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2012/08/10 第180回国会 参議院 参議院会議録情報 第180回国会 社会保障と税の一体改革に関する特別委員会 第14号
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2012/08/10 第180回国会 参議院

参議院会議録情報 第180回国会 社会保障と税の一体改革に関する特別委員会 第14号

#1
第180回国会 社会保障と税の一体改革に関する特別委員会 第14号
平成二十四年八月十日(金曜日)
   午前九時開会
    ─────────────
   委員の異動
 八月三日
    辞任         補欠選任
     礒崎 陽輔君     石井 浩郎君
     福島みずほ君     吉田 忠智君
     亀井亜紀子君     谷岡 郁子君
 八月六日
    辞任         補欠選任
     大河原雅子君     岡崎トミ子君
     大久保潔重君     安井美沙子君
     鈴木  寛君     難波 奨二君
     徳永 エリ君     大島九州男君
     石井 浩郎君     赤石 清美君
     小野 次郎君     中西 健治君
     田村 智子君     紙  智子君
     吉田 忠智君     山内 徳信君
     谷岡 郁子君     亀井亜紀子君
 八月七日
    辞任         補欠選任
     川上 義博君     那谷屋正義君
     赤石 清美君     礒崎 陽輔君
     紙  智子君     田村 智子君
     山内 徳信君     福島みずほ君
     亀井亜紀子君     行田 邦子君
 八月八日
    辞任         補欠選任
     那谷屋正義君     川上 義博君
     難波 奨二君     鈴木  寛君
     安井美沙子君     大久保潔重君
 八月九日
    辞任         補欠選任
     大久保潔重君     安井美沙子君
     鈴木  寛君     那谷屋正義君
     田村 智子君     大門実紀史君
 八月十日
    辞任         補欠選任
     大門実紀史君     田村 智子君
     行田 邦子君     亀井亜紀子君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         高橋 千秋君
    理 事
                大久保 勉君
                櫻井  充君
                吉川 沙織君
                石井 準一君
                衛藤 晟一君
                中村 博彦君
                荒木 清寛君
                中村 哲治君
    委 員
                相原久美子君
                梅村  聡君
                大島九州男君
                岡崎トミ子君
                金子 洋一君
                川上 義博君
                那谷屋正義君
                西村まさみ君
                林 久美子君
                安井美沙子君
                蓮   舫君
                礒崎 陽輔君
                上野 通子君
                片山虎之助君
                高階恵美子君
                塚田 一郎君
                中川 雅治君
                中西 祐介君
                水落 敏栄君
                宮沢 洋一君
                山崎  力君
                山谷えり子君
                若林 健太君
                竹谷とし子君
                渡辺 孝男君
                姫井由美子君
                桜内 文城君
                中西 健治君
                田村 智子君
                大門実紀史君
                福島みずほ君
                亀井亜紀子君
                行田 邦子君
   衆議院議員
       発議者      長妻  昭君
       発議者      柚木 道義君
       発議者      白石 洋一君
       発議者      加藤 勝信君
       発議者      西  博義君
       発議者      和田 隆志君
       発議者      江端 貴子君
       発議者      田村 憲久君
       発議者      馳   浩君
       修正案提出者   白石 洋一君
       修正案提出者   長妻  昭君
       修正案提出者   柚木 道義君
       修正案提出者   加藤 勝信君
       修正案提出者   西  博義君
       修正案提出者   江端 貴子君
       修正案提出者   和田 隆志君
       修正案提出者   田村 憲久君
       修正案提出者   馳   浩君
       修正案提出者   稲富 修二君
       修正案提出者   岸本 周平君
       修正案提出者   古本伸一郎君
       修正案提出者   竹下  亘君
       修正案提出者   野田  毅君
       修正案提出者   竹内  譲君
   国務大臣
       内閣総理大臣   野田 佳彦君
       国務大臣     岡田 克也君
       総務大臣     川端 達夫君
       財務大臣     安住  淳君
       文部科学大臣   平野 博文君
       厚生労働大臣
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(少子化
       対策))     小宮山洋子君
   副大臣
       財務副大臣    藤田 幸久君
   大臣政務官
       財務大臣政務官  三谷 光男君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        五十嵐吉郎君
       常任委員会専門
       員        塩見 政幸君
       常任委員会専門
       員        大嶋 健一君
       常任委員会専門
       員        松田 茂敬君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○公的年金制度の財政基盤及び最低保障機能の強
 化等のための国民年金法等の一部を改正する法
 律案(内閣提出、衆議院送付)
○被用者年金制度の一元化等を図るための厚生年
 金保険法等の一部を改正する法律案(内閣提出
 、衆議院送付)
○社会保障制度改革推進法案(衆議院提出)
○子ども・子育て支援法案(内閣提出、衆議院送
 付)
○就学前の子どもに関する教育、保育等の総合的
 な提供の推進に関する法律の一部を改正する法
 律案(衆議院提出)
○子ども・子育て支援法及び総合こども園法の施
 行に伴う関係法律の整備等に関する法律案(内
 閣提出、衆議院送付)
○社会保障の安定財源の確保等を図る税制の抜本
 的な改革を行うための消費税法等の一部を改正
 する等の法律案(内閣提出、衆議院送付)
○社会保障の安定財源の確保等を図る税制の抜本
 的な改革を行うための地方税法及び地方交付税
 法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院
 送付)
    ─────────────
#2
○委員長(高橋千秋君) ただいまから社会保障と税の一体改革に関する特別委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日までに、山内徳信君、難波奨二君及び田村智子君が委員を辞任され、その補欠として福島みずほ君、那谷屋正義君及び大門実紀史君が選任されました。
    ─────────────
#3
○大門実紀史君 高橋委員長の不信任を求める動議を提出いたします。
#4
○委員長(高橋千秋君) ただいま大門実紀史君外一名から、賛成者と連署の上、文書により委員長不信任の動議が提出されました。よって、委員長は、この席を譲って理事櫻井充君に会議を主宰していただきます。
   〔委員長退席、理事櫻井充君着席〕
#5
○理事(櫻井充君) 社会保障と税の一体改革に関する特別委員長高橋千秋君不信任の動議を議題といたします。
 まず、提出者から本動議の趣旨説明を願います。大門実紀史君。
#6
○大門実紀史君 中村哲治君並びに私、大門実紀史は、社会保障と税の一体改革に関する特別委員長高橋千秋君の不信任を求める動議を提出いたします。
 本委員会は、委員長高橋千秋君を不信任とする。
 以下、動議提出の理由を申し上げます。
 まず、八月七日、私たち参議院七会派が消費税増税反対の多数の民意にこたえるために問責決議案を提出したにもかかわらず、民主、自民、公明の三党が本日増税法案の採決を強行しようとしていることに厳重に抗議をいたします。
 委員長不信任の第一の理由は、本日の締めくくり総括、採決日程を、国民の生活が第一、みんなの党、日本共産党、社会民主党・護憲連合並びにみどりの風が反対をしたにもかかわらず、高橋委員長は、民主、自民、公明三党の意向だけに従い決定したことであります。そもそも三党合意で提案されている法案です。反対会派、少数会派の意見を特段に尊重するのは中立公平を旨とする委員長の当然の責務ではありませんか。
 また、委員長が、過日の理事懇談会の場で中央公聴会を出口にしないと明言したにもかかわらず、本日の委員会の開催を決めたことも重大な約束違反と言わなければなりません。
 第二の理由は、私たち七会派が野田内閣総理大臣に対する問責決議案を提出している下で、本日の採決を強行しようとしていることであります。
 国民の切実な声を代弁し、七会派が提出した総理問責決議案はあらゆる法案に優先して採決すべきであります。その扱いも不透明な下で、本日の委員会を開くこと自体が議会制民主主義に反するものです。この点においても高橋委員長の責任は重大であると言わざるを得ません。
 以上が不信任案を提出する理由であります。
 なお、本決議案に対する賛成討論について、先ほどの理事会において三党が認めなかったことについても厳重に抗議をいたします。
 以上です。
#7
○理事(櫻井充君) それでは、これより採決に入ります。
 社会保障と税の一体改革に関する特別委員長高橋千秋君不信任の動議に賛成の方の起立を願います。
   〔賛成者起立〕
#8
○理事(櫻井充君) 起立少数と認めます。よって、本動議は賛成少数により否決されました。
 委員長の復席を願います。
 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
   〔理事櫻井充君退席、委員長着席〕
#9
○委員長(高橋千秋君) 速記を起こしてください。
    ─────────────
#10
○委員長(高橋千秋君) 公的年金制度の財政基盤及び最低保障機能の強化等のための国民年金法等の一部を改正する法律案、被用者年金制度の一元化等を図るための厚生年金保険法等の一部を改正する法律案、社会保障制度改革推進法案、子ども・子育て支援法案、就学前の子どもに関する教育、保育等の総合的な提供の推進に関する法律の一部を改正する法律案、子ども・子育て支援法及び総合こども園法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案、社会保障の安定財源の確保等を図る税制の抜本的な改革を行うための消費税法等の一部を改正する等の法律案及び社会保障の安定財源の確保等を図る税制の抜本的な改革を行うための地方税法及び地方交付税法の一部を改正する法律案、以上八案を一括して議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#11
○櫻井充君 おはようございます。民主党・新緑風会の櫻井でございます。
 今、高橋委員長の解任動議が出されましたが、議事進行のもし責めを負うとすれば与党筆頭の私の責任だと思っておりまして、私は、高橋委員長には瑕疵がないと、そう思っております。
 それでは、まず総理にお伺いしたいと思いますが、先日の両院議員総会の中では、解散の時期については明示しない、それは当然のことなんだという趣旨の御発言をされたかと思いますが、今回のこれは三党での話合いになるんでしょうか、それとも二党間の話合いになるのか分かりませんが、近いうちに信を問うという趣旨の御発言をされたようですが、これについて、この近いうちというのは一体いつの時期を指しているのか、まずこの点について御説明いただきたいと思います。
#12
○内閣総理大臣(野田佳彦君) おはようございます。
 ただいま櫻井委員からの御質問でございますが、おととい党首会談を開かせていただきました。そして、様々な意見交換をさせていただいたときに、最終的に、三党合意を踏まえて一体改革関連法案を早期に成立をさせるということ、そして、一体改革関連法案が成立をした暁に、近いうちに国民の信を問うと、こういう形でお互いに確認をさせていただきました。
 近いうちにの意味は、それ以上でもそれ以下でもないということでありまして、あの両院総会でもお話をしましたけれども、内閣総理大臣が具体的に明示的に解散の時期を明らかにするということは、これは私は妥当ではないと思っています。そういう中で、近いうちにという表現をさせていただいた中で、それ以上でもそれ以下でもない、もうこれに尽きると思います。
#13
○櫻井充君 今総理からそういう御発言がございました。これはこれとして受け止めさせていただきたいと思いますし、このことについては、これは本当に国民の皆様もそうですし、それから国会議員も含めて大事な発言だと、そう思っておりますし、きちんとした御説明を、必要とされる場合にはきちんと説明をしていただきたいということをお願い申し上げたいと思います。
 さて、本題に移りたいと思いますが、今回の改革というのは、もちろん社会保障と税の一体改革ではありますが、私はもう一方で、財政再建、このことも総理が常々おっしゃっていたことですから、財政再建のためという意味合いもあるんだろうと、そう思っております。そういう意味で、今回の改革は財政再建に資するものなのかどうか、この点について総理にお伺いしたいと思います。
#14
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 今回の一体改革関連法案の目的は、社会保障の安定財源、これを確保することと財政健全化の同時達成ということでございます。その意味では、当然のことながらこれは財政健全化に向けての大変大きな、一里塚に向けての大きな一歩だというふうに思うんですが、一体改革で国民の皆様に消費税の御負担をお願いをする、そして、そこで出てくる増収分については、社会保障の充実に一%、安定化に四%ということでございます。そのことによって社会保障制度の持続可能性が確保されることになりますが、同時に、子や孫の世代への負担の先送りを小さくするということになりますので、基礎的財政収支の改善なども当然のことながら行われることになります。
 その意味で、さっき申し上げたとおり、社会保障の安定財源確保と同時に、財政健全化に向けても大きな一歩を踏み出すと、そういう位置付けだと認識をしています。
#15
○櫻井充君 この場でも随分議論があったんですが、現在、例えば日本の十年国債の利回りは一%前後ぐらいであって、本当に危ないんだろうかと。つまり、マーケットから見れば世界で一番安全な国債だというふうに信認されているんではないのかという、そういう意見もございました。一方で、対GDP比で見れば二〇〇%近く、まあ超えているという話になっていて、この数字を見ればギリシャやポルトガルなどと比較しても相当危ないんだという話がございましたが、もう一度この場面で総理の方から、なぜ財政再建が必要なのか、そのことについて御説明いただければと思います。
#16
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 欧州の今の状態を見ても、財政に対する信認が薄らいだりなくなったときに、それが金融不安や経済不安につながっていくという状況が生まれています。一たび財政に対する信頼を失ったときには、その後、様々な努力をする、例えば年金等の給付をカットするとか大変厳しい行革をやるとか等々の国民生活に相当厳しい状況を生むような状況をやらざるを得なくなっているのが現状だと思います。
 日本については、確かに今国債の金利については低位で安定をしている状況でございますけれども、財政に対する信認がなくなっていく、財政規律を守ろうとしていないということがまさに疑念として生まれたときには、私は日本とて緊張感を持った状況にならざるを得ないと思います。
 今回も様々な局面がありました。曲折がありました。もしかするとこの一体改革の法案も成立しないかもしれないという状況に陥ったときの金利の動向を見ても、やっぱりそこは私は一定の証明がされるのではないかと思います。
 したがいまして、何としてもこの法案を成立をさせていただき、社会保障を安定させる、充実させるとともに、財政健全化に向けてもきちっと日本は道筋をたどっていくんだということをしっかりお示ししなければいけないと考えております。
#17
○櫻井充君 ありがとうございます。
 ただ、その意味で、私は、この委員会での、大変申し訳ございませんが、安住大臣の答弁の中でちょっと腑に落ちないところがございました。これはみんなの党の中西委員の質問に対してですが、今回の消費税の引上げによって国債の発行額を、公債の発行額を減らせるのかという質問があった際に、明確に、減額できるんだという、こういう答弁がございませんでした。仮に、これ、国債の発行額を減らせないということになると、今総理から御答弁があった財政再建に資するという点からしてみると、若干違うことになってしまうんではないのかと思います。
 改めて安住大臣に、今回のこの消費税の引上げによって公債の発行額を減らすことができるのかどうか、明確に御答弁いただきたいと思います。
#18
○国務大臣(安住淳君) おはようございます。
 私の方から少し丁寧にお話をさせていただきます。
 結論を申し上げさせていただければ、国債の発行額は抑制をされていくということにはなります。ただし、若干の減少をするということを私はここで申し上げたのは、次の点からでございます。
 今年一月に内閣府から公表をされました経済財政の中長期試算の慎重シナリオでは、国の一般会計における歳出と税収等の差額を見ると、二〇一二年で四十四・二兆円でございますが、一六年では四十四兆円、つまり約二千億程度、若干減少するという見通しでございます。
 確かに、これだけを見ると国債は減らないんではないかというふうな誤解を受けるかもしれませんが、ここには一つ理由がございます。二〇一二年度から一六年にかけて、実は歳出の面で、社会保障の充実、基礎年金の国庫負担の二分の一の引上げ等によって財政的には支出増が七・三兆円増えます、このままでは。さらに、経済成長に伴う金利の上昇等を反映して、国債費が今よりもやはり七・三兆円ほど増えますので、足せば約十五兆円ほど増加を歳出が見込まれるということになるわけです。ですから、ほっておけばこの分増加をしてしまうと。
 しかし、今回、歳入面で消費税の引上げや経済成長に伴う増収をすることによって約十五兆円、同程度の収入というものが見込まれるので、先ほど私がお話をさせていただいた数字になるということになりますから、結果的には、一体改革が行われない場合に比べ、国債発行額が抑制されることに加えまして経済成長に伴うGDPの数値を増加するわけですから、同じく二〇一二年から一六年にかけて、例えばGDPに対する国債発行額の割合からいえば九・二%から八・四%に、また公債依存度等も四九%から四二%に低下します。ですから、そういう点では基礎的財政収支は、これについては二〇一二年度三角六%は二〇一六年度にはマイナス三・二%へと改善が見込まれますから、そういう意味では財政状況の大きな改善効果は見込まれるということでございます。
#19
○櫻井充君 ちょっとこれは財務省の試算なのか内閣府の試算なのかよく分かりませんが、一点、まず、公債の金利負担分が七・二兆も増えるという試算になっておりますが、これが本当に適切な数字なのかどうか。かなりいつも多めに見積もっていますから、ですから、それが本当に適切なのかどうか。
 なぜかといいますと、消費税法の附則の十八条の二のところでいろんな意見があったわけです。つまり、今回、増税させていただくにしても、結果的にはそこで余裕が出たものがまた更に公共事業に、全ての公共事業が悪いと申し上げているわけではありませんが、それが膨らんでいって、結果的には財政再建という道筋を失ってしまうことになるのではないのかという、こういう疑念がございました。
 この点についてもう一度、今のようなことであって、仮に、仮に金利の上昇がそうするとなければ、金利の上昇がなければ、逆に申し上げれば消費税の増税によって景気が冷え込むんじゃないかという、そういう指摘もあるわけですから、金利の上昇がなかったとこれ仮定すれば、この分については、その分は発行額を減額することが可能だという認識でよろしいんでしょうか。
#20
○国務大臣(安住淳君) 御指摘のとおりでございまして、我々としては過去のデータを見て、高めという御指摘がございましたが、上回らない程度に設定をしておりますから、これは櫻井さん、副大臣もやられて御存じのとおりでございますので、もし我々が予想するよりも低い国債の金利の状況が続けば、今私が言った話から国債の発行額というものは結果的に減額ができるということになると思います。
#21
○櫻井充君 きちんとした形で財政運営を行っていただきたいということをお願いしておきたいと思います。
 今回、消費税を一〇%に引き上げた場合には、国民負担率というのは一体何%まで引き上がるんでしょうか。
#22
○国務大臣(安住淳君) この件については何回か御指摘をいただきました。
 今現在が約三九・九%でございまして、最近は四〇%前後で推移をしております。三%引き上がった場合の国民負担率は二・二%増、五%の引上げのときは国民負担率は三・七%増ということになります。
 ですから、今現在一一・四ポイントほど財政的な負担、つまり借金で補っている部分がございますから、そこの部分がここに換わっていけば、財政出動、赤字国債でこの国民負担率をカバーしている下の分が減っていくということは試算としては言えると思います。
#23
○櫻井充君 そうしますと、多分一〇%になると四三%を超える数字になるのかと思いますが、こうなってくると、イギリスが五〇%弱ですから、そこに近づいてくることになると思います。
 これ、前の委員会でも指摘させていただきましたが、ヨーロッパと日本の違いは何かというと、教育コストとそれから住宅コストが全く違ってきていて、ここの負担を軽減しない限り更なる国民負担を求めていくということは私はかなり難しいことではないのかと思っておりまして、是非総理にお願いでございますが、今の日本の家計からの支出をもう一度きちんとチェックしていただいて、今私が指摘した以外のことでヨーロッパとの違いがあって、今、低所得者の方々やそれから中小企業の方々に対しての問題点の提起はございましたが、全体として、社会全体としてのありようを改めて御検討いただきたいと思いますが、その点について御決意をお願いしたいと思います。
#24
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 今、教育とか住宅コストの違いとか御指摘ございました。そういうことをよく参考にさせていただきまして、検討させていただきたいと思います。
#25
○櫻井充君 よろしくお願いします。
 要するに、なぜ負担感が強い、重いと感じるのかというのは、家計からの支出がやはり全然違っているからだと思っておりまして、是非御検討いただきたいと思います。
 それから、先ほどGDPが伸びてというお話がありました。相対的な借金の割合になってきますから、本来は分子の絶対的な額を減らすことも一つですが、ここ十年間ずうっと経済成長を遂げてこなくてGDPが伸びてこなかったというのが、結果的にはその公債の割合が世界と比較したときに高くなってきたと。この経済成長を遂げてこなかったのは、先進国だからということではなくて、先進国の中で唯一日本だけが経済成長を遂げることができませんでした。
 その中の原因は幾つかあるかと思います。それは、成熟社会になって消費が落ち込んだとか、それから消費者世代が減ってきたとか、いろんなことがあるかもしれませんが、もう一つ、やはり何といっても大きいのは物価が上昇しなかったことなんだろうと、そう思っておりまして、このデフレからの脱却ということを随分言われておりますが、なかなか実現できてこなかったと。これをどうやって実現されるのか、総理にお伺いしたいと思います。
#26
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 御指摘のとおり、長い間デフレの状況に陥ったままでありまして、おととし、政権交代直後に改めてデフレ状態であることの宣言をさせていただきました。その後も様々な取組を行っておりますけれども、なお現在も緩やかにデフレ状況が続いているということであります。
 ただし、若干ちょっと注目しなければいけないのは、このところ物価の下落テンポが緩和をしてきているという状況でございます。したがって、今こそデフレという長年の、まさに積年の問題と決別するチャンスだととらえて、経済の再生は元々この内閣の最重要課題と位置付けておりますけれども、デフレ脱却の好機を逃すことなく、適切なマクロ経済運営政策とともに、デフレを生みやすい経済構造の変革に全力を尽くしていきたいと思います。
 具体的には、七月の三十一日に閣議決定をした日本再生戦略に基づきまして、デフレ脱却に向け、物、人、金を動かす観点から、平成二十五年度までを念頭に、規制・制度改革、予算、財政投融資、税制など政策手段を動員することが不可欠であるというふうに思います。また、金融政策においても、日銀が物価安定のめどの達成に向けてしっかりと努力を行うことが重要であり、日銀に対しては、政府との緊密な連携の下、デフレ脱却が確実となるまで強力な金融緩和を継続するよう期待をするところでございます。
#27
○櫻井充君 ありがとうございます。
 一般論としてそういう話になると思っているんですが、もう少し具体的に申し上げると、例えばアメリカではリーマン・ショックの後に物価が下落いたしました。このときには政策金利は五%程度からゼロまで引き下げられましたが、それでも物価は下がっております。一方で、何が起こったのかというと、貯蓄率が上がりまして、要するに不安感があったから貯蓄に走り、そしてその結果、物価が下がるという現象が見られます。
 我が国の場合には、将来の不安があって、高齢者を中心として相当額の金融資産を確保されていると。これが経済に回ってこないから、だからなかなかデフレから脱却してこないんだろうと思っていて、そういう意味において、この社会保障の制度を充実させて国民の皆さんから信頼感を得るということは私はデフレ脱却の一つにつながっていくものだと、そう思っております。
 この点については、是非総理からいろんな場面で御発言をいただきたいと思いますし、それからもう一点は、過度な価格競争をどうやめさせるかなんではないのかと思っています。
 小泉・竹中改革で、競争すれば幸せになれるんだと、歯を食いしばって頑張れと言われましたが、結果的に競争してきたのは何かというと、価格競争をずうっとやり続けてきたことであって、この同業他社との価格競争をどうやめさせていくのかというのはもう一つのデフレ脱却の道筋につながっていくんではないのかと思っておりますので、この点についても、これは答弁結構でございますので、御検討いただきたいと思います。
 最後に、私は、片山虎之助委員からこういう指摘がございましたが、今回何も社会保障と税の一体改革ということをやらなくても政府の信頼があったならばこれは財政再建のことだけ行ってくればよかったんではないかと、そのことが片山委員から指摘されましたが、私もまさしくそのとおりだと思っているんです。そういう意味で、今の政治に対する不信感を払拭するために、総理としての御決意をお伺いしたいと思います。
#28
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 政治不信を払拭するにはいろんな観点からの様々な取組が必要だと思いますが、一つは、やっぱり国民の皆様が不安に思っていること、関心を持っていることに対してきっちりとやっぱり情報を公開をしながら物事を進めていくという透明性の問題。それからもう一つは、今何が起こっているのか、将来何を考えているかということを、これもしっかりと説明をしていくという、説明責任を果たすということ。それから、もう一つあえて言うならば、今回、一体改革、様々な観点から御議論いただきましたけれども、いつも申し上げていることは、やっぱりやらなければいけないこと、決めなければいけないことをしっかり決めるべきときに決めていくという、そういう先送りをしない政治。こういうものを通じて総合的に信頼感を獲得していく、そういう努力を地道にやっていかなければいけないと考えております。
#29
○櫻井充君 ありがとうございます。
 例えば、日本の医療制度を申し上げると、これは世界で間違いなくナンバーワンだと思っています。所得五十三万円以下の方々であれば、月に百万掛かろうが、まあ二百万掛かると八万円というわけにはいきませんが、月十万円もあれば医療を受けられるわけです。こういったその制度を国民の皆さんが実は知らないので、私、地域回ったときに、百万掛かるんでしょうか、二百万掛かるんでしょうかと、そんな掛かりませんよという説明をすると驚かれるんですが、そういったその制度がきちんとあるにもかかわらず十分説明されていない。それから、年金についても、破綻するんではないかと。だけど、これは政府に対する信頼感があれば、私はここのところもきちんとした形で払拭できるんではないのかと思っているんです。
 私は、大事な点は何かというと、国民の皆さんを信用するかどうかだと思っていて、例えば、これは野田政権のときではありませんでしたが、原発対応のときに、この情報を伝えたら国民の皆さんはパニックになるから伝えませんでしたと。要するに、政府が国民の皆さんを信用していませんよというメッセージを送っているわけです。そういうメッセージを送れば国民の皆さんが政府を信頼するということには私はならないと思っていて、是非、国民の皆さんを信頼する政治を行っていただきたいということをお願い申し上げまして、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。(発言する者あり)
#30
○委員長(高橋千秋君) 御静粛にお願いします。
#31
○吉川沙織君 民主党の吉川沙織でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 本日の締めくくり総括質疑を迎えるに当たり、社会保障の持続性と財政の持続性、税については地方分権を前に進めようとする我々の立場から質疑を行いたいと思います。
 我が国における人口構成は大きく変容し、少子高齢化が一層進むこと、そして国の予算の約半分を赤字国債で賄う状況が続いているということに鑑みると、どの立場に立とうとも社会保障の持続性と財政の持続性に向けて取り組むということは避けては通れない道であると思います。
 ここ数日、一体改革関連法案の先行きが不透明になったことに伴い、国債市場が神経質になりつつありました。仮に国債が売られるような事態になれば、財政はもちろん国民生活への影響は避けられなかったところですが、一体改革関連法案が成立しない場合の国債市場に与えるインパクト、そして何より国民の皆様の生活に与える影響について、総理にお伺いします。
#32
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 今、吉川議員御指摘のとおり、財政への信認と国債市場や国民生活との関係というのは、これ密接不可分だというふうに考えております。
 例えば、今回の欧州債務危機の状況を見ますと、財政への懸念というものが深刻化する、そうすると、財政の持続性に対する市場の信認を失うという状況になりますと、急激な国債価格の下落、そして国債金利の上昇が生じています。そして、財政に対する信頼の回復のために、社会保障給付のカットなど極めて厳しい緊縮策の実施を余儀なくされ、その結果、経済や国民生活に大きな混乱が生じているところでございます。
 したがって、一体改革は、国民の皆様に御負担をお願いをするものであり、困難な課題ではありますけれども、こうしたことを踏まえれば待ったなしの状況であります。その意味からも、今の我が国の国債金利が低位で安定をしているというこの状況の中で一体改革関連法案を是非とも成立をさせていただきまして、我が国財政に対する市場の信認を引き続き確保することが重要であると考えております。
#33
○吉川沙織君 今回の一体改革は、少子高齢化が一層進む我が国において社会保障の持続性の端緒となるものであると思います。もちろん残された課題は数多くございますが、それでも、今取り組まなければ社会保障制度そのものの崩壊につながってしまうことになると思います。バブル経済崩壊後の右肩下がりの社会しか私は知りませんし、超就職氷河期を経験して社会に出ましたことから、若い世代の一人として切にそう思います。
 本格的な高齢社会に対応するためには、社会保障費の安定財源の確保が喫緊の課題であり、社会保障制度の持続性の観点から、消費増税分を全て社会保障四経費に充て、全世代でその負担を分かち合うことは避けて通れなかったものであると思います。
 今この選択をしなければ、社会保障制度そのものの崩壊につながる甚大な影響が出ることに相違ないと考えますが、総理、簡潔な答弁をお願いします。
#34
○内閣総理大臣(野田佳彦君) おっしゃるとおりでありまして、急速な少子高齢化であるとか社会経済状況の変化の中で、社会保障制度、これはまさに国民生活に直結をしています。これを持続可能なものにしていくためには、給付は高齢者中心、負担は現役世代中心という構図のままではこれは持続可能性は担保できないと思います。
 高齢者三経費だけではなく、子育て世代、若者世代、現役世代に対してもしっかりケアする社会保障であるということ、支える側についてもしっかり光を当てていくということをもってまさに持続可能性が生まれると思いますので、一体改革の意義はそこにあると考えております。
#35
○吉川沙織君 私自身もバブル崩壊後の日本社会しか知りませんので、本当にこれでずっと安心して年を重ねていけるのだろうかというところはまだまだ疑問に思うところはあります。
 ただ、今般の消費税率引上げに伴い、国民の皆様から納得を少しでも得るためにも、様々な立場にある国民一人一人にきめ細やかな対応が求められます。しっかりとした低所得者対策、逆進性対策を講じるべきと考えますが、今後どのように進めるのか、財務大臣に伺います。
#36
○国務大臣(安住淳君) まず、やっぱり社会保障目的税化をちゃんとして、先ほどのお話の続きでございますが、総理の、お預かりした消費税をやっぱり年金、医療、介護、さらに少子化対策にちゃんと使っているという透明化を責任を持ってこれからやっていって、国民の皆さんに私は消費税を浸透していきたいと、理解していただくようにしたいと思います。
 そして、御指摘のように、この委員会の中で再三御指摘がありましたように、やはり所得の低い方に対してしわ寄せが行くので、これについての配慮をしっかりやれということでございました。選択肢として、給付付き税額控除、それから複数税率、これらの問題が出てきましたので、消費税率八%の段階から、このいずれかの実施までの間、又は簡素な給付措置を実施するなど、実際にどうするかを早急に検討をして、具体化をして、三党のまた御議論に付したいというふうに思っておりますので、できるだけ早く私としてはその制度設計というものは政府として考えて、三党の実務者の皆さんにもまた相談をさせていただきたいと思っております。
#37
○吉川沙織君 社会保障改革に関する有識者検討会で座長を務められた宮本太郎氏は、先月、七月に発表された論文で、「「一体改革」は、まさに社会の持続可能性そのものを強めようとするものです。若い世代の苦境を受け止めることにポイントがあって、それによって高齢世代との共倒れを防ぐ、さらに財政の持続可能性も担保するのです。社会保障の大前提とは、皆が働けていることなのです。」と述べておられます。また、積極的労働市場政策を行うべきだとも主張されていますが、これを一体改革の項目に挙げようとしても、財務省の固いガードにはね返されたとしています。
 若年層の雇用環境は、産業構造の変化のあおりをまともに受け、非正規雇用が増大しています。また、先日の質疑におきまして、若年層が正社員になれないことによる国税や地方税の収入に与える経済的損失も明らかになり、生活保護の被保護者数も若年層で残念ながら急増していることもお示しいたしました。
 積極的労働市場政策を取ることこそが社会保障制度の支え手を増やし、それがひいては社会保障制度の持続性につながると思いますが、厚生労働大臣、端的に御答弁お願いします。
#38
○国務大臣(小宮山洋子君) 委員がおっしゃるように、少子高齢化が進む中で、やはり社会保障を維持するためにも、この社会を維持していくこと自体のためにも、一人一人が能力を発揮して働ける社会のためにもっと力を入れなきゃいけないと思っています。
 この社会保障改革の中でも、全員参加型社会ということで、今おっしゃった若者、そして高齢者、女性などが、意欲ある人が働けるようにということで政策を盛り込んでいますし、おっしゃったその非正規雇用のしっかりした処遇というのは大事ですので、この国会で有期雇用を無期に転換する労働契約法の改正とか、ここでも御審議いただいた短時間労働者への社会保険の適用などもしています。
 とにかく働きがいのある、人間らしく働ける社会をつくるということ、そしてまた全世代対応型の、子ども・子育て支援も含めて、若い人も含めて、世代を超えて意欲ある人が働くことによってお互いに支え合っていく、そういう社会のためにも労働政策はもっと力を入れなきゃいけないというふうに考えています。
#39
○吉川沙織君 今、積極的労働市場政策含め、全世代でやっていこうというお話ございました。ただ、若い人の戦略を見ますと、新卒者向けはそれなりにかなり拡充されているんですけれども、例えば前回の就職氷河期世代、私ぐらいの年代の既卒者対策についてはこれまでの施策の延長線上でしかないというものも散見されますので、是非リーダーシップ取って進めていただければと思います。
 総理は、七月十三日の参議院本会議において、「社会保障の充実策として、保育の量的拡充、質の改善等による子育て世帯に対する支援や、働く希望を持つ全ての人に対する就労促進策の強化、短時間労働者に対する厚生年金及び健康保険の適用拡大などを盛り込んでおり、」と答弁されていますが、この中で今回の消費増税分が充てられないのは就労支援ということになります。
 また、給付と負担のバランスを世代間で見ていく必要があると考えます。ここ数年で見ますと、高齢層の貧困率は若干改善している一方で、子育て世代の貧困率は若干上昇しています。これはつまり、先ほども申し上げましたとおり、若年層の雇用状況が悪化し続けているということにほかなりません。また、健康保険料を払えずに医者に行けない若年貧困層の拡大にはなかなか光が当たりません。改正高年齢者雇用安定法においては、六十五歳までの雇用を義務付けようとする一方で、国家公務員の新規採用抑制を行い、これから社会に出ようとする若者の職の削減を行います。
 確実に存在する世代間格差の是正に向けて、給付と負担の在り方、これらの議論は避けては通れない、今後必ず避けては通れない議論だと思いますが、総理の御見解をお願いします。
#40
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 新卒者の就職が難しいということであるとか非正規雇用が増大をしているということ、これまさに若者の生活を厳しくしているということだというふうに思います。それが、ひいては結婚、子育てを厳しくしているということにつながっていますので、これはまさに社会全体で対応すべき大変重要な問題だと認識をしています。
 今回の一体改革の意義は、先ほど申し上げたとおり、給付は高齢者に、そして負担は現役中心に、場合によっては将来世代にツケ回しということを改めていくという、その世代間の公平を期していくということによってこれが変わっていくんだということ、特に子育て支援はまさに充実の部分の柱になっています。そのことと、今回の消費税の引上げの直接的な対象ではなっていませんが若者の雇用ということ、これは財政の機動性回復する中でしっかり対応していかなければいけませんが、そういうことをやっぱり若者にきちっとメッセージで伝わるようにすることが今回の一体改革の私は重要な意義であるというふうに思います。すなわち、これからまさに社会を支える人たち、支える側もケアをするんだということの方向性をこれから我々政府は責任を持ってたどっていくということをメッセージとしてお伝えをしたいというふうに思います。
#41
○吉川沙織君 若い世代の一人として、消費税を上げなければいけない、避けては通れない道だということは実感を持って分かります。ただ、将来的に今回の改革で全てが、まあ年取ってこれから先どうなるか分かりませんけれども、そこまで本当に安心感が得られるかというと、まだやっぱり不安があります。百年安心と言われた年金制度も今こういう状況ですし、いろんな政治情勢見ますとやはり不安感を抱かざるを得ないのが私の世代でもありますので、是非今おっしゃった内容で前に進めていただければと思います。
 さて、我々は地方分権を一丁目一番地にも掲げていましたので、地方分権を推進する立場から、今般の法改正で地方消費税の充実を行い、偏在性の低い地方税体系の構築を目指そうとしています。その中で今後の課題となっているのは地方法人課税の在り方であり、これも今後見直すこととされています。これは今後、地方にとって大変大きな問題になると考えられますので、今後の改革に向けて基本的な考え方を改めて確認しておきたいと思います。
 税制抜本改革法案第七条第五号では、地方法人特別税及び地方法人特別譲与税の抜本的見直しを行うこと、そして地方法人課税の在り方を見直すことにより税源の偏在性の是正の方策を講じることとされています。この規定は、地方税には税源の偏在性があること、そしてその主要因は地方法人課税にあるということが大前提になっています。
 しかし、地方税体系というのは、様々な特徴を持つ税目が組み合わさることによって構築されています。ですから、地方税全体として偏在度が少ないのであれば、その内訳として、相対的に偏在はしますが、伸長性に富んでいるという、そういう税目があっても差し支えないのではないでしょうか。
 ですので、取り立てて今回、地方法人課税の偏在性のみを取り出して是正しようとすることの意義は何かということ、これは先日総理にお伺いいたしましたけれども、この問いに対して真正面からの御答弁ではありませんでしたので、いま一度お願いできますでしょうか。
#42
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 地域主権改革、まさに私も掲げる一丁目一番地だというふうに思います。そのためには、地方が役割を十分果たせるためには、地方税を充実をさせて、そして税源の偏在が小さくて、税収がしかも安定的であるという地方税の体系を構築することが重要であります。このような観点から、これまでも地域間の税源の偏在性の小さい地方消費税を導入をしたりとか個人住民税における比例税率の採用などを行ってきたところでございます。
 今回の税制の抜本改革では、地方法人特別税及び地方法人特別譲与税は税制の抜本的な改革において偏在性の小さい地方税体系の構築が行われるまでの間の措置であることを踏まえまして、地方消費税の引上げの時期を目途に見直しを行うとともに、地方法人課税の在り方を見直すことにより税源の偏在性を是正する方策を講ずることとしております。
 今後とも、地方法人課税のみならず、地方税全般、税制全般について税源の偏在が小さくなる努力をしてまいりたいと思います。
#43
○吉川沙織君 現行の地方税財政制度では、地方税の偏在性の是正は地方交付税で対処することとしています。政権交代前の平成十九年十二月二十六日の民主党税制改正大綱では、「法人事業税の一部国税化は税制として矛盾しており、また地方分権の流れに反することから認めない。」と明記しています。なお、このときに掲げました公平、透明、納得が現在の租税原則となっているので、これは我が党にとって大事な大綱だったと思います。
 これらの考え方に立つとするならば、今後、地方法人課税を見直すに当たっては、現行の制度、地方法人特別税、譲与税を存続するのではなく、交付税原資交換論を基本に検討するのがこれは筋ではないかと思いますが、総務大臣、いかがでしょうか。
#44
○国務大臣(川端達夫君) このいわゆる法人課税の問題が偏在の中で一番大きな偏在性を持っているということで、かねてからこういう臨時特別の調整をやってきたけれども、税制を抜本改革するときにはもう一回見直しなさいということになっているということでありますので、我々として精力的にやっておりますが、やはり、様々な議論の中で、やはりあるべき部分でいうと、偏在性の背景として、やっぱり経済活力、それに伴う個人の所得、それから地価の問題等々がもう必然的にありますので、必ずしも一律に全部同じものになるということにならないという意味では、国税も含めた大胆な税源交換という議論が、我々としては提起もしておりますので、抜本的にそういうことに踏み込んで議論しないといけないと思っておりますので、専門的な分析も必要ですので、そういうことをしっかりやる研究をもうスタートをさせる準備をしておるところでございます。
#45
○吉川沙織君 地方法人課税に偏在性があるという場合、人口一人当たりの税収や何かで測るんですけれども、仮に地方で法人が活動を行おうとした場合、行政や財政需要も出てくることになります。それは、昼間の人口が増えることになって様々な行政サービスをつくっていかなければいけませんので、それをもって偏在性があるとかないとかというのはちょっとまた難しい問題だと思いますし、今総務大臣御答弁いただきましたような形で、元々我が党は地方分権を進めるという立場で反対をしていましたので、交付税原資交換論、難しい議論にはなると思いますが、地方分権を推進するに当たって非常に大事な問題になってくると思いますので、是非前に進めていただければと思います。
 さて、最後に、社会保障の安定化や財政再建は、先ほどから申し上げておりますとおり、若年層を含む将来世代の安心感のためにも必要でありますが、今般の改革を通じても十分な安心感は得られないというのが私世代の実感でもあります。ただ、これを一里塚として今後更なる歳出歳入改革そして社会保障制度改革に取り組む必要があると思います。また、あわせて、先ほどからこれも何度も申し上げておりますが、社会保障制度の持続性の観点からも、支え手である若年層の雇用改善にもしっかり取り組むということを総理の口からお伺いしたいと思います。
#46
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 今回の改革の意義というのは社会保障の充実とそして安定化のための安定財源確保と財政健全化の同時達成でありまして、このことによって全て安心がもたらせるのか、特に若年層が納得するかというと、これゴールではありません。御指摘のとおり一里塚だというふうに思いますが、一里塚でも、これは前へ進めなければいけないというふうに考えております。
 そして、特に若年層を含む国民が将来に対して十分な安心感が得られるように、これは歳入面だけではなくて歳出面も含めてもこれから最大限の努力を行わなければいけないと思います。特に社会保障の持続可能性を考えたときに、これいつも人口構成で申し上げますが、遠くない将来に支える側が一人、支えられる側が一人という肩車の社会になるときに、支える側が雇用環境が厳しいというふらふらした状況では、これは社会極めて不安定であります。
 その意味からも、支え手である若年層をよくケアをする、そういう制度改革をしていかなければいけないと、特に雇用の問題、特に重要だと考えております。
#47
○吉川沙織君 参議院は、国会情勢ねじれている状況の中で、本当に完璧な法律というのはできないと思います。ただ、今取り組まなければならない課題が今の法律であるということ、そして、将来世代に対して責任を持つ、そういう責任が我々にあるということを申し上げまして、質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。
#48
○衛藤晟一君 自由民主党の衛藤晟一でございます。
 いよいよ締め総の段階に入りました。さて、最終的にこの締めをめぐって、総理そして我が党総裁との間に二つの話合いが行われました。法案の早期成立と、近いうちに信を問うということでございます。
 先ほどからも質問ございましたが、法案については早期成立ということで、まさに約束をしてから二、三日の間にこれが実行される、二日の間に実行されるということになるわけでもございます。そんな意味で、早期成立という言葉は、もう我々はちゃんと守ろうとしているということは御理解いただけると思います。
 さて、総理の方は、近いうちに信を問うと。当初出された言葉は近い将来ということのようでございましたけれども、この近いうちというのはどういう時期を指すのか、常識の範囲でも結構ですから、是非はっきりと明示していただきたいと思います。
#49
○内閣総理大臣(野田佳彦君) これは衛藤先生御指摘のとおり、おとといの党首会談のときに様々な意見交換をさせていただきましたけれども、お互いに譲り合って、そして国民のために判断をして、三党合意をして、今一体改革関連法案大詰めを迎えていますが、三党合意に基づいて一体改革関連法案を早期に成立をさせること、そして、その暁に、近いうちに国民の皆様の信を問うと、そういうところの確認をさせていただきましたけれども、その近いうちについての解釈はいろいろあろうかもしれませんけれども、そのことを私が明示的にいつなんだと、特定の時期、こうなんだということを言うことは、これは控えるべきではないかというふうに思っておりますし、だから、近いうちには、まさにそれ以上でもそれ以下でもないということでございます。
#50
○衛藤晟一君 まさにそれ以上でもそれ以下でもないという言葉がありました。
 私ども、普通お話ししておりましたら、話をして将来はねと言ったときには、これは相当先のことで、やるかどうか分からないことも入れての言葉のようなニュアンスを持っています、常識的に言えばですね。それから、それ以下でもそれ以上でもないということで近いうちにという言葉を使いましたが、近いうちにというのは、普通は二、三週間とか今月以内とか一か月以内とか、大体そういうものを常識的には我々使っていますので、ですから、是非私どもも、それ以下でもない、それ以上でもないと言うのであれば、そういう具合に理解をして進めさせていただきたいと思っていますので、どうぞよろしくお願いします。
 こんなにもめるようになったもう一つの理由は、私は、総理が就任されたときに、そのときに実は二つ問題を指摘させていただきました。一つは、小沢さん、既にある意味での政治生命というのは終わろうとしているのに配慮し過ぎだ、その象徴的な人事が幹事長人事ではないのかという話を一つさせていただきました。その幹事長が、常に何とかまとめようとしている与野党に対していろんな言葉を言っている。
 今回も一番もめたのは、もうずっと審議も詰まってきたからぼちぼち採決をというときに、二十日の週から締めに入ればいいと。ということは、二十日の週から締めに入ればいいということは、それからほんの三、四日すると参議院に送られてきて六十日になるわけですから、いわゆる審議未了にして衆議院にまた再送付しようという腹かな、いわゆる参議院では審議を終了させないという腹だなという具合にどうしても思ってしまいます。しかも、そのとき総理の発言も、次の予算編成はとか、あるいはいろいろなほかの法案についてはとか、大変、今度は、失礼ですけれども、与党の筆頭理事さんはそこで修正案を提案されましたので、あっ、これみんな一緒になって我々にちゃんとやれやれ言いながらその気がないんだな、だましたんだなという具合に我々は取ったということだけはちゃんと御理解をしていただかないと、今回の経過について恐らく総理は分からないと思うんですね。
 我々はこつこつこつこつとちゃんと履行してきた。もちろん現場ではそれはやりましたよ。しかし、上の方で、民主党の幹事長や、あるいは総理自身の発言の中でも、あるいは筆頭理事さんからも、そういう意思ではなかったということかもしれませんけれども、そういうものが重なってくると、当然、ああ、何だ、我々をだましてきたのかという具合に取ったということだけは御理解をいただきたいと思うんです。
 そういう中で、また御党の幹事長は今回に関しても、近いうちにこだわる必要はないとか、合意したすぐ後にこんなことを言うわけですよ。むちゃくちゃですよ、これは。それから、総理と総裁、二人がいなくなればこの二人の話は終わりでしょう、公党の党首としてちゃんと話し合ったのにいきなりこういうことを言う。もう本当におかしな話ですね。我々はよくもこんな方々と真面目に付き合ってきたと、本当にそう思っていますよ。普通であればこんなの、逆切れして爆発したってしかるべきときですよ。それでも我々は一旦約束したから、最後まで耐え難きを耐え忍び難きを忍んでちゃんとやってきたということだけはひとつ御理解をいただきたいと思います。
 総理の見解を求めます。
#51
○内閣総理大臣(野田佳彦君) これは三党合意の際に幹事長会談もやったときに、三党合意を踏まえて一体改革は早期に成立を期すという文言が入っています。したがって、これは党執行部だけではなく党全体として早期に成立を期してきたところであります。
 今、個々のいろいろな発言がございましたけれども、少なくとも本意は、私、幹事長の発言聞いておりませんが、仮定の話に対して仮定で答えても意味がないという文脈の中での私は説明だったというふうに思います。
 私の発言に関して申し上げれば、予算の話で誤解を生んだということでございました。これは是非誤解を解かなければいけないと思いますけれども、日本再生戦略を七月末に閣議決定をしました。それを踏まえて、これから八月というのはシーリングの時期になってまいります。予算を編成をしていくのがこれはやっぱり政権の務めです。八月にやるべきこと、九月にやるべきこと、年末にやるべきことあります。その一連のプロセスの中で日本再生戦略を踏まえた対応をしなければいけない趣旨の発言をしているわけでございますので、それは政権を預かる責任上の話でありますので、誤解のないようにお願いをしたいと思います。(発言する者あり)
#52
○委員長(高橋千秋君) 御静粛にお願いします。
#53
○衛藤晟一君 その個々での対応をそういう具合にしたんだろうと言いますけれども、少なくとも今までこつこつこつこつ積み上げてきた者にとってみると、完全な裏切りなんですよ。いいかげんに、ころころころころ手のひらで転がすようなことでそれが通じるなんて、こんな具合に思ってもらったら私は大変なことだと思っていますので、その認識をちゃんとしていただきたいと思っています。
 総理とそれから自民党の野田先生にお聞きしたいんですね。
 今回この消費税でこういう三党合意になったということの理由について、やっぱり国民の前に一回明らかにしておかなきゃいけないと思うんですね。
 自民党は消費税一〇パーを約束していました。しかし、御党は約束をしていませんでした。しかし、そういう中で、言わば今の状況を見たときに、これは大変だ、将来的に何とか財源を確保しなければいけないということでここに踏み切られたということについては、総理の何度も皆さん方への御答弁をお聞きして強く理解するところであります。
 しかし、片っ方でそういうことを言いながら、実は社会保障についての改革案は一体改革と言いながら全く示されていなかったんですよ。後期高齢者医療制度を廃止すると言っているけれども、何ら言及なし。それから、最低保障年金、これもよくよく聞くと最低保障年金ということについては看板に偽りがあって、中身と全然違う。それから、年金の一元化、これもよく分からない。それから、介護保険だってどうするか分からない。全て、言わば今回の一体改革と言いながら何ら示し得なかったんです。
 そういう中で、我々は消費税の引上げを賛成と言っていましたから、やるべきだと言っていましたから、反対ができないから、ちゃんとやるべきところはやってくれないととても前に進めませんよということでここまで来たんだという具合に私は認識を持っていますが、まず野田代表にお尋ねします。
#54
○衆議院議員(野田毅君) 二つほど御質問の中身の重点があるかと思います。
 最初は、そもそもこの内閣で消費税を含む抜本改革をやる資格があるかどうかということがあったと思います。私どもは、元々今まで政権与党としていろんな苦渋の中でやってきて、もう社会保障の財源をほかの予算を削って投入していくということだけでは限界がある、借金を増やすこともこれ以上は限界がある、そういう中からあえて消費税の引上げを含んだお願いをしなきゃいけないということで選挙でも公約をしてきた。したがって、ある意味では今回の社会保障と税の改革は我が党にとってみれば公約の実現であるということも言えると思います。
 そういう中で、一方で与党の方からいえば、我々から見れば明らかに違うじゃないかと。そういう意味で、まず公約を正しい公約に切り替えた上で選挙して、そして有権者に対するその公約の実行としての改革をしてほしいと。まずそういう意味で選挙してくださいと、それから抜本改革に行きましょうと、私どもは長くそう言ってきたわけです。しかし、もう国際情勢もあり、それから総理も、まあそうはいっても今はもうそれだけの時間的余裕もないと。私どもには解散権はありません。
 そういう中で、膠着状態では何も決まらないということで、あえて私どもは一歩進んで、まずその順序を逆転をして、この一体改革は我々も一緒にやりましょうということで踏み出したということで、まずは法案を通した後、そして速やかに解散をお願いしようというのが私どもの立場でございました。
 それからいま一つ、社会保障についての問題について言えば、私どもが党で公約しましたのは、率直に言って、この五%を一〇%に上げようと、当面、ということでは長期にわたる根本的な抜本的な社会保障制度改革は無理であると。やろうとするならば、それ以上の消費税の引上げをも念頭に置きつつ根っこから議論しなければ長期にわたる安定したものをお約束するには至らないんじゃないかということから、当面一〇ということでお話をしました。そういう点で、民主党の掲げている最低保障年金七万円、保険料の引上げだとか消費税の引上げだということを横に置いた上でおやりになるということは、とてもじゃないが財源なきばらまきにつながると。
 そういう意味で、我々は、これから先の高齢化の更なる加速を考えた場合に、必要なお金はむしろ借金やらほかの予算を削ってくるんじゃなくて、せいぜい保険料の更なる引上げあるいは消費税という範囲の中でお願いしようというこの基本的なことを新たな社会保障制度を考えるときの基本、我々は基本法、今回は推進法ということになりましたけれども、一番の原点は財源なきばらまき的な給付の話だけが先行することは避けようということでございました。
 そういう点で、今回は我々の考えに理解をいただいて共同提案ということになりましたので、我々の考え方としては、財源を示さないままでのあるいは医療の話であったり長期的な年金制度の構築であったりということはこれによって歯止めを掛けたと我々は判断をして今回の共同提案ということになったと、こう理解をいたしております。
 長くなって恐縮でした。
#55
○衛藤晟一君 じゃ、総理に。
#56
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 二月に政府として大綱を閣議決定をさせていただきました。その大綱は、社会保障の全体像と、そしてその後の工程をまとめたものでございましたので、社会保障のあるべき姿、全体像が我々も全く念頭になかったのかというと、そうではありません。全体像があって、その上で今回、年金であるとか子育て等々について法案を提出をさせていくと、そういう位置付けの中で財源は消費税ということでございましたので、元々全体像がなかったわけではありませんが、今回、三党間の合意によって生まれた推進法、今、野田毅先生お話があったとおり、これは御党の基本法骨子を土台にして議論をさせていただきました。その基本法骨子を踏まえて議論をさせていただきながら、今申し上げた私どもが掲げているこれからの社会保障の姿についても、推進法に記載をされているような国民会議等々においてこれから議論の俎上に上ることができると思っております。
 その意味では、単なる、よく言われている増税先行ではなくて、きちっと社会保障を裏付ける、支えるための安定財源確保であると、そういう位置付けのもので私は各党が認識を一致できたのではないか、その意味では大変意義があるというふうに考えております。
#57
○衛藤晟一君 そうですね、自民党が出していた基本法にのっとって議論をしてくれたということでございますので、そのことについての評価はいただいたというように思っております。
 さて、今お話もありましたように、実は社会保障をこれだけやるとしますと、例えば最低保障年金、最低保障年金をちゃんとやるとしますと、普通のイメージであれば、七万円の最低保障年金というと、いわゆる基礎年金部分を全部保障するんだなというように当然取りますよね、これ、誰だって。そうすると、六万六千円のときの基礎年金、全額を国で負担しますと二十二兆ですが、七万円になりますと二十四兆ぐらいのお金になります。それが今、三分の一から二分の一になるということで、十一兆あるいは十二兆ということになるわけでありますけれども、それを、最低保障年金という看板を立てた以上は、結局、なかなかやろうとしてもできない。現実的にそれを二十数%ぐらいにしなければ到底できる話ではないんですね。しかし、民主党は、財源を明らかにしないまま、最低保障年金という国民に誤解を与えるやり方をやったんですよ、現実は。
 結局、詰めていくと、最低保障年金、保険料を払わなかった人には給付というか受益はありませんよ。これは、もっと詰めていくと、払えなかった人、あるいは少ししか払わなかった人も掛けた年数によってまた変えるんですよということを言い出した。ということは、最低保障年金という呼び名には全くふさわしくないんですよ。
 大いに国民の皆様に誤解を与えてきた、それが、いわゆる議論の歯車のかみ合わない部分がたくさんあったということについて、厚生労働大臣にそれに対する見解を私は求めたいと思っています。
#58
○国務大臣(小宮山洋子君) 新しい年金制度は、払えるのに払わなかった、意図的にこの制度に加入しなかった人には払いません。ただ、制度に加入しているのに払えなかった人に対しては満額の最低保障年金を出すという形にしています。
 今おっしゃったように、非常に大きな金額が掛かるというふうに言われますけれども、どこの部分にどれだけの最低保障をしていくかというのは、今制度設計を党内でしておりますので、その制度設計次第によって、そんなに額を掛けないでやる方法もあるかというふうには思います。
 現行制度のままいっても、二〇七五年のときには三%ぐらいは更に必要になりますので、そこのところは今詰めているところでございますので、制度に……(発言する者あり)
#59
○委員長(高橋千秋君) 御静粛にお願いします。
#60
○国務大臣(小宮山洋子君) 加入している人には一定額以上の年金を保障するという意味では、最低保障年金という名称が必ずしも不適切だったとは思っていません。
 ただ、幾つかの、自営業者にどうするかとか、中ぐらいの所得の方たちが減るとか、問題点が私どもが提案をする新しい年金制度にもございますので、そうしたことについては、御提案による三党での合意、また国民会議の中で、私どもはやはり無年金、低年金なくすためにこれが必要だと主張してきていますので、その主張をさせていただきながら、そこで合意を得るということだというふうに考えています。
#61
○衛藤晟一君 いつまでもそんな詭弁を弄したって駄目ですよ。最低保障年金というのは、あらゆる人に七万円を保障しますって書いていたんですよ。しかし、もうその時点で、払わなかった人には払いませんと。もう最低保障年金じゃないんですよ、払わなかった人には払いませんと。
 それから、払わなかった人の中にも、意図的に払わなかった人もいるでしょうし、払えなくて払わなかった人もいるんですよ。あるいは、今度は、いわゆる払わなかったけれども、ちゃんと手続を取って払わなかった人もいるんですね。それに対して今の年金制度は、各々ちゃんと手続を取った方は国庫負担分だけはお返ししますよ、そういう具合にしているんですよ。そういう具合にしていわゆる保障機能を、最低の保障機能を付けようとしているんです。だから、最低保障機能をどこかで持とうかというのと最低保障年金というのは決定的に違うんですよ。そのことを意図的に誤解するようなことを与えたことは、混乱させたんじゃありませんかと。
 ここは、だから大臣、はっきりとそういう混乱が生じたと思いますということを認めればいいんです。私どもはそれ以上のことを言おうなんて思っていないんです。だから、議論をちゃんとするためには、やっぱり誤解を与えるような表現になっていたことは事実ですねと、それだけでいいんです。どうぞ。(発言する者あり)
#62
○委員長(高橋千秋君) 御静粛にお願いします。
#63
○国務大臣(岡田克也君) まず、最低保障年金というのは、それは独立したものではないんですね。所得比例年金と最低保障年金を併せて我々は年金の抜本改革ということで提案させていただいているわけです。
 委員御指摘の全ての人に最低保障年金として七万円という話は、これは以前はそういう議論もありました。しかし、我々は今そういうことを言ってはおりません。七万円は……(発言する者あり)
#64
○委員長(高橋千秋君) 御静粛にお願いします。
#65
○国務大臣(岡田克也君) 七万円は、これは保障するといっても、それは最低保障年金で保障している部分と所得比例年金で保障している分、それを組み合わせて出すということは、これははっきりしておりますので、我々の図を見ていただいてもそのことははっきりしております。
 それからもう一点、先ほど厚労大臣も言われたところですが、制度に加入しながら、所得が少なくて、そして保険料がそれだけ払えていないと、そういう方については七万円は保障するというのが我々の考え方で、これは現行制度とは異なるところでございます。
#66
○衛藤晟一君 そんな言い訳ばっかり言ったら駄目ですよ。最低保障年金については七万円、あなた方はマニフェストに書いている、そのことが多くの方に誤解を与えたんじゃないんですかと。そのことを突っ込まれて、今はそう言っていませんと。確かにそうですよ。それは言えないですよ、そんなばかなことをね。言えるはずないじゃないですか。(発言する者あり)マニフェストには書いていますよ。書いていますよ。誰にでも七万円保障します、最低保障年金って書いていますよ。そんなばかなことを言うから困るんですよ。うそばっかり言うから、看板に偽りがあったんだということだけ言っているんです。だからそのことだけ認めなさいと私は言っているんです。
 じゃ、次に行きます。
 総理、これだけの改革をやるに当たって、私ども非常に心配なところがあります。これ、財務省から太田さんもおられますけど、それから財務大臣もおられますけど、実は自民党の時代、平成六年に少子高齢化社会を乗り切るためにということで懸命に頑張ってきたんです。平均すると、麻生内閣のときまで平均七千五百億ずつのアップを続けてきたんです、社会保障国庫負担を。それで少子高齢化社会を乗り切ろうと思ってやってきたんです。そのために削ったものは、公共事業や、それから防衛費もマイナス一〇パー、それから無駄も削る、それから剰余金もつぎ込む。皆様方がちょうど選挙のときに言ったことは、全部実は十五年間やり続けてきていたんです。
 だから、実はこの社会保障をちゃんとしようと思ったら二つ要るんですね。
 もうこれ以上ほかから財源を持ってくることはできないと、だから消費税をやるしかないと。しかし今度は、消費税をやったときに、これは財務関係の方に聞いてもらいたいんですが、平成九年のときの言い訳が、結局最後はアジア危機だったということだけだったら、今ユーロの問題がこれだけ大変になっているときにまた言い訳に使って、もし増税をやっても増収につながらなかったらこの国は潰れるんだという認識をちゃんと持っているのかどうかと、その覚悟があるのかどうかということをまず一点目として我々は聞かなきゃいけない。どうしても消費税を引き上げるということとセットとなってやらなきゃいけない。
 もう一つは、持続可能なためには、今言った財源の確保と、もう一つは、実は効率化をしなければ、湯水のようにあるわけじゃないんです。だから、我々は懸命に七千五百億アップを努力してきました。しかし、あなた方の三年間は、あの国庫負担に対する二・六兆を除いても、三・六兆、三年間で国庫負担を引き上げてきた。毎年七千五百億の自民党の効率化しながらアップをするのから、一・二兆、合計で三年間で三・六兆引き上げてきた。
 いわゆる効率化の努力を全くしないでこの消費税の引上げを要求したということについて、このところの覚悟と決意をちゃんと示していただかなきゃ、でなかったら、今度の消費税引上げでもし失敗したら、少なくともこの国の財政は決定的に破綻する、少子高齢化社会を乗り切れない、持続性のある社会保障制度とはならないということだけは本気で自覚し覚悟しているんでしょうね、そして、それを乗り切るだけの覚悟は、どんな立場になろうとも共にやろうという覚悟はあるんですねということを総理にお伺いします。
#67
○内閣総理大臣(野田佳彦君) これまで、自民党政権というか自公政権の時代に社会保障の財源確保をするために、様々な歳出削減も含めて御苦労をされてきたということは私も事実だというふうに思います。実際、社会保障、毎年自然増で一兆円伸びるという中で、それを支えるためにほかの政策分野を削らざるを得ないということがあったと思います。あるいはそれでは足りないから将来世代の負担に付け回すと、そういう状況が続いてきたと思います。
 政権を引き継いだ後に我々はそれ何もやっていないのかというと、そうではありません。事業仕分を含めて、政権交代があったがゆえに、違う観点から歳出削減がどういう形でできるかということを我々もこれ全力を挙げて取り組んでまいりました。これはこれからも続けなければいけないと思います。
 効率化、重点化のお話ございましたけれども、やっぱり雑巾はきちっと絞っていくという努力は、これは不断の努力だと思います。どの政権でもやらなければいけません。でも、それだけで、それだけの努力によって毎年一兆円も自然増が増えていくような社会保障をきちっと支えていけるかというと、やっぱり困難です。困難であるがゆえに、したがって、今回のように安定財源をきちっと確保して社会保障に対する将来の不安をなくすという意味、歳出削減もやらなければいけないけれども、消費税という、国民の全ての皆さんが、将来世代に負担を負わせないでみんなで今支えていくために税負担しようと、そういう改革はやらなければいけないということでございますので、その点は御党とも認識、危機感が一致したのではないかというふうに思います。
#68
○衛藤晟一君 まだ認識は相当甘いと思いますね。
 いきなり社会保障も一兆と言いましたけど、我々もこれだけの、介護保険制度の導入だとか高齢者の医療保険制度とかいろんなことをやりながら懸命に平均七千五百億に効率化してきたんです。でなかったら到底乗り切れないと思ったからやってきたんです。
 しかし、御党は、幾ら言おうが、努力をしたと言いますよ、それは。何もしなかったら恐らく一年間の社会保障国庫負担は一兆三、四千億ぐらい上がったかもしれません。だから、一兆二千億によくとどめたといえばよくとどめたんでしょうけれども、それでも平均七千五百億に比べたら大変な上がり方なんです。財源のめどが付かないで、全部赤字国債に頼って上げてきたんです。
 ですから、いつの間にか一兆円が当たり前だろうみたいな基調になって話をしていますけれども、これだって本当に財源の裏付けも何もないでやっているんですよ。だから、全体の話の基調が非常に甘過ぎると思っていますよ。そんなに甘いことではありませんよ。この少子高齢社会を乗り切るために、少なくとも恐らく八千億ぐらいの、効率化をしながらあと十五年間は要るんですよ。八千億を十五年間といったら、十二兆円のお金は要るんですよ。その冒頭で皆様方はいきなりもう一・二兆、一・二兆、一・二兆、三・六兆は、若干努力してきましたって、単なる言い訳でしかすぎませんよ。それは努力してきたことは認めますよ。しかし、そういうことだと。
 そして、今度、消費税を引き上げながら増税を増収に結び付くことができなかったら、もう削るものはないんですよ。大震災が起こってみて、いわゆる国土をもっと強くするためにもお金もある程度必要、それから将来に向けての投資も必要、それから周りの安全保障からいっても、いわゆる南西諸島に対する安全保障の強化も必要、これだけはっきり分かってきているわけです。それから言わば公共事業のようなものも、国土を防災という立場から相当な投資もしなきゃいけないというのがめじろ押しにある中で、今度は社会保障も一緒にやっていかなきゃいけない。我々は共に二重の大きな荷物を背負ったんですよ。
 そして、今度は、もうこれに失敗したらこの国が本当にどうなるか分からないというぎりぎりのところの決断であるから、我々もあえてこの案に乗らざるを得なかった、一緒に荷物を担ぐしかないという具合の決意をして乗ったということですから、今の認識ぐらいでは、総理、甘いですよ。そんなに日本の状況は甘くないですよということだけちゃんと申し添えておきたいと思いますが、総理、どうですか、本当に。
#69
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 何と言ったらいいんでしょうね、七千五百億でやってきたと、だから、毎年、本当、自然増のうち二千五百億は削っておくというやり方が、結果的には、あのころ、私どもは総選挙でもお話しさせていただきましたけれども、医療崩壊であるとか、あるいは介護の心配等々弊害も出ていました。その中で、お金の使い方のめり張りを付けることによってどうやって安心をつくっていくかという形の私は効率化もやりながら努力をしてきた結果が一兆二千億なんです。でも、そういう工夫だけではもはや足りない、それは、危機感はそれは委員と全く同じであります。
 そうした様々な努力、それぞれの政権でやってまいりましたけれども、先送りをしてきたことはやっぱり安定財源を確保することでありました。その安定財源を確保していこうというところで認識が一致したと思います。この認識の一致点を踏まえて、これから責任を持って社会保障の安定化、充実、お互いに汗をかいていければというふうに考えております。
#70
○衛藤晟一君 まだ、医療崩壊起こった、だから、医師の充実から何から、あるいは介護現場での給与が低い、これは全部自民党の時代に手を打ったんですよ。よく考えてくださいよ。
 だから、別にそこのところを、一部言われる中で、介護保険をつくることに私どもは大変な努力をしましたから、私は世界に初めてのこういう制度、よくできたと正直言って思っていますよ。で、まあまあ運営されている。ただ、その中で起こったことは、例えば介護現場の方の給料が安いということで、それは自公の中で四年前に実施したことです。それから、医療の問題も、これは大変だということで、後期高齢者医療保険制度、これは崩壊と言うかもしれませんけれども、結局、やったことによって、今皆さん方は誰も文句言わないじゃないですか。そういう手はそのときに打ってきたんですよ。
 だから、ただ何かアジテーションみたいにそういうのがあったあったということを言われていますけど、そういう認識がやっぱり私は非常に甘くなっているという具合に思います。懸命にそういう手を打ってきたと。
 そういう中に立って、今度、消費税の引上げに伴って、本当にちゃんとした増収にならなければ大変なことになる。それから、同時に相当な効率化をやっていかなければ、幾ら言ったってそんな財源に余裕があるわけではない。今回の五%にしても、本当に行くのは一%でしょう、あとは全部過去に対してでしょうということについてはよく御認識をされて、ちゃんと進めていただきたいというふうに思います。
 それでは、改めて総理、こういう具合にして今回の三党合意ということになって、数々の政府提案の法案に対して三党合意によって修正、見直したところでありますけれども、見直しの総体的な評価について、先ほどちょっとお話がありましたが、改めてお尋ねします。
#71
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 社会保障とその税の在り方について、衆議院の段階で百二十九時間という総質疑時間でかなり活発な議論を行って論点整理をし、それを踏まえて三党によって三党合意を行って、そして修正をする形で、今参議院で御審議をいただいていますが、この参議院における御審議も、地方公聴会、中央公聴会を含むと八十時間を超えるという総質疑時間、衆参合わせると二百時間を超えるという大変長い時間掛けて、様々な角度から密度の濃い御議論をいただいてきたこと、私は、これは日本の国政を考えたときに、国益あるいは国民の心配にこたえるためにそれぞれの党が歩み寄って、いい議論ができたと思います。
 その中で、いろいろ評価があるかもしれませんけれども、社会保障の将来をどうするかということを議論をする国民会議等々、そういう場ができたこと、当面今すぐやらなければいけないことについてきちっと法律で提案をしているということ等々踏まえて、私は大きな前進があったと評価をしているということ、評価というか、大変感謝をしているとともに、国民の皆様の評価につながるようにきちっと説明していかなければいけないと考えております。
#72
○衛藤晟一君 ちょっとまた話は戻りますけど、結局、平成九年の消費税の引上げの段階から大幅な結果的には減収となったんですね。平成九年には税収の決算が五十四兆、それから十年度には四十九・五兆、十一年度には四十七兆という具合にですね。無駄遣いのカットや埋蔵金処理などをしてきたわけでありますけれども、本当に思い切った先ほど言いましたように成長戦略がなかったら、言わば社会保障の効率化と成長戦略というのはもう絶対の車の両輪ですから、片っ方のこの成長戦略についてのイメージをどう思っているのか。
 それから、やっぱり効率化について本気でどう考えているのか。でなかったら、これは持続あるものとして毎年のこの増大する社会保障をとても賄っていけないというように思うんですが、それについての見解を改めて総理に問います。二つ。
#73
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 社会保障を充実させなければいけない部分は充実させなければいけませんけれども、やっぱり社会保障と言いながらも、聖域化してその効率化の議論をタブー視してはいけないというふうに思っていますので、当然のことながら、効率化、重点化すべき分野というものについての議論も深めていかなければならないと思いますし、今回もそういう制度については念頭に入れた対応になっているというふうに思います。
 あわせて、やっぱり財政の健全化と成長を同時に達成していくというのが、我が国のみならず、今世界の主要国にとっての大きな命題だと思います。したがって、きちっとした成長戦略の下に経済政策を講じていかなければなりません。
 その意味からも、七月三十一日に日本再生戦略を政府として閣議決定をさせていただきました。この日本再生戦略というのは、柱が四つございます。一つは、これはグリーンイノベーションという形で、グリーン、すなわちエネルギー・環境分野でございます。加えてもう一つが、ライフイノベーション、ライフ、これ医療・健康分野でございます。
