園、これが修正によって取り下げました。その大きな主要因としてどういうものが挙げられるのか、自民党の田村先生に伺います。
#234
○衆議院議員(田村憲久君) 今回、総合こども園から認定こども園を改正するという形に変えたわけでありますけれども、まず一点は、学校教育施設でありながら株式会社がこれに参入してくるという総合こども園には我々はよしとしないというふうな考え方であります。
 それからもう一つは、児童教育、幼児教育、これは学校施設になれば幼児教育が良くなるというわけではないんですね。保育所に全て総合こども園を元々は義務付けておりました。これは、学校施設にすれば幼児教育良くなるというような、そういう錯覚をつくるような、そんな話でございまして、そもそも学校施設に保育所をする、それ自体、いろんな手間等々、混乱が生じるであろうと。
 それならば、今ほど来ずっと私申し上げてきておるんですけれども、保育指針と教育要領を、これを内容をずっと一致してきているわけでありますから、まずそこで保育所の教育というもの、幼児教育というものを質を上げていくということが大切であろうと、それをやるべきであろうということで、総合こども園というものに対して我々はノーというふうに言ってきたわけであります。
#235
○中西祐介君 これは厚労大臣に伺いたいと思います。
 今、田村先生からのお話がありました。まさに幼児教育の部分をしっかりと強化をしながら保育の部分を手厚くするというふうな観点であります。まず、施策を進めるに当たって、全体像を把握しなければ具体的な方策が打てないというふうに考えております。
 今、待機児童二万五千数人というふうに大臣おっしゃっていただきました。今、潜在的に入所したいと思っている、そういうニーズがある世帯の全体像というのはどれぐらいになりますか。
#236
○国務大臣(小宮山洋子君) それは、全体像どれぐらいというのはなかなか難しいと思います。ただ、今、女性で実際に働いている方よりも、潜在就業率という、本当は働きたいと思っている方がヨーロッパの国と同じように八五%以上というようなデータもございますので、そこからいたしますと、ちょっと確かな数字は申し上げられませんが、かなり多くのものが必要だと思われます。
 それと併せて、親が働いているかどうかにかかわらず、就学前の全ての子供に質の良い学校教育と保育をすると、そのことが必要だというふうに考えています。
#237
○中西祐介君 今、言葉でいろいろとおっしゃっていただきましたが、具体的にどれぐらいの総量があるかどうか把握をしていないと、これからどれだけの予算を付けてどういう方針を打ち出していいかどうかというのは道筋不十分だと言えませんか。これは調査をしっかり行わなければいけない。
 以前、厚生労働省が全国の潜在的にニーズを持っている待機児童の数を調査をいたしました。それは何年、それは御存じですか。
#238
○国務大臣(小宮山洋子君) 子ども・子育てビジョンに基づいて三歳未満の子供の保育利用率を平成二十九年度末までに四四%をするということを、こういうめどを定めたものがそのおっしゃった基になる調査だったのかというふうに思いますが。
#239
○中西祐介君 具体的に申し上げますと、〇八年、そして〇九年にわたって全国の待機児童の潜在的なニーズを調査したというデータがあります。その中で数が、具体的な数字が出ておりますが、八十五万人、全国で、これからもしチャンスがあれば入所させたい、そういう親御さんがいるというふうなデータがあります。まさに、民主党内閣になってから一度も調査が行われていないということは、それから待機児童の潜在部分についてしっかりと手当てを図ろうとしていない、まさにその大きな一端がここにあるのではないかなというふうに思っております。
 この待機児童八十五万人が今入所したいとなると、どれぐらいの予算が必要で、どれだけの施設をつくらなければいけないか、大臣、すぐ思い浮かびますか。
#240
○国務大臣(小宮山洋子君) ストレートなお答えにならなければ申し訳ございませんけれども、今回、新しい仕組みの中で、ニーズをしっかりつかまえるために、これまでは市町村の窓口で、財政事情とかいろんな事情で、本当は申込みを受けなきゃいけないのにもう入れないからというので受けていない、裁量ではねている潜在ニーズがあると。今回は必ずそれをしっかりと、認可とその必要度を認めるということではなくて、必要な人には必ずそれに見合うだけの施設をつくれるような計画を作って、それに財政支援をするという形を取りたいと思っていますので、これから各市町村の窓口でそうしたニーズを把握した上で、今回のこの仕組みが始まるまでの間に計画をそれに合わせて作っていただくと。それに必要な財源を、当面は〇・七兆円ですけれども、三党の合意で一兆円超ということもいただいていますので、当面のところ、五%上げさせていただくところまでの間にはそういう形での対応をしていきたいというふうに思っています。
#241
○中西祐介君 長々とお話をいただきましたが、残念ながら具体的なメッセージとしては伝わってきません。
 今回の三党合意の中で、こうした潜在的なニーズにこたえるために、まず保育所に入所したいというふうなことをしっかりと受け止める、そのための制度改正を自民党、公明党主体に盛り込んでいただいたと思います。その改正点をお示しください。
#242
○衆議院議員(田村憲久君) 改正点といいますか、三党合意の中で議論をさせていただいたのは、指定制なるものが初めありました。これは、客観基準をクリアすれば株式会社であろうと参入を断れないという制度でありました。
 しかし、そもそも待機児童をちゃんと出さない限り、待機児童がなければ指定しなくてもいいという基準になっておりますので意味がないんですね。待機児童をどうやってちゃんとカウントできるかというところが一番のポイントでございますので、まず客観的な基準で、例えばこれぐらいの人口、子供がいればこれぐらいの待機児童がいてもおかしくないねというような、まずそういう数値を出す。ただし、それがそのまま待機児童になるかどうか分かりませんから、しっかりとニーズ調査をやって、その数字を合わせて、大体これぐらいはというような数字を出すべきではないかと。
 委員も御承知のとおり、大体毎年四月になると二万五千ぐらいまで減るんですよ。ところが、十月になると四万六千まで増えるんです。毎年五万ぐらいつくっているんですよね。子供の人口減っているんですよ。なぜこういう状況が起こるかというと、やはり自治体がお金の都合を見ながらその数字を出しているのでは、全部とは言いませんよ、そういうような疑いもあるわけでありまして、それならば、しっかりとした数字をまず出していただいて、そして、これを計画的に、五年なら五年計画でそれを全て解消していくというような、そんなやり方にしっかり予算を付けていくと。
 なお、今大臣が七千億円、この消費税の使い方をいろいろとおっしゃられましたけれども、我々は中身まで、使い方の中身までは合意をいたしておりません。保育士の処遇の改善等々も含めて、保育士がいなければこれは保育所はつくれませんから、しっかりとこの消費税が増税した部分においてはそういうところに充ててまいりたい、このように思っております。
#243
○中西祐介君 ありがとうございます。
 非常に建設的におっしゃっていただきましたが、今お話をいただいた中で、まさに毎年の計画の数と、そして実際にこの設備が整備された人数、言わばキャパがどれぐらい広がったのかということを今お示しをさせていただきました。
 まず、論点として、毎年五万人、これは民主党政権になってからですが、毎年五万人ずつ横並びで計画をしてきたこの意図は何ですか。
#244
○国務大臣(小宮山洋子君) これは、子ども・子育てビジョンを作ったときに、二十六年に向けて、それは必要な財源もちゃんと確保しなければなりませんから、その中でニーズとして要望されているものと財源との見合いで、可能な範囲、最大限増やしていくということで五万人という設定をしたと考えています。
#245
○中西祐介君 ありがとうございます。
 そしてもう一点、この受入れ予定の児童数と、そして実際全体として幾ら増えたかということも一緒にまとめさせていただきました。予算としては、これは民間の保育所の運営費でございますので、明らかに、この全体の数のうち試算のちょうど中段のところであります、うち私立のところが、二十一年は三万一千人、二十二年は四万一千人、こうして増えてきております。しかしながら、全体が増えない要因は何かというと、明らかに公立の保育所は大きな幅で減ってきているということであります。この理由について、大臣、お聞かせください。
#246
○国務大臣(小宮山洋子君) 御指摘いただいたように、民間の保育所運営費の算定に当たっては、予算で見込んでいるものに対してかなり増えている、ただ、公立のものについては一般財源化をされているので、その中で確実にどれだけが増えていくということがなかなかそれぞれの自治体自治体によって難しいということがあるのだというふうに思います。
#247
○中西祐介君 自治体の財政力によって難しいことになれば、日本の大多数の自治体はどんどん人がいなくなります。保護者は、施設があるところに対して移り住んだり職を求めたりして転々として動いております。そうした現状を考えると、自治体の財政力にこの責任を求めるのは非常にナンセンスであるし無責任だというふうに断言をしたい。そういう意味からすると、しっかりと自治体の基盤を強化させるために、民主党の原点は地方分権、一丁目一番地であったはずであります。それが進んでいないのが、まさに弱者である若い世代、子育て世代、そして子供を持つ世帯に負担が来ているというふうにしか言いようがありません。
 もういよいよ時間も参ってまいりました。今日は私が質問に立たせていただきましたが、ふだんから、フェイスブックやあるいは顔を合わせながら同世代の声をたくさんいただきました。一つ一つ紹介することはできませんが、質問が決まってから何百件とこのフェイスブックに対して直接のメッセージをいただいているところであります。今日も若い仲間がたくさん来ていただいておりますが、まさに我々の世代、政治家も少ない、あるいは政治に参画する機会も少ない、そうした中でしっかり今の子供たちを育てられる環境をつくるのが政治家の使命であると、このように信じてやみません。
 改めて、もう最後であります、総理大臣に、今一番総理が何を守りたいのか、総理の信念、政治家としての心意気をお伺いさせてください。
#248
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 先ほど来のそれぞれの担当大臣のお話で抜けていたことは、私どもも、例えば自公政権からやってきた安心こども基金、二十三年度の補正で千数百積み増したりとか等々、子ども・子育ての部分については、これはずっと力を入れてまいりました。
 特に、今回の一体改革はまさに全世代対応型であって、委員のような世代の皆さんが、やっぱり、受益と負担というお話ございましたけれども、これまでは給付は高齢者中心だった、でも給付も働き盛り、子育て世代にも光を当てていこうという話、負担においては、消費税という、特定の世代だけが重たい荷物をしょうという構図ではなくて、全てで助け合っていこうと、そういう精神の、まさに全世代対応型ということは、委員やそしてここのフェイスブックに出てくるような世代の皆さんのことを十分に念頭に入れた改革であるということを是非国民の皆様に御理解をいただきたいというふうに思っております。
#249
○中西祐介君 私が総理に求めたいのは、この一体改革、三党で知恵付けをしてしっかりとしたものにしたこの改革をしっかり法案で成立させるために、総理にまず民主党内を守っていただいて離党者が出ないようにしっかりと締めていただきたい、このように考えております。
 私にも守りたいものがあります。まさに今生きている世代、将来世代を語りたいけれども、今を大事にしないと将来がないわけであります。私は、我々世代が毎日生きがいを持って働ける、生きがいを持って子育てできる、そういうふうな使命をしっかりと大事に抱きながら政治を行っていきたいと思っております。しっかりと審議をこれからもよろしくお願いします。
#250
○高階恵美子君 日本を良くする自由民主党、高階恵美子です。
 これからの日本、少なくとも三十年間は人口減少、多死社会化の加速する大変な変化のときであります。一年当たりにしますと、生産年齢人口はおよそ八十一万人、そして年少人口もおよそ二十万人ずつ減っていく、合わせますと、この年代だけで三千万人以上も人口が減っていくと、こういう予測がされております。
 そういう中で、六十五歳以上人口は八百万人、このぐらい増えていくだろう、こういう中で、お財布の中身は増えないけれども支出が増えていく、こういう、決断をしなければならない、それが今だと思いますが、社会的な救済の道筋を守りながら経済成長していく、そのために今どういう決断ができるのか、冷静に議論に参加してまいりたい、そう思っております。
 初めに、厚労大臣に一体改革の全体観をお尋ねしたいと思っております。
 初めに、消費税率の引上げ前後の年齢階級別の一人当たりの給付額、これをお伺いしたいんです。
 総額ですと、現在は予算ベースでおよそ百九兆五千億、そして二〇一五年は百二十兆と、こういうふうに総額ですと分かりますね。ところが、ゼロ歳から十四歳、十五歳から三十九歳、四十歳から六十四歳、六十五歳から七十四歳、七十五歳以上、それぞれ社会保障といいましても制度ごとに給付の対象が限定されておりますし、これ相当年齢によって違うはずです。この五つの区分でいったときに、どういうふうに一人当たりの給付額、前後で変化するのか、お伺いします。
#251
○国務大臣(小宮山洋子君) 全体の社会保障の給付のうち、七〇%が高齢者向けで、子ども・子育て四%程度と、非常にそこに差があるということは御承知のとおりだと思います。
 今、年齢階層別、五つに分けてとおっしゃいましたけれども、三つに今ちょっと分けたものを手元に持っておりますが、二〇一二年度の一人当たりの給付費は、ゼロから十四歳でおよそ六十万円、十五から六十四歳でおよそ三十万円、六十五歳以上でおよそ二百四十万円です。
 一方、消費税率引上げ後の二〇一五年度の一人当たりの給付費、これはゼロから十四歳でおよそ七十万円で、十万円増えます。それから、十五から六十四歳でおよそ四十万円で、これも十万円増えます。六十五歳以上は一二年と同じ二百四十万円ということです。
#252
○高階恵美子君 平成十一年との大きな違い、これが高齢給付に加えて少子化対策の新しい屋台骨が立つということでしたから、今のようなことを国民の皆様は知りたいんだと思うんです。支出は増えるんですし、自分たちが本当に安心して未来を送れるんだろうか、救済が確保されるんだろうか、こういうことは大きな関心事だと思うんです。こういうことを共有していくこと、こういう取組、とても大事だと思いますが、もう一度、いかがでしょうか。
#253
○国務大臣(小宮山洋子君) 委員がおっしゃるとおりだと思います。
 こうした具体的なものも含めまして、なぜ今こういう形での改革が必要かということを、それは副総理を始め担当四大臣で全国回ってやっておりますけれども、なかなかこちらの考えていることが伝わっていないというのは今日の御審議の中でも御指摘をいただいているので、更にいろいろな形であらゆる知恵を使って、今のデータも含めて必要なことを皆様に分かっていただくように伝えていくことに全力を挙げたいというふうに思います。
#254
○高階恵美子君 推進法案のこの基本方針について続いて質問してまいりたいと思います。
 これまで経費のかさむところに特化した形で議論進んでおります。ところが、その一方で、重要な社会資源としての人々の健康づくり、こうしたところの議論がおろそかになっているのではないかなと、そう思います。社会保険、社会福祉、そして地域保健、公衆衛生、公的扶助、こういう社会保障の制度の骨格ですね、こういうもの全体を見渡しますと、地域保健、公衆衛生という分野は、これ目立たない分野ですけれども、実は転ばぬ先のつえ、そして自然環境の中でいえば防災・減災対策であります。
 推進法案では、こういう大切な分野が医療保険制度改革の一環として第六条第一号にちょっと触れられただけでありまして、次代に対応できる新たな社会保障制度づくりに踏み出すというには少し足腰が弱いという印象があります。
 加齢に伴う変化に私どもはあらがいようがありませんけれども、健康については、他に与えられるものじゃなくて自ら努力して勝ち取っていく、そういうこともできる分野であります。また、健康というのは、個人、家族、社会が共に豊かに発展していくための大切な財産でもあります。したがって、改革では、従来の保健衛生の枠組み、こういうものを踏襲するだけじゃなくて、少し踏み込んで、特に若い世代に有益な健康習慣の獲得あるいは検診機会の拡充といったこれから強化すべき戦略を新たに取り入れた、より積極的な健康政策の推進を目指すべきではないかと思います。
 この特別委員会の最初の総括質疑のときにも、総理大臣が自ら、三党合意の枠組みにとらわれないで必要なことはやるんだと、そういう発言がございました。女性の厚生労働大臣でもございますし、より健康づくりに関しては関心が高いと思います。しかるべき提案をいただけた方がいいんではないかなと思いますが、この辺り、健康づくりあるいは公衆衛生、地域保健、こういうところに関する取組についてどのようなお立場で取り組もうとなさっておられますでしょうか。
#255
○国務大臣(小宮山洋子君) 委員から専門の御立場の御経験も基にしてそういうお話をいただいて、私もそのおっしゃるとおりだというふうに思います。
 健康寿命を延ばすということ、予防に一層力を入れるということは、一人一人の生活の質を上げるということに加えて、もちろん医療費などを削減することにもつながりますし、今までそこのところが余り重視をされていないように少なくとも見えていたということに対しては、しっかりとした取組が必要だと思っています。
 この度作成いたしました第二次の健康日本21、これの中でも、生活習慣病の発症予防、それから重症化の予防の徹底、これは基本的な方向の一つとして位置付けていまして、健康づくりのために生活習慣の改善を進めていくことにしていますが、今お話にありました若い人たちに向けても、もっとその検診の必要性とか予防接種も含めたいろいろな予防のための必要性を若い人たちにももっと徹底をしてということもそのとおりだと思いますので、また必要があれば文部科学省とも連携をしながら若い人たちへのそうした取組についても力を入れていきたいと思いますので、またお知恵もいただければと思います。
#256
○高階恵美子君 財政も維持しなければならないんですけれども、国民の健康水準が破綻する、あるいはこれが低下する、その後に何とかしようと思ってもこれ大変時間も掛かりますし、大きな損失でありますので、少し踏み込んで健康づくりをみんなで進めていく、そうすることによって効果的に抑制策を働かせて、いずれは健康で幸せな暮らしを実現していくようになろうと、こういうことをみんなで力を合わせて進んでいきたいというふうに思います。
 さて、国民会議の体制、持ち方について総理にお伺いしたいと思います。
 第九条に規定された国民会議においては、方向性の議論、これはもとより、大局的な方策等の立て方について合意形成をする、そういう超党派の合議体と理解しておりますが、それでよろしいでしょうか。
 第四条には、一年以内に社会保障制度改革の法的基盤整備を行うとされていますから、この点についての実質的な協議期間も非常に限られていると、こう思います。かなりの頻度で濃密な議論を重ねないといけない、そうしますと盤石な体制を整えていただかなければなりません。トップとなる総理にその腹積もりをお伺いいたします。
#257
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 国民会議においては、改革推進法案に盛り込まれました基本方針に基づいて審議をし、必要な法制上の措置については、今委員御指摘のように法施行後一年以内に審議の結果等を踏まえて講ずることとされております。
 この国民会議の委員については、二十人以内をもって組織すること、優れた識見を有する者のうちから総理が任命することなどが規定をされており、さらに事務局を置くこととされています。改革推進法案の成立後、法律に基づき委員の人選や事務局の設置などを行い、速やかに開催できるよう準備を進める必要があると考えています。
 また、改革推進法案においては、委員は国会議員を兼ねることを妨げないとなっておりますが、委員の構成については、そもそも国会議員を委員に任命するかどうか、任命する場合は、具体的に何人、どういう政党の枠組みで選んでいくのか等々、今後の検討課題だと思います。大事な検討課題だと思っています。
