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2012/08/02 第180回国会 参議院 参議院会議録情報 第180回国会 社会保障と税の一体改革に関する特別委員会 第12号
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2012/08/02 第180回国会 参議院

参議院会議録情報 第180回国会 社会保障と税の一体改革に関する特別委員会 第12号

#1
第180回国会 社会保障と税の一体改革に関する特別委員会 第12号
平成二十四年八月二日(木曜日)
   午前九時五十三分開会
    ─────────────
   委員の異動
 七月三十一日
    辞任         補欠選任
     川合 孝典君     鈴木  寛君
     赤石 清美君     上野 通子君
     中山 恭子君     片山虎之助君
    三原じゅん子君     宮沢 洋一君
     長沢 広明君     竹谷とし子君
     福島みずほ君     吉田 忠智君
 八月一日
    辞任         補欠選任
     尾立 源幸君     梅村  聡君
     大島九州男君     難波 奨二君
     鈴木  寛君     牧山ひろえ君
     林 久美子君     安井美沙子君
     宮沢 洋一君     片山さつき君
     竹谷とし子君     秋野 公造君
     渡辺 孝男君     横山 信一君
     森 ゆうこ君     姫井由美子君
     大門実紀史君     山下 芳生君
     亀井亜紀子君     谷岡 郁子君
 八月二日
    辞任         補欠選任
     難波 奨二君     大島九州男君
     蓮   舫君     林 久美子君
     愛知 治郎君     衛藤 晟一君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         高橋 千秋君
    理 事
                大久保 勉君
                櫻井  充君
                吉川 沙織君
                石井 準一君
                衛藤 晟一君
                中村 博彦君
                荒木 清寛君
                中村 哲治君
    委 員
                相原久美子君
                梅村  聡君
                大久保潔重君
                大島九州男君
                岡崎トミ子君
                金子 洋一君
                川上 義博君
                難波 奨二君
                西村まさみ君
                林 久美子君
                牧山ひろえ君
                安井美沙子君
                礒崎 陽輔君
                上野 通子君
                片山さつき君
                片山虎之助君
                高階恵美子君
                塚田 一郎君
                中川 雅治君
                中西 祐介君
                水落 敏栄君
                山崎  力君
                山谷えり子君
                若林 健太君
                秋野 公造君
                横山 信一君
                姫井由美子君
                桜内 文城君
                中西 健治君
                山下 芳生君
                吉田 忠智君
                谷岡 郁子君
   衆議院議員
       発議者      長妻  昭君
       発議者      柚木 道義君
       発議者      白石 洋一君
       発議者      西  博義君
       発議者      和田 隆志君
       発議者      泉  健太君
       発議者      江端 貴子君
       発議者      田村 憲久君
       発議者      池坊 保子君
       修正案提出者   白石 洋一君
       修正案提出者   長妻  昭君
       修正案提出者   柚木 道義君
       修正案提出者   西  博義君
       修正案提出者   泉  健太君
       修正案提出者   江端 貴子君
       修正案提出者   和田 隆志君
       修正案提出者   田村 憲久君
       修正案提出者   稲富 修二君
       修正案提出者   岸本 周平君
       修正案提出者   古本伸一郎君
       修正案提出者   竹下  亘君
       修正案提出者   野田  毅君
       修正案提出者   竹内  譲君
   国務大臣
       国務大臣     岡田 克也君
       総務大臣     川端 達夫君
       財務大臣     安住  淳君
       文部科学大臣   平野 博文君
       厚生労働大臣
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(少子化
       対策))     小宮山洋子君
       国土交通大臣   羽田雄一郎君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(経済財
       政政策))    古川 元久君
       国務大臣     細野 豪志君
   副大臣
       内閣府副大臣   後藤  斎君
       内閣府副大臣   中塚 一宏君
       財務副大臣    藤田 幸久君
       厚生労働副大臣  辻  泰弘君
       経済産業副大臣  牧野 聖修君
   大臣政務官
       農林水産大臣政
       務官       仲野 博子君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        五十嵐吉郎君
       常任委員会専門
       員        塩見 政幸君
       常任委員会専門
       員        大嶋 健一君
       常任委員会専門
       員        松田 茂敬君
   政府参考人
       財務省主税局長  古谷 一之君
       厚生労働省医政
       局長       大谷 泰夫君
       厚生労働省健康
       局長       外山 千也君
       厚生労働省保険
       局長       外口  崇君
       国土交通省住宅
       局長       川本正一郎君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○理事補欠選任の件
○派遣委員の報告
○公的年金制度の財政基盤及び最低保障機能の強
 化等のための国民年金法等の一部を改正する法
 律案(内閣提出、衆議院送付)
○被用者年金制度の一元化等を図るための厚生年
 金保険法等の一部を改正する法律案(内閣提出
 、衆議院送付)
○社会保障制度改革推進法案(衆議院提出)
○子ども・子育て支援法案(内閣提出、衆議院送
 付)
○就学前の子どもに関する教育、保育等の総合的
 な提供の推進に関する法律の一部を改正する法
 律案(衆議院提出)
○子ども・子育て支援法及び総合こども園法の施
 行に伴う関係法律の整備等に関する法律案(内
 閣提出、衆議院送付)
○社会保障の安定財源の確保等を図る税制の抜本
 的な改革を行うための消費税法等の一部を改正
 する等の法律案(内閣提出、衆議院送付)
○社会保障の安定財源の確保等を図る税制の抜本
 的な改革を行うための地方税法及び地方交付税
 法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院
 送付)
    ─────────────
#2
○委員長(高橋千秋君) ただいまから社会保障と税の一体改革に関する特別委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 本日までに、赤石清美君、三原じゅん子君、中山恭子君、長沢広明君、福島みずほ君、川合孝典君、尾立源幸君、林久美子君、森ゆうこ君、亀井亜紀子君、大門実紀史君、大島九州男君、渡辺孝男君、蓮舫君及び愛知治郎君が委員を辞任され、その補欠として上野通子君、片山さつき君、片山虎之助君、秋野公造君、吉田忠智君、牧山ひろえ君、梅村聡君、安井美沙子君、姫井由美子君、谷岡郁子君、山下芳生君、難波奨二君、横山信一君、林久美子君及び衛藤晟一君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(高橋千秋君) 理事の補欠選任についてお諮りいたします。
 委員の異動に伴い現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。
 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(高橋千秋君) 御異議ないと認めます。
 それでは、理事に衛藤晟一君を指名いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(高橋千秋君) 公的年金制度の財政基盤及び最低保障機能の強化等のための国民年金法等の一部を改正する法律案、被用者年金制度の一元化等を図るための厚生年金保険法等の一部を改正する法律案、社会保障制度改革推進法案、子ども・子育て支援法案、就学前の子どもに関する教育、保育等の総合的な提供の推進に関する法律の一部を改正する法律案、子ども・子育て支援法及び総合こども園法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案、社会保障の安定財源の確保等を図る税制の抜本的な改革を行うための消費税法等の一部を改正する等の法律案及び社会保障の安定財源の確保等を図る税制の抜本的な改革を行うための地方税法及び地方交付税法の一部を改正する法律案、以上八案を一括して議題といたします。
 昨一日、本委員会が行いました委員派遣につきまして、派遣委員の報告を聴取いたします。
 まず、第一班の御報告を願います。中村博彦君。
#6
○中村博彦君 第一班について、御報告申し上げます。
 派遣委員は、高橋委員長、大久保理事、荒木理事、梅村委員、大久保委員、金子委員、安井委員、片山委員、高階委員、塚田委員、山崎委員、山谷委員、若林委員、渡辺委員、姫井委員、桜内委員、吉田委員及び私、中村の十八名であり、昨一日、名古屋市において地方公聴会を開催し、六名の公述人から意見を聴取した後、委員からの質疑が行われました。
 まず、公述の要旨について報告いたします。
 最初に、前高浜市長の森貞述公述人からは、地方自治体にとって地方消費税による歳入は市民税等に比較して安定財源となっている、今回の一体改革は地域主権の下で大きな意味を持つと考えることなどについて意見が述べられました。
 次に、神奈川県立保健福祉大学名誉教授の山崎泰彦公述人からは、三党で修正合意をまとめたことを高く評価する、社会保障制度改革推進法案で示された考え方は意義ある指針と考えることなどについて意見が述べられました。
 次に、社団法人名古屋民間保育園連盟前会長・いずみ保育園園長の藤岡省吾公述人からは、保育園における乳児保育の質の担保が今後とも必要である、衆議院での附帯決議で示された子ども・子育て支援の充実については、有意義なものと考えることなどについて意見が述べられました。
 次に、税理士の荒川章三公述人からは、消費税の逆進性対策は、複数税率や給付付き税額控除ではなく、所得税や相続税の見直しで対応すべきである、番号制度の創設については、民間での利用はプライバシーの漏えいを懸念することなどについて意見が述べられました。
 次に、税理士の堀尾博樹公述人からは、社会保障と税の一体改革の必要性は認識しているが、まずは政と官の一体改革を行うべきである、消費増税による収入は国債減額に使われなければ無意味であることなどについて意見が述べられました。
 最後に、愛知県立大学大学院教授の木幡洋子公述人からは、消費増税が社会保障の維持・増進につながるかは疑問である、福祉の危機的な現場を知る者として、より財源確保の施策を願いたいことなどについて意見が述べられました。
 公述人の意見に対し、各委員より、地方財政における消費税収の位置付け、消費税の価格転嫁をめぐる課題と逆進性対策の具体的方法、今後の社会保険料負担の在り方、幼児保育等の無償化を行う必要性、福祉財源確保に向けた政府の取り組み方等について質疑が行われました。
 会議の内容は、速記により記録をいたしましたので、詳細はこれにより御承知願いたいと存じます。
 最後に、今回の地方公聴会の開催に当たりましては、公述人及び関係者の方々に多大な御協力をいただきました。ここに深く感謝の意を表する次第であります。
 以上で報告を終わります。
#7
○委員長(高橋千秋君) 次に、第二班の御報告を願います。櫻井充君。
#8
○櫻井充君 第二班について、御報告申し上げます。
 派遣委員は、吉川理事、石井理事、中村哲治理事、相原委員、岡崎委員、鈴木委員、西村委員、上野委員、中西祐介委員、水落委員、宮沢委員、竹谷委員、中西健治委員、大門委員、亀井委員及び私、櫻井の十六名であり、昨一日、宇都宮市において地方公聴会を開催し、六名の公述人から意見を聴取した後、委員からの質疑が行われました。
 まず、公述の要旨について報告いたします。
 最初に、栃木県商工会議所連合会会長の北村光弘公述人からは、消費税率の引上げに併せて社会保障給付の重点化、効率化を進める必要性、消費税における複数税率導入が中小企業に及ぼす事務負担等の悪影響などについて意見が述べられました。
 次に、専修大学経済学部教授の野口旭公述人からは、消費税増税に伴う景気の悪化への対策の必要性、消費税率引上げに当たっての経済状況判断の重要性などについて意見が述べられました。
 次に、公認会計士・税理士の内野直忠公述人からは、消費税等の間接税は直接税と比較して捕捉が容易である点の評価、景気回復策として事前防災及び減災等に資金を重点配分することの重要性などについて意見が述べられました。
 次に、税理士の中村芳雄公述人からは、相続税の課税方式の変更及び課税漏れ防止策の必要性、贈与税の見直しによる生前贈与促進の必要性などについて意見が述べられました。
 次に、有限会社大市木材店代表取締役の大塚泰史公述人からは、栃木県内の経済の現況及び消費税増税の前にデフレ是正策を講ずる必要性、デフレの進行が地域企業を衰退させる危険性などについて意見が述べられました。
 最後に、税理士の秋元照夫公述人からは、消費税の適正な価格転嫁の困難性、消費税を社会保障目的税化することの問題性などについて意見が述べられました。
 公述人の意見に対し、各委員より、消費税の逆進性対策についての見解、消費税率引上げの時期に対する考え方、景気対策として政府が行うべき施策、消費税率引上げにより中小企業が被る影響、景気条項として名目成長率を四%以上とすることに対する意見、消費税の適正な転嫁のための具体的施策、消費税の価格転嫁対策として内税から外税に戻すことの効果等について質疑が行われました。
 会議の内容は、速記により記録をいたしましたので、詳細はこれにより御承知願いたいと存じます。
 最後に、今回の地方公聴会の開催に当たりましては、公述人及び関係者の方々に多大な御協力をいただきました。ここに深く感謝の意を表する次第であります。
 以上で報告を終わります。
#9
○委員長(高橋千秋君) これをもって派遣委員の報告は終了いたしました。
 なお、地方公聴会の速記録につきましては、これを本日の会議録の末尾に掲載することといたします。
    ─────────────
#10
○委員長(高橋千秋君) 公的年金制度の財政基盤及び最低保障機能の強化等のための国民年金法等の一部を改正する法律案外七案について質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#11
○牧山ひろえ君 民主党の牧山ひろえです。よろしくお願いいたします。
 今、私たちは、六十五歳以上の高齢者が急激に増加する一方で、お金を稼ぎお金を使う世代であります十五歳から六十五歳の人口が減っていくという現象に直面しております。二〇一四年には団塊世代の全ての人たちが年金受給者になり、一つの都市規模の人口が毎年減っていく中で、社会保障関係費は毎年一兆円ずつ増えていく時代となりますから、日本は本格的な試練の場を迎えるのだと私は強く受け止めております。
 この試練を乗り越えるために、民主党は歳出カットに取り組んできました。二年間で約六・四兆円財源を捻出できた。そのことは政権交代の大きな成果であったと考えております。しかし、歳出カットを全てやり終えてから増税の議論を始めていたのでは、試練の場を既に迎えようとしている日本にとって手遅れになってしまう、こういった強い危機感の下、民主党は消費税の増税を決断しました。そして、そのお金は全額を社会保障四経費、すなわち年金、医療、介護、子育ての費用に充てる、そう約束しました。これは本当に責任与党としての苦渋の決断であったと思います。
 言うまでもないですが、増税の前にもちろんやらねばならないことはたくさんあります。一つは、今より大胆な歳出カットです。もう一つは、増税の前提条件となっている経済成長の促進。消費税を導入することで景気が冷え込み税収まで減ってしまうことになっては本末転倒だと思います。消費税導入の目的は人々の生活を守ることであって、人々の生活を苦しめるための消費税の導入ではないということです。
 今日は、増税の前提条件となっている経済成長について御質問させていただきたいと思います。
 民主党は、無条件で消費税を増税するとは言っておりません。名目経済成長率三%、実質経済成長率二%を達成することを努力目標としていることは周知のことだと思いますが、しかし、参議院予算委員会調査室が出している七月の月例資料によりますと、民間の総合研究所八社とも二〇一三年の実質成長率は二%以下と、厳しい経済成長になるのではないかと予測されております。
 確かに、消費税の増税が必ずしも景気悪化につながるわけではないと思います。二〇〇七年にドイツで付加価値税が一六%から一九%へ引き上げられたときにも、消費が落ち込んだのは最初のたった三か月間で、その後回復しております。そういう事例もありますけれども、経済活性化策を同時に講じていかなければ消費に対しては負の影響が出てしまうのではないかと心配しております。
 そこで、経済政策として、住宅や自動車といった、単価が高く、かつ経済派生効果が高いものに係る税制を見直すことはできないかということをお話ししたいと思います。
 まずは、配付資料一を御覧ください。
 まずは住宅。前回、消費税を三%から五%まで引き上げた際には、新設の住宅着工戸数が一七・七%、戸数にして約三十万戸減少してしまいました。今回、二〇一四年四月に五%から八%と、三%も上昇するわけですから、影響はこのとき以上ではないかと考えられます。
 そこで、住宅に対しては政策的に税制措置、予算措置が必要と考えていますが、財務副大臣、住宅に係る税制措置、予算措置について、これまでの社税特の議論も踏まえて総合的にどのように進めていくおつもりでしょうか。
#12
○副大臣(藤田幸久君) おはようございます。牧山委員にお答えをいたします。
 今御説明いただきましたように、住宅というのは一生涯の最大の投資でもございますし、今御説明いただきましたように、以前におきましても駆け込み需要、その後の需要減等がございましたので、非常に重要な政策というふうに考えております。
 三党合意の方におきましても、消費税率を八%に上げる際と一〇%に上げる際、それぞれ十分な対策を講じるということで、今おっしゃっていただきましたような税制改正、それから予算の両面で対応していくということになっております。
 具体的には、長期の優良住宅とか耐震性とか省エネ性能、そういった、次の世代にも住宅が重要だということから、住宅ローン減税の在り方とか、それから登録免許税、印紙税、不動産取得税、そういった問題も含めて、この二度にわたる税制改正、消費税の値上げの際に検討していくということになっております。
#13
○牧山ひろえ君 ありがとうございます。
 次に、自動車です。
 自動車に掛かる税は諸外国と比べても極めて高いものとなっています。揮発油税に関しては、揮発油税が掛かった金額に消費税が掛かる、いわゆるタックス・オン・タックスとなっており、不公平感が強いと批判されています。これまでこの場では自動車に関する税の議論が何度かありましたけれども、それを踏まえて、総合的に、藤田財務副大臣、自動車税の軽減についてどのような改善策をお考えになっているか、お聞かせいただきたいと思います。
#14
○副大臣(藤田幸久君) まずは、そのタックス・オン・タックスでございますけれども、これはヨーロッパの理事会の指令等にも出ておりますけれども、個別間接税を含む価格に対して消費税を課すということは国際的に確立した共通のルールになっておりますので、そういう考え方で今までも進めてきたということでございます。
 自動車に関することでございますけれども、これは今回の改革法案の第七条に出ておりますけれども、安定的な財源を確保した上で、簡素化それから負担の軽減、グリーン化の観点から見直しをするということになっておりますので、この三党合意を踏まえまして、八%の引上げのときまでに結論を得るということで進めております。
#15
○牧山ひろえ君 ありがとうございます。
 さて、次に私がお伺いしたいのは、中小企業をいかに活性化させるかです。
 御存じのとおり、日本の雇用を支えているのは中小企業だと思います。中小企業が衰退するということは、日本のほとんどの労働者の方々の元気を失わせるということだと思います。
 そこで、消費税の課税売上高について質問させていただきたいと思います。
 平成十六年に、消費税の課税売上高が三千万円から一千万円に下げられました。こちらは、消費者からの、自分たちの払った消費税が税として実際には納められていないんではないかといういわゆる益税批判がありまして、諸外国の水準と照らし合わせた上で判断されたのだと思っております。税収効果も、国税そして地方税も合わせて四千億円の増収効果となっており、消費税税収の全体の四%程度を占める大きな効果となっております。
 しかし、何らかの支援などを講じなければ、こういった商店街ですとか料理店など小さな会社の負担を重くするだけだと思います。牧野経済産業副大臣、そういった商店街や中小企業を元気にするためにどのような取組をお考えになっているかお聞かせください。
#16
○副大臣(牧野聖修君) 牧山先生の質問にお答えをさせていただきます。
 先生が御指摘のとおり、それこそサービス業全体は雇用の七割、そしてGDPの七割を占める非常に重要な部門でありますし、その中核になっているのは商店街とかあるいは地域のレストランとか料理屋さん、非常に重要な役割を占めていただいておりますので、大きな力を注いでいきたい、そういうふうに考えております。
 今までも商業政策も一生懸命やってきましたが、特に二十四年度は地域商業再生化事業ということで、十五億円上積みして一生懸命頑張ってきたつもりです。地域のコミュニティーを更に深めながら、地域による子育てあるいは教育、高齢者の健康サポートなんかも商店街で、地域でできるような、そういったことを考えながら支援をしてきました。
 それからもう一つ、小さな企業が日本の未来をつくるという、そういうテーマの下に、全国の商店街の皆さんとか、あるいはそれこそ飲食店の皆さんとか美容院の皆さんとか大勢、あるいは小さい物づくりの会社の皆さん集まっていただいて、いろんなことを話し合う場をつくりました。これは、地域で三十一か所、東京で三か所、それからワーキンググループとして二か所、計三十五、六回、意見交換の場をつくらせてもらっていろいろやってきました。
 その中で出てきた意見は、まず情報が欲しい、それから地域でみんなで話し合う場所が欲しい、規制のことについても、緩和もあれば規制もあるだろう、そういうこともよくみんなの意見を聞いてやってもらいたい、それから予算もたくさん出してほしい、それから、経営していくときの町づくりのためのコンサルタントの業務の人を紹介をしていただいて、そういう人たちが本当にずっと、一回こっきりじゃなくて長く支援してくれるようなそういう体制をつくってほしいというふうな意見もありましたので、そういった要望に的確にこたえられるようにしていきたい、そういうふうに思っています。
 それから、今度、後半戦になりますが、大臣を先頭に、それこそ北海道は富良野から南は鹿児島に至るまで、今まで集まってもらって意見交換とか意見を聞いてきたんですけれども、じかに商店街に行って生の声を聞かせていただいて、それを次なる商業政策あるいはサービス業の発展のために役に立つようにしていきたい、そんなことを今考えて一生懸命やっているところであります。
#17
○牧山ひろえ君 是非たくさんの施策をお願いします。
 続きまして、軽減税率について質問させていただきたいと思います。
 消費税は分かち合いです。消費という言葉の定義は、欲求を満たすために財やサービスを消耗することを言います。しかし、例えば医療、水といった生きていくために必要不可欠なものについては、消費という言葉は合うでしょうか。好きで病気になってしまう人、自ら虫歯になる人、好んでけがをする人はまずいないと思います。もちろん今でも医療サービスは非課税となっていることは認識していますが、医療機関が保険診療に必要な医薬品、医療材料、医療機器などを仕入れる際には消費税が掛けられます。その分の負担が結局、診療報酬で調整した場合、結果的には保険料を支払っている人々に、広く薄くではありますけれども、負担が乗せられてしまうのではないでしょうか。
 配付資料二を御覧ください。
 この問題を解決するために、医療に対してゼロ税率、軽減税率又は高額機器への一定割合の還付制度を導入できないものでしょうか。例えば、医療機関が医薬品、医療材料、医療機器などを仕入れる際の消費税についてはゼロ税率とすることも含めた議論をお願いしたいと思います。医療機関にも患者さんにも負担させないように、本来であればゼロ税率が妥当かなと考えております。
 続いて、配付資料三を御覧ください。
 海外の事例もいろいろ調べてみました。イギリスにおいては、水と医療機関で処方された医薬品についてはゼロ税率が適用されています。そして、高福祉国家と言われるスウェーデン、ここにおいても医療機関で処方された医薬品についてはやはりゼロ税率が適用されています。そして、フランスにおいては、医薬品は軽減税率が適用されています。しかしながら、今回の消費税引上げでは、あくまで患者さんに対しては非課税、しかし医療機関の仕入れには課税という方針を打ち出しております。非課税と呼んでいるのに、実際の負担はみんなに課されている、とても分かりにくい言葉だと思います。
 そこで、藤田財務副大臣、このように医療に対してゼロ税率、軽減税率又は還付制度を導入する案についていかが思われますでしょうか。今回の非課税に至るまでの経緯を国民の皆様が納得できるように分かりやすく御説明いただければと思います。よろしくお願いいたします。
#18
○副大臣(藤田幸久君) 牧山先生は医療関係非常に詳しいので、経緯も含めて御説明いたしますと、そもそも医療機関に対して、つまり患者さんから見ますと、ゼロ税率と言っていながら、実は医療機関は負担を負っているという部分を見えるように説明をすることが非常に重要だということが前提でございます。
 それから二つ目は、現在のこのいわゆる非課税については、消費税導入の際に、実は医療団体からもそういう方法がいいということで経緯で来たということがございます。
 一方で、今度八%、それから一〇%という流れの中で、大変、特に中小病院等にとっては、これは経営にかかわることだというような悲鳴も上がっておりまして、いろいろな国会の場でも審議をされてきているという経緯がございます。
 それで、その中で特に高額な投資に係る部分についてどうするかということが今回の議論の中でも中心になっておりまして、一つはその高額な投資の部分をほかの診療行為と区別をして考えるべきではないかと。これについては今中医協の方で検討するということになっておりまして、これも三党合意の中で、そういう検討の中で八%の引上げ時までに決定をしていこうということになっております。
 それから、軽減税率の場合でございますけれども、現在開業医を始めといたしまして七割の方々がつまり非課税になっているわけですから、それが、その方式を変えるということになると課税事業者になってしまうわけです。そういう面を制度を変える場合にどう克服していくかということが大きなテーマになるというふうに思います。
 それから、ゼロ税率に関しては、実は、先ほど資料を幾つか示していただきましたが、EUの理事会の指令においては、基本的にはゼロ税率でない形がいいだろうという中で、先ほど示したような事例もございますので、そういう中から判断をしていく必要があるというふうに思っております。
 実際にゼロ税率にするという場合には、例にも示されたように、じゃ、どこで線引きをするかという問題と、それからインボイスの導入、それから経理システムの変更、そういった事業者の準備期間等のこともございますので、その辺を総合的に判断をしていくことが重要だろうと。
 いずれにいたしましても、現在、患者さんからしてみますと非課税ということになっていますけれども、実は病院関係者の方では負担を背負っているという部分を、今度八%、一〇%に上がる際にどういうふうにその部分、特に高額機器等について考えていくかということが非常に重要でございますので、この三党合意の中で進めてまいりたいというふうに思っております。
#19
○牧山ひろえ君 是非、しっかり検討をお願いいたします。
 続きまして、社会保障の充実策についてお伺いしたいと思います。今後、厳しい財政状況が続く中で、充実させてほしいものがたくさんある中、時間の関係上、幾つかだけお願いいたしたいと思います。
 まず、生活保護をめぐる制度の問題です。
 私は、現在、厚生労働委員会の理事を仰せ付かっておりますが、その中で生活保護に関連した問題、様々議論されています。その中で私が取り上げたいのは、生活保護受給者の家賃の代理納付の問題。
 現在、生活保護受給者の家賃については、現金をそのまま生活保護の受給者に渡し、そして受給者が自ら家賃を払い込むということが原則となっているかと思います。生活保護受給者の自立を促進するためということですが、滞納があった場合、大家さんからすると、当然ですが、困ってしまいます。そこで用意されているのがこの代理納付制度です。しかし、現実には、生活保護受給者が市営住宅に住んでいる場合と民間住宅に住んでいる場合とでは、代理納付が認められる件数が全く異なっています。
 例えば、横浜市で調べてみましたら、市営住宅においては三千八百七十二件が認められて、民間の賃貸住宅においてはたった百七十五件しか認められていないということが分かりました。先日の厚生労働部会で質問しましたら、厚生労働省からいただいたお返事は、基本的には生活保護受給者の自立を促進するために自ら支払をするということが基本だと、そして市営住宅については積極的に代理納付を活用するよう指導しているとお答えが返ってきました。
 しかし、原則として、滞納があった場合には、公営であろうが民間であろうが関係なく代理納付は認められているはずですが、現場はもしかしたら異なる認識をしている可能性はないでしょうか。これでは生活保護受給者の方の自立を促すという名目で民間賃貸住宅の事業者にリスクを負わせている状態となり、また、このまま放置すれば、生活保護の方々に家を貸すのを嫌がる方々が増えるんではないかと、そういう結果にはならないかと心配しておりますが、小宮山厚労大臣、公営住宅と民間賃貸住宅の場合の代理納付制度の活用数の差をなくす是正措置をお願いすることはできないでしょうか。
#20
○国務大臣(小宮山洋子君) 生活保護の住宅扶助、これは原則として生活保護受給者に金銭で行うことにしています。一方で、住宅扶助が家賃の支払に的確に充てられるという意味では代理納付の方法というのは有効だと考えています。
 このため、福祉事務所の判断によって、生活保護受給者が家賃を滞納している場合、今おっしゃったような場合ですとか、金銭管理能力が十分でなく家賃滞納につながる可能性がある場合については、福祉事務所が家主に直接家賃を納付する代理納付を認めています。
 今御指摘の点ですが、今後、プライバシーの観点にも配慮をしながら、生活保護受給者が家賃を滞納している場合などには、公営住宅だけではなくて民間賃貸住宅に居住している生活保護受給者につきましても積極的にこの制度を活用するように全国会議の場などを通じて自治体に働きかけていきたいと思います。
#21
○牧山ひろえ君 ありがとうございます。
 次に、健康保険制度についてです。
 全国健康保険協会、いわゆる協会けんぽは、主に中小企業、そして小規模企業の従業員とその家族が加入する医療保険者であり、全国の加入事業所は百六十万社、加入している人は国民の三・六人に一人、三千五百万人が加入しております。
 日本の経済、雇用を支えているのは中小企業です。その中小企業に勤める方々の保険料負担が重くなってきています。全国平均で八・二%だった保険料率は三年連続で引き上げることになり、今年から全国平均で一〇%となりました。主に大企業のサラリーマンが加入している健康保険、この保険料は八・三一%、そして公務員、また私立学校職員が加入している共済組合の場合は七・〇六%となっており、中小企業に勤めるサラリーマンの方々への負担は大企業や公務員の方々と比べるとかなり重いものとなっております。特にこれは賃金の低い若い方にとっては厳しいものであって、世代間の不公平につながらないかと心配しております。
 小宮山厚労大臣、安定的な財政運営による協会けんぽの保険者機能の強化を図るとともに、中小企業及び従業員の負担増にならないように国庫補助率を維持するか又は引き上げることが必要と考えますが、いかがでしょうか。
#22
○国務大臣(小宮山洋子君) 協会けんぽは中小零細企業の被用者が加入する被用者保険のセーフティーネットで、その財政基盤の強化というのは非常に重要な課題だと思っています。
 現在、二十二年度から二十四年度までの三年間の財政再建の特例措置によりまして、国庫補助率を一三%から一六・四%に引き上げています。これによりまして、二十四年度は協会けんぽに対しておよそ一・二兆円の国庫補助を行っています。
 今、この二十五年度以降の協会けんぽの財政対策について医療保険部会で年末までということで議論をしていますので、その議論の結果も生かしまして、二十五年度以降の協会けんぽの財政対策につきましては予算編成過程で結論が得られるようにしていきたいというふうに思います。
#23
○牧山ひろえ君 ありがとうございます。
 私の選挙区の神奈川県では風疹がはやっております。五月二十三日に提出された予防接種制度の見直しの中で七ワクチンが挙げられましたけれども、その中の残りの四つの、水ぼうそう、おたふく風邪、成人用肺炎球菌、B型肝炎についてどのように財源を確保し、どのようなスケジュールでお考えになっているか、小宮山厚労大臣、これからの展望をお願いします。
#24
○国務大臣(小宮山洋子君) 予防接種法を改正して、まずは三つのワクチンを法律に位置付けます。その後については、なるべくその財源の確保をしながら、市町村ともいろいろと協議をしながら、なるべく御負担なく受けられるように努めていきたいと思います。
#25
○牧山ひろえ君 時間となりましたので、質問を終わります。
#26
○安井美沙子君 民主党・新緑風会の安井美沙子でございます。
 昨日は地元名古屋での地方公聴会にも参加させていただきまして、本日は質問の機会もいただきまして、ありがとうございます。
 昨日の地方公聴会でも取り上げられました給付付き税額控除と軽減税率について今日は絞って質問をさせていただきます。
 これらについては、本委員会でも既にかなりの時間にわたり審議されてきましたが、どうもそれぞれの制度のメリットと課題を指摘するにとどまっており、じゃ、結局どうするのかという方向性も決意も見えないままに採決後の協議に委ねられてしまうようで心配です。衆議院で、参議院でどれだけ審議時間を消化したとしても、逆進性対策一つ光が見えてこないようでは、国民が消費税増税に納得してくれるはずがありません。
 さて、それではまず給付付き税額控除について伺います。
 二〇〇八年十二月の民主党税制抜本改革アクションプログラムでも指摘されているように、これは本来、逆進性対策のためだけにある制度ではありません。諸外国の事例を見ても、低所得者に対する生活支援、勤労促進、少子化対策等を政策目的として導入されている場合がほとんどで、逆進性対策を政策目的として導入しているのはカナダとシンガポールぐらいです。給付付き税額控除を消費税の逆進性対策としてのみスポットライトを当て、軽減税率と対比することで議論が矮小化されているのではないかと感じています。
 社会保障と税の一体改革と言うくらいですから、給付付き税額控除の是非を議論するなら、社会保障の様々な分野への適用を見据えた議論が必要と思いますが、岡田副総理、いかがですか。
#27
○国務大臣(岡田克也君) ここは議論をよく整理して行う必要があると思います。
 給付付き税額控除は、委員御指摘のように、これは別に逆進性のためだけのものではなくて、今後の社会保障政策を行っていく上での非常に有力な行政ツールの一つであるというふうに位置付けるべきだと思います。
 諸外国においても具体的な目的を持ってこの制度を活用しているということで、我が国も、やがてそういったことのためにもこの給付付き税額控除を活用していくということを当然視野に置かなければいけないというふうに思います。
 ただ、今回は、この消費税引上げということ、その逆進性という問題についてどのように対処するかという中のメニューとして我々は給付付き税額控除を提案しているわけで、ほかにも複数税率の御提案もあるわけですから、これは、どちらがいいかという判断の問題。このことをもって給付付き税額控除の話が終わるのではなくて、私はこれ一つの事例として是非給付付き税額控除を導入したいと思ってはいるんですが、そこでうまく実績を築いた上でほかの政策目的のためにも同じ制度を活用していくと、そういうことは当然考えられるのではないかと思っております。
#28
○安井美沙子君 例えば、我が国ではまさに生活保護と最低賃金の逆転現象による勤労意欲の低下や不正受給の問題を抱えているのですから、課税最低限以下ではあるが生活保護レベルまでには至らない低所得者に対して、給付付き税額控除であれば、勤労を促進しつつ生活支援をすることができると思います。
 給付付き税額控除をいずれこういった政策課題にも活用できるという展望は、小宮山大臣、おありになるでしょうか。
#29
○国務大臣(小宮山洋子君) 給付付き税額控除については、政策目的を明確にするとともに、現在ある社会保障制度との関係をしっかりと整理をする必要がある、総合的な検討が必要だと思っています。
 現時点では、その導入も含めてまだ詳細が決まっていませんので、御指摘のその生活保護受給者に対してどういう影響が出るかというのは明らかではありません。
 ただ、働く能力がある生活保護受給者に対して積極的に働くインセンティブをしっかり与えるような取組をすることは重要だと考えていまして、今年の秋作る予定にしている生活支援戦略の中で、これは、今だと、働くと生活保護費がその分減るということになっていますけれども、働いた分を就労収入積立制度という形で積み立てておいて、生活保護から脱却するときにそれを渡すというような、そういうインセンティブを与える仕組みも考えていますので、そういう取組は力を入れていきたいと思っています。
#30
○安井美沙子君 また、子育て支援に関して、七月二十五日の本委員会で、野田総理は、年少扶養控除が廃止されたまま子ども手当が児童手当に戻った結果、所得の減った子育て世帯の扱いについて、特定のところが逆に負担だけ増えている状況は好ましくない、控除を見直すのか、手当の厚みを増すのかも含め協議する必要があると述べられました。
 給付付き税額控除であれば控除と手当を一体で考えることができるわけですが、年少扶養控除でもない児童手当でもない第三の道として検討の余地はありますか。小宮山大臣、お願いします。
#31
○国務大臣(小宮山洋子君) 今、この新しい児童手当制度については、三党合意に基づいて、改正法の附則で、子育て支援に係る財政上又は税制上の措置等について、児童手当の支給並びに扶養控除の廃止による影響を踏まえつつ、その在り方を含め検討を行い、その結果に基づき、必要な措置を講ずるという規定が設けられていますので、ちょっとその給付付き税額控除の関係というところは今検討の対象にはしていませんので、私どもは控除から手当へで、なるべく所得の低い方の方に必要な手当が行くようにという考えでやってきましたが、三党合意でこういう恒久的な制度ができましたので、そこに盛り込まれた改正法の附則に基づいて検討を進めていくというのが現在の状態です。
#32
○安井美沙子君 給付付き税額控除は、先ほど岡田副総理も述べられましたように、将来的には、社会保障制度の充実を図るために使い回しのできるプラットホーム的な仕組みだと考えます。そして、複数の政策目的を受益者の元で束ね、省庁の縦割りや省内のセクショナリズムを乗り越えるきっかけともなり得ると思っています。そして、何より、給付と負担を一体的に考えられるという意味で、現政権が目指す社会保障と税の一体改革の思想に合致していると思います。
 ところで、給付付き税額控除を導入する場合には、民主党が掲げてきた控除から手当へという理念も将来的に見直す可能性があると考えてよろしいでしょうか。岡田副総理、お願いします。
#33
○国務大臣(岡田克也君) 控除から手当を見直すという御趣旨がちょっと、もう少し確認したいんですけれども、確かに、手当と給付付き税額控除を、何といいますか、給付付き税額控除の控除とここでいう控除から手当の控除というのは違うと思うんですね。控除から手当というときは、基本的には、所得控除をやめて手当にして同額を所得の多い少ないにかかわらず出していくという思想ですので、給付付き税額控除の場合の控除というのは、これ税額控除というふうに私は思っているんですが、私は、ちょっと考え方が、控除といっても同じものではないことを言っているのではないかというふうに思いますが。
#34
○安井美沙子君 マイナンバーについてお伺いしますけれども、給付付き税額控除の前提となるマイナンバー制度の設計とそれに伴うシステム投資はそれなりの負担を伴うものですが、給付付き税額控除が消費税の逆進性対策だけでなく社会保障制度の充実を図るために使い回しの利くプラットホームと考えれば費用対効果も大きいと思いますが、この点について副総理はどうお考えでしょうか。
#35
○国務大臣(岡田克也君) 今回は、これ消費税の逆進性対策として考えているわけですが、委員おっしゃるように、私も思っているんですけれども、給付付き税額控除というのは将来の有力な行政ツール、まあプラットホームという言い方を委員されましたが、そういうふうに思っています。
 もちろん、この給付付き税額控除については、例えば低所得者というのが本当にきちんと特定できるのかというような問題もあります。したがって、しっかりとこれ、更に議論も深めて、そういったことができ、今回の消費税導入に伴ってこの制度が導入できれば、そのことを一つの実績として、より多目的の社会保障政策の一つの大きなツールとして、あるいはプラットホームとして活用することができるというふうに思っております。
#36
○安井美沙子君 これまで給付付き税額控除について伺ってまいりました。現在ある制度を基に今は考えなければいけないという各大臣のお話はよく分かりましたけれども、一方で、逆進性対策を入口として将来考えるというのでは遅いといいますか、投資対効果も含めて先まで考えた上でこの給付付き税額控除の導入の是非を議論する必要が私はあると思います。
 さて、次に軽減税率について伺います。
 こちらは給付付き税額控除とは対照的に、国民にとって比較的分かりやすいことから、世論調査では相対的に支持が高いようですが、適用対象をめぐる線引きと税収毀損分の穴埋めの問題が残ります。仮に消費税を一〇%に引き上げるタイミングで軽減税率を生活必需品全般に適用すると、年間三・一兆円の税収が失われるという財務省の試算がありますが、二〇一五年以降に消費税をどこまで上げればこの分の税収減の穴埋めをすることができますでしょうか。あるいは、消費税の更なる引上げ以外に、ほかの税をいじるなど、毀損分を補填する方策があるでしょうか。これは、あくまで軽減税率を導入した場合のインパクトを理解するためのシミュレーションとして、財務大臣、お答えください。
#37
○国務大臣(安住淳君) 今お話ありましたように、消費税収でそのうちもし機械的に計算を食料品でやったら幾らぐらいになるかということでございますけれども、その場合は、八%に上げた場合は、おおむね大体一兆円台半ばから二兆円程度になるのではないかと。それから、一〇%にもし上げた場合に、食料品大体全てに掛けると、やはり二兆円台半ばから三兆円ぐらいの言わば侵食があるということは推計はできます。これは、外食を含めるとかそれから加工品を含めるとかによってもまた変わってはきます。
 ですから、そういう点では、もし御指摘のようにこれは導入するとすれば、お買物に行く方にとってはとても分かりやすい制度ではありますけれども、一方で、お金持ちの方もこの恩恵も被るというふうなこともあります。ですから、品目をどうするかとか、どの範囲までやるかという大きな課題がありますので、これを例えばほかの税で穴埋めをするといっても、所得税や法人税は今はもう十兆円も税収のないような状態でございますから、大変に大きいやはり侵食があるということは複数税率の中で大きな問題点だと思っております。
#38
○安井美沙子君 今既に言及いただいたんですけれども、食品全般を例えば含めるとなると、松阪牛とか高級食材にも適用されますから、高所得者層にも恩恵が及び、逆進性対策にならないという指摘があります。これに対し、年収五千万円以上に対し四五%という政府の所得税改正案より更に累進機能を強化し、高所得者層への恩恵を相殺するという手法はあり得るでしょうか。
#39
○国務大臣(安住淳君) 私は、今のフラット化をした所得税をやはりもう少しそういう意味では富裕層の皆さんに御負担をいただくということはあってもいいと思います。そのことと、この軽減税率におけるへこんだ分を穴埋めするというふうな考えでこの水平的税と垂直的税を考えない方がいいと思っております。やはり消費税は消費税としての言わば逆進性に対してどうフォローアップしていくか、つまり所得の低い方の方がやはりどうしても比率が高くなりますから、消費税の、そこに対してしっかりとした手当てをすると。
 一方、所得税については、世の中の流れもありますけれども、フラット化によって、やはり富裕層の皆さんが、現金だけでなくて不動産、金融等の資産を持っている方ほど納める税金の額が全体の比率の中では低くなっていく現実がありますから、この累進率をやはり改善をしていくということは別建てでやはりやらなければならないことだと思っております。
#40
○安井美沙子君 ありがとうございます。
 あくまでも、この軽減税率導入の場合のインパクトを私たち真剣に考えなければいけないと思ってシミュレーションをしているわけですけれども、先ほどちょっとお答えいただかなかったんですけれども、もし消費税を更に引き上げるということでこの税収毀損分を埋め合わせるとしたら、二〇一五年以降、どのくらい、どのタイミングで上げなければいけないんでしょうか。
#41
○国務大臣(安住淳君) まず、一〇%は第一歩でありますから、これによってプライマリーバランスの半減ですね、これは成し遂げますと。しかし、その後、御質問は、じゃ、この先はどうなるのかということなんですけれども、様々なことを取り組まなければならないと思います。それこそ、税でいえば、消費税に限らず、じゃ、相続税をどうさせていただくのか。今、例えばお亡くなりになった方百人のうち四人ぐらいしかお支払いいただいていないんですが、高齢化社会の中でこれで本当にいいのかと。土地の資産査定なんかもバブル期と同じような今比率なんですね。だから、そういう点では、少しそういう意味では相続、贈与に関する税の見直し、所得税の見直しもしなければなりません。
 一方で、成長に対する、やっぱり税収をどう上げていくかとか、こうしたことを勘案しながら、あるべき税体系、そしてまた、先ほど御指摘ありましたけれども、やっぱり更なる行革を徹底的にやることによってスリム化をし、そういうことを踏まえて、プライマリーバランスゼロに向けて、あるべき体系の中で消費税も、じゃその中でどれぐらいまたお願いしなきゃならないのかということを議論すべきだとは思いますが、今はとにかく一五年にプライマリーバランス、財政の側からだけ申し上げますと、これのやっぱり半減という目標を何とか実現をしたいというふうに思っております。
#42
○安井美沙子君 話は理解できますが、その軽減税率導入のインパクトが、まあ負のインパクトと言っては言い過ぎかもしれませんけれども、どれだけ大きいかをきちんと議論して、みんなで真っ正面から見詰めないとこの審議は終わってはいけないと私は思っているんです。
 公明党さんからは、軽減税率を導入するならば最初の八%の引上げ時からにするべきだとの御意見が出ています。そうなると、試算では更に一兆円半ばから二兆円台の税収減となるとされていますが、その場合の毀損分についてはどう穴埋めすべきとお考えでしょうか。
 二〇一一年度の国税の新規発生滞納額の内訳は、消費税が五三%と最大でした。消費税の納付率を短期間で上げ、更に捕捉率を向上させるのは現実的には難しいと考えますが、いかがでしょうか。
#43
○衆議院議員(竹内譲君) お答えしたいと思います。
 どういうふうに軽減税率の対象を取るかによってもその減収額は変わってくるわけでございますけれども、一定の減収になることはそのとおりだと思います。現実問題としては、私どもとしては税制、財政の全般の中で対応すべきだと考えております。
 ただ、三党協議の中では、要するに、これによって要する財源を必ず用意しろと、別途財源を用意しろということには、理屈上、この三党合意の中ではなっておりません。逆に言えば、もしも別途財源を用意せよということであれば軽減税率ということは排除されてしまうわけでありますが、そういう議論にはなっていないと。
 ただ、現実問題としては、私どもも税収減を補うための対策は必要であるというふうに思っておりまして、消費税の捕捉率を上げるとか、いろんなことを一生懸命やっていくしかないのではないかと、このように考えております。
#44
○安井美沙子君 結局よく分かりませんでしたが、軽減税率を導入しているOECD諸国の標準税率を見てみますと、資料をお配りしておりますけれども、二〇%前後に集中しています。中央大学法科大学院の森信茂樹氏も、消費税が一〇%を超える水準にならない限り、軽減税率の導入を我慢することが結局社会コストの軽減につながり、我々納税者の利益になると主張しています。また、EU指令では、標準税率は一五%以上、軽減税率は五%以上としているそうです。
 これらを参考にすると、例えば将来消費税を一〇%以上に上げざるを得なくなった場合に初めて給付付き税額控除と併用する形で軽減税率の導入を検討するという可能性はいかがでしょうか。岡田副総理、お願いします。
#45
○国務大臣(岡田克也君) まず、給付付き税額控除か軽減税率かという話のときに、やっぱり規模をどうするかということはきちんと議論しなければならないと思います。もし食料品全体に軽減税率ということになれば、それは先ほどの試算のように消費税一%を超えるような規模になるわけで、その財源をどうするのかということは当然問題になります。五%上げるといいながら実は四%上げたことにしかならないと、結果的にはですね。じゃ、その分どこを減らすのか。社会保障を減らすのか、新しいことを減らすのか、あるいは国債を減額するつもりの四%分を減らすのかと、そういう議論になるわけであります。
 ただ、これは給付付き税額控除でも、大規模にこれを入れれば同じ問題はあるわけで、ですから、どのぐらいの規模で逆進性対策をやるのかということの議論であって、給付付き税額控除がいいか軽減税率がいいかという議論では私はないように思うんですね。そこのどちらがいいかという話は、それぞれのメリット、デメリット、今まで随分この場でも議論がなされましたが、そういったことについてきちんと判断をしていく必要があると、そんなふうに思っております。
 それから、二〇%以上を超えた場合ということですけれども、欧米では、基本的には軽減税率を適用しながら給付付き税額控除というものも特定の政策目的に関してやっていると。これはいろんなツールをそれぞれ用いながらやっているということであって、二〇を超えたから軽減税率ということでは必ずしもないような気がいたします。
 今議論しているのは、消費税を一〇%に引き上げるときの低所得者対策というか、あるいは逆進性の問題をどういうふうにして対応していくかと、そこに絞ってまずは議論すべきではないかなというふうに思っております。
#46
○安井美沙子君 ありがとうございます。
 いずれにしろ、今回の消費税増税法案の採決に当たっては、二〇一四年度と一五年度の引上げだけでなく、将来の引上げの可能性やそれに伴う逆進性対策まで見据えた政治判断が必要と思います。今、岡田副総理の御発言もあったんですけれども、私は、国民の皆さんは先が心配だと思いますので、その辺もある程度こちらのアイデアを伝えながら今回の政治判断をしなければいけないと思っているんです。
 給付付き税額控除については、税制学的な堅苦しい説明をしても国民にとっては分かりにくいだけです。社会保障と税の一体改革という言葉、本当は含む意味がもっともっと大きいと思うんですが、これで描く私たちが持つ国家像をもっと政治家の生の言葉で熱く語って、国民の心に直接届くような説明をすべきだと思います。最後に副総理の思いをお願いいたします。
#47
○国務大臣(岡田克也君) なかなか難しい御質問をいただいたなと思うんですが、分かりやすく語るということは非常に大事ですね。ですから、確かに複数税率、軽減税率というのは分かりやすい。しかし、給付付き税額控除ということになると、一体それは何というふうに私も地方を回っていてよく言われます。それは、今回の消費税引上げによって非常に影響の大きい所得の少ない方に絞って消費税収の一部をお返しする、そういう制度であるという言い方をしているわけですけれども、若干、正確性よりは分かりやすさということを考えながら説明していくことが非常に大事だというふうに思います。
 それから、将来のビジョンということですが、現実、今見たときに、一〇に上げたとしてもまだ社会保障を賄うには至っていないわけで、そういう財政の現状をきちんとお話をして、そして今回はその第一歩であるということは率直に御説明していく必要があるというふうに思っております。
#48
○安井美沙子君 るるいろいろ大臣のお考えを伺っていまして、理解できたところもございますけれども、私、もうこの参議院の審議も後半に入りまして、国民の皆様もこれで採決が行われてしまうのかと非常に心配になって見ていただいていると思います。その割には、この国民の皆さんが一番心配している逆進性対策について、今日の議論を見ていましても、結局どっちなのかというところは見えてこないと思うんです。
 それぞれの軽減税率それから給付付き税額控除のメリットそれから限界などは分かるわけですけれども、その後の解を持っている人が誰もいないままこの参議院での審議を閉じて採決することで納得いただけるのかどうか、私はそこは非常に疑問です。その後の協議に譲りますと全くブラックボックスになりまして、国民の皆さんはもちろん、私たちにもその議論の経過が見えにくくなってしまいます。どうか、残された参議院でのこの委員会での審議、もっともっと納得いくまで審議が行われることを願って、私の質問を終わります。
 岡田副総理、何か。
#49
○国務大臣(岡田克也君) 逆進性対策、一時的な給付という考え方もあり、そして軽減税率もあり、給付付き税額控除もあると、そこは三党を中心に議論していくということになっております。委員も与党の一員として、当然これは党内にフィードバックしながら議論していくことになりますので、いろいろな御意見をおっしゃっていただいて、そして国民にとってより良い制度をつくる、与党として是非責任を一緒に果たしていただきたいというふうに思っておりますので、よろしくお願いを申し上げます。
#50
○安井美沙子君 ちょっと時間があるので……(発言する者あり)やめます。
 ありがとうございました。
#51
○水落敏栄君 自由民主党の水落敏栄でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 本委員会の審議も相当深まってきたと思いますけれども、本日は主に教育の観点から、新制度を含む子ども・子育て政策について質問をしたいと思います。
 まず、前回の質疑の際に政府側から明確な答弁がなかった事項について改めて質問をいたします。
 前回、幼児教育に対する株式会社の参入を取りやめた理由について、自民党の提案者である馳衆議院議員より、教育基本法第六条で公の性質を有すると言う以上は、やはり安定性、継続性といったものの観点から株式会社は参入させるべきではない、幼保連携型の認定こども園を拡充していくという案で三党で合意を得て今回の修正に至ったという御答弁をいただいたところでございます。
 この提案者の答弁を踏まえて平野文部科学大臣に対して見解を伺ったところ、今回の修正案では認定こども園については株式会社の参入は認めないこととなっておりますと、こう答弁をされました。この答弁によれば、今回の修正では株式会社の参入は認めませんが、今後については検討する余地があるようにも理解されます。幼児教育については今後とも株式会社を参入させるべきではないという私の質問に対する明確な答弁となっていないと思います。
 当初の政府案の総合こども園の制度設計では、幼稚園と保育所の制度が異なる部分については、事業主体では企業の参入が可能な保育所の制度を取る一方、直接契約制や応益負担、保育料の設定では幼稚園の制度を採用するなど、企業が参入しやすい側の制度を採用し、両者の制度が同一の部分については使途制限の撤廃など、企業が参入しやすい制度に変更していました。これでは教育のビジネス化、保育の産業化という批判を受けざるを得ないと思っています。文部科学大臣が今後の株式会社の参入を明確に否定しないということは、民主党政権はいまだに幼児教育に対する株式会社の参入を諦めていないと思われるんです。
 そこで、前回と同じ質問では前回と同じ答弁になると思いますので、少し質問の角度を変えて質問いたしますけれども、文部科学省としては、特に教育基本法第六条との関係において、幼児教育を含む学校教育に対する株式会社の参入についてどのように考えているのか、あるいは中央教育審議会など文部科学省内において、学校教育に対する株式会社の参入についてこれは検討しているのかどうか、大臣にお伺いをいたします。
#52
○国務大臣(平野博文君) 先生も文教の立場で随分やっておられますので御案内のとおりだと思いますが、第六条という観点で聞かれました。特に公の性質と、こういう視点でございますから、公共性、持続性、安定性と、こういうことから、国、地方公共団体、学校法人ということに限定をされているということは、もう先生がおっしゃるとおりでございますし、私もそういう認識でございます。
 そういう観点で、私、曖昧なことを答えたつもりはございませんが、いろいろ議論の経過の中で、修正案として、総合こども園におけるような特殊な事情がないと、こういうことで、今回の部分につきましては株式会社の参入は認めないと、こういうふうになっておることも事実でございますし、私どもとしてもそういう認識の下にございます。
 ただ、私が申し上げたのは、今御議論をいただいていると、こういうことでございますので、私どもとしては、修正の提案者の意図、この特別委員会での議論、このことを踏まえてしっかり対応したいと、こういうことでございます。
#53
○水落敏栄君 今後とも株式会社の参入はやらないと、こういうことでよろしいですね。
#54
○国務大臣(平野博文君) この御議論を経るということを前提に、私はそういう御理解をいただいて結構だと思います。
#55
○水落敏栄君 いつまでたってもこれ結論が出ないと思いますので、どうかひとつ教育については株式会社参入はやらないということでお願いをしたいと思います。
 次に、再質問ですけれども、これも財源の確保について副総理にお伺いをしたいと思います。
 前回、新制度に必要な一兆円のうち消費税で賄う七千億円を除いた残り三千億円の財源についてどのように確保するのかということで、総理にお伺いをしました。その際の総理の御答弁は、政府全体の予算の中で最大限努力をしてまいりたいとのことでございまして、具体的な財源は示されておりません。
 しかし、これには酷な面があったかもしれません。ひっきょうするに、三千億円を確保するための新たな増税を行うのであれば、既存の政策や事業のスクラップ・アンド・ビルドを行わざるを得ないと思っています。既存の予算のスクラップ・アンド・ビルドの例として、四千億円にも上る高校授業料無償化の財源をつくる際には、事業仕分によって学校耐震化あるいは科学技術、スポーツ、文化、芸術などの予算を削減して、さらに特定扶養控除の高校生の上乗せ分を廃止して財源にしました。今回、それと同様のことが行われてはいけないと思っています。なぜならば、後で質問をいたしますけれども、子供の安全を守る学校施設の耐震化、これはもう何よりも最優先で行う事業でございます。特定扶養控除の廃止については、高校授業料無償化によってかえって負担増となる世帯が出るなど、今日に至るまで困難が続いているからであります。
 さらに、先日、同僚の山谷委員が質問しましたけれども、「はやぶさ2」のように、我が国の未来を切り開くべき科学技術の予算についても大きな影響が出ています。中長期的な展望も持たずに安易なパフォーマンスにより政策を評価して、その場しのぎで財源を確保しようとするやり方は、国益を著しく損なうものであって、二度と行ってはならないと思います。
 一方、我が党は、きちんと見直すべき政策もあると考えておりまして、その一つが高校授業料無償化の見直しです。
 民主党政権は、経済的理由で退学する生徒が三六・七%減ったことを高校授業料無償化の成果として喧伝しておりますけれども、元々、五万五千人を超える高校中退者のうち経済的理由によるものは、無償化直前の平成二十一年度で千六百四十七名、全体に占める割合は二・九%にしかすぎませんでした。無償化後の平成二十二年度には、経済的理由での退学者は千四十三名。元々少ない数の中で、これは六百人ぐらい減ったんですけれども、前年比で三六・七%減ったからといって、いかにも大きな政策効果を上げているかのように説明することは欺瞞にほかならないと思っています。中退者の全体数の中では小数点以下の変化なんです。
 むしろ中退の大半の理由は、全体比で約四〇%に上る二万人ですけれども、これは学校生活・学業不適応が理由なんです。これについては無償化後も顕著な減少は見せていないのでありまして、無償化による政策効果は表れておりません。このことは前回の質問でも指摘しましたけれども、高校授業料無償化が高校教育が果たすべき目的や目標に欠けるばらまき政策の表れであって、四千億円もの税金を投入する正当性に欠けると言わざるを得ないと思っています。
 こうしたことから自民党は、高校授業料無償化には所得制限を設けて、それにより得られる財源を、低所得者向けの給付型奨学金の創設など、真に公助が必要な方々に対する政策に使うべきだと考えています。
 本年二月から三月にかけて、高校授業料無償化に関する自民党、公明党、民主党による三党協議が行われましたけれども、民主党はあくまで現行制度に固執して合意を得るには至りませんでした。
 野田総理は、政府全体の予算の中で最大限努力をしてまいりたいと、こう答弁されておりますけれども、政府全体の予算の中でということは避け難く、私は既存の政策の見直しを含むものだと思っています。
 予算の見直しの際は、民主党のマニフェスト関連施策であっても聖域とせずに見直しの対象とすべきと考えますけれども、高校授業料無償化に所得制限を設けるべきだという私ども自民党の考えに対する見解と併せて副総理の見解をお伺いしたいと思います。
#56
○国務大臣(岡田克也君) 高校授業料無償化制度につきましては、全ての意思ある高校生が安心して勉学に打ち込めるよう、その費用を社会全体で負担するという観点から、所得制限を設けずに実施しているところであります。
 ただ、この無償化につきましては、今年の二月に三党で御協議いただいて、実務者の中で論点整理が取りまとめられました。所得制限についてはそのときに意見が一致しなかったということは承知をしております。
 政府としては、今後三党間で更なる議論を重ねていただいて、そして一定の結論に至った場合には、その結論を踏まえて適切に対処していきたいというふうに考えております。
#57
○水落敏栄君 高校教育が果たすべき目的とか目標に欠けるこの高校授業料無償化でありますから、これやめた方がいいと思います。このことを申し上げて、次に移りたいと思います。
 次に、扶養控除、特定扶養控除の廃止に伴う影響の対応についてお伺いをいたします。
 先ほども触れましたけれども、今年度から扶養控除が見直された影響によって、私立の幼稚園や高校に通う子供がいる世帯への支援制度が、これが困難を生じています。
 まず初めに、私立幼稚園就園奨励費でございますけれども、これは、保護者の所得状況に応じて経済的負担を軽減するとともに、公私立幼稚園間における保護者負担の格差の是正を図ることを目的として、入園料及び保育料を軽減する就園奨励事業を実施している地方公共団体に対して国が所要経費の一部を補助するものでございます。
 奨励費は、生活保護世帯や市町村民税のうち所得に応じて徴収される所得割額が一定程度の世帯に支給されています。扶養控除の廃止による影響を勘案して所得割額が引き上げられはしましたけれども、それでも、控除の廃止による課税対象額の増加によって、収入が変わらないのに所得割額が新基準を上回り、奨励費支給の対象外となってしまう事例が出ています。一方、これとは逆に、収入が変わらないのに今年度は奨励費支給の対象となる事例も生じておりまして、まさに制度に混乱が生じています。
 文部科学省においては、その救済措置を検討しているということでございますけれども、その内容について平野大臣より説明をお願いしたいと思います。まず奨励費の救済措置、それからもう一つ、次にやりますから。
#58
○国務大臣(平野博文君) 当委員会でもこの点についての御議論をいただいているところでございますが、改めて扶養控除廃止の影響に対する文科省の対応と、こういうことでございます。
 先生御案内のとおり、これは自治事務として実施している幼稚園就園奨励事業でございまして、文科省としては、予算の補助事業として市町村の取組に支援をしている部分でございます。そういう中におきまして、本事業における対象基準、従来より住民税の課税額によることとしてきましたが、二十四年度から、年少扶養控除の廃止に伴いまして住民税の税額が増えるために、国庫の補助事業の扱いを検討しなければならないと、こういう背景になってきたわけでございます。
 文科省としては、当初、事業実施主体者であります市町村の実情を踏まえて、子供の人数にかかわらず改正後の住民税額を一律に適用して極力年少扶養控除廃止の影響を生じないようにする方式を取ってまいったところでございます。しかし、先生今御指摘のように、この方式を取った場合に、ほとんどの世帯で負担増を回避しますが、子供が三人以上いる世帯の一部が国庫補助の対象から外れると、こういう課題が起こってまいりました。したがいまして、このために、当初の方式に加えて、子供の人数に応じて住民税額を改めて計算をし国庫補助の対象とする、こういう調整方式も導入することにいたしたところでございます。七月の二十七日付けで各都道府県を通じて市町村へこの周知を図っているところでございます。
 しかし、本当にこれがやるのかやらないのかということでございますが、私どもとしては、負担増にならないように市町村に周知徹底を一層促していきたいと、かように考えているところでございます。
#59
○水落敏栄君 どうぞ周知徹底、しっかりと図っていただきたいというふうに思います。
 次に、高校授業料無償化における私立学校に通う生徒に対して支給されている就学支援金でございますけれども、これも同様の混乱が起きているんですね。
 低所得者については就学支援金が一・五倍あるいは二倍に加算されます。一・五倍の加算の対象について、文部科学省は今年の二月に、所得割額の基準を一万八千九百円未満から五万一千三百円未満に引き上げる方針を都道府県にお伝えしています。しかし、六月半ばになって、子供の数による不公平が生じるためとしてこれ新たな基準を示したことで、二月の基準では一・五倍加算に該当しますけれども六月の基準では該当しない事例が出るなど、現場で混乱が起きているんです。
 新基準によって対象外となってしまう方については、現在対応策を検討しているということですけれども、その検討状況を、大臣、御説明いただけますか。
#60
○国務大臣(平野博文君) 改めまして、この制度の改正を含めていろんな部分の課題が出てまいりました。また、三党の中での協議の中での部分が、この委員会等々を通じて、こういう問題が出ているじゃないかと、こういう措置をしろと、こういうことでの部分でございます。特に、扶養控除の見直しについては、高校無償化に関する三党実務者協議においても、特定扶養控除縮減により負担増となる世帯への対応の必要性について三党の合意がされたところでございます。
 一方、高等学校等就学支援金制度では、国が私立学校等々の生徒の授業料について一定額、今先生申し上げられた数字でございますが、支給をしてございます。保護者の所得に応じて支給額を一・五倍又は二倍に加算をして支給をいたしておりますが、このうち一・五倍の加算の対象世帯を判定する基準が、先ほど先生御指摘ありました扶養控除の見直しに伴い影響を受けると、こういうことになりました。
 このことについて、従来、都道府県の事務負担を勘案して、従来からの方式であるモデル方式を予定を文科省としてはしてございました。しかし、三党の合意でこの部分についてはきちっとやれということで、改めて私どもは予定していたモデル方式ではなく簡便な調整方式を採用したことから、子供一人世帯当たりで一・五倍を受けられると期待しながら実際に受けられない世帯が生じると。この混乱を回避するよう、就学支援金の新基準が円滑に行われるように、この一年間に限り、その混乱を回避したいと、こういうことで、都道府県が一・五倍加算相当額の授業料減免等を行う場合には、国が各都道府県に設置した高校生修学支援基金の取崩しをしてそれに対処するようにと、こういうことで改正したものでございます。
#61
○水落敏栄君 更に申し上げれば、特定扶養控除の高校生の上乗せ分の廃止についても、高校授業料無償化によってかえって負担増となる世帯が出ておるということも御承知だと思います。給付型奨学金の創設や高校に通わない子供のいる世帯への配慮などが必要なんですけれども、適切な対応が行われておりません。
