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2012/03/15 第180回国会 参議院 参議院会議録情報 第180回国会 厚生労働委員会 第2号
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2012/03/15 第180回国会 参議院

参議院会議録情報 第180回国会 厚生労働委員会 第2号

#1
第180回国会 厚生労働委員会 第2号
平成二十四年三月十五日(木曜日)
   午後零時十分開会
    ─────────────
   委員の異動
 二月八日
    辞任         補欠選任
 ツルネン マルテイ君     西村まさみ君
 三月十四日
    辞任         補欠選任
     西村まさみ君     徳永 エリ君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         小林 正夫君
    理 事
                梅村  聡君
                柳田  稔君
                石井 準一君
                中村 博彦君
                渡辺 孝男君
    委 員
                足立 信也君
                石橋 通宏君
                大島九州男君
                川合 孝典君
                津田弥太郎君
                辻  泰弘君
                徳永 エリ君
                牧山ひろえ君
                赤石 清美君
                石井みどり君
                衛藤 晟一君
                大家 敏志君
                高階恵美子君
                丸川 珠代君
               三原じゅん子君
                秋野 公造君
                川田 龍平君
                田村 智子君
                福島みずほ君
   国務大臣
       厚生労働大臣   小宮山洋子君
   副大臣
       厚生労働副大臣  牧  義夫君
       厚生労働副大臣  辻  泰弘君
   大臣政務官
       厚生労働大臣政
       務官       藤田 一枝君
       厚生労働大臣政
       務官       津田弥太郎君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        松田 茂敬君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○社会保障及び労働問題等に関する調査
 (厚生労働行政の基本施策に関する件)
 (平成二十四年度厚生労働省関係予算に関する
 件)
 (派遣委員の報告)
    ─────────────
#2
○委員長(小林正夫君) ただいまから厚生労働委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告申し上げます。
 昨日までに、ツルネンマルテイ君が委員を辞任され、その補欠として徳永エリ君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(小林正夫君) 社会保障及び労働問題等に関する調査を議題といたします。
 まず、厚生労働行政の基本施策について、厚生労働大臣から所信を聴取いたします。小宮山厚生労働大臣。
#4
○国務大臣(小宮山洋子君) 厚生労働委員会の開催に当たり、私の所信を申し上げます。
 厚生労働大臣に就任してからおよそ半年が経過し、厚生労働行政が国民の皆様の生活に密着した大変幅広い分野を担当していることを改めて実感しています。
 このため、国民の皆様の安心した生活を実現できるよう、厚生労働行政の当面する諸課題の解決に向け、スピード感を持ち、全力で取り組んでいきます。
 東日本大震災からの復旧と将来を見据えた復興は、喫緊の課題です。
 このため、被災者への支援として、仮設住宅等の居住環境の改善や、健康の確保、心のケアに取り組みます。被災した子供については、児童福祉の専門家などによる相談や援助を長期間にわたって行っていきます。
 被災した方々の雇用問題に対応するため、「日本はひとつ」しごとプロジェクトを推進してきました。その結果、被災三県でこれまでにおよそ十二万人が就職しました。
 今後の復興段階では、被災した方々が働くことで収入を得られるよう、復興事業などの求人をハローワークで開拓、確保します。また、担当者制による個別対応や職業訓練への誘導など、きめ細かな就職支援を実施します。さらに、被災地での産業振興と雇用支援を一体的に行う取組や、女性や高齢者の活用などの雇用モデルの創造のための事業を実施し、雇用創出を図ります。こうした雇用対策が被災者一人一人に確実に届くよう全力を尽くしていきます。
 被災地の医療提供体制については、当面の医療機能を確保する復旧から、中長期的な医療提供体制の再構築を進める復興段階へと重点が移ってきています。これからの医療提供体制のモデルとなる復興を進めていきます。また、介護分野についても被災地のニーズを踏まえたサポート拠点の設置などを進めます。
 東京電力福島第一原子力発電所事故への対応を着実に進めることも重要な課題です。
 このため、食品中の放射性物質への対応として、特に子供に配慮しつつ、より一層の食品の安全、安心を確保するため、新たな基準値を今年四月から施行し、地方自治体での効果的、効率的な検査の実施を支援していきます。
 被曝線量管理や離職後を含めた長期的な健康管理により、東京電力福島第一原子力発電所で作業に従事する方々の健康確保に万全を期します。あわせて、除染作業や復旧復興工事に従事する方々の健康と安全の確保に万全を期していきます。
 少子高齢化による人口構成の大きな変化、非正規労働者の増加などによる雇用基盤の変化、家族形態、地域基盤の変化など、日本の社会保障制度を支える社会経済情勢には大きな変化が生じています。また、社会保障に要する費用の多くを将来世代の負担にツケ回ししている状況です。
 こうした状況に対応し、安心で希望と誇りが持てる社会を実現するためには、社会保障の充実と持続可能性の確保を同時に実施しなければなりません。
 このため、先月閣議決定した社会保障・税一体改革大綱では、給付は高齢世代中心、負担は現役世代中心という今の社会保障制度から、給付、負担両面で、世代間、世代内の公平を確保した全世代対応型の社会保障制度の構築を目指し、子育て、医療・介護、年金などの社会保障の充実を図ります。また、社会保障の負担をあらゆる世代で分かち合い、将来世代に負担を先送りしないため、平成二十七年十月までに段階的に消費税率を一〇%まで引き上げることになっています。
 この改革案を実現するため、私自身が先頭に立ち、分かりやすく丁寧に情報発信し、国民の皆様の御理解をいただくとともに、順次、法案を提出していきます。
 平成二十四年度以降の子どものための手当制度については、中学校修了前の子供を養育している方に対し、三歳未満の子供と、三歳から小学校までの子供のうち第三子以降の子供については月額一万五千円、三歳から小学校までの子供のうち第一子、第二子と、中学生については月額一万円を支給し、年少扶養控除の廃止に伴う手取り額の減少に対応するため、所得制限以上の方に対しては月額五千円を支給することなどを内容とする児童手当法改正法案をこの国会に提出しました。与野党間で協議していただき、必要であれば修正もして、早期に成立させていただくようお願いいたします。
 保育所待機児童の解消に向けては、子ども・子育てビジョンに基づく取組を全力で進めるとともに、先進的に取り組む自治体を支援していきます。
 また、幼保一体化を含めた子ども・子育て支援のための子ども・子育て新システムについても、税制抜本改革とともに、内閣府等と共同で、この国会に関連法案を提出します。
 さらに、仕事と生活の調和のため、働き方の見直しに引き続き取り組みます。
 このほか、今年四月の親権に関する制度改正の円滑な施行など、児童虐待防止対策を強化するとともに、家庭的養護の推進など、社会的養護の質、量の拡充に努めます。
 年金制度を将来にわたって持続可能なものとするため、年金交付国債の発行、交付により、平成二十四年度の基礎年金国庫負担割合を二分の一とするとともに、老齢基礎年金等の年金額の特例水準を解消することなどを内容とする法案を提出しています。
 また、新しい年金制度について議論を進めるほか、年金の最低保障機能の強化や高所得者の年金額の調整、産休期間中の保険料負担免除、短時間労働者への社会保険の適用拡大、被用者年金の一元化などの現行の年金制度の改善を図るとともに、年金交付国債の償還などに必要な法案をこの国会に提出します。
 年金記録問題については、紙台帳とコンピューター記録の突き合わせを進めるとともに、ねんきんネットの充実などにより、いつでも手軽に年金記録を確認できる取組などを進めていきます。
 日本の再生のためには、経済成長とともに、社会が安定し、将来に対する希望を持てる環境をつくることが重要です。現在の雇用情勢は、震災の影響もあり、一部に持ち直しの動きが見られるものの、依然として厳しい状況です。
 このため、円高等の雇用への影響も注視しながら、厳しい雇用情勢の改善に全力で取り組むとともに、日本再生の基本戦略に基づき、分厚い中間層の復活を目指し、雇用の創出や質の向上に取り組みます。
 具体的には、新卒者を始めとする就職環境が大変厳しい若者について、ジョブサポーターと学校が連携した就職支援を一層強化するなど、新卒者支援を更に充実させます。また、日本再生の基本戦略に盛り込まれた若者の雇用に関する戦略を今年半ばまでに策定し、将来を担う若者が安定した雇用に就けるよう全力を尽くします。
 雇用保険制度については、平成二十三年度末までの暫定措置とされている給付日数の拡充措置を二年間延長することなどを内容とする法案を提出しています。
 高齢者雇用については、雇用と年金を確実に接続させ、無年金、無収入となる高齢者が生じないよう、希望者全員の六十五歳までの雇用確保措置を内容とする法案をこの国会に提出しています。
 また、有期契約労働者の雇用の安定と公正な待遇を確保するため、有期契約が五年を超えて反復継続する場合に、労働者の申出により無期契約に転換させる仕組みの導入等を内容とする労働契約法改正案をこの国会に提出します。
 さらに、パートタイム労働対策について、労働政策審議会で議論を進めるとともに、成長分野での人材育成や雇用のセーフティーネットとして、職業訓練を始めとする職業能力開発施策を積極的に推進していきます。
 このほか、全ての人の自立した生活の実現に向け、生活困窮者対策と生活保護制度の見直しに総合的に取り組むための生活支援戦略を今年の秋をめどに策定します。
 介護・福祉政策については、将来にわたって持続可能な介護保険制度を構築し、高齢者が住み慣れた地域で安心して暮らし続けることができるよう、今回の介護報酬改定等により、地域包括ケアシステムの構築を進めるとともに、介護人材の安定的な確保に向け、介護職員の処遇改善に取り組んでいきます。
 また、障害者が地域社会で安心して暮らせるよう、障害者基本法の改正を踏まえた理念の創設、障害者の範囲やサービス体系の見直しなど、障害者施策の更なる充実を図るための法案をこの国会に提出しています。
 医療・健康対策については、地域の医師不足問題に着実に対応するとともに、来年度を在宅医療・介護あんしん二〇一二と位置付け、適切な医療・介護サービスの提供により、地域で安心して暮らすことができる体制の構築に取り組んでいきます。
 また、今回の診療報酬改定では、安心、安全で質の高い医療を提供するための財源を確保しました。医療従事者の負担軽減や、医療・介護連携、在宅医療の充実を始めとする地域医療の再生などに取り組んでいきます。
 さらに、国民皆保険の基礎として重要な役割を果たしている国民健康保険の安定的運営を確保するため、財政基盤強化策の恒久化、財政運営の都道府県単位化の推進、都道府県による財政調整機能の強化などを内容とする法案を提出しています。高齢者医療制度の見直しについても、関係者の理解を得た上で法案が提出できるよう、検討、調整を行っていきます。
 予防接種制度全体の見直しに向けた検討や、難病、肝炎、がん、生活習慣病といった様々な疾病を抱える方々への支援策も引き続き進めていきます。
 このほか、日本発の革新的な医薬品、医療機器等の創出により、健康長寿社会を実現するとともに、国際競争力強化による経済成長に貢献することを目指す医療イノベーションの推進に取り組んでいきます。
 国民の生命や健康を守るため、新型インフルエンザ対策を始めとする健康危機管理対策に万全を尽くします。
 医薬品等による健康被害の再発防止やドラッグラグ、デバイスラグの解消を図るための取組を進めていきます。
 援護行政については、戦没者の遺骨帰還事業や慰霊事業、戦傷病者、戦没者遺族、中国残留邦人等に対する支援策をきめ細かく実施します。
 このほか、派遣労働者の雇用の安定や派遣事業の適正化のための労働者派遣法改正案、メンタルヘルス対策等を内容とする労働安全衛生法改正案、年金の第三号被保険者の不整合記録問題に対応するための主婦年金追納法案は継続審議となっていますので、早期の成立をお願いいたします。
 以上、厚生労働行政の当面する主な課題について説明させていただきましたが、ほかにも厚生労働行政には多くの課題が山積しています。
 小林委員長を始め委員の皆様には一層の御理解と御協力をいただきますよう、よろしくお願いいたします。
#5
○委員長(小林正夫君) 次に、平成二十四年度厚生労働省関係予算について厚生労働副大臣から説明を聴取いたします。牧厚生労働副大臣。
#6
○副大臣(牧義夫君) 厚生労働副大臣の牧でございます。
 辻副大臣、津田、藤田両政務官とともに小宮山大臣を支え、小林委員長を始め委員の皆様の御理解と御協力を得ながら厚生労働行政の推進に邁進していきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いをいたします。
 お手元の資料に基づいて、平成二十四年度厚生労働省関係予算案の概要について説明いたします。
 まず、平成二十四年度厚生労働省所管一般会計の予算規模は、総額は二十六兆六千八百七十三億円、対前年度二兆二千七百六十五億円、七・九%の減少となっていますが、このほか、基礎年金国庫負担割合二分の一の財源として、税制抜本改革により確保される財源を充てて償還される交付国債により、二兆四千八百七十九億円を確保しております。
 以下、主要施策について説明いたします。
 第一は、五ページから十ページにかけての、安心して子供を産み育てることのできる環境の整備です。全ての子供の良質な成育環境を保障し、子供の育ちを社会全体で支援するため、子育てに係る支援策を充実させるなど、総合的な子ども・子育て支援を推進していきます。
 第二は、十一ページから十七ページにかけての、全員参加型社会の実現に向けた雇用・生活安定の確保です。分厚い中間層の復活を目指し、労働市場への参加保障の理念により、できる限り多くの人が働きがいのある人間らしい仕事ができるよう、若者、女性、高齢者、障害者の就労促進を図っていきます。
 また、東日本大震災後の産業構造の変化等を踏まえた公的職業訓練の推進、就職困難者等全ての求職者の就労に向けた重層的なセーフティーネットの構築による積極的な就労・生活支援対策の展開等を行い、全員参加型社会の実現を図っていきます。
 第三は、十八ページから二十九ページにかけての、安心で質の高い医療・介護サービスの安定的な提供です。安定的で持続可能な医療保険制度とするため、各医療保険制度に係る必要な経費の確保等を図っていきます。
 また、在宅医療・介護を支える人材の育成や基盤の整備等とともに、地域住民が住み慣れた地域で必要な医療・介護サービスを継続的、一体的に受けることのできる地域包括ケアシステムの整備を推進していきます。
 さらに、医師等の確保対策を始めとした地域医療確保対策、救急医療、周産期医療の体制整備、災害医療体制の強化、安定的な介護保険制度の運営の確保、地域での介護基盤の整備、革新的な医薬品、医療機器の開発促進等により安心で質の高い医療・介護サービスを安定的に提供していきます。
 第四は、三十ページから三十八ページにかけての、健康で安全な生活の確保です。行動計画の改定を踏まえた新型インフルエンザ対策の強化等の感染症対策、肝炎治療促進のための環境整備等の肝炎対策、小児がん対策等のがん対策、難病等の各種疾病対策、移植対策、生活習慣病対策を推進していきます。
 また、健康危機管理対策、食品中の放射性物質対策、輸入食品等の食品の安全対策、食中毒対策、医薬品、医療機器、再生医療製品の安全対策や迅速な提供等を推進していきます。
 第五は、三十九ページから四十ページにかけての、信頼できる年金制度に向けてです。公的年金制度は国民の老後の安定した生活を支えるセーフティーネットであり、持続可能で安心できる年金制度の構築に向け、基礎年金国庫負担二分の一を維持していきます。
 また、国家プロジェクトである年金記録問題の解決に向けた取組を進めていきます。
 第六は、四十一ページから四十六ページにかけての、障害者支援の総合的な推進です。障害があっても当たり前に地域で暮らし、地域の一員として共に生活できる社会を実現するため、良質な障害福祉サービスの確保や地域生活支援事業の着実な実施、精神障害者や発達障害者等への支援施策の推進等を図っていきます。
 第七は、四十七ページから五十一ページにかけての、安心して働くことのできる環境整備です。分厚い中間層の復活を目指し、就労形態にかかわらず公正に処遇され、安心して働くことができるよう、非正規労働者の働き方をめぐるルールの整備や、労働者が生涯を通じて安心、安全で健康に働くことができる労働環境の整備を推進し、働きがいのある人間らしい仕事の実現を図っていきます。
 第八は、五十二ページから五十四ページにかけての、暮らしの安心確保です。自殺・うつ病対策を推進するとともに、子供の貧困連鎖の防止等も含む生活保護受給者の自立支援、矯正施設退所者の社会復帰や地域生活への定着の促進等により暮らしの安心を確保していきます。
 以上のほか、五十五ページから六十三ページにあるように、ライフイノベーションの一体的な推進、世界保健機関や国際労働機関等を通じた国際協力の推進、外国人労働問題等への適切な対応、戦傷病者、戦没者遺族、中国残留邦人等の援護、原爆被爆者対策等の諸施策を推進していきます。
 以上、主な内容について説明いたしましたが、お手元の資料のうち、一般会計予算案の主要経費別内訳及び特別会計予算案の概要につきましては、説明を省略させていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。
#7
○委員長(小林正夫君) 以上で所信及び予算の説明の聴取は終わりました。
 本件に対する質疑は後日に譲ることといたします。
 大臣、副大臣及び大臣政務官は御退席いただいて結構でございます。
    ─────────────
#8
○委員長(小林正夫君) 次に、先般本委員会が行いました委員派遣につきまして、派遣委員から報告を聴取いたします。中村博彦君。
#9
○中村博彦君 委員派遣について御報告申し上げます。
 去る二月二十日及び二十一日の二日間、小林委員長、柳田理事、梅村理事、石井理事、渡辺理事、足立委員、石橋委員、大島委員、川合委員、津田委員、牧山委員、赤石委員、石井委員、衛藤委員、三原委員、秋野委員、田村委員及び私、中村の十八名により、茨城県及び福島県における労働問題及び社会保障等に関する実情を調査し、もって本委員会への付託が予定される現下の厳しい雇用情勢に対応して労働者の生活及び雇用の安定を図るための雇用保険法及び特別会計に関する法律の一部を改正する法律案等の審査に資するため、委員派遣を行いました。
 以下、その概要を御報告いたします。
 一日目は、まず茨城県土浦市の児童養護施設道心園西ホームを訪問し、施設内を視察の後、概況説明を聴取いたしました。当施設は、東日本大震災により、各所に亀裂が生じるなどの損壊被害を受けたものであります。説明を聴取した後、施設退所後の自立援助の在り方、県外から受け入れている措置児童の処遇等について、意見交換を行いました。
 次に、茨城県庁におきまして、茨城県及び茨城労働局から、県下の雇用の情勢及び対策、県内の医療・福祉施設等の被災状況と医療体制についての概況説明を聴取いたしました。茨城県下の有効求人倍率は、震災の影響により一時足踏み状態が続き、その後徐々に上昇してきているものの、〇・七三倍と依然として厳しい状況にあること、緊急雇用創出事業臨時特例交付金等を活用し、研修雇用一体型事業などの雇用機会創出に取り組んでいること等についての説明があり、震災等緊急雇用対応事業の実施期間の延長及び交付金の増額などの御要望をいただきました。また、茨城県は人口十万対医師数が全国第四十六位であることや震災の影響による医師の県外流出等の課題があり、医師の確保が急務となっていること、医療施設等の被災状況及び復旧への取組状況等についての説明があったほか、放射線に関する健康影響調査の実施基準統一などの御要望をいただきました。
 説明を聴取した後、震災復旧事業の地元企業への発注及び適正な労働単価の確保、医療・介護・保育従事者の確保策、医学部の新設や定員増に対する考え方、健康影響調査実施の検討状況、県内の南北格差の解決に向けたビジョン等について、橋本茨城県知事を始めとする関係者の方々と意見交換を行いました。
 次に、常陸那珂工業団地を視察し、概況説明を聴取いたしました。当団地には、七社の企業が立地しており、東日本大震災の影響により、その全てが一時、休業を余儀なくされたとのことであります。
 次に、大津港を訪問し、豊田北茨城市長を始めとする関係者の方々から概況説明を聴取いたしました。大津港は東日本大震災の津波により甚大な被害を受け、漁港施設の被害額は約二百十億円となっており、平成二十八年度末の全面復旧を目指しております。また、震災後、重点分野雇用創出事業を活用し、職を失った方を市等の臨時職員として採用しているとのことでありました。
 次に、北茨城市立総合病院を訪問し、概況説明を聴取いたしました。当施設は茨城県北部と福島県いわき市南部の地域を支える中核病院として、一般医療、救急医療、へき地医療、検診医療などに積極的に取り組んでおられます。東日本大震災による被災と復興状況について説明があったほか、地域医療再生基金の有効活用、大学病院による診療支援の継続などの御要望をいただきました。
 説明を聴取した後、施設内の被災箇所を視察するとともに、常勤医師等の確保対策、地域の拠点病院としての在り方等についての意見交換を行いました。
 二日目は、日産自動車いわき工場を訪問いたしました。日産自動車いわき工場は東日本大震災により、地盤沈下等の被害を受け、休業を余儀なくされましたが、昨年四月から順次生産を再開し、完全復旧を目指しているところです。工場内を視察した後、雇用状況等について概況説明を聴取するとともに、従業員の雇用形態、非正規労働者の正社員登用に対する考え方、従業員の放射線被曝の影響、節電のための勤務態勢、国内における雇用の維持、人材育成の在り方等についての意見交換を行いました。
 次に、特別養護老人ホーム楽寿荘を訪問し、概況説明を聴取いたしました。当施設は海岸線から二百メートルの距離に位置しており、東日本大震災では周辺地域が津波で甚大な被害を被る中、入所者を屋上に避難させ、水や緊急物資の確保に努めたということです。説明を聴取した後、施設内を視察するとともに、震災後の介護職員の雇用状況、施設でのみとりの在り方、訪問看護における介護保険と医療保険の役割、在宅介護・医療の推進に対する考え方等についての意見交換を行いました。
 次に、グランパークホテルエクセルいわきにおきまして、いわき市から保健福祉等の概況について、福島労働局から県下の雇用情勢と就職支援の取組について、それぞれ概況説明を聴取いたしました。いわき市からは、原発事故等の影響により、保健福祉を支える人材が不足していること、漁業や観光業で経済、雇用に大きな打撃を受けていること、失業給付の受給期間終了により生活保護受給者が増加する可能性、広域保育受託児童数が大幅に増加している現状、医療従事者の市外への流出状況等について説明があったほか、被災地の医療機関に対する診療報酬上の緩和措置の延長について御要望をいただきました。福島労働局からは、建設業や緊急雇用創出基金事業などで求人数が増加傾向にあること、雇用保険の個別延長・広域延長給付に移行する受給者が二万人を超える規模で高止まりしている現状、雇用調整助成金の利用が依然として高水準で推移していること等についての説明がありました。
 説明を聴取した後、求職者の就職活動の状況、ハローワークの人員体制、安定的な雇用に至る職業紹介の在り方、医師の流出への対策、十八歳未満の医療費無料化の財源及び実施期間等についての意見交換を行いました。
 最後に、今回の委員派遣に当たりまして、茨城県、福島県、北茨城市、いわき市及び訪問先の関係者の方々に特段の御配慮をいただきましたことを、この場をお借りして、心から御礼を申し上げたいと存じます。
 なお、茨城県から、健康影響調査の実施、医師確保対策、災害に強い医療施設づくりの推進、雇用対策の推進等について、当委員会に対し、要望書の提出がありましたので、これを本日の会議録の末尾に掲載していただきますようお願い申し上げます。
 以上で委員派遣の報告を終わります。
#10
○委員長(小林正夫君) 以上で派遣委員の報告は終わりました。
 なお、ただいまの報告の中で要請のございました茨城県からの要望書につきましては、本日の会議録の末尾に掲載することにいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#11
○委員長(小林正夫君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後零時四十一分散会
ソース: 国立国会図書館
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