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2012/06/14 第180回国会 参議院 参議院会議録情報 第180回国会 東日本大震災復興特別委員会 第8号
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2012/06/14 第180回国会 参議院

参議院会議録情報 第180回国会 東日本大震災復興特別委員会 第8号

#1
第180回国会 東日本大震災復興特別委員会 第8号
平成二十四年六月十四日(木曜日)
   午後三時三十一分開会
    ─────────────
   委員の異動
 六月十二日
    辞任         補欠選任   
     池口 修次君     西村まさみ君
 六月十三日
    辞任         補欠選任   
     行田 邦子君     徳永 エリ君
     岡田  広君    三原じゅん子君
     高階恵美子君     岩井 茂樹君
     竹谷とし子君     秋野 公造君
     渡辺 孝男君     加藤 修一君
     山下 芳生君     紙  智子君
 六月十四日
    辞任         補欠選任   
     大久保潔重君     姫井由美子君
     佐藤 正久君     渡辺 猛之君
     桜内 文城君     川田 龍平君
     紙  智子君     山下 芳生君
     吉田 忠智君     福島みずほ君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         玉置 一弥君
    理 事
                岡崎トミ子君
                小西 洋之君
                藤原 良信君
                米長 晴信君
                愛知 治郎君
                佐藤 信秋君
                森 まさこ君
                谷合 正明君
    委 員
                大久保潔重君
                金子 恵美君
                斎藤 嘉隆君
                田城  郁君
                谷岡 郁子君
                徳永 エリ君
                轟木 利治君
                西村まさみ君
                白  眞勲君
                姫井由美子君
                平山 幸司君
                広田  一君
                増子 輝彦君
                赤石 清美君
                岩井 茂樹君
                岩城 光英君
                上野 通子君
                熊谷  大君
                藤井 孝男君
                牧野たかお君
               三原じゅん子君
                山田 俊男君
                渡辺 猛之君
                秋野 公造君
                加藤 修一君
                小熊 慎司君
                川田 龍平君
                紙  智子君
                山下 芳生君
                福島みずほ君
                吉田 忠智君
                浜田 和幸君
                荒井 広幸君
   国務大臣
       国務大臣
       (復興大臣)   平野 達男君
   副大臣
       復興副大臣    吉田  泉君
   大臣政務官
       復興大臣政務官  若泉 征三君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        五十嵐吉郎君
       常任委員会専門
       員        櫟原 利明君
   政府参考人
       外務大臣官房審
       議官       武藤 義哉君
       経済産業大臣官
       房地域経済産業
       審議官      照井 恵光君
       経済産業大臣官
       房技術総括審議
       官        西本 淳哉君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○議案の撤回に関する件
○東日本大震災復興の総合的対策に関する調査
 (東京電力原子力事故により被災した子どもを
 はじめとする住民等の生活を守り支えるための
 被災者の生活支援等に関する施策の推進に関す
 る法律案に関する件)
    ─────────────
#2
○委員長(玉置一弥君) ただいまから東日本大震災復興特別委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日までに、池口修次君、山下芳生君、渡辺孝男君、竹谷とし子君、行田邦子君、岡田広君及び高階恵美子君が委員を辞任され、その補欠として西村まさみ君、紙智子君、加藤修一君、秋野公造君、徳永エリ君、三原じゅん子君及び岩井茂樹君が選任されました。
 また、本日、桜内文城君が委員を辞任され、その補欠として川田龍平君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(玉置一弥君) この際、吉田復興副大臣及び若泉復興大臣政務官から発言を求められておりますので、順次これを許します。吉田復興副大臣。
#4
○副大臣(吉田泉君) 復興副大臣を仰せ付かりました吉田泉でございます。
 福島を中心とした原子力災害からの復興及び再生に関する事項に加え、福島復興局を担当いたします。平野大臣を支えて、被災された多くの方々が復興に希望を持てるよう、全身全霊で取り組んでまいります。
 玉置委員長を始め、理事、委員各位の御指導と御協力をどうぞよろしくお願いいたします。(拍手)
#5
○委員長(玉置一弥君) 次に、若泉復興大臣政務官。
#6
○大臣政務官(若泉征三君) この度、復興大臣政務官を拝命いたしました若泉征三でございます。よろしくお願いいたします。
 福島を中心とした原子力災害からの復興及び再生に関する事項を担当いたします。関係副大臣とともに平野大臣を支えてまいりますので、玉置委員長を始め、理事、委員各位の御指導、御協力のほど、何とぞよろしくお願い申し上げたいと思います。よろしくお願いいたします。(拍手)
#7
○委員長(玉置一弥君) 以上で発言は終了いたしました。
    ─────────────
#8
○委員長(玉置一弥君) 次に、議案の撤回についてお諮りいたします。
 平成二十三年東京電力原子力事故による被害からの子どもの保護の推進に関する法律案について、発議者森まさこ君外九名から、東京電力原子力事故の被災者の生活支援等に関する施策の推進に関する法律案について、発議者谷岡郁子君外五名から、それぞれ撤回の申出がありました。
 両案の撤回を許可することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#9
○委員長(玉置一弥君) 御異議ないと認めます。よって、両案の撤回を許可することに決定いたしました。
    ─────────────
#10
○委員長(玉置一弥君) 東日本大震災復興の総合的対策に関する調査のうち、東京電力原子力事故により被災した子どもをはじめとする住民等の生活を守り支えるための被災者の生活支援等に関する施策の推進に関する法律案に関する件を議題といたします。
 本件につきましては、谷岡郁子君、金子恵美君、増子輝彦君、徳永エリ君、森まさこ君、佐藤正久君、藤井孝男君、加藤修一君、谷合正明君、川田龍平君、紙智子君、吉田忠智君、荒井広幸君から委員長の手元に東京電力原子力事故により被災した子どもをはじめとする住民等の生活を守り支えるための被災者の生活支援等に関する施策の推進に関する法律案の草案が提出されております。内容はお手元に配付のとおりでございます。
 この際、まず提案者から草案の趣旨について説明を聴取いたします。森まさこ君。
#11
○森まさこ君 ただいま議題となりました東京電力原子力事故により被災した子どもをはじめとする住民等の生活を守り支えるための被災者の生活支援等に関する施策の推進に関する法律案の草案について、その趣旨及び内容の概要を御説明申し上げます。
 東京電力福島第一原子力発電所の事故は、広い範囲に大量の放射性物質をまき散らし、周辺住民に被ばくを避けるための避難生活を強い、健康への不安を与え、避難生活の継続による学習の遅れをもたらすなど、多大な被害をもたらしており、事故の発生から一年以上が経過した今も一向に解決の見通しが立っていません。
 とりわけ、子どもや胎児は、放射線への感受性が高いと言われており、低線量の放射線が人の健康に与える影響も科学的に十分解明されていないことから、保護者や妊婦の方は大きな不安を抱いています。今、私たちがすべきことは、未来ある子どもたちを原発事故による被害から保護するため、国を挙げて、あらゆる手段を尽くすことであります。
 この法律案は、このような趣旨に鑑み、平成二十三年東京電力原子力事故により被害を受けた被災者の生活支援等施策を総合的かつ計画的に推進しようとするものであります。
 次に、本草案の主な内容について御説明申し上げます。
 まず、東京電力原子力事故発生後、一定の基準以上の放射線量が計測される地域に居住し、又は居住していた者及び政府による避難に係る指示により避難を余儀なくされている者並びにこれらの者に準ずる者を被災者といたしております。
 次に、被災者生活支援等施策は、東京電力原子力事故による放射性物質による汚染等の災害の状況、当該災害からの復興等に関する正確な情報の提供が図られつつ、行われなければならないことといたしております。
 次に、被災者生活支援等施策は、被災者一人一人が支援対象地域における居住、他の地域への移動及び移動前の地域への帰還についての選択を自らの意思によって行うことができるよう、被災者がそのいずれを選択した場合であっても適切に支援するものでなければならないことといたしております。また、東京電力原子力事故に係る放射線による外部被ばく及び内部被ばくに伴う被災者の健康上の不安が早期に解消されるよう、最大限の努力がなされるものでなければならないことといたしております。
 次に、被災者生活支援等施策を講ずるに当たっては、被災者に対するいわれなき差別が生じることがないよう、適切な配慮がなされなければならないことといたしております。
 次に、胎児を含む子どもが放射線による健康への影響を受けやすいことを踏まえ、その健康被害を未然に防止する観点から放射線量の低減及び健康管理に万全を期することを含め、子ども及び妊婦に対して特別の配慮がなされなければならないものといたしております。
 次に、国は、原子力災害から国民の生命、身体及び財産を保護すべき責任並びにこれまで原子力政策を推進してきたことに伴う社会的な責任を負っていることに鑑み、被災者の生活支援等に関する施策を総合的に策定し、被災者に提示し、及び実施する責務を有するものといたしております。
 次に、政府は、被災者生活支援等施策の基本理念にのっとり、その推進に関する基本的な方針を定めなければならないものといたしております。政府は、基本方針を策定しようとするときには、あらかじめ、その内容に東京電力原子力事故の影響を受けた地域の住民、当該地域から避難している者等の意見を反映させるために必要な措置を講ずるものとすることとし、基本方針を策定したときには、遅滞なく、国会に報告するとともに、公表しなければならないものといたしております。
 次に、東京電力原子力事故により放出された可能性のある放射性物質の性質等を踏まえつつ、当該放射性物質の種類ごとにきめ細かく、かつ、継続的に実施される調査について、その結果及び予測の結果を随時公表するものといたしております。
 次に、国は、東京電力原子力事故に係る放射性物質による汚染状況の調査結果を踏まえ、放射性物質により汚染された土壌等の除染等の措置を継続的かつ迅速に実施するため必要な措置を講ずることといたしております。
 次に、国は、被災者を支援するため、医療の確保、学校における学習を中断した子どもに対する補習の実施及び学校における屋外での運動が困難となった子どもに対する屋外での運動の機会の提供といった子どもの就学等の援助、学校給食の共同調理場等における放射性物質の検査のための機器の設置に関する支援を含む家庭、学校等における食の安全及び安心の確保、子どもの保護者等が行う放射性物質により汚染された土壌等の除染等の措置、学校給食等についての放射性物質の検査等を通じた放射線量の低減及び生活上の負担の軽減のための地域における取組の支援、家族と離れて暮らすことになった子どもに対する支援等の施策を講ずるものといたしております。
 次に、国は、支援対象地域以外の地域で生活する被災者及び支援対象地域以外の地域から帰還する被災者を支援するため、住宅確保に関する施策、就業支援に関する施策、地方公共団体による役務の提供を円滑に受けることができるようにするための施策その他の必要な施策を講ずるものといたしております。
 次に、被災者生活支援等施策に関し具体的に講ぜられる措置について、被災者に対し必要な情報を提供するための体制整備に努めるものといたしております。
 次に、国は、東京電力原子力事故に係る放射線による被ばくの状況を明らかにするため、被ばく放射線量の推計、被ばく放射線量の評価に有効な検査等による被ばく放射線量の評価その他必要な施策を講ずるものといたしております。
 次に、国は、東京電力原子力事故に係る放射性物質による健康への影響に関する調査について、子どもである間に一定の基準以上の放射線量が計測される地域に居住したことがある者に係る健康診断については、生涯にわたり実施されることになるよう必要な措置が講ぜられるものとしております。
 次に、国は、被災者たる子ども及び妊婦が、東京電力原子力事故に係る放射線による被ばくに起因しない負傷又は疾病を除いた医療を受けたときに負担すべき費用について、その負担を減免するために必要な施策その他被災者への医療の提供に係る必要な施策を講ずるものといたしております。
 次に、国は、調査研究等の効果的かつ効率的な推進を図るため、低線量の放射線による人の健康への影響等に関する高度の知見を有する外国政府及び国際機関との連携協力その他の必要な施策を講ずるものといたしております。
 以上が本草案の趣旨及び内容の概要でございます。
 何とぞ、委員各位の御賛同をお願いいたします。
#12
○委員長(玉置一弥君) 本草案に対し、質疑、御意見等がございましたら御発言を願います。
#13
○米長晴信君 民主党の米長晴信です。
 発議者の皆様におかれましては、限られた時間の中で本当に大変な修正協議、本当にお疲れさまでした。
 もう時間がございませんので、まず谷岡発議者に御質問させていただきます。
 その修正の協議の経緯、そして修正案の端的にポイントを教えていただければ幸いです。
#14
○谷岡郁子君 米長議員にお答えいたします。
 この草案は、さきに提案理由説明が行われた二つの法案、いわゆる子ども・妊婦保護法案と原子力被災者生活支援法案の統合を目指して作成されました。
 元々、二つの法案は、いずれもこの事故の被災者の方々の支援を図りたいという思いから立案されたものでした。一方は、未来の世代を最優先で見守るために、他方は、事故以来、東電と国とにおいて生活基盤を奪われ、客体として扱われてきた人々を自らの人生の主体として人生を取り戻していただくためにという観点の違いがございました。この両方の趣旨を取り込んだ新たな法案を成案として作成し、成立を図ることが協議の目的といたしました。この東日本大震災復興特別委員会理事会での合意の下、その成案を得るための協議を続けてまいりました。
 合意された案での特徴について申し上げます。
 まず第一に、それぞれの案が持っていた観点を両方とも生かしたということであります。野党案が持っていた子ども、妊婦への特別な配慮が行われるべきという理念を重視しつつ、与党案の特徴であります被災者一人一人が居住、移動、帰還について自らの意思で選択することを支援する施策を幅広く講じたいという観点から、つまり自己決定権を支えるために必要な施策を講ずることを求める法案となっております。
 第二に、両案を単に合体させるだけではなく、協議の中で得られた新たな視点も盛り込まれているということです。例えば、協議の中で家族と離れて暮らすことになった子どもに対する支援ということで重要性が指摘され、そのために施策が講じられることが新たに明記されました。
 そして、第三に、被災者への医療の提供については我々の思いを受けた規定が置かれたことです。第十三条では、与野党で何度も協議を重ねた結果、健康調査、子ども・妊婦の医療費の減免については、被災者による立証責任はなくなりました。
 さらに、本法案は、被災者を定義するとともに、これらの者に準じる者を想定していますが、これは事故後の国等の施策がともすれば家族、隣人、コミュニティーを分断し溝をつくってきた現状に照らしてつくられた概念です。人々の間の見えない線や溝を取り去るために、準じる者を柔軟に使っていただくことを希望しております。
 以上です。
#15
○米長晴信君 ありがとうございました。
 引き続き、増子発議者に御質問申し上げます。
 福島、被災地の中でも福島の皆様の支援については福島復興再生特措法がございますけれども、当法案とのすみ分けについて教えていただきたいと思います。
#16
○増子輝彦君 米長委員にお答え申し上げます。
 三月三十日に皆さんの御協力で成立させていただきました福島復興再生特別措置法は、今般の原子力災害から福島の復興及び再生の推進を図るために制定されておるのはもう御案内のとおりであります。その内容においても、福島という地域、この福島という地域の復興及び再生に重点を置いたものとなっております。
 これに対して、この草案は、東京電力原子力事故による健康上の不安を抱え、生活上の負担を強いられている被災者の生活を守り支える必要があるとの考え方に立っております。被災者の生活支援等に関する施策の基本となる事項を定めたものであり、両者はこの点で観点を異にいたしております。
 この点、この草案は、放射線による健康への影響に関する調査など、部分的に重複する内容を規定している箇所もございますが、対象を福島の住民に限定していないというところから、福島復興再生特別措置法とは別に制定する必要があるものと私どもは認識をいたしております。
 この草案の成立後は、福島の住民については、この草案と福島復興再生特別措置法の両者が相まって適切な措置が、施策が講ぜられることになっていると考えております。
#17
○米長晴信君 ありがとうございました。
 この法案が福島に限らず被ばくのおそれのある皆様に対象を広げて制定されるということでありますけれども、その範囲が広がった分、この法案でカバーされる皆様に対しての責任の所在というものがどこなのかということについて、荒井発議者の方からとりわけ東電の責任等についてお話しいただきたいと思います。
#18
○荒井広幸君 今回の原子力事故につきましては、東京電力に損害賠償責任が生じていますけれども、健康上の不安を抱え、生活上の負担を強いられている方々の中には、東京電力による損害賠償の対象となるかどうか必ずしも明確でない方々も多くいらっしゃいます。また、損害賠償の対象となる方であっても、すぐに支払等が行われず、現に生活上の負担を強いられているケースも多くございます。この草案は、このような実態を踏まえ、まずは国として国民の生命、身体及び財産を保護する必要があるとの考えに立って、国がその必要な施策を講ずるべきことを定めるものです。
 お尋ねのところに関係してまいりますが、国の施策の対象となった被害が結果として東京電力に損害賠償を請求し得るものであった場合には、後に適切に求償が行われるべきであり、その旨は第十九条に規定している、こういうことでございます。
#19
○米長晴信君 ありがとうございました。
 その責任の所在、今御説明いただきましたけれども、次は金子発議者にお伺いしたいんですけれども、今回被害を受けた、あるいはその可能性のある人の移動、住居、そういったものに加えて、とりわけ子どもの健康ということに留意した非常に包括的な草案としてまとまったわけですけれども、その合意された今法案についての評価、とりわけ金子発議者の思いとしてどのようなことを強調したいかというのを教えていただきたいと思います。
#20
○金子恵美君 お答えいたします。
 まず、草案の評価についてですが、この草案は被災者支援に関し与野党が出し合った知恵が盛り込まれたものとなっております。このように与野党が協力して案を取りまとめることができたのは、党派を超えて被災者の皆様に対する思いが一致したからだと思います。
 取りまとめに当たっての協議では、それぞれの案の特徴を取り入れることだけではなく、話合いの中で出た新たな視点も盛り込むこととなりました。例えば、被災者の支援施策の一環として、家族と離れて暮らすこととなった子どもに対する支援に関する施策が挙げられていることはその良い例であると考えられます。
 次に、草案の意義として特に強調しておきたい点についてでございますが、まず被災者一人一人が居住、移動、帰還についての選択を自らの意思によって行うことができることを法律で明確にしている点でございます。政府による避難指示の対象となるほどではないが高い放射線量が測定される、そういう地域において住み続ける方にとっても、自主的にほかの地域に避難された方にとっても、いずれの選択についても支援が得られることで、被災者の健康上の不安、生活上の負担の軽減が図られるということだけでなく、異なる選択をした被災者の間にできてしまった心の垣根を取り除くということにもつながっていくのではないかというふうに考えているところであります。
 また、特に子どもについての施策の深掘りができたことによって、子どもを持つ親御さんに一定の安心感を持っていただけるような、そのような内容になっていると思います。
 この草案に沿って施策が講ぜられ、そして被災者の生活を守り支えることを目指しておりますが、一方ではこれで十分だというふうには思っておりません。障害のある方々への対応など、まだまだできていないことがあります。これからより良い施策に育てていく必要があるというふうに思っております。
 この草案が成立した暁には、草案に書かれた施策を具体的に実現する過程において、しっかりとした措置がとられるよう、国会がチェックをして、そして政府への働きかけを行っていくことが重要であるというふうに考えております。
#21
○米長晴信君 最後に一問、谷岡発議者に一点だけ確認をしたいんですけれども、第十三条第三項には、子どもや妊婦の皆さんの医療費、これを減免するというような中身になっておりますけれども、減免というのも幅がありますし、どのような皆さんを対象に減免するかという幅のあるところでございますので、この辺の範囲についてどのようにお考えか、教えていただきたいと思います。
#22
○谷岡郁子君 お答えいたします。
 米長議員の御質問というのは、この法案によって減免というものが言わば何々を除いたものというような書き方をされていることによって際限なく行われてしまうのではないか、それが国税というものをポケットにする国庫の立場からしていかがなものかという与党のお尋ねだというふうに思っております。
 そのような際限のない無制限な野方図なものであってはならないというふうにまず思います。これは、とりわけ与党にとりまして、日本の財政を考えましても、また納税者たる国民の皆さんの理解を得られるような減免制度であるということはほかならないというふうに思っておりまして、これは自明のことだと思います。
 しかし、同時に、現状では明らかに必要な医療や減免措置が圧倒的に不足しているということもまた事実ではないかというふうに思います。とりわけ、これは福島県外で今被災をされておられる方、それについては強く言えるのではないかというふうに思っております。基本的に、この事故による放射性物質と、これによる生活の激変がもたらしたと思われる疾病、障害またその重篤化については可能な限り支援すべきとの立場から、立法者は国が国民の理解を得るために、出費の理解を得るためにも最大限の努力をするべきであるというふうに思っております。
#23
○米長晴信君 以上で質問を終わります。
 ありがとうございました。
#24
○佐藤信秋君 自由民主党・たちあがれ日本・無所属の会の佐藤信秋でございます。
 発議者の皆様、御苦労さまでございました。短い時間でよく頑張っていただいて、こうしておまとめいただきました。何点か質問させていただきたいと思いますが、私の質問の方もできるだけ簡潔にやりたいと思います。
 最初に森発議者に、これまで二つの法案、それぞれ調整を随分やられてきた、この間、一番難しかったことあるいは経緯等について国民の皆様にしっかりと御説明をするということもまた、こうして一緒にみんなで、ああ、これの法案がいい法案だということでやるわけですから、必要なことだと思いますので、最初に一つそれをお伺いします。
#25
○森まさこ君 佐藤委員の質問にお答えします。
 与党の被災者生活の支援と、それから野党側から出した子どもの被害を救済する法案が、これが一つになりました。私ども野党の方が子どもの救済、考え出したのが昨年の夏でございます。原子力事故があってから五か月後の八月に原案ができました。
 つい最近、国会事故調で中間報告が取りまとめられました。その中に、被災者の皆様方のアンケートの声があります。この国会でもずっと質問されてきた、直ちに影響はないと政府に言われながら、私たちは避難の決断が遅れましたという声、SPEEDIの情報が示されないので非常に濃い地域に何日間もいさせられてしまいました、そういう声もありました。それから、飯舘村などでは、水を子どもたちに飲ませてしまいました。爆発した事故の近くにいた方々が、放射性物質を浴びながらおにぎりを握って我が子の口に入れてしまいました。そういうお母さん方が、子どもたちの将来、自分たちが寿命が終わった後、子どもたちに将来何かあったらどうやって守っていくんですか、そのような声にこたえて、特に子どもの医療の問題は、その事故の当時子どもであった者は一生涯無料にして国が支援していこうという、そういう視点から始まった法案を作りました。
 年内でずっと自民党の中で会議を重ね、後から、年が明けてから他の党の先生方にお声を掛けさせていただいたら、社民党、みんなの党のこの二党が、今度は別の視点から子ども及び妊婦の食の安全について定めた法律がありました。それと一緒になりました。そして、公明党、新党改革の皆さんが健康診断の法律を作っていました。それとも一緒になりました。そうやって各党の先生方が被災地に入っていただいた声をまとめたものが一緒になって、年が明けてから合体をしまして、先ほど数えましたら五十三回の会議を重ねて、そして民主党さんと最後一本化したという、そういう法案でございます。
 経緯の御説明に代えさせていただきたいと思います。
#26
○佐藤信秋君 そこでなんですね、この法律の、ここでいうと肝とか言えばいいんでしょうかね、一番大事な部分というか、ここはどういうふうに考えてこういう法律になったかという点について、御説明を一言お願いします。
#27
○森まさこ君 この法案の最も大切なものは、私ども野党の方の部分では、やはり先ほどの子どもの医療費、ここを免除をしていこうというところから始まったものですから、そこに一番重きを置いております。条文で言うと十三条の三項になります。
 ここは共通解釈ですと、大人になっても継続して減免の対象とする措置が講ぜられることもあり得ますという答弁になると思いますが、私どもの野党の立法趣旨、立法者の意図としては、ここからは私見になりますけれども、子どもの医療費は生涯免除していく。当時子どもであった者は、十九歳になっても二十歳になっても三十代になっても大人になっても免除していく。福島県の子どもは当然全額免除、それ以外の他県の皆様も、放射線の及んでいる地域がございます、そこも支援の対象としていく。当然、胎児となった子どもも入るということでございます。
#28
○佐藤信秋君 そこで、子どもの健康、それからもちろん被災者の生活支援、それぞれ大事なことなんですが、今回、子どもを手厚く保護したいと、こういう精神でこの法案、合体されたという形になったわけです、結果としては。そこの理由を少し教えてください。
#29
○森まさこ君 この医療費に限って子どもを手厚く保護する理由は、子どもが放射線による健康への影響を大人よりも濃く受けやすいということ、それから、子どもが心身の成長の過程にあり、次代の社会を担う存在であることから、重点的に施策を講じるべきであると考えることからです。ただ、これで十分だとは思っておりません。私どもは更に、大人の保護に関しても今後また活動をしていく考えであります。
#30
○佐藤信秋君 済みませんね、せっかく副大臣おられるので、聞いておいていただきたいんですけどね。
 具体的に幾つか進展するというようなことがあるんだろうと思うんですが、これは答弁は要りませんけど、健康診断をすると。実は、ホール・ボディー・カウンターみたいなもの、既に実は買っているんだけど、ですよ、市町村が。買っているんだけど、既に買ったものは対象にならないとか、あるいは、子どもの検査ですから、甲状腺なんかも超音波計か何かで検査せないかぬ、一どきに何台も置かないかぬ、一台大体三百万円ぐらいするらしいんだけど。それで、学校の体育館なんかにやっぱり十台ぐらい並べて、お医者さんも一緒にそこに来てもらってと、そんなこともこれから地元ではいろいろ考えてやっていかないかぬだろうと、こういうお話もあります。
 これはちゃんと助成しますという形に、まあもちろんしてもらえるんだろうとは思いますが、思いますが、この法律でそこの、それぞれの具体的な話まではなかなか決める法律ではないというふうには理解していますから。健康診断なんかはちゃんと措置しましょうと、助成しましょうと、こういう精神だとは思いますが、その辺の具体的な、どういうふうに進展するかというような点について、今申し上げたのは個別各論ですから、お答えは、できればやっていただければいいし、そうでなければ、大臣も聞いておられますから、やっぱりそういうことはもっともだと、こう思っておられるんだろうと思いますけど、具体的にどんな進展をこれからしていくのかという点についてお答えください。
#31
○森まさこ君 今、佐藤委員が言ったことについても、遡及的な支援ということについても副大臣に働きかけていく、その根拠にこの法律もなっていくという理解をしております。
 さらに、例えば今福島県内では十八歳までの子どもたちは医療費が無料でございます。しかし、今年十九歳の子どもはどうかというと、無料ではございません。原発事故のときには十八歳であった、しかし今年は十九歳である、そういう子どもに関しても今後は医療費が無料になることができていくというのが私たち野党の立法の趣旨でございます。
 先ほど言ったように、様々な声がありまして、これから子どもが結婚適齢期になったときに、二十代、三十代のときに、もし病気になったらどうするんですかというような心配する親御さんの声があります。これに関しては、今までのこの国会での政府答弁ですと、残念ながら、大臣は東京電力に裁判してくださいということでした。それですと、被害者の方が、子どもたちの方が、この病気は原発事故によるものなんですよということを立証しなければいけない。これはほとんど無理でございます。そういったことがないように、この法律で守っていくものというふうに私は理解しています。
 例えば、具体的にこんな心配の声をお寄せいただいています。子どもが鼻血を出した、これは被ばくによる影響じゃないかと心配なんだけれども、それを診察してもらった、検査してもらった、そのお金はどうなるんですかということです。次にまた、今なかなか屋外の運動ができておりません。それで、実際に走ったときに、足が弱くなっていて転んでしまった、骨折をした、そのような医療費はどうするんでしょうかというような声があります。そのようなものについても、私ども野党の案を起案したときには、原則として含まれていくというふうに考えてはおります。
 現実に、南相馬の市立病院の及川副院長のお話を聞きますと、統計データを取ると、子どもたちの肥満が進んでいる、子どもたちの中に糖尿病が出ている、ストレスによる障害も見られるということでございます。ですので、原則として医療費の支援の対象にしていくと、そういった点が今後効果が期待できる点だというふうに思います。
#32
○佐藤信秋君 そこで、手厚く医療費等についても助成していくというか、手当てしていく、これは大変大事なことだとは思います。
 一方で、福島で被ばくしたんじゃないかというのでいわれなき差別を受けたりするような場合もありますよね。そうしたことについて過度に大変だ大変だと言うのもいかがなものかという部分もありますね。そういう、その差別的な扱われ方をしないようにということもまた大事なことだと思うんですが、その辺についてはどんな配慮になっているでしょうかね。
#33
○森まさこ君 残念ながら、このような差別を受けている、いじめを受けているという声が多く寄せられております。特に県外に避難している方から声が寄せられております。このような差別をなくしていくためには、放射線に関する正しい理解を深めることができるように、例えば学校教育における放射線に関する教育の推進など、必要な教育及び啓発を行うことが考えられまして、その旨を条文にも定めております。
 今日の福島民報新聞に載っておりますけれども、自民党福島県連は被ばくという文言を外してくれという意見も出しておりました。これに関して、結果としては外れませんでしたけれども、私個人の意見になりますけれども、広島、長崎の被爆者の方々の様々な今までのつらい思いもありました。法律の趣旨が変わらない範囲でなるべく削除していくということで、原案から法律の趣旨が変わらないものは削除されましたが、一部残っております。後世の立法者の方に考えていただきたいので、今後見直しする機会があればまた更にその検討もしていただきたいと思うんです。
 例えば、十三条一項を見ますと、被ばくという文言が入っておりますけれども、最初の頭書きのところに東京電力原子力事故に係る放射線と書いてあります。東京電力原子力事故に係る放射線ですので、これはレントゲンの放射線と違うということは誰でも分かります。そういうようなものについては、被ばくという文言を書かなくても法の趣旨が全うできるんだということが今後確認をできましたら、削除することも是非今後検討をしていっていただきたいと、私個人は思っているところでございます。
#34
○佐藤信秋君 そこはごもっともなお話だと思います。ただ、今回は残念ながら入ってはいたと。ただ、法の精神からいって、子どもの健康をできるだけ大事にしようと、そこに重きがあるんで、法律的に被ばくという、取りあえず言葉は入っているけど、そんなに心配せずにと、きちっと健康の診断を受ければ大丈夫なんだよということだと思います。
 福島のお医者さんたちもいろんなお話していますけど、大事なことは、ちゃんと健康管理をして、そして必要な手を打っていくんだということで、そういう意味では、被ばく被ばくというふうに法律上なかった方がいいと、こういうお話ですし、しかしながら載っかった。そんなに気にすることじゃなくて、健康に生活しましょうよと、そのためにさっき申し上げたいろんな健康診断、定期検査なんかも手厚くしていこう、こういうことをしっかりと具体的にやっていっていただくのが何より大事だろうというふうに思います。
 そういう意味で今後の課題と、こういう観点からいくと、これからが大事な部分というのが結構あるんだと思います。その辺を発議者のお考えとして、是非ポイントを絞ってちょっとお答えいただきたいと思います。
#35
○森まさこ君 佐藤委員のおっしゃるとおりでありまして、このような議論が議事録に残ること自体が私は大変重要なことだと思っております。
 今後の課題という御質問でしたけれども、ここが一番大切なところで、法律ができましたら、その趣旨を結果に出せるように、各施策の具体化やその財源の確保が重要になってくるわけでございます。これを私たち立法をした議員はしっかりと見守ってまいりたいと思います。法律を実際に施行していくのは内閣でございます。総理大臣を始めとした大臣の皆様、そして政務三役の皆様でございます。そういった方々がきちっと子どもを始めとする被災者支援の施策を打ち出していっていただけるように、私たちの立法者プラス賛同していただける国会議員で、議員連盟、議連をつくってしっかりとチェックをしたり、又は、許されるならばこの委員会の中に小委員会ができて、そして随時チェックをしていく、大臣に質問をしていくということもできたらというふうに希望をしております。
 さらには、私たち立法者、提案者で福島県を始めとした被災地に出かけていって、仮設住宅や避難先にお邪魔をして、タウンミーティングを開いて皆様の御意見を聞いて、この法律がしっかりと皆様の元に根付いているか、届いているかということを確認してまいりたいと思います。
 さらには、この法律に基づいて、今後、政省令やガイドラインが策定されていくと思いますが、それに当たっては、この法律が議員立法であることを踏まえて、策定前に立法者の意思を確認するとともに、本委員会など適切な国会の機関に報告をしていただきたいというふうに思っております。
#36
○佐藤信秋君 ということが大事だと思いまして、恐縮ですね、大臣、お忙しいのに大臣にもおいでいただいて、やり取り聞いていただきながら、これからの問題ということをしっかりと大臣にも引き取っていただいて努力をしていただくというのが大事なことだと思います。後ほど大臣にちょっとお伺いしたいこともあるものですから。
 その前に紙発議者に、第三条の国の責務、これどういう趣旨で規定されたものか。二つの責任を負っていると、こういうふうに併記されたこの趣旨はどういうことかという点についてお答えをお願いします。
#37
○紙智子君 佐藤信秋議員の御質問にお答えいたします。
 原子力災害によって国民の生命そして身体及び財産に危険が生じる場合には、国にはそれらを保護する使命があります。そのために必要な施策を講ずることが求められています。加えて、国がこれまで原子力政策を推進してきたことから、国は今回の事故について社会的な責任を負っていると考えられます。今回の事故のため、健康上の不安を抱え、生活上の負担を強いられている方々の支援については、これらの二つの要素が相まって国として責務を負っているもので、第三条第一項でそのことを明確にしています。
 なお、私どもとしては、この国の責務が規定されたことによって事故の直接の原因者である東京電力の第一義的責任がいささかも軽減されるものではないということも付け加えておきたいと思います。
 以上です。
#38
○佐藤信秋君 そこでなんですね、子どもの健康を大事にしようと、もちろんそうです。そして、法の趣旨として被災者の就業支援等もやっておる。具体的にというとこれからの課題が結構多いんだと思いますが、予算的なものもしっかり用意しながら、仕組みも用意しながら、こういうことだと思います。
 そこで、一つの例といいますか、いろんなことをやらないかぬと思うんですが、お手元に今資料もちょっと御覧いただいているかと思いますけれども、ふくしま産業復興企業立地支援事業と、こういうのがありまして、これ第三次補正でしたですよね、千七百億円の補正を用意した。これ、予算補助ですから、多分、今回のこの法律も具体的にどういうふうに用意しているかとなると、予算補助でやるような場合が多くなるのかな。本当はきちっと法律としてこれとこれとこれと、こう決めるのも一つかと思いますが、今回はこれからの具体的には課題ということで残って、これからまたしっかりやっていかなきゃいけない問題だろうと思います。
 そこでなんですね、一つの例として、三次補正でこの企業立地支援事業、千七百億円の用意をした。これは五年間の措置としてしっかりやっていきましょうと用意していただいたところまではいいんだけれども、この進み方について、これは経産省の方に具体的に伺った方がいいんだと思います。どんな進行状況か教えてください。
#39
○政府参考人(照井恵光君) 御質問のがんばろうふくしま産業復興企業立地支援事業、これにつきましては、本年の一月三十日から三月三十日までに福島県が実施いたしました第一次公募におきまして二百九十九件の申請、補助金申請額の総額で申し上げますと二千六百五十億円と、予算額を超える、想定を上回る申請がありました。大変喜ばしいことと存じております。本補助金を活用して福島県への企業立地が促進されることを大いに期待しているところでございます。五月十一日に福島県は、第一期選択として二百九十九件のうち百六十七件の企業を指定したところでございます。
 国といたしましても、基金の適正かつ効果的な運用管理が行われるよう、指定された案件について実施計画等を現在精査しているところでございます。
#40
○佐藤信秋君 喜ばしいことですというよりは、もっと心配せないかぬのは、これ五年の基金なんですよね、五年、もうちょっと延ばしてもいいのかもしれません。一年目で実はオーバーフローというか、扱いがもうオーバーしてしまいましたと、二百九十九件のうち百六十七件までしか、今のところ何とかしようと思っても予算的には、基金的にはそこで終わってしまいますと、こういう言ってみればお話ですよね。どう精査していっても、あそこを切れ、ここを切れというのはなかなか進まない話というか、実際問題としては企業の方はどんどんどんどん立地しないと就業機会ってできてこないわけですから。だから、そこは急ぐんですね。急ぐんですが、二百九十九のうち百六十七、あと百三十はまだちょっと対象にできませんと、こうなる。
 その辺は、五年間のつもりが一年目で全然足りない、こういうことに対してどんなふうなこれから行動をしようとするかという点について、大臣お答えになられますか。じゃ、大臣の覚悟、決意をきちっと言ってもらわないといけません。
#41
○国務大臣(平野達男君) 昨年の三月十一日の東日本大震災、その後の福島第一原発の事故、特にその福島第一原発の事故に伴っての大量の放射性物質の放出、これによって今、特に福島県経済は大きな打撃を受けているということについてはもう御承知のとおりであります。
 その打撃の中身について二、三御紹介いたしますと、二、三という言い方もちょっと正しい言い方ではございませんが、まず何といっても双葉郡の東京電力第一発電所、これはあの地域の経済の要でもございました。その発電所がもうなくなっているということでありまして、廃炉に向けての作業でこれからある程度の労働力の需要等は出てまいりますけれども、第一原発がなくなったことの経済への影響というのは非常に大きい。それから放射能による影響、これで農産物の生産が出荷自粛あるいは操業自粛、こういったことを今迫られているのもございますし、それから風評被害、これは観光業等々に及んでおりますが、かなりの影響が出ているということです。さらに、足下の問題とすれば、六万人の方々が県外に避難されているということで、これも福島県経済に与える影響というのは非常に大きいと考える必要があります。
 そういう中で、福島県全体の経済の底上げを何とか図らなくちゃならないという中で、産業立地ということに大きく注目したわけであります。先ほど経済産業省の方から御紹介ございましたけれども、その立地補助金ということで、五年間分、千七百億円、用意をいたしました。これは他県との比較でいきますと何百年分ぐらいに相当するぐらいのかなりの額ではございました。そういう中で、いろんな企業が何とか福島の支援をしたいということで手を挙げていただいたということであります。
 委員の御指摘のとおり、五年間分が一年間でまず今のままだと使ってしまう、まだ足りないということで、さあどうするかということでございますが、まずは今回採択された案件についてきちっと精査をしていただきまして、これをしっかり使っていただくということが基本かというふうに思います。それで、その上で、これから福島に様々なニーズがあるということにつきましては、佐藤知事からも、あるいはいろんな各首長さんからも強い要請を受けておりますので、そういった要請を踏まえながら必要な検討は、少なくとも復興大臣としてはしっかりとした検討をしてまいりたいというふうに思っております。
#42
○佐藤信秋君 実は、これは復興交付金なんかも同じ問題がありまして、大臣御存じのように。でき上がるまで補助しません、交付しません。だけど、でき上がる前に審査は一生懸命やります。これは、実は両方ともはうまくいかないんですよね、御存じのように。実行しながら、様子を見ながらやっていかないと、あらかじめどれだけ掛かるといったって、それは誰もできませんよね、積算が、契約が。ですから、そこは弾力的にやりながら、しかし、明らかに、はるかに不足しているのは確かですから。
 そうすると、閣内で、何があっても頑張るぞと、こういう決意が要るんですね。補正早く取るぞと、言ってみれば、ということが必要なんで。だから、やっぱり大臣はお分かりになっているでしょうから、これ以上は伺いません。
 そして、さっきのこの本題に戻ります。仕組みは、法律は用意しました。そして、実際にどう動いていき得るか。これは、細則、政令、省令の問題になってくる。あるいは、予算の補助ですよね、予算の用意ですよね。今みたいにこの立地補助金だってこれで十分かと思ったら全然足りない。絞っていったって駄目です。絞るだけ絞ったらまたしぼむだけですからね、企業の立地マインドが。だから、それは大いにやってくださいと言いながら応援せないかぬ。
 健康の方もそうなんですね。用意はしました、さっきのホール・ボディー・カウンターにしろ、それから甲状腺のチェックにしろ、チェック機械にしろ、しっかりと実行まで持ち込む。これは発議者の皆様も各党全部一致しての考えですから、これからきちっとフォローするということをお互いに、法は作った、魂を入れようと、こういうことをお互いに約束し合うことをお願い申し上げましてというか、お誓い申し上げまして、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。
#43
○小熊慎司君 みんなの党の小熊慎司です。
 まず冒頭、発議者の皆様にはこれまでの努力のことに敬意と感謝を申し上げる次第でありますし、これがゴールではなくて、先ほど森発議者からもありましたとおり、議連をつくって、しっかりとこの法律の実効性を高めていくということもありますので、まさにこれからが本当の取組であると思いますので、これは与野党が歩み寄った、知恵を出したという表現よりも、逆に与野党が共に被災地、被災者に寄り添った結果、全党一致でこの草案を得たというふうに私は評価をしたいというふうに思いますし、私としても、三月十一日以来、被災地を駆け巡って久々にこの国会に来たときに、川田議員が、小熊さん、子どもと妊婦どう守るんだということから我が党は始まって、八月にはもう既に川田私案ができて、年明けてからは先ほど森発議者の言ったとおり、まず野党でこれも汗をかいて成案を得て、その後、与党との話合い、与党はとりわけ政府とも話し合わなきゃいけないという非常に難題も乗り越えてできた草案でありますので、これはしっかりと早期に成立をさせて、そして実行を見ていかなければならないというふうに思っております。
 そこで、質問に移りますけれども、まず第五条の部分で、政府が基本方針を作り、同条の第三号で計画に関する事項とありますけれども、この法案、長いタイトルが付いていますが、与野党でこの仮称としては子ども・被災者支援法案というふうになっています。子どもも妊婦も守っていく、そして被災者の生活も守っていくという多岐にわたる目的があるわけですけれども、この計画というのは具体的にはどういった部分について計画を立てようとしている狙いがあるのかと。
 またあわせて、これはしっかりと実態を把握をしなければならないという、背景をしっかりとらえる、現状をとらえるという観点からすれば、放射線量の値の取り方といったものもしっかりとこれは具体的に言及をされなければならないと思いますので、まずこの二点についてお伺いをいたします。
#44
○川田龍平君 小熊委員の質問にお答えいたします。
 私も本当に今回この法案がようやくここの場で審議をされて、成立させていくという過程に一緒に立ち会えたことを本当に喜ばしく思っております。本当に私の私案というよりもみんなの党とそれから社民党の衆議院の阿部知子議員も一緒になってこの衆議院と参議院を、各党、本当に働きかけて、そして自民党の案と合体させて、そして与党の案と合体させるということができて、本当に今回の日の目を見ることになりました。そういう意味では本当に各党の皆さんの協力、本当にありがとうございます。
 そして、私自身、この被災者生活支援等施策の中には、基本計画をやはり是非作っていくということが大事ではないかというふうに思い、この被災者生活支援等施策の中には、目標を立ててそれに向けて計画的に推進していくべき施策も考えられます。第五条の第二項第三号の計画に関する事項としては、そうした施策について、施策の目標、目標達成のためのスケジュールや手段などに関する事項を定めることが考えられます。
 この法案策定の経緯について、先ほども谷岡委員、森委員からもお答えいただきましたが、野党案では、政府が基本計画を定めるとの条文がありました。一方、与党案では、施策が計画にはなじまない、住民の意向を尊重するということから、政府が計画を立てるということではなく、当初、この基本計画の策定という条文は与党案にはありませんでした。しかし、行政がスケジュールを立てて予算をきちんと組んでいくためには、政府が計画を立てていくという、作るというこの条項が必要だとの認識でこの第五条の第三号に計画に関する事項というものを書きました。当初の野党案にある子どもと妊婦を守るためのこの施策は全てスケジュールを組んで予算立てをする、全て計画を立ててスケジュールを決めてやるべきだというふうに考えており、本法案でもそれらの趣旨で計画を立てることを考えております。
#45
○小熊慎司君 実際、この事故は東電が引き起こしたものでありますけれども、これは政府もこれは共犯者でありますし、これは、またちょっと話はずれますが、原子力の再稼働に関しても責任を取ると言っても、今回の事故に関しても責任まだ取られていないわけですよ。到底、私はこれは人間が責任を取れるようなものではないというふうに思っていますが、この起きたものに関しては、やはりこれはポイントにフォーカスしてそこだけということではなくて、やはり人生というのは多岐に、一人の人生は多岐にわたっていますから、これはしっかりと全て、特に命、また先ほど佐藤委員のありました雇用とかそういったことも含めて、これは多岐にわたって計画をしっかり立てるということをこれは今後我々も注視をしていかなければならないと思っていますので、どうぞよろしくお願いをいたします。
 次に、まさに命を、健康をどう守っていくかということに関しては、基本理念の第二条の第三項、これは先ほど森発議者からもありましたとおり、私も福島県でありますから、これ外部被ばく、内部被ばくという言葉は非常に刺激的ではありますが、しっかりと健康、命を守っていくという点においては必要な言葉ではありますし、そういう意味において、これは発災当時にしっかり健康調査をやれればよかったんですけれども、その体制になかったということでありますし、また長期にわたる調査、また対応が必要であるということはこれまでの質疑の中でも発議者の方からも答弁がありましたけれども、とりわけ、この内部被ばくですね、これに関して、どういうふうに具体的に対策を取っていくような形になるのか、お聞きをいたします。
#46
○川田龍平君 この第二条第三項で内部被ばくについて言及したのは、被災者の健康上の不安を解消させるためには外部被ばくによる影響と内部被ばくによる影響の双方併せて考慮する必要があるためです。
 この外部被ばくということばかりが語られる中で、あえて内部被ばくという言葉をこの条文に盛り込ませていただいたのは、差別に対する配慮というのももちろん論点にはなりましたけれども、それよりも、この内部被ばくという概念をしっかりと皆さんに知っていただいて、体の中から、体の中に取り入れた放射性物質によって放射線の影響を体が受けていくということは、外部被ばくとは違った影響を体に与えていくものであるということからも、どの法にも明記されていない内部被ばくという言葉をあえてここで使わせていただいたことが重要だと考えております。
 食品の全量検査を目指すことを野党案では当初目指しておりましたが、これは最初から全量検査というのは難しいところもありますので、しっかりとこれはスケジュール立てをして、そして検査機器の開発などもすることによって、食品の全量全品検査ができるような体制をこれから時間を掛けてしっかりやっていくことが大事ではないかというふうに考えております。
 この草案では、同項の内部被ばくに伴う健康上の不安を解消するという観点を受けて、例えば第八条第一項で、支援対象地域で生活する被災者への支援として、家庭、学校等における食の安全及び安心の確保に関する施策を規定しており、さらに同条の第三項で、その施策には学校給食の共同調理場等における検査機器の設置に関する支援が含まれることを明確化しております。また、同条第四項では、同条第一項での支援の対象とされている放射線量の低減及び生活上の負担の軽減のための地域における取組に学校給食等についての放射性物質の検査が含まれることを明確化しております。
 国が安全であるとした薬によって薬害エイズという問題も引き起こされました。私もその被害者として、二度と同じ過ちを繰り返さないためにも、国が安全であるとしたこういった問題を、やはりこれはしっかりと健康被害をそこから受けないように未然に防止していくという観点をこの法律に盛り込んだことも大変重要な観点であると考えています。これは、健康上の不安というものを解消するだけではなく、健康被害を受けないように未然に防止をするということもこの基本理念の第五項の中には、第二条の第五項には盛り込んであります。そうした健康被害を未然に防止する観点からのこういう放射線量の低減及び健康管理の万全を期する、また、子ども及び妊婦に対して特別の配慮をするということが大変重要であるというふうに考えています。
 私も裁判をやって、国相手の裁判を闘ってきましたが、裁判というのは誰もができるわけではありません。裁判によって家族がばらばらになったり、さらには裁判をやりたくても裁判をやれない人たちというのもいます。そんな中で、裁判によって立証責任を被害者が原告として訴えて裁判をやるということではなく、今回、医療に関しては、国に立証責任を求めるネガティブリストというものを入れて、医療費の軽減を、減免を図るという画期的なこともこの法案には盛り込むことができました。それは、やはり先ほどの森委員からの答弁にもありましたとおり、これは、鼻血が出たりとか、本当に健康上の不安が起こったときに、やはり医療に本当にかかれる、そうした体制というものをしっかりつくっていくことが大事だというふうに考えています。
 そして、一日も早くこの法律案を成立させていただいて、先ほどからの話にありましたように、この法案を作った後もしっかりと実行に移されるように、この個別の具体的な、具体策の法律であるとかそれから政省令などもしっかりと様々な施策を進めていきたいというふうに考えています。
 基本理念にあります、この第二条第五項にあります健康被害を未然に防止するということのためには、先ほども小熊委員からも指摘ありましたように、生まれてからすぐ、学校だけではなくて保育園も実は給食があります。保育園の給食に関してもお母さんたちからは大変不安の声が出ていますので、そういった保育園の給食についての検査もしっかりやっていただきたい。さらには、次世代のためにも、これから生まれてくる子どもたちのためにもそういった体制をしっかりと整備していくことが大事だというふうに考えております。
#47
○小熊慎司君 川田発議者の御自分の人生も踏まえての答弁でありましたけれども、まさに、考えてみれば、大丈夫だろうとか、まさかそんなことないだろうということがあって川田議員も大変苦しまれた。二度とそういう、まさかとか、だろうで、実際事が起きてしまわないようにという思いを強く感じた次第であります。
 そういう意味で、我々福島県としては風評被害とか差別といったものも非常に懸念をするところで、今、全国の中で、全世界の中で福島県ほどしっかりと検査しているところはありません。全国でも検査をしていますが、消費者の中にはゼロだと思って勘違いする。ND、検出されず。ところが、それは下をカットしているだけの話で、福島県は非常に基準が低いところでやっていますから、一番正確な、正確というか、厳しい検査を受けた上での食品ですから、より逆に安全だということも言えるのかもしれませんし、私はこの際、本当に、逆に空中線量が世界平均で二・四、年間である。世界平均、ローマが二・四ですから、ローマのチーズ大丈夫かななんて思ったりもするんですけれども。
 これはもう、この際、しっかりこの放射線との、我々がどう向き合っていくかという意味では、これは広く福島県、東日本だけではなくて、まさに子どもの命、国民の命という意味では、これはもっと広く厳しくチェックをしていくということが、実はこの東日本だけチェックをして、実は海外のものが、国内のどこかのものが本当は違っていたんだということになりかねませんから、そういうことで初めて国民全体が誤解を招かない正しい放射線知識も持ち合わせるということにもつながってくるというふうに思います。
 先ほどの差別の問題であれば、学校教育でのしっかりとした取組ということも言われましたけれども、私が昨年本会議でも事例で出しましたが、私の地元の高校生がこの春就職するに当たって、東京で就職が決まった際に、社長からふるさとの名前を言うなと。これは社長が差別したというよりは、福島県出身ですと言うことによって社員の中で差別が起こるから言わない方がいいよという配慮だったのかもしれないんですが、私これは間違いだと思うんですよ。その社長はしっかりと社員教育をしてやるべきであって、そういった誤解がないようにしていかなきゃいけないという意味では、これは学校教育ではなくて、広く国民、ある意味ではこれは全世界からいえば日本そのものが風評被害に遭っているわけですから、これは全世界に向けてしっかりと情報発信をしていかなければいけないというふうに思いますし、この差別のところの言及はこの今言った第二条の第四項に規定はされていますが、差別される側への配慮だけではなくて、差別する側への、一番大事なことは差別する側への対策が重要だと思います。
 そういう意味では、広く国民、また世界に向けてどのようにこれは対策を取っていくのか、お聞きをいたします。
#48
○川田龍平君 小熊議員の御指摘の点について、この第十八条で放射線等に関する国民の理解を深めるために必要な施策を講ずるものとしております。やはりこの放射線に関する知識をやっぱりしっかりと国民、そして国外にもしっかりと理解していただくことが大事かと思います。
 本当にこの放射線による影響というのはまだ科学的に分かっていない部分もあり、本当に過剰な怖がりをする必要はないと思いますが、正しく怖がらなければいけないという中で、本当に未然に体の中に放射線を入れていかないような防止をする、未然に防止をするための施策をやはりしっかりと国が取っていく必要があると思います。国の責任においてこの放射線を、被害を未然に防止するための施策をしっかりと行っていくための法律として是非この法律を国民の皆さんにも御理解いただいて、自治体の皆さんにも御理解いただきながら、そういったこの法律の中にあります施策を様々な分野で、様々な役所の人たちも含めて、しっかりと国民と一体となってこの放射性物質を取り込まないようにするというための施策を是非これから実現していきたいというふうに思います。
 ありがとうございました。
#49
○小熊慎司君 どうもありがとうございました。
    ─────────────
#50
○委員長(玉置一弥君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、大久保潔重君、佐藤正久君及び紙智子君が委員を辞任され、その補欠として姫井由美子君、渡辺猛之君及び山下芳生君が選任されました。
    ─────────────
#51
○山下芳生君 日本共産党の山下芳生です。
 参議院の与野党全会派の草案提案者の皆様に心より敬意を表したいと思います。
 この法案は、福島を始めとする子どもたちを放射線被害から守りたいという全国のお母さん、お父さんたちの声と、そして被災地の皆さんの運動が政治を動かしてできたものだと思います。現時点ではそういう方々の要求の全てを満たすものではありませんが、東京電力第一原発事故被災者への新たな支援策をつくるよりどころになるものであり、一歩も二歩も前進だと思っております。この法案に盛り込まれた支援策を一刻も早く実現、実施させ、さらに、困難を強いられている被災者の実態に照らして支援策を一層拡充強化していく必要があると考えております。
 三・一一以降、私たちは、原発に一たび重大事故が起きれば取り返しの付かない事態になるということを目の当たりにしてまいりました。大量かつ広範囲に放出される放射性物質が他の災害とは次元の異なる困難をしかも長期に将来にわたってもたらすということも明らかになってまいりました。事故を起こした東京電力と原発政策を進めてきた国の責任において、被害者は一人残らず必ず救い切らなければなりません。そのための法律を作ることがこの瞬間立法府に身を置く者の歴史的使命であり、それがこのような事故を二度と繰り返させない最大の保障、オール福島の声でもある原発ゼロの日本への第一歩となると私は確信するものであります。
 その上で、具体的な法案の条文について質問をさせていただきます。
 法案では、支援対象地域の放射線量に関し一定の基準以上としておりますけれども、はっきりとした数値を書き込まなかった理由は何か。さらに、支援対象となる地域について、法案では一定の基準以上の放射線量が測定された地域とありますが、この地域を定めるに当たっては被災者の実態、被災者の状況を踏まえる必要があると思うが、どうか。私は、放射線による健康被害について、影響について、科学的に明らかになっておらず、閾値はないと思います。たとえ年間一ミリシーベルト以下であっても大丈夫と言うことはできないと考えますが、放射線量の違いによって支援内容に差を付けたり被災者を線引きするべきではないと、こう考えておりますが、この点の見解を伺いたいと思います。
#52
○谷岡郁子君 共にこの法案のために協議をしてまいりました山下議員にお答えをしたいと思います。
 ICRPは一般市民の年間の被ばく量を一ミリシーベルト以下にしております。そして、私たちはその目的に向かってこの法律を動かしていかなければならないというのが基本であろうと思います。一方で、ICRPは私たちが現実的であるべきだと、現実的な対応をしていくべきだということを言っております。何年か掛けてその状況に達しなければならないというふうに言っていると思います。
 また、現在の状況というのは、セシウム134が半減期が二年であるということもありまして、今どんどん動いております。場所も動いておりますが、また下がっている地域もあるということも言えると思います。今この段階で何ミリシーベルトと言えるだろうかと、私たちはこの点につきまして随分と様々な議論を繰り広げてまいりました。その結果、この立法者たちの意思というのは一ミリシーベルトに向かって、そこへ向かって現実的な形で動かしていくということで毎年見直しをしようということで、なかなか、改正をしなければならないような状況にしないということで、あえてこの法律には書き込みませんでした。
 もう一つ理由があります。様々な、二十ミリシーベルト以下だ、こっちだ、あっちだ、国が勝手に線を一方的に引いてきたことが多くの家族やそして隣人たちを、またコミュニティーを分断してまいりました。この愚を繰り返してはならない。むしろ、私たちはこの溝を埋めるためにこそこの法律を使わなければならないという思いであります。
 したがいまして、どこにするのかと、何ミリにするのかということも大事でありますが、どこにするのか、またその区分をどうするのかということは更に大事であります。一人一人が決めるということが一方で正しいように、しかしながら、その地域は、例えば字、例えば小学校区というように、その地域の実情に合わせて決めなければ、また人々を引き裂いてしまうことにもなりかねないというふうに思います。
 したがいまして、私たちはこれを、先ほどから出ていますタウンミーティング等を開く、その中で人々が、本当に被災者が自分たちの声を通じてそれを決めていくことができるような仕組みを何とかつくってまいらなければならない。そして、政治的にも私たち立法者がその応援をしっかりとやっていきながら、政府とともに話し合っていかなければならないという思いで、あえてこういう漠然とした書き方をしております。
 しかしながら、ここで幾らと言ってしまうことがまた人々を引き裂くということになることをお考えいただいて、この法律が本当に実効性のあるものになりますように、皆様が支えていただきますように、共にこの法律を作ってくださった市民の多くの方々が、またこれを実効性のあるものに一緒にしていただきますように心からお願い申し上げたいと思います。
 以上です。
#53
○山下芳生君 次に、第十三条第三項の趣旨について確認をしたいと思います。
 私は、医療費の減免の対象を広く取るためにネガティブリスト方式にしたものだと理解しておりますが、いかがでしょうか。
#54
○森まさこ君 まさにこの十三条三項というのが、私ども野党の最初に出した子ども救済法の最も重要なところなんです。つまり、お母さん方が一番心配している子どもに将来万が一のことがあったらどうするか。その答えは、健康調査をして早期発見します、早期発見したら必ず治すんです、最先端治療を国が責任を持って施すんです、そのための施策をこの法律に規定をしたいというのが私ども野党案の立法者の意思でございます。
 ですから、原則全ての疾病が対象になるということです。これを法律的に申しますと、医療費の減免対象となる医療の範囲については、被災者の子ども、妊婦にとって必要な範囲のもので、そして国民の理解を得られるものであると。そうしますと、その要請を満たす範囲の考え方で、このネガティブリスト、いわゆるネガティブリストというのは、本件の被ばくに起因しないものは除くと、そういうものにするということでございますので、原則として全て入るということです。
 ちなみに、私ども野党の原案ではネガティブリストさえもありませんでした。全て対象とすると、その文言だけだったんです。ただ、いろいろな交渉の過程でネガティブリストが入ってまいりましたけれども、これはそもそもの趣旨を害しない範囲で、先ほどの明確化するというその一つであって、子どもたちの目的、早期発見と完全な治療、これを阻害しない範囲でリスト化していくということと理解しております。
#55
○山下芳生君 次に、この法案ができることによって、現在実施されております福島県での十八歳以下の子どもの医療費無償化の助成がどうなるのかということについて質問したいと思います。
 私は、この法ができたことによって、福島県の子ども医療費助成制度の内容、つまり免除するという内容が後退するようなことがあってはならないと考えますが、いかがでしょうか。
#56
○増子輝彦君 お答え申し上げます。
 基本的にはそういう、今の御質問のとおり、あってはなりません。御案内のとおり、福島県が現在行っている十八歳以下の子どもの医療費の無償化は、無償となる医療の範囲に特定の限定はありませんが、無償化の措置を受け得る者は福島県内に居住する子どもに限定されております。
 今回のこの草案、第十三条第三項、まさにここが大事でございまして、減免の対象となる医療は被災者たる子ども及び妊婦とされており、必ずしも福島県内の子どもに限定はされておりません。ただし、東京電力原子力事故に係る放射線による被ばくに起因しない負傷又は疾病に係る医療を除いたものとなってございます。
 このように両者に差異があるから、この草案の成立後は同項に基づく医療費の減免に必要な施策として新たにどのような施策を講ずるかが今後の検討課題になってくるかと思います。
 なお、新たな施策が講じられた場合には、福島県が行っている医療費の無償化の運用がどのようになるかは福島県の判断によりますが、両者の関係については適切に調整されていくものと理解しております。
#57
○山下芳生君 もう時間が参りましたので、是非力を合わせて、いいものができただけで終わらずに実現させていくように、またその内容が進歩していくように引き続き皆さんと一緒に頑張りたいと思っております。
 どうもありがとうございました。
#58
○秋野公造君 公明党の秋野公造です。
 発議者の皆様方の御尽力に心から敬意を表したいと思います。お役に立てますよう、質疑に入ります。
 先ほど、森発議者より、草案趣旨説明の中で、子どもや胎児は放射線への感受性が高いと言われており、低線量の放射線が人の健康に与える影響も科学的に十分解明されていないことから、保護者や妊婦の方は大きな不安を抱いていますというお話がありました。何かあったらどうするのかということで、被災者の方々に対して、健康について今分かることをその都度しっかり伝えていくということは非常に重要であると思っております。
 その意味で、今福島県で行われている県民の健康を守るための健康調査、行われておりますけれども、草案第十三条第二項の目的と意義はどこにあるのか、福島復興再生特別措置法に定められている健康管理調査とはどのような関係にあるのか、吉田発議者の見解を求めます。
#59
○吉田忠智君 秋野公造委員には、この間、共に法案作りに御尽力をいただきましたことを心から敬意を表します。
 それでは、質問にお答えをさせていただきます。
   〔委員長退席、理事岡崎トミ子君着席〕
 低線量の放射線が人の健康に与える影響が科学的に十分解明されていないことから、支援対象地域に居住し、又は居住していた方、避難指示区域から避難している方等は、今後健康に影響が出てくるのではないかという不安を抱いています。そのため、定期的に健康状態を把握して健康管理を行うことでこのような不安を解消することが求められており、また、万が一健康に影響が生じた場合にも早期発見、早期治療ができるようにする必要があります。第十三条第二項は、このような観点から、定期的な健康診断など健康への影響に関する調査について必要な施策を講ずることを規定したものであります。
 福島復興再生特別措置法第二十六条に規定されている健康管理調査は、福島県の自治事務として位置付けられ、できる規定とされているわけであります。これを受けて福島県において県民健康管理調査が行われておりますが、一方で、草案の第十三条第二項においては、まず前段で福島県以外の被災者についても健康調査の対象となるよう国に必要な施策を講じる義務を課しており、福島復興再生特別措置法に定められている健康管理調査よりも対象を広げております。同条後段では、特に子どもである間に一定の基準以上の放射線が計測される地域に居住したことがある者等に係る健康診断については、その生涯にわたって実施されることとなるよう必要な措置が講ぜられることを明確にしております。これは、基本理念にもありますように、胎児を含む子どもが放射線による健康への影響を受けやすいことを踏まえたものであります。
 以上です。
#60
○秋野公造君 健康調査を県外の方も受けることができる、そして少なくとも子どもについては生涯にわたって健康調査を受けることができる、基金が切れたら終わるということはないということが明確になったわけでありますが、そういったことをどのように国に対して担保させるおつもりでしょうか。谷合発議者の見解を求めます。
#61
○谷合正明君 この草案が成立すれば、福島県民以外の被災者についても国によって必要な施策が講じられることになります。現に行われております福島県の健康管理調査と福島県以外で実施される健康調査の内容が不統一という事態が生ずることは好ましいものではありません。このことから、第十三条第二項に基づいて国が適切に必要な施策を講ずることによって、福島県の内外を問わず被災者は同じ内容の健康調査を受けることができるようになるものと考えています。
 もう一つ、生涯にわたる健康診断の実施につきましても、国が必要な財政上の措置を講ずることなど、第十三条第二項に基づいて必要な施策を講ずることとなります。
#62
○秋野公造君 県外の方も同じ健康調査を受けることができるということと、生涯にわたって健康調査を行うためには財政上の措置が講じられるということが明確になっているわけでありますが、今福島で行われている健康調査については、今、吉田発議者からも御答弁ありましたように、できる規定のままでありますと、一体どのような形で生涯の健康調査を担保することができることになりましょうか。例えば健康診断、健康調査の主体を変えていくということなのか、どのようなことを想定されているか、谷合発議者の見解を求めます。
#63
○谷合正明君 この草案の第十三条第二項で定めております健康への影響に関する調査に関する施策につきましては、現在行われています福島県民健康管理調査に関し国が講じている措置、福島県民健康管理基金への補助等も該当し得ますが、必ずしも当該措置でなければならないとはしていません。調査の実施は引き続き県が行い、国はその支援を行うという仕組みとなるのか、あるいは、お尋ねのところにあります、あるいは実施主体の変更があるのかは、同条に基づく国の施策としてどういった措置を講ずるかの検討次第となります。
 さらに、第十三条第二項に基づいて行う施策の内容につきましては、野党六党としては、秋野委員も中心に御尽力されてこられましたが、健康診断につきまして福島県の自治事務という現在の健康管理調査の位置付けを国の法定受託事務とするなどの見直しも含めて検討されるべきことと考えております。
#64
○秋野公造君 その福島県民健康調査の現状について政府はどのように評価をしているか、御答弁をいただきたいと思います。
#65
○政府参考人(西本淳哉君) お答え申し上げます。
 今福島県は、県民の中長期的な健康管理を行うために、平成二十三年度の二次補正予算七百八十二億円を用いまして福島県民健康管理基金を創設されておられます。この基金を活用しまして、福島県では全県民を対象に県民健康管理調査を実施中でございます。本調査では、各個人の被ばく線量を把握するための基本調査と、それから各個人の健康状態を把握するための健康診査等の詳細調査、この二つから成っておるところでございます。
   〔理事岡崎トミ子君退席、委員長着席〕
 基本調査につきましては、これまでに推計が終了いたしました一般住民の方々約二万四千人でございますけれども、九六・四%の方々が五ミリシーベルト未満、それから九九・六%の方々が十ミリシーベルト未満という結果でございました。最も高い推計値の方でも二十五・一ミリシーベルトということで、この検討委員会でも放射線による健康影響があるとは考えにくいと評価されているところでございます。
 それから、健康状態を把握するための詳細調査といたしまして、被災時に十八歳以下であった方全員を対象とした甲状腺超音波検査、それから避難区域等の住民を対象といたしましたこころの健康度・生活習慣に関する調査、それから妊産婦の方を対象といたしました妊娠経過中の健康状態等についての調査など、必要な調査が行われていると考えております。小児甲状腺超音波検査では、関係学会の方々に協力をいただきまして、甲状腺専門医が実際に検査を直接実施するというようなことによりまして精度を確保しております。避難区域の住民につきましては、その小児の約八割が二十三年度末までに既に受診されているなど、着実に進められていると認識いたしております。
 この県民健康管理調査の開始に当たりまして、昨年の六月のこの復興特の場でも先生に御指摘いただきましたように、政府といたしましては、財政支援だけでなくて、県民健康管理調査の検討委員会に放医研ですね、放射線医学総合研究所の専門家の方々に入っていただくとか、あるいは、関係四府省の担当者が実際に出席をいたしましてこの調査の内容や進め方等について提案や助言などの技術的支援も併せて行っていたところでございます。今後もこのような取組をしっかり進めてまいりたいと思っております。
#66
○秋野公造君 今福島県立医大において非常にレベルの高い調査をしていただいているということでありますが、本当に今後、このままの調査の体制だけでいいのかということ、それからどのように生涯担保していくのかということ、県外の方をどのように調査を受けさせていくのかという課題というものはやっぱりこのままでは残っているわけであります。その意味では、実施法をしっかりつくっていかなくてはいけないということは今、谷合発議者からも答弁いただいたところでありまして、私たちもそこは力を合わせて今後とも頑張っていきたいと思っています。
 さて、第十三条二項、それから第十五条について伺いたいと思います。
 例えば、今例示をさせていただきました福島県民健康管理調査などの調査結果については、受検をされた方々に対して当然その施策として還元させていかないとやっぱり意味がないわけであります。そして、国民にもその結果というものは広く施策としても周知をしていくということが非常に重要であると私は考えますが、十五条の調査研究等及び成果の普及についてという項目はその趣旨が含まれていると解していいか、谷合発議者の見解を求めます。
#67
○谷合正明君 御質問でございますが、まさに御指摘のとおりでございまして、健康調査を行い、その調査結果を基にして更なる調査研究が行われるとともに、その成果が被災者に還元され、被災者の救済につながることが重要だと考えております。その趣旨含めまして、草案におきまして第十五条に調査研究等及び成果の普及について規定し、国がそれらの施策を行うこととしております。
#68
○秋野公造君 次に、第二条四項について伺いたいと思います。
 ほかの委員の先生方からも質問がありましたが、被災者に対するいわれなき差別が生ずることがないよう適切な配慮がなされなければならないとありますが、我が国では、六十七年前に広島、長崎で被爆者がいわれなき差別、偏見に苦しんだという経緯があります。小熊委員からもありました。
 被爆地に育った者として、今でも、母や親族や、そして長崎に住む先輩方から聞く差別、偏見のお話というものはいつまでたっても新鮮に感じるところでありますが、もしも、そんな状況であるにもかかわらず、福島でまた新たないわれなき差別、偏見が生じようとしているのであれば、六十七年前に広島、長崎で起きたそういった反省が全くいまだ国内で生かされていないということになるのではないかと思います。
 どうしてこのような条文が必要なのかということを考えるときに、学校教育だけで本当に十分なのか、そういった観点から国にどのように対応させていくべきと考えているか、金子発議者の見解を伺いたいと思います。
#69
○金子恵美君 お答えいたします。
 どんな差別でもあってはいけない。我が国には、女性差別、そして障害のある方々の差別、そしてまた、今おっしゃっていただいた広島、長崎の被爆者に対する差別と、本当に大きな差別が残ってしまっています。まずは、これに対して本当に国全体挙げて闘っていかなくてはいけないということを申し上げさせていただきたいと思います。
 そして、今まさにおっしゃったとおり、福島差別という新たな差別が生まれつつあるというふうに私自身も理解をしております。法務省の人権擁護局で把握している限りにおきましても、やはり相談例の一つとして、福島ナンバーであることを理由に駐車を拒否されたことであるとか、そしてまた、県外に避難された方々の中で子どもを保育所に入園させようとしたところ、不安の声が出て対応できなかったとか、そういうことがあります。
 実際には、やはりこの実態をしっかりと把握していくことから始めていかなくてはいけないというふうに思っておりまして、そしてその実態を把握した段階でしっかりとした対応をしていかなくてはいけないというふうに思っております。
 草案の中では、支援対象地域からの他の地域に移動する被災者、そして避難指示区域から避難している被災者に対し、移動避難先の地域での生活を支援するための施策を講ずることとしていますが、当該施策を講ずる上では、その移動避難先の地域の住民、地方公共団体の協力が必要でございます。こういった協力を得るには、いわれなき差別が生ずることのない環境をしっかりとつくっておく必要があります。こうした考え方を明確にするためにこの第二条の第四項を規定することとしました。
 この草案の各種の施策が基本理念に即したものとなるように講ぜられることとなりますが、今回、今申し上げたような中で、福島差別については放射線についての無理解というところから派生しているものもあります。ですので、十八条では、放射線等についての国民の理解を深めるための施策を講ずるとしておりますので、これは差別の防止に資するものであるというふうに考えているところでございます。
 差別の防止等は国が責任を持って積極的に進めるべきものだというふうに考えておりまして、繰り返しになりますが、まず実態把握をしていただくその仕組みをつくっていかなくてはいけないというふうに考えているところでございます。
#70
○秋野公造君 ありがとうございます。
 福島の皆様のために、被災者の皆様のために実効性が上がるように共々に力を尽くしてまいりたいと思います。
 最後に、第十七条について伺いたいと思います。
 十七条には、外国政府や国際機関との連携協力がうたわれております。昨年七月七日の予算委員会で、私は福島の皆様方の健康を守るためにWHOやIAEA等と連携した国際交流拠点を創設すべきであると質疑を申し上げまして、当時の枝野大臣も必要性を認めた答弁をなさいました。
 外務省に伺います。国際交流拠点創設への進捗状況と決意について答弁をください。
#71
○政府参考人(武藤義哉君) お答えいたします。
 今回の原発事故を踏まえまして、事故の経験、そして教訓、これを世界と共有するということは我が国の責務であると考えておりまして、また同時に、原発事故にかかわる種々の課題に対処するために国内外の英知を結集することは有意義であるというふうに考えてございます。
 このような観点から、福島県からの御要望を真剣に受け止めまして、福島県の方々の健康被害調査を含めた諸課題への対処をめぐる協力の可能性について国際原子力機関、IAEAにも打診をしつつ鋭意検討を進めてきているところでございまして、福島県に将来的に国際交流拠点を整備するということも視野に入れまして、何が可能であるか、関係府省あるいは福島県とも緊密に連携をしつつ積極的に検討を進めてまいりたいと思ってございます。
#72
○秋野公造君 どうか法律の趣旨を踏まえて頑張っていただきたいと思います。
 自らの健康の情報を被災者の方々にしっかり届けることができる健康調査というものをしっかり成功させることができるならば、それは必ず安心、安全へのメッセージにつながると私は信じています。この法律が一日も早く成立をして、福島の皆様方のため、被災者の皆様方のためにお役に立つことができるように私も祈りたいと思います。
 終わります。ありがとうございました。
    ─────────────
#73
○委員長(玉置一弥君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、吉田忠智君が委員を辞任され、その補欠として福島みずほ君が選任されました。
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#74
○福島みずほ君 社民党の福島みずほです。
 与野党を超えて、とても必要な法律を作り上げられた発議者の皆さんに心から敬意を表します。また、人々、とりわけ子どもたち、妊婦さんの命を守るために頑張ってきた多くの皆さんにも心から敬意を表したいと思いますし、私自身も一緒に喜び合いたいと思います。
 当事者の皆さん、地元首長、それから自治体、受け入れている自治体や首長の皆さん、議員の皆さん、NGO、日弁連、多くの市民の皆さん、今まで頑張り、発議者の皆さんたちと、多くの皆さんたちとこの法案を一本にまとめることができたということを共に喜び合いたいと思います。
 先ほど、谷岡さんの方から一ミリシーベルト以下を目指すという力強い答弁があり、やはり一緒に一ミリシーベルト以下ということを実現できるように頑張り合いたいというふうに思っております。
 まず初めに、現状、福島県においては子どもに対する特別の検診項目として甲状腺超音波検査が予定されておりますが、チェルノブイリ原発事故では膀胱がんや心臓病、免疫力低下による諸症状など、甲状腺がん以外の疾患も多数報告されております。また、血液検査の実施、試料の保存の要望も強いです。調査や健康診断の項目、手法の設定についても、十四条の被災者の意見の反映、透明性の確保の趣旨にのっとり、被災者の意見を適切に反映するべきと考えますが、いかがでしょうか。
#75
○川田龍平君 ありがとうございます。
 第十三条第二項の健康診断、その他放射線による健康への影響に関する調査について講ぜられる施策は第十四条に定める措置の対象に含まれることから、御指摘のとおり、健康調査や健康診断の項目、手法等の具体的な内容を定めるに当たっては被災者の意見を反映し、その内容を定める過程を被災者にとって透明性の高いものとするために必要な措置を講ずることとなります。
 そして、従来されてきたような、パブリックコメントをしたので意見を反映したというアリバイ的なものではなく、直接被災者の声を聞いた上で決めていけるように、さきに森まさこ委員も表明したように、発議者を始めとする超党派の議員連盟が法案の中身がしっかりと執行されるようにフォローアップをしていくこととしており、既に野党六党で提出している健康調査法案も含め、今後の新たな法整備に向けてしっかり努力していきます。
#76
○福島みずほ君 被災者の定期的な健康診断の実施に必要な施策、医療費減免の実施等のため、被災者のうち、希望者に対する健康管理手帳の交付も必要とされるのではないでしょうか。
#77
○金子恵美君 お答えいたします。
 おっしゃったとおり、御提案のように、健康管理手帳に係る制度の創設については、やはり健康診断に係る施策や医療費の負担を減免するための施策を具体的に制度設計するに当たりまして、被災者の方々の意見を反映しつつ検討していくべきものというふうに考えているところであります。実際に今浪江町では町独自でこの健康管理手帳を全町民に配布ということを進めているというふうに伺っています。
#78
○福島みずほ君 現状、福島県で実施されている子どもに対する甲状腺調査では、被災者に対し撮影された超音波検査画像の交付もなく、医師の所見も記載がないなどの不備が指摘をされております。
 一条に、被災者の不安の解消及び安定した生活の実現に寄与するという本法の目的があります。そのことに鑑み、セカンドオピニオンを得る機会を保障するためにも、健康調査結果を被災者に適切に提供する必要があると考えますが、いかがでしょうか。
#79
○徳永エリ君 福島委員にお答えいたします。
 私たち今日ここにいる民主党の議員で何度も福島県に行ってまいりました。また、それぞれ地元の避難している方々にも会ってお話を聞いてまいりましたが、この甲状腺検査の問題はたくさん御意見を聞いてまいりました。委員御指摘のように、甲状腺検査では検査画像の交付はありません。それから、医師の所見の記載もありません。これに加えて、現段階で検査対象者三十六万人が全て甲状腺検査を受け終わるまでに二年半掛かるとされています。何ら急ぐ検査ではないと言われていることへの不信感、それからそんなに長い間検査を受けなくて果たして大丈夫なんだろうかという心配の声もたくさん聞いています。さらに、甲状腺検査は、十八歳以下は二年に一度、十八歳以上は五年に一度受ければいいというふうに言われているんですが、この検査の仕方に対してでも非常に疑問の声が上がっております。
 この草案では、第十三条の二項で被災者の定期的な健康診断の実施について必要な施策を講ずるものとする旨を定めておりまして、健康検査を具体的に実施するに当たっては、既に検査を受けた方々や、それから、これから健康検査を受ける方々の意見をしっかりと聞きながら、不安の解消、このことを考えながら必要な法制上、財政上の措置を講ずる必要があると考えております。
 また、福島委員御提案のように、政府においては健康検査結果をなるべく早く適切に提供する仕組みを適宜検討していくことが期待されますし、我々国会議員もしっかりと被災者の方々の思いを伝えていきたいと思います。
 ありがとうございます。
#80
○福島みずほ君 ありがとうございます。
 私は、八条から十一条までは避難の権利を認めたものと評価をしております。全国どこへ行っても避難をされてきた方たちにお会いします。福島県の中でも移動している、あるいは避難をされている人もいます。また、なかなか引っ越すことを選ぶことができない、あるいは選ばないという人たちももちろんいらっしゃいます。それで皆さんが苦しんでいたり大変な思いをされているということを、もちろんどなたも御存じのことですが、痛感をしております。
 避難の権利、家族やコミュニティーを分断されたり雇用や生活の不安に直面することなく避難生活を送ることのできる権利で、政府、自治体はそれを保障する義務を負うというふうに考えております。子どもたちももちろんですが、大人も含めたこの避難の権利、行政は避難者の生活や生活必要物資の確保や雇用の確保など責任を持って行うべきだというふうにも思いますが、いかがでしょうか。
#81
○谷岡郁子君 先ほど福島差別という言葉があって、福島さんを差別するつもりは毛頭ないということをもちろん言いながら、つい使ってみたくて、済みません。
 本当に今おっしゃるとおりで、まさに与党案というのはこれを目的としたと言っても過言ではないというふうに思います。国は国民の持ち物でありますが、国民は国の持ち物ではないと思います。また、それはそのいろいろな地方についてもまた言えるのではないかというふうに思います。
 私たちは、適切な情報が開示されるということ、その下に自己決定をする権利をベースに与党案を作りました。そのうちの一つが選択肢として避難の権利であるというふうに思っております。そしてまた、合意案につきましてもその考えは引き継がれました。単に自己決定する権利というものを保障するのみではなく、それが実現できるということ、それが大事なことだというふうに思っております。
 理不尽にも自らが気に入っていた生活の足場が放射線によって汚染されて、そしてそこから根を断ち切られてしまった人々が、どこにいるのか、どこに行くのか、それについて自己決定をするのは当然の権利でありますし、またそれを最大限支援するのが国の義務であると思いますし、またそれに協力をしていただけるのが多くの地方自治体、また同時にそこに住んでいらっしゃる住民の方々にとって日本の仲間に対する対応の仕方ではないかというふうに私たちは考えまして、それが実現いたしますように心から国民各位にお願いをしたいというふうに思っております。
 それが実行できるということは、国が地方公共団体とともに、雇用、住居、教育、医療等のサービスについてしっかりと支援できる体制をつくるということであります。必ずしも予算を付けるということではなくて、今ある様々な中に、例えば雇用促進住宅であったり福祉住宅であったりすることを優先的に使うとか、ハローワークで優先的にその方々を取り扱うという形で、予算がなくてもやれることはたくさんあると思います。全国の自治体、そして全国の皆さんが知恵と創意工夫によってそういうことをたくさん考えていただけるということが私たちの願いであります。
 また、この法案の中には、そういう形で今、家族がどうしても分離せずにいられない、父親が放射線の高いところにいて母子が避難しているというような場合、その場合についての、面会ができ、そして家族が共にある権利、そういうものを含めて保障されるべきだというふうに考えております。
#82
○福島みずほ君 家族と離れて暮らすことになった子どもへの支援には、親が子どもに会いに来るための移動や宿泊費の支援も含まれるんでしょうか。
#83
○徳永エリ君 私の地元の北海道には、福島県だけではなくて放射線量の高いところから多くの方が母子避難をしていらっしゃいます。
 家族が離れて暮らすことは大変につらいことでありますけれども、中でも福島県外から避難してきている方たちの中には何の金銭的な支援も受けていないという方が大勢いらっしゃいます。生活を支えるために離れて暮らしているお父さんは、二重生活を送る金銭的負担や将来への不安、また家族に会えない寂しさからうつになった方もたくさんいると聞いています。
 会いたくてもお金がなくて会えない、家族が一緒に暮らすことが基本であるのにもかかわらず月に一回も会えない、そういった実情を踏まえて、第十条にあります家族と離れて暮らすことになった子どもに対する支援に関する施策は、被災者の方々の意見をしっかりと反映しつつ、国民の皆様の理解が得られる形で適切な措置が講ぜられるものと期待しております。
#84
○福島みずほ君 ありがとうございます。
 ありがとうございました。
#85
○委員長(玉置一弥君) 他に御発言もないようですから、本草案を東京電力原子力事故により被災した子どもをはじめとする住民等の生活を守り支えるための被災者の生活支援等に関する施策の推進に関する法律案として本委員会から提出することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#86
○委員長(玉置一弥君) 御異議ないと認めます。よって、さよう決定いたしました。
 なお、本会議における趣旨説明の内容につきましては委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#87
○委員長(玉置一弥君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 この際、平野復興大臣の発言を求めます。平野復興大臣。
#88
○国務大臣(平野達男君) 本法律案の策定に取り組んでこられた法案提出者の皆様方、そして委員各位のこれまでの御努力に心より敬意を表します。
 本法律案が成立した後は、これに基づき、子どもに特に配慮して行う被災者の生活支援等に関する施策の推進に各府省一体となって最善の努力をしてまいる所存でございます。
#89
○委員長(玉置一弥君) 本日はこれにて散会いたします。
   午後五時二十四分散会
ソース: 国立国会図書館
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