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2012/03/27 第180回国会 参議院 参議院会議録情報 第180回国会 厚生労働委員会 第4号
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2012/03/27 第180回国会 参議院

参議院会議録情報 第180回国会 厚生労働委員会 第4号

#1
第180回国会 厚生労働委員会 第4号
平成二十四年三月二十七日(火曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 三月二十六日
    辞任         補欠選任
     石橋 通宏君     藤本 祐司君
     丸川 珠代君     青木 一彦君
 三月二十七日
    辞任         補欠選任
     藤本 祐司君     石橋 通宏君
     青木 一彦君     丸川 珠代君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         小林 正夫君
    理 事
                梅村  聡君
                柳田  稔君
                石井 準一君
                中村 博彦君
                渡辺 孝男君
    委 員
                足立 信也君
                石橋 通宏君
                大島九州男君
                川合 孝典君
                津田弥太郎君
                辻  泰弘君
                西村まさみ君
                藤本 祐司君
                牧山ひろえ君
                青木 一彦君
                赤石 清美君
                石井みどり君
                衛藤 晟一君
                大家 敏志君
                高階恵美子君
                丸川 珠代君
               三原じゅん子君
                秋野 公造君
                川田 龍平君
                田村 智子君
                福島みずほ君
   衆議院議員
       厚生労働委員長  池田 元久君
       修正案提出者   岡本 充功君
       修正案提出者   田村 憲久君
   国務大臣
       厚生労働大臣   小宮山洋子君
   副大臣
       厚生労働副大臣  牧  義夫君
       厚生労働副大臣  辻  泰弘君
       経済産業副大臣  牧野 聖修君
   大臣政務官
       厚生労働大臣政
       務官       藤田 一枝君
       厚生労働大臣政
       務官       津田弥太郎君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        松田 茂敬君
   政府参考人
       復興庁統括官   上田  健君
       厚生労働大臣官
       房総括審議官   二川 一男君
       厚生労働省労働
       基準局長     金子 順一君
       厚生労働省職業
       安定局長     森山  寛君
       厚生労働省職業
       安定局派遣・有
       期労働対策部長  生田 正之君
       経済産業大臣官
       房審議官     川上 景一君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○現下の厳しい雇用情勢に対応して労働者の生活
 及び雇用の安定を図るための雇用保険法及び特
 別会計に関する法律の一部を改正する法律案(
 内閣提出、衆議院送付)
○労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労
 働者の就業条件の整備等に関する法律等の一部
 を改正する法律案(第百七十四回国会内閣提出
 、第百八十回国会衆議院送付)
○児童手当法の一部を改正する法律案(内閣提出
 、衆議院送付)
    ─────────────
#2
○委員長(小林正夫君) ただいまから厚生労働委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日、石橋通宏君及び丸川珠代君が委員を辞任され、その補欠として藤本祐司君及び青木一彦君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(小林正夫君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 現下の厳しい雇用情勢に対応して労働者の生活及び雇用の安定を図るための雇用保険法及び特別会計に関する法律の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、厚生労働省職業安定局長森山寛君外二名の政府参考人の出席を求め、その説明を聴取したいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(小林正夫君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(小林正夫君) 現下の厳しい雇用情勢に対応して労働者の生活及び雇用の安定を図るための雇用保険法及び特別会計に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#6
○牧山ひろえ君 民主党参議院議員の牧山ひろえです。よろしくお願いいたします。
 現在、円高・デフレの経済状況は、多くの中小、大企業を直撃しており、そこで働く多くの労働者のセーフティーネットとして、この度の雇用保険法及び特別会計に関する法律の一部を改正する法律案が法案提出されました。
 現在の失業率は四・六%、そして一番悪いときは五・四%、平成十二年のデータですが、改善の兆しは見えてきていると思います。
 まず質問ですが、暫定措置としてこの法律を二年間の延長をするということでしたが、これを例えば失業率が三%になったら見直すなど、数値目標はございますでしょうか。それから、失業等給付の積立金から雇用調整助成金の支出のための借入れに関しても、安定資金残高がある一定度に達した時点で借入れの見直しをする御予定はございますでしょうか。
#7
○国務大臣(小宮山洋子君) おはようございます。よろしくお願いします。
 給付日数の拡充の暫定措置につきましては、二年後の経済情勢や雇用失業情勢、その後の見通しなどを総合的に勘案をして延長の有無を検討すると考えています。しかし、暫定措置は、その決められた期間のみの措置とすることが原則です。厚生労働省としましては、今後、雇用失業情勢の改善のため、様々な雇用対策に全力で取り組むことで雇用機会の確保、創出に努めていきたいと考えています。
 そして、二点目ですが、失業等給付の積立金から雇用保険二事業への借入れの暫定措置につきましては、あくまでも緊急的かつ例外的なもので、決められた期間のみの措置とすることが原則だと、こちらも考えています。雇用保険二事業につきましては、これまで実施してきたPDCAサイクルによる目標管理を徹底し、評価結果を的確に予算へ反映することなどによりまして、真に必要な事業に効率化、重点化が図られるよう、必要な見直しを進め、安定的な運営の確保が図られるように努めていきたいと考えています。
#8
○牧山ひろえ君 ありがとうございます。
 現在の制度では、職をなくしたら失業保険、求職してそれでも職が見付からない場合は求職者支援制度、そしてそれでもなお職が見付からない場合は生活保護を受けられるように、この三段階のセーフティーネットとなっております。
 この中で、失業保険は、原則としてハローワークが主催している講習やセミナー又は面接などを合わせて月二回以上受ければ九十日間から最大三百三十日間支給を受けられますけれども、これだと要件が緩いと思います。真剣に仕事を探そうとせず、安易に仕事と仕事の合間にこの制度を利用して、給付を得ながら単にお休みを取ることも簡単にできてしまうかと思います。
 例えば、職業体験、すなわち失業者が一週間あるいは一定期間において職場で働くことになりますから一定の期間拘束されると思うんですが、これをしないと給付されないような制度は検討できないでしょうか。例えば、諸外国には働きながら失業給付を受けられる制度があります。
 ここで、資料一を御覧ください。
 失業者への積極的労働市場政策というタイトルの資料ですが、北欧では日本に比べて次の職に直結するような職業訓練が重視されており、用意されている多様なコースの中に、民間企業によるインターンシップもあります。デンマークでは失業保険を受給するために職業訓練への参加が義務付けられています。スウェーデン、フィンランドでも長期失業者に対する受給要件となっております。
 私が考えるには、職場体験を要件にすれば、少なくとも四つのメリットが考えられると思います。
 まず第一に、短時間の面接よりも、職業者の能力、適性、やる気や性格を雇用者に見てもらえることになると思います。やる気のある求職者にとっては言わばアピールのチャンスだと思います。
 第二に、また逆に求職者の方も、仕事の詳細、職場の人々を含めて職場環境が分かると思います。ですから、就職した後に、こんなはずではなかった、想像していた職場ではなかったという離職の原因を避けることにもなるかと思います。
 そして第三に、新しい分野への挑戦ということがジョブミスマッチの大きなハードルや原因の一つではないかと思います。職場体験によって求職者がこれまでに経験をしなかった分野を体験することができ、新しい分野で挑戦するきっかけになるかと思います。
 また、短時間で終わる面接やセミナーと違って、職場体験は一定の期間拘束を受けますから、これを要件にすることによって、真剣な就労への意思を確認することができるかと思います。
 以上のように、実際に職場体験を失業保険受給の要件とすることは、再就職につながりやすいのではないでしょうか。
 ここで、資料二を御覧ください。
 失業期間別構成比を御覧ください。諸外国の事例で、職業のマッチングシステムで成果を上げている国はあるかということについて調べてまいりました。
 日本のハローワークのマッチング率は約三割ぐらいです。マッチングがうまくいっていないということは、失業期間が長く続くということになります。日本は一年以上失業期間がある人が、一番上の方にありますが、二八・五%に対し、デンマーク、その下の方ですが、デンマークでは九・一%、スウェーデンが一二・八%、フィンランドが一六・六%、ノルウェーが七・七%と、日本と比べて圧倒的に少なくなっています。この統計で分かることは、職業体験や職業訓練を失業保険受給の要件としている国は失業期間が短いということが分かります。
 ここで、フランス、イギリスを御覧ください。
 イギリス、フランスは、日本と同様、これまでに職業体験や職業訓練を失業保険受給の要件にはしていませんでした。そして、一年以上失業期間がある人が日本と同じように高いんです。これは明らかに因果関係があるように思えます。この結果を受けてか、イギリスは二〇一三年から、十二か月を超えて仕事に就くことができていない受給者に対して、地域の非営利団体などで四週間にわたるフルタイム就労の義務付けが予定されております。義務に違反した場合には、罰則として一定期間支給が停止されるという強制力もあります。
 この数字を見る限りでは、日本も職業紹介から職業体験や職業訓練を強化する仕組みを失業者への積極的労働市場政策として強力に推進した方がよろしいのではないでしょうか。
 小宮山厚生労働大臣、日本も他国の職業マッチングの成功例に学び、職業体験や職業訓練を失業保険給付の要件にすることについてはいかがでしょうか。
#9
○大臣政務官(津田弥太郎君) 牧山議員にお答えを申し上げます。
 牧山議員御指摘のように、諸外国では、その国の雇用失業情勢あるいは雇用慣行等を踏まえ、その国に応じた給付制度や再就職支援策を講じているというふうに考えられます。御指摘のように、北欧各国、あるいは今回イギリスにおきましても、二〇一三年、来年から御指摘のような取組が始められるというふうに聞いておるわけでございます。
 我が国の場合でございます。日本の雇用保険の受給者の中には、いろんな職種にこれまで就いてきた経験、職場経験を通して、職業体験や職業訓練を受けなくても早期に再就職先を見付けることが可能な人もいます。これは早く再就職をしていただければいいんではないかなというふうに思います。それから、職業体験や職業訓練というプロセスを経ずにできるだけ早く再就職をしたい。もちろん、失業給付というのは今までもらっていた賃金のおおむね六割でございますから、生活はそんなにいい生活ができるわけではないわけでございますので、早く就職をしたいという方が結構いらっしゃるということでございます。このため、一律にこの職業体験とか職業訓練の受講をその失業給付の受給要件、支給要件とすることはいかがなものかなと。その辺はケース・バイ・ケースを見ていかなければならないんではないのかなというふうに考えております。
 で、その受給者が持っております技能、知識等から判断をして職業訓練の受講が必要と考えられる場合には、ハローワークの所長がその受講を指示することができます。これ、日本のことでございます。この受給者がハローワークの所長の指示を正当な理由なく拒否した場合には雇用保険の給付を行わないということになっております。毎年大体どのくらいハローワークの所長がこの職業訓練の受講を指示しているかというと、約四万人の方々に指示をさせていただいておりまして、嫌だと言う人がどのぐらいいるかというと、平成二十二年度で八百四十九件、この人たちが職業訓練を嫌だというふうに言われて、この方については失業給付を止めております。
 したがいまして、我が国においても、実質的にそのような諸外国でやられているような取組については、ケース・バイ・ケースではありますけれども、行っているということでございます。
 厚生労働省としましては、この職業訓練の受講指示も含めて各受給者の希望、経験、能力に応じた多様な就職支援をきめ細かく行っていく。御指摘のように、例えばトライアル雇用というのは大変大事な制度でありまして、これは、御案内のように取りあえず試しに三か月程度働いてみる、そうすると、自分が合っているかどうか、事業主もその方がうちの会社に合っているかどうかということが分かるわけですね。そういうような制度も含めて様々なメニューを用意しておりますので、私どもとしても、更に御指摘をいただいたことを踏まえながら努力をしてまいりたいというふうに考えております。
#10
○牧山ひろえ君 ありがとうございます。
 もちろん、早く働いて就労するということは重要だと思います。ですが、失業保険制度、やはり私は、ほかの国と比べてみましても、やはり制度的に緩くて、これをいいことに、働かないで最低限のセミナーだけ通うとか、そういう方も多くいらっしゃると聞いておりますので、何か検討する余地があるのではないかと思います。
 現在、職場体験ができる場が少ないので、国が率先してそれをつくるというのは検討に値するのではないかと思いますが、牧野副大臣、いかがでしょうか。
#11
○副大臣(牧野聖修君) 牧山委員の質問にお答えをさせていただきますが、私どもの経済産業省といたしましては、インターンシップ制度を一生懸命活用させていただいて、新しく卒業し、あるいは卒業後三年以内のそういう皆さんには、就職の機会を間違いなく、いいチャンスとマッチングの理念を生かしていきたい、そのように思っているところであります。
 それで、お答えさせていただきますが、日本の経済基盤を支える中小企業が現場で必要な技術、ノウハウ、それをよく理解してもらって、即戦力となる優秀な若手人材を確保して、また、先生が御指摘のように、若者にとりましても働く場として中小企業の現場が良く見えるよう、インターンシップ制度を通じた中小企業と若手人材のマッチング等を支援をしていきたいと、こういうふうに思っています。
 それで、インターンシップ制度をやっていただいている企業が今二百八十社ほどありますが、連絡先として公表させていただいておりますが、インターンシップへ行きますとかなり就職実績が多くなっていますので、この制度をもっともっと広く活用できるように広めていきたい、そのように思っています。
#12
○牧山ひろえ君 是非、若い人だけではなくて、失業したいろんな年齢の方々にもそういう機会を与えていただけるようにお願いいたします。
 続いて、第三のセーフティーネットの生活保護の話題に移りたいと思います。
 生活保護受給者の中に、健康で、母子家庭でもなく、父子家庭でもなく、働くことに支障がない人も多くいることが社会問題になっているということをよく聞きます。
 資料三を御覧ください。
 そういう人たちや、失業者や自然災害に見舞われた方が一番この右側のその他の世帯に当たりますが、この十年間で五万五千二百四十世帯から二十二万七千四百七世帯と約四倍に増えております。そして、一番右下のところに一番最新のデータが書いてありますが、二十四万九千百二十三世帯と、これは月当たりの平均ですけれども、このぐらいの世帯になっております。扶助費は平成十一年度が七百億円、そして二十一年度が二千二百億円と、三倍以上になっております。
 続いて、資料四を御覧ください。
 現在、生活保護費は三兆三千億円です。二百九万人の方が受給されております。一世帯当たりの人数によっての生活保護の割り出し方についても合理的ではないという指摘がされているようです。グラフの配分でもお分かりのように、一番上の方が医療費なんですが、生活保護者が無料で使える医療扶助の部分が約半分となり、負担になっていることが分かります。医療費が無料なだけに、医療の濫用、悪用がしやすい仕組みになっていやしないかも心配でございます。
 一方で、私は最近、厚生労働委員会で皆様と一緒に重度の障害を持つ人々が懸命に働いている現場を見てまいりました。指や腕が自由に動かない方々がバレンタインデーに向けてきめ細やかなラッピング作業に取り組んでいました。また、精神的な原因で過度の過食症になってしまった方や記憶力に障害を持つ方々の働く現場も皆さんと一緒に見てまいりました。
 重度の障害を持つ方々でもその人その人ができる限りのことをして、また生きがいを持って生き生きと働いている中で、やはり、このグラフのその他の世帯のカテゴリーの中で働くことに支障がないと思われる方々については、何らかのプログラムを義務付けるべきではないでしょうか。小宮山大臣、お願いします。
#13
○大臣政務官(津田弥太郎君) 御指摘、大変もっともな点、あるというふうに思っております。
 この生活保護の利用に当たっては、まず、利用できる資産、能力、その他あらゆるものを活用することを要件としております。働ける人にはその能力に応じて就労活動等を行っていただくことが必要であります。このため、その他の世帯の受給者であっても障害をお持ちの人など一定数おられる、したがいまして、必ずしも全員が働けるというふうには限らないわけでございますけれども、御指摘のように、稼働能力がありながら正当な理由なく就労活動等を行わない人に対しましては、口頭や文書による指導等の所定の手続を経た上で保護の停止や廃止等の厳正な対応を行うよう求めております。
 一方で、受給者の自立を助長する観点、御指摘がありました。就労先に定着し自立できるような実効性のある支援を行うことが必要であることから、本人の意に反して支援内容や参加を強制することは適当ではないというふうに考えておるわけでございます。
 私は、先日、委員の選挙区である横浜の寿町に行ってまいりました。そこにおいて就労支援を丁寧にやっておりましたけれども、そうしたハローワークの就職支援ナビゲーター、福祉事務所の就労支援員の増員等、そうした就労支援プログラムの充実等々を行って、より生活保護受給者の自立を支援してまいりたいと考えております。
#14
○牧山ひろえ君 ありがとうございます。
 また、高齢者、障害者世帯の方にも社会的な自立を助けるような仕組みが必要ではないでしょうか。現在、中間的就労ができる場が少ないので、国が率先してそれをつくるというのは検討に値するかと思いますが、この質問に関しては時間の関係上、また次にしたいと思います。
 ありがとうございました。
#15
○石井みどり君 おはようございます。自由民主党の石井みどりでございます。
 先月、調査会、共生社会・地域活性化に関する調査会で被災地、行ってまいりました。厚生労働委員会でも派遣ということで調査をしてまいりましたが、調査会の方では陸前高田、大船渡、釜石、そしてその後方支援の拠点となった遠野市からも事情を聴取して、そのときの経験も踏まえながら本日御質問させていただきたいと思っています。
 冒頭御質問するのは、午後の労働者派遣法の改正法で本来ならば伺うべきだと思うんですが、こちらの方で聞かせていただきたいと思います。
 全国にシルバー人材センターがございます。八十万人の高齢者の方が働かれていて、高齢者の多様な就労ニーズに対応したものであるというふうに思っています。高齢者の方々のそれまでの職業経験、それから知識、技能、また長い人生経験をも生かしながら社会参加をして、そして、年金ももらいながらでありますので正規就労というような報酬ではありませんが、しかしながら、それでも報酬を得るという、今後、高齢化の進展が進んで労働力人口が減少する中で社会的ニーズが大変高くなる事業であるというふうに私は認識をしております。
 そして、介護サービスを御利用の方はよく御承知だと思うんですが、介護保険のサービスは非常に使い勝手の悪いものもございます。介護保険の中では使えないサービス、この辺りを、そのすき間を埋めるようにこのシルバー人材センターの方々が担っておられるという現実がございます。
 私の母も、いわゆるガーデニングとまでは言いませんが、マンションのベランダで、たくさんの鉢物があって、それを一緒に植え替えたりなんなりとかをしてもらうのをシルバー人材センターの方でお世話になった経験がございます。そういうのは介護保険では一切使えませんので、庭の草むしりとかいうのも駄目ですし、買物に一緒に行っていくというのも駄目ですし、大変、介護サービスの中でも非常に有効に機能しているというふうに思っています。しかも、これから先、本当に日本は高齢社会ですから、老老介護とまでは言わなくても、まさに共助というか、お互い高齢者同士が支え合うということも大事なんだろうというふうに思います。
 しかしながら、法律上、シルバー人材センターの就業形態というのは一般労働者の派遣事業というふうに位置付けられています。そして派遣期間にも制限が掛けられています。シルバー人材センターの事業は常用雇用の代替でもなく、そしてまた、この会員になっておられる高齢者の方々も正規の雇用を決して希望しているわけではないんですね。ですから、一時的な規制をするよりも、高齢者の就労意欲とかあるいは社会参加が阻害されるということの方が問題だというふうに思っていますが、厚生労働大臣の御見解をお伺いしたいと思います。
#16
○国務大臣(小宮山洋子君) 私も、シルバー人材センターで生き生きと働いていらっしゃる方、地元でもよくお話をしておりますので、委員と同じ問題意識は持っているつもりでございます。ですから、いろいろな意味でこれから検討しなければいけないことが多いという認識は持っています。
 現状からいいますと、シルバー人材センター、高年齢の退職者に対して、臨時的で短期的な就業ですとか、軽易な軽い業務、こうしたことに関する就業機会を確保、提供することなどによって高齢者の方の福祉の増進も目的とする、そういう機関でございます。したがいまして、シルバー人材センターを通じて就業する高年齢の退職者の多く、これは臨時的、短期的な就業とか、軽い業務に従事をしていますので、常時雇用する労働者のみを派遣する特定労働者派遣事業に該当するということではないというのが現状の認識です。このため、高年齢者雇用安定法によりまして、シルバー人材センターが実施できる派遣事業は、常時雇用する労働者以外の労働者も派遣する一般労働者派遣事業のみとしているというのが現状でございます。
#17
○石井みどり君 今大臣お答えいただいたとおりなんですが、シルバー人材センターの事業というのは、高齢者の所得保障、年金による収入だけでなく、それを補うという私は側面もあるのではないかというふうに思っています。
 しかも、先ほど申し上げたように、常用雇用の代替を決して望んでいるわけではないんですね。年金をもらいながら自分の生活形態に合わせて、言わば自分のやりたい仕事をやりたいときにやる。しかも、非常にその中で技能の優れた方が独占するのではなく、ワークシェアといいますか、いろんなそういう同じような仕事ができる方に、しかも仕事を分けながら、今大臣お答えいただいたような、軽度の、しかも本格的な就労というわけではありませんので、労働者派遣法の適用から除外するなど、言わばこれから本当に、二〇二五年にはまさに私も後期高齢者になるわけですけれども、本当に高齢者が、高齢者の人口、高齢者の数自体が本当に多くなるんですね。率が問題ではなくて、まさに大津波のごとく高齢者の数が増える。この人口構造、このことを考えますと、これから高齢者の方が自由に就労できる環境整備というのは必要ではないかというふうに思いますが、いかがでしょうか。
#18
○国務大臣(小宮山洋子君) 恐らく委員と私は同じ年代ですので、同じころに後期高齢者になるんだと思いますけれども、いろんな意味でやはり高齢者の方々が、おっしゃるように、自分の技術などを生かしながら、年金の補いも含めて生きがいを持って働かれるこのシルバー人材センターの仕事については、その期間の制限があるということは、特に一生懸命仕事をされていろんなつながりができたのにというお声を私も承っておりますので、今は、労働者派遣に当たっては、派遣先に常用雇用される労働者の派遣労働者による代替を防止するという、それで労働者の雇用の安定を図ることが必要だということから期間の制限などを適用することが必要だという認識に立った仕組みになっているんですけれども、この期間制限の在り方につきましても国会審議でも御指摘がございましたし、こうしたいろいろな御指摘も踏まえて、必要な見直しの検討をさせていただきたいと思っています。
#19
○石井みどり君 ありがとうございます。是非その見直しを御検討いただきたいと思います。
 さっきお答えの中でありました高齢者等の雇用の安定等に関する法律、これは昭和六十一年、一九八六年施行の法律、これが根拠法としてシルバー人材センターは事業を展開しているわけでありますが、この法律を少し見直すというようなことも必要ではないかというふうに思っています。
 こればっかり聞くわけにはいかないんですが、やはりこの法律のことも踏まえてちょっとお答えいただきたいんですが、実は事業仕分のときに、このシルバー人材センターの援助事業に係る予算が大幅に削除されたんですね。人件費などの間接コストとか縮減という、それから事務局機構の効率化というような、こういう努力は必要な面もあるんですが、一方で、生活保護受給者において高齢者世帯非常に増えていますですね。先ほどの御質問の中には、一般のその他が増えて、働けるのに生活保護を受けているという方がいると。
 しかしながら、高齢者の方でやはり生活保護の受給も増えているという事実もございますので、働く意欲がある高齢者の方には十分社会参加をして、そして社会の活性化というだけでなく、所得保障という面もあるわけですから、豊かな老後の生活といいますか、今や老後とは言わない、第二の人生だと思いますが、そのためには、この社会保障関係費ますます膨脹していくわけですね、その改善にも寄与するというふうに、このシルバー人材センターの事業というのは私は大いに貢献しているんではないかと思うんです。
 そういう意味で、法の見直しも含めて御見解をお聞きしたいと思います。
#20
○国務大臣(小宮山洋子君) 今回いろいろ御指摘いただいている中には、この派遣の関係で申し上げますと、シルバー人材センターから要請をいただいている高齢者に対する派遣期間の制限の在り方についてということも御要請をいただいているんですが、厚労省といたしましては、その専門二十六業務に該当するかどうかによって派遣期間の取扱いが大きく変わる今の制度の見直しの検討、これと併せまして速やかにここを検討したいと思っておりまして、見直しの方向性として、先ほどの高齢者雇用安定法をどう改正するかということにかかわるか、あるいは、どうなるかはその検討次第ということだと思っていますけれども、ずっと委員が御指摘のように、シルバー人材センターが非常に重要な役割を今後果たしていくであろうという認識は持っておりますので、地方公共団体等との関係機関との連携を図りながら高年齢の退職者の方の御希望に応じた就業の機会が確保できるように、事業仕分の結果もそこを効率的に、効果的にやりなさいということだと思いますので、そうした視点も持ちながらシルバー人材センターの運営をしっかりと支援していく方向で取り組んでいきたいと考えています。
#21
○石井みどり君 大臣、ありがとうございます、力強い御答弁いただいて。これでシルバー人材センターで働いている高齢者の方々は少し安心をされるんだろうと思います。
 それでは、私は二月に被災地へ行きまして、昨年の三か月後、六月十一日に行ったときよりも更なる衝撃を受けたんであります。なぜかといいますと、二月に行きました、二月に行きましたのに、約一年近く被災からたっているのに被災地では復興のつち音が聞こえなかったんであります。瓦れきは確かによけてあった。しかし、道路も再建されていない、橋も架かっていない、そして信号もない。何よりも、確かに東北ですから雪の季節ではあるんですが、しかし雪もちゃんと除雪はしてある。もう各地でクレーンやいろんな建設機械がうなりを上げて動いているんだろうと思って期待をして行ったら、何のそういうつち音が聞こえなかった。本当にこのショックの方が大きかったですね。復旧はおろか、復興の遅れをまざまざとこの目で見てまいりました。
 被災地における雇用をちょっとお聞きしたいと思います。非常に雇用のミスマッチの問題が深刻であるという報道も各種されています。求人が特に建設、土木、警備と、復興に関係する業種に大変偏っていると。そして、なおかつ復興需要が終われば引き続きの就業はない、短期であるという可能性が高いために求職者の方もこういうものを避ける。本来の求職のものが極めて少ないという実情がございます。
 ですから、本当に被災地の今後の復興のことを考えれば、元の業種で、そして安定した正規雇用ということの確保が一番求められることだと思っています。この雇用のミスマッチ解消に向けた具体策についてお伺いしたいと存じます。
#22
○国務大臣(小宮山洋子君) 私も、今年に入って釜石などに行きましていろいろ現状も見てまいりましたので、厚労省としては、とにかく仕事をつくり出してお一人お一人の就業に結び付けていくことに日本全体が被災地の雇用の支援をするという「日本はひとつ」しごとプロジェクトでいろいろと政策を出し、予算も付けてきたんですけれども、被災地の現状からいうと、今委員がおっしゃったように、やはりそこの町や村の復興計画の下に、かさ上げをするとか、どこに工場を再建するとかいうことが決まらないとなかなか動かない現状がありまして、御指摘のように、やはり土木関係の仕事で臨時の仕事が多いので、特に水産加工などで働いていらした女性の皆様たちが、これから本当に復興のための柱となる仕事を見付けたいのにできないという状況があるということはよく承知をしております。
 それで、今、「日本はひとつ」しごとプロジェクトでは、当初は何でも仕事になるように復旧のために取り組んできて自治体などが雇用するようにしてきたんですが、現在は、それと並行させて、将来に向けて安定した仕事が確保できるように、これまであった産業、あるいは環境ですとか福祉とか新しい産業を起こすための各省の取組と連携をいたしまして、そこでの継続的な雇用に人の面から厚労省が支援するというような、そういう事業復興型のプロジェクト、それからあとは、女性とか障害をお持ちの方、御高齢な方など仕事に結び付きにくい方たちに、市町村が使い勝手良く、県につくった基金を企業とかNPOの方の力も借りてできるようなモデル事業、そういうようなことに取り組んでおりまして、私も釜石に行ったときに、一つは、NPOの方が非常にいい取組で、そこのNPOの事務所でも若い方たちがたくさん被災者の方働いていらっしゃるし、そういうことを結び付ける仕事をしているNPOとか、そうしたところにもしっかり働いていただいて一人でも多くの方の就業に結び付けられるように努力をしておりますが、現状がなかなか進んでいないという認識を私も持っております。
#23
○石井みどり君 今大臣の方から、女性の就労も非常に厳しいということをおっしゃったんですが、確かに雇用のミスマッチは、特に女性が元々が水産加工で従事されていた方が多い、この復興が非常に遅いというために、ましてや女性は建設だとか警備だとか、そういうところにはもう働けないわけであります。ですから、そういうところが大変問題になっておりまして、そうすると、元のそういう職場に戻るためには、やっぱり漁港等、港湾等の施設の復旧復興というのが、これができないと雇用につながらない、水産加工業の再建ということに至らないわけでありますが、本日、復興庁からもお見えいただいておりますので、こういう復興予算の、第三次補正はまさにこの復興に特化した予算であったわけですので、一次、二次、三次も含めてこの復興予算の執行率とインフラ、特に漁港等の港湾関係も含めてですが、この復旧復興関係についてお伺いしたいと思います。
#24
○政府参考人(上田健君) 御答弁申し上げます。
 まず、復興関係予算の執行率でございますけれども、昨年、一次補正、二次補正の復興関係予算額の合計額五・一兆円に対しまして、国として実施計画を決めた、それから公共団体に対して内示をいたしましたという、そういうものを執行済みというふうにとらえておりますけれども、そういうものにつきましては、一月末の段階で執行額三・九兆円、執行率七六%というふうになってございます。ただ、三次補正につきましては、まだ時間がさほどたっていないということもございまして執行率四二・六%ということになってございまして、一次から三次までの合計で五四・六%の執行率というふうになっております。
 それから、インフラの復旧についてのお尋ねでございます。
 インフラにつきましては、幹線道路とか幹線の鉄道とか、主なライフラインの復旧につきましては応急復旧も含めてほぼ完了しております。あと、公共土木、農地、漁港、学校、病院、こういうものの災害復旧につきましては、災害査定という手続を経て実施することになります。この災害査定につきましても九割以上進捗をしておりますが、これに基づきまして本格的な復旧工事にまたこの年が明けた以降入っていっているというような状況でございます。
 ただ、一方で、先生御指摘ございました津波で壊滅的に被害を受けたような地域につきましては、どこを安全な住宅地として整備するのか、どこを産業用地として復興復旧するのかということを復興計画で方針を決めて、それを地域の皆様の合意をいただいて実際に事業に移っていくという段階を経なければなりませんけれども、その地域の皆さんの合意を経るという手続を、今、首長さん始め被災自治体で一生懸命やっておられるところでございまして、そういうものが合意が得られ次第、次々と事業に掛かっていけるのかなというふうに考えております。
 住まいと、それから産業、雇用につきましては、復興庁といたしましても復興の急がなけりゃいけない大きな分野だというふうに考えておりますので、引き続き、予算の執行とインフラの復旧については努力してまいりたいと存じます。
 以上でございます。
#25
○石井みどり君 ありがとうございました。
 復興庁の方、ありがとうございました。
 予算が幾らあっても、執行されなければ復旧復興事業というのは進まないわけであります。そのために人材も大いに必要で、今、自治体の方の人材が非常に逼迫といいますか、人材が足らない、ですから復興予算のその申請すら書けない、また特に図面がかけない、そういう技能職のところも少ないというような、そういうお話も出ていますが、冒頭、シルバー人材センターのことを御質問したんですけれども、先ほどNPO法人のことを大臣お答えいただきました。
 建設業も今非常に人手がないということですが、建設業のOB、OBの方がどこまで働けるかということも問題はあるかと思いますが、しかしそういう様々な我が国の人材を人材登録をしていただいて被災地の復興に御貢献いただくということはできないんだろうか、また民間の人材派遣会社が被災地の雇用創出で随分御貢献されているというふうな報道もありますが、雇用の創出効果というのをちょっとお聞きしたいと思うんですが、人材のところに関してお聞きをしたいんですが。
#26
○国務大臣(小宮山洋子君) 雇用創出効果、今、ちょっと御質問の趣旨とぴったり合うかどうかはあれなんですけれども、「日本はひとつ」しごとプロジェクトで昨年の四月から今年一月までに岩手県、宮城県、福島県の三県でおよそ十二万人をハローワークを通じて就職につなげました。それで、雇用創出基金事業によっておよそ三万人の雇用を生み出す、こういうことはもう実績として上がってきています。
 これから、先ほど申し上げた「日本はひとつ」しごとプロジェクトのフェーズ3、復興に向けた仕事をつくり、結び付けていくことでおよそ五十万人程度の雇用創出の効果を上げたいというふうに思っておりまして、その中には、今御指摘のような、いろいろなNPOとか、これまでいろいろな経験を積んでこられたOBの方とかを含めて、いろいろな形で雇用創出のための仕事をしていただく方たちの活用ということも図っていきたいとは思っております。
#27
○石井みどり君 今、「日本はひとつ」プロジェクトの話が出ました。今これフェーズ3まで実施されているんですけれども、私から見ますと、復興需要を内容とするものがほとんどですね。ですから、本来的な、抜本的な雇用の再建というところにつながるように是非そこはお願いをしたいと思う。そうでないと、幾ら、この「日本はひとつ」のこの事業内容を見ると、非常に多岐にはわたっているんですが、厚生労働省ありがちですが、絵にかいたもちにならないように、十分実効的な施策になるようにお願いをしたいと存じます。
 そして、今回の法改正では、個別延長給付の暫定措置の延長と雇い止め離職者に対する給付日数の拡充についての暫定措置の延長が内容となっています。東日本大震災、あるいはヨーロッパの、EUの財政危機、そして円高、デフレ等の、雇用をめぐる環境というのは依然厳しいわけでありますが、それを理解した上で、暫定措置の延長という、これは言わば対症療法であって、原因療法、医療で言う原因療法ではないわけですね。やはり抜本的な雇用というものが最も大事であるというふうに思っております。
 自公政権のときには、中小企業の緊急雇用安定助成金、緊急人材育成・就職支援基金、あるいはふるさと雇用再生特別交付金というような、そういう雇用創出事業を実施をいたしました。こういう雇用創出、ここに対して思い切った予算を付けて実施すべきであるというふうに思っております。
 そうしませんと、先ほどの牧山委員の御質問にもあったような、生活保護の受給者の方、働けるのに働かない、そういう方がますます増えていく、しかも短期で不安定な雇用だと働きたくないというのは、その後の雇用保険がもらえないという、そういう何か問題もある。ですから、できる限り第一のセーフティーネットの雇用保険をぎりぎりまで受けてというような、そういうことが多いわけでありますので、やはりモラルハザードの問題ということも生じてくると思いますので、今、大臣お答えいただいた前向きな雇用創出、これに対する御見解をもう一度お聞かせください。
#28
○国務大臣(小宮山洋子君) 今回の個別延長給付などの暫定措置、これは、リーマン・ショック以後ずっと回復しないところにいろいろな、大震災とかいろいろなことが起きて雇用情勢が厳しい中で三年間の暫定措置ということなので、おっしゃるように、しっかりと仕事をつくり出して、仕事に結び付けていく方にもっと力を入れなければいけないというのは御指摘のとおりだと思います。
 今やっておりますのは、新卒者の就職支援強化、また未内定者への集中支援というので、若い人たちを仕事に結び付けることの支援をしているということ、それから、これは今回の中でもやっているんですけど、成長が期待される分野に重点を置いた雇用の創出ということで、介護、医療、農水、環境など、そうしたところに雇用を創出するという、そういうことをやっております。また、雇用調整助成金の要件緩和ですとか雇用保険制度の機能強化、それから生活支援から就労支援まで行うパーソナル・サポート・サービスを実施をしている。
 先ほどの生活保護の、牧山委員のところでお答えをする時間がございませんでしたけれども、生活保護を受けている方の中でも、本当に長くそこにいるのではなくて、就労できる方は少しでも就労していただくように、これもイギリスとか韓国などで社会的事業をやっている市民活動などとも連携をして寄り添って仕事に結び付けることをやっておりますので、そうしたことも含めた支援の戦略を秋にはスタートをさせたいというふうに思っています。
