くにさくロゴ
2012/07/27 第180回国会 参議院 参議院会議録情報 第180回国会 社会保障と税の一体改革に関する特別委員会 第9号
姉妹サイト
 
2012/07/27 第180回国会 参議院

参議院会議録情報 第180回国会 社会保障と税の一体改革に関する特別委員会 第9号

#1
第180回国会 社会保障と税の一体改革に関する特別委員会 第9号
平成二十四年七月二十七日(金曜日)
   午前九時開会
    ─────────────
   委員の異動
 七月二十六日
    辞任         補欠選任
     西村まさみ君     松浦 大悟君
     蓮   舫君     植松恵美子君
     渡辺 孝男君     西田 実仁君
     藤谷 光信君     亀井亜紀子君
 七月二十七日
    辞任         補欠選任
     大河原雅子君     岡崎トミ子君
     大島九州男君     白  眞勲君
     林 久美子君     川崎  稔君
     松浦 大悟君     西村まさみ君
     水落 敏栄君     長谷川 岳君
     井上 哲士君     山下 芳生君
     福島みずほ君     吉田 忠智君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         高橋 千秋君
    理 事
                大久保 勉君
                櫻井  充君
                吉川 沙織君
                石井 準一君
                衛藤 晟一君
                中村 博彦君
                荒木 清寛君
                中村 哲治君
    委 員
                相原久美子君
                植松恵美子君
                梅村  聡君
                大久保潔重君
                大島九州男君
                岡崎トミ子君
                金子 洋一君
                川上 義博君
                川崎  稔君
                鈴木  寛君
                西村まさみ君
                白  眞勲君
                松浦 大悟君
                礒崎 陽輔君
                上野 通子君
                片山虎之助君
                高階恵美子君
                塚田 一郎君
                中川 雅治君
                中西 祐介君
                長谷川 岳君
                水落 敏栄君
                宮沢 洋一君
                山崎  力君
                山谷えり子君
                若林 健太君
                竹谷とし子君
                西田 実仁君
                姫井由美子君
                桜内 文城君
                中西 健治君
                山下 芳生君
                吉田 忠智君
                亀井亜紀子君
   衆議院議員
       発議者      長妻  昭君
       発議者      柚木 道義君
       発議者      白石 洋一君
       発議者      鴨下 一郎君
       発議者      加藤 勝信君
       発議者      西  博義君
       発議者      和田 隆志君
       発議者      泉  健太君
       発議者      江端 貴子君
       発議者      田村 憲久君
       発議者      馳   浩君
       発議者      池坊 保子君
       修正案提出者   白石 洋一君
       修正案提出者   長妻  昭君
       修正案提出者   柚木 道義君
       修正案提出者   加藤 勝信君
       修正案提出者   鴨下 一郎君
       修正案提出者   西  博義君
       修正案提出者   泉  健太君
       修正案提出者   江端 貴子君
       修正案提出者   和田 隆志君
       修正案提出者   田村 憲久君
       修正案提出者   馳   浩君
       修正案提出者   岸本 周平君
       修正案提出者   古本伸一郎君
       修正案提出者   竹下  亘君
       修正案提出者   野田  毅君
       修正案提出者   竹内  譲君
   国務大臣
       内閣総理大臣   野田 佳彦君
       国務大臣     岡田 克也君
       総務大臣     川端 達夫君
       財務大臣     安住  淳君
       厚生労働大臣
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(少子化
       対策))     小宮山洋子君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(経済財
       政政策))    古川 元久君
   副大臣
       内閣府副大臣   後藤  斎君
       総務副大臣    大島  敦君
       財務副大臣    藤田 幸久君
       文部科学副大臣  高井 美穂君
       厚生労働副大臣  辻  泰弘君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        五十嵐吉郎君
       常任委員会専門
       員        塩見 政幸君
       常任委員会専門
       員        大嶋 健一君
       常任委員会専門
       員        松田 茂敬君
   政府参考人
       総務省自治行政
       局選挙部長    田口 尚文君
       法務省刑事局長  稲田 伸夫君
       厚生労働省医政
       局長       大谷 泰夫君
       厚生労働省社会
       ・援護局長    山崎 史郎君
       厚生労働省保険
       局長       外口  崇君
   参考人
       日本銀行副総裁  山口 廣秀君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○参考人の出席要求に関する件
○公的年金制度の財政基盤及び最低保障機能の強
 化等のための国民年金法等の一部を改正する法
 律案(内閣提出、衆議院送付)
○被用者年金制度の一元化等を図るための厚生年
 金保険法等の一部を改正する法律案(内閣提出
 、衆議院送付)
○社会保障制度改革推進法案(衆議院提出)
○子ども・子育て支援法案(内閣提出、衆議院送
 付)
○就学前の子どもに関する教育、保育等の総合的
 な提供の推進に関する法律の一部を改正する法
 律案(衆議院提出)
○子ども・子育て支援法及び総合こども園法の施
 行に伴う関係法律の整備等に関する法律案(内
 閣提出、衆議院送付)
○社会保障の安定財源の確保等を図る税制の抜本
 的な改革を行うための消費税法等の一部を改正
 する等の法律案(内閣提出、衆議院送付)
○社会保障の安定財源の確保等を図る税制の抜本
 的な改革を行うための地方税法及び地方交付税
 法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院
 送付)
○委員派遣承認要求に関する件
    ─────────────
#2
○委員長(高橋千秋君) ただいまから社会保障と税の一体改革に関する特別委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 本日までに、渡辺孝男君、西村まさみ君、蓮舫君、藤谷光信君、林久美子君、大河原雅子君、井上哲士君及び福島みずほ君が委員を辞任され、その補欠として西田実仁君、松浦大悟君、植松恵美子君、亀井亜紀子君、川崎稔君、岡崎トミ子君、山下芳生君及び吉田忠智君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(高橋千秋君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 公的年金制度の財政基盤及び最低保障機能の強化等のための国民年金法等の一部を改正する法律案外七案の審査のため、本日の委員会に参考人として日本銀行副総裁山口廣秀君の出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(高橋千秋君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(高橋千秋君) 公的年金制度の財政基盤及び最低保障機能の強化等のための国民年金法等の一部を改正する法律案、被用者年金制度の一元化等を図るための厚生年金保険法等の一部を改正する法律案、社会保障制度改革推進法案、子ども・子育て支援法案、就学前の子どもに関する教育、保育等の総合的な提供の推進に関する法律の一部を改正する法律案、子ども・子育て支援法及び総合こども園法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案、社会保障の安定財源の確保等を図る税制の抜本的な改革を行うための消費税法等の一部を改正する等の法律案及び社会保障の安定財源の確保等を図る税制の抜本的な改革を行うための地方税法及び地方交付税法の一部を改正する法律案、以上八案を一括して議題といたします。
 本日は、社会保障と税の一体改革についての集中審議を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#6
○吉川沙織君 民主党の吉川沙織でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 社会保障と税の一体改革において、財政再建、財政の持続性はもちろん大事でございますが、決して忘れてはならない視点として社会保障制度の持続性というものもあると思います。分かりやすい例えといたしまして、現在は高齢者お一人を現役世代二・四人で支える騎馬戦型でありますが、二〇五〇年には現役世代一・二人で一人を支えなければいけない肩車型になると予想されています。よって、社会保障制度の支え手であります現役世代、特に若年層の雇用が安定しなければ社会保障の持続性があるとは言えない状態になるのではないかと思います。つまり、支え手となる現役世代の負担をいかにして軽減するかということ、そしてその支え手をいかにして増やしていくかということが必要不可欠であると思います。
 私はこれまでずっと取り上げてきましたけれども、自身が超就職氷河期を経験して、就職氷河期を経験した上で会社員になって社会に出た経験を持っていますことから、若年者雇用問題については一貫して取組を進めてきました。
 そこで今回は、前半は社会保障の観点から、支え手となる若年層の雇用問題に焦点を当て、後半は税の観点から質疑を行いたいと思います。
 ここ十年程度にわたりまして、高卒、大卒共に初任給にはほとんど変化がない状態です。その一方で、社会保険料、所得税、住民税は若干上がっていますので、可処分所得は減っているというような状況にあります。(資料提示)このデータは大卒正社員の場合ですから、非正規の雇用にとどめ置かれた若者にとってはその傾向がもっと顕著になると思います。正規、非正規を問わず若年層の活力が失われているということは、つまり消費行動に影響があり、経済活動にも影響があるということになります。よって、社会保障の持続性にも問題があると思いますが、総理の御見解、お伺いしたいと思います。
#7
○内閣総理大臣(野田佳彦君) おはようございます。
 若者の雇用環境はやはり依然として大変厳しい状況にあるというふうに認識をしています。若年者の完全失業率は、二十四歳以下では八・二%と、全年齢に比べても高い水準で推移をしています。政府としては、労働界、経済界、教育界とも若者を取り巻く切実な危機感を共有し、一体となって社会保障制度の担い手となる若者の雇用の安定を図ることが必要と考えております。
 このため、私が座長を務めます雇用戦略対話では、現場の方の知恵も借りて、若者の雇用に関する既存施策や取組を総点検をさせていただきました。その上で、在学中に就業体験をするインターンシップの充実、若者への中小企業の情報提供の拡充、キャリア教育に関して地域の労使、学校関係者が協議する場の設置などを柱とする具体的な支援策を若者雇用戦略として取りまとめたところでございます。これは六月の十二日でございました。
 今後、産学官が一層連携してこの支援策の実行に鋭意取り組み、若者の雇用環境の改善に全力を尽くしていきたいと考えております。
#8
○吉川沙織君 雇用戦略対話の方でもおまとめになられたものは、キャリア教育の充実であったり、雇用のミスマッチの解消であったり、あとキャリアアップ支援であったりと就労支援であって、あくまで雇用の質の改善を図っていかなければなりませんし、そもそも若者の雇用がこんなに低くなっている、不安定な状況に置かれているのは構造の変化ということにもありますので、そこの点については少し後で触れたいと思います。
 さて、今月の七月五日に厚生労働省が発表いたしました平成二十三年度の国民年金の納付状況によれば、若年層の二十五から二十九歳で四六・一%、三十から三十四歳で四九・六%という納付状況でしかありません。もちろん、公的年金制度全体の財政状況からすれば、それが余りにも大きな影響であると喧伝するのはどうかという観点はありますが、ただ、この納められない若者の中には、非正規雇用によって賃金が非常に低く、納めたくとも納められない状況が多く含まれるという考え方は妥当だと思います。
 もちろん、免除等の制度を知らないから未納になっているという若者もいると考えられますが、若者が置かれた就労環境がこの事態を招いているのであれば、非正規から正規へ、未納から納付へという状況に転換する施策を取らなければ、これら若年層、このまま年取っていけば、結果、年金の受給資格が得られないということになりますので、国民全体の負担が大きくなります。
 国民年金は、今回の一体改革でも、消費税増税分で国庫負担分を二分の一まで引き上げることになりますし、平均余命まで生きれば納めた保険料以上の給付を受けることができる制度です。しかしながら、これを知らない方も多いですし、制度や行政に対する不信感から未納という状態に陥っている若者も多いと考えられます。ただ、この状況は、長期給付である年金制度においては望ましくないと思います。ですから、一刻も早く年金制度に対する信頼を取り戻していかなければなりません。
 すごい表現ががさつになりますけれども、若い世代は、年金制度なんかに対して元が取れないと嘆いています。世代間扶養や相互扶助の仕組みである年金制度に元を取るとか取らないといった考え方はなじまないとは思いますが、そういうところが気になってしまう若者の気持ちも理解はできます。
 そこで、お伺いしますが、端的に表現すれば、年金制度は、平均余命近くまで、つまり長生きすればするほど元が取れる制度だと思いますが、副大臣、いかがでしょうか。
#9
○副大臣(辻泰弘君) 吉川委員御承知のとおり、我が国の公的年金制度におきましては、基礎年金の国庫負担をさせていただいております。それらの制度設計によりまして、我が国の公的年金制度におきましては、どの世代においても生涯において受け取れる年金額は払い込んだ保険料を上回るものとなっております。また、障害年金や遺族年金という万一のリスクに備えた備えにもなっているわけでございまして、こうした事実につきまして若い世代の方々にもしっかりと周知をし、年金制度に対する不信感を払拭するように努めていきたいと考えております。
#10
○吉川沙織君 この問題については昨年三月七日の予算委員会でも取り上げましたけれども、これら年金制度に対する正しい理解がないから未納に陥っている、それがひいては国民全体の負担を高めるということであれば、社会保障制度の体系的な知識を教育段階から深めていく必要があると思います。
 去年の文部科学大臣の答弁においては、「社会保障制度については、例えば中学校の社会科においては、年金を始め社会保障制度の基本的な内容を理解させる、」と、事項としては扱っている旨の答弁がありました。厚生労働省は、去年の質疑を受けて、社会保障の教育の推進に関する検討会を設置して検討を進めていただいているようでありますが、文科省は、どちらかといえば、それを受けて、受け身で対応しているという側面があるような気がしています。
 義務教育が中学校までの我が国においては、十五歳までにこのような基本的な知識を教育して理解をさせるということは当然だと思いますが、果たして十五歳までの年齢でそういう教育を受けて、自分自身の人生に置き換えて、将来キャリアがどうなるか、雇用環境がどうなるかというところまで思いが至らないと思います。ですから、体系的に教育をする、そして理解をしてもらって、実践的な知識を付けていただいて将来に備えるといった観点が必要だと思いますが、文科副大臣の御見解を伺います。
#11
○副大臣(高井美穂君) 御指摘ごもっともだと思いますし、大事なことだと思っています。
 それで、小中高等学校の学習指導要領において、発達段階に応じて社会保障に関する内容について学習をすることとしておりますが、例えば、各学校段階で、公的年金は原則として二十歳以上の人が全員加入し保険料を支払うという仕組みになっていることとか、若い世代と高齢者世代の助け合いの仕組みであることと、今御指摘あったようなことをしっかり学習するようにしております。
 また、社会保険労務士などの外部関係者からも直接話を聞いたりする機会も推進をしているところであります。加えて、先ほど来指摘があった厚労省が作られた高校生向けの社会保障教育の教材なども大変有用ですので、関係者と協力しながら全国の教育委員会に周知を図ったりしているところであります。
 いずれにしても、社会に出たときに役に立つような知識を体系立てて教えるということは極めて大事だと思いますので、御指摘踏まえてしっかり取り組みたいと思います。
#12
○吉川沙織君 今文科副大臣が御答弁くださいましたように、知識を体系的に理解できる。今年から、ダンスを決して否定するわけではありませんけれども、ダンスは必修化をされました。社会保障は国民全体の負担にかかわることですので、やっぱりもっと力を入れてやっていただければと思います。
 若年層の人口と大卒若年層の非正規雇用の推移を見てみますと、若年層の人口は、実は平成十四年から二十三年まで見てもかなり減っています。一方で、これ大卒の若年層でデータを取っておりますけれども、大卒で社会に出て非正規に留め置かれている若者の数は右肩上がりに上がってしまっているというような状況があります。
 一昨年の予算委員会において、当時の財務大臣からは「フリーター等によって正社員の皆さんよりも給与が低いために税収が下がっているということは十分予想される」と答弁がございましたとおり、税収に与える影響というのは看過できないと思います。さらに、昨年の予算委員会においても、当時の野田財務大臣は「正規より非正規が増えていくと、あるいは失業者が増えていくということになれば、雇用者報酬の総額が減り、そのことによって所得税収が落ち込むということの可能性はあり得ると思います。」と御答弁されています。
 就職氷河期世代を中心とする若年層が正社員になれなかったことによる経済的損失を正しく把握し、的確な対応を取ることが国の取るべき方策の一つであると考えますが、まずは国税に与える影響について財務大臣に伺います。
#13
○国務大臣(安住淳君) 御指摘のとおりだと思います。
 所得課税、法人課税、消費課税などいろんな意味でかかわっていますけれども、その中で、今御指摘があった若い方の非正規雇用者の増加が税収にどう影響するかということですが、実は政府の中で、労働力調査や賃金構造基本統計調査等を用いて、これは一定の仮定を用いてでございますが、それだと、やはり、非正規雇用者が正規雇用者と同じ年収を得ていないことによる所得税収への減収影響を試算するとマイナス五百億円程度になると。ただし、これがそれ以外にもいろんな影響は及ぼすと思います。ただ、民間の調査機関等では、いや、そんなものではないと、もっと大変な影響があるんだという統計もあるんですね。
 ですから、本当に働く意欲、それから就職したいと思っている方、正社員になりたいと思っている方にそういう場を提供できるかどうかということによって、かなりやはり税収にはいい結果を及ぼしていくということは吉川委員の御指摘のとおりだと思っておりますので、雇用についてやっぱり政府は特段力を入れていかなければならないと思います。
#14
○吉川沙織君 今、国税の観点から財務大臣から御答弁いただきましたけれども、若年層が正社員になれないことによる税収の損失というのは地方税においても影響するものでありますが、地方税収入に対する影響の額を、総務副大臣、お願いします。
#15
○副大臣(大島敦君) 御答弁させていただきます。
 一定の仮定を置いてではありますけれども、若年非正規雇用者が正規雇用者と同じ年収を得ていないことによる個人住民税への減収影響を試算すると、大体一千億円程度になるということでございます。
#16
○吉川沙織君 それぞれ、ほかにも加味する状況は、要素はあるという御答弁でしたけれども、国税でマイナス五百、地方税でマイナス一千億、また、それ以外にもいろんなところで影響があると思いますし、また、若年層における雇用問題は、今申し上げた税収や社会保障制度の支え手の側面のみならず、労働力の確保という側面からも大きな影響があると思います。
 今週、七月二十三日に厚生労働省の雇用政策研究会は、今財務大臣からも御答弁いただきましたけれども、若者の就労支援などの施策の効果が全くない場合、二〇三〇年の労働力人口が九百五十万人も減る試算を公表しています。これはもちろん最悪のケースの場合ですけれども、我が国の生産年齢人口にある人間、そして、それ以上で、高齢者でも労働力でしっかり支え手になってくださる方を増やしていく、労働力の確保、我が国の労働力確保の観点からも対策をしっかり講じる必要があることが理解できると思います。
 さて、今回、社会保障制度改革推進法案の附則に、「政府は、生活保護制度に関し、次に掲げる措置その他必要な見直しを行うものとする。」ことがあります。生活保護制度はこれによって今後必要な見直しが行われることになりますが、年齢階層別における人口構造と被保護人員の変化の比較をお示しさせていただきました。
 これ、現況を見ますと、平成元年の水準を一〇〇とした場合の推移を見ますと、それぞれ年齢階層別にお示ししてありますが、二十代と六十代において特に伸びが大きいことを確認できると思います。六十代に関しては、人口も上がっていて被保護人員も増えていますので比例をしている関係にありますが、二十代は、先ほどもお示しさせていただきましたとおり、若年層の人口は減っているにもかかわらず被保護人員が増えてしまっているというような状況があります。
 様々な理由でもちろん被保護者となっていると考えられますが、社会保障制度の持続性、そして国民全体の負担の観点からすれば、大きな影響があるということは言うまでもないと思います。生活保護を一旦受給してしまいますとそこからなかなか抜け出せない現状もありますが、若年層においてこの現状は放置できないと思います。だからこそ、現実を直視して将来推計を行うことでこの危機感をみんなで共有して、若年者雇用対策というものを拡充していく必要があると思います。
 平成二十年の質疑で取り上げて以降、何回か引用していますけれども、シンクタンクの試算によれば、私世代、つまり就職氷河期世代の若者が年金受給世代になったとき、生活保護試算の額、累計で約十九兆円に上るという試算があります。仮定を置いた上で構いませんので、国としても試算をすべきと考えますが、厚生労働省、いかがでしょうか。
#17
○政府参考人(山崎史郎君) お答え申し上げます。
 生活保護の将来推計でございますが、生活保護受給者は、制度を取り巻く失業率等の様々な社会経済情勢の影響を受けますので、なかなか正確に見通すことは困難だと考えております。ただ、その上で、今年の三月に厚生労働省が公表しました社会保障費の将来推計、この考え方をベースに機械的に試算しますと、足下の二〇一二年が三・七兆でございますが、二〇一五年には四・一兆円、二〇二〇年には四・六兆円、二〇二五年には五・二兆円と、こういう数値になってございます。
#18
○吉川沙織君 今御答弁いただきましたのは、社会保障に係る費用の将来推計に基づいて機械的試算で二〇二五年まで引っ張っていったその数字だと思いますけれども、それではまだ私たち就職氷河期世代の人間は年金受給の世代になっていませんので、これは今後も注視していきたいと思いますし、やはりこの影響は甚大ですので、しっかり政府としても対策を講じていただきたいと思います。
 さて、今後の雇用の在り方について少し総理にお伺いしたいと思います。
 今月、七月六日に国家戦略会議のフロンティア分科会は、「これからは、期限の定めのない雇用契約を正規とするのではなく、有期を基本とした雇用契約とすべきである。」、また、皆が七十五歳まで働くための四十歳定年制とする報告書を公表しています。
 私は三十五歳ですから、まだこれによっても定年には届きませんけれども、この報告書、二〇五〇年の日本の姿を描き、二〇二五年までの方向性を提言したものとは理解はしておりますが、これまで見てきましたとおりの若年者の雇用状況でこれをどうとらえてよいのか、総理の御見解をお願いします。
#19
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 国家戦略会議フロンティア分科会では、二〇五〇年のあるべき姿を見据えて、若手有識者を中心に自由闊達に御議論をいただきました。これが直ちに政府の方針になるものではないということは是非御理解いただきたいと思います。
 政府としては、今国会に、六十歳定年を基盤とした希望者全員の六十五歳までの雇用確保により、雇用と年金の接続を図るための高年齢者雇用安定法改正案を提出をしています。フロンティア分科会の報告書というのは、将来の我が国の姿を展望する際に、高齢者を始め全員参加を促す仕組みや雇用の流動化についての問題提起でございますので、これを一つの契機として労使や国民各界の間で御議論をいただくことを期待をしたいというふうに思っております。
#20
○吉川沙織君 雇用の流動化という御答弁ございましたけれども、今が実際に正規と非正規で同一価値労働、同一賃金が実現されていて行き来が同じようにできるのであればこれもいいとは思うんですけれども、今、御議論いただきたいというお話もありました。
 ただ、総理、七月九日の衆議院の予算委員会において、同じ国家戦略会議のフロンティア分科会の、部会は別になりますけれども、別の記載の項目については、「さまざまいろいろな御提言がございますけれども、そういう提言も踏まえながら政府内での議論も詰めていきたいというふうに考えております。」と。別の項目については議論を詰めていきたいとおっしゃって、今は任せるというような形かなと思ったんですけど、そこはいかがでしょうか。
#21
○内閣総理大臣(野田佳彦君) この分科会、四つの部会がありまして、今御指摘のような部会も含めて、叡智と平和と繁栄と幸福という部会でやりました。平均年齢四十三歳で男女が三対二という、大変今までにない自由闊達な場だったんです。自由闊達な場ですから、我々が何か統制をしたり規制をしている話じゃありません。あくまで自由な発想で二〇五〇年を展望したお話なので、ややちょっとやんちゃな提言があることも事実なんですけれども、でも、そういうことも含めて様々な議論を喚起していきたいという、そういう趣旨でございますので、先ほど来申し上げたとおり、そのまま政府の方針ということではないということであります。
#22
○吉川沙織君 是非、その点踏まえて御議論を詰めていただければと思います。これが独り歩きして変な方向に走っていくと余計若者の不安をあおることになると思いますので、是非お願いいたします。
 さて、次は、確実に雇用に結び付く施策の必要という観点でお伺いいたしたいんですけれども、厚生労働省の労働経済動向調査によりますと、企業が正社員を募集する際、既卒者の応募受付状況を見てみますと、既卒者が応募可能だったとする事業所割合は、平成二十年の調査で三三%、平成二十一年で二七%、平成二十二年で二五%、平成二十三年で二七%にとどまってしまっています。
 平成二十二年十一月に、雇用対策法に基づく青少年の雇用機会の確保等に関して事業主が適切に対処するための指針、これが一部改正され、事業主は学校等の新卒者の採用枠に卒業後少なくとも三年間は応募できるようにすべきものとするということが新たに盛り込まれました。また、厚生労働大臣を始めとして主要経済団体に対しても、卒業後三年以内、新卒枠で受付可能だということを是非お願いしますと要請行動を何度もしていただいていますが、今申し上げたデータのとおり、既卒者が応募可能な企業というのは微減して、ちょっとだけ増えているというような状況ですので、やっぱり少ない現状があると思います。
 これは、指針の改正や要請では企業に強制力を持たせることが限界があるという証左であると思います。ですから、社会保障制度の支え手を増やすためにも、若年層の雇用を促進する方策として国はしっかりそれを取らなければならないと思います。例えば、今いろんな事業ありますけれども、重複しているような事業を見直すことによって、既卒者を積極的に雇用した企業に対して社会保険料の事業主負担分を国が少しでも、まあ一部免除するなど、そういう方策は取るに値すると考えますが、総理、いかがでしょうか。
#23
○内閣総理大臣(野田佳彦君) リーマン・ショック後、若者雇用が厳しさを増し、とりわけ既卒者を募集する企業が大幅に減少したことを受けまして、吉川委員御指摘のように、雇用対策法に基づく青少年雇用機会確保指針を平成二十二年十一月に改正し、卒業後三年以内の既卒者の新卒枠での応募受付を事業主に要請をさせていただきました。指針改正後、新卒枠で正社員を募集した事業所のうち既卒者の応募を受け付けるものの割合で見ますと、平成二十二年、五三%から、二十三年、五九%に上昇をしています。また、ジョブサポーターの支援により、二十三年度には約九万人の既卒者の就職が決定をしています。
 しかしながら、御指摘がありましたように、依然若年者雇用は厳しく、若者雇用戦略においても既卒三年以内新卒扱いの標準化を盛り込まさせていただきました。引き続き事業主へ要請をするとともに、併せて事業主負担の軽減策であるトライアル雇用奨励金などの周知を徹底して、既卒者の就職促進に努めてまいりたいと考えております。
#24
○吉川沙織君 今問題提起いたしましたのは、リーマン・ショックの影響もありますけれども、やっぱりそれでも増えていませんので、指針の改正や要請では限界があるということを申し上げましたので、是非そこは、もう一歩踏み込んだ対策を是非お願いしたいと思います。
 さて、次、マイナンバー法案の扱いについてこの委員会の中でも何度も取り上げられていますけれども、このマイナンバーについては、若い世代から見ましても将来の安心にもつながる言わば新しい情報化時代の社会インフラであるだけでなく、社会保障の仕組みを大きく変え、真に手を差し伸べることが必要な人に必要な社会保障給付を行うためのものであり、今回の社会保障と税の一体改革の議論において必要不可欠であると考えます。
 今回の特別委員会の審議とは別建てになってしまっているマイナンバー法案について、七月二十日の当委員会においても自民党委員の質疑の中で、マイナンバー法案について、「全く審議がされていない法律があるのに、この法律の採決はできないと思いますが、いかがでしょうか。」との発言と併せて、このことについて理事会協議をお求めになられましたので、一昨日から理事会で協議に入っています。
 今後検討される給付付き税額控除の導入のためにも、この法案を審議し、採決をすることが理にかなうことではないかと考えますが、総理の御見解、お伺いします。
#25
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 社会保障・税番号制度につきましては、総合合算制度であるとか給付付き税額控除を導入する場合にはその本格的な稼働や定着が前提になるものであるなど、より公平な社会保障制度や税制の基盤となるものであり、マイナンバー関連法案は一体改革とも密接に結び付いた重要な法案であると考えております。
 マイナンバー関連法案の早期成立に向けて、与野党双方に衆議院での同法案の審議促進をお願いを申し上げたいというふうに思います。
#26
○吉川沙織君 通告しておりませんけれども、岡田副総理、七月二十四日の記者会見で給付付き税額控除について、少ない予算で手当てできる、しかし、本当に所得が少ないかをどこまで正確に把握できるかという問題は残るという趣旨のことを御発言されています。
 所得が本当に少ないかをどこまで正確に把握できるか、もちろんマイナンバーでも限界があることは分かりますけれども、でも、やはりこれを入れることによって所得が正確に捕捉でき、真に手を差し伸べる必要がある人に対して差し伸べることができるのがこのマイナンバーだと思いますが、岡田副総理、いかがでしょうか。
#27
○国務大臣(岡田克也君) 記者会見での私の発言は軽減税率との比較の中で申し上げたことで、それぞれのメリット、デメリットについて申し上げたところです。給付付き税額控除の最大の問題は、きちんと本当に必要な方、つまり所得が少ない方が特定できるかどうかということにあるということを申し上げたわけで、私はそのことをしっかりやらなければいけないという、そういう前提で申し上げているところです。
 これからの社会保障政策の一つの大きな柱は、やはり所得が非常に少ない方に対してどういう対策を講じていくかということであって、その前提はそのことが特定できるということですから、非常に私は重要なことだと思っております。そして、そのためにもマイナンバー制度の導入が必要不可欠であるということは論をまたないところであります。
#28
○吉川沙織君 是非何とか協議をして、衆議院で審議をしていただいて、参議院でも採決ができる環境を整えていくことは与野党共に大事なことであると思います。
 さて、税法の方についてお伺いしたいと思います。
 今回、三党合意に基づく修正により附則第十八条に第二項が加えられています。この条文について、衆議院における議論を議事録で読み返してみると、民主、自民、公明の各党の理解に若干ずれがあるような感じを私は受けました。本院においても既に多くの議論がなされていますが、消費税収を社会保障四経費に充てることは法律上明確に規定することになりますので、この点は全く異論はございません。問題は、消費税収の増加分をどのように取り扱うかということになると思います。
 今から二つ考え方を申し上げます。この二つについて前者か後者か、いずれかをそれぞれ三党の修正案発議者の先生方にお答えいただければと思いますが、一つ目、消費税収の増加分はそのまま国債発行額の減少とし、歳出総額を膨脹させないで、歳出の内訳として防災対策を含む経済成長分野へ資金を重点化するという立場。二つ目、消費税収の増加分だけこれまで社会保障分野に充てていた赤字国債等の財源が浮くことになり、この分を防災対策を含む経済成長分野に活用することとし、したがって歳出総額は増加するという立場。
 後者の立場の場合は、消費税収は社会保障分野に充てられることになっても、それと同等の財源がほかの歳出分野に回りますから、結果として消費税の増税で公共事業などを行うのと同様の効果を持つことになってしまいます。公共事業を決して悪玉扱いするつもりはもちろんございませんし、経済成長が促されるよう戦略に基づいて歳出の質の向上を図ることの重要性ももちろん理解しています。
 問題は、社会保障の充実、安定のために消費税の増税を国民の皆さんにお願いするという大前提がこれで崩壊することになりますので、国民の皆さんに対する重大な背信行為であると、言葉はちょっと過ぎるかもしれませんが、言わざるを得ません。
 したがって、私は前者の立場しか取り得ないと考えますが、まず自民党の野田先生、よろしくお願いします。
#29
○衆議院議員(野田毅君) 今回の消費税の引上げに伴う財政健全化への一歩前進という姿は、単年度ごとの帳じり合わせということに意味があるとは思いません。というのは、毎年、高齢化が進んでいくことによって当然増的に一兆三千億から五千億これから増えていくわけですね。だけど、毎年その分だけ消費税率を上げるという仕組みではありません。ある程度、何年かに一遍という形でやります。
 当然、単年度ごとに見れば、帳じり的には凸凹が出ます。ただ、それを全部、消費税の収入が増えた分だけ、同時に、その分の社会保障の高齢化に伴う経費増とでいえば多少差があります。その差が出た部分を全部今度はまた借金減額に回すという考え方とおっしゃったわけですけど、どちらかといえば、その部分の余裕は、消費税を充てるわけじゃないんだけれども、今まで緊縮財政一本やりで、言わば、どういうんでしょうかね、財政的に財政規律という名において削減ということに今まで傾きを、傾斜し過ぎていたのではないか。むしろ、これから日本のデフレ脱却への思いも込めて、例えば研究開発なり人材育成なり、それは減税を含めていいと思います。別途、歳出増を含めてもいいと思います。あるいは、減災、防災等に使ってもいいと思います。
 そういう攻めの財政という形にむしろ展開することによって、この消費税を含む財政の構造改革、歳入構造、歳出構造、この構造改革を、単年度ごとに帳じり合わせをするんじゃなくて、何年間かをパッケージにして頭に置いた上で、弾力的な、機動的な展開をしていきたいという意味で、機動的な対応が可能となる中でという表現を取っておると、そういうことです。
#30
○吉川沙織君 次に、公明党の竹内先生、お願いします。
#31
○衆議院議員(竹内譲君) 端的に申し上げます。私どもは、基本的に一の立場を基本と考えております。
 ただ、多少の防災、減災のためには建設国債も必要でしょうし、また、復興債のように、財源を担保した上での、私どもはニューディール債と言っておりますが、そういうものも必要でしょう。また、そのほかにも民間手法、レベニュー債のような民間手法をもって、民間の資金と知恵と力で公共事業をやるという発想も必要ではないかということを申し上げているところでございます。
#32
○吉川沙織君 民主党の古本先生、お願いします。
#33
○衆議院議員(古本伸一郎君) お答えいたします。
 一か二かというお尋ねでありましたので、私は一の方だと考えています。すなわち、この度御負担をお願いして消費税を引き上げた分は、これは法律の一条にも明記してございますけれども、社会保障の関係四経費、年金、医療、介護及び子ども・子育てに限定して使わせていただくということでございます。
 今、一だと言ったその論拠は、今、野田毅先生からお話がございましたけれども、消費税を何に使うかということに関しては今申し上げたとおりなんです。その以降の話として、確かに財政のフレーム、予算編成をする際に、入りが増えるわけですから、それから、出は今まで我慢してきた分を使えるものがあったら使いたいというのが今、野田先生のお話だったと思うんですが、この度の三党の合意ではそこまでは合意に至っていないというのがポイントなんです。
 ただ、消費税を上げる環境にはしていかなきゃならない。つまり経済です。景気を良くしていくためにはどういったことがあるんだろうかというのが附則の十八条、御指摘の中に記載したわけであります。当然に防災、減災もあれば、成長に資する分野への投資ということもあると思います。そのための財源はどこから来るかというのは別途の予算編成になると思いますので、そのときの内閣の考えを縛るつもりは毛頭ございません。
#34
○吉川沙織君 それぞれ、自民党、公明党、民主党の修正案提出者の議員の方から御答弁をいただきました。
 基本的に一、歳出総額は増額させないで、その中で歳出の質の向上、研究開発やそれ以外の防災、減災に充てていくということでしたけれども、まだそこまで決め切れていないという、そういうお話でもありました。
 実は私、現職の国会議員の中で、東日本大震災発生前より防災行政、消防行政について年に何回も、複数回にわたって継続的に質疑を重ねてきました。今までの審議の中で、プライオリティーを付けた上で、防災、減災にがばっと使うんだというような、そういうお話もありましたけれども、それに例えば、表現悪いですけれども、名を借りて歳出が大幅に増加するということはやっぱり避けなければいけないと思います。
 ずっと国会の質疑の中で訴え続けてきましたのは、防災や減災の視点の中で有するべき視点として、これまでどちらかといえばハードに偏ってきた嫌いがありますが、ソフト事業にも目を向けていかなければならないとずっと申し上げています。つまり、社会資本整備のようなハード事業とソフト事業を両輪で進めることが危機に強い国、災害に強い地域をつくるということになると考えているからです。自治体の防災体制の充実や避難勧告の具体的な発令基準の策定、ハザードマップの策定や避難訓練の実施、業務継続計画の策定など、ソフト面においてもやるべきことはまだまだ山積しています。私自身はその立場です。
 また、若年層としての観点から世代間格差をこの場で殊更取り上げるつもりもありませんし、経済成長は必要不可欠という立場でもあります。ただ、将来世代に対する我々の責任としては、国債発行額を減らして、これまで積もりに積もってきた借金を減らしていくことにこそあるのではないかと思いますが、総理の見解をお伺いしたいと思います。
#35
○内閣総理大臣(野田佳彦君) まず、今回の一体改革によって社会保障を充実化、安定化させていく、そしてその消費税の引上げ分は全て社会保障財源化すると、消費税による税収はばらまきに充てることは一切しない、これはもう全ての党というか、皆さんが共通理解であるというふうに思います。
 その上で、附則十八条第二項では、財政による機動的な対応は可能となるとされておりますけれども、これは、財政規律を堅持しつつ、その中で財政の機動性を可能にする必要があるということであり、そのためにも日本再生戦略、今まとめている途中でありますけれども、これをまとめ上げて力強い経済成長を実現をさせていくということ、さらには、予算全体の重点化、効率化、そのことによって真に必要な防災であるとか減災等の施策に優先順位を付けていくと、こういった取組が必要であるというふうに思います。
 なお、これは条文にも書いてありますけれども、「資金を重点的に配分する」とあります。これは、必ずしも税財源に限らず、財投資金であるとか、公明党の竹内さんがおっしゃったような民間資金、こういう活用も含めて対応していくものと考えております。
#36
○吉川沙織君 これまでずっと委員会に配属されておりますので、この議論、深められてはきましたけれども、今総理がおっしゃったような内容で、是非ちゃんと規律を守ってやっていただければと思っています。
 ここからは、今次税制の抜本改革に対するスタンスについて少しお伺いしたいと思います。
 消費税は、小銭を握り締めてお小遣いを持って買物をする子供にも、年金暮らしの高齢者の方にも、被災地で懸命に生活再建をする人々にも、つまりどんな人にも消費をするたびにひとしく課税されるものであり、もちろんそれが消費税の特徴でありメリットにもつながるのですが、金銭的に余裕がある人だけが課税されるものとは根本的に性質が異なるため、より丁寧に国民の皆様の納得を得る必要があると思います。
 民主党政権となって新しく設置された税制調査会は、租税原則について、従来は公平、中立、簡素でしたけれども、これを公平、透明、納得へと改めました。平成二十一年十二月二十二日の税制調査会答申では、この租税原則について、「制度が公平で、かつ、制度の内容が透明で分かりやすく、その制度に基づいて納税することについて納得できるものである必要があります。」と説明をしています。
 税は国民、住民が広く負担するものであり、最も重要なことは、国民、住民が納得して税を払えるかどうかにありますから、改めて納得という原則を打ち出したのは、国民に寄り添った重要な視点であると思います。
 現政権が新たに掲げた租税原則の一つである納得の原則、今回の消費税について満たしているとお考えか、総理の見解を伺います。
#37
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 平成二十二年度以降の税制改正大綱においては、税制改革の視点として、御指摘がありましたとおり、公平、透明、納得の三原則を掲げているところであります。その際、納得の原則については、公平で分かりやすい制度に基づいて、納税することについて納得できるものである必要があるとの観点から掲げているということでございます。
 今回の法案には、消費税率の引上げに加えまして、消費課税、個人所得課税、法人課税、資産課税その他の国と地方を通じた税制に関する抜本的な改革及び関連する諸施策について、法の第七条において基本的方向性が盛り込まれ、それらの具体化に向けてそれぞれ検討することとされました。法附則二十条及び二十一条において、例えば、所得税については、最高税率の引上げなど累進性の強化に係る具体的な措置、資産税については、相続税の課税ベース、税率構造等の見直し及び贈与税の見直しについて検討を加え、その結果に基づき、平成二十四年度中に必要な法制上の措置を講ずる旨の規定が設けられているところでございます。
 こうした基本的方向性を踏まえ、速やかに具体化を図っていくことで、今御指摘いただいたような税体系の理念や姿を更に一層明らかにしていくことによって、国民の皆様が納税することについて納得できる税制となるように全力で取り組んでいきたいと考えております。
#38
○吉川沙織君 私、今の答弁ちょっと納得ができなかったんですけれども、次、行きたいと思います。
 税制改正について、法案名からも明らかですけれども、政府としては税制の抜本改革と位置付けています。これまでも抜本改革と呼ばれる税制改革は行われていますが、抜本改革とそうでない税制改革を分け隔てるメルクマールってあるんでしょうか。すなわち、何をもって抜本改革としているのか、財務大臣の御見解をお願いします。
#39
