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2012/04/18 第180回国会 参議院 参議院会議録情報 第180回国会 国民生活・経済・社会保障に関する調査会 第4号
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2012/04/18 第180回国会 参議院

参議院会議録情報 第180回国会 国民生活・経済・社会保障に関する調査会 第4号

#1
第180回国会 国民生活・経済・社会保障に関する調査会 第4号
平成二十四年四月十八日(水曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    会 長         鴻池 祥肇君
    理 事
                金子 洋一君
                西村まさみ君
                関口 昌一君
                義家 弘介君
                秋野 公造君
                寺田 典城君
    委 員
                梅村  聡君
                尾立 源幸君
                小西 洋之君
                小林 正夫君
                高橋 千秋君
                広田  一君
                牧山ひろえ君
                安井美沙子君
                吉川 沙織君
                石井 準一君
                牧野たかお君
               三原じゅん子君
                山崎  力君
                竹谷とし子君
                川田 龍平君
                荒井 広幸君
   事務局側
       第二特別調査室
       長        近藤 俊之君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○国民生活・経済・社会保障に関する調査
 (「持続可能な経済社会と社会保障の在り方」
 について)
    ─────────────
#2
○会長(鴻池祥肇君) ただいまから国民生活・経済・社会保障に関する調査会を開会いたします。
 国民生活・経済・社会保障に関する調査を議題とし、「持続可能な経済社会と社会保障の在り方」について委員間の意見交換を行います。
 本調査会は、これまで「持続可能な経済社会と社会保障の在り方」のテーマの下、経済を中心に精力的に調査を進めてまいりました。
 本日は、中間報告書を取りまとめるに当たり、これまでの調査を踏まえ、委員各位から御意見をお述べいただきたいと存じます。
 議事の進め方でございますが、一時間三十分程度をめどに、まず各委員からお一人三分程度で意見表明を行っていただきました後、委員相互で意見交換を行っていただきたいと存じます。
 なお、御発言は着席のままで結構でございます。
 それでは、これより各委員から意見表明を行っていただきたいと思います。適宜指名いたしますので、御意見をお述べ願いたいと思います。
 それでは、川田龍平君からお願いをいたします。
#3
○川田龍平君 みんなの党の川田龍平です。
 私は途中から参加になったんですけれども、今回、持続可能な社会保障ということで、持続可能な経済社会と社会保障の在り方については、やはり今の社会で経済がしっかりと持続可能になっていくことも大事ですが、その中でやっぱり特に私としては社会保障の方、特に医療の面や、そうした人々の生活にとって必要な社会保障がしっかり充実させていくことの方を私としては一番重視したいと思っています。
 私自身の体験からも、やっぱり薬害エイズというこの国の薬害の歴史がありまして、やはりこういった経済的な利益を優先する余りに人の命や健康というものが奪われていってしまう、そういった、公害もそうですけれども、今回の東日本大震災における原発事故を契機とした今の社会問題についても、そういった原発再稼働の問題についても、やはり同じように人の健康や命よりも経済を優先するという考え方そのものが、やはりどこか今私たちの多くが考えている考え方と変わってきてしまっているのではないかというふうに考えます。
 そういった意味で、前回のこの調査会でも政府参考人と政府の方に意見を求めましたけれども、やはり基本的に女性の就業とかそういったことも含めてですが、今後、残業するよりも家庭生活を大事にするとか、女性が本当に働きやすい社会にするということが、いかに休みを取っても大丈夫な社会だという社会にしていかなければいけない。
 これは、ライフスタイルもそうですが、基本的に今の働き方というものが本当に過労死や過労自殺に追い込むような働き方。仕事でいえば、もっとワーク・ライフ・バランスをちゃんと取った形で仕事もシェアできるような、そういったワーキングシェアリングもできるような、そういう働き方というものをこの社会の未来の姿として描いていくことが本当に持続可能な経済社会と持続可能な社会保障という形になっていくのではないかと。そういった意味でも、年金をこれから若い人たちが持続可能な年金制度として認識できるように、積立方式にしていくですとか、本当に至急やっていかなければいけないことはこの調査会の中でも意見が出されたと思います。
 そういった意味で、今いち早くやらなければいけないことというのは社会保障をしっかり充実させていくということが、その前提があった上で経済も成り立っていくのではないかと。医療や福祉についても、やはりこれからどういう姿があるのかというイメージが先にあって、そのための経済を整えていくというものにしていかなければいけないのではないか。本当に、経済的な利益を優先する余りに、命やこの健康といったものが失われてきた、そういったものから本当に脱却して、しっかり命が最優先される社会というのを私は実現していくことが大事ではないかというふうに考えます。
 ありがとうございました。
#4
○会長(鴻池祥肇君) 次に、小林正夫君。
#5
○小林正夫君 持続可能な経済社会と社会保障制度の構築を図る観点から、職業に関する教育の強化充実が必要である、こういう視点で発言をいたします。
 日本再生の基本戦略では、持続的な経済社会には健全な分厚い中間層が欠かせない、新しい社会の働き方、教育、地域社会の支え合いの循環をつくり出すとしておりますけれども、従前と一番異なる点は、今後就業者の数は減っていき、産業構造、就労構造が変化していくことであります。したがって、高齢者、女性、若年層の労働力を活用しないといけない新しい社会の働き方、すなわち全員参加型社会を実現しなければならない、こういうことだと思います。
 三月三十日に国会に提出された社会保障と税の一体改革の法案で示された内容は、まさにこの日本再生の基本戦略に沿った内容ですけれども、全員参加型社会を実現するために三つの観点があると、このように考えております。
 一つは、人材育成という観点です。これは、働くことへの理解を深め、社会を生き抜くこの基礎をつくるということであります。二つ目は、子育てという観点です。これは、安心して働く、安心して家庭を持って子育てをしながら働ける環境づくりを行う。三つ目は、高齢者の働く意欲の醸成。これは、居場所と出番がある社会をつくるということです。私は、この三つの観点が大事だと考えております。
 特に、一つ目に挙げた人材育成について述べたいと思います。
 我が国経済社会を支える人材の育成という観点からすると、今までと最も異なるのは、社会に出てから働くことへの知識を得て、理解を深めるというよりは、初等・中等教育、高等教育において職業に関する教育を強化充実させるという視点が改めて必要となっていくことだと思います。また、教育と職業の円滑な接点は重要な視点であり、工業高校や農業高校など、地域の産業と学校が連携した職業教育を拡充させるという視点も大変大事だと思います。
 その意味において、四月九日に野田総理大臣が政府の国家戦略会議で、社会構造の変化を踏まえた教育システムの改革に果敢に取り組む必要があると、こういうことを発しましたけれども、教育制度の改革を検討する、こういう指示に対して大いに期待をしたいと思います。
 私は、昭和二十二年の団塊の世代の生まれです。人口が増えていく、あるいは働き手が非常に多くいた、こういう時代の中で高度成長を経験し、我が国の発展ということを見てまいりました。
 今は、人口が減る、あるいは子供の誕生が少なくなる、そして働き手が減るという時代に入りました。そのような中で、持続可能な経済社会と社会保障制度を構築していくことが今の政治家の使命だと思います。国に力がなければ制度の構築はできません。そのためには、我が国の国力の源になっている物づくりを支えていくことが必要じゃないかと考えます。工業高校や農業高校、そして商業高校の充実強化、高専の充実を図って、技術、技能を身に付ける教育を不断に進めていくことが持続可能な社会の実現に不可欠である、このことを訴えて私の意見といたします。
 ありがとうございました。
#6
○会長(鴻池祥肇君) 次に、竹谷とし子君。
#7
○竹谷とし子君 公明党の竹谷とし子でございます。
 持続可能な経済社会ということで、デフレ・円高不況で、この失われた二十年と言われる中で国富が失われていったと思います。円高、円安ということで、メリット、デメリットを受ける企業からも参考人の方にお話を伺いましたけれども、円高を克服したとしても、やはり人件費が高いので価格競争に陥るような物づくりというのは海外に流出していってしまうというこの流れはなかなか止められないと思いますけれども、ただし、日本に本社機能また研究開発機能、企画機能を置いてもらうということについては、これはまだまだ勝負できる分野だと思いますので、この点について政府はしっかりと後押しをしていかなければいけないというふうに思います。
 また、昨年震災があり、多くのものが失われましたけれども、地震国家である日本、強靱な国家をつくっていくということで、これからは外需に依存しない、内需を生み出す、またその一つの方策としても、強靱な国家をつくっていくための防災、減災の公共事業に力を入れていくべきであると。これによって強靱な社会インフラを造ると同時に、将来地震が来たときに発生する損失を抑えていく、そして、今不況でありますので、景気回復をこれによって図っていくということが重要であると思います。
 そして、経済の点でもう一点力を入れるべきと考えておりますのがエネルギーの自給であります。今はエネルギーを大半を輸入に依存しております。これによって多くの国富が失われています。原子力発電以外のエネルギーの開発に重点的に投資を行っていくべきであるというふうに考えます。
 社会保障については、今雇用が大変厳しい状況にありますけれども、働きたくても働けない子育て中の女性であるとか、また新卒の若者、また新卒でなくても若年の若者などは働きたくても働けない状況というのがあります。一方で、世の中にはまだ働き手が足りない分野もあります。そういったミスマッチを解消していくということにしっかりと社会保障の軸を置いていくべきであるというふうに私は考えております。
 以上です。
#8
○会長(鴻池祥肇君) 次に、安井美沙子君。
#9
○安井美沙子君 これまでの調査会において、経営者や学識経験者の方々から貴重な御意見や御提言をいただきました。改めまして、参考人の皆様に感謝申し上げます。
 中でも共感を覚えたのは、京都大学大学院教授の藤井聡参考人のデフレ期こそ公共投資を積極的に行うべきだとの見解です。
 民主党政権は、コンクリートから人へというキャッチフレーズの下、公共投資を極端に削減しました。二〇一〇年度の予算では公共事業の見直しを行い、七兆円あった予算を一・三兆円、率にして一八%を大胆に削りました。コンクリートから人へというキャッチフレーズは、一般有権者に政策転換を理解していただくためのつかみとしては大変分かりやすいのですが、政策の指針を示す言葉としてはミスリーディングなフレーズだと言わざるを得ません。
 空港建設を例に挙げてみますと、全国に九十八もの空港を造りましたが、利用実績が建設当初の予想を下回る空港が約九割です。民主党政権は、このような右肩上がりの経済成長を前提とした楽観的過ぎる予測に基づいて公共事業を乱発したことへの反省を基に、無駄な公共事業費を削ることを促した、これが本意でした。国土の均衡ある発展がある程度達成した段階で、公共投資の集中と選択に移行すべきという意味合いがありました。韓国においてはハブ空港仁川、ハブ港湾釜山の地位確立に成功し、日本の空港、港湾は大きく水を空けられました。日本が新興アジアにおける国際競争力を維持強化するためには、公共投資費をただ削減するのではなく、時代の状況に合わせて振り向け先を再考する必要があったのです。
 さらに、震災後の日本にあっては、公共投資の需要は目の前にあります。雇用の創出に直結する公共投資を今こそ積極的に行うべきと考えます。また、高度経済成長期に建造された公共施設が次々と更新時期を迎えており、防災上もこれらを着実に実施していく必要があります。首都直下型地震や東海・南海・東南海地震はいつ来てもおかしくありません。首都機能や国土防衛の観点から必要な公共事業はたくさんあります。必要な公共事業を戦略的に経済政策とリンクさせながら積極的に行っていくことで、乗数効果、税収増、デフレ脱却を期待できます。
 社会保障の充実は消費税五%引上げしてもおぼつかないことが既に判明しています。経済成長なくして社会保障の充実は厳しいわけで、公共投資によるデフレ脱却を真剣に考えるべきと再認識いたしました。
 以上です。
#10
○会長(鴻池祥肇君) 続いて、三原じゅん子君。
#11
○三原じゅん子君 ありがとうございます。
 三回に分けていろいろな参考人から意見を聴取することができまして、今もお話ございましたように、非常に藤井参考人の話が人気があったのかなと思いますけれども、私もこの藤井参考人のお話で、日本経済の成長は見込めないという、そういう呪縛から解き放たれたというような思いを感じました。
 東日本大震災を受けて私たちが学ばなければならないこと、これは、国土強靱化、これを進めるという重要性、これがまた経済成長にもつながっているのだということを知りました。デフレ脱却ということが何よりも一番最初にやらなければならないことなのだと思いますけれども、その中で、巨大地震とかそういう津波に対してのインフラを強化したりとか、あるいは防災の教育、そのようなことを進めていくこともまた、これを通じた様々な施策、対策ということにつながっているのではないかというふうに感じました。
 そして、列島強靱化、この諸対策を大規模に推進していくと同時に、これが様々な財政金融政策をうまく組み合わせながら経済混乱のリスクに対処していくということが明るい日本の未来をつくるには重要なことなのではないかと思います。
 そして、震災復興ということを考えたときに、各地の新幹線ですとか鉄道、そういう整備、それから建物の、インフラの耐震補強、そういうものを公共投資ということで日本経済が成長して、そしてデフレのギャップを埋めていくということ、このことの重要性というのを考えさせられました。
 社会保障については、医療の世界で私はまだまだ新たに期待できる産業がたくさんあるのではないかと思っております。デバイスギャップ、ドラッグラグ、そういうものを解消して、またそこにも目を向けながらやっていかなければならないと思っております。
 ありがとうございました。
#12
○会長(鴻池祥肇君) 次に、吉川沙織君。
#13
○吉川沙織君 民主党の吉川沙織でございます。
 調査項目といたしまして、「持続可能な経済社会と社会保障の在り方」についてということでございますので、私自身の経験談も踏まえながら意見を述べさせていただければと思っています。
 今、経済成長の大事なお話ございました。私自身、民主党の中で一番若い参議院議員として議席をいただいております。前職は会社員でございました。就職活動をいたしましたのが一九九八年、平成十年のことでございます。その前年に就職協定が廃止になり、そしてまた、絶対に当時潰れないと言われておりました北海道拓殖銀行や山一証券が倒れていき、そういう中で就職活動をいたしました。物心付いてから、バブルの世代も余り実感をして経験をしたことはございません。社会に出てまいりましたのも、実際もう右肩下がりのこういう経済状況に入った中で社会に出て、会社員として仕事をさせていただきました。
 そんな中で、綻びが見え始めた社会保障制度、そしてなかなか右肩上がりに上向かない日本の経済、これを実感しながら、今は政治の世界で仕事をさせていただいております。私自身の実体験もございますことから、たまたま就職活動をするときに、その学生や生徒の未来がそのときの日本社会や経済の状況で一生が左右されることがあってはならないという思いで、一貫してこの間、若年者雇用の問題に取り組んでまいりました。
 二〇〇八年のリーマン・ブラザーズが破綻した後は、内定取消しの規制を強化するための法案を出させていただいたりというような活動もしてまいりましたけれども、今この調査会でもテーマになっております社会保障という観点でいえば、一つ、年金制度に対する不信感というものが非常に大きいものがあると思っています。
 これは、昨年の予算委員会でも取り上げましたけれども、社会保障制度でどこに一番不信感があるかというアンケートをとある新聞社が取っています。やはり、その最たるものに挙げられましたのが年金制度というふうに答えられています。
 ただ一方で、年金制度に対する正しい理解というものも進んでいないということはこのアンケート結果からも明らかになっています。具体的に申すれば、将来どのくらい公的年金をもらえるか知らないと答えている方が半数、正確に知っていると答えた方は一〇%にとどまっています。若い世代についても同じで、もちろん政治や社会保障全般に対する不信感もあるんでしょうけれども、国民年金の若年層、特に二十代における納付率は今深刻なほど低くなっています。
 ですから、社会保障と税の一体改革ももちろん大事ですけれども、年金制度に対する正しい理解を、例えば教育現場でもっとその重要性を伝えていく必要性、それから若い世代に対する施策をもっと強力にその現場を分かっている人が打ち出すことによって、社会保障制度の必要性、それから信頼性というものを取り戻していく必要性があると思っています。
 誤解を恐れずに申し上げますならば、どちらかといえば、本当は全世代に向けて政策を打ち出さなければいけないんですが、どうしても偏りが生じている。これを是正していくのも大きな私たちに課せられた役割だと思っていますので、この調査会でそういったことも皆さんの共通認識として少しでも頭の片隅に置いていただければということを申し上げまして、私の意見とさせていただきます。
 ありがとうございました。
#14
○会長(鴻池祥肇君) 次に、牧野たかお君。
#15
○牧野たかお君 自民党の牧野たかおでございます。
 私は、この調査会で今までいろんな方が参考人としていらっしゃいましたけれども、そういうお話の中でとにかく確認できたのは、やっぱり経済成長が持続可能な社会保障を実現する手段であるということを改めて確認いたしました。
 その上で、私の考え方も述べさせていただきますけれども、私は、今社会保障という言葉が非常に曖昧に使われているというふうに思っております。社会保障というのは、私は、性別だったり、所得の多い少ないだったり、健常者だったり、障害者だったりという、そういうことは全く関係なく全ての国民が共通に享受できる、公平に享受できる公的サービスのことを社会保障というふうに私は思っておりますが、今は、少し政権批判になるかもしれませんが、いろんなところに保障という言葉を政策の中で使い過ぎている、だから国民からしてみると、公的サービスは全てにわたって受けられるというふうに勘違いをしてしまうということが今起きているんじゃないかと思います。やっぱり社会保障と福祉政策というのは区別をすべきでありまして、社会保障を今申し上げたみたいな定義としてやっぱりしっかり決めないと無限に社会保障が増えていくおそれがあると思います。
 それと、大変失礼な言い方かもしれませんが、これはどこの政党が政権を取ろうとも、どうしてもその政党だったり時の為政者は国民に受ける政策を考えてしまうというのは、これは歴史的に別に、江戸時代からそうでしょうけれども。ですので、社会保障ということをちゃんと定義付けないと、いろんな国民に受ければ、人気取りの政策、福祉的な部分をどんどんどんどん広げていくおそれも私はどこの政党が政権を取っても起き得ると思っております。ですので、これから消費税の論議になっていくんでしょうけれども、その社会保障という言葉を使うときに、やっぱりしっかりとした定義付けをしなきゃいけないというふうに思います。
 厚生労働省の予算の、要するに名前も社会保障関係費というふうに言っていますけれども、その関係費という言葉は私はやっぱりおかしい話で、社会保障費は社会保障費、そして福祉なら福祉費というふうにすべきだというふうに私は思っております。
 以上が私の考えでございます。
#16
○会長(鴻池祥肇君) 続いて、尾立源幸君。
#17
○尾立源幸君 会長、ありがとうございます。民主党の尾立源幸でございます。
 私は、経済成長と社会保障の持続可能性を高めることが重要であると考えております。社会保障の持続可能性を高めるには、支え手を増やすことや社会保障の適正化が必要だと思っております。
 社会保障について申し上げますと、少子化を食い止めるためには、子育て支援サービスだけでなく、妊娠、出産に関する支援の充実が必要です。中でも経済的負担の軽減が重要で、経済的支援については、子供を社会全体で育てるためにも子育て期間を通じた支援が必要と考えております。そのためには、児童手当の拡充や諸外国で見られる児童給付付き税額控除の活用も視野に入れるべきと考えております。
 また、女性の労働参加を増やすことは、社会保障の支え手を増やすだけではなく、様々なサービスを利用することを含めて内需を中心に社会全体の活力増加につながります。女性、男性ともに安心して働ける環境をつくるために、更なる保育サービスの充実が必要と考えております。
 また、若年非正規労働者の増加は、将来の社会活力の低下、技能等の非継承、社会保障の受け手の増加につながる可能性が高くなります。これを防ぐためには、時代、産業のニーズに合った職業能力訓練や職業支援プログラムなど積極的労働政策が重要と考えております。
 積極的労働政策は、若年非正規だけではなく労働者全体でも活用すべきで、これにより労働者は、一つの職が駄目になっても、産業が駄目になっても、次の職が得やすくなると考えております。デンマークのように積極的労働政策と雇用規制の緩和を組み合わせることで、労働市場のフレキシビリティーが増し、労働者、企業双方にとってメリットがあると考えております。
 また、生活保護や医療など一部に見られる社会保障の過剰給付は適正化する必要があります。例えば、若年層の生活保護は働く意思と給付を連動させるべきと考えます。スウェーデンは失業者への手厚い給付で知られますが、職を探していないと給付を打ち切られます。同時に、勤労税額控除を組み合わせて、より働くことへのインセンティブを利かせることも重要です。
 最後に、経済について一言申し上げます。
 グローバル化もあり、社会構造が劇的に転換しております。世界で戦う企業をいかに支援するか。成長産業を決めるのは、国ではなく市場です。そのためには、規制の緩和や特区制度をより一層活用し、従来型の政策でなく、内需、消費をいかに増やすか、個人の可処分所得を増やすとともに、国民の将来に対する安心感、希望感を増すための政策が重要と考えております。
#18
○会長(鴻池祥肇君) 次に、石井準一君。
#19
○石井準一君 私の方は、持続可能な経済社会と社会保障の在り方について、参考人の方に働くことの意義と生活保護受給者が二百万人を超えたという現状について見解をお伺いをいたしました。
 私自身は、昨年三月十一日の発災を受け、国の基盤であるとか社会を支える原則は何なのかなということを改めて考えさせていただきました。これは、やはり日本人が元々持っている自治精神が大きな基本となるということに気付かされたわけであります。この自治のできないものを国や政治がしっかりと補っていく、これは日本人が元々持っている心、美徳だとも言われております。この美徳こそ国際社会から称賛、支援が送られる大きな要因になったというふうに私は確信をしておるわけであります。
 だからこそ、日本人にとって大切なことは自助、自立であると。まずはしっかりと自立をし、自らの足で立ち、お互いの立場を認め合い、仲よく助け合って生きていく、そうした日本人の心を大切にしていく心の教育がやはり大切であるなということを痛感をさせられました。
 この中で、やはり労働の意義ということは、やっぱり働き方に大きな要因があるということを気が付かされたわけであります。遠い昔は、物的欠乏から自由になるための、生存のための労働が確立をされたと言われております。その次には、貨幣獲得のための手段としての賃金労働としての労働。これから、今は私たちのこの豊かな生活は豊富な商品によって支えられると言われております。必要に駆られて働くということがなくなった社会において、人はどうして働くのか、こうしたことをしっかりと小さいときから教育の現場、社会でしっかりと認識をさせていくことの重要性を改めてこの調査会で感じ取った次第であります。
 だからこそ、今、日本に求められているのは、働き方や生活各方面にわたる豊かさの再定義をしっかりと認識をさすことの重要性を改めてこの調査会で感じ取った次第であります。
 以上です。
#20
○会長(鴻池祥肇君) 次に、牧山ひろえ君。
#21
○牧山ひろえ君 民主党の牧山ひろえでございます。
 あらゆる御専門の参考人の方々から貴重な御意見を数多くいただき、また製造業に携わる参考人の方々からも、最近の円高による製造の変化や円高のメリットとデメリットなど、貴重な御意見を賜りました。
 日本の物づくりにおける技術の優位性は、日本人の勤勉さ、手先の器用さなどの国民性で担保されてきたかと思います。特に、この円高・デフレの中で、今後も、物づくり産業を守るために、政府としても各種支援制度を考えていかなくてはいけないなと思っております。
 また、私は、皆様と一緒に先日、生活保護の方たちを支援するNPOの現場を視察してまいりました。皆様も御存じのとおり、生活保護は、世帯の一人一人の収入が合算されて、その合算した金額を基準に支給されます。世帯で一定の所得を超えないことが生活保護の受給要件となっています。そのため、生活保護世帯の子供が就職するときに、最近では正社員よりもフリーター、又は仕事の量も抑えておこうという現象がどうも起きているようです。
 日本の失業保険に関しても触れさせていただきたいと思います。
 現在、失業保険給付は月二回の面接あるいはセミナーのみが要件となっております。一方で、北欧では職業体験が失業給付の要件になっています。私が調べたところによりますと、職業体験が失業給付の要件になっている国ほど実際に就労に結び付いている率が高いことが分かり、それと同時に、日本のように面接のみが失業給付の要件になっている国は就労に結び付いている率が比較的低いということが分かりました。
 失業保険対象者と生活保護対象者、どちらにしても、国が直接、あるいは企業への働きかけによって間接的に中間的就労の場を与えるより一層の努力が急務だと感じます。
 高齢者雇用促進策のお話もありましたけれども、高齢者のみならず、離職している女性にも職場復帰していただき、即戦力としてあらゆる場で活躍していただけるようにしていきたいと思っております。
 日本各地で、被災地支援事業や、特に人材が不足とされている保育、介護、林業、漁業、農業などの分野についても、職業体験という場が実際にそういった分野への就労につながるようにしていくことが重要だと思います。そして、より多くの方々が働くことによって、税金や年金、各種保険料を納めるようになることにより、持続可能な経済、社会保障をつくれるのだと私は考えております。
 中間的就労の場の担い手として、また命を守ろう、苦しんでいる人を助けようと頑張っておられるNPOがたくさん存在します。御承知のとおり、四月から開始した新寄附税制、NPO法改正によって、より多くのNPOにこれを知っていただき、公益性の高いNPOには寄附控除の対象になれるように認定NPOとなっていただきたいと思います。
 今後の人口減少社会では、国や地方自治体で今までと同様の社会保障制度を維持することは難しくなるかと思います。そのときに、新しい公共という概念の下、市民、NPO、企業が公共サービスの提供主体となり、身近な分野においてお互いが助け合う共助の精神で活動する必要があることを最後に申し上げておきたいと思います。
 以上です。
#22
○会長(鴻池祥肇君) 次に、山崎力君。
#23
○山崎力君 私は、持続可能な経済社会、持続可能な社会保障と二つにかかっているわけですが、これをごっちゃにしているところがどうしてもあるなと思っております。やはり、経済社会というのは、これは今、我が国においてはデフレ対策でありますし、将来に対する我が国の産業政策をどうするか、あるいはそこにおける労働力対策をどうするかと、こういうふうに考えるべきであるし、社会保障というのは、持続可能な社会保障というのは簡単でして、要するに、財政的な裏付けのあるものでなければこれは絵にかいたもちであるという、これはもう古今東西、いわゆる慈善としての社会保障というものを、宗教的なものを含めて除けば、これはもうどこでも同じことだと割り切ることが必要ではないのかなというふうなのが先決でございます。
 いろいろ御意見いただきましたけど、専門家の話、確かに聞くともっともなんですけれども、二人の専門家の話が結論が違っているのに両方とももっともだと聞こえるのは、これはどうしても、私の頭の程度の問題なのか皆さん方の程度がいいのか、その辺がよく分からないところがございますし、製造業の方は成功体験ということでいけば、皆さんそうだったらこんなにみんな国が苦労しないのにねというのは、どうしても、斜に構えて物の見方の私の欠陥だと思いますが、そういうところがあろうかと思っております。
 一つだけといいますか、二つ最大の問題点は、日本の社会がかつて言われていたような働かざる者食うべからずと、これは違った意味がありますけれども、そのことを忘れているんではないかということが一つ。それから、子宝といいますか、子は財産である、孫子のためという表現が本当に形骸化されている。子供がいなくても、結婚しなくても、社会的に何ら、もちろんこれは非常に行き過ぎがあるわけですけれども、そういったものがある種の健全性がなくなったところに人口減少社会があり、当然です、子供がいなければその分の給料でぜいたくな暮らしができるわけです。そのことさえ諦めればいい暮らしができる。
 そういったことを脇に置いておいて、子供ができないというかつくれない、生活できないという人たち、どうやって出てきたのか。二つしか考えられません。一つは、子供が要らないという人たち、もう一つは、そういう子供が育てられなくてもいい給料を払っていかなければ企業が世界経済の中で成り立っていかないからという自己肯定の議論で、結果としてこういうことをやっている。まさにそれは企業における合成の誤謬が日本社会において今現在進行中であると。それを幾ら取り繕ったところで、これはもうどうしようもない、理論的にそのことを解決することはできないというふうに私は思っております。それだけ危機感があると思っております。
 そこで、私自身、最後のところでいけば、具体的な話でいけば、将来的には年金と生活保護のこの一体化、特に老齢者に対する一体化をどこの時点かで踏み切らなければ、これは日本の将来はないというふうに思っております。そして、生活保護においても、先ほど出ましたけれども、いわゆる若手の方、それから身体障害者の方、老人の方、これを明らかに区別して運用していかなければいけないであろうと。
 そして、最後に、それを全て賄うことの背景は、財源をどうするか。すなわち、普通に働いている人たちがこういった人たちに自分たちがどれだけのお金を出すことを肯定するかしないか。これは個々の人たちの価値観に関することですけれども、それを政治の場でどうやって体系化するか、これが我々に現在問われていることではないのかなというのを今まで感じておりました。
 以上です。
#24
○会長(鴻池祥肇君) 次に、広田一君。
#25
○広田一君 民主党・新緑風会の広田一でございます。
 菅政権時代、随分前のような感じがいたしますけれども、そのときに強い経済、強い財政、強い社会保障、こういったことを打ち出したところでございます。ここでいう強いとは何なのか。答えはいろいろあろうかと思いますけれども、私は、その答えの一つは、強いとは試練を乗り越える力だというふうに思っております。現在、経済は円高・デフレという試練、財政は国、地方合わせて借金一千兆円という試練、社会保障は年金不信、医療不信という試練、こういったこれら試練を乗り越える力が今の政治にあるか、このことが問われているんだろうというふうに思います。
 その上で、足下、現場を見ますと、私のふるさと高知県は、高齢化率は二八・八%で全国第三位、県民所得は何と二百一万円で全国最下位でございます。製造品出荷額は四千六百八十億円と、これまた全国最下位と、言い換えれば、日本の抱える課題先進県でございます。しかしながら、別にこれは、私、卑下をしているわけではございません。むしろ県民性は明るうございまして、よさこい祭りであるとか、毎晩酒も飲んでおりますし、幸福度という点では高いのかもしれません。
 そして、私たちはそのことを逆手に取って課題解決の先進県としての取組を進めているところでございます。例えば、地域コミュニティーの再生・強化と雇用創出という視点で、子供から高齢者まで、年齢や障害の有無、そういったことにかかわらず、小さいけれども、小規模だけれども一か所に集まって必要なサービスを受けることができる、あったかふれあいセンターというものを整備促進をしております。これは平成二十二年度だけで県内で三十九か所、それに伴って雇用が百十三名新規雇用が増えたところでございます。今はこういった取組を国の制度にするように提言をしているところでございます。
 つまり、私が申し上げたいのは、持続可能な経済社会と社会保障の在り方を考える場合、特に地方においてはこういった地域コミュニティーの維持強化の視点が重要であるということを申し述べたいというふうに思います。
 最後に、段々のお話の中で、防災・減災対策等、東日本大震災を踏まえてのお話がございました。東日本大震災のとき、私は防衛省の方でこの事態対処をさせてもらったところでございますが、僅か一週間で当時自衛隊が十万五千人規模で現地に派遣することができたのは、それはまさしく命の道として高速道路、くしの歯、これが生きていたからであります。これがなかりせば、あのような展開はできなかったと考えます。
 その意味でも、命の道造りを始めとするこの基盤整備というものは、これからの私たちの社会を考える上では大変重要なことだということを申し述べて、私の意見に代えさせていただきます。
#26
○会長(鴻池祥肇君) 次に、寺田典城君。
#27
○寺田典城君 みんなの党の寺田でございます。
 持続可能な経済社会と社会保障ということなんですが、この社会保障の後継ぎがいるのかいないのか、それをサポートする若い人方の問題も含めての取上げ方をするんですが、今、高齢化時代ですから、もちろん高齢者のエネルギーを活用しなきゃやっていけないと。定年延長というレールも今引かれてきております。法的にもそのような形の方向性になってきていますが、社会保障費は百兆円も超えて、毎年一兆円も増えていると。ですから、ある面では、対策も高いし、今、税と社会保障という問題にもなっていますし、また政治的に声も高いし、若い政治家まで社会保障、社会保障と走っているような形なんですね。
 ところが、若者は学校というレールを出て、高等学校でも大学でもそうなんですが、レールを出てワーキングプアになる方々、非正規雇用というのは今二〇%とか三〇%いるというような社会です。その人方が将来、若者が要するに幸せを求めることができる社会というのは、ある面では持続可能な経済社会という、それから社会保障のサポーターでもあるということも事実じゃないかなと思うんですね。
 そうしたら、どのようなことをしたらいいだろうということなんですが、私は、高齢者のエネルギーを若者のスキルアップというんですか、能力開発も含めて、そういう社会システムをつくる必要があるんじゃないかと、私は率直にそう思います。
 例えば、アメリカでは、コミュニティーカレッジとかということで一年に五十万ぐらいずつ十年間、オバマさんがスキルアップのための職業能力の公的な学校を今、ずっと昔から、一九〇〇年ころからですか、コミュニティーカレッジというのは。日本型のコミュニティーカレッジというんですか、ある面では、お年寄りというかリタイアした人方は教える楽しみ、それから若い人方は勉強する、スキルアップする楽しみ、こういうものがコラボレーションできるような社会システムを公的につくるべきだと。
 もちろん、リタイア、学校の先生なり公務員でもいいでしょう、それから企業で能力ある、技術持った人でも、そういう人方が職業能力学校みたいなボランティアで出て若者を引っ張り出して、そういうシステムをつくって、一割でも二割でも若者が社会に幸せを求めて、それから税金も納められる、それから年金も納められるレベルに達するように、そういうことが私は今、具体的に私たちのこの政治の世界でできることじゃないのかなと、そのように思って、私からは提言させていただきます。
 以上でございます。
#28
○会長(鴻池祥肇君) 梅村聡君。
#29
○梅村聡君 民主党の梅村聡です。
 今日は、持続可能な経済社会と社会保障の在り方ということですけれども、まず、ここ数年、社会保障の分野がよく言われることが、国の負担という見方と、それからもう一つは、雇用の受皿で経済波及効果が大きいんだと、そういうことがよく議論をされるんです。私も、例えば国会図書館ですとか、あるいは経済学者の皆さんにも、本当にそういう事実があるのかと。具体的には投資を社会保障に対して増やしたときに、その投資額に見合った雇用なり経済波及効果があるのかということを調べると、実は日本全体としてのはっきりとしたエビデンスを示していただけることというのはなかなかないんですね。
 つまり、ある市では道路工事とこういう社会福祉と施設を造ったときにはこういう雇用の差が生まれましたという局地的な話はあるんですが、この日本国全体のエビデンスというのがもう一つ薄いんですよね。つまり、これ、もちろん概念としては理解はできるんですけれども、検証していくということがまだまだ弱いんではないかなと思っています。
 具体的には、社会保障であっても、どういうビジネスモデルに対して公的資金を入れることがよくて、こういうビジネスモデルに対しては民間に任せた方がいいという、その線引きというか切り分けということがまだまだコンセンサスが得られていないんじゃないかなと。逆に言えば、先ほどコンクリートから人へという話がありましたけれども、もしそれを行うのであれば、どの分野でそれを集中的に行っていくのかということをもう少し私は具体的に検証していく必要があるんだと。それなしに、社会保障だからこれは雇用なんだ、税収なんだということの大ざっぱな議論から少し抜け出していく必要があるんじゃないかなと思っています。
 具体的に言えば、例えば介護というのは、これは介護保険はありますけれども、しかし、現実的には営利が入ってくる世界なんですね。医療というのは、これは自由診療もありますけれども、原則的には非営利であると。ところが、医療と介護が現場では出会うわけですから営利と非営利のせめぎ合いになってくると。じゃ、具体的にどういうモデルがいいのかということを、これ、介護保険というのは歴史は十年しかないんです、医療保険というのは五十年あるわけですから。ですから、こういった具体的な分野分野の検証ということをこれから行っていくことが必要ではないかなと考えております。
 それから、先ほどから生活保護の話も出てきております。
 これは、一つ考えなければいけないことは、これ、どうして今話題に上っているのか。もちろん、昭和二十五年の制度以来、受給者が二百九万人という過去最多を更新したという面もあるんですが、しかし、もう一つ大きなことは、国民の中で非常にその不満といいますか、納得ができないという声が多いことがやっぱり一つ大きな課題なんだと思っています。
 余り具体的な金額の話をするのもどうかと思いますが、国民側の意見は、年金は毎月一万数千円を四十年間払い続けても基礎年金が六万五千円だと、住宅扶助も含めれば、生活扶助、合わせると、じゃ、都市部が十三万円だと、どうして二倍の開きがあるのか、これが純粋な国民側の意見です。
 これに対して、政治も行政もこれまでの説明は、年金は保険だと、それから生活保護はナショナルミニマムだと、それから最低賃金というのは労働基準法の中で定められる基準なんだと、こういう説明をしてきたんですけれども、しかし残念ながらそれはやっぱりプロの議論でして、納税者たる国民からいえば、それは行政側の、仕組みの側からの説明であって、我々の納得というところの心には響いてこないと、こういうことなんだと思うんですよね。
 先ほどもお話しいただきましたけど、私は、やはりこの生活保護の問題、今、四五%の受給者の方が六十五歳以上の高齢者であります。じゃ、この高齢者と生活保護がなぜ結び付くのかと。これは、低年金であったり無年金の問題と切り離せないわけですね。そうしますと、やはり年齢で区分するということの是非はあるかと思いますが、六十五歳以上の方の低所得者対策、生活保護対策と六十五歳未満の方とは、これは一定違う仕組みであることはしかるべきであるし、それから年金政策との整合性ということも取っていかなければならない。そう考えると、社会保障の政策の決定の仕組みをやっぱり見直していく時期にあるのではないかなと。こういった一つ一つの具体的な議論ということをこれから是非与野党垣根を越えて行っていきたいと思いますし、また、この調査会でも具体論を取り上げる機会を設けていただければと思っております。
 私からは以上でございます。
#30
○会長(鴻池祥肇君) 次に、秋野公造君。
#31
○秋野公造君 公明党の秋野公造です。
 意見を申し上げたいと思います。
 我が国の社会保障が雇用に密接に連携した仕組みとなっている以上、社会保障を強化するためには力強い雇用が前提になると思います。現下の雇用問題は大変深刻ではありますが、まずは将来の社会保障を支えるためには、担い手を増やすという意味でも次代を担う青年の雇用を守り行くということが重要であるということは、駒澤大学の飯田参考人の質疑でも明らかになったと思います。
 すなわち、青年の雇用が将来の社会保障の強化につながるのであれば、青年の雇用につながり得る人材育成、雇用の受皿となる、雇用を創出する景気対策を早急に行う必要があります。青年に力を注ぐことは社会保障への先行投資であるという観点を忘れてはならないと思います。
 私事になりますが、昨年十二月の一日に厚生労働委員会で提案をしましたトライアル雇用と有期実習型訓練の併用制度が、すぐに、十二月十四日、実現をいたしまして、平成二十四年三月末の時点で七十一社が計画策定をしたということを聞きました。青年に対する人材育成の重要性というものは、ダイヤ精機の諏訪参考人、ニトリホールディングの似鳥参考人、ダイキン工業の中川参考人も御指摘をしていましたけれども、正規雇用へ向けた実習制度を通じて企業と青年が適性を確かめながら技術を身に付ける制度を拡充するということは本当に重要だと思います。また、せっかく身に付けた技術が役に立たなくては何の価値も生まないことから、職業訓練と新成長戦略とのマッチングを早急に行う検討をすべきだと思います。
 そして、青年における社会保障についても一つ述べておきたいと思います。
 非正規労働者が増加している現状を踏まえますと、非正規労働者に対する社会保障の在り方を考えなくてはなりません。年金の話はありましたが、保険制度の安定化についても付言をしておきたいと思います。
 公明党の九州青年会議、青年局の調査では、非正規労働の青年は、低賃金であるにもかかわらず、同じ医療を受けるために高率の保険料を負担しているという実態が浮き彫りになりました。かつては自営業者のための保険が、非正規労働の青年又は退職後の高齢者のセーフティーネットとして性格を変えてきていることに留意をすべきであります。
 もう一つ弱い保険として、次のセーフティーネットである、先日の予算委員会で中小・小企業の従業員が加入する協会けんぽの財政も深刻であることを指摘し、政府による社会保障・税一体改革大綱の中で検討すべきであると総理に求め、総理から、はい、分かりましたと答弁をいただいたところです。
 まとめますと、非正規労働の青年にとっては痛手となる保険料の値上げが続いている国民健康保険と協会けんぽの財政安定化を図り、国民皆保険制度を守ることも、セーフティーネットの観点から社会保障の在り方を考える上で必要不可欠であると。年金ばかりに注目するのではなく、社会保障のもう一翼である保険制度の強化へも注目をして力を入れるべきであるということを申し上げたいと思います。
 そして、強い経済を考える前に地方分権や道州制の議論については丁寧に行う必要があるということを藤井参考人からもおっしゃっていたことを指摘しておきたいと思います。
 強い国土軸を形成する必要性が求められている現状で、地方分権をやみくもに財源移譲という観点だけで行うならば、例えば人口百万人くらいの都道府県では必要な社会インフラ整備は事実上不可能であると、結局は国土構造の分散化というものはできなくなることが懸念をされます。さらに、国による地方交付税の持つ財政均衡機能を失わせることは、結果としてEUにおけるギリシャのような経済破綻を国内に招く危険性を指摘されていることを考慮するならば、やみくもな権限移譲、財源移譲が果たして強い経済を実現するために資するかということは常に検討が必要であると思います。
 社会保障も同様だと思います。年金や保険の一元化に対して努力がなされている環境で、社会保障を道州制、地方分権の議論だけに委ねてしまうのであれば、ナショナルミニマムを失った地方ごとの社会保障制度を創設することにつながってしまいかねず、これは民意と逆行するということを留意しておかなくてはならないと思います。
 その上で、ニーズを踏まえた経済対策が必要です。政府参考人質疑においても、介護、例えば特養待機者四十二万人、子育て、潜在待機児童八十四万人の解消は社会の必要性を埋めるだけでなく景気対策につながるのかとの問いに、政府参考人は同意をいたしました。ならば、景気対策として介護施設、保育施設を増加させ、医療・介護従事者、保育従事者の増加を図ることは理にかなっていると思います。
 災害対策も同様であります。先ほどからもお話ありました、国土を守る安心、安全な社会インフラを再構築することは非常に重要であり、我が党も防災・減災ニューディールを提言しているところであります。そのことがデフレ脱却の第一歩となり、持続可能な経済社会を構築するための前提条件となると考えるからです。
 デフレ脱却へ向けて、成長戦略を着実な実行を含め総力を挙げて、強い経済、そして強い社会保障の構築に取り組んでいくべきことを申し上げて、意見といたします。
 ありがとうございました。
#32
○会長(鴻池祥肇君) 次に、高橋千秋君。
#33
○高橋千秋君 会長、ありがとうございます。民主党・新緑風会の高橋千秋でございます。
 昨日、総務省が発表した統計によりますと、昨年十月一日時点での人口が一億二千七百七十九万九千人になったと。一年で二十五万九千人、〇・二%減ったという、この減った率は統計上初めての大幅な数字になったと。
 二十五万九千人というと、私の住んでおります三重県津市が二十九万人でございまして、それでいうと県庁所在地の一つがぽつんと一年でなくなってしまったというような、大幅な数がこの一年で減っているわけで、私は、この人口問題というのは経済社会そして社会保障全ての部分に大きな影響を与えてくるんだということは、これはもう皆さんも認識をされていることだろうというふうに思います。
 私は、議連として人口問題議員懇談会というところの事務総長をさせていただいておりますが、これは会長が福田康夫さんでございますけれども、これは、人口問題という視点でいろいろな途上国の支援をどういうふうにしていくのか、アフリカなどは人口が爆発的に増えて、子供たちは死ぬために生まれてくるというような現状がある中で、どうやってそういう方々を支援していくのかということを中心に、これは福田赳夫さんの時代から続いてきた歴史のある議連でありますけれども、そういうことをやってきましたが、今我々は、この日本で人口減少に対してどういう対応をしていくのかということも同時にやっぱり考えていかなければならない。
 それは、過去に世界の中で初めての、戦争だとか災害だとか、去年は災害があって多くの方が残念ながら亡くなられて、この二十五万九千人減ったという中にも入っているわけでありますが、過去の歴史の中で自然減という形で減ってくるというのはモデルがないわけで、今、日本人に求められているのは、このモデルのない中で日本がどういう乗り切り方をしていくのか、世界から大変大きな注目を浴びているんだろうというふうに思います。
 持続可能な経済社会をつくるということは、それはひいては持続可能な社会保障をつくるということと同義だろうというふうに思いますけれども、近年、コンピューターを含めデジタル化が進んでいる中で、産業が、あっという間にその最先端を行っていたところが一気に抜かれてしまうということが発生をしてきています。これを見ると、私たちは、今までの成功体験というのはそのまま参考にならないんだろうというふうに思います。やはり、私たちは今、何が問われているかというと、過去の成長体験、そして成功体験をやはりどこかで忘れて、新たな課題、先ほど高知県の話がありましたけれども、課題をどうやって解決していくのかというモデルに大幅に変えていくために、様々な政策や補助のシステムや地方分権の在り方や、そういうことについても大きく切り替えていくときに私たちは来ているのではないかなというふうに思います。
 いろいろな方々から、国土をきっちりとつくっていくということは、これは私も賛成であります。私の地元でもまだまだ大変なところがたくさんあって、国道が通っていないところもありますし、その意味ではまだまだインフラ等も解決をしていかなければなりませんけれども、課題解決というのはどこなのか。それは、一つは医療や介護であったり水の問題であったりインフラの問題であったり、いろいろなことがあると思いますけれども、その課題解決の国にしていくんだという、それが一つの成長戦略にもなっていきますし、私たちが今転換しなければいけないそういう問題ではないかなというふうに思います。その意味で、今、日本人が問われていることに対して、党派というよりも日本国民全員が今問われているんだろうと思います。その意味で私たちも精いっぱい頑張っていきたいと思います。
 最後に、先日、私たち民主党の中で勉強会で聞いた中で、サザエさんの話が出てまいりました。サザエさんの出てくる波平さんは何歳ですかという問合せがあって、波平は実は五十四歳だそうです。私は昭和三十一年生まれで五十五歳で、波平より年上になってしまいました。奥さんのフネは五十一歳だそうです。あの漫画ができたのは一九五六年、私が生まれた当時でございます。その当時の人口が一億人、今から四十年たつと日本の人口はその当時と同じ人口になります。しかし、人口構成が当然変わってきます。そういう中で今我々がやらなければならないこと、それは成功体験を離れて新たな社会をつくっていくということが大変重要なんじゃないかということを申し上げて、私の発言とさせていただきたいと思います。
#34
○会長(鴻池祥肇君) 次に、義家弘介君。
#35
○義家弘介君 自由民主党の義家弘介です。
 今まで参考人の皆さんから様々な意見を聞きながら考察してきましたが、本日の委員各位の意見、これが私自身、一番胸に届く、なるほどなと具体的に感じるものであろうと、机上の論理ではなくて、日常、有権者と接しながら様々なことを考えていることの証左でもあろうと思っています。
 持続可能な経済社会と社会保障、これは、今成功体験を脱して新しいモデルをという話をしましたが、私も全く同様であります。
 例えば経済、これも、特に両方を支えていくのはいずれにしても人なわけですから、人づくりがこのものの根幹になければならないわけですが、過去の企業は、これからどんどん伸びていくという状況の中で、企業が人づくりを支えてきてくれた、企業が若く入った若者たちを一人前の職人あるいは一人前の企業人として育てていってくれたと。社会保障もまた、伸びていく社会の中でつくられてきた保障ですから、当然行き詰まっていくことも同様であろうと。ならば、今どういう人間を公教育でつくっていくのか、この部分にしっかりと光を当てて進めていかねばならないと思います。
 その意味で、私は、小林委員の、専門高校、農業高校をどうするのか、商業高校をどうするのか、あるいは高専、あるいは工業をどうするのか。これは、私も塾で教鞭を執っていた経験もあるんですが、残念ながら、現在の高校受験の場合は公立の進学校に行けない子の選択肢としてしか専門高校の位置付けがないという非常に残念な状況が生み出されています。本来は、この分野で僕は勝負してやると、この分野で学んでいくんだというふうに選択が行われるべきはずなわけですけれども、それは専門高校の魅力がないのか、あるいは受験指導の問題なのか、あるいは親の意識の問題なのか、こういうところを考えていくべきであろうと思っています。
 私、横浜市で教育委員をしていた折にスーパーサイエンス高校というのをつくったわけですけれども、今年の春、初めて卒業生を出しましたが、とにかく理系に特化した、まさに実験も含めた、徹底的にそういう教育をしていきますよという教育で、初めて卒業生が出ましたが、多くの学生が驚くほど頑張ってくれて、東大も始め様々なところに僅か三年間で進学していく。つまり、モチベーションの問題で、そこでどう伸びていくかということを是非、そういう学校整備というものを公教育の中でつくり上げていくことが大切であろうと思っています。
 また、学校で行われている現在の、例えば中学校の職業教育においてですけれども、私は、これは効果はあるかもしれませんが、実際に子供たちに聞くと、余り身になっていないことも多いなと思えてならないことがあります。一年目のときは一生懸命なんですが、二年目、三年目になると、どこの企業に体験に行ったら楽だよとか、どこに行ったらおいしい思いができるよとか、先輩からのもので、そういうところの倍率だけが高くなっていって、一部は嫌々行っていると、困っているのは先生だけというような状況にもなっていると思います。
 やはり、親の職業をしっかりと学び感謝する、あるいは学校の先生たちの背中を見て成長していくということが大事なわけですが、やはり私の発言ですから、必ず出てくるわけですが、日教組の問題ですね。一番近くの働いている担い手である先生たちが、職務命令には従いません、学習指導要領を守らなければならないんですけど、我々のイデオロギーと違うからそれは教えられません。あるいは、違法な選挙活動をしたり、主張すれば労働条件のことばかりと。こういう背中を見て育った子供が社会に出て企業に就職したって通用するわけないわけですね。まさに、日教組の皆さんが身を正していただいて、我々は教育専門職の人間なんだと、子供たちに一番近くに働くということをしっかりと教える人間なんだという、そういう教育の再生、教育の正常化もまたやはり私は求めていかなければならないことの一つではないかなというふうに思います。先生によって人生は変わる、これ、私の人生もそうでありましたけれども、そういう師というもの、これをどう公教育の中でつくっていくのか、信頼を取り戻していくのかということも非常に重要なことでありましょう。
 そしてまた、もう一つ最後に、責任というものをどう子供たちに教えて社会に出していくのか。親は様々なものを我慢して子供たちに最高の教育を受けさせたいと一生懸命応援してきたわけで、その親の思いにこたえるためにも、いや、やること見付からないから取りあえずプータローでいいやなんていう無責任な感覚に対してはノーというふうに言える、そういう強い大人、良識ある大人の存在、これもある意味必要になってくるであろうと思っております。
 私からは以上であります。
#36
○会長(鴻池祥肇君) 小西洋之君。
#37
○小西洋之君 民主党・新緑風会の小西洋之でございます。
 私からは、調査項目のうち、特に持続可能な社会保障の在り方についてある具体的な法制度の提案を申し上げたいと思います。具体的には、医療分野に医療の基本法、医療基本法を作るという御提案でございます。
 まず、その必要性でございますけれども、教育基本法、環境基本法といった我が国の国政の重要政策分野には約四十以上の基本法がございますけれども、そのうち医療分野にだけ基本法がございません。我が国の医療が一体何のためにあってどうあるべきなのか、その基本理念を定める基本法が医療にだけはないと。我が国の医療が目指すべきもの、それは、憲法二十五条あるいは十三条が指し示しております、救えるはずの命あるいは守れるはずの健康が守れるようなそうした医療の提供体制を実現すること、あるいは、病気になってもそれと寄り添いながら人生あるいは社会生活を尊厳を持って全うできるようなそうした医療が実現できること、それを我が国の憲法は我々国会議員にそうした制度をつくりなさいと命令しているというふうに理解しております。
 こうした医療を実現するためには、医療基本法におきまして、国民皆保険制度に基づく医療資源の公共性、あるいは患者参画、あるいは保険者の役割の一層の強化といったその運用の民主制、あるいは医療従事者の方々と患者、国民が相互信頼の下に共同作業として医療を実現していくような提供体制の構築、さらには、本来であれば医療を支える制度として不可欠である専門医制度、あるいは医療事故の調査の第三者委員会など、そうした様々な個別政策を実現していくために基本法が一般的な機能として持っているその計画体系、そうしたものでこうした制度を実現していく、そうした効果が期待できるところでございます。
 では、そうした医療の基本法が今日的にどういった意義を有しているかということでございますけれども、今、社会保障と税の一体改革、その提案を民主党は野党の皆様に申し上げているところではございますけれども、立場や御意見は違えど、そうした大きな改革の必要性があるということは恐らく皆様共通であろうかと思います。そうしたときに、我が国の十五年後あるいは二十年後の医療のあるべき姿を描いてそれを実現するための改革プランを考えたときに、それを実現する法律の枠組みが実は医療基本法そのものでございます。
 そうした意味で、医療基本法というのは、政策的にもまた今日の日本社会的にも、我が国の政治がまさに取り組まなければならない一丁目一番地の課題であるというふうに理解しているところでございます。
 こうした我が国の医療のグランドデザインそのものである医療基本法でございますけれども、現在、様々な患者団体あるいは最近は日本医師会が医療基本法の具体的な条文案を提案する、あるいは、先日も参議院議員を中心とする各党の方々が、六党の方々が集まったシンポジウムが開催されるなど、一定の社会的な動きが今広がってきているというふうに認識しております。
 本調査会は、二院制の下、我が国の国政の基本的事項について長期的かつ総合的な調査を行うことを目的といたしまして、平成七年には高齢社会対策の基本法をこの本調査会で提案し、成立させたというような実績もございます。あるいは、法律の成立までには至らなくても、様々な提案により、そうした立法あるいは行政改革などを実現させた実績がございます。
 是非、近々、本調査会でこうした医療基本法の必要性あるいはその有効性について一般的な調査を行うということで参考人を招くなどして審議を行っていただくことを御提案申し上げさせていただきたいと思います。
 ありがとうございました。
#38
○会長(鴻池祥肇君) 次に、関口昌一君。
#39
○関口昌一君 自民党の関口昌一でございます。
 本調査会は、三年間の調査項目を「持続可能な経済社会と社会保障の在り方」ということで、初年度は社会保障、二年目の本年度は経済を中心に調査を進めるということでありました。
 私、この本調査会の立ち上げ直後から、私としては、経済成長なくしては安定的な社会保障は確立できないという立場から一貫して意見表明してまいりましたけれども、我が国の経済、もう申し上げるまでもなくグローバル化の進展が進んで企業が国内外で厳しい競争にさらされる一方で、先ほど高橋先生からもお話がございましたけれども、昨年は二十五万九千人人口減ということで、これは一九五〇年の統計以来、過去最大の減少数、減少率ということで、急速な少子高齢時代になってきたと。さらに円高・デフレの進行、そして昨年の東日本大震災からの復旧復興、そして安定的なエネルギーの確保等の大きな課題を抱えておるわけでありまして、こうした状況の中においても、総合的な経済戦略を確立していくということが何よりも重要であるという観点から意見表明をさせていただければと思います。
 一つは、我が国にとって今後とも経済成長は不可欠であるということであります。我が国経済はバブル崩壊以来、長きにわたり経済が低迷した結果、もう経済成長は必要はないと、今ある富をみんなで分け合っていけばいいという一部の意見はあります。しかし、経済成長を続けることにより、もうこれは当たり前でありますが、国、地方において安定的な税収も確保されて、それが健全な財政や持続的な社会保障の土台となり、ひいては国民生活、さらには社会の安定につながるという経済成長の意義を忘れてはならないと思っております。今後とも、経済成長のための成長戦略を策定して、その実効性を高めることが政府、もちろん我々国会議員の重要な責務であると考えております。それが一点目であります。
 二点目は、グローバル化が進展して海外で活躍する企業、また日本人が増えていく中で、経済成長の指標を国民総生産、GDPから国民総所得、GNIに切り替えていく必要があるのではないかということであります。
 近年、我が国の国内総生産は伸び悩む一方、海外からの利益、また配当を含む国民総所得は国内総生産を上回る伸びを示しており、今後ともグルーバル経済の進展が避けて通れない中、我が国の経済政策の基準となる指標を国内だけの指標にとどめるのではなく、海外からの収益を含めた指標に変更することが必要であると思っております。こうした海外投資収益を国内に還元するためには、その収益に対する課税の在り方も重要になってまいります。平成二十一年度の税制改正では、海外子会社からの配当についての使途を限定せずに原則非課税とする制度が導入されました。私は、これからの海外からの収益が国内に安定的に還元される前提となっていると考えておることから、こうした税制上の措置についても、今後とも継続する必要があると思っております。
 最後に、企業の海外への投資と国内雇用の確保の関係について発言させていただきます。最近、有力になっている見解は、企業の海外移転は国内雇用を縮小させると思われておりますが、そのような行動が逆に国内生産活動を誘発して、国内に新たな需要、雇用を生み出す、すなわち企業本社や研究開発拠点は日本に置きながら、汎用部品は海外で製造して、そこで得た配当や技術料は日本に還元するという企業を増やすべきであり、それが日本の経済成長につながっていくという考え方であります。
 このような考え方は注目に値するものでありますが、だからといって日本の産業全体を全てグローバル化すればいいというのは短絡に過ぎるのではないかと考えております。確かに、産業分野においては、企業のグローバル化が我が国の分配の原資を獲得して国内の雇用の確保や賃金の改善につながるものもあろうかと思います。そのためのグローバル化は必要であり、グローバル化に対応できる人材育成も急務であると考えております。しかし、産業のグローバル化をどこまで進めるか、分野ごとに国益を踏まえた慎重かつ十分な検討が必要ではないかと私は考えております。
 以上三点について、意見表明をさせていただきました。
#40
○会長(鴻池祥肇君) 西村まさみ君。
#41
○西村まさみ君 会長、ありがとうございます。民主党の西村まさみでございます。
 持続可能な経済社会をつくり出すには、働き方、また医療、介護の二つの視点について申し上げたいと思います。
 厳しい経済・雇用環境状況を反映して、近年、本当、雇用者全体に占める非正規労働者の割合が高まり、総務省によれば、昨年三五・二%と、過去最高の水準を記録しました。とりわけ、消費性向が高い十五歳から二十四歳、そして二十五歳から三十四歳という若年層でのその上昇幅が大きくなっています。当然ですが、このままいけば、経済はデフレの長期化、社会保障制度そのものの維持が困難となっていきます。性別、年齢、そして障害の有無、また子育てや介護といったことの環境にかかわらず、誰もが生きがいを持って働ける環境の整備が必要となります。
 例えば、私事ではありますが、私も開業医として地域医療に貢献しながら、三十八歳という年齢で子育てが始まりました。本当に出産前日まで診療して、また出産後は二か月をたたずして保育園に入れ、また幼稚園の年齢になってからは保育園と幼稚園のリレー保育、そして小学校へ上がってからは学童クラブと。本当に多くの皆さんに支えられ、協力してもらい、今現在子育てをしています。
 しかし、誰もがその環境を持っているわけではない、ここのところが大変大きな問題であり、何としても子ども・子育て新システムをしっかりと構築して、社会全体で例えば子育てをしている皆さんを支援していくということが必要ではないかと考えています。
 本年二月に閣議決定されました社会保障と税の一体改革の大綱の中でも、貧困・格差対策の強化を打ち出し、そこでは全ての人に自立した生活の実現に向け、就労や生活の支援、そして消費税の引上げによる低所得者への負担に配慮してきめ細やかに配慮する、また短時間労働者への厚生年金、健康保険の適用拡大、低所得者対策の強化に取り組むこととしています。こうした政府の取組や政策をより早く実現させ、働くことが真に幸せと言える社会をつくるということが必要であります。
 次に、医療や介護の分野につきましては、高齢の方が増え、患者そして要介護を必要とする方々が増え続けていくことが見込まれていますが、支援を必要とする人の立場に立ったシステムを整え、その人にとって最適な医療や介護サービスが受けられるようにすることが必要となっています。
 国民皆保険によって、国民全てが平等に医療を受けられるような制度によって、日本は世界最高の健康水準を維持しています。しかし、将来にわたってその必要な給付を受けることができるような持続可能な保険制度としていかなければなりません。大変今大きな転換期に来ていると思います。
 そんな中、少子高齢化、雇用基盤の変化、医療の高度化が進む中で、今後の医療・介護保険財政が大変厳しくなっていくことはこれはもう避けられることではありません。必要なサービスが受けられない事態にならないよう、より多くの皆さんの納得できる公平性に配慮したシステムを構築していくことが何よりも必要なことであると感じています。
 最後に、私個人としましては、今までの日本の強みを生かして、これを世界に発信していくこと、これが日本の経済の成長の起爆剤になると考えています。
 今までの日本経済は、高度成長や右肩上がりの成長のように横に広がるパイに乗じて拡大していく成長を求めてまいりました。しかし、これからは、安定した成長を手に入れるために、縦の成長というものを求めていかなければならないと考えています。縦の成長とは、日本、日本国民が古来から有している独自の知恵や応用力、そして、ダイヤ精機の諏訪参考人の意見にもありましたように、物づくりの歴史というものをしっかりと生かして、経済成長や激しい競争の中で日本が手に入れた高い技術力、発展力をグローバル社会の中で大いに生かし、それを世界に発信し、そして何より日本が世界でオンリーワンの道を歩み続けるということが大変重要であるということを申し上げまして、意見とさせていただきたいと思います。
 ありがとうございました。
#42
○会長(鴻池祥肇君) 次に、金子洋一君。
#43
○金子洋一君 会長、ありがとうございます。民主党の金子洋一でございます。
 先ほど関口先生からもお話がありました経済の成長につきまして意見表明をさせていただきたいと存じます。
 現在の我が党の政権では、新成長戦略を打ち出しました。名目三%、実質二%という努力目標を掲げまして、その実現に全力を挙げるという立場で取り組んでおります。しかしながら、この名目三、実質二というのが高過ぎるという御意見、御感想をよく承るんです。ところが、これ、先進国で見ますと、名目三%というのはこれはもう先進国中最低の成長率、実質二%というのは、先進国の平均をこれはまだ下回るという程度の数字になっております。決して不可能な数字ではありません。最初からこれを諦めてしまうというのは、これは全く残念なことであろうと考えております。
 では、どういうふうな形でこの名目三、実質二という数字を実現をしていくのか、そしてなぜこれが難しいと言われているのかということについてでありますけれども、これはお隣の国、韓国と比較をしてみるとよく分かるのではないかと思っております。例えば、もう一か月、二か月前になりました、エルピーダメモリが破綻を迎えてしまいました。主に韓国のサムスン電子と競争が全くできなかったというのが大きな原因だろうと思います。しかし、サムスン電子というのはこれはもう韓国の国策企業でありまして、法人税は極めて安い、所得税も安くしてある。かつ、その上に、何よりもウォン安をもってバックアップをされておりました。韓国は、中央銀行のバランスシートを拡大するなどして自国通貨を安くする、そして輸出を楽にするという政策を取ってまいりました。
 人口減少社会に入っているという点では韓国も日本も同じであります。なのに、韓国にはできて、なぜ我が国にできないのか。この点についてじっくり我が国でも考えていく必要があるんだろうと思いますし、この面、まだまだ我が国政府、そして中央銀行、努力が足りない。民間企業は全力を挙げて取り組んでいると思いますが、政府と中央銀行が真面目にやっていないという御批判は、これは甘んじて受けなければいけないと思います。こういったことを申し述べさせていただきまして、意見表明とさせていただきます。
 ありがとうございました。
#44
○会長(鴻池祥肇君) 以上で各委員からの意見表明は終わりました。
 まだまだ御意見もあろうかと存じますが、予定の時刻も参りましたので、委員間の意見交換はこの程度にとどめたいと思います。
 委員の皆様方からは大変貴重な御意見を賜りまして、誠にありがとうございました。
 本日伺いました御意見を踏まえまして、理事の方々とも十分協議の上、中間報告書を作成してまいりたいと存じます。
 本日はこれにて散会いたします。
   午前十一時二十七分散会
ソース: 国立国会図書館
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