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2012/07/26 第180回国会 参議院 参議院会議録情報 第180回国会 経済産業委員会 第10号
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2012/07/26 第180回国会 参議院

参議院会議録情報 第180回国会 経済産業委員会 第10号

#1
第180回国会 経済産業委員会 第10号
平成二十四年七月二十六日(木曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 六月十九日
    辞任         補欠選任
     安井美沙子君     大塚 耕平君
     青木 一彦君     牧野たかお君
     磯崎 仁彦君     小坂 憲次君
 六月二十日
    辞任         補欠選任
     大塚 耕平君     一川 保夫君
     小坂 憲次君     磯崎 仁彦君
 六月二十一日
    辞任         補欠選任
     一川 保夫君     安井美沙子君
 七月二十五日
    辞任         補欠選任
     高橋 千秋君     武内 則男君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         前川 清成君
    理 事
                轟木 利治君
                安井美沙子君
                関口 昌一君
                牧野たかお君
                姫井由美子君
    委 員
                武内 則男君
                直嶋 正行君
                藤原 正司君
                増子 輝彦君
                柳澤 光美君
                磯崎 仁彦君
                岩城 光英君
                末松 信介君
                二之湯 智君
                松山 政司君
                脇  雅史君
                松 あきら君
                松田 公太君
                浜田 和幸君
                荒井 広幸君
   国務大臣
       経済産業大臣   枝野 幸男君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        山田  宏君
   政府参考人
       内閣官房原子力
       安全規制組織等
       改革準備室副室
       長        櫻田 道夫君
       経済産業省通商
       政策局長     佐々木伸彦君
       経済産業省貿易
       経済協力局長   厚木  進君
       環境省総合環境
       政策局環境保健
       部長       佐藤 敏信君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○理事補欠選任の件
○政府参考人の出席要求に関する件
○特定多国籍企業による研究開発事業等の促進に
 関する特別措置法案(第百七十七回国会内閣提
 出、第百八十回国会衆議院送付)
    ─────────────
#2
○委員長(前川清成君) ただいまから経済産業委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日までに、青木一彦君及び高橋千秋君が委員を辞任され、その補欠として牧野たかお君及び武内則男君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(前川清成君) 理事の補欠選任についてお諮りいたします。
 委員の異動に伴い現在理事が二名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。
 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(前川清成君) 御異議ないと認めます。
 それでは、理事に安井美沙子君及び牧野たかお君を指名いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(前川清成君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りをいたします。
 特定多国籍企業による研究開発事業等の促進に関する特別措置法案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、内閣官房原子力安全規制組織等改革準備室副室長櫻田道夫君外三名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○委員長(前川清成君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#7
○委員長(前川清成君) 特定多国籍企業による研究開発事業等の促進に関する特別措置法案を議題といたします。
 本案の趣旨説明は既に聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#8
○轟木利治君 おはようございます。民主党の轟木でございます。
 今回の法案について質問をさせていただきます。
 まず、産業空洞化防止について大臣にお聞きをしたいと思います。
 外国企業を海外から誘致するのも大事でありますが、そもそも日本企業の海外展開が進み空洞化が懸念されているときに海外から企業が入ってくることは考えにくいわけであり、円高等の厳しい経済情勢下にあって日本経済の活力を維持し国民の生活を守っていくためには、まず国内産業の空洞化を防止すべく、日本企業にとって魅力的な国内の事業環境をつくり出すことが重要ではないかと思います。
 そこで、まずは国内経済の活性化に向け、日本企業の企業環境の改善等に取り組むべきと考えますが、経済産業省の具体的な取組をお伺いいたします。
#9
○国務大臣(枝野幸男君) 御指摘のとおり、産業空洞化を防止をし、国内経済を活性化するためには、海外の企業と対等に競争できる国内立地環境の整備が重要であると考えております。そのために、三年後からの法人実効税率五%の引下げ、平成二十三年度補正予算による国内立地補助事業などを実施をしているところでございます。
 また、デフレから脱却し、価格でなく価値で勝負する価値創造経済を実現して内外の需要を取り込むことが重要であると考え、具体的には、ヘルスケア、子育てや新たなエネルギー産業など課題解決型産業の創出を通じた内需の掘り起こしや、主要貿易国との高いレベルの経済連携の推進、インフラ輸出、クール・ジャパンの推進などによる海外市場の開拓などに取り組んでいるところでございます。
#10
○轟木利治君 ありがとうございます。
 今御説明いただきました中で若干現在問題も生じているところもあるわけですが、実は企業立地補助金が、全国とそして特に福島と分けて、特に福島の方が、予定よりも大変多くの募集もあったということで、その対応についていろいろ内部でも議論されていると思うんですけれども、ちょっと通告はしてないんですが、直近の情報で、企業立地補助金の福島の関係で原発の中間貯蔵辺りのところが今朝の新聞で若干載っているんですが、そこについてコメントができればお願いを申し上げ、ちょっと唐突で申し訳ないんですが、中間貯蔵の設備にも立地補助金が使われるんではないかというのが今日の福島の地方版でのニュースで流れたんですが、もし何かコメントができればお願い申し上げたいと思います。
#11
○国務大臣(枝野幸男君) 立地補助金は、全国を対象にしたいわゆる国内立地推進事業費の補助金と、それから震災対応の被災地を中心とした立地補助金ございます。
 いずれについても、現在、申請に対する審査のプロセスを県中心に行っておりますが、今御指摘いただいたような中間貯蔵と何かリンクさせるような形での申請あるいは審査が行われているという話は、少なくとも私は承知をしておりません。それぞれ民間の皆さんが制度を見て、希望されて手を挙げて、なおかつ比較的早期にそれを使って立地を進めていただくということでございますので、今審査されている案件の中にそうしたもの、もちろん一件一件全部見ているわけではありませんが、そうしたことがあるとは想定をしておりません。
#12
○轟木利治君 ありがとうございます。
 法人税の引下げもこれから大変期待をされておりますし、立地補助金も効果としては六倍の、五千億の総額の予算でございますので、その六倍で三兆円ぐらいの経済効果ということで、国内の設備なんかの機械受注が増えるんではないかと、こういった期待もありますので、是非よろしくお願い申し上げたいと思います。
 じゃ、次に入らせていただきます。法人実効税率の引下げについて、これも大臣にお伺いをしたいと思います。
 海外から日本の投資環境を見た場合、国際的に見て高過ぎる法人実効税率はそれだけで外国企業にマイナスのイメージを発していることとなります。これでは他にどんなに支援措置を用意しても、進出としての検討の対象にさえしてもらえず、門前払いにされるのではないか。また、高過ぎる法人実効税率は、日本の企業が国際競争力をする上でも大きなハンディとなっていると言わざるを得ません。
 そこで、近隣のアジア諸国との競争に打ち勝ち、また国内企業を活性化させるためにも、法人実効税率の更なる引下げが必要と考えますが、経済産業省としてどうお考えになっているか、お伺いいたします。
#13
○国務大臣(枝野幸男君) どこの国に立地をするかということの判断は総合的になされるものでありますので、必ずしも法人税率だけではないとは思いますが、一方で、その総合判断をする上での一つの大きなファクターであることも間違いないというふうに思っております。
 したがって、国内企業の国際競争力強化と外国企業の立地を促進し、雇用と国内投資を拡大する観点から、先般、法人実効税率の五%引下げが盛り込まれた法律を成立させていただきました。復興特別法人税課税期間終了後、平成二十七年度以降において実効税率の五%引下げが実現することとなります。
 同時に、社会保障・税一体改革大綱では、その後も引き続き、雇用と国内投資拡大の観点から、今般の税率引下げの効果や主要国との競争上の諸条件等を検証しつつ、新成長戦略も踏まえ、法人課税の在り方について検討をしてまいりたいと考えております。
#14
○轟木利治君 是非しっかり御検討いただきたいと思います。
 じゃ、次に入らせていただきます。本法案の支援措置についてお伺いをいたします。
 本法案により認定された外国企業の法人税負担が法人実効税率にして約七%程度減免されるとのことですが、それでも依然としてシンガポールや韓国等、他のアジア諸国より高い水準にあります。加えて、アジア諸国は、より強力なインセンティブを活用し、外国企業を積極的に誘致しております。本法案による減税措置だけで外国企業が日本に来るとはとても思えません。
 六月に政府ではアジア拠点化・対日投資促進プログラムのフォローアップを行い、外国企業誘致の支援策の見直しを行ったと聞いております。そこで、本法案だけでなく、他の様々な支援策を総動員して外国企業の誘致に努めるべきと考えますが、経済産業省の御見解をお聞きいたします。
#15
○政府参考人(厚木進君) お答え申し上げます。
 法人実効税率は、グローバル企業の立地に当たりまして企業側が考慮する重要な要素の一つではございますが、グローバル企業が立地先を選定する要因は複合的でございまして、コストや事業環境等を総合的に評価し、判断を行うと考えてございます。
 このため、先生御指摘のように、グローバル企業の高付加価値拠点の立地を促進していくためには、法人税負担の軽減等の本法案による支援のみならず、立地補助金や総合特区法に基づく国際戦略総合特区における規制の特例措置、我が国が有する質の高い技術や研究開発環境といった強み等と併せまして魅力あるパッケージをグローバル企業に提示していくことが重要だと考えております。こうした観点から、先生から御指摘がございましたように、グローバル企業誘致に係る施策を総合的に取りまとめましたアジア拠点化・対日投資促進プログラムを昨年十二月に策定し、本年六月にフォローアップを行ったところでございます。
 今後は、同プログラムに基づきまして、投資を促進するためのインセンティブ措置の強化、特区制度等の活用、グローバル企業向けの事業環境、生活環境整備等に係る施策を着実に推進することにより、投資先としての我が国の魅力を高めてまいりたいというふうに考えております。
#16
○轟木利治君 多分、やらなければならないこと、先ほどの法人税も含めてこれは見えていると思います。しかし、そのスピードが実際問題であって、遅れれば遅れるほどその効果というものが発揮できない、そして近隣のアジア諸国に遅れてしまうということだと思いますので、いかにスピードを持って実施していくかと、こういった面で是非強力なリーダーシップをお願いを申し上げておきたいと思います。
 次に入らせていただきます。
 グローバル人材の育成について大臣にお聞きいたします。
 外国企業誘致のためには、支援策を整備するだけでは不十分でございます。中でも、外国企業が日本に進出する際に感じる障壁の一つとして、言語の問題が挙げられると聞いております。このような問題の対応は、日本における外国企業の事業展開やそこで働く外国人とその家族の生活の円滑化に大いに貢献するものであり、外国企業誘致のライバルであるシンガポールの最大の魅力の一つとも聞いております。この点については、日本人留学生の数の減少など、日本人が内向き志向になっているといった指摘がしばしばされるところでございます。さらに、日本がガラパゴス化してしまえば、外国企業が来なくなるだけではなくて、アジア新興国等を始めとする世界の成長を取り込めず、人口減少下にある日本は衰退していくばかりであります。
 そこで、今後の日本の成長のためには海外で活躍できるグローバル人材の育成が急務であると考えられますけれども、経済産業省の具体的な取組をお伺いを申し上げたいと思います。
#17
○国務大臣(枝野幸男君) 御指摘のとおり、やはり日本の特に国際的な経済の活躍の上では人材ということが一番重要であると思っておりますし、またその際、言葉の壁というものが大きな障害になっていると。個人的に申し上げても、私自身、この三十数年間、言葉ができないことで大変不便をしておりまして、幸い、今は経済産業省は大変優秀な通訳を付けてくれますので仕事はこなさせていただいておりますが、必ずしも皆さんがそういうことができるわけではありません。
 したがって、言葉の壁を含めてグローバルに活躍できる人材を育てていかなければならないと思っております。政府においても、グローバル人材育成推進会議を開催し、グローバル人材育成戦略を本年六月に取りまとめたところでございます。特に、若い皆さんが内向き志向とも言われている状況の中にあります。機会をとらえて海外に出やすい環境を整えていくことが重要であるというふうにこの戦略の中でもされております。
 もちろん、大学など文部科学省の関連のところでの学生さんの海外でのいろいろな経験というものは重要だというふうに思いますが、やはり社会人としてビジネスをしながらオン・ザ・ジョブ・トレーニングで言葉あるいは外国の事情、風習等をとらえていくということが大変大きな意味を持っていると思っておりまして、経済産業省としても、若手社会人あるいは場合によっては学生を開発途上国の政府系インフラ機関、現地企業などへ派遣し、現地での就労体験を通じた国際交渉力あるいはコミュニケーション能力の強化、海外への人的ネットワーク構築等の支援を取り組むことといたしております。また、産業界に対しても、目先、足下のことだけでなく、中長期をにらんでグローバルな人材をそれぞれの企業において育てる御努力を進めていただけるようお願いをしていきたいというふうに思っております。
#18
○轟木利治君 是非よろしくお願い申し上げたいと思います。今やっぱり企業に出てからだけではなくて、大学とどう連携をしていくのかというのも重要だと思いますし、私も経験した中で、やっぱりこれは少子化の影響もあろうかと思うんですが、国内の中でも自分のところで、地域で就職したいという方々が多くなっているような感じも受けますので、是非、そういった日本の企業を見ますと、一部上場を見ますと、もう営業利益でいくと海外と国内で半々ぐらいの割合になっていますので、そういったグローバルな人材を育てていかないとこれから世界の中で勝っていけないということを肌で感じておりますので、是非御指導をよろしくお願い申し上げたいと思います。
 では、最後に御質問させていただきます。情報発信について、これまた大臣にお伺いを申し上げたいと思います。
 本法案の支援対象は外国企業であるため、国内でどんなに良いことをしてもそれを積極的に海外に対して発信しなければ、せっかくの法案のメリットが絵にかいたもちとなりかねません。民間のビジネスにおいてもPR戦略が商品の売行きを大きく左右しているというのは改めて言うまでもないと思っております。特に、日本は東日本大震災の影響から誤ったイメージを持たれている可能性が大きく、これにより日本の投資をためらっている企業もあるのではないでしょうか。しかし、海外企業にとっては復興は大きなビジネスチャンスでもあるはずであります。また、海外企業が復興に貢献することで地元の雇用にも大きな貢献が期待されるはずであります。
 そこで、法案成立の暁には、あらゆる機会を通じて日本の投資環境の魅力や本法案の意義を海外に情報発信すべきと考えますが、経済産業省としての決意を、大臣としての決意をお伺いいたしたいと思います。
#19
○国務大臣(枝野幸男君) 御指摘のとおり、この法律案は成立をさせていただいても海外の企業に知って使っていただかなければ意味がありません。ジェトロや在外公館などと連携し、海外メディアを通じた情報発信など、あらゆる機会を通じてグローバル企業に向けた情報発信をしてまいりたいと思っております。特に、例えば、この法案だけでなくて、我が国の投資に対する期待、あるいは投資環境について丁寧に情報発信しなければいけないと思っております。
 御指摘いただいた東日本大震災等の影響などについても、私が今仕事をさせていただく限りにおいては、各国の政府関係者であるとか、あるいは経済界のリーダー、こうした皆さんは十分に実情、状況を認識していただいているなというふうに思うんですが、しかし、その情報が、ではそれぞれの国の国民、企業の皆さんにまで伝わっているかということになると、なかなかそれについてはまだまだ不十分ではないかというふうに言わざるを得ないと思っております。こうした震災後のビジネス環境に関する正確な情報発信を含めて、在外公館やジェトロの海外事務所を通じたこれは恒常的なPR活動と、それから海外見本市へのミッションの派遣などによる外国企業への直接的なPR等を着実に実施してまいりたいというふうに思っております。
#20
○轟木利治君 ありがとうございます。是非よろしくお願い申し上げたいと思います。特に、今までどおりでは多分難しいと思うんで、それ以上のことをどうやるかということだろうと思いますし、特にその東日本の被災された方々の御意見は今はやっぱり風評被害が一番心配なんだということを言われておりますので、それをカバーする上でも今まで以上の対応をよろしくお願いいたしまして、私の質問を終了いたします。
 ありがとうございました。
#21
○関口昌一君 自民党の関口昌一でございます。
 委員会が一か月ぶりに開催したということで、まあ与党の方もいろいろあったかと思いますが、私も委員会に来てびっくりしたのは、姫井さんがここに来ているんでどうしたんだろうと思いました。また、荒井さんがあっちに行っちゃったり。こっちの席も十分余っておりますので、また余裕を持っておいでいただければと思います。
 限られた時間でありますので質問をさせていただきますけれども、もう国際競争力の低下というのは本当に厳しいものがあるということであります。
 スイスのIMDの国際競争力ランキングによりますと、一九九〇年度初頭は、我が国は一番でありました。ところが、今年の五月三十日の発表によりますと、二十七位に落ち込んでしまったと。ほかのアジアの地域と比較すると、一位の香港、四位のシンガポール、七位の台湾と、日本が大きく後退しているというのが現状であります。
 さらに、経産省の欧米アジアの外国企業の対日投資関心度調査においても、アジア地域の統括拠点としての魅力について、二〇〇七年度の調査では日本は一番であったんですが、その二年後の二〇〇九年度の調査では四位に落ち込んでしまったと。さらに、研究開発拠点としての魅力についても、これも中国に抜かれちゃって二位になったというような現状であります。
 こうした現状について政府はどのように分析しているのか、大臣にお伺いいたします。
#22
○国務大臣(枝野幸男君) 御指摘のとおり、様々な調査において我が国の魅力が相対的に低下をしていることを示すそうした材料が多々出ているということは、率直に認め、受け止めなければならないと思っております。
 この背景には、一つには、シンガポールや韓国に代表されるように、アジア各国が海外企業誘致の支援策を大変強化をしていると。それからもう一つは、やはりアジアの新興国が経済成長をこの間急速に遂げていることで、マーケットとしての魅力あるいは例えば企業の投資環境について充実をしてきていると。こうしたことが我が国の地位を相対的に後退をさせているというふうに思っております。
 一つには、我が国の社会全体の魅力を回復をさせるということが重要でありますが、同時に、立地条件、投資環境というものをできるだけ魅力あるものにしていくということも車の両輪として大変重要であり、そうした視点も含めて、今回の法案を提出させていただいているということでございます。
#23
○関口昌一君 今大臣がおっしゃったように、いろんな要因があるかと思います。ここは、更に三・一一以降のいろんな状況も変化してきたということ、日本にとっては本当に厳しい環境に置かれているということであるかと思います。
 そして、この法律案における国内投資の最大のインセンティブは法人所得の二〇%控除であると考えられますけれども、先ほど轟木議員の方からも質問がありましたけれども、今、日本の厳しい財政状況を考えたり、またシンガポール等、韓国も含めて法人減税はもうどんどん行われていると。この法人減税の競争はなかなか日本にとって厳しいだろうという状況であるかと思います。
 そこで、大臣でなくてもいいですけれども、伺いたいんですけれども、我が国に統括拠点として、また研究開発拠点として呼び込むに当たって、グローバル企業が我が国の魅力は何が一番だと感じているのか、さらに、グローバル企業を我が国に呼び込むに、求めるについて、その事柄、事項、どんなものがあるか、国はどのように考えているのか、そのまた対応策は、一番日本に対しての魅力を感じている、その魅力に対してどのような政策を取っているのか、お伺いいたします。
#24
○国務大臣(枝野幸男君) これはちょっと直近と言えるかどうかは難しいんですが、直近では、平成二十一年に経済産業省が他のアジア諸国との比較による我が国の魅力について、外国企業、外国人がどう評価をしているのか、調査をいたしております。この際には、研究開発環境の質や能力、それから知的財産権等の法整備の充実、それからインフラ整備、外国人に適した生活環境、こうした項目については中国、インド、シンガポール、韓国、香港と比較をして日本が最も優れているという評価をいただいているところでございます。
 これらはまさに長年の蓄積によって築かれてきたものであります。したがって、急に悪くなるということはない。一方で、常に、特に研究開発の質、能力などについては、教育分野を含めて油断をすることなく優れた人材を育てていくということを進めていかなければならないというふうに考えているところでございます。
 一方で、我が国が相対的にそうした観点からの魅力ということでなかなか高い評価をいただけていない部分については、これは例えば法人税率の問題などございます。そうしたところを補う観点からの今回の法律案であると同時に、立地補助金や各種特区制度を設けることで補助金あるいは規制の緩和という観点からできるだけこの弱い部分を補うと、あるいは、グローバル企業向けの事業環境、生活環境の整備に係る施策等を展開をすることによって、我が国の魅力の部分を更に発揮をして立地を誘致をしていきたいというふうに考えているところでございます。
#25
○関口昌一君 結局、具体的にこうだということはなかなか、我々が与党であっても厳しいと思います。いろんな手段を講じていくということが大事であるかと思いますけれども、法人減税についても、やっぱりこれはシンガポールとか韓国を対象にして一緒に競争していくというのは本当に厳しいものだし、また、今消費増税の話が日本では盛り上がっているわけでありますけれども、そうした状況の中で国民世論的にはなかなか賛同も厳しいような状況もあるかと思います。
 これはとにかく、今消費税の話もしたんですけれども、消費増税の前に、とにかく景気を良くして所得を上げて、国民の皆さんが消費税を払っていただけるような環境をつくることが今一番大事であるかと思いますし、また、こうした、経産省としても、また我々も含めてそうですけれども、やっぱり企業、また外国の企業が日本に立地して、日本の収益が増えて所得が増えるような環境をつくっていかなければいけないと思っております。
 それ以上また突っ込んでの質問はいたしませんので、御安心をしていただければと思います。
 もう限られた時間でありますので、次の質問に移らせていただきますけれども、経産省の国内投資の施策としては、アジア拠点化立地推進事業費補助金が平成二十二年度から実施されております。本法律案と同じく、グローバル企業による統括拠点や研究開発拠点を呼び込むための施策であるということであります。
 これまでの二十二年度から実施している事業において採択された企業と本法律案で我が国への投資を期待する企業とはどのように異なるのか、また、求める企業像は同じで、税制と補助金等とのスキームの違いだけなのか、お伺いいたします。また、両方の制度を相乗効果が生み出すような取組がなされているのかどうか、お伺いいたします。
#26
○政府参考人(厚木進君) 立地補助金と本法律案の対象とは基本的な考え方は同じでございますけれども、補助金の場合は限られた予算ということでございますので、相対的にその経済効果等の高い案件に適用されるということでございます。
 あと、いずれにしても、補助金にしても本法案による税制にしても、これによって海外から高付加価値拠点を呼び込むということが目的でございますので、既に例えば補助金でその採択決定を受けたところについては、この本法案が成立する前にそういう当該意思決定をしているということになりますので、そういった企業については残念ながら本法案の対象にならないとかいうことはございます。
 ただ、基本的には考え方は同じでございますので、この当補助金とそれから本法案に基づく税制というものをうまく有機的に組み合わせて、この高付加価値拠点の立地促進、誘致促進に生かしていきたいというふうに考えております。
#27
○関口昌一君 二十二年度から今実施してきております補助金ありますですよね。これに対して企業側から、もっとこうしてほしいとか何かいろんな要望があったかどうか、ちょっとお教えいただければと思います。
#28
○政府参考人(厚木進君) もちろん要望という形では様々なものがあるわけですけれども、例えば二十三年度の立地補助金については十件の企業について採択させていただいております。その二十二年度分については五件を採択させていただいておりますが、例えば二十三年度で申し上げますと二十九件の申請が来ておりまして、そのうちの十件を採択したということで、やはりどうしても予算の制約がございますので、一定の件数しか採用できないということはございます。
 そういった意味では、そういった予算措置ということが更に手当てされるということが一番の要望ではないかなというふうに思っております。
#29
○関口昌一君 今、日本の環境というのは大変厳しいものがあって、二〇〇九年度の調査では、何か立地が八十二社、撤退が百六十四社というような企業のデータが出て、これはたしか衆議院で公明党の議員の先生が質問されているかと思います。
 そうした中で、この同じような補助金制度を取り扱っていくと、これはもう是非、こうした中で本法案の中に組み込むわけでありますので、両方の制度をうまく組み合わせて、いい結果が出るように取り組んでいただきたいと思います。
 次に、IMDの先ほどランキングの話をさせていただきました。基礎インフラ分野においては、前年の二十位から三十二位へと日本が更に大きく低下しております。この結果に対してはIMDのエコノミストの一人が、日本の電力インフラへの評価は福島第一原発事故を受けて急激に低下したと、また、競争力の低下に歯止めを掛けるには一刻も早く電力不足に対応する必要があるとコメントをしております。
 我が国の政府の対応不足を指摘されたような形になっておりますけど、やっぱり中長期的に安定的な電力供給なくしては企業の誘致というのは不可能であると私は思っております。この点について大臣はどのようにお考えか、また、どのように取り組んでいるのか、お伺いいたします。
#30
○国務大臣(枝野幸男君) 御指摘のとおり、電力の安定供給は、国民生活にとどまらず、企業活動にとっても不可欠なものでございます。この電力の安定供給というものが見通せなければ、なかなか海外からの投資先として日本に高い評価をいただくことは困難であるというふうに思っております。
 今、政府としては、東日本大震災による福島第一原子力発電所の事故、そして、この事故によって生じた昨年の特に事故直後の電力供給不足や計画停電等による様々な事態ということを真摯に受け止めて、将来にわたって安定的に電力供給を実現をしていくための電力システム改革を進めているところでございます。
 しっかりと、このシステム改革に当たっては、消費者、ユーザーの選択肢を広げるとか様々な目的ございますが、同時に、安定供給をしっかりと確保しつつということを前提にしながら、中長期的に世界の皆さんから信頼をいただけるシステムとしていきたいというふうに思っております。これ、中長期でございまして、大変大きな論点でございますので、若干の時間をもう少しいただかなければならないと思っております。
 一方で、足下の電力供給については、いろいろ企業そして国民の皆さんにも御協力をいただきながら、安定的な供給をしっかりと確保するよう今後も努力してまいりたいと思っております。
#31
○関口昌一君 海外の企業誘致、また日本の国内企業の生産活動を更に活発にするということは、全てにおいてやっぱり安定的な電力の供給というのが最低限の条件であるかと思います。
 それはまた原発の再稼働の問題にもつながってくるかと思うんですけど、そのことはまだここでは触れないで、次の質問に、同じような質問になってくるかと思いますけど、今、グローバル企業の誘致とか、またグローバル企業の撤退の防止策、これも大変重要であるかと思いますが、もう一つ更に大事なことは、我が国企業の着実な成長を促す政策が必要であると考えております。
 特に、我が国の製造業は、円高また高い法人税、厳し過ぎる労働規制、貿易自由化の遅れ、CO2の二五%削減、電力不足、いわゆる六重苦にあえいでいるというのが現状であります。とりわけ、先ほど話したように、電力不足というのは大変大きな問題になっておるわけでありますけど、企業においては生産拠点を一部海外へ移すような動きも見えてきております。
 このように、震災後の企業の立地行動について、政府は現状をどのように認識してどのように対応しているのか、お伺いいたします。
#32
○国務大臣(枝野幸男君) 特に、東日本大震災の後、歴史的な、そして急激な円高という要因が加わっております。様々な情報を総合すると、やはりこの急激かつ歴史的な円高という状況が我が国企業の海外への移転、いわゆる空洞化に一番大きな影響を与えているのではないだろうかというふうに見ているところでございます。
 これについては、財務省あるいは日本銀行等に適切な対応をしっかりとお願いをすると同時に、我が国の国内における消費をしっかりと喚起をしていく、隠れている需要をしっかりと掘り起こすことによって円高の進行にブレーキを掛けていかなければならないというふうに思っております。
 同時に、東日本大震災そのものによる影響としては、風評被害によって現時点でもまだ御苦労をお掛けをしている皆さんも少なからずいらっしゃいます。それから、御指摘のとおり、電力の安定供給に対する不安ということについてもマイナスの要因になっていること、これは否定できないというふうに思っております。
 ただ、その一方で、例えば昨年、タイで暮れに、大水害が秋にございました。こうした国際的なサプライチェーンが切れるというような事態に対していかに迅速的確に対応するのか、対応できたのかということなどを見ますと、タイにおいても日系企業の立ち上がりが一番早いというようなことを含めて、そして、我が国の国内において、今も御苦労をお掛けをしている方、少なからずいらっしゃることをしっかりと踏まえた上でありますが、やはり世界の多くの国々からも、我が国のこの震災からの立ち上がり、回復ということについては一定の評価をいただいているところでございまして、そうした意味では、様々な歴史的に積み重ねてきた我が国の蓄積、実力、底力というものに対する震災に対する反応、対応ということでは評価、プラスの要素もあるというふうに思っているところでございます。
 いずれにしても、様々な総合的な要素の中で、政策的に対応できる部分についてはしっかりと対応することでできる限りマイナス要因を小さくしていくということは更に努力をしなければ、全体としての流れとしては空洞化が進んでいるということは間違いございませんので、それを、そうした認識を踏まえて対応してまいりたいと思っています。
#33
○関口昌一君 いろいろ答弁いただいたんですけど、製造業の生産拠点を海外へ移転するという一つの大きな要因の中で、電力不足というようなことが大変影響があると直近で私も聞いておりますし、また、海外は、日本の企業を誘致するために電気料金をもういろんな形で対応するということで企業側に対しても今働きかけをしているというような現状であります。
 そこで、原発の話がまた出てくるわけでありますけど、この原発の再稼働に関しては、ここにいる全ての国会議員の皆さんは、あの福島を見たら、もう二度とと思うのが現状であるかと思います。しかし、その原発を全て止めた場合に安定的な電力の供給を確保できるのかどうかというのが大きな問題であり、そして火力の依存が五割だったものが、三・一一以降、結局原発が停止した状態になったので火力への依存が八割近くになってしまったと。それが、コストが三兆円ぐらい掛かって、貿易収支も数十年ぶりに日本は燃料代で赤字になったという状況、そして昨日決定を見た中での電気料金の値上がりというようなことが起きてきたわけであります。
 大飯の原発の三号機、四号機の再稼働について、これは大分時間が掛かっちゃったわけなんですけれども、私は、もう去年からの委員会において、夏の電力の安定的な供給においてはもう厳しいものがあるから早くこの問題をどうするかということ、あの当時、浜岡とか玄海がちょっと問題になっておりましたけれども、国民に、原発を全て失ったときの状況で国民にどのような生活に影響が出て、またほかのエネルギーに変えた場合にどのような形で国民負担が増えるのかということも早く示してほしいということを質問をさせていただきました。
 大臣も大変厳しい中での決断であったかと思いますけれども、私は今の現状を考えた場合、安定的に再稼働、安全性はもちろんでありますけれども、クリアされたものは、やっぱり稼働できるものは稼働した方がいいんではないかなと。そして、一日も早くそれに代わる代替のエネルギーを我々がしっかり見付けて、そして原発に依存しなくてもいいような環境をつくる。今、直近では、国民生活とか生産の問題とか経済の問題を考えた場合に、国民負担のことも考えた場合に、やっぱり再稼働に向けて結論を示さなければいけないときもあると。まあその大飯が一つであったかと思います。
 大臣は、本音からすると、私見ていて、本当は再稼働は、社会派の弁護士だったんで、昔は私も埼玉で与党と野党でやっていましたので知っていますけれども、これは別段再稼働でゴーを示したということで私は責める意識はございませんので、自信を持って国民に説明をしていただきたいと思っております。ちょっと質問じゃなくて、こっちの話が長くなっちゃってあれなんですが。
 今、火力の話をさせていただきました。火力への依存というのがこれで大分高まってきました。ところが、老朽火力を今動かしている状態、そして定期検査に入るべき火力を今動かしているというような現状であります。この火力発電所の安全性の問題というのは大丈夫なのか。さらに、老朽火力がやっぱり新しい火力と違って事故、不意の事故が起きないだろうか。そうしたいろんな突然の運転が停止するようなことも起こる可能性もあると。そのような不測の事態が発生した場合、安定供給を継続するための万全の今準備がされているのかどうか、お伺いいたします。
#34
○国務大臣(枝野幸男君) 火力発電所についても電気事業法で定期検査が義務付けられております。ただ、この電気事業法には、災害その他非常の場合においては検査期間の延長ができるという規定がございまして、現在、電力の需給状況に鑑みて、この定期検査の延長の承認を行うことで電力需給を何とか足らせているという部分があるのは御指摘のとおりであります。
 なお、この延長に当たっては、運転管理や巡視点検等の強化を行うなど異常の早期発見に努めるとともに、事故や故障が発生した場合は適切な措置を講じ、拡大防止を図るなどの保安管理、こうしたことの徹底を条件として安全性の確保に努めているところでございます。
 とはいえ、やはり定期検査を延期をして動かしているということは一定のトラブルが起こる可能性はやはり相対的に高いと、これはやっぱり否定できないというふうに思いますし、定期検査の期間の前の火力発電所でも、周辺の皆さんに御迷惑を掛けるような事態はありませんが、時々止まったりとか出力が落ちたりという、こういったトラブルは発電所には付き物でございます。したがいまして、現在は大きな火力発電所の停止ということはございませんが、今後、大規模な火力発電所が停止をし、需給が逼迫する可能性は、これは否定できません。
 したがって、今回国民の皆さんにお願いをしております節電の要請については、こうした事態、過去の経験則から、どれぐらいの確率でどれぐらいの程度起こり得るのかというようなことも踏まえて、同時に電力会社間の融通についても万全を期した中で、そして、そうした停止、故障があった場合でも何とか乗り切れるようにということで節電の御協力もお願いをしているところでございます。
 こうした組合せによって何とかこの夏の電力の安定供給に支障が生じないよう、特にこれから数日、大変全国的に暑くなるという予報のようでございますので、緊張感を持って当たってまいりたいと思っております。
#35
○関口昌一君 是非、大臣、いろんなマスメディアに出る場面って多いと思う。何かもう火力に依存すれば、火力があるからという、やっぱりそういう意識があるんですけど、でも、現状で今火力への依存に対しては大変リスクがあるということで、結局、突然いろんな不意の事故があったりして停止した場合に、結局責められるのは政府、我々含めて国会、国は何をやっているんだという話になるわけでありますので、もうぎりぎり厳しい環境の中で今火力を、古い火力も動かしながらやっていると、定期検査に入らず、しなければいけないものを今動かしているんだということを丁寧に説明してもらいたいと思っております。
 次に、よく原発を止めると安全なんだというような話があるんですけど、福島第一を見てもそうですけど、第一の第四が停止中であってもリスクは存在し続けて、一時危機的な状態になったわけであります。稼働しているときのコストは約、試算では、これ報道ベースなんですが、一・七兆円、停止時のコストは一・二兆円の試算もあるわけでありますけど、政府は原発の稼働時と停止時のコストの比較についてどのように見積もっているのか、また、今般、原価に算入することとしてその分の電気料金が値上げされたこととなったということでありますけど、その理由も併せて説明をお願いいたします。
#36
○国務大臣(枝野幸男君) 御指摘のとおり、これは政府の国家戦略会議需給検証委員会において、各発電のコストを計算をするに当たって試算をしたものがございます。報道等はそれを受けたものかと思いますが、平成二十二年度決算における原子力の発電費が九電力会社合計で約一・七兆円。このうち、発電所が停止をしても人件費や減価償却費など直ちに削減困難な費用がございます。こうした発電所の維持管理等に必要な費用は約一・二兆程度であるというふうに試算をしているところでございます。
 なお、今回の東京電力の規制料金の値上げにおきまして、停止している原子力発電所の維持費等が入っていることについては、なかなか消費者の皆さんの観点から納得し難いという御意見があったことは真摯に受け止めなければならないというふうに思っておりますが、こうした減価償却費など、あるいは維持費用等については、現に稼働しているかしていないかということでなく、正式に、会計上、廃炉にするということが決まっていない以上は原価に算入をするというのは会計上のルールであるということ、それから、万が一これを経費として計上いたしませんと、電力の安定供給や賠償、廃炉等に大きな支障を来し、国民負担が結果的に大きくなるといった事情がございまして、やむなく原価算入を認めたところでございます。
#37
○関口昌一君 いろんな理由があるかと思いますけど、結局国民負担が増えていくというような状況であるかと思います。
 今回、電気料金の値上げに関して松原大臣と枝野大臣といろいろ調整されて、昨日ですか、八・四六に認可されたということであります。この下げ幅でありますけれども、あれだけいろいろ問題を起こした企業として、人件費の抑制など合理化が十分であったのかどうか、今大臣、率直な認識を聞かせていただければ。
#38
○国務大臣(枝野幸男君) これは率直に申し上げれば、これは、私も東京電力、先生もそうですが、東京電力の消費者の立場とすれば、できるだけ電気料金安い方がいいわけでございます。したがって、じゃ、どこまでが切下げとして適切であるのかというのは、これは率直に言って多様な御意見あるだろうし、低ければ低いほどいいという側面もあるのも間違いないと思います。
 そうしたことの中で、今回は、過去に公的資金を受けて企業を存続、再生に向かわせた前例に鑑みまして、例えば一番、何というんでしょう、大きく切り込むところで、JALの場合のパイロットの方が三割削減をしていたということを踏まえて、管理職については三割以上と。それから、一般の職員の皆さんを含めたトータルの値でも、これを見ますと、過去においては、りそなの場合において一番切り込んでおりますので、会社全体として見てもそれ以上の人件費の切り込みになると。これは最低限やってもらわなきゃならないということで、これは東京電力においていたさせるということを決めさせていただいたところでございます。
 しかも、これ、率直に申し上げますが、JALもそれからりそなも、債権を切り捨てることによって、債権放棄をさせることによってV字回復をして、いずれも数年で元の給与水準に戻る、あるいは場合によってはそれより高くなるというような結果になっておりますが、今回は、この料金査定の期間三年間はもとより、更に長期にわたって公的資金を受けながら賠償、廃炉などに全力で当たっていただくという状況にございますので、そうしたことを鑑みれば、過去の公的資金を受けた企業において切り込みがなされたことと比べて大きな切り込みをさせていただいたというふうに思っております。
#39
○関口昌一君 電力会社の対応という問題ですね。昨日かな、大臣が大分お怒りであったかと思いますけれども、次は高浜とか何か言ったのかな、稼働したいようなね。私もそれ聞いていて、随分調子に乗っているなと思ったところがあるわけでありますけれども、やっぱり要するに電力会社に対して厳しい意見はどんどん言っていただきたいと。ただ、稼働に関しては、私は、やっぱり今直近のことを考えた場合には国民に丁寧に説明して、また火力の依存の問題点もあったりとか、電気料金の問題とか、生産拠点の企業が生産活動するのに海外へ流出するような状況とか、そうしたことも十分頭に入れながら、毅然とした姿勢で対応してもらいたいと思っております。
 もう持ち時間は来たわけでありますけれども、まだ幾つかちょっと質問も用意していたんですけれども、質問がちょっとできなくて申し訳なかったんですが、野党の質問が減るということは大臣もほっとするかと思いますので。
 とにかく、今、三党合意でいろいろ政策も進めておるわけでありますけれども、私もあと一分ありますので、最後に、与党が経験が長かった一人として、政府・与党というのはやっぱり国民から批判を受ける、もうこれは謝ることが仕事だ。そして、私も県議会で与党を長くやっていましたけれども、やっぱり、できることは言わない、できないことはもうすぐ、たとえ恨まれても早く返事を返すということ。批判を恐れずにしっかりと対応していただきたいと思います。そして、与党としてしっかりまとまっておらないと、我々も協力もしているところもあるわけでありますので、その辺を要望させていただいて、早く、一日も、解散・総選挙ができるように環境を整えていければと思います。
 ありがとうございました。
#40
○磯崎仁彦君 自由民主党・たちあがれ日本・無所属の会の磯崎仁彦でございます。
 最初にちょっと辛口の話をさせていただきたいと思います。
 先ほど、関口委員の方からも話ありましたように、今回、対象となっておりますこのいわゆるアジア拠点化推進法、この趣旨説明が大臣から行われましたのは六月の十九日でございました。今日はもう既に七月の二十六日でございます。この間、会期延長があり、あるいは衆議院の方では社会保障と税の一体改革等々の衆議院決議があり、その決議をめぐって与党の方でいろいろ動きがありということで、やはりいろんな動きの中でこの一か月間が経過をしてきたということは事実としてあろうかと思います。私は、やはり今回のこの委員会の審議が大きく滞っている大きな責任としては、是非与党の皆様にも感じていただきたいなということをまず申し上げたいと思います。
 私はまだ国会議員になって二年余りでございますけれども、この国会というものは基本的にはやはり委員会の中でいろんな法案について審議をし、そこで熟議を重ねて本会議に上程をし、そこで採決をしていくという、そういう流れになっております。そういった意味では、委員会が動かなければ法案審議は進まないということでございます。
 この経済産業委員会は、先ほど来お話として出ておりますように、やはり原発の再稼働の問題があり、これから見ればエネルギーの問題があり、あるいはTPPの問題がありということで、今、日本の中で非常に大きな課題をこの経済産業委員会の中で担っているということがあろうかと思います。
 そういった意味では、四月から今までこの委員会というのが何回開かれたのかということを見ますと、やはりそういったことについては全て国民の皆様の生活に大きくかかわる課題でございますので、これは我々国会議員一人一人の問題でもありますけれども、是非とも、特に与党の皆様には感じ取っていただきたいということをまず最初に申し上げて、質問に移らさせていただきたいというふうに思います。
 今日は、このアジア拠点化推進法の話でございますけれども、やはりこれは一つ日本の国の産業政策の問題でもあると思いますので、今、日本が置かれている状況を踏まえて、日本の国の将来の在り方はどうなのか、あるいは産業政策というものはどういう観点で進めていくべきなのかということをまず最初に大臣の方にお伺いをしたいというふうに思っております。
 なお、先ほど質問として出ておりましたように、昨年、カレンダーイヤーでございますけれども、二〇一一年、日本の国は三十一年ぶりの貿易赤字ということになりました。輸出が二・七%の減少、輸入が一二・〇%の増加ということで、年間を通じて赤字は二兆四千九百二十七億円の規模になったということでございますけれども、まず大臣としては、貿易赤字になった、三十一年ぶりに貿易赤字ということについてどういう御認識をお持ちなのか、まずお伺いをしたいと思います。
#41
○国務大臣(枝野幸男君) 昨年、三十一年ぶりの赤字となった要因は、御指摘もいただきましたように、輸出の減が前年比マイナス二・七%、輸入が前年比で一二・〇%の増加となっておりまして、あえて申し上げれば、震災があって生産力が落ちたというようなことがございます。また、円高も大変厳しく急激なものがございました。タイの洪水もございました。こうしたことを考えると、この輸出が昨年若干マイナスになったということについてはある意味でやむを得ないといいますか、要因が幾つも重なっていたかというふうに思っています。
 むしろ深刻であるのは、やはり原油価格の高止まりや原発停止を受けた液化天然ガス等の火力発電所用燃料の、これスポットで買うということになると余計高いということで、これによる輸入の増加というものが大変深刻な要因であるというふうに思っております。残念ながら、本年度の上半期においてもこの液化天然ガスの輸入増などを背景に二兆九千億円の赤字に上半期でなっております。このままの傾向が続きますと、暦年一年間では昨年に比べて倍を超える赤字になりかねないという状況でございます。
 何とか輸出をしっかりと回復をさせていくと同時に、輸入の金額をいかに抑えるのかということについて、特に、一、二年であれば日本の体力であればもちますが、これが長期に継続するということになりますと、例えば円の価値が、今、円高で苦しんでおりますが、暴落をするというようなことになっては国民生活に大変大きな影響を与えます。そうならないように努力をしていかなければならないと思っております。
#42
○磯崎仁彦君 今まさに大臣の方からお話ありましたように、この上半期の貿易収支も、今お話あったとおり、二兆九千百五十八億円の赤字ということで、今の、輸出は若干上に戻ってきたようでございますけれども、まだやはりこの上期において昨年の年間の赤字をも上回る水準になっているということでございます。まさにその要因はいろいろあって、電力の関係で非常に天然ガスそれから原油等の輸入が増えているということもあろうかと思いますけれども、やはり年間を見れば四兆円以上の赤字にもなるんではないかということも言われております。
 こういった中で、やはり日本として本当に考えなければいけないのは、今後、この日本の国がどういうもので稼いでいって、国内の雇用、やはり先ほど来お話出ておりますように、産業の空洞化ということで海外に移転をしていくといったような中で雇用を何で確保していくのかといったことについて、やっぱりきちんと考えていかなければいけないという時期なんだろうというふうに思っております。
 そういった意味では、大臣、これから我が国がどういうもので稼いでいって、どういうもので雇用を確保していくのか、このことについてお考えをいただきたいと思います。
#43
○国務大臣(枝野幸男君) まず、国際社会の中でどうやって稼いでいくのかということを考えたときに、やはり新興諸国が安い労働力とそれから急激な技術力の強化ということを背景にして規格大量生産分野でどんどんシェアを拡大していく、このことに同じ土俵で戦って稼ぎ続けるということは率直に言って困難であろうというふうに思っております。とすれば、こうした国では対応ができない我が国の蓄積された技術力、資本力というものを背景にして稼いでいくということにならざるを得ないというふうに思っています。
 今なお、我が国の物づくりを始めとする技術力あるいは商品力というものは、しっかりとしたマーケティングと売り込みを掛けていけば十分に競争力を持っているというふうに思っておりますし、また、この間蓄積された資本力を背景にして投資によって稼ぐということ、これが貿易赤字を補ってくれているという状況がございます。これらを両面しっかりやっていくということ、あるいはこれを組み合わせていくということ。投資といっても、別にマネーゲームだけが投資ではございませんから、海外に積極的に投資をして、そこで付加価値の低い部分はやって、それを日本が輸入をして高付加価値にして売っていくなどというやり方で、この両者を組み合わせていくということが重要であろうと思っています。
 その上で、これだけでは多分雇用の量としてはなかなか足りないというふうに思います。こうした形で、世界の中できちっと一定程度稼ぎ、同時に、国内においては眠っている需要をしっかりと掘り起こす。これは、やはり少子高齢化の中で、ヘルスケアであったり子育てであったりとかといった分野、それから、今まさに赤字の原因でもありますが、エネルギーの問題が大変課題解決のためにニーズがたくさん潜在的にあると。こうしたところのニーズをしっかりと需要として顕在化をして、そこで消費を生み出していく、これを国内的にやって雇用につなげていくということが重要だと思っております。
#44
○磯崎仁彦君 今大臣の方からは、国内にはまだまだ技術力があるんで、それをマーケット力でつなげていけばまだ大丈夫だろうというその一つの選択と、もう一つは投資というお話がありました。そして、国内では新しい分野あるいはエネルギーで雇用を確保していくという、そういう話だったかと思いますけれども。
 私どもの党としましても、新しい成長のモデルとして、これはもう恐らく御存じかと思いますけれども、これまでは貿易立国ということで国を成し遂げてきたと。ただ、やはりこれからは投資立国というモデルも持って、双発のエンジンでこれからやっていく必要があるだろうというモデルをかいております。そういった意味では、これまでは、いわゆる国内という意味からすればGDPという指標を使っていたけれども、これからやはりGNIという指標で、投資ということも考慮に入れて、グローバルな中でどう伸ばしていくのかということを考えていかなければいけないという、このような考え方を持っておるわけでございますけれども。
 先ほどの大臣の答弁をお伺いをしますと、投資という意味ではそこのところが一つ該当するというふうに私は感じ取ったわけでございますけれども、我々の党のこのような考え方については、率直にどのようにお考えでございましょうか。
#45
○国務大臣(枝野幸男君) 今、御指摘をいただいた考え方というのは、私も同感でございます。繰り返しになるかもしれませんが、せっかく先輩世代の皆さんが蓄積していただいた技術力とそして資本があるわけでございます。その資本を最大に活用して国として稼いでいく、そのために投資を積極的に活用していくと。出ていった気になってもらっては困るわけですので、海外に投資をして稼いだものが国内の産業にいい刺激を与えていただいたり、あるいは実際にマネーとして日本に返ってくるということが重要だと思っております。
 したがって、今、通商貿易交渉などにおいても、一つのポイントはいかに日本のものを売るかということでありますが、同時に、日本から投資をしたものがしっかりと日本に還元される、還流される、そのことについての障壁を、いかに二国間においても国際的なルールにおいても障壁を低くしていくのかというのが我が国にとって大変重要な課題であるというふうに認識をして対応させていただいています。
#46
○磯崎仁彦君 まさに、我々のGNIの考え方というのは、やはり海外に投資をしてそれをどう国内にリターンをしてそれを国内で活用して雇用を生んでいくかということもありますので、海外での利益というものを日本にきちんと還元できるような、そういった仕組みについては是非ともいろんな国との間で締結を進めていただきたいなというふうに思っております。
 続きまして、先ほど来大臣の方からは、まさに日本の技術力という話が出ております。ただ私、非常に、先日、特定非営利活動法人産学連携推進機構の妹尾堅一郎さんというこの理事長の方のお話を聞きまして、非常にこれは示唆に富む話でございました。どういう話かといいますと、この妹尾さんという方は、ちょうど三年前に本を著しました。その本の題名が「技術力で勝る日本が、なぜ事業で負けるのか」という、こういう表題であったそうでございます。私、読もうと思いましたが、まだ読み切れていないんですけれども。先日お話を聞いたときに、今であればこの本の題名は「技術力で勝る日本が、なぜ事業で負けるのか」ではなくて、負け続けるのかという、こういう表題に変えなければいけないという話をされておりました。
 まさにこれは、日本の中には競争力を持った物づくり、これはたくみの技というそういうものもありますけれども、こういうのがあることも事実でございますけれども、その技術力を産業競争力に生かしていく、このようなビジネスモデルというのがなかなか日本の中で組めていない、このことが現状なのではないかなというふうに指摘があるわけでございますけれども、大臣はこの意見についてどのようにお考えになられますでしょうか。
#47
○国務大臣(枝野幸男君) 個々の企業においては、持っている技術力を生かしていかに事業としてもうけるかということに努力はされていると思うんですが、やはり長年の傾向として、いいものをつくっているんだから売れるはずだという、こういうやっぱり考え方がどうしてもまだまだ残っているのではないかと。結果的に、いいものだから売れるわけではなくて消費者のニーズに合ったものが売れるわけでございますから、実はそこがミスマッチになっているということだと思います。
 ただ、私は、徐々にというか、急速に変化はしつつあるのではないだろうかと。どこだか分かってしまうかもしれませんが、直近でも、日本のいわゆる白物家電的なものを、日本で売れるものを新興国に持っていく、でも値段が高くて売れない、だからそれをいかに値段下げるかということをやってきたけれども、そうではなくて、新興国ならば日本で売れるものとはもっと性能を絞って構わない、そうすればある程度の価格で出せるから戦えるんだということにお気付きになられて、そういう方向に、何というんでしょう、方針を大きく変えられて成功しつつあるというふうなお話もあります。
 ですから、この問題意識を十分に、政府も、それから産業界の皆さんにも共有をしていくことが重要ではないかと思っております。
#48
○磯崎仁彦君 私は、そういった意味では、産業政策というものの重要性がやっぱりこういうところにあるんじゃないかなというふうに思っております。確かに、商品戦略とか物をつくってそれをどう売っていくかということについては、基本的にはやはり個々の企業がきちんと考えて戦略を立ててやっていくということだろうと思いますけれども、ただ、現状それぞれの業界を見ますと、家電は先ほど、今大臣の方からも若干違った傾向も見えてきているというお話はありましたけれども、やっぱり家電は惨敗していると。自動車も国内は赤字であるといったような状況、それから医療関係で見れば海外の攻勢で輸入超過の状況にあると。情報通信サービスも欧米の後塵を拝している。農林水産部門もバイオメジャーに席巻をされているといったような状況で、私は、今の日本のいわゆる産業政策というものは、言ってみれば完成品のメーカーというものを生き延びさせるというのが基本的な考え方にあるんじゃないかというふうな気がするわけでございますけれども、ただ、そういった意味では、国家としての産業政策というのはやっぱり非常に重要なんだというふうに思うわけでございますが、大臣はどのようにお考えでございましょうか。
#49
○国務大臣(枝野幸男君) 全くここは委員と私、認識一緒でございます。私、こういう立場に将来就くと思っていませんでしたが、野党時代からも日本はもっとインテルに学ぶべきじゃないかと。皆さんの持っているパソコンは、いろんな日本のメーカー含めてブランド付いているけれども、ほとんど全部インテルが入っているよねと。こういうことで稼ぐということが日本はなかなかうまくできていないよねということをずっと思ってまいりましたし、そう申し上げてきました。
   〔委員長退席、理事轟木利治君着席〕
 例えば足下でも、今回飛行機でMRJがまさに日本ブランドで、日本が完成品を造って、これはそれなりに売れておかげさまでおりますが、これも大事ですけれども、同時に787が、これはボーイングですからアメリカブランドかもしれませんけれども、私も、先生はたしかANAでいらっしゃいましたが、ANAの787は何度も乗らせていただきましたが、大変快適なすばらしい飛行機であると。そのすばらしさをつくっている要因のという意味ではほとんどがメード・イン・ジャパンであると。こういうことでしっかりと稼ぐということをもっと大事なことなんだと、もちろん完成品で稼げるなら完成品で稼いでいただけばいいんですが、そうじゃない稼ぎ方というものをしっかりと重要性を再認識をする、そしてそこに力を入れていくということが重要だと思っております。
#50
○磯崎仁彦君 まさに今インテルの名前が出ましたけれども、やはりインテルとかアップル、これはやっぱり自社の技術の周りに生態系を構築してデファクトスタンダードを進めているという、そういう典型なんだろうというふうに思います。
 そういった意味では、よくオープンイノベーションということが言われますけれども、私は、妹尾先生も言われているわけですけれども、オープンといわゆるクローズといいますか、やっぱりここは出さないというものをきちんと守りながら、いわゆる技術というものを戦略的に外に出して、そしていわゆる標準化を取っていくといったようなこういう戦略が、やっぱりこれから日本はどんどんどんどんやっていかなければいけないんじゃないかというふうに思うわけですけれども、大臣は、このオープンイノベーション、そしてオープンとクローズのミックスといいますか、まさにインテルの話をされたのでそのお考えだと思いますけれども、どのようにお考えでございましょうか。
#51
○国務大臣(枝野幸男君) やはりインテルが成功をしたということは、うまくある部分をオープンにし、ある部分はクローズにするという、何というんでしょう、使い分けというか、これを戦略にうまくやった結果であろうというふうに思っています。
   〔理事轟木利治君退席、委員長着席〕
 こうした標準化戦略は、我が国としてまさに強化をしなければならない部分であるというふうに思っておりまして、企業と連携しつつ、標準化すべき技術を特定し、戦略的に国際標準化を推進をすることとしております。特に、我が国が国際標準化の提案を迅速に行えるよう、業界コンセンサス、日本はどうしてもこういうのが好きなんですが、この業界コンセンサスを必須としないで主要企業の技術を核として国際提案ができる新たな制度、トップスタンダード制度と呼んでおりますが、これを創設をしたところでございます。この活用を始めとして、うまい使い分けをすることで我が国の企業の競争力、産業の競争力を維持、高めることにつなげていきたいと思っております。
#52
○磯崎仁彦君 是非それは進めていただきたいというふうに思っております。
 それでは、総論部分が非常に長くなりましたけれども、アジア拠点化推進法案についての質問に移らさせていただきたいと思います。
 まず、私はこの法案の重要性について、政府というか、どういう御認識なのか、ちょっと変な質問かもしれませんが、伺いたいというふうに思います。
 といいますのは、先ほど来申し上げておりますとおり、この法案は昨年の通常国会に提出をされた法案でございます。そして、もう一年以上経過をして今日に至っていると。それで、今回、先ほど来質問の中で出ておりますように、この一つの法案のいわゆる措置の中には法人税の特例があるわけでございますけれども、この法人税の特例につきましては、長い法律でございますけれども、現下の厳しい経済状況及び雇用情勢に対応して税制の整備を図るための所得税法等の一部を改正する法律、これが既に成立をしているということで、いつでもできる税制の環境にあるものの、この法律が通っていないばかりにそれが実行できないという現状に至っているわけでございます。
 そういった意味では、何といいますか、早くアジア拠点化を推進していきたい、この法律を実行してですね、そういう状況にありながら、なかなかその法案が通らない。これは国会の中のいろんな政局もあってこれがその審議にのってこないという現状はあろうかと思いますけれども、言ってみれば、税制は通っているけれども、それを実行するための本丸の法案が通っていない、それが一年以上続いているという、こういう状況について、率直にどのように認識をされていますでしょうか。
#53
○国務大臣(枝野幸男君) 日本の今の置かれている経済状況、そしてこの法案の目的、趣旨に鑑みれば、一日でも早く成立をさせていただいて、税法の方も通していただいておりますので、これを実行するということは大変重要であるというふうに思っております。
 そうした中においては、委員から冒頭御指摘をいただきましたとおり、国会における様々な事情等の中でなかなか審議が進まなかったということについては、やはり政府として真摯に受け止めて、なかなか率直に申し上げて、国会の御審議のことについて政府が直接何か申し上げるべきではない、これはもう国会が主体的ということでございますが、同時に、政府として国会で速やかに審議を進めていただけるような環境整備や努力とお願いということについては引き続き全力を挙げていかなければならないというふうに思っておりますので、是非よろしくお願い申し上げます。
#54
○磯崎仁彦君 それで、今申し上げましたように、この法案は昨年の通常国会に提出をされたということでございます。その後やっぱり大きな日本の経済状況、あるいはその環境についても大きな変化が起こっていると。三月十一日に大震災が起こり、東京電力福島原発事故が発生をしということで、当時に比べれば、先ほど関口委員からもお話ありましたとおり、電力の問題というものが、当時は想定されていなかった問題が表面化をしてきたといったようなこともありますし、やはり円高は一年前に比べれば、もう今日もたしか、まだ七十八円台ですかね、そういうことで、円高はどんどん進行しているといったような状況があると。
 したがいまして、一年前、一年もう何か月前になりますか、法案が提出された時点から、この日本が置かれている環境というもの、あるいは企業誘致をするに当たっての日本の現況といいますか、こういったものはかなり環境が変化をしているという私は状況にあるんだろうと思います。
 そういった中で、この法律というものは、恐らく内容的には、特に一年継続審議になっているので、私も法律の修正の仕方云々というのはよく理解をしていないところもありますけれども、環境が大きく変わっている中で法律をそのまま通す状況になってきているという、この状況についてどのようにお考えでございましょうか。
#55
○国務大臣(枝野幸男君) 御指摘のとおり、この法案を国会に提出して御審議をお願いをした時点から、特に大震災がございましたので、大変大きく環境が変わっているというのは御指摘のとおりであるというふうに思っております。
 このうち、この法律で直接的対応をしておりますアジアの拠点化を推進するという点以外の、例えば電力の問題でありますとかについては、このアジアの拠点化にするという目的以外のところでも共通しての課題でございますし、あるいはデフレ、円高ということに対しても共通の話でございます。これはこれとして別途進めていくということでございますが、このアジアの拠点化を推進するという観点に絞った場合でも、環境の変化に応じた対応は必要であろうというふうに思います。そのため、本年六月にアジア拠点化・対日投資促進プログラムをフォローアップいたしまして総合的な施策の充実を行ったところでございまして、法案のほかの立地補助金や特区制度、事業環境、生活環境の整備などの施策について充実を図ったところでございます。
 そして、この際において、今回国会にお願いをしております法案についてはこのまま成立をさせていただき、活用させていただくことと、今申し上げたその他の総合的な施策をしっかりと組み合わせることによって対応ができるという判断をしたものでございまして、したがって、法案以外のところもしっかりやらせていただきたいと思っておりますので、是非、法案の方、よろしくお願い申し上げます。
#56
○磯崎仁彦君 恐らく、先ほど来出ておりますように、トータル的なということだと思いますので、是非ともそれは他の分野についても推進をしていただきたいと思います。
 一つ、この件に関して、なぜ私、こういう質問をさせていただいたかといいますと、今回のこの措置の内容として所得税二〇%の控除ということになりますので、恐らく実効税率は二九%弱になるということだと思いますけれども、復興によりまして、当然その復興の一時的な増税がありますので、実効税率は恐らく三年間は三一%になるということだと思います。
 そういった意味では、先ほど来出ていますように、ただでさえ韓国なりシンガポール、この二九%でもなかなか厳しい状況の、この法人税率だけではないといいながら、やはり一つの大きな要素というのは先ほど御答弁にもあったとおりでございますので、それがこの震災を受けて、当然国民のみんなで負担をしなければいけないということで限定的な増税ということになっているわけですけれども、やはり三一に上がることによって更にその魅力が薄くなるというのは事実でございますので、こういうところも含めて環境の変化に対してどうなのかということを質問させていただいたということでございます。
 それでは次の質問ですけれども、これも先ほど関口委員の方から直近のいわゆる外国企業の本社あるいはその研究開発拠点の海外への流出が目立っていてという話がありましたけれども、最近のこのアジア地域統括の拠点とか研究開発拠点について、実際上の数字ですね、数がどう推移しているのか、その点について御説明いただきたいと思います。
#57
○政府参考人(厚木進君) お答え申し上げます。
 経済産業省実施の調査におきまして、二〇〇九年度末で我が国に立地する外資系企業の研究開発拠点は四百二十一社、アジア地域統括拠点は七十五社となっております。当該調査では、二〇〇九年度からその地域統括拠点について調査対象としているために当該拠点についての推移についてはデータはございませんけれども、研究開発拠点について見ますと、二〇〇七年度までは増加しておりましたけれども、同年をピークに減少をしております。二〇〇七年度には四百七十三であったものが二〇〇九年度には四百二十一となっているということでございます。
#58
○磯崎仁彦君 そういった意味では、新規に立地をする企業もあれば出ていく企業もありということで、差引きすれば最近は減少傾向にあるということかと思います。
 あと韓国とかシンガポール等々についての主な企業誘致策どうかという質問もしようと思いましたが、もう時間の関係もありますので先に進めさせていただきたいと思います。
 この日本の今回のアジア拠点化推進法案にあります優遇策に対して、やはりシンガポールなり韓国なり、この誘致策というのは恐らくそれだけを見れば非常に優位にある状況ではないかなというふうに思いますけれども、それについてやはり見劣りすると思わないでしょうかと。あるいは、この問題は、例えば二〇%こっちで八〇%こっちとか五分五分という話ではなくて、来るのか来ないのかというまさに二者択一の話でございますので、やはりある意味魅力的な政策が、これはトータルというお話を先ほどされましたけれども、ないと、来るか来ないかという二者択一になってくると、かなりやはり魅力的なインセンティブを持っていないとなかなかその誘致は言葉で言うほどたやすくはないというふうに思っておりますけれども、その辺はいかがでございましょうか。
#59
○政府参考人(厚木進君) お答え申し上げます。
 先生おっしゃるとおり、法人実効税率だけを比べますと、どうしてもシンガポールの場合には十年間程度ゼロにするというような、パイロットステータスの企業に対してはそういったこともやっておりますので、それだけを見ますと確かにおっしゃられるとおりのところもあると思います。
 ただ、その法人実効税率というのは、先生も先ほどお話があったように、グローバル企業の立地に当たって企業側が考慮する要素の一つではありますけれども、それだけで全てが決まってくるわけではなくて、その立地先を選定する要因というのは複合的でございます。そうしたコストとか事業環境等を総合的に評価して判断を行うというふうに考えておりますので、そういった意味で、先ほどもお話ししましたけれども、アジア拠点化・対日投資促進プログラムというのを、昨年十二月に策定したものを本年六月にフォローアップをして、そういった中で諸外国の投資機関の取組例等も参考にしながら、そういった総合的な施策を進めていきたいというふうに考えております。
#60
○磯崎仁彦君 これも先ほどから質問等々出ておりますけれども、ほかにこのアジア拠点化については補助金の制度があるということで、先ほど局長の御答弁の中でも平成二十二年で五件、二十三年で十件ですか、こういった認定があったという話がありましたけれども、これは予算的にはもう全て使い切ったということでよろしいんでしょうか。
#61
○政府参考人(厚木進君) お答え申し上げます。
 補助金の場合、原則的には補助事業が完了した後の清算払いという形になっておりますので、現時点で見ますと、二十二年度公募の採択事業者である一社が拠点整備を完了して補助金の支払を行う予定となっておりますけれども、その他の補助事業者については今後拠点整備が完了次第、順次確定検査というのを行いまして、その上で補助金額を確定して支払っていくということになります。
#62
○磯崎仁彦君 ありがとうございました。
 一つ、これ通告はしていないんですけれども、先ほどちょっと質問の御答弁の中で一件ありましたので、その点について最後に質問をさせていただきたいと思いますが、今の補助金の関係で、二十二年あるいは二十三年で既に採択決定を受けたところについては今回のアジア拠点化推進法案の対象外、これは新規にということが恐らく要件としてなじんでこないということだろうと思いますけれども、これから新規に例えば日本で拠点を設けていこうと、そういった企業については、これはダブルで、補助金についても、この拠点化法案のいわゆる税制優遇等々についても、これは重複して申請をして認定をされれば受けられるという、そういう理解でよろしいんでしょうか。
#63
○政府参考人(厚木進君) おっしゃるとおりでございます。
 今回、既に採択の決定しているところは、まだこの法案が成立していないという段階での話ですので、この法案による認定を受けられないということでありますが、この法案を一日も早く成立させていただければ、その後の意思決定、つまり補助金を受けるということについても両方とも対象となり得ると。
 ただ、先ほども申し上げましたように予算の制約がございますので、全ての申請した企業にできるということではないということであると思います。
#64
○磯崎仁彦君 時間でございますので、質問これで終わりにしたいと思いますけれども、まさに経産省の資料のタイトルにありましたとおり、企業が国を選ぶ時代ということでございますので、是非とも海外の企業を日本に誘致するという意味では魅力的な政策を取っていただきたいというふうに思いますし、他方で、我々が提案をしている、海外に投資をしていく、その投資をしやすい、あるいは還元をしやすい政策も取っていただきたいし、やはり国の中で物づくりをして輸出をする、そういった企業に対してはそれなりの支援ということで、やっぱり複合的な、全体的な政策をこれからも是非とも産業政策として取っていただくことをお願いをいたしまして、質問を終わりたいと思います。
#65
○松あきら君 公明党の松あきらでございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 先ほどから、この法案が一年前に、しかも三月十一日以前に閣議決定をされた法案であるという話、そして昨年の通常国会で本来これをやるところが一年後になったという話。ほかの院のことは言いたくありませんけれども、衆議院で私は与党の民主党の方のまさに委員会運営の稚拙さが出たんじゃないかなと思います。
 なぜならば、三回も衆議院では行っているんですね、視察に。時間があればいいです。大事です、視察は。私たちもしたい、理事会で先ほどもお話出ました。けれども、本来、ちゃんとこの法案を通してから何回も行くんだったらいいんですけれども、結局三回も行って、この法案が最後になって、衆議院を通して参議院に送ってきたときにはもう時間切れだったんですよ。もう本当に私は、与党じゃないからそんないらいらする必要はないと思いましたけれども、早く持ってきてちょうだい、早く持ってきてちょうだい、何回当時の理事さんに申し上げたか。衆議院に言ってちょうだいと。私が何でこんな心配をして、だって大事ですからね、この法案が。本当にそういう意味では、もう何というか、いろいろな国会運営の、衆参の、あるいは与野党の対立なんていう以前に、私は衆議院のそういう委員会運営の稚拙さということをしっかりと申し上げないと、またぞろどんなことになるか分かりませんので。これはまあ、私はどっちでもいいんですよ、もう野党ですから。どっちでもいいけれども、やっぱりちゃんと通って、本来、いや、何で言うかというと、必要なことはちゃんと通さないと国民生活に影響があって国のためにならないと思うから申し上げるんですけれども、それは同じ民主党の中でしっかりと衆議院の方にも申し上げていただきたいと思います。
 先ほど来もう種々出ておりまして、私の申し上げたいこと、質問しようと思ったことはもうほとんど出てしまったということで、同じようなことを申し上げ、また同じようなことを質問重なると思いますけれども、お許しをいただきたいと思います。
 先ほど六重苦という話も出ました。まさに超円高ですね、この異常な円高は日本企業の収益を奪い、サプライチェーン全体で海外に移転する根こそぎ空洞化の時代になった、本当にこういうこと言われております。この円高、大震災、自由貿易協定の対応の遅れ、高い法人税、過度な環境規制及び労働規制、それにプラスやはり日本は土地代も高いですね。それから、人件費もやはり高いわけです。そして、先ほどから出ておりますエネルギー、この電気の問題、安定供給がちゃんとできるのか、電気代もどんどん上がるんです。これ仕方がない面もありますけれども、この電気代の問題。それから、英語が通じないですね、やっぱり全体的に。そして、もちろん法人税とかいろいろあります。
 こういうもう六重苦どころではない、本当にいろいろな中で、本当は私はこの法案は大事ですけれどもとても足りないんじゃないかと、それにしては。ちょっと認識が甘いんじゃないかと、この法案の中身が、見ると。やらないよりはやった方がいいに決まっているんですよ。だけれども、本当を言いますと、かなりそういう意味では私はもっと対策を取らなければいけなかったんじゃないかなというふうに思うんです。
 これは前も申し上げましたけれども、これ同じようにやれとは言いませんけれども、韓国と。大邱などは、例えば黒字化後五年間法人税なし、プラス二年間法人税半額、財産税なども十五年間なし、土地のリース代も実質無料、あるいは二十人以上雇用すると一人当たり百万ウォン、約六万円ですね、補助金がある。別にまた百万ウォンの訓練補助金もあるなんていう、こういうすごいことをやっぱりやるわけですよ。
 だから、いろいろお考えになって対策も取られているけれども、それではこれだけの今事が起きている中で、もう対処ができないんじゃないか、こんなことまであちらはやっているわけでございますので。同じようにしろとはもちろん申しませんけれども、やっぱり先ほど磯崎先生も法人税の話が出ておりますけれども、法人実効税率と併せて二九%弱まで引き下がりますが、これではとっても太刀打ちできない、もう様々な、先ほども申し上げましたけれども。
 これ、今回この法律は法律として通すんですけれども、その後、また更に変えていくということはあるんでしょうか、お聞きをいたしたいと思います。
#66
○国務大臣(枝野幸男君) 特に韓国との比較ということで、大変韓国は意欲的なというか、大胆な施策を行っています。そこだけを見れば間違いなく日本は見劣りをするということだというふうに思います。
 あえて申し上げると、ただ、様々な財政制約がかぶってくればなかなかそういう施策が取りにくくなっていくと。財政破綻をすれば、まさにギリシャが典型でありますけれども、優遇どころではなくてどんどん自国の国民すら逃げていくということもございますので、果たして継続性を持ってそういった政策が取れるのかどうかということなどはしっかりと見極めないといけないのではないかと思っておりますが、同時に、我が国の政策が、今回御審議をいただき成立をお願いをしているこの法律だけで立地、誘致が十分に進むということを申し上げるつもりは決してございません。まさに、一つの大きな要素として、是非速やかに実施をさせていただきたいというふうに思っておりますし、また、今進めているそれ以外のプログラムもしっかり進めていかなければならないと同時に、財政状況等もしっかりと踏まえつつ、また、経済状況をしっかりと見極めながら不断に努力をしていかなければならないというふうに思っておりますので、引き続き御指導のほどお願い申し上げます。
#67
○松あきら君 とても大事な、経済産業省が日本の根幹を支えているような、いつも申し上げますけれど、役所でございますし、やはりここの政策というものが非常に大きな意味を持ってくると思いますので、是非、更にどうすればいいかという工夫を重ねていただきたいというふうに思います。
 そこで、実は、東京都が総合特区制度の取組としてアジアのヘッドクオータープロジェクトというのを打ち出しているんですね。外国企業五百社以上の誘致を目指す同プロジェクトでは、入国審査の規制緩和や外国人弁護士の拡大、母国語で学べる学校の整備、外国人向けベビーシッターの確保、エネルギー対策を含めBCPを確保したビジネス環境整備など、打ち出しているわけですね。雇用誘発効果として約九十三万人、経済効果は十四兆六千億円、国の方は十兆円と聞いておりますけれども、こういうふうにかなり大掛かりなことを総合特区制度によってやろうとしている。こういうことを総合的にやると外国の企業の誘致が本来進むんじゃないかと、本アジア拠点化法の展開と同じ意義がある。
 私は、この特区、こういう東京の取組というのは是非私は後押しを、何か新聞に、なかなかいろんな役所の関係で進まないとかいろんなことを聞きましたけれど、経済産業省として私は後押しをすると、もっと言えば、協力をして、協同をしてというか、やれるところはやるというぐらいのことをやるべきだと考えますけれど、これに対してはいかがでございましょうか。
#68
○国務大臣(枝野幸男君) 御指摘のとおり、東京都のアジアのヘッドクオーター特区は大変意欲的で効果的な取組を進めておられると承知をしております。この法律案等によって、経済産業省としても全国レベルでできる取組を進めていくわけでありますが、地方公共団体が独自に誘致促進策に取り組むということは大変有意義なものであり、しっかりと相乗効果をもたらすようにしていかなければならないと思っております。
 御指摘の東京都を始めとして、地方公共団体等と密接に連携をしながら、グローバル企業の高付加価値拠点を誘致をしてまいりたいというふうに思っております。
#69
○松あきら君 簡単にはできないかもしれませんけれど、おっしゃるだけでなく本当にやっていただきたい。
 私、これ東京の取組を見て、ああそう、そこまで考えているんだな、私なんか女性ですから、本当にこのベビーシッターのことまで言っているわけですよね、本当に大事なこと。こういう細かいことをやらないと企業から来てくれないですよ、また優秀なそういう人材が来てくれないですから、本当にそこまでしっかりとやっていただきたいと思います。
 私の持ち時間は少しでございますので、飛ばしまして、もう一問で最後の一問になります。
 ちょっとこの法案とは離れますけれど、帰還困難区域等の賠償について申し上げたいと思います。
 本当に、まだまだ福島に行きますと私はもう胸が痛くて仕方がありません。増子先生も荒井先生も御地元でいらっしゃいますけれど。どこも被災地大変です。けれども、ほかの被災地とは絶対違うと私は思っているわけでございます。
 そこで、今年の四月に、従来の警戒区域と計画的避難区域は年間被曝線量に応じて、避難指示解除準備区域、居住制限区域、帰還困難区域の三つに再編をしました。ほとんどの自治体は複数の区域に再編されて、同じ市町村の住民でありながら賠償に格差が生じる、こういう声が上がっております。大熊町、これ原発に近いんですけれど、この住民が分断されるような事態を避けるために町全体を帰還困難区域に指定するように求めたほどであります。
 これも報道でやっておりましたけれど、自分のところは居住制限区域にある方ですね、でも酪農をやっていらっしゃるんです。ところが、自分たちのこの区域は帰還困難区域ではないんだけれど、水道がないと。大きな森があるんです。井戸を掘っていて、清水とか井戸で、お水はそこでみんな賄っていると、それぞれの、この村の方たちが。その森林は除染してくれないそうなんですよ。除染してくれなくて、居住制限区域になったけれど、井戸の線量を測ると高いというんですね。とても帰ってもできないと。
 だけど、この賠償の金額がもう、帰れないんですよ、だから水道もないし。だけど、これが違ってきちゃうって、これは本当につらい。自分たちは帰れない。こういう現状をどうしてくれるのかということなんですね。本当にもう申し上げたいことはいっぱいあるんですけれど、こういう方たちがいっぱいいるんです。
 もうできるだけ早くやはり、夢と希望とまでは言わない、本当は言いたいけれど。でも、生活再建に一歩でも二歩でも進めるだけの賠償額がやっぱりきちんと支払われなきゃいけないし、いろいろ出ましたけれど、大臣も余り言ってほしくないというようなことを、簡単に、例えば六千万なんてばんと出ると、みんなが六千万円もらえるのかと。いろんな基準がありますから、でも私はその基準も、自分が働いていたときの収入まで幾らか出せなんて、そんなの幾らだって私はいいと思いますよ、関係ないと思います。そういうのももっと簡単にすると。
 そして、この賠償基準が最低保障ラインとしてきちんと柔軟な支援対策を求めたいと思いますけれども、最後にそれを聞いて、質問を終わりたいと思います。
#70
○国務大臣(枝野幸男君) 御指摘ありがとうございます。
 まず、この賠償基準とそれから区域の見直しの関係なんでございますが、区域は線を引きますけれども、実際、土地建物や精神的損害に係る賠償については、この区域で決めるのではなくて、実際に避難指示の解除がいつなされるかということによって決まるということにいたしております。なおかつこの解除の時期も、除染であったりとかそれからインフラの復旧、今水道のお話ございましたが、こうしたものがなされなければ解除できないというふうに思っておりますので、実際には、復興に向けた施策と併せて、当該市町村と御相談をさせていただきながら具体的にいつ解除できるのかということを決めていこうというふうに思っております。
 したがって、今御心配をいただいた点についてはここで十分に対応できるのではないかと思っておりますが、更にそれに加えて、今回の賠償基準はあくまでも、個別にいろいろこういう損害でしたというようなことを被害者の皆さんにお願いするのではなくて、できるだけ簡素な手続で、これだけはちゃんとお支払をしますということでお示しをしたものでございます。個別に、うちはこういう事情があって、例えば建物も何か総ヒノキ造りで特別高いんですとかいろんなことあるわけでして、そういったことについてはその分までも一律にというわけにはいきませんが、いろんな事情は柔軟に対応すると。
 このことはこの基準を東京電力に伝える折にも私からも直接社長にも申し伝えましたし、ADR機関などにおいてもそういうものなんだということをしっかりと共有させて、硬直的な対応にならないように今後も厳しく見てまいりたいと思っております。
#71
○松あきら君 どうか、心ある対応をよろしくお願いいたします。
 ありがとうございました。
#72
○姫井由美子君 ありがとうございます。場所が変わりまして、国民の生活が第一の姫井由美子です。
 先ほど磯崎委員が、二〇一一年に三十一年ぶりの貿易赤字ということで質問されました。それに関連してなんですけれども、たしか、二〇一一年、三十一年ぶりの貿易赤字ですが、年度でいくと、後半持ち直して最終的には赤字にはならなかったようなことを伺っているんですが、これは基本的に年で見るのか年度で見るのか、あるいはこの正確な数字等分かりましたら、これ通告しておりませんでしたので、分かりましたらお伺いしたい。もし分からなければ、また後ほどお伺いしたいんですけれども。
#73
○国務大臣(枝野幸男君) 年度は四月始まりというのは日本の文化、慣習に基づいておりますので、基本的には国際比較等、暦年でやるのが一般的かというふうに思いますが、一方でその予算措置その他との関係を見る場合には、やっぱり国内的には年度で見るということも重要で、それぞれちゃんと統計が取れるように四半期ごとなどで、あるいは月単位などで統計取っております。
 済みません、これも私、正確ではありませんので、場合によったら事後に修正させていただきますが、やはり年度後半においても、残念ながら特に輸入額が大きいということで、貿易収支についてはやはり赤字のトレンドは変わっていない。ただ、先ほどあった資本収支の部分のところを見ますと、全体としての経常収支については特に後半持ち直している部分がある。ただ、今年の暦年前半を見ますと、やはり深刻な状況は変わりがないということでございます。
#74
○姫井由美子君 ありがとうございます。
 そして、我が国の国際競争力が年々低下傾向にあり、先ほど関口委員も言われましたように、一九九〇年に一位だったものが二〇一一年には二十六位で、そして本年度は二十七位とさらにまた一ランク下がったということですけれども、この僅か二十年の間になぜ我が国の国際競争力が急に低下したのか、なぜ急にこんなにも日本に魅力がなくなったのか。そして一方で、経済産業省が行った外国企業への調査によると、アジア地域の統括拠点あるいは研究開発拠点として魅力を感じる国というのが、中国を始めとする日本以外の他のアジア諸国が優位に立っている。
 なぜ、どこに海外の、中国の方がどういった点で魅力があるのか等、まず最初にお伺いしたいと思います。
#75
○国務大臣(枝野幸男君) 実は政策的に対応できる部分ということを行政としては重視をしなきゃいけないわけでありますが、そのことを理解をしているという前提で、特にこの中期にわたってのトレンド、二十年間にわたるトレンドについて言えば、日本は人口増加が頭打ちになり人口減少が始まる、そしてやはり高度成長期が終わって安定成長期に入っていると。一方で、中国を始めとして人口が伸び、特に、まさに日本の高度成長期のような急激な成長を遂げてマーケットとしての魅力が拡大をし、あるいはそこで働く人たちの水準も高くなっているという、日本の事情というかあるいは中国の事情というか、それぞれのマーケットや産業基盤の状況というのがやはり一番大きなベースにあるんだろうというふうに思っています。
 我が国も昭和三十年代、四十年代にそうした成長を遂げて非常に魅力ある投資先として世界中から投資を受け、それをうまく活用して日本自体が資本を蓄積をしてきたという経験があるいはあるわけですから、その例えば中国などが成長して投資先として魅力が高まっていること自体については、これはある意味いかんともし難いんだろうというふうに思います。
 ただ、そうしたことの中で、積み重ねてきた資本や技術を十分に活用して、我が国として安定的な魅力というものをどう維持、あるいはここまで落ちていますので、回復させるのかということが問われているんだと、こういうことだと思っています。
#76
○姫井由美子君 ありがとうございます。
 大きな大きな世界的な経済の歴史的な流れの中で、世代交代を迎えている中で、今我が国にもう一度という政策であれば小手先の政策ではなかなかかなわないと思いますが、今回のこの法律のグローバル企業の研究拠点及びアジア本社を日本に呼び込むという、こういった盛り込まれて誘致対策をやっていこうということなんですけれども、それだけの大きな世代交代、歴史的な流れを、歯止めを掛けるわけではないんですが、日本も遅れないでやっぱりもう一度付いていこうというのであれば、十分魅力的な内容となっていかなければならないと思います。
 この我が国の政策、今回のこの法案の優位性、セールスポイントと、また我が国の、この法案によって経済的なメリット等も併せてお伺いしたいと思います。
#77
○国務大臣(枝野幸男君) まず、我が国としての投資、我が国が投資先として認めていただけるかどうかというのは政策誘導だけでは無理であると。まさに持っている潜在力をベースにしなきゃならないと。
 そういった意味では、今回、研究開発拠点とアジア拠点にターゲットを絞っているということは、これは我が国の相対的に持っている優位性というものを十分踏まえて、せっかく研究開発拠点を置くのであれば、人材にしろインフラにしろ、やはりこれはアジアの中で日本はナンバーワンであるという評価を今も受けておりますし、アジア全体を統括をするという上では、言葉の問題等あってシンガポールなどとかはなかなか厳しいところはあるにしても、自国の足下のマーケットの規模なども併せると、非常に海外の方が住みやすかったり、そこでビジネスがしやすい。例えば、いろいろと問題はゼロではありませんけれども、汚職の問題が少ないとか治安がいいとか、様々なそういう環境が整っているからやっぱり拠点にしやすいと。
 こういったことをベースにしながら、そうしたことの中で、他の立地と迷われるときに日本に来ていただくというときに、やはり実効税率が高いとか様々な課題がありますから、あるいは土地代が高いとか課題がありますから、様々な施策、例えば立地補助金で初期投資の部分のところについては後押しをさせていただく。あるいは、収益が非常に期待されているんだけれども実効税率高いということについて、少しでもそれを下げることによって、日本だから余計に収益が上がって、その分余計に取られるけれども、まあこれぐらい抑えてくれれば他の国でやるよりもトータルとしては割に合うのかななどということを判断していただくということでございまして、先ほど松先生から御指摘いただいた自治体できめ細かいことをやっていただくことなどとも併せれば、私は日本に今回の法案で期待をしている投資ということを呼び込むことは十分にできると。
 ただ、これも先ほど来繰り返し申し上げておりますが、これだけで全てが解決するということを思っているわけでは決してございません。様々な施策との総合的な対応、そして今後の状況を踏まえながら不断の検証と検討を進めていかなければならないと思っております。
#78
○姫井由美子君 さて、この法律案は、新たに研究開発事業及び統括事業を行おうとする特定多国籍企業の活動を促進するためとあります。そして、この特例措置の対象となる特定多国籍企業とあるんですが、この定義ということで、国際的規模で事業活動を行っている及び高度な知識又は技術を有することとし、それぞれ主務省令で定める法人としております。
 また、この特定多国籍企業が行う研究開発事業又は統括事業という、この定義というものが新たな事業の創出と就業の機会の増大をもたらすとありますけれども、この定義ですね、定義は分かるんですけれども、現時点において具体的にこの法律が想定している企業、今我が日本に進出している企業は何社ぐらいあるのか、また、この法律が成立後どのくらいを見込んでいるのかということをお伺いしたいと思います。ちょっとこの具体的なイメージを湧かせていただきたいと思います。
#79
○政府参考人(厚木進君) お答え申し上げます。
 経済産業省の実施の調査、外資系企業動向調査ということでございますけれども、平成二十一年度末で我が国に立地する外資系企業の研究開発拠点が四百二十一社、アジア地域統括拠点が七十五社となっております。
 それから、どの程度の会社を進出を見込んでいるのかという御質問だと思いますが、本年六月にフォローアップしたアジア拠点化・対日投資促進プログラムでは、グローバル企業の研究開発拠点などの高付加価値拠点を年間三十社誘致するとの目標を掲げておりまして、本法案を始めとする各種の支援措置によって当該目標の達成に努めてまいりたいと考えております。
#80
○姫井由美子君 先ほど言いました具体的にどんな企業かというのが差し支えなければ教えていただきたいのと、先ほど年間三十社と言いました。先ほど松あきら先生が言われました、東京都だけでも五百社を目標としているのであれば、なかなかその目標というのは総合的に考えて少ないのではないかと思うんですが、いかがでしょうか。
#81
○政府参考人(厚木進君) 後段の方から先に申し上げますと、我々がここで目標にしておりますのは研究開発拠点などの高付加価値拠点でございまして、ちなみに平成二十一年で申し上げますと、その新規の参入が、研究開発拠点については十三社、地域統括拠点についてはゼロ社ということでございますので、そういう意味では計十三社でございます。それを何とか三十社に持っていきたいということでございますので、そういったところにターゲットを絞って、より質の高いといいますか、そういった外資系企業を呼び込んでいくということはございますけれども、このほかにも、アジア拠点化・対日投資促進プログラムの中では、こうした高付加価値拠点の増加のほかに、外資系企業による雇用者数の倍増、それから対日直接投資の倍増という目標、全体の目標も掲げておりますので、そういった目標を達成していきたいということでございます。
 それで、どのような具体的な企業という御質問がございましたけれども、それにつきましては、既にほぼ同じ、基本的に同じ対象となります立地補助金の方で既に採択企業をそれぞれ、二十二年度で五社、二十三年度で十社、しておりますので、見ていただきますと、医療系とか環境ビジネスとか、そういった今後、成長の期待される分野の企業が多くなっております。
#82
○姫井由美子君 冒頭、轟木委員も、まず、入れることも大事だけど、出ていくのを防ぐことも大事だということで、国内産業の空洞化の問題を指摘されました。
 私も、昨年の東日本大震災、そして急激な円高で日本企業がどんどんと海外に生産拠点を移していることが大変心配です。特に、今までは部品は日本だけれども組立ては海外、ところが、部品の生産までも海外にというのであれば、日本の持つ技術力も移ってしまうのではないかということも大変心配です。
 岡山でも先日、企業立地セミナーで、日本エアロフォージあるいは三菱ケミカルホールディングスの社長等を呼んでセミナーをいたしましたけれども、この企業立地政策についての大臣の意気込みを一言で聞きまして、最後にしたいと思います。
#83
○国務大臣(枝野幸男君) なかなか、今の円高、そしてそれ以前にアジアの成長、そこに豊富な安い労働力があるという構造で、従来と、あるいは相手方と同じ土俵でこれからも戦い続けていくということはなかなか困難が大きいというふうに思っている中で、持っている技術力をしっかりと国内に残しながら商売として成り立たせていくということのためには、やはりできるだけ高付加価値分野に特化をし、ある意味では積極的な国際分業を、追い込まれてやるのではなくて、進めていく。
 実際に中小企業の統計では、積極的に海外進出をした企業の方が実は五年後には国内の雇用も多いというような統計も出ておりますので、こうしたことをしっかり進めていくということが必要であると同時に、やはり足下においては、これは財務省や日銀が頑張っていただかなければなりませんが、やはり為替について実態をしっかりと反映をした円の価値ということになっていくよう、しっかりと市場をウオッチし、対応していただくということが重要であるというふうに思っております。
 また、特に経済産業省として努力できることとしては、これも財政当局の協力もいただきながら法人実効税率の引下げを決めさせていただいたところでございますが、さらには、国内立地補助事業等を推進をしていくことによって何とか空洞化を食い止めながら、前半に申し上げた体質改善といいますか、産業構造の転換を進めてまいりたいと思っています。
#84
○姫井由美子君 ありがとうございます。
#85
○松田公太君 みんなの党の松田公太です。
 早速ですが、皆様、お手元の資料を御覧いただければと思います。そこに来ておりますうちの秘書が一生懸命作った資料なんで、これを見ながらお話をさせていただければと思いますけれども。
 いかがですか。一言で分かりやすいんじゃないかなというふうに思うんですよね。分かりやすいのが、政治、まあ何でも必要だと思うんですけれども、ここに書かれているとおり、このランキング順位一位から六位まで、地域統括拠点数、一位がシンガポールで三百七、日本が七十五、法人税率を御覧いただければ、やはり安い順にほとんど並んでいるというのが現状だと思うんですね。中国は確かに二位に入っていますが、先ほど来おっしゃっているように、大きなマーケットを抱えている国ですから、それを見越した上での拠点づくりということで、ここからある意味、違う意味合いも含まれているかもしれませんけれども、それ以外は法人税率の少ない方からやはり拠点数が多いということじゃないかなと思います。
 先ほど来お話を聞いていますと、やはり皆さんの認識がちょっと甘いんじゃないかなという感じがするんです。経営者は非常に数字にシビアです。私も経営者をしておりましたのでよく分かりますが、私の友人も最近はシンガポールとか香港とか移住したい、移転したいと言う人が非常に多いんですね。じゃ、それは何をもってそう判断しているかというと、もう単純に税率なんです、パーセントなんです、個々の。
 私は以前銀行員やっておりましたけれども、銀行員でいうと、例えば先ほど来おっしゃっているように、いろんな付加価値があるじゃないか、ほかのことも、総合力も含めて考えなくちゃいけないと。そのとおりかもしれない。銀行員が一生懸命、例えば企業マッチング、取引先を紹介したり、いろんな情報を流したり、それによって新たな新規獲得をしようと試みるんですけれども、最後はどこで新規が取れるか取れないかというのは金利なんです、実は。貸出金利がうちは一・五%ですよ。どんなに付加価値を与えようとしても、いろんな情報を与えても、ほかの銀行がやってきて、うちは一・二%ですと言われちゃうと、もうそれ取られてしまうんですね。まさしくそういう状況が今起こっているんではないかなと思います。
 本気でほかの国々、新興国と戦っていくのであれば、やはり実効税率をもっとばんと下げて、少なくとも二〇%以内にするべきじゃないかなというふうに思いますが、いかがでしょうか、枝野大臣。
#86
○国務大臣(枝野幸男君) 御指摘の資料は、まさに本当に端的に御指摘をされた、まさに最後は数字が決めているんじゃないかということを明確に示しているということについては私も同感でございますし、また、どこに立地するのかということに当たってシビアに法人実効税率がその大きな要素となるということも、私はそのこと自体を否定しようというふうには思いません。
 ただ、あえて申し上げれば、二つの点があろうかというふうに思います。
 一つは、これらの国々と全て同じ土俵で競争、勝負がそもそもできるのかどうかということであります。もちろん企業立地はしっかりしなきゃならない、それから統括拠点をできるだけ日本に持ってきたいということでありますが、シンガポールと香港は若干事情違うところがあるかなと思いますが、中国などと同じ土俵でそもそも競争ができる環境にあるのかどうかと。これはもう法人税率の問題以前の問題として、そもそも同じ土俵では戦い切れないということは率直に認めた上で、しかし、その中でどうやって我が国が生きていくのかということを考えなきゃならないというふうに思っています。
 それから、これはもちろん実際に立地をされる企業の判断でございますけれども、目先の利益ということと中長期的な利益というもの。目先では、例えば目の前の法人実効税率がどうなのかということは大変大きな要素であると同時に、じゃ立地、投資をするに当たって三年先、五年先、十年先を十分に見据えて投資をするという判断も少なからずあるということを考えたときに、例えば、様々国民の皆さんから不信を持たれ、政治が混乱をしているということを言われながらも、政情の安定であるとか治安の安定であるとか様々な生活水準のインフラであるとか、様々なことを本当に総合的に判断をしたときに、我が国の投資先としての魅力が法人実効税率以外のところでないのかといえば、やはりそこは十分にあると。そうしたことの中で、やはりどうしても目の前の短期のことを考慮するべき要素というのが大きい部分があるということの中で、そこをどういうふうに考えていくのかと。
 先ほど来申し上げておりますが、財政が破綻をしてギリシャのような財政状況になれば、そもそも企業立地どころの話ではなくなるというようなことも考慮しなければならないと思っています。
#87
○松田公太君 ちょっと財政論議は全く違う見解なんですけれども、それはおいておいて。
 意外と経営者って単純なんですよ、意外と。こうやって目に見える数字で、例えばここにあるように、十億円の利益を出したら、シンガポールに本社があったら一億七千万、税金が済む、日本だったら現状であれば四億近く掛かってしまう。本法案が通っても三億ちょっと掛かってしまう。シンガポールは、実はこれは表向きの法人税率でして、ここに書いてありますとおり、地域統括拠点や国際統括本部であれば場合によってはゼロという可能性すらあると。多分、雇用を増やしたいという気持ちを持ってシンガポールはこうやって取り組んでいるんじゃないかなというふうに思いますけれども、やはりすごく大きな差が付いてしまっている。ですから、私は、やはり本気で戦いたいんであれば税率を下げるしかないんじゃないかなというふうに思っております。
 続きまして、仮に枝野大臣がおっしゃっているとおり、いや、これも含めて総合的にというふうにおっしゃって、これもそんなに悪い商品じゃないよ、ここまで下げるんだからということであれば、その商品を売るためにもう一つ必要なものって何だと思いますか。
#88
○国務大臣(枝野幸男君) 済みません、なかなかどの切り口からお答えをしたらいいのか難しいんですけれども、商品を売るためには、商品の魅力をいかに伝えるかということだと思います。
#89
○松田公太君 さすがは枝野大臣、おっしゃるとおりです。
 営業なんですよね。両輪なんです。いい商品とその営業がなくちゃいけない。営業部隊がしっかりしていないと、どんな会社だって、どんなにいい商品をつくったって、先ほどもおっしゃっていましたね、何かこれ、うちがもうこれだけいい商品をつくっているんだから売れるだろうと。売れない理由はなぜかというと、営業、マーケティング、これがしっかりされていないからなんですね。その営業部隊を私は日本の例えば経産省にもつくるべきじゃないかなというふうに思うんですね。
 これ、私、以前コーヒー屋さんをやっているときに、シンガポールの政府の方々がいらっしゃって営業されたことあったんです。物すごく強烈に営業されました。ここに書いてありますとおり、交渉次第によっては、これから三、四か月ぐらいで考えてくれれば法人税率を五%ぐらいに下げてもいいですよという耳打ちしてくるような、そういう営業も受けたんです。もうさながら営業マンだったんです。うまいなと思いましたね。そういったこともあって、実際、私は数年前にシンガポールにも会社をつくったんですけれども。
 営業というのが非常に大切じゃないかなと私は思っています。是非、経産省の中に営業部隊をつくっていただきたいんですが、いかがでしょうか。
#90
○国務大臣(枝野幸男君) 二年前には行政刷新大臣をやっておりまして、そのときに余りジェトロにメスを入れなくてよかったなと経産大臣になって思っているんですけれども。率直に言って、本当に日本という国、日本という国の経済の魅力をセールスをするということは大変重要だし、それはやっぱり国家としての魅力はなかなか民間企業の皆さんが代替をしてはいただけないと。そういうことを考えると、やっぱり海外に出ていってそこで魅力を営業していく、そういう人員が率直に言って現状では足りないというのは間違いないというふうに思っています。
 そうしたことの中で、在外公館に経産省からもたくさん行っております。そうしたメンバー中心にジェトロなどとともに一生懸命営業をやって、ここは使っている公費と対比をしても十分無駄遣いではないと、仕分にのせられても大丈夫なものだというふうに思っておりますが、なかなかまだ正直言って足りない、もっと量が多ければもっと魅力を伝えられるというふうに率直に思っております。
 一方で、なかなか今、公務員の数あるいは独立行政法人の人員の数を増やすことが現実的に難しい状況にある中で、限られた人的資源をいかに効果的に力を発揮していただくかということで、チームという形でつくるかどうかは別としても、経産省の関連する部局にいる職員、もちろん政務三役を含めて、我が国の魅力を、投資先としての魅力を営業する営業マンなんだという問題意識を共有できるように、これは予算を掛けずにできますので、これは徹底してまいりたいと思っております。
#91
○松田公太君 それでは、もう一点だけアジア拠点法に関してお聞きしたいんですが、お話しさせてください、ちょっと余り時間がないんで。
 この資料Bの方ですけれども、@、Aとありますが、現状では、この法案に関して言うと、議決権の過半数を持っていない地域統括本部でなければ適用外になってしまうということだと思うんですが、これはちょっと私もったいないなと思っていますんで、これもちょっと改正するべきじゃないかなというふうに思います。
 例えば、日本にヘッドクオーター、リージョナルヘッドクオーターがあって、議決権若しくはその株で過半数を持っていなかったとしても、契約で縛ることはできますし、例えばロイヤルティー収入を得ることはできるんですね。だとしたら、そういった企業にもどんどんヘッドクオーターとして、リージョナルヘッドクオーターとして日本につくっていただくべきじゃないかなというふうに思いますんで、これは御提言させていただければというふうに思います。
 次の質問に移らせていただきたいと思いますが、次は、東京電力の今後についてお聞きしたいなというふうに思います。
 枝野大臣は、七月二十一日の読売新聞、この一面インタビュー、出ていらっしゃいましたけれども、また二十四日に記者会見で、発送電は法的分離が望ましいというふうにおっしゃっていましたが、これはなぜでしょうか。
#92
○国務大臣(枝野幸男君) これから専門的に、安定供給を損なわないという観点で、かなり細かい実務的な詰めを専門的にしていただかなきゃいけないと思うんですが、現状までの議論等を踏まえると、やはり独立した中立機関が機能分離でやるといっても、それの、何というんでしょう、土台、足場というものがしっかりとしていなければ、なかなかそれは発電送電を持っているところの影響を排除するのはなかなか難しいし、それが分かりにくいのではないだろうかと。
 やはり、持ち株会社の下にあったとしても、企業体として法人格が分かれていれば、そこについてどういう、しっかりと情報その他について影響を受けないようにしているのかということについては分かりやすいルールが作れるということで、分かりやすさが一つあるということと、それから、送電についてのコントロールをする部分と送電についての投資をする部分が一体化をしていないと、なかなかその独立機関がどこまで強制力を持って送電の設備投資を求めることができるのかということについての難しさがあって、ヨーロッパなどの専門家の皆さんのお話などをいろいろ伺うと、やはり発送電は分離をするべきだけど、送電について全体の計画を立てたりする部局と実際に送電について投資をする部局、ここは一緒の方が、実際に設備投資が遅れるというようなことをもたらして安定供給に不安定化をもたらさないためには効果的ではないかなどという指摘を受けているといったことから、できればその方が望ましいということを申し上げたものです。
#93
○松田公太君 私は、やっぱり自由化の道筋を考えた上で、枝野大臣も何度も自由化の道筋を考えるというふうにおっしゃっていただいていますが、やはり、ホールディングカンパニー制にしてしまって、まあそれでも何も変わらないと実際は思うんですよね、もうこれはよくお分かりだと思います。郵政の問題も一緒じゃないかなというふうに思いますけれども、結局は国営化の方向、実際は昨日も資本注入があって、国はスーパーマジョリティーを抑える株主になったわけですよね。
 ですから、我々はやはり所有分離、私、個人的にももうそれしかないと当初から申し上げてきているわけですけれども、やはりその法的分離という生ぬるい中途半端な形じゃなくて、所有分離をしていただきたいなというふうに思いますが、いかがでしょうか。もう一度御答弁いただけますでしょうか。
#94
○委員長(前川清成君) 時間が参っておりますので、手短に御答弁願います。
#95
○国務大臣(枝野幸男君) 率直にあえて申し上げます。東京電力は事実上国が所有をすることに間もなくなりますので、所有分離をするための可能性はあると思います。
 しかしながら、他の電力会社について言えば、これは別に今債務超過なわけでもありませんので、株主の皆さんの財産権があります。これを資本分離をして無理やり、何というんでしょう、その所有権を奪うというのは、これはなかなか現行憲法の下では困難が多いのではないかと思っておりますが、そういった将来の所有分離のところまで可能性があると、そういったことを更に検討する余地があるという意味では、法的分離をしておくということはメリットの一つであると思っています。
#96
○松田公太君 ちょっとだけまだ時間がありますので、よろしいですか。
#97
○委員長(前川清成君) はい。時間が参っておりますので、おまとめください。
#98
○松田公太君 最後の質問ですけれども、はい、まとめさせていただきます。
 もう一点だけ、昨日ちょっとインタビューで、関西電力の高浜原発についてお話をされていました。私、すごくいいコメントだと思いました。原子力規制委員会の判断基準が出てから考えるべきだと。ただ、だとしたら大飯原発、夏のピーク時を過ぎたら私は止めていただきたいと思いますので、よろしくお願い申し上げます。
 以上で終わりとさせていただきます。どうもありがとうございました。
#99
○荒井広幸君 荒井でございます。
 こちらにいますと、どっちの方の話もいいなと思って聞いておりました。また、個人的な先生方のそれぞれの御見識でのやり取り、大臣の見識も伺っているわけです。
 重複したところがありますので、少し変わったところで聞かせていただきますと、今回の課税の特例、特許料の軽減、外国為替及び外国貿易法の特例、こういったものはTPPで交渉になる可能性があるものでしょうか。
#100
○政府参考人(佐々木伸彦君) 一般にEPA交渉、経済連携協定交渉におきましては、法人税などの優遇、それから特許料の軽減、投資手続の優遇と、こういったことについては交渉対象となってございません。お尋ねのTPP協定交渉においても、これらが議論されているというふうには承知しておりません。
#101
○荒井広幸君 続いてですが、先ほどからお話がある中で、私流に言うと、カントリーリスクが非常にあるということを議論しないといけないと思うんですね。先ほど松田先生等々からもありましたけれども、いわゆる税制だけではないと政府は一つおっしゃる、総合力なんだと。しかし、松田先生流に言えば、パーセントだと、税制であれ金利であれパーセントで見ていく、そういう生々しいものであると、こういうことなんだろうというふうに思いますが。
 もう一方で、日本を見た場合、日本の潜在力ももちろんあるんですが、この原発事故という、そもそもの科学技術大国であった原発事故、その遠因、要因というものが自然災害である、ない、これは事故調でもそれぞれ言っておりますけれども、自然災害がやっぱり多い国だと、南海トラフもあるんだな、直下型東京首都大地震もあり得るんだなと。こういうカントリーリスクをどのようにヘッジしていくかということを考えたときに、日本って危険なところにあるというのは間違いない話だと思うんですね。そういったところのリスクヘッジをさせるような展開というのも我々はする必要があると思うんですね。ですから、政策誘導といった場合に、先ほど大臣が数字的な政策誘導を言っていられましたね、税制とかいろいろな意味で、補助金もそうですけれども。もう一つは、私は情報開示というのは非常に重要だと思うんですね。情報開示をすることによって企業は企業なりの分析をしていくというんですかね、あるいはヘッジをしていくということになっていくと思うんですね。
 そういう意味で、何でしょうかね、これ大臣、ずっと大臣が担当されているわけでしょう。避難というものは大変、SPEEDIが、あれを活用できれば、風向きで線量の高いところに避難しなくてもよかったとあれだけ言っておきながら、米軍が二日、三日後に空からきちんと情報を集めて日本にそのデータを流しておったというわけでしょう。次から次に不都合な真実といいますかね、政府にとって、あるいは逆に言えば、これは国家にとって不都合ですよ、我々にとっても不都合だ。そういう事実が次から次に出てきます。
 どうぞ自然災害を含めてこの原発、特に原発、これで敬遠する向きもあるわけですから、改めて洗いざらい情報を全て出すようにと、閣議で改めて各省呼びかけていただきたいと思いますが、いかがでしょう。
#102
○国務大臣(枝野幸男君) 御指摘のアメリカから送付されたモニタリング結果が当時適切に共有、活用されなかっただけではなくて、この間、これに関連する、原発事故に関連する情報公開については、各省とも徹底して出すようにということについては繰り返し指摘をし対応させてきたものでありますが、にもかかわらず、それについて今になってから明らかになるものが出てきているというのは大変遺憾に思っているところでございます。意図的に、何というんでしょう、後々まで隠していたということではないというふうに思っておりますが、しかしながら、こういったことがあれば一層不信感を高めることになります。本当に各部局において全ての資料をもう一度見直して、公表漏れがないかどうかということは徹底をしなければならないというふうに思っております。
 閣議で申し上げるかどうかは別としても、原子力災害対策本部の事務局が保安院である、その所管大臣として各省にしっかりと要請をし、対応していただくようにしたいと思います。
#103
○荒井広幸君 地震含めて災害が非常に多いというのは、世界中も生々しくネットを通じてもう見ているわけですよね。日本というのは、この原発に代表されるように隠している国だと。来ますか。これはやっぱり、企業のみならず日本そのものの信頼性が問われますから、徹底してください。
 続いて、その観点で申しますと、もう一つは、日本の国の方針がしっかりしていればいいんですね、この災害に対してどう向き合うかと、原発に対してどう向き合うかということなんです。そこで、原発に対してどうするか。先ほど来、関口先生始めから電力の安定供給というのはありましたけれども、しかし、今後どうするんだというのが見えるか見えないかでは全然違うんですよ。
 そこで、先ほどの大臣のお話もありましたけれども、間もなく政府が東電を持つようになるわけですね。ところが、東電はどう言っているかというと、第一原発の一から四は廃炉を決めているんです。政府も口を濁しているんですが、残りの五から六、そして第二原発があるわけですね、一から四があります。これが今、避難区域解除などで帰還可能というところに近いところが第二ですよ。
 そうなってまいりますと、東電は既に福島県民の信頼は失っています。もうこれはゼロからマイナスですから、そこで再稼働というのはあり得ないです、十基とも。十基というか、六基ですね、残り六基。政府は筆頭株主ですから、政府がきちんと世界に発信してください。もちろん東電と、東電といいますか、内部との打合せはありますが、全ての残り六基、廃炉にする、これをいち早く決定するということはまさにカントリーリスク、世界からの企業の日本に対する進出阻害要件を排除する、こう思うんですが、いかがですか。
#104
○国務大臣(枝野幸男君) 東京電力の特に福島に所在する原子力発電所の今後については、地元の皆さんの明確な意思が示されているというふうに思っております。そして、これだけの被害を地元の皆さんにお与えをしている以上、政府としてもこの地元の皆さんの意向を踏まえた対応をしなければならないというふうに思っております。
 一方で、特に会計上の処理手続というものをどういう手続で、どういうタイミングで行うのかということについては、これ気を付けて発言したいと思いますが、やはり賠償と廃炉と電力の安定供給、これは一瞬たりとも損なってはいけないという制約の中、そして最終的な国民負担を最小化するということの中でこの三つを実施をするということの中で、会計のルールにのっとって手続手順を進めていかなければならないと、こういう制約が課せられております。
 したがいまして、前段のお話で思い、趣旨は御理解いただけるかというふうに思いますので、その上で、そうした後段の事情については御理解をいただければというふうに思っております。
#105
○荒井広幸君 大臣の思い、その受け止め方というのは廃炉ということでおっしゃっているというのは十分よく分かります。ただ、それまでに行くプロセスがあるということでもあり、様々な課題はあるということですが、そこをやっぱり乗り越えるというんですか、それが有事なんじゃないですか。国が所有するということ自体あり得ないんですから、そもそも。だから、その有事対応でのさばきというものを私は早期にしていただきたいというふうに思います。
 続きまして、原発作業員の被曝リスクですね。作業員、下請、孫請の方が、もう余り線量が高いというふうになると働けなくなるし、自分も働きたいし、そういうところ含めて、危険なところですから、線量計を壊すんではなくて遮蔽してしまったというようなことですね、線量が出ないようにしてしまったと、こういうような問題がありました。
 これは除染作業も一緒なんですよ。今除染をしている方々もみんなそうなんです。ところが、これ、労働安全基準的な話でガラスバッジを持たせるみたいな話なんですけど、本来はこれは全く違う被曝管理ということをしていかなくちゃいけない。それで、与野党共同で法律を出したり、それからもう一つ重要なのは、公明党さんと我が党が既に出しているんですが、この作業従事者ですね、原発構内を含め、そしてその除染をする方々にとっても健康管理というのは必要なんだという法律を、健康調査等事業の実施等に関する法律案というので去年から出しているんです。
 こういったことをしっかりしていかなくちゃいけないんですが、結論を言います。原子力規制委員会に線量をきちんと、働く方々に対して、これ普通に生活する人、日本国民に対してというのは、これはまた子どもと被災者支援法でかなりのところは明確にしましたから、今度は、働く、かかわっているという、そういう方々のところはもう一つ重要な、監視が必要ですから、原子力規制委員会に線量監視、これをきちんと部局を設ける必要があると、こういうふうに思いますが、九月からスタートする人選をどうすると言っているんですから、当然この辺りの話はされているんだろうと思いますので、内閣官房になるんでしょうか、環境省になるんでしょうか、その辺の御見解聞かせてください。
#106
○政府参考人(櫻田道夫君) 御説明申し上げます。
 原子力発電所等で放射線業務に従事する作業員の被曝の線量につきましては、現在、その規制を担当する部局いろいろございますが、そういった省庁がそれぞれ担当しているということでございますが、原子力規制委員会の発足後におきましても、引き続きそういった業務従事者の線量管理が適切に行えるように万全な体制を整備していくということが必要であろうというふうに思ってございますし、また、原子力規制委員会のみならずほかの関係する省庁ともきちんと連携をして、政府全体として健康管理が適切になされるような体制をきちんと構築していくということが重要であろうというふうに現在のところでは考えている次第でございます。
#107
○荒井広幸君 それぞれが今もやっているというなら、やっぱり大臣、チームつくらないと駄目ですよ、それぞれを入れて、いつもばらばらなんだから。何のための規制委員会つくったか分からないです。三党の皆さん、大変御苦心をいただいたけれども、参議院でたった三日ですから。三党で協議して、衆議院ではそれまではやっていたけど、三党協議の以降はほとんど衆議院でやらなかった。参議院は、我々は、これはやっぱりある意味でチェックをしていきますし、再考の府ですが、三日間ですよ。ほとんど議論していない。ほとんど、規制委員会の法律事項みたいなものは、あのノーリターンルールとかいうようなところは改善はしたけれども、実施部隊となると全く政府に預けきりなんですよ、検討を。こういったところ、全く抜けている。
 二つ目は、廃炉の安全専門審査会というのをつくらなかった。全く今までの問題点の組織そっくりそのまま、核燃料の安全審査会と、そしてもう一つは原子炉の安全審査会、法律でつくっただけなんです。廃炉の安全こそ今見守らなくちゃならないんじゃないですか。最大の廃炉の問題は何ですか。メルトダウンした、これだけの重大事案を抱えたところ、廃炉というプロセスを踏んでやらなくちゃいけないんですよ。これを安全専門審査会という、立てることすら考えなかった。大変な失点ですよ、これは。あるいは問題点なんです。こういったところを指摘させていただきたいと思います。これを改善するということになると、省が違いますが、大臣、どうぞ閣議でこの辺、ぎっちり話をしていただきたいというふうに思っております。別な機会にこのところはまた取り上げます。
 最後になりますが、意見的なもので申し訳ありませんが、私は、あの原発事故というものが起きまして、企業の問題ですね、企業の、日本に来てもらう、海外に行かないでも日本でやってもらえると、こういうことを考えると、一つは、社会の中の企業としてどうあるべきか、あるいは企業として社会にどう貢献するか、いわゆるCSRですね、こういう観点の意識がない企業というのは果たして長く存続できるんだろうかという私は単純な疑問を持つんです。しかし、当面はそういう方々が力を持っていく、あるいは成果を上げる、羨ましがられる、こういうことはあるかもしれない。
 しかし、我が国の本道は、マテリアルフローコスト会計を入れるとか、こういったことも含めまして、単にフローだけで見るんじゃない、損益計算書で見るんじゃないと、そういうものを含めて新たな社会にどう貢献するかという指標を作っていくとか、あるいはそういう貢献度をどう評価するかというところにこそ政策誘導していく、そういう形で世界を引っ張っていくべきじゃないですか。
 TPPも含めて、常に受け身なんですよ。我が国のいいものを世界に受け取ってくださいということをやらない。アメリカから言われたものを受け取るか受け取らないかでちまちまちまちましている。この原発災害というものを機に大いに日本のいいところを標準化して、世界に貢献する標準化なんですから、そういうものを積極的に取り組んでいただきますようにお願いして、終わります。
#108
○委員長(前川清成君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
 特定多国籍企業による研究開発事業等の促進に関する特別措置法案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#109
○委員長(前川清成君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 この際、牧野君から発言を求められておりますので、これを許します。牧野たかお君。
#110
○牧野たかお君 私は、ただいま可決されました特定多国籍企業による研究開発事業等の促進に関する特別措置法案に対し、民主党・新緑風会、自由民主党・たちあがれ日本・無所属の会、公明党、国民の生活が第一及び新党改革の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    特定多国籍企業による研究開発事業等の促進に関する特別措置法案に対する附帯決議(案)
  政府は、本法施行に当たり、次の諸点について適切な措置を講ずべきである。
 一 関係各府省庁等は、特定多国籍企業誘致の実現に向け各般の施策の実施に当たって緊密に連携するとともに、激化する国際的な企業誘致競争に打ち勝つため、必要な予算の確保や税制上の更なる対応を始め、一層の優遇措置の拡大等に努めること。
 二 外国企業の誘致に当たっては、総合特区の活用を始め、国際競争力の強化に資する他の関連制度との窓口をワンストップ化するなど利便性を高め、関係行政機関等の積極的な対応を確保することにより、関連制度間の緊密な連携による相乗効果を生み出しつつ効果的な実施に努めること。
 三 事業計画の認定に当たっては、我が国事業者の特許発明、技術等が国外へみだりに流出することのないよう必要な措置を講ずるとともに、地域経済を支える我が国事業者の健全な発展を阻害するなど地域経済の疲弊につながることのないよう十分に配慮すること。
 四 本法の施行により特定多国籍企業の誘致を進めるとともに、我が国の産業空洞化に歯止めをかけ、地域経済や雇用への悪影響を回避するため、円高・デフレの解消に一層の努力を払い、電力システム改革等を通じてエネルギーコストの上昇を極力圧縮し、種々の規制の見直しを進めるなど、産業競争力の回復、強化に向けて総合的な政策対応を早急に講ずること。
   右決議する。
 以上でございます。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
#111
○委員長(前川清成君) ただいま牧野君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#112
○委員長(前川清成君) 全会一致と認めます。よって、牧野君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、枝野経済産業大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。枝野経済産業大臣。
#113
○国務大臣(枝野幸男君) ただいま御決議をいただきました附帯決議につきましては、その趣旨を尊重し、本法律案の実施に努めてまいりたいと考えております。
#114
○委員長(前川清成君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#115
○委員長(前川清成君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後零時三十五分散会
ソース: 国立国会図書館
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