○国務大臣(安住淳君) なかなか難しい質問だと思います。
 実は、年度改正で例えば少し税率を、例えば租特なんかもそうですけれども、根本の原理原則は動かさないで、そのときの状況に応じて年度改正ってやるんですけれども、そういうのはやっぱり改正であって、抜本改正というのは、例えば水平的税率とそれから累進性の高い所得税なんかを併せて改正をすること、また、そのことによって国民の皆さんお一人お一人の税負担が例えば根本的に変わってくると。なおかつ、例えばこれを地方に移譲したときなんかありましたけれども、このとき地方の均等割がどうなるかとか、そういうふうに複数にやっぱり関係してくるとそれはある意味では抜本ということになるんだと思います。
 今回、そういうことから言いますと、実は政府は、最初に提案をさせていただいたときには、この消費税と、それから所得税と資産課税についてそれぞれ提案をさせていただきました。三党協議の中で、そのうち消費税以外については、方向性は一致をいたしましたが、年度改正でしっかりこれは成案を出していきましょうということでございますので、特に所得税と相続税等については、三党で話し合って、方向性としてはやはり累進率を少し高めて、お金持ちの方に対しても少し御負担をさせていただくというふうな方向で検討したいと思っております。
#40
○吉川沙織君 今までの経過をずっと見ていますと、法案名で今回明記したんですけれども、抜本改革というのは要は消費税の創設や税率の引上げを行うときに結構通称も含めて使っていたような気がします。
 過去の抜本改革においては、今御答弁の中でも触れられましたけれども、過去のときは併せて所得課税の減税が実施されているが、今回はそれもなくて、税収中立でもないということになります。しかしながら、消費税の引上げは少子高齢社会に対応するためにはどうしても必要なこととして国民に御負担をお願いせざるを得ません。
 また、今、御答弁、触れられましたけれども、その他各分野の税制についても、検討は三党合意を踏まえた上で急務だと思います。その際、所得課税、消費課税、資産課税等のそれぞれの税制のバランスをどのように考えるのか、直接税、間接税の割合はどうあるべきか、そして国と地方の税源配分をどう構成していくのか、そして、若い世代から見てもそうですけれども、将来の税負担や不公平感の解消などといったことも含めて、全体としてどのような税体系を構築していくのかということが分かりやすく国民に提示される必要があると思います。
 例えば、先ほど岡田副総理が御答弁いただきましたけれども、今後検討課題となる給付付き税額控除については、手当から控除へという考え方を強調して行うのか、それとも単に消費税増税に伴う逆進性対策の一手段として行うのかでは、趣旨、意味合いや税制全体での位置付けが変わってくることになると思います。
 税調専門家委員会の助言を得るなどして、我が国の税制を広く見渡す包括的かつトータルな視点からの理念や理想、目指そうとする税体系の姿を分かりやすく国民の皆さんに提示する必要があると考えますが、総理、いかがでしょう。
#41
○国務大臣(安住淳君) おっしゃるとおりだと思います。
 そこで、もう一つの視点として考えないといけないのは、やはりなぜ目的税化をするかと。
 これは、一般税収で基幹税でやれば、国家はそのお金を、時の政権や政府というものは国民からお預かりしたその税金について、防衛に使います、また社会資本整備に使います、様々それは選択があるわけです。社会保障だけ、今回大改革なのはなぜかというと、これ目的税化しているからです。もう既に予算総則ではこれは高齢者三経費に使うということにはなっていますけれども、よりこれを踏み込んだ形にしたというところが私は実は大改革だと思っているんですね。税収に占める中で、一〇%にすれば二十四兆を超えるような大きな税収になりますから。しかし、これを社会目的税化しないといけない今我が国の構造的な問題ということが一つやっぱりあるんではないかと思っております。
 これから先も少子高齢化社会の中でクオリティーの高い年金、医療、介護、様々なサービスを続けていくためには、ここに税金投入しないといけない。このお金をどうやって賄うかとなったときに、法人税や、何といいますか、所得税で補えという人もいるかもしれません。保険料をもっと増やせという人もいるかもしれません。ただ、それもなかなかバランスからいったら難しいと。そういう中で、広く薄くやっぱり国民の皆さん全体に御負担をいただくと。
 吉川さんの最初の話に戻ると、私もしつこいように言いますけど、それは小さなお子さんも払わないといけないし、おじいちゃん、おばあちゃんにも御負担いただくと。ただ、払ってもらうたびに、ああ、これはおばあちゃんの年金だな、これは払っていただくたびに、ああ、お父さんの薬代だなと、そんなことをきちっと分かってもらって、先ほどの原則ですよ、透明、公平、そうですね。そういう分かりやすさというものを、やはりその原則に立った今回大きな改革になったというふうに御理解いただければと思います。
#42
○吉川沙織君 今、納得の原則だけ触れられませんでしたけれども、今、消費税の答弁にちょっと偏っていたかなと思いますが、税制、税体系の在り方というのはやっぱりしっかり国民に提示する必要があると思います。
 今、財務大臣触れられましたけれども、衆議院の特別委員会、六月六日の答弁で、目的税について明確な定義があるわけではないが、従来から、特定の経費に充てることを目的として課税される税であって、税法上、その使い道、使途が特定されているものを目的税と整理しているとされ、この法案によって消費税は確実に目的税化されるとしています。
 一方で、地方税法を見てみますと、普通税と目的税とが章を分けて規定され、どの税目が普通税なのか目的税なのかが明確に区分されており、地方消費税は普通税に属しています。この地方税法改正法案においても地方消費税は依然として普通税のままであり、ただし、地方消費税の使途として社会保障施策に要する経費に充てるものであるとする規定を新たに、分かりづらいですけれども、設けることとされています。このような法律の立て方からすると、地方消費税は社会保障財源ではあるが目的税ではないということになります。
 国税と地方税のこの整合性をどうお考えでしょう。
#43
○国務大臣(安住淳君) 今日はちょっと総務大臣がいませんので私の方から答弁させていただきますけれども、今回の社会保障・税一体改革では、この引上げ分の地方消費税収、これ一・二%分ですね、これについては、消費税法第一条二項に規定する経費その他社会保障施策に要する経費に充てるものとする旨、地方税法に明記をさせていただくことになっております。地方分については、一般論として、今委員御指摘のように、使途を限定しない形で地方税の充実強化を図る方が望ましいという意見があるということは私も重々承知をしております。
 ただ、今回、社会保障・税一体改革の趣旨というのは、主として、これは国と地方でよく協議をさせていただきましたが、社会保障四経費の増加への対応であるということに関しては地方にも理解を私はいただいております。地方での予算も実は非常に国と一緒で、この社会保障四経費が非常に膨らんでいるわけですね。ですから、そういう点ではそういう事情は国も地方も変わりませんので、引上げ分の地方消費税収については、地方団体の御理解をいただいた上で、社会保障の財源化をさせていただくということにしているところでございます。
#44
○吉川沙織君 国と地方の税源配分、また、一方は目的税で、一方は普通税のままで、でも使い道はそれぞれ限定するという非常に分かりづらい構造になっていますので、引き続きしっかり見ていきたいと思っています。
 さて、消費税を増税することの理由についてに関しては社会保障を充実させるためであると説明されることが多うございますが、社会保障の充実に充てられるのは、今回五%の引上げをお願いして、そのうちのおよそ一%分だけということになります。
 今年一月二十日に開かれた関係五大臣会合の一体改革・広報に関する基本方針では、四%部分は社会保障の安定化であり、財政健全化にも一定の寄与とされています。ただ、大幅な財政赤字がある中、消費税収が増える分は赤字国債を縮減させることが本筋でありましょうから、こう考えますと、四%相当は財政健全化であって、社会保障の安定化にも一定に寄与とするのが正しい表現ではないかと私自身は思っています。
 我が国の財政は、毎年度の赤字国債の発行額にしても、これまで増嵩してきた負債の残高にしても、極めて深刻な状況であり、財政健全化が急務でもあると思います。我が国の財政運営は、これまで何とかやってきていますが綱渡りであり、消費税を増税してもなお社会保障の充実に回すことができるのはほんの一%分しかないということを、逃げずに真摯に国民の皆さんへ訴えかけなければならないと思います。それが広く国民に対して負担を求める我々が取るべき立場、姿勢であると思いますが、総理、いかがでしょうか。
#45
○国務大臣(岡田克也君) 委員の言われることは私も同意いたしますが、若干申し上げたいと思います。
 確かに、我々、制度の充実に一%、安定に四%という言い方をしているわけであります。その安定ということは、これは社会保障制度もいつまでも赤字国債で賄うことはできないわけで、きちんとした財源の裏打ちがあって初めて社会保障制度は持続可能なわけで、そういう意味で社会保障制度の安定のために四%ということを申し上げております。結果として、それは赤字国債の縮小にもつながると、それは同じことを裏表で言っているだけであって、違うことを言っているわけではないんですね。だから、私は、五%上げて、一%を充実、四%を安定、そのことは結果的に財政の健全化にも資すると、こういうことだと思っております。
#46
○吉川沙織君 財政健全化にも一定の寄与とするか、社会保障の安定化にも一定に寄与とするか、それはそれぞれの見方の違いだと思いますけれども、やはりお願いをして、現状がどうであるかというのを明確に国民に示していくのはやはり避けては通れないことだと思います。
 最後に、地方税の法人課税の問題について少しお伺いしたいと思います。
 税制抜本改革法案第七条では今後の税制改革の方向性等が打ち出されていて、その中には地方税制に係る規定もあります。これによれば、地方法人特別税及び地方法人特別譲与税の抜本的見直しを行うこと、そして地方法人課税の在り方を見直すことにより税源の偏在性、今ばらつきがありますので、それを是正する方策を講じることとされています。
 現状を見てみますと、地方の仕事量に見合った地方税源が確保されておらず、つまりこれは、受益と負担の一致といった地方税による財源調達のメリットを生かすためにも地方の仕事量に見合った地方税源の拡充を目指すことが必要であります。その際には、税源の偏在性は全てなくなるということはありませんけれども、併せてタックスミックスの内容を検討し、税源の偏在が少ない税目の割合を高めること等により地方団体間の収入格差を小さくしていくことは可能だと思います。
 税源の偏在性については、一般的には人口一人当たりの税収額の格差をもって表されます。人口に応じて財政需要が決定されるととらえれば、財政需要のないところにも税収をもたらすのは好ましくないという帰結となり、人口一人当たりの税収に基づく税収格差を是正すべきと考えられることになるかもしれません。
 ただ、平成二十二年の決算額を見ますと、地方税全体で東京と沖縄で二・六倍となる一方、地方法人二税の格差は東京と奈良で五・四倍となっており、この考え方に基づけば、地方法人二税の方の格差が大きいのでこれを見直すべきとなると思います。ただ、全体的な偏在度の推移を見ますと、地方税全体としては縮小傾向にありますし、今回、地方消費税拡充されることになりますので、更に偏在度が緩和されることになると思います。
 よって、今回取り立てて地方法人課税の偏在性のみ取り出してこれを行おうとすることの意義について、総理にお伺いします。
#47
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 地域主権改革を推進する中で地方がその役割を十分に果たしていくためには、地方税を充実をさせて、そして税源の偏在が小さく、しかも税収が安定的な地方税体系を構築することが重要であるというふうに思います。
 今御指摘があった地方法人特別税及び地方法人特別譲与税は、税制の抜本的な改革において偏在性の小さい地方税体系の構築が行われるまでの間の措置であることを踏まえまして、今回の消費税法改正法案における地方消費税の引上げの時期を目途に見直しを行うこととしております。
 今後、各種審議会からの御提言なども参考にしながら、地方団体の意見なども踏まえつつ、国、地方の税制全体を通じた幅広い検討を行い、税源の偏在が小さく税収が安定的な地方税財政体系の構築に努めてまいりたいと考えております。
#48
○吉川沙織君 租税本来の機能は公共サービスを提供するための必要な資金を調達することでありますから、各地方団体における税収がそれぞれの団体における必要な財政需要を賄えるよう配分されるということは大変大事なことだと思います。
 今、地方法人税の課税の見直しについて御答弁いただきましたけれども、これは平成二十年に法律が作られました。どういった法律だったかといいますと、地方税の一部を国税化してそのまま譲与税として配分するというこの制度は、租税の原則やいろんな税制の観点からすると、やはり税制としてはかなりゆがんでいるものではないかと思います。創設当時の状況を振り返ってみますと、苦肉の策としてこの法律が立てられたと思いますが、これは単に税制の格差の是正のみを目的としたものであり、無原則な課税と言わざるを得ないんじゃないかと思っています。地方税の持つ負担分任性や応益性の観点からはできる限り全ての団体に均衡に所在する税源によることが望ましいと思いますし、これは、可能な限り普遍的な税源から生み出される税収が各地方団体に与えられるようにすべきものと考えます。
 よって、この地方法人課税を見直すことによって税源の偏在性を是正する方策としては、消費税の地方交付税分を地方消費税へ、必要額の地方法人課税を国の法人税の地方交付税へそれぞれ移換する。当時も、私、平成二十年の質疑の際に取り上げましたけれども、言わば交付税原資交換論を基本に検討するのが地方税財政制度に最も適合する制度だと思いますが、総理、ちょっと一言いただけませんでしょうか。
#49
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 一つの御見識だと思いますので、そういうことを踏まえながらのこれからの検討になると思います。
#50
○吉川沙織君 この地方税制の在り方、税源配分、国と地方の税源の配分については、参議院の特別委員会では実はほぼ議論をされていませんでしたし、この法律が通ったならば消費税の引上げまでに議論をするという大変重要な、国と地方の在り方、地方分権を大事にする我々としてはしっかり議論をしていかなければならない課題だと認識しております。
 前半は、若年層、社会保障の持続性という観点から、若い世代の雇用が安定をしなければ国民全体の負担が増えてしまう、だからこそ若者の雇用を拡充していかなければならないという観点で質疑をさせていただきましたし、後半は、税の在り方、税源配分の在り方、そして今回の消費税の在り方をどう国民の皆さんに訴えかけていくかという観点で質疑をさせていただきました。
 様々な議論がございますし、物の見方もたくさんございます。ただ、我々として将来世代に対して責任を持つ、そういう意思決定をしていかなければならないということを申し上げまして、質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。
#51
○川崎稔君 民主党の川崎稔でございます。
 先日、二十四日に予算委員会で所得税等の質問をさせていただきまして、その関連で、また引き続き、野田総理、安住大臣、よろしくお願いをいたしたいというふうに思っております。
 本題に入る前に、ちょっと財政規律という観点から質問をさせていただきたいんですが、今日は日銀の山口副総裁においでをいただいております。今日は、副総裁の御発言が、一昨日、気になることがちょっとありまして、お招きをいたしております。
 副総裁は、一昨日の広島市内での講演で、日本の財政問題について、何らかのきっかけで財政規律に疑問符が付けば長期金利が上昇する可能性があるという見方を示されております。この発言については事実でしょうか。
#52
○参考人(山口廣秀君) 事実でございます。その上で、どういう趣旨で申し上げたのか、それをお答えしておきたいと思います。
 御承知のとおり、我が国では大幅な財政赤字が続き、それから政府債務残高のGDP比率もかなり高いということであります。にもかかわらず、これまでのところ国債発行は円滑に行われております。それから、国債の金利も低くなっているという状況であります。
 そして、それはなぜなんだろうかということでありますが、それはやはり、日本が財政再建に向けてしっかりと取り組む意思がある、それからそれを実現していく能力があると、このことについてマーケットがしっかりと信頼してくれているというところに由来するんじゃないかと思います。
 しかし、この信頼というのはやはり揺らぎやすいものであります。したがって、この信頼をつなぎ止めていくためにもやはり財政再建に向けて一歩一歩前進していく覚悟が必要だというふうに思いますし、逆に言うと、そういった前進が見られないとなるとマーケットは信頼を裏切られたと感じて国債の金利は上昇する、そのようなことも起きかねないというふうに認識したと、そういう趣旨で広島での講演でお話ししたということでございます。
#53
○川崎稔君 実は、なぜそういったことをお聞きしたかといいますと、まさに消費税増税をめぐる賛成、反対、いろんな議論があるんですが、消費税増税に反対をされる方々の根拠として、日本は欧州のような危機は起きないというふうな御主張がございます。それは、日本には分厚い個人金融資産がある、その金融資産の範囲内で国債を発行する限りにおいては国債の価格というのはある程度安定的に推移するということで、そういう御主張があるんだと思うんですね。
 日本の国債というのは約九割を国内で保有しているということになるわけなんですが、そういう中で、今副総裁、長期金利、急上昇する可能性はないわけじゃないという御趣旨だと思うんですが、具体的にそういうケースというのはどういうときに起こり得るんでしょうか。やや具体的な想定があればお教えいただきたいんですけれども。
#54
○参考人(山口廣秀君) お答えいたします。
 先生御指摘のとおり、日本国債については海外投資家の保有比率が低いということであります。これは裏返せば国内投資家の保有比率が高いということでありまして、このことが日本国債の円滑な発行とそれから国債金利の低さ、こういうものを支えている要素になっていることは事実だと思っております。
 ただ、先ほど申し上げましたように、市場は何を一番期待し見ているかといいますと、やはり財政再建、ここについて前進があるかどうかというところをしっかり見ているんだと思っております。これは、昨今のヨーロッパをめぐる情勢を見ましても、先生御承知のとおり、ずっとこのところ、国債の、要するに財政の再建に向けて欧州の各国がきちっと対応していくのかどうか、それについて、世界の目、市場の目というのは非常に強くしっかりと見ているということであります。これについての実は疑念があるから、ヨーロッパの債務問題というのは非常に大きな問題となって出てきているということであります。
 そのように考えると、やはり日本国債についても……(発言する者あり)
#55
○委員長(高橋千秋君) 御静粛にお願いします。
#56
○参考人(山口廣秀君) 日本国債についても、やはり財政再建に向けてきちっとやっていくことが基本だと思っておりますし、それから、海外投資家のウエートが確かに低いことは事実でありますが、しかし、海外投資家の保有額というのを見てみますと数十兆円にも及ぶわけであります。したがって、この保有額が一旦大きく売りに出されれば、これは国債市場に対して大きな影響を与えます。それから、現物だけではなくて、先物市場に対しても売りが掛けられるということになれば、そのこともまた大きなインパクトを与えるというふうに思います。
 それから、日本の国債を持ちたがる……
#57
○委員長(高橋千秋君) 簡潔にお願いします。
#58
○参考人(山口廣秀君) はい。
 日本国債を持ちたがる日本国民の立場に立っても、財政再建に向けてしっかりした動きがないとなれば、これはやはり国債を売ろうかという判断になろうと思います。これらが相まつと、やはり市場に対するインパクトというのはかなり大きくなるんではないかと、この点を危惧しているということでございます。
#59
○川崎稔君 ありがとうございます。
 いずれにいたしましても、長期金利がそういった動きにならないように、日銀の方でもしっかりと市場の方を注視をし続けていただきたいというふうに思います。
 それでは、本題に入りたいと思います。
 先日の予算委員会でも申し上げたんですけれども、今の所得税の税制というのは非常にフラット化しているということについて、その関連で質問させていただきたいというふうに思います。(資料提示)
 お示しした資料でございますが、これは個人所得課税の税率の刻みを所得の水準ごとにグラフ化したもので、一番左が昭和六十一年、バブルの前でございますね。それから何回か変更がございまして、一番右側が現在ということでございます。上の方のグラフは所得税と個人住民税を合算したグラフです。ほとんどこの動きは所得税の刻みによって決まってしまいますので、所得税だけを取り上げたものがその下の方のグラフでございます。
 それを御覧いただくとお分かりのとおり、一番左の昭和六十一年、バブルの前ですけれども、このころは税率が十五段階、非常に細かく刻みが分かれておりまして、一番最高税率、税率が高いところは、所得が八千万円を超える水準のときに税率七〇%と大変高い税率だったわけでございます。これが、一番右側、現在は六段階、非常に刻みも大ざっぱになりまして、最高税率も所得が一千八百万円超のところで四〇%、最高税率は四〇%ということで、要するに非常に累進性が弱くなっている、坂が緩やかになってきているということについては皆様御承知のとおりだというふうに思います。
 なぜこういったパネルをあえてお示ししたかというと、やはりこういった形で大きく税制がこの二十五年間の間に変わってきているということについて、国民の皆様には御存じない方も意外と多いんじゃないかということでございまして、ある意味でレーガン・サッチャー革命のころからこういった形のフラット化した税制という動きが続いてきているんですが、この辺りの経緯について、財務大臣、御説明をお願いしたいと思います。
#60
○国務大臣(安住淳君) この昭和六十一年、テレビを御覧になっている方から見ると右側になるんでしょうか、十五段階で、最高税率というのは、下で見ますと所得税の税率で七〇%。これはもう物すごく累進率が高かったわけであります。これはやっぱり、所得税は基幹税の中心であったと。これは、御存じのとおり、戦後の中で、高度成長を続ける中でサラリーマンの方、月給取りの方が増えてまいりましたから、そういう方々に税負担をお願いをすると。若い方が多い国だった分だけ、働く人が増えれば増えるほど税収が増えてきたと。これを具体的に示していたんだと思います。ただ、そうした中で、教育費とかやっぱり子育ての中で、それから住宅費などの支出が非常にかさんできて、この十五段階のやっぱり税率では中堅所得者の負担の累増感が解消されないのではないかというふうな観点がありました。それを解消しましょうと。
 それから、今レーガン政権やサッチャー政権の中でのお話ありましたが、これは逆に富裕層に減税をすれば大きな高い買物をするので経済のパイからいうと成長を促していくんだと、こういう流れが世界に私はあったと思います。そういうことから、七〇年代から九〇年代にかけて、主要国での流れを受けて、我が国でも勤労意欲、事業意欲への影響に気を配ってフラット化をしたと。その結果、累次、平成六年には、この図で見ると下の図ですけれども、五〇、そして現在は四〇まで至っているという経緯でございます。
 あわせて、実はこの下を見ていただきたいんですが、課税最低率が一〇%が五%にさせていただいております。ですから、そういう点では、最高税率も下げました、それから所得の低い方に対する課税も下げましたと。結果的にフラット化をして、税収がGDPが上がっていくのと同時に上がってこなくなって、経済規模と税収の間に差ができてしまったということでございます。
#61
○川崎稔君 確かに今おっしゃったような話で大きく税制が変わったと。これで実はどういった形で影響が出てくるかというと、一つは、高額所得者、今話にございましたお金持ちの方の税負担というのが非常に緩和されたんですね。
 実際に、今資料のグラフで示してもいま一つぴんとこないので、実は私、財務省の方に実際に試算をしていただきました。所得が一億円の世帯と所得が三百万円の世帯でどういうふうに税負担が変わったかと。これ、実はびっくりしたんです。所得一億円の世帯、単身世帯で試算してもらったんですけれども、二十五年前、一番左のケースと一番右のケースで可処分所得一・八倍増えているんです。同じ一億円の所得で可処分所得は、要するに税引き後の所得ですね、税引き後の所得は一・八倍になるんです。ところが、年収三百万円の世帯だと僅か二・七%しか増えていないです。そういう意味では、非常に高額所得の方の税引き後の所得が増えるということが顕著になってきております。
 もう一つは、先日もお示しをしたんですけれども、景気が拡大しても税収は上がらなくなってしまったという問題がございまして、ここにお示ししている資料は、左が税収、右が名目GDP、これも先日の予算委員会でお示しをしたものなんですが、期間は先ほどの税率のグラフと同じです、昭和六十年以降のものなんですが、昭和六十年、一九八五年から二十五年間、約二十五年間で所得税は〇・八七倍、むしろ減っているんですね。ところが、名目GDP、経済は一・四倍拡大をしています。バブルが崩壊し、あるいはリーマン・ショックがありということでいろんな山谷はあっても、結局二十五年ぐらい取ってみれば経済は一・四倍ぐらい拡大していると。だけれども税収は減っているということなんですね。
 そうなると、こういうふうな状況を見ますと、例えば税制を考えたときに、少し累進性を再び強めてもいいんじゃないかと。昔のように少し戻してもいいんじゃないかという議論があってもいいんではないかというふうに思います。実際に欧米等でもそういった流れというのは少し出てきているというふうに聞いているんですが、今回の一体改革法案、こうした所得税あるいは相続税のような資産課税について累進性を強めるという方向での議論があったと思います。政府案では元々累進性を強めるという案だったと思いますし、三党協議の中で公明党様の方からも同様の御提案があったというふうに聞いているんですが、その辺りの考え方について、財務大臣、そして公明党の修正案提出者の方、よろしくお願いいたします。
#62
○国務大臣(安住淳君) 私どもも、所得再配分機能が低下しているような状況であるなと。そこで、政府としては、累進率を少し高めさせていただいて、お金持ちの方からもう少し税をいただきたいというふうに思っております。そして、そのためには所得税を上げさせていただくということで提案をさせていただきましたが、これは年度改正でやりましょうということになりました。
 もう一方、実は相続に関係する、資産全体に関する課税も、現在、実はバブル期に合わせた言わば相続税の対応を変えない部分がありますから、実は亡くなった方の百人のうちの四人ぐらいの方に相続税については払っていただいているんですが、これについても何とか、これは累進というかというとそうではなくて、もう少し広く社会に言わば還元をさせていただく方法というものを実は御提案をさせていただいております。
 何とか年度改正において、これらの点について、方向性は一致しましたから、より具体的な案というものを是非三党でまとめていただくように、私どもも努力したいと思います。
#63
○衆議院議員(竹内譲君) お答えいたします。
 公明党は、三党協議におきまして、具体的に課税所得三千万円超で四五%、それから五千万円超で五〇%の税率ということを提案をしておりまして、三党合意の中で明記されたと、こういうことでございます。
 その背景といたしましては、もちろん日本は自由主義社会、資本主義社会でありますから、努力した者が報われると、それは当然のことだと思うんですね。一定の格差が生じることもやむを得ないとは思っております。ただし、これが行き過ぎると、かえって社会の活力を失うおそれがあるだろうと、このように思っているところでございまして、その意味で現状の日本の状況を俯瞰してみますと、やはりこれはやや方向を修正した方がいいんじゃないかと、所得税、相続税等の資産配分機能を強化した方がいいんじゃないかということで、具体的にそういう提案をさせていただきました。
 一点だけ、ただし、贈与税につきましては、高齢者の持つ金融資産等は非常に多大なものがございますので、そういうものを現役、若年世代へと移転させる生前贈与を促進させる方向が望ましいのではないかと、このように思っております。
#64
○川崎稔君 そこで、民主党の修正案提出者古本議員にお聞きをしたいんですが、三党協議の結果、今回この件については具体的な形では法案に盛り込まれておりません。その辺りの経緯についてお話をいただきたいんですが。
#65
○衆議院議員(古本伸一郎君) お答えいたします。
 附則の二十条、二十一条に具体的に、所得税に係る措置、それから資産課税に係る措置ということで明記してございます。さらには、所得税については累進強化、資産課税については課税ベースの拡大、さらには税率構造の見直しということで、これは法制上の措置を来年度の税制改正で講じるというふうに明記してございますので、若干後退感があるという御指摘が当委員会でもるるいただいておりますけれども、むしろ来年の税制改正でこれはしっかりやるということで、自民党の野田毅先生も累次にわたって答弁されていますので、そこは御心配には当たらないというふうに思っています。
 それから、先生から一億円を超える所得の話が先ほどありましたけれども、視聴者の皆様も誤解のないように、きちんと御説明する責任があると思うんですが、実は一億円を超える所得のある方が所得税の負担率が下がってくるという問題は、これはすぐれて金融所得の問題にあるというのが本質的な問題だと思っています。その意味では、二十三年度の税制改正で政府・与党として既に、証券優遇税制の二〇%本則課税、これはキャピタルゲインもインカムゲインも共にでありますけれども、これを決めておりますので、経済の状況が激変がない限り、もっと言うと法改正を出さない限り粛々と来年末で軽減適用は切れますので、やはり日本におけるそういう富裕層の方々に御負担をまずは求めるべきじゃなかろうかという世論はそのとおりだと思いますので、その点についてはむしろ金融税制、所得税制の方でどうしていくかという議論があると思っております。
 それから、相続、所得、最高税率、共にありますけれども、これは本当にここで稼ぎたいと思うのなら所得税をずんずん上げていけばいいと思いますけれども、日本におけるお金持ち、富裕層というのは一体どうなんだろうかというのを、党内の議論の中で、私どもはやはり課税所得で五千万を超えるような方を富裕層かなという議論の中で、最高税率を引上げということで、言わば象徴的にやらせていただいたというふうに思っています。
#66
○川崎稔君 ありがとうございます。
 時間も参りましたので最後にちょっと総理に一言だけ伺いたいんですが、今回の一体改革というのは、もうまさに分厚い中間層が支える大きな格差のない社会ということで大綱でも決定しているわけなんですが、今回、所得税のこういった累進性の問題もございます。そういったことで、今回の一体改革案のこの法案について、総理としてはどのような、ちょっとまあ評価というか、お考えでいらっしゃるかをお聞かせください。
#67
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 消費税中心の御議論がずっと委員会で行われていますが、今御指摘いただいた所得税であるとか資産課税全体を見渡せば、やっぱり一つの理念としては、従来がどちらかというと自由主義的な発想で来たこれまでの税制の体系を、格差是正であるとかあるいは再分配機能を強化をしていくと、そういう視点での理念というのがにじみ出てくるものだというふうに思いますので、それを踏まえてこの年末の改正を実行していきたいと考えております。
#68
○川崎稔君 終わります。ありがとうございました。
#69
○植松恵美子君 民主党の植松恵美子でございます。
 本日は、社会保障と税の一体改革について、特に消費税の増税が家計や中小企業にどのような影響を与えるかということを、私自身地方の生活者であり、中小企業者の視点から質問をさせていただきたいと思います。
 さて、現在の日本の経済情勢については、依然として厳しい状況が続いているけれども、復興需要を背景として緩やかな回復基調にあるということが発表されておりました。しかし、財務大臣、これは大企業についてのことであるということを申し上げます。
 パネルを見ていただきたいと思いますが、(資料提示)このパネルは中小企業の業況判断DIの推移を示したものでございます。中小企業の中で、業況が良いと答えた企業から悪いと答えた企業を差し引いたものをグラフにしたものでございますが、確かに震災以降、東北を始めとして大変景気が伸びている、業況は良くなっているのは確かですし、震災以前よりも良くなっているということは表れております。しかし、最も復興需要があると思われる東北でさえもマイナス一五の数値でとどまっていると。まだマイナスなんですね。これは地域別にも表しておりますけれども、東北から遠く離れた四国にとっては地域間格差が、震災前は余り地域間での業況感に格差がありませんでしたが、震災後はこれが大きく格差が広がっているということが見て取れると思います。
 私も地元で、東北は景気が大変良くなってきているらしいけれどもこっちは全然良くないよと、このように言われるんですけれども、このような地方の中小企業の景気がまだ回復しておりません。景気回復なくして消費税増税はないと私は思っているんですけれども、総理は消費税引上げに伴う地方の中小企業に与える影響についてどのようにお考えでいらっしゃいますでしょうか。
#70
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 本当に広く国民の皆様に御負担をお願いをする中で、日々の資金繰り等で御苦労されている中小零細企業の皆様に対してはしっかりと対策講じていかなければいけないと思いますし、その前提となるのはやっぱり経済の好転だというふうに思います。御負担をお願いをする前に、デフレ脱却、あるいは経済の活性化に向けて全力を尽くしていきたいと思いますが、特に税率の引上げによる景気への影響や価格への転嫁について、中小零細企業者の中には懸念の声が強いということも、私も承知をしています。
 我が国経済の屋台骨を支えている中小企業の活性化には、さっき申し上げた日本経済全体の活性化というものが必要だろうというふうに思いますが、新成長戦略の加速、そして今党内でも御議論いただいている日本再生戦略の策定、こういうものを踏まえながらの経済活性化に向けた努力をしていきたいと思います。
 その上で、中小事業者が消費税分を価格に転嫁しやすい環境を整備していくことは極めて重要な課題でありまして、政府としては、これまでの消費税を導入したとき、あるいは三%から五%に引き上げたとき、そのとき以上に十分な転嫁対策の実施を行ってその具体策を進めさせていきたいというふうに考えております。
#71
○植松恵美子君 消費税増税によって、先ほど総理もおっしゃいましたけれども、中小企業が受ける大きな影響としては価格転嫁が本当にできるかどうかということが問われていると思いますが、一九九七年、三%の消費税が五%に引き上げられた折、中小企業の事業者の六二%が価格転嫁できておりません。そして、以降、今後の消費税増税について、本当に価格転嫁ができるかどうかということも尋ねましたら、六八%が恐らくできないだろうと、中小企業ですよ、答えております。そして、売上高が小さければ小さいほど、例えば五百万、一千万、一千五百万といった小さな事業者ほどこの価格転嫁ができづらいといった傾向にある状況でございますけれども、具体的にこの価格転嫁が可能なための対策というものはどのように準備されるつもりでしょうか。
#72
○国務大臣(岡田克也君) この中小企業、中小零細企業の皆さんがきちんと価格転嫁できるかどうかというのは非常に重要な課題、委員御指摘のとおりであります。今回特に、前回、前々回と比べて短い期間の間に二回、五%上げるということですから、それだけ十分な対策が必要であるというふうに考えております。
 具体的には、一つは、まず周知徹底することが非常に重要だと思います。消費者の皆さんから見て、消費税が上がったときに価格が上がるわけですが、そのことは言わば当然のことであるということを御理解いただくということが一つあります。
 そして、いろいろなところでそれを、何といいますか、吸収してくれ、おたくで負担してくれというようなことになれば、これは不公正な取引方法ということに該当する場合もございます。今の独禁法や下請法を厳しく運用するだけではなくて、場合によっては法的措置を強化するということも考えなければならないというふうに思います。あわせて、転嫁をしていくときの価格カルテルといいますか、そういったものに該当しないような、そういう法的措置も必要だというふうに考えております。いろいろなことが行われたときに、それをなかなか公取とかあるいは中小企業庁に訴えていくということは現実には非常に難しいわけですから、Gメンのようなそういう人員を厚く配置をして、目を光らせて、そういうことが行われないようにしておくということも重要であります。
 いずれにしても、ここは万全の措置がとれるように、各党とも、そして政府の中でももちろん検討をして、しっかりと対応していきたいというふうに考えております。
#73
○植松恵美子君 副総理、絵にかいたもちは、見る分には美しいけど食べられません。
 今回の消費税増税は四つの問題点があります、中小企業者にとって。一つは、やっぱり一年半の間に八と一〇と二回、二段階上げるということ。そして二つ目は、総額表示がもう既に義務付けられております。そして、デフレ下での引上げであり、グローバル化によって競合会社は海外にもあるんです、おたくと取引しなくてもじゃ海外で取引するよと言われれば、それで済んでしまうことです。
 一例として、一例としてでございますけれども、私のことも聞いていただきたいんですけれども、私自身は香川県で温泉施設を経営しております。今、大人の入浴料、五%の消費税込みで六百円に設定しているんですけれども、これ八%に引き上げれば、細かいんですが六百十七円、そして一〇%で六百二十八円。これ、券売機で売れるような額ではありません。一年半のうちに二回値段を引き上げることができるか。十年以上も六百円で据え置いていたものが二段階に引き上げることができるか。また、そのほかにも、燃料代が高騰するときもありますし、電気代が上がっている地域もあるわけです。
 これ、素直に全部転嫁するのは事業主の判断でいいですけれども、私自身の考え方としては、転嫁したとしても、お客様が足が遠のいてしまえば、あるいは同業他社が上げていないのに自分のところだけ上げれば、総売上げは下がってしまう、何にもならないということになって非常に悩ましい問題であって、これはいろんな業界、業種に私は当てはめられることだと思っています。
 価格転嫁に対しての特効薬はありません。Gメンなどといったものは、私は税金の無駄遣いだと思うのでおよしになった方がよろしいと思います。かつて三%から五%に引き上げられたとき、Gメンが摘発したのは全国で六件にすぎません。このケースを見付け出すためにどのぐらいの規模で配置するのか知りませんけれども、私は、そういったことよりも、むしろこの二年間で中小企業の足腰を鍛えるための本気で企業支援を行うべきであるし、経済対策を打っていく、これは私たちにとって、国民にとって死活問題であるというやっぱり意気込みが必要だと思うんですけれども、総理、いかがですか。
#74
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 価格転嫁が事実上、引上げのとき、それから今、三%から五%、上げたときのお話がございましたけれども、実態としては難しいというお話で、御指摘でございました。
 難しいんですが、これはやっぱり最終的には消費者が負担をするというこの消費税の性格からすると、やっぱり周知徹底して、そして、難しいかもしれないけれども、例えば下請の皆さんが困るような状況をなくすとか等々の努力は最大限努力していきたいと思います。
 その上で、何よりも、中小企業の皆さんが見通しを持って経営をしていけるような経済の好転を図っていくということが、これは委員の御指摘のとおりだと思います。そうしたことを念頭の経済対策を講じていかなければいけないという問題意識は共有をさせていただきたいと思います。
#75
○植松恵美子君 しっかりと本気で取り組んでいかなければ、みんな食べていかなきゃいけないというところで悩ましいんですよ。十円、二十円のことを考えているのが中小企業の経営者だということをしっかりと御認識いただきたいと思っております。
 今、中小企業の皆さんが大変御負担に思っているものもたくさんございますが、まず、今、消費税の滞納額、平成二十二年度で四千二百億円です。そしてまた、平成二十三年度の厚生年金保険料会社負担分の滞納額、過去最高になりましたが、四千五百億円です。過去最多の事業者が滞納になってしまっております。加入業者の約一割に当たる十六万二千七百三十五件にも上っております。
 確かに中には悪質な滞納もあるかもしれませんが、大半はやはり資金繰りに使ってしまっている。あるいは、消費税に関しては、やはり価格転嫁ができていなかったので、きちっと預かることができていない、支払うことができない厳しい状況になっております。本来は督促をして支払ってもらうのが筋ではございますけれども、この支払をすることによって倒産する中小企業はたくさん出てくると思っておりますし、その上、二〇一三年の三月には金融円滑化法も廃止されます。
 本当にこの状況で日本の中小企業、消費税増税に耐え得ることができますか。総理、お答えください。
#76
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 日本の経済を本当に支えている中小零細企業はたくさんあります。そういう皆さんがきちっと仕事をし続けていけるという環境をつくること、これが国民の皆様に、これは中小企業だけじゃなくて全ての国民の皆様に御負担をお願いするわけでありますけれども、そうした環境を全力でつくっていくと。つくっていくことによって、一方で、今回、社会保障に充てる消費税でございますので、社会保障についても不安をなくしていくという、だから、これはいつも申し上げる成長と財政再建の両立という大きな命題に向かっての果敢な取組をしていかなければなりません。
 御負担はお願いする、成長はないという状況があってはこれはいけないと思いますので、両立をさせるために全力を尽くしていきたいと思います。
#77
○植松恵美子君 雇用を企業がするときにいろんなことを考えて人を雇い入れます。政府が考えているほど簡単に人は雇い入れられない状況が中小企業です。
 正社員を雇用するときに大きな負担となっているものに各種社会保険料の会社負担分がございます。各種社会保険と一言で言いますけれども、総理、これ、たくさんあるのを恐らく御存じだと思いますが、医療保険、介護保険、厚生年金、雇用保険、労災保険、これらを会社が負担をしなければならない。もちろん御本人も負担をしておりますけれども。
 例えばですけれども、四十歳以上の正社員一人雇って年収五百万円払おうとすれば、この方の会社負担分、保険料の会社負担分は幾らぐらいになるか分かりますか。お分かりになる方は手を挙げてください。──これ、国会図書館で試算をしていただきましたが、五百万円の正社員を雇おうとすれば、会社負担分が七十七万四千五百円です。五百万の年収の人を一人雇おうとすれば、会社が用意しなければならないのは、五百七十七万四千五百円必要になってくるんです。これが中小企業にとってはとっても痛い。だから、雇用を増やす増やすと政府は簡単に言いますけれども、余分な人員は雇い入れられないのが中小企業です。ぎりぎりまで踏ん張って頑張って、そして良い人材が見付かったらようやく一人ずつ雇用していくというのが中小企業の現状なんですね。
 せめて、この負担分の中で、医療保険制度については大企業と中小企業の間で保険料率に格差が生まれております。中小企業が加入している協会けんぽの保険料率は一〇%、大企業の加入している組合健保の料率は八・〇%。これ小さな数字かもしれませんが、これが積み重なって大きく効いてくる状況でございます。このことについて、今回提出されております社会保障制度改革推進法案の第六条の中に記されてもおりますけれども、今後、医療保険制度について改革していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
#78
○副大臣(辻泰弘君) 植松委員から御指摘ございましたように、我が国の国民皆保険の仕組みの中で、加入する医療保険制度によって給付や負担の水準に大きな差が生じないように、給付の平等と負担の公平を図ることが極めて重要な課題だと考えております。こうした観点から、保険者の自主的な運営や保険者機能にも配慮しながら、保険者間の助け合いを段階的に進めていくことが必要だと考えております。
 具体的には、現行の被用者保険の制度の中では、後期高齢者の医療費の負担について、財政力の高い保険者にはより多くの負担をお願いする観点から、後期高齢者支援金の三分の一を負担能力に応じて支え合う仕組み、いわゆる総報酬割と申しておりますけれども、この総報酬割について、現行の三分の一の割合を拡大していくことで負担の公平化を図っていく必要がある、そのような方向で対応したいと、このように考えております。
#79
○植松恵美子君 是非、これ中小企業の皆様方、大変望んでいることだと思っておりますので、今回の法案が可決された折には是非進めていっていただきたい。私からもお願いしたいと思います。
 今回の社会保障と税の一体改革についてのいろいろ審議の状況を私も見せていただいておりましたけれども、その中で、今回の改革によって医療、介護、そして保育の分野には雇用が創出され、雇用も拡大するだろう、そしてまた老後の安心をつくることによって現役世代も含めて個人消費が拡大するだろうということを御答弁されて、よく聞くんですけれども、消費増税によって本当に雇用が拡大し個人消費が拡大するのかどうか、もう一度教えていただきたいと思います。
#80
