くにさくロゴ
2012/06/18 第180回国会 参議院 参議院会議録情報 第180回国会 環境委員会 第6号
姉妹サイト
 
2012/06/18 第180回国会 参議院

参議院会議録情報 第180回国会 環境委員会 第6号

#1
第180回国会 環境委員会 第6号
平成二十四年六月十八日(月曜日)
   午前十時一分開会
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         松村 祥史君
    理 事
                小西 洋之君
                小見山幸治君
               北川イッセイ君
    委 員
                池口 修次君
                輿石  東君
                谷岡 郁子君
            ツルネン マルテイ君
                徳永 久志君
                舟山 康江君
                小坂 憲次君
                鈴木 政二君
                谷川 秀善君
                中川 雅治君
                加藤 修一君
                水野 賢一君
                市田 忠義君
                平山  誠君
                亀井亜紀子君
   委員以外の議員
       議員       福島みずほ君
   衆議院議員
       環境委員長    生方 幸夫君
       環境委員長代理  近藤 昭一君
       環境委員長代理  横山 北斗君
       環境委員長代理  田中 和徳君
       環境委員長代理  吉野 正芳君
       環境委員長代理  江田 康幸君
   国務大臣
       経済産業大臣
       国務大臣     枝野 幸男君
       環境大臣
       国務大臣     細野 豪志君
   副大臣
       内閣府副大臣   吉田  泉君
       環境副大臣    横光 克彦君
   大臣政務官
       内閣府大臣政務
       官        園田 康博君
       環境大臣政務官  高山 智司君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        山下 孝久君
   政府参考人
       内閣府大臣官房
       審議官      佐々木克樹君
       内閣府原子力委
       員会委員長    近藤 駿介君
       内閣府原子力委
       員会委員     尾本  彰君
       内閣府原子力安
       全委員会委員長  班目 春樹君
       資源エネルギー
       庁電力・ガス事
       業部長      糟谷 敏秀君
       資源エネルギー
       庁原子力安全・
       保安院首席統括
       安全審査官    山本 哲也君
       環境大臣官房長  谷津龍太郎君
       環境大臣官房審
       議官       奥主 喜美君
       環境大臣官房廃
       棄物・リサイク
       ル対策部長    伊藤 哲夫君
       環境省総合環境
       政策局長     白石 順一君
       環境省自然環境
       局長       渡邉 綱男君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○特定産業廃棄物に起因する支障の除去等に関す
 る特別措置法の一部を改正する法律案(内閣提
 出)
○原子力規制委員会設置法案(衆議院提出)
○地方自治法第百五十六条第四項の規定に基づき
 、産業保安監督部及び那覇産業保安監督事務所
 並びに産業保安監督部の支部並びに産業保安監
 督署の設置に関し承認を求めるの件(内閣提出
 、衆議院送付)
    ─────────────
#2
○委員長(松村祥史君) ただいまから環境委員会を開会いたします。
 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 特定産業廃棄物に起因する支障の除去等に関する特別措置法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、内閣府原子力委員会委員尾本彰君外四名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(松村祥史君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#4
○委員長(松村祥史君) 特定産業廃棄物に起因する支障の除去等に関する特別措置法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#5
○徳永久志君 おはようございます。民主党の徳永久志でございます。
 それでは早速、議題となりました産廃特措法改正案についてお伺いをしてまいります。
 産廃特措法のいわゆる期限延長につきましては、過日もこの委員会で視察に参りました三重県、また、私の地元であります滋賀県を始めといたしまして、不法投棄事案を抱える県から強い要望があったところでもあります。また、民主党といたしましても、野党時代、平成二十一年四月に議員立法で提案をしたところでもあります。そうした経緯の中で、今回改正法案が提出をされたことに高く評価をさせていただきますとともに、速やかな成立を望むものでもあります。
 まず、平成十五年の法の制定時におきまして、十年という期限を区切ってその間にしっかりと解決をしていくんだという強い意思が語られたわけでありましたけれども、今日までの間、結果的には延長をせざるを得ない状況になったということもあります。
 そこで、法制定時から今日までの間の取組の成果、そしてまた法制定時における見込み、想定はどのようなもので、そして、どういう取組があったと総括ができますでしょうか。簡単にお願いいたします。
#6
○国務大臣(細野豪志君) 産廃特措法が制定をされました平成十五年の時点では、平成十年の六月以前までに行われた産業廃棄物の不法投棄等につきまして、不適正処理によりまして大規模な生活環境保全上の支障が生じていた事案がございましたので、その支障を除去することが課題となっておりました。こうした状況を背景に、国の支援の下で着実に事業を進めることを目的といたしましてこの特措法が制定をされたという、そういう経緯がございます。
 その際、この法律は、恒久法とするのではなくて十年間の時限立法として制定をされました。それは、香川県豊島や青森・岩手県境といった平成十年六月以前の大規模な事案につきまして、当時の知見に基づいて調査を行った結果といたしまして、十年で処理をできると判断されたと、そういうことが理由でございます。
 この法律に基づきまして、これまで十五の事案につきまして支障除去等の事業が進められておりまして、そのうち四つの事業につきましては既に事業が完了いたしまして、生活環境の改善というものがなされたということであります。また、継続中の事案につきましても、地域住民を含めた関係者の合意の下で支障除去事業が着実に進められてまいりました。
 しかしながら、例えば豊島でございますけれども、支障除去事業を実施をしてまいりましたところ、当初想定をしていた以上の廃棄物が存在をすることが明らかになってまいりました。そのため、事業を平成二十五年三月三十一日という当初の法律が予定をしていたこの期限までに完了をすることが困難な事案であることが発覚するなど、継続中の事案の中には更なる期間を必要とするものがあることが分かってまいりました。
 また、今後新たに都道府県等が支援の対象とすることを希望している事案の中には、例えば、恐らく皆さん御視察をいただいたところだと思いますが、三重県の四日市市の大矢知・平津などのように非常に大規模な事案というものが存在をしておりますので、最長十年間の期間を要すると考えられるものがございます。このような状況を踏まえまして、過去の負の遺産を除去いたしまして、これをできるだけ将来に残さないという観点から、本法の期限を十年間延長する法案を提出をしたということでございます。
#7
○徳永久志君 その最後に大臣がおっしゃいました十年間という期限についてちょっと聞いてまいりたいと思いますが、特別措置法だから十年間という期限を区切るのだと言われてしまえばそれまでですけれども、それも少なからず全体の事業に影響を与えているのではないかと思っています。
 法制定時においては、先ほど大臣もおっしゃっていただきましたけれども、対象地域として想定をされていました青森・岩手県境、また香川県豊島の事案というものはその十年という期限に苦戦をしたということも聞いております。当初の想定を超えるという御発言がありましたけれども、そもそも不法投棄でありますし、土の中に何が埋まっているか分からないという状況もありまして、そういった実態からすれば、正確な見通しを当初から立てるということも大変困難だろうというふうに思います。
 また、別の言い方をするならば、十年間という期限の中に収め込むことが大前提となってしまって、あるいはプレッシャーとなってしまって、本来の目的からずれてしまうというおそれも懸念をされるところでもあります。その一方で、期限を切らなければずるずると時間だけが経過してしまって、問題が先送りされて対症療法的に陥ってしまうということも確かに言えると思います。
 この十年という期限を区切ることについて、見解をまとめてお願いをいたします。
#8
○政府参考人(伊藤哲夫君) 環境省といたしましては、そもそもこの法律の対象となっている事案は平成十年六月以前に不法投棄等が行われた事案でございまして、期限を切ってできるだけ早期に事業を完了させることは不可欠であると、こういうふうに考えております。
 一方、今回の法改正を検討する際に、平成二十五年度以降支障除去等事業の実施を希望している都道府県等に対し事業の完了までに要する期間について調査をしたところでございますけれども、これを踏まえますと、最も長い期間を要する事業であっても十年間で事業を完了できると、こういうふうに我々は考えた次第でございます。
 このような状況に鑑みまして、改正法の期限を平成三十五年三月三十一日までとしましたが、環境省としましては、なるべく早期に事業を完了していただく必要があると、こういうふうに認識しておりまして、新たに策定します基本方針においてもその旨を明記していきたいと、こういうふうに考えている次第でございます。
#9
○徳永久志君 それでは、次に参りたいと思いますが、不法投棄につきましては、当該事業者が原状回復を行うことがこれは大前提であります。これは絶対に譲ってはならない一線だというふうに思っています。制度の立て付けといたしましては、事業者が不明あるいは財力がない場合には、都道府県が代執行による支障除去事業を実施をする、都道府県の要請があれば財政支援を行うというものであります。
 そこで、法制定から今日までの間に、都道府県が行った代執行に要した費用及び国が行った財政支援の総額を教えてください。
#10
○政府参考人(伊藤哲夫君) 平成二十三年度末時点での事業費総額は約八百六十九億円となっております。これに対する国庫補助による財政支援の予算額は約四百三十一億円となってございます。
 なお、これらの財政支援以外にも、都道府県等が負担する経費については特措法に基づく特例として地方債をもってその財源とすることができるとされており、その元利償還金について地方交付税措置も講じられていると、こういう状況でございます。
#11
○徳永久志君 原状回復を求めるということが原則でありますから、その総額八百六十九億円プラスアルファという言い方がいいんでしょうか、も、本来も事業者に請求をしていく、費用負担を求めるということが基本だと思いますが、これはこれでよろしいでしょうか。
#12
○副大臣(横光克彦君) 不法投棄に対する責任はまず原因者にあることは、これはもう申すまでもございません。その不法投棄を代執行する、行政代執行にて除去した場合の費用はできる限り負担させることが必要であるということは、これはもう委員の御指摘のとおりでございます。
 都道府県は、こういった行政代執行を行った場合は、この行政代執行に要した費用の徴収を、原因者等から徴収を行うことが可能であると、こうなっております。加えて、この基本方針では都道府県等が原因者の責任を厳しく追及する観点から措置命令、委員がおっしゃるように原状回復、あるいはガスや水が出ないような、そういった措置命令を行うこと、そしてまた代執行に要した費用の徴収を行う旨を明記しておりますので、この基本方針に基づいて都道府県においては行為者等の財産調査、これを徹底的に実施して費用を求めることを行うなど厳しく責任追及を行っているところでありまして、環境省といたしましても、今後とも都道府県に協力してまいりたい、このように考えております。
#13
○徳永久志君 それでは、事業者から回収できた費用の総額というのは幾らになるでしょう。
#14
○政府参考人(伊藤哲夫君) 本法により支障除去等事業を実施済み又は実施中の事案について見ますと、原因者等からは、平成二十四年六月七日現在、約十二億五百三十六万円程度の費用を回収しているところでございます。また、この費用の回収とは別に、排出事業者等による廃棄物の自主撤去等も一部行われているところでございます。
#15
○徳永久志君 代執行の総額は八百六十九億円プラスアルファであり、本来ならば負担をすべき事業者からは十二億円超ということであります。原因者が不明あるいは支払能力がないから代執行があり、国が支援を行うというんだから、こういう構図は仕方ないと言ってしまえばそれまででありますけれども、納税者の視点からすれば何か釈然としないという部分はあるんだろうと思います。何か、やった者勝ちというか、ルールを破った者が得をするというか、まさにモラルハザードがここに発生をしているんだろうというふうに思うんですけれども、この点、どのように考えておられますでしょうか。
#16
○副大臣(横光克彦君) 確かに、この回収額が余りにも少ないと、かなり乖離があるということの現実からすると、委員のおっしゃる疑念というものはもっともだと思います。
 本当に、多くの場合は不法行為を行った原因者がほとんど資力がない、こういったことが原因であるということは先ほどお話がございました。これに対して、不法投棄の原因者に対する罰則等については、この廃棄物処理法が制定された昭和四十五年以来、逐次改正が行われまして、非常に厳しい罰金と懲役等の罰則が加えられております。平成二十二年の法改正では法人に対する罰金が三億円と定められておりますし、このように逐次法改正は行われてきたんですが、不法投棄等の原因者に対する罰則の強化を行っておりまして、モラルハザードが起きないように対応しているわけでございます。委員がおっしゃるように、ルールに従っている中で捨て得になるというようなことが起きないように対応してまいりたいと考えております。
#17
○徳永久志君 是非、今御答弁いただきましたように、罰則の強化という点をやっていただいているということでありますから、引き続きよろしくお願いいたしたいと思いますが。
 そもそも不法投棄をする業者という観点からいいますと、例えば措置命令を発してもそれを実行するかどうか分からないであるとか、対策工を実行しようとしても、あるいは代執行をやろうとしてもこれは住民合意が必要でありまして、その手続を丁寧に進めようとすればするほど大変な時間が掛かってくるということであります。そうこうしている間に、原因者である事業者が資産を散逸をさせる、あるいは隠してしまう、あるいは倒産をさせてしまうというようなこともあろうかと思います。そうした時間を与えてしまっているということも一つ大きな問題点としては指摘できるんだろうと思います。
 この時間を与えないというための対策も必要だと思います。財産の保全や資産の差押えといったことも対策として考えて強化をしていくということも必要だと思いますけれども、この点、いかがでしょうか。
#18
○政府参考人(伊藤哲夫君) 産廃特措法に基づきまして事業を行っている事案につきましては、廃棄物処理法十九条の八に基づきまして都道府県等が行政代執行を行うわけでございますけれども、この法律上、原因者等への費用の求償については行政代執行法第五条及び第六条を準用すると、こういうことになっております。この行政代執行法第六条におきましては、国税徴収法に基づく国税滞納処分の例により行政代執行に要した費用を徴収することができることになっておりまして、都道府県等は差押え、質問検査、捜索など強力な権限を行使することができると、こういうふうになっている次第でございます。
 環境省としても、引き続き都道府県等と連携し、原因者等に対する責任追及を厳しく行ってまいりたいと、こういうふうに考えてございます。
#19
○徳永久志君 大変力強い御答弁をいただきました。まさにやった者勝ち、捨てた者勝ちというような状況をつくらないという強い決意の下、この法改正を契機といたしまして、なお一層の取組をお願いをしたいと思います。
 さて、本法律案の対象となる事案は、発生の原因やあるいはその後の経緯、そしてまた生活環境上の支障の状況あるいは近隣住民の心情など、種々様々であります。こうしたため、実施主体である自治体といたしましても、いろいろと知恵を絞りながらその対策工を決めているところであります。したがって、対象となる工事の範囲については、科学的合理性一辺倒ではなくて、例えば近隣に住宅地がある、あるいは学校がある、通学路がある、そういった部分も含めた状況に応じた柔軟性というものを持って対応していただきたいと考えているところでありますが、その辺り、いかがでしょうか。
#20
○政府参考人(伊藤哲夫君) 都道府県等が実施する支障除去等事業につきましては、周辺環境影響に十分配慮をすること、これは当然必要でございます。また、環境大臣の定める基本方針においても、周辺環境影響への配慮をし、地域の実情を踏まえた支障除去等事業を行うと、こういうふうにしているわけでございます。また、都道府県等においては、関係市町村など地元の意見を聞いて実施計画を策定し事業を実施していると、こういう状況にございます。
 なお、実施計画の策定に当たりましては、支障除去等の工事について支障の状況に応じたより効率的な工法の採用等により、地域の実情を踏まえて適切に対応が取られる必要があると、こういうふうに考えている次第でございます。
#21
○徳永久志君 次に、国による財政支援につきましては、途中から特別交付税措置に変更されました。特別交付税だと往々にして支援額の算定根拠というものが不明確になって、減額をされることを危惧している自治体もいっぱいあります。そうした支援額が減少されることのないよう、つまり事業費に応じた財政支援となるような配慮をお願いをしたいと思いますし、関係省庁にも強く環境省の方からも働きかけを行っていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
#22
○大臣政務官(高山智司君) 今、徳永先生から御指摘いただきましたとおり、この事業費に関しましては、この産廃特措法に基づきまして、地方財政法の特例として地方債をもって充てることができるということがされております。
 先生御指摘のとおり、地方交付税そのものは総務省の管轄ではございますけれども、我々といたしましても、きちんと法律に基づく特例ということもございますし、必要な事業費がきちんと交付税の中に含まれますように働きかけてまいりますし、実際に平成二十三年度以降は必要な額が交付されているということを確認しております。
#23
○徳永久志君 是非その線でよろしくお願いをいたします。
 それでは最後に、廃棄物処理ということを大きな枠の中でとらえていきたいと思いますが、今日、我が国が総力を挙げて取り組むべきなのは災害廃棄物の広域処理であります。
 現在、この事業を実施するという自治体は全部で十一ありますけれども、うち被災二県を除いた九県のうち七県が災害廃棄物の受入れを決めている、あるいは検討中ということであります。七県のうち六県が、現在、環境省が最優先で広域処理の実現を図る自治体としてそのサポートに懸命に取り組んでいただいているところでもあります。
 こうした産廃特措法の助成を受ける多くの自治体が積極的に広域処理に取り組んでいるということは一定の評価をされるべきものであるというふうに考えておりますし、他方、その中でも依然として現地における様々な関係者との調整に苦慮をされている自治体も多いというふうに聞いております。例えば、私の同僚の議員からも私に対しまして、相談によりますと、西日本において、当初から積極的に受入れの意思を表明していた福岡県北九州市においても大変厳しい苦しい困難な状況であるということも聞いているところでもあります。
 そこで、環境大臣として、こうした災害廃棄物の広域処理の実行に取り組んでいる全国の自治体に対しまして、いま一度力強い感謝と、そして励ましの言葉をちょうだいしたいと存じます。
#24
○国務大臣(細野豪志君) 今回の災害廃棄物の処理につきましては、被災地でも大変な努力をまさにこれまでもしてきたし、今も行っているところでありますが、量からいって、どうしてもやはり広域処理が必要でございますので、各自治体関係者の皆さんが大変な御努力をいただいていることに心より感謝を申し上げたいというふうに思います。
 今、徳永委員の方からも御指摘がございましたが、既に青森県、山形県、秋田県、そして群馬県、東京都、そして静岡県と、既に六つの自治体での受入れが始まっております。また、現在、様々な準備をしていただいている自治体があるわけですが、中でも北九州市が、これが北橋市長の指導力の下で、様々な反対、さらには懸念というのがある中で、しっかりと説明責任を果たしながら実現をしていこうという、本当に努力をいただいていることに本当に感謝申し上げたいというふうに思います。
 そうした皆さんの努力を無駄にすることがないように政府としても最大限のバックアップをしてまいりたいと思いますし、環境省はまさにその責任を持つ省庁でもございますので、もうこれはしっかりとやってまいりたいというふうに思います。
 御質問ありがとうございました。
#25
○徳永久志君 終わります。
#26
○中川雅治君 本日は、特定産業廃棄物に起因する支障の除去等に関する特別措置法の一部を改正する法律案の審議ということでございますが、この産廃特措法は私が環境省の事務次官のときに成立させていただいた法律でございまして、十年後の今日、今度は参議院環境委員会のメンバーとしてもう十年延長する法案の審議をすることになるとは、当時は思いも寄らぬことでございました。
 産業廃棄物の不適正処理の問題への対処は長い苦難の道があるわけでありますが、平成九年の廃棄物の処理及び清掃に関する法律の改正で、産業廃棄物管理票、いわゆるマニフェスト制度の拡充、不法投棄にかかわる罰則の強化、原状回復措置の強化が行われまして、この改正法施行後、つまり平成十年六月十七日以後に発生した不適正処分については、産業廃棄物適正処理推進センターに国と産業界からの出捐による原状回復のための基金が設けられ、都道府県等が行う原状回復に対し事業費の四分の三を補助することになったわけであります。
 一方、平成十年六月十六日以前に行われた不適正処分については、国が予算措置で都道府県に事業費の三分の一を補助してきたのでありますが、ちょうど私が事務次官をしていた当時に、青森・岩手県境のとんでもない規模の産廃不法投棄事案がございまして、この不法投棄された産廃を調べますと、その排出者の大部分が首都圏の事業者であるということが分かりまして、青森、岩手両県は、これを処理するのにはもっと国の補助を増やしてくれなくては困ると、こういうことになったわけであります。それと、不法投棄された産廃を除去する事業に要する費用は多額に上るということから、平成十年六月十六日以前の不法投棄についても都道府県等への財政支援を制度化しようということになりまして、この産廃特措法を成立させていただいたということを今思い出しているのであります。
 ただし、当時は、この産廃特措法に基づく特定支障除去等事業は、長期間掛かるとはいえ、地域住民の皆様のことも考えればできるだけ早期に完了させるべきだと考えておりまして、平成十五年から十年間、つまり平成二十五年三月三十一日までの時限立法とし、その間に何とか終えてほしいと、こう思っておりました。それが、もう十年延長するという改正案となって今国会に提出されましたのは私としては大変残念な気がいたしますが、どういう事情からこの法案が提出されることとなったのか、具体的に御説明いただければと思います。
#27
○国務大臣(細野豪志君) 産廃特措法の制定の経緯は、もう中川先生一番よく御存じでございますので、その大変なこれまでの御努力に対して敬意を表したいと思います。
 現実問題として、制定をした当時は、香川県の豊島であるとか、青森県・岩手県境といった、こうした事案を十年でしっかりやろうという、そういうことで制定をされたということでございます。ただ、実際にやってみますと、現実には当初想定をしたよりも非常に量が増えたものもございますし、また土壌にまで広がっていて、その土壌の処理に時間を要してしまったといったようなものもございます。そうした状況でございますので、やはり自治体の皆さんからもこの産廃特措法の期限を延長して確実にこれを処理をするということが重要だという御指摘がございましたものですから、今回の十年延長の法案を提出をさせていただいたということでございます。
 私も、やはり十年間でできなかったということについては、いろいろと経緯はあるにしても、やはりこれは厳しく受け止めなければならないところがあるというふうに思っています。ですから、今回十年延長させていただくということでございますので、特別措置法としてこの十年でしっかりやり切る体制を我々もしっかりつくらなければならないし、自治体の皆さんにもつくっていただけるような努力は、これは不可欠であると考えているところでございます。
#28
○中川雅治君 不法投棄など不適正処理された産業廃棄物は、河川や地下水の汚染、土壌汚染、さらには悪臭や有害ガスも発生するといった近隣住民の生活環境や健康に影響を及ぼすものであることはもちろんでございますが、その原状回復に多大な費用と時間を要するものでありまして、まずはこうした産廃の不適正処理をさせないということが第一であることは申し上げるまでもないことであります。
 産廃の不法投棄等をなくすためには、まず第一に、産廃の不法投棄事案に対し、警察との連携による積極的な摘発が必要であるというように思います。
 お手元に配らせていただきました資料一の当時の新聞記事でございますけれども、ここにございますように、私は環境事務次官当時の平成十四年七月、警察庁の田中長官のところへ行きまして、産廃の不法投棄に対する警察の積極的摘発、そして警察職員の都道府県への出向人事の拡大を申し入れたのでありますが、警察との連携については、その後どのようになったのでしょうか。
#29
○政府参考人(伊藤哲夫君) 先生御指摘のとおり、産業廃棄物の不法投棄を防止するためには警察との連携は極めて重要であるというふうに我々も考えております。警察関係者の皆様に不法投棄等の監視や適正処理の指導のために都道府県等に出向していただいた人数は、平成十三年度には二百十七名でございましたけれども、平成二十三年度には五百四十七名ということで倍増しておるわけでございます。こうした警察と都道府県等との連携に加え、累次の廃棄物処理法の改正により規制強化を行ったと。こういった結果、新たに発覚する不法投棄の件数は平成十三年度の千百五十件から平成二十二年度の二百十六件と大きく減少しております。
 一方、産業廃棄物事犯の検挙事件数は平成十三年には五百十六件でございましたが、平成二十三年には千三十八件と大きく増加しており、警察との連携強化の効果が表れているのではないかと、こういうふうに考えている次第でございます。
 また、都道府県等が警察や海上保安庁等と協力して全国ごみ不法投棄監視ウイーク等において不法投棄のおそれのある車両の検問やパトロールなどを実施しております。さらに、環境省においても警察庁とともに、不法投棄に関する関係省庁間の会議を開催して不法投棄対策の強化や情報の共有を図っているところでございます。今後とも、警察と連携して対応してまいりたいと、こういうふうに考えてございます。
#30
○中川雅治君 本来、産廃の不法投棄等の事案につきましては、実際に不法投棄した原因者である行為者、事業者が撤去、処理し、そして原状回復すべきものであります。しかしながら、不法投棄が発覚したときにはその事業者は解散している、あるいは倒産している、代表者も不明、あるいは既に死んでいるとか資力も全くないというケースが多いようでありまして、不法投棄事案の原因者である事業者の責任を問うのはなかなか難しいのが通例だということは分かります。それでも、原因者の責任を追及しなければならないことは当然でありまして、ここを怠るようなことがあってはならないというふうに思うんですね。
 環境省は、この原因者の追及をどのように考え、今までの事案についてどのような対応を取ってきたのか、お伺いいたします。
#31
○政府参考人(伊藤哲夫君) 不法投棄等に対する責任は、まずその責任は原因者にあるということは当然でございます。その責任を問うとともに、代執行を行った場合に除去した費用を負担させるということが必要であるというのは委員御指摘のとおりでございます。
 生活環境保全上の支障が生じ、また生ずるおそれがあると認められる場合には、廃棄物処理法の規定により原因者に対し措置命令を発出することができるわけでございますが、平成九年の廃棄物処理法の改正によりまして、都道府県知事等が迅速に行政代執行を行うことが可能となりました。その結果、原因者に対する費用求償を迅速に行うことも可能となって、この規定を設けて、できるだけ原因者の求償を求めるということをやっているわけでございます。
 さらに、不法投棄の原因者に対する罰則につきましては、廃棄物処理法が制定された昭和四十五年には五万円以下の罰金と定められておりましたが、その後、昭和五十一年、平成三年、平成九年、平成十二年、平成二十二年のそれぞれの廃棄物処理法の改正におきまして順次強化しております。五年以下の懲役又は一千万円以下の罰金、法人にありましては三億円以下の罰金と、今こういうふうなことで規制の強化を図ってきたところでございます。
#32
○中川雅治君 罰金が引き上げられたというだけではなかなか実際に原因者の追及をしていくことは難しいと思います。やはり、そこは都道府県がまずは原因者の追及をすると、そういう強い意思を持って、これからもまずは原因者の追及だ、そういう考え方で対応していただきたいと思います。
 お手元のお配りした資料の二以下をちょっと御覧いただければと思うんですが、私が環境省で事務次官を務めておりました平成十四年から十五年ごろは、青森・岩手県境の産廃不法投棄事案が大きな問題となっておりまして、両県が中心となって、不法投棄された産廃を実際に出した排出者を徹底的に調べた結果、排出事業者は二千六百二十七、このうち埼玉県は八百八十事業者、東京は六百九十三事業者ということで、関東七都県で全体の八八%を占めたのでございます。
 このうち医療機関が三百三十五もありまして、また、著名な一流企業の名前も出てまいりました。また、官公庁も含まれていました。まさか環境省が排出者になっていないだろうなと私は内心冷や冷やしていたのでありますが、幸い調査結果のリストに環境省の名前はありませんでした。しかしながら、他の役所の名前は出てまいりまして、関係者は大変頭を悩ませていたのを覚えております。
 産廃の不法投棄はかなりの事案で、結局不法投棄した処理事業者は既に倒産している、代表者も死んでいるとか資力がないとかで原状回復させられない、あるいは求償してもお金を取れないケースが多いのであります。ですから、当時の環境省は、そのようないいかげんな処理をする処理事業者にそのごみの処理を委託した排出事業者の責任を徹底的に追及すべきだと考えまして、青森・岩手県境の不法投棄事案について、青森、岩手両県のほか、関東を中心とする排出事業者の所在県や関係市の担当部長を一堂に集めて対策会議を開催し、排出事業者の徹底した追及をお願いいたしました。お手元の資料二から六までの新聞記事にありますように、当時のこのような環境省の姿勢は大変注目されたものであります。
 私は、この産廃の不法投棄をなくしていくためには排出事業者の責任追及ということが非常に効果を上げると考えて、先頭に立ってハッパを掛けたのでありますが、その後の経過はどうなったのでしょうか。
#33
○政府参考人(伊藤哲夫君) 排出事業者責任に関する規制の強化につきましては、平成九年の廃棄物処理法の改正により、全ての産業廃棄物についてマニフェストを使用することとし、さらに、平成十二年の廃棄物処理法の改正により、マニフェストにより最終処分までの処理が行われたことを排出事業者が確認することを義務化いたしました。
 また、排出事業者に対しましては、平成九年の廃棄物処理法改正により、マニフェストに関する義務に違反した排出事業者等を措置命令の対象に加えるとともに、平成十二年の廃棄物処理法改正により、違反行為を要求し、依頼し、若しくは唆し、又はこれらの者が当該処分等をすることを助けた者があるときは、その者も措置命令の対象に加えることにより、対象者の拡大を図ったところでございます。さらに、環境省におきましては、平成十三年に都道府県等に対し、「行政処分の指針について」を発出し、積極的に排出事業者に対する措置命令を活用するよう助言したところでございます。
 なお、青森・岩手の事案につきましては、排出事業者に対しまして、措置命令を四十六件、納付命令等については四十八件を県の方から発出されていると、こういう状況にございます。
#34
○中川雅治君 全体の排出者の数からしますと、今報告のあった数字というのは非常に僅かだと思うんですね。
 これからもいろいろな事案が出てくると思いますが、排出事業者の責任追及ということもしっかりやっていただきたいというふうに思います。
 産廃の不法投棄事案は、その規模は様々でありますが、私が事務次官をしておりました当時苦労した青森・岩手県境事案や香川県の豊島事案などは、なぜこれほどになるまで、なぜこれほどになるまで県は分からなかったのか、どうしても釈然としないものがございました。
 そして、去る四月十日、当参議院環境委員会のメンバーで桑名市五反田を訪れ、1・4ジオキサンの支障除去を実施中の産廃不法投棄現場と四日市市の大矢知・平津事案の現場を視察してまいりました。やはり、これだけ大規模な事案になるまでどうして県当局が把握できなかったのか、どうしても私には理解できないものがございます。
 今回の改正案では、環境大臣は、特定産業廃棄物に起因する支障の除去等を平成三十四年度までの間に計画的かつ着実に推進するための基本方針を定めることとしているとありますが、私は、この基本方針の中に都道府県等の行政対応が適切であったかどうかしっかり検証して責任を明確にさせることを盛り込んで、環境省の態度をきっぱりと示すべきだと思います。県は、全く気が付きませんでした、行為者は既に倒産しています、排出事業者の責任追及も難しい、そして支障除去は膨大なお金が掛かります、ですから国の支援がどうしても必要ですということでこの産廃特措法に基づく支援措置を講じるということになるのではなく、やはり県等がこれだけの不法投棄を見逃してきたことの責任をしっかり検証するということが支援に当たって必要だと私は考えますが、いかがでしょうか。
#35
○副大臣(横光克彦君) 委員の御指摘のように、なぜこれほど膨大な量になるまで分からなかったのかという、ごく本当に当たり前の疑問だと思います。
 県、この特定産業廃棄物に起因する支障の除去に関する法案、この基本方針では、都道府県は当該措置の実施体制等について第三者である学識経験者を交えて検証すると、そしてその検証の結果を明らかにするものとなっているんです。その検証の中身は地域住民からの情報提供の時期やその内容と対応状況、確認した支障の内容等々たくさんあるわけですが、そういった検証の結果を明らかにすることになっている。また、この基本方針において、都道府県等は、検証結果を踏まえて、再発防止に向けた具体的な対策を明らかにするとともに、特に不十分であるとされた事項については検証結果を踏まえた対策の充実を図ると、その実施状況について公表するものとしている、こういうふうな定めになっております。つまり、都道府県等は、こういった大きな不法投棄が行われたことが発覚した後、自己反省等もしていただきながら再発防止に向けて実施計画を策定していただくことになっております。
 環境省としては、その都道府県からの協議のあった実施計画、これについて同意する際には、学識経験者の助言等を求めながら当該都道府県等からヒアリングを行ったり、また都道府県等による検証結果の確認を行っております。ですから、国の方も、都道府県等が行政対応について厳格な検証を行うこと、また有効な再発防止策を策定するよう等、言うべきことをしっかり言いながら、環境省としても必要な助言や指導を行ってまいりたいと考えております。
#36
○中川雅治君 今の御決意をこれからもしっかりと実現していただくようにお願いいたします。
 要するに、大規模な産廃の不法投棄事案については、県等だけでは処理し切れず、結局、国へ支援を頼んでくるわけであります。それも、財政的な支援だけでなく、平成十四年に問題となった青森・岩手県境事案では、ただいま申し上げましたように、排出者責任の追及に当たって広く他県や環境省の協力を必要としたわけであります。
 平成十七年に、従来あった自然保護事務所と環境省の広報事務等をごく少人数の職員で行っていた地方環境対策調査官事務所を統合して、環境省の出先機関として地方環境事務所が設置されたわけでありますが、それは、大規模な産廃不法投棄事案は環境省も積極的に関与してほしい、関与すべきであるという声を受けて、それには国と県との間あるいは県と県との間の調整をするための環境省の出先機関がやはり必要であるということから地方環境事務所ができたという経緯があるのであります。これは私が事務次官をしておりましたときから進めていたことなんですね。そして、現在、東日本大震災の瓦れきの広域処理が大きな課題となっておりますが、このような調整事務を円滑に行うためにも地方環境事務所の役割は大きくなっていくと思います。
 これはもう潰れたという報道がありましたんで私としては安心しましたが、民主党政権で、地域主権改革の一環として、国の出先機関の広域連合への丸ごと移管という本当におかしな案がずっと進行していたわけですね。民主党の党の了解が得られなかったんでこの案は今国会には提出できないと、こういうことになったということでありますが、この案は息の根を止めなければならないと私は思っておりまして、これは三月二十二日の環境委員会でも、地方環境事務所を地方に移管して国立公園の管理を自治体がやるということになったら、それはもう国立公園じゃありません、そんな例は世界にありませんよと、そんなことをしたら国民共有の財産である国立公園を守ることはできませんよということを強く申し上げたわけでありますが、この産廃の不法投棄の問題についても、地方は一方で、産廃特措法を延長して国の支援が必要だ、そして環境省にもしっかり関与してほしいと言いながら、地方環境事務所を下さいなどという全く身勝手というか支離滅裂、でたらめな要求をしているわけであります。
 しかも、民主党政権が今まで進めていたこの出先機関改革というのは、そもそも広域連合が希望した出先機関だけを丸ごとあげます、希望しない出先機関は現状のまま、それも広域連合ごとに言うことを聞いてあげましょうなどというまさに国の機能の切り売り、たたき売りみたいなことをするという信じられないような案が進もうとしていたわけでありますが、このスキーム自体が問題であるということはもう当然なんですが、今回、産廃特措法を延長するというようなことになると、地方環境事務所の移管というのはいよいよどう考えても矛盾したおかしな案になってきたと思います。
 これはもう潰れた話だということでありますが、もう完全にこの改革が潰れるようにしなければならないという意味で、環境省は大臣以下どうお考えかということをお伺いいたします。
#37
○国務大臣(細野豪志君) 地域主権改革でありますけれども、これは国の在り方を変えていくという意味で大改革でございまして、私は大きな方向性としてはしっかりと進めていかなければならないというふうに思っております。ですから、潰れたということではなくて、様々な御意見もあり、そういったことについて慎重な検討も必要だという、そういう状況であるというふうに承知しています。
 一つ言えることは、まず、国がやるべきことというのはしっかりこれは確認をして残していくということは必要だというふうに考えております。今、中川委員が御指摘をされた例えば国立公園の管理、これはレンジャーも含めて世界に対してもそういった体制で来ましたし、もちろん国民の皆さんに対する責任というのも含めてございますので、ここは環境省としては引き続きしっかりとやらせていただきたいというふうに思っています。
 そのほかの業務について、国の役割が何で、そして地方の役割がどういったものなのかというのは、少しやはりこうした廃棄物の事例なども一つ一つやはり見ていく必要があるなというふうに思っています。
 具体的には、バーゼル条約のように国際的なしっかりとした体制をつくらなければならないというのは国の役割。一方で、こういう産業廃棄物であるとか、あとは災害が発生をしたときの瓦れきの広域処理など、これは改めて具体的にこうした行政に携わらせていただくと、国が完全に存在しない、手を引いたところで地方同士でやり得るかというと、なかなか難しい面があると私も率直に思います。ですから、そこは国の役割をどう考えるのかというのは、これは地方の皆さんともやはりしっかりと相談をさせていただく必要がある分野ではないかというふうに考えているところでございます。
#38
○中川雅治君 今の大臣のお話を伺えば、民主党政権が進めているということなんでしょうが、地方出先機関改革はおかしいということを御自分の口から言われたというふうに思います。
 これは、結局、広域連合が欲しいものだけ、地方環境事務所をうちの広域連合は欲しいよ、こちらの広域連合は要らないというふうな形で、国の出先機関を欲しいものだけあげます、しかもその場合は丸ごとあげますという、そこがおかしいわけでありまして、その本当におかしさというものが国民の皆さんには理解されていないので、この案は慎重審議でなく、もう葬り去られるようにお願いをしたいと思います。
 これで質疑を終わらせていただきます。
#39
○加藤修一君 公明党の加藤修一でございます。
 特定産業廃棄物に起因する支障の除去等に関する特別措置法の一部を改正する法律案について質問をしたいと思います。
 これは、延長が十年ということでありますけれども、十年間で、逆に言うとできなかったと。もちろん、十年間でできなかった中で新しい事案が出てきたということについても考えなければいけないわけでありますけれども、基本方針を新たに付け加えるという話があったりしております。要は、十年間の総括をどういうふうに環境省としてはとらえているのか、この辺について見解を示していただきたいと思います。
#40
○国務大臣(細野豪志君) 当初は十年間で処理をできるというふうに判断をしておったものが、こうして延長をお願いをしなければならないということについては、しっかりとした反省というものも私も必要だというふうに思っております。
 原因といたしましては、当初考えておったよりも、例えば豊島の例でいいますと、量が一・三倍ぐらい出てきたと。さらには、上から若しくはその周辺から見ていたので分からなかったような土壌の汚染が明らかになって、その除去に大変大きな労力と時間を要するという、そういう事態になったというようなこともございます。また、事案も増えてきたという経緯もございまして、十五事案のうち四事案については完了したけれども、そのほかのものについて対応が必要だという、そういう事態になったということでございます。
 したがいまして、改めて今回十年間の延長をお願いをいたしますので、この十年間で平成十年の六月以前に行われたものの不適正処理についてはしっかりとやり切るという体制を地方にもつくっていただかなければならないし、政府としてもそういう体制を整えなければならないと考えているところでございます。
#41
○加藤修一君 今後十年間延びたということでありますけれども、十年内にしっかりと対応するという、そういう決意で臨んでいただきたいと思います。
 それで、若干別の視点から話を申し上げたいわけなんですけれども、環境債務あるいは資産除去債務の関係でありますけれども、六月四日、つい先日でありますけれども、松下金融大臣はこの資産除去債務の関係で、国際会計基準の関係で、我が国の方針を総合的に検討するという話が記者会見でありました。日本も、このIFRS、国際会計基準でありますけれども、その適用に向けて大きく動き出したと。あるいは、そのコンバージェンスを行うという話になっていくわけでありますけれども。
 資産除去債務については、これは有害化学物質等、有形固定資産の除去する際に取り除く必要があるものだけが対象になっているわけでありますけれども、その取り除かなければいけないものとしては、この今申し上げました有害物質、これが有形固定資産の除去時に除去や調査が法律上義務付けられているアスベスト、あるいはPCB、あるいは土壌汚染、さらに、土地の売却時や返還時に契約上原状回復が求められている土壌汚染等が該当するわけでありますけれども、建築物を解体するとき、工場もそうでありますし、事業所もそうでありますけれども、中には飛散防止を行った後のアスベストが眠っていることも当然あるわけであります。
 それで、この会計の関係を含めて、これは将来の話というか、ここ数年来の話になるわけでありますけれども、やはり、こういった面についてどう対応するかということも、これは環境省の役割として私は重要だと思っておりますが、この辺についての見解というのはどうでしょうか。
#42
○政府参考人(伊藤哲夫君) 我が国の会計基準におきましては、建物等の有形固定資産の除去に関しては、法令又は契約で要求される義務、いわゆる資産除去債務を負債としてあらかじめ計上する会計処理、これ平成二十二年度からルール化されまして適用されていると、こういうふうに承知しております。
 御指摘の建築廃材、あるいは解体後のアスベストの排出につきましても、法令又は契約上、その除去処理が求められるものについては、後に必要となる費用を資産除去債務としてあらかじめ計上することが必要となると、こういうふうに考えてございます。
 こうした費用をあらかじめ把握することは企業が環境対策を適切に講じていく上で重要であり、資産除去債務に関する会計基準にのっとった適切な会計処理を各企業が行っていただきたいと、こういうふうに環境省として考えている次第でございます。
#43
○加藤修一君 それは、工場を解体するとき等々含めて、そのときにはもうその手元にお金が、積み立てていたお金があるという理解でよろしいんですか。
#44
○政府参考人(伊藤哲夫君) 資産除去債務としてあらかじめ計上し、解体時にはそのお金をちゃんと払えるようにしておくと、そういうことのために毎年毎年減価償却をしていくと、そういった考え方に立ってこの基準が作られているというふうに承知しております。
#45
○加藤修一君 再度確認しますけれども、解体時にそのお金が解体費用としてあるというふうに理解していいですかということなんです。
#46
○政府参考人(伊藤哲夫君) そういう、除去時点におきまして、それまでの減価償却によってその除去時点における解体のために必要な費用が賄われると、そういうふうな前提に立って会計処理を行ってくださいと、こういうことだというふうに理解しております。
#47
○加藤修一君 賄われるということで本当にいいんでしょうか。確認します。
#48
○政府参考人(伊藤哲夫君) 会計処理の規定、本件は会計規定の処理でございますので、実際のお金がどういうふうにあるのかという、有無ということとは直接関係ないというふうに認識しております。
#49
○加藤修一君 そういうことですよね。
 ですから、なかなか中小企業厳しいわけでありますので、処理上は記載していますけれども、現物、お金そのものはないわけですよ。実際に解体するときにはそれを用立てしなければいけないですよと、そういうことをしっかりと知ってくださいという話なんですよね。
 だから、解体時にはないお金をどうやって持ってくるかという話に当然なってくるわけで、融資を受けるとかそういう話になってくるわけで、もしそれが準備できないということになれば様々な懸念が出てくることを承知しなければいけない。
 私はなぜこういうことを取り上げたかというと、その点についての環境汚染につながる可能性があるということなんですね、懸念が生じる。ですから、そこは十分対応しなければいけないという、そういう仕組みをしっかりつくるべきではないかなと、そんなふうに考えたから質問になっているんです。
#50
○政府参考人(伊藤哲夫君) 環境省としましては、平成二十二年度からルール化され適用されております会計処理の考え方、資産除去債務として負債をあらかじめ計上する、こういう会計処理をしなさいと、こういったことについて各企業は適切に行われると、こういうことが必要だというふうに考えております。そういったことについて普及啓発をしてまいりたいと、こういうふうに考えております。
#51
○加藤修一君 いずれにしても、解体時にそのお金があるわけじゃないわけですから、それに対してどうサポートするかということについてもしっかり環境省は検討していただきたいと要求しておきますので、よろしくお願いいたします。
 それから、循環型社会の構築というのが、これは環境省の三つの柱の一つだと私は認識しておりますけれども、極めて重要であると。日本の資源というのはなかなか厳しい局面がありますので、レアメタルの関係含めて、あるいは都市鉱山という考え方も皆さん御承知の件でありますけれども、そういった面についてどう今後展開していくかということは非常に大事である。循環型社会形成推進基本法においては基本計画を五年ごとに作り上げるという話になっていて、直近、その時期が迫っているというふうに私は理解しております。
 そういう観点で、いわゆる資源の関係についても、あるいは都市鉱山の関係についても、やはり関係業界の順調な発展を含めて総合的な施策をやはり私は整備すべきではないかなと、こんなふうに思っております。従来、余りレアメタルの関係とか都市鉱山の関係について循環型社会とどう結び付けるかということについて、私の印象は、環境省から伝わってくる印象は弱かったなと思っておりますけれども、この辺についての総合的な施策の関係についてはどのようにお考えでしょうか。
#52
○国務大臣(細野豪志君) 循環型社会形成推進基本法に基づきまして、廃棄物の適正な処理はもちろんでありますけれども、それと同時に廃棄物というのは貴重な国内資源でありますから、そういうとらえ方をして、有用な資源を回収し循環利用する環境産業の確立を目指していかなければならないというふうに考えております。
 具体的には四つぐらいの総合的な政策を講じておりますので、紹介をさせていただきたいと思います。
 まず一つは、各種リサイクル法がございますので、その法律に基づきまして循環資源の回収とその有効利用の促進というのをやっております。
 二点目といたしまして、環境研究総合推進費がございますので、リサイクル技術の高度化であるとか低コスト化に向けた研究技術開発というのを行っております。
 三点目といたしまして、廃棄物処理法に基づく優良産廃処理業者認定制度というのがございますので、その普及や優良事例の発信の強化というのを行っております。既に、平成二十三年四月の制度開始からの累計で事業者数として二百七十四社できておりますものですから、こういった優良事業者をしっかりと認定をしていくという作業自体も非常に重要であるというふうに思っております。
 最後に、やはり海外での展開というものも極めて重要であります。特にアジアの国々からは日本の廃棄物処理についての技術について様々な関心が示されておりますので、そうした展開をしていかなければなりません。
 地球規模の循環型社会の構築にも資するという観点から、静脈産業というこの言い方も定着をしてまいりましたので、こうした考え方に基づいて海外の展開の支援を行っているということであります。
 付け加えまして一点だけ御紹介申し上げますと、この国会に、使用済みの小型電子機器のリサイクル法案、提出をさせていただいております。是非とも、これ小型家電というのはこれまでのリサイクルのところでいうと若干こぼれてきて十分できていないという面がございますが、これ資源でもあるという意味で極めて大事なところでございますので、是非この参議院の環境委員会でも御審議をいただいて取組を強化をさせていただきたいというふうに考えているところでございます。是非よろしくお願いいたします。
#53
○加藤修一君 大臣がおっしゃった廃棄物、それは逆の、別の観点から見ると有用物であると、これは非常に大事な視点であると思います。それをどのようにして進めるかということだと思います。今、小型家電の話もしたわけでありますけれども、これもやはり別の観点から見ると資源というふうにしてとらえることができるわけでありますので。ただ、それはどうやって集めるかという、そういう仕組みをどうつくり上げるかというのが極めて難しいことだと私は思っておりますけれども。
 それで、若干紹介ということになりますけれども、家電の関係も含めて、これは大阪方式というものなんですね。大阪方式は、従来メーカーが家電なんかを相当集めて、それで工場で解体して最終的に処理をしていると、処理、処分をしていると。しかも、リサイクル法の範囲というのは販売までは入っていないと私は理解しているんですね。販売までは入っていないんです。解体してそれが一つの再資源というものになった段階でリサイクル法というのは終わっていると。だから、私の理解では業法じゃないんですよ。リサイクル法というのは業法ではないと。ですから、私は、最後のその出てきた資源をも売ることを通して全体としてビジネスの一つのモデルとして成るようにしなければいけないと。そうすることによってプラスの数字になってくる。
 つまり、何を言わんとしているかというと、リサイクルの、ばらばらにして最終的な再資源になった段階でのその会社の収益というのはマイナスなんですよね、マイナス。マイナスになっていて、今度それを売ることによって初めてその対価が入ってきますからプラスになるという話なんですけれども、ここの部分をもう少し私は、何というんですかね、ビジネス展開がもっと展開、拡大していくようにしていくことが非常に大事ではないかなと思っています。
 何を言うかといいますと、つまりメーカーがやっているリサイクル費用というのは高いわけなんですよ。今、大阪方式というのは、大阪のいわゆる再生事業者等が集まって大阪府が認定している話ですけれども、大阪リサイクル事業協同組合というのをつくって、メーカーの集め方と違う、販売店を含めて物が集まりやすい業者の中でつくって、それで、例えば主なメーカーがやっているテレビの回収費用というのは二千八百三十五円ですけれども、大阪方式だと千六百八十円ということで、千百五十五円も安くやることができる。すなわち、これは一つのビジネスモデルが成立しているからそういうことができるということだと思うんですね。
 だから、メーカーサイドのやり方も大事ですけれども、やはり消費者にとってはリサイクル費用がより安くなることが大事だと思うんですよ。ですから、テレビを買っても元々持っていた古い方のやつをリサイクル費用を払って引き取ってくださいという話にならないケースが非常に多いんです。だから、地域を回っている古物商というんですか、廃品回収商に買い取ってもらう。そのときは百円とか百五十円、安いかもしれませんが、リサイクル費用は払わないで売ってしまうわけですから、これは違法といえば違法かもしれませんが、要するにそういうことが進んでいて不法投棄につながっているケースもあるわけですよね。
 あるいは、海外に古い家電製品が、家電製品なのかもう廃棄物というふうに考えていいのか、ただ使えるという形で出ていくわけですから、全体のうちの三分の一とかがそういう形になって、それで海外でそれを解体するという。解体も無造作にしているわけですから、生活環境を汚染させるということにも当然つながってきている。
 ですから、こういう大阪方式みたいなことを進めて、日本の中にある都市鉱山がどんどん減っていくような、海外に流出するようなことじゃなくて、やはり自前でやっていける、それが最終的に資源につながっていくような形にすることが非常に私は望ましいというふうに思っておりますけれども、この辺についての見解をいただきたいと思います。
#54
○政府参考人(伊藤哲夫君) 今回国会に提出しております使用済小型電子電気機器のリサイクル法は、まさに先生御指摘のような新しいビジネスモデルをつくりたいと、これがその狙いの一つでございます。家電四製品のように、メーカーに何らかの義務を課すとか、あるいは排出者にお金を出してもらうとか、そういったことではなくて、そのもの、小型電気機器、電子機器が一定のロットが集まればみんなウイン・ウインの関係でリサイクルができると、こういうふうなことを目指して今回まさに法案を提出しているわけでございます。
 また、家電製品につきます大阪方式のお話がございました。そういった方式も十分念頭に置いた上で、次の家電リサイクル法の見直し、これは近々にやらなきゃいけないというふうに考えております。そういった中で十分議論をしていきたいと、こういうふうに考えている次第でございます。
#55
○加藤修一君 いずれにしても、メーカーだけに任せないで、やはり大阪リサイクル事業協同組合のような方式を基にして消費者が出しやすくすると、それが不法投棄に回らないようなことは、最大限避けるようなインセンティブがある方式を是非研究していただきたいと思いますし、こういう方式が、もっと精査しなければいけない部分があるかもしれませんが、そういった点を含めて積極的な検討をお願いしたいと思います。
 それから、産廃の不法投棄の関係で、これ、マニフェストを作っているわけですよね。どこから出て最終的にどこに処分されたかということなんですけれども、不法投棄が生じるというのは、やはりマニフェストが不正にやられている、あるいは機能が低下している、そういったことも一つではないかなと思っておりますが、このマニフェスト制度の不正防止、どのようにしているか。
 あるいは、その数値目標として、二〇一〇年の数値目標は五〇%ですよね。五〇%に行っていないと思うんですよ。その辺のこれからの努力、どのように積極的にやっていくか。大量排出事業者については、たしか八〇%になっているわけですよね。これは前の政権が目指した目標でありますけれども、こういう形でなかなか進んでいないということでありますけれども、その辺の関係についても是非見解を示していただきたいと思います。
#56
○政府参考人(伊藤哲夫君) マニフェストにつきましては、産業廃棄物の不法投棄を防止するといった観点から非常に重要な施策でございます。
   〔委員長退席、理事北川イッセイ君着席〕
 このマニフェストの不正防止策ということにつきましては、平成二十二年の廃棄物処理法の改正におきまして、マニフェストの交付者に対し自身が交付したマニフェストの写しの保存を義務付けるということ、あるいは処理の受託者に対してもマニフェストの交付を受けずに産業廃棄物の引渡しを受けることを禁止すること、そして、この二つのことに違反した者も措置命令の対象に追加し、また六か月以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処すると、こういうふうなことで、マニフェストの交付を伴わない委託処理を防止するための規制の強化を図ってきているところでございます。この制度が適切に機能するよう更に取り組んでまいりたいというふうに考えております。
 それから、電子マニフェストでございます。
 これは、御指摘のとおり、平成十七年度に産業廃棄物処理優良化推進委員会によって取りまとめられました目標では、平成二十年度の電子マニフェスト普及率を最大目標三〇%というふうなものが掲げられ、さらに、平成十八年一月に取りまとめられたIT新改革戦略では、平成二十二年度までにマニフェストの五〇%を電子化すると、こういう目標が掲げられた次第でございます。この目標に対しまして、平成二十三年度末における電子マニフェストの普及率は約二五%ということになってございます。しかしながら、最近五年間では年間三%から五%ずつ着実に普及率が上昇してきております。
 電子化が進んでいない主な理由といたしましては、小口の排出事業者や小規模の産廃業者がコストの割に導入効果が低いと考え導入をちゅうちょしているということが考えられます。このため、環境省では、本年四月に一年間の登録件数が千二百件以下の少量少頻度排出事業者につきまして、利用料金を一件当たり六十三円から三十一・五円の半分に引き下げ、経済的負担の軽減を図り、小口の排出事業者が加入しやすい料金体系に改めるようにしたところでございます。
 また、携帯電話、スマートフォン等の最新のIT技術を活用したシステム改良や検索・照会機能の強化により利便性の向上を図るとともに、排出事業者や処理業者に対し説明会等を通じ普及促進に努めているところでございます。
 今後も、更なる利便性の向上や普及啓発に向け、普及率の向上を全力で図ってまいりたいと、こういうふうに考えている次第でございます。
#57
○加藤修一君 時間が来てしまいましたが、いずれにしても、このごみの問題、産廃ということを考えていった場合には、原子力発電所から出る核のごみもこれも産廃でありまして、これはマニフェスト制度から見ると完結していないと、どこに行くのかという話になっているわけでありまして、私はやはり原子力発電所の関係については、仮にですよ、仮に運転することが安全だったとしても、全体として社会に対する影響等を含めてテクノロジーアセスメントをやるべきであって、そういうことについてもやはり私は関心を持って進めていただきたいなと。
 これで、質問は終わります。
#58
○水野賢一君 みんなの党の水野賢一です。
 産廃特措法の改正についてお伺いをいたします。
 この改正案は、現行法が十年間の時限立法だったわけだけれども、その期限が来るから十年更に延長するという法案ですけれども、法律を作ったとき、九年前の衆議院の環境委員会で、自民党の当時水野賢一議員、つまり私が幾つか質問をしているんですけれども、そのときのことを振り返りながら今日も質問をさせていただければと思いますが、この法律というのは、世の中に不法投棄をされているものが全て対象だというわけではなくて、平成十年六月以前のものが対象になるわけですよね。
 それで、九年前の国会答弁のときは、当時の廃棄物・リサイクル対策部長、飯島さんがこういうふうに答弁しているんですね。全国の不法投棄千三百万立方メートルのうち、千百万立方メートルが対象だというふうに述べていらっしゃるんですけど、今の場合、これ大体千七百万トンぐらい、全国の不法投棄のその撤去されていない累積というかたまっているのがありますけど、これ、そのうちどのぐらいが対象になりますでしょうか。
#59
○政府参考人(伊藤哲夫君) 本法の対象となり、また今後対象とする予定の廃棄物の量は一千五十五万トンとなってございます。
#60
○水野賢一君 細かいことで恐縮ですけど、その十年ぐらい前の質疑のときは、まあ九年前の質疑のときは、立方メーター、立米というふうによく言われますけれども、そのことで言っていますけど、今、最近のこの統計は全部トンで言っていますけど、この変化は何かあるんですか、理由が。
#61
○政府参考人(伊藤哲夫君) 特にこうこうこういう理由でこうしたということはないということでございます。
   〔理事北川イッセイ君退席、委員長着席〕
#62
○水野賢一君 その法律を制定したときの質疑では、今後十年間でどのぐらいの国費が投入されるのかという、その見込みなのかという質問に対して、十年間で、当時の廃棄物・リサイクル対策部長が言うには、総事業費九百億円から一千億円程度で、そのうち国庫補助額の総額は三百から四百億円程度と試算されるという見込みを言っていらっしゃいましたけれども、結果として、今、改正の期限が来た中で、どのぐらいの事業費や国費投入額があったんですか。
#63
○政府参考人(伊藤哲夫君) 平成十五年に産廃特措法が施行されて以降、平成二十四年度末までに十五事案の支障除去等事業が実施されることとなっており、その事業費の見込額は約千二百三十五億九千万円となってございます。
 このうち、平成十七年度までに環境大臣が実施計画に同意した七事案に対して基金又は補助金による支援を実施しており、平成二十四年度末までの支援額は総額約四百四十六億三千万円と見込まれているところでございます。
 なお、平成十八年度以降に環境大臣が同意をした六事案については特措法に基づく特例として地方債をもって財源とすることができることとされておりまして、その元利償還金について地方交付税措置が講じられているという次第でございます。
#64
○水野賢一君 そうすると、九年前の答弁のときの見込みとそんなに変わらないだけの事業費や国費の投入などがあるけれども、産廃の処理の方は遅々として進まないというのはちょっと残念な気がしますが。
 質問を続けますけれども、これ、十年の時限立法が切れるから延長するわけですよね。先ほど言ったように、前に審議したときというのは、実は十年前じゃなくて九年前なんですよね。だから、本当はこれ、この通常国会じゃなくて来年の通常国会でも、いわゆる日切れ法案という形で処理をすれば間に合うんじゃないかというような気もいたしますけれども、これは前倒しして今年出したにはそれなりの理由があると思うんで、その辺を教えていただきたいというふうに思います。
#65
○政府参考人(伊藤哲夫君) この法律、十年間延長するわけでございますけれども、その対象となる事案につきましては本年度中にその計画を環境大臣に同意を求めてもらわなければいけないと、こういうことで、今年度中にきちっと計画を作ってもらうことが前提となっておりますので、今の段階で是非とも成立をさせて施行させていただきたいと、こういうふうに考えておる次第でございます。
#66
○水野賢一君 私たちも賛成いたしますので、別にそれに、今年出したことに異を唱えているわけじゃありませんので誤解のないようにお願いします。
 それで、これ最近も幾つか大臣が同意した案件があったと思いますけど、トータルで、この法律が施行されてから今日まで、この対象としている事案というのは幾つになりました。
#67
○政府参考人(伊藤哲夫君) 十五事案でございます。
#68
○水野賢一君 全国の産廃の不法投棄の全部の山というのが、撤去されていない、原状回復されていない産廃の山というのがまだ千七百万トンぐらいあるわけですけど、都道府県別に見ると圧倒的第一位は千葉県なんですよね。第二位の三重県の二倍ぐらいあって、千七百万トンのうち四百万トンぐらい千葉県だけで占めているんですけど、千葉県、一例もないと思いますけど、どうですか。
#69
○政府参考人(伊藤哲夫君) この産廃特措法の対象となっている事案はございません。
#70
○水野賢一君 そうすると、もちろんこれは県の方が申請してこないわけだろうから県の方に聞くべき話なのかもしれないけれども、少なくとも何か一番多い、不法投棄の累積のある、たまっているのがある千葉県のところで申請ないというのは、やっぱり何か使い勝手が悪いとか、何かそこら辺、環境省側としての見方というか、どういうふうに見立てていらっしゃるんでしょうか。
#71
○政府参考人(伊藤哲夫君) これは、申請されるのは県の方でございますので、私どもとして確たることは申し上げることはなかなか難しいわけでございますけれども、この対象となるものが、不法投棄等が行われ、なおかつ生活環境保全上の支障が生じるおそれがあると、あるいは生じていると、こういった中で行われるということがあるのかも分かりません。
#72
○水野賢一君 今後も、自治体にとっても使い勝手のいいような形の法律の運用に努めてもらいたいと思いますが。
 ちょっと視点を変えて質問していきますけど、これ、この法律が対象にしているのは平成十年六月以前ということは、裏を返すと、これ作るときの議論にもあったんですが、十年六月以降は廃棄物処理法によって適正処理推進センターの基金が補助をするから、つまりそっちは法律上対処できているから、逆に言うと対処できていない法律上の空白になっていた平成十年六月以前のものについてこの法律を作ったという、そういう理解でよろしいですよね。
#73
○政府参考人(伊藤哲夫君) 廃棄物処理法の改正によりまして、この基金ができた段階におきまして平成十年以降のものを対象とすると、こういうふうな了解がありましたので、それ以前のものについてはなっていないということでこの特措法ができているというふうに考えております。
#74
○水野賢一君 要は、平成十年六月以降に不法投棄されたものについては廃棄物処理法によって適正処理推進センター基金から補助するから一応手当てができて大丈夫だということだったと思うんですけど、本当にその適正処理推進センターに十分な基金、今あるんでしょうか。
#75
○政府参考人(伊藤哲夫君) これは、産業界に毎年、環境大臣の方からも協力のお願いをしております。それから、国費の方も投入するということで、必要となるものについてはほぼ拠出がされているというふうに考えてございます。
#76
○水野賢一君 これは大臣、この産業界に対してここに、適正処理推進センターに資金を出してくれという要請は大臣がやっていらっしゃるんでしょうか。
#77
○国務大臣(細野豪志君) 文書で行っております。
#78
○水野賢一君 じゃ、これは事務方で結構なんですけれども、産業界からのお金、若しくは、これ十年前ぐらいの議論でもあったんですけど、医師会なんかもお金出しているんですね。ところが、十年前の時点で毎年というか、まあ元々、最初は出してなかったんだけど、年間五十万円だったんですね。これ、五十万円というのは、つまり医療廃棄物とかというのは普通の廃棄物よりも処理費が何倍も高いとか、何十倍も百倍も高いとかとあるのに、五十万円しか出さないというのはいかがなものかという議論があったんですけど、今現在、産業界と医師会それぞれどのぐらい拠出していますか。毎年です。
#79
○政府参考人(伊藤哲夫君) 産業界からの拠出額の全体は、平成二十一年度で約一億七千七百万円、平成二十二年度は一億五千五百万円、平成二十三年度一億五千五百万円弱。これは一応こういうことで、今できるんではないかというふうに考えている次第でございます。
 このうち、日本医師会及び病院関係四団体からは毎年二百五十万円を拠出いただいているという状況でございます。
#80
○水野賢一君 一億幾らというのは、十年ぐらい前にこれ、四億円を産業界から拠出してもらうのを目標としていませんでしたか。
#81
○政府参考人(伊藤哲夫君) お答えいたします。
 平成十三年度につきましては、産業界から四億円の実際拠出をいただいております。これは四億円、目標ということでございます。あとは、実際必要となる額の見合いで毎年産業界にお願いをしていると、こういうことでございます。
#82
○水野賢一君 九年前の質疑のときも私も、四億円が目標だったけど三億四千万円しか出してくれなかったということに対して質疑しているんですけれども、そうすると、当時よりもずっと何分の一かに激減しているんでしょうけど、これは大臣、ちょっとルーチンワークのようにやっていて、要請しているけど出してくれないという状況があるように思いますけど、大臣、どうですか。
#83
○国務大臣(細野豪志君) そこは詳細、一回確認をしてみたいというふうに思います。過去の経緯がどうで、実際に出ているものがどうか、重要な御指摘ですので、確認をさせていただきたいと思います。
#84
○水野賢一君 廃棄物処理法の第十三条の十五にこう書いてあるんですね。「環境大臣は、前項に規定する基金への出えんについて、」、今言っている話ですね、「基金への出えんについて、事業者等に対し、必要な協力を求めるよう努めるものとする。」と。大臣の仕事として廃棄物処理法に明確に書いてありますので、これはやっぱり、金額が減っちゃっているということは、今のお話にもありましたけれども、しっかりと要請すべき点は要請をしてもらいたいというふうに思います。
 何かありますか。特になければ。
#85
○政府参考人(伊藤哲夫君) これは産業界から社会貢献として出していただいていると、こういう性格でございます。産業界の方からは、今のスキーム、平成二十四年度末まではこういうふうなことでやろうということを御了解をいただいているわけでございますけれども、それ以降についてどういうふうなことでやるのかということを今、産業界も入れて検討会をつくっていろいろ議論をしているところでございまして、環境省としましては、引き続き産業界からの拠出を是非ともお願いしたいと、こういうふうに考えているところでございます。
#86
○水野賢一君 こういう廃棄物の処理の関係での産業界からの資金の拠出に関連してなんですけど、PCBのことも伺いたいんですがね。
 PCBというのは、これはどっちかというと、不法投棄が問題というよりは、置いてあるんだけれども、それの処理がなかなか進まない、進まないし、そのための処理費が掛かるということで、これもやっぱり同じころに特措法を作ったんですよね。これは期限が違って十五年間で処理をするという特措法です。非常に似ているのは、同じころにこういう一定の期限内に処理を進めると言いながら、処理が事実上無理だというふうに断念しつつあるという点で非常に似ているんですが、このPCBの処理についても、基金に対して産業界からの、要するに、つくった人たちとか、PCBというのは人工的につくったんですから、この拠出が、拠出する仕組みになっていますけれども、処理費用を、これ、どうなっています、事実関係。
#87
○政府参考人(伊藤哲夫君) 平成十三年度のPCB廃棄物処理基金の創設時におきまして、民間、具体的には財団法人の電気絶縁物処理協会から四億八千万円が拠出されました。それ以降でございますけれども、平成十四年に九州の事業者、これは一社ですけれども、八十万円が拠出されていると、こういう状況でございます。
#88
○水野賢一君 PCBの話というのは、これはもう聞くまでもないけれども、要するに、元々この世の中に存在していないものなわけですよね、自然界に存在していないPCBをこれはわざわざつくったんですよね。日本国内では要するに鐘淵化学と三菱モンサントがつくったわけでしょう。そういう企業は、じゃ、その処理費に対しては拠出していますか。
#89
○政府参考人(伊藤哲夫君) 今御指摘の両社につきましては、この協会の中に入ってございます。
#90
○水野賢一君 いや、だから、それはその最初の電気絶縁物処理協会が出したということであって、その企業が出しているわけじゃないでしょうということの確認です。
#91
○政府参考人(伊藤哲夫君) この財団法人電気絶縁物処理協会の寄附金企業者リストというのがございまして、その中にこの両社が含まれております。したがいまして、この両社が寄附金を電気絶縁物処理協会を通じて拠出をしていると、こういうふうに考えてございます。
#92
○水野賢一君 それは、電気絶縁物処理協会は、解体したときに、廃止されたときに、それで今まで残っていたお金を出しただけで別に新たに拠出したわけじゃないんですよ、事実関係として。
 このPCBに関しては、PCB処理の特措法ができたときに、平成十三年の三月三十日の当時の川口順子環境大臣が、今海外出張、渡航していらっしゃいますけれども、こう述べているんですね、国会答弁で。同時に鐘化は、鐘淵化学のことです、同時に鐘化は、基金への出捐をするなどによりまして、確実かつ適正に処理が行われる、そのことを推進するために、国それから地方公共団体の施策に協力をしなければいけないという義務を負っていますというふうに、わざわざ大臣自ら企業の固有名詞も挙げて、国会答弁でここの基金に対して出捐をすべきだということを当時言っているんですね。
 これ、細野さんか、廃棄物・リサイクル対策部長でもいいですけど、これはお金を、少なくともつくったんですから、この自然界にないものをつくって、それが問題になっているんですから、そこに資金を拠出することを求めなくていいんですか。
#93
○政府参考人(伊藤哲夫君) 事実関係から申せば、先ほど申しましたとおり、この両社も、その電気絶縁物処理協会を通じてではありますけれども、拠出をいただいているということになります。
 さらに、今後どうしていくかということにつきましては、また十分検討してまいりたいというふうに考えます。
#94
○水野賢一君 じゃ、その四億八千万円でPCBの処理は足りるんですか。
#95
○政府参考人(伊藤哲夫君) PCBの処理につきましては、いろんなものがございますけれども、基本的にはPCBの含有した機器を所有している者の負担によって処理をしていただくということを大原則にしているところでございます。
#96
○水野賢一君 だから、足りるんですかということは、要するに、PCBの全部の処理にどのぐらいの単位のお金が、つまり、十億単位なのか百億単位なのか千億円ぐらいになるのか、どのぐらい掛かるというふうに見ています
 ちょっと、ちょっと速記止めてくださいよ。
#97
○政府参考人(伊藤哲夫君) 済みません、今、処理費全体について正確に推計したものは手元にございませんが、恐らく数千億円程度は掛かるだろうというように考えております。
#98
○水野賢一君 大臣、要は数千億円単位掛かるものを四億八千万円出したってまさにこれはスズメの涙というわけであって、これは大臣として、当然そういう製造を、だって自然界にないものをわざわざつくったんですから、それが今問題になっているんですから、これをちゃんと資金の、処理のための費用の拠出などを強く要請していくということは、大臣、やっていくべきだと思いますけど、いかがでしょうか。
#99
○国務大臣(細野豪志君) 水野委員の御指摘は重要だと思うんです。そういうものを誰の負担で処理をしていくべきなのかという役割分担の問題だと思うんですね。ですから、PCBの処理費の場合には持っている人間が処理費用を出すというのが基本的な枠組みで、それを国が支えているわけです。ただ、水野委員の御指摘は、所有している人間ではなくてつくった人間の責任を問えということだというふうに理解をいたします。
 今の段階では、大企業も中小企業もPCBの製品の使用によって利益を受けたことには変わりはないということで、中小企業が本来は負担すべきところを、持っている中小企業ではなくて製造者に負担をさせるということについて理解が得られているという状況ではないというのが現状です。
 ただ、製造者というのは、ないものをつくり出したという意味で極めて大きな責任があるというのは委員御指摘のとおりでありますから、先ほども部長からも答弁がありましたけれども、これからどういう負担をしていただくのか、いただくべきなのか、そこの議論はしっかりとしてまいりたい。そして、理解が得られるものであれば、それはそういう出捐金を出していただくということも含めて取り組んでいかなければならないと考えております。
#100
○水野賢一君 時間ですので終わりますけれども、確かに、一般論としていえば、廃棄物というのはその排出者が費用負担するのは当然なんです。しかし、わざわざ自然界にないものをつくって、健康被害を多く出して、なおかつもうけを得ていたんですから、それは負担するのが、それは全額と言っているわけじゃないですよ、一定額を、そのスズメの涙じゃないだけの単位を負担するのは当然でしょうということを申し上げているわけです。
 終わります。
#101
○市田忠義君 日本共産党の市田忠義です。
 私は、これまで各地で産業廃棄物の不適正処分によって被害を受けている皆さんの声を直接伺って、周辺住民が安心して住み続けることができる、そういう対策と産廃特措法の延長、そして十分な予算措置を当委員会でも一貫して求めてきました。現状は十年にわたって莫大な国費を投入してなお処理が進んでいないと。その原因、問題点を明らかにして今後の取組に生かさなければならないという、そういう立場から幾つか質問をしたいと思います。
 まず初めに、香川県豊島の問題についてお聞きします。
 ここは、法が適用された十五件の中で全量撤去に取り組んでいる僅か二件のうちの一件であります。最終段階になって処理対象量が大幅に増えたと聞いています。当初の推計量と新たな推計結果、処理済量と残存量は重量でいいますと幾らになっているでしょうか。
#102
○政府参考人(伊藤哲夫君) 平成十五年度の事業開始の際の処理対象の廃棄物量は六十七万五千トンでございました。また、平成二十三年八月に香川県が発表した新たな数値によると、推計量は最大九十万五千トンとなってございます。この推計量の差は、支障除去等事業を実施したところ、大量の廃棄物が深掘りされて埋め立てられているなど当初の想定以上の新たな廃棄物が発覚したことによるものでございます。
 平成二十三年三月三十一日現在の処理済量は約五十一万七千トンでございます。また、処理対象の廃棄物の残存量につきましては、直近の推計量から最大約三十八万八千トンでございます。
#103
○市田忠義君 もうほとんどの撤去が終わっていてしかるべき時期なのに、廃棄物の量は減るどころか増えていると。この事実について環境省はいつ把握されたんでしょうか。
#104
○政府参考人(伊藤哲夫君) 豊島の廃棄物処理量が増加したことにつきましては、平成二十三年八月一日に香川県知事が定例会見において発言され、詳細な内容は平成二十三年八月二十二日に発表されたところでございます。
 香川県から環境省に対し廃棄物の量が増加したことについて情報提供がございましたのは、知事発表の少し前だったというふうに記憶してございます。その後、廃棄物処理量の見直しについて平成二十三年八月十七日に詳細な情報提供を受けたという次第でございます。
#105
○市田忠義君 この事業は、大体幾らぐらい国費投入されていますか。おおよそで結構です。
#106
○委員長(松村祥史君) 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
#107
○委員長(松村祥史君) 速記を起こしてください。
#108
○政府参考人(伊藤哲夫君) 約百十一億円でございます。
#109
○市田忠義君 百億円以上の国費を投入してきた事業なのに、環境省は正確な実態把握さえしていなかったということであります。しかも、これまで二回、県から実施計画の変更申請を受けて二〇〇九年三月と二〇一一年六月に環境大臣が同意をしておられます。その際にも全く問題に、大臣同意されるときにお気付きにならなかったんでしょうか。この辺はいかがですか。
#110
○政府参考人(伊藤哲夫君) 私ども、県からは、この廃棄物の量が増えたというふうな情報提供がある以前におきましては、この期限内に是非ともやりたいというふうなお話をずっと伺ってきたところでございまして、そういった県の情報提供があるまでは私どもも承知できなかったという状況でございます。
#111
○市田忠義君 いや、私が聞いているのは、環境大臣が変更申請二回受けて同意をされていると、その時点でどうして気付かなかったのかと聞いているわけです。
#112
○政府参考人(伊藤哲夫君) 申し訳ございません。そういった量が増えているだろうというふうなことにつきまして県の方から情報提供がなかったということでございます。
#113
○市田忠義君 そんなことは分かっているんですよ。国が百億円以上もお金投じてやっている事業でどうして気付かなかったのかと。しかも、変更申請が出たわけで、それで大臣が同意しておられるわけですから。
 そもそも、法を適用する出発点で私は問題があったというふうに思うんです。基本方針に基づく実態調査、やっていないんじゃないですか。これはいかがですか。
#114
○政府参考人(伊藤哲夫君) 実態調査につきましては県の方の責任で県が行うということになっておりますので、私どもの方で直接その実態調査を行ったというわけではございません。
#115
○市田忠義君 いや、それは分かっているんですよ。県がそういうことをやっていないことを指導する責任あるじゃないですか。金百億も出しているわけでしょう。
 豊島の住民会議の方々は、計画どおり工事が進んでいるのか心配で県に何度も大丈夫かと念を押してきたのにと非常に苦しい思いをされていたんです。
 でも、いろいろ言われましたが、産廃特措法を適用する際にやるべき調査やらなかったと。法の適用というのは二〇〇三年十二月で、公害等調整委員会の調査から十年近くたっているんです。当時のボーリング調査は何十メートルメッシュでやられたんでしょうか。
#116
○政府参考人(伊藤哲夫君) 三十メートルメッシュでやられたというふうに聞いております。
#117
○市田忠義君 違いますよ、五十メートルメッシュですよ。基本方針に基づくボーリング調査が三十メートルメッシュなんですよ。それぐらいの基本的な事実知っていないと、それは駄目ですよ。ですから、この調査技術や知見は進歩しているわけですから、改めて調査しておれば、より正確な実態把握はできたはずだということを言いたかったんです。
 さらに、二〇一一年六月に大臣が同意された処理方法の変更ですが、新たな混乱をこれが引き起こしたと。汚染土壌の水洗浄処理を滋賀県大津市の事業者が落札をして、処理施設周辺や流域を含む地域や土地改良区等の皆さんから、これは地元の川や農業用水、琵琶湖の汚染をするんじゃないかと、そういう懸念の声が上がり、この契約は結局は解除されました。
 県はこれに代わる処理方法を検討するとしていますが、元々公害調停では処理する場所と処理方法についてはどのように定められていたんでしょうか。
#118
○政府参考人(伊藤哲夫君) 香川県の中で処理をするというふうに定められたというふうに考えます。
#119
○市田忠義君 おっしゃるように、公害調停では豊島の隣にある直島で焼却溶融方式で処理するということを定めていたと。
 お聞きしますが、公害調停で定めた内容を変更してまで処理方法を変えた理由、実施計画でどう書いていますか。
#120
○政府参考人(伊藤哲夫君) この汚染土壌の水洗浄処理を行うということについてのその理由について、実施計画では次のように述べているところでございます。
 平成二十一年度末時点での処理は計画に比べ一割程度遅れていたため、処理をスピードアップする必要があった。溶融処理と並行して行うことにより処理をスピードアップすることができることから、水洗浄処理は、産廃特措法に基づく国の支援が受けられる平成二十四年度末までの処理に必要不可欠な処理方法である。
 また、豊島廃棄物等の処理を一日でも早く終えることは、豊島住民はもとより、県民がひとしく望むところであり、公害調停の精神にも沿うものと考える。さらに、廃棄物処理を早期に終えることにより、処分地周辺環境への影響や不測の事態が発生する可能性も小さくなると。
 以上でございます。
#121
○市田忠義君 処理方法の変更を持ち出されたのは、処理対象量が増える前の話なんですね。
 先ほど紹介した産業廃棄物等の豊島の住民会議の冊子を読んでみますと、「現時点で調停条項を守れない程の遅れではありません。しかし、香川県はあくまで二〇一三年の三月末日までに処理を終えたいとしています。」と強引に処理方法の変更を持ち出したと、こういう様子が述べられている。豊島の人たちは、自分たちと同じような苦しみを他の土地の人に広げたくないと、本当に外で処理して大丈夫なのかと心配をされていました。
 公害調停では処理期限は二〇一六年度末までとしていました。無理やり二〇一二年度末の法の期限に合わせて処理を進めようとしたと。このことが今日の混乱を私は引き起こしているというふうに思います。
 大臣にお聞きしたいんですけれども、産廃特措法の期限を十年延長するんですから、元々の公害調停の精神に立ち返って、オンサイトで処理施設を造るなどして、公害調停の期限までに安心、安全に処理が完了するように、県任せにしないで国が責任を持つべきだと思いますが、この点は大臣の認識はいかがでしょう。
#122
○国務大臣(細野豪志君) 市田委員の御指摘は重要な論点を提示をしているというふうに思います。こういう廃棄物の処理というのは自治体がやると、それを、言うならば、適正に行われているかどうかをチェックをしていくというのが国の役割ということになっておるわけです。ただ、現実には、こういう大規模な産廃の場合には、御指摘のように、特に豊島はそうですけれども、様々な課題があって、大津の事例などはまさにそうですが、むしろ途中で、いろんな状況で前に進まないという状況にもなってしまっているということであります。
 先ほど御指摘いただきました計画変更の際の大臣の同意であるとか、そういったところというのは非常に大きなポイントだというふうに思っていまして、同意をするからにはそれなりのしっかりとした事実を把握をした上での判断というのが求められるというふうに思いますので、その御指摘を受けて、豊島についてはしっかりと処理ができるように取り組んでまいりたいというふうに思います。
#123
○市田忠義君 大変前向きな答弁で結構だと思います。
 今起こっている事態は、香川県だけの責任にとどまらずに、国が行うべき汚染実態と進捗状況の把握、処理方法変更などに対する適切な助言、指導を事実上怠ってきたということに起因しているわけで、やっぱり県任せにしないで、安全、安心に処理が進むように国が責任をきちんと果たしていくということを強く要望しておきたいというふうに思います。
 次に、廃棄物を撤去せずに現地で浄化処理等の対策を取っている三重県桑名市五反田の問題についてお聞きします。
 ここは、産廃特措法の適用を受けて二〇〇五年度から二〇〇七年度に対策工事を実施したところですが、二〇一一年三月に再度同法の適用を受けています。一度目の対策では、発がん性が懸念されている1・4ジオキサンは浄化しないまま敷地外に流し続けていたということになります。その流し続けていた期間はいつからいつまででしょうか。
#124
○政府参考人(伊藤哲夫君) この案件につきましては、平成七年に地域住民より廃棄物を埋め立てているという疑いがある旨の通報があったところでございます。
 1・4ジオキサンにつきましては、平成二十一年十一月三十日に環境基準が追加されたため三重県が調査を行いましたが、平成二十二年三月二十五日に測定結果が判明し、地下水浄化後の水から環境基準の十二倍の1・4ジオキサンが検出されました。このため、三重県では同年三月三十一日に地下水の揚水を禁止したところでございます。
 以上のことから、いつからということにつきましては、測っておりませんので確定的なことは言えませんが、不法投棄された平成七年から流されていたという可能性はあるというふうに考えてございます。それから平成二十二年三月三十一日までの間に放流されていたと、こういうふうに考える次第でございます。
#125
○市田忠義君 規制物質ではなかったということも言われましたけれども、法に基づく浄化対策として行った事業で、結果的に発がん物質を大量に放流してしまったということは事実だと思うんですね。この責任については、どうお考えですか。
#126
○政府参考人(伊藤哲夫君) 結果的にそういうふうな、現在から見れば当然規制されるべきものが放流されてしまったということは事実でございまして、それについては遺憾でございますが、当時としてはそういった知見がなかったということで、当時としてはやむを得なかったというふうにも考えている次第でございます。
#127
○市田忠義君 三重県の調査検討委員会の検証によりますと、1・4ジオキサンは二〇〇四年三月に要監視項目、監視すべき項目と、要監視項目に指定されて、検出の可能性を推定するのは難しくなかったということを指摘しているんです。
 私、大臣は実施計画に同意される際に慎重に検討して対策を取らせるべきだったと思うんですが、先ほど豊島の問題でそういう発言がございましたが、この件についても、これは事は発がん物質の問題なんですから、やっぱり実施計画同意する際に慎重に検討して対策を取らせるべきだったと思うんですが、この点はいかがでしょうか。
#128
○国務大臣(細野豪志君) 先ほどの豊島の例でも申し上げましたけれども、実施計画というものをしっかりと確認をする際に様々な取組がなされているかという、そういうしっかりとした確認は重要だというふうに思います。
 ただ、このケースの場合には、まだ規制対象になっていなかったということで、1・4ジオキサンについての十分な対応ができる状況だったかどうかというのは、これはちょっと確認をしてみないと一概には言えないところがあるのではないかというふうに思います。
 いずれにしても、非常にこの五反田の事案も周辺の皆さんに大変御心配をいただいているところでありますので、私自身もしっかり確認をしてみたいというふうに思います。
#129
○市田忠義君 周辺地下水で最大で環境基準の五十四倍、不法投棄地内の地下水で最大で環境基準の三百六十倍も検出されているんです。これだけ危険な物質が含まれているにもかかわらず、浄化済みだとして数年にわたって放流し続けてきたと。私は、法を適用する際に対策を取っておれば、またもっと早く環境基準に追加しておれば、汚染によるリスクを低減できたはずだということを指摘しておきたいと思います。
 県の技術検討専門委員会がまとめた環境修復のシナリオの評価によりますと、廃棄物等の全量掘削処理プラス揚水浄化による工法が十年間で確実に対策を終了させる最も適当な案だと、こうしながらも、一時的に多大な事業費が必要になり、国等の財政支援の可否等も踏まえた総合的な判断が必要だと、こう述べているんです。
 国の財政支援が足りないために最適な対策が取れないということは、私は絶対にあってはならないと。やっぱり十分な予算措置をとり、安心、安全が確保できる対策を取るべきだと思いますが、この点は大臣、いかがでしょう。
#130
○国務大臣(細野豪志君) 特措法を今回出させていただいていますので、それを確実に処理をできるだけの予算を確保して責任を持ってやっていくということは極めて重要であると考えております。
#131
○市田忠義君 周辺の自治会の皆さんからは、後になって次々と問題物質が出たと言われるといつまでも安心できない、大変心配をされています。有害物を除去せずに封じ込めて対応していては、汚染リスクが残って、いつ問題が噴き出すか分からないと。やっぱり私は今回のようなことが二度と起こらない対策を取ることこそが最大の教訓だと思います。
 今日は豊島と桑名の問題に絞ってお聞きしましたが、やっぱり産廃特措法を適用した事業に共通している問題の根底には、限られた予算の範囲内で、かつ法期限内に完了するという工法を国が事実上県に押し付けてきたということが私は土台にあると思うんですよ。やっぱり法を延長する今後十年間の取組では、こうした教訓を踏まえて周辺住民が安心して暮らしていける環境を取り戻す、そのために十分な予算を確保する、最新の知見と予防原則に立った汚染実態の把握と必要な対策を国が取るということを指摘して、質問を終わります。
#132
○平山誠君 新党大地・真民主の平山誠です。
 この法案、延長するに当たって、私は賛成ではございますが、賛成とする前に、九年前この法案が通り、自治体の皆様も各々努力はしてきたと思いますが、不法投棄も法案を作って多額の国民の税金を投じて処理しなければいけないという、このことが始まった原因というのは、やはり少量の不法投棄を、県民の声、住民の声を無視した行政の責任、国の責任も大きいと思います。
 この法案を延長するに当たって、国から今後新たにどのような指導を課して延長していくのか、また、何もせずに、要求があるから、処理ができないから十年間延長するという国の体制なのか、大臣のお考えをお聞きしたいと思います。
#133
○国務大臣(細野豪志君) こうして法律を提出をさせていただいて国費を投入するわけですから、その責任は極めて重いですし、特に具体的に豊島のように様々な問題があったケースについて国がしっかりとやるべきことがあれば指導をしていくということは重要だというふうに思っています。
 ただその一方で、いわゆる廃棄物の処理全般につきましては、自治体がしっかりそれぞれでやっていただくというのが全体の枠組みの基本的な方向としてあるわけですね。ですから、そこは、全てのケースについて国が直接的な関与をしていくというよりは、自治体でやれるものはしっかりとやっていただくと。そして、本当に問題が出てきていて、国としてある程度しっかりと住民の皆さんに対する安心の提供という意味も含めて実質的な関与をしていくべきところについては関与していくという、そういう形が必要なのではないかというふうに思っております。
#134
○平山誠君 やはりそれはお題目というか言葉であって、豊島の問題で言えば、先ほど言ったように百億円以上のお金、そして、豊島の場合も何十年という住民の声を行政が無視し、県が無視し、他府県からの警察の指導でやっと始まったという、それからもまだ行政は責任ないよというふうな言い逃れ。そして、努力はしていると言いますが、私も豊島の方に見学させていただきましたが、その後、事業が始まってから五年も六年もたってから二十五万トンほどの量がまだ、これだけ増えました。このような状況を加味しましたら、やはり国はちゃんと適正な指導をするべき、やはり大飯原発と同様に、副大臣でも担当を付けてどうしようもないところは指導するというのが必要だと思います。
 ましてや、全量撤去という処理は申請されているところの二か所ぐらいということがありますが、私も先日、お話ありましたように桑名の方に見学させていただきましたが、住民の安心、安全を考えると、封じ込めだけでいいのか、封じ込めで処理ができるのかという考えがありますけれども、特措法を十年延長した場合、全量撤去の場合はある程度の解決策が総量として目に見えますが、やはり封じ込めた場合のものというのは見えないと思いますが、これもまた指導なしにあと十年延長して、また十年後に延長法案を出てくるようなことになった場合は大臣はどのような責任をお持ちになるんでしょうか。
#135
○政府参考人(伊藤哲夫君) この延長法案につきましては、あくまで今年度中にその処理計画を出していただくところに限るということにしております。なおかつ、平成十年以前に行われた不法投棄等による対策法でもございますので、この十年以内に是非とも全部片付けるということは絶対必要ですし、また県とも相談しておりますけれども、これはできるというふうに考えております。是非やっていきたいというふうに考えます。
#136
○国務大臣(細野豪志君) 計画が出てくる段階でそれが実際に実現可能かどうかということについては、今回こういう形で法律の延長を出させていただいていますので、環境省としてしっかりと確認をしたいというふうに思います。そのことによって、十年の中でしっかりと処理をするということで責任を全うしてまいりたいと考えております。
#137
○平山誠君 やはり強力な国の指導の下やっていきませんと、やはり行政も流されていく。ましてや、目に見える成果を出していくということは、やはり国への、中間報告とは言わずに、一年一年の報告を義務付けるとか、かなりの強制力を持たないと住民の安心というのは確保できないと思いますので、その辺を、法とは言わずに指導という形で大臣の方からもよろしくお願い申し上げます。
 そして、もう一つは、私は未来に負の遺産を残さないというのが政治ポリシーでありますが、今後の廃棄物等の対策として、陸上のものはかなり目に見えて処理ができますが、やはり河川、海への汚染物の流出若しくは排出をどのように管理していくか。
 先日、埼玉県でも、ある業者が廃棄物の処理を任され、それが入っていた内容が知らされなかったので汚染物質を川に、川から検出されたということがありましたが、それも排出業者と処理業者に言った、言わない、聞いていない、聞かないといったようなことだけで海洋汚染や河川汚染が起きるということですが、今後、今福島原発等の放射能汚染もありますが、海洋汚染、河川汚染について大臣はどのようなお考えをお持ちですか。
#138
○国務大臣(細野豪志君) 先日、水道までその問題が波及をして、首都圏の皆さんにも大変な心配をお掛けをいたしました。これは非常に重要な事案でございますので、これまで規制対象になっていなかったものも含めてどのようにこういったことが起こらないようにしていくのかという、そういう検討会を、検討する場を既に環境省の中で設置をしております。
 排出する側の方のそこの規制は環境省と、水道にいくと厚生労働省ということになるわけですので、その両省がしっかりと連携をして、もうこういったことが起こらないような体制をつくる極めて重要な責任があるというふうに考えております。
#139
○平山誠君 ひとつ、そちらも強力な政治主導が必要と思いますので、よろしくお願いします。
 富士山でいえば、富士山のごみを拾うという運動があります。でも、しかしながら、私が思うに、富士山にごみを残さない、ごみを捨てないという教育が必要と思いますが、先ほどもありましたが、産業界、医療業界、建設業界等がやはり不法投棄の要因でもあると思いますが、その辺にやはり一定料の金額を拠出してもらうということが必要かと思いますが、やはり経済の、何というんでしょうかね、停滞の原因になるから安全は無視するというのであれば、またこれも違った観点から見ればまた違った問題ということになりますが、その辺の対処方法は、最後に。
#140
○政府参考人(伊藤哲夫君) 不法投棄等の問題につきましては、まずもって不法投棄をやらせない、未然に防止するということがまず大前提で必要かというふうに考えております。
 また、この起こってしまった問題については、これも原因者がまずしっかりやってもらわなきゃいけないということが大原則でございますが、その原因者が無資力であるとかいなくなったというような場合について、平成十年以前の事案については今回の産廃特措法の延長ということで対応していくことにしておりますが、平成十年以降のものにつきましては、今先生御指摘のとおり、産業界からも資金の拠出は社会貢献として今いただいておりまして、そういったものも活用して都道府県の支援というものを是非今後も続けたいと、こういうふうに考えておる次第でございます。
#141
○平山誠君 私の言っているのは、もっと一定の決まった金額を国が提示して確実に納めてもらう。そして、やはり罰を与えるというような強い態度を国が出していかない限り不法投棄を減少させることはできないと思います。
 国の、本当に、大臣、そして環境省の強いリーダーシップが必要とされますので、十年延長するにはやはり国の責任、行政の責任をはっきり明記していただきたいと思います。
 ありがとうございました。
#142
○亀井亜紀子君 無所属の亀井亜紀子でございます。
 初めの質問ですけれども、今回の特措法の延長による対象事業についてお伺いをいたします。
 今回の延長は、延長しなかった場合、期限内に完了しない現在進行中の事業と既に判明している不法投棄のみを対象とし、平成二十五年三月三十一日までに実施計画を策定して環境大臣に協議する。言い換えれば、この締切りを過ぎたら対象とはしないという理解でよろしいでしょうか。その場合、例外はないと理解してよいでしょうか。
#143
○副大臣(横光克彦君) 都道府県等が実施計画を定めようとする場合は、あらかじめ環境大臣に協議するというように定められております。ですから、今回のこの法案の改正案におきましても、環境大臣へのこの協議というものは平成二十五年三月三十一日までにしなければならないと定められておりまして、例外はございません。
#144
○亀井亜紀子君 今の質問をいたしましたのは、例外をつくってしまうと、この十年後に、十年の直前にまた駆け込み需要が発生して、また延長と、延々と法律が延長されていって、そうすると、その不法投棄の抑制にはつながらない、最後には国が出てきて処理してくれると、そういうようなメッセージになりはしないかなと思ったんです。ですので、この特措法の延長とともに、やはり一方で不法投棄を抑止する政策、例えば不法投棄の原因者が特定できた場合にその処罰について厳罰化するようなことも同時並行で行うべきだと思うんですが、今現行法では原因者についてどのような処罰になっているのでしょうか。
 また、三重県四日市市の事例において、原因者を措置命令違反で告発したが不起訴処分になったとあるんですけれども、詳細について教えていただけますか。
#145
○政府参考人(伊藤哲夫君) 現行の廃棄物処理法におきましては、不法投棄等に対する罰則として、原因者に対し五年以下の懲役又は一千万円以下の罰金、法人に対し三億円以下の罰金としているところでございます。これは順次強化して現在こうなっているということでございます。
 また、三重県四日市市内山の事案では、安定型最終処分場であるにもかかわらず硫化水素ガスが発生したことから、三重県は、処分業者が安定型処分場に埋めることができない木くずなどの有機物を混入させて埋め立てたと、こういうふうに判断し、措置命令を発出いたしました。しかし、処分業者がこれに従わなかったことから、三重県は平成十九年に会社と代表取締役を告発したわけでございます。検察の方で検討をしていただきましたけれども、嫌疑不十分ということで不起訴処分になったというふうに聞いてございます。
#146
○亀井亜紀子君 つまり、現行法では処罰といっても罰金なわけですよね。そして、罰金が重くてこれが原因で倒産したとしても、言ってしまえば倒産したら終わり、あとは行政が何とかしますという終わり方をしたのでは、やはり不法投棄の抑制にはつながらないだろうと思うんです。ですので、この原因者に対する厳罰化というのは私は必要だと思います。
 今回、オウム真理教の事件で最後の一人、三人逃げていた最後の一人が捕まりましたけれども、例えば一番厳罰の場合には懲役というようなことも含めて、そのぐらいのプレッシャーを原因者に対して掛けるというような厳罰化の議論というのは全くないんでしょうか。
#147
○政府参考人(伊藤哲夫君) 先ほども申しましたけれども、不法投棄についての罰則でございますが、原因者に対し五年以下の懲役という規定も現在ございます。この懲役の年限もだんだん長くしてきておるんですけれども、そういったことで、そういった厳罰、できるだけこういうことも適用していくということが必要ではないかというふうに考えてございます。
#148
○亀井亜紀子君 通告にはなかったんですけれども、その懲役の事例などは幾つかありますか。
#149
○政府参考人(伊藤哲夫君) 済みません。ちょっと手元に資料はないんですけど、あります。
#150
○亀井亜紀子君 それでは、後に資料をいただきたく、お願いいたします。
 それでは次、不法投棄の発見の難しさについてなんですけれども、先日この委員会の視察に参加いたしまして、四日市市の事例を見てまいりました。
 私の印象ですけれども、人目に付かない山奥ではなくて市街地であるというふうに感じました。処分場の入口の付近にはマンションがありましたし、仮に夜間に侵入したとしても、長年誰にも気が付かれずにあの場所にごみの山ができるということは考えにくいと思います。ですので、なぜ発見されなかったのでしょうか。あるいは、行政も認識はしていたけれども単独で処分する予算がないので放置していたというのが実情なのでしょうか。
#151
○政府参考人(伊藤哲夫君) 産廃特措法の対象となる案件は、平成十年六月十六日以前に発生したものでございます。事案が発覚した当時とは現在は周辺の住居の状況も変わってきていると、こういうふうなこともございます。例えばまた、四日市市の事案につきましては、安定型処分場において許可品目以外の品目の埋立てや処分場の容量を超えた埋立てが悪質かつ巧妙に行われていたということであり、そういったことが発見を困難にした一因であるというふうに考えておる次第でございます。
 しかしながら、事案の発覚後におきましては、都道府県等は行政指導等を行い改善を図るなど必要な対応を取ってきておると、こういうふうに認識しております。
 また、特に必要な予算がなかったから当該事案に取りかからなかったというふうな事実はないというふうに考えております。
#152
○亀井亜紀子君 確認ですけれども、では、定められた産業廃棄物の処理地であるので、運び込まれること自体には周辺の住民は全く不信感は覚えず、ただその運び込んでいたものに規定していたのと違うものがあったと、そういうことでよろしいですか。
#153
○政府参考人(伊藤哲夫君) まさに先生御指摘のようなことがあったのではないだろうかというふうに思っております。
#154
○亀井亜紀子君 分かりました。
 それでは、最後の質問に移りたいと思いますが、先ほど、平山議員も富士山の例を出されました。以前、この委員会で私、富士山周辺の不法投棄について質問したことがありまして、世界遺産登録の一つの障害になっているというような話も聞きましたが、どうでしょうかという質問をしたことがあります。
 江田環境大臣のころには、富士山の清掃登山について激励に行かれたり、いろいろと活動されていたと私は記憶をしているんですけれども、現状、どのようになっておりますでしょうか。また、環境省はこの問題について、世界遺産登録のこともありますが、これは文化遺産ということで文化庁管轄ですけれども、積極的に取り組まれているのか。また、この今回の産廃特措法のようなものの対象になるそういう案件等、あるのでしょうか。
#155
○国務大臣(細野豪志君) 実は、富士山の静岡県側は私の選挙区でございまして、地元ですので、いろんなグループが活動しているのをよく存じ上げていますし、富士山とのかかわりの中で環境問題に取り組んできたそういう人たちがたくさんいますので、是非今年は、そういった意味で象徴的な年に是非していきたいというふうに思っています。
 山梨県側でもいろんな掃除をしてくれたグループというのはこれまでございましたが、できれば今年は山梨県側と静岡県側が登山のちょうどその時期のできるだけ早い段階で一斉に清掃をすることがいいんではないかと思っておるんです。もちろん、環境省もこれまでもかかわってまいりましたので今年もかかわりますし、私自身も一緒に掃除をしたいと思っております。
 その中で、ICOMOSが今年の夏には来るということになっておりますので、そういう地元の取組も含めて見ていただいて、そして世界文化遺産の登録という形で進めることができれば、大変これは日本にとって明るいニュースになるのではないかと考えております。
#156
○亀井亜紀子君 それは前向きに頑張っていただきたいと思います。
 それでは、少し時間より早いですけれども、質問、終わりといたします。
 ありがとうございました。
#157
○委員長(松村祥史君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
 特定産業廃棄物に起因する支障の除去等に関する特別措置法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#158
○委員長(松村祥史君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 この際、北川君から発言を求められておりますので、これを許します。北川イッセイ君。
#159
○北川イッセイ君 私は、ただいま可決されました特定産業廃棄物に起因する支障の除去等に関する特別措置法の一部を改正する法律案に対し、民主党・新緑風会、自由民主党・たちあがれ日本・無所属の会、公明党、みんなの党、日本共産党及び新党大地・真民主の各派並びに各派に属しない議員亀井亜紀子君の共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    特定産業廃棄物に起因する支障の除去等に関する特別措置法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、本法の施行に当たり、次の事項について適切な措置を講ずべきである。
 一、これまで行われてきた特定支障除去等事業について総点検を行った上で、本法の有効期限である平成三十四年度末までに特定支障除去等事業が完了するよう、都道府県等に対し計画的かつ着実な実行を求めるとともに、事業の進捗状況を把握し、助言、技術的支援等を十分に講ずること。
 二、特定産業廃棄物に係る支障の除去等に当たっては、不適正処分の行為者や排出事業者等に対する責任追及及び費用求償を強化・徹底して行うよう都道府県等に求めること。
 三、都道府県等による実施計画の策定に当たっては、不適正処分の行為者や排出事業者等に対する措置について第三者等による検証を行い、その結果を明らかにするとともに、再発防止策を含め、当該都道府県等の責任を明確にするよう求めること。
   また、地域住民の不安解消を図るため、特定支障除去等事業の完了に至るまで地域住民とのリスクコミュニケーションが十分に行われるよう必要な措置を講ずること。
 四、特定支障除去等事業の実施に当たっては、新たな生活環境保全上の支障が生じないよう安全性の確保に万全を期すこと。
 五、一・四―ジオキサン等の化学物質による環境汚染に係る除去処理技術に関する情報収集及び提供を行うとともに、有害物質による環境汚染の未然防止を図るため、環境汚染が懸念される化学物質のリスクに関する科学的知見の集積及び周知を行うこと。
 六、産業廃棄物の適正処理の確保を図るため、電子マニフェストの普及拡大に向けて、普及率五十パーセント以上の数値目標を設定し、その早期達成に積極的に取り組むこと。
 七、本法が対象としない平成十年六月以降の不適正処分事案に係る支障の除去等について、産業廃棄物適正処理推進センターの基金の造成に対し、平成二十五年度以降も引き続き事業者等の協力が得られるよう努めること。
 八、産業廃棄物の適正処理の確保を図るとともに産業廃棄物処理業界への信頼の醸成に資するため、当該業界に対し公益通報者保護制度についての周知に努めること。
 九、産業廃棄物処理業界の健全な発展及び従事者の福利厚生の向上を図るため、当該業界における厚生年金基金の運用が適切になされるよう注視すること。
 十、循環型社会の形成に向けて、資源の安定的な調達を図る観点からも、産業廃棄物の再資源化を一層促進するためEPRの強化等を含めた総合的な施策を講ずること。
 十一、平成二十二年改正廃棄物処理法により規定された排出事業者による産業廃棄物の処理状況確認の努力義務について、産業廃棄物の適正な処理の確保が図られるよう、廃棄物処理業者の財務状況を含めた処理状況確認に関するガイドライン等を作成すること。
   右決議する。
 以上でございます。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
#160
○委員長(松村祥史君) ただいま北川君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#161
○委員長(松村祥史君) 全会一致と認めます。よって、北川君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、細野環境大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。細野豪志環境大臣。
#162
○国務大臣(細野豪志君) ただいまの附帯決議につきましては、その趣旨を十分に尊重いたしまして努力をしてまいる所存でございます。
#163
○委員長(松村祥史君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#164
○委員長(松村祥史君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 午後一時三十分に再開することとし、休憩いたします。
   午後零時二十六分休憩
     ─────・─────
   午後一時三十一分開会
#165
○委員長(松村祥史君) ただいまから環境委員会を再開いたします。
 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 原子力規制委員会設置法案外一件の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、内閣府大臣官房審議官佐々木克樹君外六名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#166
○委員長(松村祥史君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#167
○委員長(松村祥史君) 原子力規制委員会設置法案及び地方自治法第百五十六条第四項の規定に基づき、産業保安監督部及び那覇産業保安監督事務所並びに産業保安監督部の支部並びに産業保安監督署の設置に関し承認を求めるの件の両案件を一括して議題といたします。
 まず、原子力規制委員会設置法案について、提出者衆議院環境委員長生方幸夫君から趣旨説明を聴取いたします。生方幸夫君。
#168
○衆議院議員(生方幸夫君) ただいま議題となりました原子力規制委員会設置法案につきまして、提案の趣旨及びその内容を御説明申し上げます。
 平成二十三年三月十一日に発生した東日本大震災に伴う東京電力福島第一原子力発電所事故は、今なお多くの方が困難な避難生活を余儀なくされているなど、国民の生活に深刻な影響をもたらしました。
 この事故では、原子力を推進する経済産業省に原子力安全・保安院が属するなど、規制機関の独立性が欠如していたことや原子力規制機関に専門的知識を有した人材も能力も欠落していたことなど、我が国の原子力に関する行政についての問題点が次々と明らかとなり、国内外の信頼は、大きく損なわれました。
 今回の事故の深い反省に立ち、このような事故を二度と起こさないためにも、また、損なわれた信頼を回復するためにも、原子力の安全に関する行政の体系の再構築が喫緊の課題であるとの認識の下で、本案を提出した次第であります。
 以下、その主な内容を御説明いたします。
 第一に、この法律の目的として、原子力の安全規制は、国民の生命、健康及び財産の保護、環境の保全並びに我が国の安全保障に資するものであることを明確にしております。
 第二に、新たな原子力安全規制組織には、環境省に、国際基準にのっとった、独立性が高い三条委員会の原子力規制委員会を設置することとし、その下に原子力規制庁と称する事務局を置くこととしております。
 原子力規制委員会には、原子力安全・保安院及び原子力安全委員会の事務のほか、放射線モニタリングや核テロの事務なども一元化することとしております。
 第三に、原子力規制委員会は、委員長及び委員の職務の中立公正に関し国民の疑惑又は不信を招くような行為を防止するため、委員長又は委員の研究に係る原子力事業者等からの寄附に関する情報の公開、委員長又は委員の地位にある間における原子力事業者等からの寄附の制限その他の委員長及び委員が遵守すべき内部規範を定め、これを公表しなければならないこととしております。
 第四に、原子力規制委員会は、国民の知る権利の保障に資するため、その保有する情報の公開を徹底することにより、その運営の透明性を確保しなければならないこととしております。
 第五に、原子力規制庁については、原子力利用における安全の確保のための規制の独立性を確保する観点から、全ての職員に、原子力推進官庁へのノーリターンルールを適用することとしております。
 第六に、一体的な原子力安全規制行政の確保の観点から、原子力安全規制の専門技術的事務を担う独立行政法人原子力安全基盤機構が行う業務を原子力規制委員会に行わせるため、可能な限り速やかに同機構を廃止・統合するものとし、このために必要となる法制上の措置を速やかに講じるものとしております。
 第七に、平時における原子力防災対策のうち、関係機関の調整等を行う組織として、内閣総理大臣を議長とし、環境大臣や原子力規制委員会委員長などを副議長とする原子力防災会議を設置することとしております。
 第八に、原子力安全のための規制や制度の見直しとして、シビアアクシデント対策の強化、既存の発電用原子炉施設等に最新の知見を適用するバックフィット制度の導入や発電用原子炉の運転期間の制限など、原子炉等規制法の改正を行うものとしております。
 なお、改正後の原子炉等規制法の規定については、その施行の状況を勘案して速やかに検討が加えられ、必要があると認められるときは、その結果に基づいて所要の措置を講じることとしております。
 第九に、原子力災害対策特別措置法の改正として、原子力災害予防対策の充実、原子力緊急事態における原子力災害対策本部の強化、原子力緊急事態解除後の事後対策の強化及び原子力災害対策指針の法定化などの措置を行うこととしております。
 また、原子力災害対策本部長である内閣総理大臣の緊急事態応急対策の実施に係る指示の対象事項から、原子力規制委員会がその所掌に属する事務に関して専ら技術的及び専門的な知見に基づいて原子力施設の安全の確保のために行うべき判断の内容に係る事項を除くこととしております。
 なお、この法律は、一部の規定を除き、公布の日から三月を超えない範囲内において政令で定める日から施行することとしております。
 以上が、本案の趣旨及び内容であります。
 何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同くださいますようお願い申し上げます。
#169
○委員長(松村祥史君) 次に、地方自治法第百五十六条第四項の規定に基づき、産業保安監督部及び那覇産業保安監督事務所並びに産業保安監督部の支部並びに産業保安監督署の設置に関し承認を求めるの件について、政府から趣旨説明を聴取いたします。細野豪志環境大臣。
#170
○国務大臣(細野豪志君) 地方自治法第百五十六条第四項の規定に基づき、産業保安監督部及び那覇産業保安監督事務所並びに産業保安監督部の支部並びに産業保安監督署の設置に関し承認を求めるの件につきまして、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
 この度国会において提出されました原子力規制委員会設置法案において、原子力安全・保安院が廃止されることに伴い、現在、産業保安に関する業務を行う組織として原子力安全・保安院に設置されている産業保安監督部及び那覇産業保安監督事務所並びに産業保安監督部の支部並びに産業保安監督署を、経済産業省の地方機関として設置することについて、地方自治法第百五十六条第四項の規定に基づく国会の御承認を求めようとするものであります。
 以上が本件の提案理由説明及びその内容の概要であります。
 何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御承認くださいますようお願いいたします。
#171
○委員長(松村祥史君) 以上で両案件の趣旨説明の聴取は終わりました。
 これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#172
○舟山康江君 民主党の舟山康江でございます。
 この原子力規制委員会設置法案につきましては、与野党の皆様、衆議院の方で修正協議を継続して行っていただきまして、修正……(発言する者あり)済みません、三党で修正協議の末、今のこの法案ができたということで理解をしております。
 そこで、今回は、この提出された法案の基本的な部分につきまして、確認と同時に質問をさせていただきたいと思います。
 まず、この「目的」、第一条ですけれども、ここに原子力利用における安全の確保という言葉があります。この際、ここで使われている安全というのはどのような意味で使われているんでしょうか。これ、政府の認識をお伺いいたしたいと思います。
#173
○国務大臣(細野豪志君) 法案の提出というか、責任自体は議員、委員長提案ということでありますので、皆さんということだと思いますけれども、私の方から政府としてどう解釈しているのかということについて申し上げます。
 原子力の安全に対して従来の対応というのは、非常にいわゆる安全神話というものに偏っていた部分がございます。つまり、一定の対策をしておればそれで安全というふうに考えまして、その先の対応をしてこなかった。逆に言うならば、様々な対応案について知見が出てきた場合も、むしろそれを打ち消すような流れが出てきて対応を怠ってきたというのが現実ではないかというふうに考えます。
 したがいまして、原子力の安全には絶対はないと、そしてそれを常に追い求めていくという、そういう趣旨だというふうに理解をしております。
#174
○舟山康江君 ありがとうございました。
 それでは、法案提出者にも確認したいんですけれども、私は、この安全というものは当然、その原子炉の安全もそうだと思いますけれども、その原子炉の安全に加えて、人々の安全ですとか、環境への安全、地域の安全、そういったものも全て含めて安全をしっかりと確保していくんだということが含まれているのではないのかなと理解しておりますけれども、法案提出者にその思いを確認したいと思います。
#175
○衆議院議員(近藤昭一君) 近藤昭一でございます。お答えをさせていただきます。
 衆法の修正協議といいましょうか、修正協議の中でも、この安全、「目的」の中で原子力利用における事故の発生を常に想定し、という一文が入っておるわけでありますが、ここにあるのは安全に絶対はないという下で万が一の事故はあるんだと、こういう想定の下に対処をしていく。それは今、舟山議員からも御指摘もありましたように、原子炉の安全性、そしてまた、いざというときの災害発生した場合に対しての避難経路の問題、あるいは日ごろの防災対策、こうしたものを全てを含んでいるということであります。
 そういう中で、この規制委員会、専門的にまた独立性を持ってしっかりと炉の規制及びそうした日ごろの防災対策にしても専門的な観点から指針を設けていく。その下で政府が責任を持って防災対策、あるいは事故が発生をしたときの対処をしていくと、こういう考え方であります。
#176
○舟山康江君 ありがとうございました。
 今、近藤委員長代理からお答えいただきましたけれども、まさに安全というのは万が一の事故も想定をしてそのときの対処も含めてしっかりと考えていかなければいけない、これがこの法案の大きな趣旨、狙いだと思っております。
 そういう中で、IAEAの方でも、まさにこの法案の中で確立された国際的な基準に基づいてという表現もありますけれども、これIAEA、国際原子力機関、こちらの方でも五層の多重防護というものを基準を示しております。これは当然事故の発生を防ぐ。それこそ、昨年の福島第一原発事故のようなああいう事故が起きたとしても、津波が来たとしても、炉心溶融に至らない、電源をきちんと確保できると、これはもちろんだと思いますけれども、万が一、万が一にもまた冷却ができない事態になったとしても、シビアアクシデント対策としてその影響をどう緩和していくのか、例えば避難経路をしっかりと確保するですとか、ベントフィルターを付ける、そういったことも含めてこのIAEAの多重防護の考え方はあるんだと思っております。
 そういう中で、細野大臣にお聞きしますけれども、まさにこの法律の趣旨、確立された国際的な基準に基づいて、万が一の事故も想定しながらこういった安全を考えるというその前提の中で、今回大飯原発の再稼働の判断というものが一方であるんですけれども、ここの整合性はどのように考えていらっしゃるんでしょうか。
#177
○国務大臣(細野豪志君) 大飯原発の再稼働につきましては、まず大前提として、少なくとも今回の東京電力の福島第一原発を襲ったこの津波に対して対応できるようにという、このまずは大前提というのがございました。言うまでもなく、今回の事故というのは、電源の確保が十分できなかった、さらには水源の確保ができなかったという状況の中で生じたものでございました。したがいまして、原子力安全・保安院も、そして安全委員会もそれぞれ関与する形でストレステストを導入をし、そして炉心損傷には至らないということについての確認が、それこそ多様な電源、水源を確保することによって確認をされたと、そのように考えております。
 その上で、多分、舟山委員が今おっしゃっていることは、例えば防災に対しての対応がどうなのかというようなことも含めておっしゃっているんだというふうに思いますが、保安院は現在、人も現地に出して、そしてそれぞれの地元の市町村との連絡体制というのも非常に緊密にしております。言うならば、監視体制を強化をしているということであります。そして、福井県では、三月には防災訓練などもされて対応をされたというふうに承知をしております。もちろん、オフサイトのシビアアクシデント対策というものも、これは絶対の安全というのはありませんので、更なる安全性を求めて、さらには事故対応の体制というのをつくっていかなければならないというふうには思っておりますが、少なくとも去年の原発の事故を受けての当面の対応ということでいうならば、一歩一歩前進をしてきたと、そんな思いでおります。
#178
○舟山康江君 昨年の事故の教訓というのは、もちろんああいった炉心溶融に至らないことをきちんと手だてをするんだという、いわゆる先ほど申し上げましたIAEAの基準でいう五層防護のうちの第三層までについてやるというのはこれ当然だと思います。
 しかし、昨年の事故の教訓というのは、もう一つ、安全には絶対ということがない、万が一ということはどんなに防護をしても起こり得る、そしてそれが万が一起こってしまったときのために何を対処するのか。先ほど申しましたとおり、例えば原子炉への注水をどうするのか、水素爆発を防ぐためにはどうするのか、ベントをしたときの放射性物質の飛散を最小限に抑えるためにはどうすればいいのか、更に言えば、避難経路をあらかじめきちんとつくっておく、こういったことがセットでなければ安全の確保と言えないというのが、私はまさにこのIAEAの基準で示していることではないのかなと思っております。
 しかも、今日お越しいただいておりますけれども、原子力安全委員会の班目委員長、何度も御発言いただいていると思いますけれども、ストレステストの一次評価、これはまさに炉心溶融に至らないための手当てをしていくということだと思いますけれども、これだけでは安全の確認にはならないということを班目委員長は何度も発言をされていると思います。
 そういう中で、その起きてしまった後の対処、被害を最小限にするための対応がない中で、私はなぜ安全だということが確認できるのか非常に疑問に思いますけれども、大臣は、班目委員長のその御発言、そして今のIAEAの五重の防護ということに鑑みて、本当に安全だと言える、自信を持って言えるのかどうか、もう一度お答えいただきたいと思います。
#179
○国務大臣(細野豪志君) 何度も申し上げますが、絶対の安全という言葉はもう我々は使うべきではないし、概念上もあり得ないというふうに思うわけです。ですから、そういう理解に基づいて班目原子力安全委員長も御発言をされているんだろうというふうに思います。
 もとより、このストレステストというのは、欧米においては通常の原発の様々な安全の確認の一つの手段としては使われてきましたけれども、再稼働の基準としては使われてきておりません。去年のあの原発の事故を受けて、通常の状態であればそのまま再稼働してしまいますから、もう去年の夏からどんどん全部再稼働していったわけですね。それは許されないだろうということで、あえてそれは踏み込んで、安全委員会や保安院も関与する形でストレステストというのが導入をされたわけですね。
 班目委員長がおっしゃっているのは、そのストレステストの中で再稼働の基準として採用したストレステスト一次評価があると、しかし、更にその二次評価をすることによって更に安全性を確認をする、安全性というのは絶対がないので、それを更に強化をしていくべきだという、そういう御発言というふうに受け止めております。
#180
○舟山康江君 なかなか毎度この話は水掛け論になってしまうんですけれども、改めて申し上げますと、この法案の目的に、事故を想定してしっかりと今後事故対策を行っていく、安全対策を行っていくということが目的として明記されているわけですから、やはり万が一の事故が起こったときにきちんと対応できる手だてがあって初めて私は安全の確保だということが言えるんではないかということを改めて指摘をさせていただきたいと思います。
 それと、続きまして、この度この法案の中で、平時のオフサイト対策として原子力防災会議というものを新たに設置をするということがこの中で明記をされました。一方、現在は原子力災害対策本部というものが設置されていると思いますけれども、この原子力防災会議と原子力災害対策本部、この役割分担というのは今後どうなっていくんでしょうか。
#181
○国務大臣(細野豪志君) そこはまさに原子力防災会議という平時のオフサイトについて政府を挙げて取り組む組織ができ、そして万々が一事故が起こった場合に、有事の体制として原子力災害対策本部というのが設置をされるということであります。ですから、平時にしっかり備えなく、事故が起こった後に突如として原災本部ができて十分な機能をしなかったという反省も含めた体制を立法者の皆さんでつくっていただいたというふうに考えております。
#182
○舟山康江君 確認ですけれども、そうすると、平時は原子力防災会議がオフサイト対策を行って、緊急時にはそれが原災対策本部に置き換わっていくという、そんな認識でよろしいんでしょうか。
#183
○国務大臣(細野豪志君) まず、オフサイトについても原子力規制委員会は様々な指針などを作りますから、そういった意味では、考え方を作っていただくのは原子力規制委員会ということになります。ただ、実際にそれをやるとなりますと、避難にしてもモニタリングにしても、さらには、例えば沃素剤をどう配るのかとか、もう様々な対応が政府全体で求められますから、そこは原子力防災会議が設置をされてそこで常に準備を怠らずにやっていくという、そういうことでございます。
 原子力防災会議自体は常設の会議でありますから、有事の際、実際に事故が起こった際になくなるということではありません。全国の原子力事故に対して対応ということで残りますが、実際には、事故ということになりますと原災本部が立ち上がりますので、そこが役割を担っていくということになります。
#184
○舟山康江君 原子力防災会議は常設だということですけれども、これ専任の担当職員というものも置かれるという理解でよろしいんでしょうか。
#185
○国務大臣(細野豪志君) もちろんそのとおりでございます。
 原子力防災会議の事務局としては、スタッフとしては実質的に内閣府の下で備えるということになるわけですが、特にオフサイトについて対応するような危機管理部門の専門的なスタッフもそこに配置をしなければ、十分な準備ができません。これまで原子力安全・保安院にはそういう、例えば警察や自衛隊から職員が派遣をされて準備をするということはありませんでした。そこを今回は根本的に改めて、常に事故に備えてオフサイトの様々な取組ができるような、そういうスタッフをそろえたいというふうに考えております。
#186
○舟山康江君 そうしますと、これ、原災本部にわざわざ置き換えなくても、この原子力防災会議が事故時、緊急時にも機能するんではないのかなという気もいたします。昨年の事故の反省の一つは、いろいろ組織がたくさん立ち上がったという指摘もありましたけれども、多くの組織が関与したときの役割分担が果たしてどうなっていたのかというところは一つの大きな反省だったのかなと思うんですね。
 ですから、ここはしっかりと役割分担を明確にしていただきたいと思いますし、更に言えば、オフサイト対策、それからオンサイト、恐らくこの説明を伺うところでは、オンサイトについては原子力規制委員会が対応するという説明を以前にいただきましたけれども、実は、このオンサイトとオフサイトのその境目が一体どこにあるのか、危機管理の一番の基本というのは、そういう境目、落ちてしまうところがないようにするのが一番大事だと思うんですね。そういう中で、オンサイト、オフサイトという分け方が果たして適切なのかどうなのか。
 それから、今言った防災会議と原子力規制委員会、また更に言えば事業者、事業者も様々な日ごろの安全対策、緊急対策、こういったことに乗り出さなければいけないと思いますけれども、これらの役割分担について今イメージしている分担について教えてください。
#187
○国務大臣(細野豪志君) 政府が提出をしておりました原子力規制庁では、オンサイトとオフサイトを一元的な組織で一まとめにしていくことを考えておりました。それがなぜ衆法の方では分ける形になったのかというと、一つそこは明確な理由がございます。それは、オンサイトについて判断をする組織としては、行政庁の外局としての組織よりは三条委員会の方がいいだろうという御判断を国会としては、衆議院の方ではされたわけです。そうなってまいりますと、三条委員会で独立性が非常に高くなりますから、例えば大臣や政務の人間がそこに関与するということは、これは実質的にはできないということになるわけです。そのために三条委員会ということですから。
 そうなってまいりますと、例えば、先ほど少し話をしましたような大きな災害が発生をして実際に避難をしていただくときに警察に指示を出すであるとか、そのときに、例えば沃素剤を配るときに例えば医学的な問題も含めてきちっと対応するであるとか、もう本当に政府を挙げての対応が必要になり、そこはまさに政府そのものが関与する必要があるわけですが、それがなかなか原子力規制委員会の中だけでは難しいのではないかという懸念が出てきたわけです。そこで、内閣全体で対応する組織として原子力防災会議というのをつくっていただいて、そこでオフサイトのことについて対応するという、そういう体制をつくることとなりました。
 そのときに、舟山委員が御指摘のとおり、一番やはり懸念は、逆にオンサイトは三条委員会であって、オフサイトは内閣の下で機能していくという、この体制が果たしてうまく機能するんだろうかというところにあるわけです。そこをつなぐ役として環境大臣というのが役割を担う必要があるのではないかと考えております。原子力防災会議の事務局も環境大臣がやります。それは、オフサイトのことについて主な対応をやる省庁としてもこれから環境省重要になりますし、もう一つ重要なこととしては、オンサイトで様々な取組を原子力規制委員会がされていますので、その状況を直接中に入り込んで判断をすることは環境大臣はいたしませんが、予算なども含めてかかわることにはなりますので、そのときに情報を得て、どういったことが今そこで行われているのかということについて把握をできる立場に環境大臣というのはいるわけですね。ですから、そのことによってこのオフサイトとオンサイトの対応をしっかりとつないでいくという役割を果たすことができるのではないかということであります。
 最後に、事業者とそして監督官庁と政務の役割について御質問がございましたので、簡潔に申し上げます。
 事故への対応という意味では、まず明確にしておかなければならないのは、事故を収束する一義的な責任は事業者にあるということです。このことが従来必ずしも明確でなかったものですから、そこについて政府の役割がどこかということについて、いろんな若干のお互いの役割分担の不明確さによる混乱というのがやはりありました。ですから、まずは事業者がやるということを明確にします。そして、それをしっかりやれているかどうかを監視をしたりアドバイスをするのが、これが原子力規制委員会の役割ということになってまいります。そして、事故が起こってしまった場合には、オフサイトも含めて政府全体で対応が必要になりますから、そこは防災会議、そして原災本部が対応するという、そういう役割分担になってまいります。
#188
○舟山康江君 昨年の事故の例で教えていただきたいと思いますけれども、昨年の事故で一つ指摘されたのが、海水注入のタイミングがやはり事業者の判断の中でちょっと遅れたのではないかという指摘もありました。一義的に今の御説明で、事業者が責任を持ってきちんとその事に当たるということですけれども、あの場合に今回の新しい組織があったとすれば、例えば海水注入なりベントの判断というのは誰がどのようにすることになるんでしょうか。
#189
○国務大臣(細野豪志君) 一義的にその必要性については、やはり事業者が判断することになるだろうと思います。
 ただ、事故になった場合の、それこそ原災法上のいろんな手続としても炉規制法上の手続としても常に情報が政府に来るようになっていますから、仮にですよ、仮に例えばベントであるとか海水注入のようなものについて事業者が適切に判断をせずに作業ができないということになれば、そのときには当然規制委員会がしっかりやれということを言わなければならないし、言える法律にはなっておるということであります。
#190
○舟山康江君 やはり、そこは事業者の判断を重視するのももちろんかもしれませんけれども、やはり事業の継続ということが一方である中で、その判断が必ずしも的確に正しくなされないことも考えられるんだと思うんです。そういったときに、きちんと速やかに判断できる体制になっていかなければいけないと思いますし、先ほど少し申し上げましたけれども、やはり組織が幾つかそれぞれ役割分担をする中で、本当にこの指揮命令系統をきちんと明確にしていくというのが大変重要だということを指摘し、お願いをしたいと思っております。
 それと、規制委員会には守秘義務というものが掛けられております。これ、十一条に規定されておりますけれども、守秘義務、もちろんその職務上知り得た秘密をむやみやたらに外に漏えいすることに対しては厳しく対応をしていかなければいけないと思いますけれども、一方で、得られた情報を適時適切にしっかりと公開するということもこの法律の中で求められております。
 守秘義務、いわゆる情報の隠蔽と機密の保持というのは紙一重ではないのかなと思うんですね。やはり、出すべき情報を出さないのは情報隠蔽ですし、出してはいけないものを出すのは機密保持違反になるというところだと思います。そういう中で、やはり義務とされる機密守秘義務につきましては、やはり守らなければならない秘密事項というのは極めて限定的に提示しなければいけないと思いますし、逆にできるだけ公開していくということに照らせば、その公開しなくていいもの、そこについては限定的に決めるべきだと思います。
 つまり、秘密保持についてはポジティブリストで対応し、情報公開についてはネガティブリスト、これ以外は出さなきゃいけないということで厳格に決めていかなければ、いろんなことを盾にやはり情報が隠蔽されてしまうおそれがあると思っております。ここについて、法案提出者にお聞きしますけれども、ここの考え方、どのように整理をするおつもりでしょうか。
#191
○衆議院議員(横山北斗君) お答えいたします。
 原子力事故トラブルというのは、事故の規模にかかわらず国民に対して情報の公開は徹底しなくてはいけません。原子力規制委員会の委員長とか委員というのは特別職の国家公務員ですから、秘密保持義務は適用されていないんですけれども、原子力規制委員会の委員長及び委員に対しては核セキュリティーに関する情報も含めて公にすることで国の安全が阻害されるおそれのある情報にも触れることが想定されますから、職務上知り得た秘密については、その漏えいを禁ずるために秘密保持義務を課すことが必要であるということです。
 それで、秘密事項を限定するべきかどうかということについては、まあ秘密ですから、漏らしていい秘密ということにはなかなかないのではないかと。ですから、秘密は秘密として、情報公開は情報公開としてしっかりやっていくということで御理解ください。
#192
○舟山康江君 これ、だから、秘密というものを拡大解釈することによって、いや、これは機密事項だから公開できないんですということで何もかも公開されないとすれば、これは情報の公開、できるだけ情報公開しなければならないというこの規定に抵触をしてしまうと思うんですね。
 ですから、そういった趣旨で、私はやはり秘密というものを、何でも機密ということを盾に出さないということのないようにしっかりと規定をしていかなければいけないと、そういう問題意識でおりますので、今後、法案の中でその細かい具体例を書くのではなく、多分これ政令、省令でしっかりと規定していくと思いますけれども、是非、担当大臣におかれましてはそのことを念頭にできるだけきちんと、あるものを、それこそ国家機密にかかわるものまでということを私は申し上げませんけれども、そこをきちんと公開できるような仕組みをつくっていただきたいということをお願いしたいと思います。
 時間がなくなってまいりましたので最後の質問になりますけれども、安全確保の強化、これ原子炉の安全対策ですけれども、これに関しましては法案の要綱の第二十九というところに規定しております。強化する旨の規定がございます。これを具体的に、この規定はどこにあるのかというと、この法律の附則第十七条に規定していると思われます。この法案の要綱第二十九には、重大な事故への対策を強化するという規定がありますけれども、この附則第十七条、対策強化るる書かれておりますけれども、具体的に対策強化の内容について教えていただきたいと思います。何をもって安全対策を強化するということなんでしょうか。
 政府。
#193
○委員長(松村祥史君) どなたに。政府側ですね。
#194
○舟山康江君 はい。
#195
○国務大臣(細野豪志君) まさにシビアアクシデントについての対応ということであります。
 これまでもシビアアクシデントに対する対応というのが全くなかったわけではないんですが、それは、事業者が言うならばやっていることを政府としては、例えば提出をして確認をするということだけはやっておりましたが、特段それが法律に義務付けられているものではありませんでしたので、それ以上立ち入ることをしておりませんでした。したがいまして、例えばシビアアクシデントに至るときに、例えば注水の作業というようなこともそうですし、さらにはそれに備えてどういう対応ができているのかということについて十分な関与がなされてこなかったわけです。
 今後は、シビアアクシデントの対応が事業者に義務付けられますので、逆に言うならば、その対応ができていない事業者は原発の運営をすることができなくなるわけですね。これは極めて厳しい規制の強化というふうに理解をしております。
 一点、済みません、前の質問のところで訂正をさせていただきたいと思います。先ほど原子力防災会議の事務局、内閣府と申し上げましたが、正確には内閣でございましたので、おわびをして訂正をさせていただきたいと思います。
#196
○舟山康江君 この附則十七条を見ますと、発電用原子炉の設置許可を受けようとする人は、体制の整備も含めた事項をきちんと原子力規制委員会に提出するということなんですけれども、これだけで果たして対策強化になるのかなという疑問がございます。
 実は、この十七条、私もいろいろ見ておりましたけれども、十七条だけで五十ページ以上条文があります。恐らく、この十七条に何が書いてあるのか、今日の委員会審議に臨んでいられる方も詳しく本当に御存じかなという気が、私も含めてですけれども、するんですね。短時間でこの非常に大部のものを、新旧対照表もなく、これが本当にいいものなのか悪いものなのか判断してくれと言われても、本当によく分かりません。しかも、国会事故調査委員会の調査報告がこれから恐らく今月いっぱいぐらいに出てくると思うんですね。こういう事故調査委員会の結果を受けて、しっかりとこの安全対策の強化を取り組まなければいけない。この時期に慌ててこの法律を制定する、時間を掛ければいいというものではないかもしれませんけれども、やはり一定の時間を掛けて中身を精査をして審議すべきことであると思っております。
 そういう中で、しっかりと、この今日明日あさって三日間で慌てて議論するんではなくて、与野党含めてしっかりと議論をしていただきたいと、こんな思いを最後に申し述べまして、私の質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。
#197
○谷岡郁子君 民主党の谷岡郁子でございます。よろしくお願いいたします。
 今の舟山議員の続きとして申し上げたいことでございますが、この修正の必要性ということなんですけれども、そもそも、衆院の二週間ぐらいの審議というのは、二つの法案を、どういう形で違いがあるのかということを明らかにし、共通項を取り出し、そしてそれを一つの法案として修正案としてやるということにほとんどの時間が費やされました。閣法であれば、本来衆院でなされたような議論というのはまだ全然やられていないというふうに思うんですね。ですから、これはしっかりやらなければならないと思います。
 先ほどありましたように、新旧対照表ございません。物すごいたくさんの法律がかかわってくるということについて、炉規制法などについて、これ読んだだけでは分からないようなものを私たちは金曜日に渡されました。そして今日、今質問ということになっております。これで十分な審議というのは当然確保できないというふうに思っているんです。
 例えば、具体的に申し上げます。附則の五条。この三年以内に見直しを掛けるということを言っております、事故調等の結果を受けて。しかし、あと十日で出てくる事故調の報告、三年待ってしまったときには、ほぼ組織の概要というか文化というもの、基本が固まってしまうということですね。だったら、少なくとも半年以内に見直しをしなければならないということは明らかだと思うんですけれども、なぜ三年以内になさったのか、まずそこをお答えいただけますでしょうか。
#198
○委員長(松村祥史君) どなたに答弁を。
#199
○谷岡郁子君 これ、提案者にお願いします。これ、半年以内等に見直す必要ありませんか。
#200
○衆議院議員(吉野正芳君) お答え申し上げます。
 今の原子力規制組織、原子力安全委員会、国民の信頼を全く得ておりません。原子力安全・保安院、これまた同じであります。そして、推進側の原子力委員会、これも秘密会議を開いて国民の信頼を全く得ていない状態であります。そこで、国民は、原子力の規制組織に対して、本当に信頼できる組織、これをつくってほしいという、こういう気持ちがありますので、まさに私たちは、国会事故調の報告、これを受けて、三年以内、三年後ではありません、三年以内に見直し規定をつくったところであります。
 以上です。
#201
○谷岡郁子君 これは、三年以内ということは、三年間近でもいいということなんです。私は絶対に修正で一年以内というふうにすべきだと思いますし、そうでなければ、この委員会は、事故調の結果を待って、そしてそこから出てくる報告や勧告というものを取り入れて参院で新たに修正をもう一度やるということがやっぱりどうしても必要なのではないかと。
 世界が注目するこれほど大きな問題に関して、国会日程云々というようなことで拙速にやるということはやはりおかしいんじゃないかというふうに思うんですけれども、これは近藤提案者はどうお考えになりますか。
#202
○衆議院議員(近藤昭一君) お答えをさせていただきます。
 今、吉野委員からも御報告をさせていただいたところで、三年以内と、事故調の結果も踏まえながら三年以内に見直していくということであります。修正云々ということは、私は、衆議院の立場から、この参議院の委員会で御判断をいただくことだというふうに思います。
#203
○谷岡郁子君 六条九項というのがあるんですね。これ修正、六条九項、一層の自主的な対策を講ずるように努めるように事業者に言うという形なんです。情報公開に関しては情報公開に努めるみたいなことがあったので、情報公開しなければならないというふうにお願いして修正をしていただきました。しかし、本当に全部見る暇がなくて、その修正の六条の九項、事業者はシビアアクシデントに対する対応というものに対して万全のことをやるために一層の自主的な対策、自主的な対策だからもうマストではないんですよ、自主的な対策なんですよ、を講ずるように努めるものとすると。つまり、努力しましたと言うだけでいいことになっていて、しなくていいことになっちゃっているんですね。こういう法案の問題があります。
 それから、もっと大きなものといたしまして、罰則規定。違法ダウンロードが上限二百万円の時代に、例えば炉を止めることに対して違反したとかというのが上限三百万なんです。情報隠しや隠蔽をその事業者がしたことに対しては上限三十万とか五十万とか書いてあるんですよ。こういうことを本気でこれから変えるつもりがあるんだったら、これゼロが二つか三つは絶対違うようにしなければならないです。これほど隠蔽というものや情報隠しや情報操作というものを我々が重大と考えているというだけの罰金規定にしなければおかしいと思うんですけれども、これはなぜ触っていないんでしょうか。政府でもどちらでもよろしいんですけれども。
#204
○国務大臣(細野豪志君) まず、シビアアクシデントの自主的な対策なんですが、これは両方必要なんです。
 私、東京電力を含めて……
#205
○谷岡郁子君 それはいいです。違います。罰金だけ答えてください。時間ないので、罰金だけ。
#206
○国務大臣(細野豪志君) じゃ、簡潔に御説明します。
 東京電力も含めて対応を見てきましたけれども、これまでの政府の対応は事業者の自主性に任せ過ぎていて、本当にしっかりと確認をしなければならないようなシビアアクシデント対策について、それこそ法律に基づいていませんでしたから、対応できなかったという問題があります。
 ただ、逆に、規制機関が全てこういうことをやればいいというふうになってしまうと事業者は努力しなくなりますから、そこはむしろ残して、常に前向きに取り組むように促していかなければならないという意味で、これは両方必要なんです。ですから、そこは矛盾することでないということは是非御理解をいただきたいと思います。
 罰則ですが、この事業者に対する罰則というのは、金額を高めることによって何か抑止ができるとか変わるというものではないと思います。むしろ、そこはそういうことになったときにどれぐらい社会的に影響が大きいのかというのは明らかですから、そういう社会全体に対する責任という、そちらの面の方が私ははるかに大きいというふうに思います。ですから、それを徹底して開示をして、そういうことがないように、当然、内部通報というようなものについても受け止める仕組みをつくると。そういう中で防いでいかなければならないのが事故の教訓ではないかというふうに考えております。
#207
○谷岡郁子君 同じ一つの国家の中で、同じ国会の中で作る法案でございます。ダウンロードの罰金は上限二百万なんです。そして、この電力会社による罰則規定の上限は五十万とかというふうになっちゃっているんです。これは我が国会がこの案件についてどれほど重要と考えているかということの国際的である国民に向けての宣言になってしまうわけです。そして、そういうふうに取られても仕方がない状況があるということで、私は罰則は見直す必要があるというふうに思います。
 あと、十六条から二十二条に出てまいります様々なものがございます、いろんな委員会とかそういうものです。これは規制庁にするということであるならば様々な委員会が必要なんだと思います。しかし、専門家集団で、委員会が上部になっているもので、事務局が専門家集団になるというのであるならば、事務局自身が専門性をかっちり持っていなきゃいけないということだと思うんですね。それをまた先生たちにお聞きしましたらこうなりましたというようなことで、ある意味でアリバイに使ってしまうような構造というのを変えるためには、十六条から二十二条の核燃料何とかとか、そういうことは本当に必要なのか。むしろ、いろんな委員会とか審議会みたいなものは、これからの規制庁が生まれてくる、その必要性に応じてどんどん柔軟につくることができるぐらいにしておいて、初めからこういうものを常設にしてしまうということ自身が、本来、こういう人たちをこの規制庁に入れましょうということが、言わばその修正案に書いたのに、これが十六条から二十二条を取っているということは、私は法制上、法律の立て付けとしておかしいと思うんですけれども、それについては、提案者、いかがお考えですか。
#208
○衆議院議員(横山北斗君) 原子力規制委員会に置かれる審議会等につきましては、原子力規制委員会の委員長及び委員は原子力利用における安全の確保に関して専門的知識及び経験並びに高い識見を有する者であるものの、一方で、原子力の分野というのが非常に多岐にわたっておりますので、委員長や委員だけではその全てをカバーするのは現実的に難しいのではないかと。そのために、原子力利用の安全の確保に関する日常的な規制が滞ることがないように審議会等を常設して担わせるというような判断になっております。
#209
○谷岡郁子君 全くお答えになっていないと思います。
 十六条に書いてあるのは原子炉安全専門審査会です。これこそが一番、規制庁が大専門の、一番ここに専門家が集まっていなきゃいけない分野じゃないですか。それから十八条の核燃料安全専門審査会もそうですよね。それから緊急事態の応急対策委も放射線の審議会もそうなんですよ。専門家の意見をお聞きになるのは全然構わないんです。でも、法律に初めからどれが常設の審査会だと。今これから規制というものが新たに大きく変わっていかなきゃいけないときに、こういう幾つかのものだけ引っ張り出してやっていくのではなくて、必要なものをつくるという網掛けをやればいいだけではないかというふうに私は考えるわけです。ですから私は、これはやはり今分かっているんですから、既に、ここで修正をする必要があるんではないかというふうに思っております。
 これだけやっていると時間がありませんし、今日は全然ありませんので。
 せっかく来ていただいていますから、班目委員長に一つだけお聞きをしたいと思いますけれども、六月八日、衆議院のきづなの斎藤委員の質問に対して、ストレステストで一次と二次に分けてやるという提案が保安院の方からありまして、安全委としてはあくまで一次評価と二次評価はセットであると考えておりますと発言しておりますが、今もそれお変わりになっていないでしょうか。それだけお答えください。
#210
○政府参考人(班目春樹君) 今おっしゃられたとおり、一次と二次をセットでというか、これが両方合わさって、初めて原子力安全委員会が要求している総合的安全評価になるというふうに考えてございます。
#211
○谷岡郁子君 当たり前なんです。だって、ヨーロッパではストレステストで一次と二次なんかに分かれていませんから。元々一つのものを、不自然に二つに分けたんです。これ保安院の方からということを斎藤委員の質問に対してお答えになっているんですね。保安院の方から提案があった、一次と二次に分けた、そして一次と二次の間に再稼働をはめ込んだ、そういうことですけれども、なぜそんなことをなさったんですか。保安院、お答えいただきたいと思います。
#212
○国務大臣(枝野幸男君) これは一次と二次の間にはめ込んだのではなくて、先ほどもお話あったかと思いますが、昨年の六月の段階だったでしょうか、玄海原発が従来の手続にのっとれば再稼働するという段階になりました。しかしながら、福島原発事故を踏まえて、従来の手続で緊急安全対策等は取られておりますが、それだけで再稼働するのは適切ではないであろうという判断に基づきまして、より安全性についてきちっとチェックをする必要があると。それに際して、ヨーロッパで行われているストレステストを参考にして、安全性について従来の法制上求められているのに加えた安全性についての確認をする必要があるだろうということの中で、保安院とそれから安全委員会に両者が関与していただくような形について御検討いただいた結果、ストレステストを参考にして一次評価という仕組みで、これにその一次評価の内容についても安全委員会に確認をいただくという手続を考え、その上でいわゆるストレステスト、ヨーロッパで行われているストレステストという総合評価についても別途二次評価という形で行うと、こういうことが提起をされたというふうに認識をしております。
#213
○谷岡郁子君 今、くしくもヨーロッパで行われているものは二次なんだとおっしゃったので、私たちはストレステストもどきのものを一次評価としてじゃ受け取ったということになろうかというふうに思うわけですね。
 そうしますと、その二次テストの項目だとか準備だとか全部できているんですか。例えば、大飯が再稼働始まったら二次テストはいつかかれるんでしょうか。それについてお教えいただけますか。
#214
○国務大臣(枝野幸男君) 二次評価の作業は、既に各電力事業者に対して指示をいたしまして作業を進めていただいているところでございます。その二次評価がまだ残念ながら一つも提出されてきておりませんが、提出された場合、どういった観点から評価をチェック、確認をするのかということについての検討を進めております。
#215
○谷岡郁子君 IAEAは、もっとオペレーショナルにやるように、IAEAのお墨付きを得たやつだとおっしゃっているんですけれども、あれをよく読みますと、IAEAは、しっかり項目だとかそういうものをきちっと保安院なりそれから安全委員会の方から指定すべきだということを言っているんですよ。そこまで業者が決める云々ということをしちゃいけないということをちゃんと書いているんですけれども、それをやっていないんですよ。
 申し上げますけれども、はっきり言います、一次テストと二次テストにわざと分けたんです。なぜならば、二次までちゃんとやっていれば、大飯は恐らく今再稼働というものは認められない状況だろうからだと思います。そういうことをおやりになるということは、これやっぱり安全神話の復活だと私は思わざるを得ないんですね。
 ですから、その辺のところでなぜそういうふうに政治的な操作というものが、一次、二次に分かれて、その間に再稼働が入るというようなことがなされてきたのかということを、今後我々また検証していきたいと思います。今日は時間がありませんので、この問題はここまでにしたいと思いますが。
 さて、その委員会がこれ規制委員会としてできたとしますと、規制委員会の委員長について、専門性というのをこれどこまで見るかということなんです。私に言わせますと、こういう専門家集団をチームとしてまとめて、リーダーシップを発揮して目的に向かってちゃんと行動させていくということの指導力であるとか、そういう全体的な把握の能力がむしろ重要なんであって、必ずしも専門家じゃないんじゃないかと思うんですね。
 といいますのは、今回、アリソン・マクファーレンという方がNRCのヤツコさんの後の委員長に選ばれた。この方は地学です、地質学の専門家であって、放射能の専門家ではないんです。例えば、ここで書かれております、どのような人を委員長に選ぶかという、この人格高潔で専門性があってと。例えばアリソン・マクファーレンのような人が、例えば別の分野の人だけれども関係ある、これブルーリボンなんかもやっていらっしゃった方ですけれども、そういう方が委員長に選ばれる可能性はあるんでしょうか、ないんでしょうか。そのこと、あるかないかだけ提案者の方からお答えいただけますか。どなたでもいいです。
 時間ないんで、さっさとやってもらえますか。
#216
○衆議院議員(横山北斗君) 人格高潔であって、原子力利用における安全の確保に関して専門的知識及び経験並びに高い見識を有するという中に、範疇に入るのであれば入ります、そういう方であっても。
#217
○谷岡郁子君 いや、それを、そういうことをどこまで広くお考えになっているかということは、今後の人選、原子力村の人しか選べないか、そうでないかということをはっきりさせるためには絶対必要なんです。
 では、大臣、どうお考えになりますか。例えば、アリソンさんのような方はここで委員長や委員の資格はあるでしょうか。
#218
○国務大臣(細野豪志君) まだ委員長候補かと思いますが、アリソン氏はブルーリボンにも入っていましたので、確かに炉の専門家ではないですが、原子力全般についての様々な理解がある、地質について詳しい専門家だというふうに理解をしております。
 今度政府としても提案をしなければならない原子力規制委員につきましては、幅広い知見を全体として機能させられるような専門家が必要だと思っています。その中には、地震についての専門家もやはり専門分野として一つ考え得るんだろうと思うんですね。一方で、核物質防護なんかは、これはまた別の専門ですから、原子炉そのもの、炉の専門家と、恐らく地震の専門家と、そして核物質防護という放射線防護の専門家、この三種類の方々はやはり基本的には入っていただいた方がいいんだろうと思うんです。
 谷岡委員がおっしゃった、炉の専門家以外の人の方が委員長にいいというのは、一つの考え方としてあり得ます。ただ、悩ましいのは危機的な状況のときなんですね。危機的な状況のときに合議制は機能しないということで、そのときは委員長が全権を担うという、そういう仕組みになっています。そのときに、果たして原子炉の専門家でない人が一元的に判断をできるだろうかと、ここはNRCといえどですよ、私は本当にどうなのかなという感じを若干持ちます。ですから、そこは危機管理上やり得るかどうかという仕組みも含めて非常に悩ましい判断になってくるというふうに思います。
#219
○谷岡郁子君 それは同時に危機管理における危機管理能力であったり、胆力であったり、決断力であったりするものでもあり、またリーダーシップでもあるわけですから、私は、しっかりとした補佐体制があれば、むしろそういう指導者としてその胆力、決断力がある人というのが実はその危機管理では重要ではないかと思っておりますので、その辺を含めて今後しっかり考えていっていただくと、つまりそういうこともまだ詰まっていないという意味でも申し上げたいと思うんです。
 さて、この委員長が、そしてその委員長によってほかの委員の配置も決まってくるわけなんですけれども、これは一体いつごろその人事を、国会同意人事をやらなきゃいけないか。
 と申しますのは、三か月で、その委員長が来たときには全部組織だとか重立ったメンバー、そしてその事務局のスタッフが決まっているようじゃ、新しいものを本当に一緒につくっていくことはできないと思うんですね。むしろ、ちゃんとした人をできるだけ早く選んで、その人なんかの考えも入れて、それを一定見える化しながら、新しい組織というものがどういう部局ができてどういう構造にしてどういうところにお金を使ってということをちゃんとやっていかなきゃいけないと思いますし、どういうふうに規範意識をつくっていくのか、どう安全文化をつくり込んでいくのか、そういう相談をそのリーダーになる人とやっていかなきゃいけないと思うんですね。
 そこのスケジュール感を大臣はどのようにお考えになっているでしょうか。
#220
○国務大臣(細野豪志君) 今の御指摘は、谷岡委員と私、全く思いを同じくしております。
 専門的に、科学的にきちっとやることが、もちろんこの規制委員会をつくるときの大目的なんですけれども、一つやはり課題として残ってくるのが危機管理だというふうに思っています。危機管理のできるような組織をどうつくるかという観点からすると、専門家のもちろん人選も難しいですが、事務局をどう機能させるかというのが極めて重要になります。
 今回の原子力規制委員会のこの設置法案というのは、委員の皆さんが事務局も含めてこれは形成するという形になっておるんですね。私は一年半ほどずっとこの問題やっていますから、どこにどういう専門家がいて政府はどういう仕組みになっているかということについては、これはもう体験上承知しておりますが、どんなにマネジメント能力がある専門家だったとしても、その方がぱっと出てきてすぐに組織をつくれるとは思えないわけです。
 ですから、私が是非これからやっていきたいと思っていますのは、今は法案審議していただいていますから、これがもうとにかく成立するのを待ちます。待った後には、できるだけ早い段階で委員については提案をさせていただいて、そしてできれば御承認をいただけるような努力をしたい。そして、その委員に選ばれた五人の下で時間を掛けて、できるだけ急ぐわけですが、ある程度の時間を掛けて準備をして組織を立ち上げるという、そういう手順が一番望ましいのではないかと考えております。
#221
○谷岡郁子君 今の大臣のお言葉を聞いてちょっとほっとしたんですね。
 結局、前に似たものをつくってしまうんではなくて、本当にこれを立ち上げて新しいものをつくろうという使命感と能力と、そういうものを持った人たちが、今までの日本の慣習だとか官庁の習慣というか、ありそうな形ではなくて、本当に新しく今、日本に必要なものをちゃんとつくっていくんだということをきちっとやっていかないと、この規制庁法案を幾らやっても意味がないだろうぐらいに私は思っております。
 そこで、次に大事になりますのが、私は人材の確保と育成という問題だと思います。なぜこれを申し上げるかというと、ある意味でこの原子力というもの、それから原子力発電というものがどうなっていくか分からないというような社会情勢の中で、意思あって、そして優秀な人材、これを私たちはたくさん必要としているわけですけれども、その人たちがこの分野にどれだけ集まってくるかということはめどが立たない状況です。
 ですから、それなりのインセンティブをつくって、そしてきちっとした待遇をやって、そして研修機会をつくって、そして、今までこの日本の保安院の能力は低かったということが歴然としているわけですから、それを早急に能力を上げていかなければならないということだと思います。
 この点につきましては、細野大臣もこの間、本当に一生懸命人材については大事だということをおっしゃっていただきました。また、本当に自公の皆様も、それから与党の皆様も、修正協議の中で様々この問題の観点で必要なことを入れていただきました。ただし、これは一般の学生たちや大学がこのまま何となく続いていくという想定に立っているんですね。もっとエンジンを吹かせないと、もっとアクセルを踏まないとできないだろうと思っております。
 私は二つ、今から言いたいんです。最初の一つは、やはり資格が必要だろうと。今、炉の管理についての資格というようなことが書かれており、また核物質についての資格というものが書かれております。その一方で、原子力に関する危機管理であったり、あるいは防護であったり、また規制安全ということについての検査、審査といったことについての資格というものは全くここに書かれていないんですが、本来は、ここに本当にプロパーで必要なものであって、ここがトップクラスといった資格というようなものをきちっとつくり込んでいって、そしてそれに対しての待遇みたいなものがちゃんとあるような状況をつくっていく、そしてやはり専門家としての誇りを持ってもらうような形が必要じゃないかと思うんですが、大臣、いかがお考えになりますか。
#222
○国務大臣(細野豪志君) そういったものを考えていかなければならないと思います。
 今ももちろん、様々な炉の運転をする場合なんかの資格制度はありますし、そういったものを原子力安全・保安院でも取得をしている者もおりますが、もう少し幅広い知見の資格を取っていただいて、そしてそこでやるということが必要だと思います。
 そして、もう一つあるとすれば、今、谷岡委員も言われましたけれども、いわゆる危機管理の面で何か能力的にしっかりと担保できるようなものがあれば、それは事故を経験をしていますので、非常に有益なものを我が国初で世界に対しても発信をできる可能性があるのではないかと感じております。まだこれは着想の段階ですので、谷岡委員、本当にすばらしいレポートを書いていただいたので、これは本当に力作だし、これまでの谷岡委員のノウハウが蓄積をされているというふうに感じましたものですから、これはしっかり勉強させていただいて対応してまいりたいというふうに思います。
#223
○谷岡郁子君 実は、もう既に大臣の方には、私が人材確保と養成の問題について私見を考えましたものを御提案として出しております。
 その中の一つの観点ということで今資格を申し上げたんですが、そこには書いてあるんですが、実は事業者の方も、今トラック会社にいわゆる会社の運営することの免許を与えているけれども、何トントラックの運転手であるかということを、運転免許を、その個々の管理者というのはかなり包括的な労務管理者ぐらいしか与えていないんですね。
 やはり、そこについて、今NRCというのは運転の免許というものをランキングに付けてきちっとつくっています。そして、その会社に対して認可を与えているだけではなくて、個々のオペレーターや管理者に対して免許を与えるという形で人間的な能力の水準というものの確保をやっているんです。これも併せて、例えば保安院が、例えばある種の研修の制度をつくって、そういうもののテストも試験もやって認証するような仕組みというのをつくることが必要だと。そのくらいの高い、それが分かる高いレベルを実は規制庁の人々、規制委員会の事務組織というのは持たなければならない専門家集団である必要があると。
 そのためには、私は、もう古くなって今では必要のなくなった税務学校、例えば気象予報士の九〇%以上は実は普通の大学出の人たちが国家試験を受けております。税務大学校のほとんどというのは実は大学で運営をしていて、マル査の部分だけがもう違うという形で残っております。国土大学校でつくっている測量士というのは実は専門学校でつくれます。だったら、そういうものを潰しても、例えばサイバーテロ対策のための大学校でありますとか、例えば本当に必要な化学物質に対するモニタリングに関する大学校であるとか、それと、例えば原子力規制安全といったことの陣容をつくるための大学校であるとか、もうそろそろこういうもの、今の二十一世紀の国家の枢要な人材というものであって簡単には育成できないというようなもの、航空大学校、いろんなものありましたね。でも、今の日本の国家を安全に、そして国民のために運営していくためには絶対必要であって、なかなか民営だとか大学ではできないというものをやっぱりつくっていく必要のある時代に来ているんではないかと。
 その意味において、私は原子力の規制安全大学校というようなものもお考えいただきたいと思うんですけれども、これは枝野、細野両大臣からコメントをいただきたいと思います。
#224
○国務大臣(細野豪志君) 人材育成は、鍵というよりは危機だと私は思っています、人集まりませんから。人の集まらないところに廃炉もないし、安全な運転なんてましてやあり得ないわけですから、それぐらいの認識でおります。政府としても既に調査費を付けておりまして、しっかりとした研修院のようなものをつくりたいというふうに思っております。準備を始めております。ただ、発想として大学院をつくるというそういう発想には立っていなかったものですから、もう一度どういうやり方があるか確認をしたいと思います。この大学、大学校ですね、大学校というような方法というのは考えておりませんでしたので、これは検討させていただきたいと思います。
 恐らくそれぞれの大学校は、日本の政府のある時期の黎明期に必要に応じていろんな判断の中でできたものだと思うんですね。ですから、もう既に役割を終えたものもあるかもしれません。そこも含めて、しっかりとした組織をつくるためにはこういうやり方というのは大いに参考になるというふうに思いますので、検討させていただきたいと思います。
#225
○谷岡郁子君 明治以来の日本の近代国家というもので、国家の枢要な人材をつくるということにおいての三つのセットというのがありまして、それは、留学、お雇い外国人、そして大学校という特別な仕組みでございました。そして、この原子力安全というものを守っていくということは、まさにこの三つのセットをそれぞれ全部有機的にやっていかなければならないことだろうというふうに私は思っておりますので、是非そこのところの努力をよろしくお願いしたいと申し上げまして、今日の私の質問を終わらせていただきたいと思います。
 ありがとうございました。
#226
○中川雅治君 まず冒頭に、衆議院で三党で合意したということで、衆議院の環境委員長の提案になったわけでありますが、参議院では極めてタイトな日程で審議をさせられる、そして、しかも生方衆議院環境委員長、提案者が席にいないと、こういう状況で審議が始まりまして、これは誠に遺憾であります。参議院の審議を軽視しているというふうに言わざるを得ません。まず冒頭に、そのことを申し上げておきたいと思います。
 今回提案されました原子力規制委員会設置法案は、環境省の外局として、いわゆる三条委員会である原子力規制委員会を設置し、その下に原子力規制庁と称する事務局を置くということが骨格になっております。
 三条委員会というと、すぐ頭に浮かぶのは公正取引委員会だと思います。実際に三条委員会を提案された方は公正取引委員会のような組織を念頭に置いたものと思いますが、公正取引委員会は、先週木曜日の当委員会で民主党の委員からも指摘されましたとおり、いわゆる指揮命令する大臣がおらず、独占禁止法をひたすら守って、現代のグローバル化された市場の中で企業の合併等について適切な判断ができない組織になっていると、こういうことであります。
 今回提案されている原子力規制委員会におきましても、この委員会が三条委員会となって、指揮命令をする大臣がおらず、内閣から独立することを重視する余り、極端な方向に行ってしまって、もうどうすることもできない、言わば特殊な村といった存在になってしまうことも危惧されるわけであります。それに対して総理大臣や環境大臣は何もできない。場合によっては、専門家である原子力規制委員会の委員に責任を押し付けてしまう、また、国会同意人事であるからといって国会に責任を押し付けると、こういう事態も生じ得ると思います。
 三条委員会にしますと、三条委員会が極端な方向を向いてしまう組織となってももうどうにもできない。事故が起きた場合、その事故が起きた責任はこの三条委員会にあることになるわけでありますから、国民の信頼を失ったこの三条委員会がオンサイトの指揮を執ることが果たしてできるのかどうか。それが駄目でも内閣としてはもうどうにもできない。こういうことが起きると思いますが、その点についてどう考えておられるのか、発議者にお伺いいたしたいと思います。
#227
○衆議院議員(吉野正芳君) 中川委員にお答え申し上げたいと思います。
 今度の組織は三条委員会でありまして、約千人規模です。そして、委員五名、この方々は国会同意人事で選ばれます。委員長も国会同意人事で選ばれまして、天皇陛下の認証官であります。環境省、職員千二百名です。そして、環境大臣も認証官です。そして、この委員会には、十分な権限、そして人事、予算、これが与えられております。
 先ほどまで安全委員会の班目委員長がおられました。安全委員会は助言機関である、助言までであると言って責任を放棄してきました。いわゆる責任がそこまで与えられていない安全委員会でした。でも、今度の規制委員会は、十分な権限ということは、十分なる責任を持つということであります。職員の数においても、そして委員長が認証官であるという点でも、不測の事態といいますか、極端な方向に走ってしまうという、そういう心配は私はないと思っています。特に、安全委員会は、物理現象です、原子炉の中の物理現象の専門的な判断を下すことにありまして、それ以外の分野、同じオンサイトであっても、自衛隊がきちんと水を掛けてくれという、これは原災本部長である総理の仕事でありますので、きちんと明確に分かれているところであります。その御懸念はないと思っております。
 以上です。
#228
○中川雅治君 ますますその懸念を強くいたしました。
 と申しますのは、権限がある、予算がある、組織がある、だから極端な方向に行かない、暴走はしない、そういう保証は全くないわけで、逆ですよね。権限と予算と組織を持てばその組織は暴走する可能性もあるわけですが、誰もチェックできない、大臣も総理も全くチェックできない。この議院内閣制というのは、やはり国会から選ばれた総理が各省庁の大臣を指揮して、その大臣が自分の組織を統率すると、こういうことで成り立っているわけですが、その統率の外にある、しかもその機関が、認証官だ、権限はある、予算がある、組織はある、こういうことでは本当に恐ろしい組織になりかねないというふうに思います。
 例えば、原発の再稼働につきましては原子力規制委員会の判断によることになるわけであります。原発については、リスクが完全にゼロになくてはならない。例えば、原子力発電所に巨大な隕石が直撃する形で落下した場合にも一切事故を起こさないというようなことが果たして可能なのかどうか私にはよく分かりませんが、そのようなケースも想定して安全基準を定めて、それをクリアしなければ再稼働は一切認めないという立場にこの規制委員会が立った場合に国民生活はどうなるのか。原発の再稼働が今後一切認められないという場合に、電力料金は値上がりし、我が国の工場が海外に移転し雇用も失われていく、日本経済は縮小し、国民生活には多大な影響が出るということも考えられるわけであります。また、燃料費の高騰から貿易収支も赤字となり、日本の国力、経済力が衰退していくというような状況も生じかねません。
 そのような状況に陥ることを避けなければならないということを勘案して、巨大な隕石が直撃したときのリスクもゼロにするといった規制委員会の判断はさすがに修正すべきだと仮に世論が求めても、それを修正させることは一切できないということになるんでしょうか。
 今回の大飯原発の再稼働について、野田総理は国民生活のことも考えて判断したんではないでしょうか。それから、また全く逆に、専門家の目から見れば安全基準はクリアされているから再稼働は容認するという規制委員会の判断が次々に出ていった場合、内閣としては原子力の比率は今後落としていくんだと、長期的には脱原発の方向に行くというエネルギー政策の判断があっても、規制委員会が再稼働を認める以上、全てそれに従わなければならないということなんでしょうか。例えば、地域住民の声や世論などを考慮しての判断というものはあり得ないということなんでしょうか。
 細野大臣は、六月十七日付けの読売新聞のインタビュー記事で、原発再稼働の問題は、結局はこの国のエネルギー政策をどうするかという問題ですから、関係自治体の意見はもちろんいただくけれども、最終的な判断は国が逃げてはいけない、こう言っておられますね。また、再稼働については、批判は多いと思いますけれども、批判をきちんと受け止めることも含めて、そこは政府、具体的に言うと関係する政治家が責任を負うということですと述べられておられます。私も全く同感ですが、三条委員会である原子力規制委員会ができたらこのような発言はもうできないということなんでしょうか。
 要するに、三条委員会ができたら、そうした大局的見地に立った判断は許されない、専門家の判断だけに委ねる、そういう仕組みを決めてしまうということに問題はないのかどうか、細野大臣の見解をお伺いいたしたいと思います。
#229
○国務大臣(細野豪志君) なかなか悩ましい御質問をいただいたと思っております。
 政府が提出をしました原子力規制庁というのは、どうしてもやはり様々な判断において政治がかかわらなければならない場面があるのではないかということを前提にしておったんですね。
 その代表的な例は、例えば原発を再稼働する場合に、専門的、技術的には判断が終わっていたとしても、地元の自治体の皆さんにそれをどうお伝えをして、どう理解をいただくかと、まさに大飯原発でそういったことを我々は求められたわけですが、そのときに、どうしてもそれは激しい反対もありますし、いろんな意見がばあっと来て、精神的にも相当プレッシャー掛かります。それに対して説明をするのは、我々は最後は、もうそれは当然選挙もあるし、全ての責任をしょう立場ですから、やり得るというのが政治家だと思ってなっていますからやるんですが、それを例えば原子力規制委員会の先生方が、委員の、危機管理ができる方が来たとしても、そんな激しい抗議活動なんか経験したことがある方は少ないと思います。そういったことも含めて、やり切れるかというのも含めて考えたわけです。
 あとは、例えば本当にシビアなケースの場合に、最後は指示権を発動できるかどうかという問題、オフサイトについて政府としてやはりしっかり関与すべきではないか、そういったことも含めて、当初はそういう外局としての規制庁を考えました。ただ、そこは衆議院での議論の中でやはり規制委員会をつくるべきだという御判断があったわけですね。そのときに民主党サイドからもいろいろ御意見を出していただいて、今私が後段の部分で懸念を申し上げた総理の指揮権の問題であるとかオフサイトの対応であるとかそういったところというのは、バランスを取っていい御判断をいただいたんではないかというふうに思います。
 あと、最後に残るのは、オンサイトのところについて、そこは五人の委員でしっかりやっていただくということになりますので、そこの判断や説明において政治が関与する余地はこれはなくなりました。逆に、そこに関与するということになると、この法に反することになってしまいますからできません。ですから、あとはこの五人を適正な人物をきちっと選んで、それを国民にもしっかり見ていただいて、もちろん、一切それこそ国会の場所にも関与しないということではありませんから、出てきて説明していただくことも必要だと思います。そこは皆さんの御判断ですが、そういった中で、国民にも理解をされるような判断をしていただくという、任命のところが最も大事なことになるのではないかと考えております。
#230
○中川雅治君 細野大臣が懸念されていたとおりの状況が起こると思います。やはり、地域の住民の方は、幾ら専門家だといっても、その専門家の技術的な説明を聞いて納得するわけではないと思うんですね。やはり、総理そして環境大臣、原子力担当の大臣が出向いて説明をすると、こういう真摯な態度で説得をして、またコミュニケーションを図っていくということが大事だと思うんですが、これからは総理のああいった記者会見や総理と知事との会談というようなことはもうあり得なくなるわけですね。もう原子力規制委員会に任せているんだからということで、原子力規制委員会の委員長の発言といいますか、決定がもう全てということになるわけですが、本当にそういうことでこの国のこれからの原子力の再稼働等が動いていくのかどうか、かなり疑問に思います。
 そしてまた、じゃ、五人の専門家の委員の人選が極めて重要だという御答弁もありましたし、先ほどの谷岡委員の質問にもありましたように、何といってもこの専門家の五人の委員をどう選ぶかということが極めて大事だと思うんですね。これはもう既に抽象的な御答弁しかいただけないということが分かりましたので質問はいたしませんけれども、やはり専門家、専門家といっても、どういう専門家なのかということにもよるでしょうし、また元々頭から反原発という、そういう意識を持った方は、どういう専門的な知識であっても、これはもうこれでクリアしたから再稼働オーケーだということにはならないわけでしょう。
 そして、現に専門家と言われている班目原子力安全委員長や近藤原子力委員長も既にいろいろな批判にさらされたわけであります。そして、あるときは原子力規制委員会の委員長や委員はもう大変な責任を押し付けられる。そういう意味で、本当の適任者がいるのかどうか、いてもそういう方が引き受けてくれるのかどうか。大臣も早く国会同意人事として提案したいというようなお話もありましたけれども、本当にスムーズに選任できるのかどうか極めて私は疑問に思うんですね。
 それから、例えば通常は、法律があって、法律の委任を受けて政令、省令があるわけですね。政令というのは閣議の決定が必要でありますし、省令も担当閣僚の決裁が必要なわけです。しかしながら、原発の安全基準は、原子力規制委員会設置法案の附則十五条によって原子炉規制法が改正されることになっておりまして、原子力規制委員会規則によって定められるということになるわけなんですね。
 この原子力規制委員会規則というのは委員会限りで制定することができるわけでありまして、めちゃくちゃ厳しいちょっとあり得ないような安全基準を規則で定めるようなことが起こったり、あるいは逆に世間が期待するような基準とは懸け離れた基準になる場合もあると思います。そのような場合でも環境大臣や総理大臣はもう一切チェックすることができないわけですね。規則ですから国会もチェックはできないと、こういうことになるわけで、この五人の委員の責任というのはもう極めて重いわけでありますが、本当にそういう任に堪えられる方がいるのかどうかということを私は極めて疑問に感じているわけであります。
 次のちょっと質問に参りますが、今回の事故の放射能汚染により福島県始め地域の方々の健康への不安は大きなものがございます。住民の方々の健康調査を行い、健康管理を支援していくことは極めて重要であります。この重要な仕事を政府の中でどの機関が担うのか、今回の法案の中では明確になっていないようであります。私は、放射性物質による大気の汚染等は環境問題としてとらえ、それによる健康調査や健康管理の仕事はやはり環境省が担うべきだと考えます。
 環境省においては、公害健康被害対策に取り組んだ経験もございます。もちろん、健康管理の取組には厚生労働省など関係省庁との協力が不可欠でございますが、この仕事は、原子力規制委員会、原子力規制庁の仕事ではなく、行政府の中でのやはり責任の所在を環境省だというふうにしっかり定めて、そしてそのために必要な人員と予算を確保するということが重要だと考えます。
 細野環境大臣の見解をお伺いいたします。
#231
○国務大臣(細野豪志君) 今回、東京電力の福島原発の事故によりまして、福島の皆さんは大変不安の中で生活をされていますので、健康管理の問題というのは最も重要な課題であると考えております。
 当初は、政府内で検討した結果といたしまして、原子力規制庁がその業務を行うということを予定をしておりまして、政府提出法案においては、その根拠となる所掌事務の規定を環境省設置法に設けておりました。ただ、民自公三党で調整をいただいた今回の法案の中にはそのことの規定は取り入れられておりません。したがって、この問題をどこが担うのかというのはむしろ明確にやはりしておいた方がいいのではないかというふうにも考えております。
 先生の方からも御指摘をいただいたものですから、環境省の中でもいろんな議論をいたしました。これまで環境省関連の法律には放射性物質というのは全て取り除かれておりましたので、それについての対応はしてまいりませんでした。ただ、これだけの大災害が発生をし、環境汚染としてはもうこれ以上経験したことがないぐらいの厳しい厳しい環境汚染そのものでありますから、これはやはりしっかりと公害として位置付けていく必要があるというふうに考えておりまして、実際にも環境基本法の中でもそういう位置付けをすることが今回の提出法案の中で明確になっております。
 したがいまして、放射能汚染にかかわる健康管理の問題を、この際正面から公害というふうに位置付けまして、環境省本省の本来業務として健康管理、さらには調査の業務に取り組んでいくこととしたいと思っております。
 誤解なきように申し上げますと、環境省の中でこの問題を取り扱うことに関しては大論争がございました。すなわち、これだけの大問題、福島の健康問題ですから、これだけのものはもう抱え込めないのじゃないかという、そういう声もあったんです、これは真面目な業務を積み上げるという立場からは。そういう意見もあったんですが、片や、これだけの公害が発生した以上、これに逃げるようであれば環境省としての存在意義が問われるのではないか、そんな意見もございました。私もそう考えました。したがいまして、ここはしっかりと引き受けてやっていくという覚悟で今環境省はおります。
 ただ、そのためには人員を確保しなければなりません。二十四年度の予算には政府案を前提として健康管理業務のための予算と定員を盛り込んでおりますが、これを元々は規制庁の方でというような議論もあったんですね。ただ、そこは、こういう正面から引き受けるということになりますので、環境省としてこれを業務として行いまして、さらに来年度以降も必要な予算等の確保に努めてまいりたいと思います。ある程度の予算を確保してやっていかなければ福島の皆さんの思いにこたえることができませんので、ここは重い責任を負っておるというふうに思っております。
 先ほど中川委員が御指摘をされたように、環境省だけでは全てやり切ることは難しゅうございますので、厚労省を始めとした関係省庁の協力を得て実施をしていくことも極めて重要であるというふうに思っております。また、規制委員会とも当然協力が必要です。さらには、原子力防災会議が設置をされますので、原子力事故による長期的にやらなければならない総合的な取組が必要となる政策の推進も対象としておるこの原子力防災会議とも協力をしながら、健康管理、さらには調査についても政府一体となって取り組み、その中核を環境省が担っていきたいと考えているところでございます。
#232
○中川雅治君 こういう放射能汚染による健康調査や健康管理の支援というのは、やはりこれはもう行政の責任そのものだと思います。ですから、何か行政から独立した規制委員会の仕事ではないと思います。やはり環境省が、今大臣が決意を述べられましたように、環境省の責任でしっかりとこれを行っていただきたいと思います。そのためには、必要な予算、定員を取るということは当然のことでございますので、是非そこは頑張っていただきたいというふうに思います。
 それから、もうこれも既に質問がもう出たところでありますが、原子力規制委員会、それから原子力災害対策本部、原子力防災会議の関係、これは誠に複雑ですね。
 今回の提案によれば、原子力施設の安全の確保については原子力規制委員会が担う。事故が発生した場合のオフサイトの対応については、原子力災害対策特別措置法によって原子力災害対策本部が立ち上がることになっております。本部長は総理大臣、関係大臣が協力をすると、こういう仕組みであります。
 また、平時においても、原子力基本法によって原子力防災会議が置かれることになっておりまして、この原子力防災会議は、内閣法第十二条第四項に基づく内閣補助部局との位置付けだそうでございます。つまり、内閣官房や内閣法制局などと横並びの組織だということなんですね。この原子力防災会議に事務局が置かれ、事務局長は環境大臣をもって充てることになっております。
 環境省は、環境省設置法第四条第十九号の二によりまして、原子力事故により放出された放射性物質による環境の汚染への対処に関することが所掌事務となっておりますので、私は環境大臣が事務局長になるのが適任だと考えております。が、一方で、内閣府にも内閣府設置法第四条第三項第十四号の二によりまして、原子力災害に対する対策に関することが所掌事務となっておりまして、この内閣府の原子力防災担当部局、これがあるんですね。これは、原子力防災会議の事務局に協力することになっているということなんですね。
 細野大臣ですら、原子力防災会議の事務局は内閣府ではなく内閣ですと先ほど訂正をされたぐらいですから、本当にこの関係が分かりにくいんですね。このように誠に複雑な組織になっておりますが、発議者はこのような仕組みになってしまったことについてどう考えているんでしょうか。本当にこんな仕組みでよいと思っているんでしょうか。
 実際に、平時の原子力防災会議が機能し、いざというときの原子力災害対策本部がしっかり機能するためには、関係行政機関の所掌事務をはっきりさせた上で、お互いに協力し連携を密にしなければならないということは当然でありますが、私は何かここ非常に不安があるので、これ、発議者、答えていただけますか。
#233
○衆議院議員(吉野正芳君) そこのところが一番議論になったところです。
 今度の事故を踏まえると、事故が起こりましてから原子力災害対策本部ができました。でも、全くこの本部機能が発揮されないで、この事故をある意味ではここまで大きくしたのではないかと思っています。その二の舞をしたくないということで、原災本部と同じメンバーで平時から訓練しよう、こうしてできたのが原子力防災会議であります。ですから、平時の訓練、日々の訓練がいざといった場合の事故を防ぐ、拡大させない、いわゆるオフサイトの避難の人々に対する部分を最小化するというのがこの防災会議をつくった目的です。
 実は、原災本部がしっかりしていれば、例えばSPEEDIの情報をきちんと流していれば、浪江町の方々が同じ町内、津島という地区に避難したんです。四日間いたんです。そこが一番線量高いんです。こういうことを全く、次もし起こるんであれば、絶対に起こしてはならない、これは平時の訓練が大事だと、こういうことで防災会議をつくったところであります。こういう役割でございます。
 以上です。
#234
○中川雅治君 ちょっと時間がなくなりましたので、私の方から最後に要望というか、お願いをしておきたいと思います。
 これも谷岡委員が御指摘されました、要するに、優秀な人材を確保しなければならないと。この原子力規制庁に千人規模の職員を置くわけですから、これがもう大変重要なことでございます。その場合に、ノーリターンルールというのがあるわけですが、私はこれは行き過ぎだと思っております。
 結局、ノーリターンルールということになりますと、まあこれは五年間の経過措置はあるということではございますが、もう行きっきりだということで、こういうことになると役所の方は、優秀な人材は自分たちで残しておいて、ちょっとどうにもならない人を、ノーリターンなんだから送り込んじゃえと、もう帰ってこないんだからという、そういうことにもなりかねない。そして、やはりこれは幹部の職員ならともかく、会計事務をやる人まで含めてもう全てノーリターンだというのは行き過ぎです。
 そして、原子力推進官庁との間だけだというわけですから、じゃ、この原子力推進官庁の定義をよほど厳密にやってもらいたいと思うんですね。経済産業省でも、それは、資源エネルギー庁はまあ推進官庁と言えるんでしょう、当然。ですけど、特許庁とか中小企業庁、これも原子力推進官庁なのかどうかと。これは言えないと思いますね。
 それから、文部科学省でも原子力の推進に関する研究部門にいた人は原子力推進官庁から来たと、こういうことになるかもしれませんが、初等中等教育局で小学校の教育をやっていた、あるいは幼稚園教育の方を担当していたという人まで全て原子力推進官庁だ、文部科学省は全部原子力推進官庁だということでは、これはもうあり得ないというふうに思いますので、そういったところは運用でしっかりと対応していただきたい。
 それから、やはり給与を少しでも高くしないといい人材が来ません。ですから、この原子力規制庁は給与を少し高くすると。しかし、この原子力規制委員会の委員長や委員にその後ろ盾がいないんですよ。そういう後ろ盾のいない役所が予算要求したりいろいろしてもなかなか通らないんですよね。
 やはりこれは、原子力規制庁をまま子扱いにしないで、内閣一体としてしっかりとした組織、いい人材が採れるように努力をすべきだということを申し上げまして、質問を終わらせていただきます。
#235
○加藤修一君 公明党の加藤修一でございます。
 まず、今回の内容というのは日本の統治機構を変える話でありますので、極めて重要な案件であると思っています。かつて消費者庁が議論になったときも、五十時間から六十時間、両院ありますから掛ける二倍と、そのぐらいの審議時間を取って議論をしてきた経緯があります。会期末とはいえ、これだけ窮屈な審議をせざるを得ないというのは非常に残念な思いであります。国会運営のロードマップを作成するのはこれ政権与党でありますので、与党の責任は極めて大きいと私は指摘をしておかなければいけないと思っています。
 それと、先ほども話がありましたが、提案者である環境委員長がいないというのは非常に参議院に対しても軽視になりますし、これは相当重たい法案の中身であると私は認識しておりますので、軽々しくやってそういう行動を取っていただきたくないなと、そのように思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
 それから、国会事故調の結論がまだ出ておりません。アウトプットが出ておりません。この結果をしっかり受け止めて反映をさせなければいけないと、このように私は考えておりますが、通告はしておりませんが、大臣、この辺のところについては、御見解を示していただきたいと思います。
#236
○国務大臣(細野豪志君) 国会事故調というのは、国会で御議論をいただいて、こういう調査をして報告書を出すというのは、これまで日本の国会がやってこなかったことをやろうということでつくられた大変権威のある調査会だというふうに考えておりますので、しっかりと出されるものについては真摯に受け止めて、できる限り反映をしていくという姿勢で臨みたいと思っております。
 その一方で、政府も事故調査をやっておりまして、その結果は若干遅れて、恐らく七月、八月ごろに出てくるのではないかと考えております。また、IAEAも日本と共催で会議をすることを年末に予定をしておりまして、そこでもIAEAとしても様々な見解が出てくるであろうというふうに思うんです。
 つまり、事故の検証という意味では、国会事故調、極めて大事で、一番その中でも大事でありますけれども、ずっと継続をして様々な多分厳しい意見が出てくるだろうというふうに考えております。ですから、組織の在り方や規制の中身というのは常に不断の見直しをして高いレベルを目指していく、これが重要ではないかというふうに考えております。
#237
○加藤修一君 是非積極的な対応をしていただきたいと思います。
 それで、ちょっと時間の関係ありますので、ちょっと飛んでまいりたいと思います。スキップします。
 運転四十年、これ、廃炉にするという法定基準というのをもう法律で定めようと、そういう話になっておりました。ただ、審議の過程で、まあ誰かが最初にそういう話をしたと思いますけれども、法律ができて以降、それを見直ししようという話があったようでありますけれども、あえてこれ申し上げますけれども、誰が、どの党が一番最初に口火を切ったんでしょう。
#238
○衆議院議員(田中和徳君) 四十年については、我が自民党、そして公明党、野党側の案の中には、規制委員会、規制庁ができた後、専門的な知見の中で判断をしていく流れをという思いがありまして、当初、我々の案の中には入っておりませんでした。政府側の案として出てまいりましたし、また与党側のお話もその点が強調されたところがございまして、私たちは相当な協議をさせていただきましたけれど、四十年も認め、そして委員会がスタートし規制庁がスタートした段階で、これをしっかりと各炉ごとに、そしていろんな条件を精査をして正しい判断を行っていただきたい、こういうふうに決定をしたところでございます。
#239
○加藤修一君 報道ベースの話ですので確認をしたいと思いますが、政府案では東京電力福島第一原発事故を受け、老朽化対策として四十年ルールを定めた、環境相が認めた場合は一回に限り二十年以内で延長が可能としていたと。だが、ここからが確認なんですけれども、自民党からは、一律四十年は納得できない、そういう反応があったと、このように報道には書いてあります。それから、自民党の中の話でありますけれども、定期的に部品を取り替えており、年数だけで劣化しているとは断じ難い、こういうレベルの話があります。あるいは、自民党の原発推進派は、原発の新規立地が難しくなる中で廃炉規定をそのままにすれば原発の安定利用の妨げになると危機感を抱く、専門家が議論すれば四十年廃炉に科学的な根拠がないことが明確になり、規定は削除されるだろうと期待する声が出ていると。
 こういう、これは報道ベースの話ですから、あえてここを確認したいんですが、どうでしょうか。
#240
○衆議院議員(田中和徳君) 先般も衆議院の方においてもこの部分について何度かお尋ねがあったわけでございますが、報道はほとんど間違いでございまして、我々の議論ではございません。私たちは、決して四十年をもっと長くするためにこれを議論したのでは全くございません。場合によっては一年、二年でも廃炉にしなければならない原子炉がこれから出てくるかもしれないんです。これをやはり私たちは、新しい委員会の委員が選ばれ、そして作業が始まった段階で、丁寧に、国民の皆さんの不安が解消できるように一つ一つ説明責任も果たしていただいて、炉ごとの状況を診断いただいて、そして何年運用すべきか、これから何年再稼働すべきか、こういう議論をして決定をしてもらいたい、こういうことでございます。
 何か自民党の方が、四十年では足りないから、もっと何年も引き延ばすためにこのような結論を出したんではないかという話があるんですが、全くこのことについては私が明確に否定しておきたいと思っております。
#241
○加藤修一君 今答弁の中に、二年、三年でも廃炉に導くことがあるという話でありますけれども、今私が聞いていて若干違和感を感じたんですけれども、それはどういうことを想定されてお話ししておりますか。たまたま、二年、三年ということを言っておけと、そういうことでしょうか。どういう意味でしょうか。
   〔委員長退席、理事北川イッセイ君着席〕
#242
○衆議院議員(田中和徳君) 私たちは新しい組織をつくるということを提案をしております。しかも三条委員会という政治と独立した組織をつくるわけでありまして、極めて権威のあるものだと思っております。ですから、今までの認識と違う調査を行い、そして結論が出た場合はそのことが尊重されるべきであるということを申し上げているわけでございます。
#243
○加藤修一君 ちょっと分かりづらいなと思って聞いていましたが。
 私は、三・一一の悲惨な事故を考えたならば、この当初出てきた四十年ということについてはしっかりと対応すべきではないかと、このように考えておりまして、あれだけの悲惨なことがあったので、やはり私は、国際的な責務を考えていくならばこうあるべきだと、このように考えておりますけれども、どうですか。
#244
○衆議院議員(田中和徳君) 今の加藤先生のお話でございますが、私たちも一応、この法案を提出するに当たりまして、四十年については認めた形になっております。
 ただ、先ほど来より申し上げておりますけれども、四十年という数字の設定は、先生が一番御存じのように、やはり少し政治的な数字であろうと思っておりますし、科学的な知見だけに基づいて決定した数字でもないと思っております。そういうことで、元に答弁戻るわけでございますが、四十年は取りあえず私たちは尊重して、四十年の数字をこの法文の中にも入れてございますけれども、新たなる組織が国会の中で選ばれ、成立し、スタートした時点では、やはりその委員会並びに規制庁の考え方を尊重すべきだと、このことについては重ねて答弁をさせていただきたいと思っております。
 以上でございます。
#245
○加藤修一君 いや、今の答弁を確認いたしますけれども、政治的な数字であるという言い方をされました。それから、科学的な数字だけに求めたものではないと、そういう言い方をしましたけれども、科学的、技術的な数字だけで決めていいんですか。科学的、技術的な数字だけで決めていいんですか、こういうものっていうのは。政治的な面だってあるわけですよ。政治的に決めていい数字だって私はあると思っていますよ。
#246
○衆議院議員(田中和徳君) 私は、個人的に言えば、今回のこの事故が起こった、今のそれぞれの原子力発電所の在り方というのは、やはり最低限国民の皆様方が納得していただける稼働の状況にしていかなければならないと思います。国民の皆さんは一人一人プロではありませんけれども、やはり三条委員会の中で選ばれた委員が真剣に調査をして、検討をして、責任を持って示していくということが、私たちが今考えられる一番大切なことではないかと思っております。
 四十年については、率直に申し上げまして、私は正直に言いますけれども、それほど科学的な調査あるいはいろんな根拠に基づいて出た数字ではないと思いますけれども、四十年が示されたという意味も私たちは了解をいたしまして、この法案の中に入れさせていただいたところでございます。
 ただ、新しい組織ができたときには、当然このことも含めて委員会の中で正しい判断がなされ、国民に示されていくものだと思っております。
#247
○加藤修一君 私は、日本ではなかなか実施されておりませんが、テクノロジーアセスメント、技術評価というふうに訳しては私はいけないと思うんですね。これは単に科学的あるいは技術的な評価だけに限らないと思っています。例えば倫理の問題あるいは技術の問題、それから経済、社会制度、そういう枠組みで、従来の既存のリスクアセスメント、それに加えて、不確実性が伴う分野でありますから、原子力の分野というのは。だから、そういうことを含めて、いわゆるテクノロジーアセスメントというものを実施して全体的に評価をしていくということが非常に正しいと思います。
 その中には若干の、先ほど申し上げましたように政治的な判断の部分も入ってくるわけですよね。ですから、私は単に、例えば原子力、今の原子力の運転中のことについて安全だと例えば確認、そういうことができたとしたとしても、これ以外の問題というのはたくさんあるわけですよ。原子力の関係については、それは、そこから出てくる使用済燃料棒の関係を含めて核の廃棄物というのは相当あるわけですから、それについての処理、処分という体系が全くできていないことも含めて考えていかなければいけない。であるならば、幅広い形で、いわゆる、さっき申し上げましたようなテクノロジーアセスメントという観点から問題を解きほぐしていかなければいけない、こういうことに私はなってくると思うんですね。
 ですから、私は単に、関電の社長がつい先日も、これも新聞でありますので確認しておりませんが、技術、科学的な面からだけというのは私は、先ほど答弁者も同じようなことをおっしゃいましたけれども、そういうことではないように私は思っておりますけれども、この辺についてどうお考えでしょうか。
#248
○衆議院議員(田中和徳君) 今、加藤先生からも度重なって指摘があったんですけれども、判断の中には、私が言う話ではないかもしれませんが、総合的な判断も含まれるものだと思います。当然、新しく選ばれた委員会の委員の方々が、今先生がおっしゃったようなことも含めて、いろんな状況も含めて、私は判断をされることだと思っておりますし、そういう専門家を私たちが組織をつくって選び出す、国会議員の一人として是非すばらしい結論が出ることを信じたいと思っております。
 以上でございます。
#249
○理事(北川イッセイ君) 細野大臣、発言ありますか。
#250
○国務大臣(細野豪志君) 田中先生、非常にもう御苦労されてまとめていただきましたので、お話、非常に大変な作業をされたなということを改めて感じながら聞いておりました。
   〔理事北川イッセイ君退席、委員長着席〕
 少しだけ政府の立場を簡潔に御説明させていただきますと、四十年は全く科学的な根拠がないということではないんです。例えば、中性子脆化について、四十年でもろくなるという結果ははっきり出てきておりまして、原発の申請をする場合に四十年というのは初めから想定をして各原発出しておるんですね。さらには、機器につきましても、例えば起動停止の回数は百二十回ということで想定をされています。それは一年に三回ぐらいはそういう作業をするからなんです。燃料交換は八十回になっています。これは定期検査も含めて一年に二回を想定をしているからです。ですから、元々中性子の脆化という原子炉そのものの構造もそうだし、システム全体も四十年を基本的にはまずは前提として組まれているのが原発なんだということは、これは数字上はっきりしていると、これは申し上げたいと思います。
 その上で、もう一つちょっと是非御理解をいただきたいのは、リスクはゼロか一かじゃないということなんですね。つまり、古くなってくるに従ってリスクは高まることは、これは間違いないわけです。ですから、そこは、例えば高速道路を走る車と一緒だと思うんですが、百キロ超えたら突然事故になって百キロ以内なら安全というのではなくて、スピードが上がれば上がるほどだんだん危なくなるわけですね。
 ですから、そこは自民党の皆さんにも御議論いただいて、四十年というところで少なくともしっかりとした線が引けたこと自体は、先ほど加藤委員がおっしゃったことも含めて、極めて大きな意味があるというふうに思います。
#251
○加藤修一君 私は四十年を支持しているんですよ、誤解しないでいただきたいんですけれども。大臣のおっしゃったことは私も全く理解しております。
 それで、中性子の脆化の関係についても、それは美浜の原発の二号機についても七十度まで遷移温度が行っているわけですから、これは極めて厳しい話ですね。これ、四十年過ぎてこれからまた二十年という話になっても困る話だと私は理解しております。ですから、中性子脆化の関係を考えると、確かに四十年がかなり厳しい段階に入ってきていることは私も認識しております。
 それと、いわゆる保全の関係について言いますと、今言いました中性子照射脆化の関係、それから応力腐食割れ、あるいは疲労割れとか、配管の減肉の関係、絶縁低下、あるいはコンクリートの強度低下等々含めて、相当の劣化が原子炉においては進むということになりますので。それで、最近の知見でありますけれども、これは応力腐食割れの関係でありますけれども、試験の結果、原発の運転時間換算で、いわゆる配管材料に一ミリの亀裂が生じるまでに二十六万時間掛かる、こういう試験結果があります。二十六万時間というのは、これは約三十年に相当するわけですよね。ですから、一旦三十年で切ってプラス十年ということも実際にやっているわけでありますので、こういう技術の面における成果ということについても当然対応しなければいけないと思っております。
 それで、提案者の方にお聞きするわけでありますけれども、これは原発の一基について、原子力発電所ですけれども、それが配管ではどのぐらいの延長距離になるかと。あるいは、総数でいうと何万本あるかという話でありますけれども、これは言うまでもなく聞きますという話しましたけれども、約百二十キロある、延長距離ですよ、百二十キロ。それから、管の数で約五万本あるというんですね。中には曲がった管も当然ありますから、そういうものにおける劣化、それがどれだけ進行しているか。非破壊調査をやったとしても、それでなかなか分からない部分も当然あると。ですから、先ほど申し上げました応力腐食の関係で大体三十年間、あるいは中性子の脆化の関係で四十年間、それを考えていくと、やはり四十年というのは全く政治的な配慮で考えた数字じゃなくて、やはり科学的、技術的な知見に基づいてやっている部分も相当あると、私はそういうふうに理解しております。
 そこで、この数字がいいかげんになってしまうと、つまり、見直しがされてこれが法律で定められないというふうになった場合には、これは大臣、どういうふうに考えられますか。大臣がおっしゃっているこの原子力依存度の一五%の案というのは、原発の寿命が大体四十年と、そういうところに基づいてつくられていると私は理解しておりますけれども、どのようにお考えですか。
#252
○国務大臣(細野豪志君) 原発の比率につきましては、今、総合エネルギー調査会の方で様々な議論がされておりまして、その中の一つの選択肢が二〇三〇年約一五%という、そういう数字になるということでございます。
 そこは、これまでは資源エネルギー庁の下に原子力安全・保安院がありましたので、横目でにらみながら恐らく調整ができたんだろうと思うんですね。ですから、大体目標を立てたらその方向で原発も動いたという、そういう体制だったわけです。今回の改正というのは、それはいかぬと。もはや完全に切り分けて、規制安全は独自にやらなければならないということになりましたので、ここの予定調和は完全に崩れることになります。したがって、規制の面から更に数が少なくなる、稼働率が下がるというようなことがあったとしても、それはこういう制度をつくった以上はしっかり受け止めていかなければならないというふうに思います。
 したがって、一五%に、例えば一つの考え方としてベースにするにしても、それが実現をできずにもっと少なくなるとかいうことがあった場合は、それは安全サイドに立った判断だということで受け止めるのが政府が取るべき姿勢ではないかと、そのように考えております。
#253
○加藤修一君 私の理解をあえて言いますと、やはり一五%の案というのは原発寿命四十年の原則に従っていると、新増設がなければそういう数字になってまいりますから。それを、一五%路線をずっと続けていくと、二〇五〇年になれば原発依存度はゼロになると、そういう日本社会が実現するということだと思うんですね。
 私は、総理は、脱原発依存の公約を確認されると、極力依存度を下げると、あるいは新増設は現実的に困難という認識は同じと、そういう発言をしているわけですけれども、私はこの四十年ルール、この緩和というのは、やはり私は事実上撤退を意味するような形にならざるを得ないと。ですから、逆に言うと、私は見直しでそういうことになってはいけないなと、このように考えている次第でございます。
 それから、若干違う視点の話でありますけれども、関西電力の美浜二号機、これ七月で運転開始四十年を迎えるわけでありますけれども、先ほど遷移温度の話をいたしました。大臣から話がありましたように、四十年になると脆化が激しくなってくるという話でございますので。ただ、経産省の原子力安全・保安院は六月六日の段階で、今後十年間運転を延長しても安全性を確保できると、そういう老朽化対策をいわゆるおおむね妥当という審査書をまとめているわけなんですけれども、これは福島の事故以来、四十年を超える運転延長を認めたという意味では私は初めてだと思いますけれども、これは、新しい法案が成立すれば、二十年間の再延長を申請すれば認められるということになってしまうんですか。もちろん、それは見直しが四十年でないという話が前提になるわけですけれども。
#254
○国務大臣(細野豪志君) そういうことではございません。これは明確に申し上げます。
 保安院がやっておりますのは高経年技術評価というものでございまして、三十年以降については十年ごとにずっと継続してやられてきたものをそのままやっておるんです。その前提は、再稼働ということではなくて、定期検査中のものも含めて原子力発電所というのは存在すること自体でリスクを抱えますから、そのリスクを検証しようとするものであります。しかも、そのプロセスも終わっているわけではありません。
 したがって、保安院がこの美浜の二号機について高経年技術評価で事業者が出してきているものについて認めたとしても、それは再稼働を認めることとは全く異なりますので、新しい規制委員会が誕生した後にそれについてはしっかりと判断をしていくということになりますので、そこは是非分けて考えていただきたいと思います。
#255
○加藤修一君 それから、次の質問に行きますけれども、全体として、これ、この規制委員会ができて以降の話ですけれども、防災指針とか安全基準、これが全体として完備されると、体制が整うのはいつかという話なんですけれども、今、現実的な問題として、四国電力の伊方原発の三号機、それから再稼働の前提とされてきたストレステストの一次評価については保安院が妥当として判断していると。その結果を確認する原子力安全委員会がどういうふうに言っているかといいますと、いつまで組織が存続するか分からないと、何もそれに対しての作業はやっていないと、そういう話なんですね。作業が宙に浮いているという話でありますけれども。
 あるいは、十九基分の一次評価結果が保安院に提出されて、今は審査中でありますけれども、この保安院も安全委員会もこれはこの法律ができて以降は廃止になるわけでありますけれども、これは安全性の確認ということについてはどういう体制に実はなっていくかと。つまり、これは新しい安全基準で厳格に確認できる体制が整うまではいわゆる原子力規制委が安全確認の方法や目安などを決めるということになるというふうに聞いておりますけれども、その具体的な中身はまだ決まっていないと、当然でありますけれども。これ、そういうことを含めて、先ほど申し上げました、冒頭に申し上げました防災指針の関係とか安全基準の関係ですね、これはいつ、大体どのころまでにそれが完備されるのか、どのように考えたらよろしいですか。
#256
○国務大臣(細野豪志君) まず大前提として申し上げますと、原子力安全・保安院と原子力安全委員会は、今行政上存在をしておる組織そのものでございますから、新しい規制組織が誕生するまでの間は、稼働していないものも含めて安全性についての確認はこの組織がしっかりやらなければなりませんし、ましてや、それこそ事故に備えるということも含めて役割がございますので、そこは絶対に緩むことなくしっかり最後までやり切らなければならないと考えております。
 新しい規制組織が公布後三か月、法律を通していただいた後の三か月以内に誕生するということになります。新しい規制委員会が誕生しましたら、その時点で原子力安全委員会や原子力安全・保安院は廃止をされるということになりますので、そこからは一新をした組織の下で様々な判断が行われるということになります。
 あくまで対応はその後新しい規制委員会の下で行われることになるわけですが、客観的な状況として申し上げるならば、恐らくその原子力規制委員会でまず取り組んでいただけるのではないかと思っておりますのは防災指針だろうというふうに思います。それといいますのも、原子力安全委員会がやった仕事といたしまして、三月末には中間報告を指針で出しておりますから、そのベースができておりますので、これをできるだけ早い時点で法律に基づいた指針として確定をしていく、これが最も最初の作業になるのではないかと思います。これは極めて重要でありまして、この指針ができれば地域の防災計画を作れますので、様々な準備がそれぞれの地域でできるようになります。これは是非新しい組織には急いでやってもらいたいと、そのように思っています。
 問題は、規制の中身ですね。例えばバックフィットであるとかシビアアクシデントであるとか四十年ルールであるとか、そういったものというのはこれは中身を相当技術的、専門的に詰めていかなければなりませんので、十か月以内にそうした規制の強化についてはなされるということになります。
#257
○加藤修一君 時間が来てしまいましたけれども、この新しい防災指針の関係については、確かに三月二十二日の中間報告だと思いますけれども、これはまだパブリックコメントにもかけていないわけですよね。いち早く、今の段階でかけたってよかったわけですよ、三月段階でもですね。それ、やっていないことそれ自体が非常に私は鈍感だと思っております。またこの関係については次回の審議にやりたいと思います。
 以上で終わります。
#258
○水野賢一君 みんなの党の水野賢一です。
 この法案は、先週の金曜日に参議院では異例というべき二ラウンドの本会議をやって、二ラウンド目の本会議で趣旨説明、質疑をして、それで今日の委員会に至ったわけですね。ここまでに至る過程、この審議の進め方自体がもう異例のことずくめで、はっきり言ってとても納得はできないんだけれども、要は民自公の三党が合意をすれば、あとはどんな強引な国会日程でも組むことができるという、このやり方自体が間違っているんだけれども、その中でも特に問題にしたいというふうに、聞き捨てならないのは、金曜日の本会議で、あなた、近藤さん、あなたが何かみんなの党からの質問通告がないというふうに本会議で答弁しましたよね。あれは一体どういうことですか。
 そもそもこの法案は、あなた、木曜日にこれ、修正協議がまとまったんでしょう。法案が出てきたのは金曜日の朝ですよ。我々が条文を手に入れたのは、この条文、これ、金曜日の朝ですよ。金曜日の午後二時に開かれる本会議で、どうやって質問通告ができるんですか。本来、我々は、こんなやり方だったら審議拒否をしたって、審議に応じないことだって、そうあるべきところなんだけれども、我が党はしっかりと審議は行っていくという基本的な姿勢を取っているから審議拒否はしませんでしたけれども、通告がないって、あなた、どういう神経でそれを、通告させないような審議日程を組んでおいて、どういう神経でそういうふうに言っているんですか。わびはないんですか。
#259
○衆議院議員(近藤昭一君) 水野議員の御指摘、私はまずおわびを申し上げたいと思います。
 と申しますのは、私は、ちょっと私の言い方が悪かったと思います。ある意味で、想定しなかったというと大変に失礼かもしれませんけれども、廃炉審議会のことの御質問でありました。そして、私は、私としては廃炉庁まであるべきだと申し上げました。それは、前もってその質問について想定をしていなかったので、いわゆる修正協議をさせていただいた中でそのことについての論議はなかった。論議というか、そのことについてのすり合わせがなかった。そういう意味で、想定がなかった中で、私としてはと、こういう言い方で申し上げたということであります。
 また一方、そうしたタイトな時間の中であったということは、それは反省をしなくてはならないとも思っています。
 以上であります。
#260
○水野賢一君 私も、何も答弁内容が間違っていると言っているわけじゃないんですよね。だから、この審議の進め方と、何か通告ないって、できないのが当たり前なのであって、その中で国会日程を組んでいる中で、何かあたかも本会議場で我々が悪いかのような言い方をしたということには、わびがあったから一応これはここで終わりますけれども、強く抗議をしたいと思いますし、これは、そういう不誠実な、代理として出てきている方がそういう不誠実な答弁をした以上、本会議場で、今はいいですよ、これはもう提出者である生方さん、あなたに全部法案については聞きますので、あなたが全部答えてください。ほかの人が手を挙げることは、私は質問者としては認めません。
 じゃ、生方さんの方に法案の内容について伺いますけれども、これ、原子力規制委員会の委員になれない人たちというのが、要するに余り原子力の、いわゆる原子力村というのにかかわっていたような人たちなんかは駄目ということで、これ七条の七項にいろいろ定められていますよね。禁錮の刑に処せられた人とかいろいろ書いてありますけど、その中の三号を見ると、要するに、これ原子力の、余り、俗に言う原子力関係者たちはやっぱり委員とか委員長はまずいよねということだと思うんですけど、これだけ見てもよく分からないですね。
 だから、ちょっと立法者の意思として教えてもらいたいと思うんですけど、例えば東京電力とか原発を持っているような会社の役員だった、過去に役員だった人とかというのは、これ委員になれるんですか。
#261
○衆議院議員(生方幸夫君) 私は実務担当者ではないので、本当に私が答えるのが適当かどうか分かりませんが、せっかくの御質問でございますのでお答えをさせていただきます。
 普通に考えて、今般の東電の事故を見ても、いわゆる原子力村というふうに言われている人たちの中で行われていたことが事故を拡大させたということもございましたので、これからつくられる原子力規制委員会については、そういう村にかつて属して、どっぷりつかった人たちが委員になる、あるいは委員長になるということは考えられないし、それが適当であるというふうには私は思いません。
#262
○水野賢一君 そうすると、今の御答弁だと、単に現在というだけじゃなくて、過去も含めてそういうところに、まさにどっぷりつかったというふうにおっしゃっていらっしゃったので、そういう役員とかだった人は駄目という、そういう法案の理解でいいですよね。
 じゃ、続けて、場合によっては、ちょっと続けたところで併せて答えてもらってもいいんだけど、役員とかそういう人たちはまずいでしょうけど、社員とかそういうようなのも、どこら辺まで規制されると思っていいんですか。
#263
○衆議院議員(生方幸夫君) それは、規制委員会の方のガイドラインを作って、そこで規制をしたいというふうに思っております。
#264
○水野賢一君 じゃ、その相場観として、要するに提案者なんだから、提案者としてはその相場観がどの辺かということは、これは立法者の意思として示しておいてもらわないと分からないでしょう。その立法者がどのぐらいを相場観にしていたかということぐらいは示してくださいよ。要するに、過去にどっぷりつかっていた人はまずいというのはさっき答弁にあったので分かったけれども、要するにどの辺がラインだというふうに思っているんですか。
#265
○衆議院議員(生方幸夫君) これ、規制委員会がきちんとできまして、規制委員長の方できちんとしたガイドラインを作って、委員長の方で判断することであって、今、私がここでどういう、何というんですか、方は適当でどういう方が適当でないという基準を示すことはできないし、示すべきではないというふうに思っております。
#266
○水野賢一君 そうやって、結局、先送りしていくと、どういうものだか分からないようなものになっていっちゃうという懸念があるんですけど、ちょっと今のに関係するんですけど、十一条には、十一条のところ、三項ですね、これ、要するに、委員とか委員長は報酬を得て他の職務に従事したり営利事業を営んだりとかしちゃいけないというふうになっていますけど、これはあれですか、要するにほかの業を営んじゃいけないんでしょうけど、自分が何か業を営んだりとかするんじゃなくて、どこかの会社の顧問とかそういうのはいいんですか。報酬を得ている顧問ですね。
#267
○衆議院議員(生方幸夫君) 基本的に専従の委員長及び委員でございますので、普通で考えれば、報酬を得ている顧問というのはあり得ないというふうに私は考えております。
#268
○水野賢一君 そうすると、だから、どこかの例えば、これは電力会社だけを言っているんですか。電力会社の顧問とかそういうようなのは原子力に関係するからまずいけど、そうじゃなくて、例えば、そういうことで直接関係ないようなどこかの会社の、原子力と関係ない、そういうようなところの顧問とかは別に構わないとか、どうなんですか、やっぱり全部駄目と、そういうことですかね。
#269
○衆議院議員(生方幸夫君) 基本的には報酬を得ているということになれば、ある程度の時間を割かなければいけないということになるというふうに思いますので、これはもういつ何どき何があるか分からないという極めて重要な委員長であり委員でありますので、常識的に考えて、報酬を得て顧問になるようなことは適当ではないというふうに考えております。
#270
○水野賢一君 私も適当じゃないというふうに思いますよ。それで、その中で、そうすると、この前から、生方委員長はここでお聞きになっているわけじゃないかもしれないけど、細野大臣なんかはお聞きになっていると思うけど、要は、今だって、これは原子力委員会の方の話ですね、原子力委員会の委員の、今日も来ているけれども、尾本さんは原子力委員でいながら、今年の三月ですよ、今年の三月まで東京電力から顧問料をもらっていたんですよね。要するに事故が起きたから辞めたんじゃないですよ、事故が起きてから一年間もらい続けていたんですよね。こういうような人というのは当然新しくできる原子力規制委員会ではあり得ないという、そういう理解でよろしいですね。
 その前に、尾本氏は事故後も一年間、堂々と東電の顧問料を一方でもらっていて、多分、月百万ぐらいですよ、一方、原子力委員でもあったという、こういうことはさすがにないということですね。
#271
○衆議院議員(生方幸夫君) まあ、あり得ないと思います。
#272
○水野賢一君 そうすると、大臣、今は原子力でもよくバックフィットというふうに言われて、新しく基準とか厳しくなったものも遡るとか、そういうふうに言われたりしていますよね。まあ、それはいろんな技術的なことの部分かもしれないけれども。少なくともこの原子力規制委員会ではあり得ないというふうに今、生方さんが言ったようなことが、原子力委員会ではそういう人が今、今日この時点ですよ、今日この時点でも委員でいるんですよ。あそこにいらっしゃるけれども。
 細野さん、ちょっとやっぱりこれは辞めた方がいいというふうに思いませんか。
#273
○国務大臣(細野豪志君) 水野委員のおっしゃっている意味はよく分かります。そこは、これからの委員の選定というのは、もちろん法的な欠格事由も明確にした方がいいと思いますし、法律的にそうなっていますから、今回は。さらには、それにとどまるのではなくて、ガイドラインを設けて厳しい基準の下でやると。さらに、それに上乗せをしてさらに情報公開という、やはり三段階ぐらいの厳しさを持たないと国民の皆さんから受け止められないというふうに思うんですね。
 これは全く発想の転換なんです。これまでは国会の同意人事をする場合は、その同意が全てですから、前提なしで同意をしていただいて、それでもう全て終わっていたわけですね。一回同意をされると、今は尾本委員についてどうかというお話がありましたが、例えば私がここで何を言おうが、それは影響なく身分は守られるわけです。ですから、そういう国会同意に全てもう丸投げで、それで決めてしまえば完全に守られるという仕組みではなくて、常に情報公開とそういう厳しいガイドラインとで国民の皆さんから厳しい批判にさらされるという、そういう、明らかにもう去年の三・一一で時代が変わったんだという、そこを示さなければならないと私は思っております。
#274
○水野賢一君 私も、法律論でいえば、細野大臣が今おっしゃっているのはまあ確かに一理あるのかもしれないと思いますよ。つまり、国会で同意をされた以上、それは細野さんが、この人はもう辞めるべきだというふうに仮に思っても、大臣が仮に思われたとしたって、それは任期の期間は守られているわけだから、それは解任したりとか、そういうことはできないという、それは理論的には確かにそうです。
 だけど、民主党政権だって法的根拠なくても、お得意の、例えば浜岡原発止めるときだって、別にあれは法的根拠なくて、要請して止めたわけでしょう。そういうことで要請することできるんじゃないですか。別に法的根拠があろうがなかろうが、お辞めになった方がいいんじゃないですかというふうに要請されませんか。
#275
○国務大臣(細野豪志君) 浜岡原発の場合には、あれは総理の御判断もあり、要請という形になったわけですね。それと、やはり国会の同意人事で、特に私の場合、原子力委員会は担当大臣でもありますから、逆に担当大臣であるがゆえに、八条委員会として守られている委員に対して、それはやれること、やれないことはどうしても法律の線というのがありますので、そこはやはり若干性質が違うのではないかというふうに思います。
#276
○水野賢一君 まあ大臣も内心は多分、こういうことをいろいろ追及されるような人は辞めていただけた方が有り難いだろうなと思って、枝野さんが今うなずいていらっしゃるようにも、私の目の錯覚かどうか分かりませんけれども、まあ大体常識的に思えば、みんなそう思うんですよ。
 尾本さん、これだけ、普通に考えておかしいと思いませんか。東京電力と今原子力村との関係がこれだけ問題になって、しかもですよ、過去にというんじゃなくて、原発事故から一年間顧問料をもらっていた人が今も原子力委員でいるというのは誰がどう見たっておかしいんだから。寄附とかが今問題になっているわけでしょう、寄附とかを受けているのが問題というときに、顧問料を百万ももらって、まあ推定ですけれどもね、それは、月。辞める気ないですか、尾本さん。
#277
○政府参考人(尾本彰君) 原子力委員として、私の持ってきた専門的な知見と、それから国際的な経験を基に貢献するように、二〇〇九年の末に求められて委員になっているというふうに考えておりまして、かつ、私は今までの原子力委員としての活動を通じて、事業者からの請託を受けて定例会等において発言をする、あるいは決断をする、そういうことはしたことがありませんので、今までどおり委員としての貢献を続けたいというふうに考えております。
#278
○水野賢一君 今、二〇〇九年から原子力委員をという話でしたけれども、あなたが顧問になったのも同じ二〇〇九年の十一月一日からなんですよね。
 ほぼ同じ時期に、原子力委員になるのと東京電力の顧問になるのと同じ時期になるって、これ私には信じ難い、しかも、なったときというだけじゃなくて、その後原発事故が起きて問題になっているんだから、それで平気で一年間もお金をもらっていた人がまだ、じゃ、細野さん、そういう人が、今後、まさに原子力委員会というのは原子力行政の中心ですから、例えばあれですよね、新大綱の策定とか、まあ今はちょっと頓挫しているのかもしれないけれども、こういうのにかかわるのが国民の疑念を持たれるというふうに思いませんか、大臣。
#279
○国務大臣(細野豪志君) 水野委員がおっしゃりたいことはよく理解をできます。繰り返しで恐縮ですが、ただ、そこは、私は担当大臣ですので、逆に法律に基づいて様々な審議が行われるのをしっかりとそこは尊重しなければならない立場であり、そういう制度であるというのもまたこれも立法府の意思として重い原子力安全委員会という存在があるわけですね。
 ですから、私が申し上げられるのはそこまでだということを御理解をいただきたいと思います。
#280
○水野賢一君 じゃ、まさに国会同意人事をするときに、それは国会側も、私自身も我が身を省みながら、そういう国会も同意人事が提示をされたときにどういう人物なのかということをきちっと見なきゃいけないということにはなると思うんですが。
 これ、法律の話に、また生方さんの方に戻りますけれども、十一条を見ると、要は、原子力規制委員会の委員とかそういう人たちが寄附とかを受けていた場合の情報公開のことを定めていますよね。それはそれで大いに結構なんだけれども、それは結構だけれども、それってこれ生方さん、委員とかになった後これは何か開示されるとかというふうになるんですか。
#281
○衆議院議員(生方幸夫君) これはガイドラインできちんと明記をしたいというふうに思っておりますが、基本的には前も公開されるべきだというふうに私は考えております。
#282
○水野賢一君 それで、要するに、国会同意人事の同意をするときの判断材料として、つまり、委員になった後いろんなこういうデータが公開されて、以前この人はもらっていたとか、今ももらっていますとかということが公開されても、同意人事の採決のときに、なっちゃっていた後だったら、今、細野さんが言っているようにどうしようもないみたいな話になっちゃ困るわけであって、要するに、国会同意人事で国会に諮るときにはこういうことを調べた上で国会に提示されるべきだというふうに思いますけれども、どうでしょうか。
#283
○衆議院議員(生方幸夫君) これは規制委員会というのが新たにできて委員長及び委員というのは極めて重い任務を負うわけですよね。だから、その人選に当たっても極めて厳格に審査をしなければいけないというふうに思っておりますし、国会同意人事に当たっても、きちんとそれが同意に値するかどうかという情報はできる限り公開をして国会議員の皆さんに判断をしていただくというのが一番適当ではないかというふうに私は考えております。
#284
○国務大臣(細野豪志君) 簡潔に答弁します。
 実はちょっと大変悩ましい問題があるということは委員の皆様に知っていただきたいと思うんです。
 原子力規制委員会というのは専従ですから、その人はそれこそ仕事をなげうってこれに専念をしなければなりません。もちろん、お諮りをして、そして出た結論が、もうこれが結論ですので、それまでは情報についてはできるだけしっかり秘匿をしてやろうというふうに思うんですが、例えば、そういう事前に情報公開のための情報を調べたり、さらにはそれをガイドラインに照らしてやる作業というのはかなり大変な作業でございまして、そのプロセスの中で、その人が、例えば情報として出てしまうであるとか仕事を失うであるとか、そういったリスクもあるということを分かっていただきたいんです。
 これまでは、そういうことをやらずに、国会同意人事は経歴だけ出して国会で決めていただけていましたので極めてシンプルなプロセスだったんですが、これから時代がそこで変わりますものですから、そこは国会の同意人事のやり方自体も若干参議院の方でも御検討いただけると非常に有り難いなというふうに思っております。
#285
○水野賢一君 一般論としては今大臣のおっしゃることというのはそれは分かるんですけど、これ、極めて重要な委員会で、結局、今まで寄附をこの人たくさんもらっていましたみたいなことが、これ同意しちゃった後、同意する前にそういう判断材料が示されないで同意した後分かったとかと言っても、それは困るわけですからね、もう独立したあれなわけですから。独立して、結局、言わばアンタッチャブルな、まあアンタッチャブルという言葉がいいかどうかは別として、そういうように設計しているわけですから。
 これはちょっとしつこいようですけど、生方委員長、この十一条の四項は、この法文で、だから、事前に国会にも示すようなことというのは読めるんですかね。それとも、これでは読めないんだけれども、だけれどもそういうことは運用として今後しっかりやっていきたいと、そういうことですか。ちょっと答えてください。
#286
○衆議院議員(生方幸夫君) 国会同意人事のうち、人事院人事官、会計検査院検査官、公正取引委員会委員長、日本銀行の総裁及び副総裁については、事前に議院運営委員会に呼んで聴取をするというのが慣例になっておりますので、今回の原子力規制委員会の委員長も、これに鑑みれば、当然議運で事前に聴取をすると。そのときにできる限りの質問をして、そのときの質疑を公開することによって、その方が適当であるかどうか各国会議員が判断できるようになるのではないかというふうに思っております。
#287
○水野賢一君 いや、その今おっしゃった人事官だとか会計検査院の検査官とかが、いわゆる面通しみたいなのを議運でやるのは私も知っていますけど、私が聞いているのはその話ではなくて、要は寄附を、つまり質疑を幾らそこでしたって、ちゃんと寄附をもらっているかどうかということがこれデータとして出てこなかったらそれは分からないわけだから、そういうことというのはこの条文で法的にも担保されているんですかと。それとも、法的には担保されていないけど、立法者としてはそういうことをやっていきたいというふうに思っているだけなのか、ちょっとその辺を聞きたいということです。
#288
○衆議院議員(生方幸夫君) 委員長あるいは委員になる方についての情報で公開できる限りのものは公開をしなければいけないし、そのときにもし故意に隠しているようなことがあった場合は、附帯決議において、委員長又は委員たる者に適しない行為があると認めるときは罷免され得ることもあり得るという附帯決議を付けておりますので、もし故意に隠しているようなことがあれば、事後に罷免されるということも十分あり得るのではないかというふうに考えております。
#289
○水野賢一君 じゃ、尾本さんのようなケースの場合は罷免に値するんだというふうに思いますが。
 国会事故調との関係について伺いたいと思います。
 先ほど来も何回か質問の中で出てきましたけれども、これ、国会は、衆参両院、全会一致で、去年の九月だったですよね、去年の九月に国会事故調査委員会設置法というのを作ったんですね。これは、名前どおり、まさに東京電力福島第一原発事故の事故調査、原因を究明すると、これが最大の任務ですけれども、それに加えて、法律の中には、新たな行政組織について提言を出すというふうに書いてあるんですね。何でその提言、しかも、そろそろ出てくるんですよ、月末に出てくるんですから、まあ月末か来月の初頭になるか分かりませんけれども、これ、何で待たなかったんですか。さっき細野さんは、それ先ほどの質問の中で答えていましたけれども、大臣は。委員長の方もお答えいただきたいと思います。
#290
○衆議院議員(生方幸夫君) 事故調の調査結果が出てからこれが発足するのが望ましいという水野議員の質問は分かりますけれども、今現在は原子力保安院が、本来は四月一日でこの原子力規制委員会が発足するはずだったんですから、なくなっているはずの原子力保安院がいろんな問題について判断をしているわけですね。そういう状態を長く続けるよりは、やっぱりきちんとした専門家による原子力規制委員会を一日も早く発足をさせた方がいいのではないかという判断だというふうに思います。
#291
○水野賢一君 世の中、急がば回れというんであって、しかも、何も三か月待てとか四か月待てと言っているわけじゃないんですよ。この、間もなく出てくるものを何で待てないのかというふうに思いますけれども。じゃ、生方さんに聞きますけれども、これ二月に黒川委員長が、政府が一月の末ですよね、この法案を国会提出したのは、一月末だったと思いますが、それで、二月の頭に黒川委員長が抗議声明を出したのは知っていますか。
#292
○衆議院議員(生方幸夫君) 存じております。
#293
○水野賢一君 それについて、筋の通った話だというふうに思いませんか。
#294
○衆議院議員(生方幸夫君) この原子力規制委員会についての委員会の審議が早く始まって四月一日に発足していればこれベストだったんですけれども、残念ながらそういうことになっていなかったわけでございますから、今現在、保安院に任せておいた方がいいのか、新たな規制委員会を早く発足をさせて規制委員会に判断をさせた方がいいのかということでいえば、私は一日も早く規制委員会を発足をさせて判断をさせた方がいいというふうに考えております。
#295
○水野賢一君 何かちょっと答弁がずれているような気がするんだけれども、要は、黒川委員長が何をけしからぬと言ったのかというと、国会は、黒川さんの委員会の方に事故調査、原因と新たな行政組織の在り方について提言を出してくださいと国会が頼んだわけですよ。頼んだにもかかわらず、一月に、その答申が出てこない一月の段階で政府が、新たな行政組織の在り方、つまり原子力、当時の言葉で言えば規制庁ですよね、その法案を出したことがけしからぬと言ったんですね。
 政府に対してけしからぬと言っただけじゃないんですよ。国会に対しても、それに対してちゃんと、そんなことでいいのかというふうに言っているわけですよ。しかも、それを今度、国会議員が議員立法という形でこれ出すというのはおかしいと思いませんか。
 いやいや、生方さんに聞いているんですよ。
#296
○衆議院議員(生方幸夫君) これは、政府が原子力規制庁法案というのを出して、自公が原子力規制委員会という法案を出して、その二つの法案が出たとき、きちんと一つに修正をしようという形で議員立法という形になったんであって、当初から議員立法というふうに想定されたわけではないので、今、水野議員の指摘のようなことは当初は予想されていなかったということでございます。
#297
○水野賢一君 要は、何で待たないのかという、何でそれを参考にしないのかということなんですけれども、じゃ、参考にする価値がないと思っているんですか。
#298
○衆議院議員(生方幸夫君) これは本来、政府が判断をすることで私が答えるべきことではないというふうに思いますが、それはもちろん水野委員の指摘のように、事故調の調査結果が出て、参考にしてつくった方がいいとは思います。ただ、それまでに放置をしていくより、私は、今一日も早く規制委員会を発足をさせてそこが機能させるようにした方がより良いのではないかというふうに判断をいたしております。
#299
○水野賢一君 だけど、それは一日も早くと言ったって、もうずっと放置してきたんですよ、結局。一月に国会に提出をして今に至るまで放置されたものを、何であと十日ぐらいのものは待てないのかと、その合理的な説明がないでしょうということを言っているんです。どうですか。
#300
○衆議院議員(生方幸夫君) 私は委員会の付託とかなんとかに関して権限を持っているものではございませんので、委員長としては、付託された法案について審議をするというのが私の職責だと思っております。
#301
○水野賢一君 付託は議運で行うかもしれませんけれども、あなた法案提出者なんですよ。付託をするとかなんとかという以前に、提出者として、誰かが提出してきた法案を衆議院の環境委員会に付託したんじゃなくて、あなたが提出者なんですよ。今の答弁おかしくないですか。提出者たる者が何で十日ぐらい待てなかったのかということを言っているんですよ。
#302
○衆議院議員(生方幸夫君) 議会の会期が二十一日までというふうに迫っていることもあって、委員長としては、参議院の審議のことも考え、一日も早く衆議院の審議を終えて参議院に送りたいというふうに判断をしたわけでございます。
#303
○水野賢一君 じゃ、その論法でいくと、参議院の審議日程を考えていただいて出していただいたタイミングにはとても思えないタイミングで出てきたんだけれども、それはともかくとして、二十一日、延長されるかもしれませんよね。これは私が決めるんじゃないから分かりませんけれども。
 延長されたときは、別に、国会事故調の報告というのがそろそろあることはもうこれは決まっているんですから、決まっている以上、それを見て、つまり二十一日までに上げるとかなんとかというんじゃなくて、それを見ながら審議をしていきたい、より良いものに修正をしていきたいと、それは提案者として、そういうこともあっていいなというふうに思いますか。
#304
○衆議院議員(生方幸夫君) これは参議院が判断することで、私が答えるべき問題ではないというふうに思っています。
#305
○水野賢一君 これは、附則第五条で、さっき谷岡議員もここを指摘していらっしゃいましたけど、法施行後三年以内に、幾つかのものを検討して、要するに見直し条項みたいなのがありますよね。ここには、国会事故調が提出する報告書の内容ということは一応書いてあるんですけど、政府事故調の報告書とかということは書いていないんですけど、政府事故調の報告書は参考にしなくていいわけですか。
#306
○衆議院議員(生方幸夫君) 基本的には、政府事故調の調査書も見て、参考にして見直すということになるというふうに思います。
#307
○水野賢一君 政府事故調は報告書、中間報告ですけど出していますけど、提出者は見ていますか。
#308
○衆議院議員(生方幸夫君) 詳しくは見ておりません。
#309
○水野賢一君 実際に提出する前に詳しく見ていない人が、今後本格的な報告書が出たときにそれも参考にすると言っても余り当てにならないような気がいたしますけれども。
 そもそも、だから今の安全委員会とか今の保安院に問題があると思うから、これ変えるわけでしょう。今の安全委員会、保安院、どこに問題があるというふうに提出者思いますか。
#310
○衆議院議員(生方幸夫君) 実際に東電の福島第一原発であれだけの事故が起こったわけですね。それで、適当に原子力保安院や安全委員会が対応できたのかといえば、できていないというふうに私は思いますので、それは多くの国民も思っているというふうに思いますので、新たなこういう規制委員会が必要だというふうに判断をしたというふうに思っております。
#311
○水野賢一君 どうも議論がかみ合わないと思いますけれども。
 これちょっと話進めますけど、情報公開の話を聞きたいんですけど、さっきの法案の趣旨説明、この中でも、第四にという中で、原子力規制委員会は、保有する情報の公開を徹底することにより、透明性を確保するとかと書いてありますよね。大いに結構なことなんですが、新しくできるこの規制委員会は、情報公開法とかの対象になるのかどうかをお聞きしたいと思います。
 情報公開法に関しては、情報公開法と独立行政法人情報公開法と両方ありますけど、これはどちらかの対象になるのか、それともならないのか、聞きたいと思います。
#312
○衆議院議員(生方幸夫君) 情報公開法の対象になります。
#313
○水野賢一君 そうすると、情報公開法の対象になるということは、要するに、元々情報公開法というのは、基本的に政府が持っているデータは原則的に公開しなきゃいけないわけです。まあ不開示の部分もありますよ、黒塗りの部分になる部分はあるかもしれないけど。要するに、元々情報は公開法の対象なんだから情報公開は決まっているようなものであって、それをあえて特別に書いているということは、より一層の情報公開ということでしょうけど、具体的に、普通の場合の情報公開とどこが違うんですか。ちょっと答えてください。
#314
○衆議院議員(生方幸夫君) 同じだというふうに思っています。
#315
○水野賢一君 同じじゃあえて書く必要もないじゃないですか。普通の、わざわざ特出しして書いているということは、一般の情報公開の場合よりも情報公開のレベルが高くなるということでしょう。違いますか。
#316
○衆議院議員(生方幸夫君) 国民の知る権利の保障に資するため、特段の透明性が必要だというふうに考えて、情報公開するということでございます。
#317
○水野賢一君 いや、そんなものは一般として、別にこれ書いてなくたって、一般に政府の持っているデータは情報公開法の対象なんだから開示しなきゃいけないんですよ、開示請求があれば。それを、一般には不開示要件として、じゃ六類型あるんですよね、六つぐらい、個人情報とかなんとかだったら公開しちゃ駄目とかという。だけれども、これは六類型に当たっても、だから、一般には不開示だけれども、この原子力規制委員会関係のものは開示するということですか。
#318
○衆議院議員(生方幸夫君) これはホームページ等できちんと開示をして国民の皆さんに知っていただくということでございます。
#319
○水野賢一君 ちょっと答弁。
#320
○委員長(松村祥史君) 生方環境委員長、もう一度御答弁願います。
#321
○衆議院議員(生方幸夫君) 具体的には、原子力施設に係る安全審査、種々の安全基準の策定等について、できるだけそのプロセスも公開していくルールを設定する必要があるというふうに考えております。
#322
○水野賢一君 いや、だから、それは政府の持っているデータというのは、わざわざこの法律に、ここに書かなくたって情報公開法の対象になるわけだけど、じゃ、普通の情報公開法だと、六類型、個人情報とか法人の何とかとかという、そういうのは非開示要件になっているんですけど、同じように非開示にされちゃうんですか、そういうものは。それとも、これは特段、そうであっても開示されるわけですか。
#323
○衆議院議員(生方幸夫君) 請求に基づいて公開をするというんではなくて、自らの判断でできる限りの情報を公開するということでございます。
#324
○水野賢一君 じゃ、これは原子力規制委員会は情報公開法の対象なんでしょうけど、当然、その事務局的な補佐を担うのか、原子力規制庁がありますよね。こちらも対象になると理解していいですね。
#325
○衆議院議員(生方幸夫君) ええ、結構でございます。
#326
○水野賢一君 ちょっとこれ、聞かなきゃいけないことがたくさんあるのであれなんですけど、じゃ、ちょっとノーリターンルールについて伺いたいと思うんですが、先ほども議論がちょっとありましたけれども、ノーリターンルールで、これはあれですね、法文でいうとこれは附則の六条になるんですかね。要するに、職員の場合は、原子力利用の推進に係る事務を所掌する行政組織への配置転換を認めないこととする云々云々というふうにありますよね、最初の五年間の経過措置はあるかもしれないけど。
 さっきもお話がありましたけど、じゃ、あれですか、原子力利用の推進に係る事務を所掌する行政組織って、定義何ですか、これ。どこを指しているんですか。
#327
○国務大臣(細野豪志君) それは従来の経済産業省、そして文部科学省ということでございます。
#328
○水野賢一君 法案の提案者が原則的に答えてもらいたいと思いますけれども。
 これはあれですか、じゃ、経済産業省だとした場合に、経済産業省、さっきもちょっとその議論ありました。経済産業省のエネ庁に戻るのは駄目というのは当然分かりますけれども、例えば中小企業庁とか貿易の担当とか、これはいいんですか。
 答えて、ちゃんと。提案者、答えてください。提案者。
#329
○委員長(松村祥史君) どなたがお答えになりますか。
#330
○水野賢一君 まあ枝野さん、じゃ。
#331
○国務大臣(枝野幸男君) 法律上は、五年間の経過措置を除けば駄目です。
#332
○水野賢一君 これは枝野大臣が答えていただきましたけれども、これは一応議員立法だから、生方さん、それでいいですね。
#333
○衆議院議員(生方幸夫君) はい、結構です。
#334
○水野賢一君 これで、情報公開の話にちょっと戻っちゃって申し訳ないけど、これ基本的には、抽象論だと分からないんですよ。というのは、抽象的な情報公開なんということは今までだって言われていたんですよ。原子力三原則というのを提出者は知っていますか。
 原子力基本法第二条に出てくる言葉ですけれども、これは、民主、自主、公開なんですよ。だから、公開ということは別に今回言わなくたって、元々情報公開は大切だぐらいのことは言っていたんです、法律にも書いてある、基本法に。原子力三原則とかと俗に言いますとね。だから、法律上にどう書く。それで、今までだって安全神話というのは、まあ安全を前提とした原子力の稼働なんということは口ではみんな言っていたんです、危険を前提とした稼働なんて言うわけはないんですから。
 だから、これ、公開が大切なんですと口で幾ら言ってもちょっとイメージがつかめないわけであって、だからさっきから、普通の情報公開法、じゃ、さっき細野大臣だったかな、積極的に開示するんですと、開示請求がなくてもというのは、生方さんがおっしゃったんですか、そこは分かりました。それは分かったけれども、開示請求があったときは、このレベルに関してはあれですか、普通の情報公開法での開示レベルよりはずっと上がるんですか。
#335
○衆議院議員(生方幸夫君) 一般的には上がるというふうに考えていただいていいと思います。
#336
○水野賢一君 だから、そこら辺のイメージが、あしたも審議ありますから、あしたまでに考えておいて、より具体的に答えをまとめていただければというふうに思いますけれども、お約束をお願いします。
#337
○衆議院議員(生方幸夫君) 分かりました。
#338
○水野賢一君 再稼働の話についてちょっとお伺いしたいんですけど、これは政府でいいんですけど、ちょっと本質的な問題じゃないのかもしれないけど、枝野大臣にお伺いしますけど、再稼働って一般に言いますよね。それに対して、野田総理の発言聞いていると再起動というふうに、大飯原発の話なんかでもあえて再起動というふうにおっしゃっているような気がするんだけれども、これ何か意味合いが違うんですかね。それとも、特別な何か意味があって言っているのか、それとも全く同じ意味なのか。どうなんでしょうか。
#339
○国務大臣(枝野幸男君) 厳密に言いますと、まず行われるのは起動です。起動をして、その上で実はこの定期検査が最終完了します。起動検査をした上で、定期検査が最終完了して検査済証が渡されるとまさに稼働運転になるということですので、入口が起動で、起動作業が全部順調にいけば稼働になるということで、必ずしも意識的にどちらかを使い分けているというわけではないというふうに認識しています。
#340
○水野賢一君 これ、今大臣からおっしゃられたように、最終的に定期検査終了証を出すわけですよね。これは今は経済産業省が出すわけですけれども、これは法案通ると、提案者、これはどこが出すんですか。
#341
○衆議院議員(生方幸夫君) 規制委員会が出すことになります。
#342
○水野賢一君 そのことは法文上はどこで読むんでしょうか。
#343
○委員長(松村祥史君) 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
#344
○委員長(松村祥史君) 速記を起こしてください。
#345
○衆議院議員(生方幸夫君) 運転等に関する、運転等に関し、済みません、申し訳ございません。
#346
○委員長(松村祥史君) 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
#347
○委員長(松村祥史君) 速記を起こしてください。
#348
○衆議院議員(生方幸夫君) 電事法の附則の四十条で、主務大臣が経産大臣から原子力規制委員長に替わるというふうになっております。
#349
○水野賢一君 ちょっとここら辺はまたあした以降も議論をさせていただければと思いますけれども、今までこの再稼働に関してストレステストというのが話題になっていて、ストレステストは法的根拠がないということで、法的根拠のないストレステストを強制するのかとか、いや、それが必要だとかいろんな議論があったわけですよね。これ、新しい原子力規制委員会ができた後は、ストレステストはこの法案によって何か法的根拠を持つようになるんでしょうか。
 提案者。
#350
○国務大臣(細野豪志君) これは政府案も全く同じでございますので。
 ストレステストにつきましては、法的な根拠を新たに付与するというものではありません。したがいまして、このストレステスト自体をこれからどうこれからの安全のレベルを高めていくときに活用するかは、原子力規制委員の皆様の御判断ということになります。
#351
○水野賢一君 これ、提案者が提案するときには、ストレステストは、あれだけ法的根拠がないストレステストは何だという議論があった中で、これを、法的根拠をストレステストに置くべきじゃないかというそういう議論は、これは別に代理の人を含めてもいいですけど、そういう議論、誰かなかったんですか。
#352
○衆議院議員(近藤昭一君) 協議をしました実務者としてお答えをさせていただくわけでありますが、この法的位置付けについての議論はなかったところであります。
#353
○水野賢一君 時間ですので今日はこのぐらいにいたしますけれども、残余のまだまだ詰めなきゃいけないことたくさんありますので、あしたもまた続いて質問をさせていただきます。よろしくお願いします。
 以上です。
#354
○平山誠君 新党大地・真民主の平山誠です。よろしくお願いします。
 午後からの各党の質問で重複するところはありますが、ただいまの質問のように、極めて重要な答えを、すぐ出るべきことがなかなか出ないという、この法案のいろいろな欠陥等、それと、我々、私ども少数政党は、金曜日にいただいてなかなかこの分厚い法案を理解できる能力がある人員もいませんし、また、国会議員である皆様も、これを金曜日にいただいてすぐ読み取るというのはなかなか難しい。これはやはり規制庁を慎重に考える意思が国にあるのか、国会にあるのかということが問われてもしようがないことだと思います。私は、できるならば本国会で結論を出さず、もう少し内容を吟味し、原発の稼働も含め、もう一度ゆっくり検討した方がよいかと思います。
 質問する前に、ちょっと今日あるニュースが、報道がされたんですが、その報道によりますと、アメリカからの情報を放置したということで、アメリカ・エネルギー省は、原発事故直後、三月十七日から十九日、米軍二機を使って福島第一原発半径四十五キロの地域の線量を計測した。この計測した汚染図が日本政府に提供されたが、公表されていないと。日本政府はこのデータを公表せず、また、SPEEDIもそうですが、公表せず、住民の避難に活用しなかったと。図を見ると、図は見やすく、浪江町や飯舘村を含む福島第一北西三十キロにわたり一時間当たり百二十五マイクロシーベルトを超える高い線量のベルトが広がっているということが示されているそうです。この百二十五マイクロシーベルトというのは八時間ぐらい当たると一年間の限界放射線だと思うんですけれども、この情報は、三月十八日と二十日、計二回、アメリカの在日大使館の方から外務省経由で送られてきたと。外務省は原子力保安院及び文部科学省に伝えたということですが、このデータが公表されなかった。
 官邸にいた細野大臣は、この情報は御存じだったでしょうか。
#355
○国務大臣(細野豪志君) 私は、そのとき既に東京電力に行っておりましたので、直接触れてはおりません。
 ただ、たしか二十三日、SPEEDIが公表された同じ日だったと思うんですけれども、米国政府自体がその情報を公開をしていましたので、日本はSPEEDIの情報として二十三日は北西方向に流れているということを発表し、私もその日初めてSPEEDIのデータを見ましたので、その日に公開すべきだという話はしました。その日とエネルギー省がデータを公開した日は同じでしたので、そこはそういうそごはなかった、そごというか、それぞれが公開するということでやられたのではないかというふうに推察をしておりますが。
#356
○平山誠君 なぜかといいますと、この原子力規制委員会、若しくは規制庁ということで政府案で始まったと思いますけれども、ここにも、今のニュースのところにも最後に書かれていますが、文部科学省、経済産業省、保安院はデータを公表せず、首相官邸や原子力安全委員会にも伝えなかったと、そう報道されているんですよ。
 私は、一月に政府案が出されたときに、規制庁が早くできればいいと思っている議員の一人で、ましてや保安院やら原子力安全委員会が信用されていない部分においては昨年中に緊急でも規制庁をつくってすればいいと思っている議員の一人でした。
 しかしながら、このように三党合意で三条委員会という形になった以上は、規制庁の政府案と責任の配置がいろいろと違うと思います。その中で、国民に信用されていないと言われている保安院、原子力安全委員会というものが事実上でき上がっても、国民が安心して信用できるものか。今の情報のように、すごい高い放射線量が北西に行っていますよというのにもかかわらず、北西に避難して多くの被曝をしているかもしれない人たちはたくさんいます。その方々をやはり安心させるためには……。
 退席するときは何か声を掛けて行っていただいた方がいいんじゃないですか。こういうところが、やはり、まあ私のひがみじゃないですけれども、参議院軽視じゃないかということだと思うんですよ。
 話は続きますが、やはり信用されていない。省庁ができるときは、俗に言う初めよければ全てよしといったような国民の安心、安全を得てスタートするべきだと思うんですが、この委員の選び方という、保安院を選ぶに当たっても、全く新しいシステム、そういう形であれば、国民がまたシステムが違うのかなということで関心も持ちますが、今まであったような三条委員会で委員長が一人、委員が四人、その委員は内閣官房が候補者を挙げて国会同意で決めると、こういう形をやっていたら何もやはり、誰とは言いませんけれども、原子力安全委員会の委員長も信用していないというような報道がされましたが、やっぱり全く新しい形でスタートするというのが必要かと思うんですが。
 私も決して賛成ではありませんけれども、裁判員制度ができました。やはり、裁判官という専門分野のエキスパートがいて、その情報を加工し、そして罪状を決定する。非常に今まで、まあ他国は分かりませんが、日本の裁判の制度としてはそのように専門家が決定したと。そこに、ある何かの事情により裁判員制度ができたと。
 そのような裁判員制度のような制度をこの原子力規制委員会に導入するといったような案はございませんでしょうか。大臣と、あと提出者にお聞きします。
#357
○国務大臣(細野豪志君) できるだけ国民から開かれた組織にするということが重要だと思うんですね。ですから、裁判員制度的な発想でいろんな皆さんの意見も聞かせていただくような、広報というよりは広聴活動というようなものも重視をしていきたいというふうに思います。
 ただ、今、平山委員が、例えば五人いる委員の中に抽せんで誰かを選ぶということをお考えだとするとそれはちょっと危険だと思うんですね。やはり、五人の委員というのはそれぞれ専門分野は違っていいと思うんですが、バランスよく判断をする人材が必要ですので、ですから、そこは専門家で、もうそれこそ原子炉のその部分だけの専門家という意味ではなくて、もう少し幅広い意味での専門家を並べてしっかりと御判断をいただくと。そして、そこで判断されたものについて常に国民の皆さんに見ていただけるような、そういう体制はつくらなければならないというふうに思っております。
#358
○衆議院議員(江田康幸君) 先生がおっしゃいますように、この委員長並びに委員の人選というのは大変重要でございまして、そのために、本法律ではその規定として、人格が高潔である、また安全の確保に関して専門的知識、経験、そして高い識見を有する者と、こういうふうに求めた上で、両議院の同意を得て内閣総理大臣が任命する、こういうふうに、規定どおりと先生はおっしゃるかもしれませんけれども、そこに高潔でありそして高い識見を有するということを入れたわけでございます。
 この意味は、専門的知識、経験が必要なことは非常に言うまでもないことでございますけれども、この要件だけにすれば、これはいわゆる原子力村的な視野の狭い技術者に限られた懸念も出てくる、そういうこともあり、そこで高い識見ということで、この専門的知識、経験を有しながらも柔軟な思考と判断力に富んだ、そういう要件を加えて、全体でバランスの良い、バランスの取れた人材の確保をこの法律では求めているところでございます。
#359
○平山誠君 大臣ね、私が言ったのは、五人の委員と、今裁判員制度も裁判官を決めるんじゃなくて最初の裁判官プラス一般の方を入れるということで、その中で裁判員制度のどう導入したかという最高裁のホームページを見ると、専門的な正確な知識を重視すると、これは当たり前のことで、それが専門家を重視する、ただ、一般的な国民の考え、専門分野に特化したところの常識じゃないところの常識も入れるということで裁判員制度を導入したということが書いてあります。
 やはり、だからこの委員会も五人で決定するというか、決定で、しかし、谷岡委員が言ったように、委員長が専門的知識だけでリーダーシップを発揮して正しい答えが出るかどうかというのはまた違うと思います。その辺も、制度からもうちょっと、委員会の制度、委員の在り方から、最初から考えた方がいいんじゃないかと私は思います。
 この流れの中で、先ほどから国会事故調の話が出ていますが、大臣、あと提出者にお聞きしますが、国会事故調の予算はどのぐらいだとお思いですか。
#360
○国務大臣(細野豪志君) 済みません。正確な金額は存じ上げていませんけれども、非常にしっかりとした予算が組まれていたという印象はできたときに私は受けましたので、そういう予算が付いていたのではないかというふうに思います。
#361
○平山誠君 先ほどから、他の委員もこの国会事故調の在り方、そして誕生の経緯というのは、やはり三・一一、未曽有の震災があった後、どう日本が再興していくべきかということも踏まえ、大切であるからこそ約十五億円の予算を付けて調査をしているわけです。
 先ほどから言うように、この調査の結果を待たず、なぜこの法案を参議院で急遽、三日間ほどの審議で結論を出していくということにしなければならないのか。これが、先ほども言うような、保安院が、大飯原発は保安院が審査して稼働を、まあ起動ですか、起動を進めるということの結論を出しました。おかしいじゃないですか。規制庁が新しく規制してスタートするなら分かりますけれども、それをあと何週間か待って指示を仰ぐというのは、やはり衆議院の方の委員会では論議されなかったんでしょうか、委員長。
#362
○委員長(松村祥史君) どなたにお尋ねでしょうか。
#363
○平山誠君 提出者、委員長に。
#364
○衆議院議員(吉野正芳君) 先生の、裁判員制度をまねした、似たような形で原子力委員会というのも一つの大きな視点かなと思って今聞いておりました。
 国会事故調の報告前にどうして急いで出すんだということでありますけれども、先ほども御答弁申し上げましたように、原子力安全委員会、そして原子力安全・保安院、もう国民は誰も信用しておりません。本当に信頼できる原子力の規制組織を立ち上げてほしいという国民の大きな期待にこたえるためにも、今タイムラグは持てない状態でありますので、この規制委員会を早急に立ち上げて国民の信頼を得ていきたい。そして、国会事故調の報告書も踏まえて、これ三年後ではありません、三年以内なんです、三年以内。ここのところを御理解をいただいて、必ず見直しをしていく、こういうことでございます。
 以上です。
#365
○平山誠君 それはどうでしょうかね。やはり保安院が信用されてないとかという部分を御理解しているならば、じゃ大飯の稼働は保安院の検査報告とか、それで稼働するというのはいささかおかしいんではないかと私は思います。
 裁判員制度のことをまたおっしゃいましたが、やはりより多くの国民の感情を取り入れ、国民の意識を取り入れて新しく原発の、エネルギー問題は考えていかなければいけないというこの時期だからこそ、多くの意見を聞くという意味で、新たな今までなかったような委員会にするならば今までなかったような委員会、そして規制庁にするならば多くの権限、規制する権限を与えた規制庁でなくてはならないと私は思います。
 そこで、また一つちょっと調査の中から聞きたいんですが、法案を詳しくは見ませんが、ある法案の一部を読み取りますと、福島第一事故の際に官邸からの過度な介入が現場を混乱させたと、その意味の部分がこの新しい規制委員会の法案にも盛り込まれているということがありますが、これは論議された事実でしょうか。
#366
○国務大臣(細野豪志君) そこは……
#367
○平山誠君 大臣じゃなくて。
#368
○国務大臣(細野豪志君) 私じゃなくて。
 いいですか。
#369
○平山誠君 大臣でも。どうぞ。
#370
○国務大臣(細野豪志君) はい、済みません。
 そこは衆議院の方でかなり集中的に議論をされた点でございました。当初、政府案というのは、原子力規制庁という形で、大臣が法的に委任をした長官が様々な技術的、専門的な判断をするという形になっておりました。そして、有事の際には総理の指示権が発動できるという仕組みになっておりました。これは過度に総理の指示権が働き過ぎるのではないかという、そういう厳しい御意見がございました。
 一方で、自民党、公明党の方から出てきた案というのは、これは原子力規制委員会が全ての権限を持っている、基本的には非常にカバレッジの広い範囲をとらまえておられて、そして総理はそこには基本的には指示権は行使できないという、そういう立て付けになっておりました。これだと、私が懸念をしましたのは、本当にシビアなケースにオフサイトも含めて政府が対応し切れるんだろうかということを懸念を率直に感じておりました。
 そこの両者のいいところを取った形で、専門的、科学的な部分については原子力規制委員会がしっかりやり、ここには総理は指示権を発動できないと。しかし、それ以外のところについては、オフサイトは政府全体がやり、そして科学的、専門的な部分を超えたところについては政治的な判断を総理ができるという、そういうバランスを取った判断になったというふうに承知をしております。
 提出者の皆さんの方で、もしニュアンスが違うところがあれば、御答弁をいただければ幸いです。
#371
○衆議院議員(田中和徳君) 今大臣からも答弁ありましたけれど、一番ここの議論が我々与野党間の協議の中心でございました。
 今回、私は自民党ですから率直に申し上げますと、菅直人リスクというものが極めて国民に伝わり、いろんな意味での不信をかき立て今日に至っていると思っております。そういうことで、ありとあらゆる部分から、俗に言うオンサイトについて、技術的な分野については独立した三条委員会を設置し、そして国民の代表たる我々が審査をきちっとして立派な方を選出した後、その人たちにひとつ信じて任せることができるような、私たちは組織として考えておるところでございます。
 以上でございます。
#372
○平山誠君 ありがとうございます。
 だとするならば、僕は国会の事故調、要するにただいま委員がおっしゃったような、まあ名前は申し上げませんが、何とかリスクと言われること、官邸の事故への介入が多かったんじゃないかということがなぜ分かったんですか。
 国会で、事故調で、前総理大臣、経済産業大臣ほか、いろんな方、官邸にいた方に来ていただいて事情聴取をしている段階であり、それがなぜ、この新しい日本のこれからを、未来を担う法律にリスクであるという部分が書き直されなきゃいけないんですか。これはやはり、本人も事情聴取し、他の関係大臣も意見聴取された中で出てきた事実で官邸が多くの介入をし過ぎたというようなことがあれば、国会で国会議員が決める法律を中に盛り込んでも僕はいいと思うんですけれども、何の情報で官邸が多くの関与をしたんでしょうか。
 それは皆さん一人一人の感覚、若しくは東京電力の感覚、若しくはその当時、内閣で、内閣府の中で働いていた人たちの感覚、現場の人の感覚、感覚論じゃないですか。その結論は何をもって判断をしたんですか。もう一度お聞きします。
#373
○衆議院議員(田中和徳君) 三月十一日以降、今日まで歳月がたち、多くの検証がなされたと思っています。これはありとあらゆる分野、民間の皆さんも我々議会もそうでありますし、政府側も含めて、またマスコミの一つ一つもそれぞれに御努力をされて、やはり問題点をいろいろと洗って、いろいろな報道もなされておるところでございます。私たちはそういうものを今の時点で考えて、この法案を作らせていただきました。もちろん、完璧なものではないかもしれませんが、私たちが提案する以上、今考えられる私は最高のものであると思っております。
 そしてもう一点、今後、議会における事故調から示されるいろんな真実は今後の三条委員会の中で十分生かされていくものであると思いますし、先ほど来より答弁ありましたように、三年以内というのは、場合によっては僅かな間で新しいことが、大切なことが起これば、いろんな見直しが起こってくる可能性も十分ございますので、是非議員の方におかれましても御理解をいただければと思っております。
 言われることはよく分かります。
#374
○平山誠君 ありがとうございます。
 私もこの委員会を設置するのは反対ではないんですよ、賛成なんですよ。しかしながら、この判断が根拠もないところで法律に変わっていくということは恐ろしいことだと私は思うんです。
 そして、この権限を負わされた委員長というものの責任は、もしも事故が起きた場合どのようにして責任を負うのか。我々政治家は選挙というもので問われます。ただ、委員というものは、指名されて、そして、先ほどもありましたが、稼働を承認なされたときの、もしもの事故が起こったときにどのような責任を問われるのか。補償若しくは自衛隊の介入、その判断が一人委員長に委ねられていいんでしょうか。これはやはり政治家がちゃんと責任を持って判断できるような仕組みも必要なんじゃないかと思いますが、その辺をもう一度お聞かせください。
#375
○国務大臣(細野豪志君) 先ほど御説明をした中で、専門的、科学的ということを申し上げました。自衛隊が放水に入るというような場面というのは、放水すること自体は専門的、科学的に決められますが、そこに何を部隊として投入すべきかというところはもうそこを超えていますから、そこにおいては総理の指示権が発動できるような仕組みになっております。
#376
○衆議院議員(近藤昭一君) 私たちの修正協議の中でも非常に重要な論議をさせていただいた部分であります。
 そのことは、今、細野大臣からも言及があったことと同様でありますが、専門的なことは規制委員会がしっかりと判断をし、そうしたことに対して行政府としてそれを超える判断はしない、しかし、行政府としてしっかりと責任を持って国民の皆さんの安全と財産を守っていくということであります。
#377
○平山誠君 その辺を十分もう一度深く討議して、より良いものを作っていくということにはやはり時間が必要ですので、今国会にこだわることなくもう少し多方面の論議を尽くした方がいいんじゃないかと私は思っております。
 先ほどから、国会事故調の話になりますが、黒川委員長は、委員長を受けるときに、これが私の使命であるとならば日本のため、世界のためにやると。やはりここで、やはりくどいようですが、この事故調の報告を待ってもう一度討議をするというのを重ねてお願いしますが、その辺のことはいかがでしょうか。
#378
○衆議院議員(吉野正芳君) 法文にも国会事故調という名前を付して入れて、見直し規定を入れております。三年以内であります。ということは、法律が成立して三か月以内に規制委員会が立ち上がります。立ち上がったその日から見直しの期間が始まる、こういう理解であります。
#379
○平山誠君 くどいようですが、再度、事故調の案を法案に生かしていただきたいと私は思います。
 そして、先ほどから出ていますが、人員の問題ですが、先日も細野大臣にお聞きしましたが、要するに、原発推進派、反対派から批判が出ない委員を選びたいと新聞記事にありました。それは環境委員会のときにも大臣に質問しましたが、どういう方が委員となるのでしょうか。
 例えば、また官房で選ぶに当たり、先ほどもありましたが、私も国会議員になって短い期間ではございますが、国会同意人事でその人をどこまで選べるかといったら、私は正直自信がありません。どういう方をどういう根拠で何人ぐらい、四人の委員、一人の委員長を決めるのに何人ぐらいの候補が挙がるんでしょうか。その辺も含めてお聞かせください。
#380
○国務大臣(細野豪志君) 先ほども御答弁申し上げましたけれども、委員というのはもう専任ですから、もう仕事を辞めて準備をしていただかなければ国会に提示はできません。したがいまして、例えば五人の委員ですけれども、十人選んで、皆さん辞めていただいて半分は失業ですなんということは、こんなことはあり得ないわけですね。ですから、ベストと思われる五人を提示をするというのが、これは選ばれる方に対する礼儀も含めて政府としてはそういう形を取らなければならないというふうに思っております。
 その中で、やはり法案の中にも書いております、人格が高潔であって、原子力利用における安全の確保に関して専門的知識及び経験並びに高い識見を有する者という、この文言は極めて重いと思います。ですから、専門性はもちろんですけれども、あのシビアな事故を経験をした立場からすると、どんなに専門的、科学的に知見のある人でも、あの場面でたじろがずに判断できる人間というのは、この人格の要件は不可欠だと思います。
 そういった意味も含めて、非常に難しい人選だというふうに思いますが、これはと思う人物をお示しをすべく、これは政府としてしっかりと取り組みたいと考えております。
#381
○平山誠君 時間もありませんが、今日はこのぐらいにいたしますが、それは大臣、やっぱり選び方は違いますよ。
 我々選挙をする者においても、命懸けで選挙に出て落とされるわけですよ。職業を持っているわけではありませんよ。やはり良い人が国民の意でジャッジされるんですよ。私たち国民から選ばれた者がやはり選べるという委員会の委員長の人事も考えるべきではないかと思います。
 また明日御質問させていただきます。ありがとうございました。
#382
○亀井亜紀子君 無所属の亀井亜紀子でございます。
 今日は枝野大臣においでいただきました。原発に関して私は枝野大臣に質問をするのは初めてです。いろいろこの一年伺いたいことたくさんございましたので、今日は率直に私は質問をさせていただきます。
 この原子力の規制庁をつくることになったそもそもの原因は、政府の発表に信頼が持てないという国民不信が背景にあります。それは福島の事故のときの政府の対応が、情報の出し方がまずかったということが第一にあります。
 そして、当時の官房長官であった枝野経済産業大臣が、後からの検証で、三月の十一日午後七時過ぎに、炉心溶融に至る可能性があると、そういう情報が官邸に上がっていたにもかかわらず、メルトダウンはしていない、また、直ちに健康に影響はない、直ちに避難する必要はないというような会見をされて、それが事実ではなかったということが国民に分かってしまったので、完全に政府は信用を失ったと思うんですね。
 私の周りで同級生で子育てしている友人たくさんおりますし、彼女たちでノンポリもたくさんおります。ですから、政治の細かいことは分からないけれども、しっかり覚えていることは、官房長官がすぐに避難しなくてもいいと言ったと、そのうそをついた官房長官がなぜよりによって経済産業省の、原発を推進する側の仕事をしているのか、なぜあの人は辞めないのか、なぜ責任を取らないのかということが、私、聞かれるわけなんですけど、分かりませんし、これは野田総理の人事ですから何とも分からないのですけれど。
 枝野大臣は、事故当時にやはり間違った情報を出してしまったということについてどのように今お考えなのでしょうか。なぜあのようなうそをつかれたのか、そして御自身の責任の取り方についてどうお考えですか。
#383
○国務大臣(枝野幸男君) まず、私は原発を推進しておりません。経済産業大臣でありますが、原発の利用側を所管する、資源エネルギー庁は利用側を所管しますが、推進はいたしておりません。まずそれが事実として明確にしておきたいというふうに思います。
 それから、当時、特に福島の皆さんを始めとして被害に遭われた皆さん、テレビやラジオの情報すら取れない状況でございましたから断片的な部分を御覧になって様々な受け止めをされていること、これは真摯に受け止めたいというふうに思いますが、うそはついておりません。その時点その時点で把握をしていた情報については最大限正直に伝えてきました。残念ながら、そのときそのときの把握ができる情報、つまり、特に原子炉の状況について正確な情報が、これは上がってこなかった部分もありますし、把握ができていなかった部分もあります。
 したがって、それが結果的にうそをついたのではないかと受け取られていることについては、それは否定をいたしませんけれども、うそはついておりませんし、最大限把握ができる情報については提供をしてまいりました。
 また、特に十一日の話については、まさにその後、結果的に残念ながら例えば水を入れる、電源車をつないで電源を確保するということができませんでしたが、その時点では現場もそう思っていたようですし、政府の側としても電源車をしっかりと持っていって電源が入れば冷却ができて食い止められると、あるいは、次の段階では、ポンプ車を持っていって強制的に水を入れれば冷却ができると、こういう情報に基づいてそれをお伝えをしていました。ただ、それが難しい、困難になったという段階、段階では、したがって、こういうことをやろうと思ったけれどもまだうまくできていないので逃げてくださいというようなことについての指示を、これも専門家の皆さんの御判断に基づいてお示しをしました。
 繰り返しになりますが、それを、残念ながら、当然のことながら、当事者、被害者の皆さんは断片的にしか当時も受け取れなかったわけですから、そうしたことの中で様々な受け止めをされていることについては真摯に受け止めなければいけないと思っております。
#384
○亀井亜紀子君 続けて伺いますが、メルトダウンを、何というんでしょう、していないと、三月の十一日はその可能性は指摘されていたけれども、例えば動揺させてはいけないから、その時点では確定ではないからそうおっしゃらなかったとして、ただ、それが実はメルトダウンしていて、メルトスルーでしたって言われたのが四月ごろだったと思うんですね。このタイムラグというのがかなりあるんですけれども、それまでの中で、官房長官として少しその情報を修正したり、可能性が高いですとか、そういうような対応というのは取れなかったんでしょうか。
#385
○国務大臣(枝野幸男君) まず十一日の時点では、私の承知している限りは、私のところにはこのまま行くとメルトダウンというような情報までは上がってきておりません。当然のことながら、私、原子力については、ましてや三・一一以前は専門家でありませんから、が、しかし、原子炉というのは冷却ができなくなればいずれ熱くなってメルトダウンするということは分かっていましたから、その将来的な可能性自体は認識していたわけですが、短期間でメルトダウン、つまりあと数時間でメルトダウンをするとかという認識はありませんでしたし、そういう情報は少なくとも私のところには入っておりませんでした。しかも、電源車が届けば大丈夫だ、水を入れれば大丈夫だということの情報でありましたし、入らなかったわけですけれども、それは現場から上がってきた情報も含めてその時点では把握できる最大限の情報であったと思っています。
 その上で、まさにそれが翌日以降、水素爆発なども起こりました。それから、冷却ができない時間が長時間になって、燃料が溶融している可能性があるという状況になって、私自身も三月十三日の記者会見においても、炉心溶融に至る可能性があるということは申し上げました。
 その後は、特に原子炉の状況がどんどん落ち着いてくれば、様々な原子炉の中の状況についての想定、シミュレーションなどが上がってまいりましたが、それについてその都度申し上げてきましたが、それについてあえて申し上げれば、繰り返し、あれだけ長時間冷やせない時間があったので燃料が溶けている可能性がありますがということを常に繰り返しそれぞれ個々上がってきた情報について申し上げていれば、あえて言えばこういう御指摘受けなかったのかもしれませんけれども、報道その他も、炉心が損傷しているということはもうかなり可能性があるということの中で、ではどれぐらい損傷しているのか、全部溶けているのか何とかということの中で、様々な機関から報告をされた、こういうところではこういうシミュレーションをしてこういう、何というんでしょう、状況になっているのではないかという分析をしていますということについては、その都度報告をしてきたということです。
#386
○亀井亜紀子君 事故調ではありませんので次の質問に進みたいと思いますが、脱原発について伺いたいと思います。
 先ほど、枝野大臣は、経済産業大臣ですけれども原発推進はしておりませんとはっきりおっしゃいました。私たちは、菅前総理の原発ゼロ宣言というのを鮮明に覚えているわけです。それは三・一一を経験された前総理として出た言葉だと思いますけれども、それが個人的見解なのか政府見解なのかということで当時もいろいろともめたことを記憶しております。そして、最近になって野田総理が会見をしたときに、日本は原発がないと立ち行かないというような発言がありまして、一体日本はどこに向かっているのだろうかというふうに疑問に思っております。
 そして、枝野大臣、細野大臣は、事故のときにそれぞれ官房長官、また首相補佐官として現場にかかわっておられましたので、ずっと継続して政府に、民主党の政権でおられるという立場なので、お伺いしたいと思います。
 今、図らずも原発が全停止していますから、実際には脱原発状態なんですよね。それを再稼働させるかどうかという話になっているわけですけれども、仮に電力需給逼迫時に限定的に原発を稼働したとしても、平時において脱原発を、今の状態をなるべく続けていくというようなお考えはありますでしょうか。その点について、枝野大臣は脱原発路線を支持されますか。また、細野大臣にも同じ質問をいたします。
#387
○国務大臣(枝野幸男君) まず正確に言うと、私は菅内閣以降、十日間、政府の一員ではございません。ですから、継続ではございません。
 菅総理は、記者会見においていわゆる原発依存からの脱却をおっしゃられましたが、それの意味について、国会で、これ菅内閣当時に質問主意書にも答弁がなされておりますが、計画的、段階的に原発依存度を引き下げ、原発に依存しない社会を目指すべきとの考えと。この原発依存を最大限引き下げていくということについては、野田内閣においても菅内閣の方針を踏襲をしております。私自身、経済産業大臣を拝命するときにそのことについて確認をいたしました。この方針は変わっておりません。
 しかし、まさに今、つまり三・一一の日本は原発に依存をしていた社会であったことは前提になっています。依存をしていたということは、その依存状況から脱却するためにまさに一定のプロセス、作業が必要であるということで、総理、菅前総理のお考えも計画的、段階的に原発依存度を引き下げるとおっしゃっております。まさに、今政府として、短期的には、そのまさに依存状況の中にある中で安全性の確認された原発については当面利用をする、一方で、中長期的にどういうプロセスを踏んでどれぐらいの期間で原発依存から脱却できるのかと、これはこれでしっかりと今進めているところでございます。
#388
○国務大臣(細野豪志君) 私も枝野大臣と同じ認識を持っておりまして、菅政権と野田政権で原発に対するスタンスが変わったというふうには考えておりません。むしろ、客観的な事実としては、菅内閣のときは原発はかなりの数、稼働しておりました。定期検査入らないものをそのまま稼働を続けておりましたので、そういった意味では原発に短期的に依存することを菅内閣も認めていたわけですね。逆に、野田内閣が発足したのは九月の頭ですが、それから再稼働について非常に慎重に判断をした結果として、一つも動かない状態になったわけです。これは、例えばチェルノブイリを経験をしたソ連やスリーマイルアイランドを経験をしたアメリカ、全部の原発を止めるということをこの二つの国はしませんでしたから、それよりも慎重に判断をした結果として、全ての原発が止まるという形に至ったというふうに思っております。
 したがって、政権が替わったことでスタンスが変わったという受け止め方は私自身もしておりません。その上で、安全性についてしっかりと確認をした上で短期的には再稼働をしていくものはあるといたしましても、中長期的に脱原発依存の方向に向かっていくという方針も変わらないと考えております。特に、今年の夏までにはエネルギー全体のベストミックス、どう見るのかということについて政府全体で決定をしていくということになりますので、そこでできる限り国民の皆さんにも議論をしていただいて、納得をいただけるような方針を示さなければならないと考えております。
#389
○亀井亜紀子君 原子力規制庁というのは、政府の中長期的なエネルギー政策が示され、さらに事故調査委員会の報告もされて、それとの整合性が取れる組織じゃないと本来おかしいんですね。ですから、やはりこれから出てくるであろう政府の、段階的にでは脱原発だとしても、それとどう関連してくるのかということが見えないんです。
 それで、今日、私この法案読んでおりまして、まずその目的のところからちょっと引っかかってしまったんですね。そもそもこの法律を作る理由は、原子力の利用と規制を分けるということで、規制をする組織としてこの規制委員会をつくるわけなんですけれども、一条の「目的」のところに、原子力の研究、開発及び利用に関する政策に、以下原子力利用というと書いてありますけれども、つまり、原子力利用を、利用というのはつまり原子力発電だと思うんですけれども、何かそれをこの目的のところで前提とした組織にもしなるのであれば、そうすると利用と規制というのは必ずしも分かれていないのではないだろうかと、その目的のところに一緒に入っていて。これが段階的に減らしていきますという政府の方針であれば、その目的のところに何かしらそういう表現が出てきてもいいような気がするんですけれども、この辺は法案提出者に伺います。
#390
○衆議院議員(近藤昭一君) 今回の原子力規制委員会設置法案の、先ほどもちょっと答弁させていただきましたが、目的、この中に原子力利用における事故の発生を常に想定しというところがあるわけであります。
 今、亀井議員がおっしゃった規制と利用ということでありますが、一番は推進といわゆる規制、ここが今まで経済産業省の下にあった。いわゆる推進も規制もと、こういうところが同じところにあって、残念ながら原子力にある種の安全神話というものがあった。そしてまた、そういう中で情報隠し等々があって、原子力は安全なんだというような、そういう前提の下で推進、推進というところで来たところ、ここが一番の問題であったと思います。そういう意味で、目的の中に、事故の発生を常に、つまり必ずしも絶対安全ではないんだというところ、そしてまた、これを環境省の下に規制を徹底的にするというところでこの規制委員会を設置したというところであります。
 ただ、原子力の利用ということは、研究、開発及び利用ということになっておりまして、ただ、この前提の中では絶対的な安全神話はないと、しかし、その利用をどういうふうに抑制的といいましょうか、事故を想定しながら、より安全を確保しながら進めていくと、こういうことだというふうに思っております。
 そしてまた、政府の脱原発と矛盾はないのかということでありますが、それは今後のエネルギー政策、この後、この夏に政府として見直されるという中でのそれは最大の議論となってくると思います。そういう意味では、この規制委員会というところは科学的、専門的な見地から、利用の中での安全性をより高めていく、規制を徹底的にしていく、こういう観点からというところでございまして、脱原発という方向性とは別のところの観点だというふうに思っています。
 ただ、一点申し上げたいのは、四十年規制というところであります。これから規制委員会で徹底的に、先ほど来からも答弁がありましたように、四十年、いわゆる規制委員会が速やかに見直す、この中には科学的な知見でもってあるいは一年で、あるいは二年でということもあり得るんだと、こういう答弁もあったと思います。
 そういう中で、私、また私と言うとあれですが、議論の中では、一つは四十年という規制は見直すという規定はあるわけでありますが、一方で四十年という基準はしっかりと設けるというところは、それは一つの安全神話が崩れる中で原子力規制をどうしていくか、四十年が基本だと、そこが一つの私は政治的な、政治が表す意思だと思っています。
#391
○亀井亜紀子君 今回の三条委員会の法律の作りというのは、アメリカのNRCの仕組みを参考にされたんだと思います。ただ、アメリカの場合は、原子力は利用しますということを前提としてその安全を守りますということでああいう委員会があって、日本の場合はそれをどの程度利用するのか、そこが決まっていない中で、推進とは書かないにしても、利用を前提とした場合には規制の部分はどこに行ってしまうんだという、将来的な方向性の部分がやっぱり見えないと思うんです。本来はそこがこの目的の部分にやはり方向性として表れていなければいけないものではないかなと思っています。
 先ほどからほかの委員が国会事故調の、これ立法府の機関ですから、その報告がもう間もなく出るのを待たずに規制庁法案を先に作るのはおかしいとおっしゃっておりますし、私はこの考えはもう全くの同感で、立法府の軽視だと思います。
 そして、やはり政府のエネルギー政策が決まらない中で規制庁を設置して、利用と規制のところがはっきり表現の中で分かれていないと、結局、原子力安全・保安院の看板の掛け替えではないかという気がいたしますし、事故調の結果にかかわらず三年後の見直しということは非常に問題があると思いますが、事故調の結果を踏まえて、それが出てきたら、例えばすぐに修正をします、すぐに取り入れますというような書き方というのは考えられなかったんでしょうか。また、再修正についてお考えはいかがでしょうか。
#392
○衆議院議員(吉野正芳君) 先ほどの平山委員の答弁でもお示ししましたように、国会事故調の報告を待って本来であれば新しい規制委員会を立ち上げるべきだという御議論、これごもっともな御意見であります。
 でも、今、原子力規制を担う規制組織、もう信頼が地に落ちているんです。ですから、国民は本当に安全だけ、安全神話にとらわれない規制組織を今待ち望んでいるんです。そういう意味で、私たちは、国民の信頼に足る規制組織、いわゆる三条委員会、独立性、この独立というのは、お金も独立、人事も独立、政府からも独立、いわゆる誰の圧力からも屈しないで自分の判断で専門的な判断を下せる、そういう委員会を立ち上げました。
 そして、これを、三年以内なんです。三年以内ということは、先ほども申し上げましたけれども、法案ができて三か月後に委員会が立ち上がります。立ち上がった瞬間から見直しの時間がスタートするわけでありますので、三年後ではありません、三年以内であります。ということは、委員会ができたらすぐに見直しの期間が始まるという、こういうことでございます。
 以上です。
#393
○亀井亜紀子君 その見直しがされるころには、委員が決まってしまって形ができて、そう簡単に見直しができないのではないかという懸念がされています。私もこういった懸念に全くの同感でございますので、私はこれ委員長に正式に申し入れたいのですが、きちんと国会事故調査委員会の報告が上がってくるまでは拙速に採決をすべきではない、修正協議も含めての日程をお考えいただきたいと、これを申し入れたいと思います。
#394
○委員長(松村祥史君) ただいまの件につきましては、後刻理事会で協議をいたします。
#395
○亀井亜紀子君 今申入れをいたしましたけれども、もう一つ実はこれ理由がございます。
 私、先ほど気が付いてしまったんですが、水野委員の質問でしばらく速記が止まっておりました。再起動と再稼働はどう違うのか、私、これもいずれ質問をしようと思っていたんですけれども、ようやく分かりました。枝野大臣の御答弁で分かりました。
 結局、先日から質問していることとして、四閣僚会議の法的な位置付けで、これは内閣法制局の御答弁では法的な根拠はありませんと、政府の中の大臣の意見調整の場であり、それに法的な根拠は必要がないということでして、今、その行政上の措置をとる、原発に関する、再稼働に関する責任者というのは経済産業大臣であるという、そういった趣旨の御答弁をいただいております。
 野田総理が会見で、私の責任において大飯を再稼働するとおっしゃった、その私の責任というのは政治責任であって法律的な責任ではなく、その法的な責任というのは現行法上は経済産業大臣にあります。その法的責任がこの法律によって、規制庁法案によってどうなるかということが分かりました。これがこの冊子の四十七ページにありますけれども、結局、今経産大臣が主務大臣であるのが原子力規制委員会に変わるわけですよね、改めるということは政府の中に責任者がいなくなってしまう、主務大臣がいなくなってしまうということだと思います。
 そして、私は、今日質問にも書いていたんですけれども、現行法上は再稼働の責任というのは、幾ら四閣僚会議をやってもそれは言わば参考意見、気休めみたいなものであって、経産大臣の責任になるんですけれども、その御覚悟はありますかと伺おうと思っていたらば、この法案が採決されて通った途端に経産大臣は関係なくなってしまうんですよね。それで、もし五人の人事が決まっていなかったときには、大飯原発を再稼働して何かあったときに責任取る人がいないんですよ。法律上は委員長なんですけれども、決まっていなければ誰もいなくなるということに気が付いてしまいましたので、もう時間ですから私やめますけれども、委員長に是非スケジュールについて御再考いただきたいと思います。
#396
○国務大臣(枝野幸男君) 御指摘のとおり、現行法では、原子力の安全については、原子力安全・保安院が経済産業省の所管でございますので、閣僚の中では経済産業大臣が責任を負っております。
 今、原子力発電所が稼働していないのも経済産業省設置法に基づく私の行政指導に基づいておりますので、これを解除するのも法形式的には経済産業省設置法に基づく私の行政指導で、昨日ですか、再起動に向けた作業に入ることを認めるということをいたしました。したがって、事故が起きれば、まず一義的には、私がこの判断について政府としての責任があるというふうに思っております。
 その上で、今国会で御議論いただいている法律が施行をされまして、そしてこの大飯のことについての安全性を改めて確認をするか、あるいは安全でないから止めろというのか、それはもうまさに規制機関が独自に御判断されることでありますが、何らかの判断をするまでの間は、少なくとも行政指導で止めていたのを行政指導で開けたという現時点での判断についての政治的な責任は負うんだと。それが解除されるのは、規制機関が何らかのこの安全性について、立ち上がったらすぐに判断できるわけではありませんから、立ち上がった上で安全を追認していただくのか、安全でないから止めろというのか、判断されるまでは少なくとも政治的責任は負うんだと思っております。
#397
○亀井亜紀子君 終わります。
#398
○委員長(松村祥史君) この際、お諮りいたします。
 委員外議員福島みずほ君から両案件についての質疑のため発言を求められておりますので、これを許可することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#399
○委員長(松村祥史君) 御異議ないと認めます。
 それでは、福島君に発言を許します。福島みずほ君。
#400
○委員以外の議員(福島みずほ君) 社民党の福島みずほです。委員外発言を認めてくだすっていることに本当に感謝をいたします。
 規制と推進を分けるべきだというのは、ずっと社民党は言ってきました。これは分離しないと駄目だというので、今回、規制委員会ができることそのものは大変評価をしたいというふうに思っております。
 ただ、その中身が大変重要だと思います。委員会、委員長を始め委員が極めて重要です。これは原子力村から採らないでほしい。原子力村の人たちは原発は安全だという神話の中で生きてきた人たちです。世の中には反原発、脱原発の研究者も、石橋克彦さんや渡辺満久さんのような地震学者もいれば、小出裕章さんのような原発の専門家で脱原発、原発の危険性を言っている人もいます。原発訴訟を担当してきた弁護士たちもたくさんいます。活動家もいます。そういう人たちから原子力委員長、原子力委員を選んでほしい。いかがですか。
#401
○国務大臣(細野豪志君) 今、法案審議中ですから、委員の人選について余り踏み込んで言わない方がいいのかなというふうに思っております。
 原発、原子力村か若しくは反原発かというような話は確かによくあるんですけれども、そういう思想的にこうだからということで選ばない方が多分いいんだろうと思っています。やはり、専門的な判断ができる人をきちっと選ぶということ、そしてもう一つは危機管理ができる人ですね、修羅場においても落ち着いて判断ができる、ここは人格識見がまさに問われるところだというふうに思いますので、そういう人物をしっかり選ぶということだろうと思います。もちろん、その大前提は、先ほど来議論でも出ていますけれども、それこそ電力会社との関係なんかについてしっかりとけじめが付けられるという、そういう意味で、原子力村から選ばないということであれば、それはもちろん大前提として心掛けていかなければならないところだというふうに思います。
#402
○委員以外の議員(福島みずほ君) 規制委員会の人は電力会社や経済界と闘う人になるんですよ。原発の安全を維持するってそういうことじゃないですか。だとしたら、はっきり、それはずぶずぶの原子力村で生きてきた人では全く駄目だということを強く申し上げます。
 次に、職員のノーリターンルールについて申し上げます。これはノーリターンルールをきちっと確立しなければ、結局、この原子力規制庁は経済産業省と文科省の植民地になるでしょう。保安院と、地に落ちたとさっき提案者がおっしゃいましたが、地に落ちた保安院と原子力安全委員会、原子力委員の人たちがなだれ込むという現象は絶対にあってはなりません。このノーリターンルールをきちっと確立すること。
 問題なのは、附則で、当該職員の意欲、適性等を勘案して特にやむを得ない事由があると認める場合はこの限りでないとしています。職員だと、こうでしょう。行ったら、自分はもしかして戻るかもしれないと思ったら、本籍地の役所の顔色を見ますよ。ですから、ここはこういう附則じゃなく、附則はありますが、そうではなく、ノーリターンルールをきちっと厳格に適用する。そして、原子力村に生きてきた職員は別に採用しなくていいんですよ。市民やいろんな人たち、優秀な人たちはたくさんいます。原発の安全性について言ってきた活動家や弁護士や研究者や、そういう人たちを職員に入れてくださいよ。
 ノーリターンルールを確立することと、原子力村からとにかくこれを切断すること、大臣、決意をお願いします。
#403
○国務大臣(細野豪志君) 原子力規制庁の職員についても、いろんな形で民間の方にも入ってもらえるような仕組みはつくりたいというふうに思っております。そういった意味では、多様な人材をしっかりと中に入れるという御提案については私も賛成です。
 ノーリターンルールなんですが、政府案で出したところよりも、今回、衆法の方が相当踏み込んでいただいて、それ自体は、私自身やり切れなかったことも含めて前向きな法案を作っていただいたというふうに思っています。その中で、五年間については例外が認められることになっているんですが、そこはそれぞれのみんな人生ですので、若干幅を持って見ていただけないかと思っているんです。
 特に技術系の職員については、私は、原子力をしっかりやっていただくという意味では、これはもうノーリターンというのをできるだけ徹底していきたいと思っています。ただ、技術系ではない事務官もいるわけですね。例えば、経済産業省に入ったのであれば、産業政策をやりたいとかエネルギーをやりたいとかいう職員もいるでしょう。そういう人間が、あしたから専門でもないのに規制庁だと言われたときに、それはもうまさに職場が変わる話ですから、そういう人もいるかもしれない。文部科学省でもそうです。ですから、科学技術の研究なんかをやりたい、それをバックアップしたいと思っていた職員もいるかもしれない。そういういろんな職員がいるので、その人生を決めることですから、それについては、特に若い職員について若干の幅を持って見ていただけないかなというのが、顔が見える関係で人を見ている立場からするとございます。ただ、それが疑いを持たれるようなことがあってはなりませんので、この法の趣旨にのっとってしっかりとやっていくということであります。
#404
○委員以外の議員(福島みずほ君) 経済産業省は、事務職も含めて原発推進してきたんじゃないですか。事務職が行ったって同じことになりますよ。五年間緩和をすれば、ノーリターンルールを緩和すれば、五年間の間に原子力帝国、原子力村はでき上がりますよ。その変更はできません。ですから、大臣、このノーリターンルール、しっかりやるということでよろしくお願いします。
 職員に関して、原子力委員会の事務職に電力会社からの出向組がたくさんいたということが問題になっております。原子力規制庁の職員として、電気事業者や日本原子力研究機構等からの出向は認めない、絶対に認めないということでよろしいですね。
#405
○国務大臣(細野豪志君) はい。それは当初から方針として持っておりまして、規制庁の職員もそうですし、規制そのものにかかわる人間ですね、審査専門委員なんかも含めて、その人が例えば腰掛けで来てまた戻る、つまり出向の形で来るということは考えておりませんし、やらないということを私が答弁として申し上げて、あとは規制委員の皆さんにしっかりやっていただくということだと思います。
#406
○委員以外の議員(福島みずほ君) 附則六条二において、原子力規制庁の職員については、国内の大学、研究機関、民間事業者等から専門的な知識又は経験を有する者を積極的に登用するとあります。過去に電気事業者の会社などに勤務した経歴を持つ者、メーカーや日本原子力研究機構なども入りますが、認めるべきではないと考えますが、いかがですか。
#407
○国務大臣(細野豪志君) これはなかなかそういうわけにいかないと思うんですね。やはり、技術の個別の様々な炉の判断について、私も、JNESも保安院も電力会社も相当な人間と話をしましたけど、やっぱり細部に一番詳しいのは電力会社の人間だったりメーカーの人間だったりするんです。ですからそこは、そういう知見を持っている人間をきちっと規制に生かすという発想も必要ではないかと思います。
 ただ、それがまた元に戻るというようなことがあってはならないし、例えばそういう人が採用してもうそれこそ片道切符で来た場合に、その直接的な電力会社の、例えば、そうですね、Aという電力会社から来た人がそのAという電力会社のものをチェックをするということになるといろんな疑いを持たれますから、そうではない電力会社のものを厳しくチェックをするという、そういう工夫は必要だというふうに思います。
 疑いを持たれないようにできるだけしたいと思いますが、是非分かっていただきたいのは、詳しい人間を採用しないと規制機関は死んでしまうので、そこについては是非御理解をいただきたいと思います。
#408
○委員以外の議員(福島みずほ君) 詳しい人間は、別に今まで電力会社、その電力会社は原発を推進してきたわけですから、やはりそれは採用すべきではないというふうに思います。私が電力会社で原発推進したかったら、だって原発動かした方が利益に短期的にはなるわけですから、そういう人材を送り込みますよ。今までそうやって出向させてきたことがゆがんできたわけですから、そのことについては是非厳しくやっていただきたいと、電力会社にしか人材がいないということはないということを申し上げたいと思います。
 それで、今日の話でも、先ほど水野さんからの質問でなるほどと思いました。原発起動することは経済産業大臣の責任で決めた。原発再稼働するときに規制庁ができていて、そのときに新基準などができていなければ、それは新しくできた、国会を尊重し、規制委員会を尊重して止めるべきではないですか。バックフィットの考え方ってそういうことでしょう。そのときの知見にのっとってできたもの、だって新しく規制庁が原発再稼働について基準を設けていなかったら再稼働できないですよ。それはいかがですか。
#409
○国務大臣(細野豪志君) 起動と稼働かの話で言うならば、さっき枝野大臣が言われたように起動の準備に入ったと、最終的に交付するかどうかで稼働と決まるわけですね。そこまでは、いつ規制組織が誕生するかということにもよりますが、今まさに始まっているプロセスですので、基本的には今のプロセスの中でどう判断するかというのは現在の規制組織でやっていただくということだろうと思います。
 新しい規制委員会が誕生したときに大飯がどういう状態になっているかは、これは分かりません。分かりませんが、どういう状態になっているとしても、その大飯原発を運転させ続けるのか止めるのか、若しくは止まっている状態ならもう一度動かすのかという、そこの判断は専門家である規制委員会そのものが判断するということになります。
#410
○委員以外の議員(福島みずほ君) 規制委員会は、これから新たにできるんですよ。そこの人たちが総理大臣始め四大臣で決めたことを覆すことは、私はやっぱりすごく勇気の要ることだと思います。これ、ボタンの掛け違いは、規制委員会ができる前に大慌てに大飯原発の再稼働を決めたことに責任があるというふうに思っております。是非、規制委員会で新しく選ばれた人たちが、大飯原発再稼働、新たな基準で決めるんだという根性のある人を是非選んでいただきたいということを要望し、質問を終わります。
#411
○委員長(松村祥史君) 本日の質疑はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
   午後五時三十九分散会
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト