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2012/03/22 第180回国会 参議院 参議院会議録情報 第180回国会 厚生労働委員会 第3号
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2012/03/22 第180回国会 参議院

参議院会議録情報 第180回国会 厚生労働委員会 第3号

#1
第180回国会 厚生労働委員会 第3号
平成二十四年三月二十二日(木曜日)
   午前十時一分開会
    ─────────────
   委員の異動
 三月十五日
    辞任         補欠選任
     徳永 エリ君     西村まさみ君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         小林 正夫君
    理 事
                梅村  聡君
                柳田  稔君
                石井 準一君
                中村 博彦君
                渡辺 孝男君
    委 員
                足立 信也君
                石橋 通宏君
                大島九州男君
                川合 孝典君
                津田弥太郎君
                辻  泰弘君
                西村まさみ君
                牧山ひろえ君
                石井みどり君
                衛藤 晟一君
                大家 敏志君
                高階恵美子君
                丸川 珠代君
                秋野 公造君
                川田 龍平君
                田村 智子君
                福島みずほ君
   国務大臣
       厚生労働大臣   小宮山洋子君
   副大臣
       文部科学副大臣  奥村 展三君
       厚生労働副大臣  牧  義夫君
       厚生労働副大臣  辻  泰弘君
   大臣政務官
       復興大臣政務官  郡  和子君
       法務大臣政務官  谷  博之君
       財務大臣政務官  吉田  泉君
       厚生労働大臣政
       務官       藤田 一枝君
       厚生労働大臣政
       務官       津田弥太郎君
       経済産業大臣政
       務官       中根 康浩君
       環境大臣政務官  高山 智司君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        松田 茂敬君
   政府参考人
       内閣府行政刷新
       会議事務局次長  冨永 哲夫君
       総務省総合通信
       基盤局長     桜井  俊君
       法務省入国管理
       局長       高宅  茂君
       文部科学大臣官
       房審議官     森本 浩一君
       厚生労働大臣官
       房年金管理審議
       官        今別府敏雄君
       厚生労働省医政
       局長       大谷 泰夫君
       厚生労働省健康
       局長       外山 千也君
       厚生労働省医薬
       食品局長     木倉 敬之君
       厚生労働省職業
       安定局派遣・有
       期労働対策部長  生田 正之君
       厚生労働省職業
       能力開発局長   小野  晃君
       厚生労働省雇用
       均等・児童家庭
       局長       高井 康行君
       厚生労働省社会
       ・援護局長    山崎 史郎君
       厚生労働省社会
       ・援護局障害保
       健福祉部長    岡田 太造君
       厚生労働省老健
       局長       宮島 俊彦君
       厚生労働省政策
       統括官      香取 照幸君
       環境大臣官房廃
       棄物・リサイク
       ル対策部長    伊藤 哲夫君
   参考人
       財団法人国際研
       修協力機構専務
       理事兼事務局長  佐田 通明君
       社団法人国際厚
       生事業団専務理
       事        角田  隆君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○参考人の出席要求に関する件
○社会保障及び労働問題等に関する調査
 (厚生労働行政の基本施策に関する件)
○現下の厳しい雇用情勢に対応して労働者の生活
 及び雇用の安定を図るための雇用保険法及び特
 別会計に関する法律の一部を改正する法律案(
 内閣提出、衆議院送付)
    ─────────────
#2
○委員長(小林正夫君) ただいまから厚生労働委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 去る十五日、徳永エリ君が委員を辞任され、その補欠として西村まさみ君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(小林正夫君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 社会保障及び労働問題等に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、厚生労働省医政局長大谷泰夫君外十五名の政府参考人の出席を求め、その説明を聴取したいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(小林正夫君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(小林正夫君) 次に、参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 社会保障及び労働問題等に関する調査のため、本日の委員会に参考人として財団法人国際研修協力機構専務理事兼事務局長佐田通明君及び社団法人国際厚生事業団専務理事角田隆君の出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○委員長(小林正夫君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#7
○委員長(小林正夫君) 社会保障及び労働問題等に関する調査を議題として、厚生労働行政の基本施策に関する件について質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#8
○足立信也君 皆さん、おはようございます。民主党の足立信也でございます。
 三・一一から一年たちました。今日は東日本大震災に関連して質問をしていきたいと思います。それと、今民主党の中で社保・税一体改革、特に消費税の増税法案に対する議論を連日夜遅くまでやられておりますが、まずこの点についてお伺いをしたいと思います。
 昨年の三月十一日は、当時、民主党としては、社会保障と税の抜本改革調査会、仙谷調査会長の下でやっておりました。その前は税と社会保障の抜本改革調査会で、藤井会長でございました。その順番を変えて、社会保障と税の抜本改革調査会ということだったわけです。
 ちょうど三月十一日に私が、二〇二五年の医療、介護の姿という形で役員会でプレゼンテーションをしておりました。それは、二〇二三年ごろから高齢者人口がほぼピークに達すると。そして、今は、現役世代三人で一人の高齢者を支える騎馬戦型と言われておりますが、ちょうどそのころに、二〇二五年ころに、私はかご型と言っているんですが、二人で一人を支えるようになると。実は、二〇五五年に肩車型と、一人が一人を支えるとよく言われますけれども、二〇五五年の姿を言われてもなかなか分かるものではない。高齢者人口がほぼピークに達する二〇二五年ころのかご型というのが、実は私はそこに向かって議論を整理すべきだと思っていたわけです。二人で一人を支えるからかご型だって、ちょっと古いかもしれませんけれどもね。ということで、抜本改革というのは二〇二五年の姿を描いてやっていったわけです。ちょうどそのとき、プレゼンテーションしているときに東日本大震災が起きたわけですね。
 ですから、それから、その場の皆さんの判断で、できるだけのことを大震災に対しての支援に切り替えてやっていこうということで、実は一か月半ほどこの抜本改革の考え、どうあるべきかということはストップしたわけですね。そして、その後、今度は社会保障と税の一体改革という形で出てきたわけです。私がその医療、介護についてプレゼンテーションしているのは、実はいろんな分科会がある中で最初だったんですね。ということは、抜本的な二〇二五年の姿を描くのが中断されてしまった、あるいは議論できなくなってしまった。ですから、今、素案から大綱案になっておりますけれども、私は、ここは抜本改革ではなくて、やはり今ある社会保障をいかに持続させていくかという観点が非常に強い。
 まさに、今年から団塊の世代が六十五歳になり始めるわけですね。なり始めたわけです。そして、一四年には団塊の世代全員が年金受給世代になるという、もう目前の話でございまして、抜本的な改革と将来の絵姿を描いた改革に合わせて全世代型の社会保障に変える、そして、その安定財源の確保という意味での抜本改革ではなく、むしろ二〇一五年のまずその姿、現状をきっちり維持すると、それから年金世代が非常に増えていく、ここに対応するというような形、そして財政再建も含めて、というように私は変わってきていると思うんです。それが事実だと思うんですが、今の説明が、多くは社会保障の将来像、それに合うような安定財源と言いますけれども、やはり私はそれよりも二〇一五年、直近の課題、そして社会保障の安定ということに主眼が移ってきているというふうに私は認識しています。
 そこら辺の今の議論、大臣としてのその認識ですね、抜本的な改革なのか、あるいはこれは維持させるための主に主眼があるのかというようなことについて、ちょっと御見解を伺いたいなと思います。
#9
○国務大臣(小宮山洋子君) おはようございます。よろしくお願いいたします。
 足立委員はいろいろなことに直接携わってこられていて、御承知の上でいろいろなことを今御示唆いただいたというふうに思っています。ただ、社会保障の抜本改革を見据えながらできるところからやっていくということと、どちらにウエートを、軸足を置くかということで、中身としてはそれほど変わらないのではないかというふうに私は実は思っています。
 今、社会保障と税の一体改革ということで全国も回って御説明をさせていただいていますけれども、御承知のように、大体、今の税収に匹敵するだけの社会保障の財源が必要であって、今、赤字国債でも賄っているわけですけれども、ですから、一般歳出の半分が社会保障費である中で一番皆さんに分かっていただきやすい、もちろん社会保障を維持し改革していくことと財政を健全化させていくこと、それは両方とも待ったなしですので、分かりやすく御説明をするためには、やはり一番身近な社会保障をこういうふうにおっしゃるように安定をさせ、さらにできるところは少しずつ改善をしながらということで、今回お願いをしている消費税も四%分は基礎年金の国庫負担二分の一とか、これまでずっと子供や孫あるいはひ孫の世代までツケ回しをしてきたことを健全化させて持続可能な形にするために使わせていただいて、一%部分で、足立委員も御議論いただいてきた医療、介護のサービス、二〇二五年のあるべき姿に向けてどういうふうにやっていくかということも含め、また全世代対応型ということで子ども・子育て支援も入れて、一%分でその先を見据えた改善もしていこうということで安定化と改善をしていく、抜本改革の方向を見据えて改善をしていくということ、それと財政健全化と、この両輪で、両方待ったなしで並行して進めていくということだと思っています。
 それを国民の皆様に実感を持って分かりやすく御説明をするために、今、社会保障と税の一体改革という言い方で御説明をしているということなので、目指す方向はおっしゃっていることと余り変わりない、説明のしぶり、構成の仕方のウエートの置き方の問題かなというふうに私は考えています。
#10
○足立信也君 おっしゃりたいことはよく分かります。将来の抜本的な改革というのと喫緊の課題だというのがなかなか難しいんですね、その整理が。
 例えば、先ほど第一回で話をしたと申しましたが、医療、介護については、二五年を見据えて、今回の同時改定を含めて三回ありますね。医療は単独は改定が四回、介護は二回ありますね。そこでどういうふうにやっていくかというのは大体絵姿をもうかいているわけです。例えば、充実部分二・七兆と言いますけれども、これは本当の充実が三・八兆、一五年でですね。効率化一・二兆と出ているわけですが、その一・二兆は医療・介護分野なんですね。将来像が描けているから効率化できる部分があるという考え方だと思うんです。ほかの分野はなかなかそこまではまだ行っていないんだろうというのが私の認識なんですね。
 そこで、資料一を御覧いただきたいと思います。
 一か月半中断したと申しましたが、できる限りのことをやるしかないということで、三月十六日に被災者健康対策チームというのを立ち上げました。藤田政務官も、それから梅村議員も川合議員も参加されて、当初は全国医学部長病院長会議、そして日本病院会、全日病、そして日本医師会と、ここを中心にスタートして、約一か月半、議員会館の、野党の皆さん、自民党の皆さんの御理解も得て、部屋を借り切ってやっていったわけです。
 ここの団体、非常に多くの団体が今加盟した被災者健康支援連絡協議会というものを出しております。十八組織、三十四団体、関係省庁は四つ。これは四月二十二日に発足した、事実的に発足したわけですけれども、それ、ここに書かれている方以外にも、例えば医薬品や機器、そして衛生材料の搬送等に卸の方、そして道が非常に厳しいときには自衛隊の方、あるいは米軍のヘリも使い、警察にも先導していただき、また石油連盟さんの御理解によって優先給油という形もしていただきながら、本当に皆さんの協力を仰いで何とか一か月半支援をし続けていったということで、改めてこの場をお借りして私も感謝を申し上げたいと思っております。
 この被災者健康支援連絡協議会、これは、最低二年ぐらいは全国から人を応援に送り込まないと、とてもとても再生あるいは復旧復興には地元の方々だけでは無理だろうという発想があって、長期の派遣を考えている日本初のオールジャパンの取組だと思っております。
 そんなところで、まずは、担当、これ復興庁に今はなっていると思うんですけれども、この重立った職種のこれまでの延べの派遣の人数は大体どれぐらいの方々になっているでしょうか。
#11
○大臣政務官(郡和子君) 足立先生には、この被災者健康支援連絡協議会の顧問としてもこれまで大きなお力を注いでいただいておりますことに深く感謝をいたします。
 連絡協議会によりますと、今年の三月末まで被災地派遣医療従事者数、これは見込みということにもなるわけですけれども、日本医師会からの派遣は医師が三千二十四名、薬剤師が四百六十一名、看護師が二千二十八名、日本薬剤師会からの派遣として薬剤師が八千三百七十八名、また、全国医学部長病院長会議からの派遣は医師が三百十四名、それから日本病院会、全日本病院協会等からの派遣は医師が百八十一名、薬剤師十四名、看護師百六十一名などとなっております。
#12
○足立信也君 今おっしゃったのは実人数だと思います。これ一週間ぐらいで行っている方が多いので、七倍だと思いますね。数万人に達するんだと思います。
 一番直近のこの会議は、三月五日、第十三回なんですけど、そのときは被災地、岩手、宮城、そして福島の医師会、それから大学の方、行政の方を含んでテレビ会議もやりました。一年たって、今までは、これはもちろん地元からの、被災地からの要請に応じて派遣をするという形をやってきたわけですが、派遣ですから、それだけ自分の元々の職業に対する影響も、職場に対する影響も大きいわけですから長期にはできない。
 そのテレビ会議でも私は感じたのは、一年たって、ほぼ人数としては、特に岩手、宮城は震災前の人数ぐらいの確保に近いと。まだ派遣は特に土日等は続けてほしいけれども、しかしこれからは長期に人が欲しいんだと、安定して人が欲しいんだという感覚に変わってきているというような印象を持っておりますが、一年たって、今後、四月以降、どのような形での支援を望まれているというふうに復興庁は把握されているでしょうか。
#13
○大臣政務官(郡和子君) 今、足立委員からもお話がございましたように、三月の五日に第十三回の会合を開催をされています。
 元々、被災地は、御承知のように医師不足が顕著であった地域でございますから、今回の協議会の皆様方の派遣に大変感謝をした上で、福島の医療機関の関係者からは、医師が減ってきていて長期間の派遣をお願いしたいというふうな発言がございました。また、宮城県の医療関係者からは、医師不足は深刻であるけれども、関係団体の御尽力で今年の九月ぐらいまでは各地の仮設診療所等で医師を確保して診療を継続していく見通しができたというような御報告もあったと承知しております。岩手の医療関係者からは、大変、元々の医師不足でございましたから、震災直後は急激に減ってしまったんですけれども、その時期よりは若干増えてきたものの、震災前の元々の医師不足の状態に戻ったというような御発言がございました。
 一方で、岩手県の関係者の方からは、これまで連絡協議会には医師の派遣に多大なる御支援をいただきとても感謝していると、これからは包括的、長期的に地域包括ケアを実施するために、医師のみならず保健師、看護師、そして行政職、医師の支援、これも強く要望するというようなお話がございました。今後とも協議会に対して大きな期待が寄せられているということだろうというふうに思います。
#14
○足立信也君 さあ、これから復興に入っていくわけです。よく議論されるのが、まず人が集まってくるためには、住んでくださるためには、教育や医療機関が充実が必要であると。しかし、ある意味、人がいなければ成り立たない職場でもございます。これは鶏と卵の関係で、そういう教育や医療機関が先であるのか、あるいは人が住み始めることによって需要が生まれるという、どちらの考え方も成り立つわけです。
 私は、厚生労働委員会ですから、教育の分野、これはほとんど公立が多いということもあり、そういった面で人を集めるためには施設をという考え方が成り立つと思います。これ、例えば医療や介護・福祉分野に限って言うと、これはなかなか公立であるいは公的でそれを先に造って、そこに新しい町をつくっていくというのはなかなか難しいところがあると思うんです。
 そこで、まず重要な役割を担うと思われる被災三県の国立あるいは公立の病院の数、あるいは公的ですね、日赤や済生会や、政策的に人に住んでもらうために移動し得る、開設し得る可能性のある病院の数を、公立そして国立の病院の数、そして公的病院の数をまず教えてください。
#15
○政府参考人(大谷泰夫君) お尋ねの岩手、宮城、福島の三県におきますいわゆる国立、公立、公的な病院の設置数でありますが、まず国立病院につきましては国立大学病院を含めまして十二、公立病院が七十九、その他の公的病院が十七ということでございます。
#16
○足立信也君 今のは三県トータルですね。
 例えば、石巻、非常に大きな被害を受けました。この市立病院は今度駅前に移転すると。しかし、その開業、二〇一六年一月を予定しているというふうになっているわけですけれども、その公立あるいは公的病院は、先ほど申し上げたように、誘導することも可能だと思うんですね。しかし、実際は、今、数をお示しになりましたけれども、民間の病院もそこに連なるように、あるいは競合する部分もあるかもしれませんが、住民のニーズに応じてできていく。こちらの考え方、どのように人を先に、町を先になのか、それとも教育、医療機関を先に考えていくのか、そのときに公立あるいは公的病院はどうあるべきなのかという全体の考え方をまずお伺いしたいと思います。
#17
○国務大臣(小宮山洋子君) それはなかなか、町を復旧そして復興させていくときに、人が先か、いろいろな、特に生活に必要な医療機関が先か、町の復興計画全体の中の位置付けもございますし、なかなか一概には言えないと思いますけれども、委員の問題意識であられるこうした公的なものを中心とした病院などがしっかりするということがまた住民の方がそこで生活をしっかりなされる基になるというふうに私も思いますので、もっとそういう意味ではまだまだやらなければいけないことがあるなという認識は持っています。
 現在は、都道府県ごとに設置をする地域医療再生基金、これについて、岩手、宮城、福島は交付額の上限の百二十億円を交付をいたしまして、また三次補正で地域医療再生基金の積み増し、これは三県の御要望を全部入れて七百二十億円、これは岩手が二百九十六億、宮城五百十四億、福島二百七十億という、おっしゃっていただいたものを財源を確保してございますので、これは民間を含めた医療機関の支援とか医療従事者の確保にも活用が可能でございますので、こうしたものや、先ほど、足立委員も御尽力いただいた、お医者様をしっかりと、医療関係者に来ていただけるような被災者健康支援連絡協議会での取組と併せて、これは総合的に全体を進めていかなければいけないというふうに考えているところです。
#18
○足立信也君 先ほど大谷局長から、公的医療機関というのは十七あるという話がありましたけれども、実は国立病院機構であったり、昨年全会一致に近い形で成立いたしました地域医療機能推進機構、こういった機構を、これも公的病院の位置付けでしっかり新しい町づくりの中心に据えていく必要性が私は高いと思っております。
 その中で、先般RFOから地域医療機能推進機構への衣替えが二十六年四月一日ということが言われましたが、私は、これは衣替えを早くして、地域医療機能推進ですから、新しい復興あるいは町づくり、この部分もスケールメリットを生かしながら中心的役割を担っていく必要性があると思っています。それにしては、二十六年四月一日というのはまだ二年以上先の話でございます。これを早める必要性があるんではないかと私は思っておりますが、その点についていかがでしょうか。
#19
○副大臣(辻泰弘君) 足立委員には被災地の医療の問題などに大変御尽力いただいておりますことを私からも感謝申し上げたいと思いますけれども、東北地方に所在する社会保険病院、御承知のとおり、宮城に三病院、福島に一病院ございまして、いずれも全国社会保険協会連合会が運営していると、こういう状況にあるわけでありますけれども、これらの病院も、被災したわけではありますけれども、その中でも医療機能の維持、回復に努め、人工透析患者の受入れ、あるいは避難所や被災地の病院への医師派遣などを行っていただくなど、被災地での医療の確保に積極的に貢献をしてきていただいたと、このように考えております。
 御指摘のように、RFOにつきましては、平成二十六年四月に発足する地域医療機能推進機構というふうに改組することになっているわけですが、その中で、地域において必要とされる医療を確保するということを目的としているところでございます。
 この点については、今後とも、御指摘の趣旨に沿いまして、地方自治体の指導というのをベースにするわけでありますけれども、被災地での地域医療の確保に一層貢献できるように、RFO、また委託先団体である全社連、これらと連携を取りながら進めていきたいと、このように思っておりまして、やはり一定の期間は必要だと、こういうふうに思っております。
#20
○足立信也君 一定の期間は必要だというのは理解いたします。この準備段階でそういう役割を担うんだというのを早めに宣言する、あるいは、実際にその役割を担っていく準備会が発足をしてしっかり中心になっていくということを早く示す必要性があると、私はそのように思います。
 次は、大震災で浮かび上がってきた問題の一点目なんですが、これ、個人の健康情報の問題ですね。医療や介護や福祉のこの情報の共有の問題です。
 例えば、いまだに身元不明とされている方々が五百名ほどだったと思います、いらっしゃる。それから、医療や介護の情報が全く失われたというところも多いです。そして、避難所のみならず、仮設住宅に行っても、障害者の情報が分からない、助けを、人の支援を待っている方の情報が分からない、こういったことは私としては先進国としては非常に寂しい状況だと、そのように思っております。
 そんな中で、復興に向けて、例えば宮城県は、災害に備えた患者情報の共有、これをまず市から始めてそしてこれを全県下に広げたいという考えがおありのようです。それから、もちろん福島は、放射線影響調査、これは福島医大復興ビジョンの目玉でもありますし、後世に有用な教訓となり得る、これは全県下で取り組んでいくと。あるいは、似たような取組が昨年京都府の方で患者情報の共有という形で提案されたようではありましたけれども、医師会等の反発もあったというようなことも聞いております。
 この情報共有に対する厚生労働省のガイドライン、これはあくまでも個人情報保護の観点から、手挙げ方式であると。その機関、医療機関あるいは介護の施設についても手挙げであるし、そこに通っていらっしゃる患者さん、あるいは利用者も手挙げ方式だと。これがあくまでも原則なわけで、来年度予算の九・五億円というものも、全国に十か所程度、共有という、まあプールですね、データのプールをやるという考えなんですが、これ、やっぱり情報をそこにためるという機能だけではなくて、これ全県下に広げるとか、または、福島の先ほどの放射線の影響調査等々は、その情報をいかに活用するか。例えば、ナショナル・ヘルス・データにもなり得る、日本の今の状況はどうだという現状把握にもなる、それから学術研究にも利用できるし、これからの公衆衛生や健康政策に生かすという、その公益性がかなり高い目的が一緒に備わっていないと私は意味がないものだと、そのように思っています。
 これはいずれも個人情報保護との関連で非常に難しいというふうに言われておるわけですが、社会保障・税番号は二十七年ですから三年後の一月から利用開始、年金、労働保険関係は更に一年後、平成二十八年の一月から、医療、介護、福祉などの情報連携は更に半年後、二十八年の七月からという予定に今なっております。
 ですから、来年の通常国会にその個別の法、特別法というんでしょうか、個別法が提出というふうになっていますが、先ほど私申し上げたように、ただ情報をプールする機能だけではなくて、いかに公益性を持った利用の仕方、この点についてはその個別法によってそれが利用できるような形を今考えているのかどうか、ただあるいは情報のプーリングだけであるのか。これから議論が始まると思いますが、今の段階での、どのように利用できるように考えているかどうか、その点をまずお聞きしたいと思います。
#21
○政府参考人(香取照幸君) 御答弁申し上げます。
 先月、国会にマイナンバー法案を提出させていただきましたが、マイナンバー法では、利用可能な手続は、今お話ありましたが、行政機関等の法定手続など法律上列挙された事務に限られておりまして、機微性が高いとされております医療関係等の分野につきましての情報につきましては、今後、この法案とは別に特別法を整備することとされております。
 御指摘のように、この番号の導入によりまして様々な医学分野の研究あるいは医療機関の情報連携といったことにこれが活用できるのではないかということで議論がございます。一方で、医療等の分野における情報につきましては、個人の生命、身体、健康にかかわる情報が入っているということで、その取扱いについては、社会保障・税番号大綱上においても慎重な検討をということがされているところでございます。
 私どもにつきましては、医療等の分野につきましては、御指摘があるようなプライバシー侵害などの懸念に対して厳格な情報保護措置を講ずるということを一方で行いながら、お話ありましたように、医療機関相互の情報連携でありますとか、あるいは公衆衛生、医学分野の研究でございますとか、そういった医療等のサービスの質の向上に資するもの、あるいは国民の利便性の向上につながるようなものにつきましては、必要で適切な利活用が行われるようにということで、そのような考え方で今後法整備を進めていきたいと考えてございます。
 特別法につきましては、内閣官房と連携しつつ、厚生労働省において法案の検討をするとされておりますので、二十五年の通常国会への法案提出を目指しまして、御指摘のような利便性の向上あるいはサービスの向上といった観点での利活用という観点も十分踏まえて、この分野について特別法の検討をしてまいりたいと考えてございます。
#22
○足立信也君 私と方向性はほぼ共有されているという感じがします。私もその議論に参加していきたいと思っています。
 御存じのように、我が国の二人に一人が疾病になると言われているがん、この罹患率も、二〇〇六年、今から六年前の僅か十五府県の登録に基づいている推計であると、あるいは五年生存率に至っては、一九九九年から二〇〇二年までの僅か六府県の集計にすぎないと、こういう日本の健康状態ですね、国民の健康状態に対する統計すらないというような状況でございます。
 今、がん登録を始めとして、登録制度を早く法制化してくれと、しなさいという意見はいっぱい聞かれますが、私は、個別の疾患ごとにその法律を作っていくよりも、ここは社会保障・税番号、導入されるわけですから、ここから活用できるような形になれば、一つ一つの登録制度をつくっていくというよりもはるかに有効に進むのではないかと、そのように思っていますが、副大臣はどのようにお考えでしょうか。
#23
○副大臣(辻泰弘君) 専門的に医療の現場で御活躍された委員からの御提起をいただいたわけでありますけれども、これまでも厚生労働省におきましては、地域がん登録やレセプト、特定健診のデータベースなど、医療政策の企画立案や医学研究等の基盤となる情報の整備、活用を図る取組を進めさせていただいたところでございます。
 御指摘のように、番号制度のような長期にわたって個人を識別できる基盤が医療等の分野でも活用できれば、こうした取組を更に進め、生涯にわたる健康医療情報を活用できるということが期待できるところでございまして、その点については足立委員と認識を共有するわけでございます。
 ただ、同時に、昨年の六月に政府・与党社会保障改革本部が決定しております社会保障・税番号大綱におきましても、やはり個人情報の漏えいが深刻なプライバシー侵害につながる危険性があるなど、社会保障分野、特に医療分野における情報の機微性というふうな指摘がある中で、機微性や情報の特性に配慮した特段の措置を定める法制を番号法と併せて整備するという大綱があるわけですけれども、それに基づいて、私どもとしては、医療等の分野について、このようなプライバシー保護を図りつつ必要な利活用が行えるように法整備を行っていきたい、そのことに向けて二十五年の通常国会で法案が提出できるように取り組んでいきたいと、このように思っております。
#24
○足立信也君 期待しています。
 一部では、この大震災のような非常時に、非常事態のときに、緊急に個人の情報、医療や介護や福祉の情報を情報開示、共有という考え方もあるようですが、私は、ふだんから共有できていないとそれは使えないと、緊急時に至って、じゃ、開示、それすら見ることも難しいし、じゃ、そこからネットワークどうやってつくっていくんだという話になっていきますから、ふだんからが大事だろうと思います。
 もう一つの例として、やはり長期という話が今副大臣からありました。それが必要だと思われる予防接種について話題を変えていきたいと思います。
 被災地では、今我が国の死亡原因の四位である肺炎、これが、瓦れき等々もあり、この肺炎で亡くなる方が激増するんではないかと昨年言われておりました。
 これ、資料の二を御覧ください。これは一月の被災者健康支援連絡協議会に出された資料なんです。
 ここで申し上げたいのは肺炎球菌ワクチンなんですね、まだ法定接種になっていない肺炎球菌ワクチンです。岩手、宮城、福島とも、この日赤の、日本赤十字社による助成制度があるので、今までよりも多くの方々が希望をされてこの肺炎球菌ワクチンを接種されたと。震災の影響はそれほど強くはなく、希望に近い形で、むしろ供給の方が足りないぐらいやられていたと。そういう希望が多かったということがここのデータで示されているわけです。
 そこで、この日赤の助成制度で無料化されていたということなんですが、その日赤の取組ということとそしてその成果、肺炎球菌ワクチンを接種したことによる成果についてまずは教えてください。
#25
○政府参考人(外山千也君) 被災地の復興支援の一環として、日本赤十字社が海外救援金を財源として各県医師会等と共同事業として実施したようでございますけれども、その中で、福島県は市町村が前面に出ているようでありますが、そういった形で実施している成人用肺炎球菌ワクチン接種助成事業は、被災三県の七十歳以上の希望者の方を対象として昨年十月から本年三月まで実施されているわけでございます。本年の一月末現在、三県で七十歳以上の方の約四割に当たる約三十八万人接種したと伺っております。したがって、まだこの率は伸びる可能性があるわけでございます。
 この成果でありますけれども、委員御指摘のように、被災地の健康支援ということで、冬場における肺炎、瓦れきの心配に対しての不安への対処ということでは非常に効果があったと思いますけれども、具体的に、このワクチン接種による肺炎に対する死亡や入院が減るか等の効果につきましてはまだ判明しておりません。そこで、今後、震災によるほかの様々な影響を考慮しつつ、人口動態統計等で被災地でのワクチン接種の効果につきまして評価してまいりたいと考えております。
#26
○足立信也君 強調しておきますが、この日赤の助成事業は海外からの義援金で行われたということでございます。日本国内からの義援金はこれには一切使っていないということをちょっと強調しておきたいと思います。
 そして、わずか三か月で四割の方が接種されたと。非常に期待感の大きい予防接種ワクチンだと、そのように思います。
 そこで、資料三を御覧ください。これは、私が政務官時代に、WHO、世界保健機構が推奨しているワクチンで日本ではまだ法定接種されていないワクチンの接種費用とそれからその効果、費用対効果を見たもので、トータルの数字が右側に出ているところでございます。成人用の肺炎球菌ワクチンは年間当たり五千百十五億円の医療費削減につながるんではないかということです。
 ワクチンギャップ二十年というふうに言われ、それは日本の厚生労働行政に問題ありという意見がありますけれども、私の認識では、一九九〇年代に国が予防接種に関する裁判に負け続けたと、そして安易に予防接種を許さないという国民世論がありました。しかし、それから歳月を経て、二十一年の十二月、これは予防医療というのをもっとやらなきゃいけないという思いの下に予防接種部会を立ち上げました。予防医療に重点を置くというのを、これがまさに抜本改革だということを私は思っているわけです。
 この費用対効果の表にもありますように、これは極めて日本の今の財政上にも有益なことであると私は思っておりまして、大臣の所信でも予防接種法の改正という話がちらっと出ておりましたが、是非とも今国会中にこの予防接種法の改正を私はしたいと、そのように思っております。
 そんな中で今、ここにも出ておりますが、Hib、それから小児用の肺炎球菌、そしてヒトパピローマウイルスのワクチン、これは今予算事業という形でやっております。これを法定接種に変えていく段階で、どういう問題点とどういう方向性でそれを解決しようとしているのか、概略で結構ですから簡単に御説明願いたいと思います。
#27
○国務大臣(小宮山洋子君) 委員がおっしゃるとおり、やはり予防接種をしっかりと位置付けてこの予防の行政にもっと力を入れていかなければいけないという認識は私も強く持っています。
 御指摘の三ワクチン、子宮頸がん、Hib、小児用肺炎球菌について、今、まずこれを第一歩として、予防接種法上の位置付けを含めまして、今御指摘いただいた予防接種部会で議論を、もう詰めの段階に来ているというふうに考えています。ただ、この定期接種は、御承知のように市町村の自治事務でございまして、その自己負担については多くの市町村の判断で一定の公費助成がなされている、その実態も踏まえながらその費用負担などについて検討をしているというのが一つ。それから、今、一類、二類になっている中でどう位置付けるかというようなことも今課題になっていると承知をしています。
 御指摘のように、私もこの予防接種行政は更にアクセルを踏んでしっかりと進めなければいけない、所信にちらっとというふうに御表現がありましたけれども、私はかなり力を入れて、行数ではなくて、しっかりやりたいと考えていますので、できるだけ早期にこの予防接種部会での議論を、その結論を得て、予防接種法の改正案を速やかに出すように最大限努力をしていきたいと考えています。
#28
○足立信也君 ここでも、この予防接種というスパンの長いものは、やっぱり情報の共有というのが物すごく重要なテーマになってくるんです、先ほどと同じように。予防医療というのは、その後の追跡、フォローアップはこれセットだと、私はそう考えています。予防接種の効果、これは発症防止効果というのは長期追跡しないと分からないわけですね。
 例えば結核に対して、先進国中、今最もBCG接種率の高いのは日本です。しかし、先進国の中で最も結核の発症率が高いのも日本です。これは一体何なのかということは、長期的にその接種をされた方々をフォローしていかないと分からない、それが公衆衛生の難しいところだと思います。また、例えばこの水痘ワクチンもここには入っていますが、このワクチンを接種したら、将来、帯状疱疹の発症率が減るというようなデータもあるらしいです。こういうことは長期追跡しないとやっぱり分からないんですね。
 アメリカの予防接種というのは、公的と私的が約半々で、実施主体は州です。これ、先ほど日本は市町村だとおっしゃいました。しかし、連邦保健福祉省の下にあるCDC、疾病予防管理センターは全数把握しています。全数把握できています。そして、民間の利用も可能で、学術研究や公衆衛生、健康政策にそれは生かされています。そういうことをやっぱり日本もやるべきだと私は思っておりますし、与野党を問わず、政府とともに、この予防接種法の改正というのは是非とも取り組んでいきたいなと、そのように思います。
 私は、先ほど市町村事業だというのがありましたが、今、医療費助成という形で地方単独事業というのを都道府県、市町村がやられておりますが、本来これは、日本国全体で健康保険の自己負担というようなものは決めているわけで、地方単独事業というよりも、むしろこの予防医療あるいは予防接種の方に市町村としては私は力を入れていただきたいと、そのように思っています。
 そこで、今、これ意外と御存じない方が多いんですが、医療費の自己負担というのは就学前が二割で、もう小学校に入ったら三割というふうに決まっているわけですね。それに対して地方単独事業で助成されていると。これで地方単独事業として今都道府県や市町村が軽減のためにどれだけのお金をそこに投入しているか、総額は大体幾らなんでしょうか。
#29
○政府参考人(高井康行君) 御指摘の地方単独事業の額に関する調査といたしましては、総務省が昨年十一月に発表した社会保障関係の地方単独事業に関する調査結果がございます。これによりますと、平成二十二年度決算での義務教育就学前の乳幼児医療費助成の地方負担額、都道府県が六百八十二億円、市町村が千四百十九億円の合計二千百一億円となっております。
#30
○足立信也君 この医療費助成が二千百億ちょっとということです。
 じゃ、仮に中学生まで、義務教育修了まで、これ今二割と三割なわけですが、これを一割負担とした場合の給付費はどれぐらい国と地方で増えるんでしょうか。
#31
○副大臣(辻泰弘君) 御指摘のように、義務教育修了までの児童について患者負担割合を一割とした場合には、平成二十三年度の予算ベースの医療保険分で、給付費は四千二百億円の増加、国庫負担は七百億円の増加、地方負担は百億円の増加と見込まれます。
#32
○足立信也君 これ、公費の負担としては、国が七百億円、地方が百億円という数値が今出ました。じゃ、その財源はどうしたらいいのかと。七百億と百億になるわけです。
 資料四を御覧ください。冒頭申し上げましたが、団塊の世代が今年から六十五歳の年金受給になると。ですから、五年後には七十歳になっていくというわけでございます。今、七十歳から七十四歳までこれは負担凍結という形で一割になっておりますが、ちょうど白抜きで資料の中に出ているように、ここの世代だけがぐっと低いという形になっている。これはもうデータを御覧になると、ほかの年代と比較して一目瞭然だと思います。
 これについては、一昨年、私はメディアのミスリードだというふうに思っているんですが、一昨年、自己負担が七十歳から七十四歳までの方は二倍になりますという報道がありました。それで一気に潰れてしまったという印象を私は持っています。
 そこでお聞きしたいんですが、当時の提案は、七十歳になった方から順次二割負担に戻すという方式でございました。そこで、メディアではこの年代が自己負担が倍になると報道されたわけですが、実際に自己負担が増える人がいるんでしょうか。
#33
○副大臣(辻泰弘君) 御指摘の七十歳から七十四歳までの方の患者負担につきましては、法律上は二割負担とされているところでありますけれども、毎年度補正予算において約二千億円の予算措置により一割負担にさせていただいているところでございます。
 高齢者医療制度改革会議の取りまとめがございましたけれども、その中では、現在三割負担をいただいている六十九歳以下の方が今後七十歳に到達するときから本来の二割に段階的に戻すという考え方が示されているところであります。すなわち、この案では、既に一割負担となっている方の患者負担を二割に引き上げるというものではなくて、六十九歳まで三割負担だった方が七十歳に到達するときから順次二割負担となるということでございまして、個々の患者負担が増加するという仕組みではないものでございます。
#34
○足立信也君 自己負担が割合として増える人はいないという、そのとおりでございます。ここへ大きなミスリードがあったと私は思っています。
 そして、この順次二割負担の本則に戻すということで、それだけではなくて、先ほど例示をいたしましたこの成人の肺炎球菌ワクチンの接種ですね、これは是非ともセットで私はやるべきだと思っております。
 もう時間がなくなりましたので、最後に一点だけ申し上げたいんですが、昨日の毎日新聞の一面トップにありました、長妻大臣時代に公益法人等に対して公務員の再就職を何とか控えてほしいというような要望があったにもかかわらず四人が天下りをしているという表現がありました。
 私は、国、地方を問わず公務員は再就職はしっかりして、むしろ働いてもらいたいと、特に日本の海外展開を考えると海を渡って越えていってもらいたいと、そのように思います。途上国が望んでいるのは行政の運用なんですね。その分野で是非とも働いていただきたい。
 そこで、この記事でむしろ問題なのは、その四人の方々が再就職をしたところはAIJに運用の委託をしていないということなんです。ここに本質があって、ポジションを回しているだけの、あっせんに伴って回しているだけの天下りと個人でそこに請われて行ったのは全く違うということです。ですからAIJに運用の委託をする必要もなかったということだろう、あるいはAIJを選ばなかったという見識もあったんだろうと思います。
 そういった意味で、これは天下りの定義等々も前の政権、そしてその前の政権でありましたけれども、私は地方の公務員の方々も再就職は必要だと思いますし、そしてまたそれを待ち望んでいる企業もあると思います。ノウハウを生かしたい。この国、地方問わず公務員の再就職と天下りというものは違うんだということはしっかり発信していただきたい。
 日本は、国全体のGDPは世界第三位、でも一人当たりGDPは十七位ですよ。就業率は男性は二番だけど女性は十五位だと。これから人が減っていく中で、現役世代が減る中で、就業率を上げていかなきゃいけません。しかも、年金の受給は六十五歳になっていく。その間に空白をつくってはいけないし、有能な人にはやはり働いていただく必要があると私は思っておりますので、その公務員の再就職と天下りとの違いをやっぱりしっかり認識して、それを伝えていっていただきたいと、そのことを申し上げて、私の質問を終わりたいと思います。
 ありがとうございます。
#35
○石橋通宏君 民主党の石橋通宏でございます。足立委員に続きまして、大臣所信に対する質疑、やらしていただきますので、よろしくお願い申し上げます。
 まず最初に雇用対策について、小宮山大臣の基本的な考え方、将来ビジョン、確認をさせていただきたいと思っておりますが、大臣所信の中で、日本の再生のためには経済成長とともに社会が安定して、そして将来に対する希望を持てる環境をつくることが重要であると、そして分厚い中間層の復活を目指して、雇用の創出とそして質の向上に取り組むんだと、そういう決意をおっしゃられました。私も全く同感でございます。
 そこでまず、ではそのような環境をつくるために一体どういう雇用を私たちとしてみんなで目指していくべきなのか、雇用のあるべき姿、あるべき雇用というのはどういう形なのか、その点について、しっかり目標を据えるという意味合いで、大臣の政治家としてのビジョンをお聞かせいただきたいと思います。
#36
○国務大臣(小宮山洋子君) 石橋委員にはいつも労働の問題を取り上げていただいて、ありがとうございます。厚生労働委員会になってから、どうも労働の質疑というのが少ないなと、私自身が労働で仕事をずっとしてきた身からも思っておりますので、しっかりとお答えをしたいと思います。
 やはり、雇用、働くということは、人間が生きていく中で最も重要な柱なのだと私は思っています。それぞれの特性に応じて多様な働き方があっていい。でも、全ての人が労働に参加をする権利があって、しっかりとそこで公正で安定をして主体的に選択できる多様な働き方ができる、そういうことが必要だということで、今回、社会保障と税の一体改革の社会保障改革の中にも、初めて就労というところを全員参加の権利の保障という形で盛り込ませていただきました。
 それぞれ、いろいろな御家族の状況ですとか、それから障害をお持ちの方とかいろいろいらっしゃいますけれども、全ての方が自分の能力を発揮をして全員参加型で就労ができる、そういう社会を実現をするということが必要だと考えています。
 そしてまた、今、非正規、安定しない働き方が全体でもう四割近く、女性の場合は五三%が非正規という状況の中で、今回、社会保障改革の中でも何とか同じ働く職場で公平で公正ないろいろな保障ができるようにという取組も一歩を進めたいというふうに思っているところですけれども、ディーセントワーク、これは尊厳のある人間らしい働き方、それが実現できるようにということと併せて、しっかりとここは力を入れて取り組んでいきたいと考えています。
#37
○石橋通宏君 ありがとうございます。
 非常に重要なお話があったと思います、最も重要な柱であると。やはり公正で、かつ安定した雇用というものを全ての方々に保障できる、そんな環境をつくっていかなければいけないと、そういうことだというふうに私も思っております。
 大臣、そうしますと、公正で安定な、今大臣もおっしゃられた公正でない、そして不安定な働き方が今現実に蔓延してしまっているということだと思いますが、そうしますと、では公正で安定した雇用というのはどういう雇用なのか。それはやっぱりいわゆる非正規に対置するところの正規、正社員、これがやっぱり公正で安定的な雇用だと。みんなやっぱり正社員、正規社員を目指すべきだという方向性で行くということでよろしいんでしょうか。
#38
○国務大臣(小宮山洋子君) やはり長期に安定して雇用されるということからすると正規社員、ただ日本の場合は非常に難しくて、短時間で労働しているパートの方が処遇も違う、身分も違うというような、これは、先進国の中では短時間で働く人たちは時間が短いだけで同じ処遇なので、そこのところが根本的に違うのだと思うんですね。
 もちろん、正規に働くといっても、それはフルタイムで働けない方もありますから、それは短時間であってもいいし、それぞれの方が自分の働きたいという思い、それぞれの能力に合わせて選択ができる。そこで働く場では長時間働いても短時間働いても働きに見合った報酬が受けられて、それで必要なきちんと働ける環境は平等に公正に用意をされるということが必要だと思っていまして、今いろいろな形で厚生労働省の中でも働き方についての検討も進めているところでございまして、非正規のビジョンというのもつくろうとしていますし、昨年は私が副大臣だったときに均等な処遇とは一体何かという研究会もやっていただいて、均等と均衡の違いですとか、同一労働同一賃金あるいは同一価値労働同一賃金、そうしたところの違いも、どうも使い方がそれぞれ一定していないところもありまして、そういう定義とか、諸外国では何をちゃんと公正な処遇のための義務として何を努力すればいいという形で企業に課しているかということも研究をいたしまして、割と分厚い、でも役に立ちそうな、立ちそうなじゃないですね、役に立つ報告書をまとめておりますので、そうした報告書が積み上がるだけでは意味がないので、そのことを実際の政策にちゃんと打ち出していけるような、そういう意味で、やはり公正な扱い。
 そして、今、もう一つのテーマは、やはりワーク・ライフ・バランス。これもきれいにワーク・ライフ・バランスと言うだけでは駄目で、本当にそれぞれの立場に合った自分の生活、家庭を含めた生活と賃金を得て働くということのバランスをどう取るか。それもそれぞれの人にとって選択が違うと思うんですよ。そのことがちゃんと公正に安定して確保される、そうした社会を目指していきたいというふうに、ちょっとアバウトになってしまいましたけれども、そういうような考えで取り組みたいと思っています。
#39
○石橋通宏君 ありがとうございます。
 やはり、大臣がおっしゃられたディーセントワーク、私は、労働者がそれぞれのライフステージ、それぞれの置かれた環境に応じて働き方を選びつつ、同時に安心して働き続け、そして暮らしが送れるという、そういう環境こそが私たちが目指していく雇用環境の在り方ではないかなというふうに思っております。是非ともそういう目標を掲げて一緒に取組をさせていただければと思っておりますので、引き続きよろしくお願いを申し上げます。
 そして、今のお話を受けて、まさに大臣の言われた非正規雇用対策、これが来年度予算でも、また今後の政府の取組でも非常に大きな柱になってくると思います。具体的に非正規雇用対策で最優先の課題として政府として取組をしていくんだと、これは絶対に実現するんだということについて、優先課題として幾つか重要ポイントを挙げていただければと思います。
#40
○国務大臣(小宮山洋子君) どうしても非正規雇用ですと正規雇用に比べまして雇用調整の対象になりやすいですし、特に今若い方の非正規雇用が増えている中で、自分たちは結婚できない、だから子供も持てないという若い人がいるということは、これはその人たち自身のためにも日本の社会のためにも大きな問題だというふうに考えています。
 そうした中で、ハローワークの就職支援ですとか各種助成金の支給、それから作りました求職者支援制度の支援など、それぞれの方に合った職に就いていただくというところにひとつ努力をしたいと思っていますし、あと、今回のこの国会に法案を提出をさせていただきたいと考えている具体的なものとしては、短時間労働者に対します厚生年金、健康保険、いわゆる社会保険の適用拡大、これも本来私どもはもう少し広い対象者にしたいというふうに思っていたんですが、なかなか今の経済状況の中で企業の方の負荷が多いというような、いろいろとございまして、私の力不足もございますけれども、四十五万人のところからスタートということにいたしました。でも、これは三年以内に拡大をするということでございますので、とにかく今の現実の中で一歩を政策踏み出す、実現可能にしていくということが大事だと思っていますので、この短時間労働者のそうした社会保険の問題が一つあります。
 それから、有期契約労働者の雇用の安定、公正な待遇確保をするために労働契約法の改正、これも提出をさせていただきますので、こうしたことに具体的にこの国会で党派を超えて御議論をいただきたいと思っています。
 さらに、先ほどちょっと申し上げましたけれども、非正規雇用問題に横断的に取り組むために今総合的ビジョン、これを年度内に策定をすることにしていますので、策定をいたしましたら、これを皆様にしっかりと周知を図るとともに、このビジョンを非正規雇用対策の指針として政労使、社会的合意を進めながら、平成二十五年度の概算要求への反映、そのことを手始めに実効性のある取組を進めていきたい。
 本来でしたら、この非正規のビジョンというのは先に、もっと早くにちゃんと土台を作った上で短時間労働者はどう、有期はどうとやらなければいけなくて、ちょっと後先になっている感が私は非常に強くあるんですけれども、今それを作っておりますので、遅ればせではございますが、それをしっかりと固めて、そうした方針に基づいて一つ一つ実現をしていきたいと考えています。
#41
○石橋通宏君 今の最後のところで御指摘がありました雇用の在り方ビジョン、これをもっと早くやるべきだったというのも私も全く同感でございますけれども、是非、早急に取りまとめをしていただいて、そのビジョンに基づいたしっかりした対策を総合的に打てるように進めていただければと思っております。
 そして、労働契約法、これまた上がってきましたら是非しっかりと審議をさせていただきたいと思っておりますが、あわせて、今大臣からも御指摘のありました社会保険の適用拡大については、私たちもこれは非常に重要な課題だというふうに考えておりまして、大臣からも四十五万人ということであくまで第一歩というお話もありましたが、この点についてちょっと改めてこの場で議論させていただきたいと思うんですけれども。
 そもそも厚生年金という制度があるわけです、年金制度。そもそも厚生年金制度というのはまさに被用者の皆さん、賃金労働者の皆さんのためにつくられた制度です。その意味で、今被用者の皆さんが本来入っているべきこの被用者年金、厚生年金制度に入っていない方々、入れない方々が増大しているという問題が深刻な状況なのではないかというふうに考えております。
 まず、ちょっと一つ確認ですが、今この実態、どうなっているか、改めてこの場で御説明をいただきたいと思います。
#42
○大臣政務官(藤田一枝君) 現在の厚生年金制度では、通常の就労者か、通常の就労者のおおむね四分の三以上の労働時間である被用者を被保険者とする、そういう運用となっております。
 しかし、今委員の方から御指摘もございましたけれども、この運用が開始された後に非正規労働者の数というものが大変増加をいたしまして、本来自営業者が中心となる国民年金第一号被保険者のうち、平成十一年の調査では二六・四%でしたが、平成二十年の調査では三九・四%と、第一号被保険者のうち約四割が被用者となっているという状況でございまして、被用者ではあるけれども厚生年金に加入できない方々が増加をしている、これが実態でございます。
#43
○石橋通宏君 まさに今御指摘がございましたように、残念ながら、この間の非正規雇用の増加、これによって国民年金に加入をしているいわゆる被用者の方々が非常に増加をしているという、この状態を一刻もやっぱり早く是正するということが先ほど大臣も言われた非正規雇用対策の大きな柱になるのではないかというふうに考えておりますので、この点もまた法案が上がってきた段階でしっかりと議論をさせていただきたいと思っております。
 一方で、被用者年金の適用拡大というのは非常に重要な課題なわけですけれども、逆に、本来、既に被用者年金、被用者保険が適用される状態で働いておられながら、そういう事業場で働いておられながら、残念ながらその事業者がいわゆる適用逃れをしているために被用者年金に入れない、被用者保険に入れないと、そういう方々、そういう大変厳しい状況で仕事をされている方々、苦しい状況に置かれている方々がこれまた大勢いらっしゃるという現実があります。
 まず、政府として、厚労省として、この被用者年金、被用者保険の適用逃れの状況について、実態をどのように把握をして、そしてこの深刻な問題についてどのような対策を打たれているのか、是非御説明をいただきたいと思います。
#44
○大臣政務官(藤田一枝君) 適用逃れという今お尋ねでございました。
 社会保険の適用対策というものを進めていくということは、制度に対する信頼というものを確保する観点からも大変重要な課題だと認識をしておりまして、これまでも雇用保険の適用事業所データなどを活用することによって未適用事業所の把握を行い、そして把握した事業所に対する加入指導、こうしたものに取り組んでまいりました。平成二十二年度は四千八百八事業所が適用となったところでございます。
 また、平成二十四年度には新たに、法務省が持っている、保有する法人登記簿情報、これを入手できるようにいたしまして、その情報を活用して、いまだ把握できていない法人を把握をし適用を進めたい、このように考えております。
 さらに、重ねての加入指導にもかかわらず届出をしない、いわゆる悪質な未適用事業所に対しては事業所名を公表するということについても検討をしてまいりたいと思っております。
 それから、未適用事業所ということと同時に、従業員の適用の適正化という問題も一方ではございます。
 これまでも、短時間就労者が多いと見込まれる適用事業所に対しては重点的な事業所調査というものを実施してまいりましたけれども、今後は百七十五万の適用事業所全てを対象にして、少なくとも四年に一度は事業所調査が行えるようにしてまいりたい、そして適正な従業員の加入について指導を行ってまいりたい、このように考えております。
#45
○石橋通宏君 是非しっかりと対策を進めていっていただければと思っておりますが、ただ、同時に、適用逃れをしっかりと対応していただく一方で、適用になったはいいんだけれども、適用になった瞬間にかえって労働者が大変な状況に置かれているという、そういう状況も一方であります。
 実は、先般、民主党、私たちの厚生労働部門会議でヒアリングを行いまして、実際に適用逃れの被害に遭ったといいますか、そういう労働者の方々若しくは代表される労働組合の方々からのヒアリングを行わせていただきました。そのときに、私たちも改めてこんな深刻な事態があるのかということで驚いたんですけれども、例えば、年金事務所の指導が入って適用拡大になると思ったら、その瞬間に労働時間や賃金減らされて結局は適用対象外に追いやられたとか、さらには、加入できたと思ったら、未納の保険料二年分五十万円を遡って一括で支払えと、払えなかったら分割でやってやるから年七%の利息を乗せて返せということを言われたり、更にひどいのは、加入してもらったと思ったら、会社の負担分の保険料を賃金から一緒に控除されていると、それを社労士さんに相談したら、そんな会社はそこらじゅうにどこでもあるから我慢しろと言われたと、そんな状況が現場で蔓延をしているのではないかと。私たちも改めてこういう対策を、適用逃れ対策をしっかりとやっていく一方で、こういったことが起きないようにしっかりと対応を併せてやっていかなければいけないのではないかというふうに思った次第でございます。
 更に深刻なのは、そういったことを年金事務所等々に通報した労働者、相談をした労働者の方がそれが発覚をしたために解雇されたり雇い止めに遭ったりということも労働者の方々から事例としては報告をされました。こういったことについて、どうなんでしょう、厚生労働省にそういった事例がしっかりと報告上がってきているんでしょうか。年金事務所なり年金機構がそういった事例を現場でしっかり把握をしていただいて、そういうことについてはちゃんと厚生労働省にも必要に応じて報告をし、対応するという形になっているんでしょうか。この辺、ちょっと確認をさせてください。
#46
○大臣政務官(藤田一枝君) 今委員の方から御紹介がありましたような事例ということは本当にあってはならないことでございます。こうした対策というものをもっとこれからも強化をしていかなければいけないというふうに考えておりますけれども、現在の取組といたしましては、年金事務所に例えば従業員の方からそうした情報、通報等が寄せられた場合には、年金事務所がその事業所の調査を行って、その結果に応じた届出の指導というものを行っております。その際、その通報者についての個人情報というものが事業主あるいはその外部に漏れることのないよう十分配慮して対応しているところでございます。
 しかし、なかなか必ずしもそれで十分ということではないということもございまして、そういったような事案が生じた場合には、年金事務所に寄せられた情報に対して労働局との連携ということが今度はとても大事になってくると考えておりまして、現在のところは都道府県労働局の総合労働相談コーナー、ここを当事者の方に御紹介する、あるいは年金事務所の方からその相談コーナーにこうした相談があるということを連絡をして対応していただく、こういうことを行っております。そして、労働局の方ではそうしたことを受けて、相談であるとか情報の提供、あるいは事業主に対する指導あるいは紛争のあっせん、こういうことを行って解決を図っていく、こういう流れになっているわけであります。
 今後とも個人情報の保護の徹底ということをしっかり図るということも必要ですし、適切な対応というものを統一的に実施をしていくということも必要でございますので、マニュアルの作成といったことを今般機構に対して指示をいたしたところでもございます。こうしたものをしっかり活用して労働局と年金事務所の連携というものを図って、通報者あるいはその当事者の方々に不利益が生じないように努めてまいりたい、このように考えております。
#47
○石橋通宏君 大変重要な取組だと思います。
 そこで、一点だけ確認をさせていただきたいのですが、今のような事例の場合に公益通報者保護法の適用が受けられるのかどうかということについて改めて確認をさせていただければと思いますが、この点、いかがでしょうか。
#48
○大臣政務官(藤田一枝君) 公益通報者保護法というのは、行政機関等に公益通報をしたことを理由として公益通報者の解雇の無効等を定めているものでございまして、日本年金機構というのは行政機関ではございませんので、この法律の適用はされないということでございます。
 しかし、適用の対象ではありませんけれども、日本年金機構法において役職員の秘密保持義務というものを課しておりまして、また、職員等に対する研修というものも徹底をして実施をしているところでございます。
#49
○石橋通宏君 今御説明いただきましたように、年金機構については公益通報者保護法の対象にはならないと。ただ、先ほど政務官から御説明いただきましたように、労働局としっかりと連携をしていただければ、そこで通報者保護法の対応になるような形もつくれるのではないかというふうに考えております。その意味で、やっぱりしっかりとした連携を取っていただくことが大変重要な、労働者の保護にとって重要な話だと思いますので、是非、先ほどおっしゃられたマニュアルの整備ですとか、改めて周知徹底を図るですとか、取組を強化をしていただければと思いますので、是非よろしく取組をお願いをいたします。
 続きまして、冒頭、小宮山大臣から雇用問題についていろいろ質問してくれて有り難いという話がありましたが、たまには医療の問題も質問させていただければと思いますので、次は医療・健康対策について是非伺わさせていただきたいと思います。といいますのも、これも大臣が所信の中で、地域の医師不足問題というのを取り上げられて、やはり地域で安心して暮らしていただくためには適切な医療・介護サービスが提供が必要なんだという決意をおっしゃられました。これも私も非常に大事な問題だと思います。
 実は私、昨年、お手元に資料としてお配りをさせていただいておると思いますが、島根県の隠岐の島に視察に行ってまいりました。これは実は、地域の医療の状況について、この隠岐の島の西ノ島というところにあります西ノ島の島前病院というところに地域の医療が、離島の医療がどうなっているのかということについて視察に行ったわけですけれども、いい意味で大変驚かされまして、離島の病院ということである種の先入観を持って実は行ったんですけれども、現場で見させていただいたら、この島前病院というのがICTの技術を既にもう何年も前から導入をされていて、島民の医療を現場で守るという取組を非常に率先してやっておられました。一部の本土の病院よりもよっぽど先進的な取組をされているのではないかというふうに思ったわけです。
 私も院長先生にお伺いをしまして、いや、びっくりしました、離島の病院でここまで取組をされているとは驚きましたと言ったら怒られまして、離島の病院だからこそこういう取組をするんじゃないかと。まさに隠岐の島のこの西ノ島、本土に行くにはフェリーか高速船、高速船に乗ったら一時間何十分で着くわけですけれども、片道六千円、往復一万二千円。波がちょっとでも高いと止まってしまいますから、そうするとフェリーで乗ると二時間半から四時間、運賃は半額になりますけれども、それだけ掛かって本土に行ってようやく病院に行ける。そんなことを、悠長なことを言っていられない、島民の命を守るためにはこの病院で命を守るんだ、そのためにICTが助けてくれるんじゃないか、本土の病院と専門的な医療のアドバイスをいろんな形で受けられればここで守ることができるんだということを訴えていただきました。本当に感銘を受けた次第です。
 ただ、残念ながら、実はこの病院の置かれている通信環境が実はまだまだ脆弱でございまして、せっかくいろんな設備を入れていただいているのに、それがフルに活用できない状況なんですね。
 そのことも併せて現場で確認をしてきたわけですけれども、まず本題に入ります前に総務省に確認をさせていただきたいと思っておりますが、このようにまだまだ全国には通信環境、基盤整備が行われていない地域が多いわけですけれども、現在取組をされています光の道の関連で、超高速ブロードバンドの整備状況がどうなっているか、簡潔に御説明をいただければと思います。
#50
○政府参考人(桜井俊君) お答え申し上げます。
 先生御指摘のとおり、総務省では、二〇一五年ごろを目途に全ての世帯におけるブロードバンドの利用を目標とするいわゆる光の道構想を推進して未整備地域解消に取り組んでいるところでございます。
 具体的には、民間事業者だけではなかなか整備が進まない地域につきまして、自治体がこれを整備する場合に一定の補助を行う交付金事業というのを実施しているところでございます。こういった措置の結果、二十三年九月末時点でございますけれども、超高速ブロードバンドの世帯カバー率は約九五%でございまして、全く整備されていない自治体、全国千七百四十二市区町村あるわけでございますけれども、約二百自治体ということとなっております。
 引き続き、二十四年度の予算政府原案におきましても、この情報通信利用環境整備推進交付金を盛り込まさせていただいているところでございまして、引き続き努力してまいりたいというふうに思っております。
#51
○石橋通宏君 今御説明いただきましたように、全国でまだ二百自治体が超高速ブロードバンドの基盤整備ができていないと、これから取り組まなければいけないということでありました。
 当然、この二百自治体に病院ですとか、そしてまたほかの面でいえば学校ですとか公共、自治体の様々な活動、公共サービスがあるわけでございまして、是非ともこういうところのブロードバンド整備を進めていかなければいけないわけですけれども、参考までに、総務省の光の道構想でも、ブロードバンドを整備するだけではなくて、この利活用をしっかりと進めていかなくてはいけないと。利活用の大きな柱の一つが医療の分野での利活用を進めていきたいということだと思っておりますけれども、桜井局長、あわせて、なぜ医療の分野で超高速ブロードバンドの整備が必要なのか、利活用が有効なのか、その点について簡潔に御説明お願いします。
#52
○政府参考人(桜井俊君) 御指摘のとおり、医療分野のICTの利活用というのが大変今後の高齢化社会における医療の在り方等々を考えました上でも大変重要だというふうに思っております。
 なぜ超高速ブロードバンド網かということでございますけれども、先生御指摘のような離島等の遠隔医療では、電子カルテの活用といった比較的軽いデータのやり取りだけではなくて、高度な判断が求められるような治療を要する場合というのが想定されるわけでございまして、そういった場合、患者の高精細な映像等を安定的にやり取りする必要があるだろうというふうに考えております。このようなデータのやり取りをやるためには、ハイビジョン並みの伝送ですと三十メガbps程度の通信速度というのが求められるわけでございまして、そういった観点から超高速ブロードバンド網の整備を進めているということでございます。
#53
○石橋通宏君 まさに、医療の分野でICTを有効に活用していただくため、先ほど申し上げましたような、島前病院で、離島で、画像だけではなくて、動画を使って本土の病院とやり取りをする、これには広帯域が必要でございまして、かつ信頼性の置ける通信回線が必要なので、超高速ブロードバンドが非常に有効だということだというふうに御理解をいただけたというふうに思います。
 西ノ島町も今年度の整備で認定が出て整備ができるという状況になってきたというふうに理解をしておりますので、是非とも残りの二百自治体も今後とも進めていただきたいと思いますが。
 それでは、今の話を受けて、厚生労働省として、医療分野でのICTの利活用の効果ですとか効用、今後どのように進めていかれるおつもりなのか、方針、計画、お考えがあれば是非御説明いただきたいと思います。
#54
○大臣政務官(藤田一枝君) 医療分野におけるICT利活用の推進ということについては、先ほどからお話もございましたが、医療の質の向上、そしてまた医療安全の確保、医療機関間の連携等の視点から非常に極めて重要だというふうに認識をいたしております。
 そのために、厚労省としても、IT戦略本部が決定した新たな情報通信技術戦略に基づいて、遠隔医療の推進、それからレセプトのオンライン化、電子カルテなど医療情報システムの普及推進、そして処方箋の電磁的交付の検討、こうした課題に取り組んでいるところでございまして、今後とも、基盤整備や財政支援などを組み合わせて、医療分野でのICTの利活用の推進、進めてまいりたいと考えております。
#55
○石橋通宏君 ありがとうございます。
 是非積極的に、住民の皆さん、国民の皆さんの命を全国どこにいても守る環境をICTを使いながらしっかりと構築をしていくということで取組をしていただけたらと思いますが。
 今政務官から触れていただきましたけれども、この分野では、遠隔医療の推進ですとかレセプトのオンライン化、又はカルテ、診療情報システムの構築等々様々な取組があるわけですが、とりわけ遠隔医療の関係については、お手元に資料の三でこの間の遠隔医療に関する法令解釈の経緯について資料としてお出しをしておりますけれども、元々、残念ながら、医師法の二十条の関係で、若干遠隔医療がこの医師法二十条に抵触をするのではないかというふうな懸念があったことから、なかなかその発展、展開が進まなかったという経緯がありますけれども、これ改めて確認をさせていただきますが、現在は、この遠隔医療の推進において、その種の、医師法の二十条の関係を含めて、基本的には障害はないと、積極的に展開をいただけるような環境は整備をされていると、そしてその点、全ての医療機関、お医者さんたちにも周知をされているということになっているということで理解をさせていただいてよろしいでしょうか。
#56
○大臣政務官(藤田一枝君) 現在は、今委員がお話がございましたように、一定の条件というものはあろうかと思いますけれども、その方向性で進んでいるということでございまして、患者の心身の状況に関して対面診療に代替し得る程度の有用な情報が得られる場合には実施することが可能である、こうした旨を都道府県知事を通じて医療関係者等に周知を図っているところでございます。また、平成二十三年には、在宅脳血管障害療養患者、在宅がん患者のこの二種類の例示というものを追加をして、通知の改正等も行ったところでございます。
 今後とも、患者さんあるいはその家族のニーズに基づいて、患者さん側の利点というものを十分に勘案して、安全性を保った上で遠隔医療というものを行っていただきたい、このように考えています。
#57
○石橋通宏君 ありがとうございます。
 その意味では、昨年の三月三十一日に出していただきましたこの平成九年通知の一部改正、これが非常に大きな意味合いを持っているのではないかというふうに思っておりますが、ただ、今後、引き続き遠隔医療の推進を図っていただくためには、やはり何らかのインセンティブが必要なのではないかなと。
 この点につきましては、昨年の八月にIT戦略本部で決定されました情報通信技術利活用のための規制・制度改革に係る対処方針の中でも、とりわけ遠隔医療に関するインセンティブの付与ということである種の方向性が出されております。
 このIT戦略本部の対処方針に基づいて、厚生労働省として、この遠隔医療推進のためのインセンティブの付与、これを具体的にどのように取組を進めていかれるおつもりなのか、この点について説明をお願いします。
#58
○大臣政務官(藤田一枝君) インセンティブの付与ということでございましたけれども、現在、厚労省としては、遠隔医療の設備整備に対する補助として、地域医療の充実のための遠隔医療補助事業というものを実施をいたしております。例えば、遠隔病理診断、あるいは遠隔放射線診断、そして在宅患者用遠隔医療装置、こうしたもののコンピューター及び附属機器等の導入の補助というものを行っているところでございます。
 また、診療報酬については、安全性、有効性等についてのエビデンスが得られた遠隔医療について診療報酬上の手当てを検討するということにしておりまして、二十四年度の診療報酬改定では、遠隔モニタリングに対応した体内埋め込み式ペースメーカーなどを使用している患者さんに対して医師が治療上必要な指導を行った際の評価、こういったものを引き上げたところでございます。
 今後とも適時取組を進めてまいりたい、このように考えております。
#59
○石橋通宏君 是非積極的な取組を進めていただければと思いますが、この質問の最後に、大臣、今のやり取りを聞いていただいて、まさにその所信の中で大臣が言われた、地域の医師不足に着実に対応していく、地域で安心して暮らしていただく、そのためにこのICTの有効な利活用というものが一つ大きな役に立てる、貢献できるのではないかというふうに考えておりますけれども、その点について大臣のお考えをお聞かせいただければと思います。
#60
○国務大臣(小宮山洋子君) 委員からは離島での実例もお示しいただいて今質疑が進みましたけど、今日の質疑でも明らかになりましたように、これはこれから一層力を入れて進めなければいけないというふうに思いました。
 現状は、遠隔医療のように医療機関間で更なる周知が必要、求められるということ、それから電子カルテなどの医療情報システムのように医療情報の標準化、これを進めているということ、それからまた処方箋の電磁的交付のように在り方や課題の検討を進めているものなど、様々今検討をいろんな側面からやっていますけれども、大変重要な課題ですので、一層力を入れて取り組んでいきたいと思っています。
#61
○石橋通宏君 御決意、ありがとうございます。
 先ほど足立委員からも指摘がありましたように、やはりこの医療分野で情報を有効に本当に活用するということが今後の地域医療の確保についても本当に重要、必要だと思っておりますので、是非とも今後ともの展開をよろしくお願いを申し上げます。
 そして、続きまして、東日本大震災で被災された方々の雇用問題について、これも大臣所信の中で重要な点として触れられております。またさらに、先週の予算委員会では、同僚の私どもの川合委員がこの問題について大臣ともやり取りをさせていただいております。
 私も、特に女性雇用という問題に絞ってちょっと深掘りをさせていただければと思っておりますけれども、まず最初に確認をさせていただきますが、被災地、とりわけ深刻、甚大な被害を受けられた沿岸部分の被災地の方で雇用保険、失業保険の再延長がなされましたけれども、この再々延長がなされなかったということもあって、一月から段階的に失業保険が切れてきております。
 この失業保険が一月以降切れてきている方々のその後の求職の状況、就職の状況、この辺についてはしっかりとフォローいただいていることと思いますが、最新の状況について、どのようになっているのか、御説明をお願いいたします。
#62
○副大臣(牧義夫君) 御質問いただいたのは特に女性のことでよろしいんでしょうか。
#63
○石橋通宏君 全体の中でお願いします。
#64
○副大臣(牧義夫君) 全体の。
 被災三県における雇用保険の、今お話がございました広域延長給付の実際の受給者の数は九千六百三十件でございます。二月十七日までにこの支給が終了した方が三千五百十名ということになっております。この受給終了時点で就職した方が九百二十一名、求職活動中の、なお求職活動という方が二千百六十三人、求職活動をされていない方が三百七十九人となってございます。
#65
○石橋通宏君 そのうちのかなりの、半数以上が女性ではないかと思いますが、この点、はっきりした数字が男女別に分からないということで事前に聞いておりましたけれども、そういうことでよろしいでしょうか。大体感覚として、半数以上が女性とか、その辺が分かりますでしょうか。
#66
○副大臣(牧義夫君) はっきりした数字でなくて恐縮なんですけれども、ハローワークの窓口等にヒアリングをしたところ、約六割弱が女性であるというふうに聞いております。
#67
○石橋通宏君 御説明いただきましたように、六割弱が女性であると。私たちの中でも、被災地から様々な声を聞かせていただいておりますが、やはり女性雇用が非常に厳しいという声が、地元からも声が届いてきております。
 やはり女性の方々、求職者の方々、様々な背景があり御事情があり、就職活動をするんだけれどもなかなか就職ができないという状況が浮き彫りになっているのではないかと思いますが、特に厚生労働省としても、この間の様々な状況把握の中で、女性求職者の方々に特有の、男性とは違う、こういったやっぱり課題があるからこそ女性の方々が大変厳しい状況にあるという、とりわけ顕著な女性求職者の方々の課題というものが何だというふうに認識をされているのか、厚生労働省としての考えをお聞かせいただければと思います。
#68
○副大臣(牧義夫君) 一つには、今回甚大な被害を受けた沿海部における主要な産業の一つである水産加工業、ここではパートの女性の方が多くお勤めであったということが一つ。もう一つは、今のその復興の需要の中で、やはりまだまだ建設・土木関係の求人が多いという中で、女性に向いた仕事の求人がまだ少ないということが一つ。もう一つは、家庭において子育てやらあるいは介護やら、こういった家庭内の諸課題を抱えている女性が多いということ。大きく分ければこの三つに集約できるのかなと認識をいたしております。
#69
○石橋通宏君 今御説明があった課題に加えて、恐らく、例えば今回の場合ですと、被災されて、これまで余り就業経験のなかった方々、中にはこれまで働いたことがなかった方々もひょっとしたらいらっしゃるかもしれません。
 スキルがまだまだ足りないとか経験がないとか、そういったことも含めたいろんな要素があるのではないかと思いますが、まさにそういう女性求職者の方々に固有の様々な課題、家庭の御事情とかもある中で、こういった御事情に即してしっかりと求職の活動支援をしていただくために、まさにハローワークで今取組をいただいているところだと思いますが、ハローワークでは専門のマザーズハローワークもあります、マザーズコーナーを設置していただいているところもありますが、全てのハローワークにマザーズがあるわけではないというふうに承知をしております。
 そういったことから考えますと、マザーズのコーナーをより拡充をしていただくとか、若しくは、マザーズがないところにおいては、女性求職者の専門の先端で対応いただけるマンツーマンで様々な状況に対して対応いただける、そういう専門の相談員の配置を御検討いただくべきではないかなというふうに考えたりもしておりますが、この点について、現場のハローワークで具体的にどういう対応をしていただいているのか、その辺について御説明をお願いします。
#70
○副大臣(牧義夫君) 委員おっしゃるように、被災地での女性求職者に対しては、いろんな特有の課題に対応しつつ、よりきめ細やかな就職支援を行っていくことが重要であるという認識は共有させていただいていると思います。
 今お話がありましたような被災地でのマザーズハローワーク、各ハローワークでは、こういった就職支援ナビゲーターも活用して個々の求職者の状況や課題を踏まえた担当者制によるきめ細やかな就職支援を行っているところであります。二十三年度の一次補正予算では、この就職支援ナビゲーターを百七十五人増員、うち被災三県には百三十名を配置したところでございます。
 今後とも、女性求職者一人一人のニーズを踏まえつつ、的確な就職支援を行ってまいりたいと思っております。
#71
○石橋通宏君 私も被災地のハローワークにも幾つか訪問させていただきましたし、全国その他いろいろのハローワークも視察をさせていただいておりますけれども、マザーズに行きますと、子供さんが遊ぶコーナーが置かれておりまして、ちょうど行ったときに、相談に来られている方がおると、横で子供さんが遊びながらしっかりといろんな対応をしていただいていると、そういうところも見させていただいております。
 是非とも、今後更にやっぱり被災地における女性の雇用の取組、重要になってくると思いますので、今ナビゲーターも増員を図っていただいているという話もありましたが、女性の求職者の方々がよりハローワークに来て相談をしやすい環境を整備していただくように取組をお願いしたいと思っております。
 もう一つ、女性の件でいいますと、やはりミスマッチを解消していくためには、先ほどちょっと触れていただきましたとおり、女性が働きやすい、女性の雇用がやはり拡大し得る分野でいかに今後とも求人を拡大していけるか、積極的に求人を拡大していっていただけるかということが非常に重要だと思います。この点は、現場からはやはり医療や介護、そういう福祉分野ですとか、例えば教育関係や児童、幼児保育分野ですとか、そういう女性の雇用の拡大が望める、そういう分野でより積極的に雇用の拡大と、そして併せて求職者側のスキルのマッチングをしていくということが有効なのではないかという提言もいただいておりますが、こういった社会福祉分野ですとか教育分野ですとかこういった分野において、より積極的に雇用の拡大とそして求職者のニーズを満たすような訓練活動を併せてやっていくというような取組をしていただいているのかどうか、この辺について具体的な取組、説明をいただければと思います。
#72
○副大臣(牧義夫君) おっしゃるように、一人一人のニーズに応じたスキルアップというものも当然必要でございます。女性に限らずこれは男女ともの話だと思いますけれども、そのための職業訓練の受講あっせん等も鋭意進めているところであります。
#73
○石橋通宏君 今私が触れさせていただいた、とりわけ教育、医療、そういった分野において、女性雇用、これは確かに女性だけに限らない話ですけれども、女性雇用の今後の対策のためにはやはり女性の求人を吸収し得る分野でより拡大をしていける、そういった取組が必要だと思いますが、副大臣、もう一回、医療分野において、介護の分野だと思いますけれども、その辺についての求人の拡大の取組というのはされているのかどうか、お聞かせください。
#74
○副大臣(牧義夫君) 私の言葉が足りないところを補っていただいてありがとうございます。
 まさに女性に向いた職でもございますし、社会が要請しているニーズも高い分野でありますので、重点的に受講あっせん等を行ってまいりたい、またそのための職業訓練給付も含めてしっかりと手当てをしてまいりたいと思っております。
#75
○石橋通宏君 是非取組を強化をしていっていただきたいと思います。
 そしてもう一つ、これは提案も含めてなんですけれども、先般、私どもの雇用創出ワーキングチームというワーキングがあるんですが、その中で私たちも女性雇用のための専門の作業チームをつくっておりまして、その作業チームでヒアリングをさせていただいたときに、ある民間のこれは保険業界の方々といろんな意見交換をさせていただいたときに、被災地で在宅型のテレワークを推進したらどうかと。先ほどまさに申し上げましたように、女性の方々、なかなか家庭の御事情等々で自宅を離れられないとか労働時間に制約があるとか通勤の範囲に制約があるとか様々な制約がある中で、これ在宅型のテレワークを活用して様々な業務をやっていただければ、これは非常に女性雇用、そういった、これはまさに男性もそうなんですが、御家庭の問題があってなかなか遠出できないとか労働時間に制約がある方々にとっては非常にいい雇用の創出の機会になるのではないかという御提案がありました。
 私もかねてからいろいろな意見交換をさせていただいている中で、厚生労働省の方では、例えば労働管理の問題ですとか安全衛生管理の問題ですとか、在宅型テレワークについては御懸念があるというのは重々承知の上ですが、そうはいっても、被災地の今後の雇用拡大においてはこの在宅型テレワーク、テレワークの活用というのも非常に大きな選択肢になるのではないかと思っておりますけれども、この点、いかがでしょうか。
#76
○副大臣(牧義夫君) おっしゃるように、在宅型テレワークについては、これまでもワーク・ライフ・バランス等々の観点から様々な効果が期待をされていたところでありますけれども、今委員がおっしゃるように、今回の被災を通じてまた新たに注目をされているというのも事実でございます。
 そういう中で、効果と、そしてまた一方で課題があるというお話でありますけれども、その効果については、例えば育児ですとかあるいは介護との両立、あるいは障害者、高齢者、女性の就業機会の確保、また災害時の事業継続性の確保、あるいはまた地球環境、温暖化対策の観点からCO2排出削減、様々なそういった効果がある一方で、今お話がありましたような、果たしてそういう中で適正な労働時間の管理ができるんだろうかとか、あるいは情報セキュリティーが確保できるんだろうかと、そういった課題も一方では残されているというのも事実でございます。
#77
○石橋通宏君 是非とも、いろんなオプション、選択肢を追求していただきながら、被災地でこれからもしっかりと雇用が創出をされて、そして失業されている皆さんが一日も早く就職をし、そして生活再建ができるような取組をしっかりしていただきたいということをお願いをさせていただきまして、質問を終わりにさせていただきます。
 ありがとうございました。
#78
○田村智子君 日本共産党の田村智子です。
 社会保険病院などを運営する地域医療機能推進機構の発足が、先ほどの質問にもありましたけれども、二〇一四年四月一日と閣議決定がされました。私も、これは是非前倒しを検討していただきたいと思っています。
 同時に、それまでの間、RFOが存在をし、社会保険病院や厚生年金病院に売却方針があるがために地域医療の機能が損なわれると、こういう事態が起こることはあってはならないと思いますが、大臣、いかがでしょうか。
#79
○国務大臣(小宮山洋子君) 社会保険病院等の譲渡に当たりましては、年金資金等の損失の最小化を図ること、これに加えまして、やはり地域の医療体制が損なわれないよう十分配慮することが当然基本だと考えています。
 また、新機構への移行を平成二十六年四月一日としていますけど、それまでの間、譲渡病院の取扱いが決まらないと各病院も非常に不安定な状況に置かれるということから、移行までの間の譲渡対象病院については一定の時期に確定させる方向で検討していきたいと考えています。
#80
○田村智子君 その譲渡の対象となった病院について、具体にお聞きをしたいと思います。
 昨年十二月二十一日、譲渡決定の大臣通知が出された川崎社会保険病院です。新機構設立の法律ができて以降、県も市も譲渡を受けないと。どこが譲渡先となるのか分からないままでこの譲渡、売却の決定が行われたのは、川崎の社会保険病院が初めてのことです。
 これは、何を判断基準にしてこうした決定が行われたのか、お聞かせください。
#81
○政府参考人(今別府敏雄君) 昨年の十二月六日の当委員会でもお答えをいたしましたが、譲渡に当たりましては、まず地元の意見、御意向を尊重するというのが基本方針でございます。それから、二十六年四月に設立をされます地域医療機能推進機構、これが病院グループとして経済的にも自立的に運営をしていくということも大事な観点であろうと考えております。それから、その際も申し述べましたが、自治体が直接引き受けるという場合にはそれを優先をするということを答弁をいたしました。
 今回もこの基本方針に沿いまして、具体的には、川崎市から十一月の二十五日に、病院の運営主体にかかわらず医療機能を向上させたい、維持向上したいという要望が出ましたので、それを受けて判断をさせていただいたところでございます。
#82
○田村智子君 今お話にあった昨年十一月二十五日、これは川崎市といいますか、川崎市長個人名なんですね。川崎市長個人が大臣あてに要望書を出した、これが全ての出発点なんですよ、具体的な決定の。
 この要望書を私も読みました。病院が赤字で医療従事者の確保が困難であると、これを主な理由として、譲渡による運営主体の選定も含めて、経営のいかんを問わず充実強化を図ることができるよう適切な措置を早急に講じられたいと、こういうものでした。
 しかし、この経営改善のため、赤字の改善のための努力や医療従事者確保のための努力というのはまさに病院がやっていたさなかだったんですね。昨年十一月、十二月は当月で黒字経営に転換をしています。それから、今年の四月、来月には二十名以上の新規採用を内定していました。医師も一時期は十五人体制、これを三十人にまで改善をしていた。休診していた小児科も再開、産婦人科の開始も予定され、まさに職員のモチベーションも高まってきていた、そのやさきだったんですね。
 これまた具体に確認したいんですけれども、市長はこういう要望書を出した、だけど判断したのは厚生労働省であり大臣ですから、では、こういう病院の現状や今後の経営方針や努力を調べて、その上で、新機構への移行ではなく、これはもう民間売却だという判断をしたのかどうか。病院の現状や経営方針をしっかりと考えて民間売却だというふうに決めたのかどうか。これ、病院の皆さんからは何で自分たちの病院が売却なのかと、切々たる声が届いているんですよ。
 お答えいただきたいと思います。
#83
○政府参考人(今別府敏雄君) 川崎の社会保険病院につきましては、もちろん市長の要望書は十一月二十五日でありますけれども、法律の改正以来、ずっと御相談をさせていただいてきております。
 今、単月の数字をおっしゃいましたけれども、累積ではかなりの赤字がたまっておりますし、毎年かなりの赤字が出ておったという病院でもございます。
 市長とも私直接お話をさせていただきましたが、経営主体のいかんを問わずということで、地域の高齢化を踏まえて、今休んでおる病床を活用して医療病床を増やしたいとか、そういうことで、むしろ今の、現状の社会保険病院としての運営よりも経営主体を替えて今の医療機能を維持、更に向上させたいというお気持ちを感じ取った次第でございます。
 先ほども申しましたようないろんな観点、それから関係者と総合的にお話をさせていただいて譲渡対象として選定をさせていただいたと、そういう経緯でございます。
#84
○田村智子君 累積赤字が多かったというぐらいの話しか見えないんですよね。それを解消しようと思って一生懸命努力していたさなかなんです。
 実は、川崎市長そう言ったというけれども、私は、川崎市長も責任ある判断を下したのか、大変疑問なんです。三月七日、川崎市議会で我が党議員の質問に答えて川崎市長、何と答弁しているか。市が事前に民間譲渡を了承した経過はございません。一方で厚生労働省は、今お話しあったとおり、いや、出向いて意向を確認したと。もう言った言わないの話になっちゃっているんですよ。一病院の運命がこんな無責任なやり方で決められてしまうというのは私は異常だと思います。十二月二十一日のこの譲渡の決定、病院の皆さんには、また医師を派遣していた大学の皆さんにとってもまさに寝耳に水、ニュースで初めて知ったという事態なんですね。
 それで、どうなっているか。川崎の社会保険病院というのは、三年前にもう地元の町会長さんや医師会長さん、大学関係者や川崎市なども参加をして、将来構想も検討をして、運営形態もやっと新機構だというゴールも見えて、医療体制の充実にも希望が見えて、ところが、突然ニュースであなたのところの病院はもう民間売却だと知らされるわけですよ。当然、職員の皆さんの中に動揺広がります。その不安から退職を希望する職員が相次いでいる。入院患者を受け入れても四月以降は医療体制が取れなくなってしまうと、このままでは。やむなく救急車の受入れを中止する、入院病棟は縮小と、こういう事態なんです。
 川崎市では、例えば末期がんの患者さんのための緩和ケアの病床というのはこの川崎社会保険病院がそのほとんどを担っている、非常に大切な役割を果たしていますが、この緩和ケアの病床も維持できるかどうかは今後分からないような状況なんですね。
 これ、やっぱり譲渡先の検討が何もないままに、市も県も手を挙げていない、自分たちの身分がどうなるか分からないというのを突き付けられている、これが現に地域医療の機能を著しく損ねる事態を招いていると思うんです。
 これ大臣にお答えいただきたいんですけれども、この事態を大臣としてどうお考えになるのか、是非お聞かせください。
#85
○国務大臣(小宮山洋子君) 社会保険病院等の譲渡に当たりましては、譲渡までの間、必要な医療機能、これが維持されることが重要だと考えていまして、譲渡指示に際しましてもその病院運営団体の全社連に対してその維持を要請していますが、今御指摘のように、川崎の方では一部の入院機能が縮小したということ、これについては、地域住民の方に対して御迷惑をお掛けしていることは大変残念で申し訳ないというふうに思っています。
 こうした状況も踏まえまして、改めて、RFOと連携の下、全社連に対しましてこの病院の医療機能の維持に最善を尽くすよう勧告を行い、それとともに、関係大学に対しましても医師の確保について協力を要請をしています。
 全社連からは病院の医療機能の維持のために全力で取り組んでいるという報告を受けていますが、厚生労働省といたしましては、引き続きRFOや地元自治体とも密接な連携を取って適切に状況を把握をして、全社連に対しまして医療機能の維持に最善を尽くすように更に求めていきたいと考えています。
#86
○田村智子君 私、もう一歩踏み込んで求めたいんですけれども、やっぱりこの病院の場合、一般入札なんですよ、売却だから、県も市も手を挙げていないから。そうすると、職員の皆さんの不安というのは一般入札されるという事実がある以上拭えないんですね。
 川崎の社会保険病院の職員の皆さんって決して高い給料じゃないんですよ、お話聞きましたけれども。だけれども、公的病院で私たちは医療を頑張りたいという思いで働いてもみえていたんですね。そうすると、私は、この一般入札という方針をこのままにしていていいのかというふうに、こう思えてならないんです。
 これによって一番被害を受けるのはやはり住民の皆さんなんですね。目の前に立派な病院がある、だけれども救急でそこに運び入れてもらえることはできないと。それから、もう民間に売却と分かれば、これ担当医がいなくなるということはもう患者さんにとって大きな影響を与えるものですよね。
 大臣、恐らく私は、大臣が決定を下すに当たって、私が今挙げたようなこと、これまで三年間の川崎の社会保険病院が地域と一緒になって頑張ってきたような努力とか赤字転換させるための努力とか、そういうことをちゃんと担当の部局からお聞きになっていなかったんじゃないんだろうかと、こういうことも私、思えてくるんですよ。
 もしもそうであるならば、この民間売却という、事実上の民間売却という決定を出したことを、その過程を検証をして、問題があるんだと思えばそれ白紙撤回するという政治決断も必要じゃないかと思うんです。その上で、川崎市とも、全社連とも、それから地域とも、もちろん医療の関係の皆さんともやっぱり真摯に話し合って、医療機能をどう回復させるかと、ここに力尽くすことも必要じゃないかと思うんですけれども、検討していただけないでしょうか。
#87
○国務大臣(小宮山洋子君) 今、細かいことを聞いていないのではないかという御指摘がございましたが、それぞれの病院につきましては細かく聞いております。その結果、判断をしています。
 川崎社会保険病院につきましては、譲渡の指示後、地元自治体から譲渡条件に関する意見書が提出され、それとともに、地元の自治体ですとか医療関係団体、関係大学などの参画の下でRFOで譲渡検討委員会が開催をされまして、譲渡条件を審議するなど譲渡に向けた手続が進められています。
 こうした中、地元自治体に加えて自治会からも譲渡手続を迅速に行って譲渡先を早急に決定をすることが求められています。このため、厚生労働省としましては、こうした地元住民の要望にこたえて、譲渡条件に適合する適切な譲渡先を早急に決めること、これが重要だと考えていまして、引き続き手続を進めています。
 また、地元自治体と厚労省は、連携図りながら、今御指摘の、いろいろな病院の機能が低下をして地域の住民に御迷惑を掛けるということがないよう、最小限になるように、経営委託先団体の全社連に対しまして、そこの病院の医療機能を維持するようにということを最大限努力をするようにということの働きかけも併せて行っていきたいと考えています。
#88
○田村智子君 知っていたというなら、私、重大だと思いますね。厚労省のその決断が、大臣の決断が、現に迷惑を与えるような事態をこれ引き起こしているんですよ。
 大体、十一月二十五日に市長が要望書を出して、市長に意向を確認に行ったのは十二月十二日ですよ、お聞きしたら。それで十二月二十一日に決定と。病院に動揺が広がらないはずはないんですよ。こんなやり方続けられたら、病院たまったものじゃないですよ。
 私、もう一点お聞きしたいんです。
 三月七日の川崎市議会で、健康福祉局長は次のように答弁しているんです。多額の累積赤字を抱え経営状態が悪化していることから、国からは、本市が川崎社会保険病院の譲渡を受けない場合には民間譲渡が避けられないとの説明を受けていたと。これ私、昨年も厚生労働委員会で取り上げましたけれども、RFOは、赤字の大きい病院は譲渡、売却するということを既に決めていて、厚生労働省は、その自治体に対しては、新機構に移行して存続という選択肢は示さず、県や市が買わなければ民間に売却することになるんだと、こう迫っているんですか。だとしたら大問題だと思いますけど、いかがですか。
#89
○政府参考人(今別府敏雄君) これも十二月六日にお答えをいたしましたが、RFOが譲渡対象施設を選定をするということはございません。先ほど御説明をしたような観点から厚生労働省で決定をするということでございます。
 それから、川崎市も、一部入院機能の縮小の動きが出ましたので、そういう意味でも、早く次の引受先を決めて地域医療の向上が目指せるように早く手続を進めてほしいと、これは市あるいは地元の自治会等からも要望を受けておりますので、速やかに入札手続を進めてまいりたいと考えております。
#90
○田村智子君 地元が要望を出しているのは、もうとんでもない事態になっちゃったからなんですよ。とんでもない事態の引き金を引いておいて、地元から要望があったから民間譲渡を進める、早く進めるんだと。これはもう開き直りも甚だしいと私言わざるを得ないと思います。
 今お聞きしたように、RFOはそれで選別していないと言うんですけれども、昨年も取り上げました、やっぱり鳴門の社会保険病院も、二〇一一年六月の厚労省のアンケートに徳島県は、譲り受けることを検討するつもりはないと回答していた。ところが、その後、県が買わなければ民間譲渡になってしまうので、公的病院の存続のためにはやむを得ないと県が買い取る決断をした、こういう報道が繰り返し行われてきています。県はそれで医療機能をそのまま確保できるのか、県の財政状況では今の診療体制保つことは困難だと、既に診療体制の縮小が取りざたをされていると。
 私、やっぱりこんなことを繰り返したらいけないと思うんですよ。二年後には新機構ができる、地域医療の機能を推進させることが目的だ、だけど、今RFOで社会保険病院などをどんどん売りさばいていこうとする、これ矛盾なんです。
 私、厚生労働省やるべきは、病院の売却に必死になることじゃないと思いますよ。国会が附帯決議上げたからとか、RFOは売るのが役割だからとか、そんなことで売るのに一生懸命になるんじゃなくて、いかに早く新機構に移行するか、それぞれの病院の経営の健全化や地域医療の機能の充実いかにして図っていくかと、このことに全力を注ぐべきだと思いますが、大臣、いかがでしょうか。
#91
○国務大臣(小宮山洋子君) 今委員も御指摘いただきましたけれども、社会保険病院等については、国会の附帯決議でも、RFOから推進機構への改組までの間、譲渡に向けた取組を推進するということが求められています。それに当たりましては、その譲渡に当たっては、年金資金などの損失の最小化を図ること、それに加えて、地域医療の体制が損なわれないよう十分配慮することを基本といたしまして、それで、あくまでも地元自治体の理解を得ながら譲渡手続を進めるということで、先ほど申し上げたような仕組みで今進めているところでございますので、なるべく早く方向性を見出したいというふうに思っています。
#92
○田村智子君 これまで私紹介した事実を見ても、これ自治体が、市長が明確に民間譲渡を認めたともはや言えないような状態、この川崎の問題というのは非常に無責任なやり方で私は決定が下されたと言わざるを得ないと思っています。何より厚生労働省が、大変な苦労をしながら働いている医師や看護師の気持ちを非常に傷つけるようなやり方を、これをよしとするということは非常に問題だと思います。
 私、これ今後も社会保険の病院の問題については個々の病院の問題も含めて詳しく見て取り上げていきたいと思っています。
 残された時間で、予算委員会でも取り上げました子ども・子育て新システムについて、落ち着いて若干お聞きをしたいと思います。
 予算委員会では、私、待機児童は新システムの下でどのような対応になるかということをお聞きしたんですね。速記録で大臣の答弁を確認しましたが、ニーズを把握して、そして待機児童などはあっせんをして入れるような措置をとるというふうにお答えをいただいています。この入れるような措置をとるというのがどういうことなのか、もう一度御答弁いただきたいと思います。
#93
○国務大臣(小宮山洋子君) 子ども・子育て新システムでは、保護者が施設と契約をするという新しい形になりますが、特に要保護児童、障害児などの特別な支援が必要な場合ですとか待機児童が生じている場合には、市町村が施設に対してあっせんや要請などの利用調整を行うとともに、施設には応諾義務を課します。そして、正当な理由がない限り受入れを義務付けます。こうした仕組みを通じて、保育の必要な子供が確実に保育を受けられるようにしていきたいと思います。
 絶対的に需要量が供給量を上回る場合は、結果的に保育を受けられない子供、待機児童が生じること、これはあり得ますけれども、このような場合には、これまでの仕組みとは異なって、市町村が保育の需要見込み量を記載した計画を作成し、これに基づいて必要な保育を確保するための措置を講ずる責務を負う制度にしています。
 この新システムの中では、総合こども園とか保育所だけではなくて、質が確保された認可外の保育施設、小規模保育、家庭的保育、居宅訪問型保育など、多様な保育を財政支援をする対象にしていますので、こうした多様な保育を最大限活用する、そのことによって各市町村で必要な保育を確保していきたいと考えています。
#94
○田村智子君 あっせんをして調整をして、あっせんした子供については応諾義務を保育の施設の方に課すと、これは必要なことだと思います。
 問題は、あっせんも受けられなかった子供、これについては後々の計画を作って入れるようにしていくということですけれども、やっぱり目の前で入れない子供が残されるというのは、これはそういうことでいいんですよね。
#95
○国務大臣(小宮山洋子君) ちょっとお答えの仕方が難しいですけれども、現在もこれだけの保育所に入りたくて入れない待機児さんがいらっしゃるわけですね、予算委員会の繰り返しになってしまいますけど。そうすると、今の仕組みの中で、待機児さん、これはやはり潜在的な需要も含めてこれからも増えていくということが考えられる中で、今の制度のままやるのではなくて、新しい今申し上げた多様な受皿になるところを用意をして、一定の基準を満たしたら指定をし、そこに財政支援をしていくという新しいやり方にした方が、その入れないお子さんは明らかに減っていくと。
 そういうお子さんを一人でも減らして、就学前の全ての子供たちに質の良い学校教育、保育をつくるという新しい方向に今の政権では踏み出したいと考えているところです。
#96
○田村智子君 保育所を本当に増やす、サービス広げるって、これは私も全然否定しないんです。ただ、現に目の前に待機児童がいてどうするか、これ今も課題なんです。だから、新しいシステムをつくる場合に一歩も二歩も踏み込んでこの子をどうするかということをやってほしい、これがお父さん、お母さんたちの思いなんですね。
 私は、だから、こだわった保育実施の義務を市町村は、やっぱり待機児童を持っているようなところは特に果たすと、市町村が臨時的に保育をするような場を設けてでも保育が不可欠な子供にはそれを保障するということが私は求められているんじゃないだろうかというふうに思えるんですよ。だけど、市町村の実施義務というのを外してしまうということがそうした踏み込んだ努力ということになっていかないんじゃないか、私はそのことを非常に危惧しているのと、やはり、新システムに関する基本制度を読んでいても、需要が供給を上回った場合、調整してあっせんすると、ここまでしか書かれていなくて、あっせんを受けられない子供をどうするのかということは全く示されていないんです。内閣府に聞いても厚生労働省に聞いても、検討中です、検討中ですというだけで終わっているんですよ。だから、やっぱりそれでは見えなくなってしまう、今現に解決が求められている問題が見えなくなってしまうんじゃないかというふうに思えてならないんですが、ここは平行線になりそうですのでまたの機会に質問したいと思うんです。
 もう一つなんですけれども、こうやってじゃあっせんをしようとして、保育所の方は、市町村の方は入れたいがために今もやっています、定員を超えて入れる。最低基準でいえば、廊下の面積まで数えて、あと何人入れられるでしょうと入れる。私、これはいかがなものかと今思っています。
 認可の保育所、最低基準を満たす保育所というのは本当につくらなきゃいけないし、もっと言えば、今の最低基準というのは、面積にしろ人の配置にしろ、これは国際的に見て低いと。やはり新システムの下ではこれを向上させることが必要だと思うんですけれども、いかがでしょうか。
#97
○国務大臣(小宮山洋子君) 子ども・子育て新システムでは、質の確保のためにその客観的基準を満たす施設を財政支援の対象として指定をします。この指定基準につきましては、今の基準を基礎とします。
 そうしながら、学校教育、保育の質の確保向上の観点から、職員配置の基準の引上げなどを検討していきたいと考えていますので、こうした質の改善については、税制抜本改革の財源を基本としながら取り組んで、少しでも委員がおっしゃるように質の良いものに変えていきたいと思っています。
#98
○田村智子君 ごめんなさい、最低基準は引き上げるということになるのかどうか、ごめんなさい、ちょっとよく分からなかったんでもう一度お願いしたいんですけれども。面積の基準など最低基準を引き上げるのか。
#99
○国務大臣(小宮山洋子君) それは、今の基準を基礎といたしますので、今の基準をそのまま守っていくと。それで、特に総合こども園の新しくつくろうとしているところを中心に質の確保をする観点とインセンティブを掛けるという意味もございまして、職員配置の基準は引上げをしていきたいというふうに考えているということです。
#100
○田村智子君 私、この場ではちょっと面積基準のことだけちょっとお聞きをしたいんですけれども、今待機児童の多いところではその最低基準を小さくするような、本当にそれぞれの条例でもっと面積基準を狭めていいという動きがどんどん強まっているんですね。
 二〇一〇年十月に、社会福祉法人が運営する愛知県碧南市の認可保育園で、栗並寛也ちゃんという男の子がおやつのカステラを喉に詰まらせて、事故後、四十日後に病院で亡くなったという事故が起きました。これ、ゼロ歳児が急増したために、まだ一歳になったばかりの子供でもゼロ歳児の部屋から一歳児に移した。ゼロ歳児、一歳児の面積基準というのは、本当は、動き出す前の子供、寝返りするぐらいの子供は一・六五平米、動き出した子供は三・三平米。ところが、この愛知県碧南市では、ゼロ・一歳児は動き出す子も含めて一・六五平米となっていたと、こういうことなんですよ。そうすると、これが親御さんにとっては、いろんな事情で事故が起きたかもしれないけれども、面積基準が狭められて詰め込まれたがために起きたんじゃないのかと、こういう懸念も持っていらっしゃるんです。
 今見てみれば、大阪市などは今まさに条例で、ゼロ・一歳児、一・六五でいいと、こういう動きを起こしているんですよ。
 少なくとも、新システム、この検討の過程で、最低基準を狭めていいというこの動き、これは止めることが必要だと思いますが、いかがでしょうか。
#101
○委員長(小林正夫君) 厚生労働省高井雇用均等・児童家庭局長。
 なお、時間が過ぎておりますので、簡潔にまとめていただきたいと思います。
#102
○政府参考人(高井康行君) 私からは現在の最低基準の運用について申し上げますと、御指摘のように、匍匐しない子供については一・六五平米以上、匍匐する子供は三・三平米以上となっておりますけれども、御指摘のように、実際の運用が、匍匐する子しない子に対する適用について自治体によって違いが見えましたので、保育所のこの施設基準の考え方を昨年明確にしたところでございます。
#103
○国務大臣(小宮山洋子君) 済みません、一言いいですか。
 おっしゃる御懸念は分かります。待機児さんが多い一部の都市部でその面積基準を少なくてもいいという、そこを狭めることは私も最大限努力をいたしました。ですから、そこのところが広がっていくことがないように、しっかりと子供の安心できる最低基準が守れるように、それは最大限努力をしたいと思います。
#104
○委員長(小林正夫君) それでは、午後一時に再開することとして、休憩いたします。
   午後零時九分休憩
     ─────・─────
   午後一時開会
#105
○委員長(小林正夫君) ただいまから厚生労働委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、社会保障及び労働問題等に関する調査を議題とし、厚生労働行政の基本施策に関する件について質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#106
○中村博彦君 自由民主党の中村博彦でございます。
 一月三十日には、参議院本会議場で代表質問をさせていただきました。明確なお答えを総理からいただいておらないところが大変多うございましたので、今日、引き続き代表質問のような気持ちで質問をさせていただけたらと思っております。
 私が申し上げたのは、社会保障費自然増、これは抑制をしていかなくてはいけないんではないかということを申し上げた。毎年一兆二千億、一兆四千、五千億円のこの自然増を消費税で賄っていくんですかと、これは消費税が何ぼあっても足りませんよと、やっぱり制度改革、構造改革が必要なんではないでしょうかということを申し上げさせていただいた。しかし、なかなか税と一体改革の中で素案というものが見えません。
 そこで、まず申し上げておきたいのは、この地域包括ケアシステムであります。二十四時間の巡回型サービス、確かに理念はいい、バラ色。高齢者が地域で自立した生活を営めるよう、医療、介護、予防、住まい、生活支援サービスが切れ目なく提供され、地域ケアシステム、バラ色、すばらしい。しかし、このシステムの中には大きな問題点が含まれております。
 まず、地域が支えるということでございますが、もう御存じのように、現在、国土の五割に人が居住していますが、もうあと二十年もすれば、三十年すれば四割までに減少して居住地域の二割が無居住化になるわけであります。東京、どうですか。東京一世帯当たりの平均人数が一・九九人、二人を割るんです。そして、東京都の二十六万戸の都営住宅では既に十万世帯が高齢者だけで、そのうち六割強が独居であります。
 地域が支える、どうでございますか。このような、農漁村も都市部も地域が崩壊している。この中で、この地域包括ケアシステムが介護施設を無視した中で、在宅サービスシフトの中で支えられるか、大臣にお伺いいたしたいと思います。
#107
○国務大臣(小宮山洋子君) 幾つかの御指摘をいただきましたけれども、確かに社会保障改革の中でまだ切り込みが不足している、そういう御指摘は多々いただいているところですので、今回も本当に一歩でございますので、次第にまた皆様の御意見もいただきながらそちらはやっていきたいと思います。
 それから、地域包括ケアシステム、今委員が御指摘いただきましたように、都市部、地方、それぞれにいろいろな課題がございます。ただ、これも御指摘にありましたように、全体の世帯の人数が少なくなり、東京では特に一・九九人という中で、やはり地域全体で、子育てもそうですが、介護も担うような形にしていかないと、家族単位ではそこはなかなか賄えない。そうした中で、今回、中学校区ぐらい、人口一万人程度のところで地域包括ケアシステムを何とかスタートをさせたいと思っています。
 その中では、今おっしゃったように、医療、介護、これは在宅でなるべく最期を迎えたいという方が非常に多くていらっしゃるのに、今病院で亡くなる方が八割、ちょうど御希望と逆転をしているような数字が出ている中で、生涯、住み慣れた自宅とかケア付きの住宅とかでお住まいになれる、その中で医療と介護が連携をし、またいろいろ地域の支えもいただきながら介護の予防とか生活支援もしていくという仕組みをつくる必要があるというふうに考えているところです。
 別に介護施設を無視してということでは全くございませんので、それは、施設は施設でちゃんとやりながら、地域の中でもこういうお互いに、おせっかいと言うとちょっと言い方悪いかもしれませんが、お互いに見合っていく仕組みが必要だと考えています。
#108
○中村博彦君 皆さんにお配りをいたしましたペーパー、見てください。二十三年の七月までにはこの一体改革のイメージ図の中に特養や老健が中核施設として位置取りされていました。しかし、十二月から出したこの改革イメージには、どうでございますか、グループホームと小規模多機能施設しか介護というこの図形の中に入ってございません。ここを皆さんが見ていただいたらいいんです。
 こういう流れをつくろうとする理念派学者に今厚生労働省は牛耳られている。最初は官という中で審議会を設けて上手に官が学者を使っておったけれども、今やその審議会の委員の皆さんが怪物に成長して手を焼いているのが厚生労働省でございます。そこを是非御理解をしていただきたい。
 もう何度も何度も申しますけれども、住み慣れた自宅で最期を迎えたい、これは本当の人としての希望でございます。しかし、そのために家族介護があって、自分の生活を犠牲にしてまで親の生活の面倒が見れますか。見れんじゃないですか。介護保険は導入時に介護の社会化を進めるという前提でつくられたんです。それが、このシステムを登用させてくれば、在宅、家族介護、この定型化の中で進めざるを得ないということでございます。
 そして、今回、ついに報酬が出ました。何と何と、この二十四時間の定期巡回・随時対応型訪問介護看護では、大臣、要介護度五が三十万四千五百円要るんです。しかし、この要介護度五の方には、一日の訪問回数は四回程度しか訪問できない。六回、七回になると、事業者側が採算が合わないために実行できないんです。こんな代物なんですよ。これから消費税という、皆さんに、国民に負担を掛ける中でこんな高コストのシステムをつくっていこうとしている。
 また、これは代表質問でも言わさせていただいたけれども、今や認知症は国民病になっている。まさにこの国民病をどう対応していくか、大きな社会問題になっている。軽度、未発見の者を加えて今六百万人、認知症周辺の人々は一千万人を超えたと言われているんです。地域介護で、家族介護で認知症ケアができるでしょうか、住民ボランティアで。そこを考えていただきたいわけでございます。
 大臣、この認知症ケアは素人でできますか、どうですか。
#109
○国務大臣(小宮山洋子君) それはなかなか、専門性も要るというふうに考えますので、今認知症サポーターの養成など、住民参加型で認知症の方を地域で見守る取組、それだけではなくて、グループホームですとか小規模多機能型サービスなどの認知症に対応した在宅サービス基盤の整備ですとか在宅医療や訪問看護の充実など、その専門性の高い支援の充実を図ることにしています。
 各地域で地域包括ケアのシステム、今危惧される点をるるお述べいただきましたけれども、それは今まで施設でいろいろやっていただいていることと共存をする形でと私は考えておりますので、ここは新しくつくる地域包括ケアシステムの在り方を分かりやすくするためにこういう書き方をさせていただいたので、決して施設を否定しているということではございませんので、そこは御理解をいただきたいと思います。
#110
○中村博彦君 政治主導と言われていますけれども、本当に今の厚生労働行政、特に介護は官主導、学者主導になっているということでございます。
 皆さん、今一号被保険者と二号被保険者はどうでございますか。一号被保険者は平均四千百六十円、第二号の被保険者は四千五百十六円。第二号被保険者の方が高いんですよ。四十歳から掛け続けるんですよ。これは介護サービスなくては納得がいかないんではないでしょうか。
 そして、先ほども高コストと申し上げたけれども、この理念派学者によって遂行されているこの個室ユニットケア、これ皆さん、社会保障の標準的なサービスにするんですか。この個室ユニットケアは、ほぼ三十万円に食費を足して、部屋代六万考えると、四十万円要るんです。この四十万円を標準サービスにするんですか。これは是非御点検を願いたい。
 そして、御存じのとおり、今回は、多床室は従来型にしてもマイナス二十四単位下げた。新しく施設を造る、多床室を造る場合も、各都道府県の二十四年、二十五年、二十六年の事業計画でも多床室必要だという県が大変多いにもかかわらず、造ってみろと。造っても多床室はペイしないようにマイナス三十二単位も従来型から引いたんですよ。こんなことでいいんですか。そして、地方分権一括法がございますから、都道府県は自分たちがやると言っても、こんな単価ではやるならやってみろという態度で、頑張っていかざるを得ないんです。実質はこの流れは止まってしまうということでございます。
 そして、今の多床室、大臣、一遍見に行っていただきたい。プライバシーを守る、人権を守る、間切りをして工夫して、個別ケアや科学的な介護を一生懸命取り組んでいる、もう集団処遇は本当になくなっているのが現状でございます。
 次のペーパーを是非見ていただきたいんです、皆さん。是非見ていただきたい。これは介護老人福祉施設の収支差率の分析でございます。これは介護老人保健施設も変わりません。二極化。どうですか。同じ報酬単価で、赤字の施設が何と二八・三%もある。そしてこの右端を見ていただいたら、一五・四%も二五%の利益を出している。いかにこの社会福祉法人という事業体が二極化しているか。ガバナンス不在だということであります。
 そして、一番の問題は、まだこの収支が赤字ならいいですよ、集団処遇や寝かせっきりというようにサービスが従来型サービスに終始している。五つのゼロを目指して必死な施設は多いんです。おむつゼロ、骨折ゼロ、拘束ゼロ、褥瘡ゼロ、胃瘻ゼロといって一生懸命取り組んでおる施設と余りにもギャップが生じておるということでございます。
 これを大臣、これは厚生労働省が出したペーパーでございますので、是非こういう供給体改革をしていない不作為、行政の不作為を是非とも考えていただきたいわけであります。感想をお述べください。
#111
○国務大臣(小宮山洋子君) 感想と申しますと、それは二極化しているという実態はもっと丁寧にしっかり見ていかなければいけないというふうには考えます。
 ただ、今回の介護報酬改定は、物価の下落傾向ですとか介護事業者の全体的な経営状況などを踏まえて行われたもので、今回の介護報酬改定でも特養の運営などが可能な水準になっていると考えていますし、それから、今の個室ユニット化のお話がございましたけれども、確かに多床室でも、今おっしゃったように、委員の御指摘のようなきちんとプライバシーを守っている施設もあるかと思いますが、そうでないところもまだまだあるというふうに思っておりますので、やはり一人一人の人権を尊重したケアをするためには、やはり四人以下から一人へと改正をした、その改正を踏まえまして個室ユニット化の方向は進めていきたいというふうに考えています。
#112
○中村博彦君 御存じのとおり、措置から契約に変わったにもかかわらず、やはり社会福祉法人がいかに対応ができ得る法人形態を成しているか成していないか、この辺の整理というものが私は必要でないか。保育にも言えることでございます。よくよく考えていただいたら有り難いんでないか。
 そして、先ほど、理念派だとかその審議会乗っ取った学者ということを申し上げましたけれども、これは皆さん、この特養解体、特養は施設からなくなっていいんだという考え方は、平成十五年の中村秀一老健局長の発言から生まれているものであります。特別養護老人ホーム自体がなくなり、別の形、カテゴリーの介護施設も考えられる、これが、中村秀一発言が平成十五年四月三日に発信されています。
 そして、平成十五年に、高齢者介護研究会では、先ほど申したような、住まい、自宅、施設以外の多様な住まい方、住み替えという選択肢、そういう二〇一五年ビジョンが作られているわけであります。そのビジョンに基づいて動いてきているわけですけれども、確かに絵にかいたもちは美しいものです。そして、この高齢者介護研究会の委員は、堀田力、田中滋、高橋紘士という流れの中で、今回の介護給付費分科会で、今のような形の中で地域包括ケアシステムを進めるために強引に進めてきているということでございます。
 これ、全て議事録からでございますけれども、大森座長というのは、ユニット個室、従来個室、多床室と順となるように報酬水準を適正化する、この路線でいきたいのですが、反対があってもこれを貫く、これ、座長の発言ですよ、特養の皆さんも覚悟を決めていただきたい。池田省三委員は、多床室の介護報酬をどすんと落とせばいいんですと、多床室の問題だけは譲れない、はっきり言って人権問題なんだ。これが、多床室を今使われていられる方が、人権というもので抑圧されているでしょうか。
 そして、今申し上げた二〇一五年のレポートを書いた田中滋さんは、特養は特別のケアが組み合わされた住宅であり、介護保険は住み家サービスのためのものではない、新規の多床室が減額になるのも当然、住み家は知らない人とともに住むところではないはずと。そして最後に、特養は終の棲家として、本当は住宅ですけれども今は施設になっていますという発言まで厚労省の幹部が発言しておるわけであります。この辺を政治主導の大臣がひとつよくよく御理解をしていただきたい。
 そして、そういう流れを強引に推し進めた池田省三さんや田中滋さんが、何と平成二十七年の介護報酬改定に向けて、介護報酬改定検証、今回の改定で研究委員会を開いて、どうなったのか、それを、自分たちが作った報酬改定案を自分たちで精査するという委員会をつくって委員になっておるということであります。これは是非とも考えてもらいたい。
 続いて、外国人政策について御質問をさせていただきます。
 今大きな問題になっておりますのが、この介護・看護分野でございます。これから成長産業でありながら、本当に人材不足、深刻です。もちろん、農業や漁業も後継者、人手不足は深刻であります。この深刻な中で、外国人歯科医師や看護師等は平成二十二年十一月三十日に就労年数制限が撤廃されましたけれども、介護福祉士については、国家試験に受かった外国人については在留許可を与えるシステムがつくっておられません。こういう人材不足で大変な高品質サービスを作らにゃいかんときに、法務省谷政務官、どのようにお考えなんでしょうか、端的に御答弁願いたいと思います。
#113
○大臣政務官(谷博之君) 御質問、ありがとうございます。
 今お尋ねの外国人労働者の受入れに対する基本的な考え方ということでございますが、まず現在の状況というものを端的に申し上げますと、非常に今、少子高齢化、人口減少、こういうふうな状況の中で、経済的にもあるいは社会保障を維持していくためにも大変厳しい状況にあると。そういう中に若者や女性、高齢者など、潜在的な能力を有する人々の労働市場への参加と、この促進というものがまず基本的には大事だと。まずはそのための、一方では少子高齢化の対策も今取りつつあるわけでございます。
 そういう中で、今後の在り方でございますけれども、少なくとも基本的には人口減少という状態を乗り切るためにということで、外国からの労働力を入れることによって安易に埋めようという考え方、これはいろいろと問題があるかと思っております。しかし、少子高齢化の進行やあるいは人口減少時代の到来に直面する今日、外国人の受入れの在り方については、我が国の将来の形、あるいは国民生活全体に関する問題として、国民的コンセンサスを踏まえつつ検討していく必要があると考えております。
 そういう中で法務省としては、政府全体のこうした検討により、外国人の受入れ範囲を拡大することとなった場合には適切に対応する所存でございます。
#114
○中村博彦君 外国人の研修・技能実習制度が二〇一〇年七月に制度改正がされました。そして、そのときに、御存じのとおり、参議院法務委員会の附帯決議に、この外国人技能実習制度はこれは大きな問題を持っている、だから、同制度の在り方の抜本的な見直しについて、できるだけ速やかに結論を得るよう、外国人の研修生・技能実習生の保護、我が国の産業構造の観点から、総合的な検討を行うと、こういうように書いておるわけでございます。
 そして、民主党は、このJITCOの体制については、賛助会員制度の廃止、研修の送り出し機関への監視体制の強化、このように言っておるわけですけれども、相変わらず二〇一〇年に九百七十五人の失踪者を出しています。本当に困ったものでございます。JITCOのこの体制をどう変えていくか、JITCOの佐田専務理事がおいでていますので、簡単に御説明ください。
#115
○参考人(佐田通明君) 私どもは、今、二〇一〇年の制度改正について、その周知と徹底、そういうことをやっているわけでございます。その中で特に重要だというふうに考えておりますのは、新しい基準、新しい法令を普及すること、それから、十五か国ぐらいから人を受け入れていますから、その各国に行って、制度が、日本、変わっていますよということを御説明するということであります。そして、具体的には、巡回指導あるいは母国語相談、日本語教育ということで制度の充実に努力をさせていただきたいと考えております。
#116
○中村博彦君 あらゆる制度の中で人材開国というのは、私たち日本、現在の、私は喫緊の課題だと考えています。
 これ、皆さんにお配りした第二十四回介護福祉士国家試験問題を見ていただきたいと思いますが、この試験問題について、匿名化そして位牌や仏壇、もうインドネシアの候補生が受けることが分かっていながら改善がされていない。どうなんでしょうか。そして、是非先生方も見ていただきたいんですけれども、正解書いてございますけれども、是非自らが答えを見ず問題を解いてみていただいたらと思います。
 時間がありませんから説明できませんけれども、この影響という一つ取っても、インドネシアは良い影響を考えるんだそうです。日本人は悪い影響を考えるんだそうです。それだけで全然違うんです、この問題百六にしても。そしてまた、この問題百十八は誰が解いても正解が分からないそうでございます。
 これら介護福祉士国家試験問題の改善策、これはどう考えられるのか。今後これは国際問題化しますよね。やっぱり人員配置基準をフィリピン、インドネシアの候補生は算定せずだとかで今大きな国際問題化しようとしている。三月二十八日には合否が出るわけであります。これは合格率によっては大きな問題になるわけでございまして、これらの状況、どういうようにお考えか、お答えをいただきたいと思います。
#117
○参考人(角田隆君) ただいま先生御指摘の国家試験問題につきましては、厚労省において、去年だと思いますけれども、ルビを振るとか、そういういわゆる配慮を行われております。
 それで、私ども、せっかく来た方が是非受かっていただきたいということを思っていまして、学生支援というのを厚労省の委託を受けてやっております。その中で、漢字のテストとかあるいは集合研修とか通信添削、そういったことを通じて候補者の方ができるだけ試験に受かるように御支援していくというのが基本でございます。
#118
○中村博彦君 これ、もう最後に大臣にお伺いしますが、この国際厚生事業団が、どうでございますか、これから合格した人に、与党の先生方も、合格した人に滞在管理費、JICWELSとの受入れ支援契約、滞在管理費を支払えというんですよ。一生ですよ。日本から自国へ帰るときまで、何と一人当たり一万円から二万円を滞在管理費を受入れ機関に支払わす。これはどういう形なんでしょうか。考えられんじゃありませんか。あの不透明なJITCOのあの受入れ団体と同じピンはね的な、そして、よく予算を見てみますと、何のことはない、二億六千五百十六万も補助金が国費でJICWELSには出ているんですよ。こんな実態、大臣、簡単に答弁をして、お願いします。
#119
○国務大臣(小宮山洋子君) 今御指摘の点につきましては、EPAに基づいた介護福祉士の候補者の受入れで、その受入れ施設に負担いただく費用として求人申込料、あっせん手数料、相手国の政府への手数料、滞在管理費、日本語研修機関への支払などが必要経費としていただいているのが現状でございまして、今御指摘もございましたが、その費用の一部を助成することにしています。
 そこがきちんと適正に行われるようにはしっかりとチェックをしていきたいと思っていますし、委員の御趣旨でございます、せっかく日本で働こうとして来ている介護福祉士の候補者の方たちが、日本語の問題だけで排除されることがないように、そこは私からも強く今指示をしているところでございますので、なるべく言い換えですとか、いろいろなことで可能なようにして、それで滞在期間も一定の期間をちゃんと見て、志のある方が日本語の問題だけで帰国されることのないように、そこのところはしっかりとやっていきたいというふうに思っています。
#120
○中村博彦君 ピンはねだけはやめるように、それだけはお願いをいたして、質問を終わります。
#121
○石井準一君 自由民主党の石井準一です。
 まず初めに、小宮山大臣は所信表明で、昨年九月二日に大臣に就任をし半年以上が経過をし、改めて厚生労働行政が国民の皆様方の生活に密着した大変幅広い分野を担当していることを痛感している、実感していると述べられました。
 しかし、この間、子ども手当が児童手当に戻るなど、看板政策を完全に取り下げるなど、国民にも多大な不安と不信を与えてきたということは否めない事実ではないのでしょうか。最近の社会保障と税の問題をめぐる民主党の議論の混乱ぶりを見ておりましても、野田内閣は全体として全く統治能力のない、政策実行力のない政権であるということがはっきりとしてきました。
 まず大臣、就任以降、自らの行政を省みて、どのように反省、また感想をお持ちか、率直な認識をお伺いをしたいなと思います。特に民主党がマニフェストに掲げた政策が相次いで後退していることに関してどう思っているのか、国民に分かりやすく説明をしていただきたいと思います。
#122
○国務大臣(小宮山洋子君) 政権を担わせていただいてからお約束した国民の生活が第一、それから私もずっと主張してきたチルドレンファースト、そうしたような理念に基づいて可能な限り政策を進めてきていると思っていますし、マニフェストについても実現している項目もたくさんございます。
 そうした中で、ただ、昨年のあのマニフェストの検証、岡田前幹事長の下でまとめたものでございますが、その中でやはり、野党であった私たちが政権を担わせていただきたいとして訴えさせていただいたマニフェストの中で、財源の見通しが甘かったと、きちんと財源手当てができていなかったがために、御指摘の子ども手当満額支給ということを始め、できていないことがたくさんあることにつきましては、それはどうしてできなかったかということを国民の皆様にも御説明をし、真摯におわびをした上で、それではこの後どうやって何を進めていくかということを改めて丁寧に御説明をしなければいけないというふうに考えています。
#123
○石井準一君 マニフェストの政策に関していえば、ばらまき政策の象徴であったと言わざるを得ない子ども手当の撤廃、児童手当の復活が大きな要因になっております。
 三月十五日、自民党、公明党、民主党の政策責任者の間で、平成二十四年度以降の制度は児童手当とすることで合意をいたしました。新たな児童手当制度を構築をし、内容面でも年収九百六十万で所得制限を課すなど、我々の主張が全面的に取り入れられてきたわけでありますが、大臣、子ども手当は名実共に看板政策を完全に取り下げたとの認識であるのか、お伺いをしたいと思います。
#124
○国務大臣(小宮山洋子君) 今回、児童手当法案という形で御審議をお願いをするのは、昨年の夏の三党合意を基にして、この四月から恒久法である児童手当法をベースとして更に三党間で話合いを進めていただくということになっておりました。そして、もう法案提出の期限が来てもなかなか話合いが進まなかったために今回の政府案を出させていただいていたんですが、三月末までに、三月中に法案が成立しませんと本当に大きな影響が子育てをしている皆様にある中で、三党がぎりぎり歩み寄っていただいて、今回、実現可能な着地点を見出していただいたということだと思っています。
 ただ、先ほど、子ども手当の理念などを全て取り下げたかというと、そうだとは思っていません。もちろん、児童手当のいいところも生かしながら、子ども手当の中ででも、今回の合意も、手当の名称は児童手当といたしましたが、子ども手当制度の支給対象等も参考としつつ、支給対象年齢を中学生まで拡大するとともに手当額を拡充するなど、新たな児童手当制度を構築することということが三党の政調会長の合意にあると思いますし、また、法律の目的も、児童の健やかな成長に資するという、子ども手当と同じ子供の育ちの視点ということも入っておりますので、それは児童手当のいいところと子ども手当の理念と、それを合わさったものだというふうに考えています。
#125
○石井準一君 政策目的の理念がやはり一番大切なところだと思うわけでありますけれども、この子ども手当の創設のときに民主党が言っていた次代の社会を担う子供一人一人の育ちを社会全体で応援するとの考え方も、私たちは間違った認識であり、この理念も後退したというふうに認識をしておるわけでありますが、ちなみに、我々は、子供はまず家庭、親の下で育むということが常識的な考え方であると思っておりますが、その辺の見解はいかがでしょうか。
#126
○国務大臣(小宮山洋子君) それは、親がまず第一義的に子育てをするというのは当然のことだということで、子ども手当の理念の中にはその部分は書いてございませんでした。ただ、御党からのそうした御主張もあり、今回、児童手当法の中にはそのことも書き込まれています。ただ、今、私なるべく余り答弁のとき反論はしないようにしておりますが、ただ、今の委員の御指摘の中で社会が支援するということは違うというのは、そこは違うのではないかと思います。
 午前中の質疑の中でも、一つ一つの家庭の人数が非常に少なくなっている、そして東京などでは一・九九になった中で、もちろん第一義的には家族が見るということであっても、家族だけで子育てができるわけでも、これは介護も同じですけれども、ございませんので、そういう意味では、社会が子供の育ちも支援をするし、介護などを始め御高齢な方も支援をすると、その考え方は間違っているものではないし、そうでなければならないと私は思っています。
#127
○石井準一君 ならば、新しい児童手当の制度設計は具体的にこれからどのようにしていくのか、また政策効果をどのように判断しているのか、改めてお伺いをしたいと思います。
#128
○国務大臣(小宮山洋子君) 制度設計と申しますと、これは三党で合意をされたことに基づいてこの法案を成立させていただきましたら、それにのっとってやっていきたいというふうに思っておりますし、政策目的は、やはりこの目的規定とされているものに合っているかどうか、前の子ども手当につきましても、政策目的が実現されているか検証するようにということもございまして、調査を掛けた結果、多くの部分が子供のために支出されているということも分かっておりますし、今回も、新しくできる児童手当制度の政策目的に沿って、どのように使われているかはしっかり検証させていただきたいと思っています。
#129
○石井準一君 我々も、今後も子ども手当のばらまき色が残る部分は与野党でしっかりと見直していくべきだというふうに思うわけであります。
 ばらまきの子ども手当は、完全実施、一人月額二万六千円を実施された場合、五兆三千億円もの予算が必要というふうに見積もられておりましたが、新たな児童手当制度でどれぐらい予算を見込んでいるのか、お伺いをしたいと思います。
#130
○国務大臣(小宮山洋子君) 今回の修正案によります附則の特例給付も含めた給付総額は、政府予算案と同様の金額になりまして、平成二十四年度予算ベースで、給付額全体で二兆二千八百五十七億円、国庫負担で一兆三千二百八十三億円です。また、マニフェストでお約束したとおり、中学まで一律に月額二万六千円を支給する場合は、今御指摘のように、二十四年度予算の児童数ベースで試算しますと、給付総額が五兆四千億円となるところです。
#131
○石井準一君 新児童手当の合意によりまして、与野党の協力を、障害が一つ取り除かれたわけでありますので、社会保障・税の一体改革の建設的な議論につなげていっていただきたいと思います。
 次に、年金交付国債についてお伺いをしていきたいと思います。
 年金交付国債のように、これまでいまだ確定されていない将来の増税分を償還財源とする国債を発行したことがあるのかどうか、お伺いをしたいと思います。
#132
○副大臣(辻泰弘君) 御質問は、特定の償還財源を想定しておきながら、それが確定しないままに交付国債を発行したのがあるのかという御指摘だと思うわけでありますけれども、交付国債についてそのような事例はないものと考えております。
#133
○石井準一君 それでは、この消費税増税までのつなぎの財源、財源の先送り案として検討されてきたのか、改めてお伺いをしたいと思います。
#134
○副大臣(辻泰弘君) 先送りという御指摘をいただきましたけれども、私どもといたしましては、年金の当然二分の一の国庫負担、与野党共同で取り組んでこさせていただいたと理解しておりますけれども、その財源確保、大変厳しい財政状況の下で特別会計からの繰入れなどの努力もさせていただきましたけれども、二十四年度予算編成の過程においてなかなか十分財源が捻出できないという状況の中で、片や国債の発行額等の財政的状況も勘案する中において、財務大臣、厚生労働大臣、御協議をいただいた上でこういった形での対応をさせていただき、年金の積立金にはしっかりとその分をキープするという形で対応させていただいたところでございます。
#135
○石井準一君 年金交付国債は消費税率引上げが前提となるわけでありますが、今国会に提出をされております国民年金法等の一部を改正する法律等の一部を改正する法律案では償還スケジュールや償還財源は別に法律で規定するとされておりますが、どこで規定する予定か、別の法律とは何か、お伺いをしたいと思います。
#136
○副大臣(辻泰弘君) 二月十日に予算関連として提出させていただきました国民年金法等の改正案におきましては、二十四年度におきましても基礎年金国庫負担割合を二分の一にするということを明らかにさせていただきつつ、交付国債の発行に関する規定を盛り込ませていただいたところでございます。
 そして、その法案におきましては、交付国債の償還には税制の抜本改革で確保される財源を充てるということにしておりまして、その償還に関する規定を別に法律で定めることとしたところでございます。そして、その償還に関する規定は、現在検討中でございます現行制度の改善を図るための法案、低所得者への年金額の加算など、あるいは短時間労働者に対する社会保険適用拡大などの内容でございますけれども、その法案の中に盛り込んで、税制抜本改革法案と同じタイミングで国会に提出させていただきたいということで現在検討中でございます。
#137
○石井準一君 改めまして、この償還スケジュールを別の法律で定めることとしたのはなぜか、償還スケジュールや償還財源を別の法律で定めることとした交付国債はこれまでどれだけ存在したのか、お示しをいただきたいと思います。
#138
○副大臣(辻泰弘君) 先ほども申しましたように、交付国債の償還には税制の抜本改革で確保される財源を充てるということにしているわけでありますけれども、予算関連法案の提出時点、二月十日でございますけれども、その時点では税制の抜本改革の内容が決定されていないという状況でございました。そういったことから、償還に関する規定は別に法律で定めるということで対応させていただいたところでございます。
 また、後半の御指摘でございますけれども、今回のように、交付国債の発行に関する規定と償還に関する規定を別の法律で盛り込むこととした事例はないものと承知しております。
#139
○石井準一君 今の答弁でも消費税率引上げが前提となるわけでありますけれども、一体、消費税の法案は提出できるのか、提出できなかったらどうなるのか、また、消費税法案が成立しなかったらどうなるのか、さらに、法案が仮に成立しても引上げの前提条件が整わず税率引上げの時期がずれ込んだらどうなるのか、大きな不安があるわけでありますけれども、その場合でも基礎年金国庫負担割合二分の一はしっかりと維持できるのか、改めてお伺いをしたいと思います。
#140
○国務大臣(小宮山洋子君) それは、税制改正法案が成立しない場合には交付国債は発行できませんので、そうなりますと、二十四年度の二分の一と三六・五%のその差額の国庫負担というのはできないことになってしまいます。そういうことにならないように、これを交付国債発行なしにやるとすると年金積立金が目減りをしていくということにもなりますので、何とかこの国庫負担二分の一は安定的な財源を確保してということは、御党を始めこれまで私たちの前に政権を担っていただいた皆様もおっしゃってきたわけですので、是非その恒久財源を確保をして安定的に二分の一の負担ができるように御協力をお願いしたいと思います。
#141
○石井準一君 改めて、この厚生年金保険法等の改正法案が成立しなかった場合、年金交付国債はどうなるのか。社会保障改革の工程表では、平成二十五年度から消費税引上げまでの間の取扱いは引き続き検討とされておりますが、その辺を改めてお伺いをしたいと思います。
#142
○副大臣(辻泰弘君) 交付国債の発行に関してでありますけれども、先ほど申しました二月十日閣議決定をいたしました国年法改正法案におきまして発行する規定を盛り込んでいるわけでございますけれども、その中では、別に法律で定める日までは適用しないということになっているわけですけれども、次に、先ほど申しました月末想定に出させていただく現行制度の年金制度改革の法案の中におきましては、この別に法律で定める日までは適用しないというところについて、この経過措置を、税制抜本改革法の公布日ということに、削除する対応をするということになっておりまして、経過措置を削除して、税制抜本改革法の公布日に適用するということにさせていただいております。
 すなわち、税制の抜本改革法が通った後に発行できるということを法律上明確にするということで対応していきたいと思っております。
#143
○石井準一君 平成二十五年度に仮に基礎年金国庫負担割合二分の一を維持するための財源は、改めてどうやって調達するのか。二十五年度から消費税引上げまでの間の取扱いは引き続き検討ということになっておりますけれども、この辺の見解をお伺いをしたいと思います。
#144
○副大臣(辻泰弘君) 現行の年金法におきましては、必要な税制上の措置を講じた上で基礎年金国庫負担二分の一を維持するよう、必要な法制上、財政上の措置を講ずるものとされているところでございまして、平成二十五年度の基礎年金国庫負担につきましてもこの趣旨を踏まえつつ対応することになるものでございます。
 そして、二十五年度の基礎年金国庫負担につきましては、昨年十二月二十二日の財務大臣、厚労大臣の大臣合意におきましても、現行法の規定に沿って引き続き検討するものとされているところでございまして、現時点で交付国債で対応することを決定しているものではないということでございます。
#145
○石井準一君 二十四年度、二十五年度の年金交付国債を発行すると、国債の発行総額は二・六兆円プラス運用収益相当分〇・四兆円掛ける二、いわゆる六兆円掛かるわけでありますけれども、これを二十年掛けて返済するという工程があるわけでありますけれども、そうなりますと毎年度三千億円返済する必要が生じてくるわけでありますけれども、その財源はどうするのか。
 政府は基礎年金国庫負担割合二分の一を維持するための安定財源として消費税率の引上げの五%のうちの一%程度を充てるとしておりますが、これは単年度の負担金二・六兆円分しか賄えないのではないかという思いがありますけれども、財務省から示された工程表によりますと、一%程度で二・九兆円と示されておりますけれども、これはその五%の消費税率が仮に上がった場合最優先で確保するということを認識されているのか、お聞きをしたいと思います。
#146
○副大臣(辻泰弘君) 先ほど来申し上げておりますけれども、平成二十四年度の基礎年金国庫負担については御指摘のように交付国債によって維持する、その償還に要する財源には税制抜本改革で得られる消費税を充てると、こういうことにさせていただいておるわけですが、二十五年度の費用につきましては、先ほど申しましたように、現行の年金法の規定を踏まえて、税制抜本改革によって得られる財源を活用して確保する方針でありますけれども、その具体的な方法については今後検討していくということになるわけでございます。
 そして、御指摘のように、二十四年度、二十五年度を合わせ、そして償還ということを考えますと、毎年の償還額は約三千億という御指摘もございましたけれども、そういった数値にもなるわけですけれども、それらを二十六年度の消費増税分八%で償還するという考え方も取らせていただいているところでございます。
 いずれにいたしましても、基礎年金国庫負担二分の一を税財源で充てて国民の基礎的な年金の部分をしっかりと税で支え保障するということは与野党超えての大きな課題だったと思っておりまして、そのことに向けてこれからもしっかりと取り組んで対応していきたい、法案の成立に向けて取り組んでいきたいと思っております。
#147
○石井準一君 年金の信頼を取り戻すために、これは与野党を超えてしっかりと協議をしていかなければいけない大きな問題であるわけでありますので、副大臣の方から答弁がありましたとおり、しっかりと取り組んでいただきたくお願いを申し上げる次第でございます。
 次に、社会保障・税の一体改革についてお伺いをしていきたいと思います。
 社会保障・税一体改革では、最低保障機能強化等の現行制度の改善の年金法案を平成二十四年度通常国会への法案提出に向けて検討しているとしていますが、いつ出すのか、また被用者年金一元化法案についてはいつ出すのか、お伺いをしたいと思います。
#148
○副大臣(辻泰弘君) 年金制度の改革の法案の提出時期についてでございますけれども、御指摘のように、低所得者の年金額の加算や短時間労働者への社会保険の適用拡大など現行年金制度の改善項目につきましては、現在、税制抜本改革と同時期に今国会に法案を提出できるよう最終的な調整をさせていただいているところでございます。年度内という意味合いでございます。
 また、被用者年金の一元化につきましては、四月上旬の法案提出に向けまして関係各省間で精力的に調整を行っているところでございまして、いずれの法案も速やかに提出できるよう対応を急いでまいりたいと思っております。
#149
○石井準一君 最低保障機能強化等の現行制度の改善法案と被用者年金一元化法案は一緒の法案で対処する予定ではなかったのか、また被用者年金一元化法案が別法になったのはなぜか、公務員の職域部分についてはどうするのか、お伺いをしたいと思います。
#150
○副大臣(辻泰弘君) 御指摘もございましたけれども、民主党という立場でいいますと、年金制度の一元化というのは大きな年金制度改革の眼目でございましたので速やかに提出したいという思いで取り組んできたところでありますけれども、片や、膨大な作業というのも現実にあったわけでございまして、各省庁との調整というのも当然必要でございました。
 そういった意味で、被用者年金一元につきましては、現在、法案の細部の詰めの作業を行っているところでございまして、現行制度の改善の法案とは別の形で四月上旬の法案提出に向けて取り組んでいきたいと、このように思っております。
 法案の細部の詰めと申しますと、やはり厚生年金部分と共済年金部分に整合性が図られているのかという精査がございますし、十九年当時に被用者年金一元化、パートの適用拡大の法案が出されたわけですけれども、その後に年金確保支援法案等ができておりますので、それらを反映させていくという作業もあるわけでございまして、そういったことなどの細部の詰めがある中で時間が掛かってしまうということでございまして、その点については御理解いただければと思っております。
 そして同時に、職域部分についてのことでございますけれども、共済年金の職域部分廃止後の三階部分の取扱い、これも与党内でも議論がなされたところでございますけれども、現在、岡田副総理の下で共済各省による検討が行われているところでございまして、結論が得られ次第、別途法案を提出する予定というふうに伺っております。
#151
○石井準一君 今、副大臣の答弁の方にもありました被用者年金一元化については、既に平成十九年に自公政権の下で法案を提出し、職域部分は廃止することとしておりましたが、民主党の反対で審議入りもできないまま廃案となりました。それから五年たった今も何ら変わらない、決められない。
 民主党は結局、問題を先送りし、政策を停滞させているのではないかという思いがありますが、いかがでしょうか。
#152
○副大臣(辻泰弘君) 平成十九年当時、私もこの委員会で指摘をしておりまして、今の問題につきまして、一元化法案につきましても、私どもは国民年金と被用者年金制度全体の全的一元化ということを申し上げている、継続審議されている法案について根本的に私どもはスタンスを異にするということを平成十九年十月三十日、私、この委員会で指摘したことがあるわけでございますけれども、そのようなことで民主党という立場から個別の問題点を指摘したことはあるわけでありますけれども、しかし、それは指摘としてあったとはいえども、民主党が反対したために廃案に追い込んだということではなくて、衆議院の解散に伴い審議未了で廃案になったというふうに私は理解をしているところでございます。
 そして、今回の被用者年金一元化につきましては、平成十九年の場合とはいささか様相を異にしているのではないかと思うわけですけれども、それは、今次改革は、一体改革大綱において、新しい年金制度の創設に向けて取り組むとともに、その創設までに一定の時間を要することから、新しい年金制度の方向性に沿って被用者年金一元化も含めた現行年金制度の改善にも取り組むという、年金制度改革の全体像を示した上で提案をさせていただいているというものでございます。
 いずれにいたしましても、今国会に速やかに法案が提出できるよう検討を進めていきたいと、このように考えております。
#153
○石井準一君 厚労大臣も、さきの所信で、厚生労働行政の当面する諸課題の解決、スピード感を持ち全力で取り組んでいくというふうに述べておられます。是非ともその思いで取り組んでいただきたくお願いを申し上げます。
 社会保障・税一体改革大綱では、新しい年金制度について、国民的な合意に向けた議論や環境整備を進め、平成二十五年度の国会に法案を提出することとしております。平成二十五年度まであと九か月でありますが、政府は、新しい年金制度についてどのようなスケジュールで検討し国民的な合意に向けた議論や環境整備を進めているのか、また何をもって新しい年金制度の法案提出についての国民的な合意が得られ環境整備が整ったとするのか、お伺いをしたいと思います。
#154
○副大臣(辻泰弘君) 私どもの社会保障・税一体改革大綱におきましては、新しい年金制度として、全ての者が同じ年金制度に加入する所得比例年金を創設し、制度を一元化する、もう一つの柱として、税を財源とする最低保障年金を創設し、高齢期に少なくともこれ以上は受給できるという年金額を明示することによって国民が高齢期の生活設計を立てられるようにするということなどを提案させていただいているわけでございます。
 そして、新しい年金制度の具体的な制度設計をどうしていくかということは、平成二十五年の法案提出に向けて、与党において、そして私どもも連携を取りながら検討が深められていくということになっているわけでありますけれども、その過程においては、与野党間の真摯な議論もしていただければと期待をさせていただいているところでございます。そして、新しい制度の導入までには、社会保障・税にかかわる番号制度の施行、定着、また税と社会保険料を一体的に徴収する体制の構築といった環境整備を行うことも必要だというふうに考えております。平成二十五年に法案が成立いたしましても、その施行までには一定の時間を要するものと考えているところでございます。
 いずれにいたしましても、新しい年金制度の成立に向けて、当面二十五年の法案提出に向けて取り組んでいきたいと、このように考えております。
#155
○石井準一君 今の副大臣の答弁でもありましたが、現行制度を前提とした公務員の職域部分の取扱いについても今国会では結論が出ず、平成二十五年度に法案を提出するとしている現政権が本当に新しい年金制度について平成二十五年度に法案を提出できるのか。新しい年金制度についての法案を平成二十五年度に提出するとしながら、その一方で、現行制度を前提とした公務員の職域部分についても平成二十五年度に法案を提出するということは矛盾をしていると思いますが、いかがでしょうか。
#156
○副大臣(辻泰弘君) まず、新三階部分につきましては、四月の一元化の法案の後、速やかに提出を目指して取り組んでいきたいと、このように申し上げているところでございます。
 そして、御指摘は、被用者年金の一元化というものを新制度で追求すると同時に、現行制度の中でも追求するということとの関係ということではないかと思うわけでありますけれども、新年金制度、民主党が掲げてまいりました新年金制度は、公的年金制度全体、すなわち被用者年金と国民年金を、また共済年金も併せた一元化ということを申し上げているわけでありますけれども、これは自民党が政権を担っておられた昭和五十九年から一元化についての閣議決定などもなされてきたところでございまして、現行制度の下においても今なお残るいわゆる官民格差などの問題もあるわけでございまして、それを解消していくということは長らくの積年の課題でもあったわけでございます。
 そういった意味で、政党次元では、民主党として新しい年金制度を創設し、その中で一元化を図ると、全的一元化を図るという方針を持っているわけですけれども、その改革が成就する以前においても、現行制度の下においても、やはり制度の格差をなくすという意味合いにおける一元化は、まず被用者年金から始め、それを実現させなければならないと、こういった思いの発露でございます。
#157
○石井準一君 それでは次に、社会保障・税一体改革大綱では、第三号被保険者制度の見直し、マクロ経済スライドの見直しなど、現行制度の見直しについても、平成二十四年度に法改正は行わず、引き続き検討するとしておりますが、これらについてはどのようなスケジュールで見直しを行うのか、新しい年金制度の法案の検討とこれから現行制度の見直しの検討は同時並行で行うのか、新しい年金制度を来年国会に提出すると言いながら、同時に現行制度を見直しを行うということは矛盾をしているのではないかと思いますが、この件についてはいかがでしょうか。
#158
○副大臣(辻泰弘君) 御指摘の第三号被保険者の制度の見直し、マクロ経済スライドの検討と、こういったことでございましたけれども、これも政府の審議会でも年金部会で御議論をいただきましたし、与党の会合などでも深い熱心な御議論をいただいたテーマでございますが、今日段階でそれらについて確定的な方向性が出ていないものでございまして、さきの二月十七日閣議決定いたしました大綱におきましても、第三号被保険者の見直しについては、新しい年金制度の方向性を踏まえつつ、引き続き検討するとされておりますし、マクロ経済スライドの検討につきましては、デフレ経済下におけるマクロ経済スライドの在り方について見直しを検討するということになっているわけでございまして、それぞれに引き続きの検討課題、これらは新年金制度とは別に現行制度の下での対応ということも当然あるわけでございます。
 ただ、第三号被保険者の問題の対応もいろいろあるわけですけれども、民主党としては、新年金制度で全年金制度を一元化すれば、第三号という、一号、二号、三号という区別はなくなるわけですから、根本的な解決になるのではないかという意味合いでの提起もさせていただいております。
 また、マクロ経済スライドにつきましては、私自身いろんな立場から議論もさせていただいたこともございますけれども、まずは特例水準の解消から始めてということで今次法案の提出に至っておりまして、その後にマクロ経済スライドの在り方についても検討していくと、こういったことになろうかと思っております。
#159
○石井準一君 検討も大事でありますが、スピード感を持って取り組んでいただきたくお願いを申し上げる次第でございます。
 政府は、新しい年金制度に完全に移行するまでの間の措置として、新しい年金制度の方向性に沿った現行制度の見直しを行うとしておりますが、そうであるならば、新しい年金制度の全容が明らかにならなければ現行制度の見直しの是非についても判断できないのではないでしょうか。新しい年金制度の全容を早く示すことが現行制度の見直しを国会で議論する前提条件となるのではないでしょうか。それができないならば、新しい年金制度を撤回した上で現行制度の見直し法案を提出すべきであると思いますが、その点についていかがでしょうか。
#160
○国務大臣(小宮山洋子君) 今、副大臣の方からも答弁させていただいたように、二十五年の通常国会に提出ができるように、今、与党で審議をしているところ、私どもも加わって今検討をしておりまして、こちらを取り下げてということがいつも議論になるんですけれども、やはりこれからずっと先を見越した年金の抜本改革につきましては、これは与野党を超えて一つのテーブルで、国民的な議論も必要ですし、国会の中でも徹底的な議論が必要だと思います。
 そのときに、御党を始め今の現行制度を改善していけばいいというお考えも一方にある、私どものように、今考えているような新しい年金制度が必要だという考え方もある、両方をテーブルにのせてしっかりと議論をしていただく必要があるのではないかと思っています。
 その全体、新しい年金制度にしろ今のまま行くにしろ、結論がどちらになるにしろ、特に新しい年金制度を実現していくのには、移行するのに今考えているのは四十年ぐらいは掛かるだろうということでございますので、その間も現行制度の中で改善すべきことは改善が必要だということで、あわせてこれは各党に御議論をいただきながら国民の皆様が安心できるものをつくり上げていきたいと、そのように思っています。
#161
○石井準一君 新しい年金制度の全容を早く明らかにしていただきたくお願いを申し上げる次第でございます。
 またさらに、社会保障・税の一体改革では、高齢者医療制度の見直しについて平成二十四年度通常国会に法案を提出すると明記をしておりますが、一体いつ提出するのか、本当に提出できるのか、また提出できないならばマニフェスト違反、閣議決定違反ではないかと思いますが、その辺はいかがでしょうか。
#162
○副大臣(辻泰弘君) 御指摘をいただきましたように、社会保障・税一体改革大綱におきましては、平成二十二年十二月の高齢者医療制度改革会議の取りまとめなどを踏まえ、高齢者医療制度の見直しを行うこと、また、具体的内容については、関係者の理解を得た上で平成二十四年通常国会に後期高齢者医療制度廃止に向けた見直しのための法案を提出することとされているところでございます。
 これまでのところ、その制度の見直しについて、地方自治体を始めとする関係者の合意を得る段階には至っていないところでございますけれども、その大綱の方針に基づきまして、厚生労働省としてできる限り早く関係者の理解を得た上で今国会に法案が提出できるよう、更なる検討を進め、調整をし、提出につなげていきたいと、このように考えております。
#163
○石井準一君 次に、生活保護についてお伺いをしていきたいと思います。
 生活保護の受給者が急増しているということであります。最近のデータでは二百五万人を超えたという説もありますし、またここ十年で稼働世代が四倍に増えたというデータも示されておりますけど、なぜ増えてきたのか、その辺をお伺いをしたいと思います。
#164
○国務大臣(小宮山洋子君) 生活保護の受給者が急増している要因というのは、いろいろ複合的にあると思いますが、厳しい経済情勢の中で失業をされた方があるということ、また高齢化が進んでいて自立が容易でない方が増えていること、そうした影響が大きいかと考えています。
 それで、近年保護開始者の方は少しずつ減っているんですけれども、一旦生活保護に落ち込みますとそこから脱却できない方が増えているので総数が増加をしているということです。先ほど稼働年齢人口が増えているというお話がありましたけれども、働ける方にはとにかく働いていただく必要がございますので、そういう意味で、今年の秋ごろをめどに生活支援戦略を総合的に策定をいたしまして、イギリスですとか韓国などでもやっているようなNPOですとか社会的事業をやっていらっしゃる方々にも参加をしていただいて、伴走型で寄り添って、とにかく仕事ができることに結び付けていく、そのような総合的な対応を取っていきたいと考えています。
#165
○石井準一君 特に、生活保護の受給者、また年金をこつこつ納めている方々にとりましては非常に不公平感があるというようなことを地元に戻るとよく言われるわけでありますけど、稼働能力のある方が生活保護から抜け出して自立した生活を送れるよう、就労支援を抜本的に進める必要があると思います。
 また、医療扶助についても、一度一定の自己負担を求め、その後償還払いする仕組みを導入するなど、その適正化のために思い切った制度見直しが必要だと思いますが、その辺はいかがでしょうか。
#166
○大臣政務官(津田弥太郎君) 石井委員のおっしゃることも非常によく分かるわけでございます。
 この生活保護行政の基本的な考え方というのは、支援が必要な方に確実に保護を実施していく、支援が必要な方に確実に保護を実施していくということでございまして、支援が必要でない方に実施をするということは想定をしてないわけでございます。そこはきっちりとめり張りを付けていかなければならない、そのように考えておるわけでございます。
 この御指摘の生活保護受給者の急増の要因というのは、先ほど大臣からも答弁をさせていただきましたけれども、一番大きな理由はやはり高齢化でございます。御案内のように、生活保護受給者の圧倒的多数を占めるのは高齢者でございます。したがいまして、それにプラスをされてリーマン・ショック以降の失業をされた方が一部来ているということでございまして、大半は自立が困難な高齢者が多数を占めているということも御承知を願いたいと思いますし、医療扶助の問題につきましても、御案内のように、今申し上げました高齢者の方々で医療を必要とされている方々について生活保護の中から医療扶助を行っているということでございます。しかも、残念ながら、若年者の中でもこの医療扶助を必要としている方、つまり働きたいんだけれども病気のために働けない、したがって生活保護を受けざるを得ないという方が昨今増えてきているという、そういうような状況。それから、更に言えば、長期治療が必要な精神疾患患者、これらの方々も残念ながら増加をしているということが原因である。したがって、その医療扶助費が全体の半分を占めている、そのような状況になっていると認識をいたしております。
#167
○石井準一君 我が党におきましてもPTを立ち上げ検証しておりますので、この問題は、裏のばらまきと言われないようしっかりと与野党で協議をし、新しい制度改革に向け取り組んでいきたいと思いますので、よろしくお願いをし、私の質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。
#168
○大家敏志君 自由民主党の大家敏志です。
 厚生労働大臣の所信表明に対して質問させていただきます。
 我が国の社会保障給付費は、平成二十一年度で百兆円近くになっており、来年度の社会保障関係費は二十六・四兆円と非常に大きな金額となっています。これは、財政の面から見ても、国民経済の面から見ても、社会保障の抜本的な改革が必要だということは、もうこれは明白だと思います。
 ところで、大臣の所信をお聞きして、また閣議決定された社会保障・税一体改革の大綱を読んでみても、社会保障改革のイメージがいま一つ具体的に浮かんでこないというのが率直なところであります。今日は、そのイメージを明らかにしていただきたいと思って、いろいろと質問をさせていただきたいと思います。
 まず初めに、大臣の所信の中に、日本発の革新的な医薬品、医療機器等の創出により、健康長寿社会を実現するとともに、国際競争力強化による経済成長に貢献することを目指す医療イノベーションの推進に取り組んでいきますというくだりがありました。これについて大臣の御説明を伺いたいと思います。
#169
○国務大臣(小宮山洋子君) 医療イノベーションは革新的な医薬品、医療機器などの創出を目指すもので、これによりまして病気で悩んでいる方々の健康を取り戻し、また医薬品、医療機器産業の国際競争力を高めて、日本の経済成長の新成長戦略のこれ柱の一つでございますので、そういう形でもしっかりと位置付けていきたいというふうに考えています。
 厚生労働省としましては、平成二十四年度予算案でそのための必要な予算として、ライフイノベーションの一体的な推進としておよそ百二十七億円計上しているんですが、この中身はがんなどの疾患についての研究開発や実用化の支援、また国際水準で臨床研究を実施する病院を整備すること、そして研究の推進による審査等の迅速化、高度化と安全対策の充実強化、こうした取組をこの予算で行いたいと思っています。
 また、現在、内閣官房の医療イノベーション室等の関係省庁とも革新的医薬品、医療機器の創出や世界最先端の医療実現のための医療イノベーション五か年戦略、この策定に取り組んでいるところです。
 今後とも、関係省庁としっかり連携をしながら、医療イノベーションの推進のためにこれは積極的に取り組んでいきたいと考えています。
#170
○大家敏志君 御説明を伺いました。これはやっぱりしっかりやっていただきたいことなんであえてお伺いするんですけれども、二十三年の一月に内閣官房に推進室が設置をされたと思うんですね。これの初代の室長に就任した東大医科学研究所の中村祐輔教授が昨年末突然辞表を出して、シカゴ大学に自分の研究チームごと移籍をするということになったという報道がありました。
 インタビューの記事などを読んでいくと、中村教授いわくは、各省庁をまたいでスタッフを構成、創薬支援機構創設などを政府に訴えた、だが、民主党の議員らに提言を持ち込んだが、耳を傾けてくれなかった、省庁も動いてくれない、予算も付かない、結局は霞が関や永田町は大きな視野で戦略を立てることはできない、推進室に自分は必要ないと思ったというふうに報道されています。
 もう御承知だと思うんですが、中村先生というのはゲノム研究の世界的権威でいらっしゃいますよね。民主党のパフォーマンスに踊らされて、結果として優秀な頭脳が外国に流出したという事実だと思うんですよ。このことについての見解を伺いたいと思います。
#171
○国務大臣(小宮山洋子君) 私も中村先生がいかに優れた方であるかは存じ上げておりますし、私も何回もお話もしています。そういう意味では、内閣官房に医療イノベーション室をつくって、ただ、これは、私どもが政権担わせていただいて、いろいろと取組がなかなか前に進まなかった部分があると。そのことについて、なかなか中村先生の思いとそごを来したということは大変申し訳なかったというふうに思っています。
 やはり、この医療イノベーション、非常に大事な新成長戦略の柱でもございますけれども、そこにやはり意欲を持って取り組んで引っ張っていこうという人がいないとなかなか動かないのも事実で、そういう意味ではなかなか、内閣官房の中の医療イノベーション室を引っ張っていく人が次々替わってしまったというようなことがあったことも一つの原因かと思いますが、今回、古川国家戦略担当大臣が先頭に立ってしっかりとつくっていくということですので、それでまた、中村先生が言われたことと政府の方として考えていることが、新しい創薬機関をつくるというのが先生のお考えだったんですが、私どもは今ある大学とか病院の中に拠点を決めてやりたいというふうに思っていて、そこの考え方が違うということもあったかと思います。
 どちらにしろ、せっかく意欲を持って取り組んでいただいた先生が今回海外に出られるという決断をされたことは大変残念ですし、そこが十分に対応できなかったことは申し訳なかったと、その思いも受けてこれから一層しっかりやりたいと、そういうふうに思います。
#172
○大家敏志君 これはやっぱり本当に深刻に受け止めていただきたいというふうに思います。民主党の体質にもかかわるんだと思いますよ。
 やっぱり権限をきちっと与えて、優秀な頭脳の人たちがやる気になるような形で前に進めていただきたいというふうに、これは反省を促して指摘をいたしたいというふうに思います。
 話は変わりますけれども、今回の診療報酬改定のことなんですけれども、厚労省が出した資料では〇・〇〇四%のプラスというふうになっているんですが、財務省の資料では〇・〇〇%というふうになっています。厚労省はプラス改定、財務省はプラマイゼロと言っているんですが、要は、〇・〇〇四%といったら十万分の四ということなんですけれども、金額にして幾らになりますかね。
#173
○国務大臣(小宮山洋子君) 金額は十六億円です。おっしゃるように、御指摘のように確かに僅かですが、僅かであってもそれをプラスに持っていくかどうかというのが、今のこの政権が何とか、医療崩壊とまで言われたところにしっかりと、二千二百億ずつ削られてきた社会保障費を自然増も含めて戻したことも含めまして、この医療の改革にしっかりと取り組んでいきたいという意欲の表れと思っていただきたい。
 これは本気でというか、いつも本気なんですが、昨年の末、財務大臣と徹底的に議論をいたしまして、論争をした結果、〇・〇〇四%プラスと私どもは思っていますし、財務省はおっしゃったように〇・〇〇というふうに書いているんですが、普通そうであればゼロと書くので、〇・〇〇四というのは先に数字があることだと私どもは思っています。
#174
○大家敏志君 与党ですから、そこはまあ。ただ、これまでは、前回では一万分の一までしか示していないので、まあまあそれはいいとして、二十一日の日本経済新聞の一面に愛知県の不正受給の記事が出ていたんですけれども、これ医療だけで五十億と、介護まで合わせたら八十億という大きな数字でした。大臣が強調する額と不正額、これ比べたらというぐらいちっぽけな数字だというふうに思っているんですけれども、ここは指摘だけさせていただきますけれども。
 次に移ります。
 次、ちょっと薬のことなんですけれども、地域包括ケアシステムというのが示されて、医療、介護の連携が求められていることはもう御承知のとおりだと思います。
 そこでお尋ねしたいのがこの薬のことで、通院困難な在宅医療を受けている患者さんが複数の医師にかかって多くの薬を処方されているという現実がありますよね。そこで起こる問題が、一点目が安全性の確保です、例えば薬の飲み合わせということであったり。二点目は無駄という問題、これは例えば飲み残しということであります。特に、無駄の観点からいくと、潜在的な薬の飲み忘れ、これ、調べた数値からいくと、推計で五百億になると。これを、もしきちんとした薬剤指導、在宅の指導がなされた場合には八割ぐらいが軽減できるのではないかという調査結果が出ています。ただ、今現在は薬剤師さんは医師の指示が必須となっているんですね、在宅訪問指導業務をやるときに。
 そこで提案なんですけれども、患者の家族や訪問看護師、ケアマネジャーなどの依頼によって薬剤師の方がこの訪問指導を可能にする、弾力的にそういうことができるという提案に対してどのようにお考えでしょうか。
#175
○国務大臣(小宮山洋子君) 在宅の現場では、訪問看護師やケアマネジャーの方が在宅での薬剤管理業務を実施するよう薬剤師に相談を持ちかけられることも多いというふうにも聞いているところです。
 しかし、在宅患者に対する訪問薬剤管理指導、これが必要かどうかを判断するためには、患者が通院困難かどうか、また継続的な訪問指導が必要かどうかといった患者の状態についての医師による医学的評価が必要となるということですので、そういう意味では、お答えからすると医師による指示は必要なのではないかというふうに思います。
 ただ、御指摘のように、複数調剤をされたり、あるいは飲み残しがあったり、御指摘のように本当に年間五百億円の無駄ということもございますので、そこについては、今回、在宅患者に対する訪問薬剤管理指導、これを推進するため、平成二十四年度の診療報酬改定の中で、一定の施設基準を満たす薬局が在宅患者向けに調剤した場合に調剤料に加算をするとか、小規模薬局間で連携して実施する在宅患者訪問薬剤管理指導、これも評価をするといった取組をするなど、改善ができるような取組は進めているところです。
#176
○大家敏志君 現在の取組は分かるんですけれども、私の指摘のようなことを少し柔軟に考えていただきたいというふうに思います。特に、やっぱり安全の確保と無駄の削減というこの二点で十分検討に値すると思うので、よろしくお願いしたいと思います。
 次に、よく言われるマニフェストの問題ですけれども、民主党の〇九年のマニフェストから医療の項を拾ってみるといろいろあるんですよね。後期高齢者医療制度を廃止するとか、被用者保険、国民健康保険を段階的に統合、医師の数を一・五倍にする、無過失医療補償制度を全分野に広げて公的制度にする等々あるんですけれども、今回の大綱を読んで、明確に記載されているのは、先ほども質問に出ましたけれども、後期高齢者医療制度の廃止、これしか具体的に示されていないというふうに思うんです。
 これ、ちょっと繰り返しになりそうですけれども、さっき石井議員の質問にもあったし、我が党の予算委員会で林芳正議員の質問にもありましたが、知事会の理解がなければやらないということでいいんでしょうか。
#177
○国務大臣(小宮山洋子君) 先ほども副大臣からも答弁もさせていただきましたけれども、今回、大綱の中でも、関係者の理解を得た上で、平成二十四年の通常国会ですから、この通常国会に後期高齢者医療制度廃止に向けた見直しのための法案を提出するとさせていただいています。
 そういう意味では、今おっしゃったように、知事会の方で今いろいろと調整を進めていますけれども、まだ理解をしたというお答えはいただいておりませんので、それは市町村による広域連合ではなくて都道府県が担うことが適当だということが改革会議でも出ておりますので、その都道府県の方の合意、これが関係者との合意ということにもなりますので、そこを得なければやはりこれは提出はできないと考えています。
#178
○大家敏志君 それはそう理解したいというふうに思います。
 さっき言ったように、これ以外は明確に大綱でうたっていないということがあるんですけれども、やっぱり一体改革ということですから、やっぱりこの時期に来て、僕はある程度マニフェストの関係からすると無責任な状態になっているんではないかというふうに思います。
 そんな中で、被用者保険と国民健康保険を段階的に統合するというのもマニフェストにあったと思うんですが、健康保険や共済と国保とを統合するということですから、保険者の間の財政調整、高齢者医療費をめぐる問題が様変わりするということだと思います。後期高齢者医療制度を議論する前提が消滅するかもしれないという大きな改革だというふうに思うんです。それについて明確な方針がないという中でどうやって審議しろというのか、よく分からないというふうに思っています。ただ、この間のずっと議論を聞いていて、やっぱり総理の不退転の決意というんで、消費税増税ということだけは明白だというふうに思うんですけれども、繰り返しになりますけれども、全体像が見えてこないというふうに思います。
 そこで、ちょっとざくっとした質問なんですけれども、同じ時期に提出するという以外に一体改革という言葉の意味、意義はあるんですかね。
#179
○国務大臣(小宮山洋子君) 今その一体改革の意味を御理解いただくために関係大臣で週末に各地を回って対話集会をさせていただいているところですけれども。
 午前中の足立委員の御質問の中にもあったように、とにかく今の日本の社会保障制度というのは、委員も御認識いただいていると思いますが、国民皆年金、皆保険など非常に優れた制度ではありますけれども、全体に今人口構成が変わってきている、家族の形態も変わって働き方も変わっている中で、これを維持をし、さらに、私どもは今、高齢者三経費、年金、医療、介護だけではなくて、高齢者が受給者で担うのは現役ということではなくて、世代間も公平にということで、子育て支援とか若年者を中心にした非正規雇用の問題だとか、そうしたことも含めて全世代対応型にしたいと考えています。
 そういう改革をするに当たって、今の一般財源のうちの半分が社会保障の関係の財源ですので、そういう意味で、税と、今まではずっと後世に、孫やひ孫の代までツケ回しをして何とか維持をしてきたわけですから、ツケ回しをここで止めて、社会保障の改革を進め税の改革も進めることによって今よりも少しでもいいものにして次の世代に手渡す必要があると考えていまして、そういう意味で、大綱にまとめた段階ではちょっと付いていないんですけれども、昨年六月の成案の段階では工程表も付けて全体像をお示しをしていますので、是非その中で、もちろん全てを網羅しているわけではありません。ただ、必要なポイントについてはそれぞれの分野できちんと工程表も付けて各項目ごとにお示しをしていますので、私はきちんと一体改革になっている。
 社会保障の改革も財政の方の改革も、これは共に待ったなしで、それが今を生きる大人の責任だと、特に政治家の責任だというふうに私は強く認識をしています。
#180
○大家敏志君 大臣から全世代対応型という言葉が出ました。それはちょっと後でやりますけれども。
 先ほど石井委員からも指摘があったんですけれども、例えば生活保護、これも、もう細かく言いませんけれども、やっぱりきちんと横断的にやらなければ、最低保障機能を上げるということになれば生活保護受給者が減るということであったり、逆ということも考えられる。ということであれば、やっぱりきちんと横断的にこのことを議論していかなければならないというふうに思うんですよね。そこは指摘させていただきたいと思います。
 全世代対応型社会保障、これは大変ダイナミックな改革を予想されるフレーズだというふうに思います。調べてみたら、社会保障給付費を部門別に見ていったら、医療が三一%、年金が五二パー、介護が七パー、その他一〇パー、これ部門別ですね。機能別に見たら、高齢者が五〇パー、障害三・二、医療三〇・三、家族三・三、生活保護二・七と数字が並んでいるんですけれども、全世代対応型社会保障となった場合にはこういうシェアが変わるんだというふうに思うんですよね。そこら辺のイメージが、どう変えたいのか、どう変わっていくのかというのを、負担の面と給付の面と大臣の思うところを少し説明していただきたいと思います。
#181
○国務大臣(小宮山洋子君) 今の御質問、先ほど一部先取りしてしまったかもしれませんけれども、とにかく給付は高齢世代が中心です。今お示しいただいた数字からしてもお分かりいただけると思います。それで、負担は現役世代中心、これが今の制度で、例えば社会保障給付費の中の高齢者と子供の比率を見ると、高齢者は大体十七から十九ぐらいで、それに対して子供一なんですよ。大体子供には高齢者の十七分の一から十九分の一しか社会保障給付費が行っていない。こういう国は、先進国を見てもほかにありません。
 だから、そういう意味では、やはりこれから御高齢な皆様たちに安心してお暮らしいただくためにも、やはり持ちたい人が安心して子供を産み育てられ、生まれてきた子供が安心して育つという子育て支援の方にもっとシフトをしていかなければいけない、そういう意味ではその割合が変わっていくということがあるかと思っています。
 今回この中で実際にやろうとしているのは、地域の事情に応じた学校教育、保育を全ての就学前の子供にすることによって幼児教育を充実するし、待機児さんも解消するというような子ども・子育て新システム、幼保一体化を中心にしたものにかなりその改革の一%の部分の三分の一ぐらいをそれに充てたいというふうに思っています。
 それから、午前中も御説明した、短時間労働者に対して社会保険の適用を拡大をすると。これも多様な働き方を応援をするということになりますし、また若者ですとか女性、高齢者、障害をお持ちの方にも就労をしていただくという、それぞれが自分の能力に見合った形で就労をするという、その部分もこの社会保障の中に入れましたし、そういう意味で、世代間も世代内も、負担もそれから給付もなるべく公平にしていく方向の、まだ第一歩ですけれども、第一歩をここで何とか踏み出したいと、そういう思いで全世代対応型ということを言わせていただいています。
#182
○大家敏志君 得意な分野とそうでない分野も説明をいただいたんだと思いますけれども、やっぱりきちんと出発点と到達点を示すということが大事だと思います。そうしなければ、やっぱり増税したいためだけの厚化粧みたいに思われるんだと、国民はなかなかそこは理解できないんだと思いますので、引き続ききちんとした説明をお願いしたいと思います。
 民主党は年金で政権を取って、年金で政権をと巷間いろんなことが言われていますけれども、民主党が政権を取ったときに国民の方々は、すぐにでも年金制度が抜本改革をされて最低保障年金が導入される、年金は一元化される、そんな錯覚を持った人が多いと思います。しかし、三年たって、年金の問題は微修正の議論はあってもなかなか根幹にかかわる議論に入れていないという現実、今国会の答弁を聞いていても、何かあると四十年後だからということ、そういう逃げ口上ばかりが聞こえる。
 確かに年金は移行措置が必要でありますから、完全に移行するためには四十年が必要だということは分かります。しかしながら、逆に、徐々に移行していくという側面もあるんですから、やっぱりあしたからの制度だということも言えるんだと思うんですよね。例えば、来年新制度が発足したとしたら、来年新成人になる人は早速新制度に保険料を納めるということになるでしょう。四十歳の人は現在の制度で二十年、新しい制度で二十年ということになるんで、ぱっと四十年後に新しい制度に移るということではないんですよね。
 それに、民主党の言う最低保障年金の七万円の支給にしても、完全に税方式になるのは四十年後かもしれません。ただ、しかし来年度から老齢年金の受給者全員を対象に七万円を保障する制度、つまり年金額が七万円未満の人には差額を加算する制度というのをつくることは可能だと思うんですよ。恐らく、前回の衆議院選挙で民主党を勝たせた国民はそんなイメージを持っていたと思うんですけれども。
 そこでお尋ねなんですが、この最低保障年金を導入すると、今回の増税のほかに七・一%の増税が必要だ、そうでないみたいなことがありますけれども、その点を確認させていただきたいと思います。
#183
○国務大臣(小宮山洋子君) これは試算のお話だと思うんですが、これはあくまで、試算を公開したときに申し上げたように、民主党の税制改革調査会の役員の一部の方たちが試算をしたもので、党で決めたものではないと。ただ、やはり試算がなければいけませんから、次の二十五年に出すためには、当然新たな試算をまたしなければいけないと思います。
 今おっしゃった七・一%というのは最低保障の入れ方によるわけですよね。所得比例年金がずっとまずベースにあって、それの最低保障を幾らのところまで入れて、どういう形で減らして、満額は幾らまで支給をし、幾らの所得の方からそれを減らしていってどこでなくすかという、そこの設計がひし形になったり三角になったりする図の部分でございまして、それを一番手厚く保障を入れる場合に最大七・一%分必要だということなので、まだその制度設計次第でそこはどれだけ必要になるかは分かりません。現行制度のままいっても、この七・一%と言われている二〇六五年の時点では、三%今よりも多いものが必要なんです。
   〔委員長退席、理事梅村聡君着席〕
 ですから、そこのところもちゃんと公平に比べてみる必要があるかなというふうに思っていまして、ただ、御指摘のように、選挙のときにすぐに七万円もらえるように思わせたと、思った方が多かったということは、やはり説明の仕方にも問題があったかとは思いますので、そこはしっかり御説明しなければいけないと思います。
 おっしゃるように、一番公平な形で移行していくとすると四十年間完成までに掛かるということで、おっしゃるように、すぐにスタートをすれば、施行されれば、その年から新たな仕組みで保険料を納めるようになります。ただ、法案が成立しても、その施行までには、やはり今のマイナンバー制度、これの法案も出させていただいていますが、これがある程度定着をすることとか、今、年金保険料とそれから税金を併せて徴収をする歳入庁の構想とか考えていますので、ある程度の基盤ができませんと、これがなかなか、消費税でやらせていただいて、そこの、先ほど総合的にとおっしゃったのは本当にそうなんですけれども、消費税の逆進性を解消するためには給付付き税額控除をしたいと思っていますし、そういうものと、それからこの新しい年金制度と、それから生活保護とか最低賃金の問題とか、全体を総合的に考えなきゃいけないと思いますが、まあ全体としてはちょっとあちこち行ってしまいましたけれども、そういうことでございます。
#184
○大家敏志君 いずれにしても、その最低保障年金制度を全額税方式でいくということになれば財源が必要になりますよね。そうなれば、今回二段階で上げるということになる。ということは、三段階目があるということでいいんですか、この最低保障年金を入れるときに。イエスかノーかで。
#185
○国務大臣(小宮山洋子君) これも再三議論に国会でもなっているところですけれども、今回五%をお願いしているのは二〇一五年のところまでのことを言っているわけですね。その先どうするかは、今、党の方でも議論をしている最中ですけれども、これは社会保障制度を、さらにこの新しい年金もそうですけれども、更に必要な改革をし充実をさせていく、もちろん効率化するところはしながらですけれども。
 世界で一番の超少子高齢社会の中で更に費用が必要だということはどなたもお分かりだと思っていますし、それからプライマリーバランスを完全に回復をするためにも今回の財源だけでは足りないということはお分かりいただけると思うので、これは新しい年金のことだけではなくて、これから先、やはり給付を下げるか、負担を上げるか、それしかないわけですので、いろいろな考え方をお示しをしながら、これは国民の皆様に御判断いただくということでもあるかと思いますけれども、一定規模のやはり社会保障をキープをしながら財政も健全化をさせていくためには、この五%だけでは足りないということはどなたもお分かりいただけることかなというふうには思います。
#186
○大家敏志君 党内の議論もまだきちんとまとまっていないようです。その中でのこういうやり取りですので、なかなか難しいことだと思いますが、やっぱりそこをきちんと示さない限りなかなか理解は得られないというふうに思います。
 これもまた重なることもあると思いますが、被用者年金の一元化についてちょっとお聞きしたいと思いますが、大綱によると、被用者年金制度全体の公平性、安全性の観点から云々、被用者年金を一元化すると書いてあります。そして、その法案が四月に国会に提出されるとのことですが、ところが、よく読むと保険料率や給付内容を同一化すると書いてあります。
 厚労省のホームページの中に、この公的年金各制度のいろんなデータ、数字があります。厚生年金と国家公務員共済、地方公務員共済、私学共済ですね。例えば年金扶養比率、保険料、保険料率等々ですけれども、この数字を総合して見ていくと、全ての数字の傾向が一致するのが私学共済、これはともかく、厚生年金よりも高齢化が進んでいる公務員の共済の方が保険料が安くて、かつもらう額が多いという結果になっているんですよ。そこでいろんな官民格差ということを指摘されたりして、先ほどは話もあった職域加算の問題も先送りではないかという報道もされているんですが。
 そこで、ちょっとお尋ねしたいんですけれども、国家公務員共済と地方公務員共済が持っている施設の数、把握されていればお答えいただきたいというふうに思います。
#187
○国務大臣(小宮山洋子君) 国共済の福利厚生施設数というのは、病院が二十四、保養所二十六、宿泊所が十七、これは財務省が管轄をしています。それから、地共済の持っている福利厚生施設は、病院が十、診療所が二十五、保養所が六十、宿泊所が八十四で、これは総務省が管理をしています。
#188
○大家敏志君 結構な数があるんですけれども、厚生年金は経営していた病院、保養施設、会館をRFOに出資し、売却するなどの処分をすることになっていて、政管健保も全国健康保険協会になったときに同様になった。
 公平性という観点からすれば、今の国共済、地共済などが経営する病院、保養施設、会館などについても当然処分すべきだと思いますけれども、いかがでしょうか。
#189
○国務大臣(小宮山洋子君) それは、私、厚生労働大臣というか厚生労働省が所管でないことは御承知の上での御質問と伺っておりますけれども、これは所管の大臣が判断をされることだというふうに思います。
#190
○大家敏志君 しかし、大臣は所信の中で一元化するということを明確にうたっているんですよ。もちろんこういう問題が出てくるということは承知だというふうに思います。それが所管が違うということで逃げるということは許されないと思いますよ。もう一度答弁願います。
#191
○国務大臣(小宮山洋子君) これは、被用者年金の一元化、当面は四月上旬に出すところで二階建ての部分までの一元化を出させていただき、その後の新三階、課題の多いところにつきましては、岡田副総理の下で恐らく有識者の検討なども経た上でやらせていただく、それも遠からずちゃんと法案を出させていただきたいと思いますが、そういう全体の協議の中で、そこには、共済の担当が主ですけれども、私も入って協議をしておりますので、そうした中で私の方からも問題提起はしたいと思います。
#192
○大家敏志君 やっぱり民主党という政党の成り立ちがということをやっぱり国民の皆様は見ていると思うんですよね、組合に弱いと、こういうところをきちっとやれないと。今私もそこに入ってきちんと発言をしたいと言いましたけれども、もう一度答弁願います。
#193
○国務大臣(小宮山洋子君) それは、民主党が応援していただいているところがどうであるかということと官民格差をなくして公平な仕組みをつくるということは別のことだと私は考えておりますので、そこは国民の皆様に納得していただける形で私もしっかりと発言をして公平な制度にしていきたいと思っています。
#194
○大家敏志君 いろんな議論をさせていただきました。具体的イメージをという思いで、僕自身も少し準備不足の点もありましたけれども、なかなかやっぱり国民が納得するイメージというのは見えてこない。そして、この時期になっても消費税のこともきちんと固まっていないという。
 そして、今日思ったのは、極め付きがやっぱり公務員の優遇をし続けるこの被用者年金の一元化であってはならぬというふうに思うんですよね、先ほどの職域加算のことも含めて。やっぱり、一元化と言う以上は、少しだけ指摘させていただきましたけれども、財政も統合するというのが自然だというふうに思います。それをしないで税金をつぎ込むというのは、やっぱりマニフェストをやったふりだけする、何か逃げとしか思えないというふうに思います。やっぱり、役人を優遇し続けたまんまで消費税を上げると言っても、国民は私は納得しないというふうに思います。
 繰り返しになりますけれども、やっぱり社会保障制度を横断的にきちんと見直すこと、そしてそれを具体的に示すこと、それから官民格差、これをきちんと是正すること、そのことを強く求めて、私の質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。
#195
○渡辺孝男君 公明党の渡辺孝男です。
   〔理事梅村聡君退席、委員長着席〕
 小宮山厚生労働大臣の所信並びに予算概要説明に関連しまして質問をさせていただきます。本委員会で後日法案審査が予定されているものはその折に質問をするとして、今回はそれ以外のテーマで、課題で質問をさせていただきたいと思います。
 まず最初の質問でありますけれども、東日本大震災での原子力発電所事故に対する健康被害防止というテーマで質問をさせていただきたいと思います。
 弘前大学の被ばく医療総合研究所が調査をしまして、床次眞司教授が三月九日に公表した東京電力福島第一原発事故で放出された放射性沃素の住民六十五人の甲状腺被曝データでは、成人の五人が国際原子力機関、IAEAの定めた甲状腺がんを防ぐための沃素剤服用基準である五十ミリシーベルトを超えており、十五歳以下の子供さんの場合も最高値が四十七ミリシーベルトと高い値であったという、そういうデータを公表されたわけでありますけれども、これはこれまで国が昨年の三月に行いました子供の検査の最高値でありました三十五ミリシーベルトを超えていたわけでありまして、この調査結果に対して、厚生労働大臣、健康を守るという立場の厚生労働大臣の御所見と、これを踏まえた今後の子供に対する健康調査あるいは健康支援について、関係している経済産業省の方にお伺いをしたいと思います。
#196
○国務大臣(小宮山洋子君) 今委員が御指摘のものは、弘前大学が福島の住民六十五人の方を調べたところ、最高の方で甲状腺に九十ミリシーベルトに近い被曝をしていることが分かった、こういう調査であるということが、この報道があったということは承知をしています。
 沃素の内部被曝につきましては、その詳細な状況が今も分かっていない状況です。このため、福島県が国の二次補正予算で計上された基金、これは経産省が積んだ七百八十二億円ですが、これを活用した県民健康管理調査、この中で、子供の甲状腺がんの早期発見のため、福島県内の十八歳以下の子供全員を対象とした甲状腺超音波検査を継続して行うことにしています。厚生労働省といたしましては、この甲状腺超音波検査を円滑に実施するための専門医の確保など、技術的、人的支援を行っているところです。
 引き続き、原子力災害対策本部の下で関係省庁と連携をしながら必要な対応をしていきたいと考えています。
#197
○大臣政務官(中根康浩君) お答えを申し上げます。
 小宮山厚生労働大臣と重なる内容でございますけれども、弘前大学が福島県の住民六十五人の方を調べたところ、最高の方で甲状腺に等価線量で九十ミリシーベルトに近い被曝をしていることが分かったという報道がされていることは経産省も承知をしております。現在、弘前大学の床次教授に調査の詳細な結果、六十五人のお一人お一人の線量など、そういった詳細な結果の提供をお願いをしているところでございます。
 放射性沃素による内部被曝が影響する甲状腺がんは、進行も遅く、その予後も比較的良いことから、定期的に検査を行い、早期発見に努めることが重要であると考えています。そこで、福島県は、子供の甲状腺がんの早期発見のため、県民健康管理調査の中で震災時に十八歳以下の子供全員を対象とした甲状腺超音波検査を継続して行うとしているところでございます。
 一方、放射性沃素131の半減期は八日と短く、現在実測しても検出できないことから、政府としては、今後、放射性沃素等による事故初期の内部被曝線量について推計を進めていくこととしており、来年度予算にそのための調査研究費を計上したところでございます。
 政府としても、福島県の子供を始め住民の方々の健康管理に万全を期してまいりたいと考えております。
 以上です。
#198
○渡辺孝男君 これまで国等、そのほかのいろんな検査機関も測っているのかもしれませんけれども、半減期が短いのでなかなか今からではちょっと難しいということでありますが、たまたま弘前大学が、やはりこれまで考えられていた子供さんの被曝、甲状腺の被曝よりは大きい値の結果が出た人がいるということでありまして、これからもより慎重に、子供さん、成人も含めまして、しっかり健康調査を行っていただいて、検診等もしっかりしながら大事な命を守っていく必要があるだろうと、そのように思っております。
 次の関連の質問でありますけれども、これまでの、福島の浜通りでありますけれども、原発、福島第一原発の近くのところでありますけれども、これまでの警戒区域などの避難指示区域が見直されるという状況であります。一つは帰還困難区域、そのほかに避難指示解除準備区域や居住制限区域が新たに設置される見込みとなっているわけであります。
 今後、これらの二地域、特に避難指示解除準備区域と居住制限区域にも人は除染とかで入ってくると思うんですけれども、その二地域で、除染される方はもちろん、より以上の注意深い健康管理が必要となりますけれども、それ以外にも被災された住民が戻っていらっしゃると。そして、生活空間のいろいろ復帰に向けての、自らが除染される場合もあるでしょうし、業者を頼む場合も当然あると思いますけれども、そういう方々が戻ってくる。そしてまた、それを中心となって支える市町村の職員の方々等も戻っていらっしゃると。こういう方々に対する健康管理をどのようにやっていくのかということが非常に重要なテーマになってくるわけでありますけれども、その健康管理の一つの例として、そういうこれから避難指示の解除されるような地域に戻っていらっしゃる方々に対してガラスバッジを貸与する、あるいはホール・ボディー・カウンターで内部被曝についても定期的な被曝チェックをすると。
 特に、妊娠、出産の可能性のある女性の場合、あるいは子供さんに対する場合ですね。先ほどの弘前大学の調査結果を見ますと、やはり、より注意をしながら戻っていただくということになると思いますので、そういう若い方、若い女性の方々に対する、お仕事をされていれば就業上の配慮、あるいは子供さんとか、そういう地域住民で若い方々に対する、一般の住民に対する健康管理というもので、新たなやっぱり指針みたいなものをお示しした方が将来被曝でいろんな健康障害が出てくるというようなことを防ぐことになると思いますので、そういう様々な配慮が必要であろうと、そのように思っております。
 ある方からの相談で、お仕事上、その方は妊娠する可能性のある年齢の女性の方でありましたけれども、仕事上、私自身は行かない方がいいと思うんですけれども、どうしてもそういう仕事上リスクの高いところにも行かざるを得ないと。ただし、なかなか人手が足りないのでどうしても職務上行かなければいけないというようなことで悩んでいらっしゃる方の相談があって、どうしたらいいかというような悩みを抱えているというようなこともありました。
 これから避難指示区域が見直されるに従って同じような悩みとか抱えている方が増えてくるんじゃないかと思うので、そういう方々を守るためのそういう様々な指針とか、できることであればそういう、子供さんにこれまで福島県が行っていたガラスバッジの貸与で、時々知らないうちに多く被曝したというようなことが起こらないように、そういうフィルムバッジを貸与をして、ガラスバッジでも同じですけれども、そういうものでチェックをしていくというようなことが必要だと思っているんですが、こういう点に関しまして小宮山厚生労働大臣並びに経済産業省からお伺いをしたいと思います。
#199
○国務大臣(小宮山洋子君) 放射性物質汚染対処特措法、これで規定をされます除染特別地域、これは警戒区域又は計画的避難区域です。それから、あと汚染状況重点調査地域、これは福島、茨城、千葉県など八県の中の〇・二三マイクロシーベルト以上で指定を受けた市町村をいいますけれども、ここで、元々はそこで除染業務を行う事業者に適用される省令として、労働安全衛生法に基づく除染電離則、これは今年の一月一日から施行しています。
 元々の方を一言申し上げると、これは労働者の放射線障害を防止するために、除染などの業務を行う事業者などに対して被曝低減のための措置ですとか汚染拡大の防止措置、労働者教育、健康管理措置などを義務付けています。
 この中で、今委員が御指摘のその除染電離則の中では、作業に従事する方の被曝線量について、外部被曝線量、内部被曝線量を測定するよう規定している、そのほかに被曝線量の上限も規定をしていまして、ここに、一般の方は五年で百ミリシーベルト、かつ一年で五十ミリシーベルト、そして御指摘の、妊娠する可能性のある女性の方は三か月で五ミリシーベルト、妊娠中の女性の方は妊娠期間中に一ミリシーベルトというようなこともお示しをしてございますので、こうしたことも御活用いただけるように周知を図っていきたいというふうに考えます。
#200
○大臣政務官(中根康浩君) 経産省からもお答えを申し上げたいと思います。
 福島県では、約二百二万人の全県民を対象とした県民健康管理調査を実施をし、被曝線量の把握や健康状態を把握するための健康診査等を行うこととしております。特に、子供については、甲状腺の超音波検査を震災時に十八歳以下の全ての方を対象に実施することとしております。
 また、このほかに、先生御指摘のようなホール・ボディー・カウンターによる検査や、子供や妊婦さんに対するガラスバッジ等、個人線量計の貸与などを実施しており、これらの調査を避難区域の見直しに伴って、帰還される皆様方についても従来どおり行うこととしているところでございます。
 さらに、外部被曝線量の把握については、福島県で現在行っている子供や妊婦さんに対するガラスバッジの配布に加え、避難地域の見直しに伴って帰還される住民の方に対して、一世帯に一台、個人線量計の配布を行うこととしているところでございます。
 また、内部被曝線量の把握についても、来年度予算案に調査研究費を計上しており、帰還される住民の方に対する継続的実施等、具体的な内容については今後も検討を加えてまいりたいと考えておるところでございます。
 いずれにいたしましても、経産省としても、政府としても、帰還される住民の方々の健康管理には万全を期してまいりたいと考えております。
#201
○渡辺孝男君 そうしますと、これから帰還を目指していろんな、そういう今まで警戒区域内であった方々が戻られて、また家の整理をするとかそういう場合には、ガラスバッジ等が皆さん希望すればいただいて時々線量をチェックできると考えてよろしいんですか。
 そしてまた、そういう数値で問題があれば、例えばお仕事の、まあ仕事をしていれば当然ですけどね、事業者としては。当然ながら、仕事の内容等もチェックをしながら、必要に応じては職場の転換というか、そういうこともされると。問題は、一般住民の方がきちんとチェックされるかどうかということだと思うんですが、今おっしゃられたフィルムバッジ等をきちんと貸与される、あるいは個人が持つ線量計も全員にそういう貸与されるということでよろしいんですか。
#202
○大臣政務官(中根康浩君) 全員ということではなくて、一世帯に一個ということで……
#203
○渡辺孝男君 測る方はね。
#204
○大臣政務官(中根康浩君) はい、そうです。線量計につきましてはでございます。
#205
○渡辺孝男君 それから、万一、先ほどの除染の例を出しましたけれども、これで本当に同じような仕事を続けていいのかどうかとか心配になる場合は、当然相談を受けて、何といいますか、生活の仕方を変えていくということになると思うんですが、そういう相談の受付の窓口等はもうしっかりされていく、当然そうなると思うんですけれども、その点も確認をしたいんですが、どなたかありますか。
#206
○国務大臣(小宮山洋子君) 今、どういう形でどこにというのは、済みません、手元に持っておりませんけれども、しっかりと相談に対応できる体制をつくっていきたいと思います。
#207
○渡辺孝男君 じゃ、次のテーマに関しまして質問させていただきます。
 がん対策についての質問でございますけれども、現在、次期がん対策推進基本計画案が検討されておりまして、がんの早期発見に関しまして個別目標の受診率については、五年以内に、例えば胃がんの検診、そしてまた肺がんの検診、大腸がんの検診に関しましては当面四〇%を達成することを目標とするというような表現になっておったということでありますけれども、今までは五〇%を目標にしてきたということでありますが、こういう表現になっていることの理由と、また、受診率の算定も健康増進法に基づくがん検診、これは年齢の上限が定められておらないということでありますけれども、今回は年齢を、胃がんとか肺がん、大腸がんの場合は四十歳から六十九歳までの数値を、諸外国と比較しやすいということもあると思うんですけれども、そこに絞って比較をして五〇%を目指すという形になるのかどうか、その点につきまして大臣にお伺いをしたいと思います。
#208
○国務大臣(小宮山洋子君) 三月一日にがん対策推進協議会から答申をいただいたがん対策推進基本計画変更案、これでは、がん検診の受診率、個別目標として盛り込んでいます。
 御指摘のように、個別目標では、五年以内に受診率について五〇%を達成することを目標としていますが、胃がん、肺がん、大腸がんについては当面の目標として四〇%を目指すことにしている、それはなぜかということですけれども、一つは、現状の受診率が二〇から三〇%であるということ、一方で、受診率にはカウントされていませんが、医療ですとか他の検診の中でがん検診の検査項目が実施されていること、こういうことを併せまして実現可能な見通しにすべきだという御意見も強かったものですから、今回は当面の目標として四〇%を目指すとさせていただきました。この目標値につきましては、三年後の中間評価を踏まえましてまた必要な見直しを行いたいと考えています。
 そしてまた、受診率の算定に当たって、変更案では、OECDの国際比較では六十九歳を上限としていること、また、基本計画の変更案に働く世代や小児へのがん対策の充実を掲げまして、働く世代の検診受診率の向上に重点的に取り組むこと、これが求められていることから六十九歳を上限としていますが、しかし、健康増進法に基づくがん検診は従来どおり上限の年齢は設けないこととしていますので、実質的な支障はないかと考えています。
#209
○渡辺孝男君 確認なんですが、そうすると、五〇%受診率、検診受診率五〇%を目指すというのは、六十九歳以降の方でも、七十歳、七十五歳の方でも、それを含めて五〇%を目指すんだと。ただ、比較する場合に、外国とか受診率の比較する場合に六十九歳までのデータを使ってやるということなのか。いいんですよね、七十、七十五の人もちゃんと五〇%を目指すんですよね。そこを確認したい。
#210
○国務大臣(小宮山洋子君) おっしゃるとおりだと思います。
#211
○渡辺孝男君 そうしますと、もう一点確認したいんですが、こういうふうにがん対策推進基本計画が案どおり、今パブリックコメントでまだ少し、多少修正するところが出てくるかもしれませんが、六月ごろに閣議決定されるという見込みだということでありますが、もし閣議決定されれば、新たな追加項目とか、こういう新たな対策をしなければならないなんということもなきにしもあらずだというふうに思うんですが、そういう場合に、今出ている予算案で間に合わないというようなこともなきにしもあらずと思うんですが、そういう場合には新たな予算を確保して対応するというようなことになるのかどうか、この点を確認をしたいと思います。
#212
○国務大臣(小宮山洋子君) 次期のがん対策推進基本計画の案は、平成二十二年の十月から計十九回、がん対策推進協議会を開催して議論をしていただいています。がん対策推進協議会での議論を踏まえまして、働く世代や小児へのがん対策の充実、がんと診断されたときからの緩和ケアの推進など、次期がん対策推進基本計画には今後五か年の施策が盛り込まれています。
 なお、平成二十四年度のがん対策予算案には、次期がん対策推進基本計画を推進するために平成二十四年度として必要な予算は計上してございますので、特にその予算案を変更する必要はないというふうに考えています。
#213
○渡辺孝男君 大きな変更で、どうしても例えば受診率の向上にもっと力を入れなければいけないというような、そういう計画になってきた場合には、やっぱり予算も追加のものが必要になってくるということも考えられるので、そこはしっかり基本計画、新しい推進基本計画にのっとった対応をやっていただきたいと思います。
 次に、文部科学省の橋渡し研究支援プログラムによりまして医師主導治験や先進医療にこうした成果が出ているというようなお話を聞いておりますので、この点に関して質問をさせていただきたいと思います。
 文部科学省の橋渡し研究支援プログラムにより支援が行われた、例えば脳梗塞後の骨髄幹細胞の静脈投与による再生医療効果向上のための技術開発、これ札幌医科大学の本望修教授が担当されておりましたけれども、並びに縁取り空胞を伴う遠位型ミオパチー患者におけるNアセチルノイラミン酸の安全性及び薬物動態の検討、これ東北大学の青木正志教授が担当しておられたと思うんですが、そういう研究が医師主導治験あるいはそれを目指すような状況に来ておるということを聞いております。
 このような橋渡し研究支援プログラムによる成果と今後の対応について文部科学省にお伺いをすると同時に、こういう医師主導治験あるいは保険適用等が望まれるような研究が出てきていると思いますので、そういうものに対する厚生労働省としての支援についてお伺いをしたいと思います。
#214
○政府参考人(森本浩一君) お答え申し上げます。
 文部科学省におきましては、がんや認知症、生活習慣病等に関する創薬や医療技術の開発を目指しまして、将来有望な基礎研究の成果を実用化へつなげるための橋渡し研究支援推進プログラムを平成十九年度から推進しております。本プログラムにおきまして、臨床応用を支援するための橋渡し研究支援拠点を全国に七か所の大学等に整備しておりまして、委員御指摘の二つのテーマにつきましてもこの一環として実施しているところでございます。
 このプログラムは今月末で第一期が終了することになっておりますが、その成果といたしまして当初設定されておりました各拠点ごとに二件のシーズを治験段階に移行させると、こういう目標を立てておりましたけれども、これはおおむね達成できる見込みでございます。
 あわせまして、橋渡し拠点の支援に必要な設備の整備あるいは治験、臨床研究推進のための人材育成、こういうことについても整備を着実に進めているところでございます。
 これらの成果を更に発展させるため、文部科学省といたしましては、平成二十四年度から新たに第二期といたしまして橋渡し研究加速ネットワークプログラムを開始することにしております。これまで整備した支援拠点を最大限に活用するとともに、拠点間のネットワークの形成などを通じまして橋渡し研究の更なる加速を図っていくこととしております。
 文部科学省といたしましては、基礎研究の成果を早期に実用化することを目指しまして、今後とも厚生労働省等の関係省とも連携、協働して橋渡し研究支援体制の一層の充実強化に努めてまいりたいと思っております。
#215
○国務大臣(小宮山洋子君) 文部科学省の橋渡し研究支援プログラムで得られた医薬品の候補等に関する研究成果につきましては、厚生労働省としてもその実用化に向けた支援を行うことが大変重要だと認識をしています。
 具体的には、厚生労働科学研究費補助金によって医師自らが有効性や安全性を確認するために行う治験、医師主導治験、これを支援しているほか、PMDAで開発早期の段階から大学やベンチャー企業等の相談に応じる薬事戦略相談、これを実施しています。
 こうした取組を通じまして、文部科学省とも連携をしながら、引き続き日本初の革新的医薬品、医療機器の迅速な実用化に向けまして必要な支援をしっかり行っていきたいと思っています。
#216
○渡辺孝男君 このような文部科学省のそういうプロジェクトを通じて医師主導治験、あるいは新たなお薬の開発等をされている方のお話を聞きますと、特に難病とか希少医薬品の場合はやはり開発支援の強化、そしてまた患者さん等のやっぱり負担の軽減というのが大事だということで、そういうものに政府も支援をしていただきたいと。
 あと、再生医療のことで、先ほど脳梗塞の新しい再生医療の研究も進められておるわけでありますけれども、医師主導治験の促進のためには様々な手続の簡素化等、そしてまた新たな公的な資金の支援が必要だと。世界に向けての新たなそういう技術とかお薬の開発でありますので、これはやはり日本としてもしっかり応援をしていただきたい、政府としても応援をしていただきたいと思いますので、そういう点にも配慮して支援をいただきたいと思います。
 次に、ちょっと予定したテーマ全てをやり切ることできないんで、ちょっと変わったテーマのお話を、質問をさせていただきたいと思いますけれども。
 入浴関連死の事故の問題でありますけれども、これまで関連学会、日本温泉気候物理医学会、あるいは救急医学会、そしてまた法医学会でそういう入浴関連事故の患者さん等を診ておるということでありますけれども、まだまだデータは少ないんですけれども、もしかすると一万四千人ぐらい、年間、入浴関連事故で亡くなっている方がおられるんじゃないかということで、この対策をしっかりやるべきではないかと。
 交通事故に関しましても、飲酒対策とか様々な対策を官民挙げてやったために、今、年間死亡される方は五千人を切ってきたと。自殺の問題も、三万人を超えて大変だということで様々な対策を行って、少し増加が減ってきて、抑制が行われてということですので、この入浴関連死ももう一万人以上の方が亡くなっているとすれば、やはり実態調査、あるいは個人宅で亡くなっている場合にはなかなか原因が分からないので検視というようなことも当然起こるわけでありまして、そういうものを進めながら、やはり実態調査をしてしっかりした予防対策を取ることによって国民の大事な命を守るということになると思いますので、そういうものを政府としてしっかりやっていただきたいという要望がありまして、具体的にはこういう三項目を関係団体からいただいたんですが、入浴関連事故を担当する所管部署を明確にしていただきたいと。どこが中心になってそういうことをやっていただけるのか。そしてまた、入浴関連事故の発生数を国としてしっかり調査をしていただきたいと。そしてもう一つは、入浴関連事故の死因解明ですね、どういう原因でそういう入浴関連死が起きているのか、それをしっかり研究をしていただきたい、そのための、研究のための政府としての研究費のそういうものを応援をしていただきたいということであります。
 これに関連しまして、厚生労働大臣の御所見と、あと厚生労働省として対応することがあればお伺いをしたいと思います。
#217
○国務大臣(小宮山洋子君) 入浴関連事故ということで、今委員の方から一万人を超えるというお話ございましたが、こちらが把握している数字は、平成二十二年の浴槽内での溺死等はおよそ四千五百件の死亡が報告されています。ただ、お宅で亡くなった場合に全部ここに挙がっているかどうかというと、そこは差があるというふうに思います。
 それで、原因等が不明でございますが、高齢者に多くて、生活習慣病との関連を指摘をされる面もございます。このため、入浴に関連した死亡等を予防する観点から、その部署としては健康局、ここの健康局を中心に、今調査、原因究明というお話ございましたけれども、調査研究体制、これを構築をしていきたいというふうに思います。
#218
○渡辺孝男君 ありがとうございました。
#219
○秋野公造君 公明党の秋野公造です。お役に立てますように、質疑に入ります。
 昨年末にB型肝炎の質疑等もさせていただきましたけれども、国は感染症対策を強く前に進めるべきとの立場から、今日は医療以外に感染症を業として起こし得る分野であります美容業、理容業についてちょっと質問をしてみたいと思います。
 今、卒業シーズンということで、大学生とかお母様方が、例えば貸衣装屋さんと美容をセットにしたような、そういったところでホールを借り切ったような形で美容が行われていたりするわけですけれども、まずちょっと確認をしておきたいのは、定められたお店以外で美容を行うことができるのか、できるのであれば届出は必要なのか、確認をしておきたいと思います。
#220
○政府参考人(外山千也君) 美容師法第七条におきまして、美容師は美容所以外の場所において美容の業をしてはならないと規定しております。ただし、政令で定める特別の事情がある場合には、美容所以外の場所において営業することが可能となっております。政令で定める特別な事情とは、美容師法施行令第四条におきまして、一、疾病その他の理由により美容所に来ることができない者に対して美容を行う場合、二、婚礼その他の儀式に参列する者に対してその儀式の直前に美容を行う場合、三、都道府県知事が条例で定める場合となっておりまして、特別な事情に該当しないでヘアメークが常態化している場合には、一般的には美容所の届出が必要となるというふうに考えております。
#221
○秋野公造君 今、業というお言葉を言われましたが、例えば美容の業という定義、どのようになっておりますでしょうか。例えば、これはボランティアで行うから美容を行っていることにはならない、こういったような解釈というのは可能なものでしょうか。
#222
○政府参考人(外山千也君) 美容師法第六条によりますと、美容師でなければ美容を業としてはならないとされております。美容行為が業として行われるかどうかにつきましては、その行為が反復、継続して行われているか、かつその行為が社会性を持って行われているかの二つの要件を満たすことが必要であると考えております。
#223
○秋野公造君 今、反復、継続と言われましたが、複数人に行うということは、これは業として行わなくてはいけないということだと思いますけれども、そもそも、先ほど伺った、これ美容室を開設するためにはどのような手続が必要となっていますか。あるいは、満たさなくてはいけない基準というものはありますでしょうか。
#224
○政府参考人(外山千也君) 美容所の開設に当たりましては、美容師法の第十一条第一項に基づきまして、美容所の位置、構造設備、それから管理美容師その他の従業員の氏名その他必要な事項をあらかじめ都道府県知事に届けることになっております。また、美容師法第十三条では、開設者が美容所において講ずべき措置について定めておりまして、一、常に清潔にすること、二、消毒設備を設けること、三、採光、照明、換気を十分にすることと並んで、四、その他都道府県が条例で定める衛生上必要な措置を講ずるものとされております。さらに、美容師法第十二条に基づき、美容所の開設者は、美容所の構造設備について都道府県知事の検査を受け、美容師法第十三条の措置を講ずるに適する旨の確認を受けた後でなければ美容所を使用してはならないものとされております。
#225
○秋野公造君 となると、冒頭に伺いました届出が必要ないような場合の美容所で美容を行う場合は、その基準は満たさなくてもいいということでよろしいですか。
#226
○政府参考人(外山千也君) 美容師法第七条のただし書によりまして出張美容が認められておりますけれども、これにつきましては、平成十九年十月四日、厚生労働省健康局長通知によりまして、出張理容・出張美容に関する衛生管理要領について発出したところでございます。ここでは、実施主体として各自治体から指導を行き届かせる観点から美容所の開設者がふさわしいとしつつ、一方で各自治体が実施の主体を限定しない場合には、衛生上の問題が生じた場合の相談先の周知を図るとともに、営業者の名称、営業区域、作業員等について把握等ができる条例又は要綱等の制定などの措置を講ずるように通知しております。これによりまして、例えば新潟県では、美容師法施行条例の中で出張業務を行う場合の衛生措置等として事前に届出を行うことなどを定めております。
#227
○秋野公造君 ちょっと確認ですけど、衛生面は届出が必要なくとも守らなくてはいけないということでよろしいですね。
#228
○政府参考人(外山千也君) そのとおりでございます。
#229
○秋野公造君 今局長、出張美容と言われましたけど、これは美容免許を持っていれば誰でもできるということでよろしいですか。
#230
○政府参考人(外山千也君) 美容師法第七条のただし書によりまして出張美容が認められておりますけれども、美容所以外で美容業を行う場合につきましては、平成十九年の先ほど申し上げました衛生管理要領で通知しているところでございます。ここでは、都道府県が実施主体を美容所の開設者に限定しない場合として、営業者の把握ができるよう条例又は要綱等を制定することを通知しておりまして、これらの条例又は要綱に従って届出がなされている場合には当該美容師は出張美容を行えるものと解しております。
 したがいまして、美容師で免許を持つ者は誰でもというんじゃなくて、以上のような条件を満たすことが必要だということでございます。
#231
○秋野公造君 もうちょっと分かりやすく聞きますと、お店に所属していない美容師は出張美容を行うことができないという解釈でよろしいですか。
#232
○政府参考人(外山千也君) 美容師法第七条のただし書の出張美容に関しての衛生管理要領によれば、各都道府県におきまして美容所に所属しない美容師が出張美容を行う場合は、衛生措置や衛生上の問題が生じた場合の相談先の周知を図るとともに、条例又は要綱を制定するなどにより行えるように通知しております。
 したがいまして、美容所に所属していない美容師であっても、営業者の名称等を届けるなど自治体が定める条例又は要綱に従っている場合には出張美容を行えるものと解しております。
#233
○秋野公造君 これは条例によるところも非常に大きいということになりますね。となると、実態把握がやっぱりなかなか難しいんじゃないかと思いますが、これ、衛生が保たれない場合、行政はどのような対応を取るということになりましょうか。
#234
○政府参考人(外山千也君) 美容師法第八条では美容師が美容の業を行うときに講じなければならない衛生措置、それから同法第十三条では美容所の開設者が美容所につき講じなければならない衛生措置について定めております。
 都道府県知事は、必要があると認めるときはこれらの衛生措置の実施状況について立入検査を行うことができ、違反があった場合には期間を定めて美容所の閉鎖を命ずることができます。さらに、都道府県知事は、美容の業を行うときに必要な衛生措置に違反した美容師については期間を定めて業務を停止することができます。
 厚生労働省といたしましては、これらを踏まえまして各都道府県において衛生上必要な措置を講じ、適切に指導していただいているものと理解しております。
#235
○秋野公造君 美容師の方々から、何か大きなシラミが入ってきているとか、これは東南アジアのものではないかとか、様々なお話というのは聞きます。なかなかこの感染症対策というのはこれ非常に難しい問題だと思いますし、これまでしっかり公衆衛生の一翼を担ってきたからこそ肝炎等が広がらなかったという背景もあるかと思いますので、どうか強化をよろしくお願いをしたいと思います。
 次に、医療体制について伺いたいと思います。
 診療報酬だけではなかなか改善することができない問題があると思います。その一つがやはり医師不足、中でも女性医師の就労をどう支援していくかということで、年末に大臣とも議論をさせていただきました。
 この中では、女性が特有の妊娠をするということ、出産をするということ、そして子育てをするということ、そしてその間のブランクに失われた医師としての手技を賄うための研修というものはセットにしてあげて、女性医師が安心して働くことができる体制というものをしっかり支えていくべきではないかということで大臣と話をさせていただきましたが、平成二十四年度のちょっと予算を見させていただきますと、この病院内保育所運営事業、保育所整備事業とそれから女性医師等就労支援事業が全て医療提供体制推進事業として一くくりになってしまって、内数に入ってしまいました。私はちょっとこれはすごく心配でありまして、例えばドクターヘリを設置するから女性医師は後回しにしようみたいな御判断がなされないか心配をしています。
 進捗状況、今後の対応、大臣に伺いたいと思います。
#236
○国務大臣(小宮山洋子君) やはり、今割合も増えている女性医師の皆さんが本人のワーク・ライフ・バランスも守りながら仕事を続けられるということが非常に重要だということでは、委員とその辺りの見解は共にしているというふうに思っています。
 御提案につきまして、まずこの予算については、内数にしてメニュー化をしたということの中で女性医師への必要な予算が削られないように、そこはしっかりとチェックをしていきたいというふうに思います。
 女性医師の復職支援の研修を行う病院で院内保育所が設置されているかどうかということですとか、院内保育所が設置されている場合に研修の受講者がその保育所を利用できるかどうか、こうしたことの実態把握が必要だと思っていまして、各都道府県の御協力も得てこの実態把握をいたしまして、その結果を踏まえて必要な取組をしていきたいと、そのように思っています。
#237
○秋野公造君 どうか実態把握していただきたいと思います。
 以前、岩崎航さんという、仙台にお住まいで青年詩人の方の話を取り上げさせていただきました。筋ジストロフィーで寝たきりで在宅で暮らしている岩崎航さんでありますが、そのときは、まさにバッテリーが六時間程度で切れてしまう、東日本の震災、四日間も停電が起きてしまうような状況の中では命にかかわり得るということで対応を求めさせていただきまして、各県の医療計画の中に位置付けていただくという御答弁で対応していただいたことに御礼を申し上げたいと思います。
 この岩崎さんですが、月に一回映画を見に行っています。ベッドのまま映画を見に行ったりしているわけで、彼は今後、例えば可能であれば大学で授業をしてみたいなとか、あるいは習い事みたいなものもしてみたいなという希望があります。これは障害者の方々を社会にもっと出していこうという考え方と全く符合していくものでありますが、まず確認をしたいと思います。
 この方が大学に講義に行ってみたり、あるいは習い事をしてみたりすること、移送介護の対象となりますでしょうか。
#238
○政府参考人(岡田太造君) 御質問の点は重度訪問介護というサービスの類型だと思いますが、そのサービスは、重度の肢体不自由の方であって常時介護を要する者に対して、居宅における支援と外出時の支援を併せて提供するというサービスの一類型がございます。その際の、外出時の支援というときの外出の範囲をどうとらえるかという問題ではないかと思っておりますが、この範囲につきましては、通勤、営業活動などの経済活動に係る外出、それから通年かつ長期にわたる外出及び社会通念上適当でない外出は対象外とさせていただいて、そういった外出を除きまして、原則として一日の範囲内で終えるものに限るという取扱いをさせていただいているところでございます。
 お尋ねの習い事のための外出というのがこの重度訪問介護の対象になるかどうかということでございますが、これは実際の個々の事例に応じて判断するということになると思いますが、通年かつ長期にわたる外出に該当するかどうかという判断になると思いますが、これに該当しないと市町村が判断する場合にはこの重度訪問介護の対象になると考えているところでございます。
#239
○秋野公造君 国は妨げないということでよろしいですね。
 社会でどのようにこういった重度の障害者の方々も住ませていくかということも今後の改革の方向性と全く軌を一にするものだと思いますけれども、高齢者には高齢者住まい法がありますが、障害者にはこういったものがありません。そして、そういったことを考えるときに、こういった問題も法的にいずれは担保していただきたいと私は思っていますが、今、障害者の方が住むグループホームとそれからより重度の方が入られるケアホームの統合の話があっておりまして、私はせっかく提供をできるケアをわざわざグループホームに統合しなくてもいいんじゃないかという心配をしているんですけども、今後の方針、伺いたいと思います。
#240
○政府参考人(岡田太造君) 障害者の方々の高齢化とか重度化に対応いたしまして、共同生活住居におきます介護をより柔軟に提供できるような体制にしたいということで、三月十三日に閣議決定させていただきました新法におきまして、ケアホームをグループホームに一元化して平成二十六年から施行することを盛り込んだところでございます。
 御指摘のとおり、ケアホームをグループホームに統合した場合に、介護を必要とする者としない者とが混在するという形の利用になるということになりまして、そのため、個々の利用者の状態等に応じて柔軟かつ効率的なサービスの提供が可能になるようにしていく必要があるというふうに考えております。
 このため、具体的には、利用者全員について必要となるような相談などの日常生活上の援助であるとか、個別支援計画の作成についてはグループホームの従事者が作成していただくというような形で実施していただくということにするとともに、利用者ごとにそのサービスの必要性、それからその利用の頻度などが異なる介護サービスなどにつきましては、外部の居宅介護事業者と連携することなどによりまして、利用者の状況に応じた柔軟なサービスの提供を行うことができるようにしたいというふうに考えております。
 一方で、なじみの職員によるケア付きの住まいを望むという声もお聞きしているところでございますので、現行のケアホームのように共同生活住居の提供とこれに伴う日常生活上の援助に加えて、介護サービスを事業者が一体的に提供するというような支援の形態についても事業者の選択により引き続き実施できるようにしていきたいというふうに考えているところでございます。
 こうした考え方を基本といたしまして、具体的な基準などにつきましては、今後、関係者ともよく御相談しつつ検討してまいりたいというふうに考えています。
#241
○秋野公造君 確認ですが、グループホームに統合したとしても、本来ケアホームが持っていたこのケアの部分というものは外部からしっかり充当されて、そこの質は落ちないという認識でよろしいですか。もう一回答弁お願いします。
#242
○政府参考人(岡田太造君) その介護、必要な介護が受けられなくなるようなことは一番避けなければならないということでございますので、そうしたサービスが適切に提供できるような体制を組んでいきたいということで考えたいと思います。
#243
○秋野公造君 このグループホームもケアホームも、いずれもこれは共同生活というのが前提になっておりまして、必ずしもこの障害者の方々のニーズにマッチしていない可能性が考えられると思います。その意味では、一気にとはいかないかもしれませんが、やはりプライバシーに配慮した型で、将来的には個といったものを尊重することができるような暮らしの仕組みもつくっていくべきであるということを御提案をしたいと思いますが、最後に大臣の見解を伺いたいと思います。
#244
○国務大臣(小宮山洋子君) これも委員がおっしゃるとおり、やはりグループホームでの共同生活を望む方、独り暮らしを望む方、それぞれいらっしゃると思いますので、その方の意向に沿った住まい方ができるような支援を提供していく必要があると考えています。
 特に、障害者の単身での地域生活を支援するという観点から、住まいの確保のため、これは国交省と協力をして、自治体の福祉部局と住宅部局、ここの連携によって公的賃貸住宅や民間賃貸住宅への入居を進めています。また、平成二十二年十二月の障害者自立支援法等の改正によって創設されました独り暮らしなどの障害者と常時の連絡体制を確保し、緊急時には必要な支援を行う地域定着支援、これをこの四月から実施をすることにしています。
 さらに、今話題になりましたが、現在提出している新法では、平成二十六年度からケアホームをグループホームに一元化をすることにしています。これによりまして、より独り暮らしに近い形態で暮らしたいという御要望にこたえて、サテライト型のグループホーム、これは複数の障害者が利用する共同生活住居との連携を前提として、交流スペースなど一定の設備基準を緩和した独り暮らしに近い形態のグループホームなんですが、このサテライト型のグループホームを認める方向で検討もしていきたいと考えています。
#245
○秋野公造君 どうか障害者の方に質の良い住居をお願いします。
 終わります。
#246
○川田龍平君 みんなの党の川田龍平です。
 まず、薬害をなくすための第三者機関の組織、第三者組織について質問をいたします。
 厚生労働省は、薬害肝炎原告団、弁護団との基本合意に基づいて、薬害肝炎事件の検証及び再発防止のための医薬品行政のあり方検討委員会を設置し、二〇一〇年に最終提言を出しました。
 提言で薬害被害者が最も期待している再発防止策が医薬品行政についての第三者監視・評価組織の創設です。最終提言は、この第三者組織の独立性を確保するために、既存の審議会などとは別個の新たな仕組みとして法律に設置根拠を置くことを要請しています。
 薬害エイズの被害当事者としても、医薬品の監視を行政だけに任せておいては医薬品の安全性確保が後手後手に回るという薬害の歴史の教訓は私も身をもって感じています。ですから、第三者組織の早期の創設を強く求めておりますが、この第三者組織の創設について小宮山厚生労働大臣のお考えをお聞かせください。
#247
○国務大臣(小宮山洋子君) 第三者組織につきましては、薬害肝炎検証・検討委員会の最終提言でも、またこの最終提言を受けた厚生科学審議会の医薬品等制度改正検討部会の報告書でも、独立性のある組織、この設置が求められているということは承知をしています。
 一方で、平成十一年の閣議決定によりまして、基本的な政策の審議を行う審議会は原則として新設しないこととするというふうにされていますので、この第三者組織を創設する際に、新しく、かつ法的根拠を持ったしっかりとしたものをつくる必要があるというので、今検討を更に詰めているところなんですね。
 ですから、委員を始め是非各党の関係者の皆様にもバックアップをしていただいて、どのようにして本当に独立性の高い組織として第三者組織をつくれるかどうか、それは是非御協力もいただきたいというふうに思っています。
#248
○川田龍平君 これは、二〇一〇年にこの最終提言を受けた当時の長妻厚生労働大臣は、今年の通常国会、つまり今国会に第三者組織創設のための法案を提出すると約束し、細川前大臣、そして小宮山大臣も約束されていることです。
 是非少しでも早くこれを出していただきたいと思いますが、再度、大臣の御決意を伺います。
#249
○国務大臣(小宮山洋子君) それは歴代大臣がお約束してきて、私もお約束したことですので、それを守っていきたいと思っています。
 ただ、前段で申し上げたように、非常にそこが難しい現状があるのも事実でございますので、私も全力を尽くしますが、是非お力も貸していただきたいと思います。
#250
○川田龍平君 原告団、弁護団と大臣との定期協議の場は、長く苦しい薬害訴訟を解決した際の基本合意に基づいて設置されたものです。被害者と国との信頼関係のよりどころとなる重い使命を持った約束の場ですので、私も薬害エイズの被害者として、薬害エイズ原告団が長年この大臣協議という定期協議の場を持ってきた経験からも、その場の重要性を身をもって強く認識しています。
 小宮山大臣には、厚生労働省の前のあの敷地内にも設置した誓いの碑に書かれた薬害根絶の碑というのを、薬害根絶の碑に書かれている薬害根絶に対する国の決意を実践に是非移していただきたいと考えています。よろしくお願いします。
 次に、薬害肝炎救済法について質問させていただきます。
 C型肝炎訴訟の和解数は、今年の二月末現在、救済法施行後で数えると千六百八十五人となっております。しかし、フィブリノゲン製剤に限っただけでも一九八〇年代だけで投与者が二十九万人、そのうちC型肝炎に感染した人が一万人以上と言われていました。それを考えると、救済されるべき薬害肝炎被害者がまだ数多く今いらっしゃると思います。
 その救済法の附則第二条で、政府は、医療機関による当該製剤の投与を受けた者の確認を促進し、当該製剤の投与を受けた者に肝炎ウイルス検査を受けることを勧奨する義務が課されています。
 政府は、医療機関に対し、カルテ調査と投与告知を徹底すべきですが、調査の進捗状況をお知らせください。
#251
○政府参考人(木倉敬之君) お答え申し上げます。
 平成六年以前にフィブリノゲン製剤を投与された方につきましてはC型肝炎のウイルスに感染されているおそれがあるということで、これまで厚生労働省では、新聞の広告あるいはホームページ等を通じまして、フィブリノゲン製剤が納入されました全ての医療機関の名前を公表しまして、広く国民の皆様に対して肝炎ウイルスの検査を受診していただくようお勧めをしてきたところでございます。
 また、このフィブリノゲン製剤が納入されました医療機関に対しまして文書による調査を実施する、その保存されている記録を基に投与の事実を確認をし、元の患者の皆様へ検査のお知らせをきちんとしていただくという要請をしてきたところでございまして、これまで判明いたしました調査結果は今現在に至るまで定期的に随時公表をして、呼びかけをしているところでもございます。
 さらには、二十年度より、国立病院機構の病院など政府系の医療機関に対しましては、厚生労働省の職員が直接訪問いたしまして、記録の保管状況、精査の状況、お知らせをしている状況等について調査を実施してきたところでもございます。
 直近の、今年度、二十三年度でございますが、これまでに訪問調査をまだ終わっていないこの政府系機関のうちの百五十八の政府系医療機関に対する訪問調査を計画をして、三月二十一日までのところで百十五まで実施はできましたけれども、残り四十三、この中には東日本大震災の影響等を受けていらっしゃる病院もありまして、協力をお願いを続けておるところですが、これらにつきまして、できるだけ、年度はまたいでしまうかもしれませんが、早期に実施をしてきちんと調査を完了したいと思っております。
 このようなものに基づきまして、今後とも、一人でも多くの方にきちんとフィブリノゲン製剤の投与の事実をお知らせをして、検査を受けていただきたいというふうに思っている次第でございます。
#252
○川田龍平君 二月二十四日に厚労省が発表したフィブリノゲン製剤納入先医療機関の追加調査によると、製剤納入医療機関でカルテなどを保存されている医療機関二千四十五施設のうち、カルテを調査して製剤の投与を受けた者の確認をしたのは千二十四施設、約半分に過ぎず、さらに、投与の事実まで知らされたという医療機関は八百四十六施設とのことです。特に、納入本数の多かった大病院ほどカルテ調査をしていないとも聞きます。
 第一回肝炎対策協議会の委員報告では、C型肝炎感染者二百万人のうち約八十八万人が自らの感染に気付いていないとのことですから、C型肝炎感染者の自主的な請求を待つだけではなく、政府は医療機関に対しカルテ調査と投与告知を徹底させるべきだと考えます。
 薬害肝炎救済法の請求期限は来年一月十五日と迫っており、あと十か月もありません。薬害肝炎救済法は薬害肝炎被害者の全員一律救済の理念の下成立したものですから、一人でも救済されない人を出すべきではありません。あと十か月で薬害肝炎被害者の全員一律救済ができないことはもうこれは明らかですから、薬害肝炎救済法の請求期限を少なくともあと五年は延長すべきではないかと考えますが、大臣のお考えをお聞かせください。
#253
○国務大臣(小宮山洋子君) C型肝炎救済特別措置法に基づく給付金の請求又はその前提となる訴えの提起等、これは法施行後五年以内、平成二十五年一月十五日までに行わなければならないとされているというのは今委員御指摘のとおりです。
 一方、同法の附則では、「給付金等の請求期限については、この法律の施行後における給付金等の支給の請求の状況を勘案し、必要に応じ、検討が加えられるものとする。」とされていまして、また、附帯決議でも、請求期間の、請求期限の延長の検討が盛り込まれています。
 言うまでもなく、C型肝炎救済特別措置法、これはC型肝炎訴訟で企業と国が責任を負うべき機関等に対しまして五つの地方裁判所の判断が分かれたことや、当時の法制の下で法的責任の存否を争う訴訟で解決を図ろうとすれば更に長期間必要ということから、感染被害者の方々を製薬投与の時期を問わずに一律に救済するとの要請にこたえるには司法上も行政上も限界があるため、当時の政治的判断によって立法による解決を図るということで議員立法によって制定をされているわけですね。
 ですから、この議員立法で成立した経緯を踏まえますと、この給付金の請求期限等の見直しについては、まずは政党間で御協議をいただいて対処をしていただくべきものかというふうに考えています。
#254
○川田龍平君 再度、小宮山大臣に伺いますが、薬害肝炎救済法は確かに議員立法ですが、立法府に全てを任せるのではなく、政府の義務が十分果たされていないことに起因するわけですから、政府の責任でこの請求期限の延長の法案を出すべきではないでしょうか。
#255
○国務大臣(小宮山洋子君) 今、厚生労働省といたしましては、その感染被害者の方々が請求期間内に給付金の支給を請求できるように、医療機関に対して患者への製剤投与の事実について戸別訪問も含めた調査を行うとともに、製剤の投与を受けた方々が投与事実を知ることができるよう、製剤が納入されました医療機関名の公表や、医療機関を通じた患者への通知の依頼、また法律に基づく給付金の支給の仕組み等の周知など、全力を挙げて今取り組んでいるところです。
 厚生労働省としては、今後とも、一人でも多くの感染被害者の方々が給付金の支給が請求できるよう、しっかりと努力をしていきたいと思っています。
 この期限の延長の必要性については、こうした政府の取組の状況も踏まえた上で、是非政党間で御協議いただければと思っています。
#256
○川田龍平君 これは早く感染が分かれば治療も早く進めることもできる病気ですので、是非とも至急進めていただけるようによろしくお願いします。
 次に、今国会で予定されていた薬事法改正について関連質問をしたいと思います。
 薬事法改正における添付文書の取扱いですが、製造販売業者に対して添付文書の届出を義務付けるということですが、そもそも製造販売業者自身が作成した文書を医療の根拠として使用するのはいかがなものかと。欧米では製薬会社が作成した資料や文書などを根拠にする医療従事者はいないとも聞きますが、専門家が製薬会社によって作成された文書や資料などをしっかりと精査して、その中身も検討したものを根拠として使っていると聞きます。
 今般の改正では単に届出となっていますが、何の精査されることもなく製造販売業者が届出したものを添付文書とした形でオーソライズを与えてしまうということでいいのでしょうか。誤った情報や最新の知見が反映されるのかという点で不安を感じます。内容が十分に担保できないようでは、医薬品の誤使用が原因の事故は繰り返されるのではないでしょうか。厚生労働省の見解をお示しください。
#257
○政府参考人(木倉敬之君) お答え申し上げます。
 添付文書でございますが、これは医薬品を適正に使用していただくための情報をきちんと医療関係者にお伝えをするという基本的な資料でございます。現在も承認審査を行います際には、法律に基づく形ではありませんが、提出を求めまして、その審査の過程において審議会の専門家による審議も経てその内容の確認を行っております。また、改訂のときにも、厚生労働省やPMDAが連携をして、今の副作用報告の状況等を踏まえて科学的に妥当な内容とされているかどうかということを確認をした上で改訂を指示をするなどを行っております。
 これにつきまして、厚生科学審議会の制度改正の部会におきましての御議論の中では、これを法的にきちんと位置付けた形で承認申請時に添付文書案を提出を求める義務を課した上でそれを確認をする、あるいは改訂の際にもあらかじめ届出義務を法律的に課した上で確認をするということで、更に内容の確認を徹底をすべきではないかという意見が多数を占めたところでございまして、これに基づきまして法律改正へ向けた検討を行っているところでございます。
 今御指摘のように、この届出制ということにしました場合には、内容につきまして、法律に基づいて記載すべき内容についてきちんと確認された上で製造が、販売がなされる、あるいは引き続きの販売がなされるということになりますので、更に安全性ということをきちんと確認していけるものというふうに考えております。
#258
○川田龍平君 ありがとうございます。
 つまり、今後の添付文書についてはPMDAが求めている基準に従って一定程度の内容は担保されているということだと理解しました。ただ、専門職たる医療従事者の責任はどのようなところにあるんでしょうか。
 薬事法七十七条の三項に定める最新の知見の入手に努めなければならない医療従事者は、単に添付文書だけをもって情報を入手すればそれでよいのでしょうか。診療提供者である医師や医薬品情報提供の担い手である薬剤師は使用される医薬品の良しあしを判断できるように教育されていると理解していますが、こうした専門職の方々が専門家として医薬品に係る情報を丁寧にレビューし、問題ある記述やデータなどを指摘して、患者と国民にとって安心、安全な医療を提供できるような環境を整備する必要があるのではないかと考えるのですが、政府の見解をお示しください。
#259
○政府参考人(木倉敬之君) 先生御指摘のように、薬事法の今の七十七条の三第三項の規定では、薬剤師を含めまして医療従事者は添付文書以外の情報も含めてきちんと情報を収集、検討して利用を行うように努めなければならないということが義務付けられております。
 さらに、医療法の方の病院等の管理者、あるいは薬事法での薬局の管理者につきましても、この医薬品の安全使用のために必要となる情報の収集などが適正に行われるように、その病院等の体制の確保ということが義務付けられております。その中では、薬剤師さん等の積極的な関与ということが期待をされておるわけでございます。
 特に薬剤師さんには、医薬品の専門的な知識をお持ちの方として、添付文書に限らずに医薬品情報の収集あるいは医療機関内でのチーム医療を進めていく上での積極的な役割を担っていただくことが期待されているものというふうに認識しております。このため、私ども、薬剤師さんにはチーム医療に関する研修事業等を実施しておりますけれども、さらに、この春からはより専門性の高い六年制を修了されました薬剤師さんも社会に出ていかれますので、更に薬剤師さんの専門性を生かしてきちんとした医薬品の活用がなされるように指導してまいりたいというふうに思っております。
#260
○川田龍平君 続いて、この医薬品を処方する医師の添付文書への関与の在り方について政府の見解をただしたいと思います。
 そもそも添付文書を届出制にしたとしても、処方者たる医師がその内容や新規に改訂された事項を熟知しなければ事故は繰り返されることになります。少なくとも医師などの医療職に対して添付文書を読ませる義務を課さなければ、届出制にしても絵にかいたもちになってしまうのではないでしょうか。どんなに忙しかったとしても、使用する医薬品の添付文書情報を医療職に確認させるような政策を打つべきと考えますが、小宮山大臣のお考えはいかがでしょうか。薬害を未然に防ぐという立場から積極的な答弁を望みます。
#261
○国務大臣(小宮山洋子君) 御指摘のように、医薬品を適正に使用するために医薬品を処方する医師が添付文書の内容について十分な理解をするということは重要なことだと思います。
 現在も薬事法では、薬剤師だけなく医師も医薬品等の適正使用に必要な情報を収集、利用するよう努めなければならないとされています。このため、製造販売業者が医療従事者に対して必要な情報を提供することが義務付けられています。国でも、PMDAのホームページにより常に最新の情報を提供し、医師などの医療職が最新の情報を活用できるよう努めています。また、今回の診療報酬改定では、薬剤師が病棟で重要な医薬品安全情報を医師等に周知することなどを評価する仕組み、病棟薬剤業務実施加算、これを導入をいたしました。
 このような医師と薬剤師の連携を強化する取組を通じまして、医療者が最新の添付文書の内容を熟知した上で医薬品を適正に使用する環境の整備、これに努めていきたいと考えています。
#262
○川田龍平君 ありがとうございます。
 今の答弁のように、やっぱり是非、医師への周知徹底をやっぱり是非していただきたいと思います。医師はこれまでと同じスタンスで情報が来るのをただ黙って待っていればいいということではなく、薬事法を改正してこの添付文書を届出化する意味をやっぱりしっかりと付けていただければと思います。届出にするのですから、前よりももっと注意を払ってということになるのではないでしょうか。
 例えば、製造販売業者や卸業者が持ってくる販売促進用のパンフレットや資料だけではなくて、それこそPMDAにも相談しながら作成したという新たな添付文書というものをしっかりと作っていただきたいと思います。せっかく添付文書の中身も良くなっても、医薬品を扱う者がそれを知らなかったということでは事故は繰り返されますので、是非、これは医薬品を処方する医師にも添付文書の中身を熟知する努力義務をもっと明確に示してほしいというふうに思っています。
 不法行為について定説を打ち立てられた加藤一郎先生の理念を大切にされている小宮山大臣の是非見解をもう一度お示しください。
#263
○国務大臣(小宮山洋子君) 委員がおっしゃることは、父の名前を出していただくまでもなく、しっかりとやっていきたいと思います。
#264
○川田龍平君 今年は診療報酬改定、同時改定の年でした。診療報酬改定の予算折衝の過程でよく分からないことがあります。
 今般の診療報酬改定では、ジェネリックの使用率が政府目標の三〇%に達しなかったことを理由に長期収載品の薬価が引き下げられました。政府は経済成長戦略の要の一つとして製薬産業を重視していると聞きますが、しかし、こうした薬価に依存した診療報酬改定を続けていては、製薬産業の開発意欲をそぐことになるのではないでしょうか。それでは成長産業である製薬産業は失速してしまいます。また、外資系企業から見れば日本が魅力的な市場ではなくなり、ドラッグラグがどんどん進んでいってしまうのではないでしょうか。
 そもそも、ジェネリック医薬品を処方するかどうかを決めるのは処方者である医師であり、また製薬産業が関与できる場所ではありません。後発品の使用促進が達成できなかった財政的な失敗を製薬産業に押し付けるのは間違っていないでしょうか。
 後発医薬品の使用促進が達成できなかったのは、一つに処方権者たる医師が処方できなかった、二つ目に一九九七年の世界薬学会議で採択されたFIPバンクーバー宣言で宣言された薬剤師による後発医薬品への選択権を薬剤師が行使しなかった、そして何よりも国民が進んで後発医薬品を使用したいという社会環境になかったという三つの原因によるものではないでしょうか。とすれば、この薬価の引下げを要求するのは、その影響が大なる業界は医薬品製造販売業と医薬品卸業者であり、筋違いではないかと思います。
 ここで、財務省に確認しますが、今回の予算折衝の中で厚生労働省に対して後発医薬品の使用率が三〇%に達していないことを理由にして薬価の引下げを大幅に迫ったというのは事実でしょうか。その根拠も含めてお答えください。
#265
○大臣政務官(吉田泉君) 厚労省においては、この後発医薬品の使用割合について二十四年度に三〇%以上という目標を立てて取り組んでおられます。しかしながら、現在の使用割合は三〇%の目標に対して二三%という状況でございます。それで、行政刷新会議の政策仕分において、先発医薬品の薬価は後発医薬品の薬価を目指して大幅に引き下げて国民負担の軽減に努めるべしという指摘が、提言がなされたところでございます。
 財務省としては、この提言を踏まえて、本来後発医薬品の使用が進んでいれば節約できた分ということで、後発品のある先発薬の薬価を一割程度引き下げていただきたいということを主張したところでございます。
#266
○川田龍平君 これは併せて内閣府にも確認しますが、行政刷新会議では、後発医薬品の使用促進が図られていないことを理由に財務省と厚生労働省に対して薬価引下げを求めることを提言されたのでしょうか。後発医薬品の使用促進をさせるためにどのような提言を行ったか、お示しください。
#267
○政府参考人(冨永哲夫君) お答え申し上げます。
 昨年十一月の提言型政策仕分におきましては、後発医薬品の使用が進んでいない状況や、効能が同じであればより国民の負担の少ない方を選択できるようにすべきといった観点を踏まえまして、後発医薬品の使用促進に関する議論が行われまして、種々の提言がなされたところでございます。
 この中で、先発品の薬価は後発医薬品の薬価を目指して大幅に引き下げ、医療費の支出と国民の負担を最小限にすべきとの提言がなされたところでございます。このほかに、先発品薬価と後発品薬価の差額の一部を自己負担とすることについて検討すべき、医師、薬剤師から主な先発品、後発品のリストを患者に提示する義務を課すことについても検討すべき、さらに、後発医薬品の推進のロードマップを作成し行政刷新会議に報告することとの提言がなされたところでございます。
#268
○川田龍平君 後発医薬品のロードマップを作成するように厚生労働省にお願いしたということですが、これまで具体的な計画などもなく、ただ漫然と後発医薬品の使用を呼びかけるだけだったのでしょうか。
 つまり、これまではロードマップのようなものはなかったということで、国民に理解してもらえる環境を用意しないで使用促進を成就させるというのはいささか虫のよい話のような気がするんですが、いかがでしょうか。国策として後発医薬品の使用促進を図るのであれば、当初からこうしたロードマップが必要であったのではないか。だとすれば、三〇%を達成できなかったのは、当初より計画を十分に立てていなかった国にもあるんではないでしょうか。どうして製薬会社だけが責任を負わされるのかよく分かりません。十分に説明されていないのであれば、国民が使用したいと思わないのではないでしょうか。そもそも、今回作成されているロードマップには、きちんと国民への啓発事業や医療者向けの信頼性喚起事業なども企図されているのでしょうか。厚労省と内閣府の見解を求めます。
#269
○大臣政務官(藤田一枝君) ロードマップについてでございますが、厚労省としても、後発医薬品の更なる推進、これはしっかり取り組んでいかなければいけないと認識をしておりまして、二十四年度中にこのロードマップを作成するということとしております。
 具体的な内容であるとかスケジュールというのは今後検討していくことになりますけれども、その際、医療関係者や国民による後発医薬品への信頼の確保や協力を得ることが不可欠である、このように認識をいたしておりますので、今議員の御指摘もございましたその点もしっかり踏まえまして、関係者の意見等を伺いながら進めてまいりたい、このように考えております。
#270
○政府参考人(冨永哲夫君) お答え申し上げます。
 行政刷新会議といたしましては、提言型政策仕分の提言につきまして、各府省による取組状況を適切にフォローアップしていくこととしておりまして、その一環として、二月中旬に各府省において提言を踏まえた取組状況について公表していただいたところでございます。
 その中で、御指摘の点につきましては、厚生労働省におきまして、現在実施中の後発医薬品の安心使用促進アクションプログラムを引き継ぐ形で、平成二十四年度中に新たなロードマップの策定を行うこととされております。行政刷新会議におきましても、その状況をフォローアップしていく考えでございます。
#271
○川田龍平君 最後に、大臣に、フェアな薬価の診療報酬改定を実施いただきますようにお願いしたいと思います。一言、大臣からこれについてお願いします。
#272
○国務大臣(小宮山洋子君) 今までもロードマップは持っていたんですね、それを新たに強力なものを作るということでございまして、この後発医薬品の使用促進のためには、やはり国民の皆様に、その後発医薬品の品質ですとか安定供給、情報提供面での信頼性を確保すること、それを周知することが必要だと思っていますし、それに加えて、診療報酬上の評価ですとか保険者から被保険者への普及啓発、こうしたこともしっかりと取り組まなければいけないと思っていまして、二十四年度中に新たなロードマップ、更に強力なものを作成をいたしまして、後発医薬品を積極的に使っていただく環境整備に努めていきたいと考えています。
#273
○川田龍平君 吉田政務官に是非お願いしたいのは、地デジ化の予算は二億円掛けていたんですね。それに比べてこの厚生労働行政で啓発の費用が非常に少ないと。特に命にかかわる啓発事業ですので、是非とも吉田政務官に、こういった宣伝についての予算をしっかり拠出いただくようによろしくお願いいたして、質問を終わります。
 ありがとうございました。
#274
○福島みずほ君 社民党の福島みずほです。
 障害者総合支援法案についてお聞きをまずいたします。
 国は、障害者自立支援法違憲訴訟原告団・弁護団と厚生労働省との間の基本合意文書を実行する義務があると思いますが、それはどの程度実行されているんでしょうか。また、基本合意文書の冒頭で、障害者自立支援法廃止の確約が掲げられております。同原告団、弁護団にはどのように説明し、その納得が得られているんでしょうか。
#275
○大臣政務官(津田弥太郎君) 福島委員にお答えを申し上げます。
 まず、平成二十二年一月の基本合意以降、平成二十二年十二月の障害者自立支援法、児童福祉法等の一部改正によりまして、自立支援法廃止の最大の理由であった利用者負担、これが応益負担から応能負担に改正をされました。これがまず一番でございます。これは抜本的な改正でございました。次に、低所得の方に対するサービスの利用者負担の無料化、予算措置や運用改善等においても対応を行いました。これが二番でございます。さらに、今回の新法では、障害者基本法を踏まえた基本理念を盛り込む、これが三番です。法律の根幹となる名称それから目的規定を改正をする、これが四番でございます。こういうことから、基本合意にも掲げております障害者自立支援法の廃止になるというふうに考えているわけでございます。
 元原告団、弁護団の方々に対しては、厚生労働省案提示後、二月九日に個別に私から説明をさせていただきましたし、また三月八日には民主党障がい者ワーキングチームとしても元原告団、弁護団の方々も含めた関係者に説明をされたと伺っております。
 私自身の思いとして、現時点で最大限の内容にさせていただいたというふうに思っており、総合福祉部会の皆様の全ての方とは言えませんが、一定の皆様の御理解をいただいたものだと思っております。
#276
○福島みずほ君 基本合意文書は障害者自立支援法廃止の確約がありますので、やはりこれに反しているんじゃないでしょうか。
 あるいは、新法制定に当たっての論点で幾つかありますが、合意文書の中に指摘されていること、例えば「収入認定は、配偶者を含む家族の収入を除外し、障害児者本人だけで認定すること。」とあるんですが、これは今回も実現をしておりません。実は、障害のある人を、障害のある子供を例えば親がやっぱり抱えていくとか、やっぱり家族が面倒を見るということに家族が苦しんでいると。ですから、この収入要件、家族単位で見ることは見直すべきだと思いますが、どうでしょうか。
#277
○大臣政務官(津田弥太郎君) 御指摘の障害福祉サービスの利用者負担、これは平成二十二年四月から低所得の障害者等の利用者負担を無料、実質的に応能負担としました。さらには、平成二十二年十二月に議員立法で成立した自立支援法の一部改正で応能負担、更に一部改正法で障害福祉サービス等と補装具の利用者負担を合算し負担を軽減する仕組みといった取組を行っております。この障害福祉サービスや補装具の利用者負担額を算定するに当たって、障害者本人とその配偶者のみの所得で判断する仕組みとしているわけでございます。配偶者については、民法上、扶助義務が課せられていることなどを考慮して、負担上限月額を算定する際の世帯の対象としているものでございます。
 利用者負担に係る収入の認定に際して配偶者等の収入を考慮に入れないということについては、これは今も福島委員から御指摘をいただいたわけでございますが、大変申し訳ありませんが、一つは財源の確保状況、あるいは医療や介護など他の制度との整合性、公平性も踏まえた国民的な議論、世論というものが必要であるということから、引き続き検討をしてまいりたいと考えております。
#278
○福島みずほ君 これから是非検討をよろしくお願いします。
 今回、一条の二の基本理念の中に可能な限りという条文が入っております。これはやはり、条約は非常に格調高いもので、可能な限りというのは問題ではないでしょうか。
#279
○大臣政務官(津田弥太郎君) お答えを申し上げます。
 今回の新法で、昨年七月に成立した改正障害者基本法により共生する社会の実現等が明記されたことを踏まえ、新たに基本理念を創設することにしたわけでございます。
 この改正障害者基本法では地域社会での共生等を基本原則の一つとしておりまして、この新法でこれを具体化するものとして障害者基本法第十四条第五項にも規定をされております、可能な限りその身近な場所において支援が受けられることを新法の基本理念に規定することにしたわけでございます。この可能な限りの文言を入れた趣旨、これは、昨年の改正障害者基本法の審議で基本的な方向に向けて最大限の努力をするという趣旨でこういった表現を使っているわけで、これがいっぱいいっぱいの言葉でございます。
#280
○福島みずほ君 法律の中に可能な限りと入るのはやはり変だと思います。
 ただ、今最大限のとおっしゃいましたので、最大限可能な限りというのはそういう趣旨だということで、厚労省が障害者政策をやっていただくようお願いいたします。
 その次に、これは二〇一〇年四月に障がい者制度改革推進会議総合福祉部会が設けられ、昨年、障害者総合福祉法の骨格に関する総合福祉部会の提言がまとめられました。
 私自身は元々これの担当大臣だったので非常に思いがあるわけですが、この提言はどれぐらい本法案に反映されているとお考えでしょうか。
#281
○大臣政務官(津田弥太郎君) これを丁寧に説明しますと三十分ぐらい、A3六枚にわたるんで、これは後ほど事務所に是非お届けをしたいと思っております。
 この骨格提言につきまして、障害当事者の皆さんの思いが込められたものであります。御指摘のとおりです。これは段階的、計画的に実現をしていかなければならないというふうに受け止めております。
 したがいまして、基本理念の創設、ケアホームとグループホームの一元化、先ほども出ました。直ちに対応可能なものは今回の新法で盛り込むと。直ちに可能なものは盛り込む。そして、障害サービスの在り方、障害程度区分の認定を含む支給決定の在り方、これについては直ちにはできないので、一定の時間を要するものについては施行後三年を目途に見直しの検討を行う、そのようにしているわけでございます。
 また、骨格提言に盛り込まれている事項の中には、平成二十二年十二月に成立をしました障害者自立支援法の一部改正や昨年六月に成立しました障害者虐待防止法等により対応している事項、予算措置や運用改善により対応している事項も含まれておるということでございます。
 引き続き、報酬や予算、運用等あらゆる政策手段を組み合わせて障害施策の充実に取り組んでまいりたいと考えております。
#282
○福島みずほ君 これは日本史上で本当に政策変えるぞというものだったと思うんですね。
 提言が出ました。私は、残念ながらかなり先送りをしてしまって、不十分だと思っております。例えば、第六、検討というところで、施行後三年を目途として、例えば常時介護を要する障害者等に関する支援、障害者等の移動の支援、障害者の就労の支援その他の障害福祉サービスの在り方、障害程度区分の認定を含めた支給決定の在り方、手話通訳等を行う者の派遣その他の聴覚、言語機能、音声機能その他の障害のため意思疎通を図ることに支障がある障害者等に対する支援の在り方等について検討を加え、なんですね。
 つまり、三年後の後にこれは見送っているわけで、障害者の皆さんは障害者区分を見直してくれ、自分に合わせたサービスをくれと主張したことが今回実現してないんですよ。これちょっと本当に残念だと思いますが、どうですか。
#283
○国務大臣(小宮山洋子君) それは担当大臣もされて、その思いは非常によく分かりますし、これはやはり障害当事者の方やその支援をする方たちからいただいた大変重い提言だと思っています。ただ、いただいたときに、残念ながら一方で財政状況、いろんなことがございますので、これは段階的にしっかりとやらせていただきたいと申し上げました。
 そういう意味で、今回かなり時間の調整に掛かるものなどは、申し訳ありませんが、三年をめどにして検討させていただく、その際に必ず当事者の方の御意見も伺いながら進めていくということにしていますので、御理解いただければと思います。
#284
○福島みずほ君 是非方向性も示していただきたいと。財政事情はもちろん分かるんです。今一〇〇できないけれども、五〇しかできないけど、将来一〇〇に行くんだという、その見通しを示していただきたいんですね。どうでしょうか。
#285
○国務大臣(小宮山洋子君) それは、いただいた重い提言ですので、時間は掛かっても実現をしていくように最大限努力をしたいと思います。
#286
○福島みずほ君 障害者基本法の改正法案で、「言語(手話を含む。)」など改正がされました。これで、例えばこの手話に関する経費などは義務的経費と考えるべきだと思いますが、いかがでしょうか。盲聾者等への通訳や介助員、移動支援なども障害者の権利行使の観点から義務的経費と考えますが、いかがでしょうか。
#287
○政府参考人(岡田太造君) 御指摘の手話に関する経費、それから盲聾者への通訳と介助員の経費でございますが、これは現在、地域生活支援事業の中で、手話につきましては市町村必須事業、盲聾者に対する支援につきましては都道府県の地域生活支援事業の中で実施をしているところでございます。これにつきましては、これらの事業につきましては、それぞれの地域の特性や利用者の状況、その利用の形態などに柔軟に対応した事業を行えるということから、こうした地域生活支援事業の中で実施しているということでございます。
 御指摘の昨年の障害者基本法の改正を踏まえまして、今回国会に提出させていただきました新法では、手話通訳などを行う者を養成する事業を新しく地域生活支援事業の必須事業として加えたところでございます。そういうようなことを通じまして、手話を必要とする障害者の支援を着実に進めていきたいというふうに考えているところでございます。
#288
○福島みずほ君 条約では、公的な活動において、手話、点字、補助的及び代替的な意思疎通並びに障害者が自ら選択する他の全ての利用可能な意思疎通の手段、形態及び様式を用いることを受け入れ、及び容易にすることを締約国の義務として列記をしております。
 今の話だと、要するに、二分の一は負担するけれど、二分の一は自治体ですよということじゃないですか。でも、結局重要なのは、どこに住もうが、自治体による地域格差なく、ナショナルミニマムとして保障すべきだということだと思いますが、いかがでしょうか。
#289
○国務大臣(小宮山洋子君) 聴覚障害者へのコミュニケーション支援、それから盲聾者への通訳、介助支援については、地域の特性ですとか利用者の状況に応じた柔軟な形態によって事業が行えるように地域生活支援事業として位置付けて、厚生労働省として支援を行っています。今回の新法では、附則でサービスの在り方やコミュニケーション支援の在り方について検討することにしていますので、引き続き支援に努めていきたいと考えています。
#290
○福島みずほ君 せっかくですので、「言語(手話を含む。)」といった意味を踏まえて、是非今よりも進めていただきたい。どうでしょうか。
#291
○国務大臣(小宮山洋子君) 進められるように努めていきたいと思います。
#292
○福島みずほ君 次に、介護保険制度についてお聞きをいたします。
 二〇一二年度の介護報酬の改定率はプラス一・二%とされております。しかし、介護職員処遇改善交付金、介護報酬二%を介護報酬に組み込むため、実質はマイナス〇・八%ではないかの指摘があります。いかがでしょうか。
#293
○国務大臣(小宮山洋子君) 平成二十四年度の介護報酬の改定率につきましては、介護職員処遇改善交付金、これは介護報酬の二%、これを含んだ上で、物価の下落傾向、過去三年でマイナス二・二%、これを反映した形になっています。他方、賃金の下落傾向、これは過去三年でマイナス一・七%、これを反映していないんですね。また、介護事業者の経営状況が三年間で改善していること、こういうことも踏まえて決定をいたしました。
 したがいまして、一・二%の改定率は介護職員の処遇改善の取組を継続できる水準で、必要な財源は確保できたと考えています。今後、また更なる処遇改善の取組を社会保障・税一体改革の中で進めていきたいと考えています。
#294
○福島みずほ君 介護に携わる人たちの賃金が低いことは、大事な仕事の割に賃金が低いことは極めて重要で、是非これ今後もこのことはしっかり取り組んでください。
 二〇一二年度介護報酬の改定で、ホームヘルプサービスの基本報酬の時間区分が三十分―六十分未満から二十分―四十五分未満に変わりました。また、四十五分以上については最大一九・二%の引下げとなっております。二〇一一年度介護事業経営実態調査によると、生活援助の一回の平均提供時間は約七十分です。現状と乖離しており、サービスの縮小を誘発すると思いますが、どうでしょうか。
#295
○政府参考人(宮島俊彦君) お答えいたします。
 訪問介護の掃除、調理、洗濯を行う生活援助サービスですが、これは今回サービスの実態を踏まえる、それから限られた人材の効果的な活用を図る、ケアマネジメントに基づきサービスを効率的に提供するという観点から、時間区分の見直しを行いました。見直し後でも利用者に適切なサービスが行われるように、現在行われている六十分程度のサービスの提供とか九十分程度のサービスを、生活者のリズムに合わせて複数回訪問に組み替えるといったことは可能であります。
 念のため、去る二月二十三日の全国担当課長会議でも、これまで提供されてきたサービスを、利用者の意向等を踏まえずに新たに時間区分に適用されることを強いるものであってはならないということで周知徹底をいたしております。
#296
○福島みずほ君 今のはやっぱりちょっとひどくて、結局二回頼めばいいということだけれども、今までは七十分が大体平均提供時間なのに、二十分から四十五分未満に基本的に変われば非常に短縮になってしまうわけです。複数回頼めばそれだけ負担が増えてしまうと。ですから、ホームヘルプをやはり軽く見ているんではないかと。ホームヘルプは極めて重要で、やはり現場の意見をもっと聞いてほしいというふうに思います。
 現場の意見ということでいえば、二〇一二年度、介護報酬の改定を議論した社会保障審議会介護給付費分科会は、今回の改定の効果の検証のために、分科会の下に介護報酬改定検証・検討委員会の設置を予定しております。その委員は、介護報酬の改定にかかわった四人の委員がメンバーとなっております。七人の委員のうち三人が医師、四人が大学教授なんですね。でも、もっともっと現場の状況が反映できるようなメンバー構成にすべきではないでしょうか。
#297
○国務大臣(小宮山洋子君) 介護報酬改定検証・検討委員会のメンバー、これは、介護給付費分科会での議論との継続性と、一方で客観性、その両方を確保する観点から、分科会の委員と分科会以外の委員によって構成をしています。
 委員会では、次期改定に向けて調査、研究を進めることが必要であるとされた事項について、必要資料を得るための調査を設計し、得られた結果を集計、分析することにしていますので、調査、研究、分析を行う専門家を中心に選定をいたしました。
 介護報酬改定検証・検討委員会の調査や検証結果については、介護現場の関係者もメンバーとなっている社会保障制度審議会介護給付費分科会に報告をされ、ここで議論をすることになっています。また、パブリックコメントやヒアリング、意見交換会など様々な手段で現場の状況や現場の声を聴取し、次期改定につなげていきたいと考えています。
#298
○福島みずほ君 基準を作った人が検証をすればうまくいったと言いたくなるのは当然じゃないですか。だから、もっとやはり、現場の声や、根本的に何が問題かという観点から検証をされるように、心からそれはお願いをいたします。今からでも遅くはないというふうに思いますので、是非検討をお願いします。
 次に、学校給食の安全性についてお聞きをいたします。
 全国の学校給食で使用される食材の放射線量の検査の実施状況を文科省はどのように把握していますか。
#299
○副大臣(奥村展三君) 御質問いただきました学校給食の件でございますが、出荷段階の検査では当然行われているわけでございますけれども、昨年の第三次補正によりまして十七都県に対しまして検査機器の購入の補助を措置したところでございます。そうした流れの中で、この二十四年度に予算に計上させていただいておりますのは、全国一斉に都道府県に検査をできるようにお願いをしているところでございます。
#300
○福島みずほ君 対象地域は十七なんですが、まだまだこれからというところも多いというふうに聞いております。岩手、秋田、福島、栃木、長野、静岡については年度内に機器が入荷し、四月からの検査開始と聞いておりますが、余りに遅いんじゃないでしょうか。
#301
○副大臣(奥村展三君) 御指摘のように機種が間に合わないということもございまして、今突貫でその機器を製造していただいているところでございます。
 しかし、特に福島におきましては、従来、二百六十か所独自で、福島県は福島県独自でおやりをいただいておりますので、二百六十か所ぐらいの機器を入れていただいて実施をしていただいております、現在。岩手そしてまた宮城におきましても、それぞれ優先的にその機器を設置をいただくようにしておるところでございます。
#302
○福島みずほ君 これは、例えば都道府県に整備をして、そして市町村の要望に応じて配るので、対象地域東京都となっているんですが、東京都下の市町村でやっていないところもあるんですね。
 やはりもうこれは、給食は確かに自治体の仕事です。でも、子供の食べ物、内部被曝を避けるために頑張るというのは文科省の仕事なので、文科省は、一千八百自治体で本当に給食やっているかどうか、これチェックをすべきだと思いますが、いかがでしょうか。また、いつ全部機器が届くんでしょうか。
#303
○副大臣(奥村展三君) 御指摘いただきましたように、もう全国の千八百自治体におきましてその実施をさせていただきたい、二十四年度でその計上をさせていただいているところでございますが、特に、今申し上げましたように、福島の方におきましても、やはり食前の食物を保管していただいて、そしてミキサーに掛けて、そして毎日検査をしていただいておりますし、委員も御承知のとおり、横須賀市のように自分のところ単独でおやりをいただいているところもございます。そうしたところにできるだけ配慮をいたしまして、今御指摘いただいたように努力をしてまいりたいというように思っているところでございます。
#304
○福島みずほ君 今日、答弁で、全国の学校でその検査ができるように二十四年度予算で機器を購入するということでよろしいですね。というのは、まだまだ本当に届いていないところがたくさんあり、自治体によって区々なので、是非これは大至急やっていただきたい、よろしいでしょうか。
#305
○副大臣(奥村展三君) 今、都道府県のいろんなところにそのことにつきましてお願いを、調査をいたしていることと同時に、先生もいろいろ御指摘をいただいていると思いますが、実は保護者の皆さんにもう少しきめ細かく公表するべきだということで、昨年の七月にもできるだけそういう問題を公表するようにということでやっております。現在は、厚生労働省さんのホームページによっていろいろデータが出てくるようになっておりますので、それをまた見ていただくようにもお願いもしているところでございます。
#306
○福島みずほ君 確認で済みませんが、ちょっと、文科省は全ての学校で、全ての、まあ公立が中心になるかもしれませんが、給食について機器できちっと検査をし、かつ公表すると、そのことをしっかり指導していくということでよろしいですね。
#307
○副大臣(奥村展三君) はい。各都道府県のその中にでございますが、現在の数からいきますと、大体五個ぐらい、五つぐらいしか機械が入らないことになっています、二十三年度の予算では。それで、今後はもう少しきめ細かく進めていかなければならないと。今は東日本に集中をいたしておりますので、その点は御理解をいただきたいと思います。
 そして、公表につきましては、できるだけ保護者の皆さんに迅速に公表ができるように、それはしっかり指導していきたいというように思って、お願いもしていきたいと思っているところでございます。
#308
○福島みずほ君 まだまだ少ないんですよね、機器が。そして、実施しているところも少ないし、まだ機器が届いていないという状況で、もう一年以上たっているので、是非文科省としてそれを力を入れてやっていただきたいと。
 私は、全ての学校の給食を本当は検査してほしいというふうに思っております。そのことを強く要望して、質問を終わります。
 瓦れきは質問する予定になっていて、来ていただいたのに質問できなくて申し訳ありません。
#309
○委員長(小林正夫君) 本日の調査はこの程度にとどめます。
    ─────────────
#310
○委員長(小林正夫君) 次に、現下の厳しい雇用情勢に対応して労働者の生活及び雇用の安定を図るための雇用保険法及び特別会計に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
 政府から趣旨説明を聴取いたします。小宮山厚生労働大臣。
#311
○国務大臣(小宮山洋子君) ただいま議題となりました現下の厳しい雇用情勢に対応して労働者の生活及び雇用の安定を図るための雇用保険法及び特別会計に関する法律の一部を改正する法律案について、その趣旨を説明いたします。
 現在の雇用情勢は、一部に持ち直しの動きが見られる一方、依然として厳しい状況です。
 このような状況に対応し、労働者の生活と雇用の安定を図るため、雇用保険制度で、現在実施している暫定措置を延長することにし、この法律案を提出いたしました。
 以下、この法律案の内容についてその概要を説明いたします。
 第一に、有期労働契約が更新されなかったことによる離職者等について、暫定的に所定給付日数を倒産、解雇等による離職者と同様とする措置を二年間延長することにしています。
 また、有期労働契約が更新されなかったことによる離職者と倒産、解雇等による離職者のうち、四十五歳未満である者や雇用機会が不足している地域に居住する者であり、公共職業安定所長が就職が困難であると認めた者等について、暫定的に所定給付日数を延長して基本手当を支給することができる措置を二年間延長することにしています。
 第二に、雇用保険二事業の安定的な運営を確保するため、雇用調整助成金の支出に必要な額について、暫定的に失業等給付の積立金を使用することができる措置を二年間延長することにしています。
 なお、この法律は、公布の日から施行することにしています。
 以上がこの法律案の趣旨です。
 御審議の上、速やかに可決していただくことをお願いいたします。
#312
○委員長(小林正夫君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
 本案に対する質疑は後日に譲ることとし、本日はこれにて散会いたします。
   午後四時二十七分散会
ソース: 国立国会図書館
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