○国務大臣(古川元久君) 今回の社会保障・税一体改革は、社会保障の充実と安定化を図って、そして全世代を通じた国民生活の安心を確保することによりまして社会保障が需要、供給両面でこれは経済成長にも寄与していくことが期待をされております。
 具体的には、医療・介護・保育サービスの充実によりまして大きな潜在需要にこたえていくことで雇用が創出されますとともに、社会保障の充実、制度の持続性の確保によりまして老後の安心が確保されて過剰貯蓄が消費に回るなど経済活動を拡大させることができ、さらにライフイノベーションを通じて健康分野を成長産業として位置付けることで経済成長に結び付くといった効果が見込まれるというふうに考えております。
#81
○植松恵美子君 私は、この御答弁、もっと踏み込んだ御答弁をよく聞いておりますけれども、本当に消費税が上がることによって雇用が拡大し、そして個人消費が拡大するんだったら、一〇%なんかじゃなくって一五でも二〇でも上げればいいと思うんですよ。そうすればもっと景気が良くなるんだったら何でもっと上げないんだろうかと、そのように考えてしまう。
 いろんな負のインパクトがあるから、やはり思い切った消費税増税等は──岡田大臣、何かありますか。ないかと思いますが、岡田大臣、どうぞお願いします。
#82
○国務大臣(岡田克也君) 議論として、短期の話と中長期の話をやはり分けて考えなければいけないと思うんですね。短期的には、もちろん消費税を上げればそれは景気にマイナスの影響はある。しかし、そういったことで財政の立て直しが進むことで中長期的には安心感を与え、消費性向は上がり、消費にもいい影響を及ぼすことが期待されると。短期と中長期でそこが違うということでございます。
#83
○植松恵美子君 そうしたら、長期でもお話をさせていただきますけれども、じゃ、先ほど、将来の社会保障制度がしっかりと確立されるから、将来のために、老後のために貯蓄をしなくていいというほど今回の社会保障制度改革されていると私は到底思えておりません。やはり、まだまだ国民の皆様は、将来大丈夫だろうか、あるいは今後消費税はまた上がる可能性もあるんじゃないだろうかという声がたくさん上がっておりますから、もう貯金しなくていいですよ、老後は絶対に大丈夫ですからというような、これは私言い過ぎだと思うんですよ。素直に、やっぱりそこまでは至っていないということをお認めになるべきだと私は思っているわけです。
 それで、私自身は、雇用の拡大も、確かに副総理おっしゃるように、医療とか介護とか保育といった特定の分野は拡大するということは、恐らく人員配備についても数値が設定されておりますから確実に伸びるでしょう。でも、先ほど私が申し上げましたように、ほかの分野でのいわゆる産業とか中小企業は、私は雇用が、これ、先ほども言ったじゃないですか、そんな簡単に雇用というのはできないんだと。だから、数値を計算したようにそんなに広がっていかないというのが私の思いなんです。
 それで、ちょっとパネルを出していただきたいと思いますけれども、これは、四十歳以上の御夫婦で片働き、小学生子供二人がいて、世帯年収五百万円の四人家族を設定して大和総研が試算したものでございますが、二〇一一年、五百万の年収の人が可処分所得四百三十四万二千円でございました、昨年のことでございます。ところが、消費税増税をした後には、二〇一六年には四百一万三千円になるということが試算されております。これまでから比べて三十二万九千円の負担が増えるという、これ試算でございますが、計算になっております。
 これは、消費税増税が最も大きな一因ではございますけれども、ほかにも、復興特別所得税が始まる、年少扶養控除が廃止される、子ども手当から児童手当への変更のため支給額が減額される、厚生年金保険料が増額されるといった、消費税以外にもいろんなものが上がってくるわけでございまして、簡単に言えば、二〇一六年、五百万の年収のうち約百万円は税金と社会保険料に消えてしまうということになるんです。
 この場合、貯蓄をしなくていいというよりは貯蓄ができなくなってしまったと言った方が適切かと思いますけれども、本当に個人消費は伸びますでしょうか。
#84
○国務大臣(岡田克也君) ですから、私は中長期だというふうに申し上げているわけです。確かに、負担が増えるというのは短期的にはそのとおりですけれども、これ、じゃ、やらなければどうなるかといったら、借金増えるわけ、国の借金が。つまり、次の世代の負担を増やしているということになるわけです。
 ですから、特に若い世代から見ると、こういうことが続いていること自身がやはり不公正だと考えるし、そして自分の将来の生活設計も非常に難しいというふうに考えるわけです。今、所得の少ない若い層でも、将来に備えて貯金しなければいけないと、そういう声もよく聞かれるわけですね。やっぱり将来に対する安心感が出てこないといけないし、結果的にはそのことによって消費も増えるということも期待されると。
 しかし、今回の消費税引上げだけで財政の状況が劇的に改善するわけではありません。まだ課題は残ります。そのことは正直に我々も申し上げていて、今回の消費税の引上げは第一歩であると。しかし、それでプライマリーバランスは赤字が半分になるだけで黒字化するには至らない、そのためにはまだまだやらなければいけないこともある。それは、経済の成長であったり、あるいは歳出の削減であったり、あるいは増税、何で増税するかという議論はまだこれから議論しなければなりませんが、そういったことを組み合わせてやっていかなくてはならないということであります。
 そういったこと全体ができて将来に対する安心感が出てくれば、私はもう少し消費も増えていくだろうというふうに考えているところです。
#85
○植松恵美子君 私は、副総理、決して、消費増税をやらなくていいとか、やらなくてもやっていけるんだとか、そんな議論をしているわけじゃないんですね。
 私は、やはり政治家として、また総理が消費増税、命懸けでやるとおっしゃった。そうしたら、やはり国民の皆さんにこれだけ大きな御負担をお願いするに当たって、まず一つ目は、楽観視したことを言うべきではないと。本当に、国民はこのぐらい、もっとひどいんじゃないかと、痛みをこれ、想定外じゃなくてちゃんと想定してさしあげることが必要であるということと、もう一つは、やはり政治家は国民に発する言葉が正直でなければならないと私は思っております。
 ですから、もうこれで老後は安心ですから貯蓄をしなくてもいいんですよと、そういった簡単な言い回しで国民の皆さんに伝えるということが私は決してあってはならないし、社会保障制度も抜本的な改革をしているんですと言いますけれども、これ、聖域なき、本当にひっくり返るような、絶対大丈夫だというほどまではなっていないんだったら、そこはやっぱり、国民会議に棚上げしたんだから、もうちょっと頑張らなきゃいけないということをやっぱり正直に、真摯に国民の皆様に伝える姿勢がなければ消費増税というのはできませんよということをお伝えしたいだけであって、副総理と何も私、言い合いしようと思って言っているわけではございませんが、どうぞ。
#86
○国務大臣(岡田克也君) 委員のおっしゃることは、それはそのとおりなんですね。
 ですから、私も週末、先般香川にも参りましたけれども、各地区で二百人規模の対話集会を開いております。そのときに申し上げていることは、まさしく委員の言われることで、これは第一歩であるということと、それから、もちろん社会保障についても、今回増税先行で、あと何もないという議論がありますが、それは違いますと。社会保障についても、今回、八本の法案の中の六本は年金であり子ども・子育てでありということですから、社会保障の改革はきちんとやっておりますと。しかし、年金の抜本改革の話とか、あるいは我々が主張する後期高齢者の医療制度の廃止とか、その他大きな社会保障の改革については課題が残されておって、それについては一年以内に国民会議で結論を出しますと、こういうことを併せて説明しているところでございます。
#87
○植松恵美子君 私は、本当に、余り申し上げたくありませんけれども、民主党の議員がこの消費税増税に賛成するのと自民党の皆さんが消費税増税に賛成するのとではやはりちょっとだけ違いがあるんですね。民主党はマニフェストで約束をしていないことを賛成しなきゃならない。自民党はマニフェストに、まあ大きいか小さいかは別にして、書いていらした。そうしますと、自民党の皆さんは、可決をされた場合はマニフェストを実行したと言われるわけですよ。我々は、何だよ、これって、うそつきって言われるわけです。こういうこと余り言いたくありませんが、ここに私は良心の呵責が非常に大きいわけでございます。
 総理、まず、もう話変えますけれども……(発言する者あり)変えます。子供に対する支援についてお話をしたいと思いますが、民主党が目指してきた子育て支援策に子ども手当がありました。これは、控除から給付へと方向転換をするものであるといって、若いお母さん方、お父さん方に非常に期待されていたものでございます。
 かつて、政権交代前、自公政権下で実施されてきた年少扶養控除と児童手当がありました。この年少扶養控除には一・一兆円の措置、そして児童手当には一兆円の予算が付けられておりましたから、合計で二・一兆円の予算があったわけでございます。政権交代後、年少扶養控除は廃止されておりまして、今後は、三党合意に従って二十四年度から実施される新しい児童手当では給付総額二・三兆円です。つまり、二千億円は増額しましたけれども、この一割増しぐらいでは、いわゆる民主党の子育て支援に大変期待していた若い世代からは期待外れだったと言われるし、また家族構成だとか所得によっては減額された家庭もたくさん出てきております。
 そして、私も地元で若い人たちと話しするとき必ず、この子ども手当は今後どうなんだとか、子育て支援、民主党期待していたんだよという声があるんですけれども、私では答え切れません。野田総理、どうかこういった声に答えていただけますでしょうか。
#88
○国務大臣(岡田克也君) 私、幹事長として昨年この問題にかかわりましたので、お答え申し上げたいと思います。
 確かに、委員おっしゃるように、トータルの財源としては残念ながら余り増えていないことは事実なんですね。その結果として、特に所得の多い層は減額になったりしていることも事実です。ここは大変残念な思いではあります。我々としてはもう少し全体の予算を積み増しをしたかった、だから粘り強く交渉もさせていただきました。しかし、三党で議論する中で、大震災もある中で、これ以上割けないという御議論もありました。我々としては、元々の児童手当に戻ってしまうということは何としても避けたかった。そういう中で、言わば苦渋の決断ということで合意をさせていただいたという経緯はございます。
 将来的にはもう少し上乗せをしたいというふうには思っておりますけれども、もちろんそのときには財源がこれ必要になりますから、財源の手当ても考えながら、そういったこともこれから議論していきたいというふうに思っているところです。(発言する者あり)
#89
○委員長(高橋千秋君) 御静粛に。
#90
○国務大臣(岡田克也君) 自民党の皆さんからは、むしろ年少扶養控除を復活させるべきだというお声もあります。この場でもそういう議論も出ました。私はそれよりはやはり手当を積み増した方がいいというふうに考えておりますので、なおここは議論していきたいと思います。
 それから、先ほど委員おっしゃった中で、確かにマニフェストに書いてありませんので、大変厳しいお声が民主党に対して寄せられていることは事実であります。私もそういった声をよく聞かせていただきます。ただ、詳しくは申し上げませんが、我々与党であって、やっぱり与党の責任ということはあると。厳しいですけれども、やっぱりそういった責任を果たしていかなければならないと、そういうことをきちんと説明していくことが大事だというふうに思っております。
#91
○植松恵美子君 副総理のおっしゃるとおりで、ここを乗り越えるとしたら、この気持ちを乗り越えるとしたら、与党の議員であると、この一点に限られると私は思っております。やはりこの与党議員としての責任を果たさなければならない、今日本の抱えている大きな問題を解決していかなければならない、この思いで乗り切れるかどうかだと私自身思っております。
 子育て支援についても、副総理、本当に有り難いです。踏み込んでいただいていると思っております。(発言する者あり)そうなんですよ。今後、それでも展望はやっぱり我々は持ち続けなければならないと思っております。
 そこで、消費税増税の一部、七千億円分は子ども・子育ての支援強化に使う予定となっておりますけれども、この子育てをしている家庭はどのようなサービスが受けられるか。これは、どのようなサービスを受けられるか、これが御家庭で改善したという実感があるかないかということは非常に私重要だと思っております。
 そして、全国で待機児童ゼロの県というのは九県ございます。私の地元香川県も待機児童はゼロでございます。こういったところの地域に対しての恩恵は一体どうなっているんでしょうか。
#92
○副大臣(後藤斎君) 先生おっしゃるように、今回、社会保障分野での子ども・子育ての充実ということで、総額で、今消費税の改革ということで七千億程度を想定をしているということで、まず量的、待機児童も含めた、ある意味では大都市部ということになるかもしれませんが、そこの改善に四千億程度、そして質的改善ということで三千億程度ということになっております。さらに、三党合意におきましては、御案内のとおり、政府に一兆円超の子ども・子育てで七千億プラスアルファの部分で求めるということも決まっております。
 そういう意味でいえば、質的な部分については全国どこでもこの質的サービスというものを受けられます。特に、今、三歳児の保育士の方々は一人で二十人のお子さんを面倒見ておられます。それがこれからは十五人を面倒見られるということで、ある意味での質的サービスの部分と、併せて、私の地元もそうですが、人口が減少するいわゆる本当の過疎地と、まだ人口が少し緩やかになっている部分という、いろんな違いはあるにしても、やはりそこで働く先生方の待遇の改善と併せて、休日の保育を見られる等、対応ができると思いますし、あわせて、人口が減少する部分では三歳児以上の保育にも対応できるという、様々なこの保育サービスの充実を含めて、地域の実情に応じて対応ができるように進めていくということであります。
#93
○植松恵美子君 ちょっとよく分からなかったんですが。
 私、香川県の待機児童がゼロのところは、恐らく量的拡大についての恩恵はないと見てもいいんじゃないかなと思っております。だから、これは地域間によって格差があるということはやっぱりお認めになるべきであります。
 ただ、待機児童ゼロのカウントの方法を見直す機会にはなると思うんですね。認可が下りていない保育園に預かってもらっている子供たちは待機児童にはカウントされておりませんが、本当は、例えば基準を満たしている無認可保育園だとかを認可することによって、いろんなところに預けられている子供の質の格差というのをなくしていくことができると思うんです。ですから、待機児童ゼロの県においても、ちゃんとこれ保育のニーズを聞き取って、そしてきちっと拡大なり充実をしていただければと思っております。
 最後になりますが、総理はよく、昨日よりも今日、今日よりも明日が良くなるという実感と確信が持てる国をつくりたいと。何か「三丁目の夕日」が出てきそうで。
 東京タワーが完成したころ、日本は元気だった。そして、日本人も若かったんですよ。昨日よりも今日、今日よりもあした、必ず経済成長をして、必ず良くなるという希望が持てた。そして、今年、東京スカイツリーが完成しましたけれども、日本は成熟した超高齢社会を迎えたわけでございます。これは、日本は世界で一番の高齢化した社会を持っている。前例がないんですよ。過去に、振り返ったとしても、前例はありませんし、諸外国に前例を求めたとしても、これはない。我々日本人が、あるいは日本自らが先頭を切って前例をつくり上げていかなければならない時代になったわけです。
 そこで、私は絶対に経済成長を諦めてはならないと思っているんです、日本人ですから。そこで、私は、今収支が合っていないもの、理解できております。歳入が足らない、歳出が多くなっていく、毎年医療費が一兆円ずつ伸びていく、このことを何とか解決しなきゃいけないという苦渋の選択で消費税を増税しているわけです。しかし、これは長続きしないということも、国民の皆さんも分かっているはずなんです。つまり、おなかがすいたタコが取りあえずということで自分の足切って食べている状況だと私は思っております。やはりよそから餌を取ってこなければ本当の意味でおなかがいっぱいに満たすことはできないわけでありまして、経済成長は本気で行わなければならないと思っております。
 そのためには、先日も質問させていただきましたが、医療費は毎年一兆円伸びていますが、医療機器や医薬品などといったもののメード・イン・ジャパンの割合は非常に低い。貿易赤字で一兆七千億円。しかし、技術も研究も日本はできるのに、最後まで製品化するということが規制によってできていないわけですね。これ、日本人、メード・イン・ジャパンの医療機器、医薬品を使うことによって、一兆円ずつ伸びていったとしても、これは内需の拡大につながります。タコが足を食べるわけではございません。ですから、こういった規制を取っ払って、本気で戦略的に次の世代が食べる種をまいていってほしいということを先日申し上げました。
 二か月たちました。この世界は秒進分歩です。どれだけ進捗しましたか、教えてください。
#94
○内閣総理大臣(野田佳彦君) もうあと一分しかないようですから、私の方でお答えします。
 御指摘のとおり、「三丁目の夕日」の時代は、今日よりあしたは良くなるとみんな思っていました。あの鈴木オートの社長も、あの集団就職で来た女の子も、みんなそうでしたね。そういう時代をつくりたいんです。そのためにはやっぱり経済の再生だと思います。
 御指摘のあった医学の分野で薬をつくったり、研究等は行っても実用化までにはいろんな規制があって進まなかった、そのためのいわゆる創薬、研究から実用化までのところの創薬支援ネットワークというものをこれ立ち上げるという形のものを進めようとしています。
 今医療の分野は、再生医療なんかもそうです、まさに、いいものを研究した、実用化できるかどうかです、市場化できるかどうかです。それを日本再生戦略の大きな柱にしていきたいと考えております。
#95
○植松恵美子君 今からの時代は、ダイナミックで、既成概念にとらわれず、そして型破りなリーダーが必要であるということを申し上げて、終わります。
#96
○礒崎陽輔君 自由民主党の礒崎陽輔でございます。よろしくお願い申し上げます。
 訪問歯科診療の分野で日本最大の規模を有するデンタルサポート社という会社が千葉県にあります。同社の寒竹郁夫社長と野田総理はどういう御関係でしょうか。
#97
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 高校時代からの古い付き合いの友人でございます。
#98
○礒崎陽輔君 いや、政治的な部分でも関係があったんじゃないですか。
#99
○内閣総理大臣(野田佳彦君) その後、私が県会議員の選挙に二十九歳のときに出て以来、友人として応援をしてくれています。いっときは後援会長を務めていただいたこともございました。
#100
○礒崎陽輔君 報道によりますと、そのデンタルサポート社は訪問歯科診療の不正請求により巨額の利益を得たとされております。
 訪問歯科診療は、私の地元大分県でも私も力を入れてやっておりまして、歯科医師の皆さんの献身的な努力によりかなり定着してきておりまして、歯医者さんに行けないお年寄りや障害者の皆さんに喜んでいただいておると、そういう事業であると思います。この訪問診療制度を悪用して大きな利益を得たとされています。
 訪問診療には二十分ルールというのがあります。一人当たりの診療時間が二十分を超えた場合と超えない場合で診療報酬にかなり差があるわけであります。例えば、施設内でたくさんの患者さんを診察するときに、実際はぱっぱっぱっと診ておっていても、一人二十分診たといって申請をすれば巨額な利益が得られることになるわけであります。
 同社のグループの年商は八十六億円に上ると言われておりますが、診療報酬の請求の中に、二十分ルールだったら一時間は三人しか診れない、計算簡単ですよね、それを一時間五人とか六人とか請求していたことによって、内部の計算では、その八十六億円のうち年間二十一億円も不正請求だったということが報じられたわけであります。
 厚生労働省にお伺いいたしますが、このデンタルサポート社グループの不正請求の実態についてどのように認識しておるでしょうか。
#101
○政府参考人(外口崇君) 御指摘の週刊誌で報道された事案につきましては、現在、状況の確認を行っているところであり、仮に診療報酬の不正請求等があった場合には厳正に対応していきたいと考えております。
 なお、歯科訪問診療については、一人の歯科医師が同時に複数の患者の歯科訪問診療を行うことは想定しておりません。
 また、報道された事案については、昨日から今朝までに確認できたことは、医療法人社団郁栄会に関してこれまでに取消処分に至った事例はないこと、刑事事件に発展したと記載されている事例はデンタルサポートグループとは別のもの、以上であります。
 引き続き状況の確認を進めさせていただきます。
#102
○礒崎陽輔君 まあ、聞かないこともたくさんお答えいただいてありがとうございます。
 今言ったように、一遍に複数を診ることはないわけですから、一時間だったら三人しか診療できないところを、私の調べたところによると一時間に五人や六人の請求をしておるということなんですね。
 平成二十一年の三月ごろに、ちょうど野田総理も寒竹さんを後援会長から解任されたのか辞められたのか、それは知りませんけれども、ちょうどお辞めになったころですね、千葉県の監査が入っております。私、同社のミーティングの議事録を入手しておるわけでありますが、こんなこと書いているんです。
 県庁の介護保険課から監査報告が来た。勧告と返還を求められている。一か月以内に返金するということになっている。返還場所は各市町村と交渉して対応する。減額交渉などを含めてKさんが対応する。次週、総額と市町村別の一覧が出せる。市町村側では金額を把握していない模様。あくまでも自主返還なので、こちらとしては誠意を持って対応できる範囲での対応をする。監査結果に沿って洗い出しを行っている。約八百万円弱の返還金が予想される。これから市町村と調整する。広範囲に返還しなければならない。船橋市、自主調査では百三十二万円をまず分割しながら返していく。発端となった船橋市に返済を行いながら他の市町村の反応を見ていくというエリア分割でするやり方ではなく、全てを分割して小出しに返還していく。対象は千葉のみ。北海道や東京などは関係ないのではないか。
 これが同社の会議の議事録でありますけれども、相当怪しいことをやっている感じがするわけでありますが。
 このデンタルサポート社グループが既に診療報酬をかなり返還している部分もあると思うんですが、どのくらいの額に上っていますでしょうか、厚生省、お答えください。
#103
○政府参考人(外口崇君) 昨日の報道以来、今朝まで状況確認に努めておりますが、御指摘の返還総額についてはまだ把握できておりません。
#104
○礒崎陽輔君 いや、質問通告しているのにできないというのもおかしいんでありますけれどもね。
 今言っただけで、このときだけで八百万円ぐらい返しているんですね。もうかなりこれ返還の常連にこのグループはなっているわけであります。先ほども言いましたように、今の議事録を見ても、かなり故意にいろんなことをやっている。
 それだけじゃないんです。このグループの診療所にはペーパー診療所というのがありまして、今調べているところで、断定はいたしませんけれども、要は、紙に何とか診療所と書いてあるのをぺったりと張ったぐらいの、全く診療の実態が見えないような診療所が幾つも、局長、あるんですよね、ここには。恐らく診療請求はしていないことはないんでしょう。してなかったらそんなものすぐに潰されると思いますからね。まあまあ、全部自由診療だというんなら別ですけれどもね。だから、やっているんでしょう。説明を聞いたらここは訪問診療、訪問歯科診療専門の診療所だと言うんでしょうが、ちゃんとした看板が出ていないんです。紙ぺったり張っただけの診療所がたくさんあるんですよ。こんな診療所の在り方は、厚生労働省、認められるんでしょうか。
#105
○政府参考人(大谷泰夫君) 事実関係を詳しく確認してみないと分かりませんけれども、診療を行う場合には訪問専門でも正規の届出を行うということはあると思いますけれども、それがどういう行為をしているかについては確認をしておりません。
#106
○礒崎陽輔君 いやいや、だから確認しなくて一般論でいいんですよ。全く診療の事務所で、診療所で全然診療していなくて、訪問診療専門の診療所ですと届けてまともな看板も出していない、そんな診療所が、一般論でいいですから、許されますかと聞いているんですよ。(発言する者あり)
#107
○委員長(高橋千秋君) 御静粛にお願いします。
#108
○政府参考人(大谷泰夫君) 診療する意思があって、その場所を言わば事務所として、拠点として定めて報告するということであれば、診療としての届けは出し得るものと考えております。
#109
○礒崎陽輔君 何かよく分からないですね。ちゃんと答弁してくださいよ、もうそのことで時間取ってもしようがないんだから。
 要は、全然診療実態がない、住民に聞いても、えっ、こんなところに歯医者さんあるんですかと。今日は写真も持ってきていますけど、ちょっと提示の許可を得ていないのでここでは出しませんけど、そういうものがある。さっきの議事録、それから今言った、私の指摘した幽霊、幽霊じゃないですね、何というか、架空診療所みたいなもの、たくさんこのグループは得ている。そういうところなんです。これは今後きっちりと調査をしてくれますね、じゃ、医政局長。
#110
○政府参考人(大谷泰夫君) 架空診療所であるかないかについては調べたいと思います。
#111
○礒崎陽輔君 この問題も大きな問題でありますが、ちょっと総理との関係で、先ほど寒竹氏は総理の後援会長を平成二十一年までお務めだったと聞いておりますが、総理は、これまで寒竹氏あるいは寒竹氏のグループ会社、あるいは寒竹氏が理事長を務める政経倶楽部からどのくらいの政治献金を受けているでしょうか。暦年別の額と総額を教えていただきたいと思います。
#112
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 寒竹郁夫氏から、民主党千葉県第四区総支部、これはちょうど平成十一年、九九年でありますけれども、五百万円の寄附を受けていたことを千葉県の公報で確認をさせていただきました。それから、資金管理団体未来クラブが、平成十四年から平成二十二年までの九年間のうち六年間で計四百五万円の寄附を受けていたことが収支報告書その他で確認をさせていただきました。その他において、寒竹郁夫氏から私の関係政治団体が寄附を受けた事実は見当たりません。
 暦年別というお話がありましたが、平成十四年百一万円、平成十五年百万円、平成十七年百万円、平成二十年百二万円、二十一年一万円、二十二年一万円、計四百五万円です。
 また、政経倶楽部は一般社団法人であり、私の関係政治団体が寄附を受けているという報告はございません。
#113
○礒崎陽輔君 総理が正直に言っていただいたと思います。それだけ、でも総理と寒竹氏の間には深い関係があるという、後援会長ですからね、多少の寄附はしてもらえるのかもしれませんけど、そんな関係があるということが分かりました。
 この間、総理が財務副大臣のときに、先ほどの診療報酬の加算の既定のルールがそれまで一部三十分だったんですね。三十分のルールが二十分に緩和されておるんです。もうお分かりと思いますけど、短ければ短いほど診療報酬は上がるわけですよね。これは、総理、何か寒竹氏との関係はあるんでしょうか。
#114
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 彼から具体的に彼の仕事の関係で要請を受けたことは一度もございません。(発言する者あり)いや、全くありません。財務副大臣、当時たしかそうでありましたけれども、診療報酬にかかわるものについては全く関係ありません。あれは中医協で決めている話ですので、私が関係したということはありません。
#115
○礒崎陽輔君 総理が全く関係ないと言うので、それは私も信用いたしたいと思うわけでありますけれどもね。
 もう一つ大きな問題があります。古い話で全く恐縮なんではありますが、総理が二期目の選挙で御落選をなさったと。これは我々政治家は常に覚悟しておかなきゃならぬわけでありますけど、そのときに、総理も何人かの秘書をもちろんお持ちであったわけでありますけど、その秘書の給料を寒竹さんの医療法人である郁栄会が肩代わりをしていたと、これもそういう報道がありますけれども、これは本当でしょうか。
#116
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 平成八年のいわゆる今の小選挙区比例代表並立制の選挙が導入されたときに、私は二期目で落選をしました。百五票差という全国一の僅差、重複立候補をしていませんでしたので、惜敗率九九・九%で、三年八か月浪人をすることになりました。そのときに一番助けてくれたのが、高校時代からの友人の、今名前の載っている寒竹氏であります。私の政治活動、続けていかなければなりません。秘書たちも暮らしていかなければなりません。そのときに、さっきの五百万円というのも、支部にお金を献金してもらったのもそのときであります。
 ただ、ちょっとあれ、虚実入り交じっています、報道を見ますと。私の秘書が私の浪人時代、彼の経営する医療法人に雇われていたとの件、事実である部分と間違いである部分が入り交じっていますので、正確にこれ申し上げたいと思います。
 現秘書について、一時期秘書と兼職という形で雇用されて働いていた者がいますが、当時浪人していたので、これ満足に給与を払うことができません。したがって、兼職で所得を得ていた者が一部います、一人います。これは、事務の手伝いなどの勤務実態はございます。それから、ですから、これは個人の兼職であるから、これ政治資金との関係ではありません。それから、もう一つ、名前が出ていますけれども、当時雇用されていた事実がない者もあります。それから、元秘書で、これは完全にいわゆるデンタルサポート、郁栄会の正社員として生活することになった者もいます。それぞれみんな、職を失った中で、兼職をしながら一部支えてもらった者と、完全に我が事務所を辞めてそこのところに入って具体的に実態を持って仕事をした者と、それから、名前は出ているけどそういう事実がない者と、ちょっと入り交じっている報道になっているとは思います。
#117
○礒崎陽輔君 そう言っても皆さんよく分からないので、要は秘書の給与を肩代わりされた人はいないとおっしゃりたいのかどうか、そこをちょっとはっきり言ってください。
#118
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 肩代わりするということじゃありません。実態があるということでございます。
#119
○礒崎陽輔君 いや、それは意味がよく分からぬのですけれど、報道によると、当該団体の事務長の肩書も持ちながら総理の秘書の名刺も、もう両方持っていた。これは二足のわらじだから肩代わりではないとおっしゃっているのか、今の実態はそうだというのか、どちらですか。もうちょっとはっきり国民の皆さんに分かるように言ってください、総理。
#120
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 自分の秘書活動をやりながら、例えば一定のイベントの手伝い等々をやるという、だから兼職という意味ではそういう人もいました。あとは、完全にうちの事務所を辞めて完全に雇用をされているという状況の元秘書が二人いました。これは完全に、だから実態があるというふうに思います。
 肩代わりという意味は、多分、一番私が困窮しているときだったものですから、その分実際に雇い入れた問題も含めて助けたんだという意味ではないのかというふうに思います。
#121
○礒崎陽輔君 いや、私はそれは肩代わりだと言うんだと思いますよ、少なくともね。いや、それは確かに総理が言うように、向こうにもう完全に一時移籍していた人もいるのも、私の調査でもそれは分かっております。だから、総理がそう事実と違うことを言っておるとは思いませんけれど、やっぱり肩代わりがあったんじゃないですか。そうであれば、私はこれは政治資金規正法上、総理の政治団体が寄附として届け出なけりゃおかしいと思いますが、そういう届出はなさっていますでしょうか。
#122
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 実態があったということ、勤務実態があるということでございますので、政治資金規正法上の問題ではないというふうに思います。
#123
○礒崎陽輔君 その辺を、確かに事実問題でありますから、総理は、向こうで働いて向こうの給料をもらっていた、ただ、兼業していた人はあるのを認めるんですね、兼業していた人はね。その人はちゃんと、じゃ、時間を決めて向こうの病院の医療法人に行ったり、あるいは先生のところの事務所で秘書をしたり、時間を決めて行ったり来たりしていたわけですね。
#124
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 野田事務所の手伝いというか秘書等の仕事を、例えば朝一緒に街頭に立ったりするとかという形をやりながら、一方で、向こうが必要なときにはそのお手伝いをするという実態がありましたので、したがって、これはだから個人の兼職でありますので、政治資金の問題とは関係ないというふうに思っております。
#125
○礒崎陽輔君 そんなことは簡単には許されないんです。兼職といっても、ちゃんと勤務形態がきちっとセパレートできている場合もあるでしょうけど、今の総理のじゃ何か非常に曖昧ですよね。
 結局、それは向こうの仕事も少しは給料を払っているからやらせたのかもしれませんけれど、基本は秘書でやっていたわけでしょう、総理。それはちゃんと認めたらどうですか。今言った説明で我々は納得できませんよ。やっぱりそれは、秘書もやりながら向こうの仕事もしていたぐらいの話なら少しは聞いてもいいですけど、そんなにセパレートして、完全には全く違う仕事をあっちでやったりこっちでやったりと、そんな実態じゃないと思いますが、いかがですか。
#126
○内閣総理大臣(野田佳彦君) いや、ですから、私の政治活動を手伝うという一方でそちらの会社のお手伝いもするというのが実態だったというふうに思います。
#127
○礒崎陽輔君 じゃ、もう少し、具体的な勤務実態、ちょっと古い話ですけど、どうであったか、また説明していただけますか。
#128
○内閣総理大臣(野田佳彦君) それこそ九〇年代の後半のお話なのでつぶさに全部記憶しているわけではございませんけれども、勤務実態はあったというふうに本人からも報告を受けております。
#129
○礒崎陽輔君 いやいや、説明ができぬなら説明にならないでしょう。
 我々は、そうじゃなくて、今のような実態であれば、そんなものは給与の肩代わりですよ。違うというんだったら、総理が自分でちゃんとそうでないという証拠を示さないと納得できませんよ。説明してください、ちゃんと。
#130
○内閣総理大臣(野田佳彦君) ちょっとこれ正確によく調べなければいけませんけれども、秘書としての給与は私の事務所からも出していたと思うんです。だから、それを若干補ってもらう部分があったということであって、給与の肩代わりといいますか、寄附としての扱いじゃなくて実態に即しての対応だったと記憶をしています。
#131
○礒崎陽輔君 いや、じゃ、総理の事務所から幾ら払っていたのか、どういうふうな算定でそうなっているのか、そういうデータ、資料を出してもらえますかと聞いているんです、さっきから。
#132
○内閣総理大臣(野田佳彦君) ここはいずれにしても正確を期さなければいけませんので、よく調べさせていただきたいと思います。
#133
○礒崎陽輔君 調べるのと提出の意味違いますから。
 委員長、これを理事会の方に提出を求めたいと思います。
#134
○委員長(高橋千秋君) 後刻理事会で協議させていただきます。
#135
○礒崎陽輔君 先ほど言いましたように、肩代わりであったらこれは届け出てもらわなきゃなりません。ここだけ長く言っても仕方がありませんが。
 この問題は引き続いて、この問題というのは、そのデンタルサポート社の不正請求問題です。さっき言ったように、もうかなり怪しいのであります。これは、もちろん内部告発から出たのは間違いないわけでありますけど、八十六億円の年商の中の二十一億円が不正請求だというデータで、不正請求のデータというのは、要は、どのぐらい、一時間三人より増えているところを計算してみたら、大体内部的に計算してみたら二十一億円になったという計算であります。
 そういうことをした団体でありまして、これはもうもちろん問題であります。問題ではありますが、一方で、今、総理が政治生命を懸けると言って今この消費税増税を国民にお願いしている中で、こんな診療報酬の不正請求を受けていたところと総理とが緊密な関係にある、それはやっぱり問題であると思いませんか。
#136
○内閣総理大臣(野田佳彦君) まず、その不正請求があったのかどうかという事実関係もまだ明らかになっておりません。確かに、高校時代からの友人ですし、特に浪人中大変助けてくれた、後援会長もそのころから務めてくれたという関係であることは間違いがありませんが、私の政治活動とその彼のビジネスが直結しているわけではございませんし、そのための手助けをしたこともございません。そこは是非御理解をいただきたいと思います。
#137
○礒崎陽輔君 何か総理らしくない答弁ですね。
 こういった場合、今までもいろんな事件がありましたけど、そういうことをしているところとは政治家はきちっと縁を切ってきたじゃないですか。そうやるべきじゃないですか。もうこの後援会長は平成二十一年にお辞めになってもらっていますけど、昨年の園遊会に総理枠でお呼びになったというのは、これは本当ですか。
#138
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 財務大臣のときに、私から推薦をして、お招きをする枠の中で招いたということはあると思います。
 後援会長自体は降りていますけれども、依然として中小企業の人たちを集めた勉強会等々で私の活動をサポートしてもらっていますし、引き続き……(発言する者あり)いや、もちろん、友人でありますので、今も友人です。まだ、不正請求があったという前提でお話をされていますが、それはまだそうなのか分からないわけですが、いずれにしても今法的に何か問題があるというわけでは私はないと思います。ただ、こういう疑惑が生まれていることについては……(発言する者あり)
#139
○委員長(高橋千秋君) 御静粛にお願いします。
#140
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 私にとっても、彼にとっても、きちっと外に向けて説明していく責任はあると思っております。
#141
○礒崎陽輔君 疑惑はない、疑惑じゃなくて、もう既にこの会社、さっきも言ったように、相当診療報酬の返還しているんですよ、いろんなところで。さっき言ったように、これも意図的にやったというのは、さっき私も議事録示したように、そういう団体なんですよ。まだかばうんですか。それはおかしいと思いますよ。それはおかしいですよ、総理。
 今まさに国民にこれだけの大きな負担をお願いしようと言っているときに、診療報酬の不正請求疑惑、ここまで大きくなっている、そんなところとまだ付き合っていますよと、これからも付き合いますよと、そんな物の言い方でいいんですか、総理。
#142
○内閣総理大臣(野田佳彦君) いわゆる政治的な関係においては、これは今こういう大きな法案をお願いをしているときに、それはやっぱり脇を締めなければいけないという意味においては気を付けなければいけないことがあると思います。
 ただ、資金的なやり取りとか別として、やはり古くからの友人であることは間違いないので、その友人関係を断絶するのではなくて、むしろ、御批判があるならば、そういうことを正すことも含めての友情ある説得も含めて、そういう関係を途絶えるということでは私はないと思っております。
#143
○礒崎陽輔君 いや、これはちょっとあきれましたね。巨額の不正請求が疑われている団体と今からも日本国の総理大臣が付き合うと言うんですか。これはとんでもないですよ、本当、そんな話は。何を総理おっしゃっているんですか。友人だろうと何だろうと、今あなたは友人の前に、日本国の総理大臣でしょうが。それが、これだけの社会保障費を確保するために消費税増税を国民にお願いするときに、まだこんな団体と付き合うと言うんですか。そんな話にはならぬでしょう。
 じゃ、もっと具体的に言いますが、少なくとも、先ほど九百五万円はもらっているという、これは返還すべきでしょう。今までもそうしてきたじゃないですか、いろんなことがあったときに。不正をした団体、不正を、断定はしませんけれども、今言ったように相当疑われておる、そういう状況になっていて、既に何百万も返しているんですよ、実際に。そういう団体との付き合いをやっていたら、今まで政治家は大体もうそこで断絶をして、もらっていた政治献金は今もう返還する、それがこれまでのルールでしょう。
 総理が別に悪いことをしたかどうかは知らないけれども、それはまた今後確かめますけどね、それは分からない。分からないけれど、一方の今の会社、これだけいる、そんなもの厚生労働省に調べさせたらいいじゃないですか。一週間もあれば出てきますよ。だから、そう言わないで、私がここまで言っておるわけだから、ちゃんと縁を絶って献金を返す、それが総理大臣として当たり前じゃないですか。
#144
○内閣総理大臣(野田佳彦君) そういう報道があったということは、これは重く受け止めなければいけないと思っていますので、妙に疑われる関係であるということはこちらとしてもそれは好ましいとは思っていません。ただ、団体との関係という意味においては、それは控えなければいけないと思います。ただ、そういういろんなマイナスがあったと、いろいろ御批判を受けるとしても、これは高校時代からの友人であるという関係については、これは仕方がないと思っております。
 ただし、その献金等の問題については、明らかに不正があったんだということが分かれば、それはそういう返還のことも含めて検討をさせていただきたいと思います。
#145
○礒崎陽輔君 それは、今、先ほど厚生労働省、きちんと調べると言いました。いろんな疑惑があるんです。調べればすぐ分かると思います。じゃ、不正が分かれば返金をしてもらうということでよろしいですね。
#146
○内閣総理大臣(野田佳彦君) いずれにしても、今後のその調査等々を踏まえながらの判断をさせていただきたいと思います。
#147
○礒崎陽輔君 だんだん答弁が今日は、総理、曖昧になる。駄目ですよ、これは。私も調べたんですけど、もう疑惑の段階じゃないんですよ。さっきも、私もこれ以外の議事録もいっぱい入手しております。今言ったように、いろんなところの写真も撮ってきております。もうこれは誰が見てもおかしな段階に入っておる。しかも、これは内部告発でありますから、このデンタルサポート社の内部で、二十一億円の、内部でこれ計算したんですよ、内部で二十一億円の不正があったという議論を中でしているんですよ。だから、これが今日表に出た、週刊誌に報道された、それが今の現状なんですよ。
 総理、そこのところをもう少ししっかりやって、少なくとも、今、さっきはきちっとそれが不正であることが分かったら返還を考えると言ったじゃないですか。不正だったら返還してくれますね。もう一回聞きます。
#148
○内閣総理大臣(野田佳彦君) だから、言っていることは同じであって、まさに調査をした上で不正等々が出てきたらば、それはさっきも申し上げたとおりの返還を含めて検討をさせていただきたいと思います。
#149
○礒崎陽輔君 非常に、もうちょっと野田総理だからすぱっとした分かりやすい答弁を聞けるかと思ったけれども、残念であります。
 もう一つ大きな疑惑があります。さっきの秘書との関係であるわけでありますけど、総理の実弟で船橋市議会議員である野田剛彦氏が同議会の政務調査費の架空請求の疑いを指摘され、百三十四万円余りを同市に返還をしております。
 この問題は、総理、どのように把握しておられますか。
#150
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 事実関係については詳細に承知しておりません。親族とはいってもそれは別人格でありまして、その市議会市議会での活動の話であると思います。その説明については本人が市議会なり市民にきちっと御説明をするべきことだろうと思います。
#151
○礒崎陽輔君 かつて橋本龍太郎総理がおられまして、これは別に悪いことをしたわけではありませんけれども、総理の弟である高知県知事の橋本大二郎さんのことを質問者が言及しますと、総理は機嫌を損ねたことがあるのを何回か私も見ておるわけでありますけれども。兄弟であっても政治家は別々でありますが、それはよく私も分かるんでありますけれども。
 しかし、総理、この事件はそうじゃないでしょう。なぜならば、その野田剛彦氏の架空請求疑惑の元になった請求書を発行したのが野田佳彦総理、あなたの政策秘書の竹口、これは由利人さんというんですか、竹口さんじゃないですか。だから聞いておるんですよ。弟さんだから聞いているんじゃない。原因をつくった請求書を発行したのは総理の政策秘書じゃないですか。
 どういう話かというと、この野田剛彦船橋市議は、総理の竹口政策秘書が取締役を務めるタウンプランニング社から市民意識調査料として、同じく竹口政策秘書が代表取締役を務める東央工美というんですかね、政策宣伝資料作成費として野田市議に領収書を渡しているんです。
 野田市議は、この報告書はありますかと言ったら、いずれの報告書も保管していないと言ったんです。報告書は印刷物ですから、今は原本あったら普通パソコンの中に入っているんですよ。本人が失ったとしても、そんなもの、この会社から取り寄せればいつでも見せることは私はできると思うんですけど、それが全然できないという状況なんです。かつ、その東央工美というのは休眠会社で、ほとんど事業をしていないんですよ、今。そんな状況の中での報告書がどこにあるのか。
 私はこれ、野田市議と竹口政策秘書が通謀して架空の領収書を作成したと疑われたってこれは仕方ないと思いますよ。一般論ではありますけれども、架空の領収書で金員を受け取れば、それは詐欺罪を構成します、ここは間違いないと思うんですけどね。
