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2012/08/03 第180回国会 参議院 参議院会議録情報 第180回国会 社会保障と税の一体改革に関する特別委員会 第13号
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2012/08/03 第180回国会 参議院

参議院会議録情報 第180回国会 社会保障と税の一体改革に関する特別委員会 第13号

#1
第180回国会 社会保障と税の一体改革に関する特別委員会 第13号
平成二十四年八月三日(金曜日)
   午前十時三十一分開会
    ─────────────
   委員の異動
 八月二日
    辞任         補欠選任
     牧山ひろえ君     鈴木  寛君
     片山さつき君     宮沢 洋一君
     秋野 公造君     竹谷とし子君
     横山 信一君     渡辺 孝男君
     山下 芳生君     田村 智子君
     吉田 忠智君     福島みずほ君
     谷岡 郁子君     亀井亜紀子君
 八月三日
    辞任         補欠選任
     大島九州男君     徳永 エリ君
     岡崎トミ子君     大河原雅子君
     安井美沙子君     蓮   舫君
     中西 健治君     小野 次郎君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         高橋 千秋君
    理 事
                大久保 勉君
                櫻井  充君
                吉川 沙織君
                石井 準一君
                衛藤 晟一君
                中村 博彦君
                荒木 清寛君
                中村 哲治君
    委 員
                相原久美子君
                梅村  聡君
                大河原雅子君
                大久保潔重君
                大島九州男君
                金子 洋一君
                川上 義博君
                鈴木  寛君
                徳永 エリ君
                西村まさみ君
                林 久美子君
                蓮   舫君
                礒崎 陽輔君
                上野 通子君
                高階恵美子君
                塚田 一郎君
                中川 雅治君
                中西 祐介君
                水落 敏栄君
                宮沢 洋一君
                山崎  力君
                山谷えり子君
                若林 健太君
                竹谷とし子君
                渡辺 孝男君
                姫井由美子君
                小野 次郎君
                桜内 文城君
                中西 健治君
                田村 智子君
                福島みずほ君
                亀井亜紀子君
   衆議院議員
       発議者      長妻  昭君
       発議者      柚木 道義君
       発議者      白石 洋一君
       発議者      鴨下 一郎君
       発議者      加藤 勝信君
       発議者      西  博義君
       発議者      和田 隆志君
       発議者      泉  健太君
       発議者      江端 貴子君
       発議者      田村 憲久君
       発議者      池坊 保子君
       修正案提出者   白石 洋一君
       修正案提出者   長妻  昭君
       修正案提出者   柚木 道義君
       修正案提出者   加藤 勝信君
       修正案提出者   鴨下 一郎君
       修正案提出者   西  博義君
       修正案提出者   泉  健太君
       修正案提出者   江端 貴子君
       修正案提出者   和田 隆志君
       修正案提出者   田村 憲久君
       修正案提出者   古本伸一郎君
       修正案提出者   竹下  亘君
       修正案提出者   野田  毅君
       修正案提出者   竹内  譲君
   国務大臣
       国務大臣     岡田 克也君
       総務大臣     川端 達夫君
       財務大臣     安住  淳君
       厚生労働大臣
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(少子化
       対策))     小宮山洋子君
       国土交通大臣   羽田雄一郎君
       国務大臣     古川 元久君
   副大臣
       財務副大臣    五十嵐文彦君
       財務副大臣    藤田 幸久君
   大臣政務官
       内閣府大臣政務
       官        園田 康博君
       文部科学大臣政
       務官       城井  崇君
       経済産業大臣政
       務官       中根 康浩君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        五十嵐吉郎君
       常任委員会専門
       員        塩見 政幸君
       常任委員会専門
       員        大嶋 健一君
       常任委員会専門
       員        松田 茂敬君
   政府参考人
       法務大臣官房審
       議官       萩本  修君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○公的年金制度の財政基盤及び最低保障機能の強
 化等のための国民年金法等の一部を改正する法
 律案(内閣提出、衆議院送付)
○被用者年金制度の一元化等を図るための厚生年
 金保険法等の一部を改正する法律案(内閣提出
 、衆議院送付)
○社会保障制度改革推進法案(衆議院提出)
○子ども・子育て支援法案(内閣提出、衆議院送
 付)
○就学前の子どもに関する教育、保育等の総合的
 な提供の推進に関する法律の一部を改正する法
 律案(衆議院提出)
○子ども・子育て支援法及び総合こども園法の施
 行に伴う関係法律の整備等に関する法律案(内
 閣提出、衆議院送付)
○社会保障の安定財源の確保等を図る税制の抜本
 的な改革を行うための消費税法等の一部を改正
 する等の法律案(内閣提出、衆議院送付)
○社会保障の安定財源の確保等を図る税制の抜本
 的な改革を行うための地方税法及び地方交付税
 法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院
 送付)
    ─────────────
#2
○委員長(高橋千秋君) ただいまから社会保障と税の一体改革に関する特別委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 本日までに、片山さつき君、谷岡郁子君、吉田忠智君、横山信一君、秋野公造君、山下芳生君、牧山ひろえ君、岡崎トミ子君及び安井美沙子君が委員を辞任され、その補欠として宮沢洋一君、亀井亜紀子君、福島みずほ君、渡辺孝男君、竹谷とし子君、田村智子君、鈴木寛君、大河原雅子君及び蓮舫君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(高橋千秋君) 公的年金制度の財政基盤及び最低保障機能の強化等のための国民年金法等の一部を改正する法律案、被用者年金制度の一元化等を図るための厚生年金保険法等の一部を改正する法律案、社会保障制度改革推進法案、子ども・子育て支援法案、就学前の子どもに関する教育、保育等の総合的な提供の推進に関する法律の一部を改正する法律案、子ども・子育て支援法及び総合こども園法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案、社会保障の安定財源の確保等を図る税制の抜本的な改革を行うための消費税法等の一部を改正する等の法律案及び社会保障の安定財源の確保等を図る税制の抜本的な改革を行うための地方税法及び地方交付税法の一部を改正する法律案、以上八案を一括して議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#4
○姫井由美子君 おはようございます。国民の生活が第一の姫井由美子です。
 本日、八月三日は何の日か御存じでしょうか。本日は、実は司法書士の日というのがあります。明治五年の八月三日に司法職務定制が制定されまして、証書人、代書人、代言人ということで、現在の公証人、司法書士、弁護士という法律の職能が生まれました。こういった職能は法を守る職能でありますけれども、私たち政治家は法を生み出す職能ではないでしょうか。
 本日、私は当委員会のトップバッターに立ちましたが、なぜトップバッターなのか。それは、民主党、自民党、公明党の皆さんが、この法を生み出すという職能としての大きな責任の放棄からではないでしょうか。しっかりと最後まで私は審議をすべきだと思っています。
 そして、一方で、自民党の中には、若手の方々が今回の三党合意を破棄して、そして解散に追い込めという提案をされました。元々野党というものは、廃案に追い込み、そして早期解散というものを求めるものではないでしょうか。聞くところによると、野党である自民党から、今回のこの法案に対して、採決を急げ、さもなければ問責決議を出すぞなどという逆転をした提案がされたと聞いておりますが、こういった与野党の全く逆転、あるいは民主党の野党化、あるいは自民党の与党乗っ取りというものに対しては、私は大変遺憾だと思っております。
 そして今回、私たち国民の生活が第一は、党本部を設立し、三つの緊急課題とし、命を守る、原発ゼロ、そして地域のことは地域で決める、地域が主役の社会、そして最後には、生活を直撃する消費税増税は廃止ということで、廃案を提案したいと思っております。そして、昨日、平田参議院議長のところに、野党の自民党、公明党を除く皆様とともに慎重審議の申入れをしたところであります。
 そして、今回、政権交代というものの目的は、そもそも政権交代が、二大政党にして政官業の癒着を断つというその思いで政権交代が、しかも本格的な政策での政権交代がなされました。そもそも政権与党はマニフェストに自信を持つべきで、今一生懸命可決しようとしているそのものは自民党のマニフェストであるということを改めて言って質問をしたいと思います。
 今回の法案は、社会保障と税の一体改革と言いながら、社会保障分野については極めて限定的な案しか提示されていません。今回の増税で安心、安全な社会が実現するか、甚だ疑問でもあります。
 そして、消費税増税は社会保障の財源とするということでありますけれども、しかし、そもそもこの社会保障、なぜ消費税で賄わないといけないか。これは、今三人の現役世代が一人の高齢者を支えるという騎馬戦状態から将来は一人が一人という肩車状態になるということでありますけれども、そのためには少子化対策を国としてきちんと取らなければ支える世代が減少していきます。いつも提示されるこの図でいきますと、二〇四五年ぐらいからは肩車方式、これがずっと続くことになりますけれども、これは少子化対策を全くしないで現時点の推移でそうなっていくということですから、政府としては少子化対策をしっかりすればこのグラフも変わってくるのではないでしょうか。
 少子化対策をしっかりしないためにますます消費税税率のアップにつながる、この少子化対策をどのように具体化していくのかを大臣にお伺いしたいと思います。
#5
○委員長(高橋千秋君) 冒頭申し上げます。
 本日の委員会は、民自公の理事の配慮の下に少数会派に時間を多く配分いたしました。その趣旨を御理解いただきたいと思います。
#6
○国務大臣(小宮山洋子君) いろいろおっしゃったので、どこからお答えをしていいか分かりませんけれども、一つ申し上げたいのは、今回、社会保障がなくて税だけということでは決してございません。
 五%上げる分につきましては、今お答えをする少子化の対応、それから年金の現行制度の中で改善をすべき点など、今回ここにかかっている八本の法案のうち五本、その五本は私どもの法案であり、また、社会保障のこれからの将来像を民自公三党で合意をして将来像を考えようという法案と、社会保障についてしっかりと対応しているということは申し上げておきたいと思います。
 そして、子ども・子育てにしっかりと対応するということは、姫井委員も民主党にいらしたときにいろいろとやってこられたと思いますので、この政権で取り組んでいることは御理解いただけると思います。
 これだけ人口が減少している中で、そしてまた家族の人数が少なくなり、地域のつながりも薄くなって子育てを支える力が弱っている中で、これはしっかりと子育て支援をしなければいけないということで、今回、充実の二・七兆円のうち〇・七兆円という、これまでよりは比較にならない大きな割合を子ども・子育てに充てているところです。そして、御承知のように、全世代対応型に転換をして、現役世代に社会保障のメリットを感じていただけるような仕組みにしています。
 今回、この子ども・子育て関連法案の中では、就学前の質の良い学校教育、保育の提供ですとか、それから学童保育の充実も挙げていますし、社会的養護の充実など、今この消費税の増税させていただく分を充てられる、その子ども・子育ての様々な施策を充実するように盛り込んであります。
 また、平成二十二年の子ども・子育てビジョンに基づいて今子ども・子育て、少子化への対応を行っていますけれども、一つは若者の自立した生活と就労に向けた支援で、ジョブサポーターによる支援ですとかトライアル雇用制度の活用、また、女性も男性も仕事と生活が調和する社会の実現に向けて、パパ・ママ育休プラス導入などの改正育児介護休業法の周知など、バランスの取れた総合的な子ども・子育て支援策を推進をしているところです。
#7
○姫井由美子君 少子化対策とは、生まれてくる子を増やすという、そのためにいろいろな社会整備をするというものがありますけれども、私も、五年前に民主党からこの国政選挙に出たときに、チルドレンファーストという民主党の政策に大変感銘をしておりました。その中で訴えてきたことが子ども手当です。しかし、この民主党のマニフェストに掲げられた子ども手当というものがこの二十四年度の予算から削られてしまい、この言葉すらなくなってしまいました。この子ども手当という言葉すらなくなってしまいました。
 そして、子ども手当というこの政策は少子化対策に何よりも結び付いていく大変すばらしい政策だったと私は思っております。所得制限を付さないということで、私はかえって子ども手当は社会保障プラス少子化対策という大きな意義があったと思います。これをすることによって、低所得者だけでなく、高額、中額所得者という全ての所得者が教育、子育て分野で同じようなサービスを受けられるということで、大きな国への信頼感があったと思います。ところが、これを軽々しく、あるいは名前すら消えてしまった。
 ちょうど昨年のあした、一年前ですね、八月四日に、自民党が都内で行った衆参両幹部の会合の中で、民主のこの子ども手当の修正協議に至っては、二年前の選挙の看板政策だった子ども手当を民主党自らの判断で取り下げる政治的な意味は非常に大きいという評価をされたという発言をされております。
 この子ども手当の政策について、大臣は、この政策の優れた点等あったと思いますが、今はこの言葉がなくなってしまったことに対していかがお考えなのか、質問したいと思います。
#8
○国務大臣(小宮山洋子君) 姫井委員も民主党の中でいろいろと活動をされてきたので、いろいろ御理解はいただいていると思いますが、今おっしゃったことは全く正しくありません。
 子ども手当は名前はなくなりました。けれども、しっかりとこれは、今の国会の情勢の中で、一つの党だけの主張をすることによって子ども手当を、まあ今は児童手当となっていますけれども、手当を受けている方たちに迷惑が掛かるようなことは現実的にできないわけです。その中で、今回の三党の合意もそうですが、新しい児童手当と今名前はなっていますが、名前というよりも中身を見てください。全体のお金は、今まで二・一兆だったものが二・二兆になり増えている。そして、中学生まで増やしている。そして、今回は子供に私どもは、チルドレンファーストとおっしゃったように注目をしているので、これまで支給されていなかった児童養護施設など施設の子供にも、子供に注目をして出すとか、幾つもの民主党がこれまで子ども手当で主張してきたこと、そしてずっと長いこと自公政権でやってこられた児童手当、それぞれの主張をいろいろと協議をした中で、現実に今、子供たちにとって何がいいかということで、現実的な路線として恒久的な制度を今回したという意義は大変大きいというふうに思っています。
 そういう意味で、子供の施策も、それぞれの党の主張はございますけれども、それを折り合いを付けて、現実に子供にとってより良いように一つずつ対応していくというのが現実の、先ほど冒頭委員もおっしゃいました、法を作っていく私たちの大切な仕事だというふうに考えていますので、形は少し変わったかもしれませんけれども、精神はちゃんと貫いているつもりですので、よく中身を御覧になってから御質問いただきたいと思います。
#9
○姫井由美子君 でも、実際には子ども手当から新児童手当になって、確かに多少前よりも増えた家庭はあるかもしれませんけれども、全体的には子供がいる世代の家庭に入るお金の部分は減ったというのが実情ではないでしょうか。
 そして、今、一人に対して所得制限を設けずに義務教育まで一万三千円という、暫定ですら五千円ということで、全く私は少子化対策としての意味がなくなったのではないかと思っております。
 そして、この少子化対策は、生まれてくる子を増やす政策であると同時に、生まれてきた命を守るという政策でもあると思っております。昨今、いじめによる小学生の自殺報道が大変多く見られますけれども、こういった自殺者は、子供に限らず、現役世代、そして高齢者も含め毎年三万人という、これも大きな社会問題ではありますけれども、特に今回、子供の命を守るという点では、この子育てだけでなく、いじめあるいは子供の自殺防止といった意味での地域の見守りはいかがになっているのか、お伺いしたいと思います。
#10
○国務大臣(小宮山洋子君) お答えする前にもう一つだけ。
 先ほどから委員は子供を増やす増やすとおっしゃっていますけれども、これは、持ちたい人が安心して子供を産み育てられるようになって、その結果として出生率が上がっていくということなので、子供を増やすということを政策として、政治として言うということは、ちょっと私はそこのところは違うんじゃないかというふうに思っています。そして、結果として増えていくということだと思っています。
 そして、今のいじめのことですけれども、小中学生がいじめで自殺に追い込まれて本当に命を失うというようなことはあってはならないし、これは深刻に受け止めなければいけないというふうに思っています。
 近年、いじめ、不登校、少年非行など、子供をめぐる問題が複雑化、深刻化をしていますので、子供の問題行動の未然防止や早期発見を図るためには、学校のほか、おっしゃるように家庭や地域でも子供の状況を把握していく、これは大変重要だと思います。このため、厚生労働省としても、学校と児童委員、児童館などの関係者との連携によって家庭や地域での子供の状況について情報の共有に努めて、必要に応じて学校での支援に活用するよう文部科学省と連名で地方自治体に要請をしています。
 今後とも、学校とそれから児童福祉関係者との連携を図って、地域の皆さんのお力もいただきながら、子供の見守りに力を入れていきたいというふうに考えています。
#11
○姫井由美子君 もちろん、少子化対策は、この日本という社会にあって、子供を産み育てたいと思える安心した社会をつくっていくことだと私も思っております。でも、日本というこの社会で子供を産みたくなる、育てやすいかどうかというところでのインセンティブを与えるというところが大変大事だと思っております。
 先ほど、地域でしっかり見守ると言いました。今回のこの低年層、若年層の自殺というものは、いじめと正比例しているかどうかというところまでは、はっきりとした原因は出されておりませんけれども、ただ、この自殺というのは、今四十代から五十代、六十代が一番多いと言われておりますけれども、それはある意味、多重債務等の経済的に苦しい方が大変多いということは予想できるかと思います。自殺白書の中でいいますと、昨日も言いましたけれども、消費税を三%から五%に増税をした平成九年から十年、一気に自殺者が倍ぐらい増えているんですよね。ということで、やはりこの景気と、そして、ここで安心して、社会で子供を守る、景気も良くする、いろんな手当てが必要かと思います。
 一方で、虐待の問題も私は非常に大きいと思っております。
 実は、岡山では昨年の八月に、子供の虐待ではない、まあ虐待の一部でありますけれども、一歳六か月の児童が、肺炎を発症していたにもかかわらず適切な治療を施すことがなく、不衛生な自宅に放置されっ放しで死亡したという事件が発生をいたしました。この事例は、短期間での、住民票の移動をする前に住所を変更してしまったり、あるいは住民票を移動しないまま、あるいは住民票の手続が後になったとか、つまり、そういったことで周辺住民からの情報もなく、あるいは行政、市町村からもかかわりを持つきっかけもないままにこういった事件が起きてしまったという事例であります。
 こういった児童虐待、これをしっかりと地域で見守っていくための社会的あるいは地域的なネットワークの構築もありますけれども、他の市町村から移動してきた、その住民票が移動していないという部分はなかなか難しいかもしれませんけれども、こういった情報の伝達方式、社会的ネットワークの構築も必要かと思いますけれども、こういったことに対する御所見をお伺いしたいと思います。
#12
○国務大臣(小宮山洋子君) この児童虐待については超党派でずっと法改正などもして取り組んできていますが、まだまだその数が減らないということは非常に重大な問題だというふうに考えています。そういう意味では、今委員がおっしゃいましたように、児童相談所や市町村を始め、関係機関の連携というのが非常に重要だと思っています。
 厚生労働省では、福祉や保健、医療、教育、警察などの地域の関係機関で支援を必要とする家庭について情報を共有して、協働、ともに働いて支援をするために、子供を守る地域ネットワーク、この設置を進めた結果、現在ほぼ全国の市町村で設置をされています。このネットワークでは、関係者に守秘義務を課すことによりまして、個人情報の保護に配慮をしながら情報を共有する仕組みになっています。
 加えまして、今委員御指摘の転居の事例では、個人情報の保護を理由として情報の共有が妨げられないように、平成十九年の児童虐待防止法改正によって地方自治体間での情報の共有が可能であるということを明確化しています。また、今年七月、社会保障審議会の専門委員会で取りまとめられた報告書でも、支援を必要とする家庭が転居した場合の情報の共有、医療機関との連携の強化などが提言されたことを受けまして、これに沿った対応を改めて地方自治体に要請をいたしました。
 今後とも、関係機関の連携、強化することによって児童虐待の防止に取り組んでいきたいと考えています。
#13
○姫井由美子君 そして、子供の虐待というものは、地方自治体が分かる前に、一番早く気付くのは医療機関ではないかと思います。医療のカルテというものはなかなか外に出しにくいものかもしれませんけれども、医療の現場でのネットワーク等はどうなっているのでしょうか。
#14
○国務大臣(小宮山洋子君) 今も申し上げたように、今年七月の社会保障審議会の専門委員会の報告書でも、医療機関との連携の強化ということが改めて盛り込まれています。そもそも、この法律を作ったときから、医療の関係者は守秘義務ということを超えて子供の命を守るために協力をするという体制になっておりますので、さらにそこが実効性が上がるように取り組んでいきたいと思います。
#15
○姫井由美子君 最後になりましたので、子供を守り、しっかりとこの社会保障が機能できるようにするためには、つまり消費税だけでなく、いろんな意味での施策が必要だということです。そして、消費税は国民の理解がなければ上げてはいけないということで、私たちは断固消費税の廃止に向かってこれからも審議し続けることを委員長にお願いをして、終わります。
 ありがとうございました。
#16
○中村哲治君 国民の生活が第一の中村哲治です。
 まず、そもそも日本は財政危機なのかについて、三回目となりますけれども、安住財務大臣に伺います。
 前回、七月二十七日金曜日のときに、ノーベル経済学賞を受賞したポール・クルーグマン教授、プリンストン大学が、PHP研究所、「Voice」二〇一二年二月号で日本は財政危機ではないとおっしゃっている、この記事について正面から反論していただきたいのでその準備をしてくださいと申しておきました。
 そこで、今日皆様のお手元に配付をさせていただいております「Voice」の二〇一二年二月号のポール・クルーグマン教授のインタビュー記事を御覧ください。そこの五十七ページの下段でございます。インタビュアーが、「しかし先進国の国家債務が膨脹しつづけるなか、安易に財政出動という選択をとるわけにもいきません。」とインタビュアーは述べております。これに対してクルーグマンはこのように述べています。「日本は総額、GDP(国内総生産)の二倍に当たる借金があります。それでも一%の金利で資金を借りることができる。先進国の歴史をみれば、現在のレベルよりはるかに多くの借金を抱えたことが、過去には何度もありました。そもそも、債務危機に直面している、という考え方は間違っているのです。もちろんユーロ危機は目前のものとして存在しますが、それはユーロ圏だけの問題です。自らの通貨をもっていて、そこまでの現実的な問題に直面している国はありません。」と書いてあります。
 ここにつきまして、安住財務大臣はどのようにお考えでしょうか。
#17
○国務大臣(安住淳君) おはようございます。
 このクルーグマンの話について、まずここの部分を御質問いただきましたが、これについては、我が国の……(発言する者あり)ちょっと静かにさせてもらえませんか。
#18
○委員長(高橋千秋君) 御静粛にお願いします。
#19
○国務大臣(安住淳君) 我が国の財政は確かに先進主要国の中で最悪の水準にありますが、そのような中、豊富な国内貯蓄の存在等を背景に、御指摘のように、低い金利水準で安定的に国債の消化をすることができてきたということは事実だと思います。
 確かにクルーグマンさんが言うように、一%台で、これだけの財政赤字を抱えていて安定しているというのはあると。しかし、そこには様々な要因があるんではないでしょうか。例えば、財政再建、国内消化に依存をしているこの貯蓄率が、今も確かに賄えるだけの力はありますけれども、それがだんだんと、国債の発行額と我が国で持っている国内貯蓄のこの数の差がだんだん縮まってきたりして、国内の国債をめぐる状況というものは私はかなり変化をしてきたなと思っております。
 一方、この財政の健全化に対する取組に対しての不十分な点というのは、やはり国際社会や市場の中からは厳しい目で見られているということも事実でございます。我が国としては、内外の信認を失うような事態とならないように、やはり財政、今、毎年の予算の編成の中でやはりこれだけの国債を発行せざるを得ない構造的な問題を解消していくという姿勢を続けていかなければ、やはりこれは信認というものは得られない可能性があるというふうに認識をしているということです。
 もう一つ申し上げれば、やはりこの債務は巨額です、これはクルーグマンさんもお認めになっているように。ですから、そういう意味では、この間の話の続きになりますが、もし金利が上がった場合はやはり大変なことになるのではないかというふうに思っております。
 ですから、全てに対して否定をしているわけではございません、前段のところは全く事実でございますが、この先の見通し等については楽観をできないというのが私の率直な考えです。
#20
○中村哲治君 私も楽観していいとは言っていないわけです。ここのポイントは、最後のところでクルーグマンはこう言っています。「自らの通貨をもっていて、そこまでの現実的な問題に直面している国はありません。」と、こう言っているわけです。だから、そこについての見解を求めたんですね。
 先ほどの答弁の中で一言付け加えておきますと、国債を発行する、しかしその見合う預金が伴ってきていないのではないかというのが安住財務大臣のお話でありました。しかし、金融緩和をしている状況の中で国債を発行されると、まず銀行の持っている日銀の当座預金が振り替わる形で政府預金の方に入ります。そこで、銀行のバランスシートとしては、その資産の部の当座預金が国債の形で切り替わります。政府のところに政府預金が入ります。負債のところには国債が挙がります。そこで、政府支出を行うと、民間企業や家計のところに通貨が移転をしますので、そこで、結局その通貨というのは預金の形で銀行に戻りますから、銀行のバランスシートからすると、当座預金がその分増える、そして負債のところには預金が増えるという形で、こういう形で預金の供給量が増えることになります。つまり、今申し上げたメカニズムによって国債の発行分だけ市中に出回っている預金は増えますので、そういうふうな関係にあるということは一言付言しておきます。
 ここにつきましては、昨日、財務省の担当課長がいらっしゃって議論を二時間……(発言する者あり)そう、今大臣おっしゃいました、二時間やりましたけれども、それでもなかなか課長でも理解をしていただけないような金融の知識だということが分かりましたのでここで議論することは差し控えますけれども、まず、そういうふうなところで、安住財務大臣がおっしゃった答弁の内容自体が金融論からするともう少し詰めないといけない要素というのがあるということなんです。
 そこで、改めて質問ですけれども、最後のところ、「自らの通貨をもっていて、そこまでの現実的な問題に直面している国はありません。」とクルーグマンは言っているわけですけれども、ここについてどのようにお考えでしょうか。
#21
○国務大臣(安住淳君) 自国通貨でデフォルトする可能性は少ない、またないのではないかということだと思います。それをもって、この間、中村さんの最後の質問で私とは擦れ違ったんですけれども、確かに答えにくい話なんですよ、財務大臣としては。それは分かっていただけますよね。
 それで、しかし、確かにそれが、何といいますか、回っていって、それで結局、例えば外国にあるお金もそうだけれども、国内の金利が高くなればその金利を目指してお金がまた入ってくるので、また、言ってみれば、何度仕掛けられても、日本だって国内でこれまでそういうことに対してプロテクトしてこれたじゃないか、だから、この先だってそんな心配があるのかということも多分御質問の中には、入っていなかったですか。
 私たち財務省が思っているのは、やはり国内状況の中で国債の信用を失わせるような、財政の規律を毀損をしていくようなことになれば、国債の発行元である我々に対する信頼は失われる可能性があるのではないかということなんです。それがどういうことに波及をしていくかということに対して、中村さんは理論家ですからぎしぎしぎしぎし詰められるんだけれども、我々から見ると、そこから先というのは、全くそれは、そうしてはならないし、想定もしないというか、ちゃんと国債の発行というものに対して、世界から見て、やはり安定的に、また財政規律を守って、もう一つ言えば、ここは財政再建の問題をやることによって規律あるものを守っていきたいと。
 ただ、中村さんも、お話聞いていて、ずっと消費税駄目だっておっしゃっているわけではないわけですよね。やっぱり景気の今の動向の中でこれをやったときには更なる景気の悪化を招いて、それは結果的には国債市場等に対してもいい影響を与えないんじゃないかという論理だと思うんです。
 そこは私は、何というか、財政再建に対する考え方、アプローチの仕方、ただ、これは時期が違ったり状況の違いによってはありますけれども、ただ、このままでいいということではないと思いますので、そこの違いだけはあるのかなというふうに思っています。
#22
○中村哲治君 引用したところをもう一回読みますと、こうなんですね、「自らの通貨をもっていて、そこまでの現実的な問題に直面している国はありません。」、こうクルーグマンは言っています。自国通貨建ての債券がデフォルトするということはあり得ないというのは、十年前の平成十四年の財務省の外国格付会社あて意見書の中にも書いてあるとおりです。だから、そこは大臣きちっと認めていただいて、そういうことが必要なんですよ。
 消費税を増税すると財政が本当にトータルとしてプラスになるのかどうかという議論があります。ここは両方実はあると思います。
 私は見立ては逆でして、消費税上げると中小企業はばたばた倒れていきます。そうすると、日本は供給過剰なので、その中小企業の供給分だけ大企業は引き受けることができるようになり、設備の稼働は増えますから、恐らく大企業の収益は上がるでしょう。そうすると法人税が上がります。そして、ばたばた倒れていく中小企業のところの雇用というのはなくなりますけれども、そういうところの雇用者というのは低賃金が多いので所得税も払っていなかったような人が多い。そういうところでは、倒れても所得税の減少というのにはつながらないと。むしろ、そういうふうな高収益のところで働いている人の賃金が上がるので所得税も増えるだろうと。つまり、消費税増税というのは、財務省の見解からすると、恐らく法人税も所得税も上がって、そうしたらうはうはになるんじゃないかと。
 しかし、ここで、民主党的な考え方でいうと、格差は広がるんですよ。地域の格差、そして所得格差、こういうのは広がっていくと社会不安につながっていく。ここの格差問題をいかにしていくのかというのが民主党の存在意義、レーゾンデートルであったはずです。だからこそ、この時期に関しては、本当にしっかりと、岡田副総理はこの議論、眠いようですけれども、ここのレーゾンデートルの格差問題をどうするのかというところを考えないといけない。だからこそ、先にアクセルを踏んで、そして巡航速度に達して墜落しないような状態になったときにブレーキを踏むことを考えると。過熱した景気を冷やすための増税というのはあっていいわけですけれども、今やることに正統性はあるのかと。正統性というのは、それが必要なのかという意味の正当性だけでなくて、選挙におけるレジティマシーという意味での正統性、両方の、二つの意味がありますけれども、それがあるのかというのが私が申し上げたいことです。だからこそ、自国通貨建てで本当にデフォルトするのですかという質問をまず最初に持ってきたわけですね。
 そこは余り答えていただけなかったので、さらに次に行きます。
 二番目、その後のところ、インタビュアーは、「ならばそこで、最も望ましい財政政策と金融政策のベストミックスはどのようなものでしょう。」、このようにインタビュアーはおっしゃっておりまして、これに対してクルーグマンはこう答えています。「完全雇用に近いかたちにまで経済を戻せるように、かなりアグレッシブな財政拡張政策をとるべきです。さらには次の五年間に二〜三%のインフレ率になるよう、金融緩和を組み合わせなければならない。」、こういうふうにクルーグマンはおっしゃっております。
 この金融緩和は、正直なところ、日銀は相当やっていると思います。ここでこたえないといけないのは、財政拡張政策であると。私も何遍も申し上げていますけど、これは土木事業に使えばいいと言っているわけじゃ全くないんですよ。将来日本の経済をきちっと成り立たせていくための屋台骨になれるような新しい産業のところに重点的に投資していけばいいと、そういうことに今こそお金を使うべきじゃないかというのが主張だったわけですけど、ここのクルーグマンの見解について、安住大臣はどのようにお考えでしょうか。
#23
○国務大臣(安住淳君) クルーグマンさんの意見に対して意見を申し上げるよりも、中村さんの今の話に関して申し上げると、賛成です。だから日本再生戦略も作りまして、やっぱり、つまりデフレを脱却するために規制緩和とか新しい仕事をつくらないといけないということですよね。
 だって、この十年間、十五年間ですか、公共投資、本当にやってきました。私は必要な公共投資たくさんあったと思います。ただ、累積赤字も増えたし、結果的にそれが日本の社会の構造転換や長期的な雇用につながっていったかということについては、やっぱり少し検証しないといけないと思うんですよ。
 だから、それから言うと、財政出動というと、どんどん何かお金を出して、何といいますか、国債をどんどん発行してやれというふうに思うかもしれませんが、国民の皆さんは。私も、成長戦略の分野、そうしたものに対して、今度の法案でも資金を充ててそういうことをやっていこうと書いてありますから、そういう点では、規模の問題等はあるかもしれませんが、中村さんの考え方に異論はございません。
#24
○中村哲治君 いや、私の考え方とクルーグマンの考え方は違っていないので、クルーグマンが言っていることに答えていただきたいんですけれども。