 私も、先般、岡山県である会社を視察をさせていただきましたけれども、プロペラを作っている、そういう技術を持っている会社が、中小企業でありますが、様々な医療機関と情報交換をしながら人工関節を作っているとか、そういうまさに実業の分野と研究分野とを結び付けることによって、検査機器だけではなく医薬品においてもかなりマーケット拡大につなげるようなことができるだろうと思います。
 加えて、まさに日本の成長産業として位置付けていかなければいけないのは農林漁業であるとか、あるいは中小企業であるとか、こういう分野についてきちっといわゆるイノベーションを起こしていくということを柱にして日本再生戦略をつくらさせていただいておりますので、これに基づいて国内の需要を喚起し、デフレ脱却と経済活性化につなげていく努力をしていきたいと思います。
#74
○衛藤晟一君 今回、目標値として実質経済成長二パー、名目三パーということでありまして、私はもうちょっと上げて本気で頑張らなきゃいけないという具合に思っているんですけれども、その総理の覚悟についてやっぱりもう一回お聞きしたいと思うんですね。どうぞよろしくお願いします。
#75
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 御指摘のとおり、法案の附則の第十八条第一項において、政策努力のこれ目標としてでありますけれども、平成二十三年度から三十二年度までの十年間の平均において名目の成長率三%程度、実質の成長率二%程度を目指すということになっています。
 これ、もっと高くした方がいいという御意見かもしれませんが、過去十年の成長率であるとか人口減少、高齢化の継続による労働供給面における制約などを考えれば、これを三%、二%というのもこれは決して低い目標であるとは私は思っておりません。こうした政策目標の中で、様々な経済政策を講じながら、この数値を実現できるように全力を尽くしていきたいと思います。
#76
○衛藤晟一君 今、私どもやっぱり子供に聞きましても、このままほうっておいたら世代間戦争が起こるよと、三十そこそこでありますけど。働いている若い人たちはやっぱりそう今思い始めているんですね。これは、私は本当に大変なことなんだろうという具合に思います。国家が信頼を回復することと、それからやっぱり世代間の戦争にさせてはいけないというふうに思うんですね。そういう意味では負担の部分もちゃんとしなきゃいけない。
 だから、やはり消費税引上げの前には、今はほとんど高齢者も、あるいは障害者なんかも、世帯で一緒のところでその費用分担決まっていますけれども、三世代だからねというようなことでの子が親の分を負担するとかいうような格好には全部していないんですよ、御承知のとおり。介護保険料もその世帯だけの、夫婦だけの所得に応じて。
 昔は、例えば特別養護老人ホームに入るのに、息子さんの所得も合算してやるから、三世代で一緒に住んでいたら費用がたくさん掛かると、親孝行している人ほど費用が掛かるというようなことだったんですね。それを全部世帯には切り分けたんです。しかし、個人には切り分けたらこれは成り立たないんですね。だから、そういう意味では、家族という単位は大事にしていくと。しかし、そのときに、親孝行していればしているほど費用負担が増えるという逆のことだけはやめなきゃいけないということで、家族による負担だけはできるだけ軽くしていくようにしていきましょうということでやってきたんですね。
 そういう意味においては、やっぱり今、高齢者に対するいろいろな費用負担もフローに対してですね。我々は介護保険をつくるときに、このストックに対して何とかできないかということで二年か三年ぐらい大変な議論をしたんですけれども、リバースモーゲージもなかなか完全には実現できませんでした。そうなりますと、当然、やっぱり相続というものに対して、だって国でみんなで見ているわけですから、それがやっぱり少しはその費用として国に返してもらうというようなことを考えなきゃいけない。あるいは、家族で支えているのに、家族への扶養控除とか配偶者控除までこれなくすなんという案が民主党の中に出ていますので、ちょっと勘違いしているんじゃないでしょうかという具合に私は思うんです。
 財務大臣の見解をお尋ねします。
#77
○国務大臣(安住淳君) 日本の貯蓄を世代別に見ても、実はやはり高齢者の方の持っている貯蓄の方が現役世代よりも多いという傾向もあります。
 そうした点からいうと、先生御指摘のように、やはりこれからの高齢者社会の中で若い人たちに不公平感を持ってもらわないようにするにはどうしたらいいかとなれば、当然、資産課税の見直しというものを現実的にやっていかないといけないと思います。
 三党で合意をさせていただきましたけれども、今回、年度改正をこれから始めますけれども、相続、贈与等についてはやはり少し切り込ませていただいて、御負担をお願いをすることによって少しでも若い人たちに対して不公平感を持たれないようにすると同時に、今御指摘のように資産の移転、これを贈与しやすいような環境づくりというものもやっぱりしっかりやっていきたいというふうに思っております。
#78
○衛藤晟一君 それでは、もう時間も短くなりましたので、子ども関係の三法について、原則、まあ不十分ながら私どもとしては賛成しているわけでございます。ただ、その中で二、三問題点を指摘をさせていただきたいというように思っております。
 この子育ての関連法案が機能していくためには財政的な裏付けが必要であります。給付費、委託費等による長期に平準化された支援と組み合わせて地域における保育体制の充実を図るべきだというふうに考えています。
 交付金による施設整備への支援についても、現在の安心こども基金からの支援が四分の三以内の補助率を明記した児童福祉法第五十六条の二の趣旨を体したものであるという具合に思っていますので、この水準を維持しなければ、なかなか保育所の維持、存続あるいは改築等ができなくなってくるわけでございますので、この安心こども基金について新制度移行直前まで延長し、認定こども園の認可外部分にも十分適用できるようにする等、改善充実を図る必要があると思いますが、この点について少子化担当大臣にお尋ねします。
#79
○国務大臣(小宮山洋子君) 前段でおっしゃいましたように、地域での保育体制の充実を図るために、新しい制度では、保育所の整備などに関しまして、保育所の施設基準に基づく整備費用と減価償却費の全国的な状況を勘案いたしまして、その一定割合に相当する額を組み込む形で給付費、委託費を設定をして、長期にわたって平準化した形で施設整備を支援することにしています。
 加えまして、新制度に移行する保育所については、当面緊急に対応する必要があるので、増加する保育需要に対応するための施設の新築や増改築、施設の耐震化その他の老朽化した施設の改築などに対しまして市町村が計画的に対応できるよう、交付金で別途の支援を行うことにしています。
 これにつきましては、今おっしゃったように、現在の安心こども基金からの施設整備費、整備の補助が公費により四分の三補助されていますので、新制度の実施に当たりましては、現在の補助水準、維持することを基本に考えたいと思っています。
 そして、この安心こども基金はいろいろな面で本当に役立ってきた基金でございますので、衆議院の附帯決議では、「制度施行までの間、安心こども基金の継続・充実を含め、子ども・子育て支援の充実のために必要な予算の確保に特段の配慮を行うものとすること。」とされまして、また、参議院でも御議論いただいていますので、そういう意味では、二十五年度以降の取扱い、これは予算編成過程で財源をしっかり確保できるように努めていきたいと考えています。
#80
○衛藤晟一君 ありがとうございました。
 幼児教育や保育の無償化問題につきまして早急に検討を行って進めなければいけないと思っています。当面、幼児教育に係る利用者負担の軽減を図るとともに、新制度における幼児教育に係る利用者負担については保育に係る利用者負担との公平性を確保する必要があると考えますが、少子化担当大臣の認識をお伺いします。
#81
○国務大臣(小宮山洋子君) 幼児教育、保育に関する保護者負担の軽減について、政府はこれまで、幼稚園につきましては、幼稚園に通う幼児を持つ保護者の経済的負担、軽減するために、市町村が保育料などを軽減する場合にその経費の一部を補助する就園奨励費補助金を充実をしてきました。保育所については、保育所運営費での所得に応じた負担軽減といった取組を行ってきました。こうしたことによりまして、低所得の世帯を中心に、保護者の負担、相当程度軽減されてきていると考えます。
 この幼児教育、保育の無償化については、保護者負担の状況、財源の問題、また国、地方の役割分担などを考慮した検討が必要だと思っています。新制度では、認定こども園、幼稚園、保育所を通じた共通の給付の施設型給付を創設をすることにしていまして、幼児期の学校教育に係る利用者負担、保育に係る利用者負担の関係についても整合性を図って対応していきたいというふうに考えています。
#82
○衛藤晟一君 今度の社会保障の子供のところにつきましては、幾分やっぱり少子化問題といろんなところの混線があったように思うんですね。そこだけはひとつ整理しておかなきゃいけないと思いますので、最後に総理の見解を求めたいと思うんですね。
 元々、少子化が起こりました。そうすると、地方における保育園や幼稚園は定員割れをじゃんじゃん起こしてきたんです。ですから、この枠を緩めて定員割れを起こさないように、それから、もう官の方はやめて民間委託してくださいとか、そういうことを通じながら、ちゃんと幼児の保育だとかあるいは教育ということが行われるようにという配慮をずっと続けてきたんです。
 ところが、その最中に起こったことが、何と少子化という大きな流れがあるんだけれども、都会における待機児童問題が同時に起こっていたんですね。だから、普通であれば、少子化ということだから都会だって少子化で大変だなと思ったところが、逆の事象が起こってきた。この待機児童を今度は同時にどう解消するかということが我々に与えられた社会保障における一つの使命なんです。そうですね、もう提案者は分かっておられますので、皆さん。
 そうすると、今度は都市における待機児童を何とかしようというふうに思いましたら、何が一番の隘路かというと、一番の隘路は土地だったんです。地価の高いところ、大都市ですから、地価が高いからそこに簡単に保育所がつくれない。そうなりますと、都道府県や、あるいは市町村や、市や、あるいは国が、できるだけこういうところに対して土地を安く払い下げたり、あるいは無償で特別の貸出しをやったりとかしながら充実してくださいよということをやらなきゃいけない。もちろん、この前に我々は、ライフサイクルとして育児休業保障制度とかいろんなものをつくりながらちゃんと充実してきたわけでありますけれども。
 これを同時にやらなきゃいけないということになったわけでありまして、そこのところの認識をちゃんと、どうされているのか、どうもごちゃごちゃになっているんじゃないかという気がします。一言、総理に、このことの認識についてどう思われているか。
 それからもう一つです。
 そうすると、こども園につきましては、実はこの問題とも関連はするんですけれども、主たる本当の問題は、最近の育児、育児というのは保育と教育に分かれるわけですね、機能で分割させて考えると。この機能が各家庭や地域において極端に落ちてきたと。その認識の中で、このこども園というのは、その育児ということを保育と教育とに分けないで一本にして、そして地域や家庭をバックアップするものとしての位置付けをやる必要があるということでやらなきゃいけないというように思っているんです。その位置付けはまだまだ不明確なんですね。
 それについて、まずは自民党の提案者と総理に対してその見解をお尋ねをしたいと思います。
#83
○委員長(高橋千秋君) 馳浩君。簡潔にお願い申し上げます。
#84
○衆議院議員(馳浩君) 元々、認定こども園には地域子育て支援の機能がございますし、拠点ではありますけれども、受け入れるばかりではなく、出かけていっても、やっぱりそういった支援を拒む方もおられるわけでありまして、そういった包括的な支援をしていくんだということを今後明示していかなければいけないと思います。
#85
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 私ども、元々総合こども園という形で提案をしておりましたけれども、認定こども園というものを拡充をしていく形で今御指摘のあった課題を解決していこうと、こういう形で合意をさせていただきましたので、その趣旨にのっとってこれから取り組んでいきたいと思います。
#86
○衛藤晟一君 認定こども園につきまして、今、実は本当に、先ほど言いましたけれども、家庭や地域の育児能力の極端な低下というものを何とかしていく。ですから、この育児をですね……
#87
○委員長(高橋千秋君) おまとめください。
#88
○衛藤晟一君 国を挙げてどうバックアップしていくのかということは極めて大事になってきます。
 ただ物や金やいい食事を提供すれば福祉が成立するんだという時代ではないということをよく認識していただいて、その方向性をちゃんとやっていただきたいということを要望して、終わります。
 どうもありがとうございました。
#89
○荒木清寛君 まず、総理にお尋ねをします。
 この特別委員会におきましては、質、量共に濃密な審議をしてきたわけでありますが、ただ、最終盤に至りまして八法案が廃案の危機に陥りました。これはひとえに政府・与党に責任があるということをまず申し上げます。
 特別委員会の中央公聴会が六日、七日に行われることが決定した段階においても、参議院民主党の幹部は二十日の採決を提案するなど、およそ政府・与党の方から法案成立に向けての熱意が当初伝わらなかった。誠に政治生命を懸けてこの国会中に成立をさせるという言葉と裏腹な政府・与党の対応が終盤の混乱を招いた。このことについての総理の反省の弁をまず求めます。
#90
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 採決の日程をめぐる話はちょっと国会の中での動きだったというふうに思いますけれども、少なくとも、三党合意を踏まえてこの一体改革関連法案を今国会中に成立をさせる、しかも早期に成立をさせるという意味においては、私ども執行部含めて全体としてこの問題意識は共有をしていたというふうに思います。
 ただ、一時的に、この一体改革の採決の暁に、すぐ例えば問責が出るとか等々のお話もうわさでは出ておりました。そういうことを考えると、一票の格差是正を含む政治改革であるとか、あるいは特例公債とか、そういう審議はどうなるんだろうという中での、まさに日程協議をめぐるやり取りだったというふうに思います。
 いろんな曲折はありましたけれども、最終的には、御党の山口代表も含めまして、やっぱり、政局的な流れにならず、何党のためではなくて、まさに日本のために、日本が崖っ縁でありましたので、こういう形で改めておととい合意ができたということは、私は大きな前進であったというふうに考えております。
#91
○荒木清寛君 私も、八日の民主、自民、公明三党の党首会談は意義があった、このように考えます。
 次に、子ども・子育て関連法案の財源について総理と財務大臣にお尋ねいたします。
 いわゆる三党合意によりまして、幼児教育、保育、子育て支援の質、量の充実を図るため、今回の消費税引上げによる財源を含めて一兆円程度の財源が必要であり、政府はその確保に最大限努力をするものとする、このように合意をされました。これに従って子ども・子育て支援法の附則第三条の修正も行われたところでございます。
 ところで、本委員会におきまして我が党の松あきら議員が、消費税引上げで確保する〇・七兆円以外の〇・三兆円の内容の確保と道筋について資料を要求をいたしました。提出をしていただきましてありがとうございます。ただ、その提出された資料では、この財源の確保の道筋、来年からあるいは再来年からどうするのかということについては示されておりません。
 この財源確保の道筋について、財務大臣に示していただくように要請をいたします。
#92
○国務大臣(安住淳君) 七月の二十五日に、内閣府、厚労省、文科省の連名の形で本委員会の理事会に資料を提出させていただきました。
 六月十五日に、幼児教育、保育、子育て支援の質、量の充実を図るため、今回の消費税率の引上げによる財源を含め一兆円超程度の財源が必要であり、政府はその確保に最大限努力するものとする旨盛り込まれております。
 〇・七兆については今回の消費税の引上げ分により確保されておりますけれども、残りの三千億については、先生御指摘のように、道筋を早くしろということでございますが、現時点で私どもはこういうところから財源を確保するというところまでは率直に言って至っておりません。
 これは大きいお金でございますので、松先生にもお答えしましたが、まだ二か月のうちにこれをこうしてということにはなりませんが、私の気持ちとしては、決意としては必ず何とかいたしますので、この三千億はやっぱり立法府の意思でございますので、私としてはしっかりとこの手当てはさせていただきます。
#93
○荒木清寛君 言うまでもありませんが、今大臣が言及された内閣府、文科省、厚労省名で本委員会に提出された文書、これは財務省も含めて政府全体で了承した内容だと、このように当然理解をしてよろしいわけですね。
#94
○国務大臣(安住淳君) 私どもも確認しております。
#95
○荒木清寛君 それで、今の答弁で、〇・三兆円の財源についてはまだ具体的にどこからというめどは付いていないということでした。
 しかし、よもやこの子ども・子育て関連の予算を削減をするとか、あるいは社会保障予算の他の分野のものを振り向ける、いわゆる他の社会保障予算を削減をするということではないということは確認できますね。これは、財務大臣、また総理に確認をさせていただきます。
#96
○国務大臣(安住淳君) 今具体的に本当に申し上げる段階にはありませんが、先生、ここは予算編成全体の中でやっぱりやりくりしていくしかないと思っております。
 ですから、そういう点からいえば、予算編成の中で何とか三千億をやっぱり捻出をしなきゃいけないと思っておりますので、御趣旨は十分分かっておりますので、何かその、そっちをぐっと減らしてこっちに充当しましたというふうなことのないようにせよという御指摘は踏まえさせていただきますが、予算編成全体の枠の中でやっぱり効率化を図っていくと。つまり、そういう意味では、聖域を設けず、様々なところから財源を捻出して、これは工面をしたいというふうに思います。
#97
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 〇・三兆の確保は、今財務大臣が答弁したとおりであって、各年度の予算編成において重点化、効率化を様々な分野で図りながら全力で捻出をしていきたいと考えております。
#98
○荒木清寛君 先ほどの衛藤委員の質疑にもございました安心こども基金の件でございます。
 先ほど厚労大臣からお話がございましたが、財務大臣にも、この新制度施行までの間あるいは施行以降も、先ほどのお話でこの安心こども基金というのは非常に有用であるということでありますので、この予算の確保を要請したいと考えますが、財務大臣の考えをお尋ねします。
#99
○国務大臣(安住淳君) 子育て関連法案に関する衆議院での附帯決議では、「制度施行までの間、安心こども基金の継続・充実を含め、子ども・子育て支援の充実のために必要な予算の確保に特段の配慮を行うものとすること。」とされておりますので、この決議も踏まえ、安心こども基金の今後の取扱いについては予算編成の中で十分検討させていただきたいと思います。
#100
○荒木清寛君 次に、軽減税率の導入について、まず公明党発議者にお尋ねをいたします。
 三党協議の中で我が党が強調したことの一つは、低所得者対策をきちんとするということでございました。これを踏まえての法案修正であったと考えますが、この法案修正の意義について、今日は最後ですから、改めて発議者から説明を求めます。
#101
○衆議院議員(竹内譲君) 荒木委員にお答えいたします。
 三党合意におきましては、低所得者対策は消費税率を八%に引き上げる段階から実施することといたしまして、低所得者対策を講じなければ増税ができない仕組みというふうになりました。
 この理由でございますが、私どもといたしましては、何といっても消費税の引上げには国民の理解が欠かせないと。しかし、二〇一四年四月からの増税とはいえ、まだまだ非常にデフレ経済の下、非常に景気が悪いと、また売上げも上がらず、給与も上がらず、可処分所得も向上していないと。こういう中では非常に国民の間にはまだまだ厳しい認識があろうというふうに思っております。そういう意味で、やはり八%の段階からしっかりとした低所得者対策が必要であると。
 現実には簡素な給付措置というのが盛り込まれておりますが、これだけでは不十分でありまして、国民の理解を得るにはやはり八%の段階から複数税率を排除すべきではないというふうに考えた次第でございます。ただし、もちろんこの軽減税率には様々な課題がございますので、早急にその内容を詰めて結論を出すべきであるというふうに思っております。
#102
○荒木清寛君 私は、あるいは公明党はと言ってもいいと思いますが、消費税八%の段階からの軽減税率を導入すべきではないか、このように強く考えております。
 当初の政府案では、給付付き税額控除あるいは簡素な給付措置のみが考えられていたわけであります。そして法案が修正をされました。そして、本委員会の参考人質疑の中で、淑徳大学の結城教授はこのように言われました。現金を配っても本当に必要な人にサービスが転換されるのか、現場を見ていて非常に不安である、このようなお話でした。
 すなわち、特に高齢者世帯におきましては、家族力あるいは地域力が弱まっている中で、そういう給付があっても医療や介護に備えた預貯金に回ってしまうのではないか、こういう可能性が非常に高い、結果的には生活必需品の消費が抑えられてしまう、その給付をサービスに転換する力が弱いのではないか、こういうお話に、私は非常に示唆に富む、このように考えました。
 そこで、これは総理に、私は、生活必需品の支出を保障する仕組みとしてこの軽減税率というのは非常に有意義である、真剣に政府は、当初の考えは考えとして、法案修正を受けてこの導入に向けての検討をすべきである。改めて総理の見解をお尋ねいたします。
#103
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 結城准教授は、七月二十六日の参考人質疑におきまして、認知症等の方を例に挙げて、家族力や地域力の減退により、年金などにより給付された現金を自分の必要とするサービスに転換することが難しくなってきている、また、社会保障サービスについては、契約に基づくことになるため、利用者と事業主の契約関係をより円滑にするため公的な役割が必要である、こういった主張をされたと承知をしております。
 今般の一体改革におきましては、今後高齢化が進展する中で大きな課題となる認知症の方に対する支援を含め、医療・介護サービスの充実を図る施策も盛り込んでおり、高齢者に対しても適切な社会保障サービスが受けられるようにしていくということになっております。
 福祉の現場の方々の声も受け止めながら改革を進めてまいりたいと思いますが、御指摘の複数税率につきましては、三党合意に基づく修正後の法案も踏まえ、財源の問題、対象範囲の限定、中小事業者の事務負担等を含め、様々な角度から総合的に検討することとしております。
 また、三党合意に基づく修正案においては、消費税率が八%に引き上げられる段階からの複数税率の導入が排除されているものではありませんが、その時期も含めまして、今後、三党合意の内容を踏まえ、給付付き税額控除や簡素な給付措置の在り方と併せまして幅広く検討する中で検討させていただきたい、その必要があると考えております。
#104
○荒木清寛君 総理にそれではもう一つお尋ねしますが、EUの主要国の付加価値税は一五%から二五%と言われておりまして、一〇%になったとしてもまだEU諸国よりは低いということかもしれません。
 しかし、食品に関する消費税で見ますと、イギリスは〇%、アイルランドは〇%、ドイツは七%、フランスは五・五%、ルクセンブルクは三%、ポルトガルは五%、チェコは二%でありますので、軽減税率を導入しないと、食品だけを見ればむしろ日本の方が高いというケースも出てくるわけでありまして、やはりこれは国際的に、国際的にというか、EU諸国では広く用いられているこの消費支出を保障する仕組みというのはもっと前向きに考えるべきではないんでしょうか。いかがですか。
#105
○国務大臣(安住淳君) 十分検討させていただきたいと思います。ヨーロッパでどういうふうなことになっているのか、率直に言うと、もうちょっと私どもも調べさせていただいて、その中で、給付付き税額控除とどちらがいいのか、またどういう段階からこの複数税率をもし仮にやるとした場合やるのかということも含めて、これは三つをテーブルに並べてやらせていただくということにしたいと思います。
 ただ問題は、やっぱり、再三申し上げましたけれども、これは本当に率直に申し上げて、範囲をどうするかということは本当に国民的議論が必要になると思います。食料品だけという方もいれば、例えば、ヨーロッパにおいてはそうでない、新聞等に掛けて複数税率を用いている国等もあります。文化や芸術もそうだと言う方もいます。これを日本に当てはめたときに、どれぐらいの例えば分野にこれを適用して、しかしその場合、財政当局から言わせていただくと、税の侵食がどれぐらいあるのかということもやっぱり議論、率直にこれはしないといけないと思います。
 ですから、そういうことも全て考え、また中小事業者の、このインボイスの導入ということになりますから、そうした言わば手続面でのことも含めて、複数税率のことについては決して私どももこれをネガティブに何か扱っているというわけではなくて、やっぱりメリット、デメリットをしっかりテーブルに上げた上で国民の皆様の前でしっかり政府としても情報を提供いたしますので、そういう中で八%、一〇%という区切りがありますから、そこで何をするかということを是非三党の中でコンセンサスを得られるように私はしていただくようにしてもらって、また政府としての考えもそこでしっかりまとめたいと思っております。
#106
○荒木清寛君 次に、住宅取得と消費税の負担軽減についてお尋ねいたします。
 これは、当初の政府案の中に住宅取得時についての負担軽減が盛り込まれておりまして、さらに三党合意の中で八%の段階からこの対策を講ずるということが確認をされております。
 そして、安住大臣も様々言及をされておりますが、私はこの住宅取得についての負担軽減については、ストックを重視をするということであれば、新規の住宅取得に限らず、既存のストックを利用するという意味で、バリアフリーあるいは省エネ工事などのリフォームも、これは相当、何百万というお金が掛かっていくわけでありますから、新規の取得と同じくこの負担軽減の対象とすべきである、このように考えますが、大臣にお尋ねいたします。
#107
○国務大臣(安住淳君) 住宅の取得に係る必要な措置につきましては、三党合意を踏まえまして、八%への引上げ時、一〇%への引上げ時にそれぞれ十分な対策を実施すべく、平成二十五年度以降の税制改正及び予算編成の過程で総合的に検討してまいります。
 今先生から御指摘がありましたことについて申し上げますと、一時の税負担の増加による影響を平準化及び緩和する観点に加え、バリアフリーそして省エネ性能の観点、もう一つ、良質な住宅ストックの形成を後押しするという観点も踏まえつつ、住宅ローン減税の在り方、予算上の支援措置の在り方、また登録免許税、印紙税、不動産取得税といった住宅の取得に係る取引課税の取扱いなどについても、財源も含め、検討させていただきたいと思います。
 また、今、バリアフリー改修工事ですか、それから省エネ改修工事等、住宅のリフォームですね、これについても少し考えたらどうだという御指摘でございますので、今でも一定の要件の下に住宅ローン減税の対象となっておりますけれども、御指摘をいただきましたので、このことについてもしっかり検討してまいりたいというふうに思っております。
#108
○荒木清寛君 そして、住宅ローン減税で対応するともしすれば、年収四百万から七百万円の世帯ではもう所得税から引き切れないと、住民税からも引かなきゃいけないし、それでも引き切れないということがあります。
 そこで、もう住宅ローン減税だけでは限界がありますから、これも軽減税率なりあるいは税負担分の一部を還付をするなり、こうした対策も含めて検討すべきであると考えますが、いかがでしょうか。
#109
○国務大臣(安住淳君) 具体的に私の方から今まだ申し上げる段階ではございませんけれども、住宅の市況を見ますと、やはり前の三%から五%では着工件数自体で三十万戸ぐらいの変動がありまして、それが大きな景気に影響を与えているということは事実でございます。ですから、そういう点では、消費税が引き上がるこの八、一〇の中でそうした負担が言わば住宅着工をためらわせることがないような工夫というのはやっぱり必要だと思っております。
 そういう中で、住宅ローンに関しては御指摘のとおり限界があることは事実でございますので、先ほど申し上げましたように、予算上の措置を含めて何らかの対応というものはしっかりやらせていただきたいというふうに思っております。
#110
○荒木清寛君 この委員会で、我が党の防災・減災ニューディール政策についても俎上に上がりました。
 我々が目指しているのは、何も箱物を造るということではなくて、命を守るためにソフト、ハード両面での対策を進めるということでありまして、今回の消費税法改正案附則第十八条第二項で前進をしたことはうれしく思っております。
 それで、少し関連をしまして、命を守るということで申し上げますと、先月二十六日に、公明党のプロジェクトチームで藤村官房長官に対しまして総合的な通学路の安全対策の提言をいたしました。言うまでもなく、本年四月の京都府亀岡市での痛ましい登校中の事故を受けてでございます。
 先日、警察庁が上半期の交通事故死者数を発表いたしました。六十二年ぶりに二千人を下回ったということは政府の取組の効果ではあります。しかし、歩行中の死者の割合は状態別死者数の三六・七%と最多であります。この割合は近年上昇しておりますし、歩行者の犠牲者が多いというのが日本の交通事故の特色でございます。
 集団登校の子は、きちんとルールを守って、それで事故に遭っているわけであります、命を落としたわけであります。私は、ルールを守っている歩行者は守られるという思想を国民にしっかりとこれは共有する必要がある、歩行者優先、人間優先という理念を徹底することがこの交通事故対策として急務である、このように考えております。あるいは、子供を守る対策として急務であると考えます。
 そこで、総理に二つ提言をいたします。中央交通安全対策会議・交通対策本部を早期に開催をいたしまして、本年秋の交通安全週間に先立って、歩行者優先の理念を徹底することをきちんと協議をすること。二つ目には、交通安全対策基本法の改正をして、こうした歩行者優先という理念を明確にすること。また、三つ目に、もう一つ、昨年策定されました第九次交通安全基本計画、五か年計画でありますけれども、この死傷者削減目標に子供や歩行者の視点を踏まえた目標を追記することの検討を提言をいたしますが、総理に対応を求めます。
#111
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 荒木委員御指摘のとおり、交通事故死者を状態別に見ますと、歩行者の割合は三年連続で最多となっており、歩行者の交通安全対策は喫緊の課題であります。こうした状況も踏まえ、交通安全対策基本法に基づき昨年三月に策定した第九次交通安全基本計画においては、基本理念の一つとして人優先の交通安全思想を規定をさせていただいております。こうした理念の下、政府では、春秋の全国交通安全運動等を通じてこの人優先の基本理念を浸透させ、子供を始めとする歩行者の交通事故防止を図っているところでございます。
 委員の御提案を踏まえ、本年九月の全国交通安全運動の前に交通対策本部を開催をし、歩行者の安全対策について関係省庁が連携して一層取組を進めるよう、私からも指示をさせていただきたいと思います。
 その後の交通安全対策基本法の見直しや交通安全基本計画における数値目標については、御意見として政府において参考にさせていただきたいと考えております。
#112
○荒木清寛君 最後に、歳出の無駄の削減についてお尋ねをいたします。
 先般、京都大学における物品調達をめぐる汚職事件において逮捕された元教授が、研究事業関係の補助金の預けという形で不正経理をしていた、そうしたことが発覚をいたしました。これはほかにも行われているという指摘もありますし、平成二十二年度決算検査報告でも国立大学、私立大学におけるこの研究費の不正経理の問題が指摘をされております。
 そこで、今参議院で継続になっております不正経理防止法、自民、公明が両党で提案をし、各党の理解で継続審議になっております。これを早期に成立させるべきである、この決意を最後に総理に伺って終わります。
#113
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 御党及び自民党から提出をされています不正経理防止法案の趣旨のとおり、公務員等の不正経理の防止の徹底を図ることは重要な課題であると認識をしています。不正経理防止法案は前国会から継続審査であり、今国会に引き継がれているところでありますが、民主党においても引き続き検討がなされているものと承知をしています。
 本法案については、今後政党間において御議論がなされることを期待をしており、政府としては、これらの議論も踏まえ、引き続きより一層の予算執行の適正化と不正経理の防止に向けて積極的に取り組む所存でございます。
#114
○荒木清寛君 終わります。
#115
○中村哲治君 国民の生活が第一の中村哲治です。
 八法案の質問に先立ちまして、高橋委員長へ質問いたします。
 まず、動議に対して討論の申出があったにもかかわらず討論をさせなかったという先例は参議院にあるのでしょうか。
#116
○委員長(高橋千秋君) ただいまの御質問に対してお答えを申し上げます。
 第五十一回国会で運輸委員会江藤委員長に対して、それから第百回、第百七回、第百九回、第百三十四回の国会の中で討論をしておりません。
#117
○中村哲治君 討論の申出があったにもかかわらず討論をさせなかったという例があるのかという質問をしているんです。
#118
○委員長(高橋千秋君) それについては不明でございます。
#119
○中村哲治君 それは、ないんでしょう。
 特に、委員長が御自身の不信任の動議の件で、理事会の協議では調わず、つまり全員一致の合意がなかったにもかかわらず、委員長職権で討論や採決のやり方を決めたという先例はありますか。(発言する者あり)
#120
○委員長(高橋千秋君) 御静粛にお願いを申し上げます。
 中身については不明でございます。必要であれば、追って書類を提出させていただきます。
#121
○中村哲治君 そんなこと、ないんですよ。
 自分の不信任の案件が出ているときに、その討論について申出がある、しかし、それについて自分でその必要はないと決めるようなことは、先例はないわけです。そういうことを委員長はされたんですよ。
 こういうふうなやり方で国民の生活に多大な影響を与える大増税が決められていく。まだまだ問題点は多いです。解決されていないところも多い。しかし、強行されていくと。
 私は、高橋千秋委員長を民主党にいたときから人柄も存じ上げているつもりですし、決して個人的に動かれているのではないと思います。しかし、このやり方の危険性、恐らく自覚されていないのではないかと思います。私は、三党合意によって、まだまだ問題点が残されているにもかかわらず採決が強行されていく、私は全体主義の足音が聞こえます。
 問題は、それを無意識にされているということです。意識されていれば、こういうふうな民主主義の在り方を踏みにじるような運営はされません。戦前も、空気が民主主義を破壊し、大政翼賛会をつくり、全体主義に進み、そして戦争へと突入していきました。そのときの反省をもう一度きちっと踏まえなければなりません。そのことは一言申し上げておきます。
 委員長に対してこれ以上質問しても酷な話だということもよく分かっておりますから、十分御認識いただきたいと思います。
 それでは次に、野田総理に質問いたします。
 野田総理、総理の任期はいつまででしょうか。
#122
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 衆議院の任期自体は来年の八月末までであります。ただ、民主党の場合は代表選挙がございますので、当然のことながら九月、代表の任期というのは、だから残された一か月ということであります。
#123
○中村哲治君 民主党代表の任期というのは九月の何日まででしょうか。
#124
○内閣総理大臣(野田佳彦君) たしか九月いっぱいまでだと記憶しています。
#125
○中村哲治君 そうすると、総理の任期中にということを考えるのが普通だと思うんですね。
 代表選挙というのは必ず再選されるものでしょうか。
#126
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 必ずしもそれはそのままなるとは思いません。
#127
○中村哲治君 では、そうすると、近いうちにとおっしゃって、今の民主党としての代表の任期が九月末までということになりますと、解散ができるのは国会開会中ですので、九月八日の今国会の会期中に、御自身の任期中だということで、解散をされるというふうに考えるのが普通だと考えられますが、いかがでしょうか。
#128
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 解散の時期について、特定の時期を明示的に言うことはふさわしくないというふうに考えております。
#129
○中村哲治君 自公との交渉のときに、自分の任期中を越えるとそれはできるかどうか分からなくなるわけですから、当然前提として、自分の任期中に信を問うということを前提にしてお話しになったんじゃないんですか。
#130
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 代表選がどうなるか等々は、これはまだ分かりません。分かりませんけれども、自分の任期中というか、当然これは公党の党首間の合意であります。私が引き続き党首で総理を務めるのだったら、合意を踏まえての対応を当然重くさせていただきます。代表が替わって仮に総理が替わるという状況だったら、公党間のこういう合意をしたということをしっかり次の方にお伝えをする、そういうことだと思います。
#131
○中村哲治君 ということは、近いうちにすると。しかし、自分が任期中のときには自分が最終的に決めればできるわけですよね。しかし、次の人だと、それは別に先延ばしにされるわけじゃないですか。
 今日の朝日新聞には面白い記事が載っていました。シチズン時計がビジネスマン四百人を対象にした意識調査で、食事に誘うときの近いうちにを一か月後と受け止める人が四三%、一週間後という人が二五%だそうです。一方、実際にはしない、社交辞令と考える人も一八%いたということなんですね。
 これはどうなんですか、自分の任期中にきちっと判断をするということを前提として自民党、公明党との交渉に臨まれたんではないんですか。
#132
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 国民に信を問う話と一緒に食事をする話は全く別だと思いますが、公党間の党首間の合意であると、そういう位置付けであって、その近いうちについては、私は解釈を一つ一つコメントするということはふさわしいとは思っていません。
#133
○中村哲治君 自分の任期中に信を問うという、その信を問うというのは御自身が主体ではないんですか。次の代表として選ばれる方の判断も、三党間の合意だからそれも引き継がれるということを前提として交渉されていたということでよろしいんですか。
#134
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 自分が総理大臣にあるという場合において、当然のことながら、自分の責任として相手の党首とお話をさせていただいております。それが基本でありますけれども、当然、総理の解散権というのはそのときの総理の判断だというふうに思います。したがって、そういう公党間の党首間の合意、確認はさせていただきました。
 もし私が代表ではなくなった場合、これについては、その後の総理大臣の解散を当然縛れる話ではありませんけれども、公党間の党首間のこういう合意があったということは、三党合意を踏まえてしっかりそういう場合にはお伝えをするということになると思います。
#135
○中村哲治君 そういうことだということも自民党や公明党の皆さんは御認識の上で三党の党首会談が行われたということで理解しておいてよろしいですね。
#136
○内閣総理大臣(野田佳彦君) どういう御認識かどうかは、それは各党のそのお話は分かりません。そういう詰めたお話をしたわけではありません。
#137
○中村哲治君 ということは、御自身の任期は九月いっぱいまでしかないけれども、そのときまでに決めるかどうかも分からない。そして、そのことについては詰めた話もしていないので、次の方がもし選ばれた場合には、それは三党間の合意だから守ってくださいねと申し送りをしてこの案件について処理をするというようなことでよろしいですね。
#138
○内閣総理大臣(野田佳彦君) だから、詰めた話はしていないということであります。
#139
○中村哲治君 次に、法案の中身の質問に入らせていただきます。
 社会保障国民会議についてでございます。
 七月三十日の社民党福島議員の質問に対する答弁と、前回、八月三日金曜日の私の質問に対する答弁では、どのようなメンバー構成とするのかという質問について、柚木議員からは今後の検討課題だと答弁するだけでございました。全く中身は詰まっておりません。そして、次に私が長妻議員にお尋ねをいたしました。社会保障国民会議のようなスキームをつくるのであれば、本来、衆参合同の協議会を国会内につくるべきではないですか、なぜ政府の中につくる形にしたのですかという質問をさせていただきました。これに対して長妻議員は、いや、その政府の中につくるという以外の検討はしていなかったんですということを答弁でおっしゃったんですね。しかし、私の質問には答えられていないんですよ。
 国会内になぜ衆参合同の形で超党派で議論する協議会をつくらなかったのか、その議論をもし提案していなかったとすれば、なぜ長妻議員は生来の持論を覆して提案されなかったのかということについてお尋ねをさせていただきたいと思います。
#140
○衆議院議員(長妻昭君) 今回は消費税を五%上げさせていただくときの裏打ちとなる法律について限定して三党で協議をしたと。その中で、三党で合意できるだろう最大公約数を話し合うというようなことがあらかじめ我々の念頭にあったところでありまして、その意味では、自民党からも提案があった国民会議というようなものをベースに議論をして、その中で国会議員が入ることも妨げないということで着地をしたところでありまして、国会の中で各党がそういう協議体をつくる、それは国会の御議論を当然我々も妨げるものではありませんので、国会で御議論をいただければということを別に否定をしているわけではありません。
#141
○中村哲治君 長妻さんは野党のとき、政権交代前のときから、政権交代の一番大きな意味は何があるのかという点を御主張されるときに、スウェーデンでは政権交代をしたときに政権交代した政党が中心になって原案を出して、そして超党派の協議会をつくってそこで社会保障改革に取り組めたんだ、だからこれを政権交代後にしなくちゃならないと、そうおっしゃっていたと私は記憶しておりまして、だからこそ長妻先生と一緒に社会保障改革に取り組もうと私も努力してきたつもりであります。
 だからこそ、ずっと前からそういう主張をされていたのですから、今回もやはり、政権交代したからにはそういうふうな姿勢で国会内に協議会をつくるべきそのタイミングをずっと探しておられたというのが政権交代後の長妻当時大臣のお気持ちであったんではないですか。そのことについて今どのようにお考えなんでしょうか。
#142
○衆議院議員(長妻昭君) これは、先ほども申し上げましたとおり、三党協議ということでありまして、国会の中で幅広く協議体をつくるには、三党だけで決めるということではなくて、やっぱり幅広く国会のしかるべき委員会あるいは理事会等々で議論されるべきことだと思っておりまして、今後そういうような議論をもちろん妨げるものではないというような三党合意であります。
#143
○中村哲治君 ここの答弁にすごくポイントがあるわけですよ。
 結局、本来であれば、社会保障のような大きな問題を議論するのであれば三党の枠組みだけで議論すべきではないわけです。しかし、今までのこの委員会の答弁を総合いたしますと、今回の三党合意、また推進法案で定められたスキームは、今後の税制だけでなく、今後の社会保障の内容についても三党協議で決めていくという枠組みでありまして、そのことを国民会議が追認していくという仕組みになっている、こういう答弁でありました。その点でも、私が前から申し上げているように、実質的な三党大連立政権だと言えます。
 自民党、公明党は早期の解散・総選挙を主張されております。しかし、これらのスキームで進めていくということと相矛盾いたします。この点について、自民党、公明党はそれぞれどのようにお考えなのでしょうか。
#144
○衆議院議員(野田毅君) 今までの御議論の中でも申し上げておりますけれども、少なくとも社会保障あるいは財政の健全化、そういったテーマは、与党、野党という変わるたびに対決型になったのでは日本も潰れるぞ、これではよくないということで、他の政策課題は別です、だけど、この一点に関しては少なくともどっちが与党であろうと野党であろうと、このテーマについてだけはしっかりと三党でこれからも中身を詰めていこう、これが今回の大事な柱であります。
 そのことと、それ以外の、連立といえば安全保障問題からそれ以外の様々なテーマを全部包括的に入るわけですから、それはまた違う話であると。この点は何度も申し上げておるとおりですから、何ら矛盾することはあり得ないと、こう思っています。
#145
○衆議院議員(西博義君) お答え申し上げます。
 野田先生おっしゃったことと基本的には同じでございます。今回の三党合意は、社会保障と税の一体改革、この社会保障四分野に関する合意、これを国民会議それから三党の中で進めていこうと、こういうことでありまして、政党全体の政策、これは様々な政策がありますけれども、そのことについてはそれぞれ当然、各党の考え方がある。もちろん、解散・総選挙についても私たちは野党として、今、現与党について厳しく対処していき、そのことの要求もしかるべきときにはするということも十分可能性は持っている、こういうことでございます。
#146
○中村哲治君 よく分からないんですよ、なぜ今解散・総選挙を求められているのか。
 社会保障と税、二つだけおっしゃいましたけれども、そうでもないんですよ。附則十八条二項が挿入されまして、そして古本議員の答弁からすると、この成長戦略や公共事業に関しても、どのような形でやっていくのかについては三党協議を行っていくということを答弁されていました。だから、これは社会保障と税の一体改革だけじゃなくて、公共事業も成長戦略も社会保障も税も四分野一体改革で三党協議で進めていくということになっているわけですよ。
 自民党にお聞きしますが、一年内に衆議院解散・総選挙があり衆議院の構成が変わってもこの枠組みは維持されるんでしょうか。具体的には、もし民主党が野党になって第三会派、第四会派になったとしても三党協議で社会保障制度改革を進めていくんでしょうか、いかがですか。
#147
○委員長(高橋千秋君) 野田毅君。時間が迫っておりますので、簡潔にお願いします。
#148
○衆議院議員(野田毅君) 大変失礼な物の言い方は避けたいと思います。どういう結果になろうと、選挙の結果、この三党が引き続いて、誰が政権を取ろうと、どっちが政権を取ろうと、この三党の路線はしっかりと守っていくということだと思います。
#149
○委員長(高橋千秋君) 中村哲治君。時間が来ております。おまとめください。
#150
○中村哲治君 いや、そんなことを、非常に面白い答弁でしたね。第三会派になっても第四会派になったとしても、この三党で進めていくと。
 本来、社会保障にしても税制にしても……
#151
○委員長(高橋千秋君) 時間が来ておりますので、おまとめください。
#152
○中村哲治君 これは、超党派で進めていかないといけないわけですよ。にもかかわらず、三党で進めていく、選挙が終わっても三党で協議を進めていく、これはもう大連立政権そのものじゃないですか。
#153
○委員長(高橋千秋君) 時間が経過をしております。おまとめください。
#154
○中村哲治君 だからこそ、私たちは、問題が明らかになっていないと言っているんですよ。
 今日も、質問通告している質問項目、二十項目、これからも残っています。そういった意味では……
#155
○委員長(高橋千秋君) 時間が経過しております。おまとめください。
#156
○中村哲治君 まだまだ……
#157
○委員長(高橋千秋君) ルールを守ってください。
#158
○中村哲治君 議論をすべきというのが当たり前ですよ。(発言する者あり)時間、時間ということを言われますけれども……
#159
○委員長(高橋千秋君) もう時間が経過しております。おまとめください。
#160
○中村哲治君 これだけたくさん議論をすべきことが残っているにもかかわらず、数の力で、大連立で物事を決めていこうとする……
#161
○委員長(高橋千秋君) 時間が経過をしております。
#162
○中村哲治君 そういうふうなやり方を続けていくのであれば、日本から民主主義がなくなってしまう……
#163
○委員長(高橋千秋君) おまとめください。
#164
○中村哲治君 そういうことを強く申し上げまして……
#165
○委員長(高橋千秋君) ルールを守ってください。
#166
○中村哲治君 私の質問を終わります。
 ありがとうございました。
   〔委員長退席、理事大久保勉君着席〕
#167
○中西健治君 みんなの党の中西健治です。
 まずは冒頭、野党七会派が提出した首相問責決議案はつるしておいて、そそくさと増税法案だけを通してしまおうとする国会運営に再度、強く抗議するものであります。
 しかし、我々は審議拒否などはせず、国会審議を通じてただすべきところはただしていく、そういう覚悟でやってまいります。
 増税法案を推し進める談合三党の方々と違い、限られた時間しかありませんので、是非、私が指名した方が最初から直接答弁をされるよう委員長には御指名をしてくださることをまずはお願い申し上げておきます。
 質問に入らせていただきます。
 一昨日の夜に行われました野田総理と谷垣総裁の党首会談では、二人だけで約三十分ほど膝を詰めて話をされたようでありますが、総理は、衆議院の選挙制度改革や特例公債法案に関しては確認をしていないと記者の質問にお答えをされています。それは事実でしょうか。
#168
○内閣総理大臣(野田佳彦君) おとといの党首会談、正確に言わなければいけないと思いますけれども、二人きりになる前に、両党の幹事長そして幹事長代行がいるときには、私は、特例公債あるいは一票の格差是正、定数削減を含む政治改革、これについては、早期にこういう懸案についても結論が得るように協力を是非お願いしますということはお話をしております。
 ただ、その後の意見交換の中で、そこで何か合意、いつまでに合意をしたということではないという意味で、最低限合意したことが、先ほど来ずっと出ていますように、三党合意を踏まえての一体改革関連法案の早期成立と、その成立の暁には近いうちに国民に信を問うという最低限の合意事項、確認事項というのがザッツオールなんです。その前に申出はさせていただいております。
#169
○中西健治君 ということは、二人でいるときには話はしたけれども、何らこれについては確認はしなかったということだというふうに理解いたします。大変、事実だとすれば、随分間の抜けた話なのではないかというふうに思います。そして、そうした確認もせずに、近いうちという言葉で合意した自民党にも全く理解ができないということを申し上げておきます。
 さて、これまで総理は、衆議院選挙制度に関して解散権は縛らないと繰り返し発言をされています。ということは、現在の状態のままで衆議院選挙を行った場合、裁判所が選挙結果の無効の判断をする可能性も全く否定はできないものの、それでも今回総理は、今の状態のままでも近いうちに国民の信を問うという決断をされたということでよろしいでしょうか。
#170
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 今の状況については違憲であり、違法であるという、そういう状況であります。この状況は一日も早く脱却しなければなりませんし、これは立法府の責任において、これはもうどの党がどうのじゃなくて、国会議員としてそういう強い意識を持って対応しなければいけないと思います。
 その上で、我々は、自民党さんが提案をしている〇増五減については賛成です。ただし、あわせて、それぞれの党が定数削減もこれまで訴えてまいりました。その定数削減をするためには選挙制度改革もやらなければいけません。それを一体的に議論をして結論を出そうというのが、これまで各党間のいわゆる集大成というか最大公約数だったと思います。
 今、我々は一つの案を衆議院に提出をしておりますけれども、是非各党の御理解をいただいて、早急にこの結論が出るようにしていきたいというふうに考えております。
#171
○中西健治君 早急にというのは国会議員共通の思いなのではないかと思いますが、私が聞いているのは、一票の格差について今国会でできるのは区割り審設置法の改正までです、実際に違憲状態が解消されるまでには、区割り審を動かして勧告を受けて、さらに公職選挙法を改正する、そうするのであれば少なくとも四か月程度は掛かる、下手をすると半年以上掛かる。私が聞いているのは、まさかそこまで待つことはないということでよろしいですね。
#172
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 違憲、違法状態は一日も早く脱却しなければなりません。実務を考えると、区割り審設置法を改正をしてから一定期間、作業に、周知に掛かるということは事実だと思いますが、一方で、私は総理大臣の解散権は縛られるものではないと思います。今の一つのお話でありますが、それをもって、でも明示的にその時期を特定をするということも、これも妥当ではないというふうに思います。
#173
○中西健治君 一体的な改革ということを先ほど総理おっしゃられましたけれども、自民党が〇増五減法案を提出している中、野党の多くが、違憲状態解消のために、各党の主張は横に置いて合意をするともう意見表明をしています。しかしながら、民主党がまとまらない、独自の法案に固執しているのが今の姿なのではないでしょうか。党代表である野田総理、どうして固執しているのか、お考えをお伺いいたします。
#174
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 固執しているとは思いません。一票の格差を是正しなければならないは、それぞれの問題意識はあると思います。共通していると思います。定数削減もしなければならないということは、それぞれ各党がこれまで国民の皆様にお約束してきたことじゃないでしょうか。
 その中で、どうしても選挙制度改革と関連をするところが出てまいります。一体的に対応するために、それはなかなか全ての党が、万人が合意するという状況ではありませんが、特に今回の私どもの御提案は民主党にとって決してプラスの制度ではありません。すなわちゲリマンダーではないわけですので、むしろ少数会派について配慮をした内容になっています。したがって、これから、御理解をいただける努力をこれからもしていきたいと思います。
#175
○中西健治君 定数削減は約束しているからということでありましたけれども、その答弁はおかしいのではないでしょうか。
 では、お聞きします。なぜ民主党は参議院の選挙制度については定数削減を全く行わない案を野党に示しているのでしょうか。四増四減です。民主党の代表として話に全く整合性がないと思いますが、いかがでしょうか。
#176
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 衆議院においては、いろんな経緯がございましたけれども、元々私どもは比例の部分を八十削減という、そういうマニフェストを掲げてまいりました。
 今回は、小選挙区〇増五減ですから五減らす、その上で比例については四十減らすという、トータルで四十五減らす定数削減で、八十という目標はまだ失っていません。段階的に進めていく上で八十を目指すという、そういう意味で、衆においては、私も衆議院議員でございますので、その方向性でまとめさせていただきました。
 参議院においては、参議院の中でのハウスとしての御議論があった中で、今現在は四増四減という、そういう今考え方を取らさせていただいているということでございます。
#177
○中西健治君 総理は民主党の代表ですよね。衆議院議員だからという答えはおかしいんじゃないかというふうに私は思います。
 四十議員定数を削減する、これは参議院でも民主党はマニフェストに掲げていたことじゃありませんか。どうしてやろうとしないんですか。
   〔理事大久保勉君退席、委員長着席〕
#178
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 政治改革推進本部の中で御議論をさせていただきながら、今現時点においては、そういう方向性の中で何か解決できないかという、現状打破のまず第一歩として議論がされているというふうに思います。
#179
○中西健治君 来年の夏までには選挙があるということでは衆議院も参議院も同じです。というよりも、来年の夏までは選挙がない参議院の制度改革のハードルは低くしておいて、反対に、いつ選挙が行われるかもしれない衆議院改革のハードルを高くする、やっていることが全く逆なのではないでしょうか。
 民主党内でどういう力学が働いているか分かりませんが、党の意思として意図的に衆議院総選挙を遅らせようとしているとしか説明が付かないと思いますが、いかがでしょうか。
#180
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 別に意図的に何かの、そういうことはありません。
#181
○中西健治君 今申し上げたとおり、衆参に関して民主党が提案していること、これはやっていることが逆なんではないかというふうに私は思う、そして多くの方が思っているのではないかと思います。
 野田総理にお伺いします。引き続きお伺いします。野田総理にお伺いします。
 財務大臣は、特例公債法案を成立させなければ十月中にも財源が枯渇すると主張しておられます。そうだとして、では、野田総理はいつまでにこの特例公債法案を成立させなければいけないとお考えになっていらっしゃるでしょうか。
#182
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 予算は成立をさせていただきましたけれども、その裏付けとなる財源の中の大宗を占めるとも言っていい特例公債、これが成立をしなければ、財務大臣が御説明をしているように、だんだん予算執行が窮屈になっていきます。窮屈になっていくということは、どこかの段階で抑制をせざるを得ない、それは国民生活や経済に悪影響が出てくる可能性があります。ということは、その状況を一日も早く脱することが大事です。デフレ脱却、経済活性化といっても、予算執行できないんだったら、そんな経済が好転するわけがありません。窮屈な予算運営ではそれは無理です。だから、一日も早く、一日も早く多くの党の御理解をいただいて成立をさせていただきたいというふうに思います。
#183
○中西健治君 いつまでにという期限をどれぐらいに考えているかという質問でしたが、それに対しては正面からのお答えいただけませんでした。
 附則十八条第二項についてお伺いいたします。
 これまで何度もこの附則十八条第二項の財政の機動的対応が可能となる中でという文言について議論をしてまいりましたが、理解に苦しむことが幾つもあります。先々週の本委員会で自民党の発議者は、十年間で二百兆円というからみんなわあっと言うけれども、今だって、過去十年間で二百三十兆円ですよと答弁をされました。ということは、自民党はわざわざ国土強靱化法案を提出して、今後の公共事業などへの資金投入を二百三十兆円から二百兆円へ減らすということを提案しているのでしょうか。時間の制約があるので、簡潔にお答えいただきたいと思います。
#184
○衆議院議員(野田毅君) 二百兆という数字がどこから出てきたか分かりません、ざっくばらんに言って。我が党として正式に決めているわけでもありません。これだけは明確に言っておきます。
 ただ、物の考え方として、何か社会資本整備とかそういった話をすると、すぐに無駄な公共事業ということに結び付けがちです。しかし、私が申し上げている数字のいわゆる相場観ということから申せば、これはGDP統計の中で政府投資に入っている数字です。この政府投資という中にはどういうものがあるかというと、大事なのは、あるいは上下水道、大学から小学校に至るまで学校の校舎あるいは国立病院等々、そういった生活関連施設あるいは市町村の行う廃棄物処理の施設、様々なものが実は入っているんですよ。だから、そういう全体の相場観から見てごらんなさいと、生活環境施設であったり文教施設であったり、それを特定の、何かすごく別のところに意図的に結び付けて議論されるからおかしいのであると。
 特に、更新投資だけでも、随分もう古くなっているじゃないですか、橋梁だとか。そういったことを頭に置いてお考えいただければいいのであって、ただし私どもは、法案が、出してはおるけれども、法案は通過しておりません。幾らこれからお金を使うかは、法案ができ上がった後、しっかりした長期的な視点での計画を作って事業ごとの配分を決めると、こういうことであります。
#185
○中西健治君 簡潔にとお願いを申し上げましたので、そのように答弁をしていただきたいと思います。
 では、財源についてのお話をします。
 年間五兆円国費を投入するという財源についてただしたところ、野田毅衆議院議員は、建設国債はあって当然だというお答えをされました。そして、安住財務大臣はこれを受けて、今年も約六兆円だから、五兆という数字が大きいということではないとフォローを入れました。
 では、安住大臣にお尋ねしますけれども、五兆円は今年の六兆円に含まれる数字、内側の金額ということを前提にそうした発言をされたということでよろしいのでしょうか、確認をさせていただきたいと思います。これも端的に、内側か外側か、認識をお答えください。
#186
○国務大臣(安住淳君) 私は答弁を補充したわけではございません。今年の建設国債の額を申し上げただけで、野田先生の答弁に関連して私が答弁したわけではないわけでございます。
 野田先生は、たしかその答弁の中で、二十兆のうち、いわゆる国の出す分という財政出動のところに関しては、たしか私の記憶では五兆円程度になるんではないかと。その規模がどれぐらいかということですから、私は、例えれば今年は六兆ですということを申し上げたわけで、そうしたことからいえば、桁外れに五兆というのが大きいわけではないという、その六兆に継ぎ足すとか継ぎ足さないとか、例えば足して十一兆は大きいですか小さいですかとか、外ですか内ですかという議論に私は入って答弁したつもりはございません。
#187
○中西健治君 野田毅議員がおっしゃったことに間髪を入れずに、今年も約六兆円だから数字が大きいということではないということは付言させていただきます、こういうふうに安住大臣はお答えになったんです。ということは、やはり内側か外側かの認識ぐらい持っていていただかないと、持っていもしないのに、大きな数字ではないだろうと答弁をすること自体が大変不誠実なんではないかと思います。内側だと明言できないのであれば、コンクリートから人へどころか、コンクリート倍増計画になってしまうのではないでしょうか。
 財政法四条で公共事業の調達財源として規定されている建設国債の発行額は増やさないと明言できるんでしょうか。
#188
○国務大臣(安住淳君) 予期せぬ経済変動とか様々ありましたから、この十年間の国債の発行や建設国債の発行を見ていただければ分かるように、できるだけ国債の発行を抑えて税収を上げながらやっていくというのが基本でありますから、その基本を守りながらやりますけれども、絶対という言葉を使うのがなかなか難しいほど今の状況というのは厳しいということだけは理解いただきたいと思います。
#189
○中西健治君 民主党の方針が、今や自民党の片棒を担いでやはり大きく変質しているのではないかとしか言いようがないというふうに思います。
 次に、岡田副総理にお伺いいたします。
 政府は、財政健全化待ったなしと説明をして消費税増税をしようとしているのだから、消費税増税で税収が増えるのであれば、その一部は政府債務圧縮に使われるのは当然だということを私は申し上げてまいりました。
 安住財務大臣との議論では新規国債発行金額を減らすことはないということでありましたけれども、岡田副総理は、私の質問に対する答弁で、そのまま全部国債の減額につながるわけではない、こういうふうにおっしゃられました。一部は国債発行金額を減らすとも取れる発言となっておりますし、現に七月二十日、岡田副総理の記者会見では、基本的には国債の発行を減らすということが基本であるということでありますと、はっきりとおっしゃられております。
 財務大臣にはいろんな立場がおありのようですけれども、岡田副総理自身のお考え、政治的スタンス、お伺いできないでしょうか。
#190
○国務大臣(岡田克也君) 以前に申し上げたように、基本は国債の発行を抑制するために使うということであります。
 もちろん、予算はこれ全体で見なきゃいけませんから、ほかの要因で増えたりすると、その結果としての国債の発行という議論はあると思いますが、基本的にはそれは抑制に充てるということが基本であります。
#191
○中西健治君 最後に、総理にお伺いいたします。
 財政健全化待ったなし、だから消費税増税待ったなしということなのであれば、増税後は国債発行金額を減らす、公共事業予算は増やさないと国民に向けて約束をしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
#192
○内閣総理大臣(野田佳彦君) この今回御審議いただいている法案の目的は、社会保障の安定財源確保と財政健全化の同時達成です。財政健全化の同時達成ということは、我々がまとめている財政運営戦略を基本に置くということでございますので、二〇一五年の段階でいわゆる基礎的財政収支の赤字対GDP比が半減をするということを目標にしながら、一方で、じゃ成長とどう両立させるか、そういう観点の中で取り組んでいきたいと思います。
#193
○中西健治君 今の答弁で国民が納得するのかどうか、一刻も早く約束どおりに国民の信を問うことをお願いして、私の質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。
#194
○大門実紀史君 日本共産党の大門実紀史でございます。
 まず改めて、我々七会派が問責決議案を提出しているにもかかわらず、この後この増税法案の採決が強行されようとしていることについて、厳しく改めて抗議を表明しておきたいというふうに思います。
 最後の質疑、九分しかないということでございますので、政治家、政党として最も大事な政策公約の問題について絞って質問をいたします。
 七会派で問責決議を提出したその理由は、一つは、今回の消費税増税が民主党の公約に違反しているということです。二つ目は、国民の半分以上が反対、今国会で成立させるべきではないが六割、七割にも達しているにもかかわらず、強行されようとしていることでございます。三つ目は、三党で決めれば何でもまかり通るというこの国会運営が、議会制民主主義をじゅうりんしているということでございます。
 さらに、審議の中で、三党合意そのものが大変曖昧な中身であるということも明らかになりました。こんなものをごり押しする総理は信任できないということで提案をしたわけでございます。
 我々の問責決議について、総理はいかが受け止めておられますか。
#195
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 参議院の七会派において私に対して問責決議案が提出をされたことに対しては、これは厳粛に重く受け止めなければいけないというふうに思います。
 ただし、この後いろいろ御議論があるかもしれませんけれども、社会保障と税の一体改革については、私はやり遂げていかなければいけないと考えています。
 マニフェストに書いていなかった、その分、しっかりなぜ必要かということは説明していかなければなりません。それは、自民党、公明党以上に我々は説明責任があるというふうに思います。
 加えて、国民の皆様、これは御負担をお願いをする話でありますので、それは多くの人が御賛同いただける状況ではありません。国論を二分するテーマ、むしろ慎重、反対の人が多いと思います。だからこそ、これもきちっと説明していかなければいけないと思います。
 問責決議案については重く受け止めさせていただきます。
#196
○大門実紀史君 その姿勢そのものに問責が出されているわけでございます。
 ここまで来ても不明なことはたくさんあります。その一つが附則十八条二項の問題でございまして、今日も三党の中の一党から、附則十八条二項で公共事業ができるようになって良かったと、こんなことが言われております。これは、総理は聞かれるたびに、今回の消費税増税の増税分は全額社会保障に使うんだということを繰り返し繰り返し答弁されてまいりました。公共事業には使われないということをおっしゃってまいりました。しかし、お金は色が付いておりませんから、ぐるぐる回って、建設国債に回ってこちらの赤字がこちらに回って、ぐるぐる回って使えるという解釈もあるわけです。
 絶対に公共事業に使わないということだったらば、公共事業には使わないんだという、そういう保証ができるんですか。はっきりとお答えください、最後ですから。
#197
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 今回引き上げていただく消費税について御負担をいただく分については全額これを社会保障に充てるということ、社会保障の充実に一%、安定化に四%充てる、これが今回の改革案の趣旨であります。
 予算を重点的に、効率的に配分をする中で、例えばこれは今回のこの法案の一つのテーマでありましたけれども、経済と両立させなければなりません。経済の好転をさせるときに、あの十八条の中で、成長戦略であるとか事前防災とか減災とかそういうものに資するということでありますので、今回引き上げる分については社会保障に全額充てるということであります。
#198
○大門実紀史君 いや、最後にそうおっしゃられますと、結局、その分は社会保障、じゃ、そこにあった分はほかに回って公共事業に使われるという話を今おっしゃっているわけですよ。今まで公共事業に使わないとはっきりおっしゃっていたんですよ。その保証は何ですかということをお聞きしているわけですよね。そこをはっきり言ってくださいよ。何を言っているんですか。
#199
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 先ほど申し上げたとおり、消費税引上げ分については、これはあくまで全額、全額社会保障です。全額社会保障に充てるということであります。
#200
○大門実紀史君 最後までそういう詭弁の答弁を繰り返されるわけだから、本当にこんな法案通すべきじゃないですよ。
 最大の問題は、公約違反、また民意を踏みにじってきていることにあるわけでございます。本来なら、国民の信を問うてから、これだけの重要課題ですから、それから実施の判断をすべきものを、これも総理は、法案を通してから信を問うんだと、こんな逆さまなことを繰り返し繰り返しおっしゃっております。これは私、過日のこの委員会で、じゃ法案を通してから審判を仰ぐとして、次の選挙で民主党が敗北したらこの消費税増税法案を撤回するということもあるのかとお聞きしたら、総理は、選挙の結果どうするかは予断を持って答えられないとおっしゃいました。
 しかし、国民に信を問うと……(発言する者あり)うるさいな。国民に信を問うということは、その結果を受けて政策判断をするということじゃないんですか。予断を持って答えられないってどういう意味ですか。じゃ、何のために信を問うんですか。
#201
○内閣総理大臣(野田佳彦君) なぜ社会保障と税の一体改革が必要なのか。社会保障を充実、安定化させるための安定財源確保するためにこれは国民生活に不可欠でありますので、そのためにやるんだということを国民の皆様にお訴えをするということであります。その結果については予断を持ってはお答えすることができないということであります。
#202
○大門実紀史君 選挙で負けても勝っても増税は変えないということならば、何のために信を問うのかということになるわけでございます。
 民主党のマニフェストというのはもうぼろぼろの状態で、自民党から取り下げろ取り下げろと言われてもう跡形もないような状態でございます。私は、やっぱり政党にとって公約、マニフェストというのは貫くべきだと、仮にそれが国会のいろんな事情で貫かれなかったとしたら、それはまた野に下って、国民多数を結集してまた政権を目指すとやればいいわけでありまして、今の民主党みたいにことごとくことごとく投げ捨てていったら、何のために政権にいるんですか。それこそ政党の自殺行為だと私は思いますが、総理はいかが思われますか。
#203
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 政権交代を実現してから約三年になりましたけれども、マニフェストでできていない部分もあります。だけれども、やれた部分も相当あります。総崩れであるとか次々とできていない状況という御指摘は、私は全く当たらないと思っておりますし、自分たちが任期にいる間はマニフェストでお約束したことは実行できるようにこれからも全力を尽くしていきたいというふうに思いますし、信を問う際には、何をやれてきたのか、何がどういう理由でできなかったということは御説明したいと思います。
#204
○大門実紀史君 せっかく民主党のために警告したわけですけれども、お分かりにならないんだったらば、これはもう選挙で決着付けるしかないというふうに思います。
 自民党の方に伺いますが、今年一月二十六日の衆議院本会議では、自民党の谷垣総裁は野田総理に対して、公約違反の民主党政権に消費税増税法案の提出の権限は国民から与えられていないと、野田政権の取るべき道は、有権者に謝罪した上で、謝った上で解散・総選挙を行い、国民に信を問い直すしかないと筋の通ったことをおっしゃったわけでございます。ところが、春ごろになって暖かくなるとだんだんおかしくなってきて、六月には三党合意を結んで、それまで責めていた民主党の公約違反をけしかける方向になると。とうとうこの夏の盛りになったら、解散・総選挙を迫るためにこの消費税増税法案を取引材料にすると。もうここまで来ると、マスコミにも言われておりますが、自民党のやってきていることというのは党利党略と言われても仕方がないんじゃないですか、いかがですか。
#205
○委員長(高橋千秋君) 野田毅君。時間が迫っておりますので、簡潔にお願いします。
#206
○衆議院議員(野田毅君) 先ほどどなたかの質問にもお答えしましたけど、今、谷垣さんの発言を引用されました。それはそのとおりです。
 少なくとも、まずは正しいマニフェストに基づいて一体改革を訴えた選挙をした上で取りかかるというのが本来だと思います。しかし、どうしても時間的な制約、国際環境等々の中、しかも、私どもには解散権はありません。そういった中で、改めてしんから反省をされて……
#207
○委員長(高橋千秋君) おまとめください。
#208
○衆議院議員(野田毅君) 国民にもおわびを申し上げて、政治生命を懸けておやりになるというのであれば、それは我々としては、一体改革は我々自身の公約でもあることですから、ほかのことは別として、これだけは一緒にやるという以外はないと。
 言うなら、解散の時期とそれからこの一体改革の順序が前後になっておることは事実です。だけど、我々は、少なくともこの法案を通した暁には……
#209
○委員長(高橋千秋君) おまとめください。
#210
○衆議院議員(野田毅君) できるだけ速やかに信を問うということになっていただくということだと思います。
#211
○大門実紀史君 消費税増税だけではなく、こういう政治の進め方そのものも早く衆議院を解散して国民に信を問うべきだということを申し上げて、質問を終わります。
#212
○福島みずほ君 社民党の福島みずほです。
 まず、問責決議案を議論せずに、本委員会で採決しようとすることに社民党として強く抗議をいたします。
 先ほどもありましたが、社民党も含めた野党七党から問責決議案が出されていることを総理はどう受け止めていらっしゃるでしょうか。
#213
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 社会保障と税の一体改革の意義についての見解の相違があるとはいいながらも、七会派から私に対して問責決議案が出ているということは厳粛に重く受け止めたいというふうに思います。
 ただ、その扱いについてはこれは国会の運びでございますので、政府の立場でお答えをすることはできないと考えております。
#214
○福島みずほ君 昨日の衆議院での野田政権不信任決議には、民主党内から造反の動きがあり、自民党からも賛成の票が投じられております。これについてどう考えますか。
#215
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 我が党から、残念ながら、不信任について私どもと同一の行動が取ることができずに、また離党の申出があったと聞いておりますが、大変残念なことであります。極めて遺憾に思います。
 自民党のことについては、他党のことを私が申し上げるのは、これは失礼かと思います。
#216
○福島みずほ君 総理、民主主義とは何かということをお話をしたいというふうに思います。
 まず、国民の六割、七割がこの消費税増税に反対をしている。それから、総理は自民党と組みさえすれば他の野党の話を聞こうとはしない。三点目は、民主党内のいろんな反対の意見をきちっと聞こうとはしない。民主主義とは対話であり説得じゃないですか。でも、総理にとっての民主主義というのは多数決、自民党と数で上回れば、過半数取ればいいと、そう思っていらっしゃるんじゃないですか。
#217
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 対話と説得が基本だと思います。その意味では、私どもの考え方をまとめる際には、一昨年の暮れからですからもう一年以上掛けてこの社会保障と税の一体改革の議論をしてまいりました。昨年の六月に成案をまとめて、今年の初めに素案をまとめて、そして二月に大綱として閣議決定をして法案提出をしてまいりました。この間は相当多くの人が参加をして長い議論をしています。議論をしてまいりましたけれども、待ったなしの改革については一定程度やっぱり時期というものが必要です。ずっと議論をしたまま何も結論が出ないというのは、これは逆に私は国民に対して無責任だと思っております。
 対話と説得はずっとやってきたつもりでございますし、国会審議においても、衆議院において百二十九時間、そしてこの参議院においても公聴会を含めると八十時間以上、二百時間を超える御議論があったと思います。三党だけが議論しているんではなくて、様々な党から様々な角度からの御議論をいただいてきたと承知をしています。
#218
○福島みずほ君 もし本当に対話ということであればこのような事態は生んでないんですよ。民主党の中から多数の離党者も生んでないんですよ。そして、国民を説得できていないんじゃないですか。六割、七割の国民が今消費税増税することに反対だということは、国民を説得し切れてないじゃないですか。きちっと納得するような形では進んでないんですよ。
#219
○委員長(高橋千秋君) 安住財務大臣。
#220
○福島みずほ君 いや、違う。時間がないので総理と一問一答でやらせてください。結構です。
 総理。
#221
○委員長(高橋千秋君) それでは、野田内閣総理大臣。
#222
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 時間を掛けてもずっと万人が納得する形ではできないかもしれません。だけど、時間を掛けて丁寧に民主的なプロセスはたどってきたと思っております。
 その上で、国民の皆様の御理解を得るために、万が一、万が一じゃないですね、もうこの採決の時期ですから、成立をさせていただいた暁には更にしっかりと皆様に御説明をしていかなければいけないと思います。国論を二分するテーマ、国民に御負担をお願いをするテーマであります。中小の事業者の皆さん、家計を預かっている皆さん、こうした皆さんに御負担をお願いすることはつらいことです。誰も喜んでやるとは思いません。でも、その中でも将来の国民のことを考えて決断しなければいけない場面があります。そういう御説明をこれからしていきたいと思います。
#223
○福島みずほ君 違いますよ。今日採決をするということをこの委員会が決めているわけですよね。そして、みんなが納得していない、国民も納得していない、他の野党も、自公以外は納得していない。そして、民主党の中でも納得していなかった人がたくさんいるんですよ。自民党と組みさえすれば多数決でやれると突っ走ったところがこのひどい状況、民主主義を踏みにじる事態を招いています。
 では、消費税についてですが、今の景気状況で消費税を上げれば景気が悪化し税収が減る、生活を圧迫する、本当に消費税を上げることができる状況なのか、総理、どうですか。
#224
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 当然のことながら、デフレ脱却、経済活性化に向けて政策の総動員をしていきたいというふうに思いますし、今回御審議いただいている法案の十八条の附則にも経済の好転という、そういう大変重要な考え方が出ています。
 それを実現をするための環境整備に向けて政策の総動員をして、成長と社会保障とこの財政の一体的解決に努力をしていきたいというふうに思います。
#225
○福島みずほ君 二〇一五年に一〇%ということがあるわけですが、今と同じような経済状況だったら消費税増税しないということですか。
#226
○内閣総理大臣(野田佳彦君) あくまで、名目であるとか実質であるとかという成長率であるとか、あるいは物価の動向等、様々な経済的な指標を総合的に判断をして、そのときの政権が判断をするということでございます。
#227
○福島みずほ君 総理はそのことについてどう責任取るんですか。
 現に、今消費税を上げれば、予言者ではありませんが、国民の皆さんの生活を圧迫します。中小企業の問題についても、今朝の東京新聞に民間調査で、消費増税すれば中小の六七%に悪影響、仕入価格の上昇、税負担、価格転嫁が難しい、廃業に追い込まれると出ています。
 総理、消費税上げて、本当にこの事態が起きますよ。本当にこの事態が起きる。総理はこのことについてどう責任取るんですか。総理。
#228
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 中小零細企業者の皆さんが一番御心配をされている転嫁については、これは転嫁対策をしっかりと講じていかなければいけないというふうに思います。これは大きな課題だというふうに思いますし、下請等々、こうした法改正も含めて対応しなければいけない、これまでの消費税の導入時や前回の引上げ時以上に徹底した対策を行っていきたいというふうに思います。
 逆に、消費税の負担のお話だけでありますけれども、負担をしていただくことは全部社会保障に回すということであって、これは国民生活を守るためであります。この財源が今しっかり確保されていないことが問題であって、それを将来の世代に御負担をお願いをするような形、そういう財政規律のない形でこのまま日本が続くかという問題であって、逆にその決断をしなかったときの責任の方が私は大きいと思っています。
#229
○福島みずほ君 総理、責任取れないんですよ。中小企業の転嫁策だってできないですよ。社民党がずっと言ってきた富裕層への増税はやらないじゃないですか。必ずやるんですか、これは。つまり、今回、消費税増税だけが残って、富裕層への増税、不公平税制の是正も軽減税率も、そういうのはもう先送りじゃないですか。先送りで、今回、消費税増税だけなんですよ。パックで議論するならまだ分かります。どれも決まってないんですよ。ちゃんとやるんですか。
#230
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 消費税の最初の引上げ時期は二〇一四年のこれは四月であります。それまでに当然のことながら軽減税率かあるいは給付付き税額控除か、もちろんそれまでに簡素な給付措置やりますけれども……(発言する者あり)いや、低所得者対策をやるんです。いや、それをやらないで実施、引上げをするということはあり得ません。間違いなくそういう対策を講じるということ、この順番はあるということは是非、それを逆にするなんていうことはあり得ないということであります。
#231
○福島みずほ君 富裕層への増税をまずやってから、それから消費税の議論をする、消費税の議論が最後なら分かりますよ。でも、今日の時点で消費税増税だけ決めて、あとのことは決まってないじゃないですか。何にも決まってないんですよ。この状況で消費増税だけやるから、これがまた問題です。
 東京電力は、電気料金のうち家庭用の電気料金で九割を占めていました。大企業はダンピングもあったわけです。これ、消費税一緒じゃないですか。庶民に甘えるのもいいかげんにしろと言いたいと思いますよ。黙っているところから取って、大きいところの富裕層への増税などはやらないじゃないですか。
#232
○委員長(高橋千秋君) おまとめください。
#233
○福島みずほ君 今日の時点で何も決まってないんですよ。
 野田総理、これで……
#234
○委員長(高橋千秋君) 時間が参りました。おまとめください。
#235
○福島みずほ君 消費税を増税すれば、本当に国民も中小企業も困ります。
#236
○委員長(高橋千秋君) おまとめください。
#237
○福島みずほ君 逆進性対策もしてなくて消費税を上げることに断固反対です。
 そのことを申し上げ、社民党の質問を終わります。
#238
○行田邦子君 みどりの風の行田邦子です。
 野田総理に対して問責決議案が出たにもかかわらず、今日にも法案の採決がされようとしている、この事態に対しまして改めて強く抗議を申し上げたいと思います。
 それでは、質問に移ります。
 まず、公的年金制度について、民主党の法案提出者に伺います。
 民主党の年金制度の改革案は、税を財源とした最低保障年金と納めた保険料に応じて年金を受け取れる所得比例年金の二本立てとなっていました。これは、三党合意の後もこの主張は変わらないのでしょうか。
#239
○衆議院議員(白石洋一君) 民主党が提案する新年金制度というのは、拠出建ての保険方式としての所得比例年金、これを基本としまして、それでは給付が少ない方に対して補足的に税を財源とする最低保障年金を給付するものであります。この骨子は変わっておりません。そして、今党内で具体案を鋭意検討しております。
 今回、三党合意で提出した社会保障制度改革推進法案、この枠組みの中で新年金制度を提案し、理解が得られるよう努力してまいりたいと思います。
#240
○行田邦子君 税を財源とする最低保障年金といった主張は変わらないということでした。
 それでは、総理に伺います。
 民主党の二〇〇九年のマニフェストでは、消費税を財源とする最低保障年金を創設して、全ての人が七万円以上の年金を受け取るようにするというふうに書いております。この場合の、この最低保障年金を導入した場合の必要な財源についてお教えいただけますでしょうか。
#241
○国務大臣(岡田克也君) 今委員が正確に言われたように、最低保障年金で七万円とは言っていないんですね。全ての人が七万円受け取れるようにする、そのために最低保障年金制度というのがあるということであって、それは所得比例年金と最低保障年金合計して全ての人が七万円受け取れるようにすると、そういう趣旨でございます。
 具体的な制度設計については、今党の方で行われているというふうに承知をしております。
#242
○行田邦子君 私の質問は、財源についてお教えいただきたいということです。いかがでしょうか。
#243
○国務大臣(岡田克也君) 財源がどのぐらい必要かということについては、制度設計いかんによります、最低保障年金の大きさをどの程度にするかということによって。つまり、どのような所得層の人まで最低保障年金というものを出していくかということによって変わりますので、その計算は現在党の中で行われているということでございます。現在の、一〇%に引き上げたその消費税の中でその最低保障年金を賄うという考え方には立っておりません。
#244
○行田邦子君 最低保障年金を導入するというのは、これは抜本改革に当たります。こうした議論をするに当たっては、やはり詳細な制度設計と、それから財源を示さなければ検討ができません。ですから、早期にこれは提示するべきだと思います。
 それでは、自民党の法案提出者に伺います。
 社会保障制度改革推進法案の第二条三号には、年金においては社会保険制度を基本としというふうになっております。この法案を提出したお立場として、税を財源とする最低保障年金を検討する余地はあるのでしょうか。
#245
○衆議院議員(加藤勝信君) 今御議論があったように、私どもの認識は、全額税を財源とするそうした年金というものは明らかに、ここに言っております社会保険制度を基本とするという、これには全く反するものであると、こういう理解でございます。ただ、具体的な議論あるいは姿がまだ示されておりません。そして、今御指摘があった財源もよく分かりません。したがって、そうしたものを含めた御提案があれば、今回の推進法あるいは三党合意に従って対応していくと、こういうふうに考えております。
#246
○行田邦子君 今の答弁でも分かるように、公的年金制度については、この三党の、野党それから与党の民主党、そしてまた政府の間でまとまっていません。ばらばらのままであるということがよく分かりました。
 それでは、高齢者医療制度について伺いたいと思います。総理に伺います。
 これからの高齢者医療制度の議論の中で、政府・民主党として後期高齢者医療制度の廃止を主張していくんでしょうか。
#247
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 後期高齢者医療制度の廃止に向けましては、高齢者医療制度改革会議の取りまとめについて全国知事会を始めとする関係者の理解を得るため検討、調整を進めてまいりましたけれども、これまでのところ理解を得るには至っておりません。こうした中で、先般の三党合意や、三党で提出をしています改革推進法案に盛り込まれている国民会議において、今後、先ほど御議論があった公的年金制度とともに医療保険制度についても議論を深める、そういう枠組みというか道が開けたというふうに思っておりますので、後期高齢者医療制度廃止についても引き続きこの枠組みの中で提案をし、理解を求める努力をしていきたいと考えております。
#248
○行田邦子君 それでは、自民党の法案提出者に伺います。
 後期高齢者医療制度は廃止すべきでしょうか。
#249
○衆議院議員(加藤勝信君) これまでのこの委員会でも御議論がありましたけれども、この後期高齢者医療制度導入時にはいろんな確かに議論がございました。混乱もございました。高齢者の方々にもある意味ではいろんな意味で御迷惑を掛けてきたわけでありますが、私どもとしては、基本的に現時点ではかなり定着をしてきたと、こういうふうに認識をしておりまして、高齢者医療制度については現行制度を基本に、そうはいっても必要な見直しを行っていかなければならない、こういうふうに考えております。
 ただ、いずれにしても、廃止というだけでは物が進まないわけでありますから、この件については、もしそれに代わる具体的な案があるならばまたそれをお出しいただく中で、この三党合意、またあるいは推進法に従って検討していくと、こういうふうになると思います。
#250
○行田邦子君 六兆円の公費が投入されている高齢者医療制度についても、これもまた野党、それから民主党、また政府の間で考えが全くまとまっていません。ばらばらの状況というふうに言えます。
 私は、社会保障の財源として消費税の増税ということを国民の皆様に提示するのであれば、やはり少なくとも社会保障給付の約半分を占めている年金制度そしてまた高齢者医療制度、少なくともこの二つについてはその改革の絵姿をしっかりとお示しをして、そして給付と負担の関係はどうなるのか、財源はどのぐらい必要になるのかといったことをお示しした上で消費税の増税ということを提示するべきではないか、それが筋であるというふうに強く訴えたいというふうに思っております。
 それでは、最後の質問になります。
 総理は、行革なくして増税なしといった趣旨の発言を何度もされています。その意を受けまして、民主党は、行政改革実行法案という与党の議員立法を四月十三日に国会に提出しました。そしてまた、さらに特別会計法改正案は三月に、それから独立行政法人通則法改正法案は五月に閣法として提出しています。これらはまだ審議すらされていません。消費税増税の三党協議を行うのであれば、歳出改革につながるこのような行政改革に資する法案についてもなぜ協議ができなかったんでしょうか。
#251
○国務大臣(岡田克也君) 委員御指摘の法案はそれぞれ重要であります。是非、この国会の中で御審議いただきたいというふうに思っております。
 特に、行革実行法案は民主党の中で議論し、そして作り上げられたものでございます。行田先生も中心メンバーとしてお作りいただいたわけですから、できれば党の中で一緒に法案成立に向けて努力できればというふうに思いましたが、党は替わりましたけれども、是非、この法案の実行に向けて一緒に御協力いただければというふうに考えております。
#252
○行田邦子君 総理から、いかがでしょうか。
#253
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 社会保障と税の一体改革という法案でありますけれども、経済の再生もしなければいけない、今御指摘のように、行政改革、政治改革、国民の皆様にとってはまず身を切る改革をやってみろという、これが国民の声だと思います。そういう声を受け止めるためにも、今提案をさせていただいている行政改革に絡む法案の審議というものも是非お願いをしたいと思いますし、御協力を私からもお願いしたいと思います。
#254
○行田邦子君 残念ながら、その同じ御答弁を二か月前にも総理から伺っております。
#255
○委員長(高橋千秋君) 時間が参りましたので、おまとめください。
#256
○行田邦子君 総理は、事あるごとに決められない政治からの脱却と発言していますけれども、今回の一体改革の三党合意というので決まったことというのは消費税の増税のみであります。
#257
○委員長(高橋千秋君) おまとめください。
#258
○行田邦子君 そして、肝心の社会保障制度については決められないままの政治となっています。また、行政改革についても残念ながら進まないままとなっています。
 このような状況の中で、この今回の一体改革の法案は到底賛成できるものではないという意見を申し上げて、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。
#259
○委員長(高橋千秋君) この際、お諮りいたします。
 八案に対する質疑は終局したものと認めることに賛成の方の起立を願います。
   〔賛成者起立〕
#260
○委員長(高橋千秋君) 多数と認めます。よって、八案に対する質疑は終局したものと認めます。
    ─────────────
#261
○委員長(高橋千秋君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、大門実紀史君及び行田邦子君が委員を辞任され、その補欠として田村智子君及び亀井亜紀子君が選任されました。
    ─────────────
#262
○委員長(高橋千秋君) これより八案について討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
#263
○姫井由美子君 国民の生活が第一の姫井由美子です。
 私は、国民の生活が第一を代表して、消費税増税法案を含む社会保障と税の一体改革関連八法案に対して断固反対の立場から討論をいたします。
 まずそれ以前に、当委員会の運営に対して一言申し上げます。
 民自公談合三党以外の純粋野党七会派による野田総理への問責決議案の処理を先送りにして、このような形で消費税増税法案を含む関連八法案が本委員会で採決されること自体が不当だと断言いたします。
 したがいまして、私たち純粋野党は、委員会の冒頭に高橋千秋委員長の不信任動議を提出いたしました。しかし、討論の申出があったにもかかわらず認められなかったことに強く抗議をいたします。委員会において、討論の申出に対してこれを認めず、前代未聞の言論封鎖、すなわち議会制民主主義の否定の暴挙が行われました。良識の府である参議院において二度とこのようなことがなされないよう猛省を促すものであります。
 以下、関連八法案の問題点を指摘し、反対の理由を申し上げます。
 まず第一に、そもそもこの法案は、社会保障と税の一体改革と言いながら、事実は単なる増税先行法案であることです。
 つまり、消費税の増税以外の内容については衆議院での修正により先送りとなり、また消費税増税以外の税制改革は何ら具体策がありません。政府原案では、所得税や資産課税の税制改革を行うこととなっていました。しかし、この点について、三党合意により、来年の税制改正に先送りとなっています。
 本来、社会保障と税は所得の再分配機能となるべき政策です。それを先送りにして消費税の増税のみが先行し増収を図るということでは、まずもって納得ができません。
 さらに、消費税については逆進性対策や転嫁対策など様々な問題があります。にもかかわらず、簡素な給付措置の内容も将来想定している給付付き税額控除の姿も政府・与党から示されていません。加えて、中小企業が増税分を価格に上乗せできない転嫁の問題に対しても、有効な対策は現時点で示されていません。これらの解決策も提示されず、大衆増税である消費税増税のみが先行されたことは、今回の法案がそもそも社会保障と税の一体改革でなかったことの証明であります。
 第二に、民自公の談合による三党合意、実質的には三党大連立政権による消費税増税は、二〇〇九年衆議院総選挙で民主党が託された民意に反し……
#264
○委員長(高橋千秋君) おまとめください。
#265
○姫井由美子君 正統性がありません。
 審議の中で明らかになったことは、今回の関連八法案は、社会保障と税の一体改革と言いつつも、三党合意により追加された附則十八条二項により……
#266
○委員長(高橋千秋君) 時間が来ております。おまとめください。
#267
○姫井由美子君 公共事業への流用を実現しようとしていることです。
 また、法案に関して、衆議院での修正という形で民自公の三党のみで秘密裏に進められ、さらには、法案の取扱いや今後の政治日程までもが三党の談合で合意されたことは……
#268
○委員長(高橋千秋君) おまとめください。
#269
○姫井由美子君 議会制民主主義の否定であり、到底国民の皆さんは納得するわけがありません。
 このように、あらゆる点で問題のある社会保障と税の一体改革……
#270
○委員長(高橋千秋君) おまとめください。
#271
○姫井由美子君 関連八法案は否決し廃案にすべきであると申し上げ、私の反対討論といたします。
#272
○金子洋一君 民主党の金子洋一でございます。
 会派を代表して、賛成の立場から討論をいたします。
 賛成の理由の第一は、消費税引上げ分の五%が全て社会保障に充てられるということであります。特に、社会保障の充実に約二・七兆円が使われ、子育て支援を始めとする多くの事業が強化をされます。また、附則十八条二項の規定につきましても、無駄な公共事業にはびた一文使えない、使わないということが明らかとなりました。
 第二に、経済成長への配慮があることです。何ら対策を打たなければ、五%分の消費税率の引上げはデフレ下での我が国経済に大変大きな悪影響をもたらしてしまいます。しかし、今回の法案では、景気条項として十年間の平均で年間名目三%、実質二%の経済成長を目指し政策努力を行うことや、緊急の事態が起きた場合には税率引上げ停止を含んだ措置をとるということになっております。
 第三に、消費税引上げに伴う転嫁対策や駆け込み需要などへの対策が検討されているということであります。この点について私の質疑の中でも取り上げましたが、中小企業では税率引上げ分の転嫁が大変難しい問題、社会保険診療が非課税である医療機関について損税の問題があること、住宅などの駆け込み需要とその取得課税の問題、あるいは自動車関係諸税の抜本的見直し、揮発油税などのタックス・オン・タックスの問題などにつきまして、こうしたものへの対応を必要な法制上の措置を含めて精力的に検討をする旨の御答弁をいただきました。
 もちろん、今回の消費税引上げが我が国経済に与える影響は大変大きなものであることには疑問の余地がございません。賛否を迷っておられる方も多いと思います。お気持ちお察しいたします。
 しかし、参議院での与党過半数割れなどの複雑な状況に対応する上で完全無欠な法案というものはございません。力を合わせてできるだけ悪影響を減らし、政策効果を強化していくことが我々国会議員に課せられた使命です。私は円高・デフレ脱却を目指し、金融緩和の実現に向けて全力で取り組んでまいります。
 以上、皆様の御賛同を心からお願い申し上げまして、賛成討論とさせていただきます。
 ありがとうございました。
#273
○桜内文城君 みんなの党の桜内文城です。
 私は、ただいま議題となりました消費税増税関連八法案に対する反対の討論を行います。
 我々が消費税増税関連八法案に対し反対する理由は以下の三点です。
 第一に、失われた二十年とも呼ばれるバブル崩壊後のデフレ不況が続く中、究極のデフレ政策である増税を強行するのは、日本経済そして国民の生活をぶち壊しにするものでしかありません。確かに、GDPの二倍にも達する巨額の財政赤字をいかにしてコントロールするのかという問題意識は共有しますが、増税のみによって財政再建を果たせるわけではありません。民間主導の経済成長に伴う増収、無駄の削減による歳出の圧縮を組み合わせてこそ財政再建の道筋が見えてくるはずです。
 歴史に学ばない者は過ちを繰り返すと言います。昭和恐慌の折、浜口雄幸総理、井上準之助大蔵大臣は、男子の本懐と称して文字どおり自らの命を懸けてデフレ政策である金輸出解禁を強行しました。政治家の生きざまとしては尊敬すべきものがありますが、誤った経済政策によって日本経済がどん底にまで落ち込んだことは歴史に刻まれています。同様に、野田総理の言う決められる政治も美しい響きがありますが、デフレ不況下の消費税増税という間違った経済政策を強行することを決められる政治と呼ぶならば、再び歴史は繰り返し、かえって国民の生活が台なしになることでしょう。
 第二に、みんなの党は、三年前の結党以来、増税の前にやるべきことがあると一貫して主張してきました。増税の前にやるべきこと。まず、税金で給料をもらっている我々国会議員や公務員が自らの身を削る。次に、シロアリがたかるような無駄な歳出を徹底して削減する。
 我が党は、一般会計、特別会計合わせて二百二十八兆円の総予算を全面的に組み替え、行政コストを約二十兆円削減する修正動議を提出しました。これを実現するため、国の財政制度を現在の大福帳方式から複式簿記化し、バランスシートを始めとする財務諸表を作成、開示する財政透明化及び責任明確化法案も提出しています。さらに、我が党は、長く続くデフレ不況から脱却するため、財政、金融一体のマクロ経済政策を実現する手段を日銀及び政府に与える日銀法改正法案も提出しています。これら増税の前にやるべきこと、やれることを何一つやろうともせず、増税一本やりで突き進むことを我々は決して許すことはできません。
 第三に、国民に増税の負担を求めるのであれば、本法案の採決の前に国民に信を問うべきです。マニフェストで国民に約束した高速道路無料化、子ども手当、ガソリン税の暫定税率の廃止、最低保障年金、後期高齢者医療制度の廃止等、目玉政策を何一つ実現することなく、マニフェストにない消費税の増税は強行する、憲政の常道に反する増税一本やりの政策には我々は断固として反対します。
 以上……
#274
○委員長(高橋千秋君) おまとめください。
#275
○桜内文城君 消費税増税関連八法案には経済政策の面でも民主主義的な手続の面でも何ら正当性がないことを指摘して、私の反対討論を終わります。
#276
○石井準一君 自由民主党の石井準一です。
 私は、自由民主党・たちあがれ日本・無所属の会を代表して、ただいま議題となりました一体改革関連八法案に関し、賛成の立場から討論いたします。
 衆議院で当初審議された政府提出法案は、我が党との考え方の違った極めて問題の多いものでした。衆議院における審議の中で浮かび上がった問題点について修正協議を行い、三党の合意がなされました。関連法案の成立に向け環境が整備されたことは、将来への責任を自覚した心ある政治家の方々によって党派を超えた議員による決断として、これまで特別委員会にお越しをいただきました参考人、公述人の方々からも高い評価をいただいており、私自身も大きな意義を感じているところであります。
 政府の当初案は、社会保障の全体像を国民に示さず、国民に税負担を求めるばかりの増税先行法案でありました。特に、民主党の看板であった後期高齢者医療制度の廃止や最低保障年金制度についても具体的な姿は何ら明らかにされませんでした。本法案の審議を通じて、社会保障と税の一体改革をめぐり、多くの件で与野党が議論を尽くした上で、我が党が求めた修正を行い、是正、確認がされたことは大きな進歩であります。これによって、我が党の考え方が全面的に反映をされ、我々が賛成できるものとなりました。
 社会保障制度改革推進法案については、自助、共助、公助が最も適切に組み合わされるよう留意すること、負担の増大を抑制しつつ、制度の持続性を高めること、年金、医療、介護は社会保険制度を基本とすることなどの考え方が示されました。また、社会保障制度改革国民会議で、閣議決定された大綱にこだわらず、幅広い観点から社会保障制度改革についての議論が行われることとなりました。
 年金制度については、社会保険制度の基本原理に反するような低所得者等への年金額加算、高所得者への年金額調整などの規定が削除され、別途、福祉的給付に関する規定が追加をされたこと、子ども・子育てについては、政府・民主党が提案をした総合こども園制度を撤回をし、株式会社の参入要件を適正化するなど、現行の認定こども園制度を基本に制度を拡充することとなりました。
 消費税につきましては、複数税率の導入に関する検討規定、景気条項の中の成長戦略や事前防災への重点配分が規定をされたこと、住宅や自動車取得に関しては十分な対策の検討が盛り込まれました。
 これらはいずれも法案の根幹にかかわる重要な修正であります。逆に言えば、元々の政府案はこんな基本的なことすらもできていない、極めて不完全なものだったということになります。
 政権交代以降、民主党の国家運営能力の欠如によってどれだけ多くの国益が損なわれ、どれだけ多くの国民が苦しみ、どれだけ多くの時間が無駄に費やされたのか。この三年間でどれだけ国家的な損失を被ったのか。
#277
○委員長(高橋千秋君) おまとめください。
#278
○石井準一君 失った時間は取り戻せませんが、民主党に良心のかけらがあるならば、閣僚以下全員が猛省をすべきであります。
 八月八日の党首会談において……
#279
○委員長(高橋千秋君) おまとめください。
#280
○石井準一君 社会保障と税の一体改革関連法案が成立した暁には近いうちに国民に信を問うことで三党が合意をいたしました。
#281
○委員長(高橋千秋君) おまとめください。
#282
○石井準一君 この約束を誠実に守り、野田総理は直ちに解散・総選挙を行い……
#283
○委員長(高橋千秋君) おまとめください。
#284
○石井準一君 国民の審判を受けることを切に申し上げ、私の討論といたします。
 以上です。
#285
○田村智子君 日本共産党を代表し、社会保障と税の一体改革関連法案に反対の討論を行います。
 まず冒頭、本日の委員会での委員長不信任動議について、当の委員長が小会派の討論を認めないという運営を行ったことに重ねて強く抗議いたします。
 今国会での消費税増税法案の採決はやるべきではない、これが国民の圧倒的多数の世論です。民主、自民、公明の増税連合による採決の強行は断じて認められません。消費税増税は、国民生活も日本の経済、財政も危機に陥れる愚の骨頂ともいうべき政策です。
 先月発表された国民生活基礎調査では、生活が苦しいという世帯は過去最多、六割を超えました。この声に耳を傾けず、消費税を一〇%に引き上げたらどうなるか。個人消費が冷え込み、国内経済は更に低迷、税収も回復どころか一層落ち込むことは誰の目にも明らかです。
 また、消費税は余りに欠陥の多い税制です。中小企業が価格に転嫁できない、逆進性が強く、低所得者への対策が必要、医療機関は損税を強制されているなど、本委員会でも繰り返し深刻な問題点が指摘されましたが、政府からも、民主、自民、公明の発議者からも何一つ抜本的な対策は示されていません。
 社会保障のためという増税の目的も、本院での審議で完全に崩れました。
 三党の修正によって、消費税法の附則には、社会保障財源を消費税とすることで機動的な対応が可能となり、成長戦略及び減災等に資する分野に資金を重点的に配分する旨が明記されました。
 現に、政権交代後、予算執行が凍結されていた八ツ場ダム、東京外環道などの大型事業が一気に息を吹き返し、今後十年間で自民党からは二百兆円、公明党からは百兆円の大型公共事業プランまで提起されています。これでは、消費税増税は大型公共事業のための打ち出の小づちではありませんか。
 社会保障のためどころか、国民にとっては、消費税増税に加え、社会保障の切捨てが襲いかかることも明らかになりました。
 本委員会の質疑では、適正化、効率化、重点化の名の下に、介護保険料、国民健康保険料の一層の引上げ、介護サービスの新たな抑制、混合診療解禁の検討などが行われることを政府も法案発議者も否定しませんでした。
 現在、金融審議会では、保険会社による医療や介護の現物給付についての議論も行われており、保険会社など営利企業の医療、介護への参入を狙っていると言っても過言ではありません。自助、家族相互及び地域の支え合いが社会保障の基本という社会保障制度改革は、憲法二十五条が定める健康で文化的な最低限度の生活を営む権利、その権利を保障するための国の義務を著しく矮小化するものであり、断じて認められません。
 子ども・子育て新システムに関する法案は……
#286
○委員長(高橋千秋君) おまとめください。
#287
○田村智子君 保育の市場化を進め、公的保育制度を後退させるものとなっています。保育施策への予算増を消費税増税の口実としながら、その額は七千億円。国の基準の低さから、現に地方自治体が単独で負担している一兆円にも届きません。しかも、保育所の建設費補助の規定が削除されており……
#288
○委員長(高橋千秋君) おまとめください。
#289
○田村智子君 待機児童対策などが安上がりな保育施策に傾倒する懸念があります。
 政府の言う社会保障と税の一体改革では、日本の社会が良くなる道は見えません。我が党は、消費税に頼らず社会保障充実の道があることを対案として示してきました。
#290
○委員長(高橋千秋君) 時間が来ております。おまとめください。
#291
○田村智子君 消費税増税を許さず、国民とともに真の改革の道を歩む決意を述べ、反対討論を終わります。
#292
○竹谷とし子君 私は、公明党を代表して、ただいま議題となりました八法律案に対し、賛成の立場から討論いたします。
 我が国は、少子高齢化が急速に進展する中、真に国民が安心して暮らすための社会保障制度の構築が喫緊の課題であり、加えて、その制度の信頼を確保するためにも安定財源を確保することは不可欠であります。
 残念ながら、政府の一体改革案は社会保障制度の全体像が示されず、増税による国民負担を求めることを優先し、現下のデフレ不況に苦しむ国民、特に低所得者に対する配慮に欠いたものでした。
 こうした政府案に対し、公明党は、自民党とともに真摯に修正協議に臨み、年金、子育て、税制の各分野について必要な制度の見直しに合意するという決断をいたしました。
 まず、子ども・子育て支援関連法案は、認定こども園法について改めて議員立法で改正を行い、幼保連携型認定こども園等に関する制度を拡充させるとともに、保育の質や量を拡充させるものとなっており、賛成であります。
 また、社会保障制度改革推進法案は、社会保障制度改革国民会議において年金、医療、介護、子育ての全体像を増税前に明確化するということになりました。
 政府案の年金関連法案は、公明党が主張してきた低所得者への年金加算措置や被用者年金一元化などが盛り込まれたもので、公明党の定率加算を参考に福祉的給付で対応する等の修正が行われており、より現実的なものと評価をいたします。
 さらに、財政関連二法案では、成長戦略並びに事前防災及び減災等に資する分野に資金を重点的に配分するなど景気・経済対策の検討条項を明記し、加えて、軽減税率の導入も含め、消費税率八%引上げ時から低所得者対策を実行できるよう検討規定を設ける修正等も行われております。
 最後に、当委員会における質、量共に濃密な審議も尽くされた中で、改革を前に推し進めるための課題も明確になった今、法案を速やかに成立させた上で国民に信を問い、国会が決められない政治を脱却して次の改革に踏み出すことを国民は真に望んでいるということを申し上げ、私の討論を終わります。
#293
○福島みずほ君 社民党の福島みずほです。
 私は、社民党を代表して、社会保障と税の一体改革に関連する政府提出法案及び民主党、自民党、公明党提出の社会保障制度改革推進法案の全てに反対の立場から討論をいたします。
 最初に、野党七党によって提出された野田政権への問責決議が参議院にて討議されなかったことに強く抗議をいたします。与党は何を問われているのか、真摯に向き合うべきです。
 野田首相は、自民党政治を変えると訴え政権交代したにもかかわらず、自民党と手を結び自民党の政策を実現しようとしており、国民の信頼を完全に裏切っています。原発再稼働、原子力規制委員会委員長及び委員の人選、オスプレイの配備など、国民の声を無視し続ける野田政権の判断には大きな問題がありますが、その最たるものが消費税増税です。
 社会保障と税の一体改革と言いながら、社会保障制度改革も不公平税制の是正も全て先送りです。結局、法案は、ただの消費税増税だけです。毎年賃金が下がり、デフレが続き、非正規雇用労働者が増大し、年収二百万円以下の生活者が増え続ける国の中で逆進性の強い消費税を増税することは、国民に自ら訴えた国民の生活が第一とは真反対で、国民の生活を破壊することにほかなりません。社民党が主張し続けた富裕層への増税は、今回削除をされました。このような不公平、不公正を許すわけにはいきません。
 また、民主党、自民党、公明党の三党は、三党合意と言いながらも、最も重要な社会保障像についても、社会保障制度改革国民会議についても、消費税の使途についても、国会での三党の答弁はばらばらです。
 自助が強調され、社会保障費の抑制を内容とする社会保障制度改革推進法案は、国民が今最も求めているセーフティーネットを更に壊すことは明らかです。その新自由主義的発想は、現在の社会不安を醸成した構造改革の再来であり、断固として認めるわけにはいきません。
 また、附則十八条にあるように、消費税増税分を公共事業において使っていく動きも出ている始末です。
 また、生活保護の適正化も、委員会では予算の削減を意味しないとの答弁でしたが、生活保護の申請を却下された人たちが餓死する現状の中で、削減ではなく、生活保護が日本国憲法二十五条を真に担保したものにしていくことこそが問われています。
 国民が強く求めているのは社会保障制度の改革です。その全体像があり、それを実現する不公平税制の是正を始めとした税制改革を行うという財政案が提示されるべきです。国民は社会保障像を全く示されることなく、税金だけを取られていくような法案に賛成をするわけにはいきません。
 消費税増税法案を国民の信を問うことなく成立させることは、民主主義を踏みにじるものです。
 二〇〇九年九月九日、三党で、この選挙で負託された期間内は消費税を上げないと決めました。国民への約束をなぜ踏みにじるのでしょうか。
#294
○委員長(高橋千秋君) 時間が参りました。おまとめください。
#295
○福島みずほ君 以上の理由から、全ての法案に反対することを申し上げ、社民党の反対討論といたします。
#296
○亀井亜紀子君 私は、みどりの風を代表し、一体改革関連八法案について反対討論を行います。
 本法案は、手続にも内容にも問題があります。
 まず、手続については、与党民主党内の合意形成において多数決を取らず、ごく少数の執行部に一任させるという独裁的手法で推し進めたため、民主党から六十人近い離党者を出すという混乱を招きました。
 また、民主党と国民新党の連立合意文書に今回の選挙で負託された政権担当期間中において消費税率引上げは行わないという公党間の約束があり、本法案は連立政権の正統性を証明する連立合意文書に違反しています。
 国民新党の代表であった亀井静香氏は、法案提出前に野田総理と党首会談を行い、その直後、閣議前に連立解消の会見を行いましたが、閣議後に官房長官が連立解消を否定するという前代未聞の事件が起きました。党首会談で決まったことをなぜ官房長官が覆せるのか、その理由はいまだに示されておりませんし、当事者である総理が知らぬ存ぜぬで通すことは余りにも無責任だと思います。
 つまり、本法案は、国民新党側の連立解消の会見と民主党側の連立維持の会見との間に挟まれた法的位置付けが曖昧な閣議、言わば政権の空白期間に国会に提出された法案です。立法府はこの点を追及せず、解散をめぐる党利党略で審議が進められ、本日採決を行うことは国会の歴史に汚点を残すと思います。
 連立合意は一方的に破棄し、三党合意は公党間の約束だから守れと強要する野田総理の身勝手な論理、見識のなさに愕然とします。
 以上のことを鑑みれば、野田総理に対する野党七会派の問責決議案の提出は至極当然だと思います。野党であるはずの自民党、公明党とその認識を共有できないことは大変残念です。
 本法案は内容においても大いに問題があり、枚挙にいとまがありませんが、一言で言うなら、社会保障制度改革と消費税一〇%という数字に何の関連性もないことです。一体改革とは名ばかりであり、本法案の基礎をつくった政府の社会保障改革に関する集中検討会議、また税制調査会において、制度改正と財源が一体で議論されたことは一度もありません。
 例えば、最低保障年金、後期高齢者医療制度の廃止は政権交代の原動力となった政策ですが、実現の見通しはありません。本法案は、現行制度の維持を前提とした赤字補填にしかならないのです。
 低所得者対策も軽減税率か給付付き税額控除かという具体策は全て国民会議に先送りされて、増税だけが先行します。
 一般財源であるため、国債償還や公共事業で使うこともできます。法律の目的に財政再建の文言があれば幅広い流用が可能であり、区分会計にしないことは問題です。
 さらに、デフレ下での増税は更なる景気後退を招くことも多くの経済学者が指摘しています。
 以上のように、本法案は、手続、内容共に重大な問題があり、国民の信に堪えられるような代物ではありません。
 二〇一四年四月の……
#297
○委員長(高橋千秋君) おまとめください。
#298
○亀井亜紀子君 消費税引上げまでに少なくとも二回の国政選挙があります。郵政民営化法がそうであったように、時の総理が強引に進めても、法案の中身がひどい場合は凍結、修正せざるを得なくなります。
#299
○委員長(高橋千秋君) おまとめください。
#300
○亀井亜紀子君 消費税問題が第二の郵政となり、拙速な採決が今後、更なる国会の混乱を招くかもしれません。
 以上の理由から、本日の採決には反対いたします。
#301
○委員長(高橋千秋君) 他に御意見もなければ、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#302
○委員長(高橋千秋君) 御異議ないと認めます。よって、八案に対する討論は終局したものと認めます。
 これより順次採決に入ります。
 まず、公的年金制度の財政基盤及び最低保障機能の強化等のための国民年金法等の一部を改正する法律案について採決を行います。
 本案に賛成の方の起立を願います。
   〔賛成者起立〕
#303
○委員長(高橋千秋君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 次に、被用者年金制度の一元化等を図るための厚生年金保険法等の一部を改正する法律案について採決を行います。
 本案に賛成の方の起立を願います。
   〔賛成者起立〕
#304
○委員長(高橋千秋君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 次に、社会保障制度改革推進法案について採決を行います。
 本案に賛成の方の起立を願います。
   〔賛成者起立〕
#305
○委員長(高橋千秋君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 この際、荒木清寛君から発言を求められておりますので、これを許します。荒木清寛君。
#306
○荒木清寛君 私は、ただいま可決されました社会保障制度改革推進法案に対し、民主党・新緑風会、自由民主党・たちあがれ日本・無所属の会及び公明党の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    社会保障制度改革推進法案に対する附帯決議(案)
  政府は、次の事項について、十分配慮すべきである。
 一、社会保障給付とこれに要する費用の負担の在り方については、受益と負担の適切な関係の確保、社会保障給付における均衡の確保及び国民の負担の適正化と負担の公平を図り、全体として均衡と整合性がとれたものとすること。
   右決議する。
 以上でございます。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
#307
○委員長(高橋千秋君) ただいま荒木清寛君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の起立を願います。
   〔賛成者起立〕
#308
○委員長(高橋千秋君) 多数と認めます。よって、荒木清寛君提出の附帯決議案は多数をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、岡田国務大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。岡田国務大臣。
#309
○国務大臣(岡田克也君) ただいま御決議のありました事項につきましては、政府といたしましても御趣旨に沿って配意してまいりたいと存じます。
#310
○委員長(高橋千秋君) 次に、子ども・子育て支援法案について採決を行います。
 本案に賛成の方の起立を願います。
   〔賛成者起立〕
#311
○委員長(高橋千秋君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 次に、就学前の子どもに関する教育、保育等の総合的な提供の推進に関する法律の一部を改正する法律案について採決を行います。
 本案に賛成の方の起立を願います。
   〔賛成者起立〕
#312
○委員長(高橋千秋君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 次に、子ども・子育て支援法及び総合こども園法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案について採決を行います。
 本案に賛成の方の起立を願います。
   〔賛成者起立〕
#313
○委員長(高橋千秋君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 この際、石井準一君から発言を求められておりますので、これを許します。石井準一君。
#314
○石井準一君 私は、ただいま可決されました子ども・子育て支援法案、就学前の子どもに関する教育、保育等の総合的な提供の推進に関する法律の一部を改正する法律案及び子ども・子育て支援法及び総合こども園法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案に対し、民主党・新緑風会、自由民主党・たちあがれ日本・無所属の会及び公明党の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    子ども・子育て支援法案、就学前の子どもに関する教育、保育等の総合的な提供の推進に関する法律の一部を改正する法律案及び子ども・子育て支援法及び総合こども園法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、本法の施行に当たっては、次の諸点について適切な措置を講ずべきである。
 一、施設型給付等については、幼保間の公平性、整合性の確保を図るとともに、受け入れる子どもの数にかかわらず施設が存続していく上で欠かせない固定経費等への配慮が不可欠であることにも十分留意して、定員規模や地域の状況など、施設の置かれている状況を反映し得る機関補助的な要素を加味したものとし、その制度設計の詳細については関係者も含めた場において丁寧に検討すること。
 二、施設型給付及び地域型保育給付の設定に当たっては、認定こども園における認可外部分並びに認可基準を満たした既存の認可外保育施設の給付について配慮するとともに、小規模保育、家庭的保育、居宅訪問型保育及び事業所内保育の普及に努めること。
 三、施設型給付、地域型保育給付等の設定に当たっては、三歳児を中心とした職員配置等の見直し、保育士・教員等の待遇改善等、幼稚園・小規模保育の〇から二歳保育への参入促進など、幼児教育・保育の質の改善を十分考慮するとともに、幼稚園や保育所から幼保連携型認定こども園への移行が進むよう、特段の配慮を行うものとすること。
 四、施設整備に対する交付金による支援については、現行児童福祉法第五十六条の二の規定に基づく安心こども基金からの施設整備補助(新設、修理、改造、拡張又は整備に要する費用の四分の三以内。耐震化その他の老朽化した施設の改築を含む。)の水準の維持を基本とすること。また、給付費・委託費による長期に平準化された支援との適切な組合せにより、それぞれの地域における保育の体制の維持、発展に努めること。
 五、保育を必要とする子どもに関する施設型給付、地域型保育給付等の保育単価の設定に当たっては、施設・事業者が、短時間利用の認定を受けた子どもを受け入れる場合であっても、安定的、継続的に運営していくことが可能となるよう、特段の配慮を行うものとすること。
 六、大都市部を中心に待機児童が多数存在することを踏まえるとともに、地方自治体独自の認定制度が待機児童対策として大きな役割を果たしていることを考慮し、大都市部の保育所等の認可に当たっては、幼児教育・保育の質を確保しつつ、地方自治体が特例的かつ臨時的な対応ができるよう、特段の配慮をすること。
 七、市町村による地域の学校教育・保育の需要把握や、都道府県等による認定こども園の認可・認定について、国として指針や基準を明確に示すことにより、地方公共団体における運用の適正を確保すること。
 八、新たな幼保連携型認定こども園の基準は、幼児期の学校教育・保育の質を確保し、向上させるものとすること。
 九、現行の幼保連携型認定こども園以外の認定こども園からの新たな幼保連携型認定こども園への移行の円滑化及び支援に配慮すること。
 十、特別支援教育のための人材の確保と育成により幼児期の特別支援教育の充実を図ること。
 十一、安心こども基金については、その期限の延長、要件の緩和、基金の拡充等を図り、新制度施行までの間の実効性を伴った活用しやすい支援措置となるよう改善すること。その際には、現行の幼稚園型や保育所型の認定こども園における認可外部分に対して、安心こども基金が十分に活用されるよう、特に留意すること。
 十二、新制度により待機児童を解消し、すべての子どもに質の高い学校教育・保育を提供できる体制を確保しつつ、幼児教育・保育の無償化について検討を加え、その結果に基づいて所要の施策を講ずるものとすること。当面、幼児教育に係る利用者負担について、その軽減に努めること。
 十三、施設型給付、地域型保育給付等の利用者負担は、保護者の所得に応じた応能負担とし、具体的な水準の設定に当たっては、現行の幼稚園と保育所の利用者負担の水準を基に、両者の整合性の確保に十分配慮するものとすること。
 十四、施設型給付を受けない幼稚園に対する私学助成及び幼稚園就園奨励費補助の充実に努めるものとすること。
 十五、幼児教育・保育・子育て支援の質・量の充実を図るためには、一兆円超程度の財源が必要であり、今回の消費税率の引上げにより確保する〇・七兆円程度以外の〇・三兆円超について、速やかに確保の道筋を示すとともに、今後の各年度の予算編成において、財源の確保に最大限努力するものとすること。
 十六、放課後児童健全育成事業をはじめとする地域子ども・子育て支援事業については、住民のニーズを市町村の事業計画に的確に反映させるとともに、市町村の事業計画に掲げられた各年度の取組に応じて、住民にとって必要な量の確保と質の改善を図るための財政支援を行う仕組みとすること。
 十七、放課後児童健全育成事業の対象として、保護者の就労だけでなく、保護者の疾病や介護なども該当することを地方自治体をはじめ関係者に周知すること。
 十八、妊婦健診の安定的な制度運営の在り方について検討を加え、その結果に基づいて所要の施策を講ずるものとすること。
 十九、ワーク・ライフ・バランスの観点から、親が子どもとともに家族で過ごす時間や地域で過ごす時間を確保できるよう国民の働き方を見直し、家族力や地域力の再生と向上に取り組むこと。
   右決議する。
 以上でございます。
 何とぞ委員各位の御賛同をよろしくお願いをいたします。
#315
○委員長(高橋千秋君) ただいま石井準一君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の起立を願います。
   〔賛成者起立〕
#316
○委員長(高橋千秋君) 多数と認めます。よって、石井準一君提出の附帯決議案は多数をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、小宮山内閣府特命担当大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。小宮山内閣府特命担当大臣。
#317
○国務大臣(小宮山洋子君) ただいま御決議がありました附帯決議につきましては、その御趣旨を十分に尊重していきます。
#318
○委員長(高橋千秋君) 次に、社会保障の安定財源の確保等を図る税制の抜本的な改革を行うための消費税法等の一部を改正する等の法律案について採決を行います。
 本案に賛成の方の起立を願います。
   〔賛成者起立〕
#319
○委員長(高橋千秋君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 この際、荒木清寛君から発言を求められておりますので、これを許します。荒木清寛君。
#320
○荒木清寛君 私は、ただいま可決されました社会保障の安定財源の確保等を図る税制の抜本的な改革を行うための消費税法等の一部を改正する等の法律案に対し、民主党・新緑風会、自由民主党・たちあがれ日本・無所属の会及び公明党の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    社会保障の安定財源の確保等を図る税制の抜本的な改革を行うための消費税法等の一部を改正する等の法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、次の事項について、十分配慮すべきである。
 一、社会保障制度に対する国民からの信頼と納得を得るため、社会保険と税との関係及び国の財政と地方財政との関係を含め、社会保障に関する総合的な収支を区分して管理するとともに、社会保障給付の内容ごとに受益と負担の関係を国民に対して透明性をもって明確に開示するための取組を行うこと。
   右決議する。
 以上でございます。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
#321
○委員長(高橋千秋君) ただいま荒木清寛君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の起立を願います。
   〔賛成者起立〕
#322
○委員長(高橋千秋君) 多数と認めます。よって、荒木清寛君提出の附帯決議案は多数をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、安住財務大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。安住財務大臣。
#323
○国務大臣(安住淳君) ただいま御決議のありました事項につきましては、政府といたしましても御趣旨に沿って配意してまいりたいと存じます。
#324
○委員長(高橋千秋君) 次に、社会保障の安定財源の確保等を図る税制の抜本的な改革を行うための地方税法及び地方交付税法の一部を改正する法律案について採決を行います。
 本案に賛成の方の起立を願います。
   〔賛成者起立〕
#325
○委員長(高橋千秋君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、八案の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#326
○委員長(高橋千秋君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後零時五十七分散会
ソース: 国立国会図書館
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