 ちょっと法務省にお聞きします。一般論で結構ですけど、一般論ですよ、お店がお客さんに架空領収書、その架空領収書を行使することを知っていて架空領収書の発行をしたときには、どんな罪に当たりますか。
#152
○政府参考人(稲田伸夫君) 突然のお尋ねで恐縮でございますが、一般論で申し上げると、詐欺罪というのは人を欺いて財物を交付させることにより成立するとされておりますので、その構成要件との関係で検討するものというふうには考えられると思います。
#153
○礒崎陽輔君 そうなんですよ。こっちも大事な、大事というか、重大な話なんですよ。もう弟さんの話は、弟さんは関係ないというのは私は分かるけど、弟さんじゃない、総理の政策秘書というのは、総理のこれは監督下にある秘書じゃないですか。その秘書が、総理の弟の市議とひょっとして、ひょっとしてというか、通謀して架空領収書を発行したんじゃないかと。場合によっては、まあ一般論で、今の答弁だったら場合によってはと言いますけど、場合によってはそれは詐欺罪を構成するかもしらぬ。
 これ、総理、私は知らないで通るんですか。
#154
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 私の秘書が会社を有し、そして兼業しているということで、そのことについては議長にもお届けをさせていただいております。
 その仕事と実弟とのその政務調査費の関係の中での詳しいちょっと実態は把握をしておりませんけれども、それぞれこういう形での疑問が出てきたときでありますので、実弟については市議会できちっと説明できるように、それについての説明の補足等々を私の秘書がちゃんとできるようにしなければいけないとは思っております。
#155
○礒崎陽輔君 何か今日は、総理、歯切れ悪いですね。あなたの政策秘書なんですよ。そして、あなたは、一議員でも問題だけど、我が日本国の最高責任者、内閣総理大臣であります。その秘書が、弟でも何でもいいですけど、市議会議員の架空領収書を発行したことが疑われておるわけですよ、今。
 これ、ちゃんと、総理、調べるべきじゃありませんか、あなたが。
#156
○内閣総理大臣(野田佳彦君) いずれにしても、きちっと説明できるようにはしなければいけないと思います。
#157
○礒崎陽輔君 答弁してないよ、これ。理事、答弁してないよ、全然。ちゃんと答弁してないでしょう。
#158
○委員長(高橋千秋君) ちゃんと質問してください。もう一度質問してください。
#159
○礒崎陽輔君 総理、何か悪いですよ、今日、答弁が。ちゃんとあなたが調べるべきじゃないですかと聞いているんですよ。ちゃんと答えたらどうですか。
#160
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 不適切なそういう関係、支出があったのかどうか、これは基本的にはやっぱり当事者である実弟が市議会等々で説明すべきだというふうに思います。私も、この背景にかかわってくるその秘書のその仕事の内容については私なりにも調べさせていただきたいと思います。
#161
○礒崎陽輔君 いや、ごまかさないで。だから、弟の方は別に弟だといっても関係ないからいいですよと言っているんですよ。あなたの政策秘書が架空領収書を出したんじゃないかと私は聞いているんです。それは兼業で私の事務所の方じゃないからそれは私は知らぬと総理は言うんですか。そんなことじゃ済まぬでしょう、あなたは総理大臣なんだから。ちゃんと答えてください。
#162
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 不適正な支出であるという前提でお話をされていますけれども、私はそういうことはないと思います。ただ、いずれにしても、私なりにも把握、調べさせていただきたいと思います。
#163
○礒崎陽輔君 ないと思うと、今ここで、この委員会でやっていて。そうだったらどうするんですか。
 これは、我々ももちろん調べます。もちろん、野田剛彦船橋市議については船橋市議会で私は追及してもらえばいいと思いますが、もう一人の、今言った架空領収書を出したのはあなたの政策秘書なんでしょう。それが全然分かりませんという話にはならぬでしょう。それは調べるというのは当たり前ですよ、これだけの疑惑になっているんだから。もう本人が返還しているんですよ、お金を。本人が、野田剛彦市議が、いや、私はそんな悪いことはしていませんよと、そんな事実は絶対ありませんと突っ張っているんだったらそう言ってもいいけれども、もう済みませんと百三十四万返還しておるんですよ。そこからの話を我々はしておるんで、その領収書を発行したのがあなたの政策秘書なんでしょう。あなたのそばで今日も働いているんでしょう。それを今みたいないいかげんな対応でいいんですか。
#164
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 返還したちょっと理由なども私は聞いておりませんけれども、恐らく、いわゆるきちっと報告書等々が残っていなくて説明できないから、そこにおける道義的な問題で返還したのではないかというふうに思います。(発言する者あり)
#165
○委員長(高橋千秋君) 御静粛に。
#166
○内閣総理大臣(野田佳彦君) いずれにしても、先ほど申し上げたように、きちっと私なりに調べさせていただきたいと思います。
#167
○礒崎陽輔君 これも大きな問題であります。今言ったように、野田市議のことはこれは船橋市議会で私はやってもらうと思いますけれども、自民党としては今後これは告発も考えてまいりたいと思います。
 こんなことが総理の周りにたくさんあるわけでありまして、私は、そう二人ともかばわなくて、さっきの寒竹さんともちゃんと縁を切るべきであるし、献金は返すべきだと思いますし、今の竹口さんも、もうここまで来たら解任すべきじゃないですか。少なくともそれぐらいの、総理大臣として身ぎれいにしておかぬと、こんな話は通りませんよ。今やっぱりちゃんと、ここまで疑惑になっておるのに実態的に本当に悪いことが分かるまでほうっておくと、それは今の総理の立場としておかしいと思いますよ。今すぐ竹口政策秘書を私は解任すべきだと思いますが、総理、いかがでしょうか。
#168
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 御批判は甘んじて受けるしかないと思いますが、いずれにしても、ちょっと調べさせていただければと思います。
#169
○礒崎陽輔君 調べるって、これはちゃんと、今初めて質問したんじゃなくて通告をしておるし、週刊誌にも載っておるし、新聞にも載っておる話なんですよ。今から調べると言うあなたがおかしいですよ、今日は。総理というのはもうちょっと私はすっぱりした性格だと思ったけれども、かばったってしようがないでしょう。
 私も、無理やりこれを疑惑にしておるわけじゃありません。私だって、きちんと、このテレビの前で国会で質問する以上、きちんと最低限のことは調べました。もちろん断定はできませんから、私も疑惑という言葉はいずれも使わせていただいておるところでありますけれども、どちらもこの疑惑は濃厚であります。さっきの歯科診療の話も濃厚であります。そして、今の船橋市議に対して架空領収書をあなたの政策秘書が出した問題も、私は、疑惑は濃厚であります。
 だから総理に、総理がだから今日はけしからぬと言っておるんじゃないんですよ。あなたがきちっと身ぎれいにすべきだと、両方ともちゃんと切りなさいというのが今日の私の主張であって、それは、総理、もうちょっと私は分かってもらえると思ったんですよ。今これだけ大事なことを国民にお願いするときに、総理の周辺に疑惑が二つもある。おかしいじゃないですか。もうちょっと私はきちんとした対応をしてほしいと思います。
 もう少し社会保障と税の一体改革の根本的議論をするつもりだったんですが、どうもこれがやっぱり落ち着かないものですから、この話から先にさせていただいたところであります。
 パネル出してください。(資料提示)
 今回の消費税の問題で私らのところによく来るのは、消費税増税はマニフェスト違反ではないかということ、社会保障の全体像は棚上げではないか、消費税増税は景気回復が前提ではないか、こんなことをよく聞きます。私はどれもそのとおりだと思うんですね。自民党は、だから、マニフェスト違反だから解散・総選挙をしてくださいと言うんだけれども、総理が解散しないと言うから、やむを得ずこの三党合意に至ったわけであります。
 社会保障の全体像も、ちょっと次のパネルを出してください、これも、国民の皆さんが自民党が何か言ったから全体像なくなったと思っているんですけれども、全部で八法案。最初七法案だったですね、自民党の法案がなくて。二つが国税と地方税の改正法案で、社会保障は五法案だった。その五法案の中に、ここにあるように医療のものは最初から何にもないんですよ。介護のものも何にもない。年金も、一元化であるとかという、それは少しのものは確かにありましたけれども、抜本改正は先送り。子育ては、これは両方で、与野党でいい議論ができましたから、これは私も三角でも丸でもいいんですけれども、そこは認めたいと思いますけれども、結局、こういう状況に最初からあったということであります。
 今日、何としても言っておかなきゃならないのは、さっきから景気対策の話があります。無駄な公共事業と言う人がまだ民主党に多いんですけれども、総理にお伺いしたいんですけれども、無駄な公共事業というのはあるんですか。
#170
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 無駄の定義というのは難しいと思うんですね。
 ただ、いろんな政策の優先順位をいろいろ考えた中で、優先順位では低いものをあえてやるというときには、やっぱりそれは無駄という感覚は出てくるかもしれないのではないかと思います。
#171
○礒崎陽輔君 私も昔から公共事業の仕事もしてきましたけれども、全くないこともないかもしらぬ。ただ、民主党の人の議論が間違っているのは、昔の箱物の議論と間違っているんじゃないかと思うんですね。箱物はちょっと確かに造り過ぎた時期があって、これはやり過ぎたなという、私も同じように思います。だから、公共事業の中でも、例えば空港のようなものは少し議論があるのかもしれません。
 だけれども、道路とか河川とか公園とか下水道とか、いわゆる線的事業、線の事業あるいは面の事業、こういったものは、それはどれぐらいの財政を考えてどれぐらいのスピードでやるか、どれぐらいの規模でやるか、どういうふうにやるかという議論があるかもしれませんけれども、私は一般にそういうものは無駄というのはないと思うんですが、いかがですか、総理。
#172
○内閣総理大臣(野田佳彦君) さっき申し上げたように、一時期やっぱり箱物を造り過ぎたというとき、これはやっぱり無駄だったと思うんです。今はそういう状況ではないですよね。そういう状況のない中で、あえて今無駄が出てくるとするなら、さっき言ったように、いろんな政策の優先順位がある中で、もう少し待ってもいいようなものを先取りしてやってしまう場合には、今の時点ではやっぱり無駄と判断することもあるのではないかと思います。
 ただ、さっき言ったように、公共事業でもいろんなものがありますが、全てだから無駄的なものが含んでいるというと、決してそうではなくて、今回、特に東日本大震災などを経験をしましたから、命にかかわる必要なインフラについてはきちんと準備をしていかなければいけないとか、そういう正確な冷静な議論をしていく必要があると思います。
#173
○礒崎陽輔君 そこはいい答弁してくれたと思います。
 それで、資料の三枚目にありますけれども、これも他の委員会でも議題になって、今回、大分県、私の地元で大水害が起きました。筑後川、山国川、大野川の三水系やられて、大分県竹田市はその大野川水系の支流であります。この図面を見て、明らかなんでありますけれども、北の方の稲葉川には昨年、稲葉ダムができました。下の玉来川にはまだできておりません。今回の水害は、竹田市、平成二年以来の大水害でありました。上の方のダムができた稲葉川は、ゼロではなかったんですが、ほとんど水害が起こりませんでした。一方、下を見てください。玉来川の方はまだダムができておりません。一応、着工ということは民主党政権でもやっと決めていただきましたけれども、三年放置されておりました。したがって、今回見て下さい、この全部赤いところが全部浸水域であります。全部これは玉来川でこれだけの大きな浸水が起きたわけであります。
 やはりこれを見て、命を守るための公共事業はしっかりとやってもらいたいと私は思うんですが、総理、いかがでしょうか。
#174
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 私も被災地はお訪ねをさせていただきまして、現地でいろんな御説明をいただきました。
 確かに、きちっと命を守るためのインフラ整備というものはあるということを痛感をしておりますので、必要なものはしっかりそのための整備をしていかなければいけないと考えております。
#175
○礒崎陽輔君 それを我々は事前防災と言っておるわけです。何か自民党が公共事業のばらまきをまたやるのかと訳の分からぬことを言っていますけれども、人が亡くなっているんですよ。今回も何人かのお方が亡くなっている、行方不明一人ですよね、全部で三人の方がちょっと分からなくなっている。やっぱりこういうことをしっかりと我々がやっていかなきゃならない、それを我々言っておるわけで、別に消費税上げてそれを公共事業に使えなんか自民党が言っているわけでは決してない、人の命を守るために我々は必要なことをやろうと言っているということを申し上げたいと思います。
 今日はそういう話で、少し経済論議をやりたかったんですが、私が質問するというといろいろ情報が集まるものですから、違う話をさせていただき、総理も私もちょっと調子が狂ったと思いますけれども、さっき言ったことはよく心してください、総理らしくないですよ。
 私は今、総理が悪いと言っているんじゃない。総理の周辺にそういう人がいるから、きちっと、今国民の皆さんに消費税増税をお願いするときに、総理の身辺をきれいにしていたらどうですかというお願いを私がしたわけでありますので、まあ余り突っ張らずにここはよくお考えになった方がよろしいんじゃないかと思います。
 この質問はまた、予算委員会を開いてまたやらせていただきたいと思います。ありがとうございました。
#176
○塚田一郎君 自由民主党の塚田一郎です。
 午前、午後を通して質疑をさせていただきたいと思います。
 野田総理にまずお尋ねをしたいんですけれども、この委員会でも中央公聴会の日程もだんだん定まってまいりました。社会保障と税の一体改革、この法案の採決もそう遠くないうちに行われると、お盆の前も可能性が十分あると思いますけれども、そういう状況の中で改めて、民主党から一人の造反もなくこの採決がきちっと参議院で行えるように、党の代表として、総理、確約をしていただきたいと思います。よろしくお願いします。
#177
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 採決の日程は、ちょっとこれは理事間での協議があると思いますから予断を持って申し上げられませんけれども、いざ採決というときに、衆議院のときに残念ながら反対者、棄権者等々が出ました。国民の皆様にも御迷惑をお掛けしたと思いますし、国会審議にも影響が出ました。そうした反省も踏まえまして、先般も両院議員総会とかあるいは全国幹事長会議などをやってまいりました。しっかりと党内での意思疎通を図りながら意思統一を強めまして、全員で一致した対応ができるように全力を尽くしていきたいと思います。
#178
○塚田一郎君 総理、大変な御負担を国民にお願いする消費税増税法案でありますから、まず身内を総理がきちっと説得できないようであれば、国民を説得することは不可能ですよ。そのことを我々は申し上げているわけで、きちっとした対応を、オリンピックには行かずに頑張っていただきたいということでありますので、よろしくお願いをしたいと思います。
 総理とは、財務大臣の時代からも消費税増税について財政金融委員会等でずっと議論をさせていただいています。私は一貫をして、まず景気回復を実現してからでなければ消費税増税というのは絶対にやってはいけないということを申し上げているわけであります。
 最近の世論調査によりますと、消費税増税関連法案に対して賛成四二%、反対が四九%、まあ拮抗はしてきていますが、反対意見の中で約三八%が景気や生活に悪い影響があるからというのを理由に挙げているんですね。したがって、やはり将来の消費税の引上げには理解をしても景気の回復前に引き上げることは理解できないという国民が大変まずは多いという慎重意見なわけです。
 そもそも、消費税引上げ法案の前提となる所得税法附則百四条は、平成二十年からの三年の景気回復の集中的な取組によって経済状況を好転させたことを前提にこの法案を、今の議論している法案を出すということになっていたわけですが、まだ十分な景気回復がないままの状況だと私は認識をしますが、総理はまず景気回復をしてから消費税増税だということで間違いないということを約束していただきたいと思います。
#179
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 経済の好転を条件とするということが今回の法案の中の大変大きな柱だと思いますので、そのために附則の十八条の一項から三項があると思います。そこは問題意識、三党が共有していると思いますので、デフレ脱却、経済の活性化に向けて政策を総動員をして国民の皆様に御負担をお願いをする環境を整えていくということを重視していきたいと思います。
#180
○塚田一郎君 それでは、平成二十六年四月の消費税の引上げについて、どの時期の経済状況が大事かというと、実は最終的な判断は、国会の審議の中では、その約半年前ぐらいに最終的な引上げを判断するという議論がこの間行われているわけです。
 半年前とするならば、判断は二十五年の秋ごろということでありますから約一年と少し先でありますけれども、その時点での景気の回復が明確になっていないとその半年後の二十六年四月の引上げには踏み切れないということになるわけですが、財務大臣にお尋ねしますけれども、平成二十六年四月からの引上げには約半年前、来年の今ごろから秋の状況、この景気の状況とデフレ状況が重要になるということでよろしいですか、財務大臣。
#181
○国務大臣(安住淳君) おっしゃるとおりです。
 なぜ半年前かということは、例えば経済的に長期の請負契約に係る経過措置の期限が税率引上げの大体半年前ぐらいに商取引上行われること等を勘案すれば、大体実施のおおむね半年前辺りが一つの判断の、時の内閣のですね、節目になると。
 ただ、一方で、経済財政状況の激変等が生じた場合には、消費税率引上げの直前のタイミングであっても機動的に経済状況等を総合的に勘案した上で引上げの停止等の措置を講ずる必要があると、二段構えでございます。これは、リーマン・ショックや大震災のようなことが、大震災は、例えば仮に言えば三月でございました。そのとき四月は、半年前に決めたといっても、これは言ってみれば急ブレーキはしっかり踏むと。これは法律での措置ですから、最後は国会の御判断ということになると思います。
 なお、経済の状況の好転ということを委員いつもおっしゃっていただきますが、私もここは非常に重要だと思っています。経済が悪化している状況から持ち直して、各種指標を通して改善をしていく過程にある状況をつくり出して、この半年のところでその内閣で判断をしていただくというふうにしたいと思っております。
#182
○塚田一郎君 その経済の好転を確実にするためにどういう政策を打っていくかということが非常に重要なわけですね。
 実は、消費税改正法附則十八条二項には、まさにそういったことを踏まえて、成長戦略並びに事前防災及び減災等に資する分野に資金を重点的に配分することで経済を成長させて、消費税の引上げができるような環境にしていくということが盛り込まれたわけですが、改めて、三党協議でこの附則十八条二項を追加した意図について、自民党の修正案提出者に御説明をいただきたいと思います。
#183
○衆議院議員(野田毅君) 今御議論ございましたように、消費税の引上げということは大変経済にもインパクトを与えることであります。現状はまだまだ経済の状況は厳しいと、そういう中であえてその引上げをせざるを得ないということは、当然、経済との関係、最優先で配慮しなきゃいけないということもあります。そういったことを含めて第二項で入れたと。
 ただ、今回の引上げを一つのステップとして、この機会に、言葉は悪いんですけど、じり貧経済から、むしろ消費税を、逆にこの引き上げるというこのタイミングを通じて前向きの財政展開ができないのか。今までは、消費税を引上げが大変政治リスクが大きいということだから、逆に伸びる芽を削ってでも財政再建ということにやり過ぎたのではないか、その反省もあって、むしろじり貧経済を脱却しよう、じり貧財政を脱却しなければ日本はどんどんどんどん縮小均衡型に行くんじゃないか、その反省もあって、あえて成長戦略と併せて今回の消費税の引上げのタイミングをとらえて機動的な対応ができるということの中で展開しようというのが第二項の趣旨であります。
#184
○塚田一郎君 残りの質疑は午後に譲らせていただきたいと思います。
#185
○委員長(高橋千秋君) 午前の質疑はこの程度にとどめます。
    ─────────────
#186
○委員長(高橋千秋君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、水落敏栄君が委員を辞任され、その補欠として長谷川岳君が選任されました。
    ─────────────
#187
○委員長(高橋千秋君) 委員派遣承認要求に関する件についてお諮りいたします。
 公的年金制度の財政基盤及び最低保障機能の強化等のための国民年金法等の一部を改正する法律案外七案につき、意見を聴取するため、来る八月一日に愛知県及び栃木県に委員派遣を行うこととし、派遣委員等の決定は、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、これに賛成の方の起立を願います。
   〔賛成者起立〕
#188
○委員長(高橋千秋君) 多数と認めます。よって、さよう決定いたしました。
 午後一時に再開することとし、休憩いたします。
   午前十一時五十五分休憩
     ─────・─────
   午後一時開会
#189
○委員長(高橋千秋君) ただいまから社会保障と税の一体改革に関する特別委員会を再開いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 本日、松浦大悟君が委員を辞任され、その補欠として西村まさみ君が選任されました。
    ─────────────
#190
○委員長(高橋千秋君) 休憩前に引き続き、公的年金制度の財政基盤及び最低保障機能の強化等のための国民年金法等の一部を改正する法律案外七案を一括して議題とし、社会保障と税の一体改革についての集中審議を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#191
○塚田一郎君 自由民主党の塚田一郎です。午前に引き続きまして質問をさせていただきたいと思います。
 午前中、最後のところで、改正法の附則十八条二項、成長戦略並び事前防災及び減災等に資する分野に資金を集中、重点的に配分するということが三党協議で新たに織り込まれたと、これ大変重要な項目でして、こういったことを前倒しでしっかりとやることで景気回復にも資するということが説明があったわけであります。
 具体的に事前防災がどれだけ効果があるかということで、今日はパネルをお示しをさせていただきます。(資料提示)
 まず、一と二のパネルでありますけれども、一枚目は、これは平成十二年東海豪雨をモデルにして試算をしたものであります。これはどういうことを言っているかといいますと、あらかじめ激特事業費七百十六億円を投資することで実際の被害額六千七百億円が千二百億円に低減をされ、約五千五百億円相当の被害が軽減できたということをこの試算では示しているわけであります。あらかじめこうした事業を行っておくことで、いざというときにどれだけ効果があるかということを示した例であります。これは一つの試算、シミュレーションでありますけれども、シミュレーションだけではなくて、実際に事前防災の効果が実証されたケースがあります。
 資料の二を御覧をいただきたいというふうに思います。これは私の地元であります新潟県三条市などを中心に、平成十六年、七・一三水害という大変な大きな豪雨水害がありました。その際に大変な被害を受けたわけでありますけれども、その後、五年間を掛けて大規模な治水対策を実施をしたということです。その結果、実は昨年七月にも新潟・福島豪雨水害ということで大変な雨が来たんですね。累計水量は、実に平成十六年の七・一三水害に対して一・六倍、一・六倍の累計雨量があったにもかかわらず、結果として建物被害、死者、行方不明者共に約九割が被害が大幅に軽減をされたと。
 これ、実際に行われた結果、こういうことができたと。五年間集中的に治水対策をやったために、七年後にまたこうした大きな雨が来てしまって、大変な一・六倍の雨量だったにもかかわらず人の命も暮らしも守られたという、まさにこれは事前防災がどれだけ効果があるかということを実証した例であります。
 野田総理、こうした公共事業、事前防災の予算というのは無駄な公共事業でしょうか。
#192
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 資料を拝見をさせていただきまして、事前防災の意義というか効果というものがこのグラフを見る限りにおいては明確に出ているというふうに思います。命を守るための真に必要なインフラ整備というものはやっていかなければいけないと私も思います。
#193
○塚田一郎君 先ほど総理もおっしゃっていましたけれども、待ってもいいものではないというのがまさに今回のケースの例なんですね。これは、五年間を掛けて集中的に行っていたために、七年後に来た新たなこうした豪雨水害に間に合ったということです。だから、いつかやればいいわけじゃないんです。やはり、今すぐにでもこういうことをできるところでやっていかないと、いつ何どき同じような大変な被害になるかもしれないということを表した例であります。
 野田総理は、七月十三日の参議院本会議で、附則十八条の施策に関連して、二十五年度予算概算要求組替え基準について今後検討させていただきたいというふうに答弁をされております。二十五年度の予算から、こうした事前防災・減災に資する社会資本整備の予算措置を行うということでよろしいですか。
#194
○内閣総理大臣(野田佳彦君) これまでも、その防災という観点からいうならば、学校施設であるとか病院施設の耐震化等、必要なことはやってきたつもりなんです。
 その上で、二十五年度予算の概算要求の基準、組替えの基準については具体的内容はまだ何ら決めているわけではありません。中期財政フレームがあって、それを踏まえて毎年毎年の予算編成をしていくわけでございますので、まだその作業の段階ではありませんけれども、当然のことながら、東日本大震災の教訓を踏まえ、また、経済再生を図るため現在策定作業中の日本再生戦略なども踏まえながら、今言ったような視点も、予算全体の重点化、効率化をどうやって図るかという中で、必要な施策については政策の優先順位決めながら対応していきたいというふうに思います。
#195
○塚田一郎君 総理、ちょっと歯切れが悪いんですよね。本会議で検討するとおっしゃったんですから、こういう内容のものを積極的に二十五年度の概算要求から、総理のこれは意思を反映していただければ十分にできるわけですから、もう一度答弁していただけませんか。
#196
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 先ほど申し上げたとおり、まだ基準を決めているわけではございません。何も決まっていませんけれども、当然、防災、減災の視点で今できること、やらなければいけないことということはきちっと選別しながら対応していくということになります。
#197
○塚田一郎君 もう一点、これに関連して、総理にちょっと法案の内容を理解をするためにお伺いをしたいんですが、附則十八条第三項には、前二項の措置を踏まえつつ、経済状況等を総合的に勘案するとなっています。つまり、これは第一項、第二項の措置の後に第三項の判断をするという意味でありまして、そうすると、一項の経済対策、二項の事前防災などが時系列としては第三項の総合判断より先に行われるということに私は理解できるんですが、総理、そういう理解でよろしいでしょうか。
#198
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 第三項、いわゆる経済の好転をどう判断するか。これについては、様々な指標を総合的に勘案をする、時の政権が判断をするということになると思いますけれども、その前提になるのは、今委員御指摘のとおり、第一項に規定をされています例えば名目三%、実質二%という、そういう数値の目標を掲げながら様々な政策を動員をしていくということになりますが、そうした経済活性化に向けた各般の措置を行っているということがまず前提になります。
 それに加えて、新たに追加された第二項に規定されています、今もお話があった事前防災であるとか等々の分野において資金の重点配分等の措置が財政の機動的な対応が可能となる中で実施され得ることも踏まえると、そういう状況の中での三項の判断と理解をしています。
#199
○塚田一郎君 やはり、やるべきことをきちっとやって経済の状況を良くしてから消費税の引上げを国民にお願いをするという意味でも、きちっとやはり今からこういった予算の措置を積極的に政府としてやっていただきたい、そのことをずっと申し上げているわけでありますから、是非その点を考えて今後やっていただきたいということを申し上げておきます。
 先日の山谷議員の質問の中でも、様々な社会資本インフラが今更新時期を迎えているという説明がありました。資料三で、これは一つの例として、今後十年で設置後四十年を経過する治水施設を示した表であります、グラフであります。公共事業の維持管理費及び更新費だけでも、今後様々な公共事業が四十年という一つの経年を迎える中で、大変大きく膨らむ中で、公共事業費全体の削減を考えるというのは私は極めて非現実的な政策だと思います。コンクリートから人ではなく、人の命と暮らしを守る公共事業の必要性をやはり十分に認識して今後予算の増額を行うべきだと考えますが、総理の考えをお聞かせください。
#200
○国務大臣(安住淳君) このお示しになった図を見ても、昭和、大体三十九年辺りから急激に伸びて、それらの更新の時期が来ているのではないかという御指摘でございます。これに限らず、お話を聞いておりますと、首都圏でも五十年前後の高速道路のどうも耐震性がやはり大変問題になってくるんではないかというふうな御指摘も受けております。
 私どもとしては、命を守るそういう事業については、やはり国土交通省内でのプライオリティーを高くしていただいて事業というものをやっていかなければならないと思います。
 もちろん、財政再建という大きなたががはまっていることはありますから、そういう中にあっても、今回やはり優先順位をきちっと国交省内でも決めていただいて、順次、限られた財源でありますが、効果的な対応をしたいと思っております。
#201
○塚田一郎君 さっき総理もおっしゃっていたとおり、待っていいものではない、命にかかわるインフラというのはたくさんあるんですね。もちろん、その中で優先順位を付けていくということは大事ですけれども、本当にその辺りをしっかりと判断をしていただかないと、本当に毎年のようにこれだけの災害が全国各地で起きているわけであります。こうした中で、国民の暮らしと命を守るということが政治の最大の使命ですから、そこをしっかりと認識をしていただきたいというふうに思います。
 もう一つ、資料四で別の視点から例を挙げさせていただきました。
 これは、東日本大震災によって太平洋側の港湾が被災し、機能停止に陥った際に、日本海側の港湾の存在によって、緊急物資の搬入のみならず物資の輸送の代替機能を発揮して、我が国経済の全体の再生に大きな役割を果たしたということを示しております。
 いろいろな形で太平洋側の被害があったときに日本海側が港湾施設でそうしたものをきちっと代替で受け入れる機能、まさにこれが今新たな議論である日本海国土軸という考え方であります。
 実は、全国知事会でも、先日、東日本大震災を踏まえて、防災力を増強し、高速道路や港湾などの交通網を整備して日本海国土軸を新たにつくるという内容の提案をしております。
 これは非常に重要な視点だと思いますが、野田総理、こうした知事会が掲げる日本再生デザイン、これはまさに十八条二項の趣旨にも合致をすると思いますが、総理のお考えをお聞かせいただきたいと思います。
#202
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 東日本大震災を始めとする各種災害の教訓を踏まえて、防災力を強化し、災害に強い国土を構築しなければならないという認識は、これは委員とも共有をさせていただきたいと思います。
 その上で、今御指摘をいただきました全国知事会の日本再生デザインにおいて示されている首都圏の防災力強化や発災時のバックアップ体制の構築、南海トラフ巨大地震を想定した避難施設の整備等は、今まさに政府のワーキンググループの中でも議論が行われているところでございます。
 政府では、全国知事会の御意見も参考にさせていただきながら、ばらまきの排除を徹底しながら、真に命にかかわるインフラ整備を重点的に進めて、防災と減災対策を推進をしていきたいと考えております。
#203
○塚田一郎君 そうですね、非常に重要なことですので、是非積極的にやっていただきたいと思いますし、財源の議論をこの委員会でもいろいろしてきていますね。
 財務大臣は民間活力等ということもおっしゃっていますが、それも一つでしょう。しかし、やはりこうした大型のインフラ整備あるいは事前防災などは民間の資金だけでできるわけないんですね。そうすると、じゃ、財源をどうすると。消費税増税分は赤字国債を減らしていくということがあるとするならば、私は、建設国債というのは十分な使途として考えられるし、これは国の、そして国民の生活、暮らしを守るわけですから、建設国債として将来にわたってそういう資産を残していくということは十分に妥当だと思うんですが、財務大臣、お考えいかがですか。
#204
○国務大臣(安住淳君) 結局、建設国債でインフラ整備というのは、論理的には私もそれは一つあっていいと思っております。ただ、発行額全体は、国債発行、市中消化ということでいうと、特例公債と建設国債に色が付いているわけではございませんから、総額の中でどういうふうな対応をしていくかということだと思います。ですから、全く否定はしませんけれども、大幅にじゃぶじゃぶ出すというのはやはりちょっと財政再建という点からいうと私は考えないといけないと。
 そこで、やはり資金をどういうふうにうまく、こうした南海トラフ地震等予測されるという中で、それから、今おっしゃったように、私も大震災で被災をした石巻に行くときに、実は毎週秋田県から道路で帰らせていただいたり飛行機で行ったり、日本海側に本当に宮城県の皆さんはお世話になりました。横串の必要性というのは、多分皆さんは感じてはおられるんですね。しかし、そういう中で、やっぱり資金難というのは大変ですから、そこは私どもも知恵を出して、財政再建というものと、ナローパスかもしれませんが、やはり反しないようなやり方で、なおかつ民間資金等をしっかり利用してそうした整備ができるような知恵を是非私は出していきたいと思っております。
 具体的なことはまた、そういう点では、こうしたことが実際に具体的に、じゃ、どういうふうにしていくかという段階になったときに、しっかりそのときに政府としての考え方も出させていただきたいと思っています。
#205
○塚田一郎君 財務大臣、安住財務大臣も被災地の御出身であります。私のふるさと新潟県も過去十年間に大きな二つの地震、そしてまた豪雨水害、冬になれば豪雪と、もう大変な被害が続いているわけです。
 そうした中で、こうしたことに対して、公共事業に対して建設国債を発行するということは、もう国民全体にきちっと説明をすれば私は理解していただけることだと思うんですよ。決して無駄な公共事業ではない。我々の暮らしを守るために必要なもの、それを今やらなければいけないために建設国債を使うということは、私は政府がきちっと説明をすれば理解をいただけると思いますが、もう一度改めて財務大臣にお伺いしたいのは、建設国債も含めてこうしたことを考えるということでよろしいですね。
#206
○国務大臣(安住淳君) 中期財政フレームがございます。その中で、二〇二〇年に向かって我々は財政再建をやっていきます。税と社会保障の一体改革も、結果的にはやはりこの道をそらすわけにはいかないと思っています。そういう中でどうやって、まあ言わばかなりの投資をしないといけないインフラ整備というものの宿題が、今国会を含めて社会的には分かってきました。この捻出の財源をどうするかということについて、私どもとしては、ですから先ほども申し上げましたように建設国債も一部、それは全く使わないということではなくて、様々なものを利用しながら、財政再建と、ナローパスではありますけれども、両立できるような工夫というものをやっぱり取っていきたいと思います。
#207
○塚田一郎君 財政再建も大事です。しかし、今申し上げてきたように大変重要な予算というものがあるわけですから、それには機動的に対応していただきたいということを再度お願いをさせていただきます。
 それで、コンクリートから人というのが民主党政権の前回の衆議院選挙の大きなテーマでありました。こういうことを考えてくると、もうこのコンクリートから人というのは撤回をした方がいいんじゃないかと思うんですね。野田総理、今度衆議院選挙、またいずれ戦われるわけでありますから、解散になればですね。このコンクリートから人という考え方、もう撤回されたらいかがですか。
#208
○内閣総理大臣(野田佳彦君) コンクリートから人へという考え方の下で政権交代直後から特に力を入れたのは、それまで社会保障費、機械的に二千二百億円削るということをやめて、社会保障に必要なところについてはきちっと予算を付けていくであるとか、あるいは教育であるとか子育てであるという、まさに未来への投資、人への投資を大事にしていく、そういう考え方自体は私は基本的には間違ってはいないと思うんです、今も。
 その上で、その上で、ただコンクリートから人へというと、コンクリートにかかわる分野が全てバツみたいなイメージができたことは良くはなかったのではないか。無駄な公共事業はいけません。まあ無駄の定義はさっきいろんな議論がありましたけれども、だけれども、その上で真に必要な、命にかかわるようなインフラ等は、これはさっきのように整備していかなければいけないわけでありますので、その辺をどういう整理をしながら、マニフェストを党内でしっかり議論しながらどう作るかだというふうに思います。
#209
○塚田一郎君 その真に必要なものはこうした三党協議を踏まえていろいろ議論をしていけばいいじゃないですか。しかし、コンクリートから人という言葉は余りにも私は本質から離れていると思いますね、もう。これ、いずれこういう形で次、今度野田さんの顔がここに出るわけですね、次の政権交代のときのマニフェストに。
 この一枚目ですよ、ここのまず前文のところにこのコンクリートから人というのが書いてあるわけです。非常に大きなインパクトがあったわけでして、野田さん、じゃ、これ次マニフェスト、総理がここに顔が出てマニフェストを作ったときに、まだこれ書くんですか、どうするんですか、答えてください。
#210
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 私の顔の下でマニフェストが作られるかどうかも、これは予断を持っている話ではございません。いずれにしても、どなたが代表になられても丁寧に党内議論を踏まえてマニフェストを作ると思いますが。
 ただ、さっき申し上げたとおり、人への投資を重視をしていく姿勢は、これは私は変わらないというふうに思っております。教育や社会保障、子育て、こういうものを大事にしていく。ただ、さっき申し上げたとおり、コンクリートは全否定のイメージだったことは少し誤解を呼んだと思いますが、必要な公共事業もあるということ、それは防災等の部分についてのそういう面、特に東日本大震災等起こりましたから、そういう中で、どういう形で党内で議論をして意見を集約するかだと思います。
#211
○塚田一郎君 いや、少しではない、大いなる誤解を招くようなことで選挙を戦ってはいけない。改めるなら今ですよ。民主党のために申し上げておきたいというふうに思います。
 次に、デフレ脱却でありますが、先ほども植松議員の質疑の中で、デフレの状況で価格転嫁が非常に厳しくなるというお話がありました。非常に重要な指摘でありまして、デフレの状況で消費税の引上げを行っていけないことの理由の、最大の理由の一つがこれですね。つまり、デフレ下で消費税の引上げを行うと、価格転嫁、需給ギャップが大きくある今の状況ならなおのこと、これができなくなって、結局、企業は収益を圧縮され賃金が減り、さらに、所得が減って経済がどんどんどんどんまた縮小していって、デフレからいつまでも脱却できないということがあります。
 消費税の引上げの前提としてデフレ脱却が私は最低条件と考えますが、政府の見解はいかがですか、財務大臣。
#212
○国務大臣(安住淳君) 十八条の附則一項では、デフレからの脱却を目指すために数値目標を入れているわけですね。それで、それは名目三で実質二ですから、間の一がデフレ脱却ということに論理的にはなります。定義があるかどうかは分かりませんけれども、物価が持続的に下落している状況を脱して、再びそうした状況に戻らないような状況をつくってというふうに私は考えております。
 一方で、やはり構造的な深刻な問題を我が国は抱えていることも事実だと思います。自民党政権下でも、やはり大変、公共投資を含めて、二〇〇〇年代、デフレの長いスパンの中で脱却に向けていろいろ努力をなさったわけですね、不良債権の処理も含めて。しかし、結果的には、好況、公共事業じゃないですよ、好況、不況でいう好況な状況でありましたけれどもデフレから脱却できなかったこともありますから、そういう意味では大変、我が国を覆っているこのデフレというのはやはり構造的な人口減少等の問題にも起因しているということがありますので、すぐに何かをやれば根本的に直るということではないかもしれませんが、我々の意思としては、とにかくこのデフレを脱却をして、やはり、さっき言ったように、持続的に物価が下落していかない状況をつくり出さなければならないというふうに思っております。
#213
○塚田一郎君 財務大臣、今三%、二%の成長率の中で消費者物価、いわゆるGDPデフレーターが一%というような具体的な数字をおっしゃっていますけれども、日銀の最近の試算によると、来年の、一年後ですね、秋口はまだ一%の水準には行かない、平成二十六年の中ごろになってようやく一%ぐらいの消費者物価指数ということを展望しているわけですよ。そうすると、先ほどの議論にあった来年、一年後の最終的な引上げの判断の時点ではそこまで行っていないと。
 それでも、つまりデフレ脱却宣言もできないまま消費税引上げに突入するということですか、財務大臣。
#214
○国務大臣(安住淳君) 私は、持続的な物価下落が続いている状況から脱して、再びそうした状況にならないような状況になってくれば、これは今政府内で統一した意見ではないけれども、私は引上げは可能だと思います、消費税のですね。それは一%にならなきゃ駄目だということを書いてあるわけじゃなくて、一の項目のところはそういうことを目指してやっていきましょうと。それから、日銀も、そういう意味では我々はターゲットを決めてやっていただいて、これは財政、金融両面から、塚田さんおっしゃるように、今年の秋から来年の今ごろまでがいかに大切かということは私も責任者として重々心得ておりますので、そうした状況をつくり出して、そのための方法として二項等を踏まえてということになるわけですから、そして、全ての指標が上向きの状況になったことが確認、三項のところのですね、経済の好転ということを言っているわけですから、そこで判断を時の政権がなさるということだと思います。
#215
○塚田一郎君 そうすると、安住財務大臣、デフレ脱却宣言がなされないままに消費税引上げに入っていくこともあり得るということでよろしいんですか。
#216
○国務大臣(安住淳君) デフレを脱却したという宣言をどの時点でするかということは、大変難しいことです。私が今申し上げているのは、再びそうした状況に戻らないということをどれぐらいの幅を持って判断するかということは、多分こういう世界にかかわっている方々それぞれ一長一短だと思います。
 ですから、私は、そういう意味ではまず、日銀が金融緩和の中でターゲットを挙げて一%ということを言っているわけですね。それで、我々としても、一項のところで、この三と二の間ですからこれは一ということですね、こういうことを目指して様々な経済的な施策をやりますが、状況を判断するときには経済指標や様々なデータって書いてあるわけですよね。ということは、そこには多分失業率とかもあるんじゃないでしょうか、それから求人倍率、雇用の情勢も考えなきゃいけないし、一方で名目、実質の速報値等も勘案しながら時の政権として御判断をいただく材料を私はそろえて、そこで決断をしていただくということだと思います。
#217
○塚田一郎君 確かに総合的判断ですから、いろいろな指標、データを基に判断をされるということは理解できます。しかし、やはりこれだけの消費税の増税の議論をしている中で、それが非常に何か曖昧な形で具体性がないということで、こうして具体的に、デフレについてはどうなのか、成長率についてはどうなのか、今年より来年成長率が低かったらどうなのかということをこの委員会でずっと財務大臣に御説明をいただいているわけでありますよ。
 だから、もう少しやはりそこはきちっと、目標であってもそこに近づくということがやっぱり大きなテーマですから、とにかく目標はあるけれどもそうじゃなくても引き上げられるんだというようなことがあってはならないと思いますので、そこをしっかり判断をしていただきたいと思いますが。
 法案に関連して一つお伺いしたいんですが、施行の停止を含め所要の措置を講じると書いてあるんですけれども、この停止以外の措置とはどういうことを想定しているんでしょうか。
#218
○国務大臣(安住淳君) 今、ちょっと三項のところを私見ないでここに来ましたけれども、それは三項のことですか。
