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2012/06/14 第180回国会 参議院 参議院会議録情報 第180回国会 経済産業委員会 第8号
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2012/06/14 第180回国会 参議院

参議院会議録情報 第180回国会 経済産業委員会 第8号

#1
第180回国会 経済産業委員会 第8号
平成二十四年六月十四日(木曜日)
   午後一時三十九分開会
    ─────────────
   委員の異動
 四月二十三日
    辞任         補欠選任
     安井美沙子君     平野 達男君
 四月二十四日
    辞任         補欠選任
     平野 達男君     安井美沙子君
 四月二十五日
    辞任         補欠選任
     磯崎 仁彦君     世耕 弘成君
 四月二十六日
    辞任         補欠選任
     世耕 弘成君     磯崎 仁彦君
 五月十四日
    辞任         補欠選任
     安井美沙子君     田城  郁君
 五月十五日
    辞任         補欠選任
     田城  郁君     安井美沙子君
 六月十三日
    辞任         補欠選任
     柳澤 光美君     難波 奨二君
 六月十四日
    辞任         補欠選任
     難波 奨二君     柳澤 光美君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         前川 清成君
    理 事
                高橋 千秋君
                轟木 利治君
                姫井由美子君
                関口 昌一君
                牧野たかお君
    委 員
                直嶋 正行君
                難波 奨二君
                増子 輝彦君
                安井美沙子君
                磯崎 仁彦君
                岩城 光英君
                末松 信介君
                二之湯 智君
                松山 政司君
                脇  雅史君
                松 あきら君
                松田 公太君
                荒井 広幸君
   国務大臣
       経済産業大臣   枝野 幸男君
   副大臣
       厚生労働副大臣  辻  泰弘君
   大臣政務官
       経済産業大臣政
       務官       北神 圭朗君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        山田  宏君
   政府参考人
       復興庁審議官   大森 泰人君
       経済産業大臣官
       房地域経済産業
       審議官      照井 恵光君
       中小企業庁長官  鈴木 正徳君
       環境大臣官房廃
       棄物・リサイク
       ル対策部長    伊藤 哲夫君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○経済、産業、貿易及び公正取引等に関する調査
 (中小企業の新たな事業活動の促進等に関する
 件)
    ─────────────
#2
○委員長(前川清成君) ただいまから経済産業委員会を開会いたします。
 この際、経済産業委員長として一言申し上げます。
 理事、委員各位の御協力を得ながら、引き続き、中立、公正、円満な委員会運営に努めてまいります。
    ─────────────
#3
○委員長(前川清成君) 委員の異動について御報告いたします。
 昨日、柳澤光美君が委員を辞任され、その補欠として難波奨二君が選任されました。
    ─────────────
#4
○委員長(前川清成君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 経済、産業、貿易及び公正取引等に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、復興庁審議官大森泰人君外三名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#5
○委員長(前川清成君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#6
○委員長(前川清成君) 経済、産業、貿易及び公正取引等に関する調査のうち、中小企業の新たな事業活動の促進等に関する件を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#7
○二之湯智君 自民党の二之湯です。
 本来ならばこの中小企業の新たな活性化の法案の質疑は最初にやるべきでございますけれども、ちょっと質問項目が多うございますので、大臣に原子力問題について質問する時間がなくなってしまうとあきませんので、ちょっと順番を変えて、原子力発電に関する大臣の見解についてお伺いしたいと思います。
 枝野大臣は、あの事故以来、どちらかというと脱原発の方向の発言が非常に多く目立ったわけでございます。大飯の三号機、四号機の再稼働についても、地元の自治体はもとより、周辺の京都府、滋賀県の御理解をもらうのも当然であるかのような発言をされてきたと私は記憶しておるんですが、一方、野田内閣の藤村官房長官は記者会見で、再稼働に関して必ずしも地元同意は法的義務はないと、こういうような見解を表明もされておりました。
 内閣の中で、一方は地元の同意あるいは周辺の府県の同意まで必要だ、一方、官房長官は、そんなことは法的な義務になっていないと、こういうような、見解が非常に分かれるというんですかね、そういうことがかえって地元の内閣に対する、原子力問題に対する不信感を増幅させてしまったんじゃないかと、このように思うわけでございますけれども、この件について、大臣の見解を伺いたいと思います。
#8
○国務大臣(枝野幸男君) 藤村官房長官の発言は、停止中の原子力発電所の再起動について、法律などの枠組みで何らかの同意が義務付けられているわけではないという客観的事実を述べられたものと承知をしております。これについては、私、全く同じ認識でございます。
 一方で、私は、特に福島第一原子力発電所の事故を受けて、立地自治体の御理解が何よりも重要でありますが、同時に、周辺自治体の皆さんに対しても、再起動ありきでなく、あくまでも安全性の確認を大前提としている政府の姿勢をしっかりとお伝えし理解を求めていく努力をすることが必要であり、その上で一定の御理解を得るべきではないかということを申し上げたものでありまして、もし食い違っていると受け止められたとしたら大変遺憾でございますけれども、それぞれの認識、食い違っているものではないということでございます。
#9
○二之湯智君 関電の大飯の原発の再稼働をめぐって、野田内閣では、四月の六日に四大臣によって原子力発電所の再起動に当たって安全性に関する判断基準を定めて、そして、この基準に基づいて四月十三日に国としての再稼働の方向で地元の理解を求めると、このようなことを決定されました。
 三十項目にわたる安全基準を定めたということでございますけれども、この安全基準を関西電力はほぼ満たしたと、こういうことを理解していいんでしょうか。
#10
○国務大臣(枝野幸男君) この一年ほど、政府としては、福島原発事故を踏まえて、原子力安全委員会を踏まえた専門家の意見、その中にはIAEAなどの国際機関も含めてでございますが、そうした意見を伺いながら、公開の議論を通じて、慎重に知見を集約し、かつ対策を積み上げてまいりました。
 四大臣会合においては、この約一年間の専門家による議論の結果集積、それに基づく対応などを分かりやすく提示するため判断基準として整理をしたところでございます。そして、この判断基準は、全交流電源対策や津波対策を含め、福島のような地震、津波に襲われても燃料損傷に至らない十分な安全性が確保されていることを基準一と二で確認をしているところでございます。
 さらに、福島のもう一つの教訓として、安全神話に陥ることなく常に安全性についてはより高めていく努力を怠ってはならないという考え方に基づいて、今後原子力安全規制に反映すべき事項についても、法規制化を待つことなくそれを先取りして、高いレベルの安全性の実現に向けた取組を進めていくという認識の下、一や二、基準一に含まれていることも含めてでありますが、事故の知見を踏まえた三重の対策を掲げたものであります。
 この中には、福島のような地震、津波に対して炉心損傷に至らないための対策は基準一、二のところで満たしていることを確認をしておりまして、それを超えて更なる安全性を高めていく部分のことについては関西電力の実施計画を出させまして、これについても具体的な期限ということも含めて提出をさせ確認をしているところでございます。
#11
○二之湯智君 先月の五月十八日に、有識者による需給検証委員会が今年の夏の全国の各電力会社の需給予測を公表されましたですね。それで、非常に慎重に検証された結果、全国的には予備率は〇・一、しかし関西電力ではこの予備率はマイナス一四・九%になると、こういう結果でありまして、昨年の東京電力の電力事情以上に非常に厳しい結果となっているわけでございます。
 関西電力は原発に四〇%以上依存しておったということで、これはもう当初から、検証委員会の検証をまつまでもなく、関電は非常に厳しいと、このようなことが言われておったわけでございます。ましてや、この大飯の原発が動かなくなったらもう関西は大変な事態に陥ると、このようなことは予想されたわけでございますけれども、やや遅きに失した検証委員会の報告ではないかと、このように思うわけでございます。
 それで、まして、これいつから再稼働に踏み切るか分かりませんけれども、再稼働するのには約六週間ほどの時間が要すると聞いておるわけでございますけれども、なぜもっと早く政府としては需要予測を明らかにし、そして再稼働の要請に踏み切れなかったのか、この点についてお伺いしたいと思います。
#12
○国務大臣(枝野幸男君) 夏の電力需給見通しについては、遅ければ遅いほど企業や国民の皆さんの対応の御準備等をお願いをする上で苦しくなると。しかし、時期が早ければ早いほど様々な対策の積み重ねが進んでいない状況であり、また様々な不確定要素が大きくなるという兼ね合いの中で、バランスを見ながら判断をしてきたところでございます。
 また、経済産業省において電力需給の見通しについては精査をしてきたところでございますが、残念ながら、内外において、本当にそれが正しいのかと、いわゆる埋蔵電力がもっとあるのではないかという国民の皆さんの少なからず声がございます。そうした声に真摯にこたえるためには、経済産業省内部にとどまらず、第三者から成る客観的精査が必要であろうということで、経済産業省の外側で内閣府の下で需給検証をお願いをしたところでございます。
 なお、大飯原発の再稼働問題との関係について申し上げれば、これについては、まずは安全性の確認が何よりも最優先であり、安全性の確認については、電力需給などの必要性の判断等に影響されることなく、時期を切ることなく安全性について確認をすると。その安全性が確認された段階で、最終的に発表をされたこの精査の結果は出ている段階ではございませんでしたが、相当程度の需給ギャップがあるという経産省段階の需給見通しを踏まえて必要性について判断し、その上で再稼働について立地自治体等についてのお願い、国民の皆さんに対する御理解のお願いということを始めたのがスタートラインでございまして、必ずしもこの第三者による需給検証委員会の結論を待ってはいないということは御理解いただければと思います。
#13
○二之湯智君 今年の夏が非常に厳しいということはお互いが共通の認識であったわけでございますけれども、需給検証委員会が、どちらかといえば脱原発、反原発のメンバーの方もたくさん入っていられますですね。あるいはまた、この検証委員会がいろんな意見を聞いた、自然エネルギーで全部賄えるんだと、電力会社は少し情報開示はしていないんじゃないか、十分、恐らく隠し電源がもっともっとたくさんあるんではないかというふうなことに、そういう主張にやや政府が振り回されているという、そういうような印象を持つんですが、大臣、どうでしょうか。
#14
○国務大臣(枝野幸男君) 率直に申し上げますが、私、昨年の今ごろ、違う立場で電力需給の問題に対応しておりましたが、そのときには私自身もいわゆる埋蔵電力がもっとあるのではないかと思っておりました。しっかりと経済産業省や電力会社が努力をすれば、もっと供給力が積み増せるのではないかと漠然と思っておりました。その後、自ら経済産業大臣という立場に就き、自ら精査ができる立場で様々検討、調査いたさせましたが、必ずしもそういったものではないということを私自身も確信、認識をいたしましたが、それぐらいのことですから、国民の多くの皆さんがやはり埋蔵電力があるのではないかと思われていることはある意味で当然だろうというふうに思っております。あるいは、おりました。
 そうしたことの中でございますので、特に埋蔵電力があるのではないかという立場の皆さんを含めた中で客観的な検証をしていただくこと抜きには、なかなか電力需給が厳しいんですと申し上げても御理解いただけないというふうに思ったものですから、そうした方にも積極的にお加わりをいただきました。その結果として、私は、当初、埋蔵電力等があるのではないかとおっしゃられていた方のかなりの方がやはりなかなか難しいのかなという御理解をいただけて、そのことが、例えばこれからいよいよ関西地域を始めとして節電に具体的に進んでいただかなければならないわけでありますが、そこに対する御理解のベースになったのではないかというふうに思っております。
#15
○二之湯智君 確かに、大臣も埋蔵電力があるんじゃないかとそれぐらい思われるほど、世間は自然エネルギーで全て原発の不足分を賄えるんじゃないかと、そういうような錯覚に陥ったことは十分ここ一年ほどのマスコミ等の報道で理解できるわけでございますけれども、しかしそうではなかったと。反原発の人、自然エネルギーの推進の学者も、いろいろと検討したけれども、まあ各電力会社の言っていることにそうそううそはない、正しい報告をしておると、こういうことが分かっただけでも大変な私は進歩ではないかと、このように思うんですが。
 それにしても、非常に厳しいということが共通認識になったわけでございますけれども、これ昭和四十年代後半のあのオイルショック、あのときは、テレビ局は深夜放送はやめる、町のネオンサインは消える、非常に厳しいなというようなことを国民が認識したわけでございますけれども、今は、厳しい厳しいと言いながら何となくうまく乗り切れるんじゃないかという、国民も非常に安心感もありますし、政府も、いろんなところに本当に厳しいいわゆる電力の使用制限を求めるという姿勢にやや欠けるんではないかと、このような思いをするんですが、いかがでしょう。
#16
○国務大臣(枝野幸男君) 報道等はいろいろ躍っておりますが、例えば大飯原子力発電所が本当に再稼働をして、そしてその出力がフル稼働をして供給力として計算が立つのかどうかというのはまだ分かりません。仮にそうなるとしても、その時期がいつになるのかは分かりません。したがいまして、関西地域に一五%の目標で節電をお願いをしているという状況は、少なくとも現時点では全く変わっていないという状況でございます。
 残念ながら、何かもう既に原発が動いて供給力が積み増されているかのような若干錯覚をされている方がいらっしゃるんじゃないかということ、あるいは、すぐに開いて、すぐに供給力が増すのではないかという認識をされている方がいらっしゃるとしたら、まずそのことが誤解であることを解くために最大限努力をしなければならないというふうに思っております。
 それから、この夏のまさに節電。やはり季節によって電力消費量違うものですから、やはり暑くなってからいよいよ本格的な節電に取り組んでいただかなければならないということでありますが、この間も、何というんでしょう、生活等に無理をお掛けをしない節電、例えば、昨日も白熱電球をできるだけ早くLED電球等に替えてくださいということでお願いも環境省と合同でいたしましたが、そうした対応については積み重ねてきているところでございます。
 そして、いよいよ実際に日々の生活その他のところでスイッチを切ってください、あるいは冷房温度を高めにしてくださいという具体的なそれぞれの行動をお願いをする時期というのがいよいよ近づいてまいりますので、それに合わせて国民の皆さんに具体的なこういう行動を取っていただきたいという協力を強くお願いをさせていただくという段階に入ってきているというふうに思っております。
 ただ、オイルショックのときと比べれば様々な省エネルギーというかエネルギーの効率化のための工夫であるとか、それから、昨年の東京における節電の御無理、御苦労をお掛けをしたことの教訓を踏まえたお願いの仕方あるいは対応の仕方というものが積み重なっておりますので、それを最大限生かしてできるだけ生活あるいは産業に影響を与えるのが小さいやり方でお願いをしていきたいと思っております。
#17
○二之湯智君 今回の大飯の原発の再稼働は、国民としては不承不承といいますか、仕方ないだろうと、こういうような気持ちは大体大方の国民の気持ちじゃないかと思うんですが。
 さて、福井県の知事あるいはおおいの町長は再稼働同意と、こういうことでございますけれども、お隣の、先ほど申しましたように、京都府とか滋賀県の知事は、今回の再稼働は今年の夏の厳しい電力需要を考えればやむを得ないけれども、これは一時的なものだと、こういうようなことを記者会見等で述べられておりまして、滋賀県民も京都府民もそういう気持ちを持っておるかも分かりません。しかし、原発の再稼働に相当な時間を要する、切ったり稼働したりと、こんな非効率なことはないわけでございまして、その点、政府としては、今回の三号機、四号機は継続的に稼働する、あるいはまた、地元の知事あるいは町長は、今度の再稼働につきまして一時的なものと、このように思っておられるのか、それともかつてのように継続的にこれを稼働していくと、このような気持ちになっておられるのか、その点についてお伺いしたいと思います。
#18
○国務大臣(枝野幸男君) これは、過日の野田総理の記者会見のときに総理御自身からもお話をいただいたところでございますが、再起動に当たって特に必要性の観点で考慮すべきことは、もちろん直近に一番問題になるという意味では夏場の短期的な電力需給がまさに一番直近で問題になる課題、テーマでありますけれども、同時に、化石燃料への依存度を増やして電力価格が上昇すれば、ぎりぎりの経営を行っている小売店や中小企業あるいは御家庭にも影響が及びます。また、空洞化を加速して雇用の場が失われてしまう可能性もあります。さらには、エネルギー安全保障という観点もあります。
 したがいまして、中長期的には原発への依存度を引き下げていくという方針でございますが、同時に当面、こうした観点から原子力発電所の必要性については総理から説明をいたしたところでございます。
 更に申し上げれば、安全性について確認ができていないものを夏場の必要性が高いからということで臨時的に稼働させるという考え方には政府として立っておりませんし、立つべきではないと思っておりますし、またそうした認識では、特に万が一の場合影響を受ける立地自治体の皆さんが到底御理解をいただけるとは思いません。まさに、安全性についてはきちっと確認をした上での必要性の問題であると、そして必要性については今申し上げたような観点でございます。
 したがいまして、あえて申し上げれば、報道によれば、本日、原子力規制機関について御党と公明党と民主党との間で修正についての合意がなされたということでございますが、新規制機関、独立性高く設置をされますので、そこが原子力発電所の稼働について新たな知見に基づく新たな判断をなされる、このことの可能性を我々が否定することはまさに独立性の高い機関ですからできませんが、私どもの判断は、今のようなことを踏まえて、原子力発電所の稼働は十三か月で定期検査に入りますから、十三か月間稼働させていただくという判断をしたということでございます。
#19
○二之湯智君 それでは、原子力に関連する質問はこれで終わらせていただきたいと思います。
 また、当初の中小企業経営力強化支援法案、これは四月二十日にもう参議院で、我が党は欠席でございましたけれども、もう可決されているわけでございますから、今日は補充質疑ということで若干質問をさせていただきたいと思います。
 各地には商工会、商工会議所というのがありまして、経営指導員が約八千人ほどいると、そして中小零細企業の経営相談とかマル経の融資なんかの相談に乗っていただいているわけでございます。
 今回、この中小企業を強化するということで、商工会、商工会議所が経営革新等支援機関として認定されることになったわけでございますけれども、今日、私も各地の商工会、商工会議所も、小さな町や昔の市は商工会議所の名前になっていますが、そこの経営指導員で果たしてこの今日の難しい経済状況の中で本当に中小零細企業の相談にあずかる能力とかいうものがあるのかどうかということは大変疑わしい気持ちを持っておるんですが、その点について、今後の商工会、商工会議所の課題についてお伺いをしたいと、このように思うわけです。
#20
○国務大臣(枝野幸男君) 商工会や商工会議所の行っている経営相談であったり巡回指導などの地道な取組は、地域の中小企業にとっても重要なものであると認識をしております。特に、何といっても地域に密着をしている、それから都道府県組織、さらには全国会などを通じてしっかりとしたネットワークを持っておられるといったことなど、商工会や商工会議所ならではのプラス面といいますか、そういった側面もあると思っております。
 しかし、御指摘もございましたが、中小企業をめぐる経済環境、大きく変化をいたしております。新たな事業活動を行う際に直面する経営課題は大変多様化、複雑化しておりまして、相当程度の専門性を持った対応が必要な課題に地域の小さな中小企業が直面をする、あるいはそれを乗り越えないと事業展開が大きく広がらないという、そういったことは非常に多くなっていると思っております。
 したがって、中小企業の経営分析であるとか事業計画の策定支援、実行支援を行うための支援体制を強化をする必要があると考えまして、今回の法律案においては、既存の商工会や商工会議所等に加えて、金融機関であったり税理士法人など、一定の専門性を持って御支援をいただける機関を国が支援機関と認定をすることで、担い手の多様化、活性化を図るとともに、知識、経験のある専門家を活用した中小企業に対する支援チームをつくり上げる、こういう体制を整備してまいりたいと考えております。
#21
○二之湯智君 次に、最近、日本の伝統的な工芸品が非常に海外で評判が高い、あるいはまた海外で非常に需要が増えてきているということ。これは何か、私、この言葉は知らなかったんですが、クール・ジャパンって。私はクールビズのクールかなと思ったら、格好いい日本の伝統的な工芸品、こういうことを指すようでございます。しかし、これ将来非常に、潜在的な需要があるんですが、今はまだそういう伝統的な日本の工芸品を供給できるという、生産できる人が、職人さんがまだまだあるわけでございますけれども、これ将来的に非常に厳しい状況になってくるんではないかと、このように思うんですね。
 今日は北神政務官もいらっしゃいますけれども、京都でも伝統的工芸品に指定されている品目が随分たくさんありますけれども、しかし、さて後継者となりますとなかなか寂しい、厳しいのが現実です。例えば京友禅でも、もうあと十年もしたら京友禅の職人がなくなってしまうんではないかと、このように言われておりますし、また伝統的工芸品の一つである京扇子ももうたった二人しか京都に従事している人がないということで、もうほんまに風前のともしびなんですね。
 そういうことで、私は、これからそういう伝統的な、日本全国にあるでしょうけれども、こういう工芸品を作る人の育成、継承というのは非常に重要になってくるんではないかと思うんですが、人材、後継者の育成にどのように取り組む考えがあるのかお聞かせをいただきたいと思います。
#22
○大臣政務官(北神圭朗君) 二之湯先生と同じ地元、京都選出の議員として、伝統的工芸品というのは極めて重要だと。先生おっしゃったような、クール・ジャパンとして日本の文化、文化力の一環として外に発信するという意味でもそうですし、日本の歴史、文化、伝統、こういったものに基づいている産業という意味でも重要だというふうに思っています。
 先生も市議会議員のときからもうずっとこの分野に力強く取り組んでいただいていることにも敬意を表したいというふうに思いますが、この特に後継者について、たくみの文化ですから、やはりこの継承というものは極めて重要になってくるということで、経済産業省としては平成十六年度から伝統的工芸品産業支援補助金というものを設けまして、これにおいて後継者の確保、育成のための研修体験事業などに対する支援を行っているところでございます。
 先生のおっしゃった京友禅についても、二十三年度にこの補助金を活用して京友禅協同組合連合会の会員企業の従業員とか技術者を対象に総合専門実技研修を行って技術の向上を図ってきたところでございます。また、さらに、染色に興味を持つ、京都は大学が多いですから、そういった大学生を中心とした若い人たちを中心に伝統工芸士等の本格的な実技の指導を通して伝統技術のすばらしさというものを体験させることで後継者の創出を図ってきているところでございます。
 今後とも、こういった補助金等を活用して、後継者の育成など産地のニーズにきめ細かく対応していきたいというふうに思っております。
#23
○二之湯智君 次に、使用済みの小型家電リサイクル法案についてお伺いしたいと思います。
 これは環境省及び経済産業省の共管になるわけでございますけれども、この法案は、新興国の需要増大に伴う資源価格の高騰といった資源制約や最終処分場の逼迫といった環境制約を背景として、パソコンあるいは携帯電話、デジタルカメラ、あるいは携帯型ゲーム機器など、使用済みの小型電子機器の適正な処分と、これらに含まれるアルミとか貴金属、あるいはレアメタルなどの、いわゆる都市鉱山というんですか、この資源の有効利用を図ることが急務であるとして提出されたと伺っておりますけれども。
 この法案では、地方公共団体の責務として、市町村は、使用済小型電子機器の分別収集に必要な措置を講じ、これを再資源化を適正に実施し得る者として、引き続きこれに努めなければならないとされております。
 市町村の行う回収については、各市町村の特性に合わせてその方法を選択することになっておりますけれども、私は、この電子機器の回収事業にはノウハウを有する地元企業を積極的に活用することが必要ではないかと、このように思うわけでございます。
 その観点から、市町村の行う回収事業において、現在もやっておるわけでございますが、地元の清掃業者などに対して適切に委託して事業に参加できるような配慮が必要ではないかと、このように考えているわけでございますけれども、法案や今後の運用においてそれをどのように取り組まれるか、見解をお伺いしたいと思います。
#24
○政府参考人(伊藤哲夫君) 現在、国会に提出いたしておりますこの法案におきましては、先生御指摘のとおり、市町村は、その区域内における使用済小型電子機器等を分別して収集するために必要な措置を講ずると、こういうふうにされているわけでございます。
 そして、この市町村における分別収集の方法につきましては、それぞれの特性に応じて市町村が選択できるというものでございまして、分別収集事業にどのような事業者を参画させていくのかと、こういったことにつきましては、廃棄物処理法に基づきまして市町村が適切に判断していくことは必要だと、こういうふうに考えております。
 したがいまして、先生御指摘のように、市町村におきまして、地元に信頼できる清掃事業者などがある場合にはこれを積極的に活用するなど、それぞれの地方公共団体に応じた適切なリサイクルシステムを構築していただきたいと、こういうふうに考えておる次第でございます。
#25
○二之湯智君 これは直接経済産業省に関係ない質問かも分かりませんけれども、最近いろいろと話題になっておりますAIJの問題について最後に大臣にお伺いしたいと思うんですが、結局、政府・民主党は、今度の年金消失問題は自己責任に当たる部分が多いんじゃないかと、こういうことであるわけでございますけれども、一方やはり各地の中小零細の企業が参加する総合型の年金基金は、本当にこの問題で今青息吐息の状態でございまして、代行部分のいわゆる消失でそれぞれの企業はもう脱退するにも脱退できない、そして連鎖倒産があるかも分からないと、こういうことで、この年金基金の役員改選を迎えて、役員になるなり手もないというのが非常に大きな問題になっておるわけですね。
 これ、全国的に非常に影響が大きいわけでございまして、中小企業に与える影響は大変大きいわけでございますから、単なる年金問題というんじゃなくて、中小企業の対策として、政府としてはこの問題の解決にどのような考え方を持っておられるのか、お聞かせをいただきたいと思うわけでございます。
#26
○副大臣(辻泰弘君) 二之湯委員御指摘のとおり、AIJに投資していた厚生年金基金の大半は中小企業が集まってつくるいわゆる総合型でございまして、今回の問題は中小企業の経営並びに従業員の老後の生活に大きな影響を与えるものと考えておりまして、中小企業への影響につきましては注視すべき課題であると、このように考えております。
 厚生労働省といたしましては、AIJ問題発生後、中小企業への影響も含めた厚生年金基金への影響について分析を行い、全体状況の把握に努めてきたところでございます。そして、現在、この度のAIJへの投資が各基金それぞれの財政に与える影響についてデータを収集、分析しているところでありまして、これを踏まえて各基金ごとに個別に対応していきたいと考えているところでございます。
 なお、厚生年金基金制度全体につきまして、資産運用、財政運営の両面から検討するために、四月十三日に厚生労働省内に有識者会議を設置いたしまして、これまで六回にわたりまして御議論をいただいてきており、今月末をめどに取りまとめを行う予定にさせていただいております。
 今後、与野党からいただいております御議論なども踏まえまして、厚生労働省として、代行制度を始めとする厚生年金基金制度全体の在り方を検討し対応していきたいと考えております。
#27
○二之湯智君 終わります。
#28
○磯崎仁彦君 自由民主党・たちあがれ日本・無所属の会の磯崎仁彦でございます。
 今の世の中ではクールビズが盛んでございますが、私は、あえてうどん県でございますのでうどんのネクタイをして、腰のある質問をさせていただきたいなというふうに思っております。
 また、先ほど二之湯委員の方から伝統的工芸品という話が出ましたけれども、私、地元が香川県の丸亀市でございまして、丸亀市は伝統的工芸品、うちわがありまして、昨年、電力不足ということでうちわが非常に省エネの、何といいますか、代名詞ということで、皆様に御活用いただきましたので、是非とも今年もうちわを御利用いただければということで、質問に入らせていただきたいと思います。
 いわゆる中小企業経営力強化支援法につきましては、先ほど来話出ておりますように、四月の十九日のこの委員会で可決をされ、翌二十日の本会議で参議院を通ったということで、今、衆議院で審議中という認識でございます。本日は、この法案を含めまして、中小企業の支援策ということにつきまして全般について質問をさせていただきたいというふうに思っております。
 まず枝野大臣にお伺いしたいと思いますけれども、今やはり日本のこの経済状況、もう皆さんが言われておりますように、デフレが進行している、あるいは円高が依然として円高傾向にある、あるいは電力問題もあるということで、これはもう中小・小規模企業のみならず、日本の経済全体が非常に厳しい状況にあるということかと思いますけれども、枝野大臣には、まず、この中小・小規模企業、今の経営状況といいますか取り巻く環境ということにつきまして、その御認識をお伺いをしたいというふうに思います。
#29
○国務大臣(枝野幸男君) 中小・小規模企業の経済状況ですが、非常に、足下の短期で見れば、大震災後の持ち直しがあり、その一方では、これまでの円高、原材料、原燃料価格の高騰などの影響が懸念され、横ばいの動きというのが公式見解でございます。
 ただ、御指摘のとおり、もうちょっと長いスパンで見ますと、やはりこの二十年ほどの日本経済全体の非常に厳しい状況の中で、特に規模の小さい企業ほどその影響を受け続けていると。特に、近いところではやはり空洞化が、大きな企業は、もちろん雇用には影響を与えますが、海外展開等が企業体としてはでき得る状況ですが、その結果として下請、孫請等の企業が経営成り立たなくなるとか、あるいは自ら意欲があってもなかなか海外に出ていけないであるとかということで、円高、空洞化の影響も一番被っているということでございまして、全体として大変厳しい状況にある一方で、希望の芽といいますか、という観点からは、例えば少子高齢化で高齢者が増えていっているその高齢者の皆さんを対象にしたサービス、あるいは少子化の中、そして女性の社会参画ということの中での子育てにまつわるサービスなどの分野においては、地域に密着をして小回りの利く小さな企業がその潜在力を発揮しつつある部分もありますので、そういったところなどをいかに大きく育てていくのかということが課題であろうと思っております。
#30
○磯崎仁彦君 今、多分分野によっていろいろ違うということかもしれませんけれども、ただ、やはり取り巻く環境、厳しいということは恐らく間違いないところだろうなというふうに思っております。
 そういった中で、よく言われますのが、これから消費税がどうなっていくのかというのがまさにこれからの問題でございますけれども、その議論の中でも、やはり消費税が上がった場合にはそれをどう転嫁をしていけるのかどうなのか、あるいは今回のこの電力の問題にしましても、なかなかやはり中小・小規模企業、特に下請、二次請というそういう会社になりますと、価格の転嫁というのがなかなか難しいということがよく言われるところでございますけれども、そういった意味では、この中小・小規模企業の価格の転嫁ということについて、どういう状況なのか、あるいはそれに対してどういう対策が打たれているのか、その点について質問をさせていただきたいと思います。
#31
○大臣政務官(北神圭朗君) 委員おっしゃるように、中小企業が取引上の地位において格差がある元請大企業との関係において非常に価格の転嫁で苦しんでいるということは、私も地元でも聞こえてきますし、これは中小企業問題の非常に大きな悲鳴の部分だというふうに思っています。これにつきましては、我々、公正取引委員会と経済産業省が連携をして、下請代金支払遅延等防止法というものがございますが、これを厳格に執行することが大事だというふうに思っています。
 直近でいえば、やはりこの電気料金の値上げの問題がありますので、これについては、本年四月二十日に、親事業者二万社を超える全国のそういう事業者に対して、電気料金等の上昇などに伴う負担について、買いたたきとかそういったことがないように、取引価格に適正に転嫁が図れるよう、これは文書で要請を行ったところでございます。こういった取組も極めて重要だというふうに思っていますし、さらに、中小企業が適正な価格で受注できるような基礎体力というものをやっぱりつくっていく必要があると。元請、下請の関係に甘んじるんじゃなくて、経営力を強化して、自ら販路開拓とかそういったことができるための中小企業政策を全て動員をしていかなければいけないというふうに思っています。
#32
○磯崎仁彦君 いろんな対応策が取られているということでございますが、やはりどうしても力関係というのはあるところでございますので、是非とも適正な運営がなされるようにお願いをしたいというふうに思います。
 次の質問ですけれども、中小企業、小規模に対する支援につきましては、今年度も、中小企業支援法に基づいてその計画が定められて、国が事業として何をやるのか、あるいは都道府県等が事業として何をやるのか、あるいは独立行政法人中小企業基盤整備機構が事業として何をやるのか、そういうその役割分担をきちんとしてやっていきましょうという、そういう計画が出されているかと思いますけれども、私、それに伴いまして、やはり中小企業、小規模の政策というのは非常に多岐にわたっていろいろ細かいものが出されていると。
 ただ、やはり実際、中小企業、小規模の企業にとってみれば、自分たちのその置かれている実情、これを踏まえて、どの政策が果たして自分たちに合致するんだろうか、その判断をする、選択をするというのは非常に難しいところにあるんだろうなと。そもそも、その政策自体がなかなか周知ができていなければ、それを選択しようにもそもそも知らないといったような事態も起こることが容易に想像されるわけでございますけれども、そういった意味では、多岐多様にわたる政策について、それがきちんと周知をされて、中小・小規模企業の方がよく認識をしているという状況をつくることが必要かと思いますけれども、その点についてどのような工夫をされているのか、お伺いをしたいと思います。
#33
○政府参考人(鈴木正徳君) 今委員御指摘のとおり、その中小企業政策について、まず周知をしてしっかりと知っていただいて、その上で、かみ砕いて、こういう政策ならば使えるということが非常に重要かと思っております。
 私ども、例えば広報の冊子ですと、二十四年度分として百八十二万部というかなりのものを刷りまして、それを地域金融機関とか税理士さん、社労士さんなど、日々中小企業の方々が接される方にお配りをいたしまして、その方々に広報の一環を担っていただいております。また、ホームページ、これ実は中小企業庁のホームページ、大変たくさんのアクセスがございまして、月二百万件弱のアクセスがございます。こういうアクセスはあるんですけれども、じゃそれで十分かといいますと、決して十分ではないと思っております。
 私ども、今、小さい企業の方々にお集まりいただきまして、ちいさな企業未来会議というのを全国各地で行わせていただいています。その中でも、まず言われますのは、この施策が全国津々浦々まで行き渡るよう周知すべきだと、これはどこの会場に行っても言われておりまして、やはり、日々こういう小さい企業の方が接される方にもっと一緒に広報をやっていただき、かつその方がこういう政策をかみ砕いてその中小企業の方々とお話しいただくと、こういうことを日々改善していきたいと思っております。
#34
○磯崎仁彦君 是非その点についてはお願いをしたいというふうに思います。
 それでは次の質問ですけれども、私、今回質問するに当たりまして、政権交代の前から政権交代後にどのような政策の変化が起こってきたのかというのをちょっと調べてみました。それを踏まえまして、おっ、どうかというふうなものが幾つか見当たりまして、そのうちの一つをちょっと御紹介をする中で御意見を伺いたいというふうに思いますけれども。
 まず、これ、中小企業の経営支援に対する政策の一つでございますけれども、平成二十年五月、これ政権交代前でございますけれども、このときに、五月から地域力連携拠点事業、これが導入をされております。これ、ホームページ等によりますと、この地域力連携拠点事業というのは、中小・小規模企業支援に優れた応援コーディネーターを配した中小企業支援機関等を地域力連携拠点として選定をし、中小・小規模企業が直面する課題にきめ細かくワンストップで支援をするという、こういう支援内容でございます。
 まず、これについて、この地域力連携拠点事業、この事業自体がどのような評価であったのかということについてお伺いをしたいというふうに思います。
#35
○政府参考人(鈴木正徳君) 今委員御指摘のございました地域力連携拠点事業、平成二十年度と平成二十一年度、この二年間行わせていただいたところでございます。
 事業の内容は、今委員御指摘のとおり、商工会議所、商工会等を地域力連携拠点として指定いたしまして、経営指導員のOB、また様々な方々を地域コーディネーターとして指名をいたしまして、まず一次の相談も受け付ける、直接もう中小企業の方にまずそこで一次の相談を受け付ける、で、必要に応じまして専門家派遣を行うというものでございました。
 実績でございますけれども、商工会議所等を拠点として指定いたしまして、全国で三百二十七か所整備いたしました。また、累計で約四十五万件の相談を受け付けたところでございます。
 ただ、この事業につきまして、平成二十一年十一月の行政刷新会議事業仕分におきまして、予算の使い方といたしまして、商工会議所とか商工会の本来業務とどこが違うのだと、これは本来業務としてそういう一次相談を行うべきではないかという御指摘等もございまして、二十一年度限りで予算計上を見送ったところでございます。
#36
○磯崎仁彦君 その次のところまでおっしゃっていただきましたのであれですけれども、まさに今おっしゃっているように、全国で三百二十七か所、そして四十五万件ということで、私は、評価がホームページにも載っていますけれども、やっぱり良かったという評価もかなり、三分の二以上あるということが出ております。これが、平成二十一、まさに今長官言われたように、二十一年の十一月、あのまさに事業仕分でございますけれども、翌年度、平成二十二年度、これ、たしか五十六億円の予算要求だったと思いますけれども、これが見送りとなったということで、じゃそれで終わりかというふうに思いきや、翌平成二十二年からは中小企業応援センター事業ということで、名前が変わってスタートをしたと。
 これは先ほどちょっと一部長官が言われましたけれども、どのような理由でこの地域力連携拠点事業から中小企業応援センター事業、これはまさにその事業仕分で本来の商工会等がやるべきだというお話ちょっとありましたけれども、どのような理由でこの事業に変更になったということでしょうか。
#37
○政府参考人(鈴木正徳君) 地域力連携拠点事業、先ほど申し上げましたように、一次相談まで行うという拠点でございました。こういう一次相談については、これは商工会議所とか商工会さんとかがまず本来行うべき事業ではないかということで、この事業は廃止をすると。ただ、やはり様々な専門家の方々の派遣も必要でございます。したがって、一次相談は商工会議所、商工会で行っていただいて、そこではなかなか解決できないような、二次相談といいますか、難しい問題につきまして、そういう問題につきまして御支援申し上げるべく、この中小企業応援センター事業を二十二年度始めさせていただいたところでございます。
#38
○磯崎仁彦君 それでは、新しく始まったその平成二十二年度の中小企業応援センター事業、これについては、その効果についてどのように御評価をされていますでしょうか。
#39
○政府参考人(鈴木正徳君) この中小企業応援センター事業でございますけれども、後方支援の拠点といたしまして、全国で八十四か所整備をいたしまして、累計でございますけれども、約十五万件を超える相談支援を行ったところでございます。
#40
○磯崎仁彦君 さらに、これはまだ続きまして、この中小企業応援センター事業は平成二十二年度にスタートしたわけでございますけれども、この平成二十二年度の十一月、これまた事業仕分で事業自体が廃止になっております。そういった意味では、地域力連携拠点、これが事業仕分で予算見送りになったと。それに代わるものとして、中小企業応援センター事業が始まったと。これもその期の途中で事業仕分に遭って事業廃止となったと。そして、その次にまた出てきたのが、翌平成二十三年度からは中小企業支援ネットワーク強化事業、こういうもので始まって、これは今年度まで続いているといったような状況でございます。
 確かに、予算の規模から見れば、またその内容からしても、例えば一次相談を除いてという、いろんな変更はあるんでしょうけれども、基本的には中小・小規模企業の経営支援をしていく、あるいはワンストップでという、そういった基本的なところというのは理念は変わってないんじゃないだろうかなというふうに私は見えるわけでございます。
 そういった意味では、事業仕分の中で、本来やはり中小企業庁としては、こういったものは必要なんだということで、予算が見送りになってもやはり違った形で出てくる、あるいは事業廃止になってもまた違った形で出てくるということで、基本的にやっぱりこういう形のものは必要なんだということで継続に、継続といいますか、形は違っているというふうにおっしゃいましたけれども、出てきているんだろうなというふうに思っております。
 私は、そういった意味では、政策というものは、確かに大きな変革をするときにはスクラップ・アンド・ビルドということで、何かを壊してしまって新たに新しいものをつくり上げていく、こういった政策を全く転換するといったようなやり方も確かに必要な場合もあるんだろうと。ただ、やはりこれまでずっと積み上げてきた、あるいは、そういったものの効果があったところについてはそれを維持をして、何が問題点なのかということをその制度の仕組みの中でいいものに変えていく、そういった考え方が私は政策の継続性ということで必要なんじゃないだろうかと。
 例えば、予算をもう付けませんということでやめてしまう、あるいは事業廃止ということでやめてしまう。ただ、結果的に似たような形で、これはまさによく言われる、看板替えとかゾンビのようにというふうに言われますけれども、そういった形で違った形で出てくるというのは、やっぱり私は基本的にはそういった形の中小企業、小規模企業の支援というのは必要なんだということで、形を変え名前を変えて出てきているんだろうというふうに思うわけでございます。
 そういった意味では、事業仕分そのものの私は考え方というのは全く否定するわけではありませんけれども、例えば地域力拠点事業から応援センター事業、さらには地域支援ネットワーク強化事業、こういったその流れというものについて、その中に一つ一つ事業仕分が入っているということで、結果的には今違った形で今年度も続いている、こういったその流れについて、枝野大臣、どのようにお考えでございましょうか。
#41
○国務大臣(枝野幸男君) 事業仕分、それから最近はそれを内製化するということで行政事業レビューを、それを進めているわけでありますが、これらは主に、といってもほとんど全部と言っていいと思うんですけれども、それぞれの政策目的の重要性について評価をしているものではありません。それぞれやはり政策目的そのものは重要であるという、その前提はすぐにクリアされた上で、その政策目的を実現する上の手段として最も効果的な税金の使われ方がなされているかということが主に評価をされているものでございます。
 これは、途中までは仕分ける側で、途中からは経産大臣の立場なので、非常に複雑な表現になるのかもしれませんが、率直に申し上げて、二十一年度までの地域力連携拠点、目的非常にいいんだけれども、いわゆる拠点をつくるというやり方でいいのかという非常に強い問題意識が出されて、私は、そのまさに流れの中で二十三年度のネットワーク強化事業へと進化をしたと。さらには今回の法案で、さらにこのネットワークという形で、いかにそれぞれに必要に応じた相談に対応できる形をつくっていくかということで、最初の仕分の、何というんでしょう、成果を踏まえた対応が順次つくられてきていると思っております。
 あえて申し上げると、その二十二年度の応援センターという事業が、これは、今から結果論として申し上げれば、最初の仕分から次の年度までの時間が短いということの中で、看板の掛け替えにすぎないのではないか。つまり、拠点というやり方からネットワークというやり方への転換が十分ではなかったという評価を仕分としてはせざるを得なかったということでありますが、その結果としてまさに看板はころころ替わっているという構造になって、そういった意味では若干の混乱をお与えをしているとすれば大変申し訳なく思うんですが、最初の仕分からその大きな流れの中で着実にその仕分の評価を踏まえた内容的な手法としての改善が図られているし、更にこれを改善をしていきたいというふうに思っております。
#42
○磯崎仁彦君 そういった意味では、大臣言われたように、目的は確かなんだという、そういう意味で、いいものにつくり変えていくという観点を是非ともこれからも持っていっていただければというふうに思っております。
 それではちょっと質問の方向を変えたいと思いますけれども、中小・小規模企業といっても、先ほど大臣も言われましたように、やっぱりいろんな企業があるんだろうというふうに思っております。例えば、非常に生産性も高くて今でももうどんどん活力を持っていると、そしてグローバル化を目指しているというそういう企業もあるだろうし、ただ、対極的には資金繰りに困ってなかなかやっぱり今ですら青息吐息という、そういういろんな企業群というのがこの中小・小規模企業の中にはあるんだろうというふうに思っております。そういった意味では、これらの企業でその求める政策というのは当然のことながら変わってくるだろうというふうに思っております。
 それで、今回の中小企業の経営力強化支援法については、海外展開に伴う資金調達の支援というのも含まれておりまして、この中では例えば保証とか保険とかそういったものを手当てをすることによって資金調達の円滑を図っていくというものがありますので、これはまさに、海外に出ていきたいけれども資金の手当てがなかなかできないと、そういった企業に対しては非常に効果的な法律になるんだろうというふうに思っております。
 その中小・小規模企業の中にも、優れた技術力を持っている企業はあると。これ東京大学の、ちょっと長いんですが、新領域創成科学研究科国際協力学専攻の戸堂康之先生、教授ですね、この方が、日本の企業の中で生産性が高いんだけれどもなかなかグローバル化をしていない中小企業をいわゆる臥龍企業という呼び方をされております。この臥龍企業がグローバル化をしていくためにはいろんな政策が必要なんだと、政策を与えることによってグローバル化が進んでいくんだということを言われております。
 その政策の中身としては、例えば、情報の支援であったり、金融の支援であったり、ネットワークの支援であったり、リスクの支援であったり、いろんな支援があるわけですけれども、まさに先ほどの保険あるいは保証という観点では、金融支援、リスク支援というものを今回手当てをしたということになるんだろうと思います。
 ただ、このような臥龍企業、中小・小規模企業が海外の市場に出ていくといった場合には、やっぱり何かトリガー、契機がないとなかなかやはり海外に出ていくということは難しいんだろうというふうに思っております。そういった意味では、戸堂先生が話をされておった中で、やはり一つ、展示会へ出品をするということによって、例えば中小・小規模企業が自分たちの技術力というものを展示会で出品をしたと、そうしたところ、例えば海外のバイヤーが来ていてそこで商談が成立をして海外へ輸出をするということの契機になったという、そういう話が一つとして出ておりました。そういった意味では、何かのトリガーの一つとしてそういう展示会といったようなもの、それが一つやはり大きな要素としてあるんではないだろうかというふうに思っております。
 そういった意味では、いろいろ見る中で、今の日本の中で一番広い展示会場というのは、これはもうよく言われておりますけれども、東京ビッグサイト、これは八万平米あるそうでございます。私も行きましたけれども、非常に広いなという印象を受けましたけれども、海外ではこれはまだまだ狭いということで、例えば広州に行けば三十三・八万平方メートル、日本のこのビッグサイトの四倍あるとか、上海にもある、重慶にもある、バンコク、ソウル、シンガポールにも十万平米を超えるようなそういった国際展示場があるという話でございます。
 そういった意味では、例えば非常に大規模な展示会をやろうと思えば、そもそも日本の場合には八万平米を超えるような展示の広さが要るようなそういった展示会はそもそも開けないということで、土俵にのる前に海外の展示場に取られてしまうという現実がある中で、いろんなところの話を聞きますと、こういう大規模な展示場、これをやはり日本にも持つことによって、単に展示場というものは展示をするということにとどまらずに、今はまさにそこで商談が成立をするという非常に大きな場にもなっているわけでございますので、是非ともこういうことについて、まあいろんなところからお話は聞かれているかと思いますけれども、前向きに考えていただきたいというふうに思いますけれども、いかがでございましょうか。
#43
○大臣政務官(北神圭朗君) 委員おっしゃるように、いろんな多様な中小企業がある中で、優れた国際競争性のある技術力を持った企業がどんどん海外に展開することは極めて重要だというふうに考えておりまして、経済産業省としては中小企業の海外展開支援ということで取り組んでいるところでございます。
 これをするに当たって、やはりいろんな要素があると。情報収集も大事だし、情報を発信することも大事、あるいはマーケティングも大事、人材の育成というものも大事だと。おっしゃったように資金調達も大事だと。いろんな要素がある中で、おっしゃった展示というのは、まさに情報を収集するとかあるいはマーケティングをするものとして極めて重要だというふうに考えています。
 ただ、これ、先生御案内のとおり、大体全国の日本の展示会の施設というものは、地方自治体とかあるいは地方自治体が出資をしている法人が大体整備管理主体になっているところで、おっしゃるような大規模なものを造るに当たっては、当然、収支の採算性とか、あるいは稼働率とか費用対効果とか、こういったものを踏まえて判断されるものだというふうに思っています。
 国としてじゃ何もしないのかというと、そういうことじゃなくて、先ほど申し上げたように極めて重要だというふうに思っていますので、これはジェトロとかを通じて、おっしゃった出展企業を誘致するとか、あるいは海外のバイヤーを来場を誘致するとか、こういったことに取り組んでおります。こういったことを通じて出展の活性化につなげて、中小企業の海外展開の支援をこれからも更に進めてまいりたいというふうに思っています。
#44
○磯崎仁彦君 ありがとうございました。是非積極的に進めていっていただければというふうに思っております。
 ちょっと時間の関係もありますので、中小企業経営力強化支援法案について何点か確認をさせていただきたい点がありますので、それでもし時間があればもう一つの質問をさせていただきたいということで、ちょっと通告の順序を変えさせていただきたいと思います。
 中小企業経営力強化支援法案につきましては、先ほど来、商工会、商工会議所の役割ということもありましたけれども、現実、その商工会、商工会議所が小規模事業者等々の経営支援を現実にやっているというところがございます。そういった意味では、今回は認定を受けるという、認定を受けて革新的な経営等支援機関になるということでございますけれども、この一つ確認としましては、現在やっている商工会、商工会議所、この今の経営支援の役割というのは、これは新たに認定を受けることなく従来の業務はできるというふうに認識をしておりますけれども、それで間違いありませんでしょうか。
#45
○大臣政務官(北神圭朗君) 委員のおっしゃるとおり、商工会、商工会議所の今まで行ってきている支援業務については何ら変更なくそのまま続けていただくと。認定受ける必要ございません。
#46
○磯崎仁彦君 これはちょっと通告には入っていないですけれども、その更として、商工会、商工会議所が認定を受けずに従来これまでやってきた業務はできると、もしその認定を受けた場合にはどのようなメリットがあるのかということについてお伺いをしたいと思いますが。
#47
○政府参考人(鈴木正徳君) 認定を受けていただきますと、私ども、その認定を受けられた機関が様々な支援業務を行うときに必要な専門家が、ああ、こういう専門家が必要だというときには、中小企業基盤機構から専門家を集中して派遣をすることにしております。したがいまして、そのような中小企業基盤整備機構からの専門家の派遣とか、そういうところにつきまして支援策を用意させていただいているところでございます。
#48
○磯崎仁彦君 あともう一つ、この信用保証協会等々の保証の問題というのはいかがでございましょうか。これは特に認定を受ける受けないというのは関係ないんでしょうか。
#49
○政府参考人(鈴木正徳君) 原則関係ございませんけれども、例えばNPOとかそのような法人が認定を受けますと、今は信用保証の対象になっておりませんけれども、そのようなNPOが認定を受ければこの信用保証の対象にさせていただきたいと考えているところでございます。
#50
○磯崎仁彦君 ありがとうございました。
 もう一つ、今回、金融機関なども認定を受けて支援機関になるということも想定されているわけでございますけれども、この金融機関の場合には、当然のことながら営利企業でございますので、やはり営利企業といいますと金融機関等の都合で例えば支援を受けたい支援の相手というものを選別するというふうなことがありはしないかと。その場合には、本当にその支援を受けたい中小・小規模企業、そちらの立場に立った支援が行われないんではないかというふうな危惧があるわけでございますけれども、その点については何か方策を講じられていますでしょうか。
#51
○政府参考人(鈴木正徳君) 私ども、そのような金融機関が認定を受けられた後、えり好みをするというふうなことがございますと、今回の改正法の三十八条に基づきまして報告徴収をまず掛けさせていただきます。その報告徴収に基づきまして、必要な場合には改善命令、最終的にはそれでもやっていただけなければ認定の取消しで、これも公表したいと考えております。
 ただ、私ども、非常にこれ重要なのは、そのような金融機関がえり好みをやっているような事態が生じているかどうか、しっかりとそのような実情を把握することが必要と考えておりまして、そういう意味におきまして、日々中小企業の方々と接していらっしゃいます税理士の方々、商工会の方々、その方々との意見交換をもっと密にさせていただきたいと考えているところでございます。
#52
○磯崎仁彦君 是非、中小・小規模企業の立場に立って円滑にというか、行われるようにお願いをしたいというふうに思います。
 この関連では最後の質問になりますけれども、商工会、商工会議所も非常に大きな役割を今でも担っているわけでございますけれども、やはり中小・小規模企業に対しての効果的な支援を行っていくためには、この商工会あるいは商工会議所、さらには今回認定を受ける経営革新等の支援機関、これが当然のことながらきちんと連携を取りながら進めていくことが有効な支援を行っていくために必要だと思いますけれども、そのための仕組みづくりというのは何かございますでしょうか。
#53
○政府参考人(鈴木正徳君) 先ほどから委員から御指摘ございますように、商工会議所、商工会、その商工会そのものが認定を受けられてこのような業務を行われる場合もあろうかと思っております。私ども、それに加えまして、商工会、商工会議所に期待しておりますのは、一つには、そのような認定支援機関と小さい企業の方々との橋渡し役といいますか、結び付きの役割、こういう役割を期待しているところでございます。それからもう一つは、今し方申し上げましたように、認定をいたしました機関がしっかりと中小企業の支援を行っていただいているかどうか、そのような生の声を是非集めたいと思っておりまして、そのようなネットワークづくりを今考えているところでございます。
#54
○磯崎仁彦君 ありがとうございました。
 この法案につきましての確認は以上でございます。
 最後に、これは前回、恐らく四月の十九日のときに松委員からも質問があったところかと思いますけれども、今、中小企業円滑化法、これが再々延長になって来年の三月三十一日までの延長ということになっておりますけれども、最近の五月の二十二日付けの日経新聞にこのような記事が出ております。見出しが「不良債権化の恐れ 地銀に二十六兆円」、中小の再生支援を急ぐという、そういう見出しでございます。
 ちょっと該当部分を読みますと、政府や地方銀行は、不良債権化の懸念がある中小企業の再生支援を急ぐ。中小企業金融円滑化法では、企業の資金繰りを支援するために財務などに懸念のある場合でも正常債権に区分できるが、同法が来年三月に終了するためだ。こうした不良債権予備軍は二〇一二年三月期に地銀全体で二十六兆円に上る。事業再生ファンドの設立や支援人材を増やすことで不良債権になるのを防ぐという、こういう記事でございますけれども。
 やはり今、金融円滑化支援、中小企業円滑化法ですけれども、これが来年の三月まで延長されたということで、その単に延長ということだけではなくて、やはりその間にきちんと再生をするということをやらなければ、中小企業もその法律がなくなった途端に非常に厳しい状況に置かれる、あるいはそれを、資金を貸している、特に地銀が大きいかと思いますけれども、その地銀の経営にも非常に大きな影響を与えるという状況を懸念してこの中小企業の再生支援を急ぐという、こういう記事が出ているんだと思いますけれども、枝野大臣、この記事の内容等々についてどのような御認識をお持ちでございましょうか。
#55
○国務大臣(枝野幸男君) 当該記事の不良債権予備軍が二十六兆円という数字等については、その根拠を報道を通じてしか承知をしておりませんので直接のコメントは避けたいと思いますが、ただ、金融円滑化法の下で条件変更が行われた中小企業が相当数に上る、これは間違いございません。したがって、法の終了を見据えて中小企業の再生支援を強化していかないと、御指摘のような懸念があることは私ども認識をしているところでございます。
 このため、古川経済財政担当大臣、それから自見金融担当大臣と、そして私とで、中小企業金融円滑化法の最終延長を踏まえた経営支援のための政策パッケージを策定をしたところでございまして、これら府省ともしっかりと連携をしたいわゆる出口戦略をしっかりと進めてまいりたいと思っております。
#56
○磯崎仁彦君 それでは、この出口戦略について、非常に重要だと思いますけれども、是非ともきちんと実行していただくことをお願いをしまして、私の質問を終わりたいと思います。
 ありがとうございました。
#57
○荒井広幸君 御苦労さまでございます。
 最初に長官に、通告していないんですが、ちょっと頭の整理のためにお聞きしたいんですけれども、いわゆる内需が減退する中での中小企業が海外展開を行う場合に支援をしていくと。その場合の裏保証といいますか、これをすると、こういうことでございますけれども、そうすると、これはいわゆる国内では雇用を含めた高コストになっているので、海外で雇用を求めたいという意味の企業と、積極的に、先ほどグローバル化ということがありましたけれども、マーケットとして有望な海外において展開をしていくんだ、マーケットを見ているんだということでいうと、そこには縛りがあるということですか。違いがあるということですか。区別がある。どういうことでしょう。
#58
○政府参考人(鈴木正徳君) やはり中小企業の方に、国内での高コストということで海外に行かれたいという方もいらっしゃいます。
 ただ、私ども、タイの洪水等の例を見ますと、やはり国内に一定の生産基盤を持つとか国内に本社機能を持つ、また国内に研究開発機能を持つ、その上で海外の、今先生がおっしゃいましたマーケットを取りに行く、そういう企業でございませんと、この前のタイの洪水でもうかなりの頻度で倒産をしております。
 私ども、国内に一定の基盤を持っていただいて、かつ海外のマーケットも取る、かつまたコスト的にも安く上げられるようにする、そのようなうまいパッケージをつくられた企業、そういう企業を是非御支援を申し上げたいというふうに考えているところでございます。
#59
○荒井広幸君 非常にそのところ、重要なのは、一方で国内の空洞化対策をしながら、空洞化といった場合は、もちろん人、技術、経営というのもあります。人といった場合には特に雇用というのがあるわけですけれども、相反する施策ということになりかねないんですよね。その辺の目利きといいますか、区別というのは最初にありきなんですか、そこは。
#60
○政府参考人(鈴木正徳君) 今私が申し上げたような形で外に出ていらっしゃる企業でございますけれども、概しまして海外投資をして数年たちますと国内の雇用も増えているというのが実績でございます。統計的にも、私ども今年の中小企業白書で分析をさせていただきましたけれども、当初の一、二年は確かに国内の雇用は減りますけれども、三年、四年たちますと国内の雇用も増えていく。それは、当然のことながら、海外の需要を取っていきますので、それに伴う基幹部品を国内から出す。また、サービス業ですと、日本で研修を行うために今度は研修するための組織が必要になって増えていくということでございます。
 これについては、当初もしっかりとした計画をみんなで考えていく必要はございますけれども、やはりこれは計画ですから途中段階で何度も修正していく必要があろうかと思っています。そこは柔軟に対応することがまさしく大事かなというふうに考えております。
#61
○荒井広幸君 となると、いわゆる生産拠点、製造業でいえば生産拠点を日本にしっかり引き続き持っていること、これは条件になると、こういうことでよろしいですね。
#62
○政府参考人(鈴木正徳君) 今と同じ規模でなくても、やはりそういう生産をする拠点、また企業によっては生産については全部委託をしているところがございますので、そういう企業については、例えば研究開発の拠点とかそういう、本社機能と呼んだ方がいいのでしょうか、重要な基幹的な部分については日本に残していただくということを考えております。
#63
○荒井広幸君 そういう区別は一つ分かりました。
 その上で質問でございますけれども、質問というか通告に入りますが、先日のこの委員会でいわゆる支援法ということが通過をしているわけでございますけれども、海外に必要な資金的支援をもらう前提として、各事業計画の認定、承認を受ける必要がある、そのとき先ほどのような前提的な条件はあるということですが、経営革新等支援機関の支援を受けながら認定を受けるべく事業計画を作っていくということになるわけですけれども。
 さて、世界的にも、例えば次々と災害が発生していますね。それからテロみたいなことで国内の政局が非常に変わるというのもありますし、それから度々金融危機というのは各国で起きているんですね。こういうものを見ると、非常に不安定要素というのは常態化しているというふうに私は思っているわけですけれども、そういうものも見ながら海外での展開をきちんと位置付けるということも、その分野を取ってもなかなか根っこからいったら分からないなと、日本にいても分からないと言われるかもしれませんけれども、そういうことがあると。
 しかし、そういうものも加えつつ、どれぐらいそうした我が国の優秀なソフト、ハードの商品が売れるか、利用していただけるかというのは未知数なところがやっぱりあると思うんです。そうすると、余り厳密に計画を立てろといっても立て切れない、こういう状況が出てくるのではないかと今までも見て懸念をしているわけでございます。
 そこで、柔軟に認定、認証をする、その幅をかなり持っていただく必要があると思うんですが、いかがでしょうか。
#64
○政府参考人(鈴木正徳君) まさしく委員今御指摘のとおり、柔軟といいますか、やはりもう時々刻々情勢は変わりますもので、それに合わせまして、私どもも今持っている情報はもう一〇〇%反映をしながら、そうかといってもやはり様々な意味での不確定な要因がございます。
 したがいまして、そういう不確定な要因も考えながら、そこは委員御指摘のとおり、柔軟にこの施行を進めていくということかと考えております。
#65
○荒井広幸君 では、その場合の一つの柱になりますいわゆる政策金融公庫の存在でございます。
 これまで中小企業事業、国民生活事業、農林水産事業まで幅広い分野において融資等を行ってきたのがこの株式会社日本政策金融公庫です。これを思い出しますと、小泉さんの改革のときは官から民へと、こういうことでございまして、いわゆる国民生活金融公庫、農林漁業金融公庫、中小企業金融公庫、国際協力銀行、その部分の国際金融業務ですけれども、これらの統合ということが非常に公庫の在り方ということで、二十年辺りには非常に議論されたわけです。
 最終的にはやっぱり民業を補完しながら残しておくということになって現在このように欠かせないものになってきているというふうに私は理解しているんですけれども、大臣にお尋ねしたいと思いますけれども、政府としてこれまでの公庫の実績や今後の役割の在り方、これはどのように認識されているんでしょうか。
#66
○国務大臣(枝野幸男君) 金融の分野においても、民間でできることは民間でやっていただくということが原則ではありますが、その一方で、特に大きな経済の変動であるとか、それから災害などに対応するというようなケースに象徴されるように、民間だけでは金融の業務を全て賄えるかというと、現実には賄えていない、あるいは賄えないという構造だと思っております。
 例えば、日本政策金融公庫においては、リーマン・ショック後のセーフティーネット貸付けで、二年半で六十二万件余り、十兆円の貸付けを実施しましたが、これによってリーマン・ショックによる中小企業の経営状況の急激な悪化を下支えをすることができたと思っておりますし、昨年の東日本大震災においても、緊急貸付けで二十三年度だけで十六万件、二・七兆円の貸付けを実施をしております。これも、被災を受けた地域金融機関、金融機関自体も被災を受けておりますので、なかなか民だけで支え切れないという世界でございます。
 もちろん、こうした経済の激変や大災害だけでありませんが、こうした官でなければできない部分というものについては、しっかりと公庫が役割を果たしていくということが今後も重要だと思っております。
#67
○荒井広幸君 大臣がおっしゃるように、構造的にやはり公庫の存在がないと、中小企業の実態、これを発展させていくということはできないというのは全く私は同感です。
 例えば、リーマン時のお話がありましたけれども、現在、公庫が中小企業に融資している、信用保証を含めてですね、こういったことをやっているのは百六十万社、四割に当たると。こういうことを考えますと、大臣の御見解、全く同感なんです。やはり、長期に対する資金ニーズ、それから信用保証協会が行う債務保証について保険を行う、こういった業務というのは、やはり日本の物づくりを根底から支えるものとして、改めて大臣と同じように評価をしたいと、このように思っております。
 そこで、海外に展開する場合、融資もしておりましたけれども、今回は債務保証をするということになりました。現地の海外金融機関から借りる場合、その借りる場合の条件として、国内で先ほどのような一つの計画の認定、認証と、こういうことが出てくるわけでございます。こういったことで、新たな拡大ということになります。これにも期待をしたいと、こういうことです。
 それから、忘れてならないのは、東日本大震災復興特別貸付けということで、直接、間接に非常に被災県に支援をしてもらっているということは忘れてはならないことなんです。そこで、事業者再生支援機構、つまり二重ローンを持っている、二重リースをしょっている、そういうものに対して、中小企業に対して、これは農業とか文教関係も対象になるんですけれども、今回は経済産業委員会ですから中小企業ということに絞らせていただきますけれども、この二重ローンの法案というものが既に通っておるんですが、大臣には最後に御感想をお尋ねいたしますが、この担当の部局が来ていただいていると思います。
 いわゆる議員立法で全党を挙げて作っていただきました株式会社東日本大震災事業者再生支援機構法、これについて幾つかお尋ねいたします。時間があと三分ほどになってまいりましたので、質問三つぐらいまとめますので、三つ答えていただきたいと思います。
 まず、発足して三か月になりましたが、この議員立法による支援機構の相談受付件数、それから債権買取り決定件数、話が決まったと、こういうものですね、これの実績としてお尋ねいたします。
 二つ目は、相談件数と比べてかなり、実質的に債権買取りということになかなか進まないという現状があると聞いていますので、総じてどうして相談件数が多いのに話がまとまっていないのかと、こういったところの問題認識をお尋ねしたいと思います。
#68
○政府参考人(大森泰人君) お答えいたします。
 設立以来、先週末までに支援機構に御相談いただいた件数が三百四十五件でございます。支援の決定、まだ一件にとどまっておりますが、現在、相当の案件が最終調整段階にあり、近々着実に実績をお示しできるようになると考えております。
 事業者の中には、前提となる地域の復興計画の具体化、あるいは地盤のかさ上げを待っているので、まだ現在は新たに借り入れる段階にないという方も相当数おられます。また、借入れを希望する事業者の場合も、どうすれば再生できるか、計画を作り、個別の金融機関と調整するには一定の期間は必要でございます。
 支援機構としましては、支援決定までの時間を短縮すべく手続の合理化に取り組んでおりまして、復興庁としても機構と連携して早期支援に取り組んでまいりたいと考えております。
#69
○荒井広幸君 大変心を砕いて、議員立法の精神として大勢の方に地元で復活してもらおうじゃないかということで、人間性の回復を含めて雇用の場をつくるということで頑張っていただいていることはよく分かるんですが、もう一歩、政府系金融機関から借りているところが相談件数で圧倒的に多いと思うんですね。この割合がどれぐらい、もしあるとすればどれぐらいか。
 そして、やはりこの部分は買取機構が、どっちがしょうかというのは難しい問題ですね、どちらも政府系ですからね。この辺、いずれにしても早くまとめてもらいたいんですよ。そうしないと、みんな気持ち萎えちゃうんです。そういうことで、もう一歩、この買取り価格のやり取り、特に政府系金融機関が持っている負債と、買取機構、これ政府ですから、株式会社と言っても、どっちで取ったって負債は同じことになるんで、実態としてはもう多いわけですから、政府系から借りているところが圧倒的なんですよ、相談件数では。早く決めていただけませんか。
#70
○政府参考人(大森泰人君) メーンの借入れが政府系というのは全体の一割程度と聞いておりますけれども、何らかの形で政府系の借入れがある事業者が四社に三社ぐらい、大変大きな割合を占めております。先生御案内のとおり、支援機構においては最長十五年の支援を前提にした買取り価格の算定が可能になっておりまして、これまでのところ、政府系金融機関と価格の調整に時間が掛かるとか、あるいは価格が折り合わないといった状態にはないと聞いております。
 支援機構が事業者と政府系を含む金融機関のパートナーとして再生に向けた計画をしっかり作っていくということが何より重要と認識しておりまして、復興庁としても機構と連携して取り組んでまいりたいと考えております。
#71
○荒井広幸君 時間がなくなりましたので、大臣の方は割愛させていただきます。
#72
○委員長(前川清成君) 本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
   午後三時七分散会
ソース: 国立国会図書館
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