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1951/09/11 第11回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第011回国会 農林委員会 第2号
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1951/09/11 第11回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第011回国会 農林委員会 第2号

#1
第011回国会 農林委員会 第2号
昭和二十六年九月十一日(火曜日)
    午前十時四十八分開議
 出席委員
   委員長 千賀 康治君
   理事 河野 謙三君 理事 野原 正勝君
   理事 小林 運美君 理事 井上 良二君
      小淵 光平君    中垣 國男君
      幡谷仙次郎君    原田 雪松君
      大森 玉木君    吉川 久衛君
      竹村奈良一君    横田甚太郎君
 委員外の出席者
        公益事業委員会
        技術長     平井寛一郎君
        大蔵主計官   佐竹  浩君
        農林事務次官  山添 利作君
        農林事務官
        (大臣官房長) 塩見友之助君
        農林事務官
        (農政局長)  東畑 四郎君
        農林事務官
        (蚕糸局糸政課
        長)      新澤  寧君
        通商産業政務次
        官       首藤 新八君
        通商産業事務官
        (通商化学局化
        学肥料部長)  柿手 操六君
        経済安定事務官
        (産業局次長) 渡部 伍良君
        専  門  員 難波 理平君
        専  門  員 岩隈  博君
        専  門  員 藤井  信君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 肥料に関する件
 蚕糸に関する件
 農林関係予算に関し説明聴取
 積雪寒冷単作地帶振興臨時措置法の施行状況に
 ついて説明聴取
    ―――――――――――――
#2
○千賀委員長 ただいまから農林委員会を開会いたします。
 去る第十国会で積雪寒冷単作地帯振興臨時措置法が成立いたしましたが、この際積雪寒冷単作地帯の指定等、同法の運用状況について説明を承りたいと思いますが異議ございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○千賀委員長 御異議なしと認めます。これの説明を承ります。
#4
○塩見説明員 積雪寒冷単作地帶振興臨時措置法に基きまして、六月二十三日に第一回の審議会を開きまして、その審議会で地区指定についての審議をやつていただきましたが、その地区指定の審議に関する條文は、法の第二條に「農林大臣は、積雪寒冷単作地帶振興対策審議会の議決を経て、積雪寒冷がはなはだしく、その区域内における農地の利用率が低くて農業生産力が劣つている道府県の区域を積雪寒冷単作地帯として指定する。」と、こうなつておりまして、これによりますれば、積雪寒冷がはなはだしいということと、その区域内における農地の利用率が低いというふうなことが一つの條件になつております。それでいろいろその條件につきましては技術的に検討を重ねていただきまして、結局積雪というふうな点については、根雪期間が三十日以上、それから寒冷度につきましては、日最低気温が摂氏の五度未満の日数百七十日以上、それから耕地の利用率は一三〇%以下、こういう條件にいたしまして、根雪期間と寒冷度におきましては、どちらかの條件が、今申し上げました三十日以上ないしは百七十日以上という條件を満たし、耕地の利用率については一三〇%以下ということで、根雪期間と耕地の利用率かあるいは寒冷度と耕地の利用率か、この二つをいずれか満たせば、積雪寒冷単作地帯として規定していいというふうなことになりまして、県の指定につきましては、県の五郡市以上がこの條件に該当するところを指定するというふうな決定に相なりましたわけで、それに基きまして六月の二十九日に農林大臣の地区指定が行われたわけです。県名等をちよつと読み上げますか。
#5
○千賀委員長 呼んでください。
#6
○塩見説明員 県名等を申し上げますれば、北海道、青森県、岩手県、宮城県、秋田県、山形県、福島県、新潟県、富山県、石川県、福井県という東北・北陸全体と、長野県、鳥取県・島根県、以上の県は全県が指定されまして、県のうちの一部が指定されましたのが、岐阜県、これは吉城郡、大野郡、益田郡、郡上郡及び高山市。滋賀県は坂田郡、東浅井郡、伊香郡、高島郡、長浜市及び彦根市。京都府では竹野郡、熊野郡、中郡、與謝郡、加佐郡、河鹿郡、天田郡、北桑田郡、舞鶴市、綾部市及び福知山市。兵庫県は朝来郡、城崎郡、出石郡、養父郡及び美方郡というふうになつておるわけであります。大体積雪寒冷単作地帶振興臨時措置法に基く、道府県の指定は、そういうふうな経過でございましてそのうちでの町村の指定につきましては、今申し上げましたような積雪寒冷度と、耕地利用率、この二つの條件を満した町村を府県知事が指定する、こういうふうな経過で、現在府県の方で指定中でございます。
 以上経過を申し上げました。
#7
○小淵委員 今積雪寒冷軍作振興法のその後の経過をお伺いいたしましたが、この地区指定について五郡市が、それに該当する府県を指定するということで、決定した。こういうお話ですが、それはこの単作振興法に基くところの審議会の方で、そういう一つのわくといいますか、それをきめて、そういうふうに指定したのですが、その点をお伺いしたいと思うのです。
#8
○塩見説明員 審議会の方で議決いたしまして、それを農林大臣としてはそのままとつて、それで指定いたしたわけでございます。
#9
○小淵委員 そうしますと、先ほど官房長さんのお話で、岐阜県、滋賀県、兵庫県、京都府、この地域の各郡市がきめられておるようでありますけれども、これは法の第二條の農林大臣が府県を指定して、その府県内の郡市については知事がこれを指定するということの関係は、この解釈はどういうふうになつて参るでしようか、お伺いいたしたいと思うのです。
#10
○塩見説明員 第二條には、道府県の区域を積雪寒冷単作地帶として指定するというふうになつておりますので、道府県の区域というのを郡市というものを限定して指定することができるというふうな解釈をいたしまして、町村につきましては道府県知事が指定するというふうなことに法でもなつておりますので、町村については道府県知事の指定にまつわけでございます。町村を指定する基準というふうなものは、農林大臣において告示をやつておりますが、これは七月十二日に農林省告示第二百五十八号で先ほど申し上げましたような農地の利用率一三〇%以下か、根雪期間三十日以上あるいは最低気温摂氏五度未満の日数百七十日以上、この二つのいずれかの條件を満たすことを條件として、府県知事が指定するというふうになつております。
#11
○小淵委員 この地区指定の審議会の会長はどなたでしたか、ちよつとお伺いしたいと思うのです。
#12
○塩見説明員 松浦東介さんが審議会の会長をやつておられて、委員会では松浦東介さんが会長として主宰されておるのであります。
#13
○小淵委員 松浦さんが会長であられるということですが、今の法の二條の解釈は、もちろん審議会長がおいでになつておらないので、ここで官房長さんにお伺いするのはちよつとどうかと思うのですが、審議会長が言われておるところの区域というものは、参議院の農林委員会で説明を――その当時審議会長ではありませんけれども、提案者として松浦さんがお話されておるのは、この区域というのは、これは農林大臣が道府県單位にこれを区域として指定することになりますのでと、その区域というのは、その県をさすものであるというふうの解説を参議院の三月二十日の農林委員会でしておるわけですけれども、これとは少し今の官房長さんの話によると違つた解釈で、県内の区域を指定しておるというふうに説明がされたわけなんです。この辺のいきさつはどういうふうになりましようか、お伺いいたしたいと思うのです。
#14
○塩見説明員 私もその参議院の質疑応答を十分読んでおりませんので、それとの関連は、はつきりとしたことは申し上げられませんけれども、一応道府県の一部区域を指定するということができるものと解釈をいたしておるわけです。その松浦さんの御答弁のときにはどういうふうな趣旨であつたのか、私もよくは存じませんのですけれども、ここに道府県の区域と書いてあるので、道府県全体を指定してもいいし、また道府県の一部区域を限つて指定してもいい、こういうふうな解釈を一応とりましたわけで、その御答弁との関連については、私もよくつつ込んでまだ研究はいたしておりません。
#15
○小淵委員 これはお互い解釈の関係になりますので、議論になりますからあとの問題といたしまして、またの機会でさらにつつ込んでお伺いいたしたいと思うのですが、この法の制定されるときの精神は、やはり農林大臣が各府県の区域を指定して、その区域内のことについては知事がこれを指定して行く、その指定して行くことについては、あるいは耕地利用率一三〇%以下、あるいは根雪が三十日以上とか、または温度が五度以下百七十日以上というので指定するということで私ども了解をしておつたわけなのですが、これは先ほど申し上げるように議論のわかれるところですから、後に讓つておきたいと思います。
 さらにお伺いをいたしたいのは、これがたとえば審議会の方で五郡市以上その府県内の該当地区がなければだめだということになりますと、それに接近した地域はこの單作振興法に基くところの精神には沿わないで、きわめて近い地域のものがはずれてしまうというような結果になりますけれども、これらのこれから先の取扱いについてはどうなさるおつもりであるか、またこの地域ついては漸次どんどん指定をして行くという考えであるか、そのへんをお伺いいたしたいと思います。
#16
○塩見説明員 もともとこの法律が議員提案で出されておりまして、審議会の意向を非常に重視して運用するという民主的な立法になつておりまする関係からして、農林省の方としましては、できるだけ審議会の御意見を尊重して動いて参るのが本筋だと思つておりますし、私たちその意味において事務局を担当しておるものですから、そういうふうな方針については、はつきりした意見というふうなものをきめておりませんけれども、事務的に申し上げれば、この積雪寒冷單作地帯として指定された町村と類似な町村で指定に漏れたというような所が、他府県の方にも相当ございますけれども、その範囲を拾いますれば、九州であるとかあるいは四国であるとかいうふうなところの山間部も、大体同様な條件の中に入つて来るというふうな関係もございますし、そういうふうな形でこの積雪寒冷單作地帯のいろいろな措置をそういうふうな所へ適用して参るとしますれば、該当する範囲が非常に広汎になつて、数町村を持つておるという府県も一々それに関連して、事務的にもいろいろ複雑な仕事をしなければならないというふうな関係もございますので、おそらくこの法を立法されたときの当初のねらいとしては、大体東北、北陸から山陰にかけての地帯を限定して参つたのではないか。こう考えておりまするので、いくらかそういうふうな点で不均衡な状態はあるとは存じますけれども、事務的にいろいろ仕事を進めて行く関係からいうと、わずかの町村が指定された府県は、予算を組んだり、事務的にいろいろ連絡したりというふうな点で、指定の効果と事務的な煩雑さとの関係から見て、一応どこかで線を引いた方がいいんじやないか。その線の引き方として五郡市というふうなところで引いたものと存じますし、この区域を広げて行くかどうかについては、審議会の方の御意見も伺わないと、私の方としてはちよつと何とも申し上げられないような状態でございます。
#17
○小淵委員 今官房長のお話では、事務的のことであるからわからないということですが、ちようど次官がお見えですから、この点をお伺いしておきたいと思うのですが、今後この地域をさらに追加して指定して行くかどうか。それから五郡市という一つの線が出ておるようでありますけれども、それに最も近い所等については、非常に不公平なことが生じて参るので、地元とすれば非常に困る問題が起きて参るわけなのですが、これらの取扱いについて、ひとつ考えをお聞かせ願いたいと思います。
#18
○山添説明員 現在指定されております府県、並びに区域を限つて指定されております府県以外の県を、あらためて拡張して行くという考え方はいたしておりません。ただいまお話のございましたごとく、群馬県でありまするとかあるいは栃木県等には、山間部には類似の地帯があることは確かでございます。しかしこの法律の、区域を限定しかつ時間を限つてやつて行くという運用からいたしますると、やはり現在の区域でもつて、まず限られた時間内、限られた予算の範囲内で、できるだけのことをやつて行くという取扱い以外には方法がなかろうと思つております。なお單作地帯の施設をやつて見ました上におきまして、さらに單作地帶の地区として指定をしなくとも、同様の施設は一般の奨励施設として、類似の地域に及ぼす方がよろしいということは確かにあると思いますが、財政的にもそういうことが認められれば、そういう措置を将来はとられると思いまするけれども、あの法律施行の対象になる府県といたしましては、先ほど官房長から委員会の趣旨に従うという話でありましたが、私ども委員会の空気を見ておりましての観測から申しましても、広げないというふうに現在のところ考えております。
#19
○小淵委員 そうしますと、この法律をこしらえたときの建前と実際行政のやり方というものは、非常にかわつて参る結果になると思うわけで、かりにこの地域を主として裏日本あるいは北の方に持つて行くということにだけ考えて、それ以外の地域の指定をするつもりがないということになりますと、私どものこの法律をこしらえ、あるいは審議しておるところの過程においての考え方とは、非常に違つて参ることになるわけなんです。これ以外に広げることは、いろいろ予算の運用その他実施の面に都合が悪い、こういうふうなお話ですが、これについては、そうでなく取扱つて行つていただくことがこの法律の精神に沿うゆえんである、かように考えているので、どうしても地区指定の追加を一応考えていただきたいと希望するわけであります。
 なお私は群馬県でありますが、この群馬県の、たとえばお隣の長野あるいは新潟に接近しておる地帶は、非常にこの條件に当てはまつており、しかもこの地方の條件よりは、寒冷度あるいは耕地利用の程度が低位にあるという地域が非常に多いのでありまして、かりに例を申しますと、昨年の気象台の気象表によつて見ますと、私どもの群馬県の奥地に利根郡と吾妻郡という郡があります。北甘楽、多野、碓氷という郡は山間郡が多くなつておりますが、前の二郡は全郡であります、この地域の年間の温度は、この気象表によつて見ますと、平均が十度六分で、東北方面の十度四分、北陸の十三度という年間の平均の温度に比較しますと、東北方面にはやや接近しておりますけれども、北陸地方よりは私どものこの該当しておるところの郡が非常に年間の温度が低い。さらに冬期間の温度を比較してみますと、これは気象表によつて出ておるデーターでありますけれども、十一月から四月までの平均温度が二度六分、東北方面が二度四分、これはやや東北方面の方が低いのでありますけれども、北陸方面は五度六分というふうに高いのであります。そうしますと、北陸方面は、たとえば五度以下というような点から押して行きますと、これは該当しないという結論もこの辺からは出て参るような結果も出て来るのであります。さらに初霜あるいは終霜等の点にいたしましても、これは私どもの二郡でありますけれども、東北方面、北陸方面に比較して非常に初霜が早く、終霜が遅いというデーターも出ておるようなわけであります。そこでこの地帯がかりに今後指定をされないということになりますと、寒冷積雪地帶の振興をさせようというこの精神にももとつて参ることになり、さらに実際私ども住んでおりまして、この地域の農村の経済状態等を見ましても、こういう自然條件が非常に不遇であるために、農家が貧弱の度をさらに加えて参る。かりにこの地方の農家所得の面を考えてみましても、ただいま申し上げました二郡の平均を見ますと、全国平均十九万一千円の所得に対して十二万一千円、それから現金収入の面だけを見ますと、全国が十二万六千円に対しまして、この奥地は六万三十円という低い現金収入を示しておる。これは農林省の統計調査部の二十四年度の調査に出ておるのであります。さらに群馬県の統計調査所の農家経済調査によりますと、この奥地の一人当りの家計費の平均が、東北方面の二万四千六百四十七円、北陸方面の二万四千二百六十四円に比較して、一万七千七百五十八円というきわめて低い家計費になつております。それからエンゲル係数の点から言いますと、東北、北陸方面の五三・八三に対して、五九・五というエンゲル係数も農家経済調査によつて出ておる。こういう点を考えてみますと、この地方がすぐお隣の長野、新潟に比べまして、自然地勢から言いまして積雪寒冷地帶であるにかかわらず、非常に不遇であつて、こういう結果になつておるので、何とかこの法律をここえも適用していただくということでなければ、国民が平等の利益を受くるという点からいつてきわめて不自然である。さらに一番顕著なことは、これは直接農家の面じやありませんけれども、公務員の寒冷地手当の問題を最近人事院において決定して出したのでありますけれども、さきに一級地であつたものを、極端にひどいところは二級地に引上げ、その他の全郡を一級地に指定をされた、こういうような他の面からの條件等を考えてみましても、この地方がいかに積雪寒冷地帯の度合いがひどいかわかるわけでありまして、これを事務的な煩瑣だとか、あるいは予算の面でどうこうということでなく、この法律の精神にのつとつて平等の待遇を受けるという面から、地区指定を五郡市であるとか、あるいはそのうちの五〇%が該当しなければ県の指定は困るとかいうようなことでなく、たとえばこれらの漏れておるところを全部集めてみましても、私どもの推測ではさして大きい数字にはならないし、その煩瑣なこともないと考えておりますので、この点について、これらの地域があるとし、また実際にあるのでありますが、これについてさらに何とか調査をして、指定に加えるというお考えが持たれるかどうか、これをひとつお伺いいたしたいと思います。
#20
○山添説明員 群馬県に基準に該当する郡が二つあることは確かでございまして、それを法律の対象区域に取入れるかどうかということは、先ほど申し上げましたごとく、ただいまの方針といたしましては、これを入れる考えを持つておらないのでありますけれども、ただいまいろいろお述べになりました点等もございまするので、その御意見はよく承つておきたいと思います。
#21
○河野(謙)委員 寒冷地帶の問題ですが、何もこの法律は特別東北、北陸救済法案と書いてあるわけじやないし、日本海沿岸の寒冷地帶とか何とか書いてあるわけじやないので、今うつかりしておりましたが、伺つていると、科学的に温度は何度である、耕地の利用度は一三〇%であるというふうにすべて科学的に基準が出ておる。ただ私がふしぎに思うのは、一方において科学的に基準を出しておいて、一方において政治的と申しますか、一県五郡以上が該当しなければいかぬとかいうこの双方の矛盾ですね。これは事務当局はこの法の運用にあたつて、どちらを優先的におとりになるか、これを私はお伺いしたい。
#22
○山添説明員 科学的に出ております寒冷日数であるとか、根雪の期間でありますとかが第一前提として該当しなければならぬことはもちろんでありますけれども、さらに行政上の取扱いとしていろいろな振興施策やつて行きまする上の行政上及び予算上のことを考慮いたしまして地域を限定する、こういう第二段の制約が加わると考えております。
#23
○河野(謙)委員 そうしますと、科学的の基準というものが第一條件になるということであれば、これは今同僚の小淵君からのお話の群馬県の吾妻、利根、この二郡は、りつぱに科学的にあらゆる條件が適合しておるということであれば、これは何も五郡という一つの制約によつてこれを初めからはねるという理由は私は何もないと思う。大いに今後農林省並びに会長、副会長並びに全委員の方に御検討を願つて、ひとつこれは解決するということで、きようの答弁は足りるんじやないか。それをあたかもいかぬかのような答弁をされるからめんどうになつて来る。これはこの県だけじやない。私の隣の静岡県という県には、富士山という日本で一番先に雪の降る所がある。静岡県といつても、駿東郡とかやれ何郡とかいつて、東北北陸よりもさらに一層科学的な基礎に当てはまる所がある。これはおよそ群馬県に限らず、たとい一郡といえども、半郡といえども、もしそういうものが適用される所があつたならば、これはよろしく法の恩沢に浴するように、委員会なり農林省は大いに善処すべきである、かように思うのです。私は実は自分の地元にあまり関係がなかつた関係上、今まであまりこの法律を深く検討しておらなかつたのですが、われわれの同僚の会長なり副会長にも、よくこの問題につきましては働きかけようと思います。どうぞ農林省におきましては、科学的基礎を持つたこの温度、利用度、これに第一條件を置いて、今の同僚の小淵君の群馬県の問題その他につきまして、ひとつ積極的にこの法の運用の幅を広めるように、次官なり官房長に御善処いただきたい、かように思います。
#24
○山添説明員 これは先ほど塩見官房長から申し上げましたごとく、国会の立法であり、また国会の出身者その他の方をもつて構成しております委員会が、運用のイニシアチーヴをとつておられます。そういう意見に私どもは傾聴し、またこれを尊重しつつその事務的役割をいたしているのでありまして、その空気を私は先ほど来申し上げているのでありまして、ただいま河野さんが言われましたような結果をおとりになるということは、私は当然あり得ることだと思います。従つて御意見としてただいまお伺いしておきますと、こういうふうに申し上げたわけであります。
#25
○河野(謙)委員 もう一点ちよつと。きよう佐竹さんがお見えになつていますから、私は参考に伺いたいのですが、もし今の積雪寒冷地帶の問題で、たとえば利根なり吾妻のような適格の郡を持ちながら、これが一方の五郡云々ということで、委員会の運用において除外されたという場合には、これらの積雪寒冷地帯を持つ群馬県なら群馬県の当該地帯に対して、平衡交付金その他で、行政面全体からいつて、何かこれをカバーするような方法はありませんか。これを一つ伺つておきたい。
#26
○佐竹説明員 ちよつと御質問の御趣旨がよくのみ込めなかつたのでございますが、当然法律に基きまして、地域指定なり地区指定なりを受けるべくして受けなかつたものに対する取扱いはどうか、こういうふうに了解したのでございますが、そういう意味でございますと、平衡交付金の配分とかいう問題とは若干問題が離れますので、何とも御答弁のしようがないのでございます。いずれにしても私どもの考えといたしましては、法律に基き審議会の決定によつて、地区指定ないしは地域指定を受けましたものに対する予算措置は、われわれとして考えなければならない、こう存じております。
#27
○野原委員 関連して。先ほど来積雪寒冷單作地帯の地域指定の問題で、同僚小淵君のまことに御熱心な御意見を聞いて、私ども実は非常に同感を持つのであります。ただ私は、積雪寒冷單作地帶の振興法案の立法の精神とまたその運用とを考えるときにおいて、これはよほど考えなければならぬのじやないか。特に最初この立法の際においては、特に積雪寒冷で恵まれない地帯、非常に條件の悪い地帶に対して何とか手を差延べるべきであるという考え方で、できるだけ地域等は狭い地帶にした方がよかろうというように私どもは考えているわけですが、だんだん広まつてしまつて、今ではすでに十七府県ができているということなんであります。それも一県において五郡というようなある制限を加えてさえその通りでありまして、これを科学的な基礎を、基準ということを考えてやりますと、これは一部の中でもまた一村、一村の中でも一つの部落がそうなつて来る。厳格に見ますと、一戸々々の農家について考えなければならない問題になつて来る。そうなつた場合に、はたしてそれはどうなるか。これは非常に重大な問題であります。私どもは、今小淵君の主張には耳を傾けて拝聴いたしましたけれども、よくお気持はわかりますが、そういうような御事情等は全国くまなく個々のものにありますので、それをみな伺つておつて、それに対してみな適当なものをするとなると、そこにまた振興法案というものの意味がなくなつてしまうので、日本農政をそういつた厳格な科学基準の上に、国家が一軒々々の農家経済の責任を持たなければならないことになる。そこまで一体やり得るか、やれない。でありますからたいへんごもつともなような御議論であり、また河野委員のお話もまことに傾聴すべき御意見だと拝聴いたしましたけれども、実際問題としてこれを処理する場合においては、これは今の委員会が、一応不満足ながらも一つの方向をきめたということに対し、まだ事務当局の山添次官がお話になりましたようなことをもつて、一応これは満足すべきじやないかということを私は考えるのであります。今日までに指定をしました地域さえも、実は少しどうも広げ過ぎたというような気が多分にいたします。しかしまた一面においては、先ほど来小淵君の言つたような地帯に対しては、これはこの法の恩典に浴せしめることができないようなことがありますれば、はなはだ遺憾でありますし、それは他の行政の方法をもつて、予算的措置なり何なりをもつて、その地帶には特に重点的に必要とする施設を急ぐとか、その生産農民に対する保護、助長の対策は、これを立てべきものである。またそのことを前提として、この積雪寒冷地帯の指定は、できるだけ広がらぬように考えてもらいたいという考え方を持つておりますので、その点に対しましては、これは別に答弁を必要といたしませんが、私の見解を、はなはだけしからぬという話もありますけれども、私の見解を申し上げておく次第であります。
#28
○井上(良)委員 せつかく話がまとまりかかつておるものを、我田引水論で反対をするということは、まことにどうもけしからぬと思いますが、私も河野さんや小淵さんがおつしやいましたような意見に賛成であります。要はその積雲寒冷地帯の振興対策のための法律でありますから、それを一つのわくをはめて、これだけの地域がなければいかぬということが、そもそもおかしい話であつて少くとも今日わが国の末端の行政組織を考えました場合に、府県から市町村ということになつておりますが、行政組織は郡なんてありません。そこにそもそもあなた方のお考えの大きな根本的な間違いがある。それから一町村なら一町村においてそういう地帯がありました場合は、そこまで行政区域になつておりますから、自治体になつていますから、当然そういう所は、やはり対象にしてあげることが必要であろうと私は思います。そこでめちやくちやに広げてはどうにもならぬということをおつしやいますけれども、今政府が御指定になつております地域から新しくそういう地域をかりに広げましても、そんなに私は広がる地帯というものはないと思う。原則が科学的にきまつておりますから、その原則に当てはまらなければ除外したらいいのであつて、そのことから言いますならば、そんなにべらぼうに広がることはあり得ないことであろうと思う。そういう点で、ぜひこれは法の精神を生かして、事務当局からも、積極的にひとつその審議会に対して、具体的にそういう実例がある自治体に対しては適用するように案を出してやつてもらう。予算が足らなければ大蔵省の方にひとつ奮発して出してもらうということで、何も事務的手続がどうだとか、あるいは予算がどうだとかいうことを理由にして広げないということはもつてのほかだ。そもそも五郡市なんという行政上何ら法的にも根拠のないものをわくにはめてやつて、そこを区域にするなどは、およそおかしな話で、やはりそういう市町村があります場合は、そういう市町村を対象にして町村單位にきめて行くべきものだ。そうでなければ県單位にきめるわけには行かないのですから、県單位に行かぬ場合には、やはり市町村單位にしなければならぬ。そういう点から郡市なんというややつこしいことをやめて、市町村ということでひとつ適用範囲を拡大して行くということに、事務当局としても審議会に積極的に意見を出してもらいたい。われわれもまた審議会に対してそういう要求はいたします。そこで野原さんのおつしやるようには、日本全国にはそうはなりませんから、そうなつたところであなた方の一県くらいの広さもないくらいであろう。それだけはやはりこの法を生かして、みんなを法のあたあかさによつて救済して行く、振興して行くということにひとつ━━これはそうなつたからといつて、そんなに予算が減るものではないのですから、それよりも予算を多く獲得して、その方に金をつぎ込むというふうにお願いしたい。
#29
○小淵委員 今野原さんからの話を聞いていると、漏れた所はそのままがまんしてしまえという話に盡きるようですけれども、私の言つておるのは、最もそれに近いところで漏れておるというので、非常に地方的にも困る。五郡市確かにあるわけです。そのうちの極端にひどいのが二郡市、これはいずれもはつきり條件にあてはまつておる。あとの三郡は五〇%以上ないということでそれに漏れたということになるので、これは要約すれば、審議会の方の意向もあるだろうから、できるだけそれに沿うように善処するということに政府としては考えていただきたいと思うわけであります。
 それと、先ほど悪いうちにもちよつといいことを野原さんが申されましたが、特に重点的な施策を講じたらよろしいであろうという、特に重点的な施策というのは、何か予算の配分について、こういう地域があるのだから特に考えようという、何かこれに対してある程度そうしてやろうという御言明が願いたいと思うわけです。そうすればわれわれといたしましても、これはきわめて近い地域にあるので、やたらに広げてどうこうというのではなく、実際に科学的なデータに共いて、わずかのところで漏れておるということだけは、これは事実の問題でありますので、特に重点的に何か考慮する道があるだろう。特に指定については審議会の意向もあるだろうから考慮する、政府としてはこういう表明を願いたいと思うのです。そうしないと、ただ持出して、私はだめだということを聞いただけのことでは━━だめだということの言い得ることももちろんないでしよう、審議会の意向を尊重するのですから。それを忖度してのことだということだということは、さつき註釈がついていたようですけれども、こういうことに政府としては考えていただく、そういう言明をひとつお願い申し上げたいと思うのです。
#30
○山添説明員 小淵さんの御意見はとくと承りました。委員会等にも御趣旨の点はよくお伝えをいたしたいと思います。
    ―――――――――――――
#31
○千賀委員長 次に農林関係予算の概況の説明を承ることにいたします。
#32
○山添説明員 補正予算につきまして、現在の状況をごく簡単に御説明をいたします。未解決で残つておりますのが、農林漁業特別会計の増額の問題であります。これが第一点、第二点は、ただいま問題になりました単作地帶の振興に関する経費でございます。第三点は、改正森林法の成立に伴いまする奥地林道の開設、この三点はまだ未解決でございます。
 この未解決の点について若干申し上げてみますると、農林漁業金融につきましては、御承知のように、現在六十億予算が計上されてございます。先般の国会におきまして、金額は明確ではございませんが、おおむね六十億程度増額するというような空気と申しまするか、御要求がございました等を考えまして、農林省といたしましては、総額百五十億にいたしたい、すなわち九十億増加をいたしたいという要求を持つておりしたが、だんだん切り詰めまして、新たに運用部資金から五十億、これは国有林野関係の方からまわすのでありますが、運用部資金五十億、それから一般会計から三十億、合計八十億の増加を要求しておりますが、まだ未解決でございます。
 単作地帯の問題につきましては、当初六十億の要求をいたしておりましたが、折衝の過程におきまして、いろいろ最小限に切り詰めまして、ただいま四十五億を要求中でございますが、これもまだ解決をいたしません。
 奥地林道におきましては、本年度の公共事業費におきましては、八億円ばかりの林道の経費が計上してございます。これに対して三十八億でありましたか当初要求をいたしましたが、大蔵省の御意見では五億でどうかということであります。しかし農林省といたしましては、さらに十億、すなわち十五億の増加を要求いたしております。そういうふうに十億を増しましても、森林の過伐は、普通の成長量よリも里山等におきましては倍を切るという、こういう寒心にたえない状況でありますので、強く要求をいたしておるわけであります。
 次に事務的ではございまするが、解決をいたしておりまする経費について申し上げます。農業委員会の経費でございますが、これは先般の国会におきまして、農業委員会法の本院通過に伴いまして御要求がございましたことに関連いたしまして、現在町村の農業委員会におきまして、平均一・二人の書記を設置しておりますのを、平均二名にするという経費並びに農業改良等のために郡の区域で会合いたしまする経費等五億二千万円が認められております。
 それから肥料の需給調整特別会計は二十五億でありまして、おおむね六十万トンの肥料を繰作しようということになつております。それから農業協同組合再建整備に必要な経費は、これはこの春以来四億八千七百万円ときまつておりまするが、その後実施の経過を見てみますると、なお二億円ばかり経費の不足がございます。足りない見込みであります。これはまだ見込みでございますが、そのうち一億円は、やつてみますると組合の赤字が多い。従つて再建整備のためによけいに増資をしなければならない。これに対する増資の奨励金一億円でございますか、これはどうしても本年中には支出を要する経費であります。なおそのほかに、予算上考えられました基幹的計画よりも、さらに繰上げて増資をするものがございます。この取扱いにつきまして、特別の考慮をいたさなければならぬのでありますが、これにつきましてもやはり全然見ないわけには参りませんので相当経費を要する、こういう問題がございまするので、これらにつきましては、なおお話合いをいたしておるところであります。
 次に農業共済保険に必要な経費といたしまして、十二億四千万円が認められております。これは繭の値上りでありますとか、あるいは麦の値上りでありますとかいうことに伴いまする国庫負担の増加、あるいは昨年度における家畜の損害が特別に多かつたということのために生じました保険特別会計の赤字補填でありますとか、あるいは補助職員のベース・アップの問題でありますとか、いろいろな点を含んでおりますとともに、農業共済組合連合会が中金から借金をしております赤字の十九億に対する利子補給を含めております。この点はおおむね満足するように認められております。もつとも保険につきましては二十七年度予算になお大きな問題を残しおります。
 次に土地改良法の施行に関する経費が五千六百万円認められておりますが、これは交換分合の単価の増加等に伴う経費でございます。
 それから農地担保金融でございますが、これは自作農創設維持に関します例の法律による経費でございますが、これにつきましては三億円ばかりが自作農創設特別会計から一般会計に繰入れるべき予定額を、三億円繰入れをやめまして、特別会計で使う、これを農地を担保とする――担保とするというとおかしいのですが、国が自作農の維持、または創設のために使いまする経費の月額ということに充ててございます。これは臨時国会に農地に関する三つの法令を統一した法律を提出いたしたいと考えおりますので、その法律の中には、今後といたしましては自作農の維持ということが察際上の中心の問題になると思いますが、その二十七年度分のちよつと頭を出すという関係において認められておる経費でございます。
 それから農業改良局の改良普及員のベース・アップ、これが九千七百万円認められております。
 それから家畜伝染病の問題でございますが、これは先般の国会におきまして法律改正によりまして、殺処分をいたしました場合の手当額の増額等が規定されたのでございますが、これに要する経費、一億七千万円が認められております。
 それから牛の流行性感冒の防止並びに鶏のニューカッスル病の予防のための七千万円が認められております。
 蚕糸関係におきましては、蚕糸技術指導員の、俗に申しますと、身分確保と言つておりますが、これに要すみ経費三千七百万円が認められております。それから糸価安定でありますが、これは資金三十億、うち一般会計から糸価安定特別会計の基金として繰入れますものが十五億、それから年度をまたがつて長期にこの特別会計の負担において借入れを認められます金額が十五億円、これで二万俵の生糸を買い入れるという能力が與えられているわけであります。もつともこの点につきましては、実際やつてみれば、あるいはさらに一万俵くらいよけい買う事態も生ずることは予想せられます。そういう場合に対処するためには、この特別会計において一時借入金の制度を認め、そういう事態が起れば、さらに予算上の措置をするというような構想が必要かと存じております。
 それから食糧管理特別会計繰入れに必要な経費百一億八千七百万円でございますが、これは米価の改訂に伴う経費、インヴエントリーとかバツク・ペイということの穴埋めの経費であります。これはいろいろいきさつがあるわけでございますが、本来ならばもつと多額の経費を要したのでありますが、砂糖その他の財源を考えるとか、そういういろいろなことを考えまして、この程度にとどめたのであります。
 それから森林法の施行に伴いまして、ごく事務的な若干の経費が認められております。また森林組合の再建整備に必要な経費といたしまして四千五百万円、水産庁の関係といたしまして、漁業協同組合の再建整備に関する経費が一億二千九百万円、それからいわゆる五ポイントと申しておりますが、小型機船底びきの整備が一億八千八百万円、それからパッチ網というのがあるそうでありますが、これが一千九百万円、そのほか、取締船を一そう建造するのと、ほかにたしか四隻くらいでありますが、チャーターをして取締りを強化する、こういうような経費が認められております。
 その他金融の問題と単作地帶の問題と、奥地林道の問題が残されておる問題でございます。
 二十七年度は時間がございませんから申し上げることを省略いたしますが、その中に、大体補正予算を含めた二十六年度経費の延長であると思いまするけれども、耕地改良に関する、土壌の改良に関する経費でございまするとか、あるいは家畜導入のための利子補給に関する問題でありますとか、あるいは牧野改良でありますとか等々というような問題もございます。
 なおただいま申しました中に、植物防疫法の施行に伴う経費が落ちておりましたが、これも先般の改正法律の施行に必要なる経費、すなわち農薬を備蓄いたしまして、その機具の保管料等を政府が持つというような経費が認められておるのであります。そういうことになつておりますが、二十七年度には現在の施設を拡充いたしますほか、いろいろ新しい経費もございますので、さらに折衝を進めました段階において、重点的に申し上げる機会を持ちたいと思います。
 次にきわめて簡単に、行政機構改革並びに整理に関する問題について申し上げたいと思いますが……。
#33
○千賀委員長 これは速記をやめて……。
    〔速記中止〕
    ―――――――――――――
#34
○千賀委員長 速記を始めてください。次に肥料に関する件を議題として審査を進めます。井上君。
#35
○井上(良)委員 先般来本委員会は、最近の肥料状況から、政府が司令部その他から要求されております肥料の海外輸出の問題に関連しましてこれが輸出をかりにやるとするならば、国内の肥料の安定をまずはかるべきではないか、その安定をはかるためには政府として必要な措置を講ずべきではないか、そういうことから最近政府の方でも、補正予算でも今御説明がございました通り、約二十五億の資金をもつて六十万トンの肥料を年間に操作するという肥料需給調整の法律を次の臨時国会に提出する、こういうことに政府の方ではすでに予算的措置もできまして大蔵省との間にも話がついております。あとはもう法案を政府提出にするか、あるいは議員提出にするか、まだそこまでははつきりいたしておりませんが、この需給調整をめぐつて最近業者側で非常な反対をいたしていることはわかりますが、政府の部内にもこれに反対だという意見があるように聞いております。特に肥料の生産を受持つております通産省の部内において、これに反対だ、そういう国内肥料の安定をはかるための需給調整などということは必要がない、こういう意見を出されているようでございますが、その点に対して責任者であります通産大臣代理首藤政務次官から御意見を伺いたいと思います。
#36
○首藤説明員 肥料は農業生産上の最も重大な資材でありますし、また肥料代そのものが農家経済において非常に大きなフアクターを持つておる実情にかんがみましても、円滑な流通並びに公正な価格で取引できることは、われわれとしても望ましいことであります。しかしながらただいま井上委員の御意見にあります、ただいま農林省で御試案として検討されております肥料の需給調整法といいますか、これの内容を見た場合に、せつかく農林省で非常な熱意を持つてつくられたのでありますけれども、実際上運営がうまく行くかどうかという点に、一抹の不安を私どもは持つておるのであります。従つて愼重に検討する必要があるという考え方のもとに、現在内容的な検討を進めておるのであります。いずれにいたしましてもこれらの問題を生みました原因は、肥料の需給関係がきゆうくつであるということにあると思いますので、まず増産をすることが一番よいのではないか。増産いたしまして、十分な供給をするということに相なりますれば、不安のある需給調整法を発動しなくても万事が解消するのではないかという考え方を持ちまして、ただいま通産省といたしましては増産計画を進めておるのであります。内容を申し上げますると、前年度の生産高が大よそ二百十万トンに達しておりますので、この際もう一割、少くとも二十万トンを本年度に増産いたしたい。従つてそれを実行いたしまするためには三億キロの電力を必要といたすことに相なつて参るのであります。しかるにこの面につきましては、関係官庁も大体御賛成を得たのでありまするが、御承知の通り、最近異常な渇水によつて、電力の供給がきわめて不円滑になつておるのであります。この際二十万トンのために三億キロを獲得いたしますれば、他の重要産業に相当大きな制約を加えなければ相ならぬということにもなりますので、多小構想をかえまして、十五万トンの増産ということに一応通産省は決定いたしまして、安本その他に折衝をしておるのであります。大体他の産業の状態を検討いたしまして、十五万トンの増産、すなわちこれに必要とするところの電力は二億三千万キロでありまするが、この程度はどうしても確保いたしまして、そうしてとりあえず十五万トンの増産を推進いたしたいというふうに考えておるのであります。これが実行できますれば、この運営の結果に不安を持たれておりまする調整法をわざわざ実行しなくても、農林省の御希望を達し得るのではないかというふうに考えております。
#37
○井上(良)委員 需給調整法をつくつても、はたして運用がうまく行くかどうか、こういう御心配で、これにあまり賛成をしない、そういう法律をつくるよりも、増産をして供給面を確保すればいい。一応ごもつともなような御答弁でございますが、何ゆえにこういう需給調整の法律を必要とするかという事態が起りましたのは、昨年八月肥料統制撤廃以来一年間のこの需要の動き、また海外における需要の状況等を勘案した結果、これをこの秋の臨時国会できめておかなければ、来年の春以降の肥料が完全に責任を持つて需要を満たすことができないという一つの観点に立つて、この需給調整法というものは計画されておることは事実であります。われわれもその点について、法案自身にいろんな不備があります。不備がありますが、さしあたり六十万トン持ちますならば、どうにか肥料操作に大過なく、何とかつじつまが合いやせぬかという一つの期待をかけてこの法案の成立を望んでおるわけであります。そこで問題はいかにしてこの国内の肥料を安定さして、海外の輸出を満たすかというところに問題の本点がありますから、われわれは何も輸出を絶対反対をしておるわけではありません。あなたがおつしやいますように、肥料が増産をされて、国内の農民が満足した上において輸出することは、一向さしつかえございません。しかしながら、あなたも御指摘になりました通り、事実、一体二百十万トンの肥料がこの年度に確保できるかどうか、これを確保した上で、あなたの御指摘のように十五万トンないし二十万トンの増産がはたして確保できるかどうかという問題はそこへかかつて来る。ところがあなたも御存じの通り――所管でありますから御存じでありましようが、最近の渇水の状況、しかも石炭事情等から考えて実際はそれはたいへんな実情に電力事情はなつている。特に関西、四国、九州方面の電力事情というものは恐ろしい状況にあるのであります。非常電力の統制をいたしまして、ほとんど晝は一切不要燈はつけない。夜間においても数回にわたつて緊急停電を実施しなければサイクルが下つて来るという状況にあるのです。ここ一月、二月かりに雨季に入つたといたしましても、さらに十二月から来年の二月一ぱいの渇水期を控えなければなりません。そういう状況において、はたして予定通り三億キロの電力、内輪に見積つて二億五千万キロの電力というものが確保できるかどうかということは、およそ常識上、これは不安の状況にあるということは断定でき得るのであります。そういう見通しが大体においてつきますときにおいて、われわれは少くとも国内の来年の肥料というものに一つの大きな安定をはかる対策を立てることが絶対必要であろうと考える。そこで私も今申します通り、国内の需要を満たしますならば、何も別に国に必要以上を置いておく必要はありませんから、大いに外貨獲得をやつてもらつてけつこうであります心問題は三億の電力というものが一体確保できるやいなや、ここにあるのです。その点について、あなたは責任を持てますか。最近の電力事情見て、その点が一番われわれの心配するところである。それからその点をひとつあなたにはつきりしてもらいたい。後ほど公益事業委員会の電力割当の責任者を呼んでおりますから、その席でゆつくりあなたからお聞きをしたいと思う。この需給調整法が運用の面に非常に欠陷があるということを御指摘になりましたが、どういうところに欠陷がありますか、その点の理由を明らかにされたい。
#38
○首藤説明員 本年度の十五万トンの増産計画を責任をもつて実現させるかどうかという御質問でありまするが、先ほど申し上げましたごとく、肥料の生産がきわめて重要性を持つておるということは、通産省も重々認識いたしております。従つて今日まで増産につぐ増産を続けて参つたのでありまして、井上委員も御承知の通り、過去三年の経過から考えましても、二十三年度の生産が、百三十五万トン、二十四年が百八十四万トン、昨年が二百七万何ぼ、これは昨年の生産予定は、当初御承知の通り百八十万トンであります。しかるにその後香港向けの輸出あるいは朝鮮その他への輸出の要請が強くありましたので、国内の供給を確保するという建前から、どうしてもこの分は増産しなければならないという結論を得まして、そうして百九十万トンの生産計画に引上げたのであります。さらにその後引続き輸出がありまするので、通産省といたしましては、あらゆる行政的措置を講じまして、増産に努めた結果、百九十万トンの予定が二百七万何ぼという数字になつて参つたのであります。少くとも今日までの趨勢から考えますれば、大体通産省の計画は、それ以上に達しておるということに相なつておるのであります。御指摘の通り、現実には異常な渇水のもとに、電力は稀有な飢餓に直面いたしておることは事実であります。そこで通産省といたしましては、先般一割の増産計画を立て、そうして必要とするところの三億の電力を確保いたしまする計画を立てたのでありますが、当面の事態をながめまして、はたしてこれが確保できるかどうかという点に一点の疑問を持ちましたので、どうしても確保いたしたいという考え方から、四、五日前でありますが、公益事業委員会の松本委員長その他幹部とわれわれ会合いたしまして、そうしてこの当面の電力の飢饉、特に関西の電力飢饉に対しまして、一体どういう配慮をいたしておるかという点について、いろいろ打合せをいたしました。そうしてその結果、石炭の確保につきましては、通産省としてできる限りの方法を講じよう。どうしてもいけなければ強制出荷まで持つて行かざるを得ない。御承知の通りこの生産の増強は、一にかかつて石炭と電力の二つであります。もう優先的にこの面に対しては、最重点的な施策をする必要があると考えておりまするので、この点を強力に要請いたしたのであります。今朝の新聞紙にも発表されておりまする通りに、関西配電におきましても、石炭購入の担当者を全部更迭いたしまして、新しい陣容と新しい構想並びに熱意をもつて、今後遺憾ない石炭の獲得をするという実は言明を得たのであります。昨日も関西配電の社長並びに副社長が、陳謝かたがた今後の対策に対する言明のために通産省に参つておるのであります。その他各般の情勢から見まして、どうしても二十万トンを確保いたしたいという強い希望を持つておりましたけれども、以上申し上げたような現実の事態を考えた場合、二十万トンはどうしても無理ではないか。そこで十五万トン、これだけは絶対確保しなければならないという実は考え方のもとに、計画を変更いたしまして、現在この十五万トン増産の線をもつて折衝を続けておるのであります。幸い各省の御了解が得られると存じますが、得られましたならば十五万トンの増産だけは責任をもつて遂行いたしたいというふうに考えておる次第であります。
 さらに輸出の問題でありますが、これはしばしば申し上げました、ごとく、何といつても内地の供給が前提であります。内地の供給を確保できずして輸出をやろうとは毫末も考えておりません。むろん輸出は外貨獲得の面からもぜひとも必要でありますけれども、しかしその前提としては内地の確保、これがはつきりいたしまして、さらに余裕がありますならばその際に輸出をいたしたいというふうに考えておるのでありまして、今日までの需給の数字から考えました場合に、大体本年度の生産を前年通り二百十万トンあげますれば、内地に対する供給は確保できるのではないか。従つて増産分だけは輸出に振り向けられるのではないか、振り向けたいという気持は持つておりますけれども、しかしそれはあくまでも絶対的條件ではないのでありまして、まず内地の供給を確保いたし、しかる後に余裕があるならば輸出をいたしたいという気持を持つておるのであります。
#39
○井上(良)委員 そうするとこの八月から来年の二十七年一月、ごろまでに、朝鮮、台湾、沖繩等の各地域に、硫安と配合硫安、そういうものが約十六万九千トン、その他石灰窒素、過燐酸、配合燐酸等で四、五万トン出すことになつておりまして、合計しますと二十六万七千トンになります。それらは国内の需要が満たされぬ場合には、通産省としては輸出はやらないということに、今の御答弁によると考えてさしつかえないのですか。
#40
○首藤説明員 御説の通り内地の供給確保が前提であります。従つて内地の供給が確保できざるにもかかわらず、輸出ということは考えていないのであります。ただしかし問題は、先ほど申し上げましたごとく、二百十万トンにプラス十五万トンの生産ができれば、若干の輸出余力はできるのではないかという考え方は持つております。
#41
○井上(良)委員 そこが問題の根底です。同じことを繰返すようでありますけれども、昨年、皆さん御存じの通り、公団手持ちを約五十万トン持つておつた、ランニング・ストックも持つておつた、繰越しも持つておつて、それで政府の方では、このストックさえうまく操作すれば、肥料をそうつり上げるようなことはない、またそう農民を不安に落すようなことはしないということで統制をはずして、その結果が今日硫安十貫目すでに九百円にも達しようという価格がもう出て来ておるのであります。そういう事実から考えて、さらに年間の需要が大体二百十万トンから二百十五万トンという過去の実績であります。そこへ二百十万トンつくる。あと十五万トンは電力の絶対的確保が保証されないことにはできないのです。二百十万トンの生産計画においても、今の石炭事情、今の輸送事情等をお考えになりますならば、これさなかなか実は不安な状況にありはせぬかと私ども想定するのです。あなたがおつしやいましたように、石炭を強制出荷するという法的措置を講じて、またそれに伴う金融措置というものを法的に講じて、一貫的な総合対策を肥料増産について政府が立てない限りにおいて、年間十万トンないし二十万トンの増産というものは、絶対今日の状況においては不可能であります。ましてや外地において、業者が調べたところにおいても、年間三十四、五万トンの要求が台湾、朝鮮、南方諸地域からあるのです。この海外のわが国肥料への強い要求、何とかしてこれをほしいというものと、いやそれを出しては困るというものとの間に立つて、この肥料の需要要求というものを満たすということのためには、どうしても増産の手を打たなければならない。増産の手を打つためには非常的な処置を講ぜざるを得ない。その措置をとらずに、政府の何らの法的な、権力的な裏づけなしに、單に業者を呼んでいろいろ話をして見たくらいで問題が片づくならものは簡単です。政府が六千五百万トンの石炭の増産計画を立てているくな手を打たれておるけれども、なかなか容易にうまく行つていない。また事実私どもことし一年間の肥料の生産推移を考えてみても、ことしは公団ストックというものを持つておらぬ。たかだか繰越しは十五、六万トンから十七、八万トンくらいしかありません。そういう四囲の事情を考えて、この際やはりそこに一定量の肥料を政府が買い上げて持つておつて、いつでも肥料価格がつり上つた場合には、それを操作して農民の食糧生産に不安をかけないという基本的な対策をあなた方は御協力願つて―あなた御自身国内の肥料が第一だと言つておりますから、そうしたらその第一のものを安定される法的基礎が必要であります。しかも大蔵省と農林省の話では、すでに六十万トンを手配する予算的措置もちやんとでき上つておるのです。それにメーカーの代表者みたいになつて、この需給調整に反対する理由が一体どこにあるのですか。われわれ終戦以来、国内の肥料が非常に欠乏をいたしまして、これを増産しなければ国内の食糧不安が打開できないというところから、多額の政府資金を肥料生産にぶち込んで来たのです。問題を起しました昭和電工にしましても、数十億の金がぶち込まれておるのですよ。これはみな国民の血の出るような金で生産を続けて来たのです。やつと戦前の水準にどうにか肥料が増産されるようになつたと思つたら、逆に農民には高い肥料を売り付けて、そうしてメーカーだけがもうけようというような肥料行政がありますか。一体今までこれらの肥料会社に何ぼ資金が投ぜられておるのです。やつと復興して、やれやれこれでどうにか必要なときに必要な価格で肥料が安く買えるわと思うておつたら、そのない肥料を外国へどんどん売つて、そこへ電力料が上る、石炭が上る、輸送がきゆうくつになる。今のうちに肥料を買うておかなければいかぬということをふれてまわつて、肥料は毎日うなぎ上りに上つて来ているじやないか。こんなことをされてはかなわぬというので、安定的な手を打とうとしておることにあなた方が反対する理由がどこにありますか。そういう点から、まず私はこの際伺いますが、今まで重要な各肥料工場に、政府から肥料生産に必要な金融その他の措置を講じておりますが、それは今まで一体どのくらいの金額になつておりますか。これをまずお教え願いたい。
#42
○柿手説明員 今ここにそういう詳しい数字を持つておりませんので、後刻調査の上御報告いたします。
#43
○井上(良)委員 そこで首藤さんは、單に十万トンか十五万トン増産されれば、それに電力が二億五千万確保されればという一つの想定に立つておるでしよう。これだけ肥料が現実に余つておるからこれを輸出しよう、これだけ肥料がだぶついておるから、そういう法律は必要じやないという実績の上に立つた話ではないです。あなたはこれからどうなるかという一つの架空的な議論に立つておるのです。そうじやないですか。この点を明らかにしてもらいたい。
#44
○首藤説明員 架空的と申せば架空的かもしれませんが、先ほど申し上げましたごとく、二十万トンをぜひ確保いたしたい。但し、それには現実の電力状態から見て、若干の無理があるかのように考えまするので、実現性のある十五万トンを確保する比いうことに決定いたしまして、関係省との間に今折衝を続けておるのでありまして、私の考え方といたしましては、これは実現できる、かように考えておるのであります。
#45
○井上(良)委員 総合的な法的根拠、予算的処置を政府がこれこれ考えてそこでこれだけやるということなら、われわれも納得いたします。ところが石炭にしても輸送にしても、これは政府の統制下に置かれておりません。それだから、こういうきゆうくつな需給状況の上において、どうしてもこの要求されております十六、七万トンのものを出さなければならぬという前提に立つて増産の責任を負うておるあなた方といたしましては、これを達成するのには他の産業の電力要求は切り捨てる。たとえばアルミニュームその他の電力を豊富に使う会社がありますが、この会社の電力は削つてしまう。そのかわり石炭に対しても、この肥料増産用のものだけは政府が強制的に買い上げる。輸送も配船もそれに伴つて政府は非常処置を講じるという具体的な点で、法的なあるいは予算的な処置をちやんととつて、それだから十五万トン、二十万トンできる、こういう通産省として肥料増産に対する具体的な対策をお立てになるならば、われわれ委員会も私自身もあなたの説に賛成をいたします。ところがそういう具体的なことは何らなく、公益委員会の松本委員長と懇談をしてやる、そうしたというくらいのことで、われわれはうかうかさようですかと言うわけにはいかぬ。それからあなたが今おつしやつたように、かりに石炭が肥料をこれだけつくるには年間これだけいる、どうしてもこれだけ確保しておかなければあぶないということで、強制買上げの措置をあなたがおとりになり、あるいはこれに伴うところの輸送、金融等を総合的にあなたが計画されて、これでどうやる、こういう具体的な案を示さなければ、私どもそう簡単によろしいというわけにはいかぬ。その点どうです。
#46
○首藤説明員 ごもつともでありまして、私が先ほど結論だけ申し上げたから、井上委員になお御不満な点があつたかと存じまするが、結論を得ましたその内容を若干申し上げることにします。
 まず石炭の確保でありまするが、これは御承知の通り、昨年は三千九百万トンでありまして、今年は朝鮮事変あるいは日米経済協力あるいは電力の増強等々から考えまして、四千四百万トンを計画いたしたのであります。しかるに先般御承知の通り電力の値上げ問題が起りまして、これに関連いたしまして石炭の需要六百五十万トンという要請があつたわけであります。当初われわれの構想では、電力用としての石炭を、過去の数字から考えまして、五百万トンで十分だという考え方を持つておつたわけであります。ところがどうしても六百五十万トンを必要とするという強い要請があり、しかも電力はあくまでも確保しなければならぬという考え方のもとに、さらに百万トンの石炭を増産する、そうして四千五百万トンの石炭生産計画に変更いたしました。しかしながら一挙に昨年に比較しまして一割以上の増産でありまするから、ただいま御指摘の通り、輸送の面あるいは金融の面、資材の面等々相当の隘路があつて、はたしてこれが実現するかどうかという疑念もありますので、これを閣議に提案いたしまして、そうして以上隘路と考えられまする輸送の問題あるいは資材、特に枕木の問題、金融の問題、さらにまた税制の問題等々を閣議の了解事項といたしまして、これらの施策を強力に進めておるのでありまするが、幸いにその後の生産状態は、大体この計画にマッチするような生産を上げております。ことに十月以降は増産期になりまするので、この分で行きますれば、年度末には予定の量を突破するであろうという気持を実は持つておるのであります。ここで先ほど申しました百五十万トンの増加要求に対しまして、私の方の承諾は百万トンであります。あとの五十万トンをどうするかということですが、これは重油を輸入しまして、この重油をもつて石炭に代替するという方針をとりまして、すでに重油の輸入もやつておりまするし、かつまた各電力会社に対しまして、重油の設備のあるところはともかくでありまするが、ないところは急速に設備をするよう勧告いたしまして、会社の方ではそれぞれ今準備をいたしておるのであります。かようにいたしまして、石炭の問題は大体電力に不足のない確保ができる。ただ強制的な出荷命令をいたすということを先ほど申し上げましたのは、関西の電力会社の手当がきわめて下手な契約の方法をとつておりまして、現実にストックが一万六千トン内外しかないのであります。これは関西の消費量の三日分に匹敵するというようなことになつておるのでありまして、その他の電力会社の貯炭は相当あるのでありまして、関東では三十日分、四国では四十日分、中国が二週間分、中国が大阪に次いで一番少いのでありますが、その他大体相当の手当を持つております。従つてわれわれの対象として考えまするのは、関西を対象としておりまして、ここに緊急な処置をとる。それがためには、石炭の契約方法を従来とはまつたくかわつた方向に持つて行く。さらにまた担当者をかえて、熱意を持つてやつてもらう。そうして要するに各石炭の鉱山の方面に対しましては、通産省から関西電力あての出荷を勧告いたしまして、現在急速な手を打つておるのでありますが、もしそれでもなおかつ手当ができないという場合には、やむなく強制措置を講じよう、こういうふうな考え方を持つておるわけであります。現在非常に悪條件に包まれておりますが、以上申し上げたような措置によりまして、関西電力も早晩相当回復するであろうというふうに期待しております。
 そこでこの肥料用の電力でありますが、御指摘の通り通産省といたしましては、この際三億キロを肥料用に特に獲得いたしますれば、ほかの産業に重大な圧迫を加えることになりまして、ある産業ではとうてい採算上引合わないということにも相なるおそれがありますので、それやこれや勘案いたしまして、二億三千万キロにゆるめたのであります。そうしてこの分だけは他の産業を切る。他の産業からこれだけを切つて、そうして肥料の方にまわすという計画が実はできておるのでありまして、決して漫然として二億三千万キロを肥料に獲得するというような考え方でなく、内容的にこれこれの産業から何ぼ切る、この産業から何ぼとるというような計画をすでに決定いたしておるのであります。従つて私は先ほど申し上げました、ごとく、責任を持つてこれだけは増産いたしますということを申し上げたのであります。
#47
○千賀委員長 午後は二時から再開することにいたしまして、暫時休憩いたします。
    午後一時四分休憩
     ――――◇―――――
    午後二時二十八分開議
#48
○千賀委員長 休憩前に引続きこれより会議を開きます。
 蚕糸に関する件について調査を進めます。まず順序といたしまして、糸価安定制度に対する政府の考え方につきまして説明を求めます。新沢糸政課長。
#49
○新澤説明員 では簡単に、ただいま私どもが考えております糸価安定制度について御説明申し上げます。
 生糸の需給状態を見ますと、戦争によりまして非常に需給の規模は縮小したのでありますが、終戦後幸いにも需要は逐年上昇の一途をたどつております。供給もそれにこたえまして、やはり逐年順調に伸びておるのでございます。そこで私ども蚕糸業の重要性を考えてみますと、農業経済の面におきましても、将来におきますドルの獲得という面から考えましても、生糸の生産を今後大いにふやして行きたいと考えております。そこで生糸の需要並びに供給を伸ばして行きます場合に、今まで一つの障害となつておりましたのは、生糸の価格が非常に変動のはげしいということだつたのでございます。昨年もニューヨークで、世界の絹業者が集まりまして大会が行われました。ことしの春も一部のおもな需要国の人が集まりましてやはり国際会議が開かれましたが、その席上ひとしく要望しておりますのは、生糸の価格を安定させろということでありました。生糸の価格の安定ができますれば、生糸の需要というものは今よりも一層飛躍的に伸びるという可能性を認められるわけでございます。従いまして、私どもは蚕糸政策の大きな問題といたしまして、生糸の価格を安定させることによりまして生糸の需要を大いに伸ばして行きたいと考えておるのでありますが、それが今回の糸価安定制度を考えました出発点でございます。
 そこで生糸の価格の安定をはかります場合に、一体どういう値ごろで、どれくらいの幅をもつて安定ざせて行くかということが問題であります。終戰後生糸は、文字通り自由市場に入りましてからあまり日がたつておらないのでございます。従いまして、この短い経験によりまして、生糸の価格を位置づけることはなかなか、むずかしいのでございますけれども、ともかくも終戦後数年の生糸の需要の動き並びに価格の動きを見て参りますと、価格も逐年上つて参つております。そしてまた需要が上つております。そこで生糸の価格を今の状態――言いかえてみますれば、今の生糸とほかの競争繊維との関係を、大体今のような形で維持して行くことができますならば、生糸の需要は増進させることが期待できるのではないかということで、価格の安定をいたします値ごろをきめます一つの基準として、ほかの繊維の価格と生糸の価格とのこの両者の間の関係ということをまず第一点に考えております。これは言いかえてみますれば、生糸の売れる価格というものはどういうものであるかということになろうかと思います。しかしながらもう一方におきましては、売れるばかりではいけませんので、蚕糸業が日本の農業におきまして非常に重要な位地を保つておる以上、これが増産が支障なく行われる価格でなくてはいけません。従いまして、そういう点から需要側の條件のほかにもう一つ供給側の條件といたしまして、繭の生産費あるいは生糸の製造販売に要する費用ということを考慮に入れまして、両者をかみ合せて一つの適当な値ごろをきめて参りたい、かように考えておる次第であります。
 かようにしていわば安定さすべき生糸の大体の値ごろ、位地というものはこれで出て参るわけでありますが、それならば生糸を安定さす幅、それ以上に飛び離れた変動を防ぐ線をどういうふうに割り出すかということが次の問題であります。これにつきましては、生糸の価格を安定させるということを非常に強く考えます限りにおいては、この幅はできるだけ狭いことが望ましいのであります。しかしながら一方におきましては、現在まだほんとうの意味において日本の経済界は安定したとは言えないかと存じます。また生糸の取引の実態を考えましても、あまりに狭きに失することによつて生糸の取引が非常なきゆうくつさを覚えるということでは、需要の増進ということにまた違つた意味の一つの障害をもたらすのではないかということを考え合せまして、幅は大体過去における生糸の変動率から考えまして、それを基準とし、できるだけ狭い幅ということと同時に、ある程度ゆとりを持たして、生糸の取引が円滑に行われるような点とにらみ合せまして、幅をきめたいと思つております。しかしながら経済界は生き物でありますので、法律上は若干のゆとりをとりまして、そのときどきの経済の変動に応じ得るだけの幅は持たしておきたい、こういうふうに考えております。そういうような線で生糸の値ごろ、その幅をつくり出そうということで、具体的な案を目下考究している次第でございます。
 かようにしてつくり出しました生糸の値ごろ並びに幅というものを、いかなる手段によつて維持して行くかということでございますが、これはかつて米穀統制法によつて米の場合に行われ、また昭和十二年にこの法律の前身とも申します糸価安定施設法ができましたが、その場合でもとられた方法でございますが、いわゆる生糸の売渡し、買入れ、維持いたそうと考えております、一番最低につきましては、政府は無制限にこれを買い入れるという態勢をとり、またこれ以上越えて値段が騰貴してはならないと考えておる線を守るためには、政府はその保有生糸を市場に放出することによつて、その価格を維持しようということが骨子になつております。
 なおそれの補完的な措置といたしまして、一つは下値の場合の措置として、生糸の需給事情が現在の状態では需要に比べて供給がむしろ不足がちである。そして価格の下落という現象は、長期にながめてみて、需給の不均衡から生ずるというよりは、ほかの他動的な原因によつて生糸の価格を下落させるのだ、そうしてそれの傾向に拍車をかけるのは売り急ぎだということから、何らかの方法によつてこの売り急ぎということを食いとめれば、価格は非常な下値にまで落ち込むことなしに食いとめることができるのではないかということから、そういうような考え方も取入れようかというふうに考えているわけでありますが、この点につきましては、弊害あるいは制度上の困難さといういろいろな点がありまして、これを実行に移すべきかいなかということにつきましては、なお愼重に研究いたさねばならぬ問題だと考えております。
 もう一つは、上値を押える場合の措置といたしまして、手持ち生糸の放出をいたすということを申し上げましたが、生糸の放出をいたしまして上値を押える場合におきましても、ある相当数量を政府は持つていなければ、その操作は不可能なわけでございます。現在政府は生糸の手持量がないのでございます。あるいは将来最低価格というものができて買入れるということになりましたときにおきましても、そういうことによつて政府が手持ちをいたしました数量でもなおかつ上値を押えるに不十分だという場合につきましては、これを補充するような手段も考えなければならないということを考えております。なおその他いろいろ補充的な措置も考えておるのでございますが、これらにつきましては、ただいま申し上げた基本的な問題以外の点につきましては、手段において、その考え方において、なお一段と掘り下げて研究をいたさなければならないかと存じますので、今いろいろ研究している次第でございます。
 大体ただいま申し上げましたことが、今回政府が考えております糸価を安定させるための制度の目的並びに手段の概略であります。簡単でございますが、以上をもつて御説明といたします。
#50
○小林(運)委員 ただいま御説明がありました糸価安定の問題につきまして、二、三御質問申し上げます。
 第一に、ここに配付されましたものに「糸価安定制度要綱(未定稿)」と書いてありますが、これは政府で大体どのくらいの範囲でこういうものをつくつたのか、省議をすでに経ておるのか。あるいは閣議にかかれば未定稿ということはないのですが、どの辺でやつておるものかどうか。その点まず第一に承ります。
#51
○新澤説明員 お答え申し上げます。ここの文字に未定稿と書いてございます通り、蚕糸局で考えている案でございまして、まだ実は先ほど申し上げましたように、いろいろ反省を加えるべき点も多々ございますので、省議にはまだこの案はかけてございません。なお手を加えまして、農林省としての最終決定にいたしたいと考えております。
#52
○小林(運)委員 局議程度であれば幸いでございますが、実はこの問題につきましては、八月の農林委員会におきまして、私は農林大臣に糸価安定の構想につきまして質疑をいたしたのであります。その重要な点というのは、今糸政課長の説明にもときどき現われましたが、生糸の安定ということを非常に強く言つておられますけれども、この安定制度を確立しなければならぬという根本の問題は繭の安定である。すなわち繭の安定ということは養蚕農民の仕事の安定をやつて行かなければいかぬということが根本問題になつて来るのであります。従いまして、糸価を安定することは当然でありますが、やはり繭価を安定するということに重点を置くべきだという私の意見でございました。この点につきましては農林大臣も同感の意を表し、すでに政府で考えておる案には繭価の安定を主体にしてやるというはつきりした答弁があつた。ところが今の説明またこの要綱には、繭価の安定ということがほとんど書いてない。初め農林大臣は私の質問に対して、糸価を安定すれば繭価も自然に安定できるのだというような簡単な答弁がありましたので、私はさらに追及いたしましたところ、実はそうでなかつた、繭の安定もするのだというような答弁があつた。ところがその大臣の気持がこの中にはちつとも入つていないので、これは私は事務当局はよく大臣の答弁の趣旨をくんで、もう少し出直してもらいたいと思う。従つてそういうようなことからこの案の内容を見ますと、いろいろわれわれも意見はありますが、これはまだ蚕糸局の案でありまして、省議にもかかつておらぬというような状態であれば、ますますこれを強調いたしまして、十分にその目的が入るようにかえてもらいたい。これは私の要望であります。
 それから次に、今の説明によりますと、値幅の問題、あるいは中心の値段の問題、その他いろいろお話がありましたが、この制度を実際にやつてみるといろいろ問題も起きると思う。午前中農林次官から補正予算のお話の中に、一般会計から十五億、さらに十五億の資金の融通ということを考えて合計三十億、ところがこれは二万俵も買えばすぐなくなつてしまう、そこでさらに幾ばくかの資金を用意したいというようなお話がありましたが、現実の問題としてははつきりしていない。この点は特に重要な問題であります。この制度をやつたところが三十億、あるいは資金をさらに十億や十五億出しても、過去の例にあるごとく、糸価というものは非常に変動が多い。しかもその変動の差が非常に大きい。従つて一万俵や二万俵買つてもこれはとても防げるものじやないというような点が非常に心配になるのであります。せつかくこういう制度をやつても、大きな波に抗し得ないということであつては、せつかくのものが何にもならぬので、そういう点をもつともつと十分考えて、しつかりした根拠のもとにこの制度をやつていただきたいと私は考えるのであります。その他いろいろありますが、今日は時間もないので、以上重要な点につきまして要望をいたしておきますから、その点を考えて、さらにしつかりしたものをここに出していただきたいことをお願いをいたしておきます。
 その他私の考えの一端を申し上げるならば、生糸の安定ということは、製糸業者の救済というように一般にとられております。この糸価を考える場合に、製糸業者の加工費というものはすでに政府が発表しておりますが、その加工費の中に相当利潤も入つている。製糸業者は繭を買つて、自分の加工費を加えて売りさえすればいいのであつて、一番重要な問題は繭の値段になつて来ます。そういうような場合にこの制度がこんな状態であれば、製糸業者は目先がよくわかつていますので、どんどん逃げられます。従つてもし変動が非常に激しい場合に、この制度で補い得ないような場合には、ほとんど大部分が養蚕農家の負担になつて来る。こういうことではせつかくの制度が何にもならぬので、この点を十分考えて、今後しつかりしたものをつくつていただくように要望いたして私の質問を終ります。
#53
○新澤説明員 ただいま小林先生からお話のありました点は、私どもももちろん御同感で、ございまして、今日お配りいたしました案の中には必ずしもその点が明瞭に現われておりませんでしたが、実は最も真剣な問題として研究をいたしております。どういう形でこれを実現いたしますか、実はまだ今日申し上げる段階に至つておりませんが、とにかくただいまお話がありました点は、われわれといたしましても同感でありますので、今後その方向に努力いたしたいと考えております。
#54
○小淵委員 今小林委員の方から糸価安定のお話がありましたが、蚕糸局としても真剣にこの繭を取入れるということをお考えになつておられる――まだ具体的な結果は出て来ないが、真剣に考えているという糸政課長のお話ですが、これはほんとうの考えでけつこうですが、考えの過程でまだ結論が出ていないから、はつきりしたことは言えないと言われればそれまでですが、もし生糸のほかに繭の安定をするとしたら、どのような方法で繭の安定をやつて行く構想であるか。それからこの糸価安定をするに、安定帶へ置く場合に、資金措置ができて買い上げることは、下値を押えるにはもちろん役立つわけですが、糸価が暴騰した場合に値段を押えて行くにはどういうふうにやつて行く考えでこの糸価安定の構想が練られておるか、この二つの点について、その考えがあつたらお聞かせを願いたいと思います。
#55
○新澤説明員 お答え申し上げます。第一の点につきましては、先ほど申し上げました通り、まだ研究の段階でありまして、どういう案をとるかということをはつきり申し上げられないのでございますが、直接的な手段と間接的な手段と二通りあろうかと思います。直接的な手段と申しますのは、生糸の場合にとりましたように、繭を直接操作するというやり方であります。もう一つの方法といたしましては、繭の取引過程を通じまして、取引過程の改善と申しますか、取引過程において養蚕業者と製糸業者との間の力関係の均衡を維持して行く――常にどちらかが弱い立場に追い込められることのないように、その弱い方の立場を補強して行くというような、取引の過程を通じての手段と二通りあろうかと存じます。第一の手段につきましては、いろいろ財政的な面、技術的な困難さもありまして、おそらくは第二の手段が中心的な研究課題として考えられるのではないかと考えております。また第一の問題につきましても、初めから不可能ということで問題を放棄しないように、両者並行して研究を進めたい、こういうふうに考えておりますが、どちらかと申しますと、困難性の度合から申しますれば、前者の方になかなかむずかしい問題が含まれているのではないか、かように考えております。
 それから二審目の高値の維持の問題でありますが、実際現在のように政府が全然手持ちを持つていない場合に、高値を押えるということはなかなかむずかしいのでございます。実際実質性が伴う高値――海外に対しましても、国内に対しましても、ほんとうにどんどん物が売れて行き、一般の物価水準が高まつたために、それに伴つて生糸の価格も上昇し、そうして高い位置で取引が行われるという状態は、必ずしもしいて押える必要はないと思うのでありますが、そうではなしに、とかく生糸の場合ですと、思惑関係によつて高値が出るような場合がございます。そういう場合は、生産者にとりましても、また蚕糸業のあらゆる関係者にとりましても、そういう意味合いで出ました高値というものは、必ずしも好ましい状態ではないと思います。そういうことでありますので、これはなかなかむずかしい問題でございまして、なお結論に至りますまでには研究を要する問題でありますが、ともかくも手持ちの生糸がなくて高値を押えなければならないという場合には、直接的に手を加えるということもあるいは考えなければならないのではないかと存じておりますが、この点につきしましては、実はむずかしい問題でありますので、こういうふうな手段をとるのだということまでは、ちよつとまだ申し上げられないのでございます。大体そんなようなことを考えております。
    ―――――――――――――
#56
○千賀委員長 午前は井上君の発言中で休憩になりましたので、ただいまから肥料問題を上程いたしましてその審議を進めます。井上君。
#57
○井上(良)委員 午前中肥料の需給問題について、いろいろ生産当局の御意見を聞いたのですが、問題は二百十万トンを上まわる生産をしたい。特にこの年度に約二十万トンの増産をしたい。しかしそのためには電力が三億キロワットいる。こういうことをやつたのでは他の産業に影響するから、このわくをもつと縮めて二億二、三千万たかだか二億五千万くらいのところにとめて十五万トンを増産する。その増産のあつた分を海外に持つて行く、大体こういう構想と承つたのです。そこで問題になつておりますのは、電力の確保とそれに伴う石炭の確保が予定通り行くか行かぬかということが問題の中心になつておるのであります。そこでこの電力の確保について、全国的対策を立てられております公益事業委員会の意見を伺いたいのであります。御承知の通り、最近異常渇水で、法的措置によつて電力の制限をやつております。そういう事態が現在続いておりますとき、さらにまたこの十一月から先の渇水期を控えまして、はたして予定通り一億五千万あまりの純企業生産用としての電力の割当が確実に行われるかどうかということについて、まず公益事業委員会の意見を聞きたいと思います。
#58
○平井説明員 ただいまの御質問に対しまして、公益事業委員会側の意見を申し上げます。御承知のように電力の需用は非常な勢いで伸びて参つております。これに対しまして、本年度の電力需給の見通しは、年初において需給調整規則に基きまして、一応の年間暫定の計画を立てておるのであります。この計画は、水力発電所におきましても、また火力発電所におきましても、設備の能力を最大限に動員いたしまして、できるだけ当面の電力の需用に応ずるという方途のもとに策定をいたしたものでありまして、今年度中に完成を予定されております水力発電所約二万キロワット、火力発電所も新増設と復旧とをあわせまして約二十四万キロワット、そのほかに間接的ではございますが、自家用の発電設備も水力、火力それぞれ五、六万キロワットできることになつておるのであります。これらの新規発生電力も、電力事業の面において需給源として期待し得るものは全部これを織り込みまして、二十六年度の年間計画を立てておるのであります。そういうふうにして立てました計画で、各事業部門別の割当も大体年間計画としてきめておるのでありますが、これによりますると、特に今の御質問の化学肥料の面に対しての電気の量といたしましては、第一・四半期においては、昨年の同期に対しまして約五〇%ふえております。年間を通じまするとそこまで参つておりません。というのは、後半において相当割当がふえておりました関係上、年間を通じますと昨年度の推定実績の約二〇%程度の増加のものが化学肥料の面に対して割当を予想されておるのであります。この計画が計画通り参りますかどうかという点につきましては、現にこういう渇水でもつて制限の法的措置をせざるを得ないような状態のもとにありまして、一方増産を企図せられる化学肥料の面として御心配になりますのは、まことにごもつともなことでございまして、われわれとしても、実は非常にこの見通しについては心配をいろいろして、善処しておる次第なのであります。その一つは需用が年初に予想しました以上に伸びて来ておるのであります。年初の予想としましては、年間で前年度の約七%程度の需用の増加が予想されて計算しておつたのでありますが、実際には第一・四半期の実績等から見まして、おおむね一割以上の増加をしております。九月は偶然にも八月以来ほとんど雨が降りませんために、法的措置をとつておりますけれども、これは水が出次第解除したいと思つておりますが、解除され次第相当の増加があると予想しておるのであります。需用は予想以上に伸びておるのであります。従いまして、水力発電所の方にしましても、火力発電所にいたしましても、できるだけ当初計画以上に動員できるようにと電気事業を督促いたしまして、そうした分の供給に支障のないように今日まで努めて来たのであります。今年度の前半はおおむね豊水でありましたので、あまり供給制限という形にならないで一応通り越したのでありますけれども、八月以後九月になりましてほとんど雨が降らないために、今日の事態に相なつたのであります。
 なお合、後の下半期の見通しでありますが、そういうふうで下半期の供給確保の一つの大きな要素は、水がどの程度に出るかということにあるのであります。御承知のように水力発電所に多く依存しております関係上、水がどの程度出るかということが大きな要素をなすのでありますが、これは年度によつて水の出方は違うのでありますけれども、九箇年の平均程度出ますならば、水の方の面としてはあまり大きな制限というようなことにはならないように、何とかその面としては行けるのではないかと思うのであります。もう一つの要素は、石炭の量及び質が確保できるかどうかという点であります。年度の初めに立てました年間暫定計画におきましては、石炭の消費予想を年間六百三十万トンと計画を立てたのであります。その後実際には七月までの間にすでに四十万トン程度計画を上まわつて月割をたいておるのであります。そうした点も考えまして、年間どうしても六百五、六十万トン程度の石炭を必要とするのでありまして、これはぜひ確保したいと考えております。その後の需用から考えますると、もつと石炭がいるのではないかと思うのでありますが、現実の石炭の需給の状態から申し上げますると、経済、産業面の需要が非常にふえておりまして、石炭の需給もなかなか容易でないのでありまして、それがために電気事業部門への、ただいま申し上げました石炭の最小限度の必要量の獲得につきましても、目下非常に電気事業者が苦慮して検討しておる状態でございます。しかしこれはどうしても確保しないことには需給に非常な混乱を来すことでもありまするし、生産に非常に影響を與えることでもありますので、この点につきましては、ごこに御臨席の通産省の政務次官の方からもいろいろと御援助をいただいておるのでありまして、ただいま通産、安本等の御協力を得ましてこの数量をぜひ確保するようにという意味で、私どもも電気事業者を督促して、非常に努力しておる次第でございます。そういうふうにいたしまして、おおむね平年程度の水があり、石炭も意図する程度のものを得まするならば、冬場の寒いときには数字的な制限が若干起るかと思いますが、おおむね何とか乗り切れるのではないかという気持を持つておるのであります。しかしそれを乗り切りますには、どうしても不急不要の需用面に対しては、時期的には若干の規制を行うようなことも避け得られないのではないかということも考えられるのであります。
 さてそういうふうにして、私どもといたしましては、年間暫定計画を立てますると同時に、需給調整規則の定めるところに従いまして、毎四半期別の修正割当もその後の事情において決定しておるのでありまして、そして最後には前月の五日前を目途といたしまして、毎月の割当量の最終決定をいたしておるのであります。この割当量の最終決定までのそういう三段階の作業におきましては、特にこの化学肥料への割当等の関連において考慮を要する面は、おおむね特別大口電力と申しまして、三千キロワット以上の電力に対する割当の関係になるのでありますが、これは御承知のように、委員会といたしましては、供給数量を最大限に査定して、そうしてその数量をきめます。そうして需用部門別、地域別のわくをきめるのでありますが、同時にその供給するわく内においての産業部門別の配分につきましては、これは経済安定本部の方の策定せられるところに従いまして、言いかえれば、産業政策上の考慮からなされる安定本部の決定を基礎といたしまして割当をいたしておるのであります。ただいまの御質問で二億五千万キロとかいろいろな数字を伺つたのでありますが、そういう点につきましては私ども具体的に存じておらないのであります。一応お答えいたします。
#59
○井上(良)委員 電力事情の全体について非常に詳細な御答弁をいただいたのですが、問題は九年間平均に流水が予想されるかどうかということが一つと、それから良質の石炭と必要な量が確保されるかどうかという、この二つが需要を満たし得る基礎になつておるというお話でございます。そこであなたの方の御説明によると、この下半期において水が確保せられるかどうかという問題は、これは未知数の問題であります。まだ何とも見当のつかぬ問題であります。そこで問題は、これを補う石炭または重油の使用の問題でありますが、午前中に通産政務次官は、本年の石炭増産計画四千四百万トンのうち、電力確保のため発電用として六百五十万トンを要求されておるけれども、従来大体五百万トンでやつて来たから、さしあたりもう百万トンふやして、電力用石炭は六百万トン、あと足らぬ分は重油によつてやる、こういう説明でございました。そこで問題はこの百万トンの石炭と重油の問題になると考えますが、この百万トンの石炭が、最近の市場に出ておりますような非常にカロリーの低い石炭であつた場合に、はたして予定通りの電力が供給できるかどうかという問題も一つあります。それから重油設備を更新しなければなりませんが、現在すぐ重油が問に合うところの工場はどのくらい、火力発電所として重油も使用し得る工場、それから重油施設を新しく更新しなければならぬ工場、いわゆる発電所でありますが、それからその重油と石炭との單価、これはどういうことになつておりますか。それらの点について御説明を願いたい。
#60
○平井説明員 ただいまの御質問の点について順序は逆かと思いますが、まず重油の計画について申し上げます。電気事業用の火力発電所は、従来は石炭をたく目的でつくつておりますので、重油をたくような設備になつておりません。しかしながら現実の石炭事情のもとにおきましては、何とか重油の燃焼方法も併用しなければ、この危局を乗り切れないのではないかと思うのであります。そういう意味におきまして特にこれは通産省の方からも強いいろいろの御要望がありまして、私どもの方もその御趣旨に沿いまして、電気業者に対して積極的にぜひ重油も混焼方法あるいは専焼方法を考えろ、またそれに対しての今年度の油の所要量の申請手続を早くしろというふうに、今プッシュしておるのでありまして、近くそれに対しての電気事業者側からの責任ある回答を得ることになつておりますが、ただいまのところ手元に入つておりません。大体の点を申し上げさせていただきますと、戦時中にやはり炭質が非常に下りまして、それがために火がときどき落ちてしまう。それを補う目的で、いわゆる私どもこれを助燃用と申しますが、助燃用として若干の重油をそうした火の消えそうなところに吹き込んでやりまして、かまの火の落ちるのを食いとめるという方法を、ある程度の発電所についてはやらせたことがあるのですが、その設備が残つております。これはいわゆるバーナーがボイラーの中に差込んであるわけです。ただこの設備は、ただいま申しましたようなほんの助燃的な目的をもつてつくつてありますので、それ自体を運用することでは、年間の重油の使用量は、せいぜい数万トンぐらいまでしか期待できない、とうてい今の量的な期待には応じられない、そこで今われわれが事業者に対していろいろ要望し、研究させておりますのは、いろいろ段階を持つておるのでありまして、まず手取り早いのは、助燃装置を、タンク及びパイピングを利用して連続使用のできる方法に持つて行つたらどうか、この方法でやりますと、年間にあるいはこの冬場でも数万トン程度の重油は使えるのではないかと思うのでありまして、まだ確報を得ておりませんが、特に石炭事情において心配であります関西とか、中部とか関東とかいうような所では、それぞれその計画を進めておるように用いております。ある程度ははつきりしたものが近く出るのではないかと思つております。しかしそれでもまだ十分でないのでありまして、次にはむしろもつと積極的に、石炭を入れる方法をやめて、その設備をバーナーにすつかりとりかえて、そうして時期的にはあるいは石炭等の足らないときには、重油だけでたくという方法も考えなければならぬ、これは非常に設備をするのに時間と金がかかりますので、ことしの冬に間に合う計画としてはちよつと期待しかねるのでありますが、それでも一、二の発電所には、若干そうしたものを今からでも用意をしたいという検討を進めておるものもございます。そうしたところまで行きますると、重油の年間使用量というものは十数万トンとか何とかいうようなところにまで行くのではないかと思つております。アメリカなどでは石油と石炭とがときどき市価によつて競合するものでございますから、火力発電所の設備で重油と石炭といつでも安い方を買つてたけるような設備をしているところもございます。日本も今のような状態でもありますので、自然そういう方向への前進もこれはぜひしなければならぬと思つておりますが、通産省の方での回答を得ましたら、その辺がどの程度まで具体化するかわかると思つております。
 重油と石炭との単価の御質問がございましたが、重油は現在のところでは大体石炭とカロリー当りにおいてそう違いないという程度であります。ですから石炭の市価が現状であり、あるいはまた重油の市価が現在よりまたかわらないという仮定で申しますならば、今のところでは重油をたくことも石炭をたくことも、カロリー当りの原価においては、若干の違いはありますが、あまりかわらない。一面石炭の方では灰捨ての費用が若干節減されます。そのかわり重油をたくためには、重油の燃焼設備の点では付加される。そういう点でわれわれは考えおりますが、こういう際でありますので、できるだけ重油を使うように申しておりますが、今年度の重油消費可能量はそう多く期待できないというのが、ただいま申しましたような内容であります。
#61
○井上(良)委員 そうなつて来ますと、重油というものがただちに石炭にかわつて発電の燃料となつて、大きな効果を上げるということは、補助燃料としては多少役には立ちますけれども、重油をもつて石炭にかえるというところの設備をするまでには、相当日時がかかるというように私は承つたのであります。そこで問題は、そうなつて参りますと、石炭の確保ということが絶対的な條件になつて参ります。御承知の通り石炭は今自由取引になつておりまして、値の高い方なら売るわけです。ところが配電会社が買付しておる石炭というものと、一般の民間産業が買い付けております石炭というものと値が違うわけです。現実に大口消費者ということで、特に安く買おうというので契約をされる関係もあつて、どうしても一般の市価よりも安く契約をしようとする、これは大口なる関係で当然であろう。そうなつて来ますと、結局カロリーを落すということが当然起つて参ります。これは現実の問題としてそういうことによつて穴埋めしなければならぬのですから、一応上積みなら上積み、あるいはその検査される部分については、予定通りのカロリーのある石炭を見せてありますけれども、実際全量がそうなつておるかというとそうじやない。そこに金もうけのからくりがあつて、実際は六千カロリーなら六千カロリーのものを必要とするとしても、四千五百カロリー以下のものがまじつておるということは現にあり得ることなんです。それは否定できない。従つてその問題はあなたのおつしやるように、六百五十万トンの石炭を確保しなければ、この下半期の渇水状況を考慮に入れて、年間の需用増しとともになかなか容易ならぬ電力事情になる。こういうことから考えて、これがかりに入つたにしても、事実なかなか容易ならぬ状況にあるのです。六百五十万トンが全部あなたの方の発電会社に入つたにしても、なかなか容易ならぬ事情にある、従つてあなたの前後の話を聞きますと、電力事情というものは絶対楽観できない、こういうような御説明のように承つたが、さよう了承してさしつかえありませんか。全体の今まであなたの御説明を聞いておりまして、なかなか電力事情というものは、そう安心できる事情にはない、こういう結論のように私は印象づけられたのですが、そう理解してさしつかえありませんか。
#62
○平井説明員 それでけつこうでございます。ただ一言附加いたします。そうは言うものの、日本の産業の当面の問題を考え、国民の輿望を考えます際に、どんなことをしても、この石炭の量と質は電気の方面に入るようにして、そうして支障のないようにしなくちやならないという意味において、最善の努力を続けたいという気持を持つております。
#63
○井上(良)委員 そのあなたの努力はわかつておるのです。努力はわかつておるが、あなたの方の電力料というものについては、一定のわくがちやんとはめられておる。料金をむちやに上げるわけに行かないのですね。ところが石炭の方は、あなたの方が何ぼこの値でなければ引合わぬと考えてみても、向うの方はその値じや売らぬというた場合、これは強権でもつてとつて来るわけに行かない。何んでもかんでも無理に六百五十万トンを集荷する力が、公益事業委員会に許されておりますか。そこが一番大事です。そこです。それを一ぺん……。
#64
○平井説明員 公益事業委員会が石炭を買うのではありませんで、委員会としては、監督官庁として当面の石炭を買うべき直接の責任者であります電気事業者を強く督促しておるという意味において申し上げた次第であります。電気事業者はそろばんが合わぬから買わぬとか、そういうことは公益事業の、使命として当然考えることではいと思つております。
#65
○井上(良)委員 その公益事業というものは表看板で、そろばんが合わなければ経営ができませんよ。ましてや一方石炭の方は、これもやはり公益事業である。公益事業が何であんな石炭をどんどん上げて来ますか、何であんなに悪い石炭を突つ込んで来ますか。そういうことはあり得べきことじやなくても、これは採算上やむを得ないとしておるわけでしよう。だから問題は、あなたの方が、そういう権限は委員会にはない、各会社の経理においてやることであろうと思いますから、少くともあなたが予定通りの需要を満たすだけの、委員会としてはあらゆる対策を、政府と折衝をして、傘下の各電力会社にそれぞれの手当をしなければならぬ責任があるわけですね。そこで別におれの方ではあんな石炭買おうが買うまいが一向さしつかえない。電力さえ起きたらいいのだ。そういうむちやな話はあり得べきことじやない。そこで問題はこの六百五十万トンの石炭が、予定通り各電力会社に確保されなければ、あなたのおつしやる年間の需用量を満たすことはできない結論になつて来る。ところがこの石炭事情というものが何らの法的、予算的、金融的措置というものが総合的にとられてないのです。そういうことを考えたときに、予定通り六百五十万トンの石炭が完全に入るかどうかということは、今日の場合あなたは断言できないでしよう。従つて電力というものに対してあなたが結論として言われておりましたように、万一これらのものが満たされない場合には、時期的には再び制限しなければならない事態が起つて来るということが予想され得るのです。そこでそうなつて来ますと、この肥料増産に振り向ける電力というものが、根底がぐらついて来る。ここで首藤さんは非常に政治的に上手にさきに、逃げましたが、もし石炭でいかぬ場合は重油を使う、こう言うのだけれども、重油を使う設備はすぐさつと間に合わないという具体的事実がここではつきりして来ましたから、重油の問題は今日のところ話になりません。今日の肥料増産上にはただちに役立たぬ。設備ができてからの相談にしなければ何とも始末がつかぬ。そこで問題は、今お聞きの通りこういうことになるということがまつたくはつきりした。われわれはただいまの説明によつて、これならなるほど肥料生産のために電力がこれこれ増配をされる。つまり一億三千万キロぐらいか五千万キロの電力は増配されて、予定通り十五万トンないし二十万トンの肥料は増産をされるという結論はどうしても出て来ない。今の話を聞いて首藤政務次官どうですか。出て来るとあなた自信をもつて言えますか。私の頭とあなたの頭とそんなに違うわけのものでないと思うが、どうです。どう考えてみてもあなたの方で、今の公益事業委員会の方では、エンジニアですから政治的感覚をもつて物を言うておるわけではない。従つて正真正銘のことを言うておるわけである。そこで問題は、この石炭に対してあなたの方で、先にあなたがちよつと漏らしておりましたように、緊急的な何かの措置、少くとも肥料増産用に必要な電力を確保するために必要な良質な石炭これこれを政府のわくに資金をもつて一応負い上げる。そうして電力用として百万トンなら百万トンを電力会社に渡す、そのための所要資金は補正予算で出す。こういう手でもあなたが打つなら、これはひよつとしたらどうか知らぬという多少安心感が出て来ますけれども、そういうことを全然されずに、単に増産をしてまわすのだというてみても、自由経済ですからそれはそろばんが合わなければやりません。何ぼあなたが公益事業委員会に言うてみても、政府がそこに法律的措置、予算的措置、金融的措置を講じてそれでやらぬというのならばまだ手もありましようが、全然そういう手当もせず、計画的総合的対策を立ててやらずに、單にそんなことで業者を呼んでみたり、しかりつけてみたり、話合いをしてみたところで解決はつかぬ。そんなことで解決つくようならとうに問題は片がついておる。どうですかあなたその点正直に、親切に、ほんとうに六百五十万トンの石炭は渡すという自信がございますか。そういう手を打たずに、しかもあなたはここ一月ほどしたらかわるかもわからないので、大臣か化学局長でも呼んで来なければ物騒で話ができません。前のはこう言つたけれども今度はかわつたからと言われては迷惑をしてしまう。ひとつ少くとも責任あるものにしてもらいたい。私は実際正直のところを申し上げます。昨年通りせめて政府が手持ちを持たれ、肥料会社が相当のストックを持たれている、年間を通して相当の需要を政府が持たれているということならば、さほど私は心配はいたしません。八月以降近畿、関西、中国、九州、これらの各地の異常渇水の結果は、もうすでにあなたの方に報告が来ていると思うのでありますが、それぞれ肥料生産は予定通り進行していないのです、ずつと下まわつているのです。進捗率はそれぞれ八〇%、九〇%、一〇〇%を突破したものはほんの二、三社にすぎない。この事実から想定して行つて、とうていこの下半期に、来年の春肥を農民は心配なしに買えるような事態というものが実際発生して来ない、ここに問題があるんです。そんな心配はかけぬというだけの自信があなたにありますか。ここなんです、問題は。それらの点についてほんとうに正直に御説明願いたい。
#66
○首藤説明員 井上委員のお話を承つておりますると、前途に対する非常に悲観的な御想像、しかもそれを断定されるような御意見でありますが、われわれは少くとも常識的に判断できまする各般の情勢を基礎といたしまして、将来に対する予測を立てておるのでありまして、井上委員の極端な悲観説には必ずしも賛意を表しかねるのであります。というのは、先ほど申し上げましたごとく、現実の情勢はきわめておもしろくありません。これは平井技術長も言われた通りであります。しかしながら、何といつても石炭、電力は産業の根幹であります。従つてこれを無視しましてほかの生産計画を立てましても、それはナンセンスであります。どうしても電力、石炭をまず確保するということを前提とした産業計画を立てなければ、これは何にもならぬということになることは、御承知の通りであります。従つてもろもろ悲観すべき隘路はありますけれども、それらを万難を排して排除いたして、そうしてこの計画の電力並びに計画の石炭を確保しなければならぬ。それがためには、最後には法的根拠をもつて、強制出荷までもやらなければならぬのではないかという決意を固めておる、こういうふうに申し上げたのでありまするが、幸いに石炭の現在の分布状態を見ますると、民間企業が相当多大のストックを持つておるのであります。これは石炭の趨勢が御承知の通り、春以来漸次上昇して参つた。ことに近くもう一度五百円値上げをするかもしれないといううわさが巷間に伝わつております。かようなことから、一般の私企業体では、冬季の需要期を控えまして、この際できる限り手当を急ぐというような状態になつておりまするので、民間私企業のストックというものは、案外多量に現在持たれておるのであります。
 さらにもう一つは、先ほど申し上げましたごとく、電力会社の手当も、目下のところ、関西だけが最もおもしろくない状態にあるのでありまして、関東にいたしましても、四国にいたしましても、その他中国を除きましては、大体あまり心配のない状態になつております。かたがたわれわれの緊急対策をやります対象は関西、その次は中国、こういうところを対象といたしまして、これに緊急的対策をやるならば、まずどうにかこうにか目的を達し得るであろう。しかも先ほど申し上げましたごとく、民間私企業の手持ちは相当多い。従つて行政措置だけでも、これらの契約を一応あとまわしにいたしまして、電力会社に対する搬入を優先的にやるということも可能であろうかと考えておるのであります。
 もう一つは炭質の問題でありますが、御指摘の通り、関西に入つておりまする炭質は、必ずしもいいものばかりとは言いがたい状態にあることも聞いておりますが、これも先ほど申し上げましたごとく、今日までの契約の方法が非常にまずいやり方をやつておる。というのは、あれだけ大量の消費をする電力会社が、大手筋と契約をいたしておりますのは、全量の三割ないし三割五分程度で、他は全部ブローカーから契約をしておる。これが第一われわれの最も不満とするところでありまして、先般公益事業委員会を通じまして、関西電力の石炭担当者に対する責任を追究いたしましたのも、実はこれなのであります。少くとも公益事業として、しかもこの重要な産業を相当する責任者が、かようなあやふやな方法をもつて石炭の確保をやつておる。これは重大な失態であるとわれわれは考えておるのであります。従つて責任者の責任を追究いたしまするとともに、即時この石炭購入の方法を変更いたしまして、少くとも山元と直接契約をする。大きな鉱山から全部できますればけつこうでありますがそれは不可能といたしましても、かりに中小でありましても、山元と直接契約するという方向を指示いたしたのでありまして、これができますれば、井上委員の御指摘のような、低級炭が入るというおそれもまた自然に解消して参ると確信いたしておるのであります。従つてそれやこれやの手を打ちます。また電力会社といたしましても、かりにこれがために経済的に採算がとれないという事態に立ち至る場合がありましても、これは公益事業であります。また現在の情勢下では、決して採算がとれないという状態に立ち至つてはいないのであります。従つて電力会社が世人の納得するような熱意をもつて対策を講じても、なおかつ十分な手当ができないという場合におきましては、政府といたしましては強力な行政措置をやる、またそれでなおかつ目的を達しないという場合に立ち至りますれば、やむなく強制出荷までやろうという腹をきめておりますのも、実にこの既定の計画をあくまでも遂行しなければならぬという考え方のために、かような決意を固めておるのでありまして、あれやこれやで十分に目的を達する――現実の客観情勢は非常におもしろくありませんけれども、この計画だけは根幹産業でありまするだけに、どうしても目的を達するまでやつて行きたいという決意を固めておるのであります。
#67
○井上(良)委員 御決意のほどには大いに敬意を表しますが、御決意してみたところで、それを具体化する法的、財的基礎ができていない以上は、何ともしかたがないということになります。私の一番心配している点はそこです。あなたの今のお話にございました通りに、民間産業における石炭需要というものは非常に上昇いたしておりまして、特に日米経済協力によつて相当軍需産業的な面が活発になつて参ります。この面に対して、石炭及び電力というものを優先的に確保されることははつきりして参りました。さらに今後講和條約に伴つていろいろな新しい要素が生れて参ります、そういうことでのつぴきならぬ石炭並びに電力の割当というものは、大体において予定をしておかなければなりません。そういうやむにやまれぬものをわれわれが想定いたしただけでも、相当電力並びに石炭事情というものはきゆうくつにならざるを得ないという見通しがはつきりついて参りました。それなればこそ、それらに対する手当というものを、政府としては十分打たれなければならぬ。あなたは盛んに公益事業、公益事業ということを振りまわしますけれども、公益事業に対して、万が一採算が合わない、引合わぬという場合は、政府でそれだけの補給金を出すなり、あるいはまたそれに対する必要な金融をするなり何なり、裏づけとしての、十分公益事業としての任務を遂行できるだけの法的、予算的措置がとられておりますならば、それは問題はありません。しかし依然として私企業として利益を上げて行かなければ会社の採算が合わぬという経済の中におります以上は、当然損をしてまで、公益事業だからやむを得ないということには私はなり得ないと思います。かりに電力を公益事業だとあなたがおつしやつても、その重要な原料を補う石炭は、これもまた国の司要産業として公益性を持つておると言えるが、しかしこの面においては、まつたく政府としては手を焼く状態に事実あるのであります。これは過去のいろいろな実例から言い得られる。そこであなたの方でそれらに対する処置が十分とられていなければ、これはなかなかやつかいになると思うのです。だから私はここであなたに特に通産省として考えていただきたいのは、下半期に約二十六万トンからの肥料を海外に輸出せなければならぬという状況を控えて、これを満たすための肥料約二十万トンを何としても増産をしたい、そのために電力を二億三千万キロなら二億三千万キロを確保したいというならば、その計画に基いた総合的な計画が裏づけに立てられなければなりません。あなたのおつしやるように、いざというときになつて緊急集荷というか、非常集荷の措置をとるといつても、非常措置をとるときはもうすでに遅いのですよ。今日からそういう事態になることは、大体今の公益委員会の技術部長さんのお話でおわかりの通り、なかなかゆだんならぬのです。そうしてまた政府が目を離すことのできない実情にあるのです。二億三千万キロワットの電力を肥料に振り向けようといつたところで、政府が目を離されぬほどに重大な事態にあるわけです。そういう事態になることは今から予想され得るし、これから冬に向つて決して水は豊富に出て参りません。石炭もますます需要が高まつて来る事態に時期的にはなつて来ます。二つとも非常にやつかいな事態になつて来ている。時期的に豊水期じやないのですよ。また夏の石炭のいらない時期とは違います。ますます石炭の需要が大きくなつて行く時期に入つて行くのですよ。そういう悪條件を前にして、そうして来年の春には厖大な春肥を出さなければならぬ、しかも海外にこの年末までに肥料を輸出しなければならぬという事態を政府は何と見るか。この事態を見ますならば、ここにおいて政府がそれを確保し得る総合的な計画を立てずして、單に必要な手当だけしていたらいい、その手当といつたら何かというと、業者を呼んで話をするだけが手当なんですよ。予算的な何らの対策がそこに立てられていない、法的な対策が立てられていない、そういうことでこういう重大な計画が実行されるというならばおよそナンセンスです、およそ子供だましの意見です。それだからあなたが非常対策として、政府は最後の場合は伝家の宝刀を抜くぞというような御決意のほどはわれわれも敬意を表しますが、その宝刀が抜かれたときにはすでに事態は遅いのです。すでに現実に八月の肥料生産は下つておるじやありませんか。この事実を何と見るか。そういう点から、ここにあなたが積極的に、それなら話はわかつた、よし、それなら石炭なら石炭に対する手当をしよう、必要な資金的な予算的な措置をしようというなら話はわかる。全然そういうことについて何ら触れずに、いざというときにはひつこ抜くぞといつたつて、それは問題になりませんから、そこのところはあなたの方でもう少し――私は決して筋道のわからぬりくつをこねまわしておるつもりじやないのですよ。そういう点に対する通産省として責任のある具体的な法的な、予算的な、金融的な処置を講ずることが明確にならぬ限りは、あなたの言うことは信用するわけに行きません。そういう予算的法的処置がとれませんか、どうですか、その点を……。
#68
○首藤説明員 金融面の予算措置をとれという御意見のようでありまするが、先ほど申し上げましたごとく、現在の情勢下では、政府が金融を助成するほど会社の状態は窮境に立ち至つてないとわれわれは見ております。またかりに将来そういうことがありました場合に、これをやらなければ発電ができないというような事態に立ち至りましたならば、これは何をおいても適当な対策を当然とるべきだというふうに考えておるのであります。また同時に会社の方からも、目下のところ金融に苦しむからというような要請も何もないのでありまして、また一般の情勢から見ても、さような窮境に立ち至つておるはずはないというふうにわれわれは見ております。かるがゆえに先ほど申しましたようにいろいろな対策を講じて行きまするならば、十二分に確保でき、そうして予定の発電を遂行し得るであろうという予想を持つておるのであります。
#69
○井上(良)委員 そうなればまつたくあなたと私との見解の相違で、これ以上そのことについて私は追究いたしませんが、私は別に電力会社にどうこうと言つておるのじやない。電力会社が、あなた方が要求される電力を供給するに必要な主要原料たる石炭なら石炭に対して、必要な手当を加えてやらなければならないじやないか、それができていない以上は危険だということを私は指摘しておるのであります。
 なおここで特に御注意を申し上げておきたい点は、肥料輸出に関連して、国内肥料の需給問題が電力、石炭等の事情から非常に困難であるということであります。これは今年の肥料輸出の問題が政治問題化しましたときから、この委員会では議論をしておるのでありまして、当時からあなたは、電力さえ豊富に肥料会社に割当てられれば、肥料は輸出できることになるんだという一点張りで実際やつて来ておる。ところが今の電力事情は一体どうです。緊急停電をしなければならぬほどの状態に追い込まれておるじやないですか。これは現実に事実となつて現われておる。今になつてわいわい言つてみたところでどうにもならぬ。一ぺん関西に帰つてごらんなさい。あなたなんかうかうか帰れはせぬですよ。一日中電気が来ない。晩になつたら二時間置きにハッパと十二時まで消されてしまう。現にそういう事態になつておる。あなたがいよいよここで二億三千万キロの電力がまわらぬということになつて手を打つときには、すでに事態は非常な混乱に陷つておるときです。そのときにああもする、こうもすると言つてみたところで、それは事実上不可能です。これは帰つてゆつくり関係の人を集めて、総合的な一貫した計画をお立てなさい。そうしなければ、あなた方が需給調整法に反対するというようなことは、まつたくメーカーの代表的な反対であつて、通産省はメーカーの行政をやつておるんじやありません。そういう利害関係者だけの意見をどうこうしておるのじやないでしよう。そういう点から、私は別に輸出に反対しておるわけじやない。輸出すべきものは、国内が安定してやつてくれ。その安定さえ今国内において不安な状態にある。現状のままで行くならば、今までの御説明では、おそらく予定の生産計画は達成できない。それを上まわる増産は、およそ今日の事態ではむずかしいという自信をわれわれは深めておる。そういう点から、あなたの方で今申し上げました通り、どうしても年末までに二十五、六万トンのものは海外に出さなければならぬというこの事態を見て、ここで他の産業を犠牲にしても電力を豊富に出さなければならぬということなら、それだけ出し得る電力会社の裏づけなり、あるいは石炭対策なりについて、総合的な一貫したものをお立てになつて、これだから心配をすな、農民よ安心せよ、こういうことのひとつ相談をしてもらいたいと思います。そうでなしに、ただ需給調整に反対するということになりますと、これはまつたく農民の敵でありまして、われわれはそういうことなら断固として闘います。農民が安心できる対策ならいい。そうでなしに、肥料輸出ということは、まつたく米を輸出するにひとしい。一方食糧を輸入しておつて、またこの食糧増産に必要な肥料を輸出するということは、米の輸出と一緒であります。われわれの血と肉を売ると一緒であります。そういう飢餓輸出にわれわれは断じて賛成できません。そういう面から――私はこれ以上あなたと議論を進めたところで、結局意見の対立になつて行きますから申し上げませんが、これを実行する場合は、ぜひあなた方の方で総合的な計画をお立てください。その総合的計画が立つまでは、遺憾ながら肥料の輸出は待つてもらわなければなりません。そうして具体的に実績が上つて来ました場合は進んで輸出をおやりなさい。現に肥料は減産をしておりますから、計画通り上まわつておりませんから、そういう事態において、全国の農民が何とか国内の肥料を安定したいということで、その要望に基いて立案をされている肥料需給調整法に反対するというような態度はやめてもらいたい。みずからなすことなからずして、ただ一部少数の肥料メーカーだけの意見によつて動くというようなことはもつてのほかであります。その点を私ははつきり申し上げておきます。いずれまたあなた方の対策の立て方によつて、この問題については質問を申し上げますが、本日はこれをもつて私の質問を打切ります。
#70
○首藤説明員 井上委員の今の御意見によりますと、総合的計画性がないから不安だという御意見かと承りましたが、先ほど申し上げましたごとく、電力並びに石炭の確保につきましては、るる申し上げましたから御了承願つたと思います。そこで通産省といたしましては、肥料の重要性を認識しておりますので、他の産業を犠牲にしてもなおかつこれを増産しなければならぬという考え方のもとに、二十万トンの増産、必要とする電力三億キロ、しかるに最近の電力事情を見た場合、これはいささか無理な計画のように考えられますので、これを十五万トン増産、二億三千万キロの電力獲得、そうしてそれがためには特に肥料に増配しまする二億三千万キロの電力を他の産業から切つて行く、いわゆる他の産業を犠牲にしてこの肥料の増産を確保いたしたい、こういう計画を進めておるということを申し上げたのでありまして、先ほど平井技術長も申しましたごとく、公益事業委員会は発電力の総わくを安本に提供いたし、その提供された総わくの中から各産業別の電力の割当をいたすのでありまして、これは生産主管庁の通産省が安本と合議の上で決定するのでありますが、何といつても生産を担当しております通産省が主としてこの計画を立て、そうして安本と合議して最終的な決定をいたすということになつて参るのであります。繰返して申しますが、他の産業を犠牲にして二億三千万キロの電力を肥料に特に配給いたし、そうして十五万トンの増産を確保いたしたいという計画をただいま進めておるということを御了承願いたいと存じます。
#71
○河野(謙)委員 例によつて首藤政務次官の覇気のいい、勇気のある御答弁を聞いて、何だか森の石松の金比羅参りの浪花節を聞いているようです。非常に愉快ではありますが、私も井上委員と同様に、これを静かに考えた場合には不安があるので、以下順次御質問したいと思います。
 その前に公益事業委員会の方にちよつと伺いますが、先ほど井上委員の御質問に対するあなたのお答えは、現在の電力事情は昨年度の一割程度までふえるだろう、その一割程度ふえた場合に、その需用を満たすのに水なり電気の條件がよほど整つて来ないとそれが心配だ、こういうことのように伺いましたが、そういうことなんですか。
#72
○平井説明員 お説の通りであります。
#73
○河野(謙)委員 そうしますと、あなたの方の御計画では、今後いかなる手段を講じましても、よほど天恵に恵まれない限りは昨年の一割増、さらにそれにいかなる産業部面からの増配の要求があつても、それにこたえるだけの計画が立たぬ、余地はない、こういうことですか。
#74
○平井説明員 昨年年度初めに立てました計画よりも需用は若干上まわつておりますが、これらの点につきましては、たとえば水力発電所の利用率の向上とか、あるいは休止点検すべきものを繰延べて延長するとか、あるいは貯水池の利用方法をさらに改善するというふうな努力をしておりまして、何とかそのための措置もあわせて今進めております。
 それから増配するとかせぬとかいうお話でございましたが、これは大体委員会といたしましては、供給の総わくをきめまして、そうしてそのわく内においての産業別の配分につきましては、これは経済安定本部の産業政策上の割当によつてきまることでありまして、どの産業にどう割当てるということは、委員会としては申し上げられません。
#75
○河野(謙)委員 重ねて伺いますが、たとえば今問題になつておる肥料の場合、国際的に見てもどうしても肥料を増産しなければいかぬ、この場合に、あなたの方に電力のわくをふやしてもらいたいというときに、あなたの方ではわくの絶対量はふやす余地はない、こういうふうに了承していいかということを私は伺つておるのであります。
#76
○平井説明員 今年の下半期につきましての見通上としましては、やはりいろいろな情勢から見まして、総わくをふやすということには相当の困難があるのではないかと思います。しかし絶対にないとかどうとかいうことは、これは先月末の最終決定の段階において、具体的ないろいろの要素を見てきめるのでありますから、ただいまとしては何とも申し上げられません。
#77
○河野(謙)委員 そうしますと、よくわかりましたが、ここで肥料の十五万トン増産計画を通産省が立てた、ついてはその所要電力が一億三千万キロワット・アワー、これを通産省はわれわれ国民の声にこたえて計画を立てて、今安本に出した、こういうのです。電力の委員会の方では、このわくの配分は安本の方にまかせてある、こういうのですが、安本の方では一体通産省の御要求に対してどういうふうな御意見を持つておられるか、これを伺いたいと思います。
#78
○渡部説明員 ただいまの河野委員の御質問でございますが、平井技術長からもお話がありました通り、今までのところ各期別のわくの増という問題は見通しが立ちませんので、年度当初きまつておりますわくの範囲内で各産業別の調整をいたしまして、今の所要量を出すというふうな方向で検討をいたしております。二億三千万キロワット・アワーという数字につきましては、もう少したたないと具体的に最後的の決定にはならないと思いますが、われわれといたしましては、先ほど来各委員からお話がありましたように、外国からの要請も多いし、国内の需給の安定という点もありますので、できるだけたくさんの電力を肥料の方にまわすように、今関係省からいろいろなデータをいただいて検討を加えておるのであります。
#79
○河野(謙)委員 通産省の方では、先ほど政務次官もここではつきり言明されたのですが、他の産業を犠牲にしても、電力を集中的に十五万トン肥料増産のために配分をきめる、こういう通産省の決意をきめられた。われわれ新聞で見ますと、通産省の内部でも鉄鋼部門がどうであるとか、アルミ部門がどうであるとか、また石炭部門がどうであるとかいう話を聞きましたが、実質上通産大臣の首藤政務次官が、他の産業を押えてもやると言つておられる。そうするとこれが通産省の原案になつて安本に行つた場合には、鉄といえどもアルミといえども、みな通産省の行政の管轄内である。だからこれは多少安本の意見があるとしても、渡部さんも肥料には御理解の深い人であるから、これは通産省において他の部門との関係が円滑についた場合には、大体通産省の原案をのんでくださる御意思があるかどうか、これを伺つておきたい。
#80
○渡部説明員 実は通産省の中の、ただいま御意見がありましたように、鉄、アルミそのほかいろいろな事業、もう一つ大きい問題としましては、運輸関係に相当電気を食いますので、通産省のみならずそのほかの運輸その他の電力というものとの調整があるのであります。原則的には、大きい産業は通産省の産業でありますから通産省がこれを抑えると言えばそのままのみますが、若干そのあと今の鉄の関係とか、そのほかのもので調節する余地があるかもしれませんが、大体通産省の方の意見通り取入れることができるのじやないかというふうに考えております。
#81
○河野(謙)委員 そこで私は今度は通産省の方に伺います。あなたの方の増産計画の内容なのですが、たとえば増産計画の内容の一番大きなものは電力なのです。ところがこの電力について、自家発電というものに非常に期待をかけておるように私は伺つておる。一般の電力会社でさえも、石炭の入手は非常に困難をしておる。より以上に自家発電では石炭の入手が困難である。これについて、一体自家発電にどの程度の確信を持つてこの計画の中に自家発電の電力を織り込んでおられるか。また同時にもう一つ伺いたいのは、現在の自家発電の能力並びに稼働率を伺いたい。
#82
○柿手説明員 今度の増産計画にあたりまして、肥料工場にあります自家発電の発生電力予定量は、このたび特に上げてはおりません。今度増産計画に要する電気は、従来の計画の自家発電はあるという前提で、増産部面における電気は購買したい、こういう計画であります。
#83
○河野(謙)委員 もう一つ後段の質問ですが、自家発電の能力並びに現在の稼働率、それからつけ加えて、自家発電の場合と一般電力会社の場合と、単価はどのくらいの開きがあるか、これも伺いたい。
#84
○柿手説明員 自家発電の場合、水力と火力とあるのでありますが、水力はおおむね古い発電所でありまして、現在電力会社から買つておりますものよりコストは相当安いと思います。火力発電所の方は、電力会社の火力料金がきまつておりますが、それよりは幾分安い。大体本州中央部で申しますと、火力の方は八円幾ら、約九円ということになりますが、大体私どもの調べたところでは、場所によつて違いますが、六円ないし七円程度で済み、安いように考えております。ただ九州の超過電力の火力電力は五円幾らかと思つておりますが、相当安いのでありまして、それは自家発電の場合と大体大差がないのであります。
#85
○河野(謙)委員 そうしますと、今度の増産計画の中の一般電力と並行して、設備の稼働力の余つておるこの自家発電を、もう少し高度に利用するということをどうしてこの計画の中に入れなかつたのですか。ここに公益事業委員会の方がおられますが、一体こういうことで公益事業委員会は、ただ外に向つて要求するのみで、自己の手元において解決する問題になぜ手をつけなかつたか、こういう点に問題が出て来ると思うのですが、これはどういう理由で自家発電をもう少し稼働率いつばいに動かすということを考えなかつたか。しかも今伺いますと、自家発電が決して単価の高いものではないということでありますれば、この点私はしろうとでありますから御答弁願いたいと思います。
#86
○柿手説明員 主として火力発電所に関しての御質問だと存じますが、これはひとり肥料部門だけではなしに、火力発電所で電力の設備能力、発電能力にまだ幾分余裕のあるところはございます。私どもの方の関係は大体はそう多くないのでありますけれども、宇部地区等は能力一ぱいたいております。たいておらないのは九州地区の大分工場と、こちらに参りましては東北の日本水素の工場の二つがあるのでありますが、これは一般の購買します電気に比べますれば、相当高い超過電力料金を拂うよりは安いのでありますけれども、現在公定価格が廃止されて自由価格になつております関係上、ある一定の限度以上たくことは採算上非常に困るというような点があるのであります。これはひとり肥料のみではないのでありまして、石炭の炭鉱などにもあるのであります。大体時期によつて違いますが、渇水期にはほとんどたくことになつておりますけれども、豊水期等ではおおむね半分ぐらいの程度のように聞いております。
#87
○河野(謙)委員 私も突は高いと思うけれども、これら自家発電を動かして高い肥料ができても、輸出の価格が高いのであるから、このコストの商いものは輸出させる。こういうふうに輸出のひもつきにおいて操作させたらどうですか。これをどうしておやりにならないのか伺いたい。
#88
○柿手説明員 この六、七月ごろの実績から見ますれば、輸出は高く売れておりますが、そう無制限に高くはできないのでありまして、この前台湾にきまりました七十一ドル程度じやないか思うのであります。だんだん生産コストも上つて参りまして、七十一ドル程度で出す場合において、超過料金の火力あるいは火力の自家発をどんどんやつても、ペイするかどうかということにつきましては、私どもはそれは無理じやないかというように考えております。
#89
○河野(謙)委員 これは議論になりますから、あまり深く立ち入ろうとは思いませんが、かりにもし輸出しても採算が合わないということになれば、そこに助成する道がある。現に電気は国家国民全体の犠牲において肥料会社にやつておる。これは全部とは言わないが、肥料増産のために一、二の工場で、火力発電は少し高くつくけれども、増産ができる。すぐにあしたにでも間に合う道があるならば、その道を選ぶ。そうすれば、特殊の会社の犠牲というものも、おのずから助成によつて解決する道があると思う。こういうことをやつてないということは非常におかしなことだと思いますが、議論になるから、これ以上私はここでやろうとは思いません。しかし先ほど来より政務次官は勇ましく真剣に肥料増産を激励しておられるのだから、こういうこまかなところから始めなければいけないと思います。
 そこで私は次に移ります。先ほど来いろいろな話を聞いておつて非常にはつきりしたのですが、さすがに輸出のすきな通産省も、肥料は現在の程度の生産では輸出はできない。輸出の要請にこたえるために増産をしなければならないということで、過日増産計画を大急ぎで立てられなということは非常に慶賀すべきことだと思います。私どももその一翼をになつたということは非常に愉快に思つております。そこではつきりしておきたいことは、増産ができなければ輸出ができない、増産ができれば輸出ができる、こういうはつきりした基礎に立つて、今あなたは肥料行政、生産行政をやつておられるのかどうか。これははつきりしておると思いますが、念のために伺つておきます。
#90
○首藤説明員 御意見の通りでございまして、内地の供給が不足であるにかかわらず輸出するということは考えられないことでありまして、まず内地の供給を確保いたして、余裕を輸出に向けるという構想のもとに進んでおるのであります。
#91
○河野(謙)委員 くどく申し上げますが、現に安本には、九月十五日を期限にして司令部から輸出についての問合せが来ておる。どんな国からどんな問合せが来ようが、それにどんな外交問題が起ろうが、内地の農民の犠牲において輸出するということは、現状の生産においては通産省としても同意ができないと思う。少くとも現状の生産にプラス・アルフアというものが出て来なければ輸出はできない、こういうことで間違いありませんね。
#92
○首藤説明員 繰返して申し上げますが、端的に申せば、まつたくその通りで、ございまして、内地の供給を確保する。余裕があつた場合に輸出をするということに方針は決定いたしております。十五日までに回答しなければならぬ輸出の問題でありますが、これらも各般の情勢を愼重に検討いたしまして、それで結論を得たい、こういうふうに考えております。
#93
○河野(謙)委員 前段は非常に明瞭になつたのだが、あとでよけいなことをつけ加えるからあいまいになつて来る。愼重に各般の情勢を検討してというその検討とは、一体何を検討するのですか。この際私の首藤政務次官にはつきり申し上げておきたいのは、あなた方大臣の言明、次官の言明というものは、もう少し愼重であると同時に責任を持たなければいけないと思います。私は口が悪いから気にしないでもらいたいのですが、昔は大臣などが車中談をやると、相場が上つたり下つたりしたものである。たとえばあなたがあなたの立場で伊勢参りに行つたり、あるいは東北に視察に行つた場合、新聞社の人が押しかけて来て、首藤政務次官の肥料行政の措置、今後の肥料増産の見通しいかんという質問をされたときに、あなたの答弁いかんによつて肥料の価格が上りも下りもした。ところがこのごろは無感覚だ。これは国民が悪いのではない。およそこれはわれわれ自由党の責任でもなければ、今の政府だけの責任でもない。無感覚とは何か。あなたが就任以来一年、農民には肥料を増産、確保するということを大いに叱呼しておこられても、逆へ逆へと農民の心理状態が動いて行くのは、一体何に原因があるか、お互いによく肝に銘じて考えなければいけない。あなたは私を誤解しておる。私は農民の代表ではない。八千四百万国民の代表だ。あなただつてたまたま通産省に籍を置いておられるが、すでに国民全体、特に選挙区の諸君は、あすにでもあなたが大臣になることを期待しておられる。それほど大きな責任ある政治家、八千四百万国民の代表者でなければならないはずだ。あなたは世間で言うところの通産省の政務次官で終つてはならない。あなたはそんなけちくさいことを考えてはならない。だからもう少し肥料の問題についても、あなたの一言一句が国民、特に農民の心理状態に大いに作用するくらいにやつてもらわなければいけないと思います。あなたが何と言われても、少くとも相場には響かない。逆々にと行く。これは通産省だけではなく、農林省にもそういう点がある。農林省が今度米を高くすると、逆に米が安くなるというので、農家は米を売り始める。こういうことは政治全般の大きな弱点でありますけれども、そういう意味において、私は今の後段の諸種の状態を勘案して、何が残つているか、その残つておるものを教えてもらいたい。
#94
○首藤説明員 私の答弁いたしますのは、十二分に責任をもつて答弁しているつもりであります。
 そこでただいまの各般の情勢を愼重に検討すると申し上げましたのは、現在の生産状態あるいは現在のストックの状態あるいは見通しのできる今後の需要の状態あるいは生産の状態、それらを愼重に検討いたして、その上で結論を得たい、かように申し上げたのであります。
#95
○河野(謙)委員 くどいようでありますけれども、そういうことはここにいる肥料部長が全部資料を集めて、手にとるように毎日あなたのところへ報告していると思います。そういうことは検討済みと思いますが、もし検討ができていなければ、そんな検討は簡単でありますから、あしたにでも検討してもらいたい。
 そこでこの際私は農林省に伺いますが、農林省は通産省と裏表になつて、この間もし通産省の立案している肥料の増産が可能でない場合には、輸出ができないということを天下に発表されたが、これに間違いありませんか。
#96
○東畑説明員 農林省といたしましては、需要量いかんの問題であります。たびたび申し上げておりますように、昨肥料年度の需要量は一応二百二十万トンということになつております。もちろん需要量というものには弾力性が若干ございますが、二百二十万トンの需要は事実であります。こういうものを基礎にして来年度の予想を立てて、その検討をする。一つは量の問題、一つは価格の推移という二つの問題を考えまして、われわれとしては、来年度の見通しとしてはまず二百二十万トン程度ではないかと考えております。それにからむ生産関係につきましては、あげて通産省の誠意ある御計画にわれわれは信頼をいたしておる次第であります。全体の需給計画その他につきましては、安定本部の最後の計画に従うということにいたしたいと思います。
#97
○河野(謙)委員 そうしますと、端的にもう一ぺん御答弁願いたいのでありますが、現在の通産省の年次計画すなわち生産計画以上に増産の方途が講ぜられ、また増産の方途によつても現実に増産されない場合には、農林省は輸出には同意することはできない、こういうふうな過日の見解にかわつた点はありませんか。
#98
○東畑説明員 通産省の既定の電力割当量から考えますと、二百十四万トンということに考えております。従いまして年間を通じて考えました場合に、われわれといたしては輸出余力がないと申し上げる以外にはないと存じますけれども、われわれは肥料の消費の安定というものをどうしても考えて行きたい。農民の仮需要が旺盛でありました場合には、これは不合理な消費というものを誘発するおそれがあるので、需給調整法を立案いたしておりますが、肥料の消費の安定をはかりますならば、よりはつきりするのではないか。ただいまのところはそういう見通しがつきませんので、一応二百十四万トン程度の生産であれば輸出余力はない、こういうふうに実は考えておる次第であります。
#99
○河野(謙)委員 そうしますと、通産省なり農林省の輸出に対する意見というものは、まつたく裏表一至した。ところで私が一つ心配するのは、この輸出の問題について役所が数字を扱う場合に、どうも将来増産されるであろう数字と、現実の問題にぶつかつてそこに時間的な非常な食い違いがある。ちようどこれは産児制限の法案が過つて法案が通つたらその日から米や麦の作付反別を減らして、食糧の増産目標を下げるというのと同じことだ。産児制限の法案が通つたつて、これは十五年か二十年もたたなければ効果はない。効果のあるべき産児制限の方は十五年も二十年も先であつて、その十五年、二十年待たずに米や麦の生産の方はその翌日から作付を減らす、生産目標を下げる、こういうようなことをやつているのが今の過去一年の肥料の問題なんです。増産に努力されていることは私は非常に敬意を表します。通産省は先ほど政務次官も言われましたが、これは国の力もあつたでしよう、メーカーの力もあつたでしよう、いろいろありましたが、だれがどうということなしに非常に年々増産されて来た。この増産の陰には、生産行政を担当しておられる通産省が第一に努力されたということについて私は敬意を表する。しかし将来増産されるであろう数字を半年も一年も前に織り込んで、一年間の需給推算というナンセンスな数字をいじつて、秋には幾ら輸出できる、春には幾ら輸出できるというようなことでやつたのが過去一年のことなんです。一年たつて経過を振り返つて見ますと、何のことはない、輸入した二十万トンがまた輸出になつて出ているだけなんです。それなら初めから輸入しなければいい。そんなことをやつている。増産計画に対しましてはどこまでも現実の問題なんです。現実に硫安なら硫安の増産というものは、品物を手に握つてそこで初めて考えるということにしてもらわないといかぬと思いますから、この点につきましては、特に御注意願いたいのですが、なおこの点につきまして、時間の食い違いが将来起らぬように愼重にやつていただけるかどうか、これを私は政務次官に念を押しておきます。
#100
○首藤説明員 ごもつともな御意見でありまして、すべては現物を把握した上の計算でありますことが一番いいことは御意見までもありません。ただし国の経済は少くとも一定の計画のもとに進んでおるのであります。たとえば予算にいたしましても、すべては一定の計画を立てて、それを目標として進んでいるのであります。肥料の場合に、現在在庫が潤択でありまするならば、河野委員の御指摘の通り輸出を対象として計画ができますけれども、少くともそうでない場合に、目前あるいはごく近い将来に必ず増産できるというはつきりした根処がありますならば、それを無視していたずらに生産を減少したような考え方を持つことも決して得策ではないと考えております。従つてある場合には、将来の、それも半年とか一年とか先のことでなく、あるいは目先の二箇月あるいは三箇月というような確実性のある想定であるならば、当然これらも考慮に入れていいのではないかと考えております。
#101
○河野(謙)委員 私はたとい将来のものといえども、だれが見ても確実性があれば、それに異議をさしはさみません。しかし念のため申し上げておきますが、今あなたの方で十五万トンの増産計当を立てて、通産省の内部でようやく他の産業を犠牲にしても二億三千万キロの電力を肥料増産のために割当てるというとろまで行つた段階である。まだ安本の方に行つてもこれは協議の対象にさえなつていない。公益事業委員会の方はもちろんまだそれに触れておらない。こういう段階において、あたかももう十五万トンが増産できた、この十五万トンを一年間の需給推算の中に数字を入れている。そうしてあなたはそんな不注意なことを言われるけれども、あなたの方の属僚の、去年、法を犯してどろぼうをしてうそを言つて輸出したああいうような不届きなやつがあなたの方にいる。こういうようなやつが十五万トン増産ができた、輸出が可能だというようなことを宣伝する。これが一般に市場に伝わつて肥料を刺激している。今農家は何といつても来年の春の肥料を買いたがつて大騒ぎをやつている。何で来年の春の肥料を買いたがつているか。こういう不安定な形に農民の心理を導いたということは政治の責任です。この金のないときに、かかあを質に置いてまで肥料を買いたい、来年の春の肥料が心配で、借金しても、かかあを質に置いても肥料を買いたい、こういう不安な状態に農民を追い込んだというのは政治の責任です。そういう際でありますから愼重にやつていただきたい。増産はわれわれ願わしい。今後われわれの力がこの増産のために役立つならばどんなことでもします。しかしさればといつて、ほんとうに確実に増産に織り込める段階までは、あまりこれを一般の肥料業界の商人の材料に使われないように、ひとつ慎重にやつてもらいたい、私はこう思う。
 次に私は伺いますが、政務次官、あなたは私と同じように自由党だ。通産省の政務次官はしておられるけれども、自由党の党員だ。先ほど本委員会で問題になつた、これはあなたの繊維局にも関係がありますが、蚕糸の糸価安定、需給調整、これには御賛成かどうか。またこの臨時国会に出そうとする麦の統制撤廃、これも統制撤廃というけれども内容は政府が一定量の麦を買い取つて、麦価安定をやつて行こうというこの麦の需給調整、麦の統制撤廃、これにあなたは御賛成かどうか。また今問題になつている来年の秋の米の統制撤廃についても、あなた御賛成かどうか、伺つておきたい。
#102
○首藤説明員 議題外のことでありますから、個人的な答弁を許していただきますが、私は蚕糸の糸価安定には非常に賛成であります。また麦の統制撤廃もけつこうだと思つております。また米の統制も、それがある程度農家の経済に不安を與えない価格を維持するような法律であつたならばけつこうだ、こういうふうに考えております。
#103
○河野(謙)委員 私もそうでなければはらぬと思います。農民が繭を高く売りたいからといつて、むやみに繭が高くなつては、われわれいかに農民の利益のために働くといつても、国家全体の経済から見て、いたずらなる繭の高値ということは抑制しなければならぬ。これはわれわれは賛成します。また麦にしてもそうであります。いたずらに麦が高い場合には、政府の手持ちの麦を放出して麦の価格の安定をはかる。これは自由党の政策であり吉田内閣の政策であり、これはあなたも御同意のはずです。ところが肥料の需給調整については何だか割切れないようなことをあなたは言つておられる。あなたは本委員会で先月の十日に私の質問に対して、アイデアは賛成であると言われたが、これについて今もつて心境の変化はありませんか。
#104
○首藤説明員 安定させるという考え方は私は無條件に賛成する。但しこの法案によつて安定の目的を達し得るかどうかについては、非常な疑問を持つているということを申し上げた。
#105
○河野(謙)委員 疑問を持たれる点については、私どももいろいろこの法案の一條々々については意見があります。しかしあなたは反対だということを言つておられますが、そういうことに間違いありませんか。
#106
○首藤説明員 私は非常な疑問を持つておりまして、これをこのまま実施することによつて、安定という目的よりもこれに伴う弊害の方が多いのではないかという見解を持つております。そこでこういう不安な法案を無理に実施するよりも、まず増産をして、そうしてこの法案を必要としない態勢を整えることが前提だ、かように考えております。
#107
○河野(謙)委員 そうしますと、結局あなた非常に政治的な答弁がうまくなつたんだが、一言に言えば反対ということですか。
#108
○首藤説明員 この法案のままでは困難だと考えております。
#109
○河野(謙)委員 ぼくは同僚のあなたにつつ込んで聞くのははなはだ困るのだが、反対と困難とは違うのだが、反対ですか、それとも困難ですか。
#110
○首藤説明員 この法案では安定は期し得ないというふうに考えております。あるいは反対だということになるかもしれません。
#111
○河野(謙)委員 私は野党ではありませんから、もうこれ以上追究しませんが、しかし私はあなたに申し上げておくけれども、農民の側には今申し上げるように、農民の生産するところの米なり、麦なり、繭なりは、すべてこの需給調整法によつて、安値も保障するかわりに、高値も抑圧するということに党議が決定し、政府の方針も決定して、臨時国会に提案しよう。麦と糸価の場合については、臨時国会に提案することにすでに予算的の準備もできた、こういう段階なんです。ところが一方、都会から農村に流れるところの肥料については、こういうものはよけいなものだということは、ちよつと首藤さん、平仄が合わなくなりはしませんか。どういうところがいけないのですか。
#112
○首藤説明員 麦の統制撤廃、並びに米の統制撤廃、糸価の安定の内容と、この法案は相当内容を異にする。米の統制撤廃、麦の統制撤廃、糸価の安定、それぞれ目的をある程度達し得るであろう。但しこれでは、せつかくの肥料の安定を達し得ないだろうという相違があるのであります。私が糸価安定になぜ養成するかと言いますと、日本は非常にドルを必要とするのであります。しかるに日本からアメリカに輸出する品物はきわめて僅少でありまして、ほとんど輸出はスターリング・ブロックであります。しかるに生糸は、戦前におきましては、輸出の大宗として日本の経済をまかなつておつた大量の輸出品であります。それがあまりにも糸価の騰落がはげしいために、アメリカの機業家が非常な危険を感じて来て、そうしてそこに生まれたのがナイロンであります。ナイロンは化学製品でありますがために、非常な勢いをもつて消費がふえて来た。そうして反対に糸は減つて来た。しかしながらその質、あるいはその一般の魅力といいまするか、なおナイロンよりも生糸の方に多分にウエートがあるのであります。ただ糸価の騰落があまりにはげしいために、機屋が危険だということから、生糸の消費が格段に減少した。そこでどうしてもドルを獲得する建前、あるいは日本経済の自立を達成いたしますためには、何としてもこの輸出の可能性のある生糸を、向うの希望するように安定さして輸出を増進することが、日本経済の自立の一番大きな対策だというふうに私は考えるのでありまして、これがために、アメリカの機屋も当然ナイロンにかわつてある程度生糸の消費をふやして来るであろうという見解のもとに、困難性はあるかもしれぬが、糸価の安定は大賛成だということを私は申しておるのであります。また麦の統制撤廃あるいは米の統制撤廃、現在統制下におきまして非常にもろもろの弊害がある。少くともある程度統制を緩和しなければならぬ、あるいは撤廃する。ただ農家の経済に支障を與えないような価格を維持するような方法をもつて統制を撤廃することは、一般消費者階級、並びに生産階級の農家も希望するところであろう。そうして日本の経済がこの面においても非常に明朗になつて来るという考え方のもとに、私は二つの統制撤廃には、ある程度の條件はありますけれども、賛成いたしておるのであります。しかるにこの肥料の需給調整法を見ました場合、少くともわれわれ経済人が見た場合、これで行けるとはとうてい考えられないのであります。むしろこれを実行することによつて、非常に不必要な波潤を起す、摩擦を起す、あるいはトラブルを起す、そうして原価は非常に高くなつて来る。はたして必要なときに適当な数量が適時に配船されるであろうかどうか、またメーカーがこれらの予定の価格に喜んでこれが入札をして購売に応ずるであろうかどうか。しかも本来政府が一定のたな上げをする場合には、経済的に見て、ある品物が供給過剰になつて、相場が暴落した。このまま放任したらどこまで行くか知れないという場合、ある程度政府が買上げて、たな上げをする、そうして市況を安定させるというときに、こういう方法が効果があるのであります。しかるに今日の肥料はその反対でありまして、どちらかといえば、手を許せばすぐに上昇するという、需給のバランスが非常にきゆうくつな情勢にある。この場合一定の数量を買上げるということは、少くともその当時の市価をかえつて硬化せしめる。そうして農家が実際に購買するところの全量を政府が買上げて配給をするのならばけつこうでありますけれども、石灰窒素のごときはわずかに二割であります。硫安もその程度でないかと思います。そうすれば、今日まで政府に買い上げられるだけの数量がどこからかのルートによつて売買されておつた。それだけ買い上げられますと、そのルートを失つたものはどうしても他の方にやはり入つて行かなければならぬ。安くする市価が、かえつて高くなつて来る。また少くともこういう安定策を講ずる場合には、経済に安定性があるときであります。現在の経済はインフレ下の経済、しかも朝鮮事変あるいはアメリカの軍備拡張を契機といたしました異常経済であります。非常に波潤を含んでおるのであります。今日の市価があすの市価ではありません。あるいは一箇月後の市価がどういうふうに変化するか、わからない。政府はこの需給調整法を発動いたしまして、欠損を見ずしてこれを運用したいという御意向のようでありますが、そういうことが、現在の経済情勢から考えましてできることであるかどうか、こういう面を一々数え上げればたくさんありますが、ここで討論はいたしたくありませんから申し上げませんが、いろいろこの法案の内容を見た場合、これはかえつて目的に反するような結果を来しはせぬか。さような無理な法案をつくつて市況に波瀾を巻き起すよりも、むしろその根源となる生産の増強一本やりで進むことが適策だ。そこで通産省といたしましては、先ほど来申し上げております通りに、増産一本に邁進するという態勢を整えておるのであります。
#113
○河野(謙)委員 あなたは、糸価安定なり、米なり麦の需給調整――これは需給調整という青葉は使つていません。麦の統制撤廃、米の統制撤廃という言葉を使つておりますが、それと肥料は違うと言うけれども、私はあなたよりよく知つておる。食糧なり繭なりは、私ほか二、三のものが自由党の政務調査会で立案した。ちつとも違わない。もし違つておるとすれば、あなたの聞き損いである。そこであなたは肥料需給調整法について今二、三の事例を出されましたが、そうすると、あなたは麦にも米にも繭の場合にも反対だということになる。それを片一方は賛成で、片一方は反対だということは、都市から農村に流れるものについては、農村がどんな高い肥料を買おうと、そんなものはほつておけばよいのだ。自由経済だ。農村から都会に出るものについては、高値は押えて、そうしてアメリカの市場なり、また米なり麦の場合には、国内の一般消費者、国民大衆のために大いにやらなければならぬ、こう言う。農村と都会と何でそんなに区別しなければならぬか。私どもは何も農村だけの代表でない。しかしそこに区別ということは絶対許しません。そこで肥料において今需給が邁迫しておつて、政府が買う余地がないという。それでは、買う余地がないから、このままほつておくのですか。さつきから、増産のことを聞けば、増産のことを言つておるが、隣からまんじゆうを買つて来るというふうに簡單には行かない。きよう増産をやると言つたつて、あす増産はできない。これは三月も半年も先のことである。しかし現実の市価はどうか。硫安は九百円です。すぐ九百五十円になる。こういうことで、政府は無為無策で、自由経済だ、自由経済だ、政府がよけいなことをやつてはいかぬといつてほつておけますか。あなたに需給調整法にかわる名案があるならば、承りたい。何か通産委員会の方では、百三十億の金があるなら、メーカーに金融したらよかろう。私はあえて悪口を言うようだが、金持に金を持たせることほど危険なことはない。そんなばかな議論がこの国会議事堂の中で通ると思つたら大きな間違いだ。またそんな不謹愼な議論をする者はここに入れてはいけない。あなたに代案があるなら伺いたい。もともと肥料がこういうふうにきゆうくつでなくてよいものがきゆうくつになるというのは、政府の政策が誤つたからここに追い込んだ。なぜかというと、去年二百二十万トン出たから、本年も二百二十万トンの生産をして、農村の需要にこたえなければいかぬと思うけれども、もし政府の肥料政策がよろしきを得て市価が安定するならば、何も今農家は来年の春の肥料を買わない。また来年の春になつて秋の肥料を買わないで、春の肥料は春に買い、秋のものは秋買うようになつたら、そこでどれだけの数量が浮いて来るか。農村の物置にあるデツド・ストツクを輸出するということにしたらいい。政府の政策よろしきを得れば、農民は安心して、いつ買つても相場は大体違いはない。その上下の開きは五%ぐらいだということになれば、農民の心理状態も安定して、いたずらなる農民の肥料のデツド・ストツクは、完全に輸出できてドルにかわり、ポンドにかわる。何でそういう肥料の市価の安定のために、農民の心理を安めるためにやろうとす法案に反対であるか。今一々あなたが具体的に出された理由というものは、メーカーの反対理由そのものである。メーカーの心理状態なんかわかつておる。余つたとき輸出しようというのだ。輸出したらあとが足りなくなる。秋から春の最盛期になつたら市価が上る。往復びんたをくれるというのがメーカーの要求である。日本の肥料工業は非常に大事だ。これを輸出工業にまで育成しなければならない。それがために従来より以上に政府も肥料工業に力をさいて、肥料を増産しなければならない。肥料の増産を通じて肥料工業を育成しなければならないということについては、私は人後に落ちません。しかし今までの肥料の増産の経過からいつて、また復興の経過からいつて、そういうえてかつてな、輸出もやりましよう、国内の市価も逼迫状況に置いて農民からできるだけとりましようということは、いかに言を左右にいたしましても、そこにねらいがあることは間違いない。あなたも今御商売をしていて私より商売の経験者だ。資本家の心理状態がどういうものかぐらいよく御存じだ。しかし私はあなたにあえて失礼なことを言うけれども、さつきから申し上げましたが、あなたは通産省の首藤さんじやない、天下の首藤さんだ。天下の政治家だ。もう少し大きく目を開いて、この際あえて何者にもとらわれず、一晩十分考えて、この肥料行政をどういうふうに持つて行つたらいいか、もし需給調整がいけないなら、これにかわる名案があるのか、とにかく、このまま肥料行政を放つておいていいということは賛成じやないと思う。これにかわるどうしたらいいかという案が出ないから、われわれは焦燥の感にかられている。ここに肥料部長なり、肥料誤長なり、農政局長なりがおられますが、今のまま通産省が放つておいたらどうなりますか、北海道の来年の肥料は絶対に間に合いませんよ。柿手さんあなたに伺いますが、北海道、東北の肥料は間に合いますか、今の需給状況からいつてだれが北海道、東北に過燐酸石灰を運びますか、だれが硫安なり石灰窒素を秋口から運びますか、一部の思惑業者はありますが、一体来年の春こういうような僻陬の地の肥料は絶対に間に合いますか、これは首藤政務次官に聞いてもむだだ。肥料界に三十年の経験を持つているあなたに望むんだ。あなたも素裸になり、私も素裸になつて、ほんとうに天下のために、国家のために、大いに肥料問題を検討しようじやないか。こういうことで通産省だ、農林省だといつておつてはだめです。私は農林行政の勉強のために農林省へ行きます。農林省の役人の意見も聞きます。しかし私は一農村の代表者じやない。非常なる決心をもつて私はやつておる。自分が肥料のことに詳しいだけに先のことが見えるだけに私は心配している。これについて私は重ねて申し上げますが、首藤さんあなたの需給調整法というものがいけないという一番の反対理由は納得しませんが、いけないというならばどうしたらいいか、建設的な意見を聞かしてください。
#114
○首藤説明員 私も決してメーカーの代弁はいたしておりません。少くとも国家的観点から、適当な結論を得たいということについては、河野委員に劣らず考えておるつもりであります。そこでこの法案が無理である、何か別に適当な修正的な余地はないかと一応考えてみたのでありますが、どうもこういう自由経済、すなわち原材料がふえて自由に放任されております場合、これに人為を加えるということは、どういう方法をとつても目的を達しがたいのではないか、さような目的を達しがたいような人為的操作を加えるよりも、やはり先ほど来繰返しておりますが、何といつても増産をやることだ、そうすれば何もかも解消するのだ、そこでわれわれとしましては、増産一本やりで進んで、そうして内地の供給を確保いたし、余裕があれば輸出する、こういうことが一番いいのではないかという結論を得ております。
#115
○河野(謙)委員 そうしますと、あなたは肥料政策としては増産以外に何も手持ちはない、こういうことですか。それさえやれば万事片づく、こういうことですか。
#116
○首藤説明員 大体骨子としては増産をやれば片づくであろう、またそれに伍して金融問題あるいは輸送の問題等もあるかもしれませんが、これらは付随した問題でありまして、それの解決は必ずしも困難ではないというふうに考えます。
#117
○河野(謙)委員 それも一つの案です。しかも一つの案として大きな肥料政策であります。そこで私はもとへもどりますが、あなたが先ほど来言明されました肥料の十五万トン増産、電力の二億三千万、これについては今の段階では通産省の案であるけれども、あなたの一流の馬力をもつて、一流の押しをもつて、これを必ずここ十日なり十五日の間に具体化して、政府の一致した意見として天下に声明できるだけの確信があるといことを、ここで声明できるのなら声明してください。
#118
○首藤説明員 通産省内部だけで決定できるものならばここで御希望通り声明いたしますが、これは安本が決定権を持つておるのであります。幸いに先ほど安本の担当者からも、できる限りこの案を実行できるように推進いたしたいという御意見もお聞きの通りあつたわけであります。安定本部におきましても、肥料の重要性はわれわれと同様、より以上に御認識願つておるのでありますから、必ずや私は通産省の今の計画を安本の方でも御同意していただけるであろうというふうに考えておるのであります。
#119
○河野(謙)委員 くどいようでありますけれども、あなたは肥料の政策については増産一本やりだ、これに対する付随的な金融なり、運輸設備の問題もともに片づけながら増産一本やりで行く。これがあなたのたつた一つの手持ちなら、これにもう少し確信を持つて、さつき私が言つたように、あなたのこの言明によつて、天下の農民が安心できる、それだけのことをここで言い切らなければだめですよ。今あなたのおつしやる程度のことは、一年間私は何度も聞いたんだ。もう耳にたこができた。あなたはまた私の言うことは耳にたこができるほど聞いたというかもしれないが、私は一代議士ですよ。あなたは政務次官ですよ。実質上の通産大臣ですよ。あなたの一言一句と私の一言一句じや目方が違う。あなたは自分自身の一言一句について、目方のある一言三句を吐いてもらわなければ困る。初めは脱兎のごとく終りは処女のごとく、どうも安本の方でやつてもらわなければ困る、私はこれからせいぜい努力をしようということじや、今までと同じだ。これではいつまでも農民の心理状態は安定しません。従つてまた生産を担当している製造会社方面も、いよいよ今度政府の心配によつて金もまわしてもらえる、電気もまわしてもらえる。いよいよ来月から増産だというわけには行かない。どつちか片づけてもらわなければいけない。押し問答しているようだけれども、これをひとつ何とかはつきり、あなたの一言によつて生産者も増産のためにあしたから準備をする、農家も来年の春の肥料も秋の肥料も十一月になつて買えばいいのだ、こういうことがあなたの置かれている立場でできるのですよ。あなたはなぜそういうことをごまかしておるか。もつとはつきりとやつてください。
#120
○首藤説明員 賢明な河野委員から今のような意見を聞くのははなはだ不可解だと思うのであります。御承知の通り、政府の機構上はこういう問題は安定本部で決定することになつておるのでありまして、通産省は決定権を持つていないのであります。しかしながら幸いに安定本部の方でも、この問題については十二分に御理解を得ておりますので、通産省の方から案を正式に持つて行きましたならば、御同意してくださるであろうということを申し上げたのでありまして、私どもは腹の中では言明いたしたいというふうに考えておりますが、決定権のない私が言明するわけには行かぬのであります。その点は御了承願いたいと思います。
#121
○河野(謙)委員 私はあなたの個人の見解で需給調整が困難だとか、反対だとか、そんなことはあなた自身の御見解でかつてなのだ。そういうことはいいが、少くともあなたは需給調整には反対だ。そうして肥料増産で行くんだ。そうして今後の肥料の市価の安定をはかり、一面肥料の増産をやるんだ、こういうことを言われた以上は、もし間違つて増産ができなくて、一方においてかりに需給調整法も何もなくて、そうして本年の秋なり、来年の春の生産なり肥料の価格が混乱を来した場合には、あなたは責任を負うだけの私は決意がなくちやならぬと思うのだが、その決意をあなたお持ちですか。
#122
○首藤説明員 不可抗力でない限り責任を持おます。
#123
○河野(謙)委員 不可抗力というのはどういうことか。要するに天災地変があつて肥料工場がつぶれたとか、それから戦争がおつぱじまつたとか、こういうことだと思う。それはもちろんあなたが念を押さなくてもわかつている。しかし普通の電力事情、普通の石炭事情、多少のアロウアンスは見なければなりませんが、こういうものを前提として、もしわれわれが今危惧するところの将来の肥料の市価の混乱を来したり、肥料の生産に混乱を来した場合には、増産によつて肥料政策をやればこれで足りるのだと、こうあなたがみえを切られた以上は、これはあなたの責任である。この責任を、男としておれが責任を持つということをあんたは言えるかどうか。
#124
○首藤説明員 非常に議論がむずかしいところに入つて来ましたが、私も責任をもつて申し上げておりますから御心配ないようにお願いします。
#125
○河野(謙)委員 どうも実に政務次官はこのごろ達者になつたが、責任をもつて言つておるから御心配ないようにということは、責任を持ちますということですか。
#126
○首藤説明員 御意向の通りであります。
#127
○千賀委員長 次会は公報をもつて申し上げることにいたして、本日はこれにて散会をいたします。
    午後四時五十二分散会
ソース: 国立国会図書館
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