 具体的に言えば、例えばリーマン・ショックや東日本大震災のような急激な著しい経済の変動というものを文章にそれは私は書いているというふうに思っております。ですから、半年ほど前に、住宅なんかの契約を含めると半年ほど前にこの引上げをやらないと実務的に、事務的に大変な作業だということは、それぞれの業界団体から今お話を聞いていますから、おおむね引上げの時期というのは施行の半年前ということになりますが、このもう一つは急激なですから、例えば東日本大震災も三月十一日でございました。もし四月に引上げをするかしないかってなったときには、それはそのときの政権の命運を懸けてそれを差し止めるための法律を出して、例えばそこで停止をするとか、そういうことをできるということをそこに書いてあるんだというふうに思います。
#219
○塚田一郎君 いや、ちょっと理解できないんですね。施行の停止というのが今おっしゃっている財務大臣の話であって、それ以外の措置を講ずるということで、これは質問通告してありますのでちゃんと答えていただきたいんですが、どういうことを想定されているんですか。
#220
○国務大臣(岡田克也君) ここは、ですから、考えられる追加的な経済対策とかそういったことも含めて、あるいは低所得者対策と、いろんなメニューがあるわけですが、それを積み増しするとか、そういったことも含む概念だというふうに考えております。
#221
○塚田一郎君 いや、非常に何か曖昧な説明で心もとないんですが、ちょっと法案をよく読んでいくと非常にこうしたはっきりしないところがあって、どういった状況で何をするのかということ、あるいはどの状況であったらば引上げが停止されるのかということが非常に分かりにくい。ここをもう少し今後議論してやっぱりはっきりしていかないと、国民の皆様からすればとにかく引上げが前提にあるんだというふうに思われてしまいますから、そこはきちっとした議論を今後もさせていただきたいと思います。
 今、負担軽減策のお話がありましたけれども、もう一つやはり国民が納得いかないのは、消費税の引上げの法案は通ろうとしているのに負担軽減策について全然明らかにされてこない、分かってこないということですね。いろんな議論があります。軽減税率、あるいは給付付き税額控除、そして簡素な給付措置、こうした議論が行われているんですが、一体、二十六年度の引上げ時点でどれを実施するつもりなんですか、政府としては。
#222
○国務大臣(岡田克也君) これはこれから検討するということでありますが、ただ、これ委員、三党で議論して、そしてメニューとして今おっしゃった三つのことが挙げられているわけです。したがって、三党で御協議いただくということも非常に重要で、政府としては、その状況も踏まえながら最終的によく御相談して決めていくということになると思います。
#223
○塚田一郎君 いや、もちろん三党協議ですけれども、やはりこういうことを早く進めていかないと、法案はもう採決目前です、しかしながら、負担軽減策についてはその後ゆっくり考えますと。でも、一年半後の引上げの議論ですから、いろんな準備も含めて早急に対応を進めていただかないといけないということを申し上げます。
 民主党、まあ政府・与党ですね、政府・与党としては元々給付付き税額控除というのをこの対応策として考えていらっしゃるわけですけれども、税制についての議論が先ほどもありましたが、やはり分かりやすさというのが非常に重要ですね。そうすると、給付付き税額控除というのはやはり消費税に直結していないんですね、所得に基づいてなされるものですから。なぜ国民の六割が軽減税率の方がいいと思っているかというのは、やっぱり軽減税率の方が非常に分かりやすいし、直結しているということなんですね。
 その点について、なぜ政府としては軽減税率ではないというふうに考えられているんですか。
#224
○国務大臣(岡田克也君) この点は、実は衆議院でもかなり議論がなされました。一つ言えることは、給付付き税額控除の方がより少ない財源で必要なところに手当てができる可能性が高いということでございます。軽減税率になりますと、これは所得の多い方も含めてその恩恵を受けるわけですから、そういう意味でより多くの財源が逆に言うと必要になるということになります。せっかく消費税引上げを認めていただいても、その分がそこに使われるということになると本来の目的が達せられないということにもなりかねない。
 ただ、給付付き税額控除については、本当にそれが必要としている所得の少ない方かどうかということの特定がどこまでできるかと、こういう問題はかねがね指摘されているところで、そういったことについて双方のメリット、デメリットをしっかりとこれは三党でも御議論いただき、政府でも真剣に早急に議論しなければいけないというふうに考えております。
#225
○塚田一郎君 いや、しかし、給付付き税額控除については、対象者の範囲と水準が明確でない、マイナンバーによっても資産、金融資産の所得状況の捕捉ができない、所得が捕捉できない場合は不正給付にもつながるおそれがあるという大きなマイナス点もあるわけじゃないですか。それでも今もそれを一番重要、まあメーンの案として考えられているんですか、政府としては。
#226
○国務大臣(岡田克也君) 現時点で政府としてどうかと言われれば、おっしゃるとおり給付付き税額控除の方がいいのではないかというふうに考えております。ただ、もちろんいろいろな御議論をいただいているわけですから、そのことも踏まえて決めていかなければならないと思います。
 確かに、本当に所得が少ないかどうかの確定というのはいろいろ難しい面がございます。しかし、これからの社会保障政策を考える上で、やはり所得の少ないところに対していかなる政策をやるかというのはこの消費税の問題を離れても非常に大きな課題で、現に今までもいろいろなことをやってきているし、これから更にそこをしっかりやっていくとなると、やっぱり何とかしてその所得の特に少ない方かどうかという判断、捕捉の精度を上げていかなければいけないということは間違いないわけでございます。
 それからもう一つは、給付付き税額控除というのは消費税とはダイレクトに結び付くものではないかもしれませんが、いろいろな国で新たな行政ツール、政策のツールとして取られているわけで、そういう意味でも、できないということじゃなくて、それがどこまでできるか、どちらがよりましか、ベターかということはしっかりと議論しなければならないというふうに思っています。
#227
○塚田一郎君 いずれにしても、早急にこうしたことを三党協議も含めて判断をしていって、きちっと国民の皆さんに分かるように示していただきたいということをお願いします。
 最後に、総理の覚悟について改めてお伺いをしますが、最近、総理、政治生命を懸けると余り言わなくなりましたね。もう何か、法案が衆議院で通って、採決が近づいてきたので政治生命を懸けなくてもいいのかななんて思っているとは思いたくありませんが、改めて、これどうなんですか、総理、最近安心しているんではないかと思いますけれども、その辺りのところを。
 それで、この法案が通ってもまだやるべきことがあると総理はおっしゃっていますけれども、非常にこれは我々からしたら納得いかない。この法案が採決、成立した暁には速やかに衆議院を解散して国民の民意を問うということを我々は強く求めているわけで、それ以上具体的に何をやるべきことがあるのか、御説明ください。
#228
○内閣総理大臣(野田佳彦君) まず、安心しているということはございません。
 よく政治生命を懸けるという言葉の話もありましたけど、昨日の質疑でも、心からを代議士会で三回言ったけど参議院総会では一回だとか、いろいろありますが、思いは変わりません。大変国民のために重たい法案だと思っておりますので、その自分の重たい決意というのは、これは変わりませんので、是非そのことは、変わっていないということは御理解いただきたいというふうに思います。
 その上で、やるべきことをやった暁に国民の皆様の信を問うと申し上げていますのは、この一体改革の関連法案の中でも、さっきもちょっと議論があったマイナンバーであるとか、様々な関連するものもあります。あるいは国民会議を早急に設置させなければならない等々、関連することもあります、一体改革の関連でも。そのほかに、この国会では、一体改革の法案以外にも特例公債等々、様々な大きな法案も残っております。そうしたものをしっかりやり遂げるというのが私の責任だというふうに思っています。
#229
○塚田一郎君 総理、それおかしいですよ。どんどんどんどん新しいことが出てくるじゃないですか。特例公債法だかマイナンバー法案まで出てきて、そんなことを言ったらいつまでたっても総理の政治生命というのはつながっていくわけですけど、総理大臣、幾つ政治生命があるんですか。
#230
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 政治生命は一つしかないと思いますが。
 これ、突然出したテーマではありません。マイナンバーはずっと前から出している法案で、これから衆議院で御審議いただけるかどうかというところまで来ています。それから、特例公債も、これはずっと懸案で残っていますが、これは当然のことながら予算をきちっと執行するための裏付けであり、今国会中に何としてもこれは成立させなければいけないと思いますので、これ、いずれにしても突然持ち出したテーマではございません。こういう関連する重要なものはまだまだ残っているということであります。
#231
○塚田一郎君 いや、いたずらに野田政権の延命を図ることではなくて、国民に信を問う、そのことを強く我々から求めて、今日の質問を終わりたいと思います。
 ありがとうございました。
#232
○宮沢洋一君 自民党の宮沢洋一でございます。
 先週に引き続きまして、総理、また関係閣僚を中心に質問をさせていただきます。
 まず、質問に入る前に、実は私、この委員会朝から出席しまして、その閣僚席、答弁席見ていまして、若干違和感を持っております。と申しますのは、総理、ちゃんと背広着て長袖のシャツを着てネクタイを締めておられる。岡田副総理もそう、安住財務大臣、主要閣僚もそう。後から来られた川端大臣だけはクールビズなんですね。
 今年の夏、昨年に引き続いて今年の夏は全国にまさに省エネをお願いしている、そういう、政府が中心になってやっている、そして、その一つの象徴みたいなものがクールビズなわけであります。なるべく部屋の室温を上げてほしい、エアコンを掛けないでくれと、こういうことをお願いしている立場の方が、今日は大変暑い日ですよ、大変暑い日。総理、副総理、そして最重要閣僚の財務大臣がみんなクールビズでないというのは大変違和感があります。本気で省エネをお願いするつもりですか。
#233
○内閣総理大臣(野田佳彦君) よく分かります。
 省エネの徹底、特に節電のお願いを今全国各地でしています。その率先垂範の意味でクールビズということでありますけれども、もうなかなか、取ったり外したりすることが多いんですよね。外国からのお客様が来ることも多かったりするので、どうしてもやっぱりネクタイを常に着用せざるを得ない状況が続いております。気持ちは、本当に節電のお願いを、国民の皆様にお願いをしている立場ですのでクールビズは徹底しなければいけませんが、私は、服装のみならず、ほかの部分でしっかり徹底していきたいというふうに思います。
#234
○宮沢洋一君 何かマスコミに総理はクールビズが余り似合わないという提言を受けられたとかいう話もありましたが、今日は丸一日テレビの中継です、国会中継。余りそう外国人の方と会う日程もないと思いますので、こういうときはやはりしっかりとクールビズ、また省エネ、節電というものを国民の理解を求めるためにも率先していただきたい、それだけ申し上げておきます。
 それで、まず、前回もいろいろ御質問させていただきましたけれども、私は三党協議に参加した人間であります。そして、大変高い山、深い谷を乗り越えて三党協議が成り立ってこういう法案の審議が入っている。ところが、衆議院の採決段階からいろいろ起こってきた。たしか前回七月十八日に質問いたしましたけれども、その前日にも離党騒ぎがあるという中で、総理は私の質問に対して、今後は一致結束して採決に臨めるように全力を尽くしていきたいと、こういう答弁をされました。また、次の日の林芳正議員が、例えば一人ずつ呼んで説得するとかそういうことをやってくれと、こういうことを質問したときに、それに対して総理は、衆議院の段階においてもそういう努力をして、参議院においてもきめ細やかに対応していきたいと、こういうことをおっしゃったわけであります。
 議員総会だ何だというようなことをおっしゃっていますけれども、やはり予備軍というのはある程度分かっているわけですね。世耕議員の質問で、例えば大久保潔重議員とか田城郁議員というのが、大幅な修正なければ反対すると、こういうことをテレビで言っているという質問をしました、しました。
 例えば、大久保議員そこにいらっしゃいますけれども、当然携帯電話で話するとか、もちろん総理日程に載らないようなスケジュールで会って説得するとか、されたんでしょう。
#235
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 特にどなたを予備軍という形の扱いをしているつもりはございません。党で一致結束して採決に臨むという努力の中で、様々な努力はしたいと思います、丁寧に。ただ、個別のお名前が出てきて個別の人にどういう対応をするか等々は、これはもう党内にお任せをいただきたいと思いますし、国会の審議でお話をすることではないと思いますが、全力でみんなで結束して対応できるようにしたいと思います。
#236
○宮沢洋一君 いや、林議員の質問にはきめ細やかな対応をしていきたいと答えられているわけです。しかも、テレビで公言されている議員がいるわけです。そして、今の話では党に任せてと人ごとのようにおっしゃったけれども、御本人はやるつもりないんですか。
#237
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 党に任せてとは言っていません。もちろん参議院執行部を中心にしっかりやっていかなければいけませんが、もちろん私もできるだけの丁寧な対応というか、コミュニケーションを図りながら、みんなが一致結束して対応できるようにしていきたいと思います。
#238
○宮沢洋一君 希望や願望を言われても実は困るんです。
 今日の、今日というか、日本時間あしたの朝、ロンドン・オリンピックの開会式がある。総理はかなり未練がおありだったようですが、まあ諦められた。それは、別段我々はロンドンに行かせたくないと言って申し上げたんじゃないんです。総理が率先して、党の代表であり、実力者である、ある意味ではあめもむちも持っている総理、代表という立場で一人一人の議員を説得して、我々三党一致して決めた法案が民主党のこれ以上の造反なしでやっていただきたい、それをお願いしていたんです。その自信はおありですか。願望じゃ困りますよ。
#239
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 個人的にロンドンに行きたかったということではありません。もし私が役に立って東京招致に貢献できるならばということでありましたので、そこは違います。こういう形で国会で御審議をいただいている状況でございますので行かなくなりましたけれども、ロンドンに行ったとしても行かなかったとしても、党を挙げてきちっとこの参議院における採決の日には一致結束して対応できるように、これは願望ではなくて、そういう責任を果たしていきたい、そういう決意の下にお話をさせていただいております。
#240
○宮沢洋一君 それだけの強い決意がおありなわけですから、何か造反が出たような場合にはそれなりの責任を取られる覚悟はございますね。
#241
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 全力で今取り組んでいる最中でありますし、その結果が出るようにまさに責任を果たしていきたいと思います。
#242
○宮沢洋一君 肝心なところになるとまた今度願望に戻っちゃったんですよね。やるんですね。
#243
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 一致結束して対応するように全力を尽くして責任を果たしていくということであります。
#244
○宮沢洋一君 ですから、果たせなかったらどうだという質問をしたわけですが、なかなかここでは御答弁難しいんでしょう。
 ともかく、お一人お一人の議員に、まあ携帯電話もありますし、先ほど言いましたように、官邸、また官邸の外で内々会うということもできるでしょう。率先してともかく努力をしていただいて、まあお盆前に採決に私はなると思っておりますけれども、一人の落ちこぼれもないように頑張っていただきたいということを申し上げておきます。
 それで、少し今後の政治日程といいますか、スケジュールについて質問をさせていただきたいと思います。
 前回の質疑のときに、私は、この社会保障制度改革推進法の時系列といいますか、今後のスケジュールと解散について伺いました。要するに、この推進法が公布されてから一年以内に、国民会議の議を経て出た結論等を踏まえて政府は法案を国会に提出する、一年以内に国会に提出しなければいけない、こういう推進法というものを、民主党も提案者になられて、三党で賛成して今出している。一方で、来年の夏までには必ず衆議院の解散・総選挙があるという中で、なるべく早く、しっかりとしたこの国民会議の結論を受け止める、そういう政府ができていなければいけない、政権ができていなければいけない、そういう仕組みの法律を我々は提案しているんですよと。したがって、できるだけ早期に解散してくれということを申し上げたわけです。
 今、このスケジュール、具体的にここに書いてありますけれども、恐らく八月の中下旬、できれば私は上旬と思いますけれども、通過した後、何日かたって法律が公布されるということ。そして、その次に来るのは、十月の初め、半ばぐらいから、来年度、平成二十五年度予算、また税制改正。この税制改正には今回積み残しになった所得税についても、相続税についても、また贈与税についても含まれるわけですけれども、この検討が本格化して十二月末には政府案を決定しなければいけない。そして、お正月を経て、一月の通常国会でこの予算、また税制改正、国会で審議をしなければいけない。こういう経済状況の中で大変大事な予算でありますから、その審議をしっかりやっていかなければいけない。そして、恐らくその通常国会の予算審議と重なるかもしれませんが、春ぐらいからは間違いなくその国民会議の結論というものが順次出てくるわけであります。そして、政府はそれを受けて立法化の作業をしなければいけない。そして、その期限は、法案の提出期限はその八月の中下旬。これが今のまさに我々が審議している法律のスケジュールなわけです。
 そして、この間に解散・総選挙がなければいけない。そうすると、もう空いているのはこの八月中下旬と十月の間しかないんです、ないんです。間違いなくないんです。したがって、まさに総理が民主党代表として、まずこの法律を早く上げること、そうするとすき間ができるでしょう、少し。そして、この国会中、遅くともこの国会中には解散して総選挙をする、そこしか実はすき間がないんです。
 まさに政治生命を懸けて実現したいこの改革であります。そして、私は、総理は真っ当な政治家でいらっしゃると。真っ当な政治家は国を、まさに経済を、社会を動揺させるようなスケジュールで解散するわけがない。となれば、ここしかないんです。ここしかないんです、もう。
 総理、どう思われます、今の話。(発言する者あり)
#245
○委員長(高橋千秋君) 御静粛にお願いします。
#246
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 確かに、今後のスケジュールを整理はされていると思いますけれども、当然のことながら、これ、一番おしりになっている八月下旬というのが我々の任期、我々衆議院の方の任期でございますので、この間にどこかで選挙をしなければいけないということは間違いありません。
 ただ、すき間というのはこの間だけかというと、必ずしもそうではないとも思いますし……(発言する者あり)まあ、それはそうですね、ここだけではないというふうに思います。これ、どこでやるかというのは、これはやっぱり判断でありますけれども、いずれにしても、どの段階でどういう選挙があっても、少なくとも三党で合意をして、そしてこの参議院で御審議いただいた後に採決をして成立をしたならば、私は次の衆議院の選挙いつか分かりませんが、その三党が過半数割れをしない限りはそれは実現できる環境にあるわけです。実現できる以上は、三党間で合意をしたことについてはしっかりスケジュール感を持って遵守をしていくと、そういうことだと思いますので、その選挙の時期とか選挙の結果に云々されることではなく、公党間の信義に基づいて実行していくということだと思います。
#247
○宮沢洋一君 それでは、このスケジュールの中にどこをこじ開ければ解散・総選挙のタイミングが入りますか。(発言する者あり)
#248
○委員長(高橋千秋君) 御静粛にお願いします。
#249
○内閣総理大臣(野田佳彦君) こじ開けるというところもないんじゃないでしょうか、これは。解散するときは解散するときでありますので。
#250
○宮沢洋一君 いや、私はこの九月、十月しか選挙の時期ないと思うんです、真っ当な政治であれば。じゃ、真っ当な政治でなければこじ開けられるのかなと思って、どこがこじ開けられるかと伺ったんですが、もう一度御答弁願います。
#251
○内閣総理大臣(野田佳彦君) ちょっとお答えのしようのない御質問が続いていると思うんですが、必要な時期、必要なタイミングというのはそれはあると思います。やるというときにはやるということであって、ここしかないとかという、そういう御判断はちょっとよく分かりません。
#252
○宮沢洋一君 今、総理、大変大事なことをおっしゃったんです。やると決めればやるんだとおっしゃいますが、この時期以外は、恐らく予算編成が大変遅れるとか、国会の審議が止まるとか、また、政治生命を懸けられるこの社会保障と税の一体改革の特に社会保障の改革が止まるとか、そういうことが必ず起こるんです、起こるんです。それにもかかわらず、まあ総理の立場として解散権は取っておきたいんでしょうが、それ以外にやるつもりがあるということをおっしゃったわけですね。
#253
○内閣総理大臣(野田佳彦君) ですから、特に決め打ちをしているわけではございませんけれども、ただ、過去の事例を見てもこの時期だけに解散が行われているわけではありません。いろんな事例がございました。そういうことを踏まえて、必要なときに、また、やるべきことをやった暁に判断をしたいと思います。
#254
○宮沢洋一君 過去の事例とおっしゃいましたけれども、我々は、要するに三党が本当に党として大変な決断をしてこの社会保障制度改革に合意をしたわけです。そして、推進法というものを出したわけです。これを実行しようとしているわけです。また、経済の状況、デフレを始めとして大変厳しい、そういう質問がずっと続いているわけです。そういう中で、今申し上げた大事なものを、じゃ飛ばして、飛ばして解散ができると思っているということを総理はおっしゃった。
 もうこれ以上水掛け問答をしてもしようがないでしょうけれども、この推進法というものがある意味では三党で合意したということは、これしかスケジュールがないということを実は合意したということを、国民の皆さんも恐らくこれ見れば大体お分かりになると思いますけれども、しっかり認識していただきたいと思っています。
 それでは、少し今回の社会保障制度改革を中心に質問をさせていただきます。
 まず、後期高齢者医療制度ですけれども、実は、昨日、この委員会で参考人の方からいろいろ御意見を賜りました。その中で、お一人の参考人の方がこの後期高齢者医療制度について、最初いろいろあったけれども大変国民の間で定着をしてきている、そして、これを変更するとなると大変大きな混乱が生じることは間違いない、したがって、これを続けるべきだという趣旨の発言をされました。
 そこで、小宮山大臣に伺いますけれども、小宮山大臣は、マニフェストに書いてしまったということは別にして、総理の言葉をお借りすれば、心から心から心からこの後期高齢者医療制度は廃止すべきものだと思われていますか。
#255
○国務大臣(小宮山洋子君) 今委員がおっしゃいましたように、後期高齢者医療制度、一番批判が強かったのは七十五歳で区分をするという、その年齢差別だということですとか、医療サービスとか健診の取扱いが現役世代と違うとか、そういうことから差別という御批判があったと思うんですが、それについてはもう、よく御承知のとおり、運用面で改善できるところは十七項目にわたって改善をいたしましたので、その分は改善をされていると思います。
 また、今制度の見直しをしようとしているのは、改革会議でまとめたように、七十五歳以上の人も現役世代と同じ国民健康保険か被用者保険に加入していただくということで、今の制度の、細かい点とおっしゃるかもしれませんけど、幾つかやはり問題点はありますので、その批判にこたえた上で、公費、現役世代、高齢者の負担割合を明確化した点など、現在の制度の利点は、こういうところは維持をしながらより良い制度を目指すということで改革会議から提言が出されておりますので、それで今調整を行っているということです。
 ただ、これも御承知のように、高齢者医療制度の扱いは、三党間でまず協議をし、そして国民会議で議論をするということになりましたので、高齢者医療制度がいろんな問題を抱えているということは、ここは共通の認識だと思いますので、その中で御議論をいただければと思います。
#256
○宮沢洋一君 私が質問したのは、どういう検討が行われているかとかいうことではなくて、厚労大臣が本当に自分の気持ちとしてこの後期高齢者医療制度を廃止しなければいけないと思っているかどうかという質問なんです。もう一度お答えください。
#257
○国務大臣(小宮山洋子君) それは、見直しが必要だと思って今までも検討し、調整をしてきております。ただ、私は総理ではございませんので心からと三回は申し上げませんけれども、是非見直しを皆様の中で、課題がいろいろあることは御承知だと思いますので、知恵を出して、また、この見直し以上に良い解決方法があるということであれば三党で御協議いただければと思いますが、今、法案も検討し調整をしている私の立場としては、この改革をやらせていただきたいということでございます。
#258
○宮沢洋一君 今、見直しというのは廃止という意味で使われたんだろうと思いますが、少し、その何とか会議の紙を持っておりますので、この中身、質問させていただきますが、被用者本人の給付と保険料ということで、七十五歳以上の被用者の方が要は被用者保険に入るということをおっしゃっているわけですけれども、私、七十五歳以上、それで何が困るかというと、傷病手当等が受けられないと、こう書いてあるわけですね。
 正直言って、七十五歳以上でまだ被用者保険に入っていられる方というのは、七十五歳以上の方全体では正直言って大変恵まれた方であります、恵まれた方であります。そういう方に傷病手当というのはどうしても支払わなければいけないと厚労大臣はお考えですか。
#259
○国務大臣(小宮山洋子君) その必要性が若いときと比べてどの程度あるかというのは、今の御指摘の点はあるかと思いますが、現役世代は傷病手当が受給可能ですけど、七十五歳以上の方はこれを受給することができないと。また、後期高齢者医療制度の保険料には事業主負担がないので全て本人が負担をするということで、ここは改善をする必要があると私は考えています。
#260
○宮沢洋一君 要するに、七十五歳以上でまだ働くことができている、給料をもらっていられるという大変恵まれた方たちだけが傷病手当を受けられるようにするということをやろうということですね、これ。
#261
○国務大臣(小宮山洋子君) 非常に恵まれた方かどうかは価値判断の問題だと思いますが、働いていらっしゃるそういう方に対してこういう対応を取ろうということでございます。
#262
○宮沢洋一君 それは小宮山大臣が是非ともやりたいことの一つのようであります。
 また、被扶養者、要するに息子さんがサラリーマンをやっている、そういう方の被扶養者になっていた方は被用者保険に入っていたわけですが、今現在は外れているわけです。私は、先ほどと同じように、一般の高齢者の方の中で息子さんが被用者保険に入っていてその傘の下に入っていられる方というのは大変恵まれた方だと思うんです。入られていない、要するに息子さんのその下に入れない方の方が実は大変な方がたくさんいる。そういう中で、これまで息子さんの傘の下に入っていたということは確かですけれども、そういうことゆえに、それを戻すことが正しいことだと思われていますか。
#263
○国務大臣(小宮山洋子君) 私はそのことも必要だと思っています。
#264
○宮沢洋一君 だから、この二つのことは、その前の制度の中で既得権化した話を戻すということであります一方で、相対的には恵まれた高齢者の優遇措置を継続するということなんです。
 じゃ、その後書いてあります高齢者の保険料の増加というところで、高齢者の保険料の伸びが現役世代の保険料の伸びを基本的に上回る構造と、こう書いてあるわけです。当然、高齢者にも一割負担していただこうということでつくった制度、現役世代の負担を大きくしてはいけないということでつくった制度ですから、こういうことになるわけであります。
 しかし、民主党は、全世代型のまさに社会保障ということを言い、まさに若い人たちに負担を掛けないようにしたいということをおっしゃっているわけですが、ここでは、もう一度戻して、高齢者の負担を抑える代わりに若い人の負担を増やすと書いてあるんですけれども、それをやりたいわけですね。
#265
○国務大臣(小宮山洋子君) 現行の制度では、現役世代の負担の増加に配慮をして、現役世代人口の減少による現役世代の保険料の増加分を高齢者と現役世代で折半をするということで高齢者の保険料の負担率を段階的に引き上げる仕組みになっています。
 この現役世代の負担の増加を緩和する仕組み、これは引き続き必要ですけれども、今の制度では高齢者と現役世代の保険料規模の違い、一対十四ということを考慮していないので、基本的に高齢者の保険料の伸びが現役世代の保険料の伸びを上回る構造となっていますので、このこともやはり改善が必要だというふうに考えています。
#266
○宮沢洋一君 じゃ、岡田副総理、ちょっと今のやり取り聞かれたと思いますけれども、今まで全体のこの一体改革の流れの中で、全世代対応型という言葉がよく出てまいりました。この医療について、高齢者医療については、民主党の案のようにしますと、高齢者の負担を抑えて、その分を働く層の負担に持っていくということの中身なんです、この部分は。ということはお考えに合っているんですか。
#267
○国務大臣(岡田克也君) これは、一つ一つの制度を取るとそういうこともあるかもしれません。しかし、全体としては、かねがね申し上げておりますように、我々は消費税を上げて、消費税というのは、これは所得税や保険料を御負担でない高齢者の方にも御負担いただくわけですから、そういう形で全世代対応型というふうに、大きくは我々は目指しているということでございます。
#268
○宮沢洋一君 何か全体で、全世代対応型目指しているから小さいことには目をつぶると、こうおっしゃったわけですね、今。恐らく答弁としては。
 五つほど問題点があります。今三つやったんですけれども、五つ目というのは、患者負担の上限は同じ世帯でも加入する制度ごとに適用されると、こういう問題を指摘されていますけれども、これは恐らく、マイナンバーが導入されていわゆる合算みたいなものができるようになるとこの問題は解決するわけですね、厚労大臣。
#269
○国務大臣(小宮山洋子君) マイナンバーが導入されると、それが解消されることになる部分もあるというふうには思います。
#270
○宮沢洋一君 あと、残る最後の問題点というのは、七十五歳到達でこれまでの保険制度からは分離・区分、保険証も別という、この制度そのものが別の制度になっているから駄目だと書いてあるわけですから余り意味がない話でありまして、その後期高齢者医療制度を、もう一度最初の質問に戻りますけれども、本当に廃止しなきゃいけないと心から思われていますか。
#271
○国務大臣(小宮山洋子君) 確かに、御批判を受けたかなり大きな部分は改善を既にしてきていると思います。ただ、様々な、今委員は細かい点というふうにおっしゃいますけれども、まだその辺りでいろいろと不都合のある点もあるので、これは改革会議の案を基にして、今二段階でやろうとしておりますけれども、そういう形で改革が必要だというふうに私としては考えています。
#272
○宮沢洋一君 いや、私は細かい点と言ったわけではなくて、五つあるうちの二つの問題点というのは、恵まれていた高齢者が既得権を持っていた、それがなくなったというのを、その既得権を恵まれた人に戻してやるということを本気でやるのかということを申し上げて、私は大変問題があると思っております。
 一方で、この医療制度の改革というのは、私どもも大変長時間掛けて議論をして現在の高齢者医療制度をつくり上げたわけですけれども、一番苦労する点というのは保険者間の調整なんです。そして、今、民主党の案というもの、民主党といいますか政府の案というものは、案の定、都道府県知事会の猛反対に遭っているわけですが、衆議院段階でも、町村先生からかなり厳しい、何もやっていないじゃないかという質問を厚労大臣受けていましたが、ここ二か月ぐらい何かやられましたか。
#273
○国務大臣(小宮山洋子君) 事務方の方ではいろいろ今までどおり検討をしていると思いますけれども、少なくとも、三党協議ができた後は、これはやはりまず三党で御協議をいただくということなので、私どもとしては、今何か私自身が動いているということではございません。
#274
○宮沢洋一君 三党協議の後はもう余り心配されなくていいんです。もうできないんです、これは。その前に何かやられていたか。要するに、できもしないこと、そしてまた、正直言って問題点の方が多いことばかりをマニフェストに掲げたからといって、旗を降ろさずに、まあ関係者の合意を経てということは書いてありますが、今国会中に、通常国会中に提出するというような、とんでもない中身のものをとんでもない拙速に出そうという旗を掲げたところに間違いがあるわけでありますが、今のやり取りを聞かれていまして、総理、何かコメントがございますか。
#275
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 先ほど来、小宮山大臣がお話ししたとおり、これを見直しをしていく意義というのは私どもあると思っていますが、今はこういう三党合意に基づいて法案の御審議をいただいている状況でございます。それを踏まえて、この後、その成立をした段階の暁に、また三党によって高齢者医療制度の在り方について議論をする場、合意形成をしようとする場がありますので、そういう場で改めて御議論をさせていただきたいというふうに思います。
#276
○宮沢洋一君 総理の恐らく今見直しというのは廃止という意味で使われたと思いますけれども、小宮山大臣がいろいろおっしゃっていましたけれども、総理なりに廃止する意義というものはどこにあるんですか。
#277
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 様々な改善が行われてきたことはそのとおりでありますけれども、保険者機能のところの調整をするであるとか、市町村国保に頼っていた部分を県単位に持っていこうとか等々の、それぞれの保険制度の根幹の問題点も解決しようという、そういうものでございますので、それを踏まえて、その意義については私なりに小宮山大臣と共通の認識を持っておりますし、それらのいわゆる旗というものは、これからも三党合意踏まえての対応はありますけれども、三党間の調整であるとか国民会議でも広く御議論をいただきたいというふうに思います。
#278
○宮沢洋一君 今のお話聞きますと、要するに、高齢者医療制度というものを廃止して、高齢者の医療、まあその先はまたいろいろ書いてありますけれども、高齢者の医療を都道府県単位にするということは、総理としてどうしてもやりたいことなわけですね。
#279
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 関係者の御理解をいただくということが今の前提になっておりますけど、御理解いただけるように努力をしていきたいというふうに思います。
#280
○宮沢洋一君 いやいや、今後の努力は要らないんです、ですから、さっきから申し上げましたように。これはもう消えている話ですから。党として旗を掲げていくのは、それは構いません。しかし、三党協議というものを通じて、政府としての成案ができる道はふさがれているわけでありますから、総理がもう努力される必要はないんです。
 次に、年金の方に移らせていただきますが、年金の方に質問させていただきますが、まずこれ、岡田副総理、年金の一元化というのは、検討をまだ党内で、政府内でされているんですか。
#281
○国務大臣(岡田克也君) まず、先ほどの件、一言だけ。
 やはり、三党の場で議論するということ、それから国民会議を設けるということを三党協議でお決めいただきましたので、我々はそこで是非議論をするつもりでおりますので、何か最初から入口が閉まっているような言い方は、今日はテレビも入っておりますので、是非考えていただきたいというふうに思います。
 その上で、お尋ねの年金の件ですが、今党の方で、我々の主張する最低保障年金と所得比例年金、これは一元化する、今の年金制度を一つにするということを含むものでありますが、そのことについて真摯な検討が行われているというふうに承知をしております。
#282
○宮沢洋一君 政府の方では行われていないけれども党の方では行われていると、こういうことですね。
 それで、まず所得比例年金について伺いますけれども、これは、あらゆる方を対象に、所得のある方からはその所得の一五%を保険料として徴収すると、こういう制度なわけです。したがって、例えば年収二百万の方であれば年の保険料額は三十万になる、三百万であれば四十五万になる、五百万であれば七十五万になるわけです。
 そして、一方で、今国民年金の状況を見ますと、もちろん将来もらえる年金の額というものは違うにしても、今ともかくお金がなくて払えない、払いたくないという方が未納、未加入という形でいるわけですが、国民年金の保険料というのは、年額でいうと約十八万円、一万五千円掛ける十二ですから、十八万円。この十八万円ですらこういう状況があるにもかかわらず、例えば年収二百万の方で今度は三十万、要するに月々三万弱払わなければいけない。これをしっかりと納めてもらえる、そのためには、本当に努力しても恐らく無理だろうと私は思っていますけれども、自信がおありなんですか。
#283
○国務大臣(岡田克也君) これは、払った保険料以上のものがきちんと将来返ってくるということが論理的に説明され納得されるようなものであれば、私は払っていただけるものだというふうに考えております。
#284
○宮沢洋一君 これは、テレビ見られている方、この問題よく分かっておいていただきたいんですけれども、二百万の方で年の保険料が三十万です。百五十万の方でいうと二十二万五千円。年収百五十万の方から保険料として、この法律が施行された途端に二十二万五千円を毎年払っていただく、そういうことが本当にできるんでしょうか。本当にできると思われていますか。
#285
○国務大臣(岡田克也君) これはどういう制度設計をするかですけれども、現在の国民年金でも、所得の少ない方に対してそれを軽減する措置はございます。そういった措置と同じようなものを導入するということも当然考えられるわけであります。そういったことの制度設計は今党の方で様々議論していただいているところだというふうに承知をしております。
#286
○宮沢洋一君 例えば二百万という数字は、たしか今年の二月ぐらいの衆議院の予算委員会等々でいろいろ議論になっていましたけれども、いわゆる長妻さんがデラックス版と言ったような、将来、消費税がどうだとかいうときに四通りぐらい最低保障をどうするかみたいなことで検討をされて、そして二百万とか二百五十万という数字もたしかありました。そういう中で、二百万とか二百五十万という数字は、これは一人当たりですから、夫婦であり家族でありであればもっと大きいんですというようなことをおっしゃったわけです。
 そういう中で、例えば百五十万の方というのは、所得比例年金ということで、じゃ幾らまでの所得はゼロにするよと、ある意味では所得税の基礎控除みたいなものを念頭に置いておられるのかなという気がいたしますけれども、それが百万になるなんてことはあり得ないでしょう。
#287
○委員長(高橋千秋君) どなたが。
#288
○宮沢洋一君 いやいや、政府の、政府にだけ言っているんだから。
#289
○委員長(高橋千秋君) 岡田国務大臣。
#290
○国務大臣(岡田克也君) これは政府の方で今制度設計をしているわけではございません。先ほど言いましたように、党の方ではいろいろ議論をしていただいております。もちろん、党も結論を得られているわけではなくて、まだ途上だということではありますが、必要があれば党の方で責任を持つ人に、長妻さんもおられますからお聞きいただければと思いますが、我々としては党で十分な議論がされたものが政府に上がってくるというふうに考えているところであります。
#291
○宮沢洋一君 ちょっと今の最後の部分が気に掛かったんですが、党で十分議論したものが政府に上がってくるとおっしゃいましたが、それは国民会議の間違いじゃないんですか。
#292
○国務大臣(岡田克也君) 政府と与党でそれをきっちりとした案に仕上げた上で、これは三党間で協議しなければなりません。政府と協議する前に三党間でということでは順番は違うと思いますので、そういう意味で申し上げたところであります。
#293
○宮沢洋一君 今までの議論聞いてくださってお分かりになると思うんですけれども、もちろん将来、四十年後にもらえる年金の額というのにはかなり違いは出てくるんでしょう。しかし、目の前にお金があるかないかという状況は変わりがない中で、年収百五十万の方に二十二万五千円、二百万の方に三十万円毎年保険料をいただくということ、これはほとんど私は無理な話といいますか、今の国民年金の保険料よりははるかにたくさんな方が未納であり未加入になるということがはっきりしている制度。
 ともかく、今回は余りおっしゃいませんけれども、十六年改正のときの提案者であった枝野さんとか古川さんにも私は質問いたしましたけれども、それはもう所得があれば全部取るんですと、こうおっしゃっていました、その当時。所得があれば全部保険料いただくんです、それは家庭教師の所得があったって、それだってもらうんですと、こういうことを言っていました。そうでなければ最低保障の意味がなくなるから、こういう最低保障年金を別途つくる意味がなくなるから、こういう話だったわけですが、間違いなくこの所得比例年金というものについて──長妻さん、手を挙げても、長妻さんがともかく答弁すると私の持ち時間が半分になっちゃうものですから、残念ながら御遠慮いたしますので、委員長、よく分かっておいてください。
 という、大変、未納、未加入が多くなる。要するに、この制度、年金一元化の制度の基本は、岡田副総理は基本は所得比例年金であると。そこで、全ての国民の方から、基本的には全ての国民の方から所得に応じて一五%払っていただく、そして、その金額が少ない、生涯年収の少ない方に対して最低保障年金を給付しますと、こういうことをおっしゃってきたわけで、基本が所得比例年金でありますけれども、極めてこれが、元々、未納、未加入の方が多くなる制度であるということを指摘するとともに、最低保障年金は当然その保険料を納めなかった方には給付されないということもこれまでの国会質疑で明らかにされてきている。そういう制度だということをまず指摘をさせていただきます。
 そして、今の話の中で、大変細かい話で、一回岡田副総理には伺ったんですけれども、サラリーマンの方は基本的に厚生年金なわけですけれども、いわゆるサラリーマンと言われても厚生年金に入っていない一部の方がいらっしゃるわけです。要するに、従業員四人以下の小さな事業主、法人になっていない、株式会社になっていない事業主に勤める方、まあ一般的には商店なんか典型だと思いますけれども、商店で二人、三人勤めてやられているところの従業員の方というのは今国民年金に入られている。そして、今度そういう方も所得比例年金に入るということになりますと、当然のことながら一五%の負担。そして、国民年金に入られている方は、一五%は全部、会社負担がないわけですから本人負担になるわけですが、この従業員の方、法人成りしていない、会社の規模が小さいというだけで、これは会社なり雇主が負担しないというのがやはり私はおかしいような気がしまして、そうなったときに、その大変小さな商店主というのは、自分の分も払わなきゃいけない、従業員の分の半分も払わなきゃいけない。これは恐らくほとんどの商店が潰れてしまう、そういう問題があると前回指摘しましたけれども、その点についてはいかがお考えですか。
#294
○国務大臣(岡田克也君) これも制度設計の一部ですので、まだ何か党でお決めになったわけではないと理解しておりますが、基本的な考え方としては、それはおっしゃるように、従業員四人以下であっても全てそういった形で、規模の大小にかかわらず御負担いただかなくてはならないということになると思います。
#295
○宮沢洋一君 まあ大変冷たい御答弁でありました。
 最低保障年金に少し移らせていただきます。
 最低保障年金につきましては、今年の初めの国会では、将来の消費税率上げがどの程度必要か、先日の林議員の質問にもありました、長妻答弁者がデラックス版だとかほかのやつもあるとか、いろいろこうおっしゃったわけですけれども、じゃ、長妻さん、これだけ、イエスかノーかだけ答えていただきたいんですが……
#296
○委員長(高橋千秋君) 長妻昭君。
#297
○宮沢洋一君 いやいや、まだ質問になっていないんです。これから質問しますから。
 四つの選択肢を示されたわけですけれども、その後、どれにするか決められましたか。それだけです。決めてなければ決めてないって言ってください。
#298
○衆議院議員(長妻昭君) 結論から言いますと、これは決めておりませんが、これはシミュレーションを、パターンを国民の皆さんにお示しをして、国民の皆様方の議論の中で決めていきたいというふうに思っております。(発言する者あり)
#299
○委員長(高橋千秋君) 一言だけ聞いてください。
#300
○宮沢洋一君 要するに、昨年の春時点から、まあ長妻さんがまた答えると四の五の言うからあれですが、要は思考停止というか検討されてないんだろうと思うんですね、これ、具体策といっても。