 クルーグマンはこう言っているんですね。「完全雇用に近いかたちにまで経済を戻せるように、かなりアグレッシブな財政拡張政策をとるべきです。」とおっしゃっているわけですよ。ここに関してどういうふうな考え方でいるのかということなんです。
 規制緩和も大事ですよ。民間の投資を増やしていくためにはそういう新しい成長分野を民間ができるように国が施策を打っていくことは非常に重要です。しかし、この施策の打ち方、本当に規制緩和だけでできるんですか。普通は、民間の金融が回っていくための、その巡航速度に達するまでの後押しを本当は補助金はしなくちゃいけません。そういった意味では、エコカー減税とかそういったものは余り効果がなかったわけですよね。新しい需要に、補助金がなくなっても需要を喚起するという意味では、巡航速度に達さないわけです。例えば、住宅版エコポイントに関しても、あの制度設計ではそこまでは、中古市場の流通というところが離陸するところまでは実はできていないんです。
 そういった意味では、財政への投入も、ある意味成長戦略を後押しする意味では、それは巡航速度に乗るまで、金融等で民間の資金需要が回るところまで後押しできたのかといったら、できていないということは言わざるを得ないと思います。そこの辺りの分析を安住大臣に聞きたかったわけですが、回答もなかったので次に行きますね。
 それで、五十八ページの上段のところで、インフレについてもクルーグマンは言っています。クルーグマンはこういうふうに言っています。「問題は、そのインフレをどうやって起こすか。最初の段階において、財政拡大をしないできっかけを生みだすのは非常に難しい。インフレ目標はとてもよいことですが、それを現実的に引き起こすにはどうするか、を考えねばなりません。そこでは財政的な筋力が必要になる。」、このようにクルーグマンはおっしゃっています。つまり、今デフレから脱却するために何をしたらいいのかと、そのきっかけを起こすときにはやっぱり財政的な筋力が必要であるということをおっしゃっているわけです。ここは私が先ほど申し上げたことともつながることなんですけれども、この論理に関しては、安住財務大臣、どのようにお考えでしょうか。
#25
○国務大臣(安住淳君) 例えば、完全雇用の話に戻すと、じゃ本当にそのケインズ的政策でどんどんやったらうまくいくのかといえば、決してそうじゃないですよね。だって、そのお金が、資金が切れた途端にまた巡航速度から失速をするということがたくさん顕著に見られますよ、公共事業の場合は。ですから、そういう意味では、財政出動の在り方もやはり本当に知恵と工夫でやっていかないと、規模だけで、何といいますか、その巡航速度に、中村さんがおっしゃるように、経済に達するとは私は思えないんです。──じゃ、どうぞ。
#26
○中村哲治君 いや、私はまず規模を出すというのもおかしな話であると思うんですよ。巡航速度に達せられるような施策としての補助金、これは幾らぐらい必要でどれぐらいの期間が必要なのかということを考えながら積み上げで額というのは決まっていくと思うんですよね。だから、十年間で二百兆円とか十年間で百兆円とかいうような数字を先行するというのは間違っていると思います。むしろやらなくちゃいけないことは、一つ一つの政策分野についてどのような効果的な補助金を与えるのかということだと思うんです。
 そこはだから……(発言する者あり)今、一緒と場外でおっしゃいましたけれども、そのとおりだと思うんですよね。ここの最初のところで財政的な筋力が必要なんじゃないですかということをクルーグマンは言っているわけです。だから、ここに関しては同意されますよね。
#27
○国務大臣(安住淳君) ただ、ですから、私たちは財政規律は守りながらやらないといけないから、もしかしたらここで言ったのかもしれませんけれども、なかなかナローパスだなと思っているわけですよ。
 そこで、中村さん、建設国債という議論もありますけれども、私どもとしては、やっぱり様々な資金を使いながら、民間の資金も何も含めて、今言ったようにこのデフレ下でお金が動かないと、中村さんの説でいえば、結局市中のお金も最後は日銀にまた回ってきて国債を買っていくと、こういう悪循環は現実的にだって今あるでしょう。だから、そういうことから脱却をするためには、やはりお金を投資をしてもらう、企業がですよ、そういうやっぱり環境をつくらないといけない。
 じゃ、企業はどうやったら投資をするかと。やっぱり新しい分野に御商売の可能性を見出すということだと思うんですね。それから言うと、ですから、政府はやっぱり規制緩和とか新しい産業というものを掘り起こしていく、又は技術革新をしていくというものに対して後押しをしていくということに関しては、私はそんなに中村さんと言っていることは違うとは思いません。
#28
○中村哲治君 そこの規制緩和等が必要だということは全く違っていないわけですよ。しかしそれじゃ不十分で、財政的な筋力が必要だとクルーグマンが言っているように、財政的な後押しがあってそこまで届かせることが、民間の需要がそこまで、持続的に投資がされるようなところまで道筋を付けることまでが必要なんじゃないかということなんです。だから、ここがちょっと安住さんと考え方が違うところなんでしょう。
 そこで、クルーグマンはこのようにも言っています。インタビュアーがこういうふうに言っています。「国家債務への対策として、野田政権は増税志向を強く打ち出しています。目下の経済状況で増税を選択するのは正しいやり方ですか。」、このようにインタビュアーが言っています。六十一ページです。六十一ページの上のところです。そして、そのことに対してクルーグマンはこのように答えています。「いまはそれを勧めません。まずは経済を先によくすることが必要です。そのあとに増税するのは賛成です。」と、こういうふうに書いているんです。
 これが、私がかねてから申し上げているように、まずアクセルを踏んでから、そして飛行機が巡航速度に達して墜落しないという状況になってからブレーキを踏んで増税をすると、そういうふうなことであったわけです。
 ただ、ここに関連して、安住財務大臣は、十九日の、第一回目に私がこれを聞いた、質問の機会でしたけれども、そのときの答弁でこのようにおっしゃっています。安住大臣は、景気回復をして長期金利が一%上がることも問題だと、そのようにおっしゃっておりました。確かに、債券市場の金利が上がれば債券価格は下がり、債権者である銀行は打撃を受けることになります。しかし、反射的な効果としては、債務者である政府は実質的な債務をその分免れることになります。また、銀行は国債だけを持っているのではありません。景気が回復することにより値段が上がる株などの金融資産も多く持っています。そういった意味では損益は相殺されます。
 このような良い金利の上昇まで否定されているのでしょうか。もし否定していないのであれば、何%の金利上昇ならばよいと考えていらっしゃるのでしょうか。
#29
○国務大臣(安住淳君) まず第一点は、クルーグマンさんのおっしゃっていることで、増税するのは賛成だということは、やっぱり我が国の財政状況の今の在り方は健全でないというふうにこの学者も考えているということは事実だと思うんですよね。それはそうですよね。
#30
○中村哲治君 中長期的にはね。
#31
○国務大臣(安住淳君) それで、そのためにまず経済を良くすることだということだから、三党では十八条の附則の一項、二項、三項を定めているんです。
 それ、あしたから増税するわけじゃないですね、中村さん。これは一四年と一五年というふうに分けて、そして、その後で議論になるかもしれませんが、経済の状況を見て、最終的にその時の内閣が判断するとまで書いてありますから、我々としては、経済の好転のために様々な努力をするということをまずここで書いてあるわけです。
 まず、いいですか。
#32
○中村哲治君 じゃ、それだったら、今まで安住さんの答弁で余りはっきりしていないのは、デフレ下での増税というのを行うのかということなんです。いかがですか。
#33
○国務大臣(安住淳君) デフレは脱却しなければなりません。しかし、デフレ下においても税収が上がり、好景気だったことはありますと何度も答えています。
 ですから、その好景気の速度が速くて全ての指標が上向きになった場合は、私は可能性としては、別に、デフレは脱却しますから、脱却しなければならないけれども、それは目標として。しかし、二〇〇三年から七年までの、例えば小泉政権下で、あれは不良債権の処理をした後、アメリカの好景気にも支えられて、税収もアップして、就職率や失業率等も全て状況は改善をいたしました。
 ですから、そうしたことも総合的に勘案して、時の内閣で決めていただければいいと思っています。
#34
○中村哲治君 今、二〇〇〇ゼロ年代の十年間で、小泉政権期に収益が改善したというのは、これはいわゆる輸出に支えられたものだということはもう御存じのとおりです。
 バブルのころは輸出は四十兆円だったわけですね。リーマン・ショックのころには八十兆円と非常に大きな額で輸出が伸びたというのが、あの二〇〇〇ゼロ年代の十年間の非常に特殊な要因であったわけです。アメリカだけじゃありません、ヨーロッパもそうです。ヨーロッパ経済に引きずられる形で中国が成長し、中国に物を売る形で日本の経済は成長していったというのがあのときイザナギ超えの基本的な構造です。
 だけど、今、問題は、ヨーロッパもそういうふうな状況にない。アメリカもリーマン・ショック以後、もう本当に大変な状況になっていて、雇用も問題になってきて、その中で、じゃその二〇〇〇ゼロ年代の十年間の話を表に持ち出すのは余りフェアじゃないと思うんですね。まあそれはいいでしょう。
 それで、だから、増税をするしないの話もあります。私が聞いているのは、何%だったら良い金利の上昇で、何%だったら悪い上昇だと考えているのかということを聞いているわけですよ。だから、それに答えていただきたいんです。
#35
○国務大臣(安住淳君) いやいや、それ答えようと思っていたらば、中村さんが手挙げて今質問なさったんで……
   〔中村哲治君「だから、聞かれたことにだけ答えてくれればいいんですよ」と述ぶ〕
#36
○国務大臣(安住淳君) いやいや、それ、前段で聞かれたわけです。
#37
○委員長(高橋千秋君) 質疑でやってください。
#38
○国務大臣(安住淳君) それで、中村さん、その解は、解はありません。何%がいい金利で何%が悪い金利かということはありません。
 ただ、私どもが、あえて言えば、それは経済成長に伴う、良識的に成長とともに上がってくる金利というものもありますねと。しかし、そうでなくて、言わば悪循環の中で収支の状況が悪化しているにもかかわらず金利だけが上がるというふうな、いわゆる悪い金利の上がり方もありますねと。そういうことですよね。だから、それを数字で何%というのは、成長によりますので分かりませんが、私どもは、健全な経済発展に伴えば、自然と銀行というのは、今例えば持っている国債も投資に回すとか、そういう動きが出てくれば、それは経済全体が良くなって、税収も増えて、そこに、何といいますか、それはどうしたってその中で自然にスパイラルでない金利の上がり方というのも想定し得るんではないかと思っています。
#39
○中村哲治君 だから、そこで問題になるのが、悪い金利の上昇というのが財務大臣の中でどういうふうにイメージされていて、どういう条件が整えばこれが起こるのかということを議論しないといけないということなんです。だから、国際収支の話を延々と私も持ち出しているのは、この悪い金利の上昇というのがどういう条件を整えればできるようになるのかということをやっぱり議論しないといけないんですよ。
 なぜ財務省が十年前に、経常収支の黒字や対外純債権国や外貨準備の額が最大ということが国債の信認につながっていると言ったのか、そのロジックについて私は何度も安住大臣にこの場所で尋ねました。しかし、そこのロジックについては答えてもらえませんでした。しかし、そのロジックを議論しないといけないのは、この悪い金利上昇というのはどういう条件で起こるのかということを考えないといけないからなんです。
 しかし、ここは残念ながら財務官僚でもほとんど議論しても話が付いてこれていない状態になるので、正直なところ、今、安住大臣に聞いてもなかなか切ない話だということも昨日担当課長と話してよく分かりました。だから、この質問はもうここで終えておきますけれども、こういうふうな課題がまだ山積しているのでまだまだ質疑を続けていかないといけないということなんです。
 本当はだからこれを民主党の中でやりたかったわけですけれども、聞く耳を持ってもらえなかったということが私が残念だと思っていることなんです。大久保さん、隣でうんうんとうなずいていますけど、財金の担当者でいらっしゃったんで、大久保勉さんに、そのことも改めて議論していたわけです。
 それでは、ちょっと時間がもう五十分を切ってしまいましたので、今日のメーンのテーマに移りたいと思います。
 それでは、三党合意による税制法案の修正部分について、質疑通告とは順番を変えます。附則の十八条二項について伺います。今、安住大臣も附則十八条一項、二項、三項の話されましたので、この二項というところが非常に重要でございます。ここの文言について逐条的に八つほど質問させていただきます。
 附則十八条第二項について、そこにはこういう文言があります。財政による機動的な対応が可能となる中でとあります。この文言の意味はどういう意味でしょうか。
#40
○衆議院議員(野田毅君) ここの条文のその前に「税制の抜本的な改革の実施等により、財政による機動的対応が可能となる中で、」ということですから、読んで字のごとしだと思います。
 ただ、この場合、先ほどの大臣とのやり取り、大変楽しく拝聴させていただいておりました。やはり大事なことは、財政再建とそれから経済の成長をどう両立させるかということです。
 同時に、その場合の経済の成長というのは、言葉だけではなくて、目先の、いわゆる財政出動という言葉は非常に誤解があります。当面の需給ギャップを埋めるという、そういう意味で、工事を追加するということだけに限定される嫌いがあります。しかし、我々は、もちろんその当面需給ギャップを埋めるという効果は大事ですが、同時に、中身について、むしろ中長期的な中で戦略的に、機動的対応が可能となる中でということの意味は、当面の需給ギャップを埋めるという話だけじゃなくて、成長戦略という言葉を使っておりますけれども、社会資本の整備を含め、あるいは研究開発に対する投資減税を含め、日本の経済を中長期的に成長力を高めるような、言うなら呼び水的な意味で対応するということを込めて機動的対応が可能となる中でと、こういうことですから、単年度だけの帳じり合わせということではないということを申し上げておきます。
#41
○中村哲治君 私は条文解釈について聞いています。それで、詳細な質問通告、質疑要旨を渡しているので、きちっと条文解釈をしてください。
 機動的な対応が可能となる中でって、読んでそのままだというのは、これは答えになってないじゃないですか。財政による機動的対応が可能となる中でという条文の意味を聞いているんです。
#42
○衆議院議員(野田毅君) ですから、今申し上げた内容であります。
#43
○中村哲治君 機動的対応というのはどういう意味ですか。
#44
○衆議院議員(野田毅君) つまり、構造改革なんですよね。だから単年度の帳じり合わせの話じゃないと。機動的対応というのは、財政の単年度ごとの収支の話じゃなくて、歳入の構造改革、歳出の構造改革ということの中で戦略的な対応ができるという意味であります。
#45
○中村哲治君 戦略的な対応ができるという意味はどういう意味ですか。
#46
○衆議院議員(野田毅君) 今申し上げたじゃないですか。つまり、単年度ごとの帳じり合わせじゃありませんよということですね。ですから、仮に消費税の引上げをしないで今までのように全部カットカットカットということでいくのがいいのか、あるいは逆に、攻めの機動的対応ですよね。そういった部分で、さっきのクルーグマンの話がありましたね。そういう意味で、増税という言葉で、言うなら、国の収入とそれから国の支出、つまり対民収支ということを考えた場合に、増税というと、民間からお金を吸い上げるということだけに実は頭が向いていると思います。そうではなくて、国に入ってくるそのお金をそれをそのまま、極端に言うと右から左に、つまり収支ということからいえば、吸い上げてしまうということじゃなくて、むしろ歳出の中身をより有効な形に戦略的に使うということが可能になるならば成長力を高める歳出に向けられるんじゃないんでしょうかと、こういう意味です。
#47
○中村哲治君 機動的対応というのは、より効率的に使えるようになるのであればというふうにおっしゃったんですけれども、そうすると、余裕が生まれなければより効率的には使えないという意味でしょうか、どういう意味なんでしょうか。
#48
○衆議院議員(野田毅君) 質問される意味がよく分からないんだけれども。今申し上げたとおりですよ。
#49
○中村哲治君 いや、答弁をお聞きして、より効率的な予算が使えるようになるということをおっしゃったので、機動的に、でも、余分な財政の収入が出てくるから今度余計に効率的な使い方をできるというのはどういうことなんですかということを伺ったんですよ。
#50
○衆議院議員(野田毅君) それは、歳出の中身をもう一遍より効率的というか、より重点的というか、より成長志向に振り向けるということを意味しているとお考えいただいて結構です。
#51
○中村哲治君 また議事録を精査して、次の質問をしたいと思います。
 次に、その前提のところ、「税制の抜本的な改革の実施等により、」という条文の意味です。その「税制の抜本的な改革の実施」とは何でしょうか。また、「等により、」と書いてありますけれども、その「等」とは何でしょうか。
#52
○衆議院議員(野田毅君) 税制の抜本改革というのは、今申し上げたとおり、歳入構造の抜本改革なんですよ。分かりますよね。そういう意味で、今回の消費税を含む税制の抜本改革ということです。よろしいですね。
 それから、「等」というのは、歳出の中身を含めるわけですから、歳入構造そして歳出構造、そういった、これがまさに財政の構造改革なんですよ。ここの単なる帳じり合わせだけじゃなくて、そういうことを申し上げているんです。
 勉強していただければお分かりになると思います、やじの方はね。
#53
○中村哲治君 それでは、なぜ財政の構造改革の実施によりというふうな文言にしなかったんですか。
#54
○衆議院議員(野田毅君) まさに一体改革なんですよ。歳入の構造改革、歳出の構造改革、これこそが今、日本が、我々がやらなきゃならぬ一番大事な根幹の問題です。
#55
○中村哲治君 この十八条の二項の「税制の抜本的な改革の実施」というのは、歳入の構造の改革であるということをおっしゃいました。
 そうすると、歳入の構造の改革というのは、消費税の増税は今回決めますけれども、相続税や所得税等の改革については附則二十条、二十一条で書いてあるわけですから、ここも含めて歳入の構造の改革だというふうに思っていいですね。
#56
○衆議院議員(野田毅君) おっしゃるとおりです。
 ただ、後でまた質問があるかと思いますから、それじゃなぜ先送りしたかということだと思いますが、それはまたそのときにお答えをしたいと思いますが、これは、少なくともこの消費税の引上げが現実に行われる再来年の四月、それまでには、少なくとも来年度の税制改正の中でかなりの部分は、これらの積み残しの問題について更に内容を詰めて我々はこれをまとめ上げていくというつもりでおりますので、一体改革というこの線は動かしてはいないということです。
#57
○中村哲治君 ということは、自民党修正案提出者とすれば、二十五年の予算からはこの方針でいけると。二十五年の税制改正をした上で、二十五年の予算からは、税制等の抜本的な実施等によりというのは実現できたわけだから、それから予算の編成等に反映できるという、そういうふうな意味ですね。
#58
○衆議院議員(野田毅君) それが望ましいとは思いますけれども、中身によっては更に引き続き検討をしなければならないテーマがあろうかと思います。それは後ほどまたお話があろうと思いますから、今はこの程度の答弁にいたしておきます。
#59
○中村哲治君 なぜ後回しにしたのかということは聞かれるだろうとおっしゃったんですけれども、前回の質疑のときに、それは単に時間がなかったんですよという答弁をいただいておりますので、時間が必要だということは理解しております。
 そこで、次の質問ですが、附則十八条の二項は、その後に続けてこのように書いてあります。「成長戦略並びに事前防災及び減災等に資する分野に資金を重点的に配分することなど、」という条文でございます。ここの成長戦略に資する分野としてどのような分野を考えていらっしゃるのでしょうか。三党それぞれにお聞きしたいと思います。
#60
○衆議院議員(古本伸一郎君) 成長戦略には、当然、日本再生戦略、今政府としても新たに政府・与党一体となってつくってきていますので、その中に盛り込んでいる幾つかの分野がございます、柱の分野、細かくは申し上げませんが。そういったものも一つの参考になると思っています。
#61
○衆議院議員(竹内譲君) 公明党としては、成長分野としては、特にエネルギーが非常に重要であると思っておりますし、そのほかにも医療分野であるとか、それから防災、減災の部分は非常に国民共通の基盤であると。成長を促す防災・減災政策というのは民間においても非常に重要な基盤になる分野であると思っておりますので、そのようなものを考えております。
#62
○衆議院議員(野田毅君) さっきも申し上げたわけですけれども、特にこれからの日本の成長力を高めていくような研究開発、人材育成、こういった分野には、私はもっと突っ込んだ政策減税を充実する、あるいは予算を付けるということがあってしかるべきであると。そして、それを通じて日本の雇用を拡大していくというために何をすべきかということだと思います。特定の産業分野だけを挙げるということは、必ずしも私は正解ではないと思います。
 ただ、可能性のある分野としては、あるいは温暖化対策のための研究開発をやっていくということもあるだろうし、エネルギーの、何というんですか、日本の国産エネルギーをいかに確保していくかという問題だとか、様々、医療の開発だとか、あるいは住宅、これも非常に大事な戦略産業の一つだと思います。それから、企業誘致を、特に地方の活性化、地方の強靱化をやろうと思えば、当然社会資本整備も、単に防災、減災だけではなくて、雇用をいかに開発するかというために必要な社会インフラ。民間の企業がやっぱり主役なんですよ。国の企業じゃないんですよ。民間企業が元気が出るようなために必要な呼び水となるような社会資本整備ということも防災、減災等に負けず劣らず大変大事なテーマだと考えております。
#63
○中村哲治君 公明党の答弁で防災、減災のことを挙げられている。それは後の条文とかかわるので、まあそこは違いますよね。成長戦略についてお聞きしたわけです。
 成長戦略、公明党としては医療とそしてエネルギーの分野等考えられると。そして自民党は、それに限らず、雇用につながるものを考えていかないといけないと。民主党もそれに類するような答弁だったと思います。
 ということで、どういうふうに、配分することなど施策を検討するとあるわけですが、この検討に関しては、今後三党でどのような検討のやり方をされていくとお考えでしょうか。
#64
○衆議院議員(古本伸一郎君) 十八条二項の恐らくこれ時間軸の話だと思うんですが、要するに、消費税が税率を引き上げさせていただきたい二〇一四年の四月以前からこの施策に取り組むのか、恐らく、中村先生、累次にわたって御指摘いただいているこの機動的な対応が可能というのは、消費税増税分を充てるんじゃないかということでいえば、それは五%分は漏れなく四経費に使うんですけれども、要はいつからかということからいえば、実はこれは予算編成を縛ることになりますので、補正でやるのか、あるいは来年度の本予算でやるのか、その次の二十六年度でやるのか、もうこれはそれぞれ毎年の予算がありますので、時の内閣の予算編成を縛ることまで三党で合意していないというのは私はこの場で何度か答弁したと記憶しておりますので、こういった分野にお互いに努力していこうということは大方確認していますけれども、じゃ、あれとこれに幾ら使おうということまで確認したわけではありませんので、時の内閣の予算編成権を何ら拘束するものではありません。
#65
○中村哲治君 つまりは、三党それぞれに成長分野についてのイメージはあるけれども、その内容までは合意したわけではないし、それについて協議をするということでもない、それについては、時の政府が予算編成権の中で条文に従って成長戦略というのはどういう部分なのかということを判断して予算編成をしていくと、そういうことでよろしいですね。
#66
○衆議院議員(古本伸一郎君) 改めてお答えいたします。
 十八条の二項が今御指摘いただいておりますが、前提となっているのは十八条の一項です。一項で経済を良くしていきたいということは、中村先生も当時の民主党の議論で大いに御参画いただいたわけであります。この十八条一項を前提に民自公で三党協議をした際に、より具体的にじゃその成長の道筋として成長軌道に乗せていく上でどういうものがあるんだろうかという中で、この二項をすぐれて建設的に御提言いただいたと受け止めています。自公の皆様から御提言いただいたと受け止めております。
 ついては、このことに基づいて、具体的に成長分野が何なのか、これは恐らく民自公それぞれ考えがあると思いますので、改めて成長軌道に乗せるためにどうするかは三党が向き合って議論することは大変有益だと思っています。
#67
○中村哲治君 一歩踏み込んで、私、この成長戦略に関しては時の政府が予算編成権の中で組んでいくんだと思っておりましたら、ここの内容についても三党で協議を今後していくという踏み込んだ答弁をいただきました。これは私が主張している実質的な三党大連立政権だということを補強する答弁でしたので、積極的な答弁をいただいてよかったなと思っております。
 附則第十八条二項については、もう一つあります。「成長戦略並びに事前防災及び減災等に資する分野に資金を重点的に配分することなど、」という条文のうち、「事前防災及び減災等に資する分野」という文言が出てまいります。ここが恐らく、先ほどから公明党の皆さんからの御答弁にもありましたように、いわゆる自民党が国土強靱化に十年間で二百兆円、公明党は防災・減災ニューディールで十年間で百兆円という御方針とつながってくるんだと思います。それぞれ年間二十兆円、十兆円という巨額の財源が必要となります。この額については、今までの提出者の答弁を聞きますと、事業規模だということで、純粋な国費ではないということをおっしゃっておりました。
 それでは、それぞれの財源について、自民党、公明党にそれぞれ、年間二十兆円、十兆円のそれぞれの内訳、どのような形でされていると考えていらっしゃるんでしょうか。地方分とされるものの中にも交付税措置とか社会資本整備交付金などの国費も含まれておりますので、結局、政府支出としては同じなんじゃないかなと思うわけですけれども、この辺りのところはどのように両党お考えでしょうか。
#68
○衆議院議員(野田毅君) 大変精緻にお考えいただいてありがとうございます。
 ただ、余りがんじがらめに、今から捕らぬタヌキの皮算用で言っても信憑性は出てこないと思うんですね。
 元々、我々は少なくとも、この前も申し上げたんですが、過去十年間でいえば、二百兆に相当するベースでいえば二百三十兆ぐらいやってきていたわけですよね。これを更に今後十年間で二百兆ということであれば、逆にもうこれ以上どんどん何かコンクリートから人へという言葉で公共事業を切って喜んでいる時代ではもうないよと、本気で考えなきゃいけないじゃないですかと。
 私どもは何もぼんぼん増やせとかそんなことを言っているわけじゃないんです。だから、公共事業、このいわゆる政府投資セクターですね、GDPの計算上表れてくる、ざっと二十兆ですが、その内容は、いわゆる典型的な公共事業と言われるようなものもあれば、あるいは河川改修、これ防災、減災、あるいは道路もあれば、そのほかに大学の建物であったり、国立病院の建物であったり、学校の校舎であったり、あるいは農業の排水機場の問題だったり、様々な、いわゆる分類上政府投資セクターに入るものが入っているわけです。そういう意味で、国が自身でやるものもあれば、地方がやるものもあれば、その財源については、国費もあれば、あるいは交付税で措置されるということもあるだろうし、四条国債で措置されるものもあるだろうし、あるいは民間の分野から地方債として借りる部分もあるだろうし、あるいはPFI、特に銀行がたくさんお金を持っているわけですから、そういった民間セクターに残っているお金をいかに引っ張り出して有効にこうした政府投資セクターに活用していくのかという、そういったことを考えていかなきゃいけないので、原資の中から積み上げて積み上げてというような話ではないということです。
#69
○衆議院議員(竹内譲君) お答えします。
 我が党といたしましては、百兆円と申し上げておりますが、これは一つの目安ということでございます、十年で。
 具体的には、やはり国、地方、民間で総点検をして、本当に必要なもの、優先順位の高いものを積み上げていくべきであるというふうに思っております。
 そういう意味で、財源の種類としては、建設国債でやらざるを得ない部分もあるでしょうし、それから復興債のような形で、私どもはニューディール債というふうに呼んでおりますが、財源を担保した形で二十五年ぐらいの償還を考えるという、超長期の償還のそういう考え方もございます。それから、事業性のあるものにつきましては、レベニュー債のようなそういう手法もあろうと思っております。そして、もっと言えば、私どもは民間の投資を呼び込みたいというふうに思っておりますので、純粋な民間企業がそういう防災、減災のための投資をしていただきたいと。そういうものをトータルとして、一つの目安として十年で百兆円ぐらいというものを出しておるということでございます。
#70
○中村哲治君 自民党の答弁者からは積み上げたものではないと、公明党の答弁者からは目安であるということでありました。つまり、結局つかみ金みたいな話で、十年間で二百兆、十年間で百兆、そういうふうな数字の出し方なので、これはちょっと誠実じゃないんじゃないかなと思います。そして、現実的にそれじゃ国費としてどれぐらい必要なのかということの議論もまだ全然詰まっていないという数字であるというのが二百兆、百兆だということが分かりましたので、ここは本当に詰めていかなくてはなりません。
 次の質問に移るわけですけれども、その自民党、公明党に伺いたいんですが、この中期財政フレーム、四十四兆円の枠内、つまり国債発行は中期財政フレームでは四十四兆円というふうになっているわけですけれども、その枠内で考えるのか枠外で考えるのか、どのようにお考えでしょうか。
#71
○衆議院議員(野田毅君) ここはこれからいろいろ考えをもう少し詰めていかなきゃいかぬと思います。
 それは、国債は国債であっても、取りあえず分類上分かりやすくするために、この前は政府案では年金について交付国債ということにしたと、しかしそれは違うじゃないかということで、一応今回はつなぎ国債ということになっている。そして、東日本大震災に関する復興債、借金は借金なんですよね。だけど、一応対外的なこともこれあり、一つの規律という言葉がいいかどうか、一応それを示す上で復興債という形で、同じ借金でもそういう形で区分をして出すというやり方もあると。今、公明党の方からもお話がありましたが、ニューディール債というような格好で、つまりこういった部分は通常のものとは違うよという区分をしてやるやり方もあるだろう。しかし、まだ結論を出しているわけではもちろんありません。
 そして、元々二百兆というのはまだどこもオーソライズはされていないんですよ。我が党としても、党議決定をして決めているわけではないんで、おおよそそういったことを念頭に置いてやろうじゃないかということであって、そのところは数字の話までは、考え方はしっかり出しておりますけれども、数字を積み上げてやったと、かつてやった社会資本整備五か年計画の各事業分野ごとの積み上げをやるというような作業でできてきている話ではないということです。
#72
○衆議院議員(竹内譲君) 中期財政フレームというのは民主党さんの政権の枠組みの考え方でございますので、我々まだ政権に入っているわけではないので厳密なお答えはできかねますが、しかし、建設国債を発行する場合は、財政再建という形を守る、財政再建という観点からはできる限り中期財政フレームの四十四兆円の中に収めるのが望ましいとは考えております。
#73
○中村哲治君 自民党の皆さんは財政健全化法を作られて、これ、三年の中期財政フレームじゃ甘いと、五年ぐらいでやっていくべきだとおっしゃっているんですね。ここのところはもう少し厳格に、御党の御主張だとすれば、もう少しきちっと数字を出して、積み上げで数字を出してきて、ここに入るのか入らないのかということを議論されるべきだと思いますよ。だけど、結局、今お二人からもお話ありましたように、積み上げの数字じゃないというのが自民党の答弁ですし、それを一つの目安でやるというのが公明党の答弁であります。そして、この国費の部分に関しては建設国債を財源にするのかどうかも分からない、そして中期財政フレームの中に入れるのかどうかも分からない、そういうふうな形になってきていると。
 民主党の担当者は、ここの十八条の二項でいろいろな財政出動をこれからしていくという形になっていくんでしょうけれども、これは四十四兆円の枠内というふうに考えていますか。
#74
○衆議院議員(古本伸一郎君) 十八条二項の中でうたっていることは、経済を良くしていくためにどういう方策があるんだろうかということの中に、こちらに具体的に成長戦略並びに事前防災及び減災等に資する分野に資金を重点的に配分すること、このことを決めたということで、以上でも以下でもないんです。
 ついては、五%の使い道は本法一条で明確に社会保障関係四経費に限定して使うということをこの委員会に提起させていただいて御審議いただいているわけでございます。ついては、十八条二項で要する原資、つまり成長分野に一体どのくらいの、財政を仮に出動しても、掛かるんだろうかということについては、これは何度も申し上げています、時の内閣が判断すべきことでありまして、そのことまで、つまり、経済を良くしたい、あるいは防災、減災をしたいということはこの委員室にいるいずれの先生方も全く同じ感覚だと思います。問題は財源なんです。その財源をどこに求めるかまで三党で合意しておりませんので、恐らく私が答弁できる授権の範囲を越えていると思います。
#75
○中村哲治君 中期財政フレーム四十四兆円の中で考えるのかどうかって、これは民主党がどう考えるのかということを聞いているわけですから。じゃ、そこはどうなんですか。二党がこういうふうな形で、防災、減災含めて、成長戦略も含めての財政出動を十八条二項で行っていくと。もしあなたたちが政権を維持、次の選挙終わった後で維持されているのであれば、当然これは自分の政党として、政権として考えていかないといけないことになるじゃないですか。
 そこについては、四十四兆の枠内なのかどうなのかということは党内では議論されていないということでよろしいですか。(発言する者あり)
#76
○委員長(高橋千秋君) 御静粛にお願いします。
#77
○衆議院議員(古本伸一郎君) お答えいたします。
 今四十四兆のことをおっしゃっていただいていますが、十八条二項を三党で合意する際の大前提は、財政再建の道筋をきちんと果たしていく中でいかに成長戦略に乗せるかということ、成長軌道に乗せるかということに尽きると思っておりまして、財政再建と成長を両立させる範囲の中で十八条二項を前に進めていくものだと思っております。
#78
○中村哲治君 そこはよく分かりません。財政再建に資するためにこの増税をするわけですよね。そして、その結果、資金の余力ができるから、十八条の二項で成長分野なり防災、減災の分野なりに入れていこうと、しかしそれについてはそのフレームの枠内であるか枠外であるのかまだ漠然として分からないと、今日の答弁を総合するとそういうことになろうかと思います。まあそういうことなんでしょう。
 それでは、次に行きますけれども、公明党、自民党の皆さんは十年間で百兆円、そして十年間で二百兆円ということをおっしゃっていますけれども、土木建設業というのは、その事業の性質と規模により、一時的な需要増とか需要減には向かない事業分野だと思います、これは住宅産業も同じことですけれども。だから、急激なカンフル剤で土木分野にお金を投入されても、単価が高くなったりしてしまって余り経済的な効果がないと。むしろ、中長期的に一定の額を公共投資できちっと行っていくというふうな形にすれば、土木分野に大学生とかも入っていくし、そういう人材も育成できると。しかし、こういうふうに十年間に限ると、結局そういうことができなくなってしまう。結局、十年間といいながらも、将来的にもこういうふうに続けていかないといけないことになるんじゃないでしょうか。
 その辺りのところは、公明党の皆さんと自民党の皆さん、いかがお考えでしょうか。先に公明党の方、どうぞ。
#79
○衆議院議員(竹内譲君) お答えします。
 取りあえず十年と申し上げたのは、やはり次の震災といいますか災害がかなりの確率で予測されているということでございますので、やはりその十年で集中的に投資をした方がいいんじゃないかということでございます。
 ただし、そういう今、中村先生からの御指摘もそのとおりだと思うんですね。やはり十年で区切るだけでは駄目だと思っておりますので、当然それは柔軟に期間についてはまた考えて、持続的なやはり防災・減災事業というものを進めていく、そういうふうに考えております。
#80
○衆議院議員(野田毅君) 元々、社会資本整備は、業者がやりやすいようにするということは必要かもしれませんが、やっぱり必要なときにやるということですよね。ですから、同じだけの予算を十年間ちんたらちんたらやることに意味があるとは思わないです。やっぱりそのときの経済状況に応じて経済政策としてどうするか。だから、前倒し、後送りということは当然そのときの経済状況に合わせてやるというのは、これは鉄則だと思います。
 ただ、今まではどうしても予算編成の技術上、毎年度同じ程度の伸びしかやっていないとか一律に減らすとかいうことに少しやり過ぎたということは反省はあると思います。そういう意味で、もう少しかつてのように、社会資本整備については、それぞれ五か年計画なりある程度長期計画の中で、そのときの経済状況あるいは整備の進捗状況、時の社会の変化を含めてやる必要があるんじゃないでしょうか。
 そういう意味で、今回は、特に大震災の後もあり、そしてまた大水害のこともあって、必要な社会資本整備はむしろ前倒ししてやるというぐらいのことがあったってしかるべきであるだろうと。そういう意味で、余り単純に同じだけの額を十年間固定的にやるという発想は逆にいかがなものかと思います。
#81
○中村哲治君 いまいちよく分からなかったんですけれども、次に行きます。
 十八条の二項について、我が国の経済成長等に向けた施策を検討するとあります。その「成長等」の「等」というのは、成長以外にどういうものがあるんでしょうか。
#82
○衆議院議員(野田毅君) 国政の大事な課題は経済成長だけではないと思います。それ以外の要素も十分に入れなきゃいくまいという、もろもろのことを受け入れるという、考え方の中には入れるということだと思います。これはもう当たり前のことじゃないでしょうか。
#83
○中村哲治君 もう時間も来ておりますので次に行きますけれども、今日の十八条の二項ということを検討していくと、結局、検討するという最後の文言も、何でこの条文が入ったかというと、宮沢洋一参議院議員の起案だということも七月十九日の審議で明らかになって、私としては、この検討には自民党の意向が含まれるのかなというふうに思っていてこれ質問しようと思ったんですけれども、先ほど古本先生の答弁では、当然この三党で相談しながらやっていくという話でしたので、本当に、ああ、そういうふうなことを今後もやっていかれるんだなということが確認できてよかったと思っております。
 次、時間も少なくなってまいりましたので、社会保障関係のところにまず飛ばしていただきたいと思います。
 七月三十一日の民主党櫻井議員の質問の中にこのようなことがありました。議員立法の解釈権限について、内閣法制局からの答弁ではこのような言葉で限定されていました。成立した法律の解釈に関する憲法上の考え方はという、そういう言葉でありました。櫻井議員は成立前の議員立法の条文解釈について聞いていたかと思うので、これはちょっと答弁が食い違っていたなというのを私、答弁を聞いて思っておりました。
 成立前の議員立法の法案についての条文解釈について、解釈権限は誰にあるのでしょうか、参議院法制局に伺います。
#84
○委員長(高橋千秋君) 質問通告してありますか。
#85
○中村哲治君 ペーパーで出していますから。
#86
○委員長(高橋千秋君) 質問通告出しているんですか。
#87
○中村哲治君 ペーパー出しているんですけれども。
#88
○委員長(高橋千秋君) 法制局来ていますか。──質問通告がないそうです。
#89
○中村哲治君 ペーパー出していても駄目なんですね。通告出していたことにはならないということですか。
#90
○委員長(高橋千秋君) 質問通告を出してください。
#91
○中村哲治君 それでは結構です。またこれは後日したいと思います。
 同じく七月三十一日の櫻井議員の質問で、社会保障制度改革推進法案第二条三号の「社会保険制度を基本とし、」という文言と、民主党の唱える最低保障年金はここに含まれるかどうかについて三党でもう一度すり合わせて答弁するように言われておりましたけれども、この点についてはどのような結論となったのでしょうか。
#92
○衆議院議員(長妻昭君) お答えを申し上げます。
 この今おっしゃっていただいた「社会保険制度を基本とし、」という文言については、その文言の解釈については提出者の間では一致をしております。つまり、社会保障制度改革については自助、共助及び公助が最も適切に組み合わされるように留意していくことが必要ですが、このうち、個人の責任や自助努力で対応できない生活上のリスクに対して、国民が相互に連帯して支え合うことによって安心した生活を保障する共助を体現するのが社会保険制度であるというふうに考えております。
 我々が申し上げている最低保障年金、これは単独でとらえられると困るわけでございまして、これは、比例報酬、国民年金も入れた比例報酬年金の上に、比例報酬の年金の受給額が少ない方に最低保障という税を財源とした年金が乗るということで、これは「社会保険制度を基本とし、」ということで私たちは考えているところでございます。
#93
○中村哲治君 それはほかの政党も同じように考えていらっしゃるんですか。
#94
○衆議院議員(加藤勝信君) 先日来この委員会で、共同提案をしております鴨下委員から御説明しておりますのは、全額税を入れるという最低保障年金については対象にならないんではないかということを申し上げてきたわけでありまして、今お話あるように、更に具体的な話というのは我々に何ら示されておりませんから、そこまで含めてどうかと言われたらなかなか現時点では答弁できませんが、少なくとも、我々として全額税を投入していると、こういう前提での最低保障年金というのは社会保険を基本にしたということにはなじまないんではないかと、こういうふうに考えているところでございます。
#95
○衆議院議員(西博義君) お答えいたします。
 最低保障年金制度そのものの設計が必ずしも確立されたものではまだ私どもはないというふうに見ております。
 最低保障年金ということだけでいいますと、先ほど長妻議員がおっしゃられたように、全額税で、しかも所得の低い人たちに給付をするという形になっているというふうに思いますが、今回のこの年金に対する考え方を、民主党さん、先ほどおっしゃった比例報酬年金ですか、そういうものとセットでお考えになろうとしているのか、最低保障年金だけでお出しになろうとしているのか、これによって若干の物事の考え方は違うのではないかというふうに考えております。
#96
○中村哲治君 いや、それは民主党側の努力が足りないと言われればそうかもしれないんですけれども、これまでも最低保障年金の議論ってもう五年以上やってきましたよね、もっとですか。そのときに、やはりその社会保険方式で報酬比例部分とセットで最低保障年金を考えていくというのはこれ当然のことだろうというふうに、議論の前提だと思っていたんですけれども、ここの辺り、三党の合意がなかなかできていないんでしょうか。長妻さん、もう一度答弁していただけますでしょうか。
#97
○衆議院議員(長妻昭君) これは……(発言する者あり)
#98
○委員長(高橋千秋君) 御静粛にお願いします。
#99
○衆議院議員(長妻昭君) 長年にわたっていろいろ我が党でも議論してきたわけでありますけれども、これ、やはり世間も含めて誤解がある部分があるんですね。つまり、いろいろ国会でもそういう質疑がなされた記憶ありますけれども、つまり、保険料を払っていなくてももう誰でも最低保障年金が老後確実にもらえるんだと、これはその保険料を払っている人と払っていない人、不公平じゃないかと、けしからぬと、こういう誤解もあるんです。
 これは、我々が申し上げておりますのは、最低保障年金、年金制度に加入をして、かつ払える方はきちっと払っていただくというのが前提で最低保障年金がありますよというようなことは申し上げているんですが、こういうようなまだ理解が、我々の説明も足りない部分もあるのかもしれませんけれども、そういうような理解が進んでいくと社会保険方式が基本というような御理解がいただけるんではないかと思っております。
#100
○中村哲治君 私、この間の桜内文城議員の質問とかも聞いておりまして、実はみんなの党の提案と民主党の提案というのは、実は擦り合わせていけば両立可能なんじゃないかなというふうに考えておるんですけれども、それも含めて、もう少し民主党の側もどういうふうな制度設計にしていくのかというような形を考えていく必要があるんじゃないでしょうか。そこは意見として申し上げています。
 だから、ある意味で、三党でもう少し、そこの最低保障年金の部分が条文との関係でどういうふうに整理されるのかというのをもう少し議論をして、統一的な見解を答弁できるようによろしくお願いいたします。
 時間もありますので、次に行きます。
 社会保障国民会議についてでございます。
 七月三十日月曜日の社民党福島議員の質問に対する答弁では、三党で協議をして、その中で総理がメンバーを決めていくというような話でございました。
 各党各会派が参加できるのか、その際どのようなメンバー構成とするのか、三党それぞれはどのように考えていらっしゃるんでしょうか。
#101
○衆議院議員(柚木道義君) お答え申し上げます。
 せんだっても御答弁をさせていただいたわけですが、国民会議におきまして具体的にどのような委員を選ぶかにつきましては、改革推進法案の規定に基づくというのが一つ、そしてこの本院本委員会での法案審議、さらには当然のことながらこれまでの三党間の協議、こういったものを踏まえまして、会議の運営方法などと併せてしっかりと検討をしていく必要がございまして、今、国会議員をという部分の御質問もあったわけですが、それも含めまして今後の検討課題というふうに考えておりますので、これは前回の福島委員とのやり取りの中でもそういった答弁をさせていただいておるものと認識しております。
#102
○中村哲治君 ということは、まだ何もちゃんと決まっていないということですよね。
 本来、社会保障国民会議のようなスキームをつくるのであれば、本来、衆参合同の協議会を国会内につくるべきなんじゃないですか。なぜ政府の中につくることにしたんですか。長妻さん、いかがでしょうか。
#103
○衆議院議員(長妻昭君) 国会の中でつくる云々については、三党協議ではそういう議論はしておりませんで、今回、推進法の中で国会議員を排除はしないというような表現で、これは最終的には総理、政府に決定をいただこうと、こういう自由度を残しているところであります。
 これは、今、法案の審議最中でもございますので、法案が成立した後、これは政府の責任において速やかにメンバーが決められるんではないかというふうに考えております。
#104
○中村哲治君 それは、長妻さんがずっと長い間主張されてきたスウェーデン方式の合意形成の仕組みとは違うと思うんですよ。
 今までは、やっぱり政権交代した後、政府の中じゃなくて国会の中にそういう協議機関をつくって、各党各会派の代表を出してきて、そして会議を行っていくべきだというのが私が長妻さんから聞かせていただいていた話だと思います。そこは、そうじゃなくて、より柔軟度を持たせるために政府の中に置くという御答弁でしたが、いまいち私には納得できません。
 結局、この三党合意、推進法案で定められたスキームというのは、三党協議で全てを決めていくというそういう枠組みでありまして、そのことを国民会議が追認していくという仕組みになっていると言わざるを得ません。この点でも実質的には大連立と言えます。むしろ、だから、政府の中に国民会議をつくることによってこの大連立の仕組みをうまくきれいに動かしていく仕組みであるということははっきりと分かるわけです。そういうふうな目で見ると、この規定の中身というのは納得することができると。
 しかし、それで、今度は自民党、公明党の皆さんに聞きたいわけですけれども、このような内容の法律を提案されておいて、そして早期の解散・総選挙も主張されております。これらのスキームで進めていくということと明らかに矛盾すると思うんですけれども、この点については、自民党の皆さん、公明党の皆さん、どのようにお考えになっているんでしょうか。
#105
○衆議院議員(加藤勝信君) 推進法の部分については、これは三党合意をいたしましたから、それに基づいて、まあこれは成立すればの話でありますけれども、していくと、こういうことになろうかと思いますけれども、当然、それ以外の分野については我々別に何ら合意をしているわけではありません。特に、政治でいえば安全保障等大変重要な分野もあるわけでございますから、そういう意味では連立というのとは全く違う。
 それからもう一つは、やっぱり、いざ、じゃその政権が、あるいはこの政策を実行していくという、遂行する力があるかないかというところも当然問われてくるわけでありまして、それに対して我々は強い疑問を持っているということでございます。
#106
○衆議院議員(西博義君) 衆議院の議論の最終局面で、今回のこの一体改革に対して我が党も三党の合意に参加をいたしました。その理由は、やはり今、持続可能な社会保障制度を構築するために安定的な財源が是非とも必要であると、こういう観点から、この重要課題について三党、党派を超えてやはり責任を持って取り組むべきという考えの中で私どもも参加をさせていただいた次第です。
 しかし、それ以外の政策課題、政党には様々な分野の様々な政策課題がございます。そのことについては何ら拘束されるものでもないし、また、それぞれの党の独自の政策というのは今後とも維持し主張していくべきものだと、こういうふうに考えております。
 そういう意味で、さっき解散・総選挙という話もありましたが、このことについても、それは場合によってはそのことについて選択肢として考えていると。今後につきましては、この分野については三党に、解散・総選挙の後も、それは三党のこれは合意を約束している限りはそのとおり進行していくというふうに考えております。
#107
○中村哲治君 逆進性の対策について最後に一言だけ申し上げたいと思います。
 簡素な給付措置というのは、一つ、軽減税率を導入するんだったら二・五兆円から三兆円の税金が必要です。それを考えるのであれば……
#108
○委員長(高橋千秋君) おまとめください。
#109
○中村哲治君 一人当たり四十万円掛ける五%の二万円給付する、これでも二・五兆円でできますから、簡素な給付措置でも、むしろ逆進性対策をすることは、むしろ軽減税率をできるということをしっかりと政府が答弁していくべきだと考えております。
 もう時間が参りましたから、ここで質問は終わります。残余の質問はまた次回にさせていただきます。
 ありがとうございました。
#110
○委員長(高橋千秋君) 午後一時に再開することとし、休憩いたします。
   午後零時十三分休憩
     ─────・─────
   午後一時開会
#111
○委員長(高橋千秋君) ただいまから社会保障と税の一体改革に関する特別委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、公的年金制度の財政基盤及び最低保障機能の強化等のための国民年金法等の一部を改正する法律案外七案を一括して議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#112
○中西健治君 みんなの党の中西健治です。
 皆さん、連日お疲れさまでございます。金曜日の午後となりましたので、あと四時間ちょっとということですので、集中力を高めて私の方も質問をさせていただきたいと思います。どうぞよろしくお願いします。
 みんなの党は、結党以来、増税の前にやるべきことがあると一貫して主張してきておりますけれども、野田総理も、増税も、歳出削減、行政改革も同時並行で実施していくべきという趣旨の発言を繰り返しておられます。
 そこで、本日はまず、歳出削減について質問をさせていただきたいと思います。
 野田総理は、これまで、公務員人件費二割削減はまだ旗を下ろしていないと繰り返し答弁してきております。そして、岡田副総理や安住財務大臣も、公務員の退職金ですとか公務員宿舎などの件でいろいろ取り組まれているということはよく承知しておりますが、しかしながら、衆議院の任期終了まで長くても、どんなに長くてもあと一年ということになってまいりましたので、任期中に実際に人件費削減を行うのであれば、来年四月から始まる新年度には賃金改定ですとか人員削減を行っていなければならないということになるわけですが、本当に実現できるのかどうか、そこのところを岡田副総理にお伺いしたいと思います。
#113
○国務大臣(岡田克也君) 委員御指摘のように、これは地方移管も含めてではありますが、人件費の二割削減という目標を掲げております。その目標達成に向けて今までも真摯な努力を行い、既に一割は達成をしたところでありますが、その後も引き続き二割達成に向けて努力を行っているところであります。
 一割の部分については、もう重ねて説明する必要もないと思いますが、定員の純減が大体四千五百名ですね、三年間で。年間千五百人だとすると三十万のうちの千五百人、〇・五%ずつ毎年やってきたということであります、これは平均値ですけれども。それから、給与の七・八%削減を含めて五千億ということであります。
 今取り組んでおります問題は、一つは退職給付の官民格差の是正、四百二万六千円を是正するということで、これは一挙に、一瞬でできるわけではありません、時間が多少掛かるということでありますが、平年度ベースで五、六百億出てまいります。
 それから、やっぱり中高齢期の職員の早期退職を促進するための仕組みをつくるということで、退職手当の割増し、それから民間再就職会社の活用などを現在具体的に検討しているところであります。これも、制度ができた上で、実際にそれが実効性を上げていくのに若干の時間を要しますが、四十代、五十代の中高年齢職員を減らすということは、当面はお金掛かりますけれども、全体で見ればそれは人件費を減らすということにつながるわけであります。
 そのほか、公務員の給与カーブの見直しとか、それからIT化による業務の見直しということも現在並行して議論を行っているところであります。
 そういった様々なことを組み合わせることで、二割削減という目標の達成に向けて努力を行っているところであります。
#114
○中西健治君 そうしますと、道筋自体は来年の八月までには二割削減というのは必ず付くはずだということでよろしいでしょうか。
#115
○国務大臣(岡田克也君) さっきの中高年齢の公務員の早期退職のための仕組みづくり、これにどれだけ応じるかと、これ強制はできませんので、そういったことはやってみないと分からない部分というのは確かにございます。そういう不確定要素が残るということは、これは御承知いただきたいというふうに思いますが、様々な仕組みをつくって人件費の削減の道筋を付けていくということでございます。
#116
○中西健治君 歳出削減に関して、三党協議の当事者であります自民党の法案提出者、発議者にお伺いしたいと思います。
 いまだに世論は、増税賛成よりも増税反対の声が上回っています。これは多くの国民が、増税の前に、身を切る改革を始めとした歳出削減や行政改革への取組が不十分と考えているのがその理由であるということを世論調査の結果は示しています。
 そうした世論の声が分かっている中で、自民党は三党協議においてこうした歳出削減や行政改革の実施を消費税増税の条件とすべきといったことを盛り込むように民主党に迫ったのでしょうか。
#117
○衆議院議員(野田毅君) 少し認識にずれがあると思います。今、御党を始め、民主党の中もそうかもしれませんけど、増税の前にまず無駄をなくせと、その前にやることがあると大合唱になっています。
 私どもは、実は小泉内閣の下で、まさにその下で随分と努力をしてまいりました。その過去の経緯についてはもう申し上げておるとおりです。その結果、必要な分野の予算まで削ってしまって、結果として逆に問題を引き起こしているという、様々な、地域の問題、農業の問題、安全保障の分野においてさえ、教育もそうです。そういったことが結果として日本の国力を傷めるところにまで来てしまっているのではないかと。
 もう、無駄はなくする努力は続けるけれども、それだけではできないということで、私どもはあえて、一辺倒から、むしろ逆に消費税の引上げセットにして、そういう過程の中でやろうと。つまり、後先という関係ではなくて同時並行に持っていかなきゃいけないということで、この前の総選挙そして参議院選挙で訴えてきているわけです。
 私どもは、そういった意味で、しっかりとそのことをこそ世論に訴えていかなきゃいけなかったんですが、残念ながら、それに対してまだまだもっと削れるところがあると言って、逆にそういった、その前にやることがあるという宣伝を一生懸命おやりになった方々が今回は責任を持って身を削る努力をお示しになるんであろうと。
 私どもは、やるべきことは随分やってきているという自負心がございます。そのことだけは申し上げておきたいと思います。
#118
○中西健治君 認識にずれがあるというふうにおっしゃられましたけれども、私の理解では、自民党は国家公務員の人件費削減を主張されております。それだけではなくて、それを地方公務員まで波及させるということまで主張をしているというふうに理解しております。
 どうしてこうしたことを盛り込まなかったのかということが私の質問でございます。
#119
○衆議院議員(野田毅君) これは、引き続いて同時並行して行うテーマだと思っています。その前ではなくて同時並行だと思います。
#120
○中西健治君 防災、減災等も、その前だけではなくて同時並行的にもきっと行っていくんだと思います。
 そうしたことを書き込んでおいて、お金を使うことは書き込んでおいて、歳出を削減すること、それをどうして書き込もうとしなかったのか。私は、前後ということだけで聞いているわけではなくて、その姿勢についてお伺いしたい。そうしたことについてお伺いしたいと思います。
#121
○衆議院議員(野田毅君) 私どもは、このことについては、既に麻生内閣時代に作りました所得税法改正附則の中で行政改革に対する不断の努力ということを併せてやるんだということを前提として今回の一体改革に臨んでいるということは前文のところに書いてあると思います、消費税法の中にも、はい。
#122
○中西健治君 行政改革不断の努力も、それから経済成長も前文には書かれている、法の趣旨のところには書かれています。にもかかわらず、片方だけは附則で特段の条項を作るということがバランスを失しているのではないかというのが私の質問であって、そこに自民党の姿勢が出ているのではないか、お金を使うことについては熱心だけれども、結局、行政改革を行うことについては余りプライオリティーが高くない、それが表れているのではないか、そのことをお伺いしております。
#123
○衆議院議員(野田毅君) まあこの辺は多少政治的プロパガンダもあるんだろうと思いますね。どの条文が大事なのか。最初の趣旨、目的規定こそが大事だという考え方もあるわけですね。あなたのように附則が大事だという、附則にだけ焦点を当てて論ずるというのもあるかもしれません。そこは見解の相違と言うしかないと思います。ただ、私どもの基本姿勢は今明確に申し上げたとおりです。
#124
○中西健治君 私は趣旨も附則も同様に大事であろうというふうに考えて質問をさせていただいております。そして、附則の部分こそが三党協議で変えられたからこそその意味を問うていたということでございます。
 では、もう一つお伺いさせていただきたいと思います。
 みんなの党は、デフレからの脱却に資すると考えている日銀法改正案を何度も国会に提出をしてきております。自民党も、聞くところによると、日銀法改正案を具体的に検討していると聞いておりますが、三党協議の場でそうしたデフレからの脱却のための具体的施策実施を消費税増税の前提条件にするといったことを自民党は民主党に迫ったのでしょうか、それとも迫らなかったのでしょうか。
#125
○衆議院議員(野田毅君) 日銀法改正の是非ということはこの問題とは関係ないと、これは一緒にすべきではないと思います。
 それから、デフレ脱却をどうするかということは共通の課題であると思います。だからこそ附則に第二項を入れたわけであります。ということです。
#126
○中西健治君 デフレ脱却、共通の課題であるということは、間違いなくそうだと思います。そんな中で、財政出動を伴うかもしれない、そうした手段についてのみ附則で書いたということは、やはりそちらの方がずっと重要だということをお考えになっていらっしゃるということでしょうか。
#127
○衆議院議員(野田毅君) これは、財政、税制ということは歳出と一体であるわけですね。ただ、金融政策なり日銀法の問題は税の本質とは違うと思います。そういう意味で、金融政策についてまでは、この税法の中で書き込むのは、私は日銀の本来の独立性という立場からしてもいかがかと思います。
#128
○中西健治君 税法と違うということであれば、防災、減災なども税法とは基本的には関係ないということだろうと思いますので、やはりデフレ脱却のための他の手段を書き込むということも考えるべきだったのではないかというふうに私自身は思っております。
 さて、では、野田衆議院議員、どうもありがとうございました。
 それでは、財政健全化について、先日の委員会で安住財務大臣に質問したことについて再質問をさせていただきます。
 安住財務大臣は、今回の消費増税を実施して十三・五兆円も国民負担が増大した後でも、年間四十四兆円の国債発行額は減らないという発言をされました。
 将来の消費税再引上げについてそれではお伺いしたいと思うんですが、将来の消費税率の再引上げについて、政府は、元々閣議決定の中に更なる増税の検討を盛り込んでいましたが、その後、法案提出時には民主党内の反対意見に配慮して当該部分を削除いたしました。安住財務大臣は、再増税については、社会保障の持続可能性と二〇二〇年度のプライマリーバランス黒字化目標に向けて更なる検討、議論を行っていくべきと答弁されておりますが、今回の消費税増税では、国債発行は減らさずに、政府債務残高の削減への道筋は全く示されておりません。一体どういう条件が整えば、一体どういう状態になったら国債発行額を減らしていけると考えているのか、再増税してからということか、御答弁いただきたいと思います。
#129
○国務大臣(安住淳君) 少しお時間いただいて補足させていただきたいと思います。
 国債の発行が減らないというのはおかしいのではないかということで、そこで最後途切れてしまいました。
 私が申し上げたのは、やはり、今回の増税はしましても、歳出面で社会保障の充実の経費が増える、それから国債費も実は増えていきますと、そういうことがあって、残念ながら増税分はそのまま国債が減るのではないんだということを申し上げました。
 別に、何ていいますか、我々としてこの増えた分を、ですから公共事業に充てるとかほかの事業に充てるんではなくて、経済成長に伴うパイが増えれば、どうしてもその中で国債費が、例えば我々の慎重シナリオでも二十一・九兆が二〇一五年には二十七・五兆まで膨らんでしまいます。これは過去のいろんな債務が膨れ上がった結果とも言えますね。そうしたことがあるので、国債額は残念ながら横ばいで推移をせざるを得ないような今は計算をしているということです。
 さてそこで、経済成長をしっかり果たしていったとして、二〇一五年の段階でプライマリーバランスは大体三%台、三・二%ぐらいになります。なりますが、ここから二〇二〇年にかけてゼロにしていくと。国債の発行額そのものが全く例えばゼロになることは率直に申し上げてないと思います、これは利払いが必ず続きますから。そういう意味では、私たちの国というのは財政収支でプラマイゼロではなくて、これはプライマリーバランスでゼロにまずするということは、こうした国債費を除いた経費でプラマイゼロにするというところにまず目標を置いてその均衡を図っていくと。しかし、そのためには、まだまだ、今の計算からいっても十七兆円程度のもしかしたら足らず前が出てくる可能性があると。
 そうなれば、三つの方法しかないと。歳出の思い切った削減、行革を含めてですね。さらには、やはり経済成長に伴う税収アップ。それでも足りない場合は再度様々な税の御負担というもののお願いというのは出てくるかもしれないと。ただし、それは、制度設計というのは、今は本当に第一歩としてこのプライマリーバランスの半減というのを目指していますので、それを成し遂げて、そして再度再構築をして、言わばゼロに向かって工程表を作っていかなければならないということを答弁しているわけでございます。
#130
○中西健治君 今三つの道ということ、三つのシナリオということをおっしゃられましたけれども、この経済成長ということに関して言うと、内閣府の中長期財政試算は、三%名目の成長シナリオを達成した場合でも、二〇二〇年度のプライマリーバランスの黒字化は達成できないで、八・八兆円の赤字となるというふうになっていますし、借金の部分も五十六・七兆円に跳ね上がるということになっているので、成長しても駄目だという構図をこれは描いてしまっていると、その中長期試算は描いてしまっているということになっております。
 私自身は、この内閣府の試算における税収の弾性値が保守的過ぎるのではないか、要するに、GDPが伸びた場合に税収はもっと伸びるはずだという疑問をずっと前から持っておりまして、内閣府には何度も質問主意書を出して、どういう内訳なんだと、説明をしてくれということを出しているんですが、納得いく回答は得られていません。ですので、私は、経済成長による税収の伸びが保守的に見積もられ過ぎていて、だから、それに依拠している政府の債務の増え方ですとか税収の見え方ですとか、そういったものが違ってきているんではないかなというふうに思っております。
 これは、もし御意見があれば、これについて御意見があればお聞きしたいと思います。
#131
○国務大臣(安住淳君) これも、弾性値が四にも上がるんだと言う人もいますが、私はそれはちょっとやっぱり余りにもレベルの高い話だと思うんです。
 我々の出しているのは、一・一というのは、やっぱり今の税収の構造がフラット化をしたり、法人税の引下げをしたり、そういうことをしております。そういうことからいうと、実は経済成長を果たしても、それと同じぐらいの丈で税収が上がってくるような、今そういう税率じゃないんですね。ですから、そういう点からいうと、所得税の累進率とかそういうものをもう少し高めていかないと、やはり一・一ぐらいじゃないかなと思っているんです。ただ、それは中西さんの多分計算だともう少しあるんじゃないかということですが、いずれにしても、それは成長をすれば、弾性値が結果的に上がってきてくれれば我々にとって悪い話ではないんですね。それは逆に言えば、二〇年に向かって、足らず前が非常にありますから、それを補うという点では決して悪いわけではないんですが、現時点ではやはり慎重シナリオで一・一を見込んでいるというところでございます。
#132
○中西健治君 もう一つ別のことを安住財務大臣にお伺いします。
 七月の二十七日の本委員会におきまして、被用者年金の一元化後の民間会社員へのしわ寄せの懸念というものを私は指摘させていただきました。そして、安住財務大臣は、一元化に伴う財政の見通しは、今年一月に公表された人口推計を踏まえて検討していく必要があると答弁されました。
 前向きな答弁にも聞こえるんですが、中身がどういうことなのかが判然としないということでございますので、再度お伺いしたいと思います。
 今回法案に盛り込んでいる持参金の考え方を変えるということなのか、それとも別の選択肢があり得るということなのか、それについて考えをお聞かせいただきたいと思います。
#133
○国務大臣(安住淳君) 先般の続きの話ですから、前の段階の話はもうはしょります。
 結論からいうと、五年検証ですから、そういう意味では、二十六年の財政検証に向けまして、今委員会を設置をして、物価上昇率、賃金上昇率、運用利回り等の見通しに立った財政検証を実施するための前提となる経済前提の検討に入っております。そして、今年の一月から国立社会保障・人口問題研究所で新しい将来推計人口を公表しておりますが、次回の財政検証に当たっては、その内容を被保険者数や受給者数の見通しに反映をさせたいと思っております。
 じゃ、具体的に何をするのかということになるんですが、今から予断を持って言うことはできませんけれども、つまり、見通しが出る前に何かをしますとは言えません。ただ、見通しが出ればその見通しに沿って、例えば保険料の水準のありよう、それから運用利回りを前提にした給付の在り方等について私は議論をしていただくことはいいと思っております。
 ですから、そういう点では、国民の皆さんから見て、まあ分かりやすい言葉で言えば、中西さんの疑問は、厚生年金の方に共済に入っている人たちはおんぶにだっこのような状態になるんじゃないかという御懸念でしょうから、そういうことにならないような制度設計をしっかりやっぱり国としてやっていく責任があると思いますので、しっかりとしたこの統計に基づいた対応というものを私も求めていきたいと思っております。
#134
○中西健治君 確かに解決策になり得ると思いますので、前向きな答弁、踏み込んだ答弁、どうもありがとうございました。
 古川大臣にも来ていただいておりますので、日本再生戦略に関連して少し質問をしたいと思います。
 日本再生戦略のアジア太平洋経済戦略の中で、二〇二〇年度までの目標として、EPAのカバー率を二〇%から八〇%程度に上げるということを書いてありますが、TPPに関しては、いまだ交渉参加に向けて関係国との協議を進めるという表現にとどまっております。
 これだけを素直に読むと、TPPなしでも二〇%から八〇%へ引き上げられることが可能であるというふうに読めるわけですが、そのようにお考えになっていらっしゃるんでしょうか。
#135
○国務大臣(古川元久君) 中西委員も、アジア太平洋地域のこれはやっぱり成長を取り込んでいくということ、重要だというふうに考えているということは我々政府とも同じだと思います。
 我が国は、二〇二〇年にアジア太平洋自由貿易圏、FTAAPの構築を目指しておりまして、これが実現すると、我が国のEPAカバー率は八〇%になることが予想されております。このTPP交渉というのは、FTAAP実現へ向けての一つの、APECなどでも実際に協議が開始されているものだというふうに位置付けられておりますので、そうした視点から、TPP交渉についても今関係国と協議を続けているところでございます。
 引き続きそうした協議を進めるとともに、これだけではなくて、日中韓のFTAとか、ASEANを中心とした東アジア地域包括的経済連携、こういったものも並行的にやっていきますし、さらにはこれ、アジア太平洋地域以外、日本・モンゴル交渉とか日・EU、EPAの早期交渉などもやっております。これも目指しております。
 EU辺りも一一・二%ぐらいのこれは割合ありますので、全体で八〇%というのは、必ずしもこれは、もちろんFTAAPということであればTPPが入るということになるかもしれませんが、これは、ほかの地域のところのEUとかそういうものを含めて、トータルとして八〇%を目指すということで考えているということでございます。
#136
○中西健治君 FTAAPの実現にもTPPが必須なのではないかなというように思いますので、TPPなしでの八〇%というのは非常に難しいんではないかなというふうに思います。
 最後に、このやはり再生戦略についてですが、法人税率を引き下げるということが明記されていません。新成長戦略では主要国並みの水準にというふうに明記されていたのが今回は明記されていないというのは、もう三五%へ引き下げたので、今一旦、三年間上がっていますが、それで打ち止めだということを意味しているんでしょうか。
#137
○国務大臣(古川元久君) 新成長戦略を踏まえて五%引き下げる、そういう税制改正を行いました。ただ、これは復興の関係があって、これは課税期間終了後に実現することとなっております。
 日本再生戦略におきましては、社会保障と税の一体改革大綱等を踏まえて、この税率引下げの効果や主要国との競争上の諸条件等を検証しつつ、新成長戦略も踏まえ、法人課税の在り方について検討することといたしておりますので、まずはこの五%の実現をしたところでもう一度検討していくことになろうかというふうに思っております。
#138
○中西健治君 質問を終わります。どうもありがとうございました。
#139
○桜内文城君 みんなの党の桜内文城です。
 今日は、特に社会保障のうち医療制度について、その改革の方向性等についてお尋ねいたします。
 今回、法案としても社会保障制度改革推進法案というものが提出されておりますけれども、その中で、二条に、基本的な考え方としまして、よくこの委員会でも議論になっておりますけれども、「年金、医療及び介護においては、社会保険制度を基本とし、」という文言があります。医療に限らず、我が国の社会保障制度、主に今申しました社会保険の仕組みによって行われているわけでありますが、年金の方は、かねがね私もこの委員会で何度も指摘しましたように、賦課方式、現行の賦課方式から積立方式に移行すべきではないか。これこそまさに、保険という以上、まずみんなで保険的な大数の法則に基づくリスクに対して保険料を拠出して、事故が起こった場合等々それを払っていくという、ある種互いの助け合いということが基本だと思うんですけれども、今の医療保険の目的、特に後期高齢者医療制度の改革の方向性、民主党及び民主党政権の側で後期高齢者医療制度の廃止ということをいまだもっておっしゃっていらっしゃいますけれども、そもそも社会保険としての医療保険の目的、それから後期高齢者医療制度を廃止するということがどうつながってくるのかというのがちょっと私よく分からないので、ちょっと大きな質問ですけれども、医療保険のそもそもの目的、そして、後期高齢者医療制度を廃止するというその方向性の大きな論拠について厚生労働大臣にお尋ねいたします。
#140
○国務大臣(小宮山洋子君) それは、医療保険は保険の制度ですから、病気にかかったりする人、かからない人いますけれども、相互にそこは助け合うということで保険の制度を取っているのだと思います。ただ、後期高齢者、これからどんどん超高齢化をしていく中で、高齢者になればなるほどやはり医療費というのは掛かってくるわけですから、そこの部分をどういうふうに賄うのかということが非常に大きな課題だと思います。
 後期高齢者医療制度、一番反発があったのは、年齢による差別だという御批判が国民の皆さんからあったと思うんですが、これについては、改革できるところは制度改正を見直すことによって、大きなところ、そこは改善をしていると思うんですが、まだいろいろと後期高齢者のところにつきましては、七十五歳以上の人も現役世代と同様に国民健康保険か被用者保険に加入していただくということで、現在の制度への批判にこたえた上で、公費、現役世代、高齢者の負担割合、これをより明確にする点など今の良い点は、変えてきて良い点は維持をしながらより良い制度を目指すことが必要だということで、後期高齢者医療制度の改革、今の制度の廃止ということを出しておりましたけど、この扱いにつきましては、三党間でそれぞれの考えを持ち寄りながら、高齢者医療制度に係る様々な課題について認識を共有し議論をするということになっておりますので、そういう民主党としての考え方をこの三党の中でまた議論をしていくということに今なっているのだというふうに思います。
#141
○桜内文城君 やはりこれ、保険というもの、医療保険、社会保険ではありますけれども、それと福祉的な給付、要は税金でもって保険料払っていない人にも給付を行っていくというものとうまく区別が付いていないんじゃないかという印象を受けるんです。
 というのは、今、医療保険、特に後期高齢者医療制度の目的についてお尋ねいたしましたが、確かに年齢による差別ということ、確かに国民の批判も大きかったと思いますし、そしてまた、厚生労働省で高齢者医療制度改革会議の最終取りまとめも拝見いたしましたけれども、その中でも意識調査は行われて、それで年齢による差別というのは適切でないという回答が多かったということで、国民の理解得られていないということもあるんですが、そもそも、やはりこれは保険なわけですよ。
 民間の医療保険というのは、当然年齢が高くなれば保険料が高くなっていく。もちろん、政府が運営する社会保険として高齢者ほど保険料が高くなっていくというのはなかなかどうかなというのがあるのは分かるんですけれども、そもそもこういった後期高齢者医療制度、名称を変えればいいのかというのももちろんあるんですけれども、年齢による差別という意見が多いからといって、今の後期高齢者医療制度のいい点もいっぱいあるわけですね。いい点もいっぱいあるというか、元々、国民健康保険が負担が過重になって、そしてその財源をどう賄うのかというところを、若い世代からの拠出によって、四割ですか、賄っていく、それを財源的にも明確化していく、どれだけお年寄りを支えるために若い世代からお金を拠出するのか、あるいは公費五割というのをしっかり明示していく。それが、この今政府の方で取りまとめられています後期高齢者医療制度の改革の方向性見ますと、まさに丼勘定にしてしまう、そういったような印象も受けるんですけれども、これについてはどのようにお考えになりますか。
#142
○国務大臣(小宮山洋子君) 今言われたように、今の後期高齢者医療制度の利点であります高齢者の医療費について公費、現役世代、高齢者の負担割合を明確化する、また原則として同じ都道府県で同じ所得であれば同じ保険料という、ここは維持をしながら、改革会議でやりましたのは、後期高齢者医療制度を廃止するということ、国民健康保険の七十五歳以上の被保険者に係る都道府県単位の財政運営、これはやはり都道府県単位化することによって財政基盤を安定させるという意味合いがあると思います。
 また、高齢者の保険料負担率の計算方法の見直しですとか、高齢者医療支援金の総報酬割、それから公費負担の割合の引上げ、こうしたことを組み合わせることによって現役世代にとって負荷が多くならないように、そして公費との割合についても考えながら、これからその増大をする後期高齢者の医療費をより良くそれぞれ公平に負担をしていくためにはどうすればいいかということで、今の制度のままというのではなくて、やはりこの改革会議の取りまとめに基づく方向性で改革を進めていく必要があるというふうに政府としては考えています。
#143
○桜内文城君 しかし、今大臣がおっしゃったように、公費、現役世代、高齢者の負担割合の明確化ということと、それから、都道府県単位の財政運営といった現行制度の利点はできる限り維持しということは、まさに今の後期高齢者制度そのものじゃないですか。名前だけ後期高齢者制度廃止って言って何が変わるんですか、教えてください。
#144
○国務大臣(小宮山洋子君) それは、現行の制度ですと、広域連合による運営をしている部分、これを都道府県による財政運営にすることで、まず第一段階としては更に安定する形にし、第二段階として全年齢を対象に都道府県単位の財政運営をしていくというように、この仕組みを変えることによって、より安定的な形で増大をしていく後期高齢者の医療費を負担をする形に変えていきたいということです。
#145
○桜内文城君 ですから、今おっしゃった財政運営、標準保険料率の設定を都道府県が行っていく、そのこと自体が今の現状とどう違うんですかと。もちろん今は広域事務組合ですけれども、それを都道府県単位に行っていくという意味で、もっとそれを強化するような話じゃないですか。
 そして、費用の負担についても、後期高齢者の保険料の負担を抑制しようという方向性はありますけれども、逆に言えば、現役世代の負担がどんどんその分大きくなっていくという制度設計を書かれているわけですよ、この最終とりまとめでは。全く後期高齢者の医療費を抑制するという、そういう方向性がほとんどこれ見えないんですけれども、その点どうお考えになりますか。
#146
○国務大臣(小宮山洋子君) 先ほど申し上げたように、例えば高齢者医療支援金の総報酬割、これによって、七十五歳以上の給付費に対する高齢者医療支援金およそ四割についてその被用者保険者間の按分方法を各保険者の総報酬に応じた負担とするというようなことで、ここできちんと維持ができるようにし、さらに、公費の負担割合の引上げと申し上げましたけれども、保険者の支援金の負担を軽減するために公費の負担を実質四七%から五〇%に上げるなどして現役の方へしわ寄せが行くことを少しでもこの新しい仕組みの中で軽減をしようと考えているところです。
#147
○桜内文城君 これ、医療保険の負担であれ税金であれ、公費というきれいな言葉を使われますけれども、結局これ税金なわけですよ。そこではやはり世代間の格差が大変大きく生じているということを私はこの委員会でも何度も指摘してきております。そういった意味で、そもそもこういった、医療保険ですよ、最初の問いに戻りますけれども、医療保険においてこうやって公費を投入する部分を増やしていく、結果としてそれは今の現役世代の負担を大きくすることにつながっていくわけですね。
 むしろ、我々が今この委員会で新しい社会保障制度として考えていかなくちゃいけないのは、年金もそうですけれども、世代間の格差というものをどうやってなくしていくのか、そして若い人が、自分たちが払った保険料が自分たちにもしっかりとその便益を受けることができる、そういった仕組みに変えなくちゃいけないのにもかかわらず、今の既にこういった後期高齢者医療制度なりで受益を行う人の分については、言い方は悪いですけれども、既得権益のごとく、むしろそこのところをどう抑制するのかというのはほとんど入っていないにもかかわらず、公費の負担の増大、そういった形で若い人の負担を増やしている、そういうふうにお感じになりませんか。
#148
○国務大臣(小宮山洋子君) 高齢者の方たちの部分についても負担いただける分は当然負担をと思っておりまして、今回の中には入っておりませんけれども、例えば七十から七十四歳の自己負担を二割に戻すということは次の予算編成過程でやりたいと思っていますし、そうですね、高齢者の部分が全部現役の方に過重な負担にならないようにということも含めて、今、ずっとこの高齢者医療制度の改革というのは考えてこられているというふうに思うんですね。
 今の若い人たちもいずれは高齢者になるわけですから、そういう意味では、やはり公費でやるのか保険でやるのか、そこのところの割合の考え方は各党またそれぞれによって違うのかもしれませんけれども、それを、公費か保険料か自己負担かしかないわけですので、そこのところはどのようにして考えていけばいいかということをまた三党の中だけではなくて皆様方とも意見交換をしながら、よりよい国民の皆様の納得のいただける方法を国民会議などで考えていくということではないかと思っています。
#149
○桜内文城君 若い人もいずれ年を取るというのはよく聞きますけれども、その人口構成の大きさが違うので今こうやって問題になっているわけですよ。
 その中でこれからの医療保険制度というものを考えていったときに、私の意見を述べますと、我々が今度提出を予定しております法案、これは世代間格差是正のための公的年金・医療保険制度改革推進法案という名称を付けておりますけれども、年金の方でまず積立方式に移行していく、それに伴って生ずる巨額の暗黙の債務を一定の金額できっちりと一般財源でもって償却していく、その立て付けとともに、医療保険においても、今、これまで指摘してきたように、世代間の格差というのは大変大きくなっているわけですね。
 保険という元々の機能、仕組みからすると、先ほど申しましたが、大数の法則によって保険金が支払われる、そういう事象が生じたときにお金が支払われるという、そういう仕組みなわけですよ。ところが、これだけ公費をたくさん投入し、そして、結局その公費というのは税金ですので、税金を負担するのは現役世代になるわけですよ、メーンは、当たり前ですけれども。
 そしてまた、その保険料についても、今の医療保険というのが、これ、所得比例に基本的になっていますよね、もちろん上限はありますけれども。これ、やはり保険としてそもそもどうなんでしょうか。保険としてどうなんでしょうかというのは、いいですか、医療保険というのは、所得が高いからといって病院によく行くわけじゃないわけですよ。なのに、こういった今の国の行っている医療保険の保険料率の設定が所得に応じて変化していく、このそもそもの点について大臣はどのようにお考えになっていますでしょうか。
#150
○国務大臣(小宮山洋子君) それは、最初にも申し上げたように、自分がどれだけ行くかということだけではなくて、お互いに助け合う仕組みであるのが保険であるわけですから、高所得の方で、病気にならなければそれはそれだけ自分の生活が豊かに質が良くなるということですので、そこは病気の方のために出すという、それは負担ができるかどうかの能力の問題が所得に比例してあるのだと思いますので、今の仕組みが必ずしもおかしいというふうには私は思いません。
 それで、逆に所得の高い方の負担が今頭打ちになっていることが問題だと御指摘の方もありますので、そうした今後の在り方については、また知恵を出していく必要があるかと思います。
 前段でおっしゃった、ちょっと年金のことですけれども、今が真っ更の白紙であれば、それは積立制度に移行するという御党のお考えというのも大いに成り立ち得ると思うんですが、過去債務がある分が、結局、現役の世代が両方二重に負担しなければいけないというところがあるので、なかなか年金を積立てにするということも難しいかなというふうには思っています。
#151
○桜内文城君 年金のことについて触れられましたので一言申し上げておきますけれども、白紙に絵をかくような話じゃないとおっしゃいますけれども、そのまさに過去給付債務の処理について、これを、世代間の格差を是正していくために、例えば、この間から申し上げていますけれども、年金目的の特別な相続税を創設するですとか、いろんなやり方があるわけですよ。そういうのを全く検討もせずに、絵にかいたもちのような言い方をされるのは慎んでいただきたいと思います。
 そしてもう一つ、医療保険の話に戻しますけれども、今おっしゃいましたように、私も別に今の医療保険制度が所得に応じて保険料が高いというのがおかしいとも思いません。もちろん再分配の機能というのは、保険であったとしてもあってしかるべきだとは思いますけれども、やはり元々の保険って何なんだろうというのを考えたときに、お金持ちだろうが、あるいはそうでない場合であっても、病気になる確率というのがそれによって変わるわけじゃないんだけれども、負担がこれほど違っていいのかという、そういった別の意味での公平性の議論もあるということを申し上げたいわけです。
 それが世代間の負担の公平という意味でも、今、何度も言っておりますけれども、世代間の受益と負担の格差というのがこれほど大きくなっているときに、そこは、こうやって今、消費税の増税の議論をこの委員会でされていますけれども、そういうふうな意味での、増税の負担を国民にお願いするか否かという議論をするのであれば、今受益をしている方々のその受益の部分を圧縮するか否かというところも本来であれば議論すべきだと思うんですよ。
 ただ、残念ながら、今回の社会保障制度改革推進法案によれば、申し訳ないですけれども、医療保険等についてはほとんど触れられてもいない、むしろ今度設置されるであろう国民会議にその議論が委ねられている。それはそれで一つのやり方だとは思いますが、せめて論点として、消費税を上げて負担を求めるか否かというのとともに、今受益されている医療ですとか年金についてもその受益をどう、申し訳ないけれども、圧縮するのか。同じ負担ですよ、国民から見れば。これを両方併せて本来この委員会で、まさに一体改革と言っているわけですから、議論すべきじゃないかということを私は申し上げておきたいと思います。
 その意味で、今、厚生労働省で御検討になられている医療保険の制度の中で、特に後期高齢者医療制度、大変大きな金額が、毎年十三兆円程度ですか、今出ていっているわけですけれども、こういったものをどう圧縮するのか、今後の方向性について小宮山大臣にお尋ねします。
#152
○国務大臣(小宮山洋子君) 今回、法案としては提出をしておりませんけれども、全体の、二〇二五年を目指して、もっと病院の機能分化をして急性期のところに職員を投じるとか、それから、地域包括ケアシステムなどをつくる形で二〇二五年にはもっと在宅医療、介護を進めていくというような方向性につきましては全体の大綱の中で別紙として付けさせていただいていますので、方向性は出しているかというふうに思います。
 それで、将来やはり改革をして、もちろん、さっきからおっしゃっているように、負担できる人には負担をしてもらいながら、ただ、病気の場合は、病気になって、そこの出した保険料に見合ってというかあるいはそれ以上というか、受診をするということが、それがその人にとってのメリットなのかどうかというところが多分よって立つところの違いだと思います。病気になるということはそれだけでも大変なことなわけですから、そういう意味で、そこを分かち合うというのが医療保険の基だと思うので、そこは多分負担とメリットのところの考え方が違うのかなというふうに思っています。
 これから、医療のことにつきましては、例えば在院日数を減少させるとか、外来受診を適正化するとか、もっと予防の方に力を入れるとか、そういう形で効率化もしながら、重点化をすべき先ほどの在宅医療、在宅介護も含めまして、めり張りを付けてやっていく形で今後医療法の改正も含めて工程表を持ってしっかりと取り組んでいきたいというふうに考えています。
#153
○桜内文城君 最後の質問をいたしますが、今、医療の改革の方向性を示されているということなんですが、見させていただきました。
 お手元に一枚紙で今日配付資料をお配りしていますけれども、医療費の将来推計のグラフですね。右肩上がりにどんどん膨れ上がっていくというものですけれども、これ、現状投影シナリオというのと改革シナリオというのがあって、普通考えれば、改革して、現状のまま伸ばしていくよりもこれだけ医療費の伸びを圧縮しましたというふうになってしかるべきなんですけれども、これ、むしろ改革シナリオの方が金額が大きいんですよ。余りこういう場で言うのも何ですけれども、申し訳ないけれども、民主党政権のマニフェストにしろ、それからこの三年間の政権運営というのは、やはりばらまきが余りに過ぎるのではないか。
 私、これ、何でこんなことになっているのかということで厚生労働省から資料を別途いただきましたけれども、社会保障の充実と重点化と効率化という資料をいただきまして、充実ばっかりやっているんですね。言葉だけ効率化と一応言っていますけれども、そっちの方が全然金額的にいっても少ないんですよ。だから、改革したと言っていながら、こうやって金額が膨れ上がっているわけですよ。これについて、厚生労働大臣、どう考えますか。
#154
○国務大臣(小宮山洋子君) それは、現状のままいって改革をしなければ、じゃどうなるかというと、この改革シナリオというのは効率化をする部分と重点化する部分を併せて考えたときにこういう形になると。それは、これから超高齢社会になって、一層やはり介護とか医療の高齢者のサービスが増えていくということは御理解いただけると思います。
 そうした中で、例えば医師の数も今よりも四万人ぐらい増やすとか、看護師の数もかなり増やしていく、そして、いろいろな居住系のサービスなども一・五倍から二・何倍まで増やさなきゃいけないとか、これから高齢者が増えていく中で、皆さんがより良い高齢時代を送っていただくためにはどうしても整備しなければいけないところがあるわけです。ですから、そこの点は御理解をいただきたいと思います。
#155
○桜内文城君 これで終わりますが、こうやって、ばらまきとまで言うつもりはありませんが、福祉ですので。しかし、もう少し圧縮の努力もしていただきたいということは指摘しておきます。
 終わります。
    ─────────────
#156
○委員長(高橋千秋君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、中西健治君が委員を辞任され、その補欠として小野次郎君が選任されました。
    ─────────────
#157
○小野次郎君 みんなの党の小野次郎です。
 今日、何か三時から野党、自民党、公明党を除く野党の党首会談もセットされたようですけれども、風雲急を告げてきましたので、この委員会の平穏な審議というのも今週末までぐらいかなという感じになってきましたので、私、今委員長もお話しいただいたとおり、元々の委員ではなかったんですが、是非質問させてもらいたいということで同僚議員にその機会を与えていただいたということで今日ここに立っております。
 安住財務大臣には先週、委員会は違うんですけど、この同じ部屋で、積極的に答弁されているというのを何か遮らざるを得ない、立場柄なりまして、大変恐縮に思っております。質問者の意向があらかじめ総理にどうしてもお尋ねしたいということでしたので、理事として、そういう議事運営をお願いしましたけれども、今日は岡田副総理、安住財務大臣中心にお伺いしたいと思いますので、連勝同枠じゃないですけど、どちらが答弁されてもいいことが多いと思いますので、今日はそういうことで安住財務大臣もどうぞよろしくお願い申し上げます。
 最初に、まず安住財務大臣に伺いますが、消費増税によって国の税収は確実に増えると国民に約束できますか。過去は、はっきり言えるのは、増税後減収しているんですね。その経験はある。しかし、今度は違うということをはっきり言わないと、増税を国民にお願いする一丁目一番地は税収を回復するためですからね。そのことを今財務大臣に、もう一度国民に対して、消費税一〇%における国の税収の増収規模、その見通しをお話しいただきたいと思います。
#158
○国務大臣(安住淳君) よろしくお願いします。
 経済状況を見ていますと、景気が復興需要等を背景として回復はしつつあるかなと、昨年に比べればですね、テンポはそれぞれでございますが。平成二十五年度以降において、政府としては、復興需要等が一段落するものの、民需主導の経済への移行というのはあるので、そこは推移をすれば税収というものは増収見込みはできるのではないかと思っています。二〇一五年度時点における五%相当額は十三・五と見積もっております。これは、成長を伴って試算しておりますので、一年当たり二・七という数字を置かせていただいております、一%当たりですね。
 また、税収全体の見込額につきましては、経済財政の中期試算、これは慎重シナリオでございますが、二〇一六年度で五十八兆円程度を見込んでおります。ですから、今年度の四十二・三兆と比較すれば、この消費税収プラスアルファがありますから十五兆円程度の増収を私は期待できるというふうに思っております。
 ですから、消費税が上がって経済が落ち込んで、税収全体に悪影響を及ぼす可能性だってあるじゃないかといえば、それは九七年のときの、特に小野さんよく例を出していただきますけれども、その後何があるか分からないということからいえば絶対だと言い切ることは難しいかもしれませんが、私たちとしては、何としてもこの税収を確保する、税収を確保するということは、国民の皆さんに払っていただく税金の額が今よりも少し増えるということは、国民の皆さんの懐も温まるということでございますので、そういうふうな方向になるように努力したいと思います。
#159
○小野次郎君 期待しておりますというふうに見積もっておられますけれども、そういった税収増の前提となる経済環境というのは、財務大臣、どういう条件というか状況のことを想定されていますか。
#160
○国務大臣(安住淳君) 全ての指標が上向きになることが必要だと思います。もちろん、デフレからの脱却を目指しておりますから、そういう意味ではデフレーター等も改善しなければなりませんが、私は、例えば経済指標に出てくる統計もありますが、それに併せて、例えば私どもが気に掛けなきゃいけないのは、失業率がどういうふうに推移していくかとか、それから、伴いますが、新規求人倍数がどうなるかとか、そうしたことも含めて総合的に時の内閣で判断をすればいいと思います。
#161
○小野次郎君 その時の内閣なんですが、三党合意で消費税税率引上げの実施はそのときの政権が判断すると言っていますが、その意味というのは、増税を実施する、しないの判断がそのときの政権の自由裁量だという理解なんですか。
#162
○国務大臣(岡田克也君) 自由裁量ということではもちろんございません。最終的には、そのときの内閣が附則十八条の規定を踏まえて行うということであります。
 より詳細に申し上げますと、附則の十八条三項では、経済状況の好転について、名目及び実質の経済成長率、物価動向等、種々の経済指標を確認し、そして第一項に規定される経済活性化等に向けた各般の措置を踏まえると同時に、新たに追加された第二項に規定される資金の重点配分等の措置が財政の機動的対応が可能となる中で実施されることをも踏まえつつ、諸要素を総合的に勘案し判断するということであって、この規定に沿って判断がなされると。自由裁量ということではもちろんございません。
#163
○小野次郎君 同時に、その三党合意は、この十八条第一項の指数出ている、その数字についても政策努力の目標にすぎないと言っているじゃないですか。今の副総理の話と違うんじゃないですか。つまり、どう理解するかはそのときの政権の自由な判断だということになっちゃうんじゃないですか。
#164
○国務大臣(岡田克也君) 自由な判断ということではございません。第一項のことについても、それが条件ではありませんが、そういったことを踏まえるということになっているわけですから、自由奔放に何決めてもいいという、そういう意味での自由裁量ではございません。
#165
○小野次郎君 非常に私は、これは公権力の行使という法律ではないけれども、国民から税金を高く取るか、引き上げるか引き上げないかというのが、一方で目標ですとなっていて、一方でそのときの政権が判断するというんだったら、今我々がここで議論していることは、そのときになったら役立つかもしれないけれども役立たないかもしれないみたいな、そんな法律の組み立て自体が非常に私は、何か建築基準法違反じゃないかなと。しっかりとくいが打ってないし、何か強度が非常に柔い法律だと私は思います。
 民主党政権は──ちょっと時間の都合で次行かせてください、また別の答弁のときにまたもし不足があれば。
#166
○国務大臣(岡田克也君) 本来この法案で実施は基本的に決めるという方向、しかし最終的には留保条件を付けていると、それはこの十八条の基本的な意味だということだと思います。
 したがって、何か軟弱な地盤の上に建っているということではなくて、基本は、やはりこの法案を成立させるということは、消費税の引上げについてもそれを基本的に決めさせていただくと。しかし、いろんな条件があった場合にはそれを停止するといいますか、延期するというか、そういうことがあり得ると、そういう構造であります。
#167
○小野次郎君 何を言っているんですか。御党の民主党の議員が地元へ帰れば、この条項があるから、その数字に達しなければ増税は行われないんですって言って説明して歩いてますよ。そんなとぼけたこと言っちゃ駄目ですよ。
#168
○国務大臣(岡田克也君) 名目三%、実質二%という数字は、これは条件ではございません。そのことは明確に申し上げているところであります。それに反する説明を行っているとしたら、それは正確ではございません。
#169
○小野次郎君 次の質問に移りますが、民主党は政権交代時にコンクリートから人にという政治理念を掲げられました。私もこのコンクリートから人にという理念については賛同したいというか敬意を表しているんですが、その考えは、結局、逆に言えば、一時的な景気対策に公共事業、箱物を手段として使うという考えを否定したんじゃないんですか。
 民主党政権は、今、もう既にこのコンクリートから人にという理念は放棄されたのかどうか、認識をお伺いしたいと思います。
#170
○国務大臣(岡田克也君) 委員御指摘のように、我々、我が国最大の財産である人材の育成により重点を置くべきだと、そういう観点で、子育てや教育といった人に対する予算配分を重視することを選挙のときにも申し上げましたし、政権交代後、それを実施してきたところであります。そして、この理念に基づいて、公共事業予算を政権交代前と比べて毎年一・三兆円削減するなど、大幅に抑制する一方で、社会保障費二千二百億円の抑制を撤回した上で、社会保障費や教育関係費に重点的に予算配分をしてきたところでございます。
 この理念は現時点においても正しいことだと考えておりますし、委員も共感を示していただきましたので、しっかり予算編成においても、今までも維持されてきたし、これからも維持していきたいと考えております。
#171
○小野次郎君 その副総理の説明が駄目なんですよ。あなたたち民主党は、まず歳出、別の歳出する方から話をし始めるじゃないですか。それは人を大切にするのも大事ですよ。コンクリートから人へというのは、そちらの方の箱物の方を歳出を削減するというのが前提というか、同時に行わなきゃいけないので、こっちが大事ですよというのは正しいんだけれども、こっちを削減するという腹があるのかということを聞いているんですよ。
#172
○国務大臣(岡田克也君) いや、今申し上げたつもりなんですが、我々、政権交代以降、一・三兆円公共事業予算を削減してまいりました。基本的にこの考え方は変わっておりません。
#173
○小野次郎君 伺いますが、八ツ場ダムを始め建設が再開される未竣工のダム、三年前には採算性等を再検証するとたしかそのときの国交大臣はおっしゃっていたと思いますが、そのし直した結果、ダム計画のうちで建設再開が決まったダムの数と予算総額の規模を国交大臣にお伺いしたいと思います。
#174
○国務大臣(羽田雄一郎君) お答えをさせていただきます。
 国土交通省では、全国八十三のダム事業について、今後の治水対策のあり方に関する有識者会議による中間取りまとめに沿って、予断を持たずに検証を行ってきたところでございますし、今行っているところでもございます。これまでに三十九のダムの事業について国土交通省の対応方針を決定してきており、継続との対応方針となったものは計二十五事業、これらのダムの検証時点での残事業費は合計六千九百億円であります。
 なお、中止との対応方針となったものは計十四事業でありまして、検証時点での残事業費は合計約三千億円でございます。
#175
○小野次郎君 またそこで再開が決まっているということがあり、次にお伺いします。
 また国交大臣、恐縮ですが、これまで、自公政権含めてですよ、これまでの政権で整備新幹線建設が実質的に凍結されてきた最大の理由、聞くまでもないんですけれども、何ですか。
#176
○国務大臣(羽田雄一郎君) これは、そういう意味では、公共事業費に依存できないというか、経済状況が大変厳しい中でなかなか進められなかったということだというふうに考えております。
#177
○小野次郎君 経済状況、好転したんですか。今年容認された整備新幹線三路線の必要になる建設予算総額、どれぐらいになるんでしょう。
#178
○国務大臣(羽田雄一郎君) 整備新幹線の今回着工の三区間の整備が完了するまでに必要な総事業費は三兆四百億円と試算をさせていただいております。
 なお、今回着工の三区間については、自主財源である整備新幹線の貸付料収入を活用し、かつ事業ペースを調整して時間を掛けて整備することにより、現在、整備新幹線に充てられている国費の範囲内で整備を進めていくということを考えております。
#179
○小野次郎君 これも歳出の方だけがどんどん先に公表されていく。
 そして、政権交代時に掲げた高速道路無料化、どこへ行ったんですか。私は、この春から高速道路の四車線化進めるという決断を国交省されていますけれども、余った料金収入があるんだったら、その財源で国民への約束である無料化の方に充てるべきなんじゃないですか。国土交通大臣にお伺いします。
#180
○国務大臣(岡田克也君) これは経緯がございます。
 無料化については、我々その試行というものを政権交代後始めました。そういう中で起きたのが三月十一日の東日本大震災であります。当時、私、幹事長をしておりましたが、いろいろ相談をした結果、やはり被災地の道路の復興あるいは港湾その他の基盤の整備、そのために優先的に予算を投入すべきだというふうに考えて、そういう実験的な試みはやめ、そして、当面高速道路無料化をやめ、あるいはその前の政権からスタートしていた千円土日走り放題もやめ、そういったものを全て復興に集中するということを決めさせていただきました。私はその判断が誤っていたとは思っていないわけでございます。
#181
○小野次郎君 だから、その四車線化の裏当てがあるんだったら、それは国民への約束であった無料化の方に回すべきじゃないですかというふうに国交大臣にお伺いしているんです。
#182
○国務大臣(羽田雄一郎君) 今回のものでありますけれども、歳出見直しに関する三党間の協議の結果、高速道路の無料化については二十四年度予算には計上していないところでありますけれども、この四車線化については、整備計画策定済みの高速道路の四車線化でありまして、渋滞や事故が多発していることや地方公共団体などからの要望を受け、最優先課題として認識してきたところであります。
 また、平成二十四年四月に高速道路会社からの申請を受けて国土交通省が許可を行いましたけれども、民営化の趣旨に伴い、高速道路会社の経営努力により生じた償還余力の使途についてその判断を尊重したところでありまして、新たな税負担が生まれるということではありません。
#183
○小野次郎君 この話も三党合意に関係があるんですか。ちょっと今、冒頭のところを聞き逃したんですが、国交大臣、済みません。
#184
○国務大臣(羽田雄一郎君) 歳出見直しに関する三党間の協議の結果でございます。
#185
○小野次郎君 その三党協議ですけれども、附則十八条、これ安住財務大臣にお伺いしますけれども、税制の抜本的な改革の実施などにより、財政による機動的対応が可能となる中で云々となっていますが、この内容の第二項が加えられたことについて、率直に財務大臣として、予算をつくる財務大臣としてどういう印象をお持ちになったか、お話しください。
#186
○国務大臣(安住淳君) 第一党、第二党、第三党、当時のですね、御判断で入れさせていただいたということでございますが、私は、財政再建を放棄をしてどんどんとばらまきをやろうというふうな喧伝をする方がいますが、そうだとは思っておりません。また、そうしてはならないとも思っております。
 小野さんの御指摘は、私も率直に言ってごもっともな部分もかなりあると思います。消費税が、払っている方にとってはやっぱり御負担重いわけですから、それが本当にその皆様のために使われていて、なおかつ、これだけの財政赤字を抱えていますので、やっぱり財政再建の道をしっかり取っていかなければならない。ある意味で、小野さんも秘書官だったわけですけれども、小泉政権下で構造改革をやり、また不良債権を処理することで成長もしましたですよね。ですから、デフレからの脱却まで行かないにしたって、税収が上がったことは事実でありますから、私はそういう意味では経済の成長に資する分野にやっぱり資金を特化して、そして大変重苦しい状態だった日本経済をやはり新しい次のステップに上げないといけないと。同時に、財政再建の道をそれないような形で資金を捻出しながらこうした事業をやっていかなければならないと思います。
#187
○小野次郎君 何か曖昧に財務大臣言っていますけど、僕が聞いているのを分かっているじゃないですか。機動的対応が可能なら、元々、だって財政を組めないというか、厳しい状況、もう極端に厳しい状況になったから増税させてくれと言っている政府がですよ、何か増税させてもらえば機動的対応が可能になるみたいなことを国民に言ったら、そんな余裕があるんだったら増税要らないんじゃないのという話になるんじゃないかということを聞いているんですよ。
#188
○国務大臣(安住淳君) 機動的な対応が増税をすればすぐできるとは思いません。増税をさせていただいて、社会保障の足らず前のところを今回補いますが、それでもまだ十分でないことは小野さん御存じのとおりでございます。
 私どもが申し上げているのは、二〇一五年の段階でプライマリーバランスを今の六から半減すると言っているわけですから、その半減目標を達成して、なおかつ経済的な成長を含めて増収が見込めれば、そこには機動的対応ができる余地は少しは出てくるのではないかと、こういうふうな私は判断をしております。
#189
○小野次郎君 竹下議員にお伺いしますけれども、自民党が掲げている十年間で二百兆円をつぎ込む国土強靱化計画について、年々の国の財政負担規模というのはどれぐらいという見通し、見積りしているんでしょうか。
#190
○衆議院議員(竹下亘君) まだ党の方針として具体的にきちっと決まったものではありませんので、明確にこうこうこうであるということはお話しできる状況にはございませんが、これまで我が党の野田毅議員がお答えになっておりますように、減らさないんだと、がんがん増やすわけじゃないんだ、減らさないんだということを中心に考えておる。
 それから、例えば復興予算、今十九兆円でございますか、予算措置をとっておりますが、これ、事業規模に直しますと、四十兆とか五十兆とかという事業規模にこれだけでなっていくわけでありますので、明確な年々の数字はありませんけれども、私どもが考えているのはそういう方向でございます。
#191
○小野次郎君 いや、御党の資料の中には、最初の三年間で十五兆円という数字も出ているし、誰が考えたって、二百を十で割れば一年間に二十兆円、全部それは国の直接の、何というんですかね、お金じゃないかもしれませんけれども、地方に負担させるのか民間のPFIみたいのを使うか分かりませんけど、何分の一かは当然これはこの計画によってつぎ込まなきゃいけなくなるじゃないですか。その余裕があるかということなんですよ。
 もう一遍伺いますけれども、規模も今伺って、竹下先生から答弁いただいた。タイミングです。この国土強靱化という私たちからすれば公共事業拡大路線が、増税に伴う経済環境の対応というか整備だとすれば、増税実施後では間に合わなくて、今年のもし補正予算があるなら、ないなら来年の予算、少なくとも直近の次の予算から早速この公共事業拡大化路線に取り組まないと、増税に対応する施策として間に合わないんじゃないんですか。
#192
○衆議院議員(竹下亘君) 過去例えば十年を見ましても、二百三十兆円ぐらいの規模の事業を行っているんです、公共事業で。それを我々今二百兆円と、こう言っておるわけです。
 かつて、もう小野さんも役所におられましたから御存じのとおり、十年間で四百三十兆円やるんだということでやってきた時代もあると、そのころから見るともう半分以下にまで落ちてきておりますけれども、事業量で二百兆円でありまして、予算規模で二百兆円ではないということを是非御理解をいただきたいと思います。
#193
○小野次郎君 同じ野党同士で余り厳しくやっていてもあれなんでこの程度にしますけれども、強靱化って、難しい字だけど、タフって、タフマンのタフっていうんですけど、人は、これ、クレージーの狂人って言っている人もいるんですよ。こんなもの今どき考える計画かという声もあるということを御指摘させていただきますが、岡田副総理、政府は、じゃ、この三党合意の一部として次の予算編成からこの公共事業拡大路線の実現にコミットするんですか。
#194
○国務大臣(安住淳君) 中期フレームの七十一兆円の枠組みをしっかり守ってやっていきたいと思っております。
#195
○小野次郎君 何かよく僕には分からぬことをいろいろ言っていますけど、要するに制約の中でということなんでしょう。もう一度、もう少し国民の皆さんにも分かるように答えてください。
#196
○国務大臣(安住淳君) 御質問は、来年の予算の中で、ありていに言えば、もっと公共事業をぼんと増やすのかということかもしれませんが、そうした方針ではございません。ただし、必要なものに関しては、特に緊急性を要するもの等については、これは全国防災事業等でプライオリティーを高めていかなければならないし、また、今、竹下先生もお話がありましたけれども、資金の活用と書いてありますから、そこは例えば民間資金等を活用したり、様々な工夫をしながら、何かをやらなきゃならない必要性があれば、それは国民の皆さんにオープンの場で、これは必要ですねと思われるような事業については、私はそれは先行してやるということもあり得るとは思います。
#197
○小野次郎君 私が申し上げているのは、それは税の負担というのもありますけど、やはり税の必要になる事態になれば、歳出の削減というのは当然伴う、歳出の抑制というのを伴う、それはまたそれでその分野の方にはある種の負担なわけですよ。そうでしょう。それをだから、つらいことを言わないでいい話だけしてきた結果が今この事態になっているんだから、是非その今の問題についても、いい御提案ですからみたいなことを言っていると、結局、厳しい状況だから今増税を国民にお願いしているのに、片っ方でそっちにまた仕事回すからみたいな話に受け取られているんでは、財務大臣はそうおっしゃっていないと言っても、多くの人が受け取りつつあるから、クレージーだなんていう意見も出てくるんですよ。是非そうならないように、そこはつらくても言うべきことは言っていただかないと、国民はかえって政府に対する信頼をますます失うことになると思いますよ。
 厚労大臣にお伺いしますが、マニフェストに掲げてある後期高齢者医療制度の廃止というのは、今でも廃止というその考えに変わりはないんでしょうか。
#198
○国務大臣(小宮山洋子君) 三党合意の確認書、この中に、今後の高齢者医療制度に係る改革については、あらかじめその内容等について三党間で合意に向けて協議するということになっています、先ほどもお答えいたしましたが。また、社会保障制度改革推進法案、ここでは、今後の高齢者医療制度については、状況等を踏まえ、必要に応じて社会保障制度改革国民会議において検討し、結論を得るということが盛り込まれていますので、後期高齢者医療制度の扱いについては、まず三党間でそれぞれ考え方を持ち寄って、そこで協議がされると思っています。
 民主党のこの後期高齢者医療制度廃止については、引き続きこの枠組みの中で提案をして御理解を得るという、そういう対応になると思っています。
#199
○小野次郎君 私は、この制度について賛成だ、反対だと申し上げているんじゃなくて、民主党の看板でしょうと、看板はまだ掲げているんですかと言ったら、今大臣は、一応、そのある議論の枠内で、枠の中でそれを図っていきたいというお話でしたけれども、この三党合意、社会保障制度改革国民会議というんですか、これが発足して、社会保障分野の改革が法改正を経て固まる時点までに現野田内閣の存続を前提としているんですか。
#200
○国務大臣(岡田克也君) ちょっと質問の御趣旨がよく分からないんですが、いずれにしろ、法案が法律になれば、これは客観的なものですから、いずれの内閣であれ、この法律の下で法律の規定に従って進めていくということだと思います。我々としては、野田内閣がそれを行うことを当然前提としているというか、期待をしているところであります。
#201
○小野次郎君 それは選挙をやってそういう結果になるかならないかは、それは私も岡田さんとここで論争してもしようがないですけど、でも、選挙が衆も参も入ることはほぼ確実ですよ。増税法案の施行後一年ということは、つまり今から発足するこの社会保障制度改革国民会議、法が通った場合ですけど、来年の秋になるじゃないですか。そこまで野田内閣が続くということがこの前提になるんですか。社会保障分野の改革が、今累次いろんな大臣が御答弁になっているのが反映されるかどうかという保証がどこにあるんだと聞いているんですよ。
#202
○国務大臣(岡田克也君) だから、小野さん、答えたじゃないですか。我々としては野田内閣が続くことを期待するが、この法案は、法律になればそれは客観的な存在ですから、この法律に基づいて国民会議が設置をされ、そしてその議論が進み、そして改革案が実現する。この道筋に対して、それが違うということであれば、それは選挙で多数を占めた政党がまた法案を修正するということは、それは考えられないわけではないというふうに思います。
#203
○小野次郎君 要するに、副総理のおっしゃっているのは、入れ物は保証するけれども、中身は何入るかはそのときに、選挙の結果によるんでしょうねと言っているんで、内容については責任を負えないという言い方じゃないですか。手続を決めただけだと言っているのに等しいですよ。
#204
○国務大臣(岡田克也君) この法案を早く成立をさせていただければ、これは公布後即施行に近いということでありますので、早く国民会議を立ち上げ、議論をスタートさせたいというふうに考えているところでございます。
#205
○小野次郎君 聞き方変えますけれども、じゃ、この社会保障分野の内容が固まるまでに政権交代が起きたり、あるいは政権の構成に大きな変更があった場合、これは三党合意の根底が消滅するんじゃないですか。現与党の民主党の政策が、例えば小宮山大臣いろいろおっしゃったり、ほかの同僚議員には別の大臣もお答えになっている全てについて、実現が、全部でなくてもいいですよ、三分の一でもいいです、三党だから。反映されるという担保があるんですか。
#206
○国務大臣(岡田克也君) それは、法律は法律としてそれは客観的な存在でありますので、我々としてはそのことを期待しております。
 私としては、三党で合意した以上、その三党が中心になって議論していくということを期待しておりますが、しかし、それは、選挙の結果は民意の反映ですから、違う結果になれば、それはその時点で修正が加えられるということは、これはやむを得ないことだというふうに思います。
#207
○小野次郎君 政党間の合意というのは国家間の条約とは違うんですよ。国家間の条約なら、それは政権交代があったって国の義務ですから実行するけれども、政党間というのは、やっぱり私は、ある選挙があって、ある政権ができている、その構成とその土台の上に政党間の約束があるんであって、選挙の後のことを、今政党間で約束したものが反映される担保はないとはっきりお認めになる方がいいと思いますよ。そう思いませんか。
#208
○国務大臣(岡田克也君) おっしゃっている意味がよく分からないんですが、法案が法律になれば、それは客観的な存在であるというふうに申し上げているわけです。
#209
○小野次郎君 違いますよ。だから、民主党内閣の方々がそれぞれ言っている自分たちの今まで掲げてきた主張は、この会議の場を経て、全部とは言わないけれども、反映されるべく努力するんだと言っているけれども、そんな努力なんてことは成り立つかって、選挙が終わった後になったら。三党合意なんて成り立たないでしょうというの、選挙の後には。
#210
○国務大臣(岡田克也君) 私は、他の二党も一緒だと思いますが、この国の社会保障制度に責任を持って議論をし、決めていくというのがこの三党の決意でありますので、それはよほどのことがない限り、しっかりと選挙後も、この社会保障の分野に関して言えば、それはしっかり三党で責任を持って議論するということだと考えております。
#211
○小野次郎君 結局、今の民主党内閣のマニフェストに掲げたあれはどうなった、これはどうなったという、特に社会保障分野の話は、皆さん方の答弁は、最後に、この社会保障制度改革国民会議の検討の場で実現されるべく努力すると言っているんだけれども、でも、その政権が替わってしまったり、その政権構成が変わってしまったら、あなた方の言っている答弁の中身が実現される担保がなくなるでしょうと言っているんですよ。
 二度、詐欺をやっているんだ、詐欺を二度。
#212
○国務大臣(岡田克也君) 失礼な言い方は取り消していただきたいと思います。まず、それを申し上げたいと思います。
#213
○小野次郎君 丁寧に私、言っているじゃないですか。
 あなたたちは二度目の詐欺をやろうとしていますよ。一度目は、マニフェストに掲げたやつが今日に至るまで実現できていない。二度目は、それは社会保障制度改革国民会議の場で、全部とは言わないけれども反映させるんだと言っているけれども、でも、それが、その間に選挙が行われて、政権の構成が変わったり政権交代自体が起きたら、何の保証があるんですか。あなた方の主張が実現されるという保証、なくなるじゃないですか。
#214
○国務大臣(岡田克也君) まず、国会においてどのような発言しようと、それはかなりの自由度が認められておりますが、詐欺だと言われたのは私は許せませんので、これは委員会で是非、理事会で協議をしていただきたいというふうに思います。
 その上で、今言われたことは、しかし選挙の結果は民意です。我々としては、選挙にしっかり勝利をして、そして我々の考え方が三党の協議の中で反映され、国民会議の中で実現するということを目指すのは当然であります。しかし、それは選挙の結果次第ですから、その選挙の結果を超えて、我々は、何というか、必ず通しますとか、そういうことは言えないということを率直に申し上げているわけです。
#215
○委員長(高橋千秋君) ただいまの小野君の発言中に不穏当な言辞があるとの御指摘がありました。
 委員長といたしましては、後刻理事会において速記録を調査の上、適当な措置をとることといたします。
#216
○小野次郎君 あなたの言っていることは、またおかしいことを言っていますよ。
 だって、政治家は次の選挙の後のことまで、内閣がですよ、次の選挙の後のことまでどうして約束できるのかと私は聞いているんですよ。結局、今までマニフェスト詐欺だと言われてきたのに対して、いや、詐欺じゃないと、この社会保障制度改革国民会議の場で、一〇〇%とは言わないけれども、ほかの二党とも相談して、できるだけ今まで掲げたスローガンは実現を図るんだとおっしゃっているけれども、それは、次の選挙が行われた後には、今その答弁が担保されないでしょうと言っているんですよ。おかしいですか、私の言っているの。
#217
○衆議院議員(長妻昭君) 三党協議を担当いたしましたので。
 これ、当然、政権が交代するたびに社会保障制度が変わってはいけませんので、やはり我々としては、三党協議で議論をして国民会議で決着すると……(発言する者あり)
#218
○委員長(高橋千秋君) 発言には気を付けてください。
#219
○衆議院議員(長妻昭君) そんなようなことを考えているところでありますので……
   〔小野次郎君「委員長、委員長」と述ぶ〕
#220
○委員長(高橋千秋君) 指名をまだしておりません。
#221
○衆議院議員(長妻昭君) そういう意味では、政権交代が、どういう政権になったとしても、それは、その多数の政権がそうでない政権と議論をして決着するということで、国民会議というものは、これは別に、三党の協議で法律はできましたが、これはもうお国の法律でありますので、それは全党を見渡して国民会議は議論をするというような性格だと思っております。
#222
○小野次郎君 だから、長妻議員のお話は、逆に言えば、あなた方がこの会議の場で、自分たち今まで掲げてきたスローガンの実現を図ると言うけど、その担保はないと認めているのと同じでしょうよ、だって、全党入れるんですからと言っている限りは。そうでしょう、今言っているのはそうでしょう。三つの党だけじゃないとおっしゃった。それじゃ、プレーンになってしまって、それは約束とは言えないじゃないですか。ただ、その場でそういう主張を続けるというだけのことだもの。
#223
○国務大臣(岡田克也君) 国民会議というのは、これは総理がメンバーを決めてやっていくということで、そこでどういうメンバー構成にするかとか、政党の扱いはどうするかということはまだ決まっておりません。いずれにしても、我々としては、これ速やかにスタートさせたいというふうに考えております。
 もし、その上で、来年の、この一年後までの間に総選挙が行われる、行われることになると思いますが、行われて、そして政権構成が変わるということになれば、そのときの総理大臣がその国民会議のメンバーを入れ替えるとか、そういうことは当然あるというふうに思いますけれども、国民会議自身は法律に基づいたもので、そのこと自身が基本的に変わるということはないわけであります。
 委員の言っておられる話は、我々がいろいろ主張をしても、我々という意味は民主党ですが、それは選挙の結果によっては実現できないだろうと、そういう意味なのかなと思うんですが、それは当たり前でありまして、どの党だって、自分が政権取ったらこういうことを実現するということをマニフェストで訴えるんであって、それは選挙の結果、敗れればそれは実現できなくなると、これは当然のことだと思います。
#224
○小野次郎君 そんなこと党内で言っていいんですかね。だって、党内の皆さんには、こういう三党の協議の場を通じて、今までのスローガンは捨てたんじゃなくて、実現を今後も図っていくと言っているけど、その保証はないと今副総理お認めになっているじゃないですか。選挙結果次第だというんでしょう、だって。
#225
○国務大臣(岡田克也君) 小野さん、もうちょっと冷静に考えていただいた方がいいと思うんですが。
 だから、我々は選挙で勝利をして、我々の理想とする政策を実現する、選挙でも当然そう訴えます。そして、選挙で勝てばそのことを実現するということです。しかし、選挙で敗れる議論は余りしたくありませんが、しかし、そういう結果になれば、それは反映できなくなると。
 これはどの政党でも同じだと思いますよ。御党がマニフェストにいろんなことを掲げられても、選挙で勝利できなければ、それは実現できないと。これは当たり前のことを言っているわけで、我々は、選挙で我々の政策をしっかり掲げ、国民に訴え、勝利をする。それが目指すところですが、そのことを一〇〇%保証できるかといえば、それはできないというのは当然のことだと思います。
#226
○小野次郎君 基本的に違うのは、一野党がスローガン掲げているのは、政権に就いていないんですから、我々は。でも、あなた方はそれを掲げて政権に就いて、その実現はどうなっているんだと国民に聞かれたときに、いや、宿題の残った部分は次のこの場でなるべく実現を図るとおっしゃっているけれども、間に選挙が一回入っちゃったら、それはもうチャラの話になっちゃうじゃないかと言っているんですよ。
#227
○国務大臣(岡田克也君) 我々の主張はきちんと選挙で訴えて、そして選挙で我々が引き続き政権を担うということになれば、それは実現に向かって、他党との協議もありますが、しっかり努力をさせていただくと。このことが何かおかしいと言われること自身が私には全く理解できないわけで、もう少し場合によっては説明していただいた方がいいのかなと思います。国民の皆さんもちょっと分からないだろうと思います。
#228
○小野次郎君 国民の皆さんが分からないのはそちらだと思いますよ。
 だって、あなたたち、宿題実現できなかったとしたら、この場で、税だけ今回決めるけど、社会保障の方はそっちで決めるからと言っているけど、それが民主党さんの言っていたスローガンがどうなるかなんて、間に選挙が入ってしまったら、衆も参も入ったら全く今言っていることは保証なんかないですよ、だって。そうじゃないですか、政権が続いているかどうか分からないんだから。今政権中にやらなきゃ駄目だってことです、それは。
#229
○国務大臣(岡田克也君) 委員のおっしゃることを受ければ、選挙がそう遠くない先に予想される限りは、その先のことは何も言ってはいけないということになるんじゃないですか。
#230
○小野次郎君 何を言っているんですか。今政権中にやるべきだったことが、やらなきゃ駄目だと言っているんですよ。次の選挙後のことに、後送りするなんということは答弁になりませんよと言っているんですよ。
#231
○委員長(高橋千秋君) 質問でよろしいんでしょうか。
#232
○小野次郎君 もちろん。
#233
○衆議院議員(長妻昭君) 例えば具体的例で申し上げると、この最低保障年金と比例報酬の我が党が申し上げている新しい年金制度、これマニフェストでは来年の国会に法律を提出するということになっております。
 例えば、じゃ政権交代前に、今、もう来月とか早いうちに我々が国会に法律を提出して、衆議院は通りましょうけれども、これ参議院は野党の協力がないと通らないわけですね、法律が。そして、ねじれていなくても、これ政権交代のたびに、じゃ、今そういう制度が、法律が成立して、そしてまた次の政権が交代したときにその年金制度を変えていくというようなことがあると、これ政権交代のたびに国家百年の計の社会保障が変わると、国民の皆さんが一番迷惑する話でございますので、そういう意味では、我々は一年という期限を区切って、どういう状況になろうとも社会保障については与野党で協議をする枠組みをつくりたいと、こういうような思いでこの合意をしたわけであります。
#234
○小野次郎君 長妻さんのお話は分からぬわけではないんですよ。
 ということは、逆に言うと、その具体的中身については、今まで民主党が掲げてきた具体的な形式や方式にこだわらないということなんですか。
#235
○衆議院議員(長妻昭君) いや、もうそういうわけではありませんで、我々民主党としては、今申し上げた、詳細はもう委員会で申し上げておりますけれども、新しい年金制度についてきちっとした哲学と理念と、詳細な今制度設計、細かいところは今詰めているところでありますが、これがあります。
 それについて与野党で案を持ち寄って、さっき申し上げましたように、一党だけが突っ走って、一〇〇%全く形を崩さず、あるいは全く協議をせずにそれを実現していくということがもうできない状況でありますし、国家百年の計の社会保障ですので、それを議論をして、それぞれの政党は主張するけれども最後は着地をして前に少しでも進めていくと、こういう土俵ができたというふうに我々は認識しております。
#236
○小野次郎君 分かりました。実現のめどがあるというわけじゃないけど、その主張は続けていくということなんですね、民主党としての。
 次の質問に行きますが、年金一元化で、公務員共済年金のいわゆる三階部分を残したまま統合するのでは本当の意味の一元化になっていないと思いますけれども、認識をお伺いしたいと思います。
#237
○国務大臣(安住淳君) 本当に、これも予算委員会から再三御答弁させていただいていますが、整理して申し上げます。
 今回の一元化法案では、共済年金の三階部分を廃止し、公務員も民間サラリーマンと同様に厚生年金に加入することとなり、一、二階部分は一元化されます。これは小野さんが自民党にいたころに提案をした、十九年のころですから、同じ法案、ほぼ同じでございます、中身は。
 既に保険料を払い終えて共済年金を受給している既裁定者については、具体的な年金受給権が財産権として確定していることもあり、憲法で保障された財産権との関係や受給者の生活の安定等の観点から、旧三階部分を含めた給付を継続することとしております。
 また、未裁定者、これは、今後、旧三階部分の受給者となる公務員の旧三階部分の受給の取扱いについては、今回の法案では別に法律で定めることとしております。未裁定者も、これまで旧三階部分を含む保険料を払い込んできた実績もありますから、未来にこれを受ける給付への期待もあることから、過去の加入期間に応じた給付などを今後どうするかということも含めて検討していきたいと思っています。
#238
○小野次郎君 その危機感が全然私は違うと思いますね。
 やはり、多額の借金で借金だらけになった国の財政に対して、政治家はもちろんですけど、公務員がどれぐらいやっぱり身を削る努力をするかということを求められているとすると、やはり私は、参考にすべきは、東京電力の年金だとかJALの年金だとか、あれはやっぱり辞めた方の同意まで取り付けて三階部分の減額をしたりしているじゃないですか。厳しいことですよ、厳しいことですけど、でも、それぐらい厳しいんだということを公務員側というか官側が示さないと、このデフレ下で増税させてくれと言っているのに、公務員の方は今までの積み残した部分の半分は、だって国からのお金が入っているわけですからね。それは、保険料と言うか予算と言うかは別にしても、国のお金が入っているわけですから、それを、それはそれで残しておきますという説明は、今言ったあのJALや東電のケースだとかと比較しても、あるいはこのデフレ下の増税を問題提起しているという政府の姿勢からしてもちょっとかったるいなと思うんですけど、そう思いませんか。
#239
○国務大臣(岡田克也君) JALや東電というのはかなり厳しい状況の企業の例であります。それぞれの企業年金を取り巻く環境が大きく変化する中で、企業年金法制に定められた所定のルールに従って減額の手続が行われているものでございます。JALについては会社更生法の申請、そして東電についても実質国有化という中で行われたことであります。
 これに対して、国家公務員につきましては、被用者年金一元化を行わなくてもそれぞれの現行制度で健全な財政運営がなされているという、現状はそういうことであります。そういう場合に、それを根拠がなく減額するということは、これはやはり憲法上の財産権の関係からいっても私はかなり無理があるというふうに思っております。
#240
○小野次郎君 安住財務大臣に伺いますけれども、財務大臣、趣旨として、日本が増税による財政再建のパワーというか力を持っているかどうかというのは国際社会からも見守られているんだと、評価を受けているんだと、決められない政治というんでは日本に対する評価が維持できないという趣旨のことを言われているように思いますけれども、一方でこういう言い方をする人もいるんですよ。確かに増税する前は一つの切り札だと、しかし、この切り札の最後の一枚を切ったときに、国債発行額は減らない、そして歳出はカットできないという状況になれば、もう切り札は持っていないんだから、日本は、そのときこそ日本売りが始まるんだというふうに言う金融の方もいるんです。
 そうなってはいけないわけで、やっぱり歳出カットというのは、私は、私の党が常に言っていることですけれども、もっと厳しく取り組まなきゃいけないと思いますが、この今僕が紹介した発言ありますね、そういうふうに、その結果が出なかったらそのときこそ日本売りなんだよということについてはどうお考えですか。
#241
○国務大臣(安住淳君) いわゆる財政再建余力が日本はあるということですよね。それは、煎じ詰めると、やっぱり国際会議に行きますと、消費税が諸外国では二〇%近いのにもかかわらず日本は五%であると、そういう意味ではまだまだ、そういう意味じゃ国民負担率を、国民の皆さんにお願いをすれば、財政が今よりも悪化をしないで良くなる可能性は日本にはまだあるんではないかということをおっしゃっているんだと思います。
 それは、しかし、消費税をもし上げた後に放漫財政をやって、実は賄い切れなくなったら、日本はそれこそ世界の中から売られるよというお話だと思いますが、私もその認識は一緒でございます。ですから、これは、社会保障に係るお金は本当に大変でございますので、国民の皆さんにお預かりしたものはおばあちゃんの年金、お預かりしたものはお父さんの薬代、お預かりしたものはお子さんの保育所を造るのに使いましたと、ちゃんと透明性を持ってやった上で、なおかつ財政再建への道筋を立てていきたいと思っております。
#242
○小野次郎君 最後に、岡田副総理と安住財務大臣に個々にお伺いしますけれども、総理は……
#243
○委員長(高橋千秋君) おまとめください。
#244
○小野次郎君 総理は政治生命を懸けていると言っていますけれども、あなたも消費増税に政治生命を懸けているのか、お一人ずつお答えください。
#245
○委員長(高橋千秋君) 岡田国務大臣。時間が来ておりますので簡潔にお願いします。(発言する者あり)
#246
○国務大臣(岡田克也君) よろしいですか。
#247
○委員長(高橋千秋君) 時間が過ぎております。(発言する者あり)
 どうぞ、答弁してください。
#248
○国務大臣(岡田克也君) 社会保障・税一体改革は極めて重要な課題だと考えております。
#249
○国務大臣(安住淳君) 右に同じです。決意は一緒です。
#250
○小野次郎君 決意もう一遍言ってくださいよ。答えていませんよ、副総理。
#251
○委員長(高橋千秋君) 時間が過ぎております。時間が過ぎております。
#252
○小野次郎君 答弁拒否ですか。
#253
○委員長(高橋千秋君) 時間が来ております。終了してください。
#254
○小野次郎君 私たちは……
#255
○委員長(高橋千秋君) 時間が参っておりますので、終了してください。
#256
○小野次郎君 私たちは、一刻も早く解散総選挙して、この何か……
#257
○委員長(高橋千秋君) ルールは守ってください。
#258
○小野次郎君 つじつま合わせだけしている話を早く民意に聞くべきだということを申し上げて、質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。
#259
○田村智子君 日本共産党の田村智子です。
 今日は五十分の質問時間をいただきまして、子ども・子育て関係の法案をしっかり審議をしたいと思います。
 まず、七月二十六日の質問の続きで、児童福祉法二十四条、市町村の保育実施義務に関連してお聞きをいたします。
 昨年来私がこの市町村の保育実施義務の削除、これは絶対許されないと、この規定の後退も許されないということをこだわって取り上げてきましたが、これは保育現場での子供への対応に重要な意味を持つからです。その一つが、保育料の滞納があった場合に子供の扱いがどうなるかということです。修正案の二十四条第一項では、市町村は、保育所において保育をしなければならないと、この規定を削除させなかった。これは前回も強調しましたけれども、やはり保育現場や保護者の皆さんの強い要求にこたえての修正だと私も理解をしております。
 この市町村の保育実施義務、これは具体的にいえば認可保育所での保育ということになります。この場合、保育料の滞納をもって、それを理由として子供が退所させられるということはないと思いますが、発議者に確認をいたします。
#260
○衆議院議員(江端貴子君) お答えいたします。
 委員御指摘のとおり、悪質な滞納であっても子供には責任はございません。また、今回の修正案で、市町村は児童福祉法第二十四条第一項に基づき保育所における保育の実施義務を負うことになり、また保育料についても、現行制度と同様に市町村が保護者から徴収する仕組みとなりました。
 ということで、今回、滞納があったからといって直ちに保育所を退所させるような取扱いはなされないと考えます。
#261
○田村智子君 これは現行法も同じ規定なんですね。たとえ公立であろうとも民間の認可保育所であろうとも、これは保育料の滞納をもって子供を退所させることはできないし、今丁寧に御説明あったとおり、保育料の徴収も、滞納分についてもこれは市町村が徴収を行うということになります。
 それでは、認可保育所以外、修正法案でいえば二十四条第二項に定める保育施設ではどうなるかと。これらの保育施設や保育事業は保護者と保育事業者との直接契約になります。言わば民民、民間と民間の契約です。
 そこで、まず法務省にお聞きをいたします。保育契約のように継続的にサービスの提供が行われ、サービスに対して定期的に対価、料金ですね、これを支払うというように双方に義務が生じる契約では、一方に債務不履行があった場合、相当の期間を定めて履行の催告を行い、その期間中にも債務の履行がない場合、これは契約解除が可能となるかどうか、お答えください。
#262
○政府参考人(萩本修君) 債務不履行を理由とする契約の解除につきましては、民法の五百四十一条がその原則を定めておりまして、今委員からも御紹介がありましたが、契約の当事者の一方が債務を履行しない場合には、その相手方は相当の期間を定めて履行の催告をした上で、その期間内に債務の履行がないときは契約を解除することができるとされております。この民法の原則は、他の法令に特段の定めがない限り広く契約一般に適用されるものですので、今委員御指摘のような継続的な契約についても適用されることになります。
 ただ、継続的な契約につきましては、その継続性に配慮するという観点から解除が制限されることがありますので、具体的に契約の解除が認められるかどうかは最終的には個別事案ごとの裁判所の判断に委ねられているところでございますが、債務不履行を理由とする解除が認められるということは言えるだろうと考えております。
#263
○田村智子君 これ、他の法律で何らかの制約を課さない限りは、民間と民間の契約については解除が可能ということです。
 法務省の方は、答弁、これだけを求めていますので、委員長のお許しがあれば御退席いただいて構いません。
#264
○委員長(高橋千秋君) じゃ、審議官は退席してください。
#265
○田村智子君 続けます。
 現に、保護者との直接契約である私立の認定こども園については文部科学省と厚生労働省が連名でQアンドAを出していて、この中では、利用料の滞納を理由とした契約解除は可能だと、こういうふうに書いています。私、これ自体も児童福祉という視点を欠くものだと思っています。
 それでは、新法である子ども・子育て支援法案では、保育所以外の特定教育・保育を行う施設あるいは地域保育を行う事業者、これは二十四条の第二項に定めるものとイコールになると思うんですけれども、ここは保育料滞納を理由に契約の解除ができるとするのかどうか。これは少子化大臣になるんでしょうか、大臣、お答えいただきたいと、これ政府案も一緒ですので。
#266
○国務大臣(小宮山洋子君) それはQアンドAで出しているとおりでございます。
#267
○田村智子君 そうなんですね。これは契約解除ができてしまうということなんです。
 それで、これ、ただ、このままでいいと私はとても思っていなくて、例えば、厚生労働省に聞きましたら、子ども・子育て支援法の第三十三条や第四十五条には、認可保育所以外での保育契約についても正当な理由がなければ拒んではならないと、応諾義務を課していると、これが保育料滞納を理由とした退所への歯止めになるかもしれないというような説明を私も受けていましたが、条文上は契約解除を禁止するようなものではないわけなんです。
 もう一点お聞きします。
 今私が紹介した応諾義務の中には、正当な理由がなければ拒んではならない、逆に言うと、正当な理由があると保育施設の側が主張すれば保育契約を拒むことができるというふうにもこれ読めるわけです。そうすると、私は、保育料を滞納していると、そのことを理由に、どうもこの保護者は信用できない、だからうちのところでは、受け入れてくれと言われているけれども、保育契約はどうもこれ結ぶわけにはいかないぞと、これを正当な理由というふうにすることができるかどうか。これお答えください。
#268
○国務大臣(小宮山洋子君) 新しい制度の下では正当な理由がない限り施設には応諾義務が課されるというのは委員がおっしゃったとおりです。この場合の正当な理由というのは、定員に空きがない場合ですとか、定員以上のオーバーがある場合などを想定をしています。
 具体的な運用の詳細に関しましては、今後、制度の施行までに子ども・子育て会議の意見を聞きながら検討をいたします。ただ、一般論を申し上げれば、御指摘のような過去に保育料を滞納したことがあることをもって直ちに受入れを拒む正当な理由に該当するものではないというふうに考えます。ただ、それぞれのケースごとに事情が異なりますので、一概にお答えするのは難しいということはあります。
 いずれにしましても、滞納に対しましては、先ほども言われたように、児童福祉法に設けられている代行徴収制度の活用などの対応をまずは考えるべきだというふうに考えています。
#269
○田村智子君 今、代行徴収のお話がありました。私もそのことも聞きたいと思っていたんです。もちろんこれ、前提としては保育料を納める責任や義務というのが保護者にあると、これは私もそう思います。ただ、保育料の滞納の責任を乳幼児に問うわけには絶対にいかないわけですね。まして、子供が不利益を被るようなことがあってはならないと思うんです。
 一方で、だけど、保育を行う側にとっては、市町村が代理徴収していない保育所にとってはこれは苦しい選択で、滞納額が大きくなれば運営に支障を来しかねないと。市町村保育実施義務の削除というのが最初言われたときに、大変保育関係者は心配をしました。保育料徴収は市町村の責任で行うべきだと、保育する側は最後まで子供の利益を守るという側の仕事に徹するべきなんだと、こういう強い意見が出された。それで、先ほど大臣が説明いただいた、改正児童福祉法の第五十六条十一項、保護者が保育料を滞納し、保育に支障を起こしている、あるいは支障を起こすおそれがある場合、設置者の請求に基づいて市町村が滞納処分できると、こういう条項が入ってきたのかなというふうに私も理解をしています。
 ただ、ここでお聞きしたいんです。それでは、市町村が滞納を徴収すると、徴収するんだからこの子を保育所から退所させてはならないよと、保育所から退所をさせてはならない、それを前提として滞納処分を行うのかどうか、確認したいと思います。
#270
○国務大臣(小宮山洋子君) 新しい制度の下では、市町村は保育所での保育の実施義務のほか、認定こども園や小規模な保育により必要な保育を確保する措置を講じなければなりません。保育に関して極めて強い責任を負っているということです。
 保育料の滞納が発生した場合、施設の運営に影響が生じるおそれがあります。また、滞納を理由に直ちに契約が解除されることになれば、子供が必要な保育を受けられないで安定的な制度の運営に支障が生じるおそれもあります。このため、子供が必要な保育を受けることができ、ひいては市町村としての責任を果たせるように、この児童福祉法に基づく代行徴収制度、これを設けることといたしました。
#271
○田村智子君 ちょっと確認なんですけど、そうすると、退所をさせないということを前提と考えてよろしいのかどうか。
#272
○国務大臣(小宮山洋子君) それは、子供にとっては、そういうことで、子供自身が責任のあることでないと先ほどから委員がおっしゃっているとおり、そういう事情で退所をさせられるということがあってはならないと。ただ、一方で、制度の運営に支障を来してはいけないということで、今回この代行徴収の制度を設けたということでございます。
#273
○田村智子君 そうすると、いろいろ聞きますと、その民法で契約解除ができるというものを縛るような法文上の規定というのは、やっぱりこれは作ったとは言えないんですね。今、発議者の方もうなずいておられますけれど、そうなんです。
 そうすると、冒頭で私確認しましたように、市町村の保育実施義務に基づいて行われる認可保育所での保育というのは、退所はやってはならないんですよ。できないんですよ。一方で、その他の保育施設では、子供の利益を守り切るという法律上の保障がないということになってしまうんです。そうすると、修正案の児童福祉法二十四条の一項と二項、これ並列なのかどうなのかというのを前回議論させていただきましたけれども、これはやっぱり大きな差があるんです、子供にとって。
 これ、前回お答えいただいた田村憲久議員にお聞きをしたいんですけれども、市町村はやはり一項に基づく、つまり認可保育所における保育を希望者については可能な限り保障すると。法文上、これ並列と読めるように書いてしまったというのは、私はこれはどうかなというふうに思っているんですけど、しかし、実際の運営をしていく上では、やはり第一項、これに基づいて、可能な限り市町村の保育実施義務を果たすんだと、これは是非確認したいと思うんですけれども、いかがですか。
#274
○衆議院議員(田村憲久君) 前回も先生とここは議論をさせていただいたんですが、並列だとかどちらが一義的だとか、法律上どう言っていいのかよく分かりませんが、ただ、基本はやっぱり保育所であることは間違いないわけでありまして、保育所を基本にやはりこの保育というのをしっかり進めてまいると。
 ただ、前回もお答えいたしました。どうしても都市部で土地が手に入らないでありますとか、地方で子供の数が集まらない、それから家庭的保育に関しましては、例えばゼロ歳児のお子さんはそちらの方が合うというような、そういうような家庭もあるのかも分かりません。ただ、やはり三歳以上の部分も含めて連携が大事でございますので、そう考えると、ゼロ、一、二が中心の地域型保育事業というものを、今先生おっしゃられました小規模保育でありますとか家庭的保育事業というものが、これを中心にという話ではなくて、やはり保育所を中心として、待機児童の解消も含めて保育をやっていくという意味ではおっしゃるとおりだというふうに思っております。
#275
○田村智子君 これは私、是非確認したかったことなんです。今後の保育行政にとても重要なところだと思います。
 私は、二十四条に定める市町村保育実施義務、これ残したということではなく、削除させなかったということだけでなく、やっぱり今こそ子供たちを守るためにもっと活用しなければいけないというふうに思っています。
 修正案では、児童福祉法二十四条六項に、市町村があっせん又は要請、支援をしても、なお保育を受けることが著しく困難であると認めるときは、公立の保育所又は幼保連携型認定こども園に入所させるか、民間の保育所又は幼保連携型こども園に入所を委託して市町村が保育を行うことができると、こういう新しい条項を加えています。例えば、先ほどから私が紹介しているような、保育料の滞納が悪質だと言われてしまって、保護者に信用がないと言われてしまって、これは退所だけでなくて他の保育施設でもなかなか受入れが決まらないという場合が皆無かと言われれば、これはなかなか難しい状況、現に起こり得ると思うんですね。
 そうすると、これは先ほど来言っているとおり、やっぱり子供に責任を負わせるわけにいかないし、悪質なんて言われるケースだとやっぱりその家庭に何らかの問題がある、一層そういう子供の保護ということを考えなければいけない。そうすると、このような場合、やはり先ほど挙げた二十四条の六項に該当するとして、市町村が子供の保育をつなぐということで一歩踏み出して措置をするということもできると思うんですけれども、発議者の方にお聞きした方がいいんじゃないでしょうか。
#276
○衆議院議員(江端貴子君) お答えいたします。
 それぞれのケースごとに個別具体的な事実関係を踏まえた対応が必要ですので一概にお答えするのは難しいかと思いますけれども、一般的にお答えいたしますと、滞納が発生した事由あるいは保護者や子供が置かれている状況、そして市町村による保育料の徴収状況などを踏まえ、御指摘のとおり、この改正後の児童福祉法第二十四条第六項に規定する保育を受けることが著しく困難である場合として措置の対象となることもあり得ると考えます。
 以上です。
#277
○田村智子君 私これにこだわりますのは、実は、保育料の滞納が要因となって子供が保育所からいなくなる、年度が変わったら名簿から名前がなくなっていたと、こういうケースというのは決してレアケースではないんですね。悪質じゃなくたって、保護者の方が自分で申し訳ないなと思って滞納を苦にして次の年の保育を申し込まないというような事例があるわけです。
 私たちの機関紙である赤旗が子供の貧困を取材したときにも、広島で現にそういう例が私立の保育園でありました。そして、この保育園では保育士さんがすぐにその家庭を訪問して、訪ねてみたら小学校低学年のお姉さんと五歳の女の子が二人だけで日中過ごしていたと。台所を見てみたら空の弁当箱がいっぱいあったと。これは保育士さんが発見をして園長先生がすぐに福祉事務所にも連絡を取ってその保育所での保育を継続するという措置をすぐにとることができたんですけれども、これ氷山の一角ではないかと思っています。
 政府案で提案した中にも、二十四条第五項に、これは虐待などを想定したものだと思うんですけれども、児童相談所や福祉事務所からの通知や報告を受けた児童、その他優先的に保育を行う必要がある子供について、保護者に勧奨や支援をしてもなお保育が行われない場合には市町村の保育義務があるんだというふうに定めています。
 これ、児童相談所とか福祉事務所というのは、そうはいってもなかなかに手いっぱいで、こういうケースをつかむということが困難だと思います。そうすると、今取り上げたような例、保育士さんが、保育園に子供今年いないじゃないかと、あるいは途中で退所しちゃったじゃないかということで訪問をする、で、発見をする、保育士さんがすぐに市町村と連携を取って市町村に保育の実施義務を果たさせると、こういうようなこともこれ二十四条五項を根拠にして行えることができるんじゃないかと思いますけれども、虐待とまでは至らなくても。いかがでしょうか。
#278
○国務大臣(小宮山洋子君) それは五項による措置ということで対応ができると考えます。
 先ほどからおっしゃっている滞納があってという場合も、これはこの二十四条の六項による措置が可能だというふうに考えます。
#279
○田村智子君 今、幼児の事故というのが本当に、報道で聞いていても、何でこんな事故がと思うことがあるわけですね。一人でお留守番をしていて、お母さん探していてベランダから落っこっちゃったとかね。
 やっぱりこういうことに対して市町村が、そういう子供、保育の申込みがあった子供だけじゃなくて、まさに保育を必要としている、客観的に、そういう子供たちに踏み込んで、自ら保育の実施義務を果たすんだという役割が今こそ求められていると思います。そう思って、今日こだわってこの問題を取り上げてお聞きをいたしました。
 次に、待機児童の対策で、先ほど発議者の田村議員からもあったんですけど、もう一度確認をしたいと思うんですね。
 やはり、児童福祉法二十四条の書きぶりで、私はやっぱりそれは、認可保育所の保育とその他の保育の確保措置というのが法律上並列に書かれてしまったというのは、これはもう事実なんですよ。それから、もう一つ私が心配しているのは、社会保障制度改革推進法案の中で、待機児童問題の解消は即効性のある施策等の推進、これで対応するという、これ書き込まれてしまっているんです。そうすると、これは一体どういう施策が進むことになるんだろうかと、こういう危惧が生じてしまうんですね。
 先ほども田村議員から御答弁いただきましたけれども、やはり修正案の趣旨というのは、待機児童対策も、小規模保育や家庭的保育も活用するけれど、やはり認可保育所などの増設が基本であると、これは確認できると思いますが、いかがでしょうか、認可保育所の増設。
#280
○衆議院議員(田村憲久君) 認可保育所の増設、保育所がやはり基本であるというのは先ほど申し上げたとおりでありまして、多様なニーズがあるし、いろんな制約もある中で、他に、今委員並列とおっしゃられましたけれども、地域型の保育事業というものも位置付けてあるわけであります。
 ただ、一方で、それだけでは待機児童というのはなかなか解消できない。つまり、もう委員も御承知のとおり、潜在的なニーズをどう顕在化するか。これが出てこないことには、そもそも保育所、認可保育所も含めてですね、これもなかなかつくられていかないわけでありますから、いかにして今隠れている潜在的なニーズを顕在化するようなそんな仕組みをつくっていくか、これが最も重要だと私は考えております。
#281
○田村智子君 認可保育所の増設がというのはちょっとよく分からなかったんですが、増設はやっぱり必要だということでよろしいわけですよね。
 同じ質問を厚生労働省というか少子化大臣にもしたいと思うんですね。やはり認可保育所を基本とし、待機児童対策を行うということでよろしいですか。
#282
○国務大臣(小宮山洋子君) 地域の保育需要に対しましては、委員がおっしゃるように、保育所等の一定以上の規模を持つ施設による対応が基本だと厚生労働省としても考えています。現在も保育需要の多くの部分に保育所などで対応している以上、今後整備されるものも保育所等が多くなるとは想定をしています。
 ただ、修正案提出者からもお話があったように、土地の確保が難しい大都市ですとかそれから子供の数が少ない過疎地などでは保育所などだけでは地域の需要にこたえられない地域もあるので、実情に応じて家庭的保育などを含む多様な、質は必ず確保いたしますので、質の確保された方法を組み合わせていくことが必要だと考えています。
#283
○田村智子君 それを認可保育所を基本ということで、私、一点確認をしたいんですけれども、今、小規模な認可保育所もこれ建設できるようになっている、認可できるようになっていると。ところが、なかなか、自治体に行きますと、誤解もあるんですよ。六十人以上でなければ認可保育所にできないとか、あるいは五歳児クラスまで全部そろっていないとこれ認可じゃないんだみたいな誤解があるんですね。これ、今そうじゃないと思うんです。二十人以上で認可は可能であるというふうに思いますが、確認をしたいと思います。
#284
○国務大臣(小宮山洋子君) それはしっかりと周知をしたいと思います。
 今、二十人以上とおっしゃいましたけど、二十人以下、二十人以下の小規模保育、それから五人以下を家庭的保育といっていますけれども、そうした仕組みも可能であるということは全国にしっかりと周知をしたいと思います。
#285
○田村智子君 今の、認可の基準として、認可保育所として小規模な認可保育所も認めるということでよろしいですよね。
#286
○国務大臣(小宮山洋子君) 失礼しました。
 先ほど申し上げたのは、今回、財政支援の対象とするということで、今は認可は二十人以上ということでございます。訂正をいたします。
#287
○田村智子君 私は、認可保育所をやっぱり抜本的に増やすという努力なしに待機児童の問題は解決できないということをいま一度強調したいと思うんです。
 保護者が認可保育所の増設を求めてネットワークを立ち上げた足立区なんですけれども、足立区の方に聞いてみましたら、平成の時代に入ってからで見ると、実は平成十八年まで認可保育所の増設ゼロという年がずっと続くわけです、十八年間。で、二〇〇七年、平成十九年にやっと三か所増設と。これ、私たちも与党になった革新区政が誕生して、やっと三か所できるわけなんですね。ところが、翌年、また新設はゼロと。で、二〇〇九年にやっと一か所。翌年からまた二年続けてゼロになってしまう。その一方で、ビルの一室などの認証保育所はどんどん増やしたわけなんです。認可保育所の増設はしないと、認証はつくるが認可はつくらないと区が明言をして政策を取り続けた、これが足立区などでも爆発的に待機児童を増やしてしまった大きな要因なんです。
 東京都の中あるいは大都市部見てみますと、やはり小泉政権下で公立保育所への建設費や運営費の直接補助制度を廃止したと、このこととも相まって、少なくない自治体が認可保育所増設に歯止めを掛けたという時期がやっぱりあるわけですね。現在、こうした自治体も保護者の強い要望でやっと認可保育所増設に政策転換をしてきましたけれども、これ、同じ過ちを繰り返すわけにはいかないんですね。自治体にこういう態度を取らせてはいけないと思っています。
 大体、先ほどから保育のニーズをつかむというふうに言っていますけれども、そもそも現在カウントされている待機児童というのは、元々は認可保育所への入所を申し込んで、だけども入れなかった、申し込んだ方の人数が反映しているわけです、認可保育所を。東京都練馬区で見てみますと、今年の四月、待機児童だとして公表された数字は五百二十三人ですけれども、実際に認可保育所に申し込んで、だけど入れなかったという子供は一千四十一人と。公表された数字の二倍なわけですね。
 これは、市町村、より正確に保育ニーズつかむ、整備計画立てると、これが市町村の責務を強めることになるんだということ、大臣も答弁をされてきていましたので、であるならば、確かに土地の問題とかあります、だけれども、やっぱり市町村が努力すべきは、認可保育所への入所を希望するという声にこたえたような、それを反映したような整備計画、これを作るべきだと思いますが、いかがでしょうか。
#288
○国務大臣(小宮山洋子君) 本当に潜在的なニーズも含めて、ニーズがどれだけあるかということを正確につかむことが基本だと思っています。
 今回の制度でも、とにかく申込みしたい人の数はしっかりと受け入れると。これまでは、申込みをした人をきちんと施設に入れられるかどうか、そちらの施設がいっぱいかどうかとか財政事情とかで市町村の裁量だった部分があるので正確につかめませんでした。今回はそこを切り離す形を取り、しっかりとニーズを把握をするということ、それに基づいて計画を作って、そこに財政支援をして、多様な形式の施設を組み合わせて、必ずそこに入れるようにするという仕組みを取りましたので、そういう意味では、ニーズを把握をして必要な対応が取れるような仕組みにしていきたいと考えています。
#289
○田村智子君 聞いたことに真っすぐに答えていただいていないんですね。
 潜在的なニーズつかむのはそうなんですけれど、今顕在しているニーズが認可保育所に入りたいという申込みの数なんですよ。これは潜在じゃないんです。既に見えているニーズなんです。となれば、市町村はその見えているニーズにできるだけこたえると、そういう努力をした市町村保育の整備の計画を立てるべきじゃないかと思うんですけど、いかがですか。
#290
○国務大臣(小宮山洋子君) それは当然のことです。その見えているもの以外に、今まで見えないようにしてきた部分にも今回は対応したいということを申し上げました。
#291
○田村智子君 ここは是非市町村にもちゃんと徹底をしていただきたいんですね。やっぱり即効性も求められる、そのとおりなんです。いろんな小規模保育で待機児童をすぐに受け入れられるようにすると。だけど、そちらに力を入れたがばっかりに認可保育所が後回しなことになると、これは待機児童の解消というのは絶対できないと思うんですね。やはり、認可保育所に入りたいという保護者の要求は既に顕在化している、それに対して市町村はこたえる努力をすべきだということが今日審議の中では確認をできたと思います。
 次に、この法案によって、保育所への入所の申込み、入所決定、これ具体的にどう進んでいくのか、大変保育の現場からも保護者からも不安の声、どうなるのという声、寄せられているんですね。
 児童福祉法二十四条三項、これは附則の第七十三条によって読み替えられて、当分の間、全ての市町村で保育所等の利用の調整を行うということが義務付けをされました。保護者は市町村に保育の希望を提出をして、それを基にしてどの保育施設を利用してもらうのかを市町村が調整するという仕組みだろうと私は理解をしています。
 ただ、現行の二十四条には保護者からの保育の申込みという規定があるんです。それから、申込書の提出という規定もあります。市町村による公正な方法での選考も定めています。ところが、改正案の方では、こうした保育を申し込むとか、公正な選考とかという規定がないんですね、保育にかかわって。
 一方で、子ども・子育て支援法の第二十条を見ると、保育の必要量の認定を受けるための申請、これは保護者が行うとなっているんですよ。保育所に申し込むんじゃなくて、私の子供の保育の必要量を認定してくださいという、こういう申請は行うとなっている。これが保育の申込みとどういう関係にあるのか。現在は省令で保護者は希望する保育施設やサービスを明記して申し込むということになっています、省令に基づいて。
 この保育を申し込むという行為がどこでどう行われるのか、発議者にお聞きをいたします。
#292
○衆議院議員(田村憲久君) 今先生おっしゃられましたとおり、要は、保育の必要量というものを測るという行為とそれから保育自体を申し込むという行為は、これは法律の基となっておるところが違うわけでありますから、一つの法律でそれが進んでいくというわけではありません。
 ただ、これはやっぱり窓口で一体的に運営されるのが一番利便性が高いわけでありますから、そういう意味では、もちろん保育の必要量を申し込む、これを認定をするという行為とそれから保育を申し込むという行為が一体的に行われるように行政の方で対応していただくよう、政府の方でこの基本指針等々で定めていただけることを期待をいたしております。
#293
○田村智子君 私も、一体的に行われなければこれは保護者にとっても市町村にとっても大変な負担が大きくなりますので、是非一体的に運用するということを求めたいと思います。
 同時に、現行法では二十四条第二項に申込書の提出ということが規定されて、この規定があるから省令でどういう申込みの記載を行うのかということも定めているわけですね。また、二十四条の第三項ではこの公正な方法での選考というのを規定しているので、選考の基準を公表している自治体がほとんどだと思います。
 では、新しい仕組みではそれがどうなるのか。これ、認可保育所への入所決定というのが今の市町村のやり方ですけれども、今度は違うんですよね。認可保育所の、あなたはここに入所決定しましたという通知ではなくて、あなたはここの保育所を利用していただくように調整を行いましたというのが、認可保育所だったり保育ママさんだったりその他無認可の保育所だったりというのが恐らくその人の手元に届くような、そういう仕組みになるのかなと。調整というのは、認可保育所を決めるというだけじゃなくて、あなたは保育ママさんとか、そういうところまで調整するということだと思うんですけれども、違うのかな。
#294
○衆議院議員(田村憲久君) 無認可の保育所ということにはならないんだと思います。認可の保育所でありますとか地域型の保育施設等々に対して今言われるような調整を掛けるという話になると……
#295
○田村智子君 地域型も含まれるわけですね、地域型保育も含めた調整ですね。
#296
○衆議院議員(田村憲久君) はい、そうでございます。
#297
○田村智子君 私の言い方が悪かったです。認可保育所以外の地域型保育についても調整を行って、あなたはここの入所をしてはいかがでしょうかというような指定を恐らく市町村の方がされるということになると思うんですね。
 そうすると、私は何で認可ではなくてこっちなのという、やっぱりそういうことが起こってくると思うんですよ。だから、選考の基準というのがちゃんと保護者にも透明性を持って示されることが必要だというふうに思いますし、それは基準を行政手続法の観点からもやっぱり具体的に定めて公表すべきだと思うんですけど、いかがでしょうか。
#298
○国務大臣(小宮山洋子君) それはおっしゃるとおりです。市町村による利用調整については、保護者が市町村に対して保育の必要性の認定を申請する際などに合わせて入所希望を聴取するということが考えられます。
 具体的な保育の必要性の認定、利用調整の手続や方法については、今後、実務的な観点も併せて検討して定めていくということになりますが、認定や利用調整を行うに当たりましては、当然のことながら、保育の必要度などに基づいて公正な方法によって行われる必要があります。また、透明性の観点から、その基準についてもオープンなものにすることが必要だというふうに考えています。
#299
○田村智子君 是非、公正な基準が示されて、しかも保護者が分かるというものを示していただきたいと思います。
 やっぱり保護者の希望に可能な限りこたえる調整になるためには、やはり今の保育所の申込みの状況を見てみれば、認可保育所の増設がどこまで進んでいるかということが問われるし、お話あったそれ以外の地域型の保育についても、質の向上がどこまで進んでいるか、あるいはその地域型の保育の利用料はどうなっているかと、こういうことが非常に重要になってくると思うんですね、認可保育所に入りたいというその要求の中には、保育料がその他の保育所と大きく違っているという現実があるので。
 そこで、お聞きをしたいんですけれども、この利用料、中でも切実です。認可保育所と同じように、地域型の保育所もその他の保育施設やら保育サービスも所得に応じた負担ということが規定をされるのか、また、その所得に応じたというその基準は認可保育所の基準と同程度のものになるのかどうか、お答えください。
#300
○国務大臣(小宮山洋子君) 新たな制度での利用者負担の額につきましては、現在の保育制度と同様に、応能負担の考え方に基づいて、現在の利用者負担の水準を基本に、所得階層ごと、認定時間、利用時間ですね、その長短の区分ごとに負担を設定することにしています。
 利用者負担額の設定方法についての基本的な考え方は、施設型給付と地域型保育給付で同様で、原則として同様の水準にすることを基礎として検討いたします。
 国が定める利用者負担に関する具体的な水準については、現在の利用者負担の水準を基本にして子ども・子育て会議の御意見も伺いながら今後検討することにしています。これを基にした利用者負担の水準について各市町村で検討されるという、そういう手順になっていくというふうに考えます。
#301
○田村智子君 是非、国の基準そのものが本当に保育料が高いという基準になっているので、その見直しも求めたいというふうに思いますが。
 また、調整については、例えば調整を受けたけれども不服だという場合に一体どうなるんだと、再調整が行われるのかなど、多々不安な点というのは残っているんですけれども、恐らく、聞いても、今後の検討ということになると思いますので、今日は、次に保育の必要量の認定のその中身についてお聞きをしたいと思います。
 子ども・子育て支援法が定めるこの新しい仕組みについては、保育現場から大変危惧の声が出されているんですね。だけど、修正案でも政府案の骨組みがそのまま残りました。
 これまでの答弁をお聞きしていますと、保育の必要量は二段階、短時間と一日というふうに認定されるだろうということが示されています。その認定の基準とか、短時間が何時間になるのか、一日という保育が一体何時間になるのか、これは子ども・子育て会議の議論で詰めるんだという答弁なんですが、ここは大変重要な問題なんです。ですから、もうちょっとその方向性を具体的に示してもらわなければならないと思っています。
 例えばです。現在、保育は八時間を基本だとしていますけれども、保育所の開設時間は十一時間が基本です。この十一時間を超えたときに延長保育という扱いになって、その費用は市町村の延長保育事業とか保護者の延長保育料と、こういうことによって負担をされています。
 ということは、一日という認定時間が例えば八時間ということになってしまうと、恒常的に延長保育料の負担が新たに生じてしまうということになっちゃうんですね。更に延長の時間が長くなっちゃう。十一時間以上でなければ市町村や保護者に新たな負担が生じてしまうということになると思います。八時間の勤務の方が保育時間も八時間ということはまずあり得ないわけですから、これは当然、一日という保育は十一時間以上、これが基準になると思いますが、いかがでしょうか。
#302
○国務大臣(小宮山洋子君) 新しい制度の下での保育を必要とする子供の保育の必要量については、月単位で長時間と短時間の二区分設けることにしています。
 今言われたように、制度の詳細については子ども・子育て会議での議論も受けて具体的に検討していきますが、長時間利用については、主に今言われたフルタイムでの就労を想定していますので、現在の十一時間の開所時間に対応するものを考えています。
#303
○田村智子君 それは是非約束していただきたいと思います。
 その短時間の場合についてもお聞きをいたします。
 これはまだ四時間とか六時間とかいろんなことが言われているんですけれども、今言われたとおり、保育の必要量の設定は一か月ごと、月を単位として行うと。そうすると、例えば短時間になったと、仮に短時間は一日四時間というふうにすると、月二十五日の開設日、月百時間という認定になると。仮に四時間にしています、今。これを毎日四時間の保育で利用してもいいし、週三日、一日八時間というふうに利用してもよい、あるいは保護者が仕事が午後からという場合には午後からの四時間でもいいと、そういうことになるんでしょうか。
#304
○国務大臣(小宮山洋子君) 一言で言えばそういうことです。
 もう少し詳しく説明しますと、新しい制度の下での保育を必要とする子供に対する保育量、これは、先ほど申し上げたように、月単位で長時間、短時間の二区分設けます。短時間の認定区分については、主としてパートタイム就労を想定していますが、例えば一日四時間、週五日就労する人もいれば、一日五時間で四日就労する人もいるなど、就労の状況というのは個々によって異なると考えられますので、月を単位として認定された必要量、これについては個々の状況に応じて柔軟に使える仕組みにしていきたいと考えています。
#305
○田村智子君 ここにばらばら保育になるんじゃないかという危惧がどうしても生じてしまうわけです。
 確かに、就労時間、勤務形態、病気の家族がいるとか、家族の介護が必要だとか、保護者の状況から保育の必要量というのがどうしても測られることになるんですね。しかし、それは子供にとってどういう保育が必要かということと必ずしもイコールではないと私は思うんです。
 例えば、ほとんどの保育所では、朝の集まりってまずやっています。一人一人のお名前を呼んで、小さい子供でもはいと返事をして、そのことでみんなが、子供も一緒になってみんなで子供の出欠を確認をするわけですね。それが終わると、例えば保育士さんが読み聞かせの時間を持ったり、一緒に手遊びで遊んだりして、こういうコミュニケーションの中で保育士さんたちは子供一人一人の状況を恐らく確認しているんだと思います。今日はどうも調子が悪いなとか、今日は何か元気がないなとか、そういうことを含めて保育士さんというのは確認をしているんだと思います。こういう朝の集まりが終わると、大体、午前中はお散歩とか、こういう時期だったら水遊びとか、みんなでやるわけですね。それで、お昼御飯をみんなで食べて、お昼寝をして、それからおやつ食べて、また午後の保育、こういう一日の大きな流れの中で保育というのは行われています。
 この朝から夕方までの生活のリズムというのは、私は、子供の安定した生活のリズムになっていくし、保育所での子供の安心感を培うこれ土台になるものだというふうに思うんですね。こうした子供にとっての保育の必要性、もっと考慮されるべきだと思うんですけれども、いかがでしょうか。
#306
○国務大臣(小宮山洋子君) それはもちろん子供にとってどういう形が一番いいかということが第一だと思います。ただ、保護者の方の御都合で、一日四時間でその後は子供と過ごしたいと、そうなったときに、子供にとって何が良いかというのはなかなか難しいところだと思うんですね。
 今の一日の日課というかスケジュール、それからまた行事があるという場合もあると思いますけれども、その施設の個々の運営については、既に在園時間が異なる子供を受け入れている認定こども園などの実践例も参考にしながら、子供たちにとって一番良い形というのはどうなるのか、それをそれぞれ工夫をしていただきたいと思いますし、何かその目安になるようなこと、参考になるようなことは国としてもお示しをしていきたいというふうに考えています。
#307
○田村智子君 これは今も、お母さんが早めにお迎えに来て、それで家でゆっくり過ごすというのは、朝から預けてパートの方が早めにお迎えに来てと、これは個々でやられていることなんですね。短時間で、例えば四時間なり六時間というふうになったら、自分の仕事の時間と合わせると朝の集まりからは参加できないというお母さんが、子供が出てきちゃうということだと。私はそれが、保育のこの一体感とか生活のリズムとか、そういうこととの関係でどうなんだろうかという疑問を持って、何か田村議員が話したそうにしているんですけれども、どうでしょう、保育の、もっと子供にとっての保育がどういうものが必要かということを十分考慮すべきだというふうに思うんですけれども、いかがですか。
#308
○衆議院議員(田村憲久君) 大臣がかなり踏み込んで御答弁されたんですけれども、余りばらばらな保育というのは事実上無理だと思います。対応する保育園側もそんな細切れで預かれないというふうに私は思いますので、正直申し上げて、ある程度のコアタイムは子供たちを預かるという形になると思いますし、朝という話なのか昼という話なのか分かりませんけれども、一定のやはり教育というものを共に学ばなければいけないという部分がございますから、そこは共通部分が入ってくるんだと思います。
 ただ、じゃ夜、先生おっしゃるみたいに夜預かるかどうかというのは、そういうような保育所の対応ができるかどうかという問題もございますので、全ての保育所が全てのニーズにこたえられるというような、そういう状況にはなかなかならないんであろうな。そのニーズに対してこたえられる保育所はあるかも分かりませんけれども、それは各自治体が調整をするという話になってくるんだというふうに思います。
#309
○田村智子君 これ、例えば三歳以上になるともっと複雑になってきちゃうんですね。例えば三歳以上の子供の場合は教育と保育なんですよ。短時間でお母さんが午後からの仕事だった場合、だけど、ほとんどの教育・保育施設は恐らく午前中が教育という時間になると思うんですよ。そうすると、これ、どういうふうにこの方は預けることになるのという問題も生じてくるんですけれども、この辺、何かお考えになっていますか。朝からやっぱり教育、保育だから朝から預けると、それで午後も見るというふうになるんですか。
#310
○国務大臣(小宮山洋子君) 先ほども申し上げたように、既に幼保連携型の認定こども園、これが先駆的な取組だということで、今回それを拡充しようというふうに言っているわけですけれども、そういうところでは、やはり幼稚園型の子供たちがいるところをコアなみんながいる時間ということで、既に時間のずれのある子供の保育、教育をしていますので、そうしたところで、幼保連携型を含めて認定こども園に預けている保護者の方も施設の側もこういう形がいいとおっしゃっているということは、そこで柔軟な対応ができているということだと思いますので、そうした実践例なども参考にしながら、より子供たちにとって良い形を考えていきたいというふうに思います。
#311
○田村智子君 短時間保育をつくるということで、行事の問題というのは確かに議論になりました。クリスマス会とかに出られないということのないようにするのは当然だという答弁もあって、そのとおりだと私も思いました。
 ただ問題は、それでは、短時間保育でやっている方がその時間を超えて行事に参加をした場合、その分の費用負担は一体どこが負うことになるのかということになるんですけれども、いかがですか。
#312
○国務大臣(小宮山洋子君) 先ほど申し上げたように、月単位で長時間と短時間という分け方をしていますので、一回あるいは二回行事に数時間参加したからといってその認定が崩れるという話ではないと思いますので、追加の費用負担ということは生じないというふうに考えます。
#313
○田村智子君 行事のあるときだけその時間をどこかから持ってくるって、まあそう美しくいく場合があればいいんですけれども、そうならなかった場合ってこれ出てくると思いますよ。例えばクリスマス会だって、その練習とかやっていますからね。練習に参加させてくださいと言われたら、やっぱりそれをやっていけば行事のときだけなんというふうにならなくなるんですよ、現場ではね。だから、短時間の保育の方がそれを超えた場合はどこの負担になるのか、これ起こり得ることですからちゃんとお答えいただきたいと思います、費用の負担はどこがするのか。
#314
○国務大臣(小宮山洋子君) 今は、その認定された短時間の保育の量ということがある程度のキャパシティーを持っていますので、そこをはるかに超えるということはないというふうに思っていますけれども、御指摘でもございますので、そういうケースどうするかということも子ども・子育て会議などで、子ども・子育て会議には本当に多様な関係者に入っていただくようにいたしますので、そうした中で現実的な対応が検討できればと思います。
#315
○田村智子君 では、もう一点お聞きしたいんですけれども、短時間のお子さんと長時間のお子さんの場合、やはり給付される額というのは違ってくると思うんですよ。施設が受け取る額も違ってくると思います。じゃ、仮に短時間の方が結構多くなっちゃったという保育所が出た場合、これ保育所にとっては運営にかかわる問題なんですね。その場合も、やはり今よりも運営が厳しくなるようなことは生じさせないということはお約束いただけるんでしょうか。
#316
○国務大臣(小宮山洋子君) 主にフルタイムの利用を想定した長時間利用に対しまして、主にパートタイムの就労を想定した短時間利用の具体的な認定時間の区分ですとか単価の設定については、保育所などの運営の実態に配慮をして、子ども・子育て会議の意見を聞いた上で、新たな制度の本格施行に向けた予算編成過程の中で具体的に検討をすることにしています。
 単価設定に当たりましては、固定費の存在ですとか、直接保育を行っている時間以外で職員が勤務している時間があることなども考慮をして、施設が安定的、継続的に運営していくことが可能となるように検討をしていきたいというふうに考えています。
#317
○田村智子君 これは、大切な点が結構後からの検討というふうになってしまうんですね。
 私、保育の必要量はこれだけだと親の就労の条件から測ってしまって短時間と長時間というふうに分けると、これはやっぱり保育現場には様々な問題が生じてしまうと思うんです。今だって、八時間の保育の中で早く迎えに行かれる条件のお母さんは迎えに行っているんです。これは基本は、八時間を、一日の保育をやっぱり全ての子供に、保育が必要な子供については保障すべきだというように思うんですね。
 特に、コアの時間ということも今議論になりましたけれども、私は、自分自身も子供を預けてみて、朝からの保育というのは本当に大切だと思うんです。朝にどう子供たちが集中するか、朝にみんなそろう時間があるか、これ、子供たちの安心感をつくっていくやっぱり土台になっているというように思うんですね。これは保育現場での事故を減らしていくということの上でも大切なことだと思うんです。だから、その点は、やっぱり一日の保育量八時間、今のような規定を崩すようなやり方というのはいかがなものかという意見は改めて指摘をしたいと思います。
 時間になってしまいましたので、施設整備費のことについてお聞きをしたかったんですけれども、後に譲りたいと思います、次の機会に譲りたいと思います。
 この子ども・子育て新システムの法案は、私も自民党の議員の皆さんとも何度か保育関係者の皆さんの集会にも参加をして、廃案を目指すというお言葉もいろんな方からお聞きをいたしました。残念ながら、廃案ではなくて修正という形で出されてしまった。もちろん、保育の実施義務というのを削除させなかったということとかはありますけれども、私は、一旦保育の関係者や国民の皆さんにもう一度問題を提起して、これからの保育の仕組みどうあるべきかということをちゃんと議論すべきだったというように思うんですね。
 今は、今日この委員会見ても分かるとおり、消費税議論したり保育議論したりしているわけですよ。消費税増税やるためには……
#318
○委員長(高橋千秋君) おまとめください。
#319
○田村智子君 保育が良くなるということを示さなきゃいけないというような口実に使われているような取扱いになっているんじゃないかと。こういうやり方では子供たちの保育の充実というのはできないんじゃないかと。
 徹底審議、拙速な採決は行うべきではないということを主張して、質問を終わります。
    ─────────────
#320
○委員長(高橋千秋君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、大島九州男君が委員を辞任され、その補欠として徳永エリ君が選任されました。
    ─────────────
#321
○亀井亜紀子君 みどりの風の亀井亜紀子でございます。
 今日は、民自公三党から時間を配慮していただきましたので、初めてゆっくりいろいろと細かく質問させていただきます。
 前回の質問で軽減税率について質問を一問してそこで終わってしまったので、その続きという意味合いで質問させていただきます。
 火曜日の質問のときに、私は井堀利宏教授の政府の集中検討会議で使われた資料を提出をいたしました。そのときに、政府の集中検討会議においては、井堀教授の理論というのがかなり当時の担当大臣、与謝野担当大臣に評価をされておりまして、軽減税率ということが余り積極的に採用されなかったんです。
 彼の理論は、私が前回御説明したとおり、消費税の逆進性というのは、ある一時点で高所得者と低所得者を比較するべきではなくて、その人の生涯所得で評価をし、その中でどれだけの消費税を生涯に払ったか、それによって比較すべきものであると、そのような理論でありました。これはどうも税学者が井堀教授に限らず言っていることのようであります。そして、消費税というのは所得に対する比例税であると。高額所得者は高いものを買ってそれだけ多く消費税を払うのだから、低所得者が一概に不利だ、不公平だというようなことは言うべきではないのではないかと、そういう理論でした。
 私は非常に違和感がありまして、これが終身雇用で年功序列で賃金が上がっていくような体系であればもう少しそういう年齢によっての負担の差というのは出てくるのかもしれないけれども、今のように雇用が安定しない状況ではそれは言えないのではないかということを主張いたしました。
 私の質問は、この集中検討会議のときに、今申し述べたように、軽減税率というのがぴしゃっと否定をされる中で、財務省が言っていたこととして、また当時の井堀教授ですとか与謝野担当大臣が言っていたこととして、欧州のように、例えばスウェーデンのように二五%とかイギリスのように二〇%というんだったら分かるけれども、日本のように五%、それが一〇%程度になるんだったら必要ないと、そういうことだったんです。
 それで、今いろんな委員の方が、例えば八%のときには軽減税率検討してもらえるのか、じゃ一〇%だったらどうかと、八%ではじゃ事務作業が間に合わないけれども一〇%だったら考慮してもらえるのかというような質問が今までにありましたけれども、私は今まで財務省とやり取りをしてきた感想として、一〇%までは軽減税率は入れたくないのですと、かなり強硬だということを知っています。
 そういう実感があるので伺いたいんですけれども、では、一〇%のとき、あるいはそれより上がるときに軽減税率を入れたとして、じゃその時点で税率が、単一税率ですけれども、そこから品目によって下がるものというのも出てくるんでしょうか。それとも、最低税率が一〇%で、それに据置きのものともっと高いものというような感じで考えておられますか。
#322
○国務大臣(岡田克也君) 今委員、二つのことを言われたと思うんですね。
 一つは、消費税に逆進性があるのかないのかという話で、これは学者とかいろんな御意見あると思います。逆進性がない、ある、両様あると思いますが、私はやはり逆進性はある程度はあると言うべきだと思うんですね。つまり、全額消費に使う人と所得にある程度余裕があって貯蓄に回る人で、もうそこだけでも違ってくるわけでありますので、比例ではなくなってくるので、そういう意味で逆進性はやはりあると、一部あるということだと思います。そこをどういうふうに対応すべきかということで、今、軽減税率、複数税率かそれとも給付付き税額控除かという議論を行っているということだと思います。
 そのことについては、まだ少なくとも政府としてはどちらでいくということを決めておりませんので、どちらかというと給付付き税額控除の方がいいというふうに考えておりますが、軽減税率についても排除はしておりません。排除はしておりませんが、軽減税率と決めたわけでもありませんので、そこは前提に御議論いただければというふうに思います。
#323
○亀井亜紀子君 私も給付付き税額控除という選択肢は排除しているわけではないんですけれども、ただ、今マイナンバー法案も審議されておりませんし、これはセットだと思います。つまり、給付付き税額控除というのは国民の所得というのを一人一人国民に番号を付けて所得の捕捉をしないと実現不可能ですから、ここがセットになっている以上、給付付きの税額控除の方が先に行ってしまって実現できないまま消費税だけが上がると大変な逆進性の増加になりますので、そこを懸念して軽減税率がなぜ難しいのかということを今までも質問をしてまいりました。そして、やはり私の中ですごく疑問が残っているので更に伺いたいと思います。
 財務省は、今まで私がやり取りしてきた中で、やはり軽減税率をやりたくないという、そういう姿勢であるということをすごく感じています。そして、それに加勢するのが経済産業省なんですね。経済産業省は、中小企業団体から強い反対がある、だから複数税率はやめてほしいということで強硬に反対をしてきまして、ですから、財務省と経済産業省が一体になって軽減税率を入れないように動いているような、そういう印象を私は持っております。
 先日、地方公聴会に行きましたけれども、中小企業の団体の方がいらして、やはり主張されたのは、栃木県商工会議所連合会会長の御意見ですけれども、複数税率はやめてほしい、簡易課税を維持してほしいという要望なんですね。
 なぜこんなに中小企業の反対、事務負担が増大するということなんですけれども、ここまで反対が強いのかということについて経済産業省にお伺いいたします。
#324
○大臣政務官(中根康浩君) 経産省からお答えを申し上げます。
 まず、軽減税率につきましては、本法案において、財源の問題、対象範囲の限定、中小企業者の事務負担等を含め様々な角度から総合的に検討するとされているところであり、今後の検討課題であるということは御理解をいただいておると思います。
 その上で、複数税率を導入した場合の問題でございますけれども、レジや会計システムの大幅な変更等のコストの発生、個々の商品に適用される税率を判別する負担、インボイス制度が必要となるため、個々の商品ごとのインボイス記載税額の積み上げ計算や書類保存などの追加的な事務負担が生ずると考えております。
 以上です。
#325
○亀井亜紀子君 今の御答弁にありましたように、様々な事務負担ということをおっしゃるんですね。その様々なというところがいつも私は分からないわけなんです。
 今、IT化された社会ですから、スーパーで買物をして、レジで昔のように打っておりません。バーコードでピッと読み取ればそれで金額がはじかれるわけですから、今のITをもってして、例えば二種類の税率があって、それが把握できないものかというのは非常に疑問なんです。ですので、その事務負担の増大というのが一体何を言っているのかというのがどうしても分かりませんし、今まで論理的な説明が出てきたことはありません。
 ですので、これは私の推測ですけれども、簡易課税制度の中身というのがかなりブラックボックスになっているんじゃないかなと思うんです。そして、この簡易課税の中に例えば益税ですとか、そういうものも含まれていたりして、ですから、余り中小企業が消費税のところの中身を見てもらいたくないというようなことがあるのではと推測をしております。
 それで、財務省に伺いますけれども、いつも中小企業団体からの反対が、経産省からの反対がとおっしゃるんですけれども、もしここのところの問題が話合いをして解決ができたとしたら、複数税率の導入というのはもう少し積極的に考えられますか。それとも、今まで私もこれ議論してきた中で聞こえてきたのは、海外も実は複数税率を入れて複雑な制度なので苦労していると、日本の簡易課税制度をうらやましがっていると、一度複数税率にしてしまったら二度と元に戻せないからこれは嫌だと、そういうことを言われたこともありますし、食品に軽減税率を導入すると二割ほど税収が減るから嫌だということも言っておりました。
 ですので、伺いますけれども、インボイスの導入と軽減税率というのは、中小企業団体の反対が和らいでも入れたくないという御見解でしょうか。
#326
○副大臣(五十嵐文彦君) 軽減税率、絶対嫌だと言っているわけではないんですが、毎回お話が出ていますけれども、メリット、デメリットがありまして、消費者にとっても本当にじゃその分だけ安く買えるのかというと、コストが掛かればそれはコストは価格に転嫁されますから、そういう意味では、別に、中小企業事業者のためということもありますけれども、それだけではなくて、消費者にとっても実は本当に効率的にできるのかという問題があると思うんですね。
 つまり、その分だけ税率を高くしないと税収の効果が上がらなくなってきます。ですから、その分だけ、例えばヨーロッパで軽減税率をしている国は税率が高いわけですよね。そういうことも考えて、それから、金持ちの皆さんの方がより買物をしますから、その人たちの方がよりメリットが大きいということで、かえって不公平な面もあるということもあると思いますね。
 更に言えば、そもそも間接税、消費税、消費課税というのは、所得を把握しなくても、買える、購買力ですね、購買力があるということがその所得の裏付けになるという意味で、調査の費用やお金を掛けて徴税をしなくても大体ある程度の比例的に徴収ができるというメリットがあって、それを、所得を一々把握しなければいけないと、それに応じて取るんだというふうに、逆行するというコストも社会全体のコストとしてどうかという問題もあると思います。
 それから、ふだん言われていますように、食品といっても、その範囲、軽減税率が分かりやすいというけれども、一見分かりやすいんですけれども、実際には、どこまでの範囲か、サービスと一体となった食品の提供というようなものもありますし、どこまでが本当に軽減すべきもの、範囲なのかというのを確定するのも大変難しいというようないろいろな問題があるというふうに思います。
#327
○亀井亜紀子君 いろいろ御説明いただくんですけれども、どうも何か私しっくりいかないんですよね。それで、これは経済産業省にも以前聞いたことなんですけれども、同じ質問をいたします。
 八%、一〇%と二段階で税率を短い間に切り替えていくその事務負担と、一度の税率変更で軽減税率の、例えば五%据置きと一〇%という二段階の税率をつくるということの、その事務負担の違いというのはどのようなものなんでしょうか。
 また、もう一つ次の質問も続けますけれども、給付付き税額控除と軽減税率を比較したときに、給付付き税額控除は申告して還付されるまでの間先払いですよね。例えば、低所得者がスーパーに行って食品を先に買って税を負担して後で返ってくるので、返ってくるまでが厳しいはずなんですね。ですから、その点において軽減税率よりも私は劣っているんじゃないかと思うんですけれども、その点についてはいかがでしょうか。
#328
○委員長(高橋千秋君) 財務省ですか、どちらですか。
#329
○亀井亜紀子君 済みません、財務省に。
#330
○副大臣(五十嵐文彦君) 単一税率を二段階で引き上げる場合、事業者にとって値札の張り替えという手間は二度掛かります、確かに。ただ、現行制度における納税事務方法を継続できるので、引上げ後に追加的な費用が生じるわけではございません。
 他方、複数税率を一度に実施する場合には、値札の張り替えの手間は一度で済むけれども、引上げの後も継続的にレジの大幅なシステム変更や個々の商品に適用される税率を判断、判別する負担が発生いたしますし、商品ごとの適用税率が異なりますのでインボイス制度の導入が必要になります。この個々の商品ごとのインボイス記載税額の積み上げ計算や書類保存などの事務負担が生じると考えられるわけで、相当なコスト高になると思っております。
#331
○亀井亜紀子君 一問質問し忘れたので、また重ねて五十嵐財務副大臣にお伺いいたします。
 給付付き税額控除の方は、今マイナンバー法案が全く成立の見込みが立たないので、この消費税の増税法案が成立すると増税だけが先に決まると、それで制度の設計はこれからのことだということで、これは私はおかしいのではないかと思います。
 財務省は、簡素な給付措置という政策を出してこられました。これは私、財務省といろいろと議論をしていて思い出すんですけれども、今のような私が問題点を指摘しましたら、それで軽減税率にしないのかと言いましたら、それだったらば低所得者にお金を配った方が手っ取り早いよと言われて、その後法律の文章で簡素な給付措置という言葉が出てきたんですね。
 それで伺いますが、やはり給付付き税額控除のベースとなるマイナンバー法案がセットになっていない状況で、軽減税率の方も余り真剣に検討せずこの消費税の法案だけ通すということについてどう思われますか。
#332
○副大臣(五十嵐文彦君) 結局は、逆進性といいますか、低所得者に負担が重くなるという部分をどう除去するかと。全ての所得階層の人にとって負担増分を軽減する、除去するという考え方とは違うんだと思います。低所得者層に特に負担が重くなる部分をどう見るかと。薄く広く皆さんに社会保障の経費を負担していただこうというのが趣旨でございますので、そういう意味では、低所得層に限って負担軽減措置を図るというのは一つの考え方だというふうに思っておりまして、おっしゃっています給付付き税額控除については、諸外国でも例えば子ども手当のバランスを取るためとか、あるいは就労助成、就労促進という考え方から設計をされているのであって、私どもも、単に全世代における消費税の負担増を除去するためとは考えておりませんので、そういう意味では少し委員のおっしゃっている意味とずれがあるのかなと、こう思っております。
#333
○亀井亜紀子君 私がこれだけ複数税率について、軽減税率についてお伺いするのは、海外の消費税に比べて日本の五%は安いから、低いから上げる余地があるのだというような議論がよくあるんですけれども、それを税収、国税全体における消費税の割合という視点で見たときには、例えば、スウェーデンのような消費税二五%の国で大体消費税の割合が二から三割程度ですよね。日本は五%で、そのうち国税というのは四%であるのにやはり全体に占める割合が二から三割で、そう変わらない。
 じゃ、その二五%と日本の国税は四%分、これだけ税率に開きがあるのにどうして税収の構造上消費税に頼っている割合が大きいのかと考えたら、これは多分、欧州は付加価値税だからだと思うんですね。つまり、欧州は消費税が高くてということは当たらない。つまり、付加価値税ですから、食料品のようにゼロ%だったり軽減税率だったり、一方で高価なものには高い税率を掛けという、そういう中での一番高いのはスウェーデンであれば二五%なので、単純に欧州の付加価値税と日本の消費税を同じものだとして比較をするというのは私は間違っていると思うんですね。ですからこの軽減税率というのにこだわっています。
 次の質問に移ります。
 これは輸出還付金についてです。この輸出還付金についてしばしば、輸出をしている大手の企業に対する優遇税制である、不公平であるという指摘がされます。そして、払ってもいない消費税分を戻してもらっているからこれは不公平だという指摘がされます。
 それで、私は、財務省の方を呼んでこの税の仕組みについて説明をしていただいたときの資料を今日は添付しております。
 これは、原材料製造から完成品製造業者、卸売、小売、消費者と品物が流れていく中で、税がどのように上乗せされていくかということが書いてあります。初めの原材料製造から完成品製造業者に行くときに二万円の価格に対して税が千円乗って二万千円。その次の段階で、二万千円で仕入れたものに利益が三万円乗って税が千五百円乗って税込み価格が五万二千五百円と。そしてまた次の段階というふうに取引がされていくと、価格に含まれた税の部分というのが積み上がって、最後、合計で五千円になるという仕組みです。この五千円が輸出の際には海外の業者から返してもらうというわけにいかないから、この取引段階で積み上がった税を返してもらっているのだと、だから払っていないものを返してもらっているのではないんだというのが財務省の説明でした。
 これは、確かにこの表を見ると、論理は通っていると思うんですね。じゃ、どうしてこんなに輸出還付金のことが不公平だと言われるかというと、実態が違うということのようです。つまり、この取引の多段階課税のところで、実際に今デフレですし価格転嫁できないので、この間の業者さんが消費税分を自腹で払っていて価格には上乗せできない、だから発生していないのに最後に輸出業者だけが還付してもらっているということが指摘されております。
 そこで私は、価格に転嫁できるようにインボイスを導入する、又は、前回も質問いたしましたけど、内税から外税方式に戻して税が見えるようにするということを前に提案したことがありますけれども、それが通らない理由は何でしょうか。
#334
○副大臣(五十嵐文彦君) 中間業者の問題は、御存じのとおりBツーBと言われますけれども、これは外税方式でやられておりますので、インボイスが入っていようといまいと、そういう意味では余り変わりはないというふうに思っております。おっしゃるとおりなんですね。基本的には海外の最終消費者には消費税を取ることはできませんから、ここで課税をするとどういうことになるかというと、輸出課徴金みたいな性格になってしまって不利になるということがある。仕入れ税額に、仕入れに入っている消費税分については還付をしないとおかしいということで、すっきりとそれは説明が付く話で。ただし、亀井委員が言われたように、事実上単価をその分無理に引き下げさせるという形で下請業者にこれを事実上持たせるということはあり得るんではないかということが問題だと思うんです。
 それはもう下請法の問題なんですね。値決めの問題です。先ほど言いましたように、BツーBの取引は事実上税分が幾ら、本体分幾らというふうに分けて請求をしているわけですから、実際に不正を行っているわけではない。ただ、実態上そういうことが行われるとすれば、これは下請法の問題で、優越的な地位を利用した不当な取引ということになりますから、これをさせないように監視をしなければいけないし、あるいは公取の方で厳しい措置をしていただかなければいけないと、そういうことで、その点については別途政府として対策を取るということを決めさせていただいている次第。問題は、消費税の仕組みというよりは下請法、優越的な地位の利用をどうやめさせるかという問題だと思います。
#335
○亀井亜紀子君 地方公聴会でこのようなことについても中小企業団体の方に伺いまして、そして内税から外税に戻したら価格転嫁ができるようになるんじゃないかと、そういうような質問もしたんですけれども、やはりそれに対して余りいい答えが返ってこない。是非お願いしますというようなことではないんですよね。ですので、私も何が困るのだろうかといろいろ考えたりはしております。ただ、全体的にやはり途中の段階で発生している税に関して、簡易課税制度の中がブラックボックスになっているんじゃないかなという感覚は持っております。
 次の質問に移りたいと思います。
 今の輸出還付金との比較で質問いたします。
 税の中立性という観点から見ると、輸出取引においては還付金制度を導入し、一方で医療においては損税を放置するというのは、これはおかしいんじゃないでしょうか。この税の中立性という観点からどのように思われますか。また、医療保険診療を非課税ではなくゼロ税率として還付できる仕組みにすると、これは輸出還付金制度と中立性は保たれると思うんですけど、いかがでしょうか。
#336
○副大臣(五十嵐文彦君) これは、創立時に実は私、医師会にゼロ税率を要求した方がいいですよってアドバイスしたことがあるんですが、非課税を選ばれたわけですね。その結果がこういうことになっているんですが、そのときに、やはり損得勘定をいろいろされたかと思いますが、今の医療の仕組みでいうと、これは診療報酬改定に含まれているという形で、その中で一生懸命設備にお金を掛けたところとそうでないところでは不公平が出てくるという問題は確かにあると思いますけれども、各国においても医療保険サービスについては非課税ということの方がむしろ自然で多いということになっておりますので、これはなかなか難しい問題だと。
 現時点では、ですから診療報酬の中で面倒を見るということになっているわけで、これもまた消費税の問題というよりは別の問題だと思います。
#337
○亀井亜紀子君 いえ、これは消費税の問題だと思います。仕入れですとか設備投資に係る消費税の話をしているので、これは消費税の問題だと私は思います。
 先日、この点について古川議員と小宮山大臣の間でかなり深いやり取りがありました。あのときの議事録を読みまして、議論としては診療に課税できるかというような流れになっていたかと思うんですね。これ解決するには、診療に課税するかあるいは還付するかのどちらかしかないんだろうと思います。そして、ゼロ税率にして還付制度を入れるとすると、もちろんその財源の問題が出てくるわけです。
 そこで伺いたいんですけれども、輸出還付金の方ですね、輸出業者に対して何らかの絞り込みを行って、これ例えば単純に取引高みたいなことでいくと大企業しか還付されないようなことになるので、例えば金額や内部留保率とか、そういう何か指標をつくって全輸出業者が還付金は受けられない制度にしたとします。そこで多少戻し税が浮くと。そういうようなことで医療の方にも還付金制度というのを入れる可能性はありませんかというか、そういう考え方についてどのようにお考えでしょうか。
#338
○国務大臣(小宮山洋子君) 御承知のように、社会保険診療、これは高度の公共性があるということで今非課税になっていますが、御指摘のように損税が発生するということで、診療報酬での手当てに加えて、今回は、現場から非常に御希望の多い高額の投資については、新たに一定の基準に該当するものに対して医療保険制度で区分して手当てをするということを検討しています。
 医療に係る消費税の在り方については引き続き検討すると法案ではされていますので、今中医協の下に専門家の方に集まっていただいた検証の場を設けていますので、その中で、先日、言っていただいた古川議員ともやり取りさせていただきましたが、社会保険診療の課税の在り方そのものについても議論をしていきたいと考えています。
 還付金の制度をするかどうかというのは、私よりも財務省の方に聞いていただいた方がいいかと思います。
#339
○亀井亜紀子君 同じ質問を財務大臣にしてもよろしいでしょうか。還付金制度についてどのように思われるか。
#340
○国務大臣(安住淳君) ちょっと失礼な言い方ですけれども、つじつまは合うのかもしれませんが、論理的ではないと思います。
#341
○亀井亜紀子君 ちょっとその御答弁は私はよく分かりません。この……(発言する者あり)ちょっと私にはやっぱり納得はできない答弁です。
 これ、実は集中検討会議で、医師会の方が意見陳述する機会はなかったんですけれども、やはり非常に懸念をしていたので、与謝野担当大臣とお話ししたことがあります。与謝野担当大臣は最初消費税が導入されたときの経緯というのをよく御存じで、結局医療は聖域だということで非課税になったという経緯があって、それで、だからあのとき課税にしておけばよかったじゃないかというような御意見だったんですけれども、じゃその後どうしたらいいの、課税にしたらいいの、還付にしたらいいのというところというのは全く踏み込まず、そのまま宙に浮いているんですよね。
 今回、やはり社会保障というのは、特に国民、医療とか年金についての関心が高いわけです。ですから、この制度のところの根本的な議論はおいておいたままざっくりと消費税を五%上げますと言われてもなかなか納得できないです。少なくとも私は納得できないし、やはり一般市民で分からない人、多くおりますので、これ、真剣に制度について議論をして、それとの見合いでの税率ですとか、何で見るのかということ、保険料も含めて、そういう抜本的な改革をしていただきたいと思います。
 先を急ぎます。
 二十一年度税制改正法附則百四条についてお伺いいたします。
 この法律が提出された、それは附則百四条に基づいてのことであります。つまり、麻生政権のときに成立したこの附則百四条に、平成二十三年度末に法案を提出すると書いてあるので提出をしたという経緯がございます。
 それで、平成二十一年十一月十七日の国会答弁、財金の議事録なんですけれども、この附則百四条について共産党の佐々木委員が質問されていて、藤井国務大臣が、附則百四条、これをでき得れば修正するのが筋だと、そのような御答弁をされております。つまり、かなり早い段階から、これは財務省も、どうするんですかと、附則百四条を改正しないんですかと言い続けてきたんですね。ですので、これ、改正していれば三月末に法律を出す必要はなかったんです。
 これを改正しなかった、政権交代しても改正しなかったのはなぜでしょうか。
#342
○国務大臣(安住淳君) 先ほどの話は、貿易のお金で医療のお金を面倒見たらどうかというのは論理的でないですよと私申し上げたんです。それは、三%や五%という高で非課税と社会政策として決めたわけだけれども、じゃ、今後、もっと税率高くなったときどうするんだという話は確かに課題としてありますから、ただ、今、現時点では、厚労大臣がおっしゃったように、診療報酬等でやっぱりどういうふうにじゃ本当にカバーできるのかということを議論しているという段階だということを御報告申し上げたわけであります。
 平成二十一年の十一月十七日、衆議院財務金融委員会において、当時の藤井財務大臣は、附則百四条に関する答弁について、今委員がおっしゃったように、もし必要があればそれは修正をするというのも筋だと思っているという旨の発言をしたことは確かに事実でございます。
 しかし、その後、政府・与党において社会保障と税の一体改革について検討を進め、その議論の結果、昨年六月の一体改革成案において、平成二十一年度税制改正法附則百四条に示された道筋に従って平成二十三年度中に必要な法制上の措置を講ずることと決定をされました。
 つまり、これは、急速な少子高齢化や社会経済状況の大きな変化の中で世界に誇る我が国の社会保障制度を持続的なものにしていくには、将来世代に確実にこの制度を引き継いでいくためには、やはり今のような、給付は高齢者、負担は現役世代という仕組みを改めて、改めてというのは直すという意味ですね、給付、負担両面で世代間、世代内の公平が確保された制度にする必要があると。
 こういうことから言えば、将来世代のポケットに手を突っ込んで、つまり、赤字公債を使って社会保障制度を維持している状況よりは、やはり我々自身がもう少し負担を現役世代でやっていこうというふうなことで、さらに、欧州における政府債務危機等が発生し、こうしたことが重なって消費税の引上げ等についての必要性というものを菅政権の中で認めて、そこからスタートをさせていただきました。
 あのお話のほとんど途中までたしか、私の記憶では亀井さんも議論に加わっておられたから経緯は分かっていると思います。もちろん、その中で随分反対論をお述べになられておりましたけれども、しかし、その反対論に対しても我々は十分時間を取ってお話は聞かせていただいた、そして積み上げてきたのが今日あるということでございます。
#343
○亀井亜紀子君 かなり意見は述べました。反対意見があった中で、それは余り取り入れられなかったというのが私の印象です。
 そこで、また伺いたいんですけれども、この附則百四条にある景気回復を前提としてという表現なんですけれども、果たして、ですから、消費税を上げるということを決断するような景気回復になっているのかということがあのときにかなり議論になりました。
 そこで、私は、これは財務省の主計局とまた議論したときに出てきたことなんですけれども、主計局は、平成二十一年度の税制改正法を作ったときに想定していた景気回復はされているという、そういう認識でした。それは、彼らが言っていたのは、リーマン・ショックの後ですか、三年間集中的な景気対策をやって、それで消費税を上げると決めたと、そのリーマン・ショックのときと比べると今は消費税増税法案を出す環境は整っていると、そういう認識だったんですね。
 このことについて私は地方公聴会で聞きましたけれども、例えば参加していた木材店の社長さんは、そういう感覚は全くないと、リーマン・ショックというのは都会の話であって、バブル崩壊してから田舎はずっと大変だと、リーマン・ショックがあって、ああ、都会の人も貧乏になったかという感じ方はしたけれども、もうこの十年、二十年ずっと大変なんですというのが彼の実感でありました。また、専修大学の経済学部教授、野口公述人もやはりその認識、リーマン前と後で切るというのがおかしいんじゃないかというようなことをお述べになっておられましたけれども、このリーマン前と後に分ける、そして、前提となった景気回復はされているというような見解についてどのようにお考えでしょうか。
 また、重ねて質問しますけれども、景気弾力条項についてなんですが、これも、数値目標を名目で入れることについて、かなり去年の十二月の時点で大綱を決めるに当たって激しい議論がありました。そして、財務省が入れたがらなかった理由としては、これが条件となって増税ができなくなったら嫌だということがありまして、かなりもめたわけです。
 最終的に数値としては入ってきましたけれども、でも、これ読む限り、やはり名目で三%、実質で二%を目指すということであって、引上げを決めるかどうかというのはこの数字が直結して判断基準になるわけではなくて、経済状況を総合的に勘案すると書いてあるわけですから、直接的な判断基準にはならないと私には読めるんですけれども、そういうことでしょうか。
#344
○国務大臣(安住淳君) まず、附則百四条においては、平成二十年度を含む三年以内の景気回復に向けた集中的な取組により経済状況を好転させることを前提として、遅滞なく、消費税を含む税制抜本改革を実施することというふうな文言があります。このため、必要な法制上の措置について平成二十三年度までに講ずるものとするとされておりました。
 自公政権下にあった平成二十年以降、累次にわたる経済対策と景気回復に向けた集中的な取組が行われてきたところであり、法案提出時点においては、総合的な判断として経済状況はそれ以前に比べれば好転しているという見通しは立てられたところだと思います。
 また、消費税率を引き上げるに当たっては、十八条の附則の一、二、三項、新たに設けられましたけれども、名目、実質それぞれの成長率、物価動向など種々の経済指標を確認するとともに、経済指標に表れないものも含め、諸要素を総合的に勘案し、経済状況の好転を判断するということをきちっと盛り込んでおります。
 一体改革と経済の再生というのは、これはどちらが先ということではなく、両方やり遂げなければならない課題でございますので、ここは私どもとしては、この附則百四条に書いてあるものに従って来年の経済状況を好転させて、再来年の引上げを目指したいと思っております。
 次に、条項のことでございます。景気弾力条項でございますが、消費税の引上げの実施は、最終的にそのときの内閣が内閣の命運を懸けて判断するものであります。三党合意を踏まえた修正法案附則第十八条三項に従って、これは、経済の好転について、名目、実質及び経済成長率、物価動向等、種々の経済指標を確認をして、第一項に規定されている経済活性化等に向けた各般の措置を踏まえると同時に、新たに追加された第二項に規定される資金の重点配分等の措置など財政の機動的対応が可能となる中で実施され得ることも踏まえつつ、諸要素を総合的に判断することになります。
 そういうことからいって、確かに委員が御指摘のとおり、一項の名目三、実質二程度の成長は目指すと、つまりこれは政策の努力目標として政府としてやり抜いていきたいという意思を表しております。ですから、デフレ脱却や経済活性化に向けて必要な施策を講じていく責務を課しているものでありますが、消費税率引上げの前提条件としての数値目標を規定しているものではございません。
#345
○亀井亜紀子君 そうですよね。ですから、一応努力目標として入れたことは入れたんだけれども、この数値が達成されなくても消費税を上げるという判断は別にすると、そういう見解でありましたので、今やはり、確認は取れました。
 次の質問に移ります。
 私、日本は財政危機なのかということについて、これは国民の生活が第一の方が随分いろいろ質問されていて、基本的に私も同じような理解でいます。
 そして、私の経験では、これは前々回の予算編成ですから、おととしの十二月ですけれども、政権交代して最初の予算編成で私たちは、当時国民新党ですけれども、積極財政でまず景気回復をさせるべきであるという自民党さんの国土強靱計画なんて今出てきましたけど、当時、私たちはかなり財政出動をしたいと思っていて、元々選挙では三年間で百兆円と言っておりましたので、景気対策をやろうと思ったんですね。
 ところが、財務省とかなりぶつかりまして、無利子非課税国債を財源としてできないかという議論の中で、財務省の理財局が日本は財政危機ではないと言い出したんです。それは、国債は安定的に償還されていると、なので、そんな無利子の国債などを出したら、海外から日本の財政は大丈夫かと、日本は財政危機だと思われるからそんなものは出せないと言われまして、それで、日本は財政危機なのかと、財政危機じゃなかったなら増税だ増税だと言うなということでさんざんもめまして、でも財政危機ではないと言い切って帰ったんですね。
 そういうことがありまして、当時の数字、政府の、一般政府貸借対照表で資産と負債の方を見ますと、これ資産超過なんです。ですから、やはり債務超過ではなくて資産超過ということは、日本はまだ財政危機ではないというふうに私は理解をしております。ですので、必要以上に財政危機をあおって、だから消費税だという議論はそもそもおかしいと思います。
 ここで財務省に伺いたいんですが、時間なくなってきましたけど、二つあります。
 まず、財務省が過去にやってきたこととして、為替介入のときに、一九九九年の九月までは為替介入のための資金を日銀から調達していたんですけど、それを市中銀行から調達するようになった。つまり、政府の短期証券を市中銀行に買わせるようになったということは、国民の預貯金が外貨に変わって積み上がるということなんです。これが、外貨が、準備金が積み上がると動かなくなります。つまり、本来市場に回るべきお金が為替介入によって外貨に変わっちゃったということですけど、普通、為替介入というのは中央銀行がやるものだと思いますので、なぜそのようなオペレーションをされたのかということが一点。
 それから、次の質問は酒類総合研究所です。
 これは、私、事業仕分で扱いまして、独法の仕分のときですけれども、私は酒類総研そのものは廃止とは考えませんでした。ですので、独法のままでいいのではないかというふうに考えたわけですけれども、数か月前に行財政改革の独法仕分の結果が出てきたときに、多くの統廃合はあったんですけれども、この酒類総研のみ国に戻すとなっていたんですね。
 ですから、ほかの省庁の独法というのは統廃合される中で、財務省の所管の酒類総研だけ国に戻すというのはどういうことなんでしょうか。私は、独法で残してもいいとは言いましたけど、国に戻していいとは言った覚えがないので、なぜ財務省だけはこんなにやりたい放題なのかなという意味で伺います。
#346
○国務大臣(安住淳君) まず第一問の、日本は財政危機かどうかということに関しては、明らかに見解の相違でございますので、これ以上申し上げません。
 第二点については、為替介入のための資金というのは、御指摘のように、平成十一年の四月より、国庫に予期せざる資金需要が生じた場合等の例外的な場合には日本銀行が引き受けることとしつつ、原則として公募入札方式としておりますので、市中から調達することになったというだけの話でございます。これは、円の国際化も踏まえつつ、短期金融市場の厚みを増すということも図ったことであり、私は妥当だと思っております。
 酒類総研というのは、今、従業員四十三人でございます。運営費交付金が二十四年現在で、実は十三年時点では十三億六千万でしたが、今はもう十億五千万まで減らしております。これは酒の適正な課税に必要となる調査をしておるところです。東広島市にありまして、実は西日本地区では杜氏の方が少なくなりまして、そういうことの研修にも必要だということで今まで独法でやってきたんですが、整理合理化をするということになったときには、実は財務省に戻した方がはるかにコストが縮減できることがはっきりしましたので、そのことを提案をして了解をいただきました。
 亀井さんの意見とは違いますが、亀井さん以外の方には賛成していただいております。
#347
○亀井亜紀子君 私は、かなりいろんな点で、景気の見方に関しても意見違いましたから、仕方がないかと思います。
 時間がなくなりましたので、もう質問ではなくて、ちょっと意見を言わせていただきます。
 今日お配りした資料、安心社会実現会議、これ、麻生政権下のものです。それから、三枚目は社会保障改革に関する集中検討会議ですけれども、幹事委員のメンバー、比較のために添付いたしました。申し上げたいことは、かなり人がダブっていたり、あるいは同じ会社から人が出ていたり、結局、議論が偏る原因になったかと思います。
#348
○委員長(高橋千秋君) おまとめください。
#349
○亀井亜紀子君 そして、国民会議のことがいろいろ言われておりますけれども、やはり委員の選び方というのは非常に重要だと思います。
 また、消費税については、目的化ではなくて目的税化、特別会計あるいは区分会計をするべきだと私は考えております。
 時間ですので、以上で終わります。ありがとうございました。
#350
○福島みずほ君 社民党の福島みずほです。
 まず、今日、理事懇談会で同意をしていただきまして、社会保障と税以外のことで副大臣を呼んでいただいて質問することを了承していただきましたので、質問をまずいたします。
 原子力規制委員会の人事案が提示をされておりますが、この委員長と言われている田中俊一さんは原子力村の村長さんの一人であり、私自身も彼の原発推進の論文をたくさん読んできております。そして、更田豊志さんと中村佳代子さんは、この原子力規制委員会設置法七条七項三号に当てはまる、よって違法であると思います。とりわけ、更田さんはストライクゾーンど真ん中で、これまさに七条七項三号に該当をいたします。七条七項三号は、再処理やそれから原子炉等の設置者は駄目ですが、まさにこの事業者の従業員に当たるとしか解釈ができません。
 原子力のこの事業者の解釈は原子炉等規制法でも明確であります。違法な人が選ばれれば、設立許可やあらゆる点で違法性を、その行為が関係してくるというふうに思っております。この点について聞いたところ、任命する段階で辞めていればいいのだというふうに聞きました。でも、それだったら、この地球上にいるどの人たちも全てこの欠格要件がないことになります。全ての人は恐らく任命された時点で辞めるでしょうから、だとすれば、東電の社長も関電の社長も勝俣さんも原子力規制委員会の委員になれることになってしまう。これではこの欠格要件は全く無力であるというふうに考えますが、いかがですか。
#351
○大臣政務官(園田康博君) お答えを申し上げます。
 お二人、お話をいただきました。まず、更田さんにつきましては、御案内のとおり、今現在、独法の日本原子力研究開発機構、JAEAにお勤めになっておられますけれども、この委員に就任するに当たりましては本人は辞職をするということをおっしゃっておられます。あと、中村氏に関しましては、アイソトープ協会、これについては、今の国会で御審議をいただいて成立をいただきました規制委員会設置法でありますけれども、この七条七項第三号のどの条件にも該当しないというふうに私どもは考えております。
 なお、先生御指摘をいただきました、政府として併せて御提示をさせていただきましたこの要件、追加要件でございますけれども、これにおきましては、法律上の欠格要件は原子力の事業者等、その団体役員、従業者である者というふうに記載をさせていただきまして、それプラス、就任直前の三年間に原子力事業者等及びその団体役員、従業者であった者というふうにいたしておりますので、ここにいきますと、直近三年間における原子力事業者等に在籍をしている者はこの欠格要件には該当するものであるというふうに考えておるところでございます。
#352
○福島みずほ君 驚くべき見解です。任命の段階で辞めていたらいいというんだったら、誰だってなれるじゃないですか。欠格要件は無力ですよ。原子力村の人から雇わないというのが答弁だったはずです。これは、原子力事業者等の解釈は原子炉等規制法で明確でありまして、七条七項三号の再処理、そして原子炉等、「もんじゅ」は原子炉ですから、行う事業者の従業員です。これだったら、勝俣さんも東電の社長も関電の社長も誰だってなれるということで、明確に七条七項三号違反であり、絶対にこの人事案はやってはいけない。行政は違法なことをしてはいけないわけですから、欠格要件を満たせということを、このお二人については特に、また田中俊一さんはその趣旨から不適格だということを申し上げます。
 では、社会保障と税の一体改革に関する質問をいたします。まず、生活保護についてお聞きをいたします。
 全国で、一九九五年から二〇一〇年までの間に餓死者が千八十四人発生しています。この国の生存権が守られているのか。やはりこの豊かと言われる日本で餓死者が、これだけ餓死していらっしゃる方がいると。生活保護が機能していないのではないか。いかがでしょうか。
#353
○国務大臣(小宮山洋子君) 餓死とか孤立死が発生する背景は、昨日もこの委員会でも議論させていただきましたけれども、やはり地域住民が互いに支え合うような力が低下をしていること、それでまた、困窮されている人の情報が個人情報保護の観点などから行政機関に提供されにくいなど、幾つかの複合的な要素が重なっていると思います。
 もう委員はとうに御承知のとおりに、生活保護は日本国憲法第二十五条に定める生存権保障の理念を具体化する趣旨で定められたものですので、これはもう最後のセーフティーネットとして、支援が必要な人には確実に保護を行うことが必要だというふうに考えています。このため、生活保護の相談があった場合は、生活保護制度の仕組みについて十分に説明をして、申請の意思がある人には保護の要件にかかわらず生活保護の申請書を交付するなどしまして、この制度がセーフティーネットとして機能するように努めていきたいというふうに考えています。
#354
○委員長(高橋千秋君) 園田政務官は退席させてよろしいですか。
#355
○福島みずほ君 あっ、ごめんなさい。はい、結構です。
#356
○委員長(高橋千秋君) では、園田政務官、退席してください。
#357
○福島みずほ君 最後のセーフティーネットという力強い言葉がありましたが、昨日も出ましたが、札幌市の白石区の例は、三回行って三回とももらえず、乾パンもらって。ということは、やっぱり食べ物に不自由しているということが分かっていて、そのまま生活保護受給せずに亡くなって、餓死してしまったケースです。
 ですから、実際は申請書を渡さないんですよ。こういう、申請書を渡して書いて却下ではなくて、申請書そのものを渡してもらえない。これは随分、実際の運用を変えていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
#358
○国務大臣(小宮山洋子君) これも再三お答えしているように、今年の秋に策定予定の生活支援戦略、この中で、経済的困窮者、社会的孤立者の早期把握、そして初期の段階から、今までのような待ちの姿勢ではなくて、アウトリーチ、訪問型の支援を含めた包括的で、なおかつ、これは民間とか社会的事業をやっている方々にも御協力いただいて、寄り添う伴走型の支援をしていきたいと思っていますので、こうした民間との協働ということもやりながら、地域で支援を必要としている人に着実に支援が届く体制をつくっていきたいというふうに考えています。
#359
○福島みずほ君 扶養義務の強化のことについてお聞きをいたします。
 御存じ民法八百七十七条一項は「直系血族及び兄弟姉妹は、互いに扶養をする義務がある。」とし、二項は「家庭裁判所は、特別の事情があるときは、前項に規定する場合のほか、三親等内の親族間においても扶養の義務を負わせることができる。」としています。この生活保護で問題になる扶養の義務はどの範囲と考えられているんでしょうか。
#360
○国務大臣(小宮山洋子君) 日本では扶養の義務が掛かっている範囲が広いということをおっしゃりたいのかと思うんですけれども、その扶養義務者が扶養しないことを理由に生活保護の支給を行わないとした場合には本人の生活立ち行かなくなりますので、現在の生活保護法では、扶養義務者からの扶養、これは保護を受給する要件とはされていません。
 ただ、一方で、この間もいろいろと報道もされていたように、この人は明らかに扶養できるだろうと思う人が扶養しないということは国民の信頼も失うことになりかねませんので、今ちょっと、限定的だとは思われますけれども、福祉事務所が扶養できる可能性が高いと判断して説明が必要だと認めた扶養義務者に対して、扶養できないことを説明する責任を課すことができないかどうかを検討しています。ただ、これも、全体というのではなくて、必ずこの人はというところだけなので、この扶養義務者が扶養しないことを理由にして受給する要件とはしていないということでございます。
#361
○福島みずほ君 大臣おっしゃったとおり、旧生活保護法のように、親族が扶養できないことを必須の要件としていない、このことは今の生活保護法の中で重要なことだと思っているんです。
 これは細かく質問通告していなくて、ちょっと一点、申し訳ないんですが、例えばおじ、めいの関係は三親等内の親族ですから、家庭裁判所は場合によっては命ずることができるわけです。つまり、生活保護のときに、お父さんに養ってもらったら、お子さんに養ってもらったら、お孫さんに養ってもらったら、兄弟に養ってもらったらということのほかに、めいをあなたは扶養してくださいとかいうことというのはあり得るんでしょうか。
#362
○国務大臣(小宮山洋子君) 生活保護の扶養義務の範囲は民法上の規定での扶養義務の範囲ですので、夫婦間及び親の未成熟の子に対する関係、直系血族及び兄弟姉妹、三親等内の親族のうち特別な事情がある者を基本としています。
 ただ、具体的な扶養義務者への扶養の照会、これは、扶養の可能性を要保護者から扶養義務者の職業それから収入について聴取するなどによって把握をした上で、扶養の可能性が高い扶養義務者に対して文書などによって照会をすることにしていますけれども、実務上は親子関係や兄弟姉妹という一般的に扶養の可能性が高いと考えられる人に対して照会が行われていることが多いというふうに考えています。
#363
○福島みずほ君 少し以前の古い話なんですが、例えばおじさんから月に五千円ぐらい送ってもらえないかと言われるとかという話も聞くんですね。実際は、私自身も、親子の関係が良くてお互いに扶養し合うという関係はいいと思うんですが、兄弟姉妹となると成人に達したらもう音信不通だったり、別の家庭を持っていたり、あるいはいろんな事情から、DVなどの件もありますし、いろんな理由から連絡を取っていない、音信不通、あるいは極端では仲が悪い、けんかしているというか、親族間にはあることで、にもかかわらず、この人は生活保護の申請をしているが、あなたは扶養できませんかという文書が行くことそのものが本人嫌で、そういうことを言われたくないから、もうどんなに苦しくても生活保護の申請はできないというふうな形もあると思うんですね。そういう話は実はよく聞きますが、その点、だから扶養義務の強化をすることがむしろやっぱり餓死者やそこに行き着けない人を増やすこともあり得るということについてはいかがでしょうか。
#364
○国務大臣(小宮山洋子君) 先ほどから私も大分気を付けて物を言っているつもりなんですけれども、当然、必要な人に受けていただくということは大原則のうちの大原則です。
 ただ、この人は福祉事務所で必ず扶養できるだろうと、今回ちょっと報道されたような件について、それはもうごく限られた例です。レアケースについて、そちら側に説明責任というか、扶養できないという説明をしてもらうことができないかどうかを検討しているということですので、今おっしゃったように、DVのケースもありますし、親子とか兄弟であってもそれは関係が悪いケースもありますから、いれば必ず受けられないとなったら、それこそ御心配の餓死者を出したりすることにもなりますので、そうしたことはしっかりと良識的な範囲で判断をしていくということだというふうに思っています。
#365
○福島みずほ君 是非、大臣のイニシアチブでよろしくお願いします。
 ところで、生活保護を受けている者の半数近くが高齢者世帯です。つまり、生活保護って、私は、戦後すぐ、いいのを憲法二十五条に基づいてつくって、年金の方がちょっと後になってしまったので、例えば女性やいろんな方は無年金の方も多いので、結局、無年金だったり低年金のために、本来だったら年金制度で救済すべきというか、それが充実していればそれがもらえたはずが、ないために、今、高齢者の方というか、半数近くが実は生活保護を受けていると。ですから、ずっともう受け続けなければならない状態。
 ですから、私は、生活保護の充実ももちろんだけれども、第二のセーフティーネットを充実すること。それから、取りも直さず年金制度を充実させること。山のように非正規雇用が増えて無年金の人が将来爆発的に増えるのではないかと思えるような状況があれば、生活保護が将来爆発的に増えるわけですから、まず年金制度の充実、年金制度の早急の改革が必要だと。
 社民党は、また議論をしますが、基礎的暮らし年金のようなものは実は最低限度保障していいと思っておるんですが、いかがでしょうか。
#366
○国務大臣(小宮山洋子君) 委員がおっしゃることはよく分かります。
 実際に、低年金、無年金の高齢者がたくさんいらっしゃるという現状があるわけですので、今回のここで今御審議いただいている年金機能強化法案の中でも、受給資格期間を二十五年から十年にして、なるべく払った保険料が給付に結び付くような形にしている。それからまた、低年金の問題については、私どもは年金制度の中でと思っていましたが、三党合意の中で福祉的給付という型で、低年金、無年金対策のためにこれも法案を三十一日に提出をしています。
 それから、年金と生活保護の在り方については、今年五月に立ち上げました研究会の中で、これは最低賃金との関係も含めて今総合的に議論をしています。今の新しい年金制度、どうしたのかとおっしゃるのも言外にあるかなと思うんですが、これは三党合意の中でも、三党で、そして国民会議でというので、その中でやはり税財源による最低保障年金のことも民主党としては主張していくということだと思っています。
#367
○福島みずほ君 資料の生活保護の利用率・捕捉率の国際比較というのをちょっと見てください。
 この捕捉率というのはなかなか難しいかもしれませんが、外国は実は生活保護利用者数、利用率が高いわけです。ですから、日本でもう生活保護が増えた増えた、大変だ、何とかこれを縮小しなくちゃという議論が前面に出ますが、日本は貧困率が高くなっているので、どうしても生活保護に頼らなければならない人たちも、これは増えるのは私はある意味必然だと、こう思っていまして、その意味で、必要な人がきちっと生活保護を受け、自立へと進むことができるような支援が必要だと思うが、必要な人が生活保護を受けられる状況なのか。とりわけ捕捉率が低いと。実際、年収が極端に低い人たちがたくさんいるわけで、実は受けられる人が受けられていないんではないかという問題点について、いかがでしょうか。
#368
○国務大臣(小宮山洋子君) これは、再三申し上げているように、必要な人には確実に届く制度にしなければならないと。ただ、生活保護受給者の中でも、働ける方、働きたいと思っている方にはしっかりとその就労の促進もする、インセンティブも掛けるような仕組みも今考えているところです。
 そして、経済的困窮者などの早期把握ですとか、伴走型の支援を行う体制、また、就労・自立支援策の強化など、生活保護制度の見直しを今検討していますので、これも秋に作ります生活支援戦略の中で、支援が必要な人が必要な支援を受けて生活に困窮した状況から早期に脱却できるような重層的なセーフティーネットが、それぞれ個々のケースで違いますので、必要だと思うので、そうしたものを体系的につくっていきたいというふうに考えています。
#369
○福島みずほ君 不正な生活保護の取締りというか、目を光らせるために、最近、警察官OBの配置を厚労省は指導しておりますが、厚生労働省は現状の配置状況を把握してはいらっしゃいません。警察官OBの配置状況について把握すべきではないでしょうか。
#370
○国務大臣(小宮山洋子君) 福祉事務所に警察官OBを配置すること、これはケースワーカーに暴力を振るうなどの行政対象暴力への対応ということ、また、不正受給に対する告訴などの手続の円滑化、そして、申請者などのうち暴力団員と疑われる人の早期発見などの効果が期待をされています。
 このため、厚生労働省では警察官OBの配置に必要な経費について補助を行っていまして、平成二十二年度にこの補助金事業を活用して警察官OBを配置した自治体の数は七十四自治体、配置人数は百十六人となっていますので、この補助の対象としているものについては把握をしています。
 ただ、警察官OBに限らず、補助金を活用することなく自治体がそれぞれ独自に工夫をして雇用している人の状況についてまでは逐一把握をしていないということです。
#371
○福島みずほ君 私は、警察官OBの必要性は、必要性がある場合は理解ができるんですが、今やるべきことは、目を光らせて摘発するということよりも、それも大事だと、不正受給やめた方がいいので、それはもちろん必要だとは思いますが、むしろ今の世の中ではソーシャルワーカーなどできちっと何が問題か一緒に問題解決をして自立を促進して働けるようにするとか、精神的な面のダメージをどうやってやっぱりもっと変えて再生をしていくかということなど、この困難な社会の中でそういうサポートを本当にやっていただきたいというふうに思います。
 この委員会の中でも、ソーシャルワーカーの活用ということは他党の方でも質問された方がいますが、私もそのことを是非やっていただきたいと思っています。この増員だったら私たちは本当に応援したいと思います。いかがでしょうか。
#372
○国務大臣(小宮山洋子君) 社会福祉法の規定では、福祉事務所に指導監督を行う所員ですとか、窓口相談などの現業を行う所員として社会福祉主事という任用資格を得た所員を配置することになっています。この社会福祉主事は、社会福祉法に基づいて、大学などで社会福祉に関する科目を修めて卒業した人のほか、社会福祉士ですとか精神保健福祉士の資格を取得している人を任用するということになっています。実際にどのような資格を持った人を任用するかは最終的には自治体の判断となりますが、厚生労働省としてはなるべく質の高い人材を配置していただきたいと思っています。
 また、福祉事務所に専門的な知識を持った職員を増員し配置することは重要だと考えていまして、ケースワーカーの確保に必要な人件費について、自治体全体の職員数は減少していく中ですが、生活保護受給者が増加している状況などを考慮して、平成二十一年度以降、毎年度、地方交付税算定上の人数を増やすなど、各自治体の支援を行っていますので、引き続き、おっしゃるような専門職、本当に日本ではいろいろなところに専門職が足りませんので、その養成ということも必要だと思いますが、専門職の確保を支援していきたいというふうに考えます。
#373
○福島みずほ君 例えば、埼玉県は住宅ソーシャルワーカー事業といった事業を進めています。こういうことなども是非進めていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
#374
○国務大臣(小宮山洋子君) 埼玉県では、生活保護受給者等に民間アパートなどに入居してもらって、社会福祉士が就労支援や健康維持のための支援を行うことで安定した地域生活を過ごせることを目指した住宅ソーシャルワーカー事業、これを実施をしていると承知をしています。
 厚生労働省としても、生活保護受給者等の自立した生活を促進していくためには、まずは安定した住まいの場を確保して、あわせて、地域での見守りなどによって日常生活を支援していくことが重要だと考えています。
 このため、先ほどから申し上げている、秋をめどに策定する予定の生活支援戦略では、NPOなどの民間機関と協働しながら伴走型の支援を行う方策について検討することにしていますが、その中でこうした埼玉県の取組など自治体で行われているいい取組も参考に実効性のある支援内容を検討していきたいと考えています。
#375
○福島みずほ君 生活保護の問題についてはいろんな意見が出ておりますし、この中間まとめの中でもいろいろありますが、例えば、就労収入の中でそれを積立てして、そして、それを自立するときに渡すとかいうのもあるんですね。一見いいようにも思うけれど、賃金を預かるというのは労基法の直接払いの原則からどうかと思ったり、あるいは他党のもいろいろ読むと、例えば現金から現物へ、食料クーポンをやったり、お弁当やそれから炊き出しをやったらどうかと。全面的に否定するわけではありませんが、私は、やっぱり小さな地域の中で食べ物クーポン券を使いながら生活をすると、ああ、あの人、生活保護受けているんだというふうな目があって、どうしても買物ができなくなったり、やっぱり炊き出しに行けとか弁当をもらいに行けというのはなかなか大変ではないか。
 それはソーシャルワーカー的な機能をきちっと充実させて、その人がやっぱりパチンコ依存や何とか依存とかになったりしないようにサポートしていくような形でやっていくべきであって、やはりその人の、生活保護を受けるって、日本ではまだ、不正受給もある反面、一方ですごく恥だと思う感覚もあって、それは是非厚労省でそのセンシティブなところも含めてきちっとサポートを考えていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
#376
○国務大臣(小宮山洋子君) これは自民党さんからの御提案もありまして、いろいろな知恵を集めていかなければいけないので、検討はお互いにしましょうということを言っていますが、今委員が言われたようなプライバシーにかかわることとか初期の投資が掛かるとか、そういうことがあると。一方で、ただ、提案をされているように、確実にそのことに使われるというメリットもある、そういう中で検討が必要だというふうに思っています。
 最初に言われた就労収入積立制度というのは、今おっしゃったような観点もあるとは思うんですけれども、ただ、その就労のインセンティブを、今、一生懸命働いてお金を得るとその分生活保護が減るという中では、働かないという方の気持ちが働いちゃうと。何とかそのインセンティブを働かして、働ける人には働いていただいて、少しでも早く生活保護から抜け出すということが一番あるべき姿だと思いますので、その中でいろいろ考えると、やはり就労収入を積み立てて、それも生活保護から出るときに一度に渡すとまたそこで使ってしまうというような、そういう御懸念もあるようなので、こう段階的に渡していくとか、今何とか生活保護を脱却して働ける方には働いていただくためにどういうことが必要かという知恵を出していますので、そのメリットの方を重視をしていただければというふうに思います。
#377
○福島みずほ君 社会保障制度改革推進法案では、生活保護の適正化という文言が入っております。適正化ということが削減を意味するのであれば、自殺者や餓死者を増加させることになりかねないと思いますが、いかがでしょうか。
#378
○国務大臣(小宮山洋子君) 社会保障制度改革推進法案で定められている生活保護制度に関する規定、これは、働ける人については就労支援を行い、また、不正受給についてはその対策の強化を図っていくことなどを通じて制度の信頼性を上げていくという考え方に基づくものだと思っています。生活保護制度が本当に支援が必要な人には確実に実施をしていかなければいけないという考え方には変わりはありません。
 政府といたしましても、生活支援戦略でも、例えば経済的困窮者などを早期に発見して伴走型の支援を行う体制を検討することにしていますので、御指摘のような懸念は生じないというふうに考えています。
#379
○福島みずほ君 これは削減を意味しないということでよろしいんですよね。はい。うんとうなずいていただいたので、はい。
 生活保護はやっぱり最後の命綱であって、それから経済・生活問題による自殺者数が三万人の自殺者のうち六千、七千、八千人いらっしゃるわけです。何とか最後、手を差し伸べれば命を絶たなくてよかったという方もいらっしゃるわけで、最後の命綱としての生活保護、それからそれ以外のセーフティーネットの充実ということを是非厚労省として、最終取りまとめでやはりがばっと削るとか、基準をとても下げるとかということがないように、それはお願いしたいと思います。
 東京都内を始め野宿者の追い出しが進んでおります。公園をバリケードにして、中から出してしまうと。十分な支援や代替住居の提供をきちっとできていない状況でテントなどを撤去することは社会的排除にほかならず、これは実際行く場所がないという状態が起きています。
 このような行政による強制立ち退きということは、国土交通省の公園課の、それから厚生労働省のホームレス支援のセクションで、是非厚労省のホームレス支援の方で、この一律立ち退き、閉鎖ということについて再考していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
#380
○国務大臣(小宮山洋子君) 公園ですとか河川など公共施設の管理者は、施設の適正な利用を確保するために、ホームレスに対してテントなどの撤去を依頼することがあります。その際には、まずはその自治体の福祉部局とも連携をしながら丁寧に働きかけを行うことが重要ですが、最終的には関係法に基づいて管理者の判断によってやむを得ずテントなどの撤去を代執行するということはあり得ると思います。
 その場合であっても、施設の管理者は、ホームレスの自立の支援の観点から、臨時一時宿泊施設、いわゆるシェルターですとか自立支援センターなどの移動先が確保されるように、自治体の福祉部局と十分に連携調整しながら対応をすることが必要だと思っていますので、厚生労働省として、今国交省との連携というふうに言われましたけれども、必要があればそういうところの連携を更に深めるように支援もしていきたいというふうに思います。
#381
○福島みずほ君 実際は、ある公園を例えば別の用途に使いたい、バリケードを築いて、もう中、出してしまって、ホームレスの人たち行き場がないということがやっぱり起きているんですね。ホームレスの人たちは本当に行き場がない。どこにも行き場が本当にありませんから、やっぱりそういうふうな形でやると本当に命にもかかわりますし、それから、私は、行政がそういう形でホームレスの人を扱うことが、子供たちがやっぱりホームレスの襲撃、極端かもしれませんが、そういうやっぱり差別的な感情や、この人たちは社会の中でたまたまこうなったんだというよりも、何かやっぱり排除の形になっていくので、是非ホームレス支援の中でもっと強くやっていただきたいということを要望いたします。
 次に、子ども・子育てについてお聞きをいたします。
 この間も保育士さんの給与のことをお聞きいたしましたが、私立は、例えば厚労省からいただいた資料でも、三十四・七歳平均で二十二万三百円なんですね。やっぱり給与がなかなか本当に低い。それで、今回、職員のというか女の人の職業である介護士、それから保育士さんってやっぱり低いと。もう食べていけない。そして、公立の場合は官製ワーキングプアで、本当にもっと安かったりというふうにしています。
 この保育士さんの給料の安さという、職員の給与の引上げのために、どういう施策を打とうとされていらっしゃるでしょうか。
#382
○国務大臣(小宮山洋子君) これもこの委員会でも再三議論をしていますけれども、明らかに保育士さんの給与というのは全業種の平均からするとかなり低いです。これは、昨日もここで議論したように、それは勤務の期間が短いとか、幾つかの要素があると思うんですけれども、今回は子供について、全世代対応型ということで、消費税上げさせていただいたらかなりの部分を入れたいと思っていますので、その中でやはり配置基準を上げたり処遇を改善したり、キャリアアップをしていく仕組みがないと、なかなか長く続けるという形にもなりにくいと思いますので、そうしたものですとか、研修とか、その質を上げていくことには非常に、保育の質を上げることは、給与を改善をしていって長くいい人たちがキャリアアップをしながら勤め続けることが大事だと思いますので、そこのところは可能な限り、優先順位を付けてですけれども、優先的にやっていけるようにしていきたいというふうに思います。
#383
○福島みずほ君 それはよろしくお願いします。とりわけ認可外の保育園などの保育士さんの給料はとても安いんですよね。
 次に、保育料のことを逆にお聞きをいたします。
 保育料は本当に千差万別です。国会の中にも保育園があって、私も見学に行きましたが、認可外ですからやっぱり保育料はいいお値段になってしまうと。ですから、私も働き続けて思いますし、小宮山さんも三人男の子がいらっしゃいますから、働いているときって、もうとにかく保育料が高くてもそんなの構っておれなく働くという状況で、恐らく三人だったらとてもお金が掛かったんじゃ、まあそんなこと言ったらあれですが、つまり、何が言いたいかといいますと、認可保育所であっても、利用者負担割合は平均で四〇%、負担割合一〇〇%というのもあると。ですから、介護は三割負担、医療も三割負担なんですが、保育ってやはり自己責任というのが強いようにも思います。認可外はもうそのまま、保育料が六万、七万、八万、九万、十万ぐらいになってしまう。このことについては、改善の余地はないんでしょうか。
#384
○国務大臣(小宮山洋子君) それは御自身も体験されていると思いますが、私もやはりそんなに給与が高いところで働いていたわけではないので、子供が小さい間は持ち出しながら、(発言する者あり)そうです、なかなか上がらないので、勤続年数に対してですね。ですから、お給料よりも保育料を始め必要経費の方が掛かっていた時期もあるぐらい。そういう意味では、本当に私も、私の体験からも、保育料の軽減ということは是非必要だというふうに思います。
 今度の新しい制度の中でも、利用者負担の額については、今の保育制度と同じように応能負担の考え方に基づいて、現在の利用者負担の水準を基本に、三歳未満児、三歳以上児それぞれについて所得階層ごとに、また認定時間の長短の区分ごとに負担額を設定をすることにしています。その定め方は、今の保育制度と同様に国が定める額を基準にして市町村が定めることにしていますが、具体的な水準は、現在の利用者負担の水準を基本に今後検討していきたいと思っています。
 それで、おっしゃるように、確かに認可保育所の場合、それから自治体が行っている、東京でいえば認証保育などの場合、結構使い勝手はいいですけれども費用が高いということが若い収入の低い夫婦にとってはかなり負担になっているということは、私も周辺からも聞いてよく知っています。その辺りについては、今回、認可の基準を満たしていても市町村が認可をしないで認可外になっているケースなどもありますので、それは基準を満たしたら認可しなければいけないというようなことも新しい仕組みの中で取り入れていますので、少しでも保育料負担が重過ぎないようにということは配慮をしっかりしていきたいというふうに思います。
#385
○福島みずほ君 保育園の数は、公立が減少し、私立が増加し、合計数はほぼ変わっておりません。また、保育所定員の弾力化を実施している保育所の数は、平成二十年でほぼ半数で行っている状況です。現在の最低基準すら守られていないのが現状ではないでしょうか。待機児童は本当に解消されるんでしょうか。
#386
○国務大臣(小宮山洋子君) 今回の新しい仕組みの中で、就学前の全ての子供に質の良い学校教育、保育をということ、それから待機児童の解消、それから各地域の中での子育て支援、在宅の方も含めてですね、その三つを大きな柱にしています。
 待機児さんの解消については、今回、幼保連携型の認定こども園を拡充をするということで、いろいろ二重行政とか財政支援が足りないということの課題を解消していますので、そういうところが増えてくれるということ。それからまた、小規模保育とか家庭的保育にも地域型の給付を出すということで財政支援をいたしますので、いろいろな組合せの中で確実にこれは待機児さんを解消していくことができると。それは都市部でも、地域の、地方の方の、それぞれ単独では成り立たないので、幼稚園、保育所がない地域などもございますが、それは全国的にいろいろしっかりとニーズ調査をして、それに見合った計画を作り、そこへ財政支援をする仕組みを入れますので、待機児童は解消していくことができるというふうに考えています。
#387
○福島みずほ君 虐待を受けた子供たちは児童相談所で対応することになりますが、今最も必要なのは、保護される手前の状況にある子供たちへの対応ではないでしょうか。
 現在、自治体における子ども・子育て会議は自治体が努力義務となっていますが、むしろこういった場を義務付け、地方分権の観点からいろいろあるかもしれませんが、できるだけ自治体でも置いて、地域の中で子供たち一人一人の置かれている状況を把握して、支援が必要な世帯に対しての支援体制の構築、迅速な支援の実施ということが必要ではないかと思いますが、いかがでしょうか。
#388
○国務大臣(小宮山洋子君) この虐待の防止については、超党派で本当にいろいろな改正を経て、いろいろと今回は民法の改正も含めてやりましたけれども、それでもなかなか減らないと。本当に子供の命を、一番守られるべき人から虐待を受けて死に至るようなケースはなくしていくということで、そういう意味では、やはり地域で見守って、おっしゃるように早期発見をするということは非常に重要だと思っていますので、これは、地域の関係機関が支援を必要とする家庭について情報を共有して、協働、ともに働く支援をするための子どもを守る地域ネットワーク、この設置を推進してきまして、現在、現状としてほぼ全市町村にこれができています。
 ただ、つくればいいということではなくて、ここが機能するためには、必要な情報をちゃんと感知するアンテナが張られていないといけないということだと思いますので、つくってちゃんとそれが働いていくようにしっかりと支援をしていきたいというふうに思います。
#389
○福島みずほ君 障害者政策についてお聞きをします。
 インクルーシブ教育についてお聞きをいたします。二〇一一年に改定された障害者基本法の十六条一項の改正を受け、可能な限り障害者である児童及び生徒が障害者でない児童及び生徒とともに教育を受けられるよう配慮しつつとの条文を受けて、学校教育法、また施行令はどのように改正されるのでしょうか。
#390
○大臣政務官(城井崇君) お答え申し上げます。
 文部科学省といたしましても、改正障害者基本法に規定をされました可能な限り障害のある児童生徒と障害のない児童生徒が共に学ぶという理念、これは大変重要であるというふうに認識しております。この実現に向けての取組はしっかりやっていきたいと考えています。
 また、本年の七月の二十三日には、共生社会の形成に向けたインクルーシブ教育システムの構築について、中教審の初等中等教育分科会の報告が公表されたところであります。これらを踏まえまして、現在、文部科学省におきましても、就学手続に関する学校教育法施行令の改正等の検討を行っているということであります。
 現状でありますが、文部科学省においても、具体の改正内容の検討を今行っている段階であります。その詳細については、もう少しこれからいろいろな、特に子供さん、保護者さん、学校現場、そういういろんな声を聞きながら、もう少し詰めてからお示しをしていければというふうに考えておりますが、ただ、基本的な方向性としては、報告にも記載がございますが、就学基準に該当する障害のある子供は特別支援学校に原則就学するという従来の就学決定の仕組みを改める、ここを改める。その上で、障害の状態や本人、保護者の意見等を踏まえた総合的な観点から就学先を決定する仕組みを目指したいと、このように考えています。
#391
○福島みずほ君 城井政務官はインクルーシブ教育に大変理解があるのでとにかく頑張ってほしいんですが、この報告を見ると、確かに改めというのはいいんですが、若干、例えば、総合的な観点から就学先を決定するとなっている点、また、本人の教育的ニーズ、本人、保護者の意見よりも障害の状態が先に出ているというこの二点について、これはむしろ本人の教育的ニーズ、本人、保護者の意見が先であるべきではないか、あるいは、総合的な観点というと、結局、あなたやっぱり地元の学校は駄目ですよと言われるのではないか、この二点についてはいかがでしょうか。
#392
○大臣政務官(城井崇君) お答え申し上げます。二点御質問があったかと思います。
 まず、いわゆるその報告における本人、保護者の意見の取扱い、特に障害の状態というところがどうかということであります。
 中教審の報告におきましても、総合的な観点から就学先を決定する際に踏まえるものとして、障害の状態、あるいは本人、保護者の意見等が列挙されておりますけれども、これはいわゆる優先順位ではない、いわゆる例示の一つということで、優先順位を示すものとは考えておりません。また、この報告におきましても、市町村教育委員会による最終的な就学決定に際して、本人、保護者の意見を最大限尊重することが適当であると、こういうふうにも言及をいただいておるというところであります。
 あともう一点、総合的観点という部分であります。この総合的観点から就学先を決定する際に踏まえるものの一つとして、本人、保護者の意見が挙げられております。市町村教育委員会による最終的な就学決定に際しては、本人、保護者の意見を最大限尊重することが適当であるというふうに御指摘をいただいております。
 こうしたこととともに、また就学先の環境整備の留意もいたしながらでありますけれども、そうしたところを踏まえながら、このインクルーシブ教育システムの構築のために、新たな就学先の決定の仕組みについてはこれから丁寧に検討を進めてまいりたいというふうに考えています。
#393
○福島みずほ君 車椅子の友人がいるんですが、彼は学校に行くときに車椅子で、だから、例えば六年生は上だけれども、彼の学年だけ例えばエレベーターとかなくても一階にしてもらったりとか、車椅子の人が学校に入ってくることで、工夫するとか知恵を使えば、絶対エレベーターがなくちゃいけないとか何とかでなくちゃいけないとかじゃなくても、その現場でいろいろ取り組むということができるし、それから、障害のある人たちは教育でどうしてもハンディキャップを負っちゃうので、それから雇用に行くときもハンディキャップだし、なかなかこの社会が、障害のある人が一緒に生きているという実感を障害を持たない人たちが持ちにくいと思うので、もう教育は本当に要だと思っているんです。
 それで、就学通知は市町村の最終決定を意味するので全員に出すわけにはいかないというふうにいつも聞くんですが、でも、どうでしょうか。障害児を普通学級へや、障害のある子供がこの学校に行きたいという、たくさん裁判が今まで起きてきました。それは、何で区別するのか、何で差別するのか、何で就学通知がもらえないのか。親も子供もこの学校に行きたいといっても学校が来るなと門を遮断するということに対する多くの裁判です。だとしたら、就学通知を一旦全員に送って、その中で、いや、やっぱりうちの子は特別支援学級、学校に行ってきちっとやってもらった方がいいと親や子供が判断すれば、そういう判断をすればいいわけですし、そこから議論をして、最終的に、じゃ、普通学級、学校ではなくて、地元の学校ではなくて特別支援学校を選択しますとなれば、そこで新たに就学通知を出せばいいんじゃないかというふうに思っているんです。
 初めから自分のところには就学通知が送ってこないというところが、やっぱりそこから闘争が始まって、行きたいんだというところが大変なので、ここの仕組みを改めてもらって、まずは区別しない、その後どうするかを一緒に協議していくというようなことはできないでしょうか。
#394
○大臣政務官(城井崇君) お答え申し上げます。
 先ほども少し触れさせていただきましたけれども、いわゆるこの議論のスタートがどこかというところで申しますと、これまでのいわゆる就学基準に該当する障害のある子供は特別支援学校に原則就学するという従来のこの就学先決定の仕組みを改めると、ここがまずスタート、この方向で制度改正を検討しているというのは先ほど申したとおりであります。
 その上で、小中学校への就学通知なんでありますが、これを発出する際に、じゃ、実際に学校で障害のある児童生徒に対して十分な教育を提供できるだけの環境が整えられるかというところ、ここはやはり丁寧に見ていかなきゃいけないんじゃないかと。例えば、受け止める学校側の準備もありましょうし、先ほど御指摘のあった財政面での部分も含めて見ていこうと思ったときに、その辺を見ていかなきゃいけないだろうということは必要なんだろうというふうに思うわけです。
 全ての子供に小中学校への就学通知を送付するという方法についても、そうした両方の観点から、今委員から御指摘いただいた、前向きに、全ての子供たちが障害のあるなしにかかわらず共に学ぶという、そこと、そして、じゃ、現実、寄せていく、その両方を詰めていく。今回の施行令の最終的な在り方についても、その両方をしっかり受け止めていきながら、丁寧に今回の検討を進めていかなきゃいけないと、そういうふうに考えておりまして、その丁寧さをきちんと突き詰めていきたいというふうに考えています。
#395
○福島みずほ君 今までも、親はここに行きたい、でも財政面から駄目だとか、面倒くさいというか、駄目だというので遮断されてきたわけですね。ですから、丁寧にというのは分かるんですが、結局余り変わらないと。せっかく障害者基本法の改正法ができて、これから差別禁止法を作ろうとしていて、将来条約を批准しようとするときに、余り変わらないという事態を避けたいんですね。だから、財政上の理由というけれども、それもいろんな工夫でできると思うし、基本的には障害のある子も地元の学校に行くんだと。そして、もし、たんの吸引やいろんなのが必要であれば、加配教員というのを考えればいいと思っているんですね。
 せっかくここまで来ているので、もう一歩、ちょっと何か強気で前向きにやっていただきたい。政務官、どうですか。
#396
○大臣政務官(城井崇君) お答え申し上げます。
 委員の熱意とその理念の実現に向けた思いをしっかり受け止めさせていただいております。その上で、今、与野党の議員の多くの皆様からもこの点御指導いただいております。文部科学省としても、実際に形にしていくためにここは知恵を出したい、汗をかきたいということで、いわゆる拙速に決めていくのではなくて、しっかり声を聞かせていただいて、ここで知恵を出して、その上で前へ進んでいくという形で是非やらせていただきたいというふうに考えています。よろしくお願いします。
#397
○福島みずほ君 障害者の問題って、戦後ずうっとあって、ずうっと余り変わってないんですよ。だから、また慎重にと言うと余り変わらないんですね。だからこれは、人権問題はどおんとやらないとやっぱり変わらない。どおんとやって変えて、やっぱりそこは予算も取るんだとしない限り、やっぱり世の中変わらないんですよ。もうこの日本が、障害のある人もない人もやっぱり生きられる社会にしていくということの決意を持ってくださいよ。それでなければ、私、政権交代の中で良かったのは、でもやっぱり障害者政策はあると実は思っているんです。ここはどおんと変えてください。これは文科省、どうですか。
#398
○大臣政務官(城井崇君) お答えを申し上げます。
 実際に制度を変えていくというところ、その裏付けとしての財政面のところも含めてリアルに突き詰めていきたいというふうに思いますが、是非、私どもとしてもこの特別支援教育、インクルーシブ教育も含めて、特別支援教育の充実は、特に今の学校現場、子供たちの状況を見ましたときに、特に年齢が低い子供たちほど、手はず、配慮が必要だという子供たちが大変増えているというこの現実から我々は目を背けてはならないというふうに思っておりますので、そういった点で、私どもとしても、ここは最大限気合入れて頑張っていきたいと思います。
#399
○福島みずほ君 気合入れて頑張ってください。
 児童養護施設の子供たちについてお聞きをします。
 平成二十三年七月の社会的養護の課題と将来像やいろんな点で、最近基準を変えて、ちっちゃな子供に対する、何人の子供に何人とか随分変わってきたり、ここは力を入れてやっていただいていると。ですから、こここそやはり予算を獲得して頑張っていただきたいと思っています。
 例えば以前に比べて大学、短大への進学は一一・八%前よりは良くなったんですが、でもやっぱりまだまだまだまだ低いです。支度金として二十六万円が用意されますが、こんな、このお金で大学に行けるようなお金ではない。そして、就職するときもこの金額はまだ十八万九千五百円なんですね、就職の支度金が。これで敷金、礼金なんかはなかなか払えない。もっとここを充実させてほしい。また、東京都の自立生活コーディネート事業「ゆずりは」といったアフターケアが重要で、アフターケア事業への財政的な支援が必要だと考えますが、いかがですか。
#400
○国務大臣(小宮山洋子君) おっしゃるように、社会的養護については、三十六年ぶりに配置基準を変える方針を決めて一歩踏み出すなど、いろいろやっています。
 大学の進学については、平成二十四年度の予算で、児童養護施設などを退所した児童が進学する際に支給される支度費を大幅に引き上げ、また、十八歳に達した後も引き続き支援を必要とする場合には入所措置の延長に積極的に取り組むなどということをしています。
 また、東京都の例もおっしゃいましたけれども……
#401
○委員長(高橋千秋君) おまとめください。
#402
○国務大臣(小宮山洋子君) はい。
 児童養護施設に自立支援担当職員を置く必要があるということはこの専門委員会でも取り上げられていますので、退所後のアフターケアの充実に取り組んでいきたいと思います。
#403
○福島みずほ君 終わります。
#404
○委員長(高橋千秋君) 八案に対する本日の質疑はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
   午後五時十三分散会
ソース: 国立国会図書館
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