 控除の廃止によってただいま取り上げたような問題が生じることは、既に控除の廃止が議論されていたときから国会で指摘されていたことなんです。これに対して万全の体制で臨むべきであったにもかかわらず現在のような混乱が生じていることに、これは私は民主党の政権担当能力のなさがここに表れているんじゃないかと思っているんです。自らの政策が招いた混乱でございますから、民主党は責任を持ってその収拾と抜本的な解決に当たるように強く求めていきたいと思っていますし、それができないのであれば即刻政権を明け渡すべきだと、こう申し上げたいと思っています。
 次の質問に入ります。
 幼保連携型認定こども園への移行の支援について、少子化担当大臣にお伺いします。
 子ども・子育て三法案については、衆議院による修正によって、総合こども園の創設は行わずに認定こども園の拡充を行うことになりました。認定こども園の設置数は、現在ではなかなか伸びておりません。これ、九百十一ですか。その原因としては、二重行政があって手続が煩雑を極めること、基準をクリアすることがなかなか難しいことが考えられます。また、これに加えて、基準はクリアしていても自治体の判断で認定してもらえないようなケースもあると聞いております。
 今後、学校であり児童福祉施設でもある幼保連携型認定こども園が認定こども園の中核を占めていくことになると考えられますけれども、移行を希望する幼稚園が幼保連携型認定こども園に移行するに際しての支援をどのように支援していくのか。以前にもこれは質問しましたけれども、重要な課題でございますから、改めて、小宮山少子化担当大臣の御見解、お伺いしたいと思います。
#62
○国務大臣(小宮山洋子君) 今委員からもおっしゃっていただいたように、今の認定こども園は教育、保育を共にやる幼保連携型の先駆的取組でしたが、今御指摘の二重行政に加えて、財政支援が不十分だと、こうしたことがございましたので、今回、新しい制度では、まず二重行政を解消するために、幼保連携型認定こども園の改善による認可、指導監督などの一本化をするということ、また、施設型給付を創設をして認定こども園への給付の一本化、充実を図るということで、そもそもその課題が解消されるということが一つございます。それからまた、幼稚園が幼保連携型認定こども園になるためには、調理室が必要だったり保育士資格を持つ職員の配置が必要になりますので、この点については、調理室の設置の支援ですとか保育教諭の資格の経過措置、これを講じることにしていますので、そうしたこと、またあわせて、保育単価の設定などによってインセンティブを、なるべく幼保連携型になっていただけるようにインセンティブの工夫をしていきたいと思いますので、こうした中で少しでも多くの幼稚園に幼保連携型認定こども園に移行していただけるように努めていきたいと考えています。
#63
○水落敏栄君 本当にこれが、幼保連携型認定こども園がこれからの中核的な存在を占めていくと思いますので、しっかりと支援をお願いしたいと思います。
 次に、利用者にとって利便性の向上という観点からの行政の一元化について、自民党の提案者にお伺いしたいと思います。
 修正案では、現行の幼稚園、保育所、認定こども園の制度を基本として、幼児教育、それから保育の充実を図っていくことになりました。同時に、これまでの文部科学省、厚生労働省に加えて、内閣府にも担当大臣や担当部局が設置されることになると思います。
 この体制は、見方によっては、私、前にも田村先生にお聞きしたことがあるんですが、三重行政になるんじゃないかということも考えられたんですが、これもよく考えると、そのようにも見えますけれども、もちろんそういう趣旨ではないというふうにお聞きをいたしました。
 現行制度でも、煩雑な手続や会計処理、申請書類の一元化などについて、地方自治法第二百五十二条十七の二による条例による事務処理の特例によって、手続の簡素化や自治体における一元化が可能でございますけれども、残念ながらいまだに条例を制定した都道府県はないというふうにお聞きをしております。
 新制度においては、幼稚園、保育所、認定こども園を通じた一元的な窓口の設置など、第一に利用者たる子供、保護者の立場に立って利便性を向上させるという観点から、地方公共団体と連携を図りつつ、特例条例の制定などを進めていくべきであり、そのために内閣に新たにこうした体制が組まれたものと思っています。
 そこで、改めてまたお聞きしますけれども、提案者である、私が尊敬する田村先生、どうかひとつ御見解をお願いします。
#64
○衆議院議員(田村憲久君) 一元化の利便性はどこにあるんだというお話だったというふうに思いますし、またそれに向けてどのようなこれから方向性を示していくんだと、こういう御質問であったというふうに思いますが、まず、今も小宮山大臣からもお話があったんですけれども、給付、これは一元化がほぼ達成をされます。
 一つだけ、認可の保育所、それから認定こども園、幼稚園、認可の幼稚園の施設型給付の対象にならない幼稚園だけは、これは今までどおり私学助成という話になりますけれども、それ以外は給付が一元化をするということがあります。
 それから、幼保連携型の認定こども園に関しては、これは単一の施設でありますし、認可も指導も監督も一元化をする。もう一つ、その認定こども園だけは総合的な窓口が内閣府にこれは設置されますので、これは窓口の一元化と言えると思います。
 ただ、幼稚園、保育園それぞれいろんな指導監督がありますから、こういうものは今までどおり厚生労働省、そしてまた一方で文部科学省という話になってまいります。
 そこで、この子ども・子育て支援法が公布をされた後でありますけれども、二年を目途にこの総合的な子ども・子育ての支援、これがどのような行政組織がいいのかということをしっかりと検討した上で、必要があればこれは一体化をしていくということでございますので、そのような方向でいろんな議論をこれからしてまいるということでございます。
#65
○水落敏栄君 本当にありがとうございました。どうかよろしくお願いいたします。
 次に、私学助成の充実について文部科学大臣にお伺いいたします。
 現在、幼稚園には私学助成と幼稚園就園奨励費が、保育所には保育所運営費が、認定こども園については、幼稚園、保育所部分にはこれらの財源措置に加えて安心こども基金による財政措置が行われています。子ども・子育て支援法案では、幼稚園、保育所、認定こども園に共通の財政支援のための仕組みとして、新たな給付でもある施設型給付が創設され、消費税財源を含む安定的な財源措置が行われるということになっています。
 それまでの間は従来と同様の財政措置が行われることになりますけれども、新制度に円滑に移行できるようにするためにもしっかりとした支援を行う必要があって、特に保育所に比べると財政措置が必ずしも十分とは言い難い幼稚園とその保護者に対する配慮が必要ではないかと思います。
 また、幼稚園については、政府案の段階から、新たな給付を受けず現行制度の幼稚園のままで私学助成を受ける道が担保されています。しかし、政府案の審議では、総合こども園を優先して予算付けをし、インセンティブとするという趣旨の小宮山厚労大臣の御答弁もございました。幼稚園のまま残るという選択をしますと、将来的に公費負担される補助が減らされるんではないかという懸念が生じております。
 こうしたことから、衆議院の社会保障と税の一体改革に関する特別委員会では、修正案の採決に当たって、「新たな給付として創設される施設型給付を受けない幼稚園に対する私学助成及び幼稚園就園奨励費補助の充実に努めるものとする」という附帯決議がなされました。
 これは立法者の意思であって、新制度においても、法の施行前であっても、安心子ども基金はもとより、預かり保育を含む私学助成や幼稚園就園奨励費による財政支援を充実すべきと考えますけれども、大臣、いかがでしょうか。
#66
○国務大臣(平野博文君) 先ほど、今回の点についての御議論は小宮山大臣の方からございました。
 そこに行かない、従来型の、給付を受けない幼稚園についてどうするんだと、こういうことだと思いますが、私は、私立幼稚園が果たしてきた幼児教育の重要性、このことをやっぱりしっかり、行く行かないにかかわらずしっかりと認識をしておかなければならないと思っております。
 また、先生今言われましたが、衆議院における附帯決議、この重さ、また、毎年の予算編成の中で、施設型の給付を受けない幼稚園に対する財政支援については、しっかりその重要性、附帯決議の重みを含めて努めてまいりたいと思っております。
#67
○水落敏栄君 ありがとうございます。
 次に、安心子ども基金の見直しについて厚生労働大臣にお伺いします。
 安心子ども基金ですけれども、これは平成二十年度の補正予算でスタートした措置でありますけれども、期間延長を繰り返して、現在は平成二十四年度に期限が切れることとなっております。そうしたことから安定的な仕組みとなっていないという難点があります。また、活用しようとする場合の要件が厳しく設定されておりまして、使い勝手が極めて良くないとの問題点も指摘されています。
 安心子ども基金については、期限の延長や要件の緩和など使い勝手を良くするための見直しを行って、新制度での財政措置に円滑にバトンタッチできるようにすべきだと考えています。
 衆議院の特別委員会では、「制度施行までの間、安心子ども基金の継続・充実を含め、子ども・子育て支援の充実のために必要な予算の確保に特段の配慮を行うものとする」との附帯決議が行われておりますけれども、安心子ども基金の見直しに関する厚労大臣の見解をお伺いしたいと思います。
#68
○国務大臣(小宮山洋子君) 委員御指摘のように、安心子ども基金は本当に多くの子ども・子育て支援に役立ってきたものでございますので、子ども・子育て関連法案に関する御指摘の衆議院での附帯決議、「制度施行までの間、安心子ども基金の継続・充実を含め、子ども・子育て支援の充実のために必要な予算の確保に特段の配慮を行うものとすること。」とされていますので、こうした御意見を重く受け止めまして、安心子ども基金については、平成二十五年度以降の予算編成過程でも財源の確保に最大限努めていきたいというふうに思っています。
#69
○水落敏栄君 大臣おっしゃるように、期限の延長、それから要件の緩和、何よりも使い勝手が良い制度になるように是非見直しも行っていただきたいと思います。
 次に、今後の幼児教育の無償化の検討について、民主党提案者と文部科学大臣にお伺いをしたいと思います。
 前回の私の質問の際に、教育基本法にも明記されております幼児期教育の教育の重要性について確認をさせていただいたところでございます。
 幼児教育の重要性に鑑みれば、その質の向上を図りつつ、子供たちにそのための機会をしっかり保障できるようにすることが重要だと思っています。このため、自民党ではかねてから、幼稚園、保育所、認定こども園を通じての幼児教育の無償化を国家戦略として政権公約でも掲げておりまして、公明党も同様でおられると承知しております。
 しかし、民主党政権は、マニフェスト関連政策である高校授業料無償化を幼児教育の充実よりも優先したわけですけれども、先ほどの質問でも述べたように、高校授業料無償化には目的や目標もなく、政策効果も上がっておりません。
 高校授業料無償化よりも、親の世代が若いため、幼児教育の無償化によってこの世代を支援することによって、もう一人子供を産もうかということになれば、これは少子化対策にもなると考えております。
 教育基本法改正の際の国会審議においても、当時の小坂文部科学大臣が、「この内容は、すなわち財政的な面の支援も含めた幼児教育に対する考え方をまとめたものでございます。」と、衆議院の教育基本法に関する特別委員会で答弁しております。
 また、民主党が教育政策の集大成であるとする日本国教育基本法では、第六条、幼児期の教育の第二項において、「国及び地方公共団体は、幼児期の子どもに対する無償教育の漸進的な導入に努めなければならない。」と、かなり踏み込んで規定をしており、政権交代時の政策集、インデックスでも、就学前教育の無償化について言及しております。今般の衆議院の社会保障と税の一体改革に関する特別委員会での附帯決議においても、「幼児教育・保育の無償化について、検討を加え、その結果に基づいて所要の施策を講ずるものとすること。」とされておりまして、政府に対して適切な措置を講ずることが求められております。
 今後、どのように幼児教育の無償化の検討を進めていくのか、これは政党における検討という観点から民主党の提案者及び政府における検討という観点から平野文部科学大臣に、それぞれお伺いしたいと思います。
 時間が迫ってまいりましたので、よろしくお願いいたします。
#70
○衆議院議員(江端貴子君) お答えいたします。
 先ほど委員御指摘のとおり、この幼児期の教育というのは人格形成において非常に重要であるということ、認識をいたしております。そして、この認識に基づきまして、さきの衆議院の審議においてこの附帯決議が付されたところでございます。
 これまで、先ほども議論がございましたけれども、幼稚園就園奨励費補助金の充実を図るなどして低所得者に対する保護者の負担を減らしてきたところではございますけれども、この幼児教育の無償化ということにおいては、こうした保護者の方々の御負担、それからさらには財源の問題、そしてまた、国、地方の役割分担の在り方、こういったことも含めて十分な検討が必要だというふうに思っております。
 いずれにせよ、子供の幸せのために私たちが一つとなって議論をしてきたこの結果としてのことでございますので、引き続き検討を続けていきたいと思っているところでございます。
#71
○国務大臣(平野博文君) 今提案者の方からお話ございましたが、私はやっぱり幼児教育の必要性、重要性というのは一番人格の形成する基礎になると、こういう認識は同感でございます。そういう観点で、特に文科省としては、先ほどもう一人子供を産んでみようかと、こういう保護者のことを鑑みますと、やっぱり負担をいかに軽減をしていくかということはしっかりと詰めていかなければいけないと、かように思っております。
 特に、私自身も先生と基本的に同じでございますが、やっぱり幼児教育の無償化という大きな指摘、また私どももそうあらねばならないと、そうしたいという気持ちは全く同感でございますが、やっぱり財源の問題は含めて、国、地方の役割分担を含めて、十分に議論をしていきたいと思っております。
 加えて、先ほどもありましたが附帯決議、このこと、さらに、いずれにしましても、やっぱり負担をいかに軽減をしていくか、このことについて考えながら幼児教育の充実に努めていく決意でございます。
#72
○水落敏栄君 どうぞ民主党内でも、しっかりとこの幼児教育無償化、議論していただきたいというふうに思います。
 次に、前回に引き続いて、いじめ問題について質問したいと思います。
 いじめは子供が出会う最大の苦難でございまして、いじめ問題にいかに対処していじめを根絶していくかは、子ども・子育て政策において極めて重要な問題でございます。我々には、子供たちが安心して学校に通って、親たちも安心して子供を送り出せるようにするための環境をつくる義務がございます。この問題は決しておろそかにしてはなりません。本来であれば、この集中審議が必要だという問題でもあると思います。
 いじめ問題が重大な社会的問題となる契機となった滋賀県大津市で中学二年生の男子生徒が自殺した問題では、前回も申し上げましたけれども、子供を守るべき学校、教職員の対応に大きな問題がございます。自殺という最悪の事態に至った後の教育委員会の対応も、いじめの事実を隠蔽するなど不適切であり、生徒、保護者を始め、国民の信頼を著しく損なっています。加えて、教育委員会及び校長が記者会見するたびに、いじめの有無や自殺との因果関係などに対する説明が変わっており、学校や教育委員会は当事者能力を失っているように見えます。こうした状況では事実関係の究明も進みません。
 そして、前回も申し上げましたが、文部科学省に今の事態の解決に対する積極的な動きが見えません。文部科学省は大津市の要請に応じて事務職員を派遣しましたが、職員ができることは、大津市が求めた第三者委員会の設置に対する指導、助言、援助の範囲内にとどまるものでありまして、事実の詳細な確認などの積極的な調査など行っていないことは、我が党が開催した会議で文部省から説明を得ております。
 また、既に加害者とされる複数の生徒が大津市市外に転校していますけれども、大津市が設置する第三者委員会には自治体の枠を超えて調査を行う権限がございません。自治体の枠を超えた対応ができるのは文部科学省だけなんです。
 だからこそ私は、前回の本委員会において、平成十八年に、北海道滝川市立小学校での小六女児いじめ自殺事件で、学校や教育委員会が遺書の存在を知りながら隠蔽していた事実が判明した際に、自公政権が直ちに池坊副大臣を現地に派遣した事例に鑑み、事務職員ではなく政務三役を派遣して文部科学省が政治主導で対応すべきだと申し上げました。
 その後、ようやく七月二十日に奥村副大臣が現地入りしました。しかし、奥村副大臣は滋賀県第四区の選出なんです。副大臣の責任として、また地元県選出の議員として、ここまで社会問題化しているにもかかわらずこれまで具体的に動かなかったということ自体、私は信じられない。
 まず、奥村副大臣は現地入りして事態の解決のためにどのような活動を行ったのか、大臣にお伺いしたいと思います。
#73
○国務大臣(平野博文君) 先生御指摘のとおり、このいじめの問題というのは極めて私は重大な問題でありますし、文科省としてもこのいじめの問題、さらにその問題によって自殺に、尊い命を失うと、こういうことはあっちゃならないということはもう基本でございます。
 今回、特に大津の事案のことについて今お触れをいただきました。奥村副大臣が滋賀県にどういう立場で行ったのか、こういうことでございますが、特に私は、この問題、七月の四日にマスコミで報道されて以来、相当現場が混乱をしているということ、加えて、地元の市長さんの方から第三者委員会を含めて立ち上げるのに実務者を派遣をしていただきたいと、こういう要請に基づいて三名を職員等派出したところでございます。
 しかしながら、今先生御指摘のように、県もしっかりやってもらわなきゃならない、こういう思いで政務の立場で、また奥村副大臣、担当でございますし、地元でもございます、滋賀県選出でございますから、そういう意味で、県含めて今度は行政サイドに対して、政務の立場でしっかり文科省としてもやるから、原因究明をしっかりやってもらいたいという激励と要請に行ったところでございます。
#74
○水落敏栄君 時間がなくなってまいりました。
 私は、今、平野大臣から御答弁いただきましたけれども、奥村副大臣、地元選出の議員として二十日になって行かれたんですけれども、市長などとの形式的な面会にとどまるような内容の際は、私はもう何もしていないと言ってもいいと思っているんですね。やっぱり、これ、副大臣の実績を残すためのアリバイづくりじゃないかなというふうにも取れるんですね。
 やっぱり、そんな市長とか教育長と会うんじゃなくて、文科省としてどうしていくのかというのをこれからしっかりとやっていただきたいと思いますし、また、時間が足りませんので申し上げませんでしたけれども、地方教育行政法の是正指示とか、あるいは地方教育行政の組織及び運営に関する法律の第五十条で文部科学大臣の指示は定められておりますから、こうしたことで、文部科学省、大臣がもう率先して、文部科学省が先頭になってしっかりとこれは監督指示するということでお願いしたいと思いますが、一言。
#75
○国務大臣(平野博文君) この五十条の是正を命令を含めてやれると、その立法していただいた趣旨を十分踏まえて、この問題に文科省は全面的に支援体制を取ってやりたいということで、昨日対策室も発足したところでございますので、先生の御指摘十分踏まえて対応したいと思います。
#76
○水落敏栄君 残念ながら、時間がなくなりましたので終わります。
 しっかりと対応していただきたいと思います。
#77
○片山さつき君 消費税が三%に上がったとき、それから三%から五%に上げたときに比べまして、現在の方がはるかに中小零細や個人事業主を取り巻く環境は厳しい。利益率が下がっているというか、赤字法人の率が上がっていると言うべきですかね。
 高齢化率ももちろん上がっておりまして、売上げの落ち込みを緩和し、逆進性を和らげる対策の必要性は増しているわけで、自公の方が提言している軽減税率につきましては、本委員会でも、本日も、食料品関係だけで二、三兆円の減収になるというようなお話が、ずっと議論が出て、政府は及び腰な対応ということですが、我々も、税理士会とか中小零細事業者の団体、各団体から、記帳が非常に煩雑になったり記帳コストも払えないというような不安論も出ていまして、それは非常に気にしております。
 ただし、軽減税率はOECDの三十六か国中二十五か国が長年やっておりまして、消費税をつくったのはフランス、付加価値税をつくったモーリス・ローレ博士、私も実際に何回かお会いしていますが、御承知のように、やはり間接税の世界での調整は間接税でということもあったんですね。だから、問題はいろいろありながらもやっているということなんですが、他方、マイナンバー法案は自民党も大分汗をかかせていただいてまとまってきていますが、だからといって、民主党さんが提案された給付付き税額控除というのは実務上、本当にできるのかということを今日お伺いしたいと思います。
 まず、財務大臣。就労者が六千二百万人ぐらいの日本でございますが、源泉徴収と年末調整で非常に効率的な税務行政をやっている国として有名でございます。五万六千人の国税職員、二千百八十五万件の申告書で済ませているんですよ、六千二百万人就労者がいてですよ。そこに今回、三千百万人ぐらいいらっしゃるという住民税を払っていない方たちは、これはやはり消費税で痛むので何かしなきゃいけないという議論ですよね。この方々がみんな給付付き税額控除で税務署に押し寄せましたら、今の体制で公平、公正、適切な給付を執行できるというふうに自信を持てますでしょうか。
#78
○国務大臣(安住淳君) フランスにもおいでになられてヨーロッパの税制のことは専門家でいらっしゃいますから、これからまたいろいろ教えていただかないといけませんが、今の御質問でいう、体制大丈夫かということでございますが、今、税務署の署数が五百二十四署数、国税庁の定員が五万六千百九十四名でございまして、今委員おっしゃるように、仮に、仮にですが、三千百万件の申告になった場合にこの体制でやっていけるのかと。率直に言って、執行面での課題がございます。ですから、そういう点では、給付付き税額控除での申請ということになった場合の追加的な事務負担がどれぐらいになるのかについて、今、制度設計と調査をこれから行わなければならないというふうには思っております。
 ただ、これはゾーンが本当に三千百になるかどうかというのは分かりませんので、そうした点では、今の税務体制の中でどれだけのことが本当にできるのかということは、仮にマイナンバー制度等ができた場合、この先、この制度というのは様々なことで利用することも出てきますので、我々としては税務体制というものを再点検したいと思っております。
#79
○片山さつき君 金融界と話をしますと、マイナンバー法ができたからといって、じゃ、これから口座を開設するとか証券口座つくるとか保険に入るときに、全部このマイナンバーを打たなきゃいけないのかという話にするかどうかは全くこれからなんですよね。ですから、名寄せ自体もまだ鮮明じゃない上に、資産の方はここには完全に把握できるかどうか分からないですね、金融資産以外のものもありますから。
 それに加えて、総務大臣、子ども手当のときもいろいろ執行の問題って出ましたね、まあやられたわけですが。そのときには千三百七十八万人で、しかも世帯ごとに数字出していたから恐らく一千万切っているんですね、件数では。今、児童手当ということで我々の意見を聞いて修正していただいて、これ千七百三十万人なんですよ。これ仮に、じゃ、税務署は執行体制として自信がないと今言っていますから、じゃ、自治体でやるとしたときにやらせられる自信ありますか。
#80
○国務大臣(川端達夫君) 仮定のお話であると同時に、前提として、この税額控除についてとそれから複数税率の問題というのがそれぞれの観点からしっかり検討するようにという法律の書き方でありますから、私が今のお問いに直接お答えするのが適切かどうかということはちょっと前提として置かせていただきますけれども、実際、この修正案では、給付付き税額控除等の施策の導入については課題が幾つか、前提も含めて書いてありまして、番号制度の本格的な稼働及び定着を前提に、所得の把握、資産の把握の問題、執行面での対応の可能性を含め様々な角度から総合的に検討すると法文では書いてあります。
 執行面の問題についてのことになるというふうに思いますが、対象の範囲、地方団体が給付事務を行うかどうかというのはこれからの課題でありますけれども、私の立場で申し上げれば、やはり実務上いろいろ課題が当然出てくるというふうに思いますが、一番大事なことは、地方自治体の実情というのが前提になりますので、四月十六日に開催されました国と地方の協議の場において、私の方から、地方団体とかかわりが出てくる場合には地方団体とよく相談をさせていただきたいと申し上げているところでありまして、仮に給付付き税額控除に関連して地方団体に影響が生じる場合には、地方団体と十分に協議をしてその意見を聞くことが大前提になろうというふうに思っております。
#81
○片山さつき君 これ、非常に重要な話ですよね。これができないかもしれないということで、民主党政権としては閣法を出してこられたということらしいんですよ。実務についての話合いの検討会は一回しかやっていないということを政府側から聞きました。だから、軽減税率も多々問題があるけれども、両方出していかざるを得ないというような判断を我々はしたんですよね。
 実際ここで政府がそのとき使われた諸外国の給付付き税額控除の資料ですが、これ、付加価値税と一緒にやっているのはカナダだけですが、日本はカナダじゃないわけですよ。今言ったような全員申告のあれがあるのかどうかとか、いろいろ、人口の問題もありますし、元々、税務署に必ず年に一度は行くんだと、データ、口座が税務署や税務当局に持たれているというところがこういうのをやっているところは多いわけで、今回こういうものをやるために新たに、それこそ国と地方の話合いの協議もこれから、いろんなことを全部これからで閣法を出してくるというのはちょっと余りにも詰めが甘過ぎるので、そこは本当に、両大臣、これで我々はできるだけ早くこの法案は採決と言っているわけですから、実務の相談に入るんだったら徹底的に詰めていただかないと、またこれ沖縄の普天間だとか最初の子ども手当だとかと同じことになりますよ。言ったけれどもできないになりますから、責任を持ってやっていただきたいと思います。
 いずれにしても、導入の際には、前のときも記帳支援の基金をたしか六十億円か何かつくったりしているんですね。今でも半分ぐらいの零細個人業者は手で記帳しているというアンケートもあります。もうちょっと進んでいるような気もしますが。また、内税、外税方式についても、とても転嫁ができないから、生鮮食料品や卸の方々は外税にできないかという御希望もある。これは両論あります。どの業界からも一千万円の免税点、五千万円の簡易課税のラインの引上げとか、それから滞納の場合、これ、我々のときも考えて四・三%まで下げていますが、それでも今の低金利から見ればきついので、こういったことを軽減更にするとか、あるいは時限的にゼロにするとか、そのぐらいのことをしないと廃業が相次ぐと思うんですが、財務大臣、是非そこは御配慮いただきたい。
#82
○国務大臣(安住淳君) 先ほどのまずシステムをどうするかということですが、率直に申し上げて、やはり国税当局だけでやるというのは非常に難しいので、地方自治体とよく協力をさせていただいて、しっかり協力体制を組んで対応をしていきたいと思います。
 まずそれは一点としてあって、中小企業に対しての対応についてしっかりやるべきでないかということなんですが、今御指摘がありました点の何点かについては、私どもも片山委員の御指摘と同じように改善しなければならない部分もあるだろうなと思っております。
 まず、先般、消費税入れたときの基金のことについては、新たにこれで引上げが実現をした場合に、事業仕分等で必要最低限の額だけ残しなさいという意見でございました。これを予算措置をもう一回やらないと、この基金でこのオンライン化等の事業がまたスタートする可能性が高いというふうなお話でございますので、ここはよくお話を聞かせていただいて、財政的なことが可能であるんであれば検討したいと思います。
 延滞税については一四・六で、これが四・三ですね。これが少し、やっぱりこの低金利下における利率の在り方を少し考えなきゃいけないんじゃないかということはごもっともでございます。平成二十五年、つまり来年の税制改正時において、ここについては見直しを御指摘いただきましたので、これはやらせていただきたいと思います。具体の検討をしたいと思います。
 ちょっと御要望にこたえられないのは、もしかすると免税点制度や簡易課税制度についてはなかなか、益税が出るというふうな批判もございましてこれまで下げてきた経過がありますので、これについては、現時点ではやはり一千万それから五千万というところについてはそのままにさせていただければ有り難いなと思っております。
 なお、総額表示方式についても柔軟対応いたしますので、書籍ですね、本体価格プラス税というふうな、あれをベースにした事業向けの対応等はやっていきたいと思います。
 価格の転嫁対策が最も中小零細企業にとって重要なことだと思いますが、このことについては、この委員会でも副総理の方からも再三申し上げているとおり、政府としては、公取を含め様々な対応をしっかり取ってまいりたいと思いますので、中小企業を守るために努力をしていきたいと思っております。
#83
○片山さつき君 従来より踏み込んで何点か御答弁いただきましたので、非常に力強い部分もございましたが、これは、また引き続きいろんな場で議論をさせていただきますが。
 今日は長妻議員と生活保護の議論をさせていただきたいと思っておりまして、平成二十一年十二月、当時の長妻厚労大臣の下、通達で速やかな保護決定の要請というのが出されているんですね。
 元々、生活保護法は二十四条三項で、申請日から十四日以内に決定通知しろと、最大三十日以内だとなっておりまして、さらに、緊急保護の制度もあるんですよ。それから、つなぎ資金もこの通達自体に書いてあるようになりまして、大臣とテレビでこの話を二回したときには、いや、そうだって、我々だっていつ生活保護になるか分からないじゃないですかと、餓死したらどうするんですかという話されましたが、そうならないようなセーフティーネットがこの法律の中に元々あるんですね。だから、それを多用すれば、どっちかおかしいな、この人本当に偽装離婚じゃないのかな、資産ありそうに見えるよなというような人に、ぽんと一週間で出す必要ないんですよ。ただ、もう実態は完全にそうなっていまして、もう断れないなと、二十一年の十二月から。
 それで、因果関係を特定しているわけじゃないですが、生活保護予算が二・七兆から三・七兆に一兆円増えたのは、これ事実なんですね、数字はうそつかないので。栃木県では、最近調査をしたら、二〇〇九年度から二〇一〇年度、これは政権交代またいでいるわけですが、不正受給は一・五倍になったと発表、さいたま市や千葉市でも、この二か月ぐらいの生活保護についての世論の高まりを受けてどんどん調査したら、暴力団に払っていたのは二年で十五件あったとか、まあいろいろ出てきています。これはもう偶然の一致じゃないですね。
 今回、この社会保障制度改革法で、自公民でこの法案に合意しているわけですよ、附則で、生活保護制度は見直しますと。不正な手段による保護を受けた者へは厳格な対処、適正化給付水準、これ見直しって、これは画期的なことですよ。
 そこまで決めたんですから、この際、その一環として長妻通達を撤回するように御本人から言っていただけないでしょうか。
#84
○衆議院議員(長妻昭君) 今るる御指摘がございましたけれども、この通知は、今おっしゃっていただいたように、これ生活保護は第二十四条で申請のあった日から十四日以内に通知をしなきゃいけないと、可否を、あるいは特別な理由がある場合は三十日まで延ばすことができると。
 これはもう法律事項でありますので、何かこれを変更するということではございませんけれども、やはりせっぱ詰まった方々、申請されておられて、そして食費にも交通費にも事欠く方々について、臨時特例つなぎ資金貸付制度というのが実はこの通知を出す二か月ぐらい前に新たに設けられましたので、こういう制度もきちっと使って、そして可能な限り速やかに行うように努めてくださいというような趣旨でございまして、生活保護を申請される方が急増していた状況から、支援の必要な人が保護を受けられないといった状況が生じないように特に留意すべき事項を改めて徹底するために、これ以外でも何点かのことを書いて通知をしたということでありまして、今後とも、真に支援が必要な人に着実に支援を実施していくという考え方には変わりがないので、これ御指摘の通知を撤回するという必要はないというふうに考えておりますし、これ以前にもいろいろな通知が出て、本当に受けるべき人は受けていただくというような通知が累次にわたってこれ出ているところでございまして、そういう意味では、不正はこれ、徹底的にメスを入れなきゃいけませんけれども、やはり最後のセーフティーネットですので、必要な方はやはりきちっと受けていただくということも必要だということであります。
#85
○片山さつき君 いや、きっちり運用をするということは、必要な方にはきっちり受けていただくということそのものでございますが、その議論はまた今度、法改正に向けてやっていきたいと思いますが。
 この社会保障制度改革法では生活保護の関連はあくまで附則に入れたんですね。それは、社会保障制度の本筋は社会保険制度が基本だと。そして、自助、公助、共助の組合せだという我が党の主張も入れていただいて、それで、国においては、この今お手元に配らせていただいている、この上の赤が国、下の赤が地方なんです、ちょっと字が小さいですが。
 国においては、これ、四経費で点線のところにしか充てないよと。生活保護費はもうこの時点で一・四兆円はみ出ているんですよ。もう何千億かで生活保護の分だけで消費税の国分一%ぐらいもうはみ出ておりますね。
 ところが、地方の方においては、地方税法及び地方交付税法の一部を改正する法律案、抄を見ていただくと、この四経費その他社会保障施策に要する経費に充てるものにしちゃったんで、財務、総務両省の事務方に確認したところ、生活保護に回り回って使われる可能性は否定できない、つまり四分の一は地方の経費ですねというふうに答えているんですが、野田議員、これは立法者、起草者の意図としていいんですか。違うんじゃないですか。
#86
○衆議院議員(野田毅君) 若干ずれているかというところは、なくはないです。
 ただ、そもそも消費税を最初につくったときに、国税だけではなくて、地方税の基幹的な税目であった娯楽施設利用税あるいは料飲税等々ですね、いわゆる一般財源であった地方税をやめて消費税に一本化したと。その過程の中で、交付税として、当然のことながら一般財源として一部をお渡しをするという制度をつくったわけで、そういう意味で、今回もその部分は根っこにしっかりありますと。
 ただ、今回、引上げに係る部分についてはその趣旨を生かしてほしいということで、なかなか一般財源化された中でどの部分がどうなっているかということを、具体的にそこまで仕分を、区分経理をやるというのは非常に複雑多岐にわたるということがあったので、現段階ではそちらに回る部分は消費税収入の範囲の中にあるということを確認した上で、若干そこは曖昧さは残っておるかもしれませんが、基本的には消費税収入の中から生活保護に向かうということにはならないだろうと、そういうふうに考えております。
#87
○片山さつき君 起草者の中心でいらっしゃる野田我が党税調会長がこのように言っておられるわけでございまして、総務大臣、ですから、せめて自治体においては、お金に色がないにしても、これは立法者の意思として、地方消費税の増分については生活保護の負担分には使うべきでないというようなことを何らかの形で達せしめるべきではないですか。総務大臣。
#88
○国務大臣(川端達夫君) 今回の消費税、国、地方を含めた消費税の増分というのが、いわゆる社会保障、特に四経費を中心とした部分の安定的な財源として充てるということの趣旨であることは、もう言うまでもないことだというふうに思っております。
 したがいまして、国税においてはそのことは明記をされているわけですが、地方分におきましては、今、野田先生からもお話がありましたけれども、そもそも論として、地方の自主財源である地方税の性格というものがいわゆる使途を制限しないということが原則の部分があります。同時に、実務上、高齢者とか児童、障害者、貧困者等対策として、四経費ということに線引きせずに一体的、総合的にサービスをやっているという実態もありまして、これを予算上の区分である社会保障四経費かどうかを厳格に峻別することには実務上に相当の難しさがあるということ。
 それから、地方の意見としては、一体改革大綱では地方団体の意見を踏まえて検討し結論を得るということになっておりますので、地方団体にいろいろ御意見を伺いましたが、地方からは、社会保障財源の必要性に理解を得つつも、地方の社会保障施策に要する経費に広く充てるべき、地方の自主性が制約されないものとするべきだというふうな意見もいただきました。
 また、今回の地方消費税の充実は、いわゆる所得税法等改正法附則第百四条の第三項第七号に基づき、社会保障制度の安定財源の確保の観点というふうに書いてあります。これは、国分の附則百四条第三項第三号で社会保障四経費に充てるべきことを明記しているのとは書き分けてあります。
 これは、今申し上げたような経緯もあるというふうに思いますので、このため、地方単独事業を含めて社会保障施策に要する経費全般を想定しておりますので、例えば、今委員御指摘のように、生活保護など特定の部分のみを除外するということを要請すること自体は考えておりませんが、もとより、今般の地方消費税の引上げの趣旨は、主として今後も増加が見込まれる社会保障四経費の財源確保にあることは事実でございますので、政府としては、こうした今回の消費税率の引上げの趣旨、引上げ分の地方消費税の使途の考え方については、地方に対してしっかりと説明をしていきたいというふうに考えております。
 以上です。
#89
○片山さつき君 野田総理が五月に予算委員会で答弁されましたように、自民党と今の民主党政権側の生活保護改革の考え方というのは五分の四ぐらいは似ているんですよ。今それを対照表にしたものを作りましたが、一番違うのが水準の適正化をはっきり言うかどうかなんですね。
 そこで、私どもの方は、理由があってやはり水準は適正化しなきゃいけないと言っております。どういう理由かというと、この十二年間ぐらいに平均給与は一五%下がっているけれども、生活保護の方は〇・七%しか下げてこなかった。これは、私も予算を厚生労働も含めて担当していまして、ずっとそれはもう自民党も、長年の与党も、政府も責任はあります。初めは積み上げでやっていたんですよ。一日二回練り歯磨きで一回は何ミリかどうかからやったんですよ。すごいことをやっていたんですよ。それを、昭和三十六年以降、バスケットの積み上げから毎年十数%上げる方式に変えちゃったのでどんどんどんどん高くなって、その後、一兆円が二兆円になったときに我々も何とかしようと思って、三位一体でやったり母子加算を何とかしようとしたら、そのたびに、申し訳ございませんが、現与党の方から大分反対がありまして、できずに現在に至ったんですが。
 年内に消費動向調査をおやりになるとおっしゃっていますが、消費動向調査だと、お酒もたばこもパチンコもゴルフも旅行もみんなやった上での消費動向なんですが、当時の最低限の憲法二十五条下で保障される生活にはそういうものは入っていなかったんですよ。今でもたくさんの不公平感がある、不適正感があるというものが寄せられますよ。自民党本部、六月一か月間でもすごかったですし、私の個人事務所に五月の最終週から六月の第一週にかけて五千件来て、九割が適正化してくれ、不公平だというものです。ですから、これはもう世論としては完全にそうだと思うんですが、なぜそれをはっきり言わないのかと。
 それに加えて、最低賃金と十一の都道府県で逆転しているんですね。これ、自由、平等、博愛の国のフランスでも、私が卒業した国立行政学院では、最低賃金から五%から一〇%低くしないと誰も働かないと、働かざる者食うべからずだと教えていましたよ。現大統領は社会党ですけど、そこの卒業生ですから、今でも水準は高くないですよ。
 だから、その辺を考えて、なぜそこに全く踏み込まず、また、酒、たばこ、ギャンブルとか、そういったものに使えないような現物給付化ですね、こういうことにも非常に消極的でいらっしゃるのか、大臣にお伺いしたいと思います。
#90
○国務大臣(小宮山洋子君) 委員には、政府と御党の考え方の論点メモを作っていただいて、ありがとうございます。
 それで、水準の見直しにつきましては、これも何度か申し上げていますけれども、全国調査のデータを用いまして、今、五年に一度の見直しを今年の末へ向けて今結論を出そうと思っていますので、そこで一般的な低所得の方とのバランスについてもやりたいと思っていますし、あとは、最低賃金につきましては、これは二年で解消していくということが決められていますので、そういう形でやりつつ、これも何度か申し上げているように、五月の末に低所得者向けの社会保障の在り方を検討する研究会を立ち上げましたので、その中で、これまでは制度と目的が違うから違って当たり前と言ってきたものが、それでは納得が得られないということで、生活保護と年金の最低保障、それからまた最低賃金の関係について、きちっとそこは総合的にやりたいと思っています。
 そして、具体的なお尋ねの、現物給付化とか電子マネー化ということですけれども、これは、そのことに確実に使われるというメリットがある反面、生活保護受給者だということが分かるプライバシーの問題ですとか、初期費用とかランニングコストについてやはり財政負担が生じるといった課題もあると思っています。
 ただ、どのような手法が生活保護費のその目的、趣旨に沿って使われるために必要かということは、また御意見もいただきながら検討したいというふうに思います。
#91
○片山さつき君 ミクロの調査にも乗り出さないわけではないという御答弁を初めていただいたんですが、大阪は、二百六十万人の市で一年間で三千億円生活保護を払っているんですよ。それだけにいろんな研究も進んでいまして、大阪市でフィールドワークをやっていただいた調査を今いただいているんですが、いわゆる口入れ業者とか、そういう貧困ビジネス業者が路上生活者を見付けてきてやるということがあるんですが、それが大阪では、適正民間業者というのができてきているんですよ。
 これ、我々も見に行ったんですが、前も見に行ったんですが、四畳半ぐらい一間のきれいなアパートに入れて、ちゃんとユニットバスもあるんですよ。私たちが就職したころの独身寮よりいいんですよ。それで四万二千円で、六十五人ぐらい入っているから一食二百円でできるんですね、きちっとした食事が三食付いて。年間で八十九万円でうちはやれますと言ってやっているんですよ。
 ところが、悪質口入れ業者というのは、決まったように、毎月一日に配られると十万円天引きしているんですよ。そうすると、十万円掛ける十二で百二十万円でしょう。百二十万円の方が受けている生活保護サービスの方が劣悪です。三畳に仕切ったりして、ひどいです。こちらの方は八十九万円できちっとした生活ができているんですよ。
 だから、これからやるべきことは、これ、住宅扶助、生活扶助、一貫してもう民間に委託します、今までの最低コストを入札の目安にして競争入札でやりますと言ったら、もう二五%ぐらいどんと下がるんですね。それには法改正が要るんですよ。それは、もうこれだけ増えて表に出てくればできるので、この議論はこれからも他委員会でもやりますから、是非その辺、データもお渡ししますので、考えていただきたいんですね。
 それからもう一つ、自民党案と厚労省の案が違うのは、やっぱり自立が基本になっているかどうかも物すごく違って、これ、やはり人権の国ドイツやアメリカでも、ハローワークから来た仕事を断ったら給付は減額、アメリカはミールクーポンをもらえるのは人生で通算二年で、しかもコミュニティーワークの義務が付いているんですよ。そういう義務付けとか就労へのインセンティブについて自民党はかなり踏み込んでいるんですが、民主党はそこが非常に弱いんですね。
 これは母子加算の問題で非常に顕著でございまして、今回、私、試算をしたんですよ、自分で、いろいろと関係業界、税理士会も含めて助けていただいて。今、母子家庭、三十歳のお母さん、四歳と二歳の子供という組合せだと二十四万何千円かもらえます。上限じゃなくて平均の住居費を使うと二十四万何千円もらえますが、それを、普通に税金や保険料を払っている人がそれだけの手取りを残そうと思うと、何と月で三十九万円もらわなきゃいけないんですよ。
 小宮山大臣、御地元の世田谷のハローワークへ行ってくださいよ。三十九万円のオファーが三十歳の特にスキルのない女性にありますか。ありませんよ。おまけに、世田谷だけじゃなくて東京都の幾つかの区では、保育園の入園も、生活保護の方は、母子家庭の方は優先です。おまけに、その後仕事しなくなってもずっと入っていますから、もう必死に何とか復職したいけど認可保育園すらあてがってもらえない人がごまんといるこの東京で、入りっ放しで働いていないんですよ。それを見て、そのお子さんが働くようになりますか。これほど悪い循環はないですよ。
 ですから、せめてこの辺り、民主党は母子加算の復活に非常に熱心だけど、今回の合意を見ると必ずしもそうでもないと期待して、我が党が、母子家庭については就労中心で、雇った人に後ろからお金を出す方がいいだろうと、安いし健全だというふうに変えてもらって、それから、高齢者も元気な方はシルバー人材センター、今四万円大体稼げるんですよ。そちらにできるだけ行くようにしていただいて、これは受け手から要望のある、シルバーの派遣って最長三年の契約期間の制限があるんですが、これを今回の対策と一緒にもう緩和すると、そのぐらいのことをして、もう駄目な場合は給付の減額、停止も含めてきちっとやるよと。
 それから、我々のときに作って法制化していただいた求職者支援制度も全然使われていないですよね。数万人ですよ。これをやるからという話で派遣村と我々は議論をしていたんですよ。そうしたら、それがいつの間にか、年末になったら長妻さんの通達に化けちゃって、生活保護ばっかり増えたんで、我々は非常に裏切られたって感がありますので、是非、この自立促進策、働けるばりばり世代もドイツ、アメリカ型を参考にして義務化するべきじゃないか、それから母子加算よりも母子就労だと、それから高齢者にはシルバー人材センターの活用、この辺りについて小宮山大臣の御見解を。(発言する者あり)
#92
○衆議院議員(長妻昭君) ちょっと私の名前が出ましたので申し上げますと、この生活保護は、これ、御存じのように失業率とかなり……
#93
○委員長(高橋千秋君) 簡潔にお願いします。
#94
○衆議院議員(長妻昭君) 密接な関係があるということで、リーマン・ショック後にかなり増えたということが一つと、ドイツのお話をされましたけれども、ドイツは、これ、いろいろな計算方法ありますが、生活保護率でいうと……(発言する者あり)
#95
○委員長(高橋千秋君) 簡潔にお願いします。
#96
○衆議院議員(長妻昭君) 人口当たり日本よりも三倍以上高いと言われておりまして、つまり入りやすく出やすい生活保護、若年者中心なんですね。日本の場合は入りにくく出にくい生活保護で、高齢者の比率がもう半分近くまで増えているということで、年金と含めたそういう政策も必要だということで、一概にドイツと比べられないと思っております。
#97
○国務大臣(小宮山洋子君) 今委員から幾つかのことがあったと思うので、手短にそれぞれお答えしたいと思いますが、一つは、母子加算のことについては、これは三党連立政権の合意書に基づいて二十一年の十二月に復活をさせました。一般の母子家庭と被保護の母子家庭の生活実態の調査によると、健康状態が良くないとか余り良くないという家庭が被保護母子世帯の母親の方が倍ぐらいあるとか、そういう実情もあると思いますが、委員がおっしゃいますその就労を中心にして自立をするということは基本的には私もそのとおりだと、厚労省としてもそのとおりだというふうに思っております。
 細かい話からいきますと、シルバー人材センターの、ここで、こういうところで御高齢な方に働いていただくということも非常に重要だと思いますので、今、三年が最長という、これは派遣の期間の在り方ということだと思いますが、私も、実際に働いている方からも引き続き働きたいという御要望もたくさん受けているので、これは検討をさせていただければと思います。
 それで、今回、秋につくろうとしている生活支援戦略で、先ほど申し上げたように、働くことのインセンティブを掛けることは、力をかなりこれは入れたいと思っています。個々に働ける方にはもちろん働いていただく、ただ、高齢で働けない病気の方とか、あとは精神を病んでいらっしゃる方とかもかなりの割合いらっしゃいますので、働ける方には、インセンティブが働くように、就労収入の積立制度ですとかそうしたこと、また、いろいろそれぞれ一人一人に寄り添って、それぞれの状況に応じて少しでも働いて自立していただいて生活保護から抜け出せるようにということで、民間とか社会的事業をやっているところとも連携、協働を取って、伴走型に支援をするということもしていきたいと考えています。
#98
○片山さつき君 そもそも、ずっと四十年間国民年金を納め続けて老夫婦で六万五千、まあ六万最終的には六千円掛ける二ですか、それは都内で生活保護をもらおうとしたら十四、五万円もらえますからね。そこの問題もありますが、やはり最低賃金との問題というのは、本質的に我が国の憲法では現在でも勤労は義務なんですね。
 この生活保護法を作ったときのことというのはいろいろ私たちも調べてきたんですが、戦後ああいう時期でございまして、引揚者もたくさんいたと、そういう状況の中で緊急避難的に制度をつくって二十五年に法制化するときに、権利だけが前面に出て義務の方が非常に甘い制度になっているというのは、これは国際比較から見てもそうなっているんですね。
 それで、派遣村ができました。あのとき確かに民主党さんは最初に音頭を取って派遣村に対応しようということで、当時自民党議員で最初にその厚労省の上の方へ行ったのは、私と大村秀章現愛知県知事だけなんですよ。ただ、その後我々はセーフティーネット議員連盟というのをつくりまして、後継制度をつくろうということで頑張って七千億円の基金を取ったんですよ。それは七五%の人が一応就職したんですね。
 そのときに、私も派遣村、これ全国で四か所ぐらいあったので実際行って説明を受けて、カウンセリングのガイダンスペーパーも何人かの方書いたんですが、本当に昨日まで事務職員として働いていた、あるいは工場にいて制服着ていた人が放り出されて、家も全くなく突然転落するというケースは少なかったですよ。
 先ほど大阪の例で言いましたように、元々、東京でいえば山谷とか大田区の一部の方にいたような、あるいは新宿にいたような方、大阪でいえば西成とかあいりん地区にいたような方が来ている部分も随分ありまして、結果的には、一番派遣切りが多いと予測されていた浜松とか名古屋地域でもやってみたらそんなに来なくて、来た方のかなりの部分が日系ブラジル、ペルー人だったんですよ。その方は、三十万円のお金を差し上げて、帰る方は帰ったんですね。
 ですから、本質が何なのかということを考えてみると、適正化の余地は十分あって、しかも就労につなげる余地は十分あって、さっき申し上げたように、安易な手当の出し過ぎによって、どう考えても若いお母さん、若い男性、働かない方に働かない方に行って、働いたら損という声がたくさん入ってきていますよ。働いたらあほやと、正直者はばかを見ていると。これを無視してこれからの制度改革をやらないでいただきたい。中間まとめでは、まだこの点が非常に甘いですよ。
 それから、医療についてもいろいろとかなり詳しくおっしゃっていただいていますよ。民主党の中でも梅村議員なんかは相当詳しく見ていらっしゃいますし、我々ともジェネリックとかレセプトとかその辺についての考え方は似ているんですが、じゃ、私たちは、この際一割負担を入れたらいいと思うんですよ。これは西成地区にテレビカメラが入ったときにそういうインタビューをして、まあ、もう本当に公共事業も減って日雇業務もないから仕方なく税金で食べさせてもらっているけれども、一万円から二万円は引かれてもしようがないよねとテレビカメラの前で言った日雇の六十代ぐらいの方がいらっしゃるんですよ。その例の四万二千円、きれいなマンションに入っている方でしたけれどもね。
 ですから、そうであれば上限を一万円ぐらいにして、一割の自己負担をすれば、今の話、つまり悪質業者と民間の適正に処理している生活保護サービス適用業者で二五%コストが違うんですから、これで住宅扶助と生活扶助、全体の四割を占めている医療扶助が一割負担で減れば、もう今三兆七千億円という予算はどう考えても数千億円圧縮できるんですが、医療の点につきましてももう一歩踏み込んだことをお考えいただけないでしょうか。
#99
○国務大臣(小宮山洋子君) 必要な方にはしっかり受けていただくと同時に、今委員御指摘のような、国民の皆さんが御覧になって納得できない部分というのはできる限り改善をしていく必要があると私も思っています。
 医療のところについては一割負担という御意見がよくあるんですが、これは最低限生活ができる水準ということで出している生活保護の費用の意味との兼ね合いだと思うんですね。ただ、その水準がどうかというところは御議論があるので更に検討が必要だと思います。ジェネリックをなるべく使ってもらうとか、不正がないように電子レセプトにするとか、あとは、その指定の医療機関が、今までその認可をする期間がなかったので期間で切るとか、指定を取り消すとか、そうしたことも含めて全体で対応していきたいというふうに考えています。
#100
○片山さつき君 真に必要な人に憲法二十五条が本来行うべく最低限の保障は当然行うべきですが、それをやってもかなりの節減ができると我々は見ておりまして、まあ話はちょっと変わりますけれども、今回の附則十八条二項で、経済成長戦略、事前防災・減災、そういうところに資金の集中投資をするということになっておりますが、仮にこれから補正予算を作るのであれば、現時点で補正予算の議論をすべきと我々は言っておりませんが、もう待ったなしの課題がいっぱいあるんですよ。首都の直下型の地震に対応するといっても、この東京都でも木造密集地域何十か所もあって、今起きたらもう膨大な死者が出ます。海抜ゼロメートル対策もやっておりません。そういったところも含めて、参議院には首都直下地震対策特別法と資源確保戦略法というのが二本出ておりまして、まだ与党の方の御協力がいまいち得られておりませんので早期の成立を期したいというのと、補正を編成する上では、是非これらの分野を検討していただきたいということを最後に財務大臣にお願い申し上げまして、質問を終わります。
#101
○国務大臣(安住淳君) 六月に提出をされて、先生も大変熱心にやっておられる二法案だということは大変承知しております。防災、減災を含めて、首都直下型地震それから南海トラフ、大変地震の危機というものに対してプライオリティーが高くなってきたことは事実でございますので、十分今後の予算編成の中で考慮していきたいと思います。
#102
○片山さつき君 ありがとうございました。
 以上で終わります。
#103
○委員長(高橋千秋君) 午後一時に再開することとし、休憩いたします。
   午後零時十四分休憩
     ─────・─────
   午後一時開会
#104
○委員長(高橋千秋君) ただいまから社会保障と税の一体改革に関する特別委員会を再開いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 本日、難波奨二君が委員を辞任され、その補欠として大島九州男君が選任されました。
    ─────────────
#105
○委員長(高橋千秋君) 休憩前に引き続き、公的年金制度の財政基盤及び最低保障機能の強化等のための国民年金法等の一部を改正する法律案外七案を一括して議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#106
○横山信一君 公明党の横山信一でございます。
 まず最初に、景気対策のことから伺ってまいりたいと思います。
 我が党は、防災・減災ニューディール基本法案骨子を発表させていただいておりますが、今回の一体改革の中で、景気対策というのが消費税の税率アップに欠かすことはできない、この厳しい状況の中にあっても、何が何でもこの景気対策をやっていくという、そういう強い覚悟が必要でございます。
 そういう中でこの公共事業が出てくるわけでありますけれども、無駄な公共事業という言葉が一般的になってまいりました。確かに、関連事業者あるいはまた天下りの元官僚らが潤うような公共事業、あるいはまた予算消化のような公共事業とか選挙対策のような公共事業とか、いろいろありましたけれども、しかし、あってはならないそうした公共事業はあったにせよ、公共事業予算をずっとこれまで減らし続けてきました。その結果、地方では何が起きてきたかということであります。
 建設業一つ取り上げてみますと、全産業就業者数に対する建設業就業者数の割合というのは一九九七年がピークでありまして、このときは全体の一〇・四%をこの建設業の就業者数で占めておりました。それが、昨年、二〇一一年には七・九%にまで落ち込んでおります。これを人数にいたしますと二百万人という数になるわけであります。ですから、この人たち全員が職を失ったということではありませんけれども、もちろん転職もありますが、少なくとも建設業から二百万人の人たちが職を去ったということであります。
 そこで、公共事業、悪い部分、いい部分を含めていろいろありますけれども、どちらかというと、悪かった部分がこれまでちょっとクローズアップされ過ぎたのかなというふうにも思いますので、改めて、その公共事業の効果といいますか、功罪でいえば功の方を大臣にお聞きをしたいと思います。
#107
○国務大臣(羽田雄一郎君) お答えをさせていただきます。
 地震、台風、豪雨等が多発する我が国において、自然災害リスクと向き合いつつ、国土の保全、暮らしの安全を確保するとともに、人口減少、少子高齢化の進展や地域経済の低迷という状況の中で地域の活性化を実現するために、真に必要な公共投資を着実に進める必要があると考えております。
 例えば、東日本大震災において、太平洋沿岸の国道四十五号線は被災、寸断されましたけれども、これと並行して部分的に供用していた三陸縦貫の自動車道は、津波浸水区域を避けて整備していたため破損がほとんどなく、国道四十五号の迂回路や緊急輸送路として大きな役割を果たしたところであります。
 今後とも、人の命が第一と、そして災害に上限はないという東日本大震災の教訓を踏まえた上で、国民生活の安全、安心の確保はもとより、我が国の地域産業・経済を支える都市・交通基盤の形成など、選択と集中の考え方の下で、真に必要な社会資本整備、これをまずしっかりと進めていきたいと思っておりますし、持続可能で活力ある国土・地域づくりを推進してまいりたいと考えております。
#108
○横山信一君 そのとおりでございまして、そういうふうに是非やっていただきたいわけでありますけれども、平成二十一年の政権交代以降、公共事業費、三か年で三六%の削減がありました。その一方で、高速道路の無料化、それから子ども手当、そうしたいわゆるばらまき政策があったわけであります。
 公共事業が減ったということで、これは特に地方都市に非常に大きな影響が出るわけでありますけれども、そうした地方経済が立ち直れないでいる中で公共事業費が大きく削減された。それは日本経済の低迷からの脱却を遅らせる一つの要因だったと私は思っておりますけれども、さらにこうした、その公共事業を削減した上にばらまき政策をしたということで財政悪化を招いたと。その結果が、今回、社会保障と税の一体改革法案という、国民に負担を課すという、いわゆる消費増税ということを議論しなければならない要因の一端だと私は思っております。
 建設投資について見れば、近年、国内総生産に対する比率が縮小していることもありまして、経済効果が低下しているんじゃないかというふうにも言われておりますけれども、国交省が六月に発表いたしました平成二十四年度建設投資見通しによりますと、震災復旧復興等に係る建設投資によって、名目GDPは一・〇五%、雇用創出は四十九万八千人が見込まれるとなっております。我が国の今のデフレ状況の経済状況の中では、実際、GDPを一%も引き上げる事業というのは極めて貴重だというふうにも思っております。
 そこで、財務大臣にお聞きをいたしますけれども、公共事業をやることによって税収拡大をどのように考えておられるか、お伺いいたします。
#109
○国務大臣(安住淳君) その前に、児童手当になりましたけれども、これは私はばらまきではないと思うんです。やはり、少子高齢化の中で必要な、子供を産み育てていく中で必要性はあったと思いますから、必ずしも一概にそうしたものがばらまきだとは言えないと思いますし、公共事業についても、先生、一つずつ精査をしていくと、例えば、具体の話にはちょっと言及はしませんけれども、同じような施設を同じような地域でそれぞれの役所が建てているとか、やっぱりそうしたものは効率化を図っていかなければならないと思うんですね。
 そういう努力を是非してもらいたいということを財務省は申し上げているだけで、必要で本当に国民の皆さんにとって重要なもの、あえて言えば、お金が、例えば利益が上がるところは、例えば鉄道なんかもそうです、それは私鉄がちゃんとやるわけで、利益は上がらないけれども社会福祉また地域の発展の中でこれは必要だなということについては、財政の負担をできるだけしないような形でやっていくという事業をやっぱりやっていきながら充実を図っていきたいとは思いますので、そこはマスコミの取上げ方にもよりますけれども、何でもかんでも一概に無駄な公共事業だというふうには、くみは我々もしていませんけれども、やっぱり効率性やその資金の在り方というのは十分これからも精査はしていきたいと思っております。
 そこで、公共事業を発注した場合の税収に対する影響はどうかということだと思いますけれども、もちろん株価の動向や、地価それから景気動向に税収は大きな影響を受けます。一概には言えませんけれども、しかし公共事業をやることによって、ある程度その地域によって経済が、実質的にはGDPが上がっていけば、それは税収の増加につながるということは一般的には言えると思います。
#110
○横山信一君 税収の増加につながるというふうに認めていただいたということでありますけれども、公共事業の効率化は私も賛成であります。もちろん、冒頭申し上げましたように、いわゆる無駄な公共事業というのはあったわけでありますし、我が党もずっとそれを批判してきたわけですから、そこは同じところでございます。
 その上で、公共事業の削減が続いていく中で、具体例として申し上げておきたいのは、私も北海道出身なものですから、積雪地帯では昨年、今年の豪雪で一体何が起きたのかということでありますけれども、いわゆるこの豪雪に関して十分な除雪体制というのは組むことができなかったんですね。
 その理由としては、公共事業予算の削減で、いわゆる道路事業予算を含めた公共事業予算の削減で地方の土木業者が減ったということがまずあります。それから、残った事業者であっても、いわゆる重機を持つことができなくて手放してしまった、その結果、地方の除雪体制を組むことができなくなってしまったと、除雪を請け負う事業者が減ってしまったという、そうしたことが非常に大きな原因だったということでありまして、いわゆる削ってはいけないところを削ると、こういうふうに地域住民に対して大変な、生活に対して非常な影響が出てくるということであります。
 今度は、経済財政担当大臣にお聞きをいたしますけれども、年間十兆円の公共事業、これは公明党が主張する防災・減災ニューディールで主張させていただいていることでありますけれども、この年間十兆円というのは公共事業のピーク時の平成九年の額にほぼ匹敵するわけでありますけれども、これ、平成九年というのは九兆七千億円でございました。
 これだけの公共事業予算を投入するとGDPはどれぐらい引き上がることになるのか、お聞きをいたします。
#111
○国務大臣(古川元久君) お答えいたします。
 二〇一一年度版の短期日本経済マクロ計量モデルの乗数表に基づき機械的に計算を行いますと、約十兆円というのは、これ名目GDPの二%相当額になります。公共事業をこの名目GDPの二%相当額だけ増加させた場合には、一年目の名目GDPは約十二兆円、約二・四%増加することになるというふうに計算ができるということであります。
#112
○横山信一君 ありがとうございます。
 では、今回のこの事前防災・減災ということでは、社会資本の老朽更新ということが主に言われているわけであります。それは、防災、減災に資するという、完全に交換するよりは早くに長寿命化対策をした方がいいということも含めてということでありますけれども、この老朽更新ということでいうと、国交省所管では今後五十年間に百九十兆円ですか、掛かるというふうにも試算をされておりますし、それから公立小中学校施設については今後三十年間で三十兆から四十兆必要だというふうにも言われております。
 我が国のこの経済を活性化させるということでいいますと、やはり、先ほど来申し上げているように、地方経済をどうやって引き上げていくかということが大事だと思うんですけれども、この地方経済というのは、残念ながらと言っていいかどうか分かりませんが、公共事業への依存度が高いという、そういった現状にもあります。
 だからといって、景気対策として、だからというか、むしろそうだからこそ景気対策として公共事業は有効だというふうにも言えるわけでありますけれども、地方で雇用を生み出す公共事業というふうに考えると、この年間十兆円の公共投資でどれぐらいの雇用を見積もることができるのか、これも古川大臣にお聞きをいたします。
#113
○国務大臣(古川元久君) これも先ほどと同じような計量モデルという、これはあくまで機械的に計算を行った場合という数字でございますけれども、一年目の就業者数は約十八万人増加するというふうに計算ができます。
#114
○横山信一君 一年目で十八万人ということであります。それが、どんどんどんどん増えていくという、そういうことで考えていただければというふうにも思うわけですが、先ほども申し上げましたけれども、平成九年のこの公共事業予算とほぼ匹敵するぐらいの公共事業を是非やってもらいたいというのが我が党の主張でございます。
 地方経済の活性化ということが国全体の景気対策ということであれば、構造改革以来、地方経済というのは切り捨てられてきたという思いが私はあるわけでありますけれども、その景気対策としての公共事業ということを考えると、やはり公共調達ということが私は大事だというふうに思っております。
 一般競争入札を広く導入したことで、よくこれも言われることでありますけれども、地方ではお金が回らなくなったと、地方でお金が回るようにすることで景気対策になっていくわけですが、そういうことがうまくいかなくなっているんじゃないかと、なっているんじゃないかというか、なっております。
 そういうことで、今回は景気対策として事前防災・減災ということもとらえていこうということでありますから、この現行の公共調達の在り方も是非見直す必要があるんじゃないかというふうに思うわけですけれども、これは国交大臣にお伺いいたします。
#115
○国務大臣(羽田雄一郎君) お答えをさせていただきたいと思います。
 社会資本整備等の維持管理や除雪、災害応急対応などの地域事業を行い得る企業が減少するなど、地域社会の維持に必要な事業の実施に支障を来すという懸念が生じていることは現実であります。
 このために、地域に精通した建設企業で構成される共同企業体、ここに複数年で地域事業を包括的に発注する、いわゆる地域維持型の契約方式の普及に今努めさせていただいているところであります。
 また、昨年の八月に改定しました入札契約適正化指針では、近隣地域内における工事実績、また事業所の所在地を競争参加資格や指名基準とする、いわゆる地域要件を適切に設定することを各発注者に求めさせていただいているところであります。
 今後とも、地域の担い手として人を大切にする施工力のある企業が適正に評価される環境づくりなど、単なる価格のみの競争ではなくて、地域を守り支える建設産業を育成するための入札契約制度の改革に向けて各省庁とも連携を取り合いながら取り組んでまいりたいというふうに考えているところであります。
#116
○横山信一君 まさに今大臣おっしゃっていただいたように、単に価格だけでとらえるということではなくて、その地域を支える、そういう建設土木業者も含めて、それぞれの地域経済に資するようなやはり発注方法というのを工夫をしていただきたいというふうに思うわけであります。
 国交省の持っていらっしゃる社会資本整備総合交付金、いわゆる一括交付金でありますけれども、これは平成二十二年に創設をされました。いろいろ議論はあろうかと思うんですが、私はこれは非常に使い勝手が良くていいというふうに思っております。使い勝手はいいというふうに思うんですが、残念ながらこれは減額されているんですね。二十三年は内閣府のいわゆる地域自主戦略交付金に一部移行したということで減額をし、そしてまた二十四年度も減額されておりますから、今現在一兆四千億円ということで約半分になっているということであります。
 本年の三月の予算委員会で、実は私、この防災・減災ニューディールを取り上げました。そのときに総理からは、この社会資本整備総合交付金、使い勝手がいいので、これはもう是非やりやすくなっているので、やりやすくなったというふうに工夫をしたというふうにおっしゃっておられたんですが、しかし、実際のところ、使いやすいとはいっても、減額されていれば誰も使いやすいとは思わないわけで、そういう意味ではここをしっかりと確保してもらいたいということであります。
 国交省としてはその思いは当然あろうかと思うんですけれども、この防災対策のための公共事業を推進する上で地方の自由度が高い財源、これを減額すると、これは防災だけではなくて地方経済にも非常に影響してまいります。そういうことで、地方の意向に反しないような、そういう一括交付金の在り方、これを今後どうしていくのか、伺います。
#117
○国務大臣(羽田雄一郎君) お答えをさせていただきます。
 公共事業予算については、近年削減が続いているというのが現状であるというふうに思います。平成二十四年度の公共事業予算については、全国防災という考え方、また地域自主戦略交付金等に移行した額を加えると、厳しい財政状況の中でもほぼ前年並みの予算を確保させていただいているところであります。
 今後とも、持続可能で活力ある国土・地域づくりの推進に向けて真に必要な社会資本整備を着実に推進していく必要があると認識しており、選択と集中やコスト削減を通じた徹底的な効率化、これを図りながら所要の予算をきちんと確保していきたいと、そして確保することが大切であるというふうに考えております。
#118
○横山信一君 もう是非そこはしっかりと頑張っていただきたいと。限られたパイの中でありますけれども、国交省に頑張っていただいて、これはもう地方のために一肌脱いでいただきたいということでございます。
 次に、被災地特例の話をさせていただきたいと思いますが、我が党は、消費税引上げの時期が被災地の住宅再建と重なるために、消費税が被災地復興の妨げにならないように被災地への負担軽減を総理始め関係閣僚に求めてまいりました。野田総理は配慮を具体的に検討したいということで前向きな考えを示しておりますし、また先日は、我が党の渡辺孝男議員の質問に対しまして、安住大臣からも特段の配慮を検討するという答弁をいただいております。
 住宅に係る被災地の特例ということでありますけれども、これはいわゆる税率アップの時期ということではなくて、住宅は非常に高価な買物でありますから、当然その前から発注があるはずであります。そういう意味では、前もって措置することが重要だというふうに考えておりますが、二〇一三年度の税制改正で対応できるかどうか、この点について伺います。
#119
○国務大臣(安住淳君) 現時点でも被災地に対して様々な特例措置は講じておりますが、委員御指摘のお話は、消費税が上がる前からどんどん家が建ち出したときにもそういう配慮が必要じゃないかと。我々としても、そういう点につきましても、様々な工夫はこれからしていきます。
 ただ、私、先週末ちょっと地元帰りまして、七月だけで十七、八か所、仮設住宅の集会をずっとやらせていただきましたけれども、本格的には、高台がようやく決まり出していますので、そこにおうちをお建てになられるのはやっぱり一四年後半から一五年ぐらいがスタートじゃないかと皆さんおっしゃっておりましたので、やはりそこにまず大きなターゲットを決めて思い切った軽減措置というものを考えた方が現実的なのかなと思っておりますが、なお、具体的に、例えば住宅ローン減税の在り方、それからやっぱり単一税率でいくとなれば、やはり予算上の措置だと思いますね。ここでどういうふうにしていくか。さらに、この減免措置として登録免許税、印紙税、不動産取得税といった、この住宅関連税の取引課税の取扱いで何らかの対応というものはやっぱりしていかなければならないというふうに思っております。
#120
○横山信一君 まあくれぐれも見切り発車にならないように、実態をしっかりと把握していただきながらここは考えていただきたいというふうに思うのであります。
 この被災された方たちが、今被災地に戻って家を建てようとする場合には、各県それぞれいろいろな補助制度をつくり出しております。例えば、岩手県でいいますと、住宅ローンの利子補給制度とか、あるいは林業が盛んなところでもありますので、県産材を利用した場合に、復興住宅の新築をするとその補助をするといった、そうした制度等もあります。
 こうした補助制度を受けた被災者の課税上の取扱い、どうなっていくのか、伺います。
#121
○副大臣(藤田幸久君) 横山委員にお答えをいたします。
 被災地における住宅の被災者に関しては今までいろいろな制度がございまして、生活再建支援金の給付、それから災害復興住宅融資、それから住宅ローン控除の借入限度額や控除率の引上げ、それから住宅に関して、家財等に関する損失の雑損控除に関して二十二年分所得で適用するというようなことがございます。
 こういうものに関しましては予算と税制上の支援を措置をしているわけでございますが、それで今の岩手県の例等がございましたが、こうした補助制度を受けた結果として課税所得が発生する場合には、基本的には、ほかの所得と同様所得税が課せられるということになっておるわけですけれども、今回の一体改革との関連では、法案の提出がされた段階におきまして、こうした被災された方々が恒久的な住まいを確保する際には地域全体の町づくりを進める中で支援を行うという形で負担緩和への配慮を行うということになっておりますので、そういう観点から対応してまいりたいというふうに思っております。
#122
○横山信一君 よろしくお願いしたいと思います。
 自動車のことも伺っておきたいのでありますけれども、被災地では既に自動車取得に関して免税措置が実施をされております。自動車重量税については平成二十六年四月まで、それから自動車取得税も平成二十六年三月までということで免税措置が実施をされているわけでありますけれども、いわゆる今回の税率の変更の時期等を考えますと、こうしたその自動車取得に関する従来のこうした免税措置についても、引き続き一〇%引上げ時まで継続すべきではないかというふうに考えるわけでありますが、この点について伺います。
#123
○副大臣(藤田幸久君) 今御紹介をしていただきましたものに加えまして、この被災自動車に関する自動車重量税の特別還付、それから買換え車両に関する自動車重量税の免税措置、そういったものも含めまして、先ほど申しました全体的な地域の復興のための被災者に対する措置という形で対応してまいりたいと思っております。
#124
○横山信一君 是非よろしくお願いしたいと思います。
 それでは、軽減税率のことについて伺ってまいりますが、少しちょっと理念的なお話から触れさせていただきたいんですけれども、先日、主税局の用意いたしました資料を拝見いたしました。その中には、どちらかというと軽減税率に非常に否定的なというか、軽減税率を導入することで、余り、低所得者層に対しての効果が薄いんじゃないかという、そういうレポートが非常に多かったわけでありますが、例えばOECDの生活必需品、これは富裕層の方が一層利益を受けると、購買力が強いわけですから当然といえば当然でありますけれども。それから、IMFの累進的な所得税と歳出政策の方が低所得者に支援を与えるのに適していると、こうした御報告を伺ったところであります。
 だからといって、軽減税率をやらないということであれば、これは低所得者の人たちも含めて、やはり増税をするということで今国民の皆さんは圧迫感を感じているわけですから、その圧迫感が、理屈で説明をされるよりも、具体的に何かこういう形でという、そういうその解消方法が必要だというふうにも思うわけでありますけれども、この点について財務大臣にお聞きをいたします。
#125
○国務大臣(安住淳君) 複数税率の最大のメリットは、委員御指摘のように、お買物に行った八百屋さんとか、例えば肉屋さんとかスーパーマーケットでも、地域の商店街でも、見た目で軽減されていることが分かるということだということだと思います。
 ですから、そういう点でそれを全く否定しているわけではなくて、ただ、欧州諸国においてそうした税率を掛けるときには、やはりそれぞれの国の長い間の価値観、それからいろいろな、何といいますか、考え方が反映されているのは御存じのとおりです。ですから、それぞれの国、国情、お国の違いによって、食料品だけに限らず、例えば新聞なんかに掛けている国もあるわけですね。ですから、そういう点では、単に低所得者対策ではなくて、複数税率というのはやはりその国の中で考え得る言わばその文化や食生活に非常に影響があるということだと思います。
 ただ、これを税の世界だけで見ますと、やはり税収の侵食具合や、それから掛ける品目と掛けない品目との差というのをどうやって設けるかとか、そういうところの議論はしっかりやらせていただかないといけませんということだと思うんです。それがないと、逆に不公平感を生むこともあります。
 例えば、委員御指摘のように、高い食材は、先ほどはたしか松阪牛の話だったでしょうか、(発言する者あり)佐賀牛、何か、まあ余り地域の名前を言い出すともう切りがありませんけど、仙台牛もありました。そういう高級な牛に掛かるもの、牛肉全部となれば、高い牛はやはり所得の高い方が比較的お買いになられれば、これは低所得者だけではなくてそういう方々も得はするわけであります。
 ですから、給付付き税額控除の良さというのは、不完全な資料に基づいてやれば多くの欠点があるという御指摘ありますけれども、所得の低い方にある意味ではターゲットを絞って、その消費税で受ける逆進性の痛みの分について直接の、何といいますか、手当てができるということもあると思うんです。
 ですから、そういうことをよくテーブルに並べて、あと、私の方から申し上げたいのは、率直に言えば、やっぱり、もし余り大きな軽減税率を掛けた場合は、税収の侵食が大きいときには、これは、元のもくあみというのは議事録に残すと決していい言葉ではないかもしれませんが、でも、そうなってくる可能性はあるので、そうしたことを冷静に短時間ではありますけれども三党でよく議論をして、ですから、必要であればそれは我々もヨーロッパ等に行ってよく調べて、その結果等に基づいて結論を出したらどうでしょうかということを申し上げています。
#126
○横山信一君 税収の侵食ということでとらえていくと、今の質問は低所得者の話をしましたけれども、これから農水産物の価格転嫁の話をいたしますが、食料品への軽減税率の導入というのは、単に低所得者という問題ではなくて、農業、水産業の価格転嫁対策としての意味合いも持ってくるわけであります。いわゆる税収の侵食ということだけでとらえてしまうと、価格転嫁ができないこうした農業者、漁業者、これは、彼らのところには価格決定権というかそういうのはないからでありますけれども、直接取引をするということがないので、そういう意味では非常に増税の影響を被りやすい立場の産業の人たちだということであります。そうすると、税収が減るからということでそこをしっかりと手当てをしないと、産業を縮小させてしまうという可能性も出てくるわけです。
 ここで修正案の提出者にお聞きをしたいわけでありますが、農水産物、これは供給量の調整が難しいと。それから、先ほど申し上げたように価格決定権を持てない、生産者がですね。そうしたことで、税率が上がった場合、それは全部生産者に掛かってくるという、そういうことが考えられるわけであります。そういう意味で、転嫁対策としての軽減税率というのをどのように考えるのか、お伺いいたします。
#127
○衆議院議員(竹内譲君) 御指摘のように、農水産物の場合は価格決定力も弱いですから非常に苦しい立場に追い込まれると。そういう意味では、五%に据え置く方が負担は軽減されるというふうに思っております。一方で、仕入れに関しては高い税率が掛かってくるわけでありますので、そういう意味では負担が増すわけでありますね。そういう意味では、やはりこの価格転嫁というものを本当にきちっとできる仕組みを作っていかなければいけないと、このように思っている次第でございます。
 そういう意味では、インボイスをどうするかとかいろいろ本質的な議論があるわけでございまして、この際にもうちょっとだけ述べさせていただきますと、午前中からも税収の減少ということが議論になっております。私どもといたしましては、やはり国民の理解が一番だと。だから、財務大臣は今全てを失うというようなこともおっしゃいましたけれども、私どもは、仮にこの法案が通ったとしても、国民の理解が得られなければ実行に移すことができない場合は生じると思うんですね。そういう意味では、やはり国民の理解をしっかりと得るようなことを考えないといけないと。
 ですから、私どもは二つ考えています。給付付税額控除か軽減税率か、両方を同等に考えるべきであると申し上げておるわけでございまして、確かに複数税率の場合の欠点としては税収が減るわけでありますけれども、それはその対象範囲にもよりますが、一定減るのはやむを得ないと思っております。減っても国民の理解を得られる方がいいのではないかと。
 その中で、減ったままでは当然駄目ですから、私どもとしては、所得税の累進強化とか資産課税の強化とか、そういうこともやる必要があると思っておりますし、それから、インボイスを導入することによって現在漏れている部分を穴埋めすればそれ相応の増収になる可能性もあるという指摘もあります。さらに、将来、歳入庁ということもございますので、そういう様々な検討の中でいろんな努力をしていくことが必要ではないかなと、このように思っているところでございます。
#128
○横山信一君 本当にそのとおりというか、おっしゃっていただいたとおりだと思うんですが、国民の理解が得られなければ、消費税導入というのは非常に難しいんだと思うんですね。
 先ほど私が質問いたしました農林水産業ということでいうと、これは価格転嫁の対策がしっかり打たれないままでいけば、その一つの対策としては軽減税率が非常に有効だというふうに思いますけれども、こうしたことが打たれないと、単に税収が減るということだけに注目してしまうと、何のために増税をするんだという本来の目的を見失うというふうに見えるかもしれませんが、一方で、産業が縮小してしまうと税収以上にもっと深刻な事態になってくるわけですから、そこはしっかりとバランスを取って考えていただきたいというところであります。
 また、財務大臣にお聞きをいたしますけれども、この価格転嫁対策のことについて先日予算委員会で岡田副総理にもお聞きをさせていただいたわけでありますが、しっかりと対策を講じてまいりたいという御答弁をいただきました。
 軽減税率を導入すると、仕入れに係る消費税が売上げに係る消費税を上回ると。還付を受けなければ農業者がその分を負担することになるということで、この仕入れ税額を還付補償するという、そういう仕組みが必要になってくるということであります。
 そこで、実際に仕入れに係る税額分をどういうふうな対策を打つことができるか、その点について財務大臣にお聞きをいたします。
#129
○国務大臣(安住淳君) 農業だけに限って検討をすべきでないかという御議論だと思いますけれども、現時点で特定の産業に絞って何らかの対策というのはちょっと難しいような気がします。
 ただし、川上から川下に流れる農業の流通形態の特性を考えると、先生が御指摘のように、川上にいる、つまり生産者の方々は川下の方々に対して言わば、何といいますか、価格決定において、天候の不順や何かでいろいろなことはあるにしても、相対的に見れば、自分たちが値を決めるというよりは、川下で購買をし、また販売をする流通店等に値決めをされる確率が高いので、非常にそういう意味では損をするといいますか、思いどおりの転嫁ができないおそれがあるということだと思います。
 そこで、農林水産省と経済産業省としても、こうした実態を把握をして、これは必要な対応というものをしっかり取っていきますと、つまり、川下に対して転嫁対策を徹底しますというふうなことで関係省庁で話合いをしていただいております。
 特に、この二段階、八%、一〇%になるわけですから、独禁法、それから下請法の特例に係る必要な法制上の措置も、これは今検討をしておりますけれども、農林水産業のそうしたことに対して具体的な対応が何らかの形でできるかどうか、これは徹底指導という立場から検討していきたいと思っております。
#130
○横山信一君 しつこいようですけれども、是非お願いしたいんです。
 先日の予算委員会でも安住大臣にこの話をさせていただいたんですが、前回お聞きをしたときには軽減税率という観点だけでお話をさせていただいたんですけれども、価格転嫁対策ができないところは、今農業の話だけになりましたけれども、漁業も全く同じでありまして、どちらも、農業も漁業も、関連産業含めれば単に生産者だけの問題じゃなくて非常に裾野の広い産業になってまいりますから、そういう意味では影響が非常に大きいんだということを是非含めて的確な対策をお願いしたいと思います。
 そこで、岡田副総理にお伺いいたしますけれども、転嫁対策・価格表示に関する対応の方向性についての検討状況という、中間整理という中では、この消費税の転嫁の拒否やこれに類する行為を行えないような立法措置ということを検討されているということであります。
 これまでの議論を見てまいりますと、転嫁対策というのは、主に二次産業を中心にした中小企業対策としての取組のように見えてしまうわけでありますけれども、今までの議論でお分かりのように、農林漁業における価格決定の厳しさということを踏まえて、この法整備に当たっては是非とも農林漁業についての対策も含めて考えていただきたいということでありますが、いかがでしょうか。
#131
○国務大臣(岡田克也君) 委員御指摘のように、関係省庁間で転嫁の拒否、これに類する行為を行えないような立法措置の在り方について更なる検討を行うということにしております。もう一つは、取引上の優越的地位の濫用等の監視、取締りに関する各省横断的な仕組みを検討するということになっております。
 そういった問題について、当然これは農林水産業についてもこの対象になることは当然でありますし、今の委員の御指摘のように、より価格転嫁が困難であるということを踏まえて、よりしっかりとした対策を取っていかなければいけないというふうに考えております。
#132
○横山信一君 ありがとうございます。
 今度は農水省にお聞きをしたいと思いますが、大丈夫ですかね、いらっしゃいますね。
 農業を例に取りますと、一万円の肥料を一〇%に税率が上がれば当然千円の消費税を払うわけでありますが、それは誰が負担するかというと、買った農業者が負担をするわけであります。さらに、納税事業者であれば販売時に納税額も増えるということでありまして、それは農業者が全部引き受けるということになるわけであります。引き受けた分は農業所得が減るということでありますから、そういうことで、この所得減少分を何とかしてくれということで、その対策としてはやはり、生産資材にかかわってくる税額を補償する仕組みは何とかならないだろうかと、こうしたことが農業団体等から提案をされているわけでありますけれども、この生産資材に係る税額補償、このことについて政務官にお聞きをいたします。
#133
○大臣政務官(仲野博子君) 横山委員にお答えいたします。
 横山委員も北海道、私も北海道ということで、北海道はもう御案内のように一次産業に従事する方がおられまして、先ほど来、この増税に当たっていろいろ価格転嫁等の問題、大変生産者の方々が懸念されているという現場の声を議論されているわけでありますけれども、そもそもこの消費税は転嫁を通じて最終的に消費者に負担していただくことが予定されている税であり、事業を行う方々にとって円滑かつ適正に転嫁できるかが重要な問題であると思っております。
 先ほど、委員の方にも全国農業協同組合中央会からも御要望があったということで、先ほど財務大臣もおっしゃられておられたんですが、川下サイドの価格支配力が強いことなどから農産物の価格転嫁は困難であり、簡易な還付制度の導入が必要との意見が出されているということは中央会からも、私の方にもこれ要請いただいております。
 一方、政府では、消費税の円滑かつ適正な転嫁等に関する検討本部において、五月末に中間整理が行われまして、消費者、事業者に対する広報やこの相談窓口の設置、また独占禁止法、下請法の積極的な活用、また転嫁状況に関する監視体制の強化などのこの転嫁対策について、政府全体として検討を進めることとされたところでございます。
 農林水産省といたしましても、この中間整理に沿って関係省庁とがっちり連携いたして、的確な転嫁対策などが講じられるように取り組んでいく考えでございますので、是非、委員には御理解をいただきたいと思います。
#134
○横山信一君 価格転嫁対策を講じていく際に、やはり一つ懸念されることが、農林漁業者の九割が実は免税事業者であるという実態であります。申告手続なんかしたことないという、そういう農業者もいるわけでありまして、そういうことを考えれば、今後この帳簿の整理、記帳、インボイス含めて導入をしていくということになると、様々なこうした手続に不慣れな人たち、こうした人たちをどうしていくのかという、免税事業者対策といいますか、そうしたことも必要であろうというふうに思うわけでありますけれども、これも政務官にお聞きをしたいと思います。
#135
○大臣政務官(仲野博子君) お答えいたします。
 委員が今言われたことにつきましても、様々な課題等もあることですし、正直に言いまして、この増税が今すぐということでないので、しっかりと国民のまず合意を得られなきゃならないということが最大の大事なところでありますので、そういったことをしっかり国民の皆さん方から理解をされるように取り組んでいきたいと、そういうふうに思っておりますので、よろしくお願いいたしたいと思います。
#136
○横山信一君 どうしていくか難しいということなのかもしれませんけれども、ここはやはり避けては通れない部分だと思いますので、是非御検討をお願いしたいと思うのであります。
 最後の質問になろうかと思いますけれども、臨時福祉特別給付金、これは厚労大臣にお聞きをいたしますけれども、簡素な給付措置は導入しますよということになっているわけであります。平成元年の消費税導入時、そして平成九年の税率を上げたとき、それぞれこの臨時福祉特別給付金は実施をいたしました。その目的というのは、老齢福祉年金や特別障害者手当の受給者等、真に手を差し伸べるべき方々に対して一時金を支給するということでありました。
 今回は二段階に分けて増税をするわけであります。当然タイムラグもありますし、こうしたことを含めて、過去の実績と、それから今回、まだ十分な御答弁は難しいかもしれませんけれども、今回どのような形でこの簡素な給付措置を実施していこうとしているのか、その御決意も含めてお伺いいたします。
#137
○国務大臣(小宮山洋子君) 臨時福祉特別給付金は、平成元年四月の消費税導入時と平成九年四月の引上げなどに伴うその激変緩和のための臨時的な措置として、今委員が御紹介いただいたように、当時の老齢福祉年金や特別障害者手当の受給者など真に手を差し伸べるべき人に対して、生活の安定や福祉の向上を図るために一時金を支給したものでございます。
 過去の給付金の支給実績と総支給額ですけれども、平成元年四月の消費税導入に際しては、五百六十三万人に対して総額六百四十五億円、平成九年四月の消費税率引上げに際しては、八百九十万人に対して総額九百四十八億円となっています。
 今回どうするかにつきましては、その簡易な給付措置、今これから検討されるところでございますので、併せて考えていくことだというふうに思います。
#138
○横山信一君 以上で終わります。
#139
○秋野公造君 公明党の秋野公造です。お役に立てますよう、質疑に入りたいと思います。
 まず、子育て支援対策について伺いたいと思います。
 幼稚園教諭とそして保育士の処遇改善というのは、この一体改革の中できっちり対応していくということが決まっているわけでありますが、まず、そもそもどうして幼稚園教諭又は保育士の処遇が悪いのか、伺いたいと思います。
 まずは、幼稚園教諭の給与がほかの職種と比べて低いことについて、文部科学大臣の認識、伺いたいと思います。
#140
○国務大臣(平野博文君) 幼稚園教諭の給与についてということで、なぜ低いんだということでございます。
 御指摘いただきましたが、平成二十三年度の賃金の構造基本統計調査によりましても、幼稚園教諭の平均給与は二十二万円というふうになっております。全職種平均が三十二万円の中で二十二万円と、こういうことで低い状態にあることは事実でございます。
 いろんな要因があると私は思っておりますけれども、例えば、他の職種に比べて、平均そこの職種に勤務する年数が短いと、こういうことやら、収入の大半が公費の補助でありますとか保育料の収入によっているということで、なかなか幼稚園教諭に他業種並みの給与を支払う、こういうことについては一定の限界があるんではないか等々、こういう要因が現状の姿だと私は理解しております。
#141
○秋野公造君 大臣、非常に率直な御答弁だったと思います。だからこそ、しっかり一体改革の中でやっていくんだということだと思いますが。
 一方、保育士の給与も低いわけでありますが、これについてはどのようにお考えでしょうか。少子化担当大臣の見解を伺いたいと思います。
#142
○国務大臣(小宮山洋子君) おっしゃるとおりで、平成二十三年の賃金構造基本統計調査では、保育士の平均給与は二十二万円、全産業平均に比べて低くなっています。
 こうなった背景としましては、やはりこちらも平均的な勤続年数の短さなどいろんな要因があると思うんですけれども、これは保育の質を上げるとお約束をしていますので、ここは改善が必ず必要だと思っています。特に、その給与水準の低さというのが保育士確保の困難な大きな原因となっていますので、その改善に取り組みたいというふうに思います。
#143
○秋野公造君 大臣とは先日、労働契約法でも議論をさせていただきましたが、これは働き方の問題もあるのでしょうか。
 一つ確認をしておきたいと思いますが、正規労働又は非正規労働の問題で給与が低いという状況になっているのか、そこだけちょっと確認をしておきたいと思います。
#144
○国務大臣(小宮山洋子君) 平成二十三年の賃金構造基本統計調査では、一般労働者の全ての職種の平均給与月額三十二万円に対して保育士は月額二十二万円、また短時間労働者の一時間当たりの賃金は、全ての職種の平均が千十五円に対して保育士は九百八十一円で、いずれもほかの職種と比較して低い傾向にあると思います。
#145
○秋野公造君 ということは、働き方にかかわらず低いということになりましょうが、幼稚園教諭と保育士を比べたときに、幼稚園教諭の方が少し勤続期間も長いからでしょうか、比較をしたときには幼稚園教諭の方が少し処遇がいいと、十分という意味ではなく、比べたときにいいという傾向があるようですが、先ほど文部科学大臣からも、勤続年数の件もある、少子化担当大臣からも同様の答弁でありましたが、ならば、一つ提案をしてみたいと思いますが、保育士又は幼稚園教諭の勤続年数を増加させるということは保育士の処遇改善につながるとお考えになっておりますでしょうか。ならば、例えば民間施設給与等改善費、これは勤続年数が上がった場合に加算をするパーセンテージが変わっていくわけでありますが、これは十年以上というのが一応マックスとなっております。こういった十年以上という枠を例えば十五年以上とかにしてみることによって、勤続年数を長くさせるということに施設にインセンティブを持たせるような取組を行うならば、それが即処遇改善につながるのであれば効果があるのではないかと考えますが、少子化担当大臣の見解、求めたいと思います。
#146
○国務大臣(小宮山洋子君) おっしゃることも参考にさせていただきたいと思います。新たな制度導入によりまして創設される施設型給付、それから地域型保育給付の具体的な水準、これは経営実態調査の結果に基づいて、子ども・子育て会議で議論しながら検討していくことになります。その際に、御指摘のような保育士の勤続年数ですとか、それからキャリアアップもしなければなりません。そういうことを行うために、民間施設給与等改善費の取扱いなども参考にしてやっていきたいと思います。
 とにかく、今回、三党合意の修正案の中でも、その処遇の改善に資するように施策の在り方を検討するようにという規定が盛り込まれましたので、おっしゃったように、人材確保してその人材が定着をしてもらう、そのためには配置基準の改善ですとか研修機会の確保、そして職員のキャリアアップ、処遇の改善、そうしたことをあらゆる知恵を出してやっていく必要があると思いますので、御意見も参考にさせていただきたいと思います。
#147
○秋野公造君 どうか長く勤めていただいて、それがキャリアアップにつながるような仕組みを御検討いただきたいと思います。
 ここで、一つちょっとお願いなんですが、これは障害のある子供に対する対応であります。三位一体改革の中で、障害がある子供たちに対しては、もう地方に移譲してしまった関係から、せっかく社会保障・税一体改革といいながら、この障害者の保育に関する思い切った対応を取ることがなかなかできないというのは非常に残念な話ではありますが、一方で、幼児教育の方には特別支援学校の幼稚部という存在があります。ここは特別支援学校の定員の配置もされている関係上、しっかりとした手厚い定員の配置ということもしっかり視野に入れながらこれまで対応がきっちりと行われてきたという背景があります。
 そういった意味では、国が行うとしたらここの強化しか今のところはないのではないかと私は考えておりますが、今回、病児・病後児保育についてはしっかり検討するということが決まっております。こういった対象の子供たちが急性期の疾患の子供たちであるならば、まさに障害をお持ちの子供というのは慢性期の、これは疾患と言っていいかどうかは分かりませんが、慢性期の対応が必要となる子供たちの保育又は幼児教育ということの対応になるかと思います。
 この特別支援学校幼稚部の強化をこの一体改革の中で検討してみるお考えはないか、文部科学大臣の見解、求めたいと思います。
#148
○国務大臣(平野博文君) 特別支援学校の幼稚部についての対応の在り方についての御指摘でございますが、特別支援学校の幼稚部につきましては、幼児期からの支援が特に重要であります視聴覚の障害等々を中心に今設置をされております。二十三年五月現在では、設置数は百七十二校、在籍数は一千五百四十三人となっております。
 今回のこの制度の中にこういう幼稚部についても入れるべきではないか、こういう御意見だと思いますが、今回の消費税が充当される施設型給付の対象となっておる部分につきましては、認定こども園、幼稚園、保育所に限られておりまして、特別支援学校の幼稚部は対象となっておりません。
 しかしながら、文科省としても、この幼稚部の障害のある子供たちへの早期支援の充実、これをやっぱり図っていかなければならないと思っておりますし、先生御指摘は非常に重要な御指摘だと思っております。これまでも特別支援教育支援奨励費、あるいは通学費、給食費の二分の一補助をする等々を手当てをしてきておりますが、今後とも、この幼稚部についてもしっかりとその充実に向けて取り組みたいと、かように思っております。
#149
○秋野公造君 早期発見、早期ケアがやはり子供のためになると思います。その意味では、どうか強化をお願いしたいと思います。
 非正規労働の若年者対策について一言伺っておきたいと思います。
 四月三日の厚生労働委員会におきまして、小宮山大臣と、国民健康保険の在り方について、これが自営業者のための保険であったものが非正規労働の若者又は退職後の高齢者の保険に変わってきているという意味から、セーフティーネットの機能をもっともっと持たせるべきであるという御提案をさせていただき、大臣からもしっかり対応していただくとのお話でありました。
 この度、短時間労働者に対する被用者保険の適用拡大をやっていただけるということは本当に有り難い話ではありますが、やはり幾ら拡大しても残ってしまう方がいらっしゃいます。やっぱり残られた方ほど、ある意味では収入が少なく、高い保険料を負担しなくてはいけないという状況が変わらなくなったということを考えると、対象者は少なくなったものの、やはり負担の程度というのは大きくなったことが考えられるということを考えると、国民健康保険が持つセーフティーネット機能というものをもっともっと高めていかなくてはいけないのではないかと思っています。
 その意味では、国民健康保険の低所得者保険料軽減をしっかり拡充させて、非正規労働の若者、例えば単身者であったり、結婚してなかなか子供をつくることが困難であるような、そういった若者のための支援に積極的に取り組むべきではないか。セーフティーネットとしての果たす役割というのはもっともっと重要になってくるのではないかと考えますが、今後の方針も含めて、厚労大臣の見解、求めたいと思います。
#150
○国務大臣(小宮山洋子君) 今回の社会保障・税一体改革で、安定財源を確保した上で、二千二百億円の公費を市町村国保に追加投入をして、おっしゃる低所得者の保険料への財政支援を行うことにしています。
 これによりまして、低所得者の保険料の軽減対象の範囲が、おっしゃった一人の単身者では年収百三十三万円以下から百四十三万円以下に、そして夫婦二人世帯では年収二百三十三万円以下から二百五十三万円以下に、それぞれ拡大することにしています。さらに、保険料が軽減される人の数でいいますと、例えば六十五歳未満の単身者ではおよそ五十万人、夫婦二人世帯ではおよそ四十万人となるなど、全体でおよそ四百万人の方が対象になると考えています。
 国民皆保険の基礎である市町村国保の財政基盤の強化を図ること、それは大切だと思っておりますので、おっしゃったような単身の若者あるいは結婚して低所得の若者、そうしたところにもしっかり配慮できるように努力をしていきたいと思っています。
#151
○秋野公造君 大臣、ありがとうございます。四百万人の方が希望を持てると思います。どうぞよろしくお願いしたいと思います。
 国保と同様に、ほかの保険と比べて、やはり低収入で高い保険料の負担を支払っている協会けんぽがあります。
 この三月の予算委員会におきまして、三千四百八十三万人の中小・小企業の従業員が加入する協会けんぽが非常に財政的に困難な状況になっているということ、ずっと続けて保険料を上げなくてはいけない状況になっているということを踏まえて、短期的には厚労省で対応できるかもしれませんが、中長期的には極めて取り得る施策も少なくなってきていることを指摘をさせていただいて、総理に社会保障・税一体改革の中でしっかりと議論をしていただきたいとお願いをしたところ、分かりましたとの御答弁をいただいたところであります。
 医療の強化を行うに当たってもこれから検討していくわけでありますが、その医療を受ける前提となる国民皆保険制度がぐらぐらしてしまうような状況になってしまっては、幾ら一体改革の中で医療を議論したとしても、これはなかなか実態を伴わないものになってしまう可能性があります。
 法案提案者に伺いたいと思います。協会けんぽについても、総理が答弁されたように、社会保障・税一体改革の中でしっかり検討、対応していただくということでよいか、見解を伺いたいと思います。
#152
○衆議院議員(西博義君) 秋野委員にお答え申し上げます。
 秋野先生御指摘のように、協会けんぽ、これは主に中小企業の被用者が入られて、そして被用者保険の大きなセーフティーネットの一つでございます。そして、御指摘のように、その財政基盤の強化、これは喫緊の課題になっていると、こういうふうに承知をしております。
 協会けんぽの財政再建の特例措置については、二十二年度の健康保険法改正案の附則において、「平成二十四年度までの間に検討を行い、必要があると認めるときは、所要の措置を講ずるものとする。」、こういうふうに規定をされておりまして、政府においてもこの規定に基づいて検討が始められたというふうに伺っております。
 元々、先ほどもお話ありましたように、国民会議において社会保障全般について議論をするわけですが、その内容について、詳細についてはまだ我々提案者の方でもきちっと決められてはおりません。しかしながら、先ほどお話がありましたように、一体改革の大綱においてもこの問題について議論すべきという提案に対して、総理から、よく分かりましたと、こんなお話があったというふうにお聞きをし、また、国民皆保険制度における財政基盤の強化というのは、これは特に中長期的には大変重要な基盤を成す問題だと、こんなことを私自身考えております。
 そういう意味で、私ども提案者としては、国民会議の中でもこの問題が議論されることを期待をしているところでございます。
#153
○秋野公造君 立法においても行政においても協会けんぽについてしっかり対応していこうという方向性が示されたわけでありますが、ちょっと確認だけをしておきたいと思います。
 協会けんぽに対する国庫負担、一三%から一六・四%というこの特例は今年で切れてしまいます。今、提案者の方から国民会議の議論という話もありましたが、これは国民会議の議論を待っていても手遅れになってしまうということを考えると、これはきっちり政府にやっていただくということを法案提出者としても考えているということでよろしいか、確認だけさせていただきたいと思います。
#154
○衆議院議員(西博義君) お答えいたします。
 協会けんぽの国庫負担率、この問題につきましては、これは喫緊の課題になっております。御指摘のように、今年で決断をしなければならないという、こんな時期になっておりますので、このことについては政府において本年度中に検討が行われると、このように聞いているんですが、御指摘のこの課題については、当然、政府においてこれは適切な対応を取らなければいけない事態になっていると、こういうふうに理解をしております。
#155
○秋野公造君 ありがとうございます。
 しかしながら、この協会けんぽですが、過去の経緯もあるのかとは思いますが、徴収については年金機構が担っているということで、協会けんぽが事業者に対して徴収をする権利というのはありません。一方、ほかの市町村国保や、又は健保組合などと同じような立入検査を行うような、そういったような権限も与えられていないという状況を考えると、協会けんぽの皆様方には大変申し訳ない表現になるかもしれませんが、保険を使ったときにそれを支払うだけの機関になっている状況ということが言えるのかもしれません。しかしながら、そういったような状況であっても、例えば特定健診などの目標をしっかり上げていくようなそういう取組を事業主に対して働きかけ続けていかなくてはならないということを考えると、ちょっと体制としては不備なような印象がいたします。
 すなわち、ほかの保険ではしっかりとした、被保険者の顔はみんな見えているわけでありますが、協会けんぽと事業主の方々が接点がない現状のまま幾ら特定健診の目標だけを上げろと言われてもなかなか困難であるということを考えると、例えば徴収権を協会けんぽに渡すこと、又は立入調査の権限も協会けんぽに与えること、こういったことを検討すべき時期に来ているのではないかと考えますが、厚労省の見解、求めたいと思います。
#156
○政府参考人(外口崇君) 保険料の徴収や被保険者の適用の業務は保険者機能の重要な役割の一つであります。協会けんぽにおいて、これを日本年金機構が行う仕組みとしておりますのは、協会けんぽの事業所が厚生年金の事業所と重なっておりまして、厚生年金の適用や保険料徴収と併せて行うことが事務の効率化や事業所の負担の軽減になることによるものであります。協会けんぽが保険料の徴収や被保険者の適用を行う仕組みとすることにつきましては、効率的な運営という観点も含めて検討していくことになります。
 また、協会けんぽに事業所への立入り権限を付与することにつきましては、現在は被保険者の適用や保険料の徴収を日本年金機構が行っていることと併せて事業所への立入り権限も日本年金機構に置かれているところであります。こうしたこととの整合性についての課題を整理しながら今後検討していきたいと思います。
 なお、協会けんぽと日本年金機構、厚生労働省では、現在、連携調整会議を協会けんぽに設置しまして、相互の緊密な連携の確保に努めております。
#157
○秋野公造君 立入り権については御検討いただくということだと思いますが、こういった事業主との連携を深めるということは大きな効果を生むと思います。
 例えば、重症化予防を考えるときに、検診を受けていただくことが重要である一方、検診を受けて要精密検査となった方が医療に一日も早くつながることが重症化予防に重要であるということを考えると、例えば保険者というのはレセプトでチェックができるわけであります。要精密検査の方が医療につながったかどうかという確認は保険者ならではできる対応であるということを考えると、もしも検査を受けて早く精密検査を受けないといけないのにずっと行っていない人がいた場合に、事業主を通して被保険者に働きかけるようなそういった取組を行うことは重症化予防に大きな効果を現すと思います。そういった仕組みも検討してみてはいかがでしょうか。
 厚労大臣の見解、求めたいと思います。
#158
○国務大臣(小宮山洋子君) 委員がおっしゃるとおりだというふうに思います。
 医療保険者が加入者の検診情報ですとかレセプト情報を活用することによって生活習慣病の重症化予防、こうしたことを行っている事例がございます。
 具体的には、レセプト上のデータから医療機関への受診状況ですとか服薬状況などを把握することによって、一つは、過去に生活習慣病で医療機関を受診していた実績がある人のうち、最近医療機関を受診していない人に対して受診勧奨を行うということ。そしてまた、既に生活習慣病で医療機関を受診している人に対して、地域の医療機関と連携しながら保健指導を行うといったような取組が行われています。
 こうした取組が行われるということは、おっしゃるように、より効果的に生活習慣病の重症化を予防することができると思いますので、国としましても、こうした保険者の取組の好事例を集めまして皆様にお知らせをするようなこともしていきたいというふうに思います。
#159
○秋野公造君 重症化予防というのは個人にとっても本当に健康を維持する意味で重要であり、まさに医療費を削減するということには大きな効果を現すと思いますので、一般化していくようにお願いをしたいと思いますが、がんこそ、こういった適用にすることを提案したいと思います。
 二人の人のうち一人の人がかかり、三人のうち一人の人ががんで亡くなる時代であります。がんこそしっかりとして検診で見付け、それを一日も早く医療機関につなげることができたならば、これを少しでも予防することができると私は思いますが、問題は、がん検診は市町村が行っているという状況であります。これを保険者に移してしまうのかという議論なのか、それとも市町村が持っているデータを保険者にもしも渡すようなことができる仕組みができるならば、先ほど大臣がおっしゃっていただいたような仕組みの中に突き合わせることができるのではないかと思います。
 がん検診の結果に基づいて医療につなげるような仕組みを検討すべきではないでしょうか、厚労省の見解、求めたいと思います。
#160
○政府参考人(外山千也君) がん検診は健康増進法に基づき、市町村による健康増進事業の一つとして実施されておりまして、厚生労働省としては、要精検者についての医療機関の受診と受診結果等の把握等の実施を市町村に対して求めているところであります。
 その結果、地域保健・健康増進事業報告の中の平成二十一年度の実績によれば、全国の精密検査の未受診率は、がんの種類ごとにばらつきはあるものの六・五から一八・四%であり、また、精密検査の未把握率は同じく一〇・四%から二〇・三%でありまして、要精検者のその後の状況についての把握に努めているところであります。
 御提案いただいた市町村のがん検診のデータと保険者のレセプトデータを共有することについては、一般論としては非常に重要でございますけれども、本人の同意の問題や、例えば胃がん検診を受けた方が医療機関で内視鏡を受けた場合、それはがん検診の結果を受けて受診したものなのか、急な胃痛などの起きたものなのか見分けが付かない可能性があるなど、レセプトデータから精密検査に該当するデータを正確に抽出することが可能かなど幾つか検討すべき課題があると認識しております。
 しかし、がん検診の精度管理の重要性につきましては、平成二十四年六月に閣議決定されましたがん対策推進基本計画の中でも指摘されていることから、現在開催しておりますがん検診のあり方検討会の中で、先生御提案の点も含めまして、がん検診の精度管理について検討してまいりたいと考えております。
#161
○秋野公造君 ありがとうございます。
 政策医療について伺いたいと思います。
 先ほどの話は予防がある意味可能であるところでありますが、例えば重症心身障害者、筋ジストロフィーなど、こういった予防をすることが困難である疾患に対応することも重要でありますが、国立病院機構はこの政策医療を長年担ってまいりました。
 まず確認をしておきたいと思いますが、医療事業で重症心身障害、筋ジストロフィー、結核、エイズなどのセーフティーネット分野で、一日入院患者数及び全入院患者数に占める割合について、現在の政策医療の担っている状況を教えてください。
#162
○政府参考人(大谷泰夫君) お答え申し上げます。
 平成二十二年十月の国立病院機構病院全体の一日平均入院患者数約四万四千人のうち、いわゆる今お話のありましたセーフティーネット分野の政策医療患者は、まず重症心身障害について約七千四百人、筋ジストロフィー約二千百人、結核約一千三百人、エイズ三十六人、心神喪失者等医療観察法に基づく入院約三百人、合計約一万一千人となっております。これが入院患者に占める割合は二五%を超えております。
#163
○秋野公造君 二五%の患者さんがセーフティーネット分野を占めるということは、これは一般医療であるとはとても言い切れない状況でありますが、その国立病院機構の経営状況について、二十三年度の決算、教えてください。
#164
○政府参考人(大谷泰夫君) 平成二十三年度の独立行政法人国立病院機構の経常収支につきましては、経常収益は八千九百十六億円、経常費用が八千四百五十八億円となっておりまして、経常利益が四百五十八億円、いわゆる経常収支の比率は約一〇五%となっております。
#165
○秋野公造君 セーフティーネット分野で、例えば結核などは完全に赤字の経営だと思いますけれども、こういうセーフティーネットを引き受けながら黒字をどうして出すことができるのか、伺っておきたいと思います。
#166
○政府参考人(大谷泰夫君) 国立病院機構におきましては、今御指摘ありましたように、結核医療など民間の医療機関では必ずしも提供されないおそれのある不採算の政策医療を提供しておりますが、結核医療など不採算部門を提供する個々の病院におきましては、一方で一般医療における上位施設基準の取得など医業収益の向上や効率的な運営に努めておりまして、病院全体で利益を出すことによりまして多くの病院で黒字を達成しているところであります。
#167
○秋野公造君 不採算部門を引き受けながら、上位施設などを取ることによって黒字化をさせて、セーフティーネット機能をしっかり国立病院機構が今まで守ってきたという表れだろうと思いますが、こういったセーフティーネット機能はしっかり守っていかなきゃいけないわけでありますが、今、社会保障・税一体改革の議論が行われている一方で、独立行政法人改革の中でこの国立病院機構や労働者健康福祉機構など政策医療に係る案件がこの中に含まれているというのは、私は少し矛盾を感じています。
 将来の医療をどうするのか、こういうことが話し合われている中で、政策医療の担い手についての検討が別のところで行われているということは、これはある意味三党合意の趣旨に反しているのではないかと私は心配をしておりますが、こういった政策医療の弱体化につながり得る検討であるならば、国民会議でしっかり議論をしていただいてその結論を待つ必要が、あるいはその方向性を見極める必要があるのではないかと考えていますが、まず法案提出者の見解を伺いたいと思います。
#168
○衆議院議員(西博義君) お答えを申し上げます。
 御指摘のように、国立病院機構、さらには労働者健康福祉機構につきましては、政府の独立行政法人の制度及び組織見直しの基本方針というところで、固有の根拠法に基づき設立される法人というようなことに一応決まっているというふうに伺っております。閣議決定では、これらの法人は国が担うべき政策医療を確実に実施をすると、これがうたわれておりまして、その限りにおいては私はその方向に異論はないと思います。
 御指摘のように、政策医療を担う国立病院機構の弱体化、これはあってはならないことでございますので、このことを確実に担保するためにはどうすべきかという議論がまさに行われているというふうに承知をしております。
 一方の国民会議では、先ほども申し上げましたように、社会保障に関係する四分野についての大きな改革を行うための必要な法制上の措置を様々議論をしていただく、こういうことになっておりまして、医療の在り方についても当然その中で様々議論が行われるということになると思います。
 さて、今、委員御指摘の政策医療の在り方、これについても、これは国民会議におけるこの医療の在り方、この議論というものの方向性に私は沿いながら政府において検討がなされると、こういうことを期待したいと思っております。
#169
○秋野公造君 政府にも伺いたいと思います。
 この国立病院機構に係る独立行政法人改革の議論、国民会議の議論にしっかり委ねながら検討を進めていくべきではないかと考えますが、政府の見解、求めたいと思います。
#170
○副大臣(中塚一宏君) 今提案者から御説明ございました社会保障制度改革国民会議でありますが、医療保険制度に加えて医療の在り方ということも議論の対象になっていると、そういうことで伺っておりますが、お尋ねのその国立病院機構等ですけど、これはまさに政策医療を一番に担っていただくところなわけでありまして、その会議の方で医療の在り方等の議論が行われ、その姿を実現するのがこの国立病院機構であります。
 現在、厚生労働省において在り方を検討されていると、そういうふうに伺っておるわけなんでありますけれども、国民会議における議論の方向やそういった議論がちゃんと反映をできるように、きっちりと注意深く見守り、意を尽くしてまいりたいと、そういうふうに考えております。
#171
○秋野公造君 現状でも検討は進んでいるわけでありますが、セーフティーネットを守る観点から、例えば、新しい法人に移ったとしても、理事長は主務大臣が任命するであるとか、あるいは、セーフティーネットに係る事項は中期目標にしっかり法人に定めて指示をするであるとか、あるいは、セーフティーネットに関する業務運営に関しては、改善のために必要な命令といった、こういったものはしっかり担保していかないといけないと思いますが、方向性を踏まえて御答弁いただきたいと思います。
#172
○副大臣(中塚一宏君) 一月二十日の閣議決定におきまして、国立病院及び労災病院の新しい法人制度に関する検討会、これが三月に設立され、現在検討が行われておるところであります。
 今回、個別の根拠法に基づいて新しい法人となっていただくわけなんでありますけれども、やはり、先ほど参考人の方からも答弁がありましたとおり、政策医療を担いながらちゃんと黒字でやっていらっしゃる、そういった政策医療をこれまで以上にしっかりと実現をしていくためにどういった法人形態が一番望ましいのかということがその検討課題の中心になるだろうと、そういうふうに思っております。
 いずれにいたしましても、今委員から幾つかの点を御指摘をいただいたわけなんでありますが、そういう組織のガバナンスをしっかりと利かせて、もってその政策目的を達成をする、そういう制度設計がなされるように努力をしてまいりたい、そう思っております。
#173
○秋野公造君 もう一つ、国のセーフティーネット機能について、URについても議論をさせていただきたいと思いますが、先日、衆議院の国土交通委員会におきまして、我が党の富田議員より大臣に対しまして、柏市の団地を見てきてもらいたいといったようなお話があって、早速行っていただいたそうで、私からも御礼を申し上げたいと思いますが、団地を視察された後、今後のURのあるべき役割についてどのように思われたか、見解を伺いたいと思います。
#174
○国務大臣(羽田雄一郎君) お答えをさせていただきたいと思います。
 一昨日視察しました千葉県柏市の豊四季台団地においては、住民の高齢化が大変進んでおります。URの住宅団地の建て替えにより生じる土地を活用して、柏市やまた東京大学など様々な町づくりの担い手と連携しながら、地域医療拠点の整備や民間の力も活用した福祉施設等の誘致を進める取組が行われておりました。
 具体的には、高齢者生活支援施設、子育て支援施設等の多様なサービス施設が充実してきておりまして、民間分譲住宅の供給なども行われておりました。高齢者による子供の保育支援や、また都市型農業といった地域における生きがい就労の場の提供など、様々な取組が展開されつつあるところであります。これは、高齢者が地域で生きがいを持って安心して住み続けられ、若い子育て世代も新たに地域に住み始める持続可能な町づくりを実現していく上で先導的な取組であると私としては認識をさせていただいたところであります。地元の柏市長にも御参加をいただきましたけれども、柏市長も高く評価をされておりました。
 豊四季台団地に限らず、大都市近郊の住宅地では住民の高齢化が進みつつあります。今後の長寿社会においては、豊四季台団地の取組のように、住宅団地ストックを活用して居住者の居住の安定を確保しつつ、ハード、ソフトの両面から地域の福祉拠点として再生していくことが大変重要であると改めて認識をさせていただいたところであります。
#175
○秋野公造君 今大臣からも、URに求められているのはそういった地域の福祉拠点として再生させていくと、こういったところをしっかり重点化していくことが重要であるという御答弁だったかと思いますが、副総理に伺いたいと思います。
 内閣府に設置された都市再生機構の在り方に関する調査会、ここで、このURのあるべき姿、どのように検討されておりますでしょうか。組織のイメージについてお伺いをしたいと思います。
#176
○国務大臣(岡田克也君) まず、URについては、一月二十日の閣議決定、これはURだけではなくて、独立行政法人の制度及び組織の見直しの基本方針というものを内閣として決めております。
 その中で、持続可能な町づくりを効率的かつ的確に実施できるよう、業務の見直しと併せて、分割、再編し、スリム化することを検討すると。それから、居住者の安定の維持の必要性を十分踏まえつつ、国民負担が増加しないよう留意しつつ、会社化の可能な部分について全額政府出資の持ち株会社化を検討するというようなことが決められているところでございます。
 そういう基本的な考え方に沿って、現在、御指摘の都市再生機構の在り方に関する調査会において議論を行っているところであります。
 そこに居住しておられる方、特に本当に弱い立場にある居住者の方の居住の安定ということ、これは前提でございます。ただ、一方で、URが全体で十四兆円の負債を持っている、そして、三千億円の繰越欠損金を持っているという現実もやはりこれはしっかり見なければいけない。
 繰越欠損金は減ってきてはおりますが、やっぱりこれだけ大きな借金を抱えたまま、いつまでもこれ、ほっておくわけにはいかないというふうに思います。不動産の価値は、次第にこれは下落します。地価も下がりますし、建物もやっぱり価値は下落して、家賃も下がっていかざるを得ないという面がございます。金利は今非常に低金利ですが、将来それはどうなるかという、そういうリスクもあります。
 そういう中で、最終的に国民負担、つまり税を投入しなければならないというような事態は避けなければなりませんので、スリム化できるものはしていく。つまり、高いものも随分住宅などであります。そういうものについてはこれを別組織にして、そして、それはそれである意味で経済原理に沿った運営をしていく、やがてはそれを個別に売却するなり、あるいは株式という形で売却するなりして、それも借金の返済に充てられる、そういう形を考えていくことが基本的には必要ではないかというふうに思っているところでございます。
 そういう形でURは持続可能になるということが、ひいては、本当に弱い立場にある居住者の方々が引き続きそこを拠点にすることが可能になるというふうに思っております。
#177
○秋野公造君 理念のところはそれでいいのかもしれませんが、もう少し具体的な議論をしたいと思います。
 今あるURのどういった部分を全額政府出資持ち株会社に移行させ、どういった部分を行政法人に移行させようとしているのか、もう少しイメージが湧くように、大体分かったんですが、御答弁をお願いしたいと思います。
#178
○国務大臣(岡田克也君) これはまだ具体的なところまではこの調査会でも結論を出しておりませんが、例えば家賃十万円程度というところで一つの区切りをする、もう少し高いというのもあり得るし、低いというのもあるいはあり得るかもしれませんが、そこにお住まいの方がそれだけの経済的な負担能力があるということになりますから、そういうところは民間の住宅とある意味で競合しているわけで、そこはそこで切り出して、まさしく民間的な運営をしていただき、効率的にある意味では稼いでいただいて、それをURの残りの部分について、賃貸住宅それからニュータウンなどありますが、そういうところの損とか借金の返済に充てていくと、そういうイメージであります。
#179
○秋野公造君 家賃が十万円の高額なところを持ち株会社に移して、残りの部分を行政法人に移して、そして、もうけていただいた分を、収益を上げていただいた分を、しっかりとその利益をこの行政法人の方に充当していくという考えでよろしいか、確認をしたいと思います。
#180
○国務大臣(岡田克也君) どのように充当していくかという、そういう組織論も残っております。それから、ずっと存続していくのか、どこかで株式会社として株式を民間に売却して、その売却益を充当していくという考え方もあり得るというふうに思っております。そういったところの具体的制度設計を今、詰めの段階としていろいろ議論しているところでございます。
#181
○秋野公造君 副総理のお考えを伺いたいんですが、先ほど十四兆円という負債の問題があるとおっしゃいました。負債はしっかり返していかなくてはいけないということを考えると、その一〇〇%出資の株式会社はずっと利益を出し続けていかないことにはその負債は返せないということになりますが、これを株式を売って民営化してしまいますと、それを入れる根拠がなくなってしまいます。
 この方向性だけちょっと確認をしておきたいんですが、政府全額出資の株式会社は負債が終わるまでしっかりと利益を充当し、負債が終わった時点で株式の売却が行われる、そんなイメージでいていいかどうか、御答弁を求めたいと思います。
#182
○国務大臣(岡田克也君) そういう選択もあるとは思いますが、十四兆円、これ簡単には返らないお金です。なるべくこれを急ぐべきだというふうに考えているわけですが、もし株式を売却するという形になりましたときには、その会社の上げている利益を基に株が決まってまいりますので、そういう意味では、基本的には、経済的には同じこと。ずっとそこを持ち続けて、その利益で返していくという考え方と、それを株式、もちろん政府がどのぐらい持ち続けるかという議論はあると思いますが、一部売却して、その売却益で一度に返していくと。それは、いずれも私はあり得るんだろうというふうに思っております。
#183
○秋野公造君 いや、それ、ちょっと私は混乱をしているんですが、民営化をしてしまったならば、行政法人にお金を入れ込む仕組みというのはつくれないと思います。そうなると、政府が仮に一定の株式を保有していたとして、そういったときは、一〇〇%出資株式会社からその行政法人の方にお金を入れるということは、きっちり法的担保を行うということでよろしいですか。それをしないと非常に不安定な仕組みになると思います。
#184
○国務大臣(岡田克也君) ですからそれは配当ということになるわけですね。だから、NTTなどの民営化の経過を御覧いただいても、そのNTTの株の売却益は国へ入った。それから、NTTの株主としての国という立場もありますから、株のその配当という形で国にもその利益が入ると、こういうイメージで、同じようなことを、もし株を売るとすれば同じような形になるのではないかと思います。
 もちろん、ずっと持ち続けるというやり方も一つあります。しかし、それで民間並みの効率的な経営が果たして担保できるかどうかと、そういった問題も一方ではあるのではないかと思います。
#185
○秋野公造君 一〇〇%政府出資の株式会社にして、民間並みの利益を上げられないということであれば、何のための改革か、ちょっと分からなくなってしまいます。
 きっちりと利益を上げさせて、そしてそれを充当させながら、セーフティーネット機能を守りながら充当させていきながら負債を返していくという方向性ではないんですか。それじゃないと、ちょっと、何のための法人改革を行おうとしているかがますます見えなくなってまいります。
 もうちょっと丁寧に御答弁ください。
#186
○国務大臣(岡田克也君) ですから、一〇〇%国が持っていて、そして、その利益でおっしゃるような行政法人の方の借金を返していくというのが基本的な構図なんですけれども、もう一方は、どこかでそれを民間に株を売却して、その配当と株の売却益で借金を返すということも考えられるというふうに思います。
 どちらがいいかというのは、それは両論あり得ると思いますので、今すぐ決めなければいけないことかどうかという問題もあるんですね。まずは分離をして、民間的経営を進めていく中で考えていくという、そういう見方もできるかと思います。
 ただ、一〇〇%国が持っている、そういう、何というか、賃貸住宅をたくさん持った会社ですね、それが民間と競争していくということが、果たして民間から見たときどうかと、そういう問題も出てくると思います。全体、そういったことを踏まえて総合的に判断していかなければならないというふうに思います。
#187
○秋野公造君 民間から見てどうかという議論をすると、今の形態のままの方がより優れているのではないかという議論も出てくるわけであります。すなわち、今は独立行政法人という形態を取っているからでありますが、私がどうしてこういうことを心配しているかというと、結果として、行政法人の中で収益を上げていきなさいということになりますと、収益を上げれる部分を切り出したわけであります。セーフティーネットとして守らなくてはいけないところを行政法人として残すわけであります。今のような形で、収益を上げる部分が曖昧な表現なままでありますと、結果として、行政法人の中でセーフティーネットとしての住宅のところから利益を生ませるような改革になってしまうと、これではセーフティーネットが守られないと思うからなんです。そこを踏まえて、ちょっと最後、御答弁をいただきたいと思います。
 それがないということ、セーフティーネットは守られるということを御答弁いただきたいと思います。
#188
○国務大臣(岡田克也君) セーフティーネットというときに、本当にこれは安い低廉な家賃で住み続けることが必要な方々、そこはしっかりと守らなければならないと思います。
 しかし、民間と競合するような、そういう部分については民間並みの家賃をいただくということも考えていかないと、これだけの借金を持っているURをやっぱり放置しておくことはできないというふうに考えているわけです。
 別の法人にするというのは、本来、この二つの目的、政策目的というか、目的が混在していまして、民間と同じように効率的に組織を運営しなければいけない部分と、それから民間でできないことをやるという本来の行政法人の役割の部分と、二つが混在してURを形成しているものですから、なかなかこの借金を早く返していこうという、そういうインセンティブが働かないというか、そういう経営になってこなかったというのが私はこの歴史だと思いますので、やはり切り分けて、しかしきちっと、本当に守らなければいけない、そういった住民の皆様のところは守っていくと、そういう前提で構築をしていきたいというふうに思っております。
#189
○委員長(高橋千秋君) 秋野公造君。おまとめください。
#190
○秋野公造君 しかしながら、収益を移すという構造は変わらないわけであります。どうかそこは踏まえて御検討をよろしくお願いします。
 終わります。
#191
○姫井由美子君 国民の生活が第一の姫井由美子です。
 昨日は地方公聴会で、私は名古屋に行ってまいりました。貴重な名古屋の方々の意見を拝聴する機会をいただいて、大変有り難く思います。
 名古屋といえば、あの減税日本の河村たかし市長のところでございます。減税の本場で増税の論議をしてまいりました。公述人の中には、ようこそ、減税の町、名古屋へから始まった方もいらっしゃいました。
 今日の委員会の冒頭でも、第一班、第二班の報告がありました。名古屋の公述人の方も、消費税増税だけをしても駄目だ、成長戦略や景気対策の効果が現れないとそれは駄目なんだという意見もありましたし、本日の第二班の中にも、消費税増税の前にデフレ是正策を講ずる必要性、そしてデフレの進行が地域企業を衰退させる危険性などを語ったというふうに報告がございました。
 私もずっと言っていますように、消費税増税の前にデフレ対策、あるいは景気対策、しっかりと成果を上げなければいけないと言ってまいりました。先般、七月三十一日、我が党の森ゆうこ委員の質問で、デフレ下での消費税増税に関して、それはやってもいいのかという問いに対して明確な答えがありませんでした。
 そこで、実体経済への影響という観点からまずお伺いしたいと思います。
 消費税の増税に関しましては、まず、平成元年の消費税導入、そして平成九年の消費税の五%のアップというものがあります。そして、それぞれこの時期を見てみますと、平成元年、この三%を導入したとき、それは果たして消費税を増税する本来の目的は達成されたのか、当時の分析も踏まえ、また、当時の実体経済に与えた影響はどうなのかをまずお伺いしたいと思います。
#192
○国務大臣(古川元久君) お答えいたします。
 一九八九年の消費税導入当時の経済につきましては、まず消費支出につきましては、消費税導入前であります一九八九年の一月から三月期に駆け込み需要により増加をいたしましたが、翌、消費税導入が四月に行われましたので、四―六月期には反動減となりました。しかし、七―九月期には回復をいたしております。その後、可処分所得が着実に増加する中で消費支出も堅調に推移し、GDPは内需主導の拡大を続けておりました。
 このような経済の動向を踏まえますと、消費税導入による景気の悪化は認められないというふうに考えております。
#193
○姫井由美子君 特に最初の平成元年のときは、バブルも崩壊をする前で、そしてどちらかといえば、貿易黒字をどうするかというような、うれしい悲鳴があった時代でもあります。
 しかし、それでも消費税を導入をした三年目、平成四年からは税収は確かに減っております。そして、その税収は、一般会計税収は消費税を導入する前よりも減ってきています。そして、三%から五%に上げた平成九年はといいますと、これは阪神・淡路大震災の数年後ということで、大変厳しい中での増税でした。着実に翌年から税収は下がっており、それどころか、注目すべきところは、国債の発行高が大変伸びているということです。
 これは、もちろん今回の消費税増税というものは、社会保障と一体改革ですから社会保障のためですけれども、しかし、よく総理は次世代世代に借金、ツケを回さないためだとおっしゃっておりますけれども、かえって赤字国債を増やすということはいかがなものでしょうか、お伺いしたいと思います。
#194
○国務大臣(安住淳君) 三%に入ってからちょっと税収が上がって、下がったのは消費税のせいでは明らかにございません。そのことは付言しておきます。公債残高も増えてきましたが、やはり構造的な問題が我が国の予算の中にはあるんではないでしょうか。特に近年だけで申し上げますれば、やはりリーマン・ショックがあって急激に税収が落ちましたですね。そういうときに、しかし社会保障政策等で義務的経費を削れない縛りがどうしてもあります。
 予算の入りが減ったら急激に十兆も例えば十五兆も予算を削れるかといえば、残念ながら、生活保護一つ取っても、また年金の支給を取っても、それぞれですが、大幅に予算を削減すれば更に、また公共事業もそうですけれども、負のスパイラルも生じるわけで、そうした点では、改革を怠っているわけではありませんが、一度つくった支出構造を抜本的に改めないと、税収の多寡によってなかなか削れない部分が出てきたというのは私は見ていただければと思うんです。
 その最たるものが社会保障でありまして、景気のいい悪いにかかわらず高齢化社会の進展に伴ってその経費が非常に増えてきて、それに比例するような形でやはり公債発行も累積をしてきたというふうに見た方が正しいのではないかと思います。
#195
○姫井由美子君 たしか、平成九年の三%から五%に消費税を増税したときも、名目は福祉を充実させるというところが名目でした。つまり、そのためには、福祉を充実させるための歳出は増えるということは、それは分かります。しかし、余りにもそのための国債発行額が、倍とは言いませんけれども、極端に上がっている現実と、そしてそれに反比例して税収が下がっているという現実があるんですが、これはどういうふうに解釈、分析すればいいんでしょうか。
#196
○国務大臣(安住淳君) 今私がお話しさせていただいたことを理解はしていただけなかったのかもしれませんが、例えば不景気になりまして税収は減りますですよね。すると、次のときには経済対策を打たざるを得なくなると。そうなると、税収がない中で経済対策を打てば公債発行が増えていくと。やはり、そういうことで税収の増減と公債発行には関係があると思います。
 それに、あわせて、私が申し上げているのは、実は社会保障のお金は、姫井さんも御存じのように、この二十年で約二倍近くに国費ベースではなっているわけですから、景気のいい悪いにかかわらずやはりその分の負担が増えてきて、そうしたことが決していいとは思いませんけれども、入ってくる税金と使うお金の乖離をどうしても、税制改革等を逆に言えば怠ったことで、その乖離が大きくなった分を公債発行でやっぱり埋めざるを得なかったと。それが非常に大きくなってきたのが、いわゆるこの姫井さんにお示しいただいた一般会計と歳出の総額の口の開き方がいわゆるワニの口のようになってしまったというふうに言えるのではないでしょうか。
#197
○姫井由美子君 私の言っていることが分かっていただけないのかなと思うんですけれども、消費税を三パーから五パーに上げたんですよね。二%上がったわけです。つまり、税収は増えるはずが増えなかったのはなぜかということをお伺いしています。
#198
○国務大臣(安住淳君) それは、直間比率の見直しで所得税の減税等をやりましたから、そういう意味では、最初の導入のときというのは、むしろ減税分の方が多いんですよ。それで、九七年のときは、これは大体プラマイゼロでやったわけです。ですから、その話をすれば、やっぱり直間比率の問題なんですね。
 ですから、今とは明らかに状況は、竹下総理が行った消費税のときの問題というのは違います。あのころも高齢化社会の入口に入ったという議論もありましたけれども、同時に、やはり直間比率を見直さないと、将来我が国の増収は、なかなか税収による、この構造的な高齢化社会の中でやはり増えていかないという問題があったので、そうなったと思います。
#199
○姫井由美子君 竹下総理がやったのは平成元年の最初の導入ですよね。私が言っているのは平成九年の、橋本総理のときでしょうかね、この三パーから五パーに上げたときです。そして、直間比率の見直しも同時にやって……(発言する者あり)減税したんですよね。でも、明らかに消費税を上げたときから一度も、現在に至るまで、一度も税収が復活していないんですよ。
 税制改革をして見直したにもかかわらず、消費税を三パーから五パーにすると税収は下がったままずっと推移をして、そして国債の発行額は上がったままということはどうでしょうか。
#200
○国務大臣(安住淳君) グラフを見てもらってお話をしましょう。
 九年は五十三・九兆で、そこからずっとその水準に行っていないんじゃないかという質問ですね。そういうことですね。ただ、十九年は五十一兆まで上がっていますね。そうですね。そのときは、実は九年のときと比べて地方に税源移譲しているわけですね。税源移譲しているんです。その分を足すと、実は五十一兆のこの十九年というのは、九年のときのベースで考えると、このときを上回っているんです。ですから、今の御説で言えば、確かにこの数字だけを見てもし分析なされば姫井さんのような話になるんですけれども、実は法人税の引下げもやっていますし、地方への税源移譲もやっているんで、結果的には、消費税だけでなくてこれ基幹税も何も全部含めてですから、所得税も法人税も全部含めての数字なんです。ですから、五十三兆の時点の例えば税率、五十三兆円時点での法人税の割で考えれば、実は十八年、十九年の辺りでそれは超えているんです。
 ですから、そういう意味では、消費税を上げた後にずっと景気が冷え込んで税金が下がりっぱなしだというふうな事実は実は違いますということを申し上げているんです。
#201
○姫井由美子君 今、大臣が私と一緒に見ているこのグラフというものは、財務省のホームページから取ったグラフです。ですから、そうしたら、そういったいろんな状況も分析できるので、このまま見ると、消費税増税というものでかえって税収が悪くなり、以後一度も消費税を増税する前に戻ったことがないというふうに読めますし、また、国債の発行高も消費税を上げたままでずっと発行高は推移しているというふうに見えます。
 また、もちろんいろんな状況があるかもしれません。しかし、その平成九年に消費税増税をした二年後には確実に税収は減っているわけです。そして今回は、失われた二十年と言われまして、昭和恐慌よりもずっと危険だと言われているデフレが続いている中で消費税を増税をすれば、必ず税収は下がるんじゃないでしょうか。
#202
○国務大臣(安住淳君) 必要であれば説明に行きますけど、この図を見ないと全部分からないじゃないかとお叱りを受けても、多分ホームページで開いていただいたと思いますけれども、それぞれの年の税収の細かなものも全てオープンにしているので、是非それは御参考にしていただきたいと思います。
 それで、これでもう一つ私はやっぱりこれ見ていただきたいのは、姫井さん、十四年から十八、九年まで、これ税収は伸びていますよね。税収は伸びていますね。一方、やっぱり国債発行額は減っていますよね。だから、やっぱり景気が良くなれば、確かに税収が上がって循環は出てきているんです。
 ただ、残念ながら、ここからリーマン・ショックのところで、公債発行ぐんと上がりますね。それはなぜかというと、やっぱり先ほどから申し上げているように、予算を十兆も二十兆も、じゃ税収に応じて削れればいいんですけれども、やはり義務的経費は、これは法律上も支払わないといけない義務なわけですよ。その義務的経費というのは、予算があるなし、もっと言えば、景気の良しあしにかかわらず、お支払を国民の皆さんに例えばしないといけないようなものがあって、そういう硬直化した予算の中で、入りが少ない分だけやっぱり公債発行が、残念ながら、これは反省も踏まえて言うと、増えてしまってきていると。だから、私は、構造的問題を我が国の財政は抱えているということを申し上げているわけです。
#203
○姫井由美子君 だとしたら、なおさら、まずは景気回復じゃないでしょうか。景気が上がれば、消費税は僅かながらでも税収は上がり、そして国債の発行額も減少させることができるんであれば、まずは、どんなことがあっても景気対策をまず第一番にすべきではないでしょうか。
#204
○国務大臣(安住淳君) いや、ですから、税収を上げるための景気対策は十分やらないといけないと思います。
 しかし、例えば過去十年を見ても、そのための財政支出をして、公共事業とかもいろいろ自民党もおやりになりました。しかし、結果的になかなかデフレを解消するのは難しかったということは、やはりそう口で言うほどこのデフレを解決するのは簡単なことではない、構造的に大変深刻な問題を日本のやっぱり経済社会は抱えているということも事実だと思います。しかし、私たちとしては、このデフレを脱却するために、十八条の附則の第一項では、これを脱却するための様々な努力をするんだということを書いてあるわけですね。
 ただ一方、もう一つ言わせていただくと、先ほど言ったように、景気のいい悪いにかかわらず、社会保障のお金は、高齢化の進展とともに、今のこの年金、医療、介護の仕組みを保ち続けてサービスを続ける限り、これは景気のいい悪いにかかわらず、歳出は毎年増え続けていくわけですね。様々な努力をしても、多分横ばいまで切り込むというのは難しいと思います。なぜかといえば、高齢化をしている人がどんどん増えて年金の受給者がやっぱり増え続けるからです。そのための、だって、国民年金の二分の一の国庫負担も今回お願いしているわけですから。消費税でこれは充てるしかないよと。
 こういうこともありますから、やはり景気で税収が上がればそれで全部解決するんではないんだというぐらい日本の、何といいますか、税収の構造というのはやっぱり私厳しいんではないかなと思っているんです。ですから、安定収入であるこの消費税を社会保障に充てさせていただいて、何度もしつこいくらい言って恐縮ですけど、お預かりした、皆さん、お店で払ってもらったものはおばあちゃんの年金に行くんだと、ああ、これ払ってもらったお金はお父さんの薬代に行くんだよと、そういう仕組みにして国民の皆さんに還元をしていくと、それで社会保障の足らざるところを少し、それで全部間に合いませんけれども、補っていくような仕組みを是非つくりたいということで消費税の提案をさせていただいているわけです。
#205
○姫井由美子君 だから、私は、消費税の前に、もちろん景気回復は同じですけれども、例えば、前回言いましたように、国民健康保険の未収金の約一兆円に上るもの、そして社会保険の未収、そして、消費税は翌年ほぼ返ってくると言いましたけど、いろんな未収の部分の不公平感をなくさないといけないということと、行革で歳出削減をしていかなければいけないということと、そして景気対策というものも一緒にやらなければいけないのに、なぜ一番真っ先に消費税を持ってくるのかという意味で、消費税を先に何としても命懸けでこれ通さないといけないという議論を先にするのかという意味で、先ほどのデフレ下での増税、いかがなものかという質問をさせていただいております。
#206
○国務大臣(岡田克也君) 今委員いろいろおっしゃった中で、行革とか社会保障制度の充実と、これはまさしく並行して進めているわけですので、委員も民主党時代、いろいろな改革に率先取り組んでいただいたことだと思いますけれども、それは並行して進めるべきことであって、何かやらないと消費税取り組まないということだと、景気だってまだ波がありますから、いざやろうとしたときは更に悪くなっている可能性だってあるわけですから、やっぱりやれるときに同時並行的に進めていくというのが基本的な考え方であるべきだと私は思います。
#207
○姫井由美子君 だからこそ、東日本大震災の翌年で、今景気が落ち込んでいるときにこういう議論をすることすらおかしいのではないかと思っています。
 また、前回の質問の中で、安住大臣の方に、税の理念とは何かという中で、公平、透明、納得と言われました。しかし、じゃ、この公平というと、先ほど言っていますように、なかなか公平が理解されない。だとすると、この納得というものが国民に理解されているんでしょうか。この納得というのは、納得感なんでしょうか、納得という、どちらなんでしょうか。
#208
○国務大臣(安住淳君) ちょっと質問の意味がよく分かりませんけれども、我が国の税制は戦後、例えば物品税とかで不公平感があると随分言われましたけれども、所得税にしても法人税にしても消費税にしても、非常に公平性というものを私はバランスを考えながらやってきたと思います。
 しかし、この高齢化社会を迎えて、今、姫井さん言うように、じゃ公平性をどうやって担保するんだというときに、もしかしたら消費税に対して公平な税でないとおっしゃるかもしれませんが、水平的な公平な税だと私どもは思っております。誰もが同じ負担をお願いしないといけない。ただし、所得の低い方々に対しては、言わば、分かりやすい言葉で言えば、少ししわ寄せが多く来ますから、その分に対してはちゃんとしたケアを三党でやっていきましょうという話もしておりますから、そこは細心の注意をして対応したいと思います。
 そこで、その納得感というのは、国民の皆さん、このことについて支持をしているのかということだというふうに類推すればですよ、今の現時点で、消費税の世論調査をしますと、確かに四割ぐらいの方が賛成で、過半数から六割に近い方が慎重論だと思います。ただ、私もマスコミにいたことがありますけれども、この手の世論調査はいろんな分析の仕方があります。
 例えば、その反対の中には、絶対反対の人と、それから条件付で反対の人と、それこそ消費税は必要だけれども、今がその時期でないという御主張もあります。また、消費税は必要だけれども、もうちょっと身を切る改革をした方がいいんじゃないかと、こうしたいろんな反対がありますから、それを丁寧に分析をして、それらの御不満を持っておられる方の多くも、私の勝手な判断かもしれませんが、いずれこの国の社会保障や高齢化の中で私は消費税は非常にウエートを高くしていかざるを得ないということは、国民誰しも私は感じておられるんだと思うんです。
 それに対して、私たちが今懸念を持っておられる方に対して丁寧なやっぱり説明と、今、行革とか議員の身を切る改革とかそれから逆進性対策とかをしっかりやっていけば、私は理解はだんだんと広がっていくのではないかなというふうに思います。
 更に言えば、使い道です。これを全く違う方に使って、社会保障に使うと言っていたのに全然違うじゃないかといったらば、私はその信頼は根本から崩れると思いますから、これは社会目的税化をしっかりして、そこをしっかり浸透すれば国民の皆さんは更にこのことについては御理解をいただけるのではないかと思っています。
#209
○姫井由美子君 私は、やはり消費税というものは低所得者には厳しく高額所得者には緩いと、そしてこの消費税というものが本当に目的税というものになじむのかという問題もあるかと思います。
 今、納得というものは、国民が支持してくれるのかというふうに言われました。また、そして、この公平感に関しては私はそうでないと言いましたが、その部分に関しましては、先ほども逆進性の緩和という意味で軽減税率と給付付き税額控除の問題が言われております。
 藤井裕久御党の税調会長がここにいらっしゃったときに、会場から質問がありました。複数税率、食品とかそういった生活必需品には減免、免税という形で複数税率はどうかという質問に対して、藤井税調会長は、何を減免するか、何を免税にするかというところに利権が生まれるんだ、だから絶対に単税なんだと言われましたけれども、今までの議論の中では、どうも、単税と言い切られたにもかかわらず、軽減税率も多少は視野に入れているような様子でしたけれども、この意見の違いといいますか、意見の変化というものはどういうことなんでしょうか。
#210
○国務大臣(岡田克也君) まず、民主党としてはこの議論はずっと長くやってきた話なんですね。消費税引上げに伴う負担増について、やっぱり複数税率よりは給付付き税額控除がいいと、これはもう五年以上の歴史がある話だと私は思うんです。我々は、そういう考え方を民主党としては持っているし、政府としてもそういう考え方を取っております。ただ、三党で御協議いただく中で、やはり複数税率の方がいいと、こういう御議論が出ました。そういう中で、現在、この二つについてそれぞれもう少し議論を深めようということになっているわけです。
 確かに、給付付き税額控除は、やっぱりちゃんと所得が捕捉できるかどうかと、所得の少ない方の捕捉ですね、という問題はございます。これをどこまできちんとできるかということによって制度の根幹が、信頼感というものがかなり変わってまいります。複数税率には複数税率の問題がある。今日もいろいろ議論が出たところであります。ですから、そこを政府としても更に議論を深めなければいけないと思いますし、三党間でも御協議いただく、あるいはこの場でも御議論いただく中で、どちらがより望ましいかということを決定していきたいというふうに考えているところです。
#211
○姫井由美子君 五年も議論してきたことを三党合意で簡単に方向転換できるというぐらいのことなんですね。
 それで、先ほど、公平、透明、納得と言われました。かつて消費税を導入した中曽根内閣のときには、税の理念というものに関しては、公平、簡素、中立でした。そこに透明というものが入りました。これは、やはり透明にすることによって納得もあり公平だということが分かるのではないかというふうに私は理解しておりますけれども、だとすれば、前回もはっきり最終的なお答えをいただけませんでしたけれども、価格転嫁の問題、そして先ほどの軽減税率はまだ検討中ということではありましたけれども、また益税の問題等、インボイス制というものをどう考えるのか、もう一度お伺いしたいと思います。
 昨日の地方公聴会でも、公述人からインボイス制を導入しろという賛成の議論、そしてそれは大変に負担が大きいという反対の議論、両方出ましたけれども、今後これにつきましてはどのようにしていくのか、お伺いしたいと思います。
#212
○国務大臣(安住淳君) インボイスを、賛否分かれているかもしれませんね、これは。
 それで、私たちとしては、当面、やはり現状のやり方でやらせてもらって、この複数税率がもし現実味を帯びてくるような段階になれば、当然インボイスの導入というのは検討しないといけないとは思いますけれども、今、姫井さんからおっしゃったように、中小企業者の皆さんにしてみると、今現在のこの表示方式でやっているわけですから、そういう意味では事務負担等が増加するのではないか等々、その懸念もあります。ですから、そういう点からいうと、私どもとしては、請求書等保存方式でできるだけ透明性というものを確保するということで今回は行いたいと思っております。
 なお、そのほかも、益税とかも、じゃ……
#213
○姫井由美子君 いいですよ。
#214
○国務大臣(安住淳君) この間、言いましたものね。
#215
○姫井由美子君 先ほど、消費税の増税によっては景気は悪くなっていないと大臣はおっしゃいました。しかし、景気全体かどうかは別として、今朝の最初の牧山委員が出された消費税とそれから新築住宅着工の戸数という資料がありました。これを見ますと、やはり消費税の前には駆け込みということで増えておりますけれども、消費税が導入されてからはどんと減って、その後なかなか持ち直されてない。
 二回目の平成九年、三パーから五パーになったときも、消費税の前には駆け込みで増えていますけれども、その後、どおんとそれは、どどんと落ち込んで増えていないという意味では、かなり、本当に、景気に全く影響がないとは言えないと思います。
 そして、今回は土地取引には掛けない、土地取引には消費税は上げないということではありますけれども、被災地の住宅復興と、まあ被災地の方々は免税ってあります。ありますけれども、しかし、この住宅政策というものはやっぱり大きな我が国の経済成長の一つではないかと思っています。この住宅を新築するということだけで多くのいろんな業種の方々が動くわけでありますし、しかも今回、この住宅の、新築だけでなく中古住宅あるいはリフォーム等に関しても様々な政策で、何とかこの住宅景気を動かそうというのが今の政策ではないかと思います。
 その意味で、まずこの不動産取引、住宅を建てるということが一時的に冷え込まないような対策ということは何か考えていらっしゃいますでしょうか。
#216
○国務大臣(安住淳君) 基本的に、土地の取引は元々消費税は掛かっておりません、消費じゃありませんので。建物を建てるときにはやはり課税が掛かるわけですけれども。
 そこで、その過去の統計を見て牧山さんも質問なさっていたとおりで、やはりそれは、実質的に消費税を上げる前の年は消費税が掛かる年よりも住宅着工件数が増えますね、どうしても。それは百六十万からたしか百三十万に落ちているんだと思います、平成九年ですか。そこの落ち込みはあるんですけれども、それを、ですから、できるだけないようにこれから考えなければならないというふうに私も思っております。
 大きく受注して大きく下がると、その何といいますか、谷が余りに大き過ぎると、これがやっぱり企業経営等に大きな影響を与えますので、できるだけ平準化していくことが必要だと思います。そこで、住宅ローンの減税の在り方とか、それから様々な税ですね、それに対する減免措置等を考えていかなければならないと思っております。
 なお、被災地については、先ほどからお話がありますように、一四年、一五年というのはちょうどその高台に場所ができまして、土地ができまして復興が本格的に始まると、御自宅をお建てになったりですね。そういうときに巡り合いますので、これについては、全国で行うそういう住宅に対する言わば消費税の引上げに伴う対策とはまた別に、もう一段やっぱり政府としては、そうした方々に対する思いやりを政策として具現化していかなければならないと思っております。
#217
○姫井由美子君 消費税だけでも新築住宅建てられる件数は過去の状況から見ても減っているにもかかわらず、本年四月より、この新築建物を保存登記をするときの算定基準となる新築建物課税標準価格というものが大幅増になりました。全国的な平均で二割から三割、そして顕著な事例でいいますと、北海道では九割近くその計算の基準が上がりました。岩手県では七割上がっております。
 これは、平成二十年、二十一年ごろに会計検査院の方から実態に合っていないという指摘があって、そこで今回、新築建物課税標準価格の認定を見直しをされたんだと思うんですけれども、実態に合っていないというのは、まさにこの東日本大震災で景気が低迷し、そして消費税の議論がなされている今年にこれを上げるということこそ実態に合っていないと私は思っています。
 何も被災者、被災者というものは罹災証明ですから、被災地におきましても、建物が壊れなかった方もいますけれども、しかし、新築をされる方はいるかもしれません。そういった方々に、今所有権の保存登記をするときには、以前よりも七割も上がったよ、その算定価格が、登録免許税が上がるよというようなことをすること自体が私は間違っていると思いますので、まず、この新築建物の認定価格を大幅に引き上げることの見直しをまず求めたいと思います。
 そして、この土地取引ではなく、まあ土地取引もそうですけれども、建物を建てるとき等の登録免許税ですけれども、この登録免許税というものは、これは遡れば日清、日露戦争のときの戦争のための国費拡大に対するということが徴税目的でした。しかし、もうそれは既に終わっております。今、こういった時代にあっては、登録免許税というものも登記手数料制に見直すべきではないでしょうか。
 日本の登記というものは、これは効力要件ではなく対抗要件です。不動産の売買というものはお互いの意思のときに売買は成立をし、それを登録するかどうかの登記というものは第三者に対する対抗要件です。ドイツでは、登記をしなければ土地の売買は成立をしないという効力要件になっておりますけれども、そのドイツにおいてすら登記をするときの手数料というものは手数料制で、免許制ではありません。という意味では、是非、ほかの税、今税制改革であれば、ほかの税もしっかりと見直していただきたいと思います。
 そして、最後に、納得、国民の理解と言いました。国民の理解が得なければ……
#218
○委員長(高橋千秋君) おまとめください。
#219
○姫井由美子君 消費税は増税をするのは難しいだけでなく、消費税を増税してはいけない、国民の理解は、それは選挙で国民に問うことだと申し上げて、終わりたいと思います。
 ありがとうございました。
#220
○桜内文城君 みんなの党の桜内文城です。
 これまでこの委員会でも盛んに、増税の前にやるべきことがあるということで、今帰った古川大臣とかにも随分質問してきたんですが、今日は安住財務大臣中心にお尋ねしたいと思っております。
 これまでずっと消費税の増税をやるべきではないという立場から、今の経済状況であるとか、あるいは社会保障制度をこういったふうに改めていくべきじゃないかですとか、歳入庁について触れてまいりました。今日はそういった、とはいいながら、こうやって三党合意の下、いよいよ採決もというのが視野に入ってきている中、消費税が仮に上がったとして、その消費税の在り方、やはり今の消費税の仕組みそのものを改めていく必要があると思っております。
 特に、今の消費税の仕組みですけれども、帳簿に基づいて仕入れ税額控除の金額を計算して、それで消費税の税額を計算していく仕組みになっております。私自身、会計士の端くれとしましてその辺の勉強もしたんですが、結構これややこしいんですね。仕入れ控除税額の計算方法、まず課税売上割合というのを計算していく必要がある。今回九五%のところで若干改正も考えられているようですけれども、そこから先、個別対応方式というやつとかですと、もう課税売上げに対応するもの、あるいは課税、非課税に対応するものですとか、これは大変、帳簿を見ながら計算していくのも本当は大変難しいんです。よく私も計算間違いしたりしてしくじること多いんですが、逆に言えば、インボイスというものを導入して、確定申告の際にそのインボイスに記載されている税額というものを足し上げていく、通常の所得税の申告のようにきちんとインボイスを保存してこれを足し上げていくという方法の方が、むしろ消費税を支払う義務がある納税義務者の中小企業者にとっても事務負担は軽減されるんじゃないのかなとも思うんですけれども、その辺、インボイスの導入の是非について大臣のお考えをお伺いいたします。
#221
○国務大臣(安住淳君) 確かに、我が国では消費税というのは財・サービスの消費が行われることに着目される要するに多段階課税なので、今、桜内さんがおっしゃったように、例えば、原料を業者さんが持ってきました、完成製造業者がそれを作って卸に、小売に、消費にといったところで、だんだんだんだんとこれについて仕入れ税額を控除しながら掛けていく、言わば付加価値税の一つとしては大変そういう意味では網羅的な税でございます。ですから、逆に言えば、中間業者なり最終消費者の支払うものに対してしっかりと支払をしていただかなければならない、そういうことが大事だと思っています。
 そういう中で、今御指摘のように、確かにこのインボイスの問題というのは支持する方も多うございます。ただ、我が国としてはこれまで単一税率で来て、また率直に言うと、やっぱり三%、五%という段階なので、言わば中小企業者の皆さんの利便性や様々な実務的なことを考えると現状のやり方でいきましょうということで来たんだと思います。
 このインボイスにはプラスマイナスあると思いますが、私も率直に申し上げて、今後、例えばこの複数税率をどうするかとか、税率が更にそういう意味では検討しないといけないような状況になったときには、やはりこうしたことを、様々な環境整備をしないといけませんね、免税事業者をどうするかとかですね。そういうことを考えながらも、しかし、制度設計の中の一つとしてはやはりそうしたことも検討しなければならない時期も来るのかもしれないなというふうに思っております。
#222
○桜内文城君 ありがとうございます。前向きに是非今後検討していく必要があろうかと思います。
 何となれば、先ほど大臣もおっしゃいましたけれども、これまで三%、五%という税率であればわざわざそういうややこしいことをする必要はないというのも一定の合理性もあったと思うんですけれども、今、財務省といいますか国税庁の努力もあって、請求書をちゃんと保存しましょうですとか、そういったことも励行されておりまして、言わばインボイス方式に移行する素地が大分整ってきているとも思われます。
 さらに、仮に税率が引き上げられた際、大臣もおっしゃった、やはり軽減税率ですとか、そういったものを実施していく上でも、やはりこのインボイス方式というものが前提になる、実際に軽減税率を行っていく際にはやはり幾らの消費税が仕入れ段階で掛かっているのかというのをきちんと計算する必要もありますし、また、我が党は消費税収の地方財源化ということを言っておりますけれども、仮に地方ごとに税率が変わってきたとしても仕入れ税額というものをインボイスを通じてしっかりと計算していくという、そういった制度的な基盤にもなるものですので、これから消費税というものを重要な税目として考えていくのであれば、このインボイス方式、是非これから積極的に導入に向けて検討を行っていただきたいと思うんですが、これについてお願いします。
#223
○国務大臣(安住淳君) 導入に当たって一番重要なことは、業界というと何となく何か利益誘導みたいに思うかもしれませんが、やっぱり中間業者ですね、中小零細企業の皆様方が、やはりこの制度の方が良くて、これだとやっぱり分かりやすくて簡単でいいと思ってもらうことが一番大事なんですね。
 インボイスには透明性を確保できるという点も確かにあります。ただ、請求書保存方式で慣れてきておりますので、そういう意味では、まだ中間業者の中には、そうした意味で、事務作業等がどうも非常に面倒ではないかとか、それから免税事業者の中には自分たちは商売から外されてしまうんじゃないかというふうな懸念がありますから、そこはこれから研究していかなければなりませんが、税率が、先ほどから、率直に申し上げますと、一〇%を超える段階になったときに軽減税率の話も現実に国会の中で取り上げられるような状況でございますから、今まで積み上げてきた国税庁のやり方を更にバージョンアップをしていく場合の一つのツールであると私も率直に思っておりますので、検討したいと思います。
 なお、ちょっと一つだけ、私、地方に消費税をというときに逆に桜内さんに聞かせていただきたいんですけれども、税の偏在性はその場合どうするのかというのがよく分からないんですね。先般も本会議で、私、非常に桜内さんのお話を聞いていて感じたんですが、消費税収をそれぞれの地方にそのままお渡しになれば、当然、人口が多くて言わば工業や経済が発展したところは税収増えるでしょうけれども、日本海側の人口減少県とか、こういうところは、結果的には消費税をそのまま調整しなければ一気に税収のバランスが崩れていくんじゃないかと思っていたんですが、いかがでしょうか。
#224
○桜内文城君 大変いい指摘だと思うんですが、我々が今想定している制度設計、簡単にちょっと御説明申し上げますと、まず消費税の税額って、各県ごとに統計取っていったりしますと、本当にちょうど人口割に近い形になっております。そういった意味で、まず地方の財源として、人口に比例して、一人当たりの税収がそれなりに安定的であり、かつ比例しているという点では、まず地方税収に合っているんじゃないかというのが一つ。
 そして、今おっしゃった、じゃ人口が少ないところをどうするんだというのはもちろんありますので、財源調整制度というのも当然考えております。言わばイメージとして現行制度の在り方として言えば、もちろん地方交付税制度というのがあるわけですけれども、今は地方交付税として所得税の一定割合、消費税の一定割合等々、それを地方の独自財源として国から配っているわけですけれども、イメージとして言えば、すごくざっくりとしたイメージで言えば、消費税をもう一〇〇%そこの地方交付税の枠に入れて、それで全国各地に基本的に人口割で配っていく、もちろんその際には人口以外の要素も考慮して財源調整を行っていくと、そういった考え方を取ろうかと思っております。
 そして、逆に言えば、今地方交付税として、先ほど言いました、一定割合の所得税であるとか法人税であるとかというものが入っているわけですけれども、その代わりに全額消費税を、地方交付税制度とは言いませんけれども、財源調整制度の中で配分していくことによって、人口割に比較的近い、そしてまた偏在が起こらないような仕組みというのは十分つくれるのではないかという主張であります。
#225
○委員長(高橋千秋君) 今のは質問でよろしいんでしょうか。
#226
○国務大臣(安住淳君) ありがとうございました。
 ただ、今のお話を聞いていると、財務省なり総務省という役目は必要なのかなと思うんですね、調整機能を持っていると。
 それから、私どもがやっぱり懸念しているのは、じゃ、具体的な名前を言ったらあれですけど、じゃ東京は、税率が今スタートの時点では一〇で並んだとしてですよ、その今の理論でずっといった場合に、将来、人口が少なくて税収の少ないところは消費税が例えば日本海側の県は一五%で、東京は逆に税収が、法人税が多いから七%とかということも容認するということにもなりかねないと思うんです。
 それが駄目だというんだったら、やっぱり私どもは、全国一律に同じ税率を掛けさせていただいて、それを社会保障に充てた方がいいというのが私どもの考えなんです。そこが少しやっぱり、先般から聞いていて私どもと先生方のちょっと違いかなというふうに思ったものですから、ちょっとお話をさせていただきました。
#227
○桜内文城君 一点付け加えておきますと、ちょうど昨日の名古屋、私、地方公聴会に行ってまいったんですけれども、そのときにある元市長の方がおっしゃっていましたのが、やはり今交付税の一部が、消費税から来ている分ですとか、非常に安定財源としては有り難いということを言っておりました。
 今、地方自治体の税収のうち、固定資産税にしましても、個人、法人の市民税にいたしましても、相当変動が大きいんですよね。そういった意味で、安定的な財源として消費税に期待するところが大変大きいというようなことも公述人からもお聞きいたしました。
 そういった意味で、先ほど言いましたように、基本的に消費税収というのは人口に比例して上がってくるものであり、かつ、これを一定の財源調整制度を取るということによって地方の安定財源として確保していくことは十分可能だろうし、それを制度として実現すべきだというふうに考えております。
 また、その税率自体、消費税の税率自体を地方独自で、アメリカの州などは、これ売上税ですけれども、州ごとによって税率違います。言わばアウトレットのようなもので観光客を呼び寄せようとするようなところもありますし、一方で、法人税等はこれ国税ですので、国税としての法人税については、まさに国が、我が国の産業政策の一環としてどれだけ世界中から資本を呼び寄せるのか、あるいは日本国内でその資本をどうやって増やしていくのか、こういった観点で行っていくものじゃないかなと考えております。
 社会保障というのは、私ども以前からずっと言っておりますけれども、また、野田総理も、じゃ消費税を地方財源化したら社会保障どうするんだというようなこともおっしゃっておりますが、我々は、あくまでも社会保障の基本は社会保険によって行っていくと、保険料によって行っていく。ですから、我々として、今法案として御提示申し上げようとしておりますのが、まさに、例えば年金でありますと積立方式への移行ですとか、そういった意味で、社会保障については保険をベースにやっていきたいということでございます。
#228
○委員長(高橋千秋君) 質問でいいんでしょうか。
#229
○桜内文城君 はい。
#230
○国務大臣(安住淳君) いやいや、私、答弁ですね。
 州ごとに税率が違うことを容認するということは、つまり私どもと少し考え違うわけです。それは、例えば宮城県に住んでいる方が隣の岩手県の一関に行くと税率が三%安いからそちらのスーパーで買いに行くということが起きるわけですね。そういうことは、ある程度、州ごとでアメリカは容認ですから、それはやむを得ないということだとすれば、私どもはやっぱり今の日本の社会の中でそれはなかなかなじまないだろうと思っております。
 それから、安定財源について、現実には、そうはいっても今安定財源を最も必要としているのはやはり国だと思います。社会保障全てを基本的には国が賄っておりますので、この制度が本当に、桜内委員が御指摘のように、じゃ保険料で全部やればいいということになると、今の保険料は多分二倍から三倍ぐらいのお金になってしまって、窓口の支払で大変な国民の皆さんに御負担をいただくという制度が本当に国民の皆さんにとって納得いただけるのかと。
 それから、年金については、今までも賦課方式で、御提案ありましたけれども、なかなか大改革で、現実に今の制度とどういうふうにシフトチェンジをしていくのかという問題があるのではないかというふうに思っています。
 ですから、私どもは、今は、消費税というものは、現行制度の中でやっぱり社会保障に、景気の変動に左右されないで使える財源としてはいいんですが、これをそのまま地方に持っていって地方で自由に使えるお金にするということになると、少しそういう面では問題が多いのではないかというふうに思っております。
#231
○委員長(高橋千秋君) 質問と答弁をよろしくお願いします。
#232
○桜内文城君 質問をさせていただきます。
 このインボイスから派生したこの地方税化の件はこれで最後の質問といたしますが、私どもが考えておりますのは、やはり地方が独自に税率を決めて、どういった地域ごとの町づくりあるいは自治体経営というものを、自らのまさに判断と責任を持って行っていくということは、これは必要だろうと。
 また、国においても、もちろん今の制度をがさっと変えればいいと全て言うつもりはございません。今の大臣の御指摘の中で一つだけ申しますと、例えば、じゃ保険料方式にしたからといって国民全体の負担が急に二倍になったりすることは、これ、僕はあり得ないと考えております。
 今、保険料の形なのかあるいは税の形なのかという意味でいえば、国民が負担している分というのが、今の現行制度と、それからこれをもっと保険料の方に厚く寄せていくですとか、あるいは今国税である消費税を地方に持っていったからといって、結局はお金に色がないという意味でいえば、制度を変えたからといって急に国民の負担が増える話じゃないので、ただ、まさに負担の仕方として、保険料が一体どのぐらいが適正なのか、そしてまた消費税がどれだけであれば適正なのか、そして国税としてのその他の税であるとか、総合的に考えれば、我々は今後の日本社会のそういった、特に今、私ずっと言っておりますけれども、世代間の受益と負担の格差というのをどう直していくのかというのも含めて、全体を見ながら考えていく必要があろうという指摘であります。
 まさに、この税と社会保障の一体改革というこの当委員会の名称も、単に税だけじゃなくて社会保険料あるいはその給付も含めて、どうこれからの日本社会の基盤となるこういったものを、制度をつくっていくのかという議論をまさにやっていきたいということで質問をさせていただいている次第です。
 次の質問に参ります。次は所得税の関係で、納税者番号制度についてお尋ねをいたします。
 私自身は、消費税の逆進性の対策としては、やはり消費税の枠内で、先ほど言いましたようなインボイス制度に変えていくなりですとか、そういった軽減税率というものを導入することによって消費税の枠内で対応すべきだと思っています。それと別途、今まさに生活保護ですとか、午前中もこの委員会で議論になりましたけれども、そういった福祉的な給付というものをどう行っていくのかというのは、やはり所得の把握というのが大前提になると思います。
 諸外国、財務省がまとめられている資料によりますと、アメリカですとかカナダ、それからイギリス、ドイツですとか、もろもろいろんな国において給付付き税額控除制度というのが導入されております。もちろん、導入の趣旨といいますか目的も、子育て支援であるとか、あるいは勤労促進であるとか、もろもろあるわけですけれども、是非、これは私、先ほどの消費税の軽減税率という間接税の枠内の話を超えて、むしろ福祉に直結するものとして考えていく必要があろうかと思うんですけれども、その給付付き税額控除制度を今後どう考えていくのかという点と、その前提としてやはり納税者番号制度、すごく大事だと思うんですけれども、この点について安住大臣の所見をお伺いいたします。
#233
○国務大臣(安住淳君) その点については、私も桜内さんと同じような認識を持っています。
 制度の充実と、制度じゃなくて精度を上げないといけない。そのためには、やっぱり納税者番号制度、それとこのマイナンバー制度、今は法定調書五十七ですよね、これだけではフォローはできないんで、問題は、結局金融資産をどういうふうにこちらとしては捕捉をしていくか、それからまた、これは地方に協力いただかないといけませんけれども、不動産、固定資産税を見れば大体多分、お金持ちの方と言ったら恐縮ですが、土地を持っておられる方は捕捉できるのではないかと思います。それだけじゃ不十分ですよね。大きなお金を持って、実際は賃貸のマンションに住んでおられる方とかもいるじゃないかと言われればそうですから、いかに、この今の法定調書等の五十七に対して、それだけで捕捉し切れない部分を充実させていくかということは重要だと思います。
 この法案を一日も早く成立をさせていただいて、そうした制度の充実を図ることで、今、桜内さんお話しのように、世界各国を見ますと、いずれもそれぞれの政策の目的を持ってこの制度を利用しております。アメリカ、イギリス、ドイツ、フランス、それぞれに、例えば生活支援とか、それから就労者支援、また子供の貧困対策等に充てているようなものもあります。
 ですから、そういう点では、この給付付き税額控除というものにターゲットを絞ってこれをやるということに対して懸念ある方もいらっしゃいますが、マイナンバーをいずれにしたって整備さえすれば、政策目的のいかんにかかわらず、これが大変行政サービスの効率的な運用のツールになるということは言えるので、私どもとしては、このことに対しては、それぞれ関係省庁に協力をいただいて平成二十七年の一月から運用を是非開始したいと思っております。
#234
○桜内文城君 大変前向きな答弁、ありがとうございます。
 実は私、十八年前、主税局の係長のときにこの納税者番号担当係長を拝命しておりまして、(発言する者あり)ええ、調査課にいたとき。ですので、当時はなかなか夢物語のような感もあったんですけれども、いよいよ納税者番号制度も実現に向けてやっていかなくちゃいけない時期にもなったし、そしてまた、この国会でこういった議論が正面からなされるようになったことは私としても評価したいと思っております。
 もうちょっと細かいことを申しますと、先ほど安住大臣もおっしゃいましたけれども、今回のマイナンバー制度、最初の取っかかりという意味でいえばもちろん大変大きな意義があると思うんですけれども、御指摘なさいました、やはり金融所得、利子、配当ですとかあるいは不動産等々、そこも含めてどう制度設計していくのかというところが課題だとも指摘されておるところです。
 法案をもちろん早く通していくというのも大事なんですが、内容についても、今後のこういった所得税制の根幹にかかわるインフラのようなものになっていきますので、幾らかはやはり国会の議論を通じて修正等も必要かと思っておりますが、もちろん政府側ですので簡単においそれと言えないかもしれないんですが、その辺についてコメントをお願いします。
#235
○国務大臣(安住淳君) 何点か問題があると思います。おっしゃるとおりでございます。
 実は、金融所得のことに関して言うと、源泉分離課税そのものの在り方が問われると思うんですね。これまでの在り方でやれば、やはり五十七の調書からこれは外れてしまいますので、利子分の課税の在り方というものも、昭和二十二年からずっと続いてきて、現行制度に至ったのは桜内さんが大蔵省に入省した昭和六十三年に二〇%の課税制度になっています。これだとやはりこの網に入らないので、これをどうするかという問題点があります。もう一つは、やはり不動産ですね。これは法務省の登記情報等を協力をいただいてやはりフォローアップしないといけないのではないかなと思っています。
 そういう点では、骨格としては今出させていただいておりますけれども、やはりこの議論を聞いていると内容の充実を求める声が大変多うございますし、私どもも、ストックされている資産等についての把握をやっぱりしっかりしないと、具体的にこれを、じゃ、給付付き税額控除に入れたときに、所得だけのフォローでは、実は何億円も持っていて、所得のフローはないけれどもストックを何億円も持っている人に逆に言えば低所得者対策のお金をあげてしまうようなことにならないようにするためにも、精度を上げるためのやはりいろんな意味で工夫というものはやっていきたいと思っております。
#236
○桜内文城君 ありがとうございます。
 そうやってすごく良いものに、これから国会の議論を通じて、私どももその点に関しては野党でありますが協力を惜しみませんので、是非議論をさせていただきたいと思っております。
 マイナンバーにせよ納税者番号にせよ、その後で是非、給付付き税額控除制度、大変幅広い活用の仕方あるかと思います。先ほども申しましたけれども、アメリカ、イギリス、ドイツ、カナダでは子育て支援という形で、今回も一つの論点になりました児童手当あるいは子ども手当にほぼ類するような効果を目的とする政策のツールとしても使えますし、そしてまた、今日の午前中も議論になりました生活保護の在り方、これについても生活支援という形で、財務省の資料によりますとアメリカ、イギリス、フランス、カナダ、オランダ、スウェーデンというところでなされているそうなので、やはりきちんと所得を把握していないというところが、あるいはできていないというところが今の生活保護制度の中で不正受給としていろいろ問題が生じているところでもありますし、また、生活保護については、今日の午前中にもありましたけれども、現物給付に変えていくとか、いろんな考え方があろうかと思います。
 そういった、大変広い、福祉とも関係してくるベースとなる制度としての納税者番号制度、そしてそれを、今申しましたような子育て支援そして就労支援も含めて、あるいは生活支援も含めて考えていくという意味で、是非これ、財務大臣ではいらっしゃいますけれども、福祉にも大変かかわる分野ですので、是非幅広に進めていただきたいと思うんですが、これについてもコメントをお願いします。
#237
○国務大臣(安住淳君) この制度を日本国中の行政機関が適正に使えば、かなり社会保障制度の効率化に役立つと思います。
 問題は、率直に申し上げて、そうした理念や考え方は私も全く共有しておりますから、その目的に向かって財務省も大きな仕事をさせていただきたいと思いますが、実は、御存じのとおり、我が国では、マル優制度なんかがいい例でございますが、今現在でも一億三千万の国民で銀行口座は十二億口座ございます。国民の皆さんの中には、透明という、先ほど議論ありましたけれども、私どもに対してどこまで情報を公開していただくのか。そのことについては、やはり政府側が一方的にやっても私は国民の皆さんの反発も受けると思います。そこら辺りのやはりコンセンサスを得ながら、これは国民の皆さんにとっては最も重要な個人情報の一つでもありますので、運用もそうですけれども、やはり理解を得ながら、法定調書以外のものを充実をさせていくということを私は一つずつ丁寧にやっていきたいというふうに思っております。
#238
○桜内文城君 まさに、今回の消費税の増税の是非に関する論点というのは、もう本当、国民的に大変大きな論点でもありますので、これを契機に、こういった納税者番号制度なり、あるいは消費税でいえば先ほど申しましたインボイス制度ですとか、やや細かい話ではあるんですが、大変重要な論点にも結び付くものでもありますので、是非国民の皆様にも、財務省としてもいろいろと分かりやすい説明に心掛けていただければというふうに申し上げておきます。
 最後に今日お伺いしたいのは、もう一遍消費税に戻りますけれども、非課税とゼロ税率の在り方、現行の在り方について少し触れたいと思っております。
 我が国の消費税における非課税というのは、利子ですとか保険料等という、そういう金融に関するものもあれば、土地の譲渡、貸付けですとか、それから医療、教育あるいは住宅の貸付けのように社会政策的な配慮もあって非課税にしているものもあります。ただ、そうしますと、先日も議論になっていましたけれども、どうしても損税というのが発生するですとか、特に医療機関とか、損税については大変困っていらっしゃるところもあったりしまして、これから税率が仮に上がっていくとすれば、この法案が通って、もう本当にこの損税といいますか、非課税というものをどう枠を決めていくのかというのも大きな争点になっていくかと思います。
 そしてまた一方で、免税ですね、輸出免税、自動車業界、日本を牽引する大事な産業ですのでしっかりと稼いでいただかなくちゃいけないんですが、とはいえ、これまで、ここ数年、エコカー減税ですとか、それとまた輸出免税、ゼロ税率の輸出免税も相まって、言わば実質的な補助金がああいった大企業にのみ与えられているという意味での批判もあります。
 もちろんゼロ税率、輸出に関して国際税調整というのはもちろん必要ですので、それを否定するものではないんですけれども、非課税とそれから免税、ゼロ税率の関係、そしてこれから税率が上がっていくとすれば、まさに軽減税率のほかにこのゼロ税率をどの範囲で認めていくのか、大変大きな議論になってくると思うんですけれども、方向性とか、財務省としてどうお考えでしょうか。
#239
○国務大臣(安住淳君) ゼロ税率を見ますと、諸外国では、今、輸出入のことでお話ありましたけれども、それ以外でやっているとなると、イギリスが食料品等でゼロ税率で、大概の国はやはりゼロ税率、免税はやっていないんですね。それからいうと、基本はやはり今のラインでいかなければならないかなと思います。
 ただし、非課税分野をどういうふうに決めるのかということに関しては、これまで社会保障の立場、例えば教育、医療、今、桜内さんからも御指摘あった土地の譲渡等も、これは消費じゃないので、取引なのでそういうことになっていますし、有価証券等の譲渡もそうでございました。諸外国の例を見ても、おおむねこうしたものをターゲットに非課税措置はやっておりますので、著しく日本がそのライン、枠から外れているとは思っておりません。
 ただし、医療機関等に関係することについては、この委員会でも随分と、実際に診療報酬でカバーをするといっても、これがなかなかカバーし切れていないと。特に、高額な医療機器、それから病院建設等が伴った場合に大きな赤字が出るというお話も出ておりますので、これらの問題については個別に各省間で上げていただいて、そこでやはり様々な対応を取る以外になかなかないというふうに私は思っております。
 決して何もしないのではなくて、やはりそれも、全て包含して申し上げますと、桜内さんの最初の議論に私戻るんです。三%や五%のときと、今回はやっぱりちゃんと、八%、一〇%になったときのしっかりとした制度設計は、言葉は悪いですけれども、丸めてこれでしますからというだけではなかなか収まらないような状況になってきたと。基幹税の中でも中心を占めるこの消費税の制度設計をやはり細部にわたってしっかりやって、国民の皆さんに逆に言えば疑念を持たれないような公平性を担保した非課税制度等の仕組みというものをつくっていきたいと思っております。
#240
○桜内文城君 ありがとうございます。
 冒頭、消費税のインボイス方式について触れましたけれども、やはりゼロ税率あるいは非課税それから軽減税率というのを仮に考えていくとすれば、どうしてもやはりインボイスがないとなかなかできない、現実的でないというのもありますので、結局、制度設計をしっかりやっていかなくちゃいけないという意味でいえば、インボイスも、細かい話かもしれませんけれども、これもやはり国民の理解を得ながら進めていく必要があろうかと思っております。
 例えば、今、免税事業者がインボイス制度を導入すると取引から排除されてしまうんじゃないかとか、そういった懸念も税理士会から税制改正要望で出たりしておりますけれども、これは逆に言うと今の制度がおかしいというか、一点申し上げておきますと、今、帳簿方式の仕入れ税額控除をやっておりますので、免税事業者からの仕入れについても仕入れ税額控除が認められてしまう形になっておりますので、むしろその方がおかしいといえばおかしいことでもありますので、やはり非課税あるいはゼロ税率の範囲をどう考えるのか、そして軽減税率を行っていくのかいかないのか、そしてまた、軽減税率をやるとすればそれをどの範囲にしていくのかというのと併せて、制度的なインフラとしてのインボイス制度というのを今後是非前向きに検討していただきたいと思います。
 もう一遍、同じ質問になりますけれども、最後に安住大臣にお尋ねいたします。
#241
○国務大臣(安住淳君) 今日は大変、制度のインフラ整備といいますか、制度を充実するということでお話をいただいて、大変私ども参考になりました。
 私も、今後、複数税率等を導入する等の時期がもし来るとすれば、今、桜内さん御指摘のようなインボイス制度も含めてやはり改革をしていかなきゃならないことは多数ありますので、そうした点をこれから主税局中心に細かな制度設計をやっていきますので、またいろいろ御指導賜ればと思います。
#242
○桜内文城君 終わります。ありがとうございました。
#243
○山下芳生君 日本共産党の山下芳生です。
 今年に入って全国で餓死、孤立死が続いております。公的扶助の研究をされている花園大学の吉永純教授が報道された主なものをまとめただけでも、例えば、一月、釧路市、八十四歳の夫と七十二歳の妻。札幌市白石区、四十二歳の姉、病死と四十歳の障害を持つ妹、凍死。二月、立川市、四十五歳の母親と四歳の障害を持つ子。さいたま市、六十歳代の夫婦と三十歳代の息子。三月、再び立川市、都営アパートで九十五歳の母親と六十三歳の娘。足立区、七十三歳の男性と八十四歳の女性。川口市、九十二歳の母親と六十四歳の息子。入間市、七十五歳の母親が死亡、四十五歳の精神疾患の息子は母の死後十日後発見、救出。世田谷区、都営アパートで九十三歳の父親が白骨死体、六十二歳の息子が自殺で発見された。南相馬市、六十九歳の認知症の母親と四十七歳の病気の息子が凍死。鹿角市、九十歳代の母親と六十歳代の息子。
 一人で生活をされているのではなくて、高齢者や障害のある人たちとその介護をしている人という、複数で生活している家庭で餓死、孤立死が相次いでいるのが特徴であります。これまでなかった状態が起こっております。家賃、水道料が未納となって、部屋には食べ物はなく、所持金は数枚の一円玉だけなどの状態で、亡くなった後に発見されているわけであります。
 小宮山厚生労働大臣、私は、これは介護、年金、医療、障害者施策、生活保護など我が国の社会保障制度に綻びができてきているんじゃないか、危機的な状況が進行しているというシグナルではないか、そう思いますが、大臣の認識、いかがでしょうか。
#244
○国務大臣(小宮山洋子君) 今御指摘いただいたような孤立死が相次いでいる、その背景としましては、地域で住民がお互いに支え合う、そういう力が低下をしているということ、また生活が困窮されている人の情報が個人情報保護というところからなかなか行政機関に届かない、そういうようなことなどがあるのではないかと思っています。
 このため、生活に困窮して社会的に孤立した人の情報を、行政窓口もまた縦割りではなかなか本当に危機的状況というのが分からないので、一元化をするということ、で、関係者が連携を取るということですね。それからまた、民間の事業者の方と連携をするということで、個人情報があってもそれは提供の制限がない、例外的なことがこういう場合はあることだということを電気、ガスなどのライフライン事業者などへ再周知を図っている。また、地域の見守りなどの取組の先進的な事例を紹介をするなどしまして、今年の五月に地方自治体に総合的な通知を出しています。
 それからまた、今年秋に策定をいたします生活支援戦略でも、訪問型の支援を含めて包括的に、そして民間の事業者との連携も強化をして伴走型、寄り添う形の支援をするということで、こうしたことが起こらないように対応していきたいと考えています。
#245
○山下芳生君 私は、これらの事件の中には生活保護で助けられる人もいたと考えられると思います。残念ながら、最後のセーフティーネット、これが機能していなかったということであります。憲法二十五条は、一項で「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。」とし、二項では「国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない。」としております。生活保護法というのは、この憲法二十五条を具体化したものだと考えますが、大臣の基本的な認識を伺いたいと思います。
#246
○国務大臣(小宮山洋子君) そのとおりだと思います。
 生活保護法は、日本国憲法第二十五条に定めます生存権保障の理念を具体化する趣旨で定められたものです。このため、憲法第二十五条の理念に基づいて、国民に対して最低限度の生活を保障するとともに、その自立を助長することを目的としているということでございます。
#247
○山下芳生君 全ての国民に健康で文化的な生活を保障する国の責務を具体化したのが生活保護制度ということであります。ところが、現実には制度の利用が必要なのに利用できていない、残念ながら亡くなる、餓死する、そういう方がある、少なくない。政府としてどのように対策をするんですか、簡潔にお答えください。
#248
○国務大臣(小宮山洋子君) それは、生活保護は言うまでもなく最後のセーフティーネットですから、本当に必要な方にはしっかりと保護を受けていただく必要があると思います。そういう意味で、生活保護の相談があった場合には、その生活保護の仕組みを十分に相談をして、保護の要件を満たすかどうかということは別にして、とにかく保護申請の意思がある人は速やかに保護申請書を交付をするということにしています。
 そして、先ほども申し上げたように、今年秋に策定する生活支援戦略でも、経済的な困窮者、社会的孤立者の早期把握ですとか、初期の段階から待っているのではなくて訪問型の支援を含めた支援をしていくと、そういうことを考えています。
#249
○山下芳生君 必要な人には支援するということですが、政府の生活支援戦略、それから三党提案の社会保障制度改革推進法案にある生活保護制度の見直しの内容を見ますと、必要な人がますます支援を受けられなくなるのではないかと危惧される項目が並んでおります。
 例えば、政府の生活支援戦略中間まとめでは、就労・自立支援の強化、保護直後から期間を定めて早期の集中的な就労・自立支援を行うための方針を国が策定など、就労が強調され、就労の義務化の方向が色濃く出ているように感じられます。社会保障制度改革推進法案でも、保護を受けている世帯に属する者の就労の促進、就労が困難でない者に関し、就労が困難な者とは別途の支援策の構築など、就労が強調されております。
 非常に心配です。もちろん自立支援という形で、利用者の気持ちに寄り添った、能力を引き出す、権利を保障する、そういう支援は必要でありますが、就労を強調し過ぎる余りに保護を利用すべき人が利用できずに命を落とす事件もこの間生まれているわけですね。
 今年一月、先ほど紹介した札幌市白石区で四十二歳と四十歳の姉妹が餓死した事件では、三回も福祉事務所を訪れ、生活保護の相談をしております。毎回生活が苦しいことを訴え、三回目には所持金も少なくなり生活していけないこと、ライフラインの停止や活用できる資産がないことを訴えているにもかかわらず、行政は生活保護の申請を勧めないで帰宅させております。
 最後の相談となった二〇一一年六月の時点では、姉妹の最低生活費月額十八万五千七百二十円になるんですが、これに対し、確かな収入は妹の障害年金月額約六万六千円しかありませんでした。十万円以上の差があったにもかかわらず、行政の側は、保護の要件である懸命なる求職活動を求めたんですね。しかし、姉の方は、現在就職活動をしているが決まらないんだということをもう伝えてありました。姉は病身にもかかわらず、友人に対して、自分は生活保護の条件を満たしていない、まだまだ仕事探しに頑張らないといけないと話していたといいます。その結果が姉妹そろっての孤立死、餓死なんですね。これ、絶対繰り返してはならない事件だと思います。
 二点伺います。一つは、稼働能力の活用というのは申請の要件ではないですね。二つ目、白石区のような対応は申請権の侵害に当たる可能性があるんではないでしょうか。
#250
○国務大臣(小宮山洋子君) 生活保護は、稼働能力を活用していないかどうかにかかわらず、申請の意思があれば申請は可能です。そして、白石区のケースにつきましては、札幌市に確認しましたところ、亡くなられた姉妹は三回福祉事務所に来所されましたが、いずれの場合も福祉事務所は生活保護の申請の意向を確認したが、申請の意思は示されなかったという報告を受けています。
 ただ、こうした痛ましい結果に至ったことについてはこれは真摯に受け止めなければいけないので、見直すべき点は見直さなければいけないということ、同様のケースが二度と起きることがないよう、これは国と地方自治体がしっかりと連携を取って取り組んでいくということでございます。
#251
○山下芳生君 札幌市からの報告だけでは不十分だと思いますね、実際、結果として亡くなっているんですから。申請の意思がなかったと言いますけれども、さっき紹介したように、懸命なる求職活動ということを言われているわけですね。自分では保護の資格が、条件満たしていないと思ったわけですよ。そういうやり取りがされているんですから、これはもっとしっかりと、私は厚生労働省として直接調査する必要があると思いますね。
 弁護士や支援団体などでつくる「餓死」「孤立死」問題調査団始め様々な団体が現地調査を行って、提言もされております。厚生労働省として、この白石区はもちろん一連の事件をちゃんと調査し、対策を取る必要があると思いますが、いかがですか。
#252
○国務大臣(小宮山洋子君) 厚生労働省としましても、今年二月の上旬に札幌市の白石区の実地調査を行っています。
 福祉事務所での面接相談を行った人についてはその後のフォローアップを行うこと、また電気、ガスなどの事業所との連携を強化すること、面接相談の際に電気、ガスなどの滞納状況について確実に聴取することなどについて是正を求めまして、札幌市からは改善をするという旨の回答を受けています。
 また、こうした大変痛ましい事案が発生したことを受けまして、今年二月二十三日付けで、福祉担当部局と電気、ガスなどの事業者や民生委員等といった関係機関との連携を強化することを改めて徹底すること、また、生活に困窮し社会的に孤立した人の情報が着実に必要な支援につながるよう、新たに福祉担当部局に情報を一元的に受け止める体制を構築するように地方自治体に対して通知をしているところです。
#253
○山下芳生君 調査したということですが、私、その調査をしたことを踏まえた厚生労働省のこのペーパー見ました。こうあるんですね。札幌市に、改善状況を報告してくださいと、福祉事務所の面接相談においては、相談者の困窮状況に応じて適切に対応するよう改めて徹底するとともに、申請書を交付した相談者が保護申請をしない場合には、関係部局とも連携してフォローアップ方策を講じてくださいと。
 しかし、こういう厚労省、調査してこの認識では事実とかみ合っていないと私は思ったんですね。申請書は交付されておりません。渡されておりません。それから、相談者が申請しないのではなくて、これは行政の側が申請できることを伝えていないということであります。残念ながら、申請者が申請してくれればというふうにおっしゃっているようですけれども、申請できないような状況をつくっていることで起こった事態なんですよ。
 だから、私は、白石区の問題も含めて、一連の事態、単にさらっと表面なでるんじゃなくて、何人もの方が、保護されるべき人が亡くなっているんですから、改めてきちっと何でこんなことになったのか調査すべきだと思いますが、いかがでしょうか。
#254
○国務大臣(小宮山洋子君) 今回調査をした上でこういう形のことを通知をしておりますけれども、さらに、今おっしゃった点なども含めて調査が必要か検討させていただきたいと思います。
#255
○山下芳生君 白石だけではないんですね。
 二〇〇七年、北九州市小倉北区で起きたいわゆるおにぎり事件、生活保護を打ち切られた元タクシー運転手、五十二歳の男性が餓死されました。二〇〇五年十月ごろ、病気のために就労できなくなって失職し、水道、ガスを止められ、二〇〇六年に生活保護申請をし、十二月に開始決定をされました。通院しながら就労指導という処遇を受けたんですが、その後、福祉事務所から繰り返し求職活動の指導を受けます。
 二〇〇七年四月二日、自立しますので四月十日をもって生活保護を辞退しますという辞退届を書かされるわけです。このとき男性は職に就いていないし、内定もしておりません。三か月後、七月十日、訪問した友人の届けで、ミイラ化して亡くなっていた男性が発見されております。残された日記には、六月五日、腹減った、おにぎり食べたい、二十五日米食ってないとありました。
 白石の場合も北九州の場合も、どちらも就労が強調される余りに、申請が拒絶されたり、辞退届の提出が強要された事例であります。無理な就労支援の強化がこうして保護が必要な人に保護から排除するということにつながるんじゃないか。この点、いかがでしょうか。
#256
○国務大臣(小宮山洋子君) 今、北九州市小倉北区の事例についても御紹介いただきましたが、厚生労働省としては、ずっと申し上げているように、今後も支援が必要な人には確実に保護を実施していくという、その基本的な考え方は全く変わっておりません。
 働ける人にはその能力を活用していただくということが一方では必要だと考えていまして、先ほどから御質問にありますように、働けない人に無理に働かせようというのではなくて、今、逆に働けるのに働いていない人が生活保護を受けているという御批判が大変強いと。やはり、これは国民の皆様に一方で信頼していただける制度として、ちゃんと必要な人には必要な保護を受けていただくという、その両面をきちんとしなければいけないということで、現在の状況からいくと、稼働年齢の方で、働ける方で生活保護を受けている方があると。
 ただ、一方で、高齢とか病気とか、あるいは精神的なこととかで働けない方に無理にということを言っているわけではありません。そういう方には中間的な就労とか社会参画ということも含めてそれぞれの一人一人に寄り添う伴走型ということで、今回、NPOとか社会的事業をしている民間の力も使わせていただいて協働する形で、生活保護が長くなると抜け出しにくくなると、誰しも自立してちゃんと生活をしたいと思っていらっしゃることが基本だと思いますので、もちろんその生活保護を受けていただく必要な方にはきちんと受けていただくと同時に、働くことのインセンティブも働ける方には必要だという、その両面をしっかりとやっていきたいということでございますので、決して受けなければいけない人を減らそうとか受けられなくしようという趣旨ではございませんので、御理解をいただきたいと思います。
#257
○山下芳生君 働ける人かどうかを見分けるのは、ケースワーカーの方々に話を伺いますと非常に難しいと言うんですね。そして、健康な人であっても、例えば五十歳代になると幾らハローワークに行っても仕事がない、あるいは母子家庭、父子家庭は子供さんが小さいというだけで断られると、そういうことがあるんですね。
 ところが、それを無理に、政府の中間まとめ、三党法案は、期限を切った就労の強制、受給の打切りというふうに通じる危険性があるわけですね。こんなことをやったら、私は、これは保護が必要な人が保護をますます受けられなくなる、そういう危険があるというふうに思っております。
 それから、最後に一点、聞きますが、扶養義務の問題です。
 タレントの生活保護の問題でテレビが大きく報じました扶養義務の問題について、いろいろな声が出ております。大阪の生活と健康を守る会連合会、利用者の方の声です。私には妹、弟がいますが、自分たちの生活でいっぱい、一生懸命働いているので援助はできない、扶養義務が強められたら、扶養者も生活保護、多重債務になって生活保護受給者が多くなる。六十五歳女性。申請のときの扶養援助については思い出すのもつらい、相手に物すごく気を使った、あのときのつらさは今も忘れない、扶養の強要なんて人の心に踏み込む残酷なやり方だと思う、やめてほしい。七十九歳女性。
#258
○委員長(高橋千秋君) おまとめください。
#259
○山下芳生君 これ共倒れになる、信頼関係を壊すと、こういう声が出ております。
 これに対して大臣は扶養できない理由を義務化させると。ますますこれでは申請できなくなるんじゃないかという声が出ていますが、大臣、いかがですか。
#260
○委員長(高橋千秋君) 小宮山国務大臣。時間が来ておりますので、簡潔にお願いします。
#261
○国務大臣(小宮山洋子君) 扶養義務者からの扶養は保護を受給する要件とはされていません。ただ、家族間のことにどこまで踏み込むかということはございますが、全ての人に義務化するということを言っているわけではありません。この人はかなりの確率で扶養ができるということを福祉事務所が必要と認めた場合、非常にレアなケースだと思いますが、扶養できないということを証明するという立証責任が課せられないかということも検討すると申し上げているんです。
#262
○山下芳生君 終わります。
#263
○吉田忠智君 社会民主党・護憲連合の吉田忠智でございます。
 本題に入ります前に、今大きな問題になっております原子力規制委員会の委員長及び委員の人事について質問させていただきます。
 政府は先日、原子力規制委員会の委員長の人事案として田中俊一氏を提示されました。田中氏が三月まで会長、現在は顧問の高度情報科学技術研究機構、旧原子力データセンターは昨年度、七億円以上の事業収入を得ていますが、そのうち五億円が高速増殖炉「もんじゅ」を運転する原子力研究開発機構からのものであります。言わばトンネル団体を介したマネーロンダリングで、田中氏が原子力村から金を受け取っている事実があるというふうに言っても言い過ぎではないと、そのように思います。
 あわせて、五人の提示をされた委員のうち四人の方が、多い方は六十六万、少ない方は二十万、原子力関係機関から三か年にわたって報酬を受けているということが明らかになっております。原子力機構の現職の更田氏や医療用放射性廃棄物処理工場を運営する日本アイソトープ協会の中村氏など、いわゆる原子力村の村人を含む人事案は、利用と規制の分離、原子力安全規制に対する国民の信頼を得ること、原子力村からの影響排除という趣旨に反している、そのように考えています。
 この人事は白紙撤回をして、政府は、三・一一以前から原発に対しても批判的な立場を取ってきた方も含めて委員候補とする人事案を出し直すべきではないか、そのように考えておりますが、細野大臣、見解を伺います。
#264
○委員長(高橋千秋君) 一体特の委員会ですので、一体特の委員会に沿った御質問をお願いをしたいと思います。
#265
○国務大臣(細野豪志君) 簡潔に、じゃ御答弁をさせていただきます。
 まず、人事案を提出させていただいておりまして、これは原子力の規制を独立をさせて、そして専門的な立場からしっかり判断をできるという、そういう考え方に沿って出した人事でございます。是非とも御理解をいただいて、御賛同いただければと、そのように思っております。
 今、田中氏がかつて所属をしていて今顧問を務めております高度情報科学技術研究機構とJAEAの関係についてお話がございました。
 JAEAというのは確かに二つの組織が元々合わさってできたものですから、「もんじゅ」ということがどうしてもクローズアップをされるわけですが、田中氏がかかわってきて、しかもこの高度情報科学技術研究機構と様々な連携をしておるのは旧原子力研究所の方でございます。そこの旧原子力研究所というのは、まさに様々な原子力の安全も含めた研究開発、研究について知見を有しているところでありまして、そこと今御指摘の機関が様々なやり取りをしていること自体は、これはむしろ連携をしていろいろやらなければならないという、そういう状況でございますので、私はそこはこの趣旨に沿ったものであるというふうに考えております。
 もう多くは申し上げませんが、今回の人事の中で、やはり福島の今回の事故を絶対に忘れてはならないという、そういう思いを持った人に是非新しい規制をやってもらいたいという、そういう思いがございました。是非とも、田中氏自身は福島出身であり、今除染の先頭に立ってやってきた人物でもあるということでございますので、御理解をいただければと、そのように考えております。
#266
○吉田忠智君 理解ができません。
 こういう重要法案を審議する一方でそういう動きがあるということで、関連して質問をさせていただきました。
 いずれにしても、今日のニュースによれば、民主党内でも……
#267
○委員長(高橋千秋君) 委員会に沿った質問をしてください。
#268
○吉田忠智君 異論が出ていると、そのように聞いておりますので、是非再考を求めたいと思います。
 それでは、消費増税関連法案の質問に移ります。
 我が党は、これまでも、被災者の生活再建に大きな障害になるということも理由の一つとして消費税増税に反対をして──どうぞ、細野大臣。
#269
○委員長(高橋千秋君) 細野大臣には退席してください。
#270
○吉田忠智君 反対してまいりました。
 東日本大震災から一年四か月が過ぎましたが、被災地の生活再建は大変遅れていることは御案内のとおりでございます。さらに、二年後に八%、三年後には現在の倍の一〇%になれば、被災地の復興に重大な支障を生じさせることは明らかであります。
 財務大臣に伺いますが、消費増税法案が成立すれば被災者にも増税を課すことを政府としてどう考えておられるのか、被災者を苦しめる消費増税は撤回すべきではないかと、そういう観点からも考えますが、いかがですか。
#271
○国務大臣(安住淳君) 被災地に私も住んでいますけれども、今のようなある意味でステレオタイプで、何でもかんでも遅れていてけしからぬというお答えには多少抵抗がございます。
 私は帰るたびに委員よりははるかに仮設を回ったり隣近所の方々とも話していますが、去年よりははるかに皆さん前向きに、苦しい中で人生を生きていこうと。我々も地方自治体も一生懸命になって、批判もありますけれども、前向きに今やっている最中でございますから、是非、被災地を見ていただければ、そういうネガティブなことだけではなくて、前を向いてみんな生き始めているということを是非応援していただければと思います。
 そこで、被災地は増税に苦しむじゃないかというふうに、これもよく形容詞的に言いますけれども、私はこのことについても皆さんとお話をしています。昨日ですか、岡田副総理も話しましたが、宮城県の知事さんなんかも、この被災地の支援の話と消費税は全く別であると、消費税については重要であり賛成だということもおっしゃっておられます。私も自治体を何県、何市か、この間、土日歩きましたけれども、社会保障の財源の充実は必要だということを被災地の首長さんの中にはおっしゃっていただいている方もおられました、たくさん。
 ですから、冷静な議論をすれば、そういうふうな、被災地がひどい状況だから消費税は駄目だというふうな短絡的な発想だけでは私はないと思います。
 ただし、住宅の再建や、実際に家財、財産を失った方々に対しては、今現在も税制の面を含めてあらゆる減免措置をやっております。私自身も、例えば生家も全壊をしましたし、事務所も半壊をし、例えば自動車を三台なくしたんですね。雑損控除も何も全部やらせていただいて、減免措置をさせていただきました。
 それぞれ皆さんそういうことになっておりますから、それに更に消費税が掛かったときの住宅、特にですね、のことについては特段の配慮を私どもはしていきたいというふうに思っておりますので、被災者の方々に対してそういう意味では配慮を十分するよう三党で合意をしていますので、それを具体化を是非させていただきたいと思っています。
#272
○吉田忠智君 いや、私がここでこういう質問をするのも、被災県の社民党の県連合からそういう強い要請があるものですから、こういう質問をさせていただいているんですよ。そういうネガティブなとかいうことじゃないんですよ。実際、財務大臣にはもう直接の担当だからそういう強い声はないかも分かりませんが、その辺は是非受け止めていただきたい、そのように思います。
 発議者の方にこれについての見解をお伺いします。
#273
○衆議院議員(野田毅君) 今、安住財務大臣から御答弁がありました。全くそのとおりだと思います。
#274
○吉田忠智君 次に、最近大きな問題になっております消費増税法案の附則十八条二項について質問します。
 もう何回も取り上げておりますが、附則には、成長戦略並びに事前防災及び減災等に資する分野に資金を重点的に配分すると明記されました。自民党発議者は当委員会で、今まで緊縮財政一本やりであったと、増税分は減災、防災等に使ってもいいとおっしゃっておられます。
 この二項は自民党の国土強靱化基本法案を念頭に置いたものでありましょうか、お伺いします。
#275
○衆議院議員(野田毅君) 今まで必要な分野の予算も削って社会保障に充ててきたという答弁は、全くそのとおりです。ただ、消費税の引上げに伴う増収分について、これを社会保障以外の分野に使っていいということは一言も言っておりません。むしろ逆に、今回初めて税法の中で消費税の使い道を、いわゆるかつて予算総則で決めておりました高齢者三経費を中心とする社会保障プラス少子化、この分野に限定をすると、特に国に入った消費税の部分は、その全額をそっち以外には使わないということを法律上初めて今回明文化するわけであります。したがって、消費税収を公共事業、ほかの分野に使うということはあり得ません。これだけは申し上げておきます。
 ただ、財政戦略という大きな立場から見れば、むしろ攻めの財政運営、弾力的な財政運営の余地は出るんではないか。それは、単年度の帳じり合わせだけじゃなくて、言わばむしろ消費税で削られないで済む部分ですね、今までは削ってきたけれども、これ以上削らないわけですから、むしろ有効な予算の姿をつくれるんじゃないんでしょうかということを申し上げておるわけです。
 国土の強靱化ということは、これは別途、今回の大震災について我々は学習をしたわけで、同じ社会資本の整備の中でも、より事前の防災なり減災に使うということにもっと知恵を使っていいんじゃないですか。その方が、国費の使い方から見て、災害が発生してからいろんなことでお金を使うよりも、事前に被害に遭わないようにするだけでなくて、後の災害復旧にもやっぱりお金が掛かるわけですから、そういうことのないようにもする発想があっていいんじゃないでしょうか。
 経済を強靱化することも必要です。そういう両面の日本経済全体をどうやって少子化の中で、成長戦略という言葉もありますけれども、人材育成や研究開発税制へのてこ入れ等々、様々なことがあってしかるべきではないんでしょうか。
 そういうことで申し上げておるので、消費税の増収部分を充てるという話では全くないということは申し上げておきます。
#276
○吉田忠智君 いずれにしても、自民党さんの国土強靱化基本法案を念頭に置いたものであるというふうに私は理解をしました。
 同じく公明党さんに伺いますが、公明党さんの防災・減災ニューディール推進基本法案、これを念頭に置いたものでしょうか。
#277
○衆議院議員(竹内譲君) お答えします。
 我が党の防災・減災ニューディール政策の趣旨を踏まえているというふうに理解をしております。
 ただし、私どもも消費増税分をそれに充てるとか、そういうつもりは全くございませんし、それからまた、建設国債でどんどんこれを、公共事業をやれという趣旨でもございません。私どもは、官民挙げてのそういう全国的な防災・減災政策を進めるべきであるという趣旨で申し上げているわけでございます。
#278
○吉田忠智君 国土強靱化法、自民党さんは十年間で二百兆円、それから公明党さんは防災・減災ニューディールで十年間で百兆円のインフラ整備をうたわれているわけであります。誰かが言っていましたが、税と公共事業の一体改革とかいう言葉も出てきておりますけれども、そういう何か心配の声がだんだん出てきています。消費税そのものを充てなくても、それに今まで消費税、その分の財源を動かすということになれば、そういう議論にもなるわけでありますが、民主党の発議者にもお伺いをします。
 与党民主党は、消費税増税分を公共事業に使う、間接的にもですよ、という考え方についてどうお考えですか。
#279
○衆議院議員(古本伸一郎君) 十八条の二のことが累次にわたりまして当委員会で御議論いただいておりますけれども、防災、減災については、恐らくこの委員室にいらっしゃるいずれの先生方も全く賛成だと思っています。問題は財源をどこに求めるかということに尽きると思います。
 御案内のとおり、十八条の中では、経済を良くしなければ消費税を上げられる環境に至らないんじゃないかということで三党で合意に至り、ここに法案を提出してございます。そして、経済を良くするためにどういう方法があるんだという中に、十八条二項ということで、この度、成長戦略並びに事前防災及び減災等に資する分野に資金を重点配分することなど、我が国経済の成長等に向けた施策を検討すると、こういうことになっています。
 ですから、時間軸で是非整理をする必要があると思っているのが、消費税の増収分を何に使うかということに関しては、ただいま野田毅先生、竹内譲先生からあったとおりだと思います。全て社会保障四経費に充てる、これは法の第一条に明記してございます。他方、経済を良くしていくために今後いろんなことを考えていく中の一つに、技術開発分野もあれば人材育成もあれば防災、減災もあるんだろうということであって、その選択肢は何ら否定するものではございません。
#280
○吉田忠智君 この議論で、それぞれの政府の皆さん、それから各党の発議者の皆さんの答弁を聞いて、よく分からないんです。
 今回の消費増税は、お話がありましたように、社会保障四経費など社会保障目的に限る、社会保障目的税化すると言われてまいりました。しかし、附則にこの項が入ったことによって、どうも社会保障目的税化は破綻しているのではないかという議論があるわけですよね。
 この点、財務大臣、改めてお伺いをしますが、どう考えていますか。
#281
○国務大臣(安住淳君) 消費税収をそうした公共事業等にばらまくことは全くございません。
#282
○吉田忠智君 去年、第四次補正だったと思いますが、補正予算の議論をする予算委員会で私は質問させていただきましたが、財務省がこの消費税増税方針を出した途端に、その補正予算の中身を見ると、ばらまき的な要素がかなり含まれておりました。次の予算の先取り、本予算では認められないであろうようなものまで含まれておりまして、途端に財政規律が緩んだ、そのような印象を私は強く受けたところでございます。
 今回も、そういう意味では、これで当面は五%引き上がるという中で、三党、いろいろ厳しい議論をされたのは承知をしております。自民党さんの協力を得るために、ある程度その自民党さんの考えも入れなければならなかった。しかし、この附則十八条二項によって私は法案の趣旨が大きくゆがめられた、そのように考えますけれども、その点はいかがですか、財務大臣。
#283
○国務大臣(安住淳君) 事実と違います。そういうことは全くありません。
#284
○吉田忠智君 この点の認識の違いでは済まないんですよ、これは、やっぱり。
#285
○国務大臣(安住淳君) 地方自治体のことは先生、一番よく御存じだと思います。
#286
○委員長(高橋千秋君) 時間が迫っておりますので、簡潔にお願いします。
#287
○国務大臣(安住淳君) 地方公務員の皆さんのこともよく御存じだと思います。このお金の四兆円近くは地方財源として地方にも行くということですから、そうした地方の方々が社会保障以外のものに、こうしたものをばんばん公共事業に充てるなんていうことは全く考えていないと思いますよ。
#288
○委員長(高橋千秋君) 吉田忠智君、時間が来ております。
#289
○吉田忠智君 以上、質問を終わります。ありがとうございました。
#290
○谷岡郁子君 ありがとうございます。みどりの風の谷岡郁子でございます。
 今日は、特に社会保障ということの子育てということについて、それを中心に議論をしてみたいというふうに思っておるんです。
 昔、英国で、揺りかごから墓場までということがございました。もう今では古い概念なのかもしれませんけれども、このときの主体は誰であるかが明らかです。揺りかごの中にいる赤ん坊の方が、多分揺りかごから墓場までということでの主体なんだろうと思います。
 この社会保障で、病気あるいは高齢者になってというようなことを、これまでの概念から大変分かりやすいんですが、子育てと言ってしまったときに、子を育てる主体は実は親であって、これ、子供のためのものなのか、あるいは親のためのものなのかということによってその対応が全く変わってしまうんじゃないかというふうに思わざるを得ないわけです。
 そこで、副総理にお聞きをしたいんですけれども、子育てといった場合には、これは親の負担を軽減するということになるんでしょうか。それとも、もっと本当に、今まで子供に対してお金を余り使わず、高齢者には大変なお金が使われてきたけれども、子供に対しては割合がとても小さかった我が国の社会保障というものを是正するという意味において、やはり子供のときから社会保障を、本当に平等な機会を得るために、例えば、生まれた家庭がどうだったからとか、あるいはその育った地域がどうだったからではなくて、夢の大きさは誰でも同じように持つことができる、そして、何にでもなるチャンス、自らになるチャンスは誰にでも与えられるという意味での社会保障として、この主体は子供の側にあるのか。
 一体改革における主体というのは親か子供か、どちらにあるというふうに我々は考えたらいいんでしょうか。まず、そこをただしたいと思います。
#291
○国務大臣(岡田克也君) 基本は子供だというふうに思います。
 したがって、例えば子ども手当のときも随分いろんな議論がありましたが、やっぱり親の所得によって左右されるべきではないと、同じ額が子供に着目して行くべきだと、そういう議論が当然あるわけであります。ただ、そうはいっても、限られた財源をどういうことに使うかという別の視点から考えたときに、それは親の所得というものも、それはある程度念頭に置かざるを得ない場合もあると。
 ただ、基本的考え方としては、それは子供に着目するということだと思います。
#292
○谷岡郁子君 ありがとうございます。本当に、そのお答えをお聞きしまして、大変有り難く、うれしく思っておるわけです。
 そうしますと、子育てと、あるいは子が育つということのために考えますと、自らの夢を追っていく、あるいは自分自身になっていくということのためには、ただ親にその子供のためのお金が行くということではなくて、本当に必要な教育が受けれるということは、実は社会保障の重要な要素になってくるのではないかというふうに考えられます。
 そこで、教育というもの、自らがなりたいものになるために、自分の力を伸ばすために教育を受ける、その可能性を否定されないということがどこまでこの一体改革で言われる社会保障に入ってくるのかということを、我々はどうとらえればいいのでしょうか。
#293
○国務大臣(岡田克也君) 今回は、子ども・子育て、年金、医療、介護に加えてということでございます。そして、その中で、幼児教育、保育の質の改善ということのために消費税収から〇・七兆充てるということにしているところでございます。もちろん、それ以外の、子供に対する、子供の教育という部分について、政権交代後いろんなことをやってきたということは、もう委員も中心になって取り組まれてこられたことだと思います。教職員定数の改善とか、あるいは公立高等学校授業料無償化、高等学校等就学支援金制度の実施など、既に進めてきたものがございます。しかし、子ども・子育てのところについて、先ほど申し上げたようなところはまだ不十分であるということで、そこに特に着目して、今回、四事業の四番目として加えたということでございます。
#294
○谷岡郁子君 生涯収入ということで考えた場合には、どこで決定的な差が付くかというと、実は高等教育を受けられたか受けられなかったかというところにあります。そして、今、本当に雇い止めなんかで苦労されている方の中には高校を中退されている方が大変多いと。
 今の二次産業から三次産業へ入ろうとしている時代には、物言わぬ機械、同じ部品というもので同じように扱えればいいものと、そして、たとえそれがホットドッグやハンバーガー一個売る場合でも、それぞれの相手を見なければならない、コミュニケーションの能力を持たなきゃいけないと、そういうOSを人間として持たなければならない場合に、やはり高校教育というのは大変大事な存在になってまいります。しかしながら、お金が掛かる高校という段階ではもう子供とはほとんどみなされないで、乳幼児中心になってしまっている。しかし、家庭の差が最も大きく出てくるのは、実は高校、大学段階であると。それによって夢の大きさ、なれる職業というものが変わってしまうという現実の実態がございます。
 今回の一体改革にこれが入らなかったということが、私は平等に誰でもチャンスが与えられる社会というものが与えられなかったに等しいことではないかというふうに思っておりますが、ここについて、今後、本当にこれから次の段階としてもっと本当に考えていかなければならないんじゃないかと思っているんですけれども、そこについては、副総理、いかがお考えでしょうか。
#295
○国務大臣(平野博文君) 谷岡さんは、十分理解をいただいておって、応援の立場で質問をいただいているというふうに理解をいたしております。
 特に、やっぱり次世代にしっかりと投資をするということで、先ほど副総理からるる述べられましたように、私どもとしては、高校無償化でありますとか、いろんなことを手だてをしてまいりました。しかしながら、先生よく御案内のとおり、一番家計で負担のあるのは、やっぱり高校以上の教育に係るコストが非常に掛かっているということは数字的に見ても事実でございます。したがいまして、文科省としても、先生御指摘のように、特に高等教育に係るところについて、本当に学びたいと、こういう方についての支援を更にこれからも進めていかなきゃいけませんし、私、そういう意味では奨学金制度を更にやっぱり充実をしていくことなんだと、こういうふうに思っております。
 大変財政が厳しい中でありますが、次世代への投資と、こういうことで、そこについては全力で充実に努めてまいりたいと、かように思っております。
#296
○谷岡郁子君 奨学金という場合は、我が国では単なる学生ローンであるケースというものが多うございます。これは給付ではないからです。しかしながら、女性の場合、特に女子大生なんかの場合、十八歳時点で、いずれ二十五歳ぐらいには結婚をして子供を二人ぐらい持ちたいと思っていたときに幾ら自分が返さなければならないというような負担を考えると、なかなかその借金をすることすら踏み切れないで退学をしていく学生が多いというような現実がございます。
 ですから、どこかでやはり給付金の奨学金ということを考えていただきたいということをお願いするとともに、今本当に是非やっていただきたいのは、ここで、本当に消費税の増収があるならば、せめて今大学生が二十歳以降に払っておりますこの年金ですね、月当たり大体一万五千円になります。そして、普通ならば収入がない人たちは全部免除されます。ところが、大学生に対しては二十歳以上は払うことになっていて、免除ではなくて先送りできるということになっています。大学院などに入った学生たちは、二年間しか遡及ができないので、言わば延滞金のようなものが付くような形で後に払わなければならないということになります。奨学金を借りた学生たちは、卒業すればそのローンを返さなければならないという負担が出てくる。必ずしも今は正社員になれるわけではなくて、有期の雇用というようなものがここから五年間続くかもしれないという状況になる。一方で年金を一万五千円ずつ払っていかなきゃいけない。これもまた借金として返し始めなければいけない上に、それがその利子が乗ってくるような状態というものを強いられているということなんですね。これでは本当に困窮した状態が続いていって、自分に対する投資などはとてもできない。
 ならば、大学生の時代にそれを払おうとすれば、その一万五千円を稼ぐためには、往復の交通の時間を含めると、一体一日に何時間ずつの勉強の時間、あるいはボランティアやそれから部活などに使える時間というものが犠牲になっていくか。一番学ぶべきときに学ぶ、そして一番自らを本当に鍛えていくべきときに鍛えられないで、この一万五千円を払うために多くの学生たちの時間が取られているという現実は、その学生たちにとって大変なだけではなくて、実は日本の活力をそいでいく問題ではないかというふうに思っています。
 せめて、この奨学金とは言わなくても、年金で今二十歳以上の子が一万五千円ずつ払われている、これを繰延べするという状態から、学生で無収入の間はやはりほかの無収入者と同じように免除されているという仕組みになっていかなければならないというふうに思うんですけれども、ここまで細かい議論は今やられていませんでしたけれども、いかがなんでしょうか。その辺のところは何とかお考えいただけないでしょうか。
#297
○国務大臣(小宮山洋子君) 委員がおっしゃりたい気持ちはとてもよく分かります。
 それで、御指摘は、学生の保険料負担軽減のために税を投入すべきだということかと思うんですけれども、そうすると学生ではなくて同じ年代で働いている人とのやはり公平性ということも考えなきゃいけないと思いますし、消費税を増税した中でそれをどこに充てるかという、子ども・子育て、全世代対応といっても、それをどこに充てるかということの考え方かと思うんですけれども、もちろん財源がたくさんあればいろいろなことに使えますが、今回〇・七兆というかなりこれまでよりは多いものを充てていますけれども、これは委員の御指摘の高等教育ではございませんが、これもずっと民主党も政権を担う前からやってまいりました、子供を支援する、子育てを支援するということで、その就学前のところに今回は重点を置かせていただいているので、やはり優先順位を考えながらそれは順次やっていくということだというふうに思います。
#298
○谷岡郁子君 無収入の者にお金を払わせるということ、これは一人前をどこで認めるかということの問題なんだと思いますけれども、彼らは何も自分たちのためだけで学んでいるのではなくて、有為な人間になるために、社会で後に貢献できるようにということで学んでいるのであって、ヨーロッパのように学生を一つの職業とみなす国々もたくさんあるわけです。そして、実際にその収入がないということの中で困窮を極めていて、勉強をさせないでバイトに行かせることに国家として意味があるのかどうなのかということの問題を申し上げておりますし、また幼少時に力点を置くというのは、先ほど岡田副総理からは最初のお答えありましたけれども、実は子供のためなのかどうなのかと、親の負担は減るかもしれないけれども、子供のためなのかどうなのかということについて疑義があるということなんです。
 そこで、私は発議者にお聞きをしたいと思っています。子育てに関する家族の関与の大切さというものは、今回、自公案と民主案が一緒になったときに出てきたものとして、やはり家族ベースということがかなり強調されていると思うんですね。子供の幸せということからいえば、親といるのがやっぱり一番安心ができる。親の次には、例えばおじいちゃん、おばあちゃんのようなよく知った親族ではないかということを感じます。
 ゼロ歳児を実際に保育園で一年間見るのは、今大体一人当たり六百万円ぐらい掛かるんだということが言われているわけなんですね。ならば、もっと育休を取ることが本当に促進されるならば、育休を取ることに国のお金を一定入れることができるのであるならば、親と子供が一緒にいて、保育士さんが子供が初めて歩いたときを見ているけれども、親はそれを全然知らないでいるというようなことはしないでいられるわけですね。そのどちらが安上がりになるかといった場合には、ゼロ歳児は、実は育休を取らせた方がいいんじゃないか。おじいちゃん、おばあちゃんが元気なところもまだいっぱいあります。
 例えば、母親と父親とどちらも取れないようなケースがあったといたしましても、横浜だ何だかんだという大都市圏は別として、まだ三世代が同居あるいは近くに住んでいるような、あるいは親族が近くに住んでいるような地域というのは日本中たくさんございます。こういうところに、例えば両方ともどうしても育休を取れない親が保護者指定を、保育者指定を例えばすれば、そこに一定の給付が毎月入れば、例えて言えば五万円、自分の年金プラスで入ってくるということであれば、おじいちゃんなりおばあちゃんなりは喜んで責任を持って見てくれるような気がいたしますし、また子供もそういう近親者の下で幸せなような気がするんですけれども、むしろそういうようなフレキシブルな考え方も必要じゃないかと思うんですけれども、これに対して発議者の皆さんはどうお考えになるかということをお聞かせいただきたいと思います。
#299
○衆議院議員(池坊保子君) 子ども・子育て支援法案を作りますときは、二つ大切だと思いました。一つは、児童の最善の利益を優先すること、それから二つ目には、保護者が子供を育てることが幸せだと思えるような環境整備をすること。お母さん、お父さんが幸せでなかったならば、子供もいい影響を与えることはできないと思います。
 平成二十三年度の予算によりますと、子供は、ゼロ歳で十七・一万円、年間二百五万円、そして九・八%が保育をされておりますので、それ以外の九〇・二%は家庭で保育されております。
 それで、私は、三世代というのは、三世代が少なくなっておりますところは出生率も下がっておりますから、これがあることはいいことだとは思いますが、それぞれの事情によって、私は三世代ですけれども、やはりこれは住宅の問題がある、それから通勤の問題がある。ですから、同じところで住まないと、どうしてもそれぞれがばらばらに職場がある場合にはできないのではないかというふうに思っております。
 ですから、私は育児休業手当もずっとやってまいりました。最初は二五%でした。それで、十三年から四〇%になり、十九年から五〇%になりました。私はこれをかかわってまいりました。これはとてもいいことで、六〇%、七〇%までしていきたいと思いますけれども、ただ、自営業だと育児休業が取れない、また給付ももらえない、また母子家庭で働かなければならない方もあると思います。そういう方々のための私はセーフティーネット、社会がやっぱり支え合うということも極めて重要なことではないかと思ってこの法律を作り上げました。
#300
○谷岡郁子君 ですから、私はその今おっしゃったお考えに大賛成でございます。だから、基本的に、できるだけ一歳まではやっぱり子供を母親自身が、あるいはその親が、またそれに近い近親者が見られるような環境こそを重点的にやっていく。保育所では、やはりゼロ歳児というのは、一歳児からとはもう全く違う設置基準になっているがゆえに、やはり国家にとっても大変高い状況になっているんだと。
 いわゆる限られた財源と、そして子供からの幸せ、最初に今日申し上げましたけれども、この社会保障は誰が主体なんですかということを申し上げましたけれども、この質的な面からいっても、親や本当に近親者と共にいることが子供にとって幸せだということをやはり第一義的に見た形で、何か会社や親や社会の都合ではないところでこの問題が拡充されるように、その点について柔軟で細やかな制度というものを今後詰めていただきますようにお願いを申し上げたいと思いますが、最後に副総理、いかがでございましょうか。
#301
○国務大臣(岡田克也君) いろんなそれぞれ事情がありますから、そのことは十分考えなければいけませんが、委員の御指摘も私もかなり共感するところがございます。でき得れば、また一緒に政策をつくっていきたいというふうに思っております。
#302
○委員長(高橋千秋君) 谷岡郁子君、時間が来ております。
#303
○谷岡郁子君 どうもありがとうございました。
 これで終わります。ありがとうございました。
#304
○委員長(高橋千秋君) 八案に対する本日の質疑はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
   午後四時四十四分散会
     ─────・─────
   〔参照〕
   名古屋地方公聴会速記録
 期日 平成二十四年八月一日(水曜日)
 場所 名古屋市 名古屋マリオットアソシアホ
         テル
   派遣委員
    団長 委員長      高橋 千秋君
       理 事      大久保 勉君
       理 事      中村 博彦君
       理 事      荒木 清寛君
                梅村  聡君
                大久保潔重君
                金子 洋一君
                安井美沙子君
                片山虎之助君
                高階恵美子君
                塚田 一郎君
                山崎  力君
                山谷えり子君
                若林 健太君
                渡辺 孝男君
                姫井由美子君
                桜内 文城君
                吉田 忠智君
   公述人
       前高浜市長    森  貞述君
       神奈川県立保健
       福祉大学名誉教
       授        山崎 泰彦君
       社団法人名古屋
       民間保育園連盟
       前会長
       いずみ保育園園
       長        藤岡 省吾君
       税理士      荒川 章三君
       税理士      堀尾 博樹君
       愛知県立大学大
       学院教授     木幡 洋子君
    ─────────────
   〔午後一時一分開会〕
#305
○団長(高橋千秋君) ただいまから参議院社会保障と税の一体改革に関する特別委員会名古屋地方公聴会を開会いたします。
 私は、本日の会議を主宰いたします社会保障と税の一体改革に関する特別委員会委員長の高橋千秋でございます。よろしくお願いを申し上げます。
 まず、私どもの委員を御紹介いたします。
 私の右隣から、民主党・新緑風会の大久保勉理事でございます。
 同じく大久保潔重委員でございます。
 同じく梅村聡委員でございます。
 同じく金子洋一委員でございます。
 同じく安井美沙子委員でございます。
 社会民主党・護憲連合の吉田忠智委員でございます。
 みんなの党の桜内文城委員でございます。
 国民の生活が第一の姫井由美子委員でございます。
 次に、私の左隣から、自由民主党・たちあがれ日本・無所属の会の中村博彦理事でございます。
 公明党の荒木清寛理事でございます。
 自由民主党・たちあがれ日本・無所属の会の若林健太委員でございます。
 同じく片山虎之助委員でございます。
 同じく山崎力委員でございます。
 同じく山谷えり子委員でございます。
 同じく塚田一郎委員でございます。
 同じく高階恵美子委員でございます。
 公明党の渡辺孝男委員でございます。
 以上の十八名でございます。
 次に、公述人の方々を御紹介申し上げます。
 前高浜市長森貞述公述人でございます。
 神奈川県立保健福祉大学名誉教授山崎泰彦公述人でございます。
 社団法人名古屋民間保育園連盟前会長・いずみ保育園園長藤岡省吾公述人でございます。
 税理士荒川章三公述人でございます。
 税理士堀尾博樹公述人でございます。
 愛知県立大学大学院教授木幡洋子公述人でございます。
 以上の六名の方々でございます。
 当委員会におきましては、目下、公的年金制度の財政基盤及び最低保障機能の強化等のための国民年金法等の一部を改正する法律案、被用者年金制度の一元化等を図るための厚生年金保険法等の一部を改正する法律案、社会保障制度改革推進法案、子ども・子育て支援法案、就学前の子どもに関する教育、保育等の総合的な提供の推進に関する法律の一部を改正する法律案、子ども・子育て支援法及び総合こども園法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案、社会保障の安定財源の確保等を図る税制の抜本的な改革を行うための消費税法等の一部を改正する等の法律案及び社会保障の安定財源の確保等を図る税制の抜本的な改革を行うための地方税法及び地方交付税法の一部を改正する法律案、以上八案の審査を行っております。本日は、八案について関心の深い関係各界の皆様方から貴重な御意見を承るため、本公聴会を開会することとなった次第でございます。
 この際、公述人の方々に一言御挨拶を申し上げます。
 皆様には、御多忙中のところ御出席いただき、誠にありがとうございます。
 皆様から忌憚のない御意見を拝聴し、今後の八案審査の参考にいたしたいと存じますので、よろしくお願いを申し上げます。
 次に、議事の進め方について申し上げます。
 まず、公述人の方々からお一人十分以内で順次御意見をお述べいただき、その後、委員の質疑にお答え願いたいと存じます。
 御発言の際は、その都度、委員長の指名を受けてからお願いを申し上げます。
 なお、御発言は着席のままで結構でございます。
 それでは、これより公述人の方々から順次御意見をお述べ願います。
 まず、森公述人にお願いを申し上げます。森公述人。
#306
○公述人(森貞述君) 御紹介いただきました前高浜市長の森と申します。よろしくひとつお願いいたします。
 私の方からは、とりわけ、今回のこの一体改革における税の問題の中で、私がお預かりをしておりました地方自治体での特に税収の中で、市町村にとっては基礎的な大きな大宗は例えば個人市民税、法人市民税、あるいは固定資産税、都市計画税等でございます。しかし、御案内のように、私ども、リーマン・ショック、二〇〇八年、リーマン・ショックがございました。そのときに、ある面では今までの例えば個人市民税あるいは法人市民税というものが激減をする。特に法人市民税の場合は二〇〇九年度、そして個人の市民税については一〇年度というタイムラグがございます。
 そういう中で、税のある面では地方消費税交付金というものは地方自治体にとって、例えば私どもの高浜市におきましては、税収、歳入総額の大体三%見当でずっと平均的に推移をしておりました。約四億から四億二千万ぐらいがここ五年間。その間に、例えば個人市民税でございますと二十八億ぐらいのものが二十三億、あるいは法人市民税に至りましては、過去、二〇〇七年度が最高で十億、法人市民税がありました。それが二〇〇九年度には二億五千万近く激減をするわけで、そういう中で、地方消費税交付金というのは地方自治体にとってある面では安定財源というような位置付けができるかもしれません。
 とりわけ、今から述べさせていただきます私自身が、二〇〇〇年の四月にスタートいたしました介護保険制度、これは地方分権一括法と同じときでございますけれども、そういう中で、今日まで、地方自治体にとって保険者として進めていく上で、御承知のように、いわゆる高齢者の数は大変大きなボリュームで増えております。例えば、団塊の世代がこれから六十五以上になってまいりますと、毎年百万人という大きなボリュームで増えます。そういう中で、私どもも御多分に漏れず、やはりいわゆる高齢化率ですね、高齢化率が一四%から一七%、このぐらいになっております。あるいはまた、利用者に至りましては、ざっと三倍近い、いわゆる要介護認定を受けて利用される。そういうようなことは取りも直さず、保険料収入と国、県、市町村のいわゆる負担金、こういうものによってある面では大宗が成っておりますけれども、そういう中で大変大きなこれからボリュームで給付費が伸びていく。
 この給付費をいかに賄っていくかの中で、一つには、今回のこの税というものがある面ではすごく大きな意味を持ってきて、地方財政にとってある面では先ほど申しましたようにいわゆる健全化の一歩を進めることができるんではないだろうか。大変今、地方自治体、基礎自治体はいろんな意味で大変な時代を迎えております。そういう中で、この問題について是非皆様方の御議決をお願いをする次第でございます。
 そしてもう一つ、実は私ども、過去のいわゆる五年ごとの国勢調査、ここにおきまして、二〇〇〇年あるいは二〇〇五年を含めまして、二〇一〇年ございましたけれども、ざっといわゆる第二次産業の就業者率、これが五〇%、多いときには五五%ぐらいありました。ということは、働く町。ということは、地域にそういう事業所、特に第二次産業の、私どもの地域はどちらかといいますといわゆる輸送用機器関連を中心としたそういう事業所が数多くあります。
 そういうところで、働く町ということは、取りも直さず若いお母さん方も手に職を持って働かれる。となると、そこで問題になってくるのは、やはりいかにして地域でこれを支えていくか。介護の社会化と同じように、子育ての社会化をいかに進めていくかということは、地域にそのような受皿をつくっていくということでございます。
 それには、例えば私どもは、二十四年の三月までたしか全国で九百十一か所しかございませんでした認定こども園、これにつきましても民間、社会福祉法人によって先駆的にやっていただきました。しかし、御案内のように、これはいわゆる権限と財源がばらばらで一体化をしていなかったということで、市町村にとって、あるいは民間の社会福祉法人にとっても大変使い勝手の悪いものであった。これが今回、この子供関係の三法案によって私は一歩大きく前進をした。市町村がニーズに基づいた計画を作って、それを進めていくことができるんだということ、これは大変大きな意味合いを持っておると。
 もう一つ、実は私どもは家庭的保育、これを以前から進めております。これも今回のこの三党合意の法案の中にはっきりと地域型保育ということでうたわれて、そしてこれに対しての助成をという、そういうような大きなやはり子育てに関してできるようになるということに対して大変大きな期待をいたしております。
 そういう意味で、これからある面では地域主権という、そういう考え方の下で、いろんな意味で、地域が自分たちの地域をどのようにしていくか、そこには大きな私は今回のこの法案というものは意味を持っておるということを述べさせていただきまして、与えられました時間の中での公述とさせていただきます。ありがとうございました。
#307
○団長(高橋千秋君) ありがとうございました。
 続きまして、山崎公述人にお願いいたします。山崎公述人。
#308
○公述人(山崎泰彦君) 山崎でございます。
 この度はお招きいただきまして、どうもありがとうございました。
 この度、大局的な見地に立って三党が法案の修正協議において合意されましたことを高く評価しております。
 この間、一体改革に政治生命を懸けるという、繰り返し表明されてきた野田総理のぶれのないリーダーシップに敬服いたしております。あわせて、修正協議に当たって、社会保障を政争の具にしてはならないという国民的立場に立って三党が苦渋の決断をされたことに心から敬意を表する次第でございます。これを機に日本の政治が一層の成熟を遂げ、対立から協調と対話へと向かうことを望んでおります。
 まず最初に、改革の進め方と基本的考え方につきまして述べます。
 依然として大きな対立軸にありますのが、今後の公的年金制度と後期高齢者医療制度に係る改革でありますが、三党の確認書では、あらかじめその内容等につきまして三党間で合意に向けて協議することとされております。今回の三党協議の経験を踏まえて、胸襟を開いて話し合い、実現可能な道を探る努力をすればおのずから展望が開けるものと確信しております。
 同時に、三党合意に基づいて新たに提出されました社会保障制度改革推進法案が示す改革の基本的な考え方についての合意も、今後の改革の推進に当たって極めて意義ある指針を示していただいたと思っております。そこで示されている四つの基本的考え方は、日本の社会保障制度の基本的枠組みを踏まえたものであり、漸進的な改革を志向する立場からしますと、私もこれに賛同するものであります。
 以下、改革に向けての基本的課題としての公的年金制度と後期高齢者医療制度の改革の議論の進め方、さらに一体改革関連法案成立後の当面の改革の課題につきまして若干の私見を述べます。
 公的年金制度改革をめぐって決定的な対立が生じましたのは、小泉内閣時代の平成十六年改正でございました。現行制度の枠組みの下で、マクロ経済スライド方式の導入により年金財政の持続可能性を高めるものでありました。これに対して、民主党は、所得比例年金への例外なき一元化と消費税を財源とする最低保障年金の創設という、制度の枠組みを全面的に組み替える改革法案を提案していました。以来、長い間、社会保険方式か税方式かという対立軸を最大の争点として年金改革は争われてきました。
 しかし、私は、平成十六年改正法案の国会の公聴会において、民主党案は社会保険方式であること、最低保障年金は所得比例年金への加入を条件として支給されるもので、滞納期間分も含めて無条件に支給されるものではないこと、政府案との一番の違いは、所得階層にかかわりなく国庫負担を一律に配分する現行制度に対して、低所得者中心に国庫負担を重点配分するという社会保険方式の下での国庫負担の配分方法にあると述べました。ただし、当時、民主党案は十分な財政的裏付けを欠くものであって、政府案と同じレベルでは比較できないとして、当時私は政府案を支持いたしました。この考え方は、八年たった今日でも変わりません。
 問題は、民主党が、これまで長い間、社会保険方式であることを党内で十分徹底させることなく、最低保障年金が無条件に誰にも支給されるかのような税方式のイメージを振りまいてきたこと、政権を取りながらも財政の裏付けのある具体的な案の提示を怠ってきたことにあります。これが建設的な議論を進める上で大きな障害になっていました。
 幸い、今では、三党合意に基づく社会保障制度改革推進法案におきまして社会保険方式にも基本を置くことが確認されました。大きな前進であります。今後は、給付と負担の全国民レベルでの公平化の在り方、社会保険方式の下での国庫負担の配分の在り方等について具体的な財政見通しを基に建設的な議論をしていただけるものと期待しております。
 次に、後期高齢者医療制度改革であります。
 平成二十年四月に施行されました後期高齢者医療制度につきましては、施行時に大きな混乱がありました。しかし、その後の広報や運用の見直し等によって感情的な批判はすっかり収まっております。多くの国民は現状を冷静に受け止めているように思います。関係団体においても、後期高齢者医療制度の廃止を積極的に求める勢力はありません。
 高齢者医療制度を創設した平成十八年の医療制度改革に当たっては、約十年に及ぶ議論があり、様々の提案がありました。そういう中で、現行制度は、利害関係団体が互いに譲歩しつつ、何とか折り合いを付けて合意を得たものであります。その関係者の合意形成の努力、価値を尊重すれば、当面の見直しは現行制度の基本的枠組みを前提にした調整にとどめ、中長期的な課題につきましては、地域の医療、介護や隣接する介護保険制度との関係の在り方も含め、十分な時間を掛け取り組むべきだと考えております。
 地域医療との関係では、日常生活圏域をベースにした地域包括ケアの取組が当該地域の高齢者の保険料に反映する仕組みを検討していただきたいのであります。市町村単位の国民健康保険や介護保険ではそれが実現しているわけですが、後期高齢者医療制度は都道府県単位の保険者であるため、保険料設定が都道府県同一になっていて、地域の努力が反映されにくい仕組みになっているのであります。そのような観点からすれば、市町村国保の保険料について都道府県単位で平準化する方向で模索されておりますが、地域の保健施設活動や保険料徴収の努力をそぐことのないよう、慎重な取組を求めたいのであります。
 また、制度に関しましては、後期高齢者医療制度が介護保険と極めて類似したもの、ある意味で介護保険をモデルにスタートしたことに留意していただきたいのでございます。高齢者と現役世代を区分した高齢者独立型の制度であること、高齢者の一人一人を被保険者として適用し、応分の保険料負担を求めていること、財源は公費と保険料が二分の一ずつであること、当初の制度では保険料は共に原則として年金からの天引きであったこと、そして共に地域を基盤にした地域保険であるということも共通するものでありました。違いは、僅かに、六十五歳と七十五歳という年齢、市町村と広域連合という保険者の単位でしかなく、本質的な違いではございません。にもかかわらず、自民党とともに介護保険を推進した民主党が後期高齢者医療制度の廃止を叫ぶ意味が、私には分かりません。
 最後に、一体改革関連法案成立後の課題でございます。
 消費税引上げによって、従来に比べると社会保障の財政基盤は格段に強化されることは間違いございません。しかし、昨年六月の成案策定当時に比べると、法案成立後の財政は相当制約が強まってくるように思います。短時間労働者の社会保険適用拡大は、成案で描いた当初案からすると大きく後退しました。また、通常国会への改正法案提出が検討されていた介護保険法改正による被用者保険の介護納付金の総報酬割の導入も見送りになったままでございます。いずれも公費財源の削減を伴うもので、それで浮いた財源を低所得者対策を始めとする社会保障の充実に充てることが予定されていました。その当てが外れる一方で、消費税引上げ時の逆進性に対する緩和措置としての簡素な給付措置、軽減税率や給付付き税額控除の導入などが検討課題になっており、新たな歳出増、歳入減の要素が強まっております。
 そういう中でなおかつ社会保障の着実な改善を目指す上では、当面、高齢者医療では七十歳代前半の患者負担を本来の二割負担に引き上げること、介護保険では昨年の改正で見送りになった給付と負担の本格的な見直しに取り組むこと、そして、高齢者医療及び介護保険共に被用者保険の支援金や納付金の総報酬割への段階的な移行を図ることなどが当面の不可避の課題だと考えております。
 どうも御清聴ありがとうございました。
#309
○団長(高橋千秋君) ありがとうございました。
 続きまして、藤岡公述人にお願いいたします。藤岡公述人。
#310
○公述人(藤岡省吾君) 失礼いたします。
 今回は、参議院の地方公聴会、お招きをいただきまして、大変ありがとうございます。
 私は保育園の園長でございまして、現場を預かる立場からを含めまして少し意見を述べさせていただきたいというふうに思っております。
 やはり、子供たちは日本の将来を担う大事な人材であります。少子高齢化が叫ばれて久しいわけですけれども、政権マニフェストにございますチルドレンファーストという文言、大変私はいい言葉だというふうに思っております。ただ、それが現実に政策、施策に反映していただくことを望んで、日夜保育を行っております。
 一九九〇年代以降は、いわゆる仕事と子育ての両立や孤立化あるいは核家族化によってお母さん方の保育は大変困難度を増しております。特に若い世代の母親は、まれに子育てを忌避するといいますか、そういう事態も起きておるような状況があります。一九九〇年代以降の保育ニーズの多様化、それとともに保育ニーズの急増、都市部において結果的に待機児童の急増という問題を生じております。
 そして、戦後、幼稚園、保育園というものはそれぞれ別の制度として位置付けられまして、そのそれぞれの充実を図ってきたわけですが、やはり少子化の進行とともに子供の減少、そして幼稚園と保育園の在り方が重なり合う、重複化するというような観点から、幼保連携あるいは一元化等の言葉、課題が取りざたされるようになりました。
 そして、二〇一〇年の子ども・子育てビジョン、中長期ビジョンであります子ども・子育てビジョンでは、具体的な数値目標を挙げられてプランを進めようと、ビジョンを進めようということになりまして、幼保一体化の明記がなされました。そして、今年度に入りまして、現在、参議院の社会保障と税の一体改革に関するこの特別委員会が開かれておるという状態になっておるわけですが、そこで様々な経緯の中で幼保一体化が、徐々にではありますが、進みかけておるところにこの新しい断行といいますか、がなされるこの機会、画期的なことかなというふうに思っております。
 数点、その中でお話をしたいと思いますのは、まず、安定財源の確保についてですけれども、法案の附則に、政府は、幼児教育、保育、子育て支援の質、量の充実を図るため、安定財源の確保に努めるものとするというふうにございます。子ども・子育て支援の質、量の充実を図るために、消費税率の引上げとともに、財源を確保できる、一兆円程度の財源が必要であるので、その消費税の一部を子ども・子育て支援に回すという形の努力をいただけるというふうに聞いております。
 ただ、消費税につきましては、八%の施行は平成二十六年、そして一〇%施行は二十七年というふうに伺っておりますが、そのうち、一兆円のうちの約〇・三兆円は待機児童解消のためという考え方を持たれておるわけですが、認定こども園、保育所、幼稚園での三歳未満児の保育利用数、二十四年度、おおよそだとは思いますが、三歳未満児合計の二七%、八十六万人、それから二十九年度末は四四%、百二十二万人との予測が立っておるわけですが、ここで、量の確保は当然質の確保とともになされなければならない、特に保育園におきます乳児保育、大変長い経験がございますので、その保育の質の担保を是非お願いをしたいというふうに思っております。
 また、次に、職員配置基準の改善を始めとして保育等の質の改善のためとして、ゼロから二歳児の体制強化として、幼稚園によるゼロから二歳児保育への参入促進などとあります。大変これも結構なことでございますので進めていただく、大変結構だと思います。
 ただ、都市部、地方を問わず、多年にわたり実績のある、特に乳児保育に対する実績のある保育園の経験とスキルを今後とも十分活用できる体制を拡充する必要があるのではないかなと、そんなふうに思っておりますので、是非様々な方策を講じていただきたい、そんなふうに思います。
 また、幼児教育、保育の総合的な提供に向けた質の改善として掲げられております三歳児を含めた配置基準の改善につきましては、実は保育現場では既に少なくとも三歳のお子さん二十人に一人の保育士でいいよという話がありますけれども、これはやはり十五人に一人ぐらいでないと、一人では十五人くらいでないと大変であるという現場での声は日増しに強まっておりまして、これにつきましては、新配置基準の実現につきまして可能ならば是非平成二十五年度からの新配置基準の実施を要望させていただきたいというふうに考えております。
 そして、児童福祉法第二十四条、様々問題にされてきました二十四条ではございますけれども、保育所での保育については市町村が保育の実施義務を引き続き担うこととするとございまして、大変国民の民意を踏まえたものというふうに評価したいというふうに思っております。
 ただ、指定制という点に、私もかねてから厚生労働省に対して指定制の反対意見を申し述べてきたんですけれども、今回、指定制の取下げとともに、都道府県の認可制度を機動的に活用してしっかり保育所へ対応しようというふうに変更されたというふうに聞いております。市町村による保育実施義務は国民の民意に大変沿ったものであり、やはり運営基盤の確立にとって不可欠なものだというふうに考えておりますので、その点もしっかりやっていただけるものというふうに考えております。
 最後になりますけれども、制度施行までの間の子ども・子育て支援の充実につきまして、実は附帯決議には、「制度施行までの間、安心こども基金の継続・充実を含め、子ども・子育て支援の充実のために必要な予算の確保に特段の配慮を行うものとすること。」というふうにございます。
 この安心こども基金と申しますのは、大変現在重要な基金でありまして、施設整備も含めた子ども・子育て環境の整備、そして保育内容の充実に大きな影響を与えるものでありますので、是非、施行までの間の確保と同時に、この事業内容が、全ての家庭を対象にした地域子育て支援の充実、そして一人親家庭への支援、社会的養護の推進、児童虐待防止対策の強化等を含まれておりまして、大変有意義な決議をしていただいて、附帯決議はしていただいておるというふうに考えております。
 雑駁な意見でございましたんですが、今回の画期的な社会保障と税の一体改革、これにつきましては、大方の国民も、大変画期的な改革であり、その裏付けたるもの、消費税の使い道という点で、是非、社会保障に消費税をきちんと振り向けた目的税的な考え方を国民は持って賛同しておるというふうに私は考えておりますので、その旨、参議院でしっかりとした審議を行っていただき、議決を行っていただきたい、そんなふうに考えております。
 どうも機会をいただきまして、ありがとうございました。終了します。
#311
○団長(高橋千秋君) ありがとうございました。
 続きまして、荒川公述人にお願いいたします。荒川公述人。
#312
○公述人(荒川章三君) 本日は、このような機会をいただき、誠にありがとうございます。
 それでは、短い時間ではございますが、意見を述べさせていただきます。
 まず、お手元に、資料が多くて申し訳ありません、黒いクリップ留めの資料がございますが、一番上の三枚が説明させていただく資料でございます。ほかの資料は後ほど御質問があったとき等に参考になればと思っております。
 まず、一枚目の絵がございますが、もうこれは百も承知のことを御説明しますが、消費税というものは、左から原材料製造者がおりまして順番に転嫁されていくものでございます。ですので、最終的に、一番右手にございます青いところですが、消費者が税を負担する立場にあります。ここで注目していただきたいのは、消費者は納税義務者ではなくて税の負担者ということで、間接税ということになっています。
 今、この消費税増税に当たりまして、大前提としましては、私が思いますところ、昭和六十三年当時、直間比率の見直しで所得税、法人税を減税し、一般消費税を導入ということで大きなうねりがあったと思います。ですので、国の財政の中で政策が転換しておりますから、所得税等が分配機能が低下しているのは当然の結果だと思います。
 そういった意味で、この資料をめくっていただきまして、三枚目ですが、「消費税の問題点 実務家の視点から」ということでまとめさせていただきました。
 まず第一に、転嫁の問題です。
 小規模零細企業の多くは、取引先の主導で価格が決定されております。中小企業を始め、仕入れるにしても販売するに対しても相手先の力関係で価格が形成されておりますので、本当に零細企業においては、消費税が税率が変更になっても、企業努力という名の下に価格を据置きを強要される可能性は十分にあります。たとえ公正取引委員会がいろいろな監視をしたとしても、商売の中では難しさを感じることが多々あるかと思います。
 その一点は、平成十六年に導入されました総額表示の弊害があると思います。小売店等は、分かりづらいということで、いろいろな手法、方法は選べますが、税込みで表示することが義務付けられております。そのため、税率が八パー、一〇パーと二段階で引き上げられた際にも総額表示をするわけですが、単純に値上げしたと思われて、またこれも他の企業との競争の中で価格の競争に入る可能性がございます。そのため、転嫁がスムーズにいくかどうかは、中小・小規模企業、零細に関しては特に疑問を感じております。
 続いて、資金繰りの問題ですが、消費税というものは毎日毎日の売上げの中で預かったものでございます。預かった税金を最長一年間預かった上で納税しておりますが、一定のルールの下、中間申告、予定納税等で納めてはおりますが、実際に小規模企業、中小企業の中では、一旦預かったお金を納税時まで分別管理ができずに資金繰りに回ることが多々ございます。それで、納税時に金融機関に話をして資金調達するところもあるのが現状です。それがまた税率引上げとなると、納税額が増えますので、滞納の増大が懸念されます。
 資料の最後の方でございますが、二日ほど前に国税庁から発表された資料で、租税の滞納状況についてというのがたしか二日ほど前に発表されておりました。そこでも、この資料の中の三ページ目、四ページ目にありますが、全体としての滞納額は減っておりますけれども、その滞納額の半数近くが消費税というウエートを占めておりますので、当然に税率が引き上げられれば滞納も増えると予想されます。
 ですので、こちらからの意見としましては、大規模な納税額があるところでは年四回とか十二回の予定納税がありますが、小規模な企業であっても任意で選択制により毎月消費税を仮納付できるようなシステムを導入していただければ、分別管理ができ、滞納問題には結び付かないと思っております。
 続いて、逆進性問題ですが、よくマスコミ報道によりますと、消費税は逆進的だと毎日のように叫ばれております。では、消費税は何に対して逆進的なのかと考えたときに、消費に対しては逆進的なわけがないと思っております。消費税は一定税率ですから、比例しておりますので、逆進的ではなく消費に応じて比例して負担するものと。高額所得者は高いものを買いますから、高い消費税を負担する、低所得者層は高いものを買えませんから、安いものを我慢して買いながら低い税を負担していると。そこにおいて税率は一定ですから、逆進的でないと思っております。
 ただ、所得に対しては逆進的というのが一般的だと思います。ですから、消費税率を引き上げれば当然に、逆進的なのは当たり前のことでありまして、そこで対策を打つということは、二番目に書いてありますが、これはもう耳触りの良い逆進性対策ということで、簡単に言いますと、有権者に対して耳触りいいことを提案して税率引上げをするんじゃないかというふうに思っております。
 その耳触りの良い逆進性対策のうちの一つが複数税率でございますが、これは、消費税が今、五%引き上げる際に、例えば食料品は低税率でいきましょうとか免税にしましょうとか、マスコミの方々も新聞は低税率でいきましょうとは言っておりますけれども、それは新たな利権を生むと思っております。
 ドイツでも視察を何度もしておりますが、最初はそのように導入されても、途中から複数税率の目的が変わってきて、最近で聞いた例ですと、宿泊するホテルの宿泊料金も低税率と。これは、結局は宿泊業界を、利権の温床というか、誘導するようなところもありますので、ロビー活動の活発な団体ほど低税率を獲得するという影響があると思っております。
 また、給付付き税額控除ですが、これも何のために消費税を引き上げるのか、引き上げておいて給付するんであれば、引き上げる必要はないと思っております。もしそうであれば、後ほども言いますけれども、簡単な給付でいいと思っております。
 最後に、歳入庁構想というのもありますが、これは、給付のためにはナンバーが必要だと、また新たなナンバーをつくる必要がある、そのためにひも付けをして様々な分野で使う必要があると言っておりますが、既に住基番号がございます。外国人にも最近番号が振られておると思いますから、これをベースにすれば管理ができると思います。新たな歳出増にならないためにも既存の番号を使っていただきたいと。
 それから、最終的には民間利用も想定しているとありましたが、民間利用は情報漏えいが大変懸念されます。特に医療、福祉、それから税、年金に関して一元的に把握できる番号が利用されると、国民の最大のプライバシーが一括で漏えいする可能性があります。そのために罰則を強化すればという意見もありますが、最近もありましたけれども、ハローワーク等で個人情報が売られているという現実がある以上、こういった懸念は払拭できません。
 また、国税庁と社会保険庁がまた歳入庁に合併するような案もありますが、これはどこかで、民営化とは違いますが、国鉄民営化のときのようないろいろな問題をはらんでいるような懸念を感じております。
 最後に、一番後ろに付いておりますが、「逆進性対策」というふうに書いた一枚の紙があります。
 所得イコール消費足す貯蓄ということで、この等式の中でどこに課税するかということだけですから、消費税率が上がる、所得税も上がるというのがありますが、もし私が検討するのであれば、複数税率は反対、給付付き税額控除も反対。その代わりにどう逆進性対策をするかといえば、所得税の累進構造を見直して、最高税率を引上げすることにより逆進性対策にしたいと。低所得者層に対しては所得税の税率を緩和して、消費税ではなくて所得税でコントロールすればいいと思っております。
 続いて、相続税の基礎控除も今見直しを検討されておりますが、ここも見直すことによって、資産を持っている、いわゆる貯蓄を持っている方々に対して最終的に負担をいただくということで消費税とのバランスが取れると思っています。
 ちっちゃく下に簡易な給付と書いてありますが、このぐらいの位置付けで、もし給付が必要であれば、本来は生活保護に近いものがございますが、一定の額の給付を実施すればいいと思っております。
 そして最後に、済みません、実務の現場から切なる要望ですが、所得税の世界で医療費控除というのがございますが、給付の中での解決をしていただきたいと。毎年三月十五日に向けて、確定申告会場では御高齢の方々とお子さんを抱えた妊婦の方々が医療費控除を受けるために並んでいると。ということであれば、最初の段階から給付で解決をすることがこの際得策かと思っております。
 短い時間ではありましたが、機会を与えていただき、誠にありがとうございました。
 以上です。
#313
○団長(高橋千秋君) ありがとうございました。
 続きまして、堀尾公述人にお願いいたします。堀尾公述人。
#314
○公述人(堀尾博樹君) 税理士の堀尾でございます。
 本日はこのような機会を設けていただき、ありがとうございます。
 公聴会というのは、いろいろ調べてみますと、採決の前の儀式とか、あるいはひょっとしたらガス抜きという話もあるのかもしれませんけれども、それを形骸化しないような形でこれからの対応をお願いしたいと思っております。
 私は、まず、基本的な立場というものから御説明をしたいと思っております。現段階での消費増税に反対の立場、そういったところから意見を述べたいと思います。
 消費増税により国民に血を流すことを求める前に、まず公務員制度改革、議員定数や歳費などの改革、言わば政と官の一体改革を行い、まず自ら血を流す覚悟を見せるべきであるというのが私の意見であります。
 税理士としての立場からの意見は、同じ税理士会の中で同じような研究をやっております荒川さんの方から今お話がありましたし、私は、全く税理士ではなくて過去の個人的な経験から今回公述をしたいと思っております。
 まず、行政のかかわりという視点からの自己紹介を簡単にさせていただきたいと。
 中小企業に勤めていました十二年ほど前、当時、財務省の官僚で現在ニュースキャスターを務めております友人らと行革推進のNPOを立ち上げる。その後、その友人が知事選に出ることとなりまして、選挙の責任者として選挙にかかわると。当時の公約の一つが公務員給与の見直し、実質的にはカットだったわけですね。当然、職員組合から猛反発を受けて、また徐々に情勢の変化に伴って地元選出の国会議員の方たちが少しずつ距離を置き始めると、そういうような経験をいたしております。
 その後、税理士となって、中小企業に経営助言を行う一方で、行政関係では、昨年、一昨年と岐阜県の瑞穂市というところで外部監査を行っておりました。外部監査といいますのは、監査委員のような内部機関とは違いまして、外部の視点で行政の特に行う歳出、そういったものに無駄がないか、あるいは有効に使われているか、そういったものを行うものでありますが、現在は名古屋市で外部監査を行っております。テーマは、まだこれ現在進行形ではありますけれども、一応社会福祉に関連するものを現在行っております。
 ちょっとめくっていっていただきまして、現在の社会保障と税の一体改革、これの必要性については、私は非常に必要性について認識はしております。年金の財源には多くの税金が投入をされておりますし、また健康保険、この財源にも税金が投入をされております。例えば、名古屋市の例でありますけれども、健康保険特別会計、この特別会計というのは本来は特定の収入をもって特定の支出を賄うと、言わば本来受益者負担の会計と、こういうことが言えますけれども、現在、名古屋市、これは他の自治体でも同様でありますけれども、財源のうち、保険料は四割、残りが税金という形になっております。本来税金というのは保険料を支えるというものではあったんですけれども、現在これは逆転をしているということになっております。このように考えますと、社会保障と税制というのは別々に検討する財政状況ではないと、このように考えております。
 今後、高齢者の増加などによって当然社会保障費の増加というのは続くわけであります。その場合に考えられる対策としましては、例えば、当然これは支出面と収入面と両方から考える必要がありますけれども、支出面では社会保障、それの見直しによる抑制あるいは減額、また収入面では、単に対策としていう意味では、国債の更なる増発あるいは保険料の増額あるいは増税を含む税収の増加と、こういったことになります。
 このうち、まず収入面の検討からいたします。これは野口悠紀雄さんという、御存じかと思います、経済学者の方がみえますが、国債増発に関しては、これはいずれ限界に達するという話をしております。
 要は、銀行が今国債を購入をしておりますけれども、国債購入の原資というのは企業貸付け、これを使っていると。したがって、当然その原資がいずれ枯渇をするという話をしておりまして、恐らく十数年後には国債の引受けが無理になるのではないかと。また一方で、国債発行をユーロの基準であるGDPの三%以内、これにしようとすれば消費税は三〇%まで上げなくてはならないと、このように言っております。また、保険料の増額もやはり非常に限度があります。
 収入増のためのその他の検討としましては、租税特別措置、これたくさんありますので、こういったものを整理をする、言わばその仕分を行う必要があると。減免というのは言わば見えない補助金でありますので、これに関しては検討を行って、現在、透明化法というのがありますので、少しずつ進んではいるようではありますけれども、これを更に進めていっていただきたいというように考えております。また、歳入庁の創設、それから番号制度による所得把握、こういった方法もあるということは考えられます。
 まためくっていただきまして、支出面の検討にいたしましても、年金制度、医療保険、それから介護保険制度、これは大幅な見直しによる歳出抑制が当然必要になります。このように考えていきますと、いずれの改革を行うにしましても、国民がその血を流さずに済むような特効薬というようなものはないというように考えています。将来世代のために持続可能な制度を構築すると、そのための一体改革というのは、国民に大きな負担、血を流すことを求めるものであると。
 めくっていただきまして、これは、六つのテストというのがあります。これは、カナダ政府が過去、一九九〇年代後半に歳出を減らすために使った手法でありまして、これによって歳出の必要性を一つ一つ検討をしていったというものであります。
 これは、最初に公共性のテスト、言わば公益の増進に資するか。その次に、公共部門がそれを行う必要があるのかと。例えば、それは公共部門が行わなくてもNPOあるいは企業の社会的貢献で行えるのではないかと。三つ目は、必ずしも国が、これは公共ですからあれですけれども、国が行う必要があるのか、県なのか、市なのか、そういう話ですので、ここは少し関係は今はないかもしれません。次に、公共部門が行うとしても民間に委託ができるのではないか。さらには、その効率性、これはもっと上げられないかと。ここまではよく分かりますけれども、ここまでを全てクリアしたとしても、あるいはどうしても必要だとしたとしても、厳しい状況でもあえて支出する意味はあるかという、その財源が不足した場合にはどうしても最終的には優先順位を定めて必要なものであってもカットをしなくてはならない、そういう状況が現在来つつあるのではないかというふうに私は考えております。
 次ですが、また消費税の増税の効果に関して、これに関しても、消費税増税による収入というのは、やはり国債減額に使わなければ私は無意味ではないかというふうに考えております。また、これは野口さんの意見ですけれども、シミュレーションですが、五%増税による国債の改善効果というのは二年ほどしかないと。また、福祉目的という言い方が非常に一種のまやかしのような感じがします。これはお金に色は付いておりませんので、結局は消費税収が社会保障費よりも少なければ消費税は社会保障に充てたということがいつでも言えると、そういうことになります。
 最後になります。
 公務員制度改革、定数削減、歳費削減などの改革が必要であると。要するに、国民に血を流すことを求める前に、言わば官と政の一体改革をまず行って自ら血を流して、そういう覚悟を見せるべきであるというのが私の主張であります。
 最後のこの三党合意により相続税、所得税改正が消えと書いてありますが、これは私のひょっとしたら認識の違いかもしれませんので、分かりません。今日いただいたこのペーパー、最初の方には消費税等の一部を改正する等の法律案とありますので、まだこれは所得税、相続税は残っているのでしょうか、ちょっとその辺はよく分かりませんので、これについては述べません。
 以上です。ありがとうございました。
#315
○団長(高橋千秋君) ありがとうございました。
 次に、木幡公述人にお願いいたします。木幡公述人。
#316
○公述人(木幡洋子君) お手元に資料が行っていると思います。資料に沿って説明をさせていただきます。
 まず最初に、「公述人の立場と結論」という、その後、「4」とありますけれども、これは削除をお願いいたします。
 まず私の立場ですけれども、憲法学の専攻です。学部の担当科目は社会福祉法制と高齢者の人権、大学の担当科目は現代人権論特講というものを担当しております。実際にやっておりますのは、例えば今週でしたら、ルソーは一体人間の本源について何を考えているかであるとか、あるいはロールズ、サンデルというアメリカの政治哲学者は一体何を正義として考えているかといったようなことを考えておりますので、言わばこういう場では大変、本当に隔靴掻痒の非常に迂遠な、社会科学というものは余り意味がないのではないかというふうなことをやっている人間かもしれません。
 ただ、同時に、現在、愛知県の社会福祉協議会において、日常生活自立支援事業開始のための契約締結審査会の委員として、高齢者の困窮状況をかいま見る機会を有しております。こうした立場から、社会保障の安定財源の確保等を図る税制の抜本的な改革を行うための消費税法等の一部を改正する法律案、以下消費税増税法案というふうに略させていただきますけれども、この点に絞って述べさせていただきたいと思っております。
 まず、私の結論からいいますと、社会保障財源確保の必要性というものは認めておりますが、同法によります消費増税が本当に社会保障の維持増進となるかについては疑問を抱かざるを得ません。今回の改正では消費税法一条二項が追加されることになっております。そこでは、地方交付税財源と社会保障財源に充てるということが明記されており、社会保障財源に充てるということを明記したということが新たな改正点となっております。もっとも、その配分は定かではありません。また、日本型消費税の持つ問題点である逆進課税の問題は、これまでの公述人の方々の公述を聞いていただいてもお分かりのように、改善されておりません。さらに、消費税増税が社会保障充実につながるという国民の納得が得られていない中での増税は、国民の消費を冷やしてしまうという可能性もあります。
 もっとも、福祉の危機的な現場を知っている者としましては、何とか早く福祉サービスを保障するだけの財源を確保する、そのための施策を取っていただきたいという思いは強く抱いています。問題は、そのための国の在り方と国民が納得するための手続の在り方だと思っております。
 以下、社会保障財源の必要性を福祉現場の状況から説明させていただき、次にどのような方策が、私の立場、つまり憲法学者であり、現代人権論を考えている人間として必要だと思っているかということを述べさせていただきたいと思います。
 まず最初に、現在の福祉現場です。
 私のゼミは、大体公務員になっている方が多く、今年の春にも四名の方が福祉職として愛知県内で働き始めました。状況を聞いてみますと、彼らは、新卒ながら五十件程度の生活保護世帯のケースワーカーとして働いているようです。毎日帰宅は九時、あるいは十一時ぐらい、私のところにメールが来ているという状況です。また、私が担当させていただいています契約締結審査会、ここで聞いています話としましては、自立支援事業を担う専門員は、年々増加する支援のための契約数に悲鳴を上げています。
 この点につきまして、二枚目の資料、厚生労働省の資料がございます。そこに、四番目、「実施状況」という表がございますけれども、例えば平成十八年度から二十年度という三か年を取ってみましても、毎年一・数倍ずつ契約数が増えています。もちろんこれは一・数倍増えまして契約を終了していただければ減っていくわけですけれども、現実には高齢者の方々、自立支援事業といいますのは、御自身で経済的な管理ができない、あるいは福祉サービスについてどのサービスを受けたらいいかということを的確に判断できない、こういう方が契約を締結されるわけですけれども、当然のことながら、この方々が契約をしなくてもいい、つまり自分で自分のことができるという状態になるということはほぼ考えられませんので、この数というのは実のところ雪だるま式に増えていっております。
 そこに私の視点を書かせていただいておりますけれども、十八年度から二十年度までの三年間、要するに全て、一・〇五倍掛ける一・一三倍掛ける一・〇七倍というふうに増えていっております。単純に考えましても、労働量は僅か三年間で一・三倍近くになっております。
 加えて、個別事例というものが非常に複雑にかかわってきております。家族の離散、あるいは地域の中における状況、様々なことがかかわってきておりまして、かかわっています福祉の専門におきましても、何が福祉の専門性なのか、自分がやっていることというのは一体何なのか、朝から晩まで毎日毎日一体自分は何をやっているのだろうかという悩みを抱えているということを私は聞いております。一言で言うならば、労働量が増え、さらに何を自分が専門性として発揮すればいいかということに悩む、マンパワーの絶対的な不足だと言うことができる事態が現状になっております。
 では、現在の福祉というのはどんな方向へ進んでいけばよいか。
 現在、政府は自助、共助、公助のバランスが必要だというふうに言っておられます。けれども、私の知る現状は、自助や共助が困難な人間関係や地域があり、経済と社会の変化の中で日本人の生活は自助、共助のバランスが崩れたままだというのが多くの現状だというふうにとらえております。
 無論、様々な取組は行われていっておりますけれども、国と国民の価値観が人間関係や地域のつながりを重視するものに転換されていない現状では、それは点の試みで終わってしまう可能性もあります。つまり、ある地域ではうまくいっているけれども、多くのところでは、やはり地域の中で孤立していたり、あるいは孤立無援で寂しく死んでいくというふうなことは現実に多く起きております。少なくとも、現在の日本においては、当分は自助、それも家族の負担に頼らざるを得ないのが実態だと考えております。そのため、介護する家族が心身の疲労をしていくことをどれだけ公助で救済することができるか、そのことが現実の福祉の現場では問われているという状況です。また、それは私の専門であります憲法からしましても、二十五条の生存権保障のための国の責務を要求していく、また国としましてはその責務を果たしていただくということになります。
 では、日本はどのような福祉国家へと向かっていけばよいのでしょうか。
 世界には様々な国があります。いずれも世界不況の影響から逃れられてはいません。その中で、非福祉国家、福祉国家の維持、第三の道など、様々な国の在り方が模索されています。では、日本はどのような道を進もうとしているのか。現在の政策を見ていきますと、高負担高福祉の国か、中負担中福祉の国か、国としての姿に対するビジョンが残念ながら私には見えません、私の勉強不足ゆえかもしれませんけれども。ただ、私の専攻しております人権論の立場からしますと、人間の尊厳の保障は至上命題になります。そのための健康で文化的な生活を保障するということは、どのような国の姿であろうとも逃れることはできないことになります。
 財源が心もとない状況で、どのようにしてそれを保障するのか。それは日本という国がどのような福祉国家観を持つかによって定まってきますが、この国家観は観念によってつくり出されるものではありません。一人一人の国民の総和を抽象的に表したものが国であり、国民は責任の主体として国の在り方を考え、一つ一つの問題について決定を下していくことで総和としての国民の意思が形成されます。これがいわゆるデリバレーティブデモクラシー、熟議であり、既に国会でも理解され、導入されていることだと思います。
 日本は、マッカーサーが終戦直後に、日本人は十二歳の少年のようだと民主主義に対する理解度を評したことから六十年を経て、ようやく国民の意思の意味を理解してきているように見えます。こうした理解からは、今回の消費税増税法案に対する国民の意思の確認がないがしろにされ、増税ありきで日程が進んでいったことは残念なことでした。
 国民の負担が増えなければ福祉財源を確保できないことは明らかですが、それと同時に、自助、共助、公助の日本におけるバランスとは何か、どのような国を日本はつくろうとしているのかといった議論を世代を超えて議論する、言わば日本国将来ビジョン国民大討論が至るところで起き、何が不足しているのか、何が問題なのかを集約していく作業こそが、福祉を食い物にするモラルハザードや福祉の不足にあえぐ困窮者を減少させていくことにつながるのではないでしょうか。
 時間になりましたので、次の消費税増税法案に対する私の学生たちが言っております声につきましては黙読をしていただければ幸いです。
 以上、最後に、議員の皆様の政治家としての御苦労をそんたくしながらも、国民の生活とこの国の未来の姿により一層思いをはせていただけましたら幸いです。
 御清聴ありがとうございました。
#317
○団長(高橋千秋君) ありがとうございました。
 以上で公述人の方々の御意見の陳述は終わりました。
 これより公述人に対する質疑を行います。
 質疑の時間が限られておりますので、御答弁は簡潔によろしくお願いを申し上げます。
 なお、質疑及び御答弁は着席のままで結構でございます。
 それでは、質疑のある方は順次御発言願います。
#318
○大久保潔重君 民主党の大久保潔重でございます。今日は六名の公述人の皆様方、貴重な御意見をありがとうございました。
 私の方から三名の公述人の方に御質問をさせていただきたいと思います。
 まず、森公述人にお尋ねをいたします。
 前高浜市長として、いわゆる行政の長として携わってこられました。先ほどの御意見の中に、地方消費税、非常に安定した収入があったということでありました。そういう意味で、今後の地方財政におけるいわゆる消費税の在り方についてお考えをお示しいただければと思います。
 それから、続いて森公述人、二点目ですけれども、森公述人、市長時代から、特に二〇〇〇年の介護保険制度、日本の制度ができたときに、同時に独自の福祉政策を取られてきたというふうにお伺いをしております。そういう中で、今後の制度改革の中で、特に介護保険も含めた制度改革、具体的な制度設計の変更等、御示唆いただければというふうに思いますので、よろしくお願いいたします。
 それから、続いて山崎公述人にお尋ねをいたします。
 いわゆるこの社会保障制度の財源ですね、社会保険方式か税方式かということで随分議論をなされてきました。
 しかし、今現在、例えば国民年金、これは保険料、約四〇%がドロップアウトしています。十年前が約三分の一と言っていましたですね。その原因は、やはり将来に対する不安、それから、もう今現在払えないという人が随分増えているというふうに聞いています。それから、厚生年金の方も、これはやっぱり事業主の、事業者の負担というのがあって、現在一〇%がドロップアウトをしているという状況であります。そういう中で、今後もこの社会保険料というものの負担が増えていくということにはなかなか我々も抵抗感がありまして、その辺の対応策ということについてお尋ねをいたします。
 それから二点目は、民主党案ですけれども、これは、私の認識は、限りなく税方式ととらえた方がいいのではないかというふうに私は思っています。当然、これは所得比例の年金制度に加入しているというのが前提でありますけれども、これは所得比例でいわゆる保険料を払うわけでして、老後にその最低保障分満たない場合には、これは税でしっかり補ってやりますよというような考えだろうと思うんですね。したがって、社会保障と税ですから、当然社会保障目的のために消費税を例えば増税するというのであれば、やはりこれは税方式でしっかりと手当てをするというのが一番これは筋が通るんじゃないかなというふうに思っているんですが、その辺についての御見解をお尋ねしたいと思います。
#319
○団長(高橋千秋君) じゃ、まず森公述人の方からお願いいたします。
#320
○公述人(森貞述君) それではお答えをさせていただきます。
 先ほど地方消費税交付金のお話をさせていただきました中で、私どもが、いわゆる過去五年間、約四億円から四億二千万ぐらいの間でずっと、歳入総額の大体三%でずっと推移をしているというお話をさせていただきました。
 それで、今、五%のうちの一%が地方のということで、それを今度は八%、そうすると一・七%になるというふうに、そして一〇%になれば二%というふうに思っております。そうしますと、単純に、いわゆる一・七倍し、あるいは二・二倍をしていきますと、例えば今私どもは四億余のものが、例えば八%になれば七億余、あるいは一〇%になれば九億五千万余というような、まあ単純に計算しますと。ということは、それは取りも直さずいわゆる自主財源としていかにしてこれから財政の安定化につながるか。
 そしてもう一つ、その自主財源を、例えば市のいろんな施策の中にも使える。あるいは、先ほど申しましたように、介護保険を含めたいろんなところの一般会計、特に国民健康保険の問題もあります、市町村の。そういうところへの、特に福祉に関してのそういうところに安定的に財源を投入することができるということは、取りも直さず制度が持続可能な制度という、そういうことになるんではないかというふうな、そういう期待も含めてのお話をさせていただきました。
 それから、二点目のことにつきまして、私は、介護保険制度というのは世界に冠たるそういう制度だというふうに、先輩の人たちがいろいろと御苦心をされて今日ここへ来ました。この制度を持続可能な制度にしていくということが一つの大きな私は狙いだというふうに思います。
 その中で、特に今後爆発的に増えるのは認知症高齢者の問題です。この認知症高齢者、恐らく今から二十年先ぐらい、二〇三五年ぐらいには四百四十万人程度というふうに推計をされます。そうしますと、それをいかにして地域で支えていくか。これができないと、例えば、今私はこのオレンジリングをはめております。これは、認知症サポーターということで、最初は百万人が目標でした。今現在、三百五十万人ぐらい、地域で、あるいは職場で、いろんな方面で支えていく。そういうふうに、そして誰もが認知症になる確率はあるということ、そういうことからいって、この認知症対策ということが、今回のこの法改正の中でも、昨年の六月に成立しましたその法律の中でも、一部改正の中でも、私はこの認知症の問題は大きな課題であると。
 今までも認知症の問題は数多く言われてまいりましたが、今回これをはっきりと税の裏付けによって、やはり恒久的ないい制度にするためにも、認知症制度、認知症の対策というものをしっかり打ち出していただきたい。それが、ある面ではこの制度に対する信頼、これにつながると私は思っております。
#321
○公述人(山崎泰彦君) 国民年金の納付率が非常に落ちているというお話でございますけれども、国民年金の保険料は定額であって、法定免除と申請免除がありますが、特に申請免除につきましては、申請がない限りは徴収するということになっております。つまり、非課税世帯であっても、基本的に住民税が非課税であれば申請すれば免除が受けられることになっているんでございますが、申請しない人が結構おりまして、申請しない人が納めないと結局滞納ということになります。
 本来的には私は、これは所得に応じて納めていただくという、そういう意味で、民主党が提案されております所得比例の方向に進むべきかなというふうに思っておりますが、ただ、今の所得税なり住民税の課税最低限のレベルがいいかどうかというのはまた別の問題だろうと思いますが、民主党の、歳入庁をつくりまして税と一体的に保険料を徴収する、非課税世帯からは徴収しない、その非課税世帯については最低保障年金七万円を保障するといったアイデアは、一つの見識あるものだというふうに思います。
 基本的に、今申し上げましたように、非課税世帯からも今の国民年金は保険料を徴収するという仕組みになっていて、かなり無理があるのかなという気がいたします。ただ、非課税のレベルの置き方については、恐らく慎重な検討が必要ではないかというふうに思っております。
 それから、厚生年金でも最近収納率が落ちているということでございますけれども、これは、先ほど消費税の滞納の御指摘がありましたけれども、同じ問題だろうというふうに思います。
 それから、民主党案は、最近、我が党の案は社会保険方式でございますと公式に責任ある立場の方が説明なさっておりますが、元々、税と一体的に徴収する、したがって概念的には民主党案では滞納がないんだということを当初盛んに国会でも御説明になっておりましたけれども、税と一体的に徴収するといいましても、税を滞納する人はやはり社会保険料も滞納するわけでございます。
 税を滞納しても公共サービスには制限は掛かりませんが、年金では制限が掛かる、当然サボりということになります。サボった期間も公共サービスと同じように年金を最低保障するのであれば、これは税方式でございます。しかし、それは成り立たない、どう考えても成り立たないということでございまして、原理的に民主党案が当初から社会保険方式であるということだと思います。歳入庁をつくって税と一体的に徴収するから未納はあり得ないということはあり得ないということだと思います。
#322
○大久保潔重君 ありがとうございました。
 そして、今日は荒川公述人に税務の立場で御発言をいただきました。
 今回の一体改革はいわゆる増税論議でして、過去の消費税税率アップしたときとかあるいは導入時みたいな減税の要素が全く見当たらないということであります。そういう中で、特にこの名古屋市というのは市民税一〇%減税というのをやっていますけれども、そういう何か減税効果といいますか、そういうのがありましたらお伝えしていただければと思います。
 同時に、今後の税制、特に荒川公述人はいわゆる税制の簡素化というのを提言されていますので、是非具体的な提言としてお伝えしていただければと思います。
 よろしくお願いします。
#323
○公述人(荒川章三君) まず、減税効果ということで、ようこそ、減税の町、名古屋へお越しいただきました。
 ただ、最初一〇%減税といいながら、今五%となりまして、名古屋市内のみ住民税、法人市民税とが減税されております。効果というのはまだ当然はっきり目に見えておりませんが、名古屋市に本店を置いているとか名古屋市民の方々は住民税等が減税されております。実際には、負担感という意味では、減額はされておりますが、中小企業ですと、年間、愛知県に二万円、二万一千円ですか、名古屋市に五万円払っているんですが、それが四万七千五百円ということで、二千五百円が一番低いところで減税効果がありまして、法人市民税の均等割というものですが、あとは、所得、法人でも利益があれば法人税率も下がっております。
 ただ、これはよほど御説明しないと納税者に実感は伴っていないと思いますので、比較した表でも付けない限り、認識はまだ何となくという段階だと思います。ただ、これは恒久的に実施しませんとその効果は現れないと思っておりますので、限定的にやっても、だから名古屋市に住もうとか名古屋市に本店を構えようという方はまずお見えになりませんので、恒久的な措置でないと効果が薄いと思っております。
 それから、簡素化ということでは、本来、納税者の方々は確定申告をする、権利という言い方をするとアレルギーがある方もあるかもしれませんが、確定申告をすべきところが年末調整等で大半の方は終わってしまっていると、知らない間に源泉徴収されて終わっていて、それが簡素化といえば大変いいんですが、負担感がございませんので、何か納税者自らが負担しているというような仕組みが必要だと思っております。
 ただ、先ほどありましたとおり、給付付き税額控除で、例えば所得の低い方は、確定申告をして消費税の生活必需品相当額を還付を受けようというと、恐らく税務署、市町村の窓口には列が成して、電子申告が進んでいるとはいえ、かなり現場は混乱すると思っております。ですから、そういった給付というのは社会保障的な給付で実施していただきたく思っておりまして、ですから、先ほど言いましたとおり、医療費控除を税から所得控除するのではなくて、社会保障の中で医療の負担の給付という形で実施できればと思っております。
 最後に、簡単に言いますけれど、給付付き税額控除の給付というのは社会保障の医療の世界で給付することでも可能だと思いますので、そういった形で、あとは所得税の最高税率等の見直しでバランスを取ればと思っております。
 以上です。
#324
○大久保潔重君 貴重な御意見をいただきまして、ありがとうございました。
 質問じゃありませんけど、堀尾公述人、長崎県の西海市の松島の御出身ということでありまして、私の地元でありまして、今、石炭火力で非常に頑張っております。離島振興法の改正もできましたので、故郷のためしっかり私も頑張っていきたいと思いますし、帰省の折には御連絡でもいただければ幸いでございます。
 私の方からは以上でございます。ありがとうございました。
#325
○若林健太君 自由民主党の若林健太と申します。
 私は、選挙区は長野県でございますが、この御当地の愛知県では、二年前に私は初当選をさせていただいて、同期当選組で藤川さんという自民党の参議院議員がおります。今、自民党の県連会長をやっております。今日、傍聴される方、一生懸命声を掛けていただいて、本日一緒に同席したいと、こう言っていたんですが、決算委員会が重なったと、こういうことで、失礼をしますということでございました。また、藤川議員と共々頑張ってまいりたいというふうに思っております。
 さて、公述人の皆さんには、お忙しい中、今日こうやってお時間をいただいて貴重な御意見をいただきまして、大変私どもにとっても参考になる機会をいただきまして、感謝を申し上げたいというふうに思います。
 私の方からは、本当は全員の方にお聞きしたいところですけれども、時間の関係もありますので、自分自身の問題意識を持ったところから順次お伺いしたいというふうに思います。
 まず最初に、森公述人にお伺いしたいと思いますが、高浜市長としての地方自治体、地方行政を担ってこられた御経験から、消費税というものの、景気が変動しても安定した歳入源となっていると、こういう点の御指摘をいただきました。まさに、地方を経営をしている側からとれば、余りにも大きく変動してしまう税源よりも安定的な税源をという御指摘だったと思うんですね。
 もう一つ、僕は、消費税については、こういった性格あるんじゃないのかなというふうに思うんですけど、それについての御意見を伺いたいんですが、社会がどんどんどんどん複雑化してきて、いわゆる直接税、法人ですとか所得税というのは、その所得の捕捉というのは非常に難しくなってきているというのが一方あると思うんですね。そういう意味でも、消費税というのは非常に複雑化していく社会の中で非常に安定的に税収をいただける、そういう税制の側面というのがあるんじゃないのかな、そういう意味での有効性もあるんじゃないのかなと、こんなふうに思いますが、御感想をひとつお伺いしたいということと、もう一つ、今回の地方消費税の改正については、特別に社会保障目的というものを法律の中で書き込ませていただいていると、こういうことになっています。直接地方に行く分はいいんですけれども、一部交付金を通じて行く分について、総額でどうやって、総額で目的化というようなことを言っているんですけど、これ技術的に言うとなかなか実は課題があるなというふうに思っています。いずれにしても、地方でまさに行政を担われて経営をされていく中で、こうした目的税化をされるということについて、いわゆる縛りを受けるということになりますが、この点について何か不足、問題点等あるかどうか、その点についてお伺いしたい。二点ですね、まずお願いします。
#326
○公述人(森貞述君) 成熟社会になってきた段階では、私は、やはり消費税というのはある面では普遍的な、いわゆるそういうものというふうにとらえていった方がいいんではないだろうかと。
 いわゆる、例えば景気、先ほど委員もおっしゃいましたように、景気変動によってぶれるということ、これはある面では、例えば自治体経営にとってもそうでしょうし、恐らくいろんな意味で事業経営をやっていく上で大変大きないわゆるハンディキャップをしょっていくということ。そうすると、それは、例えば政策的な経費ということをやはり自治体は確保しなければいけないという立場から、そしてやはりそれは成熟社会の中では私は大きな意味を持っていると、普遍的なものにしていくと。
 それからもう一つ、年金の今お話をされました。やはり私は、年金というものもそうですし、それから先ほど介護のお話もされました。それから、いわゆる医療のこともそうなんですけれども、私は、そういう成熟社会では、とりわけそういう分野、社会保障の分野にお金が必要になってくると。そうすると、それはきちっとして、例えば税で、いわゆる負担と給付のバランスを取る上でも、いろんな意味でそれを賄っていくために必要ではないかというふうなことで、私は、年金も含めて、今おっしゃいましたように、ある面では税というものがこれからも大きな意味を持ってくるというふうに思います。
#327
○若林健太君 ありがとうございました。
 消費税は安定的な税源であるということの御指摘をいただいたのと、それから地方自治体の経営の中でもやっぱり社会保障の占めるウエートは非常に高いと。したがって、目的税化されたとしても十分そこへ、必要とする事業の方が圧倒的に多いんだと、こういうお答えだったというふうに思います。ありがとうございました。
#328
○公述人(森貞述君) 済みません。今委員がおっしゃいましたように、地方自治体にとって、とりわけやはり福祉の現場に一番近い、そうすると、そういうところから吸い上げていくという、意見を吸い上げてそれを施策に云々しようと思いますと、どうしても財源が必要。しかも、その財源は、制度を維持していくためにはどうしても一定の財源が必要。そうすると、やはり安定的なものが必要になってくるという考え方でいいと思います。
#329
○若林健太君 ありがとうございました。
 続いて、山崎公述人にお伺いしたいと思います。
 山崎先生は、いろんな論文も拝見させていただくと、かねて、この社会保障と税の一体改革について政治の責任として決断をするべきであるということをおっしゃっていただいておりました。当然、自民党、民主党、公明党と、三党合意という今回合意形成がされたわけですが、それぞれ政党の考え方が違いますので、国民会議に付託する部分等残っておりますけれども、しかし、将来世代に向けて今生きる我々がここで決断する、しなければならないと、これは歴史的使命だと、私もそんなふうに思っているところであります。
 なお、しかし、その前にやるべきことがある、今消費税じゃないだろう、デフレの環境下でと、こう様々な御意見があるわけですが、改めて、やはり今、税と社会保障の一体改革、ここで結論を出すべきであるということについて先生のお考えをいただきたいと、こんなふうに思いますが。
#330
○公述人(山崎泰彦君) 一言で言えば、将来世代に対する責任を負うということになりますと、もうこれ以上ツケ回しはできないという単純なことだろうと思うんでございますが。非常に厳しい選択ですね、特に政治家の方にとっては。でも、これをやらなければいけない、避けてはいけないということだと思います。
#331
○若林健太君 そうですね。一般会計九十六兆円のうち税収四十四兆円、こんな会社がもしあれば、まさに持続可能とはとても言えないような状況にある。しかも、社会保障費がその中の大きなウエートを占めているわけでありますから、これを持続可能、安定的なものにさせていくというのが大変に必要だと思います。
 そこで、ただ、ちまたでは、増税先行で社会保障改革は先送りされたじゃないか、国民会議に付託されてこれは先送りになっていると、こういう御批判もあります。
 私は、この間、この特別委員会の質疑の中で、これは本当に先送りにされないように担保されているのかと、こういうことの質疑をさせていただきました。これは政府も、そしてまた三党のそれぞれの政策責任者も、国民会議の結論を一年以内に出す、そしてその一年以内の結論がなければもちろんその先の消費増税もこれはできるものではない、これは法律で担保されているんだと、こういうお話をさせていただきまして、税と社会保障一体改革、その名に値するものであるということの確認をさせてもらいました。
 ところが、確かに、この三党、特に民主党と我が自民党との間には大きく考え方に隔たりがある、例えば先ほどの税方式なのか社会保険方式なのかということについてこんなに隔たりがあると、こういうふうに私も思っておりまして、どこで折り合っていくのかな、これから一年間激しい議論をしながら結論を出していかなきゃいけないなというふうに思っておりましたが、先ほど先生のお話の中で、最低保障年金、民主党の御提案されている最低保障年金というのは、あれは皆さん税方式だと、こう言っているようだけれども、社会保険方式の枠の中で議論できるんじゃないのかと、こういう御指摘をいただきました。
 改めて、どういう論点でそういうロジックになるのかということをもう一度教えていただければと思いますが。
#332
○公述人(山崎泰彦君) まず前段の、増税先行という世間の厳しい批判があるわけなんですが、私に言わせますと、二十年間増税をしなかった、つまり、社会保障先行、税は先送り、税負担は先送りというのが日本の政治だったんじゃないでしょうか。例のワニ口の歳出と歳入の関係ですよね。この間、社会保険料は着実に毎年のように上がってきているんです。税が上がってきていないんです。この遅れを取り戻してほしいんです、私に言わせますと。でないと、社会保障の持続可能性は確保できないということだと思います。
 それから、後段につきましては、三党合意で社会保険を基本にすると、年金、医療、介護についてはと書いてあるわけですから、もうそれ以上言うことはないように思うんでございますが、基本にすると合意をしながらも、十分三党間の中ではまだまだ熟していないのではないかという御発言でもあったかと思うんでございますが、民主党の所得比例年金というのは、これは社会保険方式ですよね。所得に応じて保険料を納めて、その納めた保険料に比例して年金を受け取るわけでございますから、給付と負担の関係であれば極めて社会保険に忠実な原理になっているのが所得比例年金だろうと思うんですね。
 ところが、所得が低いから、保険料の納付、納める保険料が少なくて、結果的に年金が、所得がゼロであればゼロということになる。その場合に最低保障年金で埋めようというわけでございますから、所得比例年金に加入するということ、所得に応じて納める、所得がない人はこれはゼロ保険料という形で、所得比例年金に保険料を所得に応じて納めることを前提にして、所得が低かった期間について税で埋めるというわけでございますから、納めなかった期間はこれはサボりの期間でございまして、埋める理由、税で埋める、最低保障年金を支給する根拠にはならない。
 ですから、サボりの期間を認めるかどうかというのが社会保険年金か税方式による年金かの決定的な違いなんです。ですから、民主党案は立派な社会保険方式でございます。サボりを認めたら、所得比例年金に加入する人がいなくなるんですよ。ですから、これ常識的に考えて、当初から民主党案は社会保険方式だというふうに思います。
 ただ、世間が幸いにして民主党の最低保障年金は誰でも受け取れるものだと誤解してくれましたものですから、その誤解に便乗してうやむやにしてきたのが今までじゃないでしょうかということを私、先ほど批判したつもりでございます。
 ですから、この際、三党合意で社会保険方式でいくんだというふうに合意を得たわけですから、あと、その社会保険方式の下で、今の国民年金ですと一律に高所得の人も低所得の人も二分の一国庫負担を付けているんですね。民主党案は、高所得の人には国庫負担を排除しようと、低所得者に重点的に配分しようというわけでございますから、恐らく財政の立場からすると、税の配分としては民主党案の方が合理的だというふうに思います。税を配分するのに一律というよりは低所得者に重点的に配分するというのは、恐らく財政学者から見れば当たり前のことだろうというふうに思います。
 もし、個々の人に税を配分するとしたらそういうことだと思いますが、今の社会保険に対する税の投入は制度全体に対して投入しているものですから、それはそれとして、一つの制度間のバランスを取るだとか、あるいは社会保険料負担の水準全体を軽減するという趣旨からすると、それも一つの考え方というふうに思います。ただ、個々人に税を付ける、税を配分するとすると、民主党案の方が合理的だというふうに思います。
 以上でございます。
#333
○若林健太君 ありがとうございます。
 社会保険方式ということが今回書き込まれたことによって、実は最低保障年金制度というのは排除されたという議論があったんですけれども、その考え方はその中に、枠組みの中でまた議論はできるんだと、こういうことでありました。それを、しかし、その税方式といって全ての方々にと、こうプロパガンダしたところに大きな間違いがあったと、こういう御指摘だと思うんです。そこは本当にそのとおりだと思います。
 ちょっと時間もなくなってまいりましたが、先ほど、後期高齢者医療制度について、これは制度として安定してきているんではないのかと、こういう御評価をいただきました。その点について、もう一度お願いいたします。
#334
○公述人(山崎泰彦君) 福田内閣のときに、余りにも厳しい批判の中で通称長寿医療制度と改めたはずなんですが、今誰もそれを言う人いませんね。私も七十五になって後期になりましてとごく日常的な話題になるようになりまして、すっかり落ち着いたなという感じがして、今あえて、混乱はどうしてもありますよね、大きな制度改革になりますと、それを承知で後期高齢者医療制度を廃止するというそれだけの積極的な理由はどこにもないように思います。
 ただ、いろいろ改善の余地はあると思いますけれども、これはこれで、少なくとも、あれほどの改革をやったんですから、少なくとも十年は続けなければいけないんじゃないでしょうかね。恐らく、自治体の立場からするとそうだと思うんです。ころころころころ変わっては困ると。システム改修の費用もばかにならないという声も聞きますから、ひとつしばらくはこれで辛抱して、手直しを着実に進めていく方が現実的だというふうに思っております。
#335
○若林健太君 ありがとうございました。
 特別委員会の議論でも、野田総理が、今提出をしている後期高齢者医療制度廃止法案なるものは、この今回の一体改革成立後に自然的に効力がなくなるものであろうと、こういうお話もされていますから、そこは先生のおっしゃるような判断、これが私どもも極めて現実的な判断というふうに思ってございます。ありがとうございました。
 それから次に、荒川公述人にお伺いしたいと思いますが、税のまさに現場で御活躍をされておられて、非常に実務的な公述をいただきました。私も実は公認会計士を、地元で二十年間会計事務所をやっておりましたので、おっしゃっていること本当によく分かります。
 そこで、消費税についてのその転嫁が難しいというのは本当にそのとおりだと思うんですね。私も地元のスーパーの経営者の皆さんと話をしていると、結局粗利で出さざるを得ないんだと、こういう話をしています。どう転嫁をさせたらいいのか、これは本当に大きな課題だと思うんですけど、先ほどのお話で、独禁法の適用を厳しくしたりなんかしたってうまくいかないよと、こういう御指摘でした。じゃ、どうすればいいかと思われるか、そのちょっとひとつ案をお伺いしたいというのが一点。
 二点目。総額表示に非常に問題があるというのはそのとおりだと思うんです。だとすれば、じゃ、外税を原則にすればいいと思われるかどうか。これ二点目。
 それから、三点目。済みません、三つお伺いしたいと思いますが、三点目、逆進性の問題についてです。私は、実は段階税率いいんじゃないかと、こう思っていますが、逆進性等について総体として考えるべきであるという御指摘はそのとおりだと思います。特に、所得税、相続税等の改正については、今回やらないわけじゃないんですね、年末の税制改正の中で検討すると、こういうことになっております。
 政府の当初の案では、所得税については四五%、相続税について五五%、こういうふうに案が出てきているんですけど、ただ、これは実は、先生も本当にあれだと思うんですけど、まさに国家としてその在り方をどう考えるか、中福祉中負担なのか、今の中福祉低負担のままでいくのかと、こういう問題がございます。
 一方、国民負担率という考え方からすれば、国家の権力で個人のその私的財産に一定の手を突っ込んで税金をいただくと、こういうことを考えると、昔、石さんという政府税調の会長が五公五民というのは一つの考え方ですねと、五〇パーを超えるとちょっとそれは負担大き過ぎるんじゃないでしょうかねと、こういう考え方示したことがありまして、今の税制はそういう形で実は税率構造できていると思うんですね。ここを、のりを越えるかどうかというのは非常に大きな議論があると思うんですけど、その点について先生のお考え方を、三点、済みません、お願いいたします。
#336
○公述人(荒川章三君) まず、転嫁の問題ですが、この転嫁の問題については、どうすればいいのかといっても、やはりこれは現場では力関係です、力関係ですね。これは税務調査の現場でもそうなんですけれど、中小企業の税務調査の際に税務署の方々が調査に入ります。その反面として、取引先にも調査に行きますよと、当然先生も御経験あるでしょうけれど、相手方に行きますよと言うと、やはり余り気持ちいいものではないと。お願いだから行かないでほしいということになるところでいうと、やはり力関係が働くとなると、なかなか転嫁は難しく、当然企業としても、利益を上げられるところは、技術力があって他にまねをできない企業であれば、付加価値も高く利益も上げていると。
 同じように、価格優位性のある商品、製品を持っていないと、転嫁は、はいそうですかと言ってくれる業界ならいいんですが、例えば私のお客様でいうと、壁紙を張ってみえて一人親方をやっている方々は、平米幾らですと張っているときに若しくは日当一日一万円とか言われている中で、じゃ、五パーが八パーだから、一万五百円から一万八百円にしてくれるかというとそうはいかなくて、一万五百円で努力してよとか、仕事を次あげるからという言い方で交渉が始まってしまう。それはまだいい方で、今でも込み込み一万円という方もみえるわけですね。それが八パーになり一〇パーになっても、恐らく込み込み一万円という可能性があると思います。
 もう一点その転嫁でいいますと、例えば先生方がテレビに出られたとき出演料をもらってみえるかどうか私はちょっと知らないんですが、よくテレビの業界では一並びとか二並びとかいって、手取り十万円で出演料どうですかというと、十一万一千百十一円、一〇%源泉所得税を引いて手取りを十万にしますよという場合でも、じゃ果たして消費税が上がったときにその構図がちゃんと計算式として頭にぱっと浮かぶかというと、恐らく手取りは十万円と、そういうことになると思いますので、うまく転嫁ができるかどうかは分からないというのはあると思います。
 それから、総額表示の問題、同じことなんですが、これはもう今でもそうですけれども、総額が表示してあれば内書きすることも可能ですので、そうはいってもなかなか、例えば昨日まで九十九円で売っていたものが消費税が三パー値上がりしたから百一円ですよとか、百二円ですよってやればいいんでしょうけれども、そこで他のスーパーが競争に入れば、うちはそれでも企業努力で九十九円ですとやると必ず皆さんが地盤沈下を起こすと。これもう公正取引委員会であろうが何が入ろうが、それは財力というか資金力の強いところが生き残ると思いますので、ここに民間に対して介入はできないと思っておりますから、総額表示が悪いというか、総額表示の結果、消費者に対して丸めた数字でいきますので、そういった意味では事業主がつらいなということだと思います。
 それから、逆進性の件に関しまして、もう一度質問の方をお願いしたいんですが。
#337
○若林健太君 国民負担率という考え方をどう考えるか。要するに、五公五民を超えることができるかどうか、こういうことです。
#338
○公述人(荒川章三君) 昭和六十三年当時に消費税が導入された際、先ほどもお話ししましたが、直間比率を見直しをしたわけですので、消費税を導入して所得税、法人税を減税した段階で、それから相続税もそうですが、最高税率をかなり引き下げたということもありますので、それを元に戻すとなると、全ての歳出構造も含めて元のとおりに戻す必要があると思いますので、この五〇パーを超えるんであれば、今、何といったらいいでしょう、国として使っているお金の使い道まで含めて全て考えないと、もっと言うと、五公五民でいくならそれに合わせて歳出を抑えていかないと、使うだけ使っておいて、先に先行して使ったから後から下さいよと言われても、出世払いだと言いながら出世せずに終わるようなもので、そこの辺りは政治の判断もあるかもしれませんが、まず、キャップじゃないですけれども、決めていただいてその中で使っていくと。
 もう一つ言いますと、予算もそうですが、どこでもあることですが、年度末になると使わなきゃいけないと、来年もらえなくなるからということもありますので、そういったことを含めて、ここは政治家の方の御判断をいただきたいと思います。
#339
○若林健太君 時間が参りましたので、それぞれの公述人の先生方、本当にありがとうございました。
#340
○荒木清寛君 公明党の荒木清寛です。
 今日、各公述人ありがとうございます。時間の範囲内で順次お尋ねをいたします。
 森公述人には、高浜市長時代は本当に全国をリードするような数々の福祉の業績を私もよく存じております。そこで、介護保険の改革についてお尋ねしたいと思います。法案が成立をしますと国民会議でこの点も含めて一年以内に改革の結論を出すわけですが、森公述人は、御自分の経験も踏まえて、今後増大するこの介護事業にしっかりこたえながら介護保険料の上昇も努めて抑えるというためにはどういう改革を志向すればいいか、御意見をお聞かせ願いたいと思います。
#341
○公述人(森貞述君) 爆発的にこれから高齢者が増えてまいります。当然それは要介護認定を受けて、元気な方もいらっしゃいますけれども、そうするとサービスをお受けになられる。サービスを受ければ当然給付費は増大をしていきます。
 その中で、社会保障国民会議の中で議論をしていただきたいのは、先ほど申しました、一つは認知症のことに対して、やはり認知症の家族の会のいろんな方たちも認知症の問題に対してやはりもっと政策的なこと、ケアの仕方、こういうことを取り組んでほしいということ。有効ないわゆる薬等も含めて今いろいろありますけれども、もっと地域で支える仕組みをどうして考えたらいいかということ、そういう中でこの問題は議論していただきたいということ。
 もう一つ、今委員がおっしゃいましたように、そうすると当然保険料も上がっていく。じゃ、保険料を抑えるにはどうしたらいいかという、ある面では、今回、四千九百七十二円ぐらいだったんですかね、いわゆるもう五千円という、そういう瀬戸際だという、ある面では私は五千円というのは一つの大きな壁であるというふうに思っております。
 そうすると、それを抑えるためにはどうしたらいいかというと、当然いわゆる効率化を図っていくということが一つの考え方で、その中で私は、例えば介護予防の問題もありますし、要支援の一、二、この辺のところの給付の問題というのはある面では、今後三年間、今第五期が始まりました。そうすると、二十四、二十五、二十六のこの三か年の間で次の二十七年度からの第六期に向けてどのような絵柄がかけるか、特にそれは、一つには、軽度の方を重度化させないということはもちろん一つです、それは介護予防を含めたそういうことで。それからもう一つは、要支援一、二のこの方たちをどういうふうにやはり、いわゆる特に、俗に言いますと家事援助的な、そんなようなところがあるかもしれません。それをどのように、ある面では、これもいろんな意味では苦しいことかもしれませんけれども、効率化をするためにはそこで新たな見直しを掛けていくぐらいのをやはりしないと、恐らくどんどんどんどん給付費が上がっていく。それは保険料へ、それはまたひいては、いわゆる国家財政を含めて、市町村財政も皆そういうことでずっと連携していますので、そういう点で是非私は考えていただきたい、議論をしていただきたいというふうに私は思います。
#342
○荒木清寛君 次に、山崎公述人にお尋ねします。
 先ほどの公述で、成立後の課題としまして、一つには逆進性の問題が検討課題であると言われました。公明党は複数税率、軽減税率を強く主張しているという経過はありますが、公述人はこの逆進性対策について具体的にどういうお考えがあるのか、また介護保険についても給付と負担の見直しというお話でしたが、これも具体的に何かイメージしておられるところがあれば示唆をいただきたいと考えます。
#343
○公述人(山崎泰彦君) 逆進性の問題につきましては、私は、社会保障をしっかりと充実させ、安定化させることが一番の逆進性対策だというふうに思っております。それは、まさに消費税を増税しますが、それは社会保障で還元しますということでございますから、それが一番の低所得者対策になっていると思います。
 それからもう一つは、簡易な給付措置だとかあるいは給付付き税額控除につきましては、非常に懸念しますのは所得把握の問題が非常に気になります。一つの考え方だと思いますが、気になるということでございます。
 それから、介護保険につきましては、論点としてはいろいろあると思いますが、そもそも制度創設時に振り返ってみますと、やはり年齢の問題をそう遠くないうちにやっぱり議論しなければいけないんじゃないかなというふうに思っております。つまり、全国民で支え合うといいながら、四十歳以上が被保険者で、主として四十から六十五が支える世代と、六十五以降がサービスを受ける世代ということになっているんですが、やはり負担の裾野を現役世代全体に広げるという方向に向けて考えていかなければいけないんじゃないかなという気がいたします。
 それから、やはり財源としては総報酬割に踏み込むということ、これは高齢者医療制度においても同じ議論があるわけでございます。それぞれ経済界あるいは労働組合あるいは健康保険組合等、世間でいえばかなり強者の側の集団がこれに非常に抵抗されているわけでございますが、この際、負担能力に応じて負担していただくという意味で、いきなりはともかくも、段階的に総報酬割の部分を広げるということが非常に大事だというふうに思っております。
 それから、今、森公述人もおっしゃいましたが、やはり給付の重点化というのも避けて通れない課題だろうと思うんですが、しかし、いずれにしましても保険料がどんどんどんどん上がっていきます。そういう中で、低所得者に対して保険料負担増を軽減する、そのために公費を重点的に投入するというのが、これは社会保険全般に共通することだと思います。これは国保でも同じでございます。年金でもそうでございます。社会保険方式を基本にするといったときに、増える社会保険料負担について低所得者にどのような手当てをするかということになりますが、そこに消費税を目的税化するわけでございますから、消費税を重点的に配分するという形で社会保障の中で還元していくという先ほどの話になるんだろうというふうに思っております。
 以上です。
#344
○荒木清寛君 次に、藤岡公述人にお尋ねいたします。
 先ほどの公述の中で、〇―二歳児の保育につきましては保育園の長年にわたるスキルを今後とも十分に生かしていただきたい、こういうお話がございました。これは、今度消費税率アップが実現をすれば、その確保されている財源の中で〇―二歳児の保育の充実に充てられるわけでありますが、現在保育園が行っている乳幼児保育に対しても更に支援策を拡充してもらいたいという、こういう意味だというふうに考えてよろしいんでしょうか。
#345
○公述人(藤岡省吾君) 荒木委員のおっしゃるとおりでございます。
 保育園は元々託児的な部分から発しておりまして、やはりそれには乳児をきちんと保育をする、それがお母さん方のために行ってきた事柄ですので、是非、引き続き、ゼロから二歳児さんの今の手厚い保育を行っていきたいという考え方をしております。
#346
○荒木清寛君 次に、今回の三党合意におきまして、子ども・子育てに関して一兆円の財源を確保するということが合意をされました。具体的には、「幼児教育・保育・子育て支援の質・量の充実を図るため、今回の消費税率の引き上げによる財源を含めて一兆円超程度の財源が必要であり、政府はその確保に最大限努力するものとする。」という、こういう確認書になったわけであります。
 そうしますと、消費税増税に伴う七千億円以外に毎年三千億円超の財源を確保しなければならないわけですけれども、この新たに確保できる三千億円の使い道については、どういうところに重点を置いたらいいのか、この点、公述人のお考えがあればお聞きしたいと思います。
#347
○公述人(藤岡省吾君) よろしくお願いします。
 やはり、先ほども申し上げましたように、子供にかかわる処遇、環境の整備と保育内容の向上というのが一番の視点なんです、観点なんですが、環境整備、いわゆる保育所の施設整備というものがきちんとした保障というのがなかなか得られない場合が実は多うございます。
 過去には施設整備に対する手厚いものがございましたが、やはり施設数が増え、また老朽化、耐震化等の施設整備も大変多うございますので、是非に施設整備をその三千億の費用の方で認めていただいて進めていただくということが大事なんじゃないかと。
 やはり子供の環境が最大の子供の幸せだというふうに思いますので、施設整備に充てていただくというようなことをお願いしたいと、そんなふうに思っております。
#348
○荒木清寛君 藤岡公述人に付け加えますが、衆議院でのこの三法案の附帯決議では、「幼児教育・保育の無償化について、検討を加え、その結果に基づいて所要の施策を講ずるものとする」、このようにございます。
 この点は我が党も強く主張しているところですが、幼児教育、保育の無償化の必要性については、公述人はどういうお考えでしょうか。
#349
○公述人(藤岡省吾君) よろしくお願いします。
 財政措置、予算等が許せば、やはり保護者の負担というものを考えれば、無償化というのは大変喜ばしい、国民にとって喜ばしいことだというふうに考えておりまして、私どもも国民のためにもちろん賛成すべきものというふうに思っておりますので、よろしくお願いします。
#350
○荒木清寛君 次に、荒川公述人にお尋ねします。
 先ほどの公述ですと、荒川公述人のお考えは、仮に社会保障の財源を求めるにしましても、消費税よりは所得税の累進課税の強化等と、こういう趣旨だというふうに伺いました。
 ただ、この所得税に余り依存する場合には現役世代の負担が重くなり過ぎるのではないか、また、この所得の正確な把握ができているのかどうかという、こういうことについてはどういうお考えがありますか。
#351
○公述人(荒川章三君) まず、社会保障に関して消費税を上げるときに、逆進性対策として給付付き税額控除や複数税率をするよりは、それに代えて所得税の最高税率の見直しで累進性を強化してはいかがですかということをお話ししております。
 その中で、じゃ、現役世代の負担ということで並べてありますのが、相続税の基礎控除、税率構造の見直しも御提案しておりますので、現役が終わった後、日本の相続税はもらった方が納めますけれども、残した方の財産を移転するときに相続税として負担していただくことで、所得税と相続税で、貯蓄、所得の中での課税で高額な方には負担いただくと、そういった形で対応してはどうかと思っております。
#352
○荒木清寛君 最後に、堀尾公述人にお尋ねいたします。
 行政改革の課題として、公務員制度改革、定数削減、歳費削減、これもいずれも政治のリーダーシップでやらなければいけないことです。
 これ以外に更に加えることがあれば、簡単に教えていただきたいと思います。
#353
○公述人(堀尾博樹君) 私としては、この定数削減とそれから歳費削減、あと、国会の様々な運営の中にかなり非効率な事務的な手続、そういったものがあるのではないかというように考えております。そういった部分に関して、恐らく皆様方の方が非常に精通をしておられると。そういった部分に関して、我々の方には全く見えておりませんので、むしろ、国会議員の方々がそういった部分をよく精査をしてむしろ提案をしていただくと、私としては非常に有り難いと思っております。
#354
○荒木清寛君 ありがとうございました。終わります。
#355
○姫井由美子君 国民の生活が第一の姫井由美子です。
 本日は、御多用の中、公述人の皆様には貴重な御意見をいただきまして、ありがとうございます。また、今日は傍聴人もたくさん来てくださいまして、私たち、国民の生活に大変影響が大きい社会保障、そして税、増税のこの議論にも聞くという形で参加をしていただいて、大変うれしく思います。
 限られた時間ですので、なるべく重複しないでお伺いしたいと思っております。
 まず最初に、藤岡公述人にお伺いしたいと思います。
 お話の中で、この保育の問題は待ったなしで、今まさにこの増税であるとかあるいは子育て新システムを待つまでに、今大変なんだということで、先ほど、安心こども基金を継続してほしいという話が出ました。これは二十三年度末で終了になり、今、終了になったということで、国と自治体が一体的に取り組む待機児童解消「先取り」プロジェクトというものが開始され、平成二十三年度二百億円、二十四年度五百億円ということで、子ども・子育て新システムにつなげていこうというふうにしておりますけれども、私の地元岡山県岡山市でもこの先取りプロジェクトに乗っかって、岡山市自体が独自で幼保連携型認定こども園の運営等を行うようないろんなプロジェクトを始めているんですが、こういったものにもいろいろ予算を出してほしいというような要望をたくさんいただいてはいるんですけれども、今回の社会保障・税の一体改革を待つまでに、子育て、保育に関する財源というものは本当に今議論されている部分で十分なのかという部分を一つお伺いしたいのと、それから、この社会保障・税の一体改革は、そもそも日本が世界最速超、少子高齢化社会に突入するということで、税財源を安定したものにということでの消費税増税だったと思いますけれども、子育て、保育のこの手当てについてこれでやっぱり少子化対策というものが対策としてどうなのかという、二点をお伺いしたいと思います。
#356
○公述人(藤岡省吾君) お願いいたします。
 予算的なもののお尋ねでございますけれども、やはり先ほどもお話しさせていただきました、昨年度まで例のこども基金というのがございまして、今回も積み増しをしていただいておるわけですが、今のそのプロジェクトのものと併せて一定現在は予算をいただいておるというふうに思っております。
 ただ、御承知のとおり、不幸にも東北で大震災がありました。やはりこの東海地方も含めて日本中、大震災のいつ起きるか分からない時代で、耐震化も含めた老朽化した建物の整備、先ほども御質問にお答えしてお話ししたんですけれども、やはり施設整備はもう大変厳しい状況にある中で、施設整備というものを観点に置いた予算を加えていただく必要があるんじゃないかな。
 それは、やはり国民の生活を守るという観点、特に子供の不安を、子供の命を守るという大前提に立って考えた場合に、やはり予算としては不足をしておると。どうしてもやはり小さい子供は過去置き去りにされてきた感があります。当然、日本の発展に御貢献された御老人をしっかり介護し守っていくことは大事なことなんですけれども、幼児に対する部分が足りなかったというふうに私のみでなく国民の大多数は思っているわけで、ただ、なかなかそれを政策に反映していただくことができなかったという、そういう点がありますので、予算的にはやはりヨーロッパと比べても数字上も少ないということははっきり出ておりますので、是非そのプロジェクトの金額も、元の局長がたしかトップでやられておりますけれども、もう少し実力を発揮していただけるといいかなと思っております。
 もう一点……
#357
○姫井由美子君 少子化対策に影響があるかどうか。
#358
○公述人(藤岡省吾君) 今申し上げましたように、少子化対策はやはり後手後手に回っているという感はあります。今回の新システムはやはりいろいろな意見はありましたですけれども、論議の中で、子供の保育、教育に対する皆さんの論議がやはり少しずつ揺り動かして子供に対する少子化対策に結び付いていくんじゃないかという点では、新システムの今回の論議を大変興味深く、また喜んで見守っておるというふうに考えております。
#359
○姫井由美子君 それでは続きまして、荒川公述人にお伺いしたいと思います。
 先ほどお話にちょっと出ていなかったかと思うんですけれども、いわゆる税理士さんという立場から中小企業のいろんな経理、会計、決算をしていると思うんですが、いわゆる消費税の中小企業に対しては益税と言われているものがありまして、資本金一千万円以下の会社設立後二年内は免税になるであるとか、あるいは、帳簿方式を採用したということで、みなし仕入価格でいろいろと仕入れ額がもう決まっている、でもその間で事実と違う部分があるとかという部分がありますけれども、このいわゆる日本型消費税導入に際して、私は何か緻密に抜け道、抜け穴をつくっているのではないかなという気がするんですが、こういった益税についての感想と、それから、先ほど価格転嫁が難しいというお話をされましたが、では帳簿方式ではなくてインボイス、つまり明細を出した場合に、実はそれが大変中小企業にとっては煩雑だという意見を一般的に聞くんですけれども、現場の立場からどうお考えか、率直な御意見をお伺いしたいと思います。
#360
○公述人(荒川章三君) まず、益税問題ですが、かなり、平成元年四月に導入されて以降、益税は少なくなってきてはおると思いますが、これ制度上やむを得ないというか、というのもあると思います。
 当初、平成元年に導入したときは五億円という基準がありまして、簡易課税というものが選べたわけですが、当然現場では、税が得しますよという、簡易課税を選択した方が得になりますということで、中小企業の方は、じゃ、別に消費税導入されても得するなら賛成だねという方も現実にみえたと思います。ですから、結局それもインセンティブというか、給付と同じように益税が給付になっていたということだと思います。
 ただ、これが改正が重ねられて、平成十五年以降ですが、課税最低限も引き下げられたのでかなり減ってきていると思いますが、今問題になっているのは、新設法人が二年間だけ、資本金が少ないとですね、まだまだありますが、これも改正が進んでいますので、これはもう年々の税制改正で解決をしていただければと思っております。
 それからもう一つ、インボイスのことですが、インボイスがあれば、じゃ転嫁ができるかというと、それは、払うときにもらって税額票を付けたって、また価格に織り込まれていく話ですので、それを込み込みで幾らだよと言われてしまったら同じことだなと思いますし、また書類が増えることにより事務が煩雑になり、また免税業者というか、売上げが少ない免税事業者が取引から除外される可能性もありますので、インボイス制度を導入すると小さなところほどまた影響を受けると思っております。
#361
○姫井由美子君 先ほど荒川公述人は冒頭に、消費税というものは消費者が税を負担し、でも消費者は納税者ではないという、この辺りに大変複雑といいますか、見えにくいところがあるというふうにおっしゃいましたけれども、先ほど逆進性の対策の一つが所得税の累進課税だと言われましたが、元々この消費税が入るときに直間比率で大きな改革がありまして消費税導入されたわけなんですけれども、この間質問をいたしましたら、財務省の基本的な税に対する基本理念というものは公平で透明で納得がいくものと言われました。だとすると、元々所得税のような直接税型の方が分かりやすくていいのではないかという気がしますが、公述人の基本的な税に対する理念であるとか考え方をちょっとお伺いしたいと思うんですけれども。
#362
○公述人(荒川章三君) 直間比率を見直した段階で、二十五年ほど前に日本は、先ほど言われましたが、成熟した社会を迎え、消費税がいいであろうということで移行していますので、そこで結果的に累進課税で配分が緩まっているということは逆に当たり前のことですので、私の考え方としては、今の制度設計の中でいかにしていくかというところだと思っております。
 ですから、税に対する理念というか、中立公平、今、透明、納得ですか、ありますが、その都度その都度、三つの原則というのは変わってまいりますので、時の政権がどうするかだと思っていますので、先ほど言いましたとおり、消費税の負担者は納税者でないんですが、最終的に負担させられているという、それが間接税ですので、そういう仕組みの理解という意味では、ある意味、小、中、高、大学含めた租税の教育をしっかりと重点的にやっていただくことによって、将来納税者になる方々が事前に税の在り方を十分に教育として受けていくことが大事かなと思っております。理念という意味では、教育に全てがあるんじゃないかと思っております。
#363
○姫井由美子君 それでは、荒川公述人に最後に一つお伺いしたいんですけれども、一番最初に消費税が導入されていた、先ほど言いました昭和六十三年、これはまだバブルが崩壊していなくて、日本は大型黒字、大変な黒字をどういうふうに小さくしようかというような好景気だったわけですね。現在は、東日本大震災の直後であって大変なデフレ下、しかも二十年続くということは昭和恐慌よりも随分と長いと言われています。
 このデフレ下での増税というものに対して、社会あるいは中小企業が受ける影響というものはどうでしょうか。
#364
○公述人(荒川章三君) ちょうど昭和六十三年三月は大学を卒業しまして、バブルに向かって突入するときで、就職も良くて、どんどん右肩上がりでした。ですから、内需拡大という路線もありましたから、消費も後押しし、一般消費税が導入されましたから物品税が廃止されたので、高額なものは安くなってブランド品が安く買えるということで消費も促進されたと思います。
 そういった意味ではその当時は良かったんですが、先ほど言われたように、デフレ下で増税すれば、デフレ下というか経済成長しない中で幾ら税率を引き上げても、課税標準となるものがなければ税額は率を掛けても増えていきませんので、まずは経済成長をさせる政策がないと、その後に税率引上げは効果があるので、もっと言うと、皆さんが利益を上げて会社ももうかって個人ももうかれば自然と税金は払えるものというふうに思っておりますので、まず本来はそこが先だと思っております。
 それが私の意見です。
#365
○姫井由美子君 ありがとうございます。私も増税の前に経済成長、経済成長にこそ政府生命を懸けるべきだと思っております。
 それでは最後に、堀尾公述人にお伺いしたいと思います。
 税理士という立場よりは行財政改革論者というふうにお見受けいたしましたけれども、やはり増税の前にすべきことがある。私の岡山の地元でも、かつての土光臨調、増税なき行革を断行いたしまして見事成功いたしましたけれども、その行財政改革をもっと徹底しろということで、改めて今の政府に対する御意見を伺えればと思います。
#366
○公述人(堀尾博樹君) 行財政改革については、ほぼ十年ぐらい前からNPOという形で数名でまず立ち上げをして、最終的には数百人という形での規模の広がりを見せました。
 ただ、実際にはなかなか、各地域で少しずつ運動を起こしたんですけれども、やはり広がりを見せないということがありまして、それは一つには、やはり有権者の皆様が、例えば選挙の際の公約ですね、公約について、あるいは出る候補者の方々、候補者の方々のリーダーシップ、そういったものをどうしても期待をしてしまう。そういう意味では、行政改革を行う上では、一方では私たち国民、そういったものの意見といいますか、そういったものが強く国会に対して出されていく、そういったことが一方では必要かなというふうには思っております。
#367
○姫井由美子君 今回の社会保障・税の一体改革、政府がマニフェストになかった消費税増税を命懸けで今通そうとしていますけれども、今後、マニフェスト選挙というものも大変難しくなったのではないかと私は感じております。
 皆様、どうもありがとうございました。以上で終わります。
#368
○桜内文城君 みんなの党の桜内文城です。
 今日は公述人の皆様方、大変お忙しい中、貴重な御意見をお聞かせいただきまして、本当にありがとうございます。
 まず、税務でまさに現場に立ち会っていらっしゃる税理士のお二人、荒川公述人と、それから堀尾公述人、お二人にお尋ねいたします。
 インボイスの関係なんですけれども、今日、荒川公述人から詳細な資料をお配りいただきまして、本当にありがとうございます。その中で、税理士会の税制改正要望の中で「インボイス方式の導入に反対」というふうに、そういった記述があります。その理由ですけれども、「インボイスの発行や保管などの事務負担が増大」するですとか、あるいは、「免税事業者にはインボイスを発行することができないため、免税事業者の取引排除といった問題が浮上する。」と。
 大きく言いましてこの二つを反対の理由として挙げられておりますけれども、私自身、大蔵省に勤務していたころに、主税局で係長やったりですとか、あるいは税務署長をやったりしておりました。また、今、会計士補として会計事務所をやっておりますけれども、今の消費税の税額の計算等々をやっていく上で非課税割合の計算ですとか、あるいは仕入れ税額控除額の計算、ある種、ちょっとややバーチャルと言ったら失礼かもしれませんけれども、かえってそのインボイスをちゃんと集めておいて後で納税の際に、申告の際に足し上げていくといった方がよほど簡便ではないかと、自分自身が消費税についてそういった計算とかしておる中で感じるんですけれども。
 こういった意味で、どのようにお考えになるのか、税理士のお二人にお尋ねいたします。
#369
○団長(高橋千秋君) 同じ質問をお二人にということでよろしいですか。
#370
○桜内文城君 はい。
#371
○公述人(荒川章三君) まず、インボイスに関しましては、これ名古屋税理士会の意見ではありますが、反対していると。
 確かに、御指摘のとおり、明確なものがあった方が判断迷わないところがあるんですが、現場でおりますと、やはり帳簿の保存それから請求書等の保存でやっているんですが、それに代わるものということで導入された場合に、やはりこの保存に関してまた一つ増えるということで、領収書と同一のものであればいいんですけれども、この税額票と言われるインボイスというものがどのような形で、この案にも出ておりますが、そういった保存がきちっと中小零細企業ができるかどうかという意味では、現場での煩雑性が出ると。
 税理士に依頼をしている場合はまだいいんですが、自ら確定申告している方々がそのことをきちっと理解して保存義務等をしていればいいんですが、最悪の場合、その書類がないことによって支払った消費税が全く認められずに、売上げは明確だから全て消費税だけ納めなさいということも起こり得る。今でもそういうことがあるんですが、なおさらそういうことが起きるんじゃないかと思っております。
 ですから、この制度を導入するのであれば、案にもありますけれども、よほどきちっとした周知徹底期間を設けて指導をしないと、税理士非関与の方々は大混乱を招くかと思っております。
#372
○公述人(堀尾博樹君) こちらの方は、今、荒川さんが言われたように、税理士会の意見ということでインボイス方式に反対ということになっております。
 私の場合は、必ずしも税理士会にとらわれないという意味でいえば、私はむしろインボイス方式に賛成であります。それは、今の中小企業あるいは零細企業に関してもパソコンによる会計処理はかなり進んでおりますし、また、請求書あるいは納品書の発行に関してもそういった方式で行っているところがかなりありますので、私は、それほどそのインボイスが加わったということによってそういったその中小企業の事務負担が更に増大をするかというようには考えておりません。
 ですから、いずれにしても、例えば税理士が関与していないということでも、多分、そんなにそれは、請求書の保存であっても多分同じようなことが言えるのではないかと思いますので、私はむしろそのインボイスを使った方が、恐らくは消費税の転嫁というのは、幾らその業者が支払に対して消費税を支払っているかとはっきりしますので、私は多分インボイスの方がいいのではないかというように思っております。
 ただ、諸外国の例、そういったものを見ると、このインボイス方式と請求書保存方式の事務処理に要すると考えられる費用というのは、やはり日本が今現在行っている請求書保存方式の方がかなり徴収する税額に対して効率的であるというようなことは言われているようではありますが、公正な課税という意味では私はインボイスの方がいいというふうに判断をしております。
 以上です。
#373
○桜内文城君 ありがとうございます。
 インボイスに関しては、今日お配りの、荒川公述人がお配りしていただいた資料の中に財務省作成のものもありまして、「免税事業者からの仕入れについても仕入税額控除可。」というふうにあるんですが、逆に言えば、これはその方がおかしい話でして、免税事業者から仕入れたものについてもその金額に応じて仕入れ税額控除はやっぱりやっちゃいけないというのが、これは世の中の正しい話だと思います。そういう意味では、我々政治家も一円以上の領収書は全部保存して、政治資金収支報告書に出せと言われているぐらいですので、その保管の義務ぐらいはやった方がいいんじゃないかなと思います。
 というのは、もう一つ、これお二人に、お二人といいますか、まず荒川公述人にお尋ねいたしますけれども、やはりインボイスをやった方が、例えばここにあります複数税率、軽減税率ですとかもやりやすいと思うんですけれども、そういった意味ではどのような御意見をお持ちでしょうか。
#374
○公述人(荒川章三君) そういった意味では、当然、インボイスがあるのであれば手続としてはやりやすいと。ただ、給付のため若しくは複数税率のために今からインボイス制度を導入するとなると制度の変更による影響が出るので、十分な周知期間と、そういった指導期間というか、ものがないと現場で混乱が起きると。
 もう一点、法人税、所得税の世界では、例えば、たとえ領収書等が保存していなくても、支払の実態が確認できれば税の現場では必要経費、損金として認められる部分はございますので、領収書がなくても支払った実態が分かっていれば法人税、所得税では減額できるんですが、このインボイスがないと消費税は支払った事実があっても引けないということが起きますので、そういったところの不利益というのは、納税者がずさんな管理をしていればしようがないんですが、そういったことではちょっと反対という意味でお話ししました。
#375
○桜内文城君 ありがとうございます。
 このインボイスと関連してくるのが、今申しました複数税率というものと、それから恐らく地方財源化ということとも関係してくると思います。といいますのは、インボイスでしっかりと仕入れ税額控除額の計算ができるようになれば、地域に応じて税率を変えていくということもこれは当然可能になるわけですので、そういった意味で、森公述人にお尋ねいたします。
 先ほど、地方消費税交付金が大変安定的な財源であって、それが地方にとっては大変重要な必要なものであるということをおっしゃいました。我が党はこの消費税の地方財源化ということをずっと前から主張しておるわけですけれども、そういった意見に対してはどのようにお感じになるでしょうか。
#376
○公述人(森貞述君) 現在、御案内のように、五%のうちの一%、それが先ほど申しましたように一定の水準ということで、安定的だということをお話しを申し上げました。
 それで、それを今、ある面では消費税を地方へ全部転嫁をするというか、そういうお話だというふうに思いますけれども、確かにそれは、逆に言いますと税の均てん化を図っていくというある面では国家的な見地、考え方からいったら、その消費税をある面では国の方が一括して、そしてそれをどのように地方へ配分するか。そこにある面では私は、当然、地方自治体によってはいろんな格差があります、それをやはり均てん化をするということの中で、そして一定の配分率というのを、その中で考えれば、私は今現在の配分率、これは確かに地方としてはもっと欲しいということは当然だというふうに思いますけれども、全額というようなそういう考え方というのはまだ、私は、地方にこれだけ格差があるということからいくと、私は困難ではないかと。
 まずは今回のこれがきちっとやって、そして地方にどのように財源配分ができるか、そしてそれによって地方がどのように考えていくかという、やはりステップを踏んでいくことの方が大事ではないかなというふうに思います。
#377
○桜内文城君 ありがとうございます。
 もう一度、荒川公述人にお尋ねいたします。
 いただいた今日のメモの中に転嫁問題について触れられた部分があります。「小規模零細企業の多くは、取引先主導で価格が決定される」。そのとおりだと思うんですが、それで利益が圧迫されて大変だということだと思うんですけれども、これって消費税の問題点と言えるんでしょうか。ちょっとそのところを、どういうお考えでこういうふうに書かれたのか教えてください。
#378
○公述人(荒川章三君) 消費税の税率が引き上げられて三%上がるから価格が変わりますよというお願いをしに行くと、その三パーについては企業の努力で何とかしてくれないかと言われるので、これは消費税の問題だと思っております。
#379
○桜内文城君 いや、私がお尋ねしたかったのは、しっかりと仕入れ税額控除をやってあげれば、何といいますか、消費税が上がったとしても特に小規模事業者がそれによって損を被るということはないということで、これは消費税の問題なのかとお尋ねしたつもりなんですが。
#380
○公述人(荒川章三君) 仕入れはまた一定額で仕入れておりますので、消費税の負担がなく計算するのは、今ぱっと言われても計算しなきゃあれですけれども、の中に残るのは、同じ価格で、消費税率が上がっても売上げの価格が変わらないのであれば、仕入れの部分だけ消費税分がコストアップしていれば残るお金は変わってくると思うんですが。
#381
○桜内文城君 いや、ですから、仕入れ税額控除をしっかりとやれば、売上げの中から計算される消費税額からしっかり控除すれば問題ないんじゃないかということを申し上げているんですけれども。
#382
○公述人(荒川章三君) それはちょっと、このことは今ぱっとお答えできませんが。
#383
○桜内文城君 じゃ、質問を変えます。
 堀尾公述人にお尋ねいたします。
 時間がもうすぐですので最後に質問いたしますけれども、堀尾公述人からいただいた資料の中で、社会保障と税の一体改革について、支出面と収入面とで両方ともやらなくちゃいけないことがあるということが書かれております。特に九ページ目に、「支出面の検討」として、「年金制度、医療保険、介護保険制度の大幅な見直しによる歳出抑制が必要」。
 おっしゃるとおりだと思うんですけれども、実際にこれを我々政治家がやろうとしますと、もちろんある種、既得権益化している部分と言ったら失礼かもしれないんですけれども、そういった大きなものがありまして、また、少子高齢化というものと相まって世代間の格差、大変大きなものがあります。既に年金を受給できる状態の方からこれを減らしますというのはなかなか政治的に言いづらいというのも正直なところあるんですけれども、その辺、どう乗り越えていくのか、お考えをお聞かせください。
#384
○公述人(堀尾博樹君) これはおっしゃるとおり、政治家の方が非常に大変苦労されている問題で、実際に今もらっている方、それから医療保険あるいは介護保険、実際にその給付を受けている方の立場、また実際にその現場で仕事をしておられる方も私もよく知っておりますので、実際にそういった現場に立ち会うと、なかなか歳出を抑制をするということを実際に行うということは非常に難しいということは私もよく分かっております。実際に私も今具体的に、政治家の方がこういった方法をやれば歳出を抑制できるのではないかということは、私も実際、具体策を持ち合わせているわけではありません。
 ただ、一つは、例えば医療保険なんか、今先ほど名古屋市の健康保険の例を挙げましたけれども、例えば名古屋市が医療保険に関して、健康保険に関して何らかの自主的な施策を行おうと思ったときに、実際のその財源のうち四割は保険料で、残りの六割が税金。ただ、その税金のうちの、ですから、残りの六割をまた一〇〇としますと、国税が、国税からの支出がたしか半分以上でしたかね、その六割ぐらいたしかあったように思います。あと、県からの支出で賄っている部分とそれから自治体で賄う部分という形に分かれております。健康保険に関しても非常に国の規制が強くなっておりますので、結局は、名古屋市が独自で医療保険の中身を変えようと思っても、財源とそれから法的な規制があってなかなか行えないという部分がありますので、そういう意味では、国から地方にある程度の財源と自由を与えるような形での改革を行うことは一つの方法かなというふうに思っております。
 以上です。
#385
○桜内文城君 終わります。ありがとうございました。
#386
○吉田忠智君 社会民主党・護憲連合の吉田忠智でございます。
 公述人の皆様方には、貴重な御意見をいただきまして、誠にありがとうございました。
 私は、木幡公述人に何点か質問をさせていただきます。
 本日の議題となっておりますいわゆる消費増税関連法案、元々政府案そのものに問題があったわけでありますが、三党合意によっていよいよ重要課題が先送り、骨抜きになっております。私も、税目としての消費税そのものを否定するわけではありませんけれども、とてもまだ賛否を問われる内容になっていない、そのように思っております。そうした観点から、木幡公述人には、この法案の問題点、さらには福祉の現場の問題、あるいは日本の社会保障にかかわる課題について的確に御指摘をいただいた、そのように思っております。
 そこでまず、公助についてでございます。
 今回の修正協議によって、自助というものが大きく強調された内容になったのではないかと私は感じております。そこで、先ほど木幡公述人も、自助や共助が困難な人間関係や地域があり、経済と社会の変化の中で日本人の生活は自助、共助のバランスが崩れたままだということで、公助というものの必要性を強調されておられるわけですが、さらに、今の現状を踏まえて、公助についてのお考えをお伺いをしたいと思います。
#387
○公述人(木幡洋子君) 私の公述というのは、極めて抽象的なようでいて、実は私自身が福祉の現場であるとかいろいろな方々の生活を知っているものですからここでは抽象的にしか述べることができませんでしたけれども、現実に自助、共助というものが非常に難しい状態があるということは様々なところで見られます。私も守秘義務がありますので余り具体的には言うことができないんですけれども、例えば他の国々との比較をしたときには、より一層日本のバランスの崩れというのが明確になるのではないかと思います。
 例えば、自助ということを強調していっている国というのに、オーストラリアという国もあります。あるいは、スウェーデン、フィンランド等々もそうした自助というものを中心に据え置いて、その上で社会福祉国家というものを維持しようというふうに考えております。
 ところが、これは背景があるわけですね。なぜこういう国々が自助ということを言えるかといいますと、長い間のその国における文化あるいは伝統としまして、みんなでともかくこの国というのは支えていくのだという考え方があります。それゆえ、高負担高福祉ということもこれまではもってきたわけです。ところが、この高負担ということ、高福祉ということ、高負担はいまだもって続いているわけですけれども、高福祉ということが崩れてきております。そこで、より一層彼らは、自助ということ、共助ということをこれまで培っていたものとして、ノウハウとして使っているというところがあります。
 ですから、日本でいきますと、私困っているんだけれどもというふうに例えば隣の方に言ったとする。それでも、ええっ、口では大変お困りですねというふうには言ったとしても、それが自然に生活の中で、じゃ、一緒にやりましょうというふうにはなかなかなり得ない。これはなぜかということなんですね。ここに、実は私は日本国が非常に中途半端であるというところがあると思うんです。
 何かといいますと、日本という国は資本主義の国ではありますが、しかし、これまで長らく日本型福祉ということも言われてきました。というのは、やっぱり地域というものがちゃんとお互いに支え合うということが高度経済成長の前まではあったわけですね。ところが、資本主義の発展に伴ってそれは崩されていったわけです。そういう中で、かつてはあった共助ということも崩れていく、さらには、自助ということは、そもそも日本という国はそれを持っていなかったわけです。寄らば大樹の陰というか、いや、パターナリズムということが大体普通だった国です。そういう国で、いきなりこういう状態になったからといって、はい、自助ですよ、共助ですよといって、現実問題、私の団地でもそうですけれども、高齢者の方で孤老死というのが年に何回かあります。どんなに頑張っても、それは自然の中で自助あるいは共助ということにつながっていかないという背景があるんですね。
 ということがある中で、私は、日本国が余りにも自分の国というものを見ないで、よその国の様子を見ながら、ほらほらスウェーデンがやっているよ、オーストラリアがやっているよ、だからうちの国でもできるんだということにはならないんです。現実問題、日本の高齢者、あるいは私が守秘義務があって余り言えないというふうに言いながらしゃべっていますけれども、本当に驚くような状況の中で、一か月に二万円ぐらいでどうやって暮らしているのと言ったならば、いや、お米さえあれば生きていけるんだ。誰に頼っていくのと言ったらば、いや、子供とはもう本当に疎遠になっていてもう頼ることもできない。じゃ、地域はどうですか、地域の中でも孤立している。辛うじて、だから私たちは審査会の中で、見守りをやってください。じゃ、民生委員がやるのか、誰がやるのか。ここで、じゃ、専門員であるとか、民生委員はボランティアになっているわけですけれども、そういう専門家とそれからボランティアという日本の仕組みがあるわけですけれども、その中でやるといっても、もう限界があるんですね。自助、共助というものそのものが成り立たないという社会の中で、はい、やりなさいと言ったって、誰がそれを引き受けるかということなんです。現実問題、日本の福祉というものは、社会福祉協議会が今、実際問題、押し付けられている形で担っていると思います。
 この中で、公助をもうちょっとやめようというふうに言ったときに、オーストラリアなんかであれば、共助ということで、コミュニティーの中で、皆さんで、ボランティアでいろんなものを調達してくれます。日本の国に、言葉ではあります、言葉ではあります、法文でもあります、それはあるだけなんです。
 我々女性でいいますと、戦後すぐに憲法の十四条、二十四条で女性は平等だと言われたんですよ。家庭の中でも平等だと言われたんですよ。実現していないじゃないですか。なぜですか。そのことが同様に福祉の世界でもあるんです。それはなぜかといいますと、我々の意識というものが、どういう国というものを目指して、どういうふうに我々が生きていくかというそのビジョンが共有できていないということなんです。
 これが私が言いました、日本の福祉というものはどういうことかということを実は政治家の方々にこそ考えていただきたいんです。確かに目の前の問題というのはあります。けれども、政治家であれば、是非ともそういう大きな日本国のビジョンというものをお考えいただいて、その中でどういうふうにしていけばいいかということを考えていただければというのが、私がこういう抽象的なことを書きました切なる思いだったんですね。
 私は授業の中でも、今世界の国々でもいろんな福祉の在り方というものを考えているわけですけれども、例えば大きく二つの現象がありますね。何かといいますと、一つはブータンの、幸福の国と言われるブータンの幸福という考え方です。これは国連の中で、資源の配分ということでは企業責任ということで国連の中にできています。企業責任というものをみんなで、世界のいろんな企業が集まってやりましょうというのでできています。日本国も、名前言ってもいいんでしょうけれども、住友が入っております。他の国々の企業の責任者、いわゆるCEOの方々は、今本当に不透明な時代なんです。大変残念ながら、まだ政治家の方々も経済的な発展、パイが本当に拡大するということを思っておられるようですけれども、例えばアマルティア・セン先生、インド人の経済学者、ノーベル経済学賞を取られた方ですね。この方々が、日本も出資しております人間の安全保障、この中で、経済発展ということについてもう余り期待しない方がいいということで、新たな価値観というものを出してきておられます。その新たな価値観ということで、ブータンの幸せということであるとか、あるいは国連における企業責任であるとかという中で、財の、経済的な財ですね、その配分ではない、配分ではないもので幸せというものを考えていこう。
 国連における企業責任の部会では、じゃ、それ誰が見付けていくかといったらば、みんなで考えていこうということで、他の国々のCEOの方々は、いかに議論を下から上げて決めていくかと言っておられます。ところが、日本の企業だけは、いや、企業のCEOのリーダーシップによって行っていくんだというふうに、国連のサイト見てください、載っかっております。
 この辺りのことを私は日本の政治家の方々には是非とも、日本の国というものがどれだけ経済的な発展というものが本当に可能なのか、どういうふうなことが本当に問題になっているのか、どういうふうにすれば国民が納得をして、国民年金だってきちんと払ってくれるのか、健康保険だってきちんと払おうとするのかということをお考えいただいた上で、その上で、やっぱり財源はないわけですから、どういうふうに国民の方に、私も含めて、国民に説明をして納得していただいて、一緒に自助、共助、公助というものを自然につくり上げていく国、社会というものをつくり上げていただくのか。ここのところを抜きにして、正直言って私は、今日聞いていまして、テクニカルなことは大変勉強になりました。けれども、私はやっぱり納得がいかないんです。それで本当に国民が納得しているのか、本当に皆さん方、底辺で困っている方々の生活というものを把握していらっしゃるのか、大変に不安に思っております。
 私の言いたいことというのは、是非とも日本国における価値というものをもう一度問い詰めていただいて、真の幸福というものは何か、真の富の配分というものは何か、これ私の世界の言葉では社会正義の歴史ということがありますけれども、そのことを是非とももっと政治家の方々に議論していただいて、これも上からつくっては、上から行っては駄目ですから、是非とも国民を巻き込んだ一大議論によって、もうそういう時期に本当に来ていると思いますので、議論を開始していただきたいというふうに考えております。
#388
○吉田忠智君 日本という国が福祉というビジョンが見えないということを公助と関連してお話をいただいたと思いますし、木幡公述人が言われたように、日本国将来ビジョン国民大討論が至る所で起きて、何が不足しているのか、何が問題なのかを集約していく作業こそが福祉を食い物にするモラルハザードや福祉の不足にあえぐ困窮者を減少させていくというふうに言われておられるわけですが、ここのところをもう少し詳しくお話をいただきたいと思います。
#389
○公述人(木幡洋子君) 一つのモデルは、文部科学省がやっております、熟議カケアイということをやっておりますね。私、民主党政権がおやりになっていることで、大変僣越ながら、最も成果、成果というか評価できるものというのがこの熟議だというふうに考えております。
 現実に、熟議カケアイということで課題にしていらっしゃることは、いかに熟議したことを政策に反映するかというシステムづくりをやっていらっしゃるわけですね。それを厚労省関係のでもやはり熟議ということで、あれはすごいですね、年間三十か所ぐらい本当にやっていらっしゃいますからね。サイトでも議論していらっしゃいます。教育でできているわけですから、こうした福祉関係でできないわけはないと思います。いや、むしろ福祉関係では社会福祉士等も随分育ってきていますから、もう待ってましたとばかりに参加していただけるんではないかというふうに私は考えております。可能だと思います。是非やっていただきたいと思っております。
#390
○吉田忠智君 このレジュメで先生が最後お話しできなかったところ、消費税増税法案に対する声というところで先生がお話しできなかったところ、特に後段の方の問題点を何点か指摘をされておられます。経済的豊かさについての議論も必要でしょう、あるいはまた、国民の生活と人間としての幸福を問うということについても言われておりますが、そのことについて、先生が言い足りなかったことも含めてお話をいただきたいと思います。
#391
○公述人(木幡洋子君) ありがとうございます。
 私は最初に言いましたように、現代人権論、憲法ということを考えておりまして、何を考えているかというと、人とは何か、社会とは何か、幸せとは何かということを考えていっております。いずれにしましても、基本はまず人間なんですね。人間って何かということで、これにつきましてはもう既に世界人権宣言、日本国憲法等におきましても、歴史的に人類は個人の尊厳、個人の幸福ということだということを確認しているんです。日本国憲法でも確認しているんです。
 そのことを経済ということについて言いますと、先ほども若林委員もおっしゃいましたけれども、個人の財産に、どういうふうに懐入れていくことができるのかという、日本国は資本主義の国ですし、それから私有財産の自由というものもあります。これは資本主義というものを前提にした国では当然なんですけれども、私はそれではもう立ち行かない事態が来ていると思うんですね。
 御承知のように、経済的自由といいますのは、思想、良心の自由と精神的な自由と比べて制約というものはかなり緩やかに認められております。であるならば、こうした事態の中で現行の中におきましても、人間の尊厳というものを尊重する、人間の幸福というものを考えていく、その中で経済というものが今どういうふうになっていくか分からないという中で、でき得ることとして、経済的な自由というものに制約を加えるような、そうした政策というものを私は政治家の方々であれば大胆にやっていただけるんじゃないかというふうに考えております。
#392
○吉田忠智君 どうもありがとうございました。終わります。
#393
○団長(高橋千秋君) 以上で公述人に対する質疑は終了いたしました。
 この際、公述人の方々に一言御礼を申し上げます。
 皆様には、暑い中、長時間にわたり有益な御意見をお述べいただきまして、誠にありがとうございました。拝聴いたしました御意見は当委員会の審査に十分反映してまいりたいと存じます。当委員会を代表しまして、厚く御礼を申し上げます。ありがとうございました。
 これにて参議院社会保障と税の一体改革に関する特別委員会名古屋地方公聴会を閉会いたします。
   〔午後三時四十四分閉会〕
     ─────・─────
   宇都宮地方公聴会速記録
 期日 平成二十四年八月一日(水曜日)
 場所 宇都宮市 宇都宮グランドホテル
   派遣委員
    団長 理 事      櫻井  充君
       理 事      吉川 沙織君
       理 事      石井 準一君
       理 事      中村 哲治君
                相原久美子君
                岡崎トミ子君
                鈴木  寛君
                西村まさみ君
                上野 通子君
                中西 祐介君
                水落 敏栄君
                宮沢 洋一君
                竹谷とし子君
                中西 健治君
                大門実紀史君
                亀井亜紀子君
   公述人
       栃木県商工会議
       所連合会会長   北村 光弘君
       専修大学経済学
       部教授      野口  旭君
       公認会計士
       税理士      内野 直忠君
       税理士      中村 芳雄君
       有限会社大市木
       材店代表取締役  大塚 泰史君
       税理士      秋元 照夫君
    ─────────────
   〔午後一時開会〕
#394
○団長(櫻井充君) ただいまから参議院社会保障と税の一体改革に関する特別委員会宇都宮地方公聴会を開会いたします。
 私は、本日の会議を主宰いたします社会保障と税の一体改革に関する特別委員会理事櫻井充でございます。よろしくお願いいたします。
 まず、私どもの委員を御紹介いたします。
 私の右隣から、民主党・新緑風会の吉川沙織理事でございます。
 同じく西村まさみ委員でございます。
 同じく岡崎トミ子委員でございます。
 同じく鈴木寛委員でございます。
 同じく相原久美子委員でございます。
 公明党の竹谷とし子委員でございます。
 日本共産党の大門実紀史委員でございます。
 みどりの風の亀井亜紀子委員でございます。
 次に、私の左隣から、自由民主党・たちあがれ日本・無所属の会の石井準一理事でございます。
 国民の生活が第一の中村哲治理事でございます。
 自由民主党・たちあがれ日本・無所属の会の上野通子委員でございます。
 同じく宮沢洋一委員でございます。
 同じく水落敏栄委員でございます。
 同じく中西祐介委員でございます。
 みんなの党の中西健治委員でございます。
 以上の十六名でございます。
 次に、公述人の方々を御紹介申し上げます。
 栃木県商工会議所連合会会長北村光弘公述人でございます。
 専修大学経済学部教授野口旭公述人でございます。
 公認会計士・税理士内野直忠公述人でございます。
 税理士中村芳雄公述人でございます。
 有限会社大市木材店代表取締役大塚泰史公述人でございます。
 税理士秋元照夫公述人でございます。
 以上の六名の方々でございます。
 当委員会におきましては、目下、公的年金制度の財政基盤及び最低保障機能の強化等のための国民年金法等の一部を改正する法律案、被用者年金制度の一元化等を図るための厚生年金保険法等の一部を改正する法律案、社会保障制度改革推進法案、子ども・子育て支援法案、就学前の子どもに関する教育、保育等の総合的な提供の推進に関する法律の一部を改正する法律案、子ども・子育て支援法及び総合こども園法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案、社会保障の安定財源の確保等を図る税制の抜本的な改革を行うための消費税法等の一部を改正する等の法律案及び社会保障の安定財源の確保等を図る税制の抜本的な改革を行うための地方税法及び地方交付税法の一部を改正する法律案、以上八案の審査を行っております。本日は、八案について関心の深い関係各界の皆様から貴重な御意見を承るため、本公聴会を開会することとなった次第でございます。
 この際、公述人の方々に一言御挨拶申し上げます。
 皆様には、御多忙中のところ御出席をいただき、誠にありがとうございます。
 皆様から忌憚のない御意見を拝聴し、今後の八案審査の参考にいたしたいと存じますので、よろしくお願い申し上げます。
 次に、議事の進め方について申し上げます。
 まず、公述人の方々からお一人十分以内で順次御意見をお述べいただき、その後、委員の質疑にお答え願いたいと存じます。
 御発言の際は、その都度団長の指名を受けてからお願いいたします。
 なお、御発言は着席のままで結構でございます。
 それでは、これより公述人の方々から順次御意見をお述べ願います。
 まず、北村公述人にお願いいたします。
#395
○公述人(北村光弘君) 栃木県商工会議所連合会会長の北村でございます。
 本日は、このような貴重な機会を賜り、厚く御礼を申し上げます。
 当連合会は九つの商工会議所で構成されておりますが、各会議所からは、毎月、会員事業所等の生の声を報告してもらっております。直近の報告では、観光地では震災前の客数に戻ってきているとの報告や、省エネ製品などについては需要が伸びているなどの声もありますが、建築業者からは、受注はあるが収益には結び付いていないとか、小売業、飲食業者からは、売上げは伸びているものの、原材料費や電気料金などの経費負担増から利益の改善には結び付いていないといった声も多く聞かれます。中小零細企業は、コスト高を価格に転嫁できないといった厳しい状況にあるようであります。
 このような状況も踏まえ、社会保障と税の一体改革について意見を申し述べさせていただきます。
 まず、社会保障制度とその財源の確保についてであります。
 人口減少と高齢化が急速に進む中で、将来世代に負担を先送りせず、持続可能な社会保障制度を確立するためには、消費税の引上げは苦渋の決断としてやむを得ないものと考えております。しかしながら、社会保障分野において、給付の重点化、効率化策については、いまだに法案化されず先送りになっているものがあるなど課題も多いので、今後の議論において、消費税一〇%までの範囲内で最大限持続可能な制度に近づけるよう、引き続き改革に全力を尽くしていただきたいと思います。同時に、徹底的な身を切る行財政改革も不可欠でありますので、不断の改革の取組が必要であると考えております。
 次に、円滑な価格転嫁対策について申し上げます。
 消費税引上げにつきましては、景気や経済対策、中小企業経営に大きな影響を与えますので、今から申し述べさせていただく三点について万全を期していただきたいと思います。
 第一に、消費税引上げの最大の懸念事項は、円滑な価格転嫁であります。
 デフレ経済下での引上げの決定であるという点、一年半という短期間で二回の引上げが行われるという点が過去の引上げとは異なりますので、価格転嫁は相当難しいものになると思われます。価格転嫁につきまして、昨年、日本商工会議所等が行った調査によると、今後、消費税が引き上げられた場合には六割を超える事業者が価格転嫁できないと見込んでおり、本県内事業者からも同様の声が数多く聞かれるところであります。規模が小さい事業者ほど価格転嫁が難しいのが実態であります。
 円滑な価格転嫁を実現するための対策につきましては、まず政府が、消費税は価格に転嫁すべきものであるということを国民や事業者、特に取引上強い立場にある者に対して明確なメッセージを発信していただく必要があります。徹底した広報を行うことなくして価格転嫁の問題は解決しないのではないかと思います。また、過去の消費税引上げ時に行った価格転嫁対策を含め、効果的な対策があれば、あらゆる手だてを講じ、万全を期していただきたいと思います。
 次に、複数税率、中小特例でございます。
 第二点目ですが、消費税引上げの影響を大きく受ける中小企業の事務負担を増加させない配慮が極めて重要であります。そのため、検討課題となっております複数税率は絶対に導入すべきではないと考えます。
 複数税率は、中小企業に追加的に煩雑な事務負担増を強いるものであるだけでなく、軽減税率の対象品目の選定や税額計算等で大きな混乱を招くのではないかと思います。高額所得者がより大きな恩恵を受けるため、逆進性の効果も薄い政策です。EU諸国などでは、混乱の大きさから、見直しに向けた動きが出ていると聞いております。
 逆進性対策が必要であれば、むしろ、社会保障と税の共通番号制度を早急に導入し、真に救済すべき者を特定し、きめ細かな給付支援で対応すべきではないかと思います。
 なお、免税点や簡易課税制度は、中小・小規模事業者の事務負担軽減のために導入されたものでありますので、堅持していただきたいと思います。
 第三点目は、消費税引上げ時に景気の下振れが発生いたしますので、デフレ脱却を確実に実現するとともに、景気の下振れをカバーできる相当規模の景気・経済対策を実施していただく必要があります。例えば、購入価格が高額で、経済への波及効果の高い住宅などへの配慮が不可欠と考えております。
 次に、消費税以外の税制抜本改革について意見を申し上げます。
 法人税につきましては、国際競争力の観点から、競争相手国のアジア諸国並みの二〇%台に早急に引き下げる必要があります。中小法人の軽減税率は、最大の競争相手国の一つである韓国は一一%であり、適用所得金額も我が国の二倍程度でありますので、軽減税率は速やかに一一%以下に引き下げ、適用所得金額も拡大をしていただきたいと思います。
 資産課税につきましては、価値ある企業を残す事業承継は極めて重要な課題です。事業承継税制が導入されましたが、三年間で五百件足らずの利用にとどまっていると聞いておりますので、事業承継制度の拡充をお願いいたします。
 基礎控除の引下げなどの相続税の課税強化につきましては、雇用維持に大きな役割を担う中小企業や地域を支える商店街の個人事業主などの事業承継に悪影響を及ぼしますので、行うべきではないと考えております。
 消費税以外の消費課税につきましては、印紙税の廃止などの二重課税の解消をお願いいたします。
 最後に、以上が一体改革に関する意見でありますが、今回の一体改革は、中小企業などへの影響が極めて大きい問題であります。
 冒頭紹介させていただきました県内各会議所からの報告を受けておりますと、今日の真の経済的弱者は、一般消費者と同様、中小企業者ではないかと思っております。公正取引委員会の拡充と独禁法の柔軟な運用をお願いいたします。
 消費者からの多様な要請にこたえていくとともに、取引企業との関係維持のための不断の努力も求められており、時には、コスト割れであっても製品・サービスを提供し続けなければならないことも多々あると思います。
 中小企業憲章では、中小企業は経済を牽引する力であり、社会の主役である。また、中小企業がその力と才能を発揮することが疲弊する地方経済を活気付け、日本の新しい未来を切り開く上で不可欠である。そして、どんな問題も中小企業の立場で考えていく。これにより、中小企業が光り輝き、もって安定的な活力ある経済と豊かな国民生活が実現されると明記されております。
 中小企業者の実情を十分お酌み取りいただきまして、日本再生戦略に基づく具体的施策を迅速に進めていただきますことを強くお願い申し上げ、私の説明を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。
#396
○団長(櫻井充君) どうもありがとうございました。
 次に、野口公述人にお願いいたします。
#397
○公述人(野口旭君) 専修大学の野口です。
 お手元に資料が、これを御覧になっていただきたいんですが、今日の私のお話しする内容のレジュメと、それとあと、私が前、ちょっと古いんですけれども、今年の初めに書いた記事ですね、その二枚のものがあると思います。これ後でお読みいただければと思います。
 時間も短いので一点に絞りたいんですけれども、それは消費増税をどのようなタイミングで行うべきかという話です。
 消費税をいずれの時点では上げなきゃいけないということは国民的なコンセンサスもあるところだと思います。ただ、重要なのは、いつ、どのような時期に行うのかということでありまして、これをタイミングを誤ってしまいますと、非常に、逆に経済、景気が悪くなるというだけではなくて、むしろ財政も悪化してしまうという、こういうことになってしまうわけですね。
 それは我々、かつて日本も、一九九七年に橋本内閣のときに消費税を増税して、その後景気が悪化して、逆に景気対策等で大きな支出が必要になって財政赤字がむしろ大きく拡大したということがあったわけです。ですから、非常にタイミングというのは重要であるということです。
 ただ、もちろん増税自体というのは、基本的には、日本の場合には構造的な財政赤字というのが非常に大きい、特に社会保障がこれから増えていく中では、これはいずれにしても上げなきゃいけないということなんですけれども、悩ましいのは、増税というのは確かにそういう構造的な、景気というのをもう無視して考えれば財政を健全化するというのは事実なんですが、問題は、短期的には必ず景気を悪化させるという、こういう効果があります。そうすると、逆に短期的には、こういうのを循環的な財政収支という言い方をしますけれども、赤字が拡大するという、こういうことがあります。
 結果としては、ですから、赤字がどんどん拡大して困って、それで引締めをする、増税をするとかあるいは財政支出の削減をすると。それで、じゃ、赤字が減るのかというと減らない。ほとんど減らないとかむしろ拡大してしまうというのは、日本の例もありますけれども、最近でもヨーロッパがまさにそういう状況なんですね、スペイン、イタリア、ギリシャ、みんなそういう状況です。ですから、最近では、ヨーロッパの方でも、ただ増税をするのではなくて、やはり景気を回復させながら財政を健全化させるというふうに変えなきゃいけないというふうに考えが変わってきておるわけであります。
 そういうことを踏まえて、じゃ、どうしたらいいのかということですが、一つは、結局、増税をしてもそれほど深刻な景気悪化が起きない、あるいは増税をする中で景気の悪化を防ぐような別の政策というのを割り当てる必要があるということになります。
 じゃ、それは何なのかということなんですが、一番簡単に言えることは、財政引締めをするわけですから、それを打ち消すぐらいに金融緩和をやればいいということになるわけですけれども、金融政策というのは一番そういう景気を安定化させる基本的な手段ですので、金融緩和を割り当てるべきだということなんですが、ただ問題は、今まだ世界各国ともリーマン・ショック以降の不景気の中にいて、日本はその上にさらにデフレがずっと続いているということです。その中で、日本も含めてもう金利がゼロに近い状態であるという中で、量的緩和等も行っておりますけれども、非常に金融政策が、普通の、いわゆる金利を引き下げるというような政策が不可能になっているわけですね。
 ですから、そういうふうに考えますと、今の状態でさらに増税というようなことをするということは、特に消費税の場合には、消費税を引き上げる前では駆け込み需要で一時的に景気が回復したような感じになるんですけれども、怖いのはその後で、そこで実際に引き上げますと、その反動で物すごい落ち込みになるという、こういうことが起きるわけですね。
 これは日本の前の経験でもそうでしたし、特に住宅とか自動車といったような非常に値のかさむものに関しては、ちょっとの引上げでも増税というのはすごく大きな負担になりますので、そういう景気の変動というのをもたらすわけです。その後、ですから、どういう状況になるかというのは非常に恐ろしい、はっきり言ってですね。そうすると、少なくとも景気が普通の状態になって金融政策がある程度使えるような状況というのを待ってから行うべきだというのが私の考えです。
 そうすると、じゃ、その待つというのはどういう条件で考えればいいのかということで、私が昔から、昔というほどではないんですけれども、以前から言っているのが景気条項という話でありまして、つまり、ただ恣意的に何年に決めるというのでは非常に危ういわけですね。ですから、経済の状況というのをある種、客観的に判断する必要があると。
 そういうことで、例えば一番、私自身は、記事にも書いたんですけれども、適切なのは、名目GDPの成長率、これがちょっと少しマージンを取って四%あればまあ十分であろうというふうに昔から考えておりました。そういうふうに考えると、そういうことも昨年の衆議院の参考人意見陳述等でもそういう私自身の見解を述べてまいりました。それがどういうふうに影響したのかしないのかちょっと分からないんですけれども、いずれにしても、その後、民主党の政府・与党の中の議論の中で、景気条項というものを入れるべきか、入れるとか入れないとかいう話になって、実際に一応入ったということになったんですね。そこでは、名目三%、実質二%という、そういう基準というのが示されたということです。私の基準とは違いますけれども、考え方としては同じなので、私はこれは非常に良かったなと思っております。
 ただ、その後、三党合意という話が出まして、三党合意の中で、一部に、一時、マスメディアでは自民党の方がこの景気条項を削除を要求というふうな報道がされまして、これはどういうことかなと私は全く理解できなかったんですけれども。
 それはどうしてかというと、自民党自身は谷垣総裁のときに既にマニフェストで、名目四%、これは私の数字と全く同じですね、四%を目指すという話だったんですね。ですから、それでいけば何で、四%にしろというんだったら分かるんですけれども、削除しろというのは全く理解できなかったんですが、どうやらそれはかなりマスメディアの誤報というのか分からないんですけれども、その後を見ると、実際には、景気条項の附則十八条というのは削除をされませんで、そのまま残りました。むしろ、実際に、じゃ、デフレ脱却のために何をやるべきかというのも入っておりまして、拡張されたということで私は非常に安心しましたし、評価しております。そういうことで、これを是非守っていただきたいということなんですね。
 ただ、結局、重要なのは、今の案では一四年とか一五年とかいう話なんですけれども、とても今の世界経済の状態で私は、それが可能かというと、ほとんど無理だと正直なところ思っています。ですから、この景気条項に従って実際に上げるときには非常に慎重に考えていただきたいということであります。
 最後の方ですけれども、じゃ、実際に何をやるかということで、自民党の方では国土強靱化というような話も出ておりまして、私は基本的にはそういうことでお金を使うというのは景気対策にもなっていいと思うんですが、ただ、財政政策だけですと、デフレ脱却という意味では非常に制約があります。やはり金融政策というのが非常に重要ですね、デフレとかインフレというのは金融政策の問題ですから。
 そういうことでいえば、日銀は二月に物価安定の目途というのを出して、非常に今までぐずぐずしていたのが一歩前進して、ですけれども、やはり今まだ及び腰であるということですね。ですから、私は、一時、いろんな政界の方も政治家の方も議論されておりますけれども、やはり場合によっては日銀法を改正して物価安定を政治の方が決める、そしてあともう一つは、日銀総裁とか副総裁、審議委員、その他の金融政策、非常に我々の生活にとって重要です、それを政争の具にすることなく、デフレ脱却の必要性を正しく認識して、その手段を果断に取るという条件から判断すべきだというふうに考えます。
 以上です。
#398
○団長(櫻井充君) ありがとうございました。
 次に、内野公述人にお願いいたします。
#399
○公述人(内野直忠君) 公認会計士、税理士の内野でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 私は、毎日、地方の中小企業の経営に関与している実務家でございますので、実務の面から御意見を申し上げたいと存じます。
 まず、私は、国が社会保障の維持に責任がある以上、社会保障置き去りの増税あるいはその場しのぎの増税であってはならないと固く思っておりますので、今般、社会保障と税の一体改革関連法案が三党による大幅な修正協議の末、賛成多数で衆議院で可決されましたことに賛意を表するものであります。
 なお、最近、税制の問題で直間比率という話が余り出てこなくなりましたが、税務の実務に携わっている者としましては、直接税がどうしても捕捉が難しい面がございまして、税務調査の現場では、以前に比べますと納税者も徴税側もお互い先鋭化してまいりまして、どうしてもお互いストレスが多くなっているように感じております。その点、いろいろ問題があろうかと思いますが、比較的捕捉の易しい消費税の増税は自然の流れ、世界の流れに沿うものと思っております。
 次に、修正協議の内容を検討してみますと、増税の条件として以下の三つの点がクローズアップされてくると思います。一点目は、社会保障制度の具体案を示すこと、そして消費税を社会保障の充実に使うことであります。これはそのとおりであると思います。二点目は、税制全体の抜本的改革を行うこと、そして行政改革を徹底することであります。この点につきましては実務の面で、まず相続税の改正という問題と公務員の給与についてコメントしたいと思います。
 まず、相続税の改正につきましては、今までに何度も俎上にのせられました。しかしいまだに法制化されておりません。私ども実務家はそのたびに富裕層を集めて、消費税も国民全般が富める者も貧しい者も負担するんだから、あなた方もそれを協力というか、是非真剣に対応してくれということで、亡くなられた方の四%しか現在相続税が掛かっておりませんので、それを少し上げて基礎控除を引下げ等、そういうものはやむを得ないんじゃないかという説明を繰り返し行ってまいりました。
 その結果、いまだに改正になりそうで施行はいつになるか全く分からないで生殺しの状態でありますので、何か私ども毎回説明してきた人間はオオカミ少年のような扱いになっていますので、どうぞ来年の三月の税制改正では、しっかりとこちらの面も決着を付けていただきたいと思います。
 次に、地方において確定申告の実務をやっておりますと分かるのですが、今や公務員の給料の方が民間の給料より高くなり、はっきりとした格差が出てきております。ですから、一時的なものではなく、恒久的な削減策をいろいろ御検討願いたいと思います。
 さて、三点目としましては、中小企業の実態を一応知り尽くしている私としましては、車の両輪として片方に増税、もう片方に景気回復の実現を是非図っていただきたいと思います。その理由は次のとおりであります。
 まず、大企業の業績の改善はまずまずであるようですが、中小企業経営者、さらには庶民にとって、景気の実感となりますと全くさえない状況にあります。特に、来年三月に、中小企業向けの金利低減対策が盛り込まれました例の金融円滑化法が期限を迎えます。そうしますと、ダムが決壊するようなもので、延命している相当多数の中小企業が軒並みギブアップするおそれが十分にありますので、御配慮をお願いいたします。
 最後になりますが、私は、毎年、GDPの四大指標、そのシェアをずっと見てきております。私なりにいろいろ分析しておりました。そうしますと、この四大指標というのは、個人消費、住宅投資、設備投資、それから公共投資の四つでございます。そのうち、個人消費はずっともうシェアが六〇%で変わりません。ほとんど変わりません。ですから、これを上げよう上げようとしても、勤労所得者が少なくて、勤労していない人の方が多くなっている今の人口構成では、ほとんど変わらない、上げることは無理だと思います。
 そうすると、次の住宅投資でございますが、やはりシェアとしては一五から一六ぐらいのシェアなんですが、これを上げようとしても、逆に少子化の影響で、今は環境対応の住宅が出ていますのでまだ落ちていませんが、いずれ少子化の影響でどんどん下がっていくと思います。
 また、設備投資につきましては、企業の海外進出やあるいは画期的な技術革新があればまた相当設備投資が行われるでしょうが、特に中小企業向けの大幅な技術革新というのはまだとても期待できませんので、これからも、これも一八から一九ぐらいのシェアなんですが、下がっていくと思います。
 そうなりますと、現実的にGDPを押し上げる政策としましては、江戸時代から続く景気浮上策としての公共投資しかないことになります。バブル崩壊後、公共投資を特に小渕政権のときなどばんばんやりましたが、それは目に見えるような効果が余り見られなかったと。また、波及効果もあると言っていたんですが、どうも場合によっては少ないんではないかというふうな懸念がございまして、公共投資が年々下がってきてしまいました。それは箱物行政のようなマンネリ化した公共投資であったからそういう結果が生まれたんで、新たなる発想による公共投資なら、やはり裾野は広く、三十以上の業種、業態が潤うものであることには変わりありませんので、現在、公共投資のシェアは五%ぐらいですが、倍ぐらいに公共投資を願うところであります。
 その点、アメリカの高速道路や橋梁のように、老朽化しないために事前防災及び減災等に資する分野に資金を重点的に配分することと、こういうことには大賛成でございます。ただ、この呼び名は、何か言っていることはもう恒久的なことを言っているんですが、素人目には何か震災の復興のための公共投資というような勘違いされそうなので、もう一度この呼び名を工夫して実行に移していただければ幸いだと思っています。
 以上でございます。
#400
○団長(櫻井充君) ありがとうございました。
 次に、中村公述人にお願いいたします。
#401
○公述人(中村芳雄君) 税理士の中村でございます。
 私の方は、今までの税理士をやってきた実務の経験から、資産税関係につきまして意見を述べたいと思います。
 国税庁が既に公表しました平成二十二年分の相続税の申告事績でございますが、亡くなった被相続人の数が過去最高の約百二十万人ということでございます。この百二十万人という数字は、前年より五万五千人増加しております。また、それによって相続税が課税される課税対象者の数が、これまた過去十年で最も多い約五万人ということです。百二十万人亡くなりまして、そのうち相続税が課税される件数が五万件ということで、割合は約四・二%ということになっております。これは前年より〇・一ポイント上昇しているわけでございます。
 今回の社会保障と税の一体改革の当初の法律案では、平成二十七年から相続税の基礎控除の引下げ、さらに相続税の税率構造の見直しと最高税率を引き上げるという、こういういわゆる相続税の増税が予定されていたわけでございます。
 特にその基礎控除の引下げについてですが、いわゆる標準世帯と言われます配偶者、子供二人というパターンで計算しますと、現行の基礎控除八千万円が四千八百万円に下げられるということでございます。この四千八百万という数字は、いわゆるサラリーマン家庭で、自宅の土地、建物、それに預貯金があり、生命保険金をもらうと、このくらいでもオーバーする、課税が発生すると、こういう数字でございます。
 そもそも、相続税は富の再分配機能を有する、いわゆる富裕層に対して超過累進税率で重い税負担を強い、それをまた国民に還元するという、こういう税目であります。それがこの基礎控除の引下げ等によりまして、資産家と呼べない世帯にまで相続税が課税される懸念があったわけでございます。ところが、今回の衆議院議員の修正で、次の規定を削除するということで、相続税の基礎控除の引下げ、それから超過累進税率の見直し、これが削除の方に入ってきたわけです。これにつきまして、私、個人的には評価しているところでございます。
 私の意見の一つ目は、この修正のなお書きなんですね。なお、相続税の課税ベース、税率構造等の見直し及び贈与税の見直しについて検討を加え、その結果に基づき、平成二十四年度中に必要な法制上の措置を講ずると、こういうなお書きが入っているわけですが、そのいわゆる検討を加える中に、私の方として提案は、是非、相続税の課税方式の変更ですね、これも検討していただきたいと、こう考えております。
 相続税の課税方式は、現在、アメリカ、イギリス等は遺産課税方式、遺産総額で相続税を計算する遺産課税方式、それに対しまして、ドイツ、フランス等では遺産取得課税方式、取得した相続人ごとに相続税を計算するいわゆる取得税方式と、この二通りあるわけですが、現在の日本の課税方式はそのいずれとも異なりまして、独特な方法なんですね。法定相続分課税方式と呼ばれる方式。これは、法定相続人が法定相続分どおりに取得したと仮定して相続税の総額を計算するという方式でございます。だから、遺産総額が決まり、相続人の数が決まれば、どのように分割されようが関係なく相続税の総額は等しくなるという、非常に課税の公平が保たれる課税方式を取っているわけです。
 ところが、この法定相続分課税方式にはデメリットもありまして、それはどういう場合に起こるかといいますと、一度申告をした後、例えば長男が預貯金等を隠していて遺産の漏れで修正申告を出すと、こういう場合には、その漏れた預貯金を遺産総額に加えてもう一度相続税の総額を計算しますと、当然、総額自体が増加しますよね。その総額を各相続人のもらった財産の割合で案分して各自の税額を出しますので、その結果、遺産の隠しもしていなかった次男とか三男の相続税まで増加しちゃうという、総額が増えることによって、こういう不合理が生ずるわけなんですね。
 そういう意味で、今後は、日本の相続税課税方式も、純粋な取得税方式、取得者ごとに計算すると、こういう方式に変えればほかの相続人の税額に影響は出てこないという、こういうことで、たしか数年前にも俎上に上がった話だと思うんですが、時期尚早で見送られたと。今回の検討する中に是非課税方式の変更も含めていただきたいと考えております。
 それから、二点目ですけれども、先ほどの国税庁発表の二十二年度の申告事績を見ますと、相続財産の構成割合、財産の構成比を見ますと、まず、土地が四八・四%、二番目に多いのが現金・預貯金等で二三・二%、三番目が有価証券で一二・一%、その他、四番目が一〇・六%、最後に家屋の五・八%と、こういう構成比になっております。特に注目されるのが二番目に多い現金・預貯金等の二三・二%ですね。遺産の約四分の一が預貯金等で占めていると。これも平成に入ってから最高の構成比になったということでございます。
 現在、人が亡くなりますと、当然、遺族が市町村役場に死亡届を出しますね。その死亡届を受けた市町村役場は、税務署の方に自動的に亡くなった方の戸籍とそれから資産の評価証明、これを提出することになっています。そうすると、税務署がその戸籍で相続人の人数が分かり、評価証明で土地、建物の財産の評価がおおよそ分かります。その時点で土地、建物の財産の合計が戸籍で計算した基礎控除以下の場合ですと申告書を郵送しない、税務署は納税者に、こういう扱いをしているようでございます。納税者側は、申告書を送ってこなければこれは申告しなくていいのかなと、こういうふうに考えて、税務署が分からない預貯金が一億円あっても実際申告がされていないという現状があるわけですね。
 だから、そういう課税漏れを防ぐ意味では、今回番号制度の導入が予定されているわけですが、この番号制度の導入を所得の把握だけではなくて預貯金等の金融資産、この所有者の確定にも是非利用したらいかがでしょうかというのが私の二つ目の提案でございます。
 それから、最後、三番目になりますが、今消費税の税率引上げが話題となって、既に二〇一四年、一五年で段階的に一〇パーまで上がるのは衆議院は通ったわけですが、この消費税を上げるためには、当然、先ほど話がありました消費拡大、経済活性化が前提でございます。そういう意味で、今現在の相続税法の規定の中にあります、親から子供、孫への生前贈与を促進させて、それによりまして消費拡大、経済活性化を図る必要があると思っております。
 今回の修正案の中で、削除する方にも、直系卑属を受贈者とする場合の贈与税税率構造の緩和、それから相続時精算課税制度に係る贈与者の年齢の引下げ、さらには相続時精算課税制度に係る受贈者の対象拡大と、これも削除の方に一応入っているんですが、これは是非削除しないで、逆に緩和、拡大の方を希望したいと思います。
 以上です。
#402
○団長(櫻井充君) ありがとうございました。
 次に、大塚公述人にお願いいたします。
#403
○公述人(大塚泰史君) 宇都宮の市内で木材業を営んでおります大塚泰史でございます。
 公述人のリストを拝見させていただきますと、民間人で公的資格のない者は私だけのようでございますので、本日は、気温三十五度の炎天下で額に汗して働いているごくごく普通の国民の生の心情を申し上げていきたいと思います。
 まず、栃木県下の現状の経済状況について申し上げます。
 デフレが全く止まっておりません。むしろ悪化していると感じております。例えば、県北地域で出荷している杉小丸太一立方メートルの単価は、一昨年、二〇一〇年十月時点で一万四千八百円でありましたが、今年六月には九千二百円まで値下がりしております。四割近い下落率です。これでは木材生産者の生活は成り立っていきません。
 また、現在、県内で平日ゴルフをいたしますと、五千円も掛からずにプレーができます。なおかつ、昼食まで付いてきます。料金は二十年の間に八割近く下落しています。経営者は、この中からゴルフ利用税、消費税、固定資産税も支払わなくてはなりません。そして、この五千円の料金が最安値という認識が経営者側にも利用者側にもいまだにありません。
 高度経済成長期には、地方にもビジネスモデルが存在していました。良質の素材やサービスを提供すれば、市場は適切な価格で購入してくれました。しかし、九〇年代以降、物販は、大量仕入れ、大量販売の大手企業が価格を支配し、サービス業も全国にチェーン展開する巨大企業に価格を支配されています。ですから、地方の零細企業には、もはや自ら価格を決めることができなくなってしまったのです。
 経済学者にとっては、経済の発展プロセスの当然の帰結でしょうの一言で済んでしまうかもしれませんが、そこには、実際、私たちのような生身の人間が、生活の糧を得るために毎日汗水を垂らして暮らしているのです。机上の話ではありません。このままデフレが続くと、地方に根付いた企業は壊滅し、中央集権化された巨大企業群だけが日本中をばっこすることになるでしょう。まず、デフレを是正してください。このデフレが収まらない中での消費税増税は瀕死の地方経済に致命的な打撃を与えることになると大変危惧しております。
 次に、増税に対する私の気持ちを述べさせてもらいます。増税が必要だにはそれなりの理由があることは理解しているつもりです。ですが、増税の前にやるべきことがあるだろうについては、どうお考えなのでしょうか。
 民主党は、国民の生活が第一の理念に基づき、無駄遣いと天下りを根絶し、財政を健全化させますをマニフェストの第一項目に挙げました。国の総予算の全面的な組替えを徹底します、国家公務員の総人件費を二割削減しますと自ら訴えています。次に掲げたのが、まず政治家自らが身を削ることで国民の信頼を取り戻しますです。参議院の定数を四十程度削減します、衆議院は比例定数の八十削減します、国会議員の経費を二割削減しますと、今まで自民党政権では実現できなかった政治改革が続きます。
 政権の座に着いて三年、どれが実現できたのでしょうか。大企業の利益を代表し、官僚と二人三脚で行われてきた前政権とは違う新しい風を感じた多くの有権者が民主党に託したあの一票は一体何だったのでしょう。
 原発の再稼働のときも、ユーロ経済危機のときも、政府は国民を脅します。このまま原発の再稼働ができなければ、計画停電で幼児や高齢者は熱中症になり、国内産業は海外に移転し、日本は衰退する。日本の借金は一千兆円を超えている。このままだとギリシャのようにデフォルトの危機がある。ああならないように早急に増税しなければならない。日本の国民の生真面目さに付け込んで誘導するこのやり方は、フェアではありません。また、その論理のすり替えには不快感すら覚えます。
 そして、国民の生活が第一の看板を外した野田首相は、マニフェストの約束を守らず、マニフェストのどこにも書いてない消費税増税を命を懸けて実現しようとしています。これが国民に対するこたえなのでしょうか。
 また、社会保障と税の一体改革の一体とは何なのでしょう。社会保障の改革をするには財源が必要だということは理解できます。その手順として、まず改革の全容を国民に公開し、その改革が納得できるものだとなれば、次にその費用に対する財源を確保するために増税を国民にお願いするということが当たり前の手順なのではないでしょうか。
 しかしながら、今回の社会保障と税の一体改革は、まず増税の枠だけを決めました。社会保障改革は後回しです。こんな手順で社会保障と税の一体改革と言ってしまうこと自体がおかしいとは感じないのでしょうか。我々がお客様から対価をいただくときには、まず見積りをして、双方納得してから取引は行われます。何をしてくれるのか分からないのに支払だけを済ませるような人はおりません。
 また、民自公三党で消費税増税は合意しましたが、社会保障改革の内容についての合意は果たしてできているのでしょうか。民主党は整備新幹線に三兆円、自民党は十年間で二百兆円、公明党も百兆円の公共投資をもくろんでいます。九〇年代の公共事業主導の経済回復があれだけ失敗したにもかかわらず、増税が現実味を帯びると、またばらまき政治に逆戻りです。増税分が人からコンクリートへとの用途変更にならないかと心配しております。
 このような状況下でも、国民の負託を裏切り続ける現政府を信じなければならないのでしょうか。マニフェストをほごにし、国民との信頼関係を自ら断ち切った政府の責任は大変重く、もはや信頼関係を失った政府の増税法案には賛成することはできません。
 以上です。
#404
○団長(櫻井充君) ありがとうございました。
 次に、秋元公述人にお願いいたします。
#405
○公述人(秋元照夫君) 秋元です。
 初めに、本日は地方公聴会において意見陳述の機会を与えていただいたことに感謝申し上げます。
 私は、宇都宮の地で三十年以上税理士をしております。実際の税に携わっている者の立場から意見を述べたいと思います。
 まず、表が中に入っているかと思いますので、表を御覧ください。国税庁が公表しております租税滞納残高についてでございます。
 表一は、過去十一年間の税目別滞納残高一覧表です。左側には、全税目、消費税、申告所得税、源泉所得税、法人税、相続税という区分があります。一番右端を見てください。二十三年度の滞納税額が、一昨日、国税庁から公表されました。全部では一兆三千六百十七億円中、消費税は四千百六十九億円で、全体の三〇・六%を占めています。過去十一年間を見ましても、総合すればワーストワンであります。
 表二を見てください。下の欄です。これは過去十一年間の当該年度に発生した新規滞納額の一覧表です。これも二十三年度を見てみますと、六千七十三億円中、消費税は三千二百二十億円で、何と五三%と半分以上になっております。過去の十一年間を見ましても、四五%から五〇%と、新規発生分ですよ、四五から五〇%が消費税だと。このことだけを見ましても、理由のいかんを問わず、多額の滞納額を生む消費税は欠陥税制であるということが言えると思います。
 それでは、三番目ですけど、なぜ消費税は国税滞納額ワーストワンになるのでしょうか。
 まず一番目として、その理由は、事業者が消費税を運転資金に使っているからでしょうか。二、多くの事業者が消費税を脱税しているからでしょうか。三、税務署の強力な消費税徴税シフトがまだ足りないからでしょうか。
 二番目として、納税義務者は誰なんでしょうか。領収書に書かれた五%というのは一体何なんでしょうか。五%は消費者からの預り金なのでしょうか。これにつきまして、裁判所は次のようなことを言っております。
 消費税は取引の各段階における納税義務者である事業者に課税されるもので、消費者はその実質負担者であるが、その納税義務者ではない。したがって、消費者が事業者に対して支払う消費税分はあくまでも商品や役務の提供に対する対価の一部としての性質しか有しないから、事業者が消費税分につき、過不足なく国庫に納付する義務を消費者に対する関係を負うものではない。これは東京地裁の平成二年三月二十六日の判決であります。
 二ページを見てください。
 要するに、消費税の納税義務者は、基準年度、二年前あるいは二期前の売上高が一千万円超の事業者であり、消費者ではありません。五%は対価の一部であり、消費税ではない。たまたま外税によって表示されているので税と錯覚しているにすぎないということなのです。この判示は消費税の本質的性質の一面をついております。
 また、消費税の転嫁について、税制改革法十一条一項は、「適正に転嫁するものとする。」と抽象的に述べているだけであり、具体的な転嫁額については事業者の取引上の意思決定に任されている。そして、その対価の決定は、同業者との競争といった取引上の事情や商品内容に関する事情、その他諸般の事情を総合的に判断するものであると書かれております。
 つまり、どういうことかというと、消費税とは事業者と顧客との間における物価なのです。税という独立した存在ではないと言っているんです。転嫁できるもできないも、交渉次第、力関係で決まる悪魔の税金ということになるのです。被告であった国、当時は大蔵省です、これが主張していたことを裁判所が受け入れているんです。このことはメディアも報道していませんから、大部分の国民は知りません。これでは正しい議論ができません。
 滞納額ワーストワンになる理由は、一番目として、消費税法は納税額を年一回の決算に基づいて計算する帳簿方式を採用しているからです。この仕組みが必然的に滞納を招いているのであり、課税当局が必死に締め付けたとしても滞納額は増大し続けるでしょう。不況ゆえに激化した市場競争にあって、価格に転嫁できない事業者が多くおり、自腹を切ってやむなく納付している事業者が多いということです。消費税は担税力と無関係に発生する税制なのです。よって、現在でも事業者は限界に達しています。これ以上消費税率をアップしたら消費税倒産か廃業に追い込まれ、零細業者は淘汰されていくでしょう。絶対にやめるべきです。
 国税庁の世論操作。
 国税庁のホームページには、消費税滞納未然防止策の推進のページがあります。次のページを見てください。二番目に書いてある預り金的性格とは何でしょうか。なぜ的が付いているのでしょうか。
 裁判所におけるやり取りを見てみます。消費者からの預り金だとする解釈について、原告の主張は、消費税計算上、税抜き処理方式又は税込み処理方式に応じて算出された消費税分は対価の一部ではなく、消費者が上乗せさせられた消費税の納税義務者であると言っているのに対し、国側の主張は、長官通達や政府広報の説明内容について、消費税相当額を企業会計上どのように取り扱うという会計技術に関する説明であり、消費税の納税義務者の問題とは無関係である。裁判所は、消費税施行に伴う会計や税額計算について触れたものであって、法律上の権利義務を定めたものではないと。これは、同じ、先ほどの東京地裁判決です。
 つまり、実際は対価の一部なのに、企業会計上の会計技術によってつくり出された金額を預り金という名で呼んでいるにすぎないのです。事業者や消費者は実際に預かっているあるいは預けていると思い込んでいるにすぎないのです。
 以上のように、対価の一部だと裁判所では主張しているにもかかわらず、一方の国税庁のホームページでは、預り金とは書けないので、預り金的性格と記載しているのです。これは、国民にうそをつき続け、不公平感をあおり、消費者と事業者の分断を図っているものです。これは原発の安全神話を国民に刷り込んでいった手法と全く同じです。
 消費税と社会保障は両立しない。
 高齢化社会のためとして導入された消費税を検証してみれば、社会保障制度は度重なる改悪の連続であり、大部分は大企業の法人税減税と富裕層への減税に使われたのは歴史が証明しています。
 社会保障の理念は、大企業や富裕層から税を徴収して勤労大衆に対して無償の社会保障で生活を支えるということです。発想の出発点が違っています。
 立場の強い事業者の消費税は、実質負担ゼロとなります。しかも、消費税の輸出戻し税制度によって多額の還付を大企業は受けています。これでは社会保障における企業責任が捨象されてしまいます。
 消費税は、所得の低い人ほど実質負担が重くなるという致命的欠陥があります。消費税は社会保障目的税にするのは、社会保障における所得再分配機能を無視した議論でしかありません。消費税を採用している世界中のいかなる国においても、消費税全額を社会保障目的税にした国はありません。これは昨日、財務省主税局に電話で確認しました。消費税と一緒に社会保障をやるという考え方自身が誤りです。
 最後に、細川内閣、小渕内閣、小泉内閣の中枢的ブレーンだった中谷巌・一橋名誉教授が、ざんげとして書いた本、「資本主義はなぜ自壊したのか」の中に次のような記述があります、三百二十六ページに。
 日本の税制は、一九八〇年代にアメリカで行われたレーガノミックスをまねて高額所得者に対する所得税をぐっと下げました。日本の所得税率は最大で七五%に達しており、八千万円以上の高額所得者になれば、所得税と地方税を合わせておよそ九〇%近くが課税されていました。それが今では、所得税の最高税率三七%、地方税では合わせても五〇%程度しかありません。
 こうした税制改革の根本にあった思想は、言うまでもない、自助努力こそが人間として正しい生き方であり、稼いだ人から税金を巻き上げて貧しい人たちに再配分するのは市場経済のモラルを破壊するという議論である。良く言えば、成功者が報われる社会にしようということであり、悪く言えば、貧しい人間は敗者であるということであった。だが、こうした税制改革によって得したのは、結局、一握りの成功者たちだけであり、貧しい人たちに対する再配分はおろそかになってしまった。それが今の格差社会をもたらしたのは言うまでもない。これからの日本社会を考えた場合、税体系の根本を改め、適切な所得の再配分を行い、貧困層をできる限り減らすことが急務であるのは間違いない。
 以上のように、格差社会をなくし、充実した社会保障制度をつくり上げていくためには、諸悪の根源である消費税創設時に作られた税制改革法は廃止し、消費税増税はやめて、応能負担の原則に立ち返った公平な税制を構築することが必要です。国会議員の先生方には切にお願い申し上げます。
 以上です。
#406
○団長(櫻井充君) ありがとうございました。
 以上で公述人の方々の御意見の陳述は終わりました。
 これより公述人に対する質疑を行います。
 質疑の時間が限られておりますので、御答弁は簡潔に行っていただくよう御協力をお願いいたします。
 なお、質疑及び御答弁は着席のままで結構でございます。
 それでは、質疑のある方は順次御発言願います。
#407
○西村まさみ君 民主党の西村まさみと申します。
 今日は、公述人の皆様、大変お忙しい中、大変貴重な御意見を聞かせていただくこと、ありがとうございました。
 それぞれの皆様にもう少しずつお話しいただける時間があればいいのですが、大変短い時間の中で的確にお話しいただきましたので、少し補足したいこと、そしてまたこちらから伺いたいことについて質問をさせていただきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いを申し上げます。
 今、税と社会保障、様々な御意見いただきました。
 我が民主党は、今回、今までずっと先送りにしてきた、将来世代のポケットに手を突っ込んでいる状態を一日も早くやめるべきだと、そして国民の皆様が安心してまた毎日を過ごせるような、社会保障の分野に関して、しっかりとこの消費税の増税の部分、医療、介護、年金、そして子育てというところにこの消費税の増税分を使うということをお約束をさせていただきながら、今審議、質問等を進めているところであります。
 ところが、やはり消費税の引上げというものが中小企業の経営に与える影響は大変大きいものがあるということ、そしてもちろんですが、日本経済に与える大きな影響というものも懸念されています。
 そこで、今回、二段階の消費税引上げが中小企業に与える影響についてどのようにお考えかということにつきまして、まず北村公述人にお尋ね申し上げたいと思います。
#408
○公述人(北村光弘君) 私は、基本的には三十年ぐらい前から財政を心配しております。ただ、商工会議所の会頭になってからは、正直な話、今の御意見のように、消費税の話はなかなかできない段階に入ってきたんですね。そのくらい中小企業は食えない段階に入ってきたと思っております。
 私は、国債というのは、政府は昭和四十年以来、建設国債とかいろんなことを言ってきますけれども、国の借金だと思っているんですよね。それで、ギリシャとかいろんな問題が出てきて、かなり鮮明になってきたと思っているんですよ。我々が国からどんどんどんどん国債をもらって、それを返さなくていいんでしたら幾ら借金してもいいですよ。私は、若いときから、できれば人よりもちょっとでもいいから借金返したいと。そうすると、国債を勝手に発行されるのは甚だ迷惑なんですよ。
 ですから、私が四十八のとき、バブルがはじけたんですけれども、間違いなく国は、どんどんどんどん赤字国債を出しながら、いわゆる需要を保ちますよ。そうすると、日本の場合それが余りにも異常だと思います。ドラッカーが言っているように、民主主義国家、どこでもいわゆる政治家が国民を甘やかすと思いますよ。その結果、先進諸国はどこも借金が多いと。あの借金はどこが返すんですか。最終的には国民ですよね。それで、どういう分担の割合で返すかと。私はちょっと遅過ぎると思っているんですよ。
 私は、こういうことを言うとちょっと蛇足なんですけれども、金融工学がノーベル経済学賞をもらった二十年前から、一番優秀な人が金融を弄んでいると。当然、こういう結果になってきたんじゃないかと思いますけれども、もう限度に近いと思いますよ。今のところ国民が金を持っていますからいいですけれども、これが外国に行ったら、金利が一%、二%上がっても十兆円、二十兆円の問題ですから。
 ただ、個人的な考えと地元で発言する発言が違うのは、なかなか本当のことは言えない段階に入ってきたということを政治家の皆さん方も、それからお役人の方も肝に銘じていただきたいと思っています。自分を捨てることが相手を生かす最大の問題だと思っているんですけれども、ここまでおかしくなって、かなり正当防衛の段階にいわゆる中小企業とか何かは入ってきていると思いますね。
 なかなか難しい中での消費税の値上げだと思いますけれども、何とかうまく国民的合意を取り付けてやっていただければ有り難いと思います。それには、やっぱり犠牲者になる方のいわゆる違った意味での保護といいますか、そういう給付についてはできるだけ配慮してやっていただければ有り難いと思います。
 以上です。
#409
○西村まさみ君 ありがとうございました。
 公述人がおっしゃるように、消費税の増税ということは国民の皆様に本当に大きな御負担をお願いするわけです。だからこそ、我々もしっかりと審議をしてきっちりと皆様に御理解いただけるような回答、答えを出していかなければならないという中で、大変貴重な御意見をいただけたと思います。ありがとうございました。
 それでは、野口公述人にお尋ねを申し上げたいんですが、先ほど少し評価をしていただきました景気条項を含めまして、政府も、七月三十日、デフレ脱却と経済の活性化に向けて二〇二〇年度までに平均で名目三%、そして実質二%程度の経済成長を目指すということ、そんな日本再生戦略を策定し、これに伴って、当然ですが、二〇二〇年までに中小企業の海外の売上比率、これにつきましても四・五%を目指し、小さな企業に光を当てた、地域の核となるような中小企業活力倍増プロジェクトというものを本格的に進めようとしています。
 この日本再生戦略について公述人はどのようにお考えになるか、お聞かせいただけますでしょうか。
#410
○公述人(野口旭君) それは、口では非常に再生と言うのは簡単そうに見えるんですけれども、じゃ、実際どうすればいいかということは今までもう何回も議論されてきているわけですよね。
 やれることというのはそんなに実際にはないわけです。結局、小泉内閣のときには、例えばよく構造改革というふうに言われました。ただ、構造改革というのは必要なことですけれども、別に景気を良くする政策ではありません。それで、じゃ、景気を良くするための政策といったら何かといったら二つしかないんですね。それは、一つは財政政策か、金融政策です。
 財政政策で景気を良くしようというのはずっとやってきまして、自民党、バブルがはじけてからずっとやってきて、先ほども何人かの方がおっしゃっていましたけれども、そういうことをやってきたんですけれども、これがうまくいかないとどんどん財政赤字、今その結果としてたくさんの財政赤字を持っているわけですね。
 ですから、日本の場合には、結局、景気が悪くなったというのは、いろんなバブルがはじけて、特に資産デフレがずっと進んでいたということが非常に大きかった。特に、土地や株価というのが下がってきた。ですから、財政支出を拡大しても景気の回復にはなかなか結び付かないという状況がありました。結果としては、ですから、むしろ日本の財政赤字というのは拡大してしまったという、こういう状況ですね。
 じゃ、残されたものは何かというと、金融政策なんですね。この金融政策というのは結局限度がありません、ただお金を刷ればいいだけですから、お金を増やせばいい。実際、今アメリカは量的緩和といって、リーマン・ショック以降四倍に増やしていますからね、ベースマネーを。ですから、そういうふうにどんどんやればいいんですけれども、ただ、その副作用というのはもちろんあるわけで、じゃ、何かといったらインフレなんですが。ただ、日本の場合はそういう副作用は全く考える必要がありません、デフレですからね。ですから、どんどん金融緩和をやればいいんですけれども、ただ、なぜか日銀はそれをやってこなかったという、こういうだけであります。
 ですから、何を言いたいかといいますと、口では簡単なんですけれども、やれることといったら、じゃ、何をやりましょう、景気を回復するためにもう一度財政支出を拡大するんですかといっても、今やっていることと全く矛盾してしまうんですね。今は、だって増税をしようという話ですから、財政再建のために増税をしなきゃいけないと。増税をする一方ではそうやってお金をどんどん使って、それで景気を回復させようとしているわけだから、そういう意味じゃ、矛盾したことをやってしまうということになりかねないんですね。これは、私、自民党の方の国土強靱化ということについても同じことが言えると思います。
 もちろん、今、日本の場合は、大震災があって必要なところにお金をどんどん使わなきゃいけない状況ではあるんですね。ですから、そういうことをやるというのは私は正しいことだと思いますけれども、ただ、それは必ずいずれにしても財政の赤字を拡大させるということはちゃんと見ておかなきゃいけないんですね。ですから、無駄にどんどんやればそうなりますよということを認識した上で、本当にやれることは何かというのを考えるべきだというふうに思います。
 以上です。
#411
○西村まさみ君 ありがとうございました。
 それで、消費税というのは、先ほども申し上げましたように、国民の皆様全てに御負担をお願いするわけです。ですから、その逆進性というものについてもしっかりと議論をしていかなければならないですし、特に低所得の皆様への配慮というものを確実にしていかなければならないと思うんですが、特に、今、給付付きの税額控除ということを提言したりしておりますが、北村公述人、野口公述人におかれましては、この逆進性対策につきましてどのようにお考えか、もう少し詳しくお話しいただけますでしょうか。
#412
○公述人(北村光弘君) 逆進性対策というのはちょっと難しいんですけれども、ただ、消費税の主なる使い道がやはり社会保障とか何かということですね。
 それから、私は酒屋なんですけれども、ワインでもほとんど千円ぐらいのワインが売れているわけなんですけれども、場合によっては五十万、七十万、八十万というワインもあるわけですね、ロマネコンティとか何かですね。そういうこともありますので、高額所得者が高い消費税払っているので多分消費税総額とすれば増えていくんじゃないかなという感じは持っております。
 それで、本来の消費税の目的は多分社会保障とか何かに使っていただければ、必ずしもそういうことをしなくても、あとはいわゆる給付の何かでやった方がいいんじゃないかと思っているところです。
#413
○公述人(野口旭君) 逆進性。消費税の場合には特によく、ですから生活必需品等を税率を変える軽減税率というような話が出るんですけれども、大体、多分税の問題の専門家でこのやり方に賛成する人はほとんどいないんじゃないかと思いますね。非常に煩雑になるだけですし、非常に徴税コストも掛かります。先ほどもお話ありましたけれども、中小企業の人たちに大きな負担を強いることになりますね。
 ですから、もしやるんであれば、そういうことではなくて、所得税等で払戻しをするとか、あるいは別の税制を使って、特に困った人、生活保護とか社会保障とか、そういう手段を使って対応すべきだと思います。税率に関して消費税を品目ごとに変えるというのは非常に私はまずいやり方だと思います。
 以上です。
#414
○西村まさみ君 ありがとうございました。
 私は、実は二年前、当選するまでは町の歯医者をしていました。大変厳しいやはり経営基盤の中でやってきたわけですが、今おっしゃるように、例えば私なんかでいうと、歯ブラシを売ったり歯磨き粉を売ったりといったことに対してこれから変わってくるわけですよね。そうすると、事務的に煩雑になるということは、中小企業、特に中小の零細企業の皆様には大変な御負担が掛かるということ。
 それから、実は複数の税率にすると、例えば食料品には今まで同じ五%、いわゆる高価なものには一〇%、八%というふうにしても、何となく今の報道ではその方がちょっと皆さんにとってプラスになる、いいことだみたいに聞こえるような報道が多いと思うんですが、実際は、今公述人にお話しいただきましたように、いろんな意味で逆にお金が掛かるということ。それであれば、低所得者の皆さんに返す、戻すというシステムの方が私もいいと考えておりますので、またそれにつきましてもしっかりと議論をしてまいりたいと思います。ありがとうございます。
 それでは、内野、中村両公述人は相続税についてお話しになっていらっしゃいました。
 私も、子供と主人と三人家族で、今、先ほどちょっと例に挙げていましたが、四千八百万ぐらいになってくると、自宅があって、多少の預貯金があって、生命保険に入っている、ほとんど普通に生活をしている皆さんにまでこの相続税というものが今の方式のままいくと負担があるということですから、実際にもう少し、課税方式の変更とか、思っていらっしゃることがありましたら是非お二人にお聞かせいただきたいと思うのですが。
#415
○公述人(内野直忠君) 課税方式の変更については、先ほど中村公述人が言ったようにいろいろ方式があるんですね。今の方式が絶対いいとは思っていませんので、御検討願って、やっぱり不都合が出ないような方法でやっていただきたいと思います。
 相続税が一般の人にも掛かるといいますが、大変、高齢化社会でびっくりするくらい、昔はもう富裕層といったら大体想像が付いたんでございまして、事業経営者とかお医者さんとか大体見当が付いたんですが、今はいろいろ、戦後何十年と来ましたから、我々が想像付かないような普通の主婦の方、未亡人の方とか、そういう方もかなり、旦那さんの退職金が入り、生命保険が入り、預貯金も残っていて、それから自宅も結構東京のいいところにあるとか、かなり資産持っている方も大勢おられて、もちろんそれは年取ったら施設に入ったり何かするのには必要ですが、しかし相当富裕層の中身が変わっていますので、ですから、表面上じゃなくて、実際お年寄りの方はもう大変持っている方は多くなっているんで、ですから、それはやっぱり贈与税で若者にやるのもいいし、相続税で課税して再配分するのもいいし、ある程度私は、相続税、今四%ですから、もう少し払ってもらう。
 先ほど申し上げましたとおり、消費税は貧しい人も皆全員払っているんだから、富裕層はそれくらいのね。とにかく、そうじゃないとお金をそのまま持っていると死蔵なんで、もっと使うか、あるいは使わなかった人は、使わなかったので豊かな人生かどうかは分かりませんが、残ったら国民に返すというのが必要だというふうに私は実務をやっていて思っております。
#416
○公述人(中村芳雄君) 課税体系等は先ほど述べたとおりなんですが、あと、それ以外にも今回の相続税の改正で死亡保険金の相続税の非課税規定というのがありますけれども、元々が五百万円掛ける法定相続人の数までは保険金の非課税限度があって、それが相続人の生活保障という趣旨からできていたわけですね。これが、今回の社会保障・税一体改革の中の当初の案でいきますと、死亡保険金については、未成年者、それから障害者ですか、同一生計の親族だけが非課税が受けられると。要するに、もう成人した別世帯になっている相続人は非課税がなくなると、当初の案はそういう内容だったわけです。
 ところが、アメリカなんかですと死亡保険金については全額非課税とか、そういう方法を取っている国もあるぐらいで、私、個人的には、相続税の納税資金として生命保険なんかも入っている方も多いので、取得した死亡保険金については相続税は全額非課税にしてもいいぐらいに思っているんですけれども、それも私の一つの考え方ということですね。
 以上です。
#417
○西村まさみ君 ありがとうございました。
 それでは、もう一度、内野、中村公述人にお尋ねしたいと思います。
 私は、先ほどちょっと申し上げましたが、医療に携わっている人間です。税の専門家であるお二人にちょっとお尋ねしたいのは、現在、社会保険診療報酬というものは消費税が非課税であります。患者さんが診療又は病院に行っても、そこから、いわゆる直接患者さんからは消費税をいただいていないと。しかし、例えば家賃であるとか仕入れとか、そういったものに関しては消費税をお支払いしているわけです。
 医療機関自ら、今のままでいくと多額の消費税の負担というものが、これから八%、一〇%になってきたときに、当然この医療機関が負担しているというものが多くなってくるんですね。そうすると、町で国民、県民、市民の皆さんの健康を守っている病院、診療所というものの存続がなかなかこれから難しくなって地域医療の崩壊につながるんじゃないかという声もあるんですが、この診療報酬に対する消費税が今の非課税となっていることについてどのようにお考えになるか。
 また、八%、一〇%になったときに、どのようにして、負担というものは、医療機関の負担が少なくなり、それでいて国民の、患者さんの負担というものがないようにするためにはどのようにしたらいいか、もしお考えがありましたらお聞かせ願いたいと思います。
#418
○公述人(内野直忠君) おっしゃるとおり、社会診療保険のあれは非課税なんで、今度、払う方の仕入れの方の控除はできないと。自分だけが一方的に支払だけのを負担するということで、経営的に圧迫しておりますが、ただ、ただいまのところ、お医者さんや何かはまだ割合経営の体質がまだいい方ですからもっていますが、これが八%、一〇%になりますと金額が相当大きくなりますので経営を圧迫すると思いますので、そうすると、何らかの、先ほど言った、患者さんに、無税じゃなくて支払をするような運動になろうかと思いますので、ある程度そういう方向を覚悟してもらう、お医者さんたちもそういうふうな考え方を持っているようでございます。
 それに対して患者さんたち、市民たちが一番いい方法というのは、まだ今はちょっと思い付きません。
#419
○公述人(中村芳雄君) 所得税の方の規定でも、いわゆる体とか、あるいは心身の起因でもらう保険金は非課税規定があるように、基本的に医療というのは税金を掛けるべきではないというふうに考えております。だから、医療と教育に関しては非課税でいいんじゃないかなというのが私の考えですね。それが結果的に一般消費者がかかるときの費用負担に跳ね返ってこなければ、それが一番好ましいと考えております。
 以上です。
#420
○西村まさみ君 ありがとうございました。
 日本は世界に誇る国民皆保険制度というものを持っています。その国民皆保険制度があるために国民も本当に健康で生き生きと長生きができるというのが日本でありました。しかし、残念ながら、今、平均寿命と健康である寿命というものの差が八年とも十年とも言われている。ここのところをしっかりと短くしていって健康である年齢を高くしていくということが、これをするためにどうしても社会保障の充実というものは必要だと考えています。
 これからもしっかりと審議をしてまいることをお約束して、質問を終わらせていただきたいと思います。ありがとうございました。
#421
○上野通子君 自由民主党の栃木県選挙区選出参議院議員の上野通子でございます。そしてまた、私は、ここ宇都宮出身でございます。本日は、自由民主党・たちあがれ日本・無所属の会を代表いたしまして質問させていただきたいと思います。
 公述人の皆様、そして特別委員の皆様、本日はようこそ私の出身地である宇都宮にいらっしゃいました。当地は、御存じの方もいらっしゃるかと思いますが、ギョーザの日本一の消費量ということでしたが、それが最近は二位に転落してしまっているんですが、そのお話は後ほどさせていただきたいと思うんですが、そのほかにも宇都宮はカクテルとジャズの町と言われております。
 先生方、ちょっとお話しさせていただきたいんですが、このホテルに来る途中でマイクロバスから地元の町の中を御覧いただいたと思いますが、多分、駅前から大通りをずっと通ってこられたと思うんですが、ちょっと思い出していただきますと、大通りの両脇、ちょっと前までは、宇都宮市、五十万都市ですので北関東の主要都市として大変にぎやかなにぎわいを持っておりまして活気がありましたが、ほとんど最近大きなビルの下はシャッターが閉まっておりまして、大変疲弊しております。
 そこに輪を掛けて昨年の震災がありまして、その実被害も受けておりますし、またその後の原発事故による放射能の汚染の風評被害はいまだに、いまだにこの宇都宮を中心とした栃木県に広がっております。風評被害によって、先ほどお話にもありましたが、観光地、少しは観光客が戻っておりますが、まだまだ観光産業ばかりじゃなくて農業、そしてあらゆる産業が元気をなくしております。
 そんな中で、今、私たちすごく元気を取り戻していることがあります。御存じのように、今ロンドンでオリンピックが開催されているところですが、何と栃木県出身、しかも宇都宮の現役の高校生までも銅メダルを取りました。萩野というオリンピック水泳個人メドレーの選手は、宇都宮市内の私立高校の現役の男子高生です。また、柔道でですが、皆様、柔道で判定が誤っていたということでもう一回見直した海老沼選手、あの選手も実は栃木県の小山市出身なんですね。あと、安藤選手、鮫島選手といった、昨日もオリンピック、なでしこジャパンで活躍しましたが、あの御両人もここ栃木県出身。安藤選手は私と同じ高校の出身でもあります。
 そういうことで、頑張って栃木県を元気にしようということで、オリンピックで選手も頑張っていますので、私たち宇都宮市民も栃木県民も、本当に頑張りたいと思っております。
 先ほどちょっとお話ししましたが、今日は是非とも時間があったらギョーザを食べていただきたいんですけれども、本当においしいんです。ずっと前から全国一で、B級グルメですが、皆さんに本当に食べていただいているんですが、残念ながらこれも風評被害に遭いまして全国第二位に落ちてしまって、浜松に次いで第二位なんですね。昨年二位でしたから今年頑張ろうと思っているんですが、ところが今年も、今日の新聞で上半期二位のままなんですね。皆さんが今日たくさん買っていっていただきますとこれでまた少し希望を持てるんじゃないかなと思いますので、是非ともよろしくお願いします。
 この辺で、それでは質問に入らせていただきたいと思います。済みません。
 まず、野口公述人に質問させていただきたいと思います。
 先生は、この法案に関して、先ほど先生の出しました雑誌、エコノミストの二〇一二年一月三十一日号の「消費増税は「景気条項」を明示せよ」という論文の中でも、消費増税を五%引き上げるなら五年間ごとに毎年一%ずつ引き上げるべきではないかとか、引上げの実施には、先ほど申し上げましたが、名目国内総生産、GDP成長率が持続的に年四%達成などの客観的基準を設けよといった主張を展開されているところですが、今回のこの三党合意の修正案を多分御評価されてくださっているとは思います。先ほどもちょっとお話ありましたが、この修正案に対しての先生の期待度はどのぐらいなのかということを、まず先生の辛口評価でずばりお願いしたいと思います。
#422
○公述人(野口旭君) この修正案、もう一度ちょっとせっかくですから、私のレジュメの真ん中の方に修正案の附則十八条という、例の景気条項のことが入っているのは附則十八条だったんですが、それが削除するとかしないとかいう話があったんですが、結果としては削除されませんで、むしろその二番目の、これは自民党とか公明党が多分要求したんではないかと思いますけれども、具体的に、じゃ、どうするかというのを入れたと。
 もう一つ私は非常に重要だと思っているのは、これは評価すべきというと、三番目なんですね。それを行う前に経済状況の好転について、名目及び実質の経済成長率、物価動向等、種々の経済指標を確認し、前項の措置を踏まえつつ、経済状況を総合的に勘案した上で、その施行の停止を含めて所要の措置を講ずると、私は、こういうふうにはっきり言ったということは、これは非常に重要なことだと思います。
 というのは、これは要するに、もし二〇一四年四月といったらもう、四月じゃない、八月になったんですね、いずれにしても、あと一年とか二年で、今の、じゃ、経済状況で本当にやっていいんですかという話に絶対なるわけですね。ですから、それも特に欧州情勢というのが今非常に不安定であって、これからもしかしたらもう一度リーマン・ショックみたいなのがあるんじゃないかとすら言われている状況で、そんな強行なんていうのはどう考えても自殺行為に近いという意味で言えば、こういうふうにはっきり、つまり、そのときの政権、どういう政権になっているか知りませんけれども、そのときの政権が経済状況をとにかく非常に慎重に見極めて、その上で、ただ慎重に見極めるだけじゃなくて、あるいは名目とか実質成長率という基準を勘案しながら、じゃ、もうやめるならやめるというふうにはっきり決めるということが非常に重要だという点で、私は特に附則十八条のこの三番目のところについては非常に評価しております。
 以上です。
#423
○上野通子君 先生、ありがとうございました。
 ただいまの先生の評価の中にもあったんですが、今回の法案で、景気の動向にかかわらず、二〇一四年の四月には消費税ほぼ自動的に八%増税されるということ、これが、ほとんどの国民はそう思っていらっしゃると思うんですが、その後の、僅か今からもう本当二年ないぐらいのときに国民の皆様に増税をお願いできるほど、さっき先生おっしゃいましたが、景気がどのぐらい回復しているだろうかということを大変私たちも不安なんですが、その保証というのは誰にも目に見えないわけでございます。
 これまでの政府答弁の中でも、引上げの半年前には最終判断をするということはございましたが、これについての先生の御意見をもう一度お願いします。
#424
○公述人(野口旭君) 正直に言えば、私は無理だと思っていますけれども、これなんか、今の二年でやるというのは。大体これはリーマン・ショック後、世界的に見ても失業率がもう例えばアメリカなんかは一〇%を超えて、ようやく今八%。普通はアメリカは大体四%ぐらいの失業率ですね、それがようやく八%台に来たと。それは、しかしリーマン・ショックから四年たっているわけですね、四年でようやくそこですから。
 あと二年でと。日本の場合も、五%台のが今は四%台まで来ましたけれども、しかし、リーマン・ショックの前は三%で、本来は私は二%近くぐらいまで日本は失業率は下がる余地があると思いますので、そう考えるとまだまだ日本の失業率は高いし、そもそもデフレが全然解消されていないと、こういう状況ですから、そんな、どう考えても二年のうちにやれるとは思わないんですけれども。
 要するに、じゃ、そのときの政権がもうこれはやりませんよとはっきりそう言える自信を持ってほしいという、こういうことであります。
#425
○上野通子君 なかなか厳しい御意見でございます。
 このことについてなんですが、栃木県の状況、大変厳しい県内の状況もよく御存じの北村公述人にもお聞きしたいんですが、景気が回復するという保証はございませんが、政府答弁などでは引上げの半年前には最終判断をするということを言っています。これについて御意見ありましたらどうぞ。
#426
○公述人(北村光弘君) 私も野口先生と同じように、非常に厳しい状況だと思います。
 ただ、最初、国債を発行したのは昭和四十年の東京オリンピックの後なんですね。そのときが二千億ぐらいですか。かなり景気が落ち込んだんですね。そのときはそのときの理由があったと思います。それから、第一次オイルショックのときがかなり石油が上がりましたから、これもそのときの多分理由があったと思います、景気を回復させますね。
 どうもその後は土地と株によってどんどんどんどん景気が上がったわけで、当然その反動はあるわけですから、それを維持し続けようと思って、大分、平成十一、二年ごろは十四、五兆円の補正予算は毎年毎年平気で組んでいたと思いますよ。昨年のあれだけの震災でもそれほどのことが簡単に決められないぐらい、日本の財政は悪化しているわけですよ。限界に近づいているわけですから、間もなく国民が持っている国債よりも、その限度も来ると思います。そのとき、金利が一%上がれば十兆円だし、二%で二十兆円だし、それと痛みを味わうのとどっちを取るかという段階だと私は個人的に考えております。
 それと、かなり我々は甘やかされてきまして、金融円滑化法でもなかなか大変な状態。そういう時期の消費税の値上げの問題ですから、仮需要は起きるんでしょうけれども、非常に厳しい段階だと思います。ただ、何もやらなければ、それでなくても座して死を待つような段階だと思っておりますので。
 会議所のあれではなかなか消費税の話は正直な話、一切できません。そのくらい地方は悪いです。それもこの二十年ぐらい、宇都宮が悪いということは栃木県全体が全部悪いですから。東北でいけば、仙台を除いて、多分宇都宮がそれでも一番いいと思いますよ。そこら辺の認識を、現場を是非分かっていただきたいというのが私の意見でございます。
 ありがとうございました。
#427
○上野通子君 ありがとうございました。お二人とも、消費税の引上げには慎重な見極めが必要だという御意見、ありがとうございます。
 次に、地方の中小企業に与える影響は大きいということ、今の北村公述人のお話にもありましたが、実は私のところにも中小企業それから小規模事業所の皆さんからの切実な声が届いておりますので、幾例かお話ししますと、例えば、製造業の方からは、消費税の税率がアップすれば、その分、加工単価の値下げを求められ経営が苦しくなる、また飲食業の方からは、消費税が上がると消費が落ち込む、もっと景気が良くなってからにしてほしい、また建設業の方からも、現状の五%でも転嫁ができずに利幅が薄いのに、万が一、八%から一〇%にされたら更に苦しくなり経営が成り立たなくなる、今以上に苦しい生活になることは間違いないのでしばらくは引上げすべきではないなどの増税に対する厳しいクレームの声も届いているところでございます。
 それで、ここでもう一回北村公述人にお話を伺いたいんですが、やむを得ず法案通さなければならないという思いには賛成していただけていると思うんですが、この法案による特に消費税の部分ですが、国民に格差なく公平に、そして透明性を持ったものとして導入されるとは思われますか。また、もし導入されるのであれば、これだけは国民になかなか分かってもらえない、ここだけは直してほしいという点がありましたら生の声で是非お聞かせいただきたいと思います。
#428
○公述人(北村光弘君) ちょっと話が飛んじゃうんですけれども、年金基金の問題なんですけれども、古い基金はAIJに関係なくもう実際持続不可能なんですよね。私の東日本酒類業厚生年金基金というのは、AIJの問題に解散の方向に行ったわけですよ。
 結局、専門家の人は全部分かっていますよ。それで、犠牲になったのは中小企業の総合型のあれが犠牲になったんですよ。大企業はほとんど代行返上分は国に返上したんですよ。
 ですから、私がうちの社長に言ったのは、もう終わったよと。あの問題は、皆さん方が真剣に討議すれば、当然、かなりひどいことを厚生労働省とそれから生保、信託、金融業のいわゆるグローバルの企業がやったわけですよ。そういう問題が今の日本にはたくさんあると思っているんです。今我々が見えているのは、多分ほとんどの人がそうだと思う、氷山の一角なんですよね。そのくらい情報が開示されていないと思いますよ。だから、氷山の一角のこれがどこら辺のところまで知っているかと。多分ほとんど知らない状況なんですよ。だから、判断しろといってもなかなか正確な判断ができないんですけれども、大変なことが起こると思いますよ。
 何年か前だったら、市場経済でけんかしていくのと、それから社会福祉で救われなくちゃならないのが分けられたかもしれないんですよ。今はなかなかそういうのも時がたつにしたがって難しい段階に入りつつあるかなと個人的には思っております。
 以上です。ちょっと答えになりませんで、申し訳ありません。
#429
○上野通子君 かなり県民にはまだまだ浸透していない、一部の方だけがよく分かっているという状況だという説明、切実な問題としてとらえさせていただきたいと思います。
 ここで、全員の方にちょっと一言ずつお答えいただきたいんですが、先ほど野口公述人の方から消費税の増税のタイミングはいずれの時点で、いつ、どのような時期に行うのかが問題であるというお話が最初にありましたが、それぞれの皆さん、反対の方も賛成の方もいらっしゃると思いますが、また反対の方でも、もし将来消費税を上げるとしたらということでお考えいただきたいんですが、いつ、どのような時期に行われるのが当然だと思われるか、また、絶対に消費税は増税しない方がいいと思われる方はそのようなお答えでもいいんですが、北村公述人から一言簡単にお答えいただきたいと思います。
#430
○公述人(北村光弘君) 私は、国民に根気よく説得してでもやっぱり上げてないといけないかなと思っております。
 タイミングにつきましては、いつもそうなんですけれども、景気が良くなってからというのはなかなか難しいと思います。だから、ある程度の段階で上げざるを得ないかなというような個人的には考えを持っています。
#431
○公述人(野口旭君) 私は、元々数値である程度判断すべきという考え方ですけれども、まず一番重要なのはデフレの脱却。ですから、これはやはり、大体インフレ二%弱。普通インフレ目標といった場合には二%ぐらいのインフレ率ですね。失業率、日本の場合は自然失業率が大体二%をちょっと超えるぐらいだと考えられますから。
 じゃ、そこまで日本経済いつ行くのかということなんですね。多分、四、五年は掛かると思います。ですから、そのぐらい、五年後ぐらいで考えておけばいいんじゃないでしょうか。
 以上です。
#432
○公述人(内野直忠君) タイミング的には、名目成長率三%、実質二%というのを目指していますが、これが引き上げるときの半年ぐらい前に全然もう狂っちゃって、ゼロ%とか大きく乖離したらこれはタイミング的にまずいと思うけれども、多少のもうへっこみは、今の状況でそんな理想的なことを言っても、とてもそんな状況は生まれてきません。
 というのは、デフレ克服ということはもう絶対に無理です。これはもう歴史の中の大きな流れで、戦争も関係したり、あるいは特に大事なのは、日本の場合は勤労者の人口がもう一九九七年からずっと減っていて、そうじゃない高齢者や子供が増えていて、もう稼ぐ人が人口が少ない。人口問題というのが経済に与える影響は物すごく多いんで、そうすると、これはもう当分デフレであり、生産能力が、大量生産能力がたくさんありますので、解決できない。
 しかし、デフレの中でも不況と好況がありますので、不況を打開するようなことを施策としてやれば、ただ何にもしないで座して死を待つよりも、片方で増税もするけれども、不況対策ですね。それは私が言うように、公共事業をやって共にバランス取りながら、片っ方では増税して片っ方では公共事業に出すという提案があるんですけれども、それはバランスなのでしようがないことで、それで日本が回っていく以外、経営者的な判断だとそういうふうな判断になろうかと私は思っています。
#433
○公述人(中村芳雄君) 現在の全国の中小企業の七〇%が赤字申告という現状ですよね。だから、法人税というのは赤字の場合には納める必要がないと。にもかかわらず、消費税というのはやはり赤字でも掛かってくるわけですね。その違いというのは、法人税の所得計算は売上げから経費を引いてプラスかマイナスかで計算しますが、消費税の場合には経費が法人税で経費になるものもならないという、人件費とか税金関係、それからあと保険ですね、こういうものが課税仕入れにならないために赤字企業でも消費税は発生しちゃうということなんですね。
 だから、少なくとも赤字企業というのは納税意識が出ないわけですから、それが黒字になるまで待てとは言わないまでも、少なくとも売上げを伸ばすような経済政策を実施して世の中にお金が回るという、そのお金を回すのはやはり現在六十五歳以上の高齢者たちが持っている金融資産、これを先ほど言いましたように自分の直系卑属に対して贈与するとか、この規定自体を緩和して、あるいは相続時精算課税を拡大してお金を直系卑属に回すと。
 そのお金を使ってもらって経済活性化をすれば、少なくとも全ての企業で売上げが若干は伸びてきますよね。そういう形で、そういう対策を打ってから、具体的には実質経済成長率がやはり二%以上となると、そういう時期じゃないかと思っております。
 以上です。
#434
○公述人(大塚泰史君) 一つだけと言われるとあれなんですが、やはりデフレの脱却が一つ。
 もう一つは、やはり政府と国民との信頼関係だと思うんですね。我々国民に税金をお願いするのであれば、やはりその前に自らを律するというか、自らがこれだけ、国家予算にしても自分たちの待遇にしても、官僚も含めてですね、そこをやらないで国民にだけ負担を強いるというのは恐らく納得できない人の方が大多数じゃないかと。だから、そこの信頼関係を是非つくっていただきたいと思います。
#435
○公述人(秋元照夫君) 私は、消費税増税はいかなるときであってもやってはならないと思います。税と言ったらなぜ消費税しか言わないのかと。先ほどの国税庁の表であっても、所得税も法人税も相続税もあるわけです。ですから、その中で不公平と言われている税金を正す、例えば受取配当の益金不算入とか有価証券の譲渡益に対する分離課税になっているものを直すとか、そういうことでやれば税収というのは増えます。だから、国民に負担を押し付けるようなものではなくて、まずはそういう不公平な税制を正していくことが一番だと思います。
 以上です。
#436
○団長(櫻井充君) 上野君、時間が来ました。おまとめください。
#437
○上野通子君 皆さん、どうもありがとうございました。
 大変参考になりましたので、皆さんの御意見をまた国の方に私の方からも要望させていただきたいと思います。
 どうもありがとうございました。
#438
○竹谷とし子君 公明党の東京選挙区選出の竹谷とし子と申します。
 本日は、公述人の皆様、貴重な御意見を賜りました。本当にありがとうございます。
 デフレ下での消費税増税というものに対しては、本当に私もやるべきではないというふうに思っております。しかし、今回、三党合意という形で、再来年の八%への引上げ、そして翌年の一〇%への引上げ、税と社会保障一体改革ということで、公明党としては、社会保障をしっかりと充実、維持させていくという立場で条件を付けさせていただきましてこの合意に参加するということになったわけでありますが、私自身も、両親が町工場、もう本当に零細の町工場をやっておりまして、家で仕事がないときには母がパートに出まして、そして大学を卒業させてもらいましたが、もう本当に、中小零細企業でそもそももうけがないところに消費税が上がってしまうという、そういう状況に対しては、もういかに苦しいかということを両親の背中も見ながら、まあ当時は消費税というものはなかったわけでありますけれども、感じておるところでございます。
 私は、景気回復なくして増税なしという立場であります。これから景気回復を図っていくための取組を全力でやっていかなければいけないというふうに思っておりますが、景気対策といっても様々な分野があるというふうに思います。先ほど内野先生から個人消費や住宅投資、設備投資、公共投資という分析のお話を伺いましたけれども、様々な分野において景気対策、この四つの分野に対してもそうですし、ほかにもあるかというふうに思います。
 これをやるに当たって、公述人の六人の皆様に伺いたいと思いますが、景気対策として政府がやるべしと考えておられることをお伺いしたいと思います。
 まずは北村公述人、お願いいたします。
#439
○団長(櫻井充君) 公述人の皆さんにちょっとお願いいたします。
 十五分と限られている時間ですので、でき得れば一人一つずつの政策でお願いしたいと思いますので、よろしくお願いします。
#440
○公述人(北村光弘君) 景気対策は、今の世界の現状を見ますと、ヨーロッパはかなり大変だと思います。アメリカは、もうよく分からないです。中国もヨーロッパ等の影響を受けておりますから、日本独自の景気対策というようなのはなかなか大変かなと思っています。
 できれば、若い人への教育投資とか、若い人が就職できるような、それには年寄りが我慢しなくちゃならないかと思っているんですけれども、私は景気対策がそんなに簡単にできるとは思いません。翌年はかなりその反動が来るというのが現状じゃないかと思っております。
#441
○公述人(野口旭君) 先ほどの繰り返しになりますけれども、財政政策は、結局、景気対策として行っても財政赤字を増やすわけで、じゃ、何のための増税って、矛盾しちゃうわけですね。
 じゃ、一つ何をやればいいのかというと、一番今是正すべきは円高の是正だと思います。円高の是正ですから、これは二つ、為替の介入、財務省のやっている為替介入、しかしこれは非常に限界がありますので、やはり日銀、金融緩和をもっと大胆にやるべきだと思います。
 以上です。
#442
○公述人(内野直忠君) 私は、再三述べているように、公共投資、それで、それはやはり国民が注目するような新しい発想、いわゆるニューディールです、ニューディールということでやっていただければ、歴史が示すとおり、景気回復の出発点になるというふうに考えています。
#443
○公述人(中村芳雄君) 私は、先ほども言いましたけれども、六十五歳以上の高齢世代が持っている例えば千四百兆とも言われるそういう資産を子供、孫等に無税で移転させて、それでそのお金を使ってもらうと、そういう形で消費拡大、景気拡大につながると考えております。
 以上です。
#444
○公述人(大塚泰史君) まずは、壊滅的な地方にやっぱり力を与えるというのがまず一つと、それと、具体的には、従来の公共投資ではなくて、やはりこれから成長ができるような、例えば再生可能エネルギーやそういう新しい分野への集中的な投資が必要ではないかと思うんですね。そんなあまねくの投資というのは多分できないと思うんですね、今の財政では。ですから、やっぱり効果のあるところに集中するということと、あとは決して地方を切り捨てないという国会の皆さんの決意をいただきたいですね。
#445
○公述人(秋元照夫君) 私は、消費を支えているのが、個人消費が六割、七割と、ですからそこに光を当てるのには、一番いいのは減税です。ですから、一番平等に減税になるのは消費税減税ですので、増税のことではなくて景気対策には消費税減税が一番だと思います。
 以上です。
#446
○団長(櫻井充君) 御協力ありがとうございました。
#447
○竹谷とし子君 大変簡潔な、そして皆様それぞれ本当に貴重な御意見を賜りましたことを心から御礼申し上げます。
 公明党といたしましては、具体策の一つとして、防災・減災ニューディールということをこの消費税増税というお話が出る前から訴えさせていただきました。
 と申しますのは、今社会資本が老朽化をしております。コンクリートの寿命はまた五十年、六十年というふうに言われますけれども、高度成長期に造られた道路、橋梁、また上下水道など、そういった生活に必須の社会インフラが老朽化をしている。上下水道の事故等による道路の陥没、また橋についても、今やるべき点検また修理、そういったことを予算がないからということで先送りすることによって後で架け替え等多大なコストが掛かってしまう、それを放置している、そういう状況が全国に散見される。特に、財政力の弱い地方でそういった声をたくさん伺っております。
 これ、後でどうしても必要になってくること、更に後になればなるほどお金が掛かってしまう、そういった公共事業、私はこれは、今やること、先にやることによって前倒しにやる、予防保全を行っていくことによってトータルのコストも下げていく、これは無駄遣いでもなくばらまきでもない必要不可欠な事業であるというふうに考えております。
 私も、無駄な箱物のような、そういった箱物であっても必要なものは当然やるべきですが、必要もないのに予算の消化のためにやってしまうような、そういったものは絶対にやってはいけないというふうに思いますけれども、生活に不可欠な、また命を守るために不可欠な社会インフラの予防保全を中心とした先行投資、これは今、デフレの今だからこそ適正な価格で業者さんにもやっていただける。
 今、被災地では、私も被災地に東京の議員ではありますが二十回以上通わせていただいて様々お声を伺っておりますけれども、局地的に土木建設事業においてはインフレが生じていると。後で必要になったときに、インフレになったとき、また好況になったときに万一やるんでは、民間の投資も抑制してしまって更にインフレを加速させてしまう。税金も多額に投入しなければいけない。デフレ期の今だからこそやる意味があるというふうに思っております。
 この社会インフラへの予防保全を中心とした効果的な重点投資、これについて公述人の皆様の御意見を伺いたいというふうに思います。
#448
○団長(櫻井充君) 済みません、簡潔にお願いしたいと思います。
#449
○公述人(北村光弘君) 何に金を掛けるかを考えるのが一番いいことだと思いますよ。ただ、現実問題としては、少子高齢化で生産性が上がらないということは金の使い道が限られているということですから、だからそうなると、何に金を掛けるということを、やはり政治家の皆様方には将来の日本のあるべき姿を是非決めていただきたいと思っております。ばらまきはするほどの余裕はないんじゃないかと思っています。
#450
○公述人(野口旭君) 公的支出というのは、こういう効果的なものに金を掛ければいいというふうに口では言えるんですけれども、何が効果的か、何が役に立つのかというのは人によって違うんですよね。ですから、都市の人にとっては、農村、もう人口が減少している中に、今更地方にお金使い過ぎるというのは、これは無駄だというふうに映っちゃうわけです、どうしてもですね。
 ですから、それはどういう立場で考えるかによって非常に、これは無駄か無駄じゃないのかというのは見る人によって違ってくるというのをまず、ですから、口では無駄じゃないと言っていても、それは分からないということなんですね。
 ですから、ちょっと一つだけ言っておきたいのは、今は震災ですから復興のためにたくさんお金を使わなきゃいけないというのは大事なんですけれども、しかし、阪神・淡路大震災のときにも物すごくそうやってお金を使って、結局お金だけ使ってもゴーストタウンになって全く戻ってこなくて、本当に無駄になった例があるんですね。
 ですから、無駄か無駄じゃないかというのは、そんなに簡単に決められるものじゃないということを言っておきたいと思います。
#451
○公述人(内野直忠君) 先ほど申し上げましたとおり、アメリカが大変な状況になって、高速道路で、年間、道路が陥没していて三万人以上亡くなっているというような国になっていますので、そういうことにならないために、やはりそういう予防的な措置で、こういうことはもう皆さんに、国民に知らせればよく分かることだと思いますので、そういうことに財政的に支出してほしいと思います。
#452
○公述人(中村芳雄君) 一番先にやるのはやはり震災復興の、その関係の工事関係ですか、そちらの方でいわゆる経済活性化を図るということ、これが一番だと思います。
#453
○公述人(大塚泰史君) 今、野口先生もおっしゃったんですが、やはり無駄じゃない公共事業に使いますというのは非常に恣意的なんですね。ですから、立場によって違いますから、それの判断は非常に難しいと思います。
 それに比べて、やはり震災復興というのは、日本国民誰もが合意できる震災復興だと思うんですね。ですから、逆に言えば、震災復興のあの去年、何で全国の公共事業を半年間止めてその予算を全部一気につぎ込むとか、そういう大胆な発想で物事ができなかったのかって今でも残念に思っています。
#454
○公述人(秋元照夫君) 私も、無駄な公共事業、象徴とされた八ツ場ダムのようなものは要らないというふうに思いますけれども、生活必需品的な、しかも防災ですね、これについてはやるべきだというふうに思います。
#455
○竹谷とし子君 ありがとうございます。
 あとちょっと、一分か二分ほどだと思うんですけれども、最後に内野公述人に、先ほど金融円滑化法のお話、少し触れておられました。これ今年度限りということで今進められようとしているんですが、それは消費税のこの増税法案が出る前の話だったというふうに私は認識しております。これどうしても延長にならないということになると融資厳しいよということを中小の事業者さんが銀行から言われているという、そういうお声も伺っております。
 これについて、ちょっともう少し御意見伺えればと思います。
#456
○公述人(内野直忠君) 中小企業は何とかこれによって、銀行に再提出して、リスケをやったりして延命してきているんですが、これが本当に止まってしまうと、先ほど言いましたように、ダムが決壊したように全国の中小企業はみんな参ってしまうと。これはもう会計事務所の方とか全国の方々がみんな同じことを言っていますので、是非、増税とは別ですが、関心を持ってお進めいただきたいと思います。
#457
○竹谷とし子君 ありがとうございました。
#458
○中村哲治君 国民の生活が第一の中村哲治です。
 まず、北村公述人に伺います。
 先ほどお話ありましたように、中小企業は相当厳しい状況にあると。私、この点が一番重要だと思うんです、地方公聴会においては特に。消費税が八%、一〇%に上がったときに肌感覚でどれぐらいの中小企業が破綻をするのか、そういう肌身感覚があって先ほど厳しいというお話があったと思うんですけれども、その辺りのところ、どれぐらいだとお感じでしょうか。
#459
○公述人(北村光弘君) 私は流通業ですから流通のことしか分からないですが、皆さん方、駅前の通り通ったら、どこもいいところないでしょうと。これ、千葉県辺りでもそうなんですね。だから、多分三十ぐらいの後継者のいるところの商店街というのはほとんどないと思いますよ。たまたま五十ぐらいで入っちゃった、やめるにやめられないと。だから、商店街とか何かの中小企業と、あるいは農業でも同じですよ。
 ですから、どういう意見を聞くかと。農業でも商業でも、商店街で聞くんでしたら、やっぱり三十ぐらいの人の意見を聞いていただきたいと思います。四十ですと、平成二、三年ですと、まだ我々の段階だとこうなるということを分かっていなかったと思いますので、このパイがこう伸びていくのと、これがこう小さくなって、これを止めるエネルギーというのはかなりのものがないと止められないと思いますよ。今言っているのは、これをこう止めて、これを上げるということですから、それは並大抵の覚悟じゃできないと思いますよ。
 多分、酒の業界でいえば、栃木県で二千軒あって、この二十年間で年間売上げ五百万ぐらいのところが七割、八割。これは東京でもそうかと思います。それで、そういうところは余り借金もないから、まあ自然に廃業していくのかと思います。
 ここら辺のところは、ただ、悪い人、悪いというか、自分で商売まずいなと思う人はなかなか本音の意見は言っていませんよ。だから、三十ぐらいの人が何とか将来に希望を立てるようなことというようなことになると、そっちの方のを救うのと、三十とか三十五の人のことが将来に向かって希望が出るようなあれは、ちょっと政策的に違うことをやらざるを得ないかなと思います。農業でもそうだと思います。
#460
○中村哲治君 質問をしたのは、八%や一〇%に上がった場合にどれぐらいの企業が潰れて……(発言する者あり)いや、肌身感覚ですよ。このときに、どれぐらいの地方の企業が犠牲になっても消費税を増税するのかというところが問われているわけですよ。
#461
○公述人(北村光弘君) そうですね、果たして、いや、それはもう困る、泣き面に蜂のような感じで、そういうところもあると思いますので、結局五十、六十の人がやっているところは家業とすれば多分継続できないと思うんですよね。
 だから、端的に言えば、例えば、十五年ぐらい前、うちは問屋ですから、小売屋さんが私の顔を見なくなったんですよ。二、三日前も、四十幾つですか、四十九。非常に内容のいいところだったですよ。そうすると、将来どうやって食っていくかなと。今でも金は持っていると思いますよ、小銭は。そういう段階に流通は入っています。
 だから、皆さん方が、オリオン通りでも、普通のどこの通りでも、ユニオンでもいいですよ、本当の話を聞けたら、こういう問題は二十年前ぐらいには完全に予測可能だったと思いますよ。だから、まず現場を知るということが最大の問題だと思いますよ。
#462
○団長(櫻井充君) 質問する委員にお願いがあります。各公述人の立場がありますから、答えられる質問と答えられない質問がありますから、そこのところはちゃんと理解した上で質問していただきたいと思います。
#463
○中村哲治君 それでは、大塚公述人に肌身感覚のことを聞かせていただきたいんですけれども。
 民間企業として参加していただいております。先ほどの中では、デフレの脱却をすれば消費税の増税はしていいとおっしゃっていましたけれども、全国的なデフレの脱却で宇都宮が足りるのかどうか。特に、消費税の増税というのは地方や弱者のところに強い、悪い影響が出ると言われておりますので、宇都宮の地域の肌感覚として、全国的なデフレ脱却があればここも、大体増税をしても地域には余り影響がないというようなお感じでしょうか。
#464
○公述人(大塚泰史君) 宇都宮に限定ではなくて、やはり栃木県の県北の場合は放射能の問題も出てくるんですね。ですから、地方であって、昔の高度経済成長のビジネスモデルがもう失われてしまって、価格が決定できない、例えばゴルフ場にしても何にしても、それが今度は放射能の被害で二重三重で打ちひしがれているといいますか、ですから、非常に危機的な状況だというふうに私は認識しているんですけど。
 ですから、先ほど、何がどうなったらということで増税にあれかという条件のときに言いましたけれども、基本的には、やっぱり今は増税はしては無理だというのが実感です。
#465
○中村哲治君 内野公述人と中村公述人に伺いたいと思うんです。
 税理士をされておりますと、クライアントの企業はほとんど中小企業の方々というふうに思うんですけれども、その方々がこの消費税の増税について、どのようなスケジュールであればとか、どういう条件が整えば上げてもいいなとお感じになっているか、もし御意見が聞かれているようなことがあれば教えていただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。
#466
○公述人(内野直忠君) いつ上げたらいいかと、そういう次元には中小企業の経営者は全くなっておりません。
 それよりも、上がった場合一番心配しているのは、一番圧倒的に多いのは、親会社から消費税の分だけ工賃をそれだけ下げるとか、そういうのでこっちにしわ寄せが来るということを力関係で一番恐れていますんで、その面での政治が、いろんな、独禁法やその他指導で、絶対そういうことがないようにしていただければ、特にそんな、いつごろがいいとか、そういうことは考えていないと思います。
#467
○公述人(中村芳雄君) 先ほども言いましたけれども、中小企業は七割が赤字決算と、現実に。全国で百二十五万社ぐらいあるわけですけれども、その赤字の内容が、家族で役員報酬をたくさん取って意識的に赤字にしているという企業ももちろんあるわけですよね。そういうのは別として、実際に人件費を絞って、取らなくても利益が出ないという、そういう現状があるわけですよね。
 したがって、中小企業の特に下請企業は消費税の価格を転嫁できないという現実があります。上から幾らでやれと言われて、断れば仕事が取れないわけですよね。ということは、結局、消費税の増税分を価格に転嫁できないという現実が中小企業の特徴として見られるということですね。
 だから、どのぐらいの割合が納められなくて潰れるかというのはちょっと言えませんけれども、そういうことですね。
#468
○中村哲治君 非常に答えにくいところを答えていただいたと北村公述人も含めて思っております。済みません、先ほど失礼があったらおわびを申し上げます。
 今答えていただいた四人の公述人の方に共通しているのは、恐らく転嫁対策をきちっとできるかどうかということだろうかと思います。しかし、この転嫁対策というのはなかなか、具体的にどうしたらいいのかと。今まで転嫁対策については、まず転嫁Gメンとかいうものも入ったりもしていたわけですけれども、結局なかなか成果を具体的に上げられていないというようなところが言えるんじゃないかなと。
 ここはいろいろな形で知恵を出していかないといけないと思うんですけれども、今まで四人の方で、もし具体的なこういう案があるんじゃないかということがありましたら、内野参考人は先ほどお答えいただいたので、北村さん、中村さん、大塚さん、もしこういう意見がある方はちょっと挙手の上、答えていただけたらと思うんですが、いかがでしょうか。
#469
○団長(櫻井充君) それでは、挙手をしていただけますでしょうか。北村公述人。
#470
○公述人(北村光弘君) 非常に難しいのは、外需は別なんですけれども、内需は、本当に賃金が上がっていなくて下がっているんですよね。それで、必ず新しい産業が出てきますから、既存産業はパイが小さくなるんですよ。売上げが二割落ちると、結局、固定費は一定なんですよ、そうすると、昔の固定費だった変動費の人件費を三割下げないとやっていけないということなんですよ。だから、みんな、国がそれに対して何の方針も、どういう社会に持っていくとか、そういうのを持っていないから非常に白けてくるわけですね。
 だから、今の時代、生きていけるのは、百人のうち二、三人、まあ十人ぐらいの、四十五以下の人間ぐらいしか生きていけないですよ、その内需では、中小企業というところはですよ。売上げが下がって新産業ができますから、既存産業は小さくなる、大体小さくなるんですよ。そうすると、二割下がると三割の人件費を、こういうことを従業員の前で言ったらかなり話は暗くなりますよ。だけど、これが現実で、みんな、それを対応しているのは、この二十年間やってきたと思います。多分、これは間違いないと思いますよ。
#471
○中村哲治君 時間がほぼあと三分ぐらいになりましたので、野口公述人に改めて伺いたいと思います。
 先ほどのお話では、消費税増税はやはり四、五年掛かるのではないか、条件が整うのにとおっしゃっておりました。まあ四、五年であれば今別に議論をしなくてもいいんじゃないかという意見もあるんですけれども、やはり、今消費税の増税については決めて、四、五年掛けて環境を整備すればという御主張だと思うんですけれども、もう少し詳しくその辺りのところを御説明いただけますでしょうか。
#472
○公述人(野口旭君) 別に早く、今議論しても構わないし、いずれにしても、来年、再来年とか、二、三年で実際に引上げなんというのは私は絶対無理だと思っていますから。ただ、議論するのは一向に構わないんですね。ただ、もしそういういつ議論を始めればいいかということを考えるんであれば、一つ大事なのは、財政というのは景気が良くなると必ずだんだん改善しちゃうんですね。改善しちゃうと、そうすると、今度逆に増税必要ないんじゃないかという話になってきて、バイアスが出てくるわけですね。
 しかし、今度は景気また悪くなりますから、そうしたら赤字が増えちゃってまた大変だとなって、それで景気が悪いときに今度増税しなきゃいけないというふうになると、もう本当に今のヨーロッパの状況になっちゃうわけですね。
 ですから、大事なことは、景気がかなり改善して財政が黒字化したときにこそ、もし増税をするぐらい構造的に今必要、私も必要だと思います、だから、そういうときに気を緩めないで増税をできるように今準備をしておくということは必要だと思います。
#473
○中村哲治君 今日はたくさんの御意見をいただきまして、本当にありがとうございました。
 非常に厳しい地域経済の状況の実態も伝えていただいたと思います。この状況で果たして消費税を上げることができるのかということに関しては、しっかりと条件を見て判断していかないといけないと思います。
 ただ、今、政府の答弁では、デフレ下であっても総合的に判断して消費税の増税はあり得るという答弁をしておりますので、そこも含めてしっかりと政治で議論をさせていただきたいと思っております。
 以上です。ありがとうございました。
#474
○中西健治君 みんなの党の中西健治です。
 本日は、公述人の皆さん、貴重な御意見どうもありがとうございます。こちら宇都宮グランドホテルは、みんなの党の代表の渡辺喜美代表御夫妻が結婚式、披露宴を挙げたところということですので、大変縁の深い場所でこうした地方公聴会を開けるということを大変うれしく思っております。
 それでは、質問の方をさせていただきます。
 まず、中小企業の経営の現場に近いお二方にお伺いしたいと思うんですが、北村公述人、そして大塚公述人にお伺いしたいと思います。
 消費税増税について是非はあるかと思うんですが、今回の消費税増税、一年半の間に二回に分けて行われるということになっております。これ、実務的に対応をするのが大変なんじゃないかというふうに思うわけですが、実際に現場に近いところのお二方はどのようにお考えになるか、お聞かせください。
#475
○公述人(北村光弘君) 今までやってきたことですから、せざるを得ないと思っています。
#476
○公述人(大塚泰史君) 二回にやるのは確かに事務的には大変だと思いますが、それよりも、何というんですか、二回にやるこそく感の方が感じちゃって、だったらもう最初から一〇%取ればいいでしょうという、気持ちでは、もし取るんだったら取れと、そういう気持ちではあります。
#477
○中西健治君 どうもありがとうございます。
 大塚公述人にまた再びお聞きしたいと思うんですが、お話の中で、二〇一〇年からこの二年間で木材の価格が四割下がったというお話がありましたけれども、この二年間で四割下がるというのは驚愕だなというふうに思ってお聞きしたわけですけれども、デフレが更に加速されているのではないかなというふうに思った次第ですが、その前、二〇一〇年の前というのはどのような感じだったんでしょうか。
#478
○公述人(大塚泰史君) もちろん、バブルのころからとでは相当価格は下がっていますね。それで、そのデフレの原因というのは、やはり円高が大きいんですね。円高ですと今度は海外からの輸入材との競争になりまして、輸入材が安くなると今度は、山の生産者に価格決定力がありませんから、製材業者の大手が価格を握るんですね。そうしますと、輸入材がこれだからおまえのところはこれでしか取れないよ、取れなきゃ私は輸入材を買うよという、そういう選択肢なものですから、もうそれで山に生えている木を手放すか手放さないかという、それしか選択肢が林業者の方にはないんですね。ですから、もう言い値ですね、そういう意味では。
 ですから、去年、あの大震災があったんだから相場なんか持ち直すんじゃないかというふうに思いますけれども、もう輸入材がどんどん入りますし、なおかつ、ここに来て中国が景気がちょっと下向いてきた現状がありますと、今までの旺盛な中国の需要というのが消えますと今度は安くなるんですね、海外の木材が。そうしますと、ますます価格は安くなるというふうに、海外との競争もありますので、実に。それで、なおかつ一番問題なのは、価格の決定ができないというその現実が一番悲劇だと、地方の悲劇だと思います。
#479
○中西健治君 野口公述人にお伺いしたいんですけれども、みんなの党も日銀法改正案を何度も国会に提出したりですとか、考え方の中で近いところがたくさんあるんじゃないかなというふうに思っております。
 そんな中で、景気条項に関してなんですが、私は国会で常々、少なくともリーマン・ショックの前まで名目成長率の絶対値で戻らなきゃいけないんじゃないかなということを主張しております。そうなりますと、二〇〇七年度は五百十五・八兆円で、今はもう四百七十兆円というところまで下がっちゃっていますから、今より一〇%上のところ、四年前に一〇%上のところにいたわけですから、それを物差しとして用いるべきであろうと。名目三パー、実質二パーといっても十年の平均ですし、努力目標でしかありませんから大変曖昧なところが残っていますので、そうすることにすべきだろうというふうに申し上げております。
 野口教授がおっしゃられた持続的に名目四%成長というのは同じような考え方なんじゃないかなというふうに思うんですが、少なくともリーマン・ショックの前まで戻るべきだと、そういうような御意見であるかどうか、お伺いさせてください。
#480
○公述人(野口旭君) もちろんそうですね。というか、それが最低限で、当時でも決して、リーマン・ショックの前はイザナギ超えとか言われてそこそこ景気良かったんですけれども、でも私は、あれでもまだ途中だった、非常にその前の日本の不況というのは深いものでしたから。しかし、あのぐらいの景気の回復でもそこそこ良かったし、いわゆる正規雇用というのも少しずつ増えていったんですよね。ですから、最低限あそこまで戻らなきゃいけない。
 でも、あそこまで戻ればいいものではないと私は思っています。なぜかといえば、あのときもまだデフレ基調というのは非常に色濃く続いていました。ですから、少なくとも世界基準のある程度のマイルドなインフレというのを達成できない限り、まあマイルドなインフレを達成できるということで、仮に実質二%であると、それに二%プラスして名目で四%、これが一つの基準になるというふうに私は思っています。
#481
○中西健治君 どうもありがとうございました。
 まさに我々も、実質で二%、名目で四%ということを主張しておりまして、そして五百十五・八兆円などというのは必要最低限のところなんじゃないかなというふうに思っていますので、御意見は我が意を得たりというふうに思って聞いておりました。
 更に野口公述人にお伺いしたいんですが、財政出動も時には必要であろうという御意見だと思います。その中で、重点化、効率化の視点が大切であるということをおっしゃられたかと思いますが、この効率化というのはなかなか難しいんだという御意見でしたが、何をもって測るのがいいと、何かそういう物差しについてお考えがおありでしょうか。
#482
○公述人(野口旭君) 一応、経済学的には費用便益分析とかそういうのがあるので、少なくとも何もないよりはそういうものをやった方がいいと思いますが、ただ、だからといって、先ほどもお話ししましたように、実際に公的支出というのは誰のお金か分からないものなんですね。ですから、みんな欲しい。無駄なものでもとにかく分捕れば勝ちというふうになっちゃう。どうしてもそういうふうになってしまって、今難しいのは、大震災で確かに必要なんだけれども、それにかこつけてという言い方は、今はとにかく取ろうというふうにいろんなところでそういう動きが出てきちゃうというのは、じゃ、それは駄目だというふうに言うのもまた厳しい。
 ですけれども、何もなくてとにかく今はもうひどいんだからどんどんやろうというふうになると、先ほどお話ししましたけれども、阪神・淡路のときも同じことがあったんですね、物すごくお金使ったんだけれども、結局人は誰も戻らないで全く無駄になっているという実例があるわけです。ですから、そういうことも考えながら、何かやっぱりある種の制約というのは必要だというふうに思っています。
#483
○中西健治君 ありがとうございます。
 続いて内野公述人にお伺いしたいんですが、お話の中で公務員の給与が民間に比べて高いというのが明らかであるということをおっしゃられたかと思いますが、特に地方公務員のことを指しておっしゃっていたのかなと思いますが、ざくっとした感覚でどれぐらい高いんだろうと、そんなようなのはおありですか。
#484
○公述人(内野直忠君) はい。国家公務員の方は割合こちらの地方では少ないから、やっぱり当然地方公務員の方で。
 例の共済年金と厚生年金のは何か一緒にするようなので、あれもおかしいと思ったんですが、ただ今度、給料の確定申告の明細を見ますと、逆転して、もうどんどん、昔は銀行員なんかは地方で花形の就職先で高かったんですが、もう御存じのように、本当に恐らく公務員より二割ぐらい、三割ぐらい下がっています。ですから、公務員の場合はほとんど変わりませんから、その差がかなり、二割から三割ぐらい差が出ています。ですから、現実のいろんな、子供の、塾にやるとか、そういう教育なんか見ていてもやっぱり、それから海外旅行へ行くとかそういう、庶民の目で見ていて、どうも学校の先生を夫婦でやっていると、大変、公立の学校の先生をやっていて、あのうちは昔と違っていいとか、そういう目で見える格差が出ています。
#485
○中西健治君 ありがとうございます。
 最後に大塚公述人にお伺いしたいんですけれども、価格決定力がなかなかないんだよというお話でしたが、お知り合いですとか同業他社ですとか、そういった方々を見渡して、実際に価格転嫁ができるとお考えになるかならないか、そこら辺について御意見をお伺いできますでしょうか。
#486
○公述人(大塚泰史君) それはこのデフレ下でということでしょうか。
#487
○中西健治君 はい。
#488
○公述人(大塚泰史君) デフレ下では価格決定は難しい、価格転嫁は難しいと思います。だから、必然的に自分たちの利益というか、それで賄わざるを得ないというふうになるんじゃないでしょうか。
#489
○中西健治君 質問を終わらせていただきます。本当に公述人の方々、どうもありがとうございました。
#490
○大門実紀史君 日本共産党の大門でございます。今日は貴重な御意見、ありがとうございます。
 様々なお考えをお聞きいたしましたが、共通しているのは、このデフレの不況の下で消費税増税がこの栃木の地域経済また中小企業にどういう影響を与えるかという御懸念だという点は共通しているのかなというふうに思います。
 先日、日経新聞でも取り上げておりましたけれど、実はマクロの経済というよりも、中小企業の皆さんが本当に消費税増税されて転嫁できるかできないか、できなかった場合、それが利益率の減少になって日本経済の足を引っ張るというふうなことを非常に景気にもかかわる重要要素だということを言っておりました。
 この点で幾つかお聞きしたいと思いますが、まず北村公述人に伺います。
 私は、足利銀行破綻のときに商工会議所二回ぐらい伺って、前の会長さんと懇談をさせてもらって栃木の中小企業の構成とかいろいろ勉強させていただいておりますので、基本的なことは分かっているつもりでございます。
 その上で、この転嫁の問題でいきますと、先ほど北村公述人は、政府に対する要望として、まず広報、PRということと、その次のことで、ちょっとよく分からなかったんですけれども、引上げ時にやった対策などを検討してもらいたいという言葉がございましたけれど、これはあれですか、転嫁カルテルとか、そういうふうなことをおっしゃっているのか、ちょっと具体的に御要望を聞かせてもらいたいと思います。
#491
○公述人(北村光弘君) 中小小売業ですね、あるいは親会社が海外事業を展開している企業を除いて、やはり売場面積でいえば、基本的に言えば、今現在のどこの県でも同じですけれども、個人商店が残らないような構造的な問題になっちゃったんですね。
 それで、例えば、我々が個人商店をやれば夫婦二人で一千万欲しいですよと。ところが、パートとかアルバイトを頼めばかなり安い金額でできるわけですね。それで、売場面積が、車時代になってどんどんと郊外に移った時点において、商店的な魅力もかなり薄れてきているんですね。こういうことを言うとちょっと怒られちゃうんですけれども、私は、酒の業界は、何年も前から言っているのは、ちょっともう絶滅危惧種なんということになるんですよ。本当、怒られちゃうんですけれども。
 私は公正取引委員会に十二年間ぐらい行っているんですよ。それで、せめて不当廉売と優越的地位濫用は課徴金とか排除命令出せるようにしてくれと。二、三年前の法律できましたですね。ある程度法的規制が必要な段階に入ったと思っているんですよ。
 それで、この前も公正取引委員会へ行って、経済的弱者は中小企業でしょうと。多分、みんな知っていると思いますよ。だけど、今の法律で、いわゆる消費者は保護するんだけれども、中小企業はないんですよね。それで、お役人は法律に忠実ですから。だから、我々、中小企業庁を経済産業省にしていわゆる権益の拡大と、そういうことは言っていませんよ。ただ、法律の一項目の中に公正取引委員会は中小企業の方もやるんですよと。多分、我々は友達みんなサラリーマンですから、大体七十にもなればそういうことはみんな分かっていますよ。ただ、そういう問題意識がないとなかなか中小企業は良くならない。
 その中で、今回、増税とか何かあったときは価格転嫁しやすいようなやっぱりかなりのPRをしないと。公取も、下請はかなり一生懸命やっていますよ。それが、場合によっては、商取引ですとなかなか勇気の要る問題ですけれども、かなりいろんな調査を分からないように公正取引委員会は一生懸命頑張っているんじゃないですか。それと、あと、人数はもう絶対的に公正取引委員会は不足していますよ。
 そういうのが、これだけ中小企業、中小企業って言っているんでしたら、そこら辺のところもやってくれてもいいんじゃないかと私個人としては思っておるんです。先生の言うように、やっぱり公取の問題も入っています。
#492
○大門実紀史君 実は、昨日、この問題で私、質問したんですけれど、今いっぱい何か項目挙げているんですけれど、ほとんど実効性ないんですよね。だから、このまま行くと大変な事態になるんじゃないかなと非常に懸念をしております。
 ヨーロッパなんかは生活必需品が非課税ということもあって、中小零細業者が除かれたり、あるいは向こうは転嫁カルテルじゃなくて価格カルテルのような、価格協定のようなことを中小企業組合が、ドイツなんかそうですけど、やったりと、いろんなことをやっているわけですけれども、日本は、せいぜいあの転嫁カルテル、あれは転嫁の仕方のカルテルであって価格を保証してもらうカルテルではありませんので、そんなことをまたやりますみたいな、もうとんちんかんなことを言っている状況で、私は率直に言って、もっと商工会議所なり中小企業団体は、こんな程度じゃ心配だという声を是非上げてほしいなと。
 このまま行くと大変な事態になるかと思うんですね。これは、商工会議所と中小企業団体がアンケートを取られて、今日もちょっと御紹介ありましたけれども、このまま行くともう六割ぐらいが転嫁できないという声になっているわけですから、そういう声を是非上げていってほしいと思いますけれども。
 今、もうこの栃木の中小業者の中で、もちろん相手が消費者なのか元請関係なのかってあると思いますけれども、どれぐらいの方が転嫁できていない、今現在ですね、アンケートによりますと三割、五割が転嫁できていないという数字がいつも出てくるんですけど、中小企業庁のアンケートでも出てくるんですけれども、実感として、北村公述人としてどれぐらい転嫁できていないのが現状だと思われますか。
#493
○公述人(北村光弘君) 企業としてやっているところはほとんど転嫁していると思いますよ。
 結局、ユニオン通りでも、五、六年前、一日の売上げが一万なんです、宇都宮の方は知っていると思いますけど。それで、私が会頭になったとき、一万はもうけですか、売上げですかと聞いたら、もちろん売上げだというんですよ。ところが、仕入れが発生していませんから、そういうところは、一万大体もうけなんですよ。
 そうすると、仕入れが、四、五年前に始めたところは、そのうちの半分ぐらいが仕入れですか、そうすると、一日一万もうけたとしても、そこから経費引くわけですよ。酒の小売屋さんでも、もう年商が五百万ぐらいのはざらにあるわけですよ。だから、結構売っている、五千万、一千万のところはまあまあ今まではきちんと食っていたんですけれども、だからそこら辺のところが。
 それから、インボイスも、そういうのも酒の業界も二重課税でいろいろ問題があるんで、いろいろ出てきているんですけれども、やっぱり面倒くさいということで酒の業界は今の内税方式、内税も外税も議論になったんですけれども、今の段階でいっています。かなりやっぱり事務処理が大変になってくるんじゃないかと思っています。
#494
○大門実紀史君 秋元参考人に伺います。
 大変理論的なお話を伺えました。要するに、余り難しいことを抜いて言えば、中小事業者にとってこの消費税というのは間接税というよりも直接税的な、実態としてなっているというようなことをおっしゃりたかったのかなというふうに思いますが、その辺、もうちょっと分かりやすく御説明いただければと思います。
#495
○公述人(秋元照夫君) そのとおりです。
 転嫁の問題につきましては、例えば千円のものを九百円に値引きされて消費税を掛けると九百四十五円と。元々千円だったものですから、それで転嫁されたというふうに思い込まされている。それは果たして転嫁と言えるんでしょうか。本来であれば千円なんです、価格が。それに消費税が付けば千五十円ですから。しかし、千円のものに値引きをされると、それで転嫁だ転嫁だと言っていたら、完全転嫁という表現は一体何を指すのかというところになるんで、だから全部で法律上はそれは対価の一部ですという言葉になるわけです。
 ですから、転嫁の問題を公正取引委員会がどう取り締まるのかと。例えばその流れから外すとかという問題はあり得るかもしれませんけど、単価の中に目を光らせてどうのこうのと言ったところで、値引きをされた上に消費税が掛かっても転嫁とは言えないと私は思いますので、結果的にはそれは間接税の直接税化という言葉になるかと思います。
#496
○大門実紀史君 ありがとうございます。
 終わります。
#497
○亀井亜紀子君 みどりの風の亀井亜紀子でございます。
 先週できたばかりの会派でして、元々は国民新党というところで、与党におりました。まさにこの消費税の増税法案がきっかけとなりまして四月の頭に離党して、今、野党をやっております。
 私の考えは、未来永劫、消費税を増税してはいけないということではないんですけれども、このデフレ不況の真っ最中に上げることはいかがなものかと。また、財政再建と、あと消費増税と両輪でやっていくんだと言いますけれども、景気対策と両輪でやるというふうに政府は言いますけど、アクセルとブレーキを同時に踏むようなもので大して思ったような効果が上がらないのではないかと、そういう意見を持っております。
 今日は、いろいろと皆様、公述人の方に貴重な意見いただきまして、本当にありがとうございます。短い時間ですけれども、何人かの方に質問させていただきます。
 まず始めに、北村公述人にお伺いしたいと思います。
 価格転嫁の問題、先ほどからほかの委員の方も質問されていますし、深刻な問題だと思います。このことについて、政府の税制調査会で、内税から外税に戻してはどうかというような提案がされたことがあるんです。私もこれは一つの方法かと思ったんですけれども、これは、私も理由はよく分かりませんけれども、採用はされなかったんですね。こういった対策というのは多少効果があるものかどうかということ。
 それからもう一点は、軽減税率、いわゆる複数税率の採用について中小企業団体の方が強く反対されているのは私も存じております。それは事務負担が増えるからだと。その事務負担のために余計に人を雇わなくてはいけなくなったり、そういうことが発生するからやめてくれという要望があるというのは存じております。
 ただ、今、IT社会ですよね。ですから、例えば海外、日本でもそうですけれども、スーパーで物を買って、それで一々打っているわけではなくて、ぱっとバーコードを通すだけですよね。ですから、そういうシステムを設計したときに、それほど事務負担が想像するほどではないのではないかという、私も具体的にどこが一番大変なのかというところが見えないんですけれども。
 政府に、二段階で八%、一〇%とつまり税率を変えるその手間と、その事務負担と、五%据置きのものと一〇%と、一回に二つの税率をつくる、その事務負担と一体どう違うんだということを聞いても、答えられないわけなんですよ。それで伺いたいんですけど、いかがでしょうか。
#498
○公述人(北村光弘君) 外税と内税の問題は、私ども、間接税ということでビールとか何かみんな内税でやってきましたから。そのときも、東京の一部は外税だというあれがあったんですね。ですから、大きなところは外税でも多分やっていけるんですよね。地方は大体みんな内税ということを言っていました。
 それと、複数税率につきましては、セット物なんかは全部多分別になってくると思うんですよね、箱とか食料品とか酒とか。そうすると非常に、どういう形でやっていっていいか、かなり混乱はすると思います、混乱はですね。だから、当然、問屋段階では対応していくんでしょうけれども、かなりできないところがあると思いますね、かなりの頻度で。
#499
○亀井亜紀子君 何かこう見えないものに対する不安、分からないものに対する不安というような気もするんですね。ですから、仮にどうやったらできるのか、絶対難しいものなのかというのはもうちょっと私は議論する必要があるんじゃないかと思います。
 では、次の質問に移ります。
 金融円滑化法の延長をおっしゃったのは内野公述人かと思います。これは、元々は国民新党が出した返済猶予法案が原型です。これが出てきた背景としては、当時、金融担当大臣だった亀井静香さんが、地元で余りにも中小企業が潰れていくので何とか救いたいと思って最初出した法案なんですね。返済猶予法案と言ったときに、借金棒引きかということで金融業界からかなりがんがん非難を浴びまして、そして、いろいろ企業、団体の方、金融業界の方、ヒアリングをしてあの法案ができたんです。そして、時限立法ですから一年ごとの延長で、一年後の延長のときがちょうど震災が起きましたから、これはもう無条件で、一年前に反対した政党もみんな賛成で、全会一致で延長されました。
 次の延長が今年の三月でした。そのときに、私たちはやっぱり延長しようと思って動いたんですけれども、かなり批判がありまして、金融庁もそんなに積極的ではなかったんです。それは、助ける必要がないところまで助けているみたいな批判があって、これをいつまで続ければいいのだみたいなことでして、三月に延長するためには十二月ぐらいにある程度見通し付けなきゃいけないので、いろいろヒアリングをしながら何とか延長しようと思って頑張っていたんですけれども、まあ何とか延長できましたが、このような、これは大して効果がないんだ、早く整理してあげた方がいいのだというような声に対してどのように思われますか。
#500
○公述人(内野直忠君) 私の実際での感覚から見たら、延長する必要がないところがあるなんというのはちょっと私には想像付きません。みんなこのおかげで、一見外から見ると好調なような中小企業でもやっぱり返済をするなんということはもうほとんど無理なので、景気が良くなれば返済もできますけど、今の状況で返済はできません。ですから、ちょっとそれは理解できないです。
#501
○亀井亜紀子君 ありがとうございます。実際にはそういう声があって、結構延長するのに苦労いたしました。
 この法案、ですから、何というんでしょうね、暫定的な対策で、これにセットで景気対策をしないと結局経済は良くならないと思うんですね。ですので、私などは五年間で百兆円使えと、国土強靱化計画とちょっと似ていますけれども、景気対策を大々的にやってから消費税を上げるべきだと主張してきたんですけれども、財務省の、政府の姿勢が緊縮財政ですので、なかなか思ったほど景気対策に回せないという状況がここ何年も続いています。
 それで、今度は景気の話に移りたいのですけれども、野口参考人にお伺いしたいと思います。
 景気の下振れリスク、増税したときには必ず起きるんだということをおっしゃいました。そして、九七年の例を出して、そのときにも、一時的に景気が良くなって、そして後で景気が落ち込んだということをおっしゃいました。
 これは今回の増税をするべきかどうかというその政府の議論の中でやはり出されまして、今増税をしても景気の足を引っ張るだけだということを言ったのですけれども、政府側の見解としては、このときの景気が下振れしたというのは消費税増税のせいではないと、あのときにアジアの通貨危機があって、タイのバーツが下落したりした、そういう影響があったから景気が悪くなったのであるというのがまず財務省の見解だったんです。
 そして、今回の法案が提出された背景として、平成二十一年度の税制改正法案で、三年間の景気対策で景気回復することを前提としてこの消費税の増税法案を出すということで、じゃ、景気回復したんですかというと、これがまた大変議論になりました。
 それで、財務省側の見解というのは、当初考えていたその景気回復というのは達成したと。それは、二十一年度の税制改正法を作ったときの想定というのは、リーマン・ショックがあったのでリーマン・ショックの前のところまで、そこまでの景気回復ができたら増税をしていいのだと、今はそういう状態であるから増税法案、出す環境は整っているというのが財務省の意見だったんですね。
 私は感覚的に違うんですけれども、その見解について野口公述人はどのようにお考えでしょうか。
#502
○公述人(野口旭君) まず、橋本内閣のときの原因というのは、普通に常識的に考えて、あのとき消費税を上げたというのは、まあ常識だと思うんですけど、実は財務省及び財務省系の学者の人たちはそうじゃないというのは、むしろそういうのをプロパガンダしてきましたね。一つは銀行の問題と、当時、不良債権は確かに多かったと、それと、あのアジア通貨危機の話を必ず出してきます、まあそれはもう定番なので。
 そこで、もう言ったってらちが明かないんですけれども、一つ言えることは、じゃ、増税して景気回復なんてあり得るんですかということなんですね。今、例えばヨーロッパを見れば分かるわけで、結局、ギリシャにしても、税金もう二五%ですよね。もちろん支出も減らしていると。もうそういうのをやらざるを得ない状況になって、じゃ、財政が健全化しているかといったら、逆にむしろ悪化し続けている状況ですから、そういうことを見れば、別に日本だけの話じゃなくて世界的に、不況のときに増税すれば更にひどくなるということはもう分かり切ったことだというふうに思います。
 それでもう一つ、今、じゃ、どの程度回復したかというので、リーマン・ショック前というのを私初めて聞きましてびっくりして、そんなことを誰か言っているんですかね。さすがにそういうことを言っている人はいないんじゃ……。じゃ、どういう基準で考えているのか。失業率見たってインフレ率見たって、先ほどお話しした名目GDPの、みんなの党の中西さんですか、お話しした名目GDPの数字のそれも見たって、全然回復なんというのは言えないわけで、本当にそういう人がいるんだったら、何を基準にしているのかと、こう問い詰めたいですよね。
#503
○亀井亜紀子君 今のは財務省の主計局と言い合ったときにそういう言葉が出てきましたので伺いました。
 同じ質問を大塚公述人に伺いたいんです。感覚的にリーマン・ショックの前までもまだ戻っていないという感覚だろうと思いますけれども、では、景気というのはいつごろから本当に悪くなったのか、そのリーマン・ショックというのが本当にひどい影響を与えてそこから立ち直っていないのか、それとも構造改革のころの、例えば大店舗法改正ですとか、その辺りから規制緩和で弱ってしまったのか、どのように総括されますか。
#504
○公述人(大塚泰史君) 先ほどからリーマン・ショックを一つのターニングポイントに皆さんおっしゃっているんですけれども、地方ではリーマン・ショックの影響どころではないんですね。あれはまあ我々からすると東京のお金持ちの問題で、我々はそれ以前から延々と痛め付けられているんですね。ですから、そのリーマン・ショック前、後という我々に意識は余りない。逆に言えば、我々、じゃ、何かといったら、バブル以降延々と暗黒の時代が続いているというのが実感です。
 ですから、リーマンは逆に、ああ、東京の金持ちもやっと貧乏になるのかというぐらいの気持ちで、リーマンがターニングポイントだという意識は我々にはちょっとないですね。もう延々と暗黒が続いています。
#505
○亀井亜紀子君 正直な感想、ありがとうございます。私も選挙区島根なので、似たような感覚だと思います。
 ただ、この法律を作っている政府側、財務省の感覚というのはやっぱりリーマンのところで切っていますということを申し上げて、では、もうあと一分ほどですので、ここで終わりにしたいと思います。
 ありがとうございました。
#506
○団長(櫻井充君) 以上で公述人に対する質疑は終了いたしました。
 この際、公述人の方々に一言御礼を申し上げます。
 皆様には、長時間にわたり有益な御意見をお述べいただきまして、誠にありがとうございました。拝聴いたしました御意見は当委員会の審査に十分反映してまいりたいと存じます。当委員会を代表いたしまして、厚く御礼申し上げます。本当にありがとうございました。(拍手)
 これにて参議院社会保障と税の一体改革に関する特別委員会宇都宮地方公聴会を閉会いたします。
   〔午後三時五十三分閉会〕
ソース: 国立国会図書館
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