 正直言って、これは前、岡田副総理に質問したかどうか分かりませんけれども、年金の制度であり、また法律を作るというのは、これ大変な作業です。あの十六年改正のときに、私ども年金改正しましたけれども、もう原始附則の改正から全部付いていきますから、年金だけで本当に、その一本の年金の法律が電話帳ぐらいあって、しかもそのときに、でも、内閣法制局というしっかり組織がいながらも相当間違いがあったというような、大変難しいのが年金の法律ですけれども、これ、議員立法は難しいですよね。副総理。
#301
○国務大臣(岡田克也君) 常識的には、それは政府提出でないと難しいところはあると思います。
 ただ、委員いろいろ御指摘になりましたが、党の方は相当精力的に検討を進めているというふうに私は承知しております。私も気になりましたので、かなり確認をしております。
 そして、これ、国民会議の立ち上げというのは、この八法案が成立すれば速やかにしなければなりません。したがって、党の方の検討も、まあ様々なシミュレーションをやっていると思いますが、急いで今結論を出すようにお願いもしているところです。
 いろいろな委員の御指摘、もちろんそれぞれの制度に一長一短ありますから、よくそこも分かりますが、そういったことについてどう考えるかということも含めて、きちんとしたものとして国民会議で議論できるようにしていきたいというふうに考えております。
#302
○宮沢洋一君 じゃ、党の方でそういう年金の改正についての案をまとめられている。となると、これは総理に伺いますけれども、当然、今回の推進法の基本的考え方の中にこういう社会保障については消費税を財源にすると、こういうことが書いてあるわけですが、この法律が通ったということを前提にすれば、年金の一元化、最低保障年金というものを提案するときには、当然、消費税率の引上げというものも一緒になって提案されますね。
#303
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 三党においてその合意に向けて協議をする、そしてその上で、国民会議等での御議論も経て、それで進んでいくということでありますけれども、新しい年金制度が、これはもう何回もこれまでもお話をしているとおり、一定の移行期間があります。だから、どこからその消費税と連動させるかという話は、それはちょっとまた別途よく考えなければいけないんで、あらかじめきちっとセットという話ではないというふうに思います。
#304
○宮沢洋一君 最低保障年金を導入するということは、消費税でその分を、まあ税方式の延長みたいなところもあったわけですから、当然、消費税を上げるという方向は示されるわけですね。
#305
○国務大臣(岡田克也君) 基本的に、こういう制度設計をすればこれだけ税収が必要になると、それを例えば消費税に置き換えれば何%だということは当然示さなければならないというふうに思います。
#306
○宮沢洋一君 ですから、民主党として再度の消費税上げを党として決めて提案されると、こういうことですね、お示しになる。
#307
○国務大臣(岡田克也君) 総理も言われたように、これ、いつからそうするかということについてはいろいろな判断があり得るわけで、しかし、例えば二〇五〇年の段階でどのぐらいの財源が要るかとか、二〇七五年はどうかとか、そういう数字は当然示さなければなりません。
 それをいつから引き上げてそういう状態に持っていくかということは、これは一つの政治判断であって、現行制度でも、やっぱりどこかでは、財源がなければ年金制度、今のままでは持続できないわけですから、いずれにしても同じような問題があるというふうに思います。
#308
○宮沢洋一君 恐らく今のは、岡田副総理が少し、ある意味では民主党が検討する前提、試算の前提に使ったことに頭がこだわり過ぎていられるんだと思うんです。
 単純に言えば、要するに新しい、まあ実現したとしまして、この最低保障年金の制度、年金一元化の制度というのが動き始める。動き始めて、まあ簡単に言えば、一年たてば最初に最低保障年金をもらう人が出てくるわけです。出てくるわけです、一年たてば。その部分は、当然税で見なきゃおかしいんです、税ですから。その部分は消費税で見なきゃおかしいんです。ですから、一年目から徐々に額が増えていく。一年目は小さなものかもしれないけれども、四十年後にはフルになりますが、一年後から税で払うものは、それは消費税で手当てしなきゃおかしいんです。
 試算はそうなっていません。積立金使うようになっていますが、理屈でいえば税で見るんですから、一年目から消費税が上がるということは理解しておいていただきたい。
#309
○国務大臣(岡田克也君) 委員ほど頭の回転が速くないのでよく分からないんですが、しかし、一年分は確かにそういう新しい制度で払うという部分は出てまいります。しかし、そうすると、旧制度で払う分は、その分対応して減るわけですね。旧制度で払う分がその分減るわけです。
 ですから、旧制度でも税が入っていますから、基礎年金の部分については。まあ入り方はもちろん違います。そこは精緻に計算してみないと、すぐ税が必要かどうかということは分からないということだと思います。
#310
○宮沢洋一君 税が必要だということを更に申し上げて、要するに、この年金の一元化というのは、結局無年金者はなくならないんです。
 そして、先ほどから申し上げて、いろいろなところに出てきますけれども、マイナンバーを導入したとしても、所得の把握というもの、特に自営業の方については不完全なまま、ある意味じゃ正直者が損をする部分が残ったままいく。特に、この最低保障年金というのは、そういうことをして年金の保険料が少なくて済んだということだけではなくて、少ない年金の方には更に最低保障年金という税から来るお金が来るということで、この部分の所得把握というのは大変大事な意味があるけれども、所得把握ができない。恐らく給付付き税額控除じゃもっとこれは大事なところです、所得把握のところが。
 そういうものが無年金や、長妻さんはこの間、無年金なくなりますなんて、なくならないんです、これ。所得比例年金の未納、未加入が増えると私は思っているぐらいですから。そして、無年金の方はなくならない。しかも、ある意味では、所得を隠した人が最低保障年金までもらえてしまうという極めて不公平な制度であります。私は、これ自身、もちろん実現することはないわけでありますけれども、実現してはいけない制度だと思っております。
 副総理も先ほどおっしゃっていました、また総理もいろんな答弁で、我々が実質的にこの一元化というものは実現しないようになっているんですよと言っても、党が目指すということは別に問題ないというふうなことで、未練たらたらでいらっしゃるわけですけれども、この三党合意というものを踏まえて、そして今法案も審議されている、推進法も審議されているわけですけれども、こういう枠組みの中で民主党が思われている年金一元化が実現するとすれば、どういう道筋をたどって実現するとお考えですか。
#311
○国務大臣(岡田克也君) 先ほどの委員のお話で、確かに、所得を偽って、そして少ない保険料、しかし最低保障年金を取ると、こういうことが一番問題で、そうならないための工夫がどうできるかということは重要な議論すべきテーマだと思います。(発言する者あり)ええ、思うんですね。
 いずれにしても、できるかできないかというのは、我々の提案する案が三党間で、あるいは国民から見てどれだけ説得力があるか、今の制度よりいいか。今の制度だって、制度に加入しない人はこれからもますますほっておいたら増えてしまう。将来の無年金者が増える。それは生活保護で賄うということになって、財源の手当ても必要になる。そういう時代をクリアできるような案かどうかということが私は問われるんだと思います。
#312
○宮沢洋一君 いや、そういう質問をしているわけではなくて、来年の八月中ぐらいまでには時の政府が新しい法律を出さなきゃいけない。民主党的に言えば、その法律というものが、来年中に一元化の法律を国会に出すというわけですから、国民会議の結論を得て一元化の法律が出るということが一番いいんでしょう。また、違う方策があるかもしれない。そこでは基本的な考え方が書いてあって、更に具体的な年金の法律を作るということもあるかもしれません。
 しかし、そういうことに来年の夏なり、もっと早い段階でなるためには、これからどういう手続をして、そしてどういう手続をクリアしていけばそれが実現すると考えているかという質問です。
#313
○国務大臣(岡田克也君) それは、今回の八法案が成立をして、それに基づいて国民会議が設置されます。その中でしっかり議論をしていただく、あるいは三党間でも協議をしていただく。そういう中で、我々の提案する案が現状よりいいという判断をしていただいて、三党が一緒になって新しい年金制度の改革について合意をし、法案として提出するということだと思います。
#314
○宮沢洋一君 私どもは、前回の質疑等々でも申し上げましたけれども、この推進法の考え方と御党の主張されている一元化というのは考え方が相入れないものだということを思っています。一歩譲ったとしても、今のプロセスでいえば、自民党、公明党、民主党で協議する中で、自民党と、恐らく公明党も一元化法案には反対なわけでありますけれども、そういう中で成功するめどがあるのかという質問でもあるわけです。
#315
○国務大臣(岡田克也君) 現時点で反対というのはよく承知をしております。ただ、我々が出した案が、それがいろいろな、専門家の目から見ても国民の目から見てもより説得力があるということになれば、それはまた変わる可能性は当然あるわけであります。
 私は、やっぱり今の年金制度に対する国民の不安、不信感、そういったことをしっかり解消していくためにも、ここは国民の前でそれぞれの案を出して、あるいはみんなの党は積立ということを言っておられます。それぞれの考え方をしっかり出して、そしてきちんとこれ政治的に決着付けないと、いつまでもこの年金制度でそれが政治的な争点になるということは不幸なことだと思いますので、我々は渾身の力を込めて我々の案を出しますので、是非これを比較していただき、そして最終的に判断していただきたいと、国民に判断していただきたいというふうに思っております。
#316
○宮沢洋一君 国民会議までも到達しないということだけ申し上げて、この点は終わらせていただきます。
 それでは、中期財政フレームについて、安住大臣中心に質問させていただきます。
 これが昨年の八月十二日に決まった中期財政フレーム。(資料提示)二十四年度の国債の発行額等々というような、改訂の具体的内容ということで上段に書いてあり、そして二十四年度から三年間の基礎的財政収支対象経費等々といったものが下の表に書いてある。恐らく今年もこういうものを用意することになられるんだろうと思います。そして、初年度が当然二十五年度、そして二十五、二十六、二十七といった形のフレームをつくられるんだろうと思います。
 まず、昨年の秋の予算委員会で指摘しましたけれども、この言葉遣い、財務省としては珍しく言葉遣いが間違えている。いわゆる我々が国債と思っているものは公債と書かなければいけない。そして、もっともっと広い概念が国債であるということですから、この辺の言葉遣いは正しいものにされますね。
#317
○国務大臣(安住淳君) 昨年の国会で宮沢先生の方から国債と公債の使い方が間違っているんではないかと。というよりも、もう少し正式に定義をして、その上で、あのときは交付国債の問題について御提起をいただきました。
 おっしゃるとおり、国債と公債は同じではございません。ですから、そういう点でいうと、中期財政フレームの中で使っているこの国債という部分は、私たちがいつも使っている、言わば財源不足のために市中から集めるお金という定義で言えば、厳密に言えば、やはりそれは御指摘のとおり公債というふうにここで書いた方がふさわしいのだというふうに思っております。
#318
○宮沢洋一君 今回の一体改革関連法案の関係で、交付国債については、私どもの、こんなまやかし、国民の目を欺くようなものはやめろという主張を受け入れてくださって交付国債は断念されたわけです。しかし、これに今後どう対応していくかということを検討されなければいけない。
 今日の新聞にも一部載っておりましたけれども、私ども自民党は、昨年末の時点で今年度予算に関する考え方というものを明らかにして、その中で、やはり将来の消費税税収を財源とするつなぎ国債、赤字国債、特例債のタイプBのようなものをつくって、それで対応すべきだと。そして一方で、通常のタイプAの今の特例公債については、生活保護とか、また地方公務員の人件費等々といったところで無駄遣いがあるんで、それをしっかり減額をしていかなければいけないという姿を示させていただきましたけれども、基本的にそういう方向で対応されるんですか。
#319
○国務大臣(安住淳君) 今後、三党合意で交付国債そのもののスキームは、私としてはよかったんではないかと思いましたけれども、三党の中で駄目ということになりました。しかし、これはいずれにしても年金国庫負担分の二分の一分は手当てをしていかなければなりません。そうなると、今、宮沢先生から御提起ありましたつなぎ国債は一つの有力なやはり方法だと私どもも思っております。
 中期財政フレームとの関係どうなるのかということについては、一つ、例えば復興債の取扱いのようなものにすれば、あらかじめ償還を言わば決めるということですね、これは消費税になりますから。そういうふうな考えの下に今回そういう検討をするのであれば、是非ここは三党でそうしたものを話合いをしていただきまして合意を得ていただければ、私どもとしては十分それを尊重したいと思っております。
#320
○宮沢洋一君 中期フレームをこれからつくられるに当たって、今後の交付国債に代わるものがどういう形になるかということが決まらなければこのフレームはできないですよね。それはそれでよろしいですね。
#321
○国務大臣(安住淳君) ローリング方式で、大きなところは基本的には私は変えない方向でと思っておりますが、御存じのとおり、これは非常に大きなお金でございますので、ここの収まり具合を決めていただくということが大変重要だと思っております。
#322
○宮沢洋一君 もう時間も余りなくなってきたので申し上げますが、やはりこの取扱いが決まらなければこの中期フレームというものはできないはずであります。そして、厳密に言えば、中期フレームがなければ、シーリングという作業、いわゆる組替え基準、皆さんの答えで基礎的財政収支対象経費というこの七十一兆のところの概算要求といったものもできないはずでありますが、そういう理解でよろしいですか。
#323
○国務大臣(安住淳君) 中期財政フレーム上、新規国債発行額の四十四兆円枠や歳出の大枠等のことについては、先ほど申し上げましたけれども、大きなところでは変わらない部分があると思います。ただ、税制抜本改革で財源を確保することとしている現行の中期フレームを前提として今後は改訂をされるものだとは考えておりますが、いずれにしましても、率直に申し上げて、ここの部分はやはり三党間で是非早急に合意をさせていただければ我々としては非常にやりやすいということでございます。
#324
○宮沢洋一君 フレーム関係でもう一点。
 これは十八条の二項、私が書いた条文と関係するわけですけれども、やはり今まで財政が不如意の中で、本当に必要な成長戦略、成長戦略というのは絵にかいただけではできません。それなりの呼び水的な財政出動というものを相当額しなければできないわけでありまして、そういうものを二十五年度、二十六年度、二十七年度という、こういうフレームの二十六年度のところにしっかりとした成長枠といったもの、これがアルファなのかベータなのかガンマなのか分かりませんが、それを来年の秋から暮れにかけての予算編成でしっかり検討して、別枠として確保する。当然、そのときに、この七十一兆というのは我々は多過ぎると思っています。例えば、先ほど申しました、総務大臣嫌かもしれないけれども、地方公務員の人件費とか、また生活保護の問題は下げなきゃいけない。
 そういう中で、しっかりとした枠をつくるということをやるというのが趣旨だということを、野田答弁者、また財務大臣から答弁願います。
#325
○委員長(高橋千秋君) 時間が来ておりますので、簡潔にお願いします。
#326
○衆議院議員(野田毅君) 御指摘のとおりです。
#327
○国務大臣(安住淳君) いろんな資金を活用しながら、知恵を出しながら、財政再建を前提にしっかりやっていきたいと思います。
#328
○宮沢洋一君 終わります。
    ─────────────
#329
○委員長(高橋千秋君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、大島九州男君が委員を辞任され、その補欠として白眞勲君が選任されました。
    ─────────────
#330
○西田実仁君 公明党の西田実仁でございます。
 今日は、消費税そのものにつきまして御質問させていただきたいと思います。
 将来的にはこの消費税が基幹税となっていくことは自明ではないかと思っておりまして、また、今回、民主党の中からも大量の離党者が出るほどの大論争の末に十七年ぶりに消費税を引き上げるということでありますから、この際、懸案事項を一気に解決すべきであって、問題を先送りすべきではないというふうに思っております。すなわち、あるべき消費税制度というものをしっかりと確立をしていかなければならないと。
 私自身が考える懸案事項といたしましては、消費税の持つ逆進性の克服ということであり、また公平な税負担、さらには転嫁問題と、この三つについて特に懸案事項で、これをきちんと解決すべきであるという考え方でございます。
 そこでまず、私の方からは、この逆進性対策ということで、軽減税率の問題を取り上げさせていただきたいと思います。
 公明党は、この三党協議で、新たに低所得の方々に対する対策として軽減税率というものを検討すべきであると主張させていただきました。三党の合意によりまして、八%に引き上げる段階でこの軽減税率若しくは簡素な給付措置ということが検討の対象になることになりました。
 ヨーロッパでは、もう言うまでもなく、食料品などの生活必需品に加えまして、新聞や書籍あるいは雑誌などにも軽減税率を適用するのが標準的となっております。
 そこで、私ども、なぜ八%の段階から軽減税率を必要とするのかということについて、三点、パネルを使いながら申し上げさせていただきたいと思います。(資料提示)
 まず初めに、何といっても、この委員会でも何度も指摘されましたけれども、軽減税率というのは非常に分かりやすいということでございます。分かりやすいがゆえに、三党合意の後のいろんな新聞の世論調査を見ましても、例えばこの七月十六日付けの読売新聞、あるいは六月二十八日付けの東京新聞、いずれも軽減税率を導入すべきかどうかとの問いに対しまして、七割以上の方々が導入すべきであると、こういうふうに言っておられる。これはまさに、毎回毎回の食品等を買う際に、軽減税率になれば分かりやすいという、そういう象徴ではないかというふうに思うわけであります。
 一方、もう一つの選択肢であります簡素な給付措置というものがなかなかイメージしにくいというのがありまして、軽減税率は分かりやすいんだけれども、簡素な給付措置は分かりにくいというか、イメージがつかめないという、こういう問題点もあるんではないかというふうに思います。まず一点目は分かりやすさということであります。
 しかし、重要なのはこの二点目の逆進性の緩和ということでございまして、私は今日ここを強調させていただきたいと思っておりますが、エンゲル係数というのはもうよく国民の皆さんも御存じのとおりであります。消費支出に占める食料品の比率でありまして、経済的なゆとりを示す指標として定着しております。
 全体の年間収入を五等分いたしました五分位別のエンゲル係数を比較してみましたところ、まあエンゲル係数は所得が少ない方々ほど高くなるというのはよく知られている事実であります。実際に、ここには二〇〇八年と二〇一一年、比較をさせていただいている、二〇〇八年が水色、二〇一一年が赤のエンゲル係数をそれぞれ、下の方に、一番左は全体の平均でありますけれども、その後、一、二、三、四、五というふうに書かせていただいているのは、五分位別のエンゲル係数ということでございまして、低い順から所得の高い順に、年間収入の高い順に並んでいるわけであります。
 ここで、是非注目していただきたいのは、二〇〇八年と二〇一一年を比べたという理由でありまして、リーマン・ショックが起こった後、実は所得の少ない方々ほど急激にエンゲル係数が伸びているという、上がっているという事実でございます。第一分位の方々はプラス〇・九九%、そして第二分位の方は〇・六八、その後順次、一番所得の多い第五分位というところについては〇・一一の上昇でございまして、これは、所得が全体的に下がる、一方で食料品価格は、国際市況がこの十年で三倍になっていることに表れているように非常に上がっている。これによってエンゲル係数は所得の少ない方々ほど急激に今上昇しているということでありまして、その意味で、生活の格差というものは、このリーマン・ショック以降非常にこのエンゲル係数に端的に表れているように大きくなってきているということでございます。そこに今後消費税が掛けられていくことになりますと、それだけ物価は上昇していくということになりますので、この低所得の方々と高所得の方々の生活格差というものは更に広がっていくんではないか、このように懸念されるわけでございます。
 逆に申し上げますと、食料品等に軽減税率を掛けますと、低所得の方々ほど消費税による負担軽減率が大きくなるということになる、これが三枚目のパネルでございます。
 ここで、二〇一一年の家計調査に基づきまして、まあ家計調査はいろいろな費目がございますけれども、ここでは一番広く、食料という支出がございますけれども、この家計調査の二〇一一年のデータから、食料支出に五%、据置きですね、その他の消費に八%課税した場合に、低所得の方々、つまり食料に軽減税率を掛けるという前提になっているわけでありますけれども、その負担軽減率は、一番所得の少ない第一分位、二〇一一年では年間収入が三百三十七万円までの方々でありますけれども、この方々の、本来は三%、五から八%ですから三%全体としては負担増になるわけでありますけれども、食料に軽減税率を掛けた場合には〇・八四%負担軽減というものが行われるという、結果的に、本来三%全体でアップするところが二・一六%であるという、所得の少ない方々ほど負担軽減率というのが大きくなっているということでありますので、先ほど申し上げました、ここ数年、大変にエンゲル係数が急上昇、所得の少ない方々ほど伸びているものを、その負担を軽減するという意味でも、食料品等に軽減税率を掛けることが、いかにその逆進性を緩和し、また生活格差が広がるばかりのところを抑えることになるのかということを示しているのではないかというふうに思うわけでございます。逆に言えば、五から八%に上げる段階から全部軽減税率をやらずに行いますと、そもそもこの低所得の方々のエンゲル係数がここ数年急上昇しているところに更にその負担増がもっと襲いかかってくると、こういうふうになってしまうわけでございます。
 この二つ目が逆進性の緩和ということでありまして、三つ目は世界標準ということをあえて言わせていただきたいと思います。
 一部には消費税が一〇%を超えてから軽減税率導入をというような声もあるようでありますけれども、国際的に見ても、食料品に一〇%を掛けているところというのはないんですよ。OECDの加盟諸国で標準税率が二〇%未満、軽減税率を導入している国は十か国ございますけれども、そこに、食料品に一〇%の消費税を掛けているところは皆無であります。それらの国々の食料品の軽減税率の単純平均を示したところ、四%です。つまり、今世界にある軽減税率を掛けているところに関しては、特に食料品に関しては平均で四%、まあ五%程度のものというのが世界標準でありまして、一〇%を超えてから食品に軽減税率を掛けるとなると、据置きというふうに考えられますと一〇%ということになってしまうわけでありますので、我々は、公明党としては、八%へ上げる段階からこの軽減税率をきちんと導入することを検討すべきと、このように申し上げさせていただいているわけであります。
 そこで、今私、三点にわたりまして、分かりやすさと、そして逆進性の緩和、さらには世界標準、この三つの点を挙げさせていただきましたけれども、逆進性対策としての軽減税率についてどのように認識をされているのか、じゃ、岡田副総理にお聞きしたいと思います。
#331
○国務大臣(岡田克也君) 貴重な御指摘をいただきました。
 まず、基本的には、これは三党間でも御議論をいただき、軽減税率か給付付き税額控除かということについてはよく協議をすることになっておりますので、そういった前提の上で現時点における政府の考え方をお話し申し上げたいと思います。
 まず第一の分かりやすさ。これは、確かに給付付き税額控除というのは今までまだ日本にもありませんので、どういうものかよく分からない。基本的には消費税収の一部を所得の少ない方にきちんとお返しする仕組みということですが、実感がどうも分からないと。それよりは、複数税率、軽減税率の方が分かりやすいというのはそのとおりですし、一つのメリットでもあると思います。
 ただ、実際にやっているEUの国々を見たときに、食料品全体に軽減税率を適用しているのか、それともそのうちの一部なのか。一部ではまたいろいろ難しい問題もあると。持ち帰り用のドーナツと店内で食べるものの税率が違うとか、我々も聞いていて頭が痛くなるような、そういう複雑さもあるということで、一見分かりやすいですが、実際の運用になると必ずしもそうではないという面もあるのではないかというふうに思っております。何に軽減税率を適用するかしないかということで、言わばそれは政治が最終的に決めるということになるわけですが、そういったことが果たしていいのかどうかという問題も考えなければいけないというふうに思っております。
 それから、逆進性の緩和ということは、もちろん食料品に全部掛けるという前提で考えたときにそういう面は確かにあります。ただ、率でいえばそうですが、額でいうと、これ所得の多い方は、食料品の割合は少ないですけれども、金額でいうと多いですから、それだけ戻ってくるお金というか、軽減されるお金は多いわけであります。ここをどう考えるかということだと思います。
 そして、ある意味では、これ全部食料品に掛けて五%のままだというふうに仮定いたしますと、それだけで恐らく消費税一%分ぐらいの二・五兆から三兆円ぐらいのお金が掛かります。その分をじゃどうするのかと。将来的には更に消費税引き上げざるを得ないんじゃないかと、こういう議論もあるわけで、よりピンポイントで困っているところに手当てするとしたら給付付き税額控除の方がいいんじゃないかという、そういう考え方は当然あり得ると思います。
 それから、世界標準、全部に対してそんなに一〇%も掛けている国はないというのはそれは御指摘のとおりかもしれません。しかし、国によっては、食料品以外にも軽減税率適用している国もございます。既にこの日本でも、新聞や一部の出版物についてはこれも軽減税率適用すべきだという声もあるわけで、食料品についてはそうかもしれませんが、ほかのものも広がっていく可能性もあるということで、割とややこしい問題も残るというふうに思っております。
 他方で、給付付き税額控除は、消費税に関してこれを使っている国というのは非常に少ないと思いますが、将来の日本の社会保障制度を考えたときに、所得の少ない方に対して有効に対策をやっていくという意味では、この給付付き税額控除というのは非常にある意味魅力的な、既に導入している国も幾つかございますが、非常に魅力的なツールであることは間違いないので、ここについてももう少し検討させていただいて、最終的にどちらがいいか、どういう形がいいかということについて結論を出していく必要があるのではないかというふうに思っております。
#332
○西田実仁君 今、御丁寧に御説明いただきましたけれども、まず確認ですけれども、八%上げるときには給付付き税額控除じゃないんですよ。それは一〇%の話でして、私が今言っているのは、五から八に上げるときに、選択肢としては、軽減税率か簡素な給付措置しかないんですよ。無理ですから、給付付き税額控除は。ですから、その比較を今しているということを申し上げたいと思います。
 そして、確かに率では低所得の方々の方が負担軽減率が多いんですけれども、額では高所得の人も利益を得るではないかという御指摘は民主党さんの中でもずっとあったと聞いております。ですから、最初から軽減税率は外れていたというふうに思います。しかし、ここは生活の実感がどうかということが一番大事なことでありまして、額ではないんですよ、やっぱり率なんですよ。生活格差ということを感じるのはやはり率です。ですから、ここは生活実感というのはどうとらえるかというところの価値観の違いかもしれませんけれども、その問題は指摘したいと思います。
 今、その後、課題として、線引きの問題あるいは税収の確保の問題、していただきました。後ほどこれは課題として私も、メリットだけを述べるつもりありませんので、ここは今取りあえずここでとどめさせていただきたいと思いますが。
 ちょっと気になるのは、実は総理が、七月の二十二日でしょうか、母校の早稲田大学で講演をされた際に、報道ベースですのでそのとおりしゃべられたのかどうかは分かりません。食料品などを含めて複数税率にし、場合によっては何かをゼロにしたり軽くしたりする方がいいのかどうかという議論がある、メリット、デメリット、そういう議論を今していると発言されたと報道されました。
 ここで総理は何かをゼロにしたり軽くしたりする方がいいのかどうかと言われていることから、今後、三党の間で協議をする、検討をされる軽減税率は必ずしも五から八に上げるときに五%に据え置くということのみならず、四%あるいは三%、はたまた総理がここでゼロとわざわざ言っておられますので、ゼロ税率という軽減税率も検討される、五%未満の軽減税率も検討の対象から排除しないということでよろしいんでしょうか、総理。
#333
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 学生の皆さん、若い人たちにこの社会保障と税の一体改革の意義を御説明をするためにお話をした中で、どうしてもこの逆進性の対策というのが大事であると。そういう中で、三党間で合意したことについては、給付付き税額控除、そして軽減税率、簡素な給付措置、こういうお話をさせていただく中で、特に軽減税率については具体的にこういうイメージがあって、メリット、デメリットはあるんですよと、それぞれ総合的な検討しますけれどもという例えで申し上げました。
 ただ、中身をこれ予断を持って言っているわけじゃなくて、ゼロと使ったのは、逆に、例えば、学校だったものですから、授業料を含めて教育サービス等の一定のものについては非課税ですよね、消費税。そういうことも含めて、非課税の措置もあるのかもしれません。基本的には、従来から導入したものが基本だと思いますが、そういう意味でちょっとゼロとあえて使ったということでございます。
#334
○西田実仁君 非課税取引とゼロ税率とは違うんですよ。
 いずれにしても、法律には複数税率の導入について総合的に検討すると書いてありますから、それを素直に読めば、五%に据え置くとどこにも書いていないわけでありまして、複数税率ということですから、いろんなことが考えられるんだろうなということをもしかしたら総理が深く述べられたのかなというふうに思ったわけですけれども、まあそうでもないようであります。いずれにしても、これからの検討であります。
 今、岡田副総理から御指摘いただきました課題については、やはり三つ大きくあるのではないかと思います。一つ目は、税収の確保、財源の問題であります。
 どのぐらいの税収減になるのかというのは、これはもういろんな想定を置かないとできません。一つのイメージを持つために、先ほども同じようにやりましたので、家計調査の食料、これを五%に据え置くというふうに前提を置きたいと思います。
 最新の家計調査、二〇一一年によりますと、食料というのは一か月平均で六万六千九百一円なんですよ。消費支出全体は二十八万、一か月ですね、二十八万二千九百五十五円なんです。つまり、二四%なんですね。食料が全体の消費に占める比率が二四%。その食料に対する消費税は五%のまま据え置いて、その他は八%に引き上げるという前提で計算をいたしますと、税収減は約一・五兆円ぐらいではないかというふうに思います。
 この税収減は、よく財務省から御説明いただく場合には、食料に軽減したらそれ以外のところを上げなければならないというふうに必ず説明をされるんですけれども、ここで私は、一つの問題提起として、この消費税の捕捉率ということについて触れさせていただきたいと思います。
 消費税の公平な税負担によりまして捕捉率を高める、そのことによって今申し上げた税収減をカバーするというようなことが考えられないのだろうかと。
 ここで財務大臣にお聞きしたいと思いますけれども、消費税の捕捉率、どのぐらいというふうに把握しているでしょうか。
#335
○国務大臣(安住淳君) まず今のお話の前段を申し上げますと、やはり私どもの調査でもおおむね、もし食料品に対して軽減税率を導入した場合、範囲にもよりますけど、やっぱり二兆円台半ばから三兆円ぐらいまでもしかしたら行くのかもしれないなと。
 というのは、食料品がおおむね、先生御指摘のように、大体消費税収の、十二・七兆なんですね、その五分の一から四分の一ぐらいがどうもそれぐらいではないかという推計でございますので、それぐらいかなというふうには思っております。ですから、品目や、何を本当にターゲットにして、どの範囲かということは十分御議論をいただかないといけないというふうに思っています。
 それから、いわゆる滞納ということでよろしゅうございますか。
 消費税の、ある意味で、まず滞納だけ申し上げますと、二十二年度で、実は全部の税の滞納が六千八百億円なんですが、そのうちの消費税の滞納がやっぱり三千三百億円ほどあります。ですから、そういう意味では、滞納額というのがあって、パーセンテージでいうとやっぱり三・四%程度ありますので、これは一年督促をさせていただくと大体九九・四%になりますので、こうしたことはやっていかないといけません。
 それから、制度でいいますと、例えば簡易課税制度等でみなし仕入れ率を今何段階かに分けております。しかし、この仕入れ率と実体の仕入れの中に乖離があれば、どうしてもそこに益税等が発生をするので、こうしたことのゆがみを正さなければならないという意見があります。
 私どもも実は四月以降調査をしておりまして、概要が大体出てきたら、法案が成立後、こうしたゆがみを正すことで、やはり正確な税収というものを益税が発生しないような形でやるための制度設計等々をやっていきたいというふうに思います。
#336
○西田実仁君 なかなか消費税がどのぐらい捕捉しているのか、非捕捉率がどのぐらいなのかというのはいわく言い難いんだと思いますので、あくまで便宜上、私の方から問題提起をさせていただきたいと思いますが、もちろんいろんな批判はあると思いますけれども、便宜上ですのであえて申し上げさせていただきます。
 GDPベースで、民間の最終消費支出、ここから非課税取引の教育とか医療とかを取り除くと約二百五十兆なんですね、民間最終消費支出、非課税取引を除いたものですよ。それに対する消費税収は決算で十兆一千九百五十億円です。ですから、その比率は約四%なんですよ。普通は、ですから民間最終消費支出に、非課税取引を除いた民間最終消費に、税率は五%ですから、五%にならなきゃいけないんですよ、消費税収割る消費は。消費税というのは消費に掛かっているわけですから。ところが、現実には四%なんですよ。マクロの数字ですよ、あくまでも。ということは、本来五%にならなきゃいけないはずの消費税が四%にとどまっているということは、四割る五ですから八〇%なんですよ。つまり、捕捉率は八〇%、二〇%は非捕捉率だと言えないこともないんですよ、マクロの数字では。
 つまり、私は、先ほど税収の問題を言われました、財源をどうするんだ、軽減税率にする場合に。しかし、こういう、例えば消費税の捕捉率をマクロで計算するとこういうふうになるので、もしかしたらここからまだ何とかできるのかもしれないという可能性を私はやはりここに見るわけでございまして、特に、先ほど、食料全般に掛けたときの減収は二四%と申し上げました。私が今申し上げた非捕捉率は二〇%と申し上げましたので、じゃ足りないじゃないかというふうになりますので、例えば食料から外食を抜くとかあるいは酒類を抜くとかするとちょうど二〇%ぐらいずつになるんですよ。
 つまり、この軽減税率について考えるときの財源の問題は、公平な税負担による消費税の捕捉率の向上ということも検討しなければならないんではないかということで、要するに、お金がない、あるいはもう財源が減るんだからほかのものを上げなきゃいけないんだといってこの軽減税率の議論を門前払いするのはいかがなものかというふうに思いますけれども、副総理、どうでしょうか。
#337
○国務大臣(岡田克也君) 門前払いしているわけではございません。これは非常に重要な話なので、どちらがいいかということをしっかり議論しなければいけないと、そういうことの一環として申し上げております。
 捕捉率の話は、委員の御指摘のことが事実だとすれば、これは複数税率を適用するしないにかかわらずきちっと納めてもらわなきゃいけないわけで、どちらにしてもこれはしっかりやらなきゃいけない話だというふうに思っております。
 外食だけ別にするというお話もされましたが、この辺がだから非常に難しくてだんだん制度が複雑になってくるということであります。先ほども申し上げましたが、ドイツでは、例えばハンバーガーが店で食べると一九%、持ち帰ると七%。それなら当然持ち帰りにして店出てから公園か何かで食べた方がいいということになりますよね。こういう非常に複雑な仕組みになってしまうことが果たしていいのかどうかという点もやっぱり併せ考えていかなくてはいけないのではないかと思っております。
#338
○西田実仁君 ちょうどそのことを次に質問しようと思っていまして、大変いいコメントをいただきました。まさにこの線引きの難しさですね、対象範囲をどうするのか。
 しかし、今比較しようとしている五から八に上げるときの軽減税率とそれから簡素な給付措置。簡素な給付措置も実は線引きって難しいんですよ、どこに線を引いてそれ以下の所得の方に給付するのかという判断。この線引きというのは、軽減税率だけが難しいんじゃなくて、簡素な給付措置も非常に難しいです。
 私はこれを、簡素な給付措置のイメージを聞きたいんですけど、時間に限りもありますので私の方から説明して、説明というか推測をしますけれども、この政府がおまとめになりました五大臣会合、四月十七日では、簡素な給付措置の対象者の範囲として、実務上の対応可能性に配慮する、あるいは社会保障各制度における低所得者の範囲との整合性に留意する、こういうふうにあります。
 一部報道もされましたけれども、いわゆる住民税が非課税世帯、夫二百七十万、妻パート収入百万というふうなモデルで約三千百万人、この方々に簡素な給付として年間一人一万円を給付すると。まあ、そういうことを考えているかどうか分かりません、分かりません、これからでしょうけれども、仮にそれを、報道もされましたので、想定をします。そこで線を引いたとします。すると、先ほどグラフで見ていただいた第一分位、年収が三百三十七万円の方々とほぼ重なるんですよ。ですから、一番所得の低い低所得の方々については、今私が想定した簡素な給付措置で救われます。ところが、全体の平均は大体六百万なんですよ、収入。そうすると、先ほどのグラフで第二分位の人あるいは第三分位の人たち、この人たちは、年間の食料に、本来は軽減税率にすれば救われたであろう二万数千円程度がそのまま簡素な給付措置ももらえることなく負担として掛かってくるんですよ。
 つまり、平均以下の方々で一番少ない方々は確かに救われるかもしれないけれども、線の引き方によっては二番目に少ない方、三番目に少ない、要するに半分以下の方の過半数以上は救われないという可能性すらあるんですよ、住民税非課税世帯ですと。
 というふうに、このエンゲル係数が急上昇するという、所得が少なくなり、国際商品市況がまだまだ上がる、さらには消費税も、物価上昇がする、こういう中にあって平均所得以下の方々により生活を圧迫することに線引きによってはなりはしないかというふうに思うわけでありますけれども、その線引きの難しさということだけでこの軽減税率を排除することにはならないんではないかと思いますけれども、いかがですか。
#339
○国務大臣(岡田克也君) いずれも線引きは難しいというところはございます。
 ただ、簡素な給付措置は、これずっとやるのではなくて、そういう選択もあるかもしれませんが、基本的には、これは将来的にはよりコンクリートな制度に変えていくという暫定的なものとして取りあえずは考えているわけです。あとはどのぐらいの財源を用意できるかという問題だと思います。ですから、先ほどおっしゃった八のときに五のままという、三%分で一兆数千億ってたしかおっしゃったと思いますが、それだけ用意できればかなりのことが実はできるわけであります。
 問題は、それだけのことが果たして可能かどうかですね。この社会保障に充てるというときに、その部分をどこか削らなければいけないということにもなりかねないわけで、それは全体で幾ら充てるかということを決めた上で制度設計をする話で、必ずしも範囲が狭いということではない、それはもう財源の大きさによって決まってくる問題ではないかというふうに思います。
 ただ、逆に言いますと、三%分、所得のすごく多い人にもこの恩典は行くわけですから、複数税制にするとですね。そういうことは恐らくこの簡素な給付措置ではないわけで、そういうところはより効率的な税金の使い方ということになるのではないかなというふうにも思っております。
#340
○西田実仁君 いずれにしても、その範囲をどうするかによって、簡素な給付措置ということをお考えになる場合には当然財源が必要になります。その財源の範囲で軽減税率をやるということだって十分にあり得るわけでありまして、そこはどう考えるのかということになると思います。
 三つ目の課題は、やはり中小事業者の負担増ということでございまして、これはしかしながら一般的に市販されている請求書にも、今、請求書等保存方式というふうになっていて、請求書にも、今は普通の請求書には税率とか税額とか書くところはあるわけでして、何かインボイスという特別な書式をもってやらなければならないということにはならないんだろうとは思いますけれども、この税額や税率を書かねばならないという義務付けをすることによる様々な負担増ということが出てくる可能性はあると思います。
 簡潔で結構ですが、財務大臣に、軽減税率を採用した場合の中小企業の事業者に負担増になる部分、どういうことが考えられるのか。
#341
○国務大臣(安住淳君) 仮に複数税率になった場合は、やはり、今のようなやり方でできるかというのはやっぱりなかなか難しい可能性があります。その場合は、例えば諸外国においてはインボイス方式を取っているわけですね。そうした制度設計をやはり考えなければならないときが来るんではないかなと思っております。
 ただ、単一税率でいくとなった場合はこれまでと同じような保存方式でというふうに私ども思っておりますけれども、ここは実際の実務を行う中小企業者の皆さんに今よくよくお話聞かせていただいておりますので、そうした利便性等やこれまでやってきたことを踏まえて、単一税率の場合は現行のものでいきますが、複数税率に仮になった場合は私としてもそれはインボイス等の検討というものは考えなければならないと思っております。
#342
○西田実仁君 インボイスというのは特別に複雑な難しいものを想定しがちですけれども、普通の請求書なんですよ。請求書に税率と税額をきちんと書くという、今普通に売られているこういう請求書もちゃんと書く欄があるわけですからね。そんなに難しいことを、何か幻想を抱かせるような、インボイスみたいな言葉を使わなくても、請求書なんですよ、要するに。
 いずれにいたしましても、こういう中小事業者の負担増ということが、今後、複数税率にする場合は当然ですけれども、そうじゃなくてもいろいろと出てくるわけですから、予算措置で対応していかなきゃならない面が出てくるんだろうと思います。
 平成二十一年度の事業仕分で国庫返納になりましたけれども、かつて消費税を導入した際に、商工会等の記帳機械化等オンライン化推進事業基金というのがあって、六十億あったそうでありますけれども、途中から取崩し型になって、仕分によって、まあお金が余っているということだったのかもしれませんが、国庫納付されたということでありますけれども、今回そういう意味ではこういうものを復活をして中小事業のいろんな負担増に対応していくということもお考えになった方がいいんじゃないでしょうか。
#343
○国務大臣(岡田克也君) 事前に御通告いただいておりませんでしたので制度の詳細承知しておりませんけれども、記帳を適正化していくために指導をしっかりする、相談に乗るということは非常に重要なことなので、そのための予算措置が必要であるということであれば、そういったことも今回消費税を引上げするに当たって検討しなければいけない項目の一つであるというふうに思っております。
#344
○西田実仁君 この軽減税率の話はこれで最後ですけれども、この軽減税率は三党で合意されて検討するということになったわけですね。元々軽減税率は対象ではありませんでした。したがって、政府内にも簡素な給付措置、また給付付き税額控除、これの検討チームというのは、岡田副総理の下に関係五大臣会合というのがあって、そこでそれぞれ検討されてきたんだろうと思います。
 しかし、ここで三党合意があって、軽減税率ももう、すぐ八%の段階でどうするかを検討しなきゃいけないわけでありますので、是非政府内にもこうした軽減税率そのものを検討する、有識者なり、議員も入るのかもしれませんが、そのチームをつくって、早急に、そしてこの三党合意による法案修正に対する誠実な対応をお願いしたいというふうに思いますけれども、いかがでしょうか。
#345
○国務大臣(岡田克也君) まず、今日はいろいろな御指摘いただき、ありがとうございました。
 まず、政府の中で、今まで議論してきた経緯もありますので、まず私の下で、関係各省集まってその軽減税率の問題も含めてしっかりと議論をしたいというふうに思います。三党での議論も踏まえつつ、最終的にこれ急がなければなりませんので、しっかり議論を進めていきたい、そのための組織をしっかりと、今ありますけれども、更に強化して立ち上げたいというふうに考えております。
#346
○西田実仁君 ありがとうございます。
 残った時間は中小企業のこの転嫁問題についてお聞きしたいと思います。