 具体的な今申し上げた人選であるとか体制について、あるいは今御心配をいただきました会議の開催頻度などの運営方法と併せまして、改革推進法案の規定に基づいて、また今回の参議院での法案審議等々も参考にしながら、また提案をされた三党の御意見も踏まえながら、しっかりと検討していきたいと考えております。
#258
○高階恵美子君 人選がすごく大変なんじゃないかなと率直に思います。二十人と申しましても、選ぶの大変ですね。それから、国会議員であることを妨げないということになりますから、配分のこともあると思います。
 こういうことだけで時間が掛かると、あっという間に年が明けてしまうのではないか、こういうふうに思いますので、大体いつごろまでにスタートできそうだと目算ございますでしょうか。
#259
○内閣総理大臣(野田佳彦君) この大事な法案が成立をした後、速やかにそういう人選……(発言する者あり)速やかに解散じゃありません、速やかに人選等をですね、構成を皆さんと相談をしながら決めていきたいというふうに思います。
#260
○高階恵美子君 いずれにしても、国民会議一年で解消されるということになっておりますが、この中ではどうしてもクリアにできない、そういう課題もあると思います。
 長期的に議論を重ねる場として、何らかの手だて、組織を立ち上げるとか、そういう検討も必要じゃないかと思うんですが、発議者の見解はいかがでしょうか。鴨下先生、お伺いいたします。
#261
○衆議院議員(鴨下一郎君) 今先生からのお話でありますけれども、改革推進法の四条には、公的年金と医療保険と介護保険それから少子化対策、これの改革を行うための必要上の法制上の措置をするという、こういうようなことを決めているわけでありまして、おっしゃるように、あっという間に一年たつんだろうと思います。
 今総理からのお話にもあったように、この立ち上げすらももしかすると三党の中の協議がなかなか調わない可能性もありますので、これは我々、三党合意をした人間たちも責任持ってやらなければいけませんけれども、できるだけ早くそれを立ち上げ、なおかつ成果を上げると、こういうようなことが条件にはなるわけでありますが、加えまして、先生おっしゃるように、これから中長期的な問題、特に今おっしゃっていた予防だとかこういうような問題も含めた医療、介護、こういうようなことまでやるとなりますと、一年では足らないかも分かりません。
 ですから、その後にこの三党の枠組みでやるかどうかというのは選挙が終わってみないと分かりませんけれども、少なくとも社会保障全体については、政治状況がどう変わろうとも安定的な制度をつくっていく、これは政治全体の責任だと、こういうふうに思っておりますので、先生の御発案のようなことをみんなでやらなければいけないなと、こういうふうに思っております。
#262
○高階恵美子君 まさしく社会保障というのは貧困の予防、救済、これで国民生活の安定化を図ろうというものですから、不断の努力が必要だというふうに思います。共通の課題だというふうに思います。
 そして、改革に当たっては国民的な議論が必要な課題もあると思います。例えば、人生の最終段階どう送るのか、これは避け難いテーマです。
 地域に参りますと、御高齢の方々によく言われることがあるんですね。我が身の最期までは見通せる、だけれども、あなた方働く世代の人たちの将来までは分からぬよと、こう言われるんです。面倒を見る人がいないんじゃない、だからしっかり今考えなさいと、こういうふうにおっしゃられます。これこそが私たち現役世代に共通の課題でありまして、その対応策を整えること、これが実際に次世代の負担を軽減していくことにもつながります。閉鎖的な空間でベッド数の計算を繰り返すだけでは展望が開けないと、こういうふうに思います。
 国民的議論が求められるテーマの取扱いについて、小宮山大臣はどういった立場で取り組まれるでしょうか。
#263
○国務大臣(小宮山洋子君) やはり住み慣れた地域で生涯を過ごしたいという方がいろいろアンケートなどを取っても多いわけですね、七割から八割ぐらいの方が自宅かあるいはケア付き住宅などで過ごしたいと。そうした希望をかなえるために、今、地域包括ケアシステムをつくって、何とか在宅医療、在宅介護を支えられるようにしたいと。
 今、二〇二五年を目指して、どういう職種の人がどれだけ必要というようなことを、今そういうことを挙げて取り組んでいるところなんですけれども、その中で、恐らくおっしゃるのは、そこで最期まで過ごしてみとりをどうするかというようなこともあるかと思います。
 このために、人材育成とか基盤整備などの取組を支援するための予算を計上すること、また医療計画への在宅医療の記載の充実の必要性、これを各都道府県が作りますので、そこに提示をするということ、また、診療報酬、介護報酬の同時改定での重点的な評価など、施策をとにかく総動員をいたしまして、施策には法改正とそれから診療報酬と予算措置とあると思いますけれども、それを組み合わせる中で何とか在宅医療、在宅介護を充実をさせて、最期のみとりのところまで希望される方は御自宅で過ごせるようにということに取り組んでいきたいというふうに考えています。
#264
○高階恵美子君 いろいろ制度をつくるのも大事なんですけれども、それが実際に第一線でどう動いていくか、これによって利用する一人一人が安心感を持ってそのサービスを享受するということがやっとできるようになるわけです。そういう意味では、多くの方々にこの議論に参加をしていただく、こういう土壌をしっかりとつくっていくことも大切なことだというふうに思います。
 それでは、続きまして、子育て関連法案に移りたいと思いますが、子育て関連法案に関しては、今般の新しい制度の導入によって就学前の親子が不利益を被ることのないような万全の備えを約束いただきたいと、こう思います。
 一つ目は、事業計画の策定や給付、認定等の仕組みの整備、そして相談、調整の実務など、特に市町村において生じる業務、これを円滑に進めるための体制整備支援であります。二つ目は、地域内の保育機能拠点として、豊かな保育経験を生かした家庭的な保育環境が十分に行き渡るようなメニューの拡充。そして三つ目は、それを支える保育、教育の実践者たちの確実な配置確保であります。
 この三点は何としても実現しなければなりません。自治体に丸投げでは充当できない、こういうふうに考えますが、国としての責任あるかかわりについて、その姿勢について、これは自民の提出者の方にお願いをしたいと思います。
#265
○衆議院議員(田村憲久君) 国の関与というものが地方が実施主体となる中で薄れて、結果的に丸投げみたいな形になるのは非常に不安だというような、そういう御意見かというふうに思いますが、一つは、もう御承知のとおり、財源という意味では今回しっかりと確保して、今まで、例えば幼稚園はこれは給付の対象ではなかった、私学助成等々が中心であったのを給付の対象にいたしますので、そういう意味では、広く財源確保という意味で国の関与というものが深まったというふうに思います。
 それから、今回、子ども・子育て会議という組織を、法律にのっとって、これ常設の機関でこれをつくるということでございますから、これは初めての試みでございますので、ここでいろんな部分の基本指針というものを作ります。その中で、先生が御不安な点、こういう部分もちゃんと解消できるようにちゃんとした指針を作っていく。あわせて、先ほど申し上げましたが、待機児童をしっかり把握するという意味では待機児童のカウントの仕方、これもこの基本指針の中でしっかりと示して、各自治体にある程度共通の方向性の下で、正しい待機児童といいますか正確な待機児童をカウントできるようにすべきである、このように思っております。
 一点、保育所に限って申し上げれば、実は、政府案では保育所の実施義務といいますか、これが自治体から離れたんではないかというような、そういう御指摘がございました。そこで、この修正の中で、やはり市町村が保育の必要な場合には子供たちに保育を実施するという形でこれは実施義務をしっかり掛けましたので、そういう意味では、今地方に権限を渡し過ぎという話はありますけれども、更に一歩進んで、政府案は、民民で利用者とそれから一方で施設側とが直接契約の中でいろんな不祥事が生じる可能性がありますので、そこはしっかりと自治体が担保すると、これは国としてそういうことを義務付けておりますので、そういう意味では、決して市町村に、何といいますか、丸投げしているというわけではないというふうに我々は思っております。
#266
○高階恵美子君 今のお答えにもございましたけれども、民民の関係で利用調整をしていくとか、利用する側は希望をしっかり言い、そして、ここがふさわしいんじゃないかということで必要なものを担保していく、こういう関係が健全に動いていくためには、やはり両者の、お互いの、何というんでしょうか、やり取りですね、こういうことが確実に行われるような環境がやっぱり必要なんじゃないかというふうに思います。どうしても市町村における窓口の業務というのも大変になると思うので、そういったところへの配慮を是非お願いしたいなという思いであります。
 さて、少しお金のことが心配になってまいります。財務大臣からは三月の予算委員会のときに、こうした分野、財源の確保について最後までやり通すと、こういった答弁をいただきました。その方針に変更はございませんでしょうか、確認したいと思うんです。
 特に保育士の確保について、厚生労働大臣はその同じ予算委員会の中で、資格を持ちながら働いていない人が大勢いるので大丈夫、こういったような答弁、見解をお示しでした。
 二十日の政府答弁、この委員会の答弁では、保育士等およそ一万人の増員目標の上乗せ、それからそれに要する五百億円規模の新たな経費投入、そして就業中の職員の処遇改善、保育需要増に対応する更なる機能強化、こういった具体的な方針も説明されたところであります。
 ところが、ずっとこの間の議論にございますとおり、こうした点については予算の裏付けが確約されているわけではありませんし、財務大臣、是非確認を申し上げたいと思います。
#267
○国務大臣(安住淳君) 今回は、まず消費税の引上げにより子育て支援の充実には七千億円の財源を確保しており、待機児童の解消など保育等の量の拡大に四千億円、それから保育等の質の改善に三千億円ということになっておりますが、今委員御指摘の話は、この三千億円の中でも、保育士の処遇の改善等について、財源の確保をここからしっかりやるようにというお話だったと思います。
 厚労省の方からいろいろ今検討を内閣府としていただいておりますけれども、この三千億円の中で最も充実をしていただいて、人材の確保ですね、人件費を含めた、それからこの人件費が少し安いのではないかというふうな御指摘もありますから、こうしたものに充当するこの財源のことについては厚労省と内閣府と十分お話合いをさせていただきまして、できるだけその要望に見合うような財源を必ず確保していきたいというふうに思っております。
#268
○高階恵美子君 厚生労働省が平成二十一年度に行った需給調査では、二十九年度末に全国で七万四千人の保育士不足が生じる、こうした推計結果が出されていますね。
 必要数を配置するためにこの度増員される一万人と合わせると、ちょっと三千億では足りない、四千億でも足りないんじゃないかなと、そう思うんですね。まずは二〇一五年までの一兆円超の手当てが先行されて、不足する三千億も確保できたと仮定しても、全部それ投入しても足りないんじゃないかしらと、こういうふうに思ったりするわけなんですけど。
 マンパワーのことも問題ですが、一方で労働環境のことも考えなければならなくて、保育の仕事は好きだけれども、処遇は悪いし、地域の実情によっては早朝、夜間の過酷な勤務が増えている、こうした例もありまして、そもそも働き続けることが難しいという現場の声があります、若い女性が多いですから。私たち看護職が悩み続けてきたのと同じように、こういう劣悪な労働環境を確実に変えることができなければ必要数の確保というのは難しいと思うんです。
 この辺りのことも念頭に入れてお答えをいただけておりますでしょうか。
#269
○国務大臣(安住淳君) 具体の話は、もし必要であれば厚労大臣からお話をいただきますが、今お話しのように、例えば開所時間を長くした場合のマンパワーの確保というものについても財源的措置もしていきたいというふうに思っております。それから、研修等の機会もやっぱり増えてくるだろうということで、こうしたところへの、じゃ職員のカバーをするだけの体制、こうしたことも今厚労省や内閣府で検討をしていただいているというふうに思っております。
 このほかにも、これは検討事項としては、例えば低所得者の利用者の方々への負担の軽減をどうするかといった課題等もありますから、職場全体の改善と言うとアバウトに聞こえるかもしれませんが、人件費の確保とか、また更に言えばマンパワーの充実、それから利用者の方々への負担の軽減等、様々な角度から、このお預かりした消費税の貴重な財源を使ってそこの部分の保育士の皆様の職場環境の充実等を図っていきたいと思っております。
#270
○高階恵美子君 空手形にならないようにお願いをしたいというふうに思いますが、家庭的保育事業への期待というのも大きいわけです。どういうふうにしてメニュー開発するのか、お伺いをしたいと思います。
 少子化の背景には、生まれにくい、育てにくいという理由が包含されています。私たちのこの国は、一九七四年にTFR、合計特殊出生率が二・一を切りました。そして、九四年からは一・五を割り込んでいます。エンゼルプラン、新エンゼルプラン、そして少子化対策といろいろ取組はしてきていますけれども、これまでのところ芳しい成果がどうも上がっているとは言い難いと、こう思います。
 こうした政策効果の出にくい分野、これについては、その立案のプロセスを見直して改めてニーズ分析を適切に行って、その上で効果的な政策を取り入れる、こういう軌道修正する仕組みを強化すべきではないでしょうか。
 推進法案では、第八条に、少子化対策を総合的に実施していく必要があるとされました。少子化の要因を取り除き、命を授かり育む機能を強化するためには、妊娠や出産に関する基本的な理解、男女の人生設計、命を迎えようとする意思の醸成、健全な家計運営、そして適切な養育環境の確保など、子育ち、親育ち、家族育ちという観点から幅広く吟味をした上で有効な手だてを講じていかなければなりません。
 少子化対策全般にわたる小宮山大臣の見解をお伺いいたします。
#271
○国務大臣(小宮山洋子君) やはり少子化対策、子ども・子育て支援ということについては、もちろん、生まれてきた子供たちがしっかり育つような環境をつくると同時に、やはり多くの方が子供を持ちたいという希望、また、仕事をしながら自分らしく生きたいという、そういう希望が両立するように、いろんな施策を進めなければいけないというふうに思っています。
 そういう意味では、それぞれ御家庭にいらして子育てをしたいという方にはそのための子育て支援が必要ですし、仕事をしながら育てたい方、一定の育児休業を取ってからまた再度仕事をしたいという方には働く場の環境整備も含めてそうしたことも必要ですし、ゼロ歳から預けて働かなければという方についてはそうした対応も必要なので、多様な選択ができるようにしていきたいというふうに思っています。
 そういう意味では、今回の中でも幼保連携型の認定こども園をベースにはしていますけれども、二十人未満の小規模保育とか、五人未満の家庭的保育とか、そうしたところも今回給付をしっかり付けて財政支援をし、またその質を確保するために、認定こども園とかそういう大きな施設の方でバックアップをするような仕組みもつくって、多様なニーズにこたえられるような形を取っていきたいというふうに考えています。
#272
○高階恵美子君 公共政策ですから、憶測とか希望的観測、こうやったらいいだろうというだろう運転では困ると思うんですね。
 少し、自民党が行っている子育て政策立案の例を紹介したいと思います。
 昨年全国調査をしまして、そこで得た一万四千五百三十九件の回答から、子育て中の男女の約三割が自分の子供を虐待してしまうのではないかという不安を感じているということが分かりました。そこで、こうした方々の虐待への不安を高める共通のリスク要因を分析したんですが、三つの要因が出てまいりました。一つは母親の孤立、二つ目は養育マンパワー不足、これは協力がなかなか得られないということです。三つ目は家計収入を支える就労と育児生活との不調和、この三点だったんです。このハイリスク状態にある方々が社会に対してどういった手助けを求めているのかを次に分析してまいりました。もちろん現行の政策についても吟味をした上で、最終的には実効性の高い政策を優先順位を付けて、党としての新たな政策ビジョンに盛り込んでいます。
 こうした手順を踏んで、科学的にも理屈に合うやり方で政策を立案していくべきではないのかなと、こう思っております。それでこそ現に苦しんでいる子育て世代を救うことになる、こういう手法が政策立案プロセスには必要と考えますが、自民党の提案者の方、いかがでしょうか。
#273
○衆議院議員(馳浩君) お答えいたします。
 我々、実は児童虐待防止法にもう十二年間取り組んでまいりましたが、最近で一番やっぱりショックだったのは大阪市の事件ですね。法律にのっとった対応を地元自治体、大阪市がちゃんとやっていってくだされば防げた事案であるのに、安全確認をしっかりやっていなかったり、要保護児童連絡協議会、対応がおざなりであったりして救い出せる子供の命を救い出すことができなかったと。
 したがって、今、高階委員おっしゃったように、今いろんなツールを利用することができます。この自民党の女性局が全国的に行われたものは、党の携帯サイトあるいはホームページ、そして党員の方々が戸別訪問したりして、一万六千件以上の事案を調査、そのアンケートを分析した上での効果的な政策立案をなさいました。私も党の児童虐待防止チームの座長をさせていただいておりますが、私の方は、逆に、地方自治体の市町村の議会に質問に立っていただいて、法律にのっとった対応がちゃんとされていますかということの確認をいただいて政策立案に結び付けるようにいたしました。
 行政の方にもやっぱりいろんな壁もあったり限度もあると思いますが、こういった形でダイレクトに子育て中の皆さんやそれを支えている地域の皆さん、企業の皆さんにやっぱりお声を伺った上で、それをやっぱり取りまとめていくという政策立案の手法も私は今後必要であるというふうに思っています。
#274
○高階恵美子君 まさしく双方向の政策立案とそれから必要な改善の実施だというふうに思います。
 最後に総理大臣にお伺いしたいんですが、今回の幼保連携型認定こども園では三大臣がかかわることになりますし、それから少子化対策基本政策のところには新たな特命大臣が置かれるということになります。役割再配分とか、どういった位置付けでこれらを動かすという予定になっているのか、ちょっとお答えいただけますか。
#275
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 新制度は、これまで制度的にも財源的にもばらばらに実施をされてまいりました子育て政策を一つの制度にまとめるものでございます。地域のニーズに対応可能な多様な施設、事業を用意した上で二重行政の解消を図ります。また、行政各部の統一を図る立場から内閣府が一元的な責任窓口等を担うことにし、子ども・子育て本部を設置をすることになります。改正後の認定こども園法と子ども・子育て支援法を所管させることで自治体、事業者、利用者にとってより分かりやすい仕組みにしたいと思いますし、さらに子ども・子育て支援を担当する内閣府特命担当大臣を必置にする、必ず置く、こういう構成で対応することになります。
#276
○委員長(高橋千秋君) 高階恵美子君、時間が参っております。
#277
○高階恵美子君 はい。
 一刻も早い国政の健全化のために力を合わせていけるように私どもも頑張ってまいりたいと思います。
 ありがとうございます。
#278
○山本香苗君 公明党の山本香苗です。どうぞよろしくお願い申し上げます。
 野田総理、我が党は社会保障と税の一体改革の三党合意に参加いたしました。参加した以上、曖昧なまま法律を成立させない、参議院での審議を通じて改革の中身を詰めていく、これが私たちの使命であると考えております。とはいえ、改革を進め、法案を成立をさせる一義的な責任は政府・与党にあります。三党合意があるからといって安心されることなく、しっかり答弁をしていただきたいと思いますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。
 まず、総理に伺います。
 民主党は、政権交代後に、先ほども話がありましたが、控除から手当へと、子ども手当の創設に合わせて、平成二十二年度税制改正におきまして、所得税だけではなくて、マニフェストにも書いていなかった住民税の年少扶養控除も廃止しました。その結果、この六月から子育て世帯の住民税が大幅に上がりました。
 三人のお子さんのいるある御家庭では、年収今年は四百十万円、去年は四百七万円。にもかかわらず、今年度の住民税は十四万三千七百円、昨年の二万六千七百円から十一万七千円アップです。子育て世帯を応援するといいながら、民主党政権になって子育て世帯の負担は更に大きくなった、こんなことでは安心して子育てができない、大変憤っておられました。
 また、昨日は、八丈島の三人の小学生のお子さんをお持ちの方からファクスが届きました。お話ししました。年少扶養控除廃止で子育て世帯は泣いています。昨年、八万四千六百円だった住民税が今年は十九万四千八百円になってしまいました。役場で聞いたところ、年少扶養控除廃止で、三十三万円掛ける三人で九十九万円見かけ上収入が増えたことになっているのでこの住民税の金額となっていますということでした。島では、御存じのとおり、いろんなことにお金が掛かります。お子さんが東京で遠征に行く場合、野球だとかバレーだとかは補助金が少し出るそうです。しかし、サッカーで行こうと思ったら補助金が出ないと。これで消費税が上がっていったらやっていけませんと。
 そのほかにも同様の御意見がもう本当に私たちの下に、電話もメールもフェイスブックもツイッターも等々、もう本当にたくさん寄せられています。また、地方議員の皆さん方からも、自治体の窓口にそういった問合せが殺到していると伺っております。
 総理は、こうした子育て世帯の声をどう受け止めておられますでしょうか。総理にお伺いします。
#279
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 子育てに今御奮闘されている、そういう世代の声を御紹介をいただきました。
 これからまたその議論詰めていくかというふうに思いますけれども、今回の社会保障の改革というのは、そうした世代の皆様にも光が当たるようにこの社会保障に全てこの消費税を充てていくということで、特に子ども・子育ての部分について、従来に比して相当前進をさせる内容の様々な事業が伸展するようにしているということ、それから、御負担をいただくものと給付として社会保障として還元されるものがあるということの御説明をしっかりしていかなければいけないと思いますし、年少扶養控除の廃止に当たりましては、これは税額に基づいて負担額などを設定しているほかの制度、幼稚園の就園奨励費補助であるとか保育所保育料など、子育て家庭の負担増が生じ得る、そういうことによってその影響をできるだけ少なくするための他の制度と、それから、徴収主体が適切な調整方式を採用していけるような様々な選択肢や留意事項も国として示してまいりました。
 さっき、八丈島の三人以上お子さんがいらっしゃるという御家庭もこれ対象になると思いますけれども、今、例えば幼稚園就園奨励費補助についても、負担増となるような三人以上のお子さんがいらっしゃる世帯を引き続き国庫補助対象とする方向でも検討しておりますので、そうしたきめ細やかな対応をこれからもしていきたいと考えております。
#280
○山本香苗君 結局、控除から手当へとおっしゃったんですが、実際そうなっていないんです。実質収入が減っている家庭があるわけです。年少扶養控除を廃止した平成二十二年の税制改正法案に我が党は反対いたしました。年少扶養控除の廃止の影響というのは、今総理もちょっと御説明されましたけれども、住民税アップにとどまらないで、幼稚園に通っているお子さんのいる御家庭からも、去年と収入は全く一緒なのに住民税の所得割が上がって幼稚園保育料の補助が減った、家計に大打撃だと、こういうお声もいただいているわけでございます。
 速やかに救済措置を講ずるべきだと考えますが、文科大臣、よろしくお願いいたします。
#281
○国務大臣(平野博文君) 山本議員にお答えいたします。
 今総理の方からも、そういうことについてはしっかりいろんな知恵を絞って対応するようにと、こういうことでございますが、文科省におきましては、今議員御指摘の、扶養控除廃止に伴う影響についてどうするんだと、こういうことでございます。
 今までは、負担軽減を図っていくという観点から、補助事業として幼稚園就園奨励費補助と、こういうことでやってございました。本事業は、保護者の住民税額に応じて補助をすると、こういうことでなっておりましたが、本年度から年少扶養控除廃止と、こういうことによって住民税額に変動が起こる、この起こることによって補助の対象範囲が変わるんだと、それによって、今先生御指摘のところだと思っております、保護者の負担増につながらないように、弾力的なやっぱり対応を含めてしっかりしていきたいと、かように思っています。
 ただ、この部分につきましては市町村が主体になっていると、こういうことでもございますので、市町村に、こういう場合についてはこうしますよ、こういうことで、補助対象を従前と同じ部分については補助対象にすると。こういう選択肢を含めて、いかに負担増にならないように知恵を絞って対応したいと、かように考えております。
#282
○山本香苗君 事前に分かっていたはずです。地方自治体に関係することだからこそ、早くやっていかなくちゃいけなかったわけなんです。現場は大混乱ですよ。いつされるんですか。
#283
○国務大臣(平野博文君) これは国会での御議論もございました。可及的速やかに対処したいと思います。
#284
○山本香苗君 非常に不十分な答弁だと思います。この場で実はやると言っていただきたかったわけなんですけれども、やると再度言っていただけませんか。
#285
○国務大臣(平野博文君) 今までの政党間、三党の中での合意でありますから、可及的速やかにやるということはやるということでございますので、御理解いただきたいと思います。
#286
○山本香苗君 もう実は、幼稚園にお子さんを通わせている保護者の方々はこの六月で上がるというお知らせを受けておられるわけですね。もう現場は混乱しているわけであります。
 三党合意では、扶養控除の在り方について引き続き各党で検討を進めることとなっております。子育て世帯、本当に、総理、怒っています。このままでは少子化に歯止めが掛かりません。年少扶養控除による子育て世帯への影響は本当に大きいんです。是非こうした子育て世帯の声を重く受け止めていただいて、民主党におかれましても是非この年少扶養控除について再検討していただきたいと思いますが、総理、総理にお伺いしたいと思います。
#287
○国務大臣(岡田克也君) この問題は、私、幹事長として三党間の協議ずっと携わってまいりました。
 いろんな議論はあったんです。我々は、ですからやはり、今の児童手当という名前になりましたが、もう少し所得の多いところについても手厚くやるべきではないかという御主張もさせていただきました。しかし、残念ながら所得制限がかなり深く入ったわけであります。その結果として、年少扶養控除と合わせた額がマイナスになる層がかなり出てきてしまったということだと思います。
 三党の中に確かに年少扶養控除についての見直しの議論もありましたから、それはそれで議論しなければなりませんが、そういう形がいいのか、それとも、もう少しそういった結果的に全体の所得が減ってしまった層に対して新しい児童手当を積み増す方がいいのか、そこも含めてやっぱり議論すべきだというふうに思っております。
#288
○山本香苗君 何らかの対応を考える、検討するということでよろしいですか、総理。
#289
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 特定のところが逆に御負担だけ増えている状況というのは好ましいとは思いません。三党合意に基づいて、この新児童手当といいますか、名称は児童手当にのっとってつくった制度でありますけれども、先ほどの副総理お話があったとおり、控除のところを見直すのか、その手当のところの厚みを増していくのかも含めて、もうちょっと丁寧に政党間の協議をする必要があると思いますし、我々も党内でよく議論していきたいというふうに思います。
#290
○山本香苗君 それでは、子ども・子育て三法案についてお伺いしますが、保育所に子供を預けるに当たっては、まず保護者が市町村の窓口に行って申し込んで、そして市町村が保育に欠ける児童かどうか判断して保育所を決めると、これが現状ですね。修正案におきましては、市町村に申し込んで市町村が保育所を決定すると、これは同じなんですけれども、その際に、市町村が客観的な要件に照らして保育が必要な児童と認定する手続というのが必要となっております。
 この新たな仕組みに変わることによって何がどう変わるのかと。既に保育所にお子さんを預けておられる方々、また、これから預けたいなと思っていらっしゃる方々に分かりやすく御説明いただけますか。
#291
○国務大臣(小宮山洋子君) これまで、保育所に入る子供たちの保育に欠ける要件をどうするのかというのは、もうずっと十年来あるいはそれ以前から議論をされていたところですけれども、これまでは保育に欠けるという判定と保育所へ入れるかどうかの決定が同時に行われるということだったので、さっき申し上げたように、地方の裁量によって受け入れる余裕がないときにはそれが受け入れられないという、しっかりと把握されていないという点がありました。
 今回は、保育に欠けるということに代わって、子ども・子育て支援法に基づいて、入所判定とは独立した手続として、市町村が申請のあった保護者に対して客観的な基準に基づいて保育の必要性を認定をするということになりました。これによって、これまでどうせ受け入れてもらえないという諦めていた方も含めて、潜在的な需要が従来よりもかなり正確に把握できることになると思います。それで、保育所、認定こども園、地域型保育事業など、計画的にその需要に見合ったものを整備をし、それに対して財政支援をきちんとするというような仕組みになります。
 また、新制度では、認可外保育施設を利用している場合を含めまして、その保育の必要性の認定の際に、保護者の就労時間に応じた保育の認定、また優先順位、一人親家庭とかそうした有無、それから所得に応じた利用者負担の額の認定を行うことにしていますので、今までの窓口の負担が大きくなるというお声もありますけれども、今までやっていたことと負担はそんなに変わらないで正確に把握ができるようになる仕組み、それをしっかりとつくっていきたいというふうに思っています。
#292
○山本香苗君 とにかく今預けていらっしゃる保護者の方々にも余り負担にならないような形でやっていただきたいと思うんですが、市町村が客観的に保育が必要な児童と認定する際の要件というのは具体的に何ですか。
#293
○国務大臣(小宮山洋子君) 具体的な基準の内容は、基本的には今と同じです。例えば、就労、フルタイムかパートタイムか夜間の就労かなどという就労、それから保護者の疾病、障害、産前産後、それから同居親族の介護ですとか、災害復旧、求職活動、就学などを規定しています。それ以外にも市町村が地域の実情に応じて認定できるような仕組みにしたいと思っています。
 ただ、現在の認定基準で定めている同居親族などが保育できない場合という条件は外す又は必要度を低くする、こうしたことについては制度の施行までに詳細に検討をしていきたいと思っていまして、今後、子ども・子育て会議の場で議論を詰めて具体的に対応していきたいと思っています。
#294
○山本香苗君 市町村によっては、障害や虐待のおそれがある場合に、保護者に就労誓約書などを提出させてわざわざ求職扱いにしたり、家庭内労働をしているという形に申告をしてもらって保育所に入れているというような実態もあるわけなんですね。要するに、この特別な事情がある場合の児童というのも保育の必要な児童と私は国の要件としてしっかり位置付けるべきだと考えているんですが、どうでしょうか。
#295
○国務大臣(小宮山洋子君) それは、そういうことを入れることも含めまして、制度施行までの間に子ども・子育て会議で検討をしたいと思います。委員の御意見も承りました。
#296
○山本香苗君 今回の新たな仕組みを入れることによって、保育を必要とするお子さんに例外なく保育が受けられる権利が付与されると。大きい変換なわけなんですね。欠けるがただ単に必要なになるだけじゃなくて、大きい、大転換なわけですけれども、これを、ただ単に言葉面じゃなくて、実現する仕組みがなければ絵にかいたもちになってしまうわけです。
 政府案では、これまで市町村に課せられていた保育の実施義務というものを削除することになっていましたけれども、修正案におきましては、ここをちゃんと引き続き保育の実施義務を市町村が担うという形にした上で、更に保育を必要とする子供の数に見合う保育所を整備しなくちゃいけないと、そういう義務を市町村に課しています。
 ただ、幾ら市町村に法律上厳しい義務を課したとしても、保育を必要とする児童というのは次から次へと出てくる、そして保育所をつくってもつくっても対応が追い付かないと、こういう事態は容易に想像できるわけですが、ここで修正案ではどういう仕組みを新たに導入することになったのか、修正案提出者の池坊保子衆議院議員にお伺いいたします。
#297
○衆議院議員(池坊保子君) 委員がおっしゃいますように、財政的な仕組みがなかったら絵にかいたもち、実行されることはございません。
 私たちは、今までの政府案の指定制度から認可制度にいたしました。今まで認可されて当然なところも、市町村のお金がないために、基準を満たしながら認可されていないところもございました。今度は法律でしっかりと明記し、客観的な基準を満たしているならば、これは認可しなければなりません。
 そしてまた、今まで財政的支援がなかった例えば小規模保育。大都会は保育所をしようにも土地がありません。あるいは、過疎では人が集まらない。こういう十九人以下のところでも、それぞれの事情に応じてきっちりした基準を満たしていたならば、これはちゃんと支援されます。また、保育士が自宅にやってきてちゃんと子供を見る、こういう家にいる訪問型保育。そして三つ目は事業所の保育です。これは、事業所に勤めていらっしゃる方だけでなくて、地域の方々も入って、しっかりと、これは地域型保育給付として安定的、恒常的に支援することによって待機児童というものが解消されるというふうに考えております。
 私どもは、山本香苗議員と御一緒に議員立法をいたしましたときにも、少子化対策の第一次的な要件は児童の最善の利益を優先すること、そしてお子様方を楽しくちゃんとした育ち方ができるような環境整備をすること、このことを心掛けてきたと私は自負しております。そういう意味では、質の確保もきっちりと、今まで保育所の中に相談の窓口、専業主婦の方もいろんな悩みを抱えていらっしゃるのです。母と子がいつも一緒にいればそれで幸せというものではありません。そういう方々の相談窓口を今度は幼稚園の中にも置きたいということでこのような支援も入れておりますので、きめ細やかな私どもは対策をしていると自負して、国民の方にも理解していただけたらと思っております。
#298
○山本香苗君 御丁寧な答弁、ありがとうございました。
 今御説明いただきましたとおり、修正案に二つポイントがございます。まず一つが、保育に関する認可制度の改善です。今までも、たとえ認可基準を満たしていたけれども、認可されるかどうか分からなかったと。地方の裁量に任されていた。そのために、もう何十年も保育の現場でやってきたけれども認可されないんだ、そういった声を関係者の方々、よく伺いました。
 なぜこうしたことが起きるのかというと、今、池坊衆議院議員もおっしゃっていただきましたが、認可すると、国が二分の一、都道府県四分の一、市町村四分の一、この施設の運営費に対して補助金出さなくちゃいけなくなる。そうなると、保育所を認可すればするほど地方自治体の財政事情が厳しくなってしまうと。そのために、これまで待機児童がいたとしても、基準を満たしていたとしても認可しない、ある自治体においては認可申請すら受け付けないと、そういう事態が生じていたわけでございます。
 そこで、修正案でこうした事態が起きないように法律を改正して、基準が満たしていれば認可しなければならないというふうにしたわけですが、まずここで大事なのは、地方自治体の皆さん方にこの趣旨をよく理解していただかなくてはなりません。また、財源が確保されていなければ、地方自治体はそう簡単に認可しないんですよ。
 小宮山大臣は先ほどの答弁の中でもちゃんと地方自治体に財政支援しますと答弁されておられましたけれども、本当に、地方自治体がお金がないからとか、そういうお金の心配で認可しないなんということはあり得ないんですね。
#299
○国務大臣(小宮山洋子君) 今回、消費税を五%上げさせていただく中で、〇・七兆円はこの子ども・子育て支援に充てる、それで量的拡大が〇・四兆円、そして質的に〇・三兆円、それに加えて一兆円超えてというところまで三党で合意をしていただいて、いろいろ三党合意の中にも、それから附則にも書き込んでいただきましたので、その財源を確保をして、しっかりと施設にその財政支援が行くような形を取っていきたいというふうに考えています。
#300
○山本香苗君 きちんと確保してあるということなんですけど、認可保育所への先ほど申し上げた運営費補助金というのは国の保育単価によって決められていて、実際の保育所運営なんか全然足りないわけです。多くの自治体は補填しているわけです。また、自治体によっては独自の基準を設けて、低所得者に配慮したきめ細やかな保育料設定をしているわけです。こうした自治体の負担というものも十分考慮したものになっているんでしょうか。
#301
○国務大臣(小宮山洋子君) 今回この仕組みを導入するに当たっても、何度もお話ししているように、内閣府にワーキングチームをつくって、自治体の方たちにも入っていただく中で御議論いただきました。これから施行に向けて更に、現場は市町村になるわけですから、市町村の皆様の声もしっかりと聞きながら、そこは丁寧に対応ができるようにしていきたいというふうに思います。
#302
○山本香苗君 後で違ったということにならないようにしていただきたいと思いますが。
 今日の審議の中でも出てきました。認可に当たっては保育士の配置基準というものがあるわけです。都市部の保育士不足というのはもう深刻な問題です。つい先日も日経新聞で、「都市部の待機児童、解消したいが… 保育士確保追いつかず」と大見出しの記事が出ておりました。現行の認可保育所と全く同様の基準が求められた場合に、例えば東京都の認証保育所の半数以上は基準を満たすことができないと伺っています。東京だけじゃありません。埼玉、神奈川でも同様なことが起きます。
 もちろん、保育の質、子供の安全の確保は大事であります。ないがしろにできません。しかし、東京都など自治体独自の認定制度が待機児童対策として現在大きな役割を担っている、果たしていることを考慮して、待機児童が多数存在する都市部においては臨時的かつ特例的に認可の弾力的な運用というものを認めるべきではないかと考えますが、いかがでしょうか。
#303
○国務大臣(小宮山洋子君) 現在も、待機児ゼロの先取りプロジェクトなどで先駆的な取組をされている自治体からお声を聞いて、子供の安全にかかわらないところの規制をなくしたりとか、いろんな対応をしてきています。質の面とそこの基準、弾力的にするというのは非常に悩ましいところで、更に考えなきゃいけないというふうに思っていますが、御指摘の横浜市の横浜保育室とか東京の認証保育所など、こうしたところがニーズに大いにこたえていただいている施設だということは私どももよく承知をしています。
 ですから、新しい制度の中では認可制を前提としながら、地方単独の事業でも認可基準を満たしていれば当然施設型給付の対象になりますし、何とかその基準に到達していただけるように、いろいろ地方の現場ともお話をしながら、可能な限り必要な支援を国としてもしていきたいというのがこの時点でできるお答えでございます。
#304
○山本香苗君 現場で混乱が起きないようにしていただきたいと思います。
 修正案の二つ目のポイントは、先ほど池坊衆議院議員からも御説明していただいたように、小規模保育等、地域型保育給付制度の導入ですね。ここで待機児童、特に〇―二歳のところの待機児童解消の鍵を握っていると思っておりますし、また、ある政令市では五百人の障害のあるお子さんが待機している、五歳になっても待機していると、そういう実態があると伺いました。小規模保育だとかお宅まで保育士を派遣する居宅訪問型保育だとか家庭的保育などが増えれば、こうしたお子さんにもきめ細やかに対応できるんじゃないかなと思っておりますけれども、聞くところによりますと、そういうお子さんのために保育士さんなんかを手厚く置こうとしたときの障害児加算、こういった小規模保育等にはないそうなんですね。現状の保育所に対してでも一般財源化されてしまっていて、このまま維持されるかどうか分からないと。
 そこで、是非御検討いただきたいんですが、障害のあるお子さんの保育を確実に確保していくためにも、障害児保育加算を制度化して、この施設型給付の中で障害児保育給付というものを創設したらどうかと考えるんですが、いかがでしょうか。
#305
○国務大臣(小宮山洋子君) 大変重要な御指摘だと思っています。ワーキングチームの中でも、障害児さんのことについては本当に毎回必ず御意見が出ていた大事な視点だというふうに思っています。
 障害児保育については、今言っていただいたように平成十五年度に一般財源化をされていますが、平成十九年度から対象を軽度の障害児に広げて、非常に重い障害の方以外の受入れに対応するなど地方交付税の拡充が行われています。
 そういう中で、かなりの部分の障害児の受入れというのはできてきていると思うんですが、おっしゃるように、小規模のところを含めて非常にこれは大事なことですので、例えば地方版子ども・子育て会議でその費用の使途の実績とか事業の点検、評価を分かりやすい形で行うことも必要だと思いますし、そこにどういう手当てをするかということも含めて、また、制度施行までの間に、多くのステークホルダーに集まっていただく子ども・子育て会議、中央と地方とございますので、それぞれの場でまた検討を進めていきたいというふうに思います。
#306
○山本香苗君 是非、ここの部分は大変期待も高いところでございますので、よろしくお願い申し上げます。
 この今の修正案の二つのポイントを含めて、今よりも確実に認可保育所というものが増えるわけです。これまで待機児童の多い地域では、認可保育所が十分でなかったので、いわゆる年収の高い、フルタイムで働いていらっしゃる方、正社員の方々が認可保育所の方に優先される、そして、年収の低いパートなど非正規社員の方が後回しにされて、保育料の高い認可外保育所に入らざるを得ないと、そういう実態があったわけであります。どう考えても、年収が低い人が高い保育料払わなくちゃいけないというのは不公平なわけですよ。
 こうした問題は新しい制度においては確実に是正される、この利用者間の負担の逆転現象というものは解消されると認識しておりますが、大臣、それでよろしいでしょうか。
#307
○国務大臣(小宮山洋子君) それは解消していく方向でしっかり取り組みたいというふうに思います。
 今回、受け入れる認可施設を増やしたいと思っていますので、もちろんそれにはそこで働く人の人材の確保も、先ほどから御議論があるように財源もしっかり付けた上でしながら、何とか今のおっしゃったような不合理なことが起きないように最大限努力をしていきたいというふうに思います。
#308
○山本香苗君 ここを大事に、利用者負担はこれからという話なんですが、認可園が増えるということはそういうことなんだということをもっとアピールしていただきたいと思います。
 今、保育のことばかり言ってきましたけれども、保育所に預けないで家庭で子育てをされている方々もたくさんいるわけです。こうした方々の心のよりどころは地域の子育て支援拠点です。ここの拡充も是非よろしくお願い申し上げます。
 もう一つ実は期待していたのが、例えば急な用事だとか通院、子供と向き合うのがつらいときにちょっと預かってもらったら助かる、この一時預かりなんですね。これ、一番最初は、一定時間国がちゃんと個人給付するというようなことも検討されたそうなんですけれども、最終的には市町村事業になっちゃいました。市町村で取組状況はかなり違います。実施箇所数も限定されています。ある意味、一時預かりが十分じゃないから保育所を選ばざるを得ない、その結果、待機児童も増える、こういう現実もあるのではないかと思いますが、引き続き、ここの部分、検討していただくということでよろしいでしょうか。
#309
○国務大臣(小宮山洋子君) 委員御指摘のとおり、その一時預かり事業、当初は個人給付、現物給付とする形で考えていたんですが、これも、今御指摘があったように、地域によってばらつきがかなりありますので、その地域の実情に応じて事業の提供が可能になるだけの量と質が確保されているかどうかという、そういう懸念が大変強く、総合的に勘案して新制度では市町村事業として位置付けることにいたしました。
 それで、市町村事業として位置付けまして、地方版子ども・子育て会議などの意見を聞いた上で、子ども・子育て支援事業計画、これに記載をしてきちんと計画的に整備をしていきたいというふうに思っています。これは、全ての家庭でお子さんを見ていらっしゃる方にも、今は本当に家族が小さくなり、またいろんな問題があるので一時預かりが必要だということですので、まず市町村がその地域のニーズをしっかり把握をしていただいて、その整備が進められるように国としても可能な限りの支援をしていきたいというふうに思います。
#310
○山本香苗君 認定こども園について一点だけお伺いします。
 この四月に幼保連携型の認定こども園になったばっかりと、そういう認定こども園に行ってお話を伺ってまいりました。認定に当たって、もう手続めちゃくちゃ煩雑と、そして申請書類がもう山のように要るわけですね。年度が始まってから公募があって、手を挙げて、見積り取って、改修工事して、翌年度初めにはもう子供たちを受け入れる、そういうスケジュールで、準備期間が短くてもう大変だったと、そういう話を伺いました。
 そのときに、もう一つおかしな話聞いたんです。というのが、幼保連携型認定こども園の場合、幼稚園の先生と保育士の先生の数を合算した数と先生方の過去の経験年数に基づいて運営費の額というのが加算される制度があるわけですけれども、保育士の先生の経験というのは反映されるんです、幼稚園の先生の経験は一切反映されないそうなんです。何でって厚生労働省に聞いたんです。そうしたら、そういう要望がなかったからという答えなんですね。これはひどいなと。こういう縦割り行政に起因するようないろんな苦労がまだまだ現場にたくさんあります。
 利用者からの評価は高くても認定こども園への移行を妨げているというようなこの実態を詳細に把握していただいて、速やかに改善していただきたいと思いますが、どうでしょうか。
#311
○国務大臣(小宮山洋子君) 今御指摘の点は、私もおかしいと思います。これは早急に改善をするようにしたいというふうに思います。
#312
○山本香苗君 それだけじゃなくて、現場のいろんな課題を吸い上げるようなこともやっていただけますか。
#313
○国務大臣(小宮山洋子君) これまでもいろいろ認定こども園の皆様の御意見も伺ってまいりましたし、また、これからなりたい方々にも、とにかく現場に密着する形で、何とか学校教育、保育を多くの子供にするように手を挙げていただきたいわけですから、いろいろ保育単価などのインセンティブを加えたいと思っていますが、今御指摘があったように、足を引っ張る形の、今回二重行政は解消しますので、書類の数などは、少なくとも、まあ普通に考えても半分になるんだと思うんですけれども、いろいろな面で……(発言する者あり)ちょっと乱暴な言い方でしたでしょうか。
 とにかく、そういう手間暇をなるべく最低限のものにしてインセンティブを掛けて、少しでも多くの園に認定こども園になっていただけるように最大限努力をしていきたいという意気込みをお伝えしたかったので、ちょっと行き過ぎた発言があれば、失礼をいたしました。
#314
○山本香苗君 是非しっかりと、こういう幼保連携型になっていただいたらこういうインセンティブがあるんだ、そういうことをしっかりお答えいただきたいんです。衆議院においても、また当委員会の質疑においても、これから、これからみたいなことが非常に多くて分からないことばかりだというような声も現場から出ております。しっかり具体的なことを答弁いただきたいと思います。
 最後の質問に移ってまいりたいと思いますが、今回の消費税の引上げ分というのは、消費税法におきまして、制度として確立された年金、医療、介護の社会保障給付並びに少子化に対処するための施策に要する経費に充てるものとされています。しかし、社会が大きく変容していく中で、既存の制度では救済されない、そういう人々が増えてきています。例えば、親御さんが亡くなった後の精神障害の息子さんであったり、ごみ屋敷で生活する独り暮らしの高齢者であったり、DVで逃げてきた母子家庭であったり、父親が病気で多重債務に陥る家族や、発達障害で就労に悩む親子、その他引きこもりやホームレス等々。
 こうした問題というものは今までは家族や地域で何とか解決できてきたわけですけれども、今やこうした人々の抱える複雑な問題というのは、一つの窓口や一つの機関が対処してできるような話じゃなくて、本当に複数の機関が連携しないと解決できないようなものになっています。また、そもそもそういう支えるサービスがない、そういうケースもたくさんございます。
 こうした制度のはざまに陥った人々を放置したまま、幾ら社会保障を充実します、充実しますと言われても、私は何か国民の間に真の安心感というものは生まれないんじゃないかと思うんですが、総理の御認識をお伺いしたいと思います。
#315
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 今の委員の御指摘の流れでいいますと、例えば生活困窮者に対するいわゆる支援体系を構築するために、この秋に生活支援戦略、これを策定しようと進めておりますけれども、このときにNPO法人等々、民間との連携、協働も行って、相談体制の確立や伴走型の支援を実施していきたいと思っています。
 この生活支援のところに絡めてでありますけれども、例えば複合的な問題、複雑な経緯、あるいははざまの問題と言っていいでしょうか、そういうところの見落としがないようにすることが大事だと思うんです。経済的な困難とともに、例えば精神的な困難を抱えていらっしゃる場合とか、いろんなケースがあると思うんですね。そのために必要なのは、縦割りに陥らずに、総合的にしっかりと相談をする体制だと思います。
 御指摘のことは十分念頭に入れながら、そうした体系立ったいわゆる仕組みというものを考えていきたいというふうに思っております。
#316
○山本香苗君 じゃ、その仕組みを提案いたします。
 大阪府では、平成十六年度からおおむね中学校区単位で一人、地域における見守り、発見、相談、つなぎの機能を行います地域福祉のコーディネーターとしてコミュニティーソーシャルワーカー、CSWを配置する事業を実施しています。大阪府の北部に位置します約人口が三十九万人の豊中市では、この事業を社会福祉協議会に委託しているわけです。
 パネルを上げていただけますでしょうか。(資料提示)パネルの方を御覧いただければと思うんですが、豊中市では小学校区単位に福祉なんでも相談窓口というものが設置されております。そこでは、相談者本人だけじゃなくて、問題に気付いた周辺の人から、例えば地域でこんな困ってはる人おるけどどないしようとか、そういう感じの相談を受け付けるわけです。そして、その相談というのは、コミュニティーソーシャルワーカーが地域の相談員と一緒に対応して、そして真ん中にありますところの地域福祉ネットワーク会議、ここにつないで解決を目指していくわけなんです。ここでも解決できないな、制度がないな、そういうときは市の課長級の、その下にありますライフセーフティネット総合調整会議、そういうところに情報を上げて、解決できる仕組みをつくり出していくんです。これまで、悪質リフォーム対策会議やごみ屋敷リセットプロジェクト、徘回SOSメールプロジェクト、男性介護者・若い介護者交流会など、新たな事業、こういうものをどんどんどんどん生み出してきているわけです。
 コミュニティーソーシャルワーカーの勝部麗子さんからお話を伺ってきました。例えば、多くの自治体が大変手を余しているごみ屋敷問題。勝部さんによりますと、ごみ問題というのは社会的に排除され孤立する人たちの声にならないSOSだと、ごみを捨てたいと思っていても体が付いていかない、手助けする家族や地域、隣近所とのつながりが失われた、次第にごみをため込んでいってごみ屋敷になってしまうと。これまで、ごみを撤去したのは五年間で約百七十件だそうです。八割が高齢者、このうちの約半数が認知症と見られるそうです。本人のプライドだとか尊厳だとか、そういうものを大切にしながら、地域の皆さんの力も借りてごみを片付けて、介護サービスであったりボランティアの援助などにつなげていくと。こうして、再びごみ屋敷に戻ったという例はほとんどないそうです。
 大抵の自治体ではそうした相談窓口がありません。あったとしても、住民からの通報を受けて何するかといったら、片付けなさいと、そういう指導をするだけなんです。若しくは業者を出して、お金出すからと。でも、これによってごみ屋敷で生活している人は逆に心を閉ざしちゃうわけなんですよ。そして、更に問題が深刻化していくわけなんです。
 また、豊中市には引きこもりの方が約二千人おられるそうですが、そのうちの二百人に今支援の手が届いています。一割、大きいです、結構。で、二十六人が外に出られるようになった、そして三人の方がパートで働き始めた。
 これがコミュニティソーシャルワーカーを紹介する漫画なんですが、「セーフティネット コミュニティソーシャルワーカーの現場」という、こういう本なんですが、後で総理、お渡しいたしますので、漫画ですぐ読めますので、読んでいただきたいと思うんですが、こういうのをお作りになられているわけ、書かれたんです、お一人が書かれたものなんですね。
 この豊中市の取組というのは既に東京だとか横浜、新潟などでも取り入れられておりまして、東日本大震災の被災地においても取り入れようという動きがあると伺っています。しかし、考えてみれば、こうした取組というのは、別に特定の地域であったり、また被災地に限らず、全国どこでも必要だと思うんです。
 現在、先ほど総理がおっしゃっていただいた、役所の答弁のところに、生活支援戦略中間取りまとめ、七月五日にまとめましたけれども、秋にこの最終取りまとめがされるわけですよね。ここの中に是非このコミュニティーソーシャルワーカー配置事業というものをしっかり位置付けていただいて、全国展開ができるように国で制度化していただきたいと思うんですが、厚生労働大臣、どうでしょうか。
#317
○国務大臣(小宮山洋子君) 本当に、今御説明を細かくいただきましたが、先駆的な取組で、総理からも御答弁いたしました秋につくる生活支援戦略、公だけでは難しいので民間のいろいろな力もお借りをして協働、ともに働く形でやりたいと思っている、本当にそのモデルになるものだというふうに思っています。
 これから具体的な生活支援戦略の中身を詰めるための特別部会というのを社会保障審議会の生活支援の在り方についてつくるんですけれども、そこに今御紹介もいただいた豊中市のコミュニティーソーシャルワーカーの方にも入っていただくことにしていますので、実際にそういうお声も伺って少しでも全国展開ができるようなプログラムが作れればというふうに思っています。
#318
○山本香苗君 生活困窮者を排除するんじゃなくて地域の皆さんと一緒にその人を支えるネットワークを地域に丁寧につくっていく、こういうネットワークをつくることによって、その人だけじゃないんですよ、その人を支援している人たちも、自分たちも困ったときに支えてもらえるんやと、そういう安心感が生まれているわけなんです。
 昨今、生活保護世帯が急増して不正受給が問題になっていますけれども、不正を厳しく取り締まるのは当然のことです。しかし、それだけでは生活保護は減らないわけです。生活困窮から抜け出す仕組みが必要だと思います。
 是非、総理、この取組、今厚労大臣からもいい答弁いただきましたが、最後、総理からも一言いただきたいと思います。
#319
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 大変示唆に富んだ事例を御紹介をいただきましてありがとうございました。その資料、イラストが多そうなので早く読めそうですので、是非それを精読させていただいて今後の参考にさせていただきたいと思います。ありがとうございました。
#320
○山本香苗君 終わります。
#321
○姫井由美子君 国民の生活が第一の姫井由美子です。
 増税の前にやるべきことがある。私たちは、七月十一日に国民の生活を第一に考えた新党を立ち上げました。新党規約の第二十九条三項には、国会議員の国会における各種採決においては自立と共生の基本理念にもとづく各自の信義にその判断を委ねるものであり、党議拘束はこれをかけないといたしました。
 さて、総理、いえ、民主党の党首として、これ以上処分を出さないためにも、参議院採決の前に規約の変更をした方がいいのではないでしょうか。
#322
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 民主党の規約を今変更するというつもりはございません。
#323
○姫井由美子君 他党のことなので、これ以上言いません。
 私は、これまでコンビニの加盟店の皆様とともにフランチャイズ法を作る運動をしてまいりました。本部とは意見の合わないことも少なくありませんでしたけれども、この度、セブン・アイ・ホールディングスの鈴木敏文会長が雑誌で紹介いたしました文章には大変同感をいたしました。つまり、国民の心理を無視した増税は成功しない、増税の前にやるべきことがあると、身を切る改革、徹底した行革、そしてデフレ脱却を訴えています。私も、まさに増税の前にするべきことがあると思いますし、まず総理に、国民に範を示す姿勢について伺いたいと思います。
 私の地元岡山が生んだ幕末の改革者山田方谷は、藩の財政立て直しに取り組み、その実践の一つに禄の削減と質素倹約の奨励、つまりは、公務員の給与カットや歳出削減を提唱し、実践をしました。そして、自ら産業振興のためにくわを持って開墾に精を出し、ちなみに備中くわは山田方谷の発明でもあります。そして、武士や領民に範を示し、実践したからこそ、当時の備中松山藩は十万両、現在の貨幣価値で約六百億円の借金を抱えたにもかかわらず、僅か七年で逆に十万両の余剰金を抱える黒字藩に改革をいたしました。
 さて、国民に負担を求める増税法案を審議している我々国会も含め、例えば、立法府においては国会議員の定数削減、歳費の削減等、また行政府では公務員定数及び給与の削減等の身を切る改革の覚悟があるのかどうか、総理の考えを具体的にお伺いいたします。
#324
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 身を切る覚悟についてのお話がございましたけれども、まず、政治改革と行政改革があると思うんですが、政治改革の方では、これはもう各党の御賛同をいただいて、国会議員の議員歳費について二年間で五百四十万円削減をするということは、これ合意に達して既に実施をしているところであります。
 それから、議員定数削減については、これは一票の格差是正とそして定数削減と選挙制度改革、これ一体となって結論を出すということでなかなか協議調わなかったものですから、幹事長レベルでの協議もありましたけれども、今私どもの方としては、定数に関しては四十五削減をするという形で、一票の格差も是正をしながら、選挙制度改革も当面のものは行うという提案をさせていただいておりましたので、是非これは、特にこれは少数会派に配慮した内容でありますので、是非多くの党の御賛同をいただきたいと思いますし、今その御理解を求めているところであります。
 行革に関しては、これは政権交代以降、例えば事業仕分等によって無駄をなくすであるとか、あるいは、国庫へ例えば独法が持っているようなたまり金を戻すであるとか、そういう様々な試みをやってまいりましたし、この国会においても、国家公務員の給与をマイナス七・八%という形で減額をさせていただくこととなりました。
 また、今法案を提出していますけれども、独立行政法人の改革という形で法人数を約四割弱減らすということ、あるいは特別会計の改革ということで会計数を十七から十一、勘定が五十ちょっとありますが、それも半減をさせるという内容の様々な法案を提出を今させていただいております。
 また、全閣僚をメンバーとする行革実行本部を中心に、また民間有識者も集めまして、行革に関する懇談会、こういうものもつくりまして、総人件費改革などの諸課題に取り組んでいきたいと思っております。
 これまでも一生懸命やってきたつもりですが、これからもより力を込めてやっていきたいと考えております。
#325
○姫井由美子君 幾らやります、取り組んでいきますと言っても、実際にやらなければ何にもならないんです。山田方谷は、知行合一といいまして、幾ら知っていても、幾ら言っていても、それを行わなければ何にもならない、知らないことと同じだというふうに言われています。まず増税の前に全てやってから、これが順番だと私は思います。
 さて、これまでに取り組んだ行政改革の成果について、公務員定数、総人件費等の抑制等の実態を明らかにしてください。
#326
○国務大臣(川端達夫君) 公務員定数の純減についてのお尋ねでございます。
 公務員定数の純減につきましては、政権交代以降、平成二十二年度に千九百九十三人の減員、平成二十三年度は千二百二十三人、平成二十四年度が一千三百人となっておりまして、三年間の合計で四千五百十六名の定員純減を確保してきたところでございます。このほかに、国立高度専門医療センターの独法化ということで五千六百八十人、別にございます。
 総人件費につきましては、これらの定員の純減の取組のほかに、人事院勧告に基づく給与改定を着実に進めてきたところでありまして、平成二十四年度までに約二千三百億円の削減を実現をしてまいりました。
 このほかには、先般成立した給与改定臨時特例法で平均約七・八%公務員の給与削減、これは二年間の限定でありますけど、ということで約二千九百億円の削減を行うことになったところでございます。
#327
○姫井由美子君 例えば、公務員には現役出向、現職出向という制度があります。これは、基本的には省庁を辞める形で、一旦辞める形で出向するわけですが、数年すれば戻ってくるわけです。そして、その出向先の独立行政法人等に対しましては、国から運営費交付金という形で国費払われているということで、実は見えない、隠れた人件費というものもあるんではないでしょうか。
 本当の意味で徹底した実態調査をするのであれば、ここまで踏み込んでしていただきたいと私は思っております。
 そして、次に、国会議員の議員定数削減に関しまして、国会議員の歳費、立法事務費等も含めまして、議員一人当たりの年間コストをお示しください。
#328
○参事(美濃部寿彦君) お答えいたします。
 法令で支給が定められている経費のうち、各議員に対し一定の金額が支給されているものとしては、まず歳費がございますが、平成二十四年度予算ベースで議員一人当たり年額千五百五十二万八千円、期末手当、年額五百五十三万五千円、文書通信交通滞在費、年額千二百万円、立法事務費、年額七百八十万円がございます。
 また、法令で支給が定められている経費のうち、各議員において必ずしも同額でない経費としては、JRパス、航空券引換証、議員秘書手当等がございますが、これらの経費につきましては、便宜、本院における平成二十四年度予算額を参議院議員定数で割ることにより算定いたしますと、さきの経費と合わせまして、議員一人当たりに要する経費は年間で七千三百万円でございます。
 以上でございます。
#329
○姫井由美子君 あわせまして、政党助成金、平成二十四年度の総額をお伺いしたいと思います。
#330
○国務大臣(川端達夫君) 政党交付金の総額は、直近の国勢調査人口に二百五十円を乗ずるということを基準として定められております。これは政党助成法第七条第一項でございます。
 したがいまして、平成二十四年度の予算額といたしましては、二百五十円掛ける一億二千八百万余りということでありますので、大略約三百二十億円でございます。
#331
○姫井由美子君 一人当たり七千三百万円。こういった経費の削減であるとか、政党助成金三百二十億円、これはやはり先ほどの給与特例法といった公務員改革に比べたら、改革の一部かもしれませんけれども、範を示すという意味では大変必要だと思っております。
 また、さきに、五月一日、行政改革に関する懇談会が岡田大臣の下に設置されたと思います。消費税議論をする前に行政の無駄を、このような会議を設置をし、すべきではなかったのでしょうか。
 私の地元岡山の生んだ改革者、目刺しの土光さんこと土光敏夫氏の土光臨調と言われるものがあります。この懇談会も原型が土光臨調だとも言われておりますけれども、土光臨調では増税なき財政再建を主導してまいりました。この議論の大枠は今後どのようになっていくのか、お伺いしたいと思います。
#332
○国務大臣(岡田克也君) この懇談会は、私の下で今で五回議論しております。行政改革の大枠についての御議論をいただいておりまして、この八月中に一つの、第一回目の提言をおまとめいただきたいというふうに思っております。行革についての大きな方向性と具体的な提言をいただくということにしているところでございます。
#333
○姫井由美子君 例えば土光臨調は、JRの民営化など官から民へ、また、これも岡山出身ですけれども、橋本内閣でも省庁再編、統合という形で大きな大胆な行革を行ってまいりました。この度の、先ほどの岡田大臣の下の行政改革に関する懇談会、これも行革の大きな方向性があるかと思いましたけれども、何も見えてきませんでした。
 続きまして、今日の資料の三と四を先に御覧ください。決算重視の参議院と言われています。私自身も昨年は理事もさせていただきました。どちらもありますけど、特に、まず最初は、資料三の方ですね。平成十八年、これは小泉内閣です。平成十九年は安倍内閣、二十年は福田内閣、二十一年、麻生内閣、二十二年、鳩山内閣の出した予算に対して、不用額という形で、それぞれ下を見ていただきますと、約二兆前後というものが決算剰余金という形で残されております。
 そしてまた、資料四です。これも平成十八年から二十二年、つまり、小泉内閣から鳩山内閣に至るまでの特別会計歳入歳出決算の概要というものですけれども、歳出の最後に不用額という形で十兆円から二十一兆円まで大きな決算剰余金が出されています。
 さて、この一般会計、特別会計の剰余金について、小泉内閣のときにはたしか八十兆円以下に予算は抑えられていたと思いますし、安倍内閣や福田内閣は八十兆円台でした。麻生内閣のときに百兆円近くまで行きました。そして鳩山内閣は九十兆円台ということで、まちまちですけれども、コンスタントに一般会計では二兆円前後きっちりと余剰金を出されております。
 この余剰金の取扱いについて、現状をお伺いしたいと思います。
#334
○国務大臣(安住淳君) 御指摘でいうと、まず二十二年度の決算でございますが、ここで出た剰余金というのは、実は、財政法の六条においては、剰余金の二分の一を下回らない金額については、公債又は借入金の償還財源に充てなければならないという規定になっております、姫井さん御存じのとおり。ただ、昨年度は大震災がございましたので、財政法の特例法を措置し、ほぼ全額、これら剰余金につきましては東日本大震災の復旧に充てさせていただきました。
 個々の特別会計の問題についてはもし必要であればお答えしますが、やはり国債費とか労働特会等の額というのは常々議論になっていますけれども、例えば失業手当に対しての備えの額とか国債については、どうしても今の制度上、前の年に例えば行う国債の額を計上すると、どうしても決算上はそういうふうな十六兆近いお金が出てしまうことになりますので、そうした事情はありますが、しかし、御指摘のとおり、やはり無駄をなくしていくという点で、常々やはりこうしたものの不用額については、できるだけ本当に雑巾を絞るような形で出していかなければならないというふうに思っております。
#335
○姫井由美子君 いわゆるこの決算剰余金というものは、決算、これは翌年の七月に確定しますので、一年寝かせて翌々年の予算に使うわけですね。つまり、一年寝かす期間があるわけです。これを会計検査院官房審議官の飯塚正史さんは、昨年も、この震災のときにもこれを提案しておりましたけれども、なぜ一年も寝かす必要があるのか、前年度方式に変えるだけで、その改定期、改定年には一年間だぶついた予算が使えるわけではないですか。
 こういった形で、つまり財源というものは探せば幾らでもある。先ほども、私たち……(発言する者あり)いやいや、本当に、それはしっかりとした情報公開がない、私たちがこれは一つ一つを積み上げていかないとということですけれども、これ一つ取ってみても、毎回毎回の剰余金が出ている。こういった形でしっかりと積み上げていっていただきたいと思っています。
 さて、続きまして、資料の一を御覧いただきたいと思います。
 そもそも、増税の前にすべきことはある。そして、本当に消費税でいいのか。この消費税の不公平感、あるいは納税者の不公平感、消費税の不公平、納税者の不公平というものをどうしても取り除いていかなければ、私たちは納得して消費税を払っていくわけにはいきません。
 これは、国民年金保険料の納付率の推移を示したものです。そして、ちょうど昨日の新聞に、七月二十四日、日経新聞に保険料の滞納が最多になったという記事が出ておりました。会社員が入る厚生年金の保険料を二〇一一年度に滞納した事業所の数は十六万二千七百三十五件となり、過去最高を更新をしたとあります。そして、ここで見るように、国民保険料も、八割あるいは九割近くあったのが六割を切っている形になっています。こんな状態で本当に増税していいのでしょうか。
 実は、租税の滞納は消費税が一番多いと言われております。資料の二を御覧ください。この消費税の滞納額は約三千億とも言われております。
 このように、まずは、国民年金の未納問題に関して、厚生年金保険料、労働保険料の徴収率が九〇%後半にもかかわらず、国民年金の納付率が六割を切っている、この未納対策に対して厚生労働省としてはどう対処していくのか、まずお伺いしたいと思います。
#336
○国務大臣(小宮山洋子君) 委員がお示しいただいた資料のとおり、平成二十三年度の国民年金保険料の現年度納付率が五八・六%となりまして、前年度と比較してもマイナス〇・七ポイント、大変厳しい状況にあるというふうに認識をしています。
 それで、この納付率向上のために、今年度からは新たな数値目標を設けて、一つは、免除対象となるんだけれども、それを知らないで免除の手続をしていない世帯がありますので、低所得者に対する免除制度の周知、勧奨を徹底をすること、また戸別訪問を重視をした保険料納付勧奨を徹底をするということ、そして負担能力がありながら納付しない高所得者への強制徴収を推進するといった、未納者の属性にそれぞれ応じてきめ細かな対応を一層強化をしていくことにしています。
 日本年金機構に対しましても、一層そうした取組の強化を指導したいというふうに思っています。
#337
○姫井由美子君 この四〇%の未納を計算すると約一兆円にもなろうかと思いますので、お願いしたいと思います。
 そして、修正案では後退ぎみに扱われている歳入庁ですけれども、まさにこの未納者に対しては歳入庁の必要があるのではないでしょうか。
#338
○国務大臣(安住淳君) 済みません、消費税の質問だったですね。
 納付額が多いんではないかという御指摘なんですが、あの、滞納額ですね、これは大体、発生割合でいうと滞納額は大体三・四%でございます。ですから、九六・六%は収納されています。それで、一年たって、この一年のうちに国税庁から督促をさせていただきますと、約九九・四%がお支払をいただいていますから、そういう点では滞納が多いというふうには私は言えないというふうに思っております。
#339
○姫井由美子君 それでは、いわゆる消費税の益税というものについてお伺いしたいと思います。
 益税とは……(発言する者あり)
#340
○委員長(高橋千秋君) 歳入庁、よろしいですか。
#341
○姫井由美子君 歳入庁の質問がまだでした、歳入庁。
#342
○国務大臣(岡田克也君) 確かに、この国民年金の保険料が未納が多いということは問題であります。そして、それを高めるための具体的な方法の一つとして歳入庁ということがあり、政府としては、歳入庁を設置をするというそういう方向性で、既に工程表も発表しているところであります。もちろん各党の御意見もありますけれども、しっかりこれは工程表に沿って前に進められるように、しっかり努力をしてまいりたいというふうに考えております。
#343
○姫井由美子君 工程表も実際やらなければ何にもならないですし、まずは、まずはしっかりと不公平感をなくすということに徹底して対処をして、それができ上がってから増税というものを私たちは訴えております。
 それでは、先ほど消費税は九九%翌年には回収と言われましたよね。じゃ、消費税の益税というものについてお伺いしたいと思います。
 益税というのは、売上げが五千万円以下の中小企業に簡易課税制度ということで、業種ごとに五〇から九〇%のみなし仕入れ率を基に納付額を計算できるという形ですけれども、しかし、仕入れ率が六〇%に設定されていても、実際には平均で三〇%だったりした場合には利益が出てまいります。また、二つ目には、売上げが一千万円以下の企業、そして会社設立後二年以内で資本金が一千万円以下の企業になった場合には免税制度というものがあります。
 私は司法書士ですので、消費税が増税されれば資本金の減資登記が、一千万の減資登記が増えるのかなとか、そして一千万円の設立登記とか、二年ごとには解散、設立が増えるのかなとか思ってしまいますけれども、このような対処をどう考えているのでしょうか。
#344
○国務大臣(安住淳君) まず簡易課税制度ですけれども、御存じのとおり、みなし仕入れ率は、例えば卸は九〇、小売が八〇、製造業等が七〇、サービス等が五〇等々となっています。つまり、これはみなし仕入れ率を当てはめて今御指摘のようにやると、実はこの仕入れ率よりも低い場合ですね、仕入れ額が、実際の仕入れ額が、そこに益が出るのではないかということだと思います。
 そういう御指摘がありましたものですから、私どもも今回、実態調査を実はやっております。実態調査をやりまして、そうした結果から、今私が申し上げましたこの率を実態に合わせた形で見直そうということに思っております。そうしたことをやることによって、言わばみなし仕入れ率の水準の見直しでこうした、今、姫井さんからの御指摘のあるような、不公平感が出ないようなことを措置をしていきたいというふうに思っております。
 あともう一つは、この免税点制度でございますけれども、資本金一千万未満の新設法人であっても、今回はこの課税売上高が五億円を超えるような大規模な事業者が設立した新設法人については、当初の二年間の免税点制度の適用を認めないこととしていると。これは、よく人材派遣会社等が二年で、この免税点を利用して、はい、やめて、また新しいところと、こうした言わば税逃れのやり方をやらせないと。
 これも確かに御指摘のとおり問題点がありましたから、そうしたるる租税回避行動に対してそれを防止するような対策というものは今回しっかり取っていきたいというふうに思っております。
#345
○姫井由美子君 消費税に関しましても保険料に関しましても、滞納者が多いという意見を言ってまいりました、実情も訴えてまいりました。これは払わないという事業者もあるかもしれませんが、払えないという中小零細がほとんどではないかと思います。
 今回、このような景気低迷の中での増税をするに当たりまして、今大臣言われましたように様々な見直しがされてきます。つまり、これは中小零細企業をまたまた締め付けて追い詰めていくのではないでしょうか。つまり、消費税増税はいじめに間違いないと私は思います。
 そして、この増税の前にやるべきことがあるという観点から、私は、消費税増税よりも経済対策、つまりは景気対策や少子化対策、デフレ脱却、ここにこそ政治生命を懸け命を懸けるべきではないか。まず、私たちがここで、就職ができ、結婚もでき、子供を産み育てる、その環境を真っ先につくることが第一ではないでしょうか。
 総理に景気対策に取り組む姿勢をお伺いしたいと思います。
#346
○国務大臣(安住淳君) 益税を正せとおっしゃっていること、私、正しいと思いますよ。それは中小企業いじめじゃなくて、税の公平性をいかに国家としてひとしくやるかということに、観点に立ってやっていますので、是非そこは誤解のないようにしていただきたいのと、消費税は中小企業、零細をいじめているというお話ですけれども、そうしたやっぱり所得がもし低い方や困っている方ほど社会保障の充実は必要なんじゃないでしょうか。そういう点から考えれば、やはり一方の視点だけで消費税をとらえるのではなくて、やっぱり社会保障全体も含めたバランスの中で考えていただければ私は有り難いというふうに思っております。
#347
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 足下の今の景気の状況でありますけれども、本年の一月から三月期のQEが先般出ましたけれども、この実質の成長率は年率に換算すると四・七%ということであります。これは復興需要を背景に緩やかに回復の傾向があるんだろうと思いますが、しっかりこれを民需主導の体制へと持っていけるように緊張感を持った運営をしていきたいと思います。
 そして、デフレからの脱却と経済の活性化は、これはもうどなたも望んでいることだと思います。しっかり経済再生に向けてあらゆる政策の総動員をこれからもやっていきたいというふうに思いますが、経済の再生はやらなければいけません、だけど、それをやらなければならないことは間違いないんですが、政策でどっちが先という議論を私はすべきではなくて、私は成長と財政再建は両立をさせなければいけないと考えております。
#348
○姫井由美子君 成長と財政再建は同時でということでしたら、その消費税の増税だけに前のめりをしたような例えばこの進め方というものが非常に誤解を招いているんではないでしょうか。私は、この成長というものに対してはもっともっと、財政再建、あるいは消費税の増税で財政再建の前に、もっと成長に対して総理は発言すべきではないでしょうか。
 東京オリンピックが招致できれば計り知れない経済効果が日本に見込むことができるんではないかとも思っております。本当に、まず景気対策にこそ命を懸けるということを総理が消費税増税よりももっともっと前面に出していたらロンドン・オリンピックにも行けたのではないでしょうか。残念だと思います。
 そして、最後に、総理にどうしてもお伺いしたいことがございました。
 先ほど社会保障との一体改革と言いながら、この制度設計のしっかりとした枠組みが見えない中で今審議に入っておりますけれども、本当にその一体改革に対する総理の姿勢、そして、六月二十六日、衆議院での採決の前に、代議士会で総理は、心から心から心からと三回心からを使ってお願いをされました。ところが、その後、参議院での審議の前には心からを一度しか読みませんでした。それは、もう衆議院で通ったら参議院はどうでもいいということでしょうか。
 是非、国民に対して、私たちに対して、私に対しても、総理の思い、その心を教えていただきたいと思います。
#349
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 一体改革では、年金、医療、介護、こういうものをしっかり安定化させていくと同時に子ども・子育ての部分を充実をさせていく、そのための安定した財源を確保していくという、そして全世代対応型の社会保障を実現をするということでございますので、是非これは御理解をいただきたいというふうに思います。
 衆議院の代議士会と参議院の総会の心からの数が違ったということでございますが、数の問題じゃなくて、心からこれからもお願いをして御理解をいただきたいというふうに思っております。
#350
○委員長(高橋千秋君) 姫井由美子君、時間が参っております。
#351
○姫井由美子君 やはり、参議院では心からは一回でしたね。
 消費税への不満や政府への不信は日ごと募っております。国民の生活を無視した増税は成功しないと申し上げて、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。
#352
○桜内文城君 みんなの党の桜内文城です。
 元祖増税の前にやるべきことがある、みんなの党でございます。
 今日は、その増税の前にやるべきこととして二点取り上げたいと思っております。
 一つが、まさに社会保障関係費の増大。毎年これ、一兆円ずつ増えていっているわけですけれども、これを、新しい制度をどのようにつくっていくのか、その議論なくしてやはり増税の議論はできないのではないかと。国民の皆様方に負担を求めるのであれば、一方で、その負担の原因となっている、最大の原因である社会保障関係費をどのようにしてコントロールしていくのか、長期的な安定的なものにしていくのか、これが問われているんだと思います。
 そしてもう一つは、月曜日に一般質疑でも取り上げましたが、歳入庁について、これは後ほどお尋ねをいたしたいと思います。
 では、早速ですけれども、この世代間格差、私ども、今、党内手続を終えて、世代間格差是正のための公的年金・医療保険改革推進法案というものを来週にも国会に提出しようという準備をしております。
 その中で、なぜこういう点に、特に世代間格差に着目したかと申しますと、もう総理始め皆様、この国会での審議を通じて、釈迦に説法ではございますが、今の年金制度、公的年金制度に対する不信ですね、この大きな原因はやはり世代間格差が大変大きなものになっているという点にあるかと感じております。
 例えば、国民年金の二〇一一年度の未納率、全体で四一・四%であります。特に若い人、二十五歳から二十九歳の方にかけては五三・九%、半分以上の人が未納をしておる。これはなぜかといいますと、恐らくは、今保険料を支払ったとしても支払い損、自分たちには戻ってこないという、こういった制度そのものに対する不信感の表れだと思っております。
 特に、内閣府自体も既に試算を公表されておりますが、六十五歳以上の世代と二十歳未満の若者世代あるいは将来世代との間での受益と負担の格差が、一人当たりですよ、一人当たりで一億円にも達するという試算が公表されております。
 もちろん、私はこの場で世代間の対立というものをあおるつもりはありませんけれども、しかし、見過ごせないほどこの世代間格差というのが大きくなっているということをまず御指摘させていただきたいというふうに思っております。悪い言い方をしますと、壮大なネズミ講だという言い方をする方もいます。
 今のこの世代間格差の現状について、総理のお考えをお尋ねいたします。
#353
○国務大臣(岡田克也君) 委員のおっしゃることも同意できる部分もあります。特に、人口構成の変化、従来のピラミッド型から逆の形になってくれば、特に年金など、賦課方式を取っていれば、それは人口構成の変化が給付に大きな影響を及ぼすということはこれは事実ですから、そのことに対して、若い世代が非常に将来に対して不安を持っているということに対してきちんと説明をし、そして制度的な修正を加えていかなければいけないというふうに思います。
 ただ、よく誤解がありますのは、国民年金に加入しておられる方々が将来自分の払った保険料以下しか受け取れないというふうに思っておられるわけですが、これは半分税金だと。つまり、保険料と同じだけの税金が投入されるということを御存じない方が多いということも一つの原因で、そのことも含めれば、これは払った保険料よりは多くの年金として平均寿命を生きるということであれば返ってくると、そのことをきちんと説明すべきだと、しなければならないというふうに思います。
#354
○桜内文城君 今回、修正といいますか、三党協議の下、社会保障制度改革推進法案というのが出されて、この委員会でも審議がなされているわけですけれども、大きな意味での制度改革というものがまさに国民会議に先送りされているというのが多くの国民が持つ実感あるいはイメージだと思います。私どもは、まさに国会でもって、今後の新しい年金制度の在り方として、現在の賦課方式から積立方式への移行をこれから提案していきたいと思っております。
 では、フリップよろしいでしょうか。(資料提示)お手元に資料もお配りしておりますが、世代間格差是正のための公的年金・医療保険制度改革推進法案、その大きなスキーム図、特にこれは年金の部分ですけれども、このように示しております。今、まさに積立てを行っていく新勘定をこの右側の青い部分で示しております。そして、一方で、過去において保険料が支払われてきて、あるいは今の高齢者の皆様方に給付を行っていく旧勘定、これを年金清算事業団というような形で行っていく。ただし、その場合に、大変、この今の積立金の金額からしますと、これは暗黙の債務というふうに言われたりもしますけれども、大変大きな積立不足分があります。ただし、これ自体は一気に巨額の債務が顕在化するわけではなく、毎年の給付を通じて少しずつ顕在化していく、こういったものであります。ですので、これについて完全に新勘定と切り離して毎年、例えば百年という大変長い期間で考えますと、年間一般会計から七・二兆円を繰り入れて、これでもって償還を行っていく、こういったことが可能であるということを後ほど御説明したいと思います。
 また、その際、以前、野田総理もお答えになりましたけれども、長期にわたってこういった暗黙の債務を償却していくというスキームについては、結局、その償却財源、一般会計ですので、税ということであれば将来世代が結局は負担するんだろうというような御指摘もありますが、例えばお年寄りの皆さんがもう本当に亡くなった後にお支払いいただく相続税、年金目的の相続税を新たに設けるですとか、いろんなやり方があろうかと思っております。
 こういった意味で、岡田副総理にこの積立方式への移行について、大まかなところの感想をお聞かせください。
#355
○国務大臣(岡田克也君) 修正賦課方式を積立方式に変えるというのは、理屈としては非常に分かりやすい考え方であります。ただ、委員自身も御指摘のように、今までの積立不足といいますか過去債務といいますか、それ巨額なものがあると。これをどうやって賄っていくかということについて明確な答えがなければ、やはりこれも絵にかいたもちになりかねないということだと思います。ゼロから議論できれば、それは積立方式でずっとやってくるということも一つあったと思いますけれども、現実に積立方式ではなくて修正賦課方式でやってきた以上、この積立不足額について答えが必要だと。
 しかし、基本的にこれを言わば区分経理して分かりやすく整理するという考え方については、私は一つのアイデアとして評価できるところもあると。問題は、あと現実に可能かどうかということだと思います。
#356
○桜内文城君 現実に可能だということをこれからお示ししたいと思っております。
 よく積立方式を採用する際の問題点として、今、岡田副総理もおっしゃったように、現実的なのかというところがあります。よく、よくといいますか、以前、以前というか、歴史上、カエサルが「ガリア戦記」の中で、人は自分の見たいと思うものしか見えないという言葉を述べておりますが、逆に言えば、しっかりとこういった国会の場で数字でもって議論をする、ちゃんと見えるものとしてそれを実現していくということが必要だと思いますので、そういった意味で、今回の我々のスキームについて簡単に御説明申し上げます。
 ちょっと次のフリップ、よろしいでしょうか。これは、現在、直近の厚生労働省が試算しております財政再検証の数字をほぼそのままここに掲載しております。
 厚生労働省の仮定といたしまして、物価上昇率一・〇%、実質賃金上昇率一・五%、そして運用利回りといいますか割引率が四・一%という形で計算がされておりまして、割引前の、これは過去給付債務といいまして、これまで保険料として支払われてきて政府が約束している分、あるいは既に高齢者となって年金を受給している方々に政府が払うことを約束した、その債務が一体幾らかということなんですが、割引前の数字、これは本当に目を覆いたくなるような話ですけれども、合計しますと二千二百六十三兆円、これどうするんだというふうに、まさに実現性を危ぶむ、その大本になる数字かと思います。
 これを厚生労働省の方では現在価値に割り引いておりまして、よく厚生労働省の説明の中で使われる数字としまして、過去勤務債務として厚生年金が八百三十兆円、そして国民年金が百二十兆円、こういった数字が実際に我々の議論の大前提として言われておるところでございます。
 ただ、この物価上昇率一%、実質賃金上昇率一・五%の仮定なんですけれども、これでもって給付を増やしていくという仮定なんですね。で、先ほど申しましたように、私どものスキームによれば、新勘定というのは完全に積立方式に移行しておりますので、そういった意味でいえば、運用利回り、後ほど述べますが、二・一%というのを考えております。
 ですので、こういった、それとは全く関係ない物価上昇率あるいは実質賃金上昇率一・五%という影響を排除したら一体どうなるのかということで、次のフリップになりますけれども、これで厚生労働省からいただいた数字を、この仮定を置き換えて計算してみました。そうしますと、割引前の金額といたしまして千三百九兆円ということになります。
 これでも大変大きい金額ですので、どうするんだということなんですけれども、じゃ、それを二・一%で今回割り引いております。もちろんこの割引率二・一%が適当かどうかというのはありますけれども、これは三十年物の国債、我が国が、政府が発行している国債の五年平均の数字が二・一三〇%ですので、それで取りあえず二・一%で割引率、運用利回りを置いてみようと。我が国で最も長期の国債ですので、これをベースにして考えてみようということでございます。また、厚生労働省の中での試算としてもみなし運用利回り、ちょっとややこしい話なんですけれども、二・一%という数字を使っていらっしゃいますので、これをベースにして割り引いてみますと、そうすると、この過去給付債務というのが九百二十二・一兆円という形になります。
 最後の、四枚目のフリップですけれども、これをどう処理していくのかという図がこの給付と財源の図でございます。今申しましたように、過去期間に係る給付債務九百二十二兆円、それに対しまして、財源として積立金、今実は減っておりますけれども、これは前回の財政再検証の折に厚生労働省が前提としました積立金の総額二百一兆円、ということは、差し引きまして七百二十一兆円を百年間でどうやって償還していくのかという話になります。
 これが実際に可能かどうかということを、これはフリップ用意してございませんが、皆様のお手元には新勘定・旧勘定資金収支予測表という形でお示ししております。これによれば、旧勘定の方で過去勤務債務を毎年給付していく、一方で新勘定の方では積立てがなされていって、それが六十五歳になったらば少しずつお戻ししていくと。
 この場合の、新勘定で積立方式に移行した場合、大体どのぐらい給付がなされるのかというのは、簡単に申しますと、例えば、二十歳から六十歳まで四十年間、月収の一八・三%、これは今の厚生年金の保険料率ですけれども、これで払ったとしまして、六十五歳から平均年齢と思われる八十五歳までの二十年間これを給付していくということにいたしますと、約、現役時代の月収の四割を給付することが可能になるであろうということでございます。
 もちろん、これ内閣府の方で作られた資料なんですが、積立方式の問題点というのが述べられております。三つありまして、一つ目ですけれども、積立方式には想定を超えたインフレや賃金上昇が起こった場合にこれをどうするんだという問題が生ずる。ですけれども、これは恐らく、積立方式になったからということよりも、そういった経済変動が起こった場合に福祉的な給付を別途どうやって行っていくのかという話だと思います。
 そしてもう一つ、積立方式にした場合に、積立金が先ほどお示ししましたとおり八百兆円、これは積立ての取崩しを想定しておりませんので、この中では、大変大きいんですけれども、八百兆円とかそこらになるおそれもありますけれども、おそれといいますか、それだけ積立金があるというのは悪いことではないんですが、郵貯が以前三百兆円の郵便貯金をしっかりと運用していたということも考え合わせれば、あながちこれは不可能な話ではないというふうに考えます。
 そしてもう一つ、先ほど岡田副総理もおっしゃいましたが、二重の負担というものをどう処理するのか。先ほど申しましたように、実際の数字が見えなければこれをコントロールすることもできないんですけれども、数字をしっかりとこのように計算していけば、百年でもってきれいにこの暗黙の債務を償却していくことが可能だということをお示ししたいと思っております。
 これについて、岡田副総理、御覧になった感想をお聞かせください。
#357
○国務大臣(岡田克也君) 私、どちらかというと積立方式にそれなりのシンパシーを感じている方ですので、ここは役所の皆さんとは議論にどうしてもなってしまうんですけれども、確かに、想定を超えるインフレがあったという場合に積立方式だと額が非常に小さくなってしまうということは心配としてあります。以前、ソ連が崩壊してロシアになったときに年金がもう本当にごく僅かになってしまったということがありましたが、まさしくそういうことが起こる可能性があると。ただ、そういうときには国全体の借金も非常に小さくなりますので、そういう想定を超えるインフレが不幸にして起きた場合にですね。ですから、そことの関係も含めて考えれば、これが決定的かどうかということは確かに議論あるところだと思います。
 それから、運用の問題は、これだけ大きな国債を抱えた国がその国債を例えば大量に持つとか、そういう形で、これもできないわけではないのではないかというふうに思います。
 やっぱり最大の問題は、二重の負担といいますか、今議員は、この絵では七百二十一兆、積立金を除いてというふうに言われました。これを百年でということになると、これは金利も当然付きます。前提はこれは金利ゼロで計算しておられますが……
#358
○桜内文城君 金利二・一%です、全て。
#359
○国務大臣(岡田克也君) そうすると百年で七兆円にはならないんじゃないでしょうか。
   〔桜内文城君「いや、現在価値で」と述ぶ〕
#360
○国務大臣(岡田克也君) 分かりました。
#361
○委員長(高橋千秋君) 質疑でやってください。
#362
○国務大臣(岡田克也君) いずれにしても、そこの計算はいろいろあると思いますし、全体で九百二十二兆円なのかどうかというところもこれは議論があるところですけれども、いずれにしても、仮に七兆円だとしても、これを毎年償却していくというか払っていくということは、これは簡単なことではなく、それを相続税とか所得税でやっていくということになればその分新たな増税も要ると、こういうことだと思いますので、そこは果たして現実的かどうかと、こういうことだと思います。
#363
○桜内文城君 ちょっと座ったままやり取りして失礼しました。
 ここでお示ししているのは全て現在価値ベースに直しているものでして、全てが二・一%で増えていく、あるいは割り引かれているというふうに考えていただければ幸いです。ですので、毎年、百年間続けて七・二兆円というのは、毎年それが二・一%ずつは増えていくというふうにお考えいただければ幸いです。そこまで、それを百年続ければ、現在価値ベースで、その方が分かりやすいのでこういう言い方をしたんですけれども、その利率というものを考えていないわけではありませんで、全て二・一%という利率でこういった計算を行っているということは申し上げておきたいと思います。
 何か、これに関して。
#364
○国務大臣(岡田克也君) これが果たして現実的かどうかという中で、百年という期間の長さもありますよね。これは、百年にわたって、今の世代も負担するかもしれませんが、例えば所得税ということになれば、今の現役世代以降の若い世代が負担するということになるわけですね。相続税であれば今の年金世代も負担するということにはなるかと思いますが、いずれにしても百年間で負担するということは、年金そのものは積立方式であっても過去債務の返済のところで次の世代にも負担をかぶせるということになって、トータルで考えるとこれは果たして純粋に積立方式と言えるのか、そういう問題もあるかと思います。
#365
○桜内文城君 今、岡田副総理御指摘になったのが、経済学の世界では公的年金改革に関する同等命題という言い方で、消費税なりあるいは所得税でもってこの償還を行っていくのであれば結局今の若い人たちとか将来世代が負担することになるということなんですが、そういった意味で、先ほど申し上げたような年金目的の新型相続税ですとか、そういったものも活用しながらしっかりとこの世代間格差というのを是正していきたいというのが眼目の、趣旨の法案でもございますので、これ国民会議でいずれ議論されるかもしれませんし、我々は法案という形でこの国会内でしっかりとこういった数字に基づく議論を今後更に行っていきたいと思いますので、そこは是非この国の将来のため、そしてまた新しい安定、長期にわたって安定的な社会保障制度をつくるって大変大事なことだと思っております。今のように人口構成が変わって、それによって一般会計が圧迫される、そして政策的な経費がなかなか出せなくなる、こういった状況を改めて、長期にわたって安定的かつ世代間格差を是正していく、こういった社会保障制度をしっかりと私はつくっていくことが可能だと思っておりますし、是非そういった議論をこの国会の場で今後やらせていただきたいというふうに思っております。
 残りの時間は、歳入庁の創設について話題を変えます。
 この消費税改革法案の七条八号に、今回の三党合意の下で、私は改悪修正だと思っておりますけれども、なされております。それまでの政府案の中では「歳入庁の創設による」云々という形で明記されておりましたが、残念ながら、この八号におきまして、「年金保険料の徴収体制強化等について、歳入庁その他の方策の有効性、課題等を幅広い観点から検討し、実施すること。」。素人の人が聞くと何が違うんだろうという気もするかもしれませんけれども、役人的に言いますれば、この文言は、「歳入庁その他の方策の有効性、課題等を幅広い観点から検討」というのは、検討というのはやらないということですよ。また、かつ、この「歳入庁その他の」というふうに来ているということは、歳入庁は単なる例示であって、検討対象の例示として挙げているにすぎない。そしてまた、「実施すること。」と最後に付いていますけれども、これは一番最初の「年金保険料の徴収体制強化等について、」ということを実施しますというだけの話であって、全く歳入庁の創設というものを骨抜きにした文言に変わったと感じております。
 その歳入庁の必要性について、我が党としては既に歳入庁の設置の法案も提出しておるところですけれども、前回、テレビ入りではなかったんですけれども、この委員会で、提案者の方から歳入庁なんか要らないというふうな御答弁をいただきました。もう一度、是非テレビの前で、国民の皆様方に歳入庁要らないという論拠をお示しいただければと思います。
#366
○衆議院議員(野田毅君) 歳入庁を設置せよという趣旨は、社会保険料の徴収についてより万全の体制をつくりたいということが一つの趣旨なんだろうと理解をしています。そういう点で、趣旨はいいんですが、その目的は。ただ、現実にそれをやるための具体的な制度が前提として必要になります。というのは、租税とそれから社会保険料は違います。特に社会保険料の世界は、年金という社会保険料もあれば、一方で医療保険という社会保険料もあるわけですね。しかも、同時に、就労形態によって、雇われている人たちとそれから事業者としてやっている場合と、サラリーマンの場合は半分は会社が出します。だけど、個人事業は出す人はおりません。
 そういう意味で、これはどういうことかというと、一方では源泉徴収義務があるかないかなんですよ。今、給料を出す場合には、いわゆる給料支払側が所得税の源泉徴収義務が課されているわけですね。だから、逆に言うと課税最低限以下の人は源泉徴収義務は掛かっていませんね。それはもう桜内さん、かつて大蔵省におられたからよくお分かりだと思う。だから、課税最低限以下の人に対して税務職員がこれをどうやって調査できるんでしょうか。また、一般の給与支払全部に対して通知義務を逆に出すことになるんでしょうか。つまり、給与を支払う側に対しての社会保険料の扱いと所得税の扱い、これはどういうふうにじゃ違えるんでしょうかということも一つ検討する必要があるということですね。
 特に、個人事業主の場合には、これは地方が徴収する医療保険、国保ですね、これをどうやって国税庁で扱うことができるんでしょうかと。この仕組みそのものから変えない限り、趣旨、狙いはいいんだけれども、現実にはとてもとても今の制度では対応できないという現実があると。これを乗り越える方策も必要でしょうと。
 ただ、この前の三党の協議の中で、特に政府の方、あるいは与党の皆さんが歳入庁という言葉に大変こだわっておられるということがあるので、せめてその名前はまずは消さないで検討の対象にしましょうということにはしてあるわけです。
 以上です。
#367
○桜内文城君 私が生まれる前からの大蔵官僚の大先輩でいらっしゃいますので、長幼の序を持って、礼儀を持ってお話ししたいと思いますが、しかしやはり私、今現実には無理だという趣旨のことをるる丁寧に御説明いただきましたが、しかし実際には、これ世界の各国で、アメリカ、イギリス、スウェーデン、カナダ、オランダで、徴収について一元化、税と社会保険料ですね、一元化しております。そういうふうにしっかりと現実にやっている国があるのに、できない、できないというふうに言われる理由が、私は申し訳ないんですけれども理解できません。
 そして、このメリットというのもたくさんあるわけですよ。よく言われますように、国税庁が把握している給与所得者の数が五千三百八十八万人、一方で厚生年金の被保険者数が三千四百二十八万人。相当な違いがあるんですね。こういった情報の共有を行う。あるいは、それによってクロヨンですとかトーゴーサンピンと言われるような不公平も是正が可能になってくる。
 なぜそれをやろうとしないのか。実際にほかの国ではやっているんですよ。各国の制度を見ながら我が国のこういった税務署の制度であるとかそういうものをつくってきているのにもかかわらず、やらない。
 そしてまた、現場とおっしゃいますけれども、現場というところでいえば、本当に重視しなくちゃいけないのは利用者といいますか国民の利便性ですよ。今、私もこうやって政治家の事務所をやっておりまして、社会保険の手続等、うちの事務所に勤める者の、私設秘書の分とか、手続やってみましたが、まさに税務署だけじゃなくて、社会保険や労働保険関係などの事務所、雇う側も行かなくちゃいけないし、逆に言えば、国民の側からしてもいろいろな手続の窓口が分散されている。
 こういったものをしっかりと情報を共有して、また、今マイナンバーというものも議論されている中、こういった歳入庁を設置するという議論をしっかりと前向きに進めていくべきだと思うんですが、岡田副総理、いかがでしょうか。
#368
○国務大臣(岡田克也君) この歳入庁の問題、党の中でもいろいろ議論してまいりました。
 今委員が言われる中でも私はなかなか難しいなと思うのは、一つはやっぱり地方の税との関係ですね。これ全部一括して、国税、地方税、保険料、全てを歳入庁でということになりますと、やっぱり地方自治、地方主権にとって税を自ら徴収するということは、私、本質的な問題ではないかというふうに思います。そこまで歳入庁に預けてしまって、それで果たして自立した地方自治体と言えるのかどうかと、こういう議論はあると思うんですね。
 しかし、保険料、例えば国保の保険料や、あるいは年金全体の保険料と国税を一つにするということは、これは我々の検討でも必要なことであると、そういう結論になりました。したがって、これは三党間でもこれから議論していかなければならないというふうに思っております。
 そのことと同時に、本来、もう少し私は社会保険料を集めるのに努力すべきだと思うんですね。御党がよく主張される、厚生年金に本来入っていなきゃいけないのに入っていない、そういう事業所が多いということについては、歳入庁になればよりいいかもしれませんが、今だってかなりできることはあるので、できることはすぐやりながら、順次、歳入庁に向かって工程表に基づいて進めていくというのが政府の考え方でございます。
#369
○委員長(高橋千秋君) 桜内文城君、時間が参りました。
#370
○桜内文城君 できることをやりながらとおっしゃいました。まさに、増税の前にやるべきことはやるということを再度申し上げて、私の質疑を終わります。
 ありがとうございました。
#371
○田村智子君 日本共産党の田村智子です。
 消費税増税は社会保障のため、介護、医療、年金、少子化対策の四分野に使うのだと総理は繰り返し主張をされています。そして、この特別委員会の質疑でも、消費税はおじいちゃんのため、おばあちゃんのためと安住財務大臣も繰り返し答弁をされておられます。それでは、消費税増税で社会保障制度が良くなるのか、介護保険制度に絞ってお聞きをいたします。
 今、保険料は払っているのに必要な介護サービスが利用できないという方が大勢おられます。厚生労働省の介護のサービスの利用率の調査見てみましても、要支援、要介護一、二という、こういう区分では、提供できる介護サービスの四割程度しか利用がされていません。介護度の重い方の区分を見ても、利用率は五割とか六割程度なんですね。その要因として介護の現場から強く指摘されているのが、利用料の負担が重いという問題です。年金の減額、そして保険料の値上げ、これがずっと続いています。介護サービスに使えるお金は目減りする一方なんです。サービスのメニューをどんどん増やしたとしても、施設がつくられたとしても、利用料負担ができなければ結局介護サービスは受けられない。
 まず、総理にお聞きします。消費税増税によって、こういう利用料の負担が重くて必要な介護が受けられない、こういう事態は解決がするのでしょうか。総理、お願いします。
#372
○国務大臣(小宮山洋子君) 先に答えさせていただきますが、今回の一体改革では、どこで住んでいても必要な介護が受けられるように、在宅サービスの拡充ですとか介護職員の処遇改善、低所得者の保険料軽減などに取り組むことにしています。こうした取組によりまして、どこに住んでいてもそこに必要な介護が受けられ、安心して暮らすことができる、そういう社会を目指していきたいと思っています。
 一体改革の介護の充実及び重点化、効率化の内容には、利用者負担の軽減というのは入っていません。
#373
○田村智子君 今お認めになったように、消費税増税やっても、利用料の負担を軽くするという、こういう改革案というのは何もないですね。これでは、先ほど来、在宅に、施設から在宅へだと、在宅のメニュー増やすというような議論をされていますけれども、そういうメニューが増えてもやっぱり、利用できるかどうか、こういう問題、解決できないんです。
 この間、高齢者の方、孤立死だけでなくて、独り暮らしではない方が孤立死をすると、孤独死だけでなく孤立死をするという事件が相次いでいます。その中には、介護をしていた家族が突然死をしたことが原因と、そう思われる事例が幾つも見られるんですね。
 今年三月、東京都立川市で九十代のお母さんと六十代の娘さんの孤立死の事件が起きました。持病もあった娘さんが突然死をして、その後、お母さんは助けを求めることができないまま亡くなられたという、大変痛ましい事件です。
 お二人は社会から孤立していたわけではないんです。お母さんは介護認定を受けておられた、施設への入所を勧められてもいた、だけど利用料負担を気にしておられたというんです。そして、結局、施設入所はせず、ほかの介護サービスも利用せず、娘さんが一人で介護を担っておられた。これ、訪問介護もなかったために、娘さんに何か事が起きて、それから発見までは二週間もの時間が経過をしてしまった。もしも介護サービスにつながっていたら、そう思うと大変胸が痛みます。
 先ほど、やっぱり利用料負担、これ軽減策ないというふうに言われました。これでいいのかということなんです。
 総理にお答えいただきたいんですが、やっぱり今の利用料一割負担、これ重いんですよ。消費税で十三・五兆円も増税しておきながら、利用料負担の上限額下げるとか一割負担について見直すとか、何でこれ踏み込まないんですか。今度総理お答えください。総理お答えください。社会保障は、だって総理に言っているんですから。
#374
○国務大臣(小宮山洋子君) 今も、一割の軽減を行うのかということは、その軽減は含まれていませんけど、現在の制度でも所得段階に応じた月単位の利用者の負担の上限は設けています。一般の高齢者は月額三万七千二百円、市町村民税の世帯非課税のところは月額二万四千六百円、年収八十万円以下の高齢者は月額一万五千円など、利用者の負担が過大とならないような仕組みは今もしているということです。
#375
○田村智子君 それは今の制度で、そして今のその制度があっても、先ほど御紹介したみたいに利用できていない方が現におられる。孤立死の事件にも結び付いているんですよ。
 総理、何でこれやらないんですか。社会保障のためじゃないんですか。
 総理、お答えいただけない。じゃ、いいです。小宮山大臣はもういいです。
 じゃ、利用料負担について、新たな軽減策ないと大臣お認めになっている。実はそれだけではないんです。
 野田内閣が昨年七月に社会保障と税の一体改革の成案をまとめたのを受けて、社会保障審議会介護保険部会、既に昨年十月から四回にわたって開かれて、どういう改革が介護保険で必要かという検討をやっています。十一月三十日には、社会保障・税一体改革における介護分野の見直しに関するこれまでの議論の整理という文書をまとめています。タイトルどおり、消費税増税と社会保障制度の改革の中で介護保険制度は見直すことになる、その際にはこういう検討が必要だろうと、そういう項目を示したものです。これ見ると、利用料負担は軽くなるどころか、今よりも重くなる見直しメニューが幾つも示されているんです。
 抜粋したものを資料でお配りしていますので、見ていただきたいと思います。全部は時間の関係で紹介できません。幾つか紹介します。(資料提示)
 要支援者の自己負担割合の引上げ、これは、介護度が軽いとされる要支援の方には、現行一割の利用料負担、これを引き上げる。例えばホームヘルプサービス利用すれば二割とか三割負担になる、こういうことじゃないのか。
 ケアマネジメントへの自己負担の導入、介護プランを作るだけで利用料を徴収するということです。今はプラン形成やケアマネジャーさんと懇談することには利用料は掛かりません。介護サービスを受けて初めて利用料を払うことになります。それが、サービスを受ける前から入口で利用料を求めると、こういうことになります。
 そして、特養ホームなどへの多床室への室料負担。特別養護老人ホームは、今は個室に入った場合にのみ室料の支払がありますね。これは自民党の中村議員、質問がありました、大変重い負担だと。それを、今度は四人部屋でも食費や光熱費以外に室料として負担を求める。
 これは負担増検討メニューの一部なんです。これでは介護制度は良くなるどころかますます利用できない、そういう制度になってしまうんじゃないでしょうか。お答えください。
#376
○国務大臣(小宮山洋子君) とにかく、これからますます高齢者が増えていく中で、介護保険についてどういうふうに運用していくかというのは大きな課題だと思います。ただ、これは税か保険料か自己負担かしかないわけですので、その組合せをどうするかということだと思います。
 昨年六月の社会保障・税一体改革成案の取りまとめを受けまして、社会保障審議会の介護保険部会では、一号保険料の低所得者の保険料の軽減強化ですとか介護納付金の総報酬制の導入とか利用者負担の増を含む給付の重点化、こういう議論を行いましたが、今、先ほどメニューに挙げて、そこに挙げていただいていますが、それも賛否両論いろいろございまして、なかなかその意見がまとまっていないということで法案の提出もまだできていないということなんです。総報酬制の導入などもしたいというふうに考えますが、これは経営者の方々からなかなか異論も強いところでございますので、なるべく引き続き議論を進めて、その給付の見直しの内容などについては国会での御議論の結果なども考慮いたしまして今後更に検討をして、なるべく速やかに法案が提出できるようにしていきたい。
 三党合意にもございますので今後の介護についてもまた御協議もいただけると思いますので、そうした中で知恵を出していただければというふうに思っています。
#377
○田村智子君 税と保険料と自己負担しかない、そうですよ。だから、もっと国庫負担割合を増やしてほしい、そういう意見あります。私たちは消費税以外にもそういう財源見出す道があるということを提案していますけれども、皆さんは、少なくとも消費税で十三兆五千億円増税するんだと、増税しておきながら利用料の負担が重くなることは仕方がないかのような、そういう答弁をされる。
 これは、総理、立ってくださいよ。社会保障のためなんですよね。安住大臣だって、何だっておじいちゃんのため、おばあちゃんのためと言っているじゃないですか。なのに利用料の負担、これを求めるんですか、もっと重く。どうなんですか。
#378
○国務大臣(岡田克也君) これ、厚労大臣も言いましたように、これから高齢化が進んでいく中でどうやって負担を分かち合っていくかの問題、委員は、いや、ほかに財源はあると。確かに、政党助成金とか大企業への助成とかいろいろ言われますが、それでどれだけのお金が集まるのかという問題も同時に指摘しなければなりません。やはり、しっかりと将来の安心、安全のために必要な負担をお願いしながらやっていかざるを得ない、そこをやっぱり正直に国民の皆さんに説明しなくてそれで何か成り立つような言い方をするのは、私はいかがかというふうに思っております。
#379
○田村智子君 聞いていることに答えていないんですよ。十三兆五千億も増税をしておきながら、それなのに介護の利用料負担が重くなることは仕方がないということなんですか。どうなんですか。野田総理、お答えくださいよ。総理の計画でしょう。
#380
○内閣総理大臣(野田佳彦君) まず、国民の皆様にお願いする今回消費税の御負担は、十三・五兆という今数字が出ておりましたけれども、社会保障の充実とそして社会保障の安定化ということで、全て社会保障に充てていくということであります。
 その中で、今ずっと御議論をいただいております介護に関して言うならば、これは利用料負担の軽減という、そういう措置は入っておりませんけれども、在宅サービスの拡充であるとか介護職員の処遇改善であるとか低所得者の保険料軽減等々、介護保険制度の充実体制をつくっていくという項目は入っているし、地域包括ケアの実現を目指していきたいというふうに考えております。
 基本的には、社会保障全てに言えることだと思いますが、これは負担なくして給付なしだと思うんです。その分の消費税を充てる部分もあります。消費税を充てないで対応するものもあります。そういう整理をして考えていかなければいけないと思います。
#381
○田村智子君 制度の安定と言われますけれども、介護保険制度は、保険料というのは高齢者の方ほとんど天引きですよ。ずっと天引きされて払っていながら、利用料の負担が重くて使えていない。こういう制度が安定して継続されたって意味がないじゃありませんか。十三兆五千億も増税しながら、利用料の負担が重いという声にはこたえられないということだと、そういうことですね。
 もうちょっとお聞きしたいんですね。例えば、特養ホームの多床室でも室料の徴収をするんだと、こういうメニューです。これ、本当にひどいですよ。今でも、特養ホームにやっと入れる、こういう連絡が来ても、入居できる部屋は個室なので月十万円以上の費用が掛かるんだ、こう説明されて入居を諦めている方たくさんおられます。先ほど自民党の議員の質問でも、十三万、十四万掛かるんだと、一体これが払えるのかと、そういう質問がありました。
 今、国民年金の平均額というのは四万九千円ちょっとですよ。だから、今、地域歩きますと、特養ホームをつくってほしいというだけじゃないんです。国民年金で入れる特養ホームをつくってほしいんだと、これ本当に切実にそういう声が寄せられるんですね。それなのに、消費税一〇%になれば食費の負担は当然増えます。光熱費の負担も増えます。何もしなくたって負担は増えるんです。それなのに、室料も多床室であっても支払ってくれと求める。そうしたら、入居できないだけじゃないんです。今入居している方が払えなくなったら、これ特養ホームから出なくちゃいけなくなるじゃないですか。大変な事態ですよ。本当にこんなこと検討するのかどうか、お答えください。
#382
○国務大臣(小宮山洋子君) 多床室からの室料の徴収については、ユニット型個室との負担の均衡を図る観点から一定の負担を求めることが必要だという意見がある一方で、多床室は低所得者の利用も多いという今委員御指摘の観点から室料の負担を避けるべきだという意見もあります。こうした意見があることから、社会保障審議会の介護給付費分科会で議論を行って、今回の介護報酬改定では多床室からの室料徴収は見送ることにいたしました。
 先ほどから負担が多いとおっしゃいますけど、その分、様々、在宅医療、在宅介護の充実を含めてサービスを充実をする、それに見合った負担をいただくということで、先ほど申し上げたように一定の上限は設けて低所得者の方へは配慮もしていますので、負担が増えるけどサービスが増えていってそのメリットもあるということも併せて御考慮いただきたいというふうに思います。
#383
○田村智子君 これは大変もう平行線なんですけど、どんなにメニューが増えていっても、冒頭お話ししましたとおり、利用料の負担が重かったら目の前にメニューがあったって使えないという問題、ここが本当に解決しないまま残っていったら何のための介護保険の制度なのかって、このことを言わなきゃいけないと思います。
 先ほど、ユニット型は室料の負担があってその公平性が求められるというふうにおっしゃいました。でも、ユニット型に現に入っておられる方からお聞きをすれば、御夫婦の一人が個室に入っておられる、住んでいるんだから室料負担だと言われると。だけど、水光熱費だって、一方で、家族で暮らしていられれば、夫さんが自宅にいれば水光熱費も払わなきゃいけない、そして自宅の家賃も払わなくちゃいけない、二重の負担になっていると。この個室の負担を何とかしてほしいんだというのが、それが今の高齢者の皆さんの声だと思いますよ。
 おじいちゃん、おばあちゃんのためと何度も何度も答弁をされている安住大臣、これで本当におじいちゃん、おばあちゃんのための消費税増税って言えるんですか。
#384
○国務大臣(安住淳君) 先生、個別にはやっぱりそれはそういうふうに例えば共産党の皆さんに御相談に行く方もいらっしゃるというのは当然だと思います。個別にはあると思います。
 ただ、私どもの方から見ますと、やっぱり広く薄くどこかで負担をしないと今の制度のシステムの維持と改善というのはできていかないわけですね。介護の話は、これから十五年たつと今掛かっているお金の二・五、六倍になっていくわけです、今の制度のままでも。それは、先生方からおっしゃられれば、ほかを削れと、防衛費削ってこうすればいいとかってお話になるかもしれないけれども、そこはちょっと我々と考え方は違うわけです。
 そういう中にあって、ただ、統計的なことを言うとちょっとまたお叱りを受けるかもしれませんが、さりとて、現役世代の今働いている若い人、こういう人たちにじゃこの負担求めるかといったらば、私はそれはつらいと思うんですよ。だからこそ、統計的に見ると、実は高齢者の皆さんの持っている貯蓄とか資産は比較的若い現役世代よりも多いという統計があるということも事実なものですから、大変恐縮ですけれども、そこは多少余裕のあるおじいちゃんやおばあちゃんにはできるだけ消費してもらって、それは消費税でできるだけこういうものに例えば回していくとかいう、そういう仕組みも私はあっていいんではないかと思っております。
#385
○田村智子君 所得がないから個室には入れなくて多床室の特養ホームに入らなきゃいけないと、そういう人にまで室料の負担を求める案なんですよ、結局これはね。
 先ほど小宮山大臣は、これは法案に盛り込めなかった案だと、そのとおりなんですよ。先ほど私が示したメニューというのは、昨年の介護保険法の改定のときにも、検討はされたけれども、余りに国民の反発が強くて盛り込むことができなかったんです、昨年の法改定のときには。ところが、法改定やった直後に税と社会保障の一体改革だと言われたら、また亡霊のごとく出てくるわけですよ。介護保険の部会の中では、例えば介護の現場の方からは、こんなことをやったら本当に介護が受けられなくなると大変強い批判の声が出されているにもかかわらず、もう執念持って、こういう検討が必要だ、負担増が必要だというメニューが何度も何度もこうやって提案をされるんですね。
 小宮山大臣、法案に盛り込まなかったと。多床室の室料の負担求める、これは今後絶対検討しないと、消費税増税やってこんな負担求めるなんてことは今後検討しないということを言えるんですか。
#386
○国務大臣(小宮山洋子君) 今回の改定の中では盛り込まなかったと申し上げただけです。
 もちろん、豊富に財源があれば御負担は求めずにいいサービス提供できればいいですけれども、それはやはり一定のサービスが高齢化に伴って介護に必要だというときに、どのようにしてそれを負担をしていただくか、それは、いろいろ世代間、世代内の公平性も含めて、それはあらゆる方策を考えていかなければいけないというふうに思います。
#387
○田村智子君 結局、消費税は五%から一〇%、負担増と、その上、介護の利用料負担は今より重くなると、そして介護保険料も、先ほど来指摘ありました二〇二五年には六十五歳以上の平均月額は八千二百円の大幅な引上げだと、これは厚生労働省の試算ですね。
 総理、お答えください。これでどうして社会保障の機能強化なのかと。これは高齢者だけの問題じゃないんです。介護離職。今、四十代、五十代の男性の方が介護をするために離職をしなくちゃいけないと。だから、介護保険の機能強化をしてほしい、利用できる制度にしてほしいというのは、現役世代の切実な要求でもあるんですよ。これがどうして社会保障の機能強化なのか……
#388
○委員長(高橋千秋君) 時間が参っております。
#389
○田村智子君 最後にお答えください。
#390
○委員長(高橋千秋君) 野田内閣総理大臣、簡潔にお願いします。
#391
○内閣総理大臣(野田佳彦君) はい。
 社会保障関係費、それぞれ伸びていきますけれども、介護の費用の伸びが一番著しいんですね。だからこの扱い一番難しいんだと思いますが、今回の一体改革の中でも、先ほど来出ているように、認知症の対策であるとか二十四時間訪問サービスであるとか、供給面における改善があるんです。したがって、利用者の負担のことだけで一点に絞って社会保障が充実されないという、そういう紋切り型の批判はちょっとやめていただきたいと思います。
#392
○委員長(高橋千秋君) 田村智子君、時間が来ております。
#393
○田村智子君 負担ばかりが押し付けられるということがよく分かりました。
 終わります。
#394
○福島みずほ君 社民党の福島みずほです。
 財務大臣が六月八日の閣議後記者会見で、増税法案が通れば賛成が増えると発言したことに私は怒りを感じました。原発再稼働もオスプレイも消費税増税もやっちゃった者勝ち、既成事実をつくれば何とかやれるということじゃないですか。なぜ法案が通れば賛成が増えるんですか。国民なめていませんか。
#395
○国務大臣(安住淳君) 私は復興増税の話を例にいつも出しているんです。就任してから、これ非常に大変な法案で、これも賛成、残念ながらもしかしたら福島さんのところには賛成いただけなかったかもしれませんが、昨年ですね、復興特別法人税、それから所得税上げました。あのときの世論調査を見ますと、最初は賛成者が多かったんですが、実際、法案を出して、そして審議をかけたときには、やっぱり慎重論が非常に高くなってきました。しかし、終わって法案が成立して、二十五年のスキームであれは今スタートするわけですけれども、それが成立した後は、実は良かったという方が各社の調査で六割近くになっています。
 ですから、私はそのことを例に取って、消費税は確かに今、慎重論強いですね。しかし、元々、しかしそれは四割近い、今の現時点でも、私から言わせていただければ、四割近い方は今でも賛成だとおっしゃっている方が世論にあると思います。
 私は、いずれこの消費税を上げることについて国民の皆さんは、私は、私の勝手な推論かもしれませんが、多くの国民はどこかで負担はやむを得ないと思っていらっしゃるんだと思っております。ですから、そういう意味では、慎重な方々の多くは条件付で私は慎重だと思うんです。その条件である、例えば行政改革とか議員歳費の見直しとか、また様々なことはやりますけれども、同時に社会保障の安定のために消費税が必要だという世論にこたえていけば必ず私は理解は得られるものだということで、そういうことを申し上げました。
#396
○福島みずほ君 復興増税と消費税はまた違います。それから、提案している側が、現に国民の皆さんの反対が強い中で、成立すれば賛成が増えると言うのは傲慢じゃないですか。そんなこと言うべきではないというふうに思います。
 次に、財務省が消費税増税がされた場合にどれだけ負担になるかという試算は形式的に出していらっしゃいます。
 では、財務省にお聞きをいたします。
 来年復興増税、もしこの消費税増税法案が成立すれば再来年に消費税八%、年少扶養控除は廃止になり、保険料は上がり、もしかして電気料金が上がるかもしれない。いろんなタイプの家族、個人に対してどれだけの負担増になるかという、そういう国民の負担の試算結果ありますか。
#397
○国務大臣(安住淳君) 全体をパッケージにして、福島さんのおっしゃることは、家計別に例えばパターン化をして調べているかといえば、そうではございません。
 ただ、例えば消費税が上がったときのことは今おっしゃっていただきましたけれども、復興増税の場合は長期にわたって御負担をお願いをしたり、そうしたことの個別の影響というものはあると思います。
 多分、負担増ばっかりでけしからぬという御主張かもしれませんが、一方で、やっぱり先ほどからの議論も私聞いていて率直に思うんですけれども、今の制度を維持するのにだって莫大な赤字国債を発行してようやく維持しているわけだから、何かサービスが全然行き届かないんじゃないかとか、これで充実になっているのかというお叱り随分受けますが、今の制度を維持するのだって国債を出してようやくやっているような現状だということからいえば、これをどこかで埋めていかなければならないということは福島さんも十分、私、御理解いただけると思うんです。
 それから……
#398
○福島みずほ君 委員長。ちょっと時間がもったいないんですよ。
#399
○国務大臣(安住淳君) はい。じゃ、済みません。
#400
○福島みずほ君 質問に全然答えてないんですよ。
 私が言いたいことは、財務省が消費税増税を、上げる場合の計算している、しかし個人の生活は、来年復興増税がある、もしかして再来年消費税八%、その後一〇%になる、そして保険料は上がっている、みんなどうかと。みんなはやっぱり負担感があるんですよ。年収二百万円以下の人が一千二百万人になり、非正規雇用が四割になっている。負担感があって、これからどっかんどっかんどっかんと負担増になるわけです。それを試算すら財務省がしていないということが問題なんですよ。
 いろんなシンクタンクは、いろんな形で計算をしています。なぜそのことを財務省はやって、これぐらいの年収、これぐらいの家族、これぐらいの人にはどれだけの負担増かということを国民の皆さんにお聞きすべきじゃないですか。それを財務省がやっていないということそのものが私は大変な落ち度だというふうに思います。
 次に、次の表を見てください。(資料提示)これは申告納税者の所得税負担率なんですが、どんどん実は一億円ぐらいを基準に実際の負担率が下がってしまう。これは一つは、合計所得金額のうち株式譲渡の分は逆にぐんぐん上がっていくと。つまり、株式等の保有が高所得者層に偏っていることや、分離課税となっている金融所得が軽いために、逆に高所得者層で所得税の負担率が実は下がっているということなんです。
 ということは、証券税制や金融への課税が今回先延ばしです。順番が違うじゃないかと。少なくとも不公平税制、少なくともこの金融証券、相続税や所得税の課税強化こそすべきではないですか。
#401
○国務大臣(安住淳君) まず、後段のお答えについて言えばおっしゃるとおりでございますから、おっしゃるとおりというのは、金融課税については本則に二十六年から戻します。一億円から上の方々というのは株式とかそういう金融資産を持っておられるので、そこのところでいうと、やはり負担率が下がってくるのではないかという御指摘に関して言えば、私どもとしても、こうしたことについては富裕層について御負担をお願いすべきであろうというふうに総理もお考えでありまして、私どもとしては、これは今回だけで終わりにします。
 先ほどの話、ちょっとくどいようですけど、福島さん、いいですか、一言だけいいですか。
 やっぱり、国民負担率というのは一つの見方じゃないでしょうか。国民負担率で見たときに、じゃ、諸外国と我が国でいえば、やっぱり今、国民負担率は我が国は三九%ですよね。それは諸外国で見れば、例えばフランスは六一、スウェーデンは五九、非常に高いわけですね、ドイツは五二と。ですから、福島さんからおっしゃられれば、前に比べて負担がとても高くなったとおっしゃるけれども、今の日本が行っている社会保障のサービスは、国民の皆さんに御負担いただいている比率は世界から見ると私は安いと思うんです。
 そういう中で、どこで我々はそれをカバーしているかというと、財政赤字ですよ。そのことをやっぱりもうちょっと考えないと私はこの御負担の議論というのは見えないんじゃないかなと思いますので、そのことは申し上げます。
#402
○福島みずほ君 国民の負担は当然です。しかし、消費税の国税に対する割合は、日本は法人税や所得税の最高税率をどんどん下げてきた、高い人たちを下げてきた、それと、軽減税率がないことから、消費税の割合は御存じのとおり高いんです。外国で高い、ヨーロッパに比べて高い。日本がもし消費税一〇%にすれば断トツ、三五%消費税で賄うんです。私の質問は、なぜ金持ちから取らないかということなんです。
 オキュパイド九九%、ワシントンDCやいろんなところを見てきました。アメリカでもフランスでも富裕層への課税強化が提案されています。フランスのオーランド大統領は公約の中で、大企業の法人税引上げ、所得税の最高税率七五%などを主張している。アメリカの投資家であるウォーレン・バフェット氏は、大金持ちを甘やかすのはやめろと言っているわけです。見てくださいよ、さっきの図。一億円超した人の負担率はどんどん下がっている。
 だから、分厚い中間層というんだったら、消費税ありきで今回やっているのが問題なんですよ。同時に、証券税制なぜやらない。消費税ありきだけ、これだけ突出して法律成立させることは問題じゃないですか。
#403
○国務大臣(安住淳君) いや、ですから、金融課税等の今の一〇%は本則に戻して二〇にしますと申し上げているんです。
 それから、認識としては、三党での合意も比較的そういう意味では福島さんと同じです。所得の再配分機能については、所得税を含めて資産課税についても累進性について協議をして、そしてその成案を得ていきましょうと。方向感覚としてはやはり、今のような、フラット化をしていますね、今四〇%です、最高税率が。これは昭和六十一年のときは七〇なんですね。これはだんだんだんだん減税といいますかフラット化をしてきたんです。一方で、所得の低い方々に対しても一〇%を五%に下げたりもしていますから、決してそういう意味では高い人からだけ取らなくなったわけではないんですが、今のこの税体系の中での累進率がいいかというと、御議論あることはおっしゃるとおりで、私どもも、ですから四〇を四五に上げる提案をさせていただきましたから、ここは三党でもそういう方向で是非話をさせていただきたいと思います。
#404
○福島みずほ君 しかし、今回の法案は、削除して先送りしているんですよ。順番が違う、やり方が違うというのが社民党の主張です。
 消費増税によって社会保障費を補填するのであれば、地方分、地方に行く分を除いた全額分について赤字国債の発行を減らすということで、総理、よろしいですね。
#405
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 今回の一体改革は、消費税の引上げ、国民に御負担をお願いする分は、全てこれ社会保障に充てるということであります。その結果、消費税率引上げに伴う増収分は、基本的には後代への負担のツケ回しの軽減などに使われるということになっていくと思います。
#406
○福島みずほ君 ちょっと済みません。赤字国債の発行を減らすということでよろしいんですね。済みません、くどいようですが。
#407
○国務大臣(岡田克也君) この前申し上げたんですけれども、これ地方に行く分もありますから、そのまま赤字国債の額にイコールにはならないということです。
#408
○福島みずほ君 だから今日聞いているんです。
 地方に行く分を除いた全額分が赤字国債の発行を減らすということでよろしいですね。
#409
○国務大臣(安住淳君) 御質問の内容を私なりに考えると、多分それから更に国民年金の二分の一の国庫負担分を除きますから、トータルでいうと、私どもの試算で、ネットで多分八兆円程度の財政収支の改善にはつながると思います。
#410
○福島みずほ君 消費税増税して、その後どうなるかを聞きたいんです。赤字国債の分はちゃんと減るんですねということを確認したいんです。
 ちょっと曖昧だから聞かせてください。
 確かに、岡田さんは前回のこの委員会で地方に行く分もありますからと言いました。だから今日、はっきり聞いているんです。地方に行く分を除いた全額分について赤字国債の発行を減らすということで、総理、よろしいんですね。そうですと言ってくだされば、私は納得します。どうぞ。
#411
○国務大臣(安住淳君) 国民年金の国庫負担の二分の一分は除くわけですから、それと地方に行く分を除けばおおむね八兆円規模だと申し上げているんです。
#412
○福島みずほ君 それは全部減るということですよね。
#413
○国務大臣(安住淳君) 国債の発行額そのものは、残念ながら、これは話すと長いんですけれども……
   〔福島みずほ君「いえいえ、赤字」と述ぶ〕
#414
○国務大臣(安住淳君) 赤字国債を抑制……
#415
○委員長(高橋千秋君) 質疑でやってください。
#416
○国務大臣(安住淳君) 赤字国債の額は、我々の試算でも、残念ながら国債の償還費や毎年の社会保障費は増えていきますから、そういうことを換算すると、国債額が、そのまま発行額でいえば減るんではないんです。残念ながら、これは伸びるのを抑えると言った方が正しいかもしれません。
#417
○福島みずほ君 赤字国債の発行を減らした分、建設国債を増やすということはよもやないですね。
#418
○国務大臣(安住淳君) 特例公債を減らして建設国債を増やすというふうな考えは今ありません。
#419
○福島みずほ君 なぜこんな質問をしているかといいますと、附則十八条二項、税制の抜本的な改革の実施等により、財政による機動的対応が可能となる中で、成長戦略や事前防災及び減災等に資する分野に資金を重点的に配分することなど、我が国経済の成長等に向けた施策を検討するとあります。
 ですから、減災や防災はもちろん必要です。しかし、消費税を増税して、国民は、赤字国債が減るんじゃないか、建設国債もそんなに増やさないでくれと、借金漬けやめてくれというのが思いであったにもかかわらず、成長戦略という名の下に、いや、やっぱり赤字国債、建設国債が増えたという形になるのは問題だと思っているんです。
 ですから、この委員会で、いや、やっぱりそれは、きちっとそれはやりますということを言ってくださいよ。
#420
○国務大臣(安住淳君) いやいや、何度も申し上げているように、ばらまきをやるなんということは全くありません。また、そういうことを三党で合意したわけではないんです。ですから、そういう点では御懸念には及ばないと私何度も言っているんですが、一部の報道機関や何かもそうですけど、公共事業と税の一体改革じゃないかみたいな全く事実と違うことを言っているわけです。そんなことじゃないんです。
 これは、社会保障の充実のためにこの財源というのは全て充てますから、そういうことでいえば、十八条の二項というのは景気を良くしていくそのプロセスの中のことを細々書いてあるわけですけれども、日本の経済を落ち込ませないようなための施策としては考えますが、財政再建の枠をはみ出してということは政府としても全く考えておりません。
#421
○福島みずほ君 お金に色は付いていません。ですから、消費税増税したけれども、赤字国債が増える、いや、減ると思ったら増える、あるいは、これが減ると思ったら建設国債が増えるなんということになると、それは違うということを申し上げているわけです。
 無駄をやるわけじゃないとおっしゃったので、お聞きします。
 外環道路、「もんじゅ」、核燃料サイクル、思いやり予算。「もんじゅ」、いいかげんやめましょうよ、一兆円つぎ込んで全然動かないんですから。民主党の中でも「もんじゅ」を廃炉にすべきだという提案が中から、まあ一部かもしれませんが、出ております。
 総理、決断できない政治といって消費税決断するんじゃなくて、高速増殖炉「もんじゅ」や、これを廃炉にする、決断してくださいよ。
#422
○国務大臣(安住淳君) ちょっと事実関係だけを申し上げますと、例えば公共事業費については七・一兆を四・六兆に減らしました。今御指摘の「もんじゅ」につきましても、これは私が査定しましたけれども、実は百七十五億円で、四十一億円減らしております。これは、核燃料サイクルに関係する、まあ「もんじゅ」の安全性を、ありますから、そうは言ったって、これをどうするかは、夏の総合エネルギー対策を決めるときまでの間、これは必要最小限の経費としてこれを盛り込みました。
 それから、在日米軍経費につきましても、ピーク時が二千七百億円ですが、今、一千八百億円までこれ累次、政府、対米交渉の中で減らしてきているという事実がありますから、全くゼロにしろという考えとはなかなか合わないかもしれませんが、大変な努力をしております。
#423
○福島みずほ君 「もんじゅ」について、予算を減らしているのはもちろん承知をしています。
 私が申し上げたいのは、もういいかげん廃炉にするということを政治として決断を政権がしてほしいということなんです。いかがですか。
#424
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 一体改革については、一昨年の暮れからの長い議論を経ての決断をさせていただいております。東日本大震災、原発事故を踏まえていろいろな検証と国民的な議論が必要だと思います。
 中長期におけるエネルギーの選択肢については、今国民的な議論行われています。そこで出てきた方向性を踏まえながら、核燃料サイクルの問題、バックエンドの問題、そういう議論についても方向性を出していきたいと思っております。
#425
○福島みずほ君 こういうところにメスを入れなければ消費税を上げるなんという議論はできないというふうに思っております。
 次に、子ども・子育て新システムに関して、現在においても三千億足りないというふうになっております。子供については本当にお金を使うべきで、現時点において、三千億円何とかしますというのが現状における答弁だというのは大変不安です。
 これ、どうするんですか。
#426
○国務大臣(安住淳君) 何とかしたいと思います。
 本当、大変なお金でございます、おっしゃるとおり。ですけれども、これは立法府として、特に三党でお決めになられましたから、財務省としては何とかこの財源を捻出するために大変な努力をしたいというふうに思っています。
#427
○福島みずほ君 ですから、これも順番が違うんじゃないか。子供のための三千億は確保して、やっぱりさっき言った環状道路、外環道路やいろんな点、一メートル一億円と言われているようなところ、これはきちっと子供予算に回してくださいよ。そういうことを国民は期待しているんだというふうに思っています。
 うん、うんと言っていますが、その三千億は公共事業カットでやるんですね。
#428
○国務大臣(安住淳君) いやいや、そうじゃないでしょう、福島さん。環状道路のことも、いろいろ賛否もあるし、ニーズや必要性についていろいろな意見があることは十分分かりますから、先生のような意見もあれば、やはり東京では、あれは日本全体の道路交通網の整備の中では必要だという意見もありますから、そういうことを総合的に勘案してこれは国土交通省としてお決めになられたことでありますから、単に無駄な公共事業という言い方はちょっと私はどうかなとは思います。
 ただ、子供のことについては、七千億プラス三千億で一兆超というふうな御要望でございますので、限られた財源の中からどういうふうに捻出するかは、大変これから厳しいところはありますが、私の責任で何とかしたいと思います。
#429
○福島みずほ君 何かコンクリートから人へではありませんが、政権交代の生活再建というのは、社民党は忠実に言っているという気がしますが、子供予算のその三千億こそ確保すべきであって、メスを振るうべきだと思います。
 次に、次のことを申し上げます。
 最後に、総理にお聞きをしたい。
 原子力規制委員会の委員長に田中俊一さんの名前が出ております。まだ報道ベースです。しかし、例えば彼は、原賠審の中で二十ミリシーベルトに固執をし、その委員会が自主避難者にお金を出そうと決めたとき、決定した後にも抗議文を出したような人です。
#430
○委員長(高橋千秋君) おまとめください。
#431
○福島みずほ君 私は、原子力規制委員会にどんな委員長、どんな委員がなるかが本当に政権のメッセージだと思っています。
#432
○委員長(高橋千秋君) おまとめください。
#433
○福島みずほ君 きちっと、原子力村ではない、そして人の命を守る、そんな人にしてください。よろしくお願いします。総理。
#434
○委員長(高橋千秋君) よろしいですね。終了とさせていただきます。
#435
○福島みずほ君 じゃ、終わります。
#436
○委員長(高橋千秋君) 八案に対する本日の質疑はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
   午後五時七分散会
ソース: 国立国会図書館
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