 そういうことで、中長期的な視野に立って雇用をつなぐ、つくる、守るということを、今、政策の柱にしてやってきておりますので、そういうことをやる一方で、ここのところ、まだ失業率も厳しい状況にある中で暫定措置をお願いをしているということを御理解いただければと思います。
#29
○石井みどり君 幾つかもっと聞きたかったんですが、だんだん時間がなくなってまいりましたので。
 雇用保険部会の報告書では、雇用保険の二事業について、「今後、更なる効率化・重点化により不要不急な事業の廃止を行う等、これまで以上に厳しい見直しを徹底する必要がある。」という、この御提言が出ています。
 この御指摘に対して、今後、具体的にどのような方策を取られるんでしょうか。
#30
○国務大臣(小宮山洋子君) 雇用保険二事業につきましては、雇用調整助成金の支出の増加によって平成二十四年度末では雇用安定資金の残高が四百六十八億円と見込まれていまして、非常に厳しい財政状況になっています。また、今御指摘の労働政策審議会の雇用保険部会で取りまとめられました報告書でも、こうした厳しい財政状況を踏まえて、雇用保険二事業について、「今後、更なる効率化・重点化により不要不急な事業の廃止を行う等、これまで以上に厳しい見直しを徹底する必要がある。」とされています。
 こうしたことを踏まえまして、今後、これまで実施してまいりましたPDCAサイクルによる目標管理を徹底をしてその評価結果を的確に予算へ反映することなどによりまして、本当に必要な事業に効率化、重点化が図られるように、必要な見直しをしっかりとしていきたいというふうに思っています。
#31
○石井みどり君 民主党のマニフェストには、雇用保険における国庫負担を法律の本則である四分の一に戻すという記載がございます。国庫負担の本則復帰のめどについて御確認をしたいと思います。また、国庫負担の暫定措置の廃止時期の見直しについては、速やかに安定した財源を確保するというふうにされていますが、安定財源の確保の見通し、また、この財源として消費税を想定されているのかどうか、そこも併せてお聞きしたいと存じます。
#32
○国務大臣(小宮山洋子君) 今御指摘のことをマニフェストで約束をしておりますが、これにつきましては、これも御指摘のとおり、平成二十三年の雇用保険法改正で、できるだけ速やかに安定した財源を確保した上で暫定措置を廃止する旨の規定を設けています。
 来年度につきましては、厳しい財政状況の中で安定した財源が残念ながら確保できず、改正法案には盛り込まれていませんが、これは本則復帰を断念したということではなくて、引き続き、雇用保険法の規定に基づいて、国庫負担の本則復帰ができるように努めていきたいと考えています。
 なお、安定財源の内容につきましては、特に消費税を特定して考えているということではなくて、ペイ・アズ・ユー・ゴー原則に基づいて、税制措置とか歳出削減といった様々な選択肢の中から検討されるべきものだと考えています。
#33
○石井みどり君 ありがとうございました。
#34
○渡辺孝男君 公明党の渡辺孝男でございます。
 現下の厳しい雇用情勢に対応して労働者の生活及び雇用の安定を図るための雇用保険法及び特別会計に関する法律の一部を改正する法律案について質問をさせていただきたいと思います。
 まず最初に、やはり本年一月の完全失業率が四・六%、そしてまた有効求人倍率も〇・七三倍と、平成二十一年、二十二年度の状況と比べれば少しは改善はしているわけでありますけれども、まだまだ大変厳しい状況にあるわけでありまして、我が国の全体の厳しい雇用情勢をどう改善していくのか、そしてまたどのような、失業率等、改善目標を立てて対策を打っていくのか、そしていつごろ、そういう目標がありましたら、それを達成していく見込みなのか、まずこの点を小宮山厚生労働大臣にお伺いをしたいと思います。
#35
○国務大臣(小宮山洋子君) 政府の目標といたしましては、平成二十二年六月の閣議決定で新成長戦略、これを決定していますけれども、その中で、失業率はできるだけ早期に三%台に低下をさせるということ、就業率は、二〇二〇年までに二十歳から六十四歳の就業率を八〇%に引き上げるという目標を立てています。
 このため、厳しい雇用情勢に対応するために重点分野雇用創造事業などによる地域雇用の創造、それからジョブサポーターによるきめ細かな就職支援等による若者の安定的な雇用の確保、さらに職業訓練の拡充等の職業能力開発施策の推進などに取り組んでいます。さらに、若者、女性、高齢者、障害者を始め、意欲のある人が全て働ける全員参加型社会ということを今回の社会保障の改革の中にも取り組んで力を入れていきたいと考えています。
#36
○渡辺孝男君 確かに、様々な対象に対して目標を立てて、そして対策を打っていくというのは大変必要なことだと思います。とにかく完全失業率三%台を目標に、できるだけ早期ということでありますけれども、なかなか本当に厳しい雇用情勢でありますので、ここは雇用対策、しっかりやっていただきたいと思います。
 それで、特に、先ほども石井委員の方からも質問がありましたけれども、被災地での雇用が大変厳しいということでありまして、それに関連して質問をさせていただきたいと思いますけれども、雇用情勢が特に厳しい東日本大震災の被災地での事業者の復旧、再建の状況、そしてまた、その中でも工業団地等でやはり会社の操業がままならない、退却したというような状況も聞いておりますので、そういう会社の操業の再開の状況につきまして復興庁にお伺いをしたいと思います。
 続きまして、また、被災地での雇用の回復、復旧の状況について、小宮山厚生労働大臣にお伺いをしたいと思います。
#37
○政府参考人(上田健君) 御答弁申し上げます。
 被災地の全体的な復興、事業再建の状況を反映しているものというふうに考えておるんですけれども、鉱工業指数、これ、二十四年一月分確報値では九二・二となっておりまして、震災直前の一年前、二十三年二月の九六・九%と比べましてほぼ回復しているというふうな数字になっております。ただ、津波浸水被害を受けた地域、ここに限定して考えますと、二十四年一月の生産額が前年同月比で六割減、約四〇%しか回復しておらないというような状況だというふうに認識しております。
 また、津波災害地域の主要産業でございます水産業でございますけれども、これも、二十四年一月時点で、水揚げ量、前年同月比の約七一%、七割、それから水産加工施設の業務再開、五割、五〇%というような状況になっているというふうに把握をしておるところでございまして、被災事業者の早期再建を図るということで、水産業を始めといたします施設設備の復旧支援、二重ローン対策への対応、こういうことに現在も努めておりますけれども、引き続き努力してまいりたいというふうに考えておるところでございます。
#38
○国務大臣(小宮山洋子君) 岩手県、宮城県、福島県の雇用状況を見てみますと、一月の有効求人数が十一万千三百六十八人と、昨年の四月以降、こちらは一貫して増加をしています。一方、有効求職者数は十四万三千八十二人と、減少傾向にはありますが、依然として高い水準になっています。こういう状況の中で、依然として雇用状況は厳しいという認識を持っています。
 こうした中で、昨年四月から今年の一月までに、先ほどもちょっとお答えしましたが、三県でハローワークを通じて十二万人以上の就職につなげてきました。ただ、これも先ほど御指摘があったように、水産業など地元の産業が復興していないので安定的求人が少ない、短期的なものが多くて、また建設業が多くて女性の職場がないなど雇用のミスマッチがあるので、しっかりと取り組んでいく必要があるというふうに認識をしています。
#39
○渡辺孝男君 先ほど復興庁の方に、工業団地ですね、やっぱりいろんな新聞記事等も見ますと、今まであった工業団地の中の会社が二割とか何割とか操業再開に至っていないというようなお話も聞いておるわけですが、この辺の工業団地、特に沿岸部、あるいは福島の地域等でどんなような状況になっているのか、そういう会社が操業ができるような状況に改善しつつあるのか、その辺の状況はいかがでしょうか。
#40
○政府参考人(上田健君) 工業団地ごとのちょっと状況を今の時点できちっと把握できておりませんので、御指摘を踏まえて、よく把握をして対応していくようにしたいと存じます。
#41
○渡辺孝男君 確かに、沿岸地域が大きな津波等で被災を受けたわけで、水産業関係は特になかなか、雇用の場としては大変重要なところですけれども、まだ復旧、再開に至らないところもありまして、女性を含めまして大変な厳しい雇用状況だと聞いておりますけれども、今後、復興庁の方でも、今、新しい産業分野、これを推進をして新しい雇用を生み出すというような試みをしているわけでありますけれども、被災地における新産業創出の現状と今後の展望につきまして復興庁にお伺いをしたい。
 そしてまた、小宮山厚生労働大臣には、そういう新しい被災地での新規産業によりどの程度雇用の新しい創出が見込まれるのか、この点をお伺いをしたいと思います。
#42
○政府参考人(上田健君) 被災地におきまして御指摘のように新産業の育成を図るということは重要なことでございまして、新たな投資を生み出す仕組み、新しい産業の芽となるような分野への重点的な投資が必要だというふうに認識しておるところでございます。
 こうした観点から、被災地域内の投資に対する思い切った税制上の優遇措置、規制の特例措置を行う復興特区制度、それから企業立地、研究開発に係る予算措置、これを講じておるところでございます。
 特に、復興特区につきましては、企業の誘致や投資の拡大などを通じまして地域経済の復興を図ろうとする被災自治体の自主的な復興の取組を支援するために、今申しました規制の特例措置、税制、金融上の特例措置、これを盛り込んでいるところでございまして、この特区制度を活用して、既に青森県、宮城県、福島県等からは、自動車、エレクトロニクスなどの物づくり産業、それから環境、医療産業等の産業の集積を目指す復興推進計画が申請されておりまして、これを復興庁の方で速やかに認定したところでございます。
 これ、今申し述べましたエリア以外も今いろいろ計画が上がってきておりまして、この特例を活用して新しい産業を育成、誘致したいという、こういう自治体の動きに復興庁としても積極的に対応してまいりたいと。申請が上がってきたら当然素早く認定をいたしますし、それ以前に、こういう企業の活動が被災地域で積極的に行われるような、東京で担当の、私ども復興庁にも担当の部屋をつくって企業との連携を被災地に持ち込むような動きもしてまいっているところでございますので、引き続き努力してまいりたいと存じます。
#43
○国務大臣(小宮山洋子君) 被災地では、これまでも雇用創出基金事業、これでおよそ三万人の雇用を生み出しています。今後は、「日本はひとつ」しごとプロジェクトのフェーズ3で、一つは、地域経済とか産業の再生、復興による雇用創出によって全国で雇用を創出していくというのが一つ。また、被災地では、そこの強みである産業ですとか、新しくこれからそこに日本の未来を描けるような新しい産業を興していくという、産業政策と一体となる事業復興型創出事業、これによりまして、この事業復興型雇用創出事業で四万五千人程度の雇用を創出したいと考えています。
 今も中小企業のグループ補助金などと一緒に使ってうまくいっているという例が被災地で実際にございますので、これで厚労省としては、三年間で正規に雇用していただいた場合に一人当たり最大二百二十五万円を支援をすることで、産業政策と雇用政策をマッチングさせて雇用に結び付けたいということ、それからまた、震災等緊急雇用対応事業、この積み増しによりまして二万人程度の、これはつなぎ雇用ですけれども、創出をし、つなぎ雇用で仕事就いていただいて、それを本格的なものにつなげていくと、そういう取組をしていきたいと考えています。
#44
○渡辺孝男君 私もしばしば被災された沿岸地域に行くんですが、なかなか本当に、新しい仕事に就きたいという人もいるんですけれども、現実に就業に至らない。逆に、介護とか福祉関係は求人はあるんですけれども、やっぱり資格とか仕事に実際就くまでにいろんな訓練等をしなきゃいけないということでなかなか二の足を踏んでおられる方がいて、ミスマッチがあるわけでありますけれども、そういう求人のあるところにやはり求職者がきちんと就職できるような応援をしていただきたいと思います。
 次に、震災被災者への失業手当の特別支給ですね、これが被災地での雇用の維持には大変重要であったわけですが、実際これがどのように、どの程度行われていたのか、この点につきまして牧厚生労働副大臣にお伺いをしたいと思います。
#45
○副大臣(牧義夫君) 特例支給についてのお尋ねでありますけれども、事実関係を申し上げたいと思います。
 被災地三県における失業給付の受給者の実人員は二十四年一月において六万二千五百二十八名でありましたけれども、このうち事業所が被災したことによって、お話の特例支給ですね、一つは休業しながら給付を受けている方が七千二百七十八人、それから再雇用が予定されているが一時的に離職しながら給付を受けている方が千六百三十五名となっております。合計で八千九百十三名ということでございます。
#46
○渡辺孝男君 本当に大変厳しい状況の中で雇用をつないでいただいていると。再開した場合にすぐにまた再就職ができるということで、特例支給、大変重要な役割を果たしたというふうに思っております。まずは、そのまましっかり就職できるような事業の復興、再建を、また新しい事業の開拓、そういうものをしていかなければいけないと、そのように思っております。
 それで、もう一つ、被災が大きかった岩手、宮城、福島の三県の沿岸地域などでの広域延長給付の実績と、これが終了した後の就職状況がどのようになっているのか、この点を牧厚生労働副大臣にお伺いをしたいと。そして、まだまだ雇用が厳しい中で、先ほどもお話、大臣の方からありましたけれども、更に支援を強化するという決意をお伺いをしたいと思います。
#47
○副大臣(牧義夫君) 広域延長給付の実績とその切れた後の状況について、私からは事実関係だけ申し上げさせていただきたいと思いますが、被災された方々への失業給付の給付日数については、震災特例等による百二十日の延長のほか、被災三県の沿岸部等で昨年十月一日以降、広域延長給付として更に九十日の再延長ができることとしてきたというのは御承知のとおりであろうと思います。
 この広域延長給付の三県における受給者は、昨年十月から今年一月までで一万二百十一人となってございます。また、三県で広域延長給付が二月十七日までに終了した方は三千五百十人でありますけれども、そのうち、支給終了時点で就職した方が九百二十一人、求職活動中の方が二千百六十三人となっております。さらに、一月中に支給終了し未就職だった二千九十二人のうち百五十六人がその後二週間で就職をしているということでございます。
#48
○国務大臣(小宮山洋子君) 先ほどからお答えをしているように、何とか「日本はひとつ」しごとプロジェクトの中で県に基金を積み増して産業と一体になった雇用をつくるということ、それから、市町村の使い勝手のいい、NPOなどでも委託ができる、そういう仕事に就きにくい方々へのモデル事業、そうしたことをつくっておりますけれども、それを一人一人に結び付けることが非常にまだ実現をしていない難しい点なので、ハローワークなどで担当者制を取りまして、一人が十人ぐらいの方を担当して、なるべく雇用の求人情報をハローワークに集め、それを企業の中も回って開拓をしておりますので、そういう一つ求人の情報が来たら複数の方に必ずそれを連絡をしてどなたかを結び付けるというようなきめ細かい対応を今させていただいていますので、そうした中で雇用をつくり出し、お一人お一人に着実に結び付けることに全力を挙げていきたいというふうに考えています。
#49
○渡辺孝男君 東北の沿岸地域は、元々なかなかそういう仕事をする場がそれほど多くないということで、農業や漁業で生活をされている方が多かったわけでありますけれども、働く場が失われてしまうことによってなかなか生活が厳しくなる、そうするとますます過疎が進んでしまうということで、その悪循環をどうしても絶たなければいけない。そういうことで、復興庁にも本当にお世話になるわけでありますけれども、しっかりスピードアップして復興に向けての対策を進めていただきたいと思います。
 次に、別な質問になりますけれども、新卒者の就業後の早期離職という問題について質問をさせていただきたいと思います。
 本年三月の十九日に内閣府が雇用戦略対話で報告しました「若者雇用を取り巻く現状と問題」で、大卒そして専門学校卒の就職者五十六・九万人のうち、三年以内の早期離職者が十九・九万人、約三五%になっていると推計されると、そのような報告があったわけでありますけれども、この点をどのように小宮山厚生労働大臣認識をされて、こういう内容でありますけれども、これをどう改善をして本格的な就業に結び付けていったらいいのか、この点についてお伺いをしたいと思います。
#50
○国務大臣(小宮山洋子君) 御指摘の数字は、平成二十二年三月に卒業した人につきまして、中央教育審議会答申を基に内閣府で一定の仮定を置いて推計をしたものだと考えています。
 これまでも就職して三年後までに辞めてしまう大学生が三割ぐらいと言われていたのが更にそれが増えたというように認識を持っておりまして、やはり新卒者の方が御本人の希望とか能力に合った就職先に就いていないということがあるのかというふうに思います。
 就職の段階からそれぞれの状況に応じて一層きめ細かな支援が必要だと考えておりまして、このため、新卒者等に対しましては、全国の新卒応援ハローワークでジョブサポーターによるきめ細かな就職相談ですとか就職紹介を実施をしているところです。
 そしてまた、二十四年度からは、大学生現役就職促進プロジェクトとして、現役の大学生の方にもジョブサポーターを付けて支援をするということをしたいと思っておりますし、またフリーターなどの個別支援への強化、それからトライアル雇用の積極的な活用などによりまして若者に対する支援に取り組みたいと思っています。
 さらに、日本再生の基本戦略に盛り込まれました若者の雇用に関する戦略、これは今年半ばまでに取りまとめまして、若者の就職支援に一層取り組みたいと、そのように考えています。
#51
○渡辺孝男君 新規学卒者、なかなか最初のきちんと就職するということ自体も大変厳しい状況にあると。しかし、就職をした後も、やはりなかなか仕事を続けられないような状況があると。
 仕事を続けられない状況というのは、様々な理由はあると思うんですね。最初やむを得ず就職したけれども、やっぱりそこでは自分が望むような仕事ができないということで辞めてしまって次の職場を探す、あるいは、最初期待していた、希望していたところに勤めたけれども、結局それがやはり期待の仕事内容ではなかったということで、それはやっぱり仕事を選ぶときにしっかり情報を把握して、この仕事をやりたいということできちんと選んでいただくという、そういう大学時代からの指導みたいなものも充実をしていかなければいけないと思いますけれども、問題はやはり、取りあえず仕事に就いたけれども、本来の望む仕事が得られないのでやっぱり辞めてしまったというようなことが問題になるのかなと思うんですけれども、そういう学生等が、やっぱり自分がやりたい、望んでいる仕事がきちんと選べるような、またそういう仕事が増えてくるようなやっぱり日本としての新しいそういう産業、新しい働く場を多くつくっていくということが本当に重要だなという思いでおります。
 そしてまた、学生に対する様々な就業支援というのは今までも政府も一生懸命やってこられたんで、それは評価をしたいと思うんですが、なかなか実績が伴ってこないということで、これから大学とまた厚労省、連携をしながら、そういう若い方々に望まれる仕事に就いていただけるような、能力を高めつつ自分の希望に従った仕事に就けるように支援をしていただきたいと思います。
 もう一つ質問でございますけれども、現下の厳しい雇用情勢の下での雇用の維持安定のために雇用調整助成金の支出も増えてきておるわけでありますけれども、この雇用調整助成金の支出の現状と今後の見込み、そしてまた、収支悪化のため失業等給付の積立金からの緊急的な借入の現状及びその後の返還のための対策と返還完了の時期の見込みとを大臣にお伺いをしたいと思います。
#52
○国務大臣(小宮山洋子君) 雇用調整助成金の平成二十三年四月から平成二十四年一月までの合計支出決定額はおよそ二千百十四億円です。同様の傾向が続くと仮定しますと、平成二十三年度の支給額は二千五百億円程度になると見込まれます。また、失業等給付の積立金から平成二十二年度は三百七十億円の借入れを行っています。
 雇用調整助成金を始めとしました雇用保険二事業の収支、これは今後の雇用失業情勢の状況によって大きく変動し得るものであるため、失業等給付からの借入金の返済見通し、これをお示しするのは困難だというふうに思います。
 しかし、失業等給付の積立金からの借入れの暫定措置はその決められた期間のみの措置とすることが原則だと考えていますので、雇用保険二事業につきましては、これまで実施してまいりましたPDCAサイクルによる目標管理を徹底し、評価結果を的確に予算へ反映するなど、本当に必要な事業に効率化、重点化が図られるよう、必要な見直しを進めて、安定的な運営の確保、借入金の返済が図られるように努めていきたいと考えています。
#53
○渡辺孝男君 今回の法案は、今の厳しい状況の下で、また財政の厳しい中でやむを得ないことかなと、そのように思いますけれども、先ほども民主党のマニフェストのことで石井委員の方から質問がありましたけれども、やはり本来の国庫負担の本則に戻っていくような対策というのは当然必要なんですけれども、これに必要な額というものはどの程度であるか、もしお分かりであれば教えていただいて、質問を終わることにします。
#54
○国務大臣(小宮山洋子君) 必要な額は千三百九十五億円になっております。
#55
○渡辺孝男君 ありがとうございました。
#56
○川田龍平君 みんなの党の川田龍平です。
 まず、被災地における失業給付の延長についてお尋ねいたします。
 被災されて雇用を失った被災者の方々にとって、企業活動の再開の前提となるインフラ整備もいまだされていないところが多い中で、失業給付の延長は当然必要でした。一方で、延長に次ぐ延長で、非常に安価な、不安定で、従来したことがない分野の仕事が多い中、就職率が上がらないという負の面も指摘されています。
 いずれにしても、被災地において、特区や新規産業の育成といっても当分先のことになるわけですから、被災以前からしていた仕事、それに近いものの仕事をやっていける、そうした支援こそが今すぐ政府がやらなければいけないことではないでしょうか。「日本はひとつ」しごとプロジェクトをやっているというお答えだけで、今の被災者の方が納得されるとは到底思えません。
 被災地における安定した雇用、またディーセントワークの実現のために大臣がどのような展望をお持ちなのか、仕事を失った被災者の立場に寄り添ってお答えください。大臣、お願いします。
#57
○国務大臣(小宮山洋子君) おっしゃるように、被災地でなるべく安定的な雇用を、おっしゃるようにちゃんと尊厳のあるディーセントワークにするために、今もいろいろお話を質問に答えてしてきたところなんですが、こちらは長期的にちゃんと安定した雇用を全ての、女性も障害をお持ちの方も御高齢な方もできるように、それはNPOなども働いていただいて、できるような仕組みをつくっています。
 ただ、その中で、まだそこの地域を、特に全部津波で流されてしまった地域などは、どういうふうに再生を地域をしていくかが決まらないと雇用の場ができないということがありますので、当面はつなぎの雇用でもやむを得ないと思いますが、とにかく働く場をつくり、それが安定的な将来を見通せる雇用につながるように、先ほどから申し上げているハローワークでのマッチングも含めてきめ細かに対応をできる限りしていきたいと、そのように考えています。
#58
○川田龍平君 その次に、この雇用保険の国庫負担と特別会計について質問いたします。
 民主党の政権政策マニフェスト二〇〇九において、この雇用保険における国庫負担を法律の本則である四分の一に戻すとありますが、いまだそれは実現されていません。なぜなのでしょうか。
 一方、一昨年十月の事業仕分において、特別会計の在り方について、雇用保険二事業の整理統合の方向が示されていますが、今回の改正には盛り込まれていません。その理由も併せて、牧副大臣にお尋ねいたします。
#59
○副大臣(牧義夫君) 川田委員おっしゃるとおり、民主党のマニフェストで本則国庫負担四分の一に戻すということはしっかりうたわせていただいておりますけれども、実際の問題といたしまして、国庫負担の本則復帰については、昨年の雇用保険制度改正で、できるだけ速やかに、安定した財源を確保した上で暫定措置を廃止する旨の規定を設けたところであります。残念ながら、来年度については、厳しい財政状況の中で安定した財源がいまだ確保できず、改正法案には盛り込まれていないという状況でございますけれども、本則復帰を決して断念したものではございませんで、引き続いて雇用保険法の規定に基づいて国庫負担の本則復帰ができるように努めてまいりたいと思っております。
 そしてもう一つ、提言型政策仕分についてのお話もございましたけれども、雇用政策について、毎年全ての施策の効果検証を定量的に実施し予算に厳格に反映させること、既存事業の大胆な統廃合を行うこと等の御提言をいただいております。
 この提言も踏まえて、今参議院で御審議をいただいております平成二十四年度の予算案では、雇用調整助成金や東日本大震災への雇用対策経費を除いた部分についてでございますけれども、平成二十三年度当初予算比で三百八十七億円を削減したところであります。
 雇用保険二事業については、失業等給付の抑制等の観点から重要な役割を果たしているというのも一方では否定できない事実でありますので、そうしたことも踏まえて、特別会計の目的や提言型政策仕分の結果を十分に踏まえ、事業の見直しに取り組むとともに、真に必要な雇用対策に万全を期してまいりたいと、こう思っております。
#60
○川田龍平君 こうした民主党の主張と現実とが乖離している中で、雇用保険の今後の在り方について大臣はどうあるべきだとお考えでしょうか。
 はっきり申し上げて、リーマン・ショックを乗り越え、東日本大震災もあったにもかかわらず、失業給付の積立金が四兆円もあり、まだ余裕があるからこれから失業者がますます増えたとしても大丈夫だと、失業を生む構造をほったらかしにしているのではないかと疑ってしまうほどです。余裕があるからこそ積立金からの借入れの延長があるのでしょうが、一体どれくらいの積立金があるのが適正だとお考えなのでしょうか。毎年のように改正していますが、長期的見通しとして雇用保険がどうあるべきなのかが見えてきません。
 みんなの党は増税には反対ですが、長期的な視点で考えているのであれば、野田政権がどうしてもしたいというこの社会保障と税の一体改革の中に盛り込まれているのかと思いきや、それもないと。長期的展望を持たないのだと疑われても仕方がありません。大臣の答弁を求めます。
#61
○国務大臣(小宮山洋子君) 適正な積立金の水準というのはなかなか明確に申し上げるのは難しいかと思います。というのは、失業等給付は景気動向によって大きく変動をいたしますし、景気や雇用失業情勢を正確に予測するということは非常に困難であること、また過去最悪の支出額を超えるような不測の事態が絶対起こらないということは限らないことなどから、将来の不況期に必要な積立金の水準をあらかじめ予測するというのは困難だと思います。
 しかし、お尋ねですのであえて申し上げるとすれば、雇用保険法では、積立金が失業等給付の二倍を超える場合、厚生労働大臣が裁量で雇用保険料率を引き下げられるということになっておりますので、この二倍が制度上の一つの目安となると考えられると思います。
#62
○川田龍平君 次に、雇用保険が受給できない方に対する求職者支援訓練事業についてお尋ねいたします。
 非正規労働者や自営業者が雇用保険がそもそも受給できない方が多くおられる現状において、この制度が非常に大切なものです。これは、元々自公政権下の麻生内閣の補正予算から始まったもので、民主党政権になって恒久化されたものですが、受講者の出席率などを厳格化し過ぎたために、就職活動や風邪などの欠席ができず、結果として就職に結び付かない事態が発生しています。インフルエンザに感染した場合についてはやっと運用が改善され、給付条件の欠席には算定されないようになりましたが、それだけでは不十分です。もっと運用の改善を行うべきではないでしょうか。牧副大臣に伺います。
#63
○副大臣(牧義夫君) 運用の改善等は、まだこれ制度が始まって日も浅いわけでございますし、いろいろ試行錯誤を繰り返しながらしっかりやっていかなければいけないことだと思います。
 この制度そのものの趣旨をまず御理解をいただきたいのは、これは最後のセーフティーネットということではなくて、職業能力開発を通じて就労にいかにつなげていくか、これが制度の趣旨でありますので、やっぱりしっかり受講していただくということがまず大前提になると思います。
 そういう中で、インフルエンザ等における特例というものも認めてきたわけです。これはあくまでも他に感染が広がらないための公衆衛生上の観点からこういう措置をとったということでありまして、その他のことについては、やはり先ほど申し上げた制度の趣旨というものを十分御理解をいただいて、しっかり受講していただく、これがまずは原則だと思っております。
 ただ、いずれにしても、これは制度としてまだ日が浅いわけですから、これからしっかり中身を精査していく必要も一方ではあろうかと思っております。
#64
○川田龍平君 この給付金の月十万円を糧にして生活をぎりぎりで送っている意欲的な方たちが、交通機関の乱れによる遅刻や風邪、また、ハローワークのみならず、独自に就職活動をしたことによって給付金が受け取れずに、家賃も払えない、食費も出ないということにでもなれば、本末転倒も甚だしいです。訓練給付を受けている当事者の立場に立って、牧副大臣、再度お答えください。
#65
○副大臣(牧義夫君) おっしゃるとおりだと思いますし、あくまでも当事者の立場に立って考える必要があると思います。
 ただ、本末転倒というお言葉もありましたけれども、これは給付を受けるためだけの制度じゃないということも十分御認識をいただかなければそれこそ本末転倒になってしまいますので、そこはしっかり議論しながら、あるべき姿というものを模索してまいりたいと思っております。
#66
○川田龍平君 時間もありますが、終わります。ありがとうございました。
#67
○田村智子君 日本共産党の田村智子です。
 初めに、被災地の失業給付について、これまでも取り上げてきましたけれども、もう一度取り上げたいと思います。
 この三月から四月にかけて広域延長給付が切れる方が大変多くなる、とても心配な事態です。これまでに仕事に就けないままに失業給付が切れたという方は、二月十七日現在で三千五百十人、そのうち内定を含めて就職が決まったのは僅か九百二十一人だと衆議院の審議の中で報告をされています。
 四月末までにこの広域延長給付が終了する方はどれぐらいになる見込みでしょうか。
#68
○政府参考人(森山寛君) お答え申し上げます。
 平成二十四年四月末までにこの岩手県、宮城県、福島県のいわゆる被災三県におきまして広域延長給付が支給終了となる人数でございますけれども、最大で九千六百三十名と見込まれているところでございます。
#69
○田村智子君 今の就職状態が一か月間ほどで劇的に変わるということはちょっと考えにくくて、そうなりますと、恐らく八千人から一万人近い方が仕事が見付からないままに失業給付が切れると、こういうことが考えられるんですね。緊急雇用創出事業も、来年度に向けた具体化はまさに今やっているところで、仕事の創出が失業給付の切れるのに追い付いていないというのが実態だと思います。これは、衆議院の議論の中でも大臣が、新しく仕事をつくろうということはやっていますけれども、全体の復興計画がまだしっかりできていない段階で、スタートしていないと、こういう現状認識も示しておられます。
 タイムラグは仕方ないというのでは、これは被災地には酷な政策判断だったのではないかと。今後、被災地の支援の在り方にもかかわることですので、大臣の見解をお伺いします。
#70
○国務大臣(小宮山洋子君) これまで審議の中でいろいろお話をさせていただいてきていますけれども、やはりずっと特例もつくりながら失業給付を支給をしてきましたけれども、多くの方が、やっぱりこれから生活の再建の柱となるような仕事をしたいという意欲があられるということ、それから、やはり現地で伺っても、失業給付がある間は求人をしても人が集まらないんだとおっしゃる企業の方も一方でいらっしゃる中で、ただ、御指摘のように、本当に切れた方が仕事に結び付かなくて困られる状況がないように、一生懸命計画を作り、予算を付けて努めてはきているんですけれども、これも先ほどからお話ししているように、地域の復興計画が決まらないと工場ができないとかそういうこともございますので、私も、ハローワークで実際に仕事を探していらっしゃる、特に女性の方や高齢の方がなかなか仕事に結び付いていないと、お子さんを抱えながら困っていらっしゃる方とかいろいろお話伺っていますので、当面はとにかくつなぎの雇用でもつないで、将来は、なかなかロードマップを作るというところまでは行かないにしても、こういう形で町の復興が進んでいくので、その先はちゃんと働き続けられる仕事に就けるというような見通しも持っていただけるようなプランもお示しをしながら、当面、とにかくお一人お一人をきめ細かに担当者制でもって仕事に結び付けていくということに最大限努力をしているということです。
#71
○田村智子君 努力されているということは本当に認めるんですけれども、被災地の方が支援が途切れたと、こう感じるようなことがあってはならないと思うんです。そういう政策判断は、やっぱり本当に慎重にしなければならないというふうに思うんですね。
 被災地の中でも、復興がスタートする時間って本当に大きな違いがあるでしょうし、被災された方も、立ち上がるのに掛かる時間、これいろいろ差があると思います。立ち上がろうという事業者や求職者についてはもう現行の枠も乗り越えるぐらいの一生懸命の支援していく、だけど、まだ時間が必要だという方の、そういう方の支援というのも是非大切に検討していただきたいというふうに思っています。
 東北以外の被災地についても一点お聞きをいたします。
 二月に厚生労働委員会で視察に伺ったことは三月十五日の本委員会でも報告をされて、茨城県からの要望書を議事録の末尾に掲載するということが了承されています。政府としてこの要望に積極的にこたえてほしいというのがこの委員会の総意だと思っています。
 北茨城の地域、私も伺いまして、大きな津波被害を受けているなと、これは私も想像していた以上の被害だということを改めて感じました。県や北茨城市からは、国は被害の大きさを本当に理解しているのか、こういうふうに疑問視する意見も率直に私たちに寄せられました。
 その立場での要望の一つは、雇用創出の基金を積み増してほしい、そして期間の延長を行ってほしいということです。茨城県の雇用復興推進事業については、三つの事業の合計で九十九億二千万円の基金が積まれて、今その具体化が進められています。私も先日、茨城県に直接話を聞いてみましたけれども、例えば、事業復興型雇用創出事業だけでもう予算は既に不足ぎみだと、それから生涯現役・全員参加・世代継承雇用創出事業、これも事業対象を現場に即してもう少し柔軟にしてもらえないか、あるいは若者や一般対象向けのもっと使い勝手のいい新たな事業を創出してもらえないかと、こういう要望なんですね。
 これ是非検討していただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。
#72
○大臣政務官(津田弥太郎君) 私も田村委員と一緒に茨城に委員会の視察に行かせていただきました。現地からの様々な叫びを聞かせていただきました。そのことも踏まえましてお答えを申し上げたいというふうに思っております。
 まず、平成二十三年度の第三次補正予算、御指摘の被災者の当面の雇用の場を確保するための震災等緊急雇用対応事業の実施に二千億円を盛り込む、実施期間を延長するという拡充を行っているわけでございます。今御指摘がありました茨城県におきましては七十・二億がこの震災等緊急雇用対応事業で支給するということになっておりますし、この実施期間を延長するというのは、平成二十四年度末までというものを平成二十五年度まで延長するというふうにさせていただいているわけでございます。
 さらに、平成二十三年度第三次補正予算では、被災地で安定的な雇用創出をするために、将来的な被災地の雇用創出の中核となることが期待される事業で産業政策と一体となって雇用面での支援を行う事業、あるいは若者、女性、障害者の活用、高齢者から若者への技能伝承などといった雇用モデル創造のための事業といった雇用復興推進事業、御指摘があった二番目の点でございます、これに茨城県では二十九億の創設をするということでございます。
 茨城県には、この二つの事業を合計して被災三県に次ぐ四番目の規模となる、合計で百億円ということで配慮をいたしておるわけでございまして、足りないという御指摘も私も直接聞いておるわけですが、厚生労働省としては精いっぱいの対応をさせていただいていることも事実でございます。
 それから、生涯現役・全員参加・世代継承型雇用創出事業の件でございますけれども、これは、特に世代継承型の雇用創出事業というメニューもあることは事実ですが、若者、女性、障害者などの積極的な活用ということもこの中に含まれておりますので、是非そういう観点で、それぞれの県において、どういう内容で事業を行うかというのはそれぞれの県の判断になっておりますことから、是非その点での様々な活用ができるということについても御承知おきをいただければと思います。
#73
○田村智子君 手いっぱいということだったんですけれども、是非これ、積極的に要望にこたえる方向で引き続き検討していただきたいと思います。
 それでは、雇用保険についてお聞きをいたします。
 雇用状態の厳しさは、被災地だけでなく日本全国の問題です。
 資料で一枚お配りをいたしました。総務省の労働力調査、これ経年で資料にしたんですけれども、これ、直近の二〇一〇年度の資料で見ますと、完全失業者数は三百二十九万人、一方、失業給付を実際に受けたという方の人数は六十五万人余り、どちらの数字も毎月の統計から年度平均を出したものです。これで見ると、失業者の二割しか失業給付を受け取っていないということになります。一九七五年度以降の推移、これを同じようにずっと計算してみましたが、この十年で見ても、一割も失業給付の受給者の割合が下がっているんですね。
 大臣、これは雇用保険の存在意義が問われるという現状だと思うんですけれども、短く認識をお伺いいたします。
#74
○国務大臣(小宮山洋子君) 御指摘のとおり、完全失業者数に占めます雇用保険受給者の実人員の割合は低下をして二割台となっています。しかし一方で、総務省の労働力調査での完全失業者三百三十四万人の中には、雇用されていた労働者が失業した場合、これが二百四十三万人なんですけど、これだけではなくて、働いていなかった人が新たに仕事を探し始めた場合の四十三万人とか、学卒未就職の場合の十四万人、さらに自営業者が廃業した場合などその他の場合として二十六万人の、合わせて八十三万人も含まれています。
 一方で、雇用保険受給者の実人数は、雇用されて被保険者であった労働者が失業して失業給付を受給している人の人数で、この両者が必ずしも比較し得る数字ではないということがあると思います。
 なお、雇用保険制度は、雇用者数に占める被保険者数の割合、七〇%台で推移をしています。それに加えて、平成二十二年度から、三十一日以上雇用見込みのある全ての労働者に適用することにしたために、雇用保険が労働者が失業した場合の一定期間の生活を保障して求職活動を支援するためのセーフティーネットとして機能していると考えていますし、また、昨年十月スタートした求職者支援制度も併せて使えるようにというふうに考えています。
#75
○田村智子君 今、失業者の五人に一人ぐらいしか失業給付を受けられていないんじゃないかというのは、これはもう社会的に言われていることなんですよね。だけど、これでセーフティーネット十分だというふうに言われちゃうと、それでいいのかなと、労働行政としてのやっぱり立場が問われるんじゃないかというふうに思うんです。いずれにしても、セーフティーネットとしての機能はもっと強めることが必要だというのは恐らく認識は同じだと思うんですね。
 そこで、私、この場では一つ提案をしたいんですけれども、全国延長給付の発動要件、これはやっぱり是非検討をしていただきたいんです。やっぱり失業給付を受ける日数が非常に短い、特に若い方なんというのは、雇用期間が短いと受けてすぐに終わっちゃうという方はいっぱいいらっしゃるわけですね。これは、個別で、リストラされた方は延長しましょう、被災地のようにこの地域は延長しましょう、それはそうなんですけど、やっぱり、そこから漏れる人は、じゃ、それでいいのかという問題があると思うんです。
 じゃ、全国延長給付、これ制度はあります。でも、いまだかつて、リーマン・ショックが起きたときにも発動されませんでした、一度も発動されていないです。それは、失業保険受給者数が相当数に達しないとこれは活用できないという制度になっているんですね。これ、分子を受給資格者、そして分母を雇用保険加入者プラス受給資格者、これで計算して四%を超えないと発動できない、これは非常に非現実的な数字なんですよ。厚生労働省にお聞きしても、まずあり得ないですねという、そういう説明をされるような数字なんですね。
 この要件を緩和を検討していただきたい。あるいは、やはり本則で失業給付の日数や給付額、これ引き上げるということも今後検討が必要じゃないかと思うんですけれども、いかがでしょうか。
#76
○国務大臣(小宮山洋子君) 全国延長給付は、全国的に失業情勢が著しく悪化をして、受給者の再就職が極めて困難な事態に至った場合に、年齢や地域、離職理由を問わず全ての受給資格者の給付日数を一律に九十日延長するものです。このように、全国延長給付というのは雇用保険制度の本当に最終的なセーフティーネットなんですね。その役割を果たすという性質を持つものなので、発動要件の緩和についてはやはり十分に慎重に取り扱う必要があって、現時点で発動要件を緩和するということは考えていません。
 なお、依然として雇用失業情勢が厳しい状況にある中で、受給者個々人の再就職の困難性を踏まえながら、きめ細かな支援を行う個別延長給付制度の活用などによって雇用のセーフティーネットの確保には万全を期していきたいというふうに考えています。
#77
○田村智子君 個別延長給付という制度、とても大切だと思うんですけれども、例えば、今延長するものもリストラされたという方が対象なんですよね。
 私、先日若者たちがハローワークの前で行った調査という、その報告も見せてもらったんですけれども、自分から辞めますと言って辞めたという人も、なぜ辞めることになったのかという経緯を聞いていけば、パワハラがひどかったとか、余りに長時間で過密の労働でもう体が付いていかなかったと、事実上退職に追い込まれていくような、これが自発的な辞職って言えるんだろうかと言えるような事例というのは数多くあるわけです。これは個別延長給付からは漏れてしまう。
 そして、リーマン・ショックで、やっぱり就職難で苦しんだ方はリストラされた方だけではないんです。全体的に苦しんだ。そういうときにやっぱり全国的な延長がこれ不可能だと言えるような制度でいいのか。ここは、今発動しろということを求めているわけではないので、是非検討をお願いしたいと思います。
 質問を終わります。
#78
○国務大臣(小宮山洋子君) やはり本当に一人一人の方がお困りにならないように、そういう意味で、失業給付が受けられなかった方に求職者支援制度などもありますので、窓口でしっかりと対応をしてやっていきたいというふうに思います。
#79
○福島みずほ君 社民党の福島みずほです。
 雇用保険については、その財政の健全化、借入金の返済が必要だと考えますが、どのような方策を取られるのでしょうか。
#80
○政府参考人(森山寛君) 健全化につきましては、これは先ほど来御質問等でございますけれども、例えば、雇用保険二事業等も含めまして、これはPDCAサイクルによりましてしっかりと目標を管理し、そしてその評価結果なども的確に反映しましてしっかりと運営していくように、安定的な運営の確保というのを努めているところでございます。
#81
○福島みずほ君 単年度黒字にしていただきたい。いかがでしょうか。
#82
○政府参考人(森山寛君) それにつきましては、これも、今までの雇用保険二事業につきまして、これは収支が出ていますけれども、大変に厳しい状況で、雇調金等につきまして大変出ているという状況でございます。
 そういう中で、私ども、必要なものについては必要な額を予算要求し執行をしていく、そしてまた、その内容につきましては、効率化、重点化を図っていくということで適切に対応していきたいと考えているところでございます。
#83
○福島みずほ君 若者の就職、求職についてお聞きをいたします。
 警察庁の統計によると、高校生から大学生の若者で就職の失敗を苦に自殺をした数は二〇〇七年で合計十六名だったのが、二〇一〇年には五十三名、二〇一一年には五十二人まで、本当に多くなっております。これは遺書で就職の問題で自殺したということが明らかなケースであり、遺書がなかったり、あるいは遺書があったとしてもそのことが書かれていないということであれば、これは就職の失敗が理由で自殺したというようにカウントされないわけです。
 私は、この数字を見て本当にびっくりしました。二〇〇七年は十六名だったのが、二〇一〇年には五十三名、二〇一一年には五十二名、若者が就職ができなくて自殺をしている、この数が非常に増えているということについて、この状況を厚労省としてどうお考えでしょうか。
#84
○国務大臣(小宮山洋子君) やはり希望する職に就けないということで自らの命を絶ってしまわれるということは、大変本当に心が痛む、痛ましいことだと思いますし、それだけ学生の皆さんにとって就職ということが重大なことだというふうに思いますので、今も努めていますけれども、更に卒業生の方が希望する職に就けるように、いろいろな取組、全力でやっていきたいというふうに思います。
#85
○福島みずほ君 これは二〇〇七年十六名、二〇〇八年二十七名、二〇〇九年三十三名、二〇一〇年五十三名、二〇一一年五十二名です。
 これは警察庁の統計なので、はっきりしている場合だけなんですが、さっきも言いましたようにこの数が増えている。就職を理由に自殺をする人が五十二名、三名というこの数はやっぱり本当に心が痛みますので、しっかり、若者が就職ができなくて自殺をするということがないよう、よろしくお願いします。
 三月十九日に開催された内閣府雇用戦略対話の第七回において、内閣府の推計で、中途退学者、就職できない早期離職者を合わせると、中卒で八九%、高卒で六八%、大卒・専門学校卒で五二%が学校から雇用へと円滑に接続できなかった若者として推計されています。この数も本当に多いんですが、この事態をどう考え、対策に何が必要か、どうお考えでしょうか。
#86
○国務大臣(小宮山洋子君) 御指摘の数字、先ほどもお答えをいたしましたけれども、平成二十二年三月に卒業した人について、中央教育審議会答申を基に内閣府で一定の仮定を置いて推計したものだと承知をしています。
 厚生労働省としましても、本当に希望する職に就けていない若者が多いということは本当に深刻な事態だと思っていまして、新卒者等に対しましては、平成二十二年九月から全国の新卒応援ハローワークでジョブサポーターによるきめ細かな就職相談ですとか職業紹介、これを実施をしています。
 また、平成二十二年十一月に雇用対策法に基づく青少年雇用機会確保指針、これを改正して、少なくとも卒業後三年以内の既卒者が新卒枠に応募できるよう、事業主団体と、また個別の事業主への働きかけを行っています。
 また、今年一月からは、文科省、経産省とも連携をして、未内定の学生生徒のための卒業前最後の集中支援、これに取り組みまして、これまでにおよそ二万三千人の就職が決定をしています。
 さらに、平成二十四年度からは、大学生現役就職促進プロジェクトとしまして、現役大学生に対してジョブサポーターが支援をする、またフリーター等への個別支援の強化ですとか、対象年齢を四十四歳まで拡充したトライアル雇用の積極的な活用による就職氷河期世代も含めた若者に対する支援などに取り組みます。
 また、日本再生の基本戦略に盛り込まれました若者の雇用に関する戦略を今年半ばまでに取りまとめる予定で、若者の就職支援は一層強化をしていきたいというふうに考えています。
#87
○福島みずほ君 就活をしている若者たちと、要請を受けたり、よく話しています。学生の負担も相当で、かつ、例えば地方から東京に出てくるのにも交通費だけでも本当に掛かってしまうと。負担も精神的な負担も大変大きくなっています。
 採用活動の指針、倫理憲章は法的拘束力がなく、期間は長期化し、様々な能力が求められるために負担も肥大化しています。このような状況を生んでいる企業側の責任についてどのように考え、また企業に是正を求めているんでしょうか。
#88
○国務大臣(小宮山洋子君) やはり、新卒者の方の採用活動を長期化する、そして早期化をするということは、もちろん学業への影響もありますし、また就職活動を行う新卒者の負担が大きくなるということで、大変重要な課題だと考えています。こうした課題は、経済界、大学等一体となって取り組むことが重要なので、文科省、経産省とともに、主要経済団体に対しまして採用活動が学業に影響を及ぼさないよう要請をするということ、また、就職・採用活動に関する懇談の場で、経済界、大学などの関係者が議論を行うといった取組をしてきました。
 日本経団連は、現在の大学三年生の就職活動から倫理憲章を改定をして、採用活動の開始を従来から二か月遅らせて十二月一日からにしています。厚生労働省としましても、ハローワークを通じて倫理憲章について周知をし、引き続き関係者の議論を踏まえて対応を取っていきたいというふうに考えています。
#89
○福島みずほ君 大学で授業をしたことがあるんですが、学生たちの就活で、物すごく、大学が勉強するところというよりも、何か半分以上何か就活をしている場所になっていて、それは本当に本末転倒だし、気の毒だと思います。
 今おっしゃっていただいた経団連の十月以降ということなんですが、つまり大学三年の十月から始まっていると。この度、経団連が会社説明会を大学三年の十二月以降、選考活動については大学四年生の四月からとのスケジュールを表明しております。しかし、一方で大学側からは、会社説明会を大学三年生の三月一日以降、選考活動については大学四年生の八月一日以降を求めております。学業、学ぶ権利も保障すべきですし、例えば経済同友会は大学側の考えに沿う形での提言を出しております。
 これをまとめるのに、まさに厚生労働省の出番ではないか。経団連、経済団体に対する働きかけを強め、会社説明会を大学三年の三月一日以降、選考活動については大学四年生の八月一日以降を実現できるよう取り組むべきだと考えますが、いかがでしょうか。
#90
○国務大臣(小宮山洋子君) 先ほど申し上げたように、日本経団連が倫理憲章を改定をして二か月遅らせているので、その状況も見る必要があるとは思いますけれども、委員御指摘のとおりだと思いますので、しっかりとそこは関係者と議論をしていきたいというふうに思います。
#91
○福島みずほ君 大学生の就活に注ぐ時間とエネルギーと経済的負担あるいは精神的な負担、どうしても就職できなくて、多く断られ、うつ病になったり、あるいは自殺に追い込まれる若者がいるのは、本当に個人の人生としても極めて残念であり、また親御さんや、また社会にとっても打撃であり、損失だと思います。損失という言い方はちょっと変ですかね。でも、非常に残念なことであると思いますので、この点は、今日シンボルカラーの黄色で登場した小宮山さんは、今後、厚生労働省の出番で、若者のために是非よろしくお願いします。
 それで、就職サイトの登録には、これ今までも指摘をしてきましたが、企業の登録料が高額のため、大企業に偏重をしています。学生が集中していると、シートに書いていくと。だから、中小企業を含めた様々な情報を全国の学生たちが共有できるようにならないかという点についてはいかがでしょうか。
#92
○政府参考人(森山寛君) 委員御指摘のように、中小企業とのミスマッチ、この問題が今指摘されているところでございます。
 このため、平成二十二年九月から新卒応援ハローワークを設置いたしまして、ジョブサポーターが学生に対する就職支援を行うことで、学生と中小企業、このマッチングを進めているところでございます。
 さらに、この担い手の学生生徒のための卒業前の最後の集中支援といたしまして、就職支援サイトの協力も得て、新卒者を新卒応援ハローワークへ誘導するとともに、ジョブサポーターによるきめ細かなマッチングを行う。あるいはまた、この中堅・中小企業中心の就職面接会を開催する。これも、今後の面接会でも、大学の卒業生向け七十八回等々の取組を行っているところでございます。
 今後とも、このハローワークにおいて中小企業などの求人を確保し、学生と中小企業とのマッチングを一層進めてまいりたいと考えているところでございます。
#93
○福島みずほ君 就職サイトの登録には莫大なお金が掛かるので、大企業やお金があるところしか集中しないと。これはやっぱりおかしくて、今ハローワークで頑張っていただいていることは理解できますが、もっと、ビジネスでやる就職サイトに集中するというのを変えて、もっと公的な機関が知恵を絞って、登録料は安くというかリーズナブルな金額にして、いろんな企業に若者がアクセスできるようにすべきではないでしょうか。今、一部のサイトにだけ学生が集中するので、どうしても就職ができないんですよね。
 是非、今大学生は、高校生もですが、パソコンで就職の情報を得ますので、この点についての改善、厚労省としてはいかがでしょうか。
#94
○国務大臣(小宮山洋子君) 大切な御指摘だと思いますので、検討をさせていただきたいと思います。
#95
○福島みずほ君 ありがとうございます。
 悪質な就活ビジネスも横行をしております。このような悪質業者の現状をどう把握し、どう指導していくのでしょうか。
#96
○政府参考人(森山寛君) もちろん悪質な中でも、職業安定法とかそれから派遣法等の違反があった場合には厳正に対応していくということはこれ当然でございます。ただ、一方で、なかなか就職が決まらないということで、今委員御指摘のように、必要に迫られてこの就職支援のサービスを利用する学生がいることも承知をしているところでございます。
 そもそもやはり、先ほど来お話ございますように学生の就職がうまくいかないというところに原因があると思っておりますので、いろんな新卒応援ハローワーク等を通じまして、またいろんなジョブサポーター等を通じまして、就職に結び付けていくように引き続き努力をしてまいりたいと考えているところでございます。
#97
○福島みずほ君 是非よろしくお願いします。
 それと、社民党としても、地元のいろんな大学や高校、就職課に行って、どんな問題があるかなどを調べたりしてきました。今、大学、専門学校側の就職支援活動、学生の卒業後はどうなっているのか、高校生は高校を卒業した後にどのような就職活動が可能になるのか、ハローワークの存在の情報提供を含め、卒業した後のフォロー体制についてどう取り組んでいらっしゃるか、是非よろしくお願いします。
#98
○政府参考人(森山寛君) まず、この大学、専門学校でございますけれども、文科省の調査によりますと、未就職のまま卒業、修了した学生に対する支援を行っている大学等は八三・九%となってございます。その主な内容は、具体的には、採用情報の提供、あるいは面談による就職相談等々を行っている大学が多いというところでございます。これらにつきましても、私ども厚生労働省といたしましても、文科省あるいは経産省と連携いたしまして、卒業前最後の集中支援を行っているところでございまして、引き続きこの集中支援を行ってまいりたいと考えています。
 それから、高校生でございますけれども、この高校生の就職につきましては、高校在学中から高校とハローワークが連携して支援を行っているところでございます。未就職のまま卒業を迎えた場合におきましても、高校からハローワークへ誘導するなど、継続的に支援をしているところでございます。
 一人でも多く就職に結び付けるように、引き続き努力をしてまいりたいと考えているところでございます。
#99
○福島みずほ君 サイトに例えば二万社の大企業が登録されていると、就職サイトに、若者たちが三十万人ぐらいそこにしょっちゅうシートを何十回、何百回と出して応募していくと。これはどう考えてもミスマッチで、就職できないわけで、若者が、まずハローワークに行くより、やはりパソコンでやっている、当たり前ですが。さっき大臣の方からこれについての検討も言っていただきました。
 今、厚労省が中小企業とのマッチングなど何回も会議を持っていらっしゃることは存じ上げておりますが、今インターネット上で若者が就職を探す時代ですので、そこの工夫を、是非公的機関として、厚労省の出番でやっていただくよう申し上げ、私の質問を終わります。
#100
○委員長(小林正夫君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
 現下の厳しい雇用情勢に対応して労働者の生活及び雇用の安定を図るための雇用保険法及び特別会計に関する法律の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#101
○委員長(小林正夫君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 この際、石井準一君から発言を求められておりますので、これを許します。石井準一君。
#102
○石井準一君 私は、ただいま可決されました現下の厳しい雇用情勢に対応して労働者の生活及び雇用の安定を図るための雇用保険法及び特別会計に関する法律の一部を改正する法律案に対し、民主党・新緑風会、自由民主党・たちあがれ日本・無所属の会、公明党、みんなの党及び社会民主党・護憲連合の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    現下の厳しい雇用情勢に対応して労働者の生活及び雇用の安定を図るための雇用保険法及び特別会計に関する法律の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、本法の施行に当たり、次の事項について適切な措置を講ずるべきである。
 一、非常に厳しい雇用情勢が改善されるまでの間の措置として、平成二十一年の法改正において、個別延長給付等について、三年間の給付日数に係る暫定措置が講じられたが、本措置の期限の到来を目前にしても未だ厳しい雇用情勢が続いている。様々な世界経済の要因があるとはいえ、この間の政府の対応が必ずしも十分なものであったとは言い難いことから、現下の状況を真摯に受け止め、円高・デフレからの脱却、さらには、景気回復や経済成長に資する施策の推進により日本経済の持続的な成長を図り、安定的な雇用を確保すること。
 二、給付日数を拡充する暫定措置は、あくまでも緊急避難的措置であり、再就職の促進をより一層図るために、運用面において必要な見直しを図るとともに、関係機関との連携強化などその促進に資する必要な対策を実施すること。
 三、雇用保険二事業については、更なる効率化・重点化により不要不急な事業の廃止を行う等の見直しにより、その安定的な運営の確保に向けて財政の改善を図ること。また、雇用調整助成金の支出のための失業等給付の積立金からの借入れについては、あくまでも緊急的かつ例外的な暫定措置として平成二十二年の法改正時に講じられたものであるとの趣旨を踏まえて運用を行うこと。
 四、東日本大震災により休業又は離職を余儀なくされた被災者に対しては、個別延長給付の特例措置や広域延長給付による給付期間の延長が実施されている。しかし、現在順次その支給が終了していることから、被災地の復興促進による雇用の創出・確保に万全を期すとともに、ハローワーク等による求職者の支援について一層の充実を図ること。
  右決議する。
 以上でございます。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願いを申し上げます。
#103
○委員長(小林正夫君) ただいま石井準一君から提出されました附帯決議案を議題として、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#104
○委員長(小林正夫君) 全会一致と認めます。よって、石井準一君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、小宮山厚生労働大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。小宮山厚生労働大臣。
#105
○国務大臣(小宮山洋子君) ただいま御決議いただいた附帯決議につきましては、その趣旨を十分尊重して努力いたします。
#106
○委員長(小林正夫君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#107
○委員長(小林正夫君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 午後一時二十分に再開することとして、休憩いたします。
   午後零時一分休憩
     ─────・─────
   午後一時二十分開会
#108
○委員長(小林正夫君) ただいまから厚生労働委員会を再開いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 本日、藤本祐司君及び青木一彦君が委員を辞任され、その補欠として石橋通宏君及び丸川珠代君が選任されました。
    ─────────────
#109
○委員長(小林正夫君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の就業条件の整備等に関する法律等の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、厚生労働省職業安定局派遣・有期労働対策部長生田正之君外二名の政府参考人の出席を求め、その説明を聴取したいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#110
○委員長(小林正夫君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#111
○委員長(小林正夫君) 労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の就業条件の整備等に関する法律等の一部を改正する法律案を議題といたします。
 まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。小宮山厚生労働大臣。
#112
○国務大臣(小宮山洋子君) 労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の就業条件の整備等に関する法律等の一部を改正する法律案について、その趣旨を説明いたします。
 労働者派遣制度については、労働力の需給調整を図るための制度として創設されましたが、雇用の規制緩和という大義名分の下に行き過ぎた規制緩和が行われた結果、日雇派遣など社会的に問題のある形態が生じてしまいました。
 また、平成二十年以降の日本の雇用情勢の急激な悪化に伴って社会問題化したいわゆる派遣切りで、常時雇用する労働者でない人の労働者派遣についてはその雇用の不安定さが、また製造業務派遣については技能の承継の問題が指摘されました。こうした問題に的確に対応した措置を講ずる必要があるため、常時雇用する労働者でない人の労働者派遣と製造業務派遣を原則として禁止するなど労働者派遣事業に関する制度を整備する措置を講ずることにし、この法律案を提出しました。
 以下、この法律案の主な内容について説明いたします。
 第一に、派遣労働者の雇用の安定や保護を図るため、常時雇用する労働者でない人について、雇用の安定等の観点から問題が少ないいわゆる専門二十六業務への労働者派遣などの場合を除き、労働者派遣を行ってはならないことにしています。また、平成二十年以降のいわゆる派遣切りで、製造業務に従事する派遣労働者の雇用の不安定さが問題となったことから、製造業務については、雇用の安定性が比較的高い常時雇用する労働者を派遣する場合を除き、労働者派遣を行ってはならないことにしています。
 第二に、雇用管理上問題のある派遣形態を禁止し、派遣労働者の雇用の安定や保護を図るため、日々又は二か月以内の期間を定めて雇用する労働者について、その適正な雇用管理に支障を及ぼすおそれがないと認められる業務以外の業務については、労働者派遣を行ってはならないことにしています。
 第三に、派遣労働者の賃金等の待遇の確保を図るため、派遣元事業主は、派遣労働者の賃金等について、派遣労働者と同種の業務に従事する派遣先の労働者との均衡に配慮しなければならないことにするとともに、労働者派遣に関する料金の平均額と派遣労働者の賃金の平均額の差額が労働者派遣に関する料金の平均額に占める割合等の情報を提供することを義務化することにしています。
 第四に、違法派遣の是正に当たって、派遣労働者の希望を踏まえつつ雇用の安定が図られるようにするため、禁止業務に従事させた場合、無許可事業主等から派遣労働者を受け入れた場合、派遣可能期間の制限に違反した場合、常時雇用する労働者でない人を派遣労働者として受け入れた場合又はいわゆる偽装請負の場合については、その行為を行った時点で、派遣先が派遣労働者に対して、労働契約の申込みをしたものとみなすことにしています。
 このほか、法律の題名を「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律」に改めるとともに、所要の規定の整備を行うことにしています。
 最後に、この法律の施行期日は、公布の日から起算して六か月を超えない範囲内で政令で定める日としています。常時雇用する労働者でない人についての労働者派遣や製造業務への労働者派遣の禁止については、公布の日から起算して三年を超えない範囲内で政令で定める日から施行することにし、常時雇用する労働者でない人についての労働者派遣のうち、雇用の安定に大きな支障がない等の一部の業務については、その労働者派遣の禁止を、さらに二年を超えない範囲内で政令で定める日まで猶予することにしています。
 政府としては、以上を内容とする法律案を提出しましたが、衆議院で修正が行われています。
 以上がこの法律案の趣旨です。
 御審議の上、速やかに可決していただくことをお願いいたします。
#113
○委員長(小林正夫君) この際、本案の衆議院における修正部分について、衆議院厚生労働委員長池田元久君から説明を聴取いたします。池田元久君。
#114
○衆議院議員(池田元久君) ただいま議題となりました労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の就業条件の整備等に関する法律等の一部を改正する法律案の衆議院における修正部分につきまして御説明申し上げます。
 修正の要旨は、第一に、労働者派遣が禁止される日雇労働者とは、日々又は三十日以内の期間を定めて雇用される労働者をいうこととするとともに、日雇派遣労働の禁止の例外として雇用機会の確保が特に困難であると認められる労働者の雇用の継続等を図るために必要であると認められる場合等を追加すること。
 第二に、違法派遣の場合の派遣先の派遣労働者に対する労働契約申込みみなし規定の施行期日をこの法律の施行日から起算して三年を経過した日とすること。
 第三に、物の製造業務派遣の原則禁止規定を削除すること。
 第四に、いわゆる登録型派遣の原則禁止規定を削除すること。
 第五に、政府は、この法律の施行後、いわゆる登録型派遣、物の製造業務派遣等の在り方について、速やかに検討を行うものとすること。
 以上です。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
#115
○委員長(小林正夫君) 以上で趣旨説明及び衆議院における修正部分の説明の聴取は終わりました。
 これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#116
○川合孝典君 民主党・新緑風会の川合孝典でございます。
 労働者派遣法の審議、二年の時を経てようやくこの場にこぎ着けられたことを、野党関係各位の方の御尽力にまず心から御礼を申し上げまして、質疑を始めさせていただきたいと思います。
 私自身、今、多様な働き方というものがこの国の中で広がっている、そういう状況の中で大切なことは、いかなる働き方の方であっても、その方がきちんと権利が守られ保護されるという枠組みをどうつくっていくのかということが私は求められているというふうに思っております。したがいまして、今回の労働者派遣法につきましても、賛否様々な御意見があることは十分承知いたしておりますけれども、その中で私自身、半歩でも三分の一歩でもいいから、今その場で働いておられる方々の苦しみを少しでも軽減させるために何ができるのかという、そういう視点から質疑をさせていただきたいと思うんですが、そのためには、実際その法律を作りました、しかしながら、運用の部分できちんと運用がされているかどうかということが非常に重要でございまして、午前中の御質問にもございましたとおり、絵にかいたもちになっては何の意味もないということでございますので、その点につきまして、特に運用面について今日は幾つか質問をさせていただきたいと思います。
 まず一点目、特定労働者派遣事業それから一般労働者派遣事業、二つ枠組みがございますが、厚生労働省にまずお伺いしたいのは、特定労働者派遣事業者が派遣している労働者の方々のうち、有期雇用契約の雇用契約期間が一年超え、いわゆる常時雇用となっているかどうかということについて、どういう形で厚生労働省として把握しておられるのかということについて、まずお伺いをしたいと思います。
#117
○政府参考人(生田正之君) お答えいたします。
 特定労働者派遣事業を行う者につきましては、厚生労働大臣に届出書を提出しなければならないということとされております。この届出書の提出に際しまして、都道府県労働局で事業所の労働者の雇用に関する計画をチェックするということをいたしております。そこで派遣労働者が常時雇用される労働者のみであることを確認をいたしております。
 それ以降も都道府県労働局が定期指導を行いまして、その際に派遣労働者の労働契約書、就業条件明示書、賃金台帳、あるいは出勤簿、労働保険、社会保険の加入状況などを確認いたしまして、常時雇用される労働者のみで派遣事業を行っていることの確認を行っております。
#118
○川合孝典君 もう一件確認したいんですけれども、一般労働者派遣事業の事業所とそれから特定労働者派遣事業の事業所の数がここ数年間で非常に大きく変動しているということについては多分把握されていると思いますけれども、厚生労働省として、このいわゆる特定労働者派遣事業の事業所数がどんどん増えてきているというこの状況について、理由は何なのか、どういう形で把握されているのかについてお伺いしたいと思います。
#119
○政府参考人(生田正之君) 今委員御指摘のように、近年、許可制である一般労働者派遣事業の全体の事業所数は、平成二十年度以降減少いたしておりますけれども、届出制である特定労働者派遣事業の事業所数につきましては、伸び率は鈍化していますけれども、二十年以降も増加が続いております。二十二年度は若干減りましたけれども、増加は続いている状況でございます。
 この理由についてはなかなか難しいところでございますけれども、景気の穏やかな持ち直しを背景に特定労働者派遣事業の需要の増加があるんじゃないかという面と、それから、最近、審議会で許可の審査をいたします際に許可の有効期間の更新のチェックをするということがございますが、その際に特定労働者派遣事業に切り替えるという方もいらっしゃるということもございまして、そういったことも背景にあるのではないかというふうに考えてございます。
#120
○川合孝典君 ここで大臣に御見解をお伺いしたいと思うんですけれども、この特定労働者派遣事業所というものが増えている理由なんですけれども、これは資産要件が引き上げられた関係があって、一般的に一般労働者派遣事業と特定労働者派遣事業ではいわゆる届出制と許可制の違いがあるということで、特定労働者派遣事業は届出でいいという、こういう枠組みになっております。したがって、要は資格を得やすいということでございまして、そういうことがあってどうやら特定労働者派遣事業の方にどんどん事業者が移行しているという、こういう指摘が現場から実は上がってきております。
 問題なのは、基本一年以上の雇用が見込まれる常時雇用ということが前提としての特定労働者派遣事業であるにもかかわらず、実態としては短期雇用で派遣しているようなケースというものも散見されるということが報告として上がっておるんですけれども、これは非常に問題なのではないかというふうに私は思っておりまして、きちんとやはり把握するという意味、それから指導を行う、指示、監督を行うという意味でも、この特定労働者派遣事業に関してもきちんとした許可制という形を取る、こういう必要性が私は実はあるのではないかというふうに思っておりますが、この点、大臣の御認識をお伺いいたします。
#121
○国務大臣(小宮山洋子君) 委員がおっしゃったような問題点があることは私も認識をしております。
 ちょっとだけ整理をいたしますと、一般労働者派遣事業は、強制労働ですとか中間搾取など派遣労働者の保護が著しく侵害される事案を未然に防止するという趣旨から許可制にしています。
 一方、なりやすいと今御指摘のあった特定労働者派遣事業は、雇用する労働者が全て常時雇用される労働者であり、そのような弊害が少ないと考えられるために届出制としているのが元々の成り立ちなんですが、御指摘のように、常時雇用される労働者には、雇用期間が無期の労働者だけじゃなくて、一年越えですとか一年越え見込みの労働者も含まれまして、これは雇用の安定の面で問題だという御指摘もいただいています。
 この労働者派遣事業の許可、そして届出制の在り方につきましては、平成二十一年の労働政策審議会の答申で引き続き検討することが適当とされていますし、また、民主、自民、公明三党の提案に基づく衆議院での修正でも、特定労働者派遣事業の在り方について検討事項とする旨の内容が盛り込まれています。
 このため、この特定労働者派遣事業の在り方などにつきましては、改正法施行後一年経過した後をめどに労働政策審議会で議論を開始していただいて、その検討結果に基づいて必要な対応をしていきたいと考えています。
#122
○川合孝典君 ありがとうございます。
 常時雇用というと安定しているように聞こえますけれども、実際、景気が悪くなってリーマン・ショック後のいわゆる派遣切りと呼ばれる状況が起こったときには、数字で見てみますと、常時雇用と言われている方々もいわゆる登録型と言われている方々もほとんど同じような状況で派遣切りに遭ってしまっているという意味では、私自身、先ほどの大臣の御答弁にもありましたが、そもそも常時雇用というものの定義というものが何なのかということを、やはりきちんとこのことも見直す必要が私はあると思っておりますので、是非ともその点についても御議論を深めていただきたいというふうに思います。
 続きまして、能力開発に関してお伺いをしたいと思います。
 労働者派遣事業関係業務取扱要領、これによりますと、教育訓練の実績については、更新申請までの教育訓練の実績状況を確認し、実績がない場合には、指導を行うとともに、今後とも教育訓練を実施することが見込まれない場合は、更新を許可しないこともあり得るというふうになっておるわけでありますけれども、それではここで厚生労働省にお伺いしますが、この教育訓練の実施状況についてどういう形で実態を把握しておられるのかと。また、もう一点は、この教育訓練を実施していなかったということでこの許可を更新しなかったケースというのはあるのかどうか。この点についてお伺いしたいと思います。
#123
○政府参考人(生田正之君) お答えいたします。
 労働者派遣事業の業務取扱要領の中には許可の基準が書いてございまして、その中に、能力開発体制が整備されていることということが定められております。
 具体的には、適切な教育訓練計画を策定すること、教育訓練の施設、設備等を整備すること、それから教育訓練の責任者の配置等がなされていることなどが定められてございまして、新規の申請の際には、申請書類とそれから事業所調査をいたしますので、それによってチェックをいたします。それから、許可の更新時あるいはその特定労働者派遣事業についても、届出の際には、届出書類や事業所調査により確認は行っております。あと、毎年の事業報告の中で訓練の実施状況については報告していただいてございます。
 なお、教育訓練実施の状況を理由とした許可の更新をしなかったという事例はございません。
#124
○川合孝典君 ということであるんですけれども、派遣労働における問題点というのは一体何なのかということを派遣労働で働いておられる方々にお伺いしたところ、大きく三つ挙げられているんですね。
 まず、雇用が不安定であるということが一つ、それから処遇が低いということが二つ目、そして三つ目が能力開発訓練、いわゆる教育訓練がほとんどない、できていないということが三つの大きな課題として挙げられているわけであります。
 であるにもかかわらず、今の答弁を聞いておりますと、調べたら書類上は問題がないから更新しなかった事例はないという、ここに実は制度と運用との間の大きな乖離があるということでありまして、ここにきちんとメスを入れて、具体的に教育訓練をどういう形でやっていくのか、派遣労働で働いておられる方々のスキルをどうやって上げていくのかということを具体的に働きかけを行うことをしないとこの状況はずっと温存されるということを、是非、厚生労働省の方には御認識をいただいた上で対応をお願い申し上げたいと思っております。
 それでは、続きましてですけれども、今回の法案に関しての実効性の関係でちょっと確認させていただきたいと思うんですけれども、この教育訓練について、この法案の中身では、派遣元の事業主が雇用する派遣労働者等について、希望、能力及び経験に応じた就業及び教育訓練の機会の確保等、必要な措置を講じ、これらの者の福祉の増進を図るよう努めなければならないこととすると。三十条の三のところでありますけれども、これ、努力義務ということになっておるわけでございますが、これで実効性はきちんと担保されるとお考えでしょうか。この点についてお伺いをしたいと思います。
#125
○大臣政務官(津田弥太郎君) 川合議員におかれましては、労働者派遣法の取組に大変熱心に取り組んでいただいておりますことに心より感謝申し上げたいと思います。
 三十条の三についてでございます。
 御指摘のように、この三十条の三は、努力義務とはいいながら、派遣元事業主に対しまして、労働者の希望、能力、経験に応じた教育訓練の機会の確保の措置を行えというふうになっているわけでございます。この規定につきましては、都道府県労働局や厚生労働省が派遣元事業主に対する周知啓発や助言、指導を丁寧に行うことにより実効性を確保していきたいというふうに考えております。
 なお、教育訓練の実施、これにつきましては派遣元事業主ごとに異なる、これはどうしても事業内容によってやはりかなり教育訓練の中身が異なってくる、本当にどこまで教育訓練が必要かなと思えるものからしっかり必要なものまでいろいろあるのではないかということでありまして、派遣料金の一定割合を一律に教育訓練に充てることを義務付けるということはかなり現時点では困難ではないかというふうに考えておるんですが、派遣労働者に対する教育訓練の機会の確保が適切に行われるようにすること、これ川合議員が大変御指摘をいただいていることでございますが、これは大変重要なことでありますので、今後しっかり検討してまいりたいと考えております。
#126
○川合孝典君 ありがとうございます。
 先ほど来の話が繰り返しになってしまいますけれども、結局のところ、法でこうやってきちんと明記はされておるわけでありますけれども、それがきちんと運用されているかどうかというところにひとえに懸かっているわけでありまして、本省としても都道府県労働局を経由してということで、そういう形でこの問題について管理されているということはよく分かるんですけれども、その今の枠組み、やり方というのがきちんと必ずしも機能していない、現場の実態をきちんと反映していないということもこれ明らかでありますので、早急にこの点についてきちんと運用の見直し、実態把握に努めることについてはお取り組みをお願い申し上げたいというふうに思います。
 次の質問に移りたいと思います。情報提供、いわゆるマージン率の公表の件について、この問題について御質問をさせていただきたいと思います。
 大臣に御質問させていただきますが、マージン率を公表するという、この取組の背景にあるのは、いわゆるデータ装備費の問題で、派遣で働いておられる方々のお給料をピンはねしているのではないのかという、こうした問題が生じたことがそもそもの発端にあったというふうに思います。そういうことがあってはならないわけでありまして、それをいかに防止するのかという視点はもちろん必要なわけでありますけれども、他方で、きちんとそれぞれ真面目に、誠実に事業を行っていらっしゃる方々もおられるわけでございまして、そのこともきちんと考えた上で実態をいかに正確に把握するのかということが私は求められているというふうに思っております。
 今回、いわゆる契約の金額と実際派遣労働者の方が受け取っておられる手取りの部分というものとの差額というところでマージン率を把握しようということの取組だと私、理解しておるんですけれども、これでいきますと、中身が分からないわけでありますね。要は、本当に教育訓練なり年次休取得のための引当金なりという、そういう福利厚生に係る経費というものを計上して、その上でマージンの金額というものが計上されておるわけでございますので、その中身を全く精査しないままに数字だけで調査をしますと、場合によってはまともにきちんとした運用を行っておられるところの方がマージン率が高くなると。
 要は、年次休の引き当ての問題だとか様々な教育訓練に経費を使っていないところの方がマージン率が低くなるという、こういう実は矛盾点も生じてくるわけでありまして、この辺のところについて、この新たな法案では厚生省の定める額というところで表現されておりますけれども、この定める額の中に、いわゆる社会保険、それから労働保険の会社負担分ですとか有給休暇の引き当て、教育訓練費、こういうものもきちんと把握するようにきちんと明記された方が実効性が上がるのではないかと私思っておるんですけれども、大臣の御見解をお伺いしたいと思います。
#127
○国務大臣(小宮山洋子君) 今回の労働者派遣法改正案では、派遣労働者が自らのマージン率を把握をして適正な派遣元事業主を判断できるようにするため、派遣労働者に対しまして派遣料金の明示を義務付けることにいたしました。
 そのこと自体はよいけれども、その中身の問題という御指摘だと思うんですが、そのマージンの具体的な内容まで情報公開をさせるということになりますと、個別の派遣契約や労働契約ごとに内容が異なるために派遣元事業主の事務的な負担が著しく増加をするという点が一つ。また、派遣料金額の詳細を明示することによって派遣料収入が減少したり派遣労働者の賃金の減少につながるという指摘もまたあったりすることなどから、なかなか難しい問題かなと思っています。
 なお、今回の改正案では、派遣元事業主に対しまして、派遣労働者への派遣料金額の明示に加えて、マージン率や、また教育訓練に関する事項などの情報公開、これも義務付けています。こうした取組を総合的に実施することによりまして、派遣労働者が適正な派遣元事業主を選択できるようにしたいと、総合的にやっていきたいということは考えています。
#128
○川合孝典君 派遣労働で働かれる方がそのマージン率というものをきちんと把握できるという、要は透明性を高めるということについては趣旨はよく分かるんですけれども、私懸念しておりますのは、マージン率が低いところの方が要はきちんと手取りが多くなっているという理解で、その一面だけで派遣労働者の方が御判断された場合に、結局、福利厚生だとか大切な働く人の保護、権利にかかわる部分というものを無視してマージン率で物事を判断しやしないかということを非常に実は懸念しております。当然、派遣事業主の方々の御負担ということも考慮しなければいけないでしょうけれども、私聞いております限りは、きちんとそうした対応をやっておられる派遣事業主の方々に関しては、人材育成や福利厚生のためにどういうことをやっているのかということをきちんとむしろ出してもらった方が我々のやっていることを御理解いただきやすいということをおっしゃっている方もおられます。
 大切なことは、優良な事業主を併せてたたくことではなくて、本来守らなければいけないことを守らずにやっておられる方をどう排除するのかということでありますので、私は、是非とも、この福利厚生や労働者の保護にかかわる部分のことについては是非それも公表するという形で運用の方を進めていただきたいということを申し添えさせていただきたいと思います。
 続きまして、岡本議員に、済みません、今日はお忙しいところをお運びいただきましてありがとうございます。三十五条の三、いわゆる日雇派遣の関係についてお伺いを申し上げたいと思いますが、今回の修正案では、日雇派遣について、雇用の機会の確保が特に困難であると認められる場合、それから、その他の場合で政令に定める場合を除き、その雇用する日雇労働者について労働者派遣を行ってはならないと、こういう形の修正が掛けられておるわけでございますけれども、では、これそれぞれどのような労働者を具体的に想定してこのように修正を掛けられたのかということについて御説明を願いたいと思います。
#129
○衆議院議員(岡本充功君) 御質問いただきました衆議院での修正により追加されました雇用の機会の確保が特に困難であると認められる場合その他の場合とはどういうものを指すのかという御質問でありますが、派遣労働者が高齢者、昼間学生、副業として従事する者、主たる生計者でない者である場合を想定しております。
 具体的な内容につきましては、いずれにせよ政令で定められる、労政審を経て政令で定められるというふうに理解をしておりますが、政府におかれましても日雇派遣の実情を十分踏まえて対応していただきたいと、このように思っております。
#130
○川合孝典君 ありがとうございます。
 衆議院厚生労働委員会の方で今御答弁がありましたような答弁があったことを私も実は把握はしているんですが、併せてなんですけれども、厳しい雇用、いわゆる就職状況の中で就職先がどうしても見付からずに御苦労されている方もおられるわけでありますけれども、こういう方々は今の答弁ですとそこからは排除されることにも、そういう受け止め方もされかねないような気もちょっとしておりまして、就職活動中で就職先がなかなか見付からない、そういう方々を始めとする本当の意味での就職弱者の方々をどうキャッチアップできるのかという、そういう視点で具体的な制度設計というものを是非お願いを申し上げたい。これは厚生労働省の方に是非お願い申し上げたいと思います。
 岡本議員には、私の質問はこれで終わりですので、御退席いただくよう、委員長、お取り計らいをお願いします。
#131
○委員長(小林正夫君) じゃ、岡本議員、退席結構です。
#132
○川合孝典君 ありがとうございました。
 それでは、続きまして専門業務の見直しについて御質問をさせていただきたいと思います。
 小宮山大臣には、専門業務の見直しについて度々衆議院の厚生労働委員会でも答弁をしておられますけれども、具体的にその専門業務というものをどういう方向で見直そうとされているのかということについて、大臣の御認識をお伺いをしたいと思います。
#133
○国務大臣(小宮山洋子君) 労働者派遣法では、業務を迅速かつ的確に遂行するために専門的な知識、技術又は経験を必要とする業務などいわゆる専門二十六業務については、派遣受入れ期間の制限を設けていません。この専門二十六業務の在り方については様々な御意見がありまして、国会の審議でも御指摘がありましたので、こうした御意見や指摘も踏まえて必要な見直しの検討をしたいと考えています。
 この検討は、現行の労働者派遣法の考え方、また、これまでの労働政策審議会での議論、派遣労働者の保護の状況、そのときの雇用状況ですとか経済状況等を勘案しながら、一から議論をしていただきたいというふうに考えているところです。
#134
○川合孝典君 この専門業務の枠組みがポジティブリストからネガティブリストへ変わったところから、この制度、大分おかしくなってきたというふうに私は理解いたしております。
 個々人の働いておられる方々のいわゆる自身の雇用創出力というものが高いものであれば、いかなる働き方であっても雇用の先、就職先というのは見付かるわけでありますけれども、そうじゃない方々も何もかにもということで範囲を広げてしまったことによって、結果的に不安定な働き方にならざるを得ない方々を増やしてしまったという意味でいくと、ここの見直しをどうするかというのはこの法案の肝に当たるところだと思っておりますので、是非ともいわゆる労働者保護の観点からの見直しというものをお願い申し上げたいと思います。
 それとともに、この仕事の内容につきましても、やはり時代の移り変わりとともに、単純労働と極めて専門的な労働というものに二極化をしてきているというふうに思っておりますし、この傾向は今後も更に進んでいくだろうということを考えますと、適宜適切にと申しますか、必要に応じて迅速にこの業務の見直しも含めた対応というものを図れる体制を今後取っておく必要があるのではないかというふうに思っております。このことも含めて、是非とも大臣にはお取組をお願い申し上げたいと思います。
 次の質問に参ります。
 いわゆる派遣元の関係のことについてお伺いをしたいと思いますが、製造業務の請負については、実は厚生労働省の委託事業として製造請負優良適正事業者認定制度なるものが平成二十二年度から動き出しております。要は、優良な事業者の認定を受けるために、物づくり、人づくり、労働者保護などの審査基準をきちんとクリアしなければいけない、こういう制度をつくっていて、要は優良な事業者を育成するという観点での取組がなされておるわけでございますが、こういう仕組みというものをこの労働者派遣事業に関しても導入して、優良な派遣元の育成という観点から取組を進めるべきではないのかというふうに考えておりますが、この点についての御認識をお伺いいたします。
#135
○大臣政務官(津田弥太郎君) 川合議員御指摘の製造請負優良適正事業者認定制度、平成二十二年度から開始をいたしました。約五百項目のチェック項目があって、ほぼその五百項目全てに丸が付かないと優良事業者に認定されないという、大変きめ細かいチェックをして優良表彰をさせていただいているわけでございます。ですから、この制度を是非この派遣の方にも適用したらどうかという御指摘は非常によく理解ができることでございます。
 優良な派遣事業者を広く一般に周知をしていくという上で、派遣業界の健全な発展のみならず、派遣労働者の保護と雇用の安定にとっても望ましいわけでありまして、政府としても、この優良な派遣元事業主が育成するための取組として、今は大変厳しい財政運営で、いろいろ行政刷新会議等々からいろいろ言われておるわけですけれども、負けずに頑張って、制度をつくるように努力してまいりたいと思っております。
#136
○川合孝典君 ありがとうございます。是非よろしくお願いします。
 時間なくなってきましたので、飛ばしまして、最後に大臣に御質問をさせていただきたいと思います。
 労政審にいわゆる関係者の方々がどう参画するのかということについての御提案というか質問なんですけれども、現在、労働政策審議会の需給調整部会、この委員には、派遣元の企業、それから派遣労働者の代表の方々は含まれておりません。有識者の方々で構成されているわけですが、今回初めて派遣労働者の保護ということが明記される、このことを非常に私は評価しておるんですけれども、今回こういう形で法律名も改正される、このことを機に、より派遣労働者の方の保護を充実させる、派遣事業というもの自体の正しい運営を図るという意味からも、さらにはILOのいわゆる三者構成の原則ですね、ここから考えましても、実態をよく御存じの派遣労働者の代表や派遣元企業の使用者代表が審議会の委員として入るべきなのではないのか、その方が中身がより良くなるのではないのかというふうに私は思っておるんですが、この点についての大臣の御認識をお伺いしたいと思います。
#137
○国務大臣(小宮山洋子君) 労働者派遣制度の見直しに当たっては、おっしゃるように、現状をよく知っている派遣労働者ですとか派遣元事業主等の意見を聞くということ、これは大変重要なことだという認識を持っています。
 このため、今後実施することになる登録型派遣、製造業務派遣、特定労働者派遣事業の在り方の検討等に当たりましては、派遣労働者や派遣元事業主からのヒアリングを実施するなどによりまして実態を踏まえた検討が行えるように考えていきたいというふうに思います。
#138
○川合孝典君 ヒアリングというのも非常に大事なことでありますけれども、やはりきちんと責任ある立場、場所できちんと議論に参画できる枠組みというものは、これはILOも三者構成の原則はきちんと言っていることでございますので、現状の状況はそういうことだという受け止めはさせていただきたいと思いますが、今後の話として、この点については是非とも御検討をいただきたいと思います。
 これで質問を終わらせていただきたいと思いますけれども、最後に申し上げたいのは、冒頭申し上げましたとおり、どんないい法律を作っても運用がきちんとなされていなかったら何の意味もないということでございます。同時に、厚生労働省の方からヒアリング、先ほどいろいろといただいた情報を聞いておりましても、現場の実態とはかなり懸け離れている。きちんとやっておられる方々がそのことによって逆にあおりを食ってしまうというような状況もあるわけでございます。正しい情報に基づいて正しい判断を行うということがあるべき姿だと思いますので、是非ともこの法律改正を機会にその辺りについての取組を進めていただくことを最後申し添えさせていただきまして、私からの質問は終わります。
 ありがとうございました。
#139
○衛藤晟一君 政府は、二年前に労働者派遣法改正案を提出いたしました。政府原案は、雇用の確保や働き方の選択肢の確保という観点から根本的な問題がありました。この間、私は、派遣については本当にやっぱり混乱したという具合に思っています。この問題は先般の衆議院における修正によって是正されたものという具合に認識いたしております。こうした観点から質問をさせていただきたいと思います。
 まず、衆議院の修正提案者に対して質問をさせていただきたいと思います。
 政府原案の最大の問題点は、いわゆる登録型派遣や製造業への労働者派遣を原則禁止する規定が盛り込まれていたことであります。厚生労働省の今年一月の確報版によりますと、政府原案のままでは約三十二万人の派遣労働者の雇用の場が失われ、失業率が悪化する懸念がありました。まさに官製派遣切りとも言える暴挙であります。
 また、今月十九日の雇用戦略対話の資料によりますと、若年の非正規労働者のうち正規雇用への移行を望んでいる者は四割にすぎず、六割が自ら望んで非正規労働に従事していると。多様な働き方の一つである派遣労働という選択肢を彼らから一方的に奪ってよいのかということが言えるわけであります。
 さらに、平成二十二年の十一月には、製造メーカーに対するアンケート調査の結果によりますと、約七割のメーカーが製造業への労働者派遣の禁止により失業者が増加すると回答し、国内の製造業が衰退すると回答したメーカーが約六割、それから産業の空洞化が加速すると回答したメーカーが約五割います。特に中小企業では、人材確保に困難を来し、生産レベルの縮小や倒産に至る企業も増加することも懸念されています。製造業派遣を禁止するような措置を行えば、日本の製造業は沈没しかねないというように思っています。
 こうした事態を回避すべく、自民党及び公明党は民主党と協議を行い、その結果、衆議院において所要の修正が行われたものと理解していますが、それでよいのか。登録型派遣及び製造業派遣の原則禁止規定を削除した趣旨をお伺いしたいと思います。
#140
○衆議院議員(田村憲久君) ただいま委員おっしゃられましたとおり、我々がこの部分を修正した意図というのは、このまま原則禁止ということになれば、登録型派遣で約二十二万、そして製造業派遣で十万人が対象になるということでございまして、三十二万人の職が失われるおそれがあると。現下の経済状況を考えますと、それが正規雇用に置き換わればいいんですけれども、そういう状況ではないであろうということを鑑み、これはこの原則禁止という部分をやはりまずは改めなければならないと、こういうような認識の下で修正をさせていただいた次第であります。
#141
○衛藤晟一君 それでは、少子高齢化の進行により労働力人口の減少が見込まれる中、日本経済の活力を維持するためには、働く意欲と能力がある元気な高齢者の就労支援が重要であります。労働者派遣は高齢者と仕事とを双方のニーズに応じて結び付けるマッチング機能を果たしているけれども、専門二十六業務を除く一般業務については派遣受入れ期間が最長三年に制限されているために、せっかくマッチングした仕事から就労意欲の高い高齢者を最長三年で引き剥がしてしまう結果になっています。高齢者の就労を阻み、失業率の悪化にもつながる規制となっています。
 衆議院における法律案修正では、政府は高齢者の就業の実態等を勘案し、派遣労働者の在り方について速やかに検討を行う旨の附則を盛り込んでいますが、高齢者派遣の在り方について厚生労働省に速やかな見直しを求める趣旨でよいのかどうか。この附則修正についての趣旨をお伺いしたいと思います。
#142
○衆議院議員(田村憲久君) まず、高齢者に関しては、今回の修正の中で、日雇派遣に関しては原則禁止になっておるわけでありますけれども、この例外といたしまして高齢者を加えております。あわせて、この期間制限の問題がやはり引っかかってくるわけでございまして、委員おっしゃられますとおり、果たして高齢者に期間制限を掛ける必要があるのかどうか、これは大変大きな問題でありまして、ずっと働いていかれるわけではありません。老後の中で一定期間働かれるその高齢者が、やはりより職に安定して就きやすいことを考えれば、ここで期間制限というものを設けることはどうも適当ではないんじゃないのかと、こういう認識を持っておりますので、早急に政府におかれましてはその点を議論をしていただいて、検討をしていただいた上で、適切な措置をしていただきたいと思っております。
#143
○衛藤晟一君 そうですね。私どもにも高齢者から、この問題につきましては、やっぱり期間につきましては大変厳しい実情についてお知らせをいただきました。本当に思い切ってこの附則を付けていただいて修正が行われるということになりましたので、良かったなというふうに思っている次第でございます。
 次に、専門二十六業務の見直しについてお伺いさせていただきたいと思います。
 労働者派遣が専門業務に限定して解禁されてから四半世紀が経過し、現在、専門業務は派遣受入れ期間に制限なく、専門業務を除く一般業務は派遣受入れ期間が最長三年に制限されています。しかし、専門業務の具体的内容は平成八年に十六業務から二十六業務に拡大されたままで、専門二十六業務に該当するかどうかで大きな差異が生じています。しかも、この二十六業務について当初規定された業務の見直しはなされず、事務用機器操作など、今や専門性が高いとは言えない業務まで含まれています。また、専門業務に該当するか否かの基準が不明瞭で、派遣先、派遣元企業と労働局の見解にそごが生じるようなケースが多発し、関係者は混乱を来しています。
 衆議院修正で附則の検討項目を追加していますけれども、労働者派遣の見直しに当たっては、専門二十六業務の抜本的見直しが必要であると考えますが、修正案提出者の見解をお伺いさせていただきたいと思います。
#144
○衆議院議員(田村憲久君) この専門二十六業務でありますけれども、これはその専門性から、労働者の交渉権という意味では交渉力があるだろうということで、期間制限を設けずともいいだろうということになっておるわけでありますけれども、長妻大臣のときであったと思うんですが、専門二十六業務の適正化プランというものが出てまいりまして、これが実は現場で大変混乱をしておるという声をよくお聞かせをいただきます。
 この業務でこの仕事ならばこれは専門業務だというふうに思って派遣を受け入れておったのが、どうも、当局がやってきて、それをやってもらっては、これは専門業務じゃありませんから期間制限が掛かってきますよというような、使っている方とそれからまた当局の方で認識が違っていて、非常に使い勝手が悪いというか、安定しない分だけ怖くて使えないというような、そんなお声もお聞きをいたしております。
 そこで、この専門二十六業務のみならず、期間制限がどういう形で掛けるべきなのか、それは人なのか、それともその業務、業種に関して掛かるのか、そういうことも含めて抜本的にこの部分は検討をする必要があるということを考えておりまして、そういう意味でこのような文言を入れさせていただきました。
#145
○衛藤晟一君 提出者のやっぱり率直な、実態をよく把握された中での見直しが行われたというふうに思っております。敬意を表する次第でございます。
 それでは、どうぞ。
 よろしいですか。
#146
○委員長(小林正夫君) じゃ、田村君は退席されて結構です。
#147
○衛藤晟一君 じゃ、引き続きまして。
 大臣に派遣労働の意義についてお伺いさせていただきたいと思うんですね。
 リーマン・ショック時には、報道等によって、派遣労働という働き方の負の側面ばかりが強調されてきました。それ以来、大変、この派遣につきましては、三年ぐらいの間、本当に混乱してきたなという具合に思っています。そして、そういう中で、確かにセーフティーネットの充実や派遣労働者の処遇の改善など課題があったことも事実でございました。
 しかし、先ほどから述べておりますように、多様な働き方の一つとして派遣労働という働き方を自ら選択し、ワーク・ライフ・バランスを実現している労働者もたくさんいらっしゃいます。私もそういう業者の方々や働いている方々との懇談等を通じながら、そういう意見をずっとお聞きをさせていただいてきました。
 そういう中で、派遣という柔軟な雇用形態があることで企業は労働者を雇用しやすくなるという、また派遣労働の雇用創出効果も重要であるというように思っております。日本が厳しい経済状況にある中で、EU諸国より失業率が低く抑えられているというのも事実でございます。
 厚生労働大臣は、派遣労働の多様な働き方の選択肢の確保や雇用創出など、派遣労働の意義をどのように考えているのか、見解をお伺いいたします。
#148
○国務大臣(小宮山洋子君) 私も、この派遣労働が、最初十三業種から、バラ色の働き方だと言われたときからかかわってきた立場からいたしますと、大体、先ほどもございましたけれども、これがネガティブリストになったときに、ちょっと広げ過ぎたときに、なかなかうまい働き方にならない点も増えてきたのかと思っています。
 ただ、この労働者派遣制度は、職を求める人のニーズと、それから迅速に人員を確保したいという企業のニーズ、この双方を結び付ける制度として、日本経済の中で一定の役割を果たしてきていることは事実だという認識を持っています。
 一方、今御指摘あったように、平成二十年秋のリーマン・ショック以降、いわゆる派遣切り、これが多発をいたしまして、雇用の不安定さ、低い待遇ということが問題になってきました。
 今回の労働者派遣法改正案は、こうした情勢を受けまして、労働者の保護と雇用の安定を図るために提案をしているものです。こういうような制度改正を行いながら、労働者派遣制度が一層その役割、本来の役割を果たせるようにしていきたいというふうに考えています。
#149
○衛藤晟一君 高齢者派遣の今後の見通しについてお尋ねをしたいと思います、大臣にですね。
 派遣労働者といいましても、不本意就労者や、空いている時間を有効活用して就労したい学生や主婦など様々であります。派遣労働者を大くくりに考えるのではなくて、こうした実態に目を向けて、働く側や雇用する側のニーズに応じたルールを作る視点が大事であるという具合に思っています。
 特に高齢者の就労が非常に厳しい中で、派遣という働き方が高齢者雇用において大変有用な役割を担っているという具合に考えています。しかし、現在の派遣労働は就労意欲の高い高齢者に対して不必要な規制となっておりまして、きめ細かな配慮が必要であるというように思います。
 衆議院の修正も踏まえて、今後の高齢者派遣の改善、促進にどう取り組んでいくのか、厚生労働大臣に決意と今後の見通しをお伺いさせていただきます。
#150
○国務大臣(小宮山洋子君) 先ほど修正提案者からもお答えがございましたけれども、今回の労働者派遣法改正案では日雇派遣は原則禁止とされていますけれども、民主、自民、公明三党の修正では、政令で定める禁止の例外に、雇用機会の確保が困難な場合等として高齢者などを加えるべきであるとされています。この修正後の改正案が可決された場合には、このような御指摘も踏まえまして、政令で高齢者などを日雇派遣の禁止の例外として規定をすることにしたいと思います。
 また、高齢者に対する派遣期間制限の在り方については、三党の修正を踏まえまして、登録型派遣の在り方として、期間制限や専門二十六業務全体の見直しの中で必要な検討を行っていきたいと考えています。
#151
○衛藤晟一君 この数年間の大変なリーマン以来の混乱を受けながら、やっとここで重立ったところは各党が修正に応じて、衆議院で大変な修正の中で出てきたところでございます。是非その趣旨を御理解いただいて、政府としても努力していただきたいというように思っている次第です。どうぞよろしくお願いします。
#152
○丸川珠代君 参議院議員、自由民主党の丸川珠代でございます。
 大変恐縮なんですが、着席で質問をさせていただきたいと存じます。お許しくださいませ。
 さて、二〇一〇年の四月に鳩山政権下で政府提出の派遣法案が国会に提出されて以降、それに続く菅政権のアンチビジネス政策、また東日本大震災という未曽有の大災害がこれに追い打ちを掛けまして、我が国はいまだに先が見えないデフレ経済から抜け出せないままもう二年間を過ごしてきているわけでございます。この間、日本企業がこの派遣法改正も含めた六重苦というものに耐えかねて生産拠点あるいは雇用を海外に移すという事態が展開されてまいりました。
 事ここに至りまして、民主党の皆さんが衆議院におきまして政府案の修正に応じられたということは、ようやくある意味、政権の責任というものを自覚され、また現実に向かい合って対応されたものであるとして、私は一定の評価に値するものであると考えております。
 この時間は、衆議院での修正の妥当性について確認をしてまいりたいと思います。
 まず、修正案の提案者にお伺いをしたいと思います。
 日雇労働者の派遣の禁止の修正についてでございます。既に禁止の例外の対象者については御答弁がございましたけれども、では、実際にその方が例外に当てはまるかどうか、主婦の方であるのか、自分の収入以外に主たる収入があるのかどうか、こういうことを確認するのは派遣事業主にとっては容易ではございません。
 私自身が仮に公人ではなく私人であって、派遣事業者に行けば、恐らく簡単に登録できてしまうのではないかと想像いたします。たとえ世帯主であっても、妻や子の収入が多いという場合もあると思いますし、こういう非常に確認の難しい例外規定というものを想定しておられる中で、派遣事業主の方がその本人の言うとおり信じて、じゃ日雇派遣の契約をしました、ところが実際は違ったというときに、確認をしなかった派遣事業者の方が責任に問われるというようなことがこの修正の趣旨からしてあり得るかどうかということを御答弁いただきたいのですが。
#153
○衆議院議員(田村憲久君) そういうことは余り想定はしていないんですが、要は、派遣元の事業者に重大な過失だとか故意がない場合、こういう場合に関しては、当然これは違反というわけにはならないんであろうと、我々はそういう認識を持って今回のこの禁止の例外を入れておるわけでありますし、政府にもそういう対応を是非ともしていただきたいなというふうに思っております。
 もちろん、この日雇派遣の禁止に関しては派遣元も事業主も罰則規定はないわけでございますので、即何か罰則が掛かるというわけではないんだと思いますが、それにいたしましても、真面目にやっておられる派遣業者がこういう知らずに雇い入れた場合に関しては、これは適切に政府としては対応していただきたいと、このような認識でございます。
#154
○丸川珠代君 今提案者からもございましたけれども、政府の側としても、この政令を定めるに当たっては、派遣元事業主が確認できる事実の範囲というものを十分に踏まえた上で、無理な事実確認等を求めることによってこの修正の趣旨をゆがめることがないようにお願いしたいと存じますが、政府側からの御答弁をお願いいたします。
#155
○政府参考人(生田正之君) お答えいたします。
 先生御指摘の副業として従事する者ですとかあるいは主たる生計者については、なかなか要件の判断が難しいというふうに考えてございます。この要件の詳細ですとかあるいは特定の業務、どういうふうに判断するかということにつきましては法案施行までの間に定めるということになりますけれども、その際には、派遣元事業主の方などの関係者の御意見を十分伺って、就業の実態だとかあるいは他の制度の取扱いも参考にしながら、実務上の混乱が起きないように定めていきたいというふうに考えてございます。
 それから、制度の運用につきましては、事業主の方に対しまして、先ほどの考え方に従いまして決めました実務上の判断の基準を周知をきちんとして、その基準に従って判断していただくことになりますけれども、その周知した基準に従って判断していただければ違法ということはないというふうな制度運用をしたいと思っておりまして、こういった判断の基準につきまして、事前に十分な丁寧な周知に努めてまいりたいと思っております。
#156
○丸川珠代君 周知しても手の届かない、事実確認できない範囲というのはあると思いますので、その点に対して十分配慮をお願いしたいと存じます。
 お手元にお配りしました資料の一枚目、これは直近で最もサンプル数が大きいアンケートを取り上げさせていただきました。これは、一枚目に関していうと、雇用契約が二か月以内の派遣労働者の方のみ三千六百九十三人にアンケートを取ったという調査でございまして、この二つ目を見ていただきたいのですが、資料二と書いてありますけれども、これは御本人の収入と本人以外の収入というところに色が塗ってありますけれども、その収入のうち多い方を濃い色で示しております。
 御覧いただくと分かるように、この二か月以内の短期派遣、いろんなお立場の方いらっしゃいますけれども、正社員の方が副業で短期派遣で働いているというケースを除いては、このアンケート三千六百九十三人に限ってかもしれませんけれども、本人の収入以上に多い収入をどなたか世帯の本人以外の方が得ておられると。
 また、資料の三御覧いただきますと、これちょっと小さくて見づらくて申し訳ありません。青いところが現状のままでいいとお考えになっておられる、つまり今の短期派遣の働き方でいいとお考えになっておられる方たちでございますけれども、これを見てみますと、副業でやっておられる方、それから学生さん、主婦さん、こういう方は今の働き方のままでいいと言っておられるわけでありまして、今回の衆議院の修正というのは非常に妥当なものであるというふうに私は理解をしております。
 ただ、このアンケートの一番上見ていただきますと、短期専業それから失業求職中、この方たちを合わせると四分の一ぐらいになるわけですが、特にこの短期専業でやっておられる八%の方というのは、確実に今の働き方はできなくなる。そういう方が実際に短期派遣で得ている収入、大体、この資料二を見ますと家計の四分の一ぐらいになるかと思いますけれども、この四分の一の収入を一時的にも断たれてしまうことになるわけでありまして、なおかつ、禁止したから、じゃ希望する働き方に就けるのかというと、決して御本人たちもそう思っていないということがこの資料からも伺えます。
 この点に対して、政府はどのような対応をお考えになっておるのかを大臣から御答弁いただけますか。
#157
○国務大臣(小宮山洋子君) なかなか難しい、一度にお答えできないようなところもあるかと思うんですけれども、今回改正しているのは、先ほども申し上げましたように、本来は自分の持っている能力を自分に適した時間、合わせて働けるという労働者にとってもいい働き方だったはずのものが、どんどん広がったことによって不安定な低賃金の働き方になってしまったということをどのように是正できるかという中で、政府案にはいろいろ御異論もあった中で、提案者の方から三党での修正ということが行われましたので、そうしたことを、しっかりこうした実態も見据えながら運用をしていくということだというふうに思っています。
#158
○丸川珠代君 これまでの政府の御答弁聞いていますと、日雇派遣が駄目になります、なので、その代わり紹介事業でそれをカバーしますと、こういうふうに言ってこられたというふうに理解をしております。
 大臣は日々紹介という言葉を御存じですか。日々紹介ならよくて日雇派遣なら駄目という理由が私にはどうも理解ができないのですが、なぜ日々紹介ならいいんでしょうか。
#159
○国務大臣(小宮山洋子君) これはやはり、御承知だと思いますけれども、派遣労働の場合は派遣元があって、派遣先があって、労働者がいるという非常に複雑な形になっていますよね。非常に短期の雇用契約の場合、派遣元での雇用管理責任が十分に果たされない可能性があると。で、今回の労働者派遣法の改正案では日雇派遣を原則禁止にするということにいたしました。
 ただ、職業紹介については、日々の職業紹介であっても直接雇用のあっせんを行うものなので、雇用と指揮命令が一致をします。そういう中で、労働者派遣の場合のような懸念が生じにくいのではないかと、そのように考えているところです。
#160
○丸川珠代君 直接雇用ならば確実に労働者の権利が守られるかというと決してそうではないということは、請負業務の中でいろいろなトラブルが起きてきた歴史の中で、大臣よく御理解をいただいていると思うんですけれども、この直接雇用ならば労働者の権利がより守られるのか、あるいは条件がいいのかというと、決してそうも言い切れない現実が今、日本に迫ってきているのではないかと私は思っております。
 お手元の資料の二枚目、めくっていただきますと資料四というのがございます。これはパート・アルバイトの方、派遣労働者、契約社員、そして正規の職員の給与を比較したものでございます。給与だけが決して労働条件の全てではありませんけれども、しかし主たるものでございます。こうやって見ていただくと、パート・アルバイト、確かに直接の契約であり雇用でありますけれども、派遣労働者の方に比べますとうんと平均の収入が低いということになりますし、では、直接契約と、派遣契約と契約社員の方と見比べていただきましても、その収入の山というのはほとんど変わらないというような状況になっております。
 私はこの直接雇用なら安心というのは、一方では、派遣事業者の方が本来果たすべき役割というものが社会の中で果たされていないということによっても生じているのではないかと思っております。
 本来、派遣事業というのは、希望の条件で職を探してくる、あるいは条件交渉の手間を担うというようなエージェントとしての機能と、それから社会に対して仕事と人を結び付けるマッチング機能というものが期待されていて、その存在によって早く楽に次の仕事が見付かる、したがって失業期間が短くなるという効果が見込まれるはずなんです。つまり、派遣事業というのはセーフティーネットと相まって雇用の安定をもたらすものであるべきなのですが、残念ながら、我が国では今のところ、そういうふうにみなされてこなかった、そうでない図式ができ上がった。
 これには、一つには十分なセーフティーネットが整っていなかったこと、そしてもう一つには、適切な規制が整う前に悪質な業者が横行してしまって場当たり的な規制が重ねられてしまったということがあるのではないかと思っています。
 ただ、派遣を禁止すれば不安定な雇用がなくなるのか、あるいは労働条件が良くなるのかといいますと、このお配りした資料の一番最後のページを御覧いただくとお分かりいただけると思います。これは平成二十年十月―十二月、つまりリーマン・ショック直後の第三・四半期を起点に労働者の増減をそれぞれの就業形態別に示したものであります。
 御覧いただくとお分かりになりますように、一貫して派遣社員というものは減少を続けております。しかしながら、雇用の回復期にどういう就業形態が増えているかといいますと、今度はパート・アルバイトあるいは契約社員に取って代わられている、少なくとも派遣でなくなったら正社員になれるという構図にはなっていないということがよく分かります。この点を私は見誤ってはならないと思っておりまして、日雇派遣から日々紹介に取って代わられたように、もし派遣という働き方を全部禁止すれば、人材紹介業と労務代行事業がセットになったものがアウトソーシングを受けていたのではないかというふうに想像をいたします。
 禁止しても需要がある限りそこに新しいビジネスが生まれて需要を埋めようとする、それをまた規制すればどんどんどんどんアンダーグラウンドに潜って悪循環が生まれていくものだというふうに思いますので、ここはひとつ派遣事業というものが本来の機能を果たせるように、労働者の利便向上と権利擁護に資するものとして転換していくような規制というものが必要ではないかと思います。
 今回、衆議院の修正の議論の中で附帯決議六というものが付けられました。この附帯決議六には優良な派遣事業者を育成するという視点が盛り込まれています。この点に関連して、田村議員にお伺いをしたいと存じます。
 この附帯決議の六というものはどのような議論の末に置かれたものなのでしょうか。そしてまた、附則の第三条の三には、優良な派遣元事業者を育成する観点から政府は検討をしなさいということが含まれているんだと思うんですけれども、どのような検討をするべきかということについて提案者としての意図をお聞かせいただけますでしょうか。
#161
○衆議院議員(田村憲久君) こういう派遣法というもの、非常に規制を厳しくする方向で現政府の方が法案を出された。それは、それ以前にリーマン・ショック等々あって、当時、派遣切りでありますとか、まあそれだけじゃないですよね、直接雇用されておる言うなれば期間職員の方々、期間工の方々も雇い止めのような形が起こって、結果的に弱い立場の労働者の方々が非常に厳しい状況に置かれた。こういう事実の下、何か派遣は全て駄目だみたいな、そういうイメージが先行したのは事実だというふうに思います。
 そんな中において、確かに悪い派遣業者がいたのも事実でして、例えば社会保険に入らない、本来入らなければならないはずなのに入らない、それでいて安く仕事を取るというような、そういう派遣業者等々に関してはやはり一定のふるいを本来掛けなきゃいけないのではないか、こういう議論をしております。しかし、一方で、それは規制強化になるわけでございまして、どういう仕組みでやっていくか、それはこれからの議論であるわけでありますので、そういう意味で、ここでこのような項目で、まずは優良なそういう派遣業者を育成するということが大事であろうと。例えばマル適業者みたいなものでシールを張ったりでありますとか表彰、こういう制度をつくるのも一つでありましょう。
 それから、もう一つは、特定労働者派遣事業の在り方。これは、今、言うなれば、無期である、それから一年超、そしてまた一年超の見込みという中で、これが言うなれば届出制になっておるということでありまして、許可制じゃないものでありますから、いや、基本的には性善説に立ってこういうような形にしたんでありましょうけれども、中でこれを悪用しておる、そういう業者がないとも言えないわけでございますから、その在り方も含めて議論をすべきではないかということでございまして、このような項目を入れさせていただきました。
#162
○丸川珠代君 ありがとうございます。
 まさに特定派遣に関しては、様々な問題もある一方で、有効に機能させれば人材を育成する非常に大きな力になり得るものだと思いますので、この検討については是非政府にも速やかに行っていただきたいと存じます。
 また、例えば今、社会保険の加入の話が出ましたけれども、これを確認する作業というものがなかなかきちんと行われていない中で、加入しないままになってしまっている派遣労働者の方もいらっしゃると思います。これは派遣先の協力があれば決してそんなに難しいことではないはずでありますので、こうした点も御検討いただきたいと存じます。
 また、もう一つ必要なことは、派遣業界と正社員の労働組合の皆さんとの協調ではないかというふうに考えます。
 と申しますのは、私、二年前のこの政府案の提出以降、派遣労働者の方がつくっておられる労働組合の方ともお話をさせていただいてきました。その話の中で、その組合としては、製造業派遣の禁止あるいは日雇派遣の禁止には反対であるという、そういう意見を述べられたんです。そういう御意見をお持ちならば公の場できちんと意見を表明されたらいかがですかと申し上げたんですが、残念ながら、正社員の労働組合との関係の中でこれは私たちの立場としては申し上げられません、ということで表向きそのことはおっしゃらなかったわけでございます。こういう関係が残っていたままでは派遣労働者の方の処遇改善というのは非常に難しいということになります。
 正社員の労働組合の皆さんと、それから派遣業界とがきちんと向き合うような場というものについて政府にも是非お考えをいただきたいのですが、もしよろしければ御答弁を。
#163
○国務大臣(小宮山洋子君) それはおっしゃるとおりだと思いますので、なかなか今まで派遣の方では組合をつくるのも大変でしたが、そのつくった組合が正社員の組合とまたそれぞれ利害が一致しない部分もあったりしてなかなかうまく交流ができていないということは私もそう思いますので、そこのところは、事業主とその労働者との関係も大事ですが、やはり正社員の組合と派遣労働者の組合の関係ということも非常に大事だと思いますので、御指摘の点は、何とかそこがうまくいきますようにできることはしていきたいというふうに思います。
#164
○丸川珠代君 それから、特定派遣について一点お伺いしたいんですが、大臣、特定派遣というのは直接雇用ですか。雇用関係は直接雇用と考えられますか。
#165
○国務大臣(小宮山洋子君) それは派遣でございますので、特定派遣も派遣ですから、直接雇用ではありません。ただ、雇用する労働者が全て常時雇用なので、一般労働者派遣のような保護が著しく侵害されるようなことが少ないということで、今、届出制になっているということだと思いますが、先ほどお答えをほかの委員の質問でもしたように、ここのところの在り方の見直しが必要とされていますので、これは、この改正法を通していただきましたら、その法律施行後一年経過した後をめどにまた労働政策審議会で議論をしていただいて、この特定労働者派遣事業の在り方についても検討を行っていきたいと、そのように考えています。
#166
○丸川珠代君 特定派遣というのは、もう今、今までるる述べられてきたように二極化をしております。一方には非常に悪質な業者もある一方で、非常に熱心に人を育てようと思っておられる業者もいらっしゃる。そういう特定派遣の業者の方がハローワークに行って、自社の社員としてしっかり育てたいと、その上で派遣先を見極めて派遣したいので人を募集したいんだがと言ったらば、派遣先が決まらない場合には募集はできませんと。つまり、自社の社員として特定派遣の場合、雇うわけですね。にもかかわらず、派遣先が決まっていないとハローワークで募集ができないんです。これは、非常に善意の、熱意のある優良な人材派遣会社が自分のところでわざわざ人を育てようという、その門戸を閉ざしてしまっていることになるんですね。これにはかなり憤慨をしておられました。今どきこの御時世で人を育てようというその意欲をそぐのかと言ってですね。
 こういうケースもあるということを頭に置いていただいて、是非そのようなことがないように御対応いただければなというふうに思っております。
 時間の関係で次に進ませていただきたいと思います。労働契約申込みみなし制度についてでございます。
 修正案の提案者であります田村議員にお伺いいたしますけれども、この三年間の経過措置、これは単なる経過措置なのか、それとも、この期間に検討すべき課題がたくさんあるので検討を是非政府にしてもらいたいということなのか、その点を御答弁いただけますでしょうか。
#167
○衆議院議員(田村憲久君) この三年間の猶予措置といいますか、経過措置を設けた理由でありますけれども、まず、違反をするとみなし雇用になってしまうという話になったときに、先ほど来話が出ております例えば専門二十六業務の問題、これが、先ほども申し上げましたが、適正化プランが出されましてから非常に現場が不安定になっております。使っている側は、これは専門業務だというふうに思って使っておるんですが、その中身で、当局がやってまいりまして、これはそれに該当しないと、だからおたく違反ですよという話になれば、これはもう本当に不意打ち食らったみたいに、じゃ、これもみなし雇用で、派遣先は直接労働契約を結ばなきゃならないのかということになれば、もう怖くて二十六業務ですらこれは派遣を受け入れないという話になってくるわけですよね。ですから、そのところが一体どのような形でこのみなし雇用制度といいますか、こういう形に移行していくのか、みなしに移行にしていくのかということも、いろいろとこれから周知徹底もしなきゃならぬ部分があるんだろうと思います。
 これは請負も同じでありまして、三十七告示、これ以来、やはり請負の方も、指揮命令がどうだとか、指示また管理がどうだとかというところで結構、当局と労働局においても認識が違うわけでありまして、戸惑いがあるわけでありまして、即一発で退場といいますか、みなしですよと言われちゃうと、これはもう業務が成り立たなくなってくるわけでありますよね。ですから、こういう部分のところの周知徹底もやらなきゃいけないというのがあります。
 しかし、そもそも、本来私は、これ、採用の自由だとか、それから労働契約の合意原則ということを考えれば、罰則という形でこのみなし制度というものを入れるというのが本当にいいのかどうか、こういう議論もこの三年間でしっかりとやる必要があるのではないのかというふうに思っておりまして、そのような思いも込めてこの経過措置を取ったというような認識でございます。
#168
○丸川珠代君 御答弁ありがとうございます。
 まさに、私も非常にこの制度には大いなる問題が含まれているのではないかと思います。
 お手元にお配りした資料の三枚目を御覧ください。
 これは厚生労働省が平成二十年に行いました派遣労働者実態調査で、サンプル数が八千三百三十九人と多いんですが、残念ながら、四年前の数字ですのでリーマン・ショック前ということになりますけれども、これ見ていただきますと、左側はどのくらいの契約期間の人がこのアンケートの対象かというのを示してあるんですが、これは先ほどの資料と違って、六か月以上の契約を結んでおられる方が多いということをまず御理解ください。
 その上で右側を御覧いただきますと、実は、派遣社員ではなく正社員として今の派遣先で働き続けたいという方は二三・三%なんですね。それ以外の方というのは、正社員じゃなくて派遣で今の事業所で働きたい、これが同じぐらいの二三・三%。実は、正社員にはなりたいけど、今の派遣先は嫌よという方が一七・五%おられるんです。
 つまり、この申込みみなし制度が発生しましたということになったときに、四分の一弱の方は良かったという話になるかもしれませんが、それ以外の方は非常に難しい選択を迫られるということになります。
 これ、法の四十条の六では、同一の条件でという縛りも掛けてあるんですね。たとえ、そこの正規職員と派遣労働者の方が条件に格差があっても、今の格差がある条件を受け入れなきゃいけないと、こういうことでもあるわけなんです。
 さて、非常にこの悩ましい選択にぶち当たって、仮に申込みを承諾しないということになった場合に、その派遣労働者の方のその後の身の振り、どういうことが可能だというふうに想定してこの制度が組まれているのか、大臣にお答えをいただきたいと存じます。
#169
○国務大臣(小宮山洋子君) やはり、違法派遣を行う派遣先に対しまして労働者の保護にもつながる形でペナルティーを科すということは意味があるということでこの仕組みをつくってございます。
 今の点にお答えいたしますと、そのみなされた労働契約を結ぶことを希望しない派遣労働者についてはそのまま派遣元と労働契約を結び続けることも可能ですので、それは派遣労働者の希望に応じて選択をできる制度だというふうに考えています。
#170
○丸川珠代君 その契約を結び続けることが可能というのは、政府が担保してくださるんですか。
#171
○政府参考人(生田正之君) 派遣元事業主の御理解がないとなかなか難しいとは思いますけれども、元々派遣元事業主の方が雇用契約期間として締結した期間の雇用は保証されるのは間違いございません。そこから先につきましては、派遣元事業主の方がどう判断されるかということだと思います。
#172
○丸川珠代君 つまり、決して政府がその先を担保してくれるわけではないと。契約期間が終わった後は、派遣元の事業主と派遣先の事業主の契約がどうなるかに懸かってくるわけでありますよね。そうなったときに、果たしてこの契約が続くかどうか。これは、一般的に考えるならば、一回このような大変なリスクを抱えた派遣先の事業主にとって、この契約を全く同一の条件で続けるというのは非常に難しい、リスクの高い選択になり得ることが考えられます。そうなった場合に、果たして派遣労働者が望む条件でまた同じ場所で働き続けられるのかと。本当にこのみなし制度が、この四分の一の人たちにとってはいいけれども、残り四分の三の人たちにとって、断った場合特に、プラスの選択になるのかと。いろいろ考えたら、結局、この職場にいるのは望まない、個々の人間関係嫌だな、こんな条件で働きたくないなと思っても正社員を受け入れるしかないかなと、で、また転職先を探すと、そんなふうにもなりかねないわけでありまして、こういう様々な想定があることを踏まえた上で、この三年の経過措置の間に十分に検討をし、また過ちを改めるのであればそれは早いにこしたことはないということで、是非これはじっくり議論をする必要があるということを申し上げたいと存じます。政府においては、この三年の期間というのを単なる経過措置にせずに、労働者と企業がお互いに望まない就職を押し付け合うような、そんな制度にならないように十分検討するための時間としていただきたいと存じます。
 田村議員に対しては、最後にもう一つお伺いをしたいと存じます。たくさんお伺いして済みません。
 先ほど専門二十六業務の話が出ました。附帯決議の二には、専門二十六業務に該当するかどうかによって派遣期間の取扱いが大きく変わる現行制度について速やかに検討を開始することと、検討の結論が出るまでの間、期間制限違反の指導監督については、労働契約申込みみなし制度が創設されること等も踏まえ、必要な限度においてのみ実施するよう改めることと書かれております。
 この必要な限度においてのみ実施するようにという言葉であるとか、あるいは指導を丁寧、適切に、分かりやすい制度をというようなところに込められました意味、具体的に指し示すところというのをお答え願えませんか。
#173
○衆議院議員(田村憲久君) 言葉のとおりでございまして、先ほど言いましたように、不意打ちでいきなりこのみなし制度を導入されたのでは、もうそもそも、もう多分この、先ほども言いましたけど、二十六業務ですらもう派遣という形態を派遣先が受け入れないという話になるんであろうと思います。危ないですからね、認識の違いによって、一発、もうみなし制度ですよなんて言われて直接雇い入れなければならないという話になれば、そもそも派遣というもの自体が成り立たないわけでありますから。ですから、そういうところも含めて、このみなし制度が導入されれば、どういうようなプロセスでこういうものが発動されるんですよということも含めていろいろと現場で議論をしていただきたい、現場とも議論をしていただきたいという思いも込められております。
 そして何よりも、先ほどもこれ衛藤委員に申し上げた話でありますが、この期間制限というものが、二十六業務だけは期間制限をクリアして許されておるわけでありますよね。でも、これってこの本当に専門二十六業務という業務という話なのか、それとも、個人というものに対して派遣業というものに言うなればこの期間制限を掛けるという話であって、業務というものに対してそうではないという判断を示すのか。全体的にそこも含めて、この期間制限というものは一体何なのだということも含めて一度議論をするべきではないのかなというふうに思っておりまして、そのような思いも込めてこのような文言を入れさせていただいたというような次第であります。
#174
○丸川珠代君 ありがとうございます。
 田村議員への質問はこれで最後でございますので、御退席いただいて結構でございます。
 この専門二十六業務の適正化プランの最大の問題点は、政令を解釈するに当たり、その期間制限の影響を受ける方がたくさん出てくるような解釈を、周知や予告なく突然これが基準ですといって疑義応答集というものを局長通達にまとめ、そして、それを基にして突然に指導監督を一気に行ったと、こういう点にあるんだと思います。
 ただ、大臣、もし電子計算機の中身だとかタイプライターだとか、時代に合わないものがこの政令に書いてあるというのであれば、政令自体を本来変えなければいけない話なんであって、政令を変える場合には、ちゃんと労働政策審議会の意見を聴きなさいと派遣法には書かれています。
 こういう手続を全く踏まずに、いきなり違う解釈を持ち出してきて指導監督をしたということが現場の混乱を招いたということでございますので、これを改めるに当たっては、きちんとした手続を踏んでいただきたい。それまでは、この誤った手続に基づいて示された解釈というものは、一旦撤回をされるべきだというふうに私は思うんですけれども、大臣の御答弁をお願いいたします。
#175
○国務大臣(小宮山洋子君) これは、そもそも派遣可能期間の制限を免れることを目的として、契約上は専門二十六業務と称しながら、実態としては専門二十六業務以外の業務を実施する、そういう事例が見られたことからこのプランを実施したということです。
 平成二十二年二月に専門二十六業務派遣適正化プラン、これを策定をいたしまして、専門二十六業務の適正な運用について事業主団体に要請をし、併せて都道府県労働局で集中的な指導監督を実施いたしましたけれども、これは政令の内容を実質的に変更するものではございません。この専門二十六業務適正化プランに基づく指導によりまして、雇用を維持しながら専門二十六業務の適正化が相当程度図られたと考えています。
#176
○丸川珠代君 大臣、もう一度、政令と、そして疑義応答集をよく御覧になって、そこに書かれている中身が政令をはるかに超えるものであるということをよく理解をしていただいた上で、もう一度この内容について御検討賜りたい。
 最後に、労働政策審議会で有期労働契約の反復に五年の期限を設けるという報告が出ました。政府は、今国会にもこれを労働契約法の改正として提出する意向であるというふうに理解をしているんですが、この五年の反復期間の制限というものと派遣法の規制の整合性というものがどうなるのか、この点について最後に御答弁をいただきたいと存じます。
#177
○国務大臣(小宮山洋子君) この労働契約法改正案はもう既に提出をしておりますけれども、ここに盛り込まれております無期転換ルール、これは雇用主と労働者の間を規律するもので、労働者派遣に関していえば、雇用関係にある派遣元と派遣労働者との間で適用されます。一方、労働者派遣法の期間制限は、派遣労働者と雇用契約を締結していない派遣先に対して責務を課すものです。
 このように、両制度はそれぞれ独立に適用されるもので、仕組みがちょっと複雑になるというお考えもあるかと思いますけれども、私どもはそのようには考えておりませんで、労働契約法改正案が成立した場合には、労働契約法に基づく無期転換ルールと労働者派遣法に基づく期間制限が正しく適用されるように、事業主に対して周知を図っていきたいと思っています。
 なお、労働者派遣制度の派遣期間の制限ですとか、専門二十六業務の在り方については、衆議院での法修正ですとか附帯決議も踏まえて、改正法施行に伴う政省令の改正後に速やかに検討を開始していきたいと考えています。
#178
○丸川珠代君 無期転換ルールは、是非、先ほど議論いたしました申込みみなし制度の議論を見ながら、制度実施後の影響も踏まえた上で十分御検討賜りたいと存じます。
 以上でございます。
#179
○渡辺孝男君 公明党の渡辺孝男でございます。
 労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の就業条件の整備等に関する法律等の一部を改正する法律案及び衆議院での修正案について質問をさせていただきたいと思います。
 初めに、政府案に対する衆議院での修正案に関しまして質問をさせていただきます。
 まず、登録型の派遣について質問をいたします。
 派遣労働者並びにその中で登録型派遣という形で働いている労働者の我が国の現状と、海外での派遣労働者の状況につきまして、まず、牧厚生労働副大臣にお伺いをしたいと思います。
#180
○副大臣(牧義夫君) 日本及び海外における派遣労働者の状況についてのお尋ねでございますけれども、日本での派遣労働者数の推移というものは、申し上げますと、平成二十年は約二百二万人、二十一年は百五十七万人、二十二年は百四十五万人、二十三年は百三十七万人となっております。また、日本でのいわゆる登録型派遣の人数は、平成二十年八十七万人、二十一年六十四万人、二十二年五十三万人、二十三年五十一万人と、少しずつ減っております。
 なお、海外の派遣労働者数との比較については、今こちらで把握している数字では、日本は約百四十五万人で、雇用者に占める比率は一・九%、これは二〇一〇年六月現在でございますけれども、これに対し、フランスは約四十五万人で全体に占める比率は一・七%、これは二〇〇九年の数字でございます。イギリスは百七万人で雇用者全体に占める比率は三・六%、二〇〇九年ですね。アメリカは二百一万人で一・三%、二〇〇九年現在となっております。
#181
○渡辺孝男君 日本だけではなくて海外でも派遣労働者の方々はいらっしゃると。ただ、派遣労働者に関しての認識といいますか、とらえ方というのは多少国々によって違いがあると。自ら望んでそういう仕事をされている方と望まなくてそういう仕事をされている方と、いろいろな状況があると思うんですね。できるだけ労働者の利便性に即した形で法制度が変わっていく、あるいはその国々の経済状況に応じて変わっていくということであろうと、そのように考えております。
 次に、政府案の登録型派遣の原則禁止の規定を削除して、今回、修正案では登録型派遣の在り方を検討事項としたその理由についてお伺いをすると同時に、また登録型派遣の在り方の検討に当たって特に重視すべき視点について、修正案の発議者であります田村憲久衆議院議員にお伺いをしたいと思います。
#182
○衆議院議員(田村憲久君) この派遣労働者数、これ昨年の六月一日の数字でありますけれども、百三十七万人おられます中で、この登録型派遣原則禁止、これに対象となる方々が二十二万人おるというような数字が出ております。
 この二十二万人の方々が、原則禁止になりますとその職場を追われるわけでありまして、追われた結果、正規雇用という形になれば、これは問題がないんであろうと思いますけれども、そんなに今労働環境、労働状況よろしくないわけでございますから、直接の有期になる方々もあるでありましょうし、そうではなくて本当に職にあぶれてしまうような方々も出てくると。そう考えたときに、景気のいいときならともかく、このような経済状況の下で今登録型派遣を原則禁止するということは、これは大変な国内において、労働条件といいますか労働環境の悪化を招くのではないか、このように考えた次第でございまして、このような原則禁止の削除というところに至ったわけであります。
 そしてまた、この登録型派遣の在り方について検討をという話でございますが、これも、専門二十六業務、先ほど来この委員会でもお話をさせていただいておりますけれども、この在り方の見直し等含めて議論をする必要あると思いますが、今回の東日本の大震災におきましても、急場の仕事という意味では大変大きな役割を果たしたというのも委員御承知のとおりだというふうに思います。そのような観点、それから今の日本の経済状況、こういうことをしっかりと勘案していただいた上で、この在り方というものをしっかりと労政審の中で議論をいただきたいと思っておりますが、私自身といたしましては、中小企業という日本で非常に今独特の企業形態といいますか、こういうものが求めるニーズ、それから働く側のニーズというのが何よりでございます、やはり自分の都合のいい時期に働きたいというそういうニーズ、こういうものを考えたときに、私個人といたしましては、そのマッチングシステムとして登録型派遣というのはやはり一定の役割というものがあるんであろうというふうに思っておりますので、そういう部分も含めて御議論をいただければ有り難いなというふうに思っております。
#183
○渡辺孝男君 今、田村議員の方から、修正案の発議者でございますけれども、検討に当たっての視点、そしてまた現状で、今回の大震災でもこういう仕事の在り方が一定の貢献をされたというお話がございました。
 今後、小宮山厚生労働大臣、この検討を行うに当たってどのように進めていかれるのか、この点についてお伺いをしたいと思います。
#184
○国務大臣(小宮山洋子君) 登録型派遣の在り方の検討につきましては、この改正法施行後一年経過した後をめどに労働政策審議会で御議論いただきたいと考えています。
 その検討の方向性としては、これまでの労働政策審議会での議論、また派遣労働者の保護の状況、そのときの雇用状況ですとか経済状況などを勘案しながら一から御議論をしていただきたいと、そのように考えています。
#185
○渡辺孝男君 次に、製造業務の派遣について質問をさせていただきたいと思います。
 まず、製造業務で派遣労働者、どの程度我が国におられて、どのような状況にあるのか、牧厚生労働副大臣にお伺いをしたいと思います。
#186
○副大臣(牧義夫君) 製造業務に従事する派遣労働者のまず人数でございます。この推移を申し上げます。平成二十年が約五十六万人、二十一年は二十五万人、二十二年は二十四万人、二十三年は約二十六万人というように推移をいたしております。
 どんな状況かというお話でありますけれども、派遣先への有期あるいは無期という形での契約に転換した方もいらっしゃるでしょうし、また産業そのものの空洞化等による影響もこの数字に表れていると思っております。
#187
○渡辺孝男君 次に、政府案の製造業務派遣の原則禁止、この規定を削除をして製造業務派遣の在り方を検討項目にしたということで、そういう修正が衆議院でなされたわけでありますけれども、この理由につきまして、また先ほどと同じように、製造業務の在り方の検討に当たって特に注意すべき点、注視すべき点等がございましたらば、修正案発議者であります田村衆議院議員にお伺いをしたいと思います。
#188
○衆議院議員(田村憲久君) この製造業の派遣の原則禁止を削除したという部分も先ほどの登録型派遣と同じような部分がございます。
 今も牧副大臣からお話がございましたが、二十六万人という多くの方々が今なおこの製造業の派遣に身を置いておられる、そしてこの中で原則禁止となれば十万人の方々がその職を失う、そういう可能性が高いということでありまして、非常に今、日本の国で製造業というものの立つ位置というのが厳しい状況になってきております。ほんの十数年前と比べても、製造業に携われる方々のその人数自体がもう五百万人近く減っておるという状況でありますから、この中で何とか日本の物づくりというものを残していこうとするならば、企業側のニーズもありましょうし、また働く側のニーズもある、そのような形でマッチングシステムとしての大きな役割もあるということでございまして、そういう意味からいたしましても、この原則禁止というものでこの十万人の方々の雇用の場が失われ、その方々がやはり職を探さなければならないというような状況が生まれたときに、これは大変なやはり国内の労働問題になるであろうな、雇用問題になるであろうなと、そういう認識の下でこれを削除をさせていただきました。
 あわせて、検討事項でありますが、もちろんこの規制強化といいますか、労働者保護を我々は何か全て一つずつ潰しておるというわけではございませんでして、例えばマージン率というものの開示というもので労働者の保護を図るでありますとか、また一方で、グループ派遣に関しましては厳しい規制を課したわけでありまして、こういうところでは、やはりどうもちょっと都合よく労働者の権利をないがしろにしているなという部分に関しては、これはしっかりとした規制を強化をしていく中において、やはりこの労働者の方々、派遣という形で働く方々が、自ら望んで働いておられる方々が職を失わないような形で是非とも検討をしていただきたいなというふうな、そんな思いでこのような項目を入れさせていただいております。
#189
○渡辺孝男君 今、田村議員の方からお話をいただきましたけれども、様々な観点があるだろうということでありますけれども、小宮山厚生労働大臣としましては、今後、そのような、今お話があったような観点も含めまして、どのような方針で検討を行っていくのか、この点をお聞かせいただきたいと思います。
#190
○国務大臣(小宮山洋子君) 今修正案の提案者からあったような視点も踏まえて検討していきたいと思いますが、そもそも、先ほどから御議論をいただいているように、この派遣労働が当初狙っていたものと変わってきたのが、ネガティブリスト方式にして製造業まで派遣に含めたというところが不安定で低賃金の労働になってしまっている部分もあるという問題点も一方であります。それで、御指摘のように、役割を果たしている部分もございます。
 そういう意味で、これは先ほどの登録型派遣の在り方と同様に、この改正法を成立させていただいたら、施行後一年をめどに労働政策審議会で様々な観点からこれも御議論を徹底的にしていただきたいと、そのように思っています。
#191
○渡辺孝男君 次に、最近の円高等で工場の海外移転が加速されるのではないかと、実際そのような傾向もあるわけでありますけれども、そういう海外への工場の移転というのが大きな問題となっておるわけであります。
 そこで、経済産業省の川上官房審議官にお伺いしたいんですが、今後の日本の製造業の発展をどのように行っていくのか、この点をお聞かせいただきたいと思います。
#192
○政府参考人(川上景一君) 製造業の発展に関して御質問をいただきました。
 我が国の経済が力強く成長をしていくというためには、基幹産業でございます製造業の発展が極めて重要であると考えております。
 我が国の製造業は、二〇一〇年度におきまして、GDPの二二%、雇用の一八%を占めております。輸出につきましては製造業が九六%に上っておりまして、外貨獲得における製造業の役割は極めて重要であると考えております。雇用に関しましても、一人当たりの雇用者報酬を見ますと、製造業は四百六十六万円でございまして、これは例えばサービス業の三百九万円に比べても高うございます。
 したがいまして、質の高い雇用の維持の観点からも、製造業の発展が不可欠であるというふうに考えてございます。
#193
○渡辺孝男君 海外移転ということになりますと、国内の雇用の場が少なくなってしまうという懸念もあるわけなんですけれども、この点はやはり雇用の関係の担当である小宮山厚生労働大臣にお伺いしたいんですが、そういう工場の海外移転等が問題になっておりますが、国内のそういう製造業、物づくりに携わっている方々をやはり国内でしっかり働いていただくということは大変重要だというふうに思っておりますので、この点に関してどういうお考えを持っておられるのか、お伺いをしたいと思います。
#194
○国務大臣(小宮山洋子君) それは委員御指摘のとおり、物づくりということがきちっとこの国内で行われるということは大変重要なことだと考えておりますので、そういう意味では、国全体もそうですし、午前中から御議論をいただいた被災地での雇用などについても、物づくりの技能が伝承されていくようにということも含めた今雇用創造の事業をしておりますので、そうしたことも含めて、きちんと物づくりがこの国内でできるように、これは経済産業省を始め関係省庁と連携を取りながら、雇用の面から最大限いろいろな取組をしていきたいと、そのように考えています。
#195
○渡辺孝男君 次に、日雇派遣の原則禁止の緩和について質問をさせていただきたいと思います。
 まず、雇用契約期間に関する政府案に対する修正が行われたわけでありますけれども、衆議院におきましてですね、この修正案発議者の田村衆議院議員にこの修正の趣旨についてお伺いをしたいと思います。
#196
○衆議院議員(田村憲久君) 日雇派遣でありますけれども、禁止の対象を三十日以内の派遣といたしました。この理由でありますけれども、派遣元事業主が一般的な労働者に適切な雇用管理責任を果たすべき範囲というのはどれぐらいなのかというふうに考えたときに、ちょうど雇用保険の適用基準が三十一日以上でございますので、それ以上であるならば派遣元の事業主が雇用管理責任を果たせるであろうということでございまして、それ以内、つまり三十日以内の派遣をこれを日雇派遣の禁止対象という形にさせていただいたような次第であります。
#197
○渡辺孝男君 次に、日雇派遣の禁止の例外に雇用機会の確保が特に困難な場合等を盛り込んだ理由、先ほどからもいろんな質問で中にもあったと思うんですが、その理由と、その対象についての見解について、田村衆議院議員にお伺いをしたいと思います。
#198
○衆議院議員(田村憲久君) 現行、交渉力があります専門二十六業務のうちの十七・五業務、これに加えて、高齢者、これはそもそも雇用を確保するのが非常に難しいものでありますから、高齢者を加えさせていただきました。
 それからさらに、どちらかというと生活するために派遣労働に従事する必要性に、まあ乏しいということはないんですけれども、どちらかというとそれで生計を立てておるという意味でないとするならば、昼間学生でありますとか、それから副業として従事する者、これはダブルワークなども対象になると思います。昼間、平日は会社勤めされながら空いている時間帯を日雇派遣で働かれる方々、それから主たる生計者でない方、こういう方に関しましては、日雇派遣を認めても労働者保護に欠けるおそれというものは比較的少ないのではないかということでございまして、このような形で追加をさせていただいております。
#199
○渡辺孝男君 今、雇用機会の確保が特に困難な場合等を入れたその対象者ということでお話がありましたけれども、追加が政令で決めるということになると思うんですけれども、その政令で追加が検討される例外扱いされる対象の例として、六十歳以上の対象となる高齢者、あるいは昼間の学生ですね、それから本業のほかに副業として従事されるような方々、あるいは主たる生計者でない方々と、こういう方々が例として挙げられているわけでありますけれども、こういう方々、実際日本でどの程度いらっしゃるのかということ、この点につきまして、牧厚生労働副大臣にお伺いをしたいと思います。
#200
○副大臣(牧義夫君) お尋ねの高齢者であるとかあるいはそうじゃないとか、学生なのか、そうじゃないのか、そういう項目については、今、厚生労働省として毎年度公表している労働者派遣事業報告書の集計結果や数年置きに調査している派遣労働者実態調査では、これ調査対象となっておりませんので、正確な数は把握をしておりませんが、ただ、平成十九年に調査した日雇派遣労働者の実態に関する調査というのをやったんですけれども、この抽出調査の結果では、短期派遣労働者に占める高齢者の割合が一・一%、昼間学生が一三・二%、副業として働く者が二五・五%、主婦、つまりは主たる生計者でない方ですけれども、二・九%というふうになっております。
 今後の検討を進めていかなきゃいけませんので、必要に応じてその実態の把握に努めてまいりたいと思います。
#201
○渡辺孝男君 検討に当たっての課題としまして、やはり副業として従事する方々、あるいは主たる生計者でない方々については、全てを認めるという形ではなくて、やはり収入が一定額以上であるというような一定の制限を設けるとともに、日雇派遣に従事する労働者が労働災害等に被災されるようなことがないようにする、そういう労働安全衛生の確保の強化を図るべきと、そのような意見もあるわけでありますけれども、このようなことを配慮して、政府としてどのような対応を行っていくのか、牧厚生労働副大臣にお伺いをしたいと思います。
#202
○副大臣(牧義夫君) 委員御指摘のように、副業として従事する者や主たる生計者でない者の要件等々、その詳細について、その特定などの実務については、法案成立後、施行までに労政審の議論を踏まえ定めることになってございます。この三党での協議の中でも確認をされているとおり、その制定に際しては、御指摘を踏まえて一定の制限、この金額等々、実際どれぐらいの収入があるのか等々、これを設けると、しっかりとそれを要件として設ける方向で検討してまいりたいと思っております。
 また、労働安全衛生についてのお話もございました。日雇派遣労働者が労働災害に被災することのないよう、派遣元、派遣先に対して安全衛生の確保の徹底、指導を行ってまいりたいと存じます。
#203
○渡辺孝男君 次に、特定労働者派遣事業について質問をさせていただきたいと思います。
 田村議員、質問もうありませんので、退席で結構でございます。ありがとうございました。
#204
○委員長(小林正夫君) それでは、田村君は退席されて結構です。
#205
○渡辺孝男君 まず、特定労働者派遣事業者の動向と、そこで常時雇用されている労働者のキャリアアップの取組につきまして、牧厚生労働副大臣にお伺いをしたいと思います。
#206
○副大臣(牧義夫君) 特定労働者派遣事業のこれまでの動向について申し上げますと、昭和六十一年度の施行時から、一般労働者派遣事業と同様に、政令で定められた適用対象業務でのみ事業が行われる、いわゆるポジティブリスト方式でありましたけれども、その後、平成十一年度の改正において適用対象業務がネガティブリスト化されて現在に至っているところでございます。近年では、届出制である特定労働者派遣事業の事業所数は、伸び率こそ鈍化しているものの、平成二十年度以降もやや増加をしているという状況であります。
 こうした特定労働者派遣事業に従事している労働者のキャリアアップについてのお話がございました。事業主によるOJTやオフJTを始めとして、自主的に取り組んでいただく必要があることはもちろんのことでございます。雇用保険事業においても、労働者に職業訓練等を受講させた事業主に対して一定の助成をするキャリア形成促進助成金の活用による支援を講じているところであります。
#207
○渡辺孝男君 やはり、こういう事業所で働いている、常時雇用されているという形でありますけれども、やはり職業能力をしっかり高めていって、その方が今度は正社員できちんと働きたいという、そしてそれを受け入れるというような状況になればそういうところでも働けると。いろいろ展開はあると思うんですけれども、やはり特定労働者派遣事業の中で働いている方々にきちんとした能力を高めていくような、そういう、何といいますか、事業所内で訓練等を、教育等していただくことは非常に大事なことだと、そのように認識しておりますので、こういう点もしっかり厚労省としても把握をしていただきたいと、そのように思っております。
   〔委員長退席、理事梅村聡君着席〕
 今後の特定労働者派遣事業の在り方の検討の方針につきまして、小宮山厚生労働大臣にお伺いをしたいと思います。
#208
○国務大臣(小宮山洋子君) 先ほどもお答えいたしましたけれども、特定労働者派遣事業はその雇用する労働者が全て常時雇用されている労働者でありまして、一般労働者派遣事業のような強制労働とか中間搾取などが、弊害が少ない、そのために届出制となっています、現在。
 ただ、常時雇用される労働者には雇用期間が無期の労働者だけではなくて、一年超えですとか一年超えの見込みの労働者も含まれて、雇用の安定の面で問題だという御指摘もございます。このため、特定労働者派遣事業の在り方については、この改正法施行後、一年経過したその後をめどに労働政策審議会で議論を開始していただき、こうした様々な御指摘も勘案しながら検討を行っていきたいと考えています。
#209
○渡辺孝男君 これから一年をめどに検討を進めていくというお話でありますけれども、やはり現場の皆様の意見といいますか、そういうものをしっかり把握をしながら検討を進めていくということが大事であろうと、そのように思っております。
 労働政策審議会で、どのような形で、そういう現場で働いている方、また特定労働派遣事業の方々、また派遣先の方々とか、現場の実態をちゃんと情報提供していただき、またそれをしっかり審議をしていくということが大事だと思いますので、そういう労働政策審議会の場で、どういう形でそういう方々の声を反映をしていくのか。できれば、そういうところできちんと主張を述べるような機会を持っていく、あるいは、こういう特定労働者派遣事業の中でどういう労働者の方々がどういう意見を持っておられるのか、そういう実態をきちんと調査をするということもまた重要かなと、そのように思っておりまして、そういうこともしっかりやっていただいて、適切な検討、見直しが図られるようにしていただきたいと思います。
 この点に関しまして、小宮山厚生労働大臣にお伺いをしたいと思います。
#210
○国務大臣(小宮山洋子君) 労働者派遣制度の見直しに当たりましては、労働者の方ですとか、派遣元、派遣先、当事者の方々の御意見を伺うということは大変重要なことだというふうに考えています。
 このため、今後実施することになります登録型派遣、製造業務派遣、特定労働者派遣事業の在り方の検討などに当たりましては、派遣労働者ですとか、派遣元それから派遣先、様々な方々のヒアリングを実施をしたいと思っていますし、今委員からは調査ということもございましたが、必要があれば調査ということも考えながら、実態を踏まえてしっかりと検討を行っていきたいというふうに考えています。
#211
○渡辺孝男君 労働者派遣の様々な、これまでも何度か改正をされながら今日に至っているということで、今回、この法律が通るということになれば、また改正の部分等、しっかり関係者の方々に周知をしていくということが大事であり、そういうことがきちんと徹底されないと妙な混乱、不要なトラブル等が起こってしまうということも大いに考えられますので、小宮山厚生労働大臣として、そういう関係者に対する周知徹底をどのように進めていくのか、決意をお伺いをしたいと思います。
#212
○国務大臣(小宮山洋子君) この派遣法改正案、これを確実に施行するためには、関係者への改正内容の周知徹底、これが大変重要だと、当然のことながら考えています。
 施行に当たりましては、派遣元事業主、派遣先、また派遣労働者等関係者へのセミナーですとか説明会を開催をするということ、また法改正の趣旨、内容についてそういう場で周知徹底をしっかりしたいということが一つございます。
 また、労働者派遣事業適正運営協力員を始めとしました経済団体、労働団体等の関係者へ各種の会議などを通じて周知を図ること、そして新聞ですとかホームページを通した広報を行うなど、あらゆる機会を通じまして、趣旨とか内容の周知の徹底を図っていきたいと考えています。
#213
○渡辺孝男君 最後に、小宮山厚生労働大臣にお伺いをしたいと思います。
 派遣業の規制から除外をされている専門的二十六業務につきましても見直しの検討がなされるということでありまして、これをどのような形で見直しを進めていくのか、この点に関しましてお聞きしたいと思います。
#214
○国務大臣(小宮山洋子君) いわゆる専門二十六業務の在り方につきましては様々な御意見があり、国会審議の中でも今日も含めていろいろな御指摘がございましたので、こうした御意見とか御指摘を踏まえて、必要な見直しの検討を行いたいと考えています。
 この検討は、現行の労働者派遣法の考え方、これまでの労働政策審議会での議論、そして派遣労働者の保護の状況ですとか、そのときの雇用状況、経済状況を勘案しながら、一から御議論いただきたいというふうに考えています。
#215
○渡辺孝男君 以上で質問を終わりにさせていただきます。
#216
○川田龍平君 みんなの党の川田龍平です。
 労働者派遣法の修正案は、昨年の十一月中旬に、民主党と自民党及び公明党との間の協議において作成されたと聞いておりますが、ここで修正案の策定過程について伺います。
 そこが見えないからこそ、国民そして労働者が不信を持っているのです。これは民主主義の問題ですので、真摯な御回答をお願いいたします。
 まず、民主党が原案から修正しようと検討した時期、修正検討に至る経緯を詳細に御報告ください。また、その際に、これだけは譲れないという条件など、民主党厚生労働部門会議などで野党との交渉の前提となる修正提案について重点を置いた論点を併せてお示しください。
#217
○衆議院議員(岡本充功君) 多岐にわたる御質問をいただきました。もしちょっと答弁漏れがあったら、後でもう一回聞いてください。
 民主党としては、二十二年四月に労働者派遣法改正法提出以来、成立をするべく願ってきたわけでありますが、現実的には、二十二年の四月以降この法案の質疑が衆議院では行われたものの、なかなか可決するという状況にならなかったと。そうこうしているうちにねじれ国会になって、なかなか審議ができない状況が続いていると。
 こういう状況の中、昨年になりまして、御存じのように東日本大震災もあり、急激な円高だとか欧州の債務危機だとか、改正案を取り巻く環境が変化をする中で、やっぱりこれの中でも重要な部分を通すべきじゃないかと。全体で、パッケージでそのまま無修正で行って通るということがあればなおさらいいことでありますけれども、そうでなくても通すべきところを通そうじゃないかと、こういう考えの下、昨年の秋以降、自民党、公明党さんとの協議が進んできたという中であります。
 もちろん、労働者の保護規定をできる限り維持するべきだという考えもあり、御存じのように、例えば日雇派遣の原則禁止だとか労働契約申込みみなし制度の創設など、そういう様々な制度を何とか残したいという思いを持ちながら修正をしてきて、結果として現在の修正案ができてきたところでございます。
 そういう意味では、今お話がありましたように、国民の皆さんから全てがオープンで見えている議論ではなかったところはありますが、私たちとしては、進めるべきものがまとまったと、このように理解をしているところであります。
#218
○川田龍平君 次に、自民党など野党側としては、民主党に対し、いつごろからどのような論拠で、どのような論点を重視して修正を要望し、議論したのかをお示しください。
#219
○衆議院議員(田村憲久君) ちょっと思い返してみますけれども、たしか去年の十一月ごろであったような気がするんですけれども、民主党さんの方から、もう五回ほど継続審議になっていて非常に不安定な状況である、この労働者派遣法を何とか、自民党さん、公明党さん、条件いろいろと修正も含めて議論をさせていただきたいので考え方を是非とも聞かせていただきたいというお話があったやに記憶をいたしております。
 もとより、国会に出たまま、これ、この法案、廃案にできないんですね。というのは、衆議院は与党の方が多いわけでございまして、ずっと継続でこれかかってくるわけでございますので、途中不測の事態が起これば廃案ということもあるんでありましょうけれども、そういう状況じゃない形でずっと続いてまいりまして、こういう非常に不安定な状況があると派遣労働をされておられる方々も非常に不安で仕方がない。もしかしたら、我々が原則禁止になれば、もう法律がスタートしたときにはいなくなっちゃうかも分からないというようなこともあって、また使われておられる企業の方も、派遣というものを果たしてこれからも一つの労働力の大きな役割として担っていただいていっていいものかどうか分からないということで、とにかく何とか先が見える状況をというお声をいろんな方々から我々もいただいておったのも事実でございます。
 そこで、元々我々は与党のときに考え方を公明党さんとともにまとめさせていただいておりまして、法律も国会に提出をさせていただいておりましたから、もうそれにのっとって、これならばまあいいですよということでお話をさせていただいた。
 その中で、製造業の派遣労働の原則禁止、それから登録型派遣、これの原則禁止、こういうものは外してもらわなきゃいけませんね、とともに、そのみなし制度自体は我々は想定していなかったものでありますし、その後、先ほど来出ております適正化プランによりましての専門二十六業務、それから偽装請負等々の問題で三十七号告示、こういう問題が出てまいってきておりまして、非常に、実際現場で急に当局がやってきてこれ駄目だよなんという行為になったときにこのみなし制度とどういう関係になるのかと考えると、これはもうとてもじゃないけれども不安で仕方がないというお声もお聞きをしたりでありますとか、いろんなことがございましたので、このみなし制度をすぐにスタートしてもらうとやっぱりちょっとこれは現場が混乱するんじゃないかというようなこともございまして、そういうものに関しましてももうちょっと慎重な取扱いを願いたい等々の意見を出させていただいて、それで修正に応じていったという経緯でございます。
   〔理事梅村聡君退席、委員長着席〕
#220
○川田龍平君 もう一つ、与野党の先生方に確認させていただきたいんですが、与野党とも、民主党、自民党、公明党以外の少数政党などとの協議はしたのでしょうか。しなかったとしたらどのような理由でしなかったのか、それぞれお答えください。
#221
○衆議院議員(岡本充功君) また私の方から話をさせていただきますと、与党としてこの法案を通したいという思いがあって、そしてこの法案を修正をしてでも通すというお呼びかけをしたのはまさに与党である我々であり、それに応じていただいたということであって、自民党、公明党さんから他の会派にという話ではなくて、私たちが呼びかけたと、こういう姿であります。
 そういう意味でいいますと、なぜ自民党、公明党さんにお声かけをしたかといえば、先ほどお話もありましたけれども、自民党、公明党さんは一定の考え方をお示しをされている中、この国会における会派でいうと議席の多い会派でありますので、そこにお声かけをするというのはある意味当然我々の中で考える選択肢としてはあるのかなと、こういうふうに思っております。
#222
○衆議院議員(田村憲久君) みんなの党さん、また共産党さん、社民党さんを含め、大変そういう意味では申し訳なくは思うんですが、元々我々は政権与党のときに公明党とともに法案を出した経緯がございます。ですから、その考え方にのっとって、こういう条件ならば法案の修正に応じますよという話でございましたので、他の政党にお声かけをされるのはやっぱり法律を通す役割がある政権与党の役割であろうなと思いまして、あえて我々の方から他の野党さんに、考え方もいろいろ違うところもございまして、お声かけをするというなかなかそこまでは一歩が踏み出せなかったということでございまして、その点は申し訳なくも思いますが、御理解も賜れればというふうに思います。
#223
○川田龍平君 岡本先生、田村先生、お忙しい中ありがとうございました。
 続いて、政府に対して質問を続けさせていただきたいと思います。ありがとうございます。
 それで、先週金曜日に、本会議において労働者派遣法改正について質問をさせていただき、小宮山大臣に答弁いただきました。
 小宮山大臣は、以前から禁煙についても大変積極的で、与党として、立場は違いますが、大いに共感する点もあります。また、労働問題、特に女性の労働問題についても、御自身が三人のお子様を育てながらそういうことを続けられた当事者でもあり、またかねてより働く女性たちの立場に立っての政治活動というものを拝見して、尊敬を申し上げておりました。
 しかし、先日の答弁には失望しました。ただ官僚の書いた作文をNHKのアナウンサーらしくよどみなく読むだけではないですか。政権交代を叫び、華々しいマニフェストを掲げながら、このていたらくはどうですか。御自身で内心じくじたるものがあるのではないですか。派遣村の経験から、また驚くほど進んでいる女性の貧困、子供の貧困の問題から一体何を学んだのでしょうか。妥協に妥協を重ねてこのていたらく、これでは自民党とどこが違うんでしょうか。民主党の政権交代で実現したかったビジョンとは、結局、自民党政治の焼き直しではないですか。
 自殺対策についてのお答えもそうでした。国会での御審議をと言うばかりで、具体的な展望が見えません。思い出すのもいとわしいのですが、鳩山元総理は命を守りたいと演説をされました。言葉が軽くなったと言われて久しいですが、民主党の言葉の軽さには憤りを通り越して絶望感を抱きます。
 ヨーロッパ、EUでは、ソーシャルエクスクルージョン、つまり社会的排除が問題となって、ソーシャルインクルージョン、つまり社会的内包を課題としております。ヨーロッパは七〇年代から失業問題を抱えた失業先進国であります。労働市場から切り離され、社会的なつながりを失ってアウトサイダーとなってしまった人たちのことが社会の大きな問題になっています。
 実は、会社が福祉を肩代わりしてきた日本こそこの問題が大きいのです。仕事にあぶれてしまう人たちは、社会とのつながりにもあぶれてしまいます。無縁社会が言われて久しいですが、仕事がなければ人との縁もなくなってしまう。それは、すなわち何の支援もないことを意味する「無援社会」なのです。
 いわゆる先進国は、どの国もかつてのような経済成長が残念ながら今のところ期待できていません。学校を出て、一度面接をして採用されたら最後、年を取るまで辞めさえしなければ会社が、そして職場が生活を面倒見てくれる、そんな時代はもう望むことはできません。
 そしてまた、一つの会社でじっと我慢をする、それが望ましいことでもありません。人の能力は無限です。様々な分野や舞台でチャレンジすることを応援しなければ、新しい産業も生まれませんし、イノベーション、技術革新もありません。
 就職した年がたまたま不況で全く就職ができない、あるいは経営不振で失業してしまった、たったそれだけのことでもう人間は全てを失うわけにはいかないのです。人は何度も再起して再度挑戦できる、そういう社会でなければなりません。一度失敗したら二度と元に戻れず、人生に絶望して精神を病んで自殺してしまうような社会は、どれだけ人の命や可能性を大切にしない無駄な社会でしょうか。
 国にとって人は最大の財産です。教育費や医療費を掛け、幸せに生きられる日本社会を築いていい人を育てる、それが国の使命、責務だと思います。それなのに、自殺に追い込まれる社会は本質的な対策をしないまま放置し、一人一人の命を、未来をつくる一人一人を失っているのです。
 少子化なればこそ、少ない優秀な人材で、人で成り立たせていかなければなりません。戦争もないのに、十五年間で中都市の一つ、四十五万人の人口がなくなってしまう国、一度も教育を受けたことのない子供たちが大勢いる世界の中で、教育を受けられても毎日百人が自ら死を選ぶような国で、少子化や労働人口の減少を嘆くのは余りにも滑稽です。
 そしてまた、産んだ子供たち、若者たちを大切にしない国で誰が子供を産み育てたいと思うでしょうか。命を大切にしない国で年金改革も税制改革もお話になりません。
 例えばフィンランドでは、自殺は本人の問題ではなく社会問題だとして取り組み、見事に減らしています。そうした意欲が民主党政権には感じられません。この国をどうしたいのかというビジョンが見えないのです。
 そもそも、派遣を始めとして非正規雇用の問題、雇用の不安定化の問題の根本をどうとらえるのかということがないのです。派遣法が規制緩和優先で拡大解釈され、たくさんの人が非正社員として別扱いの不安定な状況に苦しんでいるという世論が大きくなったから改正しよう、規制しよう、しかし、不景気の中で財界や他党が反対するから規制を甘くしよう、三年後にしよう、そういうそのときそのときの場当たり的な対応しかないから、こんな法律案になるんです。
 それはこれまでのマニフェストでも同様です。規制を作ったおかげでより巧妙に逃げ道を見付けられるようになり、かえって悪くなる。実際、リアルに法律でどう変えるのかを精査しようとしているのかが甚だ疑問だと言わざるを得ません。
 先日の本会議の答弁では、平成二十二年四月の国会提出以来、六度の継続審議となりとおっしゃいましたが、この派遣法が審議されずにここまで来てしまったことに対し、大臣はどんな思いでいらっしゃるでしょうか。官僚がパソコンで書いた原稿を読むのではなく、四百字詰めの原稿用紙に鉛筆で書いた、小宮山さんの感情がこもったお言葉でお答えください。
#224
○委員長(小林正夫君) 大臣の答弁の前に、岡本君と田村君については、退席されて結構です。
#225
○国務大臣(小宮山洋子君) そうですね、本会議は時間がそんなに限られていましたので、要点をお話をしたので心が通わなかったということはおわびを申し上げたいと思います。
 それで、今、この派遣法のことを始め、子供の貧困とか自殺、いろいろな問題をおっしゃいました。
 それで、民主党が政権を担ってから、いろいろと、理想は高くいろいろなことを訴えてきましたし、いろいろやりたいという意欲はみんな持っていましたけれども、例えば、財源の見通しが甘かったりとか、なかなかねじれ国会の中で動かなかったり、そうしたじくじたる思いはみんな持っているというふうに思います。ただ、その中で一つ一つやはりできることを、私たちが思い描いたことをほかの党の方とも共有をしながら実現をしていきたいということで、一生懸命やっていることは間違いないんです。そこのところがまだ分かっていただけるだけの形が出ていないというのは大変残念だと思いますけど。
 この派遣法につきましても、先ほど申し上げたように、私もメディアで仕事をしていたときから、この十三業種でバラ色の働き方ができると、自分の時間と能力を生かしてすばらしい働き方だとうたわれたときからずっと追っかけてきていますし、派遣労働者の方の弁護団の皆さん、一人一人の派遣労働者の方からもいろいろと御意見も伺ってきているので、私はかなりこの実態は把握をしているつもりです。
 そういう中では、政府案で労働者の保護をもっとするということを実現したいと思ってやってきましたけれども、やはり、ねじれ国会のせいだけにするわけじゃありませんけど、こういう中で、ずっと継続で一歩も進まないということは何とか脱したいと。そうなりますと、与党と野党とが協議をして修正をするとすれば、やはり与党の側が六割、七割、場合によっては八割譲って成立をさせても、そこの二割の部分で守られるところがあれば、半歩でも一歩でも前に進みたいと、そういう思いでやっているところなんですね。
 おっしゃいました子供の貧困とか女性の労働とか自殺の問題、あと御意見はいろいろあると思いますけれども、たばこの問題も川田議員とは一緒にやってまいりましたけれども、いろいろ実現したいことは当然あります。その中で、やはり現実の中で一歩でも半歩でも進められるように引き続きやっていきたいと、そのように考えています。
#226
○川田龍平君 私たちに必要なのは、労働生産性と関係なく企業や組織に肩代わりさせてきた社会保障を政府がきちんとして労働生産性を図るということ、そして適正で公平で安心して切磋琢磨できる仕事の条件を誰もアウトサイダーにすることなく保障していくことです。不合理で不公平で、チャレンジしなくても何とかなった仕事は、もう今は誰にとってもあり得ないのです。
 しかし、だからといって、その流動性が不安定さと直結するような選択肢しかなかったら、それは選択肢とは言えません。正規労働者は毎年自動的に収入が上がっているのに、時給千円にも満たないバイトが能力給と称され、評価されながら働かされています。登録はしたものの、いつ入るか分からない仕事で、生活保護にも満たないような収入をやりくりして毎日を不安に暮らしています。短期雇用の繰り返しで、毎年毎年雇い止めの恐怖と闘いながら、何とか解雇されないように、短距離競走の速度で職業生活を心をすり減らして送っています。そうした日々を暮らす人には、無理な労働がたたって精神を病み、生活保護への道はリアルに見えても、将来でなく今を安心して楽しめる生活が送れる労働の機会は永遠に回ってこないのです。
 この不合理な格差は何でしょうか。同じ日本国民なのに、十八歳や二十二歳のときに、たった一回のチャンスで、そのときの採用状況に左右されて振り分けられたインサイダーとアウトサイダーで一生が変わってしまう、こんな不合理があっていいのでしょうか。そして、その後の人生を左右するからこそ、大学生たちは就職活動に必死で、勉強する暇もなく、大切な若い時期を企業回りで空費し、自己否定の日々を送る残酷な国となってしまっています。
 最近では、やっとのことで正規労働者になれたとしても、名ばかり正規で、月給はもらえても全てサービス残業。むしろ時給分が出るアルバイトの方が高給であるような場合もあり、先日、過労自殺が認められましたが、若い女性が亡くなるという、飲食業のチェーンなどにもあるように、ひどい状況もあります。安楽な年功賃金の正規の仕事も、実際は正社員が非正規の労働条件以下でただ働きを強要され、辞める自由も奪われた奴隷のような名ばかり管理職になっているサービス残業の正社員も間違っていますし、毎日が転落との闘いである非正規の仕事も、いずれも働き方として間違っています。
 私たちは、労働者に区分けをした派遣法自身、必要がないという立場です。労働法をきちんと守って、働く皆同じ労働者同士で同一労働同一賃金で、老若男女、その属するものは何にもよらず、行う行動によって賃金が支払われるというシンプルな分配がされればよいと思います。パートだから、バイトだから、派遣だからということはその人と一切関係がないのです。実際、非正規雇用が家計補助者だけではなく主たる家計の担い手にも増加している状況下で、正社員との格差をどうとらえるのか。厚労省の一昨年の職業形態の多様化に関する総合調査では、正社員以外の労働者で主な収入源が自分と回答したのが四九・一%なのです。
 労働者はひとしく、例外なく労働法で守られるべきで、屋上屋を架すような労働者保護の法律を幾つも作る必要はありません。派遣法もパート法も結局労働官僚の天下り先としか思えません。複雑な法律は要りません。官僚をのさばらせるだけです。労働基準法第四条の同一労働同一賃金に、性別だけではなく雇用形態による差別も禁止し、また同一価値労働同一賃金を入れ込むだけでよいのです。
 EUでソーシャルインクルージョンが言われたのは、このインサイダーの既得権益が大きいためでもありました。既存の雇用が守られ過ぎて、採用制限がされ、失業者が減らないのです。まさに岡田副総理が提起した国家公務員の採用大幅抑制と同じ道です。
 今の守られた労働条件で狭き門にすれば、ますますエリートになり、賄い切れない仕事は短期雇用の非常勤職員に押し付けられ、不安定雇用を更に増やし、官製ワーキングプアを生み出しているのです。政府自らが社会的排除をつくり出している。もうこんなばかなイタチごっこはいいかげんにしなければなりません。
 そんなことで時間も資源も無駄にしている場合ではありません。インサイダーの既得権益を広く公平に開放しなければなりません。不当に損する人をなくすためには不当に得をする人の分を回さなければならない、それが民主主義です。女性も男性も同じくらいの給与にすべきです。
 日本の会社では、同じ仕事をしていても、大きい会社では収益が大きいと賃金が高くなり、規模の小さい会社では安いです。これではいつまでたっても同一労働同一賃金にはなりません。その人がどの会社に入るのかは運もあります。合わなければ変えればよいのです。どの会社でも同じ賃金、それは企業にとっては過酷です。労働者の賃金を切り下げることで収益を上げることができないからです。うちは小さいから給料安くても我慢してというのは通用しません。同じハンディがなければ本当の意味の経営力を発揮することができないのです。労働者を使い捨てて、過労死させて長らえるような企業が大きくなっていくようでは、この国の発展は望めません。
 みんなの党は、これまでの既得権益に縛られることなく、誰かにしわ寄せをして誰かが利益を得るのではなく、全ての人が皆チャレンジできる機会、権利を持った上で、平等に切磋琢磨できる社会にすることを目指しています。正規であろうが非正規であろうが、男性であろうが女性であろうが、何のかかわりもなく、お互い競い合い、良い仕事をすることを幸福として感じられる社会を目指しています。国民の幸せなくして何のための経済発展でしょう。その観点から、今回の継ぎはぎの対症療法の派遣法の改正には反対です。北欧などで機能しているフレキシキュリティーが、雇用の安定性と柔軟性を併せ持ち、平等性を担保するモデルとしてあるとは思いませんか。
 小宮山大臣は、正社員と比較して年齢による賃金の上昇度合いが低い実態にあるという現状認識がおありになり、派遣元事業主に対し、派遣先の労働者との均衡を考慮しつつ賃金の決定などを行うよう配慮することを義務付けているとお答えになっていましたが、実際、企業が正社員の給与体系に派遣社員を合わせるとお考えでしょうか。それなら、なぜ企業はわざわざ派遣会社を利用するのでしょうか。
 年齢が生産性と関連しない。単に子供の教育費と住居に生活費がかさむ日本の社会のシステムから引き起こされる現状に合わせただけの給与体系です。同一労働同一賃金の原則が日本で常に無視されてきたのは、この年功的な日本の賃金慣習と関連してきたことを旧労働省の役人は知っているはずです。まさにこうした、かつては合理性を持っていたかもしれない、時代や社会に合わせてできた正規の賃金体系こそが企業にとって重荷になっているのです。こうした旧来の給与体系が変わらないからこそ、非正規が増えているという問題を立てるべきでしょう。
 属人的な給与をやめ、仕事に応じた給与にしない限り、同一労働同一賃金は達成できません。そして、それを怠ってきたからこそ、公務員を含め、日本の組織は人件費の重圧に苦しみ、急速な収益の減少、そして非正規化をたどっているのです。
 派遣を不合理な正規の賃金に合わせようとしても無理で、もしそれが万一できたとしても、そして更に別の形の非正規雇用が生み出されただけになるでしょう。
 正社員の職務と派遣の職務を厳密に査定すべきなのです。現実に、派遣社員よりも甚だしく能力のみならず職務自身の質が落ちるにもかかわらず、正社員が派遣の何倍ももらっている。派遣社員の不当な低賃金によって正社員の不当な高賃金を賄っている不合理な実態、つまり正社員の男性、つまり稼ぎ主の働き方も同時に変えなければならないと思います。賃金は職務によって決定され、それによって、男女のみならず、雇用形態による平等を図るように転換し、改善すべきなのです。
 津田政務官、いかがでしょうか。
#227
○大臣政務官(津田弥太郎君) 川田委員におかれましては、非正規で働く労働者の様々な課題について、みんなの党の中にあられながら大変御熱心に取り組んでいただいておりますことに、まずもって感謝を申し上げたいというふうに思っております。
 今、るる様々な観点から御指摘をいただきました。ただ、正社員が派遣の何倍ももらっているという御指摘もあるわけでございますが、果たして現実がそのような状況にあるのかというと、残念ながらここ数年の労働者の収入は全てマイナスになっているという状況もあるわけでございまして、その辺については丁寧な検証をしていきたいな、そんなふうに思っているところでございます。
 この派遣労働者の賃金につきまして、正社員と比較して年齢による賃金の上昇度合い、これが低い実態にある、正社員との格差の存在が今御指摘をいただいたわけでございます。
 このことにつきましては、この改正法案において、派遣元事業主に対し、その雇用する派遣労働者の従事する業務と同種の業務に従事する派遣先の労働者の賃金水準との均衡を考慮しつつ、その雇用する派遣労働者の従事する業務と同種の業務に従事する一般の労働者の賃金水準又はその派遣労働者の職務の内容等を勘案し、賃金を決定するよう配慮しなければならないということにしているわけでございます。
 この労働者派遣法改正案が成立した際には、まずは、改正案の規定に従って派遣労働者と派遣先の労働者の均衡が確保されるよう、派遣元事業主に対する改正案の周知等に私どもは努めることにしているわけでございます。
#228
○川田龍平君 さて、今回のこの派遣法ですが、二〇〇八年、リーマン・ショックで製造業の派遣労働者を中心に大量解雇がなされ、行き場を失った元派遣労働者たちへの越冬支援の派遣村が日比谷に出現したのを契機とし、製造業派遣など男性に広がる不安定雇用が社会問題化し、世論が盛り上がりました。しかし、元々、製造業の派遣がひどい目に遭っているからそれを禁止しろということはかなり乱暴な議論ではないでしょうか。
 需要があって、また仕事を求める人がいるので成り立っているわけです。それを無理やり禁止したところで、安く使いたい製造業が正社員を雇うことは考えられず、むしろ雇用を回避するでしょう。法律で押し付けられても、みすみす損をするようなことを会社はしません。むしろ、派遣先会社ではなく、派遣元の会社が本来業務である雇用を保障する方向にするべきではないでしょうか。
 きちんと派遣労働者の生活を保障し、派遣先の会社のニーズに合わせて派遣労働者を教育する機能をもっと充実するべきです。税金を豊富に投資した成人労働者に物価の安い外国人と争い合わせるような仕事しか与えていないのは愚の骨頂です。労働者を教育すれば付加価値が生まれ、日本国の労働の質や生産性も高くなるのです。派遣会社は、景気の好況を当てにしなくても、必要とされる人材を見極め、それを独自に育成することで市場を見付けることはできるでしょうし、それこそが企業の競争力でしょう。人が足りないときは当然仕事の単価は高くなるのですから、派遣元は潤います。逆に、人手が余って派遣の時給が値崩れしたときは、派遣元が買い支える必要があるのではないでしょうか。
 こうした信頼性ある事業を展開してこそ、派遣先の企業と対等な関係で自分が雇用している派遣労働者の権利を守ることができます。派遣労働者を派遣会社の常勤社員とするなら、社会保障や派遣先開拓、教育をきちんとし、三割、四割のマージンは正当な収入になります。派遣業界のイメージは向上し、業界全体の健全な発展になり、また国益にもなるでしょう。派遣労働者を商品とするならば、安心できる労働条件と適切な教育があってこそ良い戦力ある労働力商品となるはずで、今までのような安かろう悪かろう、だから規制しようでは、網を抜けるための裏知恵が発達するだけです。
 社会保障や仕事がないときの補償をしない形態の派遣は、マージンを低めに設定し時給を高くすることです。職安法で設置された家政婦紹介所は、現に今もそうした形で家政婦を派遣しています。そうでないと、派遣会社は手配師にすぎないし、中間搾取と見分けが付かなくなります。どこかの派遣会社のように、毎日人を集めては遠い場所に連れていき、安全衛生が守られないで、手袋、マスクも自分持ち、安い給料からいろんな名目で天引きする貧困ビジネスになり果て、とんでもない企業活動になるわけです。
 ここで聞きたいのは次のことです。
 まず第一に、製造業派遣を禁止するというより、派遣元会社が本来業務である雇用を保障する方向にすべきではないでしょうか。次に、派遣先の会社のニーズに合わせて派遣労働者を教育する機能をもっと充実し、安全衛生なども含め、民間がうまくいくように政府は指導、助言すべきじゃないでしょうか。津田政務官に伺います。
#229
○大臣政務官(津田弥太郎君) 平成二十年秋の雇用情勢の急激な悪化に伴って社会問題化しましたいわゆる派遣切りにおいて、労働者派遣については雇用の不安定さが、製造業派遣についてはさらに技能伝承の問題が指摘されており、これらの問題に的確に対応した措置を講ずるため、政府原案では製造業務については常時雇用する労働者を派遣する場合を除き原則禁止することとしていたわけでございます。
 しかし、政府案が六度の継続審議となり、大震災、円高、欧州債務危機など、改正案をめぐる環境が大きく変化したことも踏まえ、登録型派遣と製造業務派遣の原則禁止を削除し、登録型派遣と製造業務派遣の在り方を検討事項とする旨の内容の修正が行われ、三月八日に衆議院を通過したところでございます。
 なお、修正案の改正案においても、政府原案と変わらず、派遣元及び派遣先は、労働者派遣契約の解除に当たって、新たな就業機会の確保や休業手当等の費用負担に関する措置等派遣労働者の雇用の安定を図るための必要な措置を盛り込んでいるわけでございます。
 また、今回の法改正によりまして、派遣元は派遣労働者の経験に応じた就業及び教育訓練の機会の確保等の措置をするよう努めなければならないということになるわけでございます。派遣元は派遣先に雇用される労働者との均衡を考慮しつつ、教育訓練の実施等の措置を講ずるよう配慮しなければならないということになるわけでございます。これによって、派遣労働者にとって技術、技能の蓄積に資するよう、計画的な教育訓練の実施や適切な就業先の確保が求められ、こうしたことを通じて派遣先のニーズも踏まえた教育訓練が実施されるものと考えております。
#230
○川田龍平君 ありがとうございます。
 続けて、今回の改正法によりマージン率公表がなされますが、その計算方法がどうなるのかを御説明ください。
#231
○政府参考人(生田正之君) お答えいたします。
 改正法の第二十三条第五項によりまして、マージン率につきましては、派遣元の事業所ごとの派遣料金の平均額に占める賃金以外の額の平均額の割合というふうに定められてございます。
 ただ、その具体的な計算方法につきましては厚生労働省令で定めるということになってございまして、この内容につきまして、労働政策審議会の議論も踏まえつつ、現場が混乱しないように定めていきたいというふうに考えてございます。
#232
○川田龍平君 ありがとうございます。
 それでは、マージン率の数値を今後の施策にどのように活用していくつもりなのでしょうか。特に、登録型派遣についてそれが下がる方向だと政府は考えているのでしょうか。津田政務官、お願いいたします。
#233
○大臣政務官(津田弥太郎君) 先ほど川合議員からの質問にもございました。このマージン率の情報公開により必ずしもマージン率が下がるかどうか、これはやってみないと分からない点があると思います。
 先ほどの質疑にもありましたように、そのマージン率の中に、いわゆる労働福祉にかかわる、つまり、社会保険の加入でありますとか教育でありますとか、そういう費用が含まれている場合と含まれていない場合、これはやはり当然マージン率に違いが生じてくるわけでありまして、一概にマージン率が下がったからその会社はいい派遣会社だということになるかどうか。しかし、そういう情報ができるだけ多く伝わっていく、派遣労働者に伝わっていくという意味では第一歩になるのではなかろうか、そのように考えておるわけでございまして、このマージン率の情報公開により良質な派遣元事業主が選択されるようになるということが大事なことである、派遣労働者の待遇の改善がそれによって図られていく、こういうふうになっていくことを我々は考えているわけでございます。
 また、派遣先や派遣労働者がマージン率を参照することにより、派遣元事業主間の競争が促進をされる、つまり、同一条件でマージン率が算定をされるとすればやはりそこには当然競争が生まれるというふうに考えているわけでございまして、労働者派遣事業の運営の適正化も期待をできると考えております。
#234
○川田龍平君 ところで、今回の東日本大震災の被災地において派遣会社が雇用を創出したと業界団体が報告しているようですが、確かに被災地において派遣会社の復興支援も含んだ雇用の紹介は、再建しようとする派遣先会社の体力を温存する方法ともなり得ます。もちろん、働く労働者にしわ寄せをしないことも最大限必要です。復旧や除染など危険な作業にかかわる労働者を調達する派遣会社にも、こうした網をしっかり掛けなければなりません。
 実際、その実態はどうなのでしょうか。被災地において派遣労働者になった方がその後安定した就労状況にあるのか、フォローアップを政府としてやっているのでしょうか。きちんと把握していないのならば、政府の責任で把握し、安定した雇用が得られているか、フォローアップすべきだと考えますが、津田政務官、いかがでしょうか。
#235
○大臣政務官(津田弥太郎君) 恐縮です。
 社団法人日本人材派遣協会が調査したデータによりますと、被災地におきまして新規派遣就業開始人数が二万二千五百四十二名、新規派遣登録人数が二万九千四百九十七名ということでございまして、一定程度、この調査によれば進んでいるということがうかがえるわけでございます。
 政府として今指摘のような被災三県における今の数字を提供できる状況に今なっておりませんけれども、ただ、ハローワークの個々の報告をまとめますと、リーマン・ショック後のような大規模な派遣切りが起こったという事実は私どもとしては把握をしておりません。
 厚生労働省としましては、震災発生後の状況に即して事業主向けのパンフレット等を作成し、解雇、雇い止め等に関するルールの積極的な周知に努め、また昨年四月には、大臣から直接、主要経済団体に対し、雇用の維持確保について要請をしているところでございます。
 今後とも、被災地で派遣労働者の雇用問題が発生した場合には、迅速、的確に対応していきたいと考えております。
#236
○川田龍平君 そうした健全な派遣会社の育成のために、政府は業界と癒着するのではなく、インセンティブをつくる工夫が必要だと思います。三年ルールや、また労働契約法改正案では五年ルールというのを作るとも聞いていますが、これは単に三年や五年を超えずに失業するルールになりかねません。これまでも適正化として脱法行為を取り締まり、規制を強制的に強めてきましたし、裁判などの判決も出ました。しかし、実際それで正社員化の方向にはなっていません。当事者は解雇を恐れて言い出しにくいのです。弱い立場の違法派遣の派遣労働者に代わって労働基準局の徹底した指導が必要です。
 先日の本会議では、均等法以後の一般職が派遣に代替されたと指摘しました。専門二十六業務は、本来臨時、一時的な働き方である労働派遣の建前なのに、受入れの期間の制限を設けていません。特に五号業務、八号業務は、実際には専門性が希薄な業務です。加えて、業務対応、事務所内での庶務、雑務全般を担当するなど、これまで一般職の女性正社員が行ってきた一般事務の代替としての役割を果たしているのです。このような働き方は、派遣労働としての性質を要さず、正社員と極めて近似的な働き方です。
 派遣業界は、利益率の高い仕事を派遣先から得ることよりも、派遣先が自分のところの正社員にしたいと思うような人材を育成し、正社員化した件数を競うぐらいであってほしいです。
 岡山のアパレル業界でクロスカンパニーは、全員正社員で、売上げトップでグローバルな成功へ向かっている事例として有名ですが、そうした業界づくりを政府はすべきではないでしょうか。
 そもそも国でも地方自治体でも、三か月なり六か月なりの細切れの更新を恒常化させ、長年同一の人物を同一の事業所で同一の労働に従事させている例が多く見られます。民間でも同じことが行われるだけです。六か月より一日少ない緊急雇用対策などもあり、これは地方公務員法の問題でもありますが、先ほど言ったように、同一労働同一賃金で、正規、非正規の枠を取れば、このような変な雇用の在り方はなくなります。ただ、正規の特権がなくなるので、正規の役人は非常勤の公務員を均等待遇にしようとはしないでしょう。派遣元、派遣先に云々するより、自分たちの足下を見て、まず隗より始めよです。
 厚労省などでも、特に若い女性の派遣社員を採用しておられるようですが、もちろん法律遵守されていると思いますが、どうなのでしょうか。
 本来、派遣の働き方は、派遣先で切られても派遣元が保障し、新たな派遣先を見付けるのは派遣元の本質的な業務で、そのために、登録している労働者をスキルアップして派遣先の求める労働力として供給できるように努めるのが派遣会社の業務であるはずです。そういったことができずに、派遣切り、労働者が路頭に迷うというようなことをしてしまっている派遣会社は淘汰しなければ、結局国にお鉢が回ってきます。労働者が労働市場にとどまれないような安い時給で、また失業保険ももらえない雇用保険のない労働者の失業となれば生活保護になり、国や自治体にとって膨大な経費となります。それを水際で止めようとすれば「無援社会」のやみが迫ってきます。こうした実力のない派遣会社のために、労働者も政府も、そしてつまり国民も迷惑を被るようなことになる不条理、企業の怠慢の税金での処理は許されません。
 労働者を保護しようと思って会社を経営する人はいません。うまくもうかるために、いかに良質な労働者を確保するか、労働者の条件を良くすることで会社の経営がうまく回るか、そうしたインセンティブの下、日本型雇用関係、雇用慣行ができ上がり、高度経済成長期には功罪もありながらうまく機能してきました。低成長期は、こうした企業努力がもう望めない産業構造になっています。
 福祉国家が言われるのも、そうした機能不全の中で政府の役割が大きくなってきているからです。役割が大きいということが必ずしも大きい政府を指すわけではありません。今こそ厚生労働省の出番であるはずです。安定と安心が効率と成長を生むということを信じて、知恵を絞って汗をかいていただきたい。
 この困難な時代だからこそ、安心と発展の回路を作り出すことこそが国の務めではないでしょうか。小宮山大臣には、こうした厚労省の役割に是非自覚的でいてほしいと思いますし、そのためには、まずこの法案審議に当たって、最後に、労働者はひとしく労働法で守られるべきだという労働行政の原点を確認し、さらに業界が自身の健全な発展を目指していけるような制度設計と啓蒙が必要であることについて、大臣の決意をお聞きして終わりたいと思います。
 ここにいる一人一人の労働者、派遣労働者の方々が、これからの日本に希望を持って生きていけるよう、当事者の視点から、大臣の決意表明をお願いいたします。
#237
○国務大臣(小宮山洋子君) 委員のお考え、しっかりと聞かせていただきましたので、一人一人の労働者がしっかりと誇りを持って働けるように、またこの派遣の働き方も健全な形で発展をし、おっしゃるように、これはもう正規、非正規にかかわらず均等な待遇ができるような方向を目指して一歩を進めたいというふうに思っています。
#238
○川田龍平君 ありがとうございました。
#239
○田村智子君 日本共産党の田村智子です。
 今回提案をされた派遣労働法の改定は、政府案、修正案とも日本の雇用形態がどうあるべきかということを問うものであって、十分な審議時間が必要な内容だと考えます。今日は、リーマン・ショック後派遣切りに遭って、現在も裁判を闘っている方々も傍聴に来ておられます。本来、こうした当事者の方にも参考人として意見陳述をしていただき、派遣労働の自由化が一人一人の労働者、そして企業、日本社会に何をもたらしたのか、しっかりと議論する責務が国会にはあるはずです。政党間の駆け引きによって、僅かな審議で採決まで行う、これは良識の府としての参議院の存在意義が根底から問われる事態だと思います。そのことを強く抗議して、以下、質問に入ります。
 まず、製造業派遣についてお聞きをいたします。
 二〇〇八年、リーマン・ショックを理由に、十月から年末までの僅か二か月間で十四万人もの労働者が派遣切りに遭いました。他の非正規雇用も含めれば、約二十三万人が短期間のうちに仕事を失いました。景気が悪化をすれば即、職を失う、低賃金のため貯金もできなくて、職を失えば住まいも失うと。こんな不安定な働き方をはびこらせた政治への疑問や怒りが大きく広がって、これが政権交代の一因になったと私は思います。
 まず、大臣にお聞きをいたします。政府提出の法案は、大変限定的ですが、そして私たちは不十分だと考えますが、少なくとも製造業派遣には何らかの規制が必要だと、こういう立場です。なぜ製造業派遣を規制する必要があると、そう考えたのか、お答えください。端的にお願いします。
#240
○国務大臣(小宮山洋子君) 平成二十年秋のリーマン・ショック以降、製造業務に従事する派遣労働者の雇用の不安定、また技能の継承の問題が指摘されました。こうしたことなどから、政府提出の労働者派遣法改正案では、常時雇用する労働者の場合を除いて製造業務派遣、これを原則禁止することにしていました。
 ただ、先ほどから審議があるように、今の国会の中で六度継続審議になり、様々な経済情勢が悪くなっている中で、衆議院で、登録型派遣と製造業務派遣の原則禁止を削除をして、登録型派遣と製造業務派遣の在り方を検討事項とする旨の修正が行われました。この修正案には、政府案に盛り込みました労働者の保護規定の日雇派遣の原則禁止ですとか、労働契約申込みみなし制度の創設などが入っておりますので、先ほどから申し上げているこの一歩前進という形で、この法案の持つ意義というのはあるというふうに考えています。
#241
○田村智子君 リーマン・ショックが一つの原因となって派遣切りが起きた、ここに大きな問題があるんだというその認識があったということが、趣旨説明でも本会議の議論でもこれは明らかに示されたと思うんですね。
 それでは、私は提案者の方にお聞きをしたいと思います。
 この修正案というのは、製造業派遣への禁止は何一つとして行うべきではないというものです。手を付けるなと、こういう修正案ですよね。それでは、二〇〇八年の派遣切りは何も問題なかった、今後このような事態を未然に防ぐような政策は必要ない、そういうことなのか、自民党の提案者、民主党の提案者、それぞれお答えください。
#242
○衆議院議員(岡本充功君) 何一つないわけじゃなくて、これ検討していくわけですよね。そういう意味では何一つないわけではないんですけれども、一方で、今お話がありました、確かに二〇〇八年の派遣切りをどう考えるかという論点はあると思います。現に多くの方がこういう形態で働いているのもまた事実です。
 一方で、様々な労働を取り巻く法整備をしていかなきゃいけないというのは、現時点で、私は政府側ではありませんけれども、国会の側として既に提出されている法案の中にもあるという理解をしています。例えば、労働契約法の改正なども、まさにこれから先、有期の労働者の皆さん方のいわゆる労働者性についての保護する、こういったことを補完するものでありますので、こういった法律も併せて対策を取っていくということでありまして、今お話がありましたように、未然に防ぐための措置をとっていくという意味においては様々な法律とともに行っていくんだろうと、このように理解をしております。
#243
○衆議院議員(田村憲久君) 確かにあのリーマン後の雇用環境は大変な状況でございました。その中で派遣切り等々も言われたわけでありますが、これはやっぱり派遣先が中途解約をしたというのが一番の理由だというふうに思います。そして、そのときにちゃんとした取決めができていなかった。
 ですから、今回、改正法案におきまして、派遣元・先指針に定める事項を今度は法律に明確に規定をすると、これは今回の修正では全くいじっていないところでございますので、これはこのまま残っておりますから、例えば休業補償をどうするんであるかでありますとか、また代替の職場をどうやって探していくのか、解雇手当、これは当然の話でありますけれども、こういうものもここに書いております。
 損害賠償を、今度は派遣元か派遣先に対して損害賠償をちゃんと求める、こういうところで一定程度のものは担保できるんであろうと思いますが、ただ、それだけのみならず、あのリーマン後の雇用環境というのは全ての職がなくなっちゃったんですね、あれ。つまり、製造業も自動車だけが駄目だとか電機だけが駄目だというんじゃなくて、どこもかもなくなっちゃった。ですから、ある意味あそこの自動車もここの自動車も駄目という話になれば、普通、派遣であるならばここが駄目ならば次のところを探すということができるんですが、一斉に日本中から雇用がなくなるわけですから、それは次にも持っていけない。ですからこういうことが起こった。
 一方で、じゃ、直接雇用ならどうかというと、これも有期雇用、言うなれば契約社員のような期間工、こういう方々も雇い止めを受けているんですよ。ですから、直接ならばよかったという話でもない。
 そういうことから考えれば、やはり有期というもの、こういうところにしわ寄せが来たという話でございまして、製造業派遣のみが問題であったというふうには我々は考えておりません。
#244
○田村智子君 切られた後のこの手当てをどうしていくか、それでは駄目なんですよ、やっぱり。
 派遣切りというのは、直接雇用での有期雇用で切っていくというのは大問題ですよ。しかし、実際に派遣切りが過去に起きたことをこういうふうに片付けるわけにもいかないような事情がありますよね。いすゞ、日産、トヨタなど名立たる製造大企業が、もう派遣会社への一片の通知でまさに労働者を切り捨てたと、これがそれでいいのかということが問われているわけですよ。こういう企業のモラル破壊に目をつぶれば、同じことがまた繰り返される。
 しかも、あの派遣切りが起きたときに、現行の法制度も、そして労働行政も全くそれを止めることができなかった。この反省に立って、こういう事態を起こさないために、少なくとも製造業で何らかの規制必要なんだと、検討じゃ駄目ですよ、規制に一歩踏み出すということが求められていたはずなんです。
 大臣にもう一回お聞きしたいと思うんですね。今度、民主党も修正案に加わっちゃったんですよ。一体、野田政権は製造業の派遣、これは規制が必要という立場を取るのか、それとも、もうそのときから、派遣切りのときから状況が変わりましたと、いろいろ企業も大変ですと、規制はやめておきましょうと、そういう立場を取るのか、これどっちなんですか、お答えください。
#245
○国務大臣(小宮山洋子君) それは先ほどから申し上げたように、この製造業務のところまで広げたことによって派遣が不安定で低賃金なものになったという側面があると思います。
 ただ一方で、今状況がいろいろ変わっている中で、この製造業派遣で仕事が回っているという部分も確かにあるわけなので、こういう現状の中で、私は、製造業派遣を今のままでいいということではないので、今回一歩前進という形にしたいと。その中に先ほど申し上げたように、労働者の保護を規定したものも数多く入っていまして、これは製造業務派遣の皆様にも適用されるので、そういう意味で一歩前進という形で今回考えたということです。
#246
○田村智子君 もう一度製造業派遣については、私、原点に戻ってちゃんと議論しなくちゃいけないと思うんですね。
 製造業への労働者の派遣、これそもそもが禁止だったんですよ。派遣労働が原則自由化された際にも、製造業への派遣、これ禁止しなきゃ駄目だと、先ほどからお話ありますね、ネガティブリスト。これ、何で製造業は派遣はそもそも禁止しなくちゃいけないと、こういう判断がなされていたのか、これ改めてお聞きしたいと思います。局長の答弁で構いません、端的に。
#247
○政府参考人(生田正之君) お答えいたします。
 平成十一年の労働者派遣法の改正に際しまして、それまで政令で列挙する業務のみ派遣ができるというふうにしておりましたのを原則派遣可能といたしまして、派遣禁止業務のみを法令で定めるというネガティブリスト化を行いました。
 その際に、物の製造業務につきましては、製造業のとりわけ直接生産工程で働く労働者の方が日本の雇用労働者に占める割合が非常に大きいということ、それから、日本の労働者の労働条件の決定に与える影響の大きさがあるということもございまして、本則上は自由化をしたんですけれども、激変緩和の観点から、附則によりまして、当分の間、厚生労働省令で定める業務の労働者派遣は行ってはならないというふうに定めまして、厚生労働省令の中で、物の製造の業務につきまして、産前産後休業、あるいは育休、介護休業の代替要員の業務以外は定めるということになりまして、労働者派遣の対象業務とならなかったということでございます。
#248
○田村智子君 非常に製造業の割合が大きいと。派遣法の一番の原則的なところは、この派遣労働者が常用代替になっていったら駄目だ、こういっていろいろ規制掛けてきたわけですよね。常用代替を起こすような派遣は駄目だと。
 実際、製造業派遣が解禁をされて、労働者の割合も非常に大きいところで解禁がされてどうなったか。解禁後、派遣労働者は一気に百万人規模で増えて、リーマン・ショック前には三百二十一万人にまで膨れ上がったわけです。この間、就業者の総数というのはほとんど変化がないと。こういうことを見ても、まさに派遣労働法があってはならないと想定をしている常用代替が大規模にすさまじいペースで起こった、これ言えると思うんです。
 もう一点確認したいんです。
 それでは、二〇〇三年、製造業への派遣が解禁された。なぜこれが解禁されたのか、これも端的にお答えください。
#249
○政府参考人(生田正之君) お答えいたします。
 物の製造の業務につきましては、平成十一年改正の際に激変緩和の観点から当分の間適用除外という取扱いでございました。しかしながら、平成十五年改正に際しまして、経済産業構造の転換でございますとか、あるいは国際化の進展の中で、日々変動する業務量に応じまして労働力の需給に迅速、的確に対応するというニーズが製造業において非常に高まっているということでございまして、物の製造の業務を派遣の対象としたということでございます。
 その際には、当時、製造業において請負事業の利用が広く進んでいたことと、それから労働者派遣事業の利用が全面的に禁止されていたということを踏まえまして、十五年改正のときには派遣期間の制限が原則一年から三年に改められたわけですけれども、この改正法の施行後三年間につきましては、平成十一年改正で対象業務をネガティブリスト化したときと同様に、この製造業務につきましてはまずは一年間の期間制限を適用するということで、請負業や派遣先に急激な変化をもたらすことがないような配慮をしたということでございます。
#250
○田村智子君 ちょっと今の答弁、よく分からなかったんですけど、過去の議事録を読んでみますと、今大切なことをちゃんとお答えになっていないんですね。
 実際には、相当に製造業の中に偽装請負がはびこってしまって、これを適正な請負にするためには派遣労働者を受け入れていいと、こういう法律を作らなきゃ駄目だと、こういう議論、ずっと衆議院でも参議院でもやられてきているんですよ。
 これ、製造業で働く皆さんが派遣労働を解禁してほしいとか、多様な働き方にしてほしいんだと、こうやって求めて解禁されたものなんかじゃないです。キヤノンやニコン、松下プラズマなど名立たる大企業が、人件費抑制のために偽装請負という法律違反を犯してまで労働者を外部調達した。そして、待遇の格差だとか、安全対策の不十分さとか、突然の雇い止めとか、深刻な問題が次々と起こって社会問題化して、労働者の告発も相次いで、それじゃ今度は製造業に派遣を解禁して法律で適正な請負、適正な派遣、これ規定しましょうよ、こういうふうに動いていったんです。
 実際、当時の議事録ずっと読んできますと、例えば当時の局長、こういうふうに言っているんですよ。偽装請負があることで一番の問題は、何か起きたときに雇用主責任がどちらにあるのかはっきりしないということがやはり最大の問題ではないかと、製造業では事故とかそういうことを含めてそういう事態が起こりやすいと、こういうふうに言っているわけですよね。
 それでは、製造業の派遣労働を法制化して、何か起きたときの雇用責任が明確になったと言えるのか。派遣切りのときに一体誰が派遣労働者に対して雇用主責任を果たそうとしたのか。
 私、改めて製造業派遣をめぐる経緯を見ても、またこの現状を見ても、製造業への派遣労働を解禁したことで、正規雇用から非正規雇用への切替え、個々の企業での常用代替、そして派遣切りに象徴される労働者の物扱い、雇用破壊が起こったことはもうこれ明らかだと思います。であるならば、やはり製造業派遣は一部の禁止ではもう足りないと。製造業は、雇用主責任をしっかりと果たすような雇用形態をもう一度組み立てていくべきだと。これ、全面禁止という方向を真面目に検討することを求められていると思うんです。
 大臣、いかがでしょうか。
#251
○国務大臣(小宮山洋子君) 先ほどから申し上げているように、この製造業務派遣についても今後その検討をするということになっていますので、そういう意味では、今御指摘の点なども踏まえてしっかりとこの先検討をしていきたいというふうに思っています。
#252
○田村智子君 今回、本当に修正案で、僅かな規制も削除をして検討にしちゃったんですよ。どう検討されるか分からないですよ。
 私は、派遣切りで裁判まで訴えた皆さんにいろいろお話聞いてきました。勝訴するためにと全力尽くしていますけど、元の職場に帰れるかどうか分からないんですよ。そういう不安の中で闘っています。日々の生活の困難も本当に抱えています。それでも二年、三年掛けて裁判闘っているのはなぜか。それは、働きたいって思いが物すごくあるからですよね。この会社で自分、誇り持って働いてきた、その仕事を奪わないでほしい。それをいきなり一片の通知で奪った。人間に対する尊厳を踏みにじるやり方、許せない、こういう気持ちもあるでしょう。そしてもう一つ、自分たちが闘うことで二度とこういう事態を許さないような法制度がつくられると、このことを信頼して私は裁判を闘っていると思うんですよ。
 それにどうこたえるかということを話し合うのが私は厚生労働委員会の役割だと思う。それにどうこたえるかと真剣に向かうのが労働行政が果たすべき役割だと、そういうふうに思うんですよ。
 大臣、いかがでしょうか。
#253
○国務大臣(小宮山洋子君) また何度も繰り返しになって恐縮ですけれども、私を含めて、今政府の方でも、今、製造業派遣の中に問題があることは当然意識をしています。ですから政府案を提出をいたしました。
 ただ一方で、今の被災後の状況やらいろいろな経済状況の中で、そこで仕事がつくり出されて、働いている人が現にいるということも事実なんですね。そういう中で、どういう在り方にしたらいいかということ。今回、何回もの継続審議を経て、やっぱりそれでも製造業も含めて本当に少しでも労働者を守れる方向を実現をしようということで、今回これを一歩踏み出しました。
 先ほどからお話ししているように、この製造業派遣の問題、それからほかにも幾つも問題があります。最初想定したものと随分違った働き方になっているということは事実です。また、新たな雇用の場をつくっているということも一方で事実の中で、この製造業派遣についても、どうあるべきかということを、今後もう一度抜本的なところから、しっかりとその現場の方の御意見も伺って、私も裁判闘争をしていらっしゃる皆様方とも直接お話もしていますし、これまで私自身もいろいろなかかわりを持ってきました。そういう中で、そうした当事者の皆さんの声も聞きながら、また今の状況の中での経済界の御意見も聞いて、それぞれ関係者の意見もしっかり聞きながら検討を徹底をしてやっていきたいと、そのように思っています。
#254
○田村智子君 だったら、こんな修正案がこの国会に出ているということは、私は本当におかしいと思います。
 時間がないので、日雇派遣についてもお聞きをします。
 政府案では、派遣期間が二か月未満の登録型派遣を禁止すると。日雇派遣、二か月未満の派遣は駄目だというふうにされたのか、そのことについてお答えください。
#255
○政府参考人(生田正之君) お答えいたします。
 政府原案につきましては、日雇派遣の禁止の範囲につきまして、派遣元に雇用管理責任を果たさせるという観点から、労働政策審議会での議論を踏まえまして、社会保険の適用の基準となります二か月というのを基準として定めたところでございます。
#256
○田村智子君 それで、修正案ではその二か月は長過ぎると、三十日以内だと。先ほどお答えがあって、雇用保険加入の義務付けが三十一日以上だということだったんですけど、私、これは労働者の保護になるというふうにはならないと思うんですよね。
 日雇派遣の方というのは、失業状態か分からないじゃないですか。日々仕事があるかどうか分からない。あなた、雇用保険に入っていますから失業手当受け取れますよなんということにならないと思うんですけど、これは何でこれで労働者が保護できるというふうにお考えになったのか、お答えできますか。
#257
○衆議院議員(岡本充功君) 何をもってこの日数とするかというのは、今委員がお話しになられたとおりで、もう既に議論があったと思いますが、労働者の保護、様々な観点があると思っていますけれども、雇用保険を掛けて派遣元事業主が適正な雇用管理責任を果たすことで派遣労働者の保護は図られるというふうに理解をしているところでありまして、先ほど答弁があったと思いますけれども、我々としてはこれを三十日というふうにしたところでございます。
#258
○田村智子君 結局、根拠ないわけですよ。社会保険加入というのはまだ私、ちょっと根拠あるかなというふうに思うけれども、三十日未満を禁止、雇用保険加入期間が三十一日から、これは理由にもならない。私、言わば日雇で使いたいような事業者に押されて、もっと短くできないかと、まあ、さすがに十日とかそういうのじゃまずいなと、じゃ、ここまでぎりぎり短くしましょうと、そんな決め方だったんじゃないかと思わざるを得ないような、何が何でも日雇派遣、これを野放しにしたいかのような提案だなというふうに、修正だなというふうに思わざるを得ないんです。
 大体、そもそも二か月でもどうかと思いますけれども、そういう一か月や二か月の雇用期間、一番心配なのは安全教育が十分に行えるのかということです。そういうのがニーズがあるからという議論があってちょっと驚きましたけれども、ニーズがあるからとこたえていたら、労働者の側だって職業意欲や自らの職業能力をどうやって伸ばしていくのか。むしろこれは日本の産業や経済にとって大問題だと思いますよ、もしそこにニーズがいっぱいあるということだったら。そういうことも考えなきゃいけないはずだと思いますよね。
 それ以上に問題なのは、こうやって非常にこの期間短く定めているんだけれども、これでさえも例外規定を設けて、結局日々雇用でいいよと、一日だけ働くのでもいいよという例外規定を設けてしまっている。政府案の方でも提起をされている雇用管理に支障を及ぼさない業務、これは例外だと。一体どういう労働者を指しているのか、簡潔にお答えください。
#259
○政府参考人(生田正之君) 政府案の日雇派遣の例外でよろしゅうございますか。
 政府案の日雇派遣の例外につきましては競争力あると考えられる業務でございまして、十七・五業務の対象者につきましては日雇派遣の例外というふうにいたしております。
#260
○田村智子君 これは専門二十六業務の中の十七・五業務と。つまり、専門性があるので、専門業務に登録型派遣が認められていて、仕事があるときだけの雇用契約でもそういう皆さんはスキルがあるから大丈夫ですよと、日々渡り歩いても大丈夫ですよというような規定だと思うんですね。
 私、これもどうかと思うんですね。先ほどから派遣元の責務ということが議論されていますけれども、専門的なスキルがあればなおのこと研修の期間が保障されて、その派遣元で自分のスキルアップができていくような、そういう雇用形態だって必要なはずで、それが登録型でいいのか、日々雇いのような職場にどんどん行かされるということでいいのかと、ここは大いに議論しなければいけないと思います。
 加えて、修正案はそれだけでは足りないと、もっと広げろという規定が加わっています。雇用機会の確保が特に困難であると認めた場合とその他政令で定める場合。非常に曖昧な規定で、これも先ほどお答えがあったので、どういう人かといったら高齢者、六十歳以上でしょうか、それから学生、副業の方、主たる生計者ではない者。
 私、この主たる生計者ではない者というのは実は非常に幅が広くなっちゃうんじゃないだろうかと思うんですよ。親と同居している若者、入りますよね。夫婦共働きでどちらも不安定な働き方、どっちが主たる生計者か分からない、こういう人たちもみんな日々雇いの、日雇派遣の、やっていいと、そういう対象になっちゃうんですか、どうですか。
#261
○衆議院議員(岡本充功君) 主たる生計者じゃない者というのは、主には主婦で、御主人が働いていて仕事に出るというような人などを想定をしていますが、先ほど御答弁させていただきましたように、これにつきましては政令で定めることとなっていますので、労政審の議論を経て決まるのではないかと、このように考えております。
#262
○田村智子君 こうやって曖昧に広げておきながら、あとは労政審で審議しますなんて、こんな無責任なことないと思いますよね。規制する幅を緩めちゃって、あとは労政審ですよと。法案の条文は非常に曖昧で、本当にこれからの検討なんていうのは、私は認められないですよ。
 しかも、修正案で加えられたこの中身というのは、例えばこういう仕事は三十日未満になる可能性が高いと、だからこういう業務については日々雇いも日々派遣も、これは認めましょうというのとは違うんですよ。こういう人は仕事に就くのが難しいから日雇派遣でもいいでしょうと。一番就職が苦しくて一番弱い立場にあるような人たちに日々派遣でいいよというふうにしちゃっている。
 こうなったらどうなりますか。これまで社会問題で起きてきたのは、そういう本当に社会的に弱い立場ですよ。なかなか仕事に就けない、まさに雇用の機会の確保が困難な方々、そういう方々が食いつなぐためにやむを得ず日々雇いに入っていくと。そして、どうなるか。もう物のように扱われるわけですよね。危険な作業もやらされる。体に大きな負荷を与える作業も、あしたこの人潰れちゃっていいわけですよ、今日働いてくれれば。労働条件が劣悪な職場でも、意見言ったってあしたはいなくなっちゃう、意見も言えない。
 事業者側が労働者の安全確保も脇に置いて使い捨てができるというシステム、この修正案、こういう規定がやられてしまったら、これは否定できなくなっちゃうんですよ。これでは、社会問題になった、どこ連れていかれるかも分からない、危険な業務でぼろぼろになっていく、こういう日雇派遣、かつては社会問題になった日雇派遣、禁止するという保障にならないと思うんですけれども、提案者はいかがですか。
#263
○衆議院議員(岡本充功君) 委員の御指摘がある雇用の機会が不足して雇用の確保を緊急に図る必要があるという方については高齢者を想定しているということは、これまでも答弁をしているところでありますが、高齢者の方にとって雇用の場を確保したいという思いも一方であるというのも事実でありまして、そういう皆さん方の状況、これからもちろん高齢者に対しての雇用の確保の促進を図る、これもまた別の法案ですけれども、政府案が出ているところでありまして、様々な対策を経てこれは高齢者の雇用の確保を図っていくということでありますから、この法律だけで高齢者の雇用の議論をしているわけじゃないということも一方で御理解をいただきたいと、そのように思っております。
#264
○田村智子君 何も高齢者に限定して議論をしたつもりはなくて、むしろ若者の使い捨てについて議論をしたつもりだったんですけれども。
 いずれにしても、短期であるからこそ、直接雇用の責任を事業主に求めて、安全管理とか、そういうのをしっかりやらせるということが私は本来求められていると思うんですよね。
 でも、日雇派遣禁止の動きに、ニーズがあるんだってかつて主張して、それやめてくれと一番動いたのは、例えば私の記憶では、引っ越し作業を行う運送業者などは相当に攻勢を掛けていましたよね。作業量に応じてファクス一枚で派遣労働者を日替わりで調達できると。だけど、この引っ越し業務だって、本来は安全教育が必要です。荷物の取扱いも、チームワークで行わなければ、けがも生じるでしょうし、荷物の損傷にもつながりかねませんよ。ニーズがあるからで済ませるようなことでは、私はこれはおかしいと思う。高齢者だってそうですよ。高齢者であればなおのこと、それにふさわしい安全管理が求められるじゃありませんか。
 であるならば、雇用の責任、労働者の安全確保、能力の向上、それから仕事の質にかかわる大きな問題だと、こういう認識で議論をすることが私は求められていると思います。とてもこの修正案、受け入れるわけにはいきません。
 これ、時間がないので、もうちょっと聞きたいところですけれども、みなし雇用についても大切なことなのでお聞きをしたいと思います。
 違法派遣で派遣労働者を受け入れた場合、派遣先企業に直接の雇用責任を求めるというこの規定、これは偽装請負の告発が始まったときから長く切望されてきました。やっと作られる規定なんですね。ですから、これが真に労働者の利益に資するものでなければならないと思います。
 まず、確認をしますが、このみなし雇用の規定から外れる場合として、派遣先が違法派遣であることを知らずに受け入れていた場合には直接雇用の責任を問われないということになっていますけれども、みなし雇用にならないということになっていますけれども、この違法派遣であることを知らずにというのはどういう場合を想定しているのか、お答えください。
#265
○政府参考人(生田正之君) みなし雇用の規定は、改正法の四十条の六という条文に書いてございまして、その中で、四つの違法行為があったときに、その違法行為に伴う派遣労働者の受入れの場合に派遣労働者の雇入れの申込みをしたものとみなすということになってございます。
 その場合の例外といたしまして、労働者派遣の役務の提供を受ける者が、その行った行為が次の各号のいずれかの行為に該当することを知らず、かつ、知らなかったことにつき過失がなかったときはこの限りではないと、こうなってございまして、この具体的な運用につきましては今後きちんと詰めていきたいと思ってございますし、関係審議会でも御議論いただきたいというふうに考えてございます。
#266
○田村智子君 これ、大臣に確認をしたいんですけれども、これ極めて限定的、本当に知りようがない、知り得る条件が全くないというふうに、極めて限定的だと考えてよろしいですね。
#267
○国務大臣(小宮山洋子君) 今御答弁したとおり、その内容についてはこれから詰めていきたいと考えているところです。
#268
○田村智子君 厚生労働省にお聞きをしましたら、極めて限定的、例えば派遣元が無届けであるということを隠して詐欺的に派遣労働者を送っていたような場合など、そういう極めて限定的だということなので、是非そういう中身になるようにしていただきたいと思います。
 しかし、それでも不十分な点が出てくるんです。というのは、違法派遣であるかどうかで派遣先と労働者との間で争われる事例、これ、今もいっぱいあるわけですね。とりわけ多いのは専門二十六業務にかかわる事例です。
 これ、例えばですけれども、明らかに一般的な事務であるものを専門二十六業務として扱って派遣期間の制限を超えて働かせていた場合、これはみなし雇用の対象になるというふうに思うんですけれども、いかがでしょうか。明らかに一般的な事務を専門二十六業務だとして扱った場合です。
#269
○政府参考人(生田正之君) 何といいますか、明らかに二十六業務に該当しない業務というのをどういうふうに判断するかにもよるわけですけれども、個別の事案を見てみないとなかなかお答えが難しいですけれども、もう明確に二十六業務に該当しない業務であれば、それは、何といいますか、このみなし雇用の対象になってくるという可能性はあると思います。
#270
○田村智子君 何だか曖昧な答弁で逆に不安になってくるんですけれども、これは本当にみなし雇用の適用というのがちゃんとなされるのかどうか。
 これ、事業主が専門二十六業務だと主張し、違法派遣ではないと、こう主張すれば、これ、明らかにと聞いてもそういう御答弁だと、ますますみなし雇用の規定というのが本当に生きていくのかどうかが問われてきちゃうんですね。裁判に訴えて、そして結論が出て、やっとそれは違法派遣だったと認定されて、その人についてはみなし雇用する、大変時間が掛かることになりかねないんですよ。
 本当に求められているのは、裁判ではなくて、労働行政でこうした問題の是正が図られなければ、何のための派遣法の改定なのかが分からないわけですね。そのためには、専門二十六業務をやはり極めて限定的にするということをやらなかったら、いつまでたってもグレーゾーンで、このみなし雇用の規定というのが生きてこなくなっちゃうわけですよ。真に専門的なスキルや資格を必要とすると、例えば国家資格にかかわるような、そういうものだと、そういうふうにならなければ、これは誰もが納得いくようなそういう業務に限定していかなければ、何年も裁判で争って、それでみなし雇用と。意味がないんですよ。
 専門二十六業務を限定的にする、これ必要だと思いますが、いかがでしょうか。
#271
○国務大臣(小宮山洋子君) いわゆる専門二十六業務の在り方については必要な見直しの検討をまた行いたいと思っていますけれども、違法派遣かどうかなどについて認識が食い違って、みなし効果が発生するかどうかについて争いが生じた場合は、おっしゃったように、裁判に訴えることのほかに、労働局に対して派遣先への助言とか指導、勧告を求めることができます。その労働契約申込みみなし規定の適用に当たっては、派遣労働者の保護と雇用の安定を図るために、労働局や厚生労働省が派遣労働者や派遣先に対していわゆる専門二十六業務に該当するかどうか、こうした助言を丁寧に行っていくということでやっていきたいと思っています。
#272
○田村智子君 労働局の勧告や指導というのが、現実に事業主がこたえないという事例いっぱいあるんですよ。だから法律でちゃんと定めてほしい、専門二十六業務を限定的にしてほしい、それは当然の要求だと思います。これ検討されなければおかしいということを強く主張したいと思います。
 もう一つ、この救済です。じゃ、みなし雇用でどうなるかなんですけれども、みなし雇用になって直接雇用になった、だけど雇用期間が極めて短いと、これでは労働者の救済にならないと思うんですね。
 私、昨年の予算委員会でも取り上げましたけど、例えば日産自動車、労働局の是正指導を受けて派遣労働者を直接雇用に切り替えた。ところが、全員契約期間は六か月、契約更新は最長二年十一か月、それ以上はやらない。これで労働者の皆さん、雇い止めを目の前にしながら働かざるを得ないわけです。キヤノン、偽装請負で大問題になりました。八年間働いていた人が是正指導で直接雇用になったけれども、やっぱり二年十一か月で雇い止め。別の大企業でも、五か月の雇用しかしなかった、そんな事例まであります。
 みなし雇用の規定が違法状態で働かされてきた労働者に対する救済措置になるためには、それにふさわしい条件で雇われることが必要だと思いますが、いかがでしょうか。
#273
○政府参考人(生田正之君) お答えいたします。
 みなし雇用の条文につきましては、先ほど申しましたように、四十条の六に規定がございますように、「その時点において、当該労働者派遣の役務の提供を受ける者から当該労働者派遣に係る派遣労働者に対し、その時点における当該派遣労働者に係る労働条件と同一の労働条件を内容とする労働契約の申込みをしたものとみなす。」ということになってございまして、みなし規定自体がその時点の派遣労働者についての労働条件と同じものについて申込みをしたものとみなすというものでございますので、その範囲でみなされるということだと考えてございます。
#274
○田村智子君 そうすると、派遣期間が契約が半年だったら半年になっちゃうのかということが疑問として出てくるわけですよ。これは、実態に即してということを衆議院の方での議論では大臣が御答弁なさっていますので、救済措置だということが明確になるような規定を是非やっていかなければならないと、そのことを強く求めたいと思います。
 修正提案者にお聞きをいたします。
 修正案では、みなし雇用の施行は三年先だと。それで、先ほどの議論を聞いていたら、三年先で、いや、みなし雇用って規定はやっぱりきついんじゃないか、要らないんじゃないかという結論があるかのような答弁までされて驚きました。これ三年先に延ばしたら、労働者の救済なんです、救済をそんな先延ばしにするという理由が私は分からない。お答えください。
#275
○衆議院議員(岡本充功君) ちょっと冒頭、先ほど私、労働者性の保護と一問目答えたかもしれませんが、労働者の保護です。済みません、訂正させてください。
 その上で、今御指摘がありました今回の修正案で法施行から三年経過後に先延ばししたのは何でだというお話でありますけれども、いつから施行するかというのは様々な議論がありますけれども、やはり労働者の意見それから使用者側の意見を聞きながら、それはおのずと法律で決めていくと、こういうことだろうと思っています。
 確かに、できるだけ早く施行してほしいという労働者の皆さんの声があるのも承知をしていますし、一方で、これについてきちっと周知徹底をしてほしいということ、この規定が適用されることについて一定程度の懸念を示している経営側もいらっしゃるという中で、今回この法案の修正を図って成立をさせるということにまず意義があると考えて私はこの修正を提案をしたところでございます。
#276
○田村智子君 政府案が半年と言っていることは、厚生労働省は半年で周知できるというふうに言っているわけですよ。
 私ね、これ本当に遅きに失しているんです、今も。何でそう言うかというと、派遣切りの裁判を闘っている労働者の多くは偽装請負から派遣になって使い捨てられているんです。ソニー仙台テクノロジー、被災を理由とした非正規切り、これ今も闘い続けている労働者いらっしゃいます。この方々も偽装請負から派遣になって、そして有期の直接雇用になってという経過をたどっている。偽装請負が是正されたときに正規雇用とか、少なくとも期限の定めのない雇用になるように、みなし雇用のこういう法制度というのがあれば派遣切りや被災地での非正規切りなんというのは起こらなかったんじゃないのか。それを更に先延べするなんというのは本当に許し難いことだというふうに言わなければなりません。
 人間らしい雇用を保障する、使い捨て雇用を厳しく是正する、これを企業の目先の利益に左右されて棚上げしていたら、日本は雇用破壊からもデフレからも抜け出すことできない、社会保障の土台も崩しかねない、そういう議論を私はこの厚生労働委員会でもっとやるべきだったと思います。
 先ほど与党の皆さん、賛成される方からはニーズ論というのがありました。それから、仕事がなくなっちゃうという議論もありました。だったら、若い労働者呼んできたり、非正規を選んでいる若者が多いって調査があるんだったら、そういう人たちが何でそういうふうに選ぶのかということを委員会で参考人で来てもらって意見聴いて、これからの日本の雇用の在り方どうするのか、みんなで議論すればよかったと思いますよ。仕事がなくなっちゃう、海外に逃げちゃう。それじゃ、リーマン・ショック後も名立たる大企業、内部留保をどんどん積み増してますよ。役員報酬でいえば、役員報酬の額、増えてますよ。それを人件費に充てて正規雇用を増やすということが本当にできないのかどうか。日本経団連や企業の人に来てもらって意見聴いて議論するというのが私は厚生労働委員会の役割だと思う。
 本当にこんな拙速なやり方には改めて強く抗議をし、こんな法案は通すべきじゃないと申し上げて、質問を終わります。
#277
○福島みずほ君 社民党の福島みずほです。
 労働法制が規制緩和をされ、労働者派遣法が規制緩和をされ、明確に非正規雇用が拡大をしました。現在、非正規雇用が四割に達しようとし、年収二百万円以下の人が千二百万人、女性と若者の非正規雇用率は半分を超しています。
 これをつくったのは天災ではありません。明確に人災です。ここの厚生労働委員会で、国会の本会議で自公政権のときに労働者派遣法を規制緩和をやってきた、そのことがまさに雇用の破壊を生んでいます。現在の日本が抱える非正規雇用や貧困、雇用の破壊の問題は政治の明確な責任です。
 前の野党時代に、民主党、社民党、国民新党で、議員立法で派遣法の規制強化、法案を作りました。当時、社民党の雇用対策本部長、私は近藤正道さんと一緒に、民主党は当時、菅さんが本部長で、細川律夫さんが事務局長でした。そして、国民新党の亀井亜紀子さんと一緒に議員立法を野党時代に作りました。
 派遣村に連日通いました。このリーマン・ショック後、仕事も住まいも全部失ってしまう、そんな若者たちにもたくさん会いました。いろんな工場に行きました。
 労働法制の規制強化をすることこそ政治の責務だと。多様な働き方といううそっぱちの美名の下に、企業が必要だからという、それだけの理由で雇用をまさに壊してきた、そのことをどうするかというのが政権交代であったはずです。
 政権交代をした後、閣法で法律を作りました。確かに不十分なところはあったかもしれません。しかし、登録型派遣と製造業派遣の原則禁止、みなし雇用規定などたくさんの規定を盛り込みました。
 今回、それが修正案で、とりわけ登録型派遣と製造業派遣が骨抜きになっていることに、本当に残念であり、怒りを感じております。
 厚生労働省自身も、労政審自身も、登録型派遣と製造業派遣の原則禁止、これが必要だと考えたはずです。今後、これを削除しながら、労政審でまた検討することになりますが、今のこの時代、当時よりもっと悪くなってますよ。震災があり、不況があり、女性の非正規雇用率も、みんなの非正規雇用率も年収も本当に悪くなっている。当時より労働条件は悪くなっているんです。だとしたら、今度、労政審で議論する場合に、やはり労働法制の規制強化が必要だと。
 政治が壊したんだから、法律にのっとって壊したんだから、天然じゃないんですよ。誰の責任かと。国会議員の責任であり、政府の責任なんですよ。それを変えることこそ政治だと確信をしています。白々しく他人事みたいに言わないでほしい。政治こそやったんだから、それにこたえる政治をやらなければ本当に駄目なんですよ。
 だとすれば、労政審でもう一回戻すとすれば、そこでやはりこの政権交代の後やると決めた製造業派遣の禁止、そして登録型派遣の原則禁止、この二つのベースにもう一回戻ってやるべきだと。
 厚生労働省、法律と政府しか、政府しか、いや、政府しかという言い方は変ですね、労働者の権利を守るのはやっぱり法律なんですよ。これをやる覚悟を是非お示しください。
#278
○委員長(小林正夫君) 答弁の前に、委員長から傍聴の方にお願いをいたします。
 傍聴の方は静粛にお願いをいたします。
#279
○国務大臣(小宮山洋子君) 一緒に野党のときに派遣法の改正案を作った立場からいたしますと、今回のが非常にそういう趣旨に合っていないという御指摘は理解をいたします。
 ただ、再三申し上げているように、この国会の状況の中で何度も何度も継続審議になって何事も一つも半歩も進まない中で、今回は一歩前進という形でやらせていただいたということです。
 その中で、肝心な焦点であったと恐らく委員が思われている製造業務派遣ですとか登録型派遣の原則禁止規定が削除をされて、これが検討事項とされたということについての取組の覚悟を聞きたいということだと思うんですが、この検討については、これまでの労働政策審議会での議論ですとか、それから派遣労働者、今回のことでも保護が一歩は進むと思います、そこの中の状況ですとか、やはりそのときの一方で雇用状況、様々な状況を見据えながら、先ほどから申し上げているように、一から議論したいということは根本から議論をしたいと、そのように思っています。
#280
○福島みずほ君 ディーセントワーク、人間らしい労働をつくっていくことこそ政治の大きな課題であるべきだと思います。それは、日本のためにも、働く人のためにも、未来のためにも必要なことで、労政審に戻して検討するときに、小泉構造改革からの転換、新自由主義からの転換をしっかりやってくださるよう心から要請をいたします。
 厚労省、これは頑張ってくださいよ。よろしくお願いをいたします。
 次に、特定労働者派遣事業とは、常時雇用する労働者を派遣するということであるということでよろしいでしょうか。
#281
○政府参考人(生田正之君) お答えいたします。
 常時雇用する労働者を派遣するということなんですけれども、その中には、雇用契約の期間が無期の労働者と一年超えの労働者、それから一年超えの見込みの労働者が入っているということでございます。
#282
○福島みずほ君 派遣契約の有無に関係なく、労働者は常時安定して雇用されるということでよろしいですね。
#283
○政府参考人(生田正之君) お答えいたします。
 今お答えした意味で常時雇用する労働者というのを定義いたしておりまして、その範囲で雇用は安定しているというふうに考えてございます。
#284
○福島みずほ君 登録型は、とにかく人間らしい労働をというか、登録型派遣では雇用保障がなかなかしづらいという面がこれあり、常時雇用する労働者を派遣するということの、常時雇用するということで雇用の安定を図る趣旨であるということでよろしいですね。
#285
○政府参考人(生田正之君) お答えいたします。
 一般労働者派遣事業と比べまして、常時雇用する労働者のみを派遣する事業ということでございますので、比較して雇用が安定しているというふうに考えてございます。
#286
○福島みずほ君 この特定派遣事業の在り方について、届出制を許可制とする方向で検討するということでよろしいでしょうか。
#287
○政府参考人(生田正之君) 特定労働者派遣事業につきましては、今回の衆議院の修正におきまして検討するということになってございますけれども、その在り方についての検討につきましては、一から議論するということでございますので、特定労働者派遣事業の実態も含めまして十分把握いたしまして、関係者からも意見を伺いまして議論していきたいというふうに考えてございます。
#288
○福島みずほ君 これは権利を守るためにきちっと許可制とする方向で検討するということでよろしいでしょうか。
#289
○政府参考人(生田正之君) お答えいたします。
 検討の方向性につきましては、今の段階で私の方から申し上げられる段階にはなくて、労働政策審議会で一から議論するという考え方でございます。
#290
○福島みずほ君 労政審に丸投げするんでなくて、厚労省は、労働部門は労働者の権利を守るって、労働って付いているんですから、労働省なわけでしょう。外国の労働省もそうだけれども、労働省なんだから、労働者の権利を守る立場でこれはしっかりやってください。
 次に、みなし雇用制度についてお聞きをいたします。
 みなし雇用制度によって派遣先に直接雇用された労働者が、直接雇用された直後に雇い止め等によって雇用を失うということが起きています。
 みなし雇用規定は二つの面があると思います。労働者の救済という面と違法行為をしないようにある種のサンクションとしてきちっとやるんだという、警告ですよね、違法行為をするなという面と、両方あると思います。
 だとすると、せっかくみなし雇用規定で直接契約になったにもかかわらず有期契約で首というのは、その両者にとってもその二つの目的を達しないというふうに考えております。いかがでしょうか。
#291
○政府参考人(生田正之君) お答えいたします。
 みなし雇用の規定につきましては、労働契約申込みみなし制度で、労働者の雇用と保護と安定を図るために、違法行為が行われた時点と同一の労働条件を内容とする労働契約が申し込まれたものとみなすということになってございます。
 法律の立て付け上そうなっておるわけですけれども、まず、直接雇用された後の取扱いにつきましては、雇い止めに関しましては、多分労働契約法に基づきまして労働者の保護が図られるんじゃないかというふうに考えてございますし、それから、労働条件の切下げの問題につきましては、みなし規定が適用される際には、派遣労働者であった場合と同一の労働条件を内容とする労働契約が締結されるということでございますので、労働契約を変更する場合につきましては、労働契約法の規定に基づきまして、原則として労働者と使用者の合意がないといけないということでございます。
 ですから、労働条件が一方的に切り下げられることはないんじゃないかというふうに考えてございます。
#292
○福島みずほ君 直接みなし雇用規定が適用されて、労働条件が労働者の立場からすると良くないというのは良くないと思うんですね。
 今後、有期契約について議論がありますが、局長、ちょっと厚労省で知恵出してくださいよ。この有期契約で、次、せっかくみなし雇用規定で直接契約になったにもかかわらず、半年後にあなた首となったら、まあ骨折り損のくたびれもうけとは言いませんが、非常に残念だと。厚労省、ここちょっと知恵を出して、やっぱりある種のサンクションと救済という面があるわけだから、期間の定めのないものとするぐらい、ちょっと太っ腹でやってくださいよ。どうですか。
#293
○政府参考人(金子順一君) 突然のお尋ねでございまして、ですけれども、有期労働契約に関しましては今国会に労働契約法の改正法案を提出をさせていただいております。その中で、有期契約で働く方々の雇用の安定を図るために、五年間有期契約を更新した場合に無期転換にするルールを創設するとか、あるいは現在最高裁の判例法理になっております雇い止め法理、これを制定法化するなどの措置をとるということで提案をさせていただいているところでございます。
 そうした御審議の中でいろいろ議論をさせていただくことになるのかと思いますけれども、こうした新しい労働契約法の考え方も踏まえながら、今後とも、我々としては、有期の皆さんの雇用の安定につながるような必要な現場での対応、対策を考えていきたいと思っております。
#294
○福島みずほ君 直接雇用申込みによる転換が待遇改善につながるよう事業主を指導すべきだと考えますが、いかがですか。
#295
○政府参考人(生田正之君) お答えいたします。
 このみなし雇用の制度につきましては四十条の六という条文に従いまして施行していくわけですけれども、その施行の詳細につきましては、先ほどから何回かお答えさせていただいておりますけれども、どういうふうに運用していくかにつきまして労働政策審議会で議論いたしまして、その結果を踏まえて対応する考えでございます。
#296
○福島みずほ君 これは、みなし雇用規定が適用された事業主に対して、労働条件の低下をするのは良くないと、是非そういう通達等をしっかり出していただきたい。どうですか。
#297
○政府参考人(生田正之君) お答えいたします。
 先ほどからお答えしているとおり、この法律に基づきまして派遣労働者であった場合と同一の労働条件を内容とする労働契約が締結されることになりますので、その条件を下げるということにつきましては労働者と使用者の合意がないといけないということですから、労働条件は一方的に下がらないと思いますし、そういった内容につきましては、私どもとして周知することはやぶさかではない考えでございます。
#298
○福島みずほ君 派遣労働者の待遇についてお聞きをします。
 派遣労働者に対する不合理な差別の禁止と均等待遇について、派遣元のみならず派遣先に対しても義務付けるべきと考えますが、いかがですか。
#299
○政府参考人(生田正之君) お答えいたします。
 今回の派遣法の改正によりまして、派遣労働者が派遣先の同種の業務に従事する労働者と均衡が取れたような待遇になるように配慮するというふうな規定が盛り込まれてございます。そうした規定によりまして、派遣労働者の労働条件についてきちんと確保できるように対応したいというふうに考えてございます。
#300
○福島みずほ君 これは確かに、今回の改正でも努力義務として規定をされています。是非、派遣先社員との均衡ある待遇の努力義務として通達等できちっと周知していただきたい。いかがでしょうか。
#301
○政府参考人(生田正之君) 大変失礼いたしました。
 派遣法の三十条の二というところで、均衡の取扱いをするということにつきましての配慮義務が書いてございます。こういった内容につきましては、当然周知徹底を図っていきたいと考えてございます。
#302
○福島みずほ君 日雇派遣禁止についてお聞きをします。今日も随分議論出ておりますが、改めてお聞きをします。
 雇用機会の確保が特に困難な場合等を日雇派遣労働禁止の例外として政令で追加することとされておりますが、具体的にどのような場合を例外と定めるのでしょうか。
#303
○政府参考人(生田正之君) お答えいたします。
 今回の日雇派遣の例外につきましては、衆議院の修正で追加されるものでございまして、三党の御相談の中で、高齢者、それから昼間学生、それから副業として従事する者、あと主たる生計者でない者につきまして、労働政策審議会で御議論の上、政令で定めるという考え方でございます。
#304
○福島みずほ君 副業として従事する者、主たる生計者でない者、ただ、主たる生計でない者は、例えば就業規則における適用などで裁判でも随分争われてきたものです。主たる生計でないとは何か、従たる生計とは何か、これは裁判で争われてきていて、なかなか、世帯主ではない、何を条件とするのかというのは随分議論をされてきたところです。
 今回、この政令で追加する場合、学生、主婦、高齢者が該当するとなると、これ結局、企業にとっての抜け道になってしまう。つまり、学生だったら親がいて主たる家計でないというふうになって、結局、日雇派遣禁止の例外として弱い人たちが、労働条件が今現に悪い人たちが雇われることになると、企業の抜け道になるんじゃないでしょうか。現に、二十二歳以下と女性は半分が非正規雇用です。賃金も低いです。最も弱いところを日雇派遣の例外として政令で認めるのは労働法の趣旨として間違っていると考えますが、いかがですか。
#305
○政府参考人(生田正之君) お答えいたします。
 今回の衆議院の議院修正で加わりました副業として従事する者ですとか、あるいは主たる生計者でない者についての除外の部分についてでございますけれども、これらにつきましても、先ほど来答弁もございましたが、労働者の保護の観点から一定の制限を掛けるというふうな考え方でございます。
 その制限の内容をどうするかということにつきましても労働政策審議会で議論しないといけないわけですけれども、その特定の仕方につきましても、実務上もあるいは労働者の保護を図る観点からも明確なものにする必要がございますので、そういった手続も含めまして、労働政策審議会、もう何回も言って恐縮でございますけれども、で議論して確定するという考え方でございます。
#306
○福島みずほ君 若者や女性は主たる生計者でないとして差別を受けてきたんですよ。パートでも何でも低賃金になったんですよ。だから、そういう人たちを今度は逆に例外として、ああ、こういう人たちは、高齢者、学生、女性、これは日雇派遣労働禁止の例外となるということじゃないですか。差別がまた差別を生みますよ。
 大臣、どうでしょうか。ずっと男女平等に取り組んでこられて、こういう例外規定、おかしくないですか。
#307
○国務大臣(小宮山洋子君) 委員の問題意識は共有する部分もございますが、今回は、この立法府の中で議院修正が行われておりますので、その趣旨に沿ってなるべく御懸念が生じないように対応していきたいと考えています。
#308
○福島みずほ君 問題関心を共有するのであれば、また労政審の議論や、今後これを見直す、見直すというかそのことを議論するときに、是非厚労省のイニシアチブでこれはしっかり、差別がもう一回また差別を生まないように、これしっかりお願いをいたします。
 三十日日雇後に数日空けて更に三十日派遣といった形での、クーリング期間のような派遣は違法になると解釈してよろしいでしょうか。このようなやり方を規制するためにどのような方策が取られるのでしょうか。
#309
○政府参考人(生田正之君) お答えいたします。
 日雇派遣の上限の三十日の派遣後に、数日間を空けてまた派遣するというふうなことでございますけれども、日雇につきましては、あるいは短期の派遣につきましては、派遣元が雇用管理責任を果たしにくく法違反の問題も生じているということもございますので、労働者派遣法改正案では原則禁止にしております。
 他方、日雇派遣も労働力のマッチングに一定の役割を果たすということで、衆議院で三党の修正で、日々又は二か月以内とありますのを、日々又は三十日以内とするという修正が行われました。
 あくまでその雇用契約期間について着目するという考え方でございますので、委員の御指摘が雇用契約期間が三十日以内という意味であれば、一旦三十日以内の派遣があれば、その三十日以内の派遣自体が許されませんので、間を空けたとしてもやっぱり原則禁止の対象になるという考え方でございます。
#310
○福島みずほ君 この例えば日雇派遣など、違法に三十日以内の短期契約を結ぶことになった派遣労働者違法状態を告発をした場合、どのような救済がなされるんでしょうか。
#311
○政府参考人(生田正之君) 三十日以内の派遣につきましては労働者派遣法上禁止をされてございますので、日雇派遣をやっている以上、一般労働者派遣事業の許可を受けているということでございますけれども、許可を受けている事業者に対する制裁措置として、例えば改善命令ですとか事業停止だとか許可の取消しだとか様々なものが考えられますけれども、それはその状況に応じてどういうふうに対応するかを考えるということでございます。
#312
○福島みずほ君 労働者にとっては、現行法でも直接雇用ということもできると思いますし、またみなし雇用の適用ということもあると思います。
 労働者の救済についてはどうなりますか。
#313
○政府参考人(生田正之君) お答えいたします。
 日雇派遣の違法が生じたときの状況に応じてちょっと違いますし、ケース・バイ・ケースで考えるしかないというふうに考えてございますので、具体的にこういうふうな救済措置があるというお答えはなかなか難しいと思っております。
#314
○福島みずほ君 そうしたら、次に、三十日を超えたことが確認した段階で、例えば働き始めた日から遡及して雇用保険に加入するように例えば指導する、例えば二十日働いていて、いや三十日を超えて働くことに、必要になったとなった場合の、雇用保険に加入するということは遡及してほしいという意見があるんですが、この点についてはいかがでしょうか。
#315
○政府参考人(生田正之君) お答えいたします。
 雇用保険の適用につきましては、週所定労働時間二十時間以上で、かつ三十一日以上の雇用見込みがあることというのが要件でございます。
 この三十一日以上の雇用見込みにつきましては、まず、その雇入れ時点で三十一日以上の雇用が見込まれる場合につきましては雇入れ時点から適用するということでございますけれども、雇入れ当初は三十一日以上は見込まれないという場合でも、三十一日目の雇用を事業主が見込んだ場合は、その時点から雇用保険加入手続が必要であるということで、そういった内容について周知をしてきたところです。
 この具体的な資格取得日につきましては、雇用の実態を踏まえて判断するということでございまして、一律に遡って雇入れ時点まで遡及するということはなかなか難しいんじゃないかと思ってございますけれども、ただ、御指摘の点につきましては、これまでの経緯だとか現場の状況も踏まえつつ、今後慎重に検討していきたいというふうに考えてございます。
#316
○福島みずほ君 今後検討をするということで、それはお願いいたします。
 元々閣法、民主、国民新、社民の三党でまとめた閣法のときは、これは、労働者派遣法改正案では二か月以内の有期雇用の派遣禁止を定めるというふうになっていますが、今回の法案ではこれが三十日以内にされております。
 そうなった経過と、今後、二か月以内の有期雇用の派遣禁止を検討していくべきだと考えますが、いかがでしょうか。
#317
○国務大臣(小宮山洋子君) 労働者派遣法改正案については、度々申し上げているように、政府案が六度継続審議になりまして、その間、大震災、円高、欧州債務危機など、改正案をめぐる環境が大きく変化したことも踏まえて、修正が行われた上で三月八日に衆議院を通過いたしました。
 この修正案では、日雇派遣も労働力のマッチングに一定の役割を果たしているということ、また社会経済状況などが大きく変化する中で、国内の雇用、経済全体に影響を及ぼす可能性があるということが勘案されて、日雇派遣の原則禁止の対象が日々又は二か月以内から日々又は三十日以内に修正されたと承知をしています。
 政府といたしましては、立法府での真摯な議論に基づいて修正が行われたということ、また、雇用契約が三十日を超える場合、雇用保険が適用されるため、三十日以内の日雇派遣の禁止により派遣労働者の保護が図れると考えられること、こうしたことから、修正後の改正案を着実に施行することで派遣労働者の保護と雇用の安定を一歩進めていきたいと考えています。
#318
○福島みずほ君 次に、二十六の専門業種についてお聞きをいたします。
 政令指定業務二十六業務については、専門業務であることから、期間制限等の厳しい運用がなされていないというふうになっております。これについては、雇用の安定性と、それから常用代替防止をちゃんとやるということがこれまでも何度も確認をされております。政令指定業務について、極めて専門性の高い業務に限定されるものと解釈されますが、どうでしょうか。
#319
○政府参考人(生田正之君) お答えいたします。
 専門二十六業務につきましては、派遣法の四十条の二第一項第一号に掲げられてございまして、二つに分かれてございます。一つは、「その業務を迅速かつ的確に遂行するために専門的な知識、技術又は経験を必要とする業務」でございまして、もう一つは、「その業務に従事する労働者について、就業形態、雇用形態等の特殊性により、特別の雇用管理を行う必要があると認められる業務」でございます。
 これをそれぞれ政令で定めるわけですけれども、例えば通訳、機械設計、研究開発などにつきましては専門的な知識、技術、経験を必要とする業務というふうに整理されますし、建築物清掃ですとか、あるいは駐車場管理、テレマーケティングなどにつきましては特別の雇用管理を必要とする業務というふうに政令で定めることといたしております。
 ですから、通称として専門二十六業務というふうに呼んでございますけれども、必ずしも専門的な知識、技術、経験を必要とするものだけではなくて、特別の雇用管理を必要とするものも入っているということでございます。
#320
○福島みずほ君 今後この二十六業務については検討すると、今後は検討の対象となっているというふうに聞いております。
 このときに、一つは時代に合う必要がある。かつてファイリングやいろんなものが入っておりましたが、それは今ではどうかという議論がありますので、この政令指定業務については、一つはやはり検討の必要はあるだろうと私も思います。しかし、これが専門性の高い業務に、とりわけ、今専門性だけではないとおっしゃいましたけれども、限定されるということでよろしいでしょうか。二十六業務がなくなるなんということはあり得ないと思いますが、いかがでしょうか。
#321
○政府参考人(生田正之君) お答えいたします。
 衆議院における附帯決議が付けられてございまして、この専門二十六業務につきましては、その専門二十六業務に該当するかどうかによってルールが違うということについてそもそも議論する必要があるんだというふうな御指摘を受けてございます。
 ですから、二十六業務の見直しにつきましては二つの角度がございまして、一つは、今委員御指摘のように、二十六業務について、追加する業務、あるいは削る業務が出てくるというふうな考え方での見直しが一つ柱としてございますし、もう一つの柱としましては、そもそも二十六業務という制度自体をどうするのかという問題についても議論するということでございまして、いずれにつきましても労働政策審議会で今後議論いただくということにいたしております。
#322
○福島みずほ君 労働者派遣法が法律の中に導入された経過は、とにかく専門性も高いから、一応交渉力もあるし、賃金もある程度保障されると。ですから、直接雇用でなく間接雇用だけれども、業種を限り、専門性が高く、交渉力があり、かつ賃金も余り低くはならないからこれに限ろうというところがスタートとしてあったと理解をしております。これを取っ払ったり、それから専門性でないという言い方をすると、そもそも労働者派遣を導入したときと違ってくる。
 私自身は、派遣を認めるかどうかというのは議論があるところですが、認めるとすれば、せめて専門性があったり、あるいは間接雇用ということで、非常に低賃金になったり、労働条件が悪化しないようにすべきだと思っているんです。だからこそ登録型派遣には反対だし、製造業の派遣には反対なんです。
 この二十六業務については、その二つ、雇用の安定と常用代替防止ということを改めて確認をしたいのですが、二十六業務の見直しについて、雇用安定と常用代替防止が、これが必要だと、この考え方が必要だということでよろしいでしょうか。
#323
○国務大臣(小宮山洋子君) それは委員がおっしゃるとおりだというふうに私は思いますので、そうした観点も含めて、一からその議論をするときに徹底的に議論をしたいというふうに考えます。
#324
○福島みずほ君 是非、大臣、その立場で労政審も、リードと言うと変ですが、厚労省自身をリードしてください。部長も労働省という立場で是非頑張ってください。
 次に、偽装請負について申し上げます。
 偽装請負の指導監督なんですが、これは、偽装請負が現在も横行している、実際に発注主の労働者が下請企業の労働者に直接指示しているにもかかわらず、指示した者に指揮監督権がない、指揮命令ではない、単なる業務連携などとして偽装請負に対する是正が適正に行われていないケースがあります。発注元による直接の指示は指揮命令であり、厳格に偽装請負の指導監督が行われるべきだと考えますが、改めて、いかがですか。
#325
○政府参考人(生田正之君) お答えいたします。
 請負契約やあるいは業務委任契約というふうに称しながら実態は違法派遣であるといういわゆる偽装請負につきましては、あってはならないというふうに考えてございまして、このような違法派遣が行われないように適切に指導監督を行い労働者保護を図っていくことが必要だというふうに考えてございます。
#326
○福島みずほ君 厚労省は、労働者派遣事業と請負により行われる事業との区分に関する基準、三十七号告示に関する疑義応答集を出しております。偽装請負と疑われるケースについて、それだけでは偽装請負とは解釈されないという記載が多々見られております。
 偽装請負を容認していくのではなく、この疑義集は二〇〇八年に出ておりますが、これを見直して、疑わしいものを是正指導していくことが必要だと思いますが、いかがでしょうか。
#327
○政府参考人(生田正之君) お答えいたします。
 この三十七号告示に関します疑義応答集につきましては、この三十七号告示の具体化、明確化についての考え方を取りまとめてございます。
 衆議院の厚生労働委員会の附帯決議に盛り込まれております「労働者派遣と請負の区分基準を更に明確化すること。」ということがございますので、こういった御指摘も踏まえて、今後、労働者派遣と請負の区分基準の更なる明確化を図っていきたいというふうに考えてございます。
#328
○福島みずほ君 これは偽装請負撲滅応答集というよりも、こうすれば偽装請負と言われないですよという何かあんちょこにも読めるというか、ちょっと失礼ですが。ですから、是非これを見直して、はっきり偽装請負を容認しない、きちっと請負としていく、あるいは直接雇用をもっとみなしていくという立場で作り直してくださるようお願いいたします。
 事前面接についてお聞きをいたします。
 これは、一九九九年の労働者派遣法改正において禁止された事前面接等の特定行為なんですが、これは以前行われております。私の記憶でも、閣法にする前の労政審は事前面接解禁があり、閣法にするときにその事前面接解禁を削除してもらうというふうに当時政権の中で努力をしたことがあります。
 この事前面接の現在横行している状況について、対策の決意をよろしくお願いします。
#329
○政府参考人(生田正之君) お答えいたします。
 事前面接につきましては、労働者派遣法上、労働者を特定する行為ということで禁止をされてございまして、具体的な内容につきましては派遣元・派遣先指針に明記されているということでございます。
 そういった規定をきちんと活用しながら適切な指導を行っていきたいと考えてございます。
#330
○福島みずほ君 労働局からの周知徹底など、派遣元については許可事業なので監督していくようにお願いしたいんですが、いかがですか。
#331
○政府参考人(生田正之君) お答えいたします。
 労働者派遣事業、許可事業につきましてもあるいは届出事業につきましても必要な指導はできるというふうに考えてございますので、きちんと対応したいと思っております。
#332
○福島みずほ君 派遣元はなかなか事前面接的なことを言われると抵抗できないというのがありますので、是非それはしっかりお願いをいたします。
 次に、無期転換の申出についてお聞きをいたします。
 労働者派遣法案にある無期転換の申出ができるようになる五年の雇用期間には派遣労働者であった期間が含まれるんでしょうか。
#333
○政府参考人(金子順一君) 労働契約法案に関するお尋ねだと思いますので、私の方から回答させていただきます。
 今国会に提出しました労働契約法案の中では、同じ使用者との間で締結された有期労働契約について五年というのを計算することになっております。派遣労働の場合には、これは派遣元が使用者ですので、派遣元との間で締結された有期労働契約が通算五年を超えた場合に無期転換の申出ができるというルールになります。
 派遣元との間での有期労働契約が更に派遣先に雇用が移った際にも合わせて通算ができるかという点につきましては、これは使用者が異なることになりますので、今回予定をしております法案におきましては通算されないことになると、こういう取扱いとしております。
#334
○福島みずほ君 労政審が作った案のときには事前面接解禁が入っておりまして、それを閣法にするときに、これは規制強化でなく規制緩和だから削除をしてほしいというふうに、さっきも申し上げましたが、政権の中で頑張った記憶があります。そのときに、長妻厚生労働大臣は労政審に対して労政審の報告を変更したということで謝罪をした、謝ったというふうに新聞報道されております。
 今回の修正案は、三つの点、登録型派遣の原則禁止、それから製造業派遣の原則禁止、みなし雇用規定のうちの大きく二つの点が全く骨抜きになっていて、骨が余り残っていないという感じになっているわけですね。とすると、労政審が出した報告書を労政審の了解なく大幅に変えることは労政審というものを尊重するという立場からすると逆行するのではないか。
 私は何を言いたいかというと、事前面接解禁の規制緩和を規制強化で入れるときにあれだけ大騒動したにもかかわらず、今回もう全く違うような法律に作り替えるぐらいのことを労政審抜きにやっていいんでしょうか。労働者やいろんな人たちの議論なくしてやっていいんでしょうか。
#335
○政府参考人(生田正之君) お答えいたします。
 今回の三党の修正に関しましてですけれども、これにつきましては、政府案の国会提出から二年程度の期間がたちまして、あと、経済社会情勢は、あの震災、円高、欧州債務危機など非常に大きな変化があったということがございます。それから、最終的に立法府たる国会で法案を決定していくという中で、国会での真摯な議論の結果修正されるということはあり得ることじゃないかというふうに考えてございます。
 この修正案につきましては、政府案に盛り込まれている対策の中でも労働者保護に関する部分はそれなりに維持されている、多くは維持されているというふうに考えてございまして、法案の持つ意義、効果は失われていないというふうに考えてございます。
 派遣法改正案自体は派遣労働者の保護と雇用の安定を図るために非常に重要な法案でございますので、是非この国会で成立させていただきたいというふうに考えてございます。
#336
○福島みずほ君 今派遣労働者の保護にとって重要な法律だという意見がありました。骨抜きと言うとあれですが、大きな柱の二つがこれから、もし法律が成立すれば労政審で検討されることになります。その検討の中身について、労働法制の規制強化がちゃんとされるように、登録型派遣の原則禁止、あるいは製造業派遣の原則禁止に、元に戻ってきっちり議論がされるようにということを本当に望んでおります。そうでなければ労働者の保護にならないと思いますが、部長いかがですか。あと、大臣いかがですか。
#337
○政府参考人(生田正之君) 今回、これから検討いたします際には、まさに検討条項に書いてございますように、登録型派遣の在り方、製造業務派遣の在り方につきまして一から、根本から議論し直すということでございますので、そういった中で、議論の視点として派遣労働者の保護だとか雇用の安定というのは大事な視点でございますので、そういうのを念頭に置きながら御議論いただくということかと考えてございます。
#338
○国務大臣(小宮山洋子君) 委員が冒頭から一貫しておっしゃっていたように、非正規雇用がこれだけ増えてきて、その中でしっかりとした人間らしい働き方、均等な働き方ができていないということは大きな問題意識を持っています。そして、そうした中で、今回一歩前進という形でこの労働者派遣法が衆議院の方で修正をされたわけですけれども、この先この派遣の在り方について一から、最初から議論をしていただくと言っている中では、当然、労働者がきちんとした、今回社会保障の改革にも盛り込んでいるように、人間らしく働けるという、その観点も中心に据えながら、それでいろいろな角度から検討をしていきたいと、そのように考えています。
#339
○委員長(小林正夫君) 福島君。なお、時間が来ておりますので簡潔に。
#340
○福島みずほ君 ディーセントワーク、人間らしい労働を実現するために、今回の修正案は本当に残念です。しかし、これから検討するという部分なので、それは今のお二人の決意表明にもありますが、労働者の権利を守る、ディーセントワークをつくっていくという立場で頑張るよう社民党からもしっかり言っていきたいと思います。
 以上です。
#341
○委員長(小林正夫君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 これより討論に入りますが、改めて傍聴の方にお話をいたします。
 傍聴人は、傍聴規則により、議事に関する賛否の表明その他議事の妨害になるような行為は禁止されております。これに従わないときは退場を命ずることもありますから、念のため注意をいたします。
 それでは、討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
#342
○川田龍平君 みんなの党の川田龍平です。
 私は、労働者派遣法の修正案及び原案に反対する立場からの討論をいたします。
 今回の派遣法のいきさつについて、余りに急なことに大変驚いています。国会の討議で決めずに三党協議で突然、改正法案の根幹にある部分のほとんどが削られた修正案が出されたのです。当事者たちの今後にとって大切な法律だけに、怒りが大きいのは傍聴者の人数を見てもお分かりでしょう。私の元にもこれだけの数の陳情やファクスによるメッセージが届き、皆様、徹底した審議を求めております。
 労働組合と何のしがらみもないみんなの党ならではで、水野賢一議員が民主主義への冒涜だということで抗議を行い、大政党から時間が大幅に分けられるという前代未聞のことになり、こうして野党や小会派がある程度の時間を取って、特に一人しか委員がいない会派が異例の四十分という時間、派遣法について質問ができたのです。数の論理で押してきた衆議院に対して、良識の府として審議を尽くす参議院の存在価値を少しでも示せたことは微力ながら参議院議員の一人として努力させていただいた成果であり、質疑時間を与えていただけたことに感謝申し上げます。
 派遣法についての私の考えは既に質疑において述べさせていただいたとおりです。すなわち、派遣業界は二十一世紀にふさわしい社会保障と人材育成を担う輝かしい産業として発展していってほしいということ、その健全な発展を政府が後押しする、そのことで労働者も安心して働けて可能性を引き出せる、そういうものとして政府は監督してほしいということです。
 官僚が法律を作ることで業界をコントロールし、内部情報と交換に報酬を得る天下りのための業界団体の増殖させることはもうやめ、業界と癒着せず、独立してきちんと法令遵守させることに専念し、存在意義を示していただきたい。労働基準監督署は、警察権力と同じくらいの監督権がある役所のはずです。国際的にもすばらしい労働基準法一つをきちんと守れるような仕事をしていただき、一人一人の国民が税金を支払ったかいがあると実感できるようになる、そのことによって日本という国に誇りを持ち、労働者一人一人が働くことができるのです。
 合成の誤謬という言葉の言い方があります。経済学の言葉ですが、それぞれの自分の場所でベストを尽くすのですが、全体としては不幸な状況に陥ってしまうことを言います。
 自民党は財界、業界の利益を守ろうとベストを尽くす。しかし、そうして行った規制緩和は業界を腐敗させました。この派遣法の成立時、派遣法を認める労働組合と反対する労働組合に割かれてどちらとも立場を取れなかった旧社会党。結局、大企業の組合は、既に派遣を安く使うことで会社の利益が上がっていった、それを代表したことで、労働組合は既にそこで腐敗してしまいました。政権交代に託した国民の思いを受け、派遣法改正をマニフェストとした民主党。しかし、何のためにどういう社会をつくりたいかという本質的なところがないために、大幅な修正をしてしまった。
 お互いそれなりの立場でベストを尽くしたのかもしれませんが、結果としてどちらにとってもいい法律ではないものができ上がってしまった。まさに合成の誤謬です。
 みんなの党は反対で、一旦はお蔵入りしたものの、それでも選挙向きに成果を上げようと党利により急遽現れ、無理やり押し通そうとする今回の暴挙を誠に嘆かわしく思います。
 みんなの党は、労働者側、業界側、どちらにもしがらみがない、どちらの立場にも立ちませんが、もちろん財界、労働組合、どちらも日本の社会にとって必要な機関です。政治の役割は、お互いの支持団体の利益の主張だけではなく、合成の誤謬に陥らず、国家が健全な方向に行くように、長期的な展望に立ち良識的な議論をすることではないでしょうか。
 今こそ広い視野に立って、建設的な議論の中で命が最優先される社会の実現のため、国会における審議に真摯に取り組むことをお誓いし、私の反対討論を終わります。
 ありがとうございました。
#343
○田村智子君 日本共産党の田村智子です。
 政府提出の労働者派遣法の一部改正案及び三党提出の修正案に反対の討論を行います。
 政府提出の法案は、提出から二年近くたなざらしにされた挙げ句、衆議院での突然の修正協議によって、昨年末、一気に成立が狙われたものです。であるならば、参議院での審議は、政府案、修正案について徹底した審議を行わなければならないはずでした。衆議院審議にも満たない四時間の審議での採決は、拙速と言わざるを得ません。
 政府提出の法案は、製造業務派遣、登録型派遣の原則禁止と言いながら、派遣労働者の大半を占める常用型や専門二十六業務を対象外とするなど、極めて不十分な内容です。民主党は国民に対し、原則として製造現場への派遣を禁止する、派遣労働者の雇用の安定を図ることを公約として掲げ政権に就いたのであり、これは明らかな公約違反です。政府法案提出以降、派遣切りを二度と許さないための抜本修正を求める声が沸き上がっていましたが、この声にこたえず、民主党自らが、自民、公明との合意により、原則禁止条項そのものを法案から削除するなど、どうして許されるでしょうか。
 加えて、修正案は、製造業務派遣や登録型派遣の原則禁止を削除し、日雇派遣の禁止さえ緩和する、違法派遣の場合の派遣先の雇用申込みみなし規定の施行を三年先延ばしするなど、政府案の僅かな規制の根幹部分への重大な改悪まで行っているものであり、断固反対するものです。
 現在も、派遣切りに遭った多くの労働者が、その撤回を求める裁判を闘っています。こうした事態を二度と繰り返さないためには、製造業派遣、登録型派遣の原則禁止、違法行為の場合の派遣先へのみなし雇用制は期限の定めのない直接雇用とすること、日雇派遣の全面禁止、正社員との均等待遇などの抜本改定こそ求められています。
 目先の利益を最優先させ人間の物扱いを繰り返す、こうした企業に法制度によって社会的責任を果たさせることこそ労働行政と本委員会の役割である、そのことを重ねて申し上げ、反対討論を終わります。
#344
○福島みずほ君 社民党の福島みずほです。
 私は、労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の就業条件の整備等に関する法律案に賛成、修正案に反対の立場から討論を行います。
 小泉構造改革が二〇〇二年、労働者派遣法を改悪し、製造業にまで派遣を認めることになりました。労働法制の規制緩和が進み、非正規雇用が拡大をしました。現在、非正規雇用の人たちは四割近くにも達し、年収二百万円以下の人が一千二百万人ともなりました。
 今の社会の重要な課題は、雇用の破壊であり、非正規雇用の拡大であり、それに伴う低賃金であり、貧困の問題であり、未来の見えない働き方です。政治と法律がまさにそのことをつくりました。今の政治はそこに真っ正面に取り組むべきです。労働法制は規制強化すべきであり、緩和されてきた労働者派遣法の規制強化こそすべきです。
 政権交代を大きく押したのは、派遣村に集まった派遣労働者の人たちの不安と怒り、それを多くの国民が共有し、政治を変えようということにつながったと思います。政権交代後、民主党、国民新党、社民党の三党の合意により閣法を作りました。リーマン・ショックを契機とした大きく起きた派遣切りを二度と繰り返さないために、派遣切りの舞台となった登録型派遣、製造派遣を禁止する法改正を行うことになりました。
 今回提案された修正案は、この閣法から登録型派遣と製造派遣の原則禁止を外し、みなし雇用制度の法施行を三年後に先送りをしました。これは閣法の全くの骨抜きであり、反対です。
 現在、東日本大震災、原発事故の発生、世界的な景気の減速や円高など、労働者の置かれた環境は一層悪化しています。女性たちの非正規労働者は五〇%を超えています。また、若者も、大学を卒業して新卒で派遣労働者になる者も少なくありません。このような厳しい状況の中にあるにもかかわらず、政府からは、労働者の雇用の安定、中でも住む場所すら失うような事態を引き起こした派遣労働者の置かれた現状を何とか安定化するためにあらゆることを行うという明確な意思が感じられません。
 企業は内部留保をため込みながら、労働者への分配率や労働者の置かれた環境は改善されていません。一人一人の市民が真っ当に働き、真っ当に暮らせる、若者が将来を展望できるような社会にするためには、国が責任を持って企業に課すべき役割をきちっと果たさせ、この国の生活を再建させることが何よりも優先されます。
 その国の役割を果たすべく、派遣労働者の生活が安定したと実感できるような抜本的な改正が必要であるということを求めて、私の反対討論といたします。
#345
○委員長(小林正夫君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。
 これより採決に入ります。
 労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の就業条件の整備等に関する法律等の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#346
○委員長(小林正夫君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 この際、石井準一君から発言を求められておりますので、これを許します。石井準一君。
#347
○石井準一君 私は、ただいま可決されました労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の就業条件の整備等に関する法律等の一部を改正する法律案に対し、民主党・新緑風会、自由民主党・たちあがれ日本・無所属の会及び公明党の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の就業条件の整備等に関する法律等の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、本法の施行に当たり、次の事項について適切な措置を講ずるべきである。
 一、登録型派遣の在り方、製造業務派遣の在り方及び特定労働者派遣事業の在り方については、本法の施行後一年を目途として、東日本大震災による雇用状況、デフレ・円高等の産業に与える影響及び派遣労働者の就労機会の確保等も勘案して論点を整理し、労働政策審議会での議論を開始すること。
 二、いわゆる専門二十六業務に該当するかどうかによって派遣期間の取扱いが大きく変わる現行制度について、派遣労働者や派遣元・派遣先事業主に分かりやすい制度となるよう、速やかに見直しの検討を開始すること。検討の結論が出るまでの間、期間制限違反の指導監督については、労働契約申込みみなし制度が創設されること等も踏まえ、丁寧・適切に、必要な限度においてのみ実施するよう徹底すること。また、労働契約申込みみなし規定の適用に当たっては、事業主及び労働者に対し、期間制限違反に該当するかどうか等の助言を丁寧に行うこと。
 三、いわゆる偽装請負の指導監督については、労働契約申込みみなし制度が創設されること等も踏まえ、丁寧・適切に実施するよう徹底すること。また、労働契約申込みみなし規定が適用される「偽装する意図を持っているケース」を、具体的に明確化すること。併せて、事業主及び労働者に対し、偽装請負に該当するかどうかの助言を丁寧に行うとともに、労働者派遣と請負の区分基準を更に明確化すること。
 四、労働契約申込みみなし制度の創設に当たり、派遣労働者の就業機会が縮小することのないよう、周知と意見聴取を徹底するよう努めること。
 五、派遣労働者に対する労働・社会保険適用を一層促進するため、現行の派遣元指針及び派遣先指針に記載されている労働・社会保険適用の促進策の法定化を含む抜本強化について検討すること。
 六、優良な派遣元事業主が育成されるよう、法令遵守の一層の徹底、派遣労働者の労働条件の改善等、労働者派遣事業適正運営協力員制度の活用も含めた適切な指導、助言等を行うこと。
 七、派遣労働者の職業能力の開発を図るため、派遣元事業主は派遣労働者に対し教育訓練の機会を確保し、労働者派遣業界が派遣労働者の雇用の安定等に必要な職業能力開発に取り組む恒久的な仕組みを検討すること。
 八、本法施行に当たっては、あらかじめ、派遣労働者、派遣元・派遣先事業主等に対し、日雇派遣の原則禁止、派遣労働者の無期雇用への転換推進、均衡待遇の確保、「マージン率」の情報公開など今回の改正内容について、十分な広報・情報提供を行い、周知徹底するよう万全を期すこと。
  右決議する。
 以上でございます。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願いを申し上げます。
#348
○委員長(小林正夫君) ただいま石井準一君から提出されました附帯決議案を議題として、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#349
○委員長(小林正夫君) 多数と認めます。よって、石井準一君提出の附帯決議案は多数をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、小宮山厚生労働大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。小宮山厚生労働大臣。
#350
○国務大臣(小宮山洋子君) ただいま御決議いただいた附帯決議につきましては、その趣旨を十分尊重して努力いたします。
#351
○委員長(小林正夫君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#352
○委員長(小林正夫君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#353
○委員長(小林正夫君) 次に、児童手当法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 政府から趣旨説明を聴取いたします。小宮山厚生労働大臣。
#354
○国務大臣(小宮山洋子君) 児童手当法の一部を改正する法律案について、その趣旨を説明いたします。
 子育てに係る経済的支援については、昭和四十七年の児童手当制度の発足以来、これまで順次拡充が行われてきましたが、平成二十三年度における子ども手当の支給等に関する特別措置法に基づく子ども手当の支給は、平成二十三年度分限りになっています。
 このため、父母その他の保護者が子育てについての第一義的責任を有するという基本認識の下に、家庭等の生活の安定に寄与するとともに、次代の社会を担う子どもの健やかな育ちに資することを目的として、子どもを養育する人に対し、子どものための手当を支給することにし、この法律案を提出しました。
 以下、この法律案の主な内容について説明いたします。
 第一に、児童手当法の題名を「子どものための手当の支給に関する法律」に改めることにしています。
 第二に、子どものための手当については、中学校修了前の子どもを監護し、かつ、これと生計を同じくするその父若しくは母、未成年後見人又はこれら父母等が指定する人等に支給することにしています。
 なお、父母等が別居し、生計を同じくしない場合には、子どもと同居している者に支給することにしています。
 さらに、子どもが児童養護施設等に入所している場合には、その設置者等に支給することにしています。
 また、子どもについては、国内居住要件を設けることにしています。
 子どものための手当の額は、一月につき、三歳未満の子どもについては一万五千円、三歳以上小学校修了前の第一子又は第二子の子どもについては一万円、三歳以上小学校修了前の第三子以降の子どもについては一万五千円、小学校修了後中学校修了前の子どもについては一万円にすることにしています。
 また、平成二十四年六月分以降については、前年の所得が一定の額以上である場合には、一律五千円にすることにしています。
 第三に、子どものための手当の支給に要する費用については、被用者に係る費用のうち三歳未満の子どもに係る部分については、その十五分の七を事業主からの拠出金で充て、その四十五分の十六を国庫が負担し、その四十五分の四を都道府県と市町村がそれぞれ負担することにし、その他の費用については、その三分の二を国庫が負担し、その六分の一を都道府県と市町村がそれぞれ負担することにしています。
 また、平成二十四年六月分以降の子どものための手当の支給に要する費用のうち、受給資格者の前年の所得が一定の額以上である場合の費用については、その三分の二を国庫が負担し、その六分の一を都道府県と市町村がそれぞれ負担することにしています。
 なお、公務員に係る費用については、全額所属庁が負担することにしています。
 第四に、受給資格者の申出により、子どものための手当を、受給資格者が支払うべき学校給食費等の支払に充てることができることにしています。
 また、受給資格者が保育料を支払うべき人である場合には、市町村長が子どものための手当の支払をする際に保育料を徴収することができることにしています。
 このほか、受給資格者は、子どものための手当を市町村に寄附することができることにしています。
 最後に、この法律の施行期日は、一部を除き平成二十四年四月一日とし、所要の経過措置等を講じることにしています。
 政府としては、以上を内容とする法律案を提出いたしましたが、衆議院で修正が行われています。
 以上がこの法律案の趣旨です。
 御審議の上、速やかに可決していただくことをお願いいたします。
#355
○委員長(小林正夫君) この際、本案の衆議院における修正部分について、衆議院厚生労働委員長池田元久君から説明を聴取いたします。池田元久君。
#356
○衆議院議員(池田元久君) よろしくお願いします。
 ただいま議題となりました児童手当法の一部を改正する法律案の衆議院における修正部分につきまして御説明申し上げます。
 修正の要旨は、第一に、手当の名称を「児童手当」と、法律の題名を「児童手当法」とすること。
 第二に、この法律の目的として、次代の社会を担う児童の健やかな成長に資することを規定すること。
 第三に、平成二十四年六月分以降の児童手当については、前年の所得が一定の額以上である場合には、支給しないこと。ただし、当該所得制限により児童手当が支給されない者に対し、当分の間の特例給付として、中学校修了前の児童一人当たり、一月につき、五千円を支給すること。
 第四に、検討条項として、「政府は、速やかに、子育て支援に係る財政上又は税制上の措置等について、この法律による改正後の児童手当法に規定する児童手当の支給並びに所得税並びに道府県民税及び市町村民税に係る扶養控除の廃止による影響を踏まえつつ、その在り方を含め検討を行い、その結果に基づき、必要な措置を講ずるものとする。」との一項及び第二項として「この法律による改正後の児童手当法附則第二条第一項の給付の在り方について、前項の結果に基づき、必要な措置を講ずるものとする。」との一項を加えること。
 第五に、依然として、平成二十三年度における子ども手当の支給等に関する特別措置法に基づく子ども手当の未申請者がいることを踏まえ、平成二十四年三月三十一日までとされている遡及支給の特例措置等を、平成二十四年九月三十日まで延長すること。
 以上です。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
#357
○委員長(小林正夫君) 以上で趣旨説明及び衆議院における修正部分の説明の聴取は終わりました。
 本案に対する質疑は後日に譲ることとし、本日はこれにて散会いたします。
   午後五時四十四分散会
ソース: 国立国会図書館
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