 今日、委員会でも幾つか御指摘がございました。私のところにも、とにかく消費税の一番の問題は立場の弱い中小零細企業が増税分を上乗せできないことだと。そんなことはない、ちゃんと乗せて請求すればいいじゃないかと思うでしょうけれども、現実は違うんですと、増税分の値引きを要求されることが多いというメール、あるいは、デフレ下で売上単価が下がっていく中で値引きを要求されるんだと、請求書上では消費税は転嫁できていても、その分も含めて単価が引き下げられていると、こんな声も数多く寄せられているわけで、ここで総理に是非、この中小事業者が消費税の引上げ分を自らかぶらないように、政府の一部の行政組織だけではなくて、政府挙げてこの転嫁ということがきちんとできるように取り組むという宣言をしていただきたいと思いますけれども。
#347
○内閣総理大臣(野田佳彦君) やっぱり中小零細企業の皆様がこの転嫁の問題に大変高い関心を持っていらっしゃること、これは重く受け止めなければいけないというふうに思いますし、あの三党合意をする際にも、やっぱりこの議論はしっかり行われたというふうに思います。消費税を引き上げたとき、あるいは前回の引上げ時以上にしっかりとした転嫁対策をやらなければいけないと思います。
 今、政府を挙げてやれということでございましたが、政府を挙げて取り組んでいきたいと思います。
#348
○西田実仁君 是非よろしくお願いしたいと思います。
 しかし、転嫁がなかなかできない消費税の構造的な問題が私は法的にもあるんではないかというふうに懸念を持っております。
 消費税法というのがもちろんあるわけですけれども、消費税法によれば、納税義務者というのは事業者であるということが第五条第一項で定めてあるんですけれども、最終的に消費者が負担する税制であるということは消費税法にはどこにも書かれていないんですね。かつて税制改革法、まあ消費税を導入する際にございまして、今もありますけれども、この消費税を導入する前にプログラム法として成立した税制改革法、この第十一条には「事業者は、消費に広く薄く負担を求めるという消費税の性格にかんがみ、消費税を円滑かつ適正に転嫁するものとする。」というふうには書いてありますけれども、消費税法そのものには納税義務者たる事業者ということは書かれているんですが、消費者が負担を最終的にはするんだということがどこにも書かれていない。
 かつて東京地裁の消費税をめぐる裁判でも、事業者の徴収義務あるいは消費者の納税義務の法的曖昧さが指摘されているんです。それゆえ、財務省は消費税について常に預り金的な性格という言い方しかしないんですよ。預り金と言わないんですよ。預り金的な性格というふうに言っていて、実際、裁判では、消費税は預り金ではなく物価の一部であるとして、転嫁できようができまいが事業者には納税義務があるんだ、こういう立場を主張されておったわけでございます。
 ここで、じゃ消費税法を変えるというのはなかなかもう難しいわけでありまして、是非総理に国会答弁として明確化していただきたいんですけれども、消費税というのは一体誰が負担する税制なのか。法的な曖昧さによって中小事業者へのしわ寄せを起こさないように、消費税はあくまで消費者が負担するものである、最終的に、そういうふうに総理からきちんと明確に答弁をいただきたいと思います。
#349
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 消費税は最終的には消費者が負担をすると、そういう位置付けでございます。
#350
○西田実仁君 ありがとうございます。
 また、今回の一体改革によりまして地元の中小事業者から幾つかの声が寄せられている、ちょっと細かい話で恐縮ですけれども。例えば消費税額が六十万円以下でも任意で中間申告ができるというふうになるわけですけれども、今後、要するに、どうしても、預り金的性格、まあ預り金なんですけどね、本当は。しかし、資金繰りとかがあってなかなか納税するまでにお金がなくなってしまうというような実務的な問題をよく指摘されます。
 そこで、今後、毎月納税をする、まあ任意ですけどね、もちろん。今四千八百万円超の消費税納税者にはそういう制度がございますけれども、消費税額を納める額が少ない方も、自らの資金繰りをうまくやっていくために、こういう、任意で、希望すれば毎月納税ができるような仕組みも今後検討すべきではないかと思いますけれども、財務大臣、いかがでしょうか。
#351
○国務大臣(安住淳君) 御指摘のように、中小事業者の皆さんの中間申告の回数なんですが、私どもとしましても、八%に上がるときの状況、そこまでの間にいろいろ調べさせていただいて、お話も聞かせていただいて、中間申告が義務付けられている事業者の皆さんの申告納税の、今先生御指摘がありましたが、回数、どういうふうに考えるか。それから、これ、事業者の皆さんにとってどれぐらいの本当に利便性があるのか。まあ月一回という御指摘もありましたけれども、私どもとしては、今の先生のお話も踏まえて真剣に検討して、二十六年の四月の段階までにしっかりとした対策を取りたいと思います。
#352
○西田実仁君 この消費税の予定納税を支払えないときにも延滞金という名の利子が発生をしまして、四か月もたつと一四・六%というふうになるわけであります。以前はもっと高利でありました。昭和三十七年にこの延滞利子税の、一四・六%まで引き下げられたわけでありますけど、それから五十年がたちました。私自身も平成二十一年三月の本会議で質問をさせていただきましたけれども、これから年末の税制改正に向けてこの延滞税の、余りにも高過ぎるんじゃないかという指摘が昔からありますよね。昭和三十七年に下げたときも、その理由は金利水準の低下という、全般的な金利が当時下がったからということなんですね。
 ですから、今の状況からいたしますと、やっぱりこれは高過ぎるんじゃないかという声はたくさん事業者からも寄せられています。慎重に検討しなきゃいけないことかもしれません。還付のときには同じように出ているのもよく分かりますけれども、これから年末の税制改正でこの引下げを議論すべきではないかと思いますけれども、財務大臣、いかがでしょうか。
#353
○国務大臣(安住淳君) 御指摘のとおり、一四・六%とされる一方で、納期限から二か月以内、また納税猶予等緩和措置が適用された場合には四・三%の軽減された利率が適用されており、また、災害、病気等については延滞税は免除をされているということもあります。
 しかし、今先生御指摘のような御主張もありますので、実は三月三十日の閣議決定におきましては、この延滞税の利率を含めた負担の見直しについては、税の確実な収納を勘案しつつ、低金利下における、つまり今の現状ですね、の利率の在り方について、事業者の負担等を考慮し、二十五年度税制改正時に成案を得るとしておりますので、二五改正において具体的に現状を改めて成案を得られるよう検討してまいる所存であります。
#354
○西田実仁君 最後に、税から離れまして、財政の話ですが、今アメリカでは、バーナンキFRB議長が財政の崖という話をよくされております。つまり、来年になるとアメリカは、増税がまた戻る、減税が終わる、ブッシュ減税が終わるとか、あるいは、財政も削減法というのが働き始めまして、財政を削減しなきゃいけないという、これを財政の崖という言い方をしますけれども、日本にも財政の崖があるんじゃないかというふうに私は思っております。
 それは、その当初予算が昨年の決算から比べますと十六兆ぐらい、補正がなければですけれども、少なくなる。また、当然消費税というのがこれから出てくるという、この日本の財政の崖ということについてもよく認識しなきゃいけないんじゃないかというように思っておるわけであります。
 こうしたアメリカでも意識されている財政の崖、日本の財政の崖ということも認識をして、目先の補正とかいうことだけではなくて、例えば防災・減災ニューディールのように、長期的なプロジェクトを実施することも検討すべきではないかというふうに思いますけれども、安住大臣、いかがでしょうか。
#355
○国務大臣(安住淳君) アメリカは、私も直接、財政の壁の問題については、ガイトナー長官からロスカボスでもお話をお聞きしました。実質的に、そのまま法改正等が、議会がねじれで改正ができなければ、例えば減税措置等が終わってしまうと。それから、予算管理法に基づく自動的な歳出削減措置の開始等に伴って、これが大変、二〇一三年までに簡単にはいかなくなってしまうと、スタートが。非常に深刻な事態になりかねないということでございました。
 今、大統領選挙が終わってからアメリカもいろんな知恵を出してこれは克服してくれるものだと信じておりますけれども、私どもの国においても、先生の御趣旨は、やはり景気を下振れさせて不景気になった段階で増税をした場合は国民生活への影響が非常に大きいのではないかと、ですからやはり全ての指標を上向きにするような状況で環境をしっかり整えていくべきだという御主張だと思いますので、財政、金融、様々な面で私たちとしてはそうした措置をしっかりとって対応していきたいと思っております。
#356
○西田実仁君 最後に今の円高についてもお聞きしたかったんですが、時間ですので私の意見だけ言って終わりたいと思いますけれども、既に財務大臣は、アジアで、日中韓の財務大臣の会合で、それぞれの国債を購入するということを約束し合っていると思うんです。今、明らかにウォンに対しても人民元に対しても円は割高になっているわけでありまして、これをやっぱり解決するには国債を購入するということが大事だと思います。
#357
○委員長(高橋千秋君) おまとめください。
#358
○西田実仁君 はい、まとめます。
 そのためには、購入をするということを決めたわけですけれども、実際、統計を見ると増えていないんですよ。ですから、是非そこをこれから増やしていただきたいということを要望して、終わりたいと思います。
 ありがとうございました。
#359
○中村哲治君 国民の生活が第一の中村哲治です。
 前回、十九日木曜日の質疑に引き続きまして、まず選挙のときに約束をしなかった増税を強行しなくてはならないぐらい、果たして日本の財政は危機なのかという論点について議論をいたします。
 まず、総理が前回の最後におっしゃった部分についてでございます。総理はこうおっしゃいました。先ほどの資料の中で、経常収支の黒字国の話が出ていました。今、欧州の中で経常収支の黒字国だって金利上がったりしていますよ、ベルギー等々。していますよ、ベルギー等々、こうおっしゃいました。
 そもそも、ベルギーは経常収支の黒字国と言えるのでしょうか。
#360
○国務大臣(安住淳君) 事実関係だけ。
 ベルギーは、一九八五年以降二〇一〇年まで、二〇〇八年、二〇〇九年を除き経常収支は黒字となっております。その後についてのIMFの見通しでは、二〇一三年度以降再び黒字が続くものと見込まれておりますので、経常収支が黒字基調ということは言えるというふうに思っております。
#361
○中村哲治君 黒字基調というのは、果たしてそうなのかと。(資料提示)今、フリップ出しましたけれども、実はリーマン・ショックの後、二〇〇八年、二〇〇九年、二〇一一年という形では、もう明らかに経常収支は赤字になっています。それから、OECDの推計値でも、二〇一二年、二〇一三年は経常収支は赤字となっております。ということで、経常収支の黒字国で金利が上がっているというふうに言えないんじゃないんですか。総理、どうですか。
#362
○国務大臣(安住淳君) 私どもとしては、ベルギーというのは、ですからそういう点では、統計を見ましても──ちょっと待ってください。(発言する者あり)
#363
○委員長(高橋千秋君) 御静粛にお願いします。
#364
○国務大臣(安住淳君) この統計はベルギー国の国立銀行の統計で、GDPと貿易収支と対外資産を統計を調べているものであります。それからIMFの資料でございますけれども。
 そこで、ベルギー国の金利が乱高下をしたり、総理が御主張なさったことというのは、黒字基調な国ということと同時に、やはり諸外国の様々なヨーロッパでの問題等があって、これが金利に変動をもたらしたということは私どもは言えると思いますから、そういう点においては、この時点での経常黒字国としてのベルギーの基調、そういう基調にあるベルギーでも金利の上がる状況というのは起こり得るということを総理は申し上げたんだと思います。
#365
○中村哲治君 何をおっしゃっているのか全く分かりません。
 二枚目のフリップ出してください。恐らく、総理はこのグラフを見られたんだと思います。昨年、二〇一一年十一月の金利上昇を示しているグラフです。これは財務省が説明するときに使っている資料です。今年の平成二十四年度政府予算案参考資料二十一ページ目のグラフです。
 このグラフを御覧になってのとおり、赤色のイタリア二年債は急激に七%ぐらいまで上がっていると。それに引きつられてベルギー国債も四%ぐらいまで急上昇していると。これを見てやはり総理は、いやこれは上がっていますよとおっしゃったんだと思います。
 しかし、実はベルギー国債の金利が急騰しているのは昨年十一月下旬だけです。当時は欧州中央銀行の資金提供、LTROの発表前で、欧州崩壊かと懸念されたときです。つまり、当時はヨーロッパの国債というだけで、何でも売れと、ドイツ国債はいいけれどもという、そういうふうな状態だったときですよね。その特殊な一時点を取り出しているものと指摘がされます。
 そこで、フリップ三枚目を出してください。これも実は財務省の資料でございます。主要国国債の利回りの推移、十年物という資料です。出典は関税・外国為替等審議会外国為替等分科会資料の十九ページ目の資料でございます。
 そこで見られるように、十一月、一瞬だけ上がっておりますけれども、それはずっと、あと安定した金利の状態になっています。これは十年物だろうという方もいらっしゃるかもしれませんので、四枚目のフリップをお願いいたします。
 これ、二枚目のフリップと同じように、二年物の国債のブルームバーグのグラフを取ってまいりました。確かに、二〇一一年十一月二十四日のところを見ると急激に金利は跳ね上がっていますけれども、その後を御覧ください。ECBの金融政策が効いているということもあって、この二年物国債の金利がずっと下がってきております。そして、先日は〇・五%というところまで、非常に低金利となりました。このような状態を見れば、もはや経常収支の黒字国と言えないようなベルギーでさえ過去最低の金利水準になっていると。
 以上の事実からすると、フリップ二枚目のあのようなグラフを取り出してベルギーを財政危機の例とするのはおかしいんじゃないでしょうか。総理、いかがですか。
#366
○国務大臣(安住淳君) ベルギー国債の金利が今上がったということは、中村さんから一時的に上がったという説明がありましたが、当時の政治状況を、ベルギーの、連立政権が組めないで有効な財政健全策が決定できない、そうした政治状況が大変なリスクと見られており、それが結局金利の急上昇を招いたと私どもは見ております。
 確かにその後、二〇一五年の財政収支均衡など、財政再建に厳しい姿勢で臨んだことなどがありまして、金利上昇が収まり金利低下に転じたのではないかと考えておりますが、しかし、ベルギー政府に確認をすると、今でもそうした意味では財政の危機的な状況は決して変わっていないというお話でございました。
#367
○中村哲治君 ベルギー政府は財政的な危機的な状況は変わっていないとおっしゃっているのに、なぜ〇・五%まで二年物の国債の金利が下がるんですか。
#368
○国務大臣(安住淳君) それは市場の中で、ヨーロッパの中で相対的にベルギーの国債に対しての評価があったということだと思いますが、ただ、私どもが聞いているのは、財政再建に対する姿勢というものがベルギーは評価されたということでございますから、それからいうと、やはり日本も財政再建に対する姿勢というものをしっかり持っていかないといけないと思っております。
#369
○中村哲治君 財政再建に対する姿勢を持つということと、今危機だから選挙の前に増税しないといけないということとは違うんですよ。それを混同しているじゃないですか。
#370
○国務大臣(安住淳君) この間もお話ししましたけれども、選挙の民意というものを私どもも大変重視しております。ですから、この法案が仮に通っても、実施される前までに衆議院も参議院も選挙で審判を受けるわけです。ですから、そういう意味で、我々もそんなことは軽んじておりません。
 一方で、衆議院でも申し上げましたけれども、七五%の衆議院の議員は賛成をしてくれています。この方々は全て民意で選ばれている方々ですから、そういう意味では、私どもは決して民意に逆らって何かこうしたことをやっているとは思っていません。
 また、民主党として、これからこの消費税の必要性というものは丁寧に私は応対をしていきたいと思いますが、中村さん、そういうタイミングとは別に、やっぱり、国の一般会計の歳入の中に占める国債の割合が五〇%近いという現実から目を背けちゃやっぱり駄目だと思うんですよ。そういうことがやっぱり構造的な問題としてありますから、私どもは今、財政再建を含めて、予算全体の中に占める比率が社会保障は大きいので、その財源の確保とともに今回消費税のお願いをしているということです。
#371
○中村哲治君 そういう話は、選挙のときの公約に掲げて信を問うてからやればいいんですよ。
 近代国家では、主権者が負担をする税こそ選挙による代表議会の合意がなければ課税を行うことはできないという租税法律主義の大原則があります。憲法八十四条では、「あらたに租税を課し、又は現行の租税を変更するには、法律又は法律の定める条件によることを必要とする。」と規定をしております。
 まさに、税こそが民主主義が問われる課題であります。消費税というのは非常に大きなテーマでありますから、選挙のときに、二〇〇九年、マニフェストで問うておかないといけないんですよ、本当にこうやってやるんであれば。もし百歩譲って、約束していないのにやるということは、それは財政危機がもう間もなく見えている、これは上げないとどうしようも国家財政が回らないと、そういうふうな切迫した状況であれば、それは国民の皆さんも納得してくださるでしょう。
 問題は、約束していないことをやる、それも負担の重いことだと、そこについてどう考えているのかと言われているわけですよ。
 だから、先ほど申し上げた、元に戻りますけれども、三枚目のこの十一月の結果、金利が上がりましたよね。上がりました結果、下がっていったのはなぜかというと、これはECBの金融政策が効いているから、金融緩和が効いたから金利が下がっているわけですよ。
 そういった意味では、日本は日銀がしっかりと金融緩和をしています。そして、こういうふうな危機的な状況が起こったら速やかに買いオペなどをやられて、きちっと金利が下がるようなことを中央銀行がされます。
 むしろ、だからここの問題というのは、この金利の上昇の問題というのは、二〇一一年の十一月ですね、去年の十一月のヨーロッパの金利の上昇というのは、むしろ金融政策、中央銀行、ECBが手を打たなくちゃいけなかったことだったと。だから、それはもうLTROの発表の後、もう実際銀行が国債を買って安定しているわけですから、それははっきりと分かるわけですよ。
 だからこそ、このベルギーの例を財政危機の例、財政危機の結果金利が上がっている例と持ち出すのはおかしいんじゃないかというのが私の質問なんです。
#372
○国務大臣(安住淳君) 総理は一例として申し上げたわけですね。
 ですから、それは、ベルギーは事実、金利は一時的に上がって、財政再建の努力というものをして、ほかのヨーロッパ諸国に比べてやはり努力をした結果として金利も下がっているということも一因にあるということですから、私は別に中村さんの意見を否定しているわけじゃありません。
 それから、税と民主主義の話はおっしゃるとおり非常に重要なことです、これは。ただ、毎年の年度改正とか、そのたびに一々選挙やっているわけではないわけですね。トータルで任期中のことについてはそれは審判を受けなければなりません。
 例えば、それは国々それぞれですよ。ヨーロッパでは、例えばイギリスなんか、オズボーン蔵相にこの間私聞いてなるほどなと思いましたけれども、例えば消費税は実は財務大臣の権限で上げられるんです、事後承認なんですね。
 そういう意味では、中村さんの御主張は十分我々は分かって、それでこれを実際上げる前には審判をいただくわけですから、そういう意味ではしっかり今制度設計をやっている段階ですから、それをもって選挙をやらないからけしからぬという話には私ならないと思います。きちっと日本の国は、四年置きの、また三年ごとの参議院の選挙や衆議院の選挙等を通して、国政に民意というものは十分この税を含めて反映されていると思います。
#373
○中村哲治君 いや、私は今すぐ選挙をやれなんて一言も言っていないんですよ。
 二〇〇九年、マニフェストで約束したのは四年間の任期です。四年間の任期で集中的な国政の改革を行うと。だから、私たちが民主党の中でいたときに主張していたのは、来年年金法が出てくるわけですから、そこで年金法の抜本改革も示される、そのときに併せて出してもおかしくないわけで、そういうふうなことをなぜできないのかというようなことを申し上げていたわけです。
 もう幾ら言ったって水掛け論になるでしょうから、いや、結局、選挙のときに約束したことをどれぐらいきちっと守ろうとするのか、この姿勢が二〇〇九年、政権交代マニフェストの一番思想的な中心にあったはずなんです。だから、ここを捨て去ったんじゃないかということを、こういうベルギーの例から見ても分かるんです。
 次の質問に行きますけれども、総理はベルギー等々とおっしゃいました。そのほか、等々というのはどこの国があるんでしょうか。最初、財務省に聞いたらありませんという答弁でした。しかし、昨日、本当にないのかと言ったら、いや、違います、ありましたと言って回答をくれましたね。どこですか。
#374
○国務大臣(安住淳君) 経常収支黒字国であるオーストリアにおいても金利の上昇というものが見られました。具体的には、これは十年物でございますが、オーストリアの国債の金利は、例えば十一月一日から二十五日の間に一%、急激な上昇を示したというふうな資料がございます。
 いいですか。
#375
○中村哲治君 一%というのは何%から何%に上がったんですか。
#376
○国務大臣(安住淳君) 一ポイント、失礼しました、二・八一三から三・八五三というふうになっております。
#377
○中村哲治君 結局、跳ね上がったんだけれどもすぐ収まっているんですよ。それで、ほかの、ユーロトレンドというジェトロの資料によると、もうそこは、二〇一一年は期中平均値が三・四、十二月には三・一というような形で金利がもうすぐ下がっていっているということはもうはっきりと見えるわけです。
 この一%上がったことをもって財政危機になるような、また金融危機になるような金利の上昇だったと安住大臣はおっしゃるんですか。
#378
○国務大臣(安住淳君) 言葉の中で等々と総理がおっしゃったというのは、オーストリアの例も存じ上げて、金利が急激に上昇した例としてありますよということを申し上げたんであって、言葉じりと言ったら恐縮ですけれども、そうじゃないと思うんです。
 だから、ベルギーやオーストリアではそうした例がありましたと総理もおっしゃっているわけで、それはだから、何というんですか、ベルギーとこうしたオーストリアのことがありますよという例は、事前に中村さんにも我が方からブリーフをしたというのは、金利の上昇した事実としてお伝えをしているわけです。
#379
○中村哲治君 いや、これ元々、金利の上昇というのは国債の信認にかかわることなので、国債の信認がもう非常に脅かされるような金利の上昇というのは経常収支の黒字国でも起こっているんだと、そういう御主張の答弁だったわけですよ。
 じゃ、フリップ五枚目出してください。これ前回に出したフリップです。平成十四年、二〇〇二年の財務省、外国格付会社あて意見書要旨のことでございます。
 総理は、そういう事例があるので十年前の見解とは私はやっぱり違うと思っておりますというふうにおっしゃっています。この意見書の論理が今日の日本の状態に当てはまっていないという立場が今の日本政府の公式見解なのでしょうか。そうすれば、現在の日本の国債の信用度は十年前と違って低くなっているというふうに言えると思うんですが、そういう見解なんでしょうか。
#380
○国務大臣(安住淳君) 先般言いましたから余り多くは申し上げませんが、我が国の持っている国債費の額は大幅に増えたことは事実ですね。その代わり、私この間答えたけれども、海外に持っている資産等についての大きな変動はありませんということは答えました。その中で、世界の中で欧州での起きている問題、ソブリンリスク等があるから、そういう意味では我が国を取り巻く環境というものの変化もあるということは私申し上げたつもりでございます。
#381
○中村哲治君 いや、私が聞いているのは、論理の話を聞いているんですよ。
 ここの平成十四年、財務省、外国格付会社あて意見書要旨1の(2)、一番最後の三番目のところは、「日本は世界最大の経常黒字国、債権国であり、外貨準備も世界最高」という要件が日本国債の信認を高めている理由として挙げられております。経常収支の黒字、対外債権国、外貨準備の高さが国債の信認を高めるというロジック、論理は十年たった今も変わらないはずだけれども、そのことについて、財務相、財務大臣、どのようにお考えでしょうか。
#382
○国務大臣(安住淳君) ちょっと長く答弁させてもらいます。
 御指摘の外国格付会社あての財務省の意見書については、平成十四年、日本国債の格付が行われたことに対して財務省より格付会社に送付されたものでありますが、これは格付の理由についてより客観的な説明を求めたものであり、我が国の財政健全化の必要性を否定したものでは全くございません。
 その上で、十年前と我が国の財政、国債状況を取り巻くところを比較しますと、今申し上げましたように、まず、国及び地方の長期債務残高は、平成十四年度末には六百九十八兆円であったのが……(発言する者あり)
#383
○委員長(高橋千秋君) 御静粛にお願いします。
#384
○国務大臣(安住淳君) 今般、九百四十兆円に達する見込みとなっております。(発言する者あり)いや、つまり、事実が変わっているところを私、説明しているんですよ、あなたは全くそのトレンドは変わっていないとおっしゃるから。
 また、我が国の国債の国内消化を支えてきた国内貯蓄は高齢化等により伸び悩む一方、政府の債務残高は増加の一途をたどっており、私は国債をめぐる状況というのは大きく変化をしていると思います。
 加えて、欧州情勢は、先ほど申し上げましたが、深刻な財政的な危機など十年前には考えられなかった事態が生じておりますから、財政の持続可能性に対する市場の懸念は著しく高まっているというふうに思っています。
 ですから、基本的に、中村さんに私この間答えたように、海外の対外純資産や経常黒字や、経常黒字のことは少し変化があると言いましたね、外貨準備高等のことは、一定の我が国に対する信認のプラス、大きな役割になっていることは事実ですけれども、今私がるる申し上げたようなことからいえば、やはり十年前と状況は変わっているということでございます。
 ただし、国債の信認についての、私どもの信認は変わっていません。
#385
○中村哲治君 そこの最後のところもよく分からないじゃないですか。まず、私聞いているのは、これロジックの話じゃなくて、十年前に書かれたペーパーのその経常収支の黒字、対外債権国、外貨準備の高さ、これは日本の国債の対外的な信用を増しているはずだと、それは財務省自身が言っているわけですよ。この高さがなぜ国債の信認とつながるのかというロジック、論理を聞いているんです。
#386
○国務大臣(安住淳君) 対外純資産、経常黒字、外貨準備等は、我が国の信認に対して一定のプラスの役目を果たし得るものと認識をしておりますけれども、経常収支については様々な要因について大きく変動し得るものであるほか、経常収支が黒字基調の国であっても、国債市場で金利が急激に上昇するような国も存在すること、また対外純資産については、民間部門を含む我が国の居住者が海外に有する資産、負債だけを取り出した統計であり、我が国政府が国内の民間部門等に対して負っている債務を考慮していないこと、それから外貨準備については、我が国通貨の安定を実現するために必要な外国通貨等の売買等に備えて保有しているものであり、直ちに売却して債務の償還や利払いに充てることができないこと等、これらをもって、言ってみれば一定のプラスの役割は十分私は十年前も今も果たしていると思います。しかし、我が国の財政状況を楽観視することは私は適切でないというふうに言っているわけです。
#387
○中村哲治君 答えられていません。対外純資産の額や経常収支の黒字、そして外貨準備の多さというのがなぜ国債の信認の高さにつながるのか、そのロジックは何かということを聞いているんです。そのロジック自体は十年前と変わらないでしょう。そこのロジックをどういうふうに今まで考えてきたのかと、そこは余り財務省は説明できていないわけですよ。高さの理由にはなるんだけれども、いやいや、こういう状況もあるので、そこも一々私は反論できますよ、だけれども、まず大本のところのこの三つのことがなぜ国債の信認、国債の信用度を高めるということにつながっているのかというロジックについて説明してもらわなければ、ほかのこと、その後のことは議論ができないじゃないですか。
#388
○国務大臣(安住淳君) 私は十分説明しているつもりなんですけれども。
 ただ、我が国を取り巻く財政の状況は、十年前に比べれば、国及び地方の長期債務残高は増加をしているわけです。これは言いましたよね。高齢化によって国内の貯蓄も伸び悩んでいることも事実ですね。欧州諸国の深刻な財政危機によって市場は国債を見る目というのが随分変わりましたですよね。その国の信認というものに対して、つまり財政再建に対する意欲というものをその国が持ち得ているのか、またそれに対して具体的なアプローチをしようとしているのかということを私、問われていると思いますよ。
 だから、そういう点で見れば、あなたのお話は、この三つの要素は、根本的には余り十年前から海外に持っている資産や経常収支は変わらないから日本のファンダメンタルズは変わらないんじゃないかということに対しては、私はこの部分は一定の、ですから言っているじゃないですか、プラスの役割は果たしていますと。しかし、日本国内における財政赤字を含めた状況というのは十年前とやっぱり随分違うので、私は、今我が国の国債についてやはり非常に注意を要するような事態なので、私たちがやるべきことは、社会保障・税の一体改革を含めた財政再建の意思、道筋というものを世界に示していかなければならないと思います。
 なぜそういうことを言うかというと、私も海外に行きまして、それは、それこそIMFのラガルド専務理事始め世界の各国の首脳と、経済首脳と話をすれば、日本はしっかりと財政再建をする意思があるのかということを問われるんですよ、いつも。ですから、そういう点ではそういう見方も私はしているということは申し上げておきます。
#389
○中村哲治君 経常収支の黒字、そして対外債権国、外貨準備の高さが日本の国債の信用の高さとどういうふうに関係していくのかというそのロジックを聞いているんですよ。何回聞いても答えないのは何でなんですか。
 対外収支の黒字、それを蓄積された対外純資産の額、純資産の額が多いというのはどういうことかというと、外貨建ての資産が多いということです。だから、円建ての資産が売られたとしても、金利が上がれば内国民は外貨建ての資産を処分をして、そしてそれで買いに戻るので結局上がる金利が抑えられるという、こういうふうなファンダメンタルズの基本的な条件があるから、経常収支の黒字国や対外純資産国というのは国債の信用が高いんですよ。
 こういうロジックを公式にきちっと財務省が示さないといけないんじゃないですかというのが私がこの間ずっと言ってきたことなんですけれども、全然答えていないじゃないですか。
#390
○国務大臣(安住淳君) いや、ですから、ファンダメンタルズについては私は答えているつもりですよ。
 それで、あなたのロジックにはまって私は答弁するつもりはないけれども、ただ、今の話の延長でいえば、一つ私は欠けているとすれば、国内でそういうことが起きたとしても、国内の国債を保有している方々や金融機関や個人がそれに動揺して国債を売ることだってあるんですよ、信認が落ちていけば。だから、それは、あなたの言っていることはプロセスや仮定の話であって、必ずそうなるからそれに対して答えなければおかしいというのは、私たちはそれに対してはそうではないんではないかと思っているんです。
#391
○中村哲治君 それ、金融政策が全く理解されていないように思われます。
 もし国債を売り浴びせたとして、その売った後、売って得た円貨で何を買われるんですか、そういう方々は。
#392
○国務大臣(安住淳君) その方々に聞いてください。(発言する者あり)
#393
○委員長(高橋千秋君) 静粛にお願いします。
#394
○中村哲治君 何を言っているんですか。普通は売って得たものというのは通貨ですよね。通貨というのは現金プラス預金という形で定義されます、現金で持っている方は少ないでしょうから。まあ現金で持っていて物を買われてもいいと思いますけれども、それは経済成長につながるからいいわけですよ。でも、普通は預金になるわけでしょう。預金の金利よりも国債の金利が高いから国債を皆さん買われるわけでしょう。何で預金の状態でずっと持っていて国債を買わないということになるんですか。もう時間が参りましたから、本当に端的に答えてください。
#395
○国務大臣(安住淳君) あなたと私の考え方のまず違いは、それは、円に対する信頼とか国に対する信頼が前提が崩れたらばそういう循環の論理が成り立たなくなることもあるんですよということなんです。だから我々は楽観できないと言っているんですよ。しかし、それのところで多分中村さんと私では考え方が違うんじゃないかと思います。
#396
○中村哲治君 今日、クルーグマンの資料も付けさせていただきました。クルーグマンの、ノーベル経済学賞を受賞したポール・クルーグマン教授ですけれども、そのインタビュー記事を付けています。今、財政危機というのがおかしいということをおっしゃっています。そのことについても次回きちっと反論をしてください。
 終わります。
#397
○中西健治君 みんなの党の中西健治です。
 先ほど来見ておりますと、野田総理、大変お疲れのようでございまして、ロンドン・オリンピック開会式に行かないでせっかく重要な法案の審議に参加していただいておりますので、あと一時間ちょっとですから、是非集中力を切らさないようにしていただきたいとお願いを申し上げます。
 本日は、まず、先週の金曜日に本委員会で質問いたしました公務員の共済年金と民間会社員の厚生年金の一元化による、いわゆる持参金の問題について再質問をすることから始めさせていただきます。(資料提示)
 先週も指摘いたしましたが、パネルのとおり、法案では、約四十五兆円の公務員年金の積立金のうち、統合する厚生年金には半分程度の二十四兆円しか持参しないこととなっています。共済に残る積立金約二十兆円は、かねてより公務員優遇と批判の多い年金の職域加算、旧三階部分の処理に充てるとされております。厚生年金にはもちろん余る部分などありません。幾ら何でも共済に残す金額が多過ぎるのではないかという私の指摘に対しまして、安住財務大臣は、公務員の年金の三階部分の過去債務は約十八兆円から十九兆円であるということを言及されましたが、これは調べてみると確かにそのとおりということでございます。
 厚労省の平成二十一年財政検証資料と併せて考えてみますと、公務員年金の一階、二階、三階部分の過去債務は、平成二十一年度末で各々、一階部分が四十二兆円、二階部分が百十三兆円、三階部分が十八兆円となっています。全体で百七十三兆円、三階部分は全体の一割にしかすぎないということになっております。三階部分の積み上がったとするものを丸々残すのではなくて、少なくともこの比率で持参金を按分するのが正しいのではないでしょうか。単純計算すると三階部分への積立金は五兆円弱で済むということになりますから、十五兆円ほど持参金を多くできることとなります。
 十五兆円プラスした三十九兆円ではなくて二十四兆円しか持参しないというのでは、公務員に甘い制度設計だと言われても仕方ないのではないでしょうか。いかがでしょうか。
#398
○国務大臣(安住淳君) 先般はちょっと厚労大臣に質問でしたけど、私、割り込んで入って答弁したものですから、続きでさせていただきますが。
 各共済年金の積立金は、これまで三階部分を含めた保険料が積み立てられてきたわけでありますから、一階、二階部分と三階部分の実は区別はないんです。このため、一元化に当たっては、各共済年金の積立金のうち、一元化後の厚生年金の共通財源とすべき部分を仕分けないといけなかったわけなので、そこで、厚生年金と共済年金の、賦課方式を基本とする財政運営を行っているので、各制度が保険料で賄うべき一、二階部分の給付総額の、ここがもしかしたらお叱りを受けるかもしれません、何年分を保有しているかということに着目をしたらば四・二年分であったと。これで拠出し合うのが最も公平であろうということで整理をして、今委員御指摘のように、一、二階の共通財源で二十四兆、それで共済に残る積立金が二十・七兆となったわけでございます。これは十九年のときに出された法案と同様の措置をしましたということでございます。
 これは公務員共済に残る積立金が多いんではないかと、むしろ、これは大体五兆円ぐらい、まあある意味では八〇%は拠出せよという御意見だと思いますが、旧三階の廃止までの期限分の給付にこれは基本的には充てることとしておりますから、四・一%、これは実質賃金上昇率が大体二・五で運用の利回りが一・六で、計算すると四・一になるわけですね。すると、この間も話しましたけれども、大体十八兆円から二十兆円なものですから、もし仮に利回りが低下した場合は更に増額が見込まれることもあり得るので、こうした額にさせていただいたということでございます。
#399
○中西健治君 できれば簡潔に御答弁いただきたいと思うんですが、最後の部分はもうこの間もお話ししたところですので。
 この四・二年という仕分がおかしいのではないかというのが私の言っているところでございます。安住財務大臣がおっしゃられたとおり、二階と三階に区別などないんです。ですから、三階だけを特別扱いするのがおかしいのではないかというのが私が言っていることです。そして、安住財務大臣がおっしゃられたとおり、積立方式ではなくて賦課方式ということですので、そのときの年金加入者がそのときの受給者を支えるという形になっていますから、職域加算部分を丸々過去債務が十八兆円か十九兆円になるからといって全部残すというのは、これはまさしく積立方式の考え方ですから、これはおかしいのではないかというふうに私は主張しております。最近、報道であったとおり、民間ではこの十年間で七割の企業が三階部分、企業年金を廃止しているというのですから、なおさらなのではないでしょうか。
 そしてもう一点、先日の私の質問で、厚生年金では受給者一人を現役二・四人で支えるのに対し、公務員共済は受給者一人を支える現役は一・五人と高齢者の割合が大きく、今後公務員側の給付は民間以上に急増が見込まれ、一元化時点で手厚い積立金を持参しないと、将来、負担のしわ寄せが民間会社員に及ぶおそれが高いのではないかと、こう私は指摘しました。そして、法案の持参金の考え方を見直すべきであるとただしたところ、安住財務大臣は、正確な将来推計は行っていないと認めた上で、そういうことにならないように運用を行うということを答弁されましたが、具体的にそうならないようにどうするのか、はっきり国民が理解できるように御説明をしていただきたいと思います。
#400
○国務大臣(安住淳君) 厚生年金と共済年金の現行制度でのこの運用の中で受給者と被保険者の割合が違うと。これは年金の数理部会でもいろいろ審議されているようでございます。
 そこで、先生がおっしゃっているのは、厚生年金は二・三九、この数字ですね、それで公務員共済が一・五三と。だから、この先は厚生年金加入者の方が共済年金加入者の面倒を見るような事態にもなりかねないから、これはおかしいのではないかと。
 ただ、年金扶養比率で見ますと、これ制度に長期に加入した受給者年数だけで見ますと、これが二十年未満で見ますと、厚生年金が一・三一で公務員共済は一・三三ですから、おおむねそういう意味じゃその数字は合っているとは思います。だから、簡単にただ有利、不利を論ずるのは難しいと思います。
 そこで、一、二階部分に及ぼす影響試算みたいなのはちゃんとやったらどうだという御指摘がありました。これにつきましては、今年一月には新しい人口推計が公表されておりますので、実は一元化に伴う財政の見通しについては、こうした新しい人口推計を踏まえて私としても実は検討していく必要があるというふうに思っております。
#401
○中西健治君 もう是非ともこれは見直していただかないといけないというふうに思っております。
 年金扶養比率は現実としてあるということでありますから、現実を直視すれば、将来、問題が発生することはこの場合目に見えていると思います。将来の問題を取り除くためには、今やらなければならないこととしてやはり持参金の積み増し、これをしないで公務員の既得権益を守るというのでは到底国民の理解は得られないと、こういうふうに思っております。
 野田総理はこの持参金問題についてどのような見解をお持ちでしょうか。
#402
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 基本的には財務大臣が答弁をしたとおりであって、これは平成十九年のときの、当時の政権下で構想したものも踏まえての対応であります。ただし、検討事項があるということを率直に財務大臣も認めておりました。そういう検討をしっかりしなければいけないと考えております。
#403
○中西健治君 是非とも公務員にばかり甘くなるというような制度設計にならないようにしていただかないとということを指摘させていただきます。
 それでは、もう一つ大きな大問題であります消費税改正法案の、その中でも附則十八条関連の質問に移らせていただきます。先日も質問しましたが、三党合意の当事者でない我々にはまだよく分からないということがございますので、再度質問をさせていただきます。
 附則十八条の第二項にある「税制の抜本的な改革の実施等により、財政による機動的対応が可能となる中で、」という意味について、財務大臣は経済成長シナリオ以上の成長がなされれば余裕が生じると発言をされております。機動性が増すということは、成長がシナリオを上回った場合のことであるということでよろしいでしょうか。
#404
○国務大臣(安住淳君) 私の申し上げているのは、消費税による税収があったと、しかし、これはばらまきには一切使いません。公共事業をやるために何か消費税を集めているんでないかということに対しては全く否定をいたします。
 その上で、委員の御指摘は、財政による機動的対応が可能となるときの、この機動的対応が可能になる状況は何ぞやということだと思いますが、成長ということが答えではなくて、税収が上がるということが答えだということでございます。
#405
○中西健治君 前回のほかの委員に対する答弁としては、成長によって税収が上がることによって初めてということを使っておりましたので、まあ成長というのが例示だったのかもしれませんが、他の税収が上がってということを意味しているんであろうというふうに思います。逆に言えば、税収が上がらなければ、他の税収が上がらなければ機動的対応は可能とならないという意味だという理解でよろしいですね。
#406
○国務大臣(安住淳君) 今消費税を上げさせていただいても、社会保障全体をこの税収だけで賄えるのではなくて、まだ足りない部分もございます。
 ただ、そこに充てることによって、これまでと違ってプライマリーバランスの半減という目標が見えてくることは事実だと思います。そういう中にあって、様々な成長に投資をし、それは資金等を通してですよ、財政再建に背くわけではありませんから、を通してやはり戦略的に国が投資をすることで産業が増え、雇用が増え、結果的に法人税、所得税等が上がってくれば、私は機動的対応というのは可能になるということはあると思います。
#407
○中西健治君 他の税収が増えた場合に機動的対応が可能となる場合があるというお答えでした。
 一方で、この機動的対応が可能となるという文言の解釈について、自民党の修正案提出者はこう答弁しています。これまで社会保障の分野に充てるためにほかで必要な予算が削られてきたが、今回の消費税増税がなされれば財政的余裕ができる、こういうふうに発言をされています。
 同じ余裕という言葉を使っていても、言っていることが根本から違うのではないでしょうか。どちらが正しいのでしょうか、政府の責任者である財務大臣の意見を伺いたいと思います。
#408
○国務大臣(安住淳君) 私は、三党での合意を踏まえた様々党の答弁者の皆様の意見を聞いていて、そんなに違いはないというふうに私は思っております。
 というのは、これまではやはり社会保障に毎年係る税金を充てていくわけですから、まあはっきり言えば、ほかのことに対して、例えば教育やそれから文化、様々ですね、こうしたことに対する予算措置というのはもう余裕が全くありませんから、この二十年間、事実上横ばいないしマイナスの構図というのは続いておりました、多分どなたが政権取ってもそういう状況ですから。
 そういう中で、社会保障に関係するこの消費税を充てさせていただいたことで、今すぐ財政的に健全化をするわけではないわけです、先ほどから言っているように。しかし、これが税収として入ることで、先ほどから言っているように、プライマリーバランスが見えてきますので、この中で成長が更に加速をされれば、私は、戦略的投資を含めて、そこには、ですから資金と書いてあるわけです、予算を充てるということではなくて。そういう中で、やはり新しい我が国が将来担っていく産業分野や人材を育てていくことに投資をしたいという気持ちが表れているんだと思っております。
#409
○中西健治君 いろいろおっしゃっていますが、一方は経済成長で税収が増えて、まあ経済成長じゃなくても、他の税収が増えて初めて余裕が生じると言っていて、もう片方は消費増税で余裕ができると、こういうふうに発言されているわけですから、全く違うというふうに言わざるを得ないと思います。
 そこで、数字で掘り下げていきたいというふうに思います。
 自民党の修正案提出者は、自民党の主張する公共事業投資、十年二百兆円は事業費ベースでの話であり、国費投入は約その四分の一と答弁をされておりました。これは要するに二百兆円の、十年で二百兆円ですから一年当たり二十兆円、その四分の一ですから五兆円つぎ込むということを意味しているんだと思いますが、一方、政府の試算によりますと、消費税増税で十三・五兆円増収となります。そして、そのうち社会保障機能強化や基礎年金国庫負担を除いたものは約七兆円であるというふうに試算をされています。
 もちろん、消費増税分は社会保障に使うというのは大前提であるというのはよく分かっていますが、それによって余裕が出た、要するに一般財源のうちの五兆円が防災、減災等公共事業投資などに投入されるという、そういう規模感を持って五兆円ということをおっしゃられているんでしょうか。
#410
○衆議院議員(野田毅君) さっき財務大臣からも御答弁あったんですが、大筋においては発想はそういうことだと思います。
 ただ、大前提は、今回の税制改革、これは実は税制だけじゃなくて、歳出構造、歳入構造を見直すんですよと。つまり、単年度の帳じり合わせの話じゃないんですと。ですから、今お話がありましたとおり、今まで必要な分野の予算まで削って社会保障に充ててきたけれども、これからは必要な社会保障の増加分はもうほかの予算削ったりということはしないようにしましょう、借金増やしてやることもしないで、その代わり消費税でお願いしますということをやるわけです。
 それだけじゃなくて、この機会に、むしろ今まで消費税の引上げを避けてきたということによってあっちこっち必要な部分削ってきたわけですから、むしろ頭を少し切り替えて、必要な分野には、例えば人材の育成であったり研究開発などの分野は、むしろ逆に、成長戦略という言葉はどうか分かりませんが、日本経済全体が活力が衰えてきているわけですね。これを何とか活力をもう一遍引っ張り出さないと、そして成長力を高めないと出てこないじゃないですかと。
 一方では、デフレの状況の中での消費税の引上げに対する影響もみんな懸念しているわけですね。それらを両方、今のようなお話で、何か景気が良くなることが先で、良くなったら増収があるんだから、その増収でもって何か成長戦略のお金を回すんだというような話だけでしてしまうと、これは全く逆だと思います。
 やっぱり、財政の健全化ということと、それから成長をどうやって我々は人口が高齢化する中で引っ張り出すかと、ここの基本を頭に置いて議論をしなきゃいけないということに尽きると、私はそう判断をしております。
#411
○中西健治君 野田毅衆議院議員の話は、分かりやすいといえば非常に分かりやすいかなというふうに思いますが、安住財務大臣と言っていることがやっぱり違うように聞こえるんです。安住財務大臣は、税収が上がって余裕が生じるということを繰り返しおっしゃっているのに、そんなことではいけない、それではないということを野田衆議院議員は今おっしゃっているとしか私は思えません。ですから、安住財務大臣がおっしゃっていることがちょっと違うのかなというふうに思います。
#412
○国務大臣(安住淳君) 私どもは、成長があってどんどん税収が入ってくれば機動的対応はますます可能にはなりますと。ただ、野田先生のおっしゃっている話で私もそれは納得するのは、いろんな分野に投資をしないといけませんよねと。そのことに関して言えば、我々としても、もしかしたら中西先生はそれは財政出動ばっかり考えておられるかもしれませんが、私はやっぱりそれは規制緩和なり民間資金を使ったり、実はそういうことはいろいろ考えております。
 ですから、私が言っているのは、ある意味で財政再建の枠から絶対はみ出てはならないと。はみ出ない中で、しかし成長分野に対しては様々な投資等をやって、結果的にやっぱり雇用や税収を増やしていって、プライマリーバランスの三角を、三・数%を更に縮めていくということは可能じゃないかと思う。それが更に機動的な財政運営ができるようになるということですから、私の考えはそうでございます。
#413
○中西健治君 私は財政出動をしろと言っているわけでは決してありません。規制緩和、そして自由貿易等によって成長力を高めるべきであるというふうにずっと主張をしてきているというわけでありますが、自民党さんの、じゃ、年間五兆円の重点投資、これは財源はどこに求めるんでしょうか。
#414
○衆議院議員(野田毅君) これは、私どもは当然、五兆円部分は、今でもそうですけれども、建設国債というのはあって当然だと思います。建設国債をゼロにするという議論は暴論だと思います。財政法の理念からいっても、それは赤字国債よりは建設国債の方がまだ基本として認められているんですよ。そこは間違っちゃいけないと思います。
 それから、十年間で二百兆ということだからみんなわあっと言うんだけれども、これは政府だけじゃなくて、地方もあり、あるいは第三セクターもあり、国費だけじゃない、民間からの借金も含め、事業費ですよ。ですから、この五兆円は今だって、過去十年間でいえば二百三十兆ですよ、これ、現実問題。GDPの中の構成要素を見てください。二十年前は四十兆ぐらいやっていたんですよ。
 だから、それをもうこれ以上やったら、もう耐用年数が来ている施設もたくさんあるじゃないですか、あるいは今度の事前防災もあるじゃないですかと。それは、大都市でも津波が来たときにどうやって避難をするんですかということを考えれば、そういった部分もあるんだが、同時に、もう一つ言いたいのは、それだけじゃなくて、地方は今求職大変なんですよ、地方の雇用をどうやって維持するんですかと。私は、そういう意味では、地方経済の強靱化という言葉も併せて言っていいぐらいだと思っています。
 そういう意味で、何か特定の公共事業、何かまた昔に戻ったみたいな、ためにする議論はちょっと横へ置いて、本当に真面目に日本の経済の活力、中小企業の活力、地方の活力もどうやって引っ張り出すかという、そういう前向きの経済政策論議しないと、私は本当に日本はどんどんどんどんじり貧じり貧になっちゃって、かえって財政再建は遠のいてしまうと。できれば、借金返済は消費税ではなくて、そのことによって活力が出てきた自然増収の中から借金が返済できるような、そういう経済体制にどうやって持っていくかという、そこにポイントがあると申し上げておきたいです。
#415
○中西健治君 財源についてお尋ねしたので、それ以降のお話というのはちょっと長過ぎるなというふうに思います。私も限られた時間ですので。
 財源としておっしゃられたのは建設国債ということでした。そうすると、国債全体としては増発するという懸念もあるのかなと思いますが、安住財務大臣にちょっとお伺いします。
 本年一月に内閣府が発表しました経済財政の中長期試算では、今回政府が消費税増税で十三・五兆円と試算している同じ前提の経済成長一%の慎重シナリオの場合、基礎的財政収支は二〇一三年度の赤字二十二・五兆円から、二〇一六年度の赤字十五・四兆円にきちんと七兆円改善されるという姿が描かれています。
 この七兆円が今回のこの附則第十八条の規定により侵食されることはないと断言していただけますでしょうか。
#416
○国務大臣(安住淳君) 基本的にはこの目標を私は堅持をしたいと思っております。
 なお、建設国債のことでいえば、今年、二十四年度も約六兆弱ですから、そういう意味では、野田先生のおっしゃっている数字が飛び抜けて大きいということではないことだけは付言しておきます。
#417
○中西健治君 増額するのではないということであればそういうことだと思いますが、そうしますと、新規国債発行金額、建設国債と赤字国債の内訳はあるでしょう、けれども、新規国債発行額は、四十四兆円からその分プライマリーバランス改善幅七兆円しっかりと減らすということでよろしいですね。三十七兆円にするということでよろしいですね。
#418
○国務大臣(安住淳君) もちろん社会保障の自然増とかプラスアルファのことはあるにしても、中期フレームで、今から予算の概算等始まりますけれども、私どもとしては、国債費を除く額については七十一兆の枠というものは守っていくつもりでございます。
#419
○中西健治君 私が聞いているのは、国債の発行金額四十四兆円、これもやはり中期財政フレームに目標として掲げられているものですが、これが、七兆円プライマリーバランスが改善するのが侵食されないということであれば、当然、新規国債発行金額もその分減らせるということになると思いますが、四十四兆円を三十七兆円に減らすということでよろしいですね。
#420
○国務大臣(岡田克也君) これは、一方で社会保障費の当然増というのもございます。それから、七兆円というのは、これ、国、地方合わせての話でありますので、残念ながらかなりの部分が地方に行くということもございますので、それがそのまま全部国債の減額につながるというわけではございません。
#421
○中西健治君 私が言っているのは、この消費増税の七兆円というところとも重なりますけれども、プライマリーバランスが七兆円減るというふうに試算出しているわけですから、それに当たる部分は国債の発行額は減らせるじゃないかと、こう言っているわけですよ。
#422
○国務大臣(安住淳君) 基本的にはそうです。ただし、ですから、国債費や社会保障の分が増えていくと、基本的には七兆円ぐんとへこむんではなくて、現状と大体発行額というものはほぼ同じぐらいの額になるというふうな試算でございます。
#423
○中西健治君 今のよく分かりませんが、そうすると四十四兆円の国債発行額はほぼ変わらないだろうと、こういうふうに言っていらっしゃるんでしょうか。
#424
○国務大臣(安住淳君) ちょっとまどろっこしいのは、つなぎ国債含めて、これから、まあ実はいろんな御議論していただかないといけませんが、年金の部分等をどういうふうに扱うかによっても変わってきます。ただ、基本的には、私としては、四十四兆円というものはフレームの中でも守っていかなければならないだろうと思っています。
#425
○中西健治君 四十四兆円を守る、増税した後でも四十四兆円が変わらないということですと、元々政府が説明しているのは、国と地方を合わせて公的部分の債務残高がGDPの二〇〇%にならんとする、これを改善していかなければいけない、そうしたことを説明しているわけじゃないですか、皆さんは。ところが、四十四兆円のままだということであれば、結局、債務、国の借金が増えるペースは今と、増税前と変わらないということを安住財務大臣は言っているんですよ。財政再建にはならないと言っているんです、役に立たないということを言っているんですよ。おっしゃっていることをよく考えてください。
#426
○国務大臣(安住淳君) もちろん、ですから、現時点と二〇一五年を比較をしますと、国債費や社会保障費が増えていくので、どうしてもそういう点では丸々七兆円分が減るわけではないんです、残念ながら。ただ、私どもとしては、この構図といいますか、構造を維持して、つまり、新たに例えば借金を上乗せしてそれで何か新しい事業をやるとか、そういうふうなフレームは考えていないということを是非御理解いただきたいと思います。
#427
○中西健治君 そうしますと、その四十四兆円を例えば、例えば四十兆円以下にする、それぐらいの目標は掲げるんですか。
#428
○国務大臣(安住淳君) ただ、ちょっと今数字持っていませんが、国債費だけで二十七兆円近くまで上がる可能性がありますから、そう簡単にそういうふうに減るとは思えないんですが、ただそこで、中西さん、成長や税収がどれぐらいあるかによっても違ってくるので、基本のラインとしては、今言っているように、中期フレームでしっかりそれは守っていくということを前提にいろいろお話をさせていただいているということです。
#429
○中西健治君 いろんな税収というのはあるのは当然です。話を複雑化したくないので、当然この税収は、ほかの税収は一定と前提としないといけないと思いますが、そこで四十四兆円を守るというのが今の安住財務大臣の発言でありました。ということは、増税した後も国債の発行額というのは減らせないだろうということをおっしゃっているということになりますが、野田総理、それでいいんですか。
#430
○国務大臣(安住淳君) もし今回消費税を上げさせていただけない場合は、更に国債費は上に向いていくんですよ。だから、そのことを抜きにしてそういう議論は、ちょっと私は国民の皆さんが聞いていて少し誤解なさるんじゃないかと思います。
#431
○中西健治君 十三・五兆円増税をして、そして国債の発行額は減らないということであれば、それこそ国民の皆さんはおかしいと感じるんじゃないかと思います。総理、答弁お願いします。
#432
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 二〇一五年にプライマリーバランスの赤字を対GDP比で半減させるというこの目標は変わりません。変えません。その枠組みの中で、その財政規律を考える上の中で、じゃ基礎的財政収支対象経費は幾らにするのか、国債費はどうするのかということを精緻に決めていきたいと思っております。
#433
○中西健治君 水道の蛇口をしっかりと締めるということが明言できないようであれば、何のための増税なのか、増税して使ってしまうのでは財政再建にもならない……
#434
○委員長(高橋千秋君) おまとめください。
#435
○中西健治君 そういうことを申し上げて、終わらせていただきます。
 ありがとうございました。
#436
○山下芳生君 日本共産党の山下芳生です。
 消費税増税法案が衆議院を通過した直後、政府は凍結されていた整備新幹線の着工にゴーサインを出しました。率直に言って驚きました。これは三兆円も掛かる大事業なんですね。一体どこにそんなお金があるのかと。財政が大変だからと国民に消費税増税をお願いするんじゃなかったのかと。
 実は、衆議院における審議の最終段階で、民主、自民、公明三党によって消費税増税法案が修正をされました。修正で追加された条文を見て、ああ、そういうことかと私は思いました。(資料提示)これがその条文ですが、税制の抜本的な改革の実施等により、財政による機動的対応が可能となる中で、成長戦略並びに事前防災及び減災等に資する分野に資金を重点的に配分すると、こうあります。
 総理、これは消費税増税で入ってくる十三兆五千億円を防災に名を借りた公共事業に重点的に配分するという条文ではありませんか。
#437
○内閣総理大臣(野田佳彦君) まず、整備新幹線の着工の話がございましたけれども、公共事業関係費に過度に依存しないことを前提に、自主財源を活用した上で時間を掛けて整備するものであって、これは財政規律に配慮しながらの対応であります。ちなみに、政権交代以来、公共事業関係費については、一貫して縮減をさせてきているということはよく踏まえて御発言をいただければというふうに思います。
 その上で、今の条文の意味合いでありますけれども、これはもう委員お分かりのとおりであると思いますけれども、今回、国民の皆様に御負担をお願いする消費税は全て全額社会保障財源化し、消費税による税収をばらまきに充てるということは一切ございません。
 一方で、今回御指摘がありました附則十八条二項についてでありますが、財政による機動的な対応が可能となる中でとされております。財政規律を堅持しつつ、その中で財政の機動性を可能にする必要があると思います。そのためにも、日本再生戦略を策定をして経済成長を実現をしたり、あるいは、予算全体の重点化、効率化によって真に必要な防災、減災等の政策にプライオリティーを高めていくといった取組が必要でございます。
 なお、条文にも、資金を重点的に配分する、資金というのは、これはいわゆる国の資金だけではなくて民間資金も活用すると、そういう意味合いであるということでございますので、消費税を上げた分をそれをどこか違うところに持っていくということは全く考えておりません。
#438
○山下芳生君 自民党の提案者に伺います。
 七月十八日、当委員会で自民党の宮沢洋一委員が質問に立たれました。三党協議の当事者のお一人で、この修正で追加された条文を書かれた本人であります。宮沢委員は条文について次のように説明をされました。財政の機動的対応が可能になる中でと書いてあるのは、当然消費税の税収はこれは社会保障四経費に充てられるわけでありますが、一方で、そのほかの経費の部分について言っても、やはり四経費の部分に消費税が充てられるということになるとかなり楽な部分が出てきて、やっと今までできなかった政策が実現できるということであります、これよく分かる説明でありました。
 三党による修正で追加された条文の意味は、こういう説明で間違いありませんね。
#439
○衆議院議員(野田毅君) 基本的には宮沢さんの御説明だと思いますが、もっと思いを込めて言えば、今までは必要であった分野を削ってきたと、だから、本当はもっと投入しておかなきゃいけなかった分野、教育の分野であったり研究開発の分野であったり、言葉を換えて言えば、金の卵を産む鶏までちょっと食っちゃったんじゃないかと。今日はどなたかが、タコ足じゃないけど、足を自分で食っちゃっているという話がどなたかありました。まさにその積み重ね、それだけのことをやってもなお借金がまだ増えていると。今後展望すればもっと増えるんだと。だって、これからあと十年間ぐらいで七十五歳以上の人口がどれだけ増えて、そして働く世代の人口がどれだけ減っているか。何百万単位じゃないですか。そういったことを頭に置けば、これからどんどんどんどん社会保障のお金が掛かることは目に見えている。今いっとき足す一年二年で若干の凸凹があったとしても、もっと違うじゃないですか。だったら、これからもっと経済の成長をさせて、自然増収、増税じゃなくて、自然増収が出てくるような経済政策をできるような財政運営をすることこそが財政健全化へのもう一つ大きな柱じゃないかということを込めて宮沢さんのお話であると、そういうことです。
#440
○山下芳生君 ちょっと私、図にしてみました。要するに、消費税増税分はこれは社会保障に充てるということですが、それによってこれまで社会保障に使っていたお金にゆとりが出てくる。宮沢委員の説明では、楽な部分が出てくる、だから公共事業などに重点的に配分しようということであります。これが修正で追加された条文の意味だと。総理、違うんですか、これは。自民党の解釈は間違っている、都合のいい勝手な解釈だと言うんですか。総理、総理お答えください。
#441
○委員長(高橋千秋君) 野田毅君。
#442
○山下芳生君 いやいや、これ総理に、もう時間がない、総理に、総理に聞いています。
#443
○委員長(高橋千秋君) 野田毅君。簡潔にお願いします。
#444
○衆議院議員(野田毅君) はい、簡潔に言います。
 その部分を公共事業に回そうと言っていませんよ。あくまでこの部分は別の部分です。以上です。
 消費税の使い道は消費税の使い道です。それははっきりしているわけです。
#445
○国務大臣(安住淳君) 先生、最初の、例えばこの新幹線の話は、昨年の暮れにたしか方向性が決まったので、無理にこの七月の二項とくっつけるのはやっぱりちょっとこれは論理的におかしいんです。公共事業をやるために消費税ということはちょっと乱暴じゃないかなと私思っていました。
 それで、政府としては、私何度もお答えをさせていただいておりますが、消費税収による税収というのはばらまきには一切充てません。同時に、先ほど申し上げているように、社会保障にこのお金が、お預かりしたとしても、まだそれでも全部賄い切れるわけではないわけです。ですから、そういう点では効率化や重点化も図っていかなければなりません。
 ただ、そういうことをやることによって、また成長戦略を取ることによって税収が増えて機動性が出てきますから、そのときには資金というものをいろいろ活用して様々な成長分野に投資をしていきましょうということですから、私は決してそんなに三党と政府の間でも大きな差の開きがあるとは思っておりません。
#446
○山下芳生君 私、野田さん、野田毅さんの方に確認したいんですけれども、私は、宮沢委員が言われたことを素直に理解すると、これまで社会保障に充てていた部分に消費税が充てられるんだから、これはゆとりができると、楽になる部分が出ますと。これをいろいろ、野田毅議員がおっしゃっていたように、いろんなところに充てようじゃないかという理解をしたわけですね。直接行くんじゃないですよ、消費税が。直接行くんじゃないですけど、財政全体でいうとゆとりができるからそういうところにも充てようというのが私は自民党の法案提出者の方の理解だと思って、この図が正しいかどうかというのはありますけどね、私はそういう理解しているんですけど、それで違うんですか。
#447
○衆議院議員(野田毅君) 大きな意味ではそういうことです。だからといって、やっぱり公共事業は公共事業の財源、建設国債ということが主になると思います、その点は。そのほか別のいろんな調達の仕方はあると思います。もうこれは先ほど述べたとおりです。
#448
○山下芳生君 じゃ、次に進みたいと思いますけれども、現に自民党の皆さんは国土強靱化基本法案を出されております。今後十年間で二百兆円の投資をすると。それから、公明党も防災・減災ニューディール推進基本法案の骨子を発表されました。こちらは十年で百兆円規模の投資であります。国土強靱化も防災・減災ニューディールも、これ中身を見ると、高速道路、新幹線、港湾などの大型公共事業がずらっと並んでおります。十年で二百兆円もの公共事業を進めるための財源は一体どうするのかと。
 自民党の提案者に伺いますけれども、先ほど建設国債というのがありました。同時に、消費税増税によって財政に機動的対応が可能になると、ゆとりができると。このゆとりを十年で二百兆円の公共事業にも使う可能性というのはあるんじゃないでしょうか。
#449
○衆議院議員(野田毅君) 少しさっきのどなたかの答弁で申し上げたんですが、十年で二百兆、これ、事業費ベースです。GDP統計の中ではっきり出ていますね。これは去年ぐらいは大体二十兆ぐらいかと思います。この中には、いわゆる公共事業もあれば、例えば大学の建物の建て替えであったり、みんな入っているんですよ、学校の校舎の建て替えであったり。まあ第三セクターの部分もあります。つまり政府セクター、統計上の政府セクターです。これは、じゃ過去はどうだったかと。村山内閣のときは四十兆ぐらいあったわけです。だから、そういったことを考えると、過去十年で大体二百三十兆以上行っていたかと思います。これを今後十年で二百兆というのは、決して消費税の引上げがあったから、余裕があったからそっちをうんと増やしてという話じゃないと。
 それから同時に、資金調達の原資からいえば、国費ベースでいうとおおよそ今と同じぐらいしか出てこないんじゃないかと。そんなにここらから思い切って建設国債増やしてぼんぼん行けという話には全くないと。今まで過去十年、二百三十兆ぐらいあったんですよ、実際。それをささやかながら二百兆で抑えようというのは大変なことだと思いますよ。
 一方で、この間、十年間でGDPはどれぐらいになるんですかと。五千兆ぐらいになるじゃないですか。医療、介護だけで今年で三十六兆ですよ、公費だけで。五百兆を超えるじゃないですか。そういった大きなGDPの統計上の数字なものですから、余りその部分だけ取って何か公共事業に行くんだぞなんて、ちょっとプロパガンダが過ぎるんじゃないかと私には見えます。
#450
○山下芳生君 いやいや、プロパガンダじゃないんですよ。さっきは認めたじゃないですか、それ。こういうゆとりができるからいろいろな政策を推進しようじゃないかということをおっしゃったから、私は十年間で二百兆円の公共事業の中にもそういうゆとりが使われるんじゃないですかと。これ、一切、じゃ使わないということなのか。私、そうじゃないと思いますよ。
 二階俊博自民党国土強靱化総合調査会長が、ある会合でこう言っておられます。消費税増税法案には我々の国土強靱化の思想がきっちりと入ったと、法案では財源をこれにつぎ込みなさいと言っているんだと、こう言って誇らしげに強調したとありますよ。要するに、消費税増税でゆとりが生まれたら国土強靱化に使う、それがこの法案の思想だ、ここまで言っているじゃないですか。違うんですか。
#451
○衆議院議員(野田毅君) 今申し上げたでしょう。過去十年間、ずっと減らし続けてきたの。だから、逆に言うとですね、せめて今ぐらいのことはこれ以上削らないようにしましょうと、消費税を引上げをすることによって、これから出てくる社会保障へのお金のためにほかのものをみんな犠牲にして持っていくというこの構図を横へ置こうと。だから、今でももう削り過ぎているぐらいだけれど、せめてもう今以上削るようなことはしないようにしましょう、そしてそれは国土強靱化もあるし地方の強靱化もあるし。どこが悪いんですか。
#452
○山下芳生君 いや、悪くない……
#453
○衆議院議員(野田毅君) だから、それを……(発言する者あり)いやいや、だから、そうじゃない。つまり、ゆとりという言葉は、削らないで済むゆとりなんです。つまり、これ以上削るのをやめましょうと言っていることですから、増やせという話じゃないんですよ。
#454
○山下芳生君 よく分からないですね。十年で二百兆は増やさないんだと、そんなことないでしょう。
 もう一度総理に聞きます。
 消費税増税は全額社会保障に充てると言うけれども、これは公共事業に使われるということになっているんじゃないかということですが、私、もう既に様々な動きが始まっているということを改めて申し上げたいんですね。
 これ、時事通信の配信記事です。七月五日。自民、業界票奪還に躍起、党本部集会に千人と題した記事ですが、自民党が、次期衆院選に向けて、政権交代後に民主党に奪われた業界団体票を取り戻そうと躍起になっている。五日には、建設業協会など約二百団体に呼びかけ、衆院選で看板政策に掲げる国土強靱化をアピールする集会を開催。幹部がそろって出席し、政権奪回に向けた支援を訴えた。谷垣禎一総裁は、集会で強くしなやかな国土をつくっていかなければいけないと述べ、防災目的の公共事業の必要性を強調。衆院選は国土強靱化を公約の一つの柱として戦い抜く、どんと背中を押してほしいと訴えたと、こうあるんですよ。やる気満々なんですね。国土強靱化というのは私は自民党強靱化でもあると、こう思いましたよ。
 それから、増税を当て込んだ公共事業の大盤振る舞いでは民主党も負けていないと、こう思いますよ。コンクリートから人へと言っていたのに、野田内閣になってから、先ほどの、整備新幹線三兆円、東京外環道一兆三千億円、新名神高速道路六千八百億円、八ツ場ダム四千六百億円など、これ凍結していた公共事業を相次いで復活させたんですね。コンクリートから人へどころか、これは人から、消費税増税を、負担を押し付けて、人に、コンクリートに回すと、そういうやり方になっていると言わざるを得ません。だから、これまで消費税増税賛成、推進のキャンペーンを張ってきた大手新聞各社も、このままでは公共事業のための増税になりかねないと、こういって批判をしているわけですね。
 総理、消費税増税の目的がこれまでの社会保障、財政再建から公共事業へと変わってきているんじゃないですか。
#455
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 全く違います。あくまで今回の一体改革の意義は、社会保障の安定化と充実、そのために国民の皆様に御負担をお願いをする、全て全額社会保障に充てる、官の肥大化には使わないというのが、これ大原則であります。それを踏まえて三党で協議をしてまいりました。したがって、あそこに掲げている図は、茶色から緑へ行くというのは、私はあれは非常に違和感があります。そうではありません。
 一方で、十八条の附則のところについては、これはやっぱり経済の再生、経済の好転をしなくてはいけない、そのための考え方を網羅しているわけであって、国民の御負担をお願いするときには経済の再生不可欠であります。そのためにみんなで知恵を出し合って出てきたのが附則の話であって、その中の一部分をもって全部消費税がそちらに行くというのは余りにも暴論だと私は思います。今までの議論を聞いていただければよく分かることだと思います。
 したがって、今回、ちょっとやっぱり言葉遣い気を付けなきゃいけないのは、消費税を国民の皆様にお願いをすれば余裕ができるという、余り余裕論を言うべきではなくて、社会保障だけでもやっぱり足りないんです。一方で、経済の再生をしなければいけないし、国民の命を守るためのインフラも必要だという中で、見事な言葉なのは、あそこは資金と書いてあるんですね。予算じゃなくて、資金の重点化と書いてあります。もちろん公的な部分で賄うのもあるかもしれませんけれども、財投資金とか民間資金とか投入しながらそういうものをつくっていこうというのが今回の、私は別にその強靱化論の、何というか、つくった側ではありせんが、そういう趣旨だと思っております。
 ただ、自民党のその動きがどうのというのは、これは私、関知する話ではありませんけれども、そこでお互いの立場がありますけれども、その中でお互い知恵を出し合ってあの十八条の附則が出てきていると思っております。
#456
○山下芳生君 そう言いますけど、このゆとりというのは、野田さんも余裕という言葉を答弁されているんですよ。それで、消費税増税でできたこのゆとりは全部借金を減らすことに充てるんだ、ほかに使わないんだということは法律のどこにも書いていないですよ。逆に、ここにはっきり書いてある、機動的対応が可能となる中で成長戦略や防災及び減災等に重点的に配分すると。これ読んだとおりですよ。これがこの趣旨なんですね。
 そういう点では、私は、今、野田総理、それから野田毅さんおっしゃったとおり、この国土強靱化にもゆとりは使われると先ほど答弁されました。これがこうなって回っていくということを否定はされませんでした。
 私、その道を行っていいのかと、いつか来た道になると。一九九七年、消費税が三%から五%へ増税された翌年、九八年、過去最大の補正予算が組まれるなどで、高速道路、空港、港湾、大型公共事業のばらまきがやられましたね。増税したにもかかわらず、当時の小渕首相は世界一の借金王になったんですよ。消費税増税が決まると気持ちが大きくなって、新たな無駄遣いが増え、借金が増える、これが歴史の教訓なんですね。
 これ、今また同じことの繰り返しが始まろうとしております。この道を進んではならない。私たち日本共産党は、いよいよ道理のなくなった消費税増税に断固反対するとともに、増税するなら応能負担で……
#457
○委員長(高橋千秋君) おまとめください。
#458
○山下芳生君 まず富裕層と大企業から、そして国民の所得を増やして経済を立て直す別な道を国民の皆さんと進むということを申し上げて、質問を終わります。
#459
○吉田忠智君 社会民主党・護憲連合の吉田忠智でございます。
 まず、不公平税制の是正について質問をいたします。(資料提示)
 社民党は、中低所得者層に負担を強いる消費税増税には反対であります。まして、今のデフレ不況の下ではなおさらのことでございます。
 従来、民主党も消費税の逆進性対策としても富裕層への所得税増税、相続税や金融課税などの適正化が必要という立場でありました。政府原案では、課税所得五千万円超の最高税率を四五%へ引き上げる所得税の累進性強化が、極めて不十分でありましたけれども提案されていましたが、年末の税制改正に先送りをされました、修正協議によって。これに対し公明党は、所得税については課税所得三千万円超で四五%、五千万円超で五〇%の税率とすべきと主張されていました。まだましな中身を提案をされていたわけでございます。
 公明党発議者にお伺いをしますが、公明党は、これからの税制改正に当たって、この主張を維持されるのでしょうか。
#460
○衆議院議員(竹内譲君) お答えいたします。
 私どもは、今お話がありましたように、課税所得三千万円超で四五%、五千万円超で五〇%の税率と主張しております。これからの税制改正に当たっても同様の主張をするつもりでございます。
#461
○吉田忠智君 総理は、社会保障財源として、このように言われています。所得税では現役世代に負担が重いので、全世代で広く負担する消費税を充てたいと言われているわけであります。しかし、所得税で課税所得三千万円というと、年収にして三千五百万円くらい、課税所得五千万円だと年収五千五百万円くらい、合計して、このパネルにありますように、全給与所得者の〇・二%程度の高額所得者でございます。こうした大金持ちの皆さんを現役世代の代表と勘違いをしておられるのではないか、そのようにも思えるわけでございますが。
 総理、民主党は来る税制改正で政府原案と同様の所得税、相続税改正を求めるということになるのでしょうか。これまで随分、この特別委員会でもこの累進課税の問題については議論がありました。様々な形でデータも示されました。今後の税制改正の方向性として所得税の累進性強化、相続税、金融課税などが必要であると考えますが、この点についての見解を伺います。
#462
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 吉田委員御指摘のとおり、そういう方向でいきたいと思います。三党の合意によって、所得税については、累進性の強化の具体化に当たって、私どもの政府案も元々ありましたけれども、先ほどの公明党案というものもございます、そうしたものを踏まえて検討させていただきます。それから、資産課税については、見直しの具体化に当たって、バブル後の地価の大幅下落等に対応して基礎控除の水準を引き下げる等としている、これは今回の政府案を踏まえつつ検討を進めるということになっております。
 方向性については各党もうそれぞれ確認をしておりますので、具体的な協議を通じてしっかりとまとめていきたいというふうに思います。そのことによって、再分配機能の強化、格差是正に向かった私は一定の前進につながると思います。
 金融関係では、これ、証券優遇税制は、これは平成二十六年の一月から本則の二〇%へ戻すことになっておりますので、具体的に消費税を引き上げる前にその実施は十分可能というか、当然それは前提として進んでいきたいというふうに思っております。
#463
○吉田忠智君 参議院に質疑が移りまして、かなりほかの税目についての議論がなされたと思います。
 安住大臣に伺いますが、この間の議論の中で、これまで以上に踏み込んでこうした課税強化をしなければならないという認識になったかどうか、その点について伺います。
#464
○国務大臣(安住淳君) 今回、実は私も財務大臣になって、政府の税調会長をやりまして、実は最初にこの五千万で四五に提案をさせていただきましたが、これはもう少しやった方がいいのではないかというふうなことは私も気持ちの中にはありました。ただ、復興所得税等、やっぱり御負担をそうはいっても掛ける部分が出てきたので、そういう点では累進率については、まあ吉田先生から見ればもう少しというお考えかもしれませんが、私としてはそういうふうに四〇%から四五ということで提案をさせていただいたんです。
 ただ、これまで参議院も含めてこうして御議論をいただいて、三党合意も成りました。その中のプロセスでは、累進率を高めようという声は非常に強うございます。ですから、残念ながら我々の案は今回落としましたけれども、来年度の税制改正に向けては、累進率については、しっかりと他党の意見も伺いまして、富裕層に対して御負担をどこまで求めるかということは議論がありますけれども、私としてはこれまでの提案ないしはそれに類するようなことはしっかりやっていきたいというふうに思っております。
#465
○吉田忠智君 与党の民主党の議員の中からもそういう強い声があって、本当にきめ細かいデータをこの委員会の場で出していただいたと思っています。是非、議論を踏まえて真剣に検討いただきたいと思います。
 法人税の議論も今日はしたいんですけど、時間がありません。我が党の福島党首や又市副党首もさんざんここで議論しておりますので、そのことも併せて、この法人税についてはいつも平行議論でありますけれども、やっぱり国際的に法人税引下げ競争をしている状況ではありませんから、そういうこともやっぱりしっかり努力をしていただきたいと思っています。
 そこで、もう一つ公明党発議者にお伺いをしますが、公明党さんを別にいじめるわけじゃないんです。私たちと考え方が近いので、本当は、三党、私は密室協議ということで批判してきましたけれども、もっと努力をしてほしかったという意味で申し上げているんですけれども。
 公明党さんは、社会保障改革の全体像が示されていないとして、従来は消費税増税に反対をされておられたというふうに私は受け止めておりました。現状で、今のここの原案、更に修正案を加えて、社会保障改革の全体像が示されているとお考えですか。
#466
○衆議院議員(竹内譲君) お答えいたします。
 私どもは、やはり年金制度の将来像や高齢者医療制度などについてもっと明確にすべきであると、こういうふうに言っておりました。
 そういう意味で、この度、三党合意の中で、大変な議論ございましたけれども、社会保障改革国民会議が設置されまして、その中で改めて将来の年金像や高齢者医療制度について合意を得るということになりました。この意味は、裏返すと、この一年以内にこの会議においてこれらの将来像が明確にされなければ消費増税はできないという仕組みがビルトインになっておりますので、そういう意味では私どもは、私どもの従来の主張を充足していると、このように考えているところでございます。
 私どもといたしましては、一刻も早く国民会議においてこれらの将来像を明確にしてもらいたいと、このように思っておるところでございます。
#467
○吉田忠智君 公明党さん、内部でかなり厳しい議論もなされたと思っておりますし、そういう言われ方をされるというのは非常に残念であります。いずれにしても、我が党は社会保障の全体像が示されない限りは増税すべきではないという立場でもある、そのことは申し上げておきたいと思います。
 先ほどの税制改正の議論でありますけれども、現在の格差、貧困の蔓延や財政赤字の要因も、金持ち優遇の不公平税制による中間層から大企業、富裕層への所得移転の結果である、そのように思いますし、データでも示されております。今後とも所得税の累進性強化、不公平税制の是正を強く求めてまいりたいと思います。
 次に、子ども・子育てについて、現場から非常に問題点、指摘されている課題について、いろいろありますけれども、今日は特に何点か取り上げさせていただきます。
 子ども・子育て分野では、児童福祉法が全面改正されるまでの当分の間は市町村の保育実施義務が維持されると修正されたことは、今回の、なかなか評価できるところは少ないんですけれども、この点については一定程度評価をしたいと思っています。
 今後は家庭的保育事業等の小規模保育サービスに対しても公的な支援がなされ、それに伴って一定の質の確保が求められます。現在の保育の最低基準は六十年前に制定され、OECDでも最低レベルの基準であります。
 少子化担当大臣に伺いますが、小規模ゆえの制約はあると思いますが、少なくとも職員配置、床面積などは、小規模だからといって保育所の基準を下回るような緩和はすべきではないと考えますが、いかがですか。
#468
○国務大臣(小宮山洋子君) 委員御指摘のように、OECDの中でも低い基準というのは分かっていますので、今回消費税をお願いをして、何とか質も可能な限り上げていきたいと思っています。
 小規模などの地域型保育事業は、それぞれ地域のニーズに柔軟に対応しながら、ただ、今回、質をちゃんと担保するということはお約束をしています。小規模保育の場合は、職員の資格と人数、これは従うべき基準にしていますけれども、ただ、大都市部であったり、それから地域は地域でまた公共のスペースを共用したかったり、いろいろな地域の事情があるので、面積については参酌基準にしています。
 国が示す基準の具体的な内容につきましては、これからまた制度の施行までに子ども・子育て会議で、これは当事者の方も入っていただいて議論をいたしますので、その中でしっかりと決めていきたいというふうに考えています。
#469
○吉田忠智君 しっかり取り組んでいただきたいと思います。
 修正後も、市町村が保護者の就労時間などを勘案して時間単位で保育の必要性を認定するという新システムの基本設計は維持されました。今日のように待機児童が発生し保育の量が保育事業に追い付いていない状況を前提にすれば、従来保育に欠けるとして保育所に行けた子供たちが一旦短時間しか保育の必要性を認められなくなれば、ある程度以上の規模の集合的な保育所からは締め出され、家庭的保育事業等の小規模保育サービスに集約されることになります。
 このパネルで分かりやすくまとめていますけれども、逆に保育の量が需要に十分対応していれば、子供ごとに保育時間がまちまちのまま短時間保育の子供と長時間保育の、長時間の子供が同じ保育所に入るということになります。そうすると、子供ごとの細切れ保育になり、これまで取り組まれてきたような集団的な保育活動が成立しなくなることが危惧をされるわけであります。前者のケースでは、就労時間が長い正社員の子供は長時間保育が認められて保育所へ、就労時間が短い派遣、パートなどの非正規社員の子供は短時間保育しか認められず、保育所以外の小規模保育サービスへという振り分け、現在でも既に生じている社会的排除、分断の傾向がますます強くなるということになります。
 大臣、保育に欠けるから保育の必要性の認定へと変更するに当たって、親の就労形態で子の入る保育サービスが限定されるような社会的な排除、分断の傾向がこれまで以上に強まる懸念はないのでしょうか。こうした懸念について検討されてきたのか、伺います。
#470
○国務大臣(小宮山洋子君) 今回、保育に欠ける子から必要な子供に必要な保育をということにしましたのは、それぞれ再三御答弁しているように、市町村によってもう受け入れる余裕がないからということでそこでもう潜在的な需要を切ってしまっていた。それがないようにしっかりニーズを把握をして、それに従って事業計画を作って、必要な施設をつくるということが大前提ですので、今委員がおっしゃったのは、今回やろうとしていることをマイナスの方からばかり見ているようにしかちょっと思えないのですけれども、新しい制度の中では、教育を受ける幼稚園型の子供と、それからパートなど短時間の人と、それから長時間のフルタイムと、この三つの形に分けて、それはそれぞれのニーズに応じたものがしっかりできるように財源も確保してやるということです。
 ですから、非常にその待機児さんなどが多いところでは、長時間の方の方が優遇されるということが、それがないとは言いませんけれども、小規模保育というのは原則三歳未満のゼロ、一、二歳を対象にして行いますので、三歳以上の人たちが短時間の認定であっても小規模保育に回されるということはないというふうに思います。
 また、その小規模保育は、認定こども園などがバックアップをしてしっかり質も担保をするということにしていますので、それぞれの市町村で地域の実情に応じて、保育所、認定こども園、小規模保育など、これをバランス良く組み合わせて、それぞれのニーズに応じてできるような方向で、また、これまでも議論してまいりましたけれども、施行までの間に中央、地方の子ども・子育て会議で御懸念のないように制度設計をしていきたいというふうに思います。
#471
○吉田忠智君 いやいや、法案の意図することは分かった上で、やっぱり一番現場で問題になっていることをやっぱり指摘しているわけですよ。
 例えば、東京や横浜などで正社員の子は認可保育、非正規のは認可外や認証などといった傾向が生じているんじゃありませんか。そういう実態、把握しているでしょう、大臣。
#472
○国務大臣(小宮山洋子君) それは、実態は、私の周囲にいる人たちも含めまして子育てをしている人たちはみんな分かっていることで、私もそこを預かる者として実態は把握した上で、今の状況の中でそれぞれのニーズに合わせて多様な事業主体を組み合わせて、しっかりとニーズはまず把握をした上で事業計画を作り、今回消費税で財源も投じて質も担保をして、少しでもこたえようとしてやっているところです。
#473
○吉田忠智君 是非、机上の理論だけではなくて、現実を基に制度設計に当たっていただきたいと思います。
 次に、質問ですが、一般の保育所と小規模保育サービスにおける配置される職員や施設の格差が幼児教育機能の格差につながることも懸念をされます。小規模保育サービスを利用する就学前児童に対して幼児教育の機会をどのように保障していかれるのか、伺います。
#474
○国務大臣(小宮山洋子君) 先ほども申し上げたように、その地域型の小規模保育、これは学校教育の対象とはならない三歳未満の子供を原則としています。ただ、郡部などの人口減少地域では、子ども・子育て家庭にとって身近な地域で学校教育、保育を確保するという観点から、例外的に三歳以上の利用も認めることにしています。その際は、その三歳以上児の学校教育、保育を保障するために必要な認定こども園などとの連携を確保するということにしています。
 御承知のように、これまで、保育所の保育指針、それから幼稚園の教育要領、これはいろいろ整合性を保つようにということで進めてきた結果、主な五領域でほぼ重なってきている、考えていること、その大体目的としていることが重なってきていますので、相当程度共通のものになっています。ですから、小規模保育の中でも保育所保育指針にのっとって保育を行うことにしたいというふうに思っています。
 また、市町村が具体的に条例で認可基準を定めるに当たりましては、その基準が児童の身体的、精神的及び社会的な発達のために必要な保育の水準を確保するものでなければならないとされていますので、そういう意味で市町村の責任もきちんとそういう形で質を担保するようになっているというふうに思います。
#475
○吉田忠智君 どうぞよろしくお願いします。
 反省も込めてあえて提起をさせていただきますが、修正後の審議では、基本的な考え方がばらばらな三党が消費税ありきで継ぎはぎを重ねたという、そもそも論に質問が集中をして、どうしても社会保障関連など議論が私は深まっていない、そのように思っています。
 特に、子ども・子育て分野は、児童福祉法が全面的に変更されるような事態に至るまでの当分の間はこの法律のスキームが継続をします。
 ほかの課題もそうでありますが、是非、テーマ別の審議の機会も設けて国民の疑問にこたえる国会にしていただきますよう、委員会運営に特段の御配慮を委員長にお願いをしたいと思います。
#476
○委員長(高橋千秋君) 後刻理事会で協議させていただきます。
#477
○吉田忠智君 ほかの議員の皆さんもそうでしょうが、私も、週末はあちこちで街頭演説もし、それから国会報告もいたします。やっぱりよく言われる、最近特に言われるのが、もう今のような内容で採決するのと、野田総理は決める政治と言われるが、本当にこれで決めちゃっていいのと、そのように言われるんです。
 社会保障制度で先ほど、子ども・子育て、それはこれから充実をさせるという方向で中身の入ったものもあります。しかし、先送りした課題もありますよ。不公平税制の是正も先送り、それから低所得者……
#478
○委員長(高橋千秋君) おまとめください。
#479
○吉田忠智君 逆進性対策も先送り。もっと条件がそろってから一緒に採決したらどうですか、この引上げ法案を。この点、最後に総理にお伺いして、終わります。
#480
○委員長(高橋千秋君) 時間が参っております。
#481
○吉田忠智君 最後にいいじゃないですか。
#482
○委員長(高橋千秋君) 時間が参っております。終了させていただきます。
#483
○吉田忠智君 じゃ、以上で終わります。
#484
○委員長(高橋千秋君) 八案に対する本日の質疑はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
   午後五時七分散会
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト